約 1,217,881 件
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/191.html
ガシャン! …俺の手が廃車の扉を荒々しく閉めた。 その内装は廃車にしては可愛らしく飾られており、タオルケットや懐中電灯、非常食が置いてある。 ここらへんに用意周到なレナの性格が滲み出ていて、俺は思わず苦笑した。 「…な、何…?ここはレナの秘密基地なんだよ…。いきなり連れ込んでどうするつもり? また昔みたいな事をするのかな?私をモデルガンで撃つ?あはっあははははは!」 去勢を張るようにレナが大口を開けて笑うが、その声にはイマイチ凄みが無い。そりゃそうだ、今のレナは丸腰だからな。 …隙をついて襲いかかれば、腕力のある俺が圧倒的有利。レナから鉈を奪うのなんて簡単だった。 あとはこの廃車に引っ張り込んで、今に至る。…ああ、俺は今までレナのどこを怖がってたんだ?こんな細腕、ねじ伏せてしまえば良かったんじゃないか。 「な、に………ち、近寄らないで!圭一くん、まさかもう…宇宙人に…!?」 ………そうかもしれないな。だって今の俺はまるで別人だ。頭が冴えてる。身体だって軽い。…レナの言う宇宙人ってヤツに支配されちまったのか? いや、さすがにそれは、でも…………っと、もうそんな事どうでもいいや。もう全て宇宙人のせいにしてしまおう。 だから、頭の中で響くこの声もきっと宇宙人の仕業なんだ。 「……っくっくっく……はは…ははははははッ!!!」 突如笑い出した俺にレナがびくんと震える。…レナぁ…、ダメじゃないか…。そんな顔してたら襲われたって文句は言えないぜ…? 「…………………」 続く長い長い沈黙。先に動いたのはレナだった。 俺がひるんだ一瞬の隙を見て、レナが容赦なくタックルをかます。不意をつかれた体は弾かれてよろめいた。 レナは先に逃げる事を優先したのか、俺にはかまう事なく扉に手をかける。………甘い。 「っ?!」 がちゃりと音を立てて開くはずの扉は、開かなかった。レナは扉を開けようと躍起になる。鍵がかかっているのだと気づき開けようとするが、その時にはもう遅い。 俺に後ろから羽交い締めにされ、壁に押しつけられた状態になっていた。レナの華奢な両腕はやすやすと片手に納まり、まだ指が余るほどだ。うっすらと汗をかいていたせいで薄桃色の下着が透けて見えた。 「ひ、卑怯者…!」 「お前が内側にカギをつけたんだろ?…自業自得だよ」 レナは“ヤツら”、…もとい『宇宙人』の襲来を恐れ、廃車の内側に鍵を付けていたのだ。実のところ、レナが冷静ささえ保てていれば落ち着いて鍵を開けて逃げることも可能だった。 けれど肉体的にも精神的に追いやられていたレナにそんな余裕はなく、今はもう以前のような判断力や圧倒されそうなオーラは感じられない。 今のレナは、例えるなら小生意気な猫と言ったところか。…油断するとひっかかれる。 「…この偽物め、よくも鷹野さんを…!本物の圭一くんと梨花ちゃんを返せ!! バケモノ!!寄生虫!!圭一くんを返してよっ!!」 レナがぎゃんぎゃんと喚きながら暴れだした。壁に押しつけられているにも関わらず、どんどんと廃車を揺らしながら騒ぎ立てている。 返してと言われても俺は俺だ。どうする事も出来ない。あんまりうるさく言うもんだから、俺は少しイラついていた。 「………レナ、少し黙れ」 「私はみすみすお前らなんかに殺されたりしない!!お前らなんかに負けるものか、1人でも戦ってやる!!!」 忠告しても尚も叫ぶレナ。…これは俺に対するせめてもの反抗なのだろうか。言葉こそ強気なものの、肩は微かに震え、声もどこか怯えが混じっている。それが余計に俺の加虐心をそそった。 「黙れって…言ってるだろ」 「離せっ、この――――――んぅっ!?」 レナの顎を掴み、無理矢理こちらに向かせて唇を奪う。 ばたばたとレナがもがくが、両手を押さえ込まれているため俺を振り払うことは出来ない。 噛みつくようにキスをして、舌を差し入れる。―――と、一瞬の痛みが俺を襲った。 「……ってェ……」 「ぷはっ!!…っは、はぁっ、は…っ!」 唇の端からつぅっと赤い雫が垂れる。…噛まれた。 その血を乱暴に拭い、レナの髪を力任せに引っ張る。トレードマークの白い帽子がはらりと床に落ちた。 「きゃ、…っ?!」 「…ほんと、用意周到だな。おかげで助かったよ」 ―――いくら俺の方が腕力が上だとしても、いつまでも片手でレナの両腕を塞いでいるのは無理がある。今みたいに暴れられたらたまらない。そこで目についたのは、無造作に置かれていた荒縄だった。 …やはりこれも“ヤツら”との戦いのために備えておいたものだろうか。それでレナの手をきつく縛り、自由を奪う。 「どうだ、気分は?」 「………最低だよ…!」 吐き捨てるようにレナが言う。―――ああ、その瞳だよレナ、俺が見たかったのはその瞳だ。こちらを挑発しているような、心の底の一切の怯えを振り払うかのような強気な瞳。 その瞳を見るとゾクゾクする、無理矢理にでも屈服させたくなる…! 俺が恍惚の表情を浮かべている隙にレナは唯一自由な足で反撃してきた。みぞおちを狙って膝蹴りをかまそうとするが、それは俺のもう一つの手でやすやすと阻止される。 受け止めた膝から太ももへとするすると手を忍ばせると、レナの顔がみるみる赤く染まった。 やがてその手はスリットの中へ侵入し、下着へと到達する。 「なっ、何…するの……」 レナの顔がさっと青ざめ、恐怖を露わにする。――――分かってんだろ? 「…気持ち良いコト、だよ」 俺はレナの下着をずり下ろし、ロクに濡れてもいないソコに指を突き挿れた。 「―――――ひッ!!!!」 レナの体が大きく跳ねた。酸素を求めるように口をパクパクとする。痛みで声も出ないようだった。 ああ、良イヨそノ顔スげーソソルヨ…モッと、モット良い顔見セテクレ…!! 「うぐっ、……ぃ、痛ぃい…」 指で中をかき回すが、濡れていないせいで滑りが悪い。仕方なく指を引き抜き、レナを仰向けに押し倒した。 「悪ィな、ちょっと味見させてもらうぜ」 「…ぇ、…や、やだっ、あっ、やめてぇえッ!!!!」 俺は嫌がるレナの両脚を掴んで大きく開かせた。レナの大事な部分が露わになる。そこはひくひくといやらしく動き、俺を誘っていた。 「いや、いや、いやあ…………ひ、あぁああっ!!!!」 ちゅ、とそこに口をつける。レナの嬌声が響いた。 「ふ、くぅ…ん…!や…っ」 舌でその形をなぞり、時に優しく撫で、時に激しく吸う。舌を出し入れする度に、レナはびくびくと震えた。 最初こそ強張っていたレナの身体も徐々にほぐれ、その秘部からは甘い蜜が溢れ出してくる。 とろりとした液が俺の顔を汚す。――――そろそろ良いだろう。俺は、レナの秘部から顔を離し、その細い腰に手をかけた。 「あ…っ、」 「…よし、ちゃんと濡れてるみたいだな。ぐしょぐしょじゃねぇか」 くちゃ。入り口に己のモノを宛がう。すりすりと擦りつけ、焦らしながら先っぽだけを挿入していく。 レナの顔が悲痛なものに変わった。 「や…やめ、お願い…それだけは……」 レナが訴える。…おいおい、そこでやめるほど俺は優しい男じゃないぜ? 俺はその言葉を聞き終わる前に、レナのソコを一気に貫いた。 「あぁぁあぁあああああっ!や、ひどい、抜いてぇ…っ!」 「何言ってるんだよレナぁあ!これからが面白くなってくるとこじゃねぇかぁああっ!!!」 パンパンと乱暴に腰を打ち付ける。くちゅくちゅといやらしい水音が響き、レナのソコは吸い付くように俺のモノを包み込んだ。 レナが痛みか屈辱かどちらとも取れない涙を流す。…さっきまでの威勢はどうしたものやら。 俺は征服感で満ち足りた気分になり、調子に乗って打ち付ける速度を速める。 「あ、あ、あうぅ…!…く、ふっ、、んんん…!」 レナが押し殺したような声で喘いだ。感じてる事を悟られたくないのだろう。 「…淫乱。それ、なんだよ?」 「ひぅっ!?」 服の上からでも分かるぐらいに勃ったレナの乳首をきゅっと摘む。くりくりと捻り、服越しに擦ってやる。一層嬌声が響いた。 「そろそろラストスパート………行くぜぇ!」 「きゃっ…」 仰向けに寝転ばしていたレナを反転させる。バックだ。 「あっ、んぅううっ、あぁああぁッ!!」 先程より数段激しく突き入れる。 この体位だと表情が見えないのが悔やまれるが、きっと快感と恥辱の入り混じった顔をしているだろう。 「出すっ、イくぜぇえええっ!」 「あぁああああぁああぁっ!!!」 どくん。 レナの身体が弓なりに大きく跳ねた。…イったのだろう。 俺はレナから自分のモノを引き抜く。白いねばっこい液体が糸を引き、未だそれはびくびくと脈打っていた。 「う、…うっ… ッく、 …」 レナが俯いて震え、ぎゅううと肩を抱きながら涙を流す。 ―――まだだ。まだだぜ、俺はこんなもんで終わらせるつもりなんかない。 俺はにやりといやらしく笑って、震えるレナの身体に手を掛けた―――――――。
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/527.html
詩音×魅音 百合(レズ)、陵辱、鬱展開なのでご注意ください 泣かないで。 泣かないでよ、詩音。 鯛のお刺身、食べたんだよね?ねぇ、おいしかった? あのとき、お刺身は食べ飽きたからいいって言ったけど………ごめん、嘘。 私も食べたことなかったんだ。 だから教えて。 もしおいしかったなら、入れ替わっててよかった。 あっ、あのね、遊園地は楽しかったよ。 お父さんもお母さんもすっごく優しくてさ、観覧車とかメリーゴーランドとかいっぱい乗せてもらえたよ。 それにアイスクリームを二つも買ってくれた。イチゴ味の。 ひとつ食べたんだけどさ、甘くておいしかったよ。 うん、もちろん、もうひとつは詩音の分。 ……でもね。持って帰るつもりだったのに車の中で溶けちゃった。 次は一緒に行って、いっぱい遊んで、アイスクリーム食べようね。 詩音と一緒なら、もっと楽しくなると思うから──あれ?詩音? 今『詩音』なのは私なんだっけ。そしてあんたが『魅音』。 それじゃあ、髪型と服と刺青を交換すれば元通りだね。 髪型と、服と、刺青を。 刺青を……? 「…っく…ぅ…おねえ、ちゃ………ごめん…なさい…っ」 詩音の背中には、鬼がいた。 二本の角を頭に生やして、目を釣り上げていて、真っ赤な口が裂けそうなくらい開いている。 節分の日に見る鬼が偽ものだと思い知った。 だって、今、泣きたくなるほど怖い。 そして、もうひとつ怖いことがある。 だけど、もういい。もういいから。泣かないで。 声を嗄らして「ごめんなさい」と言い続ける姿が、痛々しかった。 もう見たくなかった。 胸が張り裂けそうだった。 私まで泣きたくなってくる。 それなのに、どうしても、あの言葉が口から出てこない。 早く言わなきゃ。早くしないと頭の中から消されてしまう。 でも、もうひとりの私が嫌がる。 それを言ったら最後、全てがひっくり返ったまま変えられなくなるからだ。 唇は縫われたみたいに動かなくなっていった。 だけど……。 だってだって私が……で、…やっぱり…………だから……………………ああ、もう、わからない。 さっきなんて言おうとしたかもわからないわからないわからないわからない。 せめて彼女を落ち着かせよう。姉としての私が、そう呟いた。 私は鉛のような足で近づく。 不意に鬼の冷たい目が私を見据えて、立ちすくんだ。 そいつは今にも腕を伸ばしてきそうだった。 その手で首を掴むと鋭い爪で皮膚を破り、きつく締め上げて傷口から絞り出す。 血を。一滴残らず。 ……だから、怖い? そんなわけあるもんか。怖くなんかない。こんなのただの絵だ。 うずくまって肩を震わせる彼女を抱きしめた。 「……おねぇ…ちゃ…っ……ぅ…」 掌で口を塞いで声を抑えている。もう片方の手は、私の服の裾を握り締めている。 双子で私たちの間に差はないはずなのに、腕の中の彼女は小さかった。 妹だから、というわけじゃない。この子が妹だという意識はあまりない。 気づいたときには「お姉ちゃん」と呼ばれていた。だから姉だった。妹だった。 けど私たち以外にとっては、魅音と詩音、次期頭首とそうでない方の区別。 それでも役割でしかなかった。髪型や服装が違う。それだけだった。 なのに私たちは隔てられる。 魅音は優遇された。 詩音は蔑ろにされた。 こんな不条理な世界で、二人に分かれたくなかった。 私たちは同じなのに。 私たちは平等でありたいのに。 ずっとそうだと思っていたかったのに。 時間が静かに私たちの心を蝕む。 ああ、だから、もういい。もう謝らなくていい。 詩音は痛くて怖い思いをひとりぼっちで耐えたんだ。そんな彼女を誰が責めるだろう。 悪いのは、むしろ、私。 詩音の背中を掠めようとした爪を手の甲で受けとめた。 それは強く強く爪先を立ててくる。 この子の背中を掻き毟りたいとあいつが言う。 私だって、詩音を苦しめるこれを取り去ってあげたいよ。 ……………違う。違う、そうじゃない。 たしかに私に彫られるはずだったけど、そんなこと考えてない!絶対に思うもんか。 うるさいうるさい!消えろ!お前なんか、お前…なんか。 手の皮なんて剥がれてしまえばいい。 いっそ跡形もなく剥ぎ取ってしまいたい。 このどす黒いものも一緒に捨て去りたい。 ……ごめんね、詩音。 消え入りそうな私の声に、詩音は弱々しく首を振った。 「ちがうっ……ちがうよ。お姉ちゃんは、悪くないよ」 ぎゅっと腕を掴まれる。 濡れた瞳が見上げてきた。 涙をこぼすまいと必死に見開いているけど、目尻から少しずつ私の膝に落ちていく。 熱い。 氷のような私を溶かしてしまいそうだった。 「わたしがいけないんだよ。わたしが…わがまま、言ったから………おね…ちゃ……は………」 ぷつぷつと途切れる。 視界がぐにゃりと歪む。 「……せいで…おん……に、なっ…」 関節という関節がキリキリと軋みだした。 低く耳鳴りがして鼓膜は締めつけられた。 体が警告している。 だめだ。聞いちゃだめだ。 「…鬼、が………る…から…」 やめて。 気づかせないで。 「…………な…さい」 聞きたくない。 聞きたくない。 聞きたくない。 「『魅音』を奪って、ごめんなさい」 ………また、この夢。 ここ数日間で見慣れてきた天井が視界に映りこんできた。 すっかり黒ずんでいて、ところどころに雨漏りの染みがある。 雨漏りの染み──昔、真っ昼間から畳に寝転がって、何の形に見えるか言い合ってたっけ。 たまにしか意見が食い違うことはなかったけど、違ったときはお互いに譲らなかったな。 それで、あいつったら、いつも…………はぁ、馬鹿らし。 くだらない思考を振り切って上体を起こした。 汗ばんだ肌に髪やら服やらが張りついてきて気持ち悪い。 本当は億劫で動きたくなかったけど、喉の渇きに促されて起き上がる。 立ち眩みがして足もとがふらつく。壁伝いに歩いて流し台を目指した。 辿り着くと、コップを片手に蛇口を捻る。溢れそうになるまで注いで、口の中に流しこむ。 水は生ぬるく、ドロドロとしていて、飲む気がしない。 数口で唇を離した。 気持ち悪い。 刹那、眩暈がして身体中の感覚が消え失せた。重みもなくなった。 手を擦り抜けたコップが床にぶつかる。 小さな破片が散らばっている。 それは目の前で起きたことなのに実感がわかなかった。 ここのところ体調がすぐれない。 眠ると必ず、あの夢にうなさられるのがそもそもの原因。 それもこれも全部、あいつのせいだ。あいつがしつこく私に謝ってくるから。 いくら謝っても無駄だと何度言えばわかる。 私はお前を許さない………。 割れたコップはどうしたんだろう。 思い出そうにも朦朧としている頭は使いものにならなかった。唯一認識できるのは地下祭具殿にいること。 あと、右腕が重い。 そこへ目を向けると、肉厚のナイフが掌に吸いついていた。 握り締めた柄のたしかな固さが、細切れな意識を強固にする。 少しずつ私が消えていくのを実感した。 地面を削るように歩いて、ある岩牢の前で立ち止まった。 鉄格子の向こうにあいつは横たわっていた。 そこに入り、後ろ手に鍵を錠前の穴へと差しこむ。 人影は身じろいだ。 「……ぅ、…し…おん……?」 冷たい金属音とともに鍵がかかる。 咄嗟に周囲へ注意を向けた彼女は、本能的に危険を察知したんだろう。私が近寄ると声を荒げた。 「どういうことですか。園崎家頭首代行として命じます!今すぐ開けなさいっ!」 こいつの空威張りにはつくづく虫酸が走る。 どうせ凄んではったりをかますのが限界。 無力なお前が生んだ苦しみを身をもって思い知れ。 そして、その罪に似合うむごたらしい最期を迎えさせてやる。 「聞こえませんか、詩音。今すぐ鍵を開けなさい」 魅音は少しも怖じ気づかずに私を睨みつけていた。 そうする程度の薄っぺらい威厳はあるということか。 薄汚れた白装束の哀れな格好で偉ぶるのは一人前。 滑稽でおかしいのと同時に、私の中で怒りが沸き上がっていった。 それが彼女に対してなのか、次期頭首の魅音に対してなのか、自分でもわからない。 どちらにせよ、こいつが憎いことに変わりはない。 「気が向いたら出してあげますよ。でも、それで、お姉はどうするつもりなんですか?」 「…………何が言いたいの、詩音」 それがただの質問じゃないことに気づいたようだった。 かわいそうな魅音。 気づかないで願望でも答えてれば、しばらくの間は幸せでいられたのに。 「つまりね、ないんです」 「ない、って…」 「お姉の居場所がないんです」 魅音は黙って私に先を促す。 「別に物騒なことはしてませんよ。私は雛見沢で魅音として過ごしただけです」 そう。やましいことは何もしていない。 次期頭首の役目をこなし、学校では委員長、また部長となり、部活で遊び回って、それなりに充実した一日を過ごした。 ただ、それだけ。 でも、だからこそ、彼女の居場所がない。 「仲間っているんですかね」 彼女がどう返してくるか見当はつく。訊く必要はなかった。 私は淡々と続ける。 「言い方変えますね。魅音はあの子たちに仲間だって思われてる?」 電話口でも直接会ったときも、魅音は友人たちのことを楽しそうに話した。 沙都子と考えたトラップの内容とか、誰が罰ゲームを受けてレナにお持ち帰りされそうになったとか。 笑いながら。ときには泣きながら。 魅音は彼女たちのこととなると自分のこと以上に一喜一憂する。 そういう奴だから、彼女たちから仲間だと思われずに拒絶されることは耐え難いはず。 「思ってる。仲間だと思──」 「違いますね」 魅音の前にしゃがみこむと、彼女は息を詰めて私を見据えた。 彼女の心が揺らいでいるのが手に取るようにわかる。 「だって、気づかないんですよ。私が魅音も詩音も演じてるのに誰も気づかない。結局、あんたは、私に取って代わられちゃう程度の存在だった、ってことじゃないの」 急激に表情が曇り始めた。 真っすぐに私を見据えていた瞳が逸らされる。 拒むような行動をされようが関係ない。 私は彼女を岩壁に押しやって、耳元に触れる寸前まで顔を近づけた。 「第一、あんたがあの子たちと信頼関係を築くのに無理がある。魅音は次期頭首だからね。みんな本当は媚びを売ってるだけ。そうしないといじめどころか村八分にされるかもしれないから」 「………そんなこと……」 彼女の表情がくしゃりと歪む。 「あれぇ、もしかして泣くんですか?次期頭首ともあろう人が」 ときおりしゃくりあげる不安定な呼吸。さらには縮こまってうつむいている。 そんな彼女の様子にイラつくどころか、安堵する自分がいた。 この子はやっぱり『詩音』だ。 泣き虫で甘ったれで強がり。私のよく知る妹だった。 もし次期頭首にさえならなければ、ずっと彼女はこのままでいただろう。 これほど彼女を憎むこともなかった…………そんな仮想世界を考えても仕方がない。 今はっきりしているのは、魅音は憎むべき対象で私には彼女を懲らしめる手段がある、ということ。 それを機械的にこなしていけばいい。 ふと魅音が顔を上げ、力のこもった眼差しを向けてきた。 恐らく彼女にできる精一杯の反抗。 大したものではないが、そこに頭首の牙が見え隠れするから気に食わない。 忌々しく微動だにしない瞳と対峙しつつ彼女の顎を乱暴に持ち上げた。 唇を重ね合わせる。 「………ッ!」 肉を噛む音が聞こえるなり魅音を突き飛ばした。 鉄のようで塩辛い味が広がる。口元を拭うと指は赤く染まる。 噛み切られた。 魅音の肩を掴み、頭をかち割らんばかりに岩壁に叩きつける。 私の言わんとしていることを片割れは察しているだろう。 だから再び顔を寄せる。彼女は唇を引き結んでいた。 固唾を呑んで動く喉元へ右手にあるものをあてがう。 「別に構いませんよ。やるやらないは自由ですし」 切っ先を押し当てると、魅音はひゅっと息を呑んだ。 しばらく静寂のなかで視線を交えていた。 もうすぐで刃が皮膚に埋まろうとしたところで、彼女は舌を差し出した。 おずおずと顎に伝いかけた血をすくい、滲み出るのを舐めとっていく。 そう。それでいい。いい子だね、魅音。 これぐらいのことで私に刃向かって死んでもらっちゃ困る。 もっと屈辱的な罰を受けてから壊れてくれないと。 「ぇ……」 「聞こえませんでしたか頭首様。脱げ、って言ったんです」 嫌みったらしい口調にも彼女が反発することはなかった。 さっきまでの偉ぶった態度はもう微塵もない。 「なんなら私が脱がしてあげましょうか?力加減、間違うかもしれませんけど」 ナイフを魅音の肩辺りに滑らせると、袖には綺麗に切れこみが入った。 その途中、滑りが悪くなるのと同時に彼女が目をつぶり瞼を震わせた。 引き戻した刃先は濡れている。 それを胸元に持って行こうとしたとき、しゅるりとはだけた。 魅音の指は、ほどけた紐を摘んでいる。 もたもたと脱ぎ続ける彼女を観察していた。 散々見飽きた体。ただ眺めているだけだと自分を見ているような錯覚に陥る。 まだ彼女は袖から腕を抜いていなかったが、もう構わなかった。 胸を覆う真っ白な布をナイフで押しつけ、拭き取るようにした。 鮮やかな赤が広がっていく。 それから柔らかい部位の片方を、まんべんなく刃の背を使って撫でる。 段々と硬さを増すものが、手に取るようにわかった。 「……やめ…て」 「急に女々しくなりましたねぇ。さっきまでの威勢はどうしたんですか」 布越しに形を浮かび上がらせるそれを刃が掠めれば、魅音の懇願する語調は乱れた。 今度は手を滑りこませ、突起を埋めこむように指圧する。 ぐにぐにと押し潰す度に、彼女は身震いして下唇を噛み締めていた。 「…ぅあっ!……くぅ」 徐々に強さとスピードをこめて爪で引っ掻く。 痛みしか生み出さない。だが、そこは刺激に反応して尖っていくようだった。 ちぎれんばかりに摘んで、指で捏ねくり回す。 体を捩って何度か逃げようとしたが、手元のナイフを向ければ怯えておとなしくなった。 うっすらと涙を浮かべながら私の行為を受け入れる。 「そんなにいや?」 いかにも優しげに尋ねてやると、魅音は縋るような顔つきで頷いた。 「じゃあ、自分でやりなよ」 そのときの魅音の顔ったら…! あまりの間抜けづらに吹き出してしまいそうだった。 私に憐れんでもらえるとでも思ったんだろう、かわいそうに。 一言も継げなくなった愚かな彼女に再度吐き捨てる。 「なにぼさっとしてんの魅音。あんたの意見を尊重してあげたっていうのにさ」 無理やり下着をたくし上げた。 肩から鎖骨にかけて血の線が一筋。 青白い肌に刃を添える。 さて、次はどこに引いてやろうか。 「や、やるからっ……やる…から」 そう言ったものの数秒ほど躊躇い、息を深く吸うと、触れた。 指の間からこぼれそうな乳房を緩やかに揉みしだく。 その動きに合わせて呻くばかりで、始めは作業でしかなかったようだが、次第に魅音の息は熱くなっていく。 さきほど弄ばなかった方もすっかり勃ち上がっていた。 「…はぁ……んんっ」 ときたま私の顔色を窺いながら、魅音は胸に添えた手を動かしている。 手つきは拙いものだったが、彼女にとってはそれで十分らしい。 私がしたときは嫌がったくせに薄情なものだ。 従順になりつつある彼女の下着に手を潜りこませて触れれば、粘着質な音がした。 茂みを探っていると偶然陰核を擦ったために、魅音は息を漏らす。 しかし彼女を悦ばせる気は毛頭ない。 濡れたとは到底いえない秘部に指を押しこむ。 「あぁっ!っく!」 ひくつく膣壁は狭まり、未だ望まない侵入物を追い出そうとした。 そのうえ魅音が足を閉じて邪魔をしたが、どうってことはない。 肉襞を押しのけて奧へと進む。 すぐに根元まで入りきった。 「いや、やだっ!いれないで……抜い…てっ…」 「泣きごと言ってる暇があるなら努力してみたらどうです」 冷ややかに胸への愛撫をやめている魅音の手を見やった。 視線の先を辿った彼女は瞳を揺らし、首を横に振るだけ。 まあ、本人がしたくないなら構わないさ。せいぜい耐えていればいい。 「やめて……っぅ……やめ、て、よ」 指を折り曲げて収縮する中を強引に広げた。 そのまま奧から入り口まで行ったり来たりを繰り返す。 涙声で喘ぐ魅音は、肩からずり落ちた白無垢を握り締めていた。 痛みを与えれば与えるほどその手は解かれて、ついには胸の方へ運ばれていった。 「くくっ、そうそう。気持ち良くなりたいんなら、そうやってればいいんですよ」 痛みを打ち消そうと、魅音は胸を緩急をつけて揉んでいる。ときおり指の腹で乳首を擦る。 私が秘部を弄るのに連動して、激しくなったり小刻みになったりするのは面白い見世物だった。 「…っ…ふ……ぅ…」 ただ力任せに抜き差ししていたが、潤滑油が溢れ出してきて容易にできるようになってきた。 内部も拡張していてかなりの余裕がある。 柔らかくなったそこに二本目を挿入した。 「わかる?あんたのここ、二本も咥えこんでる」 「…あぁっ……ん」 「くっくっく、まだ余裕あるみたいだし三本目入れてみようか?」 ピストン運動の合間に肉壁を指の腹で引っ掻く。その度に甘い声が岩牢に響いた。 いつのまにか魅音は手を止めて、私の愛撫を受けるのに集中している。 あれだけかたくなに閉じていた足も緩んで、充血して溶けそうな秘部をさらけ出している。 されるがままの人形だった。 「それとも太いのがいい?あんたが欲しい方をあげるよ」 擦り上げることはせずに、指先をゆっくりと動かしてほぐしていく。 もう拒絶反応はなく、むしろ私の指を飲みこんで離そうとしなかった。 滴った愛液が、地面にぽつぽつと染みこんでいる。 「……ふ…とい…の」 「ん?ごめん聞こえなかった。もっと大きな声で言ってごらん」 「……太いのが…ほしい…っ」 羞恥からか興奮からか、顔はもちろん耳まで赤らめて魅音は乞う。 私の指をこれ以上にないくらい締めつける。 「いいよ、魅音。あんたの望み通りのものを入れてあげる」 手際よくナイフを鞘に納め、黒々とした柄に舌を這わせた。 その瞬間、魅音が後ずさろうとしたが、腕を掴んで引き止める。 あはは、何を期待してたんだか。少し考えればわかることなのにさ。 「やだっ!やめ」 指を引き抜くやいなやナイフの柄を突き立てた。 「いやあああああああぁぁっ!!!っうぅ…!」 濡れすぼまった穴にひたすら捻じこんでいく。 中はさほどきつくないのだが、入り口が小さくてすんなりとはいかなかった。 赤く濁った愛液が溢れ出る。 「…………ほら、全部入った」 魅音の髪を掴んで顎を引かせ、彼女自身のあられもない姿を見せる。 目を逸らそうとしたが、下を向かせて見せつける。 私の掌に余るほど肉太の柄が、汁だらけのそこに深々と刺さっていた。 まるで一体となっているようだった。魅音がしゃくりあげるのに合わせて、ナイフは揺れる。 「ううっ!ひぅっ!!」 押しては引いて出し入れを繰り返す。 泣き喚いていた声はか細くなって、乱れた呼吸音だけが聞こえるようになった。 そうしてこのまま壊れてしまいそうだった。 まだ全然終わってないっていうのに。 「気持ちいい?ぶっといのでグチャグチャに掻き回されて気持ちいいんでしょ。ねぇ、そうでしょ。何か言いなよ。ほら、早く!いつまで泣いてんの!?黙るなあああああっ!!!」 「っ…ぅ…ぁ、きもち…い……」 魅音が言葉の通り快楽に溺れているかなんてどうでもいい。 彼女の心や体に傷を負わせることができるなら何でもよかった。 休みなく突き上げる。 不意に魅音の体が強張り、中は激しく波打つ。ナイフが動かしにくくなった。 それでも構わず続けていると収まり、彼女は崩れ落ちるように岩壁へ凭れた。 手を止める。 「イった?私の許しも得ずに。勝手に」 「……なさい。