約 754,062 件
https://w.atwiki.jp/satosasara/pages/56.html
ホーム 著作者データベース検索サービス チェビオP検索 50音順 マ行 §マ行/50音順/チェビオP検索 ■呼称の頭文字のフリガナが「マ」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字マ行マ」をタグに含むページは1つもありません。 ■呼称の頭文字のフリガナが「ミ」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字マ行ミ」をタグに含むページは1つもありません。 ■呼称の頭文字のフリガナが「ム」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字マ行ム」をタグに含むページは1つもありません。 ■呼称の頭文字のフリガナが「メ」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字マ行メ」をタグに含むページは1つもありません。 ■呼称の頭文字のフリガナが「モ」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字マ行モ」をタグに含むページは1つもありません。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2217.html
“我々は何も失っていない” アルビオン王国の竜騎士の一人がそう言った。 もはや帰るべき故郷もなく、王家の血筋が途絶えた今、 希望は閉ざされ未来に広がるのは果てるとも知れぬ闇ばかり。 タルブの森に集った彼等の顔には絶望の色が浮かんでいた。 ならば最期に一矢報いてやろうとニューカッスルを生き延びた者達は立ち上がった。 だが、騎士から出た言葉は否定だった。 故郷は遠く、二つの月の傍らに見上げるだけの存在。 しかし手が届かぬ訳ではない。 いつの日かアルビオンの大地を踏み締められる。 ウェールズは倒れ、アルビオンが誇る竜騎士達も戦場に散った。 だが、彼等の魂は滅びず今もこの胸にある。 アルビオン王国は今もここにある。 生き延びた者達の中に有り続けている。 “我々は何も失っていない” まるで噛み締めるように騎士は言った。 その言葉の意味を理解し、彼等は頭に上っていた血を静めた。 ここで犬死するのは彼等の犠牲を無駄にする事だ。 そして、彼等はアストン伯の元に身を寄せる事を決めた。 トリステインに伸びる魔の手を予測し、迎え撃つ準備をした。 アルビオン各地に散る王党派の人間をここタルブへと集結させた。 その命懸けの任務を『マリー・ガラント号の』船長は快く了承した。 まるで、それが自分の償いだと言わんばかりに。 “『マリー・ガラント』号と王国旗の元に集え” それが落ち延びた彼等、アルビオン王国の生き残りの合言葉だった。 息を吹き返した大砲がアルビオン軍の足を止める。 『マリー・ガラント』から運び出された火の秘薬が砲口に次々と詰められていく。 アニエスもその光景に目を疑った。 手に手に武器を取り強大なアルビオン軍に挑む民間人達。 彼女の制止する声も届かない。 無謀と知りつつも彼女に止める術はない。 その目は、現実に嘆き命を捨てる者のそれではない。 目の前の敵に立ち向かっていく強い眼差し。 メイジでも軍人でもなく、脆弱な力で彼等は戦う。 ……きっと私はこれが見たかったのだと思う。 貴族に抗する事さえ忘れた彼等が立ち上がる姿を。 きっとダングルテールの人々もそうだったのだろう。 あの事件が起きる事を知っていれば村の仲間を守る為に戦った筈だ。 「全軍、私に続け! 彼等を守るんだ!」 ならばこの一時、私の力は彼等の為に。 弱き者達の、強き想いを守る為の牙となろう。 書状に目を落としていたアンリエッタの手が震える。 その書状に施された印は間違いなくアルビオン王国の物。 傅いていた竜騎士は彼女の書状を渡すと、すぐさま戦場へと舞い戻った。 書かれていた言葉はトリステインへの感謝で満ちていた。 ニューカッスルから逃れる者達を命懸けで守ってくれた事。 凶刃に倒れたウェールズ王を丁重に葬ってくれた事。 そして行く先さえない自分達を受け入れてくれた事。 文字では書き記せないほどの恩を受けた。 だから今度は我々がトリステインを守ろう。 それが亡きウェールズ王の願いであり、アルビオン王国の民の願い。 我等が潰えたとしても、その想いは貴方達と共に。 「……あ」 アンリエッタの口から知らずに声が漏れた。 違う。私はそんな事思いもしなかった。 貴方達を守ったのはルイズ達で私じゃない。 そんな命令なんて一言も告げていない。 亡命を受け入れたのだって、 神聖アルビオン共和国を名乗る連中に従いたくなかったに過ぎない。 それどころか私は……貴方達を怨んでいた。 ウェールズ様を守れなかった無能者の貴族達に、 強い者にへつらう事しか知らない民衆だと蔑んだ。 だけど彼等は私達を守ると言った。 ……やっと気付いた。これがルイズと私の違い。 危険に身を晒しながらもルイズが守った者が今度は彼女を守る。 彼女の力は積み上げてきた人の絆。 そして、絆の深さはウェールズ様も同様。 彼が死しても尚、その志や想いは消えていない。 それは生き延びたアルビオンの民へと受け継がれた遺産。 ……なのに、私はなんと愚かだったのでしょう。 ウェールズ様から託されたのに私はそれを踏み躙ろうとした。 守らなければならない大切な物を自分の手で壊そうとしていたんだ。 零れ落ちたアンリエッタの涙が文字を滲ませる。 霧のように彼女の心を覆っていた憎悪が晴れていく。 きっと彼女は気付いていた、これは憎しみなんかじゃないと。 寂しくて、悲しくて、ぶつける先を求めて彷徨っていた弱い心なのだと。 書状を握り潰して俯く彼女にマザリーニは歩み寄る。 アンリエッタの杖を持ち、その手前で頭を下げて彼女に杖を差し出す。 「姫様、御命令を。今、何を為すべきかは分かっている筈です」 「……ですが私は」 復讐に身を委ねていた彼女はそこにはなく、 今のアンリエッタは歳相応の少女でしかない。 自分の行動に迷いを持ったまま決断など出来るはずも無い。 背負った物の大きさに、彼女は恐怖さえ感じていた。 「姫様。この世に一度も間違いを起こさぬ者などおりません。それは王族であろうとも同じ事。過ちを繰り返さなければそれでよいのです。 真に恐れるべきは決断すべき時に出来ない事です」 その声は優しく諭すようでもあり、厳しく叱るようにも聞こえた。 