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148 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/06(水) 22 49 21 ID ??? 萌えと言えば、鳥取に入る時に幾つかのタイトルを聞かれ全部知らないと答えたら、 うちの鳥取でTRPGやりたいなら最低これを覚えろと20本近くの恋愛 18禁ゲーを押し付けられた。 リア工房に何を渡すんだw 191 名前:148[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 02 09 ID ??? 困疑惑が出たので少し詳しく書くと、渡されたソフトは覚えてるので、ときメモ・シスプリ・ カノン・水色・ナチュラルシリーズ・乙僕・月姫・ひぐらしかな。やってて頭が悪くなりそうだった。 ちなみに自分は女なんだけど、男のPCをやると露骨にがっかりされるのがウザくて半年位で抜けた。 自分の感想としては困と言うより地雷だな。 192 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 02 43 ID ??? 191 女にそれかよ! 一気に困ランクが上がったぞ 193 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 03 31 ID ??? うはw 裏ドラが乗ったw 213 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 15 51 ID ??? ときメモ・シスプリ・ひぐらしは一般ゲー カノン・月姫はエロのほとんどないストーリー系エロゲなので この辺だけなら何とか理解もできるが… 221 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 21 45 ID ??? 213 むしろ女的にはカノンがキツかった。ヒロインを見ててイライラする。 148の例に出したゲームはそういう頭痛くなる系が多いね。 あれだったらまだエロばっかでも魅力的なヒロインが出てくるほうがマシだわ。 222 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 22 26 ID ??? 191 男のPCをやると露骨にがっかりされるのがウザくて半年位で抜けた。 つまり報告者にエロゲーのヒロインをやって貰いたかったわけか。 228 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 33 25 ID ??? 222 ラインナップからすると妹キャラをして欲しかったのか? 230 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 36 11 ID ??? 228 いや、単に「俺たちのエロゲギャルゲ談義にちゃんと合わせてよハァハァ」程度じゃね? 231 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 39 57 ID ??? 221 男でも合わない人には致命的に合わないレベルなので気にするな 233 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 45 07 ID ??? ところで、そういったゲームって何人も女の子が出てくると思うんだが、 「覚えろ」ってのは、全員分エンディングを見ろってことかね? それって、なかなかハードだと思うんだ。 234 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 01 45 51 ID ??? 追加報告がこれ以上なくとも、MKP下手すると新四天王入り級報告だなあ… これで「ああ、そういえばたびたびセクハラされてましたねw」とか来たら、ダブル役満だぞ 252 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 03 22 ID ??? 234 職場でエログラビア開いていただけで処分されるんだから、 エロゲ渡された時点でセクハラに該当するだろう。 しかし、報告者がギャルゲ・エロゲを律儀にプレイしたというのがどうも理解できない。 240 そういうキャラに絡んだシナリオって作りにくいからじゃないか? 「好き」と「演じられる」は別だし。 258 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 09 22 ID ??? 252 ゲーマーなら、とりあえず手にしたゲームは起動してみるのはデフォじゃないかな。 女がみんなそういうのはプレイできないとは限らんし。 うちの妹なんて、俺よりたくさんエロゲ・ギャルゲをプレイしている。 260 名前:148[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 11 12 ID ??? 228 正解。ハンドアウトがあるゲームだとよく妹にされな。 233 幾つかのゲームは全部クリアしろと言われたな。 234 セクハラは無かったな。 252 当時は他にTRPGやってる鳥取しらなかったからな。 お兄ちゃんとか兄貴とか兄様とか言うとかなり引くくらいテンション上がってたなぁ。 265 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 18 55 ID ??? 260 全クリしろっていわれた代物を二つほど名前挙げてくれる? 267 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 20 33 ID ??? 257 いや、そういうのを受け入れてまで入るサークルかと問いたかったんだ。(報告的にはそうらしいけど) 258 ああ、確かにゲーマーならそういうところはあるかも知れん。 だがこの件では男女関係なく、手渡された時点で ダメージロールを発生させても許されると思うんだが。 あと、うちの妹も同じような感じだ。 「初めてやるのはToHeartと決めている」と言われた時点で俺は限界だとおもった。 260 そういうことだったんか。マジ乙。 279 名前:148[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 34 20 ID ??? 265 二つというか挙げたやつ全部がそうだよ。苦労したから覚えてる。 そろそろ寝るのでこれが最後のレスになるので悪しからず。お休みなさい。 281 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 35 44 ID ??? 279 あれを全部… あり得ねえw 282 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 41 24 ID ??? >お兄ちゃんとか兄貴とか兄様とか言うとかなり引くくらいテンション上がってたなぁ。 このサークルにMKPネームを付けるなら「お兄ちゃんと呼ばれ隊」とかどうよ? 283 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 02 42 32 ID ??? 148はそろそろ三倍満に手が届きそうな気がしてきたw 305 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 03 40 19 ID ??? 148の役を数えてみた。麻雀に詳しい奴採点頼む。 サークルに入る条件に20本のエロゲーを女に強制・内幾つかは全ルートをやるよう指示・ ハンドアウトで無理矢理妹キャラをやらせる・女PCをやらないと露骨にがっかりする。 以上。 349 名前:148[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 12 08 12 ID ??? セクハラはなかったと言ったけどあれ間違いだった。そもそもエロゲを渡してくる時点でセクハラだからw あと永久堕落の先輩を楽しみにしていて思い出したけどゲヘナで女の子の享受者をやったら、 枕事で何度も手込めにされかけたり、遊郭に遊女として潜入させられたけど、これも今考えると セクハラに入るのだろうか?ゲヘナだからありと言えばアリなのだろうが… 他にもなんかあったかも思い出したら書き込むね。 490 名前:148[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 16 30 47 ID ??? 数時間ですごい荒れてるな。自分がセクハラとおもったらセクハラか。 なら一番ひどかったのはエロゲをクリアして返す時に一々感想を聞いてきた事だな。 貸したゲームの感想を聞くのはゲーマーのたしなみと思ってたから我慢したが、 あれは自分の判定ではセクハラ有罪だな。 スレ150 MKP
