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2. トクンと、心臓が高鳴る。この距離ならば、その音は常識的にあいつには聞こえないはず。だが、あいつに見つからないように全身が緊張で満たされている今だけは、その物理法則が通じないような気がして、ますますに心臓の動きが早まってゆく。そして、その音が更に俺の心を焦らせる。所謂、悪循環を繰り返していた。 俺たちは今、ゾンビ鬼をやっている。そう、部活だ。着替えが終わった後、みんなの元へ戻ると、早速何かをやろうという話になり、紆余曲折を経てゾンビ鬼をやろうと決まったのだ。ちなみに、普通に泳いで遊ぶという選択肢は初めから無かった。戦い無くして我らが部活は存在しないということなのだろう。 ルールはいつも通り。鬼が他の人に触るとその人も鬼になり、最終的に全員を鬼にすれば鬼の勝ち。逃げる側は、あらかじめ決められた制限時間いっぱい逃げ切れば勝ちといった具合だ。もちろん、負けた側には罰ゲームが下される。内容は、一回だけ勝った側の言う事を何でも聞くという、オーソドックスながらも何をされるかわからないという点では一番怖いものだ。 正直、こんな川に来てまで何でゾンビ鬼をと最初は思った。だが、いざ始めてみればこれが中々面白い。学校のグラウンドとは広さが大きく違い、木や岩など隠れる場所がたくさんあり、また、音で居場所を知られないために、川を移動する場合は慎重に動かなければならず、所々でかなり神経を使う。もはや、鬼ごっこではなくかくれんぼに近かった。特に俺の場合は、この地形であいつらから走って逃げ切るのは、身体能力的な面で無理だと言って良い。つまり、見つかればそこで終わりなのだ。 そして今、俺が隠れている大木の向こう側にレナがいる。レナは鬼だ。他の人間なら、まずそいつが鬼かどうかを判断しないといけないが、レナの場合は最初のジャンケンで決まったので、絶対に鬼だと確信できる。 隠れている大木にピッタリと張り付き、陰からそっとレナの様子を伺う。レナは慎重に辺りを見回していた。鬼の行動開始から八分程度という時間を考えて、まだ獲物の索敵中だと予想する。この状態で不用意に動けばすぐに見つかってしまうだろう。 だが、このままここでやり過ごすというのもどうかと思った。レナは二分くらい前からあの場所にいて、ここを動くのがいつになるかわからない。それに、精神的なプレッシャーもあるが、何かの偶然でこちらの存在を気付かれるのを防ぐためにも、鬼の近くで長い間待機しているのは避けたかった。 何とか上手くこの場から逃げ出せないだろうか。そんなことを考えながら、体を木から少しだけ離した時、腰の方で木の枝の折れる音が小さく鳴った。 「……ぁ」 ――しまった! 大木に体を張り付けた時、水着に枝が引っ掛かってしまったのだ! それを理解した時には、既にレナがこちらへ足を進め始めていた。枝が折れる音自体は小さかったが、神経が過敏になっている今のレナにとっては、鐘の音のように大きく聞こえたのかもしれない。一歩一歩こちらへ近づいてくる足音には、その先に獲物がいるという確信が込められているように感じる。 ドクドクと心臓が更に脈を打ち始めた。あれやこれやと回避策を考えようとするが、レナがこちらの存在に感づいたという事実が、冷静な思考を妨害する。そして、考えている間にもレナの足音がどんどん近付いてくる。既に、大木の側面にまで足を進めたようだった。もう、三、四歩でこちらに辿り着く……! 「…………ッ!?」 その時、目の前にある茂みから突然何かが飛び出した。小さくて、丸い……石か? それが、大木の横をすり抜けて勢いよく飛んでゆく。そして、さっきレナが待機していた辺りの茂みに落ちたのか、俺が隠れている大木の向こう側でガサっと大きな音を鳴らした。 何が起こったのかわからずに、呆然としていると、すぐ横まで来ていたレナの足音が急に止まった。そして、間を置かずに今度は逆の方向へ慌てるように走りだす足音が聞こえる。つまり、何故かレナは俺から離れていったのだ。 一体どうして……? と、頭の中に疑問が浮かぶ。しかし、少し考えたらその疑問は解消された。 恐らく、レナは俺の目の前の茂みから石のような物が飛び出す瞬間を見ていないのだ。そして、そのせいで、大木の向こう側で鳴った音を、自分の狙っていた獲物が逃げ出した音だと勘違いしてしまったのだろう。要するに、ひとまず俺は助かったらしい。 しかし、そうなると頭にもう一つ当然の疑問が浮かぶ。一体誰がこんな俺を助けるような真似を? が、その疑問は、俺が考える間もなく解消された。 「み、魅音……!?」 目の前の、石が飛び出した茂みから、音を立てて姿を現したのは魅音だった。意外過ぎる人物の登場に、俺は声を出して驚く。 「な、何でおま……」 「こっち来て……!」 続いて浮かんだ疑問を魅音に投げかけようとしたが、言い終わる前に魅音が俺の手を掴んだ。掴まれる直前に、もしかしてこいつも鬼なのか? という考えが浮かんだが、どうやら違うらしい。魅音は掴んだ俺の手を引っ張り、何処かへ連れて行こうとしているようだった。 「お、おい何処に連れて行く気だよ?」 引っ張る魅音に抵抗するように、俺はその場で踏み留まる。 「こっちに、良い隠れ場所があるのっ!」 そんな場所が? と俺が驚いている間に、魅音は腕に更に力を加え、無理やりこちら引っ張ってくる。それによって俺は少しバランスを崩し、右足に履いていたサンダルが脱げてしまった。 「おいちょっと魅音、サンダルが」 魅音にそう言うが、耳にこちらの声が入っていないのか、反応すらしない。やけに力を込めて俺を引っ張り、ただ黙々と良い隠れ場所とやらへ歩を進めている。魅音の力は抵抗するのが無理な程で、俺は成されるがままに足を動かし、せめて魅音の言う場所が本当に良い隠れ場所であると信じるしかなかった。 「……ここ」 さっきの場所から三分ほど歩いたところで、魅音はようやく口を開いた。 「ここって……、何もないじゃねぇか」 辺りを見回してみても、木々が疎らに生えているだけで、とても隠れる場所があるようには見えない。 「一体、何処に隠れるって言うんだ?」 僅かの不満を込めながらそう言うと、魅音は掴んだままの俺の手を再び引っ張り、歩き始めた。こっちへ来いという意味らしい。 だが、魅音の進む方向に道は開けてない。行き止まりだ。あるのは、周りにある木より一回りだけ大きく、枝が少し変な形に曲がっていて、自身の大きな葉っぱが地面に付いている木だけだった。 「おい、まさかその木が良い隠れ場所って言うんじゃないだろうな?」 そう問いかけるが、魅音は何も言わない。ひたすら、それだけしか頭に無いかのように、足を進めているだけだ。 「……ほら、ここだよ」 魅音は急に足を止め、指をさす。俺はその指の方向に目を向け、驚いた。 「これは、……鍾乳洞か?」 そこには、成人男性一人分程度の大きさの縦穴が、ぽっかりと口を開けていた。奥の方は真っ暗で、結構な深さがあるように見える。 俺は狐に化かされたような気分になった。なぜなら、こんな穴、さっきは全く見えなかったからだ。これだけの大きさの穴が堂々と開いているというのに、さっき魅音が一旦足を止めた場所からは、全然わからなかったのだ。 一体どうして? 自分が妙な錯覚を起こしていなかったか確かめるために、俺はもう一度さっきの場所へ走った。すると、呆れるほどに単純なトリックがすぐに明かされた。 何の事は無い。周りより一回り大きいあの木が、妙な形をした枝から生えた葉っぱで、鍾乳洞の入口を隠していただけだったのだ。 だが、その単純かつ自然なトリック故に、隠ぺい能力はかなり高い。ここからではどう見ても、行き止まりと木があるくらいにしか見えないのだ。余程に注意力が高い者でなければ、こんな鍾乳洞があるとは思いもせずに、素通りしてしまうだろう。 俺は、大自然が作った要塞と言っても良いこの驚異に、ただただ唖然とするしかなかった。 「魅音、こんな場所いつ知ったんだ?」 鍾乳洞の前に戻り、俺はそこで待っていた魅音に聞いた。 「小学生くらいの頃、婆っちゃから聞いたんだ。元々は、戦時中にこの辺りに住んでいる村民の防空壕として使われていたみたい。戦争が終わってからは、ずっと放置されたままらしいけど」 「なるほど。こんだけ上手く隠れているんだから、当時は相当役に立ってんじゃないか?」 「さぁ、その辺りの話まではよく聞いてないから、わからない。でも、隠れる場所としての機能は私が保証するよ。去年みんなとここに遊びに来た時も、今日と似たような遊びをやっていて、私はここに隠れてたんだけど、最後まで鬼には見つからなかった」 「去年もこんな事やってたのか」 「うん。……あ、でも」 「どうした?」 「……う、ううん、何でもない。さ、さぁ、早く中には入ろ」 急かすような魅音の態度に、少々の訝しさを覚えるが、こんな所に突っ立っていたせいで鬼に見つかるのも馬鹿馬鹿しいので、魅音に続いて俺も鍾乳洞の中へ入って行った。 中の様子は、典型的な鍾乳洞そのものだった。入口の広さよりも内部は二倍程に広く、天井にはつららのような石灰岩が所々から垂れており、また地面には、タケノコのように盛り上がっている石が辺りに点々としている。耳に入ってくる音は、俺達の足音と、定期的に鳴る水滴が落ちるような音以外に何も無く、少し不気味だ。 十メートルも足を進めると、入口からの光が届かなくなり、辺りは完全に闇に覆われた。だが、用意の良い事に、魅音が手に収まるほどの大きさの懐中電灯を持っていたため、問題なく前へ進むことが出来た。何だか、洞窟の探検隊になったような気分だ。 さっきと同様に会話は無い。ただ、黙々と先へ進む。 そうして一分半程度歩いたところで、魅音の懐中電灯から放たれている光が、前方の壁に突き刺さった。辺りを見ると、これまで歩いてきた道よりも更に広く、丸い袋状の、広さにして六畳程の部屋になっているようだった。 もう、先に進めるような道は見当たらない。どうやら、この鍾乳洞の最深部に到達したらしい。長さは、大体八十メートル程度か。 魅音は行き止まりを確認すると、懐中電灯を地面に立て、その場に腰を下ろす。ここで待機をするという事なのだろう。それを確認して、俺も地面に腰を落ち着けた。サンダルが脱げたせいで、右足の底が少し痛かったので、この休憩はありがたかった。 傍らに立てられた懐中電灯は、その身に不釣り合いなくらい強い光を出していて、この袋状の部屋全体をぼんやりと照らすには十分だった。ひょっとしたら、魅音が改造を施してあるのかもしれない。 「懐中電灯の光、外に漏れたりしないか?」 俺は、懐中電灯を指さして、魅音に聞いた。確かに明るいのは良いのだが、それが仇にならないか少し心配だったのだ。 「大丈夫。この鍾乳洞、中で少し折れ曲がっているから、外には届かないよ」 「そうなのか。気づかなかった」 俺は納得した。 そして、洞窟内は静寂に包まれる。当然だ。そこで会話は完全に途切れてしまったのだから。 魅音はそれ以降、じっと洞窟の壁のただ一点を見つめていた。何か、考え事をしているのだろうか。何も喋ろうとしない。 魅音に聞きたい事はたくさんあった。これからどうするのか。このまま時間まで待機するのか。何故、俺にここを教えたのか。いや、そもそもどうして俺を助けたのか。 だが、今の魅音の様子に、奇妙な違和感を覚えてしまい、ただそれだけの事を喋るのにも躊躇してしまう。 いや、今だけじゃない。さっき俺を助けた時からだ。その時から、どうも魅音の様子に違和感を覚えていたのだ。だが、その後の状況に流されたせいで、しばらくその違和感を忘れていた。それが今こうやって落ち着いて、再び浮き彫りになっただけなのだ。 違和感と言えば、確かに今日の魅音は最初から変だ。だが、今の違和感は、それとはまた別の種類に思える。それが何なのかはわからない。が、ともかく俺を助けてからの魅音は、いつもと明らかに何かが違っていた。 静寂が、ひたすら空間を支配する。淡い闇が、永遠にこの時間が続くように錯覚させる。沈黙の闇に覆われた俺たちに時の刻みを教えてくれるのは、窟内に定期的に響く、水滴の音だけだった。 だが、この闇だっていつかは鍾乳洞の陥没と共に無くなる。この世に永遠なんて無いの だ。 「……ねぇ、圭ちゃん」 それを証明するかのように、静寂が魅音によって破られた。俺は突然来たその瞬間に、何故か少しの緊張を感じる。 「……ん?」 だが、沈黙で渇いていた俺は、その緊張を抑えつつ魅音の声に反応することが出来た。 「……圭ちゃんって、私のこと、……その、どういう風に思ってる?」 「え?」 つい、素っ頓狂な声を出す。 「どういう風って……、何が?」 質問の意味が少し理解できず、俺は魅音に聞き返した。だが、魅音はそれ以上何も喋らない。ただ、手で膝を抱えて俯いていた。まるで、今の言葉だけで真意を理解する事を望んでいるように。 しかし、懐中電灯の淡い光で照らされたその真剣な顔は、決してこれが不真面目な問いかけ出ない事を、十二分にこちらへ伝えてくる。真剣と言っても、勝負に勝つという真剣さではない。何か、とても大事な事を決心したような、そんな真剣さを魅音の瞳の奥から感じる。 それは、この部活の場にはひどく不釣り合いで、俺はどう反応すれば良いのかわからず、なかなか返答ができなかった。下手な事を言ってしまい、魅音を傷付けるような事はしたくなかったのだ。 しばらくの思考。魅音は微塵も動かない。俺の答えを待っているのだ。俺が答えるまで、魅音は何十分でもこの状態のまま待つつもりだろう。 魅音が何故こんな質問をしたのかはわからない。だが、何かに悩んでいて、誰かの言葉で救って欲しいと思って、俺に相談している事はわかる。だから、俺も魅音がどんな言葉を求めているのかを真剣に考えた。 その答えが、正しいかどうかはわからない。だけど、一人の仲間として、魅音の悩みを吹き飛ばすように笑顔で快活にそれを言ってやった。 「……最高の仲間の一人だと思ってる。お前が何を悩んでるのかは知らない。だけど、これだけは絶対だから、安心しろ」 俺の言葉を聞き、一瞬驚いたような顔をする魅音。だが、その後の反応は、俺の期待していた反応とは程遠い物だった。 「……そっ、か」 そう魅音は消え入りそうな声で言うと、膝を抱えていた両腕に顔を埋めてしまったのだ。直前にした、今にも泣きそうな魅音の顔を、俺は見逃さなかった。 誰がどう見ても、今の俺の返答で余計に魅音を傷つけてしまったのは明らかだった。理由はわからない。だが、俺の不用意な発言のせいで、仲間の一人が深く傷付いてしまったのは確かなのだ。その事実が、俺の胸を後悔という名の釘で抉る。これなら、何も答えない方が却って良かったのではないか……。 俺はそれ以上何も言えず、気まずい空気の中頭を垂れた。それは、さっきの魅音の姿勢と似ていたかもしれない。とんだ皮肉だ。 気づけば、今まで消えていた沈黙の闇が、再びこの場を支配していた。気のせいか、さっきよりも更に空気が重いように感じる。窒息してしまいそうだった。 そうして、無機質な時間がひたすら過ぎてゆく。水滴の落ちる感覚がやけに長い。 この空気をどうすれば拭い去る事が出来るのか。いや、どうすれば魅音の悩みを解決できるのか。 俺には見当も付かなかった。 3へ続く
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/280.html
見てはいけないものを見てしまったことがあるだろうか。 見てはいけない、すなわちタブーとされる物事を見てしまうということがその定義であるとするならば、私は今、その見てはいけないものを見てしまっているということである。 「お、や、じ・・・。」 「あ、圭一くんの、お父さん、かな、かなぁ・・・?」 私の目の前には二人の人影がある。 一人は私の愛すべき家族であり、一人息子の圭一。もう一人は、その女友達である竜宮礼奈ちゃんだ。 驚いたようにこちらを振り向き、完全に固まっている。 二人とも膝をつき、圭一の手は礼奈ちゃんの両肩に優しく置かれていた。 キス・シーン(はぁと おお、おおお、おおおおおおおっっっっつ! テレビと漫画以外で、初めて見たっ!! しかも、あどけなさが残る、自分の息子のキスシーンだぞッ! 私の心にズキュゥゥーン!とか、ドォーーーン!とかいう効果音が聞こえてきた。 もしこの場面を漫画的表現で表すと、私の背景にそんな文字が飛んでいるに違いない。 藍子に頼まれて、しぶしぶ差し入れに上がったところが、とーんでもないものを見つけてしまった、どーしよー。 と、何処かの警部さんみたいな台詞を吐いてしまったが、どうしたものか。 個人的には、このまま固まった二人の顔を見続けているのも一興なのだが、この年頃の少年たちは、恋愛事情に親が介入してくるのを極端に嫌う。 見ると、圭一の顔が真っ赤に染まり、目線が見る見るうちに釣り上がってきた。逆噴射5秒前といったところだろう。 しかし、甘いぞッ、息子よ! 私は圭一から「出てけぇーっ!」という声が飛び出すその前に、素早く駆け寄り、力強くその肩を叩いた。 無論、エンジェルモートで買ってきたチーズケーキと、セイロン紅茶が置かれているお盆は、足元に置いてある。 電光石火の動きを何事かと思い、仰天する二人の顔を横目に、私は目を閉じて首を振った。 そして次の瞬間!私は無言で目を見開くと、満面の笑みで右手の親指を『ビシッ!』と伸ばした。 ・・・・・・・・・。 数秒間の沈黙。 そして私は身を翻し、颯爽と息子の部屋を後にした。 クソ親父ぃぃぃぃぃぃ!! 息子の絶叫が家中に響いたのは、階段を下り終えた直後のことであった・・・。 「あら?圭一の声がしたけど?」 食卓に戻ると、妻の藍子が紅茶を入れ終えているところだった。 食べ終えて空になっていたデザートの皿は片付けられ、部屋にはセイロン紅茶の馨しい香りが漂っている。 「ん、あぁ。紅茶でもこぼしたんじゃあないか?」 私は笑みを浮かべて席に座った。 藍子の入れてくれた紅茶に口をつけると、先程の光景が思い返され、再び笑いがこみ上げる。 「どうしたの?そんなに笑って。」 「いや、それがね・・・。」 私は先程の顛末を面白可笑しく、多大な脚色を交えて話した。 息子に恋人が出来たと知った時、母親がどんな顔をするのか見てみたいという気分があったが、以外にも藍子の表情は変わらなかった。 「あら、知らなかったの?」 むしろ、私が二人の仲を知らなかったことが意外らしい。くすりと笑って、藍子は紅茶に口をつけた。 「最近、遊びに来るレナちゃんが、どんどん綺麗になっていっているのよ。恋する女の子って、雰囲気まで変わるものなのよ。」 「そうなのかぃ?」 「えぇ。それに、シャンプーもエメ○ンに変わったり、透けて見える制服の下着も、良い物になっていたしね。」 ミステリーマニア恐るべしといったところか、それにしてもよく見ているものだと、私は今更ながら妻の推理力に舌を巻いた。 「初恋、か・・・。私にもそういう時期があったわ・・・。」 藍子が遠い目をして窓の外を見る。窓の外には中天の太陽が赤々と輝いていた。 強い日差しが藍子の頬を照らす。 その時、私は今更ながら妻の美しさに心を奪われた。 圭一を産んで十数年。三十も半ばの藍子だが、その外観は、大学時代に比べても変化に乏しい。 ワンピース越しに見える肢体も、女性らしくメリハリがつき、オバサンなどとは到底呼べないだろう。 ・・・・・・・・・。 そういえば、ここに越してきてからは仕事で忙しく、ご無沙汰だったな・・・。 久々にもたげる男としての欲望。しかも、私はその欲望を高い形で昇華出来る、魔法のアイテムを手に入れているのだ。 それは、この雛見沢に越してきて見つけた理想郷へと至る崇高な品物。 そうか、使えというのか。 この私に、あのビックリ・ドッキリメカを!! 「そろそろ晩御飯の用意を」 藍子が席を立とうとするその瞬間、私はその手をしっかりと握り締めた。 「どうしたの・・・?」 「あ、うん。ちょっと、いいアイデアが浮かばなくてね。『打ち合わせ』しないか?」 我が家での『打ち合わせ』とは、無論腰の打ち合わせのことである。 藍子の顔が、真っ赤に染まる。 「え、うん、良いけど・・・。」 視線を逸らして答える。藍子も少し欲求不満だったらしい。 「今夜?」 「いや。」 そう言って、私は藍子の耳元に口を近づけて囁いた。 「今から。」 「え、でも、圭一も、レナちゃんもいるじゃな・・・」 文句を言う唇を自分の唇で塞ぐ。 「アトリエでするから大丈夫だよ。」 私のアトリエは防音加工してあるため、物音が響き渡ることはない。しかも、私たちはちょくちょくそこに篭るため、急に姿が見えなくなったとしても圭一が怪しむことはないだろう。 「それに、いいモノもあるから・・・。どうだ。」 藍子が戸惑いに視線を泳がせる。しかし、この顔をする時の彼女には既に答えが出ていることを、私は経験上知っていた。 「はい、あなた・・・。」 広い板張りのアトリエは、空調が効いているためか、夏だというのにむしろ寒々としていた。 私は仕事机の傍にある、大きな籐の安楽椅子に座り、腕を組んでいた。 私のアトリエはカンヅメ状態にも耐えることが出来るよう、一部屋にバス・トイレ・シャワーが付いている。 『打ち合わせ』は私の作品ジャンルにも影響する重大事項だ。 絵画だけでなく、同人世界にも生きているこの私にとって、新ジャンルの開拓は生命線の確保に等しい。 だが、作品を作る上において、リアリティを欠かす事はできない。 そのため、私は最愛のパートナーである藍子の体を張った『打ち合わせ』により、常に新ジャンルに挑戦しているのである! 看護婦・メイド・スチュワーデス・OL・仲居さん・・・。 食堂のおばちゃんから果ては電撃鬼娘まで、その挑戦は飽くことを知らない。 先にシャワーを浴びた私は、白いバスローブに身を包み、脱衣所で着替えているであろう藍子が来るのを心待ちにしていた。 もうすぐだ、もうすぐ、私に理想郷が訪れる・・・! 「で、できました・・・。」 恥ずかしそうな声で、藍子がドアの向こうから声をかける。 「ああ、入ってくれ。」 私は意識してぞんさいに答えを返す。 返答を聞いて、ドアがゆっくりと開かれる。 キタキタキタキター!! 濃紺の水着。いや、各所にフリルの着いた制服に身を包んだ藍子が、ドアの向こうに立っていた。 羞恥心のために顔を真っ赤に染め、もじもじと胸元を隠すように左手を持ってきている。 お盆に乗せられた残りのスイーツであるチョコレートパフェが、右手に支えられていた。 藍子が身を包んでいるのは、エンジェルモートの制服である。 通い倒して数ヶ月。 店長の園崎氏を口説き落とし、破格の値で購入したこの最終兵器! 想像通り、いや、想像以上の破壊力である。 ドレスと水着の核融合。人類の辿り着いたエロスとフェティズムの境地。 誰もが「お~持ち帰りぃ~☆」を夢見てやまないこの制服を、私はッ!私はアァッ!! 「あ、あの・・・あなた・・・?」 すっかり陶酔しきっていた私に、藍子の声が当惑した様子で声をかけた。いかん、いかん。 私は正気に戻って藍子の姿を見た。 成熟した大人の女性しか似合わない制服のはずだが、藍子の大きな胸のせいか、胸元がきつく見える。 下手に肉が付いていると途端に魅力を失うビキニラインもしっかりと整い、フリルが可愛く揺れていた。 「うん、綺麗だよ、藍子。」 正直にほめると、藍子は顔を伏せて恥ずかしがった。 「でも、ここでは『あなた』じゃない。ここはお店なんだ。『お客様』じゃないとね。」 「はい、お客様・・・。」 この『お客様』というのが重要なところだ。 メイドならば『ご主人様』・『旦那様』。女生徒ならば『先生』と、そのジョブに合わせた呼び方をしなければ魅力が薄れるというものだ。 「じゃあ、ウェイトレスさん。そのパフェをもらおうか。」 「はい。どうぞ、お客様。」 藍子が私の前にひざまづき、パフェをスプーンで掬う。 おずおずと差し出したパフェを、私は口に含んだ。さすがはエンジェルモート、味にも手抜かりはない。 二・三度同じことを繰り返すと、私はスプーンを優しく藍子の手から奪った。 「お客様?」 「ウェイトレスさん。これじゃ冷たい。口移しで食べさせてくれないかな?」 一瞬、藍子は驚いたようだが、この要求が意味することを察してか首を縦に振った。 茶色のパフェを一口含み、唇を私に近づける。 「んん・・・。」 唇が触れ合って、冷たい感触が広がった。藍子が舌で押し出すパフェを受け取り、飲み込む。 私は全て注挿された後も、藍子の口腔へ向けて強く口を吸い、舌を伸ばした。 「ふ、う・・・っ。」 藍子の舌が絡まり、私のそれと絡み合った。お互いを求めて強く引かれ合い、口腔内で踊り狂う。 「・・・ウェイトレスさん。」 私は藍子の顔を離して指を下に差した。見ると、茶色のパフェの一部が、バスローブの股間の位置に落ちている。 「綺麗にしてくれないか?」 「はい・・・。」 藍子の手が股間に触れる。私の分身は既にいきり立ち、ローブの中で自己主張していた。 お絞りで茶色の液体を拭き取ろうとすると、自然に硬くなったその部分に当たる。 強すぎないよう、藍子が慎重に周りをぬぐっているのがもどかしい。 生殺しのようなその感覚に耐えられず、私は藍子の耳元に囁いた。 「今度は、口でしてくれないか?」 藍子は上目遣いで私を見ると、上唇をそっと、舌で舐めた。 瞳には淫らな光が宿り、欲望の火が体に灯ったことを、私に告げていた。 ローブの前がはだかれ、分身が晒される。その分身に藍子は口付けし、うやうやしく口に含んだ。 「うっ・・・。」 瞬時に駆け抜ける射精への欲望。 性感帯を知り尽くした藍子の動きに、私は翻弄されていた。 口で含むだけでなく、手でもてあそび、舌を入れ、歯で甘噛みをする。 