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松戸のあれについて 千葉県松戸市在住 22歳(2006年10月現在) 好物 たむら丸 チョコバット すきなもの たむら丸 オナ○ー(※) ティクビ責め ※シコる、せんずり、自慰行為、マスターべーション ともいう(詳しくはアップロードした画像参照) きらいなもの 海老 コーン 暗がり カエル(X斬りできるカエルではない) あだ名 ガ○ベス バ○ッド
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ゆっくりしないでね!3 テストようやく終わりました;w; 駄文でよければ見てください。;w; 男は唖然としてた。あのゆっくり一家全員に地獄をみせるつもりだった。しかし地獄を見せる前にれいむと実ゆっくりは逃げてしまった。 自分の家は木々が生い茂る山に接しており、あのゆっくりは恐らくこの山に逃げただろう。 木々の生い茂る場所に逃げたゆっくりを探すことはとても大変だ。 すぐにカツオ(犬)を使い追跡しようと考えた たまらなく悔しかった。ゆっくりごときに踊らされたことが。自分のエゴをゆっくりごときに通せなかったことが。 あの逃げれたゆっくり一家はこれからどこかでゆっくりし、無駄な生を謳歌すると思うとくやしさで気が触れそうだった。 足をみるとまりさが脛のあたりを必死に残った歯で噛みついていた。 かなり痛い。噛まれた部分は見えないが血が滲んでいるだろう 「糞饅頭・・・・・お前には・・・・生きてきたことを後悔させてやるからな・・絶対に」 男は忌々しそうに呟くと噛みつかれながら部屋の隅においてある蠅叩きを手に取る そしてそれを全力で振るう パァン!!! 「ゆびゃあ!!!!」 まりさはゆん生の中で一度も感じたことのない異質な痛みにたまらず悲鳴を上げる その拍子に男の脛から口を放してしまう 「ゆびゃあああああああああ!!!いだいいいいいいいいいいいいいい!!!」 まりさは男の周りでのたうち回っていた。まりさの肌は脂汗を分泌し始め、徐々にとヌメりを帯びてくる。 ゆっくりの肌は人間の肌よりも痛みに対して敏感だという報告もある。 激しく痛がるまりさを見ても一切の慈悲を見せずに、男は何度も蠅叩きでまりさを叩く。 パァン!!「ゆびゃあ!!!」パァン!!「いじゃい!!!」パァン!!「やめじぇ!!!」パァン!!「ぐぎゅ!!?」 まりさの肌に蠅叩きの網目が無数に付き、全身が赤く腫れあがるころにはまりさ餡子をブクブクと吐き出しながら痙攣していた。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ「パァン!!」ゆ゛っ!!?」 痙攣していてもなお叩く男。その手は止まらない。まりさの反応はだんだんと小さくなってゆく。 日が高く昇りかけた頃になり、叩くだけ叩いて疲れたのか男は手を止める。 「ハァ・・ハァ・・・糞・・肩と腕がいてえ・・・わかってると思うんだ・・・」 ちらりとまりさをみると、ヌメりきった全身に網目模様が付き餡子の色が滲んでいる。所々小さくではあるがまりさの肌は破け液状餡子が流れ痛々しい。 痙攣し、気絶してるまりさを見てめんどくさそうな顔をした後 男は小麦粉を水で溶き、それをハケでまりさの全身を塗りたくり、傷の補修をする。 「このまま死んだら楽だからな。お前らはもっと生き地獄を味わうべきだ ・・・・・・・・わかってると思うんだ(ボソッ)」 満身創痍のまりさを先ほどまで入れていた透明のケースに放り投げるように入れ、蓋を閉める。 「くそ・・・あの逃げた赤饅頭を追わないとゆっくりしちまう・・・・」 そう、男はまりさを叩くことに夢中になりすぎてれいむを追うことを忘れてしまった。そのことを後悔する男。 「クソッ!・・・・・・明日は仕事なかったら今からでも探しに行けるんだが・・・・・・・・」 男は明日から10日ほど連続で仕事をする予定になっている。仕事内容は農家の土地に出没するゆっくり駆除などである。 れいむを追って地獄を見せたいところだが明日の仕事を休むわけにはいかない。 それに農家のゆっくり駆除はそれなりに肉体労働であるため明日に疲れを残すわけにはいかないと考えていた。 「くっそ・・・絶対見つけ出して地獄を見せてやるからな・・・」 れいむは運がよかった。逃げている間に捕食者やゆっくりに仇なす動物などに出くわさなかったのである。 さらに幸運なことに倒れるまで逃げ続けた結果、その付近の群れの一員に倒れているところを発見され群れによって保護されていた。 れいむが男のところから逃げ出してから丁度3日。 れいむは保護された先で、夢を見ていた。 れいむの寝ている場所には藁や羽毛が敷き詰められており、とても気持ちよさそうであったがれいむはひどくうなされている。 夢の中、れいむは朽ちた木の洞に作ったおうちの中で、子ゆっくりに成りかけの我が子と最愛の夫であるまりさを探す。 「ゆぅ・・・れいむのかわいいおちびちゃん・・・ゆっくりしていってね・・・どこにいるかおしえてね」 れいむは意識していないが、現実世界で無いそこは雑音が一切入ってこない、まさに無音の世界であった。 「ゆぅ・・どこにいるの!おかーさん怒るよ?ゆっくりしないで出てきてね」 何の返事も返ってこない事にれいむの表情は焦燥の色がでてくる。 「ゆぅ・・・スーー(息を吸う音) ゆっくりしていってね!!!!」 全力でゆっくりしていってねを言う。しかし返事はどこからも聞こえない。 れいむの顔は泣きそうであった。 洞の中を探すのはやめて外へ出ようとした時、洞の中から何やら気配を感じた。振り返ると子れいむ2匹と子まりさ2匹が洞の中で座っていた 「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!」」」」 元気よくゆっくりしていってねをする子ゆっくり達 「ゆっ!ゆっくりしていってね!!どこにってたのおちびちゃん?あまり心配させないでね!ぷんぷん!!」 子ゆっくりたちはそう言う母れいむの顔を見ると、笑顔でれいむの側までやってきてす〜りす〜りした。 「おきゃーさんだーいしゅきー」「ゆっゆ〜♪」「おきゃーしゃんのほっぺゆっくちゆっくち」「しゅりしゅり〜」 子ゆっくりたちは一斉に甘えだす。れいむは「ゆっ くすぐったいよおちびちゃん♪すーりすーり」 れいむの顔は先ほどと違ってとても幸せそうな顔をしている。 「とってもゆっくりできるおちびちゃんたちだね!ゆっくりし「「「「ゆぎゃあああああああああああああああ あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」ゆゆ!!!びっくりしたよ!!」 子ゆっくりたちは一斉に苦しみ始めた。餡子を吐き出し、その丸い身体をグネグネと捩りながら苦しみ出す。 「「いじゃいよ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙ぎゃあ゙あ゙じゃあ゙あ゙あ゙あ゙ん゙!!!たじゅげじぇええ」」 子ゆっくり達の身体が分泌された脂汗にぬらぬらとてかり、髪の毛が一斉に抜け始め、まむまむに相当する場所が黒く炭化し始めてきた。 「おちびちゃんだぢどぼじだの゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!?まりざあ!!?まりざあ!助けてよ!!おちびちゃんたちが!!」 悲鳴を上げた後れいむは最愛の夫であるまりさに助けを求めるがまりさはどこにも現れない。 子ゆっくりたちは全身が薄く焦げ、変わり果てた姿となり、プルプルと震えているだけの丸い物体となっている。 「まりざああああ!!!おちびちゃんたぢがああああああああああ!!!!ゆっ!!」 れいむは洞に差し込む光が急に少なくなったことに驚き、洞の内側から外をみるとそこには 笑う人間さんと・・・見るからに強そうな犬さんが・・そして生気の抜け、目の焦点が合っていない最愛のまりさが・・・洞の前に差し込む光をさえぎる形で立っていた。 絶望感がれいむを襲う。 「おちびちゃんにげてえええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」 れいむは夢から覚めた。全身に寝汗がびっしょりとついていた。未だ気分が悪い。 仰向けのままあたりを見回す。どうやら土に掘ってある洞の中らしい。ゆっくりにしては大きい洞でとても住みやすそうであった。 「気づいたのねれいむ。外傷らしいところは無さそうだし、ただの疲労でしょう。安心していいわよ、むきゅ。」 洞の奥から発せられた声。仰向けに寝かされていた身体をグネグネと捩りながら起こし声の主を探す。 そこにはぱちゅりーが居た。れいむよりも二回りほど大きい。おそらく長生きした個体なのであろう。 そして地面を見てみるとれいむの下にはおふとんさんがひいてあった。 それはれいむの尋常ではない量の寝汗により湿り気を帯び縮みきっている。 「ゆぅ・・ここは・・」 「ここはドスが率いる群れの巣の一つよ。あなたは群れの近くで倒れてたのを発見されてここまでもってきたのよ、むきゅ。」 「ゆぅ・・・介抱してくれてどうもありがとうね・・・」 「どういたしまして。むきゅん。でもお礼ならドスと運んできてくれたゆっくりに言ってね、むきゅん。」 れいむは何かを思い出したようにハッする仕草をしたあと、周りをキョロキョロと見始めた。 「ねえぱちゅりー。おちびちゃんたち見なかった?」 「あの飾りのない子たちの事ね?あの子たちなら今は群れのれいむが世話をしてるわ。安心してね。今連れてくるわね。むきゅん。 待っている間にこれ食べておいてね。子持ちなんだから遠慮しないでね、むきゅん。」 そういうとぱちゅりーはバインバインと跳ねながら洞の外へいってしまった。 ぱちゅりーの子持ちという言葉にはっとするれいむ。上を向いてみると茎があり、それにはたった一つ、実ゆっくり(れいむ種)が付いていた。 れいむは他の実ゆっくりが人間さんにゆっくり出来ないことをされて潰れたのを「ゆ゙ぅ゙」と言って思い出す。 寝ている間あまり食べてなかったせいで実ゆっくりは頬がコケて、かなり痩せ細っていた。 その表情は実ゆっくり特優のうっすら笑顔を浮かべている寝顔ではなく、何かに苦しんでいるようなそんな表情であった。 「ゆゔ?!おちびちゃん!!ゆっくりしていってね!?今ごはんむーしゃむーしゃするからねっ!」 れいむはぱちゅりーが食べてといった食べ物を急いで口にする。 「むーしゃむーしゃ・・・・・し・・し・・しあわせーーーー!!!?」 長い間食べ物を口にしていない、空腹による美味しかったというだけではない。どれもれいむにとってそれ自体がごちそうであった。 干し野イチゴや干しイチジク、木の実さんに芋虫や虫さんや野菜さん。どれもとてもゆっくりできた。 バクバクバクと普段ならばれいむ一匹ではとても食べ切れない量をすぐに完食してしまった。 「ゆふー とってもおいしかったよ!」 実れいむを見上げてみると先ほどまでの苦しそうな寝顔は無くなり、とても安らかな顔つきになっている。 そしてゆっくりではあるが、目に見える速度でゆっくりと膨らんでゆく。栄養(餡子)行き渡っているのだろう。それを見てれいむはゆっくりできた。 「待たせたわねれいむ」 ぱちゅりーがれいむのところに戻ってきた。その後ろにはれいむが二匹おり、 その二匹は大きな葉っぱを口を使って担架のようにし、子ゆっくり(作者には判別不能であるがその内訳はれいむ種1まりさ種1)二匹を運んできた。 二匹の子ゆっくりは、未だ寝たきりであり、黒く炭化したまむまむと髪の毛の状態(ハゲ)はそのままであった。 しかし、全身焼けただれ、黒っぽくなっていた肌は少しだがゆっくり本来の肌色を取り戻していた。 「ゆうっ!おちびちゃんたち!!ゆっくりしていってね!!!」 といい、れいむは二匹の子ゆっくりにすーりすーりをする。 とするとどうだろう。子ゆっくりたちの肌はまだカサついてはいるが、元のフニっとし、すべすべな肌を若干ではあるが取り戻していた。 「おきゃーしゃん!ゆっくちしていっちぇにぇ!!まりしゃはもうだいじょうぶだよ!ここの群れはとってもゆっくちしてりゅよ!」 あれだけの怪我を負い、元気が無くしていたまりさが元気を取り戻したことに驚くれいむ。 「れいみゅのごはんも用意してくれてとってもゆっくちできたよ。しあわせ〜だったよ。ゆんゆん。」 「むきゅん 子ゆっくりたちの状態が酷かったから秘伝のお薬をつかったのよ 大分よくなったみたいね。むきゅん。 まだ完治はしてないけど栄養のあるものを食べさせていればもっとよくなるわ。」 「この辺りはドスの管理もあって、とっても食料が豊富で、えいよーのあるものがたくさんあるからゆっくりできるよ」 と運んできたれいむが言う。 母れいむは子ゆっくりたちを見ると若干前よりも大きくなり、そしてぷっくりとしていると感じた。全身火傷で失った肌の艶も少しではあるが出てきている。 完治も夢じゃないかもしれない。えいよーのあるゆっくりしたものを食べさせてもらったんだなあと思う。 どうやらこの群れは見ず知らずのれいむたちにとてもとても手厚い介抱をしてくれたようだとれいむは理解した。 人間にあれだけ酷いことをされ、傷つき落ち込んでいた心に親切にされたという事実が浸みわたりれいむは涙が自然と出てきた。 「ゆゅゅ・・・ありがとおぉぉ・・ほんとにありがとね・・れいむ うれしいよ とってもゆっくりできるよ・・・」 この暖かい気持ち 「ゆっくり」だ。それを感じながられいむは「ゆんゆん」と泣き始めた。 「むきゅん。別に当たり前の事をしただけよ。困った時はお互いさまでしょう?」 照れながら言うぱちゅりー。 そんなぱちゅりーを見ながられいむは子ゆっくりに聞こえないようにそっとある質問をする。 「ねえぱちゅりー・・・髪と・・・その・・まむまむは治るかな・・」 「むきゅう・・・髪は時間がかかるでしょうが治ると思うわ。むきゅん。 でも・・まむまむはむきゅん、正直に言うわ。 治らないわ・・・肌と違って、秘伝のお薬を使っても、まむまむは手の施しようがなかったのよ。ごめんなさいね・・・むきゅう・・」 ぱちゅりーはそう言って少し残念そうにうつむいた。 「そっか・・・ごべんでぇ・・おちびちゃん・・・・・守ってあげられなくて・・・ゆ・・ゆぅ・・・・ゆえええええええん」 またれいむは泣き始めた。もうおちびちゃんたちは胎生出産をすることができなくなってしまった。まだ蔦を使ってでの出産は可能ではあるが、 我が子の不憫さにどうしても涙が出てきてしまう。 「お取り込み中のところちょっといいかな?」 ゆぅゆぅ泣いているところに、の太い声が聞こえた。 どうやら洞の外から発せられた声のようだ。声の主を確認するためにれいむは洞から顔を出す。 そこには洞には到底入りきらないようなサイズのまりさ・・・ドスがいた。3メートル近くはあるだろうか。羆もびっくりなサイズである。 穏やかな顔とは裏腹に身体中には歴戦のものと思われる傷跡が無数にあった。 「ゆぅ!ドスだね れいむたちを助けてくれてありがとね とても感謝してるよ! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね、れいむ。ここは人間さんから貸してもらったドスたちのゆっくりぷれいすだよ。群れのみんなから聞いたけど大変な目に遭ったんだってね。 れいむさえよければ子供たちの傷が治るまで居ていいからね。」 れいむの顔がパァっと明るくなる。ここはなんてゆっくりしたところだろうかとれいむは思う。 「ありがとうドス。子どもたちもとってもゆっくりできてるよ。ドスのおかげだよ」 「どういたしましてだよ、れいむ。ところであの子ゆっくりたちの傷って、やったの人間さんでしょ?」 突然今回の悲劇の核心を突く言葉に顔を硬直させるれいむ。 「でい゙ぶだぢばな゙に゙も゙じでな゙い゙の゙に゙・・・・・・い゙ぎな゙り゙人間ざん゙が・・・ゆ゙ぅぅぅ・・・酷い゙ごどを゙・・・ゆぅぅぅぅ・・」 いきなり泣き出し、嗚咽を漏らすれいむ。 「やっぱりそうなんだね。でも安心してね。ここは人間さんとの協定があるからゆっくりできるよ。ゆっくりしていってね!」 この群れは人間と協定を結んでいた。ドスはそれをれいむに説明した。 おおまかな協定内容はこうだ。 1 ゆっくりたちはマツタケやイワタケなど人間にとって高価な山の幸を広範囲にわたって探し、人間がやるように綺麗に収穫し、それを人間に献上する。 または、ゆっくりが狩れない高価な食材の位置を人間に伝えたり、綺麗な石(宝石の類)なども見つけたらそれも献上する。 2 献上する際、ドスは人間たちに群れの繁殖状況等を報告する。 3 人間は献上されている限りゆっくりを殺さない。そして人間は集落で捕まえた虫や出来そこないの野菜や野菜くず、普段食べないような木の実などを適当に渡す。 4 一つの番が子供を産むのは生涯をかけて3匹まで。それを守れないゆっくりは群れによって永遠にゆっくりさせられるか追放である。 ただし何かしらの理由で成ゆっくりになれなかった場合や災害で群れの総数が著しく減った場合にはそれは適用されない。 5 人間側が増えすぎだと判断した場合、群れでそのゆっくりを処理するか、この村の人間の縄張りの外まで連れていくか人間に渡すかのどちらかを選んでもらう。 6 人間と争いは絶対に起こしてはならない。それはこの村の人間に限ったことではない。 7 この辺りの土地は人間さんのものである。よって、ゆっくりは人間さんの慈悲でこの土地に住まわせてもらっているだけであって、 ゆっくりはこの土地がゆっくりのものであるということをいかなる場合においても主張することはできない。 8 条約が守られない場合ゆっくりはこの土地から出ていくか、永遠にゆっくりすることを選んでもらう。 などと、ゆん口調節までさせられているかなり不平等な協定内容ではあったが、守っている限りここのゆっくり達の生活は安寧としたものであった。 そして追加情報は、この付近の人間さんはここ以外の人間さんよりも気性が荒くなく、ゆっくりできるらしい。 そして、冬籠りの際の食糧援助などもしてもらえるらしい。 「ゆう?・・そうなんだ・・じゃあ、ゆっくりドスの気持ちに甘えさせてもらうね」 「ゆ!そうしてね。この群れにはまだまだ余裕があるからゆっくりしていってね。」 そう言い残しドスは自分の巣へ帰って行ってしまった。 「むきゅ れいむは今日から子供達が治るまでここに住めばいいと思うわ。丁度だれも住んでなかったから」 「ゆ!ありがとうぱちゅりー。そうさせてもらうね。」 「それじゃあわたしは自分のおうちにかえるわね。ゆっくりしていってねれいむ。おちびちゃんたち。」 「「「ゆっくりしていってね(ゆっきゅりしていっちぇにぇ)」」」 ぱちゅりーが出て行って、れいむと子ゆっくり二匹になったれいむ一家。 「おきゃーしゃん ゆっくちゆっくち」 子ゆっくりたちが母れいむに甘えてくる。れいむはそれをすりすりで返した。 (れいむたちはこれからゆっくりできる。でも・・でも・・まりさが心配だよ。きっとまだ生きてるよね!れいむ心配だよ。 おちびちゃんたちがもう少し大きくなったら探しに行くよ!だからまりさ・・絶対生きててね!) 頭に生えている実ゆっくりを見つめる。もうすぐ生まれるだろうと本能的にれいむは感じ取った。 「ゆぅ・・れいむのおちびちゃん・・安心してゆっくり生まれてね・・絶対れいむが守ってあげるからね・・・」 れいむはそう心に誓う。 それからのれいむ一家の生活はとてもゆっくりしたものであった。 子ゆっくりたちは成長し、野球ボールサイズからソフトボールサイズとなり、赤ちゃん言葉が抜け、そして肌は昔のように柔らかさとハリを取り戻していた。 子ゆっくりたちは寝た切りの状態から赤ゆっくりと同じくらいの運動量をこなせるくらい回復していた。 頭からはまばらではあるが、うっすらと髪の毛が生え始め、その色の違いによりれいむかまりさかを見分けることができる。 そして新たに生まれた赤ちゃんゆっくり。蔦に成っていた実ゆっくりの最後の生き残りである赤れいむは元気に生まれ、今は帽子のない姉たちと元気に遊んでいる。 その赤れいむはいまや家族のアイドル的存在である。れいむは赤れいむを見るたびにこのおちびちゃんをまりさに見せてあげたいと思うのであった。 「おちびちゃんゆっくりしていってね!」 「おねーちゃんゆっくちゆっくち」 「おちびちゃんたち!ゆっくりしてるね!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり(ち)していってね(にぇ)!」 子供たちは赤ゆっくりと鬼ごっこをしたり、ゆっくりごっこをしたりでとても生き生きとしていた。 「ふわあああああ〜〜〜むにゃむにゃ・・・れーみゅもうちゅかれちゃよ・・・ゆっきゅりおひるねしちゃいよ」 「ゆっ!そうだねおちびちゃん。おねーちゃんたちと一緒にお昼寝しようね!」 そういって昼寝を始める子供達。母れいむはそれを見ながらゆっくりした気分に包まれていた。 今の家族はすべてこの赤れいむが中心に回っていると言っても過言ではない。赤れいむは一家にとってはとっても愛らしく、可愛く、まるで天使のようであった。 それから子供達を起こさないようにそっと巣(仮)を出て、昼寝から覚めた後のおやつとなるものを探しに回る。 まりさのことは心配だ。しかし、今は子供達を自分の力で生きられるようにすることが先だろう。まずはえいよーのあるものをしっかり食べて成長することが第一。 れいむはそれがまりさの願いでもあると考える。 「ゆふふふふ・・おちびちゃんたち喜んでくれるかな・・」 れいむはやわらかい花を口にくわえ巣へ戻る。 巣では子ゆっくり達と赤れいむが仲良く寄り添い、ゆーゆーと言いながら寝ていた。 「ゆっくりしたおちびちゃんたちだね!れいむうれしいよ。」 れいむは子供達が起きないように静かに巣に入ったが、赤れいむはその気配に気づき目が覚めた。 「ゆぅ〜おきゃーしゃん ゆっくちおはよう!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!おちびちゃんたち!おやつもってきたよ!」 「ゆわーい」 「おやつおやつー」 「ゆっくち、ゆっくち」 子ゆっくりは花にかぶりつく。うっすらと甘い味、フローラルな香りがとてもゆっくりさせてくれる 「「むーしゃむーしゃ ゆゆ〜しあわせ〜」」 赤れいむには母れいむが噛みほぐしたものを口うつしで与えてやる。 「ゆー しあわしぇー!」 親ゆっくりも子ゆっくりも赤れいむもそこでの生活は何もかもがゆっくりできた。ずっとここにいたい。ここには「ゆっくり」がある。 だがそんなゆっくりした生活はもう終わる。 なぜなら人間が連日の仕事を終え、一家を探し始めたからである。 「ちっ、この付近にはあの糞饅頭いないっぽいな」 男は忌々しげに舌うちをし、足元に転がっている成体のゆっくりまりさを蹴り飛ばす。 ズン!!「ゆげぇ!!」 蹴られたまりさは10メートルほど先に落下した。 「まりさああああああああ!!!」 「おとおおおしゃああああああん!!」 それを見ていたれいむと子ゆっくりたちは声を上げる。 男はあのまりさの妻であるれいむとその子供達を探しに森まできていた。 その際ゆっくりを見つけては禿げた子ゆっくり二匹を連れたれいむは知らないかと聞きまわった。 知らないと答えたゆっくりはみな適度に重傷を負わされ、まむまむを割かれ、目を潰され、舌を引き抜かれた。男は子供も大人も区別なく平等にそれを行った。 今この男によって新たに捕えられた一家が男の尋問を受けている。 一家がおさんぽ(笑)中に歌を歌いながら歩いていたのを男に発見されたのだ。 一家の構成は親れいむ、親まりさ、子れいむ×3 子まりさ×2であった。 ゆっくり一家は一切拘束は受けていないが、逃げたら犬に食い殺されることを知っている。 なぜなら、この一家の親達は子供だけでも逃がそうとした。その際一番早く逃げようとした子まりさに向かって、ゆっくりでは一生かかっても出せない 速度でカツオが飛びかかり、食い殺したのであった。次にその妹であるれいむを食い殺した。 まだ子供は3匹残ってはいるが、犬による圧力で、一家全員金縛りにかかりそこから動くことができない。 「なあれいむ・・お前は知らないのか?正直に答えてくれたら助けてやるぞ。その苦しみから解放させてやる」 「ゆ・・・ゆゆゆゆゆ・・・しらないよ・・・・ほんとうに知らないよ・・・おちびちゃんだけでも逃がしてほしいよ・・・・」 泣きながらガタガタと震えれいむは男に懇願する。 「そうか知らないのか。ならこんな舌はいらないよね。こんなまむまむはいらないよね。こんな目はいらないよね」 そう言うと男は子れいむを持ち上げる 「ゆっくりやめてね!おちびちゃんを放してね!」 男はそれを無視し、子れいむに手を伸ばす。 恐怖を感じた子れいむは親に助けを求める。必死に。 「おぎゃーしゃーんたすけてえええええええええ「ブスリ」ぴぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!?」 人差し指を子れいむのまむまむに深く突き立てる。子れいむの全身から謎の液体が大量に分泌されぬるぬるぬめぬめしてくる。 「だいじょうぶだって!こんなのすぐ終わるんだから」 突き立てた指をぐりぐりと回し、その穴を広げ、その広がったスペースに中指も入れる。その際子れいむのまむまむは裂けた。 「いぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 指を引き抜き、手をチョキの形にし、両目に指を突き立てる。 「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「やめてええええええええええええええええええええええ!!!!?おちびちゃああああああああああああああああん!!!??しっかりしてえええええ!!!?」 「れいむおねえちゃああああああああああああああん!!!?」 指を抜いても未だ悲鳴を上げ、大きな口をあけている子れいむ。男はその大きく開けられた口に、手を無理やりその口に入りきれない手を突っ込む。 その際、口の端がぶちぶちと音を立てて裂ける。 「ゆぐぐぐっぐぐっぐうぐぐ!!!??」 たまらずさらに悲鳴を上げる子れいむ。男はその悲鳴を無視し、ぬるぬるした舌を全力で掴み一気に引き抜いた。 ブツッ!!! 「!!!!!!!????????????!!!!!!!!?????」 悲鳴は消えた。代わりに物凄い形相をしてしーしーとうんうんを撒き散らしながら、ビッタンビッタンと跳ねまわる子れいむが居た。 子れいむの周りには無理やり手を突っ込まれた事により折れたり抜けたりした歯がいくつも転がっていた。 「おちびちゃああああああああああああああああん!!!?」 今度は子まりさに同じことをしようと手を伸ばした瞬間 「やめてね!!!!!」 先ほど蹴り飛ばした親まりさが叫んだ。 「まりさ達は知らないけど、この森をあの山に向かってずっと行ったところにドスのいる群れがあるよ・・・そこなら誰かそのれいむの居場所知ってるかもしれないよ・・・ まりさ達はしらないよ・・・お願いだよ人間さん・・もう酷いことしないで・・・まりさ達を見逃してほしいよ・・・・・」 まるい身体をクニって曲げている。本人は土下座のつもりだ。 (ふむ・・・どうやらこの一家は何も知らないみたいだな・・・このままこいつらを尋問を続けるのは時間の無駄か。 ドスの群れまで行って適当に捕まえた奴を尋問したほうがいいかもしれないな) 「わかった。尋問はもうやめてやる。俺も忙しいしな。情報を提供してくれた礼だ。楽に死なせてやる・・」 「ゆへ?」 男はまりさのところまで全力で助走をつけ、渾身の力を込めて蹴りあげた。 ドグシャッ!!「ゆべっ」 まりさは鈍い音を立てて、餡子を飛び散らせながら勢いよく木に激突し爆ぜた。 「ゆ・・・・?まりさ・・・?」 「おとうさん・・・?」 「ゆっくり・・・ゆっくり返事してね・・・?」 現状を把握しきれていないゆっくり一家。 「カツオ。食ってもいいぞ」 把握する間もなく死なせてあげようとするのは男の情報をくれたゆっくりに対する僅かな慈悲でもあった。 カツオがその言葉が発せられた途端、爆発するような速度で親れいむとの間を縮め、食らいつき、右側頭部を食い千切る。 「ゆぎゅ!!?」 側頭部の皮を飲み込んだ後、餡子をひたすらガフッガフッと音を立てながら貪るカツオ。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!まりざあああああああああたずげでええええええええ!!!?」 「おきゃあああああああしゃああああああん!!!?」 「ゆっくりしてええええええ!!!」 恐怖と痛みにより甘みを増した餡子を美味しそうに貪るカツオ。れいむの反応が段々と小さくなり 「ゆゆゆゆ・・・ああああああああああああ・・・ああ・・・お・・・・ち・・・・・・・に・・・・・げ・・・」 餡子を食い漁られまともに言葉を発することができないれいむ。 そのれいむが最後に見たものは、 愛する「おちびちゃん」が一匹残らず脳天から男の足に踏み抜かれ、 目やあにゃる、ゆっくりの身体の所々から命の素である餡子を盛大に噴出し、 そのあまりにも短い生涯を終える光景であった。 次