ごめんなさい……ごめん…なさい」 馬鹿の一つ覚えみたいにそれを唱える魅音を、見下ろしていた。 彼女の肢体が改めて視界に入る。そして背中からはみ出した刺青が目に飛びこんだ。 今までにない嫌悪感。 なにより謝り続ける彼女が不快だった。 うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい。 声を出す気力がなくなるまで痛めつけてやる。 「そんなにイきたいなら好きなだけイかせてあげるよ!喜びな、魅音!!」 一度達した魅音は、摩擦に敏感に反応を示す。放っておいた陰核も刺激してやった。 するとビクついて足を閉じかけたが、体を割りこませて邪魔をする。 露になった肉芽を執拗に擦り、摘み、押し潰す。 そのあいだに数回果てたようだった。何度か秘所が痙攣するのを感じた。 「んあっ!…はっ、やだぁっ、……んく…!」 反響する叫びに似た喘ぎと、水音が騒々しかった。 どのくらいの時間そうしていたんだろう。 ナイフを握る私の手は隅々まで濡れてべちゃべちゃだった。 魅音に至っては、虚ろな目で、焦点がどこにも合っていない。 地面に横たわる彼女の四肢は投げ出され、すべてを諦めきっている。 私の額に汗がにじんできたとき、目の前のあいつはぐったりとして動かなくなった。 髪を掴んでいる手で引き寄せる。 胸は頼りないながらも上下していた。息はあるようだ。 柄を引き抜くと、塞き止めていたらしい液体が流れる。 それを一瞥して、おもむろに立ち上がった。 「……おねえ…ちゃん…」 単なる気まぐれで私は足を止めた。 すると、また懐かしい呼び名。 見れば声の主は起き上がろうとする最中にいた。 しかし力が入らないのかまだ倒れているも同然だった。 「…呼んでも無駄。私は鬼だよ」 そうだ。鬼になる。 もうすぐで私は完全に鬼になる。 こいつが姉として慕ってた人間はいなくなる。 私だった奴は鬼に身も心も……妹も差し出した。 全てを手放し、鬼となって生きることを望んだ。復讐するためだけに。 だから、いくら姉の私に頼っても意味がない。鬼がその弱みにつけこむだけ。 「…鬼……」 「そうだよ、詩音」 懐かしい呼び名で返してやると、そいつは私にしがみついてきた。 ついさっき辱められた相手に泣きつく姿に、鬼はほくそ笑む。 それとなく頭を撫でてやると、魅音の体の強張りは解けていくようだった。 学習能力がないなぁ。まともな頭があれば、こんなこと絶対にしない。 混乱してる?もう壊れた? たしかにこいつは打たれ弱い奴だった。私が一番よく知ってる。 でも、いくらなんでも早すぎる。 腕の中の魅音を見遣る。 昔から彼女の考えてることはすぐにわかってたじゃないか。 もし私が彼女と同じ状況に置かれたらどうするか想像すれば……………ああ、そうか。 ふと魅音は物言いたげに顔を上げたが、目が合うとすぐに口をつぐんだ。 「なに?言ってごらんよ、詩音」 「……私が、もう少し…がんばればいいんだよね」 あれ、ハズレた? 私の服を掴んで言葉を続ける。 「そうしたら、いつかお姉ちゃんは………元通りに…なるん…だよね……」 ……………くっ、あははははははは!!! なにそれ。 つまり何されても耐える。それでいつかお姉ちゃんが戻るまで待つ、ってわけか!?………馬鹿じゃないの。 まさかそんなこと考えてるなんて、馬鹿馬鹿しさに笑えるのを通り越して呆れてきた。 「あんたがそう思うんならやってみたら」 応える魅音の声は聞き取れなかったけれど、本気でやるつもりなんだろうと思った。 こいつの言う「私」が戻る日まで体か心が持つかどうかは別として。 おかしいな。たまに魅音の考えが読めなくなる。 でも、これだけは絶対に当たっている自信はあった。 どれだけ私から酷い仕打ちを受けても縋ろうとする理由──それは、もうこいつには私しかいないから。 ……ちょっと、違うな。正確にはずっと前からそうだった。 「でもさ、もし戻ったところで何も変わらない。結局は鬼も『魅音』もあんたを憎んでる。理不尽なんかじゃないよ。あんただって私が憎いんでしょ?」 忌み子で疎まれてた『詩音』は、片割れである『魅音』を愛していたのと同時に恨んでいた。 双子は平等。お姉ちゃんだけずるい。私にいつもそう愚痴ってたじゃないか。 「……私は、…お姉ちゃんを憎んでなんか…ないよ」 嘘だ。 『詩音』でいるのが嫌だった。 『魅音』の役割が欲しかった。 それを持ってる私が羨ましかった。 お姉ちゃん、なんて呼んで表面上慕ってはいたけれど、心の中では私がいなくなればいいと思ってたくせに。 親族会議の日、会合の場から締め出されるときの表情がそれを物語ってた。 一番嫌いだった日。 私が裏山で待っているあんたを迎えに行くと、腫れぼったい目と涙痕の残った顔に屈託のない笑みを浮かべる。 そのときあんたが何を考えてるのかわからなくて、あんたに憎まれているのかと思うと…………………怖かった。 だって、私にもあんたしかいなかったから。 さぁ、どうぞ。 ……鬼、あんたに私の身体をあげる。 Tips「ひとりぼっち」
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/430.html
長い眠りから目覚めた北条悟史を待っていたのは、友人たちと見慣れない一つ年下の少年、以前よりもはるかに生き生きと力強い眼をした妹の姿、温かくなった住み慣れた村の空気だった。 色々あって、園崎家頭首がダム戦争の終わりを明言したらしい。 悟史の胸をよぎったのは、これで多くの重圧から解放されるという安心と、今更何を――という複雑な感情だった。諸手を挙げて喜ぶだけで終われるほど無邪気ではなかった。 彼に味方なんていなかった。けれど、どっちもどっちだと彼は自嘲する。最後には色んな人を疑って遠ざけて傷つけた。そりゃ雛見沢にいるという神だって呆れるだろう、と。 彼はまた全ての感情を抑え込んで、他人よりも自分の内に害悪と責任を見出す。悟史とは、そういう人間だ。 だから、クラスメイトである二人の少女たち――園崎魅音と竜宮レナの、許しを乞うような眼差しが、痛かった。 ――ごめんなさい。 「……どうして、二人が謝るの?」 きっかけは何であったか。 ある日、晴れて退院した悟史を見舞うため、差し入れのお弁当と果物を手に北条家までやってきて、ぽつりと謝罪の言葉を零した二人に、悟史は静かに首を傾げてみせた。 「悟史くん、また無理してるよね……よね」 じっと自分を見つめてくるレナの真っ直ぐな瞳。 悟史が沙都子を守りたいと思っていたように、魅音は祖母を支えたいと思っていただろう。レナだって、転校してきたばかりで親交も浅かったことを考えると、ずいぶんと親身になってくれていた。 それは環境がある程度落ち着いた今だからこそ至れる考えであって、あの頃はとてもじゃないがここまで穏やかな考えではいられなかったとはいえ、こうして改めて接していると、彼女たちがとても気を遣う性質を持っているのが以前よりももっと、よくわかった。 悟史が一人になりたいと思ったら、レナがそれとなく仲間たちに引き上げるよう促し、気分が滅入った時は。魅音が底抜けの明るさで場を盛り上げてくれる。 そうして、去年の自分がいかに間違っていたかを思い知り――痛むのだ。 「やっぱり変わらないね、悟史は。いっつもいっつも、ぎりぎりまで無理して、人に気を遣うんだね」 魅音が悲しそうに呟く。いつも教室で少し離れたところから悟史と沙都子を見守っていた顔をして。 どうやら二人は悟史の心の中に渦を巻く葛藤を見抜いて、気遣ってくれているらしい。 それぞれ違った不器用さを持っているのか、レナと魅音、彼女たちの思い遣りは時にとてもわかりにくかったり、余計な疑いを増長させてしまったりする。だが、有事の際に人が100パーセント正しい行動をとれるかと言えばそうではないし、重要なのはその気持ちなのだと悟史は思う。 二人が自分に謝ることなどないと。気にすることなんて、何もないのだと。悟史は二人にそう告げた。するとレナと魅音が同時に互いを見やり、静かに、強く頷き合ったと思ったら――こうなっていた。 ――いやあの、ちょっと待て。幾らなんでもこれはおかしくないか? 悟史は狼狽する。 「れ、レナ、魅音……こ、こんなのよくない、よ……」 クラスメイトの少女たちが頬を上気させて何とも艶やかな表情で自分を見つめてくる。 「悟史くん。レナたち、悟史くんが気持ち良くなるように、頑張るからね、ね……?」 レナのくりくりした可愛らしい目に浮かぶ、どこにそんな強さが眠っているのかと不思議になるほどの決意の色。 「悟史は……イヤ? 迷惑?」 魅音が恐る恐る訪ねてくる。いつもの、ともすればおじさん臭いほどの勝気な様子が嘘のような自信のなさそうな顔をして。 妹にプレゼントを渡すまではと雛見沢症候群L5の症状をも抑え込んだ鋼鉄の精神の持ち主といえども、やはり健全な青少年だ。美少女二人に囲まれて平静でいられるわけがない。 まだるっこしいので端的に言ってしまおう。 今、布団の上に座った悟史の脚の上にレナが乗っかり、背後では魅音が自らの体を背もたれにするように悟史の背中を支えている。 むっちりしたレナのお尻とふわふわした魅音の胸の感触が、頭がおかしくなりそうなほど心地よい。 レナの小さな可愛い手が悟史のズボンの前に触れ、既に固くなり始めていたそこを撫でる。いつものようにぽややんとした表情が、余計に異質な感じを煽った。 「はぅ……かぁいい☆ お、お持ち」 「むぅ!? レナそれらめえぇ!?」 悟史は、慌てるあまり呂律の回らない口調でレナの言葉を遮った。どこから突っ込むべきなんだろう。そんなところ触っちゃ駄目とか、それ絶対かぁいくないとか、お持ち帰りは断固出来ないとか。 「じゃ、じゃあ、お持ち帰りは諦めるね……?」 何故か残念そうな顔をしたレナが、悟史のズボンの前ボタンとジッパーを開く。 「ま、待ってよレナ。他の事も色々と諦めて欲しいんだけど……っ!?」 悟史のものに、レナの指が下着越しに触れ、びりっとした何かが脊椎を這い上がった。 一瞬もういいや彼女たちの好きにしてもらおうと流されそうになるが、悟史は持ち前の精神力で思いとどまる。 北条悟史、落ち着け。クールになれ。 悟史は少しでも冷静になるために深く息をつく。だが、残念ながらクールになった人間が目の前の問題にまともな対処が出来た試しはない。 「あ……あのね。魅音、レナ。君たちが僕のことで何かを気に病む必要はああぁぁああぁ!?」 温厚な彼にしては珍しい大きな叫びが口から迸る。 少女二人はいつの間にか制服の前をはだけていて、眩しいほどの綺麗な肌が露になっている。眩しすぎてくらくらした。 「悟史、おじさんたちは、伊達や酔狂でこんなことしてるわけじゃ……ないんだよ?」 静かに言い、立ち上がって後ろを向いた魅音の肩からブラウスとベスト、そしてキャミソールの紐が落ちる。 「……本気で、悟史に償いがしたいと思ってる」 白い背中。肩甲骨のかなり下、腰の括れた部分のやや上に、それがあった。 悟史とレナが無言で息を飲む。 頭に漆黒の角を持った、長い髪をした鬼の横顔。柔らかそうな肌に刻まれた図柄は装束をまとった肩のあたりで途切れ、杖か武器か、棒状の何かを持った手が不自然に浮いている、それがまるで虚空から鬼が現れているような様を演出し、一種異様な雰囲気を醸し出す。 彫っている途中で中断したのだろう。幼い『魅音』の体力がもたなかったのか、あるいは何か別の要因があったのかは――定かではないが。それほど大きなものではない、せいぜいレナの小さな掌で隠れる程度の物だが、それは確かに彼女の背中に存在して、今この時も彼女に傷をつけていた。 「あはは。あんまり褒められたもんじゃないんだ……途中でやめるのって、恥ずかしいことみたいでさ」 魅音が力なく笑う。 半端彫り。痛みに耐えられないか、全てを彫り切る資金がない、半端者の証として時には失笑の対象とされる。 「恥ずかしくない……ないよ。魅ぃちゃんのからだ、これ以上傷つかなくて、済んだんだから……」 レナの細い腕が魅音のお腹に回る。魅音は微笑んで、きゅうっと抱きしめてくる年下の親友の手にそっと手を重ねた。 「……そう言ってもらえると、助かるよ」 悟史は何とも言えない眼差しで二人を見つめた。 先ほどまで自分のモノに触れていたレナの手、魅音の背中についた鮮やかな傷跡。彼女たちは普通に考えて堪らなく恥ずかしい事をして、絶対に見られたくないものを曝け出している。 ……どうしてそこまで。 わからないことは沢山ある。けれどその熱意に、真剣さに、誘惑に――抗えるわけもなく。 悟史は二人に向けて、腕を伸ばした。 レナの小さな手が再び悟史のものを握る。 華奢な指先が這いずり回る。先っぽを突つき、頭の部分をこねくり回し、幹の部分を撫でさする。その指や掌が蠢く度に走る快楽に悟史が身体を捩らせると、魅音のふんわりとした柔らかい体に抱きとめられて、頭が芯まで痺れていく。 「わ、悟史、くすぐったいよ」 悟史の色素の薄く柔らかい髪に胸元をくすぐられて、魅音がびくっと敏感に身体を震わせる。 「わ、あ、ああっ……! レ、レナ……レナぁっ!」 「あは……かぁいい、悟史くん、かぁいいよぅ……☆」 女の子のような慎ましい声を上げて、がくがくと身体を震わせる悟史に、レナは目を細める。刹那、垣間見えた獣のような雰囲気は――気のせい、ではないと思う。いつも物腰穏やかで笑顔と思いやりを忘れない、ついでにかぁいいものに目が無いという奇癖を持ち合わせる彼女は、時折、非常に鋭く攻撃的な一面を見せることがあった。 それはいいけど、男の僕にかぁいいって……嬉しくない……悟史はそんな事を考えながら、むぅ、と押し黙る――暇はない。レナの手は、そんな余裕を与えてはくれない。 後ろでは魅音が、わー、わーと何かを呟きながら頬を紅潮させて悟史とレナの行いを見つめていた。 「はぅぅ……どんどんおっきく、固くなっちゃってるよぉ……」 ぼうっと熱に浮かされたような表情と眼をして、先端から滲み出る液体で指先を濡らしながら、レナは夢中で奉仕を続ける。両手できゅっと握り締め、上下にゆっくりとしごき、段々とスピードを上げていく。にちゅっ、と先走りが掌の中で滑って音を立てる。ぬるぬると擦り上げられる感覚が、悟史を追い詰める。 ――自分は、頭が溶けそうになるほど気持ちいい。けれど、レナはどうなのだろう? 悟史はふと思う。そしてそれに思い当ったら、自分だけ気持ちよくなるのは何だか申し訳ない気がしてたまらなくなり、床の上で握り締めていた両手をそっとレナの体へと伸ばす。 「はうっ……!?」 はだけたセーラー服から覗く形のいい胸に触れた時、一心に奉仕していたレナの手が初めて止まり、その小さな肩が、びくん、と大きく揺れる。 「あっ、嫌だった……?」 その反応に思わず悟史も、さっと手を引っ込めてしまう。 「う、ううん。ちょっと、びっくりしただけなの。なの。レナのこと……もっと触って?」 レナは微笑んで、再び一生懸命に悟史のものと向かい合う。悟史は少し躊躇った後、意を決して彼女の肌に触れる。 淡いピンクのチェック柄に飾られた下着に包まれた胸も、脚の上に乗った尻も、搗きたての餅みたいにむちっとして指に吸いついてくる。太腿の間、更に下着の奥へ潜らせた指が、人間の身体の一部とは思えないほど柔らかいその部分に辿り着くと、ぬるりとした蜜が指にまとわりつく。 力を入れすぎないように、レナが痛みを感じないように、そっとそっと繊細な部分に触れる。 「ひゃうっ!」 レナが鳴いた。 互いに無我夢中に手で触れ合っている秘部から鳴り響く水音が重なる。その音が、呼吸が、感覚が、全てが現実離れしていた。それでいて頭の中が焼けてしまうような快楽だけは、刻みつけられるような存在感を持って自分を狂わせる。 「や、くすぐったいよぉ、お腹が、お腹の中が……あぁ、はぁ……ぎゅっ、て……!」 レナの甘い声が耳を焦がす。いったい何が起きているんだろう――そんな当然の疑問さえ、虚空に溶けていく。 段々と、どこに触れればレナが反応するのかがわかってくる。胸を覆う下着を捲りあげて、固くなった蕾のような控えめな先端を指先で転がす。 もう一方の手で触れている秘所にもやはり小さな蕾があって、それに触れるとレナが大きく体を捩らせて、まるでスイッチの役割でも持っているかのように、割れ目から透明な蜜が滲みだす。 恥ずかしそうに荒くなる息を潜める様子が可愛らしくて、悟史は妹や魅音にするように、レナの小さな頭に優しく触れた。 「あは。悟史くんがレナのこと撫でるの、初めてだね……だね」 そうだったかな? と悟史と魅音は顔を見合わせる。こそばゆそうな、はにかんだ笑顔を見せるレナ。綺麗に切り揃えられた髪を手で梳いて襟足を撫でると、レナがいきなり肩を震わせた。 「はう!? うぅ……こ、腰のあたりがくすぐったいよお……」 「……むぅ。ご、ごめん……?」 その反応があまりにも予想外で、思わず悟史は謝ってしまう。謝んなくてもいいよ、とレナは笑う。 「じゃ、じゃあ……悟史くん、そろそろ……ね?」 一瞬、何を言われたのかわからなかった。後から染み入るようにその言葉の意味を把握して、悟史の全身が硬直した。 「ま、待って、本当に待って! ……レナ、魅音も! それは……駄目だよ!」 後戻りのできない場所へと移動しようとしている彼女ら――いや、自分たちを必死で制止する。苦しい息を呑みこんで、ガチガチに固まった己の凶暴なものを意地でも鎮めようと歯を食いしばる。 だがそんな彼の努力も無視して、ゆっくりとレナが腰を沈めていく。 正確に言うなら――沈めようとした。十分に濡れているとはいえまだまだ小さくて頑なで、そして恐怖や痛みからくる躊躇いがどうしても邪魔を して、頭の部分を呑みこんだところで止まってしまう。 「あ、う……うん、あっ、ん……」 不慣れな少女が自分から入れるなんて無茶である。まして経験がないとなればなおさらだ。 だがレナは頬を火がついたように真っ赤にして、はあはあと熱い吐息を繰り返しながら、悟史を呑みこもうと懸命に腰を動かす。今すぐに腰を掴んで引き剥がすべきなのだ。悟史自身が誰よりもわかっている。だが彼女の真摯な痛々しさが、止めないでと無言であっても尚全身で語っている。 「れ、レナ……」 心配そうにレナを見つめる魅音。痛みを肩代わりすることは勿論、気の利いた言葉を思いつくこともできず、ただ無言で見守ることしかできない。 「あはっ……心配してくれるのかな、かな……? ありがと、魅ぃちゃん」 レナが魅音の柔らかい手に自分の手を伸ばし、握りしめた。 「お願い、魅ぃちゃん……お願い」 何をお願いされているのかわからず戸惑う魅音の手を自分の腰の両脇へと持っていくレナ。そしてようやく頼み事の内容を察し、魅音が息を呑む。 「でも……」 尚も戸惑い続ける魅音に、レナは答えない。ただ黙って彼女の眼を見つめている。 悟史もまた事情が呑み込めずに二人の様子を窺っていたが、ふと唐突に思い当り、慌てて口を開く。 「……わかった。いくよ」 「待って! 二人とも、それは!」 悟史の制止の声よりも一瞬早く、年下の親友の手が上に重ねられた魅音の手が、ぎゅっと下方へと押し込まれた。 レナの腰が――悟史のそれと、重なっていく。 くちゅ、と小さく何かが混ざり合う音がした。そのささやかな音とは正反対の衝撃が、レナと悟史の二人を襲う。 「は、ぅ――!!」 「……ッ!」 レナのそこは、とても小さくてきつかった。 まだ頑なな熱い秘肉が隙間なくみちみちと締めてくる、生まれてこの方感じた事のない刺激に包まれて、悟史の分身はびくびくと固く震えている。 震えによるかすかな動きさえレナに痛みを与えるようで、悟史は気持ちよさを感じるよりも苦しかった。強靭な理性が全身に命令を出して、震えをも止めることができたなら。 「あ、ああぁ……はぅ、はあ……ぜんぶ、ぜんぶ、はいった……の?」 息も絶え絶えにレナは誰にともなく呟く。その潤んだ円らな眼が異様に艶っぽい。 「どうして」 悟史はからからに乾いた喉で、掠れた声で問いかける。 「何で――僕なんかのために、そんなに」 「は、はぁ……さ、悟史くんが、レナたちのこと……許してくれたから。はぅ、あ……いつもいつも、優しくしてくれるから……だから……」 レナの小さな手がそっと魅音の手を離れ、悟史の服の裾をきゅっと掴む。 「悟史くんに、もっと幸せになってほしいの……どんなことでも、悟史くんのために何かをしたいの。そう決めたの」 彼に今のところ出来るのは、なるべく痛みを与えないように、彼女たちの望みを叶えることだけだった。 ……目覚めた悟史は彼女らを一度も責めなかった。最後には全てを憎んで疑って遠ざけたことを恥じてすらいた。 彼が再び彼女たちを仲間として受け入れたことで、彼女たちの罪は許されたのだ。 昭和57年の惨劇。救えなかった仲間、ただのオトモダチでしかなかったあの頃の自分たち。 もう二度と同じ悲しみは生み出すまいと願い、決意し、その果てに今、彼女たちはこの58年の夏の光を浴びているけれど。いつか遠い過去、隣り合せの記憶の向こう。悟史を失ったことで手に入れた痛みさえ活かせずに、また過ちを犯してしまっていた気がする。それも繰り返し、繰り返し。 奇跡の名の下に、あったはずの罪から逃れた58年の主役達、奇跡の許容範囲に弾きだされ、何百という可能性を経ても尚救われぬその他大勢。 そのひとりであるはずの彼は、それでも言う。自分に謝ることなどない。気にすることなんて何もないと。 だから、彼女たちも応える。長く苦しかった日を耐え抜いた貴方に手を差し出したい、と。 悟史は弾力に富んだレナのお尻を恐る恐る両手で掴む。 くちゅ、くちゅっと小さな音を立てながら、激しくもなく拙い動作で小刻みに肉の襞と棒とを擦り合わせる。レナの華奢な体が震え、ふっくらと形の整った胸が揺れる。肌理の細かい滑らかな肌から光る汗が舞う。 「はぅ、あ、ぁあ……! レナの、レナの中で……熱いのが……ぁ!」 ぎゅうぎゅうときつくまとわりつく襞が、頭から幹の部分までを余すところなく掻くように絡みついて、下肢も脊椎も脳髄までも、全て溶かされそうな錯覚すら感じる。 「はぁ、あ……さ、悟史くん……? も、もっと……ひぅ、動かなくても……いい、の?」 もっと好きに動いてもいいのに、と暗に含んだレナの声に、悟史は静かに首を横に振った。 「っ……ありがと、レナ……十分だよ」 確かに、もっと激しく動いて掻き回して快楽の奥底まで溺れたい衝動は腹の奥底で黒く渦を巻いている。我ながら情けない、と悟史は内心溜め息を吐く。そんな衝動に身を任せる気はないし、出来るわけがない。 レナのそこは溶けるように熱く握り潰してくるかのようにきつくて、十分以上に快感を与えてくれた。それ以上に全身全霊で自分とぶつかってくれた彼女の気持ちに、快楽以上の温かなものに満たされる。 緩やかながらもやがて限界が近づいて、悟史はレナの腰を持ち上げて、その白くて柔らかそうなお腹に全てを放出した。 今までにない量の白濁を吐き出し、悟史は眩暈がするような余韻に肩で息をする。ふらふらとその場に崩れ落ちそうなレナの小さな体を、魅音が優しく抱きとめる。 悟史はレナに声をかけようとして、ひとしきり口を噤んで迷った後で、清々しい諦めを込めてかぶりを振った。 「レナ……ごめん。何て言っていいのか、わからない」 気持ちよかった、嬉しかった、苦しかった、愛しかった。どんな言葉もこの身体の奥からこみあげる思いを表わせない。形に出来ないその思いを乗せて、悟史は優しくレナの頭を撫でる。 「……レナ、あんた最高に可愛い。レナはやっぱり、凄いよ……」 代わりというわけでもないけれど、レナを抱きしめる魅音が彼女の耳元で囁いた。子供のようなところのある彼女らしい、直球の言葉で。そして、意地っ張りな魅音のそんな態度を目にすることの出来る人物は、片手の指ほどもいない。それを知っているからレナは照れ、嬉しくて微笑みを零す。 「あは、やだな。魅ぃちゃん……レナ、恥ずかしいんだよ。だよ」 ぽやんとした笑顔を見せるレナではあるが、冷静な彼女は現状を見失わない。 「次は、魅ぃちゃんの番、だね」 その言葉に、悟史は思わず魅音の姿を見つめる。 「ささ、悟史が、嫌じゃ……なければ……ね」 唐突に話を振られて、不意打ちに魅音は明らかに動揺した。ぼっ、とあっという間に頬が赤くなる。私服も制服も厚着しているから、彼女の肌が露になるのは珍しい。厚着のせいもあって日に焼けていないのか、たおやかな曲線を描く豊かな胸や括れた胴体は、染みるように白かった。 「てっててて言うか……わ、私なんか見ても、つつつまんないよ?」 悟史の視線に耐えられなくなったらしい魅音が細い肩をすくめる。 案外打たれ弱い彼女は、あまりからかうと本気で凹んでしまいかねない。悟史はいつもの通り、妹にするように魅音の頭を撫でた。 魅音の身体はしなやかに締まっていて、ぴんと張りのある肌はやたらと柔らかくてふわふわしていた。強気なようで弱気な面もあると前々から漠然と察してはいたが、男の子みたいな態度をとっていても女の子なんだなと改めて実感する。 「ん、うぅ……」 胸や秘所などの一般的に敏感な部分だけではなく、背中や首、手足に触れるだけで、魅音は小さく声を上げて身悶える。そっと秘部の内側に指を差し入れると、そこはすでに濡れていた。親友たちの情事を目の当たりにして昂ぶっていた分を差し引いても、十分すぎるほど。 感じやすいと言うか、やらしいと言うか……正直にそんな事を言えば、魅音が速攻で臍を曲げるのは目に見えていたので黙っておくが。 再び立ち上がったものを魅音の体の中心にあてがい、悟史は自分の体が震えるのを感じた。自分から突き入れるのは初めてで、それが相手の女の子に痛みを与えるものだと知っているから、なおさら躊躇する。 「あ……いいよ、そんなに気ぃ遣わなくても。一気にいっちゃって」 事も無げに魅音は言う。だがその目の奥に揺れる怯えの色を、悟史は見逃さない。 「……魅音」 「へーきへーき……おじさん、レナより頑丈だからね。ちょっとくらい激しくても壊れないからさ」 またそういうこと言う、と隣にいたレナが頬を膨らませて魅音の頬を優しくつねる。 むぅ、と言葉を詰まらせて俯いた悟史が、ふと何かに気が付いてすぐに顔を上げた。 「ええと……魅音の膝、がくがくしてるんだけど、僕の気のせい?」 「くっ?! こ、これは、そう、武者震いってやつ?」 「震え……ひょっとして、魅音、怖がっ」 「ち違う、違うよ! じゃあ、ちょっぴり体支えるの疲れちゃったんだよ、おじさん歳だから!」 「むぅ。じゃあ、って……それに魅音、僕と同い年」 「もー! 悟史の気のせいだってば!」 遠慮がちだがもっともな突っ込みを入れる悟史に、魅音はやけを起こしたように言い放ち、その直後にがっくりうなだれた。 ――下手な言い訳を考えたりせずに、始めからこう言っていればよかったんじゃん。と顔に書いている。 相変わらず見事なまでのド壺っぷりに、ぶぷっ、と悟史が吹き出し、レナもくすくす笑いを零してしまう。 「何よー! 笑うなー!」 「あははは、あーははははは!」 「はう、魅ぃちゃんかぁいい! お持ち帰りしたいよぉ~☆」 悟史は声を上げて笑いだし、レナはかぁいいモード。魅音は笑われているのが癪に触って更にムキになる。もう雰囲気も何もあったもんじゃない。 またやらかしちゃった? と我に返った魅音はあうあうと新しい仲間のようにうろたえる。 とりあえず笑いの治まった悟史は呼吸を整えて、こつんと魅音の額に自分の額を合わせた。 「いいよ魅音、君は君で。それでいいよ」 本人にその気がなくとも、いとも簡単に雰囲気をぶち壊す。時には望まぬ悲劇を生み出す一端になってしまったかもしれない。けれど今、悟史とレナに笑顔を与えている。 そうしてまた三人で笑い合う。 悟史は深く息を吐いて、魅音の中に入っていく。 「ふ……あ、うぅ……ん、んん……」 声を押し殺して、魅音は必死に耐えた。ぴくぴくと痙攣して絡みついてくる肉の襞を擦り上げる。 ぬるぬると柔らかくて、レナの時ほど強い抵抗はなかった。ただ中で動いたり身体に触れたりと刺激を与える度に、埋め込んだモノを中に引き込むように、絡みつく襞が激しく収縮と弛緩を繰り返す。その感覚に頭が変になりそうだ。 「み、魅音……もう、入ったよ。痛く……ない?」 見下ろした魅音は、ぎゅっと眉間に皺を寄せて苦しそうに息を殺している。 「……だ……大丈、夫……入口のとこ、ちょっと痛いけど……中の方が、あったかくて、か、硬いのが擦れて、あぁ、何か……」 「み……魅ぃちゃん。せ、説明は、しなくていいと思う……かな。