貞淑な妻が淫乱なメス犬に変わるこの瞬間が、男としての征服欲をそそるのだ。 私は藍子の頭を両手で押さえつけ股間に固定すると、その顔を撫で回した。 愛撫に興奮しているのか、藍子は驚くことなく行為に集中し、更に口の動きを強めた。 「くおおぉぉぉっ!」 敏感な部分を舌でもてあそばれ、私は限界を迎えようとしていた。 自ら腰を動かし、最後の瞬間まで導く。 「出、出るっ!出るぞっ!!」 先端から出る欲望の液体が、藍子の口腔を犯した。凄まじい勢いに、藍子がむせる。 しかし、藍子は顔を引くことなく、私の全てを飲み干した。押さえきれなかった残滓が糸を引いて、唇から流れる。 手を離しても藍子は分身から離れず、私の全てを飲み干そうと舌を動かしていた。 「もう、いいよ。ウェイトレスさん。」 十分に分身が硬さを取り戻したことを確かめると、私は藍子の口から分身を引き抜いた。 「あ・・・。」 名残惜しそうに藍子が呟く。 「今度は、ウェイトレスさんを頂くよ。」 宣言して藍子を体の上に抱き寄せると、私は制服の布をずらして、分身を一番敏感な部分にあてがった。 思ったとおりに、その部分には見なくてもぬめり気があった。 「ふああぁぁっ!」 一気に刺し貫く。二・三度律動するだけで、最奥まで至った。 「思ったよりも、すんなりいったな。ウェイトレスさん、こういうのに慣れているんじゃないか?」 「い、いや・・・。そんなこと・・・。」 「でも、ほらッ!こんなに濡れて、咥え込むなんて、一度や二度じゃ出来ないモンだぞっ!」 「あ、ふうっ!そ、それは、お客様、があっ・・・!」 「くっくっく。そうだよなぁ、出来の悪いウェイトレスに、俺がたっぷり教え込んでやったんだからなぁ!!」 「は、はひぃ・・・。わ、わたしは出来の悪いウェイ、ト・・・レスですぅ!!」 「じゃあ、もっと、もっと教えてやらないとなぁ。男の味ってやつを!」 「お、教えて、教えてくださいお客様ぁぁ!」 いつの間にか創造していた役割に、私たちは没頭していた。 私の求めたものに、創造以上のの反応を返してくれる最高のパートナーである藍子。 改めて、私は彼女の全てを欲しいと思った。 制服の前をはだけさせて豊かな胸に唇を這わせる。 藍子も私の頭をしっかりと抱いて、話さない。 安楽椅子がきつそうにギシギシと音を立てる。その音と私たちが生じる粘着音が、不思議なハーモニーを奏でていた。 「あ、あなたぁ・・・!わ、わたし、もう、もうダメ、もうダメええっ!!」 快楽によって素に戻った藍子が、限界を告げる。 私も同じく限界だった。強く腰を動かして、最後まで密着した。 「藍子、藍子!私もいくぞ!」 「あなたっ!あぁ、あぁ、あぁぁぁぁ!ダメええええええぇぇぇぇぇぇ!!!」 「あいこおおおおおおおおっっっっ!!」 再び大量の白濁液が、藍子の中に打ち込まれた。 『打ち合わせ』の終わりを告げるその流れはいつまでも名残惜しく、私の意識が途切れるまで続いた・・・。 「親父、話がある。」 数ヵ月後のある日、圭一が真剣な面持ちで、私と藍子を食卓に呼び出した。 隣には礼奈ちゃんが、同じように真剣な表情をして立っている。 「どうしたの?藪から棒に。」 藍子が怪訝な顔で、それでも優しい微笑を浮かべて答えた。 あの日の事を気にすることなく、礼奈ちゃんは我が家に来て一緒に食事をしたり、圭一の部屋で過ごしていた。 私もあの日の話題は避けていた(と、いうより触れようとすると圭一が噛み付かんばかりに起こるのだ)のでこれまでどおりの関係だったのだが、何か大事なことでもあったのだろうか。 はっ! 私は最悪のケースを想定した。 最近の学生の進み具合は半端ではないらしい。しばらく前にあった「3年○組」では、中学生同士の妊娠がテーマとなっていたではないか・・・! 自然と、私の顔はこわばった。 KOOLになれ、前原伊知郎・・・! 息子の全てを受け止めるのが父親じゃあないか。モデルガン事件の時と同じだ。痛い目に合わせて自分の過ちを後悔させた後、助けてやればいい。 しかし、それに反して圭一の口から出たのは拍子抜けする言葉だった。 「俺、前原圭一は、ここにいる竜宮レナさんと付き合っています。」 一瞬、力が抜けた。 そ、そうか・・・。考えすぎだったか。 「わ、私、竜宮レナです。圭一君、いや、圭一さんとお付き合いをさせて頂いています。今日は、圭一さんのご両親に、交際を認めてもらいたく、お伺いしました。」 恥ずかしそうに、圭一の隣で控えていた礼奈ちゃん、いやレナちゃんが顔を赤くして頭を下げた。 その瞳を見ると、圭一を見つめていた。 圭一のことを信頼しきっている。その意思が強く感じられる良い瞳だった。 わざわざ、交際宣言に来てくれたのか。そう思うと、二人の律儀さと初々しさに、自然と頬が緩んだ。 藍子を見ると。同じように微笑んでいる。 これならば、告げてもよさそうだ。 私は藍子の手を握る。 「うれしいわ。それなら、レナちゃんは私たちの娘になるのね。」 「歓迎するよ、レナちゃん。こちらこそ、圭一を頼むよ。」 そして、私は藍子のお腹をさすり、二人に告げた。 「ほら、お前も挨拶しなさい。お兄ちゃんとお姉ちゃんだよ・・・。」 終わり
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前のお話 夢への掛け橋(後編) 貴方は"伊勢正三"という人の『22才の別れ』という曲をご存知だろうか? 優しい声と物哀しいメロディーで紡がれる、悲しい歌詞のフォーク・ソングである。 平成二年 五月某日 午後七時 私はカセットデッキで、この曲を聞きながら車でレナの家に向かっていた。 私は高校を卒業後、親類の経営する商社に事務員として就職した。 婆っちゃはまだ健在だ。だから私はまだ頭首代行であり働かなくては自由になる金は無い。 働き始めて中古だが鬼ローンを組んで買った、赤い『セリカXX』のシャコタンが私の愛車である。 仕事が終わると愛車を駆って雛見沢への道を急ぐ。レナの家の前に着くと、レナが待っていた。 「レナ!お待たせ!仕事終わりにごめんね~!さあ乗って!行こうか!」 レナに相談事があってドライブに誘ったのだ。実は私は現在、人生の岐路に立っているのである。 そう、私は人生で数える程しか無いであろうと思われる、重大な決断をしなくてはならない立場になったのだ。 ~一時間後~ 私はレナと談笑しながら、車を岐阜県の高山市方面に向けて走らせていた。 「はう・・・。やっぱり魅ぃちゃんの車は何度乗っても、お尻が痛くなっちゃうよ・・・」 レナは高校卒業後、興宮の給食センターで働いている。料理好きなレナにはピッタリな仕事だと思う。 「まあ私も22才だしね。もうシャコタンは卒業かな?」 途中から国道41号線に乗って高山市内を名古屋方面に向けて走り、目的地である『匠の森』と書かれた看板を見つけ交差点を曲がる。 緩やかな坂道を登り、頂上にある狭い砂利の駐車場に車を停めて、車外に二人で出た。 「うわ~♪星が凄い綺麗だよ☆村でも見れるけど、ここも綺麗に見れるね☆」 ここは私と圭ちゃんのお気に入りの場所だ。 雛見沢から程よい距離の場所だし人も来ない。その気になればカーセックスだってできる。 「ところで魅ぃちゃん。相談って何かな?圭一君と喧嘩でもしたの?」 私はマイクロ・ミニのポケットから、クシャクシャになったセブンスターを取り出しZIPPOで火を付け一吸いした後、口を開く。 「昨日、圭ちゃんに・・・プロポーズされたよ」 そう言い煙草を吸って紫煙を吐きだす。 「おめでとう!魅ぃちゃん!良かったね♪でも何で、それが相談事なの?悩む必要なんて無いんじゃないかな?かな?」 自分の事の様に喜んでくれるレナを見て嬉しくなる。 そりゃ私だってプロポーズされて嬉しかった。すぐにOKしたかった。でも・・・。 「私と結婚するって事は圭ちゃんには園崎家頭首の旦那として、婿に来て貰うって事になるんだよ」 「そうすると前原家を継ぐ人が居ない。圭ちゃんの御両親はそれでも良いって言ってくれたけどね」 「でも、やっぱりそこが引っ掛かって、まだ返事して無いんだよね・・・」 途中、煙草を吸いつつ、そう何回かに区切って話した。 「う~ん・・・。別に悩む必要は無いと思うよ?同じ村の中で住むんだから、気を使わなくて良いんじゃないかな?」 レナは、ここに来る途中にコンビニで買ったコーヒーのプルタブを開けながら言う。 「昔みたいに家同士の繋がりの為に結婚する訳じゃ無いんだし、圭一君も気にしないと思うかな!かな!」 そう少し困った様な顔でレナは言った後、コーヒーを飲み始めた。 レナに話したことで心の中が楽になった気がする。 確かに冷静になって考えたら、レナの言う通りである。 私は何を思い詰めていたのだろうか? 体面を気にするより、心を大事にしようと昔、圭ちゃんに身を持って教わったのに・・・。 大人になった私は古い固定概念に捕らわれ思考停止して、初心を忘れてた。馬鹿らしい・・・。 そう。結婚とは好き合った者同士がするものなのだ。家の為にする訳じゃない。 さっきまでの自分が恥ずかしくなった。 「レナの言う通りだわ。私、思考停止していたよ。馬鹿馬鹿しい」 私は煙草の火を携帯灰皿で消して、照れ隠しに笑いながら言った。 するとレナが「でも、思考停止する程嬉しかった。て事じゃないかな?そして不安になって余計な事を考えちゃっただけだと思うんだよ?だよ?」と言ってくれた。 「あははは!違いない!レナごめんね?取り越し苦労だったよ!でも相談に乗ってくれてありがとう・・・。」 「ううん!親友の悩みを聞くのは当り前だよ。あ~あ私も圭一君みたいな良い人と付き合いたいよ。魅ぃちゃんが羨ましいかな?かな?」 「いつかレナにも見つかるよ、『この人に一生ついて行こう!』って想える人がさ・・・」 「そうかな?私も出会えるかな?何か不安だよ・・・」 「大丈夫だって!レナは綺麗だし、すぐに出会えるよ!それに女は度胸!だよ。良い人が居たら、自分から勇気を出してアプローチしてみなよ?」 「あはは☆考えておくよ。魅ぃちゃん帰ろう?明日も仕事でしょ?」 とレナが言う。 明日は土曜日。レナは土日は休みだが、私は土曜も仕事がある。 「だね。じゃあ帰ろうか!」 そう言って私達は車に乗込む。『レナありがとう。私頑張るよ。』そう心の中で呟きながらエンジンを始動して岐路に着いた。 レナを家に送った後、家に帰った私は遅い夕食を食べ、風呂に入った後、自分の部屋で写真を見ていた。 高校一年の時の綿流しのお祭で二人で一つの綿菓子を食べている写真。 高校二年の夏、圭ちゃんの運転するバイクに乗って行った海で撮った写真。 高校三年のクリスマス、圭ちゃんの頬にキスする私の写真。 働き出した私が車を買って二人で初ドライブに行った時の写真。 浴衣姿の20才の私に圭ちゃんが抱き付いている写真。 去年、圭ちゃんと旅行に行き撮った楽しげな顔の二人の写真。 アルバムに貼られた、そんな私達の歴史を見た後、決心した。 『明日圭ちゃんにプロポーズの返事をしよう』 私は煙草を咥え火を付ける。 付き合い始めて七年が経った。 数えきれないくらい喧嘩もして、その数だけ仲直りした。休みのたびにデートを重ねて、その回数だけ私は抱かれた。 私は圭ちゃん以外の『男』を知らない。知りたくも無い。 この身体は圭ちゃんに調教された、圭ちゃん専用だ。他の男に見せるなんて考えた事すら無い。 圭ちゃんを悦ばせる為に私は色々なテクを覚えたし、恥ずかしかったけどお尻のセカンドバージンまで捧げた。 でも、それも無駄にはならなかったんだよね? 淫婦の様な身体に調教されても、私の想いは15才の頃と変わっていない。圭ちゃんに飼われた御主人様と幸せになりたい甘えん坊の兎なのだ。 七年越しの夢が叶う時が来たのだ。 今までの『私』に別れを告げ、これからは圭ちゃんの妻としての『私』になるのだ。 どんな辛い事だって二人でなら半分にして乗り越えられる。そして喜びは倍にして感じれるのだ。 圭ちゃんは私の色々な『しがらみ』を忘れさせてくれた。村の因習を吹き飛ばしてくれた。 これからもそうなれば良いな・・・。 短くなった煙草を灰皿で消して私は眠りについた。 翌日、仕事が終わった私は圭ちゃんを古手神社に電話で呼び出した。 圭ちゃんは現在、興宮でサラリーマンをしている。 てっきり大学に進学すると思っていたが「勉強はもうしたくない」と卒業後、就職したのだ。 私は境内にある集会所の前で梨花ちゃんと世間話をしながら圭ちゃんを待つ。 ちなみに、梨花ちゃんと沙都子は今年高校を卒業した。梨花ちゃんは正式に古手家頭首になったし、沙都子は県内の短大に進学した。 「ねえ魅音。貴女、圭一にプロポーズされたそうね?レナに聞いたわ」 と梨花ちゃんが聞いてくる。 昔からは想像も出来ない大人びた梨花ちゃんを見ていると『私も年を取る筈だわ』と思う。 「ん・・・。まだ返事はして無いけどね。まあ今からするんだけどさ」と私は教えた。 「魅音。圭一は村や私達の運命を変えた男。そんな彼に求婚されるなんて、貴女は幸せ者ね」 と梨花ちゃんが言った後、拗ねた様な顔でさらに口を開く。 「レナ、沙都子、私、そして貴女。皆、圭一の事が好きだった」「でも結局は貴女の一人勝ち。いや勝負にすら持込めなかった。嫉妬してしまうわ?」 そして私を見て「おめでとう!魅音!・・・圭一と御幸せにね?」 そう微笑みながら言って梨花ちゃんは「さて、羽入相手に自棄酒でも飲もうかしら?フフフ♪」と何処かへ行ってしまった。 ああ。羽入は梨花ちゃんの補佐として巫女さんをしている。 さて、プロポーズの返事の為に場所を変えるか。 私は村を見渡せる高台まで行き、圭ちゃんを待つ。三十分程して急いで来たのか、汗だくになった圭ちゃんがやって来た。 「悪い。急いで仕事終わらせたんだが遅くなっちまった・・・。待ったか?」 私はハンカチを圭ちゃんに渡して言った。 「ううん。大丈夫だよ。私も来てから五分位しか経って無いし」 もちろん嘘だ。だが、こういう嘘なら付いても良いよね? それはともかく私は圭ちゃんに語りかける。 「圭ちゃん。プロポーズの返事についてなんだけど・・・。その前に話聞いて貰って良いかな?」 「・・・ああ」 圭ちゃんが緊張した顔になる。 「私ね。この村が好き。圭ちゃんは雛見沢は好き?」 「好きだぜ。なんせ魅音と出会えたんだからな」 と圭ちゃんが言う。 「ありがとう。ねえ?雛見沢って何も無い村だよね?そんな雛見沢を発展させるのが、園崎家次期頭首としての私の夢なんだ。」 私は柵まで歩いて行って、圭ちゃんに手招きする。 圭ちゃんが私の横に来たのを確認して、私は話を続ける。 「圭ちゃんに私と一緒に、それを手伝って欲しい。園崎圭一として」 私は圭ちゃんの目を見て更に続ける。 「ここからはプロポーズの返事だよ?笑わないで聞いて・・・?」 「笑わないさ。」 圭ちゃんが真面目な顔で言ってくれたので、私は安心して口を開く。 「うん。実は次期頭首の仮面を脱いだ本当の『私』は、圭ちゃんに幸せにして貰いたいと願っているんだよ」 感きわまって涙が出そうになる。 「昔、言ったよね?私は【兎】だって。『私』は寂しがり屋で甘えん坊なの。一人だと寂しいよ・・・」 駄目だ。泣いちゃいけない。 「私を今まで以上に、いっぱい愛してください!私に毎日、貴方の笑顔をください!」 そして私は圭ちゃんに抱き付き、堪えきれなくなって泣きながら言ったのだ「グス・・・。わ、私を!ひっく!圭ちゃんの・・・お嫁さんにっ!ひっく!・・・してください!」と。 圭ちゃんが泣きじゃくる私を抱き締めて「ありがとう魅音。絶対幸せにしてやるからな!」と言って、手で私の頭を撫でてくれた。 その暖かさが・・・優しさが嬉しくて私は涙が止まらない。 私は圭ちゃんの胸の中で泣いた。 しばらくして私は泣きやんだ。 「ごめん。スーツをベチャベチャにしちゃったね」 「気にするな。それより魅音。」そう言って圭ちゃんが私の左手を取った。 「安物だけどさ・・・。俺の気持ちだ」 そして私の薬指に指輪を填めてくれる。 「ありがとう。大事にするよ。」 私は填めてくれた指輪を見た後そう言い、圭ちゃんのスーツの端を握って口を開く。 「・・・今日は家に帰りたくないな。ドライブにでも行こう?」 「ああ。そうだな。でも家に連絡しなくて良いのか?」 私はポツリと言った。 「実は、もう婆っちゃには今日は帰らないって言ってあるんだよ。だから大丈夫・・・」 「用意周到な事で・・・。じゃあ行くか!ってもバイクで来ちまったから、車取って来ないとな」 と圭ちゃんが笑いながら言ったが 「私はセリカとお別れがしたい。私の車でドライブしよう?」 と言って古手神社を後にした。 圭ちゃんは家に帰って、バイクを置きにガレージに向かった。 私は圭ちゃんの家の前に車を停めて、ステアリングを手で撫でて「セリカ。ごめんね?もう少ししたらサヨナラだよ。だから最後に一緒に走ろう?」と言った。結婚するのを期にセリカを手放す決心をしたのである。 その後、鹿骨市まで行き市内を一望できる山の上で夜景を見ていた。 「ねえ、圭ちゃん。明日さ・・・お互いの親に結婚の挨拶しに行こう?」 「おう。それに明日から結婚の準備もしないとな」 二人でこれからの事を色々と話した。 数時間後、山の麓にあるラブホテルに私達は泊まる事にした。 部屋に着き、風呂に湯を張った。 「圭ちゃん・・・。お風呂入ろ?」 圭ちゃんと手を握って脱衣所に向かい、お互いの服を脱がし合って浴室に入った。 二人で身体を洗い合った後、湯船で戯れ合った。 そして脱衣所で身体を拭いている時だった。 「魅音・・・。もう我慢できない!」 そう言って圭ちゃんが私をお姫様抱っこして部屋に走っていく。 「け、圭ちゃん!ちょ!怖い!は、走らないで!」 私は圭ちゃんにしがみついて叫ぶ。 ベッドの上に優しく降ろされ。私は圭ちゃんに言った。 「ビックリしたよ!あんな事したら駄目だよ!」 圭ちゃんが笑いながら「悪い!悪い!けど、楽しかっただろ?」 と言いながら頬を手で撫でた。 「ん・・・。まあね。ジェットコースターみたいだったよ」 と私も笑いながら言った。 圭ちゃんに「ねえ?キスして?」とおねだりする。 「ん・・・。ちゅっ。んん・・・」 圭ちゃんに優しく押し倒されキスされる・・・。私は初めて圭ちゃんに抱かれた15才の私に戻る。 初めての時と同じ、初々しい気分。幸せな気分で身体が蕩けそうになる。 私は圭ちゃんの口の中を舌で蹂躙する。 「あむっ。ちゅぱ・・・。ちゅく」 負けじと圭ちゃんが私の舌を吸って、舌を絡ませる。 「くちゅくちゅ・・・」 頭がボーッとしてきて全身が熱くなってきた。 圭ちゃんが急に口を離す。「あ・・・」完全にスイッチが入った私は名残惜しそうな声が出てしまい恥ずかしくなる。 「本当にキスが好きだな?目がトロンとしてるぞ?」 そう言いながら、指で私の唇を撫でる。私はその指を口に含んで舌を這わせた。 「あふ・・・。ちゅぱちゅぱ・・・」 心行くまで指を舐めた後、口から圭ちゃんの指を出した。 次に圭ちゃんは胸を揉みしだきながら、私の手を自分の股間に持って行き「勃たせてくれ」と言った。 言われたとおり、両手でオットセイを揉んで海綿体に血を送り込む。手の中でオットセイが硬くなっていく。そして根本を少し強めに握って小刻みに動かした。 「はあはあ・・・。ふうっ・・・。何か圭ちゃんのおちん〇ん、いつもより硬くなってる」 いつの間にか乳首に吸い付いていた圭ちゃんに息も絶え絶えに、そう言うと「魅音だって同じだぜ。いつも以上にやらしい・・・」と言って私の陰部をまさぐる。 ぐちゅぐちゅ!指二本を挿入して強めに掻き回されて大きな音が出た。 「やっ・・・!恥ずかしいよ・・・。あっ!駄目!そこ擦らないで!!あうっ!」 膣の上壁を擦られ、圭ちゃんの腕を思わず押さえるが、耳を舐められて力が抜ける。 膀胱が刺激され尿意が私を襲う。 「らめぇ!圭ちゃん!お、おしっこ出ちゃうっ!!・・・え?」 あと少しでイキそうな所で指がピタッと止まり、思わず驚きの声が出てしまった。 「ああ、どうしたんだ魅音?急に変な声なんか出して?」 ニヤニヤしながら圭ちゃんが聞いてきた。 お預けを食らった私は「な、何でも無いっ!!」と言って平然を装うが、身体が快楽を求めているのだろうか?腰が勝手に動く。 「おいおい、どうしたんだよ?腰がクネクネしてるぞ?」と圭ちゃんが指をゆっくり動かし、親指でクリトリスを転がす。もどかしい刺激に発狂しそうになる。 「ふぅっ!は、ああ・・・」 「魅音~。どうして欲しいか詳しく教えてくれないと、俺は分からないんだよなあ~」 「早くイキたい・・・!イカせてよぉ!」 意地悪されて悔しくて涙を流しながら叫ぶ! 「んん~?全然分かんねぇな~?イキたいなら、詳しくどうされたいか言えよ。くっくっく!」 身体がゾクゾクする・・・。マゾとして調教された身体が疼いて、圭ちゃんの言葉だけで軽く絶頂に達する。 「ふぁ!お、おま〇こを指でいっぱい掻き回してぇ・・・クリちゃんを指でクリクリしてくだ!さいっ!!」 ボーッとする頭で何とか言葉を搾り出してお願いした。これ以上、焦らされるのは嫌だ。 「よっしゃあ!してやるからイッちまえよ!」 ぐちゅぐちゅぐちゅ!! 先程と同じ様に激しい愛撫が再開し、私は身体をのけ反らせて快楽に悶える。 「んあっあっ!!らめぇ!!ひぃっ!あっ!あふっ!!」 ぷしゃあっ!! 絶頂に達する瞬間、圭ちゃんは素早く指を引き抜いて三本の指の腹全体で秘部を撫で回して刺激を与える。 私は潮を噴いてイッた。 「は・・・。あっ」 イッた後も優しく手の平で愛撫してくれたので長いあいだ余韻を味わう事ができた。 余韻から覚め、圭ちゃんのオットセイを見て 「圭ちゃん。おちん〇ん苦しそうだね?先に一回出しとく?」 そう人差し指と親指で輪を作って上下に動かす真似をしながら聞いた。 「頼む。我慢も限界だ」 仕方無いなあ☆私は両手をオットセイの根本に軽く添えて、舌で全体をねぶる。開いている両手の親指と中指で陰嚢を揉んであげるのも忘れない。 「じゅっ・・・。ちゅる。ん。ぴちゃぴちゃ」 舌を小刻みに動かして亀頭全体を刺激する。 「・・・凄。我慢汁がたくさん出て来る」 舌の先で我慢汁を舐めとりながら言う。さっきの御返しだ。ギリギリまで口の中ではしてあげない。 うわあ~。すっごい苦しそう。仕方無いな~。 「しゃぶ・・・。ジュポジュポ。んっんっ。んぐっんぐっ」 切なそうな圭ちゃんを見てると可哀相になったので、口の中でイカせてあげる事にした。覚えているテクを駆使して、喉の奥まで使ってオットセイをしゃぶりあげる。 圭ちゃんに徹底的に仕込まれた技で、ただのフェラチオではなく、膣に挿入している様な気持ち良さだと圭ちゃんが褒めてくれた事もある。 頑張ったら、また褒めてくれるかもしれない。 私はペースアップして頭を動かし始めた。 「じゅっ!ぐぽぐぽ!じゅぷぷ!」 激しく責め立てると圭ちゃんが音を上げる。 「み、魅音!そんな激しくしたらっ・・・!で、出ちまう!」 そう言ったのを聞いて、私は指を一本圭ちゃんのお尻の穴に挿入して軽めに腸壁を擦る。口の中でオットセイが更に大きくなり暴れた。 「っ!うあっ!」 圭ちゃんがが私の頭を両手で押さえ込み、口内射精される。ビクンビクンとオットセイが口の中跳ねるたびに大量の精液が吐き出される。 「ん。ん・・・。ゴクッ。ちゅぷちゅぷ。じゅっ!」 喉を鳴らしながら精液を飲み込み、お尻に挿入した指を軽めに動かしつつ、尿道に残った精液まで吸い出し、そのまま綺麗にするため口の中で舌を絶え間なく動かす。 「うあ・・・。ああ・・・」 身体を震わせて圭ちゃんが喘ぐ。 私はオットセイから口を離して、お尻から指を引き抜きティッシュで綺麗に拭いた。 「いっぱい出たね。気持ち良かった?」 今の惚けた顔の圭ちゃんを見れば分かる。だが私はあえて聞いてみた。 「凄い良かったぞ。ありがとう魅音」 そう言って圭ちゃんが頭を優しく撫でて褒めてくれる。 身体の力を抜き、御褒美を堪能する。私は頭を撫でられるのが大好きだ。 数分して圭ちゃんが私の頭から手を離して「魅音。入れてもいいか?」と言って私の秘部を愛撫してくる。 「ん。良いよ?・・・入れて?」 私は寝転がり足を開く。避妊具を着けようと圭ちゃんが手を伸ばすのを私は手で止めた。 「私達。結婚するんだよね?・・・だから今日から生でして良いよ?」 私は今まで避妊具無しを許さなかった。いくら大好きな圭ちゃんの頼みでも、これだけは拒み続けて来た。 もし妊娠したら・・・。そして皆に産むのを反対されたら・・・。授かった赤ちゃんの命を奪ってしまう事になるかも知れない。 そんなのは嫌だ。そんな事は堪えられない。 だが、結婚すると決まった今なら大丈夫だろう。皆が祝福してくれて、産まれた子供も幸せになれるだろう。 私達姉妹みたいに辛い想いはさせたくないから。 「良いのか?別に無理しなくて良いんだぞ?」 そう圭ちゃんが気遣ってくれるが、私の決意は変わらない。 「うん。圭ちゃん?」 私は圭ちゃんを抱き寄せて言う。 「今日から子作りしよっ?今まで我慢させてゴメンね。大丈夫だから・・・して?」 「み、魅音っ!」 圭ちゃんがオットセイを秘部にあてがい、ゆっくり挿入してくる。 じゅぷぷ・・・。 「ふあっ!熱い・・・」 初めて直に感じる、圭ちゃんのオットセイの熱さに陰部が溶けてしまいそうな感覚になる。 「魅音の中、すげぇ・・・。吸い付いてくるし、暖かい。気持ち、良いぞ・・・」 と圭ちゃんが言って、腰を上下に動かし始める。 ぐちゅぐちゅ! いやらしい水音が出てその度に頭をビリビリ痺れさせる快感が私の中を走る。 「んあっ!あっ!あっ!ん!け、圭ちゃんギュッてしてぇ!あっ!おちん〇んが奥に当たって気持ち良いよぉ!!」 背中に手を回して、足を腰に絡ませる。 離したくない。そんな想いから力を入れて圭ちゃんに甘える。 