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『ゴルフ場でゆっくりと』 21KB 虐待 不運 番い 子ゆ 自然界 現代 虐待人間 独自設定 21作目です。わいは鬼威惨や! ※ゆっくりに関する独自の言葉がいくつか出てきます ※作中に出てくる人物の行動はマナー的に推奨されません 「ゴルフ場でゆっくりと」 ゆっくりたちの朝はわりと遅い。 日が昇る前からせっせと鳥が鳴き、野良猫が生ゴミを虎視眈々と狙う中、 人々は、朝の短い時間を割と忙しく過ごしている。 「朝」と「忙しさ」は非常に縁が深く、「朝は忙しい」というのは人々の中ではもう定番なのだが、 一方でゆっくりたちは毎日、その時間は巣の中でゆっくりと眠っている。 ゆっくりは、本能的にゆっくりできないことをとても嫌うので、 朝の早い時間にせかせかするようなゆっくりは ゆっくりできないゆっくりとして仲間から敬遠されてしまう。 そのため朝ゆっくり(朝ゆっくり眠ること)はゆっくりたちにとって、とても重要なステータスなのだ。 この日はちょうど祝日、人々は貴重な休みの朝をゆったりと過ごす。 毎日が休日のようなゆっくりは、いつものように朝ゆっくりを堪能する。 午前10時を回ったころ、山の斜面にあるゆっくりの巣の中から 目を覚ました子ゆっくりたちの鳴き声が聞こえてきた。 「ゆゆん、おめめしゅっきりーーーー!!」 「れいみゅいっぱいしゅーやしゅーやしちゃよ」 「まりちゃはきょうもいっぱいゆっくちしゅりゅんだじぇ!!」 「おちびちゃんたちおそとにでてきてね」 一家は巣の中から出て、恒例の体操を始める。 「いちにー」 「ゆんゆん」 「にーにー」 「ゆんゆん」 「もっとおげんきに!」 「ゆん!ゆん!」 「おさげをぴこぴこ」 「ゆんゆんゆん」 「のーびのーびみーんなーで」 「ゆん!ゆん!ゆん!」 「おちびちゃんたちすっきりできたかなぁーー?」 「「「しゅっきりーーーー!!」」」 親れいむ、親まりさ、子ゆっくり8匹、計10匹の家族は 体操を終えてすっきりしたところで、ぞろぞろと巣の中に戻っていった。 「ゆゆ、のーびのーびしちゃらおにゃきゃがしゅいちゃよ」 「「「おにゃきゃしゅいちゃーーーーーー!!」」」 「さあおちびちゃんたちみんなでごはんさんをいっしょにむしゃむしゃしようね」 「「「ゆっくちーーーーー」」」 「あさごはんしゃん!!」 「ごはんさんはたべきれないくらいあるからみんなでなかよくむーしゃむーしゃするんだぜ」 「ゆわーーーい」 「ごはんしゃんいっぱいたべりゅよ!!」 「むーちゃむーちゃ、しあわしぇーーーー!!」 一家は遅めの朝食を取り始める。 人間の世界でいうと、夜型の生活スタイルに近いのだが、 ゆっくりたちにとっては、これが最も理想的な朝の過ごし方らしい。 「ゆぷぅ、おにゃきゃいっぱいだよ~」 「おにゃきゃいっぱいになったからしゅーやしゅーやしゅりゅよ」 食事を終えると、子ゆっくりたちは小一時間ほど二度寝をする。 子ゆっくりたちが大人しく寝ている間に、親ゆっくりは朝の狩りに出かける。 そして親ゆっくりが狩りから帰ってきた後、今度は一家揃ってお散歩に出かける。 「ゆっくりおさんぽだよ!!」 このゆっくり一家は、この場所に移り住んできてまだ間がないため、 毎日のお散歩でいろいろな場所を歩き回っている。 そして今まで散歩中に、餌場や水場など生活に必要な場所をいくつも発見している。 この日ゆっくり一家は、辺り一面が芝生に覆われた場所を発見することができた。 そこは、人工的に芝生が植えられたゴルフ場であった。 「ここはじめんがとてもふかふかさんでゆっくりできるよ!!」 そこをゴルフ場とは認識していないものの ゆっくり一家は、芝生のたくさん生えたゴルフ場でゆっくりとすることにした。 「ゆっくちーー!れいみゅはこ~りょこ~りょしゅるよ!!」 「ゆゆっ、まりちゃもいっしょにこ~りょこ~りょしゅりゅじぇ!!」 「ゆゆ!きょうしょうだよ!!」 「ゆふふ、れいむがいちばんはやいよ」 「ゆっふん、まりさのほうがはやいんだぜ!!」 「ゆ・・・まっちぇよぉおお~~れいみゅをおいていかにゃいでにぇ!!」 ゆっくり一家は芝生の上でころころ競争を始めた。 快調な出足を見せた親まりさ 一方で、姉妹でも一番下の子れいむが一匹、出遅れてその場に取り残されてしまった。 「ゆわあああん、れいみゅはひちょりぼっちだよぉおおおお!!!」 子れいむの泣き声を聞いたゆっくり一家は、ふと後ろを振り返る。 「ゆ!?なかないでねおちびちゃん、おかーさんがいっしょにゆっくりしてあげるよ」 「まったくしょうがないんだぜ。おちびちゃんにはやくなるこつをおしえてあげるんだぜ」 「まりちゃもいっしょにゆっくちしてあげりゅよ!!」 「ゆゆっ、みんにゃといっしょなられいみゅさびちくにゃいよ!!」 「そうだよおちびちゃん、みんなでいっしょにゆっくりしようね!!」 心地よい午後の風がそよそよと流れる。 気温はゆっくりたちにとって適温で、直射日光が適度にゆっくりたちの体を温めてくれる。 底部に優しく触れる芝生は、ゆっくちたちにとって本当に心地が良いらしく、 とてもゆっくりできる環境がゆっくりたちを至福の世界へ誘う。 「ゆう、にゃんだきゃとてもねむたくにゃってきたよ・・・」 眠気がピークに達したゆっくり一家は、みんないっしょに芝生の上でお昼寝することにした。 「む~にゃむ~にゃ」 「ゆっくち・・・・す~やす~や」 「すぴーっ、ゆゆっ、すぴーっ、ゆゆっ」 不安や心配事とは全く無縁のゆっくりたち、みんな芝生の上で気持ちよさそうに眠っている。 空は雲ひとつない青空 鳥の黒い影が青いキャンパスを飛び交う 地面には青々とした芝生が生い茂り 山の高嶺から見降ろすと まるで緑の綺麗な空に黒い星がポツリポツリと浮かんでいるよう その黒い星は赤く光ったり黄色く光ったりしてコントラストを作り 緑の空を、汚くよごしている ゆっくり一家が昼寝を始めてから30分後、事件は起きた。 「ゆっ、しーしーがしちゃいよ」 尿意を催した一番下の子れいむが目を覚ました。 「そりょ~り、そりょ~りゆべっ、ゆっ、ゆぴーーーたすけちぇえええ!!!」 子ゆっくりの悲鳴で2匹の親ゆっくりは目を覚ました。 「ゆ!おちびちゃんのゆっくりできないこえがするよ。おちびちゃんはどこにいるの?」 「たすけちぇえええきょっちだよおおおおお」 「あっちのほうだぜ」 親れいむと親まりさは、声のする方向へ急ぎ足で向かっていく。 他の子ゆっくりたちは、姉妹の悲鳴が聞こえてもまだ昼寝を続けている。 「たすけちぇえええ」 「ゆんしょ、ゆんしょ、ゆゆっ、このあなさんからきこえてくるよ!!」 助けを求める子ゆっくりは、グリーン上のカップの中にいた。 カップの穴は直径、深さともに10cmほど、カップの中心には旗が立っていて、 子ゆっくりはちょうど旗とカップの隙間に挟まっていた。 子ゆっくりはカップの中で泣きながら、必死にのーびのーびを繰り返しているのだが、 子ゆっくりのゆん力(ゆっくりしたいという望みから出る底力)では外に出ることができないようだ。 「いまたすけてあげるんだぜ」 子ゆっくりを助けようと、親まりさは自ゆんの頭についたおさげを穴の中に垂らす。 穴の中にいる子ゆっくりは、上から垂らされたおさげにしがみつこうと口をパクパク動かす。 しかし残念ながら、まりさのおさげは子ゆっくりのところまで届かないようだ。 「ゆっくちできにゃいよおおおおお」 「おちびちゃんがんばってね。あとすこしだよ!!」 「ゆうう、なにかほかにいいほうほうが・・・ゆゆっあんなところにきのえださんがあるんだぜ」 「れいむはきのえださんをとってくるよ!!」 親れいむはグリーンから離れて木の枝と呼ぶ物体に近づき、それを口にくわえて運ぼうとする。 「ゆんしょゆんしょ・・・ゆっ、うごかないよ」 「ゆっくちしちゃいよぉおおおおお!!!!」 「おちびちゃんあとすこしだよ、あとすこしでたすかるからね。れいむはやくするんだぜ」 「うごけぇええええ・・・ゆぅゆぅ・・・・どぼぢでえ゛だざんはうごいでぐれ゛な゛いのお゛お゛お゛お゛」 親れいむが運ぼうとしている物はOBの杭だった。 地面にしっかりと埋まっているので、一匹のゆっくりが引っ張った程度ではびくともしない。 それにOBの杭は大きすぎて、子ゆっくりを助けるには見当違い、ということがれいむには分からない。 遠くから見ると、OBの杭が枝ほどの大きさに見えたので、 OBの杭は枝ほどの大きさだ、という先入観がれいむの頭の中を支配しているのだ。 「れいむはやくするんだぜ!!!・・ゆゆ!?あっちにもえださんがあるんだぜ」 れいむのいる反対方向に、まりさは別の枝のようなものを発見した。 「まりさがあれをとってくるんだぜ」 「おきゃーしゃんいきゃにゃいで。れいみゅひちょりぼっちだよぉおおおおお」 目的の物に向かってぴょんぴょんと跳ねていく親まりさ、 気が付くとツルツルした芝は少し深くなり、道も下り坂になってきている。 「ゆん、ゆん、ゆん、ゆゆ?こーろこーろするんだぜ」 「ゆゆ?まりさどこにいったの??」 「おきゃーしゃーーーーん」 下り坂はますます急になり、親まりさは前のめりになって転がり始める。 「こーろこーろゆぶっ、・・・・ゆゆ、ゆぺ、ゆぺっなんだかさらさらするんだぜ」 親まりさは、グリーン傍にあるバンカーに落ちてしまったようだ。 「えださんはどこいったんだぜ?ゆゆ、あんなところにあるんだぜ」 親まりさが枝と呼ぶものは、バンカーの砂を平らにする長さ2mほどのトンボだった。 その肝心のトンボはバンカーの外に置いてある。 やはりゆっくりは餡子脳、2匹とも全く見当違いな物を持っていこうとしている。 トンボを持っていこうとするにも、とりあえず親まりさはバンカーから外に出なければならない。しかし、 「ゆっ、ゆっ、ゆ?」 バンカーの縁はあり地獄の巣のようになっていて 親まりさが外に出ようとすると砂が崩れて、再びバンカーの中へ戻されてしまう。 コロコロ 「ゆぺっ、ゆぺっ、ゆうううんおそとにでられないんだぜ」 するとそこへ、まりさを探していたれいむが姿を現した。 「ゆゆ、まりさをみつけたよ・・ゆ、こーろこーろするよ!!」 コロコロ、ドスン 「ゆぺっ、すながおめめにはいったよぉおおおおお」 親ゆっくりは2匹揃ってバンカーにはまってしまった。 「れいむそんなことよりここからでておちびちゃんをたすけるんだぜ」 「ゆああああんおめめがいちゃくてみえないよぉおおおおおお」 「しかたないんだぜ。まりさがおめめをぺーろぺーろしてあげるんだぜ」 砂のついた舌で、れいむの目を舐め始めるまりさ。 「ゆ、ゆ、ゆ!?よけいにおめめがいちゃいよぉおおおおおおお!!」 「わがままいうなだぜ。それよりおちびちゃんをたすけないといけないんだぜ」 「・・・ゆ?おきゃーしゃんちゃちのおこえがしゅるよ」 「おきゃーしゃんはどこにいりゅの?」 近くで眠っていた子ゆっくり全ゆんが目を覚ました。 「ゆ!?おちびちゃんはこっちにきちゃだめなんだぜ!!!」 「ゆゆ!おきゃーしゃんちゃちあしょんでりゅみちゃいだよ」 「まりちゃもいっしょにあしょぶんだじぇ!!!」 「ゆわーーーいこーりょこーりょしゅるよ!!」 7匹の子ゆっくりが、親ゆっくりのいるバンカーの中へ転がりこんでいった。 「こーりょこーりょゆべ、いちゃいよぉおおおおおおしゅにゃがおめめにはいちゃよぉおおおおお」 「ゆぶ、おくちがむじゅむじゅしゅるよ」 「きょきょはにゃんだかゆっくちできにゃいにょじぇ」 「ゆぴーーーーおきゃーしゃんはやくたすけちぇええええええ」 「おちびちゃんたちおちつくんだぜ」 「おめめがいちゃいよぉおおおお」 「れいむもとにかくおちつくんだぜ」 ゆっくり一家はもう大パニックである。 ゆっくりできないストレスからわんわん泣き始める子ゆっくりたち、 その泣き声につられるように、目に砂が入ったれいむも大声で泣き始める。 まりさは何とかこの状況を打開しようと試みるも、バンカーの外へ出ることができないでいた。 それから数分後、ふぁーーーという変な声と共に、ゆっくり一家のいるバンカーに何かが飛んできた。 「ゆゆ?これはいったいなんなのぜ??」 一家がパニックに陥っている中、まりさだけが飛んできたものを冷静に観察していた。 しかしまりさには、白くて丸いそれが何なのか分からなかった。 さらに数分すると人の声が聞こえてきた。 「ったくもうやってらんね。隣のホールに打ち込んだのこれで何回目だろ・・・・ん?」 ゆっくり一家の前にやってきたのは、ゴルフをプレー中のおにいさんだった。 その顔は、あからさまに苛立ちの表情をしている。 「ゆ!ゆっくりしていってね!!」 「ああ、ゆっくりどもがバンカーにはまってら」 「おにいさんはゆっくりできるにんげんさんなのぜ?」 「いや全然ゆっくりしてねぇよ。」 「ゆ!?ゆっくりしていってね!!おにいさん、まりさたちをたすけてほしいんだぜ!!!」 「れいむはおめめがいたいよ」 「ゆわああんまりちゃもおめめがいちゃいいちゃいだよぉおおお」 「なるほどなるほど」 おにいさんはニヤッと笑みを浮かべた。 「おーーーい、俺ギブアップ!!それからここ最終ホールだから、俺はちょっと寄り道してから帰るわーーー」 「ゆゆ?」 「さてと、おや?あっちにも一匹いるみたいだな。このホールは人がいないようだし」 「そうなんだぜ、あっちのおちびちゃんもたすけてほしいんだぜ」 「あっちに行くことは行くが、ところでなんでてめえに指図されないといけないんだ?」 「ゆ!?」 「まあいい、連れてきてやるからそこで待ってろ」 「ゆ!おにいさんありがとうなんだぜ!!!」 カップの中でぴーぴー泣いている子れいむを拾い上げると、 おにいさんはすぐにゆっくり一家のもとへ戻ってきた。 「ゆゆ、おしょらをとんでりゅみちゃい!!」 「おにいさん、おちびちゃんをたすけてくれてありがとうなんだぜ!!!」 「なぁに、礼には及ばないさ。さて」 おにいさんは子れいむを少し強く握り始める。 「ゆびゃあああああああ」 「ゆっ、おちびちゃんがいたがってるんだぜ。はやくおちびちゃんをはなしてね!!!」 「だからなんでお前に指図されないといけないんだ?」 「ゆ!?」 子れいむを握る感触を存分に楽しむおにいさん。 一方で子れいむは、握られる度に大きな悲鳴をあげている。 「ゆげあああああああああああ」 「はやくやめてあげてね!!」 「いやだ」 「ゆっ、お゛にいさんはどうじでそんなごどする゛の?」 「一回ウィニングボール投げるの真似してみたかったんだよなぁ、そーーーれっ」 おにいさんが投げた子れいむは、見事な放物線を描きながら その先にある池にポチャンと落ちた。 いくら落ちたのが池とはいえ、かなり高いところから落ちたので 着水した瞬間に子れいむは破裂していることだろう。 「おちびちゃんになんてことするのぉおおおおおお」 「なにがあったのまりさ?」 「あのおにいしゃんはゆっくちできにゃいよ」 「ゆっくちにげりゅよ!!」 「ゆゆ?まりちゃをおいていきゃにゃいでにぇ!!」 子ゆっくりたちはバンカーの砂の上をもぞもぞと動き、足をとられながも逃げようとする。 だが、そもそもバンカーから出られないからおにいさんに助けを求めたのだから、 そんなゆっくりたちがおにいさんから逃げられる訳がない。 「さて次は、特に丸っこいコイツがいいな」 「ゆゆ!おしょらをとんでるみたいだじぇ!!」 一番丸々と太った子まりさがバンカーの外に出された。 「ゆ!おちびちゃんがおそとにでられたんだぜ。おにいさんありがとうなんだぜ!!」 「しーーーーっ!ショット前はお静かに」 「ゆゆ?おにいしゃんゆっくちしちぇ」 ビュン 「びゅっ」 「ナイスショット!」 「ゆ?おちびちゃんどこにいったんだぜ?」 ゆっくりたちが認識できないくらいの速さで、子まりさの体は四散した。 お兄さんの握ったクラブのフェース(ボールを打つ部分)には、小さな小麦粉の皮がペタっとくっついていた。 「おちびちゃんは星になったのさ」 散った餡子は無数の黒い塊となり、流星群のように地面へ降り注いでいく。 「ゆ、なにかとんできたよ。ぺーろぺーろ、ゆゆっ、これはあまあまさんだよ!!」 「あまあましゃん?」 「ぺーりょぺーりょ、し、しあわしぇええええ」 子ゆっくりたちは、今まで味わったことの無い至高のあまあまの味に魅了され、 口の中をむずむずさせながらも、砂の上に散在する餡子を夢中で舐め始めた。 「おにいさんがあまあまさんをくれたんだね!おにいさんありがとうなんだぜ」 「本当にどこまでもめでたいやつらだ。さて今度はパットの練習でもしようかな」 バンカーの中にいる子れいむを一匹ひょいっと持ち上げ、グリーンの上に置く。 おにいさんは今度はパターを持ち、ラインを読むフリをする。 「このグリーンは順目だからフックして・・・ああよく知らないけどまあいいや」 「おにいしゃんもっちょあまあましゃんちょうだいにぇ!!」 「よっと」 「ゆびゃ、ゆぴいいいいいちゃいよぉおおおこーりょこーりょしゅりゅよ!いちゃいよぉおおおこーりょこーりょ」 「にぎやかなやつだ。おお、でもいいとこいった。入るか入るか!!ああ惜しい、あと少し左だったか」 ゆっくりなど、グリーン上をどれくらいの速度で転がるか想像もつかないのに おにいさんは一発でその感覚を捉えることができた。 ゆっくりを使ったボールでなら、おにいさんはプロゴルファーを目指せるかもしれない。 ただ、パター以外で打つと簡単にボールが潰れてしまうのが残念な点だ。 「おちびちゃんのひめいがきこえるよ」 「次は親ゆっくりと子ゆっくりのコラボでいくか」 バンカーの中にいる親れいむと子れいむを持ち上げ、 親れいむの頭に木製のティーを刺してから、芝の上に置く。 「ゆぎゃっ、なんだかちくっとしたよ」 そしてティーの上に子れいむを乗せる。 「ゆわーい!れいみゅはおきゃーしゃんにたきゃたきゃいしてもらっちぇるよ!!!」 「ゆぎぎいちゃい。ゆぎゃ、おちびちゃんうごかないでね!!おちびちゃんがうごいたらいたいいたいになるんだよ!!!」 「ゆ?れいみゅはどこもいちゃくにゃいよ?」 「おちびちゃんじゃなくてゆぎゃっ、だからうごかないでっていってるでしょ!!」 「茶番はそのくらいにして、お静かに」 「たきゃいたきゃーーーぶっ」 「ゆげえええええええ」 「あらら、大きくダフッたな。失敗失敗」 おにいさんが振ったドライバーは 子れいむを消滅させ、さらにはティーごと親れいむの顔の一部を吹き飛ばした。 親れいむの顔は、頭から額そして眉間にかけてドライバーの形に沿ってえぐれている。 えぐれた部分からは、体内の中枢餡がちらりと姿を見せている。 「れ、れいむーーーーーー!!」 「ゆがあああああああいちゃあああああああいいいいいいい」 目に砂が入ったときとは比較にならないほどの痛みが親れいむを襲う。 「まあああああありいいいいいざああああああああ」 「れいむしっかりするんだぜ!!まりさがたすけてあげるんだぜ!!」 「いじゃあああああああいいいいいい」 しかしバンカーから抜け出すことのできないまりさには、れいむに対して何をしてあげることもできない。 まりさはただ、苦しみ続けるれいむの姿を見届けるしかなかった。 「無力だな」 「ゆ!?」 「お前は自ゆんの家族を一匹たりとも救うことができない」 「そんなことないよ!れいむはまりさがたすけてあげるんだぜ!!!」 「そうか、じゃあお前に何ができるか見せてもらおう」 バンカーの中にいる4匹、グリーン上のカップ傍にいる1匹、計5匹の子ゆっくりを芝生の上に並べる。 最初は8匹いた子ゆっくりだったが、3匹おにいさんが殺したのであとは5匹しか残っていない。 「ゆ?おにいしゃんあまあましゃんくれりゅにょ?」 「とっととあまあましゃんよこちてにぇ!」 「あまあましゃんくれにゃいとぷきゅーしゅりゅよ!」 「おにーしゃんはゆっくちできにゃいにんげんしゃんだよ、みんなにげりゅよ!!!」 「にゃにいっちぇるのじぇ、おにーしゃんはみんにゃにあまあましゃんをくれりゅんだじぇ」 パターで叩かれた一匹だけは、おにいさんに痛いことをされたのを覚えているようだが、 それ以外の子ゆっくりはあまあまがもらえると期待し、体を伸び縮みさせながらそわそわしている。 「さあ、お前の大事な大事な子ゆっくり。早くしないと減っていくぞ。ひと~つ」 パシュ 「ゆゆ!あまあましゃん!!!」 「あまあましゃんがおしょらからふってきちゃよ!!!」 「あまあましゃんおいちいいい!!!」 「やっぱりおにーしゃんはゆっくちしちぇりゅのじぇ!!」 「まりさのおちびちゃんがあああああああ」 おにいさんは、今度はゆったりとクラブを振ったので 子ゆっくりがクラブに潰されてしまったことを、まりさははっきりと理解できた。 しかし依然として、子ゆっくりたちは空から降るあまあまに夢中になっている。 「おにいさんこれいじょうはやめてね、ゆっくりできないよ!!!」 「やめて欲しいなら力で何とかしてみろよ」 「ゆううう・・・おにいさんゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「むだむだ、俺に説得は通用しない。ふた~つ」 ザシュ 「どうじでおにいさんはゆっくりしないの?もっとゆっくりしてよぉおおおおおお」 最初は強気だったまりさのだぜ口調は、もうすでに哀願の口調になっている。 しかしどんなに口調が変わろうとも、おにいさんの心は動かない。 「またあまあましゃんがふってきちゃよ!!」 「あまあましゃんがいっぱいでとちぇもゆっくちできりゅね!!」 「ゆぷぅ、れいみゅはもうおなきゃいっぱいだよ」 「み~っつ」 「ゆあああああああああああああああ」 ブシュ 「あまあましゃん♪あまあましゃん♪」 「おきゃーしゃんもこっちにきていっしょにあまあましゃんたべようよ」 「どぼぢでお゛に゛いざんはごんな゛ひどい゛ごどずるの゛?」 「なぜって?それは・・・・・・」 「おにいさんはゆっくりはんせいっしてね!!」 「おまえらがゆっくりだからだ」 「ゆ!?」 「よ~っつ」 ゴシュ 「あまあましゃんたべほうだいぢゃよ!!」 「おねがいだからやめてね。まりさたちはただゆっくりしたいだけなんだよ」 「そうかもな」 「そうだよ!!だからこれいじょうまりさたちにひどいことするのはやめてね!!!」 「だが、俺もお前らを虐めてゆっくりしたいだけなんだよ」 「ゆゆ!?それじゃまりさたちはゆっくりできないよ!!」 「別にいいじゃないか。お前らがゆっくりできなくても、「俺」はゆっくりできるんだから」 「どぼぢでぞんな゛ごどいうのぉお゛お゛お゛ま゛りさたちだっていぎでるんだよ!!!」 「お前らが生きてるだと、はは」 「どうじでわらうのぉお゛お゛お゛」 「だっておまえら」 「ゆっくりだっていきてるんだよぉおおおおおおおおお」 「大半がもう死んでるじゃん」 「ゆ!?」 「そしてお前もすぐに死ぬ。はい、いつ~つ」 ボシュ 「さて残りはお前と、放っておいても死ぬあいつだけだ。あ、そういえばさっき、あいつを助けるって言ってたな」 「ゆ!そういえばれいむ!?れいむだいじょうぶ??」 「ば・・・・でぃ・・・・・・・っざ・・・・・・・」 「この状態で助けられるんだろ?お前の力で何とかしてみろよ。 ちなみに言っとくが、俺は物理的にこいつを助けることはできない。どちらにしろ助けようとも思わないが」 おにいさんはまりさの体をひょいっと持ち上げ、重症を負ったれいむの前に置いてやる。 「れいむ、ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「も・・・・・っど・・・・・・ゆっぐじ・・・・・じだがっだ・・・・・よ」 「ぺーろぺーろ、ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「・・・・・・・」 「ゆっくりしていってね!!!れいむはゆっくりしていってね!!!ゆっくりしていってね!!」 まりさの訴えかけも虚しく、れいむはその後何も喋らなくなってしまった。 「やっぱり口先だけだったようだな。出来もしないのに大言を吐くんじゃねぇよ、ほら」 おにいさんは手に持ったアイアンを4、5度れいむに叩きつける。 するとれいむの姿は見るも無残な、ピラピラした皮の破片になってしまった。 「れいむうううううううううう!!!」 「ついでにお前も」 「ゆぎゃ、いだいよぉおおおおおおおお」 「そりゃアイアンで頬を殴ったら痛いだろうな」 「やめてよゆっくりできないよ」 「その言葉は聞き飽きた。もっと別の悲鳴を聞かせてくれ」 「おにいさんゆっくりしてね!!それからまりさをゆっくりさせてね!!」 「だめだこれからお前は死ぬんだ」 「いやじゃあああああゆっくりしたいよおおゆぶっ、うがあああああああああ」 おにいさんの振ったアイアンのフェースは、まりさの左頬から斜め下へ入り、 底面を削って右頬から真横へと抜けていった。 中枢餡は損傷を免れたものの、 シャフト(棒のところ)の部分はまりさの下顎を根こそぎ剥がしていった。 「次はどんな悲鳴を聞かせてくれるんだ?んん?ほら」 「びゅ、びゅえええええええええ」 2度目のアイアンはまりさの顔面に斜めから入り、 左眼球と上顎を真っ二つに裂いた。 「痛いか~?痛いのか~~~??」 「ゆううううううううう」 3、4度目のアイアンはわざと空振りさせ、 5度目のアイアンはまりさの頭の帽子に直撃し、帽子は数mほど前方に飛んでいった。 「さて最後はとっておきだ。この特大ドライバーで盛大に葬ってやろう」 「ゆああああああああああああああああ」 「派手に散れ」 ドシュッ ビルの屋上から地面へスイカを落としたように まりさの餡子は周りに激しく飛び散った。 小さな餡子の粒は、時間差で地面に落下していく。 表面の皮はドライバーのヘッドに絡みつき、 その皮には少量の餡子の残骸がへばりついていた。 ほんの30分前までは、平和に眠るゆっくり一家が10匹ほどこの場所にいたのだが、 この時点でゆっくりの形を留めた物はもう、ゆっくり一家の遺留品である10ヶのお飾りしか残されていない。 ゴルフ場でゆっくりと戯れたおにいさんは できる限り餡子の塊とゆっくりのお飾りを回収して、緑の上の汚れをクリーンにした後、 +10という数字をスコア用紙に書き込んでその場を後にした 鉄籠あき過去の作品 ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/1213.html
