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クリフトとアリーナの想いは Part4.2 791 :【新生活応援】 ◆cbox66Yxk6 :2006/04/04(火) 10 31 19 ID hfoE1uZQ0 時は4月、桜の花の下で新生活がスタートした。 クリフトは澄み切った青空を見上げながら、大きく息を吸い込んだ。 ここはゴッドサイド。神の息吹をもっとも近くに感じる神聖な場所。そして神職につくものの憧れの土地。 クリフトは王命を受け、4月からゴッドサイドの歴史編纂事業に携わることとなった。期限は無期限。憧れの土地、そして人生初となる一人暮らし。最愛の人と離れてしまったことはクリフトの心をひどく苛んだけれども、新天地での生活に淡い期待と喜びを抱いていたのもまた事実であった。 「さて、部屋はこれくらいで大丈夫ですね」 サントハイムから持ち込んだ荷物の整理も終わり、クリフトは一息入れようと紅茶のポットを手にした。 コンコンコン。 遠慮がちに扉が叩かれ、赤毛の少女・・・いや女性が顔を出した。 「えへ、遊びに来ちゃった~」 いたずらっ子のように舌を出し、はにかむアリーナにクリフトは微笑んだ。 「ようこそ、おいでくださいました」 アリーナに椅子を勧めながら、クリフトはカップを二客用意する。 ふわり、と紅茶の香りが漂い、アリーナは目を細めた。 「いいなぁ、一人暮らし。私もしてみたいな」 無理だろうけどね。 ちょっとつまらなさそうに唇を突き出し、部屋をぐるりと見渡す。 広すぎず、狭すぎず。一人暮らしとしてはまずまずの部屋のようだ。 いいなぁ、いいなぁと部屋の中を見て回っていたアリーナが、不意に背後からクリフトの首に飛びついてきた。 「わ、あ、危ないですよ」 ポットを落としそうになったクリフトが焦りながら注意する。 するとアリーナはむっとしたようにポットを奪い、ちょっと乱暴に机の上に置いた。 そしてクリフトと向かい合うと、今度は正面から抱きついた。 「・・・したら承知しないから」 胸に抱きついていたせいで少しくぐもっていたが、クリフトはアリーナの言葉を確かに聞いた。 浮気したら承知しないから。 かすかな嫉妬。いや、不安か。 照れたように呟くアリーナが愛しくて、クリフトはそっと抱きしめる。 「しませんよ」 「・・・ほんとに?」 「おや、お疑いですか?」 私には姫様だけですよ。 耳元でそっと囁くと、アリーナがますます顔を押し付けてきた。 照れているのだろうか。髪の毛の間からちらりと見える耳が赤い。 クリフトがクスクスと笑うと、アリーナが少し赤い顔でしかめっ面をした。 「なによ!」 拗ねてそっぽを向くアリーナの頬に手を伸ばすと、そっと仰向かせた。 「姫様・・・」 「・・・ん」 唇が重なる。 ふたりっきりの部屋。ほんのり甘い紅茶の香り・・・。 ふたりはうっとりと口づけをくりかえす。 「ね、また、遊びに来ていい?」 アリーナが小さな声で呟くと、クリフトはもう一度軽く口付ける。 「ぜひ・・・お願いします」 お待ちしておりますよ、姫様。 そう続けたクリフトの唇にそっと人差し指を当てると、アリーナは首を横に振った。 「ふたりっきりのときは・・・ね?」 アリーナの言わんとすることを察したクリフトは、最近ますます綺麗になってきた恋人を再度抱き寄せ囁いた。 「待っていますよ、アリーナ」 アリーナ・・・アリーナ・・・。 何度も耳元で囁かれる。 とてもとても幸せな時間。 アリーナは優しい彼の腕の中で瞳を閉じる。 「愛しています、アリーナ」 「愛しているわ、クリフト」 クリフトの新生活、それはふたりを遠ざけ、そして近づけていた。 「ブライ、アリーナを知らんか?」 書庫で調べ物をしていたブライのもとをサントハイム王が訪ねた。 「さぁて、城の中にいらっしゃらぬようならば、あやつのところ、ではないでしょうかのう」 「あやつ、とは?」 「クリフトのことですじゃ」 「クリフトはゴッドサイドであろう?」 「キメラの翼を使えばすぐですな」 「・・・それでは、クリフトを遠くにやった意味がないではないか」 「ゴッドサイドにおいて行われる歴史書編纂および神学サミットにクリフトを参加させることは、非常に有益かと存じますが」 「・・・ブライ」 「わしはいま忙しゅうございます。行かれるならおひとりでどうぞ」 「余はゴッドサイドとやらに行ったことがないのじゃ」 「では諦めることですな」 文献から目も上げずに答えるブライに、サントハイム王は顔をしかめる。 「そなた、わしとその本とどちらが大事じゃ?」 「陛下、国事と私事とどちらが大事ですかな?」 むむ、と言葉に詰まるサントハイム王だったが、言い返す言葉が出てこないと、涙目になりながら口をへの字に曲げた。 「ブライのケチ~」 ばーか、はーげ、おまえのかあちゃん、でーべーそー!! 「陛下!!」 はぐれメタルも真っ青な見事な逃げっぷり。 ブライが書物から顔を上げ怒鳴った時には、サントハイム王の姿は忽然と消えていた。 取り残されたブライは、しばし呆然としていたが、やがて深々とため息をつくとゴッドサイドで幸せな時を送っているであろう青年を思い浮かべた。 「今度戻ってきたら、何かおごってもらわないと」 割に合わんわい・・・。 ブライの呟きが静けさを取り戻した書庫にかすかに響いた。 (終)
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imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ここにアップロードした画像ファイル名) 種族: 人間 年齢:17歳 性別: 男性 身長:166cm 体重:53kg 役職: 亡国の王子 イメージCV: 宮野真守 「ボクは、ボクは・・・・、一体どうすれば・・・。」 属性:氷 筋力: C 耐久力:C 魔力: S 素早さ: SS 持久力: C 運: D 戦闘スタイル: 剣のグリップを媒体に氷魔法で刃を生成し、接近戦を中心とした戦い。 設定 亡国【リシュテンブルグ】の王子。性格はおとなしく、礼儀正しく、生真面目すぎる程だが、箱入りだった事もあり抜けていて世間知らずなところもある。 国王である兄「イディオ・アマルティア」と幼い頃から暮らしてきたが、年齢を重ねるごとに兄の政治下に置かれた国民の悲痛な叫びを知ることとなり なにか出来ないかと自ら自警団を設立、「クリフ」他メンバーを率いて兄の目の届かぬよう飛躍してきた。 しかしある日、国内に突如として現れた魔族、ウィズダムの奇襲を受け、自警団のメンバー大半を失い、兄・イディオにも見つかり、一時拘束の身となる。 後、ボロボロの身体でウィスダム奇襲時に手を貸したザカート・ザーヴェイトに「依頼」として国を出たいと願い成立の元「スチーム・バイス」に身を潜めることとなる。 兄と暮らしてきた彼は鬼畜と言わんばかりの兄の行動の末に、感情を抑え込む癖があり、度々その感情の不安定さを見せる。 ザカート・ザーヴェイトに全福の信頼を寄せており、アリス・ザーヴェイトを羨ましく思っている。(自分の得られなかった兄と言う人物像を二人を見ることで重ねている。) 関係者 イディオ アーロンの実兄。アーロンを愛していると言う情報以外殆どが謎に包まれている ザカート(創作者:ダンタリオン平賀) アーロンが身を潜めているスチーム・バイス幹部の男性。なぜかアーロンは彼が女装趣味を持っていると勘違いしている。 クリフ(創作者:シーモン) 自警団メンバーの生き残りの一人。アーロンへの忠誠心は固く、熱い男。謎の呪いによりアレがこうなりヤバイ事になる。 カノレア(創作者:シーモン) アーロンが唯一まともに接触できる女性。理由はわからないが、いつも構ってくれる彼女に少々気にかけている 小ネタ 女性という存在はアーロンにとって未知であり、その女性に迫られると点で弱い。 一応、経験済み。(なにがとは言わない) 創作者 アメミヤ ショーコ