マザリーニの胸中にあった感情は喜びだった。 今、彼女は本当の意味で王族としての自覚に目覚めたのだ。 失敗など幾らでもすれば良い。 尻拭いや汚名など全て我々が被ればいい。 それが新たな指導者の糧となるならば安い物だ。 ……長かった。これでようやく亡き先王への誓いが果たせるのだ。 マザリーニの想いが届いたのか、アンリエッタは杖を受け取った。 そして、涙を振り払い杖を掲げて高らかに告げた。 「皆の者! 勇気ある彼等を死なせてはなりません! 全軍に突撃命令を! アルビオンの大地をあるべき者達の下に!」 姫の一言にマザリーニは大きく頷いて兵達に指示を飛ばした。 それを受けて大地を踏み鳴らしながらトリステイン本陣が敵へと向かっていく。 その光景に驚愕したのは敵ばかりではない。 敵の攻撃が散漫な右翼にあって傍観していた貴族達が唖然とした表情を浮かべる。 もはや姫殿下の護衛がどうのだのと言い逃れは出来ない。 アンリエッタ自身が前線へと飛び込んだ以上、この場にいるのは保身と見なされる。 止むを得ず、次々と右翼部隊も雄叫びを上げて敵陣へと突き進んだ。 「王国の亡霊がッ! 成仏できずに化けて出たか!?」 共和国の竜騎士の一人が吼える。 目前に迫ってくるのは滅びた国の旗の下に集う竜騎士達。 引きつけて放った火竜の息吹が虚しく空を切る。 直前で身を翻した王国の竜騎士は既に背後に回っていた。 振り返る間さえも与えずに翼に打ち込まれるエア・カッター。 制動を失って地に落ちていく竜騎士に彼は叫んだ。 「我々は生きている! 今も、そして……これからもだ!」 見上げれば山の如き巨艦に従えられた大艦隊。 それに加え、艦隊を護衛する無数の竜騎士達。 これを前にして生き延びるなどと、 我ながら大した大風呂敷を広げたと笑いながら、 彼は次なる敵を求めて空を翔る。 否。たとえ自分達が朽ちてもアルビオン王国は不滅だ。 想いを継ぐ者がいれば、決して消えたりはしない。 「交易船1隻にいつまで手間取っておる!? さっさと砲撃せぬか!」 『マリー・ガラント』号を沈めんと迫る竜騎士達が次々と落とされていく。 そんなニューカッスルの悪夢の再来を目の当たりにしてジョンストンは怒鳴った。 無理もない。地上軍はトリステイン本陣を含む三方から包囲され、 容易く決着が付くと思われた戦闘は今もアルビオンの不利で続いているのだ。 圧倒的な戦力差がありながら、この体たらく。 あるいは艦隊総司令官の地位さえ追われるかもしれない。 その恐怖からがなりたてる彼の横で冷静にボーウッドは告げる。 「ですが、あの船は地上軍の真上に着けています。 砲撃をすれば我が軍にも少なからず被害が出るでしょうな」 「構うものか! 皇帝陛下が見ておられるのだぞ!? そんなに私を無能者に仕立てたいのか! 地上軍など無くても我がアルビオン艦隊がある限り負けはせん!」 冷静を保つ彼が気に食わないのか、 ジョンストンは銃口を模した指先をボーウッドの胸に突き立てた。 それは逆らえば死を意味する脅迫行為。 しかしボーウッドの表情は揺るがず真っ直ぐに彼を見据える。 彼の気迫に圧し負けジョンストンは言葉に詰まった。 だが船員達の目がある以上、ここで退けば自分が下だと証明したに等しい。 二人の膠着状態が続く中、艦橋に誰かの靴音が響く。 彼等の視線が向かった先で、地上軍を指揮する老士官が敬礼していた。 「艦長殿と艦隊総司令殿がケンカされて喜ぶのは敵ばかりですな」 「何の用だ!? お前の任務は地上軍の指揮だろう! さっさと地上に降りて、平民も倒せぬ無能な部下どもの尻でも叩いてこい!」 「ええ。その前に御挨拶をと」 冗談めかした苦言を呈す彼にジョンストンが怒りを露にする。 もはや聞き流す余裕さえ残されていないのだろう。 まるで軍の現状をそのままにしたようなジョンストンの態度に、 苛立つ事もなく彼は苦笑いを浮かべた。 総司令を前に変わらぬ男の態度にボーウッドも苦味の混じった笑みを見せる。 二人の諍いが収まったと安堵した船員達の耳に、老士官の驚くべき言葉が響く。 「この戦、負け戦ですな」 刹那。艦橋を満たす空気が凍った。 軍規を重んじるアルビオン軍にあって敗北を口にするなど、 その場で処刑されても仕方ない重罪。 それを知らない訳がないだろうに老士官は平然と言い放った。 血管が引き千切れていく音と共にジョンストンは自分の杖に手を掛けた。 元よりやり場のない怒りに打ち震えていた彼にとって、 それは業火に投げ込まれた火の秘薬に等しい。 殺意を帯びた杖先は老士官へと向けられ、魔法が放たれる時を待っている。 「貴様ァ! 自分の無能を棚に上げ、言うべき事はそれだけかッ!? そうか、分かったぞ! 貴様等二人して私に失態を演じさせるつもりだな! 艦隊総司令の地位がそうまでして欲しいか、ボーウッド!!」 見当違いな憶測を吐き出しながら濁った瞳がボーウッドを向けられる。 視界から離れた一瞬、老士官はジョンストンの下へと踏み込んだ。 咄嗟に彼の動きに気付くも、ボーウッドの手が杖を押さえ込む。 次の瞬間、枯れ木のような腕がジョンストンの鳩尾に深々と食い込んだ。 かはっ、という苦悶を吐いてジョンストンの体が糸が切れるように崩れ落ちる。 それを支えながらボーウッドは近くで呆然としていた船員に命じた。 「どうやら艦隊総司令は頭に血を上らせすぎたらしい。 誰か医務室に運んでやってくれ。以降の艦隊指揮は私が取る」 淡々と告げるボーウッドの言葉に船員も従う。 正気を失いかけている艦隊総司令よりも艦長に従う方が得策だと、 彼等なりに現状を把握して行動に移した。 騒ぎの元凶が倒れたとはいえ、未だにざわつく艦橋の中でボーウッドは訊ねる。 「それで、どういうつもりだ?」 痛そうに手首を振るう老士官にボーウッドはちらりと視線を向ける。 いつもの悪ふざけにしても度が過ぎている。 下手をすれば殺されていてもおかしくはなかった。 だが悪びれる様子もなく彼は答えた。 「他意はない。今、戦っているのは同じアルビオンの民だ。 それに手を掛ければ少なからず兵達にも動揺が走るだろう。 そんな状況で士気に勝るトリステイン軍を相手にするとなれば死を覚悟して当然だろう」 「だが連中の頭上を抑え、予備部隊とて十分にある。 我々が負けると決まったわけではない」 ボーウッドの反論に彼は静かに首を振った。 恐らくボーウッド自身も気付いている。 それを口に出さないのは彼の優しさからだ。 「確かに、この戦いは勝てる。 だが、その後どうなるか予想は付くだろう。 姫自身が身を張って領民を守ったトリステインと、 艦隊を不意打ちで殲滅し、自国の民さえも殺すアルビオン。 