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『二択』 8KB 虐待 家族崩壊 虐待人間 失礼します。 『二択』 過去作 anko4445 anko4449 anko4452 anko4456 anko4461 anko4464 勢いで書いた部分が大きいので、読み辛いと思います。それでもよろしいという方は、どうぞ。 「ゆっくりしていってね!」 私が公園のベンチで一休みしていると、そんな声をかけられた。 足元を見下ろすと、そこにはゆっくりの一家。 「はいはい、ゆっくりしていってね」 私は取り敢えず返事を返してやる。込められた感情は、珍しいな、が3割、面倒だなあ、が7割くらいだ。 珍しい、と言っても、この一家そのものはまりさとれいむの番に、数匹の赤ゆっくりという一般的な構成だ。 ただ、この公園に住んでいるゆっくりは基本的に人間を恐れているから、非常時に一か八か『あまあま』をもらおうとするもの以外は人間には近づこうとすらしない。 だから、声をかけてきたこの一家が物珍しく感じたのである。 「ゆっ! にんげんさんは、ゆっくりしてるにんげんさんだね!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 そんな私の内心を知ってか知らずか、返事がもらえたことに喜ぶ一家。 そして、 「ゆっくりしてるにんげんさんは、まりさたちにあまあまちょうだいね!」 それが当然というように、そう宣った。 こいつらは、あれか。ただの馬鹿か。 おそらく、返事をしてくれるような人間だったら、あまあまをくれるに違いないと思ったのだろう。 そこには、何の警戒心もない。 最近では珍しいレベルの餡子脳である。 取り敢えず、その甘すぎる考えに現実を見せてやろう。 「れいむ、まりさとそのおちびちゃん達、どっちが大事かな?」 「ゆ? にんげんさん、なにいってるの? そんなことより、あまあまちょうだいね!」 「何言ってるのもなにも、言葉通りだよ。答えてくれたら、あまあまをあげることを考えなくもない。どっちが大事?」 れいむは、困ったように傍らのまりさを見た。 するとまりさは、微笑みを浮かべ、れいむに頷きかける。 れいむはすぐに私に向き直り、 「ゆっ! まりさもれいむも、おちびちゃんのためならゆっくりできないことでもがまんできるよ! だから、おちびちゃんのほうがだいじだよ!」 自信に満ちた表情で、言った。 「そっか」 私は、れいむに対して笑みを返し、 「じゃあ、まりさはいらないね?」 まりさを思い切り踏み潰した。 「………………ゆ?」 顔にまりさの餡子を付けて、残された一家が呆けた表情を浮かべた。 たっぷりと時間を置いて、 「ばりざああああああああああああああああああ!?」 「「「「「おとーしゃあああああああああああああああん!?」」」」」 一家は、面白いくらいに揃った叫び声を上げた。ただし、別に面白くはない。うるさいだけだ。 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおお!?」 すぐに、れいむの叫びは私への抗議へと変わる。 「どうしてって……まりさもれいむも、おちびちゃんのためならゆっくりできないことでも我慢できるんだよね?」 「そんなこといまはかんけいないでしょおおおおおおおおお!?」 「いや、あるよ。だって――」 まりさが大事だったら、おちびちゃんの方を潰してたから。 「…………ゆ?」 私の言葉を聞いて、れいむがぽかん、と口を開ける。 「なにそれえええええええええええ!?」 「いやあ、何それもなにも、人前に出てくるようなゆっくりは潰すのがマナーだしさあ」 言いながら、私は赤ゆっくり達を拾い上げる。 「「「「「おしょらをとんぢぇるみちゃい!」」」」」 「ゆ、はなちてにぇ! かわいいれーみゅがいやがっちぇるよ!」 「おちょーしゃんをころちたくしょにんげんは、ゆっくちちないであやまっちぇにぇ! ぷきゅううううう!」 「ゆんやあああああああ! きょわいいいいいいいい!」 私の手の上で、勝手気ままに騒ぐ赤ゆっくり達。 赤れいむが二匹に、赤まりさが三匹だ。 「おちびちゃんをかえしてねええええええ! いやがってるでしょおおおおおおお!?」 そう要求するだけで何もしないれいむの前に、私は右手に赤れいむ、左手に赤まりさを乗せ、突き出してやる。 「ゆっ! にんげんさん、はんせいしたんだね! そしたら、しゃざいとばいしょうとしてあまあまちょうだいね!」 この後に及んでもまだそんな発言をできるれいむにやや感心しながら、 「まりさ似のおちびちゃん達とれいむ似のおちびちゃん達、どっちが大事?」 もう一度、訊いてやった。 「「「「「ゆううううううううううううう!?」」」」」 驚きの叫びをあげたのは、赤ゆっくり達だ。 れいむは、口をぱくぱくさせているだけである。そろそろ、そういう反応も見飽きてきた。 「早く答えないと、みんな潰すよ?」 だから、取り敢えず急かしてやる。 「ゆ、おきゃーしゃん! まりちゃをたしゅけちぇね!」 反応が一番早かったのは、他よりやや大きな赤まりさだ。 「おきゃーしゃ! れーみゅぎゃきゃわいきゅにゃいにょ!?」 「げしゅのれーみゅにゃんかほっといちぇ、しゃっしゃとまりちゃをたしゅけちぇね!」 それに続き、他の赤ゆっくり達も命乞いを始める。 もう一方のネガキャンをするやつがいるあたり、将来が不安になる――まあ、こいつらに将来なんて無いが。 「さあ、どっち?」 言いながらさらにずい、と手を突き出すと、れいむは砕けるのではないかと思うくらい歯を食いしばりながら、 「れいむににた……おちびちゃんだよ……」 小さな声で、そう言った。 「ゆわーい!」 その言葉を聞き、単純に喜ぶ赤れいむ達。 「ごべんね、おぢびぢゃん……ごべんねぇ……」 「ゆ、おきゃーしゃ、どうちて……」 それと、れいむの泣き顔を交互に眺めながら、赤まりさ達は呆然としていた。 「いやあ、残念だったねぇ、君達」 その赤まりさ達に、私は話しかける。 「でも、仕方ないよ。だってれいむお母さんは、まりさに似てる君達より自分に似てるおちびちゃんの方が可愛いんだから。」 「ゆっ! ちが――」 「違うんなら、どうして『たくさん』いる赤まりさを選ばなかったのかな?」 「ゆぐっ!」 痛いところを突かれ、れいむは押し黙る。「ぼせい」を持つれいむらしい反応だ。 「やっぱり、君達はいらないんだってさ」 「ゆ、おきゃーしゃ、まりちゃは……いらないのじぇ?」 「…………っ」 れいむの沈黙を肯定と取った赤まりさたちは、 「こにょ、くじゅおやあああああああああああ!」 「……ゆっくち! ゆっくち!」 「おきゃー、しゃ」 三者三様の反応を返した。 れいむは目を閉じ、そこから顔を逸らす。 「君達がまりさに生まれたばっかりに、赤れいむ達とずいぶん差が付きましたぁ。悔しいでしょうねえ!」 「ゆ、きゃわいいまりちゃをゆっくちゆるちちぇ――」 そして、左手を、閉じた。 ぐしゃり、という感触がして、左手の上は静かになった。 「ゆ、にん、げん、さん」 何かを言おうとするれいむに、 「さて、どっちのおちびちゃんが大事?」 空いた左手に片方の赤れいむを載せ換え、間髪入れず、私は問う。 「ゆ、あ、もう、やべで……」 「どっち?」 私が詰め寄っても、れいむはがたがたと震えるばかりだ。 そんな時、 「いもーちょをたしゅけちぇにぇ!」 言葉を発したのは、右手の赤れいむだった。 私を含む全員の目が、そこに集まる。 「れいみゅはおねーしゃんだから、いもうちょをまもりゅよ! ぢゃから、いもーちょをたしゅけちぇね!」 キリッという効果音が聞こえそうな表情で、おそろしーしーを漏らしながら、もう一度赤れいむが言った。 「だってさ。それでいい?」 投げやりに私がれいむに聞くと、 「ゆ、おぢびぢゃん、だずげであげられなぐで、ごべんねぇ……。おぢびぢゃんみだいなりっばなおぢびぢゃんにあえで、れいぶば……」 安いお涙頂戴を見せられて不快だったので、取り敢えず右手の赤れいむをそのまま落とした。 「ゆっぎゃああああああああああああああああ!? いぢゃいいいいいいいいいいいいいい!」 即死はしなかったものの致命傷を負い、赤れいむが今日一番の悲鳴を上げる。 「おちびちゃ、すぐにぺーろぺー――」 本能的なものなのか、動こうとするれいむ。 その目の前で、 「ゅぴっ」 私は赤れいむを潰し直した。 すると、れいむは一瞬硬直して、 「おちびちゃん! すぐよくなるからねっ! ぺーろぺーろ!」 すぐにぺーろぺーろを始めた。 潰す前の時点でも無駄だっただろうが、死体にまでやっている姿を見ると、滑稽を通り越して哀れにすら思えるのが不思議である。 「じゃあ、れいむ」 何か、気持ちが萎えてしまったので、私はそろそろ切り上げることにした。 「れいむの『おりぼんさん』と最後のおちびちゃん、どっちが大事?」 「……!」 れいむは、何度も何度も声を出さずに口だけを動かしていたが―― 「おりぼんざん、だよ……」 赤れいむと赤まりさで選ばせた時よりいくらか早く、その結論を出した。 「へえ? どうして?」 「おりぼんざんがなぐなっだら、ゆっぐり、でぎないよ……」 「おちびちゃんがいても?」 「ゆ……ぞう、だよ……」 覚悟を決めた表情で、れいむは言い切った。 「だがら、れいむば、おりぼんざんのぼうが、だいじだよ……」 私は、その言葉を、待っていた。 「じゃあ、れいみゅちゃん。おりぼんさんの方が大事な、嘘つきのれいむお母さんとれいみゅちゃん、どっちが大事?」 潰した一家の残骸をゴミ箱に捨てて、私は元のベンチへと戻ってきた。 そこには、赤れいむだけが残っている。 それを拾い上げ、私は歩き出した。 「ゆ、にんげんしゃん、れいみゅをかいゆっくちにちてくりぇりゅにょ?」 「そうだねえ……」 私は赤れいむの問いに対して、 「れいみゅちゃんは、あまあまいっぱい食べてゆっくり過ごすのと、前と同じように家族と暮らすの、どっちがいい?」 さらに問いを返した。マナー違反? ゆっくり相手だし構わないだろう。 「ゆっ! れいみゅは、あんにゃげしゅとくらすより、あみゃあみゃいっぴゃいたべられるほうがちあわちぇー! ぢゃよ!」 予想通りの答えに、 「そっか」 私は短い応答の言葉を返す。 「まあ、何て答えても、結末は一緒だけどね」 そして、手のそれをゴミ箱に放り込んだ。 後書き もっとじっくりと描写できるようになれば、より良いものが書けるようになるとは思うんですが。難しいです。 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 それから、感想版にて『台風の目』を考察してくださった3038様、ありがとうございます。
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『お花を食べたいよ』 7KB 観察 小ネタ 野良ゆ 子ゆ 人間なし 何時もの小ねたです 「ゆわぁぁぁ!おかーしゃん。みてみて、おはなしゃんが、いーっぱいだよ!」 「ゆわぁぁぁ!すごいのじぇぇぇぇ!とーってもゆっくちできるのじぇー!」 「ゆふふ、おちびちゃんたち、あれは、さくらさんだよ!とってもゆっくりできる、おはなさんだよ!」 土手の桜並木を見て、目を輝かせるゆっくりの親子 親れいむと、舌足らずな子ゆっくりが二匹。 共に薄汚れた姿をしている事から、野良ゆっくりだと伺える。 野良の親子は満開の桜の木を前に、幸せそうに体を揺らしている。 「おかーしゃん、このおはなしゃん、たべちぇもいい?れーみゅ、おかなぺっこぺこだよ!」 「ゆゆーん!まりちゃも、たべちゃいのじぇ!たーくしゃん、むーちゃ、むーちゃするのじぇ!!」 「ゆーん…そうだね…このおはんさんは、かだんさんに、はえてるものじゃないから、たべてももんだいないよ!みんなでおひるごはんにしようね!」 『ゆわーい!!』 満開の桜を見て食欲が湧いたのか、桜の花を食べたいと言い出す子ゆっくり達。 親れいむもしばらく悩んだ後、ここは花壇ではないからこの花を食べても大丈夫だと判断する。 親れいむの言葉を聞いた子ゆっくり達は、涎を垂らしながら目を輝かせる。 「それじゃあ、おちびちゃんたち、ゆっくりごはんのじかんだよ!」 『ゆわーい!ゆっくちいただきまーしゅ!』 食事の前に一言言うのは躾が良いからなのか、もと飼いゆっくりだったからなのかは知らないが、待ってましたと言わんばかりに桜の木に向かって跳ねていく子ゆっくり達。 親れいむも、それに続いて桜の木に近づいていく。 「おはなしゃん!かわいーれーみゅに、ゆっくりたべられちぇね!のーびのーび…ゆぅぅぅ?!どーしちぇ、たべらりぇないにょぉぉぉ?!」 「まりちゃの、かわいーおしょくじたいむなのじぇ!むーちゃ、むーちゃ…ゆびぇぇぇぇん!どーしちぇ、おはなしゃん、むーちゃ、むーちゃできないのじぇぇぇ?!」 「おちびちゃんたち、おちついて、ゆっくりしてね!おかーしゃんが、おはなさんをとってあげるよ!のーび、のーび…ゆがーん!どーしておはなさんが、とれないのぉぉぉぉ?!」 桜の木下で、必死に体を伸ばすゆっくり親子。 だが、いくら体を伸ばしても、当然ながら花に届く事はなかった。 ゆっくりと言うのは、高さを正確に認識出来ないらしい。 それ故に少し持ち上げただけで、空を飛んでいると錯覚出来るのだ。 人間を馬鹿にするのも、高さが認識できない為、相手の体の大きさを性格に判断出来ないからだと言われている。 それに加えてゆっくりの大きさの基準は、自分の体のより相手が大きいか小さいかでだけ判断する。 ここで重要なのは、ゆっくりは高さを判断出来ないので、基準となるのはその者の頭部の大きさなのだ。 故に頭部を持たない植物等は、ゆっくりより格が下だと判断される。 昆虫は頭部が小さい物ばかりなので、食料だと思い、動物は、多少大きさが小さくても、毛の量で異形のものと認識しているのだ。 だが人間の場合は、ゆっくりと非常に顔のつくりが似ている。 その為飾りのない、時には髪の毛の少ない人間を馬鹿にするのだ。 そんな訳で、ゆっくりにとっては格下の花が沢山咲いている桜の木を、その高さを理解出来ぬままに花を食べようとしたのだ。 いくら体を伸ばしても、けして届く事のない位置に咲いている桜の花。 それでも体を必死に伸ばし、そこから更に舌を伸ばして桜の花を食べようとする。 傍から見ると、何とも奇妙で滑稽で不気味な姿だ。 「ゆびぇぇぇぇん!おはなしゃん、れーみゅがかわいーからっちぇ、いじわりゅしないでよぉぉぉぉ!」 「ゆんやぁぁぁぁ!むーちゃ、むーちゃ、しちゃいのじぇぇぇぇぇ!ゆえぇぇぇぇん!」 「おはなさん、いじわるしないで、ゆっくりたべられてね!かわいいおちびちゃんたちが、ゆっくりできないでしょぉぉぉ!!」 子ゆっくり達は、いつまで経っても花が食べられないので、ついに諦めてゆんゆんと泣き出した。 それを見た親れいむは、物言わぬ桜の木を相手に、大きく膨れ上がって威嚇し始める。 当然そんな事をしても花が食べられる訳もなく、腹が膨れる訳も無い。 だが親れいむは、桜の木が意地悪を止めると信じて威嚇を続けた。 それから数日経った。 野良親子はあれからも飽きる事無く、毎日桜の木の前に現れては花を食べようとして、結局食べる事が出来ないと騒いでいた。 そして今日も、桜の木の下で大騒ぎを繰り返していた。 「ゆびぇぇぇぇん!ゆびぇぇぇぇぇん!どーしちぇ、おはなしゃん、いじわるしゅるのぉぉぉ!ゆっくちできにゃぁぁぁぁい!」 「ゆぐっ、ゆぐっ、おはなしゃん、むーちゃ、むちゃしちゃいのじぇぇぇ!ゆっくち、ゆっくちぃぃぃ!」 「おはなさん、いつまでもいじわるしないでね!れいむは、ほんきでおこったよ!ゆっくりせいさいしてあげるよ!!」 もう何度目か解らない、「本気」で怒る親れいむ。 制裁と言っても、口に咥えた木の枝を使って、桜の木の幹を突付いている。 しばらくそんな事をしていると、少し強めの風が桜の木を揺らした。 「ゆゆ?!どう?いたかったでしょ?!れいむのこわさがわかったら…ゆぅぅ?!」 風に揺られた桜の枝が、ハラハラと花びらを散らす。 風に舞う花びらは、そのまま川に落ちていき、水面を桜色に染めていく。 「…ゆびぇぇぇぇぇん!おはなしゃんが、かわにおちちゃったよぉぉぉぉ!おかーしゃん、どーしちぇこんなこちょしゅるのぉぉぉぉ!!」 「ゆんやぁぁぁぁ!おかーしゃん、ひどいのじぇぇぇぇ!まりちゃのごはんしゃんがぁぁぁ!」 「ゆぅぅ?!どーなってるのぉぉぉ?!お、おちびちゃん!これはおかーさんが、わるいんじゃないよ!おはなさんが、かってに…ゆぐぐぐぐ…!!」 子ゆっくり達は散り行く桜を悲しそうに眺め、親れいむはそれを悔しそうに睨んでいた。 それから更に数日後。 土手の歩道を何かを探すように移動している、野良ゆっくりの親子。 最近、ここに通いつめていた野良一家だ。 親れいむに比べると、子ゆっくり達が若干やつれている。 理由は、ここの桜の花を目当てにしてたせいで、親れいむはろくに食料を集めなかったためだ。 「ゆぅ…おかーしゃん、もう、はなびらしゃん、おちてにゃいねぇ…ゆっくち…」 「おなかすいちゃ…のじぇ…おかーしゃ…おはなしゃん…いつになっちゃら、はえちぇくる…のじぇ?」 「ゆぅ…おちびちゃん、がまんしてね。もうすぐだよ、またおはなさんが、かってにはえてくるよ!」 そう言っては、桜の木を見上げる親れいむ。 だが既に花は散り終えて、緑の若葉が茂るばかり。 野良ゆっくりの親子は、また花が咲く事を信じて土手を徘徊しているのだった。 ザワザワ… 桜の木が風に揺れ、葉がざわめいた。 ポトッ! 「ゆゆ?」 ゆっくり親子の前に、空から何か降ってきた。 親れいむが周囲を見渡すと、それは歩道の彼方此方で動いていた。 「ゆわぁぁぁぁ!おちびちゃん!ごはんさんだよ!いもむしさんが、れいむたちに、たべてもらいたいっていってるよ!よかったね!ゆっくりできるよ!!」 「ゆぅ?…いもむししゃん?!…ゆわぁぁぁ!いもむししゃんは、ゆっくちできりゅよ!」 「ゆわぁぁい!まりちゃ、いもむししゃん、だいすきなのじぇ!いーっぱいむーちゃ、むーちゃしゅるよ!ゆっくちー!!」 芋虫と聞いた途端、死んだような目をしていた子ゆっくり達の顔に笑顔が戻る。 そして二匹は、自分が選んだ芋虫の元に跳ねて行くと、目を輝かせて涎を垂らす。 『いもむししゃん!ゆっくりいただきましゅ!』 二匹の子ゆっくりは、ほぼ同時に芋虫に噛り付いた。 「むーちゃ、むーちゃ………ゆっぎゃぁぁぁぁぁ!いちゃいよぉぉぉぉ!れーみゅのおくちが、ちくちくしゅるよぉぉぉぉ!!」 「ゆっぴぃぃぃぃ!まりちゃのおくちがぁぁぁぁ!いもむししゃんが、まりちゃをいじめるのじぇぇぇぇぇ!ゆんやぁぁぁぁ!!」 突然、大声で泣き叫ぶ子ゆっくり達。 両目を飛び出さんばかりに見開いて、揉み上げとお下げをぶんぶん振り回す。 そう、野良一家が芋虫だと思っていたのは、毛虫だったのだ。 「ゆぅぅぅ?!どーしたのおちびちゃん!ゆっくり、ゆっくりしてね!…ゆっがぁぁぁ!おちびちゃんをいじめる、ゆっくりできない、いもむしさんは、おかーさんがせいさいするよ!」 大騒ぎする子ゆっくりを見た親れいむは、地面を這いずる毛虫を睨む。 そして小さく跳ねると、毛虫を踏み潰した。 「ゆっふん!おちびちゃんにいじわるするから、こうな………ゆっぎゃぁぁぁ!いだいぃぃぃ!れいむのあんよがぁぁぁぁ!なにかささったよぉぉぉ!!」 毛虫を踏み潰した際に、その毛が足に刺さって大騒ぎする親れいむ。 痛みのあまり、ゴロゴロと歩道を転げまわる。 「どぼじでぇぇぇ?!れいむがこんなめにぃぃぃ!!…ゆっぎゃぁぁぁぁぁ!こーろこーろしでるぅぅぅぅ?!『ザッパーン!』ゆっごぉぉ?!」 親れいむは、周りをよく見ないで転げ回ったせいで、そのまま土手を勢い良く転がり落ちて行った。 そしてそのまま川に落ち、豪快に水しぶきを上げて沈んでいった。 「ゆっびゃぁぁぁぁ?!おかーしゃん?!おかーしゃんが、おみずにおちちゃったよぉぉぉぉ!!」 「ゆびぇぇぇぇぇん!おかーしゃぁぁぁん!どーしちぇ…ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!」 親れいむが川に消えていくのを見ていた子ゆっくり達は、その場で何時までもゆんゆんと泣いていた。 数日後、桜の木の下で二匹の子ゆっくりが死んでいた。 子ゆっくりには蟻が沢山集っていた。 完 徒然あき
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『台風の目』 6KB 不運 自業自得 現代 人間なし 二作目です。 過去作 anko4445 邪気眼を持つものとゆっくり 『台風の目』 『非常に強い台風○○号は、本州に上陸し……』 テレビではそんな報道がなされ、人々は外出を控えていた頃。 「おちょーしゃ、まりちゃ、おそとであそびたいのじぇ……」 「ゆん! だめだよおちびちゃん! あめさんとかぜさんでゆっくりできないよ!」 野良ゆっくりの一家もまた、おうちの中で過ごしていた。 「それにしてもぱちゅりー、たいふうさんがきてるみたいだけど、このおうちはだいじょうぶかな……」 まりさは妻のぱちゅりーにそう尋ねる。ぱちゅりーも同じことを考えていたのか、不安を顔に出していた。 「むきゅ、そうね……」 「むきゅ! おきゃーしゃんはまちのけんじゃなにょよ! そのおきゃーしゃんがかんがえたおうちだもにょ、だいじょうぶにきまっちぇるわ!」 すると、元気よく答えたのは赤ぱちゅりー。そして、母親にすーりすーりと頬を寄せる。 言葉を遮られた形になるぱちゅりーは、まりさと顔を見合わせ、笑った。 確かに、この一家のおうちは、コンクリートブロックやビニール、そのほか石などのおもしを組み合わせた、 ゆっくりが作ったとは思えないほど強固なものである。 浸水するような事がなければ、よほどの台風でもない限り耐えられるだろう。 「そうだね、おちびちゃんのいうとおりだよ」 まりさは不安を振り払うように、赤ぱちゅりーとすーりすーりする。 「むきゅ、そうよねまりさ。きっとだいじょうぶだわ。このおうちをたてたのはまりさだもの」 まりさと赤ぱちゅりーとすーりすーりしながら、ぱちゅりーも笑った。 「ゆ! まりちゃも! まりちゃも、しゅーりしゅーりしゅるのじぇ!」 そこに、まりちゃも加わる。 (ゆっ、そうだよ。このおうちなら、だいじょうぶだよ!) まりさは不安を吹き飛ばすように、すーりすーりをする。 こうして一家は、ゆっくりできない悪天の中を、ゆっくりと過ごした。 結果から言えば、まりさの心配は杞憂だった。 「ゆっ! あめしゃんいなくなったのじぇ! しゃいっきょうのまりちゃにおしょれをなしたのじぇ!」 おうちの前で、元気いっぱいに跳ね回るまりちゃ。 「おちょーしゃ、まりちゃこうえんしゃんにいきたいのじぇ!」 早速、雨の間は抑えざるを得なかった願望を口にする。 「ゆ、こうえんさん……」 返答に困り、まりさはぱちゅりーを見た。 公園は、遠出というほどではないにせよ、ほいほいと行けるような距離でもない。 そして体が弱いぱちゅりーには、公園まで行くことはかなりの負担になる。 故に、まりさはぱちゅりーの判断を仰いだ。 そしてぱちゅりーの答えは、 「むきゅ、やめたほうがいいわ。あめさんがあがったばかりで、みずたまりさんもあちこちにあるだろうし……」 体調云々以前の問題としての、反対だった。 それを聞いたまりちゃが、不満の叫びを上げる。 「なんでなのじぇえええええ!?」 「みずたまりさんは、はいるとえいえんにゆっくりしちゃうんだよ! とってもゆっくりできないんだよ! ゆっくりりかいしてね!」 「しょうよ! おかーしゃんがゆっくちできにゃいっていうんだかりゃゆっくちできなにゃいのよ!」 「ゆ……!」 まりさに、そして赤ぱちゅりーにまで強く言われ、押し黙るまりちゃ。 しかしそれも一瞬のことで、すぐに火が付いたように泣き出した。 「いやぢゃいやぢゃいやぢゃいやぢゃあああああ! こうえんしゃん、いきちゃいのじぇえええええ!」 「むきゅ、おちびちゃん……」 暴れるまりちゃを前に、おろおろするぱちゅりー。 「……ゆう、わかったよ」 その姿を見ながら、まりさは深くため息をついた。 「まりさが、おちびちゃんをこうえんさんにつれていくよ。だから、ぱちゅりーはおるすばんしててほしいよ」 「むきゅ……」 「まりさも、おちびちゃんのときはよくわがままをいっておとーさんやおかーさんをこまらせたよ。だから、おちびちゃんのわがままはできるだけかなえてあげたいよ……」 言って、まりさは帽子をかぶり直し、暴れるまりちゃを器用に帽子のつばに乗せた。 「さ、こうえんさんにいくよ、おちびちゃん」 「ゆわーい! やったのじぇ!」 先程までの癇癪が嘘のように泣き止むまりちゃ。それを確認し、まりさは赤ぱちゅりーを見る。 「ぱちぇは、おきゃーしゃんといっちょにいりゅわ」 問われるまでもなくそう答える赤ぱちゅりー。対してまりさは、 「じゃあ、おかーさんをおねがいするよ。じゃあぱちゅりー、いってくるよ」 そして、まりさは家を出た。 「どぼじであ゛め゛ざんぶっでぐる゛の゛お゛おおおお!?」 そして、暴風雨に襲われた。 「あめしゃん! かぜしゃん! ゆっくりしないでやむのじぇ! ぷきゅううううう!」 叩きつけるような雨風の中で、自らの危険を理解していないまりちゃはぷくーをする。 だがもちろん、赤ゆっくりごときのぷくーなど自然現象には通じない――というよりゆっくり以外に……もとい、ゆっくりにさえ通じないのが常である。 反対に、まりちゃの帽子が飛ばされていった。 「おぼうししゃあああああん!?」 まりちゃが絶叫する。帽子はすぐに、まりちゃの視界から消えてしまった。 「まりちゃのおぼうししゃあああああん! ゆっくりしないでもどってきてねえええええ!」 叫んだところで、戻ってくるはずもない。 「ゆ! そうだよ! このままじゃおちびちゃんがとばされちゃうよ!」 既に半ば以上手遅れながら、まりさはその事実に気付く。 そして、帽子を失ってゆんゆん泣くまりちゃを地面に下ろした。 ――大量の雨が流れる地面へ。 「ゆびゃあああああ!」 餡子が流れ出す痛みに、悲鳴を上げるまりちゃ。 成体ゆっくりならある程度は耐えられても、赤ゆっくりの皮ではすぐに溶けてしまう。 「ゆ、おちびちゃん、すぐにおとーさんのおくちのなかに……」 慌てて、地面よりはいくらかマシな口の中に入れようとして、 「……ゆ? ばりざのおぼうじざんがあああああ!?」 今度はまりさの帽子が飛ばされた。 「ゆっぐりじないでぼどっでぎでねえええええ!」 まりちゃと同じことを叫ぶまりさ。成長したところで、このあたりは基本的に変わらないのがゆっくりという生物である。 「ばりざのおぼうじざんがあああああ……」 やはり一瞬で視界から消えてしまったところで、まりさが泣き崩れる。 「もっ……ゆ゛っ……」 そんな消え入りそうな声を聞き、まりさは大事なおちびちゃんの存在を思い出す。そして、慌てておちびちゃんに向き直り、 「ゆ! そうだよ、ないてるばあいじゃないよ、おちびちゃ――ゆ?」 流れるあんこと、グズグズに溶けた饅頭皮の何かを見た。 「おちびちゃん? ゆっくりしないででてきてね?」 当然、返事はない。それによってまりさは、目の前のそれが我が子の成れの果てであると認識した。 「ばでぃざのおぢびぢゃんがあああああ!?」 どぼじで、の言葉は無い。自分のせいであると認識できるくらいには、まりさは賢かった。 「おぢびぢゃあああああん、ごべんね、ごべんねえええええ……」 そしてまりさは、まりちゃに詫びながら、まりちゃと同じように雨に溶けて死んでいった。 まりさは、台風の目というものを知らなかった。 台風の中でもその部分だけは晴れていること、そこを過ぎれば再び嵐が吹き荒れることを。 つまり、台風が過ぎなくても、晴れることがあるということを。 知っていたところで、過ぎたのか、目の中なのかわからないゆっくりにはどうしようもなかっただろうが。 