約 1,871,783 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4205.html
前ページ次ページゼロの使い魔はメイド キュルケとの軽い悶着後。 ルイズはシャーリーを伴い、いざ朝餉におもむかんと食堂に行ったのだが。 (しまった……) と、ルイズは無駄に豪華な朝食を前にしばし考えていた。 (この子の食事、どうしよう?) 普通使い魔の食事は学院が用意してくれるが、シャーリーは平民とはいえ、れっきとした人間である。 まさか他の使い魔連中と同じように扱うわけにいかぬ。 かといって、同じ席で同じものを食べさせるというわけにいかない。 貴族と平民は違うのだ。 ルイズはちらりと後ろに立っているシャーリーを見る。 ちょこんと横にひかえたシャーリー、ごく普通にしていた。 空腹でないわけではないだろうが、自分がルイズと同じ席で同じものを食べるなどという発想は最初からないようだ。 それがここハルケギニアでは普通なのだが。 もしもこれが、もっと別の時代の、別の時代の国の少年なんかであれば、自分もご相伴に預かれると思い込み、はしゃぎまわっていたかもしれぬが。 (後で、メイドにでも頼んでおけばいいかな?) そう考えてから、始祖ブリミルへの感謝をささげた後、ルイズは朝食をとる。 朝食後、シャーリーの入れてくれたお茶を飲んで、ほっと息を吐いてから、 「ちょっと、あなた」 近くを通る黒髪のメイドに声をかけた。 「はい、なんでしょうか?」 メイドはルイズを振り返った後、シャーリーを見て、あらという顔をする。 もう顔を知っているのだろうか? シャーリーを見ると、 「お洗濯の時に……」 なら、話は早い。 ルイズはふむとうなずき、 「ちょっと頼みたいんだけど――」 ルイズはシャーリーの食事をシエスタに頼むと、席を立ち上がった。 「シャーリー、あなた朝ごはんまだでしょ? 今のうちに食べてきなさい。終わったら教室にくるのよ。場所はそのメイドにでも聞いて。それから……」 と、ルイズはシャーリーの服装を見て、 「ついでにメイド服に着替えてきなさい」 「――はい」 メイド服、という言葉にシャーリーはかすかに反応したようだった。 (? まあいいわ) 「それじゃ、後よろしく」 そうシエスタに言って、ルイズはすたすたと食堂を出て行った。 「なんだ、シエスタその娘っこは?」 厨房に連れて行かれたシャーリーを出迎えたのは、コック長の怪訝そうな声だった。 「あの、この子はミス・ヴァリエールの……」 「おおう、平民の使い魔ってのは、この子か?」 コック長のマルトーはシャーリーを見ながら、 「まだ子供じゃねえか、こんな子を……。ったく、これだからメイジってやつらは……」 不機嫌そうに鼻を鳴らすマルトーに、シャーリーは脅えたように表情を暗くする。 それに気づいたマルトーはあわてたように振って、 「おっと、別にお前さんに怒ってるわけじゃあねえんだ。気にしねえでくれ。朝飯がまだ? そうか、簡単な賄いしかねえが、食ってきな」 「ありがとうございます」 シャーリーが礼を言うと、 「なぁに、いいってことよ」 マルトーは照れたように笑ってみせた。 「何か困ったことがあったら、俺でもいい、シエスタでもいい。いつでも相談しな」 「はい」 シャーリーは安心したように、かすかに微笑んだ。 簡素な食事をすませた後、シャーリーはシエスタにある部屋に案内される。 シエスタが他のメイドと一緒に使っている寝室。 「あらあら、かわいらしいこと」 シエスタは楽しそうに笑った。 部屋に設置された大きな鏡の中、メイド服に着替えたシャーリーが映っている。 「ちょうどサイズが合うのがあってよかったわ。ここではあなたくらいの年のメイドっていなかったから、服あるかなって思ってたんだけど」 シエスタはシャーリーの肩に手を置いて、鏡の中の小さなメイドを見る。 「……」 シャーリーは鏡をじっと見ている。 緊張したように表情は少ないが、嬉しそうな様子だった。 「それじゃ、ちょっと替えの服持ってくるわね」 「……」 シエスタが出て行った後も、シャーリーはしばしぼうっとしていたが、 「……」 おもむろに、くるりと体を回転させた。 スカートが、ふわりと舞う。 「………」 シャーリーはスカートを見下ろして、表情を一変させた。 花のような笑顔とは、このことであろうか。 さらに、もう一度。 じーん。 そんな擬音が聞こえてきそうな表情だった。 かすかに紅潮した頬が、少女の感動の強烈さを物語っているようだった。 シャーリーは何度もくるりと舞ったり、スカートの裾をつまんだりしていた。 すっかり夢中になっているところに、 「シャーリー、お待たせ……」 シエスタが予備のメイド服を手に戻ってきた。 「……」 鏡の前、裾をつまんでポーズをとっていたシャーリー。 立ち尽くすシエスタ。 THE WORLD 数秒経過。 そして、時は動き出す。 「……すみません。その、スカートがぶわっと……。こういうのに憧れてたので……」 「そ、そうなの」 シエスタは内心、 (そんなことが、あそこまで嬉しいなんて……) 暗い過去を背負っていそうだなあ。 照れまくるシャーリーを見て思った。 と、 ドンと、どこかで何かが爆発したような音が響いた。 「今の……」 驚くシャーリーに、 「多分ミス・ヴァリエールね……」 シエスタは苦笑した。 シャーリーが教えられた教室へと向かってみると、中はもうメッチャクチャだった。 教室の中で爆弾でも使用したかのような惨状。 ルイズはその中に一人で立ち、黙然としていた。 「あ、あの……」 何か近寄りがたい雰囲気ながら、シャーリーは思い切って声をかける。 「シャーリー」 ルイズは振り返らずに言った。 声が、ひどく硬い。 「はい」 「教室の中を片づけるの、手伝って」 「はい」 シャーリーはそれ以上何も言わず、掃除をはじめる。 器用な手つきで、ゴミを片づけ、床をはいていく。 広い教室なのでそうそうすぐには終わらないが、それでもシャーリーは手早く掃除を行っていく。 「何も聞かないの?」 のろのろと机をふいたりしていたルイズは、やはりシャーリーの顔を見ずに言った。 「……」 「私、どんな魔法を使っても爆発させちゃうの……。今日もそれで、この有様」 と、ルイズは教室を見る。 「おかしいわよね。魔法の使えない貴族なんて。召喚魔法は、サモン・サーヴァントやコントラクト・サーヴァントが成功したのに…………」 「……」 「……そっか。あんたは、魔法のないとこからきたんだっけ?」 「はい」 「シャーリー」 かすかに震える声で、ルイズは言った。 「はい」 「しばらく、私のほう見ないでね」 小さな声でルイズは懇願した。 背中を向けたその表情はシャーリーには見えない。 ただ、その肩はかすかに震えていた。 「はい」 シャーリーは、静かにうなずいた。 「シャーリー」 またしばらくして、ルイズはシャーリーを呼んだ。 「はい」 「ありがとね……」 「……いいえ」 ようやく片づけが終わった頃、時刻はもう昼にさしかかっていた。 少しばかり目を赤くしたルイズは、シャーリーと一緒に食堂へやってきた。 そして、朝と同じく何事もなかったような顔で食事を取り始める。 シャーリーは朝と違ってメイド服なのでひかえている姿はまったく違和感がない。 食事も終盤に差し掛かる頃、デザートが配られ始める。 色々と種類があって好きなものを選べるようになっているらしく、メイドたちがそれぞれ学生たちに言われるものを配っていく。 「何をお取りしましょう?」 お茶を入れてから、シャーリーはルイズに尋ねる。 「クックベリーパイ持ってきて」 「はい。ただ今」 シャーリーはデザートを配っているメイドたちのほうへ歩いていく。 と、その途中で談笑している少年が、ポケットから小壜が落ちるのが見えた。 「あの、落とされましたよ?」 シャーリーは拾って少年に渡そうとする。 「あ、ああ。ありがとう」 少年は一瞬ぎくりとした顔になるが、すぐに何食わぬ顔で受け取った小壜を素早くポケットにしまいこむ。 が、まわりの仲間は目ざとくそれを見とがめて、 「おい、今のはモンモランシーの香水じゃないか?」 「ああ、そうだが――。しかし、誤解のないように言っておくけれど……」 少年は何やら弁解しようとするが仲間は怒涛の勢いで、 「あの鮮やかな紫は、モンモランシーが自分のためだけに特別に調合する香水だ。間違いない」 ちょっと小太りの男子が大声で言った。 鈍重そうな容姿のわりに、変なところに目がきくらしい。 「そうだ! ということはだ。お前は今モンモランシーと付き合っている、とこういうわけだな?」 他の連中も面白そうに囃し立てる。 「違う。だから、彼女の名誉のためにも言っておくが……」 少年はなおも言い募ろうとするが、もはや周囲は聞く耳持たない。 と、そこに一人の少女が青い顔で近づいてくる。 「ギーシュさま、やっぱり……ミス・モンモランシーと」 「いや、これは。その、誤解だ」 「その香水が何よりも証拠です」 「違うよ、ケティ僕の心の中にいるのは君だけ……」 ぱぁん。 小気味のいい音が響く。 少女の手のひらが、少年の頬を張ったのだ。 「さようなら!」 少女は泣き顔で叫び、走り出してしまった。 「邪魔よ!!」 八つ当たり気味に、シャーリーを突き飛ばして。 よろけるシャーリーだが、どうにか踏ん張って持ちこたえる。 だが、そこに金の巻き毛が特徴的な少女がずかずかと近づいてきた。 「邪魔よ、どきなさい!」 巻き毛はシャーリーを押しのけてギーシュの前に立ちはだかる。 「やっぱり、あの一年生に手を出してたのね……?」 「待ってくれ、モンモランシー……これはだね」 少年はきざだが必死な様子で花の浮くような台詞を並べるが、巻き毛は何も言わずにテーブルのワインをひっつかみ、少年の頭に洗礼を与えるがごとくふりかける。 「この、うそつき!」 一声叫んで巻き毛の少女は行ってしまった。 去り際に、浮気な交際相手に張り手の贈りものをして。 見事なまでの醜態をさらした後も、少年はハンカチで顔を拭きながら、 「彼女らは、薔薇の存在意義を理解していないようだ」 などと、ほざいていた。 シャーリーは動揺しながらも、そそくさとその場を離れようとする。 あまりお近づきにはならないほうがよさそうだと判断して。 「待ちたまえ」 「は、はい」 少年に呼び止められ、シャーリーはぎくりとして足を止める。 「君、君が軽率に壜を拾っておかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね」 「え……」 まさか、こんな風に言われるとは思わなかった。 「……も、申し訳ありません」 理不尽である。 だが、シャーリーのような少女に学生とはいえ魔法使いで貴族という相手に反抗できる術などあるわけもない。 謝るしかなかった。 がたん。 その様子を見ていたルイズは、顔をしかめて椅子から立ち上がった。 (しまった……) しばらくは傲然とシャーリーを見ていた少年だが、いくらか冷静になると我がことが省みられるようになってきたのか、ばつの悪そうな顔になってくる。 そこに。 「ちょっとギーシュ、何言いがかりつけてるのよ!!」 ルイズが大声で怒鳴り、シャーリーをかばい少年――ギーシュの前に立ちふさがる。 「さっきから聞いてれば、二股かけたあんたが悪いんじゃないの! か弱いメイドに八つ当たりするなんて最低よ!!」 「う……!」 その言い様にムカッとくるギーシュだが、ルイズの後ろで青くなっているシャーリーを見ると、事実を素直に認めるしかない。 女好きで軽薄ともいえる性格ではあるものの、理不尽に暴力を振るうこと好む気性ではない。 相手が少女なら、なおさらだ。 「うっ。そ、その通りだ」 ギーシュは頭をさげた。 負けるが勝ち。 そんな言葉が彼の脳裏を走ったかどうかは定かではないが。 「さっきの暴言は海に流してくれたまえ」 ギーシュはシャーリーに向かって謝罪する。 「完璧に僕が悪かった。どうか、びっくりするぐらい許してくれ」 しかし、いつもの調子は出ずに、何ともおかしな言い回しをしてしまった。 「い、いいえ……」 シャーリーはそう答えるのが、精一杯だった。 横でそれをハラハラと見ていたメイドたちもほっとした様子だった。 前ページ次ページゼロの使い魔はメイド
https://w.atwiki.jp/whentheycry3-4/pages/129.html
キャストベアトリーチェ右代宮戦人(第十の晩に死亡)右代宮縁寿(1998年に死亡)右代宮真里亞(第十の晩に死亡)さくたろう右代宮金蔵(第九の晩に死亡)右代宮蔵臼(第七の晩に死亡)右代宮夏妃(第一の晩に死亡)右代宮朱志香(第二の晩に死亡)右代宮絵羽(第一の晩に死亡)右代宮秀吉(第一の晩に死亡)右代宮譲治(第二の晩に死亡)右代宮留弗夫(第一の晩に死亡)右代宮霧江(第八の晩に死亡)右代宮楼座(第一の晩に死亡)南條輝正(第六の晩に死亡)呂ノ上源次(第一の晩に死亡)紗音(第五の晩に死亡)嘉音(第四の晩に死亡)郷田俊朗(第九の晩に死亡)熊沢チヨ(第九の晩に死亡)エヴァ・ベアトリーチェワルギリアロノウェガァプルシファーレヴィアタンサタンベルフェゴールマモンベルゼブブアスモデウスシエスタ00シエスタ45シエスタ410山羊の皆さん小此木鉄郎天草十三須磨寺霞大月教授南條雅行熊沢鯖吉川畑船長ラムダデルタベルンカステル4th game"Alliance of the golden witch"
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1739.html
急いでいかねばならぬところがある、と王大人は言った。 なぜあんたがこんなところに、と問う桃とJに、わざと焦点をすこしずらした返事が返ってくる。 桃たちが聞きたかったのは、何故王大人がハルケギニアにいるのか、ということだ。 しかし、王大人の目を見た桃は、その問いを発することができなかった。 強い光を放つその目は、その問いを拒絶していた。 ようやく驚きから立ち直ったタバサは、王大人に一つ尋ねることにした。 「どこへ向かっているの?」 「ニューカッスルなる場所だ。」 その返答にキュルケとタバサは少し目を丸める。 彼らが向かう場所もまた、王党派に残された最後の拠点、ニューカッスルなのであった。 「でも、ニューカッスルは貴族派に囲まれて、今は入れないわよ。」 キュルケが問う。 王大人はにやりと笑って答えた。 「中国四千年をなめるでない。あてならある。」 そう言って懐から書物を取り出した。 そこには、ニューカッスルの抜け道が記されていた。 「きゅいきゅい。人って片手でも空を飛べるなんてすごいのねー。」 シルフィードは、頭上で棍を回しながら書物を取り出す王大人に、心の底から感心していた。 朝になった。 シエスタは歯噛みしていた。 彼女が撤収の準備をしている隙を突いて、ワルドがルイズを連れ出したのだ。 朝に弱いルイズ様のことだ。きっと寝ぼけ眼で付いていったに違いない。 そう確信したシエスタは、慌てて捜索を開始していた。 すぐに行く手を突き止めたシエスタであったが、そこで行動を止めざるを得なかった。 己の唇をかみ締めたシエスタの視線の先には、礼拝堂があった 虎丸とギーシュは、正装を着て、礼拝堂に座っていた。もちろん虎丸の正装は学ランだ。 二人には嫌な予感がしていた。 しかし、それを表情に出したりはしない。 ただ、いざという時に動けるようにだけはしていた。 ウェールズは皇太子の礼装に身を包み、新郎新婦を待っていた。 自分の人生の終わりに、予想外の晴れ舞台ができたことに嬉しさを感じながら。 既に死ぬことを決めていたウェールズは意図的に無視していた。 自分に危険が迫っているという勘を。 ルイズは戸惑っていた。 朝早くいきなりワルドに起こされて、気がついたら礼拝堂にいたのだ。 昨日ずいぶんと泣いたため疲れていたのかしら?とルイズは思う。 でも今は、 そうして思考をようやく整えたルイズは、今の出来事に対処することにした。 礼拝堂での結婚式は既に始まっていたのだ。 ウェールズが祝詞をあげる。 それに、ワルドが一言、誓います、と告げた。 次はルイズの番だ。ウェールズの視線がルイズを指した。 「今は、わたしはこの結婚式を望みません。」 ルイズははっきりと言い切った。 ルイズは考えていた。親友のアンのことを。 もし自分がこの場で好きな相手と結婚を挙げるなら、きっと彼女は喜んでくれるだろう。 それは間違いない。でも、 そこまで考えたルイズは、愕然としているワルドをチラリと見た。 この神聖な場で、最後のアルビオンの地で、流されて結婚したならば、彼女はとても悲しむだろう。 ルイズのことを攻めはしないかもしれない。しかし、 (わたしは、きっと自分を許せないわ。) そこまで考えたルイズは、自分に詰め寄るワルドに対して、毅然として対峙した。 ウェールズは、そのルイズの表情に驚いていた。 意志の強い少女であることは知っていた。だが、この目は (アンリエッタ。君が何か決意した時の目にそっくりだよ。) ウェールズはひどく優しい気持ちになっていた。 自分が司祭役をつとめる結婚式が台無しになったにも関わらずだ。 そうしてウェールズはワルドに、結婚式の取りやめの声をかけることにした。 しかし、ワルドは止まらない。 なおもルイズに言い続ける。 「世界だルイズ。僕は世界を手に入れる!そのためにきみが必要なんだ。」 その言葉にルイズは、己の中のワルド像が崩壊したのを感じた。 この旅の途中、どこかワルドの様子が変に思えていたが、ようやく納得したのだ。 彼が、もはや昔の優しいワルドではないことを。 そのことに、少し悲しみを覚えたルイズ。 だが、彼女は言葉にして告げることにした。自分の今の思いを。 「わたし、世界なんていらないもの!」 ルイズが欲しいのは世界なんてありふれたものではない。 望まぬ結婚を強いられ、自分の思いさえも封じ込めたアンリエッタの悲しげな表情が頭に浮かぶ。 アンリエッタが、家族が、シエスタが、学友達が、使い魔たちがみな幸せに暮らせる日常が欲しい。 強く、とても強くそう思っていた。 その言葉に一瞬能面のようになったワルドが告げる。 「残念だよ。」 その言葉に不吉なものを感じたウェールズに虎丸、ギーシュは慌てて飛び出そうとするが、時既に遅し。 ワルドは、素早く当身をルイズにくれると、意識を失ったルイズを抱え、後方に飛び去っていた。 一方そのころ、学院にいた一号生達は、全員新男根寮の前に集まっていた。 みな顔が一様に張り詰めている。 その表情に田沢は確信を持った。誰かが危機に陥っていることを。 彼らはみな、同じ釜の飯を食べた仲間だ。共に命を預けた仲間だ。 その仲間の危機がわからないハズがない。 今ここで彼らにできることはただ一つ。 大鐘音のエールを切ることだけである。 秀麻呂が塾旗をあげる体勢に入ろうとする。 そこへ 「それは僕にあげさせてくれ!」 マリコルヌが割り込んできた。 マリコルヌは嫌な予感がしていた。 ギーシュが危ない!