両国の民がどちらを選ぶかは自明の理だろう」 誇りを持った人間は恐怖では操れない。 この一戦を勝ち得たとしてもトリステイン全土を支配するのは不可能だ。 いつ他国の介入を招くか分からぬ状況で 内情の不安を抱えたまま戦争を継続する事は出来ない。 内と外に敵を作れば如何なる強国とて滅びる他ない。 かといってここで兵を退けばアルビオンの民が納得すまい。 他国へ侵攻する意図の下、多大な税を強いて軍事強国となったのだ。 敗戦が伝えられればアルビオン軍の信頼は完全に失墜する。 失う物に比べて得る物が少なければ勝利とはいえない。 ましてや、それが致命的な損失になるのならば尚の事。 この戦の勝ち負けなど些細な物に過ぎない。 トリステインはもっと大きな……大局での勝利を掴んだのだ。 「進めど破滅、戻れど破滅。 成る程。確かに君の言うとおり、これは負け戦だ。 それでも、君は行くというのか?」 「下士官だった頃、窮地に追い込まれるといつも思ってたよ。 『どうして上官はこういう時に助けてくれないのか』とね。 やはり私は上に立つべき人間ではなかったな」 彼との約束はこの戦までの話だった。 勝とうが負けようが、彼はこれを最後に引退し老後を送る。 一人で生活するには十分すぎる退職金を手に、 仮に神聖アルビオン共和国が滅びようとも他国で暮らしていけた。 それを捨てて彼は危険な前線へと向かう。 自ら汚名を被り、この戦の責任を取る為に。 「さらばだ友よ。いずれ私もそちらへ逝く」 「ではなボーウッド。僅かとはいえ共に轡を並べられて楽しかったぞ」 もはや言葉では止められない。 だからこそボーウッドは彼を敬礼で送り出す。 それが彼を戦場へと向かわせた自分の責任であり、 アルビオン軍人としての務めであると自分に言い聞かせながら。 ボーウッドの敬礼に老士官も敬礼で応える。 互いに敬礼を交わす二人の軍人。 死に向かう老士官は笑みを、見送る艦長は悲哀を浮かべる。 「次に会うのはまだ先でいい。 それまでは部下の愚痴でも聞きながら一杯やっているさ」 カツンと音を立てながら返される踵。 艦橋から去り行く背中を見届けた後、ボーウッドは船員に告げた。 「艦の高度を下げて艦砲射撃の態勢に入れ」 「……しかしワルド子爵が」 「責任は私が取ろう。戦友の門出を祝う礼砲だ……派手にやってくれ」 それに、と小さく船員の耳元でボーウッドは呟いた。 まるで子供が秘密の話でも楽しむかのように、聞き取るのが精一杯の声で。 「私は彼が好きではない。彼の命令に従うのもな」 その口から漏れた、あまりにも艦長らしからぬ発言に、 船員の顔は唖然としたものから笑いへと変わる。 そして、それに同意するかのように船員はボーウッドの命を全艦に伝えた。 「砲撃、来ます!」 長玉で艦隊の動向を窺っていた観測班が大声で叫ぶ。 しかし、この乱戦では伝令の声も届かない。 破裂音と共に舞い上がる砂煙。 降り注ぐ鉛の雨が大地を太鼓の如く響かせる。 立ち昇る土煙に入り混じってトリステイン兵士が吹き飛ばされていく。 だが物怖じする事なく彼等は突き進む。 その眼前に映るのは魔法衛士隊を率いて先陣を切るアンリエッタの背。 それを追い越さんと彼等は必死に駆ける。 「姫殿下!」 「ダメです! 退いてはなりません! ここで退けば本陣は狙い撃ちにされます! このまま前進を! 敵陣へと踏み込むのです!」 マザリーニの諌める声を制し、アンリエッタは叫んだ。 敵味方が入り混じれば砲撃の手は必ず緩まる。 そう確信して脇目も振らずに彼女は突撃を敢行する。 周囲で聞こえる味方の悲鳴も砲声にも耳を塞ぎ、 ただ目に見えぬ道を切り開くかのように前へと突き進む。 それは本隊だけではなく左翼の義勇兵部隊も同様だった。 だが数で勝ろうとも兵の練度に劣り、 更には互いの連携が取れない彼等には限界があった。 敵を押し切れずに続く膠着状態が砲撃の犠牲者を増やしていく。 「どうした!? 砲撃を続けろ!」 「それが砲身が焼き付いて、このままでは誘爆の恐れが…」 「すぐに冷却しろ! 手空きの者は私に続け!」 アニエスの怒声に砲手が答える。 火の秘薬や砲弾があっても常に大砲が撃てるとは限らない。 歯痒さを感じながら彼女は銃を手に前線の支援に向かう。 ギーシュやニコラの奮闘があろうとも戦局を変えるには至らない。 実戦慣れしていないモット伯も自分の部下を率いるのが手一杯。 その彼等の足元に黒い影が落ちた。 頭上を見上げれば、そこには神聖アルビオン共和国の竜騎士部隊。 喉下を燻るのは灼熱の吐息。鋭い眼光が獲物を捉える。 「敵の砲台群を叩け! 運ばれてきた火薬ごと吹き飛ばしてやれ!」 「させるな! 迎撃しろ!」 舞い降りてきた脅威に兵士達は一斉に発砲する。 だが、それは火竜の羽ばたきと風系統の魔法に散らされた。 辛うじて届いた弾丸も装甲じみた鱗に傷一つ与えられない。 竜の顎が大きく開く。その口内で舌先の如くチラチラと揺れる火。 近くの竜騎士やグリフォン隊士が駆けつけるも既に遅い。 今まさに吐き出されんとする炎を遮る手段など彼等にはない。 刹那。大地から天へと逆しまに雷光が昇った。 頭上で起きた爆発が空を朱に染めていく。 誘爆に次ぐ誘爆。空を埋め尽くしていた火竜が炎に消えていく。 敵味方双方から困惑の声が上がる。 巻き起こった爆発を上空から見下ろしながらワルドは呟いた。 「……来たか」 憎悪の篭った声には僅かな喜色が入り混じっていた。 あるいは彼は待ち望んでいたのかもしれない。 決着を付けぬままこの世界から去る事は許されない。 あの日、自分の前に立ち塞がった大きな障害。 ワルドはそれを試練だと確信した。 これを乗り越えた先にこそ自分が求める物があるのだと、 そう信じて彼は全てを捨てた。 残された物はただ一つ。 『この手で“バオー”を殺す』 その情動だけが今の彼を突き動かしていた。
https://w.atwiki.jp/herrington/pages/49.html
