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「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。 依頼内容は「ポイント・総評の『ゲームとしての出来・完成度が良好』の記述に対する根拠の説明」、「評価点などの記事内容の充実」です。 ファイターズヒストリー 【ふぁいたーずひすとりー】 ジャンル 2D対戦格闘 対応機種 アーケード 発売・開発元 データイースト 稼動開始日 1993年 判定 なし ポイント カプコンに訴訟を起こされた不遇のゲーム完成度はそこそこ良好弱点や通常技キャンセル投げなどの独自システムも ファイターズヒストリーシリーズリンクファイターズヒストリー / ダイナマイト / 溝口危機一髪!! 概要 特徴 評価点 問題点 総評 家庭用移植と続編 余談 概要 データイースト(以下デコ)が1993年にリリースした対戦格闘ゲーム。 当時はカプコンがリリースした『ストリートファイターII』を中心とする対戦格闘ブーム絶頂期であり、各メーカーもここぞとばかりに様々な格ゲーをリリースしていた。そんな業界全体の流れに乗って登場したのが本作である。 1年に1度催される世界異種格闘技選手権大会「グレートグラップル」において、金のため、名声のため、或いはその他の目的のため、優勝を目指す9人の格闘家の姿を描く、という筋立てである。 余談項に記述する通り、多くのストIIフォロワーゲーの中で唯一カプコンから訴訟されたゲームとして界隈では有名であり、6ボタン式の操作や各種UIなどの面でかなりの類似性が見られる。 そのためパクリゲー、転じてクソゲーのレッテルを短絡的に貼られることがあるが、実際には独自のシステムもあり、またデコらしい唯一無二の世界観で差別化はなされている。 特徴 弱点システム キャラクターにそれぞれ弱点部位が設定されており、そこに一定以上のダメージを当てると身に着けていたものが外れ、気絶する(ピヨる)システム。 該当箇所はハチマキやプロテクターなど、キャラクターに応じて決まっている。 それらを剥がした後は、その部位に攻撃を受けるとダメージが増加する(*1)。 通常技をキャンセルしてのコマンド投げ 現在では珍しくなくなったが「通常技をキャンセルしてコマンド投げを連続技に組み込める」というシステムを初めて取り入れた。 その影響もあり、「投げキャラは弱い」と考えられていた当時の格闘ゲームにおいて、柔道少女の「嘉納亮子」やキングコング・ザ・ブルーザー・ブロディがモデルであるプロレスラーの「マーストリウス」といった投げキャラが3強入りするという特異な事態となった。 評価点 デコゲーならではの「濃い」キャラクター群 「劉飛鈴(リュウ・フェイリン)」は中国出身の女性キャラクターのため春麗との共通性を感じられそうなところだが、勝ち気でナルシストで商売っ気の強い京劇女優というアクの強い設定であり、顔もファンタジーゲーム的な無国籍美少女ではなくかなりアジアン色の強い雰囲気にデザインされている。 ゲーメスト増刊「ギャルズアイランド」で「ウケ狙いをせずにとことん中国人の顔にしたところにデコの偉大さを感じさせる」と評された。 本作から30年後の『ストリートファイター6』で、春麗が顔デザインを大きく変えて本物の中国人風の外見になった。まさに偉大なる先見性だったと言えよう。 ムエタイ使いの「サムチャイ・トムヤムクン」は技名が全てムエタイ用語で、声優にもネイティブスピーカーを起用。その濃いキャラクター性から、設定に応じた「お兄ちゃん」の愛称(*2)でコアなファンを獲得した。 登場人物の一人「溝口誠」は、宮下あきら氏の漫画「魁!!男塾」の主人公・剣桃太郎を彷彿とさせる学ラン姿だが、世界一の番長を目指す28歳留年中のナニワの高校生という、これもまた異色の設定。「タイガーバズーカじゃ!」「チェストォ!」などネタ性の高いボイス含め、本シリーズの本来の主人公である「レイ・マグドガル」を差し置いて、強烈な存在感を発揮している。 ちなみに溝口の声を演じたのはデコ社員(当時)の森田典志氏で、印象深いセリフはテスト収録でのアドリブの産物とのこと。 さらに、ゲーム内のアナウンス音声も、独特の粘りつくようなイントネーションで、特に「WINS」の音声は続編の『ダイナマイト』にもそのまま流用されるほどの人気があった。(*3) 中ボス・ラスボスも負けじと強烈 中ボス「クラウン」は仮面で顔を隠した不細工なピエロで、しかし自分自身では美しいと思い込んでいる30代のゲイの男性という設定。 この設定がギャグとされていることについてはリリース当時の時代観を加味すべきだが、ともかく格闘ゲームに詰め込む必要のない濃い背景であるとは言える。 専用ステージがメルヘンチックなサーカスの舞台というのも悪趣味で強い印象を与えるほか、飛び道具でトランプのカードを投げる際の「Pick a Card!」が「ヘタクソ」と聞こえる等、空耳方面でのネタもある。 ラスボスは同社の別作品『カルノフ』から主人公・カルノフが担当。パラレル的な同名他者ではなく普通にご本人であり、テーマ曲も原作フレーズを用いている。 これらキャラクター達の醸す雰囲気は最早「ストIIの類似品」には到底収まっておらず、十分にオリジナリティのある世界観が造成されている。 弱点システムがもたらす攻防 どのキャラクターも固有の特定部位を攻撃されると気絶し、以降被ダメージが増加する、という要素は、いかにそこを攻めるかといった攻防や形勢逆転の面白味に繋がっている。 対人においては弱点を狙うことで却って手が読まれやすいというリスク・リターンの関係が生じ、それまでの格闘ゲームになかった駆け引きに繋がっている。 また単純に、弱点を集中的に攻めることができれば勢いで押し勝てる可能性が高いため、さほど技術がなくとも格闘ゲームの気持ち良さを体験でき得るのも長所といえる。 問題点 弱点システムの問題点 本作の大きな特徴である弱点システムだが、あくまで気絶の条件は部位破壊であるため、1ラウンドで相手を気絶させられるチャンスは1回だけである。 ハチマキが外れる、仮面が外れる、またはズボンの膝部分のみ破けるなど衣装の一部が破損することでそれを表現しているのだが、レイの弱点はシャツの模様が外れるだけというヘンな事に…。あのシャツの模様はアップリケなのか? また、中には部位が大きすぎて弱点を突かれやすいキャラもいる。特に劉飛鈴はリーチと対空技に秀でながらも弱点が「胸当て全体」であるため弱キャラ扱いとなっている。 こうした事情含め、評価点に記した攻防の以前に「弱点システムの存在自体が微妙」と評するユーザも存在する。 総評 当時の『ストII』人気により、『ストII』プレイヤーは台待ちが長くプレイできない、もしくは一人プレイ中に乱入を受けて練習が出来ないという事態に陥りやすかった。 そうした状況下でリリースされた本作は、ストIIと同等の操作系(8方向レバー+6ボタン)を持ち、ゲームとしての出来も良好であったことから、『ストII』の代理という形で一定の評価を受け、続編も開発される地味なヒット作となった。 家庭用移植と続編 本作の家庭用ゲームは、1994年5月27日発売にて唯一スーパーファミコンに移植されている。その移植度は当時のアーケード移植もの格ゲーの中でも非常に優秀で、格ゲーとしての実用性はアーケード同様に高い。 また、アーケードでは使用不可だった、クラウン(中ボス)とカルノフ(最終ボス)が特定条件で使用可能となった。 2011年7月19日よりプロジェクトEGGにて配信されている。また、2022年7月22日には『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』で配信開始。 続編は、アーケード(MVS)作の『ファイターズヒストリーダイナマイト』と、スーパーファミコンオリジナル作の『ファイターズヒストリー 溝口危機一髪!!』の2作があり、いずれも完成度は当時の格ゲーの中でもクオリティの高いものであった。 なお『~ダイナマイト』は家庭用ネオジオ、ネオジオCD、セガサターンに移植されているほか、Wiiのバーチャルコンソール、アケアカNEOGEO(PS4/One/Switch)にて配信されている。 余談 訴訟問題 本作のリリース後、デコは『ストII』の親であるカプコンから「おたくのファイターズヒストリーは、我が社のストリートファイターIIの悪質な盗作であり、損害賠償と製品の差し止めを求める」といった訴訟を起こされてしまった。 予断を許さない状況がしばし続いたが、訴訟の約1年後、最終的に両社は和解。本作の存在の差し止めは免れた。 当時「『ストII』の類似品・模倣作」と呼びうる作品は数多く存在したが、何故本作がターゲットとなったのかは明らかになっていない。 ちなみに、本件に対するデコ側の言い分は「対戦格闘のルーツは同社の『対戦空手道』であって、そっちこそ類似物だ」というものだった。もっとも『対戦空手道』はスポーツゲームというニュアンスが強く、『チェルノブ』の件並みに強引。 詳細はこちら(クソゲーまとめ用語集)。 だがこれに関しては明らかにデータイースト側による論点逸らしのミスリードともいえる主張で、実際にカプコンが訴えたのはデータイースト側がカプコン独自に作った「プログラムソース」を盗用した事だったと後に開発者の安田朗氏がTwitter上で供述している。 なお、データイーストもカプコンに劣らず知的財産権の保護に対しては厳しい姿勢で臨んでおり、1997年にはデータイーストの人気ゲームである『マジカルドロップ』をパクったとされる『マネーアイドルエクスチェンジャー』の発売元であるフェイスに対して訴訟を起こしている。 溝口のその後 コミックゲーメストで連載された漫画版では溝口が主人公となり、さらにスーパーファミコンの『溝口危機一髪!!』では正式に主人公に抜擢されている。 なお、本来の主人公であるはずのレイは漫画版では格闘描写は全く無い脇役扱いで、『溝口危機一髪!!』では主人公どころかプレイヤーキャラクターからも外されてしまうという、『ストリートファイターIII』のアレックス並の悲惨な扱いを受け「主人公(笑)」のレッテルを貼られてしまった。(*4) 本シリーズ以外でも、溝口は同社の格闘ゲーム『水滸演武 風雲再起』にゲスト出演したり、固定画面アクションゲームの『JOE MACリターンズ』では最終面の特定ステージの雑魚キャラクターとして登場し(*5)、忘れた頃にSNKプレイモアの『KOF MAXIMUM IMPACT Regulation"A"』やスパイクの『喧嘩番長3』にまさかの乱入を果たしたりしている。 同時期に登場した柔道少女 本作で登場する柔道少女の「嘉納亮子」については、奇しくも同時期に発売された『ワールドヒーローズ2』で初登場する「出雲良子」と結果的にかぶってしまう事態となった。 どちらも柔道女子金メダリストの田村亮子(現:谷亮子)氏をモチーフとしている点でも共通である。なお「嘉納」に関しては柔道(講道館柔道)の開祖である嘉納治五郎氏から。 とはいえ発売時期がほぼ同時期であったため、問題視されることはなく以降の続編でもちゃんと続投している。 元より90年代は「女性柔道キャラといえば田村亮子」というイメージはある種日本全体の共通認識であり、他にも『ごきんじょ冒険隊』の「やわら」など、単なるテンプレートの一種でしかなく問題になりようもない情勢ではあった。