かな」 目の焦点を定まらせないまま、うわ言のように恥ずかしい告白をする魅音をレナが赤面して遮る。さっきのレナも似たようなことを口走っていたが。 「……レナ、頑張ったんだね」 不意に魅音はぽつりと呟く。 今なら、もっとわかる。つい先ほど、どんなに痛くても、泣き言一つ零さずに悟史のために尽したレナがどんなに頑張ったのか。 その呟きを聞いていたのかいなかったのかはわからないが、レナは無言で魅音の身体を抱きしめた。柔らかそうな肌が触れ合って、ひとつになってしまいそうだと、悟史はあるはずのない事を考えてしまう。 「悟史……我慢とか手加減とか考えないでね。どうか、悟史の好きにして欲しい」 それはレナと同じくらい自分も頑張らなきゃという決意かもしれないし、なかなか積極的になれない彼女なりの誠意でもあるのかもしれない。 ああ。どうしてこの子たちは、こんなにもいつも人のことばかり考えるんだろう。 悟史は愛おしそうに魅音の髪を撫でて、真っ赤に染まった魅音の頬に唇を寄せる。 「うん……手加減しない。我慢なんてしないから。だから、もう……君たちも、僕に気を遣うのはやめて欲しい。笑いたい時に笑って、怒りたい時に怒って、……一緒にいたい時に、一緒にいよう」 三人は、静かに、強く頷き合う。 そして宣言通り、悟史は躊躇いを全て捨てて魅音を責め立てた。 「ひぅ……あっ、あ、あぁ……」 衝動や快楽、欲求のままに身体を揺さぶる。押し広げられたばかりのそこを激しく掻き回されて、魅音が弱弱しく喘ぐ。円を描くように掻き回して、出し入れを繰り返し内部を擦り上げる度に、ぐにぐにと絡めとって吸い込んで、逃がさないと言わんばかりに襞が絡みついてくる。 ぐんと反らされた魅音の傷ついた背中をレナが抱きとめた。 「うあぁっ! ああっ……! やぁ……んっ……ああ、あぁー……!」 頭の部分が見えてくるほど腰を引き、一気に容赦なく押し入れる。 魅音はただ懸命に悟史のものを受け入れ、レナは子を慈しむ母のような眼差しで二人を見守り、魅音の背中を抱いていた。 よく言えば一途、でもあまりに痛々しいその献身。 魅音は仲間外れを嫌い、周りのあらゆるものを受け入れることで、生まれてすぐに生を拒絶されかけた『詩音』を。レナは母性をもって他者と接することで、歪な形で母との離別を経験し、母の愛に飢えていた『礼奈』を。それぞれ慰めているのかもしれない。 悟史は知らない。二人の隠したい過去、けれど決して忘れてはいけない罪、悲しみ、心の隙間、そういったものを、悟史は知らない。彼だけではない、それは誰も知らない彼女たちの秘密。 悟史は、レナと魅音の心の奥の奥に隠されたそれを慮ることができるだけ。 人の心の機微を読むこと、心の動きを察すること。悟史の年齢で、彼ほどその術を把握している人間はいないだろう。それが、母が入れ替わり立ち替わり連れてくる『父親』と馴染み、より早い段階で平穏を作り出す数少ない方法の一つだったから。 「悟史、また、おじさんたちに気を遣ってる? あはは、悟史らしいね……」 魅音が笑う。無理して笑わないって約束したばかりなのに。だいたいこんな時におじさんはないだろ、と思わなくもない。けれどそれは、表情を曇らせた自分をちょっとでも和ませようとしてくれているのだと知っていた。 この子たちのために何が出来るのか悟史は考えて。考えて、それはおこがましい事なのかもしれないと思い当たる。今まで彼が舐めてきた辛酸を想像できる人間はいないのだから、結局はそういうことになる。 でも、受け止めたかった。こんなにまで懸命に自分に尽くしてくれる魅音とレナの気持ちに応えたかった。 人に気を遣ってばかりの少女たちを、少しでも思い遣りたかった。 そんな悟史だから、二人も彼を救いたいと、彼の心の荷を少しでも取り除きたいと願い、そしていつしか惹かれていった。どうしようもないほど。 ……狂おしいほどに。 やがて彼らは高みを越えて、絶頂に辿り着き。 「おじさんもうだめー……寝るぅー……」 「はぅ~お父さんに連絡しなきゃ……むにゃ」 「……むぅ」 色々と力尽きた三人は無造作に床に転がっていた。 冷静になると、かなりとんでもない事をした気がする。 今すぐにでもこの場で正座をし、頭を足元に擦りつけて雛見沢の神の如く謝罪を繰り返したい衝動が湧きあがらなくもない。 でも後悔する気持ちは、込み上げなかった。 全力でぶつかろうと思って、それを実行し、全身で受け止めようと決めて、それをやり遂げた。ある意味、ひょっとしたら、これ以上なく幸せな時間だったかもしれない。 三人で狭い布団の上に川の字になって。とりあえず今は、互いに無防備な寝顔を晒して眠りに就こう。 これからもこの平坦な日々の中で暮らしていこう。 一緒に過ごせる時間をかみしめよう。 レナが心を寄せ、魅音が守ろうとして、悟史がまた歩き始めようとしている、この村――三人の秘密を擁するこの雛見沢で。 (了)
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/406.html
フリーなカメラマン 生本番 ~ネトラレナ~の続き もうすっかり茫然自失していたのに、俺は奴の声でふたたび覚醒する。……してしまった。 奴のきもちよさそうな声を羨ましくおもいながら、もうドタンバタンと床の上を暴れまわる。 といっても身動きを取れないのはあいかわらず、ただイモ虫みたいに這いずり回るだけだ。せめて……せめて手さえ自由になっていれば、このズボンの中で破裂しそうになっているものをシゴけるのに。 いくら興奮しようと、ペニスに触れず射精などできない……。 この溜まったもの……ドロドロに蠢いているものを……誰かなんとかしてくれええぇぇ!!! 俺が暴れまわってる最中でも、当然のように富竹とレナは激しいセックスを続けていく。 富竹が腰を激しく打ち付けると、奴の腹とレナの股間がぶつかり合う。 その連続した動きがなんともいえない乾いた音を耳に響かせていく……いくんだよおお! パンパンパンパンパンパン!!!!!スパンスパンスパンスパン!!!!!! 「ふあぁぁぁ富竹さん激しいぃぃぃぃ!!!レナそんなに突かれたらもう身体おかしくなっちゃうなっちゃうなっちゃうなっちゃうよぉぉぉよおおおおダメダメらめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「いいよもっとおかしくなりな!レナちゃんは激しくされるのが好きみたいだからもっと奥まで突き刺してあげるよほらほらほらこうペニスを叩きつけられるのが好きなんだろう!!!」 「あはぁぁぁあ!!!ややぁぁだめだめそれだめだめそれダメダメダメあぁぁぁ許して許してゆるしてゆるしてごめんなさいごめんなさいごめんなさいひいひいああぁぁぁぁ!!!!!」 富竹はレナにペニスを突き刺す!突き刺す!突き刺す! ズブズブ!ズブズブ! その激しさにレナはおもちゃみたいに揺らされる! ガクンガクン!ガクンガクン! 口から出たよだれがそこらじゅうに飛び散る! ピチャピチャ!ビチャビチャ! 二人の乗るベッドが音を立てる! ギシ!ギシ!ギッシ!ギッシ! ああそれがたまらなくいやらしい!いやらしすぎる!!! 割れ目がピストンさておまんこ液が噴き出る! ブビュブビュ!ビュルルル!!! 真新しいシーツがもう汚れる! 汚れる! 汚れまくる!!! 奴のペニスとレナのおまんこが絡み合う音が聞こえてああぁぁぁもうやめてくれぇぇ!!! あぁぁでもすげえ・……す、すげえ丸見えで……レナの処女まんこにもうあんなズッポズッポ富竹のが……うまそうに……きもちよさそうに……あぁぁぁあぁすげええええぇぇぇぇぇ!!! パンパンパンパンパンパン!!!グッチュグッチュグッチュ!!!ブビュッブビュゥゥ!!! 「あひぃぃ!あぁレナだめだめこんなのダメぇぇぇ感じすぎちゃうよぉぉぉぉあ、あ、あぁぁぁ!富竹さ!お、おねが!も、もう少しゆっくりあぁぁ、あんあんあんあん、あんあはぁそこダメぇぇそんなに奥擦っちゃダメだよぉぉぉあ、ああ、あ、き、きもちい、い、ひああぁぁぁぁ!!!」 あぁ……あぁ……ふ、普段あんなにかぁいらしく……はぅ~♪だとかお持ち帰りぃ~♪だとか言ってるレナでも……あ、あんなふうになるんだ? あんなエロビデオみたいな喘ぎ声……あ、あげるんだ? あぁ……な、なぁレナ、そんなにきもちいい? そんなおかしくなっちまうほどにセックスっていいもの? そ、そりゃあ俺はまだ童貞で、おまけに男だから女の快楽なんてわかんねぇけど……そ、そんなよがり狂っちまうほどいいものなの?……あぁ……このレナの顔……舌をだらしなく出して……ハヘハヘ息をして……よだれをピチャピチャ垂らして……こういうのなんていうんだっけ?……ああ……さっき奴がちょこっと言ってたような……ああそうだ……ア、アヘ顔だっけ?……白目まで剥いて……きもちよさそ……に………くぅおあああ俺もやりたいレナと犯りたいヤリたいレナとヤリテぇよぉぉぉぉ!!! 『そ、そうだろう圭一くん!君ももうたまらないだろうけどごめんごめん今レナちゃんのまんこはズッポリ埋まってるんだごめんねあははごめんごめん!!!なにせほんとにすごいんだこのレナちゃんおまんこ僕ももうガマンできそうにないんだよぉぉぉもうこれ以上お腹に力を入れるのも限界なんだぁ!!!ほんとはもっと楽しみたかったけどこのままレナちゃんの中に出していいかいこのまま中出ししちゃってもいいかないいよねぇ!! いちおうレナちゃんの大好きな君にこれだけは聞いたおかないといけないとって思っ……くぅぅぅぅぅあぁぁダメだダメだダメだぁぁぁぁぁ!!!君がダメって言ってもこのキツキツに締め付けてくるレナちゃん処女まんこには抵抗できそうもないよぉぉ!!!で、でもしょうがないよね?これはレナちゃんが悪いんだ君のことが大好きなレナちゃんがこんなに僕のペニスをグイグイ締め付けるからヌルヌルきもちよくするから悪いんだよあぁほらほらほらまたそんなにほんとスケベな女だなあぁぁ出る出る中に射精するよ圭一くんごめんごめんよごめんねぇぇぇあぁぁ!!!』 !?や、やめろやめろやめろそれだけはやめろやっちゃいけねえだろうがぁぁぁやめろ絶対やめろやめろやめろああ羨ましいうらやましいうらやまちがうちがうそうじゃねぇぇぇぇそんなことしたらできちまうだろうがなんだっけアレだよアレとにかく『出来ちまう』だろうがやめろやめろやめてくれぇぇぇ富竹さぁぁぁぁんやめろこのド鬼畜野郎おおおおおおぉぉぉぉ!!! ドビュルルルゥゥゥゥ!!!ドビュドビュ!!!ドビュビュビュビュウウウゥゥゥゥ!!!!! 「!? ふ、ふああぁぁぁレナのお腹が!お腹が熱いよぉぉぉ何これぁぁああぁぁぁでもきもちいい、ひい!なにか来てるきてる!レナのお腹のなかにピュッピュッしてるよぉぉぉ!!!」 あぁ……あぁぁぁ……あああああ……だ……出しやがったぁぁぁ……。 俺の……俺の必死の叫びも空しく……富竹は……奴は……レナの中に……まだ誰の子種も受け入れたことのない……膣に……子宮に射精していった……しちまった……。 左のモニター……レナの割れ目に突き刺さっている奴のペニスが……ビクンビクン脈をうっているのが見える……射精の動きだ……あれはまちがいない……だって俺もしたことあるんだから……男にとって最高に……きもちいい瞬間だ……。 しかも、あ、あの野郎……出してる最中も……今射精しているこの瞬間にも……ああそんなのありかよ……う、動いてやがる……腰をガンガンブチ込んでやがる……レナのまんこに……ドクドク流し込みながら……中で精液を……グチャグチャに掻き混ぜてやがる……。 ドビュビュビュ!!!ドビュゥゥゥゥ!!!ビュビュビュ!!!ビュウゥゥゥゥ!!!!! 「う、うおおう……レ、レナちゃんどうだ……い、最高だろ!ぼ、僕もいい……くぅぅ!!!」 「あひ!あひぃ!こ、こわれちゃ!レ、レナの中、身体、こ、壊れちゃ!う!あ、あ、あ!う、嘘!嘘だっ!こ、こんなのこんな!のぉうそぉ!あ、あぁぁ!き、きもひい!いいひぃ!!!け、けいいひくふぅぅんレナきもひい!これいいいい!!!あひゃぁああぁぁあぁあ!!!」 『あぁぁぁさ最高だあぁぁぁぁこの女の膣はほんとに最高だよ圭一くん!!!ず、ずっとこのおまんこに射精するのを狙ってたんだ!あのゴミ山で!初めてレナちゃんをカメラに収めた時から!ずっとずっとこのかわいやらしい身体に中出しするのを狙ってたんだよぉはあはあはあはぁぁぁぁ!!!だからね圭一くん君のような男の子が傍にいると知った時は少し残念だった!なんせもう君が先に処女をもらっているだろうなと思ったからね!でもすぐにそれは杞憂だとわかったんだよ!だって彼女と話してみればわかる君と話してみればわかるああこの初々しさは間違いなく『まだ』だなってねえええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!あぁありがとう圭一くん!君がモタモタしていてくれたおかげで僕はこんなにもくおおおおおこんなにもきもちいい処女まんこを味わうことができたよおおぉぉうううううう出る出るデルまだ射精するよこれはすごいすごい袋の中のものが全部吸い出されそうだああぁぁぁぁぁ!!!見てみなよこの顔!僕に中出しされて馬鹿みたいによがり狂ったレナちゃんのアヘ顔! まったくほんとスケベな女の子だ!ドスケベな淫乱な女だったね!清純そうなふりしてとんだド変態女だったってわけだぁぁこれならこれから毎日毎日毎日楽しめそうだねぇぇぇぇははははははあああこの雛見沢に来てほんとによかったぁぁぁ仕事とはいえこれは東京の方々にも感謝しないとねぇぇぇこんな田舎娘が極上のまんこと身体を持ってたんだからぁ!!!ああ出る出るでるまだ出てるよなんで止まらないんだろうねもう頭がおかしくなりそうだあああアアアアアアアレナちゃんのレナのこの女のこのメスのまんこは最高だああぁぁぁぁ!!!』 ドビュブブブビュウゥゥゥゥ!!!ドビュドビュドビュドビュビュウウウゥゥゥッゥウ!!!!! 「ふあぁぁぁ!あぁまだ出ちゃってるレナの中に出てるよぉぉぉ!!!こ、これ……!?はぅぅダメダメダメぇぇぇレナ赤ちゃんああでもきもひいい!!もっと欲しいのぉあぁでも赤ちゃん赤ちゃんだよぅレナ拒否してぇああでもらめらめらめぇえお腹きもちいひいいぃぃ!!!」 あぁ……あのやろう……レナに……俺のレナに射精しながら……つ、ついに……ついに本音を言いやがった……このだとか……色々……ひどいこと……言いやがった……。 ああでも……レナは気づかない……気がつくわけない……そりゃそうだ……だってあんなによがってるんだから……アヘ狂ってるんだから……こ、子供ができるとか……ちゃんと理解したふうなこと言ったのに……そんなことより……中に出されるのを……膣にドプドプされるのを……中出しの快楽を……たまらない悦楽を……優先しちまってるんだからぁ……。 ビュウ……ビュ、ビュ!!!ビブビュゥゥ……ビュウゥゥ……ビュー……。 「あ、ああぁぁ!!は、はん!はぁぁぁ……あ、ああ、あぁん……ああ……♪」 「う……レナちゃ……そろそろ……終わ、る……よ、よく受け止めたね、え、偉いよ……」 「は、はひぃ♪……す、すご……と、富竹さ…のが……レナお腹いっぱい……はぁ……♪」 …………く………そ………終わっていく……『レナが富竹に中出しされ終わっちまった』。 ようやく……ようやく富竹のペニスが……ピクピクと脈を止めて……おさまる……。 お、おまえさ……さっきあれだけ俺に……エロマンガの見すぎとか言っといて……その射精の長さは……なんだよ?……それはないだろ……馬鹿か……アホかよって……。 レナの割れ目……奴のペニスがしっかり咥え込まれてるせいか……まったく精液が溢れ出てこない……あれだけ大量に出されただろうに……つまりそれだけレナの膣は……とても狭くてよく締まる……最高の名器だってことか……よかったなレナぁぁぁ……。 『はぁ……はぁぁよかった……すごくよかったよ圭一くん。 最高だ……こんなにきもちいい射精、そうそうないよ。 レナちゃんの身体ほんとによかった……まあ鷹野さんの次くらいにイイかな……あはははは、まあこれはお約束だから。 ……あぁそれにしても、全然流れ出してこないね僕の精液。 あれだけ長かった射精だ、たぶん今レナちゃんの膣には僕の精液がタプンタプンに溜まってると思うよ。 もちろん子宮にも届いちゃってるだろうね……。 あ~まずいな、安全日かどうか聞くの忘れてたよごめんごめん。 まあ……別にいいよね?ほら、想像してごらん。 今君の大好きなレナちゃんのおまんこの中で、僕の……他の男の精子が何千万という数泳いでいるんだ。 そしてレナちゃんの子宮、卵子に向かって受精しようと続々とひしめきあっている……。 今後の生活で、君の前ではぅ~だとかお持ち帰りぃ~だとか言うかぁいいレナちゃん……そのお腹の中では僕の子供がすくすくと成長しているかもしれないねぇ?あははははははは!!! …………おっと忘れるとこだった。 カメラを持ってることすっかり忘れてたよははは、これだけはやっておかないとねぇかならず……。さあこれで最後だよ圭一くん、じっくりと見せてあげるからね……』 ……………これ以上……これ以上何を見せるってんだよ……もう何もないだろうが……。 俺は呆然としながら……目の前のモニターを見つけていった……。 左のモニター……富竹のペニスがレナの割れ目からジュポリっと引き抜かれた……。 右のモニター……奴が手に持ってるカメラの映像が……めまぐるしく下に移動していく。 どうやらペニスを抜いてすぐ……レナの割れ目にカメラをもっていったらしい……。 ペニスが抜けた直後の膣口……中出し直後の割れ目がどアップで撮影される……。 …………ゴポリ……ゴポ…ゴポ…ゴポ……ゴプゴプゴプ………。 「あふ……あ、あ、あ……で、でて……るぅ……レナのおなか、から……あ、あ、あ……」 割れ目の周りの肉が……ヒクヒク痙攣している……そして中から……奴の精液がドロリドロリと吐き出してくる……出る出るでる……まだ出る……こんなに出したのかよ……ありえねぇ。 「あ、あ、あ……♪ レ、レナぴくぴくしちゃ……腰が動いちゃ……よ……ぉ……♪」 「たくさん出たね。 レナちゃんのおまんこからどんどん溢れ出てきて……でもまだまだだよ。ほらレナちゃん、ちょっとお腹をグってしてごらん? ゆっくり力を入れていくんだ……」 「は……はひ♪……ん……ん……んぅぅ~……♪」 もうレナは富竹の言いなりなのか……声には人形のようなものしか……感じられない……。 奴に言われたとおり……おなかをグっとすると……いやらしく開ききった割れ目から……ドロリドロリドロリ……ドロドロドロ……粒のようになっている濃い精液が……あまりに濃すぎる白濁液が……あぁ……ちょっと濃い目に作ったカルピスみてぇだなぁ……まぁ……それがドロドロと……出てきた……溢れ出てきた……まだ中に……あんなに溜まってたんだ……。 『うわぁ……これはすごいね。我ながらこんな出るとは思わなかったよ、ごめんね圭一くん。どうだい、この映像はすごいだろう? おまんこからどんどん溢れてくる……まだ中にこんなに溜まってたんだねぇすごいすごい。 レナちゃんのおまんこの締まりの良さの証明だよ。いやぁおかげでいい映像が撮れたよ。 カメラマンとしてはこれだけの処女喪失物が撮れればもう大満足だよ。 まあちょっと女優がドスケベすぎて処女に見えないのがアレだけどねぇ、あははははは。 あー、もうバッテリーがないね、じゃあここまでにしようか?よくがんばったね圭一くん。 途中で発症してもおかしくなかったというのに、君はほんとによくがんばった。 これも愛の為せる技かな?あはははは。 ん? ああ、わかったよ。前原くんありがとう、ほんとにいいデータが取れたわ……そう、彼女が伝えてくれってさ。とっても嬉しそうに喜んでいるよ、もう子供みたいにハシャイでるなぁ、あははははは。 こんな方法を取るなんて、まったく人が悪いよね彼女も。 まあ、僕もだけどね。 ああそうそう、そんなに悲観することはないよ。 この出来事はどうせ君の頭から』 …………そこまででモニターの映像は途切れた。 ふたたび真っ暗な闇が襲ってくる……。 ああ……ちょうどいい……このまま眠ってしまおう……どうせ夢だ……これは夢だったんだ。 ……夢だなんてダメか……ああダメだ……レナはどうする……たとえ夢の中のレナでも……俺は好きなんだっつーの……『なかった』ことになんて……できるかよ……何逃げようとしてんだよ……前原圭一……最低野郎が……ズボンの中……パンツがもうビチャビチャじゃねえか……しかもまだ硬い……若すぎ……童貞すぎだろ俺……ああもういいやもうい。 その後もレナは富竹さんとセックスしていきました。 二回、三回、四回……。 さっきまで処女だったレナの中に、おちんちんが何度も何度も入りました。 すごくきもちいいです。 とってもきもちいいの。 もうたまらないの……。 最初は普通の格好でした。 レナがベッドに寝転がって、そこに富竹さんが覆いかぶさってくれました。 とってもあたたかかったな。 全然痛くなかったし。 ほんときもちいいだけだった。 その後は色々な格好でしました。 レナはそういうのよくわからないから、全部富竹さんにお願いしたの。 身をまかせたの。 富竹さんがあお向けになりました。 そしてここに乗ってごらんって、おちんちんを差したの。 もうビンビンだったの……。 ちょっと恥ずかしかったけど、レナはがんばってそこに乗りました。 あれ、でも……。 おちんちんがうまくいれられないよぅ。 まだ入り口が狭いのかな? はぅぅぅ。 だから富竹さんが突き上げてくれました。 そうしたらズブってレナの中に入ったの……。 すごい。 やっぱりこれすごい。 おまんこがすごく熱い。 ジュクジュクするよぅ……。 レナはただ富竹さんに乗っているだけ。 ちょっと楽しすぎかな? でも動けないの……。 富竹さんがどんどん突き上げてくるから、それだけでレナは何もできなくなっちゃうの。 きもちよすぎてたまらなくて。 おなかが上に突き上げられて、中身が口から出ちゃいそう。 この格好は、騎乗位っていうんだそうです。 そうなんだ……。 はぅ、たしかにお馬さんみたい。 レナの身体が揺らされちゃう。 きもちいいよぅ……。 富竹さんはしてる間、レナに恥ずかしいことを聞いてくるのが好きみたいです。 レナは嘘が嫌いなので、それに正直に答えていきました。 「ほらほらほら、どうだいレナちゃんこの格好は? 下から突きあげられるのがたまらなくイイだろう? しかも繋がっているところも僕から丸見えなんだよほらどうだい答えるんだ!!」 「あふ! こ、これすごい、すごいです富竹さん! お、奥まで、レナのおまんこの奥まで入っちゃうよぉお腹にズンズンきちゃうぅぅぅあぁぁ全部見えちゃってる恥ずかしいよぉ……」 「この格好だとね、おもしろいことができるんだ! 女の子が自分で腰を動かしたりもできるんだよすごいだろう!レナちゃんみたいにスケベな女の子が大好きな体位だよ!!!」 「はぅ、や、やだ♪ レナはそんなエッチな子じゃないです!こ、腰なんてふらないで……あ、あ、あ!でも動かすとほんとにきもちいひ♪あ!あ!あん!あん!あん!」 ほんとはすっごく恥ずかしかったけど、レナはきもちいいのが好き。 大好きになってます。 だからちょっとだけ、ほんとにちょっとだけ動かしてみました。 がんばって腰を動かしたの。 そしたらほんとにきもちよかったです。 もうさっきよりもぜんぜんよかったの……。 富竹さんが突き上げて、レナはそれにあわせて上下に動く。おちんちんを受け止めます。 どこでって……はぅ、そんなこといえないよぅ。 き、きもちいいところで、です……。 もうたまらなくてたまらなくて、レナは腰を振ります。 富竹さんの腰の上で振っていきます。 そしたら……いつのまにかレナ一人でした。 富竹さんはもうまったく動いてませんでした。 レナだけが動いていたの。 きもちよくなってたの。 おちんちんを食べていたの。 はぅぅ、恥ずかしいよぅ……。 でも止めません。 だってきもちいいんだもん……。 そしてドピュってされちゃいました。 おなかにさっきの生温かいのがまた入ってきました。 これ、この奥に当たるやつ、好き。 すごく好き。 大好きです。 ……圭一くんと同じくらい。 二回目が終わったら、次は三回目です。 富竹さんはぜんぜん休ませてくれないの。 今度のはレナもびっくりしました。 だって、立ったままするんだもん……。 レナは富竹さんに言われます。 僕の首に掴まってねって。 だから両手を絡ませました。 そして富竹さんはレナの片足を持ち上げます。 恥ずかしいとこが丸見えです……。 横からズブズブって、おちんちんが入れられました。 一気に根元までです。 ねじ込まれるように、おちんちんがきます。 あ、こ、これすごい。 すごくいいかも……。 さっきとちがうところに当たる。 レナの中に当たってます。 き、きもちいい……。 レナは富竹さんの首に掴まりながら、いっぱい喘いじゃいます。 抱っこされてるみたい。 耳元で声をかけられます。 また恥ずかしかったけど、正直に答えていきます。 「ほらほらほら、立ったままするのはどうだい! おまんこの色んなところに当たるだろうね!横からねじ込むように入れるのはどんな気分だいほらほらほらぁぁ!!!」 「あぁぁす、すごい!すごいですきもちいい!な、何これぇなにこれぇぇ、さ、さっきとちがうところに当たってぇぇ、お、おちんちんがレナの中の壁にあたってきてぇぇぇあぁぁぁ!!!」 「ペニスのスジがさっきときもちいいところにあたるよね! ここが女性にとってはたまらないらしい! 男が腰の角度を変えていくだけでちがったきもちよさが膣に走るんだよ!!」 「あ、あ、はい、はい! グ、グリグリあたってます!色んなきもちいいとこにグッグッって擦られちゃってるよぉぉぉ! あ、で、でも立ったままするなんてやっぱり恥ずかしいはぅぅぅ」 レナは足を大きく上げて、新体操みたいにしながらたくさん突かれます。 恥ずかしい…。 でもほんとに富竹さんのいうとおり、おちんちんの裏のとこ。 管みたいのが付いてるところ。 そこで擦られると、ほんとにすっごくきもちいいの。 おなかにグリグリきちゃうの……。 ココ、好き。 おちんちんのココ、すごく好き。 大好き。 圭一くんももちろん、大好き……。 また中に出されちゃいます。 どぴゅどぴゅどぴゅ~。 どくんどくんどくん……。 三回目も量が変わりません。 レナの中でいっぱい赤ちゃんが泳いでいます。 さっきまでは平気だったけど、さすがにこの格好だとダメ。 たくさん漏れちゃいました。 とろとろとろ。 どろりどろりどろり。 レナの恥ずかしいところからいっぱい出てきます。 ふとももにも伝ってきて、床をびちゃびちゃにしちゃいます。 あとで綺麗にしなきゃ……。 三回目が終わったら、次は四回目。だと思ったんだけど、富竹さんはちがうことをさせます。 レナにお膝をつかせます。 そしておちんちんを。 ドロドロになったのを咥えさせました。 富竹さんのはとってもおっきいです。 レナはできるだけあ~んとお口を開きました。 ちゃんと入るかな? と思ったら、急に頭を掴まれました。 そしていきなりジュポリッ!!! むりやり咥えさせられました。 はぅ、苦しいよぅ。 でもレナは頑張り屋さんなの……。 がんばって富竹さんのをしゃぶります。 大好きなおちんちんを口で愛していきました。 もちろんこんなことするの初めて。 うまくできるかどうかわからないけど、がんばるの。 そんなレナに、また富竹さんは教えてくれました。 どうすればいいか教えてくれます。 「ほらレナちゃん。 まず口をできるだけすぼめて、僕のペニスを締め付けるんだ。 さっきおまんこでやったみたいなことを、今度は口でしていくんだよ。 簡単だろう?」 「ん……ふぁ、ふぁい。 がんばりまふ……ん、んぅぅ……ん、ん」 「そうそう……う、おおう……なかなかいいよ。 そしたら舌もちゃんと使うんだ。 こう、ねぶるように僕のペニスに巻き付けていくんだよ……お、お、おおおおうまいねぇレナちゃん」 「そ、そうれふか? んぅ、れ、れなうれひいれす……ん、ん、ん」 富竹さんに言われたとおり、レナはお口を締め付けます。 おもいっきり啜ります。 おちんちんが口の中で、ぴくぴく。 あ、きもちよくなってくれてる。 もっとしよう。 だってレナの初めてを奪ったものだもん。 かぁいいおちんちん……愛してあげたいの。 舌も使います。 先っぽのとこに巻き付けて、ぴちゃぴちゃぴちゃ。 ぴくぴくぴく。 穴みたいになってるとこも舐めるの。 