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クロP(kuro氏) 変態作品を制作。倒れるときは前かがみ! 最新動画 代表作 ココハカイギシツデスヨ? 続き アイドルマスター セクハラさん、ついに・・・ プレグナンツの法則 ガチMADだってすごいんだぜ ニコ動一覧 タグ-クロP【注】名義上、くろPの動画も、一緒に検出されます。 マイリスト-作成リスト 公開投稿動画 公開プロフィール タグ一覧:P名 P名_く デビュー2007.8上旬
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前のページへ / 一覧へ戻る / 次のページへ ロサイスに対する奇襲作戦は成功し、トリステイン・ゲルマニア連合軍は遂にアルビオン大陸に上陸する。 ダータルネスに艦隊が出現したとの急報を受け、3万の兵を率いて首都ロンディニウムから北上したホーキンス将軍は、 青空へゆっくりと消えていく幻影の艦隊を見て愕然とした。 とは言え、ロサイスからアルビオンの中心部に位置する首都までは300リーグあまり。 細長い大陸を縦断する街道はあるが、途中いくつもの都市や要塞があり、 すぐにアルビオン全土を制圧するわけには行かないだろう。 特にロサイスとロンディニウムの中間点、古都サウスゴータには亜人混じりの革命防衛軍がいる。 水際防衛線があっさり破られた以上、そこで押しとどめねばなるまい。あるいは今度こそ北から回り込んでくるやも知れぬ。 ホーキンスは下唇を噛み締め、ダータルネスの防備を固めさせてからロンディニウムへ戻った。 松下とルイズは3隻の『千年王国艦隊』に戻り、ロサイスへ向かう。その船室で、二人は戦況報告を受けていた。 「ロサイス上陸作戦では、味方の損害は比較的軽微だったようだな。教団兵にもさしたる死傷者はいない。 我々の陽動も功を奏したが、ゲルマニア軍にも新兵器があったというし」 「ふーーーっ、とにかく休みたいわ。『虚無』の魔法は強力で独特だけど、魔力の消耗が激しいのよ。 まだ私は『虚無のドット』ってとこね……」 「ふむ、『虚無』か。伝説によれば、始祖ブリミルには四人の僕がおり、 三人の御子と一人の弟子が指輪と秘宝を授かり、四大王国を作ったと言うが……」 「そうよ。三人の御子はガリア・トリステイン・アルビオンの、弟子はロマリアの王。 アルビオンの王統は、今回の革命騒ぎでほとんど途絶えてしまったし、 ロマリアも王国ではなくなって、教皇聖下が治める都市国家連合になったけど。 ゲルマニアはブリミルの正統を引いていない、成り上がりの集まりよ」 「四人の僕と王国の祖は、違うのだな? 疲れているところ悪いが」 ルイズは怒りもせず、溜め込んだ知識を披露する。実技以外では、彼女は優等生なのだった。 「ちょっと横にならせて。……いろんな説があるけど、まあ、そうでしょうね。 王国の祖が『虚無の担い手』で、四人の僕は『虚無の使い魔』よ。私とあんたみたいにね。 あんたは『神の右手、神の笛』ヴィンダールヴだったわよね? 他には『神の左手、神の盾』ガンダールヴ、これはあらゆる武器の使い手。 『神の頭脳、神の本』ミョズニトニルン、これはあらゆる魔法具を操るそうよ。 もう一人は『名を記すのも憚られる』として、失伝しているらしいわ」 「ふうむ……笛と盾と本、もう一つ、か。四大王国に四大系統、四つの指輪に四つの秘宝。 四人の『虚無の担い手』に四人の『虚無の使い魔』……」 「メシア、ミス・ヴァリエール、もうすぐロサイスに到着します。ご準備を」 シエスタとマルトーが伝令に来た。さて、ロサイスからアルビオン本土をどう攻めるか。 戦いは、これからが本番だ。 一方、その日の深夜。1隻の小さなフリゲート船が、アルビオンから密かにトリステインへ降下していた。 傭兵メンヌヴィルとその部下たち、ベアードやフーケを乗せた、奇襲用のフネだ。 「よーし、どうにか警戒線を抜けたぞ。攻めている側は、案外自分が攻められるとは思わんものなのかな。 ……いや、学院上空には、やはり探知結界が張ってあるな。直接侵入は出来ない。 付近の森林に空き地がある、そこに降ろそう」 操船しているのは、風のスクウェアメイジ・ワルド子爵……に取り付いた、妖怪バックベアードだ。 暴走しかねないメンヌヴィルの目付け役であり、情報収集も担う。 彼の周囲には小さな黒い球体がいくつも漂っていた。それには各々『魔眼』が付き、ベアードの視覚とリンクしている。 到着を前に、メンヌヴィルは檄を飛ばし、部下の士気を高める。 「さあて、野郎ども! 目的はトリステイン魔法学院の制圧と衛兵の始末、 そして貴族のメスガキと教師どもの生け捕りだ! なるべく殺すなよ! 制圧が完了したら、人質以外は殺すなりなんなり、好きにしろ」 うっひひひひひ、と下卑た笑いが起きた。 「……あのさあ、一応レディの目の前で、そういうセリフは自重してくんない?」 「そりゃ悪かったな、『土くれ』のフーケさんよ。まあ、荒くれをまとめるにゃこれが一番さ。 俺は盗みや犯しはしねえ、焼き殺すだけだ。老若男女、平等にな」 ベアードが振り向き、メンヌヴィルに尋ねる。 「好奇心で聞くんだが、なぜそんな物騒な性格になった? 生まれつきか?」 「そうじゃあねえ、この目玉が焼かれちまってからさ……」 到着するまで、ちょっと昔話をしよう。 元々俺はトリステインの下級貴族でね、アカデミーの『実験小隊』ってとこに士官として所属していた。 あんたのいた魔法衛士隊みてえな華やかな仕事じゃねえ、ま、裏方の何でも屋だ。 あれはもう20年も前になる。俺は二十歳になったばかりだった。 トリステインの北の海岸に、ダングルテール(アングル地方)って小さな漁村があった。 アルビオンからの移民が住み着いていた、ちんけで辛気臭ぇ村だ。牡蠣を拾うぐれえしか金目のものはねえ。 で、上の方から、そこで疫病が流行っているから『焼き尽くせ』って命令がきた。 疫病、確かにそうさ! そこは新教徒の巣窟だったんだ。まあ、俺は神様なんぞ信じちゃいねえが。 ……でよ、隊長が俺より少し年上の男だったんだが、こいつが凄い。 酷薄非情で狙った者は皆殺し、火を使うくせに酷く冷てえ、蛇みてえな奴だった。 そのダングルテールを焼き滅ぼしたのも、そいつなのさ。それも一人で! ああ、今でもあの美しい炎の竜巻が、脳裏に浮かぶぜ。夜の海に映って、すげえ綺麗だった。 それにあの、たくさんの人間が焼け焦げる香りと来たら! 何にも代えられない、素晴らしい芳香だった! お蔭で俺は、すっかりイカれちまった。隊長のことが大好きになって、思わず焼き殺したくなった! 咄嗟に杖を向けて、呪文を唱えた。次の瞬間、俺の目玉はこの通りさ。 フーケが、実にいやそうな顔をしている。 「……酷い話だね。よく殺されずに済んだもんだ。まぁ、あんたがイカれてるってのはよーく分かったよ」 「へへへ、こういう仕事は、ちょっとイカれてねえとできないのさ。 それに俺は鼻が利くようになったし、耳も鋭い。ついでに頭もすっきり冴え渡って、 熱の位置や微妙な変化が手にとるように分かるようになったよ。目明きよりよっぽど便利だぜ、この能力は」 「私のような『魔眼』の使い手には、結構いろんなものも見えるんだがな。 まあ、杖を突いて歩くのではなく、振って歩けるのは大したもんだ」 メンヌヴィルが、狼のような口で『にやっ』と笑う。 「ありがとよ。それから俺はトリステインを飛び出して、ゲルマニアで傭兵稼業を始めたよ。 実に天職だね。なにしろゲルマニアやロマリアあたりじゃあしょっちゅう戦争してるし、 あぶれ者やちんけな村を焼き尽くしたって、別に誰も文句を言わねえ。都市を襲えば大金持ちだ。 強いものが自由と富を得て、弱いものはサクサク死んでいく。坊主どもだってそうなんだもんよ」 「なんとも、楽しげだな」 「ああ、実に愉快だ。飯も酒も美味いし、わりと財産も築いた。俺はこうなったのをまったく後悔してねえ。 唯一気に食わねえのは、例の隊長があの後すぐに行方をくらましたと聞いていることだ。 俺はこんなに強く、あいつよりも激しく炎を繰り出せるようになったのに! ああ、あいつを焼きてえ! あいつが焼け焦げて消し炭になる匂いを、胸いっぱいに吸い込みてえ! それだけが、俺の最大の望みであり、悩みなのさ。はは、はははははははははは、ひいはははははは……」 メンヌヴィルは、気が触れたように笑い始めた。いや、彼はとっくに気が触れているのだろう。 ベアードは珍しくもなさそうに見ているが、フーケはぶるっと身震いした。鳥肌が立っている。 こんな妖怪や狂人の同類には、絶対になりたくない。 《彼らはバアルのために高き祭壇を築き、息子たちを火で焼き、『焼き尽くす献げ物(ホロコースト)』として捧げた。 私はこのようなことを命じもせず、定めもせず、心に思い浮かべもしなかった。 …この所をトペテや、ベンヒンノムの谷と呼ばず、『虐殺の谷(ゲヘナ、地獄)』と呼ぶ日が来るであろう》 (旧約聖書『エレミヤ書』第十九章より) 夜明け前、メンヌヴィルたちは魔法学院の裏門に近付いた。 