直感的にそう思ったマリコルヌは、思わず新男根寮の前までやってきてしまったのだ。 そこでマリコルヌは見たのだ。残ったものが、己ができる方法で闘おうとしていることを。 ならば自分も勇気をだそう。 その友を思う姿に、秀麻呂は黙って旗手を譲った。 「貴様!何が目的だ!」 ウェールズの怒声が飛ぶ。その手には既に杖が握られていた。 それに恐れる様子もなくワルドは答えた。 「一つはルイズ。一つはアンリエッタの手紙。そして最後は……」 「貴様の命だ!プリンス・オブ・ウェールズ覚悟ぉ!」 まさしく閃光のごとき詠唱速度で唱えられたライトニング・クラウドがウェールズを襲う。 「殿下!危ない!」 間一髪ギーシュに突き飛ばされたウェールズは、なんとか命を拾うことに成功した。 素早く体勢を立て直すと、ワルドに向かい魔法を唱えようとする。しかし、 「卑怯な!」 ワルドがルイズを巧妙に盾にしていた。 その様子に、ワルドが歪んだ笑いを浮かべた。そこへ 「ワルド子爵。あなたはレコンキスタということで間違いないですね。」 落ち着き払った声でギーシュが声をかけてきた。 あまりに場違いなその様子に、ワルドは思わず返事を返してしまう。 「それが、どうしたというのかね?」 「いえ。ただ確認したかっただけです。ということだ。やれヴェルダンテ!」 その瞬間ワルドの足元が爆発した。 そうして土の中から一頭のジャイアントモールが飛び出てきた。 不意打ちのアッパーをなんとかかわすことに成功したワルドは、 冷静に右手に杖を、左手にルイズを抱えなおし対処しようとする。 ヴェルダンテの不意打ちは不発に終わった。 多少の隙はできたとはいえ、その隙を突くには虎丸たちは遠すぎたのだ。 しかし、シエスタには十分であった。 「がっ!」 ワルドが短い悲鳴を挙げてルイズを取り落とす。 その左手には、槍の穂先のようなモノが刺さっていた。 大豪院流気功闘法繰条錘である。 その穂先は、まるで意志を持つかのようにワルドの手から抜けると、シエスタの手と穂先を結ぶ針金をルイズに巻きつけた。 ルイズが空を飛ぶ。それを無事受け止めると、シエスタは叫んだ。 正直限界であった。この技を使うには、気の絶対量がまだ足りなかったのだ。 しかし、それでも 「ルイズ様はお任せください!」 女の意地があった。 その台詞に三人は、弾かれたように突撃を開始した。 この卑劣漢を倒すために。 ルイズを奪い返されたワルドだが、それでも余裕の表情を崩さない。 (皆殺しにすればいいだけのこと。) そう考えたワルドは、彼らに告げた。 「さて、ではこちらも本気を出そう!何故、風の魔法が最強と呼ばれるのか、その所以を教育いたそう! ユピキタス・デル・ウインデ……。」 呪文が完成したとき、そこには五人のワルドがたたずんでいた。 ワルドの必殺、風の遍在である。 二体がウェールズに、二体が虎丸とギーシュに、一体がシエスタに襲い掛かった。 うおおおおおお! マリコルヌの雄叫びが上がるが、幻の大塾旗はピクリとも動かない。 重さは軽く三百キロを超える、まさしく大塾旗だ。 人間の力で挙がる代物ではない。 そのことを塾生達はわかっている。 それでも、誰一人としてマリコルヌを手伝おうとはしない。 これは、彼が一人で挙げねばならぬのだ。 一人で挙げねば、真の大鐘音は完成しないのだ。 そのことを知っている男達は、血が出るほど拳を握り締めると、それぞれの準備に入った。 マリコルヌがあげる事を信じて。 マリコルヌの心に、これを説明してくれたときの秀麻呂の声が響く。 (これは体力であげるものじゃない。友を思う気持ちであげるものだ。 だからマリコルヌ、お前ならあげられるさ!) マリコルヌはその思いに応えねばならない。 しかし、現実は非情である。 ピクリとも動かない大塾旗に、マリコルヌの心は砕けそうになる。 (ぼくでは無理なの?こんなぼくでは……) そこへ秀麻呂の怒声が飛ぶ。 その檄に、マリコルヌが秀麻呂を見ると、そこには男達が並んでいた。 静かにマリコルヌを見つめていた。そこには、信頼があった。 彼らは、マリコルヌが幻の大塾旗をあげきると信じているのだ。 「一世一代の根性、見せてみろ!」 秀麻呂が叫ぶ。 マリコルヌの鼻から血が噴出す。また、力を入れすぎたこめかみからも血が流れ出る。 それでも大塾旗は上がらない。 さらに力を込める。筋肉が限界を超えて盛り上がり始める。 それでも大塾旗は上がらない。 そして、 雄たけびを挙げたマリコルヌの服が弾け飛ぶ! ついに幻の大塾旗があがり始めた。 それを見届けた秀麻呂は、自分も大鐘音に加わり始めた。 (これからが本当の命がけだぜマリコルヌ!) 彼らの体に刻まれたルーンが静かに光りだしていた。 本性を現したワルドは恐るべき敵であった。 ワルドが作り出した遍在は、一体一体が魔法を使い、その体術の腕前も恐るべきがものがあった。 (やべえ!これじゃあジリ貧だ!) 虎丸はそう思う。自分達には、ワルドの魔法を防ぐ方法がほとんどない。 今はギーシュのゴーレムがなんとか魔法を代わりに受けてくれているが、直に限界が来るだろう。 (どうにかしないとな。) 虎丸はそう考えつつもワルドに猛虎流の拳打を放っていた。 しかし、良い案は浮かびそうになかった。 シエスタは焦っていた。遍在が一体とは言え、その大元は閃光と異名を取る程のメイジである。 今のシエスタには一体といえど、難しい相手には違いがなかった。 (でも!) シエスタは思う。他はもっと不利な戦いを強いられているのだ。 せめてこの一体だけでも自分が倒さねばならない。 だが、杖による攻撃と魔法を巧みに組み合わせてくる相手に、攻撃をする暇がない。 シエスタは覚悟を決めた。 「はぁっ!」 左手を盾にして『エア・ニードル』を受け止める。 杖そのものに貫通力を帯びさせたその魔法があだとなった。 シエスタの左手の筋肉が、その杖を絡みとり離さない。 一瞬、遍在が杖を離すべきか逡巡する。 その一瞬が命取りとなった。 激痛がシエスタを襲う。だが、シエスタは痛みを無視すると裂帛の一撃を込めた。 「大豪院流!真空殲風衝!」 その風についに遍在の一体が砕け散った。 それを確認したところでシエスタの意識は途切れた。 その瞬間、全てのワルドが、思わず驚愕の表情を浮かべていた。 その隙を逃すほど、ウェールズは落ちぶれてはいない。 遍在の一体を風で切り裂くと、残りのワルドに向き合った。 虎丸とギーシュもまた、その隙を逃さなかった。慌ててライトニング・クラウドを唱える。 流石は閃光と名乗るだけのことはある。 詠唱が遅れたにも関わらず、その一撃は虎丸の一撃よりも早かった。 そうしてライトニング・クラウドが虎丸に走る。 「ぼくを忘れてもらっては困る!」 ギーシュが最後の力を振り絞ってゴーレムを作り出す。 そのゴーレムは虎丸の全身を覆いつくすと、ライトニングクラウドの身代わりとなって消えた。 うおおおおおおお! ついに虎丸の渾身の拳が遍在の一体を捉えた。 残すは本体と遍在のみである。 その時、ウェールズの目は、予想外の事態を捉えていた。 他の者は気づいていない。 ならば! 「ライトニング・クラウド!」 シエスタ達の方から声が聞こえる。 慌てて虎丸が振り返ると、その視線の先で、ウェールズがゆっくりと崩れ落ちていった。 「切り札とは最後まで取っておくものだよ。」 最後の一人、気を失ったシエスタを始末しようとしたワルドが、 本体のワルドが姿を表していた。 虎丸が吼える。 ウェールズは、こんなところで薄汚い暗殺者などに殺されていい人間ではなかったのだ。 その勢いに不意を突かれたワルドが振り向く。 そこの虎丸の鉄拳が飛んだ。 ガキィーン ワルドが杖を盾にガードするが、大きく後ろに吹き飛ばされた。 「くっ!このバカ力が!食らえ必殺!「「ライトニング・クラウド!」」」 三方向からのイカヅチが虎丸を襲う。 直撃を受けた虎丸は、ついに倒れこんだ。 「三点同時のライトニング・クラウドをくらってまだ生きがあるとは、貴様本当に人間か?」 その台詞に、かろうじて意識の残っていた虎丸は、悪口で返す。 「てめぇみてぇな外道にこたえることは、何一つねえよ。」 「まだ、喋れるとはな。ここは確実に止めを刺させてもらうとしよう。」 三体のワルドがゆっくりと近寄ってくる。 その手には、『エア・ニードル』を発動させた杖があった。 一号生達の大鐘音は止まらない。 だが、マリコルヌが限界を迎え始めていた。 徐々に大塾旗が下がり始める。 男たちが声をかけるが、マリコルヌの薄れ始めた意識には届かない。 その時 「「わたしも闘います(闘うわよ)!」 ケティとモンモランシーが姿を表した。 悪い予感がした二人は、己の直感の赴くまま行動し、ギーシュの不在を知った。 そして、同じようにギーシュの危機を感じたマリコルヌが何かしているのを知って、慌てて追いかけたのだ。 二人は、旗の下に座り込むと一心不乱に祈り始めた。 その光景に場の時間が止まる。 再び動かしたのは秀麻呂だった。 「あの姿が見えるか、マリコルヌ!見えるならば、無様をさらすな! 最後のバカ力、振り絞ってみろ!」 マリコルヌの声にならぬ雄たけびがあがる。 再び大塾旗が高く、高く舞う。 そうして真の大鐘音が完成した。 主のために!友のために! ルイズはようやく目を覚ました。 自分を守るように立ったまま意識を失ったシエスタ。同じく意識を失っているギーシュ。 傷だらけで倒れて、それでもまだ闘志衰えない虎丸。 ゆっくりと崩れ落ちたウェールズ。 彼が最後に誇らしげに微笑んだような気がした。 その時、ルイズは全てを悟った。 そうして思う。あの男だけは許してはいけない。 さらに、 ルイズは己の中に、熱い、熱い何かが流れ込んでくるのを感じていた。 かつて、シエスタとギーシュの決闘で感じたときと同じものを。 しかし、もっと純度の高い別のものが。 その思いを言葉に乗せる! 呪文は何でも良かった。どうせ結果は同じなのだから。 「ファイアーボール!」 ルイズのファイアーボールが炸裂した。 少しの間ギーシュは意識を失っていた。 ふと、マリコルヌにケティ、そしてモンモランシーの声が聞こえた気がしたギーシュは、意識を取り戻すことに成功した。 そうして見た。 ワルドが虎丸に止めを誘うとしているのを。 だからギーシュは、最後の力を振り絞ってゴーレムを作った。 「行け!ワルキューレ!」 シエスタは不思議なだった。 こんなに離れているのに、あの大鐘音の声が聞こえているのだ。 ならば、きっともう一撃だけなら、加えられるはず。 誇り高い祖父の技を受け継いだ自分が、こんな声援を受けて這い蹲っているわけにはいかない! だから、 「大豪院流奥義!真空殲風衝!」 正真正銘最後の一撃を放った。 そこからのワルドの反応は芸術的ですらあった。 二人の遍在が風で障壁を作り、ルイズとシエスタの攻撃を防ぎきる。 そして本体が、『エア・ニードル』をかけた杖でワルキューレを切り裂く。 神業的な集中力と反応であった。 おそらく、ワルドにも二度とはできないであろう。 だが、 「くっ!」 その反動から、ワルドの膝が一瞬落ちた。 虎丸は考えていた。 ワルドを倒すためには、遍在を含めた全員を倒さなければならない。 (Jとか卍丸なら、こういう相手も得意そうなんだけどなあ。) 虎丸にはそういう手札がない。 しかし、ルイズが、シエスタが、ギーシュが死力を振り絞った一撃が、ついにワルドの膝を折ることに成功する。 ならば、 (あれこれ考えるのは俺らしくねぇ!今はこれだ!) 応えるのが虎丸龍次というものだ。 「食らえ!大放屁火炎放射!」 あたり一面が炎に包まれる。そう、屁は燃えるものなのだ。 そんな中、虎丸のルーンが静かに光っていた。 「うぬおーーーー!目が!目がーー!」 ワルドは思わず顔を抑えていた。 爆風にのまれて遍在は姿を消していた。 必死で魔法をかけて、己の顔の火を消す。 左目が潰れたその顔には、かつての色男など、かけらも残っていなかった。 なんとか、応急処置を完了したワルドは、虎丸を睨もうとする。 「貴様!男子の面体に屁などかますとは!」 そこでワルドは気がついた。 虎丸が既に動いていることに。 「どこをお探しだい?俺はここだぜ!」 既に懐近く入り込んでいた。 虎丸は久しぶりの感触に驚いていた。これはまさしく大鐘音だ。 力尽きたはずの自分なのに、力が湧いてくるのがわかる。 他の一号生達からは今の自分の様子などわかるはずもない。 それでも、今この時に大鐘音をしてくれる仲間に、虎丸は深く感謝の念を込めると 「お前なんざぁ、屁とこれで十分じゃあ!」 渾身の頭突きをワルドに食らわした。 ワルドの顔面が大きく陥没した。 「終わったのね。」 ルイズがそう呟いたその時! 「貴様ら、許さん!」 声が響く。ワルドがまだ生きていたのだ。 顔を焼かれ、片目を潰され、そして鼻の部分は陥没し跡形もなくなっている。 それでもまだ、生きていた。 流石はスクウェアクラス魔術師、閃光のワルドである。 しつこい! そう思って魔法を唱えようとしたルイズは気がついた。 ワルドは、怒り狂っていてために、気づくのに遅れた。 それが命取りとなった。 「心眼剣、一之太刀!」 シルフィードから飛び降りた桃の一閃に、ワルドの左腕が落ちた。 「遅いわよ!」 ルイズの一声が飛ぶ! その目は涙でにじんでいた。 すまんな、とだけ桃は返した。 キュルケにタバサ、J、王大人もそこにいた。 ワルドは、かすれる意識の中で、グリフォンを呼び出すと逃走した。 これほどの屈辱はなかった。 傷ついた一同を、王大人が簡単に見てまわる。 最後にウェールズ王子を見ると、眉をしかめた。 その様子に不安を覚えたルイズは尋ねる。 「ねぇ。ウェールズ王子は大丈夫なの?」 しかし、王大人は無情にも首を横に振ると、短く答えた。 「死亡確認」 と。 その言葉に、一同静まり返る。 大体の事情をギーシュから聞いたキュルケやタバサもまた、悲しそうな顔をしていた。 その時、外が騒がしくなってきたのが聞こえた。 どうやら、貴族派の兵士たちがここまで攻め込んできたようだ。 もはや、脱出までに許された時間の猶予はほとんどない。 最後にルイズは、ウェールズの手から、風のルビーを抜き取った。 アンリエッタに形見として渡そうと考えたのだ。 そして、 「ウェールズの遺体はわしが埋めよう。」 その亡骸は王大人が背負って脱出することになった。 その時、Jが立ち止まると、先に行けと指示を出した。 間に合わなくなる、というルイズに、下で待っていろとだけ言うと、Jは後ろを振り向いた。 Jが殿を務めようとしているとしていることに気がついたルイズは、立ち止まろうとする。 しかし、立ち止まったところを、虎丸に抱えられてしまった。 「虎丸!あんたJのことが心配じゃないの!」 泣きそうな顔でルイズが言い募る。 これ以上、知り合いに死人がでて欲しくないのだ。 その言葉に虎丸がニヤリと笑って返す。 「あのかっこつけが、そんな殊勝なことするかよ!それに、」 そう言って桃の方を見つめる。 「ああ!Jは『下』で待っていろと言っていただろう。ならば『下』で待っていようじゃないか!」 桃もまた、不敵に微笑んでいた。 Jは一人礼拝堂に立っていた。 「いいかげん姿を現したらどうだ?」 その台詞に反応して、上空から計三十二人の男達が落ちてきた。 リーダー各の男が感心したように話し出す。 「ほう!良くぞ我々の殺気に気がついたな! 我々こそは!」 その名乗りを遮るかのように、Jが声を重ねる。 「貴様らの名乗りなどいらん! 今のオレは機嫌が悪い。とっとと立ち去るかここでぶちのめされるか選べ!」 その台詞にリーダー各の男の眉間が細まる。 「この人数に勝てると思っているのか!」 「そうか。」 そうとだけ呟いたJの右手が異様に膨れ上がる。 まさしく異形そのものの姿に、男達の腰が引ける。 あれで殴られたならば、そういう想像が頭をよぎるのだ。 Jは高く、高く跳躍すると、その右手を地面に打ち込んだ。 ピシリ。 その様子に、呆気に取られていた男達がわれにかえる。 ピシリ。ピシリ。 こけおどしをしやがって!そう口々に罵り男達はJに近づいていく。 ピシリ。ピシリ。ピシリ。ピシリ。 「フライング・クラッシュ・メガトン・パンチ」 Jが短くそう告げたその瞬間、地面が崩壊した! アルビオンの一角が崩壊する。 礼拝堂は、大陸の一部ごと粉々になって、地面へと落ちていく。 そんな中、Jは慌てる様子もなくこういった。 「You're Not My Match!(相手が悪かったな)」 Jの視界には、自分の下を悠々と飛ぶ風竜の姿が捉えられていた。 男達の使い魔 第十話 完 NGシーン 雷電「あ、あの術はまさか!」 虎丸「知っているのか雷電!」 雷電「あれぞまさしく古代中国において最強の暗殺術と恐れられた辺坐威(へんざい)!」 遍在、風のメイジが好んで使用する術であり、その知名度は高い。 しかし、実はその起源が古代中国に由来するものであることを知るものは少ない。 秦の時代、辺坐威という集団があった。 彼らは、己の秘術で持って、五つ子以上を好んで産んでいたという。 こうしてこの世に生を受けた彼らは、時には一人の影武者として、 時には暗殺者のアリバイを立証するために八面六臂の活躍をしたという。 五つ子として生を受けた彼らにとって、兄弟に成り代わるのは難しくなかったのだ。 そんな彼らがハルケギニアに渡った後、風のメイジとして遍在を編み出したであろうことは想像に難くない。 ~曙蓬莱武術協会副会長平賀氏と風のメイジマリコルヌ氏の談話より引用
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5188.html
