約 1,217,050 件
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/64.html
SIDE 圭一 明朝4:00に48時間作戦が開始される。 梨花ちゃんの命を狙う……いや、そうじゃない、雛見沢の命を狙っている鷹野さん達との戦いが始まる。 俺達は戦いに備えて、魅音の家に寝泊まりすることにした。 朝は早い。それまでに少しでも睡眠を取っておくというのが魅音の指示だった。 それは分かっている。……しかし、俺はなかなか寝付けないでいた。 時計の針は夜の11:00をまわったところ。 いつもならまだ起きている時間なのだから当然だといえば当然なのだろうが……。 畜生。最高のコンディションを整えなくちゃいけないってのに、こんなんじゃ明日になってみんなの足を引っ張りかねない。 寝返りを打って、目を開ける。 あれ? 障子の向こうに誰かいないか? 月明かりに照らされて、人影が映っている。 誰だろう……こんな時間にやってくるっていったら、それは―― 1,レナかもしれない 2,魅音かもしれない 3,沙都子かもしれない 4,梨花ちゃんかもしれない 5,羽入かもしれない ========================================== rァ レナかもしれない 俺以外にまだ眠れない奴がいるのかと思い。そっと布団から抜け出し、障子へと移動する。 「レナ? ……どうしたんだよ? こんな時間に」 戸を開けると、そこにはレナが立っていた。 「あ…………その。ゴメンね圭一君。起こしちゃった?」 「いや……別に構わないぜ? 俺は寝付けなかったから、まだ起きてた」 「そうだったの? 圭一君も眠れなかったんだ……」 そう言うとレナは照れくさそうに笑った。 「っていうことはレナもか? じゃあ、ひょっとしてみんなも……?」 「ううん。みんなはもう寝ちゃったよ。布団に入ってすぐだった。魅ぃちゃんと沙都子ちゃんなんて凄いいびきなんだよ?」 俺は苦笑した。なんとなく容易にその様子が想像できたからだ。 同時に、彼女らの強さを少し羨ましくも思った。 「……そりゃ確かに眠れないよな。それでレナは部屋を抜け出してきたっていう訳か」 レナは頷いた。 「出来たら圭一君とお話し出来ないかなってここまできたけど、よく考えたら圭一君だって休んでるんだから邪魔しちゃ悪いよねって……」 「仕方ないから部屋の外に突っ立ってたっていうわけか? なら、取り敢えず部屋に入れよ? いくら夏だからって、いつまでも夜風に当たっていると風邪引いちまうぞ? 魅音の言葉を忘れたのかよ?」 そう言うと、レナはくすくすと笑った。 「そうだね。……それじゃ、お言葉に甘えてそうさせてもらうね」 レナが部屋に入って、俺は障子を閉めた。 二人して布団の上に座る。 でも話す切っ掛けが見付け出せなくて、俺達は互いに無言だった。 庭園に流れる水の音しか聞こえない静寂。 月明かりしかない暗がりで、レナがどんな顔をしているのかよく見えない。 でも、俺の隣にレナがいる。それだけで、なんだか少しほっとする。 「レナ。……話ってなんだよ?」 「ん? ……何だっけ。もう忘れちゃった」 「おいおい。なんだよそれは。……別にいいけどさ」 わしわしとレナの頭を撫でてやる。 「でも俺は、レナが来てくれてよかったと思う」 「え……?」 「……あっ」 慌てて口を押さえたがもう遅い。頭の中だけで言うつもりだった……かなり恥ずかしい台詞を、俺は既に口にしてしまっていた。畜生、俺の馬鹿、俺の馬鹿……。 きっと、この暗闇の中でも俺が顔を真っ赤にしているのはレナに丸見えだったと思う。 でも……そうだよな。ここまで言ってしまったんだから、もう隠す必要も無い。 「ホント言うとさ……俺、ずっと考え事してしまってて……それで眠れなかったんだ」 「…………うん」 「みんなと一緒なら絶対に勝てるって分かっているし信じてる。さっきみんなの前で言ったように燃えていて、興奮しているから寝付けないっていうのもある。 ……けど、みんなと別れて一人っきりになると……不安も湧いてきてしまって……。男のくせに情けないって思うけどさ」 「……圭一君…………」 「怖いんだよ。レナも魅音も沙都子も梨花ちゃんも羽入も、みんな俺の大切な、かけがえのない仲間なんだ。誰一人だって欠けるのはイヤだ。……俺達部活メンバーがそんなことになるはずがないことは分かってる。……けれど…………」 そんな考えたくもないイメージが次から次へと湧いてきてしまう。 レナがいない世界。魅音がいない世界。沙都子が、梨花ちゃんがいない世界。羽入がいない世界。そんな世界は……駄目だ、想像しただけで涙が出てくる。何故だか分からないけど……どうしようもなくリアルにイメージ出来てしまう。 「…………レナ?」 いつの間にか、俺は俯いていて……レナが俺の両肩に手を置いていた。 「大丈夫だよ。……レナは死なない」 俺は顔を上げて、右手をレナの頬に添えた。 「ああ、分かってる。……レナは死なない」 何故なら、俺が絶対に守ってみせるからだ……。 「私もね。……圭一君と同じこと考えてた」 「レナ……?」 「私の大切な仲間達が……私の大好きな圭一君がもしもいなくなっちゃったらって……そしたら、胸が痛くて……」 そっ とレナは俺の右手を掴み……自分の胸に押し当てた。 「レナっ?」 「ほら……分かるでしょ? 私の胸もドキドキしてる。……そして私も、そんな風に悩んでいたのが私だけじゃないって知って、少しほっとしたの」 俺は静かに目をつむって、レナの鼓動に集中した。 レナの温かみ。レナが生きているという確かな証拠。 「どうしても眠れなくって……そうしたらどうしても圭一君と会いたくなって……」 俺は閉じていた目を開けた。 そして……何も考えないうちに、いつの間にかレナの顔へと自分の顔を寄せていた。 レナも……目を閉じていた。 俺は再び目を閉じて……レナと唇を重ねた。 互いに互いの唇を押し付け合い、存在を確認する。 どれくらい……ひょっとして一分ぐらいか? 長いキスをして、唇を離す。 右手の中のレナの鼓動は、より強く激しいものとなっていた。 俺の息も激しいものとなっていた。 プツリと上着のボタンを外す。ゆっくりと右手をずらし、レナのパジャマの中へと差し込んでいく。 レナは……抵抗しなかった。 レナの胸に直接触れる。そこは柔らかく、そして温かかった。優しく揉みしだくと、その分優しく手を押し返してきた。……そして、その乳首は固く尖っていた。 「んんっ はぁっ」 レナの甘い吐息。 レナは目を閉じたまま、俺の愛撫を黙って受けていて……ときおりそのまぶたがぴくぴくと震えていた。 ごくりっ 生唾を飲む。 俺の頭の中は、既に沸騰していた。 右手をレナの胸から離し、余った左手をレナへと伸ばすと、気配を感じたのかレナが目を開けた。 「……圭一君? …………きゃっ」 俺はレナの両肩を掴んで、力いっぱい引き寄せ……そして、布団へと押し倒した。 俺はレナの上で四つんばいになっていた。 はあ~っ はあ~っ はあ~っ はあ~っ 俺の息が荒い。レナの息も荒い。 二人の呼吸が、月明かりに照らされた部屋に響く。 そして、ただそうして見つめ合っていて……。 「…………いいよ。圭一君となら……」 その言葉を聞いた瞬間、俺はレナに覆い被さっていた。 夢中でレナの唇を貪る。レナもまた俺の首に腕をまわして、舌を絡めてくる。 左手をレナの胸の上に置いて、中指と人差し指の間で乳首を軽く押さえる。 右手をレナの下着の中に突っ込んで、柔らかい恥毛とその中にある秘部を撫で回す。そこは既に熱を帯びていて、仄かに潤っていた。 レナは軽く喘いで、俺の首から右腕を離し……俺のズボンの中へと手を入れた。俺の胸を撫でて……、その手は徐々に下半身へと移動していく。そして、するすると俺の下着の中にその手を入れて……俺のものに添えた。 互いに互いの性器を刺激し合う。 それは決して激しいものじゃないけれど、それでも俺のものはこれ以上ないほどに固くなっていった。 レナもまた同じらしい。レナの秘部の潤いもまた、俺の手の動きに応じて増していった。 俺はレナから唇を離し、上半身を起こした。 「…………圭一君?」 とろんとしたレナの瞳。 「レナ……脱がすぞ?」 そう言いつつも、レナの返事を聞く前に脱がしていく。 レナの秘部を覆うものが無くなると、そこから濃密に淫蕩な……俺の雄としての本能を刺激する匂いが立ちこめてくる。どこかすえたような、それでいて甘いようなレナの匂い。 俺は無言のまま、下着から自分のものを取り出した。 「レナ……もう、いいか?」 レナが俺を見つめ返す。その時間が、途方もなく長く感じる。 「うん。……来て、圭一君」 俺は頷くと、レナの秘部に俺のものをあてがった。亀頭にレナの愛液をまとわりつかせながら、膣道を探す。 「……はうっ」 レナが軽く身悶えする。この刺激で感じたらしい。俺も、正直言ってこれだけでイってしまいそうだった。 やがて亀頭の先が手で触っていたときと同じようにくぼんだ位置にくる。ほっそりとしたレナの入り口。 「レナ…………いくぞ?」 レナは何も言わず、ただ頷いた。 俺はレナの腰を掴んで、一気に自分のものをレナの中へと挿入した。 「んっ …………んんん~っ」 レナの処女膜を破り、その奥まで突き入れる。 結合部に愛液とは違う温かいものが流れた。 俺のものを押し出すように、レナの中は固くきつく締め上げてくる。 と、俺の下でレナが目を閉じて小刻みに震えている。 「レナ。大丈夫か?」 しかしレナは答えない。パジャマの袖を噛んで、黙って痛みに耐えている。 「レナ。……ごめん。無理ならすぐに抜くから」 畜生。何やっているんだ俺は……いくら頭に血が上っていたからって、これはないだろ。 「…………えっ?」 レナは俺の腰に両脚をまわして、首を横に振った。 「私は……大丈夫だから。痛いけど……もっと、圭一君を感じていたいの」 その上……ゆっくりと、レナは腰を上下した。 「レナ……」 「お願い。……圭一君が気持ちよくなってくれないと、私はヤダよ?」 レナは泣いていた。痛みよりも、俺との繋がりが無くなることを恐れて泣いていた。 俺の目からも、一筋の涙が流れた。レナのその想いが胸にいたいほど伝わったから。 「じゃあレナ。……俺、ゆっくり動くからな」 「うん」 俺がそう言うと、レナは嬉しそうに微笑んだ。 くちゅ くちゅ くちゅ 宣言通りに、ゆっくりとピストン運動を開始する。レナもまた、俺の腰に脚をまわしたまま、俺の腰の動きに応じて腰を振る。 くちゅ くちゅ くちゅ その動きはとても遅いけれど、それでも互いの想いが伝わる、優しい営みだった。 互いが互いの温もりを伝え合い、互いを包み込みそして包まれる幸福感を味わう。 俺は文字通り身も心もレナと一つになっているということを実感していた。 「…………圭一君」 「なんだよ? レナ」 「あのね。……レナ、ちょっとだけ気持ちよくなってきた☆」 レナは幸せそうに呟いた。 「レナ……」 「何? 圭一君」 「俺も……レナの中、温かくて気持ちいいぜ」 そう言うとレナは、満面の笑顔を浮かべた。 「じゃあ、……もっと気持ちよくなろ?」 「ああ、そうだなっ」 もう少しだけ腰の動きを速くする。 レナの中を入り口からその奥まで満遍なく出し入れして、その奥を小突く。 俺が出し入れするたびに、レナは軽く呻いた。 「レナ?」 レナは再び袖を噛んでいた。 「……ゴメン。こうしてないと声が……出ちゃうの。……はうっ」 それは俺も同じだった。 レナの中にあるひだが締め付けて、俺の男性器にある性感帯のすべてをあますところなく、しかも休み無く刺激し続けているのだ。 何度となく俺も呻き声を漏らしていた。 でも、お互いに腰の動きを止めることが出来ない。快楽を貪ることを止められない。 あともう少し……あともう少しと、限界まで登り詰めていく。 「ごめん。レナ、俺……もうイク」 だめだ……もう腰が言うことを聞いてくれない。 レナもいつまでもしがみついて離れてくれない。 「私も……私ももうイっちゃうからっ……」 がくがくと腰が震える。ダメだ……もう、限界だ……。 「あっ ああああああぁぁぁぁぁっ!!!!」 「うああああああああああああっ!!!!」 レナがイクのとほとんど同時に、俺はレナの中に精液を流し込んでいた。 どろどろの精液がレナの中を満たしていく。 レナは力無く大の字になったまま、それを受け止めていた。 俺はその様子を見ながら……いつのまにか自分から不安が消えていることを自覚した。 翌日。 「おっ持ち帰り~っ☆」 ドッゴオオオオオオオオオオオオオンンッ!! レナの萌える拳によって山狗が吹き飛ばされてくる。 そして、その落下地点には俺が一本足打法で待ち構えていた。 「うおおおおおっ! バスターホームランッ!!!」 カキイイイイイイイイイィィィィィィィンンッ!!! 寸分のタイミングのズレもなくジャストミートした山狗は再びレナの方向へと飛んでいき、挙げ句レナの頭上を飛び越えて落下していった。 「よっしゃあっ! 次行くぞレナあっ!」 「うん。ガンガン行くよ圭一君っ!」 威勢よくハイタッチを交わす俺とレナ。 結局あの後、後先考えずに汚してしまったシーツやパジャマやらを誤魔化すために色々と大変ではあったけれど……別れ際にレナともう一度キスをして、それぞれの部屋に戻ってからは、短い時間だったけれどよく眠れた。コンディションは最高だ。 「なんだか、今日の圭一さんとレナさんは見ていて震えが来ますわね。コンビネーションがもう芸術的でしてよ?」 「……まったくだね。おじさんちょっと嫉妬しちゃうよ」 指揮官としてコンビネーションには参加していない魅音が口を尖らせる。 「まったく、あの二人に何があったのやら…………。知ってる? 羽入?」 「さあ? 僕は何も知らないのですよ? きっと愛の力なのです。あぅあぅあぅあぅ☆」 そう、互いの絆をより深いものにした俺とレナのコンビはもはや無敵だった。レナと一緒なら怖いものなんかありはしない。俺達のいる部活メンバーに敗北なんてありはしない。 魅音から次の指令が下る。 どうやらまた俺達のコンビネーションに出番が来たらしい。 俺はレナと目を合わせて、一緒に次の標的へと駆け出した。 ―レナEND―
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/164.html
前のお話 綿流し後日2 圭ちゃんが乱暴に私の身体に触れる。 「魅音」 私の名前を呼びながら、私の首や鎖骨の辺りに噛み付く。赤い痕を点々と残す。 ああ、体育の着替えの時に困るな。沙都子や梨花ちゃんには分からないだろうけど、レナなら気付くかもしれない。 そう心の隅っこで思ったけれど、口には出さなかった。 圭ちゃんの唇が徐々に位置をずらす。そしてそれは胸に辿り着く。 不意に、圭ちゃんが私の乳首に、がりっ、と歯を立てた。 「ひっ!…ぐぅ…」 思わず悲鳴を上げて身体を強張らせる。圭ちゃんは面白がるように言う。 「痛かったか?ごめんな魅音。俺慣れてないからさ」 そして指で、ぴん、と私の乳首を弾く。痛みに似た痺れが走って、私は羞恥に唇を噛んだ。 「うっわ、びしょびしょ。こりゃあもう履けねえな」 圭ちゃんが手をスカートの中に突っ込む。そしてパンツ越しに私の股間を触る。 「うあっ…」 「こんなの履いてたら気持ち悪いだろ」 圭ちゃんの指パンツの端を掴んでずり下ろした。スカートの中がすうすうする。 つぷ、と圭ちゃんの指が股間に入り込んだ。 「ああ?何だこれ。小便じゃねえよな」 笑みを含んだ声でぐちゅぐちゅと指をかき回す。私のそこは濡れていた。 「あっ…ひゃ、あぁあ…」 「気持ち良さそうだな、魅音」 圭ちゃんが指を増やして、私の中に突き入れる。その感覚にびくんびくんと腰が跳ねる。 「ん、や、あうっ…」 「すっげえ。とろとろしてる」 指でぬるぬるとその感触を確かめると、圭ちゃんはずるりと指を抜いた。 やがて、ジーッというチャックを下ろす音が耳に届く。 ああ、いれるんだ。 ぼんやりと思う。視界に入ってくる、赤黒くて大きなそれ。 圭ちゃんの手が私の太ももを押さえる。不意に、ずん、と身体の中心に衝撃が走った。 「うああぁああっ…!!」 「んっ…」 私の中心目指して、圭ちゃんの重量のあるそれが容赦無く抉り込む。 ぐちゅぐちゅという水音が、私と圭ちゃんが繋がるその時だと知らせる。 痛いのか苦しいのか熱いのか気持ちいいのか、もうよく分からない。脳みそが溶けてしまう。 やがて私の中に全てを納めてしまうと、圭ちゃんがはを伏せて、気持ち良さそうにはあ……と息を吐いた。 その吐息さえもが、繋がった部分から振動になって伝わってきそうに思える。 圭ちゃんはしばらくじっとしていたが、やがて動き出した。 ぐちゃぐちゃと音を立てて、出し入れが繰り返される。 「はあ…はあ、はあ」 「んあっ、やっ、ふわああっ」 息が荒い。熱い。苦痛と快感がごちゃまぜになって、ぞくぞくする。 下半身が揺さぶられる。結合部分がたまらなく熱い。お腹の底から圧迫される感覚が頭の後ろを痺れさせる。 ぐずぐずと、熱でその部分からとろけてしまいそうだ。 私と圭ちゃんの身体がひとつになり、別の物体になってしまうのではないかと、ありえない想像が浮かぶ。 別の物体?何それ。知らない。ありえない。 じゃあこれは何?これは汗。汗が飛び散る。ぐしょぐしょできもちいい。 どこまでが汗?知らない。知るわけがない。どれが汗でどれが唾液でどれが精液かなんて、知るものか。 「んっ……魅音、魅音っ…」 「圭ちゃん…けいちゃ、ん……」 圭ちゃんが私の名前を呼ぶ。私はそれに言葉を返す。私たちはちゃんと求め合えているのだろうか。 じくじくと痛む。性器じゃない。胸の奥が軋んで、痛みを伝える。 ……悲しい。どうしてこんなに悲しいんだろう。 理由は分かってる。 腕を拘束されて、身動きが取れない。私はその手を圭ちゃんの背中に回すことも、頭を寄せてキスすることも出来ない。 そして何より、圭ちゃんは私を憎んでいる。 ひとつになれそうで、ひとつになれない。憎悪の対象と溶け合えるはずはない。私はひとつになりたいのに。圭ちゃんと溶け合いたいのに。 圭ちゃんはきっと、いつまでも私を許してくれない。 「けいちゃん、けい…ちゃ……」 「魅音」 もうとっくに視界はぼやけていた。 圭ちゃんの髪が揺れる。床に広がる私の髪も揺れているんだろう。 ぽた、ぽた、と私の頬に何かが落ちる。圭ちゃんの頬が濡れているのが、うっすらと分かった。 さまざまな体液を流し合いながら、圭ちゃんと私の身体は繋がり、絡み合い、揺れている。 脳みそはとっくに使えなくなった。考えを巡らせることなんて出来やしない。 けれどこれだけは分かる。 私の眼と、圭ちゃんの眼から零れ落ちるのは、涙。 圭ちゃんが私の奥底に精液を注ぎ込んだその後も、私はさまざまな仕打ちを受けた。 圭ちゃんのものをしゃぶらされ、飲まされた。 圭ちゃんのものを触らされ、かけられた。 カーテンの隙間から差し込む光が完全に消え失せ、闇が部屋を満たす頃には、顔にも胸にもお腹にも太ももにも、圭ちゃんの精液がべっとりと付いていた。 圭ちゃんは私の身体をずっと嬲り続けながら、私の名前を呼び、私を嘘つきと罵り、私を許さないと怒鳴った。手に入らないのなら、殺してやるとも、言っていた。 いくつもの喘ぎが嘆きに変わり、嘆きが喘ぎに変わり、混沌とした感情が渦を巻き、圭ちゃんの唇から切羽詰った叫びを迸らせていた。 唯一私を犯すことで圭ちゃんの精神の均衡は保たれているかのようだった。 「魅音、誓え。自分は一生俺に背かないと。一生俺の奴隷として、俺の傍に居続けると、誓え」 それはもう何度目の挿入か分からなくなった時だ。圭ちゃんが腰を揺さぶりながら、私の髪をわし掴んで迫った。 私は言われるがままに、圭ちゃんの言葉を復唱した。呂律が回らない口調で、ただ繰り返した。私、園崎魅音は一生、前原圭一様の奴隷です、と。 そして圭ちゃんは私の奥底に、もう何度目か分からない射精をし、その行為に終止符を打った。 陵辱、と言えばいいのだろうか。 それが終わり、ずっと両手首を拘束していた手錠が外された後も、私は精液にまみれた身体をぼんやりと起こしたまま、放心していた。 変わってしまった。全てが変わってしまった。圭ちゃんは変わり、圭ちゃんと私の関係も変わり、そしてきっと私自身も変わったのだろう。 私たちは、あまりにも歪んでしまった。そして歪みの原因、諸悪の根源は、私の愚かな嘘だ。 もう涙も出て来ない。涙腺が麻痺して、悲しむという機能さえも壊れた。もう私は人間じゃない。 「……風呂、入って来いよ」 圭ちゃんはいつの間に取ってきたのか、バスタオルを私に差し出していた。 