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過去作 anko1548『よわいものいじめはゆっくりできないよ!』前編 anko1744『よわいものいじめはゆっくりできないよ!』中編-1 anko1745『よわいものいじめはゆっくりできないよ!』中編-2 「よう、元気でやってるか?」 「!!!!」 お兄さんがやってきた。 引き戸を開け、家族に声をかける。家族は答える余裕もなく、ぶるぶるがたがた震え出した。 「ゆゆっ!おにーしゃん、ゆっくちちていっちぇにぇっ!!」 「おにーしゃん?ゆっくちちていっちぇにぇ!!」 飾りのない二人がクッションから飛び上がり、お兄さんの足元を目指してぴょんぴょん跳ねていく。 「おう、ゆっくりしているか?」 「ゆんっ!まりしゃ、ゆっくちちてりゅよっ!!」 「れーみゅもゆっくちちてりゅよ!!おにーしゃん、いちゅもありがちょう!!」 「よしよし、いい子だな。お飾りがなくたって本当にゆっくりしているよ、お前らは」 「ゆゆ~~んっ♪」 「それにひきかえ……」 お兄さんの視線が、じとりとこちら側に移る。 家族はいよいよがたがた震え、背面のガラス壁に体を押し付けた。 「こっちのゴミクズ共ときたら……なッ!」 ガァン!! 「ゆびいぃっ!!」 お兄さんに蹴られ、水槽が激しく揺れる。 頑丈な水槽はそうそう割れることはないが、それでも安全を保障してはくれない。 「お飾りがないだけで、口がきけないだけで、 自分の子供さえ大喜びで苛めるクソゲスなんだからなぁ………なんでおめおめ生きてられんの?」 「ごめんなさい!!ごめんなさい!!くそげすでごめんなさい!!いぎででごべんなざい!!」 「ゆーっ!!まだまだはんちぇいがたりにゃいよっ!!」 「おにーしゃん、はやきゅ!!はやきゅはじめようにぇっ!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!ゆぐじでぐだざい!!ゆぐじでぐだざい!!」 「おう、今日も楽しい楽しい制裁タイムの始まりだ。 たっぷりこいつらで遊んでやろうな」 「ゆゆーんっ!!」 「おでがいでず!!ぼうやべでぐだざい!がらだじゅうがいだいんでず!!ゆっぐじでぎだいんでずぅぅ!!」 「あのなあ、お前らはゴミクズなんだろ?自分で認めたんだろ? ゴミクズは玩具になるしかねえもんなあ。さ、きりきり働こうか」 「ばぢがっでばじだ!!でいぶだぢがばぢがっでばじだ!!ゆっぐじざぜでええぇぇ!!」 「ゆーっ!きょうはぷきゅーしゃんをしゅるよっ!!」 「お、いいな、それでいこう」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぷぐーざんはゆっぐじでぎだいいいいいぃぃ!!!」 毎日の日課、お兄さんからの制裁が今日も始まった。 子ゆっくりの注文に応える形で、ありとあらゆる責め苦が家族に課せられ、それを見て飾りのない二人は楽しむ。 今日の制裁は「ぷくーさん」だった。 口をテープで塞いだあと、透明なラップで全身を厳重にくるまれ密封される。 次にラップの隙間から、先端に風船のついたホースをあにゃるに突っ込まれ、 ポンプでホースから風船に空気を注入される。 体内の風船に押されて全身がまん丸に膨れ上がるが、ラップでくるまれているために、遮られて破裂はできない。 風船は容赦なく膨れ上がり、体内の風船と体外のラップに挟まれて体中の餡子が圧迫まれ、想像を絶する苦痛がえんえんと続く。 「ゆ゛ぶぶぶぶぶぶっぶぶぶぶぶぶっぶぶぶぶぶぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!」 「ゆーっきゃっきゃっきゃっ!!ぷきゅーきょわ~~い☆」 「たのちい?たのちい?ねえねえぷきゅーたのちいぃ?ゆっくちゆっくちぃ~~♪」 笑い転げる二匹の前で、家族が一匹ずつぷくー責めを受ける。 十数分も続けて餡子を押しつぶされたゆっくり達は、その日一日は動くこともできない苦痛と疲労に悶えることになる。 今また、親れいむが責められていた。 全身を真っ赤にして涙を流し、膨れ上がる。 まん丸に見開かれた両目は半ば飛び出し、慈悲を求めてわが子を見つめ震えていた。 それを見て、二匹の子供はますます笑い声をあげるのだった。 地獄のような毎日。それでも、ただひとつの救いがあった。 まがりなりにも、家族が一緒にいるということだ。 ほとんど会話はなく、そのうち二匹はこのうえもない怨嗟と憎悪と侮蔑を向けてきてはいるが、 家族はたしかに揃っていた。 「ゆぅ……ぺーろ、ぺーろ……」 水槽の中で、ほとんど唯一といえる楽しみ。 家族とのすーりすーりとぺーろぺーろだけが、親まりさ達の正気を保っていると言ってよかった。 「ぺーろ、ぺー………おちび……ちゃん?」 しかし、家族は少しずつ狂いはじめていた。 ぺーろぺーろしていた子まりさが全く反応を返してこないのに疑問を感じ、その顔を覗き込む。 しかし、その子まりさは何も応えず、ただ視線を一点のみに向けていた。 壁の一点。何もない、ただの壁。しかしそれを、日がな一日、食事もとらず動きもせずに見ている。 親まりさがどれだけ呼びかけても、その子まりさが応えることはなかった。 死んでいるのかと思って焦ったが、目はたしかに開いていた。 「だずげでぐだざい!!おぢびぢゃんがゆっぐじでぎでないんでず!!」 「ん?知るかよ。自分でなんとかしろ」 「おでがいじばず!!ばりざだぢじゃだずげであげられだいんでず!!おぢびぢゃんを!!おぢびぢゃっ」 「何をいまさらわめいてんだよ。子供なんかどうでもいいんだろ?なあ、れいむ、まりさ」 「ゆーっ!!れいみゅをこんにゃにしたくちぇに、いましゃらあちゅかまちいよっ!!」 「にゃんでまりしゃはたちゅけにゃかっちゃの!?しょいつもいじみぇればいいでちょっ!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅ………!!!」 お兄さんに助けを求めるが、すげない答えが返ってくるばかり。 それどころか子供たちにまぜっかえされ、罵倒されるばかりだった。 ぴくりとも動かなくなった子供を、家族は涙にくれながら夜通しぺーろぺーろするしかなかった。 「ゆぢっ!!ゆぢーっ!!ぎゅぐげげげげげ!!びょぢぢ!!」 次の日には、子れいむの一人がおかしくなっていた。 もみあげをひっきりなしにばたばたばたばたばたつかせ、涎と糞尿を垂れ流す。 口にする言葉はもはやほとんど意味をなさない、歯軋りのように不快な雑音に変じていた。 焦点の合わない視線をしきりに泳がせながら、狭い水槽の中で暴れ周り、家族を困らせた。 「うー☆あみゃあみゃだっどぅー!おぜうしゃまのぶりゃんちににゃるんだどぅー☆」 「ゆびっ!!いぢゃいっ!!やべでぇおにぇえじゃんん!!」 子まりさの一人が、れみりゃの声色を真似て姉妹の頬をかじり始めた。 噛む力が弱くなかなか噛み千切るまでにはいかないが、 それでも姉妹は苦痛に泣き、何よりそのゆっくりできない声が家族を苛んだ。 両親がその度にきつく叱り押さえつけることでなんとか事なきを得てはいたが、 子まりさの口調はもはや戻らず、ずっとれみりゃの声色で喋り、隙をついては家族を捕食しようとした。 「んほぉぉぉ!!んっほおおおおぉぉぉ!!!」 子れいむの一人がれいぱーになった。 涎を垂らして小さなぺにぺにを誇示するように突き出し、おぞましくも実の姉妹とすっきりに及ぼうとした。 両親がいくら叱ってもやはり治る気配はなく、、一日中半ば拘束するように押さえつけていなければならなかった。 親のもみあげに押さえつけられていてすら、壁や床にぺにぺにをこすりつけてひとりすっきりーに及ぶわが子を前に、 両親はまたも苦い涙を流した。 「じゃおーん!じゃおーん!」 あの日の苛めに対するあてつけだろうか? 子まりさの一人が、「じゃおーん」しか言わなくなった。 それしか喋れないゆっくりを見てももう苛めないと誓った手前、あまり強くは叱れなかったし、 やたらに楽しげに連呼するわが子を見ながら、両親は、 こんな生活でも楽しんでいられるなら、狂ったほうがよかったのかもしれないと後ろ向きな安堵をさえ覚えた。 「ちーんぽ!でかまら!ぺにす!!」 最後に残った子れいむが狂ったとき、両親は大声で泣き喚いた。 水槽の中に一緒に閉じ込められた愛しい子供たちはどの子も狂い、 もはや意思疎通も適わず、わけのわからないことを言いながら蠢く狂い饅頭となり果てた。 残った二匹は、水槽の外で自分たちをせせら笑っている。 それでも両親は、帽子のない二匹の子供たちにすがろうとした。 「……ゆっくり……ゆっくりしていって……ね…」 「ゆ?ゆゆーん?にゃにいきにゃりはなちかけちぇきちぇるわきぇ~?」 「れーみゅちゃちをぷーすぷーすしちゃごみくじゅがにゃにかいっちぇるよっ!!」 「ごべんね………ごべんね………ゆぐじで………おがあざんをゆぐじで……」 「ごべんにぇ~♪ゆぐじじぇ~♪うんうんぴゅりぴゅり~~♪」 「はんっちぇいっがたりにゃいよ!!ごみくじゅ!!ちにぇ!!」 こんな会話でも、唯一意思の疎通ができる子供達と、 両親はなんとか仲直りしようとわずかな望みをつないだ。 あんなにゆっくりしていた子供たちだから。 根は素直な子供たちだから、きっといつか、きっといつか。 「おちびちゃ………おちびちゃ…………」 「ちにぇ!!ごみくじゅ!!くそげしゅ!!」 「いっしょに………いっしょに、ゆっくり……おがあざん、ど……… ながよぐ、じで…………おでがい…………おでがいだがら……がぞぐ、みんなで……」 「ゆっはああああぁぁぁああああぁぁ!!?にゃにいっちぇるにょおおおおぉぉぉ!!!? しょのかぞきゅをぷーしゅぷーしゅしちゃのはどこのだりぇなんぢゃあああぁぁぁ!!!」 「何やってんだよ、お前ら」 「ゆひぃぃ!!」 お兄さんが、その様子を見咎めてきた。 「ゆーっ!!おにーしゃん!!きょのごみくじゅどみょが、にゃかにゃおりしちゃいっちぇ~~♪」 「ああ?そんな事言ったのか? お前らをこんな目に遭わせといて、どの面下げてそんな事言えるんだか」 「ゆ゛ぐぅぅぅ………」 「可愛い子供たちなら、そこに一杯いるじゃねえか。 そこで一家団欒してりゃいいだろ?え?」 「………みんな、みんな………ゆっくりしてないよ……… ゆっくりできなくなっちゃったよ…………」 「はあ?」 全く動かない妹の頬をかじっている子まりさ。 自分のもみあげの下で暴れているれいぱーの子れいむ。 小さなもみあげをふりみだして何やらわからない言葉を連呼している子れいむ。 「じゃおーん」を連呼する子まりさ、「ちーんぽ」を連呼する子れいむ。 誰一人としてゆっくりしていなかった。 もはやこの水槽は、壊れたゆっくりを収容する精神病院と化していた。 両親でさえ、明日にも発狂寸前の状態だ。 「ふーん?で、そいつらは壊れちゃったから捨てちゃおうと。 最後に残った二匹の子供といちゃいちゃしたいと」 「ゆぷぷ!あちゅかまちーにぇ!!」 「「…………………………」」 「じゃあ、ひとつだけ質問しようか。 その答えによっては、お前らにチャンスをやらんでもない」 「ゆ゛ぅっ!?」 この期に及んで、まだ希望が見えてきたというのか。 両親はお兄さんを食い入るように見つめた。 「子供を作れない子まりさ、目の見えない子れいむ、ともにお飾りのないこの二匹。 一方、お飾りはあるけど壊れちゃったそこの六匹。 さーて、ゆっくりできるのはどっちかな~~?」 「……おかざりのないおちびちゃんのほうがゆっくりしてるよぉっ……!!」 両親の答えに迷いはなかった。 「バーカ」 「ゆ゛っ!?」 お兄さんは、六匹の子供たちを水槽から取り出して床に並べ、 その頭から次々とお飾りを取り上げた。 「「ゆっ??」」 飾りがなくなったとたんに、個体識別の術がなくなり、 六匹はどこの誰とも知れず得体の知れないゆっくりと化す。 それでも、その動きや喋りを見ていると、ようやく確信が持てた。 こいつらは絶対にまりさたちのおちびちゃんじゃない。 深くため息をつき、お兄さんが解説してきた。 「こいつはただの饅頭に目鼻をマジックで書き込んだだけ。 こいつは野良ゆっくりに捨てられてた未熟児。 こいつらはそれぞれれみりゃ、レイパーありす、めーりん、みょんの子供。 毎日一匹ずつ、お前らが寝てる隙にすり替えさせてもらった」 「…………………!!」 「おい、入っていいぞ」 「「「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよっ!!」」」」」」 引き戸の向こうから、六人の子ゆっくりがぴょんぴょん跳ねてきていた。 「ゆーっ!!おきゃーしゃん、まだゆっくちできにゃいの?」 「まりちゃたちはゆっくちちてりゅよっ!!」 「みゃいにちあみゃあみゃをむーちゃむーちゃできりゅんだよ!!ゆっくち!ゆっくち!!」 「おにぇーちゃんたちもゆるちてくれちゃよっ!!」 「ゆあ…………あ……………おちび、ちゃん……?」 傷だらけで、お飾りのない子供たち。 しかし、その表情はこのうえもなくゆっくりできるものだった。 本来、飾りのないゆっくりは大きな不快感を伴って目に映り、他のゆっくりに強い嫌悪感を抱かせる。 だがこの数日で、家族の価値観には大きな変化が起こっていた。 飾りがないのに、むしろ飾りがないからという理由でちやほやされていた二人の子供。 飾りがあっても、ついには精神に異常をきたした子供たち。 それらを目に写しているうちに、家族たちの精神にはある種の刷り込みが行われていた。 「これで三回目。 僕の言いたいことがわかるか?」 「……………………」 「お前らは、飾りしか見ていない。 あれだけ可愛がっていた子供でも、飾りがなければ赤の他人に見え、 全く見ず知らずの、しかも捕食種の子供が、飾りさえ乗っていれば可愛い子供に見える。違うか?」 「…………ちがい、ばぜん………」 「その程度なんだ。 お前らは家族思いのつもりでいるかもしれないが、結局、外見も性格も見ちゃいない。 ひたすらお飾りしか見ていない。子供の頭の上にのっかってるお飾りだけを可愛がっていたんだ。 どうだ、認めるか?」 「………………みどべばず……」 お兄さんは屈み込み、両親の前で指を振って言った。 「いいか。お前達に最後のチャンスをやろう」 「ゆ゛っ!?」 「帽子だけの絆でいいのか? 互いの本質なんて見ずに、お飾りだけを愛でる、そんないびつな家族でいいのか?」 「…………っ!!いや、でずっ………!」 「なあ、やり直さないか。 本当にお互いのことを見て、そのいいところ、悪いところを隅々まで知りあって、 互いのゆん格を認め合ったうえで思いやれる、そんなゆっくりできる家族を目指さないか」 「おにっ、いざん…………」 「ゆっぐじ、じだい…でず……… ……ゆっぐじ、でぎる、がぞぐざんに………なりだい、でずぅぅ……!!」 「いいだろう」 そう言うと、お兄さんは夫婦を水槽から取り上げて床に置いた。 「……おにいさん……?」 「一からやり直しだ。これはもういらない」 まりさとれいむ夫婦のお飾りが取り上げられる。 「ゆぅっ…………!!!」 「こんなものがあるからお互いが見えなくなるんだ。 これは預かっておく。飾りなんかに惑わされずに、本当の意味でお互いを見るんだ。できるな?」 「ゆぐっ…………やり、ばず…………!!」 「よし。さあ、家族同士で改めて挨拶しようか」 お兄さんの手で、総勢十匹の家族が円陣を組んで並べられた。 全員が飾りを失い、互いにほとんど見分けがつかない。 その中心に、れいむとまりさ夫婦、そして最初に虐められた子まりさと子れいむが向かい合っている。 おずおずと、夫婦が口を開いた。 「………おち、びちゃ……………」 子まりさと子れいむは互いに頷き合い、二人で両親に向かって叫んだ。 「「ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」」 それは、今までで一番の、 二人がこの世に生まれ落ちたときの初めての挨拶よりも、もっともっとゆっくりできる挨拶だった。 やり直そう。 みんなで、また一から始めよう。 おちびちゃんたちも、おとうさんもおかあさんも、今日この時、再び生まれ落ちたのだ。 涙でびしょびしょに濡れた頬を子供に押しつけながら、 まりさとれいむ夫婦はゆっくりしていってねと何度も何度も叫び続けた。 ――――――― 二週間が経ち、我が家のベランダはすっかり賑やかになっていた。 「ゆっ!ゆっ!おちびちゃん、ゆっくりおかあさんのべろさんにのってね!」 「ゆーっ!おしょらをとんでりゅみちゃ~~い!!」 「れいみゅおねーしゃんじゅるい!まりちゃも~~!!」 「ゆふふ、ゆっくりじゅんばんだよ!ゆっくりしていってね!!」 「れいみゅ、こっちぢゃよっ!ゆっくちついてきちぇにぇ!!」 「ゆっくちおにぇーしゃんについていきゅよっ!!ゆっくち、ゆっくち……ゆゆっ?こりぇ、にゃあに?」 「ゆふふ、あててみちぇね!あてられちゃら、れいみゅのもにょだよ!!」 「ゆっ!ぺーりょぺーりょしゅるよ!!………ちあわちぇ~~~!!ゆゆっ、ちょこれーちょしゃんだよっ!!」 「よきゅわきゃっちゃね!!ゆっくちたべちぇいっちぇね!!」 「おにぇーしゃん、ありがちょ~~!!ぺーりょ、ぺーりょ………あみゃあみゃちあわちぇ~~~!! ゆっ、おにぇーしゃん、いっちょにぺーりょぺーりょちようにぇっ♪」 「ゆゆっ!?ありがちょうにぇ!!いっちょにぺーりょぺーりょたいみゅ、はじまりゅよっ☆」 「「「「ゆっくりしていってね~~♪」」」」 例の家族は、飾りがないまま、しかし仲むつまじく団欒していた。 初めのころは飾りがないことでお互いに認識できなかったが、 必死に相手の表情や声、外見を注視することで、少しずつ少しずつ個体識別ができるようになっていった。 今では、十匹の家族はお互い完璧に識別できている。 当たり前だ、識別できないほうがおかしい。 「見分けがつかない」という思い込みを「見分けがつく」という思い込みにすり替えればいいだけの話だ。 見分けがつくと思えば、見分けはつくに決まっている。識別しようという意思、努力が致命的に欠けていたということか。 「ゆーっ、れいむのびせいによいしれていってね!!ゆ~ゆ~♪」 「れいみゅおばしゃんのおうちゃはゆっくちしちぇるにぇ!!」 「ゆっ!ゆっ!まりしゃのだんしゅをみちぇいっちぇにぇ~~」 「おばしゃんもまりしゃもゆっくちしちぇりゅねっ!!」 「じゃおーん!」 「まりしゃとおいきゃけっきょちようにぇっ!!ゆっくち!ゆっくち!」 「じゃおーん!!じゃおーん!!」 「みぇーりんははやしゅぎるよぉ!!でみょ、きょうこちょはまけにゃいよっ!!ゆっくち!!ゆっくちぃぃ!!」 ベランダでゆっくりしているのは家族だけではない。 世話係のさくやの他、帽子すり替え実験のために買ってきたもろもろのゆっくりも仲間に入っている。 野良だったのを拾ってきた飾りのないれいむ、ペットショップで買ってきた子めーりんはすっかり家族と打ち解けていた。 同じくすり替えるために集めてきた当て馬達も、厄介者ではありながら夫婦たちの手で分け隔てなく世話を受けている。 みょん種の赤ゆっくりは子めーりんと同じく一家の団欒に参加できているが、 そもそも捕食種である赤れみりゃや知能に欠陥がある未熟児とレイパーはなかなか難しいようだ。 それでも文句ひとつ言わず、家族たちはかいがいしく世話をしていた。 赤れみりゃなどは、このごろではたどたどしくも家族の輪に入っていきたそうな表情さえ見せている。 初めは家族だけで暮らさせ、互いの識別ができるようになってから、 ゆっくりの数を増やして難度を上げようという意図で余所者のゆっくりを参加させたのだが、 一旦飾りなしの識別ができるようになればあとは早かった。 余所者を虐めたり見下すようなこともまったくない。 自分たちが飾りを失って底辺の存在に堕ちたこと、 そもそも余所者を虐めたばかりにこんなことになってしまったこと、 個体識別のために相手の性格をよく吟味するようになった結果、根拠なく見下すことがなくなったこと。 要因はいろいろ思いつくが、他種への差別心は、少なくとも表に出さなくなったようだ。 ゆっくりがあれだけ執着する頭の飾りだが、こうなってみればないほうがずっといいんじゃないか。 今、僕の目の前では、ゆっくりたちがこのうえもなくゆっくりした笑顔で笑いさざめいている。 飾りを失い、傷だらけの家族たち。 希少種、捕食種、通常の言葉を喋れないめーりんやみょん。 どれも通常の群れにいれば真っ先に差別、虐めの対象にされるはみ出し者だが、 ここではなんの差別もなく、互いに認め合い、慈しみあっている。 ちょっとしたユートピアだ。 下拵えには時間をかけた。 初めに家族に苛められた子まりさと子れいむには、 さんざんに家族を見下し、貶めてやるようにそそのかした。 本人たちも充分に家族を恨んでいたので喜んでやってくれたが、 毎日寝る前には二匹を家に引き入れ、釘を刺した。 「お前達だって前はそうだった、飾りのないゆっくりを虐めていたはずだ」 「お母さんたちも反省すればお前達と同じようにゆっくりできる」と、毎日繰り返し念を押した。 ゆっくりとしては善良な個体であるはずという僕の試算は当たり、 飾りを捨てた家族を、二匹は温かく迎え入れた。 一日ごとに子ゆっくりたちの帽子を奪い、家に招き入れてあまあまを振る舞い、 初めに虐待された二匹からはうってかわった歓迎をもって当たらせ、 飾りがないとゆっくりしている、飾りがないからゆっくりできると教え込んだ。 最後に両親に種明かしをし、家族全員から飾りを取り上げたとき、 すでに飾りに頼らない価値観の下地はできていた。 今、家族に差別心はなく、飾りのないゆっくりこそゆっくりできると信じ込んでいる。 屈託のない団欒を楽しむ家族を眺め、僕は確信した。 頃合いだ。 「ゆっ!おにいさん、ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっくちしちぇいっちぇね!!ゆっくち!!ゆっくち!!」」」 ベランダに出ると、家族たちが僕に笑顔と挨拶を向けてくる。 どの顔も非常にゆっくりした幸福感に満ち溢れていた。 「やあ、みんなゆっくりしているな」 「ゆーんっ!!おにいさんのおかげだよ!!」 「おかざりさんがないとゆっくりできるよっ!!ゆっくり!!ゆっくり!!」 「おにいちゃんありがちょー!!」 「そうなのかい?」 「ゆんっ!まりさ、いままではおかざりさんしかみてなかったよ。 でも、おかざりがないと、おちびちゃんやれいむのことをよくみるようになったよ。 みればみるほど、みんなちがうんだよ!おかおも、おこえも、うごきかただって、みんなちがうし、 ちがうけど、みんなみんなかわいいんだよ!!いままできづかなかった、いろんなかわいいところがあったよっ!! きずだらけだけど、まりさのかぞくさんはいままでよりずっとずっとかわいいんだよぉ!!」 「ゆゆぅ~~ん、まりさぁぁ~~♪れいむ、てれちゃうよっ///」 「「「おちょーしゃんゆっくち!ゆっくちぃ!!」」」 「そうか。うん、素晴らしい。みんな本当にゆっくりしているな」 「ゆふ~ん♪」 僕は頷き、ベランダのゆっくり達に声をかけた。 「みんな、今日はまりさたちの家族だけに大事な話があるんだ。 悪いけど、まりさたちだけこっちに来てくれ」 「ゆんっ?ゆっくりりかいしたよ!!」 十匹のまりさ、れいむ家族を、ガラス戸を開けて屋内に迎え入れる。 「ゆっくり!ゆっくり!」「ゆっくち!ゆっくち!」 楽しげに跳ねる家族たちを、僕は奥まった和室に案内した。 和室は僕の寝室であり、隅にたたまれた布団とテレビの他は殺風景なものだ。 家族を並ばせると、僕は家族たちに話しはじめた。 「改めて、みんな。本当にゆっくりしているね」 「ゆふんっ☆てれちゃうよ!」 「お飾りなんかなくても、ちゃんとお互いがわかる。お互いのことをよく見てる。 弱い者苛めなんかするゲスはここには一人もいない。 今度こそ僕は確信して言おう、みんな、本当にゆっくりしたゆっくりだ!」 「ゆゆぅぅぅ~~~~んっ!!まりさ、かんむりょうっ!!だよぉぉ~~~!!」 「おにいさんのおかげだよぉぉ!!ありがとう、おにいさんっ!! おちびちゃんたち、みんなでゆっくりおにいさんにおれいをいおうね!!」 「「「「おにいしゃん、ゆっくちありがちょ~~~~!!」」」」 「うん、うん。僕も本当にうれしいよ。だから…………」 間を置き、笑顔で家族たちを見渡してから僕は言い渡した。 「今度こそ約束を果たしたいと思う。君たちを、森に帰してあげよう!!」 「「「「「「「「「「ゆっ?」」」」」」」」」」 家族の笑顔が止まった。 一瞬の静寂の後、家族の表情はみるみるうちに青ざめていった。 ――――――― 「おでがいじばず!!おにいざん!!ごごにおいでぐだざい!!おいださないでぐだざいいぃ!!」 「もりにがえりだぐだいぃぃ!!ごごがいいよぉ!!ごごじゃないどゆっぐじでぎだいよおおぉぉ!!」 「やぢゃ!!やぢゃ!!いじべられるのやぢゃあああぁぁ!!ゆっぐじじだいいいぃ!!!」 「ぎょわいぎょわいぎょわいいぃぃ!!ゆっぐじ!!ゆっぐじざぜでええぇぇ!!!」 全身から恐怖の汗をしたたらせ、家族一同はお兄さんに懇願していた。 ここに住まわせて、森に帰さないで。 しかし、お兄さんは不思議そうに首をかしげて言った。 「あっれぇ~~~?どうしたんだい、みんな?ようやく元の家に帰れるんじゃないか。もっと喜んでいいんだぞ!」 「やだ!!やだああぁぁ!!もりにがえりだぐない!!ゆっぐじでぎない!!ごごにおいでええぇ!!!」 「おいおい、何を言ってるんだ。もともとあそこでゆっくりしてたんだろ?遠慮しなくていいんだぞ、さあ出発だ!」 「やぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃあああああぁぁ!!!ごご!!ごごぎゃいい!!ごごでゆっぐぢずりゅううぅぅぅ!!!」 飾りを失い、全身を傷だらけにし、おめめやまむまむを失った子まで混じっているこの一家が、 今森に帰されればどうなるかは火を見るより明らかだった。 すぐに他のゆっくりに見咎められ、たちまちのうちにいじめ殺されてしまうだろう。 この家を一歩でも出ることは、自分たちにとって即、死を意味していた。 それがわかっていた一家は、ここを先途とお兄さんにすがりついた。 「ごごでゆっぐりじだいでず!!もりにがえるど、ぼがのゆっぐじにいじべらればず!! ばりざだぢはごごじゃだいどゆっぐじでぎばぜん!!おにいざん!!おにいざああああんおでがいじばずうううう!!!」 「あ、そうなのか。しまった、そうだよな、虐められちゃうよな。それじゃゆっくりできないなあ」 「ゆっ!!そうだよっ!!だからここでゆっくりさせてねっ!!」 「いや、約束だから。約束は守らなきゃいけないもんな、森に帰すよ。しょうがないよね!」 「いいよおおぉぉぉ!!ばぼらだぐでいいいいぃぃぃ!!!ごごにおいでえええぇぇ!!!」 「やだよ、だってここ、僕の家だもん。 お前らがいるから、僕ベランダ使えないんだよね。洗濯物とか干したいし」 「ゆ゛っ!!じゃあぼがのおべやざんでいいでず!!ごのおうぢざんならどごでぼいいでず!!ぼんぐいいばぜええん!!!」 「あのね、僕が文句言ってるの。この家、狭いの。お前らに居座られてると迷惑なの。