約 2,167,650 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1493.html
リリカルTRIGUNA’s クロス元:トライガン 最終更新:13/06/03 第一話「人間台風と魔法少女」 第二話「選ばれた道」 第三話「台風の天敵、そして魔法少女の決意」 第四話「12月2日・前編」 第五話「12月2日・後編」 第六話「誰でもなく君の為にできること・前編」 第七話「誰でもなく君の為にできること・後編」 第八話「選んだ道」 第九話「自由への扉、開くために・前編」 第十話「自由への扉、開くために・後編」 第十一話「闇の胎動」 第十二話「絡みつく闇」 第十三話「闇、そして夜天との邂逅・前編」 第十四話「闇、そして夜天との邂逅・後編」 第十五話「裏切りの人間台風/未来に架かる橋」 第十六話「最強への布石・前編」 第十七話「最強への布石・中編」 第十八話「最強への布石・後編」 第十九話「始まりの終わり」 第二十話「終わりの始まり」 第二十一話「日々の終わり、夜の始まり」 第二十二話「それぞれの孤独・前編」 第二十三話「それぞれの孤独・後編」 第二十四話「開く扉/覚醒の夜天・前編」 上条当麻がその鬱展開(げんそう)をぶち殺しにいくようです。 クロス元:とある魔術の禁書目録 最終更新:11/06/17 第1話 第2話 第3話 拍手感想レス :これからヴァッシュがどのように関わっていくのか楽しみです :流石ヴァッシュ魔法無しでも強いぞ やった。久しぶりに見たら更新されてる! ですがアームドデバイスは直接攻撃をするものだから、純粋魔力攻撃と違って手加減はできても非殺傷設定なんて事はできないと思います。 そこだけ気になりました。 -- (名無しさん) 2009-12-06 21 45 44 おお、更新されてる!相変わらずのトンガリズムが良い感じです。さて、なのはとフェイトはどんな修行をするのか… -- (名無しさん) 2010-05-19 21 30 01 チートな身体能力と戦闘能力を持つトライガンの超異常人外戦闘集団やヴァッシュ、ナイブズと なのは達の戦闘バランスを取るのは大変そうだけど、頑張ってますね -- (名無しさん) 2010-05-23 03 44 34 最近トライガンにハマり、検索していてこちらを発見、なのはキャラとプラント兄弟の絡みが面白かったです。 -- (名無しさん) 2010-06-02 22 59 44 いい所で更新止まってる……続き見たいです! -- (名無しさん) 2011-03-13 03 02 48 ぜひニコラスの兄貴を -- (ミカエルの(ry) 2011-04-24 11 49 08 フォーン・コラードではなくファーン。 拳銃の使用は、ルネッサの様に申請すれば使用許可が出る例も有るみたいですよ。 -- (名無しさん) 2011-05-17 20 13 42 あの程度のスピードじゃ ヴァッシュは瞬間的な動きは最終レガート戦で分かる通りに音速遥かに超過するレベルなんですが。 あの程度なんて話じゃなくケタ外れもいいとこですが。ナイブズ自身の身体能力もヴァッシュ・レガートと同等か以上です。レガートを指先で身体を縦に押し潰してますし。 -- (名無しさん) 2011-05-26 22 25 29 久々に見たら来てた!久々のトンガリズムです。 ただナイブズの次元刃は児戯などではなく持ってくる力によって発動させてるものです。射程は数 万㌔以上、刃の速度はその射程距離を秒にも満たない速度で比喩じゃなく一瞬で 飛ぶ速度。 その速度で都市を一瞬で瓦礫に出来る程。余程加減しないとヴァッシュや同等の レガート、ネイル、ラズロ級の身体速度と反応がないと対応不可です。 他にも持っていく力で人間を血の痕跡無く消したり、融合後も地下ごと数十㌔範囲を次元消 滅させてます。 なんにせよ乙です。 -- (名無しさん) 2011-05-29 09 00 11 ほぼ一年ぶりの復活ですなw 台風はやはり原作どおり隠遁生活に入ってしまうのだろうか・・・ 管理局とも大きな確執を残しそうだ。 -- (名無しさん) 2011-05-29 09 12 38 更新乙です。 見返して気になったのがTVと原作のヴァッシュの性格が混同されてるかな、と思いました。 TVはおちゃらけてる感じですが、原作は殆んどドシリアスなので -- (名無しさん) 2011-05-29 09 29 05 こんなSSがあったとは お兄さんはこっちの世界でどんな風になっていくのだろう。 -- (名無しさん) 2011-05-29 09 41 15 ↑↑↑↑ なのはが回避した翼手(巨大な刃)と次元斬とは別物では? 次元斬(AA)は『門』から引き出した『持ってくる力』を変換させ、発動するもので、左腕を変化させての刃は『門』とかは関係なしに、プラントの身体を変化させて形成するもの。AAが組み込まれる以前のナイブズも翼手は使用してたし(12巻回想時、名もなき村にて)。 で、次元斬は、上記の通りの知覚不能の超速超規模防御無視のチート能力で、なのは達には対抗できない。でも、それ以前の翼手の攻撃(地の文中での児戯に等しい攻撃)にはギリギリで対応できていたって事では? まあ、ここらへんは原作での描写も漠然としてる上に、個々の解釈になるからアレだけど -- (名無しさん) 2011-05-29 14 10 24 その翼手とAAは描写からみてもまったく同じ物なんですよ。 4巻で宇宙の衛星を粉々にしたのも腕を持ってくる力で変換した次元刃のAA 13巻でもその腕をAAに変化させ都市を粉々にしてとレガートの首を飛ばそうとしています。 プラント船の大虐殺でも腕を持ってくる力で次元刃・巨大な次元刃のAAを使用して黒髪化が起きてます。 12巻のあの描写でも分かりますが、次元刃のAAで虐殺と、よく見ると村自体が真っ二つにされてます。 まあ内藤氏が設定自体を改変してたりしますからここの描写はなんとも言えませんが。そもそも初期と比べ物にならない程インフレしちゃったし。あと忘れられがちだけど、ノーマンズランドどころか5つの月でも地球よりも高重力で遥かにデカイ星って設定。ヘタしたらヴァッシュやAAじゃ地球の月が丸ごと無くなります。まあSSなので個々の解釈は色々ありますね。 -- (名無しさん) 2011-05-29 19 24 32 翼手って呼ばれてる物すら原作には無いんだけどねぇ 8巻の箱舟の中でワラワラ湧いてる羽が唯一呼べそうだ -- (名無しさん) 2011-05-29 19 30 53 なつかしい作品です。 トライガンってもう完結してたんですね コレを期に買い集めるか・・・ -- (名無しさん) 2011-05-29 19 37 14 更新されてるのでビビッたw 一から読み治さなきゃならんぜ -- (名無しさん) 2011-05-29 19 44 25 ARMSみたいに腕を変形させて剣代わりにしてるのを翼手と表現してるだけだろう -- (名無しさん) 2011-06-01 10 23 00 トライガンクロス面白いです。一つ質問したいんですが、これってstsには繋がるんですかね? -- (名無しさん) 2011-06-05 21 15 45 最後の所、フェイトの名字がテスタッロサじゃない -- (名無しさん) 2011-06-07 13 54 47 本気でヴァッシュの心を動かす気があるんなら無理矢理にでも留置場から出すくらいしないと無理だろ。 何にもしないで信じてくれって言われてもね。 -- (名無しさん) 2011-06-13 01 24 10 フェイトが言いたいのは「なのはを信じて」って事より「なのはなら大丈夫だから、あまり自分を責めないで」って事でしょ。ヴァッシュの解放については、一介の魔導師にどうこう出来る問題じゃないしねえ。まあ管理局にマークされて、公然で危険人物扱いされてる現状で自分を責めるなってのも無理あるが -- (名無しさん) 2011-06-13 08 10 05 上条さんの右手でアルフを触ったらアルフの使い魔化が解けて死んだりしないか? ボコボコにされてる時にとっさに顔などを庇った右手にアルフの拳や足が当たったら……。 -- (名無しさん) 2011-06-14 13 39 04 上條当麻が… 3話 右手があっても通信に映らないなんて事にはならない気が。 -- (名無しさん) 2011-06-18 11 57 45 まぁ、当然無理ありますよね(笑)プレシアの通信は完全に魔法を使用しての通信だったという事で解釈お願いします。 どうしてもプレシアとフェイトの関係性を上条に知らせたくて、こういった展開を取らせて頂きました。まあ、あと数話後あたりで上条さんが通信に映っちゃててもそれは機械を使ってんだなーって感じで見てあげて下さい。 ご指摘ありがとうございました -- (リリカルTRIGUN) 2011-06-18 14 03 47 ベツヘレムじゃなくてベツレヘムでっせ -- (名無しさん) 2011-06-21 17 47 34 すっげーおもしれつづきはよ -- (名無しさん) 2012-03-19 10 36 32 貴重なトライガンSS とても面白いので続き待っています -- (名無しさん) 2013-01-13 21 58 26 とても珍しい長期トライガンSS…良い所で終ってて先が気になります。 更新待ってます -- (名無しさん) 2013-05-13 21 05 39 待ってましたーッ! -- (falle) 2013-05-27 20 35 59 名前 コメント すべてのコメントを見る TOPページへ このページの先頭へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2585.html
数ヶ月ぶりのゼラバイア襲撃から4日後、スバルがかつて所属し、妹のノーヴェや友人のチンク、セイン、ウェンディが所属している陸上警備隊第386部隊の隊舎にノーヴェ達当ての手紙が届いていた。 「これは……」 「手紙見たいっスね」 「とりあえずあけてみようよ」 「そんじゃ、あけるぜ」 ノーヴェが4人を代表して手紙を開けるそこには二つの紙が入っていて、その事を知らなかったために二つの紙は床に落ちる。 「うん? 二つあるぞ」 「どれどれ」 チンクが落ちた二つの紙を拾い上げて見てみる。 「ふむふむ…」 「チンク姉、何が書いてあるんだ?」 「一つは私達に書いた手紙ともう一つは何かよくわからん」 「だったらそのあたし達当ての手紙を読んでみようーー」 セインが元気よくそう答えて、4人は固まってスバルが書いた手紙を見る。 『ノーヴェ、チンクさん、セイン、ウェンディへ 元気ですか? あたしは元気です。でもまたゼラバイアが現れてからは、訓練が前以上にハードになってヘトヘトです。 でもそんなヘトヘトでもあたしは頑張っています。それはなのはさんやティア達があたしを支えているからです。 それにそう簡単に倒れたらノーヴェ達にも笑われるからね。だから気にしないで下さい。それじゃあ……。 スバル・ナカジマより。 P.S. もう一つの手紙はあたしがいるところを簡単にした地図です。よかったら来てね』 4人はスバルの書いた手紙を読み終えるとそれぞれ自分の思ったことを口にする。 「スバルの奴……」 「元気にやっているようだな」 「でもこれ地図だったんだ」 セインがもう一つの紙に書かれていた地図を手にして言う。 「ちょっとわかりにくいっスね……」 第10話 懐かしき再会 スバルの手紙をもらってから3日後、ノーヴェ達は上司に無理を言って何とか休暇をもらい、スバルの書いた地図どおりの道をたどっていた。 もっともスバルの絵があまりに下手だったので、絵のうまいウェンディが可能な限り書き直したものを参考にしているのだ。 そして4人とも休暇であり、遊びに行く感覚で私服を着て行っていた。 ノーヴェは少々分厚い紺色のジャケット(実はスバルのとほとんどおそろい)で長ズボン。チンクは見た目に合わせたのか、10歳くらいの女の子が着そうなフリフリでピンクと白交じりの服とコートでミニスカート。 セインはいたってシンプルな服で少し長めのスカート。ウェンディは少し寒い時期なのにも関わらず胸元が開いた服で胸を少しだけ見せ、上着を着てセインと同じようなスカートを履いていた。 「しかし、本当にここでいいのかよ?」 ノーヴェが愚痴をこぼす。歩いても歩いても森が続いているだけなのから無理はない。 「でもスバルのあの地図を解釈するとこの道であってる筈なんっスけどね……」 「まだ道がある。もう少し歩いてから考えるぞ」 チンクが3人の先頭に立って三人を引率する。 4人は気付いていない。自分達の周りに監視用の透明の犬の群れがいて、カメラを隠し持っている事に……。 犬の群れにつけられているカメラは、教会の監視用モニターと繋がっており、監視の為に何人かのシスターがノーヴェ達の姿を見ていた。 「うーん」 「どうした?」 きちんと仕事をしているか見に来たシグナムとお茶を入れてきたアイナが監視部屋を訪れてきて、考えているシスター達に尋ねた。 「ああ、シグナムさんにアイナさん」 「実はですね、今教会の裏の方から侵入者の女の子が4人ほどこちらに来てるんですよ」 「女の子が4人?」 「ええ、この子達です」 シスターの一人がノーヴェ達の映るモニターをズームアップさせる。シグナムとアイナはそれが誰なのかすぐにわかった。 「どうします? 身元照会しますか?」 「する必要は無い」 「え?」 シグナムとアイナは二人して笑顔で答える。 「「あの子達は、知ってる子達だ(ですから)」」 ノーヴェ達が来たことはシグナムとアイナの通信ですぐにヴェロッサとクロノに伝えられた。 「ヴェロッサ、客が来たぞ」 「客だと? ロッサ、今日は客人と会う約束はなかったはずだが……」 「まあ、客人と言ってもヴェロッサさんの客人と言うには違いますけど、客人が来ました」 「…わかった。出迎えようか」 ヴェロッサは飲んでいた紅茶のカップをテーブルに置き、出迎えの準備をしに部屋を出た。 一方ノーヴェ達は目的地が見えないことに苛立ちを隠しきれないでいた。 「くそ! 全然見えないぞ! ウェンディ! 本当にあってんのか?」 「文句はスバルに言って欲しいっスよ。あたしも少し疲れてきたっス」 「なら、こういう時はファイトーーーーーー!」 「いっぱーーーーーーーーつ!」 「まだ余裕あるじゃねえか!」 セインとウェンディのボケにノーヴェがツッコム。 「お前達、そうカリカリ…、うん?」 チンクが何かを見つけ、足を止める。ノーヴェ達もすぐに足を止めた。 「チンク姉、どうした?」 「いや、前に人がいるのでな…」 チンクがその方向に指を刺す。チンクの指の先には馬に乗っているシグナムとアイナ、そしてバイクに乗っているヴェロッサの姿があった。 「やあ、始めましてだね」 ノーヴェ達はヴェロッサ達のバイクや馬に乗って休みながら教会の方へと進む。 「なあ、あんたがヴェロッサって奴なのか?」 「ああ、そうだけど……」 「スバルの奴は…」 「てことは君がスバルの妹のノーヴェだね。スバルは元気にしてるよ」 「そうか……」 ノーヴェはその事を聞いて少し安心した顔をする。 聖王教会のトレーニングルームではスバル達グランナイツがトレーニングをしており、今ちょうどトレーニングを終え、休憩の為に広間に行こうとしていた。 「最近トレーニングがきつくなったような気がしない?」 「ゼラバイアがまた現れたからね。今まではまだ優しかったくらいだと思うよ」 「まだまだきつくなるみたいだから覚悟しておいた方がいいわよ」 「そんな~~~~」 なのはとドゥーエの言葉にスバルは疲れきったようにへこたれながら歩く。 スバル達が広間に入るとスバル達の目の前にはノーヴェ達がソファで座っていた。 「スバル、久しぶりだな」 「チンクさん! それにノーヴェにセインにウェンディも!」 「スバル、久しぶりっス!」 「久しぶり!」 ノーヴェ達はすぐにスバルや顔を知っている他のメンバーと話し合う。 「いやー、ティアもこっちにいたとは驚きっスよ」 「こっちだってあんたが来るなんて思わなかったわ」 ティアナはノーヴェ達とは顔見知りであった。特にウェンディとは訓練校からのライバルであり、いつもウェンディはティアナにライバル意識を燃やしつつも仲のいい友達でいたのだ。 「リインは元気だった?」 「はい元気ですぅ!」 「ユーノも?」 「まあ僕も元気かな……」 セインはリインとユーノと仲良く話している。 そして意外なもう一組。 「チンク、久しぶりね」 「ドゥーエ、随分久しぶりだな」 ウェンディやセインが懐かしい友人と明るく話す中、少し離れた場所でチンクとドゥーエが紅茶を飲みながら話している。 「ドクターの下を離れているのはわかっていたがまさかここに居たとはな…」 「あら、悪かったかしら?」 ドゥーエは少し憎たらしそうな笑いをしながらチンクに言う。 「いや、ただスバルから聞いていなかっただけだ。それにしてもお前も変わらないようだな」 「あなたたちもね……」 そんな再会をしている中で部屋の片隅でスバルはクロノに説教をくらっていた。 「お前はここを観光施設にでもするつもりか? ここは教会だから拝みに来る人はいるが……」 「そういうつもりじゃないです。それに命がけでグラヴィオンに乗って戦っているのはあたし達が戦ってるのに地上本部の手柄ってのも………」 「僕達の使命はゼラバイアからこの世界の生命を守ること。僕達がどう思われようが関係ない。それだけはわかってくれ」 仮面の下のクロノの目には何かを秘めた目をしているのを誰も気付かなかった。 クロノとスバルのやり取りを見てノーヴェはぼやく。 「あいつ、あたし達が来たから怒られてるのか? それだったら悪い事したな……」 「うんうん、全然悪くないよ」 ノーヴェのぼやきに気付いたなのはとフェイトがノーヴェに近づいて、なのはがノーヴェに言った。 「それに普段は私達あてのにお客さんがいないからむしろ大歓迎だよ」 「それならいいけど……」 スバルがクロノの説教から解放されてすぐに聖王教会に仕えて長く、ヴェロッサと親交の深いシャッハ・ヌエラとヴィヴィオとキャロとルーテシアが広間にやって来た。 「皆さん、これから皆さんを機動六課の本部のこの聖王教会の見学をしますね。私はこの聖王教会のシスター、シャッハ・ヌエラと言います。よろしくお願いします」 ノーヴェ達がシャッハ達に連れられて、色々なところを見て回る。 最初は表向きで普通の教会の聖杯堂など退屈になりそうなところばかりだったが、表向きの案内を終えると次は真の行動をしている部分の案内に入った。 「そしてここが私達機動六課の秘密兵器、いえ、ミッドチルダの楯、グランディーヴァやグランカイザーのある格納庫です」 「うわ~すごく広いっスね~~」 格納庫のあまりの広さに一同は驚きを隠せないでいた。 「この戦闘機って……、この前スバルが乗ってた奴っスよね?」 ウェンディがGアタッカーを指差してシャッハに尋ねた。 「はい。こちらはGアタッカーとGストライカーと言って、合神後はグラヴィオンの足になるんです」 「足か……。スバルの奴ちょっと不憫だな」 「そうだね。足って……」 スバルが足担当だと聞いて、ノーヴェとセインは少しスバルを哀れんだ。 「いや、確かにスバルはGアタッカーに乗る時はありますけど、スバルは基本的にグランカイザーに乗ってるんですよ」 『グランカイザー?』 「はい。後でお見せしますが、グランカイザーには今まではなのはさんが乗ってたのですが、スバルが来てからはたまになのはさんが乗るくらいで今は主になのはさんがGアタッカーに乗ってるのですよ」 「ふーん、そうなんだ」 「ちなみにGストライカーはドゥーエさんが乗ってるのですよ」 「ドゥーエか……」 チンクはその言葉を聞いて、少し息を洩らした。 「チンク姉?」 「いや、なんでもない」 チンクは何も無かったかのように冷静を振舞う。 「で、この下にあるドリルマシーンはなんっスか?」 ウェンディが下の方にあるGドリラーの事を尋ねようとすると、近くにいたマリーが答えた。 「あれはGドリラーと言ってフェイトちゃんとティアナが乗ってるんだよ」 「ああ、ティアはあれに乗ってるんだ」 「しかしなかなかいいッスね。ドリルが螺旋じゃないところがまたすごいっス! こだわりを感じるっス!」 「お、なかなかいいところに目をつけるね」 マリーは嬉しさを感じた。 「そしてこのドリルは天をも貫くドリルで、世界を守るんっスね!」 「世界を守るところは否定しないけど、天を貫いたら……」 Gドリラー、グランカイザーの説明を終えた後はグラヴィオンの戦いの記録と技集を映像で見ることになり、セインとウェンディは大興奮だった。 「おお、これは『オープンゲット』!」 「これは『エルゴブレイク』って言う分離なんだけどね…」 「『エルゴブレイク』って言うよりも『オープンゲット』の方がいいっスよ!」 「よし、後でスバル達に言って改名してもらおう!」 (まあ、スバル達も少しは勝手に改名してたりするけど…、まいっか) マリーは二人のロボットの熱に関心すらしたそうだ。 「次は司令室を案内します」 「司令室って何をするところなんだ?」 「そうですね。グランナイツの人達に指示を……」 シャッハ達が司令室に入ると、そこには何故か袴姿のヴェロッサが立っていた。 「ロッサ、何を?」 「皆、ピクニックに行くよ」 『ピクニック~~~~?』 その言葉にスバル達やノーヴェ一行は声を合わせる。 「そうだよ。客人を楽しませるにはもってこいだと思ってね。それに今日は天気がいい。 と言うことで、グランナイツの諸君、ピクニックに発進だ!」 皆私服に着替えて、近くの山までピクニックに出かけたのだが何故かグランカイザーやグランディーヴァまで持ち出してのピクニックだった。 ドゥーエ以外のメンバーは以前に買出しをした時とそんなに変わらない服装であった。 ドゥーエは今回はシスター服ではなく、大人の女性をかもし出すような少々セクシーな服でズボンは長いのを着ていった。 「あの、何で?」 「ああ、これ一応出撃だからね」 ティアナの疑問にヴェロッサは笑いながら答えた。 「ははは……」 ティアナは思わず苦笑いをしたそうだ。 そしてピクニックシートが広げられ、急いで重箱に入れられていた料理が次々に並べられた。 「皆、自分の席に飲み物はあるかい?」 『ありまーーーーーーーーーす(っス)』 「今日は無礼講だよ。皆、それじゃあ、乾杯」 『かんぱーーーーーーーーーーい(っス)!』 皆でわいわい騒ぐ。その途中、マリーが面白い映像を見せると言って、皆の前である映像を出した。 それはスバルが始めて聖王教会に侵入してきた時の大人の女性の変装姿であった。 「え、これスバルっスか?」 「そうだよ~~~~~」 「スバル、あんまり色気ないっスね」 「まだあたしの方が色気あるでしょ」 「………」 セインが魅力的なポーズを取り出したが、チンクとノーヴェは何も喋らず黙っていた。 「そんな事ないよーーーー。この後すぐに男の人に声をかけられたんだから……」 「早送り~~~」 マリーが映像を早送りすると、次は変装していたスバルにヴァイスが声をかけてスバルが思いっきりグーで断った場面だった。 「ほらね」 「あ、でもこの人って……」 「ヴァイスって人っスよね」 「え? 誰?」 スバルが知らないようなのでチンクが説明をした。 「ヴァイス・グランセニック。階級は陸曹。地上部隊でレジアス中将の直轄の部下。腕はAAランク魔導師にも劣らないが少々女性に声をかける癖がある曲者だそうだ」 「へえ~~~~~」 「お前がいなくなる前から有名だぞ。知らなかったのか」 「全然」 「はあ、本当に駄目な姉だな…」 スバルの無知にノーヴェがため息を洩らす。 「ク~~~ロ~~~~ノ」 「うん?」 クロノは呼び声が聞こえたのその方を見ると、目の前にはビール缶を持って少し酔っ払い気味のドゥーエとシャマルが立っていた。 「あんたも飲みなさい。あんたも飲めるんでしょ」 「いや、僕は…」 「あら、こんないい女二人が誘ってるのよ。いやだっていうの?」 「………」 (うん? 何か知ってるような匂い……。まあいいわ) ドゥーエはクロノにここまで近づくのは初めてだったが、自分が知っているかすかな匂いがクロノからした気がするがドゥーエはあまり気にせずシャマルと共にクロノに酒を勧めた。 皆でまたしても騒ぐ。スバルの近くにノーヴェが真剣な顔をして、スバルに話しかける。 「スバル」 「うん?」 「ギン姉には会えた?」 スバルはギンガの事を聞かれてさっきまでとは違い、悲しそうな顔をした。 「うんうん、まだ」 「だよな」 「どこ行ったんだろ? ギン姉」 「そうなのよ~~~~~。どこ行ったのよ!? ギンガ!」 スバルとノーヴェが真剣に話をしている中にさっきよりも酔っ払い度が増したドゥーエが入ってきた。 