前ページ次ページ蒼い使い魔 翌朝、ルイズは眼をこすりながらゆっくりと起床する、 ここ最近、バージルは朝、ルイズを目覚めさせる仕事すら放棄しているため 自分自身で目覚めなければならないのだった。 ルイズははっとしたように部屋の中を見渡す、そこにはバージルの姿は見えなかった 昨日のバージルの言葉が脳裏をよぎる、 ―俺は魔界へ行く 脳内でその言葉が再生された瞬間ルイズは跳ねるように飛び起きた。 「どこっ!?バージル!どこに行っちゃったの!?」 ルイズはパニック状態になり部屋の中を引っかき回し己が使い魔の名を呼びながら探す、 眼に涙を溜めながらクローゼットの中からベッドの下まで覗き込む、 心臓が早鐘のように高鳴る、呼吸が荒くなるほど胸が苦しい、 「バージルッ…どこよ…どこにいっちゃったのよ…」 部屋の中を散乱させ、部屋の中で崩れ落ちるように座り込む、目から涙がこぼれおちた。 その時、部屋のドアが無遠慮にガチャと音を立てて開かれた、ルイズが驚きその方向をみると、 水桶をもったバージルが姿を現した。 バージルは散らかった部屋の中と半泣きのルイズを何も言わず一瞥し…、小さく溜息を吐くと洗面器へと向かった。 「バージル!!」 ルイズが声を上げバージルのところまで駆け寄り、背中にしがみつく。 「何だ鬱陶しい…」 「何だじゃないわよ!どこに行ってたのよ!心配させてっ!!」 「水を汲みに行っていただけだ。いつものことだろう」 淡々と返すバージルにルイズも冷静さを取り戻す。 水汲みはバージルが自ら行っている数少ない仕事だ、自身の顔を洗うためのついで、ということだが。 そこまで考えがいたった瞬間、ルイズの顔がボンッと音を立てるように真っ赤になり、 跳ねるようにバージルから離れた、 「なっなっなによ!別にあんたがいなくなったことを心配したんじゃないんだから!!」 「朝くらい静かにしろ」 湯気がでるんじゃないかというほど顔を真っ赤にし、喚き散らすルイズに取り合うこともせずさらりと受け流す。 顔を真っ赤にしながらも顔はバージルが戻ってきたという安心感で思わずにやけてしまう。 「…何をニヤけている…気色悪い」 半泣き状態でニヤけるルイズをみて辛辣な感想をバージルが呟く 「何よバカ!あんたのせいでしょ!罰として部屋の片づけをしなさい!いいわね!」 そう言いながら、急いで顔を洗う、冷たい水が涙を洗い流し、火照った顔を冷やす、だが顔は綻んだままだった。 朝、バージルの姿が見えなかっただけでこんなにも取り乱している自分がいる。 なんでこんなにも取り乱したんだろう、アイツとの関係は主人と使い魔…それだけなのに…。 使い魔だから?そうだ…きっとそう…、使い魔なんだから一緒にいてもらわないと困る、私だけの… 顔を拭き、そう思いながらベッドに戻りシーツのカーテンを引き着替えを始める、 着替え終わり、カーテンを開けバージルに話しかける。 「昨日言ってた魔界へ行くって話だけど…私、絶対認めないからね…」 「何故だ?俺が消えて困る奴など居まい、お前とは『一応』使い魔契約をしているが、 俺がこの世界から切り離されればそれも消える筈。お前は新しい使い魔を呼べばいい、それだけのことだろう」 その言葉にルイズの心がズキリと音を立てて痛み出した。 「俺とお前の関係などそんなものだ」 「違う!」 バージル本人の口から出た先ほど頭の中で思っていた主人と使い魔という関係を必死に否定する。 「違うなら、では…何だ?」 「それはっ…!!」 バージルが静かにルイズを見据える、 ルイズは言葉に詰まる、自分で主人と使い魔と思っておきながら それをバージルに言われ必死に否定してしまった。 「とっ!とにかく認めないから!!絶対認めないから!!」 「まだ方法もかかる時間も、分からんというのに…」 再び顔を赤くし喚くルイズを見て、呆れたように小さく溜息を吐くと部屋から出て行ってしまった。 「あいつ…私のこと…そのくらいにしか見てくれてないんだ…」 ルイズは思わず自分の口から出た本心にブンブンと首を振り、バージルを追うように部屋を後にした。 ルイズは朝食を取った後、授業へと出席する、バージルは図書館へ行き、今日も教室にはいない。 そしていつもどおり授業を受けていると、オールド・オスマンからの呼び出しを受けた、 なにか問題でもあったのだろうか?そうハラハラしつつ学院長室の前まで来ていた。 「失礼します」 ルイズは意を決し学園長室の扉をこんこんと叩いた。 「鍵はかかっておらぬ。入ってきなさい」 その言葉とともに、軽く深呼吸しドアをあける、 「私をお呼びとお聞きしました」 そんなルイズに緊張を見てとったのかオスマン氏は両手を広げて、立ち上がる。 歓迎の意を体全体を使って表したのだ。 「おお、ミス・ヴァリエール。旅の疲れはいやせたかな?思い返すだけでつらかろう。 だが、おぬしたちの活躍で同盟が無事締結され、トリステインの危機は去ったのだ」 優しい声でいわれて、ルイズの気持ちは幾分か落ち着いた。 「来月にはゲルマニアで無事王女と、ゲルマニア皇帝との結婚式が執り行われることが決定した。きみたちのおかげじゃ。胸を張りなさい」 しかし、その言葉に対しては、あまり胸を張れなかった。 アンリエッタとウェールズが愛し合っていたのだと知っている今、姫の望まぬ結婚は素直に喜べない。 「そしてその件なんじゃがの」 オスマンはそう言いながら、一冊の本を手渡す、 「これは……?」 「始祖の祈祷書じゃ」 「始祖の祈祷書?これが……ですか?」 名前ならルイズも聞いた事がある。王室に伝わる伝説の書物である。 といっても、この手の伝説の品によくあるように偽者もいっぱいある。 そして偽者を持つ貴族やら司祭やら王室関係者は誰もが「私の物こそ本物だ!」と主張している。 そんなこんなでトリステイン王国に伝わる始祖の祈祷書も本物かどうか怪しいものだ。 が、それでも国宝である事に代わりはなく、とても大切な物である。 何故そんなものをルイズに渡すのか。オスマンは説明を始めた。 「トリステイン王室の伝統での、王族の結婚式の際には貴族より選ばれし巫女を用意せねばらなんのじゃ。 選ばれた巫女は、この『始祖の祈祷書』を手に、式の詔を詠みあげる習わしになっておる」 「は、はぁ(そうなんだ…)」 「そして姫は、その巫女にミス・ヴァリエール、そなたを指名したのじゃ」 「姫さまが私に?」 オスマン氏が頷く。 「その通りじゃ。巫女は式の前より、この『始祖の祈祷書』を肌身離さず持ち歩き、詠みあげる詔を考えねばならぬ」 「えっ!?それじゃ、その…わ、わたしが詔を考えるのですか?」 「そうじゃ。もちろん、ある程度の草案は宮中の連中が推敲するから安心しなさい。 伝統はちとめんどくさいもんじゃな。だがな、姫はミス・ヴァリエール、そなたを指名したのじゃ。 これは大変に名誉なことじゃぞ。王族の式に立ち会い、詔を詠みあげるなど、一生に一度あるかないかじゃからな」 姫様の頼みを断るなんて絶対無理!ということでルイズは観念するように頷く、 「わかりました。謹んで拝命いたします」 ルイズは、オスマン氏の手から『始祖の祈祷書』を受け取った。オスマン氏は笑みを浮かべて、ルイズを見つめた。 「引き受けてくれるか。よかったよかった。姫も喜ぶじゃろうて」 一方バージルは学院の庭の隅のベンチで、これもまた図書館から拝借してきた本を読んでいた。 禁書エリアにまで堂々と入り込み、ブリミルの目指した聖地の奥の地獄門についての文献を漁り片っ端から読んでいるのだ。 「地獄門についてはどれも記されていない… 手掛かりがあるとするならば聖地の遥か東、ロバ・アル・カリイエという名称だけ…か」 バージルが本を読みながらつまらなそうに呟く。 「禁書といってもそんなもんさ、ブリミルは聖地から東のことについてはあまり触れなかったらしいからな」 ベンチに立てかけてあるデルフが声をかける。 「お前が覚えてればすべて解決なんだがな…」 「ハハハ、わりぃ、こればっかりはどうやっても思い出せねーんだ、あんま興味なかったんでな」 ジト目で睨むバージルにカチカチとデルフが音をたてて笑った。 チッっと軽く舌打ちをし、次のページをめくろうとした時に不意に声がかけられた、 「あの、バージルさん」 その声の主は学院のメイド、シエスタであった、手にはトレーを持っている。 「……」 シエスタに視線を向けることなく本を読み続ける、 「えと、何をお読みになってるんですか?」 そういいながら本の中身を覗き込む、その内容をみたシエスタが思い出したように話を切り出した、 「聖地の本ですか、そういえば東方のロバ・アル・カリイエから運ばれたって言われる『お茶』っていう飲み物が届いたんですよ! 今日はそれを御馳走しようと思って持ってきたんです!」 モット伯邸の悪魔達から自分を助け出してくれたバージルに対し、恩義以上のものを感じているシエスタは これがチャンスといわんばかりに、バージルに声をかけてきたのだった。 何しろ、これから声をかけようとしていた矢先にルイズやキュルケ、タバサ達と共にどこかへ外出してしまっていたのだ、 ここで巻き返すためにバージルが一人になる瞬間を狙っていたのかもしれない。 ロバ・アル・カリイエ、その言葉を聞いたバージルが反応し、シエスタの持ってきたトレーに目をやる、 「その…よかったら……飲んでくれますか?」 シエスタはトレーをベンチに置いて、手をもじもじしている。 「頂いておく」 特に気にするでもなく、返事をする。 すると、シエスタの顔がパーッと明るくなる。カップにお茶を入れてバージルに手渡す。 カップの中を見るとそれは深い緑色をしていた。 元は彼の世界にある日本茶である。バージルはそれを口にしてみる… 変わった香りだが悪くない、素朴だが味わい深い渋み、バージルはいたくこの『お茶』を気に入ったようだった。 「どうですか?おいしいですか?」 シエスタがおずおずと聞いてくる、 「悪くない」 そう言いながらカップを差し出す、二杯目が注がれ、またそれを口にする。 「そのロバ・アル・カリイエについて」 バージルが口を開く、 「何か知っていることはあるか?」 「ロバ・アル・カリイエですか?うーん…そうですねぇ…」 シエスタが手を顎にあてて考えるような仕草をとる。 「ブリミル様が最終的に目指したと言われる場所ですよね、 変わったものがたくさんあるって話ですよ、中には異世界につながっているなんて噂も… エルフたちとの行商が細々と行われている…くらいしか…」 「そうか…(やはり、手がかりがあるとすればそこか…)」 そう言いながらバージルは本をパタンと閉じ、空になったカップをシエスタに渡し、立ち上がる。 「また頼む」 「はいっ!」 シエスタの顔が輝く、お茶がバージルのお気に召したようで安心したようだ。 そうにこやかに返事をし、立ち去るバージルを見送った。 バージルが部屋に戻ると、ルイズがベッドの上で寝息を立てていた。 最初は気がつかなかったが、何やら古そうな本を抱えているのが見える、 眠っているルイズの腕から引きはがしそれを手に取り開く、 「………」 部屋の中にページをめくる乾いた音が響く、 「うぅーん…ふぁぁ…あれ?もどってきてたんだ…?」 ルイズが目をこすりながら起きる、 「ふぁ~あ、あ…あれ?始祖の祈祷書は!?」 持っていたはずの本がなくなりルイズは慌てる、国宝の本だ、無くしたらとんでもないことになる。 探しものはバージルが持っていた、静かにページをめくっている、よかった、と安心したその時 バージルが無言で読んでいた本を投げ捨てた、後ろ手で放り投げたにもかかわらず きれいな放物線を描き、ゴミ箱へ吸い込まれていった。 「ばっバカーーーー!!!なにやってんのよー!!!」 「終におかしくなったか?白紙の本に価値はない」 「だからって国宝をゴミ箱に叩き込む奴がいるかーーーーっ!!」 ルイズが絶叫し急ぎゴミ箱から始祖の祈祷書を回収する、よかった、どこも破れてはいない。 「白紙の本が国宝か。作った奴もだが、それを国宝と認定する連中もどうかしているな」 「仕方ないじゃない!これを肌身離さずにっていわれたんだもん!」 そういいながら結婚式の巫女に選ばれ始祖の祈祷書を持ち詔を考えてる事をバージルに説明した。 「でも…あんたの言う通り、国宝としては最悪ね、白紙だなんて…、偽物も多いけど胡散臭さはその中でもダントツよ、きっと」 ルイズが呆れたように言いながらバージルに視線を向ける、バージルは窓の外の二つの月を眺めていた。 「あんたってホント…月を眺めるのが好きね、なにが面白いんだか…」 そう言いながらバージルの横に立ち、月を見上げる、蒼い月と赤い月、二つの月が静かに光を放っていた。 「ねぇ、あの月…」 「………」 「まるであんたとダンテみたいね」 ルイズのその一言にバージルが少し驚いたような表情でルイズを見る。 「…そうだな…」 この世界の二つの月にどこか惹かれていたのは…考えながら二つの月に視線を戻す。 同じだが違う、違うが同じ、時に交錯し時に離れる、二つの月をどこか自分たちに重ねていたのかもしれない。 「こうして月を眺めるのも結構いいかもね…二つの月がどんな闇も祓ってくれる感じがするわ」 ルイズが静かに言う、バージルがフッと静かに笑った。 「お前にしては、気の利いたセリフだな」 「何よ、馬鹿にして…別にいいじゃない」 そう言いながらルイズが頬を膨らませる。 「でも…今日は特別に許してあげるわ」 そう呟きながらルイズはベッドに戻ってゆく、バージルは静かに月を眺め続けていた。 その日、ルイズは夢を見た、 バージルとダンテが共に力を合わせ、醜悪な姿をした悪魔と戦う夢だ。 その悪魔は強大な力を抑えきれず暴走し、二人に襲い掛かる。 ルイズはそれを見ても不思議と怖いとは感じなかった、力を合わせた二人の前に敵などいない、そう思えてしまう。 二人が息を合わせて戦う姿に思わず笑みがこぼれる。 悪魔の体に閻魔刀とリベリオンを打ち込み体内で交錯させ、貫通させる、 バージルがリベリオンを、ダンテが閻魔刀を振い悪魔を斬りつける。 ついに限界が訪れたのか、悪魔が苦しみ出した、 ダンテとバージルが銃を構え、悪魔に狙いをつけた。 「今回だけお前に付き合ってやる」 「"決めゼリフ"を覚えてるか?」 二人がニヤリと笑う 「「JACK POT!」」 二人の魔力が込められた弾丸が放たれ――悪魔を貫く―― ――悪魔は断末魔の悲鳴を残し、消えて―― そこでルイズの夢がさめる。 「なんだ…やっぱり仲良かったんじゃない…。」 少し笑いながらそう呟き、椅子に座り目をつむるバージルを見つめた。 昼休み、ルイズが広場のベンチに腰かけ始祖の祈祷書を開き、詔を考えていたが一向にまとまらず頭を抱えていた。 そこにキュルケが通りかかりルイズに話しかける、 「ハァイ、ルイズ、何やってるの?白紙の本なんか広げちゃって…」 「姫様の結婚式の詔を考えてるのよ、全然考えがまとまらなくって困ってるの」 「へぇ…よくわからないけど、大変そうなのはわかるわ、まぁ、それはそれでおいといて、面白いものを持ってきたわよ」 「面白いもの?」 怪訝な顔をするルイズの前に数枚の地図を広げるキュルケ 「なに?この地図、この本より胡散臭いわよ」 「ずいぶんな言いようねぇ、お宝の地図って話よ、ギーシュが持ってきたの」 「宝の地図?さらに胡散臭くなったわ…」 「まぁまぁ、そんなつれないこと言わないの、面白そうじゃない、ね、探しに行かない?」 「でも詔を…」 「いーのいーの!頭をかかえてたっていい文章は思い浮かばないわよ!気分転換にちょうどいいわ、きっと」 「そうね、じゃあ、ちょっと探してみましょうか」 キュルケの言う通りかもしれない、ここ最近はこれのことで悩みっぱなしだ、きっといいリフレッシュになるだろう。 「決まりね、とタバサも連れて行きましょう、あの子の風竜なら移動も楽だと思うわ、 後、役に立つか分からないけどギーシュも、これ持ってきてくれたのアイツだしね」 「そうね、じゃ、探しに行きましょ、多分図書館かしらね?」 そう言いながら立ち上がり二人は本塔へと向かった。 「おかしいわね、図書館にいると思ったのに、あの子ったらどこにいったのかしら?」 本塔から出てきた二人は首をかしげながら歩いていた、どうやら探し人はいなかったようだ、 さてどこにいるのだろう、と考えながらあたりを見渡す、すると視界に見知った姿が入り込んだ 二人の探し人、タバサだった。 「あ、こんなところにいたのねタバッ…!?」 声を掛けようとするルイズをキュルケが物陰に引っ張り込む 「ちょっと!何するのよ!」 「いいから静かに!ほら!タバサが他の誰かと一緒にいるのよ!こんなの珍しすぎるわ!」 キュルケがいつになく興奮した様子で小声でまくしたてる。 テーブルを挟むようにタバサともう一人が椅子に座り何やら本を読んでいる。 「確かに…タバサがあんた意外と二人きりなんて見たことないわ…」 そう言いながら二人は物陰からそっとその場を覗き込む、 そして思わず言葉を失った。 タバサと仲良く(?)本を読んでいたのはルイズの使い魔のバージルだった。 「ああああああああの馬鹿犬ぅぅぅぅ!!!私をほったらかしてなんでタバサなんかとぉぉぉぉ!!!」 「ちょっと落ち付きなさい!たまたま一緒にいるだけって可能性もあるでしょ!? 特に会話もしてないみたいだし!」 怒りの形相で飛び出さんとするルイズを必死にキュルケが抑え込む、 その言葉に少しだけ冷静さを取り戻したのか荒い息を押さえこむ。 「そ、そうよね…偶然かもしれないわ…」 そう言いながら再び見つからないように二人の様子を覗き込み耳を澄ます。 すると二人の会話が聞こえてきた。 「タバサ」 バージルがタバサに声をかける、 「何?」 タバサが本から目線をバージルに合わせる。 「聖地について何か知っていることはあるか?」 「…ごめんなさい、多分あなたの知っていること以上のことは知らない」 「そうか…ならいい」 「そう…」 はたから見れば何のこともない普段の会話、だがバージルがどういう人物かよく分かっているルイズにとって、 そしてタバサがどんな人物なのかよく知っているキュルケにとって、驚愕するに値する会話であった。 「(なんで名前で呼んでるの!?私なんてまだ一度しかバージルに名前呼んでもらったことないのに!!!)」 「(あの子が読書中に答えた!?普段ならあまり答えないのに!答えたとしても本から目を離さないわよ!?)」 二人が唖然とその様子を眺めていると、別な声が聞こえてくる。 「バージルさん!」 二人がその方向へ視線をやると、一人のメイド、シエスタが近づいてきていた。 どうやら先日バージルが気に入ったというお茶を持ってきたらしい。 「………お前か」「(やっぱり名前で呼んでない!!)」 「お茶がはいりましたよ」 「そこに置いておけ」 シエスタが二人分のお茶を入れバージルとタバサに差し出す。 それを手に取るとバージルが一口飲む、 「おいしいですか?」 その様子を横に立ち笑顔でシエスタが尋ねる 「あぁ…」 「そうですか、よかった」 そう言いながらシエスタは立ち去る気配を見せない 妙に険悪な雰囲気が場を支配する。 「(邪魔)」 「(はい、邪魔をさせていただきます、ミス・タバサだけズルいです)」 タバサとシエスタから妙なオーラが立ち上る。 悪魔すら裸足で逃げ出しかねない状況に遠目で眺めていたキュルケが思わず後ずさりする。 隣を見ればそれ以上のドス黒いオーラがルイズから立ち上っていた。 当のバージルはそんな雰囲気などどこ吹く風とお茶をすすりながら本を読んでいる。 「そういえば、バージルさん、先日"二人きり"で話した聖地のことですけど、思い出したことがあるんです」 妙に"二人きり"という言葉を強調するシエスタ、タバサがピクと反応しバージルを見る、 ルイズに至っては既に真魔人になりかけているらしい。 「…何だ?」 「私のひいおじいちゃんが遥か東から、空を飛んできたらしいんです、『竜の羽衣』って呼ばれてます」 その言葉にバージルが反応した。 「何だと?その『竜の羽衣』とやらについて詳しく聞かせろ」 「はい、私の村…タルブっていうんですけど、そこに『竜の羽衣』が残ってますよ、と言ってももう飛べないらしいですけどね」 「………」 バージルが腕を組み目をつむる、東から?空を飛んできた?そう考えているとシエスタがポンと手をたたいた。 「そうだ!今度私の村に来てみませんか!?他にもおいしい郷土料理があります!