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サッカーキッド 【さっかーきっど】 ジャンル サッカー・アクションゲーム 対応機種 スーパーファミコン 発売元 やのまん 制作元 KRISALIS 発売日 1993年12月28日 定価 8,800円(税抜) プレイ人数 1人 判定 ゲームバランスが不安定 判定 クソゲー ポイント サッカーゲームではないパッケージ詐欺無敵裏技を使っても地獄本作にレッドカード 概要 ストーリー ゲーム内容 問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 概要 やのまんから発売されたサッカーゲームと思いきや、元々は1993年にAmigaで発売されたアクションゲーム『SOCCER KID』のSFC移植版である。(*1) パッケージイラストは『ドッジ弾平』や『爆走兄弟レッツ ゴー!!』で知られるこしたてつひろ氏によるものであり、喜んで手を出したプレーヤーは本作に高難易度を突き付けられ、本作もまたレッドカードを突き付けられ、クソゲー判定まで退場した… ストーリー 舞台は1994年の世界各地 USAワールドカップ決勝試合に悪いエイリアンが現れ、ワールドカップを盗み宇宙船で逃げようとしたところ、事故でバラバラになり世界各地へ散逸されてしまう。 それを見たサッカーキッドがワールドカップを取り戻すべく世界へ向かうというもので、いかにも子供向けの設定となっている。 全5面。ENGLAND、ITALY、RUSSIA、JAPAN、USAの順に回る。 難易度は、NORMAL、EASYで始められる ゲーム内容 操作方法 簡単操作とあるように使用するのは、十字キーとAボタンのみ。それだけで、多彩な動作を繰り出すようになっている。 左右で走ったり、ジャンプしたり、しゃがんだりできる。 Aボタンでは長押しでボールを出したり、リフティング、玉乗りなどが行える。 他の動作へ移行できて、例えばリフティングからのシュートや、玉乗りからの大ジャンプも用意されている。 サッカーボールには攻撃判定のほかにアイテムを回収する機能もある。マリオランドのバウンスボールのようなものである。 アクションゲーム 各国には3つのパートで構成されており、あらゆるステージをサッカーボールを駆使して戦っていく。 問題点 こしたてつひろ要素が皆無 イラストとドット絵が違う ゲーム中の主人公が、パッケージの見た目と全然違う。服装の色は似ているのかもしれないが、髪の色と表情が別人である。 他には敵キャラ、ボス達も登場はしているが、これまたイラストとは全くの別物になっている。 せめて主人公だけでもドットの描き直しをして欲しかったところである。 一枚絵の種類が少ない タイトル画面と、ステージ開始前にこっちへ向かってくる構図のみ。以降は一枚絵は一切用意されてはいない。 台詞も一切出てこない 文章は、オープニングデモであらすじが申し訳程度に出てくるのみ。そのわずかな文章も「宇宙船」「爆発」も平仮名で表記されるなど質が良くない。 作中ではボスとの会話なども一切行われず、文章らしいものと言えばポップアップでノルマが表示されるのみにとどまっている。 ボス戦にしても、必殺シュートの類もなくただただボールをぶつけて戦うのみになっている。 これにより、ステージクリアしてボスを倒すだけのゲームという、無機質で冷たい仕上がりになってしまっている。 ゲーム性 スライディングで攻撃できない 敵にスライディングをしても逆にこっちダメージを受けてしまう。ボールで戦うというコンセプトならスライディングも有効にしたほうが良かった。 セーブ・パスワードの類はない このため通しでクリアしなくてはならない。特に、真エンドを目指すプレーヤーにとっては地獄のような道のりとなる。 操作性の悪さ 十字キーとAボタンで多彩な動作を繰り出せるのは確かだが、上ボタンでのジャンプは一般的ではなく扱いづらいものとなっている。 海外版では、Bボタンにジャンプが割り振られている。 また、道中には操作性のヒントなどは一切なく、ハイジャンプ操作も自力で見つけなくてはならない。 ポップアップ これを見るためにはボールを当てて出すのだが、慣れない内はなかなか当たらない。そして、一度見たら消失するのも不便なところである。 このため、色々操作しているうちに偶然当たって即座に閉じたというケースもザラ。 表示されるものも、ノルマというものでヒントの類は一切ないのも残念。また、一部暗くなるステージではポップアップのメッセージも暗くなるので見づらい。マリオワールドのポップアップと比べると雲泥の差と言える。 難易度が非常に高い ライフ制ではあるが敵の攻撃も激しいので難しい。初期で2、増えても4ではとても足りない。 敵はノックバックしないので思わぬ反撃を食うことがある。 これによりクリア自体が至難の業となっており多くのプレーヤーを退場させた。 とはいえ、本作には裏技が用意されている + 一応伏せる タイトル画面で、B、A、R、R、A、L、スタートの順に入力してゲームを始めると、無敵状態になる。 これにより通常クリアは見えてくるようにはなる。 真エンドまでの道のりが厳しい 通常エンド ボスを倒したものの、カップを結局取り戻すことはできなかったというもので、本作で誰しもが一度は見てしまうだろう。 真エンドに行くには、道中のカードを集めていかなくてはいけない。 道中のノルマ これも、ヒントがなくステージ最初のポップアップにノルマが表示されるのみで非常にわかりづらい。 そのエリアのノルマを達成した際に特別な効果音でも鳴らないのは不親切。勿論、1枚でも取りそびれると真エンドは不可能になってしまう。 道中に点在するカードを全部集めると、ボスを倒した後にミニゲームが開始されるようになる。 ミニゲーム 楽しそうな印象があるが、制限時間内に食べ物を回収しなくてはならないというもの。 難易度は初見でも一発クリア出来る程度ではあるが、やり直しがきかないため、万が一でも失敗するとその時点で真エンドは途絶える。 その真エンド + 一応伏せる 最後のミニゲームをクリアすると、グラウンド上にラスボスが登場。 ラスボスを倒すと、道中で倒した5人のボスが笑顔で迎えてくれて、更に女性ボスからキッスがもらえる。以上。 以降はスタッフロールに合流。 その他 スクロール仕様 後ろを振り返ると即座にスクロールが連動するのだが速すぎる。そのため頻繁に方向転換をする個所では画面が左右にブレまくる。 列車ステージの遠景 高速スクロールで分かりづらいのだが、遠景のつなぎ目がずれている個所がある。 賛否両論点 ジャンル サッカーゲームではなくアクションゲームである。 やのまんは『信長戦記』『FEDAシリーズ』も発売している事からシミュレーションの制作については定評があり、洋ゲーの輸入ではなく自前でサッカーゲームを作ったほうが良かったという意見はある。 評価点 こしたてつひろ氏の起用 パッケージイラストも手掛けており賑やかで楽しそうな見栄えに仕上がっており、本作にも少年の一枚絵が登場しておりその品質は高い。サッカーキッドのドの濁点はサッカーボール2個で構成されている。 それゆえに本作に手を出してしまったキッズプレーヤー達が多かったのも皮肉な話である。 パッケージのキャラは全部登場している。 主人公は勿論、ラグビーや力士や女性のボスは登場。更に、雑魚敵のロボットやバイク乗りなどもザコ敵として登場してる。ただし、問題点で挙げた通りパッケージとのギャップはひどい。 ゲーム性 多彩なステージ あらゆるステージが用意されており、市街地や遺跡外部、工場内部などで仕掛けも豊富、高速列車ではスピード感がある。 坂道もあり、45°は勿論、あらゆる傾斜が用意されている。 ボスの手前では記号とともに警報を鳴らしてくれる。 物理エンジン サッカーボールの軌道やバウンスは勿論、坂道を転がり落ちていったりするのも実にリアルである。ボスが強風を発生させた際はボールは転がるのも実に細かい。 グラフィックは良い キャラクターの描き込み 主人公のにはリフティング、ドリブル、スライティング、オーバーヘッドなど色々な動作が用意されている。中でもサッカーボールをジャンプ台として垂直ハイジャンプはいかにもコロコロ漫画に合った発想ではある。でも真似はしないようにする事 また、立ち止まっている際も、瞬きする、こっち見る、あくびするなどの動作が用意されている。 敵キャラもパッケージとは似ても似つかないとは言ったが、あらゆる動作が用意。倒れた際の表情までしっかり用意されている。 雑魚敵も反転する際は中割も用意されていたりする。 ステージの作り込み 多彩なステージでは車やバスなども描き込まれており、遠景も用意されて細部まで力が入っている。しかも、雨や雪のエフェクトや、トンネル内部では少し暗くなる仕様など演出も併用されており見栄えは良い。 ステージ開始前には世界地図も表示されており、こちらも品質が良い。 リザルト画面ではサッカーコートのスクリーンに表示するというこだわりっぷり コンティニュー画面もこういう仕様になっている。 MODE7 ゲームの電源を入れると、タイトルロゴを回転させながらこっちへ向かって来る演出が見られる。 BGMも良質なものばかり サッカーの雰囲気が出ており、こちらもあらゆるステージの表現を更に良くしている。 素材は良いだけに、組み立て方次第では良質なゲームになれたかも知れないのは惜しいところである。 総評 ゲームの素材や物理エンジンなど力が入っているのは確かであるものの、その組み立て方が非常に悪かったと言える。 こしたてつひろ氏の賑やかで楽しそうなデザインにつられ本作を購入したキッズ達は、原作要素の薄さ、難易度の酷さのダブルパンチに見舞われてしまった。 現在のところ投げ売り同然であるが手を出すのは得策とは言えないとしたものだ。 余談 日本では1994年12月に3DOで『グレートサッカーキッド』(*2)が発売されている。 本作の後にも海外で発売された。 SNES版(『SOCCER KID』)は一枚絵も色々と差し替えられていたり、操作も上でジャンプする操作はBボタンに割り当てられるようになっていたりなど、SFC版とは仕様が異なっている。 後にMS-DOS、GBA、PS版も発売された。一方、Atari Jaguar版も1995年の第2四半期にOcean Softwareから発売される予定だったが発売そのものが立ち消えとなった。しかし、Jaguar版はその後完成したデータが発掘されたことから旧アタリコープスのゲーム機用ソフトの復刻などを手掛けるSongbird Productionsによって2000年2月に限定発売された。