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クリフトのアリーナの想いはPart11 338 名前 1/2 Mail sage 投稿日 2010/09/14(火) 23 50 23 ID /dj5K+wu0 スレ読み返しててネコの日SSに萌えたので書いてみました **** ……こまったな、どうしよう…… ふかふかの体毛と、蒼い目をしたネコが鏡をみたまま茫然としている。 時はちょっとだけ遡る。 「ええと、杖はこっちと。大分数が増えましたね…」 旅の途中の宿の一室。 クリフトは持ち込んだ一行の荷物の整理をしていた。 そろそろ終わりかと、一息ついたところで先ほど立てかけた杖が不意に倒れてきた。 あわててつかもうとしたところ、魔法が発動したのだ。 戦闘に用いるものなら、それなりのパワーを込めないと術は発動しない。 しかしこの杖は戦闘に使うものではなかった。 先日みつけたサントハイムの至宝”変化の杖”だったのだ。 何だか急に部屋の家具が何倍もの大きさに感じ、おかしいと思い鏡の前に立ったとき ようやくクリフトは自分に何が起きたか理解した。そうして冒頭に移る。 思いもかけず変身したクリフトだったが、徐々に冷静になり始めた。 宿の中だし、大きな危険はないだろう。 仲間に会えば、勘の良いミネアさんかトルネコさんあたりが気がついてくれるかもしれないが、 変化の杖の効果はせいぜい1~2刻ほどだ。このまま部屋の中にいてもよいかもしれない。 ****** そんな思考をしていると、自分を呼ぶ声が聞こえる。 「クリフトいる~?」 バタンとドアが開き、飛び込んできたのはアリーナ姫さまだ。 「いないのか……あれ、ネコだ……ここの宿の仔かしら?」 突然の来客にワタワタしていると、身体が宙にういた。 その瞬間に暖かい感覚に包まれる。 「ふふ、やわか~い。ミーちゃんみたい」 (………わ!わわっ、姫さまに触られるなんてっ) 思いもよらず想い人に抱えられて、ジタバタしているクリフトの耳の側から声が聞こえる。 「これ、うごかない!」 予想以上に近くからの声色に、おもわず固まったクリフトを赤い目が見つめている。 「うん、イイコイイコ。……あれ、おまえキレイな蒼い目をしているね………クリフトみたい」 一瞬、今の自分の姿がネコということを忘れ、 (姫さま!!)と呼びかけたつもりで口を開くと「にゃ~」という声が飛び出した。 「あ、返事をした。賢いのね!本当にクリフトみたい。」 クリフトの身体を優しい感覚がすべる。 彼女は自分が本物のクリフトなんて考えてもみないのだろう。 クスクス笑いながら、言葉を続ける。 「うふふ、クリフトはね、私の家臣で幼馴染なの。 今一緒に旅をしているのだけどね、男のくせに私より弱くって、体力がなくて、高いところが苦手で、水もダメなの!」 姫様の口から自分のことが聞けるのはうれしいけど。 撫でられている毛も、とても気持ちがよいけど。 ……しかし………… 何だかいたたまれなくなってきたクリフトに、思いもよらない言葉がふってきた。 「でもね、とっても優しくて、真面目で、一生懸命で、誠実で…………………………………大好きなの。」 クリフトを撫でている手が止まる。 「…………本人の前じゃ、絶対にいえないのにね。 いつか言えるかなぁ、そうしたら姫じゃなくて女の子として見てもらえるかなぁ………………」 呆然としている頭に優しい感覚が落ちた。 床におろされたクリフトが我にかえったときは、すでに足音は遠ざかっていった。 一匹残されたクリフトは小さい声でニャーとないた。 (了)
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クリフトのアリーナの想いはPart12.5 120 名前 この命尽きようとも Mail sage 投稿日 2012/01/24(火) 01 56 30.25 ID ZDvbHHfr0 その日、サントハイムの城内に緊張に満ちた囁きが走った。 魔王が倒されて以来、王宮にここまでの緊迫感が漂ったのは久しいことである。 そしてその噂はやがて、城内の教会で暮らすクリフトの耳にも伝わった。 「何…ですって…。」 その噂を聞いて、衝撃のあまりクリフトは思わずよろめいた。 肌が髪と同化して見えるほどに、顔面蒼白になっている。 クリフトに話を伝えにきた城の従者は、わななきながら頭を垂れた。 「…クリフト様…何と申し上げれば…。」 クリフトは従者を諌めるように手を上げた。 しかし、その手がわずかに震えているのに気づき、それを隠すように握りこむ。 自分を落ち着かせるように、クリフトは軽く深呼吸した。 「…以前は、私もひ弱な神官でしたが…あの辛い旅の中、 それなりに修行も積んできました。薬草の知識も、癒しの技も覚えました。」 ぐっと唇を引き結び、無理に笑顔を作ると、クリフトは従者に告げた。 「…大丈夫です。私のことは、心配なさらないでください。 今日は私が生を受けた日です。神様も憐れみをかけてくださるでしょう。」 「…っ、クリフト様…っ!」 従者はそれ以上続けることができず、涙にくれた。 「ほらほら、泣くんじゃありません。そのような態度は姫様に失礼ですよ。」 その日。 朝起きたアリーナが 「今日はクリフトの誕生日ですもの! 腕によりをかけて、特別製のケーキを作ってプレゼントするわ! 誰も手伝ったら駄目だからね!私一人で作るんだから!」 と宣言したのであった…。
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クリフトとアリーナの想いは Part4.2 668 :【姫様がいっぱい!?】1/5 ◆cbox66Yxk6 :2006/03/22(水) 21 24 13 ID 6JsiJkcp0 アリーナとクリフトの仲を邪魔したいサントハイム王は今日も玉座で唸っていた。 「・・・なんか、こう、あやつをぎゃふんと言わせられるような・・・」 眉間に寄せられたしわの深さに、苦悩の一端が垣間見える。 しばし、うんうんと唸っていた王だったが、急に立ち上がるとブライを呼びつけた。 何事かと慌ててやってきたブライに、王はにこやかに告げた。 「ちと悪いが、勇者殿を呼んできてくれんかのう」 ブライは、また陛下のご病気が始まったと内心ため息をついたが、賢明にも表情に出すことはしなかった。 「陛下、準備が整いましてございます」 「うむ」 ブライの声に重々しく頷いたサントハイム王は、傍らに控える人影に視線を送る。 「頼みましたぞ、勇者殿。いや、アリーナたちよ」 「は~い、お父様」 サントハイムの傍らに控えていたのは、アリーナにモシャスをした勇者ソロと、そのソロの口添えでピサロから借りてきたマネマネ数匹。こちらもアリーナにモシャス済みだ。 サントハイム王が画策したこと。それは偽のアリーナをたくさん仕立てて、クリフトに本物を当てさせようというものだ。しかも、その中には本物はいない。 単純な思いつきとはいえ、王は自分の考えに悦にいっていた。 アリーナにモシャスした勇者を見たとき、王は本人と思わず間違えかけた。さすがに長く共に旅をしてきただけのことはあり、アリーナの癖や仕草もよく知っている。その他のマネマネ集団は若干不安が残るものの、見た目は完璧だ。 王は内心高笑いをしていた。 父親である自分でさえこうなのだから、クリフトなどひとたまりもないだろう。 (やっとクリフトのすまし顔に泥を塗ってやれるわい) 王の表情から何を悟ったのか、ブライが深々とため息をついた。 そして頭を振ると、疲れの滲む声で奏上した。 「陛下、姫様がただいま城を抜け出したとのことですじゃ」 わざわざ警備まで甘くして、何も知らないアリーナの脱走を促す。 本来なら部屋にでも閉じ込めておければよいのだろうが、あの『アリーナ』がおとなしく閉じ込められているとは考えにくい。というか、閉じ込めることすら不可能である。 ならば、いっそのこと城から出ていてもらおう、というのが王の考えであった。 (普段ならば、姫様が脱走しただけで怒鳴り散らすというのに) ブライはその報告に嬉々としている王を見つめ、複雑な顔をした。 (はたして、うまくいくものかのう) ブライの呟きはサントハイム王の喜びの前にむなしくかき消された。 「のう、クリフト。ちょっとわしの座興に付き合ってくれんか」 なに、お前にとってはそんなに難しいことじゃなかろうて。 含み笑いをするサントハイム王にクリフトは何やらよからぬ予感を覚えたが、それを押し隠し王の次なる言葉を待った。 「そなたがどの程度アリーナのことを理解しておるか、知りたくてな。この中から本物を見つけてほしいだけじゃよ」 ずらりと並ぶアリーナにクリフトは軽いめまいを覚える。 偽者とわかっていても、愛する人がずらりと並ぶ光景は圧巻である。 仕方なく、ひととおり視線を送ったクリフトは、おもむろに口を開いた。 「申し上げます。この中に本物の姫様はいらっしゃいません」 クリフトの声と同時に、アリーナの怒鳴り声が響き渡る。 「ひどいわ、クリフト!!」 目を吊り上げて怒る『アリーナ』にクリフトは冷たい視線を向ける。 そしてにこやかに笑った。 「こんなところで何をなさっておいでです?ソロさん」 「げ、ばれてる」 思わず呟いたソロに、クリフトは追い討ちをかけるように言い募る。 「わざわざピサロさんに『マネマネ』までお借りしてきたのですか」 クリフトの言葉にモシャスを解くと、ソロは両手を上げた。 「降参」 クリフトは満足げに頷くと、王に向かって礼をとる。 「用件は以上でございますか?」 あまりにもあっさりと見破られてしまい、あっけに取られていた王は「うむ」と応じると、クリフトに退室を促した。