歓迎しますよ!」 空を飛び、東から『竜の羽衣』に乗りやってきたというシエスタの曽祖父、もしかしたら東へ行くための手がかりになる… そう考え、バージルは頷く。 「そうだな、では案内してもらおう」 その言葉を聞いたシエスタの顔が輝いた、すると横で本を読んでいたタバサが声をかける。 「タルブは遠い」 「うっ…」 シエスタが言葉に詰まる、結構痛いところを突かれた、タバサがさらに追い打ちをかける。 「シルフィードならすぐ」 「そうか、タバサ、頼めるか?」 「いい」 「礼を言う」 深く考えずバージルがさらりとタバサも同行させることを決定した、シエスタが膝を抱え 「(二人で遠乗りの予定が…)」 とぶつぶつ呟いていたが、突如聞こえてきた叫び声によってかき消されることとなる 「こぉぉぉぉぉぉぉぉの馬鹿犬ぅぅぅぅぅぅ!!!!!」 そう叫びながら凄まじい速度でルイズが走ってくる。 ルイズはそのままの勢いを利用しバージル目掛けレインボウを放つ。 全体重を乗せた見事なとび蹴りがバージルの顔面にヒット…するはずもなく、右手で足を取られ 空中高く放り投げられる。ルイズはそのまま地面に墜落、すると思われたが どこにそんな運動神経があるのかと問いただしたくなるほどの動きで空中で体勢を立て直し、 きれいに地面に着地する。 「この馬鹿ぁぁぁぁぁ!!!なにタバサに尻尾振ってるのよぉぉぉぉぉ!!!」 そう言いながら拳を振りまわしバージルを殴ろうとするが、片手で頭を押えられ近づけなくされていた。 そんなルイズを後ろからキュルケが必死に抑える 「お、落ち着いてルイズ!お願いだから!」 「離しなさいよ!キュルケッ!こいつに今日こそ自分の立場ってものを叩きこんでやるんだからぁ!!」 「と、とにかく落ち着きなさいってば!」 無表情だが妙に勝ち誇った表情を浮かべるタバサにさらに怒りのボルテージを上昇させる。 なぜルイズが怒り狂っているのか理解できていないバージルは呆れたような眼でルイズを見て尋ねる。 「何の用だ?」 「この期に及んで何の用だじゃないでしょあんたはぁぁぁぁぁーーーー!」 「あ、あのね、ギーシュが宝の地図をもってきたから私たちで宝探しをしようっていう話になったのよ それでタバサを探しに来たの」 怒り狂い話をすることが出来ないルイズに変わりキュルケが説明する 「そんなことやってる場合じゃないわよ!あんた達タルブへ行くんでしょ!? 私も行くわ!使い魔が行くんだもん!当然よ!特にそこのメイド!勝手に人の使い魔に手を出さないで! あんたもよバージル!!ってアイツは!?」 喚き散らしていたルイズはいつの間にかバージルの姿が見えないことに気がついた 「帰った、付き合いきれんって」 タバサが本を読みながらさらりと言う 「あんの馬鹿ぁぁぁぁぁ!!!!!」 ルイズの悪魔の咆哮はいつまでも学院に響き渡っていた。 一方のシエスタは 「うぅ…なんでこんな…ひどいです…」 と膝を抱え地面にのの字を書いていじけてしまっていた。 かくしてルイズ達はシエスタの故郷、タルブへと向かうことになったのであった。 前ページ次ページ蒼い使い魔
https://w.atwiki.jp/xbox360score/pages/1360.html
黄金夢想曲X 項目数:50 総ポイント:1000 難易度:★☆☆☆☆~925 ★★☆☆☆~1000 うみねーこ、うみねこぉっ! うみねこコンボ!、誰かこの俺を止めてみろ!、 名ストッパー! (誰かこの俺を止めてみろ! 名ストッパー!は自力なら★+α) 六軒島にようこそ!! アーケードモードを初めてプレイする 10 これでトドメだっ! 全てを穿つ青き真実! 戦人のメタ必殺技でフィニッシュする 10 じゃあまたね、シーユーアゲイン? 縁寿のメタ必殺技でフィニッシュする 10 願いを叶えて! 契約の落雷! 紗音のメタ必殺技でフィニッシュする 10 バカバカしい・・・赤き軌跡の弧月連斬! 嘉音のメタ必殺技でフィニッシュする 10 行くよ、お前たち! 煉獄の七姉妹、ここに! ルシファーのメタ必殺技でフィニッシュする 10 抉ってやるにぇ? 射撃誘導システム起動! シエスタ410のメタ必殺技でフィニッシュする 10 嫌いではないですよ? デビルオブデビルズ! ロノウェのメタ必殺技でフィニッシュする 10 捕まっちゃえヴァ? 蜘蛛の巣の密室! エヴァ・ベアトリーチェのメタ必殺技でフィニッシュする 10 これでチェックメイトです! オーディン召喚! ワルギリアのメタ必殺技でフィニッシュする 10 出でよ双肩の戦塔! バリスタ弾一斉射撃! ベアトリーチェのメタ必殺技でフィニッシュする 10 権力、財力、暴力! 王者の教え! 譲治のメタ必殺技でフィニッシュする 10 スイーツ! 今日は集まってくれてありがとォ! 朱志香のメタ必殺技でフィニッシュする 10 来いよォオオオォ! 真里亞の込めてくれた銃弾! 楼座のメタ必殺技でフィニッシュする 10 だーれが一番強いかな? ランクマッチで初めて対戦する 10 見知らぬアイツに会いに行く! プレイヤーマッチで初めて対戦する 10 ウォーミングアップ! トレーニングモードを初めてプレイする 10 秘密の実績 戦人 ロノウェクリア アーケードモードを戦人 ロノウェでクリアした 25 コングラチュレーションズ! アーケードモードで全てのエンディングを見た 30 戦人 ベアトリーチェクリア アーケードモードを戦人 ベアトリーチェでクリアした 25 紗音 嘉音クリア アーケードモードを紗音 嘉音でクリアした 25 譲治 紗音クリア アーケードモードを譲治 紗音でクリアした 25 朱志香 嘉音クリア アーケードモードを朱志香 嘉音でクリアした 25 ロノウェ ベアトリーチェクリア アーケードモードをロノウェ ベアトリーチェでクリアした 25 戦人 縁寿クリア アーケードモードを戦人 縁寿でクリアした 25 ロノウェ エヴァクリア アーケードモードをロノウェ エヴァ・ベアトリーチェでクリアした 25 ワルギリア ベアトリーチェクリア アーケードモードをワルギリア ベアトリーチェでクリアした 25 ルシファー シエスタ410クリア アーケードモードをルシファー シエスタ410でクリアした 25 ワルギリア ロノウェクリア アーケードモードをワルギリア ロノウェでクリアした 25 エヴァ シエスタ410クリア アーケードモードをエヴァ・ベアトリーチェ シエスタ410でクリアした 25 縁寿 ルシファークリア アーケードモードを縁寿 ルシファーでクリアした 25 譲治 朱志香クリア アーケードモードを譲治 朱志香でクリアした 25 戦人&ルシファークリア アーケードモードを戦人&ルシファーでクリアした 25 ベアトリーチェ&ルシファークリア アーケードモードをベアトリーチェ&ルシファーでクリアした 25 ルシファー&嘉音クリア アーケードモードをルシファー&嘉音でクリアした 25 戦人 嘉音クリア アーケードモードを戦人&嘉音でクリアした 25 ベアトリーチェ エヴァクリア アーケードモードをベアトリーチェ エヴァ・ベアトリーチェでクリアした 25 戦人 紗音クリア アーケードモードを戦人&紗音でクリアした 25 ワルギリア シエスタ410クリア アーケードモードをワルギリア シエスタ410でクリアした 25 楼座&ベアトリーチェクリア アーケードモードを楼座&ベアトリーチェでクリアした 25 楼座&戦人クリア アーケードモードを楼座&戦人でクリアした 25 縁寿&エヴァクリア アーケードモードを縁寿&エヴァ・ベアトリーチェでクリアした 25 朱志香 紗音クリア アーケードモードを朱志香 紗音でクリアした 25 縁寿 ワルギリアクリア アーケードモードを縁寿&ワルギリアでクリアした 25 こいつはお宝だ! 全てのCGを集めた 25 メタフィニッシュ祭りじゃー! メタ必殺技で50回以上相手を倒した 25 うみねーこ、うみねこぉっ! うみねこコンボ! 実戦で5000ダメージ以上のコンボを決めた 25 battle of the goldenwitch ランクマッチで50回以上対戦した 25 誰かこの俺を止めてみろ! ランクマッチで10連勝以上した 25 名ストッパー! ランクマッチで10連勝以上しているプレイヤーに勝利した 25 メタ必殺技でフィニッシュ系の実績 VERSUSモードでも解除可能。 アーケードモードクリア系の実績 難易度は設定変更しても解除可能。 コンティニューしてもOK。 ランクマッチ系の実績 このゲームのランクマッチは、過去一定時間内に対戦したことがあるプレイヤーだと 結果がランキングに反映されない仕様となっている。 互いのプレイヤーがダッシュボードに戻り、 ゲームを起動し直すことで再びカウントされるので、 50回、対戦と再起動を繰り返せば日をまたぐことなく談合で解除可能。 オン対戦は過疎っているため容易に談合可能。 うみねーこ、うみねこぉっ! うみねこコンボ! VERSUSモードで解除可能、トレーニングモードでは解除不可。 実績解除のタイミングは、条件達成して対戦終了した後のキャラクターセレクト画面なので注意。 コンボ一例 ジェシカ・エヴァ 相手画面端 要ジェシカ4ゲージ2P側に挑発させてカウンターを狙う。エヴァから交代し、バーサーク発動後以下のコンボを開始22C JC JB 2A 2B 5B 5C メタ発動 ダッシュ5A 5B 2B 5C 2C 214C 623SP 6C 641236C(気絶) 22C JC JB 2A 2B 5B 5C 236SP 2A 2B 5B 5C~さらに交代からコンボは継続するが、二回目の236SPあたりで5000ダメージを超える。参考動画 ジェシカ・ロノウェ 相手画面端 要ジェシカ1ゲージ、ロノウェ2ゲージ2P側に挑発させてカウンターを狙う。ロノウェから交代し、カウンターブースト発動後以下のコンボを開始22C JC JB 2A 5B 5C 236SP 2A 5B 5C AT 5B 5C 623SP 微ダッシュ6C メタ発動 2C 6C 641236C(気絶) 641236C下記動画のコンボからメタ発動後の6C 623SPを抜いたもの。ラストの二発目のSP2は、動画のコンボよりメタ世界終了までの猶予が長いので楽。参考動画
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1471.html
重なりかけた二つの月が、科学の匂いを感じさせないハルケギニア大陸を仄かに照らす。 無事にラ・ロシェールに到着した一行は、ワルドの提案により、 その街で最上等の宿である『女神の杵』亭に泊まることとなった。 殆ど貴族達しか利用しないこの宿は、顧客層に合わせて、大層豪華な作りをしており、貴族達の自尊心を十分に満たすものであった。 その『女神の杵』亭のロビーの一角に、DIOはいた。 貴族の証であるマントを纏っていないにもかかわらず、使用人を従えているこの男の存在に、 他の客たちは揃って訝しげな表情をした。 しかし、それもほんの一時のことであった。 男の振る舞いが余りに堂々としていたことが、主な理由であった。 顔が映るほどピカピカに磨かれたテーブルを前にして、気後れするどころかふんぞり返るなんて、平民に出来るはずはなかったからだ。 テーブルに置かれたワインボトルが、DIOという存在感に軽いアクセントを加える。 周りの客達はそれぞれ、思い思いに想像を巡らせ、勝手に納得をしてその場を去ってゆくのであった。 そして、客達が納得をした理由はもう一つあった。 DIOの傍で、彼とは全く対照的な、暗鬱なオーラを全開にして突っ伏しているギーシュがそれであった。 もう何本も酒を飲んでいるのか、彼の周りには瓶が幾つも転がっていた。 マントを纏っていなければ、誰も彼が貴族であるなどと信じはしなかっただろう。 それくらい、ギーシュはやさぐれていた。 一体何が彼をそこまで追い込んでいるのか誰にも分からなかったが、 理由はどうあれ、彼が傍で情けなく酔いつぶれてくれていたこともあって、 客達はますますもってDIOの貴族性を認めるに至っていた。 夜も更けてゆくにつれて、徐々にロビーにいる人の姿が疎らになってゆく。 そんな『女神の杵』亭に、ワルドとルイズが帰ってきた。 桟橋へアルビオンへ向かう船の乗船の交渉に行っていた二人の顔は、一様に沈痛であった。 ルイズは不機嫌さを隠しもせずに、DIOのテーブルへと向かい、彼の反対側に腰を下ろした。 一つしか置かれていないグラスにワインを注ぎ、一息に飲み干す。 勿論それは、ついさっきDIOが使っていたグラスであった。 DIOの後ろで控えていたシエスタが、それを見てピクリと片眉を上げた。 しかし、シエスタはルイズを止めるには至らなかったし、ルイズもまた、そんなシエスタを無視した。 空になったグラスをテーブルに"ガン!"と叩きつけて、ルイズは溜息をついた。 「どうした、ルイズ。旅はいたって順調なのだろう。 何を浮かない顔をしている」 言葉とは全く裏腹な、冷ややかな笑みを浮かべているDIOに、ルイズはふてくされたまま何も答えない。 場を取り繕うように、ワルドが代わりに説明した。 「アルビオンに渡る船は、明後日にならないと出ないそうなんだ」 「全く話にならないわ! 急ぎの任務だっていうのに……」 二人の言葉に、キュルケは首をかしげた。 ゲルマニア出身の彼女は、アルビオンに関する知識をあまり持ち合わせていなかったのだ。 「あたしはアルビオンに行ったこと無いから分からないんだけれど、どうして明日は船が出ないの?」 キュルケの方を向いて、ワルドが答えた。 「明日の夜は月が重なるだろう。『スヴェルの夜』だ。 その翌日の朝、アルビオンが最もラ・ロシェールに近づくのだ」 つまり、明日丸一日は休めるということらしい。 自然と気が緩み、欠伸をしてしまうキュルケの内心を悟って、ワルドは頷いた。 「さて、来るべき戦いに備えて、今晩と明日はゆっくりと休息をとることにしよう。 部屋はそれぞれもう取ってある」 ワルドは懐から鍵束を取り出し、机の上に置いた。 「キュルケとタバサは相部屋だ。そして、ギーシュとルイズの使い魔君が相べ…」 「DIO様の御部屋は、わたくしが別に御用意しております」 スムーズに事を運んでいたワルドの言葉に、シエスタが割り込んだ。 勝手に部屋を予約ししていたと聞いて、ワルドは戸惑った表情を浮かべた。 「しかしね、君……えぇっと、シエスタだったかね。残念だがそうはいかないよ。 いつまた賊どもが襲ってくるか判らないこの状況で、そんな勝手な真似を……」 「別に、御用意して、おりますので」 取り付く島もないシエスタによって、ワルドの言葉は再び遮られた。 彼女の言葉には、僅かながらも確かな怒りが表れている。 普段の無機質なシエスタらしからぬ剣幕に圧され、ワルドは肩をすくめるしかなかった。 ワルドに噛み付くそんなシエスタの様子を、ルイズはワインを飲みながらぼんやりと見ていた。 相変わらずDIOの事となると、梃子でも動かないような頑固さだと、ルイズは半ば感心していた。 ルイズは思う。 そのひたむきな忠誠心には頭が下がるが、どうしてその心遣いを他の人間にも見せてやらないのやら、と。 DIOに対するそれの、千分の一でもいいから他人に示すべきだ。主に私に。 チクショウあのメイド、一体どういう了見なわけ? 私はDIOの主人、マスター、御主人様なの。 つまり私はDIOより偉いのだ。アイアムナンバーワン。そこらの貴族とは、ワケが違うのよ。 こちとらちゃきちゃきのトリステイン生まれの公爵っ娘なんだから。……てやんでぇ。 と、そんなこんなで大分シエスタ論評にも熱が入ってきたルイズに、ワルドが声をかけてきた。 「ルイズ、良いのかい? 君の使い魔のメイドはああ言っているが……」 「えぇ、えぇ、良いのよ。ほっといてあげて。 寧ろ、アイツと相部屋にしたら、ギーシュが可哀相だわ」 ルイズは諦めたように手を振ってワルドに応じた。 ワルドはまだ納得していない様子だったが、DIOの傍で突っ伏しているギーシュをチラリと見て、その惨状に溜め息をついた。 気を取り直し、ワルドは、ルイズに鍵を差し出す。 「僕とルイズは同室だ」 ルイズは弾かれたようにワルドの方に振り向いた。 「婚約者だからね。当然だろう」 「でも私たち、まだ結婚しているというわけではないのよ?」 ワルドは首を振って、ルイズの肩に手を置き、真っ直ぐにルイズを見つめた。 「大事な話があるんだ。二人きりで話がしたい」 肩に置かれたワルドの手に、力が籠もる。 いつになく真剣なワルドの視線に、ルイズは渋々了承することにしたのだった。 こうして、ルイズはキュルケに冷やかされながらも、ワルドと一緒に部屋へと消えていった。 ルイズの姿が消えた後もキュルケは暫く一人で何やら楽しんでいたが、やがて飽きたのか、タバサを引き連れて割り当てられた部屋へと消えていった。 DIOとシエスタも、さっさと部屋へと消えてしまい、ロビーに残ったのはギーシュ一人となった。 しかし、今のギーシュにとってはそんなことはどうでもよく、寧ろ一人になれただけ好都合だとも思っていた。 暫くテーブルに突っ伏して、時々思い出したように酒を呷る。その繰り返し。 「僕は…うぃっく! ……トリステインの薔薇なんだ。 ひゃっく! 薔薇は皆を…楽しませるために存在するのであって……えっく! ……決して一人のレイディのためにあるわけでは……!!」 アルコールが回り、酩酊状態に陥ったギーシュの脳裏に、これまで付き合ってきた(遊んできたとも言う)女生徒の顔が、泡のように次々と浮かんでは消えていった。 それは一年生のとある生徒の顔であったり、上級生である三年生の生徒の顔であったり、思い出す限り様々であった。 やがて、一年生のケティという女生徒の顔が浮かんで、消えていった。 そして最後に…………モンモランシーの顔が浮かんだ。 見事な金髪を縦ロールにした、トリステイン生まれであることを別にしてもなお勝ち気と言えた、けれどやはり可愛らしかった同級生の少女。 不思議なことに、いくら酒を飲んでも、ギーシュの頭からモンモランシーの顔が拭い去られることはなかった。 その理由がわからないことが、ギーシュの苛立ちを加速させる結果となり、ギーシュはますます酔いつぶれていくのであった。 しかし、例えやり切れない思いに限りはなくとも、酒には限りがある。 とうとう最後の一本を飲み干してしまったギーシュは、名残惜しそうに溜め息をつき、 やがて諦めたようにロビーを後にして、割り当てられた自分の部屋へと向かったのだった。 相方のいないダブルルーム。何だか今の自分にはピッタリではないか。 部屋に続く階段を、フラつく足取りで一歩一歩上がりながら、ギーシュは皮肉げに笑った。 いつから自分はこんなに厭世的になってしまったのだろうと、激しい自己嫌悪に陥りつつ、ギーシュはドアノブを回す。 おかしなことに、鍵はあいていた。 