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前ページ次ページSSまとめ 37-308 37-308 名前: 落語 二十四孝[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 20 59 20 ID ??? 朝倉「お暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか?朝倉亭和美にございます。 夏といえば色々と楽しいイベントがありますが、同時に楽しくないことがありますよねぇ~。 例えば、お祭りで買い食いだぁと楽しんで帰ってさぁ寝よう!と、 うとうとしたころに・・『ブ~ン・・・ブ~~ン』・・「ん?痒いぃ!」。 そうですよ、蚊が出るんです。 腹が立って叩き潰してやろうと起きて、パチィ!・・やったか?『プププ~ン』一筋縄じゃいかない。 パチ!パチ!といろんな姿勢で叩いてるうちに、♪月がぁ~でたでぇ~たぁ~ なんて、 だんだん盆踊りぽい動きになってねぇ。あ、そう言えば盆踊りやってなかったと 思い出したりして、ここで済ませようなんてね。ま、熱くなるんですが、時間が経つにつれて あ~あ、なにやってんだろとさめてくるんですよね。 さて、『孝行の したい時分に 親はなし』。孝行してやりたいと思ったときには 親はもう居ないなんて事があるかもしれない、だから生きてるうちに親孝行してやりなさい という事ですだそうです。 機会があるなら孝行したいなぁと思うんですが、出番が減って心配させている私は親不孝者ですな。 でも、親は居るのでしょうが登場するシーンがない私どもには難しいネタですw 心配させてゴメンよ、カーチャン・・・。 えー、ある日のことでございます、とある長屋の大家の家に」 37-310 名前: 落語 二十四孝[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 21 04 05 ID ??? エヴァ「大家さん!居るかい!?邪魔するよ!」 さよ「おや?アナタは美空さんところの旦那じゃ ・・・おや?どうしました、不機嫌な顔して」 エヴァ「大家さん、ウチの嫁との絶縁状を書いてくれ!」 さよ「どうしました?いきなり」 エヴァ「聞いてくれよ、ウチの嫁がな」 さよ「ふんふん・・・で、買ったばかりの活きの良いアジを猫に」 エヴァ「だからよぉ、こんなクソ暑い中で折角のアジを盗られて腹が立ったから 女房をぶっ叩いたらよ、母ちゃんが嫁を叩くくらいなら私を叩けって言ったんだよ。 言われたとおりに叩くんじゃ気に食わないからケツを蹴り上げてきたんだ。」 朝倉「なんて話を聞かされました大家さん、顔を真っ赤にして」 さよ「なんだと、この親不孝者!お前みたいな奴はこの長屋に置いてられません、 今すぐにでも荷物まとめて出て行って行きなさい!」 エヴァ「ちょ、ちょっと、それだけは勘弁してくれよ、そんなこと言われたら 他に移れないじゃないか。困るよぉ」 さよ「何が困るよぉですか!私はね、お前が親不孝をするから出てけといったんです。 お前が親孝行すればこんなことは言いません、逆に小遣いをあげたいくらいです。」 エヴァ「なに?孝行すれば小遣いくれるって? それじゃあ喜んで孝行するよ。」 さよ「まぁ、なんと現金な・・・。良いですか、そんな邪な心で孝行しようなんて考えちゃいけません。 一つためになる話をしましょう。 むかし、ある国に刹那ってのが居た。ある冬のこと、母親がどうしても鯉が食べたいと言った。 刹那は承知しましたと捕りに行ったものの湖には分厚い氷が張っていて、鯉が取れない。 これでは孝行ができない、何とかして氷を溶かそうと服を脱ぎ捨て氷の上に寝転がった。 すると体温で氷が溶けて穴が開いて、中から鯉が一匹とび出してきた。 そしてその鯉を持って帰って食べさせ、孝行をしたんだ。」 37-311 名前: 落語 二十四孝[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 21 05 33 ID ??? エヴァ「そぉんな馬鹿な話があるか、氷が溶けたら自分が落ちるだろ。 それが、落ちないし、中から鯉がでてきた?ウソだろぉ?」 さよ「それは孝行の徳によって、天が感ずるところなんでしょう。 続けますよ、他のところに風香ってのが居た。風香のところには 年老いた母親が居たんです。この親子は夏場の蚊に相当悩まされていて 母親は寝不足になった。」 エヴァ「蚊に悩むんなら、蚊帳を吊ればいいじゃないか。」 さよ「話の途中なんです。良いですか? 蚊帳を吊りたいが貧しいから買えないと困った風香は安酒を買ってきて服を脱ぎ捨て 全身にそれを浴び、心有る蚊なら母上ではなく私を刺せ!と母親の隣に寝転んだ。」 