しばらく学院に勤めていたフーケの話から、内部の構造などは知れている。 居眠りしている衛兵を永久に眠らせ、フーケが『錬金』で門扉に穴を空ける。 音も立てず、十数人の小部隊は学院に潜入した。フネは森の中に隠してあり、人質を連れて脱出する手筈だ。 物陰に隠れると、ベアードがふよふよと『魔眼』たちを内部へ飛ばし、衛兵や生徒の居場所を偵察する。 「……ふむ、一般の衛兵が20人ばかり、女子銃士隊が同数。そこそこだな。 衛兵どもは気を抜いているが、銃士は『火の塔』に駐屯して、二交代制で不寝番をしているようだぞ。 教師が数人、オールド・オスマンの姿は見えないな。教師と女子生徒の総数は、情報によれば90人ほど……。 む、あれはタバサ! あの『雪風』のタバサが目を覚ましたぞ!」 フーケがぴくっと反応する。確か、あのルイズやマツシタの仲間だ。 「あのガリア出身のちびメイジか。トライアングル級で風竜も使い魔にしてるし、手強い相手だね。 感づかれたか、どうなのか……他はどうだい? ヤバイ相手は起きているかい?」 「いや待て、今いいところなんだ。よーし、集まれ魔眼ども……」 「何デバガメやってんだい、このロリコン妖怪!!(ばきっ)」 「漫才やってねえで、さっさと情報をよこしな、ミスタ・ベアード」 ともあれ、学院内に大した動きはない。タバサはまたベッドに戻ったようだ。 「……じゃ、内部の構造と衛兵・銃士の配置はこんなところだね。使用人どもは、まあいいか」 「うっし、制圧戦の開始だ。セレスタン、四人連れて銃士のいる『火の塔』を抑えろ。 ジョヴァンニ、てめえらは寮塔だ。俺らは本塔を抑えておくから、メスガキどもをこの食堂に集めて来い!」 突入した分隊は、次々と女子寮の部屋のドアを蹴破り、女子生徒や教師を集める。 寝込みを襲われ、杖も奪われ、皆なすすべなく捕縛された。すすり泣くばかりで抵抗もしない。 衛兵たちは警笛を吹き鳴らし、剣や槍で応戦するが、歴戦の傭兵メイジたちには敵わない。 メンヌヴィル・ベアード・フーケは、占拠した本塔の『アルヴィーズの食堂』で待機している。 続々と人質が集められ、食堂の床に座らされていく。メンヌヴィルが眠たそうに欠伸をした。 「……あーあ、簡単すぎて欠伸が出ちまうぜ。こういうやわな仕事は俺向きじゃあねえな。 もうちょっと歯ごたえのある奴はいねぇのかよ? 俺、まだ誰も焼いてねえし」 「じゃあ、もうちょっと上に行ってみるか。学院長も探し出して、捕らえておかねばな」 「しょうがないね、道案内にあたしも付き合うよ」 人質たちが集められた食堂の壁際を、ちょろっと白いハツカネズミが駆け抜けた。 その頃、傭兵メイジのセレスタンは、『火の塔』を守るアニエスと戦っていた。 戦槌のような『杖』と、平民の磨いた牙である『剣』が交錯する。 「チェッ、いい女なのに勿体ねぇなあ! その牙、引っこ抜いてやらあ」 セレスタンは元ガリアの『北花壇騎士』、その実力はメンヌヴィルに次ぐ。 杖から火球が飛び、アニエスの剣が灼かれて折れ曲がった。 「きさま、火のメイジか! 私はメイジが嫌いだ、特に火を使うやつはな!」 アニエスは曲がった剣をセレスタンに投げつけ、言葉とは裏腹に逃げ出した。 「『騎士』が背中を見せるとは、さすがは平民出身じゃねぇか! その背中、がら空きだぜ!」 セレスタンが『魔法の矢』を放つが、アニエスは身を伏せて避け、振り返り様に拳銃を撃つ! 「私は、『銃士』だ」 「ぶがっ……」 醜い呻き声を立て、セレスタンが額に銃弾を受けて、どさっと斃れる。 彼の率いていた傭兵たちも、銃士隊に追い詰められて討伐された。そこへ、ハツカネズミが走ってくる。 アニエスはそれを見て、にっと笑った。 「よし、この塔は守った。ついて来い、作戦通り残りを掃討する! 耳栓をしろ!」 本塔を昇っていたメンヌヴィル・ベアード・フーケは、急に眠気に襲われた。 塔の上から鳴り響くのは、鐘の音だ。 「チッ、オールド・オスマンのじじい、『眠りの鐘』を使ってやがるね……」 フーケは手早く『錬金』を唱え、耳栓を作った。 「この耳栓を使えば多少は防げる、さっさと学院長室に殴りこもう!」 「狸寝入りでもしていたのか? ミスタ・ベアードの魔眼にも、見抜けないもんはあるようだな」 「やかましい。お前は盲目だからいいが、私の魔眼と目を合わせたら命はないぞ。 オスマンのじじいも睨み殺してやるさ」 三人は耳栓をして、階段を駆け上がる。 だが、鐘の音は『下』……さっきまでいた食堂の周囲からも、響いていた。 三人はバアンと学院長室に殴りこむが、誰もいない。 「隠れていても分かるぜ、そこだァ!」 メンヌヴィルが天井を火球で貫くと、オールド・オスマンがふわりと降りてきた。手には『眠りの鐘』がある。 オスマンが鐘を床に投げたので、三人はひとまず耳栓を外した。 「久し振りじゃの、三人とも。まだ生きておったか」 「そいつぁこっちのセリフだぜ。二十年以上前からじじいのくせに、あんた何百年生きてんだ? まあ、あんたなら相手に不足はねえ。確か『土のスクウェア』級だよな?」 「好戦的な男じゃのう。そこのフーケとワルドの実力も知っておる、生半なメイジでは相手にならんな。 では、わしがおぬしら三人をまとめて相手にしてやる。かかってこい!」 オスマンが杖で床を叩くと、床は溶岩のように煮えたぎって激しく渦を巻き、三人を窓の外へ吹き飛ばす。 三人は『フライ』で宙に留まるが、オスマンのいる部屋には、地面や他の塔から砂や石材が飛んできて集まる。 ゴゴゴゴゴゴと物凄い地響きがして、土砂は本塔の上半分を包み、獅子の体を備えた巨大な石の獣の姿となる! その顔は、内部にいるオールド・オスマンそっくりだ!! 「「うわっははははは、これぞ我がゴーレム『スフィンクス』じゃ!! スクウェアメイジを甘く見るでないぞ!! そおおれ、メガトンパンチを食らえい!!」」 スフィンクスの顔がオスマンの声で高笑いし、塔のように巨大な腕が振り回される。 三人は青褪める。まさか、いきなりここまでやるとは! 「てっ、てめえじじい、状況が分かってんのか? 俺らは学院の貴族の子女を人質にしてるんだぞ? 殺さねえまでも、攻撃をやめねえとそいつらの耳や鼻や指を……」 「「分かっちょるわい、おぬしらの奇襲なんぞ全部まるっとお見通しよ。わしの使い魔モートソグニルくんがのう。 それに食堂に集まった傭兵どもは、隠れさせておいたミセス・シュヴルーズの『眠りの鐘』でとっくに夢の中じゃ。 今頃は耳栓をした銃士隊に捕縛されているじゃろう。戦いは情報網と物量じゃよ諸君、ひょひょひょ」」 オールド・オスマンとアニエスたちは、学院のテロ対策をしっかりしていたようだ。 モートソグニルとネズミたちが学院内外を警戒し、非常時には合図を送って連絡する。 そして敵が一箇所に集まったところを、二つの『眠りの鐘』で人質ごと一網打尽。さらには、これだ。 「じょ、冗談じゃないよ! あのセクハラじじい、こんなバケモノだったなんて!!」 「ええいフーケ、気休めかも知れんが、お前もゴーレムを出せ! 私は『魔眼』の姿に戻る!」 「しゃあねえ、俺は食堂に戻るぜ。……いや、『火の塔』から銃士が出て来たな、あれから片付けるか」 バックベアードが黒煙とともに現れ、フーケのゴーレムがスフィンクスのパンチを受け止める。 スフィンクスは目から怪光線を放ち、ウオーーーッと咆哮する。妖怪・怪獣大決戦の始まりだ!! その頃、『火の塔』の傍らにあるコルベールの研究小屋では。 「これは『神秘幻想数学』、これは古代サハラの数学書、アリストテレスなる哲学者の著書、 『光輝(ゾハル)の書』に『東方魔法大全』! ああ、一生かかっても読み切れない! これを解読できれば、ハルケギニアはまさに革命的変化を……!!」 コルベールは感涙に咽びながら、『薔薇十字団』から送られてきた注釈付きの魔法科学書に没頭している。 そこへ、二人の生徒が駆けこんできた。外からズズズズズという地響きもする。 「コルベール先生! 未だにこんなところで何をしているんですか、大変なんですよ!」 「おお、ミス・ツェルプストーにミス・タバサ、こんな深夜に何事かね」 「敵襲。アルビオンの傭兵団が学院を急襲し、生徒及び教職員約90名を人質に取った。 我々は脱出して無事。反撃の体勢を整えるため、あなたを捜していた」 「な、なんだって!? ……時に二人とも、アレは何かね?」 「は?」 二人がコルベールの指差す方を振り返ると、バックベアードとゴーレムが巨大なスフィンクスと戦っている!! 「きゃーーーーーーーっ!!? な、何よアレ!?」 「あの黒い眼は、以前ニューカッスル上空に出現したものと同じ。ゴーレムはフーケのものと同じデザイン。 ならばあのスフィンクスは、恐らくオールド・オスマンのもの」 「そうだ。我々銃士隊と学院長が連携し、テロリストの大半は作戦通り捕縛した。 残るはあのバケモノどもと……こいつだ」 いつの間にか、アニエスも近くに来ていた。体にいくつか火傷を負っている。 そして向こうから歩いて来る大柄な男に、銃を向けた。キュルケとタバサも、杖を構える。 「おやおや、熱と硝煙の匂いを頼りに追ってきてみれば、かすかに懐かしい香りがするなァ。 さっきの女銃士が一人、火メイジと風メイジの女、それにもう一人。おい、おまえの名前は何だ?」 男を見たコルベールの表情が、さっと変わった。温和で臆病な普段からは想像できない、冷たい顔だ。 「……久し振りだな、『白炎』のメンヌヴィル」 その声音を聞いて、メンヌヴィルはあっと驚くと、両手を広げて心底嬉しそうに笑った。 「おお! おおお!! お前は『炎蛇』! 『炎蛇』のコルベールではないか!! 覚えていてくれたのか! 久し振りだな隊長殿、20年振りだ! あのダングルテール以来だ!!」 「!!」 アニエスは、対峙する二人を物凄い表情で睨み付けた……。 (つづく) 前のページへ / 一覧へ戻る / 次のページへ