「え? ドゥーエさん、ギン姉、知ってるの?」 「知ってるというか、同僚だ」 スバルの質問にチンクが答えた。 「チンクさん」 「チンク姉」 「ギンガはドゥーエと同じ所属だ。その時ドゥーエとギンガは知り合った。私もその時ドゥーエと付き添って、ギンガと知り合ったんだ」 「そうだったんだ」 「ところでチンクさんとドゥーエさんってどういう関係ですか?」 「姉妹だが? 何か?」 「え?」 その言葉にスバルが唖然とする。スバルは次に冷静にドゥーエとチンクを見比べる。 (確かに姉妹みたいだといえばみたいだけど……) 『チンクさん』 『うん、念話か』 スバルは皆に聞かれるとまずいと判断し、念話に切り替えてチンクに尋ねた。 『つまりドゥーエさんはチンクさんやセインにウェンディ、それにギン姉やあたしにノーヴェと同じ……』 『ああ、ドクターが作った「戦闘機人」だ』 その事を聞いてスバルの表情は重く沈む。 『戦闘機人』とはスカリエッティが考案したとされる、人間と機械を融合させた兵器。簡単に言えばサイボーグである。 その骨格は機械のもので、通常の人間の何倍も体は丈夫であり、戦闘能力も一人ひとり違うが高い。 ノーヴェが前にスバル達を庇った際に腕から機械の部分があったのはそのためだ。 ドゥーエ、チンク、セイン、ウェンディ、(ウーノ)はスカリエッティ自身が作り出した戦闘機人で、ギンガ、スバル、ノーヴェは別の人間が作り出した戦闘機人である。 戦闘機人は血の繋がりなどは本当はないのだが、皆姉妹のように接している。(ギンガ、スバル、ノーヴェは母のクイント・ナカジマの遺伝子から作り出されているため実姉妹で間違いではない) ノーヴェは一度事故でスカリエッティにより改造されていて、その際にスバル達はチンク達と会い、仲良くなったのだ。 スバルは自分達が「戦闘機人」であることは最初は気にしていたが、今ではさほど気にしていない。それでもまさか「戦闘機人」がまだいたのかと思うと何となく。 チンクはそれを見てフォローするように付け加える。 『だが、「戦闘機人」でも関係ない。ドゥーエもこうしてお前達の仲間になってるじゃないか。これからもやっていける。私が保証する』 『チンクさん……。そうですね。もう少ししたらなのはさん達にも言います。あたし達のこと…。ティアもちゃんとわかってくれたし』 ティアナはスバル達が戦闘機人である事を知っている。それは訓練校時代の時にスバルが突然カミングアウトをしたのだ。 最初聞いた時は戸惑いを隠せなかったが、すぐにいつもどおりに戻った。その時ティアナはこう言ったのだ。 (あんた達が戦闘機人でも別に何も問題ないわ。それにあんた達はあんた達。それ以外の何者でもないでしょ。だから戦闘機人だなんて関係ないわよ) その言葉にスバルは心を打たれ、泣いた。ティアナが真剣に受け入れたのだ。きっとなのは達も受け入れてくれる。 (だってなのはさん達やさしいもん) 『ただ……』 『?』 『ドゥーエの事だ。恐らく……』 チンクはドゥーエの目的(あくまでチンクの予想)をスバルにだけ念話でこっそり教えた。 『だが、仮にそのような事があってもドゥーエを見る目を変えないでくれ。ドゥーエは仲間を見捨てるようなものではない』 『わかりました。もしそうなってもあたし、ドゥーエさんを信じてみます』 『頼む』 チンクは心の中でスバルに頭を下げるようにスバルに感謝した。 「捜しても、捜しても、見つからないのよ~~~~~!」 しかし、今目の前にいるドゥーエはビール缶を勢いよく飲む酔っ払いにしか見えなかった。 「…まあ、ドゥーエの事、頼むぞ」 「はい……」 ドゥーエはその酔っ払った勢いで、リインとヴィヴィオとユーノ(人間)のいるところにフラフラ歩いていき、何ととんでもない事をした。 「ユーノ~~~~」 「な、何ですか?」 「あなたの力でギンガを探し出して~」 そう言うとドゥーエは持っていたビールをユーノめがげてぶっ掛けた。 「やめて、僕はまだ未成年……」 「フェレットになれば問題なし」 ドゥーエはビールをユーノに何度もぶっ掛けた結果、ユーノは酔っ払ってしまいフェレット形態になってなのはの頭の上に乗ってしまった。 「あらあら」 「何か久しぶりかな。ユーノ君が私の頭の上に乗ったりするの…」 なのははユーノとまだ会ったばかりの頃を思い出したそうだ。 「皆、楽しんでいるようだね。ピクニックに来て正解だったかな」 ヴェロッサが皆の様子を見て和んでいると、その意見と反対のものが二人。 「皆、楽しんでるのね」 「そう、楽しんでるだな」 それはドゥーエに酒を飲まされたシャマルとクロノだった。 「君たちはそうでもないようで………」 「いえいえ、楽しんでますよ!」 シャマルが酔っ払ってヴェロッサに顔を近づいて意見する。 「そうか…。ならいいです…」 ヴェロッサもそれ以上は言えなかった。 その一方で、酔っ払いドゥーエの頼みでGドリラーの中にあるおつまみを取りにノーヴェとウェンディが行ったのだが、中に入ったウェンディがとんでもない事をした。 「あ」 「お前…」 「何か押しちゃったみたいっス」 するとGドリラーが動き始めて前へ爆走し始めたのだ。 「「うわああああああああああ」」 「あ、ありゃーーーーー」 「追うぞ!」 シグナムが先陣を切って飛んで行き、なのは達もグランディーヴァに乗る。 「あの何でこっちに乗ってるんですか!?」 スバルは自分の近くにあったGアタッカーに乗ったのだが、フェイトとティアナも乗っていたのだ。 「仕方ないでしょ、急いでたんだから!」 「それにあっちはドゥーエがいるし…」 フェイトが言うドゥーエは今は酔っ払ってGストライカーの運転がまともではなく、少々ふらついていた。 「確かに…」 「リイン、Gドリラーは?」 「ダメです。見つかりません」 「こっちにいたよ」 なのはのグランカイザーがGドリラーを捕捉した。 「外部に異常なし。生体反応も大丈夫。二人とも無事だよ」 「なのはさん、何とか止めれませんか?」 「ダメ、グランカイザーのコマンドを受け付けない。このままフォローするわ」 「了解。皆なのはの所に集合~~~」 何故か酔っ払いのドゥーエが先頭になってグランカイザーとGドリラーのところに向かう。 「そう言えば、ユーノさん…。なのはさんの頭の上にいますけど…。気に入ったのですか?」 リインが密かにモニターから見てそう思った。 「マリーさん、何で止められないの?」 モニターで見ているアイナが近くにいるマリーに尋ねる。 「多分、パーソナルロックがかかってんです。これじゃあ、全てのコマンドは受け付けません。止めるにはマスターキーで再起動して合神しかありません」 「マスターキーは?」 「ピクニックに持って行きませんよ。普通…」 「ですよね……」 「再起動すればいいんだね?」 突然の声にマリーやアイナが驚く。 実はヴェロッサは既に自身のバイクでGドリラーのところに向かっていたのだ。 「あ、ヴェロッサさん。そうです! ですが、直接Gドリラーにアクセスする必要があります」 「僕が乗り込んで再起動させる。各グランディーヴァ、合神準備。Gドリラー再起動と同時に合神」 『了解!』 「さあいくよ、雷鋼馬(らいこうば)」 自身のバイクの名前を呼んで谷を飛び、大地を駆ける! そしてついにGドリラーのコックピットにたどり着く。 「君達、怪我はないかい?」 「大丈夫っス!」 「そうか」 ヴェロッサはすぐにコントロールパネルの前に行き、クリスタルをコントロールパネルに押し付け再起動させた。 「グランナイツの諸君、合神せよ」 合神が承認される。 「「エルゴ、フォーーーーーーーーーム!」」 なのはと頭の上にいるユーノが同時に叫び、グランカイザーを包み込むフィールドが現れる。 「「超重合神!!」」 なのはとユーノが叫び、なのはが目の前のパネルを拳で押す。 そして重力フィールドにグランディーヴァが飛んで行き、グランカイザーの手足となり合神し、ゴッドグラヴィオンと化した。 「ふう」 「とりあえず、皆大丈夫?」 なのはがGドリラーの方にいるノーヴェとウェンディの所に通信を入れる。 「何とかな…」 「大丈夫っス」 「皆、よかった~」 セインが通信を聞いてほっとする。 「もう、ドゥーエ。今度からグランディーヴァにおつまみを入れないで下さい」 「……、まあね」 フェイトに叱られ、今回の事でさすがのドゥーエも反省した。 「あ、そう言えばユーノ君。私の頭の上に乗ってたんだった」 「ユーノさん、気に入ったのですか?」 フェレットのユーノが腕を組んでなのはの頭の上にいるのをリインは少し羨ましそうに思いながら言った。 『はははははははは』 皆笑いながら今回のピクニックを終えた。約二名を除いて………。 「もう、何でこうなるのーーーーーー!?」 今回の騒動により、マリーはグランディーヴァのプロテクション修正を一晩中やるはめになったそうだ。 そしてもう一人はと言うと………。 「ああ、飲みすぎたわ」 クロノの部屋ではクロノが仮面を外して、一人ベッドで横たわっていた。 しかしそれにしては妙である。何故か言葉が女口調なのだ。 「もう私は本当はまだ20歳じゃないのに無理して飲みすぎた~~~。もう3年までは絶対お酒は飲まないわ」 そう心に決めたクロノ(?)であった。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1739.html
悪を断つ剣 夜の森は暗い。 微かに漏れる月明かりはあまりに頼りなく、枝の濃い地域はほぼ完全な無明状態となる。 そこを歩くのは、左目に傷を持った男――記憶喪失を騙る、通称Dボゥイ。 その手に握っているのは、何やら一振りの奇妙な日本刀。 本来刃である箇所が峰であり、峰である箇所に刃があるのだ。 本当にこんなものが使えるのか? 最初はそうも思ったのだが、どうやらこれは峰部分の強度もかなりのものらしい。 …本当に何故繊細な日本刀がそんなに丈夫なのかは不明だが。 (俺は間違いなく、アックスのボルテッカに飲まれたはずだった…) 今でもはっきりと思い出せる。 フェルミオンの眩い光が、アースラごと自身を包んでいくさまが。 それが何故か今こうしてここにいる。ふざけた爆破ショーを見せられて。 (何故、人間同士で殺し合わねばならない…!) 歯ぎしりと共に、左の拳が固く握られる。 見ず知らずの人間と命を奪い合えとほざく、馬鹿げた2人組。 自分にラダムの――あの憎むべき悪魔の真似事をしろというのか。 「俺は…心までラダムになりはしない。必ずこのゲームを止めてみせる…!」 命を弄ぶ者達への烈なる怒りを込めて。 望まぬ殺戮を強要された人々を救うため。 殺すのは自分だけでいい。そして自分が殺すのはラダムだけでいい。 「ッ!」 がさり、と。 背後で草の音がなる。 反射的に振り返ると、Dボゥイはその手の逆刃刀を構えた。 油断はできない。このゲームに乗った人間も、いないとは限らない。 「そう身構えるな。俺はお前の敵ではない」 野太い男の声が響いた。 闇の中に溶け込むことなく、堂々とした尊厳をもって、その声はDボゥイの耳に届く。 「…今の、聞いていたのか」 「これだけ静かだからな」 銀髪の武人・ゼンガー=ゾンボルトが答えた。 右手には、ところどころ彫金が彫り込まれた銃剣付ライフルを持っている。 彼はこの異常事態の中にあって、幾分か平静を保っている様子だった。 着ている服を見る辺り、管理局に所属している人間らしい。 そして顔立ちからも、修羅場をくぐって積み重ねられてきた年季が漂ってくる。 …彼はまだ29歳なのだが、Dボゥイには知る由もない。 「アンタも、この殺し合いを止めるつもりなのか?」 「無論だ」 古風な言い回しに揺らぎはない。 むしろ落ち着いている人間には敵の方が多いのでは、と感じて再確認したのだが、どうやら杞憂に終わったようだ。 「あのような連中を許すわけにはいかん」 ゼンガーは確固たる意志と共に言葉を発する。 「俺も、アイツらに好き勝手は――」 Dボゥイが言いながら近寄った瞬間、 ――ずどん。 「ぐぅっ!?」 灰色に光る銃撃が、肩を撃ち抜いた。 ゼンガーからではない。明らかに方向が違うし、何より彼の様子を見れば分かる。 「何奴ッ!」 周囲全体に響き渡るような、ゼンガーの怒声。 強烈な覇気と共に放たれた誰何の絶叫は、森の木々を震わすかのようだ。 銃撃音の反響が、水を打ったのように静まり返った。 静寂。 そしてそれを引き裂く足音。 「もうしばらく隠れていたかったが…」 現れたのは、漆黒のコートを身に纏った大男。 ゼンガーと同じ銀色の髪をロングにし、瞳は暗闇の中でなお妖しく光るように錯覚させる。 顔は至って端正。相当な美形だ。両手に握られた得物は、ガンズモードのクロスミラージュ。 「今のうちに食糧を調達しておきたくてな」 にやりと余裕たっぷりに微笑みながら、青年は言い放つ。 遂にこの男が――セフィロスが動いたのだ。 「…お前はこれを持って逃げろ」 セフィロスの姿を睨み付けながら、ゼンガーはDボゥイへと自身の銃を渡す。 「その代わり、その刀をよこしてくれ」 「っ…そんな無茶な…!」 撃たれた右肩を抑えながら、Dボゥイが口を開く。 どう考えても、彼の持っている銃剣の方がこんな逆刃の刀よりも強力なはずだ。 魔力の弾丸を放つピストル相手に、扱いづらい鉄の棒で戦うのは不利。 「そちらの方が慣れている」 しかし、ゼンガーはそれを一蹴した。 有無を言わさぬ強い口調は、Dボゥイの反論を許さない。 そして、恐らく殺人鬼と化したであろう男を前に、これ以上の口論は危険だ。 ついでに言えば、傷を負ったDボゥイは、今や足手まといでしかない。 「分かった…どうか、無事でいてくれ!」 せめてペガスがいれば。あの赤と白の魔人――テッカマンブレードになることさえできれば。 そんな苦々しい思いを抱えながら、Dボゥイは互いの武器を交換すると、全速力でその場を駆け出す。 ゼンガーはそれを見届けると、手にした逆刃刀をセフィロスに向けて構えた。 誇り高き武人の瞳に、鋭くも熱い眼光が宿る。 「いい度胸だ」 木の葉が舞った。 瞬時にダガーモードへと左の銃を切り替えたセフィロスが、疾風のごとき踏み込みでゼンガーへと迫る。 素早く、そして強烈な一撃。 鈍い灰色の輝きをたたえたダガーが、ゼンガーの逆刃刀へと振り下ろされた。 「ぬぅぅぅぅっ!」 凄まじい剣圧。 ゼンガーの両足が大地を踏みしめ、渾身の力と共に受け止める。 (ええい…鬼か魔物かこの力!) 慢心があったわけではない。 ただ冷静に、客観的に、彼は己の力量を評していた。 しかし、まさかただの斬撃で、自分を追い込むような腕力を持った人間がいるとは思いもよらなかった。 ゼンガーの角張った頬を冷や汗が伝う。 そして、それだけには留まらない。 ガンズモードを保っていた右側に魔力が収束される。複数の魔法陣が、さながら照準のように浮かび上がった。 「ファントムブレイザー」 冷たい声が発せられた。 同時に撃ち込まれる、魔力の奔流。 「うぉぉぉっ!?」 ゼンガーの身体が宙を舞った。 (この威力…ディバインバスターにも並ぶかっ!?) 思い出されるのは、あの白いバリアジャケットの幼女。 その思考と共に、彼の身体は地に叩きつけられる。 猛烈な砲火に、ゼンガーは完全に虚を突かれた。 セフィロスが一度に注ぎ込めるだけの魔力を乗せたファントムブレイザー。 確かにそれは、ゼンガーが何かの折に資料で見た、10年前のなのはの砲撃に匹敵する破壊力。 しかし能力制限がなければ、10年後の彼女のエクセリオンバスターにさえ近付くだろう。 そして、新人のティアナが扱うことを前提にしたデバイスは、その威力には耐えられない。 能力制限がクロスミラージュを救っていた。 (せめて、斬艦刀さえあれば…!) 立ち上がるゼンガーの瞳が、苦々しげにセフィロスを睨む。 対するセフィロスは、彼を嘲笑うかのようにその様を見下ろしていた。 こいつは相当な手練れだ。条件が同じでなければ、不利な方が負ける。 すなわち、自分が殺される。 (…否) そうではない。 いつから自分はそんな腑抜けた考えをするようになった? 武人は自問する。 自分を守る魔法の力がなければ戦えないのか? 斬艦刀がなければ何もできない腰抜けなのか? ――否。 断じて否! 「…非殺傷設定を使ったな」 射抜くような眼光が、ゼンガーの瞳から放たれる。 その先に立つのは、あの双銃を携えし男。 セフィロスのファントムブレイザーは殺傷設定ではなかった。 もろに食らったゼンガーに未だ外傷がないのが、その証拠。 殺す気がないとは思えない。 すなわち、遊んでいる。この一撃で決まっては面白くない、と。 「間抜けだな…そこまで言える余裕があるからには、この余裕につけこんでみればよかったものを」 「笑止!」 一喝する。 大地を揺るがすかのような、強く、気高き声で。 古の兵(つわもの)を統べる武将のごとき絶叫が響き渡った。 「本力でかからずして何のための戦いか! その程度の覚悟で、他者の命を奪おうなどと笑止千万!」 嘲笑するセフィロスに向け、ゼンガーは雄叫びを上げる。 「どっちなんだ」 やれやれと言った様子でセフィロスが言った。 殺し合いがしたいのかしたくないのか、と。 要するにゼンガーは、殺したいなら本気でやれと言っているのだ。対主催者側の立場を名乗ったというのに。 「貴様が殺す側に回るのは勝手だ。…しかし! その道を行くのならば、俺は貴様を連中同様の『悪』と見なす!」 ゼンガーは構えた。 一分の隙もなく、全身の随所に神経を走らせ、その闘志を研ぎ澄ませて。 逆刃刀の斬れぬ刀身ですら、彼にかかれば剣呑な刃と化す。 「悪? この狂った地で善悪などと…」 「黙れ!」 セフィロスの言葉を、強い語気をもって遮る。 最早問答は無用。たとえ相手が自分より強かろうと、自分は自分がそうと信じる悪と戦うだけのこと。 「そして聞けッ!」 悪にかける情けなどない。 勝てぬ戦であろうとも、悪に退く脚など持たぬ。 「我はゼンガー=ゾンボルト…」 故に、叫ぶ。 「――悪を断つ剣なり!!!」 【一日目 AM1 41】 【H-1 森林】 【ゼンガー=ゾンボルト@スーパーリリカル大戦(!?)外伝 魔装機神】 [参戦時間軸]17話終了後。ラミア達が「向こう側」のヴォルケンリッターの元へ向かった頃 [状態]健康 [装備]逆刃刀@魔法少女リリカルなのはStrikerS―時空剣客浪漫譚― [道具]支給品一式・ランダム支給品0~2個 [思考・状況] 基本 全ての悪を斬り伏せる 1.無為に他者の命を奪うのを、言葉で咎めはせん。ただ倒すだけのこと! 【セフィロス@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 [状態]健康 [装備]クロスミラージュ@魔法少女リリカルなのはStrikerS [道具]支給品一式、「治療の神 ディアン・ケト」 [思考・状況] 基本 事態を静観し、潰し合うのを待つ 1.ひとまず今だけは食料を奪うためにこいつを殺す 2.随分喚く奴だ。拠点を移さねばならんな 3.向かってくるのならば、六課の連中だろうと容赦なく殺す 【Dボゥイ@宇宙の騎士リリカルBLADE】 [参戦時間軸]8話。アースラがボルテッカを食らった時 [状態]右肩を撃ち抜かれている。止血はまだされていない [装備]冥銃剣・逢魔ヶ刻@リリカルスクライド//G.U. [道具]支給品一式・ランダム支給品0~2個 [思考・状況] 基本 この馬鹿げたゲームを止める 1.あの人…頼む、無事でいてくれよ…! 2.そういえば、身体の調子が…? [備考] ※テックシステムに蝕まれた肉体は回復しています 025 本編投下順 027
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1298.html
なのは 魔法少女空中決戦 (劇場予告バージョン) なのはPROJECT (会社名) 乗組員A:「緊急連絡! アースラが何かで座礁しました!」 乗組員達「うわああ!」 リンディ・「何かが動いたの?」 クロノ「・・・・・アースラの真下です」 リンディ「こんな次元に環礁があるはずないわ!」 アースラの真下に巨大なロストロギアのようなある。 タイトル:なのは 魔法少女空中決戦 予告編(もちろん嘘予告) (海をバックに) クロノ「北の方角から次元の波に乗って漂流している と考えてもまず間違いないでしょう」 荒れる次元の波で何かが目覚める。 グレアム「巨大な魔力を持つ者?」 クロノ「それが一直線にここに向かってるんです。」 ユーノ「管理局員の最後の通信で黒いマントを着けた少女と・・・・」 すずか「少女・・・?」 死神のような少女が飛ぶ。 エイミィ「これが謎の少女なの? はやてちゃん」 モニターに映る反応を見る。 はやては逃げる少女を追う。 はやて「ただの少女やない。 魔力数値約500万 しかもこの子人ば襲いよる」 ?「プラズマァァァ! ブレイカアアアアアアア!」 はやてを見たこと無い魔法で攻撃して逃げる。 はやて「なっ! おい! おい おーい! だめやっ! 逃げられてもうた。」 はやては逃げる少女を見つめる。 その頃、ロストロギアにあった碑文の解読に成功したユーノ はこうつぶやく。 ユーノ「災いの影、フェイト・・・・」 エイミィ「えっ?」 ユーノ「碑文の一節です。」 ナレーター「はるかなる時を超え、現代の時間に蘇った超危険人食い魔法少女、フェイト。」 すずか「1万2千年前、時の揺り籠、なのは」 遺跡を破壊し目覚めるなのは。そしてフェイトの元に迎い、お互いを睨みあう。 ナレーター「そして、フェイトを追うかのよう長い眠りから目覚めたなのはも この世界にやってきた。」 なのは「フェイトちゃん、もう逃がさないよ。」 フェイトとなのはは空高く飛行する。 時空管理局員は二人を見つめる。 なのは「ディバイン・バスタアアアアアアアアアアアッ!」 なのはとフェイトはお互いの必殺技をぶつけ合う。 管理局員「危険です。下がってください!」 タクシーに乗ってきたすずかとアリサは戦う二人を見つめる。 アリサ「あれがあんたの言っていた・・・・・」 ナレーター「今、次元全土を破滅の恐怖に叩き込む二人の戦いは都市から海へ・・・・」 シャマル「巨大な波がっ!」 リンディ「アルカンシェル、発射!」 なのはは、ディバインバスターを撃ちながら、フェイトを追い詰める。 ナレーター「遂に全次元の存亡を賭けた最終バトルへのカウントダウンが始まった!」 フェイト「また食事の邪魔するなんてもう許さない! なのはぁぁぁぁぁぁ!」 フェイトはバルディッシュでなのはを斬りつけるがなのははリボンが斬れただけ でたいした傷は無かった。そして激しい魔力のぶつかりあいであちこちで爆発が起こる。 そしてフェイトはなのはから逃げる為に宇宙まで急上昇した。 クロノ「なのはとフェイト、急上昇! これ以上、僕には追尾できません!」 すずか「来るよ! なのははきっと来るよ!」 ナレーター「超音速の大決闘! なのは 魔法少女空中決戦」 なのは「スターライト・ブレイカー!」 フェイト「ザンバー・スマッシャー!」 お互いの必殺技がぶつかり合い、スターライト・ブレイカーが勝ち、 その光がフェイトを飲み込む。 フェイト「きゃああああああ!」 ナレーター「最後の希望・・・・それはなのは」 「平成7年、3月11日ロードショー」 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3561.html