エヴァ「おいおい、そんなことしたら蚊に刺されるじゃないか、蚊ってのは酒の匂いが好きなんだろ? ましてや素っ裸だろ?蚊じゃないのが、挿しに来ちまうよ。まぁ、あのロリっ子じゃ 挿すものも十分にゲフンゲフン」 さよ「う~ん、図書館島の休日2日目のトークショーでお前の話題になった時の盛り上がりから言えば、 ロリコンが多さをうかがい知れたから」 エヴァ「大家さん!大家さん!話が変な所に行ってるよ! しかもロリコンどうのこうのっ」 朝倉「ゴホン。少々お待ちください」 さよ「えっと、ああ、それでその日に限って蚊が一匹も出なかった」 エヴァ「へ~?何でだ?」 さよ「それは孝行の徳」 エヴァ「天が感ずるところか?お天道様なんて敏感なもんだ。」 さよ「お金じゃなく、無償の愛ってのが・・言ってて恥ずかしいわぁ。」 朝倉「で、それなら孝行してみようと家に帰りまして」 37-312 名前: 落語 二十四孝[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 21 06 40 ID ??? エヴァ「おい、母上。お前に孝行してやる。」 夏美「なに、その、某ものまね芸人が○泉さんの物真似してるような話し方は?」 エヴァ「やかましい、四の五を言わず早く寝ろ。」 夏美「一体なんだい?早く寝ろなんて。 でも、アンタが母上なんて言ってくれるだけでも十分親孝行だよ。」 朝倉「さて、母親を布団に入れまして」 エヴァ「寝たか? よ~し、それじゃこの酒を浴びて・・・あ、残った。呑むか。」 朝倉「しばらくしますと酒が回って寝ちまった。 翌朝になりまして」 夏美「ほれ、起きなさい。」 エヴァ「ん?あ、ああ。 おっ!昨日、素っ裸で寝たのに蚊に刺されてない。 これも孝行の徳だな、ワッハッハ!」 夏美「フフフ、なに言ってるのよ。」 朝倉「『私が一晩中おきてうちわで扇いでたのよ。』 二十四孝の一席でした。」 37-318 37-318 名前:夕映 麻帆良四方山話[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 22 58 25 ID ??? 夕映 麻帆良四方山話 夕映 「麻帆良の世界は不思議がいっぱいです。今日はその不思議の一つをお話しするです」 ”うっかりさん” これは麻帆良の各地に出没する、悪意のない悪魔のような人のことです しずな 「あら?私こんなお酒買ったかしら?どうして鞄の中に?」 二ノ宮 「いいじゃないか、多分買ったんだろう。飲もうか」 しずな 「そうね・・・」 美砂 「わ、私のバランタイン17年がぁ!!!ど、どこぉ!!!」 しずな 「嫌だわ、私太ったのかしら?ブラがキツいわ。っていうよりまるでベルトみたい」 二ノ宮 「ん?しずな、そんな柄のブラなんて持ってたっけ?合わなさすぎるぞ?」 しずな 「そうね・・・あんっ!!ブラが切れちゃった・・・」 史伽 「わ、私のお気に入りのブラがぁ!!!ちぎれてるですぅ!!!」 しずな 「メモメモ・・・あら?こんなところに丁度いい紙が」 二ノ宮 「ん?何か書いていないかその紙?」 しずな 「裏は白いから大丈夫よ。ちゃんといい大きさに切って・・・はい、メモの出来上がり」 ハルナ 「わ、私の原稿がぁ!!!肝心の部分が無いからつなぎ合わせれないぃ!!!」 それは悪意がないだけに、とても恐ろしいのです 完 37-321 37-321 名前:My name is...[sage] 投稿日:2006/09/04(月) 00 46 42 ID ??? ネギ「ちょうど良かった。この書類をシスターシャークティのところまで運んでもらえませんか?」 まただ。 しずな「あら、重そうな書類ね。若いっていいわぁ、がんばってくださいな」 また、私は名前を呼んでもらえない。 学園長「おや、君か。この間の仕事、なかなかのものだったよ」 あなたもですか、学園長。 私は、ここにいるんです。 誰か、私の名前を呼んでくれませんか? 誰か、私の名前を知りませんか? 誰か…… 二ノ宮「無理だな。まぁ、私などは苗字だけでも分かっているだけマシなのかもしれないが」 たまらぬ指パッチン先生(仮名)であった。 37-327 37-327 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/04(月) 10 59 54 ID ??? レストラン アキラ「何食べる?」 ゆーな「にゃー」 亜子「あかんてゆーな。キャッとフードはここでは売っとらんで」 まき絵「ねー、あやかは何食べたい?」 あやか「ローストビーフヨークシャープティング添え」 アキラ「何ソレ」 亜子「けったいな名前やなぁ」 あやか「あ、ごめんなさい。ついいつもの癖で。