が、クリフトが扉の前まで行ったとき、躊躇ったように呼び止めた。 「クリフト、そなたはそこまでアリーナのことを・・・いや、なんでもない。行ってよいぞ」 王の言葉に扉の前で優雅に一礼すると、クリフトは静かに退出した。 「あ、クリフト、待ってくれよ」 ソロは、王にぺこりと頭を下げるとクリフトのあとを追いかけていく。その後姿を見つめながらブライが口を開いた。 「陛下、いかがですじゃ」 ブライの言葉すら耳に届いていないのか、王は片手を額に当ててうつむくと、深々とため息をついた。そして少し切なげに呟く。 「あんなにあっさりと見破られたのでは、認めるしかないではないか」 自分ですら一瞬戸惑ったというのに、あやつは躊躇いもしなかった。 それはすなわち、それだけアリーナのことを理解しているわけで。 悔しいと思いつつも、そこまで娘をわかっていてくれるとなると、男として認めざるを得ない。 非常に不本意だが、王はすこし感動していた。 だが・・・・・・。 「えぇい、かわいげがなさすぎるわ!!!」 急に声を荒げた王にびっくりしたマネマネの何匹かがモシャスを解き、まごまごした。 「やっぱり、いやじゃ、いやじゃ、いやじゃ・・・認めとうないわい」 泣きじゃくる王を、はじめのうちは遠巻きに見ていたマネマネたちだったが、次第に一匹、二匹と集まってくると、代わる代わる王の肩をぽんぽんと叩いた。 「おぉ、そなたたちはわしの気持ちをわかってくれるのか」 魔物に同情され、あまつさえ慰められてしまった王にブライは頭痛を覚えた。 「陛下、頼みますからそろそろ大人になってくだされ」 アリーナの姿を保ったままのマネマネをわざわざ選んで、縋り付いて泣く王は、なんだかすこし幸せそうであった。 「お~い、クリフト、待ってくれよ」 長い廊下の先で立ち止まり振り返ったクリフトに、ソロは不思議そうに訊く。 「なぁ、お前さ、どうしてわかったんだ」 おれ、結構自信あったんだぜ? ブライから話を聞いたソロは、実は密かに何度も練習を積み重ねてきた。 そして、ブライにさえお墨付きをもらえるようになったというのに、ああもあっさりと見抜かれたのでは納得できない。 ソロの問いにクリフトは頷いた。 「そうですね。ソロさんはとても上手に化けていらっしゃったと思いますよ」 「じゃ、何でだよ?」 ソロが繰り返して聞くと、クリフトはすこし悪戯っぽく笑った。 「ヒントをあげましょう。外出された姫様はそのあと、どこへ向かったのでしょう」 お城の外に一度出たからといって、お城の外だとは限りませんよね。 クリフトの言葉に、一度は首を傾げたソロだったが、その意味に思い当たって吹き出した。 「そういうことか」 「そういうことですよ」 そうじゃなかったら、結構危なかったかもしれませんね。 照れたように付け足したクリフトに、ソロは微笑んだ。 「そっか」 うまくやってるんだな。 旅の間、ぜんぜん進展しないふたりにやきもきしたこともあったけど、それは杞憂だったようだ。 「よろしかったら、私の部屋でお茶でもしていきませんか?」 「おう」 勢いよく答えたソロだったが、次の瞬間「あっ」と口を押さえた。 「どうしたのです?」 クリフトが驚くと、ソロは少し顔を赤くした。 「もしかして、おれ、お邪魔虫?」 ソロの言葉にクリフトは声を上げて笑った。 「大丈夫ですよ。今日はまだ、そこまでいっていませんから・・・って何て顔をなさっているので す。冗談ですよ、冗談」 おいおい、全然冗談に聞こえないんですけど。 (終)
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本当はクリアリが好き PART2 881 歩兵 :03/12/14 10 04 ID hKmcQaRF それぞれの道 サントハイム王は悩んでいた。 もちろん、アリーナ姫のことである。 アリーナは勇者たちとともに旅をし、魔王デスピサロを見事打ち破った。 そのおかげでサントハイムは、いや世界中に平和が戻った。だから王は アリーナにはいくら感謝してもしすぎることはない。それはわかっていた。 充分わかってはいたのだが…。 「王様、また姫様が壁を蹴破って外に出ていきました」 王はため息をつく。いずれは女王としてこの国を治めなくてはならない身、 もう少し王族らしい身だしなみ、振る舞いを身につけてもらわなくてはならぬ。 しかし、相変わらずアリーナは城を抜け出し、あちこちへ出かけている。 行き先はかつて冒険をともにした仲間のところらしい。まあおかしな所 でないだけ安心ではあるが…。 「ブライ、どうしたものだろうな」 「さよう。困ったものです」 相談を受けたブライは眉をしかめる。 「ただ、姫様も本当に好きで仲間の元を訪れてはいないと思います」 「ほう」 「姫はあくまでも自分の力で思う存分戦うことを何よりも好んでおります。 他にやることがないからそれで我慢しているのでしょう」 「それはそれで気の毒だが、かといってずっとそれでも困る。何かいい 案はないかの」 「ひとつ考えはあるにはありまする」 「運動大会?」 城に戻るやいやな王のもとに呼ばれ、「また説教か」とうんざりしていた アリーナは、予想もしない言葉に戸惑った。 「そう。サントハイムのみならずエンドール、バトランド、その他あらゆる 国の代表選手を招き、そこで一ヶ月にわたって大会を開く」 「すばらしいですわ、お父様」 「今回は世界が平和になった記念大会として行うが、今後は何年かおきに 定期的に行いたいと思っている。魔物がいなくなった今、国同士が戦争 ではなく平和的に運動によって日ごろの鍛練の成果を発揮する、そんな 大会こそ必要になる」 「ええ、おっしゃる通りですわ」 王はブライと目配せする。予想通りだ。しかし、こんなアリーナの目の輝きを 見たのはいつ以来だったか。 「ついては、アリーナに実行委員長をまかせたい」 「わ、私ですか」 「そう。世界を救った英雄の一人であるからこそ説得力がある。これは アリーナこそ適任だよ」 「わかりました、お父様」 王とブライは笑った。予定通りだ。この役目ならはアリーナは喜んでやる だろうと思ってはいた。しかしこの実行委員長という仕事は、他の国の 王や大臣たちとの折衝がメインとなるはずだ。アリーナは嫌でも会食や 舞踏会などに出ざるを得ない。そうすればいつかはアリーナも女らしい 振る舞いが身についてくるだろう…。 「でも当然、武術部門では私も参加しますわ」 王とブライは耳を疑った。 「実行委員長が自ら参加するのか? そんなこと前例がない」 「あらお父様、前例も何も、今回が最初の大会じゃないですか」 「そ、それはそうだが」 「私も出場します。そうでなかったらこの役目、辞退しますわ」 「…わかった。好きにせい」 「運動大会の実行委員長だってさ」 「それはそれは、おめでとうございます」 クリフトはアリーナのためにハーブティーを入れながら言った。 「このところ退屈してたし、まあいいけどね。クリフトもこの仕事手伝って くれるよね」 アリーナの言葉に、クリフトはせつなげな表情になる。 「申し訳ありません、姫様。私は私は今度ホフマンタウンの教会への 短期派遣の赴任が決まってまして、ちょっとの間留守にします。それに 私は運動については素人、多分お役にはたてないかと」 「そうなんだ。まあ元気でね」 「ありがとうございます」 ハーブティーを飲み終えたアリーナが部屋を出ていくのを、クリフトは 寂しげに見送っていた。 ホフマンタウンの教会の執務室で、一人になるとクリフトはしばしば ため息をつく。 短期の派遣のはずが、いつの間にかサントハイムを出て2年がたっていた。 その間、クリフトは神官として日々人々に神の教えを説き、夜は教会で 仲間と書物を囲んで学びあい、ときには地元の人々に回復魔法を施したり 病身の者などの生活の糧を得るための手助けをしたりもした。 そんな暮らしは、実はクリフトが望んでいたものだった。そうやって人々と 接し、手助けすることで心がひとつになっていく。クリフトは毎日充実感と 幸福感に満ち溢れていた。 にもかかわらず、一面ではクリフトは物足りなかった。理由ははっきりしている。 アリーナに会えないからだ。 傲慢で生意気で自分勝手で、しかし炎のような生命力に満ち溢れていた。 クリフトのアリーナへの愛は、会えない日々が過ぎていっても少しも 衰えることもなかった。 ある日、いきなりアリーナがクリフトの元を訪れた。 クリフトは驚き、そして2年ぶりの再会に心をふるわせた。 2年の時は、アリーナを少女から成熟した大人になりつつある女へと変えた。 以前と違い、激しさの中にも落ち着きが見られるようになった。 「姫様、ご無沙汰しております」 「ホント、久しぶりよね」 2人きりの控え室でハーブティーを飲みながら、アリーナはため息をつく。 