出てってくれない?」 「ごごがらおいだざれだらばりざだぢじんじゃうよおおおおぉぉぉ!!!」 「だから?知らないよ、そんなこと。自分でなんとかしてね!」 必死にお兄さんの足にすがりつき、涙と涎を撒き散らして懇願するまりさ。 しかしお兄さんは一向に首を縦に振ろうとはせず、それどころか楽しんでさえいるようだった。 夫の無様な姿を見ながら、それまでお兄さんに抱いていた感情が急転していくのをれいむは感じていた。 「………おにい、ざんが……………」 「ん?」 「おにいざんがでいぶだぢをごごにづれでぎだんでじょおおおおおお!!?」 れいむは叫んでいた。 全身をぶるぶる震わせ、怒りをあらわに声をはりあげる。 「おにいざんがっ!!でいぶだぢをもりがらざらっでぎでっ!! おぢびぢゃんだぢをいじべでっ!!ごんながらだにじだんでじょおおおおぉぉ!!?」 「いやまあ、いろいろ制裁したけど。生活に支障が出るほどの傷は負わせてないよ。 この子まりさのまむまむと子れいむのおめめは別だけど、これやったのはき・み・た・ち☆」 「ゆ゛ぐぅっ…………!!」 「おぼうちっ!!おぼうちしゃんがえじぢぇえええ!!」 「ゆっ!!れいみゅもっ!!れいみゅのおりぼんしゃんがえじでにぇ!!」 「ゆゆっ!!そうだよっ!!おかざりさんがあればあんっしんっ!だよっ!!!」 子供たちの声に笑みを取り戻し、まりさはお兄さんに向きなおって言った。 「ゆっ!!まりさたち、もりにかえってもいいよっ!! でもおかざりさんかえしてねっ!!あまあまもいらないよ!!おかざりさんがあればすぐにでていくよっ!!」 「あー、お飾りかあ………ちょっと待ってね。押し入れにしまってあるから」 お兄さんが部屋の壁をずらすと、中に小さなお部屋があり、 その中に、前にみんなで入っていた透明な箱が置いてあった。 お兄さんがそれを取り出して家族たちの前に置く。 見ると、箱の中にみんなのお飾りが山になって入っていた。 家族が狂喜乱舞する。 「ゆぅぅぅ!!あったよ!!まりさのおぼうしあったよおおぉぉ!!」 「よかったぁ!!よかったよおおぉぉ!!れいむのおりぼんさんよかったああぁあ!!」 「まりちゃのおぼうちっ!!おぼうちぃ!!」 「ゆーっ!!ゆっくち!!おりぼんしゃんゆっくちちていってにぇ!!ゆっくちいぃぃ!!」 飛び跳ねながら喜び合っているうちに、光がお飾りの山の上に落ちた。 「ゆゆっ?」 「…………どぼじでおりぼんざんぼえでるのおおおぉぉぉっ!!!?」 お兄さんが落としたものは火だった。 小さな棒の先についていた火は、たちまちのうちにお飾りの山に燃え移り、赤い炎をめらめらと躍らせている。 まりさたちは恐慌をきたして叫び狂った。 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛だべええだべえええええぼえぢゃうおぼうじじゃんぼえぢゃああああ!!!」 「だんでええええ!!?だんでごんだごどずるのおおおおおおおおおあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ゆんやあああああーーーーーーっ!!!ゆびゃああああああーーーーーーーっ!!!」 「だじゅげぢぇ!!だじゅげぢぇ!!おぼうじじゃんだじゅげぢぇええええええっ!!!」 「おにいじゃーーーーーっ!!おにいじゃああああーーーーーーーーっおにいいいいいい」 いくら体当たりしても箱はびくともせず、お兄さんに体当たりしても同じくびくともせずににやにや笑っているばかりである。 ひとときの狂乱を経て、ついにすべてのお飾りは黒い消し炭と化した。 「ゆ゛あ゛……あ゛……あ゛あ゛あ゛…………おぼうぢ………ばりじゃ、の……」 「どぼじで…………どぼじで………どぼぢで…………どぼじ……で」 水槽の壁を力なくぺーろぺーろしながら涙に暮れる家族たち。 その背中に、お兄さんが明るい声をかけた。 「いやー、お飾り燃えちゃったね。でもいいよなっ、お前達はもうお飾りなくてもわかるもんな!」 「おがざりざんがだいどいじべられるでじょおおおおおおおお!!!!?」 「でいぶだぢじんじゃうんだよおおおおぉぉぉぉ!!ごろざれぢゃうんだよおおおおおお!!?」 「うん、そうだね。だから?」 「………っぐ…………ゆっぐじでぎだいおにいざんはゆっぐじじねええええええ!!!」 涙を振り絞り、れいむがお兄さんの足をめがけて突進した。 渾身の突進を受けてもお兄さんは動じず、冷やかにれいむを見下ろしているだけだ。 ぎりぎりと歯軋りし、れいむは慟哭しながら体当たりを繰り返した。 まりさはただただ泣きじゃくりながらその光景を見つめ、子供たちはひたすら燃えカスを囲んで泣き喚いていた。 その時、お兄さんが何かを床に落とした。 「ゆっ?」 涙に濡れた目で、まりさがそれを視界に捉える。 それは、赤いカチューシャだった。 「いじめ殺されるだって?」 足元にまとわりつくれいむを、足でごろんとカチューシャの方に転がしながらお兄さんは言った。 「ちょっと、一緒に面白いビデオを見ないか」 『きょーろきょーろしゅるわっ!きょーろ、きょーろ!』 『はは、落ちないように気をつけろよ』 『おにーしゃんのおちぇちぇはとっちぇもときゃいはにぇ!』 『ふーかふーか!ふーかふーか! このべっどさんとってもとかいはよ!おにいさん、ありがとう!』 『どういたしまして。銀バッジを取ったごほうびだよ』 『ゆんっ!おにいさんのしどうのおかげよっ! これからはもっともっとおにいさんをとかいはにゆっくりさせるわっ!!』 『いちにっ!いちにっ!』 『何してるんだ、ありす』 『ゆっ!だいえっとさんよ!このごろたいじゅうがゆっくりしすぎてるから……』 『ははは、そんなこと気にしてるのか。可愛いやつだな』 『ゆっ、もう!しらないっ!!』 『ゆわあああぁぁ!!とかいは!!とかいはだわあぁ!!』 『そんなにはしゃぐなよ。迷子にならないようにな』 『ゆーんっ!こんなゆっくりできるとかいはなばかんすさんにつれてきてくれてありがとう、おにいさんっ!!』 『ついに金バッジを取れたからな。これからはどんどんいろんなところに遊びに行こうな。 そうだ、約束だったな、今度お婿さんを連れてくるよ。おちびちゃんも作ったらいい』 『とかいは!!とかいはだわぁぁぁ!!おにいさんのかいゆっくりで、ありす、しあわせよおおぉぉ!!』 お兄さんが何やら細工すると、部屋の隅にあった黒い箱の中に映像が流れ始めた。 この家で過ごしているうちに知った、あれはテレビさんというものだ。 そこに流れているのは、一人のゆっくりありすの姿だった。 ビデオの中に姿は映っていないが、 個体の特徴に鋭敏になった今の家族には、ありすに話しかける声がお兄さんのものであることはすぐにわかった。 お兄さんとありすの、幸福そうな生活がながながと流された。 そのありすは気立てがよく、身だしなみも整い、どこから見てもゆっくりできる美ゆっくりだった。 思わず自分の妻と比べそうになり、まりさはつい頭を振った。 「この子は僕の飼いゆっくりだった。とても可愛い、聞き分けのいい子だった」 お兄さんが説明を加えた。 「赤ゆっくりの頃に、捨てられて死にかけていたのを気まぐれで拾ってきたんだ。 ゆっくり飼いの勝手がわからない僕を、むしろありすの方がサポートしてくれた。 至らないところの多い僕に文句を言わず、 助けてもらった感謝を繰り返し、僕をゆっくりさせるために尽くしてくれた。 ついには金バッジまで取得するほど優秀な個体だった。宝クジに当たるくらいの拾い物だったんだ。 赤ゆっくりの頃に捨てられた経験が、いい方向に作用したのかもしれない」 「ゆうぅぅ……………」 流れる映像を見ても、「ゆっくりしてるね!」などとは漏らせなかった。 ありすがすでに鬼籍に入っていることは、すぐそこに転がっているカチューシャを見れば想像できた。 最初から悲劇として語られているこのエピソードがどこに行くのか、にわかには読めなかった。 「ありすの愛情に僕も報いたかった。 ありす自身の安全を考えてバッジ試験も受けさせた。辛い勉強も不満を言わずにやってくれたよ。 ただひとつ、ありすが一度だけ漏らしたわがままは、子供が欲しいということだった。 子供を作ったゆっくりはリスクを抱えている。ゆっくりの生態を調べるうちにそれを知った僕は、 金バッジを取るまでおあずけだと言った」 「ゆぅ………おちびちゃんはゆっくりできるのに……」 まりさが思わず口をはさんだが、お兄さんは全く無視して先を続けた。 家族に話しているというより、ただ独白しているようだった。 「いまでは後悔してる。すごく後悔している。 ありすの望みをすぐに叶えてやらなかったことを。 僕に言われたありすは、それまでの何倍も勉強に身を入れ、とうとう金バッジを取った。 僕は約束通り、つがいを与えて子供を作らせてあげるつもりだったが、 赤ゆっくりができればそうそう外出もできなくなる。 その前に、ご褒美でキャンプに連れていってあげることにしたんだ。 そこで、ありすはゆっくりに殺された」 「ゆううぅ!?ゆっくりごろしはゆっくりできないよ!!」 思わず叫んだれいむに、お兄さんはすぐに屈みこんで答えた。 「そうだよな。ゆっくりできないよな! こんなゆっくりできるありすを殺すなんてひどいことだよな」 「ゆーっ!ゆっくりしてないよ!ありすがかわいそうだよ!!」 「もうすぐおちびちゃんがつくれたのにぃぃ!!」 「ありちゅおにぇーしゃん、きょろしゃにゃいでええぇ!!」 「ありすはひどい殺され方だった。 全身を枝でぷーすぷーすされて、目を潰されて髪もむしられて、最後には生きたまま食われて死んだんだ」 「ゆううぅぅぅ!!きょわいよおおぉぉ!!」 「ひどいよおおぉぉ!!ゆっくりできないよおおぉぉ!!」 「こんなにゆっくりしたありすなのにいぃぃ!!」 現在の状況も忘れて、つい感情にかられて叫ぶ家族たち。 お兄さんは何度も頷いて続けた。 「そんなひどいことをするゆっくりはゆっくりできないよな!」 「ゆっくりできないよ!!」 「ありすが死んだのに、そいつらは今ものんびりゆっくりしてるんだ。許せないよな!」 「ゆるせないよっ!!ゆっくりごろしはせいっさいっしなきゃいけないよ!!」 「苦しんだありすのためにも、たっぷり苦しめて、ゆっくりできない目に遭わせなきゃ割に合わないよなあ!」 「ゆーっ!!かたきうちだよおおぉ!!そんなひどいゆっくりはゆっくりしちゃいけないんだよぉ!!」 「そうか、そうだよな!そう言ってくれるか!!お兄さんは嬉しいよ、みんな!」 「「「「ゆーっ!!」」」」 「まさか、まさか……ありすを殺したやつらが、自分から喜んで罰を受けてくれるなんて!」 「ゆぇっ?」 足元のカチューシャを拾い上げて見つめながら、お兄さんは淡々とした口調に戻って続けた。 「森のそばの川でキャンプをしたとき、ありすは迷子になった。 その時に、カチューシャを落としてしまったんだ。 飾りをなくしてしまったありすを、そこに住んでいたゆっくりの一家が見つけて、 「ゆっくりできないゆっくり」呼ばわりして、なぶり殺しにした」 そこまで言って言葉を切り、お兄さんは笑顔を浮かべて家族をゆっくりと見渡した。 家族は、小刻みに震えはじめた。 「僕がどうして、お前たちを家に連れてきたんだと思う? 野良ゆっくりの家族なんかわざわざ攫ってきたってなんの得にもならない。 見ず知らずのゆっくりを、飾りがなくてもお互いを識別できる、ゆっくりした家族にする。 そんな七面倒臭いことを、純粋な善意でやると思うか? お前らみたいな薄汚いゴミクズを、なんで僕がわざわざゆっくりさせてやらなきゃならないんだ?」 「………………おに、い、さ………ん……」 「お前たちには知ってもらわなければならなかった。 お飾りがなくても、お前らが殺したありすは素晴らしいゆっくりだったということを。 お前らは、罪のない、思いやりの深いゆっくりできるゆっくりを、 ただお飾りがないという、くだらない些細な理由で虐めた。 ゆっくりに満ちた未来が待ち受けていたゆっくりを、喜色満面でなぶり殺しにした。 『せいっさいっ』なんかじゃない、同族殺しのリンチ、暴力だった。 お前らが恃みとする正当性、「お飾りがなかった」という理由は、なんの意味ももたないこじつけだ。 それをお前たちには知ってもらわなければならなかった」 「ゆ゛………ゆ゛………ゆる……ゆるじ………」 「そうでなければ、僕が何をしても、「まりさたちなんにもわるいことしてないのにいいぃ!!」とお前たちは叫ぶだろう。 僕は、ゆっくりできる善良なお前たちにいわれのない暴力を加える悪漢ということになり、 お前たちは誇りと家族愛で自分たちを慰めながら死んでいくだろう。 そんなことは許さない。絶対に許さない。 お前たちが僕の愛する家族にしたことを、僕はお前たちにやり返してやるんだ。 お前達が叫ぶのは毅然たる抗議でも非難でもなく、みじめったらしい謝罪と懇願、命乞いでなければならない」 「あ゛……あ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛………………!」 「いやあ、でもよかった!自分から罰を受けてくれるなんて! ありすをなぶり殺しにするような奴はゆっくりしちゃいけない、苦しめなければいけない。 お前達自身の口からそう言ってもらえてよかったよ! もし抵抗されたら面倒だと思っていたんだ。いや、スムーズに進んでよかったよかった」 「ゆ゛るじでぐだざいいいいぃぃぃ!!!」 まりさは床に頭を打ちつけて叫んでいた。 何度も何度も頭を打ち、喉を震わせて叫ぶ。 「ごべんだざい!!ごべんだざい!!おにいざんのありずをいじべでごべんだざい!! おがざりがだいだげでいじべで、ごろじでごべんだざい!! ぼんどうにぼうじわげありばぜんでじだ!!ばりざだぢがっ、ゆっぐりじでばぜんでじだ!!」 「ああ、そうだね」 れいむもまりさに続いて頭を下げた。 「じらだがっだんでず!!ありずが、あんだにゆっぐじじでだだんで!!あんだにやざじいびゆっぐじだっだだんで!! おがざりがだいがら、わがらだがっだんでずううぅ!! ごべんだざい!!ごべんだざい!!ゆっぐじじでだいでいぶでごべんだざい!!」 「本当だねえ」 親に倣い、子供たちも詫びはじめた。 「ゆびぇええええん!!ぎょべんなぢゃいっ!!ぎょべんなぢゃいいい!!」 「ばりじゃがわりゅがっだでじゅうぅぅ!!ゆるじぢぇえええ!!」 「ぼうじばじぇん!!ぼうわりゅいごどじばじぇえん!!ゆっぐぢぃぃぃ!!」 「うんうん、もう二度とやっちゃだめだぞ」 お兄さんは腕を組んで笑っていた。 まりさは顔を上げ、おずおずと頼んだ。 「お、おに、いざん……ゆぐじで、ぐだざい…………?」 「え、駄目だよ。絶対に許さないよ。何言ってるのかな?」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ごべんだざあああいいいいい!!!」 「うんうん、さあ、罰を受けようね! みんなで森に行って、森のゆっくりたちに虐めてもらおうな!それが罰だよ、ゆっくり理解してね!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛やべで!!おでがい!!でいぶだぢはどうなっでぼっ!! おぢびぢゃ!!おぢびぢゃんだげはあぁぁ!!」 「またそれかい?おちびちゃんだけは、か」 「ばいっ!!ばりざどでいぶがいじべらればず!!ごろざればずうぅ!! おぢびぢゃ、だげはっ!!おでがっ!!ごごでぐらざぜでぐだざいいいいぃぃ!!」 「ふざけんなよ、コラ」 低い声で返答し、お兄さんはまりさの頬を蹴り抜いた。 「あぶぎゅうっ!!?」 「ば!!ばりざああぁあ!?」 「ん、なに注文しちゃってんの?罰を受ける立場なんだろ? 一番大事なものだけは見逃してくださいって、なにそれ?お前たちはありすの何を見逃したの?ねえ?」 「ごべんだざい!!ごべんだざい!!ゆぐじでぐだざいいい!!」 「お前たちがありすを許していれば、僕も考えたんだけどねえ」 「ばんぜいじばじだっ!!でいぶだぢはげずでじだっ!!ぼうにどどじばぜん!! ごごろを、ごごろをいれがえっ!!おぢびぢゃんだぢはっ!!」 「うんうん、本当に悪いことをしちゃったねえ。だから罰を受けようね!」 「おぢびぢゃだげはっ!!おぢびぢゃっ!!」 「しつこいんだよ!」 「ゆぎげべぇ!?」 れいむの頭が勢いよく踏みつけられる。 衝撃でうんうんが漏れてしまうが、意に介する余裕はなかった。 「反省しましたとか、心を入れ替えるとかさ、だからなんなの? 本当に、ほんっと~~~~に悪いことをしたと思って反省してるんならさ、 どんな罰を与えられても喜んで受けるのが筋だろ?やったことの責任をとろう、ってまず考えるのが本当だろ? それが何?反省したから罰は勘弁してくれって?責任をとるのは嫌ですって? それって反省したって言うの?ねえ?ねえねえねえねえ」 「あぎっ!!いびぎぃ!!ゆぎひいいいぃいいびいいいい!!」 「ごべんだざいっ!!わるがっだでずっ!!びどいごどいっでるのはわがっでばずっ!! でぼ、でぼ、ばりざの、おぢびぢゃんは、どっでぼ……ゆっぐじじででっ!!」 「僕のありすもとってもゆっくりしていたよ。 そうかなるほど、ちょうどいいや、とってもゆっくりしているおちびちゃんたちなら僕のありすと見合うね!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛やべでえええええぇぇ!!!」 「え、本気で言ってんの? 僕の一番大事なものを壊しといて、お前たちの一番大事なものは見逃してって頼んでるのお前ら? そんなことして僕になんか見返りあんの?」 「ごべんだざい!!ごべんだざい!!ゆぐじでぐだざい!!ゆぐじでぐだざい!!」 お兄さんの言うとおりだということはわかった。 何から何までお兄さんは正しく、お兄さんの言う罰をみんなで受ければ筋が通ることもわかった。 ここで逃げるのはゆっくりできない。ここで逃げるのは卑怯者だ。 でも、でも、それでも、それだけは。 おちびちゃん。 まりさたちの、ゆっくりした、おちびちゃんたちだけは。 「ゆぐじでぐだざい!!ゆぐじでぐだざい!!おでがいじばず!!ぼんどうにおでがいじばず!!ゆぐじでぐだざいいいぃ!!!」 「へえ……それがお前らのルールなんだ」 言いながら、お兄さんはむしるように子れいむの一人を取り上げた。 「おしょらをとんでりゅみちゃいぃ!?」 「ゆああぁぁ!!おぢびぢゃ、おぢびぢゃあぁ!!」 「たとえばこんなことをしても許されるんだよな!!」 「ゆっびゃあああぁぁぁぁっ!!!?」 ガリガリガリガリ お兄さんが子れいむの顔面を壁に押し付けて擦り付けた。 「ごぎょおおおおおぉぉぉびびゃああああぁぁいぢゃばばばばばぎゅううううーーーっ」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛やべでやべでやべでやべでええええぇぇ!!!」 「こんなことをしてもっ!!」 勢いよく振りぬき、子れいむの顔面を家族に見せ付ける。 子れいむの顔の右半分は痛々しい擦過傷にまみれ、口の右側が裂けて砕けた歯がこぼれ出し、 右の瞼がけずり落とされて眼球が消失していた。 「ゆ゛………いぢゃ………いぢゃ……あ゛………………びぎゅい゛い゛ぃぃ…………」 「おぢびぢゃーーーーっ!!おぢびぢゃあああああぁぁ!!」 「お前らは許してくれるんだよな! お兄さん悪いことしちゃったよ!かわいいおちびちゃん虐めちゃったよ! でも反省したからね!許してね!ゆっくり許してくれるよね!!ねえ!!」 「………!!………………!!!」 「ゆっくり許してもらったから次にいこうね!次も許してくれるよな!!反省するからさ!!」 「やべでええええぇぇぇおでがいいいいいぃぃぃ!!!」 次の子供を手に取ろうとしたお兄さんを、まりさが必死に制する。 肩で息をしながらお兄さんは手を止め、まりさに向き直ってつぶやくように言った。 「……選べ。 森に行って罰を受けるか、ここで僕の暴力をすべて許すか」 「…………………………!!!!」 まりさはぶるぶる震えて歯を食いしばり、大量の涙を流しながら、やがてがっくりとうなだれた。 (後編2へ)
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「ただいまー。お前ら、嬉しいニュースがあるぞ」 「おにいさん、ゆっくりおかえりなさい!!」 「うれしいにゅーすってなんなの?」 「「「「なんなの?」」」」 大学から帰ってきた男は、我が家の愛すべき同居人であるゆっくり一家の部屋に行くと、こいつらの喜びそうな話を真っ先にしてやった。 「実はな、この前お兄さんに恋人が出来たって話をしただろ」 「ゆっくりおぼえてるよ!! とってもびじんさんなおねえさんのしゃしんをみせてくれたよ!!」 「さすがはまりさだ、曇りなき審美眼を備えているようだな」 「ゆうぅ!! ゆっくりてれるよ!!」 「でな、その彼女だが、話を聞くと最近ゆっくりを買ったらしいんだ」 「ゆゆっ!! ほんとう!?」 「ああ、しかもまだ生まれて間もない赤ゆっくりだ。とっても可愛いらしいぞ」 「ゆうぅ……まりさとれいむのちびちゃんたちも、ゆっくりかわいいよ!!」 「拗ねるなよ。そんなこと同居してる俺が一番よく解ってるよ」 「ゆっくりあんしんしたよ!!」 「でだ、ここからが肝心なんだが、明日彼女がこの部屋にやってくるんだが、その時、赤ゆっくりも一緒に連れてくるっていうんだ」 「ゆゆっ!!」 「何でもゆっくりショップで買った赤ゆっくりらしくてな。一匹だけの購入だから、親も姉妹も友達もいないんだ。 彼女が部屋にいるときはとっても嬉しそうな様子を見せるそうなんだけど、大学に行ったり、外出したりすると、その子は一人ぼっちになっちまう」 「ゆうぅ……ゆっくりかわいそうだよ」 「だから、お前らにその子の友達になって欲しいんだ」 「ゆっくりまかせてよ!!」 「そういうと思ってたよ。それに生まれたばかりの赤ゆっくりだから、お前らで立派に教育してやってくれ」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!」」」」」 一家の元気な返事に満足した男は、一家全員を自分の掌に乗せる。 そして、小指で丁寧に丁寧に一家全員の頭を撫でてあげた。 ここで気になる人が出てくることだろう。 一家全員が掌に乗る? そんなことが可能なのかと? 可能なのである。 一家の家族構成は、親まりさに親れいむ、生後半年の子ゆっくり三匹に、生後三か月の赤ゆっくり三匹の計八匹。 普通のゆっくりなら、それだけで10㎏を超す重量になるものである。 しかし、男の飼っているゆっくりは、普通のゆっくり種とは異なる、新種のゆっくりであった。 その名もマイクロゆっくり。 普通の成体ゆっくりが最大でバスケットボールほどの大きさまで成長するのに対し、このマイクロゆっくり種は、最大でピンポン玉ほどにしか大きくならないのが特徴である。 ゆっくりが現代社会に現れて早10年。 初めこそ人々はその不思議な生態に大いに沸いた。やれ宇宙人の襲来だとか、異世界からの侵略者だのと、毎日のように特番で流されたものだ。 おかげで当時見たかった番組が、かなり潰されてしまったものである。 しかし、人間の慣れというのは恐ろしいもので、半年も過ぎるとゆっくりに対する関心は徐々に薄れ始めた。 道端でゆっくりを見ても、犬や猫を見るような感覚で見向きもしない。 ゆっくりたちに、人間が恐怖するほどの力がなかったことも、関心を無くさせる要因だったのだろう。 そんなこともあって、現代社会はすんなりとゆっくりの存在を認めてしまったのである。 そうなると次に人間が起こす行動は、ゆっくりが人間にどれだけ利益をもたらすかということだ。 如何にもエゴで凝り固まった現代人の考えそうなことである。 まず真っ先に、その饅頭という特殊な姿から、当然の如く食用への流用が行われ始めた。 続いて、簡単な言葉を話し、理解できることから、人間の仕事の一部に使われることとなる。 そして、その憎らしくも愛らしい容姿から、ペット界でも当然扱われていった。 今や犬や猫を飼うが如く、普通の家庭でもゆっくりが飼われている。 しかし、ゆっくりの飼育には結構手間がかかる。 食べ物を食べても排出しないというのはペットとして最高の利点なのだが、ゆっくりはかなりの大食漢で、月々の出費もバカにならない。 何事にも興味を示し、躾がなっていないと部屋の中で暴れ放題、すぐに部屋が荒らされてしまう。 しかも、荒らされるだけならともかく、動き回りたがるくせに猫のように俊敏性や機敏性は持ち合わせていないので、ちょっとしたことですぐに怪我を負ってしまう。 オレンジジュースと小麦粉で治るのはいいが、大事なペットが怪我をしているのを見るのは飼い主として辛いものがある。 そこで開発されたのが、ゆっくりの遺伝子餡をいじって生み出された新種のゆっくり、その名もミニゆっくりである。 成長してもソフトボール大の大きさにしかならないミニゆっくりは、家計への優しさや、暴れても被害が少ないこともあって、爆発的なブームとなった。 ブームとなれば大金が動き、大金が動けば味を占める。 となると、次に人類が考え付くのは、ミニゆっくりより小さな種を作り出すということであろう。携帯電話が進化するたびに薄く小さくなるようなものだ。 ミニゆっくり出現から3年の年月をかけ、人類は遂にミニゆっくりよりも更に小さい新種、マイクロゆっくりを誕生させることに成功した。 しかし、このマイクロゆっくりはミニゆっくりと違い、一過性のブームに終わってしまった。 成長してもピンポン玉という大きさから、家計への負担、家への被害はミニゆっくり以上に減ったが、それ以上にその扱いがとても難しい種であったからだ。 成体ゆっくりですら途轍もなく皮がもろく、ちょっと力の加減を間違えるだけで、簡単に皮が破れ餡子が漏れ出してしまう。 食べ物も粉末状まで砕かないと摂取できないし、水を与える時もスポイトで一滴ずつ飲ませなければならない。 また赤ゆっくりなど小豆大の大きさしかなく、鼻息の荒い飼い主が飼おうものなら、一息で飛ばされること請け合いだ。 ゆっくりの利点であるオレンジジュースと小麦粉で回復できるという特徴も、普通のゆっくりのように頭からジャブジャブ掛けようものなら、オレンジジュースの池で溺死しかねない。 そういった飼い難さも相まって、マイクロゆっくりは一部のマニアだけが買い求める上級者向けの種となってしまったのである。 男はそんな上級者の一人であった。 子供のころは、普通のゆっくりを飼っており、それが亡くなりミニゆっくりが出るや、先代の代わりにとミニゆっくりを求めた。 小さくなった分、寿命は普通のゆっくりより少なく、男が高校生の時には、悲しいことにミニゆっくりは寿命を迎えてしまった。 翌年が受験だったこともあり、ゆっくりを飼うのを控えていた男だが、無事志望大学に合格できたことと、一人暮らしの寂しさもあって、一学年の夏にマイクロゆっくりを購入したのである。 元来のマメで繊細な性格も相まって、現在に至るまでの一年半、紆余曲折はあったものの、特に大きな失敗を犯すこともなく育てることに成功している。 まりさ一家は、男の話を聞いて、明日が楽しみだった。 男は優しく、とてもゆっくりした飼い主だったが、その体の構造上、普通のゆっくりと同じく、外を散歩することなどはさせてもらえない。 