「いかりやビオランテ」ことMark Wolffへのインタビュー 元記事の掲載ページ(英語・18禁) Published September 14, 2006 マーク・ウォルフのことを聞いたことがないだって?君、一体どこから来たの?彼はたぶんここらで一番有名な男性モデルだよ!?甘いマスクに鋼の肉体の持ち主で、立派なイチモツを惜しげもなく披露する素敵なヤツさ。彼はウェブサイトの繋がりを利用して、自分のとこのモデルだけじゃなくって他サイトからもボディビルダーを発掘して、撮影させてもらったりするらしい。俺達はすごくラッキーなんだ。なんでかって?そりゃゲイ・デーモン(サイト名)のためだけにインタビューに応じてくれるからさ! 私:あなたはたぶんアダルト業界で一番有名な男性モデルだと思いますし、結構長い間その座に君臨していらっしゃいますよね。どれぐらいトレーニングを続けてらっしゃるんですか? ビオ:15歳からウチの地下室でトレーニングを始めたよ。ジムに17歳から通って、コンテストには22歳の時に初めて出たんだったかな。今は36歳だから…20年ぐらいになるね。 私:筋骨隆々になるまで鍛え上げて、そこからなぜアダルト業界に入ることに? ビオ:アダルト業界に見いだされたのは10年前、カリフォルニアのベニスに住んでた時だよ。ゴールドジムでボディビルのコンテストに向けてトレーニングしてる時に、コルトマガジンのスカウトに声をかけられたんだ。6ヶ月後にジム・フレンチがコルトの仕事で僕を撮影した。そこからはもうとんとん拍子に事が進んだよ。僕の写真がコルトに載るや否や、有名なカメラマン達から凄い数のオファーが来たんだ。で、僕メインの雑誌があっという間に1冊できちゃった。 私:わぁ…40年代のハリウッド映画で、ウィスキーを飲んでる人に声かけて、スターを発掘するような話だ。ボディビルのコンテストで競うことに未練はありますか?またコンテストに出場する予定なんかはあるんでしょうか。 ビオ:10年間で15のコンテストに出たけど、プロになりたいって願望を抱いたことはなかったなぁ。ただ鍛えるのが好きでね。重量挙げはジュニア国際レベルまでいったよ。コンテストの規定重量は510.22ポンドで、そこまでは持ち上げられるようになりたいと思ってたんだ。それで、僕はそこからさらにプラスαを追及したいと感じてる。みんな「美的な意味での外見」に対して少しルーズすぎる。均整の取れたボディビルこそが全てなんだ。今は友達やモデルのコンテストに向けての準備・調整を手伝ったりしてる。 私:初めてのビデオ撮影はどんな感じでしたか? ビオ:ビデオ撮影はモデルをやるより難しくてね…。モデルをやる時に気にすべきことは、「いかにしてよく映るか」だけだ。でもプロデューサーの立場になると、気にすべきことがどんどん出てくる。いいモデル選び、場所探し、照明の加減、技術的なこと、それにモデルに「どういう趣旨の作品作りをするか」を確実に伝えること。でも3つ4つ作品を撮ったら多少は楽にやれるようになるよ。 私:サイト作りにはどれぐらい関わっているんですか? ビオ:いくつかの技術的なことを除いて全部だね。自分でモデルを撮ったり、満足いく撮影をしてくれるカメラマンと交渉したり、印刷業務をやったり、宣伝したり、オンラインで商業活動したり。サイトデザインまで自分でやったりしてね。何事も自分でやりたい完璧主義者なんだろうね。でもこの業界でやってくにはそうじゃないとダメなんだって気がしてる。自分の名前だけでもって責任を持ち、お客さんに払って頂いたお金に対して十分満足してもらえる価値のあるものを提供する。それは良いことだと思ってるよ。僕は必死になって細部までこだわり抜く傾向があるな。例えば僕の新しいサイトjockbutt.comに関してだけど、本当に最先端を行くサイトにしたくってさ。僕らの撮影するモデルの素晴らしいクオリティを余すことなく反映したいってね。グラフィックデザイナーと2ヵ月間サイトデザインに勤しみ、フォントの工夫に1週間費やしたよ。素晴らしいものにするためにね。これがいいことか悪いことかはわからないけど、サイトを「僕が素晴らしいと感じるサイトのあるべき姿」にしたいだけなんだ。お客さんは、こちらの努力に応えてくれるからやりがいがあるよ。多くの人が細部のこだわりに気付いてくれる。 私:そりゃ大変な仕事だ…。他所から見つけてきたモデル撮影にも直接関わっているんですか? ビオ:markwollf.comとmarkwolffvideo.comでのうちのモデル撮影の約半分。あとはこれまでに作ったカメラマン同士のネットワークから人を選ぶよ。僕が納得いく撮影をしてくれる人達さ。jockbutt.comでは、凄い量の写真が見られるんだけど、それはサンフランシスコを中心に活動してる僕のビジネスパートナーの一人、クランチが撮ったものさ。素晴らしいカメラマンだよ。月に1週間はうちの撮影に付き合ってくれる。 私:あなたはたくさんの雑誌の表紙を飾ってきました。お気に入りのものはありますか? ビオ:初めて表紙を飾ったMen s Workoutかな。どこにでも売ってる有名なフィットネス雑誌で、なおかつ部数の少ないアダルト雑誌と並べて置いてあるからってだけの理由なんだけどね(笑)。 私:Men at Playを含むいくつかのサイトのメンバーエリア(有料会員ページのこと)であなたを見ました。今は他サイトや他雑誌向けの仕事をしてるのか、それともほとんど自分の所有サイトでの仕事をしてるのかどちらなんでしょう? ビオ:僕を写したビデオは全部うちの会社経由だよ。雑誌のレイアウト以外は印刷権限は全部うちにある。サイトを始めたのは7年前だけど、それよりずっと前に自分の肖像権の重要性には気づいていたからね。僕が学んだちょっとした仕事の秘訣があるんだ。それはカメラマンとの契約・交渉は常に自分で直接やること。使っても使わなくてもいい「オマケ」をいくつか撮ってもらって、自分のアーカイブに入れる。これがまた貴重でね(笑)。今はさらに質の高い撮影セットを揃えて、ワールドクラスのカメラマンに撮影してもらわないと!なんて話してるとこさ。 私:ずばり、次に店頭に並ぶマーク・ウォルフ作品はなんでしょう? ビオ:単純に、これまでしてきたことを続けるだけさ。自分のウェブサイト全部をさらにでかくして、しばらくしたらサイトもメンバーエリアもデザインし直す。この秋にその作業をしようと思ってるとこさ。新しいウェブマスター・アフィリエイトプログラムなんかも企画してる。新しいコンテンツやバナーが満載、成果報酬広告のrevshareが50%。さらにいくつか新しいサイトを立ち上げて、来年の早い時期に始動させるつもりさ。常にせわしなく、やりたいことをやり続ける。インターネットやビデオのビジネスは普通とはちょっと違った力学で動いてる。それは何かって?それは1日として同じ日は無いってこと。そこが好きなんだよ。だからこそ毎日、明日を楽しみにして生きていくことができるんだ。 マーク・ウォルフのという人物の内面を少し覗き見て、みなさんがお楽しみ頂けたのなら幸いです。彼は確かに熱い男でした。彼はその驚異的な肉体や甘いマスク以上に素晴らしいものを内に秘めた男でした。そのことを知ることの、何と素晴らしいことでしょう…。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2543.html