「立てるか?」 その表情は能面のようだった。 まるで感情をどこかに捨て去ったかのような、ああそうか、圭ちゃんも壊れてしまったんだ、私のせいで。 私は頷いて、のろのろとバスタオルを受け取った。 バスタオルを受け取る時に、拘束で擦れて出来た手首の傷痕が視界に入った。 圭ちゃんはそれを一瞥すると、ふいと視線を逸らした。 何とかひとりで風呂場に到着し、熱いシャワーを浴びているうちに、身体の麻痺した感覚が戻ってくるのが分かった。 石鹸で身体の隅々まで洗い、髪をシャンプーで念入りに洗う。中に出された以外の精液を全て流し落とす。 そうしているうちに、身体が恐怖を自覚し、私は今更震えが来るのを感じた。 腰が痛い。股間が痛い。乱暴に扱われたその部分が、終わった今も悲鳴を上げている。それだけじゃない。 思わず手首の傷を指でなぞる。赤くくっきりと残るその痕の痛々しさに、先ほどの行為をまざまざと思い出す。 持ち上げられた足。引きずられた髪。押し込まれた口。歯を立てられた喉。押し付けられた熱。精液の匂い。 私の身体を蹂躙した暴力が脳裏に鮮明に蘇る。恐い。恐い恐い。 裸の背中に覆いかぶさる恐怖と喪失感に、泣きそうになる。 圭ちゃん、助けてよ。 思わずそう呟きそうになった。 私はやっぱり馬鹿だ。私を陵辱した本人に、助けを求めるなんて。 けれどどうしようもない。どうしようもないほど、私の頭の中は圭ちゃんに占められていた。今までも、おそらくこれからも。 シャワーのざーっという音が風呂場に響く。この音が、この水圧が、今までのことを全て流してくれればいいのに。 もちろんそんなのは無理だ。けれど少なくとも、私の泣き声はシャワーの音にかき消される。だから私は心おきなく泣いた。 両手で自分の膝を抱え込んで、顔を歪ませて、かつての圭ちゃんの優しい笑顔を思って、ただひたすらに泣いた。 シャワーを終えて、とりあえず寝巻き代わりの浴衣を着て廊下に出た。 圭ちゃんは風呂場から出てきた私を見ると、何も言わずに風呂場に入っていった。この沈黙が心を更に抉る。 居間に戻ると、私は畳にぺたんと座り込んだ。やがて風呂場からはシャワーの音が聞こえてくる。 もう何も考えたくなかった。このまま泥のように眠ってしまいたい。 圭ちゃんは風呂場から出たら、とりあえず帰宅しようとするだろう。 その時にまだ起きている私と会うよりも、眠ってしまっている私を見る方が気が楽だろう。 そうだ、そうに決まってる。私は畳に身体を横たえて、目を閉じた。 慈悲深いまどろみが、私を包むべく近寄ってくるのを感じる………… 不意に、電話が鳴って私は飛び起きた。 婆っちゃかもしれない。もしくは青年会の用事とか。電話には必ず出なくては。 私は重い身体を何とか持ち上げ、電話を取るべく廊下に出た。 『お姉ですか?詩音です』 電話越しにその声を聞いた途端、背中が粟立つのを感じた。 圭ちゃんが知るはずのない事実を知っていたという事実に、詩音が関係していると、今更確信する。 「詩音…なの?」 思わず唇から零れた、その短い問いかけの意図をすぐに汲み取り、詩音はあっさりと肯定した。 『はい、そうです。私が圭ちゃんに教えました。お姉が悟史くんに抱かれたって。多少脚色もしましたけど』 身体中が強張る。 「……知ってたの?」 『知ったのはごく最近です。悟史くんに接触する機会がありまして。悟史くんは自分が抱いたのは私だと誤解してくれてるみたいですが』 「そっか……」 悟史は無事だったのかとか、悟史とどうやって接触したのかとか、いつから知っていたのかとか、聞きたいことは山ほどあった。 けれどそれじゃない。私が今言うべきことは、他にある。 「……ごめんね…詩音……私、詩音を裏切った…」 声に嗚咽が混じって掠れた。詩音は受話器の向こうで黙って聞いているようだった。 「本当に、ごめんなさい…ごめん……」 『もういいです。腹は立ちましたけど、許します。無事に悟史くんは帰ってきそうなことだし、それに私も圭ちゃんにバラしたし』 圭ちゃん、という言葉に身体がびくっと反応した。 『圭ちゃん、どうでしたか?怒ってました?』 詩音は興味津々といった感じで聞いてくる。けれど圭ちゃんにされたことだけは言いたくなかった。 「…ごめん、そろそろ婆っちゃが帰って来るだろうから切るね。また今度会おう」 『えっ…お姉?待っ…』 詩音の言葉を待たずに受話器を置く。 部屋に戻ろう。寝なくては。そう思い、身を翻そうとした矢先、また電話が鳴り始めた。 詩音だろうか。私はのろのろと受話器を取る。 『もしもし?魅ぃですか!?』 電話の相手は、梨花ちゃんだった。 「う、うん、私だけど…」 『よかった…殺されてはいないようですね』 「え…」 梨花ちゃんはひどく焦った口調だった。 『圭一はあの後大人しく帰りましたか?何かひどいことはされませんでしたか?』 核心を突かれて、思わず口ごもる。何で知ってるんだろう。 私は不可解に思いながらも、正直に言ってしまっていた。 「う…ううん、実はまだ家にいるんだ…」 梨花ちゃんが受話器の向こうで息を呑んだのが分かった。 『……魅ぃ、今すぐ逃げるのです。圭一は危険です。圭一は今、多分相当精神的に参っています。最悪、魅ぃを殺そうとするかもしれません』 梨花ちゃんは、知ってるんだ。 はっきりと悟る。梨花ちゃんは最初から気付いていたんだ。 放課後に告げられた、梨花ちゃんの警告が脳裏に浮かぶ。 ……もし危険を感じたら、すぐに逃げるのですよ… そうだ、梨花ちゃんはあんなにもはっきりと警告してくれたじゃないか。私を危険な目に遭わせまいとして、教えてくれた。 それを今更思い出すなんて、私は本当に馬鹿だ。 『魅ぃ、聞いてますか?一刻も早く、僕の家でもレナの家でも何でもいいから、避難するのです。圭一の傍は危険です、だから…!』 「もう、遅いよ」 自分でも驚くほど乾いた声だった。 梨花ちゃんの声が止まる。私は小さく笑って言葉を続けた。 「もう、駄目だよ。ごめんね梨花ちゃん。梨花ちゃんの警告、ちゃんと聞かなくて」 『……だ、駄目なんてことはないのです。今からでも十分間に合います』 必死に説得するように、梨花ちゃんは声の調子を強くする。けれど私は頑なに言う。 「ううん、無理なの。私、圭ちゃんを置いて逃げるなんて出来ない。だって圭ちゃんがああなったのは、全部私のせいなんだもの」 『そんな、そんなこと…』 「その様子だと、梨花ちゃんも知ってるんだ。私の罪、私の嘘」 梨花ちゃんが唾をごくりと飲み下す音が聞こえた。 『……知っています。けれどそのことに、こんなにも責任を感じる必要はありません! 魅ぃが辛かったのは分かります。ちょっと考えれば分かることです、魅ぃの気持ち、魅ぃの苦しみ!』 梨花ちゃんのその優しい言葉に、胸が少し軽くなるのを感じた。目頭が熱くなる。 「…ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ。でもね、私はたとえ今日の放課後に戻れても、圭ちゃんからは逃げないよ」 『……どうしてですか』 「だって」 私は息を吸い込んだ。身体の緊張が、緩やかにほどけてゆく。 「私は圭ちゃんを、好きなんだもの」 我ながら凛とした言葉だったと思う。これだけは、私が心から自信を持って言えるセリフだから。 梨花ちゃんは少し黙って、そして続けた。 『魅ぃの気持ちは分かりました。でも、僕は魅ぃにひどい目に遭ってほしくない。お願いしますから、どうか…』 「あのね、梨花ちゃん。私約束したんだ」 ぐちゃぐちゃになりながら、どろどろになりながら、最後に交わしたあの約束。 私はそれを決して忘れない。誓ったのだ。 「一生圭ちゃんの傍にいるって、誓ったんだ。圭ちゃんがそれを望む限り、私はずっと約束を守るよ」 声が震えた。悲しみでも恐怖でもない。圭ちゃんを好きだと思う気持ちに、身体が震えた。 「だから、だから私は…私はっ、」 不意に、後ろから強い力で肩を掴まれた。そして受話器が奪われ、がちゃん、と切られる。 振り向かなくても分かる。 圭ちゃんだ。 私は処刑台に立ち、死刑執行を待つ囚人のように、目を閉じた。 羽入から無理やり、四年目に悟史と魅音の間に起こったこと、そして最近詩音が圭一に教えたことを聞き出し、急いで魅音に電話した数分後。 唐突に電話が切れた。 きっと圭一が現れたのだろう。こうしてはいられない。魅音が危ない。すぐに助けに行かなくては。 あの調子では、きっと魅音は死の危険に晒されても抵抗しないだろう。もしかしたら魅音も発症しているのかもしれない。 ところが、走り出そうとした私の目前に、羽入が立ちはだかった。真剣な眼差しを私に向けている。私は羽入を睨み付けた。 「…何のつもり?羽入」 「行ってはいけません。こればかりは圭一と魅音の問題です。僕らが干渉してはいけません…!」 「何言ってるの!ふたりを見殺しにする気!?」 「そうではありません!これはふたりの問題なのです。助けるとか救い出すとか、そういうレベルじゃないのです!」 「っ…何言ってっ…!」 私は頭に血が上るのを感じた。 大体、こんなに事態が悪化してしまったのは、羽入にも責任がある。ちゃんと私に教えてくれれば、もっと早い段階で手が打てたかもしれないのに。 「恋愛は、どうしようもないのです!」 「はぁ?」 私は思わず素っ頓狂な声を上げた。 けれど羽入は真剣な表情で言葉を続ける。 「好きになってしまったらもうどうしようもないのです。そういうものなのです。 きっと今圭一と魅音を引き離すことに成功しても、魅音はきっと悲しみます。 圭一を自らの手で受け止めようとしている、魅音の気持ちを、梨花はただ応援してあげるべきなのです!」 「黙ってろって言うの…あのままふたりを放っておけと……」 羽入は頷いた。 私は唇を噛んで、羽入から視線を逸らし、電話を見つめた。 魅音が助けを求める電話をしてくれることが、唯一の望みだった。 けれど電話はじっと黙り込んだままで、結局私の望みが叶うことは無かった。 手錠によって赤く傷付いた魅音の手首を見た瞬間、ずっと沸騰しっぱなしだった俺の脳みそに、一滴の冷たい水が落ちた。 当然の報いだと、罰せられて当然だと、俺は魅音を犯しながら思っていた。 精液にまみれたうつろな魅音の姿は、思ったとおりとても扇情的で、きれいで、もっと魅音をぐちゃぐちゃに壊してやりたいという欲望を起こさせた。 罪悪感なんてこれっぽっちも湧かない。これからも時間をかけて魅音を蹂躙し続けてやろうと、そう思っていた。 にも関わらず、その手首の様子は、否応無く俺の心を揺さぶるものだった。 どうしてか分からない。シャワーを浴びている間も、ずっと魅音の手首が頭にチラついて離れなかった。 風呂場から出て、そろそろ帰らないとまずいかもしれないと思っていたら、魅音が電話しているのが見えた。 最初はどこかに助けを求めているのかと思った。やはり俺から逃げる気なのかと。 そう思ったと同時に魅音への憎悪がぶり返し、そしてその憎悪を安堵が追いかけるのを感じた。 やっぱりこいつは最低の女なのだと、憎まれて傷つけられて当然の女なのだという、自分が行ったことへの安心感。 けれど違った。魅音は逃げるつもりはないと、電話の相手に高らかに宣言していた。 「…ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ。でもね、私はたとえ今日の放課後に戻れても、圭ちゃんからは逃げないよ」 「だって」 「私は圭ちゃんを、好きなんだもの」 「あのね、梨花ちゃん。私約束したんだ」 「一生圭ちゃんの傍にいるって、誓ったんだ。圭ちゃんがそれを望む限り、私はずっと約束を守るよ」 約束。それは俺が魅音を犯しながら、言わせた言葉に違いなかった。 「魅音、誓え。自分は一生俺に背かないと。一生俺の奴隷として、俺の傍に居続けると、誓え」 もう何度目の挿入か分からなくなった時だ。俺は魅音を容赦無く揺さぶりながら、魅音の髪をわし掴んで強要した。 魅音は言われるがままに、俺の言葉を復唱した。呂律が回らない口調で、うつろな目をして、ただ繰り返した。私、園崎魅音は一生、前原圭一様の奴隷です、と。 ただ単に、魅音を辱めたい、その一心で言わせた言葉だ。約束だとか、そんなきれいなものじゃない。 馬鹿じゃないのか。 そう思った。魅音、お前は馬鹿だよ。 あんなのは、言わば強姦のうちのひとつだ。そんなくだらなくて薄っぺらい言葉を真に受けて、そんな義理立てする必要がどこにある?何のメリットも無い、ただお前が苦しいだけじゃないか。 こういう真面目なところが、かつて、俺が魅音を好きな理由のひとつでもあった。 けれど俺は、その真面目さは嘘だと思っていた。魅音はそういった純粋な真面目さを演じていたに過ぎない。俺に嘘をついていたのだから。 ……いや、それとも。 ひとつの疑問が胸に浮かんだ。 こいつはずっと真面目だったのか?俺が好きだった、その真面目さを持ち続けていたのか? その真面目さを持ち続けて、もしかしてあの嘘さえも、その真面目さから来たもので、その真面目さゆえの苦しみも、きっと抱え続けていて…… ……もしかして俺は、ものすごい勘違いをしていたのではないか? 魅音の赤く傷ついた手首が、再び脳裏に浮かぶ。 …冗談じゃない。 俺はそれを力いっぱい打ち消すために、魅音に近付いていった。 魅音の肩を掴み、受話器を奪って電話を切る。 一瞬身体を震わせたものの、魅音は抵抗しなかった。 「おい魅音、こっち向けよ」 魅音は一呼吸置いて、俺を振り返った。その顔には、緊張した笑みが浮かんでいる。 少しでも、ご機嫌取ろうってのか。そうだよな、俺の機嫌損ねたら、また何されるか分からないもんな。 お前はそういう、自分の保身が第一の奴なんだろ?そうだよな、魅音。 「よくもまあ、キレイごとばっかりペラペラと言えるもんだよな」 俺は微笑んでそう言った。魅音が困惑したような表情を浮かべる。 「きれい…ごと?」 「分かってねえフリしてんじゃねえよ。俺の傍に居続ける?ふざけんな。そんなこと、出来るわけ無いだろうが!」 口調を荒げると、魅音は怯えたように「ひっ」と声を漏らして身を竦めた。 「嘘はやめろよ。本当は逃げたいんだろ?あんなことされて、まだ俺のことを好きとでも言うつもりか?お前バッカじゃねえの」 魅音は身を竦めていたが、やがて俺を真っ直ぐ見つめて、口を開いた。 「好きだよ。圭ちゃんのこと。嘘じゃないよ」 「このっ…!!」 頭に血が上る。苛立つ。胸の奥がざわざわと波立つ。不安。焦燥。俺は何でこんなに動揺してるんだ? 思わず両手を魅音の首にやった。もちろん本気じゃない。首を絞める真似だ。 魅音は微かに目を見開いたが、すぐに諦めたように目を伏せた。抵抗する様子は無かった。 「…逃げねえの?俺、本当に魅音のこと殺すかもしれねえぞ」 魅音は目を細めた。そして、口角を無理やり上げる。笑顔だった。 そしてその笑みを追いかけるように、涙がひとすじ、魅音の頬をすうっ、と伝った。 「……いいよ。圭ちゃんが殺したいのなら、殺して。私は大丈夫だから」 そして魅音は、吸い込まれるように目を閉じる。 ……何だよ、それ。 どうして、殺してもいいとか言うんだよ。大丈夫って何だよ。大丈夫なわけ無いだろ。 あんなにぼろぼろに痛めつけられて、どうしてまだそんな風に振舞えるんだよ。 おかしいだろ、こんなの。俺は心の中で叫ぶ。そして気が付いた。 俺が魅音を悪役に仕立て上げたい理由。 魅音が真面目な奴じゃ、困るんだ。魅音は俺を騙した嘘つき野郎じゃないと、駄目なんだ。 だってそうじゃないと、俺がしたことの理由がつかない。 俺が魅音にしたこと。罰だと思っていた。報いだと思っていた。 けれどそれがもし、間違っていたとしたら。 ……間違った俺は、どこに行けばいい?どう魅音に償えばいい? 「っ……!!」 背筋が粟立つ。俺が犯した罪。俺はどうやって罰を受けるんだ。 「嫌だっ…」 叫んで、魅音から手を放す。魅音は突然解放されて、不思議そうに目を開いて俺を見た。 こんなの、こんなの駄目だ。もう無理だ。手遅れだ。 「けい、ちゃ…」 「寄るな!俺は…俺はっ…」 罪、罪、罪、俺の罪、俺の罪、俺の罪、 「けい、ちゃん」 俺の俺の俺の罪罪罪罪罪罪罪罪、罪、罪、罪罪罪罪罪、罪!罪!罪! 「けいちゃん」 俺、俺俺俺俺おれ俺俺の俺の俺のおれの罪罪罪つみ罪罪罪罪罪罪、おれのつみおれのつみおれのつみおれのつみおれのつみ!!!!!! 「圭ちゃん!」 魅音の声が俺の声を遮った。 魅音の白い手が俺の頬を包んだ。 そして、魅音の唇が俺の唇に触れた。 それは温もりを落としたかのような、優しいキスだった。 魅音は唇を離すと、柔らかく笑った。花開くような笑顔だった。 「やっとキスできた。ずっと圭ちゃんにキスしたかったんだ」 それは魅音だった。 ありのままの、そのままの、魅音だった。 次の日、圭一と魅音は揃って学校を休んだ。 魅音の家と圭一の家に電話してみると、どちらの家にも帰ってきていないという答えが返ってきた。 突如姿を消したふたりに、村人は遅れて来たオヤシロさまの祟りとか噂していたが、何てことはない、一週間後にはふたりはけろりとした顔で戻ってきた。 聞くと、一緒に遠方までホビーショップめぐりをしに行き、ついでに温泉にも行ってきたという。 若い男女がふたりで一週間も姿を消すなんて、と先生も前原家も園崎家もふたりを問い詰めたが、圭一はあっさりと「別にいいじゃないですか。どうせ俺と魅音は結婚するんだし」と爆弾発言をしてみせ、さらに周囲を驚かせた。 もちろんその後ふたりともこってり絞られていたが、私は正直ほっとしていた。ふたりが無事戻ってきたことが嬉しかった。 羽入は「僕の言った通りなのです。オヤシロさまは縁結びの神様なのですよ」とか言っていたけれど、無視することにした。 そしてふたりが雛見沢に帰ってきた日の翌日。 体育の時間に、魅音が私に話しかけてきた。 「ごめんね梨花ちゃん。明日は皆で部活をするっていう約束、守れなかった」 「…どうでもいいのです、そんな約束」 私はため息を吐いた。空はどこまでも青い。太陽は果てしなく明るい。この下にまた皆で集まれたんだから、結果オーライというものだ。 見れば、校庭のど真ん中で圭一とレナと沙都子が遊んでいた。 一週間分のトラップご堪能あそばせ、と沙都子は嬉しそうにはしゃいでいる。圭一は既に水やらチョークの粉やらバナナの皮やらでけちょんけちょんにされていた。レナはもちろんお持ち帰りモード。 そこには拍子抜けするぐらいの、当たり前の日常が戻ってきていた。 「本当は一週間、何をやっていたのですか?」 「ん?言った通りだよ。ホビーショップめぐって新しいゲームを漁って、温泉行って浴衣着て卓球して」 魅音は楽しそうに言う。視線はもちろん、校庭の真ん中に向けられていた。 「あと、いろいろ話したりしたよ。今までのことや、これからのこと。いろんなことをね」 いろんなこと。きっとこの一週間はそれがメインだったのだろう。 どうやら私の警告は不必要だったらしい。それでいい。それがいい。 魅音が「おっ」と小さく声を上げた。どうやら校庭ど真ん中のバトルロワイヤルが面白い展開を見せているらしい。 「梨花ちゃん。そろそろ私たちも参戦した方がいいかもしれないよ。久々の部活、わくわくするねえ!」 「みー、負けないのですよ」 悪戯っぽく笑い合い、揃って駆け出した。 今日は快晴。多分明日も、あさっても。 終
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/539.html