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サモン・サーヴァントを行ったルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、この上なく困惑していた。 数度の爆発を経て召喚に成功したものの、現れた物は、この世界にある物とはかけ離れた物だったからだ。 「なに…?これ」 目の前に現れたのは80メイルはあろうかという巨大な緑色の物体。 だが、その巨体の半分以上を焼け焦がせ異臭を放ち、所々からは火花が巻き上がっている。 「これ…ゴーレム?」 脚は付いていない。ならば飛ぶのかとも思ったが、全く動く気配は無い。 初めはその巨体に驚いていた他の生徒達も、動かない物を召喚したルイズを笑い始めた。 「さすが『ゼロ』だな!壊れたゴーレムを召喚するなんて!」 「ミスタ・コルベール…あの!もう一度召喚させてください!」 「それはダメだ。ミス・ヴァリエール。春の使い魔召喚の儀式は神聖なものだ。好む好まざるに関わらず、これを使い魔にするしかないのだよ」 そうは言うが、コルベールの気は重い。 不名誉極まりない『ゼロ』という二つ名を持つ彼女が数度の爆発を経て召喚に成功したのだが、物が物だけに困っていた。 個人的には再召喚させてもいいという心情だったが、公平を期すためにはそれはできない。 「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール…例外は認められない。これは…」 そう言って、その物体を指差すが、改めて息を呑む。 表面をかなりの高熱で焼かれたらしく、気泡が現れている部分もある。 こんな大質量の金属をどうやって焼いたのだろうかと、興味を持ったが、すぐに目の前の落ち込んでいる少女の事を考えて自己嫌悪に陥りかけた。 「…今は動かないかもしれないが、呼び出された以上、君の使い魔にならなくてはならない」 「そんなぁ…」 がっくりと肩を落としたルイズが『それ』に近付いたが、契約するにもどこにやればいいのかサッパリ分からない。 これが動いてくれれば、文句無しに喜んで契約するとこなのだが… とりあえず、『フライ』を使ったコルベールに掴まり、頭らしき方に近付いたのだが その時、沈黙していた頭部から一条の光が放たれた。 「あれは…目か?どうやらまだ動くようだね」 一つ目という特異な目だったが、動く事にほんの少し安堵した。 だが、安堵したのも束の間、頭部が後退し、すぐ下の部分が様々な動きを見せ内部が開け放たれた。 「…ミスタ・コルベール。あそこにいるのは一体…」 「私にもよく分からん…だが、怪我をしているようだ」 中に居たのは、妙なスーツで全身を覆った人。 だが、腹部から血を流していた。 (いいか…一人でも突破し…アクシズ艦隊へたどり着くのだ!) 周囲に浮かぶ、様々な巨人に向け言葉を放ち続ける男が一人。 (我々の真実の戦いを、後の世に伝えるために!) その言葉を合図として、周りの巨人が加速し一直線に突き進む。 ただ、ひたすらに、居並ぶ敵艦隊の向こうに存在するはずのアクシズ艦隊を目指して。 (我々が尽きようとも、いつの日か、貴様らに牙を剥くものが現れる!それを忘れるな!!) 壁というべき艦隊と突き抜け、周囲を見渡すが、すでに周りには自分しか存在していなかった。 (最後の…一人か…) そう思うと、声にならない叫びをあげ目の前の艦へと突き進む。 迷いなどあろうはずもない。成すべき事を成し、後に続く者が現れる事を信じて機を推し進めた。 視界が赤く染まり、全ての音が途切れる。 だが、その赤く染まっていた視界が再び開かれ、ぼやけた視界に入った物は…緑色の長い髪だった。 ミス・ロングビル。オールド・オスマンによって採用された秘書であり、理知的で物静かな姿勢から一部生徒達からも人気がある人だ。 もっぱらの悩みの種は、そのオスマンによるセクハラであるのだが 『ゼロ』の二つ名を持つルイズが召喚した大破したゴーレムの中の人の様子を見るようにとオスマンに言われて医務室にやってきている。 「まったく…こんな事する暇があるなら、宝物庫の事でも調べときたいんだけどね」 秘書にあるまじき言葉ではあるが、本職が秘書でないのだから仕方ない。 とりあえずは異常なしとして、戻る事にしたのだが、背後から恐ろしいまでの殺意と咆哮を受け固まった。 「シーマ!?貴様ァーーーーーーーーーー!!!閣下を殺害しておきながら、よく私の前にその姿を晒せたなッ!!」 なに?シーマ?誰?てか何で!? そう思うまもなく一気に組み伏せられる。早い。杖を抜く暇すら無かった。 「お、落ち着いてください!ここはトリステイン魔法学校で…」 必死こいて後ろへと顔を向ける。 長く纏められた銀髪が印象的だったが、おっそろしい程に怒り猛っている。 しばらく視線が交錯したが、手の力が少し緩んだ。 目覚めたてで、思考が鈍っており、そこに仇敵であるシーマ・ガラハウを彷彿とさせる緑の長い髪が目に入ったからなのだが よくよく考えてみれば、サラミスに特攻したはずの自分を、シーマが拾うはずもないと思い、とりあえず状況を掴む事にした。 あの状況で命があったとすれば、十中八九ここは連邦の艦だからだ。 「シーマではないようだが…捕虜というわけか?」 捕虜であるにしろ、このまま黙っているわけにはいかない。 このまま事が進めは、宇宙の晒し者になる事は確実なのだ。 最悪、目の前の女を人質にMSなり戦闘機なりを強奪する気でいた。 「一先ず、話を聞いてください。ここはトリステイン魔法学校で、あなたは捕虜などではありませんから」 「トリステイン…?艦の名か…?いや待て、学校だと。という事はコロニーか?だが、サイド3にもサイド6にもそのようなコロニーは無かったはずだが」 サイド1.2.4.5の修復されたコロニーのどれかとも思ったが、少なくとも、そんな名のコロニーは無い。 それ以前に『魔法』という単語も聞こえたのだが、あえて無視する。 もちろん、状況が掴めない以上は、離す気は無い。 連邦の勢力下だとして、星の屑の中心人物である『ソロモンの悪夢』を、そう簡単に逃がすはずは無いと判断した。 そうしていると、扉が開いて、明らかに軍人ではないような桃色の髪の少女が入ってきた。 「……この…!ミス・ロングビルになにやってんのよ!バカーーーーーー!!」 叫びと共に放たれる蹴り。 だが、間合いも遠い上に、素人の蹴りだ。 不意を付かれでもしない限り本職の軍人が食らうようなものではない。 軽くいなすと支えている脚を払い転倒させた。 「…ロングビルと言ったな。一つだけ聞こう。ここは連邦の勢力下か?」 「連邦…?少なくともトリステインは王国ですが」 「王国だと?ふざけた事を」 そう思うのも無理は無い。 地球の全域は、アフリカなどが影響が弱いぐらいで、全てが連邦の勢力下だ。 宇宙にしても、サイド3のジオン共和国。月のフォン・ブラウンとグラナダ。中立であるサイド6のリーア。そして遠く離れたアクシズ。 少なくとも王国などというものは一切無い。 「とにかく…離していただかない事には話もできませんので…できれば」 倒れて目を回している少女とロングビルと呼ばれる女を一瞥する。 少なくとも、軍関係の者ではないようなので、一先ず離す事にした。 そこで自分の状態に気付く。 無いのだ。ノーマルスーツの上半身部分が。 バイザーが砕けかかったヘルメットは側にあったが、上半身部分が綺麗に切り取られたかのように無くなっている。 そして、銃創と破片によって受けた傷も無い。 「怪我をされていて、着ていたものが脱がせず治療できないとのことでしたので、切り取らせていただきました」 訝しげにしていた様子に気付いたのか、ロングビルが答えるが、切り取ったというとこに納得がいかない。 宇宙にしろ地球にしろ、少なくとも医療関係者がノーマルスーツの着脱法を知らないはずが無い。 さすがに、妙だと思っていると、目を回していた少女が目を覚まし、起きるや否や叫んだ。 「へ、平民が…使い魔が…主人にいきなりなにすんのよ!!」 平民?使い魔?そんな疑問が浮かんだが、状況がサッパリ掴めない。 「名前は!?平民でも名前ぐらいあるんでしょ?」 そう聞かれたが、この規律の塊とも言うべき男からすれば、まず第一に口の利き方がなってない。 「人に名を聞くときは、聞くほうが先に名乗るべきだが」 ぐぅ!