舌でほじほじしてあげます。 富竹さんが呻く。 弱点なんだなってわかりました。 だってレナはカンが良い女の子だもん。 隠してもダメ。 ん、何か苦いのが出てきたよぅ。 舌で舐め取ったらすごく苦い。 苦いよぅなにこれ……。 それも教えられました。 カウパーなんとかっていうんだそうです。 むずかしい名前……。 飲めと言われました。 だからがんばって飲みます。 はぅぅぅほんとに苦い……。 舌で舐めとっても舐めとっても出てきます。 どんどん出てきます……。 ようやく出てこなくなりました。 と思ったら、どぴゅどぴゅどぴゅ!!! お口にきます。 苦しい。 レナは本能的に飲み込みました。 だって死んじゃうもん……。 富竹さんも飲めと言っていました。 頑張ってごくごくします。 はぅぅこれも苦い……。 そ、それにすごく生臭い。 なにこれこんなの今まで味わったことないよぅ……。 なるべく味がわからないように、すぐ喉に流し込みます。 ごくごくごっくん……。 濃いので喉にひっかかります。 あ、でもだんだんサラサラしてきた、これなら飲みやすい。 うぅでも、でもでもでもやっぱり苦い。 まずいよぅ。 コレはあんまり飲みたくないな……。 コレ、嫌い。 コレは大嫌い。 だってまずいもん苦いもん。 圭一くんの方が断然、大好き。 飲み終わりました。 富竹さんが教えてくれます。 今のは『口まんこ』っていうんだそうです。 これからはするとき、『レナに口まんこさせてください』。 と言って咥えろと言われました。 ……嘘だッ。 レナにはすぐにわかります。 きっとそんな名前じゃないよね今の。 でも富竹さんはレナにそう言わせたいらしいです。 だから嘘だけどそういうことにしました。 そして次は……何回目だったかな。 とにかくまたレナは富竹さんとセックスをしました。 床に四つん這いになれと言われます。 犬みたいにお尻を突き出せと言われました。 はぅ、この格好も恥ずかしい。 わんわんだよぅ。 梨花ちゃんが見たら何て言うだろう。 富竹さんのお顔が見えない。 だからいつ入ってくるかドキドキしちゃう。 ワクワク、かな。 レナのお尻が開かれちゃいます。 左右に広げられます。 はぅぅ、どこ見てるの? 富竹さんはレナのお尻の穴を見ていました。 おもいっきり広げて丸見えにしてます……。 女の子のお尻の穴は、覗いちゃダメ。 ダメだよね? でも男の人は大好きみたい……。 富竹さんはじっくり見てきます。 レナは恥ずかしくてたまりません。 お顔が真っ赤です。 そして入れてきました。 おちんちんを。 不意打ちすぎるよぅ、心の準備できてない……。 あ、あ、あ、またきもちいい。 すごくきもちいい、イイ。 後ろから突かれてるよぅ……。 ぱんぱんぱん。 レナのお尻のエッチな音。 この音すごくやらしいと思う……。 なんかこの格好、変な気分だよぅ。 まるで知らない人に犯されてるみたい……。 相手が見えないから、ほんと不安になる。 でも何をされるかわからないから、それも変。 きもちいいのが急に来る。 いきなりお尻を叩かれた。 そして言われます。 「いやらしいなぁレナああぁぁぁ! なに尻をふりふりしてんだよそんなに俺のペニスがいいのかこのスケベが! さっきまで処女だったのに俺に悪いと思わないのか!!!」 「あ、あんあんあん! お、お尻なんて振ってないよぉぉ! レ、レナはスケベなんかじゃないもん!あんあんあああぁぁぁ! け、圭一くん言わないでようぅぅぅああぁぁぁ!!!」 「ほんとにスケベな奴だ!ド変態だな!頭のいいレナは乱れやすいと思ってたぜええぇほらほらほらお尻がタプタプ揺れてるでっかいケツが揺れちまってるぜレナああぁぁぁ!!!」 「あぁぁぁち、ちがう!ちがうよおぉぉぉ!!!レナ変態じゃないもんレナお尻おっきくないもんタプタプしてないもんああぁぁぁぁぁ圭一くぅんもう許してええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 この時レナは少し変でした。 相手が見えない格好のせいか、あの人に……。 圭一くんとしてるような気になってました。 圭一くんにおちんちんを入れられてました。 ……最低かな。 レナは最低? 愛し合ってる最中に、他の人の名前を呼んじゃった? ううんちがうよ。 だってこれは圭一くんだもん。 またそんなふうにレナをイジメるんだから。 圭一くん、レナすっごくきもちいい。 もう身体中が震えてるよ。 すごいよね、これ? もちろん中もそうだと思う。 だからかな、圭一くんのおちんちんすごくきもちよさそうだよ。 レナもきもちいい。 もう頭が真っ白になるほどきもちいいよ。 お揃いだね圭一くん……。 レナは何度も何度も圭一くんの名前を呼ぶよ。 抱かれるの。 ……愛されてる? だから圭一くんも呼んでいいよ。 圭一くんだけしていいよ。 レナをいくらでも抱いて? 圭一くんのすごくきもちいい。 レナも圭一くんをきもちよくしてあげる。 いいよいくらでも。 あ……も、もうまた中に出しちゃったの? ぷ~、ダメだよぅ、レナ赤ちゃんできちゃうよぉ。 えへへ、でも圭一くんのならべつに……いいかな? かな? はぅ~、恥ずかしい……♪ 大好き、圭一くん。 すきスキ好き。 もうたまらないくらい、大好き。 ……愛してる。 レナを圭一くんのものにしてください。 レナの身体にあなたの匂いを染みつけてください。 どこででもあなたを癒します。どこででもあなたに抱かれます。いつまでも……愛してます♪ -
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/320.html
圭×梨(梨花への求婚) 前回のあらすじ 「求婚! 求婚!」 「断婚! 断婚!」 「えぇっ!? そんなぁ梨花ちゃんっ!」 「あ、男根の間違いだったわ」 「愛してるっ!」 「ああんっ」 「くぅっ……」 ペニスを左手で撫で回す。濡れた私の性器で何度か擦っていたので、すべりはいい。早すぎず遅すぎず。 緩急、強弱を入れ替えながら、圭一がそのたびに全く違う快感に支配されるように。 じれったいのか気持ちいいのかよく分からない声を上げる圭一。改めて、その裸を見つめた。 当たり前といえば当たり前だけど、私より広い肩幅に無駄のない肉の付き方。どんな運動でも軽々とこな せるのではないだろうか。色も健康的。そして……。 「……っ」 こうやって触ってはいるけれど、実はまだ、ペニスを直に見ることができないでいた。大きさを触覚で 確認しながら、こんな大きいのが私の中に入ったのか、とじんじんする股を見る。いじられて、入れられて、 狂ったように喘いでいた自分を思い出して赤面した。 圭一がそんな私に気づいて何か言おうとしたので、一際強くペニスを握った。 「いだっ!」 「あら、ごめんあそばせ」 「いや、それ沙都子だから……」 「私としている最中だっていうのに沙都子のことを考えるのね圭一は」 「梨花ちゃんのせいじゃん……つあっ、ごめんなさい俺が悪うござんした……」 そう言ってまた苦悶の表情を浮かべて喘ぐ。 その顔に、幼さはもうない。それはつまり、百年以上見続けた中学生の頃の圭一はもういないということ。 時間は確実に経過しているのだから、顔が大人びるのも当然だった。そんな圭一に私が託すのは、私の全て。 いや、もう託したといってもいい。ついさきほど、私の処女は捧げたのだから。 「……んぁ…んん…んむん……ん」 今度は私が上になり唇を交し合う。経験してわかったことだが、下のほうがディープキスはきつい。おまけに 圭一があまりに激しすぎたし。喉に流れてくる唾液が絶え間なくて、何度しゃくりあげただろうか。首を伝って 胸にまで流れて、乳首が刺激されたせいで熱くもなった。 眠たくなりそうなほど単調なリズムで粘膜を弾く音が響く。時々顔を放しては、まっすぐに見つめてくる瞳に 私が映っているのを確認する。 「ん…ふふ……あむ…んぅ」 頭が真っ白になって、そのときの記憶すらうろ覚えになるくらいに激しいのもいいけれど、やっぱり私には、 こうして圭一のことだけを考えながら自分のペースで事を進めていくのが合っているのかもしれない。だから焦れる圭一には悪いと思う。 頭でっかちな思考。百年続けたそれはこれからも変わらないだろう。 そして、私にはない行動力。それを備えているのが圭一。きっと私が惹かれた理由の一つ。 「…ぷはっ…っ梨花ちゃんキス魔だな……」 「…………」 「んんっ!?」 何も返さずキスに戻る。圭一から口を離したときの物足りなさ、名残惜しさに引かれて唾液の橋が形状を失う前に。 子どもみたいだと思った。いや、子どもなのだろう。どこまでも自分が自分でいられるような気がして、それはきっと私の考えるとおり。 ――愛してるからな。 ありがとう。私も愛してる。 だから。ずっとあなたの傍にいさせてください。 「……んんんっ!」 圭一が声、というか漏らした息を荒げる。知らぬ間にキス自体が荒くなっていたのだ。 舌先、頬の内側、それは頭がくらくらするほどに全部圭一の匂いだった。唾液交換をすると かすかに私の匂いも紛れ込む。それを残さず飲み込んでくれる圭一がただただ愛しい。 長い間、自覚がなかったのだろう。私は愛情を求めていた。お母さんとお父さんがいなくて、 動き出した時の中で日々広がりゆく縁の見えない空白。包み込むでも、ぶつけるでも、 その裏返しでもいい。私を愛してくれる存在が欲しかった。そんな人を私は愛せると思っていた。 今まさに、圭一と契りを交わしている。 「……はっ、はぁっ」 身体を起こす。圭一が息切れしながら私を下から見つめて、 「梨花ちゃん…エロい顔してるなぁ……」 なんて勝ち誇ったように言うもんだから。 夏休みが終わり、また暫く圭一と会えなくなることを考えて泣きそうになっていた私は、 別れを惜しむよりいついかなるときでも忘れられないような私との思い出を圭一に植えつけてやろうと思い立ったのだった。 圭一のペニスを見る。 掌で感じた雄雄しさなんて、こうして見てみればなんてことない。大きさや太さのことを言っているのではない。 それはひとえに、今の私の百八十度変わった視点による。天を突く、なんて大仰な表現がひどく滑稽に思えた。 ひくひくと空中を掻く様は、そこに何もないことに慌てふためいている一人では何もできない幼子そのものではないか。 でもその行き場をいやらしく濡れた私のあそこに求めているのなら、それも悪くないわね。 私は圭一に問う。ペニスを指でさすりながら。 「ふふ…他のところも舐めてほしい?」 「えっ、あ……。あ、ああそう……だな。梨花ちゃんの、したいように…してくれよ…」 明らかに下半身を意識した反応。そうさせるのが悪いと思っている気持ちと本能には逆らえない気持ちが混じり合った 複雑な表情を見せる。プラスそれを押し隠そうとしている意図ね。そうして、選択権を私に委ねたのだ。圭一は。 詰ってやろうかとも思ったけれど、まぁいいか。そういう認識、つまり圭一へのアドバンテージさえあればいつだって、 私は余裕綽々の顔でいられるのだから。 ただ、圭一の希望通りにペニスに顔を埋めるのは面白くないので、ふと思いついた別の行為をしてみることにする。 「まったく。何を期待しているのかしら。圭一のここは」 私は股を開いて右脚を圭一の顔に突き出すと、そっと顎に指先を下ろし、正中線をなぞってそのままペニスへと導いていく。 そして、裏筋を指の間で挟み込むようにして擦った。 「私に舐めてほしかったのかしら? 私の舌で。禍々しく浮き出た血管を圧迫して、カリを包んで頬の肉と挟んで、 私の思うように動かせる今だけの性器の中で、慰めてほしかったのかしら? そうして最後には喉奥を精子の行き所として……。 ねぇ、圭一? でも、だめ。そんなの文字通り足蹴にしてあげるから」 「うぁあっ、梨花ちゃん全開っ……」 「ほら、また大きくなった。私の小さい指の隙間ではもう十分にしてあげられないわ」 両足で挟み込んだ。そのまま上下運動を繰り返す。俗に言う足コキ。 「くっ、あっあぁあ……」 圭一が気持ちよさそうに喘ぐ。手とは違って不器用にしか動かせない足。こうすれば気持ちいいだろうと思って、 ただの上下運動に加えた別の力では望みどおりの反応を得られず、逆に探るようにして加えた動きでは至高の反応を得られる。 こうして、自分の一番大切なところを手中(厳密に言えば足中)に収められていて、なおも逆らおうとするのか。圭一のここは。 私は興奮する。 そして私の圭一への嗜虐心は強まっていく。 やがて、快感に対する認識のずれが正されてくると、私は言うのだ。 「ほらっ、こ、ここが気持ちいいんでしょっ……っ」 ずっと股関節に力を込めたままだから、こっちも少し疲れる。そのために投げかける言葉も焦ってとげとげしさを余計に含んでいく。 「びくびくって…、震えてるわよっ……! イっ、イきたいのっ? そうなんでしょうっ?」 「そ、それやばいっ! あ、あぁっ! もう、で、射精るかもっ……!」 圭一がそう言ったのを確認すると、私は足を止めた。 「なっ……」 非難の眼差しを向けてくる。虚ろな瞳の奥にドス黒い感情を読み取ることができた。男の本能といえばいいだろう。 精子のように粘っこい視線が私を絡めとろうとする。圭一の意識上では、すでにもう私に欲望を放っているはずなのだった。 背筋がぞくぞくと奮える。 「はぁぁ……」 その奮えはお尻を伝って私の中心にたどり着く。そしていやらしく涎を垂らした。 ぬちゃ…。触るまでもなく理解していたことだけれど、とうに準備はできていた。 圭一の上に跨る。 「一人でイクなんてだめよ、圭一。ちゃんと、こうして……ん…」 膣口にペニスの先を宛がうと、触れてはいけないものに触れてしまったかのように腰が跳ねた。そこまで敏感な膣を これから、奥の奥まで圭一のもので埋めていくのだ。 「ん…ふ、ふぁ…あ…あああぁ…」 時間をかけて腰を下ろしていく。圭一の呻き声が聞こえたが気にする余裕はなかった。 「あっ! あっ、ひぅっ!」 膣壁を押し広げて圭一が昇ってくる。昇り詰めてくるに従って快感が二乗三乗になっていった。圭一の熱さが触れている場所が、 まだ触れていない場所への快感を期待させて、もう止まれない。そうして、一番奥にまで達した。 「あぁあああっ」 同時に、快感も軽く達した。身体が痙攣して膝が圭一のわき腹を何度かつついた。 「はっ、あっ……かはっ…」 「……梨花ちゃん、もしかしてイった?」 「…………」 息切れしながら申し訳なく頷いた。ちらりと圭一の表情を窺うと、今にも私を犯そう襲おうとしていたさっきまでの雰囲気はなかった。 目の前でイってしまったのだからそれも当然かもしれなかった。何となく、負けたような気分。 だから。 「イっ、イってないわよ……っ」 と鋭い視線を飛ばした。 「今痛いほど締め付けられたんですが……」 「けっ、圭一のが大きくなったのよ! ほ、本当に節操のないおちんちんねっ。圭一は遺伝子レベルで、 え、Mに違いないから、い、苛められて悦んだんでしょ」 息をつかず捲し立てた。 「えーと、反論していい?」 「だめよ。そんなことしたらもうしてあげない」 「ぐっ……それは卑怯だぞ」 「そう思うなら黙って私のされたいようにされてなさい」 ゆっくりと腰を動かし始める。ああ、気持ちいい。 ぬちゃり、と艶かしい音を聞きながら私は考える。 どうも、セックスをしているとき私は情緒不安定になりがちなのかもしれない。自分のことで恥ずかしいの だけれど、身体がかなり感じやすいようだ。圭一を苛めようと気を張っても、挿入された瞬間から全てが飛んでしまう。 快感が全ての感覚を支配してどうにもならなくなる。私が私でなくなるような感じなんだけれど、きっとそれも私に違いないのだろう。 ……こういった行為を重ねるうち、圭一が私より優位に立つ場面が増えてくるのかもしれない。 覚悟しておかなければならない、が、それは悔しいことだった。 「うぁぁあ……気持ちいい」 その言葉に私は嬉しくなってさらに腰を振るスピードを早くする。 「はぁっあっはん、ぅあんっ、やぁっ、あぁっ」 圭一が子宮口を突いているのがわかる。一際感じる場所だった。膣壁をえぐられる快感がペニス状の波になって子宮口へと集約される。 そうして体中を駆けていく。胸が疼き始めたので圭一の手をとって握らせる。 「ひぅっ!」 待ちわびたとでもいわんばかりに反応する乳首。圭一の手で圧迫されたせいか、自分の鼓動がより響いて感じられる。 もう、全てが敏感になって何もかも感じずにはいられない。私という生の息吹はたった一人の愛する人との交わりにおいて、 最も激しくなる。女に生まれてよかった、という感情の発露。 そして、もし、このまま中出しされたら、という考えが頭を過ぎった。 「ね、ねぇ、け、あっ、けいいちっ」 「な、なんだ…梨花ちゃん…くぅ」 「このまま、ひゃあっ、膣に出して、ひっ、みない……っ?」 「うぁっ、し、締まるっ! って、え? な、中出しっ?」 「そ、そう、よっ、あんっ、また圭一が大きくなった」 「な、中出しは……って俺じゃなくて梨花ちゃんのが締まってるんだよっ、…ほらまたっ」 腰を止める。何か聞き逃せない言葉があったからだ。 「り、梨花ちゃんっ? う、動いてくれよっ」 「圭一の言い分だと、私が中出しって言葉のたびに反応するいやらしい女みたいじゃないっ」 「えっ? ってまた締まるっ!」 「ち、違うわよっ。圭一のが大きくなってるのよっ」 「いや、そうは言っても……。こればっかりは…、なぁ……、俺が正しいように、思う……のですが……いかがでしょう……?」 喋っている途中から睨みつけたので、圭一の言葉は尻すぼみ&敬語になる。 それにしても、腑に落ちないことを言う。淫語に反応するなんてまるっきり変態じゃない。 そういうのはいつだって圭一の役目であるはずでしょ。これは試してみるしかないわね。 「な、中出しっ」 「へっ?」 「妊娠っ」 「なっ!? って、くっ……、あの、締まってます……」 「っ!? ち、膣内射精っ」 「それ中出しと同じ意味だからっ、あぁっ、でも気持ちいいっ」 「…………」 圭一の反応は嘘には見えない。それだけに、納得できないものがある。このまま淫らな女という烙印を押されてしまうのだろうか。 私は腕を組んで考えるポーズをとる。胸が火照っているのが両腕で感じられた。 「うおっ、ボリュームアップ?」 という圭一の馬鹿みたいな声が聞こえたが無視した。 目を閉じる。思い描くのは、圭一のペニスから飛び出た精液が私の子宮を隙間なく埋めている光景……。 奥にいけばいくほど気持ちいいのだから、最奥への中出しということになれば……。 「ひゃぁっ!?」 「わっ」 急に頭が痺れるような感覚がきて私は嬌声を上げてしまった。 「けっ圭一っ! い、いきなり何するのよっ」 見ると、圭一の指がクリトリスを摘んでいた。 「いや、ひくひく動いて触ってほしそうだったから、つい」 「なっ……! かっ勝手にそういうことしないでよっ」 「ははは。気持ちよかったか?」 「うぐ……んぶ?」 挿入したままの状態で上半身だけを起こした圭一は、私の頭を撫でるようにして引き寄せた後、耳元で優しく囁いた。 「中出しのことなんだけどな、それはやめとこうな?」 そう告げられて、不安になった。今になって拒まれることなんか何もないだろうと思っていたからだ。 「ど、どうして?」 圭一は、そう聞き返す私の心もとない表情を読み取ったようで、軽いキスをしてくる。 顔を離して木漏れ日のような優しい色を携えながら、 「梨花ちゃんとの子どもは欲しいんだけどな。俺たちはまだ学生だ」 と言った。それだけで、圭一が私のことをよく考えてくれているのだということは分かった。けれど、 そんな圭一に私は何が返せるのだろうと考えて、ふと思いついたことを口にしてみる。 「子どもができたら高校を……いたっ」 「そう言うだろうと思ったけど。ちゃんと学校は卒業しないとだめだぞ」 小突かれた額をさする。馬鹿なことを言うなと圭一の目が語っていた。 「友達たくさんいるんだろ。めいっぱい楽しい学校生活を送れよ。九月には文化祭もあるって言ってたよな。 その日は大学サボってでも帰ってくるからさ。一緒に回ろうぜ」 「……うん」 高校は、楽しい。人も出来事も新しいことだらけで。沙都子とも同じクラスだから、二人で楽しいことばかりやってる。 「その代わり、卒業したら否応なしにもらっていくからな。まぁ梨花ちゃんが大学に進みたいっていうなら話は別だけどな」 「ううん。大学はいかない」 「そっか? でももしもやりたいことがあるなら遠慮せず言ってくれよ」 「ありがと。でも圭一と一緒にいたいのよ」 「そうか。……まぁそういうわけで、中出しはまだ早いと思うんだ」 「分かったわ。正式に夫婦になってからってことね」 思わず言ってしまった単語に気後れして恥ずかしくなったが、圭一はそんなことはないようで、先を見据えた目をして満足そうに頷く。 「そうだな。でも、そんなこと言うならゴム持ってこいよって話なんだけどなーはは……」 準備不足……。圭一はそう呟きながら再び倒れる。 「ゴム? そんなの嫌よ。圭一のことが直に感じられなくなるもの」 「……そうか」 「あんっ。……今のは、圭一のが大きくなったのよね……?」 「……間違いないです……」 二人で笑い合った。 「ふぅ、それにしても。圭一ってばまだ余裕ありそうね」 「いやぁ、そうでもないぞ?」 「嬉しいことも言ってもらえたし、サービスしてあげるわ」 そう言うと、足元に放り投げてあったワンピースを手にとった。そしてそれを上から被る。ブラジャーがないので、 胸の先端が分かりやすく浮き出た。なんともいえず、恥ずかしい気分になった。さらに、喉を鳴らし声色調整。 男ほどではないにしろ、女だって声変わりをするのだから、なるべく昔の声へと近づけていくようにする。ん……これだ。 百年間の幼女経験は伊達じゃないわよ。本当に。 「ど、どうなのですか? 圭一?」 少し照れつつ、口をあんぐり開けて呆けたままの圭一に言う。 「ぐはぁっ!」 悶絶して後頭部を叩きつける圭一。効果は覿面のようだった。これで何の反応もないようだったら困ったのは私だけれど、 さすがにそんなことはないようだった。 「どうしたのですか? 圭一」 分かっていながら聞く。また意地悪な気持ちになってきた。 圭一の胸板に擦り合わせるようにして、身体を預ける。自然と、圭一を見るためには上目遣いにならねばならなかった。 さらに、ブラジャーを着けていない胸は、ワンピースの隙間から先端が見えるか見えないかといったところまで露になっているはずだった。 「――っ! りりり梨花ちゃんっ! た、タンマタンマ! やばいってっ! 可愛すぎるっ!」 「照れてしまうのですよ。に、にぱー☆」 「でもその年でにぱー☆はないかもしれない!」 もう何でもかんでも遠慮なく言う圭一だった。ちょっと恥ずかしかった。でもやっぱり、にぱー☆はないわよね。 どれだけの間挿入したままだったのだろう。私は上半身を起こして、再び動き始める。 心なしか圭一のものがさっきより興奮しているように感じられた。 「はぁっ、はっ、はんぅっ」 「うううっ!」 ワンピースの裾を持ち上げて、結合部が圭一に見えるようにする。 「ほら、圭一……。ボクたち繋がっているのですよ……」 「あああっ! エロすぎるっ梨花ちゃんっ。どこでそんな技を!」 ワンピースの端を口に加えて腰の動きをより荒々しく激しいものに変えていく。 「んふ……ふっ、ふぅっ、ふぅんっ!」 快感が頂点に達し始めていた。 「んむっ! んふっ! ふひぃっ!」 子宮を突く刺激の波がだんだんと長いものになっていき、次の突進の刺激と重なり合っていく。悦楽が増幅されていく。じん、じぃん、じーんと 感じていく。慢性的に頭が痺れてしまったような感覚はオーガズムが近いことを教えてくれた。 「っくっ! そ、そろそろやばいっ! で、射精そうだっ!」 「んくっ、んぅううんっ! んぃいいっっくぅううっ!!」 「り、梨花ちゃんっ!」 「んぁぁああっ!」 最後の一突きで達した。圭一のものが抜かれて、ワンピースに精液が飛ばされる。 「ぐぁっ、あぁあっ!」 「はっ、はっ、はぁっ……」 白濁液を全身に浴びせられながら、私はイキ続けていた。顔にも数滴飛んでくる。胸にも大量にかかっていて、乳首の形はもちろん、その色までもが 緑の布越しにはっきりと見えていた。やがて射精が終わると、そこで緊張の糸が切れてしまったかのように私の重心は後ろに倒れていった。 圭一の顔がぼんやりと目の前に映った。 抱きとめられていた。 「はぁっ、梨花ちゃん……大丈夫か……」 ほとんど無意識のうちに、震える顎を下に動かした。キスをしたいと思った。 私の考えていることがわかったのか、圭一は唇を寄せてきた。 「ん……」 短いキスが心地いい。顔を離して私は呟いた。 「気持ちよかった……」 「ああ、俺も気持ちよかった」 「また……しよ……」 「えっ、あ、ああ。梨花ちゃんがいいなら、な」 照れながら笑う圭一。 「ねぇ圭一……。お風呂一緒に入らない……?」 収まってきた絶頂の余韻の中で、気が付けば私はそんなことを口に出していた。 圭一の丸く開かれた目は何だか笑えた。 続く 風呂沸し編
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/393.html