愛有るが故に、時として非情にならなければならない。それが戦場なら尚更のこと。 それをいつまでも仲間だから、友達だから、と同情を引きずる戦士は居てはならない。 その戦士は必ず、一人のために大勢を犠牲にするからだ。そんなことはあってはならぬこと。 なのに、ここの戦士たちはそれを知らない。いや、知ろうとしない。まるで、高校の友達のように接している。 それがアイクにはにわかに信じ難かった。戦いを生業とする者が、いつまでもヘラヘラしていることに。 アイクの部隊は決してそんなことはなかった。 確かに、戦いが無い場ではこんな風に楽しく過ごしていたのだが、いざ戦いとなると、 お互いのことを決して心配しないようになる。自分の身は自分で守るしかないからだ。 そのことをこの模擬戦が終わったら伝えよう、そうアイクは思っていた。 せめてこのことだけは、と思っていたのだ。 しかし、模擬戦の後に伝えるのはもはや手遅れだと、アイクは感じることになる――――――――。 第7章「愛情と友情と」 「たぁぁぁっ!!!」 「でやぁぁぁ!!」 スターズの隊員となのはが空中で戦っている。今日の訓練のおさらいも兼ねているらしい。 ふと、セネリオは違和感を感じた。その正体は分からない。 ただ、何かが起こる――――――――――――そう感じた。 アイクはその違和感の正体に気付いているらしい。 「アイク、これは一体…?」 「セネリオ、ティアナをよく見てみろ。」 そういってティアナを顎でしゃくる。次いで、なのはをみる。 セネリオはまだその意味がわからないでいるようだった。 「一体どういうことですか?」 「……ティアナはこの模擬戦で一発もなのはの弾を相殺していない。」 セネリオとなのはの「撃った弾」を見る。 言われてみれば、確かにオレンジの弾はなのはの撃ったピンクの弾を狙わず、なのは自身を狙っている。 ふとその正面にスバルがやってきて、なのはを思いっきり殴りつけようとする。 (危ない!) 反射的に感じたアイクは体が少し前に出ていた。スバルを救おうとして、やめた。 今は彼女の訓練中だ。他人が余計な口をはさむのは許されないだろう。 無意識的に握ったラグネルを再び壁に立てかけ、フェイトやエリオ達と一緒に傍観をすることにした。 そんな行動をしている間に模擬戦は進んでいく。 ビルの屋上からティアナが砲撃を撃とうとする。砲撃は今の彼女には使えぬ代物だ。 皆が驚いている中、セネリオは危機感を感じる。 セネリオはなのはの葛藤を感じていた。 自分の思った通りに動いてくれないという苛立ちと、予想外の行動に出始める部下への焦りを。 このままでは危ない。セネリオが感じた刹那のことだった。 「一撃必殺!!」 クロスミラージュからオレンジの刀身がなのはを襲おうとする。 確かに、この高密度の魔力の刃を食らえばただでは済まないだろう。 だが、――――――――― 「………レイジングハート。モードリリース。」 杖の様なデバイスを引っ込める。 そして、スバルの拳とティアナの刃がなのはに当たった、様に見えた。 しかし、その拳も刃も、なのはに届くことはなかった。 なぜなら、 「…おかしいな。みんな…どうしちゃったのかな?」 なのははその両方を素手で受け止めていた。 アイクは戦慄する。食らえばひとたまりもないであろう攻撃を両方素手で食い止めたのだから。 さらに、なのはの醸し出す雰囲気も変わった。 それは殺気でもなく、怒りや憎しみでもなかった。純粋な悲しみ。今のなのはからはそれが感じられた。 「練習のときだけ言うこと聞く振りして本番でこんなむちゃするなんて…練習の意味…ないじゃない。」 拳を掴まれているスバルは恐怖を、デバイスを掴まれているティアナは驚きを感じた。 血を、流している…。 ティアナの心が罪悪感で満たされつつあった。 誰も傷つけたくないから、強くなりたい。そんな思いがあったから、彼女は今まで頑張っていたのだ。 だが、今は恩師を自分の手で傷つけている。その事実にティアナは大きく動揺し、涙をにじませる。 「私は!!誰ももう傷つけたくないから!!強くなりたいんです!!」 そう叫ぶティアナはどこか、己自身を断罪しているかのようだった。 まるで、罪人が神に許しを請うように。 「……少し、頭冷やそうか…。」 スバルにレストリクトロックをかけ、なのははティアナを狙う。 「ファントムブレイズ!!!!!!」 「クロスファイア…シュート。」 二つの魔力弾がぶつかり、相殺される。 ティアナは絶望したように立ち尽くすのに対し、なのはの攻撃はまだ終わっていなかった。 「よく見てなさい…」 スバルに言い放つ。 それは、仲間がやられる様を見ていろと言うのか。 それとも、彼女が罪人に正義の鉄槌を下す瞬間を見ていろというのか。 何にせよ、質問の時間は与えられなかった。 ドウッ!!! そして、二発目が放たれる。それは一直線にティアナへと向かって行き、そして―――――― 「くっ!!」 魔力弾が当たった時特有の轟音と爆発が起きる。 しかし、クロスファイアシュートを食らった時の声は明らかにティアナではなかった。 「…………」 アイクが無言でティアナの前にたたずむ。 その姿はまさに修羅だった。 「なぜ撃墜しようとした?」 「あなたには関係ないわ。どいて。」 冷たくなのはが言い放つ。並みの人間ならば、その一言だけで足が震えるに足るものだろう。 しかしアイクは歴戦の勇者。この程度ではびくともしない。 「…………」 しばし、無言の圧力が場を支配する。その間は永遠に匹敵するほど長く感じられるものだった。 そんな二人の醸し出す殺気と圧力にエリオときゃ路の二人は脅えきってフェイトにしがみついている。 「フェイトさん……」 キャロが不安げにフェイトに抱きつく。そんなキャロにフェイトは優しく言った。 「大丈夫。あの二人は私たちを悲しませるようなことは、絶対にしないから。」 そう言って二人の頭をなでる。だが、今の二人はまさに、一触即発だ。 きっかけがあれば、爆発する。 そんな様子だった。 「……裏切られるのが怖いか?」 静寂を破り、アイクがなのはに問いかける。 それは恨みや憎しみはおろか、悲しみさえも含まない感情のない声だった。 アイクは純粋にそれが聞きたかったのだ。 「…何が言いたいの?」 「お前は「今」が変わってしまうのが恐いのか、と聞いているんだ。」 その場にいる誰もが首をかしげる。 ただ一人、なのはだけはビクン、と肩を震わせ動揺を示していた。 「誰だって突然「今」が変わってしまうことには恐怖を抱く。 だから、部下にいつもと違うことをさせぬよう徹底させ、不変の日常を演じようとする…違うか?」 「あなたに何がわかるっていうの!?それがわかってるんだったら、どうして!!」 いつにもなく、なのはが大声を出す。相当動揺しているようだ。 そんな中、アイクはすっと目を閉じ、語り始めた。 「…俺がいた世界には、対をなす二人の女神がいた。 片方は絶対の秩序こそが争いを生まぬと信じ、世界中の人々を石に変え、世界に静寂と絶対の安定を作った。 もう片方は進化こそが人間の希望だと信じ、石にされなかった俺達とともに、その女神と戦う道を選んだ。 その後、その二人の女神は一つになり、「見守る。」という判断を下した。 …確かに、「今」が変わるのは怖い。だが、それが進化のためならば、俺たちは見守ってやるべきじゃないのか?」 アイクが懐かしく語りだす。 その様子は過去を懐かしく思うようであり、また、戦うことしかできなかった自分を悔やんでいるようにも見えた。 そんなアイクの言葉に耳を貸さず、なのははレイジングハートを起動させ、アイクに向けてアクセルシューターを放とうとする。 「だから何!?私のこと何も知らないくせに、そんなこと言わないでよ!!」 アクセルシューターが放たれた。 しかし、それはアイクに届くことはなかった。 ゴウッっ! 突然、アイクを覆うように竜巻が生まれ、アクセルシューターをすべて弾きだしてしまった。 「え……?」 スバルも、ティアナも、フェイトもエリオもキャロも、もちろんアイクも。 何が起きたのか、全く分からない様子であった。 竜巻が晴れ、辺りの景色が見やすくなる。よく見ると、アイクの前に小さな人影があった。 「…大丈夫ですか?アイク。」 そこにはセネリオがいた。しかし、様子がいつもと違う。 セネリオは怒っていたのだ。自分の最も信頼する人を傷つける人に対して。 そして、なにも語ろうとしない癖に、自分のことを理解してないくせに、という人に対して。 「なのはさん。あなたは何もわかっていない。では聞きますが、あなたはアイクの過去を知っていますか? アイクの背負っている物を知っていますか?僕のことを完全に理解しているというのですか? それが説明できない者に、そんなことを言う資格はありません。」 痛烈な言葉を浴びせるセネリオ。 だが、それはすべて的を射ており、反論の余地がない。 アイクは事実上、両親を目の前で殺されている。 しかも、母親を殺した人物は父親である。 そんな複雑な家庭を持ち、さらに傭兵団団長を務めているというのはあまり人には言えぬだろう。 セネリオもそこを察知して、あえて語らなかったのだろう。 その態度と言動にすっかり心を乱されたなのはは、 「今日の訓練はここまで」 と言い渡し、さっさと帰ってしまった。 時刻は9:30. ロングアーチの階段にティアナは座っていた。 (私…どうしたらいいんだろ…) ティアナは迷っていたのだ。 自分が変わっていってほしくないから、なのははティアナの変化を拒んだ。 しかし、アイクにはその変化を受け入れてくれた。 どちらかといえば、アイクに受け入れてもらえてうれしかった、と感じてしまう自分がいる。 それはいいことなのか、それともいけないことなのか。 そう考えていると、背後から声がした。 「ティアナ…」 不意にティアナは名前を呼ばれ、反応する。 そこに立っていたのはアイクだった。 「俺は何があろうと、お前を信じる。だから、変化を恐れるな。 何かを得るには、何かを捨てなければならない。今の自分を捨て、新たな事に挑戦しなければならない。 強くなりたければな…。だから、頑張れ。」 アイクも階段に座り、そう言ってくれた。 ティアナはアイクが心配してくれているのがうれしかった。それだけで自分は強くなれる気がする、そう思えるようになっていた。 「はい!…ありがとうございます。」 ティアナは戦士として、一人の女性としてアイクに例を告げた。 そして、気になっていたことを聞いてみた。 「アイクさん、セネリオさんはああ言ってましたけど、…過去に何があったんですか?」 決して安易に尋ねてはいけないであろう質問をするティアナ。 その質問にアイクはどこか複雑な豊穣を浮かべて話した。 「俺は………………」 「すみません…こんなこと聞いて。」 つらい過去を思い出させてしまったという自責の念に駆られるティアナ。 だが、アイクはそんなことはこれっぽっちも気にしていなかった。 「いや、俺の過去は俺のものだからな。俺が背負って生きていかなきゃならない。 だったら、拒絶するより受け入れるほうがいい。それを全部ひっくるめて、俺なんだからな。」 ティアナはしばらく絶句した。 なんて、強い人だろう…。 率直にそう感じた。 ここまでつらい過去を背負って尚、一人で生きようとする意志を持てる人間はそういないだろう。 百歩譲っていたとしても、その目標を達成するのは不可能に近いだろう。 「さて、俺はこれから寝るが、大丈夫か?」 「はい!ありがとうございました!」 いい笑顔で返事をするティアナ。 アイクはそれで少しは安心した。 「じゃあ、お休み。」 そう告げて、アイクは寝室へと戻って行った。 「ぐっ………」 ティアナと別れ、寝室に戻ってきたアイクは突然膝をついた。 理由は、全身を駆け巡る体の痛みだった。 「これが、加護の反発…。」 アイクが受けた痛みの正体は、体の中にあるアスタルテの加護t、ラグネルのユンヌの加護の反発。 お互いがお互いを倒すために作られた加護。 とはいえ、ラグネルを握っただけでこの痛み。 「これで戦ったら、どれほどの痛みが…が…」 さすがに、訓練などで体力を消耗していたからか、痛みで意識が混濁し、アイクはそのまま眠りに落ちてしまった。 to be continued..... 前へ トップへ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1514.html
防衛戦の終わり。 つまらない日常への回帰に落胆する。 だが、ほんの少し楽しみなことが起こった。 スバルへのミスショット。 俺からすれば、起こるべくして起こった事故。 優しい優しいなのはは、ほんの少しの小言で済ませる。 あまりにもくだらなくてどうでもいいことに過ぎない小言よりも、 俺の興味はたった1つに向いている。 ティアナ・ランスター。 ひよっこどもの中で一番どうしようもないひよっこ。 粋がった馬鹿の同類かとさえ思い始めた。 視界に映る度、思考に浮かぶ言葉は圧殺、轢殺、殴殺、射殺、爆殺、斬殺、屠殺、嬲殺・・・・・・。 さて、そろそろ貴様のあり方を見極めるとしよう。 魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めようか。 第8話 賭け 「えっと・・・・・・報告は以上かな?現場検証は調査班がやってくれるけど、 皆も協力してあげてね。しばらく待機して何も無いようなら撤退だから。」 「「「はい!」」」 なのはさんの言葉にスバル達が返事している。 けれど、そんなことあたしはどうだってよかった。 この後、絶対に・・・・・・。 「・・・・・・で、ティアナ。ちょっとあたしとお散歩しようか。」 「っ・・・・・・はい・・・・・・。」 来た!! なのはさんから穏やかな口調で誘われる。 あたしはただ返事を返すしかなかった。 緞帳が落ちたような心のまま・・・・・・。 そのまま森をなのはさんと歩いていき、どの程度皆から離れたころだろう。 辺りに誰もいない場所。 木漏れ日以外、本当に何も無い、木々が鬱蒼と茂った静かな場所。 そこでなのはさんが歩みを止めた。 そのまま、あたしのほうに振り向き口を開く。 「失敗しちゃったみたいだね。」 「すいません。1発・・・・・・反れちゃって・・・・・。」 後ろめたさに無意識に視線は下を向いてしまう。 それに・・・・・・なのはさんは全て知っているはず。 隊長なのだから報告を受けていないはずが無い。 その上で質問しているのだろう。 あたしを問い詰めるために・・・・・・。 もしも知らないことがあるとすれば、どうしてあたしがあんなことをやったか。 それだけだろう。 「わたしは現場にいなかったし、ヴィータ副隊長に叱られて、 もうちゃんと反省していると思うから、改めて叱ったりはしないけど・・・・・・。」 なのはさんはそう言う。 優しい口調のままに・・・・・・。 それで優しい口調で油断させた後、次はなにをやるんですか? 頬を叩きますか? それとも謹慎処分でも通達するんですか? 「ティアナはときどき、少し一生懸命すぎるんだよね。それでちょっと やんちゃしちゃうんだ。でもね・・・・・・。ティアナは1人で戦っているわけじゃないんだよ。 集団戦でのわたしやティアナのポジションは前後左右全部が味方なんだから。」 肩に手を置きながら告げられたなのはさんのその言葉にはっとする。 あたしのポジションはセンターガード。 敵陣に単身で切り込むフロントアタッカーでも、 前衛や後衛の支援攻撃をするガードウイングでも、 まして完全支援のフルバックでもない。 チームの中央に立って、誰よりも早く中・長距離を制する者がセンターガード。 そしてあのときあたしがやるべきだったことは、敵を全滅させることでも無くて、 ましてあたしが蹴散らすことじゃなくて、防衛線を維持することだった。 それなのにあたしは焦って、全機撃墜しようとして・・・・・・。 「その意味と今回のミスの理由、ちゃんと考えて同じことを2度と繰り返さないって 約束できる?」 「はい・・・・・・。」 「なら、わたしからはそれだけ。約束したからね?」 「はい・・・・・・。」 なのはさんは最後まで優しいままだった。 1度も声を荒げもせず、頬を打つこともせず・・・・・・。 なのはさんに言われたことは全部理屈の上では分かってる。 でも・・・・・・、だけど・・・・・・、あたしは・・・・・・。 AMFに阻まれてなにもできなかったあたしは・・・・・・。 役立たずだ。 「わかりました。あちらに・・・・・・。」 調査班の人から話を聞いていると、ふっとその視線が外れた。 追うようにあたしもそっちを見ると、そこには・・・・・・。 「ティア!!」 「・・・・・・スバル。」 あたしは足早に駆け寄る。 調査班の人の話を放り出して。 管理局員としての自覚があるのかとか主人を見つけた犬みたいと言われるかもしれない。 でもなんだっていい。 ティアはあたしのかけがえの無い親友なんだから。 「いろいろ・・・・・・ごめん。」 いつものティアが嘘のようだ。 まるで火が消えちゃったみたい。 「んーん、全然・・・・・・。その・・・・・・なのはさんに・・・・・・怒られた?」 あー、なんでこんなことを聞いているんだろう。 ティアが傷つくに決まっているのに。 なんであたしはもう少し気の利いた言葉が言えないんだろう。 「少しね。」 「そう・・・・・・。」 落ち込んだままのティアが短く答えて、あたしもただ言葉を返すしかできない。 ほら、会話が途切れてしまった。 ああ、もっとなにか言わないといけない言葉があるのに・・・・・・。 ええと、ええと、そうだ!! 「ティア、向こうで一休みしてていいよ。検証の手伝いはあたしがやるから・・・・・・。」 精一杯明るく気にしていないように振舞えたはず。 でもティアにはバレバレかな。 「凡ミスしておいてサボりまでしたくないわよ。いっしょにやろ?」 「うん!!」 軽く笑ってティアがそう言ったけど、あたしは嬉しかった。 ティアにちょっとだけ元気が戻ったみたいだったから。 「初めまして、ユーノ・スクライア司書長。空曹兼陸曹のはんたと申します。 いつもバトー博士がお世話になっています。」 そう言いながら俺はなのは達のところへ近づいた。 管理局のデータベース無限書庫の司書長、ユーノ・スクライア。 バトー博士から簡単な容姿は聞いている。 トモダチがまた増えたという言葉と共に・・・・・・。 しかし、インジュウなんてアダナ、バトー博士もよく思いつくものだ。 もっとも俺にはどのあたりがインジュウか分からないが・・・・・・。 「い、いえ。こちらこそ。その・・・・・・物凄い呼び方される以外は・・・・・・本当に・・・・・・。 バトー博士にこちらのほうが感謝してますから。既に無限書庫の3割以上に目を通されていますよ。たった1人で何十人分もの司書と同じ仕事量を来る度に手伝ってくれて、 自分の仕事もあるのに・・・・・・。司書長なんて立場にありながらお恥ずかしい限りです。」 「バトー博士があなたとトモダチになったのなら、それは当然のことです。 バトー博士以上に誠実な人間を俺は見たことが無い。」 奇妙な顔をするユーノ・スクライア司書長。 案外知らないのかもしれないな。 ここにいる面子がそろってバトー博士のトモダチになっているなんて。 インジュウ、ゴキブリ、バカチン、ロシュツキョーか。 どれが一番まともな名前か。 さて、そんなことは置いておいて、せっかくフェイトもいることだし尋ねておくとしよう。 「それで、なの・・・・・・なのは隊長とフェイト隊長をお借りしてもよろしいですか? ああ、たった1つの疑問にお答え願うだけですからこのままでも構いませんよ。」 「・・・・・・構いませんけど?」 「ええと、なにかな?はんた君。」 「作戦行動についてなにかあったかしら?」 「広域防衛戦が予想されていたのに、砲戦魔導師のなのは隊長と広域攻撃魔法が使える はやて部隊長がわざわざホテル内の警備についた理由を教えていただきたい。 どちらか片方が外にいれば、かけらほども被害はなかったでしょう。 結果はご存知のように、シグナム副隊長達は動きっぱなしで、 まともな範囲攻撃が使えるのは俺だけで、 召還による奇襲を受けてスバル達が展開したホテル前の防衛線まで敵に詰め寄られ、 どうにか迎撃しきれたものの、召還師には逃げられて、 オークションの品物を盗まれてしまったわけだ。」 「それは・・・・・・。」 フェイトが困惑したように言いあぐねている様子。 同様になのはのほうも・・・・・・。 本当のことを言えばフェイトまで中にいたことがおかしい。 率いるべき隊長なのだから・・・・・・。 一番の疑問は最大火力を誇る隊長3人が揃いも揃って中にいたことだ。 シャマルのクラールヴィントとも、六課の管制のほうとも常時回線を繋げずに!! 今回の戦いを、広域防衛なんてシャマルが言っていたが、 ほとんど1方向から攻めてくれたからどうにかなったようなものだ。 包囲攻撃されるなんて予想さえ立てなかったのか? 終わったことでどうこう言いたくはないが、 あれだけ後手後手に回ってどうにかできたのは運がよかったとしか言いようがない。 まして包囲攻撃だったならホテルも人間も無傷ですまなかった。 だからこそ、聞きたい。 部隊としてどうしようもないのか、それとも別の何かがあったのかを判断するためにも。 言いあぐねている2人にこちらから予想の1つを振ってやる。 「六課のあり方として隊長は力をふるうわけにはいかなかったとでも?」 「君、失礼だろ。なのは達だって・・・・・・。」 「いいよ。ユーノ君。でも・・・・・・耳が痛いな。上からの命令としか答えられないんだ。」 ウエカラノメイレイ? 言葉の意味がわからなかった。 上からの命令・・・・・・。 つまり、はやて達よりも上の立場のどこかの馬鹿が、なにを考えたか知らないが、 効果的な運用も考えないで最大火力を使えなくしたと・・・・・・。 あらゆる言葉が思考を埋め尽くす。 その大半は罵声の類だ。 あまりにも予想を突き抜けた答え。 呆れも失望も突き抜けるほどに・・・・・・。 俺はなにも言わずに去るしかなかった。 「アルファ、結果より逆算、今回の防衛に成功する確率は?」 「60.8%。」 「5度に2度は抜かれたわけだ。遊びで部隊をやっているのか?」 「情報が足りず回答不能です。」 「仮に俺が攻める側だった場合?」 「100%は揺るぎません。今までどおりのルールならなおさらです。」 「Dead No Aliveか。」 口に出すと泣き出したくなるほどに懐かしい言葉。 それに、彼女を殺してから感じ続ける空虚な感覚は加速するばかり。 この世界に飛ばされて、アルファが蘇ったことでほんの僅かばかり満たされた。 けれど、日を追うごとに他のなにかが壊れた蛇口のように溢れ出ていってしまって・・・・・・。 まともじゃなくなりはじめていたのだろう。 壊れかけを騙し騙し動かした果てに、壊れてはいけないメインパーツが悲鳴を上げたのか。 アルファにこんな問いをしていた。 「アルファ、狂うことができたら楽になれるかな?」 「なにも変わらないと思われます。」 「・・・・・・なぜ?」 「狂った人間はなにも感じなくなります。なにも失うことも得ることもありません。 マスターは永遠に数字の0を刻むだけになります。マスターの枷となっている現実も、 殺害せずに済んでいるに過ぎないモノが殺害可能となるだけです。 要素として誤差で済むほど極小のプラスに過ぎません。リターンは限りなく0です。」 「だが、感じなければマイナスもないだろう?機械のように・・・・・・。」 「その問いはYesです。しかし、今現在、膨大な量のマイナスがあるにすぎません。 かつて、なにも保証がないまま、なにかが得られると荒野を駆け抜けたのはマスターです。 そして多くの非論理的思考を機械に過ぎない私に教えたのもマスターです。 そのマスターが私に向けてそのようなことを尋ねるのですか?」 「・・・・・・すまない。どうかしていた。」 「問題ありません。ただ、マスターがどのような決断をしようと私がマスターの傍らに あり続ける事実に変更はありません。」 「ああ、そうだな。」 「はーい。機動六課の前線メンバーの皆さん。撤収準備が整いました。 集合してくださーい。」 唐突に響くシャーリーの軽い声。 シャーリー・・・・・・シャーリィか・・・・・・。 だめだな。 本当にどうかしている。 彼女のこと以外で立ち止まって振り返ることなんて、 それこそジャックさんに殺されたときぐらいだったのに、 今頃になって共に旅をした仲間のことを思い出すようになるなんて・・・・・・。 綺麗な金髪のソルジャーで胸がすくような振舞いをしていた彼女だったら、 こんな状況を作り出したやつをとりあえず殴り飛ばして蹴り飛ばして、 それから笑い飛ばして酒でも飲んでそれで全部おしまいにするだろう。 酒・・・・・・。 そういえばいつからだろう。 酒の味がわからなくなって、いくら飲んでもまったく酔わなくなったのは・・・・・・。 しかし、本当にどうしたんだろう。 思考がなにかおかしい気がする。 気のせいか? それに俺が殺してしまった彼女の髪の色である血の赤が恋しくて恋しくて仕方が無い。 ちょうどいい。 傍らを通り過ぎていく白衣を着た生き物を殺・・・・・・。 深呼吸をしながら歩き続ける。 そうだ、バトー博士に頼みを追加しよう。 3連装にすると共に、バリアジャケットに血染めの旗でも加えてくれと・・・・・・。 そういえば緑にこだわる必要もなくなったんだ。 他のカラーリングにしてくれというのもいいかもしれない。 なんせ血塗れになっても目立たないからこその緑だったのだから・・・・・・。 でも彼女は緑のアサルトスーツで全身を覆っていた。 緑は彼女とお揃いの色。 ああ、やっぱり緑のままがいい。 血染めの旗なんていらないな。 なぜ思いついたのだろう? 邪魔な情報だ、消してしまおう。 いつからできるようになったのかさえ忘れてしまった行為。 意図的に記憶を消すというもの・・・・・。 砂の城を踏み潰すように、記憶から本当に色鮮やかで綺麗な血染めの旗を消していく。 ほころびが始まってしまったことにはんたは気がついていない。 自分がなにを消してしまったのか。 あの苛酷な荒野において仲間として共に駆け抜けた金髪のソルジャー『シャーリィ』。 旅の中で彼女が語ってくれたのは、かつて所属していて皆殺しにされた傭兵団のこと。 