約 1,716,307 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/9578.html
唯たちが修学旅行に行っている日のこと 梓「こんばんは」 憂「いらっしゃーい」 梓「あ、これお母さんが持っていけって」 憂「わぁ、ありがとー」 純「な、中身は?」 梓「え?お寿司だけど」 純(ドーナツ遠のいた~) 梓「ん?(何あの仕草。可愛い)」 食後 純「食べすぎたーゲフッ」 梓「もう入らない。ん?(ドーナツ一口ずつかじってある)」 梓「どういう食べ方してるの(17個ある。セブンティーン間接キスのチャンス!)」 純「だって味確かめてみたかったんだも―ん。梓あと食べていいよ」 梓「入るわけないでしょ」 純「甘いモノは別腹だって、チョコの奴とか美味しいよ?」 梓(とりあえず純がかじったところだけばれないようにかじっておこっと) 梓が純の唾液の付いたドーナツを手に取ったその時 憂「まだ食べるの?」 梓(ちっ憂が戻ってきた。ここでドーナツを戻すのは不自然だし苦しいけど丸ごと食べておくか) 梓「むぐむぐ・・・甘い(後でかじったところを舐める用と嗅ぐ用のドーナツを確保しておかないと)」 梓「もうお腹いっぱいゲフッ」 憂「お風呂の準備できたよ」 純「誰からはいるの?」 憂梓「は?」 純「え?」 梓「せっかくの泊まりなんだし一緒に入るにきまってるでしょ」 純「でも3人一緒はきついんじゃ」 憂「家の浴槽3人でも入れるよ」 梓「だって。ほら行くよ、純」 お風呂 純「・・・」 憂「・・・」 梓(純・・・上だけじゃなく下にもモップがあるんだね。モッサモサだよ) 梓(それに比べて憂のは綺麗。ちゃんと整えてるんだね) 純(梓は予想通り生えてない。まぁそこには触れないでおくのが優しさだよね) 憂「先に体洗っちゃおっと」 梓「純も先に洗ったら?」 純「え~別に憂が終わってからでいいでしょ」 梓「しばらく湯船独り占めするのでだめです~」 純「それが狙いか。なんか子供っぽいよそれ」 梓「いいから先洗っちゃいなよ」 梓(湯船を独占するのが狙い?はっ、そんなわけないでしょ) 梓(私の狙いは・・・) 梓(しめた、憂がもうすぐ頭を洗い始める) 梓(さて動くか・・・) 純「うわっちょっと梓!体洗ってるのにシャンプーかけないでよ!」 梓「私が洗ってあげるよ」ワシャワシャ 純「ちょっシャンプーが目に入った!痛い痛い!」 梓(憂は・・・よし頭洗ってるから目をつぶってる) 梓「ごめん憂。先にシャワー借りていい?純の目にあわが入ったみたいでさ」 憂「うんいいよ。先使って」 梓(ぐふふ。もう少し目をつぶっててね憂) 梓「じゃあシャワーかけるね」チョロチョロチョロ 純「・・・勢い弱くない?あんまり泡が落ちないんだけど」ワシャワシャ 梓(そりゃあ今かけてるのはおしっこだからね)チョロチョロ 梓(泡を流そうと目をごしごししてる。ふふ、純の顔おしっこまみれになってる。ハァハァ)チョロチョロ 梓(それに友達の目の前で友達におしっこをかけるこのスリル・・・たまらないっ!)チョロンッブルブルッ 梓「ふー。じゃあもうちょっと強くするよ」シャー 純「最初っからそうしてよ」 憂(なんだろうシャンプーの匂いに交じって他の物の匂いもする) 梓「憂、おまたせ。ついでだから私が流してあげるよ」 憂「・・・ありがとう梓ちゃん」 梓「さて私も体洗おっと」 梓(ふふふ、憂と純の入ってるお湯は後でゆっくり堪能しよう) 梓(といっても体洗った後だからあまり良いだしはとれないだろうけど)ワシャワシャ 梓(せめて体洗う前に一度湯船につかってもらうべきだったよ)ゴシゴシ 梓(まぁ体洗った後でも十分魅力的だからいいか)シャー 梓「ふぅ。洗い終わった。私もお湯に浸かろっと」ザパーン 純「おぉ、ホントに3人は入れるんだね」 憂「ちょっと狭いけどね」 梓(むむっ!!この長い縮れ毛は・・・間違いない純の陰毛だ!) 梓(どうしよう。せっかく手に入れたのにお風呂場じゃあ隠し持っておく手段がない) 梓(とりあえず食べちゃおっ)モグモグ 梓「うまい」 純「ん?」 純「はぁ~気持ちいぃ~」 憂「だね~」 梓「(陰毛がかなり浮かんでる)見渡す限りパラダイスだよ」 純「なにが?」 梓「え?(やば、声に出てた)あ、あーその私が男だったらパラダイスだろなぁーって思って」 梓「ほら、二人ともスタイルいいし」 純「え?そ、そうかなぁ」テレテレ 梓「そうだよ。こんなに大きいモノつけちゃって」モミモミ 純「ちょっなにやって、梓、やめてってば」 梓(うはぁーやわらかいなー)モミモミモミモミクリクリモミモミ 純「あっ梓、いいかげんにっあんっ」 梓憂純「」 純「・・・(うわ、変な声出ちゃった)」 憂「ちょ、ちょっと二人とも・・・」 梓(今の声かわいかったなぁ。もう一回聴きたいけどこの空気じゃ厳しいかな) 純「も、もうっ梓!変なことしないでよね」 梓「変なことってこういうこと?」モミモミクリクリコネコネグリグリ 純「んっあ、梓ぁ!や、やめてってば!怒るよ!」 梓「ごめんごめん冗談だってば(ふぅ、あとでトイレいこ)」 時は進んで就寝中 梓(さてそろそろいいかな) パシッ 梓「ちょっ(なにこれ?あぁ純の足か。寝相悪いなこいつ)」 梓「(生足ペロペロしたいな)ペロペロ」 梓(うわ、思った事行動に移してた。でも味しないなぁ、純だけお風呂入れなきゃよかった)ペロペロ 純「んぅ?あずさぁ」 梓(――っ!)ビクッ 梓(やば起きた?) 梓「(寝ぼけてることにしてごまかしておくか)むにゃむにゃ、アイス美味しい」ペロペロ 梓「んぅ、ふぁ~。あれ?アイスだと思ってたら純の足だったよHAHAHA(我ながら完ぺきな寝起き演技ね)」 梓「純ー起きてるの~」チラッ 純「Zzz」 梓「ほっ。良かったまだ寝てた。ってあれ?憂が居ない」 梓「トイレかな?まぁいいや今のうちに純のパンツ嗅いでおこっと」 梓「学校帰りに鬼ごっこして汗かかせたし強烈な匂いになってるだろうね」ガサゴソ 梓「あれ?どこにも無い」 梓「あ、もしかして脱衣所に忘れたのかな」 梓「純って間抜けだしありえるよね。さて見てこよっと」 梓「ついでに憂のも嗅いでくるか」 梓「ん?2階に行く階段の明かりがついてる」 梓「憂がいるのかな」 梓「どうしよう。先に憂が何してるか見てこようかな」 梓「ばれないように慎重に行きたいし憂の行動もチェックしておくか」スタスタ 梓「憂、いるの?」 憂「!?」ビクン 憂「あ、どっどうしたの梓ちゃん?」 梓「トイレ行こうとしたら階段の方明かりがついてたから何やってんのかなって」 憂「そ、そうなんだ」 梓「で、憂は何やってるの?キッチン使ってる見たいだけど夜食作ってるの?」 憂「う、うんそうなんだ。ちょっとお腹すいちゃって」 梓「へぇ何作ってるの?」 憂「・・・野菜炒めだよ」 梓「ふーん、いいなぁ。ご飯の話してたらお腹すいてきちゃった」 憂「え?・・・あ、梓ちゃんも食べたいの?」 梓「うん、駄目かな?」 憂「駄目じゃないけど・・・」 梓「そっか良かった。じゃあ私も作るの手伝うよ」 憂「え?」 梓「憂一人に作らせるのも悪いし手伝うよ(ちゃちゃっと作って先に憂を寝かせてからパンツを楽しもう)」 憂「いいよ、そんな。梓ちゃんは待ってて。ね?」 梓「遠慮しないでよ。野菜炒めくらい私にもできるし」 そう言って梓はキッチンに向かった 憂「ちょっ待って梓ちゃん!待ってってば!」 梓「・・・え?」 憂「あ・・・」 梓「なんで純の穿いてたパンツがまな板の上にあるの?」 憂「・・・」 憂「え、えーと。あの、これはね」 梓「こっちの鍋には何が入ってるんだろ」パカッ 憂「あっ駄目っ!」 梓「っ!!私のパンツ!それに私と純のブラと靴下まで入ってる」 憂「・・・」 梓「それにここにある毛はお風呂場で集めたであろう髪の毛と陰毛」 憂「」 梓「憂は何を作ろうとしてるの?」 憂「うぅっご、ごめっごめん、なさい」ポロポロ 梓(憂の涙美味しそうだなぁ) 梓「怒ってないから泣かないでよ」 憂「うぅ、だってこんなこと」ポロポロ 梓「大丈夫大丈夫。気にしてないから」 憂「ほんと?」ウルウル 梓「うん。ちょっとびっくりしただけ(可愛い泣き顔だなぁ)」 憂「そ、そっか。よかったぁ」 梓「で、これは何をやってるの?怒らないから正直に話して」 憂「・・・引かない?」 梓「うん。大体予想つくし」 憂「この鍋は朝食のお味噌汁用に出汁をとってるんだ」 梓「そっちの純のパンツは?」 憂「純ちゃんのパンツとこの毛は野菜炒めの具だよ」 梓「やっぱりね。さて作ろっか。このパンツは細かく刻めばいいんだよね?」 憂「え?」 梓「え?まさかそのまま炒めるつもりなの?」 憂「そうじゃなくて、だってパンツだよ?いいの?」 梓「え?あぁせっかくの純のパンツなのに匂い嗅いでなかったね」クンカクンカ 憂「いや、そうじゃなくて・・・あっまさか梓ちゃんが起きてきたのって」 梓「そうだよ。このパンツを探しに来たんだ。はぁ良い匂い」クンカクンカ 憂「梓ちゃんも同類だったんだ」 梓「鬼ごっこで汗かかせただけあってかなりの刺激臭だね」 憂「あぁだから急に鬼ごっこしようなんて言いだしたんだ」 梓「パンツを嗅ぐ時は運動させて匂いを付けてから。常識でしょ?」 憂「うん。けど良い方法が浮かばなくって。まさか鬼ごっこでくるとは思わなかったよ」 梓「ふぅ、堪能した。次は味見だね。けどなんで食べるのが純のパンツだけなの?」 憂「純ちゃんなら無くしても違和感ないかなって思ってね」 憂「さっき同じパンツ通販で見つけたから買ったんだ。洗濯物に混ざってたってことにして渡すために」 梓「さすが憂。知能犯だね」 憂「梓ちゃんはしっかりしてるから気付くかもと思って出汁を取ってから乾かして元に戻しておくつもりだったんだ」 梓「そうだったんだ」 調理中 梓「ねぇ憂の穿いてたパンツもらっていい?」 憂「う、うん、いいよ。そのかわりこのこと誰にも言わないでね」 梓「うん。まぁ私も同類だから言えないけどね」 憂「じゃあ取ってくるね。料理のほうお願い」スタタッ 梓「・・・くふふ。憂純のパンツはその場で嗅ぐだけで済ませるつもりだったんだけど」 梓「まさか憂のをテイクアウトパンツできるなんて」 梓「今日は良い日だなぁ」 憂「パンツ入り野菜炒め完成~」 梓「いぇー」 憂「あ、そうそう。明日のお味噌汁は梓ちゃんのだけ別で作ったほうがいいよね?」 梓「なんで?一緒でいいよ」 憂「え?だって梓ちゃんのパンツとブラと靴下が入ってるんだよ?」 梓「でも純のブラと靴下があるしそこは我慢するよ。3人の入ったお風呂のお湯だって飲めたし」 憂「分かった。じゃあ一緒に作るよ。っていうか梓ちゃんもお風呂のお湯飲んだんだ」 梓「当たり前でしょ」 憂「実はパンツで出しを取ったお湯もお風呂のお湯使ってるんだ」 梓「朝食が楽しみだねっ!」 憂「さて私の部屋行こっか」 梓「なんで?」 憂「ん?なんでってパンツ炒め食べるからだよ?」 梓「いや、憂の部屋純いるじゃん」 憂「うん?だから純ちゃんの寝顔見ながら食べるんでしょ?」 梓「!?さすが優等生だね。その考えは私には出てこなかったよ」 憂「純ちゃんの鞄からパンツを出した時も寝顔を見ながら嗅いだんだ~」 憂「純ちゃんは美処女で寝顔はこんなに可愛いのにパンツはこんなに臭うんだーって思いながらね」 憂「可愛い顔とパンツの匂いのギャップがたまらないよね」 梓「それ純のパンツじゃ出来なかったからあとで憂の目の前で憂のパンツ嗅がせてね」 2
https://w.atwiki.jp/83452/pages/1941.html