SIDE レナ 眠れない…。 「はあ…」 私は枕元に置いた目覚まし時計を見て溜息を吐く。 午前一時を回っても睡魔が襲ってこないのだ。 いっその事、ずっと起きておこうか?学校が辛いだろうけど、今から寝れたとしても五時間寝れるかどうか。最低でも六時には起きて朝食とお弁当の準備をしないといけないから。 寝過ごして遅刻なんかしたら圭一くんや魅ぃちゃんに迷惑を掛けてしまうだろう。 うん。やっぱり起きておこう。 そう決めた私は頭の中で圭一くんの事を夢想する。 圭一くん…。私の大好きな人。 いつから彼に恋してしまったのだろう。気が付いたら目で圭一くんの事を追ってしまっている自分が居た。 ちょっと意地悪で鈍感。けど、優しくて面白い事を言って皆を笑顔にしてくれる。だから私は毎日が楽しい、圭一くんが転校してくる前よりも楽しいかもしれない。 日に日に私の中で圭一くんへの想いが大きくなっていき、彼の事を想って眠れない日もある。そして…圭一くんに抱かれる妄想をして、火照った身体を自分で慰めてしまう事も多くなってしまうのは自然の流れだった。 初めは些細な切っ掛けだった。 その日、眠れず圭一くんの事ばかり考えて悶々としていた私は、熱くなった身体を冷やそうと、ベッドの脇に置いてあった抱き枕に足を絡ませて強く抱き締めた。 その瞬間身体に電気が走った様な気持ち良さが全身を駆け巡った。 その頃の私は自慰の事なんて、やり方すら知らなかった。 何が起こったか分からなくて頭が混乱したけど、とても気持ちの良い事だというのは解った。 怖い物見たさ的な感じで恐る恐る、また抱き枕を抱き締めると甘く痺れる刺激が襲ってきた。 そして夢中になって抱き枕を抱き締め股を圧迫して擦り付ける。盛りの付いた犬の様に…。 その日から寝る時に自慰をする事が多くなった。 次第に股を圧迫するより手でした方が気持ち良い事に気付き、何度も何度も慰めた。 妄想の中の圭一くんは優しく、時に荒々しく私を求めて来た。 この指は圭一くんの指なんだと思って興奮しつつ、声を押し殺して彼の名を呼びながら果てる。 そして事が済み冷静になってくると、自己嫌悪が私を襲うのが常だった。 大事な仲間を妄想の中でとはいえ慰み者にして彼を侮辱してしまった自分に、又、はしたない事をしてしまった事に。 そんな自分が嫌で何回も、こんな事は止めようと思った。 でも、これで最後だからと言い聞かせながら、また自慰に耽る私が居た。そう自慰する癖が付いてしまったのだ。 絶頂を迎えた時の目の前がフェイドアウトしてフワフワ飛んでいる様な感覚。その心地よい甘さに酔って、忘れる事が出来なくなったのである。 そして今日も…。 いけない事。しては駄目と自分の中の小さな良心が忠告してくる。 でも欲望と欲求に、そのちっぽけな良心は勝てず、ベッドの台に置いてある電気スタンドの電源を付けて、その横に飾っている写真立てを見える位置に持ってくる。 先月の…仲間達で鷹野さんの雛見沢を絶滅させる、おぞましい計画を阻止した後の、綿流しの祭で撮って貰った圭一くんとのツーショット写真。 『二人共、御似合いだねぇ』と揶揄しながらも魅ぃちゃんが撮ってくれた大事な私の宝物。 そんな大事な物を自分の欲望を満たす為に使っても良いのかと残った理性が警告する。 だが今の私には、その背徳感すら興奮材料、つまり『オカズ』になってしまうのだった。 寝間着のボタンを外して胸元から手を差し入れる。 「ん…」 こうして胸を揉んでいると、圭一くんに後ろから悪戯されている気分になる。 「んん…はあ…ん」 そうする内に乳首が熱を帯びた様に熱くてなり硬くなってきた。 自己主張する様にツンと立っているソレを人差し指と親指で摘んで、優しく揉む様にして刺激すると少し痛いけど気持ち良い。 「はぁ…んぅ…ん…ん」 まだ発育途中の身体が成長痛を伴うという事を保健体育の授業で習った。もちろん胸も例外じゃない。私も近頃では、乳首がちょっとした刺激にも敏感に反応してしまうのだ。 身体が大人になっていく過程なのだから仕方無い事だけど…。 もっと刺激が欲しい。そう思った私は寝間着のボタンを全て外して胸をさらけ出す。 少し汗ばんだ肌が夜の涼しい外気に触れ、私は軽く身震いした。両手で胸を揉みながら、先程と同じ様に乳首を刺激してやる。 チクチクとした軽い痛みと共にピリピリとした気持ち良さに脳天が蕩けてしまいそう…。 「ふぅ…ふぁ…あ…けぇ、い…ちくぅん…ふぁ」 ちょっと鼻息荒く、声を押し殺して彼の名を呼ぶ。 脳内の圭一くんが私の乳首を指で弾く。何度も何度も…。 「はっ…はっ…はぅ…」 指で乳首を弾く度に私の身体がピクピクと跳ねる様に反応する。そして私の大事な所も一緒にジンジンと熱っぽくなって刺激を求める。 「はあはあ…はぁん…」 それを内股を擦り合わせモジモジさせて耐える。限界まで我慢してから触った方が気持ち良いと経験で知っているからだ。 「はぅ…あ…あ…んん」 しばらく胸だけを愛撫していたが、そろそろ限界だ。 寝間着のズボンの中へ手を滑り入れて、下着の上から触ってみると微かに水音が聞こえる。 「はぅ…ふ…ひゃっ!」 下着の脇から指を入れて割れ目に沿って触っていたら、指が滑って一番気持ち良い所に…クリトリスに触れてしまい大きな声が出てしまった。 部屋の外に聞こえて無いかな…。 一、二分程待って私は自慰を再開する。 「あっ…う…ん…ん」 下着の上部から右手を入れてクリトリスを中指の腹で転がし、左手で胸を揉みしだく。 蕩けてしまいそうな気持ち良さで頭がボンヤリしながら、顔を横に向けて写真を見ながら呟く 「は、あ…んくっ!…ん!け、圭っ!…一くん…レナは…レナは、とっても悪い子っ!なんだよ…んん」 写真の中で照れくさそうだけど、とびっきりの笑顔で笑う圭一くん。その無邪気な笑顔を私はオカズにしている。 そう思うとゾクゾクとした震えが止まらない。 「はっ…!あっ!ああ…!」 段々声が抑えきれなくなり、そろそろ限界が近いと悟った。 秘部を縦に中指と薬指を使って刺激しながら、親指の腹で素早く上下に擦る。 気持ち良過ぎて、全身が強張る。圭一くんの顔が私の頭の中でチラつく。 まるで圭一くんに私の恥ずかしい姿を見られているみたいだ。 「んぅ~っ!んっ!んっ!!!」 寝間着の端を口に含み思い切り噛みながら私は果てた。 「ふぅ…ふぅ…ん…はぁ…ふぅ」 さっきからヒクヒクと身体が痙攣し続けている。私は口から寝間着を離して呼吸を整えた。 そして下着から手を引き抜き顔の上まで持って行き電気スタンドの灯で照らす。 愛液でびしょ濡れになった手を見たら気分が冷めた。 「はあ…」 私は何をやってるんだろう…。 今晩二度目の溜息を吐き、ティッシュ箱を手繰り寄せる。 身体を起こして、ティッシュを引き出し手を拭く。その後、寝間着と下着を脱いで秘部周辺を綺麗にする。 生え揃ってきた陰毛に付いた愛液を拭き取って、お尻まで垂れた愛液も同じく拭き取る。 何も考えずに淡々と事後の処理を行ない、新しい下着と寝間着をタンスから出して着替える。汗も拭いておけば良かったかな? まあ良いや…学校に行く前にシャワーを浴びよう。 ベッドに寝転がり、写真立てを元の位置に戻す。申し訳無くて写真なんか見れない。 時計を見たら、一時三十分。 あと四時間以上も眠ずに過ごすのかと思うとウンザリする。 電気スタンドの電源を切り、虫の鳴き声に耳を傾ける。 早く朝にならないかな。皆と授業を受けて、お昼ご飯を食べて、部活をして楽しもう。それかダム現場にかぁぃぃ物を探しに行くのも良いかもしれない、そうだ圭一くんも誘ってみようか。 楽しみだな…。 「礼奈。お父さんはもう行くよ。行ってきます」 「お父さん。行ってらっしゃい!お仕事頑張ってね!」 仕事に出かけるお父さんにお弁当を持たせて玄関先まで見送る。 それは、いつもと変わらない朝の光景。 私は再就職したてのお父さんの後ろ姿にエールを送って家の中に入った。 あの後、結局私は寝てしまい、早朝六時に目覚ましの音で起こされた。 二時間寝たかどうか。ふらつく身体を引きずってシャワーを浴び、朝食とお弁当を作って、お父さんと一緒に朝食を食べ、今に至る。 制服の上に掛けていたエプロンを外してテーブルに置く。 「ふわぁ~~」 大きく欠伸をして壁掛時計を見上げる。 そろそろ行くか…私は鞄を持って玄関に向かう。ちょっと足取りがおぼつかないけど大丈夫。 「レナは元気なんだよ。だよ」 声にも覇気が無いかな?でも圭一くんや魅ぃちゃんと合流したらテンションが上がって元気になるはず。 靴を履いて外に出て鍵を閉める。夏の朝独特の涼しさが私を包んだ。 夏の雛見沢は過ごしやすい。日差しは強いけど蒸し蒸ししていないからクーラーも要らない程だ。 「おはようございます!」 「おお!おはよう!レナちゃんは今日も元気だねぇ、気をつけて行くんだよ!」 「はい!行ってきます!」 野良仕事をしているおじさんに挨拶をして、私は先を急ぐ。待ち合わせ場所にある木の下で涼みたいのだ。 寝不足の身体には、この日差しは辛い。徹夜明けならともかく、中途半端に寝てしまったので倦怠感が酷い・・・。 待ち合わせ場所に着いて、私は木の幹に身体を預けて圭一くんが来るのを待つ。 「はぅ…」 空を見上げて、太陽を見たら頭がクラッとした。疲れている時に太陽を直視したら黄色く見えるってのは本当なんだな。 気が滅入ってしまいそうなので、私は腰を屈めて道端の花を見て魔法の言葉を呟く。 「かぁぃぃよう~。白いお花さんが、すっごくかぁぃぃよう~!!」 うん。ちょっと元気になった気がする。 この白い花をお持ち帰りしたいけど草花にだって命があるのだ、惜しいけど諦めよう。 私は腰を上げて、圭一くんの家の方角に目をやる。 まだ来る気配は無い。 再び木にもたれ掛かって夜中の秘め事を思い出す。確かに気持ちは良いんだけど、そろそろ止めよう。あんな事は圭一くんに対して失礼だ。 とは言っても、またしてしまうだろう。そもそも止めれたら悩んではいない。止めれる方法があるなら教えて欲しいくらいだ。 私ってこんなに意思が弱かったかな? そういえば圭一くんも私や魅ぃちゃんをオカズにして、一人でする事もあるのだろうか? 体育の時間に魅ぃちゃんが胸を揺らしながら動く姿とか、私のブルマ姿を目に焼き付けて、お家に帰って自分の部屋でオットセイをシコシコして…。 あ、あはは!圭一くんだって男の子なんだからしてるに違い無いよね? でも、それって私に対して欲情しているって事…なのだろうか。 いつもの悪い私みたいに仲間をオカズにして猿みたいに……止めよう。 私は朝から何を考えているんだ…まるで淫乱みたいじゃないか。 私だって若い女なのだから欲求不満になる事だってあるけど、年中発情期の兎じゃあるまいし、近頃の私はやっぱり変だ。 「…ナ…あ…ってば!」 五月蠅いなあ…今、私は考え事をしているんだ静かにしていてくれないだろうか。 「お~い。レナ~起きてるか~?」 「っ!あ…け、圭一くんお、おはよう!」 「ったく!呼んでも気付かねぇし、何かブツブツ言ってるし。」 「あ、あはは!ご、ごめんね圭一くん。ちょっとボーッとしてたんだよ。だよ!」 気付かなかった。その前にブツブツ言ってたって…まさか聞かれた? 「あ、あのね!ち、違うんだよ!レナは…レナはそんな事考えて無いんだよっ。だよっ!」 「はあ?俺には何の事だか解らないけど・・・ってレナ!顔が赤いぞ!熱でもあるのか!?」 圭一くんが私の額に手を伸ばす。私はそれを避けて言った。 「ううん!レナ寝不足なの!夜中に…んんっ!目が覚めちゃって寝れなかっただけ!」 「あ、ああ。そりゃ大変だったな。大丈夫か?」 「うん。大丈夫だよ。それより行こう?魅ぃちゃんを待たせちゃうよ」 私は圭一くんと並んで歩きだす。 今日の部活は何をするのか、沙都子ちゃんのトラップが段々凶悪になっている事とか、二人で話していると魅ぃちゃんが手を振っているのが見えた。 「圭ちゃんにレナおはよう!」 「おう!おはよう魅音」 「おはよう魅ぃちゃん」 「あれぇ?レナ元気無いねぇ。どしたの?」 「ああ、何でも寝不足らしいぜ。俺は逆に元気が有り余ってるけどな」 「そうなんだ。まあ無理せずに体調が悪くなったら保健室で休みなよ?」 「うん。ありがとう」 「ところで圭ちゃん。朝っぱらから、元気が有り余ってるなんて話をされてもなあ…おじさん困っちゃうよ。くっくっく」 「おお。俺も思春期の少年だから毎朝大変なんだよ」 「はぅ…何が大変なんだろ。だろ?」 わかってる。下ネタに違いない。 「レナ。ほらアレだよ。圭ちゃんのオットセイが毎朝元気一杯になってね…」 「は、はぅ…圭一くんのオットセイが元気一杯…か、かぁぃぃよう」 「くっくっく!よっしゃ。お前ら、とくと見ておけ。圭一様のオットセイの晴れ姿をな!」 と言って圭一くんがズボンのチャックを降ろし始める。 私も悪ノリし過ぎた、そろそろ止めないと。 私と圭一くんとの距離は2メートル程開いている。私は右足を一歩踏み出して… ガクッ 急に右足の膝から力が抜けて私はバランスを崩し、れなぱんを放ちながら圭一くんの方に倒れ込んだ。 「ぐあっっ!?」 拳に何か柔らかい物を捕らえた気がする。そしてそのまま私は地面に倒れ込む。 「ちょっ!?ふ、二人とも大丈夫!?」 魅ぃちゃんが焦った声を出しながら、私達の所に駆け寄って来る。 「け、圭一くん!大丈夫…っ!?」 「…ぐっ!ああ…!うぐっ!」 起き上がった私の目に飛び込んで来たのは、脂汗を大量に流しながら苦悶の表情を浮かべ、股間を押さえて地面でのたうち回る圭一くんの姿だった。 魅ぃちゃんと一緒に圭一くんを急いで診療所に連れて行った。 あの状態はただごとでは無かった。 「ええ…はい。そうです。はい」 魅ぃちゃんは何処かに電話している。圭一くんは今診察中だ。 対して私は待合室のソファーで自分を責めていた。 あの時私が圭一くんを殴ろうとしていなかったら…もっと早く止めていたら…私のせいだ、全部私が悪い。 そのせいで圭一くんの大事な所を駄目にしてしまったかもしれない。と。 「レナ…知恵先生に連絡しておいたよ。今日は遅刻するって」 「…うん」 「あのさ、自分を責めちゃ駄目だよ。わざとした訳じゃないんだし。それにまだ、どうなってんのか分かんないじゃん?」 「ううん。魅ぃちゃん。全部レナが悪いんだよ…レナが圭一くんを傷付けちゃったんだよ。レナが殴っちゃったから」 「…」 沈黙。 重い空気が私達にのしかかる。ただ私は自分を責め、圭一くんが無事な事を祈るしかなかった。 診療室のドアが開き、監督がこちらに向かって来る。 「監督っ!圭ちゃんは大丈夫なの!?」 魅ぃちゃんが監督に詰め寄る。 「ええ。幸い損傷等はありません。少し腫れているだけです。後遺症も無い筈ですから、大丈夫ですよ」 「はあ…良かったぁ」 魅ぃちゃんが溜息を吐いて安堵するのを横目で見た。 そして監督が私の横に座って話し始める。 「竜宮さん。性器はとてもデリケートな部分です。大事には到らなかったので安心してください」 「痛みや腫れは、二、三日で引くでしょう。故意で無かったとはいえ、もう少し考えて行動するべきでしたね。」 「はい…。すみません」 静かな声で監督が私を叱咤する。私は無事で良かったと安心すると同時に圭一くんに申し訳無くて、顔を伏せてポツリポツリとしか話せない。 「強打して痛みの余りショック死する事だってあるんです。今後は気をつけてください」 私はうなづいて肯定し、立ち上がる。圭一くんに謝るのが先決だ。 殴られて罵倒されても仕方無い、私がした事はそれ位されて当たり前なのだ。診察室の前まで行き圭一くんが出て来るのを待つ。 ガチャ 「圭一くん…」 「…よう」 顔色の悪い圭一くんが一言そう言って私を見る。 「圭一くん。ごめんなさい。酷い事しちゃってごめんなさい!」 深々と頭を下げ謝罪する。 すると頭に手が乗せられ優しく撫でられる。 「気にすんな。レナが悪い訳じゃねぇよ。俺が調子に乗り過ぎたのも悪いんだ。顔上げてくれよ、心苦しいからさ」 「でもっ!凄く痛かったよね!ごめんなさい!」 「そりゃそうだけど、もう良いじゃねぇか。何事も無く無事だったんだ。レナも反省して謝ってくれてるし、俺は気にしてないから」 私は恐る恐る顔を上げて圭一くんを見る。まだ痛いだろうに微笑んでくれている。 でも、これでは私の気が済まない。何かしてお詫びするべきだ。 「とりあえず俺は今日学校休むから、二人は学校に行けよ」 決めた。お詫びに看病しよう。押し付けがましいけど、そうでもしないと私の気が済まない。 圭一くんが待合室の魅ぃちゃんの所に行って何か話している。私は遅れて二人の所に行き、こう言った。 「魅ぃちゃん。レナも今日休むよ、先生には適当に言っておいてくれるかな。かな?」 魅ぃちゃんに目配せして伝えると理解したのか 「へ?…ああ~なるほどね。うん、分ったよ。頭が痛いとでも伝えておくよ」 と言ってくれた。 「うん、お願いなんだよ。じゃあ圭一くん行こう」 「ちょっと待て、俺には状況が掴め無いんだけど…」 「レナに圭一くんの看病させて欲しいな…駄目かな?」 腕を組んで圭一くんが考えている。しばらくして圭一くんが口を開く。 「じゃあお願いしようかな。魅音。そういや知恵先生には何て伝えたんだ?」 「圭ちゃんの具合が悪いから診療所に連れて行った。って伝えてあるよ。とりあえず、この事は伏せとく?」 「ああ。騒ぎになると面倒くさいから、腹痛って言っておいてくれ」 「了解!学校が終わったら皆でお見舞いに行くよ!じゃあ、おじさん行くね!」 魅ぃちゃんが、そう言って学校に行き、私達は圭一くんの家に向かった。 ちなみに診察料は要らないらしい、手当てに必要な物まで分けて貰えた。監督ありがとう。 「今日は圭一くんの御両親は居ないの?」 圭一くんの部屋に上がらせて貰い、少し早いけど一緒にお弁当を食べながら聞いてみた。 「ん。何でも親父の師匠って人が倒れたらしくてな。二人して東京に行っちまったよ」 「そ、そっか…」 圭一くんと二人きり…不謹慎だけど胸がドキドキする。 「だから、悪いんだけど晩飯とか作って貰っても良いか?材料は冷蔵庫にあるからさ」 「う、うん!勿論だよ!」 少し声が裏返ってしまった。凄く緊張する。 私が…看病すると言ったんだ。私が今からする事は間違っているかもしれない。でも私の誠意を圭一くんに解って欲しい。 昼食が終り、私は決意を胸に話を切り出した。 「あ、あのね。圭一くん。お願いがあるの…聞いて貰っても良いかな。かな?」 食後のお茶で痛み止めの薬飲んで、圭一くんが聞いてくる。 「何だよ?言ってみ」 心臓がバクバクと音を立てている。顔が熱い。手の平も汗をかいている。緊張して震えも止まらない。 「レナ?」 「圭一くんの…オ、オオオットセイにレ、レナにお薬…ぬ、塗らせて欲しいな!」 「…え?」 ミーンミーンミーン!! 面食らった顔で固まる圭一くんと顔を真っ赤にした私。どちらも口を開かず、部屋の中には蝉の鳴き声だけが響き渡る。 「き、気持ちは有り難いんだけど、流石に恥ずかしいからさ!それにレナだって、こんな汚い物触りたく無いだろ?」 両手をブンブンと振って断る圭一くんに私は四つん這いになって近付いていく。圭一くんはジリジリと後退りし、やがて壁まで追い詰める。 「け、圭一くんのオットセイは汚くなんかないんだよ。だよ。レナに原因があるんだからレナに手当てさせて欲しいな!」 「あ、う…で、でもあれだぞ!昨日の晩寝る前に色々と恥ずかしい事したから匂いとかするぞ絶対!烏賊だぞ!烏賊の匂いがすんだぞ!なっ?汚いだろ?だから…」 「レ、レナだって!そういう事…一人Hするんだよ!今日寝不足なのだって!そういう事してたからなの!だから大丈夫!恥ずかしくないから!」 思わず勢いで言ってしまった。自分でも何故言ったのか解らない。しかし、これで引くも地獄進むも地獄であるという事はハッキリした。 二人して恥ずかしい事をカミングアウトしてしまった事実はどちらにせよ残ってしまうのだから。 再び固まる圭一くんを前にして、後は私の口がマシンガンの様に勝手に言葉を紡いでいく。 「圭一くんの事が大好きで、気になって気になって!我慢できなくって何回も何回も一人でしてしまうの!レナはそういう悪い子なんだよ!だよ!」 もはや関係無い事まで言ってしまう。それも出来れば圭一くんには隠しておきたい自分の想いや恥部まで・・・。恥も外聞も無い。好きな異性に自分の女の部分まで言ってしまい、開き直ってしまったのか寝不足のせいで頭が上手く働かないのか定かでは無い。 ただ解っているのは興奮しながら圭一くんを捲し立てている自分が居るという事だけだ。 「それにっ!それにっ…!」 「解った!解ったから皆まで言うな!落ち着け!深呼吸しろ!」 圭一くんに抱き締められて私は我に帰った。そして自分がしでかしてしまった事を思い返して、血の気が引いていくのを感じる。 「あ…う…」 何か言わなくてはと口を開くが言葉にならない。圭一くんに抱き締められている事と先程の事で混乱しているのは明白である。 「レナ…俺のオットセイに塗ってくれないか?薬を。コイツもレナに塗って欲しくて我慢出来ないんだとよ」 圭一くんが私の手を取って下半身にあてがう。 「ん…圭一くんのオ、オオオットセイが…レナに…?」 生唾を飲み込んで圭一くんの言った事を反復して言う。まだ痛いだろうから軽く触れるだけ、でも布越しでも熱く、硬くなってるのを感じる。 「ああ。それにコイツもレナにイジメられて泣いてるんだよ。だから仲直りしないと駄目だろ?」 「う、うん。そうだよね。オットセイと仲直りしなきゃ…うん」 「それにレナから薬を塗ってゴメンナサイしたい言ったんだから、俺も恥ずかしいけど…レナとコイツの為に一肌脱ぐよ」 「は、はぅ…レナの為…」 「そうだよ。正確にはレナと俺の為だけど、比率的には九割はレナの為だ。だから…なっ?」 「う、うん」 端から見たら、圭一くんが私を言いくるめている様に見えるだろう。けど実際は私が圭一くんに迫って、彼が許可をくれただけ。それに圭一くんが言った 『レナの為に』 という、まるで恋人に対して紡ぐ様な言葉に気分が高揚している。それにさっきから、子供をあやすみたいに背中を擦られながら耳元で囁かれ甘く酔っていた。 私は診療所から貰った紙袋の中から軟膏を取り出して、圭一くんを万年床になっている布団の方に手招きする。 「け、けけ圭一くん!ここに来るんだよ!だよ!は、早く!」 二人共、顔を真っ赤にして布団の上で向き合って正座する。 「じゃ、じゃあ!お願いします!」 「こ、こちらこそ!レナの我儘を聞いてくれてありがとうなんだよ!だよ!」 圭一くんがペコリと頭を下げ、私も同じ様に頭を下げる。さぞ滑稽な光景に違いない。 圭一くんが足を崩したのを見て、震える手で圭一くんの学生ズボンのベルトとボタンを外し、チャックを下げる。 「あ、あは…寝て貰った方がやりやすいかな。かな」 圭一くんが寝転がり、私は横に移動した。 下着をオットセイに引っ掛からない様にしてずらしズボンと一緒に膝まで下げる。 「…はぅ」 ちょっと竿…いやオットセイの胴体が赤く腫れていて痛々しい。 そして、お父さん以外の初めて見るオットセイは凄く大きくて元気一杯に上を向いてヒクヒクと動いていた。 「かぁぃぃよう~。オットセイが元気一杯でかぁぃぃよう。…お、お薬塗る前に綺麗に…消毒しておかなきゃ駄目なんだよ。だよ」 それは、ちょっとした好奇心。魅ぃちゃんから借りたHな少女漫画で知った行為を消毒と称して自分を納得させ、してしまう私。 「消毒って…あ!ああ…」 むせ返る様な匂いのするオットセイをゆっくりと口の中へと含んでいく。大きくて全部は入らないけど、顎が外れるんじゃないかってくらい口を開けて、何とかオットセイの頭だけは含む事は出来た。 「ふ…う…じゅる…は…」 初めてだから要領が分らないので、舌で舐めるだけ。圭一くんも、こういう事をされるのは初めてなのだろう。単調に舌を動かしているだけでも身体を震わせてオットセイをヒクヒクさせている。 「レ…レナぁ…!気持ち良い…はぁ…」 オットセイの頭の下は汚れが溜まりやすいらしい、普段は皮が被っているからだとか。そう詩ぃちゃんが言ってた。 詩ぃちゃんの事だから、入院中の悟史くんに同じ事をしてあげているのだろう。私はそこを舌で少し強めの力で擦る、口の中でオットセイがまた大きくなった。 「も…もういいよ!綺麗になっただろう!」 圭一くんが上体を起こし、私の肩を持ってオットセイから離させられた。 「あ…圭一くんに怒られちゃったんだよ。だよ。痛かったのかな?」 涎の垂れた口元を隠す様にして言うと、圭一くんが真っ赤な顔をさらに赤くして言った。 「い、いや!怒った訳じゃねぇし、痛くも無かったぞ!む、むしろ気持ち良かった…ぜ」 「そ、そっか…えへへ。そろそろお薬塗ろっか?」 「お、おう!頼むぜ!」 缶の蓋を開けて指で軟膏を多めに掬って手のひらに馴染ませる。両手がベタベタになっちゃったけど、後で拭くなり洗うなりすれば良い。 両手でオットセイを包み込み優しく揉む様にして軟膏を擦込んでいく。別にやらしい事をしている訳では無いのに、クチュクチュとした音と圭一くんが洩らす吐息が部屋の中に響く。 それだけで私もHな気分になってくる。さっきからアソコが切ない、太股をモジモジさせて我慢するだけで精一杯だ。流石にここでしちゃう訳にはいかないから。 「ん…圭一くん終わったよ」 「はあはあ…う、うん」 目をトロンとさせて返事をする圭一くん。なんだか女の子みたいだ。 軟膏を塗り終わっても私はオットセイから手を離せないでいた。ある事を言おうか迷っている。 このままだと先に進まないし、多分圭一くんも望んでいる事だから言ってしまおう。 上目遣いで圭一くんを見つめる。圭一くんが気付くまで。 私が見ている事に圭一くんが気付いたのを確認して口を開く。 「圭一くんのオットセイ…まだ元気一杯なんだよ。これだと服着れないし…スッキリさせちゃおうか?」 「でも…」 「大丈夫。誰にも言わないレナと圭一くんだけの秘密なんだよ。圭一くんは気持ち良くなりたくない?」 「…なりたい。して欲しい」 かぁぃぃ…。 私はクスッと笑って、またオットセイを揉み始める。本当はシコシコしてあげたいけど、それは痛いだろう。 だからオットセイの頭と、その少し下の辺りを両手で持って愛撫してあげる。 軟膏でヌルヌルしているから、凄く気持ち良いはず…ううん。気持ち良過ぎるのかな? 圭一くんが身体をビクビクさせて声をだしている。 「うあっ!…あうっ!」 「気持ち良い?」 「すげぇ気持ち良い!はあ…う!」 揉む動きから擦る動きに変えると、身を捩らせる。勿論オットセイの先だけ擦ってあげてる。自分でするのとは違う気持ち良さなんだろう。 私が一人でする時と同じ要領で弾き、指を絡めて刺激していると圭一くんの顔が見たくなる。 私も横に寝転がり、圭一くんにすり寄る。身体に胸を押し付けて甘えた声で 「レナに圭一くんの顔見せて?こっちを向いて欲しいな」 と言った。 「うあっ…こ、こうで良いか?」 「うん。ありがとうなんだよ。だよ」 「レナ…!俺そろそろ…」 私は何も言わず、手を素早く動かしてやる。 「う…は、ああ!あ…」 手の平に熱い液体が勢い良く出てくる。オットセイがビクンビクンと脈打って何度も精液を吐き出す。私は全部出しきるまで手を休めない。 吐き出す物が無くなっても脈打っているオットセイから手を離して見てみると、両手共、軟膏と精液でドロドロになっていた。 「凄い出たんだよ。いつもこのくらい出るのかな。かな?」 「はあ…ふ…いや、いつもより多いな。レナがしてくれたからだな」 と言って圭一くんが頭を撫でてくれる。 「はぅ…そうなのかな。かな?」 「ああ。レナがしてくれたから気持ち良かったんだよ」 「うん。分ったよ。あ、圭一くんちょっと水道貸してくれないかな。手を洗いたいから」 「おう。下に降りたら分ると思うから、洗って来いよ」 「うん。ちょっと待っててね」 私は部屋から出て一階へと降りながら考える。 私は越えてはいけない一線を越えてしまったのでは無いかと。もしかしたら、この後部屋に戻ったらお互い気まずくなって関係がギクシャクしてしまうんじゃないか。 私は手を洗って部屋に戻る。階段を上がり終わった所で深呼吸した。 あと数歩歩いて襖を開けたら嫌でも結果が解る。そう思うと足が竦む。 けど勇気を振り絞って足を進めるて襖を開く。 「レナ。さっきはありがとうな。その…気持ち良かったぜ」 私服に着替えた圭一くんが照れくさそうに言った。 「はぅ…御礼を言われる様な事はしてないよ」 「いや嬉しかったぜ。レナがこんなに大胆だとは思わなかったから驚いたけどな」 私は圭一くんの横に座る。 「圭一くん。こんな事をしたレナの事嫌ったりしない?」 私にとって一番の恐怖は日常が壊れてしまう事。引き金を弾いてしまったのは私だが。 でも今の圭一くんを見る限りは大丈夫だろうと漠然に思う。だからこそ確証が欲しかったのだ。 「まさか!そんな事ある訳無いじゃねぇか!むしろ…ん!何でも無い!ともかく俺はレナを嫌ったりしないからさ!」 「…ありがとう。レナは今ホッとしているよ」 ともかく私の心配は杞憂で終わった訳だ。 「ふわぁ…」 気が抜けたら、なんだが眠くなってきた。 「なんだよ。レナも眠たいのか?俺も眠たくてな」 さっき飲んだ痛み止めが効いて来たのだろう。布団に圭一くんが横になった。 「レナも来いよ。一緒に昼寝でもしようぜ。あぁ~。別に何もしないから安心しろ」 布団をポンポン叩いて私に来る様促す。 「何か緊張しちゃうよ」 私は大人しく横になり、圭一くんがしてくれた腕枕に頭を乗せて言った。その優しさが嬉しい。恥ずかしいけど折角の好意を無駄にしたくない。 「俺も同じく。あ、扇風機掛けて良いか?」 私は軽くうなずいた。 扇風機の涼しい風が心地良い。 おやすみ圭一くん…。 <続く> れなぱん!(2)
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/73.html