と言葉に詰まる。相手は平民だが正論だ。おまけに妙に威圧感がある。 「…ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 「アナベル・ガトーだ」 「アナベル?女みたいな名前」 アナベルが男の名前でなにが悪いんだ!俺は男だよ!! 最も信頼する部下の声でそんな言葉が聞こえたが多分幻聴か何かだろう。 少なくとも、名前関係で人と揉め事を起こした事は無い。 一応の自己紹介が済んだが、最も大事な事に気付いた。 「…ノイエ・ジールはどうなった」 どうも今一、記憶がハッキリしない。アクシズ艦隊目指し、追撃艦隊に突入したところまでは覚えているのだが。 「ノイエ・ジール?緑色の大っきいやつ?それなら、草原に転がってるけど、なんなのよあれ」 「馬鹿な!宙間戦闘用MAが転がっているだと!?」 草原というからには、ここが艦ではないという事は分かった。 ならば、コロニーという事になるのだが、転がっているというのは理解しがたい事だ。 漂流したのならば、少なくともノイエ・ジールはコロニーの外にあるのだから。 ルイズに案内され外に出たが、ここがコロニーではないという事を目にする。 コロニーにあるべき物が全く無いからである。 上空に見える地面も無ければ、河も無い。 そして、草原に転がっている半壊状態のノイエ・ジール。 さらに、その上を浮いている人。 「なん…だと!?」 さすがの、ソロモンの悪夢も、その光景には言葉が出ない。 まだ05が飛んでいるといった方が信じられるだろう。重力に囚われたような環境で人が飛ぶなどとは。 「おお、気が付いたのかね。三日も意識が無かったから、どうしたものかと思っていたのだが、無事なようでよかった」 上空から声がかけられたが、返事ができない。 「一体これは、なんなのかね!表面を見た事も無い金属で覆っている!実に興味深い!」 「…まずは、それから離れてもらおう」 ノイエ・ジールはアクシズから寄与された試作MAである。軍事機密の塊と言ってもいい。 ノーマルスーツの腰に付けられている拳銃を抜くと、その銃口を向けた。 だが、拳銃を向けても離れようとはしない。これが武器であるかとも分からないかのように。 一発、上空に向けトリガーを引く。威嚇だが、これで次は無い。 「うわ!な、なんの音だ!」 「次は無いと思え」 「銃…なのかね?それは」 至近距離で銃声を聞いた、ルイズが耳を押さえているが。関係無い。 不承不承の体でコルベールが降りてきたが、それに銃口を向ける。 「私を回収してくれた事には一応感謝しておく。だが…どういうわけだ?」 「きみは、そこのミス・ヴァリエールの使い魔として召喚されたのだよ。手に使い魔のルーンが刻まれているだろう?」 左手を見るが、確かになにやら文字のようなものが刻まれている。 おまけに、なにやら光っている。 さすがにこれは反応せざるを得ない。 「貴様…!私に何をした!」 改めて銃口を向け、手に力を込める。 MSで敵を撃破するか。生身で人を撃つか。形に違いはあれど失われる命に違いは無い。 この男が敵であり、なにか妙な事を施したとでもいうのであれば、トリガーを引くのに躊躇はしないだろう。 コルベールもそれに気付いたのか、幾分か緊張した面持ちになる。 メイジではないが、雰囲気から、この使い魔がどこかの国の軍人であると判断した。 平民が軍人になれる国…それは隣国『ゲルマニア』しかない。 基本的に、実力主義で戦果さえ挙げれば一平卒でも将官への昇進が連邦よりも容易なジオン公国軍。 実力と才能で稼いだ金で地位を買う事のできるゲルマニア。 まぁ似たようなとこはある。 「とりあえず、銃を降ろしたまえ。我々はきみの敵というわけではないよ」 なるべく穏やかに言ったが、ガトーは鋭い目をコルベールに向けたままだが、ゆっくりと銃をホルスターに仕舞った。 「まず、話をしよう。ここはトリステインだ。きみはどこから来たのか聞かせて欲しい」 そう問われたが、ぶっちゃけあまり聞いていない。 「ジオン公国」 短く答えたが、考えが纏まらない。 コロニーで無いなら、ここはどこになるという事だが、常識で考えれば地球しかない。 だが、それなら、ノイエ・ジールがこんなとこに転がっているはずもない。 八方塞というやつだ。 「ジオン公国…聞いた事が無いな」 ジオン公国を聞いた事が無い。 そんなはずはない。U.C0083に生きる人間にとって、ジオン公国は前大戦の主役の片割れを担っていたと言ってもいい存在だ。 ジャブローの原住民でも、ジオン公国という名前ぐらいは知っているはずだ。 埒があかないので、こちらから質問してみる事にした。 「先程、飛んでいたが…どういう技術だ?」 「『フライ』かね?魔法だが…知らないはずはないだろう?」 『魔法』その単語を聞いて、少し頭が痛くなったが、現実だ。 「…魔法学院とか言っていたな」 「そのとおりだ。ここは、貴族が魔法を学ぶための施設で、君はミス・ヴァリエールの使い魔となったのだ」 「使い魔?どういう事かは知らぬが、私は、そのようなものになった覚えは無い」 「そのルーンが何よりの証拠だ。コントラクト・サーヴァントは君が気を失っている間に済ませてしまったようだが」 話は変わるが、基本的にジオン軍人は、軍人より武人に近いと言われている。 宇宙攻撃軍だけにしても猛将と揶揄されるドズル・ザビ中将を筆頭に、白狼『シン・マツナガ』といった武人気質の人間が非常に多い。 もちろん、そのドズル中将麾下の302哨戒中隊を率いていたガトーも例外では無い。 そんな人間に、気を失っている間に契約しておいたから、使い魔になれ。と、一方的な事を言えばどうなるか。 ただでさえ、多大な圧力を掛けてくる地球連邦に反発し1/30以下の国力がありながら独立戦争を仕掛けたのだ。 当然、次の瞬間には銃を抜いていた。 「動くな。動けば即座に撃つ」 「な、何を…!」 「確か…ルイズと言ったな…私を元居た場所に戻してもらおう」 会話に付いていけず、半ば呆然としていたが、コルベールに銃を突きつけ、そう言ってきた事でやっと我に返った。 「へ…?ああ、無理ね。『サモン・サーヴァント』は呼び出すだけ。使い魔を元に戻す呪文なんて存在しないわ」 「っく…!ふざけるな!」 「わたしだって、あんたみたいな平民が使い魔なんてイヤよ!大体、大怪我してて、治癒の魔法の秘薬の代金だってわたしが出したんだから!」 「ぬう…」 先にも言ったが、アナベル・ガトーは武人気質の人間で、行動理念の大半は義だ。 確かに、コウ・ウラキに撃たれた傷は塞がっている。 つまりは、命を拾われたという事になるのだが…どうもいま一つ納得しがたい。 「確かめたい事がある。どういう理屈か知らんが、私をノイエ・ジールのコクピットまで運んでもらおうか」 「それは…構わないが、銃をだね…」 指示をしつつ、ノイエ・ジールのコクピットに運んで貰う。 ルイズも付いてきたので中に三人入る事になった。いかに巨大MAノイエ・ジールとはいえ狭い。 おまけに、倒れているため、非常に操作し辛い。これが宇宙なら関係無いのだが。 各部チェックを行うが、武装関係はほぼ全滅でIフィールドも働いていない。 ジェネレーター出力も辛うじて作動していると言っていいLvだ。 それでも、システムを動かすだけなら何とかなる範囲。 ハッチを閉じると、モノアイを通して外の風景が映し出される。 「なにこれ!閉まってるのに外が見える!」 「戦闘記録データ…U.C0083.11/13/00・34・38…このあたりか」 コンソールを動かし操作するとモニターが外の風景から漆黒の宇宙へと切り替わる。 そこに移るのは、大きく輝く地球と周りに浮かぶ、06.09.21などのMSだ。 何かを合図としたかのように、それが艦隊へと向け突き進んだが、映し出されるのは、ミサイルや機銃。護衛のジムの攻撃により次々と脱落していく姿。 しばらくすると、一隻の艦がモニターに映し出され、それが大きくなると、爆発に巻き込まれ画像が途絶えた。 コルベールは黙って見ていたが、ルイズはビームやミサイルがかすめる度に大声を上げている。 そして、ハッチを開け放つと核融合炉を停止させた。 地上である以上役には立たないし、この損傷だ。暴走して爆発でもしたら洒落にもならない。 ガトーが無言でノイエ・ジールの装甲の上に立つ。 「生き恥を晒したというわけではないだろうが…お前に拾われた命だ。好きにするがいい」 「君はいったい…どこから、いや、あれは一体…」 その問いには答えない。というより答える余裕が無い。 日が沈みかけ、ハルケギニアにソロモンの悪夢が降り立ってからの三日目が終わろうとしていた。