~朝~ 唯「すーすー……」 ガチャ 憂「お姉ちゃんまだ寝てるの?もう起きないと、さすがに遅刻だよ」 唯「んんっ……あ、憂……」 びちゃ…… 唯「あ……またやっちゃったんだ……」 憂「お姉ちゃんどうしたの?」 唯「憂ごめん……また……」 憂「またって?」 唯「またおねしょしちゃった……」 憂「え~っ!?またなの?」 唯「うん、ごめんね……」 憂「はぁ……もう、私が片付けておくから……」 唯「ごめん……ごめんね憂……」 唯「はぁ……二日もおねしょしちゃうなんて」 唯「憂も呆れてたなぁ……」 唯「でも、気持ちいいんだもん……」 唯「えっと、替えの下着は……」 唯「そういえば、おむつがあったっけ……」 唯「……」 唯「一回だけ、一回だけ……」 唯「そしたら、もうこんなことやめるから……」 唯「一回だけならいいよね……」 ~通学路~ 唯「しちゃった…私おむつで学校行ってる……」 唯「こんなのばれたら、なんて思われちゃうんだろう」 唯「あっ……」 唯「おしっこが……出ちゃいそう」 唯「でも、我慢しないとね。我慢したほうが気持ちよくなれるもん」 唯「あぁ、私みんないる所でしちゃうのかなぁ……」 唯「どうなっちゃうのかな、私……」 ~授業中~ 唯「ああ、もう我慢できない……」 唯「やっちゃう……私教室で……みんながいる所で……」 唯「おむつして、お漏らししちゃう……」 唯「あぁ……でる、でちゃうよぉ……」 ちょろろろ…… 唯「はぁ……んぁ……ぁ」 しょおおおおおおお…… 唯「ひゃぁ……なにこれ、すっごいきもひいい……」 律「ん、唯どうしたんだ?調子悪いのか?」 唯「んぁ……りっひゃん…らいじょうぶだよぉ……」 唯(りっちゃんが見てる……お漏らししてる私を見てるよぉ……) 律「そ、そうか?なんか大丈夫そうに見えないけど……」 しょろろろ…… 唯「これ気持ちよすぎるよぉ……一回だけなんて無理」 唯「こんなの覚えちゃったら、忘れるなんて……」 ちょろ…… 唯「あ……もう終わっちゃったぁ」 唯「もう、癖になっちゃった……」 唯「教室で……みんないる所で……おむつしてお漏らし……」 唯「さいこぉ……」 ~数日後、軽音部~ 律「でさー……」 澪「へー……」 唯(あれから、すっかり癖になっちゃったぁ) 唯(今もみんなの前で、おしっこ我慢して……) 唯(私ってもう完全に変態だよね……) 唯「あ、出る……はぁん……」 しょろろろろろろろ…… 唯「あはぁ……やっぱきもひいぃ……しゃいこぉ……」 唯「お漏らしいいよぉ……見てぇ……おしっこしてる所みてぇ……」 ちょろろ…… 唯「あ、もう終わっちゃう……まだ物足りないのに……」 律「――い!おい、唯!」 唯「ふぇ……?」 律「どうしたんだよ。ボーっとして?」 唯「ごめん……何?」 律「いや、今日はもう帰ろうって」 唯「そっか……先に行ってて。私トイレ行ってくるから」 律「それくらいなら待ってるけど?」 唯「いいよ、先に帰ってても」 律「そっか?じゃーなー」 唯「うん、じゃあね」 唯「……」 唯(物足りないの、早く……もっと気持ちよくなりたい……) ~女子トイレ~ 唯「はぁ……はぁ……」 唯「あそこぐちゃぐちゃ……」 唯「おしっこだけじゃなくて……私のえっちなお汁もいっぱい……」 唯「みんなの前でお漏らしして、こんなになっちゃうなんて……」 唯「私って、こんなにいやらしかったんだぁ……」 くちゅくちゅ 唯「はぁん……あぁ、あぁ、気持ちいい……」 唯「ひゃう……ん……ぁあ……んはぁ!」 唯「あぁ、だめぇ……もうイく……すぐイっちゃう……」 唯「あぁ…ぁぁ……ひゃぁあぁぁああああぁあぁぁあん!!」 プシャアアアアアアアア…… 唯「あぁ……きもひい……」 唯「あはぁ……またおもらひ……しひゃったぁ……」 梓「唯先輩、何やってるんですか?」 唯「あれぇ……あずにゃん……?」 唯「どうしてぇ……?帰ったんじゃ……」 梓「あの後私もトイレに行ったんです」 梓「そしたら、隣から唯先輩のだらしない喘ぎ声が、聞こえてくるんですから」 梓「なんですかそれ?おむつしてるわ、お漏らししてるわで……」 梓「変態すぎませんか唯先輩?」 唯「やぁ……言わないでぇ、見ないであずにゃん……」 梓「あんな大声で、喘いでたのは唯先輩ですよ?」 梓「それなのに今更、見ないでとか本気で思ってるんですか?」 梓「どうせ、こんな変態な唯先輩のことです」 梓「おむつしてみんなの前でおしっこして、気持ちよくなってたのでしょう?」 唯「違う…そんなこと……」 梓「違うって言うんですか?じゃあ、なんでここでオナニーしてたんですか?」 唯「あう……うぅ……」 梓「ほら、認めたらどうです?」 梓「私は学校でお漏らしして、オナニーしちゃう変態ですって」 唯「そんなこと……絶対認めないもん」 梓「ふうん……まあいいです」 梓「唯先輩の変態チックなオナニーは、バッチリ記録させてもらいましたから」 唯「えっ……!?」 梓「よっぽどオナニーに夢中だったんですねぇ」 梓「私が、撮ってる間も全く気付かないんですから」 唯「あ……あぁ……」 梓「さて、これをみんなに見せたらどう思うでしょうね」 梓「学校でこんなことするなんて、みんな軽蔑するじゃないでしょうか」 唯「やめて……あずにゃんお願い……」 唯「あずにゃん……何でもするから……お願い」 梓「本当ですか?嘘だったら、これ学校中にばらまきますよ?」 唯「本当だよう……だからお願い……」 梓「ふふふ……じゃあ、これから唯先輩は私のものですね……」 梓「唯先輩は私のものなんですから、私が好きなようにしますね」 唯「えっ…?」 梓「例えばこんなふうに」 ぐちゃぐちゃぐちゃ 唯「あっあ!だめっ、はげし、あぁぁああぁあぁぁあ!!」 梓「唯先輩のここ、愛液とおしっことでぐちゃぐちゃですね」 梓「本当にいやらしい先輩です」 唯「ひゃぅ、だめぇ……すぐイっちゃうよぅ……」 梓「おっと」 ぴた 唯「はへぇ……?」 梓「何勝手にイこうといてるんですか?」 唯「そ、そんなぁ……」 梓「唯先輩なんてここで、十分ですよ」 ずぶぶ! 唯「いっ、だ……ひぎぃ……いだいよぉ、あずにゃん……」 唯「そこ…おしっこの穴だよぅ……やめてぇ……」 梓「そんなこと言うわりには、あっさり指が入りましたよ?」 梓「普段からいじってたりするんじゃないですか?」 唯「そんなことしてないよう……」 梓「へぇ、じゃあ元々こうだったんですか?変態な唯先輩にはお似合いですけどね」 ぐりぐり 唯「あぎっ!?だめぇ……指動かさないで…えぇ」 梓「もしかして感じてるんじゃないですか?おまんこから愛液がだらだら垂れてますよ」 梓「中もぶるぶる震えて……もっとして欲しいんじゃないですか?」 ぐりゅぐりゅ! 唯「はぎっ……ああぁああぁああっっ!!」 梓「ほらほら、イっちゃうんじゃないですか?」 梓「クリがこんなに勃起してますよ?これ虐めたらどうなっちゃうんでしょう?」 唯「あぁ……だめ、今そんなことされたら……」 梓「ふふふ、おもいっきり抓ってあげます」 ぎゅううう! 唯「あぁあぁぁあぁ!!イぐうぅうぅぅううぅぅうぅう!!」 ぷしゃあああああ…… 唯「ぁ……ぁぅ……」 梓「またお漏らしですか?唯先輩もしかして、お漏らしするの癖になってるんですか?」 唯「だってぇ……きもちいい……もん」 梓「唯先輩ので、指が汚れてしまったじゃないですか」 梓「唯先輩のせいなんですから、舐めて綺麗にしてください」 唯「ふぁい……」 唯「ぺろぺろ……ぴちゃぴちゃ……」 梓「ふふふ、無様ですねぇ……お似合いですよ唯先輩」 唯「ぺちゃ……ぴちゃ……あっ」 梓「今日はこのくらいにしておきましょうか」 梓「時間も随分経ってしまいましたからね」 梓「また、明日もたくさんしてあげますね」 唯「うん……」 梓「それじゃ、唯先輩また明日」 唯「またねあずにゃん……」 ~次の日、朝~ 唯「大変なことになっちゃったなぁ」 唯「今日はあずにゃんに、どんなことされちゃうんだろう……」 唯「……」 唯「って、何考えちゃってるんだろ!早く行く準備しないと~」 ブブブブ 唯「あれ、メール……あずにゃんからだ」 梓『唯先輩、今日もおむつ着けて登校するつもりですか?もしそうならやめてください』 唯「う……でもこれを機にやめようかな……」 唯「あ、まだ続きがある……」 梓『あと、私の許可なしでおトイレすることを禁じます。唯先輩我慢するのが好きそうですし嬉しいですよね』 唯「そ、そんなぁ……」 唯「もし、我慢できなくなってお漏らししちゃったら……」 唯「だ、大丈夫だよね。さあ、学校~っと」 ~学校、昼休み~ 律「でさー……」 紬「まあ……」 唯「うう~~……」 律「唯どうした~?さっきからそわそわしてるぞ?」 唯「な、なんでもないよ!」 律「そっか?ならいいけどさ」 唯「あずにゃんまだ許可くれない……今日まだ一回もおしっこに行ってないよう……」 唯「メールしてみよう……」 唯『いつになったら許可してくれるの?』 唯「早くぅ……返事早く来てぇ……」 梓『もう限界なんですか?しかたないですね。屋上に来てください』 唯「どうして屋上に……?」 唯「もうなんでもいいや……早くおしっこしたい……」 3
https://w.atwiki.jp/83452/pages/8229.html
【第三話:都忘れ】 紬「あら?梓ちゃん?」 梓「あ……この前の!」 まさかこんな所でむったんの恩人に会えるとは思っとみなかった。 梓「何してるんですか?」 紬「私に仕事を依頼した人と待ち合わせしてるの~」 奇遇だ。 梓「私も待ち合わせしているんです!」 紬「もしかして男の人と……」 梓「ち、違います!」 私が待ち合わせしてる人は憂だ。 この前の事がきっかけで私達はお互い良い友人となった。 紬「男の人じゃないのね!よかったわぁ~」 何がよかったのかよく分からないが……ここは触れないようにしておこう。 憂「あ!梓ちゃん……と紬さん?」 梓「あ、憂!」 紬「憂ちゃん!」 私達はお互いに目を合わせた。 憂「あれ?何で紬さんが……」 紬「待ち合わせしてたから~」 憂「あ、あれ?明日じゃ……」 紬「明日は雨の予感がするから今日貴女の探し物を探したいの!」 唯「ワン!」 今日探し物をするって……憂が来なかったらどうしてたんだろこの人。 梓「と言うか紬さんも憂と待ち合わせしてたんですね」 紬「そうよ~あ、団子三つ下さいな」 純「は~い」 梓「唯、こんにちは」 唯「ワン!」 紬「で憂ちゃん探し物の件なんだけど……」 憂は何かを無くしたらしい。 何を無くしたんだろう。 ん?よく見れば唯の首に巻き付けられていた都忘れの花柄の布が無い。 唯「ワン!」 梓「唯、首に巻いてた布はどうしたの?」 紬「それを今から探すのよ~」 梓「あぁ、そうなんだ」 紬さんに頼む程あの布は大事な物らしい。 私はただ可愛いと言う理由で唯に付けていただけだと思っていた。 憂「紬さんお願いしますね!」 紬「えぇ!任せて!」 紬「それじゃあ探しましょ?」 憂「え?でも梓ちゃんと遊ぶ約束が……」 梓「ううん、大丈夫だよ。それに私も一緒に探すから」 憂「本当!?」 唯「ワン!」 紬「随分と友達思いなのね~ただの売れない絵師だと思っていたわぁ!」 またこの人はそんな事を言う。 凄く意地悪奴め! 紬「憂ちゃん何処で無くしたか分かる?」 憂「分かりません……」 紬「分からないのね」 私の猫を簡単に探して見せた紬さんでも今回ばかりはそうも行かないらしい。 長く考えた末、言った一言が……。 紬「神社で神様に見付かるようにお願いしましょ!」 唯「ワン!」 神社へと神頼みをしに来た紬さんと憂はすぐに賽銭箱に金を入れ手を合わせ祈った。 お金なんて持ち合わせていない私は祈るだけだったけど……。 憂はこの神社で和さんと言う人と二人で住んでいる。 社から少し離れた所にある寺子屋。 ここで憂は子供達に字の読み書きを教えていると言う事をこの前聞いた。 紬「あら?梓ちゃんは賽銭箱にお金を入れないの?」 梓「うっ……!」 紬「お金を納めず神様に頼み事をするなんて浅はかね~」 梓「うぅっ!」 紬「物事には必ず犠牲が付き物なのよ?私達はお金と言う犠牲を払って憂ちゃんの探し物を探そうとしているのに梓ちゃんと来たら……やれやれだわぁ~」 何と言う性格の悪さ。 黙っていれば美人なのに……あぁ、勿体ない。 