――アルビオン軍、その数7万。 対するは一騎。虚無の守護者。虚無の盾。ガンダールヴ。 勝ち目なぞ、最初から無かった。 自明の理だ。ゆえに、後悔は無い。 突貫し、暴れまわり、少しでも長く敵をひきつける。 捨て駒だ。 自覚していた。 自覚した上で、それを――。 それを、彼女に任せるわけには、いかなかったのだ。 傷ついた身体をひきずって、少年は立ち上がる。 怪我をしていない場所を探すほうが大変なありさま。 あちこちに矢が突き刺さり、剣で切り裂かれた傷もある。 そして何より、魔法の直撃を受けた腹部。 ロクな医療知識なぞない、彼でもわかった。 そこから流れ出た血は、もはや致命的な量に達している。 ――だけど。 「おでれーた!凄い眺めだなぁ、相棒。 この数相手に一騎駆けなんざ、古今東西、どんな英雄もやった事ァ無いぜ! 「……なんで俺、こんな事やる嵌めになっちまったんかなぁ」 「そりゃおめぇ……言っちまったんだろ? 好きだって」 「……まあな。 なあ、デルフ。……俺、死ぬよな、これ」 「多分な。まず間違いなく」 「だよなぁ……」 「ま、どーせなら格好つけようぜ」 「……そーだな。勿体無いもんな」 「そーだ。勿体無いぜ」 ――だけど、愛剣と軽口を叩いて、少年は笑った。 その身を犠牲にしても、守るべき大義のある男の顔だった。 覚悟を完了した男の笑みだった。 魔剣を握る。 遥か昔、恐らくは同様の気持ちから主人を守ったのだろう男の持っていた武具。 それは出会ってから数ヶ月しか経過していないというのに、少年の手にも良く馴染んだ。 ――それで十分。 後ろには守りたい奴がいる。 目前には倒すべき敵がいる。 傍らには一緒に戦う相棒だ。 文句なぞある筈もない。 だから、平賀才人は笑った。 それが恐怖をこらえた為に引き攣った顔でも。 怯えを押さえ込めず手が震えてしまっていても。 それでも。 ――それでも。 世界中の誰だって、彼を笑うことはできないのだ。 「――今夜は、死ぬにゃあ良い日だ」 たった一騎。七万へ挑む、少年。 彼の周囲を包囲した魔法使いたちが、致死的な威力を持つ光を杖に灯し、それを彼目掛けて放とうとする。 ――その、刹那。 「……なんだ、アレは!」 アルビオン軍に、戦慄が走る。 轟音。爆音。風を切る唸り声。 そう、覚えている。 彼らは、その身をもって味わった。 そうだ、あの時の大敗は覚えている。 「龍の、羽衣? いや……だが、この音は――」 <<よう、サイト。――まだ生きてるか?>> ……………数時間前。 「撤退、ですか」 「……はい、陛下。 このまま正面からぶつかっても、我々に勝ち目は――」 「その為に一人の少年を犠牲にして」 「……彼はガンダールヴで、そして平民ですよ」 「その平民に総てを託さねばならない。 ――挙句見捨てたとなれば、末代までの恥。 貴族としての誇りを失うことは、死も同然ッ」 幕僚からの報告を聞いていた王女は、なおも言い募る彼を視線一つで黙らせる。 かつて姫殿下と呼ばれていた頃とは、まるで違う、剣呑な瞳。 そう、彼女は今までずっと、夢を見ていたのだ。 幻想の中にいた。 それが赦されていた。彼女の周囲の世界は優しかったから。 ――だが、それができなくなった。 いつからだろう。 自分が政略結婚をしなければならないと悟った時か。 淡い恋心を抱いていた相手が死んでしまった時か。 それとも。 それとも――親友の想い人が、たった一人で死地に挑むと知った時か。 覚悟というものは人を変える。 それは、たとえ王女といえど。 「――私が、総ての責任を取ります。 ……魔法学園に、連絡をとってください」 ――トリステイン魔法学園。 この学園には、古くから伝わる、ある伝統があった。 魔法使いが一生を共にするパートナー。 俗に使い魔と呼称される存在を、生徒に召還させるのである。 無論、通常は小動物をはじめとする小さな生物であり、 極稀に稀少種族が召還されることがあるが、 それだとて”奇妙”と思われるようなことはありえない。 だが、今年の使い魔召還は、確かに”奇妙”といわざるを得なかった。 ――召還されたのは、人間だったのだ。 ”ゼロの”ルイズと呼ばれる劣等生の少女。 後に虚無の使い手と判明する彼女が、 サイトという平民を召還したのは良い。 だが、他の生徒。 一年生58人全員が人間を召還するなどというのは、 魔法使いという概念が生まれて以来、前代未聞の珍事である。 それも、ただの人間では無かった。 彼らは「騎士」だったのだ。 敵味方に別れていたとは言え、同じ戦場で戦った英傑たち。 平穏の時代が過ぎ去り、戦乱が世界を覆い尽くした今。 この学園を「学園」と呼称する人間は少なくなった。 ある者は尊敬をこめ。 ある者は畏怖をこめ。 ――「円卓」と呼んだ。 ≪管制塔了解、至急応援部隊を送る≫ ≪ガルム隊、以後は空中管制機の指示に従え≫ ≪撤退は許可できない≫ ≪だろうな、報酬上乗せだ≫ ≪お財布握って待ってろよ≫ ≪姫様からの伝言。アルビオンの財布から支払う、とのこと≫ ≪姫さんも随分性格変わりましたね。まぁ良いや、さあ行くか!≫ ≪で……どうしてもついてくる気か、PJ?≫ ≪あいつ、学園に恋人がいるんスよね。帰ったらプロポーズするって言ってたんだ。花束も買ってあったりして≫ ≪仕方ないな。……落ちるなら俺の眼の届かない場所で頼む≫ ≪了解!≫ ――アルビオン戦争には謎が多い ≪ロト1より各機へ≫ ≪アルビオン狩りだ≫ ≪全部落とすぞ≫ ≪ラージャ≫ 誰もが正義となり 誰もが悪となる そして誰が被害者で 誰が加害者か 一体『平和』とは何か ≪俺たちがこの世界に呼ばれたのは、この時の為だったか≫ ≪アルビオン軍を確認。合計7万≫ ≪ソーサラー1から全機へ、最大推力であたれ≫ ≪サイトを無事に連れ戻してやる≫ ≪本物の「魔法使い」とはどんなものか、連中に教えてやれ≫ 有り得ない出会い ≪シュヴァルツェ1より各機。まさか「ハゲタカ」にまでお呼びがかかるとはな≫ ≪隊長が魅惑の妖精亭でバイトしてたルイズちゃんに手ェ出したからでしょ≫ ≪まったく、胸にチップいれようとするから……≫ ≪良いんだよ。可愛い子を泣かせたりは、したくないだろ?≫ 変わる運命 ≪状況を確認≫ ≪こちらグリューン2、相手は七万だ≫ ≪……楽しませてもらおう≫ 変われない世界 ≪ゴルト1より各機、状況を開始する≫ ≪国境は要らない。