普段のギーシュだったら、あるいはほんの少しくらいなら疑ったかもしれなかったが、何しろ今は酔いつぶれている状態である。 夢と現の区別もついていない彼には、なぜ部屋の鍵があいているか、なんてどうでもよかった。 倒れ込むようにして部屋に入るギーシュ。 「お疲れ様でございます、ミスタ・グラモン」 部屋の鍵があいていた原因が、目の前にいた。 いつものメイド服こそ脱いで、寝間着に着替えてはいるが、 澄ました態度を崩さぬ目の前の少女は間違い無くシエスタであった。 「あぁ……君か。 ……どうしてこの部屋にいるんだ? 主人のところにいなくていいのか」 「DIO様は既にお休みになられました。 わたくしのような者が、あの方と同じ御部屋で一夜を明かすなど、許されないことです。 従って、不躾ながら相部屋を仕ることになりました」 普段のギーシュだったら、『貴族が平民と同じ部屋で寝られるか!』くらいの文句は言っていただろうが、 今現在無気力状態にあるギーシュは、何も言わずに自分のベッドに倒れ伏した。 飲み過ぎで判然としない頭を持て余しながら、ギーシュは横目でシエスタを見た。 「君は随分とあの男に忠実なんだな……」 酔った勢いか、気がつけばギーシュはそんなことを口走っていた。 返事など期待してはいなかったが、意外なことに、シエスタはいつもの真面目な顔をギーシュに向けた。 「それがわたくしの仕事であり、唯一の幸せでもあるのです」 ギーシュはフンッと鼻で笑った。 他人に従うことが幸せであるなどと、貴族である彼には到底理解できなかったからだった。 「本当にそれが君の幸せなのか? あの男の命令にほいほい従うことが?」 「幸せの在り方とは、人それぞれで御座いましょう。 ある人の幸せが、別の人にとっては不幸せである、などという話はよくあるでしょうし」 事務的なシエスタの回答だったが、何故か彼女の言葉はギーシュの胸を打った。 「幸せ、か……」 ギーシュは思い出す。 さっき飲んできたワインよりもはるかに濃厚だったこの一日を。 その始めに見たモンモランシーは、まさに幸せに包まれていたようにギーシュには映った。 モンモランシーのあんなにも輝いた表情を見たことは、少なくとも学院に入学してからの二年間、ギーシュは見たことがなかった。 ということはあれが、彼女の幸せなのだろうか? あの男の傍にいることが……。 ギーシュには全く分からなかった。貴族として生きてきたせいもあり、ギーシュは他人の立場に立って考えるということが絶望的に不得意だった。 しかし今回、何の因果か、ギーシュはそのことについて考えてみる機会を得た。 ……では、自分にとっての幸せとは、何なのだろう。 そう考えて直ぐに頭に浮かんだのは、自分と同じく好色な父の教えでもあり、己のモットーともいえる言葉であった。 『グラモンの男たるもの、常に多くの女性を楽しませる薔薇であれ』 ギーシュは今まで、このモットーに沿って行動してきた。 色々な女の子にモーションをかけてきたし、女の子を巡って、男子生徒と決闘の真似事をしたことも多々あった。 そうしていた頃の自分は凄く楽しかったし、満たされてもいた。……幸せだった。 だが、それに巻き込まれた他の人は、幸せだったのだろうか。 そう考えて、ギーシュはハッとなった。 多くの人を喜ばせるのが己のモットーだと思っていたが、その実は自分の欲望を満たすことしか頭になかったのではないだろうか。 ケティの涙を思い出す。 何人もの女の子をとっかえひっかえにすることが、どれだけ女の子の尊厳を傷つけるか、自分は理解していなかったのではないだろうか。 ただ自分のモットーが満たされればそれでよかっのでは? 本当に他人を喜ばせるということがどういうことなのか……自分は分かっていなかったのだ。 ルイズほどではないが、それなりにプライドの高いギーシュにとって、それは認めたくない事実であった。 しかし、モンモランシーとの一件が、彼を幾分謙虚な気持ちにさせていた。 「僕は……自分勝手だったのかな?」 不安げな口調で問うギーシュに、シエスタは首を横に振った。 「わたくしの口からは申し上げかねます」 「そうだろうね。少し意地が悪い質問だったよ」 貴族であるギーシュに対して、平民のシエスタが、『あなたは自分勝手です』なんて言えるはずもない。 場を繕って否定して見せても、白々しく見えるだけだ。 ギーシュは珍しく、シエスタの立場を鑑みていた。 「ですが……」 「?」 「間違っているとお思いなのでしたら、自分を変えてみるのも一つの方法かと存じます」 「ハハ……それができたら苦労はしないよ」 自分を変えるということは、つまり、今までの生き方を捨てるということである。 たった一人の女の子のために、これまでの楽しい暮らしを投げ出して未知への一歩を踏み出すには、ギーシュはまだ若すぎたし、臆病すぎた。 (幸せ、か……) ギーシュはひとしきり笑った後、やがて瞑目して、夢の世界へと旅立っていった。 ――――――――――― 深夜の『女神の杵』亭。 殆ど全ての客が各自室に引っ込んだ今、扉の連なる廊下は人けが無く、静寂が支配している。 その静寂というルールを破らぬようにして、廊下を進む一人の少女がいた。 トリステインではまず見かけない蒼色の髪に、自身の身長よりも大きな、節くれ立った杖を持つ彼女の名は、タバサといった。 キュルケが寝込んだ隙をついて、こっそり部屋を抜け出したのであった。 スルスルと、物音一つたてずに廊下を移動する様子は、実に手慣れたものであった。 気配も殆ど感じさせない彼女の存在は、誰にも気づかれまい。 やがて、タバサは一つの扉の前でその歩みを止めた。 廊下に扉は数多くあったが、その一つだけは何とも異様な雰囲気を放っていた。 DIOの部屋であった。 シエスタが用意したというその部屋は、一人だけで使用するには些か豪華過ぎるものであった。 本来なら、相応の煌びやかな空気を醸し出してくれるはずの豪華な扉は、 獲物を待ちかまえて、大口をあけている化け物のように、タバサには思えた。 ならば、今ここに立っている自分は、獲物ということになるのだろうか? 心の片隅で浮かんだ嫌な想像を無理やり抑え込んで、タバサは自分の杖をギュッと握りしめた。 タバサがキュルケとともにラ・ロシェールくんだりまで来たのには、もちろん理由があった。 その理由のために、こっそりDIOの部屋に向かったタバサだったが、 この扉の向こうにDIOがいると思うと、自然と浮き足立ってしまうのだった。 「…………………」 暫くDIOの部屋の前で逡巡したのち、タバサは深呼吸をした。 会う前から、場の空気に飲み込まれては駄目だ。 決心したタバサは、それでも恐る恐るといった仕草でドアをノックしようと手を伸ばした。 だがその瞬間――――― 『何を迷う』 おどろおどろしく扉の向こうから響いた声に、タバサはぎょっとした。 慌てて扉から数歩距離をとる。 全身から嫌な汗が吹き出してきた。 すぐにこの場を立ち去るべきだと、全身が警告を発していたが、 タバサは一歩も動くことができなかった。 気がついたら扉の方に意識を飛ばしている自分がいた。 この扉をあければ……。ゴクリと唾を飲み込む。 『どうした、早く入ってくるがいい』 だが、再び響いた身の毛もよだつ声に、抑えきれなくなったタバサの感情が爆発した。 自分はさっきまで、何ということをしでかそうとしていたのだろうか。 「…………いや!」 耐えられなくなり、次の瞬間タバサは駆けだしていた。 誰かに見られるかもしれないなんてことは、頭から吹き飛んでいた。 幸運なことに、バタバタと騒がしく廊下を走るタバサに気づいた客はいなかった。 自室に戻ったタバサは、そのままの勢いでベッドに飛び込み、布団を被った。 しかし、どれだけ物理的に離れていようが意味はなかった。 精神面から襲い来る何かに、タバサは少し震えた。 夜にアイツに会うのは駄目だ。夜に来たのは間違いだった。夜は取り返しがつかなくなる。夜は駄目だ。 夜は………………………………………… ……………………………けど、昼なら? 理性が感じる恐怖とは裏腹に、タバサの心は確実にDIOを求めていた。 to be continued……
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1516.html
漆黒のキャンバスに、赤の月が満ち、もう一方の月の色を侵食する夜。 闇色と朱色に彩られた庭園を、一人の幼い少女が駆けていた。 ―――はぁ……はぁ……はぁ…… 少女は、逃げていた。 嘲笑、蔑み、劣等感。 ありとあらゆる不の感情から逃げていた少女は、やがて一艘の船に辿り着いた。 ―――はぁ……はぁ、はあ…… 短く呼吸を正し、船に乗り予め用意されていた毛布に包まった少女は、みっともなく泣き腫らしている。 「―――無様ね」 少女しか居ないはずの船の上に声が響く。 苛立ったようなその声は、思い出したくも無い過去の失敗を穿り返された人間のそれに似ている。 誰にも見つからぬよう、声を押し殺し泣く少女だったが、不意にその顔が笑顔へと変化した。 頬を紅く染め上げ、はにかみながら笑う少女の視線の先には羽根つき帽子を目深に被った一人の男性が立っていた。 「子爵……様」 少女がその男性を知っているように、声の主もその男性を知っていた。 幼き恋心の対象。 そして、父と男性によって交わされている約束。 男性に手を引かれ、恥ずかしそうに船から降りた少女は庭園を後にする。 自分達を見つめている者の視線にまったく気がつかずに…… それもそのはず。 今、此処に展開されているのは、一人の少女の『記憶』 普段は日常に埋もれ、決して掘り起こされない、過去の事象。 それが、夢と言う幻燈機械に掛けられ、ただ一人の為に上映されているのだ。 観客はただ一人。 主役であり、脇役であり、脚本家であり、監督でもある存在。 その存在は、自らの過去である少女に侮蔑と決別の溜め息を吐きだして、幻燈機械を停止した。 「夢……か」 まどろみと陽射しに包まれ、何処と無く朦朧とした視線を漂わせる。 視界にあるのは、木々が生え、涼しげな池が存在する庭園では無く、一年間住み続けている自分の部屋であった。 「ホゥ、今日ハ、ヤケニ早イ目覚メダナ」 「存外に失礼ね、あんた」 椅子に座って、一枚のDISCを手で弄んでいるホワイトスネイクの軽口を適当に返事を返しながら、着替えをするルイズ。 性別不詳のホワイトスネイクを前にして裸になる事に、微塵の羞恥心すら無い事が、そこから窺い知れる。 手早く着替えを終えたルイズは、飽きずDISCを弄りとおしているホワイトスネイクに声を掛けて、さっさと食堂へと出かけていった。 食堂で、やたらと豪勢な朝食を食べたルイズは、その足で今日の授業が行われる教室へと向かう。 確か、今日の授業は、ミスタ・ギトーが講師を務めるはずだと思い出すと、朝からあまり良くは無かった機嫌が、一段と悪くなるのが分かった。 ミスタ・ギトーは『風』が最強と言う持論を生徒達にも強要する先生であり、その冷たい論調と傲慢な態度に嫌っている生徒も少なくない。 と言うより、ギトーを好きな奴を探すとなるとこの学院を、それこそ掘り返しても探さないと発見できないぐらいに嫌われている。 ルイズも、その例に漏れず、ギトーの事を嫌っている生徒の一人だ。 別に、何が最強と思うのは個人の勝手だ。 しかし、その考えを無理矢理他人に強要するところが、ルイズは好きにはなれなかったのである。 「あら、今日は早いのね。ルイズ」 「ちょっとね……そういう貴方も早いのね」 挨拶をしながら欠伸をするキュルケに、ルイズはそう聞き返すと、女の嗜みよ、となんだか良く分からない返答が帰ってきた。 ともあれ、教室の隣同士の席に座って話をしていると、暫くしてタバサも教室に現れ、キュルケに誘われ、同じ机に席を置いた。 女三人寄れば姦しいとは言ったもので、普段お喋りなキュルケはともかくとして、人並みに話すルイズと、普段まったく会話をしないタバサも、ぺちゃくちゃとお喋りに花を咲かせていた。 そうこうしている内に、授業の始業時間となり、ミスタ・ギトーが髪色と同じ真っ黒なローブを揺らしながら教室の扉を開け、教壇に立った。 「では授業を始める」 何の面白みも無く、淡々とした言葉遣いで始まりの挨拶をしたギトーに、生徒の大半は心の中で溜め息を吐いた。 学生と言う身分は勉強しなければならないと言う事は分かっているが、どうしてもそこに娯楽性を求めてしまうものである。 他の授業―――例えば、火の魔法の授業であるコルベールなどは、時々変な発明を授業で発表したりするが、 あれはあれで、そこそこ受けが良い。無論、外す時もあるが。 ともあれ、この授業は、娯楽性と言う点で言えば最低ランクのさらに下のランク外であり、生徒達はこの苦痛な時間が早く過ぎる事を祈っていた。 この時までは――― 「骨が燃え残るか心配なんですけど、私」 「何、心配には及ばない。君の炎は私のマントの切れ端すら燃やせないだろうからな」 睨みあうキュルケとギトー。 お互いに杖を引き抜き、すでに臨戦態勢だ。 こうなった理由は簡単である。 炎が最強であると言ったキュルケに、ギトーが、ならば君の力で証明してみせろとキュルケを挑発したのだ。 始めは乗り気で無かったが、家の事を引き合いに出されると彼女としても本気を出すしかない。 魔力で編まれた焔を、さらに巨大にさせた直径1メイルもの炎の弾は、喰らえば大火傷、下手をすれば命まで燃やし尽くされる程の火力を有している。 勝利を確信して焔を放つキュルケだったが、満を持して放った炎が掻き消され、自身もまた疾風によって吹き飛ばされた。 その光景に誰もが息を呑む。 普段、おちゃらけた態度で居る事の多いキュルケであるが、その実力は折り紙つきで、誰もが認める程であったからだ。 だと言うのに、ギトーは、キュルケに勝った事が規定事実のように、 少しの高揚も感じさせない声で『風』が最強であると言う、偉ぶった演説を始めた。 ルイズは、そんな演説などクソ喰らえだった。 吹き飛ばされるキュルケの身体を受け止めるように出現させたホワイトスネイクに彼女の身体を受け止めさせると、愛用の杖を握り締めて、こつこつと甲高い足音を響かせギトーへと向かっていった。 ギトーは突然立ち上がった生徒に眉を顰めたが、今、自分が吹き飛ばした生徒と同じくフーケ討伐で名を上げた生徒だと知ると、特に注意もせず、教壇と同じ高さに降りてくるまで待ってから、先程と同じように挑発から会話を始める。 「ほぅ、どうやら、君も『風』が最強と言う事に異論があるらしいな、ミス・ヴァリエール。 異論があるなら、先程の彼女のように私に魔法をぶつけてくると良い。 何、君に使える魔法があればの話だがね」 ギトーは、ホワイトスネイクの能力を知らない。 基本的に生徒に関して無関心である為に、生徒よりもさらに重要度の低い使い魔の事など、どうでも良いからだ。 その為、ギトーの中では、ルイズは魔法の使えない無能な生徒のままで時が止まっている。 ルイズは、とりあえずギトーの挑発を無視してキュルケの傍へと歩み寄る。 ギトーを如何こうするより、キュルケの体調の方が、重要度が高い為に。 「大丈夫、キュルケ?」 「平気よ。それにしても、ほんと、貴方の使い魔って有能ね。 あんなちょっとの時間で、私を受け止めてくれるなんて」 キュルケの言葉にルイズは、ちょっとだけムッとした。 確かに助けたのはホワイトスネイクだが、そうなるように位置やタイミングを合わせたのは、自分だからだ。 自分が行った行為に対する正当な賛美が無いと機嫌が悪くなる所は、まだ子供なルイズであるが、物事の切り替えの早さは、すでに他の人間と比べて特出するにまで至っている。 「それじゃ、ちょっと、あいつをとっちめて来るわね」 杖の矛先をギトーへと向けるルイズに、キュルケは、にんまりと笑った。 「手加減ぐらいしてあげなさいよ」 「あら、目上の人に手心を加えるなんて失礼じゃない?」 ルイズも釣られてニヤリと口元を吊り上げると、制服のポケットから一枚のDISCを取り出し、自分の頭へと差し込む。 巻き添えを食らわないように自分の席へと戻ったキュルケは、タバサに耳打ちをして、学生席を全て風の防護膜で覆う。 万が一の事態に備えた上の行動である。 ギトーは、風の防護膜に素晴らしいと言葉を漏らして、興味深げにタバサの魔法を観察していた。 彼にとって、ルイズなど眼中にすら入っていない。 典型的なメイジの思想を持っている彼にしてみれば、メイジ以外など下等も下等。 魔法を使えないルイズも、ご多分に漏れず下等に分類されている。 そんな事を知ってか知らずか、ルイズは詠唱を完了させると足元の地面を変換させる。 ルイズの魔法に、誰もが、『風』以外の属性を見下しているギトーですら唖然としてしまった。 石造りの床を錬金よって、質量保存の法則とかを強引に無視させ、天井までの大きさを持つ岩にルイズは創り変えたのだ 「先に行っておきますけど、死なないでくださいね?」 気持ち悪いぐらいに優しげな響きを持ったルイズの言葉と共に、その岩がギトーの方へと倒れていく。 もはや、魔法だとかそういう次元の話では無い。 相手は、火の玉でも無ければ氷の矢でも無く、土のゴーレですら無い、ただの岩の塊。 圧倒的な質量で自分に倒れてくる、その塊に必死で魔法をぶつけるギトーであったが、吹き飛ばそうにも、あんな質量の物体を弾き飛ばす事など彼には出来ない。 出来るのは、風によって、倒れてくる時間を引き延ばす事だけである。 「ぐっ、ぐぐ!!」 魔法の連続使用による負荷によって、ギトーは精神が飛びそうになったが、必死に意識を繋ぎとめる。 今、ここで意識を失えば自分の身体は………… その先は、考えたくも無い事柄だった。 「助け―――」 「命乞いなんてみっともないですよ、先生」 醜く、命乞いをしようと声を上げようとしたが、岩の向こう側に居たルイズが、何時の間にかギトーの隣で、チェシャ猫のように耳元まで裂けた笑みを浮かべて立っている。 ギトーは悟った。 こんな笑みを浮かべる者に、命乞いなど意味が無い事を。 そして、後悔した。 自分は、こんな化け物みたいな哂いを浮かべる者に、戦いを挑んでしまったと言う事を。 「うっ、うおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 すでに限界は来ていた。その限界を死にたくない一心で騙し続けていたギトーであったが、とうとう魔法の発動が止まり、岩の動きを遅くしていた風が無くなる。すると、岩は凄まじい速度でギトーに倒れこんだ。 ルイズは、その叫び声を、まるでフルオーケストラを聴いているように、うっとりとした顔で耳に刻みながら、タクトの如く杖を振る。 「ぉぉぉぉぉおおおお…………お?」 こつんと、ギトーの頭に石が当たった。 岩がギトーを押しつぶす寸前、ルイズが錬金を解除した為に、元の質量に戻ったのだ。 ルイズは、ギトーの先程までの醜態に満足したのか、何も言わずにキュルケとタバサが座っている席へと戻っていく。 「ちょっとやり過ぎだったんじゃない?」 