梓「お金を入れればいいんでしょ!もう!」 チャリン……はぁ今日の晩飯はまた沢庵だけか……米が食べたい。 和「あら?賽銭ありがとうございます」 憂「あぁ!和さん!」 唯「ワン!」 紬「この人はどなた?」 憂「ここの神社の神主さんの和さんです」 紬「それはそれは、こんにちはぁ~」 和「こんにちは」 梓「…………はぁ」 和「梓ちゃんどうしたの?ため息なんてついて」 梓「うぅ……何でも無いです」 紬「梓ちゃんそんな顔しないの神様が見てるわよ」 こっちは無い金を賽銭箱に入れたのによく言うよ。 憂「あの……見付かりました?」 和「いいえ。社の中には無いわね」 憂「そうですか……」 紬「あ、そう言えばどうして無くなったのかまだ聞いて無かったわね。憂ちゃん話してみて?」 憂「はい……お姉ちゃんと散歩をして神社に帰ってお姉ちゃんの首を見たら無くなってました」 梓「じゃあ散歩していた道を探れば!」 紬「風で飛ばされて無いんじゃない?」 和「そうよね……」 梓「私の猫を探した時みたくすぐに見つけられないんですか?」 紬「無理だわ」 梓「そうですか……」 紬「街を網羅してる私でも行動が分からない物を探すのはとっても苦労するの~」 梓「え?物は行動したないですよ」 紬「風で飛ばされたり人が持ち帰ったりで行動するでしょう?」 梓「あぁ、そっか」 憂「……やっぱり無理なんですか?」 紬「いいえ!物事は何でもやってみないと分からないわ。必ず憂ちゃんの探し物を見付けるから安心して」 憂「……はい」 紬さんは私には言いたい事をずけずけと言うのに憂が相手だと随分優しい。 紬「じゃあ神社の周辺を探しましょう?」 憂「そうですね!」 梓「あ……唯の鼻を頼りに探して見たらどうですか?」 紬「それが出来たのならもうやってるわ。今朝、雨が降ったのよ?匂いは消えてるわ」 梓「そっか……」 唯「ワン!ワン!」 梓「はぁ~無いですね」 紬「そうね~日が落ちそうだし明後日にする?」 憂「はい……」 何だか元気が無い。 彼女の沈んでる顔を見るとこっちまで気分が沈みそうだ。 梓「憂……必ず見付かるから元気だして……ね?」 憂「うん……うん……」 憂「…………うぅっ」 梓「ど、どうしたの?」 憂「ぐすっ……お姉ちゃんの……大事な物なのに……無くしちゃった……ううっ」 憂は泣いていた。 本当に大事な物を無くした時……人はこうなるだろう。 憂はただ泣いて唯にひたすら謝っている。 ごめんね……ごめんね……と。 唯「クゥーン……」 紬「明日も探すわ……」 憂「……え?」 紬「明日も探す」 憂「ほ、本当ですか?ぐすっ」 紬「えぇ」 彼女とは短い付き合いだが分かった事が二つある。 一つは自分の言った事は絶対に曲げない事。 二つは人が涙く姿を見れば自分の言った事を曲げる事。 彼女が憂に甘い理由が何となく分かったよ。 梓「じゃあ私は帰るから。明日絶対見付けようね!」 憂「うん……梓ちゃんありがとう」 紬「私も今日は帰るわ」 憂「紬さんもありがとうございます」 紬「いいのよ」 梓「じゃあ憂さようなら」 憂「うん!さようなら」 私達は別れた。 この後、憂を神社まで送っていれば……あんな事にはならなかったのに。 この日の事を私は強く悔やんでいる。 第三話 おわり 4
https://w.atwiki.jp/legends/pages/456.html
とある組織の構成員の憂鬱 28より 少女「秋祭り・・・か」 秋祭りの会場では多数の業者と黒服が忙しそうに歩き回っている 友人「んー?あぁ、もうそんな時期か・・・」 少女「どうしたの?何時もなら大はしゃぎしてるのに」 友人「何か、こう、嫌な感じがするんだよ・・・」 少女「多分、当たりね・・・・・・秋祭りの日に大規模な決戦があるらしいから・・・」 友人「決戦?」 少女「『夢の国』と『この町の都市伝説関係者のほぼ全て』の決戦、かな?」 この前久々に黒服から連絡があった 内容を要約すると秋祭りの間は学校町から離れておけという物 しかし、何かが引っ掛かる 友人「それってヤバくない?」 少女「ヤバい・・・わね、瞬間移動と不死身の軍団を併せ持つ化け物相手って事だから・・・・・・」 だとしてもこの町を離れろと言うのは言い過ぎではないだろうか? あの黒服は確かに子供が傷付くのを嫌うがそれなら「祭に近づくな」で済む筈だ なのに、「町を離れろ」と言う事は・・・・・・この町全体が危険と言う事か 町全体を巻き込みかねない何かがある 友人「行き成り黙り込んで、どうした?」 少女「今のうちに、この町を離れた方が良いかもしれないわよ」 友人「へ?」 少女「町全体が巻き込まれる可能性があるわ」 友人「ふぅん・・・アンタは?」 少女「本当は逃げ出したいけど・・・・・・心配なのが一人いるから残るわ、私に何が出来るとも思わないけど」 そう、私に逃げる様に言った癖にあの人は多分逃げないだろう それどころか、最前線に居そうな気がする 少女「本当に、バカ」 もう少し自分に関心を持てと言いたくなる 自分のことを大事にしなさ過ぎだ 友人「あ、アレ!」 少女「へ?」 友人が指差した先には黒服と・・・チャラ男 また、追い詰められて何か言われてる・・・ チャラ男「ベッドに縛り付けてでも寝かせるからな」 友人「束縛プレイ!?男同士で!?でも、それもまたプツン プツン?」 少女「抜け駆けするなと言ったのは何処のドイツだ!?」 両手に限界まで小銭を握る もう、キレた!! この周りにいる連中皆使って袋にしちゃる!! 少女「勝って嬉しいはないち「ちょい待て」フガッ!?」 友人「まぁ、もう少し様子を見ようよ、流石に騒ぎ起こしちゃマズい、黒服さんにも迷惑かかるでしょ?」 少女「うっ・・・」 確かに正論だ・・・黒服に迷惑をかけるわけには行かない 黒服D「今夜は、流石に少し休みます…当日に、備えなければなりませんから」 チャラ男「そうか?…俺が見ている前で休めよ。ちゃんと見張ってるからな」 オゥイ!! 友人「だから落ち着けって」 少女「でも!でも!!」 友人「今ここで問題起こしてみ?あの人以外の黒服に見つかったらアンタヤバいでしょ?」 少女「うッ・・・・・・」 確かに、基本的に私と組織は敵対してる あの黒服以外は敵だし、流石に何の準備も無しに戦える相手じゃない 少女「わかった、早く離れましょう・・・ここに居たらアイツに攻撃しかねないわ」 黒服「…とにかく。今の作業が終わりましたら、少し休みます……場所を、提供してくださるのですか?」 チャラ男「ん、あぁ。「首塚」の拠点が一箇所、傍に在るから、そこに連れて行ってやるよ」 ちょっ 少女「やっぱりダメ!!勝って嬉しい「落ち着け」フグッ!?」 友人「まぁ、その何・・・・・・恋愛は個人の自由だし良いんじゃない?馬に蹴られて死にたくないでしょ?」 少女「流石に同姓はダメでしょ!?」 友人「いや、私は良いと思うよ?」 少女「アンタはね!」 そうこうしてる内に黒服Dは会場の奥の方へ向っていき、チャラ男もそれについて行く 少女「あー!HA☆NA☆SE!!」 友人「ダメだってば、ほら、日も暮れてきたし帰るよ~」 体格的に負けてる私は、友人に担がれそのまま家に連行されました その夜、黒服に電話しようとしたものの、恐くて出来なかったのは秘密です 前ページ次ページ連載 - はないちもんめ
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/871.html
しとしと……しとしと…… 「雨だねぇ……」 「そだね~」 しとしと……しとしと…… 「止まないねぇ……」 「そだね~」 しとしと……しとしと……ゴロゴロ 「今の……雷かなぁ……」 「かもね~」 しとしと……しとしと……ピカッ……ゴロゴロ 「光ったねぇ……でもまだ遠いね……」 「そだね~。……ん?そういや梓って雷怖がらなくなったよね」 しとしと……しとしと……ゴロゴロ 「今でも少し怖いよ。でもね……こうやって唯をギュッってしていれば怖くなくなるの」 「えぇ~。でも二人暮らしを始めた頃はそれでもダメだった気がするんだけど……」 しとしと……しとしと……ピカピカッ……ゴロゴロゴロゴロ 「うん、始めの頃はね……。でもね、あの時唯が言ってくれたから、安心出来たんだよ」 「私が言った……?何か言ったっけ?」 さーさー……さーさー……ゴロゴロゴロゴロ 「雨強くなってきたね……。言ったじゃない……私の……」 「あ、そうか~。そういやそれからだよね~」 そう……あの時……唯が言ってくれたから……。 「きっかけ」 ―それは、私と唯が『二人暮らし』を始めてからそれ程経っていない春の日。 ―今日みたいに静かな雨が降り続いていた午後の事。 「雨だねぇ~あずにゃん」 「そうですね~。……折角のオフなのに、これじゃ何も出来ませんね……」 ―私達は床にペタンと座り、降り続いている雨をボーッと見ていた。 「う~ん……無いこともないけど……」 「……どんな事ですか?まさか一日中ゴロゴロしているとか?」 「さすがにそれはねぇ~。……やってみたいけどさぁ」 「じゃぁ、何を?」 ♪ さーさー……さーさー……ピカッ……ゴロゴロ 「それで、ピザを作る事にしたんだよね」 「大変だったよねぇ~」 ♪ 「よいしょっと……ふぅ、これで発酵させてっと」 「唯先輩……いつの間にこんな事出来るようになったんですか!?」 「ふっふーん。一人暮らしをナメちゃぁ困りますぜ、ダンナ」 「……誰の真似ですか……」 ―そう、今の私が見ても多分驚いたと思う。それくらい唯の手際はとても良かった。 「前に憂からパンの焼き方を教わってね、それから何度かパンは焼いているんだよ~。あずにゃんも何回か食べたでしょ?」 「えぇ……あれっててっきり憂が焼いたのだと思ってました。唯先輩が焼いていたんですね……すみません、見くびってました」 「そんなぁ~、あずにゃん酷いよ~。……もぉ、愛情タップリと込めたパンだからわかってくれていると思ってたのに……」 ♪ さーさー……さーさー……ゴロゴロ 「でも実際は憂が焼いていたんだよねー」 「もういいじゃん……そんなこと……。最後の方は本当に焼いていたんだし……。梓だって気付いてたじゃん」 ♪ 「ふーん……だからこの間から味が少し違っていたんですね」 「えぇっ!?わかってたの?」 「はい。何て言うか……『私好み』になってました」 「ホントに!?」 ―唯はあの時びっくりしていたけど……私からしたら全く違う味に変わっていた。 ―でも、その味は、とても甘くて……優しくて……一口かじるだけで幸せになれる……そんな味だった。 「『あずにゃん好み』かぁ……えへへ……嬉しいな」 「やっぱり……あ、『愛情』が篭っているから……ですか?」 「そうかもね~。……お、そろそろ発酵が終わったかなぁ~」 ♪ さーさー……さーさー……ゴロゴロゴロゴロ 「お互いに色んな具材を乗せてって……楽しかったねー」 「冷蔵庫に残っていた物を片っ端から乗せたよね~」 ♪ 「トマトソース塗りま~す」 「じゃぁ、具材を乗っけようか~。ん~と、先ずはベーコン!」 「それじゃぁ、私は玉葱!」 「お次はピーマン!」 「唯先輩、ピーマン大丈夫でしたっけ?……じゃぁ、プチトマトをここに」 「おぉ!そこに置きますか。……焼いたピーマンなら大丈夫だよ~、よくピザトーストに乗っけてたし。……う~ん、ジャガ芋乗せちゃえ!」 「そうだったんですか。……そろそろチーズ乗せますか?」 「そうだね~。んじゃチーズを……チェダーとゴーダのWチーズにしちゃおう!」 「……乗せすぎじゃありませんか?」 ―調子に乗った私達が初めて作ったピザは、具材テンコ盛りになっていた。 「大丈夫だよ~。玉葱は柔らかくなってカサが減るし、チーズも良い具合に溶けてくれるからね~」 ♪ さーさー……さーさー……ピカッ……ゴロゴロゴロゴロ 「二枚目は更に凄いことになってたよねー」 「あれはちょっと調子に乗りすぎちゃったね~」 ♪ 「はぁ~、幸せです~」 「そだね~。