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略称KOTY。 スレを私物化したい人たちによって日々利権争いを繰り広げる屈指のクソスレ。 もともとゲハの出張スレのような物だが、同属嫌悪によって 互いをゲハ認定しつづけるというおぞましい活動を日々繰り広げる。 まさにキングオブゲハというべきクソスレの頂点である。 主な活動 外部スレやサイトへ内輪ネタ持ち出して迷惑をかける どんなに世間に迷惑をかけても、ゲハを仮想的にして自分は被害者と主張する 自陣営以外の書き込みはすべてゲハ認定して自分こそがKOTYだと主張する スレ民の異常な行動をなだめる人間もすべてゲハ認定して暴れまくる ゲハを叩き続けなければスレの権威を保てないと思っている もともと荒れやすい話題を扱っている自覚すら持っていない KOTYの権威は自分の思い通りになるべきとそれぞれが信じている クリティカルな意見を押し流すための雑談に力を入れている 身内の意見だけをえり好みするために各陣営が自前の掲示板を用意している ゲームの話より陰謀論が大好き 身内だけで進行したがっているが、宣伝のために2chにスレを立てる事は絶対に譲らない 批判を書かれたという理由だけでスレ放棄、重複スレを立てるなど2ch掲示板の私物化
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NORTH SOUTH わくわく南北戦争 【のーすあんどさうす わくわくなんぼくせんそう】 ジャンル SLG 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 2Mbit+64kRAMROMカートリッジ 発売・開発元 ケムコ(コトブキシステム) 発売日 1990年9月21日 価格 6,200円 判定 クソゲー ポイント 不謹慎すぎるそして肝心の中身の出来も酷すぎる 概要 問題点 評価点 総評 余談 概要 Infogrames社のPC(AMIGA、Commodore64、AtariSTなど)向けSLG『NORTH SOUTH』の移植作品。 非常に珍しい、アメリカの南北戦争を扱ったウォーシミュレーション。 アメリカ史を題材としたベルギーのバンド・デシネ(漫画)『Les Tuniques Bleues』を原作としている。 プレイヤーの目的は南北アメリカの統一であり、敵対する南(北)軍を撃滅しながら州を制圧していく。 いわば日本語に訳したファミコン移植だが、海外NES版(もちろん英語)の移植もケムコ現地法人が行なっている。 問題点 戦闘関連が最悪 マップ上での戦闘は、大砲・騎兵・歩兵の各ユニットをリアルタイムで操作していくのだが、これらの使い勝手がすこぶる悪い。 大砲は上下にしか動けないため、進行不可。ただ撃つだけ。騎兵は移動は早いがそれだけで、武器は剣。歩兵は銃で広範囲を攻撃できるがすぐに死ぬ。 騎兵は完全に的扱いで、歩兵の前でバタバタ数を減らされてしまう(*1)。 河川と岩場は見た目以外同じ扱い。どちらも橋か周囲の細い道を通っていかなければ移動できない。 そしてCPUが非常に頭が悪い。自分の大砲で橋を落としておきながら騎兵を行かせて転落死させるなど日常茶飯事。そのせいで勝っても楽しくない。 Bボタンで操作を切り替えてAボタンでアクション、という操作なのだが、操作していないユニットはそのまま進んでいく。騎兵は気がつけば落ちていたりする。 また砦での戦いは、武器が素手かナイフ(投げると無くなる)に固定される。目的がゴールへの到達とはいえ、敵を無視していけるわけでもない。 不謹慎な表現もチラホラある。 ランダムイベントを起こす「災害」という要素があるのだが、その中に「インディアン」「メキシコ人」が入っている。彼らは人ではなく災害扱いである。敵の援軍も同じ扱いではあるが、何も災害呼ばわりされるいわれはない。よくて「人災」というべきだろう。戦争や大災害は良くブラックジョークの題材にされるものとはいえ、こうした表現はさすがにまずいだろう。災害の件りは普通に差別表現と受け取られかねない。 ただ本作は元々アメリカのゲームであり、本国では1980年代辺りまでマイノリティを小バカにすること自体をギャグとして捉える風潮が根強かった。当時のコメディ番組などでもネタとして扱われており、特にメキシコをバカにするのは定番だった。この辺りは当時のお国柄ゆえであり、ゲームでもこうした要素が含まれることが決して少なくはなかった。 また、戦争を題材にとっているにもかかわらず、「わくわく南北戦争」という、不謹慎極まりないサブタイトルがつけられている。しかし、本作は原典のPC版からしてカートゥーン調のおバカなノリであるため、ある意味、原作の内容を捉えていると言えなくもない。 原語の「Disaster」は「災害」と訳されがちだが「災難」の意味もある。邦訳時に微妙な訳を選んだとも言える。 評価点 概要にも書いているが、南北戦争を扱った数少ないゲームであること。 FC時代にリアルタイムウォーシミュレーションを出した、という事実。 当時としてはかなり珍しい類であり、これでシステムがしっかりしていれば……。 タイトルなどの画像は原作に忠実で、しっかりアーリーアメリカンらしい。 総評 題材もジャンルもかなり変わったところをついてはいるが、システムもダメで内容も不謹慎という散々なものに。 とはいえ、こうした評価は日本特有であり、海外では一定の評価を得てリメイクも作られている。 戦争という題材の捉え方に大きな隔たりがあることに加え「バカゲー専科」を始めとした偏りのあるレビューに踊らされすぎの感もある。 システム面はあまり褒められたものではないが、そもそも原典の作風からして真面目なウォーシミュレーションとして捉える事自体が誤りである。そのあたりも踏まえて一度プレイしてみるのもよいかもしれない。 余談 今作と直接関係はないが原作PC版のリメイクとしてMicroid社がPC、スマートフォンやSwitchに『the Bluecoats North South』を2020年にリリースした。
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俺がヤマタノオロチなら 【おれがやまたのおろちなら】 ジャンル 俺がヤマタノオロチになっちゃったら困っちゃうラブラブADV 対応機種 Windows Vista/7/8 発売・開発元 ソフトハウスSORA 発売日 2014年6月27日 定価 8,800円(税別) レーティング アダルトゲーム 配信 FANZA 2014年6月27日/7,480円 判定 クソゲー ポイント 2014年クソゲーオブザイヤーinエロゲー板次点 タイトルがネタバレ全体的に古臭いシンプルなノベルゲームなのにシステムに問題あり クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 概要 ストーリー 特徴 問題点 評価点 総評 余談 概要 新規ブランド「ソフトハウスSORA」の処女作にして遺作。 パッケージとダウンロード版が同時販売された。 ストーリー それは美しい港町……俺の故郷……須賀町……。 北側は海、南側は山。 温暖で平和な小さな町。 時間が穏やかに流れる、俺の町。 そこで俺は、幼なじみの山代マイと仲良く暮らしていた。 俺とはちょっと距離があるが、マイの親友である 橘ゆずの。 同じクラスで、なぜか俺に付きまとってくるちょっと風変わりな女の子・八樹さゆり (やつき さゆり)。 上級生で学生代表、学園中の憧れである 播磨幸穂 (はりま ゆきほ) 先輩。 悪友の秋山慎吾や、やさしい大人たちにも見守られ、みんなとわいわい楽しい日々を過ごしていた。 しかしある夏休み。 俺たちはとんでもない事件に巻き込まれてしまう。 俺の中に居るアイツが目覚めようとしていたのだ……。 俺の名前は 八賀谷翔太 (やつがや しょうた)。 俺は、ヤマタノオロチの生まれ変わりだった……。 (パッケージから抜粋) 特徴 基本的に読み進めるだけのノベルゲーム 選択肢は数箇所あり、選択に応じて5ヒロインの個別ルートに突入する。ルート分岐は分かりやすく難易度は低い。 問題点 ストーリー タイトル・パッケージがネタバレ 引っ掛けやダブルミーニングの類ではなく、主人公がヤマタノオロチの生まれ変わりである。 あらすじやジャンル名も鑑みると、「ヤマタノオロチの生まれ変わりと判明した主人公と、それを取り巻く周囲が織りなすドタバタラブコメ」か「エロ方面にその特異性を活用したバカゲー」辺りを想像しそうなものだが、実際は自分の正体を知らない主人公と、それを利用しようとする者や阻止しようとする者達の思惑が絡み合い、少しずつ主人公の謎が明かされていく内容である。言ってしまえば「タイトルと表紙で犯人がばらされている推理小説」を読むようなもの。 作中のキャラのうちそれを知る者は暈してばかりで真相をなかなか語らず、知らない者(当初の主人公も含む)はその秘密に悩む姿を見せるのだが、プレイヤーはタイトルの時点でとっくに知っているため茶番劇にしか見えず感情移入が困難。 穏やかな日常に異変が起きる定番の流れだが、異変の正体も原因も丸分かりすぎて興ざめである。 「なぜか主人公に付きまとう八樹さゆり」などは公式の紹介通りの行動をとるが、付きまとう理由がバレバレであり、白けた目で見てしまいやすい。 ネタバレを抜きにしても質の低いシナリオ 日常パートでは、着替えをうっかり覗いてしまうイベントや、胸に手・顔が当たってしまうラッキースケベが序盤から連発されるが、ノリが古臭く似たような流れを複数のキャラでやるために飽きやすい。 登場人物が少ないうえに世界が狭く、掘り下げすら少ない。そのため終盤のシリアスな流れも茶番に感じやすい。 