そもそも、『ゆっくりの平穏な生活』というそれそのものが、いつ抜けてしまうとも知れない台風の目のようなものなのだから。 後書き 前作『邪気眼を持つものとゆっくり』に評価を下さった方、ありがとうございます。 今回は自滅物にしてみました。締めの文章は、正直いらないんじゃないかと思ってますが。 未熟者ですので、「ここをこうすれば」というようなご意見をいただければ幸いです。 最後になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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必要なのは助けてくれる人 ◆Mangas0mkg 「吉良さん……」 江戸川コナンは殺人鬼との戦いに身を投じていった仲間の事を思う。 吉良は果たして、あの戦いで相手をどうするつもりだろうか。 適当に相手をして、そのまま逃げ切るつもりなのか。 それとも、説得して殺し合いから手を引かせるのだろうか。 あの場にいないコナンには推理する以外に手はないわけだが、正直な話、どちらも考えにくい。 吉良の性格や能力から考えて、あの少女を生かしておくとは考えづらいのだ。 恐らく、彼はあの少女を殺す気で戦っている。 (どうする? 本当に吉良さんを一人にして良かったのか?) 倫理的に考えて、この場で殺人をするかもしれない吉良を止める事が良い、とは必ずしも言い切れない。 強制された人殺しの空間で、自分の身を守るために闘おうとする人は決して悪ではない。 仮に、あくまでも仮に、吉良があの少女を殺したとしても、裁判になれば吉良は無罪だろう。 それはコナンにも理解できる。しかし、彼は人殺しに対して絶対的な拒否反応を持っている。 頭のいい江戸川コナンは、倫理や道徳と言うものが必ずしも殺人を否定しているわけではない事を知っている。 あくまで、「知識として」ではあるが、世の中には殺人を肯定する倫理が存在する事を彼は知っている。 しかし、その知識をもってしてなお、「理解できない」のが殺人なのだ。 (やっぱり、彼をあのままにはしておけないよな……) 江戸川コナンが東の高校生探偵と呼ばれるまで、殺人事件を解決し続けたのも一つには殺人を嫌ったからである。 一度は足手まといになるからという理由で吉良にあの場を任せたが、やはり放っておけない。 坂田と違って、吉良は殺人を肯定する可能性がある。なまじ力があるだけに、あの少女を殺しかねない。 それに今回の場合、少女の方にも力がある。あの槍を用いた突撃力と攻撃力には目を見張るものがあった。 いつぞやの覚悟ほどではないにしろ、彼女は確かな力を持っている。 そして、その彼女が明白な殺意の下、吉良に攻撃を仕掛けてきたのだ。 間違いなく、あの場では殺人が起こりうる。 「……ねぇ、新八兄ちゃん。ルイズ姉ちゃん……」 コナンはやはり探偵だ。殺人を見逃して、自分だけが助かるなど、どうしてそんな道が選べようか。 「僕、ちょっと用事思い出したから、病院に戻るよ。先に行ってて」 「ちょっと、いきなり何言ってるのよ」 「用事って……まさか……」 コナンに吉良や、あの少女を止める力はない。そんな事は分かっている。 コナンにはスタンドを操る力もなければ、銀時のような剣術もない。 あるのは、探偵として養ってきた頭脳だけだ。 「うん、ちょっとね……」 そんなコナンが、何しに行くかを説明すれば、新八とルイズは止めるだろう。 この状況で、無力な人間が殺人を止めに行くのは、ほぼ不可能である。 その上、コナンは具体的な人殺し防止策を持っているわけではない。 そんな彼が、吉良の場所に戻ると言うのは即ち自殺行為なのだ。 「コナン君、まさか吉良さんのところに戻るつもりじゃ……」 「そ、そういう訳じゃないよ……ただ、ちょっとね……」 頭脳は大人と思っていても、すぐさま言い訳が思いつくほど状況に恵まれているわけではない。 だから言いよどんでしまう。 せめて、この場で使う言い訳ぐらいまともなものを用意したいところだが、手持ちの情報や道具が少なすぎる。 「あ、ほら……包帯とか持ってくるの忘れちゃったから、取りに戻ったほうがいいと思ってさ。 覚悟さんも怪我してるんでしょ。だったら、もう一回診てあげないと」 「アンタ馬鹿でしょ、病院にはあの大男がいるのよ、戻ったってしょうがないじゃない」 「で、でもさ……包帯や消毒薬は必要だよ。だって、これから怪我するかもしれないでしょ」 苦しすぎる言い訳だというのは自覚している。 しかし、それを差し引いてもあのまま吉良を放っておく事など出来ないのだ。 探偵としての勘が、あの場で殺人が起こる事を予言している。見てみぬ振りなど、出来るはずがない。 「コナン君、病院に戻るのは覚悟君と合流してからで構わないでしょ」 (それじゃ、間に合わねーんだよ!) 「で、でもさ、覚悟さんがどこにいるか分からないでしょ。だったら、いつ病院に戻れるか分からないじゃない」 「病院じゃなくたって、簡単な治療道具ぐらい手に入るよ」 やはり苦しい。四の五の言い訳して戻るよりは、はっきり人殺しを止めたいと言うべきかも知れない。 いや、それを言ったところで無駄か。 コナンには人殺しを止めたいと言う願いはあっても、力はないのだから。 「カクゴがどこにいるか分からないって言っても、病院に戻るわけないんだから、 カクゴを探すためにも病院には戻れないわよ」 ルイズや新八の言うとおりだ。 コナンは何を言っていいか分からなくなってしまった。 そもそも、いつものコナンであれば「あれれぇ~~なんか変だぞぉ~~」等と言って、 大人たちの注意をどこかに向けて、たった一つの真実に気付かせていく事が出来る。 しかし、それはあくまで真実がたった一つの場合である。倫理や正義のように複数の存在があるケースではあまり向かない。 今回、殺人を止めるために吉良の場所に戻りたいというのはあくまで、コナンの願望であって、 決して不変の真理でもなければ、唯一無二の真実でもないわけだ。 だから、いつものような推理を展開して、彼らを理路整然とした言葉で説得するといった事はとても出来ない。 恐らく自分が吉良を止めたいから戻る、と本当のことを言った場合、彼らは彼らなりの反論をするだろう。 そして、その反論の中には確かな正義が含まれているわけであって、コナンに反論の余地はない。 だから困るのである。 まして、今の自分は小学一年生の体だ。 ここに阿笠博士の発明品でもあれば、状況は変わったかもしれないが、生憎とそんな都合の良いものは置いてない。 とすれば、自分が戻る事は即ち、新八とルイズに「僕を見殺しにしてください」と言っているようなものなのである。 戻る事など、許されるはずもない。 せめて、何か武器があれば……状況も変わると言うものなのだが…… コナンはもう一度自分の支給品が何であったかを思い出してみる。 武器と呼べる物はヌンチャク一つ。それとて自分の体で扱っていては、とても吉良や坂田に及ぶとは思えない。 元々の高校生の体で使ったとしても、まっとうな戦闘力は得られないだろう。 自分の無力さを考えれば、やはり武器とは自動小銃あたりが適切と言えるのだが、 これでは間違って相手を殺しかねない。 優れた武器であり、相手を殺さない武器と言えば思いつくところは時計型麻酔銃か。 何にしても、武器はない。それがこの場での結論である。 「とにかく、コナン君。あんまりノンビリもしてられないしさ。 出来る限り早く覚悟君たちを探さないと、僕たちの命も危ないんだよ」 全くの正論だ。 いっそ、思っている事全てを吐露してしまうか。 その方が無理なく、相手を説得できるかも知れない…… と、そんな時だった。 コナンの視界に、なにやら小さな物体が入ってくる。 大きさは人間の赤ちゃんほどもない。キャタピラ駆動により前進する車体。 猫の耳のような突起がついた特徴的なしゃれこうべを前面につけて、まっすぐコナンたちを目指してくる物体がある。 「ね、ねぇ。あれって……」 見間違えるはずもない。あの猫の耳は間違いなく、彼の使っていたスタンドのもの。 (それが何で、こんな所にきているんだ?) 理由は分からない。だが、吉良は交戦中のはずだ。 その彼が突然、妙な戦車もどきを出して自分たちの後を追いかけさせた? 一体、何が…… (まさか……吉良さんに何かあったんじゃ……) 先の少女との戦闘で、吉良の命に危険があったとしたら。 そして、その危険を伝えるべく使者を寄越したのだとしたら。 「新八兄ちゃん、あれを受け取って、吉良さんからのメッセージかもしれない」 「え? あ、うん……」 新八はコナンの言うとおり、それを持ち上げようとする─── その時だった。 ボ ンッ! 何かが弾ける音が聞こえた。 咄嗟に後ろへと下がる新八。 突然、戦車が爆発したのだ。 「だ、大丈夫? 新八兄ちゃん」 「何とかね……」 一瞬の回避により、軽傷ですんだ。 とは言え、吉良からのメッセンジャーと思われた存在からの突然の攻撃に、一同は戸惑いを隠せない。 「あ、あれは一体……」 疑問が口に出るルイズ。 恐らく、勤勉な彼女の魔法知識をもってしても全く知らない存在であろう小型戦車。 「吉良さんのスタンドに似ているから、メッセンジャーか何かだと思ったんだけど……」 「冗談じゃない、ヨシカゲが何であんなのを送ってくるのよ!」 全くルイズの言うとおりだ。 見た目から、吉良のスタンドの一種だと推測したが、そもそもコナンはスタンドと言うものを知っているわけではない。 恐らく、スタンドは何人かの人間が持っているものであり、その外見は皆、猫の耳のようなものを持っているのだろう。 そう考えると、目の前の小型戦車がどうして、こちら側に攻撃してきたのか理解できる。 ……いや、下手に結論を急ぐのは良くないか。 あれが、吉良のものであるとか、ないとか、そんな結論は今の段階では出せない。 仮に吉良のものだと考えるとどうなる? 突然、新八を攻撃した事から考えて吉良に殺意が生まれたと言う事か。 いや、考えにくい。 この短時間に、自分たちへの殺意を吉良が育てるとは思えない。 とすれば、最初から吉良は自分たちを殺すつもりだったのか。 まぁ、この場は殺し合いの空間だ。考えられなくもない。 しかし、これは恐らく違う。実際の殺意の有無はともかくとして、吉良は殺意を隠して自分たちと接触してきた人間だ。 その人間が、自分のスタンドと同じ顔を持つ戦車で攻撃してくるとは考えにくい。 もしもここで、コナンたちを仕留め損なったら、吉良の立場が危うくなる。 それぐらいだったら、最初から殺しに来るだろう。 だとすると、これもない。 とすると、仮にあの戦車が吉良のものだと考えた場合、残された可能性は、吉良には明確な殺意がないという物になる。 恐らく、先の戦闘で使用した武器が何らかの拍子でこちら側まで来てしまったと考えるのが筋だろう。 そうすると、本人が来ないで戦車だけが来てしまった理由も理解できる。 (どっちにしろ証拠がないよな……) なんにしても、結論をこの場で出す事は出来ない。 普段の殺人事件と異なり、この場ではコナンの知らない事が多すぎる。 それよりは、今この場をどう切り抜けるかが先になる。 逃げるか? いや、成長したルイズや新八ならともかく、小学一年生のコナンが逃げ切れるとは思えない。 小型戦車はそれなりの速度を有している。逃げ切れないコナンを二人が放って置くとも思えず、結果として3人とも逃げられない形になる。 とすれば、闘うか? いや、それも難しい。 というより、小型戦車の性能が分からないため、難しいか易しいかの区別すらつかない。 まずは、敵の力を分析するところから始めたい所だが、生憎とそんな余裕もない。 「とにかく、アイツを止めるわよ」 一番に前に出たのはルイズ。 短い付き合いだが、彼女が激しやすい性格である事は十分に理解できる。 「ルイズお姉ちゃん、まだアイツの事が分かってない! 余計な事は……」 「近づかなきゃいいんでしょ」 コナンが言い終わるよりも先に、ルイズは杖の力を振るってメイジとして闘おうとする。 詠唱とともに、小さな爆発がルイズの前で起こった。 ファイヤーボール。かつて、ルイズがキュルケとの勝負の際に学院の壁を破壊した魔法だ。 ちなみに、本来のファイヤーボールとは大分趣を異にする。 「ルイズ姉ちゃん、離れて!」 モクモクと上がる灰煙の中、小型戦車の動く音が聞こえる。 戦車の見た目にふさわしく、ルイズの爆発にも全く動じていない。無傷。それが戦車の状況だった。 「逃げるよ!」 敵の戦力は分かった。 この場で最大の攻撃力を持つ、ルイズの魔法に動じない防御力。 それさえ分かれば十分だ。逃げ切れるとは思っていないが、それでも、『逃げ』が最善手であることに違いない。 アイツと闘う事なんて出来やしない。 だが、それを遮る人間がいた。いや、正確に言えば3人で逃げることを拒否した人間が。 「コナン君、ルイズちゃん、ここは僕に任せて逃げてくれ」 志村新八である。 「ば、バー……、新八兄ちゃん。いいから、逃げて!」 「僕やルイズちゃんはともかく、コナン君は逃げられないでしょ。だったら、誰かがコイツを足止めしないとさ」 新八の前に、小型戦車が迫り来る。 新八が斜め前に、移動しつつ小型戦車をかわすと、それに釣られて戦車も動きを変える。 「僕なら、こいつを引き付けたまま、この場で避け続けることが出来る」 道場を経営しつつ、養った足腰は一般人の中ではそれなりに強い。 だが、いつまでも避けきれるものではないだろう。 「で、でも……」 「それに、今さら僕も逃げられなくなったっぽいしね……」 新八の周りを、小型戦車は追い掛け回す。 必死でかわす新八であるが、その動きは徐々に狭い範囲の中に閉じ込められている。 「出来る限り早く、誰か助けを呼んできてくれると助かるんだけど……」 ほんの少し、弱気を見せる。 けれど新八の表情はいつも通り、落ち着いたものだ。 (アイツ……俺の前じゃ弱気すら見せられねーってのか? それとも何か策でもあるってのか?) 襲い掛かる戦車をよける新八の身体能力は意外に高いものだったが、 それ以上に妙に落ち着いているのが気にかかる。 「もう一撃、魔法を食らわせたら、ソイツも止まるわよ。シンパチ、耐えなさいよ!!」 再び、ルイズが魔法を使おうとする。 「だ、駄目だよルイズお姉ちゃん。魔法なんか使ったら、新八兄ちゃんが先に死んじゃう」 「コナン君の言うとおりだよ、ルイズちゃん。大丈夫、僕には最後の武器もあるしさ」 足捌き一つで、戦車の攻撃をかわしつつ、新八は強がりを見せる。 どう見ても、あと5分と持つまい。本当に、誰かの助けを呼びに行ってよいものだろうか…… いや、考えている時間はない。何かは知らないが、新八には最後の武器もあると言う。 ここは信頼して、助けを呼びに行くのが筋と言うもの。 「行くよルイズ姉ちゃん。すぐに新八兄ちゃんを助けられる人を探してくるんだ」 「う……うん……」 ルイズは、コナンに言われるがまま、その場から走り去る。 目指すものは、覚悟でなくてもいい、とにかく新八を助けられる存在。 ◇ ◆ ◇ 江戸川コナン、ルイズ・フランソワーズの2人が去った後。 アスファルトの上に残されたのは、新八一人と一体の小型戦車。 新八は何とか戦車の攻撃をかわしつつ、生き延びている。 そもそも、戦車が本来の性能を持っていれば、最初の一撃で新八は死んでいた。 戦車からの攻撃を咄嗟にかわす事など、通常はできない事である。 この戦車、名前をシアー・ハートアタックと呼ぶが、こいつはコナンの推理通り、吉良のスタンドである。 そして、この場ではスタンド能力は非常に強い制限を受けている。 さらに、新八などのどちらかと言えば、一般人に属する人々の制限は弱い。 結果として、最初の攻撃もかわせたし、今も戦車の攻撃をよける事が出来ている。 この事を考えれば、制限万歳、ビバBADANと言いたくもなるが、残念なことに新八はBADANの存在を知らない。 それと、避け続けて気付いた事だが、戦車はとても小さい。 キャタピラ駆動のためか、二本足の新八と違って段差がとても苦手。 車道と歩道の間の段差さえ、登るのに若干のタイムラグが発生する。 もちろん、これも実際は制限によるもので本来は車道と歩道の間の段差ぐらい、この戦車には何ら障害にならないのだが、 それはともかく、そこに気付きさえすれば、意外と長時間引き付けておくことが可能かもしれない。 けれど、そうは言っても、相手は執拗に人間を追い回す戦車である。 そして、人間に近づいたら、先ほどのように爆発する戦車でもある。 やはり、志村新八は侍として、こいつを放っておく事など出来はしない。 「何とかしないとな……」 新八に残された武器はたった一つである。いや、正確に言うと二つか。 だが、残りの一つはどうしても使いたくない。やはり、一つだけで何とかするべきだろう。 新八は小さく戦う決意をして、帯に挟んであったその武器を取り出す。 正直な話、相手の小ささや、不気味だけれども紛れもない猫耳に、あまり恐怖を感じていない。 もしも新八にスタンドに対する正しい知識があったなら、ここまで冷静に事態に対処することなど出来なかっただろうが、 そこは運に恵まれたと言うことだろうか。 武器を左手に持ち、敵の攻撃をかわしながら新八は冷静に攻撃の機会をうかがう。 (武器は一つしかない。相手が爆発する戦車と言うことなら、相手の爆発に巻き込ませて使うのが一番だろうな……) 観察すべきは、敵が爆発する瞬間。その瞬間に、覚悟とともに持ち帰った首輪を誘爆させる。 よく観ろ、敵の動きはとても単調だから間違いなくあるはずだ。 爆発するための、簡単な法則が。この戦車には存在するはずだ。 (さっきから、一回しか爆発してないんだよな……) 一度の爆発は自分の体が近づいたとき。 あの瞬間、この戦車はたった一度だけ爆発した。 その他は、自分の体ほどもある段差にぶつかっても、爆発していない。 何かに接触して、爆発するというタイプの戦車ではなさそうだ。 (だとすると、人体の何かを感知して爆発するタイプかな……) 単純な行動をする生物(?)が、人体を検出する機構に何か覚えはないか。 新八は、自身の記憶を手繰って、探してみる。 小さな生物。それでいて、自分たち人間を正確に追跡する生物。 (何かいたよな……) つい先日、あの憎めない警察の所で見た気がする。それに似た生き物を。 夏の風物詩と言ってもいい、あの生き物は人間を追跡する確かな能力を備えていたはずだ。 それも、複雑な高次情報処理により人の姿かたちを認識する人間とは違って、至ってシンプルな方法でだ。 (この執拗なまでに人間を追いかけてくる習性。そして、シンプルな行動。小さい体…… コイツは蚊だ。蚊と同じなんだ) 蚊と同じであれば、二酸化炭素を追跡し、人間の場所を検出しているに違いない。 と言うことは…… (コイツに口を近づけて息吐いて、誘爆させろっての? 無理! 絶対無理!!) いくらかわし方が確立したとは言え、顔を近づけて首輪とともに爆発させるなんて、自殺以外の何物でもない。 (はい却下。次の案プリーズ。 出来ることなら、僕が傷つかないやり方をお願いします。 ルイズちゃんみたいに遠くから爆撃できるやり方でお願いします) ま、実際には蚊だって顔近づけなくても血を吸ってくる生き物なんだけど、新八がそこに気付かないのはご愛嬌と言う事で。 はてさて、一体どうやって、この戦車を壊したらいいものか。 ◇ ◆ ◇ 「とにかく、あのまま新八兄ちゃんを放っておく事なんて出来ないよ。 すぐに助けを呼ばなきゃ……」 「分かってるわよ」 新八と離れたコナンたちは南側に進んでいる。 タイムリミットは非常に短く、救命人員に求められるスペックはとても高い。 だが、それでも、コナンたちは誰かを探してこなければならない。 「ね、ねぇ。アンタさぁ、本当に誰か見つかると思ってるの?」 時間制限は凡そ5分。 コナンたちの足を考えれば、マップ上一つマスのを探索する事さえ出来やしない。 そんな時間の中、誰かを探す。ほとんど不可能に近い。 現在、生き残っている人間が約40人。そして、残りのマップが60マス。 単純な確率で言えば、コナンたちと同じマスに他の人間がいる可能性はきわめて低い。 「アンタがさ、シンパチを放っておいたから……ってゆーか、そ、そもそも、ア、アンタが病院に戻るとか言い出したから……」 コナンにも十分、彼女の言わんとすることは分かる。 だが、現状とれる最善の策があれしかなかったのだ。 「アアア、アンタ分かってるわよね。もしも、シンパチが死んだら。アンタのせいなのよ。 さ、さっさとカクゴ達を探していれば、あのちっちゃいのにも会わないですんだのよ」 「分かってるって…………だから、早く誰かを探そう」 できる事は、味方の捜索以外にない。 ルイズの愚痴は気にかかるけれども、相手にしている場合ではない。 早く探さないといけない。 「もしも、シンパチを見殺しにしたら……アンタ、絶対に許さないからね」 「……うん」 だからこそ、探さなければならない。 慌てふためいて、叫ぶ事だけなら誰にだって出来る。 探偵として、江戸川コナンは冷静沈着に新八の助けを呼ぶ必要があるのだ。 そんな時だった、コナンの目の前の小道から一人の少女が顔を出す。 木刀片手に走る少女。そんな少女が突然、昼時の街の曲がり角でコナンの目の前に現れた。 「新八がどうかしたアルカ?」 道のど真ん中、少女は自己紹介もコナンたちの素性確認もすっとばし、突然新八のことを聞いてくる。 「新八を見殺しって、どういうことアルカ!?」 微かではあるが、木刀を持つその手が震えていることに江戸川コナンは気付いた。 【F-5 北東(大通り)/一日目 午後】 【神楽@銀魂】 [状態]疲労、精神的に不安定 [装備]木刀正宗@ハヤテのごとく ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(30×2)@HELLSING [道具]支給品一式 拡声器@BATTLE ROYALE [思考・状況] 基本:殺し合いには乗っていない人は守る、乗っている人は倒す 1:病院に行き、銀ちゃん(銀時)を捜す。 2:新八を見殺しって何? ってか、こいつら誰? 3:帰る方法を考える。 [備考]・原作18巻終了後から参戦。 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:健康 [装備]:ヌンチャク@北斗の拳 [道具]:基本支給品、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ [思考] 基本:仲間を集める。 1:新八を助けられる人を探す。目の前の少女を確認して、助けを求める。 2:灰原哀、服部平次、新八の知り合い(神楽)と合流する。 3:覚悟さん達と合流 4:ゲームからの脱出 5:ジグマールを警戒 [備考] ※メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。 ※自分達の世界以外の人間が連れてこられていると薄々感づきました。これから、証拠を集めて、この仮説を確認しようとしています。 ※川田、ヒナギク、つかさの情報を手に入れました。 【ルイズ@ゼロの使い魔】 [状態]:右足に銃創、中程度の疲労、強い決意、精神不安定 [装備]:折れた軍刀 [道具]:支給品一式×2 超光戦士シャンゼリオン DVDBOX@ハヤテのごとく? キュルケの杖 [思考] 基本 スギムラの正義を継ぎ、多くの人を助け首謀者を倒す。殺人者に対する強烈な殺意 1:新八を助けられる人を探す。 2:覚悟達と合流 3:覚悟が戻ってきたら、スギムラを弔う [備考] ※川田、ヒナギク、つかさの情報を得ました 【F-4 南部(大通り)/一日目 午後】 【志村新八@銀魂】 [状態]:腕に軽い火傷、疲労(中)、軽いパニック [装備]:なし [道具]:基本支給品、陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた、首輪 [思考]基本:仲間を集める。 1:目の前の戦車を破壊する。 2:コナン、ルイズが戻ってくるまで待つ。 3:銀さんと神楽ちゃん、コナン君の知り合い(服部平次)と合流する. 4:覚悟君達と合流 5:杉村くんを弔う 6:ゲームからの脱出 7:ジグマールを警戒 [備考] ※川田、ヒナギク、つかさと情報交換をしました。 ※シアー・ハートアタックが二酸化炭素を追跡してくるものだと勘違いしています。 【シアー・ハートアタック@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:なし [思考]:なし、単純自動行動。 [備考] ※制限のため、一般人でも何とか回避可能なスピードで攻撃してきます。 146 更なる舞台(ステージ)へ 投下順 148 『歯車』が噛み合わない 146 更なる舞台(ステージ)へ 時系列順 148 『歯車』が噛み合わない 130 絡み合う思惑、散る命 江戸川コナン 155 万事屋銀ちゃんの店仕舞 130 絡み合う思惑、散る命 ルイズ 155 万事屋銀ちゃんの店仕舞 130 絡み合う思惑、散る命 志村新八 155 万事屋銀ちゃんの店仕舞 137 漫画キャラバトルロワイアル0点・家出編 神楽 155 万事屋銀ちゃんの店仕舞