「ふああっ!!中でぇ!また大きくなったよ!!らめぇ!!あっ!おま〇こが壊れちゃうよ!もっと優しくしてっ!!」 圭ちゃんが私の後頭部に手を潜り込ませ、抱きかかえて言う。 「無茶言うなよ!気持ち良すぎて!腰が勝手に動くんだ!」 とキスをしてくれた。 「んあっ!んむっ!んく!ちゅっ!」 軽い酸欠状態になり唇を離す。 「プハッ!」 「魅音!子供はどっちが欲しい?男か女か!?」 腰を動かしながら圭ちゃんが聞いてきた。 「はあはあ!来年の事を言うと鬼が笑うよ?んはっ・・・元気な子だったら、どっちでも良いよっ!あんっ!!」子供は可愛い。ましてや自分のお腹を痛めて産んだ子なら、目に入れても痛くないくらい可愛いに違いない。 「そうだな!・・・魅音、俺もうイキそうだ!」 そう言って腰を速く動かす。 「ん!ふっ!私もイキそう・・・!だからあと少し頑張って!!」 そう、あと少しだけ。この甘い気分に浸っていたい。 五分程経ち「け、圭ちゃんっ!良いよっ!はあんっ!一緒にイこうっ!!あっ!!あっ!!ふあ!ああっっ~~~~!!!!」 「うっ!!魅音!出る!出る!うあっ!!!」 ビュルッ! ビュプっ! 私の膣内に二回目とは思えない量の精液が注ぎ込まれ、その熱さと膣内射精という初めての刺激で私も絶頂に達する。 私の中でオットセイが元気良く何回も跳ね回った後、やっと射精が終わる。圭ちゃんがオットセイを抜くと、精液が零れ出てくるのを感じる。 圭ちゃんが私の横に倒れて肩で息をしている。 もちろん私も息があがっている。呼吸を落ち着かせようと深呼吸をした後、圭ちゃんに抱き付いた。 圭ちゃんの首筋に鼻を押し付けて匂いを嗅いだ。 私の大好きな情事の後の一時である。何才になっても私は匂いフェチの変態マゾ女なのだ。まあ圭ちゃん以外に欲情する訳では無いから良いでしょ? こんな姿の私を受け止めてくれるのは圭ちゃんだけで良い。 ひとしきり匂いを嗅いだ後、私は圭ちゃんの上に俯せに寝て胸に頬を擦り付けた。 私は今日の事を一生忘れない。 すごく幸せだ。何時までもこの時間が続けば良いのに・・・。 「魅音。俺達結婚して一緒に暮らしだしたら、寝不足になるかもな?」 ああ、そうか。まだ幸せな時は続くんだよね?むしろ始まったと言う方が正しいかもね? 「当り前じゃん!赤ちゃんが出来るまで頑張って貰うよ♪くっくっく!」 「了解しました。頑張れ俺・・・」 「フフフ♪ねえ?もう寝よ?明日は忙しくなるよ?」 明日から楽しみだ。とりあえず月曜になったら会社に辞表を出そう。 「ああ、おやすみ。魅音。」 私は部屋の電気を消して眠りについた。 「圭ちゃん、おやすみ☆」 翌日、私達はお互いの両親に結婚の挨拶をして快諾された。 そして私は会社を辞め、セリカを売った。 あっと言う間に一ヶ月が経ち私達は、その日を迎えた。 平成二年六月上旬 「はうっ!み、魅ぃちゃん!かぁいいよぉ~☆お持ち帰りしていい?」 レナが久々にかぁいいモードを発動させそうになったのを沙都子が止める。 「レナさん!落ち着きなさいまし。魅音さんが困ってらっしゃいますわよ!」 相変わらず変な言葉使いは変わらないが、沙都子は短大生になって綺麗になったと思う。 「ま、まあこの格好も疲れちゃうから、早く着替えたいんだよね。皆手伝ってくれないかな?」 私と圭ちゃんは先程、古手神社で祝言をあげた。 梨花ちゃんが祝詞をあげてくれ、羽入が盃に入れてくれた酒を二人で飲んで夫婦の契りを交わした。 次は祝いの宴なので、私服に着替ようとした所、梨花ちゃんと羽入以外の女性陣が押し寄せて今に到る。 「そうですよレナさん?お姉は早く愛しの圭ちゃんの所に行きたいんですよ~☆ねぇ?お姉?」 と今は入江診療所のナースになった詩音が私をからかう。 「そりゃ・・・。まあそうなんだけど・・・」 私は赤い顔でボソボソと呟く。 「恥かしそうな魅ぃちゃん、かあいいよぉ!おっ持ち帰りぃ~っ!!」 暴走したレナを皆が何とか止めてくれ、私は私服に着替えた。 私達は幸せの絶頂にいた。 圭ちゃんは明日から園崎本家で一緒に暮らす事になった。 婆っちゃは『頭首になるまで二人で暮らしたらいいんね』と言ってくれたが、やっぱり私は婆っちゃが心配な訳で・・・。 それはともかく、皆に祝福され宴が終わり、私は圭ちゃんと古手神社を出て、雛見沢分校へと歩いて行った。 全ての始まりの場所。流石に夜なので中には入れないが、私達は感慨に浸った。 あの教室で秘め事をしていた頃の自分が、今の私達を見たらどんな反応をするのだろう。そう圭ちゃんに聞いてみた。 「くっくっく!顔真っ赤にして鼻血を出してブッ倒れると思うぞ?」 まあ、間違い無くそうだろう。 私はポケットからセリカのキーに付けていたオーナメントを取り出す。 それを圭ちゃんに渡して、屋根の上に乗る様に投げて貰った。 『22才の別れ』の歌詞とは違うが、ともかく今までの『私』とバイバイする。そんな22才の私の『別れ』。 今日から私達の新しい時間が始まる。 「圭ちゃん!私を死ぬまで離さないでね!」私は圭ちゃんに笑顔で言った。 「大好きだよ!!」ってね。 <終わり> Tips『卒業』 あれは高校二年の時。 圭ちゃんと学校帰り、エンジェル・モートに寄るため駐輪場に二人でバイクを停めた時である。 目の前の道を青いセリカXXが颯爽と走っていった。私は一瞬で心を奪われた。車に興味を持った瞬間だった。 『免許を取ったらセリカXXに乗る!』そう圭ちゃんに興奮気味に話したのを覚えている。 働き出して、赤いセリカXXを買った。乗るうちに改造したくなり、一通り手を加えて公認車検を取った。 色々な所へ私達を連れて行ってくれたセリカ。 いっぱい思い出が詰まったセリカを手放すのは辛いが結婚するのだから改造車に乗っている訳にはいかない。 そう。今までの私からの卒業、そして新しい生活への第一歩なのだ。 あと少ししたら業者が車を引き取りに来る。 綺麗に洗車したセリカのドアミラーを触って言う。 ありがとうセリカ。今まで楽しかったよ? サヨナラ。セリカ・・・。 ~エピローグ ~ 平成二年 十月 新婚二ヶ月目を過ぎた頃、私の妊娠が判明した。 出産予定日から見て、プロポーズの返事をした日に出来たのだろう。 赤ちゃんが出来てから夜の営みは無くなったが、出来る範囲で圭ちゃんを慰めている。でもやっぱり物足りないと思ってるだろう。あと少し待ってて欲しい。 私は幸せ者だ。 圭ちゃんは頑張って働いて、私を養ってくれているし。おはようのキスからおやすみの抱擁まで忘れずにしてくれている。 ちなみに今、私は手紙を書いている。 来年の三月に誕生する、我が子へ宛てた手紙だ。 意外と私は少女趣味というかロマンチストなところがあるのだ。 現にノリノリで書いている。 まあ内容はこんな感じだ。 【お母さんから愛しいあなたへ はじめまして。あなたはお母さんの中で元気に育ってくれていますか? あなたがお母さんの中で住み初めて五ヶ月経ちましたね。 お父さんとお母さんはあなたに早く会いたくて仕方ありません。 あと五ヶ月したら、あなたに会えるかと思うと幸せな気持ちになってしまいます。 お父さんは毎日、お仕事から帰るとお母さんのお腹を撫でてくれています。 そうそう。お父さんは凄く優しくて頼り甲斐のある人です。お母さんはずっとお父さんに引っ張って貰って、今の幸せな時間を過ごせています。 そう。嫌な事も忘れてしまう位、お母さんはお父さんと居て楽しいのです。 きっとあなたも気に入ってくれると思います。 あなたが元気に産まれて来てくれる事を願っています。 あなたとお母さんとお父さんで仲良く暮らしましょう。 そして、あなたが大きくなって、好きな人が出来たら教えてあげる。 お父さんが、どれだけお母さんを愛してくれたか。 お母さんが、どんなに幸せだったか。 それを聞いたあなたはどう思うか分からないけど、絶対後悔はしないはずです。 こんなに皆から祝福されて誕生した事を知るのですから。 ではまた三月に会いましょう。 あなたのお母さん 園崎魅音より】 Fin.
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「あっはは、今度は梨花が鬼の番でしてよ! 」 「みー。本当に角の生えた鬼さんに捕まってしまったのです」 「あうあう……ボクは鬼なんかでは無いのです!! 」 かわいい……どうしてなのだろうか。あのような小さな女の子は純真で無垢なんだろうか。汚れなんて何も無い天使のような存在。いや、天使よりも至上の何か。神様が与えてくれた奇跡とでも言えばいいのだろうか。 無邪気に走り回る小さな女の子たちを見るとぽうと体の下半身の芯が熱くなって…… 『元気だねえ沙都子たちは』 また空気が読めない胸のでかい女が私の心に土足で入り込んできた。いつもいつもいつも邪魔ばかりする、汚い大人への発育の始まっている女。私もその過程にいることはもちろん自覚している。心も体も汚れを浴びる大人への階段。避けることのできない悲しい道。そんな中に自分もいるのが侘しい。 せめてあの子達はそんな汚れを浴びて欲しくは無い。見たくない。汚されたくは無い。 ……違う。心の表はあの子達を心配している。底は違う。汚れを知らないあの子達の純真を骨まで食べたい。知ってしまう前に食い尽くしてあげたい。 沙都子ちゃんのあのタイツに包まれた足と気丈を振るいながらも本当は弱々しい心のうちを締め上げたい。 羽入ちゃんの二本のそそり立った角を舐りまわしたい。 梨花ちゃんのあの黒髪の中の顔をうずめて毛髪を吸い取ってあげたい。 気にも掛けずに話し込んでくる魅ぃちゃんの戯言を流しながら私は再びあの無垢な三人を視姦し始めた。 私がこんな性癖を持ったのはなぜだろうか。気が付いたら小さな、しかも自分と同じ女の子に興味を持ち始めていた。子供のときに見た大人、母親と父親の汚い大人の内を知ってしまったからだろうか。 それとも、雛見沢には魅力的な同い年の男子がほとんどいないことが起因したのか。 わからない。もしかしたら誰も、獣すら持っていない狂った異常な性癖を授かって私は生まれ出でたのかもしれない。 「んはぁ……すごい……かぁいいよう……んくぅ」 家のベッドに潜るといつも始まる私の慰み。俗に言うおかずはあの小さな三人の写真。 毎日、ローテーションを組んであの子達を犯し、犯されるのだ。羽入ちゃんの角が私の秘裂に食い込んでくる。私の垂れ流した淫液で濡れた角が怪しく光る。 「羽入ちゃん駄目……んああ! 大きいのが……いっぱいだから……ね」 自分の指を引き抜いていく。自分の出したよだれにまみれた指先を舐め回す。 さらなる刺激を求めて、私はおかずを変えた。それは一昔前の写真だ。昔と言っても片手で数えられるぐらい年数。写っていたのはショートカットの似合う笑顔の眩しいかぁいい子…… 「もっとレナを見て、ん! もっと頂戴……ねっ……」 よつんばいになった私は写真の少女を凝視し両手の指で秘裂をかき回す。 「あっ……」 真っ赤に腫らした突起に触れた瞬間に私は絶頂を迎えた。 「ハア……はあぁ……良かったよ……礼奈ちゃん……」 私が最後におかずにしたのは紛れも無い、幼い頃の私の写真だった。汚れをまだ知らない綺麗なころの私自身を私は犯したのだ。 今日の部活は鬼ごっこだ。鬼は圭一君。いっせいに皆散っていく。 ───わざと捕まってやろう……まずは 圭一君に気付かれないように速度を落として私は捕まった。 「はぅぅ、レナが鬼になっちゃった……」 「レナさーん! こちらでしてよ! 」 少しだけ掠れて艶めかしい声が私を呼ぶ。沙都子ちゃんだ。 ───ふふ。すぐに捕まえて、お持ち帰ってあげるね。 狙いを定めて一気に距離を詰めた。やはり小さな女の子の足じゃあ到底私には及ばない。弱々しさの見える沙都子ちゃんのその非力さに私は劣情を感じた。 「捕まえたよ。沙都子ちゃん!」 激しい息切れを起こす沙都子ちゃんを抱き留めるように捕獲した。 「はあ、はあ……レナさんには適いませんわね……」 生温かい息と肌からにじみ出る沙都子ちゃんの汗を目一杯堪能する。その汗と息を舌の上に乗せたいという衝動が巻き起こるがここは自重しておく。その代わりに黄金の輝きを引き放つ髪の毛に自分の頬を擦り付けてあげる。 「はっ、はうぅぅ。気持ちいいよう……」 「もう、レナさん。くすぐったいですわ」 でも今日の沙都子ちゃん……何か変だった。いつもの調子を出せてない…… そんな感覚。いつもでも見ているから私には分かる。特に運動した後には必ずと言っていいほどに顔を紅潮させて…… 「あの、レナさん……」 体育の授業のあったその日の放課後に小声で沙都子ちゃんに相談を持ちかけられた。 帰宅しようとした矢先の思いがけない出来事に気持ちが上昇していくのが分かる。 「どうしたの……沙都子ちゃん? 」 ゆっくりと諭すように天使に話しかける。しかしながら俯いたままで顔を朱に染めているだけだった。とてもいい顔。 「大丈夫だよ、沙都子ちゃん。誰にも話したりはしないから」 「…………」 上目遣いでこちらを見てくる沙都子ちゃんに気が遠くなるのを覚えてしまう。これだ。沙都子ちゃんの時折見せるこの弱々しさ。気丈さとのギャップに私は魅入られて深みに落ちていってしまう。いつものこと。 意を決したように沙都子ちゃんは口を開いた。 「私、最近胸の辺りが……こう、なんていうか熱くなってしまう……と言いますの?特に運動した後は衣擦れみたいになって、じんじんと……疼いてしまうんですの」 疼くという卑猥な言葉が出てくるなんて……沙都子ちゃん…… 「そ、そうなんだ。沙都子ちゃんもそういう時期になっちゃったんだね……」 冷静を努めて説明を行う。 「経験がお有りなんですの? 」 「大人になるときはどうしても敏感になる時期か来てしまうものなの。レナや魅ぃちゃんはもう済んだかな……」 沙都子ちゃんが苦しんでいるのは一種の成長痛だろう。疼いてしまうという表現も決して彼女は卑猥を以って話したのではない。でもこれは無二の好機だ。私の頭の中であらゆる算段が繰り返される。冴えた頭が照らし出したのは…… ───本当に持ち帰ってしまおう 「……ねえ、沙都子ちゃん。レナの家に来ない? その痛みについて色々と対処の仕方を教えてあげるから……」 「本当……ですの? 」 「大事な仲間のためだからね……おいでよ」 圭一君が普段連呼している仲間という言葉を餌にして返事を待つ。 「ありがとうございますわ、レナさん。話をしてよかった……」 「ふふふ、じゃあ行こう。すぐに楽になるから……ね」 疼痛に悩む純真な沙都子ちゃんが釣れた。欲望が現実になるのはもう、時間の問題だけ。これで九分九里、未発達の青い女の子をこねくり回すことができるはず。だってもう釣れてしまったんだから。陸に揚がってしまうのだから。 私の頭の中には二重、三重に性欲プランが構築されている。トラップの達人でさえ回避はできない。欲情にまみれた笑顔を貼り付けて私は沙都子ちゃんの手を取った。 自宅に招きいれた私は自室に招き、性の講義を始めた。 沙都子ちゃんは疼痛を防ぐために。私は沙都子ちゃんを料理するために。 「良い、沙都子ちゃん? 今あなたを悩ませている疼痛……胸の疼きはね、成長痛って呼ばれているものなの」 「成長痛……」 まっすぐに私を見据えている沙都子ちゃんの視線をジンジンと感じながら、私は言葉を続けた。 「そう。人が大人の階段を登り始める時期に必ず訪れてくるものなの」 「大人の……では私は大人になり始めているんですの? 」 沙都子ちゃんの表情が少しだけきらめきを放ったような気がした。 「……沙都子ちゃんは大人になりたい……? 」 答えを聞きたくない質問を私は投げかけた。 「……ええ。早く大人になりたいですわ」 心の底がゾッと急激に冷え込んでしまうのを覚えた。 「早く大人になって、にーにーやレナさんのような立派な強い人間になって生きていきたいんですの……」 「でも、大人になることは辛いことだと思うよ。いろんな汚いものを体と心に刻み込まれる……それはとても……」 「いいんですの」 私の言葉は中途で遮られた。 「そのようなものを全て受け入れて、立派な人になれるのだと私は思っていますわ」 「沙都子ちゃん……」 そんな……嘘だ嘘だ。あんな汚らわしい存在に夢を見ているなんて……腐りきった大人に早くなりたいなんて……じゃあその無垢な笑顔は何? 澄み切った瞳とあなたの弱々しい心は何だったの? 買うことのできないその純真さをあなたは捨てようとしているの? 私が毎日どんなに沙都子ちゃんを想ってきたか……駄目だ、沙都子ちゃん。腐り切って、賞味期限が過ぎる前に何とかして…… 食べなきゃあなたを。 いいよ、沙都子ちゃん。あなたがその気なら。あなたの思いを尊重してあげる。 でもそれは体裁だけ、外側だけ。食べるための口実のために利用する。 「話が逸れましたわね。本題をお願いしますわ」 「まず、沙都子ちゃん。運動をした後に特に痛くなっちゃうこと多くない? 」 「ええ、おっしゃるとおり……今日の体育の後なんかすごくて……」 今も疼きがあるのだろうか。胸の辺りを押さえながら沙都子ちゃんはつぶやいた。 「衣服との擦れ合いによってそれは起こってしまうことが多いの。それを防ぐにはね胸の突起……つまり、うん、沙都子ちゃんの乳首を保護してあげれば軽減するの」 乳首という言葉にぴくりと体を震わせたのは気のせいじゃあない。 「じゃ、じゃあどうやって保護すれば……」 「適当なシールみたいなのを貼ってあげるの……」 「シールを貼ればいいんですの……」 ふふふ、本当なら適当なブラを当ててあげれば擦れあいは防げる。でも、この子は無知。だから少しばかり恥ずかしいことを吹き込んであげる。小さな子供にいたずらを掛けるロリコン魔の気持ちが少しだけ理解できた。 「シールって言われましても具体的にどのような……」 小首をかしげた沙都子ちゃんにさらなる嘘を吹き込んであげた。 「一般には絆創膏がいいんだよ、沙都子ちゃん……」 「そう、絆創膏を貼るんですの……」 「貼り方も教えてあげなくちゃね……沙都子ちゃん、お洋服脱いでくれるかな」 沙都子ちゃんの目がくっと見開いた。わずかな赤みを帯びている瞳が揺れ動く。 「ぬ、脱ぐんですの? 」 少し軽率だったかな。でも…… 「沙都子ちゃん、よく聞いて。これはあなたのために、あなたが大人になるためにやっていることなの。恥ずかしいことかもしれないけれど、沙都子ちゃんの成長のためにレナはね、言うの。あなたが立派な大人の人になって欲しいから。ね、だから……」 自分に妹がいたらこうやって諭していくのだろうか。考えを張り巡らせて、私は言葉を選んでいった。そうしていけば目の前にいる幼女は…… 「ごめんなさい、レナさん……レナさんがこんなに親身になってくれるなんて……ありがとう」 ほら、大人という言葉を出せば沙都子ちゃんは簡単に折れてくれる…… 一見はわがままそうな感じだが押しにはとことん弱い女の子…… 「レナさんが……私のねーねーみたいに……」 そして筋金入りの甘えん坊さん…… 「ふふ、じゃあねーねーの言うこと聞いてくれる? 」 「はい、分かりましたわ……」 そうして沙都子ちゃんは自分の上着を脱ぎ始めた。 「これでよろしいんですの? ……やっぱり……恥ずかしいですわね」 上半身をさらけ出した沙都子ちゃんが目の前にいる。紅潮した顔を携えて、胸の辺りを両腕で隠している。その困惑した顔とみずみずしい素肌が私の唾液の分泌を促す。溢れる生唾を飲みながらじっくりと舐めるように見た。 「じゃあ、腕をどかしてみようか、沙都子ちゃん……」 「……わかりましたわ」 ゆっくりと両腕を下に降ろしていく。 「んっ……」 突起が空気にさらされて、くぐもった厭らしい声を沙都子ちゃんは吐いた。 毎晩オナニーで夢想していた幼女の乳首が今、目の前にある。夢みたいな光景に私の胸の突起も勃起してきた。 「はうぅ、沙都子ちゃん、少し赤くなっちゃてるね……」 沙都子ちゃんは二つの突起は真っ赤に腫らしていた。歳にしては大きめの膨らみに付いた沙都ちゃんを疼かせる神経の集まり。 「はい、これが……たまらなく……疼いて仕方がないんですの……」 少し涙を浮かべている沙都子ちゃんにくらくらになりながらも、私は冷静を呼び戻す。 「うん、じゃあ、絆創膏の貼り方を教えるね。とりあえず、今はレナの指が絆創膏だと思ってね」 沙都子ちゃんの後ろに回りこみ、抱き込むようにして両手を沙都子ちゃんの体の前面に回した。 「……ひぅ! 」 両の人差し指の腹でそっと突起を抑えてあげる。待ちに待った幼女の突起に触れた。 ───幼女の……甘えんぼ幼女の乳首が私の指に…… コリコリしてあげたいけれどここはまだ我慢。 「こうやってね、突起を包み込むようにしてあげるの……こうして動かしても、あまり痛みを感じてしまうことはないはずだよ……」 指の腹を押し付けたまま左右に揺すってやると…… 「んん、レナさん……そ、そんなに、動かしちゃあ……」 こうやって艶めかしく鳴いてくれる。そんな鳴き声されると……もう…… 「あ、あっあっ! レナさん……指が……」 「ほら……こんなに動かしても大丈夫……鬼ごっこしても缶蹴りしても大丈夫だね……」 ごめんね、沙都子ちゃん、でも大人になるためには必要なんだよ?私の愛撫に耐えられなくなったのか、私にのしかかるようにして体重を預けてきた。心地よい重みが私を支配する。 「レナさん……何か、痒くて……んぁぅ、あ、熱いのが……」 ふふ、きちゃってる、きちゃってる…… 「これで絆創膏の貼り方分かったよね……」 目をつむって大きく息を吸っている沙都子ちゃんを見下ろす。ゆっくりと頷いた沙都子ちゃんに対して私は再び言葉を紡いだ。 「じゃあ次は、今まで溜まってた凝りと張りを解消させるマッサージ教えるね」 「はい……それを行えば、さっきの……痒いのと熱いのが……取れるんですの……? 」 私の膝の上に乗っている沙都子ちゃんは大きな瞳を潤ませながら問いかけてきた。 「お願いしますの、レナさん。私……もう何か、おかしく……なって」 さっきのがよほど効いたのだろう。私の手を握り締めて必死に哀願してきている。 「でも、ここじゃ駄目。沙都子ちゃん、ここじゃ風邪引いちゃうから。ね?お風呂場に行こう? 」 「お風呂……はい、行きますわ……お風呂……」 「まず背中と髪を洗ってあげるね沙都子ちゃん」 こくりとうなずく沙都子ちゃんの背後に回ると、泡を立てたスポンジを体に当ててあげた。でも…… 「……んん、やぁ、レナさん、スポンジが……」 スポンジの刺激に敏感な肌が耐えられないのだろうか。あてがうごとに吐息を漏らしていく。このままごしごしと直接乳首を擦ってあげたい衝動に駆られるのだがここも抑える。内心はバクバクなのだけど。 そこで私はスポンジから泡だけを取り、素手で体の隅々まで洗ってあげることにする。洗い終えた私は、沙都子ちゃんのふんわりとした髪の毛を洗いにかける。 「痛くない? 沙都子ちゃん? 」 「はい……とても優しくて気持ちいいですわ……」 まだ青々しいにおいを放つ沙都子ちゃんの髪を指先に憶えつけるように触姦する。 「んん、気持ち……いい……なんだか本当のねーねーに洗われているみたい……」 ……そう。私は今この子、姉になってあげているのだ。いきなり獣になってこの子を襲ったらねーねー失格になっちゃうから……まだまだ泳がせないと。 「それじゃあ、次はマッサージですわねレナさん」 体を清めた私たちはついにマッサージの準備に取り掛かる。沙都子ちゃんはこの胸の疼きを止め様として躍起になってる。もうすぐだよ沙都子ちゃん。いっぱいほぐしてあげるからね。 「そのマッサージは……あの……痛いのですの? 」 「ううん。全然そんなことない。むしろ、疲れや凝りが取れて気持ちいいの」 だって……性感……マッサージだもの…… 純情さをひしひしと見せ付けてくる沙都子ちゃんに少しの罪悪感を感じる。駄目なねーねーでごめんね。 お風呂場の床にバスタオルを敷き詰めて直に座っても痛くないようにする。沙都子ちゃんに座るように指示し私はローションを手に取った。 「これ? これは肌の滑りをよくするためのものだよ。これを塗っておけば痛みを抑えてマッサージできるの」 「この……ローション? をレナさんはどうして今も持っていますの? レナさんも時折マッサージをしていますの? 」 微妙なところを突いてきた沙都子ちゃんに対して注意して答えた。 「う、うん。レナも時折やるの。……気持ちいいし美貌にも良いんだよ? だよ? 」 まぁ、マッサージといってももっぱら下半身のマッサージだが……もちろんこのローションも自分のオナニーのために使ってたものを転用したものだ。これを使って何度も沙都子ちゃんを夢想したことか…… 「それでは、お願い致しますわ」 妄想中にいきなり振られた私は急な鼓動の高鳴りを抑えながら、その幼幼しい肌に、まずは肩口から液を流し込んでいく。重力に従って下半身に垂れていくその感触を沙都子ちゃんはどう感じているのか…… 「な……にか……ぬるんぬるんしたのが、いっぱい……来ていますわ」 両の肩口からたくさんのローションを垂らしてやる。かぁいい、かぁいい幼女のために奮発して使用する。 「じゃあいくよ……」 私の指が沙都子ちゃんの肩口に触れるとびくりと体を震わせた。最初は方から首にかけて本当のマッサージのように解きほぐしてやる。 「あっ……いい」 柔らかな肌に触れることがついにできた。内心の緊張が私の指を震わせる。 「すごい、良いですわレナさん……でも、あの……お胸のほうにも……していただかないと……駄目なのでは……」 ───ふふ、お部屋でやった前戯が効いちゃったのかな…… 胸のほうへと両手を滑り込ませて沙都子ちゃんの膨らみに引っかかるようにしていたローションの塊を円心状に押し広げてやった。 