個別ルートでは多少の掘り下げがあるものの、後付けやどうでもいい設定が多い。 グラフィック 立ち絵 バリエーションが少なく表情や体の動きが乏しい。 中央に一人ずつしか表示されない。複数人での会話では一人ずつ中央に表示されては入れ替わる。 E-moteを用いたアニメーションする立ち絵や、目パチ・口パチを搭載したエロゲーが2014年時点で複数登場している。そのレベルを求めるのは酷としても、立ち絵を二人同時に表示する程度はして欲しいものである。 主要人物以外には基本立ち絵が無い。それだけならまだしも、例外的に立ち絵のある刑事はシルエット状の黒塗りで描かれている。こんなくらいなら最初から無くて良いのではないだろうか。 一枚絵 のっぺりした塗りや表情が不気味だったりとレベルが低い。 後述するようにある程度可愛いCGもあるが、下手なCGの悪印象との差を感じて、同じキャラが別人に見えるという問題もある。 テキストとの不一致のCGも多い。 とある「5人のキャラクターが映る一枚絵」は手前の4人は個別に描き込んでおきながら、奥に立つ1人は立ち絵をそのまま入れ込んだだけという手抜きが行われている。 背景 実在の土地を撮影して加工した背景が使われている。他の創作物でも広く使われている手法であり、それだけでは非難すべきではない。 本作はほぼ加工されていないのが問題。現実で野外を見渡して、そこにカラフルな髪色の美少女が立っているようなものであり、違和感が強い。作中で「須賀駅」とされる建物に鎌倉駅の文字が余裕で視認できる背景は最たるもの。 ちなみに須賀駅がズタボロに破壊される場面もあるのだが、その際にも鎌倉駅の文字は健在。スタッフは鎌倉駅に何か恨みでもあったのか。 手描きと思われる背景もあるが、塗りがベタっとしていたりとこちらも漏れずに低品質。 全体的に殺風景で、主人公の自室からしてテレビと花が乗った台があるだけの和室という生活感皆無の代物。 他にも人で賑わっているはずの神社や体育館とてモブを配置することなく閑散とした風景が広がる。ではその無人のスタンスを貫いているかと言うと、祭りの屋台の背景のみモブを配置しているのでそういう訳でもない。 バグ・不具合等 2ページ目以降のセーブ/ロードが正常に機能しない。 説明が難しいが、2ページ目に切り替えた際に内部では切り替わっているが、表面上は切り替わらない。 そのため、2ページ目以降では上書きセーブやロードの誤認が起きやすい。1ページあたり6箇所しかセーブできないため、様々な場面を残そうとすると、このバグに向き合わざるを得ない。 誰が呼んだか神経衰弱。二重の意味で。 CG・シーン回想が埋まらない 総当りしてもCG4箇所・シーン3箇所が空欄のままとなる。 最終ページの最後の箇所ならともかく、中途半端な箇所が埋まらないため、取りこぼしと勘違いしやすい。 その他 起動時に「俺がヤマタノオロチなら」のアイキャッチが表示されてから、タイトル画面に移る。 不要な演出であり、起動のたびに見せられる。 テキスト欄に「背景:神社境内」と表示されるなど、本来表示されないべきテキストが表示される場面がいくらかある。 誤字脱字や誤表現も多い。 BGM視聴画面で左下に表示されているEXITボタンが機能しない。一旦CGかシーン鑑賞場面に切り替えてからEXITを押す必要がある。 ノベルゲームにもかかわらず、再現性のないフリーズ・強制終了報告があがっている。 バックログは一行ずつしか振り返れない前世代仕様。巻き戻し時にボイスがある箇所は強制的に再生される。 音楽 BGMはわずか14曲(*1)しかない。 そのうえ、「リインカーネーション Piano」「リインカーネーション inst」は「リインカーネーション」のアレンジであるため実質12曲である。 エロシーンで使われる「背徳的 dub」は扇情的な雰囲気とミスマッチすぎる。 KOTYeでは「探索行動中の曲」と評された。 あるヒロインの告白時にOP曲が流れる。BGMの設定を小さくしておかないと、そのBGMのせいでヒロインのセリフが聞こえない。参考URL(ニコニコ動画) SEに色々と難がある コンフィグ等にカーソルを合わせたり、クリックするたびに「カチッ」「ピコン」「チャララーン」などのSEがボイスで入る。少し掠っただけでも鳴るため耳障り。 オフにできないため嫌でも聞かされるのが問題。『白衣性恋愛症候群 RE Therapy』等もSEをボイスに切り替える機能はあるが、そちらは任意でオフにできるため非難はされていない。 それ以外のSEもかなり低レベル。中にはファミコンソフトで使われてそうなほどチープな物も。 そして使い方もおかしい。例えば高所からの落下時には「ピューンピューン」というチープな落下音が繰り返し鳴らされる。音質だけでなく鳴らし方もファミコンレベル。 序盤に主人公がヒロインの裸を除き、投げ飛ばされるという、こういうゲームじゃあるあるな展開がある。が、その時の投げ飛ばされた音も上記の「ピューンピューン」の音が使われている。主人公いわく「結構強い」とのことだが、とてもそうには聞こえない。 評価点 キャラクター 好みの問題もあるが、ある程度可愛いと思えるレベルのCGもいくらか存在する。 性格は比較的無難。前述したように問題点は多いものの、幼なじみ同士の気楽な会話であったり、時折見せる素直さであったりとキャラクターを魅力的に描写しようとする意思は窺える。ただし数ある問題点に耐えてプレイする価値を見出せるほどに魅力的かと言えば、NOであるが。 BGMはまともな部類 前述したように使いどころがおかしいが、単独で聴くなら問題ない。 「日常」「愛の陶酔」などのBGMは場面に合っている。……場面に応じたBGMを割り当てるのは出来て当たり前ではあるが。 総評 あらゆる面で2014年の水準を下回る出来であり、貧弱な演出等から10年以上前のエロゲーと勘違いされてもおかしくない代物。 CG・ストーリー・演出等は20年前なら受け入れられたかもしれないが、それにしても手抜き過ぎる背景や突貫工事のシステム等は擁護不可能である。 あまりの古臭さに「昔発売中止になったゲームを改めて発売したのではないか」とすら言われたが、ブランドが消滅した現在では真相は闇の中である。 余談 FANZAで体験版が配信されている。 KOTYe次点レベルのエロゲーに手軽に触れたいなら是非ダウンロードして欲しい。 明らかに未完成な部分があるが、修正パッチの配布等はないまま公式サイトが消滅した。公式Twitterは残っている。 2019年に原画家が本作のイラストをTwitterに投稿している。(一応ネタバレ注意。)
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百鬼夜行 【ひゃっきやぎょう】 ジャンル RPG 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売・開発元 ユース 発売日 1989年2月23日 定価 6,200円 配信 プロジェクトEGG 2019年8月20日/500円(税別) 判定 クソゲー ポイント 8割が作業ゲークリアさせる気のない3Dダンジョンひゃっきだいおおさま支離滅裂なラスボスあんのじょう ストーリー 概要 システム 問題点 評価点 総評 余談 ストーリー ある夜、巨大な火の玉が闇を切り裂くように降ってきたのを見た者がいた。火の玉は不気味な光を放ちながら木々を薙ぎ倒し、大地を大きく揺らしたという。そしてさらに、邪悪なものどもを封じ込めていた結界をも破ってしまったのだ。結界の中で永い眠りについていた魔ものたちが町に解き放たれ、情け容赦のない破壊と略奪が始まった。平和だった町は、瞬く間に魔ものたちがうろつく町に…。 参勤交代を終え、城に戻ってきた城主が見たものは、荒れ果てた町と魔ものたちに服従している町民の姿。危険を察知した城主は山中の寺に身を隠し、一人の忍者に命令を与えた。『人々を苦しめている魔ものたちを封じ込め、町に平和を取り戻してくれ。しかと頼んだぞ』その忍者こそ、キミだ。キミの命をかけた壮絶な戦いが、いま始まる。 概要 ユース制作の3DダンジョンRPG。魑魅魍魎が蔓延るようになった町を舞台に、主人公の忍者が情報収集をしつつ仲間を集めて鬼の親玉である百鬼大王を倒すという和風の世界観となっている。 システム 時間サイクルがあり、朝→昼→夕→夜→朝と一定時間ごとに変化する。 店や神社は夜になるとしまってしまう。また夕方のみ仲間を勧誘することが可能。 仲間は「泥棒」「商人」「武士」「浪人」「僧侶」「山伏」の6種がおり、その中から4人を選択してパーティを組む。 また世界観に合わせるためか妙に凝ったシステムがある。 主人公がいかにもな忍者スタイルの怪しげな黒装束姿であるためか、普通に町人に話しても会話を拒否されてしまう。情報を収集するためには「野宿」コマンドから「変装」を選びおかっぴきに変装して行う必要がある。 「道具屋」などで購入できるものは仲間がいるかで変わる。忍者一人の場合は火薬やまきびしと言った忍具が中心だが仲間がいると違うものが並ぶ。 戦闘はシンボルエンカウント方式。夜の時間は町民が消え町には妖怪が蔓延る。夜の町を魑魅魍魎が跋扈する様はまさしく百鬼夜行の如くといえる。 ダンジョン内ではマップに敵は表示されないものの実質的にシンボルエンカウント方式。特定のマスに固定の敵が配置されており、そこを通ると敵が出現する。 井戸などの抜け道を使うには「縄」を、ふすまを開けるには「釘抜き」と言った道具を使う必要がある。 忍者の体力が0になる(死亡する)とゲームオーバー。最後に記録した所から再開するかゲームを終了するかを選べる。 問題点 時間サイクルの問題 このゲームには朝→昼→夕→夜→朝と一定時間毎に時間のサイクルがあるのだが、宿屋以外は夜に入る事が出来ない。その上夜だけ異様に長い。 逆に夕方は異様に短く、そのくせ何故か町を闊歩する仲間を加えられるのは夕方だけ。概ね出現場所は固定されているので、目当ての仲間が現れるまで張る事となる。 仲間の格差問題。 術が強い本作では術が使える忍者(主人公)・回復術が使える僧侶・攻撃&補助術が使える山伏などは優遇されているが、商人と泥棒の使い道はない。 一応、商人はそろばん(道具)を持たせることで道具を高く売れるのだが下記の問題点と相まって使われない事が殆ど。 泥棒は器用さが高いだけで攻撃力防御力共に水準以下。装備も貧弱。 説明書には「泥棒がいないと開かない扉がある」とあるが忍者でも開けられる。しかも泥棒が使う扉開け道具は使うごとに一定確率で壊れるが、忍者専用の扉開け道具は壊れることが無い。つまり泥棒はあらゆる面で忍者の下位互換である。救いようがない。 