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追われるれいむ 30KB 虐待 自業自得 野良ゆ 虐待人間 十二作目です。 麦茶あき 逃げていた。 ただ逃げていた― れいむは逃げていた。自分の子供たちと一緒に。 逃げなければこちらが殺されることを理解しているから。 すでに番のまりさは死んでしまった。 今れいむに残されているのはまりさとの間にできた子ゆっくりたちのみ。 子れいむ、子まりさ、末っ子れいむである。 カラカラカラッッ・・・・・・・・ あの音だ。 あの音が近づいてくる。 自分たちをゆっくりできなくする恐ろしい音。 後ろを向くといた。 その音を出している元凶、人間だ。 あの人間から逃げなければ。 ゆっくり、ゆっくりするために。 れいむたちは必死で逃げた。 追われるれいむ 「おちびちゃんたちいいいいいいい!!はやくにげるよおおおおおおおおお!!!」 「「「ゆわああん!!きょわいよおおおお!!!こっちきょないでえええええええええええええ!!!!」」」 追ってくる人間から必死に逃げていたれいむ。 逃げても逃げてもその距離は変わらず追いかけられていた。 人間の方は歩いているだけ。 わざと距離を保ち続けている。 その手には何故か玄翁。 それを地面に擦れ引きづられていく。 この玄翁のせいで番のまりさは潰された。 何故このれいむたちが追いかけられているかと言うと、 この人間の家にお家宣言したからである。 窓を割り侵入し、部屋を荒らしてこの人間を奴隷扱いにした。 もちろんそんなことをすればどうなるかはお決まりだ。 番のまりさは死んで、今そんな状況になっているのだから。 れいむたちをすぐ殺さなかったのはそれではつまらないから人間はわざと逃がし、恐怖を与えながら追いかけているのである。 れいむたちはこの人間の家から逃げ出し住宅街を走っていた。 狭い場所を通っても先回りした人間がいる。 隠れようにも隠れそうな場所はなかった。 「なんできゃくれしょうなばしょがないにょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「ゆっくちしないでぇれーみゅたちをたしゅけちぇよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 そんな言葉が届いたのか目の前にゴミ捨て場が見えた。 そこにはれいむたちと仲がいいまりさとありす一家がいた。 どうやら家族で狩りの最中のようである。 「おちびちゃんたち、こうやってこのふくろさんをやぶるんだぜ」 「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!!」」」 「ゆふふ、ものおぼえがいいおちびちゃんたちね」 「「「「たすけてえええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇ!!!!!」 「「「「ゆ???!!」」」」 まりさ一家が振り向いた先にはれいむ一家がいた。 ずっと走っていたせいか歯茎がむき出しで迫ってきた。 「ちょ、ちょっとれいむなんてかおしてるのよ!とかいはじゃないわ!!」 「なにがあったんだぜ??!」 「にんげんに・・ゆっくりできないにんげんからにげているんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「にんげんさん?」 「ゆ?もしかしてあれなんだぜ??」 まりさがおさげを指した先にはあの人間がいた。 れいむを見つけ玄翁を振り回している。 「ゆひいいいいいいいいいい!!!!もうきてるうううううううううううううう!!!!」 「「「きょわいよおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」 「なんだかゆっくりできないいなかものね」 「ゆふん、れいむまかせるんだぜ。まりさがあのにんげんをやっつけてやるんだぜ」 まりさは咥えていた木の枝を再び咥え直し、人間と対峙した。 「おいくそにんげん!!よくもともだちのれいむをいじめたんだぜ?!まりさがせいっさいしてやるからかくごするんだぜ!!!」 「「「おちょーしゃんかっこいいー!!」」」 「おちびちゃんたち、おとーさんのゆうしを・・・」 ドガッ!!・・・・バンッ!! 「「「ゆ??」」」 ありすたちは何が起こったか理解できなかった。 まりさが目の前で一瞬で消えたのだ。 どこに行ったか周りを見たらまりさが塀の壁にぶつかっていた。 「ま、まりさ・・・?」 「ゆべえ!!・・いだいいいい!!!!」 玄翁で殴られた痛みと塀の壁にぶつかった痛みで動けなかった。 人間はそんなまりさを玄翁で殴り続ける。 「ゆべ!!いだい!!やべ!!やめ!!ぎゃばっ!!!」 ガンッ!!ガンッ!!!ガンッ!!! 「やめてえええええええ!!!まりさが!!まりさがしんじゃううううううう!!!」 「おちょーしゃんをいじめりゅなぁぁ!!!」 「こにょくしょにんげん!!」 「ゆっくちちね!!!」 ぽふっぽふっ 子ゆっくりたちは自分の父親を救おうと人間の足に体当たりをするが、 そんな攻撃は人間の前では無意味だ。 子ゆっくりたちの体当たりを無視し、まりさを殴り続ける。 ガンッ!!!ガンッ!!!! 「あばぁ・・・・・・・・・・・やがべぇえ・・・」 殴られ続かれてまりさの体はもう潰れかかっていた。 眼球は飛び出し、餡子は飛び出て死に掛かっている。 最早助からない。 ガンッ!!! 最後の一撃でまりさの中枢餡が潰れてしまった。 まりさは「もっとゆっくりしたかった」とも言えずに殺された。 「まじざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「「「おぢょうじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛んん!!!!」」」 「まじざがあああ・・・!!れいむぅうう!!!どうして・・・・・・・・?・・・れいむ??」 ありすがれいむの方を振り向いたらいつの間にかいなくなっていた。 実はまりさが人間と対峙したときすでにれいむたちはいなくなっていた。 まりさたちにまかせ自分たちだけ逃げてしまったのだ。 「れいむおねーしゃんいにゃいよぉー??」 「ともだちのまりしゃもだわ!?」 「れいむううううううううううううう!!!!どこいって・・(ガンッ!!!)ゆぶぇ!!?」 「「「おきゃあああああああああしゃん??!!」」」 ニヤリと笑いながらありすを潰していく人間。 ありすはやめてと叫ぶがまりさと同じ結果になった。 子ゆっくりたちもである。 れいむは再び逃げ続ける。 このまま逃げても埒は明かない。 れいむは元々住んでいた公園に行くことにした。 そこには野良ゆっくりたちの群れがあり、きっとみんなならなんとかしてくれると思っていた。 ただれいいむたちは疲れていた。 走り続けていたせいで体に疲労が溜まってしまったのだ。 成体であるれいむならともかく子ゆっくりたちはいつ走れなくなってもおかしくはない。 やがて疲れたと言い止ってしまい、あの人間に殺されるだろう。 「おきゃー・・・しゃん・・・・・まりしゃ・・・」 「ゆっくち・・・・ゆっくち・・・」 「ちゅかれたああああ!!!!」 「ゆう・・・!!」 ―まずい、子供たちが駄々こねだした。 れいむはおちびちゃんたちをお口の中にいれ再び走ったが、思うように走れない。 中にいる子ゆっくりたちが外へ出ないよう口をしっかり閉じながら走るというのは予想以上に体力を使うからだ。 れいむは何か役くに立てそうなもの探した。 すると目の目にまりさがいた。 番を持っていない独身のまりさである。 「ゆ~ん♪きょうはいいゆっくりびよ「ばりざああああああああああああああああああ!!!!」ゆっ??!」 「そのおぼうしよこせえええええええええええええええええええええええええ!!!!」 「なんでそんなこと・・・ゆべあ!!!」 まりさはれいむの体当たりを喰らい帽子を外してしまった。 れいむはすかさずそれを捕り、中に子ゆっくりたちを入れた。 「ゆわーい♪ゆっくちできるじぇ!!」 「ふかふかだね!!」 「やっちょゆっくちできりゅよ!!」 れいむはおぼうしを被り再び走り出した。 「れいむううううううううう!!!まじざのおぼうじがえじゆばげ!!??」 まりさはあの人間に玄翁で潰された。 人間は逃げているれいむを見つめ追いかけた。 走るのに苦労しなくなったれいむだがまた問題が起こった。 子ゆっくりたちが腹を空かし始めたのである。 体力を消耗し、休憩中の子ゆっくりはゆっくりするために何か食べてゆっくりしたかった。 「おきゃーしゃん、おにゃかしちゃよ・・・」 「む~しゃむ~しゃしたいじぇ・・」 「くじゅおやああああああ!!!はやきゅれいみゅにごきゃんしゃんもっっちぇきょいいいいいいいいいい!!!!」 特に末っ子れいむが酷かった。 れいむはそんな子供たちのために何か食べさせてやろうと周りを見渡した。 母性(笑)というやつだろう。 すると目の前に都合よく狩りから帰る途中のちぇんを見つけた。 おぼうしの中には生ゴミが詰まっている。 「にゃ~ん♪きょうはいっぱいとれ「それよこせええええええええええええええええええええ!!!!」にゃ??!!」 ちぇんは突如現れたれいむにびっくりしてしまった。 しかもその顔はまりさ一家に見せたときよりも酷かった。 「こ、これはちぇんのなんだよー・・わかってねー・・」 「うるさいよ!!かわいそうなれいむにごはんさんをわたすのはだいゆちゅうのしんりなんだよおおおおおおお!!!?」 「わ、わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお???!!」 れいむはちぇんに体当たりし、おぼうしの中から食料を出した。 それを食べてまりさから奪ったおぼうしの中にいた子ゆっくりたちにも分けてやった。 「「「む~しゃむ~しゃ、しあわせええええええええええええ!!!!」」」 「ゆふん、おなかいっぱいだよ~」 「ちぇんのごはんさんがああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「うんうんちてあげりゅよ!!しゅっきりー!!!」モリンッ! 「にゃあああああああああああああああ!!!!にゃんでちぇんのおぼうしさんでうんうんしちゃうのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 末っ子れいむがちぇんのおぼうしの中にうんうんをしてしまった。 れいむたちもそれを見てちぇんのおぼうしにうんうんした。 「ゆふー、きれいにうんうんできたよ!ありがたくおもってね!!!」 「「「おもっちぇね!!!」」」 「おもわないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 腹がいっぱいになり体力が回復したれいむは公園を目指し走り出した。 ちぇんはおぼうしに付いたうんうんを必死に取ろうとがんばっている。 「にゃあああん!!ちぇんのおぼうしさああああん!!うんうんくさいのはにゃがっ??!」 ちぇんは潰された。 またあの人間である。 人間は再びれいむを追った。 やっとのことで公園に着いたれいむは群れがあるところにすぐさま駆け込んだ。 群れのゆっくりは見知らぬゆっくりが来てざわめいていたが、 れいむがおぼうしを取るとすぐにれいむだとわかった。 「れいむ、まりさはどうしたんだぜ??」 「それにこのおぼうしはまりさのじゃないまりさのよ?なにがったの??」 「うしろふぁっく??」 「くわしいはなしはあとでするよ!!れいむはゆっくりできないにんげんからにげてきたんだよ!!!」 「ゆ??にんげんさん??」 「にんげんさんからにげてきたんだね、わかるよー」 「なんでにんげんさんからにげてるのよ」 「れいむたちをころそうとしてるからだよ!!あのじじいはれいむのまりさをころしたんだよ!!」 群れのゆっくりたちがざわめく。 「ま、まりさがやられたの??!」 「ゆ、ゆるせないんだぜ!!せいっさいしてやるんだぜ!!!」 「しかもれいむたちのおうちをかってにはいってきたんだよ!!!ゆるせないよ!!」 「ごくあくなんだぜ!!!」 「とってもいなかものだわ!!!」 「ごうかん!!」 「むきゅう!!みんなそこまでよ!!!!」 奥からぱちゅりーが現れた。 群れのゆっくりたちは「おさ!!」といいれいむのところに道を開けた。 「れいむ、きいていいかしら」 「なに??!」 「まりさはころされたのよね」 「そうだよ!!」 「なんでかしら」 「わかんないよ!!いきなりころされたんだよ!!!」 「むきゅ・・・・」 ぱちゅりーは少し考えて・・・・ 「れいむ、おうちにはいってきたといったわね」 「いったよ!!」 「れいむたちのおうちはここにあるはずよ」 「れいむたちがみつけたおうちなんだよ!!あのじじいはあとからやってきたのにれいむたちをむししてまりさをころしたんだよ!!!」 「むきゅう、すべてがってんがいったわ」 「れいむ、あなたにんげんさんのいえにおうちせんげんしたのよ」 「ゆっ??!」 「かってにしんにゅうしてきたあなたたちをしまつしたんでしょね」 「なにいってるのおおおおおおお!!!??あれはれいむたちがみつけたおうちなんだよおおおおおおおおおおおおおおおお???!!!」 「しょーだしょーだ!!!」 「れいみゅたちがみちゅけたにょに!!!」 「おちょーしゃんはやられちゃったんだじぇ!!!!」 れいむはぱちゅりーの言った事に激怒した。 子ゆっくりもれいむと同じく怒り出したが。 「だまりなさい!!!」 「「「「ゆっ???!!」」」」 「あなたたちがばかなまねをしたせいでまりさがしんだのよ、にんげんのいえにおうちせんげんしちゃいけないってあれほどいったのに・・・」 「はあああああああああああああああああ????!!れいむがみつけたんだかられいむのものにきまっているでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!??」 「おばか!!・・・・もういいわ、あなたたちはいますぐこのむれからでていってちょうだい」 「ゆえええええええええええええ????!!どぼじでえええええええええええええええええええええ???!!」 いきなり追放宣言されたれいむはわけがわからなかった。 「にんげんさんにおわれているんでしょ?だったらここにくるかのうせいだってあるわ。そのせいでむれがほろんだらどうするのよ!!!」 「そんなのむれのみんなでやっつければいいでしょおおおおおおおおおおおおおおおお???!!」 「ばかすぎるわ!!!そんなことしてみなさい!!すぐにかこうじょのにんげんさんがあらわれてむれはぜんめつよ!!!!」 「かこうじょはゆっくりできないいいいいいいいいいい!!!!」 「れいむうううううう!!!いますぐでていきなさい!!!」 「ちぇんたちをまきこまないでねええええええええええ!!!わかれよおおおおおおおおおおお!!!!」 「どぼじでぞんなごというのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 群れのゆっくりたちにまで見捨てられてはもうれいむに行くあてはなかった。 れいむはそんな群れに嫌気を指しおぼうしに子ゆっくりたちをいれ群れを出て行った。 「そんなにいうならでていくよ!!このゆっくりなしいいいいいいいいい!!!!」 れいむはこうえんの広場に出て公園の外に行こうとした。 その時群れの方から悲鳴が聞こえたのである。 「ゆ??なに??」 れいむが振り返るとあの人間がいた。 玄翁をゆっくりたちに殴りつけ潰し、ダンボールを踏み潰し群れを蹂躙した。 潰すたびに人間は笑った。 その表情は三日月の笑みをし、楽しそうに殺している。 群れのゆっくりたちはなんとかやめさせようと止めようとしているが抵抗する間もなく殺されていった。 「やべでえええええええええええええええええええええええ!!!!れいむたちをころさないでえええええええええええええええええええ!!!!」 「まりざばだじにだぐないいいいいいいいいいいいいいいいいゆがばあああああああ!!!!」 「おちびちゃんはつぶさないでええええええええええええええ!!!!」 「むきゅううううううううううううううううううううう!!!!!」 「おうちがああああ!!!おうちがああああああああああああああ!!!!!」 「いやじゃああああああああああああ!!!はにゃちてえええええええええゆび!?」 「ありしゅのいもうちょがああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「やめるんだぜえええええええええええええ!!!いだい!!やべ!!ごめ!!ゆぶ!!」 「わがらな!!?」 「れいぷううううううううううう!!!!」 人間は次々とゆっくりを潰していった。 ぱちゅりーは逃げようとしたが掴まれて後ろから殴られようとしていた。 その時ぱちゅりーはその様子を見ていたれいむに気が付いた。 恨みの篭った目で睨み付け・・・・ 「このくそばかぐずでいぶうううううううううううううううう!!!!おばえのせいでむれがあああああああああ!!!もりのげんじゃのぱちゅがあああああああ!!!! (ガンッ!!!)ゆばっ!!?(ガンッ!!!)やべで??!(ガンッ!!!)ごべ??!(ガンッ!!!)むぎょ!!!(ガンッ!!!)ぶばあ??!!(ガンッ!!!)」 ぱちゅりーは中枢餡を潰され死んだ。 人間は向こうにいたれいむを見つめニヤリと笑い・・・こう言った。 イマカラソッチニイクヨ・・・・・・・・・ 「ゆひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 れいむは必死で逃げる。 公園を出て道という道を走り、逃げ続けた。 途中何匹かのゆっくりとすれ違ったが、後から来た人間にみな潰されていった。 「いだいいいいいいいいいいいいいい!!!!れいむなにもしでべ??!」 「きょわいいいいいいいいいい!!!!だれがだじゅ??!」 「なにもしてないのにいいいいいいいいいい!!!?まりさなにもしてないのにいいいいいいいいいいいいいいいい????!!」 「んぼおおあああああああああ!!!!もっどずっきり・・・・・」 道に歩いていた野良ゆっくりたちはわけもわからず死んでいった。 「ちがうううううううううう!!!でいぶのでいぶのせいじゃないいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 逃げながら潰されていくゆっくりたちを見る。 どれもこちらを睨んでいる様にしかれいむには見えなかった。 その時おぼうしが少し浮き、中から末っ子れいむが落ちてしまった。 「ゆ?おしょらちょんで・・・・・(ペチャっ!)ゆぴいい!!いちゃいいいい!!」 地面に落ちた衝撃で泣き出す末っ子れいむ。 痛みに耐え切れないのか必死で母親を呼ぶ。 「いじゃいいよおおおおおおおおおおお!!!おきゃああああしゃあああああああああああああああん!!!」 が、当のれいむには聞こえておらずそのまま行ってしまった。 「どぼしてええええええええ???!はやきゅきゃわいいいれいみゅをたしゅけろおおおおおこのくじゅおやああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 すでに時は遅し。 末っ子れいむが叫んだ後目の前が暗くなった。 恐る恐る振り返るとあの人間がいた。 玄翁片手で楽しそうだ。 末っ子れいむはあまりの恐怖でしーしーを漏らし、必死に助けを呼んだ。 「だれきゃあああああああああああああああああああああああ!!!!れいみゅをたしゅけろおおおおおおおおおおおおお!!! きゃわいいれいみゅがピンチにゃんだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお???!! おきゃああしゃああああああああああああああん!!!はやきゅたしゅけてええええええええええええええ!!! もうくじゅにゃんていわにゃいからあああああああああああああああああ!!!! はやきゅ、はやきゅうううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!! はやきゅたしゅけろくずおやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 (ブチッ!!!) れいむには末っ子れいむが潰されたことは知らずに逃げていた。 だがたどり着いた場所は川である。 行き止まりになってしまい絶体絶命だった。 「かわさんがあってさきにすすめないよおお・・・」 その時おぼうしの中から子まりさと子れいむが出てきた。 「おきゃーしゃん、もうだいじょうびゅ??」 「それどころじゃないよ、かわさんがあってさきにすすめないんだよ」 「どぼじてきゃわさんがありゅのおおおおおお???!」 子れいむは目の前にある川に罵倒し始めた。 しかし、そんなことしても川は道を開けてくれたり干上がったりはしない。 ただ子まりさだけは何故か冷静でいた。 するとお飾りのおぼうしを脱ぎだし、川に置き子まりさは川に浮かんだ。 「ゆっくち~♪」 それを見たれいむたちは子まりさに自分たちも乗せてくれと言ったが、断られた。 そもそも子まりさのおぼうしでは乗っても沈んでしまうだけである。 だがれいむはあることに気づいた。 自分にはこれがあると。 それは奪い取ったまりさのおぼうしである。 れいむは近くにあった木の枝を拾い、以前番のまりさが子まりさに水上まりさのやり方を教えていたときを思い出し見よう見まねでやってみた。 見事おぼうしは浮き木の枝を使い子まりさの後に続いた。 「ゆふん、やっぱりれいむはてんっさいだよ」 「しゅごーい!!おきゃーしゃんういてりゅー!!」 子まりさと合流し、親子で楽しく笑いあう。 しかし何か大切なことを忘れている。 「れいみゅはああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ????!!」 れいむは子れいむの叫びに気づき岸の方を見た。 そこには置いてきぼりにされた子れいむが必死にこちらを呼んでいる。 「ゆわあああああああああああああ!!!?おちびちゃんをわすれてたよ!!!」 れいむは木の枝を使い岸に戻ろうとした。 後もう少し、後もう少しで岸にたどり着こうとしていた。 だが、れいむは何かに気づき急に反転し、子まりさの方へ引き返してしまった。 「お、おきゃあああしゃあああん???!!どぼじてええええええええええええええ!!!?? 「おちびちゃん!!にげるよ!!!」 子まりさもそのことに気づいた。 気づいていないのは子れいむだけである。 遠ざかっていくれいむと子まりさを必死に呼び戻そうと呼んだが二匹はそのまま向こうに行ってしまった。 「どぼじでええ・・・??!にゃんでれいみゅだけ・・・・???!!」 その時子れいむは気づいた。 後ろから来る圧倒的存在感に。 そこにはあの人間がおり、子れいむを見つめていた。 子れいむはようやく気づいた。 自分は見捨てられたんだと。 あの時れいむが引き返したのはこの人間がやってくることに気づいたからだ。 仮に子れいむを助けようとしてもすぐにやってきて川に沈められる危険性があったためれいむは子れいむを見捨てたのだ。 「あ・・・・・あ・・・・・・・・」 子れいむは自分が殺されることを理解していた。 人間は玄翁を振り上げ、子れいむを潰した。 潰されるまで子れいむは「助けて」と言ったがそんな言葉に耳を貸すわけでもなく潰された。 人間は川を航海中のれいむと子まりさを見つめニヤリと笑った。 れいむと子まりさはもう少しで川を渡るところだった。 二匹ともすでに子れいむは殺されたことは理解していた。 それでも子れいむのことは口にせず向こう岸に渡ろうとしていた。 「もうすこしだよ・・・・」 「ゆっ・・・・ゆっ・・・・・・・・ゆ??」 子まりさが何かに気づいた。 なんだかあんよが冷たい気がする。 何かと思い確かめてみたらお帽子に水が溜まっていた。 「おぼうしにおみじゅしゃんがあああああああああああああああああああああああ!!!!」 何故??!!と子まりさは思った。 確かに子まりさは水上まりさではないにしろまだおぼうしが溶けるには早かった。 子まりさの体が水に浸かり溺れていく。 体は水を吸って沈んでしまい、水の中に落ちた。 その時水の中に何かいるのが見えた。 にとりだ。 一匹のにとりが子まりさのおぼうしを破き、浸水させたのだ。 体を突かれ食われていく子まりさ。 必死にもがくが無駄だった。 その時にはすでに体は四散し、水に溶けていった。 何か言いたかったらしいが水の中なのでわからなかった。 「いやーうまかったねー」 「もういっぴきもたべようよ」 「みてきたけどあれ、れいむだったよ」 「えー??!まりさじゃないの??!」 「なんでまりさのおぼうしにのってるのさー??」 「まあいいや、きょうみあるのはまりさだけだし。むししよ」 「「「そーだねー」」」 ある意味れいむは命拾いしたのである。 れいむはやっとの思いで向こう岸に着いた。 途中、子まりさが沈んでしまったことに気づいたが自分にはどうすることもできなかった。 「まりさ・・・・おちびちゃん・・・・・・・・」 れいむは失った家族のことを思い浮かべていた。 まりさ、子まりさ、子れいむ、末っ子れいむ。 全て失ってしまった。 しかしまだ自分がいる。 なんとしてでも生き残り、あの人間に復讐するのだ。 「まっててねみんな・・・・・」 (ケタケタケタ・・・・・・・・・・・・・・・・・) 「いつかかならず・・・・・・・・」 (ケタケタケタ・・・・・・・・・・・・・・・) 「かたきをとるよ!!!」 (ケタケタケタ・・・・・・・・・・・・・・・) 眉毛をキリッとさせれいむは空を見上げた。 空にはまりさたちが微笑んでいるように見えたようだ。 「みんな・・・・・・・・・・」 (ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ・・・・・・・・・・・・・・・・・) 誰かが笑っている気がする。 れいむは後ろを振り向きその者に文句を言おうとした。 「さっきからうるさいよ!!だれがわらって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!!」 だが言葉が止まってしまった。 れいむはその正体が信じれなかった。 こんな顔→(◎Д◎)し、汗としーしーを垂らしながら固まっていた。 目の前にいるものが信じられずに。 無理もない、何故ならそこにいるのは・・・・・・・ あの人間だったから。 「ゆわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!??」 れいむはわけがわからなかった。 何故ここにあの人間がいる?! 川を渡ったのにいつの間にかこちらにいた人間。 別になんら不思議ではない。 単にこの人間は橋を渡り、ここに着ただけに過ぎない。 なにせゆっくりが川を渡るスピードなぞ、ゆっくりが普通に這っているのとあまり変わらなかったのだ。 そのせいでこの人間は余裕で向こう岸に着いてしまっていた。 れいむはそれに気づかずにいつの間にか追いつかれていた。 「ゆっくりにげ・・・・・・!!」 れいむはこんな状況になっても逃げようとしたが、 人間に蹴られ10m先に飛ばされてしまった。 「おそらとんでゆばしっ??!」 コンクリの地面に顔から叩きつけられたれいむは余りの痛さに動けなかった。 その衝撃のせいで歯が何本か欠けている。 れいむは逃げようと這いつくばってでもこの場から逃げようとした。 しかし、人間はそれを許してはくれなかった。 玄翁を振り上げれいむを殴った。 ガンッ!! 「ゆがっ??!」 ガンッ!!ガンッ!!! 「ゆべ!!!ゆぎゃで!!」 ガンッ!!!ガンッ!!! (ケケケケケケケケケケケケケケケ・・・・・・・・!!!) 「ゆぎぃ!?ゆ、ゆがあああああああああああああああああああああああああ!!!!」 れいむは玄翁を叩きつけられる前にジャンプして逃げた。 力を振り絞り逃げようとする。 「ゆぎぃ・・・・!!ゆっくぎ・・・!!れいむは・・・・・ゆっくりするんだ・・・・・・!」 大した生命力である。 こんな状況になってでもゆっくりすることだけは考える餡子脳の性なのか。 その光景を見て人間はあることを思いついた。 れいむに近づき叩きつけるのではなく先ほどれいむを蹴飛ばしたようにれいむを殴った。 「ゆばっ??!おぞらどんでる???!!」 殴られた衝撃で飛んだれいむはまたもや地面とキスをした。 人間はまたれいむに近づき同じ様に殴る。 その衝撃でれいむの口から餡子が出てきた。 死の兆候である。 「ゆべばっ!!!いだいい!!いだいいいいいいいいいいいいい!!!!やだやだやだ!!!でいぶはゆぐびじだい!!!」 (ガンッ!!)「ゆがじば!!?・・・ゆぎぃ・・!!!ゆぐじ、ゆっくじぃぃいいいいいするううううううううう!!!してやるうううううううううううううう!!!」 (ガンッ!!!)「ゆぎゃら??!・・で、でいぶはおじびぢゃんとばじざといっじょに・・・・・ゆっぐりずるんだ・・・!!いぎで、いぎでゆゆっぐりいいいず・・」 (ガンッ!!!)「あぎゃあ??!・・くぞにんべんはじねええ!!・・・・ゆっぐぢできないにんげんはいばずぐじねええええええええ!!!!」 殴られ飛ばされてれいむの皮から餡子が出ている。 眼球は飛び出し、もみ上げの一本はいつの間にか取れてしまった。 人間は最後の一振りをれいむに叩きつけようとした。 その時。 「おばえにごろざれだみんばのぶんまでじねえええええええええええええええええええええええ!!!!」 そこで人間の動きが止まった。 れいむを見つめ何か考えている。 「・・・・??」 れいむは何故殴られなかったのかわからなかった。 すると人間は持っていた袋を開け、その中身をれいむの上に落とした。 ボトッ・・・ボトッ・・・ボトッ 中から出てきたのは餡子、カスタード、生クリーム、チョコだった。 れいむは落ちて来た物を必死に食べた。 「む~し゛ゃ!!む~し゛ゃ!!じあわぜえええええええええええええ!!!!」 れいむはきっとこの人間が自分のことを許してくれたのだと思っていた。 このあまあまはそのお詫びだろうと。 しかし、それは大きな間違いである。 れいむが餡子を食べているうちに中から赤い布が出てきた。 「ゆ??」 