「くぅうん!! ぬるぬるが……何か……私、獣に体を舐められてるみたいですわ」 鋭いんだね沙都子ちゃん。獣はあなたのすぐ近くにいるよ。近くにいて息荒げてごちそうの下ごしらえをしてるんだよ。 液によって艶めかしく光っている沙都子ちゃんは本当に全身を舐め尽されたみたいになっていた。 そのまま自分の両の手で膨らみを押しあげて本格的に揉みしだいていく。 「んん……はぁ……レナさん……」 吐息がさらに大きくなっていくのを実感した私は核心の迫る。 「突起のところもやっちゃわないとね……」 満足ができなくなった私、沙都子ちゃんもかな……ついに乳首に刺激を与える。 「はぁぁぁ! そこですの! そこがたまらなく……あ」 人差し指と中指でこりこりと朱に腫らした突起をこねてやる。 「あ、あっあ! じんじんして……おかしくなって……」 目を瞑って見知らぬ快感に酔い痴れている沙都子ちゃん。その頬は桃色に紅潮していた。ときおりびくんと体を震わせていくのがとめどない情欲を誘う。 「こうやって解していくの。どんどんどんどん楽になっていくからね……」 手に力を込めて摘み取るようにして刺激を与える。ぬるりとしたローションにまみれているから痛みではなく快感に転じているはずだ。 「やぁ……なんか……ん、熱いのが……お胸だけだったのに、足の間にもきゅっと何かが来てて……」 いけない子……ただのマッサージなのにイきそうになってるなんて…… 「もうすぐだよ……もう少ししたら楽になるから」 かなり脱力を見せている沙都子ちゃんを抱き留めてやる、そして意を決してもらう。 「!? レ、レナさん! そこは……」 脚の間にあるもう一つの突起に指を差し入れた。ここを弄べばすぐにころっと達してしまうだろう。 「ここを刺激をしてやれば、もっともっとすぐに楽になるからね……」 「……恐い……恐いですわレナさん。私……何か……恐いのが来てしまいそうで……」 思ったとおりの反応。ここまで予測どおりだと何か微笑みが漏れてしまう。 「じゃあ、やめる? 恐いなら……ねーねーの言うこと聞けないなら……やめてもいいんだよ」 ねーねーの言う事を聞けない悪い妹には鞭が必要だ。ぱっと指の動きを止めた。 「どうするの……一生、疼いたまま暮らしていく? 」 くっと目を見開いた沙都子ちゃんは首を懸命に振りながら哀願してきた。 「い、嫌ですわ、ねーねー、私疼いて疼いて仕方がありませんの……」 「……だから? 」 「お願い……続けてくださいませ! 私を早く早く……楽に」 哀願幼女に心と下半身を打たれた私は思わず性欲に素直な妹を抱きしめてやる。 「ごめんね沙都子ちゃん……レナ少し言い過ぎちゃったね……でも大事な妹を思って 言ってしまったの……許してね……」 「はい、ねーねー。私もごめんなさいですわ。ねーねーの気持ちを蔑ろにしてしまって……だから、ねーねーの思うように……続けてぇ……」 スイッチが入っちゃった沙都子ちゃん。イかせてあげるからね……たっぷり。 再び私は上半身の突起と下半身の突起に手を添わした。もう両方とも真っ赤に充血していた。 「ほら、こっちのほうも撫でてあげるといいんだよ? 」 「あぅ……ああ! やぁ、壊れて……しまいそう! 」 結構強めにクリトリスを刺激してあげるのだが、なかなか粘っている。触った瞬間イってしまうと思ったのだが…… 「はうぅ……レナ少し疲れちゃった……」 少し指を休ませようと動きを留めた瞬間だった。ぐっと私の手が掴まれた。 「いや! やめないで下さいませ! ねーねー、もっとコリコリしてぇ!! 」 もはや私の指の動きではなくて、沙都子ちゃんの力だけで愛撫が持続された。 「あ、ああっ! ねーねー! レナねーねーぇ!!!! 」 一段と体を振るわせた私の淫乱妹は自分の意思と力で絶頂に達した。 私の指に絡みついた愛液を、渇望していたそれを一滴も残さずに私は口に入れた。 「ふふ……いけない子……」 「年上の方とお風呂に入るのはにーにー以来ですわね……」 情事を終えた私たちは一緒に湯船に浸かっていた。ちょうど私が沙都子ちゃんを後ろから抱くような形をして湯を浴びている。 「悟史くんとはよくこうやって一緒に入ってたんだ……」 「ええ、懐かしいですわ……でも」 沙都子ちゃんが振り返り私のことを見つめた。 「今は……優しくて綺麗なねーねーがいますから……寂しくなんかありませんわ」 「沙都子ちゃん……」 私は目の前にいる妹をぎゅっと抱きしめてあげた。 お風呂からあがった私は沙都子ちゃんの体を丁寧にふき取り、例の絆創膏を手に取った。 二つの絆創膏を二つの突起に貼り付けていく。 「これで、疼痛を防げるはずだよ……沙都子ちゃん」 「ありがとうございます。これで鬼ごっこもへっちゃらですわね」 何も知らない沙都子ちゃん。これで私だけの絆創膏幼女の完成だ。これからは毎日下着の下に絆創膏を貼って登校し、授業を受け、ご飯を食べ、部活に勤しみ、罰ゲームを 受けちゃうのだ。その姿を想像したら、沸々と性欲が溢れてきた。 「ねーねー、今日は本当に感謝していますわ」 家の玄関で帰り支度をしている沙都子ちゃんを見送る。家に来たときとは違い嬉々とした表情の笑顔を見せてくれる。 「沙都子ちゃん、私の家に泊まっていっても良かったのに……」 「お気持ちはうれしいですわ……でも梨花と羽入さんを待たせてしまっていますから……」 玄関を開けると夕暮れのオレンジが差し込んでくる。 「……ねーねー……あの」 表情が弱々しくなった。愛撫しているときに見たあの哀願するような瞳。 「また……体が疼き始めたら……あのマッサージ……もう一度お願いしても……」 もちろん私はそれを快諾する。かぁいいかぁいい、妹のためだから…… 「もちろん……またおいで……」 沙都子ちゃんがいなくなった後、私は一人ベッドに潜り込む。刻み付けた沙都子ちゃんの味や感触を自分のものにするためだ。沙都子ちゃんは私のことをねーねーと呼んでいたが…… ふふふふふ、それはあの子の賞味期限が過ぎる前までの話。ただの形骸。これからあの子は私の愛撫を求めてくるだろう、優しい優しいねーねーの気持ちいいマッサージを。 その日が来るまであの子を骨の髄まで味わってやろう。少しでも拒絶を見せたらまた鞭を振るえばいい。あの子はとても従順そうな幼女だから。 三人の幼女のうち一人は陥落した。残りは古手羽入ちゃんと古手梨花ちゃん。 次はどちらを噛んでやろうか。気の弱そうな羽入ちゃんのあの角を味わってみたい。 少し斜に構えたところのある梨花ちゃんのぺたぺたの胸をさらけ出してあげたい。 ……決めた。羽入ちゃんにモーションをかけよう。梨花ちゃんの胸も魅力的だが、あの角の方が引かれる。というかあれはいったい何なのだろうか。硬さは? においは?味は? そして、あの子は意外と……エロい。圭一君が話していた猥談に目を輝かせて参加していたのを知っている。陥れるのには絶好の獲物だ。あの角で貫いてもらうのも良いし、角を舐めながら羽入ちゃんの秘所を責め立てるのもまた一興。エロ幼女の本性を暴いてやろう…… 次なる獲物の夢を見ながら、私は沙都子ちゃんのにおいの付いた指先を自分の秘所に突き入れた。 <続く>l 変態レナ 羽入編 -
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2007/12/22(土) 「先生、さよなら~!!」 「はい、さようなら。みなさん帰り道には十分気を付けるんですよ」 からりと晴れ上がった初夏の土曜日。私の生徒たちと帰りの挨拶を終える。授業は昼で終わるということもあり、子供たちは目をらんらんと輝かせて各々帰路について行く。 「ふふふ……昔を思い出すわね……」 授業が午前中で終わる土曜日に、何年か前の私も同じように目を光らせて過ごしていたことを思い出す。 平日の下校の雰囲気とは違うさんさんとした太陽を感じながら、お昼のカレーを自宅で食べて友達のところに遊びに行く…… そんな良き土曜の一日の思い出が私の中で反芻されていった。 職員室に戻った私は残りの業務に励む。その途中、日直の子から日誌を受け取りそれに判を押す。日直の子は早く帰路に着きたいのだろうかそわそわしながら私の返事を待っていた。 「はい、確かに受け取りました。気をつけて帰ってくださいね」 元気の良い日直の子の挨拶を受けて、私の顔が思わず綻んでいく。 午前中で終わった土曜日も相まって、一時間も経たないうちに私は今日の全ての業務を終えた。 「知恵先生。お疲れ様です」 「お疲れ様です。校長先生」 分校のもう一人の教師もある校長が私に声を掛けた。 「どうやら、業務は全て終えられたようですな。帰宅されてもよろしいですぞ。 学校に残っている生徒たちは私が見送りますからな」 「そうですか……じゃあお言葉に甘えさせてもらって……」 デスクの上の書類を片した後、教室の様子を伺いに戻る。『部活』に精を出していた 委員長たちに一声掛けて私は分校を後にする。私の中の土曜日もまた始まろうとしていた。 自宅のキッチンに足を運ぶ。芳しいカレーの匂いがほのかに香っていた。今日の朝、私は早起きして既にカレーを作り上げていたのだ。もちろん、今日はいつもより早く帰ることができると見越していたから。久しぶりにカレーで自宅の昼を過ごすことができる。幼少の頃の土曜のお昼が思い返されて、私の心がいやおうにも高揚していくのが分かる。 朝作り上げた時間から数えて数時間、熟成させていたカレーを弱火にかけて温めていく。その間に私は炊き上がった私の米飯の様子を見に行く。もちろん、これも洗米を済ませて私が帰ってくる時間に合わせてキッチンタイマーを仕掛けていたものだ。 「……うん、ご飯、いい感じに炊き上がってますね……」 ふっくらとやや硬めに炊き上がったそれを見て、次第に私の胸か高鳴っていくのを感じた。炊飯器でできた米飯にしてはなかなかの出来に仕上げることができた。私が炊くお米も吟味を重ねて選択したものだ。粘りが少なくお米同士のくっつくことの無い、それでいてルーの染み込みやすいお米……長年の研鑽を重ねて発見した業とお米の集大成が目の前で煌々とした湯気を放っている。 「んんん……はぁ……いい匂い……」 目を瞑り、私の米飯の匂いに酔う。十二分にそれを堪能した後にカレーの様子を見に行くことにする。 「ごめんなさいね……すぐ戻ってくるから……」 名残惜しそうな私の米飯にしばしの別れを告げて炊飯器から離れた。 後ろ髪を引かれつつカレーの鍋を覗き込む。ふつふつと静かに煮立っているそれは、私の特製のスパイスの香りを放っている。控えめにその匂いを主張していた先ほどの米飯とは違い、私の煮立っているカレーはその存在をダイレクトに私の鼻腔と視覚に訴えかけてくる。わずかに照りの乗っていてとろとろとしたルーの中にジャガイモの白色と人参の赤色が見え隠れしていた。そしてそれを取り巻くように繊維ほどの細さになるほど煮込まれた鶏肉が周りに点在している。 「ふふふ……我ながら良い出来ですね……」 私の得意カレーの一つであるチキンカレーが出来上がった。この出来なら一流のレストランのカレーにも遜色の無いものだと私は思う。しかし私の作ったカレーを売るような真似だけは出来ない。心を込めて作った私のカレーをどうして売るような ことが出来ようか…… 私はお鍋にかかっていた火を止めた。そして、カレー皿を棚から取り、炊飯器の所へ足を運ぶ。 「待たせてしまってごめんなさいね……」 私のことを待っていた私の米飯に声をかける。しゃもじを持ち余計な圧力をかけないように注意を払いながら形良く米飯を皿に盛っていく。残りのご飯を米びつに移した後、炊飯器のふたを閉める。そのままカレー鍋のもとに行き、お玉でルーをかける。多すぎず少なすぎず……細心の注意を払いながらルーを落としていった。この作業を怠ってしまうとルーとカレーのバランスが崩壊してしまう。 「ルーだけがいたずらに残るというような、致命の痛手は何としても避けないと……」 うまくいったようだ。バランス的に完璧なカレーライスを見て思わず自分の口角が釣り上がってしまうのがわかる。 「もうすぐ……もうすぐですからね……」 テーブルの中心に私のカレーが鎮座している。そのちょうど右側にスプーン、やや左上方にお冷を置く。後は食べるだけ。 「いたただきましょう。……!!」 スプーンで切ったご飯に断面にはルーが十二分染込んでおり、私の目が釘付けになる。私のカレーを口に運んだ瞬間、芳しい香りと舌を突付くようなスパイシーな味が口内に広がった。あまりの美味しさの衝撃に私の背中がぞわっと総毛立っていくのがわかる。 「はぁぁ……なんて美味しいの……」 私のカレーがもたらしてくれた何にも代えがたい喜びに体が震えていく。十分に一口目を堪能した後に二口目を頬張る。今度はカレーのもたらしてくれる喉越しを楽しむ。こくりと喉を震わせると、熱いカレーとご飯の塊が私の体の底に降り立っていく。体の奥から感じる熱さに悶えながらスプーンを進めていく。 「はぁ……はぁ、ん、んく……か、カレー……私の……んん」 私はスプーンでルーとご飯をきれいに形作り、口に運び続けていく。かちゃりとスプーンとお皿が立てる音にもまた小気味良さを感じてしまう。自分の口内と耳腔を楽しませてくれる私のカレーに、何か言い表せない崇高さのようなものを覚える。無意識に感じてしまうカレーへの想いに自分の心臓が高鳴っていく。 「はぁ……はぁ……はあ……んっん……熱いぃ」 息が続かなくなるほど夢中で貪り続けていたために自然と呼吸が荒くなっていく。私の熱くなった口内に冷たい空気が入り込んでいく。心地よいその感触にしばらく身を晒す。 「ふう……まだいっぱい残ってますね……」 半分ほど残ったカレーを一瞥し、私はまだしばらく続くであろう享楽に身を委ねる。その思いが私のお腹の奥をさらに刺激していく。 「さぁ、行きましょう。一緒に」 私はスプーンの動きを再開させご飯の一角に向かっていく。次はルーを多めに取り口に入れた。中にいた小さな私のジャガイモの塊をころころと舌を使って転がしていく。糸切り歯を使って半分に割り、その断面の感触を味わう。ジャガイモ特有の素材の甘味が染み出て私の舌を染め上げていく。さらなる唾液の分泌が促されていくのがわかる。 「……やっぱり良いですね。私のジャガイモも…………んんっ!!」 私はジャガイモに気を取られすぎていた。並々にスプーンに盛られたルーから一滴がこぼれてしまったのだ。私の胸元へとしずくが落ちていく。スローモーションのようにゆっくりと落下する私のカレー。胸元に達する直前に空いていた方の手の平を咄嗟に出した。ぎりぎりのところで手に平に収まりほっと胸を撫で下ろす。 「はあ、はあ。危なかった……」 今着ている白のワンピースが汚れなかったというよりも貴重なカレーを犠牲にせずに済んだという思いのほうが強かった。しかし、これからは着ている服にこぼさない様に食べなければならないという邪念が取り巻いてくるだろう。カレーの時間を 邪魔されるのはなんとしても避けないと…… 意を決した私は着ているワンピースを脱いだ。私としては他人より少し大きいほうではないかと思う、ブラに包まれた双丘が顔を出す。脱ぎ終えた白色のブラとパンティだけを身に付けている状態になる。衣服に篭っていた体熱が開放されて私の気分が爽快に一心された。もうこれで私とカレーの邪魔をするものはいない。 カレーを次々に口に運ぶ。ご飯多め、ルー多め、50:50、にんじん盛り、ジャガイモ盛り、ダブル盛り……スプーンという小さなステージを彩り、時には形を変え繊細さと大胆さを味わわせてくる私のカレー。そのギャップに翻弄され、私はカレーを食べているのではなくて、食べられているのではないかと錯覚する。カレーから受けるその多彩な責めを受け、私のむき出しになったからだが汗ばんでいく。 「あぁぁ、駄目……私のお腹の底に……カレーが、染み込んで……」 「んん!駄目、スプーンが止まら……」 もはや、私のカレーはスプーンを止めてくれようとはしない。残ったカレーを貪りつく様に食べていく。口の周りにルーがまとわり付こうが、カレーのしずくが落ちようがカレーに魅入られた私にとっては、もはや関係がなかった。 気付いたときにはカレー皿は空になっていた。名残惜しくなった私はスプーンを使ってさらに残ったルーを掬い上げていく。そして唇に付いたわずかに付いたルーを舌を使って舐め取る。その傍から見れば卑しい行為を終えた私はお冷を手に取る。内側から火照っていた私の体がすっと冷やされていくのを感じた。 私の胸元に違和感を感じ視線を下ろす。先ほどこぼれてしまったカレーの一しずくが私の双丘の間に吸い込まれつつあった。 「まだ……いたんですね……」 汗ばんだ谷間にいた最後のルーを指を差し入れ掬い取る。我慢できずにそのままルーに包まれた指にしゃぶりついた。私の指から未だ火照りの取れない唇とぬらぬらとした舌の熱さが感じられる。最後のぬくもりを味わいきり、私はちゅぷりと口から指を抜いた。 「ふふふ…………ご馳走様……」 Fin
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前回 Miwotsukushi2 理性を糸に例える描写を圭一は知っていた。そして本当に切れたら音がするのだ、と実感した。 体勢を背を向けていた格好から、向き合う形へと移す。 暗闇の中で大きな瞳、端正な顔立ち、深緑に映る長髪が視界に入った。 詩音は未だ圭一を抱く状態。圭一も詩音の肩に手を置き、一層鼓動が大きくなる。 本当に良いんだな、など確認の言葉をかけるのも圭一は考えた。 だがすぐに本能が優先され、目の前にいる少女との行為が脳に上書きされる。 背に回した手で、詩音をより自分へと近づける。 正対しての密着。初体験の感覚に、圭一は血流の加速を悟った。 足を動かして圭一に絡むように詩音は動く。素足と素足が触れ合い、腿と腿が摩擦する。 上半身を少し起こし、再び圭一は視界に詩音を捉えた。 少し乱れた髪と息に喉を鳴らし、自ら唇を触れさせる。 上唇、下唇それぞれ味わうように吸い、顔を傾けて唇だけの接吻を行った。 最後に舌で唇全体を舐めてから、口を離した。 詩音は笑っていた。意中の男性とキスが出来たと言うのは、やはり彼女にとって悦びを感じる経験なのだろう。 お互いに無言のまま体を起こし、ソファ本来の使い方である着座の姿となった。 圭一から詩音の手に自分の手を添え、詩音も下から強く握り返してきた。 同時に立ち上がる二人。詩音の口から漏れた小さな笑い声に、圭一も少しだけ微笑ましい気持ちになる。 何となく当たりをつけた部屋が丁度詩音の寝室で、『ふいんき』を壊さずに済んだ。 「脱いだ方がいいのかな」 詩音の甘い囁き。最初から裸で行為をしている大人の本とは違う。 リアル。確かに今自分が、視覚、聴覚だけでなく、体との触覚も密着する時の嗅覚も接吻の際の味覚も体感している。 お都合で進む話じゃない。ステップを一回一回踏んでやる必要を圭一は再認識した。 「上だけ……脱ぐかな」 ピンキーでファンシーなパジャマに目を落として圭一は言う。 第二ボタンに手を掛けた所で詩音が呟いた。 「私がしますよ」 圭一の手を払って詩音の指がボタンに触れた。 意外と他人のボタンを外す、と言うのは慣れない行為で手こずるのだが、詩音は器用に片手で開ける。 男子としては些か頼りない胸板。皮の下から浮かぶ肋(あばら)。締まった腹筋。 ボタンを一つ外すことに、男としての前原圭一が露わになる。 「シャツ……渡しませんでした?」 「うぅ……、着れなかったんだよ」 どうだろう。と詩音は笑いながら考えた。 詩音は自分の体にある程度の自負があった。 姉の魅音同様太りにくい体質以上に、二人が常に入れ替わりを行うには体型も重要なポイントであった。 あの転婆姉貴が部活で体を動かして、勝手に不要物が落ちていくのに対し、詩音は自ら体をシェイプさせる必要がある。 数少ない生活資金を切りつめて、園崎情報網をフル活用し効果的な健康グッズも購入したものだ。 だからと言って、圭ちゃんの体も自分のものと大差はないように感じる。 骨格の違いから肩幅は当然違う。 抱きしめた時、どこか男子を感じたのは恐らくそのせいだ。 だが筋肉隆々の野球部よりも、裁縫をする女子の方がよっぽど圭ちゃんぽかった。 ならば何故嘘を付いてまで着ることを拒んだのか。 「くくく……」 「……なんだよ」 「ウブだなって」 ボンと効果音がするような圭一の反応。顔だけが見事に赤く染まり、詩音のウブという表現を改めて体現した。 「確かに女の子の鉛筆とか借りるのも恥ずかしがる人も居ますけどねぇ。圭ちゃんはそんな感じですか」 完全に優劣の立場が明確になってしまった二人。ベッドの上で話す甘い囁きでもなく、ごく普通の日常会話が繰り広げられる。 「……でも、今からそれ以上のことするんだろ?」 圭一が急に動く。 唇を重ね、自らの体重を完全に詩音に預けてそのまま押し倒した。 挨拶程度でも外国ではするようなキスではなく、自ら舌を押し込み詩音の中をかき回す。 詩音は抵抗もできないまま、混乱状態で圭一を受ける他なかった。 いつもは嘗められぱなっしであったものの、さすがにこの時ばかりは圭一がリードする。 胸のふくらみに手をかけ、手の平で覆うように力を入れる。 「っ」 詩音の呻きも唾液が絡まる音に消え、圭一は詩音の胸を堪能した。 左手だけで行っていた行為を、右手も加えて詩音をより追いつめる。 右手は依然詩音の胸に刺激を与えつつ、左手は次のステップを踏んだ。 手探りで詩音の着衣を繋ぐ部分に手を掛ける。 詩音の時とは違いスムーズに開けられない圭一は、若干強引にボタンを開け、いや剥いだ。 外気にあてられ詩音の躰が萎縮する。 右手を一度離し、パジャマの下ブラジャの上に手を添え、再び数秒前の行為を続けた。 ブラの生地はざらっとしていたが、より詩音の乳房を感じることが出来る。 半分忘れかけていたディープキスに意識を戻す。何分不慣れなため、息が上手く吸えず苦しさがあった。 舌を抜き、唇も遠ざける。詩音も息が乱れている。熱い官能的な吐息が、圭一の顔にかかる。 詩音が息を吸うのとは違う、なにか喋るために口を開ける。 圭一は反射的にそれを再び己の唇で塞ぎ、二人の唾液が絡み合った舌をまた差し入れた。 数分同じ行為を続けた所で、詩音にも変化が表れた。 圭一の腕を掴んでいた手を、圭一の後頭部に移動させ、より激しい接吻を求める。 顔を動かし、また違った角度の舌を味わう。 圭一もただ揉んでいただけの両手を、くびれや腰、背中を撫でることも追加する。 軽く汗ばんだ詩音の躰を圭一は舐めるように撫でた。 圭一の本能が、今度はブラを外すことを指示する。 どこかの知識で、ブラを外す時にはそれなりのテクがいるとかなんとか聞いていたが、ボタンとは違い簡単にブラは胸から落ちた。 未だキスのため圭一の視界は塞がれているので、生の乳房を見ることは出来ない。 見るよりも先に、右手の親指が桃色の突起にかかった。 びくん、と明らかに今までと違う反応が詩音に起こった。 それを面白く感じた圭一は、親指で何度も乳首を弾く。 詩音の躰がよじれ、何か逃げるように動き出す。 「はぁっはぁっ」 ここで圭一は完全に顔を詩音から離した。視界に飛び込んできた生の上半身。 月光だけの乏しい明かりに映る詩音の乳房。 鼓動がまた一つ大きく鳴る。血流がまた一つある箇所に集まる。 「なかなか……激しいですね」 息が絶え絶えになっているのを落ち着けつつ、詩音が呟いた。 乳を弄られたことより、大人のキスの方が詩音にとってはセックスを感じていた。 「ガマン出来そうにねぇな、俺」 酸素の欠乏とは違う理由で、圭一は激しい呼吸をしている。 既に圭一の一部分は剛直と化していた。 「ガマンしなくていいですよ。滅茶苦茶に私を愉しんでください」 すっと閉じる詩音の瞼。自分のモノと疑似する詩音の態度に、圭一は雄となった。 まず自分を邪魔する衣服を取り払う。悪魔が与えた恥辱を隠す布を外し、アダムとなった。 青い血管が浮き出、他の箇所の肌よりも少し黒ずんだ皮、そして赤々と膨らんだ亀頭。 思春期の中学生に、前戯は十分な勃起の栄養だったらしく、ぴくぴくと震えて準備万端となっていた。 乱暴に掴んだのは詩音の下のパジャマ。ヒップのラインに沿いはだけるズボンを、片手で足から引き抜いた。 純白のパンティを直視し、円形のシミが出来ていることを中指で確認した。 指でそのシミを弄る圭一。いよいよ声を抑えにくい箇所に刺激が起き、力を入れる詩音。 時折起こるぐちょ、と言う音がより大胆に圭一を動かす。 パンティ越しに溝をゆっくり下から上、上から下となぞる。詩音の手が声を漏らさないため口へと動いた。 それより早く圭一の指が詩音の口腔に入る。 これは知識として存在していた作業で、圭一自身どう意味をなすのかが分からなかった。 とりあえず中指に次いで人差し指も口へ入れ、舌をぐにぐにと弄った。 すると詩音は手首の当たりを両手で掴み、固定し、口腔内の圭一の指をしゃぶり始めた。 自分の意志ではない舌が、こんなに快感を生み出すのかと圭一は思う。 指先に性感帯など無いのだが、ぞくぞくとする小さな刺激に圭一はより鼻息を荒げる。 「んっ……ん……」 懸命に指をしゃぶる詩音を見ながら圭一はパンティにも手を掛けた。腿まで下げて圭一はパンティを下げるのを中断する。 もう邪魔するものなど何もない詩音の恥部。これ以上待つ理由など圭一にはなかったからだ。 左手の指が詩音の指に触れる。溝に沿って再び擦り始める。大陰唇を親指でこする。 途中クリトリスを発見し、乳首にしたように軽く弾いた。 「ああっ!」 一番大きな声が圭一の指の間から漏れた。 弾く。声が漏れる。弾く。声が漏れる。 指をしゃぶることなど忘れ、詩音はされるがままに声を押し殺す。 その必死に耐える表情をする顔に、圭一は数センチの所まで自らを近づけた。 「可愛いよ、詩音。