一応、器用さの高さを活かしてレベルさえ上げれば敵の術以外の攻撃に当たらなくなるので生存率は忍者と並んで最高になるが、それだけである。 攻撃力が高いものの器用さが低く術が使えない浪人・武士も不遇。 防具は一つを除いて武士専用なので浪人は耐久面で武士に大きく劣る。ただレベルが上がってくると器用度の影響で浪人の方が僅かに有利。 戦闘バランスの問題 術士以外に人権無しと、言い切って良いぐらい物理職が不遇。 本作では命中率が「器用さ」に依存するため器用さが低いうちはまともに攻撃が命中しない。一方で術は防御無視の必中攻撃なので攻撃の術が使える忍者と山伏以外はまともな攻撃性能は期待できない。 器用さが高いのは忍者と泥棒の2人だが泥棒はまともな武器が無く攻撃性能が低く、武器が強力で攻撃が高い武士と浪人は器用さが低めでまともに命中しないのどちらかになりがち。 LVが上がってくれば攻撃もまともに命中するようにはなるが、そこまで行くと今度は敵の守備が非常に高くなり武士や浪人でもまともにダメージが入らなくなる為、攻略は終始術頼みとなる。 また器用さは逃走成功確率にも影響をしており、敵との差があると絶対に逃走できない。 前述したように器用さが低いと敵に攻撃が当たらないため、本作は格上と接触した時点で詰み確定である。幸い、町中では「野宿」コマンドから自由にセーブできるのでこまめにセーブできるのは救いか… しかし、夜に徘徊する敵は初期レベルでは歯が立たないぐらい強いので開始地点である程度レベルを上げないと町で夜を迎えた時点で詰む可能性がある。 忍者の術で敵を麻痺させる術「かげぬい」が異常に強い。敵の耐性が全体的に低く、中ボスはおろかラスボスにすら有効で、うまくはまればハメ殺すことも可能。敵全体を即死させる「こがらし」もラスボスに有効なのでますます物理職の立場が無い。 ラストダンジョンで手に入るアイテム「かみなりだいこ」は防御無視必中の全体攻撃かつ何度でも使用可能。ますます物理職のry 一応攻撃アイテムは「使用者の攻撃力」で威力が決まるので術が使えないが攻撃が高い武士や浪人が使う事でアタッカーを任せることも可能。刀を携えておいて延々と太鼓を鳴らす姿を想像すると物悲しくなるが… 回復の術も効果が両極端。初期に覚える「かいげんりっきょう」は消費3に対しHP回復量はたったの1桁。すぐ3桁になるこのゲームにおいて使う意味はほぼない。一方で僧侶が後に覚える「かんのんきょう」は消費35とはいえ全回復である。もう少し中間を用意できなかったものか…。 最後に覚える「そせい」も消費60でHP1での復活である。下記の通り蘇生手段が少ない本作においては非常に重要な術なのでこれでもあるだけマシではあるがやはり不便さはぬぐえない。 敵の強さと報酬が釣り合わない 後半になると敵のHPがかなり高くなり倒すのが厄介になるのだが、倒しても経験値もお金もあまり得られないのでただただ面倒なだけになってしまっている。 育成の問題 本作は『ドラゴンクエストIII』のように経験値分配式なのだが、敵から貰える経験値が全体的に低めで最大の5人パーティではレベル上げに非常に時間がかかる。格上に挑んでも絶対に勝てない都合上、基本はレベル相当の敵を安全に狩る事が前提になり、プレイ時間の8割近くはレベル上げに費やされる事になる。 敵の強さは忍者のレベルに依存するので忍者一人だけレベルを上げてしまうとすぐに敵が強くなり、低レベルの仲間は一撃で殺されてしまい全く育成できなくなってしまう。 重要なステータス「器用さ」と術を使うのに必要な「神通力」はレベルを上げても増えないため、ただレベルを上げただけではいつまでたっても攻撃は当たらず、敵から逃げられない。これらの能力を上げるには広大な町中にある神社に寄付をすることでレベル相当の数値にしてもらう必要がある。 しかも上げるたびに寄付料として「忍者のレベル×25両」が必要。しかも個人ごとに。そのため5人パーティで進める場合能力を上げるだけでもかなり出費がかさむ事になる。一回でレベル相当になるためある程度レベルが上がってから来ることで節約することは可能。 器用度が上がらない状態で寄付すると「ありがとうございます」の表示が出て金だけ奪われることになる。 道具の問題。 役に立たない道具が多い。例えば泥棒が使うことで3Dダンジョンの扉を開ける事が出来る道具があるのだがこれだけで「きり」「やすり」「はりがね」「やっとこ」と4種類もある。しかもこれらは全て一定確率ですぐ壊れる。忍者専用で使っても壊れない上位互換の「くぎぬき」が存在するため全く意味がない。値段も100両程しか変わらないので「くぎぬき」以外を買う必要が無い。 「ほうこうじしゃく」は3Dダンジョンで今向いている方角が分かるのだが、地図が見れない状況においては方向だけが分かっても役立つ事が少ない。さらに地図が見れる状況では地図を見れば方角がわかる為、わざわざアイテムを使うまでもなくすぐに方角は分かる。 HP回復アイテムである「むようそう」はHP10回復。ゲーム開始時の忍者のHPは50で、少しレベルを上げるとすぐ100に近くなる。雀の涙もいいところである。 武器は攻撃力と価格の設定が滅茶苦茶。 武士と浪人が装備出来る武器「むらさめ」は攻撃力35で25000両もするのに対し、全員が装備可能で攻撃力がむらさめと同値の「ろっかくぼう」は6500両である。つまりむらさめは買う必要が全くない。 「かたな」(5000両)、「きづち」(800両)、「なた」(800両)、「しのびくまで」(1500両)、「ゆみ」(4500両)の5つは攻撃力が同値である。しかも一番安いきづちとなたは全員が装備可能。他3つは何の為に用意された武器なのか…(*1)。 拠点となる町が異常なまでに広い。 画面数にして脅威の108画面分もある。施設があるエリアに限っても48画面という広大さ。 この広さなのに、町の施設には一切看板などの表示が無いので、どの家がどの施設なのか丸暗記する必要がある。 更に体を回復する「休憩処」神を回復する「酒屋」寄付することで様々な効果がある「神社」の3施設は利用料すら表示されない。 アイテムを売却するには特定の店でBボタンを押す必要があるのだが説明書にも記述が無い。 仲間を蘇生することが出来る寺が異常に遠い。主要な施設なのにこれだけ堀で遮られている区画の更に奥の町はずれの森の中にありたどり着くころにはとっぷり日が暮れている。しかも蘇生時のHPは1。当然帰り道に敵に接触しようものなら再び蘇生しに長い道のりを戻るハメになる。 これら施設の説明が説明書にはない(器用度の説明に「ある寺で修行すると上がる」という記述があるくらい)ので事前にどんな施設があるかわからず、蘇生可能な寺の場所が上記の通りなので仲間の蘇生施設はないと勘違いした人もいた。 システム面の問題 状態異常・毒を治す方法がアイテムと僧侶の術のみ。僧侶不在で毒消しが無い状況では死ぬしかないが、ご丁寧に開始位置から毒を入れてくる敵がいる。そいつに捕まり毒を入れられたら最初からやり直しである。 また、毒状態でマップ上を歩くとHPが減少していくのだが本作では歩行時のHP減少の演出すらない。戦闘中に毒を入れられた事を忘れていると気づいた時には「にんじゃは しんでしまった」という事もあり得る。 「たんどく」コマンドを選択する事でその場で仲間と別れられ忍者一人になれるが選択した時点で強制的に一人にさせられる為、うっかり選択してしまうと大変。 アイテムの「のろし」を使う事で別れた仲間といつでも再会できるが、仲間が死亡状態で「たんどく」行動を選んでしまうと仲間はロストしてしまう。同じ職業を再び加えれば元のレベルで加わるなんていう親切設計等など無い。再び育成のやり直しである。装備も当然返ってこない。 死亡状態の仲間と別れ、同じ仲間を再度勧誘するとなんと死亡状態で加入する。さっきまでその辺歩いていたはずなのに…。 物価が異常に高い 敵から入手できるお金が全体的に少ないのに物価は異常に高い。 序盤は精々1匹あたり10~50両しかもらえないのに毒消しだけでも170両もするため気軽に買えない。前述したように能力を上げる寄付だけでも馬鹿にならないお金がかかるというのに…。幸い「あくとくしょうにん」なら弱い割に1000両もの大金を持っているので金策に便利だが、店売り最強の武器は6500両、忍者で8000両、武士と浪人に至っては35000両もするので、この金策を知らないとろくに武器の購入もできない。 ストーリーの中心である主観視点型の3Dダンジョンも異常なまでに広い。 長方形の約1500マスにも及ぶまさに迷路と呼ぶに相応しい超難関ダンジョン。救済処置である「ちず(今自分のいる場所がわかる)」と「にんい(ちずと同様の効果を持つ術)」は数歩歩くとすぐに効果が切れるのであまり役に立たない。さらにちずはこのダンジョン内でしか入手できない。 3Dダンジョンの移動時にアニメーションが無く紙芝居のように絵が切り替わるだけなので進んだのか向きを変えたのか分からなくなる。 『ウィザードリィ』のように移動するとMAPがちらつくといったような表現が無いので直線通路などは何歩進んだか覚えておかないとすぐに現在位置が分からなくなる。 泥棒か忍者が扉明けの道具を持っていないと扉すら開けられない。 入口は複数箇所あるので何かあった時に脱出しやすい(?)のが唯一の救いかも知れない。 一部グラフィックのバグ オープニングで祠を破壊する流星は見た目がバグっており、よく見ると忍者のグラフィックの一部が使用されている。 南方の森に敵の「きんかしゃ」のシンボルが出てくる時期になった時に「しのびぶね」でこのエリアに入るときんかしゃの表示が乱れてしまう。 テキストが雑。 「しにいそぐとこはなかろう」「ひゃっきだいおおさまのかおおをおがんでからしんだらどうじゃ」など、誤字や衍字(*2)がやたら多い。 また、ふすま扉を開けた時に「たいりょくが こわれた」という謎の文章が表示される事がある。 支離滅裂でこちらに責任転嫁してくるラスボス ラスボスの百鬼大王の戦闘前台詞が「なぜ我々の仲間を殺すのだ。我々は何もしてないではないか。それなのにお前達は我々の姿を見ると有無を言わさず襲いかかってくる。わしは争いを好まぬ。だが今となっては手遅れじゃ。このままでは部下に示しが付かん。殺された仲間たちにも。悪く思わんでくれ」 これだけ見れば、あたかも人間側が悪いかのような言い分で、しかもこちらの事を慮っているようなそぶりですらある。だがストーリー上では一方的に攻撃してきたのは妖怪側であり、人間側は完全な被害者。「何もしてない」とは言い逃れにしても酷すぎる。 妖怪を封じ込めていたほこらが倒壊してしまったのは流星という自然現象・偶然によるものだったのであり、少なくとも人間が悪意をもって起こした事では無い。