れいむは最初それが何なのかわからなかった。 だが見覚えがある。 餡子からかき出し姿を見せた赤い布の正体は真っ赤なリボンだった。 れいむはこのリボンのことをよく知っていた。 「おちびちゃんのおかざり・・・・??」 よく見ると周りにも見たことがあるお飾りが埋まっていた。 番のまりさのおぼうし、末っ子れいむのリボン、ゴミ捨て場にいたまりさとありす一家のお飾り、 うんうんをされたちぇんのおぼうし、おさぱちゅりーのおぼうしに群れのみんなのお飾り。 何故みんなのお飾りがここにあるのか一瞬理解できなかった。 だが気づいたしまった。 ここにある大量のあまあま、死んでいったみんなのお飾り。 れいむは顔を青ざめ答えにたどり着いてしまった。 これはみんなの中身だ。 「ゆべぇぇ!!?」 れいむは同族の中身を食べてしまったショックで自分の中身を吐き出してしまった。 この人間は潰していったゆっくりたちを律儀に袋に詰め込んでいたのだ。 逃げてばかりいたれいむはそんなことは知らなかった。 しかし今れいむはそんなことを考えている余裕はなかった。 死臭の匂いがするあまあまに埋もれているれいむはゆっくりできない匂いに苦しんでいた。 「ゆがあああああああああああ???!!ここはゆっくりできないいいいいい!!!だしてえええええええ!!!ここからだしてええええええええええ!!!」 人間はその様子を見て笑い出した。 もう思い残すことはないのか最後の一振りを掲げた。 逃げようとするれいむだがあまあまに足を捕られて動けなかった。 「ゆひいいいいいいいいいいい!!!いやだあああああああああああああああ!!!!ゆっくりしだいいいいい!!!ゆっくりずるんだあああああああああああああああああ!!!!!」 (ちね・・・・・・・・・・・) 「??!!」 人間の声ではない。 別の誰かだ。 れいむはこの声に聞き覚えがある。 その声の主はあまあまから聞こえてきた。 (れいみゅをゆっくちさせないくずはちね・・・・・・) 「おちびちゃん??!」 れいむは気づいた。そうだこれはおちびちゃんの声だ。 だが何故自分の子供が死ねと言ってくるかがわからなかった。 「おちびちゃん??!おかあさんにそんなひどいこといわないでね!!?」 (だまれ・・・・・・・このくず・・・) 「??!・・ぱ、ぱちゅりー・・・・??!」 ぱちゅりーの声まで聞こえた。 それに呼応して次々と声が聞こえてくる。 (しねえええ・・・・・・・・いますぐしねえええええええええ・・・・・・・・) (こっちにこい・・・・・・・ゆっくりできなくさせてやる・・・・・・・) (このいなかもの・・・・・・・よくも・・・・よくも・・・・・・・) (おまえのせいなんだよー・・・・・・・・・・・わかれよー・・・・・・・・・・・・・・) (くじゅちね・・・・・・くじゅはちねぇ・・・・・・・・) (もっとゆっくちしちゃかっちゃのに・・・・・・・・・) (すっきりしたかったのに・・・・・・・) (おまえのせいでむれが・・・・・・・・・・・・・・・・) (れいむたちかんけいなかったのに・・・・・・・・・・・・・) (ふざけるな・・・・・・・なにがゆっくりしたいだ・・・・・・・・・・・・・・・・・) ((((((((おまえはいますぐしんでこっちにこいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!)))))))) 「ゆええええええええええええええええええええええええええ????!!どぼじでそんなこというのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!??」 死んだ後もゆっくりの残留思念のようなものがれいむを死に追いやろうとする。 家族、群れのゆっくり、巻き込まれたゆっくりたちはれいむを許したりはしなかった。 人間はそれに答えてやろうかという思いで玄翁を叩き付けた。 が、さっきあまあまを食べたせいか、一撃では死ななかった。 「ゆべあ!!!いだいいい!!!ゆべでぜ!!!」 ((((((((ゆっくりしね!!!!ゆっくりしね!!!!ゆっくりしね!!!!ゆっくりしね!!!!ゆっくりしね!!!!ゆっくりしね!!!!ゆっくりしね!!!!)))))))) 「いやだああ!!あっぢに!!いきたぐない!!!ゆばば!!!ゆべべ!!!」 最後の一振り。 高く、高く上げ振り下ろそうとした。 「やべで・・・・・・・・・・ゆっくり!!!ゆっくりしだいいい!!!ゆっくりじでただけなのにいいいいいいいいいい!!!でいぶはわるぐないいいい!!!わるいのはこのにんげんだああああああああああ!!!」 (おまえがにんげんをおこらせたんだ!!!) (くじゅおやはちね!!!!) (れいみゅをみしゅてたくじゅが!!!) (いましゅぐちね!!!) 「うるざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!ゲスはいますぐきえろおおおおおおおおおおお!!!! だれがああああああああああああ!!!!でいぶをたすけろおおおおおおおおおおおおおおお!!!! ばりざああああああああああああああああああああああ!!!!くそちびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!! ぱちゅりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!! ・・・・・・・・なんでたすけにこないんだああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?? でいぶがかわぞうなでいぶがピンチなんだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?」 「ケケケケケケケケケケケケ・・・・・・・・・!!」 「??!」 「ユックリデキナクナッテシネ♪」 「いやだ!!れいむはゆ・・(ブシュウッ・・・!!!) れいむはまだ生きていた。 中枢餡が壊れていていつ死んでもおかしくはない状態だがそれでも生きていた。 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・・ゆ゛っ・・・」 人間は地面に落ちているゆっくりの中身とれいむを袋に入れ詰め直し、 笑いながら自分の家へ帰っていった。 れいむは死ぬ最後まで苦しみ死臭の中で怨念たちの声を聞きながら死んでいった。 (な゛・・・・・ん・・で・・・?・・・・・・・・・・でい・・・・・・・ばるく・・・・・・・・・・・・・な・・・・・・・・) 最後までれいむは自分が犯した罪を理解しようとはしなかったようである。 あとがき 追われるって怖いよね 予想以上に容量が大きくなりすぎてしまったorz 法然しゃんが折れた「ぐんぐにる」の挿絵を描いてくれていたようです。ありがとうございます(喜) 餡庫には保管されてませんが画像だけはすでにわが手に 大切に保管しまーす 今まで書いたやつ 加工所本部 前編・後編 れいむその後 まりさその後 14番れいむのその後 れみぃと野良豆ゆっくり 前編・後編 あいつらの違い れいむはいい飼いゆっくりさ 折れた「ぐんぐにる」 ドスれいむ
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『ゆっくりの越冬 前半』 38KB 観察 考証 越冬 自然界 人間なし うんしー 初投稿です。 ※前書き 設定の独自解釈があります。 スレなどで気に入ったネタは容赦なく盛り込んであります。 考察要素が強めです。 それでも良いと思われる方、どうぞご照覧下さい。 ゆっくりの越冬 木々の間から街を望む、小さな山の中にそのゆっくりの群れはある。 群れは小さく、長も普通サイズのまりさ。 しかし規模の小ささが幸いして人間との軋轢も生まれず比較的平穏に暮らしている。 一般にゆっくりは子沢山であり、2匹以上いればあっという間に数が増えると思われているが それは恵まれた環境に限った話。 赤ゆっくりや子ゆっくりが厳しい自然界で生き抜ける確率はそれほど高くない。 だから、この群れは2年の歳月を経ても規模があまり変わってこなかった。 そうして季節は巡り、夏の終わりに生まれた赤ゆっくりが一人前になる頃、 群れのゆっくり達が越冬の準備をしはじめると共にこの話は始まる。 「「ここをれいむとまりさのゆっくりぷれいすにするよ!!」」 彼女たちはつい先日に独り立ちしたばかりの若いまりさとれいむ。 どうやら新たな住処となる場所…自分たちだけの「ゆっくりぷれいす」を見つけたところのようだ。 この2匹は生まれた“おうち”がすぐ近くにあったために、家族ぐるみでの付き合いがあった。 小さい頃から特に仲が良く、大人になり、独り立ちすると共にごく自然につがいになったのだ。 とはいえ、今は冬の準備で忙しい時期。まだ子供を作ることはできないでいる。 2匹が巣を作ろうと決めたのは60センチ程の土手に空いた小さな洞穴。 雨で崩れたのか、木の根が露出しておりなんとも丈夫そうな佇まいである。 冬籠りに向けて通常より広い範囲で狩りを行っていた為に運よく発見できたものだ。 すぐにおうち宣言を済ませ、あとは冬に向けて住みよい様に拡張するのみとなっている。 とはいったものの、まるで誰かが住んでいたかの様に、この穴倉は2匹で暮らすには既に十分な広さがあった。 越冬用の食糧を溜めるのでなければ拡張すら必要なかったかもしれない。 「それじゃあ、まりさは かりにいってくるのぜ!」 「ゆっくりいってらっしゃい! きをつけてね!」 本来ならふたりで狩りをし、狩りを終えたらふたりで協力して穴を広げるところだが れいむは自分だけでおうち作りを引き受けるとまりさに伝えた。 小さいころから母ありすの“とかいはなこーでぃねーと”を手伝っていたれいむは 狩りよりもおうち作りが得意だった為だ。 逆に父まりさと主に木々の間を駆け巡ってばかりいたまりさはおうち作りは苦手。 そこでまりさは狩りに、れいむはおうち作りに専念することにした。 この作戦は見たところ功を奏したようである。 まりさは「群で一番の狩りの名人」、すなわちまりさ種としては平均的な能力だったが この森は食糧となる草や花も豊富であり 時間の余裕も手伝って順調に保存用のごはんを貯めることができた。 秋が終わりを告げいよいよ越冬に入る頃、まりさとれいむには丁度良いおうちが出来上がっていた。 巣穴の奥にもたっぷりのごはんが貯め込まれている。 拡張された食糧庫は、春になれば生まれてくるであろう“おちびちゃん”たちの部屋になるのである。 長まりさの娘であり幼いころからの親友であるぱちゅりーに教わって、きちんと長持ちするものだけを集めたものだ。 しっかり切り詰めれば大人のゆっくり3人が十分に食い繋げるだろうと言っていたので安心できる。 「ゆっ! さいきん だいぶすずしくなってきたね! おうちをゆっくりふさごうね!」 「わかったのぜ! でもそのまえに おとーさんとおかーさんに あいさつしてくるのぜ!」 春には再会できるとは言え、今までのゆん生と同じほどの期間会うことができなくなる。 2匹はそれぞれの両親や、同じく一人立ちした姉妹に挨拶しに行くことにした。 お互いの準備が万全であると確認し、長い時間をかけて別れを惜しむと 巣に戻り、いつもの“けっかいっ”よりも厳重に枝や石、唾液を混ぜた土で入口を丹念に塞いでいく。 自由な出入りはできなくなるものの、冷たい外気が入って来なくなり 巣の中は2匹の体温によって一定の温度が保たれるだろう。 「これで やっとゆっくりできるのぜ!」 「まりさ! はるまで ゆっくりしようね!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 「「ゆっくりしていってね!!」」 最初の夜が明け、2匹は朝の挨拶を交わした。 初めての越冬、それ以上に、初めてのふたりきりのおうち。 彼女たちを包む軽い興奮と深い幸福感は、ぷろぽーずのときの甘いふぁーすとちゅっちゅと同じ程。 親愛を込めたすーりすーりの後、食糧庫から今日のごはんとして干した草や虫を葉っぱのお皿に載せる。 これで丸一日分である。必要最低限のため、昨日までの1/10程度しかない。 「「むーしゃ!むーしゃ! しあわせー!」」 それでも2人なら、なにを食べても美味しい。 2人なら、どこにいても幸せ。 2人なら、ずっとずっとゆっくりできる。 れいむとまりさは心の底からそう信じていた。 ごはんが終わったらお互いをぺーろぺーろして綺麗にし、まだ見ぬ春への思いを話し合う。 「はるになったら みんなでピクニックにいこうね!」 「おはなさんをたくさん むーしゃむーしゃするのぜ!!」 「おとーさんや おかーさんや おねーちゃんたちと たくさんすーりすーりしようね!」 「まりさたちも すっきりーして おちびちゃんをたくさんつくるのぜ!」 「もう… まりさったら…///」 「ゆへへっ …はるさんが まちどおしいのぜ!」 「そうだね! はるさんは ゆっくりしないで はやくきてね!」 お喋りが終わったらお昼寝の時間。これからは食糧や体力を無駄にできない。 昼間の僅かな時間以外のほとんどを仮眠と睡眠で過さなければいけなくなる。 だが、ふたりにとってそれは苦にならないだろう。何故なら自分の一番大事な宝物がすぐ横にいる。 それを意識するだけでれいむもまりさも餡子の奥がポカポカしてくるのを感じていた。 彼女たちにとって、ふたりきりでゆっくりし続けることができるこの冬籠りは ゆっくりしている自分達への神さまからのご褒美だとすら考えられた。 “きっとこれが本当のゆっくりなんだね…” そんなことを考えながら、ふたりは再びまどろみの中に落ちていった。 そんなしあわせーな生活が1週間もした朝。 「ゆぅ… はるさんはゆっくりしすぎなのぜ」 ゆっくりはゆっくりしていれば幸せとは誰が言ったのだろうか、 まりさはいつまでも訪れぬ春に苛立ちを覚え始めていた。 もう数え切れないほどに“たくさん”寝て起きたのに春の気配は感じられない。 秋の間、野山を駆け巡る生活をしてきたまりさは体を思いきり動かせないことが不満なのだ。 思う存分ぴょんぴょんしたい。干し草ではない、獲ったばかりの虫さんやキノコさんをむーしゃむーしゃしたい。 そんな思いがつい漏れてしまった。 「ゆっ? どうしたのまりさ?」 「なんでもないのぜ! ちょっと ねてばっかりだと からだがなまっちゃいそうだって おもっただけなのぜ!」 「ゆふふっ! まりさは かけっこが だいすきだもんね!」 「そうなのぜ! かけっこなら ちぇんにだってまけないのぜ?」 「ゆゆぅ!? すごいねまりさ!」 実際のところ彼女たちの群れにちぇんはいない。比べたことも勿論ないのだが、れいむはあっさり信じる。 れいむにとってまりさは特別なゆっくり。ちぇんよりも素早く、みょんよりも勇敢に違いない。 だが、だからこそ、れいむは冬籠りの退屈さが活発なまりさには辛いのだろうと気が付いていた。 なんとかしてまりさにゆっくりして貰いたい…れいむは必死に餡子を捻り、 ついに今まで誰も思いつかなかったような素晴らしいアイデアを閃いた。 「まりさ! おちびちゃんがいれば ゆっくりできるよ!」 まりさは突然の言葉に驚き、同時に心配をかけていたことに気が付いた。 大好きなれいむを心配させていたなんて…そんな自分の為にれいむ色々と考えてくれたんだ。 深い反省と感謝の気持ちがまりさを満たしていく。まりさは知らず知らずのうちに笑顔を浮かべていた。 一瞬ぽかんとした後、ゆっくりと笑顔になるまりさを見て れいむは自分のアイデアが間違ってはいなかったと改めて確信する。 おちびちゃんがいれば退屈で辛い冬籠りも明るく楽しいものになるだろう。 春まで待とうとしていた理由は思い出せないが、思い出せない位ならどうせ大した理由ではなかったのだろう。 『こんな素晴らしい事を何故もっと早く考え付かなかったのか。』 れいむはこれまでの時間を無駄にしたようにすら思えてきた。だが過ぎたことを嘆いても仕方がない。 大切なのはこれからの冬籠りを、まりさと、かわいいおちびちゃんたちとゆっくり過ごしていくことだ。 もう寝ては起きて春を待つだけの生活はおしまいなのだ。れいむには、未来は薔薇色の日々が約束されていた。 美味しそうな花がたくさん咲く広場で、自分に似たおちびちゃん達とゆっくりしたおうたを歌う光景を 幻視していたれいむは、しかしまりさの言葉で現在に引き戻された。 「ゆ? でもぱちゅりーは 『ふゆのあいだにおちびちゃんをつくるとゆっくりできなくなる』 っていってたのぜ?」 「ゆゆっ!? おちびちゃんはゆっくりできるんだよ!?」 そう言われれば確かにぱちゅりーはそんなことを言っていた。 その時は気が付かなかったが考えてみればおかしな話である。 おちびちゃんはれいむ達をゆっくりさせる為に生れて来てくれるのだ。ゆっくりできない筈がない。 「ごはんを食べたらお腹が減る」と言っているようなものである。 とはいえ、ぱちゅりーはとても賢く、間違ったことを言ったことは一度もない。 そのぱちゅりーが「ゆっくりできない」と言ったのならそれはきっとゆっくりできないのだ。 れいむとまりさは混乱した。なにせおちびちゃんがゆっくりできるのは間違えようのない事実なのだから。 この矛盾に2匹は… 「ゆっ! きっとぱちゅりーがかんちがいしたんだね!」 さして悩まずに結論を出した。 ぱちゅりーはつがいもおらず当然子供もいない。だからきっと何かの勘違いだったのだろう。 即時満場一致で可決。 そうと決まれば善は急げである。 彼女たちは失った時間を取り戻すかのように互いの肌を擦り合わせ始めた。 「すーりすーり… ゆゆっ… れいむぅ…」 「ゆぅう… まりさぁ… とってもきもちいいよぉ…」 ぬちゃぬちゃ。ぴちゃぴちゃ。 妙に粘度の高い砂糖水がぬらぬらと滴る。 二匹とも眼をトロンとさせ、口元はだらしなく半開きで涎が垂れている。 普段の姿からすれば眼を背けたくなる醜悪さだが興奮ゆえか気が付いていないようだ。 相手の分泌した液体を自らの肌で拭おうとしているのか… あるいは自らの分泌した液体を相手の肌に擦りつけようとしているのか。 どういう原理か桜餅のように紅潮した二つの饅頭は徐々にその動きを速めていく。 「「すっきりー!!!」」 巣穴に響くような叫びと共にその動きをぴくりと止めた。 一呼吸付く、とれいむの額から瑞々しい新緑の茎がするすると伸び始める。 30センチを越えた程で伸びるのをやめ、次に等間隔に出来た6つの瘤が少しずつ膨らみ始めた。 一方れいむは幸せに満ちた表情で自分の頭に宿った実を眺めているが、みると明らかに頬がこけている。 1週間にわたる摂食生活では植物型妊娠に耐えられないのだろう。 頬がべこんとへこむに至り、ようやく自分の状態に気が付いて騒ぎ始めた。 「ゆぅぅぅうう!!? これいじょうれいむのあんこさんすわないでねぇぇぇ!!! でいぶじんじゃううぅぅぅ!!!」 「ゆあぁぁぁああ!? れいむぅぅぅ!?!?!」 焦ったまりさは食糧庫に飛んでいき、大量のごはんをれいむの口に押し込んだ。 大切な食糧だがれいむの命には代えられない。それに少しくらい多く食べても大丈夫な程に食糧は貯めた筈だ。 結局普段の一日分程の食糧を食べるに至りようやくれいむはいつもの丸い形と笑顔を取り戻した。 「ありがとうまりさ! やっぱりまりさはさいっこうっのだーりんだよっ!」 「ゆっへん! それほどでもあるのぜ! れいむはかならずまりさがまもるっていったのぜ?」 記憶にはないが確かに言われてみれば言われた気がする。れいむは一人まりさへの愛を深めていた。 そんな寸劇が終わってみれば、蔓にできた6つの瘤は 直径3センチ程の大きさながらゆっくりの姿を形作っていた。いわゆる実ゆっくりだ。 無事(?)ににんっしんっ!成功である。 6日後。 「ゆゆぅ~~~んっ! れいむのおちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるよぉ~~~!!」 「おちびちゃんたち、ゆっくりうまれるのぜ! ゆっくり! ゆっくりなのぜ!」 「もう! まりさも もっとゆっくりしてね!!」 まりさが「おちびちゃんのため」といってれいむに多めのごはんを食べさせていた甲斐もあり 実ゆっくりたちはもう生まれる寸前の大きさになっていた。 この日は朝からぷるぷると震えており、もうすぐ赤ゆっくりが産声をあげることを2匹に教えている。 まりさなど興奮しすぎて実ゆを取って食わんばかりの接近だ。 そんな両親に見守る中、赤ゆたちは誕生の時を迎えた。 ぷるぷるぷる、ぷちっ…ぽとん。「ゆっ!」 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 「れいみゅはれいみゅぢゃよ! ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 「ゆぅぅ~! とってもゆっくりしたおちびちゃんなのぜぇ!」 「ゆっ! つぎのおちびちゃんもうまれそうだよ!」 ぷちっ…ぽとん。「ゆっ!」 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 「「「ゆっくりしていってね!!(ゆっくちしちぇいっちぇにぇ)!」」」 「まりちゃはまりちゃにゃのじぇ! ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 「しゃべりかたまで まりさにそっくりだね!」 「れいみゅのいもーちょぢゃにぇ! れいみゅはれいみゅぢゃよ!」 ぷちっ…ぺちょん。「ゆ゛っ!」 「まりちゃはまりちゃぢゃよ! ゆっくち! ゆっくちぃ!」 「とってももちもちおはだなおちびちゃんなのぜ! しょうらいは びゆっくりまちがいなしなのぜ!」 ぷちっ…ぽよん。「ゆぴっ!」 「れいみゅはれいみゅぢゃよ! ゆっくちちちぇいっちぇにぇ~♪」 「おうたのじょうずそうな おちびちゃんだよぉ!」 続けざまに4匹の赤ゆが生まれ巣穴はやにわに賑やかになった。 5つめの実が大きく震え始めたのを見てまりさも赤ゆ達もさらに興奮が高まる。 「ゆゆぅー! まりちゃのいもーちょ! ゆっくち! ゆっくち!」 生まれて1分足らずにも関わらず姉としての意識が芽生えているのだろうか、 揺れる実を見上げながらぴょんぴょんと飛び跳ねる3女赤まりさ。 ぷるぷるぷる、ぷちっ…べちょっ。「びゅべっ」 「ゆっくちちいぇいっちぇにぇ!」 飛び跳ねすぎて生まれてくる赤ゆの真下に入ってしまったらしい。落下した妹が直撃した。 ピンポン玉サイズである赤ゆの重量など高が知れているが、自身も生まれたばかりの身。 赤まりさは大きくひしゃげ餡子を吐き出してしまった。 「ゆあああ!? おちびちゃぁぁぁああん!?」 「ゆっ! まりちゃがうまれちゃよ! ゆっくちちちぇいっちぇにぇ! ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!」 「びゃべっ! ゆげっ! ゆぢっ!」 姉の惨状に気付かない赤まりさは挨拶がなかったことに不満を覚え、その場で何度も飛び跳ねる。 「ゆ゛っ ゆ゛っ ゆ゛っ」 「おちびちゃんとびはねちゃだめぇぇぇぇぇ!!」 「ゆぅ? …おにぇーちゃぁぁぁああん!? にゃんぢぇぇぇぇえええ!?」 「…もっちょ…ゆ゛っぐぢ………」 「「おちびちゃんがぁぁぁぁあああ!!!!」」 「「いみょーちょぎゃぁぁああ!?!?」」 「「おにぇーちゃんぎゃぁぁぁ!!」」 気が付いた時には既に手遅れ。体の大半の餡子を吐き散らし、生まれたばかりの命は儚くもあっさり散った。 突然の不幸に嘆く一家。しかし悲しみに暮れる間もなく蔓に残った最後の実が大きく揺れ始める。 残念だけど、死んでしまったおちびちゃんのことは諦めよう。おちびちゃんはまた作ればいい。 今は悲しむよりも、残ったおちびちゃんにより深い愛情を注ぐべきなのだ。 驚くべき速さで気持を切り替える両親。 潰れた饅頭の残骸もそのままに、最後の子供の誕生に意識を集中する。 ぷるぷる、ぷちっ…ぽゆん。 「ゆぴ! ゆっち! ゆっち!」 「「ゆっくりしていって…ね…?」」 「ゆち! ゆー! ゆっくちー!」 「ゆ? れいみゅにょいみょーちょ…にゃんぢゃきゃ ゆっくちちちぇにゃいにぇ…」 お決まりの挨拶すらまともに出来ず、髪の毛は頭頂部に申し訳程度。 瞳の焦点も定まらず口からは涎が垂れている。 言うまでも無い事だが、ゆっくりは「すっきりー」すると、体調に関わらずある程度の数を「にんっしんっ」する。 節食生活だったれいむでは6匹の子供は多すぎたのだ。 さらに越冬中であるのも災いした。 実は普段の生活において、植物性にんっしんっは実ゆっくりが落ちてしまうことが多い。 ただ4つ以上は「たくさん」としか認識できない為に2つ3つ減っても親は気がつかないのだ。 洞窟の中で安静にしていたれいむは幸か不幸か全ての実が順調に育ってしまった。 すなわち、多少多めに食べたところで普段の半分以下。 6女のれいむは未熟ゆで誕生したのである。 先に生まれた姉たちは、本能が異端を許さないのか生まれたばかり妹に蔑むような視線を向ける。 れいむとまりさも困ったようにお互いを見合わせた。 「ゆぅぅ…ゆっ! きっと ごはんさんがたりなかったのぜ! このおちびちゃんも ごはんさんをたくさんたべれば、ほかのおちびちゃんみたいになるはずなのぜ!」 「ゆっ! そうだね! このこも れいむのかわいいおちびちゃんだよ!」 「ゆっくちぢぇきにゃいよ…」 「あんにゃ いもーちょにゃんちぇ いりゃにゃいよ…」 気を取り直して子育て宣言をする2匹だが、姉妹のほとんどは末れいむを疎んでいるのに気がつかない。 「まりちゃは おにゃきゃぎゃしゅいちゃよ! ごはんしゃんを むーちゃむーちゃしゃしぇちぇにぇ! いましゅぎゅぢぇいいよ!」 「ゆっ! おちびちゃんたちは このくきさんをたべるのぜ! むーしゃ、むーしゃ、ぺっ」 まりさがれいむの頭の茎を口で咥えて根元から折り、良く噛んでから吐き出す。 これが赤ゆ達の最初の食事である。 この茎は程良く甘く、程良く苦い為に生まれたばかりの赤ゆの味覚調整の役割があると言われている。 「ゆわーい! まりちゃにょ しゅーぱーむーちゃむーちゃたいみゅぢゃよ!」 「まだだよおちびちゃん! ちゃんとみんなで いただきますをしようね!」 「しょうぢゃよ! ひちょりぢゃけ しゃきにむーちゃむーちゃ しゅりゅにゃんて ゆっくちちちぇにゃいよ!」 「ゆぅぅぅ! ぢょぉぢぢぇ じょんにゃぎょぢょ いうにょぉぉお!?」 「おちついてね! ごはんさんはにげないよ! ゆっくりたべてね!」 「「「ゆっくちいちゃぢゃきましゅ!!」」」「うみぇっ! こりぇめっちゃうみぇっ! ぱにぇっ!」 「「「むーちゃ! むーちゃ! ちあわちぇぇぇ!!」」」 結局5女まりさは挨拶もせずに食べ始めていた。 よほどお腹が減っているのだろう、それにまだ生まれたばかりなのだから… そう思った両親は5女まりさを可愛いと感じこそすれ叱ることはしなかった。 「ゆぷー、おにゃきゃいっぴゃいぢゃよ」 「ごちちょうしゃみゃぢぇちちゃ!」 「おぉ、みゃんぴゅきゅみゃんぴゅきゅ」 「れいみゅ にゃんぢゃきゃ にぇみゅきゅにゃっちぇきちゃよ…」 「ゆぴー…ゆぴー…」 初めてのごはんを食べ終わった赤ゆ達には早くも睡魔が降りてきたようだ。 この日の為にまりさが作っておいた「べっど」(干し草をまとめてくぼみを作っただけのもの)に 寝かせてあげると、あっという間に寝息を立て始める。 れいむとまりさは不幸な3女の死骸を 「はるさんがきたら ちゃんとうめてあげるからね…」 といって食糧庫の隅に移動させた後、自分達の食事をしていないことも忘れて にこにことおちびちゃん達の寝顔を眺めていた。 「ゆっ! れいみゅゆっくちおきちゃよ!」 「ゆっくちあしょぶのじぇ!」 「おきゃーしゃんにょ おうたぎゃききちゃいよ!」 