大きな雨粒か激しい音で車の天井を叩き、激しい風が容赦なく車を揺らす。 何も見えない闇が不安を掻き立てる。いつ果てる事もなく続く嵐。圭一と レナは小さな車の中で震えていた。 そもそものきっかけはいつものようにレナの宝探しに付き合ったことから 始まった。 「今日は一日中、宝探しするのー」 満面な笑みでレナは言った。お弁当、おやつ、お茶。それに鉈や斧、準備は 万端だった。圭一もやれやれと思いながらも付き合った。 午前中は晴れていた。お昼はレナの手作り弁当を堪能した。 「うーん、あまりいいものがないなー」 しかしながら、肝心の宝探しは不調だった。午前中はめぼしいものが一つも 見つからない。あっちへうろうろ。こっちへうろうろ。だけど、お気に入りの ものは見つからない。午前中は一つも見つからなかった。午後もだ。 「なあ、そろそろ帰ろうぜ」 「もう少しー」 そろそろ暗くなってきた。星が見えない。午前中は晴れていたが午後から 雲が多く出てきた。空を見上げても、星は見えず、かわりに黒い雲が見える。 かなり濃い。空気もなんだか湿ってる。 圭一はため息を吐く。レナはかなり遠くまで出かけてしまった。近くの粗大 ゴミに体を傾ける。結構疲れた。 ぽつり。 ひたいに冷たいものを感じた。 雨だ。空を見上げると、ポツリポツリと振ってくる。 だが、程なく雨は強くなってる。 「おーい、レナ」 圭一がレナと合流した頃には雨はかなり強い勢いになっていた。 風も吹き荒れ始めてきた。 「くそっ、このままじゃあ、きついぜ」 もう夜だ。道はかなり暗く、雨も風も激しい。無理を押しても帰れるだろうか。 「圭一くん、こっち」 レナは圭一の手を引っぱる。この雨では帰るのは困難だ。だから、案内する。 「──ここは」 レナが案内したのは廃車だった。何とかもぐりこむ。 「えへへ。ここはレナの隠れ家なの」 タイヤの無いワゴン車。助手席から何とかもぐりこむ。すでに全身びしょぬれだ。 「ふー、やれやれ、何とか一息つけたな」 外を見ると青白い稲光が見えた。 「にしてもすごいなー」 圭一は改めて、レナの秘密基地を見る。外から見れば、ただのさび付いた廃車だが 中はきれいに整えられている。ブランケット、懐中電灯、文庫本、電気スタンドなど が常備されており、下はシーツも引いて過ごしやすく工夫されている。 「えへへ、ちょっと、一人になりたいときのために作ったの」 小さく舌を出して、レナは笑う。少し前、色々と辛いことがありレナは悩んだ。 その時に作ったのだ。悩み事はみんなの力を借りて解決した。それ以来、あまり ここにはこなくなった。でも、定期的に手入れはしている。この辺りはレナの 性格がにじみ出ているだろう。 「ふーん」 圭一は興味深そうにまた、周りを見る。男の子としてこういう秘密基地は憧れる。 小さい頃は勉強勉強だったため、作って遊んだ事が無い。 くしゅん。 レナがくしゃみをした。 「おい、大丈夫か?」 慌てて、圭一はレナの方を見る。 「うん、大丈夫。ちょっと、体が冷えたのかな」 考えてみれば二人とも雨でびしょぬれだ。服はべったり濡れてと体に張り付いている。 確かにこのままでいたら風邪を引きそうだ。しかし、さすがにレナの秘密基地にも 着替えは用意してない。ブランケットが二枚ほどあるだけだ。 へっくしょん! 圭一も大きなくしゃみをした。同時に震えが来る。 「さみー」 さすがに暖房はない。中の温度は外と変わらない。風が無いだけましという 程度。 「……圭一くん、服──脱ごうよ」 レナがとんでもない事を言ってきた。うつむき、上目遣いに圭一を見る。 ブランケットを引き寄せて胸の辺りで掻き抱く。圭一は「えっ?」と、驚く。 「濡れた服のままだと──風邪引いちゃうよ。だから……」 そういって、レナは顔を伏せる。はらりと髪が舞う。かすかに見えるうなじが 赤い。ブランケットを纏い、服を脱ぐ。しろい肩が見えた。慌てて、圭一は目をそらす。 「そっ、そうだな。そうするか」 顔の奥が熱い。ふわふわとする。服を脱ぐ。すでにシャツまでべっとりだ。 上半身は裸になる。下もぐっしょりと濡れた長ズボンを脱ぐ。ブランケットを きつく体に巻く。見るとレナも同じだった。互いに下着1枚の姿になっている。 かっと熱くなる。体の奥が。 「──ごめんね、レナの所為で」 少しの間、沈黙が続いた。破ったのはレナだ。 「レナが早く宝探しをやめていれば、こんな事にならなかったのにね。 ごめんね、圭一くん」 ブランケットを纏い、顔だけを向けてくる。眼が潤んでいる。 「いっ、いや、そんなこと無いぞ。むしろ、途中でこんな大雨に打たれたかも しれないしな。ははっ」 いつもの口調が鈍くなる。早鐘のように心臓が鳴る。どうしてだ? 言うまでも無い。視線の先に写るのは濡れたレナの服。意識したくなくても 意識してしまう。沸いては消える妄想。顔を振る。 くしゅん。 レナがまた、くしゃみをした。ブランケットから素足が見えた。白い。 「寒くない、圭一くん」 鼻をすすってレナが聞いてくる。 「いや、大丈夫だぞ」 ほんとは少し寒い。薄いブランケットでは外気を抑えられない。ましてや 濡れた体では余計に。けど、男だから。 くしゅん。 レナはまた、くしゃみをした。 「おっ、おい、大丈夫か。なんだったら──」 このブランケットを使うかと言おうとして沈黙する。 晒すのか? 自分の裸を。いや、そうではない。 「ううん、いいよ、圭一くんが風邪引いちゃうよ。それより──」 また、遠くでカミナリが光る。レナの顔が見えた。静かに小さな口を開く。 「二人で暖まろうよ。ほら、何かで聞いたことあるの。冬山で遭難したときは お互いの体温で温めあうって」 息を呑む。レナの提案は確かに聞いたことある。効率もいいだろう。理性と しては理解できる。けど、感情としては── 「いや、だめだ、それは!」 圭一は慌てて言うが。 「どうして? レナ、もう寒いもん」 にじり寄ってくる。レナはブランケットを纏いつつ四つん這いで圭一に近づく。 逃げ場は無い。吐息が感じた。体温が感じた。レナが感じた……。 気がつくと圭一とレナは二つのブランケットを重ねて包まっていた。 圭一の胸にレナがいる。互いに抱き合っている。暖かい。そして柔らかい。 女の子のにおいがする。レナも感じている。圭一の体臭。自覚してしまう。 男の子だという事を。都会育ちで普段はだらしないところも見せたりはする。 だけど、意外な胸板に、その肩幅に、掻き抱かれる手の強さに、男を意識して しまう。その小さな肩を掻き抱く。丁寧に。はじめは力を入れすぎだ。「痛いよ、 圭一くん」だから、そっと抱く。何も言葉は交わさない。ただ、互いの体温を感じるだけ。 熱くなる。ひたすら。手に汗がにじむ。今、圭一はレナの素肌に触れている。 暖かくて柔らかくて何もいえない。 外の風は激しくなる。雨もさらに酷くなる。車は揺れる。雷の音も光も聞こえる。 だけど、気にならない。互いに外の事は目に入らない。二人きりの世界。ただ。 お互いを思う。 「暖かいね」 沈黙に耐えられなくなった。レナはポツリと呟いた。 「……ああ」 圭一はかすかに頷いた。 「でも、まだ、少し寒いかも」 また、レナは呟く。互いの鼓動が聞こえる。 「──知ってる? もっと、暖かくなる方法があるんだよ。互いに熱くなるの」 潤んだ瞳でレナは圭一を見つめてる。圭一はごくりとツバを飲み込む。否、 飲み込もうとした。けれど、口の中は乾いている。手が少し震える。レナは 待っている。圭一は答えなければならない。 ゆっくりとレナを見つめる。肩を掴む。少し震えてる。そうだ。怖いのだ。 覚悟を決めていても怖い。圭一も怖い。レナも怖い。理解できる。一線を越える。 この意味をどう取るか。明日からの自分たちはどうなるか。分からない。 だから、怖い。 だけど、進む。圭一はレナを求める。レナも圭一を求める。互いに二人は欲し 求め合う。きっかけは些細な事だ。けれど意識している。二人の心に互いの存在が 大きく占めている。 圭一の頭はゆっくりと下がる。レナは待ち受ける。二つの影は一つになる。 初めてのレナとのキスは唇同士が触れ合うものだった。感じたのは柔らかさ。 感じたのは吐息の熱さ。感じたのは互いの匂い。゜胸がどきどきする。 「──キス……しちゃったね」 少しだけ顔を離れさせてレナは言う。 「──そうだな」 圭一も一言だけ呟く。 「もう一回……キスしよ」 小さな声でささやくようにレナはねだる。圭一は何もいわずにキスをした。 「熱い──」 レナは息を漏らす。初めてのキスが甘く柔らかなものなら、今度のキスは熱く 激しいものだ。ただ、むさぼりあう。 ひちゃり。 音がした。誰からとも泣く二人は舌を絡めあう。熱く蠢く舌は互いの口の中を 舐めあう。くちゅり。レナの唇から唾液が洩れた。圭一の口から唾液が洩れてレナの 口の中へと移動する。何度もむさぼりすする。何度も感じる。頭の奥が激しく熱い。 なんも感じない。雨の音も風の泣き声も。ここが車の中ということさえ忘れる。 夜だということさえ忘れる。感じるのは互いのこと。考えられるのは互いのことだけ。 唇は離れる。二人の口元からこぼれる唾液は繋がり橋を作る。白いひと筋の橋は長く 続き途切れる。 「胸がどきどきして熱いの。圭一くんは?」 頬を赤く染めてレナは聞いた。 「俺もどきどきしてるよ」 ゆっくりと息を吐く。けれど、落ち着かない。 胸の熱さは収まらない。もう一度キスをした。さらに圭一の手はゆっくりと レナの胸に触れる。 「……あっ」 かすかにレナは声を上げる。だけど拒まない。圭一の手はレナの下着の上から 胸に触れる。柔らかな感触を感じた。何にもたとえようのない柔らかさ。トクン トクンと生命の鼓動も感じる。 はじめはゆっくりと後からだんだん早く揉む。レナは熱いと息を漏らし懇願する。 「ね、──圭一くん、もっと優しくして」 レナは戸惑う。胸の奥から生まれたものに。もっと味わいたい。だけど怖い。 だから優しくゆっくりと触ってもらいたい。本当は激しくして欲しいのに。 「わるいっ」 圭一の手の動きは遅くなる。軽く円を描く。大きくはない。小ぶりだがしっかりと 自己主張している胸。いつまでも触っていたい。 「んぅっ」 レナはかすかに漏らす。 「痛いのか」 圭一が慌てて聞く。 「……痛くないよ。むしろ──」 気持ちいい。という言葉は飲み込む。とても恥ずかしくていえない。 圭一の手がレナの胸から離れる。 「……あっ」 かすかにさびしげにレナは呟いた。 「なんか、苦しそうだからさ」 苦笑いする圭一にレナは手を伸ばす。圭一の熱い部分。もうすでに硬く そり立つ男の印に。 「えっ、おっ、おい、レナ……」 圭一は戸惑う。レナの行動に。圭一は戸惑う。柔らかくて細いレナの指の 蠢きに。己の手淫では消して得られぬ快楽が生み出される。自分の手では触って 欲しいところ。強弱がうまくコントロールできる。だけど、レナの指はそれがない。 痒い所に手が届かぬもどかしさ。予期せぬ快感が呼び起こされる。 圭一は顔をゆがめる。激しすぎる快楽は腰を引かせる。 「圭一くん、もっと触って。もっと、レナにも触って」 耳元でレナがささやく。ついでに圭一の首筋と耳たぶに下を這わせた。 圭一の体はビクンと揺れた。 手がレナの胸に向かう。もどかしげにブラを剥ぎ取ろうとする。レナは片手を 後ろに回してホックを外す。はらりと落ちる。夜気にさらされる。初めて異性の 目にさらされる。すでに乳首は固くそそり立つ。圭一は息を呑んで見つめる。 「きれいだな」 それだけ言うと屈んで圭一はレナの乳首を口に含んだ。 「あんっ」 胸の奥の何かははっきりとした快楽を伝える。唇だけではさみ、舌で舐めて 吸い付く。レナもまた、己の自慰行為では得られない快楽に翻弄される。飴の ように舐めてむさぼる。頭を振って、肩を震わせて耐える。甲高く泣く。ただ、 酔いしれて耐える。快楽の並にレナは溶けていく。 それでもレナの手は圭一を求める。布の上からさする怒張を直接さすろうとする。 下着に手をかける。脱がす。驚くほど熱く固いものが手に触れる。 「……熱い」 「──ああ」 二人はゆっくりと服を脱ぐ。残った下着は全部外す。生まれたまんまの姿になる。 「圭一くん」 「レナ」 互いの裸身を見つめあい、もう一度キスを交わす。もはや考えられるのは互いの ことだけ。圭一がレナの胸を掴めば、レナも圭一の胸の乳首を指で引っかく。 圭一がレナの首筋をキスすれば、レナも圭一の首筋を舐める。互いに互いの体を 確かめるかのようにとろけあう。 レナの乳首を舐めていた圭一はだんだんと頭が下に向かう。胸の谷間やわき腹、 腹やへそにも手や舌が這う。そのたびに声を漏らし、体をビクンと震わせた。 そして、ついにレナの秘所へと向かう。 「……圭一くん」 不安げにレナは圭一を見る。眼で圭一は問いかける。こくんとレナはうなずく。 そのまま圭一は顔をうずめた。 「あっ、あぁ、あぁっー」 ひときわ甲高くレナは泣いた。圭一の舌は若草の奥にあるレナの秘裂を這う。 すでに熱く蜜はとろとろに洩れている。舌と指を這わせる。なんともいえない 匂いがした。指がふやけるほどの熱さを感じた。小さな若芽にキスをした。 それだけでレナは今まで以上に体を震わせ、うねった。 「圭一くん」 愛しげにレナは圭一を見る。 「……レナも」 レナはゆっくりと圭一から離れて、改めてその胸にキスをする。チロチロと舌は 圭一の体を這い、うめき声を漏らす。ついにはそそり立つ怒張に口をつける。 「うっ」 それは初めての感覚だ。レナの口が圭一に吸い付く。想像できないほど。なんとも 形容しがたいほど。ただ、翻弄される圧倒的な快感が襲う。はじめは唇で吸い付く だけだった。竿の脇をキスして吸う。それだけで翻弄される。玉袋に手が這う。 背筋から快楽が走る。あまりの快楽に腰が引ける。舌も這う。竿に袋に。激しく うねる。圭一は翻弄される。息を漏らし、耐える。ついにレナは先端部を口に含んだ。 その熱さと柔らかさに圭一は息を吐いた。すぼりずぼりとはしたない音がした。 舌で先端の穴を突付かれたときには震えた。耐えられない。だから、 「なあ、レナ。俺も──」 ゆっくりと懇願する。レナはこくりとうなずいて、自分の体を圭一に重ねた。 レナの目の前には圭一の怒張が。圭一の目の前にはレナの蜜壷が。互いにさらし あった。互いに舌を這わせ、指を使った。いつ果てぬ饗宴の声を奏であう。 いつまで続いたか分からない。けど、もうたまらない。二人は再び向き合う。 「──いいのか?」 圭一の問いにレナはかすかに頷く。 「……来て、圭一くん」 二人の体は重なる。ゆっくりと。一つになろうとする。絆も。心も。体も。愛も。 一つとなって結ばれようとしていた。 「……あれ」 なろうとしていたのだが。 「……あれれ」 なろうとしてるのに。 「あれれれっ」 ならなかったのであった。 「──圭一くん。ここだよ」 クスリとレナは笑って圭一を導く。自ら手で握って、 自分のところへと誘導する。 「……じゃあ、あらためて」 少し恥ずかしそうに圭一は息を吐く。レナも緊張がとれた声で笑い、 うなずく。 ゆっくりと圭一は進む。レナは「うっ」と、呻く。とろけるような享楽の 中で突き刺す痛みを感じる。 「いっ、痛い」 思わず洩れる。圭一の動きが止まる。だから肩を掴む。 「そのまま進んで。……レナを──圭一くんのものにして」 なみだ目で訴える。痛い。だけど、このまま終わるのはもっといやだ。 だから、望む。証を。 「──わかった」 そのまま突き進む。レナは涙を漏らす。苦痛のうめきをもたらす。圭一の背中に しがみつく。爪を立てて引っかく。だけど、耐える。痛みの果てに喜びを感じるから。 涙を流しながら呟く。 「圭一くん圭一くん圭一くん……」 一突きごとに呟く、叫ぶ。二人の体は溶け合う。レナは圭一の中に。 圭一はレナの中に。ただ突き進む。ただ思う。互いの事を。いつしか 全てが白く染まり消え去った。 圭一はレナの中で解き放った。 二人は再びブランケットに包みあう。何もいわない。何もいえない。 心の奥に満足感と罪悪感が交じり合う。手が握り合う。今でも二人は一つに 繋がっている。 「なあ、レナ──」 圭一が声をかけた。その続きを言う前に、 「謝らないでね」 レナは圭一を見つめて言った。 「レナは望んでこうなったの。圭一くんが欲しくてたまらなくて。私、 圭一くんとこうなって幸せだよ。だから──謝らないで欲しいな」 レナの言葉に圭一は息を吐いて、 「そうだな。そうかもな」 と、呟く。いつだろう。決してやった事のないはずの記憶。学校の屋根での誓い。 自分の部屋でのレナの血まみれの笑顔。沸いては消えるかすかな残照。 でも、二人は一つになった。握り締めあう手が実感する。レナの体の中で実感する。 圭一の証。 二人は空を見る。星の瞬きが見えた。いつしか嵐は過ぎ去り満天の星空となった。 ゴミ捨て場で二人は一つになった。もう一度、キスを交わした。 終わり。
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/347.html
「悟史くんの病気が治りました!」 その知らせを監督から教えてもらったのは今日の朝だった。 私はいても経ってもいられず、寝ぼけていた頭を活性化させすぐに着替える。 学校なんてどうでもいい。私は診療所に向け走り出した。 入り口ではすでに監督が待っていた。 「詩音さん!待っていましたよ。早くこちらに!」 監督に言われるまでもなく、私は彼の病室まで走った。 部屋は朝日に包まれていた。その朝日の下に…彼は起きていた。 その姿を見たとたん、私の涙腺は弱くなり彼の胸の中で泣いた。 「悟史くん…!悟史くぅん…!ずっと…ずっと待ってたんだよ! 私ね、ちゃんと約束を守ったんだよ…!本当だよ! 沙都子はね、私のことねーねーって呼んでくれる。それにね、それにね…うわぁあぁぁん!」 私は一人でずっと泣き続けていた…。ただ…ただ…嬉しかった。 それから一ヶ月。 私は毎日診療所に通った。その度に悟史くんに今までの一年間何があったかを話し、 悟史くんも日に日に元気になっていって、ついに退院できる日が来た。 もう私は我慢できなかった。この想いを早く聞いて欲しくて…。 その退院の日、私は彼に告白した。 だけれども…返ってきた言葉はあまりにも無惨だった。 「ごめん、詩音…。僕は君の事を仲間だと思ってるけど、恋愛感情としての「好き」 という感情までは持っていないんだ。だから、今まで通り「仲間」として 付き合わせてくれないかな?」 私は夜一人でずっと泣いていた。そんなのって…ないよ。 1年間ずっと待ってたのに、そんなのって…。 一度は、圭ちゃんに揺らぎかけたこともあった。 一度は、死んでしまったんじゃないだろうかと考えたこともあった。 一度は、もう病気が治らないのではないかと恐れたこともあった。 でも…そんな感情すべてを押さえつけ今まで信じて生きてきた。 あの日の約束を果たし、いつ帰ってきてもいいように待っていた。 その結末がこれだなんて…。あまりに惨たらしい…。 「うわぁぁあああああああああぁ!」 私の叫びにも似た泣き声は夜空に吸い込まれていった…。 朝日がまぶしい。どうやら、そのまま寝てしまっていたようだ。 眠たい…。けれども学校には行かなくてはならない。 私は重たい体を無理やり起こし、学校に向かった。 そこに広がるのはいつもの風景。楽しそうに皆笑ってて、 楽しそうに遊んでる。不幸など感じさせない夏の風景。 でも、そんな中で私一人だけが不幸なのだ。私は妙な疎外感を感じるとともに、 妙な嫉妬を持っている自分に苦笑した。 少し驚いたことがある。それは悟史くんの復帰だった。 退院したのだから、学校に行くのは当たり前なのだが それにしても早いと思った。まぁ、監督から色々お世話になってるんだろう。 でも、もう私には関係の無いことだった。 「好き」ではないと言われた瞬間からもう私の中で「仲間」でもなくなった。 そばに居ても居づらいだけだし、悟史くんもそう思うだろう。 休み時間になると、皆が悟史くんに集まる。 どうせ質問攻めに遭ってるんだろう。それは容易く想像ができた。 沙都子は昨日の夜には悟史にあったらしい。 だから今では元の北条家の家で生活している。 もちろん、他の部活メンバーには寝耳に水のことだったらしく…。 クラスのみんなと同じように質問していた。 質問の中身は分かりきっていることで…。 「今までどこにいたのか?」とか「何故いなくなったのか?」といったことだった。 いずれにしても私は全てを知ってるからどうでもいい。 そんな私の様子をあの部活メンバーが気付かないわけがない。 特に圭一は私の変化に敏感に気付いているようだった。 昼休みになると、私は居づらい空気を感じて外で昼ご飯を食べていた。 寂しい…。どうして悟史くんは私を受け入れてくれなかったのだろう、 と今更ながら悲しくなる。 でもよく考えるとそれは分かりやすいものだった。 それは…なにより私との付き合いの短さだった。 私は悟史くんと出会ってからは、魅音のふりをしてちょくちょく悟史くんに会っていた。 だけど、悟史くんにとってはそれはほとんど魅音だったわけで…。 私という存在がいることを知ったのは、私がおもちゃ屋でアリバイ作りのために 詩音だと明かしたときだけ…。 だから私がいきなり好きだと言っても、素直には受け取ってくれないのだろう。 沙都子のことを頼まれたのも。 もしかして「魅音」だったのでは…? そんなはずはない!そんなはずはない!そんなはずは…!そんな…はずは…。 「うぐっ…、悟史くん…私、頼まれたんだよね?頼んだよね?……うぁ…ぁ…!」 そのとき…。誰かがこっちに来るのを感じて、私は涙がでている目をぬぐう。 一体誰だろう。今の時間はみんな揃ってまだ昼食を食べているはずだ。 それを抜かしてきたんだ。きっと私に用なのだろう。 「詩音~、いるのかそこに?」 圭一だった。圭一は私を見つけると私のところにやってきた。 「詩音、そんなところで何やってんだ。みんな心配してたんだぞ。」 「あ…ごめんなさい。そうですよね。すいません。」 私は素直に謝ってその場を抜け出そうとした。だけど、圭一は私の手を掴む。 「あのさ…、頼ってくれていいんだぜ?」 「……………。」 「俺たちは仲間だろ。仲間ってのは無条件で相手のことを信じられるんだぜ。 だから詩音が無理な話をしてもちゃんと信じてやれる。詩音…。俺たちには話せないのか?」 詩音は何か大きな悩みを持っているようだった。そのことには部活メンバー全員が気付いていた。 恐らく悟史の事なんだろうな、と直感的に分かってしまった。 突然の悟史の復帰。そしてそれを一番に喜ぶべき詩音が悲しんでいる。 多分…詩音は悟史に…。 そのとき詩音が重い口を開いて言った。 「振られたんです…。悟史君に…。」 やっぱりか…。予感が的中する。 ポツリ…ポツリ…と詩音の目から大粒の涙がこぼれる。 それから詩音は今までのことを全て話してくれた…。 悟史に惚れた日のことから昨日のことまで…。 全てを話した詩音は俺の足元でうずくまって泣いていた…。 「ありがとうございます…。すべて話したら…ちょっとすっきりしました。」 私は涙をぬぐって、今の自分ができる最高の笑顔で圭一に笑う。 すると…圭一が私にこう言った。 「あのさ・・・振られたのは仕方ないんじゃないか?」 私は自分が責められてるように思えて腹が立った。 「どうしてですか!?私が何かしましたか!?」 「だって、悟史が詩音と「会った」回数が少ないから告白を断られたんだろ? ならさ…」 圭一は一呼吸置いて言った。 今から悟史にアピールすればいいじゃねえか! 「えっ…!?」 「難しいことじゃない。悟史がお前をよく知らなかったから断っただけのこと。 だからお前がもっと「詩音」を見せ付ければいいんだよ!」 「でも!一度断られてるんですよ!そんなのどうせ上手くいくわけが…!」 そういうと圭一は私に怒った。 「どうせなんて言葉を使うんじゃねぇ!どうせって言葉はな…やる前に全ての可能性 を潰してしまう言葉なんだ!だから二度と使うな!それに悟史は詩音のことを 嫌いだって言ったわけじゃねえだろ。だからまだ可能性はあるんだ! その可能性を信じろ!もしもそれが信じられないなら、俺を信じろ!この前原圭一をな!」 その言葉に胸が熱くなる…。 ああ、これが圭一なんだ。この馬鹿で直情的で…信じられないくらいお人よしな男が…。 これこそが…魅音が心奪われた前原圭一なんだ…! 圭一ならどんな問題でも簡単にぶち破ってくれる。そう感じた。 だから…私は圭一の言葉を信じることにした。 ______________________________________ 僕は…詩音とどう接したらいいんだろう? 昨日、詩音の告白を断ってからそのことばかりが頭をよぎる。 詩音は確かに可愛い女の子だ。だけど、よく分からない相手と付き合うなんてできない…。 あれから詩音は僕を意図的に避けているようだった。 理由なんて聞かなくても分かる。 さっき詩音が教室から出て行くときにちらっと見えた泣き顔が頭に浮かぶ…。 「悟史?どうしたのですか?」 梨花ちゃんだった。気付けば、僕はご飯を食べる手を止めてボーっとしていたようだ。 「ごめんごめん、なんでもないよ。」 「詩ぃのことなのですか?」 いきなり核心を突かれ、ギクリとする。その反応でばれたようだった。 「詩ぃと何があったのか教えてはくれないでしょうか?」 そこで気付く。心配していたのは梨花ちゃんだけではなかった。 沙都子にレナ、魅音も身を乗り出して聞いていた。 「悟史?なにがあったのか教えてよ」 「私たちが力になれるのなら話して?」 「詩音さんがおとなしいのはいいことなんですけど…あれはどういうことなんですの?」 話すべきだろうか?よく考えてみる。 相手は自分とは違う女の子たちだ。それならば男の自分が一人で悩むよりも 詩音のことをわかってくれるだろうか? とりあえず話してみよう。話せば楽になるかもしれないし。 だから昨日のことを話した。 その間みんなは真剣に茶化すことなく聞いていた。 僕が話し終えると、まず最初に魅音が口を開いた。 「ひとつ、聞いていい?悟史が居なくなる前にさ、電話くれたよね。 あれって「私」に頼みたかったの?それとも詩音?」 「あれは…。僕もたまに魅音が二人居るんじゃないかと思ってたよ。 だから僕と喧嘩した「魅音」に頼みたかったんだ。」 「そう…。なら詩音のほうなんだね、頼んだのは。ならさ…どうして詩音の告白を断ったの? 真剣な表情で魅音は僕に問いかける。 「どうしてって…、僕はまだ詩音のことをよく知らないから…。」 「嘘だよ」 レナに即答され、ビクっとする。 「知らないはずはないよ。だって悟史くんは詩ぃちゃんから聞いたんだよね? この一年なにがあったのか。聞いてるよね、病室で。」 そういえばそうだ。詩音から色んな話を聞いたっけ。 「その話のなかには、詩ぃちゃんのことも含まれているはずだよ。 なのに悟史くんは嘘をついた。」 それはね…悟史くんが心のどこかで、園崎家をいまだに怖がっているからなんだよ。 「僕が…園崎家を…?」 そんな馬鹿な…とすぐに自分で否定できない…。 「そうだよ。悟史くんは園崎家を怖がっている。だから詩ぃちゃんの告白を断ったんだよね? 園崎家の詩ぃちゃんと付き合えば、何か自分の身に起きるんじゃないかって 思ってるんじゃないかな。」 魅音は苦笑いしつつも、僕に言う。 「もしもそうじゃなくてもさ、詩音はあんたの約束を守ったんだよ!一年も! 退院したばっかりの悟史には分からないかもしれないけど、 信じて待つことがどんなに辛いか知ってる!?分からないでしょ! 詩音はね、ずっと待ってた。沙都子を本当の妹みたいに可愛がって。」 「詩音さんは、私にとっての本当のねーねーでしたわ。 いつもなにかと家に寄ってくれて、病気のときは一晩中そばにいてくださいましたし。 にーにーに頼まれただけなんですのよ!それなのに、詩音さんはいつも可愛がってくれた。 にーにーはあんなに純粋で強い人の告白を断るんですの? …まあ性格はひねくれていますけどね。」 沙都子が笑いながら言う。 「もう、園崎家は怖くなんか無いのですよ。その問題はもう水に流れたのです。 でも悟史が詩ぃのことをどう思おうが悟史の勝手なのです。 あとは悟史の問題。でも…」 梨花ちゃんの雰囲気が変わった気がした。 「梨花…ちゃん…?」 「もしあなたが詩ぃの想いを考えずに自分のことだけを考えて いるのならば…私はあなたを軽蔑する。 だって詩ぃがあなたに恋するのは、いつの世界でも変わらなかったこと。 どの世界でも必ずあなたに恋をし、どの世界でもあなたはいなくなった。 その度に詩ぃは傷つき、時にはその想いが間違った方向に進むこともあった。 でもあなたへの想いが変わることは無かった。 いままでの100年以上、詩ぃはあなたを想っていた。 それなのにあなたはその100年の想いを蔑ろにするというのか! もしそうならば私はあなたを許さない!どうなんだ、答えてみろ北条悟史!!」 涙が、頬を伝う…。 …僕はなんてことを…してしまったんだろう。こんなにまで僕を想ってくれている詩音の 告白を断り、傷つけ、泣かせてしまった。 もう詩音は僕を嫌いになっているかもしれない。 あの時「好きだ」と素直に一言、言えていれば…! 「悟史…。まだ遅くはないのです。今ならまだ間に合いますです。」 「そう……思うかい?」 「そうなのですよ、にぱー☆」 僕は決意を胸に教室を出た。昨日言えなかった言葉を言うために…。 ______________________________________ 「もう大丈夫か、詩音?」 「ええ、ありがとうございました、圭ちゃん☆」 スカートの砂を手で払い落とし、教室に戻ろうとしたとき…。 悟史くんが私のところに走って来た。もう想いは固まっている。 「圭ちゃん……先に戻っておいてくれませんか。」 「そうしたほうがいいみたいだな、がんばれよ詩音!」 圭一は私の肩を軽くたたいて、教室に戻っていった。 ありがとう圭ちゃん……。 私は悟史くんをいつもの教室とは離れた空き部屋につれてきた。 「詩音…昨日はごめん……。」 「もういいんです。そのことは。」 「そうじゃないんだ、僕が謝りたいのは…!」 「えっ……?」 悟史くんの目にはすでに涙が溜まっていた。 あの告白を断ったこと以外に、悟史くんが謝ることがあっただろうか? いくら考えても分からない。 