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続き 楽しみにしてます -- 名無しさん (2008-08-09 20 28 11) うめぇ。原作よりこっちのセラスのが好み -- 名無しさん (2008-08-09 21 18 57) 遂にリップ、セラス、ルイズの揃い踏みですか、絵師様に感謝 -- 名無しさん (2008-08-10 00 29 38) 遂にリップも入った絵が投稿、ありがとうございます! -- スナゼロ作者 (2008-08-15 23 54 11) うまぁあああーーーい!レベル高ぇwww -- 名無しさん (2008-08-16 00 43 33) リップ!リップ! -- 名無しさん (2008-08-16 14 53 38) セラスなんかかっけぇ!スゲェ!感激過ぎて血吐きそうwww -- タカラ (2008-08-18 13 51 56) この絵めちゃくちゃうまい -- 名無しさん (2008-08-20 15 26 59) 凛々しい三人娘に感動した。 -- 名無しさん (2008-08-27 01 26 17) R-18な関係の二人 -- 名無しさん (2008-08-27 02 16 20) リップとセラスをよぶssってあったの? -- 名無しさん (2009-03-29 14 18 05) スナイピング・ゼロだよ。ここに無かったら「HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました」にある。 -- 名無しさん (2009-03-29 16 08 27) これは良い三人娘 -- 名無しさん (2009-04-27 23 10 21) 表情がいいね -- 名無しさん (2010-02-08 11 15 13) 名前 コメント
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夏の鍾乳洞 この前、奥多摩あたりの鍾乳洞にいって来ました。 暑いので少しでも涼しいところへと思って。 車で3時間くらいで着きました。 行くまでの道が細くって運転手(夫)は大変そうでした。 入場料を払ってから入口に立つと、寒いくらいの温度です。 これは上着が必要だったかもと思ったのですが、とんでもなかったです。 そこの鍾乳洞思っていたよりとっても長くって、かなり急な階段を上がったり下がったりが多く途中でもう出たいと思ってしまったくらいでした。 外に出たときはもう体も熱くなっていて、折角涼みにきたのに間違いだったと思いました。 鍾乳洞って冬行くといいかもなんて思ってしまった日でした。 http //www.fashionbagsworld.com/
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前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第7話 降り立つ光の巨人 宇宙有翼怪獣アリゲラ 登場! 彼女は、夢を見ていた。 暖かいまどろみのなかで、子供のころからの思い出がひとつずつ浮かんでは消えていく。 人が昔を思い出すとき、その中にはよい思い出もあるが、大半は悲しい記憶だという。 幸せだった子供のころ、しかし突然全てを奪われて落とされた暗黒の淵。 それらをもたらした者達への怨嗟の念。しかし彼女の心を闇の一歩手前で引きとめた手、守ろうと決めた者。 裏の世界で悪と善の矛盾した思いで生きてきた日々。 そして現れた闇の化身の暗黒の世界への招待、死の直前にわずかに見えた光に手を伸ばしたとき、彼女の意識は光の中へと呼び起こされた。 「はっ……こ、ここは?」 「おお、ようやく目を覚ましたかね、ミス・ロングビル」 彼女、ミス・ロングビルこと『土くれのフーケ』は目を覚ますとあたりを見渡した。 木製の簡易な部屋と鼻を突く薬の臭い、思い出した場所は魔法学院の医務室、そして彼女のベッドの横にはオスマン学院長がいつもどおりの表情で椅子に座っていた。 「わ、私は……」 まだ頭がくらくらする。なにかを考えようとしても集中できなかった。 「無理をするでない。あれから君は半日眠っていたんじゃ、まだ調子はよくなかろう」 「半日……はっ! ……」 あの夜に起こった出来事を思い出して、ロングビルはとっさに身構えたがオスマンは顔色を変えずに穏やかなまま言った。 「心配せんでも誰にも言っとりゃせん。安心せい」 「でも、あなたは私が……」 「ああ、知っとる。フーケ、ただここでの君はロングビル、わしゃその呼び方のほうが好きでね」 「ちっ! ぐぁっ!」 起き上がろうとしたロングビルは全身を貫いた痛みでベッドに崩れ落ちた。 「しばらくは安静にしておれ。なにせ死んでもおかしくない目にあったのじゃ、体をいたわりなさい」 「あんた、私をどうするつもりだい?」 彼女はロングビルではなくフーケの口調でオスマンに問いかけた。 「それは……いや」 オスマンは口を開きかけると、一度やめてからあらためてゆっくりと話し始めた。 「その前に、一言礼を言わせてくれ。君はあの超獣に閉じ込められたときにミス・ヴァリエールを助けてくれたそうじゃな。教師として、生徒を助けてくれたことを深く感謝する」 彼はそう言うとロングビルに向かって深々と頭を下げた。 「なっ!? ……あっ、あれは……そ、それよりあたしはお前の生徒を殺そうとしたんだぞ」 「それは、本当の君ではないのだろう」 「うっ……だが、あたしのことを誤解してるのかもしれないけど、必要とあればあたしはガキどもを遠慮なく殺してたよ」 「それはそれ。そのときはともかく今は君はわしの恩人じゃ、素直に礼を述べて何か悪いかな?」 思いもかけないオスマンの言葉にロングビルはうろたえていた。 するとオスマンは椅子によっこらしょと座りなおすと、杖に寄りかかりながら話しはじめた。 「なあミス・ロングビル。わしは君がどんな経緯で裏の道に手を染めるようになったかは知らないし、聞く権利もない。 ただ、わしは君のこれまでの働きに感謝しているし、君個人のことも好きじゃ、たとえ仮の姿だったとしてもな」 「……だから?」 「率直に言おうか。怪盗をやめて、このままここで働かんかね?」 「そりゃできない相談だね。あたしも遊びでやってたわけじゃないんだ」 ロングビルの返答にはまったく迷いがなかった。 「ふむ。だがそれでは君はまた闇の中へと逆戻りしていくことになるぞ、再びヤプールに狙われてもよいというのかね?」 「うっ」 ロングビルは返答につまった。 また襲われたときは、はっきり言って手立てはない。そして、あの死にながら生かされているような闇の世界、今度落ちたら戻ってこれるとは思えない。 「ミス・ロングビル、わしは人よりもちいとばかし長く生きてきた。だから君のこれまでの怪盗としての悪名など、闇のほんの入り口に過ぎないことがわかる。引き返すなら今のうちじゃ」 「なら、なんでヤプールは中途半端な悪人のあたしを狙ったんだ?」 「ヤプールの言うには単なる悪人ではなく、悲しみや憎しみ、複雑にねじくれた心がよいらしい。奴は君の心の葛藤のすきまを狙ったのじゃ」 「ちっ」 「しかし、だからこそわしは君が本当の悪人ではないと思う。人がそれほど深い悲しみを背負うのは誰か大切な人を奪われたとき、 心の底まで悪なら悲しみはどこかに捨てていく。それに、君が闇に全てを奪われかけたとき、君は誰かの名を呼んでいた。まだいるのじゃろう? 君にも大切な誰かが」 「! ……」 ガディバに取り込まれかけ、命すら危なくなったときロングビルの心を光に引き戻したのはたったひとつの名前、彼女はその名の持ち主のことを思い出して胸を押さえていた。 オスマンはあらためて、もう一度ロングビルに言った。 「もう一度言おう。怪盗をやめてここで働く気はないか?」 「……残念だけど、それはできない。言ったろ、遊びじゃないんだ」 「……金かの?」 「ああ、結局世の中はそれさ。人間ってやつは王から平民までこいつの業からは逃れられやしないのさ」 「では、わしが盗みをして稼ぐぶんの金額を給料に上乗せしてやる、と言ったらどうだね?」 「なに?」 オスマンは懐から一枚の紙切れを取り出した。 それは学院の勤務契約書で、そこには以前の3倍に加算された給料が明記されていた。 「からかってるんじゃないだろうね?」 あまりに都合のいい話に当然ロングビルは信用できないといった顔をした。 「心配するでない、学院の金には手を出さん。これはわしの懐銭じゃ、昔いろいろ貯めたものの年をとるとろくな使い道がなくての、このくらいなんということはない」 「そうじゃない! なんでたかが盗人のあたしのためにこんなことをするかと聞いてるんだ!」 「年をとると耳もいろんな意味で遠くなっての、フーケの手がかりを探すために衛士隊がここ最近の不自然な金の流れを探ったが、結局何も見つからなかったという。 つまり、君は盗んだ金や品物を自分のためには使っていないのだろう? 君の普段の生活も浪費とはまったく無縁じゃったしな」 ロングビルはオスマンの見識の鋭さに正直言って驚いた。 普段はただのダメじいさんと思っていたが、中身のほうはなかなかどうして。 「誰のためかは知らぬが、どうせ人のための金ならきれいなほうがよいとは思わぬか?」 「同情ってのならお断りだよ」 「そうかの、同情とは一番大切な優しさだとわしは思う。誰かをかわいそうだと思い、助けたいと思う。そのなにが悪い? もちろんその表現の仕方は大事じゃが、人の不幸に同情できないような人間がなぜ人に優しくできる」 「……」 「それに、何度も言うが君は生徒の恩人じゃ。