「なぜ我々の仲間を殺すのだ。我々は何もしてないではないか。それなのにお前達は我々の姿を見ると有無を言わさず襲いかかってくる」とは人間の側が百鬼大王に向けて言うべき言葉である。 しかもこの百鬼大王は人間の城主の城を乗っ取っているのである。何もしていないとは明らかに言えない。相手に責任転嫁をして悪びれもしない(本気で自分が悪いと認識していない)人物なのか。 あるいは、彼自身は部下に人間を襲えとは命じてはおらず、部下の妖怪達が勝手に暴れ回った結果、本人の与り知らぬところで双方の被害が拡大して行き、もはや大王としても戦いを選ばねばならなくなった……という流れなのかも知れないが、それならそれで責任は百鬼大王の統率力不足にある。 いずれにしても「大王の重責にありながら自分の責任を全く自覚せず、相手のせいにして自分は被害者面をする、しかもそれが本心からそう思い込んでいる(*3)」というとんでもない人物である。こんな人物に率いられる(が統率力もあまり無かった)妖怪たちが暴れ回ったというストーリーよりも、まだ明確に人間への害意や侵略の意図をもって攻めてくる、よくあるタイプの大魔王の方がよっぽどマシでは無かったろうか。 可能な限り弁護するとすれば、「人間の方にも問題はあったのだ」というストーリーにしたかったのかも知れないが、そんな描写は作中には一切存在せず、このラスボス戦で唐突に語られるだけなのである。 エンディングでは「この事件もやがて月日と共に忘れられてしまうのだろう」と言う内容のモノローグの後、封印の石碑が再び壊れて終わる。伝記ものにありがちな、いかにも悲劇の再来を予感させる後味の悪い締め方であるが、百鬼大王の言い分を信じるのならもう封印が解かれても鬼達は襲っては来ないはずである。モノローグで語られる通り「古い言い伝えがある石碑が壊れたけど結局何も起きなかった。やっぱり昔話なんて本当の事じゃ無かったんだ」と思われて忘れ去られていくのか、それとも再度の襲撃が起きて「百鬼大王の言った事は全部嘘だった」と言う事になるのか。どちらにせよ、「この話はいったい何だったのか」という未来しか待っていないのである。 評価点 BGMは割りと良い。 特に夜の森はゲームに相応しい明るくも暗い曲になっている。 3Dダンジョンも、音楽は思わず体を揺らしてしまうような軽快な曲に仕上がっている。 戦闘曲も和テイストながらもテンポが良く評価が高い。 ボス戦の曲などないので戦闘曲は1つだけという事もあって謎の中毒性がある。 パーティの編成は自由なので好きな組み合わせでプレイできるなどの最低限の自由度はある。 イベントの大半をすっ飛ばせる事に加え、「器用さ」の仕様と「術」の強さ、ラスボスを含むすべての敵に「即死」術が有効などシステム面を理解していれば忍者一人のレベルを上げるだけでクリアまでこぎつけられるため早解きを目指す人には好まれる…かもしれない? 総評 昼夜のシステムで出る敵が切り替わるというシステムや和風の世界観を3DダンジョンRPGに取り込むなど、アイデアはそれなりに光っているが、肝心の出来は雑にもほどがある。 ゲームで出来る殆どが戦闘とレベル上げのみで退屈。そのくせ経験値分配システムの調整が甘く劣悪な戦闘バランスが合わさり戦闘はストレスフル仕様なのですぐに投げたくなってくるだろう。「毒」というRPGでは定番な状態異常すら予備知識がないと回復する道具が買えず治療できる施設すらない、仲間を蘇生する施設が異常に遠いと不親切な設計ばかりが目立ち、術が使えない仲間は育てたところでまともに戦えない、中ボスはおろかラスボスにすら即死魔法が有効などとにかく調整の甘さが目立つ。 肝心のダンジョンも到底突破させる気もないような無意味なだだっ広さでただただストレスだけが溜まっていく。 ボリュームに注力するあまりに肝心の出来がおろそかになってしまった、典型的なクソゲーである。 苦痛度ではFCのRPGでも頂点を争う水準と言えよう。 余談 戦闘に勝利した時のメッセージは、経験値は「にんじゃ は 〇〇 の けいけん を つんだ。」と普通だが、何故かお金に関しては「あんのじょう ×× は おかねを 〇〇 りょう もっていた。」となっている。「案の定」とは「予想通り」という意味の言葉であり、確かにRPGで倒した敵が現金を落とすのは最早恒例ではあるが、それはプレイヤー目線の話である。メッセージとして出る以上、倒した敵が現金を落とすことをゲーム内のキャラクターが予想できるということになるが…。 なお、敵がアイテムドロップした場合は「なぜか ×× は 〇〇を もっていた。」と表示される。アイテムは予想できなかったらしい。 ゲームとして独特なワードなのに加え、某動画サイトの有名RTAプレイヤーが本作に挑んだ事もあり、RTA動画(及び視聴者)界隈で 案の定 「あんのじょう」というワードが使われている。コアなプレイヤーは「案の定」という言葉を見聞きするだけで本作を思い出すとか。 このゲームのメーカーであるユースは他にも『バツ テリー 魔境の鉄人レース』『明治維新』と言ったクソゲーを開発していたが、奇しくも同じ忍者ゲームである『ストライダー飛竜』のPS1移植も手掛けている。後に「XUSE (ザウス)」というアダルトゲームメーカーになった。 こちらは名作『永遠のアセリア -The Spirit of Eternity Sword-』などで名を轟かせていたが、あんのじょう『新世黙示録 ―Death March―』のようなクソゲーも出している。 その後、2021年にザウス・ユースともに破産手続き開始決定を受けた。(参考リンク) 2019年8月20日にプロジェクトEGGで配信が開始された。 紹介動画の説明文では「誰もが気楽にプレイすることができるでしょう。」という本作の内容を考えると突っ込み所な一文が掲載されている。 シンボルエンカウントの敵に話しかけると「ぐおおー」という咆哮が聞けるのだが、何故か悪徳商人も前述の台詞を発して吠える。 一応「悪霊や魑魅魍魎に憑りつかれた人間」という解釈は出来る。
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SIMPLE1500シリーズ Vol.56 THE スナイパー 【しんぷるせんごひゃくしりーず ぼりゅーむごじゅうろく ざ すないぱー】 ジャンル シューティング 対応機種 プレイステーション 発売元 D3パブリッシャー 開発元 ソルベストメディア 発売日 2001年3月22日 定価 1,500円(税抜) 配信 ゲームアーカイブス 2010年5月26日/300円 判定 バカゲー ポイント ワンショット・ワンキル。ただそれだけすぐプレイでき、すぐ終わる強いて言うなら池田秀一ファン向け?ある意味見逃せない3周目 SIMPLE1500シリーズ 概要 ストーリー ミッション 隠しモード(バカゲー要素) 評価点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 SIMPLEシリーズのPS版レーベル『SIMPLE1500シリーズ』の56作目。 まだ簡素なテーブルゲーム・スポーツゲームが多くを占めていた当時の『SIMPLEシリーズ』において、やや異彩を放っていたネタゲーのひとつである。 タイトル通りスナイパーとなって標的を撃ち殺す、一種のTPSにあたる作品。 ストーリー 消防士だった主人公ハリー・C・スペンサーは火災現場から偽札製造の証拠物証を発見する。 だがそのためにマフィアや悪徳警官達の陰謀に巻き込まれ、婚約者を殺されてしまう。 復讐を誓ったスペンサーは1年間軍事訓練を積み、スナイパーライフル一丁を抱えてかつての街へと帰ってきた。 なお、ここでは短くまとめてあるが、実際のオープニングのストーリー説明はやたらと長くくどい。 ボイスもムービーもなく文章だけで一気に説明する上にスクロールがかなり早く、大半のプレイヤーは混乱すること必至だろう。 同じ文章が説明書にそのまま載っていることが救い。 ゲーム内のストーリーは薄めのハードボイルドで特に言うところはない…かと思いきや、最後にちょっとだけオカルトな超展開がある。 ミッション どのミッションでも、やることは「時間内に目標を探し出して狙撃する」だけである。 全8ミッションであり、サクッと終わる。プレイ時間は長めに見ても1時間半程度、慣れれば30分を切る。 ミッションを行う前に狙撃対象の情報が表示された後、狙撃する時間(朝・昼・夕方・夜)とハリーが陣取る位置をそれぞれ2~3通りから選択することになる。 ハリーの位置は対象との距離や角度が変わるので難易度に影響する。時間は明るさが変わるくらいで大した影響はない。 ハリーからの視点では通行人は小さすぎてまともに視認できない。そのためスコープで拡大して狙うのだが、こんどは見える範囲が狭すぎてごく狭い範囲しか探せない。 結果的に、目標が簡単には見つからない。まるで『ウォーリーをさがせ!』である。 なお、通行人の数は不自然なほど少ない。 肝心の狙撃では、ライフルの弾速が非常に遅く、撃ってから着弾するまでに1秒近くの間がある。 そのため、歩いている相手を狙うときは移動速度を考えて偏差射撃をしなくてはならない。 一般的な狙撃ライフルの速度は音速を超える。本ゲームのようにノロいことはまずない(*1)。 ただし、音速を越えていようと当然距離が離れていれば着弾は遅れるので、そのせいだと解釈できないこともない。この理屈で考えた場合、主人公は約1kmというゴルゴ13レベルの長距離狙撃(*2)を行っていることになってしまうが。 リアルな弾速にしてしまったら明らかにヌルくなってしまうので、ゲーム性を重視したのであろう。しかし、他に方法はなかったのだろうか…。 風の影響・弾道変化等もない。尤も、リアルと名乗っていながらかけ離れているよりはマシと言える。 基本的に一発しか撃てない。早まったらそれっきりである。正にワンショット、ワンキル。 防弾車を狙う第7話や最終話では複数回撃てるが、弾着まで次弾が撃てないという困った仕様。 最終話のように特殊な方法で相手を倒すこともあるが、全編を通して狙撃は屋外のみで行われる。 パッケージには部屋の中にいる男を窓越しに撃つイラストが描かれているが、このようなことをやるミッションはない。 隠しモード(バカゲー要素) なお、1周終えてもこのゲームは終わりではない。 説明書にも書かれているのだが、このゲームにはクリア後のおまけモードが存在するのである。 + 一応ネタバレ注意 「裏」プラクティスモード ゲームをクリアすると、「裏」プラクティスモードへの行き方が英文で表示される(*3)。 