ウッカリ外に出ようものなら、誤って人間に踏みつぶされるか、突風に吹き飛ばされるかが落ちである。 そんなこともあって、一家は生まれてこのかた家族以外のゆっくりと出会ったことがなかった。 中でも生後三か月の赤ゆっくりは、男の話を聞いて、特に興奮した。 生まれたばかり。つまりそれは、自分たちより年下であることを意味する。 まだまだ甘えたい年頃ではあるが、同時にお姉ちゃん風を吹かせたかった赤ゆっくりは、早く明日が来ないかと待ち遠しくて仕方がなかった。 「おにいさん!! かのじょさんは、ゆっくりまだこないの?」 「う~ん、そろそろ来ると思うよ」 今朝から一家は、何度も男に訊ねてくる。それほどまで、赤ゆっくりの登場が待ち遠しかったのだ。 焦らしプレイのように悶々とした時間を過ごす一家であったが、午後1時を過ぎたころ、来客を知らせるベルが鳴り響いた。 「ゆっ!! おにいさん!!」 「分かってるよ、いま迎えに行ってくる」 ベッドから飛び降り、玄関にドアを開ける。 そこには、以前写真で見せてもらった長い黒髪の女性が佇んでいた。 「こんにちは、愛で男くん」 「やあ、ようこそ。汚い所だけど、まあ上がってくれよ」 「ええ。お邪魔します」 女性は軽くお辞儀すると、靴を脱いで、部屋に上がり込んだ。 その手には、小粋な可愛いペットゲージがぶら下がっている。 「愛で子、昼食はもう取った?」 「ええ、一時間くらい前に」 「そっか、良かったよ。家の冷蔵庫、何にも入ってないからさ」 「ふふ、後で一緒に買いに行きましょう。今夜は私が作ってあげるから」 「ひゃっほーいっ!! 手作り料理ゲットゥ!!」 男はテンション高く悲鳴を上げる。隣人や階下の人が、苦情に来ないか心配である。 彼女である愛で子は、男性の部屋が珍しいのか、興味深そうに周りを見渡している。 そして扉を跨ぎ隣室に入るや、一mという特大の水槽を見つけると、「これね!!」と、目を輝かせて近づいてきた。 言うまでもなく、マイクロ一家の入った水槽である。 普段、一家は水槽の中で生活している。 と言っても、一mという巨大な水槽であるため、マイクロ一家にとっては、巨大な庭付き大豪邸のようなものである。 一家は愛で子の目の前に一列に並び、歓迎の意を示す。 「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」 愛で子もそんな一家に目を細め、「ゆっくりしていってね」と笑顔で返した。 「おねえさんが、おにいさんのかのじょさんなの?」 「ええそうよ。よろしくね、まりさちゃん」 「ゆっくりよろしくね、おねえさん!!」 軽い挨拶を済ませ終えるや、一家は気になっていたことを愛で子に告げる。 「おねえさん!! あかちゃんはどこにいるの?」 その言葉に愛で子は微笑むと、手に下げていたゲージを開けて、中に手を入れる。 そして、それを優しく掴むと、両手で姿が見えないように隠しながら、ゆっくり水槽の中に手を入れていった。 一斉に愛で子の手に群がってくる一家。 興味津津とばかりに、愛で子の手の中を注視する。 ようやく待ちに待った瞬間がやってきた。愛で子がその手を上げる。 手の中から出てきたゆっくりは、一家に目を向けると、大きな声で挨拶をしてきた。 「ゆっきゅりちていっちぇね!!!」 「ゆゆっ!?!?!?」 その瞬間、一家全員が凍りついた。 目の前のれいむ種を、呆気に取られながら見つめ続ける。 「おい、お前らどうしたんだ、急に無口になって?」 傍でジッと見ていた男が、一家の妙な態度に首を捻る。 あれほど楽しみにしてたというのに、なぜ急に押し黙ってしまったというのか。 その疑問に、一家の大黒柱たるまりさが口を開いた。 「ゆうぅ……おにいさん!! ゆっくりうそをついたね!!」 「はあ、何のことだ?」 「おにいさんはあかちゃんがくるっていってたよ!! それなのに、このれいむはもうりっぱなおとなだよ!!」 「……なるほど、そういうことか」 愛で子が取り出したれいむ。それは、一家の大黒柱であるまりさの5倍は大きかったのだ。 それ故に、一家は男が嘘をついたのだと解釈したのである。 そんな一家に、男ではなく愛で子が説明を加えてくる。 「まりさちゃん。この子は、本当に赤ちゃんなのよ」 「うそだよ!! まりさよりおおきいのに、あかちゃんなんてへんだよ!!」 「この子はね、普通のゆっくりの赤ちゃんなの」 「ふつうのゆっくり?」 「まりさちゃんたちはね、マイクロゆっくり種って言って、ゆっくりの中でも一番小さい種族なの。そしてこの子は普通のゆっくり……一番大きな種族で、これでもまだ生まれたばっかりなのよ。 本当は普通のゆっくり種も生まれたばかりはこんなに大きくないんだけど、この子は胎生出産で生まれたから、特に大きい子なの」 「ゆうぅぅ……」 説明を受けても、いまいち納得できない一家。 確かに胎生で出産された子供が、蔓で出産された子供より大きくなることは知っている。しかし、それでも納得できないものは、納得できない。 それも仕方がない。一家は自分たち以外の種にあったことがなく、自分たちこそがスタンダードなのだから。 「さっきの挨拶を聞いただろ。『ゆっきゅりちていっちぇね』って赤ちゃん言葉だったじゃないか」 男も注釈を入れてくる。 言われてみればその通りで、あれは自分たちのチビちゃんも少し前まで使っていた赤ゆっくり言葉である。 もしかしたら目の前のゆっくりは態と赤ゆっくりの喋りをマネしているのかとも考えたが、一家はすぐにそれを否定した。 赤ゆっくりの喋り方は、まだ舌足らずなだけであって、意識して喋るのはとても難しいのである。 仮に意識して話せたとしても、普通の成体ゆっくりなら、演技でも赤ゆっくり言葉を使うことに抵抗があるだろう。 人間に例えるなら、常時「バブー」「ハーイ」「チャーン」と言っているようなものである。正に羞恥プレイだ。 「お前らは、昨日俺と約束したよな。この子と友達になってくれるって。俺はお前たちを約束を守らないような子に育てた覚えはないぞ」 男が少し厳しい口調で言ってくる。愛で子も若干悲しそうな表情だ。 一家は目の前の巨大赤れいむに目を向ける。この状況を全く理解していないような、能天気な振る舞いだ。 最初は若干渋る態度を取っていた一家だったが、男たちや巨大赤れいむの様子を見て決心した。昨日言ったとおり、この子と友達になってやろうと。 大好きな男やその彼女を悲しませるのは一家としても本意ではないし、よく巨大赤れいむを観察すると、態度のそこかしこに赤ゆっくり独特の仕草が見て取れる。 体は大きくても、この子は確かに生まれたばかりの赤ちゃんなのだ。 それなら、両親は自分の娘たちのように、子ゆっくりは自分の妹のように、赤ゆっくりは妹が出来たように接してあげればいい。 これが一家の出した結論だった。 「おにいさん!! ゆっくりうたがってごめんね!! まりさたち、この……おちびちゃん? と、いっぱいあそんであげるよ!!」 「おお、偉いぞ、まりさ」 「まりさちゃん、ありがとう」 「ゆっくりまかせてね!!」 こうして、一家の世話が始まった。 一家の中で最初に巨大赤れいむと接触したのは、赤ゆっくりたちだった。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 「ゆっきゅりちていっちぇね!!」 「なにかあったら、なんでもおねえちゃんたちにいってね!!」 一度やってみたかったお姉ちゃん風を吹かせる赤ゆっくりたち。 しかし、そこは生まれたばかりの巨大赤れいむである。元々ゆっくりは空気が読めないが、それに輪をかけて遠慮がないというか、空気が読めない。 「ゆっ? れいみゅよりちっちゃいにょに、おにぇえちゃんにゃんて、おかちいよ!!」 「ゆっ!?」 痛いところを突かれた赤ゆっくりは、短く呻く。 親まりさですら、最初巨大赤れいむを見たとき、大人だと思ったくらいである。巨大赤れいむがおかしいと思っても不思議ではない。 しかし、そこは水槽の側に控えていた愛で子が、巨大赤れいむを叱りつめる。 「こら、れいむ。お姉ちゃんに、そんな口をきいちゃ駄目でしょ」 「ゆうぅぅ……で、でみょ……」 「でもじゃありません、お姉ちゃんに謝りなさい」 「……おねえちゃん、ゆっきゅりごめんにゃちゃい」 「お前ら、相手は生まれたばかりなんだ。許してやってくれ」 「ゆ、ゆっくりゆるすよ……」 のっけからケチがついた一家と巨大赤れいむとの接触。 若干、嫌な空気が流れ始めるが、そこは年長者の理解ある親まりさが取り成した。 「ゆっ……みんなでなかよくゆっくりしようね!! きょうは、まりさたちがゆっくりあそんであげるからね!! おねえさんのちびちゃんは、なにであそびたい?」 「ゆっ!!」 大好きな飼い主に叱られて気落ちしていた巨大赤れいむだが、親まりさの言葉に目を輝かせ始める。 目の前に好物をぶら下げられると、数秒前のことすら忘れるのが、赤ゆっくりの特性である。 「りぇいむ、ゆっきゅりおにごっごがちたいよ!!」 一匹で生活していた巨大赤れいむは、集団での遊戯に憧れていた。 嘗て、テレビでたくさんのゆっくりが集まってしていた鬼ごっこを、一度遊んでみたかったのである。 しかし、これには愛で子か難色を示した。 「愛で男くん。鬼ごっこしたいって言ってるけど、大丈夫かしら?」 「どういうこと?」 「まりさちゃんたちが、れいむに潰されちゃったら……」 「ああ、それは俺らが注意していれば大丈夫だろう。危なくなったら、すぐに手を入れればいいよ」 「……そうね、分かったわ」 愛で子も納得したことを受け、親まりさが全員の顔を見渡し告げてくる。 「ゆっくりりかいしたよ!! それじゃあ、みんなでおにごっこをやろうね!! まずさいしょは、まりさがおにさんになるよ!! みんなゆっくりしないでにげてね!!」 その言葉に、蜘蛛の子を散らすように、水槽内を駆け回っていく一家と巨大赤れいむ。 まりさは男の躾もあってゆっくりにしては頭がよく、ゆっくり十まで数え終えると、水槽内を駆け始めた。 まずは、巨大赤れいむを追いかける。 別に自分の子供が酷いことを言われたからとか、そんなチッポケな感情からではなく、鬼ごっこをするのに相手にされないのは詰らないだろうという、まりさなりの優しさであった。 「おねえさんのおちびちゃん!! ゆっくりまってね!!」 「ゆうぅ!! こっちにきちゃよ!! ゆっきゅりにげりゅよ!!」 自分が追われていることに気が付いた巨大赤れいむは、親まりさから逃げようと、全力で水槽内を駆け回る。 しかし、これがそもそも間違いの元であった。 前述のとおり、巨大赤れいむは、親まりさの実に5倍の体積がある。 その体格差はしっかりとこの状況にも反映され、親まりさが全力で追いかけても、巨大赤れいむには追い付くことが出来なかった。 「ゆひーゆひーゆひー……おねえさんの……おちびちゃん……ゆっく……り……してね……」 数分後、親まりさは息も絶え絶えといった様子で、トロトロ巨大赤れいむを追い続ける。 しかし、どんなに頑張ろうと体格のハンデは大きかった。 これでは仕方がないと、親まりさは手近にいた自分の子供にタッチをする。 「ゆ、ゆっくり……つかまえ…たよ」 「ゆうぅ、つかまっちゃったよ!! つぎは、れいむがおにさんだよ!! ゆっくりにげてね!!」 鬼になった子れいむが、姉妹や巨大赤れいむを追いかける。 しかし、初めは親まりさ同様、巨大赤れいむを追いかけていた子れいむだったが、自分には追い付けないことをすぐさま理解するや、すぐにターゲットを切り替えた。 子れいむに、親まりさほどの忍耐を要求するのは酷というものである。 子れいむは、妹である赤まりさにタッチをし、次は赤まりさが鬼となった。 しかし、赤まりさは最初から巨大赤れいむを狙う気はなかった。 巨大赤れいむにお姉ちゃんじゃないと言われたことを多少根に持っていることもあったが、それ以上に親まりさと子れいむの様子を見て、自分では巨大赤れいむには追い付けないと理解していたのである。 赤まりさは、態とゆっくり逃げていた親れいむを追いかけタッチした。 その後、鬼は目まぐるしく変化していったが、巨大赤れいむが鬼になることは一度もなかった。 巨大赤れいむはツマらなかった。 一家が構ってくれたのは最初だけで、後は自分そっちのけで、一家だけで鬼ごっこをしているように見えたのだ。 そこには自分と相手の体格差などは全く考慮に入っていない。 当たり前である。巨大赤れいむは、生まれたばかりなのだ。自分が遠慮しなくちゃならないなんて考えは、一切巨大赤れいむの餡子脳にはない。 自身がすべきことは、何事においても全力でゆっくりすることと考えている。 マイクロ一家はそんな巨大赤れいむの気持ちに気がつかない。 当然と言えば当然である。いくら賢いとはいえ、彼女らもまたゆっくりなのだから。 しかし、それを眺めていたギャラリーは理解していた。 次第に巨大赤れいむのテンションが下がるのを見て、これは不味いと思い始めた男は、水槽内で駆け回るマイクロ一家に声をかける。 「おい、お前ら、もう疲れただろ。そろそろゆっくり休んだらどうだ?」 「ゆっ? れいむたち、まだつかれてないよ!!」 「そうだよ!! まだまだいっぱいあそべるよ!!」 ゆっくりらしい、実に空気の読めない発言。 仕方がないと、男は餌で一家の関心を引き付けることにした。 「お菓子をあげるぞ~、美味しいぞ~」 「ゆゆっ!! ゆっくりおかしたいむにするよ!! みんな、ゆっくりあつまってね!!」 親まりさの号令を受けて、巨大赤れいむを含む全員が、親まりさの元に集合してくる。 男は水槽横に置いておいたお菓子の缶の蓋を開ける。 しかしそれを見て、しまったという表情を見せる。 「愛で男くん、どうしたの?」 「あ、いや、まだたくさん残ってると思ってたんだが、思いのほか菓子の量が少なくて……」 「まあ!!」 菓子を詰めた缶の中には、クッキーが二枚入っているだけであった。 男は自分の失態に、唇を噛みしめる。今日、愛で子が来ることは分かっていたのだ。前もって確認し、予め買いだめしておくべきだった。 仕方がないと、男は二枚のクッキーを取り出し、巨大赤れいむに与えてくれと、愛で子に渡してくる。 しかし、愛で子は受け取りを拒否し、逆にマイクロ一家にあげてと遠慮する。 愛で子の気遣いは嬉しいが、ホスト役の男からすれば、自分のマイクロ一家こそ我慢させるべきなのは間違いない。 半ば押しつけるように愛で子の手を取るが、愛で子も愛で子で態度を崩さない。 普段はお淑やかな性格だが、こういうところは頑固で曲げない娘なのだ。元々、育ちのいいお嬢さんなのである。 少しの間、互いに押し付け合っていた二人だが、どちらも引かないと分かるや、仕方がないと折半することで落ち着いた。 男はクッキーを粉々にしてマイクロ一家の前に、愛で子は四等分に分けて、巨大赤ゆっくりの口に持っていった。 「「「「む~しゃむ~しゃ(む~ちぁむ~ちゃ)、しあわせ(ちあわちぇ)~~~♪♪」」」」 ゆっくり独特の食事風景。 全員が美味しそうにクッキーを頬張っている。 しかし巨大赤れいむは、その体の大きさ上、食べる量も当然多く、クッキー一枚では腹の足しにもならなかった。 対して、全員を併せても巨大赤れいむに遥か及ばないマイクロ一家は、未だ粉々のクッキーに舌鼓を打っていた。 それを羨ましそうな視線で眺める巨大赤れいむ。 初めこそ我慢していたのだが、そこは赤ゆっくりの忍耐力である。すぐに欲に負けて、一家の前のクッキーに突進しようとした。 しかし寸でのところで、愛で子の手が巨大赤れいむの進路を塞ぐ。 「ゆっ!?」 「れいむ、あなたは今何をしようとしていたの?」 「ゆ……ゆうぅ……」 「あなたにはちゃんとクッキーを一枚与えたでしょ。それなのにまりさちゃんたちの分を横取りしようなんて、そんな悪い子はお仕置きしますよ」 「ゆうううぅぅぅぅ――――――!!!! ごめんなちゃああああ――――――――いっ!!!!」 愛で子は軽く巨大赤れいむの頭を小突く。 それは衝撃に弱い赤ゆっくりでも全く痛くない形だけのものであったが、痛い痛くない以前に、最愛の飼い主が自分を怒ったことが、巨大赤れいむには耐えられなかった。 「ゆわあああああぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――――ん!!!!」 癇癪持ちの子供のように、巨大赤れいむの鳴き声が部屋中に響き渡る。 男は慌てて慰めようと一家にお菓子を与えてやれと忠告するが、それを愛で子が制止する。 「ちゃんと半分ずつ分けたのだから、そんなことをしてはだめよ」 「しかし……」 「甘やかすだけじゃ、この子の為にもならないわ。私、この子には、しっかりした子に育ってほしいの」 「んん……まあ、その気持ちは理解できるが……」 愛で子の気持ちは、男も大いに理解できる。 男もマイクロ一家を育て上げるのに、決して甘やかすだけではなかった。 時には厳しく叱りつけ、時には目一杯褒めてやる。勉強も教え込んだし、マナーも身につけさせた。飴と鞭を上手に使った結果が、この賢いマイクロ一家であるという自負がある。 しかし、今日はあくまでホストの立場である。その為、粗相がないようにと、ついつい手を出してしまうのだ。 なかなか泣きやまない巨大赤れいむに溜息をつき、愛で子は仕方がないと、今度はやさしく頭を撫で始める。 それを受けて、愛で子が自分を許してくれたのかと考えた巨大赤れいむは、ようやく涙を仕舞い込んだ。 しかし、愛で子はそれだけでは終わらせなかった。自分のしたことについては、しっかりと反省をさせなければならない。 「れいむ。お姉ちゃんたちに、何か言うことがあるでしょ?」 「ゆっ?」 初め、何を言われているのか分からなそうな巨大赤れいむ。 自分がしようとしたことの罪の意識はないのだろう。 「お姉ちゃんたちのお菓子を、横取りしようとしたでしょ。あなたもそんなことされたら嫌でしょ。ちゃんと謝りなさい」 「ゆうぅ……でも、れいみゅ、たべちぇないよ……」 「食べる食べないではなく、しようとしたことが問題なの。素直に謝れないのは、人としてもゆっくりとしても最低よ」 愛で子の言葉に納得のいかない様子の巨大赤れいむ。 そもそも巨大赤れいむには、初めから納得できなかった。 自分は既に食べ終わっているのに、向こうは未だに美味しそうに頬張っている。 向こうのほうが食べる数が多いのに、自分より食べるのが遅い。それは、向こうのほうが、大量の菓子を与えられたことを意味するのではないのか。 子どもというのは、論理より視覚を優先させる生き物である。 長く細いコップと短く太いコップに同じ量の水を入れ、どっちのほうが多いかと問うと、ほとんどの子供が長く細いコップを選ぶという。 そのコップに入った水のほうが、高さが高いからだ。 これと同じで、マイクロ一家の菓子は粉々に砕かれているため、空気を含んで一見大量にあるように見える。 そこに、体格の差や菓子を折半したという事実は含まれていなかった。 その為、巨大赤れいむからすれば、どうしても自分の不手際とは思えなかったのである。 しかし、そうはいっても、最愛の飼い主である愛で子は、厳しい表情で巨大赤れいむを見つめている。 謝るまでは、決して許さないというのが見え見えだ。 この家に来て早々謝罪をさせられ、またもや謝罪するのは、巨大赤れいむのプライドを大いに傷つけたが、愛で子に許してもらえないよりはマシと、渋々一家の目の前に赴き頭を下げる。 「ゆっきゅりごめんなちゃい……」 「まりさたちは、ゆっくりおこってないよ!! ゆっくりげんきをだしてね!!」 親まりさが代表で返事を返したことで、愛で子の吊りあがっていた眉も、とりあえず元に戻った。 そもそも、マイクロ一家からすれば被害にあたたわけではないので、怒る理由がないのだ。 親まりさの空気の読める対応に、ホスト役の男もホッと息をもらす。 愛で子にいいところを見せる意味でも、不穏な空気にならなかった意味でも、親まりさの対応は上出来の部類だった。 後は巨大赤れいむのケアをすればいいと、買い物に行ったとき大量にお菓子を買ってくることを約束し、その場は何とか幕を閉じるのであった。 しかし、巨大赤れいむの餡子脳には、着実に不満が渦巻き始めたのである。 中編?へ
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※俺設定 ※東方オリジナルの設定をほとんど無視します ※人間が出ます ※ゆっくりが賢い(?)です ※虐待は少しだけです ※作者は低学歴なので、日本語がおかしいです ゆとり乙と罵ってください ※前編、後編に分けます ※前編を見てから、後編を見てください 長寿と繁栄を・・・後編 ゆっくりは・・・。 人語を話す饅頭やシュークリームということなので、 法律上、物という定義が当てはまる。 これは猫や犬と同じく動物も物になる。 しかし、動物とゆっくりの違いは愛護法の有無である。 動物には動物愛護法があるが、 ゆっくりには、ゆっくり愛護法なんていうモノは存在しない。 つまり、ゆっくりをどう扱おうが、何の罪にも問われないのである。 彼ら、ゆっくり製菓に勤務するゆっくりたちは、ゆっくり製菓の所有物となっている。 社員のゆっくりたちをどう扱おうが、それはゆっくり製菓の勝手なのである。 あまりにも残酷である。 仕事に失敗したれいむだけならまだしも、 家族のゆっくりたちも加工所に送られてしまうなんて・・・。 だが、これは、ゆっくりたち自身が選んだ道なのである。 ゆっくりは弱い。 雨、風、日照り、雪・・・。 ありとあらゆる自然災害の被害を受ける。 動物やれみりゃやふらんといった捕食種・・・。 彼らからすればゆっくりは安全に狩れ、かつ、高カロリーで、 一度狙われたら、必ず食されてしまう。 ゆっくりを虐待することに命を賭ける人種・・・。 ご存知、虐待鬼意山たち。 ゆっくりたちからすれば、想像もつかない虐待で、無惨に殺されていく。 こんなゆん生は嫌だ!!! ゆっくりたちはゆっくりするために生まれてきたのに、 世の中はゆっくりさせてくれない!!! どうしてゆっくりさせてくれない!!! ゆっくりをゆっくりさせろ!!! そうじゃないと、おかしい!!! ゆっくりはこんなにゆっくりしているのに!!! 神は一体何をしているのだ!!! 殺してやる!!!ゆっくりをゆっくりさせない世の中を作った神なんて殺してやる!!! 制裁だ!!!ゆっくりの名の下に制裁だ!!! と、今までは、自身の弱さを省みず、むしろ、ゆっくりが生物の頂点を思い込み、 自らを尊大な存在だと勘違いしていたゆっくりばかりであろう。 しかし、ゆっくりたちも"進化"したのだ。 『次世代ゆっくり』と言われるゆっくりたちの登場だ。 ゆっくりにとって、その”進化”は革新的だ。 ゆっくりが何かモノを作り出した・・・!? 違う。所詮は饅頭。 人間に出来ないことが饅頭如きに出来るはずもない。 ゆっくりが肉体的に何か得たのか・・・!? 違う。所詮は饅頭。 旨くなるか不味くなるかその程度だろう。例えそうだとしても。 その”進化”とは、 過去のゆっくりたちの概念を捨て去ること・・・。 そして、新しい概念を受け入れること・・・。 ゆっくりはゆっくりするために生まれてきた!? 違う。 ゆっくりの存在理由なんて・・・。存在しない。 ただ生まれてきただけ。それだけの事実。 じゃないとおかしい。 ゆっくりがあまりにも弱すぎることが・・・。 という思考を『次世代ゆっくり』たちはするようになった。 何世代をも傲慢かつ無知な思考を繰り返していたが、 ついに、自らを客観的に見ることが出来るようになり、 自身の弱さを受け入れたのだ。 でも、ゆっくりはゆっくりしたい。 じゃあ、どうすればいいのか? ゆっくりできないモノを排除すればいいのだ。 ありとあらゆる自然災害・捕食種・虐待鬼意山を排除した場所で生きていけばいいのだ。 では、一体どこにそんな場所があるのだ? と疑問に思っていた矢先・・・。 人間たちが、ゆっくりに提案してきたのだ。 その場所は、人間が用意しようと・・・。 この人間たちこそ、ゆっくり製菓の経営陣である。 ゆっくり製菓は、昨今のゆっくりブームの人気にあやかり、面白半分で、 ゆっくりに仕事を覚えさせて、やらせてみた。 すると、実は人間と対して変わらないくらいの仕事をこなしていたのだ。 最初は客寄せパンダとしか思っていなかったが、 次第に人間よりも仕事が出来る様になってきた。 しかも、ゆっくりの給料なんて、人間の給料と比べて、タダみたいなものである。 食事もそこらへんで拾ってきた虫とか草とか花とかをやればそれだけで喜んだ。 中には菓子や人間と同じ食事を望んでくるゆっくりもいたが、 人間とゆっくり、どちらが強いのか、体で教えてやれば、次からはケツを振って厭らしい顔で、 気持ち悪い声を出しながら、媚びを売り、人間の顔色を伺う連中ばかりだった。 そのため、経営陣は、社員の9割を一斉にリストラし、ゆっくりを社員にした。 その結果、会社の利益は数十倍も増え、ゆっくり製菓は名だたる大企業へ発展したのだ。 しかし、面白くないのは・・・。ゆっくり製菓をリストラされた人間や、虐待鬼意山である。 『人間がゆっくりに劣るっ!?許せないっ!!!』 ゆっくり以下とレッテルを貼られた元・社員、ゆっくりが人間より優れているという事実に腹立つ虐待鬼意山。 ゆっくり製菓で働くゆっくりたちを虐待するのは当然のことだった。 その結果、人手不足になってきたゆっくり製菓。 しかし、ゆっくり製菓は、あることを思いついた。 ゆっくりというゆっくりを、すべてゆっくり製菓が買い取るということ・・・。 ゆっくりをゆっくり製菓の所有物にした場合、 ゆっくりを虐待したら、それは器物破損罪が適応される。 そうなれば、人間たちはむやみやたらにゆっくりを虐待できなくなる。 大体、リストラされた人間など、裁判を起こされたらどうなるか、わかっているだろう・・・。 ただでさえ、家計が苦しいのに、賠償金請求などされてしまったら・・・。 虐待鬼意山とて、基本的には資産を持っているような輩はいない。 どちらかと言えば、貧乏人が多い。 そんな奴らが、資金が潤沢している大企業にわざわざ裁判を起こされて負けるようなことはしてこない。 虐待に命を賭けるといっても、それは言葉のあやであり、ホントに命を賭けるような輩は少ない。 ゆっくり虐待なんて、ただの暇つぶし。 中には、破滅願望を持った虐待鬼意山が、それでもゆっくり製菓のゆっくりたちを虐待しに来ることは、 しばしばあった。 しかし、一度、そういう輩を器物破損や営業妨害で訴えてしまえば、 多大な賠償金を取ることができるし、払えなければ、借金苦に自殺をする輩ばかり、 再犯すれば、実刑を食らい、数年くらいは刑務所に入れられるので、取るに足らない問題だ。 そういう問題をクリアしたゆっくり製菓の経営陣たちは、 さらなる利益追求のために、安定した労働力の確保のため、ゆっくりたちを保護することにしたのだ。 ゆっくりたちの求めるモノ、それは安全に暮らせる場所。 人間たちの求めるモノ、安い労働力。 互いに、求めるモノを提供し合うことで、 ついに人間とゆっくりの共存が成り立ったのだ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「だずげでぇえええ!!!!みんなぁああ!!!だずげでぇええ!!!!!」 加工所に送られることになったれいむが、同僚のゆっくりたちに助けを求める。 