「今日はホフマンさんと運動大会の打ちあわせに来たんだけど、大変だわ」 「先日の大会は大成功だったようですね」 そう、昨年サントハイムで行われた「平和記念 世界運動大会」は見事な 成功をおさめた。充分な準備期間もなかったが、世界各国から優れた 代表選手が集まり、日夜熱戦を繰り広げた。客席は常に人があふれ、 人々は熱狂し、平和を享受した。 クリフトはホフマンタウンでずっと執務を行っていたため、その模様を見る ことはできなかったが、人々の噂やブライからの手紙などで大成功だと 知り、嬉しく思っていた。 「そうなの。大成功だった。でも、成功しすぎたかも」 「しすぎたとおっしゃいますと?」 「第2回はぜひともわが国で開催したい、って各国が名乗りをあげてるのよ。 熱戦をぜひうちの国の人間の目の前で見せてあげたい、という気持ちなら わかるんだけど、ただお金が儲かるから、って考えてる国も多いわ」 「運動でお金を儲けようとするのですか」 「まあ運動にもお金はかかるわけだし、奇麗事言うわけじゃないけど、露骨 なのはちょっとねえ。4年おきに各国で開催って決まったから、これから 意見を擦りあわせて決めなきゃならない」 「各国のエゴとなると簡単にはいかないですね」 「他にも問題は山ほどあるわ。直前に力の種とか素早さの種を食べることは 禁止なんだけど、一部の選手はこっそり食べてるみたいなのよ。どうやって それを防止するかとか」 「それは不公平ですね」 「後はどの競技を採用するかとかね。各国で独自に発達した種目も 結構あるから、全部採用したらそれこそきりがない。歴史、広まってる度合い なんかを考慮して決めるつもりだけど」 「はあ、いろんな問題があるのですね」 「大変なのよ」 そう言いながらも、アリーナの目が輝いているのをクリフトは見逃さなかった。 アリーナは本気でこの大会実行委員長という仕事を気に入り、取り組んでいる。 「そう言えば、武術部門では姫は結局参加なされなかったのですね」 「ええ。私が出たら優勝しちゃうじゃない。実行委員長が優勝したりしたら、 やっぱ勝手に疑う人が出てくるだろうなと思って」 いささかクリフトは驚いた。自分が出たら優勝すると決め付けているあたりは 以前のままだが、人目を気にして辞退するなどというのは考えられない ことだった。やはり、アリーナは2年で世間にまみれ、大人になりつつある。 「それでクリフト、いつまでここにいるの?」 「さあ…。私も短期間だと思ってここに赴任したのですが、この分だと 長期になりそうですね」 「神官やめてさ、私の仕事手伝わない?」 クリフトは驚いてアリーナを見た。 「やっぱり、気心がしれたクリフトがそばにいてくれた方が、私も何かと やりやすいのよね」 「…ありがたいお言葉ですが、私は運動については素人。きっとお役には 立てないかと思います」 「大丈夫よ、クリフトなら。私だって2年前は何も知らなかった」 「それに、私は神官としての執務が…」 「神官てそんなに楽しいの? 古ぼけた建物にこもって、カビくさい本に 囲まれ、毎日説話しているだけの毎日が」 「私はその毎日をおくることが幼い頃からの夢でした」 クリフトが穏やかに言うと、アリーナは目を伏せ、そしてつぶやいた。 「ごめんなさい」 クリフトは驚いた。アリーナが彼に謝ったことなど、今まで一度だってあった だろうか。 クリフトの戸惑いを知ってか知らずか、さらにアリーナは続ける。 「この私がこんなに頼んでも、私の側にはいてくれないのね」 クリフトは混乱する。「こんなに頼んでも」というほど頼まれてもいないような 気もするが、それよりもアリーナの口調が「仕事の手伝い」から「側にいて 欲しい」に変わったことに気をとられていた。 「あなたは理想の男でもないけど、とにかく私が必要とし、側にいて欲しいと 思った唯一の男なのよ。それなのに、私に勝手に一人で生きろって 言うのね」 「そ、そんなつもりは」 「私のファーストキスを奪っておきながら」 クリフトは頭が真っ白になった。 いきなり、あんな爆弾を投げつけるなんて…。 クリフトの脳裏を数年前の出来事がよぎった。まだアリーナ、ブライと旅を 初めて間もない頃、勇者たちとも出会う前だ。 「姫さま、ここは一旦ひきあげましょう」 「何よクリフト、意気地なしね」 「しかしブライ殿がやられた今、まずは教会に戻った方がよろしいのでは」 「最上階はすぐそこなのよ! もう少しでさえずりの蜜が手に入るのに。 クリフト、それでも男なの?」 「そうおっしゃられても。私はブライ殿の棺桶を引きずって歩いているし、 荷物も全部運んでいるし、疲れました。喉もカラカラで、唇も渇ききってます」 「もう! だらしないわね」 アリーナはそう言うと、クリフトに顔を寄せた。とまどうクリフトの顎を つかむと自分の方に引き寄せ、唇と唇を重ねた。 愕然とするクリフトに、アリーナは尊大に笑う。 「どう? 元気になった?」 「は、はい」 「じゃあ行くよ。めざすはさえずりの蜜!」 実は、あれがクリフトのファーストキスだった。 そして、その後二度と機会はなかった。 あれは姫の気まぐれだったのか。それとも、キスという意識はなく、ただ クリフトの唇を湿らそうとしただけだったのか。 もちろん確かめる勇気もなはなかった。 その後、二人が唇を交わしたことはなかった。 クリフトにとっては忘れられない思い出だった。クリフトは冒険中時として、 水分をわざと取らず、唇が乾ききった状態でしばしばアリーナの前に 顔を見せた。もしかしたらまた唇を重ねてくれるのでは、といういじらしくも 姑息な思い付きからだった。しかしその機会はなかった。 もちろん、自分からアリーナにキスするなどという勇気はない。 クリフトはその思い出を何年も胸にしまっていた。 ファーストキスを奪ったなんて、むしろ奪われたのはこっちじゃあ…と言いたくも なったが、とにかくアリーナはあれをキスだと認識していた。しかも、それが 初めてだったとは…。 「まあ、昔の話はいいわ」 爆弾を投げておいて、今度はなかったことにするのか。クリフトは完全に アリーナのペースにのせられつつあった。いや、そもそもクリフトこそ アリーナを愛し、その側で仕えたいという欲求があった。だから、アリーナの 申し出は嬉しかった。ただ…。 「私は神官として神の道を選んだ身。姫様のおそばにいるのは無理です」 クリフトは自らの思いを断ちきるように言った。言った瞬間、切なさと寂しさとで 押しつぶされるような錯覚を味わった。 「そう…」 「お許し下さい。私だってずっと姫様にお仕えしたいと思ってます。でも、 それをしたらきっと後悔すると思います」 アリーナはいきなりクリフトの顔を引き寄せた。そして無言で見詰め合う。 アリーナはキスするつもりだろうか。それを受け入れたら、きっと俺は姫から 離れられなくなるだろうな。そんな思い、期待と恐怖がクリフトを襲った。 永遠に続くかと思われた数秒間が過ぎ、しかしアリーナはそのまま顔を 遠ざけた。 「わかったわ」 先に口を開いたのはアリーナだった。 「まあそれでこそクリフトだしね。私は私の道を行く。クリフトも神官としての 道を歩むのね」 「はい…」 「じゃあ、お互い元気でやりましょ」 「姫様、ありがとうございます」 こうしてアリーナは去っていった。クリフトはいつまでもその後ろ姿を 見送っていた。2年前と同じように。 クリフトはぼんやりと思う。 あの時、姫からキスされていたら、きっと姫の誘いを断れなかっただろう。 でも、逆に俺の方からキスしていたら、あるいは姫も大会委員長の仕事をやめ、 神官の俺のそばにいてくれたかも知れない…。根拠はないが、クリフトは そんな気がしていた。 でもアリーナは自分の生き甲斐を選んだ。 クリフトも、幼い頃からの夢を捨てられなかった。アリーナへの思いと引き換え にしても…。 クリフトは思う。この先何度もこの日のことを思い出し、これで良かったのか どうかを自問自答することになるだろう。でも、今の自分は思いに流れず すべき選択をしたと思う。後悔すまい。 クリフトは頭を振り、彼を待つ参拝者の集まりへと足を進めた。