「おちょーしゃん! まりしゃにしゅーりしゅーりしちぇにぇ!」 「ゆっち! ゆっくちー!」 やがて赤ゆ達は眼を覚まし、今度は遊びの時間が始まる。 長女れいむと次女まりさは元気におうちのなかを追いかけっこ。 成体であるれいむとまりさには運動する程の広さは無い巣穴の中もピンポン玉程の赤ゆにとっては大運動場だ。 4女れいむは母れいむにおうたをせがみ、れいむも嬉しそうにそれに応える。 5女まりさは父まりさに近寄って(殆ど父まりさの方から近寄っていたが)頬ずりしている。 「ゆ~ゆゆ~♪ ゆっくりしていってね~♪」 「ゆんゆ~ん♪ ゆっくち~♪」 母のゆっくりした歌声を聞き、自分も真似して歌い出す4女れいむ。 今まで聞いたこともないような美声、そして拙いながらも一生懸命に歌う姿は母れいむをさらに感動させた。 きっとこのおちびちゃんは群れ一番の歌姫になるだろう。 母に褒められた4女れいむは恥ずかしそうに笑う。 きっと自分は皆をゆっくりさせるために生まれてきたんだとれいむは思った。 沢山練習して、群れの皆を沢山ゆっくりさせてあげるんだ。それが本当のゆっくりに繋がるんだ…。 そんな決意を胸(?)に生まれたばかりのれいむは歌の練習に励んでいた。 「ゆゆ~ゆ~ん♪ ゆっくちちちぇいっちぇにぇ~♪」 「ゆっくりしていってね~♪」 「ゆっ! まりちゃは たきゃいたきゃいしちぇほちいよ!」 未熟な末れいむもに5女まりさと同様、父まりさの頬にすり寄ってきたが、5女まりさはそれを一瞥すると 今度は「たかいたかい」をねだりはじめた。 「たかいたかい」はまりさ種特有の行動で、帽子のつばでぽんぽんと子供を跳ねさせる遊びである。 ある程度大きくなると乗ることはできなくなるが、空を飛ぶような感覚はほとんどの赤ゆを魅了する。 可愛いおちびちゃんにねだられて父まりさが断る筈がない。 器用につばの先を地面に近寄せて5女まりさを載せると、天井にぶつからないように注意深く跳ねあげる。 「おしょりゃをとんじぇりゅみちゃい!」 姉妹達を遥か眼下に望み、あれほど巨大な両親すら見下ろす高度は赤まりさに浮遊感を覚えさせる。 おうちの中でなければきっと世界の果てまで見渡すことができるだろう。 こんな場所から世界を見下ろす自分はきっと誰よりも選ばれたゆっくりに違いない。 5女まりさは、自らが全てを超越した万能な存在であることを自覚した。 見れば地べたで出来損ないの妹がぴょんぴょんと飛び跳ねている。 クズの分際で自分と同じ場所に並びたがるとはなんて身の程知らずなのだろう。 「ゆ? おちびちゃんも たかいたかいがしてほしいの?」 「ゆっち! おちょりゃ! ゆっくち!」 しかし、あろうことか父まりさはクズ奴隷を帽子に載せてしまった。 まったく…それこそ勘違いした奴隷を付けあがらせるだけだというのに。 「おしょりゃをとんじぇりゅみちゃい!」 「おちょりゃ! おちょりゃ!」 だが一度浮き上がると細かい事は気にならなくなる。全てを忘れ恍惚感に浸る5女まりさ。 仲良く飛び跳ねるおちびちゃん達を見て父まりさは満足そうに微笑んだ。 この子達なら、春が来ても他のゆっくりのおちびちゃんと仲良くなれる。 きっと子供たちのリーダーになるに違いない―――父まりさはそう思っていた。 そうして30分も経ち、外ではすっかり日が高くなった頃。 「ゆっくちおにゃきゃがしゅいちゃよ!」 「まりちゃは むーちゃむーちゃちちゃいにょじぇ!」 追いかけっこをしていた長女れいむと次女まりさは、たっぷり運動してお腹が空いたらしい。 本来、冬籠り中はなるべく活動を控えて餡子の消耗を抑えなければいけない。 ぱちゅりーに言われた通り1日1食のつもりだった両親は困ってしまったが、赤ゆは元気に遊ぶのが仕事。 生まれたばかりのおちびちゃんに「じっとしていろ」なんてゆっくりできないことを許せる両親ではなかった。 確かに赤ゆっくりは食欲旺盛で1日に自分の体積の2倍以上食べてしまうが、 体が小さいので一度に食べるごはんの量は全員分を合わせても大人1人分程よりやや少ない程度でしかない。 ぱちゅりーは「大人3人分」と言っていたし、おちびちゃんが「たくさん」よりさらに沢山いても ごはんが足りなくなる事はないだろうと考え直した。 「ゆっ! そういえばまりさたちも きょうのごはんさんを むーしゃむーしゃしてなかったのぜ!」 「ゆゆっ! すっかりわすれてたよ! それじゃみんなでごはんにしようね!」 れいむとまりさの食事は最低限の量しか食べていないのでこれを忘れるわけにはいかない。 普段1日に食べる量のわずか1/10程度だが、可愛いおちびちゃんを見ていれば空腹なんて吹っ飛んでしまう。 まりさが急いで全員分のごはんを用意し、皆でいただきますの挨拶。 「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」」 冬籠り中でなければもっと新鮮な木の実や虫をお腹いっぱい食べていたれいむとまりさだが、 それでも家族で食べるごはんは別格の味わいを2匹にもたらした。 しかし… 「むーちゃ!むーちゃ! …まじゅいぃぃい!! 「こりぇどきゅはいっちぇりゅ!」 「こんにゃにょ たびぇらりぇにゃいよ! あみゃあみゃしゃんもっちぇきちぇにぇ!」 「「ゆ…ゆゆぅっ!?」」 顎の弱い赤ゆ達は干し草を噛み砕くことができず、さらに苦みに耐えられないので 親がしっかり咀嚼してから与えなければいけない。 そうして柔らかくし、砂糖水の唾液と混ざることで甘くなって初めて食べられるようになる。 れいむもまりさも餡子に刻まれた本能で知っていた筈だが、すっかり舞い上がってしまい忘れていたのだ。 急いで一匹ずつごはんを噛み、口移しで与え始めた。 「ゆっ! ごめんねおちびちゃんたち! ちょっとまっててね!!」 「もっ もっ もっ… やわらかくなったのぜ! じゅんばんに あーんするのぜ!」 「あーんしゅるよ! …むーちゃ!むーちゃ! ちあわちぇぇぇ!!」 今度こそ大丈夫だ。思いがけないトラブルもあったが無事に全員が食事を終えた。 一安心した両親だが、すぐに次の問題が浮かび上がる。 半月以上少ない食事を続けたれいむとまりさは忘れていたが お腹がいっぱいになったゆっくりがすることと言えばひとつである。 「ゆっ おにゃきゃいっぴゃいぢゃよ!」 「きゃわいいまりちゃぎゃ うんうんしゅるにょじぇ! しゅっきりー!」 「うんうんでりゅよ! しゅっきりー!」 「しゅっきりー!」 「ちゅっち! ちゅっちー!」 ぷりぷりと不快な音を響かせて次々と「うんうん」…古い餡子を排泄する赤ゆ達。 赤ゆはこうして体内の餡子を新しくすることで成長していく。 古い餡子のままでは体が大きくならないのである。外皮と中身の違いはあるが、言うなれば脱皮に近い。 生まれた直後に食べた茎は量が多すぎず、赤ゆは何故か空腹状態で生まれるために 食べてもうんうんをしなかったのだ。 「ゆゆぅ!? おちびちゃんたち! うんうんしちゃダメなのぜ!」 「にゃにいっちぇりゅにょ? うんうんしにゃいちょ ゆっくちぢぇきにゃいよ?」 「ばきゃにゃにょ? ちにゅにょ?」 「まぢゃでりゅよ! しゅっきりー!」 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!?」 当然まりさにはそんなことは判らない。 知っているのは冬籠り中にうんうんで餡子を無駄に消費してはいけないということだけ。 しかもさっきはしなかったのに、という驚きが加わっている。 赤ゆは赤ゆで越冬などという概念は理解していない。 より沢山食べて、より沢山排泄する。 それが成長に…ひいてはゆっくりするのに必要なプログラムとして餡子に刻まれているだけだ。 「まりさ! おちびちゃんがうんうんするのはしかたないよ!」 「ゆぅ… でも…」 「おちびちゃんは たくさんゆっくりさせてあげないと しょうらい ゆっくりしたゆっくりに なれないよ! それに ごはんさんも たくさんあるんだから だいじょうぶだよ!」 れいむはそれが本能で判っているのか、まりさを諭す。 一般にれいむは子育てが上手だと言われるのも、赤ゆの成長メカニズムを 本能で理解しているからという説がある(ただの迷信で、むしろ下手だという説もある)。 保存した食料が少なければれいむも考えただろうが、余裕があるならむしろゆっくりすることを推奨した。 ごはんはたくさんある。そう思えばこそまりさも納得した。 しかし問題はこれだけで終わらない。 「ゆぁぁん!! くちゃいぃぃ!!」 「にゃんぢぇ おうちにょなきゃに うんうんがありゅにょぉぉぉ!? 「ゆぴぃぃぃ!!」 「うんうんしゃん あっちにいっちぇにぇ! ゆっくちぢぇきにゃいぃぃ!!」 「はやきゅ うんうんをどっきゃにやっちぇにぇ! まりちゃこみゃっちぇりゅよ!」 「「ゆぅぅぅ!!?」」 自分達の出したうんうんの臭いに苦しみ出す赤ゆ達。 成分は唯の餡子なので実際には臭いなどしないのだが、ゆっくり達は口をそろえてうんうんは臭いのだと言う。 ゆっくりは都合の悪い記憶、いわゆる「ゆっくりできない記憶」を含む餡子をうんうんとして外に出す。 饅頭の癖に(饅頭だからこそか)甘い物を異常に好むゆっくりが その悪い記憶を誤って食べてしまわないようにする為の本能なのだろう。 ちなみにうんうんだと知らなければ普通の餡子として喜んで食べる。 閉じた巣穴の中に広がるうんうん臭。 本来なら外に捨ててくる筈のものだ。いや、そもそも大人のゆっくりはおうちの中でうんうんをしたりしない。 赤ゆだからおうちの中でするのは仕方がないとしても、冬籠りをしている今、うんうんを捨てる場所はなかった。 もちろんおうちの「げんかん」を開けるなどという発想は出ない。 考え付いたところで、外の寒さが巣穴に入り込めば生後半日の赤ゆなど30分で凍死してしまっただろうが。 「しかたないのぜ… げんかんのちかくによせて、おおきめのはっぱさんを かぶせておくのぜ」 早く処理しなければ赤ゆ達の命に関わると、とっさの苦しい判断だが意外なことに功を奏した。 しっかり塞いであるとはいえ、巣穴の入り口付近は寒くなるので冬の間は近寄らない。 この寒さが幸いし臭いが拡散するのを防いだのだ。 予備の布団として準備してあった葉っぱを被せるとおうちの中から見事うんうん臭は消えさった。 「ゆっ! くちゃくにゃきゅにゃっちゃよ!」 「ゆっくち! ゆぴっ! ゆっち!」 「おちょーしゃん ありぎゃちょー!」 「ゆん! いっけんらくちゃくなのぜ!」 安心したらしい赤ゆはまたすぐ眠りに落ちる。まさに食う寝る遊ぶの繰り返し。 一方れいむとまりさは朝から慌て通しだが、可愛いおちびちゃんのいる生活はそれでも幸せなものらしい。 赤ゆ達が再び目覚めるまでにこにことその寝顔を眺め続けた。 燃費の悪い赤ゆはごはんの間隔も短い。 その後も午後と夕方にもう一度ずつごはんを食べ、ようやくこの一日は終了した。 それから3日、大きなトラブルもなく赤ゆたちは順調に成長していた。 順調に育っているらしく生まれたときより一回り大きくなっているが、対して両親は心なし痩せて見える。 気まぐれで全く我慢と言うことをしない赤ゆの世話で消耗しているのだろう。 元々寝ていることを前提にした食事量は、子供たちの遊びに付き合うには少なすぎるのだ。 それでもみだりに食べる量を増やさないのは2匹は賢さの故か、 はたまた量を測るのに使うお皿が変わらないからか。 「ゆぅ… ごはんさんはたりてるはずなのに なんだかおなかがすくよ…」 明らかに後者であった。 おちびちゃんたちに聞かれないよう、そっとぼやくれいむ。 だがそこは怒鳴ることはできても声をひそめる事のできないナマモノの事 遊びに夢中な子供達は気がつかなかったが、まりさにあっさり聞かれてしまった。 「きっとこそだてで つかれてるのぜ! ゆっくりねれば だいじょうぶなのぜ! どうしても おなかがすいたら ごはんさんを おおめにたべるのぜ? ごはんさんはまだ たくっさんっあるから すこしくらいなら もんだいないのぜ!」 そう。確かにごはんは沢山ある。 冬籠りの初日、まりさが狩りで集めた山盛りの食糧を見てれいむは感動したものだ。 こんなに沢山のごはんは、きっといくら食べてもなくならないだろうと。 あれから何日も経った今でもその量は寸分も減っていないようにすら見える。 しかしそれでもれいむは追加で食べるつもりはなかった。 自分が食べるよりも、おちびちゃんにより多く食べさせてあげたい…そう思っていた。 「まりちゃも ぎょはんしゃん たびぇちゃいのじぇ!」 「れーみゅも むーちゃむーちゃちちゃいよ!」 「ごはん」という言葉を聞いて、赤ゆ達は思い出したように次々と空腹を訴え始めた。 「ゆっ! それじゃ ゆっくりごはんさんにしようね!」 「「「ゆっくちいちゃぢゃきましゅ!!」」」 いつもどおりに始まる昼食だったが、いつもとひとつ違うことがあった。 食べ終わった赤ゆ達がどこか不満げである。 「ゆー! じぇんじぇんちゃりにゃいよ!」 「もっちょちょうらいにぇ!」 れいむはお皿の葉っぱで量をはかっている為、体が大きくなっているのに 貰えるごはんの量が変わっていなかったのだ。 実のところ朝食から若干足りてはいなかったのだが、起きてすぐの朝ごはんだったのに加え 足りない量も僅かだったために不満を漏らさなかった。 しっかり遊んだ後のごはんが足りないという事実はあっというまに赤ゆの不満を爆発させた。 驚いたのは両親だ。 朝のごはんまでは同じ量で満足していたのに。 「おちびちゃんたち! ごはんさんはちゃんと いつもとおんなじだけあげたよ!」 「そうなのぜ! たべすぎはゆっくりできないのぜ!」 そう諭しても赤ゆの不満は止まらない。もとより我慢という物を全くしないナマモノである。 今までは満腹になるだけ食べていた、というそれが彼女たちの全てである。 その中でも特に単純な…というより原始的な知性しか持ち合わせていない 未熟ゆである末れいむが行動を起こした。 妹から順番に与えられていた為に、末れいむが食べ終わった時は上の姉達はまだごはんにありついていない。 だからその与えられたごはんを横から奪ったのだ。 「まりちゃにょ ぎょはんしゃんぎゃぁぁぁ!?」 「ゆうぅぅ!? おちびちゃん、おねえちゃんのごはんさんをとっちゃダメだよ!!」 「うーちゃ! うーちゃ! ちゃっちぇー!」 親は慌てて止めるが口で言って聞く相手ではない。至福そのものの表情で次女まりさのごはんを貪る末れいむ。 「ゆっ! まりちゃをさしおいちぇ むーちゃむーちゃしゅりゅなんちぇ にゃみゃいきぢゃよ! まりちゃみょ むーちゃむーちゃしゅりゅよ!」 それを見た5女まりさも乏しい理性が飛んだのだろう、同じく次女まりさのごはんに齧り付こうとした。 だがその瞬間… ぼいんっ 「ぎゅぴぃっ!?」 「お、おちびちゃん!?」 「ぴぃぃぃ! ゆぃぃぃ!!」 長女れいむが末れいむに体当たりした。 「ぷきゅぅぅ! しょりぇはまりしゃにょぎょはんしゃんぢゃよ! ゆっくちはんしぇいしちぇにぇ!」 長女としての責任感が芽生えているのか、悪い事をした妹と威嚇する長女れいむ。 末れいむは突然の攻撃に訳も判らず泣き叫ぶだけだ。 「ゆゆゆ… ゆっ! れいむ! ごはんさんのおかわりをもってくるのぜ!」 「ゆ…ゆゆっ! わかったよ! おちびちゃんたちは もうちょっとまっててね!」 とっさのことに対処しきれない両親だったが、ひとまず食糧庫に追加のごはんを取りに行く。 慌てたとはいえ、ここで2匹とも食糧庫に向かったのが失敗だった。 「まりちゃにょ ぎょはんしゃんをとりゅ げしゅなゆっくりは しぇいっしゃいっ! しゅりゅのじぇ!!」 自分のごはんをとられた次女まりさが泣き叫ぶ末れいむに飛びかかった。 相手はもともとゆっくりできず疎ましかった未熟ゆだ。 ごはんを奪われたことで完全に「外敵」としか捉えられなくなっている。 両親のいない今、その攻撃を止められる物はいない。 追いかけっこで鍛えた俊足のあんよで妹にのしかかり、激しくストンピングする。 「ゆぎ! ゆぎゅ! ぎぢいぃぃ!!」 「ちにぇ! ちにぇ! げしゅはゆっくちちにぇぇぇ!!」 頭頂部に僅かな髪と共に生える小さなモミアゲを激しく振りながら悶える末れいむ。 その動きが気に食わないのか次女まりさはモミアゲを咥えて強く引っ張ると、 ブチブチと音を立てて未発達なモミアゲは千切れ傷ついた皮の隙間から赤ゆの柔らかい餡子が覗く。 再びストンピングを始めると傷口が大きく裂けて中身が吹き出てきた。 こめかみと口、あにゃる、目玉の隙間から内容物をぶちまけて末れいむは徐々にひしゃげ、潰れていく。 「まりちゃ! ゆっくちちちぇにぇ! !ゆっくちちちぇにぇ」 「しょうぢゃよ! しょんにゃやちゅ ゆっくちぢぇきにゃいよ! きゅじゅはゆっくちちんぢぇにぇ!」 「にゃにいっちぇりゅにょぉぉぉ!?!?」 妹の凶行を止めようとする長女だが、あろうことか自分もごはんを奪おうとしていた5女まりさが檄を飛ばす。 5女まりさにとって、いつも身の程知らずに自分の玉座(父まりさの帽子の上)に土足で踏み込んできて あまつさえ選ばれたゆっくりである自分だけが許された行為(たかいたかい)を享受しようという 生意気なクズ奴隷が制裁されるのはごく自然なことだった。 だが自分が手を下すのも汚らわしいと思い、親が制裁するのを寛大にも我慢強く待っていたが 愚図な両親は全くやろうとしない。 それをいつも地べたに這いつくばって走り回るだけの愚鈍な姉がようやく自分の為に働いたのだと考えていた。 他の愚図共に比べれば多少は使える奴だと考えを改める。まりさは優秀なものには正当な評価を与えるのだ。 「ぎゅ…ぢ……………………」 「ゆっ! やっちょちんぢゃにぇ! しぇいしぇいしちゃよ!」 未熟ゆに生まれたが故に体が小さい末れいむはあっという間に餡子の染みになり果てた。 自分は何もしていない癖にそう吐き捨てる5女まりさ。 母れいむと父まりさが戻って最初に目にした物は、満足げにふんぞり返る2匹の赤まりさであった。 「ゆぅぅぅぅぅ!! おちびちゃぁぁぁぁん!?!?」 「どぼじでづぶれぢゃっでるのぉぉぉぉ!?!?」 「ゆふん! げしゅにゃゆっくりは まりちゃがしぇいっしゃいっ!しちゃよ! まりちゃ ちゅよくっちぇぎょみぇんにぇ!」 「それはおちびちゃんのいもうとでしょぉぉぉ!?」 「ゆっ! きょんにゃゆっくちぢぇきにゃいきゅじゅは まりちゃにょいもーちょじゃにゃいよ! へんにゃこちょ いわにゃいぢぇにぇ! ぴゅんぴゅん!」 慟哭する両親に赤まりさ達は当然のように言い放った。 彼女たちの中では、末れいむは最早「外から来たゆっくりできないゆっくり」としか認識されていない。 それを永遠にゆっくりさせて家族を守ったことはなんと誇らしいことか。 もちろん攻撃していた時は姉妹を守ろうなどと考えていなかったが、たった今そういうことになった。 「ゆぅぅぅ… おちびちゃんがぁぁ…」 「ゆぅ… ざんねんだけど しかたないのぜ。もともとあんまりゆっくりしてなかったおちびちゃんだから ちゃんとおおきくなれるか わからなかったのぜ。」 母性の強いれいむに対しまりさはややシニカルだ。 死んだのが未熟ゆ、それもまりさ種では無かった為だろうか。 それに野生のゆっくりである彼女たちに未熟児を育てるのは難しい。 見方によっては、先延ばしにした問題が自動的に片付いたとも言えるのだ。 こんなにも早く2人の子供を失ってしまったが、まだおちびちゃんは「たくさん」いる。 追加のごはんを与えながら、二度とこのような悲劇件が起こらないよう おちびちゃん達の成長に合わせて少しずつごはんを増やす事を心に誓う2匹であった。 それが立派な両親の役目なのだと胸(顎?)に刻んで…。 そもそも冬籠り中でなければ赤ゆの食事量を親が管理するようなことがないのだが、2匹が思い至ることはない。 一週間が経過した頃、十分な量の食事が与えられた4匹は既に子ゆっくりと呼べるサイズにまで成長していた。 一日に食べるごはんもずいぶん多くなっており(流石に4回も食べる必要はなくなったが) それでも量だけなら大人のゆっくりが平均的に食べる量の半分程にまで達している。 生まれたばかりの頃の3倍近くだ。もちろん、もう口移しをしてもらう必要もない。 そして一匹ずつが大振りのミカン程の大きさであり、ここまで成長すると巣穴の中で激しい動きはできない。 元々それなりの広さがあった穴を拡張しただけ為に普通に過ごす分には狭さを感じることはないが 遊びたい盛りの子ゆっくり達にそんな我慢が出来るわけがなかった。 必然的に4匹の興味はまだ見ぬ外の世界へと向かう。 「おとーしゃん! れいむおしょとにでちゃいよ!」 「まりしゃも おしょとであしょびちゃいのじぇ!」 わざとらしく媚びたような喋り方もだいぶ聞き取りやすくなっている。 両親にとっては我が子の成長のバロメータだ。嬉しさ半分、寂しさ半分と言ったところだろう。 「ゆっ! おちびちゃん、いまはふゆさんだから おそとにはでられないよ! ゆっくりりかいしてね!」 「ゆゆゆ? ふゆしゃん?」 「そうなのぜ! とってもさむいさむいで ゆっくりできないのぜ!」 「ゆぅぅ! しゃむいしゃむいは ゆっくちできにゃいよ!」 「ゆっくちしちゃいよ!」 「ゆぎぃぃぃ! おしょちょでちゃいいぃぃ!」 上の3匹は素直に理解を示したようだが、末っ子であり(と思っている)甘やかされた5女まりさは しつこくダダをこねる。 大きさは皆同じ位なのに一匹だけ赤ゆ言葉が多く残っているのも甘やかされた結果だろう。 それでも「末妹には優しくしなければいけない」と思っている一家は優しくまりさを諭す。 結局、最近の特等席である父まりさの帽子の中にもぐりこんでようやく落ち着いた。 大きすぎる帽子の縁を少し持ち上げて顔を出すとまるで自分が被っているような気分になる。 誰よりも高い目線と大きい帽子が5女まりさを最も満足させるものであった。 「ゆっ! ちょっとせみゃいけど おうちのなかであしょぶのじぇ!」 「そうだにぇ! しゃむいしゃむいは ゆっくちできにゃいにぇ!」 「ゆ~♪ れいみゅはゆっくち おうたしゃんのれんっしゅうっ するにぇ! ゆゆゆ~♪」 相変わらず仲の良い長女と次女は両親の間を縫って追いかけっこを始めた。 大人しい4女れいむは今日も母れいむとお歌の練習だ。 だがどうにもおうちの広さに限界があり、駆けずり回る2匹が両親や4女にぶつかってしまう。 体のサイズが違うので両親はなんともないが、同じ大きさの4女にはそれなりのダメージになる。 歌の練習もできず、痛みで今にも泣きそうだ。 「ゆんやぁぁ! おうたがゆっくちできにゃいよぉぉ!」 「ゆっ! ごみょんなのじぇ! わざとじゃないのじぇ?」 「しょうだ! れいむもいっちょに あしょぼーよ!」 「ゆゆっ? でもれいむはおうたのれんっしゅうがしちゃいよ…」 「そうだね! おちびちゃんも たまには みんなといっしょにあそんでおいで!」 「ゆぅ… わかっちゃよ! れいむもおいかけっこしゅるよ!」 困った2匹は4女を誘い、助け舟に両親も勧める。 おうたが好きなのは判るが、もっと運動させなければと思ったので丁度良かった。 結局4女れいむも追いかけっこに参加することになり、仲良く駆け回る子供達をみて両親も一安心。 だが次女まりさの外への興味を捨てきれないようだ。 チラチラと「結界」で塞いだ入口の方に目線を送っている。 無理もない、本来ならばもう巣の外に出て跳ねまわっている筈のサイズである。 狭い巣の中だけの生活は活発な次女まりさに少しずつストレスを与えていた。 そしてそれは、最悪の形で実を結ぶ。 「ゆぴぃぃぃぃぃぃ!?!?!?」 筋肉も内臓も餡子であるこのナマモノは、種族とサイズが同じであれば運動能力に差が出ない。 それでも日々の行動で要領や効率を学んでいき、それが実践での差に繋がっていく。 だから、追いかけっこに慣れている姉たちに対して歌ってばかりいた4女は明らかに要領が悪かった。 追えばいつまでも捕まえられず、逃げれば簡単に捕まってしまい、まるでゲームにならない。 本来なら外の世界で発散される筈の、巣の中で遊ぶには多すぎるエネルギー。 追いかけっこがあっさり終わってしまったことへの欲求不満。 それが次女まりさの力加減を誤らせた。 「れいむのすてきなおりぼんしゃんがぁぁぁぁぁ!!! ゆっくちできにゃいぃぃぃ!!!!!」 次女まりさが逃げる4女れいむに追いすがってリボンを咥えた拍子に、 勢い余ってリボンを大きく引き裂いてしまった。 「ぺーりょ!ぺーりょ! なおっちぇにぇ! れいむのおりぼんしゃんなおっちぇにぇぇぇ!!!」 ぺーろぺーろと口で言いながら必死にリボンの切れ端を舐める4女れいむ。 異変に気付いた両親もすぐさま近寄ってきた。もっとも、近寄ったところで出来ることなど無い。 「どぼじでにゃにもじでぐれにゃいにょぉぉぉ!?!?!?」 「ゆぅぅ…おかーさんたちでも おりぼんさんはなおせないよ…」 「ゆんやぁぁぁ!! ゆんやぁぁぁああああ!!!」 「おちびちゃん おちつくのぜ! すーりすーり!」 両親が必死になだめるものの、命と同じほど大切なお飾りがキズものになってしまったダメージは大きい。 ゆっくりのお飾りは個体の識別から個体の評価まで関わる重要なパーツである。 体の一部だけあり多少の傷は時間と共に治っていくが、 治癒の見込めない大きい傷はそれだけで迫害の対象になり得る。 それだけではない。 お飾りが不完全な状態になると、ゆっくり自身が不快感を覚える。 「ゆっくりできない」と表現されるそれはゆっくり独特の症状である。 また、本人ほどではないが周囲のゆっくりも不快感を覚えるらしい。 と言っても、こちらは一般人が道端で動物の死骸を見てしまった時に感じるのと似たものだろう。 「ゆぐぅぅぅ… ゆっぐぢでぎにゃいぃぃ…」 その日はそのまま両親と姉たちがグズる妹を心配し、なだめすかして夜を迎えた。 責任を感じたのだろう、次女まりさは特に必死に妹の世話に励んでいたものの 結局4女れいむは夕食も碌に咽喉を通らず、泣き疲れて眠ってしまった。 暗い雰囲気の中、5女まりさだけが楽しそうに姉の残したごはんを貪っていた。 後半に続く