『こら!!動くな!!!』 『ジタバタするな!!!』 黒服を着た人間たちは、れいむを押さえつけようとするが、 必死にもがくれいむの抵抗が激しく、力が緩んだところで、れいむが逃げ出した。 『待て!!!』 と、人間たちは叫んだ。 ポヨンポヨンと体を弾ませ、同僚のゆっくりたちのところへ駆け寄るれいむ。 「ばでいぃざぁあああ!!!!だずげでぇええ!!!!おどもだぢでじょぉおお!!! おざななじみでじょぉおお!!!だずげでぇええ!!!だずげでよぉお!!!!」 まりさの前にれいむは立ち塞がり、涙を流しながら、助けを乞うれいむ。 まりさと、このれいむは、確かに親友であった。幼馴染であった。 だが、ゆっくり製菓に入社してから、互いに違う業務を行なう内に、接する機会が次第に減っていき、 ここしばらくの間、話しをすることがなかった。 「ばでぃざばぁああ!!!こんげづばのるまをだっぜいじだんでじょぉおお!!! ずごぢでいいがらぁああ!!!!ずごぢでいいがらぁああ!!! でいぶにぞのぜいぜぎをゆずっでよぉおおおぉお!!!!!!!」 成績の悪いゆっくりの損失を、成績の良いゆっくりの利益で補ったら、加工所に送られなくても済む制度はある。 が、しかし・・・。 「ゆぅ・・・。そんなことできないよ・・・。まりさだって・・・。 こんげつはぎりぎりたっせいしたんだから・・・。そんなことしたらまりさも・・・。」 みな余裕がないのだ。 だから、そんな制度はあってないようなモノ。 「みんなのぜいぜぎがらぁあああぁあ!!!!ずごぢずづでもぉおぉ!!! でいぶののるまにだぜばいいでじょぉおおぉお!!!!! ばがなのぉおおお!!!じぬのぉおおお!!!!」 れいむの言うとおり、ここにいるゆっくりたち全員が少しずつでも成績をれいむも譲れば、 助かる可能性はある。 だが・・・。 「みんなよゆうがないんだよぉお!!!そんなことしたらぁぁああぁ!!! ちぇんまでリストラされちゃうよぉおおぉおお!!!!!! わからないのぉおぉお!!!!」 と、ちぇんが叫んだ。 今月は黒字だったとしても、来月は赤字かもしれない。 ここにいるゆっくりたちはそう思っている。 だから、ここでれいむを助けたとしても、来月はさらに状況が悪くなったら、 今月の貯金もなくなり、自分もリストラの対象になる可能性が非常に高い。 「ぢぇんんんん!!!!!!おまぇええぇえ!!!!! だれにじごどをおじえでもらっだどおもっでるんだぁああああ!!!! でいぶにおんをがんじでいないのがぁああああ!!!!! じねぇえええええ!!!!!じねぇええええ!!!!! おまえばじねぇええええええぇええええええ!!!!!!!」 ちぇんは、このれいむから仕事を教わったのだ。 ちぇんは物覚えが悪かった。 そんな中、このれいむは、ちぇんは友達だからと言って、仕事の仕方を教えてやった。 もし、自分が教えていなかったら、この場で泣いているのは、 ちぇんの方だった。 なのに、れいむは恩を仇で返された。 抑えられない怒りがれいむを駆り立て、ちぇんに向かって飛びかかった。 「ゆっぐりでぎないぢぇんばじねぇえええぇえええええええ!!!!!」 バゴッ!!!! れいむは、ちぇんに飛びかかろうとした瞬間、 壁に叩きつけられた。 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 白目を向き、小刻みに痙攣をし、餡子を少し吐いているれいむ。 『ふぅ~。危ない危ない。』 人間が汗をかきながら、ため息をつく。 れいむは、人間に蹴られて、壁に叩きつけられた。 「にんげんさん!!!あぶないよ!!! まだここにいるゆっくりたちはまだかちがあるよ!!! きずついたらどすのせいになっちゃうよ!!!!」 『ああ、すまんすまん。』 「そんなしゃざいはいらないよ!!! ゆるしてほしかったら、あまあまさんをもってきてね!!!」 ドスと人間が、そんな会話をしていると・・・。 「どぼぢで・・・どぼぢで・・・」 れいむが苦しそうに声を上げていた。 「もう!!!しごとのじゃまだよ!!! このごみをかたづけて!!!ふゆかいだよ!!! どすはこんなにがんばっているのに!!!!! こんなかすばかりしかぶかにいないなんて!!! せかいでいちばんかわいそうだよ!!!どすは!!! ひげきのひろいんなんだよ!!!!まったく!!!! しね!!!!ごみはしね!!!おまえなんかゆっくりじゃない!!! ごみだ!!!!むのうだ!!!おまえのそんざいそのものがめいわくだ!!! きえろ!!!!うまれてきたことがまちがいなんだよ!!! このくそまんじゅう!!!!」 ドスがれいむに唾を吐き、汚いモノを見るような目で見下す。 それを最後にドスは、れいむの方を向かなくなった。 れいむは、悔しそうに同僚たちを見つめながら、 台車に乗せられて運ばれていった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ゆっくり製菓は、ゆっくりたちを保護することにした。 だが、ゆっくり製菓はさらなる利益追求のため、 ゆっくりたちにノルマを課した。 ノルマを達しなかったゆっくりは・・・。 加工所へ売られる。 そこで、ノルマからの差分を補うのだ。 こうすれば、死にたくないゆっくりたちは、 能力の限界まで働くのだ。 そんなことをすれば、ゆっくりたちは、 こんなゆっくり出来ない場所から逃げるのでは? と思う読者もいるだろう。 ゆっくり製菓は賢い。 ゆっくり製菓がゆっくりたちを保護するという条件を出したとき、 以下の11つの条件で、ゆっくりたちの保護を約束するとした。 第1条 ゆっくり製菓はゆっくり製菓に勤務するゆっくりの家族を保護する。 保護の範囲は、自然災害、野生動物や捕食種、人間からの虐待。 第2条 ゆっくりの巣は、ゆっくり製菓が用意せず、ゆっくり自身が用意する。 ただし、ゆっくり製菓が認めない場所に巣を作ったら、保護は適応しない。 第3条 自然災害にあった場合、巣の復旧やゆっくりの身体の負傷については、ゆっくり製菓が全面支援する。 ただし、ゆっくり製菓に勤務するゆっくりが死亡した場合は支援しない。 第4条 野生動物や捕食種、人間からの虐待を受けた場合、ゆっくり製菓は全面的に報復をする。 ただし、ゆっくり製菓に勤務するゆっくりが死亡した場合は報復しない。 第5条 ゆっくり製菓は成績が著しく悪いゆっくりに対しては、リストラを行い、 リストラを行なわれたゆっくりは加工所へ送られる。 第6条 ゆっくり製菓に勤務するゆっくりの家族を傷つけたゆっくりは、 どんなゆっくりであろうとも、強制的に加工所を送られる。 第7条 ゆっくり製菓に勤務するゆっくりの家族は以下の3点を満たすこと。 ?番のゆっくりは、巣から半径50m以内から出ないこと。 もし出た場合、家族全員で加工所へ送られる。 ?子のゆっくりは、毎日、「がっこう」へ行く。 テストの成績が良くないゆっくりは、家族全員で加工所へ送られる。 ?第5条が執行された時、家族にいるゆっくりは、家族全員で加工所へ送られる。 第8条 一度、社員になったゆっくりは、永遠にゆっくりするまで勤務するしなければならない。 辞める事は許されない。途中で辞める意思を表明したら、加工所へ送られる。 第9条 ゆっくり製菓はそれ以外のことは感知しない。 第10条 第1条を聞いた時点で、ゆっくり製菓の社員になり、この条件が適応される。 第11条 第1条~第10条を理解していないと、加工所へ送られる。 姑息である。 なぜこのような条件にしたのか・・・。 ゆっくり製菓の企みはこの通りである。 第1条:自然災害、野生動物や捕食種、人間からの虐待のみ保護。後は知らん。 第2条:ゆっくりのために社員寮なんか作れるか。なんとなく安全そうなところをお前らが探せ。 人間の目から見ても安全だなぁ~って思う場所なら保護してやる。 第3条:自然災害で傷ついたなら、助けてやる。でも死んだら知らん。 遺族の面倒は見ない。 第4条:被害に合ったら、報告してきてくれ。報復してやる。でも死んだら知らん。 遺族が訴えてきても知らん。 第5条:仕事出来ないヤツは、加工所でおまえ自身が売り物になってくれ。 第6条:家族で揉め事を起こされると面倒だ。傷害事件を起こしたら、お前ら死んでくれ。 あと、お前らの家族もお前らの失敗で売るつもりだから傷つけるなよ。 第7条:番は家の付近で、餌でも探していろ。でも逃げ出したら殺す。 子供は人質だ。よこせ。あと優秀な次の社員を作るため育成してやる。出来が悪かったら殺す。 旦那の失敗は家族の失敗だ。お前ら全員で償ってくれ。 第8条:途中で辞められたら、お前らに投資した金がもったいない。 死ぬまで働け。嫌なら、すぐに投資した金を回収する。 第9条:保護だけしてやる。後は知らん。 第10条と第11条 :ゆっくりは3つまでしか覚えられないんだっけな?なんかウザイな。 あとで知らないとか言うとウザイから、知らなかったら、加工所へ送る。 っていうか、そういうバカは社員になっても脚引っ張るだけだから、 今のうちに売る。 要は、保護をすると言っても、金がかかる。 そんな金をゆっくりにかけたくない。 それが本音である。 ゆっくりを汚させないような安全な住処を、社員寮みたいな建屋を作る金がもったいないと、 人間は感じた。 さらに、野生動物や捕食種、人間からの虐待を未然に防ぐには、 それなりのパトロールが必要だ。 では、ゆっくり自身に探してもらおう。そういう場所を。 ゆっくりたちからすれば、本末転倒である。 ゆっくり出来る場所を提供するという約束で、人間に協力を求めたのに、 ゆっくりする場所を自身で探せとは??? おかしな話である。 しかし、ゆっくりは受け入れた。 強要されたのではなく、自ら受け入れた。 その結果・・・。 自然災害、野生動物や捕食種、人間からの虐待に合わない場所を、 自ら探し出せて、家族全員が出来がよいゆっくりのみ、ゆっくり製菓の社員になり、 それらを満たすことが出来ない、 具体的には、3つまでしかモノが覚えられない一般的なゆっくりは、 みな加工所へ送られ、優秀なゆっくりのみ残った。 ゆっくり製菓は、思惑通り、 最小限の費用で優秀なゆっくりと豊富な原材料を得ることが出来た。 『次世代ゆっくり』と言われるゆっくりたちも、 旧世代の貧弱・無知・傲慢の三拍子揃ったゆっくりたちのせいで、 群れを絶滅されたことを遺伝子に刻んでいたのだろうか、 ゆっくり製菓の理不尽な約束に自ら進んで従ったのだ。 この程度のことが出来ない無能なゆっくりは、 消えてほしいと思っていたので、理不尽と知りつつ、 無能なゆっくりをこの理不尽な約束で粛清したのだ。 結局のところ、ゆっくりは人間に良い様に扱われてしまっているが、 ゆっくりはそれもそれで受け入れていた。 なぜなら・・・。 無能なゆっくりは、加工所へ売りさばかれるが、 優秀なゆっくりに対しては・・・。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「ゆっくりただいま!!!」 「ゆっくりおかえりなさい!!!」 「「「ゆっくちおきゃえりにゃしゃい!!!」」」 まりさは仕事を終え、巣に帰ってきた。 「ゆっくりしてた?みんな?」 「ゆゆっ!!!れいむはゆっくりしてたよ!!! おちびちゃんたちもゆっくりしてたよ!!!」 「「「ゆっくちぃ!!!!」」」 今日の昼休み、あんな光景を見たまりさは、 記憶の片隅にも置いておきたくなかったのか、 嫌な思い出をかき消すように、家族とふれあいに微笑んだ。 「おちびちゃんたち!!!おかあさんのとってきたばんごはんさんはおいしい?」 「「「む~ちゃ!!!む~ちゃ!!!ちわあちぇ!!!!!」」」 れいむが一日懸けて、集めてきた草や虫をおいしそうに食べる子供たち。 「ゆ~ん!!!れいむはしあわせだよ!!!こんなにかっこいいまりさと!!! こんなにかわいいおちびちゃんたちにかこまれて!!!!」 「「「ゆっ!きゃわいくてごみぇんにぇ!!!」」」 キャッキャと騒ぐ子供たち。 まりさに擦り寄るれいむ。 その光景を見て微笑むまりさ。 そこにはゆっくりたちが望むゆっくりがあった。 しかし、まりさは笑いながら、思い出していた。 昼休みのれいむが加工所へ連れられて行く光景ではない。 いや、昼休みの光景を見たから思い出したのであろう。 以前、ゆっくり製菓の幹部の人間が、まりさを呼び出して聞かせた話を・・・・。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 仕事が終わるチャイムがなる数十分前。 まりさは、ゆっくり製菓の幹部の人間に会議室に呼び出された。 まりさは、自分が何か悪いことをしたのかと、 ビクビクしていた。 大抵、呼び出されると言う場合、嫌なことしかないのだから・・・。 しかし、まりさとは対照的に、 人間はにこやかな顔でまりさに話しかけてきた。 『まりさ。君は優秀なゆっくりだ。ゆっくりにしておくのはもったいないくらいだ。 君が人間ならば、即、私の片腕にしてるところだ。』 「ゆっ!!!ありがとうございます!!!」 まりさは、意外にも褒められるとは思っていなかったから、 つい、笑みが漏れてしまった。 『ところで・・・君は出世には興味あるかね?』 「ゆっ!!!ゆっくりできるなら、ゆっくりできないたちばになってもがんばります!!!」 愛するれいむのため、愛する子供たちのため、 自身がゆっくり出来なくなっても、出世をすれば、家族はゆっくり出来る。 そう思い、その意欲を口に出すまりさ。 『いい心掛けだ!!!ホントにゆっくりなのかと疑いたくなるよ!!! 君みたいな優秀なヤツは人間でも少ないよ。』 「ゆゆっ!!!おほめのことばありがとうございます!!!」 『実は・・・。君の上司のドスまりさ・・・。 彼ね・・・。あまり評判がよくないんだよね・・・。 人間の社員に対して、役職が上だからって、 上から目線で話すからねぇ~。 人間の社員の間で、密かに彼の虐待計画が持ち上がるくらいなんだよ。 まあ、そういう人間は・・・。然るべき制裁をしたから、 何も問題はなかったんだけどね・・・。 ただ・・・。いやね、うちの会社は実力主義だから、 ゆっくりだからとか人間だからとかって差別してないんだけど、 やはり、そういう風に思われるようなゆっくりを上の立場には置いとけないんだよねぇ~。 大体、うちの会社はゆっくりのおかげで持っている様なモンだから、 気に入らないゆっくりは、虐待するなんてことだと、 社員のゆっくりがみんな逃げちゃう可能性があるんだよねぇ~。 まあ、逃げ出しても簡単に捕まえられるんだけど、 一度に全員とかって一気に逃げられちゃうと・・・。 さすがに困っちゃうかなぁ~ってねぇ・・・。』 確かにあのドスまりさは、ゆっくりの中でも嫌われている。 仕事はしないくせに、威張り散らす。 部下の手柄を横取りするくせに、自身の失敗は部下に擦り付ける。 それを指摘すれば、ゴミだとか無能だとか罵ってきて、 アンチゆっくり派や虐待派が多く住んでいると噂される、 注文が取りにくい地区へわざと配属させたり、 受付の美ゆっくりのありすに、人間からもらった 高級菓子を餌にして、すっきりしようと企んでいたり、 客先と癒着して、売り上げの一部から、 ゆっくりフードや高級菓子に変えて、隠し持っていたりとか・・・。 どうしようもないゲスだったりする。 「ゆぅ・・・。まりさはにげだしませんよ!!! かわいいれいむとかわいいおちびちゃんのために、 ゆっくりはたらきます!!!」 『いやぁ~君は素晴らしい!!! そんな君だからこそねぇ~、君をリーダーにしようと思うんだ!!!』 「ゆっ!?」 『いきなりだから、びっくりしたかね?』 「ゆぅ・・・。まりさはびっくりしました・・・。」 『そうだろう、いきなりでびっくりしただろう。』 「でも・・・。まりさはゆっくりがんばります!!!!」 『そうかそうか!!! それはよかった!!!私も君なら引き受けてくれると思ったんだ!!! ただ・・・。 ちょっと問題があってね・・・。 言い難い事なんだけど・・・。』 人間は、ある書類を取り出した。 その書類には、まりさの子供たちの成績が書いてあった。 そして、その成績を見た瞬間、 まりさは、真っ青になり、口元がピクピクし始めた。 『君の子供たちはねぇ~。 模擬テストの結果が著しく悪いんだよ・・・。 生後1ヶ月だよねぇ~。この時期になると・・・。 数を100個くらい数えられるくらいの認識力が平均的なんだけどさぁ・・・。 まだ、2個までしか数えられないんだよ。 それ以上だと・・・。たくさんだって言い張るんだよね・・・。 いろいろと、私らも、優秀な君の子供だっていうことで、 特別に、普段は、こういうことをしないんだけど・・・。 先生たちにお願いして、彼らのためだけに、補習とか特別授業を開いてるんだけど、 ゆっくりさせろ~とか、あまあまさん持って来いとかねぇ~。 あと、至る所でうんうんをするんだよ。 なんだっけ?そのぉ~。スーパーウンウンタイム?だっけ? アレする度に、すごく厭らしい顔になってねぇ~。何か人間を小馬鹿にしたような・・・。 先生たちは額に血管を浮かべるくらい怒り心頭で、 中にはその血管が切れて、血が出る先生もいるみたいなんだよ・・・。 ひどい先生なんか、血の涙を流して、歯を噛み砕くほどの怒りを持つほどらしく・・・。 あと、かわいくてごめんねってのが口癖みたいで・・・。 先生たちはもう・・・。我慢の限界らしいんだよ。 いつ叩き潰すかわからないって言っているんだよ。 あ、安心してね。そういうことを言った先生たちにも然るべき制裁をしたから。 でもねぇ~。いろいろとそういうことを子供たちにも辞めさせようと、 私らも努力したんだが・・・。 その度に、ゆっくり死ねって言って来るんだよ。 そして、これが一番良くない。 まだ赤ちゃん言葉だよね。もうこれは生後10日くらいでクリアしてなければならない問題なのに、 1ヶ月経ってこれなんだね。 子供たちも・・・。これが可愛さの秘訣だとか言い出して、直す気は全くないんだよね。 このままだと、あと1ヵ月後のテストで・・・。どうなるか・・・。』 ゆっくりの『がっこう』では、次期社員になるべく、 ゆっくりの子供たちを教育している。 人間との約束の項目の中にも、あるように、テストの出来が悪いゆっくりは、 家族ごと、加工所を送られてしまうのである。 「ば・・・ば・・・ばでぃ・・・ばでぃざば・・・・」 口をパクパクとさせながら、呆然とし、視線がどこかに向いているまりさ。 『落ち着きたまえ。 今すぐ、君たち家族を加工所へ送ることはしないよ。 不安にさせて悪かったよ。』 「じゃ・・・じゃああ・・ばでぃざだぢば・・・」 『う~ん。でも~。このままじゃ・・・。』 「おねがいでずぅううう!!!! ばでぃざのおちびじゃんだぢをずぐっでぐだざいぃいい!!! ばでぃざのでぃぶもずぐっでぐだざいぃいいい!!! ばでぃざばぁあああ!!!どんなごどでもじまずがらぁあぁあああ!!!!!」 まりさは泣き叫んだ。 見栄も外聞も忘れて、無様に涙と涎と汗を撒き散らしながら。 『すまない・・・。私の力不足だ。 こればかりはどうにもならないんだよ。 彼らには、次世代ゆっくりとしての資質がなかったんだと思うよ。 すまないが、君ら家族は加工所でゆっくりしてくれ。』 「どぼぢでぞんなごどいうんでずがぁあああ!!! ばでぃざのおちびじゃんばぁああ!!!! がわいぐでぇええええええ!!!! ゆっぐりじでるんでずぅうううううう!!!! でぃぶばぎれいでゆっぐりじでるんでずぅううう!!! おねがいでずぅううう!!! だずげでぐだざぃいいい!!!!! ゆんやぁあああぁあああ!!!がごうじょいやぁぁぁああああ!!!!」 『残念だ。非常に残念だ。 ただ・・・。君も失うというと・・・。 それはどんな手段を使ってでも防がなければならない。 君だけは助けなければならない。』 「ゆ゛っ!?」 泣き叫ぶまりさは、驚いた。 『実はさ・・・。受付のありすがさぁ・・・。 君の事を気に入っているらしいだ。 でね・・・。今なら、れいむと子供たちを捨てて、 ありすと家庭を持つっていうのなら・・・。 君だけは助けることが出来るんだよね・・・。』 「ぞ・・・ぞんなぁああああ!!! ばでぃざにうらぎれどいうのでずがぁああああ!!!!!」 『君が家族思いなのはよく知ってるよ。 だけど・・・。このままじゃあ・・・。』 「ぜめでぇえええ!!!!でぃぶだげでもおぉおおお!!!」 まりさは叫んだ。 子供たちの成績の悪さで、何も悪くないれいむも加工所へ送られる。 せめて、れいむだけでも、れいむだけでも助けたい。 『よく考えてごらん。 君は優秀なゆっくり、君の子供は・・・。その・・・なんだ・・・。 言いにくいんだけど・・・。そうじゃないゆっくり。 君の子供は優秀なはずだと思うんだよ。私は。 何せ優秀な君の子供なんだから・・・。 でも、そうじゃないってことは・・・。 君の奥さんのれいむに・・・。その・・・。問題があるってことじゃないかな?』 「ゆ゛っ!? でぃぶばぁあああ!!!でぃぶばぁああ!!! ぜがいいぢゆっぐりじでるゆっぐりでずぅううう!!!! ぞんなごどぉおおお!!!ぞんなごどぉおぉおお!!!!!!」 『まあ、あれだ。君にも思うところがあるのだろう。 だから、しばらくの間、考える時間を与えるよ。 その間にゆっくりと考えてくれたまえ。 君は家族を大切に思っているいいゆっくりだ。 そして、優秀だ。 私はすごく君のことを買っているよ。 だけど・・・。 君が長生きして、長くゆっくりして、 そして、君の子供や家族をたくさん作って、孫やひ孫まで作りたいと思うなら・・・。 私の下に来た方が確実だと思うんだけどね・・・。』 「ゆ゛っ・・・。」 『もしかしたらだよ・・・。 君の子供たちが、あと1ヶ月で成績がすごく良くなって、 君の家族が救われるっていう可能性もないわけじゃない。 優秀な君の子供たちだ。ポテンシャルは高いはずだ。やれば出来るかもしれない。 やれば出来るかもしれないんだが・・・。 私がゆっくりとの関わりを持って、君たちからすれば、 気が遠くなるような年月の間で、見てきた中で・・・。 いくらそういう高いポテンシャルを持っているゆっくりとて・・・。 今の状況を打破するようなゆっくりは皆無だった。 そうだな。みんな無惨に・・・。そう・・・。 まあ、君の子供たちが、 私の経験則を破る第一号になる可能性もあるかもしれないからねぇ~。 何ともいえないよなぁ~。 だけど、そういう限りなく低い可能性にかけるより、 確実に目の前にある幸せを選ぶっていうのも、 またこれは・・・。優秀じゃないのかな? 私はそう思う。』 「ば・・・ばでぃ・・・ばでぃ・・・ばでぃざば・・・」 まりさは、番のれいむが、可愛い自分の子供たちが、 大好きだ。彼らを助けられるのなら、命とて捨ててもいい。 しかし、命を捨てず、彼らを捨てた場合、 会社で一番の美ゆっくりと噂される受付のありすと、夫婦になり、 会社の中でも、人間よりも上に立つくらいの役職にもつけ、 明るい将来を約束されているという事実。 そんな誘惑に惑わされるか!!!! 自分の命より家族の命の方が重い。 それは絶対の決意。絶対の思い。それもまた事実。 迷ってはいない。迷ってはいないのだ。 迷っていないのだが・・・。 なぜか・・・。言えない。言えないのだ。 この先の言葉が・・・。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「ぴゃぴゃ~!!!れいみゅはぴゃぴゃとねりゅぅうぅう!!!」 「ゆ~ん☆まりちゃもぉおぉ!!!!」 「ゆゆん!!!ぴゃぴゃはれいみゅだけのぴゃぴゃだよ!!! ゆっくちりきゃいしちぇね!!!!」 「あらあら、おちびちゃんたち!!! ぱぱはままやおちびちゃんたちのものよ!!!」 「「「ゆゆ~ん!!!」」」 まりさたちはみな集まって、す~りす~りしながら、 寝床へ入った。 「あしちゃはもっちょゆっくちできりゅひがくりゅね!!!」 「あさっちぇももっちょゆっくちできりゅひがくりゅよ!!!」 「あしゃちぇのちゅぎももっちょゆっくちできりゅひがくりゅよ!!!」 「おちびちゃん!!!まりさ!!!ゆっくりおやすみなさい!!!」 「「「ゆっくちおやちゅみなちゃい!!!」」」 まりさも笑顔で床に就く。 しかし、その笑顔の裏には、 確実に迫り来るゆっくり出来ない日が近づいているという恐怖に震えていた。 恐怖から逃げるため、家族を捨て、 長寿と繁栄の道を選ぶか・・・。 それとも愛する家族と共に滅びの日を迎えるか・・・。 あとがき また長すぎた。 あと無駄に設定が多すぎた。 他の作品 ふたば系ゆっくりいじめ 149 鞭打 ふたば系ゆっくりいじめ 155 糞饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 159 ユグルイ その1 ふたば系ゆっくりいじめ 162 ユグルイ その2 ふたば系ゆっくりいじめ 168 ユグルイ その3 ふたば系ゆっくりいじめ 169 ゲス愛で派 ふたば系ゆっくりいじめ 173 ユグルイ その4 ふたば系ゆっくりいじめ 187 頭でなく心に訴える ふたば系ゆっくりいじめ 188 ユグルイ その5 ふたば系ゆっくりいじめ 192 長寿と繁栄を・・・前編