目を開ける園崎魅音。 あたりは真っ暗である、ここはどこなのだろうか? なぜ自分は此処にいるのだろうか? 魅音は記憶を手繰り寄せながら自分が今、どのような状況にあるのか、身体を起こそうとする。 だが、身体は持ち上がらない。 よく見ていると自分の手や足には、ベットの柱に鎖が取り付けられている。 そして限られた視線を動かしていくと、そこはどこか見覚えのある場所だと気がつく。 「…ここは、うちの、園崎の拷問部屋?」 「お、お姉?」 「その声は、詩音?どこ、詩音!」 「ここです、お姉!私…お姉の足元に」 魅音が首を動かし、なんとか自分の足元を見ると、そこには詩音がいる。 詩音は、自分の双子の姉妹である。見た目ではほとんど区別はつかないほどにそっくりであった。 「詩音、これは一体…」 「私にも分からないんです、なんでこんなことになっているのか…気がついたら、こんなことになっていて」 「ちょっと!誰よ、こんなことをするのは!?さっさと姿を現しなさい!」 魅音は鎖をがちゃがちゃと音を立てながら、その閉じ込められた暗闇の中で怒鳴る。 だが、暗闇の中、声はむなしく響くだけ……。 そこに誰がいるのか、いないのかさえ理解できない。 「お、お姉……ここに連れてこられた記憶あります?」 足元から聞こえてくる詩音の声だけが、唯一、魅音を安心させた。 それは詩音も同じだろう。声を二人で掛け合いながら、この恐怖と戦っている。 「わ、私は……家の前だったかな?急に意識がなくなっちゃって」 「私もです!エンジェルモートからの帰りで、お姉に用事があって…」 「私に?なにかあったの?」 「最近…なんだかつけられている感じがして」 詩音の言葉に魅音は、不思議に感じる。 園崎家を狙うなんて、そんなことができるのは、よほどの奴だろう。 しかも詩音が気づいているということは、他の村のみんなも気がついているはずだ。 怪しければ、すぐに情報が入ってくるはず。 「……気のせいじゃないの?」 「そんなことないですよ!足音がして立ち止まったら、足音が1つ多く聞こえてきたりして……私、なんだか怖くて。お姉に相談しようとしてたんです」 「そうだったの……ごめん、私時間がなかなかとれなくて」 魅音は、詩音と早く連絡が取れていればこんなことになることはなかったかもしれないと後悔した。 詩音は、自分の大切な半身だ。 そこには姉妹以上の絆がある。 「「!?」」 急に魅音と詩音の寝かせられているベットが動いた。 二人は暗闇の中、身を捩ることしかできない。 「誰!?何をするつもりよ!」 「そうです!悪戯ならはやく、やめてください!」 二人が叫んでいる間も、二人の寝かせられているベットは動き、詩音の足と重なる。 どうやら、自分たちは対称に位置しており、足を互いに向ける形となっているようだ。 「きゃあ!」「いやあぁ!」 突如二人のスカートと下着が剥ぎ取られる。 二人は自分たちがいままさに絶体絶命である状況に恐怖を感じていた。 露になった女性器につめたい風を感じる。 「こ、こんなことをして、園崎の私達を敵に回したらどうなるかわかっているんでしょうね!?」 魅音はあくまでも強気にでる。 ここで敵に弱さを見せることが出来ない。 だからこその行動だ。 詩音も魅音に元気付けられながら、抵抗をする意志を見せる。 二人は、揺るぎない決意の元で、この絶対的な不利な状況を乗り越えようとしていた。 「ふああぁ!」 「お姉!?どうしたんですか?お姉!」 「む、胸…胸が舐められ……ぇ」 魅音は服も剥ぎ取られ、大きな胸を誰かに舐められている。 片方の乳首を引っ張ったり潰されたり弄られながら、弄ばれている。 魅音は思わず声を上げてしまいながら、首を振り、なんとか抵抗をしようとしているが、それも今の魅音の状態ではどうすることも出来ない。 詩音は、そんな魅音の状況下に、嫌な予感を感じる。 それはものの見事に的中した。 魅音と同じように、詩音も責めたてられる。 「「いやああぁん!」」 同じ声と喘ぎ声を吐きながら、二人はその責めを長時間にわたって受け続ける。 ようやく解放されたときには、二人の露になった秘所は濡れ始めていた。 二人は、肩で息をつきながら、なぜ自分たちがこんな目に合わなければいけないのか皆目見当がつかない。 「少しは、自分たちの罪を味わっているかしら?」 その声はどこかで聞いたことがある…梨花ちゃん?! 「り、梨花ちゃん?梨花ちゃんなの?なんで、どうしてこんなことをするの?」 「そうなんですか?お姉!?ひ、酷いです。私達をこんな目に合わせて、一体なんで」 二人は暗闇から聞こえてくる梨花の声に怒声をあげながら、告げる。 「…呆れた。まだわからないのね。それとも、貴方達の中では、自分たちの行なった行動が正しいものであると信じているのかしら?」 ため息混じりの梨花の声は響く。 「どういうこと!?」 「はっきりいってください!」 すると、拷問部屋の電気がつけられる。 そこには、古手梨花の姿があった。 ようやっと認識できた梨花の表情を見て魅音と詩音は、闇という恐怖から解放され、 今度はこんなことをした梨花に対する怒りがこみ上げてくる。 だが、梨花はそんな二人の目を哀しそうに見返しながら、周りを見渡す。 「…これを見てなんとも思わない?」 魅音と詩音が、なんとか自由に動く範囲で首を動かす。 そこには、様々な拷問器具で、無残で凄惨な姿を示す、 部活メンバー、そして学校に通う子供達、さらには園崎家のものたちまで…。 皆、並大抵の拷問ではなかったのだろう。 血が流れ落ち、その表情は絶望と苦痛に満ちている。 竜宮レナ、前原圭一、北条沙都子…涙と、目を見開いたままで朽ち果てている。 それはあまりにも無残としか言いようがない。 「「……しょうがないじゃない」」 魅音と詩音が同時に声をだす。その声には何の温度も感じられない。 「私が、詩音と一緒にいるためには、邪魔だったんだから」 「そうですよ。私はお姉と二人で一緒にいたかったんです。 身も心も昔は一緒だったんですから、元に戻ろうとする行為はあたりまえでしょう?」 「おかしいな、梨花ちゃんもしっかりと殺したと思ったのに……」 「ダメじゃないですか?お姉、全部しっかりとやらなきゃ……」 二人はそういって笑い合う。 梨花はうつむいたまま、その二人の濡れた秘所に太いバイブを無理矢理、挿入する。 「ひぎっ!?」 「あぁっ!!」 そして、梨花は、再びベットを捜査して、二人の秘所に挿入されたバイブが互いの中にしっかりと入り込むまで近づける。 「あぐっ、ふああぁ…あぁっ!?」 「はあぁっ…あ、ふ、太いっ!んあぁ!」 梨花は、二人の秘所で濡れながらも少しだけ見せるそのコンセントの穴に、コンセントを突き刺す。 すると、二人の間に挿入されたバイブがギュルルルと音を鳴らして動き始める。 「きゃあぁ!?な、なんですかこれぇ!?あ、あぁ…かきまぜぇ、ふあぁ!?」 「とめぇ、とめてぇ!あひぃ、あぁ…んはあぁ!!ああぁ、んぐぅ…へやぁ…」 激しい喘ぎ声が聞こえてくる中、梨花は二人を見下す。 「この世界は、貴方達の狂った姉妹愛に全員が巻き込まれるという世界だった。 なかなか見たことのない世界だったから、それなりに楽しめたけど、この世界のあなた達はやり過ぎたわ。 だから、私が罰を与えてあげる。オヤシロサマの祟りってところかしら?」 「な、なにいっへぇ…ひぎぃぃ、あふぅ、あああぁっ!?」 「とめ、とめてぇ、ひゃあぁ!あぁ、広がるぅ、広がっちゃウゥ!!」 二人は身を捩りながら、バイブの快楽から逃れようとするが鎖でつながれている以上は、 そのバイブの刺激を受け続けるしかない。 「罰は、貴方達にとっても嬉しいことでしょう?これを永遠に、死ぬまで行なうことよ」 「「!?」」 梨花は微笑みながら二人を見下し続ける。 「このバイブは、電動式なの。見ての通り…コンセントを通して電気が通り続ける限り、貴方達の中を刺激し続けるわ。 ここは、もう少しで綿流しの祭りにあわせてダイナマイトで爆発させて、閉じ込めてしまうわ。 そうなったら最後、貴方たちは助けられることもなく、永遠に二人で楽しめるわ。 よかったじゃない?」 「ひ、酷いっ!そんなのぉぉぉぉ!!あぁっ!」 「いや、いやだぁあああああああ!!あはぁ…はぁああ」 二人は涙を浮かべながら顔を横に振りながら達した。 愛液が互いの身体にと振りかかる中、古手梨花は、電気を消して、その場からたちさる。 発電機の音だけが拷問部屋には聞こえてくる。 何時間あれが回り続けるのか? あれが一個だけとは限らない……だとしたら、それは。 魅音と詩音は絶望を感じる。 だが、もはやどうすることも出来ない。 警察に…警察が早く見つけてくれることだけを願って。 ――――どれほどの時間がたったかもわからない。 「ひゃあぁあああ!!もういやぁ、い、イキたくない、いきたくぅぅぅうぅ!!!」 「あっ、ふああぁあぁああ!!いやぁ、いやぁあああああ!!」 二人は、腰を浮かすほどの勢いで何度も達してしまう。 バイブを止めるためになんとかしなくてはいけないと考えるのだが、 その次には意識を飛ばすほどの激しい衝撃に身を震わせ、頭が白くなるのだ。 もう疲労は限界にきている。 眠い…寝させて欲しい。 だけど、バイブの動きは寝ることさえ許してはくれない。 達する間隔は徐々に狭まっていく。 そして、それが0になったとき、二人にとって本当の地獄が始まることとなる。 それは、どんな拷問よりも恐ろしい。 古手梨花は、様々な世界にわたり、失望をしてきた。 その中で、この世界はそんな失望を発散するための一部となったのかもしれない。 「さようなら、もうこの世界に未練はないわ」 拷問部屋は、土の中に埋まり、その後の雛見沢大災害により発見させることはなかったという。
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/260.html
男とは一体、どういう風にあるべきだろうか。 男に生まれたからには一度はやってみたい夢がある。 人によって些細な部分は違うかもしれないが、男なら誰もが皆同じくやってみたい夢がある。 例えばだ、正義のヒーローになりたいとか熱い夢もあるだろう。 ロボットを操縦してみたいとかいう、熱い夢もあるだろう。 宇宙最強の強さを手にして、空を飛んだりとかいう熱い夢もあるだろう。 だが、それ以上に熱い夢を、男なら誰しも持っているはずだ。 それは女の子を自分専属のメイドに仕立ててご奉仕三昧とか! とてつもなく恥ずかしい格好をさせて、ご飯を食べさせてもらうとか! ……とにかく! まあ色々あるだろう。 しかし、しかしだ。もしそんな夢を本当に叶えることが出来るとき、男はどうするべきだろう? 俺の手の中には、二枚の可愛らしい手書きのチケット。 使用する、しないは俺の自由。 隣を見る。魅音がにやにやしながらこっちを見ている。 反対側を向く。レナが顔を真っ赤にしながら、心配そうな目つきでこっちを見ている。 ――正面を向く。 そこには沙都子と梨花ちゃんが、心持ち青ざめた表情で俺のことをじっと見つめていた。 事の顛末は、数十分前に遡る。 俺たち五人は、いつものように部活をしていた。 ちなみに今回はダウトだった。あのトランプゲームのアレだ。 やったことがある人ならわかるかもしれないが、このゲームは残りが二人になると決着がつかない。 自分が持ってないカードが、相手のカードとなるからだ。 つまり、今回は敗者が二人という過酷なものだった。 罰ゲームはスタンダードに、勝者が敗者に一個命令。 一見、いつもの部活だ。 それがあんな展開になるなんて、誰が予想できただろうか? 最初の内は、まだ普通だった。 沙都子のトラップにハメられて、俺が断トツのビリだった辺りも認めたくはないが普通だろう。 さらに梨花ちゃんから追撃されたのはちょっと予想外だったが、これもまあ普通だ。 その時点では珍しく沙都子と梨花ちゃんが手札が残り4、5枚とトップを争っていた。 続く魅音、レナが10枚程度。俺がさっきのトラップとかのせいで20枚程。 圧倒的不利に追いやった沙都子に対して俺が噛み付くのも、まあいつものことだった。 「沙都子! てんめぇぇぇっっ! やりやがったなぁっ!!」 「をーっほっほっほ! これくらいで引っかかる圭一さんが悪いのでございますわー!」 「圭一、手札が一杯でかわいそかわいそなのですよ☆」 「くぅぅぅぅっっっ! 見てろよ! ここからひっくり返してやらぁぁっっっ!!」 「ここからひっくり返すなんて無理にも程がありますわ! 諦めた方がよろしいんじゃなくて?」 「ボクたちがこのまま勝つのですよ。圭一はきっと罰ゲームなのです。にぱー☆」 「そんなのやってみなきゃわからねぇぜ!?」 そう強がってはみたものの、ここからの逆転はかなり厳しそうだった。 それは沙都子や梨花ちゃんも同じだったようで、だからこそあんな事を言ったのだろう。 「をーっほっほっほ! もしひっくり返せたら、恥ずかしい格好でも何でもやってもいい気分ですわね」 「もし圭一が1位を取れて、ボクがビリになったなら猫装備でハイハイでお散歩券をあげてもいいぐらいなのです」 「あら、それなら私は犬装備で同じ事やってもいいですわよ」 絶対勝つと確信があるからこそ、言える言葉だった。 つまりはその場のノリで言った冗談のようなもので、俺もそれがわかってたからこそ反撃した。 「言ったな! 絶対俺が勝って恥ずかしい思いさせてやろうじゃねぇかっ!」 「圭ちゃん言ったね?」 そこに噛み付いてきたのは魅音だった。 魅音も俺が勝てないと見たんだろう。煽るつもりだったのかもしれない。 「じゃあ圭ちゃんが1位になって沙都子と梨花ちゃんがビリになったら罰ゲームはそれで良いのかな?」 「当たり前だっ! なんなら逆に俺が負けたら、スク水で村一周にしていいぜ!」 「をーほっほっほ! 上等ですわー!」 さて、ここで冒頭に戻る。 俺の手には二枚の手書きチケット。 一枚は沙都子の手書き。もう一枚は梨花ちゃんの手書き。 そしてこれが書かれたのはほんの一分前のこと。 もう流石にわかるだろう。何が起こってしまったか! 「圭ちゃ~ん? それ、使わないの~?」 魅音がにやにやと嫌らしい笑みを浮かべて詰め寄ってくる。 そう、まさかのまさかだった。 あの後俺は奇跡的な大逆転をし、そしてあろう事にビリになったのは沙都子と梨花ちゃんだったのだ! 神様は何をとち狂ってしまったのか、やや心配になってしまう。 しかし男の夢を叶えるチャンスをくれたことに対しては、ありがとう! 神様最高だぜ! 今日から俺、ちゃんと貴方を崇めることにします。本当にありがとう! ……と逃避する余裕など、あまり無いようだ。 「……なあ、魅音。やっぱりこれは流石にマズいんじゃ……」 確かに女の子を獣装備でお散歩させるなんて、男にとっては大きな夢だ! だが夢は夢であって、実際するとなれば周りの目とか、倫理とか大きな問題がある。 もし、これをやってしまったならば、俺は人間として大切な何かを失う。しかも必ずだ。 それどころか、村中から変態呼ばわりされてもおかしくない。 「変態ぃ~? 圭ちゃん何度も罰ゲームでとんでもない格好して帰ってるけど、あれはなんて言うのかねぇ?」 「ぐあぁぁぁぁっっっ!! 言うなぁぁぁぁっっ!!」 「み、魅ぃちゃん……レナもこの罰ゲームはちょっとダメだと思うかな? かな?」 「ちっちっち! どんな罰ゲームであっても問答無用! それが部活のルールだからね」 「でも……」 「それに、これはもともと沙都子や梨花ちゃんが勝手に自分から言い出したことだしね」 それを言われると、レナも何も言い返せないらしい。 どうしよう? とでも言いたげな視線をこっちに送ってくる。 むしろ俺がどうしよう? とでも言いたい気分だってーの! 沙都子と梨花ちゃんも、期待を込めたような視線を送ってくる。 ……うぅ。俺、どうする!? たしかにこれは夢のチケットだ、だけどやっぱり…… 「やっぱ俺、これは使えな……」 「ねえ圭ちゃ~ん、……もしかしてビビってんの?」 「なっ!? んなわけねぇだろっ!」 「なら出来るよね? それとも圭ちゃん、自分が恥ずかしい格好するほうが好き……」 「だーっっ!! それは絶対無い! くそっ、こんなおいしい券使うに決まってるだろっ!」 ――言った、俺。言っちまった。 魅音は面白そうだとばかりににやにやしてるし、レナは溜息をついてる。 そして沙都子と梨花ちゃんはがっくしと肩を落としながら、諦めた表情。 ……はぁ。どうして俺って、こんなに挑発に乗りやすいんだ。 せめてもの情け、ということでお散歩は暗くなってからすることになった。 どうせ今日は親父もお袋も出張でいない。 あわよくば沙都子か梨花ちゃんの手料理でもわけてもらえたらなーという下心もあった。 大体六時半辺りだろうか、俺は二人の家をノックした。 「おーい、沙都子ー! 梨花ちゃーん! 来たぞー」 たんたん、と階段を下りる音が聞こえ、そして…… 「……っ!!」 ――なんというか、神様。素晴らしすぎます。 俺、今日死んでも良いかもしれない。と本気で思えるほどの何かがそこにはあった。 「みぃ……」 「圭一さんっ! ……は、早く行くなら行きますわよっ!」 騒ぐ沙都子に合わせてぴこぴこと動く犬耳と尻尾。 赤い首輪に繋がれた赤いリードを振り回している様子は、さながら散歩に早く行きたがっている子犬のようだ。 その破壊力はいわずもがな! ああ、想像してみろ! マジですげぇから! 黄色い髪と相まって、ふわふわとした子犬のような可愛さがある。 梨花ちゃんは猫耳、尻尾、そして沙都子と色違いの青い首輪とリード。 もちろん想像違わず、とても似合っている。 沙都子とは反対に落ち着いている梨花ちゃんは、それこそマイペースな猫のようで。 でも頬を赤らめて「みぃ」とでも鳴けば、一転甘えん坊の子猫と化すのだ! ああ! こんな素晴らしい格好の彼女たちを四つん這いで散歩させることが出来るとは! やべ、考えただけでも鼻血が出そう…… レナじゃなくても、この二人をお持ち帰りしたくなる。 「……よ、よし。じゃあ行くか!」 赤のリードを右手に、青のリードを左手にしっかり握る。 二人はと言うと、恥ずかしさにふるふると震えながら地面に四つん這いとなった。 く、くぅぅぅぅ!! ヤバい、これは病み付きになりそうだ。 ルートは彼女たちに任せるとする。これも、せめてもの情けだ。 だがハイハイのためか、なかなか前に進まない。 二人は必死で少しでも早く前に進もうとしているが、俺にとってはゆっくり歩く程度だ。 「うぅぅぅぅ……こんな恥ずかしいことをさせられるなんて、屈辱ですわ……」 「みぃ……圭一は酷いのです。ボクたちはきっとこのまま圭一ににゃーにゃーされてしまうのです」 「さ、さすがにそこまでは……しない、かな? かな?」 とっさにレナのまねで誤魔化すが、正直理性が保つかわからない。 二人が進む度にふりふりと尻尾とお尻が揺れるし、スカートがはためいて見えそうで見えないチラリズムとか。 何よりも、その恥ずかしそうな表情! 屈服させることにより沸き上がる嗜虐心と達成感! それらが俺をもっと、もっとと先へ駆り立てるのだ! だけどここでそれを許してしまったら、それこそ人間を捨てることになる。 なんだけど、なんだけど! その……はぅ…… 「きゃー! 圭一さんのケダモノー!!」 「圭一のオットセイが、とても元気なのです」 「こ、こらー! 見るなーッ!!」 怒鳴りながら慌てて両手で隠すも、前屈みの体勢じゃイマイチ迫力がない。 それを形勢逆転と取ったのか、はたまた興味があっただけなのか、二人がじわじわと近づいてくる。 四つん這いで詰め寄ってくる二人の姿はこんな状況のせいか、幼いながらもちょっとした色気があって…… 動揺したまま後ろに足を踏み出したら、何かに躓いて尻餅をついてしまった。 マズい。これは非常にマズい。 「ちょ、待て。マジで待て。冗談でもやめろ! 近づくなっ!」 「あらあら圭一さぁん? さっきまでの威勢はどこへ行きまして?」 「みぃ、圭一は大変なのです。もう歩けないかもなのですよ?」 座り込んだことによって、視線がさっきよりも下へと移る。 四つん這いのせいで胸元が緩んでいて、そこからちらちらと下着が見えそうで見えない…… もう、限界だった。 「……マ、ジで……ヤバいから、もう、近づか……」 「何を言ってますの? 圭一さぁん? 降参ですの~?」 ふわふわとした耳が揺れる。俺を誘う。 「……みぃ!? 沙都子っ! それ以上圭一に近づいちゃダメっ!」 俺の異変にいち早く気付いたか、梨花ちゃんが沙都子を制止する。 「何言ってるんですの、梨花ぁ! これは大チャンスですのよ!」 だが、『そういうこと』に疎い沙都子は気がつかない。 無謀なことにも、狼と変わりつつある俺に無邪気に近寄ってくる。 「ダ……メ、だ……沙都、離れ……ッ!!」 「沙都子ッ! ダメ、圭一っ! ダメぇっ!!」 ぷつん。 ――俺の中で、何かが切れる音がした。 「……圭一、さん?」 俺の変化にようやく気がついたのか、そいつは不安げな声を出す。 その姿は、まさに震える子犬にそっくりだった。 俺という狼に、今まさに食われようとしている子犬。 ガシッと両肩をしっかり捕まえる。逃れられないように。 「……え? ちょっと、圭一さ――」 有無を言わさず、仰向けに押し倒す。 そのまま服を脱がせにかかる。 「ちょ、嫌、やめっ……やめてっ!!」 「圭一ッ! 止めるのです! 沙都子を離すのです!」 もう一匹の獲物が俺に向かって飛びかかってくる。 子猫は片手で捕まえ、同じように地面に押し倒しておく。 「や、嫌っ!! 梨花ぁっ! 嫌ぁぁぁっっ!!」 「沙都子ッ! ……離して、離してよッ! このぉっ!!」 二匹ともじたばたと暴れるが、体格差もあって俺には全く敵わない。 どれだけ叫ぼうとも、ここは人気のない山道。 