その名前は血染めの旗(ルージュフラッグ)・・・・・。 「皆おつかれさま。じゃあ、今日の午後の訓練はお休みね。」 「明日に備えてご飯食べてお風呂でも入ってゆっくりしてね。」 「「「「はい!!」」」」 六課に撤収して、なのはさん達にそんな声をかけられた。 あたし達4人は元気よく返事を返す。 だけど、あたしはそんなに悠長なことしていられない・・・・・・。 隊舎への道中、あたしは口を開く。 「スバル、あたしこれからちょっと1人で練習してくるから・・・・・・。」 「自主練?ならあたしも付き合うよ。」 「あ、じゃあ、僕も・・・・・・。」 「私も・・・・・・。」 これはあたしのわがまま。 あたしの無理に付き合わせるわけにはいかない。 あたし達よりも幼いエリオ達ならなおさらに・・・・・・。 「ゆっくりしてねって言われたでしょ。あんた達はゆっくりしてなさい。 それにスバルも、悪いけど1人でやりたいから!!」 「うん・・・・・・。」 そうエリオ達に言ったけど、あたしは笑えていただろうか。 誰かがいたら、きっとあたしは自分で立っていられなくなる。 それではいけないんだ。 証明するためにもあたしは人一倍努力しないといけないんだ。 制圧さえできないセンターガードでいてはいけないんだ。 あたしは誰もこないだろう場所を探すためみんなの前から去った。 どこか悲しげな声のスバルの返事を背中越しに聞きながら・・・・・・。 「あのさ。2人ともちょっといいか?」 「あ・・・・・・うん。」 あたしの言葉になのは達が頷いた。 シャーリーとシグナムのやつはどこか怪訝そうな表情であたしを見ている。 そんなにあたしがなにか言おうとするのが珍しいのか? 場所を移して皆がソファーに腰を下ろす。 「訓練中から時々気になっていたんだよ。ティアナのこと・・・・・・。」 「うん。」 「強くなりたいなんて若い魔導師ならみんなそうだし、 無茶も多少はするもんだけど・・・・・・。時々ちょっと度を越えてる。 あいつ、ここに来る前なんかあったのか?」 「ティアナのお兄さん、ティーダ・ランスター。当時の階級は一等空尉。 所属は首都航空隊。享年21歳。ご両親は既に事故で亡くなっていて、 ティアナはたった1人のお兄さんに育てられたみたい。」 「結構なエリートだな。」 「そう。エリートだったから・・・・・・なんだよね。ティーダ一等空尉は亡くなったときね、 逃走中の違法魔導師に手傷を負わせたんだけど、取り逃がしちゃってて・・・・・・。」 「まぁ、地上の陸士部隊に協力を仰いだおかげで、犯人はその日のうちに 取り押さえられたそうなんだけど。」 「その件についてね、心無い上司がちょっと酷いコメントをして一時期問題になったの。」 「コメントって?なんて?」 「犯人を追い詰めながら取り逃がすなんて、首都航空隊の魔導師としてあるまじき失態である。例え死んでも取り押さえるべきだった・・・・・・とか、任務を失敗するような 役立たず・・・・・・とか。」 「ティアナはそのときまだ10歳。たった1人の肉親を亡くして、しかもその最後の 仕事が、無意味で役に立たなかったって・・・・・・きっと物凄く傷ついて悲しんで・・・・・・。」 「でも無駄死にだろ?」 全員が一斉に扉のほうを向く。 そこにはあいつがいた。 いや、そんなことよりも重要なことがある。 「はんた!!てめぇ、今なに言いやがった!!」 「ノックは忘れなかったと思うんだが・・・・・・。」 「質問に答えやがれ。」 「無駄死にと言ったんだ。獲物を追いかけて取り逃がして勝手にくたばったんだから。」 「はんた君!!なんてことを・・・・・・。」 「テスタロッサ。落ち着け。はんた、いったいなんのつもりでそう言っている?」 「揃いも揃って・・・・・・。思った通りをそのまま口にしているんだよ、シグナム。 むしろどこが怒る部分なのか教えてくれないか?」 「ふざけるんじゃねぇ!!」 「冗談や挑発なんかのつもりはさらさら無い。どこが怒る部分なんだ?」 「本気で言っているんだな?」 「もちろん。育った世界の価値観の違いかと思い始めたところだが。」 「・・・・・・お前の世界ではどうなんだ?」 「世界なんて広い括りは知らないな。だが、俺のいた場所では毎日たくさんの人間が 死ぬんだ。数えたことはないがそれこそ死ぬ原因は様々でダースどころかグロスで 死んでいるだろ。なんせ周りが全部敵の世界だ。特にハンターなんていう自分の命を 賭け金にして殺し合いをやる人種はなおさら死にやすい。」 「そうか・・・・・・。」 「その一番死体になりやすいハンターにはいくつかの原則があるんだ。 その中で一番の基本で絶対の原則を無視してくたばったんだから無駄死にだろ?」 「どんな・・・・・・原則なの?」 なのはのやつ、問いかける声が震えてやがる。 フェイトも同じだ。 シャーリーのやつなんか顔が真っ青になっちまってる。 シグナムのやつだけは冷静みてぇだな。 あたしも反射的に飛びかかっちまいそうだ。 でも、それ以上に、表情ひとつ変えないで話すはんたの話が信じられない。 いったいどんなところなんだよ。 人間が毎日そんな数で死んでいく世界って!! なんなんだよ、この裁断機野郎がいた世界って!! 「『ヤバくなったら逃げろ』。あまりにも当たり前で簡単なことだろ?」 「なにふざけたこと抜かしてやがるんだ!!んなことしたら任務放棄じゃねぇかよ!!」 「だから無駄死にって言っているんだろ?自分がやられてたった1人の家族が 本当に1人ぼっちになる可能性よりも追いかけるほうを選んでくたばったんだから。 その上で獲物も取り逃がしたんだ。無駄死にだろ?」 「っ・・・・・・。でも・・・・・・。」 「俺の言葉にティアナが怒るならまだ分かる。だが、なんでなのは達が怒っているんだ?」 反論しようとしたなのはが、はんたの言葉に詰まった。 なんて答えりゃいいんだ。 死者を冒涜するな? 任務を遵守した結果? 尊い人命? ティアナの気持ちも考えろ? どれもはんたは鼻で笑いとばしちまいそうだ。 なにも言えないでいるあたし達の横でシグナムが口を開いた。 「ティアナのことは置いておこう。はんた、なんのようだ?」 「ああ、そうだ。ろくに使い道も無くて額面もたいしたことない報酬を 増やしたいと思って来たんだった。」 「給料の値上げ交渉か?」 「いや。単純な賭けさ。なのはがティアナに面白いことを言っていたからそれを使わせて もらおうと思った。『その意味と今回のミスの理由、ちゃんと考えて同じことを2度と 繰り返さないって約束できる?』だったか?」 「盗み聞きしてたの!?」 「レーダーレンジの中で喋っているほうがマヌケなんだ。賭けの内容だ。1ヶ月以内に なのはとの訓練中スバルとティアナが近接戦闘を仕掛けるほうに今月の報酬全額賭ける。」 「・・・・・・?ティアナのモード2のことを言っているの?」 「育成プランなんてあったのか?なにを目的にしているか分からない訓練ばかり やらせているから無いものだと思ってた。ついでに言えば今回の事故も 痛い目みせるために意図的に起こるよう仕組んでいたとばかり思ったんだが・・・・・・。」 「そういえばてめぇ、なんか妙なこと言ってたな。起こるべくして起こったとか・・・・・・。」 「え?ヴィータ、それってどういう・・・・・・。」 フェイトがあたしの言葉に驚いている。 なのはもはんたの言葉に呆然としているみたいだ。 シャーリーの問いかけるような視線にシグナムが頷いている。 あの場にシグナムもいたからな。 はんたが口を開く。 「シャーリー。ひよっこどもの初任務の映像は出せるのか?」 「え、ええ。出せるけど。」 「なら出してくれ。人伝に聞いた話で記憶が狂っていなければ、 新人たちがちゃんと動けたようで上出来みたいな内容だったな、隊長達の評価は・・・・・・。」 たしかリインのやつがつけていた日誌がそんな感じだった。 回ってきた報告書も・・・・・・。 あたしはそのときいなかったからなんとも言えねぇんだけどな。 目の前にそのときの映像が表示される。 「わざわざヘリの中でバリアジャケットを展開してから外に出た俺よりも、 なのはが飛び降りながらバリアジャケット展開しているのを真似して、 対空射撃されることさえ考えずに飛び降りたひよっこどもと、 バリアジャケットに感激して敵の真上で立ち止まっているひよっこどものことは、 ここで発狂した笑いをしている俺の立ち回りミスとしよう。」 なのはとフェイトは愕然としたような表情をしていた。 とくになのはは震え始めている。 当然かもしれねぇな。 当たり前のように取った行動をひよっこどもが真似をしていたんだ。 空の迎撃に行くなのはとリニアに取り付くひよっこどもの違いを理解もせずに・・・・・・。 それがどれだけ危ないことかさえひよっこどもは分かっていないだろう。 シャーリーもあっと言わんばかりの顔をしている。 そういえばシャーリーって通信士だったっけな。 それならこの現場をモニター越しとはいえ目の前で見ていたことになる。 映像が流れ、ある場所まで来るとはんたが『止めろ』と言った。 「だが、ティアナのこの行動を当たり前だと見逃して放置していたんだろう? 射線上に仲間がいるときにトリガーを引くなんてしないものだ、普通は・・・・・・。 それとも射線上に味方がいてもトリガーは引くのがこっちの世界の常識なのか? それならひどい誤解をしたと謝るし、今後遠慮なくトリガーを引かせてもらうが。」 目の前の映像にガツンと頭をぶん殴られたみたいだった。 シールドやバリアがあるからなんて言い訳にならねぇ。 このときは、たまたまガジェットドローンが避けなかったから事故にならなかったんだ。 もしも避けていたら、その先にはエリオが・・・・・・。 しかもリニアから落ちれば下は崖。 何度もリプレイで映されるそのティアナの映像にあたしは鳥肌がたった。 たまたま今回の誤射が起こったんじゃない。 起こるだけの原因が放置されていて起こったんだ。 なんで教えてくれなかったなんて責められない。 隊長が気づいてしかるべきことなんだから・・・・・。 「そんなくだらないことは置いておこう。それならさらに賭けを具体的にしよう。 1ヶ月以内になのはとの訓練中、スバルとティアナが命知らずな特攻を仕掛ける。 特攻の内容はスバルがなのはにシールドを展開させて足を固めておいてから ウイングロードをティアナが駆け上ってなのはの上か下あたりから切りかかるが せいぜいだろう。それに今月の報酬を全額だ。」 重い雰囲気は笑い飛ばすようなそんなはんた君の言葉で消し飛んだ。 特攻って言ったの? そんなことするはず絶対ない!! 「はんた。だが、ティアナ達がそんなことをしてもなのはの勝ちは揺るがんぞ? ティアナ達が危険なだけの無意味な行動だ。」 「なにをいまさら・・・・・・。案外5割6割は勝率があると思ってやるんだろうよ。 なんのための訓練か分からないけど、これだけのことを考える頭があって、 あたしはこんなに力があって、こんなに努力しているんだから とにかく力だけはあるんだーみたいな考えでやると思ってる。」 「やらないよ!!だって、ティアナはわたしと約束したんだから・・・・・・。」 「だから賭けを持ちかけたんだ。俺はやるほうに今月の報酬全額だ。」 「わたしは・・・・・・ティアナを信じる!!」 だって、ティアナはわたしと約束したんだから。 お兄さんのこともあって一生懸命になりすぎて、焦りばっかりが増えて、 その結果失敗しちゃって、ヴィータちゃんに叱られて、本当に落ち込んでいた。 それに、あたしが言い聞かせたとき、物凄く後悔した顔した。 だから、絶対にティアナはそんな馬鹿な真似しない!! するはずがない!! 「顔を見る限り、他の面子は賭けに乗りそうに無いな。しかし、ティアナの モード2がよりによって近接戦闘ね。本当に分からなくなってきたよ。」 「え?」 なにを言われたかわからなかった。 だって、ちゃんと目的があってわたし、訓練させているのに・・・・・・。 どうしてそんなこと・・・・・・。 「いったいなにが目的の訓練なんだ?絶望的なまでに戦闘力の差がある魔導師を 倒すための訓練か?ガジェットドローンを倒すための訓練か? 無抵抗の人間を倒すための訓練か? 遠距離しかやれない人間が接近戦専門の人間を倒すための訓練か? それとも、高町なのはというエース・オブ・エースを倒すための訓練か? まさか自分で考えて戦えるようにするための訓練なんて言うなよ。 お仕着せのような訓練内容をさせておいて、どこでなにを考える? それに1発撃つのにどれだけかかってる・・・・・・って砲戦魔導師に言うのは 愚かだったな。銃口を向けた時点で照準は揃っていてトリガーは引くばかりなのが 当たり前の世界なんだから。」 え? なにそれ・・・・・・。 訓練内容への指摘よりも別の場所に驚きを隠せない。 狙う動作はどこにあるの? アクセルシューターやクロスファイアシュートにしたって追尾性能がある。 だから、いかに早く撃つかとか狙うかは考えたことがあった。 でも、わたし、そんな厳密に動作を考えたこと・・・・・・無い。 わたしは砲戦魔導師として完成していると言われる。 けれど、その先がもしかして・・・・・・あるの? 「ついでに言えば、シグナム。素人が一番殺し合いに使いやすい武器はなんだ?」 「鈍器だ。長柄ならヴィータみたいなハンマーもありだ。」 「逆に一番訓練がいるのは?」 「ふむ・・・・・・ナイフか。刃物ならとにかく長柄の武器ほど練度はいらない。 もっとも手元に入られたときの問題や重さの影響もあるだろうが・・・・・・。」 「という近接戦闘に慣れた方の講釈があったが、まさかナイフやダガーや スティレットなんて言い出さないよな。ティアナのモード2。」 ダガーモード。 それがティアナに準備していたモード2。 どうしてこんなにぴったり言い当てられてしまうのか。 わたしが単純すぎる? ううん、違う。 はんた君のその思考は、あまりにもシビアであまりにも現実的。 本当に命を奪い合う殺し合いが大前提で全ての会話が始まっているはんた君。 1度はハンデがあったから負けたとはいえ、 もう1度やれば勝てるとわたしは心のどこかで思っていた。 けれど、それは致命的なまでの間違いなのかもしれない。 前にバトー博士に言われた通り・・・・・・。 毎日殺し合いの日々だったはんた君からすれば、砲戦魔導師として完成していて 管理局のエース・オブ・エースなんて呼ばれるわたしさえもひよっこなんだ。 今日のホテル・アグスタでの問い。 ホテル・アグスタ周辺のなにかに抉り取られたような地形。 あれは砲戦魔導師のそれに近かった。 そして今日のメンバーでそれができるのは1人しかいない。 つまり、それから考えられる結論は・・・・・・はんた君の強さはオーバーSに相当? もしかしたら単独で全部を制圧することさえ簡単だったのかもしれない。 どれだけ彼は歯痒い思いをしてわたし達を見ているのだろう。 そんな思考をしていたわたしにはんた君が言葉を告げる。 「なのはも快く賭けに乗ったから俺は席を外すよ。あと、もう1つだけ言わせて貰おう。 俺の世界には普遍のルールがある。」 「毎日殺しあってる世界で普遍のルール?あんのかよ?そんなもの。」 そんなものがあるのだろうか? 優しい世界で皆に囲まれてきたわたしには想像さえできない。 わたしに比べればはるかに辛い思いをしてきたフェイトちゃんやシグナムさんも 首を傾げるばかりで、真っ青な顔をしたシャーリーさんは震えるばかりだ。 ヴィータちゃんも不思議そうに尋ねている。 「『強いから正しい』。言葉通りに俺を打ちのめして『無駄死に』を訂正させるか?」 淡々とそう言い放ったはんた君の姿に初めてあったとき以上の危うさを感じた。 殺気はかけらほどもない。 けれどどこから漂ってくるのだろう。 咽返りそうなほどに濃密に感じられるこの匂いは・・・・・・。 表情はなにも変わらないのに、なにかが殺させろと叫んでいるみたい。 どうしてだろう。 人の形をした別のなにかにはんた君が見えてくる。 そんな雰囲気に飲まれて、わたし達ははんた君を見送るしかできなかった。 証明するんだ。 お兄ちゃんが教えてくれた魔法は役立たずなんかじゃない。 どんな場所でも、どんな任務でもこなせるって・・・・・・。 力さえあればそれが証明できる・・・・・・。 死んじゃったお兄ちゃんの叶えられなかった夢を叶えるんだ。 そんな思いを抱えながら、六課の片隅の林で、あたしの周りを魔力スフィアで囲んだ。 この魔力スフィアはマーカー。 クロスミラージュに制御をまかせてランダムに点灯させていく。 それに向かってあたしはその場から動かずに、照準を合わせる。 ランダムに点灯する魔力スフィアを狙い続ける訓練。 ろくに才能も力も無いあたしに残された最後の武器である精密射撃を 完璧にするために・・・・・・。 そんな思いで歯を食いしばって、同じような動作を延々繰返しつづけて、 どれだけの時間続けただろう。 集中が途切れたせいか、それとも疲れのせいなのか。 ふっと膝から崩れ落ちそうになる。 そこで初めて息をついた。 気がつくと辺りは夕暮れだったはずなのに、 星と月と人工の明かりが灯る夜が広がっている。 肩で息をしながら、深く息を吸って再び訓練を続ける。 あたしは証明するんだから。 こんなところで立ち止まれないんだ!! 必死に照準をあわせているあたしの傍らから、手を打つ音が聞こえた。 「もう4時間も続けているぜ。いい加減倒れるぞ。」 「ヴァイス陸曹。・・・・・・見てたんですか?」 「ヘリの整備中にスコープでちらちらとな。ミスショットが悔しいのはわかるけどよ。 精密射撃なんざ、そうほいほい上手くなるもんじゃねぇし。無理な詰め込みで へんな癖つけるのも悪いぞ。」 あなたになにがわかる!! 思考はその感情だけで埋め尽くされていたから・・・・・・。 反射的ににらんでいたのかもしれない。 「って、昔なのはさんが言ってんだよ。俺は、なのはさんやシグナム姐さん達とは 割と長い付き合いでな。」 あたしの雰囲気に戸惑ったのか、ヴァイス陸曹が慌てて付け足すようにそう言った。 なのはさん・・・・・・シグナム副隊長・・・・・・。 どっちも才能に恵まれた人間じゃないか!! オーバーSとAAランクのなんでも持っている魔導師と 凡人で落ちこぼれで何も持っていないどうしようもないあたしを一緒にしないで!! 「それでも、詰め込んで練習しないと上手くなんないんです。凡人なもので・・・・・・。」 感情のままに酷い言葉を叫びそうになった。 でも、心配してくれた相手に当り散らすなんてできない。 ただ、反論するだけにしておいた。 なのはさん達とあたしを同じところにおいて話をするなという含みも込めて・・・・・・。 話は終わりとばかりにあたしは訓練を再開する。 「凡人・・・・・・か?俺からすりゃあ、お前は十分に優秀なんだがな。羨ましいくれぇだ。 ま、邪魔する気は無ぇけどよ、お前らは身体が資本なんだ。体調には気ぃつかえよ。」 「ありがとうございます。大丈夫ですから。」 口先だけのお礼。 心は既に別の方向へ向いている。 全然足りないんだ、証明するための力が・・・・・・。 無理や詰め込みをしないで、どうやって才能の差を埋めるんだ!! だから、やれる限り無理と詰め込みを続けるんだ。 証明するための力を少しでも手に入れるために!! 「ティア・・・・・・」 「なんだ。まだ起きてたんだ。」 へとへとになるまで訓練をして部屋に戻るとスバルがまだ起きていた。 隊舎に戻ったとき深夜を回っていたことにほんのさっき気がついたのだけど。 会話するのも辛い。 全身に纏わり付く疲労感に身を任せてベッドに潜り込む。 「あのさ・・・・・・あたし、明日朝4時起きだから。目覚まし五月蝿かったらごめんね。」 「いいけど・・・・・・大丈夫?」 「うん・・・・・・。」 心配してくれているスバルの言葉に答えるのさえ億劫だ。 まるで睡魔に誘われるようにあたしの意識は眠りに落ちていった。 「ティア。ティア。起きて、4時だよ。起-きて。」 耳障りな電子音が響いている。 これは目覚ましの音? スバルに身体を揺さぶられ、ぼんやりした意識がようやく覚醒を始める。 だるい身体を動かして目覚まし時計を止めながら、 ぼやけた視界が時計のアナログな針を映した。 「あー、ごめん。起きた。」 「練習行けそう?」 「行く。」 「そう。じゃ、はい。トレーニング服。」 「ありがとう。」 スバルは本当に優しい。 気がつくと甘えて寄りかかってしまいそうなほどに。 でも甘えちゃ駄目なんだ。 差し出されたトレーニング服を受け取りながら気だるい身体を動かす。 「さて、それじゃあたしも・・・・・・。」 「ええっ!?なんであんたまで・・・・・・。」 さらっと言いながら着替えを始めたスバルにあたしは反射的に尋ねていた。 これはあたしのわがままなのに・・・・・・。 あんたが付き合う必要ないのに・・・・・・。 「1人より2人のほうがいろんな練習できるしね。あたしも付き合う。」 「いいわよ。平気だから。あたしに付き合ってたらまともに休めないわよ。」 「知ってるでしょ。あたし日常行動だけなら4,5日寝ないでも平気だって。」 「日常じゃないでしょ。あんたの訓練は特にきついんだから、ちゃんと寝なさい」 「やーだよ。あたしとティアはコンビなんだから。一緒にがんばるの。」 「か・・・・・・勝手にすれば!!」 あっけらかんと笑顔で言ってきたスバルにあたしはそう返事を返すのが精一杯だった。 ・・・・・・スバル、ありがとう。 「で、ティアの考えていることって?」 「短期間でとりあえず現状戦力をアップさせる方法。上手くできればあんたとの コンビネーションの幅もぐっと広がるし、エリオやキャロのフォローももっとできる。」 「うん。それはわくわくだね。」 「いい?まずはね・・・・・・。」 スバルにあたしの考えを伝える。 早朝の六課の片隅の林の中、あたしとスバル2人だけの訓練が始まった。 「じゃあ、引き続き個人スキルね。基礎の繰返しになるけど、ここはしっかりがんばろう!」 「「「「はい!!」」」」 「ティアナとスバルはなにかご機嫌だけど・・・・・・なにかいいことあった?」 「あ、いえ、えへへへ・・・・・・。」 「なんにも・・・・・・。」 顔に出ていたのだろうか。 自分で考えた方法が証明できる日が待ち遠しい。 スバルとの自主練の結果を見せて、驚かせてあげるんだ。 なのはさんを・・・・・・。 そしてそれが力の証明になるんだ。 いつもやっているなのはさんの朝と夜の訓練をいつもどおり消化していく。 それに加えて毎日、なのはさんの訓練の前後に時間を作ってスバルと自主練をしていく。 エリオとキャロもあたし達がなにかやっているって気がついたみたいで 差し入れを持ってきてくれたりした。 がんばらないと・・・・・・。 あたしがやらないといけないこと。 それはまず、急いで技数を増やさないといけないんだ。 幻術は切り札にならないし、中距離から撃っているだけじゃ それが通用しなくなったときに必ず行き詰る。 あの狂人の圧倒的な火力と連射性能を誇る砲撃魔法が頭をよぎり、ぎりっと奥歯が鳴った。 頭を振って思考を入れ替える。 あたしのメインはあくまでシャープシュート。 兄さんが教えてくれた精密射撃だけど『それしか』できないから駄目なんだ。 行動の選択肢をもっともっと増やすんだ!! そんなことを考え続けて、自主練を繰り返していった。 スバルに体捌きを習った。 コンビネーションを考えた。 ウイングロードを使った戦い方も考えた。 疲労の余り、吐き戻したこともある。 でも、結果を出すんだ。 それだけがあたしを突き動かし続ける最後に残ったモノだった。 「それで、はんたはいつもどおりドラム缶押しか。」 「横でドラム缶押しにずっと付き合っておきながらなにをいまさら。 しかし、成長すると人間は自分から泥沼にはまっていくものなのか? 幼いライトニング2人のほうが素直な分、伸びやすいし伸ばしやすい。」 「元々の性格もあるだろう。」 「しかし、ティアナは俺からすればなんで死体になっていないかが不思議だ。 それに目的がなおさら分からなくなったよ。なのはを倒したいのか、 センターガードとして動けるという証明をしたいのか、それとも単に力が欲しくて これだけの力が手に入ったっていう証明をしたいのか。それとも他のなにかなのか。」 「どういう意味だ?」 「なのはを攻略したいのなら、俺でもシグナムでもヴィータ・・・・・・は 『なにを馬鹿なこと言ってやがる』で終わらせそうだな、他の誰でもいい。 本当に手段を選ばないで力が欲しいのなら戦い上手なやつに尋ねればいい。 アドバイスらしいアドバイスは無かったとしても、『今の』なのはの戦闘スタイルの弱点を 教えてもらうぐらいはできるだろう。元手を使うわけでもないんだから突っぱねられたり、 馬鹿にされても損は無いだろう?それなのに、なのはについて情報を集めた痕跡は0。 それともなのははシールドとアクセルシューターしか使わないと決まっているのか?」 