ではハンバーガーとかどうでしょう」 ゆーな「にゃー」 まき絵「随分普通に戻ったね」 あやか「ファーストフードと言う物を一度食べてみたくて」 亜子「あかん、このブルジョワ本気でなめとる」 ゆーな「にゃー」 37-330 37-330 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/04(月) 17 11 58 ID ??? テスト 前日、部活の自主練を張り切りすぎたせいでテスト当日を寝過ごしたまき絵。 まき絵「わーっ。遅刻ー!!」 あやか「遅すぎますわ、もう一日目のテストは全て終わりましたわよ。 全く、どうして肝心なときに寝過ごしますの?」 まき絵「うわーん、どうしよう」 あやか「今から再テストを受けても、その様子ではテスト勉強もしてませんし…補習決定ですわね」 まき絵「いやーっ。お願いあやか、範囲教えて」 あやか「今から教えてちゃんと出来ますか?」 まき絵「うぅぅ~」 あやか「補習は来週の日曜日になってますわよ」 まき絵「えっ、それって私と一緒に遊園地にいく約束だったはずだよ」 あやか「そうですわね、自業自得ですわよ」 そのまままき絵を置いて教室を去るあやか。 まき絵「ぐすっ……?」 ふと自分の机を見ると何かのファイルがあった。 まき絵「これって」 そこには[ここが出やすい所]などと書かれた問題集を切り合わせた範囲だった。 そして最後の部分に[これで補習になったらもう知りませんよ あやか]と書かれてあった。 まき絵「あやか…」 急いで寮に戻るまき絵。二日目以降のテストと一日目を逃した再テストの分を勉強する。 あやか「ふふ、頑張りなさいまき絵」 後日、遊園地のバイトをしていた明日菜が、二人仲良く並んで歩いている二人を見つけたそうな。 37-335 37-335 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/04(月) 19 05 16 ID ??? ヘーイヘイヘイヘーイヘーイ♪ (ヘーイヘイヘイヘーイヘーイ♪) 桜子「わぁ、なっつかしー」 千鶴「あら、懐かしい」 桜子「しんごママだ!」 千鶴「フィンガー5ね」 夕映「これがジェネレーションギャップってやつです」 37-352 37-352 名前:ネギ色の花[sage] 投稿日:2006/09/04(月) 22 51 15 ID ??? 私がネギを握ると、皆の顔が驚愕に染まる。 このか「や、やめてぇな、まだ早まらんといて!」 私が包丁を握ると、皆の顔が絶望に染まる。 ネギ「あ、あのっ――ボク、職員室に忘れ物してきちゃったみたいで、その、皆さんはごゆっくり……」 誰も私を相応に見てくれない。 花も恥らう15歳だというのに。 ハルナ「いやぁ、やっぱりいつ見ても素晴らしいわ。お風呂に入ったらこれを見なきゃね。眼福眼福~」 朝倉「今度の身体検査、いつだったっけ? 二人も他人事じゃないよね」 風香「ぼ、ボクらは成長期が遅いだけだいっ!」 史伽「そうです、身長だって髪だってまだまだ伸びるんですっ!」 身を焦がした恋も今は昔。羨ましくもルームメイトは背徳の君に夢中。 星月夜、一人寂しく寝る夜は、自然と歌が口ずさまれる。 止まった時計の針を回そう。 新たな恋が実るように、沈む心が浮かぶように。 凍った時計の針を溶かそう。 一度は焦がれたあの炎に、再び惹かれないように。 「だから言っているじゃありませんか、あなたのお料理は食べられたものじゃありませんわ! 貸してごらんなさい」 「もうっ、せっかくいい感じで切ってるんだから邪魔しないでよ。それと……胸を押し付けるの、やめてくれない?」 「当ててますのよ。ほら、手を添えてあげますから続けなさいな」 たまらぬアスナであった。 37-359 37-359 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 09 49 52 ID ??? 難題 チャオ「う~ん。分からないネ」 ハルナ「やっほーちゃおりーん!」 チャオ「キャー!いきなり抱きつくのはやめてヨ」 ハルナ「う~ん。このぷにぷにほっぺた最高~」 チャオ「頬ずりもやめてヨ…」 ハルナ「ごめんごめん。で、何してるの?」 チャオ「小学校の問題が分からないネ」 ハルナ「えー!クラス一の天才のチャオが小学校の問題が分からない!?」 チャオ「ためしにやってみるカ?たぶん無理ヨ」 ハルナ「何言ってんの。たかが小学校の問題でしょ」 『過疎化における小学校の問題。相次ぐ廃校、どうなる今後の教育』 チャオ「一緒に考えてネ」 ハルナ「…」 37-370 37-370 名前:真名ちゃんもっこり日記103[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 21 02 31 ID ??? 