「僕は……嫌な男だよ。詩音のことを考えずに自分のことを優先した。 君と付き合ったら園崎家から何かされるんじゃないかって……恐れてたんだ。」 「どういうことですか…それ。意味がよくわから…。」 「分からなくてもいいんだ!分からなくても……! 君は僕のために爪まで剥いでくれたのに……臆病な僕は自分の身が傷つくのを恐れた。」 恐らく爪のことは魅音から聞いたんだろう。でもそんなことはどうでもよかった。 「昨日言えなかった言葉を……今、ここで言わせてもらえるかな。」 「詩音、君の事が大好きだ。」 視界が急にぼやけてくる。 それは嘘じゃないよね? これは夢じゃないよね? 私の聞き違いとかじゃ……ないんだよね? 「君とつき合わせて欲しい。」 「う…くっ……あ…ひっく…さとしくん…!さとしくぅん…!」 涙がこぼれる。その涙を悟史くんが手でぬぐってくれた。 「返事を聞かせてもらっても……いいかな?」 私は返事の代わりに彼の唇にキスをする。 「これが……私の返事です。」 どちらともなくもう一度キスをする。 くちゅ…くちゅ… 悟史くんの舌が私の口の中を侵す。それに答えようと私も悟史くんの口を舐め回す。 「んちゅ…ん…はぁ…」 私はそのまま机の上に押し倒された。 「いいですよ…。悟史くんが自由にしても…。」 「詩音……。」 悟史くんが私の服のボタンをひとつずつ取っていく。 恥ずかしい。今、私の顔はどんな風にしてるんだろう? 悟史くんが私が身に着けていたものを全て外し終わる。 「すごく綺麗だよ、詩音。」 「や…、あんまり言わないでください…。」 悟史くんの片手が私の胸を揉み、あいている方の胸の乳首をしゃぶる。 「ふあ…あ…ああっ!」 胸を重点的に責められ、敏感に反応するようになっていく。 舌で舐められ、しゃぶられ、噛まれる。 私の身体はすでに快感に支配され、他のなにも考えられなかった。 「あん、あ!…い、いいです!もっと…強くしてください!」 悟史くんは口で乳首を吸いながら、手を下にもっていく。 すでにぐちょぐちょに湿った私の秘部に指が侵入してきて中を掻き回す。 くちゅくちゅくちゅ! 「ああああん!あっ、あっ、あぁん!」 私の身体はそのいやらしい音に反応するように跳ねる。 「ひぃ!あぁっ!あっ!あぁっ!」 そこに追い討ちをかけるように、悟史くんが口で秘部を強く吸い出した。 「ひぅあぁぁあ!ひゃあん!ふああああぁっ!」 頭が真っ白になっていく。限界のようだ。 「だめぇ、イクっ!イっちゃいます!悟史くん!あっ!!あああっ!!!!」 意識が飛びかける。気持ちいい。私の身体は弓なりになって痙攣していた。 「大丈夫かい、詩音?」 こくん、と頷いて悟史くんに返事をする。 「悟史くん、私の処女をもらって……ください。」 悟史くんはチャックをおろして自分のいきり立ったオットセイを取り出す。 あれが…私の中に入るのだろうか?とても入りそうには思えない。 「いいかい、入れるよ?」 「お願いします……。あ、でも最初は痛いらしいので一気にいってください。」 悟史くんが自分のオットセイを私の秘部にあてがう……。 そして、一気に貫いた。 「うああぁぁあああっ!!!」 痛い。とても痛くて、私はしばらく呻いた。 その間悟史くんは私の頭を昔みたいに撫でて、優しく待っていてくれた。 「もう……大丈夫です。もっと突いていいですよ。」 「痛かったらちゃんと言ってね。」 その優しい心遣いが嬉しかった。昨日拒絶されたときは、もう私に優しくは してくれないだろうと思っていた。 「動くよ……。」 悟史くんが腰を振り出す。動きは遅く、私に気遣ってくれてるのが分かった。 「ん…っ!…ぁ!んん!」 少し痛いけどこれぐらい我慢できる。あのガラス越しに会う日々の寂しさと比べれば こんなもの…耐えられる! そうしてるうちに痛みが快感に押しつぶされていった。 ぐちゃ…ぐちゃ…! 「あっ!あっ!!ああっ!!!」 悟史くんも我慢出来なくなってきているのか腰を振るスピードがだんだん早くなる。 「詩音の中、気持ちいいよ。僕のを締め付けてくる…!」 「ああっ!!はあっ!!ひぅ!!あんっ!」 声をうまく聞き取れない。また絶頂が近づいてきているようだ。 悟史くんが突然私の両胸の乳首を引っ張る。 「!!!ひあぁああぁん!!はあぁん!!!」 腰を打ち付けられるたびに反動で乳首も引っ張られ その二重の感覚に壊れそうになる。 「だめです!!ああっ!!!またイきますぅ!!!うあぁあ!!!」 「詩音……!一緒にイクよ……!」 「あっ!!!ああっ!!!ひゃあ!!!あっ!!!んうううう!!!!」 私がイった瞬間、悟史くんも私の膣内で欲望を放つ。 頭が白くなっていく……。 あの時出会わなければ、と思う日もあった。 もう会えないと思う日もあった。 病気が治らないと思う日もあった。 だけど、今の私なら悟史くんに出会えて本当に幸せだと言える。 そういえばオヤシロさまは元は縁結びの神様だったじゃないか。 ありがとう、オヤシロさま。私の夢をかなえてくれて。 そしてありがとう。悟史くん。私と出会ってくれて。 これからもよろしくね、悟史くん。
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/538.html
1-1 困惑の急接近 進め(あう♪) 進め(あう♪) われら雛見沢~ぁ ちっちゃい者倶楽部!! 入道雲の空の下、村にセミの合唱と共に、ちいさき者たちの掛け声が流れていた。 「ぜんたぁ~い、気をつけろ。なのです」 込み入った所を抜け、畑の広がる見通しのいい場所に着くと、先頭を行く梨花がくるりと振り返って緩い警戒を呼び掛けてきた。すると皆の歌声がぴたりと止み、それから富田と沙都子の表情が引き締まったものになっていく。 「そしてよーい、ドン☆ なのですー」 「ほほ……! そう来ると思いましたわ!」 そして不意に駆け出す梨花とほぼ同時に、しんがりの沙都子が飛び出し……。 「……えっ? 北じょ、わわっ!」 追い越し様の彼女に、一つ前にいた富田は手をぎゅっと掴まれて――「富田さんは羽入さんの手を。羽入さんは岡村さんの手をお掴みになって!」――「う……うんっ! 羽入っ!」――「あう! がっちりきゃっちなのです。岡村ーぁ、おーてーて~、つーないでぇ~♪」――「はい、羽入ちゃん」 「そして私は…………それっ!」――「みぃ……っ?!」 仲間たちが手に手を繋ぎ合っている最中、沙都子はウエストポーチから取り出したなわとびを梨花に向けて放った。するとグリップが分銅として働き見事、梨花の左腕を捕らえた。 「みぃ。このままじゃボク、沙都子に調教されちゃうのです~☆」 「おーっほっほっほっ! でしたらお望み通り、私が梨花を立派な競走馬に調教してさし上げますわー!」 たぶん沙都子と梨花の「調教」の意味は似て非なるものなのだろうなと、くねくねと悶えながら走る梨花を見ながら富田は思った。 そんな調子で練り歩くちいさな一団に、通りすがりの村人があいさつをして寄越す。その都度、天敵であるレナの情報を聞き、もしくは向こうから教えてきてくれたりした。 話が済むと、村人の股下を這って潜り抜け、そしてレナの居ないと思われる方へと向かう。 雛見沢ちっちゃい者倶楽部と竜宮レナ。 この二つは相容れない関係であり、それは正確に、かつ簡潔に「獲物と捕食者」と言い表せた。とはいえ、捕まったりしても実際はレナといっしょに遊んだり、家でお菓子をご馳走されたりと、実にほのぼのとした関係なのだが。それでも部員もとい子供たちは遊びの天才ゆえに、レナの魔手から真剣に潜り抜けていた。 入部資格は小柄であること。飛び入りも可。 あの部活メンバーの活動とは別物で、雛見沢ちっちゃい者倶楽部(以降『雛クラ』と略)の活動内容は、村のあちこちにある「潜れそうなもの」を、部長を先頭に潜って行くというもの。 普段は月一回。夏休み等、長期の休みには部長の呼び掛けで倶楽部活動が行われる。 部活メンバーに罰ゲームがある様に、雛クラにも似たものがある。それは可愛らしい倶楽部名らしからぬ厳しいものだった。 部長の潜れたものが潜れない場合は退部。 これは創立者にして初代部長である魅音が作ったもので、それは部長といえども適応された。 去年の七月。創立第一日目にして早々と、部長の座がうっかり魅音からちゃっかり梨花へと受け継がれて一年あまり。 現在の部員構成は、現部長の北条沙都子を始め、副部長に富田大樹。古手梨花に岡村傑、そして古手羽入を新たに加えた計五人。 これまでの日々に各人、劇的なできごとがあったり、その身の上に波風とまではいかないまでもさざなみが生じたりもした。 夏休みも二週間が過ぎ、親密な関係になった組は当然、濃密な時間を。まだそうではない、擦れ違う者たちにも兆しが芽生え、想いの波紋を伝えんと、その手を伸ばしたのだった。 「……羽入。ボクと並び順を交換こするのです」 緊張状態に飽きてきた梨花が悪い癖を出し始めた。 「あぅ……。梨花の前は嫌なのです。レナが来たら絶対、突き飛ばす気なのです」 前部長の態度に、現部長は大きな目を細め寛容に微笑んでいた。ならば自分は副部長として一応の義務を果たそうと、富田は眼鏡に手を添え、遠くを見据えた。 「ほほ……。真面目さんがいますわ」 「…………? もしかして、僕のこと?」 沙都子は頷いて、前の三人を見る。 梨花・岡村・羽入の並び順は梨花が下がったことで、ぐだぐだに横へと広がる感が見えていた。 女性陣は頭にそれぞれ、つばの大きな麦わら帽子とサンバイザー。野球少年たちは言わずもがなの野球帽を。手には仲良く、赤に青の水着入れが握られていた。 沙都子から掴まれた手と手はそのまま、富田と沙都子を繋ぎ、ふたりを歩ませていた。 「……前はあのひとたちに任せて……私たちは後ろに気をつけていればよろしいんですのよ」 そう言って沙都子は手を引いて、歩調を緩めだした。 「……骨はちゃんと、拾って上げますのですよ」 「あぅ……梨花がひどいのです……。岡村~ぁ、僕を助けてなのです~」 羽入は綿菓子を思わせる甘く、やわらかな声を上げて岡村の腕にしがみついた。後ろからでもわかるくらい、親友の腕に押し付けられて歪み、大きく形を変える羽入の脇乳に、自然と目が釘付けになっていた。 「……岡村。ボクを敵に回したら……くすくす。どうしてあげようかしら」 岡村の首に、白蛇を思わせる手がしゅるりと巻かれ「がおー」と、そのぽにょぽにょした首筋を甘噛みする。 「り……っ、梨花ちゃんも羽入ちゃんも、仲良くしなくちゃダメだよ……っ」 岡村はどちらの少女に花を持たせるべきか、いつもの様に二人の間で困っていた。 「…………岡村さんが、羨ましいですのね……」 「え……っ?!」 沙都子に突然話しかけられて、富田は顔を引き攣らせた。 「……ずっと、見てましたわよね……」 「っ……?! ごっ……ゴメンッ!」 有無を言わずに謝る。しかし沙都子は聞く耳を持たず、その先を言い放った。 「大きくてやわらかい、羽入さんの胸を」 「ぅ……ぁ……。ごめん…………」 軽蔑のまなざしと妙な言い回しに、富田は縮こまって呻いた。 「今日から僕も、雛クラに入ることになりましたのです。みんなについて行ける様にがんばりたいと思いますのです。あう!」 沙都子の誕生日の翌日。 未だ興奮の覚め遣らぬ雛クラ部員に梨花のきまぐれ招集が掛かり、半ドンの昼下がりの境内にて、羽入の入部式が行われていた。 「……そのたれぱいじゃあ、魅音の二の舞になるのが落ちなのです」 「あううーっ! たっ、垂れてなんかいないのですっ!!」 梨花の毒を含んだ嫌味に、羽入がたぷたぷんっと猛抗議をする。 「ほんと?! 羽入ちゃんっ!」 「あうう――っ?! 岡村の目は節穴なのですか~ぁ――っ!!」 岡村の間の悪い食い付きに、羽入がぶるんったぷんっと猛抗議をする。 「ほらほら富田! 羽入ちゃんのおっぱい、ぶるんぶるんっだよ!」 「そ……そんなの、見ればわかるよ……っ!」 「……いやらしいひとたちですこと……っ!」 「ちょっ?! 北条ーっ?! ごっ……誤解だよ! おっ、岡村も何とか言えよーっ!」 腰の引けた富田も一緒くたにして、沙都子が胸を隠して嘆息する。 「違うよ~沙っちゃん。 僕と富田が言ってるのはねー。羽入ちゃんも、雛クラに入ってくれて良かったねってことなんだよ。ねっ、富田!!」 「うをわっ?! ちょっ、おま……っ! 羽入もやっ……止めれぇ~」 「あうあう♪ あうう♪ あうう♪ あう☆ あう☆」 岡村と、いつの間にか機嫌の直った羽入は富田を巻き込んで、くるくるとはしゃぎだした。 「おほほ。雛クラもいよいよ賑やかに…………えっ、ちょっと?! わ、私もですのぉォォおーッ?!」 哀れ、なかよしトリオを楽しげに眺めていた沙都子も巻き込まれる。 「くすくす。いつもより余計に回って、実に楽しそうなのです」 賽銭箱の前に座り、梨花はひとり、笑壷に入っていた。 「みーみみみみみ。けいちゅ~、けいちゅ~。そしてこれから言うボクの言葉に傾聴してほしいのです」 ひとしきりふざけあった挙句、疲れてへたり込み、てんでんばらばらに倒れている一同。 梨花はその愛しい仲間たちにぱんぱんと手を叩きながら歩み寄る。そのうちの、尻を上げて突っ伏している羽入の尻を引っ叩き、ついでに汚れを掃ってやる。 「これからは沙都子。貴女に雛クラを、引っ張って行って欲しいのです」 そしてもう片方の手を沙都子に差し出して、梨花は滑らかに宣言した。 「でかぱい沙都子が潜れるものなら、岡村とうし女もモーまんたいなのです」 梨花の言う通り、沙都子を先頭とした二人は水を得た魚の如く、とまではいかないまでも選定され、だいぶ楽になった障害物を次々と潜って行った。それでもレナには敵わず、羽入とセットでちょくちょくお持ち帰りされていた。 そんな和やかな時間を、しかし富田は少しだけ心配していた。 羽入が入部してきてから、雛クラの雰囲気が緩んできた。 たかが遊び、されど遊びの雛クラにも真剣に取り組んできた沙都子。 彼女は部長でありながら障害物の選定は梨花、もしくは副部長の自分に任せる様になる。 歯応えが無さ過ぎるからだと沙都子は言って、梨花に申し訳なさげに顔を伏せた。 そんな真面目な性挌ゆえ、沙都子は少し口うるさくなりがちなところがある。それは相手を思ってのことなのだが、はたして羽入が嫌がりはしないかと、富田は子供なりに気を揉んだ。 富田は二人の仲が険悪にならない様にと動いたりしてみた。だが沙都子と羽入はそんな気配は露とも見せず、むしろ梨花が嫉妬するほどの友情を示した。 これからの季節にと、沙都子は自分の麦わら帽子を羽入に贈り、また彼女の服を探しに二人で興宮に行ったり、裏山を案内してあげたり。 今日もその麦わら帽子と、沙都子と買ったという大きめのボーダーのTシャツを羽入は着てきた。他にもその他諸々、二人は仲を深め合っている様子だった。 そんな取り越し苦労も楽しい日々の下地となってきたある日。富田はその日々に自ら水を差してしまう。 若気の至り、というには彼には酷であり無常だと言えた。それでも――しかし――結果として――沙都子は富田と距離を置く様になる。 そうしたのは北条なのに……。なのに何だってまだ僕に、構ってくるんだよ…………ッ! 「あはっ。良かった……。ちゃんと冷えてますわよ」 沙都子が小川で冷やしておいたバナナを、水を切って手渡してきた。その眩しい笑顔に、思わず素直にバナナを受け取ってしまう。 「……僕のことはもういいから、北条は遊んできなよ」 富田はバナナに爪を立て、沙都子を三人の所へと進めた。 雛クラには退屈で危険な、とくに潜るものもない、だだっ広い通りを抜け、五人は休憩がてら、沿道の脇を流れる小川で水遊びをしていくことに。富田はそこで、川底の尖った石か何かで足の裏を切ってしまう。 富田はひとり、土手に歩きかけると沙都子がその肩を支えにくる。ケガの手当てをしてあげますわと、こちらの遠慮を押さえ込んで手際良く、富田の足に包帯が巻かれた。 沙都子はその後も富田のとなりで水の流れに爪先を遊ばせながら、水遊びに興じる三人を見つめていた。 「……今は、いいですわ…………。 それより今度は私が、富田さんの代わりに見張りを務めますわね」 たまには部長らしいことをしませんとねとはにかんで、かざす手でサンバイザーをちょこっと上げて、きょろきょろと見張り番を買って出た。 「……だったら座ってるより立って、見張ってた方がいいよ」 「ぁ……。そう、ですわね…………」 明らかに落胆の色を滲ませ、その夏空を思わせる顔容が曇ると、足の傷が痛んだ。 どういう訳だか、沙都子は自分に好意を寄せてきている様に思える。そう思う度に富田は自嘲で歪め、沙都子の気を無下にしてきた。 夏休みが始まり数日ぶりに会った沙都子はぼうと赤ら顔で。夏だから――少しだけ赤面気味なところ、そこがまた可愛らしく――とにかく、妙にそわそわしていた彼女が気になって理由を聞いてみるも何も話そうとしない。その内にふたりは口論となり…………。 それ以前にも、自分は沙都子の弱みに付け込んで似た様な、嫌がることをたくさんしてきた。 ゆらりと沙都子が立ち上がり、背を向けて離れて往く。 「っ……。ほうっ……っ」 見ない様にしていたのに、その背中を無意識に――眼――想いが追ってしまい、女々しい声までが喉から出掛かった。 「ほら! あなたたちも早く……って、富田! アンタなに暢気に座ってるのよっ!」 声のする方を見ると梨花と、早く早くと軽トラックの影から岡村と羽入も自分たちを呼んでいるのが見えた。 「……富田さん。立てまして……?」 そう言いながら立ち上がろうとする富田に近寄りまた、沙都子が手を差し伸べてくる。 「……僕はもういいから北条も…………さっさと隠れなよっ!」 「あっ……!」 その手を払い除け、富田は痛めた足を庇って歩いて行く。すると首を後ろから捕まれた。 「いっ?! いたっ! ……ほっ…………北条?! なな……何するんだよ!」 「……あなたは下に、行ってくださいましッ!」 それに手首まで、かなり強い力で捻られ、富田は問答無用で車体の下に押し込まれた。 「あぅ……。何だか、沙都子が恐いのです」 爪先で土を蹴散らかして、岡村の隣にしゃがみ込んだ沙都子に羽入が怯える。 「……沙っちゃん。富田がその……またヘンなコトをしちゃったのかな……?」 それに対して沙都子はとくに、何も答えなかった。なおも何か言おうとする岡村を、富田は金的を入れて黙らせる。苦悶の滲んだ非難とあうあうという声は無視。自業自得だぎゃッ?! 「……あんたはさっきからナニ沙都子を邪険にし・て・い・る・の・よッ!!」 「いだっ?! ちょっ……痛゛い゛! 痛゛だだっ!!」 野球帽を吹き飛ばし、眼鏡が壊されかねない膝の連打が、富田の顔面に打ち込まれだす。ついでにこれは岡村の分と、梨花は細い足首で富田の首を掴み、車体と垂直になる様、乱暴に促してくる。 「や……やめろってば! 何で…………お前だって北条のことあまり好く…………?」 「っ……。…………ふん」――「…………とにかく、古手には……関係ないだろ」 富田は半ばやけくそで叫び、しかし既に言葉をすり替えた。 場を考えてという理由もあったが、途中で梨花が表情を、くちびるを噛んで目を逸らしたから。だからそれ以上――それにその横顔がなぜかひどく切なく映り――梨花を、哀しませたくはなかった。でも……。 自分の、沙都子に対する態度を鑑みれば文句の一つ。それこそまたあの膝の一つでも、出してきそうなものなのに……。 まさかそんなにも梨花は、沙都子と羽入の仲を……。沙都子のことが嫌いになるほど、ふたりの仲を羨んでいるのだろうか。 もしそうだとしたら、さっきの機転はファインプレイだったかもしれなかった。 「富田さん、早く……。体の向きを、変えてくださいまし……」 「……あっ。う、うん」 頭をこっち側に……足は出ない様にと言われ、富田は大人しく従う。 状況がそうさせているのか、声の感じからいって、今の沙都子から不機嫌な気配は見られない。 なんだかんだ言ってもやはり好きになった手前、沙都子に嫌われるのは避けたいのが本音だ。なのに慣れない意地を張って、沙都子と梨花の怒りを買った報いがこれなのだろうか。 沙都子の言う通りにした――から――のに――、梨花の白い足が目の前にきてしまった。しかも約二名の刺す様な視線も感じる。この状況は幸といっていいものか、それとも不幸――はてはフラグ――なのか……。 「…………大根足、なんて思ってたら……」 「――っ?!」 ひとりは無言で見下ろしていたが、もう一人の方は違った。 ……何だか今日は女の子に驚かされてばかりな気がする。隣にいる親友なら「それは富田が悪いんだよ~」とでも宣ってくれそうだ。それはさておいて。 富田は目の前に突き出された膝をまじまじと見る。この足の、どこをどう見たらそう表現できるのだろうか。 白魚の指といい緑の黒髪といい、それらの持ち主に相応しい、綺麗でほっそりとした脚だった。それなのに何だってこんな、車の下になんて潜り込もうとするのか……。仲間たちの様に、車の……。そこで富田は野暮な考えを止めた。 梨花もやっぱり自分たちと同じだと。 オヤシロさまの生まれ変わりだと、大人たちからは大切にされているがひとたび……否。遊びや部活でも、それも最近になってからは猫を被らなくなっていた。むしろそのギャップを楽しんでいる様な…………やっぱり梨花は自分たちよりも少し、大人びた少女らしい。 ならばこちらも楽しむべく、脅しで突き出された膝を退かしつつ、舐める様に見入る。どうやら擦り傷の類は見られなかった。なぜだか少しほっとする。 さきほどの、膝の連打の際に見えた純白の下着。あわよくばと――魔が差して――つい、スカートの中をのごぎゃっ?! 「……富田ももっと足を引っ込めやがれなのです。沙都子」 「ええ…………。わかりましたわ……」 にぱー★ と嗤いながら再び富田の顔面に膝を入れた梨花は奥へと、羽入に引っ張られていく。手はしっかりとスカートを押さえていたりと、このへんのたしなみは持ち合わせているらしい。もっとも、岡村がそこを凝視しているところを見るに、あかんべをしている手の方はスカートがめくれ上がっているのだが。 それを横目に、自分も這って行こうとすると頭を掴まれぐいと、かなりの力で引っ張られた。どことなくその手からは怒りの様なものが感じられた。 今日の自分は女難の相があり、梨花に絡まれる原因の何割かは沙都子のせい、という免罪符の表情で正面に顔を向けると鼻先に、今にもくっつきそうなほどに、沙都子の股間が付き付けられていた。そしてそのまま…………え? ……う、うわっ?! むぎゅ……。 なんと沙都子は、富田の頭に尻でのしかかってきた。 じゃり……がり、がりり……。ぎり、ギ……ジャリ…………。 そして、のしかかる尻がわずかに……沙都子の息遣いで揺れると眼鏡がにじられて、レンズの悲鳴がツルを伝わってきた。 なぜ沙都子がこんなことをしてくるのか……。それは自分を嫌っているからにほかない。でも、これじゃあむしろ……くっ! く、ぁ…………あッ……! 髪の上をすりすり……。不意にうなじをむにゅり……。 後頭部の上を揺れ動く尻に、脳ではなく直接触れている首の、その下の延髄から悦びの信号が出て、その刺激を受けた海パンの中のモノはすでに力強くいきり勃っていた。 しゃべることができないので何とかこちらの意思を伝えようと手を動かすも、うつ伏せでは肩がうまく動いてくれない。それでも無理矢理に動かすと、もがく手がぺちぺちと、となりの人肌を叩きだして、吸い付く肌触りに手が離れたがらない始末。 「ひゃんっ?!」 だからまたかな……と、覚悟を決めていた富田の脇腹にもれなく肘鉄が打ち込まれる顛末。その衝撃で体が跳ねると上から可愛らしい声が。しかしそれもすぐに、憮然とした声音に打って変わる。 「はぁ…………。 富田さんって……梨花とも随分、仲が…………よろしいんですのね……?」 ひとつ溜め息をつき、沙都子は腰を上げくすりと……獲物を捕らえた猫の眼って、見たことありまして……? と、目ではそう問い掛けてきている様に富田には感じた。 「沙っちゃん、しぃー。今そこに、竜宮さんが来てるから、しぃー」 「レナはおしゃべりしてても、僕たちには敏感だから気を付けないとなのです」 「ぁ……。ごめんなさいまし……」 口に人差し指を立てた二人に注意され、俯いた沙都子と目が合う。 「北条……。何でこんなこと、するんだよ」 仰向けになるよう促されていた富田は、眼鏡と息を整えながら沙都子に問い質した。 「…………富田さんはもう……こういうことをしたくは、ありませんの……?」 「こっこっ?! ……こういうこと……って」 耳が、膝の内側でぴったりと塞がれて……視界の端で腰がくねってユラメイて……野球帽が脱がされる。 「……やっぱりシたい、ですわよね……」 「っ……アッ!!」 唐突に、根元から先端へと、富田の硬く反り返っているモノの腹が撫でられた。 「ぁ……っ? 北条……何を……?」 その指先が顔へ……眼鏡を取り上げて沙都子は、自分のシャツの胸元に引っ掛ける。 「……まったく。梨花にまでちょっかいをお出しになるなんて……」 深い胸の谷間で眼鏡が揺れ、微笑む口元からは八重歯が零れていた。 「…………もうお前に……」――そんなことを言われる筋合いなんてないだろ……。 そう続けようとした台詞は沙都子の笑顔に解かれ……そして、微笑みを浮かべてしまう。なのに彼女の微笑は妖しさを深めて、サンバイザーを目深に被り直してそれから……。 「……富田さんのスケベ…………ん……」 「んン……っ?! ウッ、ンンぅーッッ?!」 沙都子は再び、今度は富田の顔面目掛けて腰を下ろしてきた。その拍子にそこの匂いを思い切り吸い込み、だから意識がどこかへ跳びかけた。 洗い立ての洗濯物と、その家庭の匂い。それと、沙都子の香り。 凸と違い、凹である股間からは無粋な臭いなどはせず、その何ともいえない香りに心臓がどくどくと暴れだす。 その手の漫画に、ヒロインの股間に顔を埋め、そこの匂いを嗅いで悦ぶ男の気持ちがこのとき心の底から理解でき、共感できた。しかし…………。 降って沸いた悦びにより、小さくなりはしたが消えてはくれない沙都子への“疑”。 あの日。 心配するあまり、逃げる沙都子を捕まえて押し倒してしまい富田は沙都子にスケベ呼ばわりされた。 二週間前。 罰ゲームをしに、圭一の家から逃げる様に飛び出してきた沙都子。 「うンっ! あふぅ! ふっ……ふう……うふふ……」 苦しくも嬉しげに息を弾ませ、人の顔の上で腰をくねらせて、富田の鼻に股間を擦り付けている。そんな体勢だから顔の上半分は尻からはみ出し、おかげで視界が利いていた。 富田の胸に繊手が置かれ、まさに目と鼻の先で踊るヒップ。 軽トラックの荷台にぶつからぬ様、前屈みから思い切り反らされた背中。 短いながらも汗が、後ろ髪をうなじに張り付かせ、耳にまで散った紅葉。 昔は、いたずらをされると泣いて嫌がっていた沙都子。 今は、慕う男にいなくなった兄を重ねて、笑顔の絶えなくなった沙都子。 それなのに何故、こんなことを……。 そんなこと、決まってるだろ……っ?! 北条はもう…………くっ……そぉおおおおッ!! 「ひあっ……!!」 肉圧の下、富田は強引に大口を開けて、埋れ出た下前歯で股間に噛み付く。するとこりゅっとした歯ごたえに、上から高い声がした。 今のって……もしかしてくっ、クリトリスに……っ?! 「あぷっ!」 驚く富田の視界が再び尻で占められ、その谷間と鼻とがぴったりと隙間なく密着。鼻が尻に押し潰される。 「……そんなところに噛り付くなんて…………はぁ。富田さんも、デリカシーが、ぁー……うふふふ。なって、ませんわねぇ……。だから罰を……喰らいなさいましね」 それから口を磨り潰さんと、大胆な腰遣いでこにゅこにゅと、下半身でのフレンチキスが富田を戒め、罰し始めた。 顔面全体余すところ無く、尻が激しくいざり、にじられる。しばらくして、熱っぽい声が聞こえだし、沙都子は靴底を後頭部の下に入れ、足全体で包み込むとぎゅううう……と、頭を絞め付けてくる。 肩は膝で固められ、十指は繊手に絡め獲られ、形ばかりの抵抗が除々に圧殺されていった。 鼻腔といわず咽喉、気管、肺臓と、色香によって呼吸器が侵され、沙都子で胸がいっぱいになっていく。 確かに息苦しい。だがそれでも、自慰では感じたことのないほどの快楽に浸かって、「苦」は「楽」となり「快」へと変わっていく。 頭はとうに霞み、沙都子への疑問に憤りもここにきて、どうでもよくなってきていた。 「あう……。沙都子の腰遣いがすごくいやらしいのです…………」 「はっ、羽入ちゃん……っ。