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「 」はゆっくり、『 』は人間のセリフです。 独自設定があります。 虐待描写薄め 帰宅すると、飼いゆのまりさとれいむが俺を待ち構えていた。 「おかえりなさい!おにいさん!」 「おかえりなさいだよっ!!」 俺は苦笑いしながら答えた。 『ああ……ただいま』 「きょうはね、とってもゆっくりできたよ!!でもおにいさんにおねがいがあるよ!」 「そうだよ!おにいさん!まりさたちにごはんさんをつくってね!!」 「ちがうでしょおおお!!」 この糞饅頭どもは何を言っているんだ? 『お前ら、何言ってるんだよ?』 「だってまりさがへんなこというんだよ!」 『いや、別に変なことは言ってないだろ。腹でも減ってるんだろう』 「ゆっ!れいむはそんなこといいたいんじゃないんだよ!」 『じゃあ何だよ』 「あのね、まりさたちはこれからもずっとここにいるから、ごはんさんをつくってほしいんだよ!」 『え?なんでだよ?お前らは勝手に住み着いただけだろう』 「ゆ、ゆぅ・・・」 1カ月程前に勝手に家の中にやってきたこのれいまり夫婦は、おうちせんげんもすることなく、初めから飼いゆっくりだったかのように俺に接してきた。俺もちょうどゆっくりを飼おうとしていたところ、ちょうど良かったのでそのまま飼うことにして現在に至る。 ちなみに、このまりさは”だよまりさ”であり、初めて見たときは少し驚いた。大体見かけるまりさは”だぜまりさ”であり、まあまあ希少である。 「ゆ、それはそうだけどぉ・・・」 『まぁ、また今度作ってやるよ。それより今日はちょっと疲れてるんで寝させてくれ』 「わかったよ。おやすみなさい!」 『おやすみ』 そうして1日が平和に終わ「ゆっくりまってね!」 『どうしたれいむ。まだ何かあるのか。飯なら明日な』 「ちがうよっ!れいむは、おちびちゃんがほしいっていおうとしたんだよっ!!」 『は?』 「だからっ!れいむのおちびちゃんをきょかしてねっ!!」 『は?』 「だからっ!れいむのおちびちゃんをきょかしてねっ!!」 『聞こえなかったわけじゃない。意味がわかんねぇんだよ。おちびなんて無理に決まってんだろ』 「おちびちゃんはゆっくりしてるんだよ!だからできるよ!ゆっくりすればなんでもできるんだよっ!!」 『うるせぇ黙れ。とにかく俺はもう寝るぞ。話は明日にしてくれ』 「どおしてそんなこというのお! おちびちゃんはゆっくりできるんだあ!」 『俺は子ゆっくりまで飼うつもりはないし、そもそもお前じゃ育てられねーよ』 「れいむならできるよ!れいむはゆっくりしてるからねっ!れいむ、かんぺきすぎてごめんねー!」 『あっそ。どうせ家庭崩壊のテンプレパターンだろ。先は見えてんだよ、バーカ』 「ゆううううううううう!! まりさもだまってないで、なんかいえええ!」 脇の方で大人しくしていたまりさがビクッとした。 「ゆ、ゆぅ・・・・」 「ゆ?」 「ゆ・・・ゆん・・・」 「ゆん? ゆんってなんだああ!」 「ゆっ、ゆぅ・・・」 『大丈夫かこいつ』 「まりさは、れいむのことすきなんだよっ!」 『はいはい。好き好きだから早く寝ようぜ』 「れいむをばかにするなあ!」 「ゆ、ゆう・・・」 『お前らうるさい。もういい加減にしろ』 俺は居間から出て寝室に向かった。後ろから2匹の鳴き声が聞こえるが無視することにした。 次の日の朝、俺が起きるといつものようにまりさとれいむが待っていた。 「きょうこそはおちびちゃんつくりたいんだよ!」とれいむ。 「まりさはぽんぽんぺーこぺーこだよ!」とまりさ。 『はいはい。今日はお前らの好きなもん食わせてやるから待ってろ』 俺はそう言って朝食の準備を始めた。 まりさとれいむは俺の後をついてまわり、ご飯ができたころには定位置に付いていた。れいむがおちびちゃんおちびちゃんとうるさいが、取りあえず無視。 「いただきます! ゆ、ゆゆゆぅ〜♪」 ご機嫌にご飯を食べるまりさに対し、れいむはなかなか食べようとしなかった。 『どうしたれいむ。まだおちびが欲しいとか言うのか?食いたかなければ、まりさにやるぞ』 「ゆ、れいむもおなかすいてるんだけど・・・」 『じゃあさっさと食えよ』 「ゆ、ゆぅ・・・」 『何だよ』 「お、おちびちゃんが、おちびちゃんがほしいんだよ」 『ハア…』 俺はため息をつきながら、れいむを睨みつけた。 れいむはイライラした様子で、目を逸らす。 そろそろ賞味期限か。あんま保たなかったな。 俺はそう思い、れいむの目の前にあるご飯をまりさに食わせた。 れいむの表情が変わる。 れいむの体が激しく震えだしたが、俺とまりさは気にせず食事を続けた。 そして、最後の一口を食べ終わる頃、れいむの口から言葉が出てきた。 「どぼじでれいぶのごはんさんたべるのおおお!!」 れいむは泣き叫び、俺の方に突進してきた。 俺はそれをかわすと、れいむは壁に激突して転がった。 「おぢびぢゃんがほしいんだあああ! だばっでないで、ばりざもなんがいええええ!!」 昨日と同じ展開だな。寝るにも早すぎるな 『まりさ、こいつのことどう思うよ。』 すると、まりさはこっちを見て、こう言い放った。 「こんなやつしんじゃえばいいとおもうよっ!」 「ゆゆっ!?」 マジか。てっきりれいむの味方でもすると思ったんだが。 れいむは歯軋りをして、まりさを睨んだ。 『ほう』 「ごのぐぞばりざ!はなじがぢがうじゃないかあああ!! おばえ、きのうがらおがじいとおぼったら、うらぎったなあああ!」 「まりさはただゆっくりしたいだけだよ!ゆっくりできないげすは、とっととしんでね!いますぐでいいよ!」 「ゆううううううううう!! このくそばりさめええ!おばえみたいなのがいるから、ゆっくりできないんだあ!」 「ゆっ!れいむも、まりさも、にんげんさんのゆっくりだからだいじょうぶっていわれたんだよ!でも、れいむがゆっくりできないげすだから、まりさはにげるよ!」 「ゆぎゃあああ!もうがまんならないんだよっ!!」 2匹は取っ組み合いを始めた。 俺はそれを見ながら飯の残りを食っていたが、2匹の争いを見るのも飽きたので、ゆっくり回収袋を取り出した。 『お前ら、ちょっとこっち来い』 俺の言葉を聞いた2匹は喧嘩をやめ、こちらを見た。 「なにをするつもりだあ!」 『なあに、お前を処分するだけだ。安心しろ。苦しまないように殺してやる』 「ほんきでいってるの?ばかなの?」 『ああ。本気だ。お前は俺に殺されるってことだ』 俺はそう言って、れいむに近づく。 「ゆんやああっ!」 れいむは必死に逃げようとしたが、すぐに回収袋の中に放り込まれてしまう。 『これでよし。あとはまりさだが・・・』 まりさの方を見ると、なぜか暴れていた。見えない敵と戦っているのだろうか。 『おい、まりさ。こっちに来てくれ』 俺はまりさに声をかけるが、一向に来る気配がない。 仕方ないな。 俺はまりさに近づき、話しかける。 『まりさ、本当にこいつ処分するけどいいのか?一応番だろ?』 すると、まりさはポカンとした表情でこう言った。 「ゆっ?ちがうよ! れいむはまりさのおくさんじゃないよ!」 『じゃあ何だったんだよ』 「れいむは、おちびちゃんをつくるためだけにまりさにちかづいたんだよ! ぜんぜんしらないたゆんだよ!」 『・・・そうなのか?れいむ』 「ゆっ、そんなわけあるかああ!!このけだものおおおっ!!」 袋の中から糞饅頭の鳴き声が聞こえる。 『まあいいや。どうせ潰すし』 俺はれいむを潰してゴミ捨て場に持っていく。 立ち去る前に、まりさに一言。 『今回は潰さないでおくが、お前、相当なゲスだな。まさに裏切り者だよ』 今後、まりさがどんなゲス行為を働くのか楽しみになってきた。別のゆっくりでも用意して試してみるか。 どうやら俺は面白い拾い物をしたようだ。 完
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役職 キャラ名: メインの服装: メインの国籍 MorW サブ: 愛称: 主な活動場所: 主な活動時間: 最近のマイブーム: これからの目標: 最近の悩み 好きな物 嫌いな物: 団の皆さんへ : 最後に冗談(オヤジギャグも可)をどうぞ :
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『Stray 2 ~嫉妬と決意~』 34KB 観察 不運 日常模様 都会 現代 2話 かすがあきです。 注意 anko4465 Stray 1 ~れいむは地域ゆっくり~ の続きです。 「」はゆっくりの発言です。 『』は人間の発言です。 死なない ゆっくりがいます。 Stray 2 ~嫉妬と決意~ 両親が死んだ翌日、れいむはいつもと同じで掃除をしている。 「ゆぅ…………きょうも ごみさんが いっぱいだよ………」 れいむが暮らす公園は駅と繁華街と住宅街が隣り合っているため、ゴミが多い。 特に夏場は食べ歩きで容器類が不法投棄されたり、花火のなどでゴミが多い。 れいむは暑さを我慢しながら、汚い舌でゴミをゴミ袋へ入れていく。 「ゆ!…………ゆぅ………まただよ……」 掃除をしている れいむの顔が暗くなる。 れいむの視線の先には、所々焦げた小さな饅頭が4つと、黒いとんがり帽子を被った、やはり焦げた大きな饅頭が1つ。 その側で、汚いリボンをつけた大きな饅頭があった。 「この おかざりさんは はじめてみるから むれの ゆっくりじゃないね。」 れいむの言う通り、この饅頭たちは群れに所属していない ゆっくりの遺体である。 「ゆっくりごめんね。」 れいむはそう呟いてから赤ゆの遺体を咥え、ゴミ袋にいれる。 そして、所々黒く焦げている まりさの遺体に歯をあて、小さく千切っていく。 成体ゆっくりの遺体をそのままゴミ袋にいれるの事はゆっくりの力ではできないからだ。 「……ゆっぷ……こげてても……やっぱり くさいよ…… ゆっくりできないけど、がまんだよ………ごめんね、まりさ…… おぼうしも いっしょに すてさせて もらうよ……」 見ず知らずの ゆっくりとはいえ、同族の遺体を噛み千切る事は辛い。 れいむは押し寄せる吐き気と戦いながら、掃除を続ける。 ------ 昨晩、れいむがダンボール箱の中で泣きつかれ眠っている頃、 公園の中心部では若者2人が花火で遊んでいた。 - ッヒューー………ッドーーン!! 「ゆわぁ~~。とっちぇも きりぇーなのじぇ……」×2 「ほんっちょうだね!まるで れいみゅ みちゃいだよ!」×2 「ゆぷぷ。ほんっとうだね、おちびちゃんたち。とっても ゆっくりできるね。」 始めて見る花火に赤ゆっくり4匹(姉れいむ・姉まりさ・妹まりさ・妹れいむ)と れいむが喜ぶ。 笑顔の家族を見て、まりさが ゆっくりとした気持ちになる。 「よかったのぜ。みんなが どれいの もてなしに よろこんでいるのぜ。 これも すべて まりさが さいっきょう だからに ちがいないのぜ! くそにんげんを どれいに できて さいっこうに きぶんが いいのぜ! ゆ!さいっきょうの まりさは ごはんさんを むーしゃむーしゃするのぜ! むーしゃむーしゃ……っしあわっせー!!」 「ゆ!まりさだけ ずるいよ!れいむも もっともっと むーしゃむーしゃするよ!」 「まりちゃ(れいみゅ)もするーー!!」×4 一家は透明な箱の中で駄菓子を食べてより幸せになる。 『ははは、見ろよコイツ等。幸せそうな顔してるぜ?』 缶ビール片手に青年が笑いながら言う。 『いいじゃない。最後の晩餐なんだから。 安くい菓子だけど、生ゴミよりはご馳走でしょうし。』 女性が青年から缶を奪い取りながら言い、ビールを一口飲む。 『まっずーい。やっぱりビールは私の口にあわないわ。』 『リキュールも買ってあるからそっちを飲めばいいのに。 よし、ロケットは終わったから そろそろ手持ち花火にするか。』 「おそらとんでりゅみちゃい!!」 ロケット花火がなくなったのを確認した青年が姉れいむを持ち上げながら言う。 「おねーちゃんずるいのじぇ!!」×2 「れいみゅも!れいみゅも!!」 浮遊感を楽しむ姉れいむを見て、残りの赤ゆっくりたちが自分にもしろと騒ぐ。 「ゆぷぷ。おちびちゃんたち、だいじょうぶだよ。 おとーさんに めいっれいしてもらって たかいたかいを たのしもーね。」 「ゆっくりまかせるのぜ。おい!どれい!! ほかの おちびたちにも たかいたかいを するのぜ!! さっさと しないと この せいっきょうの まりささまが せいっさいするのぜ? ゆあぁ~?きいてるのかぜ?」 まりさが勝ち誇った顔で言う。 この一家、裏路地でゴミ漁りをしながら生活をしていた野良一家である。 ゴミ漁りをして生きている野良ゆっくりは人間との力関係を理解し、卑屈な個体が多い。 しかし、餡子脳のため、 親がどれだけ人間の脅威を教えても理解できずに人間にケンカを売り、殺される子ゆっくりも大量にいる。 が、中には運だけで生き残り、成体まで成長するバカもいる。 まりさと れいむは運だけで生き残り、結婚し、子供までつくった個体である。 子供が生まれ、立派な家が必要→人間の家でお家宣言をしようという発想から、 夕方、虐待派の青年の家(公園の近所にある学生向けアパート)でお家宣言をした愚かな個体である。 人間の家で、それも虐待派の人間の家で お家宣言をしたのだ、もはやこの ゆっくりたちに命はない。 姉れいむは透明な箱(ビックサイズ)に入れられる。 「ゆ!もっちょ れいみゅは おそらを とびたいよ! さっさとしてね!すぐで いいよ!!」 地面に下ろされたことが不満な姉れいむが青年に向かって叫ぶ。 『ねぇ、れいむ。れいむってさ、花火好き?』 リキュールが入った缶を片手に女性が尋ねる。 「ゆ?はなびしゃん?すきだよ!はなびしゃんは とっちぇも きりぇーなんだよ! まるで れいみゅ みたいに きりぇーで れいみゅ、はなびしゃんが だいっすきだよ!」 『そっか。それじゃぁ、れいむに花火を見せてあげるね。』 『ほい、火……』 ビールを飲みながら青年がライターを女性の手元に近づける。 手には、花火が握られている。 -ッジュッボ………ッシューーーー!!! 花火から勢いよく火が飛び出る。 「ゆっわぁーー!!ちょっちぇも きりぇーだよ!!」 『でしょ、もっと近くで見せてあげるね。』 「ゆ!なかなか きが きく ばばあだにぇ! ちょくっべつに どりぇーに してあげるきゃら かんしゃちてにぇ!! おれいは あみゃあみゃでいいよ!とくもりで いいよ!!」 額に青筋を立てながら、女性は花火を透明な箱の中にいる姉れいむにゆっくり向ける。 「ゆわぁーー!!れいみゅ みたいに きれ っぎゃぁぁああ!!! ああ!!っあじゅいぃいいいい!!!」 火花が姉れいむの汚い身体にかかり、姉れいむが絶叫をあげる。 『お!喜んでもらえてなによりだ。ほら、もっと花火を見せてやるからな。』 青年が女性の花火の側に別の花火を近づける。 -ッジュッボ………ッシューーーー!!! 青年の持つ花火に火が燃え移り、姉れいむ目掛けて勢いよく火が飛び出る。 「っあじゅいぃいい!!だっだじゅげ!! っゆっぎゃぁぁああ!!!!だじゅげでぇええ!!おぎゃぁじゃぁぁあん!!!」 姉れいむは絶叫をあげながら透明な箱の中を必死に跳ねる。 が、ビックサイズとはいえ箱の中だ。逃げれる場所などない。 「おぢびぃいいい!!」 「おぢびじゃぁあん!!」 まりさと れいむが姉れいむを助けようと透明な箱の中で跳ねているが無駄な努力である。 「っゆっぎゃぁああ!!!あ!!!あじゅいぃい!!めぇぇええ!!!めぎゃぁあああ!!! っめっぎゃぁああああ!!!!っだ!!だじゅげじぇぇええええ!!!あっじゃぁあああ!!!」 眼に火花が入ったようで、姉れいむが一際大きな絶叫をあげる。 『ほら、お前も楽しめよ。』 「おそらとんでりゅみちゃい!」 青年が姉まりさをもちあげ、姉れいむの入った透明な箱に近づける。 「やめりゅのじぇぇえ!!あ!あそこは ゆっくりできないのじぇぇえ!!」 姉れいむと同じ所に入れられることを察した姉まりさが叫ぶ。 『そっか、いやなのか。じゃぁ まりさはあの箱の中にいはいれないよ。』 青年は姉まりさの要望を聞き入れた。 『でも、その代わり、帽子をいれておこう。』 「まりちゃの おぼうちぎゃぁあああ!!!」 笑顔の青年は、姉まりさから帽子をとりあげ、帽子を透明な箱にいれる。 「あじゅいぃいい!!あじゅぃぃいい!!だれぎゃぁあ!!れ!れいみゅをたちゅけちぇぇぇ!!! っゆ!!お!!おぼうちじゃぁあ!!」 透明な箱の中で、姉れいむは黒とんがり帽子を見つける。 「こ、この おぼうちを かぶれば げすな はなびしゃんから にげれりゅよ!! ゆぷぷ!!れいみゅったら かちこしゅぎりゅよ!!」 姉れいむは笑いながらそう言い、姉まりさの帽子を被る。 ちょうど花火の勢いが弱まったこともあり、姉れいむは火の脅威から一時的に逃れることができた。 「ゆぷぷ。もう げすな はなびしゃん なんて こわきゅないよ! こうっさん したら さっさと あまあまを もってきてにぇ!ときゅもりでいいよ!!」 勝利を確信した姉れいむが笑顔で宣言をする。 そんな姉れいむに、姉まりさが泣きながら叫ぶ。 「かえちゅのじぇぇえ!!まりちゃの おぼうちをぉお!!」 「ゆぴゅぴゅ。なにいってりゅにょ?ばかなにょ?あほなにょ? おぼうちしゃんで れいみゅは てっぺきの ぼうぎょを てにいれちゃんだよ! だめに きまっちぇるでしょ! そんなことも りかい できないにゃんて、おぼうちの ない げしゅは なんて おりょかなにょ? おお、おりょかおりょか。」 「ゆっがぁああ!!がえじぇぇええ!!」 姉まりさは飛びかかろうとするが青年に握られており、動くことができない。 『お、中々意外な行動をとったな。この れいむ。』 『本当ね。でも、そのおかげで楽しめそうよ。』 女性が新しい花火に火をつけながら笑顔で言う。 -ッジュッボ………ッシューーーー!!! 花火から勢いよく飛び出る火が帽子にあたる。 「ゆぴゅぴゅ。むだだよ! れいみゅには おぼうちが あるから はなびしゃんは こわきゅにゃ…… っゆっぎゃぁああ!!あ!!あぢゅいぃいI!! ど!どぼぢじぇぇえ!!??どぼじで おぼうじを がぶっじぇりゅのにいぃい!!??」 帽子のおかげで火の粉からは身を守れても熱からは身を守ることはできない。 女性は花火を帽子のリボン付近に近づけ、帽子に火をつける。 「っゆっぎゃぁああ!!!ああ!!ああああああぁああ!!!!」 頭部からの熱に姉れいむが絶叫をあげ、帽子を舌で投げ飛ばす。 「っば!!ばりじゃの おぼうじぎゃぁぁああ!!!」 大事な帽子に火がついたとあって、姉まりさが絶叫をあげる。 『ほら、まりさ。帽子をとりかえさないと。』 青年が姉まりさを握る力を緩めた。 姉まりさは急いで青年の手から、透明な箱の中へと飛び移り、顔面を強打した。 「っぐっべぇぇ………い、いじゃいのじぇ…… で、でみょ、いたいことより、おぼうしを………いそぐのじぇ!!」 痛みに堪えながら、姉まりさは燃えている帽子に近づき、帽子を守るために愚かにも燃え盛る炎を舐める。 「ぎえじぇにぇ!!げしゅにゃ ほのおじゃんは ざっざど ぎえじぇねぇ!! ぺーりょぺー…ゆっぎゃぁあああ!!あああ!!あじゅいぃいい!!!あっじゅいぃいいい!!!!」 結果、姉まりさは火傷を負い、痛みで箱の中を暴れる。 『ははは。火を消せるはずないのに、まりさ種って本当にバカだよね。いや、ゆっくり全部か。』 姉まりさの行動を見て青年は笑う。そして、花火に火をつけ、姉れいむと姉まりさとに向ける。 姉れいむと姉まりさは花火と帽子を燃やす炎から逃れようと透明な箱の中を必死に走り回る。 が、どれだけ逃げても箱の中のため、逃げ場所はない。 2匹の身体に無数の火傷ができていく。 『あれ?動きが鈍くなってきた?』 「た……たじゅげ……」 「ば……まりぢゃ……じにじゃくにゃ………」 2匹は体力的に限界がきており、火が近くにきても跳ねることなくズリズリと這いずるだけだ。 『やっぱり赤ゆは体力が少ないな。まぁ、しかたがない。次の赤ゆを入れるか。』 「っゆっびぃいいい!!」 消えた花火を姉れいむに強く押し付けてから水の張ったバケツに捨てた青年が透明な箱に手を伸ばす。 「ぐるにゃぁぁああ!!」×2 「おちびちゃん!ゆっくり おかーさんの おくちに かくれてね! おかーさんの おくちのなかは あんっぜんだよ!」 「おちびは さいっきょうの まりさが まもるのぜ!! くらうのぜ!さいっきょうの まりさの さいっきょの ぷくーを!ぷくーー!!」 透明な箱の中では、れいむが赤ゆを口内に入れようとしている。 その隣で、家族を守るため、自称最強である最弱のまりさが頬を膨らませている。 何をしても無駄なのだが、餡子脳のため、そのことに気がついていない。 「おそらとんでりゅみちゃい!!」×2 今ごろ 口に隠れろと言う れいむに本当に子供を守る気があるのかを疑問に思いながら、 青年は妹まりさ・妹れいむを箱から取り出す。 「おちびぃいい!!!がえぜぇえ!! せいっさい されたくなかったら、さっさと おちびを かえすのっぜぇええ!!」 「おちびちゃぁあああん!! まりざぁああ!!ざっざど おちびちゃんを どりがえじでぇええ!!」 喚く2匹を無視して、青年は透明な箱の中に赤ゆたちを入れる。 「っゆべぇ……れ、れいみゅおねーしゃん、だ、だいじょうかじぇ?」 「っゆべぇ……や、やめてにぇ…… にんげんしゃん!おねがいちましゅ!きゃわいい きゃわいい れいみゅだけは みのがちちぇにぇ!」 火傷を負った姉の心配をする妹まりさと、命乞いをする妹れいむである。 『うわぁ……さっすがれいむ種。平気で姉妹を見捨てるわね。』 『虫唾がはしるから当然制裁だな。』 -ッジュッボ………ッシューーーー!!! 助ける気などまったくない2人が花火に火をつけ、赤ゆたちに向ける。 「っゆっぎゃぁあああああああああああああ!!!」×2 まだ元気がある2匹が絶叫をあげ、箱の中を飛び跳ねる。 「おちびぢゃぁあああん!!まりざぁああ!! さっさと くそにんげんを せいっさいして おちびちゃんを たすげでぇええ!!」 「わかってるのぜ!! おいぃいい!!ごの ぐぞにんげんがぁあああ!! いますぐ おちびを たすけるのぜぇええ!!いまなら ぜんごろしで かんべん してやるのぜぇえ!!」 『いつも思うんだけどさ、全殺しで勘弁してやるってどういう意味なの?』 『さぁ?ゆっくりの言葉なんて一々考えるなよ。お、そうだ!』 「おそらとんでるみたい!」 青年は まりさを持ち上げ、女性のほうに まりさの足を向ける。 『ねぇ、悪いけどライターで足焼きをしてくれない?』 『ん?いいよ。』 「な!なにを いってるのぜ!? どれいの ぶんっざいで さいっきょうの まりささまに きがいを くわえるつもりかぜ? げらげらげらげら。そんなのは ふかのうさんなのぜ。 まったく、これだから くそにんげんは おろかなの っぜぇえええええええ!!?? っゆっぎゃぁぁあ!??ああああぁあ!!あづいぃいいい!!!」 『ほら、まりさ。最強なんでしょ?私の攻撃なんて痛くも痒くもないんでしょ? なんで そんな大きな悲鳴をあげるの?』 女性がニヤニヤしながら言うが、その声は まりさには届いていない。 数分後、青年は脚部が炭化した まりさの足にリキュールをかける。 糖分を含んでいるため、痛み止めになるからだ。 そして、まりさを赤ゆたちのいる箱の中にいれる。 「おとーじゃぁああん!!」×2 「おどうじゃ………」×2 箱に入ってきたまりさを見て、4匹は笑顔になった。これで助かると信じているのだ。 動くだけの元気がある2匹はまりさの側にかけより、頬を擦っている。 「おちび!!もう だいっじょうぶなのぜ! この さいっきょうの おとーさんが おちびたちを ぜったいに まもってみせるのぜ!!」 『粋がるのはいいけどさ、どうやって?』 「げらげらげらげら! そんなことも わからいのかぜ?まったく、これだから くそにんげんは おろかなのぜ。 この さいっきょうの まりささまが すぐに せいっさいしていやるのぜ! ないたって ゆるさいのぜ。かくごするのぜ! っゆ?ゆゆ??」 まりさが上半身(?)をねじる。 「ゆ?っど!どぼじで あんよが うごかないのぜ!? う!うごくのぜ!!さいっきょうの まりさの さいっきょうの あんよさん! うごいて さっさと あの くそにんげんを せいっさいするのぜぇぇええ!!」 『ははは。頑張ってね、まりさ。はやくしないと、子供が大変よ。』 花火に火をつけながら女性が言う。 そして、火のついた花火を、姉まりさ・姉れいむに近づける。 「っあ゛!あづいぃいいい!!!だ!だじゅげじぇぇええ!!!おじょうじゃぁああん!!×2 動くだけの力がない2匹は父であるまりさに助けを求めてただ叫ぶだけだ。 「おちびぃいい!!!まってるのぜぇえぇええ!!すぐに たすけるのぜ!! うごげぇええ!!うごくのぜぇええ!!まりさの さいっきょうの あんよざん!! うごがないど!!うごがないと おちびがぁああああ!!!っゆっがぁああ!!うごげぇええ!! うごげ!うごげ!!うごげ!!うごいて れいむにの かわいい おちびを たすけるのっぜぇええ!!!!」 「がんばりゅのじぇ!!さいっきょうの まりちゃの おとうしゃんなら できるのじぇ!! はやくちて れいみゅおねーしゃんを たすけりゅのじぇ!!」 「おちょうしゃん!はやく くしょにんげんを せいっしゃしちて れいみゅを まもってにぇ!!すぐでいいよ!!」 妹まりさ・妹れいむの応援も虚しく、まりさは動くことができない。ただ、醜く身体をねじるだけだ。 「あ゛あぁああ!!ぼ!!ぼっど……ぼっど ゆっぎゅぢ……ちたが……じゃ……」×2 花火に晒され続けた2匹が息を引き取った。 「おちびぃいいいい!!!!」 まりさが箱の中で絶叫をあげる。 『まったく、子供を助けないだなんて最低な親だな。 そんな最低な まりさにはお仕置きとして帽子を没収だ。』 「ゆっがぁああ!!!がえじでぇええ!! おでがい じばずぅう!!がえじでぐだざいぃいい!!おでがいじばずぅうう!! ぞれが ないどぉお!!ぞれげないど ゆっぐりでぎないんでずぅううう!!!おでがいじばずぅうう!!」 帽子を失った途端、先ほどまでの威勢はなくなり まりさは涙を流しながら帽子を返すように懇願する。 「おぼうちの ない げしゅおやは ちねーー!!ぷきゅーー!!!」×2 「お!おちびぃい!!ど!どぼじで ぞんなごどいうのぉおおお!!?? おどうざんでしょぉおお!!!??」 子ゆっくり2匹は、帽子を失くしたまりさを突然見下す。 『うわぁ~~。 帽子なくしたぐらいで子供から見下されるだなんて…… これだから ゆっくりって嫌い。』 帽子なくした まりさに親としての威厳などありはしない。 飾りがない個体は飾りを持つ個体から見下される存在となるのだ。 先ほど、姉まりさのことを誰も心配しなかったのは、姉まりさに帽子がなかったからである。 これは、ゆっくりの習性であるが、女性は ゆっくりのこういう習性が嫌いである。 愚かな習性を見ると、女性は制裁という名のゆ虐をしたくなる。 『ははは。確かにな。』 女性とは反対に、青年は ゆっくりの こういう愚かな習性が好きであった。 愚かな習性のお陰で罪悪感もなくゆ虐ができるからだ。 青年は、大した理由もなく持ち歩いているナイフを取り出し、まりさの額に刃をあてる。 『花火の土台を作らないとな……よっと……』 青年が まりさの頭をナイフで削ぎ、まりさの頭頂部が平らになる。 「っゆっぎゃあぁああああああ!!!ああぁあ!!あだばがぁあああああ!!!!」 「ゆぴゅぴゅ。げしゅな おとーしゃんが ないてりゅよ。」 「げりゃげりゃげりゃ。さいっきょうの まりちゃと ちがっちぇ、さいっじゃきゅな おとーしゃん らちいのじぇ。 まったく、はずかちいのじぇ!ちょっと あたまを けがしたぐらいで さわぎすぎなのじぇ!」 「ゆぷぷ。おぼうしのない まりさには おにあいの すがただね。 おお、おろかおろか。もっと くるしんでいいよ!」 まりさの絶叫を聞き、家族は笑顔である。飾りを失った個体に対しては愛情も情けもないのだ。 『まったく、こいつらは。まりさの次は自分だということを考えないのかね?』 『あはは。そんな頭あるはずないじゃん。餡子脳なんだから。 こいつらの こういうところって、あたし大嫌い。』 飲み終えたリキュールの缶を手で潰しながた女性が言う。その眼は冷たく、ゆっくりを見下している。 『まぁまぁ。そんな愚かな ゆっくりには制裁がお似合いだろ?』 女性とは反対に笑顔の青年がまりさの頭にドラゴン花火をセットする。 「っゆっぎゃぁああ!!やべ!やべでぇえ!! ああぁぁ!!あだばに べんなの おがないでぐざいぃい!! やべでぇえ!!ぐりぐりじないでぇええ!!おでがいじばずぅううう!!! いじゃぁぁああ!!!やじゃぁあああ!!!なにかが はいっでぐるぅうううう!!!」 ドラゴン花火が餡子に深々と刺し込まれ、まりさは絶叫をあげる。 喚く まりさを無視して、青年がドラゴン花火に火をつけた。 -ッシューーーー!!!ッジュッボォーーーー!!! 『あはは!すっごくキレー!!』 『ほんとうだ。』 「ゆぷぷ。まりさの あたまに きれーな おはなさんがさいたよ。」 「ゆぴゅぴゅ。とっちぇも きりぇーだよ。」 「げしゅ おやも たまには やくに たちゅのじぇ。」 