礼をせねば貴族としても教師としても大人としても立つ瀬がない。第一、君はそれだけの報酬をもらう実力があると思うが?」 確かに、ロングビルが魔法の名手であり秘書としても有能なのは学院の誰もが知っている。 突然のアップも、フーケ退治に功績があったからだとか言えば疑う者はまずいないだろう。 「もし、それでも断ったとしたら、どうする?」 ロングビルは細めた目でオスマンを見つめながら言った。 「……」 「はっ、つまり選択じゃなくて強制じゃない。だったらはっきりここで働けって言いなさいな。きっぱりしない男はいくつになってもみっともないものよ」 沈黙の答えの意味を理解したロングビルは苦笑しながら言った。 するとオスマンはごほんと咳払いをするとおもむろに。 「ミス・ロングビル、君の勤務継続と副業の禁止を命ずる。報酬は前給金の3倍、返答はいかに?」 ロングビルは答えずにペンを取り上げるとサラサラと契約書にサインして見せた。 「ほらよ。まったく、とんでもないところに潜り込んでしまったものですわ。こうなったらボーナスと退職金をもらうまでテコでもやめませんからね。ふふ」 彼女は契約書をオスマンに渡すとようやく笑顔を見せた。 「うむ、わしもうれしいわい。これで……ん!? こ、これは」 なんと給料明細のところが塗りつぶされて3倍だった数字が5倍にランクアップされている。 「勘違いしないでください、財宝や魔法道具のぶんを穴埋めするにはそれくらいはいるってことです。それに私を買おうっていうのならそれ程度は出してもらわなくては」 今度はロングビルがオスマンにしてやったという不敵な表情を見せた。 「く、仕方あるまい……男に二言はないからの、じゃがこれでこれからも……」 「セクハラは許しませんからね」 「!?」 顔をにやけさせようとしたオスマンにロングビルは速攻で釘を刺した。 「……こほん。あー、それからフーケはヤプールに操られたあげくに超獣に殺されたということにしておくわい。 森の超獣の死骸を見れば疑う者はおらんじゃろ。君は体調が整ったら職務に復帰してくれい。それから……」 オスマンは懐から一本の杖を取り出した。 「これは君に返しておこう。杖なしでは他の人間にかっこうがつかんだろうからな」 ロングビルはその杖を受け取ると、少し手のひらの上でもてあそんでいたが、やがて呆れたような顔でオスマンに言った。 「……学院長、いくらなんでも信用しすぎなのでは? 今ここで私が約束を破って魔法で逃亡を図ったらどうするつもりですか?」 「うむ、そのことで実は言い出しにくかったのじゃが、ミス・ロングビル、ちと試しに適当に何か魔法を使ってみたまえ」 「?」 彼女はその言葉の意味を理解できないでいたが、とりあえず自身がもっとも得意とする錬金の魔法を棚の上のビンに唱えた。 だが、何も起こらなかった。 「あ、れ?」 驚いてロングビルはほかにもいくつかのドットやコモンマジックを唱えてみたが、やはりどれも無反応であった。 「やはりの。まさかと思っていたが」 「ど、どういうことだ!? ……いや、ですの?」 「君を助けたあと、念のためディティクト・マジック(探知魔法)を使ったのじゃが……恐らく君はヤプールに邪念を吸い出されたのと同時に魔法の力も奪われてしまったのじゃろう」 「!? そんな」 ロングビルは愕然とした。メイジが魔法を使えないということは鳥が翼をもがれるようなものだ。 「永続的なものなのか、時間がたてば回復するのかはわからんが、しばらくは杖はかざりとして持っておきたまえ。 なに、心配することはない。職務上そう魔法はそう必要ないし、万一文句を言う奴がいても、だったら他に有能な秘書はいるのかと言えば誰もぐうのねも出んじゃろ」 オスマンはそうカラカラと笑ってみせた。 そしてロングビルは、たった魔法が使えなくなったというだけで、この国で自分のいられる場所がここだけになっていくのを肌で感じていた。 「さて、そろそろわしは行くわい。君ももうしばらく休みなさい、色々考えを整理する時間も必要じゃろ。お休み、ミス・ロングビル」 「おやすみなさい……学院長」 オスマンは足音を立てないように静かに医務室を後にした。 そして廊下に出ると、そこにはふたりの人間が待っていた。 「ありがとうございます、学院長」 「ミス・ヴァリエール、気にすることはない。わしは責任者として当然のことをしたまでじゃ。それよりもミス・ロングビルの上乗せぶんの給料の半分は君が持つということではないか、本当に大丈夫なのかの」 オスマンは待っていたルイズと才人に、簡単に説明をしてからそう聞いた。なにしろ秘書二人半分の給料である、ルイズの家が名門とはいえ学生に自由にできる額には限度がある。 「恩人に最大の謝意を示すのが貴族の義務です。なんとか生活費をやりくりしてみます、幸い平民やメイドに知り合いもいることですし、彼女は私の命の恩人、私にはこれくらいしかできることはありませんから」 「そうか、よい心がけじゃ。じゃが無理はするなよ」 オスマンはルイズの肩を軽く叩いてそう言った。 そして、その後ろで真剣な顔をしている才人を見て。 「わしに、何か言いたいことがあるようじゃな……ここではなんじゃ、わしの部屋へ行こうか」 放課後、日の落ちたあとの学院長室は生徒たちの喧騒ももう聞こえずに静かだった。 「それで、話とはなんじゃな?」 その問いに、才人はまっすぐにオスマンの視線を見据えて答えた。 「あなたが使った、あの『破壊の光』についてです。あれは明らかにこの世界のものじゃない。いったいどうやって手に入れたんですか!」 「ちょサイト、あんた学院長に向かって!!」 ルイズはすごい剣幕でオスマンに詰め寄るサイトを叱り付けたが、このときばかりはサイトはまったく引き下がらなかった。 「ミス・ヴァリエール、しばらく彼の好きにさせてやりなさい。サイトくんといったね、これのことだね」 オスマンは、ごとりと『破壊の光』を机の上に置いた。 「やっぱり、ビームガンの一種だ」 地球からやってきた才人には、それがこの世界のテクノロジーで作られた代物ではないことが一目でわかった。 「ふむ、君にはそれがなんであるのかがわかるようだね」 「俺の世界の武器とよく似ています。思い出しましたが、昔恩人からもらったそうですが、その人はいったい!?」 するとオスマンは遠い目をして、つぶやくように語り始めた。 「あれは昨日のことのように思い出せる。もう30年になるか、わしは森に薬草をとりに出かけておった。しかしそのときはどうにも収穫が悪く、気がついたら人の入り込まない奥地にまで足を踏み入れていた……」 30年前。 深い深い森の奥で、一昔前のオスマンはようやく目的にしていた薬草を見つけていた。 「やれやれ、ようやっと見つけたわい。まったく今年は不作もいいとこじゃ、こんな年寄りに重労働させよってからに」 木陰でひっそりと生えていたその薬草を摘むと、オスマンは疲れた体を木の根っこに腰掛けさせて、ふぅと息をついた。 森の涼しげな風が汗ばんだ体をひんやりと心地よく通り過ぎていく、木漏れ日が揺らめき、周囲は静けさに包まれていた。 「ずいぶんと奥まで来てしもうたの……わしとしたことが年甲斐も無く張り切りすぎたか……少し、休むとするか……」 小鳥の声に耳を預けて、オスマンはゆっくりとまぶたを閉じた。 それから、どれくらいたっただろうか。 オスマンは、まだ眠気が残っているのにもかかわらず、何か違和感を感じて目を覚ました。 「……ううむ。どれくらい寝入っていたのか……」 目の前には、眠る前と変わらない眺めが広がっていた。それこそ、何も変わらない姿で。 だが、何かおかしい。 「……鳥の声が聞こえない……」 眠る前にはにぎやかなくらいに聞こえていた鳥たちの声が今はひとつも聞こえない。 いや、それどころか動物も虫も、生き物の気配がまったく無くなっていた。 「……」 悪い予感を感じ、オスマンは薬草のつまったバッグを背負うと腰を上げた。 と、そのとき突然突風が吹きすさんで森の木々が大きく揺らめき、巨大な影が空に現れた。 「ワイバーン!?」 それは、凶暴さで知られる竜の中でも、腕の代わりに巨大な翼を手に入れたドラゴンの亜種、飛竜・ワイバーンの姿だった。 「くっ!」 ワイバーン相手に素手では勝ち目がない。オスマンは木に立てかけてあった杖に手を伸ばした。 しかし、ワイバーンの翼の羽ばたきが作り出す突風で杖はオスマンの手の寸前で吹き飛ばされてしまった。 「ああっ!!」 杖が無ければメイジはただの人間と同じだ、そして老いたオスマンには走って逃げる体力もない。 飢えたワイバーンが裂けた口からよだれを垂らして迫ってくる。 もはやこれまでか、とオスマンがあきらめた、そのとき。 「待ちやがれ、このバケモン!」 突然森の奥からひとりの青年が飛び出してきた。 彼は腰の銃を手に取ると、銃口をワイバーンに向けて引き金を引いた。 閃光一閃!! 銃口から放たれた光は一筋の矢となってワイバーンに吸い込まれて爆発を起こし、ワイバーンは何が起こったのかを知ることも無いまま断末魔の遠吠えをあげて大地に落ちた。 「大丈夫か、じいさん?」 青年は銃をしまうとオスマンに駆け寄ってきた。 