……さて、二枚目いこうか!」 「いいですよ~。じゃぁ、何を乗せましょうか……」 「うーんと、残ってるのは……」 「エリンギ、オクラ、椎茸、筍、レタス、キュウリ、長ネギ……後は冷凍の唐揚げくらいですね~」 「缶詰は……アンチョビとシーチキン……お!スパムがあった!!」 「あ、じゃぁ和風ピザにしますか?海苔もありますし」 「そうだねー。じゃぁ……まずどうしようか?」 「ちょっと調べてみましょうか……。えっと、マヨネーズと醤油を混ぜて、それをソースにするみたいですね。……具材の下ごしらえも必要みたいですよ」 「じゃぁ、あずにゃんレシピ読んでもらえる?私が作るから」 「あ、はい。それじゃぁまず最初に……」 ―今でも二人で料理するのは楽しい。でも……それを最初に知ったのはこの時だったな。 「よっし!下ごしらえ終了!!じゃぁ……何から乗せる?」 「最初は……エリンギと椎茸ですかねぇ」 「オッケー。お次は?」 「スパムかシーチキンか唐揚げが妥当だと思うんですけど」 「そっか~、だったら……スパムにしようか?美味しそうだし。……こんな感じにっと」 「じゃぁ、オクラ乗っけますね~」 「最後にチーズを乗せて、白髪ネギと海苔を……よし!完成!!オーブン入りまーす!!」 「入りまーす!!」 ♪ さーさー……さーさー……ピカッ……ゴロゴロ 「あれ、ちょっとしょっぱかったよね」 「スパムを厚切りにしたのが敗因だったね」 さーさー……さーさー……ゴロゴロ 「でも、あの時のピザ、美味しかったなぁ~」 「どうする?今日久しぶりに作る?」 さーさー……さーさー……ゴロゴロゴロゴロ 「そうだね……雷が何処かに行ったら作ろうか?」 「ふふっ……そうだね」 ♪ 「ふぅ……麦茶が美味しい……」 「本当です……」 ―ちょっとだけ失敗してしまった二枚目のピザ。でも、食べ終わるまでそんな事は全く気にならなかった。 ―だって、『二人で作った』っていう事が、最高の隠し味になっていたから。 「夢中になって食べちゃったね」 「……麦茶飲んだら、お腹の中で膨れてきました~。……もう食べられません」 「食べたくても、食材が殆どありませ~ん」 「……そうでしたね……ふふっ」 ―食後、食器も片さずにノンビリとくつろいでいたら、雨足が強まってきた事に気付いた。 「ありゃ~、雨かなり激しくなってきたよ~」 「唯先輩……もしかして、雷鳴ってませんか?」 「ん……、あぁ、鳴ってるねぇ~。……お!遠くの方で光った!!」 「……まだ……遠いんです……よね……」 「うん……。あずにゃん、取り敢えず食器洗っちゃおうか?」 「はい……そうです……ね……」 ―私達が食器を洗い、片付けている間にも雷は徐々に私達のマンションに近付いてきていた。 ー私は雷が鳴る度に怯え、怖がっていたので唯がソファーに優しく座らせてくれた。 「あずにゃん……雷ダメなんだっけ?」 「はい……遠くで鳴ったり光ったり……している分には……大丈夫なんですけど……」 ♪ ざーざー……ざーざー……ピカッ……ゴロゴロゴロゴロ 「あの時の唯、かっこよかったなぁ~」 「えぇ~!?今はぁ~?」 ざーざー……ざーざー……ピカカッ ……ゴロゴロゴロゴロ 「キャッ!……い、今も、かっこいいよ……」 「よしよし……ちゃんとギュッてしててあげるからね……」 ♪ 「キャッ!!」 「おぉ~、今のはかなり近かったねぇ~」 ―雨足は時間を追う毎に強くなり、それに足並みを揃えるかのように稲光と雷鳴も強く、激しくなってきていた。 「唯先輩は……ヒィッ……か、雷、怖くないんですキャッ!!」 「うーん……流石に近くに落ちたらびっくりするけど……。でも、家の中に居れば平気でしょ?」 「それは……そうなんですけどぉっ!!」 ―雷が落ちる度に耳を塞ぎ身体を縮こませる私に、唯が不思議そうな声で聞いてきた。 「……なにが怖いの?音?光?」 「……両方です……ヒッ……それと、停電……」 「停電?」 ―私は、雷に怯えながら、忘れることの出来ない『ある事』を話しはじめた。 「……小学生の頃……多分二年生くらいです……私は一人で留守番をしてました……」 ◆ その頃は、まだ今の家を建てていなくて、ここみたいなマンションに住んでいたんです 「それじゃ、お留守番お願いね」 「夕方には帰るからな」 まだ子供だった私は、留守番=自分勝手の時間だったので、留守番をすることがとても楽しみでした。 「雨が降ってきたら、窓とかちゃんと閉めてね」 「雷が鳴ったら、ちゃんとおへそを隠すんだぞ」 「パパ~、カミナリさまなんていないんだよ~。私ちゃんと知ってるも~ん」 「はははっ、そうか、スマンスマン。じゃ、行ってくるよ」 「いってらっしゃ~い!」 両親が出かけて鍵をかけると、後は好き勝手に遊びまくってました。 お父さんの椅子に座ったり、ロクに弾けないギターをいじってみたり……そのうちに遊び疲れて眠ってしまい、気付いたら回りが真っ暗で雨音だけが聞こえていたんです。 「あ……でんきつけないと……」 怖さを紛らわすために、家の中の電気を全てつけて廻りました。 「よーっし。これでだいじょうぶ……まどもしめたし、オッケー」 その後も、親が帰ってくるまで塗り絵をしたり、ぬいぐるみで遊んだりして時間を潰していました。 そのうちに、雷が鳴り出したんです。 「カミナリなってきちゃったよ……早くかえってこないかなぁ~」 そんな事を呟いた瞬間、部屋の中が真っ白になり大きな音が鳴り響いて、辺りが一瞬にして真っ暗になりました。 ◆ 「停電、しちゃったんだ……」 「はい……私はパニックに陥って……親が帰ってくるまで……部屋の隅っこで……泣きじゃくってました……」 ―私がそこまで話すと、唯は優しく頭を撫でながらこう言ってくれた。 「そっか……そんな辛い事があったんだね……でも大丈夫だよ、今は私が居るからね」 「唯先輩……」 ―私が顔を上げ、唯の顔を見つめたその瞬間、目も眩むような光と耳をつんざく程の轟音、そして身体に響き渡る振動が起こり、部屋中の明かりが全て消え去った。 「ぃ、いやぁぁぁぁぁー!!!」 「あずにゃん!!どうしたの!?」 「嫌だよぉぉぉー!!暗いのいやぁぁぁー!!」 「あずにゃん!!あずにゃん!!!」 「怖いよぉぉぉぉー!!何で誰もいないのぉぉぉぉぉー!!!!」 「あずにゃん!!私が居るよ!!!あずにゃん!!!!」 ―パニックに陥った私は、子供に戻ったかのように泣きわめいていた。あれって多分『フラッシュバック』みたいなものだったんだろうな……。 「早く帰ってきてよぉ……グズッ……誰も居ないのは嫌だよぉ……」 「あずにゃん!!だから私が居るって!!あずにゃん!!!」 ―私の心は子供の頃に戻っていた。 ―暗闇の中、部屋の片隅で怯えていた子供の頃に。 「ヒクッ……ウグゥ……パパァ……ママァ……」 「あずにゃん!!あずにゃん!!!」 ―唯の必死の呼び掛けにも、全く答えなかった。それどころかその声自体、私に届いていなかった。 「パパァ!!ママァ!!!」 「あずにゃん!!!ねぇ!あずにゃん!!!……梓!!!!」 ―私の心が壊れそうになったその時、暖かくて柔らかい物が、私の頭を包み込んだ。 「……大丈夫……落ち着いて……私はここに居るよ……」 「唯……先輩……?」 ―私の耳に届く音は雷鳴ではなくなっていた。唯が優しく語りかける声だけが聞こえていた。 「ほら……こうしていれば、怖い音は聞こえないし、真っ暗かどうかもわからないでしょ?」 「……うん」 ―それは、母が私にやってくれた事と同じだった。 「梓が怖くなくなるまで、ずっとこうしていてあげるからね……」 「……うん……」 ―外は雷が鳴り響く大雨のはずなのに、停電して真っ暗なはずなのに、唯の胸に顔を埋めていると段々と落ち着いてきて……。 「……梓、あーずさっ」 「……ん……あれ?あ……私……」 「もう雷はどこかに行っちゃったよ」 ―気が付いたら部屋の中がオレンジ色に染まっていた。どうやら唯の胸の中で眠ってしまったらしい。 「か~わいい寝顔だったよぉ~」 「も、もぉ……恥ずかしい事言わないで下さい」 「えぇ~、でも本当の事だもん……それよりも窓の外、見てみたら?」 「……うわぁ~!綺麗な夕焼け空……唯先輩!雲がピンク色ですよ!!」 「ホントだ~。……全部ピンク色だね~」 「私……こんな色の空、初めて見ました……」 「私も……。あ!そうだ写真撮ろうよ!折角だし!」 「そうですね……じゃぁ、カメラ持ってきますね。……あ、そういえば……何で唯先輩さっきから私の事を呼び捨てにしているんですか?」 「え?あぁ、さっき……梓がパニックになった時にさ、『パパ、ママ』って言ってたから、もしかしたら母親の真似をしてみたら良いのかな?って思って……それでなんだけどね」 「私、そんな事を言ってたんですか……でも、それなら元に戻しても良いんじゃないんですか?」 「ん~、まぁ、そうなんだけど……。何となくね『呼び捨て』の方がより『親密』な気がしてさ……。えっと……『距離が更に近付いた』って感じ?」 「成る程……確かにそうかもしれませんね……」 「あ、もし嫌だったら元に戻すよ」 「いえ、それで構いませんよ。……じゃぁ、私も『唯』って言っても……良いですか?」 「勿論だよ~!あ、それなら『敬語』は無しね」 「ふぇっ!?どうしてですか!?」 「えぇ~、折角なんだからさぁ~。それに『呼び捨て』で『敬語』ってなんか変じゃない?」 「……まぁ、そうかもしれませんね……じゃぁ改めて。唯、待ってて。今カメラ持って来ますから」 「ブブー。台詞に間違いがあります」 「あ……。でも、難しいで……難しいよ。いきなり『敬語』だなんて……」 「まぁ、そのうちに慣れてくると思うよ~。それよりもほら!カメラ持って来ないと!!」 「あ、い、今持って来る!!」 ―あの時の写真は今でも居間に飾ってある。だって、二人の距離が更に縮まった日の記念でもあるから。 「お待たせ~。はいどうぞ」 「よし!じゃぁ撮ろう!!じゃぁこっち来て……うーん、こんな感じかなぁ?」 「多分……ダメだったらまた撮れば良いだけですし……あ」 「えへへ……焦らない焦らない。そのうちにちゃんと出来るようになるから……よし!じゃぁ撮るよ~!はい、ポーズ!!」 ♪ ざーざー……ざーざー……ピカピカッ……ゴロゴロゴロゴロ 「ヒャッ!!」 「大丈夫大丈夫……」 ざーざー……ざーざー……ピカッ……ゴロゴロ 「て、停電とか……しない……よね……」 「その時は、私がちゃ~んとギュッってして」 ピカカッピシャーッ!!ガラガラガラ!!!ドドーン!!ドドーン!ドーン!ドーン…… 「イヤァッ!!」 「梓!!!」 ……トクン……トクン…… 「大丈夫だよ……」 ……トクン……トクン…… 「ほら……こうしていれば怖くないでしょ……」 「……うん……」 ……トクン……トクン…… 外では雷が鳴っているはずなのに、私の耳には唯の声と心臓の音しか聞こえない。 「なんか……落ち着くな……」 「……そぉ?」 「うん……唯の心臓の音を聞いているとね、何だかとても落ち着くの……。ねぇ、ずっと前に初めて『お泊り』した時の事……覚えてる?」 「勿論……そういえばあの時、梓の事を抱きしめながら寝たよね」 「怪我して怖い夢みて……凄く不安だったんだけど、唯の心臓の音を聞いてたらね、そんな不安が全部どっかに行っちゃったんだよ……」 「そっか……」 ……トクン……トクン…… 「……前みたいにまた寝ちゃうかな?」 「流石にそれは……無いと思うけど……」 ……トクン……トクン…… 「……そぉ?」 「……たぶん……ね……」 ……トクン……トクン…… 「……雨、止まないねぇ……」 「……そう……だ……ね……」 ……トクン……トクン…… 「……雨が止んだら、買い物行こうね……」 「……う……ん……わ……か……っ……」 ……トクン……トクン……トクン……トクン…… # 「……あずさ……梓」 「ん……あれ!?もしかして……」 「うん、ぐっすりだったよ~。ほら!雨もすっかり上がったし!」 「……唯、ありがとう」 「ん~?別に気にしなくていいよぉ~。……さて、ちょっと体を起こしてもらえるかな?」 「あ、うん」 私が体を起こすと、唯は窓に向かいそれを全開にした。 さわさわ……さわさわ…… 「気持ち良い風だね~」 「そうだね~」 さわさわ……さわさわ…… 「さて!それじゃぁ買い物に行こうか」 「そうだね!あの時のリベンジをしなくちゃ」 さわさわ……さわさわ…… 「足りない材料は何かな~っと。……フムフム……よし!」 「ちゃんとメモした?」 さわさわ……さわさわ…… 「うん!大丈夫だよ。それじゃぁ行こうか」 「うん!」 マンションの外に出ると、抜けるような青空が広がっていた。 「うわぁ~!気持ち良いねぇ~!」 「絶好の『買い物日和』だね!」 さわさわ……さわさわ…… 「あ!梓!!あそこ!!」 「え?あっ!!」 唯が指差すその先を見ると、大きな虹が掛かっていた。 「綺麗だね……」 「そうだね……」 さわさわ……さわさわ…… 「よっし!ピザ作り頑張っちゃうぞー!」 「おー!!」 さわさわ……さわさわ…… 「んじゃぁ……お店まで競争!!レッツゴー!!!」 「あ、ゆいー!ずるいよー!!待ってぇー!!」 さわさわ……さわさわ…… さわさわ……さわさわ…… おしまい!! ピザが食いたくなった -- (名無しさん) 2010-10-22 04 49 27 いまからピザーラ頼も -- (名無しさん) 2011-02-03 21 08 50 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/4886.html