対象が1体しかいない通常のプラクティスとは違い、目標となるマフィアの男が1面につき10人前後(面によって変わる)に激増する。 弾数制限は撤廃されており撃ち放題で、ガンシューティングのような趣になっている。ただし、弾速が遅いのは同じ。 だが、全8面の裏プラクティスもそこまで変化がある訳ではなく、クリアしたことを記録してくれることもないのでおまけ要素としては乏しい。 「なんだ、おまけモードってこれだけか」と思いゲームを終えてしまうプレイヤーも多いが、実はまだ続きがある。 2周目 クリア済のデータをロードした後に新しくゲームを始めると、2周目が始まる。 第1話のムービーが始まると、なぜか茶髪だったハリーが金髪になっている。 しかもこのムービーはそれ以外何も変わっておらず、ハリーの髪の色だけが変わっているのである。一体なんなんだ。 まさか赤い彗星だというのか ハリーは2周目の間はずっと金髪。その他、狙撃対象の位置や服装が微妙に変わっていたり、エンディングのオチも若干変わっている。 どうやらこれは本編の再放送という設定らしく、セーブデータにも「再放送」の文字が付く。 とは言え、これも「それがどうした」という感じで、どこが変わったのか分からないプレイヤーもいるだろう。 しかしまだ更に3周目があり、ここからゲームは急展開…というか超展開を見せる。 3周目 2周目を終えて3周目を始めると、ハリーが出てくるムービーではなく、謎のストーリー説明が現れる。 我々は気が付かないうちに支配されている。 奴らは昔からこの地球に居るのだ。 静かに、しかし着実に…。 異星人は巧妙に人間になりすましている 『特殊スコープ』で正体を見破り奴らを倒せ! 『決して、間違えて地球人を撃つな!』 完全に別のゲームである。タイトルも『THE SNIPER』となっていたところが『THE ALIENS』に変わっている。 「異星人編」と呼ばれる3周目では、通行人のなかに1人だけ人間に化けたエイリアンが混じっている。スコープを拡大すると特殊スコープモードになり、人間とエイリアンを見分けられるようになるので、見つけて撃てばクリア。 映画『ゼイリブ』風の展開だが、宇宙人はいかにもなタコ似の火星人型エイリアンである。 いくつかの面ではUFOまで飛び回っており、車がターゲットだった最終面は対象がUFOに変わっている。 ただし、本編のようなムービーやストーリーは一切ない。その後は投げっぱにされ、淡々とエイリアンを撃ち殺す作業と化す。 3周クリアすると、キャラクターの設定画が見られるイメージイラストモードが追加される。 評価点 主人公・ハリーの声優は『機動戦士ガンダム』のシャア役でも知られる大ベテラン声優の池田秀一氏が担当。 いきなり声優の話から始まるのもどうかというところではあるが、なにぶんこれが最大の評価点のひとつである。 氏の出演しているネタゲー繋がりとして、しばしば『ノットトレジャーハンター』と比較される。 音楽やオープニング・エンディングムービーなどの質は地味ながら良く、比較的雰囲気が出ている。 各ミッションがテレビドラマの1話1話であるということが示唆されており、オープニングとエンディングの同じムービー、および次回予告が毎話必ず流れるという演出は凝っている。 オープニングやエンディングのムービーはすぐスキップ可能なので、この構成自体は演出の一環として受け入れられるだろうが、いかんせんミッション自体が2~3分も経たずに終わってしまうのでドラマとしてのリアルさはあまりない。 「君は闇の向こうに何が見える?」というのがハリーの決めゼリフらしく、次回予告は毎回これで締める。 問題点 ヒロイン役の女性声優2人はGoogleで検索しても本作以外の記述がほとんどないほどの無名声優であり、池田秀一氏との演技力の格差が酷い。 3Dグラフィックは、プレイステーション作品とは言えゲーム全体を通して非常にチープである。 前述の声優問題も含めて、プレイヤーには「池田秀一でほとんどの予算使ってしまったんだな」と邪推される。 設定画の時点では凛々しいハリーや美麗な女性キャラ達が描かれており、ポリゴンとのあまりの違いに勿体無さを感じること必至。 総評 ゲーム性はお世辞にも高いとは言えず、ポリゴンも劣悪でストーリーも説明不足と、稚拙な要素があちらこちらに漂う。 一方で、妙なところでこだわった雰囲気作りやネタ性などは好意的に評価されており、12万本を売り上げている。 余談 『CONTINUE』誌のクソゲーオブザイヤー2001を取得している。 ただし、同誌の「クソゲーオブザイヤー」はいわゆる「クソゲー」というよりは、バカゲー・ネタゲー的な評価を強く加味して選ばれる賞であった。 「B級映画をとことん狙ったバカゲー」と見るのが適切。レンタルビデオの替わり的な感覚? 本作、『ゴルゴ13』『ラストバレット』と、日本の狙撃ゲーはどこかヘンなところがあるようだ。 その後の展開 SIMPLE2000シリーズで続編『THE スナイパー2 ~悪魔の銃弾~』が出ている。もちろん池田氏主演で、良くも悪くも本作の正当進化と言える作品になっている。 後に2本入りの『SIMPLE2000シリーズ 2in1 THE武士道~辻斬り一代~ THE スナイパー2 ~悪夢の銃弾~』という謎の抱き合わせ販売があった。
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「判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 カタヌキ 【かたぬき】 ジャンル お祭り堪能ゲーム 対応機種 ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア) 発売元 Gモード 配信開始日 2009年11月25日 定価 200DSiポイント プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 クソゲー ポイント 3種類の縁日ゲーム(?)を収録カタヌキの名を騙った何か 概要 主なルール カタヌキ ヨーヨー釣り ソース煎餅 問題点 評価点 総評 余談 概要 旧データイーストのゲーム権利の一部(*1)を持つ事で知られるメーカー「Gモード」がリリースしたDSiウェアソフト。 元々は同社が運営する携帯サイト「Get!!プチアプリ」内のゲームアプリ『想ひでシリーズ お祭りづくし』をベースに作られており、縁日を題材とした10種類のミニゲーム(*2)の中から本作は「カタヌキ」「ヨーヨー釣り」「ソース煎餅」の3種類が抜粋されて収録されている。 ジャンルとしては「縁日の定番遊戯を再現したミニゲーム集」に該当する。 オートセーブ方式。Aボタンとタッチの両操作に対応。十字キーはミニゲームセレクト時以外では使用しない。 主なルール 以下、「カタヌキ」「ヨーヨー釣り」「ソース煎餅」のミニゲームルールを紹介する。 ゲーム初期時ではカタヌキしか選択できないが、特定条件を満たすと残り2ゲームも選択可能となる。 操作はAボタンで行う想定した表記をしているが、「下画面のどこかをタッチする」事でも同様の操作が可能。 カタヌキ カタヌキプレイの前に「5種のカタヌキを自由に選んでプレイするモード」か、「ランダムで選ばれたカタヌキを連続プレイするモード」のいずれかを選択できる。 前者は「成功失敗に関係なくカタヌキを終えれば終了」となる。その後は再度好きなカタヌキを選んで、任意で終えるまでは何度でもプレイできる。 後者は「カタヌキ成功で次のカタヌキへと進み、失敗すると終了」となる。このモードもプレイ制限はないが、前プレイ途中からのコンティニューはできない。 画面左側には「パワーゲージ」があり、その中に「緑ゲージ」がパワーゲージ内に覆われた形となっている。緑ゲージは常時上下へと動き、ゲージの大きさが変動している。 パワーゲージ内には「バー」が表示されており、Aボタン押しっぱなしで上位置へと動かす事ができる。ボタンを離すとバーが下位置へと落ちていく。 バーを調整して、バーが緑ゲージの中に収まる状態をキープしなければならない。キープを誤ってしまうと、下記の失敗条件へと繋がってしまう。 カタの削りは自動的に行われる。失敗せずに特定時間が経過すればカタヌキ成功となる。 緑ゲージからバーが外れると、「耐久度」というパーセンテージが徐々に減っていく。耐久度が尽きると失敗となってしまう。 連続モードの場合、次のカタヌキに進んでも耐久度は継続されたままとなる。耐久度を回復させる手段はない。 自由モードの場合は「カタヌキ成功までに残された耐久度(最大100%)」、連続モードの場合は「完全に削れたカタヌキの数」がスコアとして記録される。 ヨーヨー釣り 画面中央に5色のヨーヨーがランダムで左側方向へと流されている形となっている。各ヨーヨーは移動スピードが様々であり、上側・中央側・下側の不特定位置へと流れる。 Aボタンで画面上の左右側へと動いている「釣り針」を投下できる。投下後に触れたヨーヨーは釣り上げられ、成功取得数としてストックされる。 ゲーム開始前に「●色のヨーヨーを釣れ」という指示があり、必ず指示されたヨーヨーのみを釣り上げなければならない。 ヨーヨーを10個釣り上げると、画面左側・もしくは右側から「クワガタ」が釣り針の下付近に定期出現する。釣り針・及び釣り上げ中のヨーヨーがクワガタに触れると即失敗となってしまう。 また、「指示されていないヨーヨーを釣り上げてしまう」「釣り針を投下したのにヨーヨーを釣り上げられずに空振り」も即失敗となってしまう。 「失敗するまでに釣り上げたヨーヨーの数(最大100個)」がスコアとして記録される。 ソース煎餅 画面左側に「パワーゲージ」があり、その中に常時上下へと「緑ゲージ」が変動している。Aボタン押しで緑ゲージを止める事ができる。 緑ゲージを止めると、「針」が下位置にある15枚重ねの「煎餅」へと刺さる。針の刺さり方は緑ゲージの位置によって決まる(ゲージが低いと少なく、多いと沢山刺さる)。 「○○枚以上(以下・ジャスト)の煎餅を刺せ」「好きなだけ刺せ」という指示があり、この指示通りの刺さり方を行えば成功回数がカウントされる。以上・以下系の指示においては、ジャストで煎餅を指すと「パーフェクト」という回数が成功とは別にカウントされる。好きなだけ・ジャスト系の指示は失敗しない限りパーフェクト扱いとなる。 上記の指示を成功できなければ即失敗。あまりにも緑ゲージの位置が高い状態で止めてしまうと、煎餅が置かれた台座にまで針が刺さってしまい、前述同様に即失敗。 「失敗するまでに達成した成功・及びパーフェクト回数(共に最大100回)」がスコアとして記録される。 