真名ちゃんもっこり日記103 今日は3-Aの面々と一緒に南の島にいる。 何故かって?アニメ、春のオープニング撮影だ。 エヴァンジェリンも5秒に1回のアレをされているので意気揚々としている。 さて、撮影は空中からみんなでスカイダイビングをしながら撮影をするという極めて無茶な設定だ。 先に下りるカメラさんには本当に頭が下がる。 まずは飛行機で上空に上がってから降下だ、特撮一切ナシ! 当然だが飛行機はいいんちょがチャーターしたものだ、優に100人は乗れる自家用の飛行機らしい。 「それでは後5分ほどで離陸しますのでシートベルトを着用してください」 いいんちょにそう言われたためベルトをした。隣のアキラは不安そうな顔をしている。 「飛行機は初めてか?」 「うん」 安心しろ、私がついている。ちゃっかりとアキラの手を握っておく、アキラの手の温もりが…ハァハァ。 「夕映…怖いよー」 「安心するです。私が居ます」 反対側の席にいる怖がりの宮崎も綾瀬がいるから大丈夫だろう。 「それでは離陸ですわ」 おっ、離陸か。 …?綾瀬どうした。顔色が悪いぞ。 「ハァ…ハァ…!…お、おじい様~~~~~~…私はまだ死にたくないですー」 えぇぇーーー!宮崎より怖がってるー!? とか言ってるうちに離陸だ。 「メインブースター起動!!」 「よし今だ!飛べ!飛べーーーーー!」 今度は鳴滝姉妹か!叫ばんでも勝手に飛ぶし… 「とんでもないGが掛かってるです艦長ー!」 37-371 名前:真名ちゃんもっこり日記103[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 21 03 05 ID ??? 「ちょこざいな。これくらいなんとでもなるぞー!」 この飛行機は大気圏まで行かないっつーの、何ごっこのつもりだ? 「~~~~~~~」 …今度は楓か。何をうなっているんだ? 「飛~飛~飛~飛~飛~飛~飛~飛~飛~飛んでよし!」 念じなくたって飛ぶものは飛ぶんだYO! 何なんだこいつら、そんなに飛行機が嫌いなのか!? 37-377 37-377 名前:むか~し、むかし お殿様と家来[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 00 34 10 ID ??? むか~し、むかし お殿様と家来 むか~し、むかし。あるところにお殿様と家来が居ました それは冬の寒いある日の時、庭に咲いている椿が綺麗だったので庭に出てみようと思いました しかし庭に出ようとしましたが、いつも置いてあるはずの草履がありません アキラ 「草履はどこ?」 きょろきょろと辺りを見回すお殿様、すると家来がすっとやってきて服の胸のあたりを開くとそこから草履を出したのです 円 「アキラさん。はい、草履。暖かいから」 アキラ 「そ、そこまでしなくても・・・」 円 「足が冷たくなったら・・・私悲しいから・・・」 それは突然の雨が降ったときでした。急な雨だったので、傘の持ち合わせがなかったのです アキラ 「傘・・・ないのかな?」 すると家来が自分の服を脱いで、お殿様にかぶせました 円 「これをかぶってて」 アキラ 「そんなことしたら円さんが濡れちゃうよ」 円 「濡れてもいいの。ううん、アキラさんの為に濡れたいの。それにもうこんなに濡れてるから」 それはある寒い夜のことでした。お殿様は少し震えながら寝所に入ります アキラ 「お布団・・・寒いのかな」 すると、お布団の中には家来が入っていてこう言ったのです 円 「お布団温めておいたよ。寒くないからさ」 アキラ 「あの・・・あの・・・」 円 「眠るまで一緒にいてあげる。さあ、来て・・・」 アキラ 「やぁん、そんな・・・ダメぇ・・」 こうしてお殿様は暖かく暮らすことが出来たのです 完 37-381 37-381 名前:Dr.アコー診療所3rd・8[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 06 51 25 ID ??? Dr.アコー診療所3rd・8 1/4 麻帆良学園中等部の保健室。そこにはちょっと性癖に難のあるドクターがいました。 次第に秋の足音が近付いて来ましたね。作者も含めて夏バテ気味だった方々もいよいよ復活です。 「あれっ、誰か来とったん?」 保健室に戻った亜子先生。二ノ宮先生のデスクにあった二つのカップに視線を注ぎます。 「ん、まあな。さっきまでちょっとすました子猫が居たんだ」 ごく普通に、二ノ宮先生はさらりと言い放ちました。亜子先生も特に追及はしません。何故なら……、 「―――でさあ、美空なんてずっとクラウンドだから日焼け止めが大変だったらしいよ」 「私もゆーなも室内競技だから日焼けの心配もないもんね~♪ アキラのトコも室内プールだし」 「……うん」 裕奈さんにまき絵さん、そしてアキラさんが楽しくおしゃべりしながら保健室にぞろぞろやって来ました。 