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海外エリア トップページに戻る ParaglidingEarth:世界のパラグライダーエリアガイド カリフォルニア周辺のフライトについて 2008年6月に(株)パルツアー主催のアメリカ西海岸ツアーに参加しましたので、訪れたエリアについてレポートします。なお、どのエリアでも「海風」とあるのは西からの風です。 Little Black(ParaglidingEarth) 北から南に徐々に高くなっていく丘の北端。以前はもっとも高い南の電波塔?に車で入れたそうだが、現在は不可。ランディングから見える最初のピーク(高さ150mほど)に徒歩で20分ほどかけて上り、テイクオフ。 一見すると練習用の丘にしか見えないが、海風がしっかりと入り、かつ午後は日射により、斜面から局所的なサーマルが連発するため、長時間のフライトが可能。昼~午後がベター。 西斜面のリフトを利用して、南側の丘に伸ばしていくことが可能。万が一戻れなくなっても、緩やかな稜線上にトップラン→そのまま稜線上を歩いて戻るか、適当なピークから再度テイクオフが可能(なように見える)ので危険ではない。またTO~LD間の斜面についても潅木が低く、正面を向けば着地はそれほど難しくないため、思い切った斜面のリッジソアリングが出来る。 いずれの場合も東側に流されてしまうと面倒になるので注意。特に管理人はいなかったが、パークレンジャーが時々見回りに来ていた。 Elsinore (Lake)(ParaglidingEarth) 今回唯一の山飛びエリア。スケールも大きく、数日滞在しても飽きることはないと思う。地元のフライヤーの話では、ここから南に行ったところに別の(Goodな)エリアがあり、ここの風が強すぎても飛べる可能性が高いとのこと。ParaglidingEarthではTO:862m、LD:442m(高度差420m)。 全体の地形は下の通り。北よりの風の場合、あるいは慣れていない(ぶっ飛ぶ可能性大)場合は北TOから。南TOはランディングからは遠くなるが、目の前の尾根が良いサーマルトリガーになるので、東風がしっかり入っているときはこちらがベター。なお北TO~ランディングの間にある私有地は、所有者がうるさ型の人らしいので、低空飛行、及び緊急LDは厳禁とのこと。 南TOから出てLDに届かない場合、最後の尾根手前の学校脇に広い空き地があり、緊急LDとして使用可。 imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (lakemap.jpg) 午前:内陸なので、海風が来るのが遅い。東斜面に日射が当たると、アゲインストが徐々に強くなりフライトに適してくる。木の少ない場所、アスファルトの道路、岩場などサーマルトリガーには事欠かずにトップアウトできる。 昼:稜線上に垂直に日が当たりだす。加えて海風と、湖からのアゲインストの風がぶつかりコンバージェンスが発生するので、稜線上のリフトは最も強くなる。徐々に海風は強く、湖からの風は弱くなり、TOも無風~フォローとなり始める。 午後:TOはどフォローになる。東斜面は冷え、海風が山からの吹き降ろしとなりテイクオフは不可能になる。一方ゲインを確保していれば、西斜面からのサーマルで飛び続けることが出来る。降りるときは湖側に少し出て高度を落とし、ランディングに東から進入するが、海風が強くなると戻れなくなるので注意。 ここにも管理人はいない。地元のパラ/ハングフライヤーが共同で管理している模様。 Torrey Pines(ParaglidingEarth) 今回唯一、ショップがあって常駐の管理人がいる、整備されたエリア。しかし訪れたときは海風が弱く飛べず。以下は見聞きしたまとめ。 砂浜から垂直に立ち上るクリフ(崖)のエリア。テイクオフ(ショップは)クリフの上、ランディングはトップラン。下の浜辺へのランディングは基本的に禁止らしく、従って風が弱いとクローズになる。 テイクオフ(=ランディング)は広い芝生で緩やかな傾斜となっており余裕。ただしパラ/ハング/ラジコンのマイクロプレーン(※)が混ざって飛ぶため、規制/誘導が厳しいとのこと。テイクオフ/ランディング時、及びフライト中にTO前を通過する際は笛を吹かなければならない。週末などは避けた方が良いかも。※エンジンなし、舵のみを操作してソアリングを楽しむ飛行機。 Mexico/La Salina(ParaglidingEarth) 海から2kmほど入った乾燥地帯(サボテン多し)から地面が徐々にせり上がり、最終的に垂直となって高度差150~200m、幅数kmの屏風状のクリフ(崖)を形成している。テイクオフは裏から回り込んで行くが、頂上は単なる平原にしか見えず、迷いやすい。 上記の地形のため、正面(西)から海風がくれば壁際に安定したリフトが発生する。さらに正面の平原からも局所的なサーマルが発生する、はず。 しかし海上に霧が発生すると、それを海風が運び、内陸が晴れていてもリッジだけ曇り・・・という状態が発生しやすい(特に午前中)。また理想的過ぎる地形のため、地上が緩やかな風でも、リッジ上は風が強すぎてテイクオフできないこともある。中腹にも(おそらくその場合用の)テイクオフがあるが、こちらは低すぎて、サボテンの中にショートしそうで怖い。 ここも管理人はいなかったが、テイクオフにエリアに関する注意書きの看板があり、ランディングも含めて全体的に良く整備されている印象。 Mexico/Cliff Area(La Salinaより車で3時間ほど南下) Torrey Pinesと同様、砂浜から垂直にクリフ(崖)が立ち上がったようなエリア。Torrey Pinesのように整備はされていないが、エリアは広い。高さは100m、幅は数km程。 基本はクリフの上からテイクオフし、同じ場所にトップラン。 北のはずれでクリフが途切れ、砂浜がそのまま上につながっている。強風で上からのテイクオフが出来ない場合、ここからテイクオフしてクリフへ向かう。ラサリナとは違って下までほぼ垂直のため、壁の下部ではリフトが極端に弱くなる(壁に当たった風の一部が下方向のローターとなるため)。従って出ては見たものの徐々に高度を落とし、数百m行ってから浜辺にLD、歩いて戻ってくる・・・という結果もある(下に行くほど確実にリフトが弱いので、早めに見切った方が良いかも)。逆に少しでも上昇傾向にあれば徐々に高度を上げてリッジの上に出られる。トゲのある低木が多いが、少しでも高い場所を探してテイクオフするのがベター。ここからテイクオフするような強風時はランディングもここに。 台湾北部でのフライトについて 2009年3月に台湾北部・宜蘭(イーラン)周辺でフライトしましたのでレポートします。 3月後半で最低気温:10~15度、最高気温:23~27度と暑く、シャツ1枚でフライト可能。ただしあまりサーマルは活発ではない。いろんな人から聞いた話では、正月周辺がちょうど日本の春相当で上がりも良いとのこと。 頭城(ParaglidingEarth)(GoogleMap) 海沿いのリッジエリア。小高い丘が連なっている上からテイクオフ、鉄道/道路を越えて海岸(砂浜)にランディング。高度差:178m(ParaglidingEarthより) 東風(正面の海風)がベストだが、多少北/南よりでもフライト可能。 北宜公路上空(GoogleMap) 現在台北~宜蘭間は高速道路が走っているが、山越えの旧道が残っている。その旧道の途中からテイクオフし、つづら折りの道路上空をフライト、田んぼの中のランディングへ。ランディング:金威廟横(GoogleMap) 高度差350m程度。ここも東風(海風正面)がベスト(やや南東でも可)。アスファルトの道路&それによる凹凸が豊富で、日射があればリッジ&サーマルがかなり楽しめそうなエリア。 オーストラリア/キラニーでのフライトについて 2010年末~2011年正月に、オーストラリア・キラニー(Killarney)にクロカンツアーに行きましたので、エリアの概要を以下に示します。マニラ(Manila)の北東300km程に位置し、共通する部分も多いかと思います。 ParaglidingEarth/Killarney:情報量少 ParaglidingEarth/Manilla Fly Killarney:キラニーのパラクラブ? Climate Data for 28°S 152°E:キラニー周辺の気温推移 シーズン:通常は12月中ごろより乾期&夏に入り、1月末~2月がベストシーズンとなるらしい。今年はクリスマス頃まで豪雨が続き、キラニーの町の一部が冠水。自分たちが訪れた12/29頃からは晴れが続き、日ごとに雲底高度が高くなっていくのを感じた(1400→1800m)。しかし1/10頃より再び豪雨が続き、ブリスベンでも水害が発生。 日中30度、朝晩12度程度で、半袖短パン+冬用フライトスーツ、中綿なしの手袋でフライト。夏の八方・五竜ぐらい。ただ通常ならば2000~3000m×数時間のフライトも珍しくないので、もう少し暖かめが良さそう。 町の北側に標高1000m程の小さい山塊があり、そこからテイクオフしてフラットランドに飛んでいく。通常のランディングに1回も降りなかったので高度差は不明だが、周辺の平地は大体標高500~600m。 メインTO(1015m):山塊の南東端に位置し、東~南の風に対応。町から最も近く、20~30分程度の未舗装路のドライブ。