――境界を無くせば世界は変わる≫ ≪アルビオンの奴らに我々の正義を示すぞ≫ ――その中にあって ≪シュネー1より各機、敵戦力を確認した≫ ≪アルビオンの竜騎士を蹴散らす≫ ≪全機、槍を放て≫ 彼らは飛び続けた。 ≪ゲルプ2。不愉快なアルビオン軍を食い止める≫ ≪私たちは、その為にこの世界に来たのですから≫ ――全ては ≪インディゴ1より各機≫ ≪アルビオン軍を確認≫ ≪敵航空戦力は微少、対地攻撃に集中≫ ≪攻撃を開始する≫ 一人の英雄と ≪戦場が混乱しています≫ ≪私の生徒を救出する、ついてこい≫ ≪了解、ボス≫ 一本の魔剣と ≪こちらウィザード1、アルビオンが網にかかった≫ ≪ウィザード5了解≫ ≪目標補足、その数七万≫ ≪前方より接近中≫ ≪問題ない。オメガ大隊よりは少ない≫ ≪では始めよう≫ 一人の少女の為に ≪受け入れろよルイズ、これが戦争だ≫ ≪ガンダールヴがなんだ!俺がやってやる!≫ ≪生き残るぞ、ガルム1!≫ ――――人は彼らを『円卓の騎士』と呼んだ Servant Of Zero Not Coming Soon!!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/9231.html
456 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/04/23(火) 00 11 57 ID softbank126036058190.bbtec.net [69/162] 日本大陸×プリプリ「The Melancholic Handler」小話「小夜啼鳥伝」3 さて、勇んで参加しようとしたフローレンスだが、彼女の行動はすぐに阻止されることとなった。 理由としては色々あるが、これは日本の使節団の慈善活動であることが大きい。慈善活動でありある種の政治活動なのだ。 その場面においてアルビオン人であるフローレンスが介在してはややこしいことになるのである。 そして、もうひとつ決定的だったのが、フローレンスがその手の知識や技術を持っていなかったことにある。 仮設の病院---いや診療所であるとしても、その中に素人が入り込むことは望ましいことではないのだ。 協力を申し出たアルビオン人の彼女に対し、日本から来たスタッフ---手が空いていた看護師は丁寧に説明をした。 ここにいるスタッフは専門の教育を受けて実践を経たプロフェッショナルが揃っており、素人がいても邪魔になるのだ、と。 フローレンスが受けた衝撃は多重に及んでいた。 欧州では毛嫌いされていると彼女さえ自覚するアルビオン人に対してアルビオン語で丁寧に説明したこと。 その日本人のスタッフが発したアルビオン語がフローレンスも舌を巻くクイーンズ・イングリッシュだったこと。 そして、自国では軽く見られている職業の看護師がプロフェッショナルであり、さらには上記のような教養を有していたこと。 あらかじめ断っておくが、フローレンス自身はとても教養があり、ジェントリとして社交界の華とまで呼ばれた人物だ。 学問や教養を深く身に着けていたし、トップランクではないにしても、上からカウントしたほうがいい教育を受けてきた。 その彼女をして、これは常識外どころの話ではなかったのだ。 まあ、無理もない。彼女はアルビオンのジェントリではあり、国外について知っているとはいえ、結局はアルビオンの規範の内側しか知らない。 他の階級---中流やそのさらに下に位置する下流階級では得られない自由と権利を持っていることは確かである。 しかして、それは結局のところ開放的な自由---フリーダムではなく、規範の内側の自由---リバティでしかない。 その外にあることを、まして極東の大国である大日本帝国のことなど、どうしても断片的にしか把握できていなかったのだ。 そこが自分たちアルビオン人の持っている常識が通用しない世界だということさえも、考えもしなかった。 いや、アルビオンという集団が無意識に恐れ、認識や直視をすることを避けていたのかもしれない。 ルール・アルビオン(アルビオンによる統治)の外にある、ルールの及ばない未知の領域のことを。 完成されているように見えるルールの内側に確かに存在する不都合な面を意識せざるを得ない、アルビオンとは違う世界のことを。 ともかく、結局のところフローレンスはその活動を見学することしかできないままに、その日を費やしたのだった。 その日の予定などを丸ごと投げ打ってでも、ここには見て、知って、理解しておくべきことがあると、そう感じたからこそ。 457 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/04/23(火) 00 13 49 ID softbank126036058190.bbtec.net [70/162] さて、この偶然に見えた出会いを画策した夢幻会は、接触が果たされる前から判断に迷っていたのだった。 それは偏にフローレンス・ナイチンゲールのネームバリュー、そして、世界に与えた影響を鑑みてのものだった。 彼女がクリミア戦争に従軍し、その後に亡くなるまで活動を続けたことで、世界は変わったのだ。 医学・看護・建築・統計・教育・衛生観念---およその所彼女の関わらなかったところはなかったと言えるほど。 彼女自身の働きもそうであるが、同時期に活躍していた何人もの偉人達との交流もまた大きな潮流を生んでいたのだ。 これまで多くの人材を日本へとスカウトしたり、青田買いをしてきたのだが、彼女を引き抜くことは憚られた。 彼女がいなくなればアルビオン---いや、欧州での常識が何時まで経っても更新されないままになる。 その結果どれほどの人命が失われ、社会的な損失になるであろうか---さすがの夢幻会も良心が痛んだ。 無論、アルビオンはどうやっても仮想敵国、ケイバーライトを有する覇権国家同士として相対することになる。 それに備えて積極的にやるべきことをやってきたのであるが、彼女の場合は余りにも影響が大きすぎた。 国という枠組みを超え、人類全体という括りにおいて大きな貢献を果たす彼女を、自分たちの矮小な作意で左右するのは憚られたのだ。 如何に夢幻会といえども、そこまで傲慢になれないし、非情になれるわけでもない。 自分達だけが最後に残ればいい、などという身勝手な理想や思想で動いているわけでもない。 ただほんの少し先の未来を知り、ちょっとばかりずるをしているに近く、悲劇などを避けたいという善性による組織なのだから。 