今日は久しぶりに仲良し四人組が保健室に顔を揃えたのです。すぐさま亜子先生も話の輪に加わります。 「けど、夏休みもあっちゅー間に終わってもーたなあ……。みんなは夏の思い出とかあるん?」 「結局なーんも無かったなあ。部活して、いつも通り亜子にツッコミ入れてただけ。 やってる事は普段とあんま代わり無かった気がするなあ」 亜子先生の問いに、裕奈さんは苦笑交じりに答えます。 「私たち運動部は休みの間でも忙しかったからねー」 「ま、その分上達しただろう。みっちりしごいてやったからな」 まき絵さんが同意すると、二ノ宮先生はにやりと笑いながら横槍を入れます。 「アキラは自己ベスト更新したんやったな?」 「うん……。部活の方も成果が出たし、真名ともいっぱいデート出来た……」 亜子先生に話を振られたアキラさん。胸に手を当て、しみじみと思い出に浸っています。しかし、 「そーいや、今日たつみーは?」 裕奈さんの問いに、アキラさんはちょっぴり拗ねたような表情を覗かせます。 それだけで皆さん何があったのか理解してしまいました。 「大方、ひと夏の経験の後始末といったところか。しょうがないな龍宮は……」 二ノ宮先生はあさっての方を向きながら呟くのでした。 37-382 名前:Dr.アコー診療所3rd・8[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 06 52 04 ID ??? 2/4 「結局、ウチらはなーんも変わってへんなあ。いつも通りまったり過ごしてただけやね」 にこにこと亜子先生が言うと、アキラさんもようやく表情を緩ませ、微かに笑うのでした。 つられてみんなも笑います。 「しかし明石、お前は少し変わったのではないか?」 「へっ?」 唐突な二ノ宮先生の指摘に、思わず裕奈さんは素っ頓狂な声を上げます。 「しらばっくれても無駄だ。変わったのだろう? サイズが、な」 「な、何のことかにゃー?」 にやにやと不敵な笑みを湛えた二ノ宮先生が尋ねると、ようやく意図を理解した裕奈さんは やや赤くなりながらとぼけるばかりです。二ノ宮先生の視線に合わせるように、 まき絵さんとアキラさんも裕奈さんのある一点を観察しました。そして、 「えへへ。まき絵には悪いんやけど、ゆーなのたゆんはウチの手でおっきくしといたで!」 「わああっ!? バラさなくていいって!!」 亜子先生に暴露され、裕奈さんは真っ赤になってしまいました。これにはまき絵さんもアキラさんも 苦笑しています。どうして裕奈さんの胸が成長したのか。答えは言わずもがなですから。 「まき絵ももっともっと超さんにたゆたゆしてもらうんやで。こないな風に……」 「調子に乗らないっ!」 すぱーん! そのまま裕奈さんにたゆんたゆんしようとした亜子先生でしたが、例によってスリッパの一撃を まともに被弾してしまうのでした。 「ううっ、私もゆーなみたく成長したいのにぃ……」 やはりというか何といいますか、まき絵さんは自分のひんぬーに手を当てずーんと落ち込みます。 「え、えっとその……、胸が大きくても邪魔なだけだから。まき絵はそのままでもカワイイよ……?」 アキラさんはおろおろしながらまき絵さんを慰めます。いまいちフォローになってない気もしますが……。 「そーいや、あたしだけじゃなくていいんちょもおっきくなったよね?」 ぽつり、と裕奈さんが呟きました。 「お、ええトコに目え付けたやん。いいんちょは成乳期真っ盛りやもんなあ」 たわわに実ったあやかさんの胸を思い返しながら、亜子先生もうんうん頷いています。が、しかし……、 37-383 名前:Dr.アコー診療所3rd・8[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 06 52 42 ID ??? 3/4 「亜子……。あたしの知らない内にいいんちょまで毒牙に掛けたんじゃないでしょうね?」 裕奈さん以下、皆さんの視線が亜子先生に注がれます。 「べ、別にウチのせいやあらへんよっ! ウチはほんの4、5回しかたゆたゆしてへんし……」 「正直でよろしい」 すぱーん! 今度はお仕置きのスリッパが炸裂しました。 「ま、その程度じゃ大きくならない、か。やっぱ人によって違うんだよね……」 「ゆーな、その、今は……」 裕奈さんの独り言に、慌ててアキラさんは注意を促しました。見れば、まき絵さんは今にもにょろーんと 言い出しかねないくらいに落ち込んでいます。裕奈さんは頬を掻きながらまき絵さんの肩に手を掛けました。 「大丈夫だって。ちゃおりんがその内なんとかしてくれるって!」 「せやせや。たゆリストをなめたらアカンよー?」 「そう、だよね……!」 まき絵さんはようやく顔を上げました。そして、 「私、ちゃおりんのトコへ行って来るっ!!」 