まりさから吹き出る七色の炎に見とれる2人と3匹。 「っゆっぎゃあぁあ!!あぁぁあ!!あづいぃいいい!! だずげだずげ!!だじゅげでぇえええええええええ!!!」 花火の熱と、降りかかる火の粉でまりさは絶叫をあげる。 助けを求めるが、誰も まりさを助けるつもりはない。 -………ッジュ!………ッジュッボォーーー!!! -………ッジュ!………ッジュッボォーーー!!! ドラゴン花火を見ながら、青年はネズミ花火を火をつけ、透明な箱の中にいれていく。 「っゆっぎゃぁああ!!いっじゃあぁあ!!あじゅぃいい!!」×3 箱の中を でたらめに回転する複数のネズミ花火に、まりさ・妹まりさ・妹れいむは悲鳴をあげる。 「おちびちゃぁぁあん!!ゆっくりして!ゆっくりして!!ゆっくりするんだよぉおお!!!」 飾りを失っていない子供の心配をする れいむが、透明な箱から飛び出ようと顔面を壁に押し付けているが、意味はない。 『あはは。ほら、れいむ。頑張って子供を助けてね、手伝ってあげるからさ。』 女性は笑いながら れいむを透明な箱から取り出す。 『お、優しいね。さっすが俺の彼女。ほら、れいむ。優しい彼女にお礼は?』 「おちびちゃぁぁあん!まっででね!すぐに おかーさんが たすけるよぉおおお!!!」 青年の言葉は れいむには届いておらず、れいむは泣きながら まりさたちが入った透明な箱に向かって跳ねる。 「っゆっべぇええ!!!………あ!あづいぃいいいい!!!」 透明な箱に顔面を押し付けた れいむは、箱から跳び退く。箱が熱を持っているのだ。 「ゆがぁぁあ……げすな かべさんは あつくて ちかづけないよ……… ど、どうすれば いいの?どうすれば おちびちゃんを たすけれるのぉおお?」 「ぎゃわいい ぎゃわいい れいみゅを だじゅげじぇぇえ!!おかぁじゃぁああん!」 「おがぁじゃぁああん!!だ!っだじゅげじぇぇええ!!」 「おちびぢゃぁあん!!ゆっぐりずるんだよ!!ぞうずれば ぎっど だずがるよぉおお!!!」 子供は助けたいが、危険は一切犯したくない れいむはアドバイスを叫ぶ。 この状況下でどうしたら ゆっくりできるのか? 仮に ゆっくりできたところで危険は回避されない。 れいむのアドバイスは れいむのように全くもって役に立たない。 「ぜいっさい ちてやりゅのじぇ!!さいっきょうの まりちゃが げすな はなびしゃんを せいっさいすりゅのじぇ!!」 妹まりさは愚かにもネズミ花火に向かって口をあけて突進する。 「こにゃいでぇえ!!れいみゅが きゃわいすぎるからって、すとーかーだなんてゆっきゅりできにゃいよ!! れいみゅ、はなびしゃんなんで だいきりゃいだよ!!」 妹れいむはネズミ花火から逃れようとするが、恐怖で眼を閉じデタラメに跳ねている。 そして、2匹はネズミ花火に激突し、動けなくなり、身体を焼かれ、死んでいった。 「っだずげ!だずげ!!!っあっづぁぁあああ!!っゆっぎゃぁぁああああ!! っぐっぼぉおおおおお!!!ぐぶぶぶっばあぁあああ!!! っゆっばぁあぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!」 まりさの口内にネズミ花火が入り、まりさの体内で暴れる。 頭と口から火をあげながら、まりさは辞世の句を詠むこともできずに息絶えた。 「おちびじゃん……れ、れいむの……かわいい かわいい れいむの おちびちゃんが……」 花火が収まり、焦げ饅頭が入った箱を見ながら れいむが泣きながら呟く。 『やだな、れいむ。死んだのは子供だけじゃないだろ?生きていく上で、もっと大事なものを失っただろ?』 「ゆ?どういうこと?おちびちゃんよりも だいじなものなんて ないよ?」 青年が焦げた饅頭に まりさに帽子をかぶせた。 途端、れいむの顔色が悪くなる。 「っば!ばりっざぁぁああ!!!ど!どぼじで ばりざが じんでるのぉおおおお!!!」 苦しむ まりさを笑って見ていた者の発言とは思えないことを言う れいむである。 「おぎでぇえええ!! ゆっくり! ば!ばりざが いないど、 ゆっくり! だれが ごばんざんを ゆっくり! もってぐるのぉおお!!?? だれが ゆっくり! おちびじゃんの せわを ずるのぉおおお!!?? おでがい!!いぎがえっでぇええええ!! ゆっくり! れ!れいぶを びどりにじないでぇえええ!! れいぶを ゆっぐりざぜるのが ばりざの ぎむでじょうがぁああああああ!!!! ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!」 大事な子供を失い、愛する(?)まりさを失った れいむ。 孤独を嫌い、労働を嫌う れいむにとって、 一緒に過ごす家族・生活を支える番を失ったことは非ゆっくり症を発症させるには十分な悲劇であった。 なお、餡子脳の為、帽子がない まりさが苦しんでいたことを忘れており、 帽子なしの死骸を番とは認識できていなかった。 『あれ?非ゆっくり症?なぁ、コイツに薬を喰わせてなかったの?』 青年が れいむの非ゆっくり症の発症に驚きながら女性に聞く。 『あ、ごめん。薬食べさせるの忘れてた……』 申し訳なさそうに謝る女性。 『そっか。まぁ、いいよ。花火もなくなったことだし。にしても、うるさいな。』 「ゴメンね。あたしが薬を忘れたばっかりに。 おわびに、れいむは あたしが処分するね。』 「ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり! ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっぴ!!!!……………」 女性は待針を取り出し、れいむの額に刺し込む。 中枢餡を突かれた れいむはそのまま絶命した。 『さ、おわったよ。はやく帰って お風呂にはいって いいことしよーよ。』 『お!そうこなくっちゃ。一緒に入ろうな。』 青年は笑顔で透明な箱を逆さまにし、ゴミを地面にばら撒きながら言う。 そして、バケツの水をゴミにかけ、火の始末をした。 『よし、こうしておけば そのうち公園の ゆっくりが勝手に掃除するだろ。』 『あはは。同族の死骸の処分させるだなんて、可愛そうなことさせるね。 きっと、公園の ゆっくりから恨まれるよ。』 『いやいや、俺みたいのがゴミを公園に捨てることで、 公園のゆっくりの生存が認められるわけだ。 反対に感謝されているに違いない。』 2人は手をつなぎ、笑顔で公園から立ち去る。 2人がいた場所には、ゴミが散乱している。 ------ セミが鳴く中、れいむは昨晩殺された ゆっくり一家の遺体の片付けを続ける。 まりさの遺体をゴミ袋におさめた後、れいむの遺体へと近づく。 「ごめんね、れいむ。」 遺体に謝ってから、れいむは口を大きくあけ、遺体の頬に噛みついた。 口内が死臭に犯される。何度味わってもこの臭いに慣れることはない。 れいむは吐き気を我慢しながら、遺体を小さく千切っていく。 「っゆぴ!?」 口内に突然鋭い痛みが発生し、れいむは遺体から口をはなし、飛び退いた。 口内を舌で舐めながら、れいむは遺体を注意深く見る。 「ゆ?ゆゆ??これは………まちばりさん? そっか、このれいむは まちばりさんで あんこさんを つかれて しんじゃったんだね……」 昔、友人のちぇんが針で殺されるところを見ていたことがある。 嫌な事を思いだし、憂鬱な気分になるが、それでも仕事はしなくてはならない。 れいむは針をさけて遺体の片付けをした。 片付けを終えた れいむは まわりを見渡す。 「ゆぅ………もえないごみの ごみぶくろさんを もった ゆっくりが いないよ…」 いつもなら、隣のダンボール箱に住むまりさや、その妹のれいむと一緒に掃除をするのだが、今日は誰とも話をしたくなく、一人で掃除をしている。 そのため、れいむは燃えるゴミ袋しか持っておらず、針を捨てたくても燃えないゴミ用のゴミ袋を持った ゆっくりがいないのだ。 「ゆぅ………まちばりさんを ここに おいて おいたら、ゆっくりが けがしちゃうよ…… どうしよう………っゆ!そうだ!!」 待針の処分に頭を悩ませた れいむだが、名案を思いついた。 れいむは待針を咥え、揉み上げを口に近づける。 そして、右の揉み上げの中に待針をしまう。 「っゆ!すこし うごかしにくいけど、これで まちばりさんを ゆっくり はこべるよ! ゆぷぷ。れいむったら かしこすぎて こわいぐらいだよ! こんな かしこくて かわいい れいむ だから きっと きょうこそは かいゆっくりに なれるよね? ゆーん。なんだか きぶんが よくなってきたよ!ゆっくりー!!」 気分がよくなった れいむは笑顔でゴミ袋を咥え、歩き出す。 ゴミを運ぶ途中で れいむは、噴水に寄ることにした。 暑くて喉が渇いたこともあるが、死臭で臭くなった口内を洗いたかったのだ。 「ごーくごーく……ごーくごーく…… っぷはぁ……おみずさんは ゆっくりできるよ。」 水を飲み終えた後、れいむは汚い舌で噴水の水をすくう。 「ゆ!かいゆっくりに なるためには からだを きれーきれーに しないとね!」 笑顔の れいむは水で身体を洗う。 裏路地等で暮らす野良よりは 綺麗だが、石鹸もシャワーもないので それなりである。 特に髪は洗髪の手段も知識もないため、ベタベタで不潔であるが、れいむはそのことを知らない。 「ゆ!きれーに なったよ!ゆぷぷ。れいむの かわいさに ますます みがきがかかったね。 ゆーん。なんだか きょうは きぶんが いいよ! おさの ところにいくまえだけど、すこしだけ おうたを うたっちゃうよ! まったりのひ~♪ゆっくりのひ~♪すっきりのひ~♪♪」 セミの鳴き声とれいむの歌声が公園に広がる。 「おねーさん。ゆっくりしていってくださいね。 あと、とても すてきな おうたです。とっても ゆっくりしていますね」 「ゆっくりしていってね!!!ゆ?」 声をかけられ、れいむは反射で返事をし、振り返る。 振り返った先には、胴付き金バッチの さなえがいた。 「ゆ………ま、まさか さなえって れいむの いもーとの さなえ?」 「はい。そうです。おねーさんの いもーとの さなえです。 おひさしぶりです。おねーさん。」 さなえは微笑み、れいむと話しやすいように屈む。 れいむが石段の上にいたこともあり、2匹の顔の高さはほぼ同じになった。 「ゆわぁ………いもーと……すっごく きれーだよ…… すっごく ゆっくりしているよ………」 さなえの顔を見て、れいむは思ったことを口にした。 同時に、劣等感に襲われた。 毎日噴水の水で身体を綺麗にしており、自分の美しさには それなりの自信があった。 が、さなえの白くて柔らかそうでキズがまったくない肌。潤いのある唇。 そして、自分とはまったく違う、サラサラで艶のある美しい髪。 一緒に暮らしていた頃は差なんてなかった。 いや、むしろ自分の方が綺麗だったハズだ。 飼いゆっくりになり、自分よりもはるかに美しくなった妹に れいむは嫉妬する。 「ほんとうですか?ありがとうございます。 まいにち おにーさんに ていれして もらってますから。」 さなえが照れながら言う。 「そ、そうなんだ。さすが かいゆっくりだね。うらやましいよ。」 「でも、さなえは まいにち さびしいんです。 だって、おにーさんは やさしいけど、おとーさんや おかーさん。 それに、おねーさんと あえませんから。 でも、おにーさんが どうつきなったら あいにいって いいって いってくれました。 だから、さなえ どうつきに なるように まいにち おねがいしてたんです。 そしたら、きのう おきたら どうつきに なっていました。 おねーさん。おとーさんたちは ゆっくりしていますか? さなえ、おにーさんに たのんで おみやげの あまあまを もらってきました。 おうちで みんなで たべましょうよ。」 さなえが笑顔で近況報告をする。 姉との再会が嬉しいのか、さなえは れいむの顔が暗い事に気がつくことなく、話をする。 「……………いないよ………」 「え?」 「おとーさんも おかーさんも、おそらの ゆっくりぷれいすに いっちゃたよ。 だから、もう ………もう ここには いないよ………」 れいむが涙ぐみながら言い、さなえの笑顔が曇った。 「………な、なんなの!? くるなら もっと はやくきて れいむたちを かいゆっくりに してくれれば よかったのに!! いもーとが ゆっくりしすぎてるから、そんな かみさんを きれーきれーに なんてしてるから!! だから おとーさんも おかーさんも しんじゃったんだよ!!」 れいむは涙を流しながら叫ぶ。 「でもね!もういいよ!とくっべつに ゆるしてあげるから かんしゃしてね! はやく れいむも いもーとの おうちに つれていってね!れいむも かいゆっくりにしてね! そしたら あまあまを ちょうだいね!とくもりで いいよ!!」 「………………おねーさん………ごめんなさい。 それは ……その……できません………」 さなえは申し訳なさそうな顔をしながら言う。 「はぁあああ!!??どぼじで ぞんなごど いうのぉおおお!!?? そんな うそさんは ゆっくりできないでしょうがぁあぁぁあ!!」 「おにーさんが、さなえの かぞくまで かうことは できないって……」 「その じじいを せっとくするのが いぼーどの やぐめでじょぉおおお!!?? いいがら、ざっざっど そいづを せっとくじろぉおおおおお!!!」 「ごめんなさい……がんばったけど、むりでした。 その……おにーさんは、きしょうしゅしか かいたくないそうです。 だから、その………つうじょうしゅの おねーさんたちは かえないって………」 さなえも、家族と一緒に暮らしたいと考えている。 飼い主に何度となく懇願したが、答えはいつも No であった。 さなえにとって優しい飼い主であったが、この願いだけは聞き入れてもらえなかった。 これは、飼い主が多頭飼いをする気がないことと、稀少種にしか興味がないからである。 「ごめんで ずむがぁあああああ!! ぞんなの びぎょうだよ!!きじょうじゅだがら がいゆっぐりに なるだなんで!! れいぶも がいゆっぐりに なりだいんだよぉおおお!!! がいゆっぐりになって、まいにち あまあまを たべて、おびるねをじで、ゆっぐりじだいんだよぉおおお!! ごごは ゆっぐり でぎないんだよぉおお!!れいぶは ゆっぐり゛じだいんだぁああ!! いいがら ゆっぐりざぜろぉおおおおおお!!!!」 「……ほんとうに ごめんなさい。 あまあまは、おうちに おいておきますから たべてくださいね…… また きますから………そのときは いっしょに ゆっくりさせてくださいね……」 そう言って、さなえは走り出す。その目には涙が溜まっている。 両親の死を知り、姉から無理を言われたのだ。 そして、姉と一緒にゆっくりできなかったことが悲しいからだ。 「ゆっぐりなんて でぎるがぁああああ!!! れいぶは ちいきゆっくりなんだよぉおおお!!!のらと おなじで ゆっぐりでぎないんだよぉおおおお!!! きょうにも しんじゃうかも しれないんだよぉおおおおお!!!! がいゆっぐりの いぼーどどは ちがうんだよぉおお!!かわいぞうなんだよぉおおおお!!! だがらぁああ!!!だがら れいぶも がいゆっぐりじろぉおおおお!!! ごの むのーの いぼーどがぁああ!!きじょーじゅだがらっで いいぎになるなぁあああ!! れいぶのぼうが ゆっぐりじでるんだぁああああ!!!もう にどど ぐるなぁああああ!!!」 れいむはさなえの背中に向かって叫ぶ。 さなえは何も言うことなく、ただ涙を流しながら立ち去った。 ------ 夜、元気なく家に戻った れいむは菓子を見つけた。 さなえが置いていった菓子で、とても美味しそうだ。 長ぱちゅりーから支給された ゆっくりフード・狩りでとったセミと菓子を見比べる。 どう贔屓目に見ても、菓子のほうが美味しそうだ。 必死に働く自分よりも、何もしてない さなえのほうが美味しいものを用意できる。 地域ゆっくりと飼いゆっくりとの違いを感じ、れいむは激しい劣等感に襲われ、涙を流す。 「むーじゃむーじゃ……ごっぐん……」 れいむが泣きながら菓子を食べる。 甘い味は れいむに幸せを与えるハズだが、心は満たされない。 妹は毎日こんな美味しいものを食べているのだろうか? 自分の食事との差を実感し、れいむの劣等感が増していく。 「ひどいよ……いもーとばっかり ゆっくりして……」 れいむが呟きながら妹の綺麗な姿、ゆっくりした姿を思い出す。 「ゆぅ………ごべんね……いぼーと…… ひどいこと いっちゃって………」 れいむは ここにはいない妹に向かって謝る。 興奮して酷いことを言ったことを自覚しているのだ。 自分が飼いゆっくりではなく、両親が死んだことは妹のせいではない。 頭では理解できても、心が追いつかなかった。 ゆっくりしている妹を見て、嫉妬し、ゆっくりできないことを全て妹のせいだと決めつけてしまった。 「でも、いもーとは ゆっくりしてたよ…… さすが かいゆっくりだよ………れいむも いつか ぜったいに…… ゆぅ…………わからないよ………どうしたら かいゆっくりに なれるの?」 れいむは餡子脳でどうしたら飼いゆっくになれるかを考える。 毎晩考えていることだが、答えは未だに見つからない。 友人や長ぱちゅりーにも相談しているが、正しい答えはまだ見つかっていない。 ただ、これまでに飼いゆっくりになれた仲間や、逆に捨てられてた ゆっくりを観察して分かったこともある。 ①人間は身なりが綺麗で食事のマナーを守れるゆっくりを飼いゆっくりにする。 ②人間は我侭を言わない ゆっくりを飼いゆっくりにする。 ③人間は稀少種を飼いゆっくりにする。 自分はれいむ種で③の条件は満たせないが、①と②は満たしている。 しかし、未だに飼いゆっくりにはなれない。何が足りないのだろうか? ちなみに、③の条件を満たしていれば、妹のように①の条件を満たしていなくても飼いゆっくりになれることが分かっている。 この事から、れいむは稀少種が羨ましく、妹に嫉妬している。 れいむは餡子脳をフル回転させるが答えはでてこない。 そもそも、明確な答えなどない。強いて言えば、【運】であろうか。 「ゆぅ~~~………かんがえすぎたら あたまが いたくなってきたよ…… っゆっぴ!?」 知恵熱で熱くなった頭を揉み上げでさすると、れいむの頭に痛みが走った。 慌てて揉み上げをはなし、揉み上げを凝視すると、待針が見えた。 「ゆ?そっか、まちばりさんを すてるのを わすれてたよ。 れいむったら うっかりさんだよ。 まちばりさんは あぶないから、あした すぐに すてないと だめだね。」 ゴミ捨てのついでに燃えないゴミ袋に待針を捨てるつもりであったが、 さなえと会ったことで興奮していた れいむは、待針のことを忘れていたのだ。 「ゆぅ………あぶない まちばりさんを ちゃんと すてれるぐらい れいむは かしこくって やさしくって かわいいのに、なんで かいゆっくりになれないの? いもうとより ゆっくりしているのに………きしょうしゅよりも ゆっくりしているのに…… ゆ?………ゆゆ??…‥…ゆ~~………」 待針を床に置き、れうむは再びどうしたら飼いゆっくりになれるかを考える。 「ゆ!そうだ!!そうだよ!!すっごいことを おもいついたよ! そうだよ!そうすれば ぜったいに かいゆっくりになれるよ!」 餡子脳が再び熱を持ち始めた頃、れいむの両方の揉み上げが元気良く跳ねた。 名案を思いついた れいむが笑顔になる。 「ゆぅ………でも……… ゆぅ………………でも、それをすると……ゆっくり できなくなるよ………」 が、すぐにその笑顔が曇った。 浮かない顔のれいむが、ダンボールの片隅を見る。 れいむの視線の先には、両親の形見である赤いリボンと、白いリボンが置いてある。 「おかーさん……おとーさん…………」 れいむは両親の形見に そっと頬をあてる。 れいむの脳裏に両親が死ぬ瞬間の光景が浮かんだ。 「………れいむは かいゆっくりになりたいよ。 かいゆっくりだったら、おかーさんも おとーさんも しななかったよ。」 れいむは飼いゆっくりになることで、襲われる心配のない安らかな生活が得られると考えている。 もし、両親が飼いゆっくりだったら、今頃は家族で楽しくゆっくりしているハズだ。 今、自分が孤独でゆっくりできないのは、自分が飼いゆっくりでないからだと れいむは考えている。 【いづか……ぜっだいに……かいゆっぐりになっで……もっどもっど……ゆっぐりじでね……】 母れいむの最後の言葉を思い出す。 そして、自分が絶対に飼いゆっくりになる決心をしたことを思い出した。 ダンボール箱に置かれた菓子を見る。 妹は毎日こんな美味しいものを食べているのだ。 地域ゆっくりの自分と違い、働かなくてもいい飼いゆっくり。 ゆっくりするだけで身の安全と美味しい食事が約束されている飼いゆっくり。 (飼い主によっては ゆっくりできない生活をする強いられることもあるが、れいむは そのことを知らない。) 飼いゆっくりである妹に、れいむは嫉妬する。 「きめたよ。れいむは…… れいむは かいゆっくりに なるためなら なんでも するよ……… どんなに ゆっくりできなくても、かいゆっくりに なれば、ゆっくりできるから……… いもーとみたいに ゆっくりできるから。 ぜったいに。ぜったいに かいゆっくりに なって、いもーとみたいに ゆっくりするよ……」 れいむは自分の決意を口にし、右の揉み上げに待針を仕舞った。 その顔は ゆっくりしておらず、険しい顔であった。 つづく あとがき ゆっくりを飼うことができるとしたら、個人的にれいむ種がいいです。 でいぶになった瞬間、処分しますが。 過去作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/3986.html
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『無知の罪 前編』 18KB 虐待 自業自得 駆除 野良ゆ 独自設定 息抜き 爛々と照り注ぐ太陽。 暑さに汗を拭いながらもいそいそと行きかう人の波。 みな何か不満そうにしながらも、何か大きな事件が起こるわけでもなく淡々と、しかし賑やかな街の風景。 しかしそんな喧騒からはやや離れた薄暗い裏路地にて、ウゾウゾと蠢く二つの影があった。 「ゆっくじ、ゆっくちちたいよぉ!」 「ごめんねおちびちゃん!だめなおかあさんでごめんねええええ!」 野良ゆっくりだった。 どうやら親子のようで、成体サイズのれいむが一匹、同じく子ゆっくりサイズのれいむが一匹の計二匹の組み合わせだった。 その姿は健全なものとは言いがたく、二匹とも酷く薄汚れていて痩せ細っている。 さらに親れいむはどこかで引っかけたのか、お飾りの片方に大きな穴が空いており、 子れいむのほうもまた、目の下にクマが出来て今にも死にそうな状態だ。 周りにつがいや、他の子ゆっくりたちの姿が見当たらないのは全て死んだからだろう。 とは言えこれは特に珍しくもない、野良ゆっくりでは一般によく見られる光景であった。 「ゆびいいいいい!おなかちゅいたよおおおおお!ごはんさんたべちゃいよおおおおお!」 「ゆゆ!ごめんねおちびちゃん!ほら、おかあさんとすーりすーりしようね!」 お腹が空いたとグズる子れいむを、必死でなだめる親れいむ。 この親子は三日前から何も食べていなかった。。 つい先日親まりさという一家の生命線を失ったため、ただでさえ難しい食糧確保が絶望的な状況になったからだ。 もちろん親れいむも何とかして食糧を得るために、早朝のゴミあさりなどに精を出したりしていたのだが、 いかせん狩りの経験などろくにない親れいむは、満足に食糧を取ってくることが出来ずにいた。 「ゆぴい、ゆぴい、どうして!どうしてれいみゅたちゆっくちできにゃいのぉ!おかちぃよぉ!」 「ゆうう、おちびちゃん、がまんしてね!もすこしだからね!もうすこしでゆっくりできるようになるからね!」 一体何がもう少しだというのか? 親れいむには、この状況が改善できる当てでもあるというのか? いや、そんなものは全くない。 恐らく明日も明後日も一週間後も一ヶ月後もずっとこの生活が続くであろうことは薄々わかっていた。 しかしそれでも親れいむはそう言い続けるしかなかった。 何はともあれ、とにかくご飯だ! 少しでもこのゆっくりできない状況から抜け出すには、ご飯さんをなんとしてでも手に入れるしかない。 明日こそは!明日こそは狩りを成功させて見せる! そう親れいむが決意を新たにしているその時、 突然その変化は訪れた。 「ゆがっ、ゆげびっ!ゆっくちでぎ………ゆがらぼがあああああああああ!ゆぴぎゃあああああああああああああああ! ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ!」 突然子れいむが目を見開いて叫び出したかとかと思うと、今度は今までにないようなゆっくり出来ないスピードで、 ビクビクッと激しく痙攣しだした。 「おっ、おちびちゃああああああん!どうしたのおおおおおおおおお!しっかりしてねえええええええ!」 突然の事態に慌てふためく親れいむ。 限界だった。 そう、とうに子れいむは限界だったのだ。 生まれてこの方、全くゆっくり出来ない日々。 次々と死んでいく姉妹たち。 日々の食糧はゲロ腐ったまずいものが少量。 そしてついにはその食糧すら供給されなくなった。 それらのゆっくり出来ないストレスは順調に蓄積されていき、そしてついに子れいむの体内で爆発したのだ。 「あっ、ああああああ!おっ、おちびちゃん………」 目を血走らせて、涎を周囲に撒き散らしながら、奇声を上げ、ブルブルと痙攣する子れいむ。 誰がどう見ても助かるような状態ではない。 しかし、親れいむは諦め切れなかった。 ついに最後の一匹になってしまった、親れいむと親まりさの愛の結晶。 もはやまりさはこの世にいない。 なればこそ、このおちびちゃんはまりさがこの世に生きた唯一つの証! 絶対に守りたい、否守らなければならないのだ。 「まもるよおおおおおお!このおちびちゃんだけはぜったいにまもるよおおおおお! おちびちゃあああああん!ちょっとのしんぼうだからまっててねええええええ!」 親れいむはおうちからガサゴソとある物を取り出すと、意を決したように裏路地から外に飛び出して行ったのであった。 「♪~」 鼻歌を歌いながら少女が道を歩いている。 年齢は5、6歳くらいだろうか? その少女はいつものように近所の友達の家に遊びに行く途中であった。 少女の家では週に何度か母親がパートで家を空けることがあるため、その際の面倒を友達の家で見てもらうことになっていたのだ。 友人の家は目と鼻の先ほどの距離であり、この距離なら何の危険もあるまいと少女の両親も高を括っていた。 だがその矢先の出来事だった。 少女が道の曲がり角に差し掛かった途端、バッ!と薄汚い丸い物体がそこから飛び出してきたのだ。 「おい!おまえええええええええ!」 「ひっ!」 突然の出来事に思わず小さな悲鳴をもらす少女。 その薄汚い物体の正体は親れいむであった。 親れいむはギロリと少女を睨みつけると、攻撃的な口調で話しかける。 対する少女はそんなれいむを怯えた目で見つめていた。 いつもの何気ない日常から一転、醜悪な生き物に絡まれるという非日常に突入し少女は恐怖したのだ。 「れいむのおちびちゃんがびょうきなんだよ!