「たしかに一理あるな。ティアナ達にそれを教えてやらないのか?」 「賭けの真っ最中にそんな干渉したらフェアじゃない。」 「賭けっすか?」 ドラム缶押しをする俺とシグナムの横でぼんやり立っていたヘリパイロットがそう言った。 仕事は終わったのだろうか。 ヘリの整備をしていたのはアルファの収集した情報で知っているが・・・・・。 なんにせよ、簡単な説明ぐらいはするとしよう。 「賭けの話を知らないのか?ヘリパイロット。」 「ヘリパイロットって・・・・・・気軽にヴァイスって呼んでくださいよ。」 「それならヴァイス。1ヶ月以内にティアナとスバルがなのはに特攻を仕掛けるか否かで 賭けをやっている。やるほうに俺は今月の給料全額。なのははやらないほうに賭けた。 ちょうど明日が刻限の1ヶ月目だが、今からでも乗るか?」 「遠慮しておくっす。しかし、特攻とは穏やかじゃないっすね。」 「私もそれをはんたに言ったのだが・・・・・・。」 「アルファ、現状で賭けはどっちに傾く?」 「90%でマスターの勝利です。残る10%はいずれもイレギュラーによるものです。」 「はー。恐ろしく賢いデバイスっすね。しかし、9割がやるってのは間違いないのか?」 「現在まで収集したティアナの思考ルーチンおよびスバルの思考ルーチン、 その他戦闘スキルおよび経験とこれまでの日常行動から推測した限り、揺るぎません。」 「もしも、俺がそれをティアナ達に忠告に行ったとしたら?」 「誤差として処理される極小の確立だけ、やらない側に振れます。 しかし、逆にやる側へ著しく振れる可能性のほうが高いためお勧めしません。」 「ティアナの性格か?」 「Yesです。シグナム。忠告されたならば、その忠告を言葉通りに受け取らず、 『考えたことと努力があまりにも浅はかなものであった』と認識するでしょう。」 「ずいぶん人間らしい考えまで分かるんだな。で、確率までだせたりしちまうのかな?」 「今までの行動パターンより推測する限り99%。」 「うはー。そいつはひでぇな。忠告なんか聞きもしないって?」 「ときにヴァイス。ガンナーの経験でもあるのか?」 「え?なんで・・・・・・。」 軽口を叩いていた彼だが、俺の問いかけに酷く動揺したようだった。 なにをそんなに動揺する。 身体に染み付いた習性がそんなに簡単になくなるとでも思っているのか。 「視線が無意識に障害となるものを探している。僅かに右に偏った重心。 あとは、数えるのも忘れたくらいの経験からの判断。」 「はぁー。人伝に聞いたわけじゃないのにそこまで分かるなんて。まじで凄腕なんすね。」 「なんでもいい。遠距離射撃は得意か?」 「以前までは・・・・・・。ミスショットやっちまってからそれっきり・・・・・・。」 「なのはに言ったとき酷く驚いた顔をされたから気になったことがあってな。 遠距離射撃が得意ならそれを是非聞きたいと思ったんだ。」 「なんすか?」 「遠距離射撃でターゲットに向けて銃を撃つ。何アクション必要だ?」 俺の問いかけにヴァイスが真剣な顔をすると動作が丁寧に行われていく。 的を想定しているのだろう。 視線を固定した。 そのまま銃を構えるような動作を取り、スコープを覗くような仕草をしておいて 視線を外しまた覗く。 そして息を吸い込んで止める、トリガーに指が掛かる。 あまりに熟練した動作に拍手でもしたくなった。 本当に遠距離射撃でなおかつ精密射撃をやる方法を熟知している。 あの荒野だったなら弾が受ける影響を考えて風見を探して 気温や湿度なんかも考えるのだが、この世界では関係ない。 だからこそ当たり前のように当たり前がやれるヴァイスに感心する。 「俺なら銃を構えるのに1アクション、狙いをつけるのに1アクション。 呼吸を整えるに1アクション、トリガーを引くのに1アクションの 合計4アクションってところですかね。 ターゲットを見つけていないのなら探すのに1アクション追加で。」 「やはりか。こうなると狙撃のエースに話を聞きたいな。 ミッドのレベルがお粗末なのか、俺のほうが狂っているのか。」 「いったいなんすか?」 「構えた時点で照準は揃っているのにどうして狙いをつける必要がある?」 俺からしてみれば数え切れないほど銃を撃った末にいつの間にかできていたこと。 きっかけはなんだったか。 戦車を生身で叩き壊す手前ぐらいにどうにかしてやり始めたはず・・・・・・。 たしか旅の途中であまりの思いつきの馬鹿さ加減を笑いとばしながら、 それでも『誰か』が真剣に教えてくれていたような気がしたのだけど。 「つまり、もしかすると・・・・・・構えてトリガーを引く2アクションで?」 「必中のそれさえ回避する彼女もいたな・・・・・・。」 「はー。興味ついでに質問いいっすか?ターゲットが10機現れたら何アクションです?」 「3アクションだ。」 「ええと、360度全方位にバラバラにいるんすよ?」 「だから、視界に敵全部を捉えらえられる位置に移動するのに1アクション、 相手を認識した時点で照準は終わっているから、構えてるのに1アクション。 トリガーを引くのに1アクション。もちろん連射はするが・・・・・・。」 「冗談じゃ・・・・・・ないっすよね?」 「もちろん。」 どこかヴァイスの顔が引き攣っているような気がするが気のせいか。 いったいどこがおかしいのかわからない。 たしかに駆け出しのころはモンスターを見つければ照準をつける前に弾をばら撒いていた。 とにかく撃たないとこっちが殺されるのだから。 ハンターの原則『戦いに勝つためにはまず相手より先に攻撃すること』に従って。 でもいつごろからか弾代が酷く嵩んでいることに気がついて、 ばら撒く前にブルズ・アイ(予測射撃)をするようになって・・・・・・。 そうだ。 たしかジャックさんに蜂の巣にされたのがこの頃だった。 それから旅を続けていって、気がつけば相手を認識すれば何機いても問題なくなった。 構えて撃ちさえすれば照準が揃っている。 たとえそれが何機いようとも・・・・・・。 「全ては明日次第か。私としてははんたが負けるほうを願うべきなのだろうな。」 「俺としてはそんな危なっかしいことやってほしくないっすね。」 「俺はそれ以上に、特攻をされたとして、なのはがどうするかが気になるな。」 「どういうことだ?」 「いつもの練習を無視しているが、それでも努力して考えたことに間違いは無いだろう? 訓練方針も明確にしていないなのはなんだからそれを褒めるか怒るかが想像つかない。 俺の世界のルールに基づけば1つしかないが。」 「無茶をすべき場面の区別がついていないと怒ると思うが。」 「なのはさん、リハビリ大変だったみたいっすからね。それと、なんすか?ルールって。」 「『強ければ正しい』だ。俺がなのはだったら蜂の巣にして負け犬とでも言って終わりか。 それ以前に病院か死体置き場にティアナ達が行くことになるか・・・・・・。」 「まじで気が重いっすね。明日がこなけりゃいいのに・・・・・・。」 「悪いわね。クロスミラージュ。あんたのことも結構酷使しちゃって。」 「No Problem.」 「明日の模擬戦が終わったらシャーリーさんに頼んでフルメンテしてもらうから。」 「Thank you.」 布で拭きながらクロスミラージュにそう語りかけていた。 やれるだけのことはやった。 あとは明日、結果を出すばかり。 ドアが開く乾いた音が響く。 「ただいまー。ティア、はい。」 「ありがとう。」 スバルが買ってきてくれたスポーツドリンクの缶を開ける。 冷たい。 けれど、スバルが帰ってくると同時に部屋の雰囲気が重くなった。 スバルの不安のせいか、あたしの不安のせいか。 「明日の模擬戦いけるかな?」 そう切り出したのはスバルのほう。 やはり同じ不安を抱えていた。 「成功率はいいとこ6割ぐらいかな。」 「うん、それだけあればきっと大丈夫。」 誰にもお披露目していない戦い方、新たなフォーメーション、戦略、練習量。 そしてリミッターがつけられたなのはさん。 そこに若干の希望も含めて6割。 それがあたしの予想。 分の悪くない賭けだ。 スバルは根拠も無く大丈夫と言っている。 けれど、あたしには成功率以上に気がかりなことがあった。 「でも・・・・・・あんたは本当にいいの?」 「なにが?」 「あんたの憧れのなのはさんに、ある意味・・・・・・逆らうことになるから。」 そう言いながらも、無意識に込められた力のせいで手元の缶が歪む。 力は証明したい。 でも、スバルがどれだけなのはさんに憧れているのか知っている。 だからこそ、あたしのわがままに付き合わせてしまってもいいのだろうか。 「あたしは怒られるのも叱られるのも馴れているし、それに逆らっているって言っても 強くなるための努力だもん。ちゃんと結果だせばきっと分かってくれるよ。 なのはさん、優しいもん。ふふっ・・・・・・。」 缶を握りつぶしながら力説するスバル。 思い出し笑いまでしているし。 そんなスバルの様子を見ていると悩んでいるあたしが馬鹿みたいだ。 「さぁ、明日の早朝特訓が最後のおさらい。早く寝とこ?」 「うん。」 全ては明日。 結果を出してハッピーエンドで終わらせたい。 力を証明したいからだけじゃない。 あたしに付き合ってくれたスバルのためにも・・・・・・。 「さぁーて、じゃあ、午前中のまとめ。2on1で模擬戦やるよ。 まずはスターズからやろうか。バリアジャケット準備して!!」 「「はい!!」」 なんだかティアナ達はふっきれた感じ。 物凄く気合いも乗っているし、すごくいいかも。 はんた君が賭けを持ちかけたときに告げられた散々な問題も 今では改善しているみたい。 そういえば今日がはんた君が持ちかけた賭けの最終日だ。 ティアナ達を信じたわたしの勝ち。 はんた君のお給料なくなっちゃうけど、自分で言い出したんだもん。 遠慮なく貰ってしまおう。 ちょっと意地悪かな。 「エリオとキャロはあたしと見学だ。」 「「はい!!」」 ヴィータちゃんがエリオ達を連れて離れていく。 そういえば珍しくはんた君が姿を見せている。 いつもは姿も見せずにどこかでドラム缶押ししているのに・・・・・・。 やっぱり気になるのかな。 「あ、もう模擬戦始まっちゃってる?」 「フェイトさん。」 「私も手伝おうと思ってたんだけど・・・・・・。」 「今はスターズの番。」 「本当はスターズの模擬戦も私が引き受けようと思ったんだけどね。」 「ああ。なのはもここんところ訓練密度濃いーからな。少し休ませねぇと。」 そう言って上空を飛んでいるなのはにあたしの視線が向いた。 アクセルシューターを展開しているなのは。 無理していないのだろうか。 本当に大丈夫なのか? いざとなったらアイゼンでぶっ叩いてでもベッドに送ってやらねぇと・・・・・・。 「なのは、部屋に戻ってからもずっとモニターに向かいっぱなしなんだよ。」 訓練メニュー作ったり、ビデオでみんなの陣形チェックしたり・・・・・・。」 「なのはさん、訓練中もいつも僕達のこと見ててくれるんですよね。」 「本当にずっと・・・・・・。」 「それに気がついていない2人はなにをするかな。」 「はんた君・・・・・・。」 「アルファの分析を信じるのなら俺の勝ちが90%だ。」 「なんの話です?はんたさん。」 「ティアナがなのはと馬鹿をやらないって約束をしたんだが、俺は馬鹿をやるほうに 今月の給料全額かけたのさ。今日が賭けの最終日。」 「てめぇ!!ティアナ達になんか吹き込んだりしてねぇだろうな!!」 「不安ならシグナムに聞け。フェアじゃない賭けをするほど屑でもない。 さて、始まるみたいだな。」 「クロスシフトだな。」 この際、賭けなんかどうだっていい。 なのはの信頼を裏切るような真似だけはしないでくれよ、ティアナ、スバル。 多少の無茶はしてくれたっていい。 ただ、冗談抜きにはんたの予想だけは当たるなよとあたしは思った。 「やるわよ!!スバル!!」 「うん!!」 2人でいい感じに声を掛け合っている。 今まで以上に複雑にウイングロードを展開させたスバル。 そして足元では魔力スフィアを11個形成したティアナ。 クロスシフトか。 ティアナ達が取れる方法とすればクロスファイアシュートでわたしを追い立てて、 それからスバルが接近戦を挑んでくるけどそれはティアナの幻影魔法。 実際は後ろか上から本体のスバルが来る。 そこでシュートバレットの連射かシュートバレットFを併用して ティアナがスバルを援護というところかな。 ミスショットを思い出して援護できないなんてならないといいんだけど。 足を止められたところにあたるティアナの攻撃って結構響くんだよね。 でも、なんだろう。 はんた君に言われたせいか、胸のどこかがざわざわする。 大丈夫。 ティアナ達は絶対にやらない!! 「クロスファイアシュート!!」 掛け声と共にわたしの足元から飛んでくるティアナのクロスファイアシュート。 けれど、この違和感はなんだろう。 魔力弾の速度もいつもよりもずいぶん遅い。 もちろんコントロールはいいのだけど、これでは迎撃や回避が簡単に行えてしまう。 いったいどういう意図があって・・・・・・。 上昇して逃げる。 それだけでティアナの魔力弾は置いてけぼりだ。 1人時間差攻撃でもやるのかな? 視界の先に突如展開されるウイングロード。 その上をマッハキャリバーで加速して駆け抜けてくるスバル。 いつでも放てるように迎撃用のアクセルシューターを4基展開する。 けれど、驚かされた。 このスバル、フェイクじゃない。 本物!? 「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」 放たれたアクセルシューターをバリアで受け止めながら、 雄叫びをあげて突っ込んでくるスバル。 なんでそんな危険なことをしているの!? バリア越しだって痛みはあるし、バリアを抜かれでもしたら・・・・・・。 考えている暇は無い。 迎撃しないと・・・・・・。 「うりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 私のシールドの上でスバルのリボルバーナックルが激しく火花を散らした。 なんなの? 偶然? 胸のざわざわはどんどん酷くなっていく。 今は集中しよう。 シールド本来の役目は攻撃を受け流すこと。 身体を回転させてあげると、突然抵抗を失ったスバルがウイングロードから 悲鳴を上げてまっさかさまに落ちていく。 いけない。 フローターを使う準備をしないといけないか。 大丈夫みたいだ。 落下地点にウイングロードがある。 「ほらスバル!!だめだよ。そんな危ない軌道。」 後ろからようやく追いついてきたティアナのクロスファイアシュートを かわしながら注意する。 こんな速度じゃやっぱり簡単に避けられちゃう。 いくら追尾性能があるからとはいえ、さすがにこれは異常だ。 まるで避けてほしいみたい。 「すいません。でも、ちゃんと防ぎますから!!」 ウイングロードに着地できたスバルがわたしにそう叫ぶ。 大丈夫そうだ。 そこで気がつく。 ティアナはどこ? スバルが幻影魔法じゃなかったこともあって完全に意識を反らしていた。 いた!! ビルの上で詠唱しているあれは・・・・・・砲撃!? 砲撃魔法はただでさえ身体に大きな負担がかかるのに!! 本当にどうしちゃったの!? 「でぇぇりゃぁぁぁぁ!!!!!!」 リボルバーナックルに魔力カートリッジを装填したスバルが マッハキャリバーで加速してウイングロードを駆けてくる。 迎撃、アクセルシューター6発。 また、バリアで無理矢理抜いてくるなんてしない・・・・・・よね? 悪い意味で裏切られた。 想像以上だった。 ろくにバリアもシールドもフィールドさえも使わないで、私に殴りかかるスバル。 それがどういうことか分かってるの!? シールドの上で火花を散らせるスバルのリボルバーナックル。 不意に思い出されるはんた君の予想。 『スバルがなのはにシールドを展開させて足を固めておいてから、ウイングロードを ティアナが駆け上ってなのはの上か下あたりから切りかかる』ってまさか・・・・・・。 今更に気がついたはんた君の予想の意味。 それは砲撃魔法を使われる以上の危険行為。 なんで・・・・・・? どうして・・・・・・? いろんな思いで心がごちゃまぜになる。 砲撃魔法でいいから・・・・・・お願いだから砲撃を使って・・・・・・ティアナ!! スバルの突進をシールドで防ぎつつ、視線をビルの上のティアナに向けた。 嘘・・・・・・そんな・・・・・・!!幻影!? わたしの上に走るウイングロードを駆ける足音が響く。 そんな・・・・・・ティアナ・・・・・・約束・・・・・・したのに。 「でぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「レイジングハート、モードリリース。」 「Allright」 なんだろう、この思い・・・・・・。 悲しすぎて、辛すぎて、怒り出したくて、泣き出したくて・・・・・・。 あまりにもそれが大きすぎて、全部を通り越しちゃったみたいな・・・・・・。 ティアナの雄叫びを聞きながら、わたしは静かにレイジングハートに指示をだしていた。 「おかしいな・・・・・・。2人とも・・・・・・どうしちゃったのかな。」 わたしの教え方がなにか悪かった? なにか言いたいことがあって我慢していた? わたしの指導なんて受ける気さえなかった? 言いたいことはたくさんあるのに、言葉にならない。 限度を通り越しちゃった感情は風がない湖みたいに静かで・・・・・・。 「がんばってるのは分かるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ。練習のときだけ 言うこと聞いてる振りで、本番でこんな危険な無茶するなら練習の意味ないじゃない。 ちゃんとさ。練習どおりやろうよ。」 淡々と言葉を紡ぐ。 ティアナの魔力刃を受け止めている右手から血が流れ出している。 でも、痛いなんて感じない。 限度を通り越しちゃった感情のせいだろうか。 動揺したみたいなティアナの顔や怯えるみたいなスバルの顔も気にできない。 ただ、感じるのは血が流れてるなっていうただそれだけ・・・・・・。 「ねぇ?」 「あ、あの・・・・・・。」 「わたしの言ってること、わたしの訓練、そんなに間違ってる?」 わたしの問いに合わせて、クロスミラージュから伸びていた魔力刃が消える。 ティアナはウイングロードまで飛びのくと、クロスミラージュの銃口を こちらに向けていた。 「あたしは・・・・・・もう、誰も傷つけたくないから!!無くしたくないから!! だから・・・・・・強くなりたいんです!!」 泣きながらそう叫ぶティアナ。 砲撃魔法の魔方陣が展開されている。 スバルがこんなに近くにいることさえ気にできないなんて・・・・・・。 いつものわたしだったらスバルを連れて避けるなり、 バリアで防ぐなり、シールドで受け流すなりしたのかもしれない。 けれど、今、わたしの前にいるのは感情のままにわめき散らしているだけの子供。 そう思うことにした。 魔力スフィアを右腕の指先に6個展開する。 「少し・・・・・・頭冷やそうか。」 「ぇぇぇぇぇぇぇぃ!!!!ファントムブレイ・・・・・・。」 「クロスファイヤシュート。」 わたしはもっと撃つのを躊躇すると思ったのに・・・・・・。 やってみればあまりにも魔法の宣言は軽かった。 誘導性能なんかよりも速度を優先した魔力弾。 ティアナが今日使ったものと正反対の性質のクロスファイヤシュート。 ティアナに6発の魔力弾が突き刺さる。 「ティア!!バインド!?」 爆風にティアナが包まれて、叫び声をあげるスバルを動けないようバインドで拘束する。 視界に映るのは、力無く立っているのが精一杯のティアナ。 「じっとしてよく見てなさい。」 「なのはさん!!」 こんなに冷たい声をわたしは出せたんだ。 なにをするか気がついたのだろう。 悲鳴のようなスバルの声が耳に響く。 けれど、躊躇う事無くわたしは2発目のクロスファイアシュートを撃ち込んだ。 「ティアーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」 2発目のクロスファイアシュートの直撃を受けたティアナの姿にスバルが絶叫している。 力無く落ちていくティアナをフローターで受け止めて、ウイングロードの上に下ろす。 「ティア・・・・・・。」 「模擬戦はここまで。今日は2人とも撃墜されて終了。」 淡々と告げたわたしの言葉にスバルが目に涙を浮かべて睨み付けてくる。 でも、その目を見てもなにも感じない。 ただ、1つの言葉を思い出していた。 はんた君が告げた残酷で苛酷な世界の普遍のルール。 強いものが正しい。 わたしがやった行動がはんた君の言葉にあまりにもぴったりすぎて・・・・・・。 『信じるなんて言ったのに』とどこかではんた君がそう嘲笑っているかのようで・・・・・。 はんた君が正しいって頭のどこかが認めてしまいそうで・・・・・・。 それがあまりにも悔しくて、辛くて、吐き気さえして・・・・・・。 ただ、わたしは・・・・・・泣き出さないようにするのが精一杯だった。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3340.html