見られるのを恥ずかしがって、人が通らない場所を選んだのが裏目に出たようだ。 仮に俺の腕から離れられたところで、リードで繋がれている以上助けを呼びにもいけない。 考えれば簡単なことだった。ここで食い散らかしたところで誰にもバレやしないのだ。 左手で押さえた子猫は後にして、先に捕まえた子犬から剥くことにする。 両足で押さえているため、全くもって抜けようがない。 右手で器用に服をずらし、暴れる子犬から服を剥ぎ取る。 この頃には恐怖の方が勝っていたのか、泣きながら弱々しい抵抗を続けるだけだった。 一方の子猫は、諦めが悪いのか未だじたばたと藻掻いている。 「……っく、嫌、……ひっく……止めて……」 「ホントに離しなさいよぉッ!! 離せって言ってんでしょっ!!」 ……みゃーみゃーと、うるせぇな。 ちょっとばかり子猫が耳障りだったので、子犬の下着をずらしたところで子猫も剥いておくことにする。 半脱げで、胸あたりまで露出させた子犬の首輪をしっかり掴み、地面に押さえておく。 中腰になって移動し、今度は子猫を両足で押さえつける。 空いた左手で、同じように子猫の服を剥ぎ取る。 「離してッ! 圭一! 目を覚ましなさいよ、このっ……! 止めてっ!」 子猫の方が、ボタンタイプで脱がしやすかった。 前を開き、下着をたくし上げると、子犬より小さな膨らみが露出する。 「止めっ……見ないでっ! ねぇ、圭一っ!!」 小さいとはいえ、実に美味しそうな色合いの蕾がそこにはあった。 邪魔な腕を二つまとめて拘束して、思いっきり貪りついた。 「……っ! や……けい…いち……」 「嫌ぁ……止めて、っく……くださいまし……圭一、さ……ひっく……」 じゅるじゅると音を立てて、吸い付く。 「ふぁっ! 圭一……止めて……っ」 「うわぁぁぁぁぁん!! 止めてぇ……っ!! 梨花を、離してぇぇっっ!!」 子猫の方が静かになったと思ったら、今度は子犬の方がきゃんきゃん鳴き出しやがった。 せっかく俺が、美味しく戴いているというのに。 この獣たちは躾がなってないらしい。食事中に騒ぐなどもってのほか。 だから、ちょっとした躾の意味も込めて子犬の方も構ってやろうと思った。 しかし二匹も押さえておかなきゃならないなんて、少し面倒だな。 その時、未だ手首に巻かれてる二本の「それ」に気がついた。 そうか、そういう手があったか。俺、頭良いな。 左手にある青いリードを取り外す。 子猫を器用にひっくり返し、後ろ手でリードを使って縛り上げた。 当然、子犬は一旦放してしまうことになるのだが、俺には確信があった。 子猫と違いややパニックに陥った子犬が、俺から逃げられるはずがない、と。 縛り上げるまでに30秒。 その間、子犬は必死に自身の首輪からリードを外そうとしていたが、手元が狂って上手く外せない。 そして俺は赤いリードを強く引っ張る。 かくんっと一瞬の抵抗の後、子犬が俺の眼前に引き倒された。 「や、嫌……わ、私に何を……?」 怯えたその瞳が堪らない。 首輪をぐっと掴み、子猫と背中合わせになるように引き寄せる。 さらに、青いリードの余った部分で子犬の両手も後ろで拘束した。 これで赤いリード一本で二匹を繋いでおけるし、邪魔な腕も動かせない。 片方を貪っている間に、もう片方に邪魔されることもない。 たった一つのことで、ここまで俺にとって食べやすくなるのだ。 やはり料理の技術は大切だなぁ、と微かに思った。 さて、思いっきり堪能するとしようか。 舐めるような視線で品定めをすると、二匹の瞳が恐怖に歪む。 さっきまで貪っていた、線の細い子猫も美味そうだが…… ここはやはり、柔らかそうな子犬から戴くべきか? うーん、でも生意気に抵抗する子猫を屈服されるのも良いかもしれない。 いやいや、怯えた子犬をきゃんきゃん喚かせるのも良いよなぁ。 ――よし、まずは子犬から戴こうか。 ぺたんと背中合わせに座り込ませた、子犬の正面側に回る。 「圭一っ! 沙都子は、沙都子はダメっ! 止めてっ!」 「あ……ぁ……」 子猫はみゃーみゃー喚き、子犬は恐怖のあまり言葉が出ない。 安心しろ、お前も後でじっくり味わってやる。 子犬のずらされた服の隙間から、柔らかそうな双球が顔を覗かせている。 小さな体つきの割には、意外と良い物を持っているじゃねぇか。 手を差し入れ、力を込める。 思っていたとおりの柔らかさと弾力が、俺の指を楽しませた。 「や……嫌、触らないでくださいましっ! 嫌ぁぁぁっっっ!!」 「圭一、沙都子に何をしてるのっ!? 今すぐ止めなさい!」 じたばたと藻掻き喚いているが、放っておくことにしよう。 いつまでも食べずにいるのも、もったいない気もするし。 ふにふにと揉み、麓から頂上まで絞り上げる。 薄桃色の先端に到達する度に、抵抗が一瞬弱まる。 小さいのに一丁前に感じてやがるらしい。いや、小さいからこそ感度が良いのか? 「や、止めてくださ……ふっ! ……ぁ、ダメ、ふぁ……」 ならば、こうしたらどうなるかな? きゅっと蕾を摘み、指の腹でころころと転がす。 段々と硬く、大きくなっていく。比例するように、吐息が漏れる。 「やっ…ふぁっ……ぁ、止め……んぅっ!」 「沙都子、屈してはダメなのです! ……ねぇ、沙都子! しっかりしてッ!」 子猫の声はもう届かない。 弱まっていく抵抗は、もはや意味を成さない程まで無くなっていく。 とろんと惚けていく瞳、桃色に上気した頬、時折ぴくんと跳ねる身体。 口先の抵抗は、今では小さな喘ぎを恥ずかしそうに漏らすだけ。 「……ぁっ、ん、やぁ……っ……ふあぁぁっ!」 もう辛抱堪らんとばかりに、一気に貪りついた。 夢中で舐め、吸い、甘噛みする。 「やっ……やあぁぁぁぁぁっっっ!!!」 「止めて圭一ッ!! お願いだから止めてぇぇぇっっっ!!!」 舌先で唾液を馴染ませるようにして、吸い上げる。 奥歯で軽く噛むと、コリコリとした触感が堪らない。 そしてそれよりも、耳に伝わる嬌声と悲鳴が心地よかった。 「――っあ! や、あぁ……んんっ!! きゃうっ!!」 「……止めて、お願い…っく……沙都子、沙都子だけは見逃して……うぅっ」 もちろん、お願いを聞いてやるつもりはない。 口を下にずらしていく。やや湿った布にぶつかった。 この下にこそ、最高の食材が待っている! 邪魔な布を取り去ろうと、ゴムに手を掛けた。 さっきまでボーッとしていた子犬が、危険を察知したのか、ハッとなり叫ぶ。 「や、止めてくださいましッ! 圭一さんッ!!」 悲痛な声もなんのその。破り捨てるような勢いで、それは取り除かれた。 毛も全く生えてない、幼い秘所が露わになる。 「嫌あぁぁっ! 見ないでっ!!」 「圭一ッ!!」 足を閉じて必死に見せまいとしているが、俺に力で敵うわけもなく。 ぴったり閉じた両足をこじ開け、濡れたそこにしゃぶりついた。 「ひゃうぅっ! や、そこ、きたな……ぁっ! ひぅっ!」 ぴちゃぴちゃと、下劣な音を立てながら。 ひたすら啜り、舌で狭い肉壁を掻き分け奥まで伸ばす。 後から後から溢れ出す蜜を、ズズズと飲み干していく。 真っ赤な顔をいやいやと振り、瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。 ビクビクと跳ねる身体の感覚は、後ろに繋がれた子猫にも充分伝わっているだろう。 それを狙っていた。 「……止めて…うぅっ……わ、私、なんでもするから……お願い、沙都子を…っく……」 涙混じりの小さな呟きを、俺が聞き逃すはずもなかった。 「……ふぅん? 何でもするんだな? 今、そう言ったよな?」 見せつけるように、子犬の愛液で濡れた口元をぺろっと舌で拭う。 子犬はと言うと、荒い息をついて放心している。 さあ、これで決意は固まったよなぁ? こいつのこと大切なんだもんなぁ? 「……ひっく……します。しますのです……ボクが言うこと聞きますから、沙都子を……」 「よし、それじゃあまず、コイツをどうにかしてもらおうか?」 ズボンのチャックを開けると、既にカチカチになった肉棒が飛び出す。 ビクッビクッと、脈打ってるのがよくわかるぐらいだ。 「な……!? ど、どうすればいいのですか……?」 不安そうな顔で、俺を見上げる。 「とぼけんのは無しだぜ? ホントはわかってるんじゃねぇのか?」 蔑むような視線で見下ろしてやる。 「――ッ!? ……みぃ。わ、わかったのです……」 諦めたような表情で、小さな口を命一杯開く。 「小さいクセに、よく知ってるよなぁ? こんな卑猥なコトをさ」 罵ったときの、羞恥に歪む表情が堪らなく快感だ。 「……うぅ、この鬼畜……変態……恥知らずッ……」 悔しげに小さく呟かれる呪詛も、敗者の戯れ言と思えば実に愉快だ。 さて、満足させてもらいますか。 「――むふっ!? ふっ、ぐぅ!」 小さな口に無遠慮に肉棒を突っ込む。 苦しそうに咽せるが、気にしない。 「おいおい、満足させてくれよ? 歯を立てたりしたらこいつがどうなるかわかってるよな?」 「……むぅ、ごほっ! ……っく、む、ちゅ……」 後ろの子犬のことを口にすると、咽せつつも必死に舌を絡めたりしてくる。たいしたものだ。 技巧も何もないが、小さな舌にぺろぺろと舐められるだけで充分だ。 頭をグッと押さえ、遠慮のカケラもなく腰を前後に動かす。 生暖かく、湿った口腔の感触が心地よい。 「んーっ! ふ、ふっ……ちゅ、むふっ! ぐ……んぅっ!」 続けていくうちに苦しそうだった鼻息が、段々熱を帯び始めているのは気のせいだろうか? だとしたら、こいつ相当のマゾだぜ。 「ホントはこいつを助けたかったんじゃなくて、自分がシてもらいたかっただけじゃねぇのかぁ?」 「ち、ちが……げほっ! っふ、う、んぅーっ!!」 「ほら、欲しいんだったらやるぜ! 思いっきり出してやらぁっ!!」 「――――っ!?」 喉の最奥まで突き立て、豪快にぶちまける。 さっきまで随分溜まっていたせいか、結構な量が出た気がした。 「げほっ! ごほっ……! ぐぇぇ……っ」 口からぼたぼたと、白い液体がこぼれ落ちる。 「んだよ、飲んじゃあくれねぇのかよ」 まあいいや。これで随分大人しくなるだろう。 早くも硬さを取り戻したそれを、眼前に突きつける。 「……ひうっ!」 恐怖に彩られた声が漏れた。 「なあ? 次はどうするかわかるか?」 「……け……いち?」 俺が今いった言葉。 どうすればいい? ではなく、どうするか? と俺は聞いた。 その違いに、子猫はまだ気付いていない。 いや、頭がボーッとしていて気付けない、と言った方が正しいか? 青いリードを外す。後ろ手に繋がれた二匹が解放される。 それを子猫の首に繋ぎなおし、しっかりと手首に巻き付けておく。 さらに子犬の首に繋がれた赤いリードを手首から外し、近くの木に括り付けた。 余った部分で両手を拘束することも忘れない。外されて逃げられたら困る。 そして子猫のリードをぐいっと引っ張り、子犬を指差して宣言する。 「お前の願い通り、こいつにはまだ手を出さないでおいてやる」 「……まだ?」 「そうだ、状況によっちゃあ保証は出来ねぇからな」 「っ卑怯者!」 「じゃ、もう一度聞くぜ? 『次はどうするかわかるか?』」 「……まさか!?」 さっと、子猫の顔に絶望の影が差す。 正しい想像に行き着いたことを確認して、俺は子猫をうつぶせに転がした。 暴れているのを上手く取り押さえ、下着を取り去り、スカートを捲りあげた。 「や……それだけは止めッ…!?……ふみゃあぁっ!」 両足を鷲づかみにし、舌で蜜壷を掻き回す。 よし、充分濡れている。それじゃ行くぜ……ッ! 「――っあ! ぐぅ……痛い、止めて圭一! ホントに痛……ああぁぁぁっっ!!」 ギチギチと狭い中が、必死に俺を侵入させまいと抵抗する。 それを無視し、一気に奥まで貫いた。 「――――――っぅぅぅぅぅ!!!!」 ブチリ、と途中で何かが裂ける音と、俺のを伝わって滴り落ちる赤。 痛さのあまりか、声にならない悲鳴が空気を震わせるのみ。 だが、俺にとっては血でさえもただの潤滑油でしかない。 腰を持ち上げ、後ろから俺は躊躇せず犯し始めた。 「っあ! や、っつぅ……あ、あ、ぁっ……はぁっ……んんぅっ!」 リズミカルな肉と肉のぶつかる音の合間に、吐息が漏れる。 もう壊れてしまったのか、よだれの垂れた小さな口は甘い喘ぎしか紡がない。 狭い中が俺のモノに絡みついて、きゅうと締め上げる。 「んっ……やぁ、う……あっ、あっ、あぅっ!」 その時だった。大きな悲鳴が上がったのは。 そちらを見る。子犬が目を見開いて、口をパクパクさせていた。 「ちっ、思ったより早く目が覚めたな」 「嫌ああああぁぁぁぁっっ!! 圭一さん、梨花に、梨花に何てことを――ッ!!」 「あ、あ……沙都子、やだ……見ないで……ふああああぁぁぁぁっっっ!!!!」 自分の恥ずかしい姿を見られた羞恥心からか、子猫の中がより一層締まる。 どうやら達したらしかった。 俺はまだイってないのでそのまま続けようとしたが…… 「止めて! 梨花に手を出さないでくださいましッ! このケダモノぉっ!!」 「ほぉう。あれだけさっきまで泣き叫んでたクセに、まだ生意気なこと言えるんだな」 動けなくなった子猫を地面に横たえ、子犬の眼前に詰め寄る。 「私に近寄るなぁッ、このケダモノ! 梨花と私のそれを外せッ!」 俺の手に未だ握られた青いリードを、キッと睨み付ける。 「俺がケダモノなら、さしずめお前は雌犬ってところだろうが。それと――」 木に括り付けたリードを上にずらしつつ、子犬を抱え上げていく。 「お願いするときは、それ相応の頼み方があるってモンだぜ?」 「触るなぁッ! わ、私に何をするつもりなんですの……!?」 「躾だよ。駄目な犬は、ちゃあんと躾けてやらねぇとなぁ……?」 俺の剛直をあてがった先目がけて、一気に下ろす! 「ひぎぃっ!? ――――やあああああああっっっっっ!!!」 俺のモノが深々と突き刺さっても、俺と子犬とじゃあ身長差がありすぎる。 もちろん、その分子犬の足が地面を踏みしめることは出来ない。 結果、最奥まで突き刺さっていても、重力によってさらに無理矢理俺が押し込まれていく。 「痛……嫌ぁ、うぅっ……助けて、にーにー……痛いの、嫌……」 限界以上に圧迫され、よく見れば下腹部がほんの少し盛り上がっている。 それでも俺は遠慮しない。 軽く腰を引き、抉るように一気に貫く。 「ひぐぁあっ! ぐ……ああぁっ! うああっ!」 苦しげな悲鳴と、接合部からぼたぼたと地面に落ちるピンク色の液体。 それは地面が吸収しきれず、小さな水たまりを作るほどだ。 「ああっ! やっ! ひぅっ! ……ふああっ!!」 ある地点を越えたときから、声に甘さが含まれていく。 よく見れば俺の動きに合わせて、かくんと腰が動いている。 笑うように、微睡むように、その表情は悦びで満たされていた。 ……とんだマゾだな、こいつも。 ぎゅうぎゅうと締め付けてくる中も、複雑な動きで俺を射精へと導いていく。 「あはっ……やぁっ! 圭一、さ……んぅっ! やあぁぁっっ!!」 「……っ!」 搾り取られるかのように、俺は二度目の欲望をぶちまけた。 中に思いっきりドクドクと注ぎ込む。溢れた分が地面へとどろどろ落ちていく。 抱えているのに疲れてきた俺は、それにも構わず地面に子犬を下ろした。 ハァハァと、三者三様の荒い息だけが静かな森にこだまする。 しかし俺の剛直は、まだ疲れを知らないようだ。 二匹のマゾ雌に充てられてか、むしろ元気を増したようにも思える。 さぁて、次はどちらを戴こうか。 二匹とも、もはや衣服とは呼べない布をギリギリのところでまとわりつかせている程度。 そのくせ耳と尻尾はきちんとついたままなのだから、流石と言うべきか。 おかげで全裸より妖しい色っぽさがある。 しかもぐちゃぐちゃの服から覗く肢体は、そんな姿に似合わない幼いものなのだ。 舌なめずりをしつつ、二匹の顔を交互に見やる。どちらからも熱っぽい視線。 「……みぃ、圭一。……沙都子はダメなのです。代わりにボクを……」 「圭一さん……梨花は止めてくださいませ。私には何をしてもいいですから……」 完全にどっちもイカレちまったようだな。 口先じゃもう一方のことを庇うようなこと言って、本当は期待に目が輝いてやがる。 それならまとめて喰らい尽くしてやろう! 木に括り付けた赤いリードを外して手首に巻き、子犬を仰向けに地面に転がす。 続いて腕が疲れてはいたが、それを無視して子猫を抱え上げる。 そして子犬の上にうつぶせに乗せた。 「きゃ!」 「あうっ! さ、沙都子……」 顔をつきあわせる形で、二匹が重なる。 それを上からぎゅっと押さえつけた。 何度も何度もぎゅ、ぎゅ、ぎゅっと。 ここで上がるのは苦悶の声じゃない。同時に奏でられたのは喘ぎ声。 手を離すが、二匹はもぞもぞと動き続けていた。 それもそのはず、さっきから何をしていたかというと…… 「ふあっ! や、ダメですわ、梨花……きゃうっ! 胸は……ッ!!」 「あ、あっ! 沙都……ッ、だ、めぇ……んっ!」 互いの胸を擦り合わせて、感じてるんだぜ? まさに絶景と呼ぶにふさわしい。 二匹の幼い雌獣がまぐわっているところなんて、そうそうお目にはかかれない。 よく見れば、子犬の方なんか腰がカクカク動いてるぜ? 「んっ、やあっ! あ、ダメ、梨花ぁ……も、我慢出来な……ッ!」 「沙都子っ! やっ、それはダメっ! ひゃうぅぅっ!!」 宴はさらにヒートアップしていく。 胸だけでなく、互いの太ももに秘裂を擦りつけ合う。 ぐしゅぐしゅという水音と、荒くなっていく息。 声色はより一層高く響き、互いが互いの痴態に興奮しているようだ。 動きは徐々に激しく、艶めかしいものへと変わっていく。 「あっ、んんぅっ……沙都子、ゴメンっ!」 「はぁッ……え? 梨花? ――ふむっ!? ん…ちゅ……」 子猫が子犬の唇を奪い、熱いキスを俺に見せつけてくる。 舌と舌が入り乱れ、子犬の頬を伝ってよだれがつーっと滴り落ちた。 ……そろそろ、俺も限界かな。 雌獣の宴に俺も混ざるべく、上に乗っている子猫の位置を少し補正する。 肉棒を二匹の間に差し入れると、ビクンッと二匹同時に跳ねる。 そのまま二匹の陰核を擦るようにして、腰を動かす。 「ひゃうっ! ん、やぁっ! 圭一さんっ! んっ! ああぅっ!」 「圭一のがッ! 当たっ……あうっ! くぅんっ!」 上から、下から、小さな突起が擦れる。 同時にぬるぬるとした愛液にまみれ、滑りが良くなっていく。 当然、スピードは増すばかり。 一番敏感なところを責め立てられ、後半は二匹とも声なき声を上げるのみ。 喉を震わせ、肺の空気全てを絞り出すように。 そして、俺は火山が噴火したような勢いで、三度目を思いっきりぶちまけた。 「「ふああああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」」 二匹とも同時に声を上げ、俺の白濁とした液をお腹に浴びながら果てた―― ――目を開けたら、朝だった。 いや、朝なのもかなり疑問だが、それ以上に疑問がある。 何故俺は、外で寝ているんだ!? いきさつを思い出そうとしても、俺の脳が拒否反応を起こして思い出せない。 というか、昨日の記憶がごっそり抜けてるのが、すっげぇ不安なんですが。 しかも体がやけに重い。疲れているというレベルじゃないぞ、これは。 特に腰の辺りがとても痛いんですが……? 昨日、俺の身に何があったんだ!? とりあえず思い出せるところから、徐々に思い出そう。 昨日部活をやったところまでは覚えている。 そう、確か俺が優勝で、誰かがとんでもない罰ゲームだったんだ。 なんだっけかな……? うーん、凄いものを渡された気がする。 とてもペラペラで、軽い。だけどとても重い価値のあるもので…… そうだ、それよりもどうして俺が優勝したんだ? 確か沙都子と梨花ちゃんが、断トツだったはずじゃあ……? ……沙都子と梨花ちゃん? そこまで思い出したら、後は簡単に解けるパズルのようだった。 そうそう。沙都子と梨花ちゃんと、とんでもない賭けをしたんだ! 俺が1位になったら、獣装備でお散歩券。 だから俺は二人をお散歩させてたわけで…… その途中からだ。何かを隠すように思い出すことを拒否しているのは。 ――ちょっと待て。二人をお散歩させてたなら、二人はどこ行ったんだ? その時になってようやく、下半身が何か温かいものに触れられている事に気がついた。 とても怠い体に鞭打って、上半身を起こす。 俺の目が捕らえた光景は…… 「……うわぁぁあぁぁあぁぁああぁぁっっ!!!!」 叫んだ。よくわからないから叫んだ。 俺の脳が目の前の光景を理解することを拒否している。だから叫んだ。 だってさ、信じられないだろ? こんなの。 ほとんど全裸と言っても差し支えがないほど、ぐちゃぐちゃになった服を纏って。 髪や顔、身体にところどころ白い何かがこびり付いていて。 上気した頬は艶めかしくて、とろんとした瞳には既に光は無く。 それぞれの耳を嬉しそうにぴこぴこ動かしながら。 小さな舌をちょこんと出して、チロチロと。 子犬がミルクを舐めるように。子猫がミルクを舐めるように。 ――俺の勃起している『それ』を、沙都子と梨花ちゃんが二人で舐めていた。 脳に記憶が呼び起こされる。 誰だよ!? 誰だよ、二人をこんなにした奴は!? 思い出せ、誰だ? 誰だ? 誰だッ!? ああ、頭が痛い。くそ、くそっ…… わかってるだろ!? 前原圭一ッ!? こんなの、誰だか明白じゃねぇかッ! 俺の両手首に巻かれた『それ』。そう、それだよ! こいつが……リードが俺の手に巻かれている時点で、俺と二人は昨日からずっと一緒にいたんだよ! そうだ……俺が、やったんだ。 何度も何度も陵辱して、食い散らかした。 この白いものだって俺が出したものじゃねぇか! お前、何回出したんだよ? 二、三回ってレベルじゃねぇぞ!? 少なくとも五回以上はぶちまけたはずだ。 そうだよ……泣き叫ぶ彼女たちを押さえて無理矢理『犯した』んだ。 他の誰でもない、この俺が。 「ああぁぁぁああぁぁ!! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」 怖くなって謝る。誰に? 目の前の二人は俺の言葉なんて、既に届かなくなっているのに? それでもただひたすら謝り続ける。 赦しが欲しいんじゃない。むしろ赦さないでいて欲しい。 だからこそ謝る。この口が、喉が、裂けるまで。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 ――本当に獣となってしまった二人には、永久に届かないかもしれないとわかっていても。