ある日 唯「みーおちゃん!おはよう!」 澪「・・・あぁ、おはよう」 唯「んー」 澪「どうした?」 唯「澪ちゃん、その腕のむぐっ!?」 律「おっす!唯!だーれだ!?」 唯「むっむんむむー!?(りっちゃんでしょー!?)」 律「おー?聞こえないなー?」 紬「りっちゃん、離してあげて?」 律「おぉ、ムギおはよ」 紬「おはよう」ニコッ 澪「律、そろそろ離してやれって」 律「え?」 唯「」チーン 和「なんか、唯の顔色やばいわよ?」 律「おぉっと。ごめんごめん」パッ 唯「げっほげっほ・・・りっちゃんひどいよー!」 律「和、おはよ」 和「おはよ。今日は早いのね」 唯「無視!?」 紬「朝から唯ちゃんは元気ね」ニコニコ 唯「ねぇねぇ、澪ちゃん」 澪「ん?」 唯「その腕・・・どうしたの?怪我?」 澪「・・・」 律「そういえば唯、宿題やってきたか?」 唯「ううん、りっちゃんは?」 律「お前を裏切るような真似するかよ・・・」キリッ 唯「りっちゃん・・・!!」 和「あんた達・・・」 澪「どうしょうもないな」 ・・・ ・・・ 昼休み 唯「ねぇ」 律「どうした?」 唯「なんで澪ちゃんの腕のこと教えてくれないの?」 律「・・・そんなに気になるなら澪に聞けよ」 紬「私も、実はずっと気になってたの」 澪「・・・」 唯「ねぇ、澪ちゃん」 澪「この能力で、もう・・・誰も傷つけたくないんだ」 唯「」 紬「あ、唯ちゃんのお弁当美味しそうね」 唯「うん、憂が作ってくれたんだー」 澪「無視か」 律「そりゃ今のは無視したくなる」 澪「そうか・・・でも、よかった」ボソッ 律「・・・」 唯「ねぇ、りっちゃんも今日はお弁当?」 律「あぁ、なんてったって早起きしたからな!・・・母さんが!」 唯「そうなんだ、珍しいね!」 律「うるせー!」 ・・・ ・・・ 放課後 梓「・・・」ジー 唯「あずにゃん?」 梓「・・・」ハッ 唯「どうしたの?」 梓「え、えっと・・・澪先輩、その腕」 唯「あずにゃんのケーキ食べていい?」 梓「駄目ですよ!いきなりなんてこと言ってるんですか!」 唯「えへへー」 律「お前らイチャつくなよ」 唯「うん、ごめんね」エヘヘ 紬「否定しないんだ」タラー 澪「ムギ、鼻血拭こうな」 梓「私は否定させてもらいますけどね」 唯「あずにゃんひどいよ!」 梓「ひどくないです、当然です」 唯「えー」 紬「いいのよ、自分に嘘をつかなくても」ニコニコ 梓「嘘じゃないです!」 澪「なぁ」ボソッ 律「ん?」 澪「あれも?」 律「あれ・・・?」 澪「あぁ、今のムギの・・・」 律「あぁ・・・まさか」ハハッ 澪「・・・律って、よくわかんない」 律「悪かったな」 唯「なんの話してたの?」 律澪「え?」ギクッ 唯「あれ?今なんか話してなかった?」 律「あー、唯と梓はお似合いだなって話してたんだよ」 唯「やっぱりぃー?」 梓「律先輩、唯先輩が調子に乗るんでそういうこと言うのやめてください」 唯「えへへー、どんどん乗ってこー!」ギュー! 梓「あーもう!///」 律「私達に遠慮しなくていいからな?」 唯「うん!」 梓「むしろ私に遠慮してください!・・・っていうか」 唯「ん?」 梓「澪先輩、腕・・・」 唯紬「・・・」ギクッ 梓「怪我ですか?」 澪「・・・」 梓「先輩?」 澪「あぁ・・・梓も『見える』側の人間だったんだな・・・」 梓「はい?」 澪「この戒めのことさ。・・・ごめん、わかってたことだよな。この、軽音部に入ったときから」 梓「あの」 澪「梓にも全ての事情を話すときがきたということか・・・」 梓「さ、そろそろ練習しましょう」 紬「それがいいわ!」 澪「・・・いいな、これ」 律「他にもっとやり方はなかったのか」 澪「誰のせいだと思ってるんだよ」ボソッ 律「・・・ごめん」 澪「別に、いいよ」 律「・・・さてと、練習するか」 唯「りっちゃんまで練習って言うのー?」 律「おー?唯こそ、嫁さんが練習したいって言ってるんだから同意してやれよ」アハハ 唯「嫁!いいね!あずにゃん嫁だね!」 梓「いえ違いますけど」キッパリ 唯「私そろそろ泣いていいかな」 ・・・ ・・・ 帰り道 律「・・・」 澪「・・・」 律「・・・ん」スッ 澪「うん・・・」スッ ギュッ 律「手・・・」 澪「ん?」 律「冷たい」 澪「あぁ、血が足りないせいだよ」 律「え・・・マジ?」 澪「冗談だって」 律「さすがにわかりにくい」 澪「ごめん」 律「いや、謝るのは私の方だし」 澪「そんなこと・・・ない」 律「それに、今日澪に変な嘘つかせちゃったし」 澪「・・・」 律「あの能力がどうとか」 澪「わかってる。頼む、あの話はしないでくれ」 律「もう既に思い出したくない過去か」 澪「あぁ」キッパリ 律「でも、まぁ・・・」 澪「なんだ?」 律「ああ言ったお陰で、明日からは誰もその包帯について聞いてこないだろうな」 澪「あぁ、そう思ってああ言ったんだ」 律「澪ってたまに大胆だよな」 澪「大胆にもなるさ。バレたら・・・きっとお終いだ」 律「・・・」 澪「・・・」 律「ごめん」 澪「さっきも言っただろ、律は悪くないよ」 律「でも・・・!」 澪「ねぇ、りつ」グイッ 律「え?」 澪「・・・」 律「・・・」 澪「私は、後悔してないから」 律「澪、道端でキスはちょっと・・・///」 澪「駄目だったか?」 律「・・・私は、構わないけど」 澪「・・・なら、いいだろ」 律「澪がこんなことするなんて思ってなかったから、ビックリしただけだ」 澪「そうか・・・そうだな。私も自分でビックリしてる」 律「今日は早く寝ろよ」 澪「・・・そうだな、ちょっと疲れてるのかも」 律「・・・それじゃ、また明日な」 澪「あぁ。またな」 ・・・ ・・・ 帰って来てから彼是一時間程経っただろうか。 ベッドに横たえた体を起こす気にはまだなれない。 制服が皺になってしまう。 わかってはいるけれども、どうにも体が動かなかった。 仰向けのまま左手を天井に伸ばす。 「……。」 まだ、律の手の温もりが残っているような気がして。 今度は左手から視線が離せなくなる。 「……。」 このところ、帰ってきてからはこんな風に無気力状態が続いている。 正確な原因は私にもわからない。 律のせいか。 答えはバツでもあるし、マルでもある。 少なくともきっかけは律にあると思う、でも全て律が悪いかと言われるとそうでもない。 結局、私はあの日からどこかおかしくなってしまったんだという結論に至る。 だけどおかしくなるまでの過程を考えることができない。 「…面倒だ。」 そう、面倒だった。 私は…私のことを考えるのが億劫になっていた。 「律に逢いたい。」 その言葉は届くわけもなく、私はただ包帯を巻かれた右腕をいとおしげに抱えたまま眠りに就いた。 -あぁ、なんて不恰好なんだろう 眠りに就く直前にはきっとそんな事を考えていた。 ・・・ ・・・ 2
https://w.atwiki.jp/hyon/pages/707.html
59 :愛謝 ◆AwRoH5fkCI :2007/03/06(火) 19 46 31.22 ID iLd/CmvrO 「先輩、おはようございます!」 登校途中、図書委員の後輩に声を掛けられる。 名前は………何て言ったか忘れた。何せ、昨日入ったばっかりの一年だ。顔と名前を覚えるのが苦手な自分が覚えていられるわけがない。 顔は辛うじて覚えていたが。 「おはよう。えぇっと…」 名前を思い出せず口を開けずにいると 「篠崎です。鈴原先輩」 と、フォローしてくれた。なかなか良い奴かもしれない。 「あぁ、篠崎君か。ごめんなさいね。私、人を覚えるのが苦手だから…」 「別に構わないですよ。昨日会ったばかりですし」 彼はクスクスと笑う。 何かおかしいところがあっただろうか? 「どうかしたの篠崎君?」 「いえ。先輩って勉強出来そうだし記憶力とかも良さそうだし、意外だと思って」 …あぁ、そういうことか。 「親にも言われるわ。確かに勉強も人よりは出来るし記憶力もあるんだけど………人を覚えるのだけは苦手なのよ」 彼はもう一度クスクス笑う。 「勉強出来るってのは否定しないんですね。それと多分、先輩は嘘がつけないタイプですね?」 「えぇ。つく必要も無いし」 「そういう話ではなく何ていうんでしょうか?…先輩は根っこが正直なんですよ」 ―キーンコーンカーンコーン 予鈴が響く。 幸い、既に校門前。遅刻の心配は無い。 「それじゃあ先輩。また放課後」 そう言って篠崎は私とは反対の校舎に入っていった。 うちの学校は学年ごとに校舎が別れている。 「私も行くか…」 高校に入ってから出来た、初めての後輩は何か変な奴だった。 60 :愛謝 ◆AwRoH5fkCI :2007/03/06(火) 19 58 35.73 ID iLd/CmvrO 放課後、図書室に向かう。 途中、同学年の委員三人と遭遇。一緒に行くことにした。 三人は誰がカッコいいとか可愛いとか、そんな話をしている。 私はあまり興味が無いのだが 「ねぇねぇ、鈴原さん?一年の篠崎君ってカッコいいと思わない?」 などと話を振って来る物だから困る。 「篠崎君?…まぁ、ルックスは結構いいんじゃないかな」 「うわっ!マジですか?そんな褒められると照れますよ~♪」 と、何処にいたのか、ここで本人が登場。 嫌なタイミングで現れる奴だ。 「篠崎君。私は褒めたつもりはないぞ?事実を言っただけだ」 私の言葉にがっくりと肩を落とす。感情表現が豊かだな、なんて思っていると 「鈴原先輩!昨日、一目見たときに好きになりました。付き合って下さい!」 なんて愛の告白。 放課後の廊下は人で溢れていて私たちは注目の的になる。 急な展開に、一緒にいた三人も目を輝かせてこちらを見ている。 「はぁ…。篠崎君、君は本気かね?本気で私に惚れたのかい?」 私が問いかけると彼は 「はい。マジですよ!」 真剣な目で答える。 適当にあしらっても駄目だろう。 「まぁ、とりあえず図書室に行こう。ここは人が多すぎる」 私は図書室に向かって歩きだす。 その後を四人が付いてくるのだった。 62 :愛謝 ◆AwRoH5fkCI :2007/03/06(火) 20 19 22.00 ID iLd/CmvrO 「鈴原副会長、どうしたんだい?図書委員の役員を全員(七人)と篠崎を集めて」 図書委員会会長に尋ねられる。 「皆さんを集めた理由ですが…」 みんなが息を呑む中、私は話を続ける。 