と、元気一杯に保健室を飛び出したのです。この、気持ちの切り替えの早さがまき絵さんのいい所ですね。 やれやれ、とばかりに一同は一安心するのでした。 「―――さて、今日はもう患者は来ないだろう。私が残っててやるから、亜子先生は上がっていいよ」 時刻は午後五時を過ぎたばかりです。二ノ宮先生は書類を纏めながら超えを掛けました。 「ええのん? せやったらお言葉に甘えさせてもらうわ!」 「ああ。それじゃお疲れさん」 そう言って二ノ宮先生はデスクワークを再開します。こうして亜子先生と二人のナースは 一足先に上がる事にしました。珍しく今日は平和な一日でしたね。 37-384 名前:Dr.アコー診療所3rd・8[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 06 53 23 ID ??? 4/4 「けどさ、珍しいね。二ノ宮先生が居残りなんて……」 「案外、誰かと待ち合わせしてたりして」 廊下を歩きながらアキラさんと裕奈さんはそんな事を言っています。と、そこへあやかさんがやって来ました。 「いいんちょ、保健室に用なん?」 「え、ええ。ちょっと……」 亜子先生に声を掛けられたあやかさん。言葉を濁しつつ一同とすれ違うと、そのまま保健室に入って行きました。 思わず三人は顔を見合わせます。 「なんでいいんちょがにのみーのトコに?」 「そーいやセンセ、さっきすました子猫がどうとかゆーとったよーな……」 「まさか……」 ある結論に辿り付き、三人は同時に息を飲み、保健室を見つめたまま硬直してしまいました。 ひと夏の体験。それが続くケースも決して珍しくないのです――― (めがっさ更新遅れてごめんなさい、と土下座しながらつづく) 37-390 37-390 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 16 25 44 ID ??? 「うぅ、夏が終わった矢先に風邪をひいてしまうとは…」 「マスター、何か栄養のあるものをお作り致しましょうか」 「頼む…っくしぇい!!」 「了解しました(ニヤリ)」 ─数十分後 「お待たせしましたマスター」 「っくちぇい!!ああご苦労…………何だこれは?」 「見ての通りサバの味噌煮ですが」 「風邪をひいているのにこんなクドい物が食えるか!しかも何故ネギやニンニクがてんこ盛りなんだ!!」 「サバには栄養が沢山含まれていますし、それに風邪にはネギが一番です。ゴチャゴチャ言わないで黙って食いやがってください」 「うぅ…ナギぃ…早く迎えに来てくれぇ……」 ゴメン、吊ってくるorz 37-391 37-391 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 17 24 08 ID ??? 雪が積もった坂にいる鶴 この日、明日菜があやかの部屋に遊びに来ていた。 千鶴「明日菜さん、あまりあやかを困らせないでくださいね」 明日菜「あ、いえ、そんなに困らせてなんて…逆にこっちが困って…ムグッ あやか「おほほほほほほ」 千鶴「?」 ピンポーン 「那波千鶴さん宛てに宅配便でーす」 千鶴「あら、私?えーと印鑑は…」 明日菜「ここですよね」 千鶴「…正解だけど」 あやか「明日菜さん、私のカップ取っていただけます?」 明日菜「はいはい、えーとカップは食器棚の3段目…」 千鶴「…」 (どうして私よりも私たちの部屋のことを知っているの…?) 千鶴「それじゃあ私、天文部の部活に行って来るわね」 あやか「いってらっしゃい千鶴さん」 明日菜「遅くまでいていいよー」 千鶴「!…明日菜さん、ちょっと」 明日菜「?」 千鶴「一応聞いておきますけど、あやかとはどこまで進んでいるのかしら?」 明日菜「えーと……Ωくらいまで…ガバッ あやか「おほほほほほほほほ」 千鶴の疑惑は募るばかりであった。 37-392 37-392 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 18 30 48 ID ??? ――雨が好き 彼女の傘に入れてもらえるから。 ――雨が好き 雨に濡れた私を彼女が優しく拭いてくれるから。 ――雨が好き 一日中彼女と部屋に居れるから。 ――雨が好き 彼女の名前も“雨”だから。 「なに書いてんだ、ザジ?」 「…なんでもないよ。」ニコッ ―千雨が好き だから私は本当の笑みを見せる。心からの笑みを…。 おわり 37-396 37-396 名前:夕映 麻帆良四方山話[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 21 08 29 ID ??? 夕映 麻帆良四方山話 夕映 「麻帆良の世界は不思議がいっぱいです。