東用、南東用の2ヶ所のテイクオフがある。頂上台地がそのまま大きなサーマルポイントなので、トップアウトすればそのままサーマルトップに達してクロカンにスタートできる。 北TO(1115m):山塊の北端。メインTOへの分岐から分かれてさらに20~30分程度のドライブ。自分たちは途中で倒木が道を塞ぎ、最後は徒歩になった。北風に対応。夏は太陽の角度が高いので、北面でもしっかりとサーマルが発生する。クロカンにはこの山塊上を南に5km以上走らなければならないが、一旦上げてしまうとそれほど恐怖は感じない、かも。 (西TO):西風に対応したTOもあるらしい。今回は使用せず。 エリアだけを切り取って見ると、日本と比べてもそれほどスケールの大きさは感じられない。言い換えれば、あまりプレッシャーを感じずに飛びやすい。そしてクロカンに出れば降ろすところには困らないので、こちらもプレッシャーを感じることなくトライできる。 以下はフライトで感じたことなど。 風が強いため、一軒家など、「点」でのサーマルトリガーはあまりない(捕まえられない?)。むしろ森と平地の境界、川に沿って走る並木林など、風に対して「直線でない壁」となる箇所がトリガーとなりやすそう。 ただし「フラットランド」と言っても、実際は50m程の高低差でうねっている。上から見ても分かりにくいが、当然上記の形状がくぼ地にあっても上がらず、丘状の場所にあれば上がりやすい。 マニラの地元フライヤーは、テイクオフの周囲100kmのサーマルポイントを全て覚えているという話を聞いたことがあるが、それも充分あり得ると感じた。 台湾南部でのフライトについて 2011年12月~2012年1月に台湾南部・賽嘉(サイチャ)エリアでフライトしましたのでレポートします。 ParaglidingEarth/Saija 最低気温:10~15度、最高気温:20~25度で、日本(東京周辺)の9~10月相当。 フライト可能な風向き:北西~南西。昼~午後になると、海風(南)が入ってくることが多い。 高度 テイクオフ:430m、ランディング:90m、高度差:340m(GPSデータより) テイクオフ:1ヶ所、西方向にテイクオフ ランディング:1ヶ所、非常に広い トップラン:可能だが、各国よりフライヤーが訪れている。人が多い時は避けるたほうが良い。 谷を渡った北側に朝日山があり、そのままほぼ真北方向にXCが可能(谷の東側稜線)。約28km先に通称「赤い橋」があり、以前はさらに先の温泉まで飛んでいた。 現在は温泉が水害により流されてしまったため、通常は「赤い橋」の西側にある公園にランディングする。フリスビー用の柱が立っているので注意。 オーストラリア/メルボルン周辺のフライトについて 2014年末~2015年正月に、オーストラリア・南西部・メルボルン周辺にクロカンツアーに行きましたので、訪れたエリアの概要を以下に示します。 今回はVictoria州周辺で、前回(キラニー)よりも緯度が高い(南極方向)。そのためか前回よりも気温が全体的に低く、長袖(1枚)/長パンツ+上着(日陰・強風時)でちょうどいい感じ。 オーストラリアでのフライトにはHGFAへの登録(保険加入)が必要。ビジター用は2ヶ月で95AUD(2015年1月現在)。登録はHGFAのHPより。別ウィンドウが開くのでスマホでは上手く登録できなかった。 HGFA(Hang Gliding Federation of Australia 各エリアの情報もHGFAの"Site Guide"より確認できる。以下に今回訪れたエリアを示す。 Dynamic Flight Park ハング/トーイングがメインのエリア。北西~西風以外の場合トーイングでのテイクオフとなる。 パラでのトーイングは今回初めてとのことだったが、おおむね問題なし(サポート要員は当然必要)。 エリアの北3kmに刑務所があり、ランディングNG。 Ben Navis(/Mount Sugarloaf) 上記のDynamic Flight Parkの北西(約30㎞)に位置しており、北西~西風の場合に利用。 HGFAでは別表記だが実際は同一エリア/別テイクオフ、LD共通。Ben Navisは北西向き、岩盤からのテイクオフ。Mt.Sugarloaf は北向き、通常のテイクオフ。 日射(南半球なので北斜面)と北西風からのリッジのコンビネーションでのフライト。 Flaxmans Hill(強風のため飛ばず) Melbourneから南西方向に延びる海岸線は多くの場所で断崖となっており、良質のリッジフライトエリアとなっている。南風メインだが、南東~南西の風向きによって最適なエリアが異なってくる。 詳細はHGFAのサイトを参照のこと。 Mystic(Bright) 日本人も数多く訪れている。リゾート地の中にある整備されたエリア。 入山登録はWebからのみ。2週間で25AUD、Paypal払い。現地で現金払いが出来ない(!)ので、行くことが決まったら事前登録がベター。 山飛びエリア、山頂からテイクオフ。北~北西風に対応。高く上げると北方向にあるMt.Baffaloに移動できる
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24時間張り付く神奈川の晒し大魔王☆直江 兼続☆ サブは☆上杉 謙信☆ 真田幸村♪ 直江のIP IPアドレス 210.231.75.251 ホスト名 ホスト名 HDOcd-02p19-251.ppp11.odn.ad.jp IPアドレス割当国 日本 ( jp ) 市外局番 該当なし 種別不明 都道府県 神奈川県横浜市保土ケ谷区 IPアドレス 122.132.40.105 ホスト名 FL1-122-132-40-105.kng.mesh.ad.jp IPアドレス割当国 日本 ( jp ) 市外局番 該当なし 接続回線 光 都道府県 神奈川県 直江の携帯IP IPアドレス 126.247.242.174 ホスト名 pw126247242174.7.tik.panda-world.ne.jp IPアドレス割当国 日本 ( jp ) 市外局番 該当なし 接続回線 携帯電話 都道府県 神奈川県 キャラクター名 ☆直江 兼続☆ 自演スキル キチガイ度 厨房度 ★★★★★×∞ ★★★★★×∞ ★★★★★★×∞ 所属国 新政府 型 守 発言の痛さ 俺にまた殺されたいのか? 総評 自称最強 本人への要望 素敵です! 本人より 制覇しかおらんね 直江の制覇ページコメント どこもかわいくねぇし、チンカス以下 -- 名無しさん (2010-07-24 18 36 33)編集者 210.231.75.251 | 復元 ] 相手にならんな -- JHRのjimmy (2010-08-24 21 23 09)編集者 210.231.75.251 | 復元 ] リアルで金欠で貧乏そうだなw -- 名無しさん (2010-08-26 15 41 29)編集者 210.231.75.251 | 復元 ] 19 36 55ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ アホ野郎、低段しか手出せねぇのか 19 37 04ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ ん?w 19 37 18ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ ん?じゃ、ねーよ 19 37 24ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 高段にもだせますけどw 19 37 36ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 無法でやります?w 19 37 47ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ じゃ、俺にまた殺されたいのか? 