いたいめにあいたくなかったら、さっさとくすりをだしてね! すぐでいいよ!はやくしろおおおおおおお!」 「えっ、あの、わたし……」 親れいむが子れいむを救うために取った選択肢。 それは、人間を脅し薬を持ってこさせることであった。 それなりに野良生活が長い親れいむは、自分たちがいくら助けてくれと訴えても街を行きかうケチな人間たちが、 自分らを救ってくれることはない程度のことは流石に知っていた。 それならばと親れいむが取った行動は強奪であった。 恵んでくれないのならば奪えばいいというわけだ。 しかも巧妙な事に、大人には勝てないと踏んだ親れいむは、そのターゲットに子ども選んだのであった。 道の曲がり角の隅にある小さな穴に隠れて、子どもが通りかかるのを待ち伏せしていたのだ。 そこへ運悪く少女が一人でやってきてしまったというわけだ。 だがしかし突然の親れいむの要求に、少女の方は困惑するばかりである。 当然だ。 いきなり出てきてそんなこと言われても、わけがわからないにきまってる。 ましてや彼女はまだ年端も行かない少女なのだ。 「ゆぎいいいいいい!ごちゃごちゃいってないで、さっさとおちびちゃんをなおす、くすりをだすんだよおおおおおお! さもないとおおおおおお!」 少女のオロオロとした様子に業を煮やしたのか、親れいむは威嚇するようにあるものを口に銜え、少女に突き出す。 それは……。 何処で拾ったのだろうか? 親れいむの口に咥えられているのは彫刻刀だった。 よく小中学生が図工やら美術で版画をやるときに使うアレである。 ナイフやカッターと違い、刃はとても短く殺傷力はそれほどではないが、それでも切れる事には違いない。 むしろ軽いためゆっくりが扱う分には好都合な武器である。 親れいむはもしもの時のためにおうちの中に隠し持っていたそれを、今持ち出してきたのだ。 「さもないとこれで、ぷーす!ぷーす!するよおおおおおおお! わかったらさっさとくすりをだせえええええ!かくしてるとゆるさないよおおおおおおお!」 「かっ、かくしてなんか……ないよ。 おうちになら……その、おくすりあるかも…」 興奮する親れいむに対して少女が消え入りそうな声で答える。 「ゆがあああああああ!だったら、さっさとおうちにもどって、そのおくすりをとってくるんだよおおおおおお! このぐず!おちびちゃんがまにあわなくなったらどうするのおおおおおおおお! さっさといけよおおおおおおおおお!」 「わ、わかった」 少女は頷くと、すぐさま元来た道を走り出した。 ここでもしもう少しこの少女が冷静だったら、あるいは賢かったのならば、 大声で周囲に助けを求める、あるいは友達の家にそのまま行き、そこにいる保護者に事情を話す等の選択肢もあり得ただろう。 しかし、少女にとって恐らく生まれてはじめてであろう、自分に向けられる明確な敵意や罵声対し、 その危機から逃れるために、与えられた命令をただ忠実に実行しようとしてしまった少女を誰も責められない。 焦りや恐怖は思考能力を奪うのだ。 ともかく少女は走り続け、そして家の前に到着した。 慌てて鍵を取り出し、扉を勢いよく開ける。 家には誰もいない。 親は仕事に出てるのだから当然だ。 となれば、自分で薬を探さなければならない。 そういえば前に熱を出して寝込んでしまったときに、親から薬だといわれて白い錠剤を飲まさたっけ。 口に入れた途端に広がったあの酷い苦味をよく覚えている。 薬といったからには、きっとそれのことに違いないだろう。 確か、薬箱は戸棚の下に……。 ガサゴソと少女は薬箱をあさる。 アレも違うこれも違う、確かあの薬はビンに入っていて…。 「……あった、これだ」 やがて少女は薬箱からビンに入った大量の錠剤を見つける。 あのときのものに間違いない。 これを持っていけば。 「急がないと!」 少女はぎゅっとビンを握ると、何かに突き動かされるように親れいむのいた場所へと再び走り出したのであった。 「はぁ、はぁ、はぁ」 少女は屈み膝に手を付いて呼吸を整えていた。 全力疾走で親れいむのもとまで戻ってきたため息が上がっているのだ。 「ゆぐうううう!おそいよ!なにやってたの! ゆっくりしないで、はやくくすりをだしてね!はやくしろおおおおおお!」 そんな少女の苦労にねぎらいの言葉をかけるでもなく、親れいむはクスリを催促をする。 「はぁ、はぁ、あのこれ……」 震える腕で少女が親れいむに差し出したその手には、錠剤が入ったビンが握られていた。 「ゆがあああああ!よごぜええええ!」 親れいむはそのビンが目的のものだとすぐさま察すると、突然に少女に向かって体当たりを仕掛けた。 「きゃっ!」 体当たりをまともに食らってしまう少女。 その親れいむの体当たりは大した威力ではなかったが、驚いた少女はバランスを崩し、尻餅をつくようにして後ろに倒れこんでしまう。 そしてその衝撃で少女は手からはクスリビンが地面に転がり落ちた。 「ゆああああああ!とったよおおおおお!これはもうれいむのものだああああああ!もうだれにもわたさないよおおおおお!」 親れいむは少女の手から離れたクスリのビンをガッチリと銜えると、高らかに宣言した。 おうち宣言の物バーションであろうか?親れいむはこれ以上ないというほどのドヤ顔である。 「ゆふん!れいはいわないよ!これはもうれいむのものなんだからね! それに、かわいいかわいい、おちびちゃんをたすけるのは、とうぜんぎむなんだよ!」 親れいむはしてやったりといった感じでニヤリと笑うと、そのまま一目散にその場から去っていってしまった。 「おちびちゃあああああん!まっててねええええええ!おかあさんがいまいくよおおおおおお!」 「…………あ」 そしてその場には放心状態の少女がポツンと一人残されるのみであった。 「おちびちゃああああああん!おかあさんがかえってきたよおおおおおお!もうだいじょうぶだからねええええええ!」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ!」 急ぎ、おうちへと戻った親れいむ。 しかし相変らず子れいむはヤバイ表情でピクピクと小刻みに痙攣を繰り返している。 最早一刻の猶予もない状況だ。 「ゆああ!このおくすりさんさえあれば!」 親れいむはクスリのビンのフタの部分を咥えると、思い切り地面に叩き付けた。 バリン!と音を立てビンの底の部分が割れる。 多少中身が飛び散ったが、今はそんなことを気にしている場合ではない。 「ゆゆ!さあおちびちゃん! これでげんきになってねええええええええ!それでまたいっしょにゆっくりしようねえええええ!」 親れいむはクスリのビンに中に残っていた錠剤全てを一気に子れいむの口の中に押し込んだ。 そして………。 「ゆっ!?がっ!ぶっ……… ゆがぼがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 子れいむの口から溢れたのはこの世のものとは思えないほどの壮絶な絶叫だった。 いや、絶叫だけではない。 今までの痙攣がまるで可愛く思えるほど激しくビッタンビッタンと苦痛にのた打ち回り、 その体は体内の水分を絞りつくさくさんばかりに汗と涙と涎が垂れ流しになっている。 「ゆごぼげぼがああああああああああ!!!ごろじでええええええええ!」 その表情はもはや苦痛とか苦悶とかいった安易な言葉では表現できないほど歪みきっており、 子れいむの苦しみは、自ら死を望む叫びを絞りだすのにいささかのためらいもないほどであった。 「ゆあああああああ!ど、どうしてえええええええ!おちびちゃあああああんゆっくりしてええええええええ!」 そんな尋常ではない子れいむの様子に、ただ狼狽することしかできない親れいむ。 こんなバカな!どうしておちびちゃんがこんなに苦しんでいるんだ! どうして!なんで! 「ゆっ、おっおおお!おがあ……」 「ゆゆ!どうしたのおちびちゃん!なにかおかあさんにつたえたいことがあるの!」 子れいむは口をパクパクと震わせながら、虚ろな目で親れいむを見つめている。 わが子が最後の力を振り絞って、自分に何か言おうとしているのだ。 慌てて子れいむに近寄る親れいむ。 最愛のわが子が最後に残した言葉は。 「じ…ね…」 自分に対しての呪詛の言葉だった。 「ああっ、そんな!どじでえええええぞんなこというのおおおおおお!おかあさんがんばったんだよおおおおおおお!」 期待してたあたたかい言葉とは全く違う断末魔に言葉を失う親れいむ。 確かに親れいむはそれなりには努力したのかもしれない。 だが子れいむの立場からしてみれば、生まれてこの方全くゆっくりできないゆん生を歩まされた挙げ句、 最後に飛び切りの苦痛まで押し付けられたのであっては、恨み言の一つも言いたくなるというものだ。 「ゆゆううううう!とじで……どじでこんなことに……」 親れいむは体中から水分を絞り出しもはやゆっくりの原型をとどめていない子れいむの亡骸の前で涙する。 何故こんなことになったのか? ちゃんと薬をたくさん与えたはずなのに! ………いやまて!薬?あれは本当に薬だったのか? 親れいむは唐突にある疑問を閃く。 そしてその疑問を検証する方法は至極簡単であった。 親れいむはビンを割った際に周囲に飛び散った錠剤の一つをそっと舌の先で転がしてみた。 その瞬間、ビクン!と体が反応する。 「にがっ!ゆげええええええええ!!これどきゅはいってる!」 突然体中を襲った強烈な不快感に、慌ててクスリを吐き出す親れいむ。 何だこれは! ほんのちょっと舐めただけだというのに、余りの苦さに涙が出てくる。 毒だ!あのちび人間は薬と偽って毒を渡しやがったのだ。 「ゆっがあああああああ!あのくそにんげん、れいむをだましたなあああああああああ!」 怒りの炎が親れいむの体内に点火する。 こんな理不尽が許されていいのだろうか?いいやよいはずがない。 「こんな!こんなあくがゆるされていいのおおおお!」 チビ人間がとった鬼畜極まる行為に対する親れいむの魂の慟哭が辺りに響く。 その叫びに答えるものはいなかったが、親れいむは誰も何も言わなくても、自分がしなければならないことはわかっていた。 「わかってるよおちびちゃん!おちびちゃんは、ちびにんげんにしねっていいたかったんだね! おちびちゃんが、れいむにしねなんていうはずないもんね! まかせてねえええええええ!おちびちゃんのかたきはきっととるよおおおおお! あのちびにんげんを、かならずせいっさいするよおおおおおお!」 やってやる!刺し違えてでもあのチビ人間を制裁する。 許さない絶対に許さない! ゆっくりを怒らすとどういうことになるのか、目にモノを見せてやる! 親れいむは決意を胸におうちを後にしたのであった。 「…………ふぅ」 溜息をつきながらいつもの道をとぼとぼと歩く少女がいた。 あの親れいむに襲撃された少女だった。 例のあの事件から数日後の今日は、友達の家に行く日である。 いつもなら鼻歌でも歌いながら道を歩くのだが、今の少女はうかない表情である。 その理由は言うまでもなく先日の出来事が原因であった。 道を歩いていたら、突然汚い生き物に襲われたあの事件のことである。 はっきり言って怖かったし、もう二度と係わり合いになりたくないと思う。 でも少女は再びこの道を歩いて友人の家へと行かなければならない。 何故なら少女はこの出来事を親にも友人にも相談していなかったからだ。 勝手に薬を持ち出してしまったことが親にばれて怒られると思ったからである。 実に子どもらしい理由だ。 そんなわけで少女はまた一人で例の道を歩いていたわけであった。 しばらく進むと例の曲がり角がやってくる。 前回はここからヤツは飛び出してきた。 ………いや、もうよそう、忘れよう。 全ては終わったことなのだ。 きっと大丈夫だ。 そう思い、歩き出した次の瞬間、少女の淡い期待はもろくも崩れ去ることになる。 「みつけたあああああああ!ようやくみつけたよおおおおおおお!」 「ひっ……」 出た!また出た! 薄汚れた首だけの物体。ゆっくりがまた少女の目の前に立ちふさがったのだ。 なんとあの親れいむは子れいむが死んだ後から、ずっとこの場所で少女がくるのを待ち伏せていたのだ。 なかなかどうして、その執念だけは大したものである。 「あっ、あのごめんなさい。もうお薬はないの、だから………」 「ふざけるなああああああ!」 少女の言葉を親れいむの大声が妨げる。 「あれのどこがおくすりなんだああああああああ! うそつきめええええええ!どくなんかわたしやがってえええええ! おかげでれいむのおちびちゃんは、しんじゃったんだよおおおおおおおおお! ねえ、たのしいの!じゅんっすいなゆっくりをだましてたのしいのおおおおおおお!」 いきなり現れてはヒステリックに叫ぶ親れいむに、少女は困惑するばかりだった。 「えっと、あの、でもあのおくすりは、わたしがねこんだときにつかったやつだから、 どくだなんてことは……」 「はああああああああん!なにいってるのおおおおおおおおお! おくすりっていったら、あまあまのことだろうがああああああああ!」 「あっ、あまあま?」 「そうだよおおおおお!そんなことじょうっしきでしょおおおおおおお!ばかなの?しぬのおおおおおお!」 「あの…ごめんなさい。 その、私よく知らなくて…」 「しらなかったですむかあああああああ! このむちがああああ!じぶんがやったことの、つみのおもさがわかってるのかあああああ! せいっさいだああああ!むちなちびにんげんは、れいむがせいっぎのせいっさいをするよおおおおおおおお!」 そう叫ぶと親れいむは、前回のときのように彫刻刀を咥え少女に構えた。 完全に殺る気だった。 そして少女は足がすくんで動けない状態である。 このまま親れいむが前に向かって飛び出せば、まさかの事態が起こりえてしまう、 そのときである。 「おい!そこで何やってる!」 声が響いた。 慌てて親れいむが声がした方向に目を向けると、遠くから長身の女性がこちらを見ている。 否、すでにこちらに向かって駆け出している。 「ゆぐ!」 まずい!と親れいむは思った。 大きなクソ人間に見つかった、このままではやられてしまう可能性がある。 一人くらいなら何とかなるかもしれないが、自分はおちびちゃんの仇を討つまで、万が一にもやられるわけにはいかないのだ。 「ちきしょおおおおおおお!おぼえてろよおおおおおお!くそにんげんがああああああ! ぜったいふくしゅうしてやるからなああああああ!」 くるりと踵を返し、捨て台詞を吐きながら、一目散にそこから逃げ出す親れいむ。 「ちっ!」 それを見て舌打ちした女は、しかし逃げる親れいむを放置し、一目散に少女の所へと向かった。 正しい判断だった。 ゆっくりなんぞを追いかけることよりも、まずは人間の少女の事を優先するのは当然だ。 「大丈夫か君!どこか怪我は?」 「あっ………」 緊張が解けて力が抜けたのか、ストンと膝を地面に付く少女。 「おっと」 慌てて少女をさせえる女。 「怖かったね、でももう大丈夫だ。 ああ、お嬢ちゃんはこの辺の子なのかな? 家はどこかな?親御さんの連絡先はわかるかい?」 女は、少女が落ち着くのを待ってからもろもろの事情を訊ねたのであった。 「本当にありがとうございました」 「いえ、まあ私は偶然通りかかっただけですから」 ペコペコと頭を下げる少女の両親に対して女は謙遜するように両手を振る。 あの後、女と少女は、少女の友人の家に行き、そこから両親へと連絡を取った。 話しを聞いた少女の両親は、仕事先から飛んで帰ってきたのであった。 その際、これまでの経緯を全て話した少女は、どうして今まで黙っていたんだと両親にしっかり怒られていた。 だが、最後には怪我がなくてよかったということで話しは落ち着いたようだ。 これからしばらくはあの親れいむが出ても大丈夫なように、友人の家に預ける際にも母親が送り向かいをするということになったらしい。 とりあえずは、めでたしめでたしである。 「さてっと」 少女の家を離れた女は鞄から携帯を取り出し、何処かへ電話をかける。 「あー、もしもし、ああ、うん私だ。 実はね、偶然だがこの辺りのゴミ共を一掃するのにちょうどいいネタを仕入れたんだ。 興味あるかい?」 電話先の相手に話しながら女はニヤリと笑った。
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前 この主人公はまさに障害者的思考です 「ふう・・・結構歩くな・・・」 先日のゆっくり一家が教えてくれた方向へひたすら歩き続ける男と犬。 「ワォン!!」 カツオはまだ元気一杯のようだが男は歩き続けでバテ始めていた。 歩く途中ゆっくりを見つけては、群れの位置を聞いた。知っていた者は皆ほぼ同じ方向にドスの群れがあると言っていたのでこの方向で間違いはないだろう。 男はよくあんな饅頭なんかがこんな距離を移動できたなと感心していた。 さらにそのまま歩き続けると、突然カツオが吠えた。 しっぽを激しく振っており、やけに嬉しそうだ。 「もしかしてゆっくりの匂いか?」 「ワォン!!!」 「でかしたぞカツオ。案内してくれ」 急いでカツオの案内する方向へ向かう男。 ひたすら歩くと、ゆっくりの群れが見えてきた。 森が少し開けた広場のような所に40匹を越える大小のゆっくり達が楽しそうにゆっくりしていた。 男は皆殺しにしたい気持ちを抑えて近くにいたゆっくりに大してフレンドリーに声をかけた。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆゆ!?ゆっくりしていってね!ようこそだよ人間さん!ここは人間さんに貸してもらったまりさたちのゆっくりプレイスだよ!ゆっくりしていってね!」 やけにゆっくりは歓迎してくれると男は感じた。男は鬱陶しいと感じる。 この辺の人間はゆっくりに危害を加えたりする人はいないだけでなく、人間とうまく共存関係を築いている。そんなゆっくりに手を出せばそれは 町と町との対立に繋がりかねないのだがこの男の思考にそんな発想は浮かんでこない。 「きっとこいつらは・・・気づいてると思うんだ(ボソ)」 まりさの声に釣られてほかの広場にいたゆっくりが大量に男の周りに集まってきた。 「「「「「「ゆっくりしていってね人間さん」」」」」 「「「ゆっくりできそうな犬さんだね」」」 「しっぽがもふもふだよ ゆっくりしていってね」 ゆっくりに歓迎されるという人生上初めて経験に男は少々動揺するも冷静に目的「物」の行方を質問する。 「あ・・・ああ・・ゆっくりしていってね・・。ところでお前ら、全身火傷を負って禿げた子饅頭二匹を連れた赤饅頭を知らないかい?れいむのことな?」 ゆっくりのことを饅頭と何度も言ったり、匹を使ったりとゆっくりにとって不快になる言動を連発する男。 ゆっくり達はお互い顔を見合わせる。何かこの人間さん変じゃない・・・?かと。 男は目に映るゆっくりはみなゆっくり出来なくさせたいところだが、今の第一に優先すべきことはあのれいむ一家の確保である。 「ゆ?もしかしてあのれいむのことかな?」 一匹のまりさが思い出したように声を上げる。 まりさは「変な人間さんだなあ」と思ったが、今まで人間に理不尽な暴力などをされていないので大して警戒せずれいむの事を伝えた。 「知っているのか!?」 良くてれいむの目撃情報程度だと思っていた男は思わず驚きと喜びに声を荒げる。 「この前倒れてたところを運ばれてきたれいむたちだね!ゆっくり知っているよ」 「案内してくれるかな?」 「すぐそこだよ!ゆっくり着いてきてね!」 「ありがとう!お前ら饅頭すげー使えるな。これお土産だ!遠慮しないで食え食え。ゆっくりできっぞ」 男は大きな麻袋をひっくり返すと。ビー玉サイズのスナックのようなものを大量に撒き散らす。 「ゆ?これにゃーに?おいちいにょ?」 小さなれいむが質問してくる。 「ああ。うまいぞ。ゆっくりできるから残さず食ってくれ」 「ゆわーい!!」 ゆっくりたちは大量巻かれた餌に飛びついた。 バグバグバグバグ・・・・ 「「「「しあわせー(しぇー)」」」」 「それじゃお前らこれやるから案内してくれよ」 まりさ、れいむ、ありすに食べ物を与え、れいむのところまで案内させる。 この先ほどから男がゆっくりに与えている食べ物の正体はゆっくりコロリ(遅効性)である。 味はゆっくりが好みそうな味付けであり、巣まで持ち帰って一家で食べてもらうことを念頭に作ってある。 体内に入った毒は決して体外へ排出されずにその身体を蝕む。 その具体的な症状として身体の急激な発熱とそれに伴う激しい頭痛、全身の肌に夥しい発疹、そして全身火傷を負っているような激しい痛みに襲われる。 摂取してから2〜4日程度で発症する。(食べ多量に依存) その症状は中和剤を摂取しない限り生涯煩わされることになる。 発症すればゆっくりはまともな生活を送ることができなくなり、食べ物を調達できなくなることによる衰弱死がまっている。 なお発症すると餡子は硬化され、痛みによる嘔吐感により、嘔吐しようとしても餡子はなかなか吐けない。 薬の効果はゆっくりを直接殺しはしないが、その薬の二次的作用でゆっくりは死んでしまう。 駆除よりも虐待向であるかもしれない。 決してゆっくりを楽には殺さないというすさまじい悪意がぎっしりと込められた薬を案内されている最中も最高の笑顔で男は振りまく。 巣と思われる穴から大小問わず大量に出てくるゆっくり達や、その事を聞きつけてわざわざ遠くからくるゆっくり達はその餌(毒)を貪る。 「おにーさんありがとう!」 「ゆっくりしてるね!おにーさん!」 「とってもとかいはね!」 ゆっくりはみな男に対してお礼を言う。それを聞いて男は笑顔のまま口の端を釣りあげる。しかしゆっくりはそれには気がつかない。 「ゆっくり着いたよ!あの穴にれいむがいるよ!」 「ありがとう。助かったよ。ゆっくりしていってね!」 穴からあのれいむの子と思わる子供が見える。毛がうっすらと生えているはいるが、遠くから見ればハゲ饅頭そのものである。 カツオもウォン!といって反応しているからおそらく間違いないだろう。 どうやら昼寝しているようで、まだこちらには気付いていない。好都合。 ゆっくり達にお礼をし、急いでその穴に向かい、穴の中へ屈んで入る。 中では一家が呑気そうに「ゆー ゆー 」と寝息を立てながら昼寝している。 (おや・・あの時潰れそこなった実ゆが赤ゆっくりになってるな・・) 男は直感的にその赤ゆが蔦についていた実ゆであると感じた。 赤れいむのサイズはピンポン玉よりも少し大き目であった。 すばやく用意したゆっくり用のさるぐつわを装着し、次いで子れいむ、子まりさ、に同様の処置を施す。 赤れいむはさるぐつわもできないほどのサイズなので、小さな小物入れの袋に詰め、それを懐へしまう。 それかられいむ、子れいむ、子まりさをさきほどまで餌(毒)を入れていた麻袋に一匹ずつ詰め込む。 詰め込まれる時も呑気な顔をして寝ているゆっくり達に男はイライラを感じる。 子れいむを掴んで袋に詰めようとするとき 「ゅー ゅー むにゃ うん・・ うん ・・」 プリ・・・プリプリプリ・・・・ プリプリと子れいむがうんうんをしだした。 ビキ!!男の頭に青筋が浮かぶ。 男は音を立てるべきではないと知ってはいるが、この子れいむの行為とその時の表情があまりにもイライラしたので洞の壁に投げつけた。 ドン「ゅ!!!!」 壁から落ちた子れいむは仰向けに地面に落下する。その時、子れいむが男の顔をしっかりと目視する。 (ゆ・・・・あ・・・あのときの・・・人間さん!!!!!!!!!!!) 「ゅー!!ゅー!!!ゅー!!」 子れいむはさるぐつわを付けられてまともに声をあげる事できない。しかしそれでも声を必死にあげようとする。家族に危険を伝えようと懸命にしている。 「ゅー!!!ゅー!!」 男は黙らせるために子れいむの顔の口を中心に拳を何度も落とす。一応殺さないように加減はする。 ズン!!「ゅ!!」 ドグ!!「ゅ!!」 ズン!!「!!!!!!」 子れいむは気絶するまで殴られ続けた。プルプルと振動し、しーしーとうんうんをたれながす子れいむ。 気絶した子れいむとまだ閉まっていない家族を麻袋へ詰める。 「ふぅ・・よし帰るか」 目的を達成した男は洞の外へ出て、帰ろうとする。 その時 「ちょっとまってね人間さん」 太い声が聞こえそちらを向く男。そこにはドスが居た。 あれほど大きな物体がこんな近くにいたら気がつかないわけがない。 これがゆっくりしていない者には決してドスの姿が見ることができないというステルス能力と呼ばれる能力である。 「れいむにいったい何のようなの?れいむは今治療中だよ。れいむをどこに持っていくつもりなの?」 あからさまに警戒されている態度を示す。この群れのゆっくりたちは疑うことを知らない奴は多かったが、ドスは違うようだ。 男は無言、何も答えない。理由は至ってシンプル。ゆっくりごときの質問に答える必要はないから。 ドスはそんな態度の男にイライラを感じた。歯を噛みしめギシギシと鳴らす。 「ほんとは・・・れいむの子供たちに怪我負わせたのっておにいさんでしょ?」 静かだが、ドスの声には怒りがこもっている。 気がつくと周りには比較的大き目なゆっくり達はぎっしりと男を囲いこんでいた。 「ゆっくり答えてもらうよ!あれはおにーさんがやったんでしょ?」 男はゆっくりの質問に一切答えるつもりはない。ひたすら無言でいる。答えたら負けだと思っている。 「みんな・・・れいむたちを取り戻したら 人間さんを捕まえて群れの外まで追い出すよ」 「りょうかいだぜドス!」 「れいむ達にまかせてね!」 「都会派じゃない人間さんはゆっくり死んでね」 ドスの発言に一斉にいきり立つゆっくり達。 「カツオ!帰るぞ。もたもたしてると家に着くのが夜になっちまう。」 男はまるでゆっくり達の事など気が付いていないような態度をとり、そう言って男とカツオは帰り道の方向にいるゆっくりを楽々と飛び越え、突っ走った。 「ゆゆゆゆゆゆゆ!!!!!!?」 男とカツオはゆっくりには出せない速度でその場から立ち去った。 ドスだけなら人間に追いつけたかもしれないがまわりにゆっくりがいるため跳ねて移動することができない。 「卑怯だよ!もどってきてね!!!れいむを離してね!!!」 男は無視する。目的は達成したので長いする気はない。どうせ、数日たてば先ほどの毒が回り始め、近いうちにこの群れは死者の山ができるだろう。 ゆっくりコロリはかなり強力であるし、その解毒剤はかなり値がはる。それを何百匹分も用意すれば大金である。 この辺りの人間もいくら群れと仲がいいからといっても、あんな饅頭のために大金は使わないだろう。 気が向いたら友人と群れの残党を狩るのもいいかもしれない。そんなことを考えながら男はひたすら走る。 「追うよ!みんな急いで!!」 急いでその後を負うゆっくり達。 しかし、ゆっくりから見る人間はすでに豆粒ほどなっており、到底追いつける距離ではなくなった。 「ゆああああ・・・ゆあああああ・・・・・」 男は群れから逃げ切った。 ガラガラガラ(扉を開ける音) 「ゆぅ・・」 その声を聞いてまりさはため息をついた。その音はゆっくりできない音である。 まりさは透明なケースに詰められた後、押入れに入れられているので、真っ暗である。故に音に対しては敏感になっている。 男は帰ってきたらまりさを蠅叩きで気絶するまで叩くことを習慣としていた。 その際まりさに対して、 「すぐにお前の家族を捕まえてゆっくり出来なくしてやるよ」 と毎回言う。その都度まりさは嫌な気分になる。 