コメントページその2です 感想や応援メッセージなどをお気軽にどうぞ(名無しコメントも可能です) コメントでの"過度な"雑談や討論、展開予想などは控えるようにして頂けると幸いです。ほどほどであれば自分は構いません。 最終更新:2011/02/28 ↓コメントフォーム↓ 名前 コメント 返事が遅れて申し訳ありません。コメントありがとうございます。 >最早なんでもアリだな。 そう言われると返す言葉もありません。ですが、なるべく最強設定にはならないようにしているつもりです。 -- 無名(返信コメント) (2011-02-28 20 58 16) 最早なんでもアリだな。 -- 名無しさん (2011-01-26 13 56 06) もっすさん、コメントありがとうございます。 確かにブルースペイダーのモビルラウザーでは不可能でしょうね。ただ今回はそもそもカードの機能ではなく、魔力による一種のブルースペイダー用バリアジャケットのようなものなので、バイクは関係ないですね。 >ブルースペイダーのジャック、キング仕様とかあったら面白そう。 コメントありがとうございます。 ですね。でもキングはバイクちょっと合わないかも(^^; -- 無名(返信コメント) (2011-01-26 09 42 40) ブレイドって結構バイクに乗っているシーンが多かったと思う。ブルースペイダーのジャック、キング仕様とかあったら面白そう。 -- 名無しさん (2011-01-22 17 01 48) ブルースペイダーとかの簡易ラウザーで其処までできるかぁ? -- もっす (2011-01-20 14 04 35) 新年明けましておめでとうございます。と言っても大幅に遅れてしまいましたが・・・・・・。 年内に完結したかったのですが、今のペースでは年度内も難しそうです。応援コメントの減少も仕方のないことだと思います。 昨年はこのクロス倉庫でも様々な事態に見舞われましたが、こうして今も元気に運営されているのは管理人様、職人様、そして読者様のお陰だと思います。 今年もどうか、この無名をよろしくお願いします。 -- 無名(作者) (2011-01-12 18 22 51) 感想ありがとうございます。 確かにバイク変身はカッコイイですよね。自分も好きです^^ -- 無名(返信コメント) (2010-11-28 23 51 26) 剣本編ではブルースペイダーに乗ってのヘシンが印象に残ってます。なんか、壁に激突する感じで。やっぱりバイクヘシンはかっこいいですよね。 -- 名無しさん (2010-11-24 11 03 56) ダディアナサンさん 感想ありがとうございます。最後の「さん」はいらなかったかなwww 実はこの『抱きしめる』という行いは自分の好きな男女のアクションであったりします。 『抱きしめる』には母性や性欲など様々な意味合いがありますが、そのため取り方次第では色んな解釈が出来るので大好きなのですwww しかし、結構シビアな文字数制限で複数コメントになってしまった。 何か方法はないだろうか……。 -- 無名(返信コメント) (2010-11-22 18 54 24) 下駄さん いつもホントありがとうございます。 レース小説www ホントなっちゃったよどうしようと思いながら反省はしてません(爆) >そしてなのはも、その真っ直ぐさに影響されたというところでしょうか。 なのはがStrikerSラストで傷もヴィヴィオも全く気にしてなかった理由に上手く帰結させたつもりです。 ちゃんとそうなっていれば良いのですが……。 >そしてジャック本体の仕事がまた……。 一応ジャックフォーム専用の能力なんだッ! という設定にすることでジャックフォームの重要度を増しています。これでも。 まぁ、戦闘でもまだ活躍しますよ。ご心配なくww -- 無名(返信コメント) (2010-11-22 18 52 56) 下駄さん >個人的に戦闘のぶったぎりぷりに、平成ライダーさを感じましたww レースはバトルだ!!(爆) >そしてカギとなるのはやはりキングですね。 実はキングについてはあまり重要視してなかったんですよねぇ(核爆)。なんでここまで重要なキャラになっちゃったんだろう……。 >高所からの落下の場合、地面とキスという描写はあまりシリアスさというか、緊迫感を感じられなかったので、あそこは激突とか痛そうな言葉のがそれらしさが出たかなと。 了解です、後で見直しておきます。 こういうツッコミは大奨励しております。いやホント助かりますよ(^^; -- 無名(返信コメント) (2010-11-22 18 52 37) しばらく時間が開いてしまって申し訳ありません。携帯からしかアクセスしてませんでした(コメントはいつも閲覧しております)。 まだ本編更新まで時間が開きそうでしたので、今のうちにとコメント返信させていただきます。 イーストさん いつもコメントありがとうございます。数少ない励みのひとつとなっています。 キングについては当初より重要度が増してしまい、実は本人が一番驚いています(爆)。ここまで良いキャラクターに育ったのはひとえに皆様方読者のおかげです。 キングフォームはジャックフォームの不遇ぶり回復のためにまだ出番なしですが、お楽しみに。 バイクさん キングはですね、そこまで凄いことやりませんから期待せずに待っててくださいね?(汗) 名無しさん (2010-10-13 00 16 59)へ >執務官どのが公道でレースとかパネェな。 その発想はなかった!(爆) よくよく考えてみるとヤバイですよね……。まぁ、そこは大目にww -- 無名(返信コメント) (2010-11-22 18 47 16) 剣崎・・・フェイトに抱きしめられるとは羨ましいぞ!!(殴 -- ダディアナサン (2010-11-10 23 14 42) 魔法バトル小説が、気が付くとまさかのレース小説になっていた件w はい、ども、下駄です。 あくまでもキングを信じようとする馬鹿正直さは、カズマらしいなあと思いますw そしてなのはも、その真っ直ぐさに影響されたというところでしょうか。 ジャックバイク飛んだよジャックバイク。微妙に関係ないけどゴウラム思い出しましたw バイクにチートギミックはライダーらしくていいですね。そしてジャック本体の仕事がまた……。 個人的に戦闘のぶったぎりぷりに、平成ライダーさを感じましたww そしてカギとなるのはやはりキングですね。 彼は自分という存在に対し、何処に落としどころを付けるのかが、重要になりそうですね。 ついでに文章的なツッコミを。 高所からの落下の場合、地面とキスという描写はあまりシリアスさというか、緊迫感を感じられなかったので、あそこは激突とか痛そうな言葉のがそれらしさが出たかなと。 まあちゃちいツッコミですがw 物語もいよいよクライマックスに突入な雰囲気で、楽しみに続きを待っております。 -- 下駄 (2010-10-20 00 14 54) 執務官どのが公道でレースとかパネェな。 -- 名無しさん (2010-10-13 00 16 59) キングの行動がどのような結果になるのか楽しみ。 -- バイク (2010-10-11 07 29 52) いよいよキングが動くのか。素直に利用される性格ではないし、何か考えがあるのかな? でも封印されないとキングフォームになれないしかなり悩みなす。 -- イースト (2010-10-10 12 04 18) 今日よく考えて見たら10×3並んでるww オーズ!? >魔改造がやりたいなら自サイトで遣れば良いんジャン? そうですね。その通りだと思います。 なのはクロス小説ならばここで見せたいと思い、投下させていただいております。もし運営から退去勧告が出れば撤退する所存ですが、それまでは頑張らせて頂きます。 -- 無名(返信コメント) (2010-10-10 11 14 38) 第20話、更新。 -- 無名(足跡) (2010-10-10 11 10 31) 魔改造がやりたいなら自サイトで遣れば良いんジャン? -- 名無しさん (2010-10-03 22 17 39) つ、遂に今月の更新は出来なかった・・・・・・。 申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください。もう少しで更新出来ますので。 -- 無名(報告) (2010-09-30 22 45 45) コルタタさん、感想ありがとうございます。 >随分オリジナル要素が増えたな。 これは確かに否定出来ませんね。 しかしチェンジデバイスの段階から既に覚悟していましたし、他にもオリジナルキャラは約一名ほど出てきますので、もはや引き下がれない状態でもあります。 取り敢えずは運営で不適切な作品と判断されない限りは連載を続けていくつもりです。 -- 無名(返信コメント) (2010-08-03 17 28 20) 随分オリジナル要素が増えたな。 -- コルタタ (2010-08-03 00 33 47) 感想ありがとうございます。 >悪党にはライダーは名乗れても、「仮面ライダー」は名乗れないと思っています。 そうですね、ショッカーライダーもライダーではありますが「仮面ライダー」ではないですものね。 そういう意味では平成には「仮面ライダー」ではないにも関わらず仮面ライダーを自称するライダーもいるのかもしれませんね。 >ライダーSSで完結してる物は少ないので。 >φ,s nightに並ぶ名作だと思ってます。 はい、完結まで後少しなので頑張っていこうと思います。 φ s nightという作品は存じませんが、応援してくださる読者がいる限り諦めないよう頑張っていきたいと思っています。 -- 無名(返信コメント) (2010-08-01 22 23 12) 更新ありがとうございます。是非とも空中戦を繰り広げてほしい所。 思ったんですが。悪党にはライダーは名乗れても、「仮面ライダー」は名乗れないと思っています。剣までの平成仮面ライダー好きなのでゆっくりでもいいから最後まで続けてほしいです。 ライダーSSで完結してる物は少ないので。 φ,s nightに並ぶ名作だと思ってます。 これからも頑張ってください。 -- 名無しさん (2010-08-01 17 55 31) 第19話、更新。 -- 無名(足跡) (2010-07-31 19 16 06) 大変遅れましたが、これにて最新話を更新します。お楽しみに。 -- 無名(返信コメント) (2010-07-31 16 40 00) ↓の間違えた!!本当は19話です。 -- 名無しさん (2010-07-22 19 42 21) 18話なにぞとうp -- 名無しさん (2010-07-22 19 37 37) なのは、突貫してます!(笑) キングが良いキャラになりすぎたかも・・・・・・。当初はそういうつもりはなかったんですけどね。 まぁ、いつかは封印します?(笑) はやての策は下策です(爆)。まぁ、大した策ではないので期待しないでください(苦笑)。 -- 無名(返信コメント) (2010-05-20 22 08 16) 果てしなく久しぶりに双刃が通りますよ〜ノシ 感想いきませう なのはがあんな状態なのに嫌な相手が………ってあれ相手に突っ込んでいくな〜! そして王様どんだけ強いんだよ。軽口たたける程余裕さとカズマの生真面目さが何かあってるwww キングフォームの為に封印しなきゃと思うが、人として生きてほしい気持ちの方が強いです。 アンデットを信じる。 ハジメや嶋さんの事思い出してないハズなのに。 少し泣けてました… さて次回はやてはなにを考えてたのかわかるのかな〜。 楽しみにしてますよ〜ノシ -- 双刃 (2010-05-20 21 10 53) 男キャラと共闘……確かに初めてだ(汗)。 すでに後半になってようやくですが、これが最初で最後になりそうな予感……orz -- 無名(返信コメント) (2010-05-20 10 38 52) 祝!!男キャラと初共闘(だよね?)!このままキングには善人になってほしい気が… -- 名無しさん (2010-05-20 01 00 17) 名無しさん、感想ありがとうございます。 ホント、キングが善人になった感じですよね(苦笑)。 これについては改めて描写を加えたいですが、どうなるか分かりません(汗)。 -- 無名(返信コメント) (2010-05-18 19 32 05) キングがいい奴になってる…!? -- 名無しさん (2010-05-18 15 52 21) イーストさん、感想ありがとうございます。 キングは今回かなり強く描きました。最後に残ったアンデッドですからね。 性格が丸くなった件については、また何か話を挟めればいいなと考えています。 -- 無名(返信コメント) (2010-05-18 07 33 24) キングがとても強い。人間の状態でも余裕で勝つとは。 それに少し性格が丸くなった気がします。 -- イースト (2010-05-17 22 02 44) 第18話、更新。 -- 無名(足跡) (2010-05-16 21 00 02) マシュマロ大使さん、感想ありがとうございます。 心の葛藤を評価してくださって嬉しいです。もっと自分なりに上手く表現出来るよう、頑張りたいと思っています。 これからもリリライをよろしくお願いしますm(_ _)m -- 無名(返信コメント) (2010-04-26 10 45 09) 先日から小説を読ませて頂いてます!! 展開などが解りやすく、それぞれの心の葛藤があって読んでて楽しいです♪ 是非とも続きが気になるのでヨロシクお願いしますm(__)m -- マシュマロ大使 (2010-04-26 09 48 42) 下駄さん、感想ありがとうございます! >流石はザ・ワールげふんげふん。 ヤバイ、ネタが分かりませんwww >キングはキングのせいで、動くイコール死亡フラグにつながりかねないのがかわいそうな子ですなぁww まぁ、キングが封印されるのか、どうなるか楽しみにしていてください! そこそこ予想を裏切ると信じたいですww >キング封印イコールジャックお払い箱www ならキングを封印しなければ(オイwww >なのはとカズマサイドの内情も核心に触れてきたし、またそう遠くないうちに大きな波がきそうですね。 ですね、次話で決着が着きます。なのはが六課解散までに吹っ切る様子を上手く描写できればと思いますww 続き、急いで書かねば(汗)。 -- 無名(返信コメント) (2010-04-03 21 12 02) ども毎回遅れてくる男こと下駄っスー。 二号店作るつもりだったのかよキングwww そして見事なまでに別の次元の強さですねぇ。流石はザ・ワールげふんげふん。 しかしキングはキングのせいで、動くイコール死亡フラグにつながりかねないのがかわいそうな子ですなぁww そしてキング封印イコールジャックお払い箱www なのはとカズマサイドの内情も核心に触れてきたし、またそう遠くないうちに大きな波がきそうですね。 続き楽しみにしております。 -- 下駄 (2010-03-28 17 54 55) 双刃さん、いつも感想ありがとうございます。 >チェンジデバイスとオルタドライブについての考察に感心しつつ王様の行動理由に納得してたり。 チェンジデバイスについてはかなりのレベルで掘り下げているので、オリジナルSSでも作ろうかと思ってたりww キングは楽しいことを中心に動きますから、それを妨害する=敵と解釈しそうでしたので(笑)。 >人のままで既にトーレ圧倒してるしwww やはりコガネムシの能力が反則過ぎますからね~。 キング本人の能力は今回全く使ってませんから、手を抜いてると解釈していただいてもwww >なのはの事が心配です!次回を期待して待っておりますノシ ありがとうございます。なのはのことも早く決着を着けてやりたいので、執筆頑張りたいと思います! -- 無名(返信コメント) (2010-03-25 20 01 19) 更新された事に気がついた双刃です。 感想いきませう チェンジデバイスとオルタドライブについての考察に感心しつつ王様の行動理由に納得してたり。 そりゃ店舗候補潰されたら御礼しにいくよな〜。 人のままで既にトーレ圧倒してるしwww お供の能力はやはり反則気味ですね〜。 高速で動けても、ぶっちゃけ停めたら関係ないですもんwww なのはの事が心配です!次回を期待して待っておりますノシ -- 双刃 (2010-03-25 01 57 19) イーストさん、早速感想ありがとうございます。 流石はキングといったところですねww ちなみにこの瞬間機動は原作視聴者ならご存じのアレです。 ただキングの立ち位置がどうなるか、期待していてください。 -- 無名(返信コメント) (2010-03-24 23 02 15) 早速キングが大暴れ、トーレ相手にしてもすごい余裕ですね。 これからどう動くのかとても気になります。 -- イースト (2010-03-24 20 45 22) 第17話、更新。 ようやく編集が可能になりました。 -- 無名(足跡) (2010-03-24 15 43 52) 少々忙しくて返信が遅れてしまいました(汗)。 Σ(0w0)!?ウェ!?カードガハイラナイ!?さん 感想ありがとうございます。大分前に読ませていただいたのですが、時間がなくて返信ができませんでした。申し訳ありません。 >敵になるのか味方になるのかその辺が一番楽しみですね〜 ですね。今後のキングの動向は注目してください。最も、そんなアクロバティックな活躍はしないかもしれませんが(汗)。 >だって、あのスカさんいい悪役過ぎてムカつくんですもんwwwww それは褒め言葉ですよね?www スカは自分の中での一番悪役らしい悪役の姿を投影しています。なので原作とはちょっと違いますね(苦笑)。 気に入っていただけたなら幸いです。 >キングフォーム…期待してますよ?( ̄ー ̄)ニヤ あくまでこちらはノーコメントを貫きますwww 下駄さん 感想ありがとうございます。ブログへの返信も遅れがちですので、早めに返信したいと思います。 >このままだとエクシードギルス級の残念フォームの仲間入りをしてしまう! 話数が残り少ないのでその節はあるwww ただジャックフォームにはまだギミックがあるのですが……敵の供給が追いつかない(汗)。 >しかしレンゲルのジャックフォームがでるとはw 実はコレがやりたかったんですwww レンゲルは登場当初こそ最強ライダーでしたが、後の落ち目が酷かったですし……。スカさんにはまだまだ頑張ってもらいますww >そして次回は現在一番好きに動けるキングの出番ですね。やはりこの立ち位置は展開を想像するのが楽しいなぁ。 めっちゃ扱いにくいキャストですけどねwww しかしスペードスートを全て解放するとキングは必須になりますし、これは作者最大の難関です(苦笑)。 お二方、いつも感想ありがとうございます。励みにしております。 リリライも残り話数が徐々に減ってきましたが、これからどんどん盛り上げたいとおもっていますので、応援よろしくお願いします! -- 無名(返信コメント) (2010-02-26 16 53 07) どもども。毎回遅くてすみませんorz ジャックフォームが早くも負けたww このままだとエクシードギルス級の残念フォームの仲間入りをしてしまう! しかしレンゲルのジャックフォームがでるとはw スカリエッティおおはしゃぎですねww そして次回は現在一番好きに動けるキングの出番ですね。やはりこの立ち位置は展開を想像するのが楽しいなぁ。 -- 下駄 (2010-02-23 00 24 08) お久しぶしぶりです。 気づいたら二話も更新されてて、15話の感想書けなかったorz さて、次からキングが動き出しますか… 敵になるのか味方になるのかその辺が一番楽しみですね〜 味方だったら、是非ともスカさんをフルボッコにしていただきたい!!(笑) だって、あのスカさんいい悪役過ぎてムカつくんですもんwwwww そして、最後二なりますが一言…… キングフォーム…期待してますよ?( ̄ー ̄)ニヤ -- Σ(0w0)!?ウェ!?カードガハイラナイ!? (2010-02-11 19 47 01) 次はキングが動くのか。原作でもかなり強かったから スカさんと戦っても負ける所が想像できない。 -- イースト (2010-02-03 20 46 58) 皆さん感想ありがとうございます。返事が遅れてしまったのは申し訳ありません。 ではではさっそく個別に返信させていただきます。 >スカリエッティ強っ!! 今回は原作であんまり強い印象のなかったスカリエッティとレンゲルを徹底的に強くしました。 ちなみにスカリエッティが強いのは運動神経が良いからではなく、バリアジャケット(レンゲルのアーマー)の各運動部位を数値演算制御し、最適のパワーと駆動方向を算出しているからです。 正に天才ならではの戦闘スタイルですが、作中で表現しきれないのは申し訳ありません。 双刃さん いつも感想ありがとうございます。おまけにお祝いの言葉まで頂けるとは……感動しております。 >本当に無名様の小説はある意味人間性を学べますよね。 一応、そういった深みのある小説をいつも目指して書いているので、そう思われるのは大変ありがたく思います。 今後、なのはがどんな結論を出すのか、楽しみにしていてください。 >ガジェットが魔法使えるのは考えてみたら結構凄いのでは………。 少なくとも自分の解釈では相当凄いことになってます。詳しい原理についてはいずれ出すと思いますので、ここでは深く語りません。 >Jack formになって既にオリジナル超えてますがな。 原作だとキングフォームに成り損ない、おまけにアブゾーバーない状態でしたからね。 今回はネットで見たSIC改造画像を元にイメージしたジャックフォームでしたが、好評で何よりです。 >何時も楽しみにしてますよノシ。 本当に今回はお待たせしてしまって申し訳ありません。今後はもっと早く書けるよう精進いたします。 >スカリエッティのラウズアブゾーバーに現れた猪のレリーフって象の間違いじゃありません? はい、間違いです。後ほど修正しておきます。指摘してくださり、ありがとうございます。 >レンゲルのJフォームは、HERO SAGAで出たやつと同じですか?あとレンゲルのKフォームは出ますか? 前者ですが、すでに書いたようにネットのSICフィギュア改造画像を元にしているので恐らく違うと思います。 後者についてはノーコメントとしておきます。 皆様たくさんのコメントありがとうございました。大変励みになります。 今後も気を引き締めて執筆しますので、よろしくお願いします。 -- 無名(返信コメント) (2010-02-03 18 07 50) 無名さんはじめまして、質問ですが16話のレンゲルのJフォームは、HERO SAGAで出たやつと同じですか?あとレンゲルのKフォームは出ますか? -- 175ライダー (2010-02-02 00 08 46) 16話でスカリエッティのラウズアブゾーバーに現れた猪のレリーフって象の間違いじゃありません? 猪だとタックルボアになると思うんですが…… -- 名無しさん (2010-02-01 23 05 35) さて御祝いコメントとは別に感想いきませう(いやまとめとけよwww) 危うくカズマの血の色ばれかけたよ…なのはナイス。 本当に護りたいと思う存在が出来ると人は違う意味で恐怖に襲われる。 恐怖感情は他の感情と違い心じゃなく本能にもくるものだから乗り越えるのは容易な事じゃない。 本当に無名様の小説はある意味人間性を学べますよね。 ………何この真面目感想wwwいつもの双刃はどこに? んでやっぱりガジェットに大したことしてるやん! ガジェットが魔法使えるのは考えてみたら結構凄いのでは………。 ラウズアブソーバー複製って、しかもオリジナルのなること叶わなかったJack formになって既にオリジナル超えてますがな。 やっぱりレンゲルはブレイドやギャレン、カリスと違い力強くどっしりしたイメージがあるから無名様のJack formは凄く似合ってる感じがします。 しかもカズマを不完全Jack同士とはいえ事も無げに圧倒してるし。 スカリエッティ凄すぎだよ。 お次はとうとう王様が動く! 何時も楽しみにしてますよノシ。 -- 双刃 (2010-02-01 19 04 14) happy birthday to you無名様 プレゼントやケーキはないが御祝いの言葉を贈ります。 -- 双刃 (2010-02-01 18 33 22) スカリエッティ強っ!! -- 名無しさん (2010-02-01 18 10 51) 大変お待たせしました。二か月ぶりですが更新完了です。 実は今日が誕生日だったりします。無事今日までに更新できて良かった……。 では感想よろしくお願いします。 -- 無名 (2010-02-01 15 02 40) 第一六話、更新。 -- 無名(足跡) (2010-02-01 15 00 40) 最近更新がないから早く続きが読みたい -- 名無しさん (2010-01-31 22 10 28) 双刃さん、感想ありがとうございます。 ゲテモノスポーツカーってそんなに悪くないと思うこちらのセンスはフェイト並みと………? 多分最高速度と色で選んだんだよ。 実はあんまり覚えてなかったり(笑)。 そういうネタを何度か聞いたことがあったので、そのネタを使っただけです。実際はどうなんでしょうね? てかガジェットに何した? 言っておきますが、そんな御大層なことはしてません(爆)。 ただⅣ型がなぜ登場するか、そこが今回の焦点だったりします。 ゲーム屋とはなんかあってるしwww お供は見えないところでせっせか働いてるのか〜。切ねえ ゲーム屋のセレクトはぶっちゃけ趣味でしたが(ww)、好評のようで安心しました。 御供が何か、さすがに察しはついているようですが、どのように絡むか楽しみにしていただけると幸いです。 ではでは、この辺で。 -- 無名(返信コメント) (2009-12-17 08 45 50) 久しぶり+感想忘れてたorz な双刃来ましたよ〜。 感想いきませう。 ゲテモノスポーツカーってそんなに悪くないと思うこちらのセンスはフェイト並みと………? 多分最高速度と色で選んだんだよ。 スカさん今度はなにやらかすの? てかガジェットに何した? 王様普通に生活してる!? ゲーム屋とはなんかあってるしwww お供は見えないところでせっせか働いてるのか〜。切ねえ 着ぐるみとして客寄せしたら………って客が逃げる上にカズマに封印されるかwww ガジェットがどんなになったか次回を楽しみにしとりますm(_ _)m。 小説は下駄様のところで投稿させてもらいますよ〜(極力速くに)ノシ -- 双刃 (2009-12-16 19 52 23) 下駄さん、感想ありがとうございます。 今回はある意味これ以上ないくらいベストな人間に渡った気がしますw そう言っていただけると光栄です。やはりレンゲルは強いイメージがありますので。 ブレイド映画よりむしろディケイドの方がまっとうに活躍していた気がする新世代ライダー これは自分も思いましたwww 正直新世代ライダーは映画版での扱いクソでしたからねぇ……。 鬼のような少数精鋭部隊だなぁw 正直六課が勝てる気がしなくなってたりwww とはいえカズマも今後化け物に成長していくので、これでバランスは取れるかと。何より隊長陣は精鋭ですからww 強力な第三勢力としてどう動くかが楽しみです。 第三勢力っぽい傍観者ですけどねwww もちろん彼の活躍にもご期待ください。 ではこの辺で。 -- 無名(返信コメント) (2009-12-15 15 12 00) 本家では睦月が完全に乗りこなすまで恐ろしく時間がかかり、悪意の塊みたいなレンゲル。今回はある意味これ以上ないくらいベストな人間に渡った気がしますw sts本編では微妙武装でフェイトにホームランされただけで終わった博士でしたが、今回は自身も重要な戦力になりましたね。 そして部下達に、ブレイド映画よりむしろディケイドの方がまっとうに活躍していた気がする新世代ライダーを与えるとは……。 そもそも眼鏡以外はライダーの力を頼らなくてもSランク以上の実力者だっただけに、鬼のような少数精鋭部隊だなぁw それに、気まぐれで子供っぽい部分のあるキングを、良い位置に置いたなと思います。 