「あれぐらいなら良い薬よ」 「良薬口に苦し」 席へと戻ったルイズに少し困ったような調子で注意するキュルケと、ルイズの行動を肯定しているのか良く分からない言葉を呟くタバサ。 そんな三人の様子を見ながら、ギトーはふらふらと教室を出て行く。 「やや! どうされました、ミスタ・ギトー、まだ授業中ですぞ!?」 廊下に出ると妙に着飾ったコルベールと鉢合わせたので、授業の代役を頼むと、返事も聞かずにギトーは自室へと戻っていく。 今日は、もう、誰とも話す気にはならなかった。 ケツの穴に氷柱を突っ込まれかのように、おとなくしなってしまったギトーの態度は、『風』を最強と自負していた頃と比べると、見る影も無い程に衰えてしまっていた。 同じ頃、燦々と太陽の光が降り注ぐ中、ご主人様から預かった洗濯物を干している才人は、同じく、洗濯物を干そうとしているシエスタと話し込んでいた。 本来なら生真面目な性格であり、仕事中の雑談などしないシエスタであったが、 才人と一緒の時だけは、どうしても仕事が疎かになり、会話を楽しんでしまう。 それが駄目な事だと理解はしているが、どうしてもそれに『幸福』を感じてしまうシエスタは、それを直そうとは思わなかった。 「へぇ、シエスタの故郷って、そんなに良いところなんだ」 「はい。片田舎ですけど、村の人は優しくて、山には色々な果実が実ってて、ほんと、平穏なところですよ」 二人の会話は、何時の間にか故郷に関する話となっていた。 自分の故郷、タルブ村を事細やかに説明するシエスタに、才人は楽しそうに笑っていたが、不意にシエスタの表情が曇る。 「あれ……どうかした?」 「あっ、いえ……あの、すいません、無神経な事を話して」 申し訳そうに謝るシエスタに、はてと才人は首を傾げた。 一体、今の何処に無神経な事があったと言うのか。 「えっと……なんで、シエスタは俺に謝ってるの?」 疑問をそのまま口にすると、シエスタは益々、身を縮めて悲しそうな顔をする。 正直、グッときた。 「だって……サイトさん……自分の故郷に帰れないのに、私、故郷の話をして……」 シエスタの言葉に、才人は、手をぽんと叩いた。 そうか、確かに帰れない人に、帰れる人間が自慢するのは失礼にあたる行為かもしれないが、特に自分はその事に対して何も感じていない。 「いや、俺、そういうのあんまり気にならないからさ。 むしろ、シエスタが故郷の話を聞かせてくれるのは、凄く楽しいから、もっと聞きたいなぁ、とか思ってるけど」 才人の返答に、シエスタは良かったぁと安堵の溜め息を吐き、豊満な胸をほっと撫で下ろした。 「でも――――――とか思わないんですか?」 「え?」 聞こえなかった訳では無い。 ただ、どうしてかその単語が脳内で理解できなかったので、才人はもう一度聞き返す。 シエスタは、不思議そうに先程と同じ内容を繰り返した。 「ですから、故郷に帰りたいとか思わないんですか?」 「――――――――――――あっ」 帰りたい――――――才人は、自分の中に在り得なかった、その発想に愕然とした。 思えば、異世界である此処に迷い込み、シエスタの曽祖父が自分と同じ世界の人間かも知れないと聞かされた時でも、 自分の頭に『帰る』と言う考えは浮かばなかった。 何故ならその考えは………………無駄だから? 「サイトさん?」 「あっ……れ?……」 シエスタの怪訝そうな声に、今まで考えていた事柄が思い出せなくなる。 「えっと……何の話だっけ……あぁ、そうだ、シエスタの故郷の話だったっけ?」 何処と無く不自然な顔をした才人に、シエスタは何も言わず、心配そうな視線を向けてくる。 才人は、自分の中に何か釈然としないものがあるのを感じながら、それについて考える事を放棄した。 放棄せざるをえなかった 「そういえば、前、聞かせてくれたけど、シエスタの故郷に秘宝みたいなのがあるとか言ってたよね? それって、どんなものなの?」 才人の何事も無かったかのような態度に、シエスタは何かを言おうとしたが、軽く頭を振ってから質問に答える。 「うちの曾御爺ちゃんが残したモノなんですけど……その『悪魔の牙』って―――」 「あっ、シエシエ、見つけた~!」 シエスタの口から、なんだか物騒な単語が出るのと同時に、シエスタと同じメイド服に身を包んだ少女が、才人とシエスタの近くまで走ってきた。 「どうしたんですか、そんなに急いで?」 同僚の慌しい雰囲気に、シエスタが尋ねると帰ってきた答えは意外なモノであった。 「王女様! アンリエッタ王女様が此処に来るんだって!!」 メイドが息を切らしながら伝えた内容に、才人とシエスタはお互いの顔を見合わせた。 四頭のユニコーンに引かれた特別製の馬車が、魔法学院の正門を通過し、姿を現すと、王女の到着を今か今かと待ち侘びていた生徒達は、一斉に杖を掲げた。 件の三人組も、他の生徒達と同じように杖を掲げていたが、心情は他の生徒とは若干違いがあった。 キュルケは、清楚で穏やかな王女よりも自分の方が綺麗じゃないかと詰まらなそうな顔をしていた。 タバサは、トリステインの王女自体にそこまで興味が無かったので、杖を掲げているだけで何も考えていない。 強いて言うならば、今日の晩餐は、王女が来たお陰で豪勢になると考えていた。 ルイズは、何か……遠い何かを見るような目でアンリエッタを見つめていた。 「思ウ所ガアルト言ッタ顔ダナ」 「別に……時間の流れって、無情って思っただけよ」 隣に立つホワイトスネイクの声に、返答したルイズは、馬車が見えなくなると同時に部屋へと戻る為に、踵を返した。 今のアンリエッタに、昔のような、見ると安心するような笑みは無かった。 彼女の顔にあったのは、張り付いたかのような作り笑いのみ。 幼少のみぎりに共に遊んだ少女は、あそこには居なかった。 あそこには、ただの王女が居るだけ。 「ほんと……無情ね」 ぽつりと、誰に言うでもなく呟いた言葉にホワイトスネイクは何も言わずに、ルイズの後に続くのだった。 その夜、夢と同じような赤色の月が光を提供する部屋の中で、ルイズは熱心にホワイトスネイクと会話するタバサを見ていた。 夜分遅いと言うのに、部屋に留まる蒼髪の少女にルイズは、頑張るものねぇ、と呟く。 「挑戦」 一通りホワイトスネイクとの会話を終え、手に持っていた一枚のDISCをタバサは、何の躊躇いもなくDISCを挿し込み―――案の定苦しみ始めた。 「はぁ……ホワイトスネイク」 落胆したかのようなルイズの声は、もう三度目だ。 ホワイトスネイクは、その声に反応し、これもまた三度目となるDISCの強制排除を実行する。 「……失敗」 自分の頭から抜き取られたDISCを渡されながら、苦々しげに呟くタバサだったが、何処と無く声に覇気が感じられない。 「今日ハココマデダ。ソロソロ、精神力ガ限界ダロウ」 ホワイトスネイクの言葉に頷くタバサは、ルイズに一礼をしてから、よろよろとおぼつかない足取りで部屋から出て行こうと扉に手を掛け、掴まれた。 「そんな危なっかしい歩き方しか出来ないのに、部屋を追い出したんじゃ、私がキュルケに叱られるわ。 少し、休んでいきなさいよ」 語尾を強めるルイズに、タバサは思わず頷いてしまう。 そのまま勧められるままに、テーブルの椅子に座るタバサだが、この申し出はありがたい。 正直、眩暈と吐き気によって気分が最悪で、部屋まで歩けるか分からなかったからだ。 「でも、あんたも頑張るわよね……初日から、こんなに気合入れるなんて」 「…………」 「まぁ、『力』を使いこなせるようになれば、便利だから頑張るのは分かるけどね」 あふ、と欠伸をして、眠たげにベッドに横になるルイズを見るタバサの瞳は、何時も通りの無感動を映している。 「相変わらず、人間味の無い眼をしているわね、あんた」 「自覚は無い」 「でしょうね。そんな眼、自覚してやってるとしたら、相当、性質が悪い奴だから」 タバサの体調が回復するまで、取り留めの無い話を振っていたルイズであったが、扉のノック音が部屋に響くと同時に、半分閉じかけていた目を強制的に開かせ、扉の方へと視線を向けた。 始めに長く二回、その後、短く三回ノックされたのを確認してから、ルイズは立ち上がり、扉を開けた。 扉を開けると、そこには黒頭巾を被った少女が、頭巾と同じ色のマントを羽織って立っていた。 「まさか……」 頭巾越しに分かる少女の顔立ちに、ルイズは驚きからか、言葉を漏らす。 少女は、ルイズの言葉に反応するように部屋へと入り、扉を閉めてから杖を振るった。 ホワイトスネイクが警戒の色を濃くし、何時でも少女の頭蓋を砕ける位置に立っている事に気がついたタバサは、声を掛ける。 「魔法での仕掛けが無いか確認しただけ」 その説明に、頭巾の少女は頷きながら頭に被った布を取り去る。 「驚いた」 本当に驚いているのか、激しく疑う程に単調に呟かれたタバサの言葉は、頭巾を取り去った少女―――アンリエッタ王女へと向けられたものだった。 「姫殿下」 アンリエッタ王女の眼前に居たルイズ、恭しく膝をついた。 そこに、タバサは違和感を感じた。 貴族たる事を、絶対として扱っているルイズにしては珍しく、その仕草に何処と無く不自然さが付き纏っていたからだ。 「あっ、ほら、あんたもさっさと―――」 「良いのよ、ルイズ。貴方のお友達なら、私にとってもお友達だもの。 ルイズも、ほら、立ち上がって。友達に対して膝をつく人なんて居ないでしょう?」 優しげであり、母親に抱かれるような抱擁感を覚えさせる声に、タバサは思わず息を呑む。 なるほど、確かに王女と言うだけはある。 風格と仕草、それに何者をも癒すかのような声には、カリスマに満ち溢れていた。 普段から、トリステインの王族は執政者としては他の王族に格段に劣っていると聞き及んでいたタバサは、よくそれで国が動いていると思っていたが、なるほど、このカリスマは、王族としては一流だ。 そこまで考えて、不意にタバサの顔に影が落ちた。 それは如何なる思考の果てなのか、無感動を歌うはずの彼女の瞳は、その時ばかりは揺れに揺れていた。 幸い、昔話に花を咲かせている、ルイズとアンリエッタは気付かなく、気付いたホワイトスネイクも別に声を掛ける義理も無いので放っておいた為に、彼女の思いが外に出る事は無かった。 「あの頃は……本当に楽しかったわね、ルイズ」 昔話が一頻り済んだ時に、アンリエッタはぽつりと懐かしむように呟いた。 「えぇ、本当に……」 それに対して相槌を打つルイズは、今朝見たアンリエッタと、今のアンリエッタの違いに内心、物凄く驚いていた。 あの時は、作り笑いを浮かべ、民に対して手を振るうだけの人間になってしまったと思っていたが、今、こうして目の前で話すと、昔のままのアンリエッタが存在している。 (人間って、凄く便利な生き物なのね) (何ヲ今更。人ハ、誰彼モ欺イテ生キテイケル、唯一ノ生キ物ダゾ?) 呆れたようなニュアンスを含んだホワイトスネイクからの返答に、そうなのかしら、と思いながら、ルイズはアンリエッタの言葉に返答していく。 だが、話の合間に溜め息を吐き続けるアンリエッタに、ルイズは眉を顰めた。 タバサに顔を向けると、彼女もまたルイズと同じ結論なのか首を縦に振る。 「あの……姫様、どうかなさったんですか?」 「えっ?」 「先程から溜め息ばかりを……何か、悩み事があるのでは?」 疑問系で聞いたルイズだったが、アンリエッタに何か悩み事が存在する事は確信していた。 思えば、もう何年も会っていない友人に会いに来て昔の話をしたのも、恐らくはその悩みで磨耗した気を紛らわす為だったのだろう。 「あぁ、ルイズ……やはり、貴方には分かってしまうのね。昔から友達である貴方には……」 誰でもあんなに溜め息を吐けば分かると言うものだが、それに突っ込むものは居ない。 ともあれ、アンリエッタは、眼を真っ直ぐルイズへと向けようとしたが、その前に、椅子に座っているタバサへと視線が逸れた。 「すいません。この話は国の重要事項であり、信頼の置ける人物にしか……」 「分かった」 申し訳無さそうに述べるアンリエッタに、タバサは立ち上がり、一礼してから部屋の扉に手を掛ける。 調子の悪さも、きちんと歩けるぐらいには回復していた。 「じゃあね、また明日……かしら」 後ろから掛けられたルイズの言葉に、振り返らずに頷いたタバサは、服のポケットに入っているDISCの重さを確かめながら、部屋を後にした。 「これで、今、この部屋に居るのは、私と私の使い魔のみ……話していただけますか、姫様」 タバサが完全に遠のいたのを確認してから、ルイズがそう言うと、アンリエッタは重々しく頷き口を開いた。 「そうですね…………では、話しましょう。私が、夜も眠れぬ程に悩む事柄を―――」 憂いを張り付かせ、笑みが掻き消えたアンリエッタの表情に、今更ながら、厄介事に巻き込まれる事になると気が付いたルイズであった。 第十話 後編 戻る 第11.4話
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/140.html
僕は実の所、朝早く起きるのはそう苦にならない性質だ。 朝早く起きて寝不足のときでも、トイレに行けば大概絶好調になる。 だから、朝の弱いタイプのことはよく分からない。 たとえば僕の主人のような。 「朝だよ、ルイズ」 起きない。全くの反応無し。困ったなぁ。 「ご主人様、起きないと朝食食べ逃したりするかもしれないよ?」 ヤッパリ反応が無い。 ちなみにそのご主人様のルイズは、どう間違った寝相ならそうなるのか?って感じのヨガもびっくりなポーズだったりする。 「・・・このポーズなら口から火を吹いたり出来そう・・・」 「・・・ムニュ・・・・・・ナマステー・・・」 「・・・本当に寝てる?」 何だか微妙な寝言が聞こえた気もするけど、どうでもいい。 仕方ないなぁ、ご主人様には悪いけど朝ごはん食べに行こう。シエスタさんに誘われてるし。 そう思って廊下に出ると、丁度他の部屋から出てきた赤毛の女の人に出くわした。 うわ、何だかすごい『美女』って感じの人だ。スタイルも凄いし・・・同年代なのにルイズとのこの違いは何だろう? 「あら、貴方誰?そこはルイズの部屋でしょ?あの子もついに男を部屋に泊めるようになったのかしら?」 ・・・確かに言ってる内容は間違ってないけど、何か違う気がするのは気のせいかな? まぁ、どうでもいいけど。 「あ、思い出した。あの子平民を使い魔にしたって話だったわね。へぇ、本当に人間なんだ」 感心してるのかただの興味か判らないけど、そんなに無遠慮にジロジロ見回されてもなぁ・・・それに口調が小ばかにしてる気がする。 でも、ルイズをあの子って言えるって事は知り合いってことだろうし、あまり波風立てるのも良くないかな。 「はい、キタローって言います。えっと、失礼ですけどどなたですか?ご主人のお知り合いですか?」 「私はキュルケ。ルイズの・・・そうねぇ、友人ってことにしておいて頂戴。この子はフレイム。私の使い魔よ」 友人かぁ・・・まぁ、ルイズに聞けば判るかな。それよりも、キュルケさんの後ろから現れたモノの方が僕にとっては気になるや。 尻尾に火がついてるトカゲって・・・ヒ○カゲだよねぇ、これ。成長するとどんなポ○モンになるんだろう? 「あら、流石にサラマンダーは珍しいようね。当然よね。好事家に見せたらどれ位の値を付けるか判らないもの」 「いや、そうじゃなくて・・・けっこう可愛いなぁって」 「アラ?」 何となく撫でてみるたけどサラマンダーは嫌がるそぶりも無い。猫をあやす様に喉の下を撫でたら嬉しそうに転がり始めた。 ・・・い、いや、どうでもいいけど壁とかに尻尾の火が点かないのかな?建材も魔法製? 僕がそんな微妙な事に気を取られていると 「貴方、面白いわね。平民じゃなかったら、随分楽しい事になるのに」 そんな声が投げかけられた。あれ?さっきまでの口調とは違うような・・・? 「それに良く見ると・・・いえ、かなりイイじゃない。これは色々楽しめそうだわ」 ・・・何だろう?視線が変わった?・・・何だか、これ以上ここに居ると良くない事が起こりそうな気がする。 それに、そろそろ朝ごはんも食べたいし。 「えっと、キュルケさん。僕今から厨房に行くのでこれで失礼します」 「あら、そう?じゃ、行ってらっしゃい」 僕は逃げるようにその場を後にした。・・・多分、僕の判断は正しかったんだと思う。 食堂に向かう途中、寮の方で何か大きな物音が聞こえたから。 更にその後で、寝起きのルイズとキュルケさんの魔法合戦が朝の風物詩だと教えられたから。 良かった、巻き込まれなくて。 逃げなければ良かった。 目の前でおいしそうな料理が並んでいるのに、それを食べてはいけないってのは拷問だと思う。 「何物欲しそうな顔してるのよ。主人を放って自分だけ朝食を食べようとする使い魔が食べられるものなんて在る訳無いでしょう?」 豪勢な朝食をこれまた勝ち誇ったように食べる僕のご主人様。 だからってそんな風に見せびらかすように目の前で料理を食べなくてもイイと思うのに。 そもそも、僕はルイズを起こしたよ?起きなかったのはルイズなのに・・・ 「何か言った!?」 「何も言ってないよ、ご主人様」 確かに、無理やり起こそうと思えば起こせたのは確かだから。 でも、正直に・・・正直に言うと、ルイズの寝相をあれ以上見るのが怖かったんだ。 見てるだけで痛くなる体勢ってあるんだよ? どうしてあの体勢で寝てて眠れて、しかも今平気そうなの? どうでもいい、で済ませたくないくらい気になるんだけど。 でも・・・今はそれ所じゃないなぁ・・・僕、痩せの大食いタイプだから、食べないと辛いんだけど。 「本当は使い魔は外なのよ?ここに居られるだけでも在り難く思いなさいよね」 「いっそ外の方がよっぽどましな気がするよ・・・」 ああ、だからシエスタさんは厨房に直接来るように言ったのかぁ。 そのシエスタさんは食堂中を給仕として忙しそうに走り回ってる。 時折僕の事を心配そうに見てくれてる。・・・あとで、余り物か何かもらえないか聞いてみようかな。 そうこうしている内に、朝食の時間は過ぎていく。 目の前の料理も、僕の口に入ることなく消えていく。 こうして、召喚生活初めての朝食は拷問もどきに取って代わられてしまった。 「これ、ミス・ヴァリエールに判らないようにこっそり食べてね?」 そう言って、シエスタさんが掌に隠れる位のパンを幾つかこっそり渡してくれなかったら、本当に拷問だった・・・ シエスタさん、僕には貴方が女神様に見えるよ。 午前の授業の時間は為になったし大変だった。 この世界の魔法の理論とルイズの異名。何よりその『失敗魔法』の威力を目の当たりに出来たから。 魔法の系統の基本的な考え方と、術者と使い魔のつながり。 それは僕に自分自身が何なのか、という疑問も抱かせた。 使い魔である以上、僕はこの世界で言う四大系統の一つに属するんだろう。 5つ目の系統とかもあるって言ってたけど、それが何なのか判らないのでは、判別しようが無いし。 いや・・・と、そこまで考えて思い直す。 この世界に来る前に見たあの夢。あの青い部屋は、例えば何に属するんだろう? 