今日はその不思議の一つをお話しするです」 ”トイレの悪夢” これは麻帆良のトイレで起こる悪夢のような出来事です 史伽 「ふぅ~おトイレの後は手を洗うです」 こうしてトレイの洗面台で手を洗う少女、ハンカチで手を拭いて髪の乱れが無いか鏡を見ていたときのことでした 史伽 「ふぇっ!?えええっ!?」 なんとトイレの鏡に写る自分の姿に変化が現れたのです 鏡に写る少女がなんと自分に向かってあっかんべーをしているではありませんか 史伽 「きゃぁぁぁぁぁ!!!」 少女はそう叫ぶと、逃げるようにトイレを出て行ったのです やがて鏡に映った少女は、きしし、と笑うと消えてしまうのでした 葉加瀬 「あれ?誰かここに置いておいた映った対象が動き出すモンタージュ鏡知らないですか?」 古 「スマナイアル。トイレの鏡を割ってしまったので代わりに置いてしまったアル・・・」 葉加瀬 「まあ、別にいいですけれどね~」 古 「高いものだたアルか?」 葉加瀬 「気にしなくてもいいですよ。そうだ、このアロエ入りのトイレットペーパーを試してみませんか?」 古 「アロエ入り?お肌つやつやアルか?」 葉加瀬 「またトイレにでも置いておいてください。みんなに使って貰って感想が聞きたいですね」 葉加瀬 「あれ?アロエ入りのペーパーがここにあってわさび入りのペーパーがないって事は・・・」 そして今日もトイレから誰かの悲鳴が聞こえてくるです ハルナ 「あ、熱いぃ!!!も、燃えるぅ~!!!ら、らめぇ!!!」 完 37-398 37-398 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 22 19 05 ID ??? ニュアンスだけで判断してみよう。 亜子「そんなん言われても困るわ」 ゆーな「(こっちも困った顔で)にゃー」 亜子「そんなにされてもこっちにも都合があるで」 ゆーな「(悲しそうに)にゃー」 亜子「せやから…ゆーながやると困るやろ」 ゆーな「(何とか訴える顔で)にゃー」 亜子「そ、そんなの反則や」 ゆーな「(本当に頼み込むように)にゃー」 亜子「…仕方ないわ、それじゃあ今週の日曜な」 ゆーな「(嬉しそうに)にゃー」 亜子「はー、キャットフードにかつおぶしか。ほんまにゆーなは食費がかさむな」 ゆーな「にゃー」 アキラ「・・・ねぇまき絵、分かる?」 まき絵「・・・全然」 前ページ次ページSSまとめ
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どじふんじゃった!(前編) ◆AJINORI1nM 上空二十メートル。 芳野ととらの二人は、地図の端へ向かって移動していた。 とらが空を飛び、芳野がとらの背中に乗っている状態だ。 下は一面の海面で、陸地は遠くなってしまった。 「ねえねえとらちゃん、もっととらちゃんの武勇伝を聴かせてよ」 「ふん、仕方ねえなあ。それじゃあ次はこの話を聴かせてやるか」 地図の端へと到達するまでの間、芳野はとらからできるだけ多くの情報を引き出そうとしていた。 とらの話から、とらに関する事や、何かお宝の情報が得られないかと思ってのことだ。 (光覇明宗の総本山の場所は聴きだせたし、鎌鼬の傷薬ってのも高く売れそうね。まさかこれだけのお宝情報が手に入るなんて夢みたいだわ! ここに連れてきてくれたことをブラックに感謝したいくらいよ!) とらの話を聴いている芳野は上機嫌だった。 ここから出たら、早速それらの値打ち物を手に入れに行かなくては。 「うふふふふ」 「急に笑い出してどうした?」 「あ、いや、なんでもないなんでもない! ほら! 話を続けてちょうだい!」 「あ~? おかしなやつだな。まあ、いいか。それでよう、わしは飛頭蛮のやつらを──」 とらが話を続けようとした時である。 二人の首輪から、警告音が鳴りだした。 「な、なんだあ!?」 『会場外へ近付いています。会場外へ近付いています。これ以上進むのは危険です。今すぐ引き返してください。 繰り返します。会場外へ近付いています──』 二人の首輪から、警告音と共に機械音声が流れる。 これ以上進むと危険だという警告だ。 二人はその場で動きを止めた。 「とらちゃん、まさかこのまま進んだりしないわよね? 私達、首輪を付けられてるのよ? とらちゃんは体を真っ二つにされても平気かもしれないけど、私はそうじゃないの! それに、多分何か仕掛けが施してあると思うの。いくらとらちゃんでも、この首輪が爆発したら死んじゃうと思うわ」 「……ふん、これ以上進むなってか。それじゃあ試しにこの先がどうなっとるか、確認してみようじゃねえか」 「確認って……え? とらちゃん!?」 とらは、地図の端に当たる目の前の空間を見据える。 そこから先は海が広がるばかりで、水平線まで見ることができる。 