ガマンすんなよ」 銃のジェスチャのような形の人差し指と中指を、圭一は詩音のナカに挿れた。 ぐっと詩音が硬直する。怯えるような表情に変わった顔。 紅潮した頬を一度舐めてから、圭一は三度目のディープキスをする。 今までで一番激しさのこもったキス。詩音は逃れるように、紛らわすように舌を貪る。 ナカにある人差し指と中指を交互に暴れさせる。 ぐちゅっ。びちゃ。淫らな音。キスで漏れる音と同様、圭一の一つのガマンが崩れかける。 早く挿れてしまいたい。果てたい。 だが思い留まり、二本の指に加え親指が陰核を遊ぶ。 後頭部に再び回っていた詩音の手に力が入る。キスの度合いがまた一つヒートアップする。 三本の指が疲労を感じ始めていた。手の筋肉など本当に些細なモノ。数分続ける慣れない運動にも限界が来る。 しかし圭一は詩音がイきそうなのを感じ取っていた。詩音から舌が動かなくなり、されるがままの状態になっているからだ。 もうちょい……、もうちょい。 「へひちゃ、……ひちゃ、ああ、ああ、ああああああっ!」 弓のように詩音がしなる。異常が起こり、圭一の後頭部をあらん限りの力で締める形となった。 イったのか……。妙な達成感と、詩音に対する征服感が起こり、圭一は唇を乳房へ移動させた。 「待って……圭ちゃん……っ。きゅーけぃ……」 「待ってられっかよ……」 乳首をくわえ、挿れたままの指を再び始動させる。 転がすように丹念に乳首を舐め回し、指はナカの横ではなく上の方に立てる。 小さなグラインドで擦り始めると、先ほどより大きな刺激が詩音に伝わった。 「はっ、はっ、いやぁ……圭ちゃん……」 圭一は第二関節までしか挿れていなかった指を、根本まで沈める。 詩音がまた一つ鳴き、圭一は指の出し入れする距離を一層長くした。 数分している内に、一部分を通過する時だけ、詩音が必ず声を漏らすことを圭一は知った。 Gスポットであったのだが、圭一はそんな知識を知ることもなく、ただ面白半分にそこを重点的に責める。 「うああっ、そこ……だめぇっ」 聞き入れるはずもなく、むしろ弄る指を更に激しくこすり上げる。 詩音の躰が左右に揺れ、圭一は右手を背に回して、詩音を固定した。 「よし……」 圭一はある程度見切りをつけ、口から指を離す。 詩音は荒い息を抑えるのに必死で、天井を見つめながら呼吸している。 圭一は視線を詩音から離し、自らの剛直へと向ける。 先走り液は既に亀頭全体を濡らし、今にもフライングしそうなほど万端のようであった。 「いいな……詩音」 詩音にまたがり、ペニスの先端を入り口にあてがいながら圭一は尋ねた。 ここで拒絶されても、圭一は抑制しきれないだろうが、彼の最低限のマナーであった。 無言で頷いた詩音をしっかり確認し、圭一は腰に力を入れた。 「ゆっくりだと逆に痛いって言うからさ」 「……はい」 緊張が走る。どのタイミングでやろうとも結果は同じだろうが、太股を持つ手が汗ばむのを感じた。 「力抜いてな……いくぞ」 亀頭がナカへと侵入する。そこで一度躊躇に似た停止があった後、宣言通り一気に挿し込んだ。 破瓜を迎えた詩音に初めて痛みが伝播する。自らの処女が失われた瞬間。さすがにこればかりは愛情でガマンできるものではない。 圭一は動かずに詩音の表情が緩むのを待った。 息を整えようとしているが、やはり痛みは相当らしく眉間の皺が走っている。 一方圭一は詩音へと入り、今までで一番の快楽を得ていた。 前戯は女性へのある意味での奉仕であり、直接圭一が快感を覚えるモノではない。 初めて圭一は自慰とは違う、女性の膣を感じ取っていた。 詩音が大きく息を吐く。表情も未だ口元が歪んでいたが、さっきよりは収まった。 半分ほどまで入ったペニスを更に奥へと挿れる。また詩音の息が漏れる。小さな悲鳴があがる。 ここで圭一の理性が完全に切れた。 「詩音っ!」 太股を持ち上げていた両手を、詩音の腰へ持ちかえる。しっかりと詩音を固定させ、一層ペニスを詩音の奥へと挿し入れた。 「いやああああぁぁっ、痛い……」 躊躇ってしまいそうな詩音の嘆きにも、圭一は腰を止めなかった。 亀頭の先端がなにかに当たる。詩音の子宮口へと到達したのだ。だがそれでも根本まで入ってはいない。 ぐっと更に圭一の持つ手に力が入る。あと数センチ。根本まで挿れることに、圭一は妙な執着心を抱いていた。 「無理……圭ちゃん、もう入らないよ……っ!」 「あと少し……後少しだからガマン……してっ!」 語尾を言い終えると同時に圭一は根本まで自らを沈めた。 詩音が嬌声をあげ、ベットのシーツを握りながら痛みに耐える。 根本まで入りきった所で、圭一はピストンを始めた。 狭い膣の壁を圭一のカリ首が引っ掻き、苦痛なのか悦楽なのか分からないモノが詩音を襲う。 「けいちゃ……、もうちょっとゆっくり……」 「ごめん、乱暴すぎたか?」 腰の動きをよりスローモーションに変える。それでも詩音の顔から苦悶の表情は剥がれない。 いきなり巨大な異物を飲み込んだ詩音の膣は悲鳴を上げ、両者が快感を覚えれるセックスとは一線を画していた。 経験の無さや、性器同士の相性もある。今は何とか圭一への愛情で保っている状態だ。 破瓜の際流れ出た血液が、より乏しい知識のセックスが危険であることを物語る。 尚、圭一はピストンを止めることはしなかった。 性欲に負け自我に支配されているわけではない。知識として痛みを和らげるには、ピストンを続けるしかない、と知っていたからだ。 堪える声が、痛みではなく悦びを抑えるものになるまで、この速度で続けることを決心していた。 やろうと思えば、犯してしまうこともできる。 詩音を道具が何かのように、性欲のはけ口として壊すことも出来る。 だが詩音の喘ぎが、僅かであるが圭一の理性を取り戻した。 自分を好いてくれ、躰を差し出したこの女性を、壊すことなど圭一には意識の片隅にもなかった。 「うっ……うぅん……」 表情が崩れないまま、また幾重の時を重ねた。だが確実に詩音の反応が、痛みから離脱しかけているのが分かる。 ぐちゅ、とピストンする度に鳴る音も大きくなってきた。愛液の量が増えている証拠だ。 シーツを握っていた力が段々入らなくなり、浮揚でもするような感覚が起き始める。 コンスタントで一定のリズムのピストンを、圭一は次第に変え始めた。 出すかと思えばまた少し突き、逆に奥深くまで突かず大きく出す。 ペニスが膣から抜けるのだけは注意しつつ、不定期の刺激を送り続ける。 漏れる声が内緒で観たビデオのものと似てくる。 だがどの女優よりも遙かに綺麗で、心地よく、嬉しい声が目の前で起こっている。 自分のペニスで悦びを感じてくれることに、圭一は病みつきになった。 詩音が異変を感じたのは、掴まれていた腰から感触が消えた時だった。 次いで太股から間接の裏あたりの触覚が反応し、足が圭一の脇の下で挟まれる感覚。 その一連の動作で膣の壁が大きくペニスを擦る。詩音の躰が横になり、俗の交差位の体位。 ただでさえ大きかった摩擦が、躰が横になったことで更なる刺激となる。 セックスを思い浮かべると正上位が一番に来る詩音には、まるで犯されているような感覚さえある。 だが繋がっている相手は圭一であり、彼が夢中になっているような錯覚がより詩音を酔わせる。 乳房に手がかかる。挟んである脚に負荷がかかり少し痛い。圭一の顔は到底可愛らしいものではなかった。 それでもどんな負の状況が出来ていても、詩音は起こっている快感で全てかき消すことが出来た。 実際しないと分からない感覚。睡魔に似た抑制の出来ない虜の世界。 そして確実に近づく終わり。オーガズムと言う名称の頂が、詩音の奥からこみ上げてくる。 圭一は気付いていない。必死にただ腰を動かしているだけのように見える。 果てそうなことを伝えたい。しかし響く悦楽が、発する快感が、伝う快感がそれを妨げる。 確実に終わりは近いのに、ただ漏れるのは喘ぐ鳴き声。 言葉にならない、平仮名でもアルファベットでも表現できない音だけが口をつく。 「ううっ……!?」 波。駆け上がるなにか、いや分かっている。 これが絶頂前の筋肉の弛緩。 恐怖感にも似た冷たさと快感の塊がこみ上げる。 来る来る来る来る……! 「っつああああああぁぁ!」 圭一は詩音の反応に目を丸くする。 頭の先から足の指まで伸びきって、口をだらしなく開け、数秒間硬直した。 同時にナカが急激に締まり、堪えていた射精感にまた刺激が加わる。 痙攣したように横たわる詩音を見て、やっと圭一は彼女がイったことを理解した。 「イったのか……? 詩音」 一応聞いてみるものの、大きく呼吸する詩音からは何も返ってこない。 かちん、と子供らしい感情を圭一は抱く。 幼稚園児なら親が勝手にデパートへ行き、自分は知らず友達の家に居たら怒りを覚えるだろう。 そんなガキくさい、セックスとは対象年齢の違う気持ちで、圭一は腰を大きく動かす。 「っ。圭ちゃん!?」 絶頂を迎えて間もない詩音には、余りにも慈悲のない刺激。 容赦なく擦りつけられる膣壁は、水音で悲鳴をあげていた。 声を出そうにもピストン運動が強すぎる。 グラインドする量も、速度も、方向も乱暴で耐え難い感覚だ。 肌と肌を打ち合う音が、またスピードアップする。 愉しむためではなく射精するための運動。ペニスは最高の環境で脳からの指令を待っている。 「ぐ……うっ」 「ぃちゃん、ナカはやばひっ……!」 圭一は耐えに耐えた液体を撃ち放つ。 一度情け程度の放出の後、二度目三度目の大きな流出。 自慰ではなかなか起きない四度目五度目六度目。雄の象徴が詩音のナカで大きく爆ぜた。 射精で起こった寂寥感に包まれながらペニスを抜く。 生殖としての役目を終えた圭一の陰茎は、だらしなく垂れ限界をアピールしていた。 疲労がどっと全身に押し寄せ、詩音の横に倒れ込む。 目の前には緑色の髪をした少女。 「めっちゃ良かった……」 「……最後のなければ、私は最高だったんですけどね」 こうやって一々毒づくのが好きな、だけど暖かい女の子。 どうしよう。俺はこの娘(こ)が好きなのだろうか。 それよりも今は眠い。大変なことは……明日……考えよう。 圭一は瞳を閉じて眠りに入った。 その様子を詩音は微笑みながら見つめる。 腹の中にある温かい液体の感触。圭一の象徴。 今日は一応安全日だから大丈夫だろうか。 いやいや明日学校に私が登校する確率よりは高いはずだ。 まぁ、その時はその時だ。 その時が来るまで……、今は私も眠らせて貰おう。 瞼が支えを失って落ちる。全身から力が抜ける。脱力と言う妙な心地よさ。 圭一の額に口づけをし、詩音も深い闇の中へと巻かれ始めた。 Miwotsukushi4へ続く
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鈍い痛みと共に、目が覚めた。どうやら手足は拘束されているようで、俺は膝をついて車の天井あたりに手を吊り下げられているらしい。 革と金属で出来たその手製の手錠は、俺の力では到底千切れそうにない。しばらくもがいていると、人の気配が動いた。 真っ暗で周りがどうなっているのか確認できなかったが、俺が来ようとしていた目的地であることは想像できた。 人の気配はレナだ。 「目が覚めたのかな? 圭一くん?」 突然、電気ランタンの光が俺の目に飛び込んで、 俺は目をかばおうとしたが、手が拘束されているからもがくことしか出来なかった。 強く閉じていた目から、次第に光が遠ざかっていくのを感じる。 「まぶしかったかな? かな?」 俺が何とか目を開けると、すぐ前にレナが居た。 そう、俺はレナを説得しに、レナが別荘のようにしているこの車を探していたのだ。 「う、レ、レナ? レナ!」 「こんなところに何しに来たの?」 「お前を助けに来たんだ、レナ……ところで、何で俺縛られてんだ?」 「ああ、ごめんごめん。突然暴れられると困るから。少し緩めるね」 「解いて……くれないのか?」 俺は薄々感じていたのに、わざわざそれを確認する。 「解いたら、何されるかわからないじゃない? 圭一くんだって……もしかしたら、”敵”なのかもしれないし」 「なんだよ? ”敵”って?」 そう言うレナは、首筋を引っ掻いていた。その首筋からは赤いしずくが流れ落ちて、一筋の線を作り、服に赤い模様を作っていた。 「お前、その首……」 手を出そうとして、じゃら、と鎖が邪魔をするのに気付く。 「ごめんね、圭一君が味方かどうかわかるまで、私はその鎖を外せないから」 「……そうか」 レナは今、心に風邪を引いている。短期間に人を二人も殺して、バラバラにして…… 「大石さんから聞いたんだ」 血が流れているというのに、まだレナはかきむしっていた。 「圭一くん、転校前に色々してきたんだって? オモチャの銃で……」 「レ……レナ?」 俺は……確かにした。いろいろ、なんてもんじゃない。子供の目を撃って、失明させかけた。 「全部言わなくてもわかるよね? そんな人、信じれると思う? この犯罪者!」 「レナだって」 俺は、一瞬で失言だと思った。俺は説得をしに来たというのに、 レナが知っていたという事実を遠ざけるために、とんでもないことを言おうとしたと。いや、もう言ったも同じだ。 「うん、そうだね。レナは人を殺した。ううん、置いてきた。 礼奈と一緒にあそこにおいてきたの。皆と一緒にね。 それなのに、魅ぃちゃん、動かしたんだよねぇ?」 「ち、違う!」 「違うもんか! 確かに埋めた場所に、死体は無かったんだから!」 「だから、違うんだって、それは魅音がレナをかばうために……営林署があそこら一体を掘り返すっていう話があって」 「嘘だッ!」 レナは、いつのまにか手に持っていた鉈を振り回した。乱暴な音が車内に響き渡り、窓ガラスを破壊した。 「それで、圭一くん……いや、前原、お前は何をしに来たんだ?」 レナのその言葉は、今までのどんな暴言より暴力的に聞こえた。 お前、前原……レナが俺の名前を呼んでくれない。 「”礼奈”を、助けに来た」 「その名前で呼んで良いって誰が言ったぁぁあぁぁああ!!!」 今度は二度、鉈を振り回した。割れるべき窓ガラスはもう無く、 天井やら内壁やらにぶつかり、その反動で俺の鼻先を掠れたが、俺は”礼奈”を見つめていた。 「なぁ、俺は、悪いことをしたさ。でもな、圭一っていう名前は、捨てなかったぜ?」 「うるさいよ、前原」 突然、レナが俺の股間を握ってきた。 「所詮、お前だってここで動く人間なんだ。男なんて皆一緒、一時的に快感さえ得られれば、それでいいんだ」 「な、レ……礼奈!」 「何? それ? 私を挑発してるつもり? 自分の立場が分かってる? 私、人を二人も殺してるんだよ? もう何だって出来るよ。今、この場でお前の首を飛ばすことも出来るんだ……あれあれ? ここが硬くなってるよ?」 喋ってる間も俺の股間を触っていた礼奈は、俺の体の異変を感じ取っていた。 「それは……礼奈が、触ってるからだよ」 「ふーん、それって、愛の告白のつもりなのかなぁ? 私、そういうの嫌いだな。気持ちよくなったら、ハイさよならーでしょ?」 「違う……俺のは……礼奈だから、硬くなったんだよ」 礼奈はそんなことを気にもかけず、ジッパーに手をかけた。 俺の股間が露にされるのは、それほど時間の掛からないことだった。なぜなら、俺のものが限界まで張り詰めていたからだ。 「こんな状態でも勃っちゃうんだ。あはははは、しかも、皮かむってるんだね?」 「……くっ」 礼奈は、硬くなった俺のものを軽くつついた。それだけで、何ともいえない感覚が俺の脊髄まで駆け抜けた。 「ほら、やっぱり。こんな状況でも反応するなんて、変態だなぁ……」 「なぁ、礼奈」 「後ろを向け、前原」 「礼」 「向けッ!」 首筋に、鉈を当てて、礼奈は俺を脅迫した。ここで逆らったところで、 何ら解決の方向には向かない。俺は仕方なく、後ろを向くことにした。 どうやら、回転はできるらしく、俺は膝をついたまま礼奈に背中を見せる。 「これが見えるかな? いや、見なくてもいいよ」 スイッチを切り替えるような音がして、続いて何かが振動するような、くぐもった音が聞こえた。 少ししてから、俺のズボンのベルトが外され、ズボンをずり下げられる。 その間ものたうつ何かの音を、俺は聞いていた。 まだいいね、という礼奈の声と共に、その振動音は無くなる。 続いて、何か液体のようなものが、俺の尻に塗りたくられた。ひんやりとしたそれは、同時にぬるぬるとしている。 礼奈の手は、俺の尻の穴にまで及んだ。 「あ、あう……」 普段触られないようなところを触られ、俺は思わず前かがみになってしまう。 結果、尻を礼奈のほうに突き出す形になった。 「あははははは、変態だ、変態だ」 完全に、面白がっている。 「入れるよ?」 何、何を入れるんだ? 「ゴミ置き場で拾ってきたものだけど、ちゃんと洗ってるから大丈夫だよ」 俺は、座薬を入れられたときのような感覚を、尻に感じた。 すぐにそれを排出しようとする力が掛かる。 「ガムテープでとめちゃえ」 「ああ、う……」 びりびりという音と、俺の尻に感じた礼奈の手の感触と、粘着質のテープが貼られる感触が、俺の前の敏感な部分に届いた。 「これでも感じるんだね、ぴくぴくしてるよ……レナなら、かぁいいなって言ってたかもね。私は礼奈だもんね?」 「そ、そうだよ、礼奈……」 「まだ言うの?」 ごとり、という重いものを動かす音がした。 ぺち、ぺち、と、金属のひやりとしたものが俺の後ろに何度もうちつけられる。 「分からない子には、お尻ぺんぺんだよ?」 べちっ、べちっ、だんだん強くなってきた。 「あははははははは、こんな状況でも、キモチ良くなりたいんだねぇ? やっぱり、お前も醜い男の一人だったんだ。レナはそこに居てろ。礼奈がやるよ」 礼奈のほうが見えない俺には、本当にその場にレナと礼奈という二人の人物がいるかのような錯覚があった。 「礼奈、もう、やめてくれ……」 「何言ってんの? 尻叩かれて感じてる変態さん?」 そういって、礼奈は俺の腰に手を回してきた。片方の手は、俺の左腿を掴んでいる。 そして、もう片方の手は、俺の前へと回ってきた。その手はべとべとした液体で包まれている。 「これね、ローションっていうんだよ? お前の尻が気持ちよくなるように、さっき塗りたくったのもそう。 ああそうだ、電源を入れるのを忘れてた」 かち、という音と共に、例の振動音が……俺の中から聞こえてくる。 それと同時に、俺が今まで感じたことの無い種類の快感が、体を駆け巡った、 拘束されているから、俺はひざをついたまま、のた打ち回る。 「ああ、あううあああ、や、やめ、やめてくれ、れ、礼奈、礼奈!」 「これからだよ、圭一」 礼奈が、圭一と呼んでくれた。そのことで、一瞬意識がそっちに向かったが、 それが飛ぶぐらいの快感が、また、俺の体を駆け巡った。 「あぁあううあ……」 礼奈の手が、俺のものに触れたからだ。 「へぇ、触っただけでこうなるんだ。じゃあ、握ってしごいたらどうなるかな?」 礼奈は俺のものを強く握り締め、ゆっくりとしごきはじめた。 「はぁっ、はぁっ、れ、礼奈、止めて、止めてくれ、その、振動を!」 「あはははは、圭一くんのここ、すごいよ。何か溢れ出てるよ? それ、剥いちゃえ!」 一気に礼奈は俺の包皮を剥いた。赤い色の先っぽが露出した瞬間、俺は体をのけぞらせた。 「あぁぁあがっあああぁあ!」 何度も何度も、体ごと波打たせて、俺は白い液体を飛ばす。 「あ……ああ……あ、あ」 やがてそれも収束するが、まだまだ俺のものは硬いままだった。さらに、振動も止まらないままだ。 「あーあ、手が汚れちゃった。そうだ、いいものをあげよう」 「もう、もう終わりにしてくれよ……」 「でも、圭一くんのここ、まだ収まってないよ? 出したいんなら出したいだけ出したらいい。それが、最後の手向けだから」 圭一、くん……そうか、俺を、殺すんだな。そうは思っても、まだ俺の尻の中で暴れる振動に、俺は流されてしまった。 「ほら、これを使うんだ。」 礼奈が手にしたそれは、ゴムのかたまりのようなものだった。 その管状のゴムには穴が開いていて、そこからは先ほどの透明の液体があふれ出ている。 「これが、圭一くんの始めての相手だよ、あははは、惨めだねぇ、変態は」 そっと、その塊を、俺のいきり立ったものに近づける。 「ほら、腰は動かせるでしょう? 自分で動いてみたらどう?」 刺激するように、礼奈はそれを俺の先端に近づけては放した、 俺はそのたび、その管の方向へと腰を動かしてしまう。そのうち、礼奈は動きを止めた。 俺は、そのままの勢いで、その穴へと挿入してしまう。 「はああぁうあ、礼奈、礼奈ぁぁ、礼奈、礼奈……」 「まだ言うの? それとも気がおかしくなっちゃったのかな? あはははは、もうそろそろ死んどく?」 礼奈は、左手に鉈を持った。音で分かる。先ほどと同じ音だから。 「礼奈、礼奈礼奈……」 俺の腰の動きは、止まらなくなっていた。壊れた再生機のように、何度も何度も礼奈と言い続けた。 何度か突いたあと、俺はまた絶頂を迎える。もう手がだらんとしてきて、足も震えてきている。 腰がパンパンでも、まだ、その管はおれのものについたままだった。 もう礼奈は手を放しているのに。つるんと、それが抜け落ちて、また、俺は体を震わせた。 「すごいね、四回も出したのに、まだ硬いよ?」 「れ、礼奈……礼奈……」 まだ俺は、うわごとのように繰り返す。それは、気付いて欲しかったから。 信じてた。いや、信じてる。今この瞬間も信じてる。信じてるのは、認めたくないから? いや、違う。認めたいから。俺は悪いことをした。礼奈も悪いことをした。それを、認めてほしかった。 でも、それは、俺の独りよがりな発想だった。なんせ、俺はこうやってもてあそばれている。 認めてほしいなんて、罪を押し付けている。 「解いてあげるよ、圭一くん。もう、襲い掛かってくるような力も無いようだしね」 振動が止まり、俺は完全に自由な状態になった。それにもかかわらず、俺はその場にへたりこんでしまう。 叫ばなければならないのに。 「あはははははは、無様なもんだね、もう黙った。ねぇ? 圭一くん?」 圭一くん。そうだ、俺を圭一くんと呼んでくれる奴が居た。名前はレナ。 いや、礼奈。竜宮礼奈。ずっとレナって名乗ってた子。本当の名前を捨てて、ずっとずっと。 「なぁ、”レナ”なんで、”い”を捨てたんだ?」 壊れたように笑っていた礼奈の動きが止まった。 「レナ? 礼奈だよ。こんな汚れた仕事をするのはね。”い”やなことを捨てて、私はレナになったっていうのに、 圭一くんは悪い子。礼奈を思い出させた。こんな暴力的で最低で、そのくせ大事なものも守れない、弱い女をね」 「そうだったのか……あはは、俺さ、”い”を取ったら、ケチな男になっちまうんだよ。 わかるか? けいいちから、いを取るんだ」 「そうだね、ケチな圭一くん。だって、レナのこと、礼奈って呼ぶんだもん」 「だって、礼奈って……綺麗な名前じゃないか。 それを名乗らない……レナのほうが、ケチだぜ……でも、レナって呼ぶよ。 レナは、そっちのほうがいいんだろ?」 「……礼奈って、呼んで」 「え?」 俺が、振り向いた瞬間、レナ、いや、礼奈は俺に唇を重ねた。 「ほら、礼奈の、ここ触ってみて?」 レナが俺の手をひっぱり、自分の股間に手を当てさせた。 「湿ってるでしょう? 私、圭一くんの姿見てて、こんなになっちゃったの。 変態、圭一くんだけじゃないよ、私も変態。人を傷つけて、こんなになってるんだから」 「レ……礼奈?」 「ねぇ、圭一くん、私、帰る場所が無いの。家に帰れない。圭一くんの家にも、魅ぃちゃんの家にも行けない……私、自首するよ。 間違ってたの、私、礼奈なんだって。汚い汚い、礼奈なんだって」 「間違ってたのは……俺だよ。礼奈を、嫌なことから無理やり遠ざけてた。それが解決になるわけ、無いのに」 レナは、ぎゅっと俺の手を握り締めた。 「卑怯だよね、知ってた? 魅ぃちゃんも、圭一くんのこと好きなの。でも、私はもっと好きなんだ! もっともっと! 何で、何で、こんなことになっちゃったんだろう! 礼奈の馬鹿、礼奈の馬鹿!」 「礼奈! 礼奈はお前だ、礼奈! その名前を捨てないでくれ! 犯した罪を捨てないでくれ! 俺たちを……捨てないでくれ……俺は、レナとしてお前と会ったから忘れてた。 ずっとずっと生まれてから死ぬまで礼奈だってこと、礼奈は、礼奈だってこと!」 「うっぅ、うう、つらいよ、圭一くん、胸が痛いの!」 「俺が、抱きしめててやるから、泣いてくれ。ずっと、頑張ってたんだな、礼奈。ずっとレナを押し付けて悪かった」 「圭一くん……あのね……やっぱり、ダメ。犯罪者の娘や息子なんて、迫害されるだけだもんね……」 「ああ、そうか、俺が言うべきだな。俺、礼奈の子供が欲しい。俺と、礼奈の子供が欲しい」 「……ありがと」 俺と礼奈は、激しく交じり合った。お互いのだいじな名前を呼び合いながら。 「ねえ、圭一くん、痛かったよ」 「え、あ、ご、ごめん……」 「でも、うれしかった。あのね、その、また出てこられたら……」 「ずっと待ってる。何年でも、俺は待ってるから。だから……その時は、結婚しよう、礼奈。前原礼奈に、なってくれ」 「ふふ、子供が生まれたら、礼一くんかな?それとも圭奈ちゃん? どっちも素敵な名前だね。私と、圭一くんの名前が入っているんだから」 「そうだな、二人目が生まれたらどうする?」 「あはは、圭一くん、気が早いよ」 礼奈は、大粒の涙を流した。俺も、きっと流していた。これで、お別れなんだ。 いや、お別れはもっと先かもしれないけど、いつもの日々とは、これで。 「みっ、みぃーー……レ、レナがボクの注射を拒否したのに、圭一にお注射されたのです……」 「り、梨花ちゃん?」 俺は動揺した。まさか、こんなところで会うとは思わなかったから。礼奈との関係を知られたからじゃない。 「あはは、梨花ちゃん、聞いてた? 私、もう自首するから……お別れだね?」 「それでいいのですか?」 「……うん」 「レナが……いや、礼奈がそれでいいというのなら、ボクは何も言わないのです。 惨劇がはじめから無かったなんて、ボクは思っていません。 起きた後に、それを受け止めなければいけない人たちのことを、ボクは考えたことが無いのですよ」 俺には、梨花ちゃんの言っている意味が、少しわからなかった。 でも、梨花ちゃんが礼奈を認めてくれたことは、俺にも分かった。 翌日、礼奈は警察に出頭した。 なぜか大石という刑事は、礼奈を見て驚いてはいたが、すぐに礼奈に色々な質問をはじめた 。死体はどこにあるのかだとか、凶器はなんであるか……証拠が無い限りは、それが事実であったとしても、 警察は捕まえられない。確かに、リナと鉄平という人物が行方不明になっているが、もともとよく行方不明になりそうな人間だったから、 捜査は最小の人員で行われていた。誰も、居なくなったことを気にかける様子が無かったからだ。 調査の結果、礼奈の証言は、嘘の証言であることを認定された。大石はひどく落胆し、 何か色々とつぶやいていたが、もうこんなところに来ることは無いようにと、俺たちに念を押していた。 「ねぇ、圭一くん?」 「なんだ? 礼奈?」 そう言うと、礼奈はうれしそうに言った。 「すてきな、なまえだね」 ―END―