例えば僕のように異世界から呼ばれた者は、この世界の理論で括られるものなんだろうか? それに、僕の『ご主人様』のあの失敗魔法。 正直、あの爆発力は凄いと思う。あれが只の失敗で済むだろうか? 爆発は、高温と衝撃波、それに乗った破片という、この世界で言えば炎と風と土の系統が混ざり合ってるようなものだと思う。 あれを、ゼロの一言で片付けていいんだろうか? 僕の『ご主人様』は何者なんだろう? 「あら?何を考え込んでるの?シチュー、美味しくない?」 「そんな事無いです。あんまり美味しくて、ついぼーっと・・・」 物思いにふけっていた僕を、シエスタさんの声が現実に引き戻す。 嘘は言ってない。朝食を少しのパンでしのいだ僕にとって、この暖かなシチューは最高のごちそうだった。 思わずトリップしそうになった位。ただ、少し前までの授業が気になったのも確かだ。 「本当に?・・・お世辞でも喜んでくれて嬉しいわ」 「本当です。朝もそうだけどお世話になってばかりで・・・何か僕にできる事があったら言ってください」 本当にこのメイドのお姉さんにはお世話になりっぱなしだ。 此処で少しでも恩を返さないとバチが当たる気さえする。 「キタロー君は義理堅いんですね。それじゃ、もう直ぐデザートの時間ですから運ぶの手伝ってくれますか?」 それくらいなら、僕にも出来そうな気がする。何より、シエスタさんの手伝いだ。例え出来なくてもやらないと。 こうして、僕は臨時のウェイターになった。やってみると、案外簡単で面白い。 元々陸上や水泳で身体は鍛えているし、記憶力にも自信がある。ただ、問題は運んでるデザートがやけに美味しそうな事。 この食堂の『客』である魔法使い・・・貴族達はこの時間お喋りに夢中で、無為にデザートの一番美味しいタイミングを逃しているように見える。 本当にもったいない。 そんな事を思っていると、食堂の片隅に人ごみが集まりだした。 食堂のほぼ反対側に居る僕のところにも、怒鳴りつけるような声が聞こえる。 何かと思って覗き込んでみて・・・僕はすぐさまその只中に飛び込んでいた。 そこには、高慢そうな金色の巻き毛の魔法使いに暴言を浴びせかけられるシエスタさんの姿があったんだ。 「なんだ、君は?」 「キタロー君!?や、止めて・・・私は大丈夫だから・・・」 急に飛び込んできた僕を見て、金巻き毛の魔法使いは訝しげに目を見る。 僕はそれを無言で睨みつける。 僕には、シエスタさんが何故この魔法使いに好き放題言われているのか判らない。 でも、今涙さえ浮かべてるこのお姉さんをこのままには出来なかった。 背後からシエスタさんの消え入りそうな声が聞こえるけど、それでも僕は此処をどく気はない。 「お、おい。あれゼロのルイズが呼び出した使い魔だろ?」 「使い魔なのに平民で、召使みたいになってるアレか?」 「使用人つながりで助けてるんだろ?美しいねぇ・・・二股がばれて修羅場になった誰かとは大違いだな」 「おいギーシュ、お前もメイドに八つ当たりしてないで、この平民使い魔を見習ってみたらどうだ」 ドッと周りから笑いが漏れる。同時に真っ赤になるギーシュと呼ばれた巻き毛の魔法使い。 「ど、どうやらこの平民は貴族に対する礼儀がなっていないようだね」 「・・・そんなの、どうでもいい」 「な、何!?」 「二股がばれて、その憂さを抵抗できない誰かにに当り散らす事しか出来ないような貴族への礼儀なんて、どうでもいい」 「~~~~~~~っ!!!」 再び巻き起こる笑いと更に紅に染まるギーシュの顔。 だけど、本当にどうでもよかった。 僕の後ろで・・・震える手で僕の服を握るシエスタさんに比べたら。 「良かろう、君には貴族への礼儀を教えてやる。そのデザートを配り終えたらヴェストリ広場に来たまえ」 そう言い残して友人達と立ち去るギーシュ本人の事すら。 僕には、どうでもいいくらいに取るに足らないものだった。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1646.html
空は段々と茜色が増し、それに比例し木々の陰は大きく、そして長く伸びる。 その黒い影は茜色の空と対比してとても綺麗な模様を大地に描いていた。 しかし、黒い影は模様を描くだけではない。 何かを飲み込むような、そして何かが潜んでいるような、そんな何か悪いものがそこに佇んでいるような感じがする。 実際、この時間帯のことを『逢魔が時』という。 『逢魔が時』とは大禍時が転じたと言われている。 何故ならこの時間帯が一日のうちのもっとも禍々しい時間帯と言われているからだ。 忌まわしく、不吉な感じの漂う時間帯、物陰に潜む魔物のような何かの気配、禍々しいと言われても仕方ないだろう。 そう言われている理由は恐らく日が沈み、それまで明らかだったものの輪郭がぼやけて見えなくなっていく、その覚束なさから生まれる不安なのだ。 少なくとも一般的にはそう考えられている。 だが実際、稀にだが、本当にそういうところに本物の魔物がいたりすることもある。 魔物とは言ったが、本当のところは人間の幽霊だ。 しかしその姿は魔物と呼ぶに相応しいほどの異形に成り果てている。 実際にその異形を見たときは本当に驚いたものだ。 なにか強い執念を持っていたりするとそういう風になりやすいらしい。 私から言わせてもらえばそんな姿をしている時点で人間とは言えない。 幽霊はそいつの精神が直に反映され、自分の形を作る。 そんな姿になってる時点で人間の精神じゃないって言ってるようなものだ。 草原への道すがら、あの尼から聞いたことを思い出しながらそんなことを思っていた。 なぜそんなことを思い出したのかは自分でもよくわからない。 おそらく、この夕暮れと、そこらに生えている木々が思い出させたのだろう。 今となってはもう懐かしいと言えるほどの思い出だ。 「ヨシカゲさん?どうかしたんですか?なんだか遠い目をしてましたけど」 「え?」 「そうよ。あんまりこっちの話も聞いてなかったみたいだし」 そうだろうか? いや、確かにそうかもしれないな。 きっと過去の思い出に自分でも気づかないほどにどっぷり嵌っていたのだろう。 「……日本にいたときのことを思い出していた」 私はルイズたちの問いに素直に答えることにした。 別に知ってほしいとは思わないが、隠す理由もない。 この思い出はただの知識だ。 私のそのときに感じた感情、考え、思いを話さなければそれは客観的な知識になる。 何かの役に立つわけでもない、人に知られて困ることもない、どうでもいい知識だ。 そんな知識を隠すことに何の意味があるのだろうか? あるわけがない。 「へえ、どんなこと思い出してたの?」 「この時間帯についてのことさ。日本じゃ逢魔が時って言ってな。黄昏時とも言って……」 ふと木々の陰の中に人影を見た。 その人影は私に酷く似ていて、しかし全く違う。 直感的にだが、そう感じた。 しかし次の瞬間には消えていた。 あれ?見間違いだったのか? いくら見てもそこには誰もいなかった。どんな生き物もいなかった。 本当に見間違いだったらしい。 しかし、あの人影は何故かくもの巣のように私の頭に引っかかっていた。 何だかんだでルイズたちと話しているとやがて草原に着いた。 草原がよく見える位置に連れて行くと言うシエスタのあとについて行く。 そして私とルイズはそこから草原を眺めてみた。 「これは……」 「すごい、きれい……」 シエスタが私に見せたいといったその草原は、私たちの視線を捕らえて離さなかった。 頭に引っかかっていた人影のことなど、それこそ初めからなかったのごとく消し飛んだ。 ただただ広いその草原はシエスタが言っていたようにありとあらゆるところに花が咲いている。 草原の向こうに見える山上にある夕日は美しく、そして儚げに輝きは、その草原をまるで染め上げるかのように草花を優しく茜色に輝かせていた。 たったそれだけの光景が、私たちの心を支配していたのだ。 何て綺麗なのだろうか。 こんな景色を見たことがあるか? あるわけがない。 元の世界では、電車に乗りながら、窓から見る空が晴れ渡っているだけで、私はその光景がとても大事なものだと思うことができていた。 この世界に来て、晴れ渡る空を見ながら木々に囲まれ風を感じることに、私は喜びを見出すことができていた。 しかしそれらが色あせてしまう。 自分の中でどんどんと色あせていく。 言葉でなかった。発することができなかった。 ただ、この光景を何時までも見ていたい。心がそう訴えていた。 隣にいたルイズも言葉を発することはなった。 ただ暖かな風の音だけが聞こえていた。 しかし、時というのは止まることなどない。 人間のことなんて考えないで何時までも動き続ける。 やがて、夕日は山上から山の間へと沈んでいく。 茜色に染め上げられていた景色も段々と、鮮やかなその色を失っていく。 風も暖かみを失い始める。 そして、あれほど美しかった夕日は完全に山に沈んでしまった。 「シエスタ」 「はい」 「……ありがとう。こんな素晴らしいものをみせてくれて」 自分でも驚くほど自然にそんな言葉が漏れていた。 「わたしも始めてあんなきれいな景色を見たわ」 ルイズも私のことに追従する。 シエスタの方を振り返るとシエスタの顔にはこれまで見たことのないほどの笑顔を称えていた。 その表情から見て取れるものは自分の故郷に対する限りない誇りと自信、そしてそれを認められた嬉しさだった。 「そう言ってもらうのが一番嬉しいです。私の一番気に入ってる場所ですから」 そう言って私たちに笑いかけるシエスタの笑顔を私は草原に劣らないほど綺麗だと感じた。 隣にいるルイズの感動した顔も、やはり草原に劣らず綺麗だと感じた。 別にそれがあの景色に影響されて一時的な気の迷いでそう見えるだけでも構わない。 ただこの言葉にし難い感情を何時までも胸に閉じ込めておきたかった。 「それじゃあ帰るか」 それだけ言うと、誰も反応を返さず、しかしみんな足を動かし村へ戻り始める。 帰り道、私たち3人の間には何の会話もなかった。しかしそれは苦痛ではなかった。 ただ穏やかなな時が流れていた。
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1816.html
6日目 あらぐむ 夜が明け、朝となりました。痛ましくも cozyさん の無残な死体が見つかったようです あらぐむ chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ------会話STOP------- あらぐむ 6日目の朝です 1 (もぐら村) あらぐむ -----------スタート-------------- 3 (天界部屋) オペこ ほええ cozy 助かった 3 (天界部屋) オペこ こんなキチガイみたいな狩人 いないよぉ・・・ 3 (天界部屋) ミクかわいい cozyさん・・・ホロリ 1 (もぐら村) ニキハウス 続いた 1 (もぐら村) いあん おはようございます 3 (天界部屋) ラスフィーノ 5人か 1 (もぐら村) シエスタBC つづいた 1 (もぐら村) Mrチキン おはようございます 3 (天界部屋) BBL やっぱりcozyさんは村か 1 (もぐら村) Linstant おはようございます 3 (天界部屋) かこちん 続くわなー 1 (もぐら村) ニキハウス 嘘だったようですね 1 (もぐら村) シエスタBC 大恥かくとこだったわ 3 (天界部屋) ラスフィーノ 狼生存ですな 3 (天界部屋) オペこ CozyさんWWWWWWWWWWWWWWWWWWW (T) ワルノス > もう一匹いるね 3 (天界部屋) ブロクター さあ殴り合いか (T) ワルノス > 間違えました 3 (天界部屋) かこちん まぁもうすぐ終わるわな 3 (天界部屋) ラスフィーノ あぁまだ6か 1 (もぐら村) ワルノス さてどうしますかと 1 (もぐら村) いあん うん 3 (天界部屋) BBL yukoさんへの指摘からそんな気はした 3 (天界部屋) オペこ ニキハウス>シエスタ この順で黒い さぁどうだ! 1 (もぐら村) Mrチキン とりあえず方針としては暫定○、さらにいうならグレー吊り発言のいあんさんに疑いであります 3 (天界部屋) ミクかわいい チキンさん吊りましょうチキンさん 1 (もぐら村) ワルノス ニキハウスさん グレー吊り提案ありよん 1 (もぐら村) いあん かこちん●だとLWか 3 (天界部屋) オペこ チキンさんは私のメモに+って書いてあるけど理由は不明 3 (天界部屋) かこちん わたしは 3 (天界部屋) ミクかわいい 筋肉量+ 1 (もぐら村) ニキハウス ありよん?とはなんでしょうか 1 (もぐら村) シエスタBC あそっか 3 (天界部屋) かこちん 吊りたいのはあらぐむだな 3 (天界部屋) ラスフィーノ いやー、このグレラン大会に残りたくないなぁw 3 (天界部屋) オペこ ムキッ 3 (天界部屋) cozy こんばんは 3 (天界部屋) ミクかわいい いらしゃんせ~ 3 (天界部屋) ラスフィーノ おつかれーw 1 (もぐら村) ワルノス あれ グレー吊り発言してなかったっけ? 3 (天界部屋) かこちん やぁこじー 3 (天界部屋) オペこ cozyさん!やりましたね!助かったんですよ! 3 (天界部屋) BBL ワルノス>=シエスタ>ニキハウス>Listant>Mrチキン さんかなあ 1 (もぐら村) いあん ん? グレー吊り発言は確認しただけよ~ん 3 (天界部屋) かこちん こじーめ 3 (天界部屋) cozy 噛んでくれてありがとう 3 (天界部屋) BBL お疲れ様でした 3 (天界部屋) ミクかわいい w 1 (もぐら村) シエスタBC かってにかこちん○確定させてたわ 1 (もぐら村) ニキハウス はい、発言しました。ありよんの単語がわからなかったので… 3 (天界部屋) かこちん こじーさん 3 (天界部屋) オペこ えー ワルノスさん私のメモだと++ってなってる 1 (もぐら村) ワルノス あ あったっすってだけね 3 (天界部屋) かこちん 私狼じゃないんですよ 3 (天界部屋) BBL うーん 3 (天界部屋) ミクかわいい 筋肉量++ 3 (天界部屋) オペこ ムキキッ 1 (もぐら村) ニキハウス あ、了解です。すみません 3 (天界部屋) ラスフィーノ ワルノスさんは、内訳把握があやしい村人とみます! 1 (もぐら村) ワルノス あの時点でグレー吊りは村だとないんじゃないかなーと 3 (天界部屋) BBL 占い真狂狐とか言い出しちゃったからなあ 3 (天界部屋) cozy かこちんさんLWかと思ったのに、騙されました 3 (天界部屋) BBL 気になっちゃう 3 (天界部屋) オペこ Listantさんはやっぱ白いね~ 1 (もぐら村) Mrチキン とりあえず暫定○吊りに一票 1 (もぐら村) ワルノス いあんさんのグレー吊り発言は見損ねてた 3 (天界部屋) かこちん だって狼発言しろっていうから 3 (天界部屋) かこちん LW発言して遊んでみようかと 1 (もぐら村) Mrチキン 間違ってたら戦犯確定発言してるなーw 1 (もぐら村) シエスタBC グレー釣りってそんなに悪手? 3 (天界部屋) BBL 村で見るならシエスタさんが怪しいかなあ 1 (もぐら村) Linstant 私は逆にあそこまで疑われた状態で仲間に○出しはしないかな?と思ってます 3 (天界部屋) かこちん 暫定○つりなんて 1 (もぐら村) いあん だからその前の発言みて聞いただけだっちゅうのw 3 (天界部屋) BBL というか一番村でミテタcozy 3 (天界部屋) cozy 真占いなら、私の責任です 1 (もぐら村) Mrチキン いえ、単にもはやこっから殴り合いに近いので 3 (天界部屋) かこちん 狼に○出すわけ無いだろwww 3 (天界部屋) ラスフィーノ もうね、○をみてる時点で 1 (もぐら村) Mrチキン 囲いにかけてるだけです 3 (天界部屋) オペこ シエスタさん、ニキハウスさんはメモに -って書いてあるね 3 (天界部屋) BBL 見てたcozyさん噛まれちゃった 3 (天界部屋) ラスフィーノ ダメw 3 (天界部屋) ラスフィーノ ダイス振って決めればいいんだ、こんなのw 1 (もぐら村) ワルノス んだね ただの殴り合いなので 3 (天界部屋) かこちん あそこまでいったら囲わないからなー私 1 (もぐら村) シエスタBC うーむ 1 (もぐら村) シエスタBC ヒント少ないな 3 (天界部屋) かこちん 占い結果?ごめん全部阿弥陀なんだ 3 (天界部屋) cozy ありがとう。村人で見てくれて>BBLさん 1 (もぐら村) Mrチキン グレー吊り発言が意図がなかったなら 1 (もぐら村) Linstant むしろ囲いを疑われて吊られる可能性があるので囮として選ばれたんじゃないかと 3 (天界部屋) かこちん リンスさん占ったの寡黙占いじゃナインdな 1 (もぐら村) ニキハウス んー、一応狂真も一応あるので、グレー吊り発言でしたが。 3 (天界部屋) BBL yukoさんへの指摘が村ぽかったです 1 (もぐら村) Mrチキン 潜伏気味なLinstantさんが候補にしたいかなーくらい 3 (天界部屋) オペこ このむらで唯一cozyさんにだけ何のメモも書いてない・・・ 1 (もぐら村) ニキハウス 一応二回いっとる… 3 (天界部屋) ミクかわいい cozyさんノリノリだなあーって思ってました! 1 (もぐら村) ワルノス 狂はあるんだっけ?? 1 (もぐら村) いあん どうだろ 3 (天界部屋) BBL がそれに相槌したからなのか噛まれたw 3 (天界部屋) cozy 誰も気付いてないのかと思ってました>BBLさん 1 (もぐら村) ワルノス ないような・・・人外一人多くなんね? 3 (天界部屋) かこちん 囲い疑惑かけるために○出しました^^ 1 (もぐら村) ワルノス 占い食われてるんで 3 (天界部屋) BBL 言われて気が付きました 3 (天界部屋) BBL だからcozyさん冷静に見れてる村だなあと 1 (もぐら村) ワルノス 計算ミスの可能性はございます そしたらすみませんn 1 (もぐら村) Mrチキン かこさん狂人パターンだともあるけど、霊媒狼入りになる可能性の問題 1 (もぐら村) ニキハウス 霊に狼の場合ってもう完全になかったでしたっけ? 3 (天界部屋) オペこ あ もしかして霊媒の視点だと占いは偽なのに~って あらぐむ 残り時間2分です 1 (もぐら村) Mrチキン いえ、全部可能性ならあり 3 (天界部屋) オペこ cozyさんの発言ですか? 3 (天界部屋) かこちん 霊狼はありえるのよね 3 (天界部屋) BBL です 3 (天界部屋) オペこ おおお 1 (もぐら村) ワルノス そうかぁすまぬ 3 (天界部屋) cozy ミクかわいいさんへ。