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/160.html
私、前原圭一は、操を狙われていました。 なぜ、どうして、操を狙われたのかはわかりません。 ただひとつ判る事は、 オヤシロさまの祟りと関係があったと言う事です。 どうしてこんなことになったのか、私にはわかりません。 これをあなたが読んだなら、その時、私は廃人になっているでしょう。 意識があるか、ないかの違いはあるでしょうが。 おかしい、何かがおかしい。 俺の名は前原圭一。東京からこの雛見沢へ引っ越してきたばかりの、村のニューフェイスだ。村のみんなは優しくて、初めての田舎暮らしに慣れない俺をあれこれと面倒を見てくれた。 よく耳にする、田舎は余所者を受け付けないなどという事もなく、俺はこの数ヶ月間を都会に居た頃とくらべて雲泥の差といってもいいほどにリラックスして送ってこられた……。 だけど、あの晩……綿流しのお祭りを境にして、世界は豹変してしまった。別に、レナや魅音といった俺の親友がおかしくなったとか、そんな話じゃない。もっと直接的で、体感的な事だ。 それは…… 「探しましたよ、お兄ちゃん!」 ジャーン! ジャーン! 「げぇっ富竹さん!!」 俺の背後に、やたらとダンディな声と鍛え抜かれた逞しいボディをビキニパンツ一丁でグググ! と誇示する、フリーカメラマンの富竹さんが現れた。いや、現れてしまったというべきか。 というか追いつかれたのだ。なぜなら俺は、今この男から全速力で逃げてきたのだから。俺は息がすでにあがっているが、富竹さんは余裕でとびっきりの笑顔を貼り付けたままだ。半裸で。 レナの宝探しに付き合っていた時に始めて会った富竹さんは、フリーのカメラマンを名乗る気弱そうな、どこにでもいそうなおっさんだった。ただひとつ、鍛え抜かれたボディを除いて。 富竹はいつも鷹野さんという綺麗なおば……女性と一緒にいて、綿流しのお祭りの時もそうだった。だけど、一夜明けてみれば鷹野さんは失踪し、そして富竹さんはビキニパンツ一丁の半裸という格好で俺の前に現れる様になってしまった。 それも、彼はどこをどうトチ狂ってしまったのか、この雛見沢をトミタケアイランド呼ばわりし始めた上に、俺の妹を名乗って大好きですとかいって追いかけまわしてくる。彼がこんな変態だったとは……。 いや……だけど、富竹さんはそういえば、初めて会った時にも君のような美少年がどうのこうのと言っていた。もしかしたら、いや、もしかしないでもそうだ、そうに決まっている。 富竹さんはガチホモの上にショタコンなんだ。救われないぜ……。俺が。 そうさ、これが富竹さんの本性だったんだ。だから鷹野さんはきっと、それに気づいて*されてしまったんだ。くそ、これ以上この場にとどまったら俺もどうなってしまうか解らない……!! 「あんなに約束したのに、ひどいじゃない!」 「うるせぇ来るな、来るんじゃねぇぇぇぇっ!!」 俺は言う事を聞きたがらない脚に鞭を打って再び駆け出す。今、富竹さんに捕まってしまったら、きっと俺は二度と戻る事のできない深みに落ちていってしまう気がする。 だから、逃げる! 全速力で! きっと今なら、カール・ルイスにだって競争して勝てるだろうと思えるほどの速度で、あぜ道を走る。走って走って、走り抜ける。目的地は魅音の家だ。俺の家は恐らく、すでに特定されてしまっているから危険だ。 魅音なら訳を話せばきっと俺を匿ってくれるはずだと親友を信じて走る。 これだけの速度だから、さすがの富竹さんも俺に追いついてはこられなかった。というかあの人、はだし、だから……。そしてようやく魅音の家にたどり着いた。 相変わらず大きな家だ……珍しいインターホンを押して、魅音に取り次いでもらおうとする。 しかし、俺がインターホンに手をかけるまえに、重そうな門戸がぎぃーっと開かれる。そして中から現れたのは…… 「待ってたよ、兄ィ!」 張り裂けんばかりの笑顔の富竹さんだった! いやもうさん付けなんていらない、こんな変態、トミタケで十分だっ。しかも兄ィなんて、異様に気持ち悪い呼び方をされた。やめてくれ。 「ぎゃあああっ! なんであんたがここにいるんだ!!」 「それは運命さ! 兄ィと私は運命の赤い糸で……」 「うっせぇええええ! 俺の魅音を返せよぉぉぉ!! うわああああっ!!」 もうだめだ、ここにトミタケがいるって事は、きっと魅音は*されてしまったに違いない。俺は号泣しながら身を翻すと、他に俺を匿ってくれそうな家を考える。 どこだどこだ、どこに逃げればいい……! ……そうだ、沙都子と梨花ちゃんの家なら! ちょっと遠いが、あの二人なら奇想天外な方法で俺を助けてくれるはずだ。小さな女の子に助けを求めるなんて男として情けない話だが、今はそんな事を気に掛けている場合じゃない! 「あ、兄ィ、待ってよぉ!!」 やっぱり後ろから追いかけてくるトミタケを尻目に、俺は二人の家へまっしくらだ。梨花ちゃんの策略と沙都子のトラップがあれば、あんな筋肉ダルマなんて一網打尽にできるはず。とにかく急げ。 しかし俺が疲れてきたせいか、さっきよりも脚の速度が上がっている気がするトミタケをなかなか振り切れなかった。それでも、林を通ったり田んぼを突っ切たりしてなんとか撒いて走ると、二人の家が見えてくる。 「お、おぉぉい! 沙都子ー! 梨花ちゃーん! 頼む、開けてくれ!! 今は何も聞かずに俺を匿ってくれ!!」 そんなに大きい家じゃないから、叫べば聞こえるはずだ。すると俺の願いは叶ったようで、すぐに上の階からどんどんと二人分の足音が降りてくるのが聞こえる。俺の悲壮な声に緊急性を感じてくれたのだろう。 しかし。 「兄君様、どうなさいました!?」 「どうしたのですか、兄上様……」 俺の目の前に現れたのは、可憐な二人の少女ではなく……鍛え抜かれたボディが逞しいトミタケだった! それも二体……二体だと!? 俺の眼が点になる。いやまて、トミタケはトミタケであって、唯一無二の存在のはずだよな。生き別れの双子がいたなんて話、聞いた事もないぞ……いやもうそんな事はどうでもいい。大事なことは、悪魔が二匹になったって事だ! そして梨花ちゃんと沙都子まで*されてしまったということだ! なぁんてことだ……ええい、こうなればここもデンジャーゾーンでしかねえ! 涙も枯れ果たて俺は、生きるために踵を返して最後の希望であるレナの家へ向かって飛び出した。 レナは自分の家に俺をあげるのをを嫌うが、だけど、これだけの事態だ……話せば解ってくれるはずだ! ……でも、魅音が*されて、沙都子と梨花ちゃんも*されたとなると……いや、まさか、そんな。レナに限って、そんなはずが……! 俺はレナの無事を願って彼女の家へと走ったが、しかしそんな願いは無惨にも打ち砕かれる事となった……俺の悪い予感が的中する。 そう、息も絶え絶えにたどり着いた竜宮家の玄関から出てきたのは、あのかいがいしく可愛いレナではなくて―― 「はぅ~~~兄チャマ見つけた! お持ち帰りィィィィィイ!!」 トミタケだった。 俺は絶望と怒りの余りに絶叫する。天をも突かんばかりに怒りの声を空へ放つ! 「くそぉぉおおおお! 俺の大事な人をみんな*しやがってぇええ! しかも気持ちの悪い真似まで……もう許さねぇぞ!! 大石さんに援軍を頼んで、てめぇを一五〇〇秒で雛見沢から消し去ってやる!!」 だけど結局、どこまでも他力本願な俺は玄関に置いてあったレナの形見の自転車を奪って輿宮の町を目指す。亀有のお巡りさん並の勢いでペダルをこぎまくる! たぶん、時速一〇〇キロは出ているはずだ、もの凄い勢いで景色が流れていく。この調子ならすぐに輿宮の町につくぞ! そして、あっという間に輿宮の町へ着いた。なんだか人気が感じられないが、構わず真っ先に警察署を探して駆け込んでいく! 俺の名を出せばすぐに捜査一課に通されるはずだ。 大石さんは俺を貴重な情報源と思っているらしいからな……! ちょっとしたVIP待遇みたいなもんだぜ。うぇっww だが、署に入ってみて違和感を感じた。おかしい――静かすぎる。まさか、いやそんな馬鹿な。 それに大石さんは別に大切な人じゃないぞ……んっふっふ、なんて笑いが気に障る程度のおっさんに過ぎないんだ。 というか俺の頭を踏んづけてくれた恨みは忘れねぇぞ。 だ、第一、トミタケといえど警察署の人間をまるごと**してしまうなんて、できるはずがない……。 なんて思っていると、俺の背後から聞きなれた笑いが飛んでくる。それにほっと安心した俺がいけなかった……。 「んっふっふ。来てしまいましたか、お兄ちゃん……」 お兄ちゃん、だと。まさ、か…… 俺は、錆び付いた歯車みたいにギギギと音がなりそうな程にぎこちなく首を後ろに回す……見たくない見たくない、見たくない……そう願ったが、やはり俺の眼に入ってきたのはトミタケだった。 悲鳴を上げて逃げ出そうとするが、しかしこのトミタケは俺を追いかけようとはせず、むしろ諭すような口調で俺を呼び止める。それは大石さんの喋り、そのものだった。 それに違和感を感じた俺は、勇気を振り絞って立ち止まる。 ……よし、トミタケは動かないみたいだ。他のトミタケとは違う……? そんな問いを俺は謎のトミタケに投げかける。すると、謎のトミタケは静かに語りはじめた。 「こんな姿をしてはいますが……私は大石です。あなたの敵じゃあありません」 「だ、だけど! どう見ても大石さんじゃなくてトミタケじゃないか!」 「いいから話を聞いてください、いいですか。今、この辺り一体には恐ろしいウィルスが蔓延しているんです」 「な、なんだって? ウィルス!? もしかして、トミタケの豹変と関係があるのか!?」 「そうです。そのウィルスの名前は「T-ウィルス」……ちなみにTは、トミタケのTです」 「んな事どうでもいいよ! そのウィルスがどうしたっていうんだよ!」 「このウィルスは、鷹野三四によって人為的に散布されたものです。いわば、生物兵器……!」 「な、なんだって? 鷹野さんが? なにがどうなってるんだ……」 訳のわからない俺に、謎のトミタケが勝手に核心に迫っていく。俺はもはや、呆然と立ち尽くしてその話に耳を傾けているしかなかった。 「そしてこのウィルスがヒトに空気感染すると、皆このようなトミタケになってしまうのです……身も心も!」 「なんてことだ……あのトミタケは、レナや魅音の成れの果てだったっていうのかよ……そんなのって……! ……・じゃ、じゃあなんで俺は大丈夫なんだよ……あんたも、心はトミタケじゃないみたいじゃないか」 「……私は、今しがたこの町に帰ってきたばかりです。まだ症状の進行が浅い……鷹野三四の陰謀をつきとめ、危機を知らせようとしたが遅かった……! だけど、お兄ちゃん! う、ぐぐぐ……! 違う、前原さん! あなたは違う、あなたは奇跡的にT-ウィルスへの耐性が備わっていた! だから前原さん、あなたは今すぐ町を脱出して遠くへ逃げ延びるんです。 そしてこの危機を、雛見沢大災害の事をどうか全世界に伝えて欲しい! このウィルスが世界中にばら撒かれたら、この世の終わりが来る……! だからだかだかだか……うぅ、お兄ちゃーん!」 く、くそ! とうとう大石さんまで感染しちまった……なんだかよく解らない。 なんでトミタケ化すると俺をお兄ちゃんと呼ぶのかも解らないが、とにかく俺は世界の命運を握っているらしい。 だけど鷹野さんが全ての黒幕だっていうなら、皆のカタキを取ってやる。泣いたり笑ったりできなくしてやる!! よし、逃げるぞ! そうだ、東京へ戻ろう! 金がないなら歩いてでも行ってやる! そうして復讐に燃える俺は警察署を飛び出した。 だが、警察署から出た瞬間に俺の進路を一二人ものトミタケが塞ぐ! くそ、こいつら待ち伏せてやがったな!! 「お兄ちゃん!」 「お兄ちゃま!」 「兄ィ!」 「お兄様~!」 「おにいたま~」 「兄上様!」 「にいさま!」 「アニキぃ!」 「兄くん……」 「兄君様ぁ!」 「兄チャマー!」 「兄やぁ~」 野太い声でおぞましいセリフを吐くトミタケ軍団が俺を襲う……! 「ぐわあああっ!! てめえら、俺をどうするつもりだぁああっ!!」 俺は必死にトミタケたちを払おうと抵抗するが、鍛えられたトミタケのボディから繰り出される肉体的接触は、俺などではとても抗えないレベルで……! く、くそ、こんな所で、こんなところでぇぇぇぇ……!! 俺はトミタケまみれになり、意識がブラックアウトしてい、く…… ごつん、と頭になにかが当たる音がした。頭をふっと上げると、青い髪の女の人が怒ったような顔で俺を見ていた……。 「あ……知恵、先生……」 「前原くん。授業中ですよ!」 「ゆ、夢だったのか……良かった、良かったぁああああ!!」 悪夢から救われた事に身が打ち震えて、俺はついがばぁっと知恵先生に抱きついてしまう。 知恵先生、おしりがイイよなうぇへへへへなんて邪な感情は一切抱いてなどいない。 ただ、まともな人間を久しぶりに見た様な感覚に安穏を得ようとする体が言う事を聞かないだけで。あぁ、良いニオイ~。 「ま、前原くん! やめなさい、そんな、まだ心の準備が……いやそうじゃなくて」 「先生ぇ~~俺怖かった、怖かったよぉぉぉ」 どさくさに紛れて先生の胸の谷間に顔をうずめてぐりぐりする俺を遠目に、他の生徒たちがひそひそ話をする。 「みー。なんだか今日の圭一は様子がおかしいのです。まるでセクハラオヤジなのです」 「圭一さんって年上好きでしたのね……それにしても大胆ですこと」 「そんなぁ……け、圭ちゃ~ん……」 「先生~~!」 「前原くん、放しなさいっ、あ、いやっ、そんな所さわっちゃダメぇ!」 何か興奮してしまって止めるに止められない状態になってしまった俺は、だから背後に近づく巨大な殺気に気づく事ができなかった。 その手が肩に触れてはじめて気づき、自身の愚かな行為を悔いるまでは――。 「あはははははははは。圭一くん……見損なったよ。そんなハレンチな人じゃないと思ってたなぁ……卑劣漢。恥知らず! これが前原流のやり方なの?! 私ばっか喋り尽くめ? 黙ってんじゃないわよッ!! 聞いてんの前原圭一ッ!!」 レナが、どこから取りだしたかの大きなトマホークを構えて鬼の様な形相で俺を睨んでいた。 あの、レナさん? それってもしかしてゲッタートマ…… 「うっさいなああぁぁぁッ! 黙ってろって言ってんでしょおおおぉぉッ!!」 「ちょ、待て、何も言ってねぇえええ!」 「あはははは! お前は汗の代わりに血を流せばいいやぁぁっ!」 あ、だめだ聞いてない。 そうして俺は暴走したレナのゲッ○ーストラングルを喰らいながら、意識を飛ばしていく。くそー……なんであんな夢を見ちまったんだよぉ。 そして、まさかレナに引導を渡されて人生を終わるとは思ってもいなかったぜ……。 あぁ、もうすぐ七夕だな……それまで生きていたかったなぁ。 ……でも、もし生きながらえたら、短冊の願い事は絶対にこう書いてやる! 「トミタケが喉を掻き毟りますように」 これを読んだあなた。 どうか真相を暴かないでください。 どうかそっとしておいてください、思い出したくありません。 それだけが私の望みです。 前原圭一 プリンセス・オブ・トミタケ ~究極 男の妹~ 完
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/526.html
前篇 俺は…男になった……いや『して貰った』。そう。昨夜、羽入と…寝た。気持ち良かったな…。あんな『イイ事』があったら男はハマってしまうよ…金を出してでもしたくなるよな?正直、大人が『そういう店』に通う意味が分からなかった。 でも…今なら分かる。こんな気持ち良い事を覚えたら、病付きになっちまうって。朝日が差し込む部屋の中で寝起きの俺は感慨深く、昨夜の出来事を思い出していた。 羽入の憂いを帯びて切なそうな表情や、汗ばんでシットリした身体…熱く受け入れてくれた『羽入』を…。そんな『羽入の味』を思い出すと、朝勃ちしている息子に更に血が通って硬く張り詰めていく。 もし羽入が横に居たなら、のしかかって、また…してしまうだろう。でも羽入は居ない。一緒に寝て、起きたらもう居なかった。布団に残った甘いお菓子の様な羽入の匂いが 『さっきまでここに居たんだ』 って分かって俺は嬉しくなる。寝る前に羽入が言っていた『手解き』が夢で無く、今夜また出来るって…。そう、互いに触れ合って口付けし、あの蕩けてしまう行為を羽入に手取り足取り教えて貰えるんだと思うと……興奮してくるんだ。 その日は何も手に付かなかった…。授業中もボンヤリと昨日の夜の事を思い出しズボンにテントを張っていただけ。放課後に部活をしていても上の空で、ずっと羽入を見ていた。 普段と変わらない可愛いらしさで皆と過ごす羽入…。でも俺と目が合うと、恥ずかしそうに目を細めて微笑むんだ。そうこうする内に長い一日が終わり夜の帳が降りて…ワクワクしながら羽入を待つ。 「…いち……圭一…。起きてくださいなのです」 「ん…あ?あ…羽入…」 待つ内に寝てしまった様で、羽入に揺り起こされる。 「あうあう☆こんばんはなのです」 寝間着なのだろう。昨日と同じ、白い長襦袢姿の羽入が俺の横に座っていた。…てか、どうやって俺の部屋に入ったんだろうな?昨日といい今日も。まあ良いや…細かい事は気にしない。待望んでいた時間がやってきた…そっちの方が重要だ。 「…こんばんは。…あ……そのさ、こっちに来るか?」 こんな時に気の利いた事を言えなかった自分が情けない。何か『姦る気満々』みたいだよな…いや、そうなんだけど………じゃなくて!違う!もっとこう、羽入が喜びそうな事を言いたかったんだ…はあ。鬱だ…。 「あう~。じゃあ御邪魔しますのです」 そんな感じで混乱する俺に寄り添う様に羽入が移動し、腰を降ろす。あの甘い匂い…俺を酔わせる『女の匂い』を漂わせながら…。 「は、羽入。もっとこっちに来いよ」 俺は羽入の肩を抱いて、自分の方に引き寄せる。すると羽入が嬉しそうな顔で身体を…密着させるんだ。柔らかい胸を腕に押し付けてピッタリとさ…。 「圭一…。ん~…」 昨日とは違い、今日は羽入から積極的に攻めては来ない。でも誘っては来る。ニコニコ笑って、目を閉じて俺の方に顔をあげて口付けしろとねだるんだ…堪らねぇぜ、やっぱり可愛いよな。 「よ、よし!キ、キ、キスするぞ…良いか?」 「ふふ…♪良いですよ……ん…う」 こういう時って聞かない方が良いんだと思う、でも一応了承は得ておきたかった。手探り状態なのだ。少なからず彼女にリードして貰わないといけないだろう。そう、教えを乞う立場なのだから。 そして俺は、恐る恐る羽入と唇を重ねる。壊れ物を扱う様に丁寧に…。 「ん…ふ…。ふ…あむ…♪ん…んっ。んう…」 羽入の柔らかい唇に甘噛みして舐める。すると…彼女も同じ様に返してくれる。 嬉しそうな声を洩らしながら、俺の舌を優しく唇で甘噛みして舌先でチロチロってさ…。