今は人間としての生活を楽しんでますが、何となくだけでまたブレイド側屈指の化け物として猛威ふるうかもしれない。 しかも管理局側にもスカリエッティ側にも敵対しえる……そもそも掻き回すの大好きな奴ですしねw 強力な第三勢力としてどう動くかが楽しみです。 -- 下駄 (2009-12-14 16 32 15) 皆さん感想ありがとうございます! ちょっと見ないうちにこれだけのコメントが寄せられてるなんて……感動です! サッズさん 仰る通り、今しばらくはキングフォーム出てきません。楽しみにしておいてください! イーストさん そうですね、キングの実力は相当なものですから、なのは相手でも厳しいでしょうね。封印能力もないわけですし。 こるタタさん それは後で思いました(汗)。これに変身能力もあるわけですからもはや最強クラスの化け物でしょうね。 しかしその分多くの枷があります。理想と自らの体によって人と相容れない、闘争本能にいつも苛まれる、大切な人を奪われる……。 例え力があろうと、決して幸せという訳ではない。それを感じていただけると幸いです。 白熊の手さん キングは本編を見る限り人間社会そのものを嫌ってはいませんでしたしね。 ゲーム屋を選択したのはただの趣味ですが、彼の行動自体は本編を意識したものです。 今の剣崎は嶋さんのことも始のことも覚えていないですからね。記憶がまだ混濁している状態です。だから何故ジョーカーになったかも分からないんですよね。 皆さんのコメントで俄然やる気が出てきました。近いうちにまた更新できるよう頑張りたいと思います! これからも応援、よろしくお願いします!m(_ _)m -- 無名(返信コメント) (2009-12-14 12 22 36) なるほど…キングはゲーム屋ですか。本編でもバトルファイトに興味はないって言ってましたからね。…そのあとみんなめちゃくちゃにしたいだけっていう愉快犯的返答が返ってきましたし、奴にとって楽しいならなんでもいいんでしょうね 人間になろうとした二人のアンデット…クローバーのキングともう一人のジョーカーですか 今の剣崎はもう一人のジョーカーのことを覚えてないんでしょうね、それが悲しいことでもあります -- 白熊の手 (2009-12-14 00 05 04) しっかし、魔力とアンデットの力の兼用って随分都合の良い話だな。 -- こるタタ (2009-12-13 23 36 48) とりあえずキングが好戦的ではなくてよかった なのは達ではまず勝てないでしょうから。 -- イースト (2009-12-12 20 13 48) キングも登場してますます盛り上がって きましたね。しばらくキングフォームは みられませんね。 -- サッズ (2009-12-11 19 58 05) 通りすがりの名無しだ!さん、感想ありがとうございます。久しぶりの感想に、なんだか涙が出てきました。 本編での悪逆非道はどこへやら、普通にゲーム屋やっていらっしゃるw 今作でもっともお気楽なアンデッドですww 元々キングは自分が面白いと思ったことを好き勝手やってるという印象があったので、今回はそれを利用しました。ゲーム屋とは彼らしいと思ったので(笑)。 執筆は大変でしょうが、あまり無理しない様に頑張ってください 毎回楽しみにしてます。 この二言に本気で救われます。愚痴なんて言ってないで頑張ろうと思いました。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! -- 無名(返信コメント) (2009-12-11 00 00 59) 更新お疲れ様です ついにキング登場!・・・ってアルェー? 本編での悪逆非道はどこへやら、普通にゲーム屋やっていらっしゃるw 妙に馴染んでるなぁw はたしてここから物語にどう絡んでくるのか。 執筆は大変でしょうが、あまり無理しない様に頑張ってください 毎回楽しみにしてます。 -- 通りすがりの名無しだ! (2009-12-10 13 29 58) 第十五話、更新。 -- 無名(足跡) (2009-12-10 08 48 50) ありがとうございます。 最近更新が途絶気味となっておりますが、頑張って執筆を急ぎたいと思っていますので応援よろしくお願いします。 -- 無名(返信コメント) (2009-11-28 17 02 13) 早く続きを読みたい。 -- 名無しさん (2009-11-28 07 51 43) こんにちは、Σ(0w0)!?ウェ!?カードガハイラナイ!?さん。感想ありがとうございます。 今日、一気に読ませていただきました。僕は剣が一番好きなのでこのクロスはかなりうれしかったです! ありがとうございます。剣は龍騎に比べるとどうしても人気が薄いみたいなので、そう言っていただけると嬉しい限りです。 そして驚いことが一つあります。それは………………タックルが成功してる!? 剣崎だって成長するんですwww 実際マジな話、彼はかなり苦労した設定もありますし、本来は頭が良い設定のキャラなので少しだけ強くしてみたんですけどね。 近いうちにその話も出したいですね。 これからも頑張って下さい。 はい、これからもよろしくお願いします。 -- 無名(返信コメント) (2009-11-16 12 45 23) 今日、一気に読ませていただきました。僕は剣が一番好きなのでこのクロスはかなりうれしかったです!そして驚いことが一つあります。それは………………タックルが成功してる!?これはネタじゃないのにかなり笑いました(爆)これからも頑張って下さい。 -- Σ(0w0)!?ウェ!?カードガハイラナイ!? (2009-11-15 19 08 04) お久しぶりです、双刃さん。と言っても、自分の更新が遅れたからでしょうけどねwww 偽物のハズなのにレンゲル強!! 実際は魔法で再現しただけの廉価品ですが、使いようによってはやはり強力な代物なのです。 しかもコピってレンゲル小隊(厳密は違うけど)が……これだと橘さん生きてても良かったのでは? レンゲル小隊ww 実際は新世代ライダー部隊ですがね。 六課は元々充実した戦力を保有していましたから、橘さんがいると苦戦しなくなると考えて退場してもらいましたwww とはいえ彼らは隊長陣に匹敵するほどに強力ですから、相当に苦戦すると思います。 さすがタヌキっ子だ(笑)。 久しぶりのタヌキ行動ですねww はやては貴重な軍師キャラですので、これからも活用したいところですね。 王さまと一緒にあのお供もでますか〜? あのお供が自分の想像の奴でしたら、まだ封印していませんからいますよ。 ただ王さまは本作ではかなり特殊な登場をしますから、当分は封印されませんのでww 更新の遅さなぞ気にしません!むしろ自分のが……orz そういえば双刃さんも小説を書かれているんですね。教えていただければ今度読ませていただきます。 とにかく楽しみにしてますよ〜。ノシ ありがとうございます。 最近またも某サイト投稿用小説で多忙なため執筆が困難な状態ですが、頑張りたいと思います。 これからも応援よろしくお願いします。ではでは。 -- 無名(返信コメント) (2009-11-11 21 17 48) 暫くぶりに双刃が通り過ぎますよ〜。(実際は結構忙しく廻れてなかっただけorz) 偽物のハズなのにレンゲル強!! しかもコピってレンゲル小隊(厳密は違うけど)が……これだと橘さん生きてても良かったのでは? んでとうとうカズマがフォワードに、ここで恩を出すかはやてよ。さすがタヌキっ子だ(笑)。 王さまと一緒にあのお供もでますか〜? 更新の遅さなぞ気にしません!むしろ自分のが……orz とにかく楽しみにしてますよ〜。ノシ -- 双刃 (2009-11-10 20 04 04) みなさん、感想ありがとうございます。 >スカさんのレンゲルが強い…本編では途中から一気に弱体化したからなぁ…ラウズアブゾーバーがある分若干有利と思いきや数で不利、キャラの心境も想像しやすくこの先の展開に期待です!! はい、本作では原作登場時のレンゲル以上に強くなってます。 ラウズアブゾーバーはありますが……さて、カズマは勝利することができるのか。ご期待ください。 >他の王達も気になる所、まさか鎌田は出ませんよね? おそらく最初から読んでいる方なら薄々感づいているかもしれませんが、現在登場しているアンデッドは全てスペードスートです。 なので少なくとも鎌田の登場はないですね。 そして皆さんさっそく気になっておられる王の少年ですが、おそらく多くの方が誰かは気付いていると思います。 本作ではかなり独特な立場として出すつもりですので、楽しみにしておいてください。 -- 無名(返信コメント) (2009-11-05 08 43 54) 王の少年が六課の面々とどう絡むのか楽しみです -- 名無しさん (2009-11-05 01 17 39) 写メ大好きな彼の出番か… 他の王達も気になる所、まさか鎌田は出ませんよね? しかし彼との戦いを通じ、きっと一真はかつて戦いの中で得た物を取り戻すと私は信じています 次回も楽しみです。乙でした -- ( 0M0) (2009-11-05 00 17 18) 王の少年…性格が災いして負けたが始と剣崎を圧倒したアイツ…? スカさんのレンゲルが強い…本編では途中から一気に弱体化したからなぁ…ラウズアブゾーバーがある分若干有利と思いきや数で不利、キャラの心境も想像しやすくこの先の展開に期待です!! -- 白熊の手 (2009-11-04 22 57 34) 第十四話、更新。 -- 無名(足跡) (2009-11-04 22 11 44) テスト -- 無名(テスト) (2009-10-31 00 56 23) ページに戻る TOPページへ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1325.html
魔道戦屍リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers 第三話「死人と姉妹」 ある次元の管理外世界においてレリックを回収した時空管理局のとある一部隊、その前に一人の男が両手に二丁銃を持ち棺を背負って現われた。 その男は一言の言葉も一切の警告も無く、手にした巨大な二丁銃を乱射して部隊の者を次々と撃ち倒していく。 まるで無慈悲な死神の如く。 「糞っ! 糞っ! 糞おおおおっ! 死体野郎が墓場に帰りやがれ!!!!!」 武装局員の一人が唾を撒き散らしながら殺傷設定の射撃魔法を二丁銃の死人に乱射するが、その貧弱な弾幕では強靭な死人兵士の身体を破壊するには至らない。 隻眼の死人兵士はその射撃魔法をまるで意に介さずに悠然と武装局員に近づき至近距離から手の巨銃を突き付けた 「や、や、やめ…」 武装局員の懇願が言い終わる前にその巨大な拳銃、ケルベロスが火を吹き武装局員の意識を闇に落とした。 「ちっ! 本部、こちら第15分隊。ウォーキング・デッドと交戦中! 早急に増援部隊の派遣をお願いします!!」 その様を遮蔽物越しに見ていた他の武装局員の一人が舌打ちしながら増援部隊の支援要請を送るがその通信は無駄に終わる。 武装局員の通信が終わるや否やグレイヴは肩に火器を満載した棺桶デス・ホーラーを担ぎ、この戦いを終局に導く準備を終えていた。 デス・ホーラーがその強固な装甲を開き大量の小型マイクロ・ミサイルの顔を覗かせる。 そして空中に発射されたそのマイクロ・ミサイルはデス・ホーラーの誘導制御を受けて遮蔽物に隠れていた武装局員達に正確に向かって行った。 これがデス・ホーラーの全方位型攻撃の一つ“Dooms Rain”である、無慈悲な裁きの雨は爆炎を巻き起こして武装局員の部隊の全てを戦闘不能に落とす。 そしてその場には背中に十字架を刻まれた最強の死人兵士だけが一人立っていた。 ここは地下深くの違法な地下施設、そこで今日もまた姦しい姉妹が無口な兄にワガママ攻撃を炸裂させていた。 「腹減った~メシ食~わせ~」 「減ったっす~死ぬっす~」 「グレイヴ~早くメシ~」 ナンバーズ3馬鹿姉妹であるセイン・ノーヴェ・ウェンディが手にナイフとフォークを持ってテーブルを叩いて騒ぐ。 「お前ら少しは落ち着け」 「ま~たっく。お食事の時くらい静かにできないんですか~?」 「ノーヴェ、静かに」 騒ぐ3馬鹿姉妹にナンバーズ年上組み、トーレ・クアットロ・チンクが口を開く。 ちなみにあまり口数の多くない姉妹(セッテ・オットー・ディエチ・ディード)はその様子を静かに眺めていた。 そこに大量の皿を乗せたお盆を持ったグレイヴがやって来る、お盆の上の皿にはサラダとグレイヴ特製マカロニグラタンが湯気を昇らせていた。 ちなみにグレイヴはエプロン(チンク姉のお手製、ウサギさんのアップリケ付き)を掛けているので随分と所帯染みている。 「うわ~いメシメシ~」 「メシっす~」 セインとウェンディが真っ先に食いつき、他のナンバーズもその二人に呆れながらも料理に手を付け始める。 その穏やかな食卓の中でふとセインが口を開いた。 「そういえば、ドクターとウーノ姉は?」 「ドクターとウーノは何やら研究室に篭っているぞ」 「ほほ~う…」 「なるほどっす…」 チンクの答えにセインとウェンディは何やら含みを込めた笑みを見せる、その様子にノーヴェが不思議そうな顔をする。 「何だよお前ら、何か心当たりでもあんのかよ」 「もちのろんろんっすよ~」 「ふふふ。ドクターとウーノ姉は今きっと…」 そのノーヴェの言葉にセインとウェンディは最高の爆弾的回答を投下した。 「「エッチしてるんだよ(っすよ)!!」」 凍った。その場の空気が完全に凍りつき、ナンバーズ全員の思考と動きを止めた。 「ふ、ふ、ふ、二人ともな、な、な、な、何を言ってるんだ!? そんな言葉をどこで覚えた!?」 セインとウェンディの言葉の威力にやっと正常な思考を取り戻したチンクが顔を真っ赤にして二人に問い詰めた。 「えっと~。この前クア姉が教えてくれた♪」 「そうっす~」 次の瞬間にはチンクは目にも止まらぬ速さでクアットロにナイフを突き付けていた。 「クアットロ…妹達に何を吹き込んだ? 正直に言えば楽に殺してやる…」 「ちょっ、チンクちゃん…殺すのは確定なの? 私はただ“ちょっとした性教育”をしただけで…」 一触即発のチンクに引きつった顔で怯えるクアットロ、そしてセインとウェンディの言葉の意味を知らないナンバーズは不思議そうな顔でグレイヴに質問を投げていた。 「グレイヴ、さっきの言葉の意味は何ですか?」 「なあグレイヴ、エッチって何だ?」 「何なの?」 「教えてください」 「教えて」 上からセッテ・ノーヴェ・ディエチにオットーとディードの双子コンビである。 この質問攻めにグレイヴは苦笑しながらその場で事の成り行きを見ていたトーレに助けを請うような視線を向ける、だがトーレは諦めろと言って苦笑いで返した。 今日もこのファミリー(家族)は騒がしく楽しい日々を送る。 レリック絡みの事件に出現する黒衣の生ける屍ウォーキング・デッドの噂は様々な管理世界に広まった。 ガジェットを従えAMF下において圧倒的な銃火器の制圧力を以って管理局の魔道師を蹂躙する様は多くの世界の人間に衝撃を与える。 レリック関係の事件という事もあり機動六課も独自に戦う死人に関する調査を各方面から進めるが、死者を兵器にする技術などはどこの世界にも残されていなかった。 そしてスカリエッティの下に彼の探していた聖王の器が発見されたという報告が届く。 「さて。では現場にはクアットロとディエチ、それにセインに行ってもらおうかな……」 スカリエッティはモニターの映像でガジェットの動きと現場にレリック確保に向かったルーテシアの動きを追いながらウーノと共に敵情報の収集を続ける。 そこに案の定、装備を整えたグレイヴが現われた。スカリエッティは少し不満に顔を歪める。 グレイヴの性格を考えれば聖王の器がどういうものか知れば確実に任務の障害になりかねないと判断したが故の苦渋の感情だった。 「やあグレイヴ。今日は彼女達だけで大丈夫だよ、君のデス・ホーラーも調整が必要だろう? 今は休みたまえ」 「………」 そのスカリエッティの言葉にグレイヴは即座に虚実の匂いを感じる。 かつて組織の殺し屋として様々な人間を見てきたグレイヴにとってはいかに巧妙に隠そうともスカリエッティの言葉の裏の意図を読むなど容易な事だった。 グレイヴはいつもどうり無言で転送装置の準備をして現場に飛んだ。 その様子をスカリエッティは呆れて、ウーノは少しばかり怒りを抱いて眺めていた。 「あ~。やっぱり行ってしまったね~」 「ドクターよろしいのですか!? このままでは作戦に支障が出かねません!」 「まあ、良いじゃないか? こういうハプニングも楽しいものだよウーノ」 スカリエッティは楽しそうにモニターを眺めて戦況を確認する、最強の死人兵士が再び機動六課の魔道師達との戦いを繰り広げようとしていた。 その日、休暇を楽しんでいた機動六課のフォワードメンバーは偶然にもレリックコアと身元不明の少女を発見する。 事態は六課隊長陣も出動しての大規模な戦闘に発展した。 そして発見されたレリックコアと身元不明の少女を乗せたヘリが謎の戦闘機人の砲撃を受ける。 だがその攻撃はなのはの防御に防がれ、なのははフェイトと共に襲撃犯である二人の戦闘機人を追い詰める。 クアットロは飛行能力の無いディエチを抱えて追いすがるなのはとフェイトの追撃から逃げようとしたのだが、執拗な追撃に挟み撃ちを受け地上に落ちたのだった。 「ちょっ…ちょっとこれはヤバイ感じね~」 「そんな事、言ってる場合じゃないよクアットロ…このままじゃ…」 その二人を前後から挟み込むようになのはとフェイトが下り立ち射撃魔法の掃射の準備をする。 「もう逃げられないよ! 大人しく投降しなさい!」 なのはが声を張り上げた次の瞬間、地獄の番犬の名を持つ二丁銃ケルベロスの吐き出す15mm口径魔力ダメージ弾頭が雨の如く降り注ぎ、なのはとフェイトを襲った。 「くっ!!」 「きゃあっ!!」 なのはとフェイトはその突然の攻撃に防御障壁を削られ思わず悲鳴を上げる、そしてクアットロとディエチの下に最強の死人兵士ビヨンド・ザ・グレイヴが下り立った。 グレイヴは下り立つと同時になのはとフェイトにケルベロスの銃弾で弾幕を張りながらクアットロとディエチに語りかけた。 「クアットロ、ディエチ…早く逃げろ」 グレイヴはなのはの放ったアクセルシューターを撃ち落しフェイトの撃ったプラズマランサーをデス・ホーラーで防ぎながら二人に視線をやって早く逃げるように促す。 その強い意志と優しさを秘めた瞳を見たディエチはグレイヴの服の裾を掴んで小さく呟いた。 「分かった…絶対に帰って来てね、グレイヴ」 そのディエチの言葉にグレイヴは優しく微笑んで返し、クアットロに視線を移して口を開いた。 「クアットロ……ディエチを頼む」 「え…ええ分かりました。それじゃあ、あなたも気を付けてくださいね? 勝手に死んだらダメですよ?」 「…ああ」 グレイヴの小さな返事を受けてクアットロとディエチはその場を離脱する。 フェイトが逃げる二人に向かってバルディッシュを構えて飛び掛ろうとするがそこにグレイヴが放った“Dooms Rain”のマイクロ・ミサイルの雨が降り注ぎ爆炎を上げた。 炎が晴れた時にはクアットロとディエチの姿はなかった、そして場にはグレイヴとなのはとフェイトのみが残される。 その時グレイヴのインカムにスカリエッティからの通信が入る。 『あ~グレイヴ。聞こえてるかい?』 「……」 『デス・ホーラーに付いた新機能を使ってみてくれないか? 実戦での性能をチェックしたくてね、それに彼女達のような強力な魔道師には有効な機能だよ?』 グレイヴはその通信を受けて眼前のなのはとフェイトを見る、確かに今までの有象無象の武装局員から比べられない強さである。 故にグレイヴはデス・ホーラーの新機能を使うのにためらいはなかった。 インカムから送られた信号に反応しデス・ホーラーは髑髏を模られたその顔を怪しく光らせてその力を発揮する。 「くっ!」 「これは! AMF!?」 グレイヴの背負っていた棺桶がその髑髏の目を光らせた次の瞬間、場に今までの比でない強力なAMFが発生してなのはとフェイトを苦しめる。 それは後にスカリエッティが聖王のゆりかご内部に設置するものと同じ規格の次世代型AMFである。 従来のガジェットでは出力不足と過剰な重量の問題で実用化できなかった代物であったが、この最強の死人兵士にはこの程度の重量ではなんの問題も無かった。 リミッターによる抑制と高濃度のAMF下で力を著しく削がれたなのはとフェイトにグレイヴは容赦なくケルベロスの銃弾を叩き込む。 二人のバリアジャケットは引き裂かれ魔力ダメージに赤く焼けた柔肌を空気に晒した。 「はああああ!!!」 フェイトがザンバーフォームになったバルディッシュの金色の刃を振り下ろしグレイヴに斬り掛かるがグレイヴはその斬撃を交差させたケルベロスで防ぐ。 軋みを上げる両者の得物だが高濃度のAMF下でのバルディッシュの刃は無慈悲にも単純な膂力で押し返される。 フェイトがいかに優秀な魔道師とて死人兵士を相手に常人が正面から打って出て、勝てる要素など無いのだ。 「くっ…」 バルディッシュの刃を押し返すケルベロスの圧力にフェイトは苦悶の顔を見せる。 「フェイトちゃん! こうなったら…」 そこになのはがカートリッジをロードして、形成できる最大限の誘導弾を作り出してグレイヴに発射した。 「アクセル・シュート!!!」 無数の誘導弾が精密な軌道を描きながらグレイヴに発射され、その全てがなのはの弾道コントロールを受けたそれは正確にグレイヴの頭部や腹部に命中した。 その誘導弾の攻撃にグレイヴの頭部から煙が立ち上り、彼の身体は地面に倒れ伏した。 なのはとフェイトはこの死人兵士からやっと戦闘能力を奪うことができて重い溜息をついた。 「ふぅ~…やっと止められたね…」 「うん…」 そしてなのはは通信をロングアーチに繋いで報告を入れる。 『こちらスターズ01。ウォーキング・デッドを無力化しました、至急ヘリの準備を…』 しかしなのはが通信で言葉を全て言い切ることは無かった、何故なら倒れた筈の死人兵士が背の棺に手を掛けていたのだから。 次の瞬間になのはとフェイトの意識は刹那に断たれ、その場に倒れ伏した。 グレイヴは即座に立ち上がると同時にデス・ホーラーの機関銃銃身から大量の銃弾を発射しながら360度回転して周囲に弾丸を余す所なく吐き出す大技“Bullet Dance”を行ったのだ。 弾丸を刻む舞踏の前に成す術なく敗れたなのはとフェイトをグレイヴは幾分かの憐憫をもって眺める。 死んだフリなんて古典的な手に引っかかった事も含めてだが、やはり何の罪も無い少女を傷つけるのはあまり良い気分ではなかった。 そのグレイヴの下にナンバーズの6番セインが彼女の能力ディープ・ダイバーで地中から現われた。 「セインちゃん到着~! さあグレイヴ~あたしの身体にしがみ付いて~。一緒に脱出~、ってなんかもう終わってるし…」 グレイヴを自身の能力で救出しに来たセインだが既に戦闘はグレイヴの勝利で戦いは終わりを告げていたのだ。 「それじゃあ帰ろうかグレイヴ。あっ! そうだ。それと無力化できたらフェイトお嬢さまを連れて来いってドクターが言ってたから…」 そう言って倒れたフェイトの腕を掴もうとするセインだがそれはグレイヴの手で遮られた。 「えっと…どうしたのグレイヴ?」 「……セイン…駄目だ」 「えっ!? でも…」 「駄目だ」 「う~…分かったよ…グレイヴがそう言うなら」 やっと納得したセインの頭をグレイヴは優しく撫でる、セインはまるで子犬のように喜んで笑顔を見せた。 「でも、ドクターには何て言えばいいかな~?」 「…通信は切ってあるから問題無い」 「そっか、なら別に良いや。それじゃあグレイヴ~これ内緒にしておくから今度またプリン頂戴♪」 「…ああ」 こうして死人は妹を連れてその場を去る、後には彼の残した大量の薬莢と気を失った魔道師が二人残されていた。 続く。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/147.html