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「夏は水面の乱反射!」 頭にシュノーケル、足に水かきとフル装備状態の圭一が、ポーズをキメながら叫ぶ。 「たまに思い出が始まったりもするいい季節!」 ビシシィッ! と背後に稲妻が出そうな程に勢いをつけてポーズをキメるのは、園崎魅音であった。その燃え具合たるや、そのまま「とうっ」とジャンプしてバッタ人間に変身しそうな程である。 と、二人はそこでポーズを解くと、感じ入ったようにうむうむと頷いた。 「地球が傾いてて本ッ当によかった……」 事の初めは夏休みも佳境に入った八月の半ば、部長園崎魅音の鶴の一声で、部活メンバー総出で海へと繰り出したのだった。……魅音本人は、煩わしい受験勉強を一時忘れたかったという思惑もあったのだが、それは魅音の胸の中で封印中である。 とまれ、その海は雛見沢からは電車をいくつか乗り継いで行く程遠くにあるため、旅の疲れにまみれていてもおかしくはないのだが、部活メンバーのバイタリティの前にはそんなものなどは無縁のもののようだ。 「よぉーし! みんな水着には着替えた? 準備体操はOK?」 一人ルパン水着着用の(背中が隠れるものがこれしかなかったらしい)魅音が、背後にいる着替えて整列した部活メンバーに告げる。 「と言うか、圭ちゃんとお姉が変なネタやってる間にみんな準備できてるんですよ?」 苦笑気味に告げる緑のビキニの詩音に、出鼻を挫かれたように、うっ、とのけぞる魅音。 閑話休題。 気を取り直すように咳払いすると、 「それじゃみんな、泳ぐよーっ!」 号令一下、わーっと思い思いの場所に駆けていく部活メンバー。 「はぅぅ~~っ!! カニさんもヤドカリさんも、みぃんなレナがお持ち帰りするんだよぅ!」 と、黄色い声を上げながら傍目にも凄まじい勢いで砂を掘るレナ。ちなみに水着は橙のパレオである。 「んー、いい風ですねえ。あ、葛西。日焼け止め塗ってもらえます?」 と、持参のパラソル&敷物を展開しながら、詩音。 一方、沙都子(白いワンピース)と圭一(茶色の海パン)は――。 「圭一さん、自由形200メートルで勝負ですわ! 私の勝ちなら沙都子のトラップ講座in海水浴を余すことなく受けてもらいますのよー!」 「面白え。手加減はしないぜ、沙都子。ちなみに俺が勝ったらK特製のカボチャ弁当をプレゼントフォーユーだ」 「な、なんで圭一さんそんなの用意してますのーっ!?」 「ふっふっふ、俺はお前のにーにーだからな。こんな事もあろうかと料理スキルを習得したのだ。バッチリ詩音のお墨付きももらってるぜ」 「くっ……ま、まあいいですわ。勝負はあそこに浮かんでるブイまで。いいですの!?」 「おっしゃ!」 「では、よーいどん!」 ふう、と荷物を置いて、悟史(Tシャツにホットパンツ+麦わら帽子)は、うおお、と凱の声を上げながら海へ突撃していく二人を遠目に眺めて苦笑した。 1年以上も眠り続けていた自分。 目覚めた当初は、その間に沙都子を置き去りにしてしまった事を悔やんだりもしたが、あそこまで生き生きとしている沙都子を見ると、そんなものは杞憂であったようだ。 そこは、やはり沙都子の傍らに自分の代わりとして居続けてくれた圭一の存在が大きいのだろう。 ……でも、交際宣言までするのはどうかと思うけどなぁ…… 主に年齢差とか。 むぅ、と唸って再び苦笑した悟史は、ふと脳裏に引っ掛かった疑問に首を傾げた。 (あれ? でも沙都子って確か……) 何だろう。何か重要なことを忘れてる気がするんだけど。 むぅ、と腕を組む悟史だったが、その答えはあっさりと示された。 うおおおという凱の声が聞こえてきそうな勢いで海に飛び込んでいった、沙都子と圭一の姿が突然波間に消える。 え、と驚く間もなく二人の姿は再び海面へと浮かび上がった。両手を振り回し、悲鳴をあげながらではあったが。 「「た、たすけてー」」 「ちょっ!? どうしたんだ、沙都子っ! 圭一!?」 慌てて海に向かって駆ける悟史と詩音。 「「溺れるぅぅ!」」 ずっこける二人。 悟史はそのままヘッドスライディングしていったが、詩音は顔から砂に突っ込みかけたところをギリギリ持ちこたえた。 「お、泳げないくせに飛び込むなー!」 尤もであった。 「けほっ、けほっ。そ、そういえば私、泳げないんでしたわ」 「げほっ、げほっ。そういや俺、泳げないんだった」 砂浜にぺちゃりと大の字で横たわる二人。 つーか、飛び込む前に気づけ、二人とも。 「ど、どこまでバカなんですか。あんたらは」 こめかみを揉みながら、怒り半分呆れ半分で呟く詩音。ちなみに、悟史は全身砂まみれでぜいぜいと息をついていた。 「にーにー、ありがとうですわ。死ぬかと思いましたわ……」 「うう、悟史は俺たちの命の恩人だぜ」 「……誉められてもあんまり嬉しくないことってあるんだね」 幸いにして、二人が溺れた場所は砂浜から十歩と離れておらず、悟史が浮き輪を投げることによって事なきを得たのだった。 そんな所で溺れる二人もどうかしているが。 そんなわけで、圭一と沙都子は膝程度の水位の潮溜まりでぱちゃぱちゃやるに留まっていた。 「そういえば、圭一さんって泳げなかったんですの?」 「ああ、まったくダメなんだよな。ビート板でバタ足やってても何故か身体が沈むし」 そうなんですの、と沙都子は頷きかけて、 「って、それならやる前にしっかり言ってくださいまし!」 「いやー、沙都子の勝負に気が行ってて、すっかり忘れてたぜ。ははは」 「忘れるなあー!」 へらへらと笑う圭一に、むきーと沙都子が怒鳴る。そもそも自分が持ちかけた勝負だということは彼女も忘れてるわけなのだが。 一方その頃。 「あぅ~……」 「みぃ~……」 ゴムボートを波間にぷかぷか浮かべて、そこでお昼寝できたらどんなにか気持いいだろうか、という羽入の提案に乗った羽入(白いビキニ)と梨花(黒いワンピース)。 そんな二人は今、ゴムボートの上でうつらうつらと微睡んでいた。ちなみに、梨花は寝酒にとワインを持参したがったのだが、そこは羽入がやめてくれと泣きながら土下座して頼むので渋々それはとりやめた。 閑話休題。 「……あら?」 何気なくぱちゃぱちゃと水のかけ合いをしたり、水底のカニを探してみたりしていた二人だったが、ふと、沙都子が手を止めた。 「どうしたんだ? 沙都子」 「いえ……今何か聞こえませんでした?」 言われて、圭一は目を閉じて耳を澄ませてみた。しかし、聞こえてくるのはただ波のせせらぎだけである。 「……何も聞こえんぞ」 「うーん、なんだかあっちの方向から聞こえた気がしたのですけど……」 言って、人気のない岩場を指差す沙都子に、ふむ、と圭一は腕を組んだ。 沙都子の五感の良さは圭一も承知している。優れたトラップ技術には、見て聞いて触って状況を正しく認識する力が不可欠のものであるからだ。 「……うし。じゃあ行ってみっか」 泳げる範囲ではやや手狭でも、人が入れる範囲となると、浜辺はだいぶ広くなる。 沙都子の案内で、岩場の方まで歩きながら、圭一はそんなことを考えていた。 後ろの方では、レナが 「はぅ~っ、おっきくてかぁいい貝さんみつけたんだよーっ!」 などと歓声を上げている。魅音はと言えば、最近とったダイバーセットを試したくてしょうがないらしく、ダイバースーツにいそいそと着替えて、ボートで沖に出ていた。 梨花や羽入、悟史や詩音の姿が見えないが、おそらくはどこかで遊んでいるのだろう。 と、そんな益体もないことをつらつらと考えているうちに先導して歩く沙都子が立ち止まった。 「この辺だったと思うのですけど……」 「ふむ、この辺か……」 辺りをきょろきょろと見回して、圭一は―― げ、と顔を強張らせた。 「どうしたんですの?」 「あ……い、いやなんでもない。ま、まぁ何もなかったわけだしさっさと戻るか」 な? とこちらに顔を向ける圭一に不審なものを感じて、沙都子は眉根にしわを寄せる。 「……圭一さん、なにか隠してませんこと?」 「い、いいいいやまさかあ。そんなことあるわけねえだろ」 大人はみんな嘘つきだ、と沙都子は心に刻んだ。 「じゃあ、なんでそっちの方を私に見えないように遮ってるんですの?」 「あ、馬鹿! そっち見るな!」 言って、圭一の脇に首を巡らせて、 びし、と沙都子は石化した。 圭一の向こうの岩場の陰で、にーにー&ねーねーこと悟史と詩音が、溶け合っていたというかおしべとめしべというか、まあぶっちゃけて言えば、まぐわい合っていた。 「さ、とし、くん、ふぇぁ、あぅ、熱、い……」 「し、詩音、詩音っ」 お互いに愛しそうに名を呼び合いながら、何度も何度も下半身を押し付けあう。 休む間も、息継ぎの間さえ惜しむかのように互いを求めあう。 貫きながらも、手で、舌で、身体を撫でる。 つーかご丁寧にも下側をこっちに向けているおかげでいろいろと丸見えである。 思わずまじまじと衝撃現場を見つめた沙都子は、ふと視線を横に移す。視線の先には、顔を真っ赤にした、おそらくは自分と同じ表情をしているのであろう圭一の顔があった。 その黒く濡れた瞳の中が垣間見えた気がして、沙都子はぼそりとつぶやく。 「……うわきもの……」 「なっ!?」 思わず硬直する圭一。 「い、いいいや沙都子、そうじゃなくてだな! えーと……」 照れ隠しに頭をかき、必死に返す言葉を探すその様はまさしく年頃の少年そのものである。さすがに駆け引きもヘッタクレもなしに全開キャーでナマ本番を見せ付けられると、さしもの口先も振るわないようだ。 しかし、沙都子はそんなところなど見ていない。つ、と圭一から視線を逸らし、雲ひとつない晴天を見上げると、 「ああ、あの夜は『お前だけのにーにーになってやる!』とか言って下さってたのに……」 「違うって! あん時のは嘘じゃねえ……って、沙都子も見てたじゃねえか!」 「そんなところを勃てながら言っても、説得力ありませんわよ」 なおもあたふたと言い訳する圭一を、ぴしゃりと沙都子が黙らせる。 口の中でもごもご言いながらも、押し黙る圭一の前で満足したように頷くと、沙都子はしゃがみこんだ。 「お、おい、沙都子?」 「私というものがありながら、詩音さんなんかで勃つなんて……本当にしょうがないひと」 ですから、 「私が抜いて差し上げても、文句なんかございませんわよね……?」 妙に慣れた手つきで圭一の海パンを下げると、沙都子は出てきた男性器を優しく手で撫でて、握った。指に返ってくる弾力と硬さが絶妙に入り混じった感触が愛おしく感じる。 「ん……」 か細く声を漏らしながら口を開けると、沙都子は顔を圭一の肉棒に近づけた。舌とペニスが肉薄するにつれ、だんだんと強くなってくる沙都子の吐息に、思わず圭一は声を漏らした。 「んふ……ちゅ」 それに沙都子はくすりと笑うと、そのまま先端を口に含み、ちろちろと舐め回した。 ねっとりとした温かい口内に包まれる。沙都子の小さな唇が自分のものを頬張っているその光景、加えてれろれろと舌で弄られ、圭一の頭の中にだんだんと靄がかかっていく。 アイスキャンディーのように舐め回した後、沙都子は口から圭一のものをちゅぽんと引き抜いた。そのまま舌を出すと、裏の筋に舌を這わせて刺激する。 あむ、と睾丸を口に含まれてちゅうちゅうと吸われた辺りで、たまらずに圭一は悲鳴を上げた。 「さ、沙都子っ。ヤバい、出る、出る」 言葉と共にぴくぴくと痙攣するペニスを感じ取ると、沙都子は再び、しかし今度は勢いよく自分の口内に圭一のものを滑り込ませた。 先端がずるりと口蓋を通り抜け、喉の奥にこつんと当たる。極まる寸前だった圭一がその攻撃に耐えられようはずもなく、一気に爆発する。 「ぐっ……出すぞ、沙都子っ!」 「んんんー!」 勢いよく喉にぶちまける感触に、反射的に圭一は男根を引き抜こうとした。しかし、圭一の尻に絡みついた沙都子の指が、退こうとするのを妨げる。 休みなしにびゅくびゅくと打ち出されるのを喉の奥で感じる。数秒後にそれがだんだんと弱まって、やっと沙都子は圭一を口から引き抜いた。 そのまま口に残った精液をごくりと飲み干そうとし――しかし飲み干せずにんべっと白濁液を吐き出して、沙都子は口を開いた。 「うう、やっぱりこれを飲むのは無理なのですわー」 ぺっぺっと不味そうに口に残る精液を吐き出す沙都子に、呆れたように圭一がつぶやく。 「いや、だから無理に飲もうとせんでもいいんだが」 「……でも、男の人ってこういうのは飲んでくれる方が好きなんでしょう?」 「そりゃもう」 思わず素で答えてしまい、やべ、と圭一は口の端を引きつらせる。 がっくりと肩を落とし、加えて体操座りで落ち込む沙都子に、慌てて圭一はフォローに入った。 「い、いやでも沙都子のフェラはすんごい気持ちよかったぞ!」 「……ほんとですの?」 「ああ、沙都子に比べれば詩音なんて目じゃねえぜ!」 たぶん。 「それならいいのですけど……」 言って、もじもじと身体を揺らす沙都子。その様子に圭一は訝しげに眉を寄せると、 「ど、どうしたんだ? 沙都子」 「あの、その、な、なんだか私まで、ヘンな気分になってきましたから……」 びぎり。 自分の自制心に亀裂が入る音を聞きながら、圭一は。 いそいそと沙都子が水着の股部分をずらすのを、他人事のように見ていた。 「ですから……」 荒く息をつきながら手を伸ばし、圭一のものを掴む。たったそれだけで、圭一の男根は力を取り戻していった。 「――圭一さんのを、くださいませんこと?」 とりあえず、波打ち際では具合が悪いからと、圭一は沙都子を抱えて日陰まで移動する。普段は焼けた鉄板のような砂浜も、日陰に入ると石のようにひんやりと冷たい。 圭一は、沙都子を抱えたまま座りこんで、仰向けに寝そべった体勢に移行する。すると自然と、騎乗位のような形となった。 「……沙都子」 「なんですの?」 「お前って、生えてないんだなあ」 「ま、前にも一度見ているじゃありませんの!」 「いや、あの時は暗くてよく見えなかったし」 言って、目を弓にして笑う圭一を見下ろし、まったくもう、と沙都子は息をついた。 「んじゃ、沙都子。自分で入れてみな」 「け、圭一さんが入れればいいじゃありませんのっ」 「いやまあ、確かにとっとと入れたいのは山々なんだが」 一息。 「沙都子に、入れてほしいからな」 にっこりと微笑む圭一に、思わずどきりとする。ぷいと沙都子は圭一の顔から視線を逸らし――何とはなしに、自分の股下を覗き込んだ。 自分の股の直前から、圭一の男根がにょっきりと顔を出している。びくびくと脈動する圭一のもので自分の陰核が刺激され、甘い痺れをもたらしていた。 (あ、改めて見るとほんとに大きいのですわね) ごくり、と生唾を飲む。 これが自分の中に入るのかと思うと、不安と期待がない混ぜになってぞくぞくと沙都子の背筋を昇った。 「……んっ」 沙都子は腰を上げて圭一のものを掴むと、自分の膣口にそれをあてがおうとした。しかし、自分の膣口がまだ小さいのと、秘唇が大量に吐き出す愛液とで、ぬるぬると滑ってうまくいかない。 ぬるん、ぬるん、と圭一の先端が沙都子の秘唇を撫でるたびに沙都子の顔は上気する。しかしそのたびに当てがう精度はだんだんと劣化していき、結果お互いに生殺し状態が形成されることとなった。 「さ、沙都子。まだ入らねえか?」 「ん……やぁ。入らな……」 しかし、そんな状況でも終焉は訪れる。 前に後ろに、右に左とゆらゆら揺れる沙都子の腰が、二人の汗と愛液とでずるりと滑って落ちた。 「……へ?」 ――ずぶり。 「――――――――ッ!!!!」 「お、おい、沙都子! 大丈夫か!?」 深々と子宮口まで貫かれてびくびくと痙攣する沙都子に、慌てて圭一は声をかけた。 沙都子はそれに答えずに、声にならない絶叫を上げながらがくがくと身体を震わす。 しばらくそれを見つめて、圭一はぼそりとつぶやく。 「あのさ、沙都子。もしかして……」 きょと、と首を傾げ、 「……イッた?」 その言葉に、きっ、と沙都子は向き直ると、 ぽかっ! 「いてっ!」 「そ、そんなわけないじゃありませんの! た、たた確かにちょっとは気持ちよかったですけどただそれだけのことであって単にちょっとびっくりしただけですわよ!」 「いてっ! いててっ! こ、こらやめろ沙都子!」 涙目になりながらも、ぽかぽかとこちらの顔を叩き続ける沙都子に理不尽なものを感じつつも、慌てて圭一は叫んだ。 ……俺、なんかマズいこと言ったっけ? 「だ、だいたい圭一さんに見せようと思ってこんなエッチそうな水着を選んだのに、圭一さんてばレナさんや詩音さんにばっかり鼻の下なんか伸ばして! 私がこんなの着るのにどれだけ躊躇したと思ってるんですのーっ!」 ぽかぽかぽかぽかぽか。 なおも叩くのをやめない沙都子に、さすがにカチンときて圭一は声を低くする。 「おい、沙都子……」 「そもそも圭一さんなんてにーにーと違って優しくないし服の趣味悪いし――」 「………………」 無言のまま、圭一は沙都子の腰を掴むと、気づかれない程度にこっそりと自分の身体を引いて沙都子との間に空間を作り。 そのまま、ずんっ、と腰を叩きつけた。 「やることなすこといやらしいなにより剥けてないし……きゃぅう!?」 突如爆発した快楽に、たまらず悲鳴を上げる沙都子。 「で、何だって? 沙都子」 「い、いきなりするなんて卑怯ですわよ圭一さ、あんっ!」 再び打ちつけられる腰に、またもや嬌声を上げる沙都子。その様をにやにやと眺める圭一に、ぐぐ、と拳を震わせると、 「あ、後で覚えているがいいのですわ……」 ぼそりと恨みがましげにつぶやいて、全身から力を抜いた。 こちらにしなだれかかってくる沙都子の身体を愛おしそうに優しく撫でると、圭一は抽送を開始する。 沙都子の中は、潤っていた。狭い膣をかき分けて進むたびに、それを助けるようにとろとろと後から後から、それこそこの小さな体躯のどこにそれだけの量があるのかと思うほどに、愛液が溢れ出してぬるぬると滑る。 にちゃにちゃと淫卑な音を響かせながら、沙都子を一番奥まで貫き、蹂躙し、愛撫する。 圭一は上体を起こして座位になると、お互いに動くたびにぷるぷると震える乳房に舌を這わせた。そのまま先端を口に含んで吸いながらこりこりと歯で転がし、もう一方の乳首を指できゅっとつまむ。 とどめとばかりに、圭一が沙都子のアナルに指を挿入して、今度こそ沙都子は悲鳴をあげた。 同時に、沙都子の膣内もきゅっと締まり、圭一は己の限界が近いのを自覚する。 「さ、沙都子っ。出すぞ、膣内に出すぞっ」 「け、圭一さんっ。あっあっあっあっ、けい、けいいち、さん、あっあっ」 沙都子の肢体が縦横無尽に跳ね、二人の感覚が頂点に達する。 「んあっ、ああああああああああああ――――ッ!!!」 「さ、沙都子、沙都――――」 「へっくし!」 …………………………。 ざ・わーるど。 突如聞こえた聞こえるはずのない声に、圭一と沙都子の周囲からすべての音が掻き消える。 否、ひとつだけあった。 びくびくと沙都子の中で無責任にぶちまけ続ける自分の分身だけが。 ぴったりとシンクロした動きで、圭一と沙都子はこれまたそっくりの無表情を横に向ける。 そこには――――岩場の陰に隠れながら、こちらをじっと見つめる悟史と、引きつりながらも愛想笑いを浮かべる詩音の姿があった。 というか、なぜ君は遠い目をしながら涙ぐんでいるんだ、悟史。 「あ、あはははは……お、おかまいなくー」 乾いた笑い声をあげながら、そそくさと後ずさろうとする詩音。 それを見ながらも圭一と沙都子は特に何をするでもなく、ぼそりとつぶやいた。 「ねえ圭一さん」 「なんですか沙都子さん」 「ヤッちゃいましょうか」 「ヤッちゃいましょう」 言って、にっこりと極上の笑みを浮かべると、ちゅぷ、と結合を解いて二人は立ち上がった。 「い、いや! 勝手に見てたのは悪いと思ってますし沙都子意外と大きいなとか圭ちゃんまだ剥けてないんですかウフフとか思いもしましたけど! 別に他意があって見ていたわけじゃないというか、そもそもあんたらだって私たちの見てたじゃないですかーっ!」 べらべらと弁解を並べ立てる詩音はどこ吹く風で、じりじりと悟史と詩音ににじり寄る裸族二名。 にっこりと笑いながらも、わきわきとした手つきで、しかも股間から精液を垂れ流すのを隠しもせずに近づいてくる男と少女というのは、とにかく全力で逃げ出したいものがあったが、しかし蛇に睨まれた蛙とでもいうのか、それを許さない異様な威圧感が二人にはあった。 そんな事を思ってるうちに、圭一は詩音の、沙都子は悟史の肩を、がっちりと掴む。 「つ・か・ま・え・た」 「ひ、ひゃあああああああーーーーーーーーーーーーっ……………………あんっ」 いつの間にか消えた他の面々に、陸に上がった魅音はうーむと腕を組んだ。どこ行っちゃったんだろう? 「あ、魅ぃちゃん!」 ざばーっと海面を掻き分けて浮上すると、レナはシュノーケルを外して馬鹿でかい巻貝を掲げた。 「見て見てー、こんなに大きい貝さんをお持ち帰りしたんだよっ」 「あー、うん」 うじゅるうじゅると殻の端から謎の触手を出してくる貝から視線を逸らして、魅音はばりばりと頭を掻いた。 「しっかしどこ行っちゃったんだろうねぇみんなは。ちょっと心配になってきたよ」 「あ、そういえば詩ぃちゃんと悟史くんがあっちの岩場に入ってくのを見たよ」 「あ、ほんと? じゃあ呼んでこようか」 言って、二人はあの岩場に足を向けた。 一方その頃。 「……空がきれいなのですね、梨花」 「そうね」 「……海もきれいなのですね」 「そうね」 「……岸が見えないくらいに」 「そうね」 「……ねえ、梨花」 「なによ」 「ここ、どこなのでしょう」 「私が知るわけないでしょ」 ぎゃふん。