「んっ!…ふうぅぅ…ん!んうぅ…」 半ば強引に口内に舌を侵入させて、歯茎に舌を這わせる。すると羽入がビクッと身体を震わせて…すぐに身体の力が抜けていくのが分かる。お菓子の様な甘い味が俺を興奮させ、羽入の口内に奥へ奥へと侵入させる。 「あふぅ…あうぅ…。はっ…ん…ん…。けぇいち…もっと……もっとぉ…んふぅ」 羽入の『味』が欲しくて堪らなかったんだ。必死になって舐めて、噛んで…調子に乗って、唾液をさ…送り込んでみたんだ。 「は…はふ…。…んくっ!ん…」 音で分かるよな?羽入が俺の唾液を美味しそうに飲み込んだのが。それが嬉しくて、更に唾液を口内に送った。そして羽入も同じ様に俺に……甘い御褒美をくれる。 「はあはあ…。圭一…続きは灯を消して…布団の中でしたいのです…」 『女の子はこういう時に顔を見られたら恥ずかしいのですよ』 寝間着代わりのTシャツをギュッと握り締められ、そう言われたら…俺は言う通りにするしか無い。本当は羽入をずっと見ながら…の方が良いけど。 部屋の灯を消して、羽入と布団の中に潜り込む。横向きに寝転がってピッタリと寄り添って…始まるんだ。羽入の『手解き』が…。 「あうあう…圭一…まずは、ここなのですよ。優しく…優しく揉みほぐして欲しいのです」 羽入が俺の手を取って、胸に押し当てる。掌で柔らかい胸を優しく揉む、首筋に顔を埋めた羽入から、甘さの混じった声が聞こえてくるまで…。 「あ…。あ…ん…もう少し強めに…はっ…そうです。上手ですよ…んっ!」 空いている手で長襦袢の帯を緩め、中へと侵入させ、胸に指を埋めて夢中になって揉みしだく。手の平の中で形を変え、押し返す柔らかさ…きめ細かい肌のスベスベした感触に息子に血が通い始める。 徐々に硬くなっていく乳首を手の平で転がし、片手を尻の方に動かす…。揉んでみても良いよな? 「あ、うあうぅ……。んふぅっ…。っは…はあはあ…。あっ…」 身体をヒクヒクと震わせて、甘えた声で首筋に吐息を吹き掛ける羽入…。太股から尻の方に手を滑らせていくと、ピクッて身体を微かに跳ねさせ、期待した様な声を出すんだ。 「んう…。ふあぁ…あ…っ…。あはぁ…」 「柔らけぇ…」 そう呟くと、羽入が俺の腰に足を絡ませて口を開く。 「んう…圭一のお手々…気持ち良いの…ですよ。あふ…。は…」 甘えた声で息を乱しながら、羽入の手が俺の下半身を撫でる。 そして小さな手が息子に触れて…優しく揉まれるんだ…。下着越しとは言っても気持ち良い…親指の腹で亀頭を擦られ、思わず腰が引けてしまう。 「は…。ふふっ…。圭一は敏感なのです…。大丈夫…僕が慣らしてあげるのですよ…ん…あ」 羽入がそう言って、下着の脇から手を忍ばせ、息子を逆手で持つ。そしてゆっくりゆっくり扱くんだ。痒い所に手が届かない様な、もどかしい位の力と速度で…。 でも、それが逆に気持ち良い…だから俺は羽入の乳首を摘んで指で転がす、羽入をもっと悦ばせたくて…。そして、もっと『良く』して貰いたいから…。 「んっう!は…。あ、あふぅ…あっ!」 乳首を引っ張りながら転がすと羽入が啼き始める。 『気持ち良くて堪らないのです…』 そう伝える様に首筋に吸い付かれ、俺は身体をゾクゾクと震わせる。羽入の鼻息が当たって小さな唇、舌が…這い、軽く吸われてくすぐったいけど気持ち良いんだ。 いつしか羽入の両手が下着の中に入っていた…。根元から絞る様に扱かれ、手の平の中で亀頭が圧迫されながら揉まれて、頭が蕩けてしまう。敏感な場所を刺激され、俺は…羽入に腰を押し付けて発情する。 「は…っん!あ…あ…らめれすぅ…ふうぅぅん!」 羽入の小さな身体に覆い被さって、プルプルと震える乳首を口に含んで舌先で舐める。小刻みに力強く…そして唇で挟んで転がすと羽入の啼く声が大きくなっていく。それに加えて尻を触るか触らないか位で撫でると悦ぶんだよ。 思い付く限りの愛撫を試して、羽入の反応を見て覚える。『ああ、これは気持ち良いんだ』とか『くすぐったいだけみたいだ』とか…。『女の部分』以外の羽入の気持ち良い所を手探りで探しているのだ。 「は…はっ…。けぇいちぃ…あっ!けぇいち!んっ!ふあぁ…っ」 「う…う!…くふっ…そんなにしたら…で、出ちまう…」 熱くなっていく羽入の体温に包まれて、強く扱かれ限界が近付く。でも…羽入が急に愛撫を止めて、俺にしがみついてくる。 「あ…は…我慢我慢ですよ…んっ!刺激に慣れないと…女の子を満足させる事が出来な、い…あっ!あうぅ!」 『待て』をされた俺は羽入の胸を吸い、舐め回してねだる。そう、羽入のピンピンに硬くなった乳首を赤ん坊みたいに吸って…甘噛みしてさ。 「あうぅ!そ、そんな赤ちゃんみたいに吸っちゃ…あんっ!ひうぅ!」 そう言いながら俺の頭を抱き締めて、秘部を太股に擦り付けてくるんだ…。これって、俺が羽入を『堪らなく』させているって事だよな?そう考えると嬉しくて、俺は羽入の胸をねぶり回し続ける。 「んっ!んあ!あ…んっ!あ、あうぅ~っ!」 髪を振り乱して喘ぐ羽入は俺を更に興奮させるんだ…。汗でしっとりした身体で抱き付いて、俺の稚拙な愛撫に息を弾ませて、発情期の獣みたいに腰を擦り付ける姿を見たら…『もっとに乱して』みたくなる。 「は…あ…はっ…。け、けぇいち…僕…僕…切ないのです……」 羽入がトロンと蕩けたスケベな顔をして、俺の手を下腹部に誘導して要求する。つまり口に直接出しては言わないけど、ここら辺が頃合なのだろう。次に進めるタイミングが良く分からない俺をフォローしてくれているのだと思う。 「はふ…。あ…。あ…んんっ…。ここを…触って欲しいのです…」 俺は羽入の『土手』から、柔らかい割れ目に指を滑らせる。 「あ…あう…。ん…あ……あっ…」 優しく縦に擦ると羽入の表情が弛む。フニャって…ほら、犬の耳の裏を揉んでやると凄く気持ち良さそうな表情になるだろ?簡単に言うなら、そんな表情だ。 「はっ!…ああ…。んんっ!んう…っ」 擦りながら、たまに軽く押すとビクッて身体が跳ねる。そして表情が更に弛んで 『蕩けちゃうのです…』 と顔に出てしまう。秘部を愛液でずぶ濡れにし、ヒクヒクと痙攣させて…。 「け、けぇいちぃ…あうっあうぅっ…意地悪したら嫌なのれす」 指を滑らせる速度を、速めたり遅くしたりして変化を付けてみると、終いには自分から腰を動かして指に擦り付ける様になる。ああ…そっか。『コレ』良いんだ。じゃあ『コッチ』は? 「あうぅ~…い、良いのれふぅ…。はっ…もう少し強くし、て…ほしっ…あんっ!」 空いている片手でクリトリスを転がす。人差し指の腹でクリクリってしてやるんだ。すると羽入が気持ち良さそうな甘い声で啼き、息も絶え絶えになって目を潤ませる。 「はあはあ…あっう!んっ!うぅ…はあぁ…」 羽入が微かに目と唇を開けて、頬を上気させ布団を握り締める姿は堪らなかった。 身体の力なんて抜け切っていて、足を大きく広げて…いやらしい格好だぜ。それにしても女の子を悦ばせるのって楽しいんだな。だから、もっともっと悦ばせ方を知りたくて羽入に聞いてみるんだ。 「羽入。次は何しようか?羽入がされたい事…あったら俺、頑張ってみるよ」 「あ、あふ…けぇいちのお口で舐めて貰いたいの…れすぅ。んうぅ、僕の…僕の大事な所をペロペロチュウチュウして、あうっ…気持ち良くして欲しいのれすよ…はあはあっ」 『女の子は舐めて貰うと凄く気持ち良いのですよ』 そう付け加えて教えてくれた後、自分の手で秘部を拡げて、真っ赤に充血しトロトロに濡れそぼった秘部を俺に見せつける。甘酸っぱい『牝の匂い』を漂わせて…。 「じゃ、じゃあ…舐める…ぞ?良いんだな?本当にするぞ?」 はは…聞くだけ無駄だよな?正直、俺は羽入の発する『牝の匂い』に吸い寄せられてるんだ。あと好奇心だよ。『どんな味がするんだろう?』とか『直接嗅いでみたい』とか…。 だから、羽入が 『やっぱり駄目なのです』 とか言っても…多分、してしまうだろう。期待を裏切られるのが嫌だから、ちっぽけな理性が予防線を張ろうとしている。 まだ今なら駄目だと言われても諦めが付くし、違う事を試せる。でも…だ、無理矢理してしまったら羽入は怒るだろう。そうしたら、もう羽入と触れ合う機会が無くなるかも知れない。羽入との仲は大切にしたいから、だから予防線のつもりで聞いたのだ。 「くすくす…良いのですよ。圭一に舐めて貰いたいのです。あうあう…………あう?もしかして緊張しているのですか?」 了解を貰って、俺は顔を羽入の下腹部に近付ける。でも、なかなか…その…舐める事が出来ない。いやしたいんだけど緊張して、鼻先までしか近付ける事が出来ないんだ。 「ま、まあ…うん。舐めるのとか初めてだからさ…ははっ。何だか恥ずかしいと言うか、勿体ないと言うか…凄い緊張するよ」 嘘は付きたく無いし、手解きして貰う側だから俺は羽入に正直な答を返す。すると羽入が身体を起こして、俺に抱き付いて口を開く。 「圭一は可愛いのです。あうあう、じゃあ…僕と一緒にしてみますか?」 「え…一緒に?」 一瞬、何を言っているのか分からなかった。でも羽入が続けて言うんだ。 「僕と圭一の気持ち良い所を、一緒に舐め合ったら恥かしくないのですよ?僕も圭一と気持ち良くなりたいのです」 子供をあやす母親みたいに優しい声で助け船を出してくれる。俺は嬉しくなる。 羽入の優しさ、そして『待て』が終わった事に。また、あの気持ち良い事をして貰えるんだと分かってさ。 「まずは、ふふっ…脱がせて欲しいのです」 そう言いながら、俺のTシャツと下着を脱がせる。慌てて、俺も羽入の長襦袢の帯に手を掛ける。手が震えてなかなか帯を解く事が出来ないでいると手伝ってくれるんだ…。 そして何とか帯を解き、俺は長襦袢を肩から滑り落とす。本当の意味で初めて見た羽入の一糸纏わぬ姿は…雪みたいに白くて綺麗だった。昨日も綺麗だったけど、今日は更に…。 「横向きに寝て欲しいのです」 そう言われ、羽入に寝かされる。横向きになった俺の目の前には羽入が足を横に崩して座っていてさ…少し間を置いて、顔を俺の足の方に向け、同じ様に横向きに寝転がるんだ。 「んっ!…ふ…うぅ…あ…ああ…」 羽入の指が息子に触れて…その後、ゆっくり暖かい口内に飲まれていく。昨日と違って、焦らす様に徐々に…でも昨日と同じ様に甘く吸い付き、舌を亀頭に絡ませながら…。 「くちゅっ…くちゅっ…ちゅっ…。ちゅぷっ…ぷ」 羽入が足を開いて誘ってくる。俺は彼女の甘酸っぱい匂いに引寄せられ、顔を近付ける。そして目の前で切なそうにヒクつく『羽入』に恐る恐る舌を這わせてみる。 「ん…ふっ…。ふぁ…ちゅぷ…ちゅぷっ…じゅるっ」 不思議な味だった…。それは味が無いんだ…でも羽入の体臭と同じ甘い匂いはするんだ…そして俺を酔わせる『牝の匂い』も…。エロ本なんかで『美味しい』とか言っていたけど違うじゃねぇかよ。 「は…ん…くちゅっ…んうぅっ…。あ、あむぅ…は…ぷっ…ちゅぽっちゅぽっ」 けど…嫌いじゃない…むしろ好きかも知れない…この羽入の味は。唾液まみれのヌラヌラした舌に亀頭を舐め回されながら、俺は秘部を舐める。彼女がしてくれている様に、舌先で割れ目に沿って上下に這わせる。 「んっ!んふぅっ…ふ…あぁ。…ちゅっぱ!ちゅばっちゅばっ!ちゅっ!」 小刻みに吸われ、舌で弾かれる。ピンッ!ピンッ!てさ…。皮を全部剥かれて指を添えて根元で固定し『口だけ』で愛撫される。プルプルな唇が引っ掛かって、凄く気持ち良くて…それこそ性交と同じ位に。だから俺も返してやるんだ。 「はっ…はっ!っあ!?あうあうあううぅぅ~っ!!」 指で秘部を拡げて、クリトリスを吸ってみたんだ…思い切りさ。舌に力を入れて弾き、又、ねっとりと唾液を絡ませて舐めあげると…とうとう『乱れた』んだ。 「んあぁっっ!あふぅっ!!あ、あうあうっっ!!けぇいちぃっ!す、凄く気持ち良いのれすぅっ!!あっ!!もっと!もっと吸って…吸ってぇっ☆」 サカリのついた羽入におねだりされ、俺は背中にゾクゾクとした震えを感じた。初めて羽入を本気で感じさせているんだって分かってさ…その証拠に腰を俺の顔に押し付けて甘えてくるんだ。 「あふぅ♪ちゅぶっ!ぷぶっ!んうぅっ!はぷ…ちゅばっ!ちゅばっ!」 俺のしたい様にさせていたら、切なくて疼いて堪らなかった…手解きをすると言った手前、我慢していたのだろう。 だから仕方無く自分で秘部を擦り付けて耐えていた…でも今は気持ち良くて…嬉しそうに腰を振ってはしたない音を発てながら、息子を愛しそうにしゃぶり回している。 頬や上顎に亀頭を押し付けザラザラな舌の表面で擦られ、唇を引っ掛けながら敏感な部分をヌルンヌルンと出し入れ…そんな激しく愛撫されたら腰が砕けてしまう。 「は、羽入っ!あくっ…す、すげぇっ!!はっ!はっ!」 互いに顔を下腹部に埋めて激しく愛撫し合い、腰をガクガク震わせて…強烈な快感に身体が支配されて更に求め合う。片手で尻を揉みながら羽入の膣に指を挿入して小刻みに掻き、クリトリスを転がし続ける。 そして羽入は息子の皮が戻らない様に手で根元を持って亀頭の裏を舐め回す、スッポンみたいに吸い付いてベロベロと大胆に口内で溶かされる。 「んぶっ!はっ!じゅっぷ!じゅっぷ!じゅっぷ!ふうぅんんっ!!」 俺は羽入に伸し掛かられ、主導権を握られてしまう。両手の親指と人差し指で息子の根元を持って、残りの六指がタマを揉むんだ。ウネウネと指で揉み揉み…って、 射精を促す様にさ。 「う…!ふっ…!くっうぅ!はっ!」 さっきから、腹に力を入れて耐えてはいる。と言っても、こんな事されたら限界が近付いてしまう。こうなったら最後、あとは楽になりたくて力を抜くだけ…牡の本能だ。 「ふ…!…はあ…はあ……っ!?」 「は…駄目です。んうぅ…もっと我慢しないと…くちゅ…いつまで経っても慣れないのですよ…ぴちゃ…」 でも、そんな俺の考えは羽入には御見通しの様で…息子の根元を締められて、控え目に舐められるんだ。込み上げてきている欲求を無理矢理抑えさせられた俺は仕方無く、彼女の秘部への愛撫を再開する。 「あんっ!あうぅっっ!じ、上手になってきたのですぅうっ…ううっ!あっ!あっ…らめれすぅ…そ、それ…蕩けちゃうぅっ!」 熱を帯びてジンジン疼く息子の為に、俺は愛液で口の周りをベタベタにさせながら、必死に羽入に奉仕する。絶え間なく舌の表面で割れ目に沿って擦る。縦に横に…時に突いて。。 そしてとうとう見つけた、羽入の『弱い所』を。そこをねちねち…ずっと攻めると…グイグイと腰を押し付けて、サカってくる。…膣に舌を挿入してみたら凄く良いらしい。 「んうぅっ♪あはぁっ!ああっっ!はっ!はっ!はっ!」 舌を目一杯挿入し、力を入れて小刻みに何回も突く。舌先で感じる『羽入』の狭さ、熱さ…そして味。鼻面に当たる柔らかい秘部の感触と愛液、それらに俺は酔う。 「あうあうっっ!!やっ…あっっ!!あ、あふっっ!!」 羽入を『良くさせる』コツが分かり始めた俺は、続いてクリトリスを指で摘む。多分こうしたらもっともっと啼かせられるから…。 間近で『羽入の女の子』を見て分かったのは、クリトリスって息子と『同じ様なモノ』だって事だった。少しだけ皮が被っていて…でも自己主張しているんだよ…。息子でいう所の亀頭と同じ。そりゃあ気持ち良いよな? 「あうぅっ…!ら、ららめなのれすようぅ…!もっと優しくぅ…あっっ!!」 舌先で膣内を蹂躙し、クリトリスをねちねちと愛撫。 そんな快感から逃れようとする羽入の尻を片手で押さえて、素早く舌を出し入れし、人差し指と親指の腹でこね繰り回すんだよ。『駄目』とか『優しく』とか言われても止められない。 こんなに乱れた姿を見たら、堪らなくなってしまう。けど羽入が俺からの拘束を抜け出して顔を向き合わせ、頬を重ね合わせて呟く。 「はあはあぁ…駄目ですよ圭一…。ん、焦らなくても僕が教えてあげるのです。…まだ背伸びしなくても良いのです」 上気した顔で息も絶え絶えになった羽入が優しく俺を諭す。彼女が言わんとしている事は、つまり『やり過ぎ』と言う事だろう。 「…でも圭一は頑張ったから御褒美をあげるのです……んっう…」 「あ、ああぁ…はにゅ…う」 そして、腰を浮かせた羽入が俺の息子に手を添えて…膣内に導いてくれる。 「んっう…。はあぁ…大きいの、ですぅ…ふっ…」 俺の胸板に手をついて、甘い声を洩らしながら羽入が身体を倒す。 「んふ…圭一のおちんちん、大きいから…っ…ちょっとだけ苦しいのです」 蕩けた微笑みを浮かべた彼女が、俺の頭の横に手を動かして身体を支える。やっぱり凄いコレ…。ただ膣内に入っているだけ…羽入は動いてすらいないのに…息子が強い刺激を受けてヒクつく。 「羽入ぅ…。はあぁ…っ。あ、暖かい…気持ち良いよ…」 俺は羽入の背中に手を回して抱き締める。暖かい羽入の体温と絡み付く愛液、そして熱く受け入れてくれる柔らかい膣の感触が心地良い。 「圭一も熱くて…硬くて逞しいのです。じゃあ…今から、本当の『営み』の仕方を教えてあげるのです…んっ…。あ…ふっうぅ…」 羽入が緩慢な動きで腰を前後させ始める。息子を刺激に慣らすかの様に徐々に速く、そして遅くして、時折腰を捻って膣肉で絞られる。 「うあっ…くっ…ふ。は…!う…」 「んぅっ…どうです?けぇいち…良いですか?こ、これだけでも気持ち良いですか…。あっ…う…。ぼ、僕の奥にぃ…あっ…当たってる…の…分かりますですか?」 「わ、分かる…コ、コリコリしてて…くぁっ!す、吸われる…す、すげぇ…」 『奥』が何なのかは良く分からない…多分だけど子宮口…かな?俺の知っている限りでは、それ位しか思いつかない。凄いんだ…コリコリとした感触、弾力があってヒクヒクって…亀頭に優しく口付けされた時に似たゾクゾクした快感に俺は虜にされる。 「ふ…う。こうやって始めは優しく優しく…んうっ、蕩けさせてあげて欲しいのです。例えば、こんな『やり方』もあるの…はっ…ですよ…あうっ…」 続いて教えて貰ったのは、グリグリと円を描く様に腰を動かして、膣の奥に擦り付ける動き…。身体を起こした羽入が軸にして動く。息子全体に絡み付く膣壁が擦れ、柔肉で揉まれるんだよ。そして狭い膣の中で撫でられて、熱で溶かされる。 「んうぅ…んっ♪は…あ…あっ。こ、こうですよ…は…。おちんちんの先で女の子の…くふっ…お、奥をクリクリってぇ…ひうぅ…するのですぅ…。 け、圭一も同じ様に動いて欲しいのですよ…」 羽入が俺の手を握って、そう促す。俺は今にも達してしまいそうな快感に耐えながら、羽入とは逆回転で膣内を掻き回す。 「こ、こうかよ?く…も、もっと速くした方が良いか?はあはあ…」 クチュクチュと結合部から発せられる水音と、羽入の微かな喘ぎに俺は更に欲情する。ふにゃりと蕩けていく羽入の顔や、俺の動きに反応して身体を震わせる姿が見れて嬉しくてさ。 「こ、のまま…あっ…このままあと少し続けてくださ…い。んあ…あ…上手…ですよ」 羽入の腰を持って息子で掻き回しながら、火傷しそうな熱さを伝えてくる柔らかい膣肉の感触を堪能する。段々と我慢が出来なくなって…突き上げたいという衝動に駆られる。 「は、にゅ…う。ふ…お、俺もっと気持ち良くなり…は…たい!なっ、良いだろ?もう我慢出来ねぇ…」 艶めかしい微笑みを浮かべた羽入が微かに頷いて、腰を打ち付け始める…。快感を得て息子がジンジンと疼く。そう、腰砕けになりそうな気持ち良さが俺を支配する。 「はっ…はっ…っん!あっ…。あっ!」 羽入が腰を打ち付けると、膣壁に擦られ絡めとられ…熱い柔肉の中で溶される。膣内の波打ったヒダに亀頭から根元まで締められて揉まれるんだ。分かるか?ウネウネってさ…隙間無くピッタリ吸い付いて揉まれるんだよ。 「ふっ!く…あ!すげぇ気持ち良いっ…。うおっ!」 羽入が抽出する速度を速め始めると、控え目だった水音が激しくなり、身体同士がぶつかる音と合わさって部屋に響く。それに比例して、羽入の喘ぐ声も大きくなっていく。 「んあっ!あうっ…あっ!!あはぁっ!」 俺の腹の上に手をついて、足を大きく広げて息子に貫かれて啼いていた。切なそうだった声が悦びに満ちたものに変わる。その艶っぽい姿を見ていたくて俺は射精感に耐える。 「んっ!んっ!んはぁっ!ど、どうです?これ、がっ!あひっ!本当の男女の営みな、のですよぅ!」 羽入が根元まで息子を飲み込んで前後に腰を揺すぶりながら、甘えた声で問い掛けてくる。俺は大きく頷く事しか出来ない。息子に加わる刺激で達するのを耐えるのに必死だから…。それでも『昨夜』よりは善戦…と言っても羽入任せだけど…うん。頑張っていると思う。 「はあはあっ…!じ、じゃあ…けぇいちをもっと気持ち良くさせてあげるのですよ…ふっ…んんっ!」 『圭一には、まだ刺激が強すぎるかも知れないのです…だから』 羽入がそう言って、息子の根元を指で締めて射精出来ない様にしながら、腰を浮かせる。 