そして、夢幻会が決定したのは、彼女が彼女のしたいようにふるまうのを助ける、というスタンスだった。 彼女が活躍すれば、自国の利益にもなるのだ。もっと言えば人類全体の利益にもなる。 なればこそ、彼女が活躍できるような手伝いをし、必要なものを提供し、?がりを作っておくことこそ最も重要だと。 これは何も彼女に限った話ではない。スカウトや青田買いした人材の中には、祖国に戻るという決断をした人々だっていた。 日本の元にいることがどれほど良いかを理解したうえで、それでも茨の道を進むことを選んだ人々が。 「だが、?がりは途切れない。彼ら彼女らを介して、より多くとつながりを得て、最終的な利益を得る必要がある」 「欧州文明を滅ぼしたいわけじゃあないからな……好きではないが」 「本当に人類史に名を刻んだ偉人ってのはすごいもんだよ……」 よって、意図されたように邂逅したフローレンスに対し、夢幻会は多くを開示した。 本来の歴史では彼女が発見し、導き出し、基礎を構築した、多くのことを。 勿論彼女に教えられるのはほんの触りにすぎず、あとは彼女の行動次第である。 バチカンを訪れている使節は、彼女に会うことも隠された目標ではあるが、もっと別にあったのだから。 ただ、欲したのは?がりであり、絆だった。欧州と極東とを結ぶ、細くとも確固とした絆(ストランド)。 偉業を為すであろう偉人に、その恩恵を受けた人々からの返礼というべきか。 夢幻会は、彼女の活動にほんの少しの介添えをする---人の可能性を信じた、そういうことだったのだ。 だが、結果だけ言うならば彼女のことを夢幻会は見誤っていた。 小陸軍省とよばれ、自分の目的のためならば文字通りなんだってやり、自らを使い倒すことも厭わない鉄人あるいは超人的な彼女の行動力を。 もっと言うならば、躊躇いなく行動に移すことができる意志の強さ、そして、躊躇いのなさを小さく見過ぎていた。 そんなことで戸惑ったり躊躇うような人間ならば、歴史に名を残さないし、偉業を残せない。 日本の言葉で言うならば、正気にては大業成らず。打算や計算などを放り捨ててこそ、つかみ取れるものがある。 フローレンスの行動はそれだけ早く、果断だった。 翌年の1848年にこの際に知り合った日本人医師に日本への留学を希望する旨を伝えて、留学のための協力を要請。 そして、その翌年の西暦1849年に母と姉の反対を押し切って、単身地球の反対側の日本大陸に本当に医学留学しに来たのであった。 のちに彼女のアイデンティティーや考えに大きな影響を与え、ついでに歴史などに関わることになる濃密な留学の始まりであった。 458 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2024/04/23(火) 00 14 39 ID softbank126036058190.bbtec.net [71/162] 以上、wiki転載はご自由に。 彼女は1850年に日記にこのように記しています。 私は30歳、キリストが責務を果たしはじめた年齢。 今はもう子供っぽいこと、無駄なことはしない、愛も結婚もいらない。 神よ、ただ自分の意思に付き従わせてください 実際、多くの男性からアプローチやプロポーズを受け、あるいは信頼関係で結ばれた男性もおりました。 また、何も迷いなく飛び込んだのではなく、彼女なりに葛藤があり、周囲との軋轢に悩み、迷っていたそうです。 ここら辺は自伝的小説『カサンドラ』で語られているところですね。 ですが、それらをなげうって、さらにはその後の人生も何もかもを費やして為すべきことがあると突き進んだのが彼女なのです。 さしもの夢幻会も、知ってはいても理解しきれてはおらず、彼女の迷いのない行動に大きく驚くことになります。 では、次回は日本での留学について触れて、クリミア戦争直前まで行くことになりそうです。
https://w.atwiki.jp/gods/pages/10959.html
エウリュビオス(2) ギリシャ神話の登場人物。 テセウスに討ち取られた。 関連: エウリュステウス (父) アンティマケ (母)
https://w.atwiki.jp/poppomemo/pages/187.html
キャラクターページ ページ名またはURL 性別 男性 誕生日 登録時年齢 種族 魂人 メインジョブ 妖剣士 サブジョブ 黒燐蟲使い 出身世界 UDCアース 居住世界 ダークセイヴァー イメージカラー 青+黄(黒) イラスト イラスト発注/ 設定 自称「『復讐の女神』に仕える神官」。 碧眼だが、金髪は染めているらしく地毛の黒が見えている。 過去の記憶を持たない。少なくとも元々ダークセイヴァー出身ではないらしい。 復讐を望む者の前に現れるが、『復讐の女神』の教義はかなり特殊で、これを守れる者のみに味方する。 復讐を望む者ならばオブリビオンにすら味方するが、教義を守れないならサクッと敵に回る。 ちなみに、復讐に手を貸すタイプのオブリビオンには「余計な事すんな」と殴りかかってくる。 元々はUDCアース出身の弁護士。神隠しでダークセイヴァーに迷い込み、そのままオブリビオンに殺されて魂人となった。なお、この時目の色と髪色が変化している。 交友関係 連携タグ UC 獲得済みは★ アイテム 獲得済みは★ ノベル 宿敵 登場作品
https://w.atwiki.jp/gakusei00/pages/80.html
◆五十音名簿◆ 【な行】 ※五十音順の名簿です。自宅の子を更新した際に親御さん本人が修正加筆お願いします ※五十音名簿はあくまで名前被りや全員のお子さんをすぐに確認できる為のものです ※必要事項は『ふりがな』『名前』『原型』『性別』『学校名』『親名』です ※部活動や絡みなど細かい設定は芽衣さんが作成される『名簿』項目でご確認ください ※検索には『Ctrl+Fキー』の文字検索を利用しますと便利です なかがわ るり / 中川 琉璃 / ワタッコ♀ / UMA / DxF なかむら かつみ / 中村 勝己 / サワムラー♂ / 真白 / きてき なかむら ちい / 中村 智衣 / ムチュール♀ / 真白 / きてき ながれ しょう / 流 ショウ / スターミー♂寄り / 創生 / 城居 なぐら えな / 穴闇 江那 / ★グラエナ♂ / 鳴常磐 / えんハ ななの なな / 七乃 七々 / キノココ♀ / UMA / はじめ終 なのはな ももよ / 菜花 もも依 / キャタピー♀ / 七ツ星 / 芽衣 なみき てつろう / 波鬼 鉄郎 / ルカリオ♂ / 鳴常磐 / 城居 なり こうへい / 奈里 公平 / カビゴン♂ / UMA / えんハ にいやま きき / 新山 季々 / キャモメ♀ / 七ツ星 / 翠子 にしき けんしろう / 錦 拳志郎 / カクレオン♂ / トルビオン / DxF にしきど えむ / 錦戸 咲 / ムクホーク♂ / 創生 / 芽衣 にしざわ ゆかり / 西沢 夕香里 / ネイティオ♀ / UMA / 和豊 にしまき るのあ / 西巻 瑠乃亜 / ニャルマー♀ / 鳴常磐 / 鹿山ユン にっぱし ともえ / 日橋 巴 / ドククラゲ♂ / 真白 / チアキ ぬえの やた / 鵺野 夜起 / クロバット♂ / トルビオン / DxF ねぎ じんた / 根木 迅太 / カモネギ♂ / 創生 / きてき ねね どなるど / 寧々=ドナルド / モココ♀ / UMA / 翠子 ねむろ みこと / 根室 尊 / リリーラ ♀/ 鳴常盤 / やまこ。 