「一年の篠崎君に告白されました」 『な、なんだってえぇぇっっっ!!!!!』 全員がハモる。ノリが良い奴らだ。 「ふむ。そうか…」 会長が呟き、頷き、そしてまた口を開く。 「鈴原…お前…篠崎には言ったのか?」 「いえ、まだです」 私と会長のやり取りの意味が分からず目をパチパチさせる篠崎。 「なぁ、篠崎?…これを見てくれ」 会長が胸元から一枚の写真を取り出す。そこに写っていたのは一人の男の子。 「この男の人がどうかしたんですか?」 と、予想通りの反応の篠崎。 「エスカレーターで上がってきた奴ならみんな知ってる話なんだが…こいつはな…」 63 :愛謝 ◆AwRoH5fkCI :2007/03/06(火) 20 31 07.12 ID iLd/CmvrO 会長が言おうとするが 『中学二年の頃の鈴原さんだよ』 他の役員が先に言ってしまった。 「え?…ドッキリ?」 普通は信じられないだろう。 「いや、それは本当に私『だった』男、『鈴原雪男』なんだよ。篠崎君、君は『HKOK』という奇病を知っているかな?二千万人に一人くらいの確率で発症する病気みたいなものだ…」 篠崎は明るく笑って 「でも、どう見ても女の子じゃないですか?」 と言う。 「『体』はね。でも、私の心は男とも女とも言えない不安定なものなんだ。どういうことか分かる?」 首を横に振る。 分からないのは当たり前だ。 篠崎は篠崎であって、私ではない。 「私は、今の私を保つことで精一杯。男の私を抑えながら、女になりきれない私を保つことでね…」 「鈴原、辛そうだぞ。大丈夫か?」 会長に言われて気付く。 額からは汗が出て、息も荒い。 「会長、保健室で休んできます」 「あぁ、そうしろ」 その言葉を背に、『俺』は図書室から出る。 篠崎は口を開いたままで少しアホに見えた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6081.html
前ページ次ページゼロの黒魔道士 「――つまり、その手紙が?」 「はい、その手紙が敵の手に渡ってしまいますと――あぁ、私はどうすれば!!」 お姫様が困っているのは、アルビオンの王子様が持っているお手紙のことらしいんだ。 何か、とっても大切なことが書かれてるみたいで、奪われると同盟がどうこう…… っていうのはややこしくて分からないけど、とにかく大変なことになってしまうみたい。 うーん……そんな手紙、なんでアルビオンの王子様が持っているんだろう……? 「分かりましたわ!私、この命に代えてでも、その手紙を取り戻して参りますわ!!」 「あぁ、ルイズ!あなたこそ私の真の友達ですわ!!」 「ビビ!あんたも使い魔として、キリキリ手伝うのよっ!!」 「え、あ、は、はいっ!!」 その手紙を取り戻す、か……うーん、ルイズおねえちゃんが危ない目に合わないようにしないとなぁ…… 「よぉよぉ、三文芝居中恐縮なんだけどよぉ?おれっちの話ちーっと聞いてくんない?」 「!? 他に誰かいるのですか?」 あ、すっかりデルフのこと忘れてた…… 「姫殿下、御安心ください!あれは私の使い魔の持つインテリジェンス・ソードで――」 「デルフ?どうしたの?」 「いやよぉ、こういった話って、やっぱ秘密、なんだよなぁ?」 デルフがカチャカチャとしゃべる。お姫様がそれをじっと聞く。 「え、えぇ、もちろんですわ、インテリジェンス・ソードさん!このことが敵に通ずる者に知られては――」 「そんじゃぁよ?ドアの向こうのお客さん、どうする?」 ……ドア? デルフをベッドに立て掛けて、音がしないようになるべく急いでドアに向かったんだ。 そして、ドアを思いっきり開けると…… 「うわぁぁっ!?」ドッゴロゴロゴロッ ……転がって入ってきたのは……ギーシュ!? 「いたたたたっ――ひ、姫殿下っ!!ご機嫌麗しく!姫殿下の御尊顔をこの眼に焼き付けることが叶いましたことを心より感謝いたしますっ!!姫殿下の美貌はまさに薔薇の華やかさも凌ぎ、佇まいは百合の清純さをも超えっ!!今この私ギーシュ・ド・グラモンの心は天にも――」 ……転がってるのに、よく噛まずにそれだけの挨拶ができるなぁ……ってアレ? 「秘密、なんだよなぁ?この兄ちゃん、どうするよ?」 ……どうしよう…… ―ゼロの黒魔道士― ~第十八幕~ あの丘を越えて 「――ぎ、ぎ、ギ~シュ~!?あ、あんたまさか今までの話を!?」 ルイズおねえちゃんがギロリとギーシュをにらむ。 「――この栄誉こそまさしく我が一生の――あ、る、ルイズ、いたのかい?」 ……ギーシュ、周りが見えてないんだなぁ……ボク以上にうっかりしてるや…… 「こ・こ・は!私の!部屋!!!! っていうか、あんた聞いてたわけ!?今の!!今までのっ!!秘密のっ!!」 ……ゴメンね、ギーシュ……ルイズおねえちゃんがここまで怒ったら、ボクにはもう…… 「う、うわわ、ぼ、僕はたまたま姫殿下が真夜中に共の者を連れずに外出なさったのを見て、これは大事があってはいけないと、陰からお守りしようと――」 「そ・れ・で!? ストーキングの次は盗聴っ!?あんた、本当にもう死刑にされても文句は――」 ……どうしよう、止めるべきなのかなぁ? あぁ、でも今ルイズおねえちゃんを止めようとするのは、ボムに油入り瓶を投げつけるようなものだし…… 「る、ルイズ?ルイズ?も、もうそのぐらいにしてあげてください――」 ……お姫様、勇気があるなぁ……やっぱり、お姫様って、このぐらい勇気が無いとダメなのかなぁ? 「しかし、姫殿下っ!この者は我々の話を――」 「よぉよぉ、娘っ子?もうちっと静かにしねぇといけねぇんじゃね?秘密、なんだろ?」 ムグッと口を慌てて抑えるルイズおねえちゃん…… そっか、こういう言い方なら、ルイズおねえちゃんも止まるんだ…… 勉強になるなぁ…… 「それに、えぇと、そこのあなた、グラモンとおっしゃいましたか?もしや、かのグラモン元帥の――」 「は、はいっ!不肖の四男坊にございますっ!!ど、どうか、姫殿下っ!先ほどの任務、この私めにも――」 「ちょ、ちょっとちょっと、ギーシュ!!あんた図々しいにもほどがっ!」 ルイズおねえちゃん、まだ、かなり声が大きい。 ボクは急いでドアを閉めにいったんだ。 「まぁ!それでは、あなたのお父上も立派で勇敢な貴族ですが、あなたもその血を受け継いでいますのね!それでは是非あなたにも――」 「も、もったいなきお言葉っ!!このようなお声をかけていただけることは末代までの誇りっ!必ずや一命に代えてでも――」 「姫殿下っ!?」 ……どうやら、ギーシュもついていくことになるみたいだ。 うーん……まぁ、ギーシュも、1対1なら強いし、大丈夫、かなぁ……? 「よぉ、相棒?ちょいときっつい旅になりそうじゃね?」 デルフが、ちょっと嬉しそうに言うのが気になる…… 「……デルフ、嬉しいの?危険なのに……」 「へっ!俺様は武器よ!使ってもらってなんぼっつぅ武器よっ!相棒、遠慮なく危険な目にあいなっ!!」 ……できれば、危険な目は遠慮したいなぁ…… 「――と、いうわけで、いざ出陣よっ!!」 次の日の朝早く、ルイズおねえちゃんは珍しく自分で起きたんだ……だけど…… 「うん、それはいいんだがね、ルイズ?つかぬことを聞くけど――」 「何よ?大体、この任務を仰せつかったのは、このわ・た・し!!だから、私が仕切るのよ、文句ある!!」 「えーと……ルイズおねえちゃん?その荷物は……?」 ……ルイズおねえちゃんが部屋から出そうとした荷物は、どう考えてもボクとギーシュの体重を合わせたぐらいの量があると思うんだ…… 「ん?お小遣いに、雨が降ったときの傘、あとは替えの服がいくつかに、枕が変わるとちょっと寝にくいから――」 うーん……なんか、1度荷物を開いたら2度と綺麗にしまい直せそうにない量だなぁ…… 「ルイズ、軍閥の貴族として意見を言わせてもらうが、行軍の際の荷は必要最低限に――」 「ルイズおねえちゃん、あんまり、荷物があっても、しょうがないよ……?」 「そーだぜ、娘っ子!こんなんじゃ馬がすぐ疲れちまわぁ!!」 「そ、そんなに1度に言わないでよっ!!貴族としての嗜みじゃないっ!!」 ……ルイズおねえちゃん、危険な所に行くって意識、あるのかなぁ……? 「ルイズおねえちゃん、とりあえず、全部置いてっていいと思うよ……?必要な物は、現地でお買いものすればいいし……」 あ、でも、お店ちゃんとやってるのかなぁ……?やってるといいなぁ…… 「う、わ、分かったわよ!あー!もう!折角荷造りしたのにっ!!」 ……大丈夫かなぁ、ホント…… 「出発が遅れてしまったわ!さっさと出陣よっ!!」 ……ルイズおねえちゃんのせいな気もするけど、言わないでおこう……言ったら、また長くなりそうだもんね? 「あ、ところでルイズ?ちょっとお願い事があるんだけど――」 「何よ?リーダーは私!これに変更はありえないわよっ!!」 なんか、また長くなりそう……? 「いや、できれば、僕の使い魔を連れていきたいのだが、いいかな?」 「使い魔?連れてってもいいけど、それならさっさと連れてきなさいよ!時間が一刻でも惜しいのっ!」 ……うーん、ルイズおねえちゃん、張り切ってるのはいいけど、落ち着いた方がいいと思うなぁ…… 「いやいや、もう来ているよ?」 ? 周囲を見渡しても、ボクと、ギーシュと、ルイズおねえちゃんと、デルフと、馬が2頭だけだど…… 「え……ギーシュの使い魔って、目に見えないの……?」 『バニシュ』でも使っているのかなぁ……? 「どこにいるってのよ?」 「いやいや、ほら、ここさっ!!」ボゴッ 「モグー!」 土が突然盛り上がって、地面の底から出てきたのは、巨大な毛のボールだったんだ…… 「おぉぉ~!ヴェルダンデ、今日も君は素晴らしいね~!美貌はまさに薔薇の華やかさも凌ぎぐし、佇まいは百合の清純さをも超えているよっ!ご飯はもう食べたのかいっ!?あぁ、もう君はなんて可愛いんだ、まさしく君は僕の太陽だ光だ、僕の存在そのものだ――」 ……貴族の人って、やっぱりどこか変なのかなぁ……? 「ジャイアントモールだったのね、あんたの使い魔って――でもどういう感性なのよ、それが美しいって――」 あ、良かった。ルイズおねちゃんもボクと同じ感想だった。 可愛いって言うんならまだ分からなくも無いんだけどなぁ……? 「な、何を言う!この目を見たまえ!どんな宝石をもってしてもこの純然たる輝きを超えることは決してないだろう!さらにこのひくひく動く鼻は世界中のいかなる花々をもってきたところで、この可憐さに敵うことは決してないと言えるだろうね!さらに加えてこの毛並みだよ!見たまえ、この輝き!この艶!そして触ってみればその柔らかさに君は驚嘆の色を隠せないことうけあいだよ!この毛並みではいかなる最高級の絨毯をも――」 ……な、長くなりそうだなぁ…… 「すげぇな、全然つっかえねぇでこれだけ語れるってのぁ――俺様おでれーた!」 デルフに、すっごく賛成する。 「モグモグモグ~!」ガバッ 「キャァァッ!?ちょ、な、何するのよっ!このエロモグラッ!?」 「る、ルイズおねえちゃんっ!?」 ヴェルダンデが、突然ルイズおねえちゃんに抱きついたんだ……えっと、可愛さをアピール、かなぁ……? 「主人に似てエロなの!?離しなさい、離せーっ!!」 「――その速度はいかなる馬、いや龍をも超え――おや、どうしたい、ヴェルダンデ?」 「し、知らないわよっ!!あんた、自分の使い魔も制御できないのっ!?やめ、離れ、離れなさいっ!!」 「モググ~!」 ヴェルダンデは、ルイズおねえちゃんの手に対して、鼻をヒクヒクさせていたんだ。 ……ルイズおねえちゃんの手、そんなにいい匂いがするのかなぁ……? 「あぁ、なるほど、昨夜姫殿下から預かった『水のルビー』だね!」 あ、そういえば、昨日の夜、「困ったときはこれをお使いなさい」ってお姫様が指輪を渡してたっけ…… うーん……なんで『ルビー』なのに青いんだろう……? 「ヴェルダンデの鼻は宝石に反応するのだよ!