適度に虐待したあと男はまりさをケースに詰め、ゆっくりできない食べ物を与えまりさをケースごと押入れにしまう。 そしてまりさの所へ男の足音が近づく。 「ゆぅ・・・またあいつがくるよ・・・ゆっくりできないよ・・・れいむ・・・おちびちゃん」 ガラッ・・・ 一日ぶりに見る明かりである。まりさは男の顔を見つめる。 (今日の人間さんの顔は・・・なんか変だよ・・・ゆっくりできない・・) 「ゆぅ・・・にんげんさん・・まりさを自由にしてほしいよ・・・こんなのゆっくりできないよ」 男は毎回まりさの言葉を無視する。それもいつものことである。 「よろこべよ饅頭・・お前の家族・・・見つけたぞ・・・」 「ゆ゛っ!!!!!?」 その場で男は麻袋の中身を取り出し、放り投げる。 そこにはさるぐつわをされ言葉を発することのできない大きなゆっくり一匹と小さなゆっくり二匹が床に転がっている。 そこに転がっているのはまりさの・・・れいむと・・・おちびちゃんたちであった。 「でいぶ!!!!!おちびちゃんたち!!!!?」 男はれいむと子ゆっくりのさるぐつわを外し、懐にしまった袋から赤れいむを取り出す。 赤れいむは長時間の拘束により、ぐったりしている。しかし死んではいないようだ。 暗闇の中ひたすら逢いたいと、会ってゆっくりしたいと願ったれいむとおちびちゃんたちが目の前にいた。 そして、無事に生まれ落ちる事をひたすら願った赤ゆっくりもいた。 「でいぶぅ・・・・よ゙がっだ・・・無事だったんだねえ・・・」 「ゆ゙ゔゔゔ・・・・・まりざぁ・・・ごめ゙ん・・づがま゙っぢゃっだよ゙お゙ぉぉ・・・」 れいむはまりさを見た途端泣きだす。 「誰がゆっくりしていいっつったよ!」 男はそう怒鳴ると、子まりさを持ち上げ、顔から床に投げつける。同じように子れいむも投げつける。 バシン!!「ゆびゅ!!!!」「ゆぶ!!!」 うつぶせになりながら二匹の子ゆっくりのまわりには水たまりができた。子ゆっくりたちは過去に同じことをされたのを思い出していた。 その時、とっても痛くて怖くて・・・トラウマというべき事を思い出し、その恐怖のあまりしーしーを漏らしていた。 「ゆ゙ああああああああああ!!!おちびちゃん!!!」 「どぼじでごん゙な゙ごどずる゙の゙おおおおおおおおおおお!?」 「たっのしいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 男は親ゆっくりの問いかけには答えない。 「いじゃい・・・・よぉ・・・・」 うつぶせになった子れいむから声が漏れる。男は子れいむを掴みその表情を見る。 子れいむは怒りの籠った目を男に向ける。恐怖に必死に耐えながら口を開く。 「どうして・・・こんなことするの・・・もうやじゃよ・・・人間さんもこんな・・痛い事されたらいやでしょ・・・」 その表情を見て男は笑みを浮かべる。 「まだまだ元気いっぱいだああああ!!!!」 子れいむは今まで見たことのない高さまで持ち上げられ、怒りを忘れ恐怖がその餡子を支配する。 「たじゅげでおがあじゃあああああああああああああああ「オラア!!」」ブン!! バァン!!!!!「ゆ゙っ!!」 さっきよりも強く叩きつける。痛くて声も上げられない子れいむ。中枢餡に強い衝撃を受けブルブルと震えている。 「ゆあああああああああ!!!でいぶのおぢびぢゃんがあああああああああああ!!!!!?」 「お願いします人間さん!やめてあげてください!!」 男は無視する。 さらに子れいむと子まりさを何度も交互に床に叩きつける。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛」 痙攣する子饅頭×2 「いやー いい汗かいたなあああ そうだ、この前まりさに噛まれた礼してなかったね。ん〜〜どうしようかな まあとりあえず饅頭逃げないようにしまうか」 そう言って男は小さな透明ケースの中に赤れいむを投げこみ蓋をする。次に親ゆっくり達も大きな透明ケースに入れ同様に蓋をする。 「ゅ!」 赤れいむはその衝撃で目を覚ます。 「かわいくないれいみゅちゃん呑気におねんねしてたんでちゅか。それにしてもほんとにかわいくないね〜」 「ゆ・・・ゅぅぅぅぅぅ・・・・おきゃーしゃーんこわいよおおおおおおおおおおおおおお」 突然見たこともない大きく怖そうな生き物に可愛くないと言われ泣きだす。 赤れいむは生まれて間もないが、その持前の明るさでたくさん親れいむとれいむの姉たちをゆっくりさせてきた。 そんな自慢の赤れいむが可愛くないなどと言われては親れいむは我慢がならない。 「れいむはれいむの自慢のおちびちゃんだよ!ぷんぷん、ゆっくり訂正してね!」 親れいむは必死に訂正を求める。 男は無視し、子まりさと子れいむをじっと見る。 「この前あれだけやったのにまだまだ子まりさと子れいむは元気そうだな。んじゃ今日はこいつらでいってみるか♪」 「「ゆ?」」 男はゆっくりたち一家を台所へ持っていく。 それから火を起こし、鉄板をその上に固定し、加熱する。ついでに夕飯の米も炊く。最初のターゲットは白目をむいている子ゆっくり達だ。 親ゆっくりと赤れいむが入ってるケースを鉄板がよく見える位置に固定する。 それから桶に水を張り、そこに塩水とトウガラシの粉末と砂糖を入れる。 そして白目をむいている子れいむと子まりさを掴んでその桶に沈める。 子ゆっくり達は最初は反応がないが、すぐにその身体を激しくクネクネと掴まれた手から逃れるように動かし始めた。 男はそれらを桶から引き揚げて台にのせる。 「ゆびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!いじゃいよおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」 「目がああああ!!!目があああああああああああああああ!!!!!!!!!じみ゙る゙よ゙おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 意識が覚醒し、痛みにのたうち回る子ゆっくり達を見て男は嬉しそうな顔をした。そして熱せられている鉄板に油をひく。 「それっ!すーぱーちゅっきりたいむだゾ!」 子れいむと子まりさをそれぞれ片手で掴み、その底部を熱した鉄板に押し付ける。 じゅじゅうううううううううううううううううううう!!! 「ぴぎぃいいいいいいいいいい!!!!!!」「やめじぇええええええええええええええええ!!!!!」 「ゆぅぅぅ 人間しゃんやめちぇにぇ!ゆっくちできないよ!しょんなこちょしゅる人間しゃんはゆっくちちね!」 「ゆあああああああ!!!!おちびちゃああああああああああああああああん!!!!?おにーさん!やめてあげてね!!やめてあげてね!!」 「俺がちゅっきりできなくなりゅからやじゃ。ゆっくちりかいしちぇにぇ!」 子れいむと子まりさはあまりに痛みのあまり必死にそれから逃れるべくジャンプしようとする。それを男の手が阻む。 がっちりと押さえつけられた子ゆっくりたちは鉄板から逃げだすことができない。 「やめでえええええええええええええ!!!おがあああーざん!!!!おがあああああーざん!!!!!!!」 「おねええちゃああああああああん!!」 30秒しっかりと押し付けられた子ゆっくり達の底部は焦げて固くなり跳ねることができなくなった。 「おちびちゃああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!?」 「おーほっほ・・焼き過ぎちゃったかなー 」 未だ悲鳴を上げる子れいむと子まりさ。 「まだまだ楽しませてくれよー・・さてと」 「「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」」 男は鉄板の中央付近で焼かれているゆっくりを掴み鉄板の端のあたりに移動させる。その際チラッと子ゆっくり達の底部見てみる。 底部はカリっと茶色に焼けて実に美味しそうな感じに焼けていた。 「おにーしゃんおにゃかへってりゅよんだよ?ゆっくちりかいしちぇにぇ!」 男はゆっくりが焼かれているのと同じ鉄板の中央に肉や野菜を置き、焼く。 ゆっくりを焼きながら、夕飯の調理もする。 「おねがいじばず・・・おちびちゃんを助けてあげてください・・・・」 ムシャムシャバグバグ・・・ 「とってもゆっくりできるおちびちゃんなんです・・・・でいぶだぢのだいぜづなおちびちゃんな゙んでず・・・」 「ゴクゴク・・・うめえええ・・・」 「どぼじでお゙ばな゙じぎい゙でぐれな゙い゙の゙おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?」 「あじゅいよぉ・・・・・・あじゅい・・・おきゃーしゃんたしゅけちぇ・・・・」 男は子ゆっくり達の様子を見ながら食事をとった。 その行為は男をとてもゆっくりさせるようで自然とお酒も進んだ。それから食事が終わるまで1時間近くかかった。 「あーうめえな。ゆっくりを焼きながら食べるご飯ってのはさ」 「・・・・・・・・ゆ゙・・・・・ゆ゙っ・・・・ゆ゙・・・・」 もう子れいむも子まりさもまともな声は発していない。とうに意識を失い、痙攣していた。 それを見せつけられた赤れいむはあまりのショックにより餡子を吐き、気絶している。 身体の三分の一が炭と化した子ゆっくりを親の入っているケースに投げ入れる。 「もうそのゴミいらないからあげるよ。」 「ゆぅぅぅ・・・おちびちゃん・・・・おちびちゃん・・・・ゆっくりしてね・・・」 「ゆ゛っ(ビクビク)・・・ゆ゛っ(ビクビク)・・・・・ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・・」 男はゆっくりを台所からさきほどいた部屋に戻し、押入れにしまう。 その際親ゆっくりがいるケースにはゆっくりコロリ(遅効性)を餌として与える。この餌は毒もあるが、甘みがあり、カロリーもある。 赤れいむにはそれは与えずに炊いた白米の残りを少しだけ。 「じゃあな饅頭。また明日かわいがってあげりゅよ」 「ゆぅぅぅぅ・・・・おちびちゃん・・・・おちびちゃあん・・・しっかりしてぇ・・・・」 その夜、親れいむと親まりさはゆんゆんと泣いた。涙が枯れるまで泣いた。 あれだけ可愛くてゆっくりさせてくれる子どもたちがこんな痛々しい姿になってしまった。なんでこんな目に自分たちが合うのだろう。 ゆっくりしたかっただけなのに。ただそれだけなのに・・・・そんな事を考え、結局親ゆっくりはその日眠ることができなかった。 そして次の日男により親は知らされることとなる。 子れいむと子まりさは長時間焼かれ、重度の障害を負ったことを。 子ゆっくり達は餡子に重大な損傷を受け、意識が戻ったのが、炭化した部分はもとより、焼かれていない部分の身体も動かせなくなり、喋ることも困難になっていた。 俗に言う寝たきりゆっくりである。 再起不能になった我が子を泣きながら見つめる親ゆっくりと赤れいむ。それを見ながら大笑いする男。 「ただでさえゆっくりなんてゴミ以下なのに寝たきりゆっくりなんて・・・・ププププププ・・・ククククク・・・ 存在してて恥ずかしくないわけこいつら・・・・・クックックククク・・・・ヒヒヒヒッヒヒヒヒヒッヒーーーーー!!!」 「ゆぅぅぅぅぅ・・・・・おちびちゃん・・・・守ってあげられなくてごべんでぇええええええ・・・・・」 「おちびちゃんをこんなふうにしたのは人間さんだよ・・・・絶対許さないよ・・・・・・ゆっくり・・・死んでね・・・・・・」 「おねーしゃん・・・・・おねーしゃん・・・・・・ゆ・・・ゆぅ・・・ゆええええええええええええん、ゆえええええええええええん」 「ククククククク・・・・・別に許してもらおうなんて思ってないよ。それとも許してくださいってお願いしてほしいわけ?・・・・プププププ・・・ さーて今日も元気にスーパーちゅっきりタイムだゾ!」 れいむとまりさ、寝たきり子れいむと子まりさを笑いながら蠅叩きで叩く。 もう十分すっきりしたから殺してしまってもいいやと思っている男の一撃は手加減がまったくなく、一撃を受けるごとに肌が抉れ、餡子が飛び出す。 叩く行為に飽きた男は親まりさに馬乗りになった後、素手で何度も殴りつける。親れいむにも同じことをする。 その行為にも飽きた男は子れいむと子まりさを家にある柱に適度な強さ何度も何度もで投げつける。 だがその際、子ゆっくりらは悲鳴をあげない。あげられない。なぜなら子ゆっくり達はもう壊れているから。 その様子をケースの中から見ていた赤れいむ。最初は「やめちぇー!!」とか「れーみゅおこりゅよ?」言っていたがはゆんゆんと泣くだけだった。 次の日、赤れいむを除く一家は大量に与えたゆっくりコロリの毒により激しい痛みに襲われる。 全身に夥しい発疹ができ、大量の脂汗が浮かべ「ゆぎぎぎぎっぎぎぎ」と苦しみ食いしばる顔と、その姿は加害当事者である男をも引かせた。 その姿に男はいい気味だとかひどいとかすっきりそういう感想はなく、ただキモイ、それだけであった。 「うへえ・・・きめえ・・・・」 男はその日のうちに赤れいむを除く一家を近所のおじさんの肥溜に落とす。 「ゆぎぎ・・・くざいよ・・・・おちびちゃんだけでも・・・たずげでね・・・・」 「ゅ・・・・ゅ・・・・」 寝たきり子ゆっくりたちもさすがにこの匂いは辛いらしく、声を必死に上げようとする。 男は無言で近くにあった棒を使ってまず子れいむを沈める。沈むことにより汚物が子れいむの口に流れ込む。子れいむはそのあまりの味と匂いに顔をしかめた。 気にせず肥溜の奥深くまで沈め、残った家族にも同じことをする。 そして残ったのは彼らの最後の一粒種である赤れいむだけであった。 もう赤れいむを守ってあげる存在はいない。 「おきゃーしゃーーん おちょーしゃーん!!!こわいよおおおおお!!!ゆえええええええええええん!!!!」 天涯孤独の身となった赤れいむ。だがそんなことで泣いている暇はない。 次の男のターゲットはこのれいむなのだから。 「お前の家族はみんなう○こちゃんになっちゃったよ。汚いねえ。最低だわ」 男は赤れいむに手を伸ばす。 この赤れいむにゆっくりした生活が訪れることは未来永劫決してないだろう。 虐待SSって書くの難しいですね。 次回はもっとしっかりした文章を書いてみたいと思います。 by洗脳君 このSSに感想をつける 選択肢 投票 しあわせー! (14) それなりー (13) つぎにきたいするよ! (12) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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『ゆっくりの鳴き声』 10KB いじめ 日常模様 番い 野良ゆ ゲス 都会 虐待人間 ぬる虐めです まりさのゆん生は輝いていた 一人立ちしてすぐに幼馴染の可愛いれいむとけっこんも出来たし 長く苦しい越冬にも成功した 春には待望のおちびちゃんも生まれた れいむ似の可愛いおちびちゃんが二人と まりさ似の凛々しいおちびちゃんが二人だ まさに順風満帆 これからのゆん生においても何不自由無く 輝ける未来に邁進する事は決定的である まりさは今日も美ゆっくりのれいむと 可愛い可愛いおちびちゃん達と共にお散歩に出掛けた 「ゆゆっ?!」 途中子れいむが何かを見付けた 「みちぇみちぇ、ゆっきゅりできにゃいゆっきゅりがいりゅよ!!」 「ゆゆっ?!おかざりのないとってもゆっくりできないゆっくりだね!!」 子れいむが揉み上げで指し示す方を見た親れいむは お飾りと両目を失い、ボロボロになって這いずるゆっくりを見付けた 「あ・・・ゆっ・・・・たす・・・・・・」 同族の声に反応したのか ゆっくりとした動作でまりさ達の方に這いずって来る 「みてみてまりさ!!とってもゆっくりできないゆっくりがいるよ!!」 「ゆあ~ん?!ゆっくりできないくせにまりささまのまえにでてくるなんてめざわりなんだぜ!!!」 「「ちょうだちょうだ!!まりちゃたちのまえでゆっくちちないなんちぇゆるしゃないんだじぇ!!」」 「おかあしゃん!!ゆっくちできにゃいゆっくちはしぇいしゃいだにぇ!!」 「「「しぇいしゃい!!しぇいしゃい!!」」」 「さすがはまりさのおちびたちなんだぜ!!かぞくぜんいんですーぱーせいさいたいむなんだぜ!!」 まりさは自身の最強さを家族に披露する為 ゆっくり出来ないゆっくりに向け、制裁宣言をした 「ゆっくりできない!!!ゆっくりは!!!さっさと!!!しぬんだぜ!!!」 「ゆっ・・・・やべ・・・・ど・・・・・ぶっ・・」 まりさが体当たりをする度にゆっくり出来ないゆっくりから餡子が漏れ出す その光景に感化されたのか子ゆっくり達も参加し始めた 「ゆぶぶぶ!おりょかおりょか!」 「ゆっくちできにゃいゆっくちはしゃっしゃとしんでにぇ!」 「「まりちゃがぷきゅーしゅるよ!ぷきゅー!!」」 「おちびちゃんたちゆうかんだよぉぉぉ!!!れいむはとってもとってもこころづよいよぉぉぉ!!!」 勇敢な子供達が参加すれば世界はまりさ達の物である まりさは自身の餡子に確信が漲って来るのを感じた 「ゆっくりしないでさっさとしぬんだぜ!!!」 『ペチャンッ』 ゆっくり出来ないゆっくりに止めを刺すまりさ 「ゆっ・・・・も・・ゆっ・・・し・・・」 最後の言葉も言えずに動かなくなるゆっくり出来ないゆっくり 「ゆふんっ!!まりささまにさからうからこんなめにあうのぜ!!!」 「「やっちゃやっちゃ~!!」」 「「まりちゃたちはしゃいきょうにゃんだじぇ~!!」」 「ゆっふ~ん!まりさかっこいいよ~!!ほれなおしちゃうよぉ!!」 「ゆっふっふ!!それほどでもあるんだぜ!!」 一仕事終えた後の家族団らんは まりさにとって最高のゆっくりを与えてくれる物だった 「おきゃあしゃん、あれにゃあに?」 その時一人の子れいむが何かに気が付き、正体を知るべくまりさに声を掛けた 「ゆあぁんっ?!」 まりさが見上げると、そこにはゆっくり出来ないくせに力だけは強い人間が立っていた 「ゆっふっふ!!」 だが、力が強いと言っても所詮は人間 最強のまりさ様に敵う訳が無い、ましてや勇敢なおちびちゃん達も居るのだ 逆らう所か、自分から土下座して奴隷になりたいと申し出るに違い無い ならば高貴なまりさ様に従う栄誉を与えてやらなければならないだろう 「そこのくそにんげん!!!このくずみたくなりたくなかったら、 まりささまたちにさっさとあまあまをけんじょうするのぜ!!!」 親まりさの威風堂々とした物腰に、感銘を受けた子供達も親に倣う事にした 「「「「しゃっしゃとあみゃあみゃよこちぇ!!ぷきゅー!!」」」」 まりさのゆん生は輝いていた これからのゆん生においても何不自由無く 輝ける未来に邁進する事は決定的である だからまりさは当然の要求をした そのはずだった 「でいぶぅぅぅ!!!おちびじゃぁぁぁん!!」 大粒の涙を滝の様に流し、愛する者達に必死に声を掛けるまりさ しかし、視線の先に在るのは丸々とした姿の愛しい家族では無く 無残にひしゃげ、潰された物言わぬ哀れな残骸であった まりさには信じられ無かった れいむの太陽の様に暖かでゆっくりした笑顔が おちびちゃん達の、見ているだけで心の中からゆっくりが沸いてくる そんな可愛い姿が二度と見れなくなるなんて・・・ 世界が全て崩壊したような悲劇に まりさは叫ばずには居られなかった 「どぼじで、どぼじでごんなごどするのぉぉぉ!!!」 「うん?」 「まじさたぢだっていぎてるんだぜぇぇぇ!!!」 自慢の金髪を鷲掴みで持ち上げられつつ 汚い尻を『もるんもるん』と振りながらまりさは慟哭した 「どうしてって、聞いて如何するんだ?」 「ゆっ?!」 「いや、『ゆっ?』じゃなくて、理由を聞いて如何するのか聞いてるんだよ」 「ど、どうするって・・・」 人間の理不尽な暴力に対して吼えて見たものの その後の対応を聞かれてまりさは口篭ってしまう 絶望から無意識におくちから出た言葉であり 何かを考えていた訳ではなかったからだ 「まあ、答えられる訳無いよな、ゆっくりの言う事なんてただの鳴き声だもんな」 「ゆゆっ!!!」 確かに、人間の言う通り考えが在っての質問では無かったが 大切な家族を殺された怒りを ただの鳴き声扱いするなど許し難い事である 「ふざけるんじゃないのぜぇぇぇ!!!なきごえなんかじゃないんだぜぇぇぇ!!! しゃざいをようきゅうしているんだぜぇぇぇ!!!」 「謝罪?どうして?」 「なにいってるんだぜぇぇぇ!!!まじさのいとしいいとしいかぞくをころしたくせにぃぃぃ!!!」 まりさは人間の悪びれない態度に餡子の底から怒りが込上げてきた 寛大で慈悲深いまりさにも限界がある こんなゆっくりをゆっくりとも思わない糞人間には 正義の制裁が必要なのだ 「この、くs「くそにんげんはあまあまをおいてさっさとしねぇぇぇ!!!ってか」ゆ?!」 まりさは驚愕した! 奴隷のように卑しい糞人間に、高貴で全知全能のまりさ様が考えを先読みされたのだ 「どb「どぼしてさきにいっちゃうのぉぉぉ?!!だろ?」ゆゆっ?!!」 一度ならず二度までも先読みされ まりさの背筋に冷や汗が流れる (どうしてまりさのかんがえがわかるんだぜ?) 在り得ない 在ってはならない出来事に混乱するまりさ 「みんな同じなんだよ、ゆっくりの言う事なんてな」 心底くだらなそうに呟く人間 「足を叩けば『かもしかのようなあんよがぁぁぁ!!!』 髪の毛を毟れば『せかいもうらやむかがやけるきんぱつさんがぁぁぁ!!!』 帽子を破れば『てんをつらぬくくろぐろとしたおぼうしさんがぁぁぁぁ!!!』 百匹居れば百匹が同じ反応を示す、ゆっくりなんざその程度だよ」 「ふざけるなぁぁぁ!!!まりささまはそのへんのゆっくりとはかくがちがうんだぜぇぇぇ!!!」 「格が違うねぇ、なら試してみるか?」 『パアァァァン!!』 突然まりさの身体に衝撃が走った (ゆっ?なにがおこったんだぜ?) 自分の身体に起きた出来事を把握しようとするまりさ だが衝撃は数瞬の後、熱を伴った痛みとしてまりさの身体を駆け抜けた 『プシャァァァ』 「いじゃいぃぃぃ!!!まじさのかもじかのようなあんよがぁぁぁ!!!」 痛みに慟哭するまりさ まりさのゆん生において一度たりとも味わった事の無い痛みにしーしーを漏らしてしまう 「ゆひぃ!ゆひぃ!」 「どうした?さっきお前が家族と一緒に制裁した、クズのまりさと同じ事言ってるぞ?」 「な、なにいってるんだぜ!まりさはくずなんかとちがうのぜ!」 「なら、答え合わせと行こうか?」 男は何故か今まで落ちなかったまりさのお帽子を取り上げた 「「まじさのすてきなおぼうしさんかえじてねぇぇぇ!!!」」 「はい残念、クズと同じなのでお帽子は没収しま~す」 『ビリィィィ』 言うが早いかお帽子を真っ二つに引き裂く 「あ、あ!「まじさのたいせつなおぼうしさんやぶかないでぇぇぇぇ!!!」」 『ビリッビリッ』 まりさはだんだんと小さな黒い布片になって行くお帽子を見つめながら 大粒の涙を止め処も無く流している 「「まじさのてんをつらぬくくろぐろとしたおぼうしさんがぁぁぁぁ!!!」」 「又々クズと同じなのでお帽子がこんなになっちゃいました~♪」 男は嬉しそうに、粉々になったお帽子の欠片を放り投げた 其れらは紙吹雪の如くひらひらと風に流されて行った 「あ、あ!まじさの、まじさのおぼうしざん!とってもとってもゆっくじしたおぼうしざんが!」 自身の半身を失って悲しみに暮れるまりさ だが男の行為はまだ終わりではなかった 「次はまりさ様の髪の毛さんを毟ってみようね~」 「ゆゆっ!!」 男の発言にまりさは驚愕した! 家族を失い、お帽子を失った哀れなまりさに、これ以上何を失えと言うのか? いくら高貴なまりさに嫉妬したからと言って酷すぎるではないか 「「どぼじで、どぼじでごんなごどするのぉぉぉ!!!」」 「「まじさだっていぎてるんだよぉぉぉ!!!」」 またも男とハモッてしまうまりさ 流石のまりさも徐々に薄気味悪さを感じ始めた 『ブチッ!ブチィ!』 痛みと共に髪の毛さんが毟られる音が響く 「「やべてぇぇぇ!!!せかいもうらやむかがやけるきんぱつさんがぁぁぁ!!!」」 「は~い、次はお目々さんだよ~」 此処に来てようやくまりさの心に恐怖が湧き上る 何故まりさがこんな目に遭うのか、何故この人間はまりさに酷い事をするのか いくら考えてもまりさには答えを導き出す事が出来なかった 徐々に近づいて来る人間の指 それがまりさの最後に見た光景だった 『ジュブッ』 「ゆっ、ゆぎゃぁぁぁ!!!「まじさのよぞらにかがやくおほしさまのようなおめめがぁぁぁぁ!!!」」 「やれやれ、最後までクズのまりさと同じだったね」 男の笑いの混じった言動に まりさは何も見えない暗闇の世界で答えの出ない問答を繰り返すだけだった 「さて、そろそろまりさ様にはご退場願おうか これで本当に最後なんだから、他とは違う台詞を聞かせてくれよな」 男は絶妙な力加減でまりさを上空に放り投げた 「「おそらをとんでいるみたい!!!」」 『ベシャァ』 まりさは緩やかな弧を描きながら、男から数メートル先の地面に着地した 着地の衝撃で、残って居たあんよもお口もグズグズに潰れてしまった (どうしてまりさがこんなめにあうの?なんにもわるいことをしてないのに? だれかまりさをたすけてね!いますぐでいいよ!) 『ガサガサッ』 「ゆッゆッゆ~♪」 まりさの祈りが天に届いたのか 近くにゆっくりの声が聞こえてきた まりさは今日も美ゆっくりのありすと 可愛い可愛いおちびちゃん達と共にお散歩に出掛けた 「ゆゆっ?!」 途中子まりさが何かを見付けた 「みるんだじぇ、ゆっきゅりできにゃいゆっきゅりがいりゅんだじぇ!!」 「ゆゆっ?!おかざりのないとってもいなかもののゆっくりだわ!!」 子まりさがお下げで指し示す方を見た親ありすは お飾りと両目を失い、ボロボロになって這いずるゆっくりを見付けた 「あ・・・ゆっ・・・・たす・・・・・・」 同族の声に反応したのか ゆっくりとした動作でまりさ達の方に這いずって来る 「みてみてまりさ!!とってもいなかもののゆっくりがいるわ!!」 「ゆあ~ん?!ゆっくりできないくせにまりささまのまえにでてくるなんてめざわりなんだぜ!!!」 「「ほんちょうね!!ありちゅたちのまえでゆっくちちないなんちぇとんだいにゃかもにょにぇ!!」」 「おかあしゃん!!ゆっくちできにゃいゆっくちはしぇいしゃいだじぇ!!」 「「「しぇいしゃい!!しぇいしゃい!!」」」 「さすがはまりさのおちびたちなんだぜ!!かぞくぜんいんですーぱーせいさいたいむなんだぜ!!」 まりさは自身の最強さを家族に披露する為 ゆっくり出来ないゆっくりに向け、制裁宣言をした ボロボロになったまりさは、近づいて来るゆっくり一家の言動に恐怖した・・・ The next again あとがき 久しぶりに最後まで書き終わる事が出来ました 幾つも話を書くものの、落ちが無かったり脱線したりと中々最後まで辿り着けません どこかに文才は落ちてないでしょうか >< 私の拙いSSに挿絵を描いて下さいました車田あき様ありがとうございます 最後に この作品を読んでくださった方全てに最大級の感謝を 過去の作品 anko0815 ゆっくりマン anko2172 思い込みの力 anko2948 僕らは皆生きている anko3009 雪の日の出来事