次の瞬間、ザビーはカブトに向かって走り出していた。 前回の雪辱を晴らす為に、なんとしてもカブトを倒さねばならない。 「はッ!」 「……甘い。」 接近したザビーはカブトに殴り掛かるも、片手で流されてしまう。 「クソ……!」 もちろんそれで終わる訳が無く、ザビーは次々とパンチを撃ち込む。 だがそれも全て受けられ、逆にカブトの打撃を受けるザビー。 「アギト……!お前は一体何者なんだ!」 「……ッ!」 フェイトが振り下ろすバルディッシュを、フレイムセイバーで受け止めるアギト。 「いきなり襲ってきたり……敵を倒すのに協力してくれたり……何を考えてるの?」 後ろから聞こえる声に振り向くと、ピンクの球体が自分に向かって飛んでくるのが見える。 「ハッ!」 アギトは咄嗟にそれをフレイムセイバーで叩き斬る。 しかもよく見れば自分の周囲を無数の球体が飛び交っているではないか。 これはなのはのアクセルシューター。無数の球体がアギトを襲う。 「止めろお前ら!こんな戦いに何の意味があるんだ!」 ガタックは戦闘を中止するように叫ぶが、一同はまるで聞く耳を持たない。 ならば無理矢理聞かせるしか無いか…… 「……俺の話を聞け!!」 言いながらザビーを羽交い締めにするガタック。 「ク……離せ!」 ザビーも慌ててガタックから逃れようとするが、中々離そうとはしない。 なら…… 『Cast off(キャストオフ)!』 「うわ……!」 ガタックと密接したままキャストオフ。 それによりガタックはザビーのアーマーと一緒に弾き飛ばされる。 「クソ……いい加減にしろーッ!」 頭に来たガタックはダブルカリバーを装備、そのままザビーに斬り掛かる。 「チッ……やっぱりキミもカブトの仲間か!」 ガタックに殴り掛かるザビー。 こうしてザビーの相手は一先ずガタックへとシフトした。 「カブト……いや、天道総司……!」 そして次にカブトの前に現れたのはブレイドだ。 「まったく……次から次へと……」 呆れるように言い、そのままクナイガンでブレイドに応戦する。 「……お前は本当に俺達の敵なのか!?」 「お前達が俺の邪魔をすると言うのなら、容赦はしない」 二人はクナイガンとブレイラウザーを激突させる。 赤と青のカブトムシライダー対決だ。 「俺はあんたを信じたいんだ……同じライダーとして!」 「何……?」 カブトの動きが一瞬だけ止まる。 「あんただって何か、使命を背負って戦ってるはずだ!」 「使命……か。」 呟きながらブレイドの攻撃をクナイガンで受け止めるカブト。 その時…… 「……ッ!?」 大きな音と共に時空が裂け、巨大な電車が現れる。 「なんだコレ!?」 「電車……だと?」 またしても驚くカブト、ガタック、アギト。 地面にレールを敷きながら走る電車はギリギリ建物を破壊しない場所を走り、 やがて連結していた白い車両から一台のバイクが飛び出した。 白いバイクはサイレンを鳴らしながら地面に着地。 そのまま電車-『デンライナー』-は別の空間へと消えていった。 バイクに乗っているのは、管理局製の強化スーツを身に纏ったライダー……『G3』だ。 『氷川君、これがG3の初陣、頑張りなさい!』 「はい、小沢さん。」 白いバイク-ガードチェイサー-から降りたG3はサブマシンガン状の銃『GM-01 スコーピオン』を構えた。 『GM-01、アクティブ。』 Gライナーから遠隔操作でスコーピオンのロックを解除される。 「カブト!お前を捕獲する!」 G3はどこか滑舌の悪い喋り方でカブトにスコーピオンを向けた。 「……やれやれ、また管理局か。」 こうなるとカブト・ガタック・アギトの三人に対し、敵はなのは・フェイト・ザビー・ブレイド・G3の五人という事になる。 「(津上があの魔導師二人を、俺がこの男と今現れたライダーを相手にすればなんとかなるか)」 瞬時に状況を判断するカブト。出来ればあと二人、味方が欲しい所だが、無い物ねだりをしても仕方が無い。 「ハァッ!フン!」 一方、アギトはフレイムセイバーでなのはの放ったアクセルシューターを一つ一つ叩き落として行く。 「これなら……!」 『Haken Saber.』 フェイトがバルディッシュを振るうと、バルディッシュの魔力刃がアギトに向けて飛び出した。 「ク……!」 アギトは咄嗟にフレイムセイバーを両手で構える。すると、次の瞬間にはフレイムセイバーは二本に分裂していた。 「ダブルフレイムセイバー……!」 アギトは二本のフレイムセイバーでフェイトが飛ばした魔力刃を迎撃する。 「次!」 『Divine buster.』 「な!?」 今度は斜め上方向からのディバインバスターだ。 「(……かわすしか無いでしょこんなの!)」 常人を遥かに凌ぐ反射神経を持つアギトは咄嗟に転がってディバインバスターを回避。 ここまでやってまだお互いに一撃も入れていないというのがまた凄い。 「天道が一体何したって言うんだよ!」 「キミが知る必要は無い!」 ザビーの放つパンチをクロスさせたダブルカリバーで受け止めるガタック。 「それで納得できる訳無いだろ!」 「別にキミには関係無いんだ!納得して貰わなくて構わない!」 ザビーが放つパンチを一方的に防ぐだけのガタック。 「確かに天道は目茶苦茶な奴だけど、管理局に追われるような覚えは無いだろ!」 「それがあるんだよ!キミの知らない所でね……!」 ザビーは防戦一方のガタックを殴り続ける。ガタックもそろそろブチ切れそうだ…… 「ふん……!」 「速い!?」 カブトは一気にG3の後ろに飛び上がり、G3も慌てて振り向く。 だが時既に遅く、クナイガンの一撃を受けたG3はそのまま倒れこんでしまう。 「止めろ!話を聞いてくれ!」 ブレイドもカブトに駆け寄るが…… 「くどい。言ったはずだ……お前達と話すことなど何も無い!」 再びブレイドに接近し、クナイガンを振り上げるカブト。 ブレイドはそれを上手くブレイラウザーで受け止める。 「…………!」 G3はすぐに起き上がり、カブトに向けてスコーピオンを連射する。 「……諦めの悪い奴だな」 カブトはその銃弾を全てクナイガンで打ち落とす。 カランカランと音を立てて落下する銃弾を見て悔しそうな表情を浮かべる氷川。 なら…… 『GS-03、アクティブ。』 次に右腕に装着した超高周波振動ソード、『デストロイヤー』を起動。そのままカブトに突進する。 「ほぅ……」 それに対しカブトはクナイガンで応戦。 ぶつかり合うデストロイヤーとクナイガン。 デストロイヤーはこれでも振動剣だ。いかに超高温のクナイガンといえどこのままではまずい。 「フン!」 カブトはすぐにG3の腹を前蹴りで突き放し、一回転して何かを取り出す。 カブトが持っているのは『ゼクトマイザー』だ。 すぐにゼクトマイザー本体のプレートを押し、大量のカブト型マイザーボマーを射出。 連続で発射されるマイザーボマーの数は100に近い数となり、管理局勢力の全員を襲う。 「チッ……なんだ、コレは!」 ガードしながら防ぐザビー。 「これは……爆弾!?」 G3もマイザーボマーの能力に気付く。これは迂闊に攻撃するのは避けた方がいいだろう。 すると…… 「皆、すぐに退避して下さい!私がまとめて吹っ飛ばします!」 「「なのは!?」」 見ると、上空からマイザーボマーが集中している場所に向けてレイジングハートを構えるなのはの姿が。 「ディバィイイイイイン……」 しかも既にチャージに入っている。一同は急いでその場から退避。 「バスタァアアアアアアア!!!」 『Extension.』 カートリッジを2発ロードし、高密度の魔力を撃ち出す。 桜色の閃光がマイザーボマーの群れを一気に消滅させる。 想像以上に早く対処され、カブトも少し驚いているようだ。と、いうよりなのはの魔法まで計算に入れてはいなかった。 と、言うより「自分の学校のグラウンドでそんなもん使うなよ」と突っ込みたい。 「……カブトォーーー!」 ディバインバスターとマイザーボマーの爆発により発生した煙りが晴れると同時に、クロノはカブトに向かって走り出す。 だが、そんなザビーの前に突如現れた赤いバイクが立ち塞がる。 「……なんだお前は!?」 「お前がザビーブレスの所有者か」 言いながらバイクから降りてヘルメットを外す。 「お前は……橘!?」 驚くクロノ。ヘルメットを外した男のは、自分も面識がある橘だったのだ。 まさかここにギャレンが現れるとは思っていなかった。 そしてそれ以上にブレイドは驚いているようで…… 「ダディャーナザン!?」 「剣崎か……これが今の俺の仕事だ」 剣崎をちらっと見て、左腕を胸の前に持ってくる橘。 そして…… 「変身!」 『Turn Up(ターンアップ)!!』 右手を回すような変身ポーズを取り、ギャレンバックルのハンドルを引く。 同時にベルトから現れた光のゲートがザビーを弾き飛ばし、橘はすぐにそのゲートを通る。 「仮面ライダー……ギャレン……!」 「悪いがザビーブレスは返して貰う」 同時にザビーに向けたギャレンラウザーを発射。 「クッ……!」 ザビーはガードしながら距離を取るが、ギャレンの連射は止まらない。 「あんた、このエリアの司令官の天道総司だな?」 連射しながらカブトに話し掛けるギャレン。 「俺はシャドウ隊長の橘朔也だ。」 誰だコイツ?という雰囲気のカブトに簡単な自己紹介をするギャレン。 「そうか。ならばザビーはお前に任せる」 「言われなくても奴は俺が倒す!」 連射しながらザビーに接近するギャレン。 「橘さん!どういうこと何ですか、これは!?」 一方ブレイドは橘を止めるように叫ぶが、ギャレンの射撃は止まらない。 「俺の任務はザビーゼクターの奪還だ!」 「そんな……橘さん……ZECTに入ったんですか!?」 さらにギャレンに接近するブレイド。だが…… 「お前の相手はこの俺だ」 ブレイドの前に立ち塞がったのはカブトだった。 カブトにしても早く終わらせて帰りたい。そろそろ帰らねば樹花が心配するからだ。 そしてその障害となる者は倒す。 「く……どけ!」 こうして再び斬り合いになるカブトとブレイド。 一方、G3もグレネードランチャーである『サラマンダー』をカブトに向けている。 ブレイドとの戦いに集中している今なら倒せる。そう思ったのだが…… 「止めろーーーッ!」 「うわ……ッ!!」 いきなり飛び掛かってきたガタックが、飛び蹴りでG3を蹴り飛ばしたのだ。 「お前達、なんでこんなこと……!」 「これも全てカブトを倒すためです!」 言いながらサラマンダーを自分に向けるG3に、ガタックはついにブチ切れた。 「……舐めるなぁああああ!!!」 『Clock Up(クロックアップ)』 ガタックは腰のスイッチを押し、クロックアップ空間へ入る。 『One-Two-Three!!』 「ライダーキック!」 『Rider Kick(ライダーキック)』 ガタックの脚をタキオン粒子が駆け巡る。そのままG3に向けて飛び上がるが…… 「させない!」 『Plasma Smasher.』 次の瞬間、ガタックのボディに輝く雷が炸裂。 そのまま数メートル吹っ飛ぶ。 『Clock Over(クロックオーバー)』 「クソ……何だ!?」 「加賀美……クロックアップできるのはライダーだけじゃ無いんだよ?」 「フェイトちゃん……!?」 どうやらガタックを吹っ飛ばしたのはフェイトらしい。咄嗟にG3を守る為にクロックアップをしたという事だ。 「氷川さん……でしたっけ?貴方はアギトの相手をして下さい!ガタックは私が引き受けます」 フェイトの指示を受けたG3は「了解しました」とだけ言い、すぐにその場所を離れた。 「橘朔也……!キミは管理局の味方じゃなかったのか!?」 「今の俺の目的はザビーゼクターの奪還だ!」 ザビーはなんとかギャレンのレンジに入るが、なかなかダメージを与えられない。 何よりも恐ろしいのは零距離でのギャレンラウザーの連射だ。 「ふざけるな!今のザビーゼクターの資格者は僕だ!」 スキをついてギャレンにパンチを入れるザビー。 一方ギャレンも攻撃を受けながらカードをラウズ。 『ファイア』 『アッパー』 刹那、ギャレンの右腕を燃え盛る炎が纏う。そして…… 「たぁッ!」 ザビーのボディにファイアアッパーを炸裂させる。 「うわぁああッ!」 そのままザビーは数メートル吹っ飛ぶ。 「(ク……この位置からじゃ攻撃のしようが無い……!)」 アギトはなのはの攻撃をかわし続けながらそう思っていた。 今のアギトには射撃攻撃など無いに等しい。ずっと上空から射撃系の攻撃を続けるなのはは本当にやっかいな敵だ。 その時…… 「うわッ!?」 突然の後ろからの射撃攻撃に慌てて振り向くアギト。そこにいるのはさっきの青いライダー、G3だ。 「……チッ!」 すぐにG3に接近、ダブルフレイムセイバーでスコーピオンを弾き飛ばし、G3のボディを切り裂く。 「お前……さっき使命がどうとか言ってたな?」 クナイガンとブレイラウザーをぶつけ、お互いの顔を近付けながら言うカブト。 「ならば聞くが、お前の使命とは何だ?」 「俺の使命……それは、人間を守る事だ!」 ブレイラウザーでクナイガンを弾き、再び振り下ろすが、やはりクナイガンで受けられてしまう。 カブトは「そうか……」と言いながらクナイガンでブレイラウザーを弾く。 そこで、ブレイドはある事に気付いた……。 「カブト……!本気で戦うつもりは無いのか!?」 「何……?」 「さっきから殆ど守ってるだけで、たいした攻撃をしてこない!何故だ!?」 「……偶然だ。」 カブトはそう言い、素早くブレイラウザーを弾き、ブレイドのボディに一撃を入れる。 「ク……!お前は一体何の為に戦うんだ!?」 のけ反りながらブレイラウザーを構えて言うブレイド。 「……俺は人を殺め、小さな夢や希望をも踏みにじる……そんな奴らを倒すだけだ……!」 「……何!?」 その言葉に驚くブレイド。 しかしその時…… 「仲間割れをしている場合か……」 再び現れた喪服の女。 今度はさっきとは違い、結構な量のサリスを引き連れている。 20匹くらいだろうか?まったく空気を読まない登場だ。 カブトもブレイドもワームに向き直る。 同じように戦闘に集中しているギャレン・ザビー以外の一同は皆、ワームに反応する。 「橘さん!クロノ!」 ブレイドは二人に呼び掛けるが、二人は聞こえていないのか戦い続けている。 「無駄だ。奴らは最早ライダーの目的を忘れている。」 「カブト……」 カブトを見つめるブレイド。 「一時休戦……かな?」 アギト・フェイト・ガタックもなのはの言葉に頷く。 まずはワームを倒す事が先決だ。 「おいおいおいおい、なんか面白そうじゃねぇか!今度こそ俺も交ぜて貰うぜ?」 さらに校門から堂々とグラウンドに現れたのは髪の毛を逆立て、野獣のような目をしている良太郎だ。 「変身!」 『Complete(コンプリート)』 良太郎はデルタフォンをデルタムーバーにセット。 再びデルタへと変身する。 「あれは……デルタギア!?」 「もう乱入しすぎだろ……」 驚くフェイトと呆れるガタック。まさに大乱闘だ。 そしてデルタはすぐに派手なポーズを取り…… 「今度こそ……俺、参上!!」 「おいテメェ、それ貸しやがれ!」 「え……ちょっと……!?」 「いいじゃねぇか2本あんだからよ!」 そう言いアギトからフレイムセイバーを分取るデルタ。 フレイムセイバーを構えたデルタはさらに意気揚々と喋り出す。 「俺に前フリは無ぇ!最初っから最後まで徹底的にクライマックスだ!!」 ワーム集団にフレイムセイバーを向けて叫ぶデルタ。 それに続いてなのは・フェイト・ガタック・アギトもデルタの横に並ぶ。 こうなるともうどこぞのスーパー戦隊みたいだ。 「行くぜ行くぜ行くぜぇーーーーー!!」 デルタが走り出すと同時にアギト、ガタックもワームに向かって走り出す。 デルタとアギトはフレイムセイバーでサリスを斬り倒してゆき、ガタックはダブルカリバーでサリスにトドメを刺していく。 「私達も行くよ、フェイトちゃん!」 「うん、なのは!」 フェイトとなのはも上空からワームに攻撃を開始する。 「(ワームよりも今はコイツだ……!)」 ザビーはワームに気付いているにも関わらず、ギャレンへの攻撃を続けていた。 ギャレンもザビーのパンチを上手く流しながらギャレンラウザーの発射を続けている。 今回のワーム殲滅はなのは達に任せる事にした。 「カブト……いや、天道総司。お前は……」 「お前……名は何と言う?」 ブレイドの言葉を遮り、名前を聞くカブト。 「名前……?俺は、仮面ライダーブレイド……剣崎一真だ。」 カブトに聞かれたブレイドは自分の名前を名乗る。 「そうか……行くぞ、剣崎」 「……ああ、天道……!」 カブトとブレイドの二人はお互いの名前を呼び合い、ワームへと突進していく。 同時にサリス軍団の奥からカタツムリのような姿をしたコキリアワームと、 三葉虫のような姿をしたトリロバイトアンデッドが現れる。 どうやらこのアンデッドはたまたまワームと協力体制にあったらしい。 「現れやがったな大ボスが!」 それに対しさらに張り切るデルタ。 ワームの数は20匹。5人いれば一人4匹の割り当てでワームを殲滅できる。 「はぁ!」 「うぉおお!!」 さらに後からきたカブトとブレイドがお互いの武器をサリスへと振り下ろし、爆発させる。 お陰でサリス軍団は完全に壊滅。結局サリスを連れて来ても意味は無かったようだ。 「行くぜぇー!」 デルタはフレイムセイバーでコキリアワームに斬り掛かる。 横、縦、斜めとあらゆる角度から斬って斬って斬りまくる。 コキリアワームは少し距離をとろうとデルタから離れるが…… 「フン!」 今度はアギトのフレイムセイバーに斬られてのけ反る。 そこで右腕のムチを近くにいたライダーに飛ばすが…… 「当たるかよ!」 ガタックはそれを回避。さらにダブルカリバーで鞭を叩き斬る。 これはまずい。そう感じたコキリアワームはクロックアップを発動。そのまま逃走を謀ろうとするが、やはりそう上手くいく訳も無く…… 「逃がさないよ!」 『Plasma lancer.』 すぐにフェイトの放ったスフィアがコキリアワームに全弾直撃。 すぐにクロックオーバーだ。 「んじゃ、そろそろラスト行くぜ!」 フラフラと立ち上がるコキリアワームにフレイムセイバーを振りかぶるデルタ。 「必殺……俺の必殺技ぁ!」 デルタは力任せにフレイムセイバーを振り下ろす。それに直撃したコキリアワームは苦しそうに悶えるが…… 「はぁーーー!」 今度は燃え盛るフレイムセイバーを持ったアギトのセイバースラッシュが直撃。 それだけでも十分致命傷なはずだが、それで終わらせてはくれない…… 「ラスト行きます!本日三発目っ!!」 言いながらコキリアワームにレイジングハートを向けるなのは。 そして…… 「ディバイィン……バスタァーーーーーーーッ!!」 『Divene buster.』 そのまま凄まじい勢いで発射された閃光にコキリアワームは飲み込まれた……。 「はぁ!」 クナイガンでトリロバイトアンデッドを斬りつけるが、相当固い皮膚らしくなかなか傷を付けられない。 ブレイドも同じようにブレイラウザーを振り下ろすが、あまり効いている気がしない。 ならば…… 「同時攻撃だ……!」 そこでカブトは次の作戦を立案。ブレイドと二人で同時に攻撃を仕掛ける。 「「たぁッ!」」 クナイガンとブレイラウザーを同時に叩き付ける。 すると今回は少しダメージが通ったのか、数メートル後ずさる。 これなら行ける。 「今だ!」 「ああ、やるぞ!」 二人はお互いの顔をみた後、すぐにトリロバイトアンデッドに目線を戻す。 そしてブレイドはラウザーから3枚のカードを取り出し…… 『キック』 『サンダー』 『マッハ』 『One-Two-Three!』 ブレイドはカードをラウズ、カブトはフルスロットルを三回押す。 『ライトニングソニック』 『Rider Kick(ライダーキック)』 そして三枚のカードが宙に浮かび、そのままブレイドの体に吸収される。 一方カブトはベルトから放たれたタキオン粒子が右足にチャージアップされる。 そして同時に飛び上がった二人は…… 「はぁーーーーーーーー!!」 「うぇーーーーーーいッ!!」 ほぼ同じフォームで空中で一回転し、そのままトリロバイトアンデッドを蹴り飛ばす。 ダブルライダーキックが炸裂したトリロバイトアンデッドはさらに吹っ飛び、地面に転がる。 カシャッ! そしてトリロバイトアンデッドのアンデッドバックルは開く。 これは「封印できる」という合図だ。 ブレイドは一枚のプロパーブランクのカードをトリロバイトアンデッドへと放り投げる。 カードはヒュンヒュンと音をたててアンデッドに突き刺さり、そのままカードに吸収される。 そのカードはすぐに自分の元へと帰ってくる。 「天道……お前は一体何者なんだ?」 カードを受け取ってすぐにカブトに尋ねるブレイド。 その質問に対し、ゆっくりと太陽を指差すカブト。 「俺は天の道を往き、総てを司る男……天道総司だ……」 その言葉を聞いたブレイドは「ははっ」と笑い出す。 カブトもそんなブレイドの反応に「フ……」と笑みをこぼす。 「俺……あんたを信じてみるよ。あんたの言葉を……」 「いいのか?俺を信用して」 「ああ。信じてみたいんだ……」 さっきカブトが言っていた戦う理由。その言葉に嘘があるとは思えないのだ。 カブトもブレイドの言葉を聞き、誰にも解らないように仮面の下で微笑んだ。 周囲を見回せば、いつの間にかアギトの姿は消えていた。 どうやらアギトはこの混乱に乗じて姿を消したらしい。 まぁ翔一とはまたいつでも会える。カブトはあまり深く考え無いことにした。 「さて……そろそろ終わらせるか。」 天道はそう呟き…… 「加賀美、クロックアップだ!」 大声で指示するカブト。 「え……何でだよ!?」 「そろそろ終わりだ。」 ガタックは訳が解らないといった感じだが、とりあえず指示に従う事に。 『『Clock Up(クロックアップ)』』 二人は再びクロックアップを発動させる。 「おい天道……何するつもりだよ?」 「クライマックスだ。最後のライダーキック……行くぞ。」 言いながらほぼ止まっているに等しいギャレンとザビーを見るカブト。 ガタックも「なるほどな……」と納得し、二人はゼクターのフルスロットルを押し始める。 『『One』』 ゆっくりと歩きながらザビーとギャレンに近づく。 『『Two』』 カブトはザビー、ガタックはギャレンに向かってゆき…… 『『Three』』 「ライダー……キック。」 「ライダーキック!!」 二人はザビーとギャレンの目の前で立ち止まり、勢いよくゼクターホーンを倒した。 『『Rider Kick(ライダーキック)!!』』 「はぁッ!!」 「おぉりゃあああああ!!」 カブトは回し蹴り、ガタックは飛び蹴りでそれぞれのライダーキックを直撃させる。 蹴られた二人はゆっくりと浮き上がり…… 『Clock Over(クロックオーバー)』 ゼクターがクロックオーバーを告げると同時にクロックアップは終了。 「「な……ッ!?」」 さっきまでゆっくり浮かんでいたザビーとギャレンも一気に吹っ飛ぶ。 過度のダメージにより変身が解除されたクロノは悔しそうにカブトを見上げる。 「お前達……少し頭を冷やせ。人々を守るはずのお前達がその目的を忘れてどうする?」 カブトに言われたクロノは返す言葉を無くす。 「そして橘、お前もだ。……今回はもう帰れ」 「だがザビーゼクターがまだ……!」 「これは命令だ!」 「……ッ!?」 キツい口調で言うカブトに、橘も黙ってしまう。確かに権力は橘よりも天道の方が上だ。 橘は不服だが「……わかった。」と了解する。 カブトはそのまま変身を解除し、ゆっくりと歩き始めた。 「お、おい天道……アイツどうするんだよ!?」 加賀美が指差すのは白いライダー……デルタだ。 天道は少し「……」と考えるが…… 「知るか。」 そのまま再び歩き始めた。 「ちょ、ちょっと待てよ!」 加賀美は慌てて天道を追い掛ける。 「へへ……俺、最強!」 言いながらデルタギアを外す良太郎。 同時に良太郎から赤い何かが離れ…… 「アレ……?どこ……ここ……」 キョトンとした顔で周囲を見渡す良太郎。 周囲ではなのはとフェイトが険しい表情で自分を睨んでいる。 「あ、あの……ボク、もしかして何かしちゃった……?」 次回予告 橘の前にエリアZから来たという人物が現れる。 その一方で異形の姿と力を手に入れてしまった二人の男は邂逅する。 そして決着をつける為、ついに激突する二人……! 次回、リリカルなのは マスカレード ACT.13「激突!なのはvsハイパーカブト!!」 に、ドライブイグニッション!! スーパーヒーロータイム 小沢「なんで氷川くん最後スルーされてたの?」 氷川「アギトから受けた攻撃のせいでバッテリーが完全に上がったんですよ!」 小沢「あ、そうなんだ?だったらそう言いなさいよ」 氷川「いや、そんなこと言われても……」 良太郎「……貴方も、結構不幸なんですね……」 モモタロス「次回もよろしくな!」 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/tmnanoha/pages/446.html
クロス式・意外と壮絶な機動6課の慰安旅行 小ネタとして描かれた、とある旅行の風景 型月・リリカル両キャラのオールスター出演による温泉旅館での3日間 双方キャラの競演 慰安旅行―プロローグA-慰安旅行―プロローグB-慰安旅行―プロローグC 慰安旅行―一日目A-慰安旅行―一日目B-慰安旅行―一日目C 慰安旅行―二日目A-慰安旅行―二日目B-慰安旅行―二日目C 慰安旅行―二日目祭A-慰安旅行―二日目祭B-慰安旅行―二日目祭C-慰安旅行―二日目祭D