まったく、美しい物は美しい物を選ぶというが、その通りだと思わないかね!?あぁ、ヴェルダンデ、君こそが僕の女神であり美の化身であり薔薇の化身だよ!その魅惑的な声を一度聞けば――」 「な、長ったらしい話してないで、離させなさいよっ!!!こ、このっ!このっ!!」 ど、どうしよう?魔法を打ったら、ルイズおねえちゃんも怪我しちゃうよね……?デルフで傷つけるわけにもいかないし…… そうやってどうしようかオロオロしちゃってたときだったんだ。 ヒュォォォォォォッ「モグーッ!?」 突然、強い風がヴェルダンデめがけて吹きつけたのは…… 「え、わ、うわわっ!?」 突然の風に慌てて帽子を押さえるだけのボク。 「あぁっ!?ヴェルダンデ!?風に舞うその姿も素敵だーっ!?」 ……相変わらずちょっと変な方向に物を言うギーシュ。 「た、助かった~……うー、洋服泥だらけじゃない……」 ……また着替えに戻ろうと言いかねないルイズおねえちゃん。 「ほぉ~、こりゃ風魔法だなぁ」 一番冷静だったのは、意外にもデルフかもしれない。 「だ、大丈夫かい、ヴェルダンデ!誰がこんなことをっ!!」 次に冷静になったのはギーシュだったんだ。 自分の大切な使い魔を吹き飛ばされて、かなり怒ってたんだ。 「いやいや、すまないね。婚約者が襲われているのを見過ごすわけにはいかなくてね。」 それはさっきの風ぐらい突然だったんだ。 「だ、誰だお前h「ワルド様っ!?」わ、ワルド?」 髭のおじさんが学院から出てきたのは。 ……婚約者? 「え、えーと、おじさん、誰ですか……?」 「お、おじ……いやいや、失礼。これは名乗り遅れた。ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドだ。君は、ビビ君だね?」 「え、ど、どうしてボクの名前を……」 なんだろう、この人、ちょっと怖い感じがする…… 「ワルド!?ま、まさか魔法衛士隊のワルド子爵であらせられますかっ!?」 「ほぅ、僕をご存じかい、グラモン家のギーシュ君!これは光栄だねぇ。お父上にはお世話になってるよ!」 「は、はいっ!こ、こちらこそ憧れの魔法衛士隊の方に名を知られていることは身に余る光栄であり――」 「あ、あの、どうしてボク達のことを……?」 「ワルド様っ!!」 「おぉ、ルイズ!僕の小さき婚約者よっ!!あぁ、相変わらず君は羽のように軽いね!」 ……ルイズおねえちゃんと知り合いなのかn……え?今、確か…… 「こ、こ、こ、婚約者ぁぁっ!?」 「ヴァリエール家は公爵の地位を持つからね、縁談があってもおかしくは無いが……」 き、貴族の人って、そんなのがあるんだ……なんか、やっぱり、すごいなぁ…… 「あ、あの、ワルド様?今日は何故こちらに?」 「あぁ、姫殿下から、君達の任務の補佐を頼まれて、ね!」 ……え?何で、この人、任務のことを……? 「あ、あの、ワルド子爵!つかぬことをお聞きしますが、何故任務のことを……」 「ハハハ!簡単なことだよギーシュ君!昨夜の姫殿下の夜の散策、気づかぬようでは部下として劣ってると言わざるを得ない!後でそのことを問いただした、という次第さ!」 ……お姫様、うっかりしてるなぁ…… 秘密でも何でもなくなっちゃってる気がする…… 「え、それでは、ワルド様も一緒に?」 「あぁ、もちろんだとも!僕の可愛いルイズ!」 そう言って、ワルドおじさんは指笛を吹いたんだ。 「ケェー!」 すぐに、おっきな空飛ぶモンスターがやってきたんだ。……これも、使い魔なのかなぁ? 「よし、ルイズ、行こうか!」 そう言って、ワルドおじさんはルイズおねえちゃんをそのモンスターに乗せる……え、これに乗るの? 「え、あ、ビビも、私の使い魔も一緒に……」 「すまないが、グリフォンは2人乗りでね」 ……ちょっと、ホッとする。空を飛ばなくてすみそうだ。 「あ、いいよ、ルイズおねえちゃん。」 「え、でも……あんた1人じゃ馬に乗れないでしょ?」 「あ、うん、大丈夫、ギーシュと一緒の馬に乗るから……よろしくね?ギーシュ?」 「あ、う、うん、もちろんだとも!」 ギーシュはワルドおじさんを見てポーッとなってる。 ……かっこいいから、かなぁ?でも、なんか怖い感じがするのはどうしてだろう……? 「よし!それでは出陣だ!グリフォンは速いからな、遅れを取るなよ、ギーシュ君!」 「は、はいっ!!」 こうして、ボク達の旅は始まったんだ…… ホントに、どうなるのか分からない旅が…… ピコン ATE ―龍は見ていた― 「きゅいきゅいきゅい~♪」 グリフォンの飛ぶよりもはるか上空、 青い龍が一行の出発を見送った。 「ふぅ、やっとご出発のようね。全く、何をチンタラしてるのかとイライラしちゃったわよ」 「手際が悪い」 青い龍だけではない。背中にいるのはいつもの2人。 「さーてと、やっぱりあの方向だとアルビオンのようね!こんな面白そうなこと、ルイズに独り占めさせてなるものですかっ!」 「きゅいきゅい~♪」 こちらはもう既に準備万端。 旅慣れた様子のタバサと、最低限の装備で自らを魅せる方法を知るキュルケだ。 シルフィードの調子も上々、 この調子なら、1足も2足も先にアルビオンへ到達できそうだが。 「グリフォンと馬1頭ずつ。食べちゃだめ」 「きゅい~♪」 あくまでも今回はついていくだけ。 何もそんなに慌ててアルビオンに行く用事は2人には無い。 しかも、2人はトリステインにとって外国人。 昨夜、隣室から盗聴した内容を考えれば、ついていくだけでも国際問題になりかねない。 しかし、それでもなおついていくのは、友が心配だから。そして何より、 「おもしろい旅のはじまりね!」 好奇心は何にも勝るのだ。 「きゅいっ♪」 ふいに、シルフィードが空を首で指し示す。 「虹?」 それは龍の航行高度をはるかに超える高さに広がる帯状の虹。 「あら、いい兆候じゃない!『帯虹を見るとき幸せあり』よ!ますますいい旅になりそうね!」 天候は晴れやか、行く手にやや雲あり。はるか真上には虹が広がる。 絶好の旅日和になりそうだった。 前ページ次ページゼロの黒魔道士
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/1067.html
ねぇ、みんな 流れ星に三回お願い事を言うと叶うって噂……知ってる? え?そんなのは迷信だ? ……私もね、ずっとそう思ってたんだ…… でもね…… 星に願いを 「見られなそうだね……」 「そうですね……」 先週、憂から 「来週の水曜日、しし座流星群が見られるって書いてあるよ、お姉ちゃん」 って言われたから、あずにゃんを誘ってお泊りしてもらい、夜中に近所の河原まで来たんだけど…… 残念ながら一晩中曇り時々雨の予報通り 夜空を見上げても、星空は全く見えない 「……帰ろうか、あずにゃん」 「……」 「あずにゃん?」 あずにゃんは携帯を取り出して何かを見ている 「……唯先輩、調べてみたら極大は午前四時頃だそうです」 「?」 「まだ夜中の十二時です。極大までまだまだ時間はタップリありますよ」 「え……でも……」 「天気予報だって外れるかもしれませんし、もしかしたら少しだけ晴れ間があるかもしれません!」 「あずにゃん……」 「それに……私は、唯先輩と、一緒に見たいんです。そして……」 「そして?」 「あ、なんでもありません。えっと……とにかく、一緒に流れ星を見たいんです。それだけです」 あずにゃん…… そんなに私と流れ星を見たいの? それは、どうしてなのかな? 「あずにゃん……。あずにゃんは、流れ星にお願いすると叶うって噂、信じてる?」 「……正直、あまり信じていません」 そっか…… 「でも」 「でも?」 「でも、試したことが今までありませんし……流れ星自体殆ど見たことがありませんから……」 「そうなんだ」 はく息が白い寒空の下 雲は未だ晴れそうにない 「クシュン」 隣からかわいらしいクシャミが聞こえた 「あずにゃん、冷えちゃうよ。ほら、こっちにおいで」 「え、でも……」 「いいから、ね」 私は着ているコートのボタンを外し、あずにゃんを包むように抱きしめた 「ほら、これならあったかあったかでしょ?」 「はい……あったか……あったか……です」 コートの中のあずにゃんは冷えきっていて、少しだけ震えていた 私は少し強めにあずにゃんを抱きしめた 「ゆ、唯先輩……」 「だ~め。あずにゃんすっかり冷えちゃってるじゃん……」 「……」 「あずにゃんに風邪をひかれちゃ困るからね」 「唯先輩は……」 「ん?」 「唯先輩は、寒くないんですか?」 「ちょっと寒いけどね。でも、あずにゃんをギューっとしていれば大丈夫だよ~」 「……そですか」 改めて空を見上げるけれど、そこには雲以外の何も見えない 「そういえば……唯先輩は信じているんですか?」 「流れ星に……ってやつ?」 「はい」 「う~ん……わかんない」 「はぁ、そうですか」 「でもね……」 「なんだか今なら叶うような気がするなぁ」 「……私もです」 その時、抱きしめている腕に何か固いものが当たった 「あ、それ……」 「あぁ、これですか?」 「プレゼント、使ってくれてるんだ」 「はい、丁度キーホルダーが駄目になってしまったので」 「……それね、実はお揃いなんだよ」 「……そうなんですか?」 私はポケットから家の鍵を取り出して、あずにゃんに見せた 「あ、ホントだ……おんなじ色のお揃い……」 「あずにゃんの誕生日プレゼントを買った時に、お揃いにしようかなって思って買ったんだ~」 「そうだったんですか……」 「……あずにゃんは嫌だった?」 「いえ……そんな事ありません……寧ろ嬉しいです」 「そうなの?」 「はい。だって……お揃いって、なんだか嬉しくなりませんか?」 「……そうだね」 それが好きな人となら、尚更だよね なんて事は言わなかった だって まだ あずにゃんが 私を好きなのか わからなかったから 「雲邪魔だねぇ~」 「そうですね~」 「もぉ~、どっか行っちゃえ!」 「いっちゃえ~!」 それから約三十分程、私達は他愛のない話しをしながら空を睨み続けた でも、一向に晴れる気配は無かった 「あずにゃん?」 ふと気が付くと、あずにゃんが眠たそうに目を擦っていた 「……そろそろ帰ろうか、もう一時近いし」 「……嫌です」 「でも……眠いでしょ?」 「眠いです……でも、嫌です。流れ星を見るまで……絶対に帰りません!」 「……わかった。じゃぁ、あと一時間だけだよ。それでも駄目だったら帰ろう?……学校もあるんだし」 「……はい……」 本当はかなり辛かったんだと思う あずにゃんはその後何度も目を擦ったり、船を漕ぎそうになっていた そして……約束の一時間が過ぎた 「あずにゃん……」 「……はい……」 「来年、また見に来ようか」 「……」 「あずにゃん?」 「……ウッ……グスッ……」 「泣いてる……の?」 あずにゃんは泣いていた 流れる涙を拭う事もせずに 「……見たかった……唯先輩と……一緒に……流れ星を……見たかったのに……」 「あずにゃん……」 私はあずにゃんを強く抱きしめた そんな事で哀しみが癒える訳は無い事はわかっていた だけど……抱きしめずにいられなかった 「お空は意地悪だね……」 「……ウゥッ……ヒック……」 「流れ星くらい、見せてくれたって良いのに……」 「……グズッ……エグッ……」 「もぉ……こら!空!!少しくらいサービスしなさいよっ!!!」 私が叫んだその時だった 一面広がっていた雲の一角が徐々に薄くなり、星空を覗かせはじめた 「あずにゃん!あそこ!!」 私がそこを指差すと、あずにゃんは泣きながらもそちらを見上げた 「……グスッ……雲が」 「晴れてきた!!」 その後も雲の隙間は段々と広がり、いつの間にか空は満天の星空へと姿を変えていた 「……これなら見られるね……」 「……はい」 「そらー!ありがとー!!」 「唯先輩……そんな事言うとまた曇り空に戻っちゃうかもしれませんよ」 「あ、そうか。そらー!