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『初めての正義の味方』 25KB 愛で いじめ 不運 日常模様 同族殺し 赤ゆ 子ゆ れいぱー 現代 ぺにまむ 初投稿です。お目汚し失礼します。 前半愛で 後半いじめとれいぷ 理不尽バッドエンドなのでご注意ください 日向にいると少し汗ばむ位の春の陽気。うららかな午後。 ある公園の、人目につかない木陰のダンボールから子れいむが這い出てくる。 「ゆっきゅり…ゆっくりいってきます!!」 まだ赤ちゃん言葉が抜けきらない子れいむは、ダンボールハウスの中の母れいむに、元気良く声をかける。 父まりさは狩りに出ており不在で、母れいむは、生まれて数日の赤れいむ達が午後のお昼寝たいむで、傍を離れられない。 退屈でたまらない子れいむは初めてのひとりでお散歩に行くようだ。 「ゆ!ゆっくりいってらっしゃい!にんげんさんやねこさんにきをつけるんだよ!こうえんさんからでないでねっ!」 母れいむは、とても心配ながらも子れいむに注意を促して、送り出す。 「ゆゆっ!れいむのぼうっけんっがはじまるよ!れいみゅ…れいむゆうっかんっ!でごめんねっ!!」 育ちざかりの子れいむは好奇心旺盛。 見る物、聞く物、全てが楽しくて刺激的。 それまで親の目の届く範囲でゆっくりすることしかできなかった子れいむには、 自由に遊べる今日のお散歩への期待に胸(?)が膨らむ。 きっと今日は忘れられない一日になる。 帰ったら冒険譚を妹達に聞かせてあげよう、と子れいむは妹達のゆっくりした笑顔を思い浮かべ、飛び跳ねる。 「ゆっくりしていってね!」 巣の近くには噴水がある。 水辺は危険なので、親ゆっくりが水を調達しにいく以外は、子ゆっくり、赤ゆっくりは近づかせてはもらえない。 だから子れいむは、ぼうっけんっの第一歩として、噴水を見に行くことにした。 「ゆわわぁ~おみずしゃんきれい…たいようさんとおみずさんできらきらだよ~ ゆ!にんげんさんもおひるねちゅうだよ!しずかにしないといけないよ!そろ~りそろ~り」 噴水近くのベンチで昼寝中の男性に気づき、子れいむ自身としては静かに噴水を離れる。 大声を出しては意味がないのだが、子れいむの気遣いが伝わったのか伝わってないのか、 男性が目を覚ますことはなかった。 「ぶらんこさん!ゆ~らゆ~らの~びの~び♪ ゆゆぅ~ん ゆっくりしてるよ~ こんどいもーちょたちもつれてくるよっ! いっしょにの~びの~びするよ~ゆゆ~ん♪」 子れいむは、公園に遊びに来ていた子供が降りたばかりで、まだ揺れているブランコを発見した。 いつもは親ゆっくりと一緒に遠目に眺めているだけだったブランコを間近にする。 可愛い妹達と一緒だったらきっともっと楽しいだろうと、 もみあげをぴこぴこさせながら、ブランコの揺れに合わせて自分も体を左右に揺らす。 「ゆぅ~ん♪ゆゆ~ん♪ゆ~らゆ~らの~びのび~♪ぶらんこさんゆっくりー!」 噴水もブランコも人間が集まりやすい場所であり、そこに近づくなどもってのほかで、 親ゆっくりが一緒ならきっと酷く怒られることだろう。 しかし親に怒られるような危険な場所は、子供にとっては楽しい場所であったりもする。 砂場では、同じく公園に住んでいる他の子ゆっくり、赤ゆっくり達とこ~ろこ~ろして遊んだ。 「れいむもこ~ろこ~ろするよっ!こ~ろこ~ろ♪ゆふふん♪」 「ゆゆぅ~~~れいみゅおねーしゃんすっごくゆっきゅりしちぇるよぉぉ~れーみゅもも~っとこ~りょこ~りょしゅるよ!」 「こ~ろこ~ろ♪」「こ~りょこ~りょ♪」「こ~りょこ~りょ♪」「こ~ろこ~ろ♪」「「「「ゆっくり~♪」」」」 みんな揃ってゆっくり声をあげる。 もみあげ、おさげをぴこぴこ、わさわさ。 おしりをぷりんぷりんもるんもるん。 くるりと回ってパチっとウィンク。 周りで微笑みながら見ていた親ゆっくり達は、子ゆっくり達のあまりのゆっくりぶりに、 自身もゆっくりして幸せを噛み締めている。 中には感動でぷしゃっとうれしーしーを漏らす親ゆっくりもいた。 あっちこっち見て回り、散々ぼうっけんっを満喫した子れいむは、いつしか公園の出入り口にまで来てしまっていた。 子れいむは母れいむの言葉を思い出す。 「かわいいおちびちゃん!まちでだれもがふりかえるあいらしいおちびちゃん! こうえんさんのそとにでたらとってもこわいこわ~いだよ!ぜったいにでたらいけないよっ! とってもかしこいおちびちゃんならまもれるよね!と~ってもかしこいおちびちゃんならぜったいにまもれるよねっ!」 妙な誇張があるが公園を出てはいけないということはちゃんと記憶していた子れいむ。 しかし、初めて見る事物に興奮して膨らむ飽くなき好奇心は、子れいむに容易く禁を破らせる。 「ゆうっかんっ!なれいむはそとのせかいをみてけんぶんをひろめるよっ! れいむのふろんってぃあすぴりっつはもうだれにもとめられないよっ!」 興奮のあまり公園の出入り口でもみあげをぴこぴこ♪、おしりをぷりんぷりん♪と愛らしく振る。 「ゆ~~~」 やがて体を縮め、身の内に力を巡らせ、そして 「ゆっくりしていってねっっ!!!」 ジャンプ! そのまま公園の境界線を越え、外に出る。 「このいっぽはちいさいけどぜんせかいにとってはいだいっ!ないっぽだよっ!」 キリッと高らかに、そして誇らしく宣言する。 とうとう公園の外に出てしまった子れいむ。 母れいむの言いつけに背いてしまった罪悪感と、それ以上に新たな世界に踏み込んだ高揚感に体をふるふると震わせる。 さて、公園の外に初めて出た子れいむには、特に指針もないので、どこへ行こうか考えあぐねているようだ。 きょろきょろと辺りを見回していると、コンビニの袋を提げ、スマートフォン片手にのろのろ歩いている青年が目につく。 「あのおにぃさんについていくよっ!ちかづかなければだいじょうぶっだよっ!」 公園の外に出てはいけないという母れいむの言いつけに反した以上は、 せめて人間に近づいてはいけないという教えだけは守ろうと思ったのだろう。 少し距離をあけて青年の後に続く。 母れいむの教えは、そういった距離的に近づくなという意味ではない。 そもそも関わるな、という意味であったのだがこの子れいむにはうまく伝わらなかったのかもしれない。 青年はスマートフォンを弄りながら歩いているので、足の遅い子れいむでも急ぐ必要もなく追いかけることができた。 青年の家は、公園の出入り口から道を真っ直ぐ行き左手にある、普通の一軒家であった。 門を開け、自宅の鍵を開け、特に周囲へ注意を払うことなく家に入る。 子れいむは閉まっている門の下の隙間より中に入り、初めて見る家の大きさに圧倒される。 「ゆわわわわ…これが…にんげんしゃんの…にんげんさんのおうち…とってもゆっくりしてるよ…」 地面にどっしりと構えられている家を見て、子れいむは自分の家を思い出す。 強くて偉大な父まりさが苦労して建てたと語るダンボールハウス。 それより更に大きくて頑丈そうな人間さんのお家。 こんなお家を建ててしまう人間さんとは一体どんな生き物なのか、子れいむは更に興味を掻き立てられた。 「ゆ!こっちにみちがあるよ!」 玄関先から庭の方へ回り込めるようになっており、子れいむはそこを辿り、庭に出る。 すると先ほどの青年が、庭に面した部屋でテレビをつけたまま、遅めの昼食をとっているのが、ガラス越しに見える。 どうやら青年はテレビを観るでもなく、つけっぱなしで食事を摂っているようだ。 子れいむはまず青年の食べているものに気を取られたが、更に興味深いものに目を引かれる。 テレビ画面だ。 そのテレビでは、 『もみあげが三本ある!? TRI-MOMIAGE OF DEATH れいむ! あいつの土下座をみればゲスゆっくりも心震わせる! ゲザーまりさ! どんなゆっくりのぺにぺにもおっきさせる! ぺにまらありす! 続、三ゆんが斬る!』 ゆっくりを主人公にした特撮時代劇というよくわからないジャンルの番組の宣伝が映っていた。 ちなみにこの番組、何故かシリーズ化されており、この作品で五作品目となっている。 一話の制作にゆっくりが2、3000匹は費やされているとか。 その殆どが同じキャラクターの代替で、主人公三ゆんも前のシーンと、次のシーンと、更に次のシーンではそれぞれ別のゆっくりが演じているというのも全く珍しくない。 話を戻すが、子れいむはテレビの番宣でゆっくり達がゲスゆっくりと闘って懲らしめている姿を観て、心をときめかせる。 しかし人間への警戒も忘れてただ見入ってしまっていたのがまずかった。 家の中の青年に見つかってしまったのだ。 「ん?ゆっくりがいる?どこから入ってきたんだろ…」 青年は、食事を中断し、立ち上がってガラス戸をそっと開けて、声をかける。 「おい、お前なにやってんだ?」 「ゆゆっ!?にににんげんしゃん!??ごごごめんなしゃいっ!かってにおうちにはいってごめんなしゃいっ!」 即座に地面に頭をこすり付け謝る子れいむに、青年は特に気を悪くするでもなく声をかける。 「いやだから何してんの?って聞いてんの」 「ゆ!その…ぴかぴかしゃんがおもしろくて…その…」 子れいむはしどろもどろになりながらも、もみあげでテレビを指しながら答える。 「ああ、テレビね。面白いのかこんなんが。何だったら観ていけば?」 「ゆ?」 子れいむは人間の恐ろしさをまだ知らない。 そのため、人間に見つかっても潰されるかも…ということには思い至らない。 しかし母れいむの、人間に近づいてはいけない、という教えを完全に破ったこと、 勝手に人間のお家に入り、家主に見つかったこと、 これらの事実を前にして、母れいむに、人間におしおきされてしまう、という恐怖にとらわれていた。 それに反してこの人間はおしおきどころかお家に入れてくれて、てれび?を観させてくれると言う。 何だかよくわからないけど人間には怒られずに済みそうだと、子れいむは少し安心する。 青年は 「でも新聞紙を敷くからその上からは出るなよ?」 と、流石に子れいむの汚れは気になるのか新聞紙をテーブルに敷き始め、その上に子れいむを乗せる。 子れいむは、初めて人間のお家に入り、不安と期待に胸を高鳴らせ、キョロキョロと部屋の中を見回している。 だがすぐに例の番組が始まったようで、青年は子れいむにテレビを観るよう促す。 子れいむは食い入るようにテレビを観て、青年はのんびりとテレビを観るともなく食事を再開する。 ストーリーは正義の味方の三ゆんが、善良なゆっくり達を苦しめる、ゲスゆっくりを懲らしめるというもの。 やがてコマーシャルに入り、興奮冷めやらぬ子れいむは青年にまくしたてる。 「ゆ~!と~ってもおもしろいよっ!こんなおもしろいものははじめてだよっ!むれのみんなにじまんできるよっ!」 「まだ半分だぞ。しかしこんな番組でもゆっくりとっては面白いんだな。ああ牛乳プリン食べるか?」 「ゆ?ぷりんさん?それおいしいの??」 公園の野良として生まれてこの方、甘いものなど食べたことがない子れいむは、プリンと言われてもその味は想像すらできない。 青年は食後のデザート用に買ってきた牛乳プリンを一匙すくって試しに子れいむに食べさせてみる。 「し…………………ちあわちぇ――――――――――――――――――――――――――――――――― しし――ししし―――しししあわちぇ――――――――――あまあまちあわちぇ――――――――――――――――」 ぷしゃっ!ぷぷぷしっ!ぷしゃっっ!とうれしーしーをちびる子れいむ。 青年は新聞紙を敷いておいて良かったと安堵しつつも、子れいむの一瞬意識を失うかのような素振りに慌てる。 しかし直ぐに幸せと絶叫する子れいむの反応に青年は一息つく。 「あまあまっあまあまっしあわしぇ―――おにぃさん!れいむしあわしぇーだよっ!こんなものたべたことないよっ! きょうははじめてっがいっぱいだよっ!」 「初めてがいっぱい? ああ、そう、残り食べていいぞ。あと、テレビ始まるぞ。」 青年は残りを子れいむに与え、コマーシャルの終わりを告げる。 子れいむは牛乳プリンをつるんと飲み込み、しあわせを叫びながらもテレビに向き直る。 青年はスマートフォンを弄り始め、子れいむは佳境に入り始めた番組に集中する。 暖かな昼下がりのこの上なくゆっくりとした時間であった。 「おにぃさん!ゆっくりおじゃましました!あとぷりんさんありがとう!」 「ああ、そう。でも人間の家に気安く入ると酷い目に遭うぞ。今後は気をつけろよ。」 「ゆ!ゆっくりりかいしたよ!おにぃさんありがとう!」 ちゃんと理解したのか、してないのか、子れいむは良い返事を返し青年の家を出る。 青年は大きく欠伸をしてそのままソファに寝転がる。 余程暇だったのだろう。 子れいむにさしたる興味も抱かず、寝入り始めた。 「ゆっゆっゆゆ~ん♪せいっばいっ!ゆぁーとーぅゆゆゆゆゆーっ」 テレビで観たアクションを真似して子れいむは飛び跳ねる。 気分はスーパーヒーロー、正義の味方。 しあわせいっぱい、ゆめいっぱい、子れいむは公園への道をゆっくりと歩く。 「わがらないよ゛ー!」 「ゆ?」 子れいむの耳に叫び声が届く。 同じゆっくりのちぇんの声だ。 子れいむは声が聞こえた方向へあんよを向ける。 声がしたのは道路わきの細い路地。 子れいむは念のため、陰に隠れて路地の様子を伺ってみる。 「さっさとだすのぜ またいたいめをみたいのぜ?」 「わがっわがらないよ゛ー!!ごればぢぇんのなんだよ゛ー!みのがじでほじいよ゛ー!!」 「ちっ ききわけのないやつなのぜっ!」 どうやら奥にいるちぇんが、手前の柄の悪いまりさに、カラまれているようだ。 まりさがちぇんをおさげでひっぱたく。 「にゃがっ!にぎっ!いだっいだいんだよ゛っやぶっやべでぇぇぇ」 「わかったらさっさともっているあまあまよこすのぜ そしたらちぇんはなぐられずにすむ まりさはあまあまをたべられてしあわせ いいことづくめなのぜ りかいできるのぜ?」 子れいむは理解した。 あのまりさはゲスだ、とびっきりのゲスだ。 ちぇんを助けてあげたい。 しかし辺りを見回しても大人のゆっくりはいない。 ここは公園の外であり、そもそもゆっくり自体見かけない。 助けを求めようにも誰もいないのではどうしようもない。 「ゆゆ…どうしよう………しょうだ!こうえんしゃんまでたすけをよびにいくよ!しゅぐにいくよ!」 慌てて子れいむは踵(?)を返しかけるが、 「ぢゅぶぶぶぶ ひゃぶでぇぇぇ ぢぇんがづぶれるぅぅぅ」 ちぇんの叫びを聞き、思いとどまる。 「れいむは…れいむはこわいよ…こわいから たすけをよぶよ… でも…でも…それはいいわけだよ…ここからにげるためのいいわけだよ…」 子れいむは体をぶるぶると震わせる。 少しおそろしーしーも漏らしてしまう。 しかし人間のお家で観たテレビの内容を思い出す。 そう、正義のゆっくりが悪いゲスを懲らしめる物語だ。 あの物語を思うと、ほんの少しだけ勇気が湧いてくる。 なんてかっこいいのだろう。 あの三ゆんのようになりたい。 ゲスをやっつけて困っているゆっくりを救いたい。 少しの逡巡の後、子れいむはキリッと顔を引き締める。 あんよは震えて力が入らない。 のどはカラカラで、浅い呼吸を繰り返している。 自慢のもみあげも少し萎れて見える。 でもここで退いたらゆっくりがすたる! 「しょ そこまでだよっ!!」 子れいむは震えるあんよに喝を入れ、路地に躍り込み、ぽんぽんの底から声を張り上げた。 ゲスまりさは面倒臭そうに振り返る。 ちぇんの方は、手酷くやられているのか、右目は瞼が腫れて塞がっており、 開いている左目で子れいむの姿を捉える。 「ゆぁ~~~ん?おこさまはおよびじゃないのぜ さっさときえるのぜ やさしいまりささまでもおとなのやることにくちをだすいけないおこさまにはきびしいのぜぇ?」 「わがるよー…たすけがきたんだねー…」 「おっまえはっ!だまっているのぜっ!」 「に゛っ!」 ゲスまりさは子れいむを気にも留めず、ちぇんの頬をおさげで張る。 過剰な暴力を目の当たりさせることで、子れいむの気力を萎えさせようとしているのだ。 しかし子れいむは少しちびりながらも食い下がる。 「ぼ ぼうりょくはいけないんだよ!たゆんのあまあまをうばうなんてゲスのやることだよっ!」 「…」 ゲスまりさは溜息をつきながら振り返り、脅しただけで済ませてやろうというのにこのガキは、 とイラつき交じりに子れいむを睨め付ける。 ゲスまりさは自分のやってることがゲスなことだなんてとうにわかりきっている。 わかった上で、やってるのだ。 なのでゲスだなんだと言われた所で腹が立つことはない。 自分のやっていることをしつこく邪魔されることにムカッ腹が立つのだ。 しかし、と目を細めて子れいむの全身を眺める。 なかなかどうして、まだ幼さの残る容姿だが、健康そうで髪も艶やかだ。 ゲスまりさは子れいむに全身を舐めまわすような視線を送る。 「ゆ…」 子れいむは無言で睨んでくるゲスまりさが怖くて何も言い出せない。 何も言ってこない方がかえって恐ろしい。 子れいむが勇気を振り絞ってなおも言い募ろうとしていると、 ゲスまりさはニヤニヤと下卑た薄笑いを浮かべ始めた。 「おちびちゃんはそこのこうえんにすんでいるのぜ?」 言いながら近づいてくる。 子れいむはあんよが竦んでうまく動けない。 「そんなにこわがらなくてもいいのぜ~まりさはおちびちゃんにしかられてかいっしんっ!したのぜぇ」 子れいむのすぐ傍までゲスまりさがやってきた。 このゲスまりさ実に汚い。 歯は何本か抜け落ちており、更に黄ばんでいて、口臭が実に臭い。 おさげには、黒いものがこびりついているが、よく見るとこれは餡子だ。 今までに張り倒してきたゆっくりの返り餡であろうか。 そもそもおさげの先に何か仕込んでいるのだろうか、ぶらぶらと重みのある振り子のように揺れている。 そのおさげを子れいむの背中に回しながら言う。 「おちびちゃん まりさはこのあたりにきたばかりでまだかってがよくわからないのぜ だからごはんをてにいれようにもかりばがどこにあるかもよくわからないから ちょ~っとちぇんにこのあたりのかりばについておしえてもらっているところだったのぜ」 などと言いながら、路地の奥へと子れいむを連れて行く。 「ゆ…そうだとしてもぼうりょくはいけないことなんだよ…」 子れいむは何かまずいと思いつつも体が竦んで状況に対処できない。 「わかるよーよくわかるよーのぜ~www だからまりさははんせいしたのぜ~ ちぇんにあやまるところをおちびちゃんにもちゃんとみていてもらいたいのぜ~」 「ゆゆ!わかったよ!わかったからこのおさげさんをはなしてねっ!しゅぐでいいよ!」 子れいむはげすまりさのおさげを振り払おうと身をよじる。 しかし、おさげは子れいむの体にガッチリと固定されていて逃げられない。 どういうことだと子れいむはゲスまりさの顔を見上げると、 ゲスまりさは薄笑いを吹き消して無表情で子れいむを見下ろしている。 その完全に無機質な無表情に子れいむは、餡の底から恐怖を憶え、必死に逃げようとするがおさげに阻まれる。 それどころかゲスまりさは体を使って子れいむの逃げ道をふさぎ、尚且つのしかかってきた。 「ゆーゆゆ!おもいよっどいてねっどいてねっくさいよっきたないよっ」 「…」 ゲスまりさは、無言で子れいむを仰向けに抑え付け、おさげを子れいむの口に押し込み、黙らせる。 「おとなしくしていればすぐにおわるのぜ…」 「…!ゅ…!もひゅ…!…っ…!」 口を塞がれても子れいむはじたばたと暴れるが、何しろ子れいむとゲスまりさでは体格が違う。 子れいむはあっさりと組み伏され、ゲスまりさは己の顎の下辺りを子れいむの同じ場所にこすり付け始める。 (ゆゆぅぅぅくしゃいぃぃぃきちゃないぃぃぃなななんかむずむずするよ! やめてね!やめてね!なんかいやだよ!きもちわるいよ!) 「ころしたりはしないからあんしんするのぜっ」 子れいむにはまだ繁殖の知識はない。 しかしゲスまりさのやることに生理的な嫌悪感を抱く。 やがてゲスまりさのこすり付けている部分が隆起し始め、何やら小汚いカスがこびりついた得物が屹立する。 そして得物を子れいむの恥ずかしい場所にあてがい、軽く出し入れする。 先走りの液体だろうか、ぬめぬめとゲスまりさの得物がぬめりを帯びる。 (ゆゆゆゆゆゆやめてねっやめてねっ ちぇん?さっきのちぇんは?たすけてねっれいみゅをたすけてねっ!) 子れいむは必死に身をよじり、ちぇんがいた方向を見るが… 「あのちぇんならいまさっきにげっちまったのぜぇ おちびちゃんがこんなめにあっててもしらんかおだったのぜ たすけてそんしたのぜ? まあまりさにとってはどっちでもいいのぜ ちょっとたまってたところだったのぜぇゅへへへ…」 ゲスまりさは、子れいむの視線を読み取り、ちぇんがさっさと逃げてしまったことを教えてやった。 万が一ちぇんが助けを呼びに行ったとしても、その頃には事は終わっている。 「おちびちゃんは“ばーじんさん”ってしってるのぜえ?おちびちゃんのはじめてっていういみなのぜ そのおちびちゃんのはじめてをまりさがありがたくちょうだいするのぜぇ」 ゲスまりさは前戯は済んだとばかりに得物を子れいむに差しこんだ。 (ゆぅぅぅぅぅぅっぅぅぅぁぁぁあぁぁぃぢゃぃぃぃ) 子れいむは涙を流しつつ全てを後悔した。 (にゃんでこんなことになっちぇるの… にゃんであそこでちぇんをたしゅけようなんておもっちゃの…にゃんでちぇんはれいみゅをたしゅけてくれにゃいにょ… にゃんでれいみゅはこうえんしゃんのおそとにいるにょ…にゃんでこんにゃにきもちわりゅいにょ…にゃんで…) 子れいむの目が虚ろになり、大人しくなったのを見て、ゲスまりさはおさげを子れいむの口から外す。 そして乱暴に体を子れいむにぶつけたり、得物を子れいむの内部でこねくりまわすように体を揺らす。 「ゆはっ ゆはっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ 」 「 ゆっ… ゆっ… ゆっ… ゆっ… ゆっ… 」 子れいむの顔にゲスまりさの荒い吐息がかかる。 臭い吐息に臭い体をこすり付けられて、綺麗好きの子れいむには悪夢のようだ。 子れいむの目の前でゲスまりさの顔が嗜虐の快感に大きく歪む。 「ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ ゆふっ 」 「 ゆんっ… ゆっ… ゆえっ… ゆっ… ゆっ… 」 子れいむはされるがままで、逃避のためか今日の出来事を思い返す。 きらきらの噴水さん。ゆっくりしたぶらんこさん。砂場でみんなでゆっくり。あまあまぷりんさん。 可愛い妹達。あったかくてやわらかいおかーさん。怒ると怖いけどやさしいおとーさん。 …テレビさん…。 「ゆふっゆふっゆふっゆふっ」 ゲスまりさの体が小刻みに揺れ始める。 達しつつあるのだ。 「ゆふっゆふっゆふっゆ―――――――っ!すっきり――――――――――ぃっ!!」 ゲスまりさはすかさず得物を子れいむから引き抜き、子れいむの額にかからないように、 しかし子れいむの顔からはこぼれないように得物からほとばしる液体をかけ続ける。 得物に残った液体もおさげでしごいて子れいむの顔にこすりつけたり、口の中に突っ込んでなすりつける。 子れいむの体では身ごもると耐え切れずに死んでしまう可能性が高い。 先の言葉通り死なないように妊娠する箇所を避けているようだ。 「おちびちゃん!なかなかいいぐあいだったのぜ!ひさびさにすっきりーなのぜ! じゃあまりさはさっさとにげるのぜ!ゆっくりしていってね!」 残された子れいむは声もなく泣き続ける。 ほんの10分程度前と今とではもう何もかもが違う。 かけられた液体をぬぐうこともせず、子れいむは、痛む体の一部をかばいながら、公園へと帰って行った。 お家に辿り着いた子れいむは、父まりさと母れいむに泣きついた。 子れいむの有様を見た母れいむは半狂乱になる。 やはりひとりで遊びに行かせるべきじゃなかった、自分が馬鹿だった、と髪ともみあげを振り乱す。 父まりさが、母れいむを辛抱強く落ち着かせ、子れいむから詳しい話を聞き出す。 子れいむには辛いかもしれないが、特にゲスまりさの特徴については仔細に聞き出した。 話を聞いた父まりさは、悲惨な目に遭いつつもちゃんと帰ってきた子れいむを褒め、 自身は赤ゆっくり達の世話を、母れいむに子れいむの身繕いをさせる。 そして今夜は、子れいむは母れいむと一緒に寝ることとなった。 身も心も擦り減った子れいむは、母れいむに抱かれ、安心して眠りについた。 父まりさは、この件を公園の群れに有りのままを報告するべきか、 子れいむを慮りゲスまりさへの注意喚起ですませるか頭を悩ませる。 翌朝、少し塞ぎがちな子れいむを母れいむは気晴らしにお散歩に誘う。 父まりさは今日は狩りを休み、赤ゆっくりの相手を務めることにした。 「ゆーおちびちゃんきょうもいいてんきだねっぽーかぽーかあったかさんだよ~」 「ゆん…ぽーかぽーか…」 母れいむは子れいむを元気づけようと頻りに声をかけ、微笑みかける。 しかし母れいむは、同じ公園に住む他のゆっくり達の様子がおかしいことに、気づく。 何故かどのゆっくりも遠巻きに母れいむ達親子を見ているのだ。 何だろうと視線を送ると皆目を逸らす。 何となくゆっくりできない雰囲気だ。 「ゆゆ~みんななんだかおかしいよ…ゆゆっ!?」 母れいむは普段懇意にしているありすを認め、声をかける。 「ゆっくりしていってね!ありす!きょうはいいおてんきだねっ」 「ゆっくりしていってね ええ…いいおてんきね…」 ありすはちゃんと挨拶を返すも視線を逸らしがちだ。 母れいむは思い切ってありすに尋ねた。 「ゆぅありす…なんだかこうえんのみんなのようすがおかしいよ…それにありすも…なんだかゆっくりしてないよ…」 「えっ そ そうね ごめんなさい とかいはじゃなかったわね… …このままだまっているのはもっととかいはじゃないからいうわね…お おちついてきいてね…」 いつもと違って歯切れの悪いありすを訝りながらも母れいむはコクリと頷き、先を促す。 「その おたくのおちびちゃんね…とおりすがりのゲスまりさにれいぷされたんですってね…おきのどくに…」 母れいむは顔が真っ青になるが、子れいむの方は紙のように真っ白で小刻みに震えている。 ありすは親子の様子を痛ましく思いながらも先を続ける。 「なんでみんながしってるかというとね それをもくげきしたっていうちぇんがいてね みんなにはなしてまわったそうなの さいしょはみんなしんじなかったけど おたくのおちびちゃんが…その…いたましいすがたでおうちにかえってくるのを おおぜいがもくげきしてね…じゃあやっぱりほんとだったんだねって…あ!おちびちゃん!!」 子れいむはたまらずに駆け出す。 「ゆゆ!おちびちゃん!まってね!ありす!ごめんなさい!おちびちゃんをおいかけるね!」 子れいむを追って、母れいむも駆け出す。 公園のみんなの視線がゆっくりできないものなのは仕方がない。 ばーじんさんを番に捧げることができなくなった子れいむを、 汚らわしいと見られても仕方がないかもしれない。 制裁対象にはならないだけマシかもしれない。 けれどこの仕打ちはあんまりではないか。 子れいむは、恐らくだが言いふらしたちぇんを助けようとしたのに、 それなのにこの仕打ちはあんまりではないか。 母れいむはちぇんやゲスまりさへの憤りを胸の内に溜めながら子れいむを追いかける。 果たして母れいむは子れいむを見つけた。 公園の片隅でこちらに背を向けてうずくまっている。 母れいむは努めて平静に子れいむに話しかける。 「おちびちゃん おちびちゃんはれいむとまりさのおちびちゃんだよ かわいいおちびちゃんだよ ほかのゆっくりになんといわれようとたいせつなおちびちゃんだよ おかーさんもおとーさんもおちびちゃんといっしょにいられてしあわせいっぱいだよ もしおちびちゃんがどうしてもというならおひっこしもしたっていいんだよ おとーさんはすごいんだからねっ おうちのいっけんやにけんなんてすぐにたてられるよっ すごいねっ だからおちびちゃんはゆっくりしていってね おとーさんとおかーさんといもーとたちとゆっくりしていってね」 母れいむは、子れいむに近づいて、もみあげで優しく抱きしめる。 労わる様に優しくすーりすーりする。 子れいむの将来が明るくなるように、幸せになれますように、と心から願う。 しかし、 「おちびちゃん?」 いつまでたったも子れいむからの返事はない。 母れいむは嫌な予感で叫びだしそうになるのをこらえながら呼びかける。 「おちびちゃん?こっちを…むいてね?おちびちゃん?」 母れいむはもみあげで子れいむをゆっくりとこちらに向かせる。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁゆぎゅっゆぎっぎぎぎぎ…」 子れいむは餡子を吐き出して死んでいた。 その愛らしかった顔は苦悶に歪み、 つぶらだった瞳はもみあげで掻き毟ったのか、まぶた共々引っ掻き傷だらけで潰れている。 そのもみあげも、自分で噛み千切ったのかぼろぼろになり、抜けた毛が辺りに散乱している。 「ゆがぁぁぁぁげずばでぃざ!!ぢぇんん!!おばえらのぜいでぇぇおばえらの!ぜいでっ!」 怒りに狂った母れいむは公園を駆け巡り、言い触らしたちぇんを見つけ、制裁。 母れいむは取り押さえられ、群れの協議にかけられた。 結果、処刑。 ちぇんも酷いが命をとられる程ではないとされ、その制裁は不当であると断じられたため。 父まりさは助命嘆願を繰り返していたが、努力むなしく決は下された。 件のゲスまりさについては見つけ次第群れに報告、捕獲とされる。 が、この件以後そのゲスまりさを見た者はいない。 母れいむは処刑当日、ゲスまりさを殺すまでは死ねないと、のどが潰れるまで叫び続けていた。 終 「くだらねぇwww」と笑えるぺにまむものを書こうとしたらこうなりました。