背中におっぱいが当たってる……っ! それに今は、竜宮さんを見張ってなくっちゃ……」 「…………それは梨花がやってくれていますですから……。だから、岡村の甘い精を僕に…………」 「うわっ! お、おちんちんまでいじられたらで……でちゃうよぅ…………」 どうやら自分たちの姿に、羽入が中てられたらしい。手玉に取られた岡村が嬉しい悲鳴を洩らし始めた。 親友の呟きに、二人の痴態を想像してその上、想いを寄せる少女の尻を顔面に押し付けられるという状況に、虚ろだった意識は次第と固まっていき、それはある形……本能を形作った! 「んん……ッ?! あは、はぁ……。やっとその気に……え、あんっ?! とっ……富田さ、ンあーっ!!」 沙都子の腰を浮かせる為、不意に自分から顔を動かして、その生まれた隙を突く。武器でもあり弱点とも言えるそこに富田が吸い付くと、沙都子が驚いて大きな声で鳴いた。それでも富田は怯まない。 「あっ……あッ! くぅ……ンンッ!! はぁあ! ふあっ……あンッ!!」 吸盤を――胸を吸う様を――イメージし、思い切り香気を吸う。 沙都子の反応の変わり様に味を占め富田は、股間の香りを夢中になって胸いっぱいに取り込む。 「やぁ……。そんなところの臭いをか……あ、アーッ! かっ……か、嗅がないで……」 今更ナニ言ってるんだよ……。 沙都子はなおも何度か訴えてきたが、富田はそのたびに嗤ってやった。 強さの内にある優しさと弱さ。 その弱さに付け込んでもっと、沙都子を泣かせたい。いや、鳴かせたい……。 泣かせた回数ならあの人には負けない。それにこれから自分も、北条の鳴き声を聴きながら、北条と前みたいに……いや。前原さんと北条がしている以上の事を……北条が鳴いて叫ぶくらいのコトをしてやる……っ!! 「ンあーッ! そ……そんな、おっぱいまで……あっ! いっア……っは……ああぁーッ!!」今やふたりの攻守は完全に逆転していた。 富田は弱まった手を掴み返し、手と手を重ねたてのひらで、沙都子の双房を掴む。 前と、それと窄まりへの攻撃に加え、少女という器をはみ出し気味な胸を力を込めてぐにゅぐにゅと弄ぶ。そして肉の頂でつんつん、こにゅこにゅと自己主張してくる乳首を思い切り、ふたりの指でぐ……ぐっ、ぐにゅう……といざり、爪を喰い込ませる。 「んんッ……くぅぅ…………。う、うっ…………くっ、ぁっ……」 恥ずかしいのだろう、洩れ出る声を塞ごうと、何度か手を引かれた。そのたびに肉芽に噛み付いて腰砕けにし、大きく息を吸い込んで……。 「……あふうッ、ふぁ……あ、ああ……あはぁあアアア――ッッ!!」 熱い息を尻の穴に吹き込んで喝を入れた。 「は…………あ……ぁぁ……。はー……あ、ふぁ……」 そうして大人しくなった沙都子を、富田は本格的に味わいだす。 「あう……。富田がすごくてくにしゃんぽいのです…………」 「あう……ぅ! はっ、にゅうちゃ……んんっ!! む、胸までされたらもっ……もう、本当にっ!!」 「…………ちょっとあなたたち。少し、静かにしなさい。ハメ外し過ぎるとマジで、レナに見つかるわよ……?」 梨花の注意に一同が静まる。 確かに。このまたと無い機会をもっと楽しむ為にも、静かにシないと……。 「ふう…………はあ……ぁ。とみ……たさん、何を……? ぇぁ……っ、ふむううぅーッッ!!」富田は、ふたりの手の内の片方を胸から上へと引き剥がし、吐息を感じるところに突き入れた。 「んっ……?! んんうぅッ?! ふぅンむっ……! ん、あー……! いっはっ……やあッ、んむッーゥゥ~ッッ!!」 ふたりの指で口の中を掻き回しだすとすぐに沙都子が激しく呻きだした。そのぐちゅぐちゅという音――悲痛な声――がイマラチオを連想させ、ペニスがどくどくどくっと、痛みを伴わせるほどの武者震いを起こす。そして巣の中の雛の如く、富田の一物は海パンの中からもっともっとと、手の動きを急かした。 胸にあったふたりで一対はシャツの内側に滑り込んで、手の動きでいっしょに揉む様に指示。戸惑う仕草を指をつねり、自らの胸をスク水越しにぐにっぐにゅっとめり込ませて屈服させる。それで素直になった沙都子の股間に、幾度目かのフレンチキスの愛撫を施した。 「……くウッンンッ?! アッ…………あアーッッ! あ……あはっ。い……イイ、ですわぁ……」 あわよくば、とでも思ったのだろう。 富田はそれで、沙都子がどんな声を出してくれるのか、無意識に指を引き、沙都子の口に隙間を作る。すると「イイ」と返ってきたではないか……! でも……。 それは決して「富田大樹は北条沙都子が好き」への答えなどではない。それでも最後に、想いを寄せていた少女の、女の声を自分が引き出した。今はもう、富田にはそれで満足だった。ただそれは、富田の真心だけのこと。無念のすべてを包み、癒すには至らなかった。 本能は無念の欠片を劣情へと変えて、真心に忍び寄る……。 魔獣の如く涎を滴せるそれの胴体が、獣欲になりかけの無念によってより太く猛り、首を伸ばし、開放の出口を求め荒ぶりだす……。 沙都子との魅惑の顔面騎上位という状態が続いた為、富田は酸欠を起こし掛けていた。だから体も頭も楽な方、楽な方へと行きたがってきた。 すなわち、このまま沙都子を貫き、串刺しにする。 今は周りにニンゲンが居るが、この熱が冷めない内に……。それとは別に頭の真ん前で、天使と悪魔の格好をした梨花と羽入が手を繋ぎ、なにやらこちらに囁きかけていた……。 『くすくす……。我慢なんて体に毒よ。さっさと押し倒して、ヤるコトやっちゃいなさいよ。まったく、じれったいわねぇ……』――『あうあう~♪ みんなで沙都子を輪姦しっこなのです~♪ あうー♪♪』 (チョっ……フタリとモ。僕の、沙都子ヘノマ心ヲ聴いテなカッタのカよ! ソレと羽入っ! 僕の沙都子をソンなメで見るナーッ!) 『「僕の沙都子」って……それも二回。キモ。それと沙都子は基本的に私のだから。まったく、図々しいわねぇ……』――『あうあう~♪ みんなで沙都子を輪姦しっこなのです~♪ あうー♪♪』 (そっ、そレハ…………言バノ文ってやつダよ……! それと、イっ回目の「僕の、沙都子」にはちゃんと句点がハイってるだろ。だーかーらー羽入! 沙都子に輪姦しっこユーな!!) 『男のくせに言い訳ばかりして……。何が「僕は鉄壁」よ。鉄壁なのはあそこだけじゃない。まったく、このふにゃチン……!』――『あうあう~♪ みんなで沙都子を輪姦し』――『いいかげん黙れ、この淫魔……!』 羽入のボケに、梨花がツッコミの掌底を入れて、脳内コントにオチが付く。でもこれじゃあ、悪魔の梨花が勝っちゃったってことは……。あと「僕は鉄壁」ってナニ? ついさっきまで悪鬼じみた欲に駆られていたというのに、二人の身勝手な言い分に…………あっ……っ! はたして、富田がソレ等と自分とが同じだったと気付いたのが先か、伸びていた羽入が起き上がったのが先か。 彼女は立ち上がると、富田の頭上のずっと高いところを指し示した。 頭の中の映像はここから現実に切り替わる。 「はっはっ……ッ! ン……ン…………くンっ?! ンっはぁ…………ンっ、ンンッ!」 「……いたっ!!」 軽く達したのか、荷台に額を当て、沙都子が控えめに嬌声をあげた。 「僕の声が……届いてしまったのですか…………?」 肩で息をしている沙都子から目を外し、羽入を見上げる。その表情は目に見えて翳っていた。声色もどこか、普段が普段なのでその差異は大きく目立つ。 「……あれって……。うあ……っ」 口を開くと、未だ荒い息遣いの沙都子の尻に撫でられ、思わず声が上擦る。 「……沙都子は特に、やさしくしてあげないと……あむ、なのですよ。う、んむ……ちゅぴ……」 言っていることはまっとうだが、岡村から搾ったモノを啜りながら言われても……。滅多に見せない憂い顔が台無しだ。それよりも富田は再度、羽入に訊ねるべく口を開きかけた。 「…………おふたりとも、おしゃべりはダメ、でしてよ……」 しかし沙都子のヒッププレスに邪魔をされてしまう。 「これからは富田も、前みたいに『沙都子』って、呼んであげるといいのです。あうあう! ……あう。それはともかく。 狂気、じゃなくて、僕電波での梨花は魔女らしく『ベクトルアロ→』でツッコむのがお約束なのに……。でも、鬼神の僕には効かないのです~」 どきりとすることを言われた。 突然の羽入の言葉にはぐらかされて、言葉を失ってしまった。それでも、やるべきことはやらないと。 羽入とのおしゃべり――内に芽生えた沙都子への不安――想い――少しだけなつかしく、苦い記憶――は、今は置いておく。 富田は、沙都子の芳香を胸いっぱいに吸い込んでぷぅーっと噴き込む。 攻めるでもなくいじわるでもなく、対話への息吹。対して沙都子は小さく声を漏らし、そして背中が美しい弧を描いた。さらに夏空の天辺からの日差しがサンバイザーで弾けて七色にきらめいた。 ……あ、あれっ?! 指が……抜けない? 下からの行為に、沙都子はおもむろに尻をずらし、富田の口を自由にした。そして富田も沙都子の口から完全に指を引き抜こうとしたのだが……。 富田が沙都子の口に指を入れてしばらくが経つと、沙都子はふたりの指を噛んだりしてきた。痛くはあったが富田には甘噛みに感じられ、むしろ心地良いくらいだった。 「…………どう、でふの……? 富田さんもき……気持ひ、イイ……?」 「……くっ、ううゥ!!」 羽入のあの、精液に濡れた顔が目蓋をちらつき、沙都子のこの、明らかに発情した声が耳をくすぐる。そして極み付きの、視界零の顔面騎上位。 扱かれずとも――指先ひとつ、ひと撫でで――いや、何もしなくても――もれなく、親友の後を追えることだろう。 「ほらぁ……気持ひイイって言いまへんほぉ……まぁーた、おくちほ塞ひじゃい、まふあよぉ……? ほらぁ……あはは……。あはははっ!」 ぷちゅっ……くにゅ、くちゅう……っ。こりゅこにゅちゅっ! こちゅっ……こにゅちゅぷ……。 「ぷあっ……うぷっ! さ……さとっ、ぷゅぱあっ!」 柔の断罪ともいうべき猛攻が下され、富田は地上に居ながらに溺れ掛けた。……やっぱり怒ってるよな……。指、噛りついたまんま、ぜんぜん離してくれないし……。 それも一つの謝り方かと、沙都子のなすがままを受け入れても良かったのだが……指が、痛い。もう甘噛みとはいえないくらい、痛い。それにこの痛みは沙都子も感じているはず……。 間隙を突けば、何とかしゃべることはできる。だからちゃんと謝って、この虎鋏じみたトラップを解く。それから精意…………じゃなくって。せ……せい、意……。誠、意……そ、それ! 誠意を見せないと……! 今や上も下もぐちゃぐちゃのぬちゃぬちゃ。 そんなオツムとムスコでは、少し前だったなら誠意も沙都子も何もかもを白く、塗り潰しかねなかった。だけど今は大丈夫、だと思う。さっきの羽入のおかげかもしれない。 富田は口の中から引き抜くのではなく、沙都子の指を庇おうと動いた。しかし噛む力が緩むときを見計らうも、ふたりして同時に仕掛けたらしく、絡み合った指と指は再びひとつに組み合わさってしまう。 「ごめん北条。その……僕が悪かったから本当にごめん。だから、指を噛むのは止めよう……? お前だって、痛いだろ?」 いつも通り、沙都子を苗字で呼んでしまったことを、富田は密かに悔やんだ。それはそうと、沙都子は態度を変えずに、さらに腰の動きを加速させだした。 「あぁ……くっ! あ、あともう少しでもっと……ンンっ! ……ですから富田さんも……い、いっしょに……っ! ンッ……ふぁ……ああッ!」 ふたりの指は沙都子の口の端、葉巻の様に咥えられもう、動かせそうにない。 抜けた口調は戻り、口の中で悩ましく踊っていた舌と指とがさらにさらに熱く戯れだす。 沙都子をこんな風にしたのが圭一だとしても……。それでも今は…………今だけは僕が……ッ!! 「沙都……子ぉお――おオオッ!!」 「……えっ?! きゃんっ!!」 富田は沙都子の首を両足で掴み、そうっと上体を引き寄せた。 沙都子の行為によって次第に富田の体が車体下からずれ出てきて、沙都子もそのまま出るに任せていたらしい。それを富田は、岡村と羽入の位置が自分から幾らか離れていることから気付いた。 「ぁ……。富田さんの……硬くて、それにすごく熱い……ですわ……はぁ……ん。ウっ……ンンッ!! ふあ……はあっ。ぁ…………あふぅ…………」 驚いたのは始めだけだった。沙都子は富田の意図を察し、自然とシックスナインの体位になる。 富田は潰れテントにほおずりと、夏よりも熱い吐息を服越しの股間で感じた。直接喰らいたい悔しさをじゅちゅ……ぢゅちゅうーぅと、滲み出てくる蜜を吸うことで晴らした。 「あう……ふたりとも、もう赤くはないのに…………すごいのです。 そのままふたりとも仲良く、なのですよ♪」 「はあっ……! 羽入ちゃ、あんっ! そっ……こお尻いっ! アっ……あっ、またっ! ……ああーっ。いっ……イクイクう~ゥあ――ッッ!」 「……アンタたちねぇ…………え……?」 また梨花のぼやきが始まる……そのタイミングに、鉄の嘶きが割って入ってきた。 「……うっ、嘘……でイ゛あ゛っ?! ア゛……ッがっがあ゛……っ!!」 雛クラ部員が隠れ蓑にしていた軽トラック。 そのエンジンが三度咳き込み嘯くと、サイドブレーキが落とされ、誰かの悲鳴が削られ、べきりという音がした。 「りっ、梨花ああぁーっ!!」 「羽入ちゃんは離れて……!」 そんな緊迫した仲間たちのすぐ傍で、富田と沙都子はお互いの首に足を絡めて抱き合い、絶頂に体を震わせていた。 リトル・エクステンド 1-2に続く - -
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/407.html
「ハァ……ハァ……ハァ……」 夜の雛見沢を私達は歩いている。 田舎ゆえロクに街灯もない道端を、一見少女のような容姿のヒトが歩いている。 一見、といったのは、彼女の身体には本来人間にはないものが備わっているからだ。 その頭には尖った鋭利なものが。 『角』が生えていたのだ。 まあもっともそれだけ。 それ以外はいたって普通の少女。 格好は別として。 髪の毛の色は紫と異色だが、まあ想定内。 部活メンバーのそれを見れば、この雛見沢ではそれほどめずらしくもないだろう。 緑とか金とかだしね。 身体だって特に問題はない。 尻尾がにょきにょき生えているわけでもなければ、翼がバタバタとあるわけでもない。 いたって普通の人間の カ ラ ダ だ。 でも、あえておかしなところをもう一つあげるとすれば……それは彼女の今の様子。 その子はとても息を荒くしていて、顔もまるで風邪でもひいているかのように真っ赤になっているのだ。 「ん、んん。 はぁ、はぁ……あうぅぅぅ……」 許 さ な い 。 ぜ、絶対に許さないのですよ、こんな 屈 辱 ! 彼女の思念が私の頭に流れ込んできた。 余程悔しいらしい、いつもより声が大きかった。 まあそれはそうだろう。 私だって同じ状況に立たされたら、彼女と同じことを考えるだろう。 もっとも私には、彼女のその言葉にはまるで説得力が感じられないのだけれどね……。 「くっくっく。 どうだよ羽入、気分のほうはよぉ~?」 その時彼女の前を歩いていた男がクルっと後ろを振り返った。 ニヤニヤとした醜悪な顔。 男はその少女。 羽入の身体をねぶるようないやらしい目で見つめていく。 「まったくたまんねぇぜ。 あのオヤシロ様がまさか……まさか、なぁ? へへへへへ」 「う、うるさいのですよ。 さっさと前を向いて歩きやがれなのです……」 「いやいやそれは無理だろう? 後ろにこんなにいやらしい格好の女がいるんだぜぇ?」 「あう……こ、この変態男。 地獄におちやがれなのですぅ……」 その男に罵倒され、羽入は恨み節を唱える。 相手はあのスケベ男、前原圭一だ。 この『夜の雛見沢お散歩ツアー』も全てこの男が仕組んだものだった。 わざわざ深夜に私達の家にまで来て、これから遊びに行こうぜー!なんて平気で言ってのけるはた迷惑な男だ。 まあ私も楽しそうだから付いてきたわけだけど……。 圭一は更に背後を歩く羽入を眺めていく。 彼女の身体を見ながら、いやらしく舌なめずり。 「そ、そんな目で見るななのです! 僕にこんなことさせて、何の意味があるのですか!」 「いやいや、意味はあるぜ? なんせこんな深夜とはいえ、この雛見沢でもどんな危険があるかわからねぇ。 どこぞの時報が首を掻き毟って死んじまったりするかもしれねえしなぁ? この村を守るオヤシロ様としては、村人の安全の為に夜の巡回は必要だろ~?」 「そ、そんなのただのいい訳なのです! 神様である僕に、よ、よくもこんな格好を……」 「ほっほ~、なるほどなるほど、神様だからそんな格好なわけか~? 人間の着ているような『服』なんて、とても粗末で汚くて着てられねぇってわけだぁ? どうりで……くくくく」 「あ、あう……い、言うななのですぅ……」 圭一の意味深な言葉に、羽入はモジモジと身体をよじらせる。 ふとももを擦り合わせる。 ……そう、もうお約束だろう。 羽入は今何も衣服を身につけていない。 つまり全裸だ。 こんな夜更けとはいえ、羽入は村のど真ん中を素っ裸で歩かされているのだ。 露出プレイ、とでも言おうか。 まがりなりにも神様である彼女にこんなことをさせるなんて、圭一の変態っぷりは筋金入りだといわざるを得ない……。 まず圭一は私達の家で、羽入自らにあの巫女服を脱がせた。 まるでストリップだ。 目をウルウルさせて服を脱いでいく羽入……。 とても色っぽかったのを憶えている。 そしてすぐに圭一と一緒にお出かけだ。 人気のない神社の中をゆうゆうと散歩していき、田んぼのあぜ道、ダムの跡地などに全裸羽入をさんざん連れまわす。 あまりしっかり歩かない羽入。 まあ当然だろう。 手を繋いで連れまわしていく。 ちゃんと服を着ている圭一は全然恥ずかしくない。 意気揚々と歩いていく。 だが羽入は服を着ていないため恥ずかしい。 トコトコトコ…と恥ずかしそうに彼に引かれていくのだ。 今までずっと一緒に過ごしてきたけれど、私はこの夜にひとつきがついたことがある。 それは羽入の身体だ。 いわゆる性的な意味での身体つき。 見た目は少女といえるほど幼いくせに、しっかり出ているところは出ている。 というか出すぎている魅惑的な身体を、惜しげもなく私と圭一の前に披露していったのだ。 あの魅ぃにも勝るとも劣らない乳房。 それが歩くたびプルンプルンと柔らかそうに揺れていたのを覚えている。 というか、今も私の隣で憎たらしいほど揺れている。 もうゆさゆさ。 巫女服を着ているときはあまり気にならなかったが、腰も結構くびれていた。 それがまた上に実っている二つの果物を余計に引き立たせているのだ。 なんて理想的なライン。 そして臀部。 お尻もいやらしかった。 憎たらしいほどに。 胸と同様、歩くたびに尻肉がフルフルと揺れていくのだ。 圭一を誘惑しているのかと。 だがけっして大きすぎるわけではない。 余分な肉はつきすぎず、かといってそれなりにムッチリとしていて……こういうのを安産型とでもいったか、さすが元人妻?だけのことはある。 こんないやらしい身体丸出しで歩かされていれば、それは恥ずかしいだろう。 私だったら死んでもイヤだ。 というか、大抵の女は絶対に嫌だろう。 まあもっとも、普段から脇の下丸出しの巫女服を着ているようなドスケベ女なら別。 誰とは言わないけどね? そんな露出狂ならば、いまさら裸になったところでなんてことないのだろうけど、ね。 まあ誰とは言わないけど? 「くっくっく、それにしても羽入よぉ。 おまえって随分いやらしい身体つきしてたんだなぁ? このスケベ大王前原圭一ともあろうものが、今までまるで気づかなかったぜ?へへへ」 「……!? な、なにを言っているのですか! ぼ、僕の体はとても神聖なものなのです。 そんないやらしい目で見てはいけないのですよ! た、たかが人間風情が!!!」 「おいおい、人間だとかは関係ねぇだろ? 大体さっきからふとももモジモジさせてんのは、バッチリ身体が感じちまってるからじゃねえのか? なぁスケベオヤシロ様よぉ~?」 「そっ!? そ、そんなことは……ないので…す……あうあう……あうぅぅ……」 ……さすが圭一、いいとこ突く。 私とおなじようにこの身体が気にいったらしい。 さっき私が思ったとおりのことが、圭一の頭の中では更にいやらしく解釈されているにちがいない。 想像力豊かな彼なら、ひょっとしたら妄想の中で犯してまでいるかもしれない。 いい気味ね、羽入。 あんた今、圭一の頭の中で犯されてるわよ? くすくすくす。 「あぅあぅ、た、助けて……助けてなのです……圭一を止めてくださいなのですよぅ……」 最初はなんだかんだと息巻くくせに、ちょっと圭一に罵られるとすぐ弱々しくなる羽入。 ほんと、これのどこが神様なんだか……。 罵倒に耐えられなくなってきたのか、彼女は懇願するように隣にいる私に助けを求める。 きっとこの状況では唯一私だけが味方だと思っているのだろう。 あぅあぅと鳴きながら服のスソをクイクイ引っ張ってくる。 ……ちょっとかわいいじゃない。 でも残念ね羽入。 悪いけど私はあんたの味方でもなんでもないの……。 考えてもみなさい。 もしほんとにあんたのこと助けるともりなら、とっくに止めに入ってる。 この馬鹿げた散歩が始まる前に、圭一の頭でもおもいきりぶっ叩いてるわ。 それを私がしなかったことで、あんたはもう気がついているはず。 私があんたの味方どころか…………くす、くすくすくすくす♪ まあでもこんな状況じゃ藁にすがりたくなる気持ちもわかる。 だからもういちど教えてあげるわ。 私があんたの身体に……みっちりと、ね? ムニュウッ!!! 「ひゃあっ! あぅ、な、何して、り、梨花あぁぁぁぁ!!!」 羽入が悲鳴をあげる。 当然だろう。 横でブルンブルンと揺れていた羽入の乳房を、私はおもいっきり掴んでやったのだから。 こんな時同じくらいの身長だと助かる。 わざわざ手を伸ばさなくてもちょっと横に持っていけばそこにあるんだから。 このまま揉みしだいてあげるわ。 モミモミモミモミモミモミ……。 「あ、あぅ、あぅ、あぅ! や、やめて、ダメなのですぅ、あぁぅぅ……」 手のひらがモチのように柔らかい感触に包まれる。 なにこの憎たらしい感触。 でも最高だった。 女の私でもこれがどれほど心地よいものかよくわかる。 でもムカつく。 しかもなんなのこの大きさは? あんたはこんなもんをぶら下げながら、私のことを慰めてたってわけ? 胸が成長しないことに悲しんでいた私に……元気だすのですよ、なんて? よくもしれっとそんなことを。 そんなに言うならあんたのこれちょっとちょうだいよ? ほらほらほらほらこれ少しちょうだい? ちょうだいよ羽入。 「あ、あ、あああ、む、無理なのです! 僕のこれは梨花にはあげられな……ふあああ!」 そう、くれないの。 じゃあこのまま揉みしだかせてもらうわ。 いいわよねべつに? あらあらなによこれ。 この真ん中の突起、もうピンピンに立っちゃってるじゃない。 これも触っていい? ていうかこねていい? 指でつぶしていいかしら巨乳の羽入ちゃん。 「あひゃあっ! あぁ、そ、そこ、僕のおっぱいつまんじゃダメぇ!あぁん!」 コリコリとしていやらしい感触。 やっぱり感じてるのねこのメス豚。 神様のくせに! 村じゅうを裸で歩き回って興奮したの? どうせ誰にも見えないくせに興奮してたの? おまけに圭一に罵られて、ふとももまで擦らせてれば世話ないわ。 刺激してたんでしょ? つまんじゃダメって言うわりにはあんあん喘ぐのね? ほら、また摘んであげるわ。 こうやってこねくり回されるのがいいの? 指でこねてあげるわ。 ピンピンになってるから摘みやすいしね? ほら、ほらほらほらほらほら、どうなのよスケベ羽入!!! 「あう!あああ!そ、そんなにグチャグチャにしないでぇ僕のおっぱいぃぃぃ!!!」 ………………。 いつのまにか私は羽入の耳元で彼女を罵倒していた。 すっかり口に出していた。 ただの傍観者でいようと思っていたのに、私も鬼畜な圭一と同じようなことをしていたのだ。 だけど止めるつもりはない。 全てはこの神様のくせにいやらしい身体をした女が悪いのだ。 だから私は乳房だけではなく、下の方で憎たらしく実っている尻肉にまで手を伸ばしてやった。 モニュウッ!!! 「あぁっ!? そ、そっちは!そっちはほんとにダメなのです! り、梨花あぁぁぁ……」 私は胸と同様に柔らかく、それでいて大きい肉たぶをモミモミと揉みしだいていく。 ムッチリとしていてなんていやらしい肉なのか。 指がもうグイグイくいこんでいく。 見た目は私と同じようなロリ幼女のくせに、このみっちりと実っている果物はなんなのか。 あの巫女服の下では、いつもこんなでかいものをフリフリとしていたのか。 私のそばで。 圭一に目を付けられるのも時間の問題だったってわけね。 これはメス豚の身体だわ。 モミュモミュモミュモミュ……。 「あぅあぅ!ん、んん♪ り、梨花ダメぇ、ダメなのですよぉぉ、ふ、ふぅぅぅん♪」 なにがダメよ。 何がふうぅぅぅん、よ。 嫌なのかきもちいいのかはっきりしなさい。 そう、あんたは所詮メス豚よ。 一皮剥けばただのスケベ巫女。 淫乱神様。 こんないやらしい身体してれば、なおさら疼くでしょうしね? よく千年も触られずガマンできたもんだわ。 圭一さまさまね? おかげで触れたりできるようになったんだものね? それにその、あんたの『鳴き声』。 それ前から気になってたの。 よく考えてもみなさい。 『あぅあぅ』なんて発音、いかにも性的な喘ぎ声のようじゃない。 つまりあんたすでに求めていたのよ。 日ごろから私の前でその鳴き声を口にし、イジメてください、僕を犯してくださいなのですぅ…とお願いしてたんでしょう? 生粋のマゾメスが。 そんなにイジメて欲しいならイジメてあげる。 お望みどおりにね! 私はお尻を掴んでいた手に更に力を入れる。 そしてそのムッチリとした尻肉を横に割り開いていった。 一番恥ずかしいところを丸見えにしてやる。 羽入の割れ目はおろか、キュっと窄まったアナルが露出されていく。 ざまあみろ。 「あぁ、ひ、開いちゃダメ! 僕の恥ずかしいとこ、み、見ないでなのですぅ!……あぁ♪」 見ないでなのです、じゃなくて、見てなのですぅでしょ? 言われなくても見てあげるわ。 あんたのスケベ穴、上も下も、ね。 ほ~ら、指で開いていってあげるわ……。 やっぱりね、もうこんなにビチャビチャじゃない。 いやらしいお汁で。 おまんこ汁で。 こんなによだれまで垂らして、これじゃあふとももがモジモジしちゃうわけよね? くすくす、でも意外と綺麗なのね、あんたのココ。 ピンク色でツルツルで、入り口もピッチリ閉じてる。 まるでまだ未貫通の処女まんこみたい。 これは不思議だわ。 いやらしいあんたのことだから、どれだけ男を咥えこんできたかと思ってたんだけど? 「……!? お、男を咥え込むだなんて……ぼ、僕は雛見沢のアイドル、オヤシロ様なのですよ! だ、だからまだ処女でバージンで……とっても清い神様なのです……」 ………………は? 何をいきなりのたまってるのか。 まあどうせこんな綺麗なのも入り口だけでしょ? 中はいやらしいヒダがびらびらしてるに決まってる。 指を入れちゃえばすぐにわかるんだから……くすくすくす♪ 私は羽入の濡れそぼった割れ目に指を入れていく。 やっぱりね、もう濡れてる。 そこはまるで抵抗なく、私の小さな指をニュルンと飲み込んでいった。 ジュププゥゥ……。 「あ、あぅぅ、は、入って! り、梨花のお指が僕の中にぃ……あん……♪」 ほ~ら、簡単に入っちゃった。 それも二本も。 どうなの気分のほどは? あら、おかしいわね? 膜らしき感触がないんだけど? あんたって処女じゃなかったの? そのまま指先をジュプジュプと前後に動かす。 それだけで羽入のそこは蜜のような汁をドパドパと溢れさせてくる。 こんないやらしい膣でよく処女だなんていえたものだ。 ジュプ!ジュプ!ジュプ! 「ひあ!はぁぁ!あ!あう! やぁぁ、ダ、ダメなのですぅ……あぅ、あぅ、あぅ、あぅ♪」 口ではダメなどと言ってはいるが、もうすっかり無抵抗。 よほどいいのね。 お尻をユラユラと揺らしながら、すっかり私の指愛撫に酔っていく。 もう堕ちてる。 涙目になりながらニュっと舌を突き出し、いやらしいアヘ顔を恥ずかしげもなく晒している。 私はかつて親友だったものを指先で弄びながら、このメスに快感と羞恥を与えていった。 まだまだ夜は長い。 じっくり楽しんでいこう……。 -