一方、今以上に『気持ち良い事』と聞いて俺は期待に胸を躍らせる。息子に更に血が通い硬く張り詰めていくのが分かる。 「ふふっ…いきますですよ…。…んふぅ♪あ…」 「っあ!!」 再び羽入が腰をゆっくり沈めると俺の身体が強烈な快感でビクッと跳ねる。今までより…強く膣肉で締付けられ、吸い付かれて絞られているんだ。敏感な亀頭を隙間無くギチギチに包み込まれて…る。 「くっうっっ!!はっ!!は、はにゅうぅ!や、やめっ!」 我慢出来ない快感…今にも達してしまいそうな、強烈な刺激に意識が遠のきそうになる。追い討ちをかける様な、羽入の上下前後左右に振る情熱的な腰使いが堪らない。 「あっ!!か、硬くて凄くっぅっ!良いのです!あふぅ♪お、女の子は『こんな事』も出来るので、すよ!!あひぃっ!あっあっああっっ!!」 熱に浮かされて一心不乱に腰を振る羽入に我慢出来なくなり、俺は下から思いきり突き上げる。彼女がそれに合わせて腰を捻り、膣奥に亀頭を押し付ける。 「っ!ふっあっっ!!おちんちんがぁっっ!ガンガン当たっ、て…るのれすっ!ひあぁっ!!あうぅあうっ!!!あんっ!!」 下から突き上げて羽入の膣奥に亀頭を叩き込む。そのコリコリした感触に俺は達してしまいそうになる。一突きする度に、キツく絞られている息子が食いちぎられそうな程、キュウキュウに締め付けられる。 「あうっっ!!ら、らめれすっ!!けぇ、けぇいちぃっ!激し、すぎ…あんっ!!!ぼ、僕、壊れちゃいます!!はっ!あっは…んあっ!!!」 俺の腰の上で羽入が身体をのけ反らせ、嫌々する様に首を左右に振り、悲鳴にも似た声で甘く啼く。 「くっうぅ!羽入っ!羽入っ!!」 そんな彼女の喘ぎ、仕草に俺の動きは更に激しくなる。腰がバカになって止まらないんだ。羽入に押さえ込まれている欲望の捌口を求めて…突く。 「んあっ!!はっ!!あっあっ!あっ!!!…あんんっ!んむぅっ!!」 羽入の身体を抱き寄せ、尻を掴んで本能に身を任せて乱打する。腰砕けになりそうな羽入の膣肉を抉る様に激しく…。 髪を振り乱して喘ぐ彼女の柔らかい唇を無理矢理こじ開けて、舌を侵入させ蹂躙する。それを嬉しそうに舌で絡め取り、唾液を含ませてくる羽入の淫らな姿に興奮する。 「んっ…ふぁっ!あ、あふ…くちゅっ!ちゅぱっ!んんっ!!…ふ……!ああっ!!!」 「くふっ!うっ!」 羽入が身体を捩らせる。そして息子を締めていた指が不意に外され、頭の後ろに腕を回された。それをきっかけに既に限界だった俺は羽入の膣内に欲望を吐き出す。 「はあ…!はっ…!んんっ…んあ…。あう…あう」 息子が脈動する度に羽入の身体が震える。そして俺の身体も…。互いの汗ばんだ身体を抱き合い、撫で、口付けしながら溶け合う。 俺はブルッと大きく身体を震わせて精液を彼女の膣内に注ぐ。敏感になった息子が締められ揉まれる感覚。この自慰では味わえない快感を少しでも長く感じていたくて、羽入の尻を鷲掴みして、前後に揺らす。 「くっうっぅ…!はぁ…はぁ…!」 背筋がゾクゾクする惚けてしまいそうな刺激を堪能していると羽入が腰を捻る。グリグリって…あの動きをさ。 「あうあう…。けぇいちがビクンビクンしているのです。ふふ………」 痛みにも似た強い刺激を受けて、俺は口をパクパクと動かし、酸素を求めて喘ぐ。すると羽入が耳元に顔を埋めて囁くんだ。 『このまま…もう一回してみますか?』 ってな…。 俺は熱に浮かされたまま微かに頷く。……また羽入の『手解き』が始まる。 …俺の顔に羽入の蕩けきった顔が近付いてくる。甘い甘い『発情した女の匂い』を漂わせながら…。 - 後篇に続く
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/102.html
それは、存在しない世界。 或いは、存在しても書き留められる事のなかった世界。 それは穏やかで、ルールは閉じ込めれていて、だから何も起こらなくて、誰も涙を流さない世界。 「悟史君、ホワイトデーって知ってますか?」 「何だいそれ」 「何年か前から出来たらしいですよ、バレンタインデーの対になる日」 「対…?」 「バレンタインデーに女の子がチョコをあげるでしょう?そのお返しを一ヵ月後の3月14日に男の子があげるんです」 「へぇ、じゃあ僕が詩音に何かあげるんだね」 「そうなんです。期待してますよー?」 「ええっ! そ、そうだなあ…むぅ…」 本気にして眉を顰める悟史君が愛おしい。 「うそうそ、あんまり気負わないでください。一緒にいられるだけで嬉しいんですから」 「むぅ…」 先月のバレンタインデーに私は悟史君に輸入物のチョコレートをあげた。 私のお小遣いはそんなに多くはないから、6粒入りのそれでも大奮発だった。 「あのチョコ、美味しかったですか?」 「美味しかったよ!中がとろーっとしてた…」 幾つかは沙都子の口に入ったのかなと苦々しい邪推をしたが、その無邪気に細められた目を見ていると 悟史君が私のプレゼントに喜んでくれた事を純粋に喜ぶ余裕が生まれてきた。 悟史君の唇が好きだ。ピンク色で女の子みたいにぷるんとしていて、笑うとぴんと張る。 「詩音は何がほしい?」 一瞬思いを巡らす。 可愛い人形? ふわふわのぬいぐるみ? ちらちら光るアクセサリー? 抱えきれない程の花束? 「だーから、何にもいらないんです。悟史君と一緒にいられれば良いんです。」 私には予感があった。いや、記憶と言った方が正しいかも知れない。 悟史君が私に笑いかけてくれなくなる記憶。私の頭を撫でてくれなくなる記憶。 だからその言葉は真実だった。 悟史君は、むぅ、と呟いてまた喫茶店の大きな窓の外に目をやる。 「お姉だけですって、そんなのお願いするの」 『そっかなー? 普通なんじゃないの、若い二人だったら…」』 電話の向こうのお姉はうひゃひゃひゃと少し下品に笑った。わざと。 『でもさ、何かくれっつったって欲しいモノってそれ以外ないんだよねー』 溜息を吐きながら圭ちゃんを少しだけ不憫に思う。 「お姉はガンガン押せるタイプじゃないと思ってましたが」 『そりゃ園崎家次期頭首、此処一番には押さなきゃねえ』 この年頃の女の子のお喋りは取り留めなく続く。殊それが恋人の事ともなれば尚更だ。 『ま、とにかく詩音も私みたいに押してみるこったねー!」』 「はいはい、参考にさせていただきます」 いつものように挨拶して受話器を置く。 葛西が用意してくれた食事をつつきながらも悟史君にどう言おうか悩んでいた。 気のない様子で切ったハンバーグを転がす私を葛西が心配そうに覗き込んでいる。 私の不安を消す方法。叔母の所に厄介になっている悟史君の負担にならない私へのプレゼント。 「一緒にいるだけ」と呟いてみる。限りなく正答に近い回答だと確信する。 ご飯をよそっていた葛西が怪訝そうに私の方を振り返るので、私はにっこり笑って、 このハンバーグ美味しい! と言ってあげる。 「私ね、悟史君がいいです」 「…ふぇ?」 「だから、ホワイトデー。悟史君がいい」 悟史君の目はよくわからないと言っている。これ以上直接的に言いたくない。 「あと一週間しかないでしょう? 私からのリクエストです。」 「う…うん…」 悟史君のシャツの袖を軽くつまんで、少しだけ手を触れさせる。 色とりどりのショーウィンドウを眺めるふりをして、私は鏡越しの悟史君の顔を見る。 ぽんやりと視線の定まらない顔。半歩後ろを歩く私から見える悟史君の耳は赤かった。 その赤さがたまらなく愛おしくて、指先を悟史君の手の平に回してみる。 包んでくれた悟史君の手はとても温かかった。 「じゃあ、また」 「はい」 悟史君の自転車のブレーキが軋んだ。 「次はいつかな」 「一週間後に」 「…むぅ、遠いなあ」 「私も早く会いたいです」 「……むぅ。僕も。」 「きっと一週間なんてすぐですよ。じゃあ」 「詩音、またね。」 自転車に腰を入れてこぎ始める悟史君を見送る。 夕日が照って悟史君のシャツを染めていた。 悟史君が毎日雛見沢に帰らなくて済むようになればいいのに。 そうしたら夕暮れが大好きになるのに。
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/403.html
北条悟史と園崎姉妹の関係は、始まる前から歪んでいた。 悟史と魅音の間に陰りを生み出した、ダム戦争における園崎家と北条家の確執と、公に存在を認められていない詩音が悟史との面会を重ねるには、魅音として振舞うしかなかった、双子を忌まわしきものとする園崎の因習と。 様々な理由はあったにしろ、魅音と詩音の姉妹はあくまで『魅音』として、同じ人間として悟史と関わり続けていた。 ほんの少し安らげる空間を用意してくれていた、遠慮がちに自分たちを見つめる教室の『魅音』と、野球チームで叱咤してくれていた、屈託なく接してくる興宮の『魅音』――『詩音』。 一歩引いて自分たち兄妹と接していた『魅音』が自分に心を開いてくれている嬉しさ、純粋に『詩音』の気遣いをありがたく思う喜び。二種類の感情が複雑に絡み合い、悟史にとって今や二人とそれに対する感情は、全く別の存在だと頭で理解していても尚、切り離せないものになってしまっていた。 悟史にとって彼女たち姉妹は、二人で一つだった。 だからといって――こんな事態になるなんて、誰ひとり予想していなかった。 「っ……み、魅音……し、おん、さん……っ!」 悟史が表情を歪め、苦しげな声を漏らす。 椅子に座った彼の足元にひざまずく、上気した頬も妖艶な詩音の唇が彼の先端を咥え、吸い上げ、その隣で困惑と羞恥で頬を赤らめる魅音、唾液と先走りの滴る肉棒を懸命にねぶる。 「くすくす……きもち、いい、ですか? 悟史くん……」 詩音の舌先が速度や緩急を変え、時には先っぽを柔らかくくすぐりながら、悟史のものを這う。 「し、詩音さんっ……」 瓜二つな顔をした姉妹たちの奉仕、特に詩音の巧妙な技によって、悟史のものがどんどん固く熱を持っていく。 「み、魅音……そ、そろそろ……」 悟史の手がポニーテールを結わえた頭に触れ、魅音がぴくりと肩を小さく震わせた。 「さとし……」 彼を見あげるのは、理性など消し飛んだようなとろんとした眼。それでも彼女は不安そうに傍らにいる双子の片割れをちらりと見やる。 「大丈夫ですよ。お姉がちゃーんとイクまで、待っててあげますから」 「へ、変な言い方しないでよぅ……」 余裕をもった笑みで応える詩音に不平を零しながら、既に敷かれている布団の上で、魅音は悟史と向かい合う。 悟史の両手が、魅音のすらりとした太腿を掴む。その中心は既に濡れてひくひくと震えていた。 「じゃあ、いくね……?」 その入口に押し当てられた悟史のものが、ちゅくっ、と音を立てながら、魅音の中にゆっくりと飲み込まれていく。 「んぅ……」 ぎゅっと眉根を寄せて両手で口を塞いで、魅音は必死に恥ずかしい声を押し殺す。 亀頭の部分が見えなくなったところで、悟史が動きを止めた。 「……あ」 小さな声を漏らし、魅音は徐に口を塞いでいた両手を離して、悟史へ戸惑った視線を向ける。 「さ、悟史……あの……な、なんで……っ」 「どうしたの? 魅音」 悟史はいつものように微笑んで軽く腰を揺する。悟史のものの先端が、魅音の柔らかく浅い部分に擦れてくちゅくちゅと粘着質な音を立てた。 その奥が物欲しそうにきゅうっと締まり、無数の襞が手招きするように蠢き始めるのがわかる。 「ど……どうしたの……って……それは……え……う、うぅ……」 最後の方はもう言葉にならず、魅音は全身を縮こませて肩を震わせた。 焦らされている体の熱を持て余す。早く最後まで入れて欲しいと叫びたい。そうでなければ、今にも自分から腰を振って悟史のものを咥えこんでしまいそうだ。だがそんな恥ずかしい事は出来るわけがない。 これ以上ないほど真っ赤な顔をして半泣きになる魅音の様子に、悟史はくすくすと笑い、 「意地悪してごめんね、魅音」 固くなったものを奥まで一気に押し込む。 「ひぁああぁっ!」 急な刺激に魅音は甲高い悲鳴を上げた。満足そうに微笑んで彼女の頭を撫でて、悟史は動き始める。 「っ……! ん……あ、あ……んんっ……」 硬く目を閉じて、魅音は声が上がるのを必死で我慢する。それでも悟史に揺さぶられる動きに合わせて、唇の端から甘ったるい小さな喘ぎ声がどうしても零れていく。 そんな遠慮がちな様子と裏腹に、異物を受け入れる魅音の中は蜜で溢れ、いやらしく音を立てて締めつける。 「魅音、だいじょうぶ? 辛くない?」 「へ、平気……悟史の、好きにして、いいよ」 いつもそうするように、悟史は魅音の頭を撫でる。ぴくっと引き攣るように締まった襞を擦り上げるように、悟史はそこを掻き回す。 「あ……あぁっ」 魅音が上半身を反らせる。腰を打ちつけて揺さぶる度に、ふるふると揺れる形のいい大きな胸に、悟史は手を這わせて揉みしだく。まだ柔らかな薄い桃色の先端を指で転がし、爪を立ててくすぐると、あっという間に反応して固くなった。 「ひぁっ! そ、そこはいや……いや、だめぇっ」 固く尖った胸の先端を唇で咥え、舌で転がし、強く吸い上げる。 「……あ! ん、ぁ……」 電気でも流されたように敏感に跳ねる魅音の体に合わせて、膣壁が収縮して悟史のものを刺激し、奥の方が先端に吸いついてくる。別個の生き物のようにうねって、代わる代わる波打つように絡みついてくる肉厚の襞が肉棒の全体を刺激してきて、実に気持ちがいい。 何度も何度も、抉り込むように魅音の中を突き上げる。 「っ、ふ……うぁ……あぁああぁっ!」 弱弱しい切羽詰まった嬌声を上げて、魅音は爪を立てないように気をつけながら悟史の体に縋りつく。普段の彼女を知る誰がこんな姿を想像するだろう。悟史もまた強く腰を打ちつけて、魅音の背中に両腕を回し、細い体を抱き寄せた。 抱きしめあった悟史と魅音の体が同時に震える。 まだ少し脈打つものを魅音の中から引き抜くと、やや遅れて真っ白い蜜のような液体がとろとろと溢れた。 布団に横たわった魅音は、薄く桃色に染まった白い肌に光る玉の汗を浮かべて、仰向けになっても形の崩れない豊かな胸と細い肩を揺らし、繰り返し熱い吐息を零す。 悟史は大きく息を吐き、あたりに散らばった魅音の長い髪を指で梳く。 んっ、と小さく身を捩る魅音の赤く染まった頬を見て、悟史はつい口を開いた。 「……気持ちよかった?」 答えの代わりに飛んできた枕を、悟史は顔面でキャッチする。その視線の先で、魅音がぷるぷる震えながら眦を吊り上げて睨みつけていた。全裸で。 「変なこと訊くなぁ! おじさん、悟史をそんな子に育てた覚えはないよ?」 「ごめんごめん。そんな変な意味じゃないよ、ないってば」 布団の上で子供みたいにじゃれあう二人の間に詩音が割り込んでくる、全裸で。 「ぶぅー。ちょっと。二人とも、私のこと忘れてません?」 ぷうっと頬を膨らませる詩音。その可愛らしい仕草と裏腹に、秘所は太腿まで滴らんばかりに濡れていた。 「お姉と悟史くんがあんまり盛り上がるから……私のことも、満足させて下さいね?」 すいっと細められた詩音の瞳が、誘うようにとろりと光る。 「むぅ……う、うん、頑張るよ」 こくんと小さく息を呑むと悟史は詩音の背後にまわって、再び熱を持ち始めた分身を詩音の秘所にあてがう。 「――……ッ!!」 少しずつ、少しずつ悟史が自分の中に沈んでいく感覚に詩音は身震いする。 ふと、妖しげな笑みを浮かべた魅音がその正面に回り込み、ぺたんと座りこんだ。 「どうしました? お姉……っ」 「いっつもいつも、悟史も詩音も私のこといじめるんだから……私だって責めるのっ」 「お姉が? ……攻める?」 二人に挟まれているこの状況も忘れて、詩音は思わず、ぷっ、と吹き出す。 「む~! 笑ってられるのも今のうちだからね!?」 それがいたく気に入らなかったようで、魅音はさっきの詩音とよく似た膨れっ面になった。 白い指を豊かな胸に触れさせ、細い指先でピンク色の先端を優しく摘む。 「……っ! く、ぁ……!?」 痺れるような刺激に詩音が声を上げる。 「ふふーん、詩音も、こうされるの好きなんだぁ……」 一度絶頂に飛ばされ、すっかり出来上がっているようで、魅音はうっとりと潤んだ眼で詩音の胸の先端を弄繰り回す。指先を円を描くように転がして、指で挟んでひねったり。 「えへへー……詩音、気持ちい? とっても顔が赤いよぅ?」 普段の部活を取り仕切る部長の顔をして、魅音が笑う。 「ちょ、お姉……ッ」 その度にきゅうきゅうと中が締まるらしく、時折悟史が快楽に顔を歪める。それでも、額に汗を浮かべて苦しげに息を荒げながらも、微笑む悟史には妙に余裕があった。 「あはは……珍しいね、詩音さんが、押されるの」 大人しそうな外見をしていても、雛見沢症候群L5を精神力でねじ伏せた男である。そう簡単に快楽には屈しない。 「な、何をっ……ぅあっ! あ、あうっ! あ、あぁー……ッ!」 いつも他人をからかう立場にいる詩音にとって、翻弄される立場に回されるのは実に面白くなかった。 だが、敏感な体の中や胸の突起を、弄られ、擦り上げられ、掻き回されて、否応がなしに体が快感に反応する。 魅音の指が詩音の豊かな胸を優しく揉み、撫でさすり、先端をなぶる。じゅくじゅくと音を立てて出し入れを繰り返す悟史が膣襞の一つ一つをめくり上げる。秘部の隙間から溢れた愛液と先走りが混ざり合ったものが太腿を伝い落ちて、空気にさらされて冷える感覚。 その全てが詩音の全身を奥底から焼き尽くす。 「ああ! も、もうっ……! あ、あぁあ……っ!」 四つん這いになった恥ずかしい格好のまま、詩音は腰を振り始める。振らずにはいられない。もっと、もっと悟史を感じたい。めちゃめちゃに掻き回されて快感を貪りたい。 蜜で満たされた壺を掻き回す水音に肉体がぶつかり合う音が混じる。 長い髪を乱して詩音が喘ぐ。 だらしなく開いた唇から舌先に銀色の縦糸がかかる。 間近で、真正面で、魅音が愉悦の表情を浮かべてそれを眺めていた。 「あは……ぁ、すごい……すごいよぉ、お姉ちゃん……お姉、ちゃぁん……」 まるで詩音に同調したかのように、魅音もまたいよいよ理性を失いはじめる。 「さ、悟史の……ね、おっきいのが……お姉ちゃんの中、ん、出たり入ったりして……え、えっちな音立ててぇ……っ、お姉ちゃんの体が、あ……ゆ、揺れてるの……ぁ……っあぁ……!」 目の前にいる詩音と悟史の痴態と自分自身が発する言葉に酔って、恍惚とした魅音の蕩けた甘い声が、毒薬みたいにやけに鼓膜に響き、思考ごと脳が痺れる。詩音は思わず身震いした。 「おねえ……あんた……ッ、あ……っく……!」 悟史の吐き出した白濁と、魅音自身の蜜で濡れたそこに、ぐりっと指を突き立てて、調子に乗った『妹』にお仕置きする。 この私を責めようなんて百年は早いのだと。 「ひぁあ……っ」 体を震わせて魅音が啼く。その困ったような表情と声が、火のつき始めた詩音の反抗心やら加虐心やらに油を注ぐ。 「はあ、はぁ……ッ……わ、私と悟史くんを見て、こんなにしちゃうなんて……全く、いやらしい子ですね、あんたは……!ふふ、さ……悟史くんも、こ、こんなに固くしちゃって……わ、わかりますよ……私の中で、びくびくしてるの……!」 次々と襲い来る快感に悶え、肩で息をしながらも詩音は反撃に出る。 たとえ大好きな人が相手でも、やられっぱなしなのは性に合わない。それは目の前にいる妹の役割だ。 同じ声、同じ顔、同じ身体をしていても、魅音と詩音――姉と妹の根本的な性質は全く異なっている。 姉のように、相手を翻弄して手玉に取って支配するような芸当は妹には出来ないし、また、相手の加虐心や征服欲をそそる、妹の虐め甲斐のある表情や仕草は姉には出せないものだ。 けれど、数年前のあの時を境に、二人を表す名、二人を取り巻く環境は変わってしまう。 妹は誰かに屈することは許されない存在に、姉は人の目から隠されるべき存在に――入れ替わってしまった。 それは秘密。もしかしたらみんな気づいているのかもしれない、だからこそ、口にしないことそのものに意義がある、口にしないことで成り立つ秘密。 「あ、お、お姉ちゃ……ん……ぁ、あ……」 「……ふふ、詩音……ッ!」 我を忘れて互いを感じ合う、鏡のように瓜二つの姉妹は、その生涯の秘密を他者――悟史の前でぶちまける。悟史の前でだけ、本来の姿に戻る。それこそが彼に対する服従の証であるかのように。 「魅音……魅音っ!」 詩音を責め立てながら、悟史が呼びかける。 悟史はどちらを呼んでいるのだろう。壊れるその寸前まで傍に寄り添い続けた魅音なのか、淡い偽りに包まれながらも穏やかな時を過ごした『魅音』なのか。 魅音と詩音の表情が切なげに揺れる。けれど、そんなことはどうでもいいのかもしれない。彼女たちは元々ミオンであり、シオンでもあるのだから。 