19 37 50ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ てか、貴方も自分の有利な戦いしか参加できないくせに何様なんですか?w 19 38 00ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ ええw 19 38 04ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ おめぇには、一回も負けてねぇぞ 19 38 06ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 殺せるものなら^^w 19 38 16ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 先ほど殺されたじゃないですかw 19 38 25ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ 何十回も殺してるんだよ、ボケ 19 38 25ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ なにいってるんですか貴方w 19 38 36ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ ああ 19 38 37ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ あなたじゃ、ねーよ 19 38 40ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ ぼけ 19 38 43ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ そうですねw 19 38 52ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 3対1とかだったらねw 19 38 58ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 1対1では勝てないのねw 19 39 02ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ なにが、そうですねだ 19 39 08ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ お前がなw 19 39 14ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ じゃあやりましょうよw 19 39 16ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ めちゃ、弱いくせによw 19 39 19ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 無法でまってますw 19 39 42ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ 勝手にやってろ、小僧 19 39 46ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ あー、びびっちゃってこれないのかな?w 19 39 53ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ お前がだろw 19 39 53ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 怖くてちびっちゃった?w 19 40 03ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 無法でまってるんですけど(はぁーと 19 40 06ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ 何回も、殺してるからつまらねぇんだよ 19 40 13ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ うわーw 19 40 13ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ おまえとやるのがw 19 40 19ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 怖いのねw 19 40 24ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ 弱すぎるんだよw 19 40 28ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ そそw 19 40 30ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 弱いよw 19 40 33ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ だよなw 19 40 39ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ つまらねぇんだよw 19 40 40ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 弱すぎる俺にさっき殺された貴方はもっと弱いw 19 40 42ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ ボケw 19 40 46ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ かぁいいw 19 40 56ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ 馬鹿か、36段じゃねーか 19 41 05ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ いいわけですかw 19 41 13ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 負けたのにはかわりないっしょw 19 41 19ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ お前のやってるのは弱いものいじめってやつだw 19 41 42ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ お前の、俺に何回も負けてるの覚えてないのかよ?w 19 41 46ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 弱い俺を何十回も殺した貴方も弱いものいじめじゃないの?w 19 41 53ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 覚えてますw 19 41 57ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ だろw 19 41 57ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 5対1とかでまけましたw 19 42 25ダイレクト[FROM]☆直江 兼続☆ うるせぇから、もう対話してくるんじゃねーよ 19 42 32ダイレクト[TO]☆直江 兼続☆ 貴方からしてきたのに?w 少しPKされたからってうるさいです。 この人をPKした時も、切ったら逃げ回って援軍が着たらきってきて・・・。 でも、即死してましたよ^^/ ちなみに、この人を初めてPKした時は、逃げ回って免争つけて暴言はきまくってきました><
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クリフトとアリーナへの想いはPart.9 922 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ  Mail sage 投稿日 2009/04/19(日) 02 52 50 ID Byiml6uI0 サントハイムの庭で、ひとりスプーンを口に運ぶ少女を、若い神官は見つけた。 美しく装飾されたベンチに座り、足をブラブラさせながらティーカップを持っている。 クリフトは、その後ろ姿に、姫様、と静かに話しかけた。 「あら、クリフト!」 明るい声で振り向くと、アリーナはベンチの真ん中から体をずらして 自分の右側を空け、座席をトントンと叩いた。 「何をお召しになっていらっしゃるのですか?」 丁寧な口調で、クリフトが問いかけながら姫の隣に静かに腰をおろす。 「アイスクリームよ」 スプーンを口に挟み、ちょっと幸せそうに、そして少し自慢げに答える。 「アイス・・・クリームですか」 「うん。ブライが作ってくれたの。冷たいお菓子よ」 アリーナがティーカップを持ち上げクリフトの頬にピタッとつけると、 ひんやりとした感触に、もの静かな神官も少しばかり肩をすくめた。 