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こんにちは、圭一くん♪ どうしたの? こんな人気の無いとこに一人で……。 いったい何してたのかなぁ? ここ、学校の校舎裏だよ? はぅ……レナ? うん、レナはね。 圭一くんのことが心配だったから、探しにきたんだよぉ♪ 午前の授業が終わって、これからみんなでお昼食べよ~ってときに、圭一くんどこにもいないんだもん。 レナすっごく探しちゃったよ? ああ、うんうん知ってるよ。 気分が悪いから、保健室に行ったっていうのは魅ぃちゃんから聞いたの。 お弁当も食べられないくらい、つらそうにしてたって言ってた。 でもね? レナ、圭一くん簡単なサンドイッチくらいなら食べられるかな~と思って、保健室に持って行ってあげたの。 具合が悪いんだったら、レナがあ~んして食べさせてあげようかなぁなんて思っ……あ、は、はぅ~、な、なんでもない♪ …………でもね。 圭一くん、いなかった。 保健室のドアをいくらコンコンってしても、誰も出てくれなかったの。 お返事もなかったんだよ? それでレナね。 はぅ~おかしいなぁ。 圭一くん、ベッドで寝ちゃったのかな? かな?と思って中も覗いてみたんだけど、やっぱりだぁ~れもいないの。 その時……レナ、すごくドキッとした。 だってもしかしたら圭一くん、具合悪くなりすぎてどこかに倒れてるんじゃないかって……。 そう、思ったから……。 圭一くんが……? レナの大好きな圭一くんが!? 圭一くん圭一くん圭一くん!?!? どこにいるの圭一くん!?!?!? って、レナその時すごく取り乱しちゃってね。 すぐにあちこち探しまわったの。 おトイレとか、職員室とか、校庭とか……一生懸命探したんだよ? もう、息が切れちゃいそうなくらい走って走って走って……。 そしたらね……聞こえてきたの。 校庭を走り回ってる最中、なんだか校舎裏の方から……ハァハァハァって。 まるで獣みたいな声が、聞こえてきたの。 はぅ……どこかの変態さんでも入ってきてるのかな? 怖い、怖いよ~って思いながら、レナその声のするところを覗いてみたの。 そうしたら、そこに圭一くんが立ってるんだもん。 レナびっくりしちゃったよぉ♪ はぅ~♪ もう、おどかさないでね? ……うん、でもよかった♪ 圭一くん顔色も良さそうだし、もうお昼も食べられるよね? ね? レナももうおなかペコペコだし、圭一くんもおなかすいてるよね? じゃあ、みんなのところに戻ろっか♪ …………………あ、そうだ。 教室にもどる前に、ちょっと圭一くんに聞いておきたいことがあるんだけど……いい? そんなに大したことじゃないの。 圭一くんはきっと無関係だと思うんだけど、いちおう、ね? 『梨花ちゃんの体操着とブルマーが無くなっちゃったんだけど、どこかで見なかった』? …………………見てない? ……うん。 そっか、ならいいんだ。 見てないんだね? ごめんね、変なこと聞いちゃって。 …………………『また』なんだよね。 三日前にも、たしか沙都子ちゃんのがどこかいっちゃったよね? それとおんなじ人がやったんだと思うの。 今日、四時間目に体育があったじゃない? その時はもちろん、まだ梨花ちゃんが着ていたんだけど、その体育が終わってすぐあと。 みんなで教室で着替え終わった後に、ちょっと目をはなした隙に無くなっちゃったみたいなの。 梨花ちゃんの体操着とブルマーだけが。 うん、梨花ちゃんはちゃんとロッカーにしまったって言ってたよ? つまり、そのあと『誰か』がロッカーから持っていったってことになっちゃうんだよね……。 『誰』だろうね? そんなひどいことするの。 レナは案外、身近な人だと思うんだけどな……。 うん……ひどいよね、女の子の着ていたものを盗むなんて。 一体取った人は、何に使うつもりなんだろ。 なんだろ。 梨花ちゃん、みぃ~みぃ~泣いてた……。 すっごくかわいそうだった……。 沙都子ちゃんに梨花ちゃん。 そんなちっちゃな女の子の体操着ばかり狙って……どうせならレナか魅ぃちゃんのを取ればいいのにね? 圭一くんも、許せないよね? …………そうかな。 ちょっとした出来心でも、こんなことする人はどうかと思うよ? 圭一くんは心が広いんだね。 レナは絶対に許せない。 こんなことした奴を、絶対に許さないよ。 ………………ところでさ、圭一くん。 さっきからずぅ~~~~~~っと、レナ気になってることがあるんだけど、いいかな? その後ろに持ってる、『布』みたいなもの……なに? 最初から気になってたんだ。 レナがここに来たときから、ずっとそうして『隠してる』よね? 手、疲れない? ちょっと『それ』……レナに見せて欲しいな……欲しいな。 ん、ん。 どうしてダメなの? はぅー、レナに見られたくないものなのかな、かな。 そう思うとますます見たくなっちゃうよぉ♪ ね、ね、見せて? イジワルしないで見せてよぉ♪ なんだかかぁいい匂いがするよ? レナのかぁいいレーダーがそこにビンビン反応してるよ? はぅ~んはぅ~んって。 ………………どうしてそんなに見せたくないのかなかな。 レナに見られると、困るものなの? ねぇ、圭一くん。 ……………………はぁ…………。 圭一くん……レナね……。 ほんとは『全部見てたの』。 この校舎裏に来て、圭一くんに話しかける前から、ずっと……。 圭一くんのこと、見てたんだよ。 ハァハァって声がしたから、それが聞こえてくるところをこっそり覗いたの。 そこの物陰から。 そしたらね? 圭一くんが、『体操着』を顔に押し当ててた。 その『体操着』のニオイを嗅いでた。 ハァハァハァって。 変態さんみたいな声を出しながら、レナの大好きな女の子の名前を何度もつぶやいてたよ? 梨花ちゃん、梨花ちゃんって。 おまけに、もう片方の手でなにか下の方をゴソゴソしてて……あれは一体ナニをしてたのかな。 かな。 …………うん。 もう、いいよね? じゃあレナにその体操着、見せてくれる? ………………『古手』って書いてある。 やっぱり犯人は圭一くんだったんだ……? 沙都子ちゃんのも、圭一くんがやったの? ………………ふ~ん、そう。 そうなんだ。 圭一くんがやったんだー。 へぇ~……。 …………レナ、梨花ちゃんに返してくるね。 これ圭一くんが持ってたよーって。 こんな汚いことに使われたんじゃ、もうこの体操着着れないけどね。 梨花ちゃんかわいそう……あーあ……。 ん……や……ちょ、や、やだ、何するの? レナの脚にしがみついてこないでよ! きもち悪いなぁ! 変なとこ触った汚い手で、レナの体に触んないでよ。汚らわしい! 触んないでつってんでしょ! このロリペドの変態! …………あ、ごめん。 ……ごめんね? レナつい本音が出ちゃった。 圭一くんは大事な大事な仲間だもんね、こんな言い方ってないよね? うん、勘違いしないでね? 汚らわしいって言っても、レナはべつに圭一くんがここでオナ…………ん。 ……いやらしいことしてたことが、汚いって言ってるじゃないんだよ? 男の子のそういう、性のこともわからなくないし。 レナはそのことでは圭一くんを軽蔑したりしないから、安心して? ただ、ね。 やっぱり『こういうこと』に使うんなら、ちゃんと持ち主の許可をもらわないとって、レナ思うんだ? 勝手に使ったりするのはイケナイことだよね? だからお願いしてきてあげる。 梨花ちゃんに。 圭一くんが、どうしても梨花ちゃんの体操着で自慰をしたいみたいだから、ちょっとだけ貸してあげてくれないかなー? って。 みんないまちょうどお昼で教室にいると思うから、魅ぃちゃんや沙都子ちゃんはもちろん。 クラス全員に聞かれちゃうかもしれないけど……いいよね? ね? だって圭一くんはガマンできなかったんだもん。 どうしても、シタかったんでしょ? しょうがないことだもん。 レナは圭一くんの味方だよ? はぅ~♪ あ、そうだ。 知恵先生や校長先生にも知らせた方がいいよね? 生徒の大事な性の問題だもん。 ちゃーんと先生も知っといたほうがいいよね? はぅ~♪ レナかしこぉ~い♪ ……………………え、なになぁに? やめてくれ? 今、やめてくれって言ったの? レナに? ……圭一くんさ。 レナに何かお願いがある時は、もっとちゃんとした言い方があったと思うんだけどな……。 このこと、みんなに言って欲しくないんでしょ? 知られたくないんだよね? だったらレナ、もっとちゃんとお願いしてもらいたいな。 …………ほら、はやく言いなよ。 梨花ちゃんの体操着とブルマーでオナニーしてた、前原圭一の恥ずかしい自慰行為を、どうかみんなに言わないで下さい、『レナ様』って。 ほら、言ってごらん? ……言えないの? 圭一くんのお得意の『ごめんなさい』をするんだよ、ほら。 ………………うん。 ま、とりあえず許してあげようかな。 レナだってみんなに、大好きな圭一くんがじつは変態さんでしたぁなんて知られたくないしね。 うん……でも良かったね圭一くん♪ これで何もかも元通りだよ? いつもどうり、またみんなの前で何事もなく過ごせるね。 レナいつも言ってるでしょ? 当たり前の日常なんて、簡単に壊れちゃうんだって……。 あやうく圭一くんのせいで、壊れちゃうところだったけど。 レナが黙っててあげるから平気だよ? うんうん♪ だから……ね? レナの前で、オナニーして見せて。 ………え?じゃないよ。 何おかしな顔してるの? まさかなんの『お仕置き』もなしに、このこと秘密にしてもらえるとでも思ったのかな。 かなかな。 甘すぎるよ。 レナ言ったよね、こんなことした人を絶対に許さないって。 さっきの『ごめんなさい』は、みんなに言わないであげるってだけだよ。 だからほら……して? して見せて? レナの前で。 オナニー。 ほんとは梨花ちゃんと沙都子ちゃんの前でさせてやりたいけど、あの二人にはまだ早すぎるからね。 かわりにレナが見ててあげるの。 イジメてあげる。 罵ってあげるの。 目で犯してあげるよ。 圭一くんのみっともな~い姿を、ね。 それに……それにさぁ、圭一くん。 さっきからズボンの前、パンパンになっちゃってるんだけど……『それ』はどうするの? そのままじゃ、教室戻れないでしょ? ごめんね。 レナがさっき途中で話しかけちゃったから、中途半端なとこで終わっちゃったんだもんね? もうジャマしないから、いいよ続きして。 レナもう邪魔しないから。 圭一くんがオナニーするとこ、レナが全部見ててあげるから。 ほら、はやくみせて? シて見せて? ついさっきまでここでやってたよね。 それをもういちどレナの前でやるだけだよ。 はぅ~簡単だよ~。 うん……そう、そこね? そうやってズボンのチャックから、おちんちんだけ出してやってたよね? ほら、全部レナに見せてよう。 圭一くんのおちんちん見せてー? ………………ふ~ん。 それが圭一くんの、なんだ。 …………恥ずかしい? レナに大事なとこ見られて、恥ずかしい? おちんちん恥ずかしいんだ? あははははは♪ いまさらそんなこと言われたって、全然説得力ないよ。 さっきはあんなにハァハァ言いながらシテたくせに。 それにレナ、知ってるんだよ? だよ? ふふふ……♪ 何をって、とぼけないで欲しいな。 圭一くんが、『ドM』だってことだよ。 できないです、恥ずかしい、とか言って。 圭一くん、いますっごく興奮してるよね? レナの前でオナニーできるって思って、おちんちんビクンビクンしてるよ? そんなに顔を真っ赤にしてるくせに、手でもうおちんちんしっかり握っちゃって……。 レナ、まだ触っていいなんて一言も言ってないんだけどな~? あ……あ、あ、ほらほら♪ いまおちんちんピクンってしたでしょ? やっぱり興奮してるんだ? レナにからかわれてきもち良くなっちゃった~?圭一くぅん? クスクス……♪ どうしよっかな。 かなかな。 もうちょっと焦らしてあげようかと思ったんだけど……。 なんか圭一くん、もうガマンできなさそうだね。 そんなにシタい? そんなにレナの前で、シコシコしたいの? あはははは♪ そんな必死にうなずいちゃって、まるでおあずけくらってる犬みたいだね。 ……うん。 じゃあいいよ。 そのままレナによく見えるように、おちんちんシゴいてみて? いいよ、シコシコして♪ …………って、あ、あ、あ。 ダメ、ダメだよ。 そんないきなり激しくシちゃダメだよ? そんなに早くしたら、圭一くんすぐイっちゃうでしょ? レナはできるだけ圭一くんの恥ずかしいところを見てたいんだから、もっとゆっくりやって見せて? ……うん。 そうそう、それぐらいゆっくり……だよ。 まだ早くシちゃだめだよ? いつもシテる時よりも優しく、丁寧にやるんだよ~。 ナデナデ~って。 …………え? こんなゆっくりじゃ、あんまりきもち良くない? あはは……『だからイイ』んだよ♪ レナは、圭一くんがそんなもどかしくしてる仕草を見たいんだから……。 レナの目の前で激しくシゴきたい。 レナに視姦されながら、おもいっきりシゴきあげたい。 したいのにシたいのにシタいのに。 でも、そうさせてもらえない。 きもち良くさせてもらえない。 それがもどかしくてイジらしくて、つい腰をモジモジさせながら悶える圭一くん……♪ そんなたまらなくかぁいい圭一くんが、レナの大好物なんだから……♪ だから、ダメ。 そのままレナの言うとおり、ちょっとずつやりなさい。 わかった? …………はぅ、そんな泣きそうな顔しないでよ~。 それじゃまるで、レナが悪い子さんみたいだよ……? もう、しょうがないなぁ圭一くんは……。 はいはい、レナの負けでいいですよー。 はぅ~。 うん。 じゃあ、ちょっとだけね? ほんのちょっぴりだけ、早くシテもいいよ? …………クスクス。 かぁいいね……そんなに嬉しそうにシコシコしだしちゃって……♪ ねぇ、きもちいい? レナに見られながらのオナニーはきもちいいですかー?圭一くん? あはは、答えなくったってわかるよ。 そんなに手を必死に動かして、お口をポッカリ開けちゃって……。 よだれまで垂れてるよ? なんか、今の圭一くんの顔ほんっとだらしない。 すっごくみじめで情けなくて、これがレナが大好きな圭一くんなの? そこまでいくと、なんかもうただのオスって感じだね。 オナニーしたいだけの、ただのスケベなブタさんだよー。 ねぇねぇ、レナにこんなとこ見られて恥ずかしくないの? ブタだなんて言われて悔しくないの? ねぇ、ねぇねぇ圭一くん? ……あ。 いまピュッピュッって、おちんちんの先から何か出てきたね。 なぁにこの透明なの。 なんなのかなぁ~? ……ダメだねぇ圭一くんは。 レナがいくらバカにしても、罵倒しても、み~んなきもち良くなっちゃうんだ……。 それにさっきから……レナ思ってたんだけどさ。 レナのこと、オカズにしてない? おちんちんシゴきながら、レナのカラダ、チラチラ見てるよね? さっきからず~~~~~っと。 レナの顔とか手とか、胸元とか……。 脚なんてまるで舐め回すようなイヤラシイ目で、ジロジロジロジロ。 梨花ちゃんの体操着がないからって、今度は目の前にいるレナのカラダまで使うんだ? ほんっと見境無いね、圭一くんは。 ……あのさ圭一くん。 どうせなら、ちょっとだけサービスしてあげようか? そんなにレナのカラダをオカズにしたいなら、こうやって……ん……。 こうやって、レナが自分でスカートをめくり上げていったら……どうかな? ……興奮する? ほらほら、ちょっとずつちょっとずつ……。 レナのセーラー服のスカートがめくれていくよ? いっちゃうよ~? 見てる~? あ……ほら、ふとももが全部見えちゃった……。 さっき圭一くんがイヤラシイ目で見てたとこだよ? どお? 嬉しい……かな? かな? このままもっともっとめくり上げていったら、今度は何が見えちゃうのかな……? 圭一くん見たい? これよりももっと先まで……レナのこと、見たい? はぅ……そんなおちんちんシゴきながら、女の子のスカートの中を見たい!だなんて……。 ほんとデリカシーがないなぁもう。 …………うん。 じゃあ、見せちゃう。 圭一くんがおちんちんシコシコしてるとこ見てたら、なんだかレナもちょっぴり変な気分になってきちゃった……。 だから、特別だよ? ん…………ほ、ほら、見える? レナの下着……大事なとこを隠しちゃってるパンティ……全部見える? ね、見える? あ、あ、あ……すごい、すごいね……圭一くんの手の動きがどんどん早くなっちゃう……。 おちんちんの先っぽから、ピュッピュッピュッてお汁が止まらないよ……すっごくいやらしいね……。 ん……ね、ねぇ、もう出ちゃう……? 出ちゃいそうなの? レナの生パンティに興奮して、そのままドピュドピュッてしちゃう? 圭一くんのおちんちん、もうビクンビクンって跳ねて……今にも射精しちゃいそうだよ……うん……すごい……。 これでさ……もしこうやってレナが……今度はこのパンティまで降ろしていっちゃったりしたら……おちんちん、どうなっちゃうのかな……? ん……大サービス、だよ? レナの一番大事なとこ、このまま見せてあげる……大好きな圭一くんに……。 あ……ほら見える……見えちゃう見えちゃう……。 女の子の一番大事なところが見えちゃうよぉ……。 圭一くんに見られちゃう……。 レナのお○んこが……もうちょっと、もうちょっとで……ほらほら……見え……。 …………………きゃっ!? え、え……? あ、あ、あー……すごい……すごくいっぱい……たくさん……。 おちんちんの先っぽから、びゅるびゅる~って……白いのがいっぱい出ちゃってる……すごいよ……。 あぅ……圭一くんが射精しちゃってる……レナの目の前で出しちゃってるよぉ……はぅぅ……。 み、見てるから……レナちゃんと見てるから、ね? い、いっぱいいっぱい出していいよ……そのまま……。 は、はぅ。 こんなにドバドバ出して……すっごくきもちよさそう……女の子に見られながら射精するの、きもちいい? そんなにいっぱい飛ばしちゃって……もしかして、レナにかけたいの? レナの体にビチャビチャって、かけたいの……? …………ん……あ、あん……今の、ちょっぴり脚にかかっちゃった……はぅ……すごくドロっとしてるよ……。 ………………全部……出た? うん……よかったね。 射精してるときの圭一くんの顔、すっごくかぁいかったよ? レナもちょっぴり興奮しちゃった……。 でも、もったいなかったね。 もうちょっとガマンすれば、レナの生のお○んこ見られたのに……。 はぅ~、圭一くん残念……。 う~ん……でもなんか、アレだね……。 せっかくのお仕置きだったのに、ただレナが圭一くんのオカズになっただけみたい……。 やだな。 圭一くんには一切触られてないのに、レナのカラダ、汚された気分だよ……はぅ。 これじゃあまた、別のお仕置きを考えないとダメだよね? これじゃあ圭一くんのためにならないもん。 う~んう~ん。 何がいいかな、いいかな。 圭一くんにとっての罰ゲーム罰ゲーム……。 …………あ、そうだ。 レナ良いこと思いついちゃったよ♪ あのね圭一くん? レナ、今ちょっと体が興奮しちゃってて……ちょっと、アレなの。 わからない? も、もう、ここだよ……こ・こ。 お腹のあたりがちょっと……あ、熱くなっちゃってるの……♪ おかげでね……溜まってたお水が、いまにも漏れちゃいそう……。 レナ、すっごくおトイレに行きたいよう……。 だから……ね? も、もうわかったよね? レナが何を言いたいか、ドMの圭一くんならもうわかってくれたよね? うん♪ じゃあそこにあお向けになってくれる? レナがまたがってシテあげるから……。 …………はぅ、さすがのレナもこの体勢はちょっと恥ずかしいな……圭一くんに丸見えになっちゃう……。 ん……準備はいい? ちゃんとお口開けた? うん……♪ それじゃあ、飲ませてあげる……♪ 終
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男とは一体、どういう風にあるべきだろうか。 男に生まれたからには一度はやってみたい夢がある。 人によって些細な部分は違うかもしれないが、男なら誰もが皆同じくやってみたい夢がある。 例えばだ、正義のヒーローになりたいとか熱い夢もあるだろう。 ロボットを操縦してみたいとかいう、熱い夢もあるだろう。 宇宙最強の強さを手にして、空を飛んだりとかいう熱い夢もあるだろう。 だが、それ以上に熱い夢を、男なら誰しも持っているはずだ。 それは女の子を自分専属のメイドに仕立ててご奉仕三昧とか! とてつもなく恥ずかしい格好をさせて、ご飯を食べさせてもらうとか! ……とにかく! まあ色々あるだろう。 しかし、しかしだ。もしそんな夢を本当に叶えることが出来るとき、男はどうするべきだろう? 俺の手の中には、二枚の可愛らしい手書きのチケット。 使用する、しないは俺の自由。 隣を見る。魅音がにやにやしながらこっちを見ている。 反対側を向く。レナが顔を真っ赤にしながら、心配そうな目つきでこっちを見ている。 ――正面を向く。 そこには沙都子と梨花ちゃんが、心持ち青ざめた表情で俺のことをじっと見つめていた。 事の顛末は、数十分前に遡る。 俺たち五人は、いつものように部活をしていた。 ちなみに今回はダウトだった。あのトランプゲームのアレだ。 やったことがある人ならわかるかもしれないが、このゲームは残りが二人になると決着がつかない。 自分が持ってないカードが、相手のカードとなるからだ。 つまり、今回は敗者が二人という過酷なものだった。 罰ゲームはスタンダードに、勝者が敗者に一個命令。 一見、いつもの部活だ。 それがあんな展開になるなんて、誰が予想できただろうか? 最初の内は、まだ普通だった。 沙都子のトラップにハメられて、俺が断トツのビリだった辺りも認めたくはないが普通だろう。 さらに梨花ちゃんから追撃されたのはちょっと予想外だったが、これもまあ普通だ。 その時点では珍しく沙都子と梨花ちゃんが手札が残り4、5枚とトップを争っていた。 続く魅音、レナが10枚程度。俺がさっきのトラップとかのせいで20枚程。 圧倒的不利に追いやった沙都子に対して俺が噛み付くのも、まあいつものことだった。 「沙都子! てんめぇぇぇっっ! やりやがったなぁっ!!」 「をーっほっほっほ! これくらいで引っかかる圭一さんが悪いのでございますわー!」 「圭一、手札が一杯でかわいそかわいそなのですよ☆」 「くぅぅぅぅっっっ! 見てろよ! ここからひっくり返してやらぁぁっっっ!!」 「ここからひっくり返すなんて無理にも程がありますわ! 諦めた方がよろしいんじゃなくて?」 「ボクたちがこのまま勝つのですよ。圭一はきっと罰ゲームなのです。にぱー☆」 「そんなのやってみなきゃわからねぇぜ!?」 そう強がってはみたものの、ここからの逆転はかなり厳しそうだった。 それは沙都子や梨花ちゃんも同じだったようで、だからこそあんな事を言ったのだろう。 「をーっほっほっほ! もしひっくり返せたら、恥ずかしい格好でも何でもやってもいい気分ですわね」 「もし圭一が1位を取れて、ボクがビリになったなら猫装備でハイハイでお散歩券をあげてもいいぐらいなのです」 「あら、それなら私は犬装備で同じ事やってもいいですわよ」 絶対勝つと確信があるからこそ、言える言葉だった。 つまりはその場のノリで言った冗談のようなもので、俺もそれがわかってたからこそ反撃した。 「言ったな! 絶対俺が勝って恥ずかしい思いさせてやろうじゃねぇかっ!」 「圭ちゃん言ったね?」 そこに噛み付いてきたのは魅音だった。 魅音も俺が勝てないと見たんだろう。煽るつもりだったのかもしれない。 「じゃあ圭ちゃんが1位になって沙都子と梨花ちゃんがビリになったら罰ゲームはそれで良いのかな?」 「当たり前だっ! なんなら逆に俺が負けたら、スク水で村一周にしていいぜ!」 「をーほっほっほ! 上等ですわー!」 さて、ここで冒頭に戻る。 俺の手には二枚の手書きチケット。 一枚は沙都子の手書き。もう一枚は梨花ちゃんの手書き。 そしてこれが書かれたのはほんの一分前のこと。 もう流石にわかるだろう。何が起こってしまったか! 「圭ちゃ~ん? それ、使わないの~?」 魅音がにやにやと嫌らしい笑みを浮かべて詰め寄ってくる。 そう、まさかのまさかだった。 あの後俺は奇跡的な大逆転をし、そしてあろう事にビリになったのは沙都子と梨花ちゃんだったのだ! 神様は何をとち狂ってしまったのか、やや心配になってしまう。 しかし男の夢を叶えるチャンスをくれたことに対しては、ありがとう! 神様最高だぜ! 今日から俺、ちゃんと貴方を崇めることにします。本当にありがとう! ……と逃避する余裕など、あまり無いようだ。 「……なあ、魅音。やっぱりこれは流石にマズいんじゃ……」 確かに女の子を獣装備でお散歩させるなんて、男にとっては大きな夢だ! だが夢は夢であって、実際するとなれば周りの目とか、倫理とか大きな問題がある。 もし、これをやってしまったならば、俺は人間として大切な何かを失う。しかも必ずだ。 それどころか、村中から変態呼ばわりされてもおかしくない。 「変態ぃ~? 圭ちゃん何度も罰ゲームでとんでもない格好して帰ってるけど、あれはなんて言うのかねぇ?」 「ぐあぁぁぁぁっっっ!! 言うなぁぁぁぁっっ!!」 「み、魅ぃちゃん……レナもこの罰ゲームはちょっとダメだと思うかな? かな?」 「ちっちっち! どんな罰ゲームであっても問答無用! それが部活のルールだからね」 「でも……」 「それに、これはもともと沙都子や梨花ちゃんが勝手に自分から言い出したことだしね」 それを言われると、レナも何も言い返せないらしい。 どうしよう? とでも言いたげな視線をこっちに送ってくる。 むしろ俺がどうしよう? とでも言いたい気分だってーの! 沙都子と梨花ちゃんも、期待を込めたような視線を送ってくる。 ……うぅ。俺、どうする!? たしかにこれは夢のチケットだ、だけどやっぱり…… 「やっぱ俺、これは使えな……」 「ねえ圭ちゃ~ん、……もしかしてビビってんの?」 「なっ!? んなわけねぇだろっ!」 「なら出来るよね? それとも圭ちゃん、自分が恥ずかしい格好するほうが好き……」 「だーっっ!! それは絶対無い! くそっ、こんなおいしい券使うに決まってるだろっ!」 ――言った、俺。言っちまった。 魅音は面白そうだとばかりににやにやしてるし、レナは溜息をついてる。 そして沙都子と梨花ちゃんはがっくしと肩を落としながら、諦めた表情。 ……はぁ。どうして俺って、こんなに挑発に乗りやすいんだ。 せめてもの情け、ということでお散歩は暗くなってからすることになった。 どうせ今日は親父もお袋も出張でいない。 あわよくば沙都子か梨花ちゃんの手料理でもわけてもらえたらなーという下心もあった。 大体六時半辺りだろうか、俺は二人の家をノックした。 「おーい、沙都子ー! 梨花ちゃーん! 来たぞー」 たんたん、と階段を下りる音が聞こえ、そして…… 「……っ!!」 ――なんというか、神様。素晴らしすぎます。 俺、今日死んでも良いかもしれない。と本気で思えるほどの何かがそこにはあった。 「みぃ……」 「圭一さんっ! ……は、早く行くなら行きますわよっ!」 騒ぐ沙都子に合わせてぴこぴこと動く犬耳と尻尾。 赤い首輪に繋がれた赤いリードを振り回している様子は、さながら散歩に早く行きたがっている子犬のようだ。 その破壊力はいわずもがな! ああ、想像してみろ! マジですげぇから! 黄色い髪と相まって、ふわふわとした子犬のような可愛さがある。 梨花ちゃんは猫耳、尻尾、そして沙都子と色違いの青い首輪とリード。 もちろん想像違わず、とても似合っている。 沙都子とは反対に落ち着いている梨花ちゃんは、それこそマイペースな猫のようで。 でも頬を赤らめて「みぃ」とでも鳴けば、一転甘えん坊の子猫と化すのだ! ああ! こんな素晴らしい格好の彼女たちを四つん這いで散歩させることが出来るとは! やべ、考えただけでも鼻血が出そう…… レナじゃなくても、この二人をお持ち帰りしたくなる。 「……よ、よし。じゃあ行くか!」 赤のリードを右手に、青のリードを左手にしっかり握る。 二人はと言うと、恥ずかしさにふるふると震えながら地面に四つん這いとなった。 く、くぅぅぅぅ!! ヤバい、これは病み付きになりそうだ。 ルートは彼女たちに任せるとする。これも、せめてもの情けだ。 だがハイハイのためか、なかなか前に進まない。 二人は必死で少しでも早く前に進もうとしているが、俺にとってはゆっくり歩く程度だ。 