いっそのこと自分が髪をポニーテールに結いあげて、この子に髪を下ろしてリボンを結ばせて、本来の姉妹としてプレイしてみようか。 ああ、それは面白いかもしれない。後で二人に提案してみよう。戯れに詩音は考える。 「ど、どうしたの……あ、お姉ちゃ……? ん、ぁ」 ぼうっと熱に浮かされた魅音の唇に軽く口づけをし、体を揺さぶられながらも詩音は気丈に微笑む。 「思いついたんです……ふふ、とっても、楽しい事を、ね……」 詩音は悟史以外の男に尽くすつもりはさらさら無いし、魅音も自分で恥じている弱虫で甘えたがりな一面を悟史以外の男には見せられない。 だから、詩音の奉仕を受け止めるのも、魅音を心ゆくままに責め立てるのも、北条悟史ただ一人だけに許された特権なのだ。 心にも体にも大きく違いを作ってしまったのに、生まれる前から共にいた姉妹は今もなお、二人で一人の存在であるかのように一人の人を想う。 もはや説明の必要もないほど詩音は悟史に狂っている、彼女自身も自覚している。 そして魅音もまた。好きになってはいけないと思いこもうとして、忘れようと必死になって、いっそ他の男を追いかけてみても。結局は悟史の手を振り切れない。 北条を差別する園崎の娘であるはずの魅音と共にあり続けた悟史。かつて詩音が凶行に及んだ際に叫んだ溢れんばかりの憎しみ、それでも彼はぎりぎりまで魅音を手元に置き続けてきた。そして二人の意志はあの6月を越えた絆を紡ぎだす。 それこそ、何回同じことがあろうとも、何百年同じことを繰り返そうとも。 愛情と憎悪にまみれ、愛着と執着が交差し、美しいだけじゃない、だからこそ複雑で強固な二人を結ぶ絆。 詩音は多少と言わずに嫉妬を感じた。 でも、それは悟史と魅音も同じこと、と彼女は気を取り直す。 例えば、初めて悟史と詩音が一緒にいる光景を目にした時の――そう、『悟史の隣にいたのは私なのに。沙都子以外で悟史が頭を撫でるのは私だけなのに』と、茫然自失となった魅音の顔が示すものとか。 飴玉一つ食べるにも自分のご機嫌を伺っていた幼いころと変わらない、この子の不安そうな媚びるような顔。それを初めて目の当たりにした時の悟史の、いけない秘密を知ったような、照れたような、びっくりした顔とか。 こっちだって、誰も知らない悟史と魅音の顔を知っているのだ。 「ああっ! あぁん! お姉ちゃ……お姉ちゃあんっ!」 わざと大きな音が立つように、詩音は魅音の中を掻き回す。長いポニーテールや大きな胸を揺らしながら、魅音は焦点の定まらない瞳で甘えた啼き声をあげる。魅音の痴態に悟史の分身が張り詰めていく。 指先に絡みつく魅音のぬかるんだ熱と、膣内を蹂躙する悟史のものに、詩音は否応がなしに昂ぶっていく己の全身を感じた。 悟史と『妹』――詩音がこの世で最も、そして唯一執着する男と女は、今もこれからもずっと、ずっと彼女だけのもの。 やがて三人は絶頂を目前に迎える。 狂っている、いや、狂わせられているのかもしれない。 溶け始めた思考の中、漠然と、唐突に詩音は思う。 それは本当に、本当に恐ろしいことだけど――思うのだ。 詩音が求めたままに彼女の想いを黙って受け入れ、魅音を赦し彼女の弱さを優しく包み込んだ悟史。 その穏やかな声、優しく頭を撫でる手が麻薬のように沁み渡り、姉妹の心を少しずつ溶かし、壊し、狂わせ――奪っていく。そうして姉妹は堕ちて行った。 それを悟史は分かっていてやっているのではないか。 愛情に見せかけた罠を張って、自分たちを苦しめてきた園崎家の娘たちを意のままにすることが、彼の復讐なのではないか、と。 だが次の瞬間にその思いつきは波に浚われていく。 詩音の人物評価は大抵当たらない。これもまた彼女自身も自覚している。それにたとえ罠だとしてそれが何だというのだろう。その程度のこと、彼と彼女らを引き離す要素には成り得ない。 取り返しがつかない程、互いに縛られきっている。それでいいと溺れている自分たちがいる。 だから、それは遥か高みに上り詰めると共に、あっけなく消えていった。 ――――― 体を洗って休め、服を整える頃には、雲の隙間から月が覗いていた。 もっと暗くならないうちに終わらせなきゃ、と事が済んでからいつも揃って云い合っている割には、それが実現したことはない。お若い事で。 魅音と詩音は園崎家の門に並んで、帰宅する悟史の背中を見送る。 「さて。お姉、じゃあ今夜は二人で楽しみましょうか」 ぽん、と詩音の手が魅音の肩に置かれた。 「ふ、ふぇ?」 魅音はびっくりして後ずさるが、軽く置かれているように感じるはずの双子の片割れの手は、まるで磁石のように離れない。 「悟史くんをより悦ばせられるように、私と『特訓』しましょうね? お・ね・え☆」 戸惑う魅音に、詩音はとびっきりの微笑みを見せた。 そしてまた秘密は増えていく。
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/280.html
見てはいけないものを見てしまったことがあるだろうか。 見てはいけない、すなわちタブーとされる物事を見てしまうということがその定義であるとするならば、私は今、その見てはいけないものを見てしまっているということである。 「お、や、じ・・・。」 「あ、圭一くんの、お父さん、かな、かなぁ・・・?」 私の目の前には二人の人影がある。 一人は私の愛すべき家族であり、一人息子の圭一。もう一人は、その女友達である竜宮礼奈ちゃんだ。 驚いたようにこちらを振り向き、完全に固まっている。 二人とも膝をつき、圭一の手は礼奈ちゃんの両肩に優しく置かれていた。 キス・シーン(はぁと おお、おおお、おおおおおおおっっっっつ! テレビと漫画以外で、初めて見たっ!! しかも、あどけなさが残る、自分の息子のキスシーンだぞッ! 私の心にズキュゥゥーン!とか、ドォーーーン!とかいう効果音が聞こえてきた。 もしこの場面を漫画的表現で表すと、私の背景にそんな文字が飛んでいるに違いない。 藍子に頼まれて、しぶしぶ差し入れに上がったところが、とーんでもないものを見つけてしまった、どーしよー。 と、何処かの警部さんみたいな台詞を吐いてしまったが、どうしたものか。 個人的には、このまま固まった二人の顔を見続けているのも一興なのだが、この年頃の少年たちは、恋愛事情に親が介入してくるのを極端に嫌う。 見ると、圭一の顔が真っ赤に染まり、目線が見る見るうちに釣り上がってきた。逆噴射5秒前といったところだろう。 しかし、甘いぞッ、息子よ! 私は圭一から「出てけぇーっ!」という声が飛び出すその前に、素早く駆け寄り、力強くその肩を叩いた。 無論、エンジェルモートで買ってきたチーズケーキと、セイロン紅茶が置かれているお盆は、足元に置いてある。 電光石火の動きを何事かと思い、仰天する二人の顔を横目に、私は目を閉じて首を振った。 そして次の瞬間!私は無言で目を見開くと、満面の笑みで右手の親指を『ビシッ!』と伸ばした。 ・・・・・・・・・。 数秒間の沈黙。 そして私は身を翻し、颯爽と息子の部屋を後にした。 クソ親父ぃぃぃぃぃぃ!! 息子の絶叫が家中に響いたのは、階段を下り終えた直後のことであった・・・。 「あら?圭一の声がしたけど?」 食卓に戻ると、妻の藍子が紅茶を入れ終えているところだった。 食べ終えて空になっていたデザートの皿は片付けられ、部屋にはセイロン紅茶の馨しい香りが漂っている。 「ん、あぁ。紅茶でもこぼしたんじゃあないか?」 私は笑みを浮かべて席に座った。 藍子の入れてくれた紅茶に口をつけると、先程の光景が思い返され、再び笑いがこみ上げる。 「どうしたの?そんなに笑って。」 「いや、それがね・・・。」 私は先程の顛末を面白可笑しく、多大な脚色を交えて話した。 息子に恋人が出来たと知った時、母親がどんな顔をするのか見てみたいという気分があったが、以外にも藍子の表情は変わらなかった。 「あら、知らなかったの?」 むしろ、私が二人の仲を知らなかったことが意外らしい。くすりと笑って、藍子は紅茶に口をつけた。 「最近、遊びに来るレナちゃんが、どんどん綺麗になっていっているのよ。恋する女の子って、雰囲気まで変わるものなのよ。」 「そうなのかぃ?」 「えぇ。それに、シャンプーもエメ○ンに変わったり、透けて見える制服の下着も、良い物になっていたしね。」 ミステリーマニア恐るべしといったところか、それにしてもよく見ているものだと、私は今更ながら妻の推理力に舌を巻いた。 「初恋、か・・・。私にもそういう時期があったわ・・・。」 藍子が遠い目をして窓の外を見る。窓の外には中天の太陽が赤々と輝いていた。 強い日差しが藍子の頬を照らす。 その時、私は今更ながら妻の美しさに心を奪われた。 圭一を産んで十数年。三十も半ばの藍子だが、その外観は、大学時代に比べても変化に乏しい。 ワンピース越しに見える肢体も、女性らしくメリハリがつき、オバサンなどとは到底呼べないだろう。 ・・・・・・・・・。 そういえば、ここに越してきてからは仕事で忙しく、ご無沙汰だったな・・・。 久々にもたげる男としての欲望。しかも、私はその欲望を高い形で昇華出来る、魔法のアイテムを手に入れているのだ。 それは、この雛見沢に越してきて見つけた理想郷へと至る崇高な品物。 そうか、使えというのか。 この私に、あのビックリ・ドッキリメカを!! 「そろそろ晩御飯の用意を」 藍子が席を立とうとするその瞬間、私はその手をしっかりと握り締めた。 「どうしたの・・・?」 「あ、うん。ちょっと、いいアイデアが浮かばなくてね。『打ち合わせ』しないか?」 我が家での『打ち合わせ』とは、無論腰の打ち合わせのことである。 藍子の顔が、真っ赤に染まる。 「え、うん、良いけど・・・。」 視線を逸らして答える。藍子も少し欲求不満だったらしい。 「今夜?」 「いや。」 そう言って、私は藍子の耳元に口を近づけて囁いた。 「今から。」 「え、でも、圭一も、レナちゃんもいるじゃな・・・」 文句を言う唇を自分の唇で塞ぐ。 「アトリエでするから大丈夫だよ。」 私のアトリエは防音加工してあるため、物音が響き渡ることはない。しかも、私たちはちょくちょくそこに篭るため、急に姿が見えなくなったとしても圭一が怪しむことはないだろう。 「それに、いいモノもあるから・・・。どうだ。」 藍子が戸惑いに視線を泳がせる。しかし、この顔をする時の彼女には既に答えが出ていることを、私は経験上知っていた。 「はい、あなた・・・。」 広い板張りのアトリエは、空調が効いているためか、夏だというのにむしろ寒々としていた。 私は仕事机の傍にある、大きな籐の安楽椅子に座り、腕を組んでいた。 私のアトリエはカンヅメ状態にも耐えることが出来るよう、一部屋にバス・トイレ・シャワーが付いている。 『打ち合わせ』は私の作品ジャンルにも影響する重大事項だ。 絵画だけでなく、同人世界にも生きているこの私にとって、新ジャンルの開拓は生命線の確保に等しい。 だが、作品を作る上において、リアリティを欠かす事はできない。 そのため、私は最愛のパートナーである藍子の体を張った『打ち合わせ』により、常に新ジャンルに挑戦しているのである! 看護婦・メイド・スチュワーデス・OL・仲居さん・・・。 食堂のおばちゃんから果ては電撃鬼娘まで、その挑戦は飽くことを知らない。 先にシャワーを浴びた私は、白いバスローブに身を包み、脱衣所で着替えているであろう藍子が来るのを心待ちにしていた。 もうすぐだ、もうすぐ、私に理想郷が訪れる・・・! 「で、できました・・・。」 恥ずかしそうな声で、藍子がドアの向こうから声をかける。 「ああ、入ってくれ。」 私は意識してぞんさいに答えを返す。 返答を聞いて、ドアがゆっくりと開かれる。 キタキタキタキター!! 濃紺の水着。いや、各所にフリルの着いた制服に身を包んだ藍子が、ドアの向こうに立っていた。 羞恥心のために顔を真っ赤に染め、もじもじと胸元を隠すように左手を持ってきている。 お盆に乗せられた残りのスイーツであるチョコレートパフェが、右手に支えられていた。 藍子が身を包んでいるのは、エンジェルモートの制服である。 通い倒して数ヶ月。 店長の園崎氏を口説き落とし、破格の値で購入したこの最終兵器! 想像通り、いや、想像以上の破壊力である。 ドレスと水着の核融合。人類の辿り着いたエロスとフェティズムの境地。 誰もが「お~持ち帰りぃ~☆」を夢見てやまないこの制服を、私はッ!私はアァッ!! 「あ、あの・・・あなた・・・?」 すっかり陶酔しきっていた私に、藍子の声が当惑した様子で声をかけた。いかん、いかん。 私は正気に戻って藍子の姿を見た。 成熟した大人の女性しか似合わない制服のはずだが、藍子の大きな胸のせいか、胸元がきつく見える。 下手に肉が付いていると途端に魅力を失うビキニラインもしっかりと整い、フリルが可愛く揺れていた。 「うん、綺麗だよ、藍子。」 正直にほめると、藍子は顔を伏せて恥ずかしがった。 「でも、ここでは『あなた』じゃない。ここはお店なんだ。『お客様』じゃないとね。」 「はい、お客様・・・。」 この『お客様』というのが重要なところだ。 メイドならば『ご主人様』・『旦那様』。女生徒ならば『先生』と、そのジョブに合わせた呼び方をしなければ魅力が薄れるというものだ。 「じゃあ、ウェイトレスさん。そのパフェをもらおうか。」 「はい。どうぞ、お客様。」 藍子が私の前にひざまづき、パフェをスプーンで掬う。 おずおずと差し出したパフェを、私は口に含んだ。さすがはエンジェルモート、味にも手抜かりはない。 二・三度同じことを繰り返すと、私はスプーンを優しく藍子の手から奪った。 「お客様?」 「ウェイトレスさん。これじゃ冷たい。口移しで食べさせてくれないかな?」 一瞬、藍子は驚いたようだが、この要求が意味することを察してか首を縦に振った。 茶色のパフェを一口含み、唇を私に近づける。 「んん・・・。」 唇が触れ合って、冷たい感触が広がった。藍子が舌で押し出すパフェを受け取り、飲み込む。 私は全て注挿された後も、藍子の口腔へ向けて強く口を吸い、舌を伸ばした。 「ふ、う・・・っ。」 藍子の舌が絡まり、私のそれと絡み合った。お互いを求めて強く引かれ合い、口腔内で踊り狂う。 「・・・ウェイトレスさん。」 私は藍子の顔を離して指を下に差した。見ると、茶色のパフェの一部が、バスローブの股間の位置に落ちている。 「綺麗にしてくれないか?」 「はい・・・。」 藍子の手が股間に触れる。私の分身は既にいきり立ち、ローブの中で自己主張していた。 お絞りで茶色の液体を拭き取ろうとすると、自然に硬くなったその部分に当たる。 強すぎないよう、藍子が慎重に周りをぬぐっているのがもどかしい。 生殺しのようなその感覚に耐えられず、私は藍子の耳元に囁いた。 「今度は、口でしてくれないか?」 藍子は上目遣いで私を見ると、上唇をそっと、舌で舐めた。 瞳には淫らな光が宿り、欲望の火が体に灯ったことを、私に告げていた。 ローブの前がはだかれ、分身が晒される。その分身に藍子は口付けし、うやうやしく口に含んだ。 「うっ・・・。」 瞬時に駆け抜ける射精への欲望。 性感帯を知り尽くした藍子の動きに、私は翻弄されていた。 口で含むだけでなく、手でもてあそび、舌を入れ、歯で甘噛みをする。 貞淑な妻が淫乱なメス犬に変わるこの瞬間が、男としての征服欲をそそるのだ。 私は藍子の頭を両手で押さえつけ股間に固定すると、その顔を撫で回した。 愛撫に興奮しているのか、藍子は驚くことなく行為に集中し、更に口の動きを強めた。 「くおおぉぉぉっ!」 敏感な部分を舌でもてあそばれ、私は限界を迎えようとしていた。 自ら腰を動かし、最後の瞬間まで導く。 「出、出るっ!出るぞっ!!」 先端から出る欲望の液体が、藍子の口腔を犯した。凄まじい勢いに、藍子がむせる。 しかし、藍子は顔を引くことなく、私の全てを飲み干した。押さえきれなかった残滓が糸を引いて、唇から流れる。 手を離しても藍子は分身から離れず、私の全てを飲み干そうと舌を動かしていた。 「もう、いいよ。ウェイトレスさん。」 十分に分身が硬さを取り戻したことを確かめると、私は藍子の口から分身を引き抜いた。 「あ・・・。」 名残惜しそうに藍子が呟く。 「今度は、ウェイトレスさんを頂くよ。」 宣言して藍子を体の上に抱き寄せると、私は制服の布をずらして、分身を一番敏感な部分にあてがった。 思ったとおりに、その部分には見なくてもぬめり気があった。 「ふああぁぁっ!」 一気に刺し貫く。二・三度律動するだけで、最奥まで至った。 「思ったよりも、すんなりいったな。ウェイトレスさん、こういうのに慣れているんじゃないか?」 「い、いや・・・。そんなこと・・・。」 「でも、ほらッ!こんなに濡れて、咥え込むなんて、一度や二度じゃ出来ないモンだぞっ!」 「あ、ふうっ!そ、それは、お客様、があっ・・・!」 「くっくっく。そうだよなぁ、出来の悪いウェイトレスに、俺がたっぷり教え込んでやったんだからなぁ!!」 「は、はひぃ・・・。わ、わたしは出来の悪いウェイ、ト・・・レスですぅ!!」 「じゃあ、もっと、もっと教えてやらないとなぁ。男の味ってやつを!」 「お、教えて、教えてくださいお客様ぁぁ!」 いつの間にか創造していた役割に、私たちは没頭していた。 私の求めたものに、創造以上のの反応を返してくれる最高のパートナーである藍子。 改めて、私は彼女の全てを欲しいと思った。 制服の前をはだけさせて豊かな胸に唇を這わせる。 藍子も私の頭をしっかりと抱いて、話さない。 安楽椅子がきつそうにギシギシと音を立てる。その音と私たちが生じる粘着音が、不思議なハーモニーを奏でていた。 「あ、あなたぁ・・・!わ、わたし、もう、もうダメ、もうダメええっ!!」 快楽によって素に戻った藍子が、限界を告げる。 私も同じく限界だった。強く腰を動かして、最後まで密着した。 「藍子、藍子!私もいくぞ!」 「あなたっ!あぁ、あぁ、あぁぁぁぁ!ダメええええええぇぇぇぇぇぇ!!!」 「あいこおおおおおおおおっっっっ!!」 再び大量の白濁液が、藍子の中に打ち込まれた。 『打ち合わせ』の終わりを告げるその流れはいつまでも名残惜しく、私の意識が途切れるまで続いた・・・。 「親父、話がある。」 数ヵ月後のある日、圭一が真剣な面持ちで、私と藍子を食卓に呼び出した。 隣には礼奈ちゃんが、同じように真剣な表情をして立っている。 「どうしたの?藪から棒に。」 藍子が怪訝な顔で、それでも優しい微笑を浮かべて答えた。 あの日の事を気にすることなく、礼奈ちゃんは我が家に来て一緒に食事をしたり、圭一の部屋で過ごしていた。 私もあの日の話題は避けていた(と、いうより触れようとすると圭一が噛み付かんばかりに起こるのだ)のでこれまでどおりの関係だったのだが、何か大事なことでもあったのだろうか。 はっ! 私は最悪のケースを想定した。 最近の学生の進み具合は半端ではないらしい。しばらく前にあった「3年○組」では、中学生同士の妊娠がテーマとなっていたではないか・・・! 自然と、私の顔はこわばった。 KOOLになれ、前原伊知郎・・・! 息子の全てを受け止めるのが父親じゃあないか。モデルガン事件の時と同じだ。痛い目に合わせて自分の過ちを後悔させた後、助けてやればいい。 しかし、それに反して圭一の口から出たのは拍子抜けする言葉だった。 「俺、前原圭一は、ここにいる竜宮レナさんと付き合っています。」 一瞬、力が抜けた。 そ、そうか・・・。考えすぎだったか。 「わ、私、竜宮レナです。圭一君、いや、圭一さんとお付き合いをさせて頂いています。今日は、圭一さんのご両親に、交際を認めてもらいたく、お伺いしました。」 恥ずかしそうに、圭一の隣で控えていた礼奈ちゃん、いやレナちゃんが顔を赤くして頭を下げた。 その瞳を見ると、圭一を見つめていた。 圭一のことを信頼しきっている。その意思が強く感じられる良い瞳だった。 わざわざ、交際宣言に来てくれたのか。そう思うと、二人の律儀さと初々しさに、自然と頬が緩んだ。 藍子を見ると。同じように微笑んでいる。 これならば、告げてもよさそうだ。 私は藍子の手を握る。 「うれしいわ。それなら、レナちゃんは私たちの娘になるのね。」 「歓迎するよ、レナちゃん。こちらこそ、圭一を頼むよ。」 そして、私は藍子のお腹をさすり、二人に告げた。 「ほら、お前も挨拶しなさい。お兄ちゃんとお姉ちゃんだよ・・・。」 終わり
https://w.atwiki.jp/higurasi/pages/11.html
ここは雛見沢に住んでいるキャラクターの内容です レギュラーメンバー 前原圭一 竜宮レナ 園崎魅音 古手梨花 北条沙都子 羽入 園崎詩音