私、2回目の投票はyukomacさんに入れましたよ 1 (もぐら村) Mrチキン あくまで高確率なの選んでるだけです 1 (もぐら村) Linstant 危険性が高いのでやらないだろうって感じでしたね 3 (天界部屋) オペこ あれは白かった 3 (天界部屋) BBL ですよね 3 (天界部屋) かこちん そして15人要るはずなのに 3 (天界部屋) ミクかわいい おぉ~(*>ω<) 3 (天界部屋) かこちん 同数投票って誰よ犯人 1 (もぐら村) ワルノス 狂人だけはないんじゃない?かこちんさん 1 (もぐら村) Mrチキン 私は暫定○吊りしかもうわからないのでそっち推進します 3 (天界部屋) BBL 私もyukoさんにずっと入れてました 3 (天界部屋) ラスフィーノ すいません6日目ってことは 3 (天界部屋) ブロクター 2回目は関係ない人に入れました 3 (天界部屋) ラスフィーノ 吊りは4回終了? 3 (天界部屋) かこちん ミクかわが真だと思って入れてました^^ 1 (もぐら村) シエスタBC 策としては 3 (天界部屋) ラスフィーノ 5回? あらぐむ 残り時間あと1分です 3 (天界部屋) BBL 明日最終日のはず 1 (もぐら村) ワルノス 狐とけたりゆうがひっかかる 1 (もぐら村) いあん かこちんの○だし・・・ログみないと思い出せないw 3 (天界部屋) ラスフィーノ 4回終わって、今日5回目の吊り? 1 (もぐら村) Mrチキン いあんさんとLinさん 3 (天界部屋) BBL 吊りは全部で6のはず 1 (もぐら村) いあん 自分はもらってるけど 1 (もぐら村) シエスタBC 白釣りが一番だと思う 3 (天界部屋) ラスフィーノ なるほど 1 (もぐら村) いあん そか二人か 3 (天界部屋) オペこ ニキハウス>シエスタの順に吊って終わりだ!カット スイカを賭けよう あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) BBL 呪殺で釣吊り減りましたからね 1 (もぐら村) Linstant 個人的には黒によっているかちこんさんを存命させようとしたニキハウスさんがちょっと怪しかったり 3 (天界部屋) ラスフィーノ あぁそうか 1 (もぐら村) ワルノス いあんさんにきはうすさんつりたいかも 3 (天界部屋) cozy 正直、あと1匹わかりませんね 3 (天界部屋) ラスフィーノ 俺の案だと銃殺がでないから 3 (天界部屋) BBL 狩人頑張って 1 (もぐら村) ニキハウス 過去に私はかこちんさん黒よりでみてると発言してますが 3 (天界部屋) ラスフィーノ 最後5人なはずだったんdな 3 (天界部屋) かこちん じゃあ私もシャンプーリンス→いあんでおわりでかける (T) BBL > もういないけどね… 3 (天界部屋) ラスフィーノ まぁどっちがいいかだよなぁ あらぐむ 日は落ちて、村人たちは今日の処刑者を決めなくてはいけません。 あらぐむ 各人は処刑する人の名をTELLでお願いします 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ----会話可能時間です---- 3 (天界部屋) cozy シエスタさん狼だと予想してました (T) ワルノス > ニキハウスさんで 3 (天界部屋) BBL みなさんの意見も参考にすると (T) シエスタBC > Linstantさんでおわりだあああ (T) Linstant > ニキハウスさんに投票します 3 (天界部屋) BBL シエスタ>ニキハウス さんかなあ 3 (天界部屋) かこちん 仕切ってる人が狼だったらこれ怖いねー (T) いあん > む~、チキンさん吊りで 3 (天界部屋) かこちん 心強いわー 3 (天界部屋) ラスフィーノ まぁそうだねえ、あんまり発言できない人は狼でしょ 3 (天界部屋) オペこ しきってる人、つまりチキンーワルノスかな? (T) Mrチキン > いあんさんでお願いします 3 (天界部屋) ブロクター 私は初めからシエスタさん一択だったんですけど、さてどうなるか 3 (天界部屋) ラスフィーノ で論理なりたつもんなぁ 3 (天界部屋) オペこ (のどっちか) 3 (天界部屋) かこちん ちなみに 3 (天界部屋) かこちん 私は狼?狂人? 3 (天界部屋) オペこ 狂 3 (天界部屋) ラスフィーノ ワルノスさんはどっちもあるから吊りたいけど、 3 (天界部屋) BBL 狼かと 3 (天界部屋) ラスフィーノ 村ならSG候補だ 3 (天界部屋) かこちん 真なのに>< 3 (天界部屋) オペこ 選択肢に真ないっすよwwwwwwwwwwwwwww 3 (天界部屋) かこちん とか言って村騙りでした ごめんなさい 3 (天界部屋) オペこ はい あらぐむ 残り時間あと1分です 3 (天界部屋) BBL 真(狼)なのにですね! 3 (天界部屋) オペこ 吊ります (T) ニキハウス > いあんさんに投票お願いします ニキハウス2 Linstant1 Mrチキン1 いあん2 (T) シエスタBC > じぇんじぇんわからん 3 (天界部屋) ラスフィーノ かこちん狂人はあるよ 3 (天界部屋) かこちん 村騙りだったらどうするよ 3 (天界部屋) ラスフィーノ でも、狼が霊でるのはないか 3 (天界部屋) cozy あらぐむさん、お忙しいでしょうか・・・ 3 (天界部屋) ラスフィーノ 村語りは重罪w あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) オペこ YukoMAXさんならあるいは 霊能に狼で来てくれる! 3 (天界部屋) かこちん え?いいことだよ 3 (天界部屋) あらぐむ うん? 2 (狼がぶがぶ) いあん こら、吊られるかもなあ 3 (天界部屋) かこちん むしろミクかわが狼 3 (天界部屋) ミクかわいい [ガーン] 3 (天界部屋) ミクかわいい わざわざ5人目で狼は出ないでしょう・・・ あらぐむ 同一票のため、村人は再度話し合ってください あらぐむ 3分間再度村人ははなしあってください 1 (もぐら村) あらぐむ ------------START------------- 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ----------STOP---------- 3 (天界部屋) ミクかわいい ぉー熱い戦い 1 (もぐら村) ニキハウス あら 1 (もぐら村) シエスタBC むむむ 3 (天界部屋) BBL そう言えば独り言たくさん送るかもとか言ってたけどすぐ噛まれたからほとんど意味なくなっちゃったなあw 1 (もぐら村) Mrチキン おや 1 (もぐら村) いあん おっと 3 (天界部屋) かこちん あついねー 1 (もぐら村) いあん 同数か 1 (もぐら村) Mrチキン いあんさんに入れました 1 (もぐら村) ワルノス 速報 吊り縄数計算ミスアリ すまぬ すまぬ 1 (もぐら村) シエスタBC Linさん 1 (もぐら村) ニキハウス いあんさんに入れました 1 (もぐら村) Linstant 言ったとおりニキハウスさんに 1 (もぐら村) ワルノス にきさんで 3 (天界部屋) cozy 以前、撮っていただいたSSですが、サイアさんにお渡ししていただけましたでしょうか? 1 (もぐら村) いあん Linさん 3 (天界部屋) ミクかわいい きれいに割れた~ 1 (もぐら村) シエスタBC 狩人ってまだおる? 1 (もぐら村) ワルノス これいれてあと3本だ 1 (もぐら村) Mrチキン 狩人COしてもいいかもな 1 (もぐら村) Linstant GJしてない以上いても信頼性が 3 (天界部屋) cozy サイアさんにお会いする機会がなくて 3 (天界部屋) BBL シエスタさんに票が入っていないだと!? 3 (天界部屋) かこちん 3本ちゃう 3 (天界部屋) かこちん 2本や 1 (もぐら村) ワルノス P鯖のツール借りてきたら まちがってた マジですまんす 3 (天界部屋) あらぐむ !? 1 (もぐら村) ニキハウス 私なのか、白囲い吊るって話だったんじゃ 1 (もぐら村) ワルノス 狩人はやめてほしいー 1 (もぐら村) いあん チキンさん狩人COってこと? 1 (もぐら村) ワルノス 乗っ取りありうるし 1 (もぐら村) Mrチキン いえ、いたらしてくれないか?です 1 (もぐら村) いあん 違うか 3 (天界部屋) あらぐむ しまった、そういや渡したっけな・・・今日にはきょうにはあああ 1 (もぐら村) Mrチキン のっとりOKだとおもうけど 3 (天界部屋) かこちん 狼COするなし 1 (もぐら村) ワルノス 乗っ取られてたら両吊りできぬー 3 (天界部屋) BBL ツリ候補じゃないならでなくてもいいような 1 (もぐら村) Mrチキン かまれなかったらつっちまえ 1 (もぐら村) ワルノス あれ COさせて吊るだけ? 1 (もぐら村) Mrチキン 3吊りじゃないのか? 3 (天界部屋) かこちん 2つりだから 1 (もぐら村) ワルノス そうです残りですごめんなさい 3 (天界部屋) かこちん ざんえん 1 (もぐら村) ワルノス 3です 3 (天界部屋) cozy そろそろ、私も動画に登場するかもしれませんので。お手数おかけします・・・。 3 (天界部屋) かこちん ワルノスさん狼だな 1 (もぐら村) ニキハウス 信用できないんであれば出なくてもいいかと あらぐむ 残り時間あと1分です 3 (天界部屋) BBL シエスタさんじゃない? 1 (もぐら村) Linstant 6人だからあと2回じゃ? 3 (天界部屋) かこちん りんすさんがつっこんだw 1 (もぐら村) シエスタBC 2かいだな 1 (もぐら村) ワルノス あれ 1 (もぐら村) いあん ってか、いないんじゃないかなもう狩人 1 (もぐら村) ワルノス あってる?? 3 (天界部屋) ミクかわいい 5人に見える 3 (天界部屋) BBL 吊り候補に狩人候補がいる場合のみCOさせるべき あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) かこちん 一人寝てる 1 (もぐら村) ワルノス 土下座しかねぇ 3 (天界部屋) ミクかわいい ww 1 (もぐら村) Linstant 6>4>2=終わりです 3 (天界部屋) かこちん カモフラージュしてる 1 (もぐら村) ワルノス げざります 1 (もぐら村) ニキハウス というか、投票どうしましょう 1 (もぐら村) Mrチキン とりあえず今回Linさんに変えます 1 (もぐら村) いあん だよなw 3 (天界部屋) あらぐむ 今、早急に渡しましたハイ 1 (もぐら村) Mrチキン 私はもう自分の考えと心中する! 3 (天界部屋) BBL Linstantさん噛まれるかも 3 (天界部屋) あらぐむ すみませんすみません あらぐむ 日は落ちて、村人たちは今日の処刑者を決めなくてはいけません。 3 (天界部屋) オペこ Linさん白いぞおおおおおおお 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ----会話可能時間です---- 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ あらぐむ 各人は処刑する人の名をTELLでお願いします (T) シエスタBC > Linさんで~ 3 (天界部屋) かこちん 渡した=投げ入れた (T) Mrチキン > Linstantさんでお願いします 3 (天界部屋) かこちん おぺこよ 3 (天界部屋) かこちん 私の勝ちだな 3 (天界部屋) かこちん カットスイカ貰うぜ! 3 (天界部屋) BBL いあんさんの姿がようやく見えた (T) いあん > ニキさんで (T) ニキハウス > Linstantさんに投票お願いします。白囲い吊りに乗っかってみよう 3 (天界部屋) オペこ まだだ!まだしょうぶはおわっていない! 3 (天界部屋) BBL 隣にいたのに鳥しか見えませんでした 3 (天界部屋) かこちん 鳥なのよね あのこ 3 (天界部屋) cozy ありがとうございます。本来なら私がやるべきことなんですが、申し訳ありません。>あらぐむさん 3 (天界部屋) BBL あ、あれ? 3 (天界部屋) かこちん いあんは鳥だよ (T) Linstant > ○押し強いMrチキンさんも怪しいですが、「ニキハウスさんに投票します」 3 (天界部屋) BBL もにこはニキハウスさんだった 3 (天界部屋) ミクかわいい リンスさんがあらぐむさんとかぶってた・・w (T) ワルノス > うーん もう少し話したい。。。いあんさんに入れて何とかならんか Linstant3 ニキハウス2 いあん1 3 (天界部屋) かこちん 奥にみえるちっこい黒い塊がリンスさん 2 (狼がぶがぶ) いあん 今回りんすさん吊りで次回自分か・・・おわた 3 (天界部屋) かこちん 保護色だ 3 (天界部屋) かこちん とどけ!この思い! 3 (天界部屋) ミクかわいい ちっこい黒い塊w 3 (天界部屋) かこちん そこちゃうそっちや! 3 (天界部屋) かこちん かこちんは村人におもちゃにされた挙句吊られました あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) cozy いいおもちゃだった あらぐむ 村人たちの話し合いにより Linstantさん は処刑されてしまいました あらぐむ /chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください あらぐむ 役職の方はTELLをお願いします あらぐむ まもなく夜となり狼たちの時間です。各々狼に怯えつつも推理し、明日の昼へと備えましょう 3 (天界部屋) ミクかわいい は、ハエわいてたかな 3 (天界部屋) BBL ミクわかさんと久々に同村だったのにすぐミクわかさん吊られちゃうとはなあ 3 (天界部屋) かこちん 何かにおってた 3 (天界部屋) ミクかわいい 基本的に真っ先に退場しますので。。 3 (天界部屋) BBL 自分もすぐに噛まれちゃったし… 3 (天界部屋) ミクかわいい [ガーン] 3 (天界部屋) BBL フラグ立ててしまったのか 3 (天界部屋) Linstant お邪魔しますー 3 (天界部屋) ミクかわいい いらしゃんせ~ 3 (天界部屋) BBL お疲れ様でした 3 (天界部屋) かこちん いらしゃい 3 (天界部屋) オペこ お疲れさまでした 3 (天界部屋) ブロクター おつかれさまー 3 (天界部屋) オペこ Listantさんめっちゃ喋ってくれて助かりました 3 (天界部屋) Linstant 変なこと話すぎて話し合いを止めてしまった感が、申し訳ないです 3 (天界部屋) かこちん りんすさんものびてるねー 3 (天界部屋) ラスフィーノ おつかれさまー 3 (天界部屋) かこちん 後で床屋しよう 3 (天界部屋) オペこ かなり白いと僕は思いましたがつられちゃいましたね 3 (天界部屋) Linstant ぼさぼさ好きなのに!? 3 (天界部屋) BBL リンスさんはLinsさんのことか (T) Mrチキン > ○吊り反対してるからLinさんにしたけど・・・間違ってたら本当に戦犯ですね(=◇=;) 3 (天界部屋) かこちん うむ 3 (天界部屋) BBL ようやく気が付きました (T) いあん > Mrチキンさんを蒸し焼きにするのが夢です! わけてあげますえ^^ 3 (天界部屋) かこちん ぼさぼさかー 3 (天界部屋) cozy 村人を経験すると、人狼の楽しみが増えます 3 (天界部屋) ミクかわいい 最終日の胃のキリキリも増えます 3 (天界部屋) オペこ 墓さ最高 3 (天界部屋) かこちん みくかわは6番でいいよね 3 (天界部屋) オペこ ボサ 3 (天界部屋) BBL 最終日まで残ったことないなあ 3 (天界部屋) ミクかわいい ポニポニは6髪ですね~ ラスフィーノ 村人楽しいよねー、結局w ラスフィーノ 誤爆w 3 (天界部屋) BBL まあ実質最終日は何回か有りましたが 3 (天界部屋) ラスフィーノ やってもた 3 (天界部屋) Linstant 私も村側で最終日まで残ったこと無いですねー あらぐむ 残り時間2分です 3 (天界部屋) オペこ 好きなこと・思ったことを喋れるからね 3 (天界部屋) かこちん よしあえてわざと失敗してハゲに (T) > いあん 塩味が最高 3 (天界部屋) オペこ ナナツさんよんできて!!! 3 (天界部屋) ラスフィーノ 最近村側で最終日とか 3 (天界部屋) BBL 残り4人とか3人は経験したことないや 3 (天界部屋) ミクかわいい (([ガーン])) 3 (天界部屋) ラスフィーノ 全然ないなぁ。。。。。。 3 (天界部屋) オペこ ラスさんはメタで狐のイメージががが 3 (天界部屋) かこちん 最後まで残って勝った事あるよ!狼で 3 (天界部屋) ラスフィーノ SG候補で残してくれるように 3 (天界部屋) ラスフィーノ 振舞わないとだめだね。。。 3 (天界部屋) かこちん ラスさんはなぜCOしてきたんだろう あらぐむ 残り時間あと1分です 3 (天界部屋) オペこ 「あ、あっちに蝶々が」「そっちにいきましたわ」 これでSG候補いけるで 3 (天界部屋) ラスフィーノ 昨日、ステで完全勝利したんだ、狐w 3 (天界部屋) かこちん 3COくれば対抗占いがほぼ確定なのに 3 (天界部屋) BBL エルレイナさんは狙ってSGになろうとしている気がたまにしてしまう あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) BBL 狼が霊媒噛んじゃうんだもん!! 3 (天界部屋) オペこ 昨日のあれは悔しかったなぁ 3 (天界部屋) ミクかわいい SGになれば長くプレイできますし、ありえそう・・w 3 (天界部屋) ラスフィーノ 二日連続、狐やって同じ手法じゃつまらんじゃん 3 (天界部屋) オペこ 明らかにラスさん狐で 本人からも狐COあったのに 3 (天界部屋) BBL 確かに 3 (天界部屋) かこちん はい 狐宣言いただきました 3 (天界部屋) Linstant なるほど 3 (天界部屋) オペこ 勝っちゃったもんね 3 (天界部屋) ラスフィーノ 告発されたのにねw 5日目へ 7日目へ