その反応を見て、姫がいたずらっぽく笑う。 「冷たいですね。成程ブライ様が手伝ったとは、こういう事なのですね」 「うん。クリームと、卵と、お砂糖と、あとバニラビーンズを混ぜて冷やすの」 冷えたカップを自分の膝に戻し、アリーナはその冷菓をスプーンにめいっぱいすくった。 「クリフトも食べて。おいしいよ」 口元に山盛りのアイスクリームの乗ったティースプーンを突き出されたクリフトは、 そのまま口を開けられずに、やや身を引きアリーナの手からスプーンを受け取った。 あーん、ってしてくれなかった事に、淡い期待を抱いていた姫は少し不機嫌になる。 甘ったるい香りに躊躇しているのか、 クリフトはしばらくスプーンに乗った冷菓を見つめている。 「早く食べないと溶けてドロドロになっちゃうよ」 上目遣いでクリフトを見つめ、アリーナはその先の行動を待っている。 ――私の使ったスプーンで食べるのは嫌なの、クリフト? 甘味が苦手な神官は、まだ幼さの残る姫をちらりと見ると、 少し照れたような表情でアイスクリームを口に迎え入れた。 冷たく、甘く、柔らかい食感が喉を通る。 「おいしいですね」 顔を崩さず、微かに微笑むクリフトに、アリーナは胸がきゅんとした。 ――この笑顔が好き。 スプーンを返してもらうと、 アリーナはさっきより嬉しそうに再びアイスを口に運んだ。 「おいしい・・・幸せ」 それは、クリフトが隣にいてくれるから。 アリーナはあっという間にティーカップを空にすると、 まだ冷たい容器をクリフトの手に強引に預け、スッと立ち上がった。 礼儀正しく座っている神官の正面に立つと、膝を伸ばしたまま身をかがめる。 「クリフト、後片付けお願いね」 ニコッと満面の笑みを浮かべた無邪気な姫が、クリフトのすぐ前で小首をかしげて命令した。 「・・・はい」 間近で目を合わせたまま、誠実な神官は姫の小さなわがままをすんなり受け入れる。 「ありがとう! 好きだよ、クリフト」 次の瞬間、アリーナはその小さく愛らしい唇を、クリフトの口元に寄せた。 クリフトの唇の左端に、ちろっとアリーナの舌先が走る。 目を開いて絶句しているクリフトをほんの短い時間観察すると、 アリーナはくるっと背を向けて庭の奥に走り出した。 「ふふっ、アイスがついてたよ!」 その後ろ姿はまるで花と戯れる蝶のようで、 今しがた自分の胸に衝撃を与えた人物と同じとは思えなかった。 急激に速度を上げた心臓が落ち着くまで、若い神官はベンチから張り付いたように動けない。 空のティーカップがすっかり暖められた頃、 ようやく立ち上がる事のできたクリフトは、ひとり、想った。 ・・・またブライ様がアイスクリームを作っていただけないものか、と。
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ペギー,◆e.sLpeggy2クリフトのアリーナの想いはPart12 425 名前 戦う理由 1/4 Mail sage 投稿日 2011/10/17(月) 23 53 41.96 ID 9GJ7VNi00 「クリフトー、稽古しようぜ、稽古。」 「またですか、あなたも元気ですね。」 クリフトは剣を振り回す俺を、苦笑しながら眺めた。 「たまにはライアンさんと練習したらどうです?」 自分の剣を取りに行きながらも尋ねてくるクリフトに、俺は首を振った。 「いや、ライアンさんの剣は重いから、体調万全じゃないとしんどい。」 「調子が悪い時は、私程度がちょうど良いと言うわけですか。」 クリフトは、ちょっと傷ついた顔をしたが、それでも剣を構えてくれた。 「ふぃーっ、疲れたーーー!!」 ひと通りの打ち合いを終えると、俺は、その場に座り込んだ。 「お疲れ様です。」 クリフトが笑いながら長剣を拭って鞘にしまう。 俺はクリフトを見上げた。 「お前、よくそんな長い剣使ってるよな。扱いづらくないか?」 前々から思っていたことだ。 しかしクリフトは、手に持った剣を眺めて首を傾げた。 「そうですか?…私は、初めて習ったのが長剣でしたから…。」 「へえ?珍しいな。」 普通は短めの剣から入るもんだけど。 と、クリフトが苦笑した。 「私が最初に習ったのは実戦ではなく、剣舞の方でしたので。」 「ああ、なるほど。」 以前アリーナから聞いたことがある。 神官は皆、神に納めるための剣舞を習うんだって。 「お祭りの日には飾りのついた長い剣を持って皆で舞うんだけど、 それがね、すっごい綺麗でカッコいいの!」 アリーナはそう言って目をキラキラさせていたっけ。 「そういわれると確かに、お前の剣の動きって舞みたいだよな。 何だかこう、流れるみたいで。」 俺は褒めたつもりだったんだけど、クリフトは嫌な顔をした。 「…まだ、そう見えますか?」 どうやらクリフトは、自分の剣が実戦向きでないと言われているように 感じているらしい。 「何だよ、別にいいじゃないか、動きは綺麗な方が。」 しかしクリフトは首を振った。 「剣舞のために習う剣技は、あくまでも舞であって 人を傷つけることがあってはならないんです。 切っ先で人を傷つけないように剣を引いてしまう癖を直すのに 随分苦労しました…もう克服したつもりだったんですが。」 「へぇ…。」 俺は、クリフトを見上げながら、ふと考えた。 神に捧げる技としてしか剣に触れたことのなかった神官。 サントハイムがあんなことになってなければ、こいつはきっと 戦いとは縁遠い場所に身を置いて一生を過ごしたに違いない。 俺は山奥で育ったせいか、魔物とやり合うのも日常茶飯事だった。 物心ついた頃には、短剣を握ってスライムとやり合っていたものだ。 でも、クリフトにはそういう攻撃的なニオイを全く感じない。 むしろ、こいつの能力は命を生かす方に発揮される類のものだ。 そんなこいつが、今のように平然と魔物を屠るようになるまでには、 きっと俺には想像もできないような葛藤があったに違いない。 長くて重い長剣を実戦で使えるようになるまでにも、 血のにじむような努力をしてきたんだろう。 そして、こいつがそんなにも努力する、その理由はもちろん…。 「クリフトー!」 明るく響く声に、クリフトがすごい勢いで振り返った。 「姫様!」 そして、手を振るアリーナのもとに笑顔で駆け寄っていく。 毎度の光景を眺めながら、俺はごろんと草の上に横になった。 たとえ想いが届かないとしても。 たとえ単なる独りよがりだとしても。 その人を守るためなら、自分の生き方を変えることも厭わない。 クリフトは、そうやって強くなってきた。 今のあいつの太刀筋は、決して俺やライアンさんに劣らない。 だったら、俺はいったい何のために強くなっているんだろう。 太陽がまぶしくて、俺は目を閉じた。 脳裏に、羽帽子をかぶって微笑む、懐かしい顔が浮かぶ。 強くなって、戦って、その後、俺にはいったい何が残るんだろう。 不意に、そのまま大地に溶けてしまいそうな疲労感が俺を襲った。 目を閉じてもまだ太陽はまぶしかったけれど、顔を背けるのも億劫で 俺はそのままじっと横たわっていた。 と、不意に目の前が翳って、俺は目を開けた。 そこには頬を膨らませてこちらを覗き込むアリーナの顔があった。 「ソロったら、稽古するんなら、私も呼んでくれればよかったのに!」 俺はゆるゆると首を振った。 「無理。今晩は俺が不寝番だもん。お前とやり合う体力はないの。」 「…どうも先ほどから、そこらへんが引っ掛かるんですよね…。」 アリーナの後ろでクリフトがブツブツ言っている。 「それよりも、ソロ、クリフトがお茶淹れてくれるって!行こう? 稽古して喉渇いてるでしょう?私、何だかお腹も空いちゃった。」 「でしたら、昨日街で買ったクッキーがあるので、 それをお出ししましょうか。」 「やったー、クリフト大好き!ほら、ソロ、早く起きて!」 アリーナが俺の手をつかんで、ぐい、と引っ張り上げた。 さすが力は抜群だ。俺はあっという間に引き起こされた。 「稽古ではライアンさんや姫様に比べて力不足かもしれませんが、 あなたの喉の渇きを癒すくらいは、お役に立てると思いますよ。」 そう言って笑うクリフトに、アリーナが笑いかけた。 「うん、クリフトのお茶はどこのお店よりも一番美味しいものね!」 「ひ、姫様にそう言っていただけるなんて、光栄です…。」 「…。」 ―――ああ、そうか…。 笑顔で言葉を交わす2人を見ながら 俺はふいに目の前が開けたような気がした。 俺の戦う理由。 俺が強くなる理由。 それは目の前にあるじゃないか。 大切な友人たちの愛する者が奪われないように。 あんな悲劇を二度と繰り返さないために。 そして戦いが終わった後に、こいつらが変わらず笑顔でいてくれたら そうしたら、きっと、俺も何かを掴める気がする。 俺は2人に向かって手を差し伸べた。 「よし、お茶も飲むしクッキーも食べるぞ! そしてたくさん修行して、俺はもっと、もっと強くなるからな!!」