もう少しだけサービスお願いー!!」 「ふふっ……私からもお願いしまーす!!」 「……えへへ」 「……うふふっ」 それから二人で流れ星を探した ……まぁ、探す必要は無かったんだけどね 「あ!流れた!」 「こっちも!!」 幾つもの流れ星が頭上を流れ去った それはまるで星のシャワーのようだった 「それにしても……速いですね……」 「そうだね~。……こんなんじゃお願い出来ないよ……」 「一秒有るか無いかですからね……」 「お願いは諦めるしかないのかなぁ~」 私がそう呟いたその時だった 一筋の光が夜空を横切り…… 「あずにゃん!流れ星が残ってる!!」 「え?あ!本当だ……」 「なんで消えないんだろう……」 「ちょ、ちょっと待って下さい。今調べますから……」 あずにゃんは慌ただしく携帯を取り出して、未だ残っている流れ星を調べはじめた 「えっと……『流星痕』っていう現象みたいですね」 「りゅうせいこん?」 「はい。流れ星の痕って書いて『流星痕』です。えっと……流れ星ってどんな物かは知っていますか?」 「うん。テレビで何度も言ってたからね。確か……宇宙の塵が地球に降ってくる時に燃えるから……だよね」 「そうです。で、その塵が大きいとこういった現象が起こりやすいって書いてありますね」 「へぇ~そうなんだ。ん?てことは……あれも流れ星!?」 「まぁ、そうとも言えますね」 「じゃぁ次出た時に願い事を言えば……」 「三回言えるかもしれませんね!!」 私達は今まで以上に空を凝視した 絶対に流星痕を見逃すわけにはいかない その思いでいっぱいだった 「あ!でた!!」 「唯先輩!願い事!!」 私は即座に目を閉じ、願い事を三回、心の中で唱えた あずにゃんと恋人同士になれますように あずにゃんと恋人同士になれますように あずにゃんと恋人同士になれますように そして、目を開いた時…… 「あ……消えちゃった……」 「唯先輩……願い事、言えました?」 「駄目だった……。あずにゃんは?」 「私もです……長いのは難しいですね」 「じゃぁ……次はもっと短くしないとね!」 「そうですね!」 それからも何度か流星痕を伴う流れ星が現れたが、願い事を唱え終わり空を見上げると、それは全て消え去っていた 「もぅ……無理なのかなぁ……」 「そんな事ありません!諦めちゃ駄目です!!」 「……そうだね!諦めたら終わりだもんね!」 あずにゃんの言葉で元気を貰った私は、もう一度空を見上げた その時、一筋の光が、夜空を横切った それは、今までに見たことが無い強い光を放ち 今まで以上に長い流星痕を残した 「唯先輩!願い事!!」 「うん!!」 私は即座に目を閉じ、願い事を唱えた 梓の恋人になりたい 梓の恋人になりたい 梓の恋人になりたい そして目を開き空を見上げると…… 「……残ってた……」 「……残ってましたね……」 「……今度は言えた?」 「はい!唯先輩は?」 「言えたよ~!良かった~!!」 「私も良かったです~!!」 願いを伝えた流星痕が消えるまで、私達はそこに留まっていた 結局それが消えたのは数分後の事だった 「こんなに残っていたんだったら、長くても良かったね~」 「ホントですね~」 「ん~!!さてと。早く帰らないとね、朝起きられなくなっちゃう」 「え?あ!もうこんな時間ですか!?」 「よーっし、家まで競争~!!」 「あ、待って下さいよ~!!唯せんぱ~い!!!」 ♪ 「へぇ~、そんな事があったんだ」 「そうなんですよ~」 「でも、素敵ね~。流れ星に願いを伝えて、それが叶うなんて」 「えへへ~」 「照れるなよ~、こっちまで恥ずかしくなってくるじゃないか~」 「だってさぁ~」 あれから一年 あの日私が願った通り、卒業式の日にあずにゃんから告白され、私達は恋人同士になった 後で聞いたら、あずにゃんも同じ事をお願いしたんだって…… 「それにしても、今日は良い星空だな~」 「そうだな」 そして今、私達はムギちゃんの別荘近くにある丘の上でデッキチェアに寝転がって夜空を見ている 今年はここで流星群を見る予定だ 「これなら今年は心配ないね、あずにゃん」 「そうですね!あ、でも願い事は短めにしないと駄目ですよ!」 「えぇ!?そうなのか?」 「はい、私達が見た流星痕はたまたま長い時間残っていたってだけで、大半は数十秒で消えてしまうそうですよ」 「それじゃ、律は願い事出来ないかもな」 「なんだとぉ!……ふっふ~ん、澪しゃ~ん。そんな事言いつつ、この間私に……」 「わー!わー!!それを言うなー!!」 時刻はそろそろ午前一時 極大までもう少しだ 「あずにゃん、今年は眠くない?」 「少しは眠いですけど……でも、大丈夫ですよ!」 「そぉ?でも、無理だったらいつでも眠っちゃって良いよ」 並んだデッキチェアは四つ 私とあずにゃんは二人で一つ 防寒用の毛布も掛けたし、いつ眠っちゃっても大丈夫 「本当に大丈夫ですって。……だって、見逃しちゃったら何か損をした感じじゃないですか」 「損をした感じ?」 「はい。……折角、唯先輩と一緒に、一晩中流れ星を見られるのに……眠っちゃったら……」 「……そだね」 # When you wish upon a star Make no difference who you are 「流れ星にお願いか……『星に願いを』ってやつだね」 「そうですね……」 気がつくと、夜空を流れる星がいつの間にか増えている Anything your heart desires Will come to you 「うわぁ、まるで星がシャワーみたい……」 「凄いな、正に流星群だな……」 「私、こんな凄いの見た事無いよ……」 「去年より凄いね、あずにゃん……」 「そうですね……」 極大の時間を迎えた空は、流星群の名にふさわしく四方八方から星が流れては消えてゆく If your heart is in your dream No request is too extreme 「あ!あれが流星痕ってヤツだな!」 「そうですよ、律先輩」 「確かにあっという間に見えなくなるな……」 「願い事、三回ちゃんと言えるかしら?」 「大丈夫だよ、今年も去年みたいなもの凄い流星痕が現れるよ!絶対に!!」 根拠はない。でも、確信している 今年も、あの流星痕が現れる事を When you wish upon a star As dreamers do 「おぉ~!!!」 「うわぁ!!!」 「はぁ~!!!」 「今年も……」 「現れましたね……」 Fate is kind She brings to those who love 「あ!願い事!!」 「さ、三回だよな!!」 「い、急いで唱えないと!!」 「大丈夫だよ、そう簡単には消えないから」 「あれくらいだと、数分は保ちますよ」 The sweet fulfillment of Their secret longing 「そうなのか?じゃぁ落ち着いて……」 「間違えないように……」 「三回唱えるのよね」 「そうだよ。じゃぁ、あずにゃん」 「そうですね。私達も……」 Like a bolt out of the blue Fate steps in and sees you through 去年は叶った私達の願い When you wish upon a star Your dream comes true 今年の願いは…… おしまい!! 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/2456.html
季節は紅葉まっさかり。 ほんとは、遠出する予定だったけど、断念。 ゆかちゃんは、「大丈夫」って言ってくたけど、、、さ。 今年は、一緒に暮らし始めて、5度目の冬。 ゆかちゃんが、生まれた季節。 さてさて、今年は、どんなお祝いをしよっか? ある意味記念だし?ちょっと、凝ったことしたいよね、、なんて。 一仕事終えて、家路を急ぐ。 ゆかちゃん、大丈夫かなぁ・・ 今朝は、けっこう調子良さそうだったけど。 久しぶりにお弁当も作ってくれたし。 あぁ、だめだ、顔がにやける。 ムリしてまで、作って欲しいだなんて、もちろん思わないけど、さ。 うん、やっぱ、素直に嬉しいよね。単純だな、あたし。 うちに帰ると、カレーを作って待っていてくれて、さらに嬉しくなった。 ほんと、単純だな、あたし。 「いただきます!」 「いただきますw」 「んー・・うましっ!」 「ごめんね、簡単なものしか作れなくって」 「んーん!全然いいよ!てか、のっちカレー大好きだし」 「ははっ、うん。ほんと嬉しそうw」 「うん、嬉しいし、美味しいし、最高!」 「大袈裟だってっw」 大袈裟かな? あぁ、、うん、 大袈裟なくらい、幸せ、だ。 「っ!のっち、どうしたの!?」 「え?」 ゆかちゃんの、驚いた声で、はっとした。 のっち、泣いてんじゃん。 ははっ、、と、泣き笑い。 「ね!のっち?」 なんなんだろう、これ? 「ん?なんか、すっげー幸せだなって」 「…幸せ?」 「うん、泣けるほど、幸せなのかも、、、おかしいね?」 「・・んーん」 「?」 「わかるよ?ゆかも、おんなじだから、、、」 おなじように、幸せだと言ったくせに そっと、そのキレイな瞳を伏せた。 「…どうしたの?」 「・・・」 唇が、軽く、空をきった。 「ん?」 「…のっち?あのさぁ、、、 「うん」 「お願いが、、あるんだ」 「なに?」 「ゆかの今年の誕生日、ちょっぴり早くお祝いしてほしい」 え?・・・・どういうこと? 「ちょっぴりって?」 「んー、、、来月に入って、すぐ、、とか?」 「いいけど、、、どうして?」 「ん?イブはイブで、楽しみたいから」 そう言って、ふわり笑った。 今までだって、誕生日とイブを一緒にしたことなんてないよ? ねぇ、、、、そういうこと? 涙も思考も、せき止められた。 「わかった。じゃ、急いで準備しなきゃねw」 だから、そう答えた。 ご飯の後片付けは、のっちが強引にやった。 一通り片付けて、リビングに戻るとゆかちゃんの姿がなくて・・ すっと、吹き抜けた風。 揺れるカーテンの向こうを覗くと 小さな庭に置いたベンチに腰をかけて、夜空を見上げていた。 「・・・カラダ冷えると、風邪引いちゃうよ?」 「うん・・・でも、大丈夫」 「そ?」 「うん、ありがと」 「んーん」 そっと、隣に腰掛けると ちょこんと、のっちの左肩にちっさな頭をのっけてくる。 二人を、霞む月の明かりが包み込む。 ふわっと、羽を広げて、二人だけの空間を、区切る。 「ありがと」消え入りそうな声で、キミは呟いた。 あたたかくて、少しだけ、、、、泣きそうになった。 「ねぇ、、、誕生日、どっか行きたいとこある?」 「行きたいとこ?」 「うん。なんかね、今年は、どこかに出かけたいなって思ってて」 「そっか、、、 ふと、左肩が軽くなったと思ったら のっちの羽よりも、深くキレイな黒した瞳で覗き込んで 「あの、公園でのんびりしたい」・・・て。 「あの公園?」 「うん、ダメ?」 「ダメじゃないけど、、、そんなのでいいの?」 すると、のっちの大好きな、やわらかな笑顔で 「うん、それがいいの。あそこで、のっちとのんびりと過ごしたい」 「わかった、そうしよっか」 なんて、、、ほんとは、わかってなかったんだよね? んーん やっぱりのっちは わかんないフリしたかっただけなんだ。 その夜 ゆかちゃんが、寝静まったのを見計らって、ベッドを抜け出した。 どこまでも続く、暗闇の空を ぼんやりと光る月目指して、限界まで羽ばたいた。 余計なことは、なにも考えたくなかった。 けど、どんなに飛んでも飛んでも 掴めそうな気がしても、全然 そこには、手が届きそうにもなくて ああぁぁぁーーーー!!! あああぁぁっぁぁぁぁーーーー!!!! 声にならない、声で叫んだ。 想いは、暗闇に消えていったのかな? ココロん中に、閉じ込めたのかな? ああぁぁぁぁっぁ・・・・・・ 声には出せなかったよ。 こんな姿、声 キミの耳には、届いて欲しくなかったから。