「あ、ああ、助かったよ、ありがとう」 礼を言いながら、動悸が治まってくるにしたがってオスマンは彼が妙なかっこうをしているのに気がついた。 不思議な光沢を放つ服に派手めの服に変わった形の兜をつけていた。理解しがたいがそうとしか表現できなかった。 ただ、とりあえず顔つきは間違いなく人間である。やや抜けたところがあるが美形といっていいだろう。 「ほんと、危ないところだったんだぜ。あとちょっと遅れてたらじいさんぺろりとやられてたな。運がいいぜまったく」 彼はそう屈託のない笑顔で笑って見せた。 だがそのとき、無数の羽音とともに、今度は数多くの影が彼らの頭上に現れた。 「ワイバーン!? 群れをなしていたのか!?」 そこには、10匹を超える数のワイバーンが凶暴なうなり声をあげて空を覆っていた。 普通野生のワイバーンは単独で行動するが、餌が不足したときなどは群れを作って集団で狩りをすることもあるという。 オスマンは、今度こそ終わったと覚悟したが。 「仲間を連れてきやがったか、おもしれえ、食えるもんなら食ってみやがれ!!」 彼は、再び銃を抜くとオスマンを木陰に隠してワイバーンの群れの真下へと飛び込んでいった。 ワイバーンは飛び出してきた獲物に喜び勇んで飛び掛ってくる。彼は先頭きって飛び込んできたワイバーンを撃った。 「食らいやがれ!」 再び閃光が走ってワイバーンが撃ち落される。だが2匹、3匹目が次々と来る。 彼は走りながら追ってくるワイバーンを狙いすまして撃つ、撃つ。 しかし、残るはあと3匹となったところで完全に怒りが頂点に達したワイバーンは3匹同時に火炎のブレスを放ってきた。 「あ、危ない!!」 オスマンは思わず叫んだ。あれを受けては骨も残るまい。 だが、彼は地面に身を投げ出すと、そのまま転がりながら回避して、さらに撃った。 1匹目が落ちる、2匹目も落ちる。 そして3匹目は、彼に向かって2回目の火炎放射を放とうとした瞬間、顔面に直撃を受けて自ら放とうとした火炎に包まれて火達磨になって落ちた。 「見たか!! 俺のファインプレー」 彼は起き上がると銃を指でくるくると回しながら陽気にそう言った。 そして彼は腰が抜けているオスマンに駆け寄ると「大丈夫か」と声をかけた。 「わしは大丈夫じゃ……しかし、あれだけの数のワイバーンを……君はいったい?」 「なーに、宇宙人なんかに比べればたいしたもんじゃないさ。それより、立てるかい?」 彼はオスマンに手を貸して立たせてやった。 「……」 見れば見るほど奇妙な格好であった。彼が銃を持っていて、なおかつ動きやすそうで兜のようなものをつけていることから戦闘服であろうが、柄はまったく見覚えがなかった。 「ありがとう。けれど、君はどこから来たのかね。わしもだいぶん生きてるがその服と武器はこれまで見たこともない」 すると彼はこれまでの陽気な笑顔ではなく、苦笑しながら空を見つめて言った。 「ここからすっごく遠いところさ。それこそ、この空のかなたくらいにね」 「遠く……東方からか?」 「ま、そういうことにしといてくれよ。それより、もうすぐ日が落ちるから早く帰ったほうがいいぜ」 「ああ、 と、そのとき彼らの頭上をこれまでとは比べ物にならない、まるで夜になってしまったかのような影が覆った。 はっとして、空を見上げたそこにいたものは、真っ赤な体に巨大な翼、大きく裂けた口と目を持たない顔を持つ全長50メイルを超えようかという超巨大な飛竜がいた。 巨大飛竜は、ふたりに向かって大きく吼えた。森が揺らめき、風がとどろく。 オスマンは、今度こそ全身の力が抜けていくのを感じた。こんな化け物、たとえ軍隊がいたとしても勝てるかどうか。 「もういい、わしは置いておいて君だけでも逃げなさい」 しかし彼は笑って答えた。 「わりいけど、怪獣と戦うのが俺の仕事でね、そこの木の影に隠れててくれ、絶対に出るんじゃないぞ」 彼はオスマンを強引に木陰に隠すと、怪獣のもとへと飛び出した。 「こっちだ! 怪獣野郎」 彼はオスマンのいる気の影からできるだけ離れるように走った。 巨大飛竜は森の木々を踏み潰しながら彼を追っていく。ワイバーンを倒したあの銃もこの怪物にはまるで通用していない。 そして、巨大飛竜はその肩に空いた砲身のような穴から真っ赤な火炎弾を彼に向かって撃ちだした。 大爆発が起こり、森が焼け、空が赤く染まる。 「ああっ!!」 オスマンは、彼の姿が炎に包まれようとしているのをまるで時間が圧縮されているかのようなゆっくりした流れで見ていた。 だが、そのときオスマンは見た。 彼がまさに炎に飲み込まれようとした瞬間、彼の手の中に握られた小さな何かが輝いたのを。 そして聞いた。強さと勇ましさを意味するその名を。 「ダイナァァ!!」 太陽のような光が森の一角を包み、オスマンは見た、怪獣に向かって立ちはだかる光り輝く銀色の巨人を。 「光の……巨人」 続く 前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔
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完全に無関係の荒らしなのでこのページ消したいんですが管理者もしくはメンバー権限ある方いませんか?
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653 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 10 17 26.02 ID ZBgXwzQm0 [1/9] 「さやかちゃん」 「この声はセクハラされたがってる声、まどか…いやらしい子」 「ち、違うよ///」 654 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 10 31 25.37 ID +DtaLldv0 [1/9] 「ま~どかっ!」 「この声は…さやかちゃんがわたしを好きだって!わたしと結婚してくれるの…!? 子供は3人だなんてそんなのまだ早いよぉ…わたし達中学生なのに…えへへへ///」クネクネ 「捏造すんな!///(べしっ!)」カァァァ 「あうっ!」 655 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 10 40 47.24 ID An/Bsaw50 [1/4] 「まどか・・・」 「・・・うん、いいよ・・・///」 「まどかぁーっ///」 「さやかちゃぁーっ///」
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Vocal miko 幺九牌に 幺九牌に 幺九牌に ごっすんごっすん五寸釘 イーアルサンイーアルサン ワンツースリーワンツースリー いちにーさーん イーアルサンイーアルサン ワンツースリーワンツースリー いちにーさーん アイン ツバイン グーテンモルゲン イーアルイーアル いちいちいちいち ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひひふー ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひひふー ひふみ ひふみ ひふみ ひふみ ひひふー ひひひひひひひひひひひひひ ひふみよ ひふみよ 対子対子対子対子 対子対子対子対子 刻子刻子刻子刻子 刻子刻子 槓しないわ 暗刻暗刻暗刻暗刻 暗刻暗刻暗刻暗刻 明刻明刻明刻明刻 明刻明刻 役がないわ 搭子搭子搭子搭子 搭子搭子搭子搭子 順子順子順子順子 槓子槓子槓子槓子 安牌安牌安牌安牌 七対子七対子七対子七対子 混一色 清一色 地和 天和 九蓮宝灯 大三元 嫌いキライ loving (あん ああん あん ああん あん) 誰がダレガ can t be alive without you どうしてなぜかしら (あん ああん あん) why why why why don t I miss you a lot, forever? 知らないわ(あんああん) そんなルール(あんああん) 割れ目で和了(ホーラ)れたら ハコっちゃう(あんああん) あなたとは(あんああん) 違うから (あんああん) ひとの親場まで 簡単に流さないで (断幺ー) 一索 一索 一索 一索 一索・・・・ 立直 立直 立直 立直 立直・・・・ 河底 河底 河底 河底 河底・・・・ 聴牌聴牌聴牌聴牌聴牌 洗牌 砌牌 壁牌 王牌 風牌 白板 緑發 紅中 嶺上開花 国士無双 近いミライ turning(ゆん ゆゆん ゆん ゆゆん ゆん) 遠いオモイ can t be alive without you どうしてなぜかしら (ゆん ゆゆん ゆん) why why why why don t I miss you more, forever? 知ってるわ (ゆん ゆゆん) 燕返し (ゆん ゆゆん) いつでも山の中隠してる(ゆん ゆゆん) あなたとは (ゆん ゆゆん) 違うから (ゆん ゆゆん) ひとの上がり牌 簡単に盗まないで (聴牌即リー)