のぎ みぃな / 乃木 みぃな / ドラピオン♀ / UMA / きてき のこさき すーじー / 野古崎 スージー / ノコッチ♀ / 真白 / きてき のびたき たむろ / 野鶲 屯 / ウィンディ♂ / 創生 / チアキ のれきあ / ノレキア / パルキア♀寄り / その他 / えんハ のわたり まよい / 乃亘 真宵 / ヨノワール♀ / トルビオン / 鹿山ユン
https://w.atwiki.jp/actors/pages/5701.html
シア・ラビオフをお気に入りに追加 シア・ラビオフのリンク #blogsearch2 シア・ラビオフとは シア・ラビオフの39%は度胸で出来ています。シア・ラビオフの32%は白い何かで出来ています。シア・ラビオフの17%は大阪のおいしい水で出来ています。シア・ラビオフの9%は月の光で出来ています。シア・ラビオフの2%は海水で出来ています。シア・ラビオフの1%は記憶で出来ています。 シア・ラビオフ@ウィキペディア シア・ラビオフ シア・ラビオフの報道 gnewプラグインエラー「シア・ラビオフ」は見つからないか、接続エラーです。 冬のソナタ またでるよ 冬のソナタ 韓国KBSノーカット完全版 DVD BOX(初回限定 豪華フォトブックレット&スペシャル特典ディスク付) 本当に長い間、待たせてごめんなさい。「冬のソナタ」韓国KBSノーカット完全版をいよいよお届けします。 映像は韓国KBSのオリジナルそのままに、音楽に関してもユン・ソクホ監督が想いを込めて監修し、一部楽曲を変更しました。初回限定特典にはぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/ユン・ソクホ監督&田中美里の対談スペシャルDVDの他、DVDオリジナルポストカード、シリアルNo付 豪華フォトブックレット(20P)を封入しております。 今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!)に加えて、映像特典の【スペシャル短編集】には、ペ・ヨンジュンのスノーボードシーンの撮影風景も収録しています。 【ここが違う!8つのポイント】 ◆今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!) ◆ファン待望の「ダンシング・クィーン」「白い恋人たち」をついに収録。 ◆日本語吹替を再収録。萩原聖人さん、田中美里さんが担当、その他主要人物もなつかしいあの声で。 ◆本編は日本語字幕に加えて韓国語字幕も収録 ◆一部変更した楽曲をユン・ソクホ監督が想いを込めて監修!(一部BGMはオリジナル版より変更されています) ◆<初回限定特典1>スペシャルDVD:★ぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/★ユン・ソクホ監督&田中美里の対談 ◆<初回限定特典2>豪華フォトブックレット:シリアルNo付(20p) ◆<初回限定特典3>DVDオリジナルポストカード3枚 シア・ラビオフのキャッシュ 使い方 サイト名 URL シア・ラビオフの掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ シア・ラビオフ このページについて このページはシア・ラビオフのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるシア・ラビオフに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/neverland/pages/24.html
概要 企業詳細代表製品(サンプル)SOC-087-G “ネメシス” SOC-006-F “グリード” 装備定形 企業詳細 企業名 SOCIETY 読み ソシエティ 略称 SOC 企業概要 各種キャバリアの研究・そこから生じた技術による新兵器開発 キャバリアに関するあらゆる事を研究している研究企業。 研究の過程で使用可能と判断されたものや、実験を兼ねての試作品を学園に卸している。 またオブリビオンマシン方面にも力を入れており、専用の装備も研究・制作している。 学園で所有しているオブリビオンマシンの1機『グラバー』の解析・研究を担当しており、グラバー専用の装備の作成にも携わっている。 代表製品(サンプル) SOC-087-G “ネメシス” キャバリアとサイキックの研究課程で生まれたレーザー迫撃砲。 指定した座標の上空にエネルギーを撃ち込むことでその座標周囲一帯を焼き払う。圧倒的破壊力を誇るがチャージに非常に時間がかかる。 発動さえすれば、敵の防衛施設の無力化に大きく貢献できる。 ……が、一般的な防衛プラントのゲート部分を無力化しようとする場合最低30分はチャージが必要と言う非常なピーキーな性能。 更にこの迫撃砲自体に防衛機能は備わって無いため、無防備な"ネメシス”を防衛する必要が出てくる。 SOC-006-F “グリード” オブリビオンマシンの研究課程で生まれたクロー型兵器。 表面にエネルギーを流すことで『捕食モード』に切り替わり、掴んだ相手のユーベルコードをコピーする事が可能。 装備定形 SOC-①-②“③” ①識別ナンバー ②識別コード【()内は通常省略される正式コード。実用兵器 G(grace)試用兵器:P(passion)オブリビオンマシン用兵器:F(forbidden)】 ③兵器名称【宗教的単語、言語は問わない。神話から用いられることもある。】 設定管理:なぞーん