問題点 縁日ゲームになっていない。 「ミニゲーム3種類」という時点で薄々嫌な予感がするが(*3)、本作はそれ以前の問題として「縁日のミニゲーム集」なのに、どうみても3種類共に縁日とかけ離れているゲーム内容である。 表題にもかかわらずカタヌキの名を騙った「何か」 "DSでプレイするカタヌキ"なのだから「タッチ操作でカタをなぞっていく」的なものを想像する方が大多数だと思われるが、実際は「パワーゲージ内でバーを調整していくだけ」「カタの削りはオート進行」という意味不明な代物。全然カタヌキをしている感じがしない。 概要にある通り、元々はボタン操作しかできないフィーチャーフォン向けに作られたゲームをそのまま移植しているため、画面をなぞったり画面上の一点をついたりする操作ができないのである。 DSゲームで期待される操作感覚とのずれがあまりにも大きいことも、クソゲー感を増大させる一因であろう。 パワー調整がゆるいので、普通にプレイすれば成功するのは非常に容易い。と同時に早い段階から「何が楽しいのだろうか?」という虚しさも覚えてしまう。 退屈すぎるヨーヨー釣り "DSでプレイするヨーヨー釣り"なのだから「タッチ操作で釣り針をヨーヨーの輪っかに引っ掛けていく」的なものを想像する方が大多数だと思われるが、これまた全然別物である。 「勝手に左右へと動く釣り針を下に降ろし、ヨーヨーに釣り針が接触すれば即釣り上げてくれる」という"それっぽくない"操作。まるでゲーセンのクレーンゲームである。しかも、「ヨーヨーの"輪っか"自体が存在せず(*4)、釣り針が水に濡れると釣り辛くなる概念もない」と、原物のリアルさが全く再現されていない。 ヨーヨーの動きがワンパターンなので、普通にプレイすれば何度でもヨーヨーを釣り上げられる。と同時に「何を釣っているのだろうか?」という虚しさも覚えてしまう。 しかし、途中からクワガタによる妨害が頻繁に入る為、プレイ時間だけは無駄に長引く。おまけに凡ミスだろうが即失敗(ゲーム終了)となる理不尽さ。そもそも、「何でヨーヨー釣りの最中にクワガタが現れるのか?」という疑問も沸く。クワガタが妨害する縁日ゲームなど、ヨーヨー釣りでなくとも存在しない。難易度上昇の為であろうが、もう少し縁日らしい仕掛けがあっただろう… 誰得遊戯なソース煎餅 「ゲームでやる題材じゃない」と思われる方も多いだろうが、実際その通りである。何故3種類目のミニゲームが煎餅の針刺しなのか…? 難易度は3種類中一番高い。というのも、早い段階から「○○枚ジャストで刺せ」という指示があり、上下するパワーゲージだけを頼りに調整を行わなければならない為である。また、ゲージには色の変動や目盛りの表示などはない。そのため目分量のみで指示に従わねばならないのである。 ミニゲーム集として見ても極薄 プレイできるミニゲームは3種類(+ 軽いおまけ)のみ。それ以外は一切無い。 移植元である『お祭りづくし』は10種類のゲームが収録されている上、「想ひで」と呼ばれるトロフィー収集要素があり、その数なんと100種類。また、一定条件を満たすとエンディングも発生する等、本作より遥かに濃厚なボリューム。 ゲーム性こそ薄めながらも、最低限の数のミニゲームは収録されていることに加え、何より手軽な形でお祭りの雰囲気を堪能できるとして好評。 同じGモード製のDSiウェアソフトとして『10秒走』や『鳥魂 チキン度診断』があるが、これらと比べても作りがやっつけすぎる。前者は「暇潰しとしては適任であろう50のステージが楽しめる」し、後者は「薄いながらも"さっぱり"と短時間プレイが楽しめる」内容であった。 評価点 縁日の雰囲気は上手く再現できている方。 ゲーム画面には3種類のミニゲーム以外にも、背景として「焼きそば」「りんご飴」「射的」「金魚すくい(*5)」の屋台が表示されている。 また季節が順に流れていく要素もあり、四季に応じて異なるお祭りの中を歩くことができる。 ただしアプリ版の時点で存在していた演出なのだが。 総評 収録された3種類のミニゲームすべてが「縁日ゲームらしさが再現できていない」「純粋にゲームがつまらない」という致命的欠陥を抱えている。 「カタヌキが遊べると期待してDLしたが、実際は原型をとどめていない3種のショボいミニゲーム集だった」というガッカリ感が凄まじい一作。 移植元となるフィーチャーフォン版と比較しても大幅にボリュームダウンしており、単純な劣化移植となっている。 もう少し丁寧にオリジナル版を再現できていれば、評価はまるきり違ったことだろう。 正直200DSiポイントで本作をDLする位ならば、他のGモード作品・もしくは別メーカーのDL作品を購入した方が有意義な時間が過ごせていただろう。 余談 ニンテンドーeチャンネルの評価は☆3と最底辺クラス。 初稿作成時点での評価。満点は☆5。☆3というのは相当な悪評作品でなければまず付けられない。かのKOTY受賞作『パシャットバシット~Whack A Friend~』ですら☆3.5と本作よりも上。 移植元である『想ひでシリーズ お祭りづくし』もG-モードが展開するフィーチャーフォン向けゲームアプリの移植シリーズ『G-MODEアーカイブス』の一つ『G-MODEアーカイブス10 想ひでシリーズ お祭りづくし』として2020年8月6日にNintendo Switchで配信された。
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【ゲーム】キョロちゃんランド(FC) 【作者名】ちぺ 【完成度】完結(08/06/30~08/07/11) 【動画数】8 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/7342277 【備考】 名前 コメント
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EAT LEAD マット・ハザードの逆襲 【いーとれっど まっと・はざーどのぎゃくしゅう】 ジャンル TPS 対応機種 プレイステーション3Xbox 360 発売元 D3パブリッシャー 開発元 Vicious Cycle Software 発売日 2010年2月18日 定価 7,140円 判定 バカゲー ポイント バカゲーっぽいTPS? ストーリー 概要 評価点 問題点 総評 余談 ストーリー 1980年代、革命的8bitアクションゲーム『スーパーマットランド』がゲーム業界に突如現れた。世界売上9800万本を記録し、時の人となった作品の主人公「マット・ハザード」は後の出演作も好評だった。しかし、所属会社の方針変更によって出演した別ジャンル作が壊滅的クソゲーであったせいで彼自身の評価も急激に下降し、今や「あの人は今?」さながら、3Dゲーム初期までの旧時代の遺物としてゲーマーにもすっかり忘れ去られている。そんな彼にTPSの主役の依頼が舞い込んだ。一も二もなく引き受けるマットだったが…。 概要 アメリカ産のTPS『EAT LEAD The Return of Matt Hazard』をローカライズしたもの。 上記のストーリーから察するかもしれないが、様々なゲームジャンルのパロディを交えたバカゲーテイスト漂う作品。 評価点 何故か凄いローカライズ ローカライズには、SF・ライトノベル作家として知られ、『セガガガ』などのゲームシナリオも手掛けた冲方丁氏を起用。 海外ゲーマー向けのウィットをうまく日本でも通じるようにアレンジする巧みさは非常に質が高い(北米系のゲーム作品ネタを日本向けの別作品に置き換える等)。 主人公のマット・ハザードの声は『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアーでおなじみの小山力也氏が担当しており、やり取りが一々笑える。 パロディ要素 「アナーキ・マカローニ」「マスターシェフ (*1)」「RPG『最後から二番目の幻想37(Penultimate Illusion XXXVII)』に登場するイケメン剣士、クモーリ・アメモヨウ」「嫁さんが姫の配管工」等々…。 彼らの登場シーンでは非常にそれっぽい音楽が流れるなど、雰囲気もあえてチープに作られている。 他にも、長いロード時間・説明的で冗長なセリフ・ありがちなネタ脇役など、ゲームソフトやゲーム業界のあるあるネタをマットが皮肉っていく様は痛快。 登場武器の中には、ピストルやライフル、ショットガンなど一般的なものに加えて、水鉄砲や敵を凍らせて倒す氷結弾などのイロモノ系も完備。 問題点 TPSとしての質は高くない オーソドックスと言えば聞こえは良いが、敵のAIがそこまで賢くないのも手伝って銃撃戦は面白く無い。オンライン対戦等も無い。 地味に難しい パロディ内容が比較的年配向けに作られているせいか、イージーモードでも難しい。 システム面ではカバーしていても攻撃を受けてしまうため、カバーしない方が攻略しやすくなっている。 パロディ要素の少なさ 折角パロディ多めのバカゲーとして宣伝しているにもかかわらず、ステージ中のギミックでそれを活かせている場所がそれほど無い。たいていがゲーム中にムービーで流されるだけで、バカゲーとして買ったら肩透かしをくらいやすい。 ここまでやっているのだから、もっとはっちゃけて欲しいものである。 総評 TPSとして買ったなら一昔前の不親切で少し難易度が高い凡ゲー、バカゲーとして買ったならパロディ要素少なめの難ゲーと中途半端な印象をうける作品。 残念ながら基本的にはゲームを最初から最後までクリアすればそれで終わる一発ネタとなってしまっている。 余談 続編である『MATT HAZARD Blood Bath and Beyond』が、本作の日本版発売とほぼ同時にPS3/360でダウンロード配信されている。 こちらは横スクロールアクションゲームとなっており、その内容も「EAT LEAD が店頭ワゴンセールの定番になったあたりから始まる」等、自虐ネタに走っていたりする。 開発元のVicious Cycle Softwareは米国ノースカロライナ州のチャペルヒルに拠点を持ち、当時は発売元であるD3パブリッシャーの子会社だった(*2)。 後に『地球防衛軍』シリーズのスピンオフ『EARTH DEFENSE FORCE INSECT ARMAGEDDON』を手掛けた会社としても知られる。 D3公式の日本向け販促映像では、マット・ハザードがSIMPLEシリーズのエキストラ出演で食いつないでおり、マネージャーが仕事の依頼を電話報告してきた際は「次は『THE』何だ?」とイライラしながら問うネタが披露された。 同じ動画の中では、彼がピュアな人である事も判明する。