「うぅぅぅぅ……こんな恥ずかしいことをさせられるなんて、屈辱ですわ……」 「みぃ……圭一は酷いのです。ボクたちはきっとこのまま圭一ににゃーにゃーされてしまうのです」 「さ、さすがにそこまでは……しない、かな? かな?」 とっさにレナのまねで誤魔化すが、正直理性が保つかわからない。 二人が進む度にふりふりと尻尾とお尻が揺れるし、スカートがはためいて見えそうで見えないチラリズムとか。 何よりも、その恥ずかしそうな表情! 屈服させることにより沸き上がる嗜虐心と達成感! それらが俺をもっと、もっとと先へ駆り立てるのだ! だけどここでそれを許してしまったら、それこそ人間を捨てることになる。 なんだけど、なんだけど! その……はぅ…… 「きゃー! 圭一さんのケダモノー!!」 「圭一のオットセイが、とても元気なのです」 「こ、こらー! 見るなーッ!!」 怒鳴りながら慌てて両手で隠すも、前屈みの体勢じゃイマイチ迫力がない。 それを形勢逆転と取ったのか、はたまた興味があっただけなのか、二人がじわじわと近づいてくる。 四つん這いで詰め寄ってくる二人の姿はこんな状況のせいか、幼いながらもちょっとした色気があって…… 動揺したまま後ろに足を踏み出したら、何かに躓いて尻餅をついてしまった。 マズい。これは非常にマズい。 「ちょ、待て。マジで待て。冗談でもやめろ! 近づくなっ!」 「あらあら圭一さぁん? さっきまでの威勢はどこへ行きまして?」 「みぃ、圭一は大変なのです。もう歩けないかもなのですよ?」 座り込んだことによって、視線がさっきよりも下へと移る。 四つん這いのせいで胸元が緩んでいて、そこからちらちらと下着が見えそうで見えない…… もう、限界だった。 「……マ、ジで……ヤバいから、もう、近づか……」 「何を言ってますの? 圭一さぁん? 降参ですの~?」 ふわふわとした耳が揺れる。俺を誘う。 「……みぃ!? 沙都子っ! それ以上圭一に近づいちゃダメっ!」 俺の異変にいち早く気付いたか、梨花ちゃんが沙都子を制止する。 「何言ってるんですの、梨花ぁ! これは大チャンスですのよ!」 だが、『そういうこと』に疎い沙都子は気がつかない。 無謀なことにも、狼と変わりつつある俺に無邪気に近寄ってくる。 「ダ……メ、だ……沙都、離れ……ッ!!」 「沙都子ッ! ダメ、圭一っ! ダメぇっ!!」 ぷつん。 ――俺の中で、何かが切れる音がした。 「……圭一、さん?」 俺の変化にようやく気がついたのか、そいつは不安げな声を出す。 その姿は、まさに震える子犬にそっくりだった。 俺という狼に、今まさに食われようとしている子犬。 ガシッと両肩をしっかり捕まえる。逃れられないように。 「……え? ちょっと、圭一さ――」 有無を言わさず、仰向けに押し倒す。 そのまま服を脱がせにかかる。 「ちょ、嫌、やめっ……やめてっ!!」 「圭一ッ! 止めるのです! 沙都子を離すのです!」 もう一匹の獲物が俺に向かって飛びかかってくる。 子猫は片手で捕まえ、同じように地面に押し倒しておく。 「や、嫌っ!! 梨花ぁっ! 嫌ぁぁぁっっ!!」 「沙都子ッ! ……離して、離してよッ! このぉっ!!」 二匹ともじたばたと暴れるが、体格差もあって俺には全く敵わない。 どれだけ叫ぼうとも、ここは人気のない山道。 見られるのを恥ずかしがって、人が通らない場所を選んだのが裏目に出たようだ。 仮に俺の腕から離れられたところで、リードで繋がれている以上助けを呼びにもいけない。 考えれば簡単なことだった。ここで食い散らかしたところで誰にもバレやしないのだ。 左手で押さえた子猫は後にして、先に捕まえた子犬から剥くことにする。 両足で押さえているため、全くもって抜けようがない。 右手で器用に服をずらし、暴れる子犬から服を剥ぎ取る。 この頃には恐怖の方が勝っていたのか、泣きながら弱々しい抵抗を続けるだけだった。 一方の子猫は、諦めが悪いのか未だじたばたと藻掻いている。 「……っく、嫌、……ひっく……止めて……」 「ホントに離しなさいよぉッ!! 離せって言ってんでしょっ!!」 ……みゃーみゃーと、うるせぇな。 ちょっとばかり子猫が耳障りだったので、子犬の下着をずらしたところで子猫も剥いておくことにする。 半脱げで、胸あたりまで露出させた子犬の首輪をしっかり掴み、地面に押さえておく。 中腰になって移動し、今度は子猫を両足で押さえつける。 空いた左手で、同じように子猫の服を剥ぎ取る。 「離してッ! 圭一! 目を覚ましなさいよ、このっ……! 止めてっ!」 子猫の方が、ボタンタイプで脱がしやすかった。 前を開き、下着をたくし上げると、子犬より小さな膨らみが露出する。 「止めっ……見ないでっ! ねぇ、圭一っ!!」 小さいとはいえ、実に美味しそうな色合いの蕾がそこにはあった。 邪魔な腕を二つまとめて拘束して、思いっきり貪りついた。 「……っ! や……けい…いち……」 「嫌ぁ……止めて、っく……くださいまし……圭一、さ……ひっく……」 じゅるじゅると音を立てて、吸い付く。 「ふぁっ! 圭一……止めて……っ」 「うわぁぁぁぁぁん!! 止めてぇ……っ!! 梨花を、離してぇぇっっ!!」 子猫の方が静かになったと思ったら、今度は子犬の方がきゃんきゃん鳴き出しやがった。 せっかく俺が、美味しく戴いているというのに。 この獣たちは躾がなってないらしい。食事中に騒ぐなどもってのほか。 だから、ちょっとした躾の意味も込めて子犬の方も構ってやろうと思った。 しかし二匹も押さえておかなきゃならないなんて、少し面倒だな。 その時、未だ手首に巻かれてる二本の「それ」に気がついた。 そうか、そういう手があったか。俺、頭良いな。 左手にある青いリードを取り外す。 子猫を器用にひっくり返し、後ろ手でリードを使って縛り上げた。 当然、子犬は一旦放してしまうことになるのだが、俺には確信があった。 子猫と違いややパニックに陥った子犬が、俺から逃げられるはずがない、と。 縛り上げるまでに30秒。 その間、子犬は必死に自身の首輪からリードを外そうとしていたが、手元が狂って上手く外せない。 そして俺は赤いリードを強く引っ張る。 かくんっと一瞬の抵抗の後、子犬が俺の眼前に引き倒された。 「や、嫌……わ、私に何を……?」 怯えたその瞳が堪らない。 首輪をぐっと掴み、子猫と背中合わせになるように引き寄せる。 さらに、青いリードの余った部分で子犬の両手も後ろで拘束した。 これで赤いリード一本で二匹を繋いでおけるし、邪魔な腕も動かせない。 片方を貪っている間に、もう片方に邪魔されることもない。 たった一つのことで、ここまで俺にとって食べやすくなるのだ。 やはり料理の技術は大切だなぁ、と微かに思った。 さて、思いっきり堪能するとしようか。 舐めるような視線で品定めをすると、二匹の瞳が恐怖に歪む。 さっきまで貪っていた、線の細い子猫も美味そうだが…… ここはやはり、柔らかそうな子犬から戴くべきか? うーん、でも生意気に抵抗する子猫を屈服されるのも良いかもしれない。 いやいや、怯えた子犬をきゃんきゃん喚かせるのも良いよなぁ。 ――よし、まずは子犬から戴こうか。 ぺたんと背中合わせに座り込ませた、子犬の正面側に回る。 「圭一っ! 沙都子は、沙都子はダメっ! 止めてっ!」 「あ……ぁ……」 子猫はみゃーみゃー喚き、子犬は恐怖のあまり言葉が出ない。 安心しろ、お前も後でじっくり味わってやる。 子犬のずらされた服の隙間から、柔らかそうな双球が顔を覗かせている。 小さな体つきの割には、意外と良い物を持っているじゃねぇか。 手を差し入れ、力を込める。 思っていたとおりの柔らかさと弾力が、俺の指を楽しませた。 「や……嫌、触らないでくださいましっ! 嫌ぁぁぁっっっ!!」 「圭一、沙都子に何をしてるのっ!? 今すぐ止めなさい!」 じたばたと藻掻き喚いているが、放っておくことにしよう。 いつまでも食べずにいるのも、もったいない気もするし。 ふにふにと揉み、麓から頂上まで絞り上げる。 薄桃色の先端に到達する度に、抵抗が一瞬弱まる。 小さいのに一丁前に感じてやがるらしい。いや、小さいからこそ感度が良いのか? 「や、止めてくださ……ふっ! ……ぁ、ダメ、ふぁ……」 ならば、こうしたらどうなるかな? きゅっと蕾を摘み、指の腹でころころと転がす。 段々と硬く、大きくなっていく。比例するように、吐息が漏れる。 「やっ…ふぁっ……ぁ、止め……んぅっ!」 「沙都子、屈してはダメなのです! ……ねぇ、沙都子! しっかりしてッ!」 子猫の声はもう届かない。 弱まっていく抵抗は、もはや意味を成さない程まで無くなっていく。 とろんと惚けていく瞳、桃色に上気した頬、時折ぴくんと跳ねる身体。 口先の抵抗は、今では小さな喘ぎを恥ずかしそうに漏らすだけ。 「……ぁっ、ん、やぁ……っ……ふあぁぁっ!」 もう辛抱堪らんとばかりに、一気に貪りついた。 夢中で舐め、吸い、甘噛みする。 「やっ……やあぁぁぁぁぁっっっ!!!」 「止めて圭一ッ!! お願いだから止めてぇぇぇっっっ!!!」 舌先で唾液を馴染ませるようにして、吸い上げる。 奥歯で軽く噛むと、コリコリとした触感が堪らない。 そしてそれよりも、耳に伝わる嬌声と悲鳴が心地よかった。 「――っあ! や、あぁ……んんっ!! きゃうっ!!」 「……止めて、お願い…っく……沙都子、沙都子だけは見逃して……うぅっ」 もちろん、お願いを聞いてやるつもりはない。 口を下にずらしていく。やや湿った布にぶつかった。 この下にこそ、最高の食材が待っている! 邪魔な布を取り去ろうと、ゴムに手を掛けた。 さっきまでボーッとしていた子犬が、危険を察知したのか、ハッとなり叫ぶ。 「や、止めてくださいましッ! 圭一さんッ!!」 悲痛な声もなんのその。破り捨てるような勢いで、それは取り除かれた。 毛も全く生えてない、幼い秘所が露わになる。 「嫌あぁぁっ! 見ないでっ!!」 「圭一ッ!!」 足を閉じて必死に見せまいとしているが、俺に力で敵うわけもなく。 ぴったり閉じた両足をこじ開け、濡れたそこにしゃぶりついた。 「ひゃうぅっ! や、そこ、きたな……ぁっ! ひぅっ!」 ぴちゃぴちゃと、下劣な音を立てながら。 ひたすら啜り、舌で狭い肉壁を掻き分け奥まで伸ばす。 後から後から溢れ出す蜜を、ズズズと飲み干していく。 真っ赤な顔をいやいやと振り、瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。 ビクビクと跳ねる身体の感覚は、後ろに繋がれた子猫にも充分伝わっているだろう。 それを狙っていた。 「……止めて…うぅっ……わ、私、なんでもするから……お願い、沙都子を…っく……」 涙混じりの小さな呟きを、俺が聞き逃すはずもなかった。 「……ふぅん? 何でもするんだな? 今、そう言ったよな?」 見せつけるように、子犬の愛液で濡れた口元をぺろっと舌で拭う。 子犬はと言うと、荒い息をついて放心している。 さあ、これで決意は固まったよなぁ? こいつのこと大切なんだもんなぁ? 「……ひっく……します。しますのです……ボクが言うこと聞きますから、沙都子を……」 「よし、それじゃあまず、コイツをどうにかしてもらおうか?」 ズボンのチャックを開けると、既にカチカチになった肉棒が飛び出す。 ビクッビクッと、脈打ってるのがよくわかるぐらいだ。 「な……!? ど、どうすればいいのですか……?」 不安そうな顔で、俺を見上げる。 「とぼけんのは無しだぜ? ホントはわかってるんじゃねぇのか?」 蔑むような視線で見下ろしてやる。 「――ッ!? ……みぃ。わ、わかったのです……」 諦めたような表情で、小さな口を命一杯開く。 「小さいクセに、よく知ってるよなぁ? こんな卑猥なコトをさ」 罵ったときの、羞恥に歪む表情が堪らなく快感だ。 「……うぅ、この鬼畜……変態……恥知らずッ……」 悔しげに小さく呟かれる呪詛も、敗者の戯れ言と思えば実に愉快だ。 さて、満足させてもらいますか。 「――むふっ!? ふっ、ぐぅ!」 小さな口に無遠慮に肉棒を突っ込む。 苦しそうに咽せるが、気にしない。 「おいおい、満足させてくれよ? 歯を立てたりしたらこいつがどうなるかわかってるよな?」 「……むぅ、ごほっ! ……っく、む、ちゅ……」 後ろの子犬のことを口にすると、咽せつつも必死に舌を絡めたりしてくる。たいしたものだ。 技巧も何もないが、小さな舌にぺろぺろと舐められるだけで充分だ。 頭をグッと押さえ、遠慮のカケラもなく腰を前後に動かす。 生暖かく、湿った口腔の感触が心地よい。 「んーっ! ふ、ふっ……ちゅ、むふっ! ぐ……んぅっ!」 続けていくうちに苦しそうだった鼻息が、段々熱を帯び始めているのは気のせいだろうか? だとしたら、こいつ相当のマゾだぜ。 「ホントはこいつを助けたかったんじゃなくて、自分がシてもらいたかっただけじゃねぇのかぁ?」 「ち、ちが……げほっ! っふ、う、んぅーっ!!」 「ほら、欲しいんだったらやるぜ! 思いっきり出してやらぁっ!!」 「――――っ!?」 喉の最奥まで突き立て、豪快にぶちまける。 さっきまで随分溜まっていたせいか、結構な量が出た気がした。 「げほっ! ごほっ……! ぐぇぇ……っ」 口からぼたぼたと、白い液体がこぼれ落ちる。 「んだよ、飲んじゃあくれねぇのかよ」 まあいいや。これで随分大人しくなるだろう。 早くも硬さを取り戻したそれを、眼前に突きつける。 「……ひうっ!」 恐怖に彩られた声が漏れた。 「なあ? 次はどうするかわかるか?」 「……け……いち?」 俺が今いった言葉。 どうすればいい? ではなく、どうするか? と俺は聞いた。 その違いに、子猫はまだ気付いていない。 いや、頭がボーッとしていて気付けない、と言った方が正しいか? 青いリードを外す。後ろ手に繋がれた二匹が解放される。 それを子猫の首に繋ぎなおし、しっかりと手首に巻き付けておく。 さらに子犬の首に繋がれた赤いリードを手首から外し、近くの木に括り付けた。 余った部分で両手を拘束することも忘れない。外されて逃げられたら困る。 そして子猫のリードをぐいっと引っ張り、子犬を指差して宣言する。 「お前の願い通り、こいつにはまだ手を出さないでおいてやる」 「……まだ?」 「そうだ、状況によっちゃあ保証は出来ねぇからな」 「っ卑怯者!」 「じゃ、もう一度聞くぜ? 『次はどうするかわかるか?』」 「……まさか!?」 さっと、子猫の顔に絶望の影が差す。 正しい想像に行き着いたことを確認して、俺は子猫をうつぶせに転がした。 暴れているのを上手く取り押さえ、下着を取り去り、スカートを捲りあげた。 「や……それだけは止めッ…!?……ふみゃあぁっ!」 両足を鷲づかみにし、舌で蜜壷を掻き回す。 よし、充分濡れている。それじゃ行くぜ……ッ! 「――っあ! ぐぅ……痛い、止めて圭一! ホントに痛……ああぁぁぁっっ!!」 ギチギチと狭い中が、必死に俺を侵入させまいと抵抗する。 それを無視し、一気に奥まで貫いた。 「――――――っぅぅぅぅぅ!!!!」 ブチリ、と途中で何かが裂ける音と、俺のを伝わって滴り落ちる赤。 痛さのあまりか、声にならない悲鳴が空気を震わせるのみ。 だが、俺にとっては血でさえもただの潤滑油でしかない。 腰を持ち上げ、後ろから俺は躊躇せず犯し始めた。 「っあ! や、っつぅ……あ、あ、ぁっ……はぁっ……んんぅっ!」 リズミカルな肉と肉のぶつかる音の合間に、吐息が漏れる。 もう壊れてしまったのか、よだれの垂れた小さな口は甘い喘ぎしか紡がない。 狭い中が俺のモノに絡みついて、きゅうと締め上げる。 「んっ……やぁ、う……あっ、あっ、あぅっ!」 その時だった。大きな悲鳴が上がったのは。 そちらを見る。子犬が目を見開いて、口をパクパクさせていた。 「ちっ、思ったより早く目が覚めたな」 「嫌ああああぁぁぁぁっっ!! 圭一さん、梨花に、梨花に何てことを――ッ!!」 「あ、あ……沙都子、やだ……見ないで……ふああああぁぁぁぁっっっ!!!!」 自分の恥ずかしい姿を見られた羞恥心からか、子猫の中がより一層締まる。 どうやら達したらしかった。 俺はまだイってないのでそのまま続けようとしたが…… 「止めて! 梨花に手を出さないでくださいましッ! このケダモノぉっ!!」 「ほぉう。あれだけさっきまで泣き叫んでたクセに、まだ生意気なこと言えるんだな」 動けなくなった子猫を地面に横たえ、子犬の眼前に詰め寄る。 「私に近寄るなぁッ、このケダモノ! 梨花と私のそれを外せッ!」 俺の手に未だ握られた青いリードを、キッと睨み付ける。 「俺がケダモノなら、さしずめお前は雌犬ってところだろうが。それと――」 木に括り付けたリードを上にずらしつつ、子犬を抱え上げていく。 「お願いするときは、それ相応の頼み方があるってモンだぜ?」 「触るなぁッ! わ、私に何をするつもりなんですの……!?」 「躾だよ。駄目な犬は、ちゃあんと躾けてやらねぇとなぁ……?」 俺の剛直をあてがった先目がけて、一気に下ろす! 「ひぎぃっ!? ――――やあああああああっっっっっ!!!」 俺のモノが深々と突き刺さっても、俺と子犬とじゃあ身長差がありすぎる。 もちろん、その分子犬の足が地面を踏みしめることは出来ない。 結果、最奥まで突き刺さっていても、重力によってさらに無理矢理俺が押し込まれていく。 「痛……嫌ぁ、うぅっ……助けて、にーにー……痛いの、嫌……」 限界以上に圧迫され、よく見れば下腹部がほんの少し盛り上がっている。 それでも俺は遠慮しない。 軽く腰を引き、抉るように一気に貫く。 「ひぐぁあっ! ぐ……ああぁっ! うああっ!」 苦しげな悲鳴と、接合部からぼたぼたと地面に落ちるピンク色の液体。 それは地面が吸収しきれず、小さな水たまりを作るほどだ。 「ああっ! やっ! ひぅっ! ……ふああっ!!」 ある地点を越えたときから、声に甘さが含まれていく。 よく見れば俺の動きに合わせて、かくんと腰が動いている。 笑うように、微睡むように、その表情は悦びで満たされていた。 ……とんだマゾだな、こいつも。 ぎゅうぎゅうと締め付けてくる中も、複雑な動きで俺を射精へと導いていく。 「あはっ……やぁっ! 圭一、さ……んぅっ! やあぁぁっっ!!」 「……っ!」 搾り取られるかのように、俺は二度目の欲望をぶちまけた。 中に思いっきりドクドクと注ぎ込む。溢れた分が地面へとどろどろ落ちていく。 抱えているのに疲れてきた俺は、それにも構わず地面に子犬を下ろした。 ハァハァと、三者三様の荒い息だけが静かな森にこだまする。 しかし俺の剛直は、まだ疲れを知らないようだ。 二匹のマゾ雌に充てられてか、むしろ元気を増したようにも思える。 さぁて、次はどちらを戴こうか。 二匹とも、もはや衣服とは呼べない布をギリギリのところでまとわりつかせている程度。 そのくせ耳と尻尾はきちんとついたままなのだから、流石と言うべきか。 おかげで全裸より妖しい色っぽさがある。 しかもぐちゃぐちゃの服から覗く肢体は、そんな姿に似合わない幼いものなのだ。 舌なめずりをしつつ、二匹の顔を交互に見やる。どちらからも熱っぽい視線。 「……みぃ、圭一。……沙都子はダメなのです。代わりにボクを……」 「圭一さん……梨花は止めてくださいませ。私には何をしてもいいですから……」 完全にどっちもイカレちまったようだな。 口先じゃもう一方のことを庇うようなこと言って、本当は期待に目が輝いてやがる。 それならまとめて喰らい尽くしてやろう! 木に括り付けた赤いリードを外して手首に巻き、子犬を仰向けに地面に転がす。 続いて腕が疲れてはいたが、それを無視して子猫を抱え上げる。 そして子犬の上にうつぶせに乗せた。 「きゃ!」 「あうっ! さ、沙都子……」 顔をつきあわせる形で、二匹が重なる。 それを上からぎゅっと押さえつけた。 何度も何度もぎゅ、ぎゅ、ぎゅっと。 ここで上がるのは苦悶の声じゃない。同時に奏でられたのは喘ぎ声。 手を離すが、二匹はもぞもぞと動き続けていた。 それもそのはず、さっきから何をしていたかというと…… 「ふあっ! や、ダメですわ、梨花……きゃうっ! 胸は……ッ!!」 「あ、あっ! 沙都……ッ、だ、めぇ……んっ!」 互いの胸を擦り合わせて、感じてるんだぜ? まさに絶景と呼ぶにふさわしい。 二匹の幼い雌獣がまぐわっているところなんて、そうそうお目にはかかれない。 よく見れば、子犬の方なんか腰がカクカク動いてるぜ? 「んっ、やあっ! あ、ダメ、梨花ぁ……も、我慢出来な……ッ!」 「沙都子っ! やっ、それはダメっ! ひゃうぅぅっ!!」 宴はさらにヒートアップしていく。 胸だけでなく、互いの太ももに秘裂を擦りつけ合う。 ぐしゅぐしゅという水音と、荒くなっていく息。 声色はより一層高く響き、互いが互いの痴態に興奮しているようだ。 動きは徐々に激しく、艶めかしいものへと変わっていく。 「あっ、んんぅっ……沙都子、ゴメンっ!」 「はぁッ……え? 梨花? ――ふむっ!? ん…ちゅ……」 子猫が子犬の唇を奪い、熱いキスを俺に見せつけてくる。 舌と舌が入り乱れ、子犬の頬を伝ってよだれがつーっと滴り落ちた。 ……そろそろ、俺も限界かな。 雌獣の宴に俺も混ざるべく、上に乗っている子猫の位置を少し補正する。 肉棒を二匹の間に差し入れると、ビクンッと二匹同時に跳ねる。 そのまま二匹の陰核を擦るようにして、腰を動かす。 「ひゃうっ! ん、やぁっ! 圭一さんっ! んっ! ああぅっ!」 「圭一のがッ! 当たっ……あうっ! くぅんっ!」 上から、下から、小さな突起が擦れる。 同時にぬるぬるとした愛液にまみれ、滑りが良くなっていく。 当然、スピードは増すばかり。 一番敏感なところを責め立てられ、後半は二匹とも声なき声を上げるのみ。 喉を震わせ、肺の空気全てを絞り出すように。 そして、俺は火山が噴火したような勢いで、三度目を思いっきりぶちまけた。 「「ふああああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」」 二匹とも同時に声を上げ、俺の白濁とした液をお腹に浴びながら果てた―― ――目を開けたら、朝だった。 いや、朝なのもかなり疑問だが、それ以上に疑問がある。 何故俺は、外で寝ているんだ!? いきさつを思い出そうとしても、俺の脳が拒否反応を起こして思い出せない。 というか、昨日の記憶がごっそり抜けてるのが、すっげぇ不安なんですが。 しかも体がやけに重い。疲れているというレベルじゃないぞ、これは。 特に腰の辺りがとても痛いんですが……? 昨日、俺の身に何があったんだ!? とりあえず思い出せるところから、徐々に思い出そう。 昨日部活をやったところまでは覚えている。 そう、確か俺が優勝で、誰かがとんでもない罰ゲームだったんだ。 なんだっけかな……? うーん、凄いものを渡された気がする。 とてもペラペラで、軽い。だけどとても重い価値のあるもので…… そうだ、それよりもどうして俺が優勝したんだ? 確か沙都子と梨花ちゃんが、断トツだったはずじゃあ……? ……沙都子と梨花ちゃん? そこまで思い出したら、後は簡単に解けるパズルのようだった。 そうそう。沙都子と梨花ちゃんと、とんでもない賭けをしたんだ! 俺が1位になったら、獣装備でお散歩券。 だから俺は二人をお散歩させてたわけで…… その途中からだ。何かを隠すように思い出すことを拒否しているのは。 ――ちょっと待て。二人をお散歩させてたなら、二人はどこ行ったんだ? その時になってようやく、下半身が何か温かいものに触れられている事に気がついた。 とても怠い体に鞭打って、上半身を起こす。 俺の目が捕らえた光景は…… 「……うわぁぁあぁぁあぁぁああぁぁっっ!!!!」 叫んだ。よくわからないから叫んだ。 俺の脳が目の前の光景を理解することを拒否している。だから叫んだ。 だってさ、信じられないだろ? こんなの。 ほとんど全裸と言っても差し支えがないほど、ぐちゃぐちゃになった服を纏って。 髪や顔、身体にところどころ白い何かがこびり付いていて。 上気した頬は艶めかしくて、とろんとした瞳には既に光は無く。 それぞれの耳を嬉しそうにぴこぴこ動かしながら。 小さな舌をちょこんと出して、チロチロと。 子犬がミルクを舐めるように。子猫がミルクを舐めるように。 ――俺の勃起している『それ』を、沙都子と梨花ちゃんが二人で舐めていた。 脳に記憶が呼び起こされる。 誰だよ!? 誰だよ、二人をこんなにした奴は!? 思い出せ、誰だ? 誰だ? 誰だッ!? ああ、頭が痛い。くそ、くそっ…… わかってるだろ!? 前原圭一ッ!? こんなの、誰だか明白じゃねぇかッ! 俺の両手首に巻かれた『それ』。そう、それだよ! こいつが……リードが俺の手に巻かれている時点で、俺と二人は昨日からずっと一緒にいたんだよ! そうだ……俺が、やったんだ。 何度も何度も陵辱して、食い散らかした。 この白いものだって俺が出したものじゃねぇか! お前、何回出したんだよ? 二、三回ってレベルじゃねぇぞ!? 少なくとも五回以上はぶちまけたはずだ。 そうだよ……泣き叫ぶ彼女たちを押さえて無理矢理『犯した』んだ。 他の誰でもない、この俺が。 「ああぁぁぁああぁぁ!! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」 怖くなって謝る。誰に? 目の前の二人は俺の言葉なんて、既に届かなくなっているのに? それでもただひたすら謝り続ける。 赦しが欲しいんじゃない。むしろ赦さないでいて欲しい。 だからこそ謝る。この口が、喉が、裂けるまで。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 ――本当に獣となってしまった二人には、永久に届かないかもしれないとわかっていても。