しかし、地図の端の場所からは見えない何かの存在が感じられた。 体に力を込めると、とらは前方に向かって体から雷撃を放った。 「きゃっ!」 「だいじょうぶだ、おめえが雷を浴びないようにしてあっからよ!」 とらから放たれた雷撃は、何もない空間を走る。 そして、二十メートル程進んだところで、壁に阻まれたように平面状に爆散した。 飛び散った雷撃が、一瞬だけ辺りに光をもたらした。 「やっぱりな、結界で行く手を阻んでやがるぜ。こりゃあナガレかしぐれ辺りを見つけねえと、ここから出るのは難しいかもなあ」 「け、結界ぃ!?」 続いて、とらはその大きな口から炎を吐き出す。 すると、炎も雷撃が阻まれた地点と同じ場所で行く手を阻まれ、上空に向かってその動きを変えていた。 どうやら、地図の外へ行けないように、見えない壁のようなものが展開されているらしい。 海面を見てみれば、ある一定の場所で波がその動きを変えている。 外から来る波は、その場所に到達すると壁にぶつかったように飛沫を上げ、内側の海面は外の波など知らないという風に小さく揺れていた。 恐らく、そこが地図にある境界線なのだろう。 ここに集められた者達は、見えない壁によって閉じ込められている状態なのだ。 (結界……。結界かあ。獣の槍を使えば、なんとかなるのかしら? でも、取りだしたら持ち主の潮とかいう子の所に行っちゃいそうだし、 その子に使わせるとしても、その子から獣の槍を取り返すのは面倒そうね……うーん……) 悩む芳野は、とらの話に出てきた参加者の一人を思い出した。 とらは言っていたではないか。 「こりゃあナガレかしぐれ辺りを見つけねえと、ここから出るのは難しいかもなあ」、と。 「あ、とらちゃんとらちゃん。さっき言ってたナガレとかしぐれって人なら、この結界をなんとかしてくれそうなの?」 「あ? ああ、まあわしよりはあいつらの方が結界には詳しいだろうからな。こんな面倒くせえもんは、あいつらにまかせときゃ良いだろ」 それを聴き、芳野は心の中でガッツポーズをとった。 (よしっ! それなら獣の槍を手放さずにここから脱出できるかもしれないわ! あのブラックって奴が、ここに連れてきた者達に破られるような結界を張っているとは思えないけど、頼ってみる価値はありそうね。 ダメな時は、別の脱出方法を考えるってことで) ナガレやしぐれというのは、名簿にあった秋葉流と蒼月紫暮のことであるのはわかっている。 とらの話から、その人となりも把握済みだ。 自分のようなか弱い女の子を襲うような者達ではないようだし、利用するだけ利用してしまおう、と芳野は考えていた。 「ねえ、そろそろ陸の方に戻らない? 結界について調べるなら、海の上よりも地に足着いた所の方が良いと思うわ」 「そうだなあ。この首輪から出る声もうるせえし、戻るとするか」 芳野の提案に同意し、とらは反転すると陸に向かって飛び始めた。 会場の端から遠ざかると首輪の警告音はしなくなり、波の音と風を切る音しか聞こえなくなる。 芳野が再びとらから話を聴こうと口を開くより先に、とらの口から声が漏れた。 「ん!?」 とらの目は夜の闇でもよく見えるし、聴力も優れている。 暗闇の中、とらは何かが高速で飛ぶ音を耳にした。 音のする方を見れば、何かが海に向かって飛んでいるのが目に入った。 金色に輝くそれは、遠くの海面へと突っ込むと、盛大な水柱を上げる。 「今の……何?」 「わからん」 金の流星は、芳野にも見えた。 流星が海面に突撃した地点までは距離があるが、それほど離れてはいない。 「と、とらちゃん! あそこ! あそこ行ってみましょう! 何があるか見てみたいわ!」 「わかった! わかったから背中で飛び跳ねるな!」 芳野の目は、遺物や金目の物を見つけた時と同じものになっていた。 金色に光る流星。 きっと値打ち物に違いない、と。 それが、まさか参加者であるとは夢にも思っていない。 (もしも海に沈んじゃってたらそれまでだけど、場所くらいは頭に入れておかないと!) 一人と一匹は進行方向を変え、巴武士とゼオン・ベルが落下した海上へ向かって進んで行った。 ◆ ◆ ◆ 「お? ガキかあ?」 「子供……?」 目的の場所へと辿りついた芳野ととらは、海面に浮かぶ一人の子供を発見した。 銀色の髪に銀色のマント。 リュックを背負っていることから、参加者の一人なのだろう。 手には髪やマントと同じく銀色をした大きめな本を握っている。 海上には、この子供以外に何も浮かんではいなかった。 「けっ。まずそうなガキだなあ。……いや、この力……。あのガキ、化生の類か?」 「え? あの子もとらちゃんみたいな妖怪ってこと?」 「ま、少なくともニンゲンじゃねえのは確かだな」 とらは、海上に浮かぶゼオンからただならぬ気配を感じ取っていた。 人でないのは確実だろうが、妖怪の気配とは何かが違う。 背中にはよしのも居ることだし、迂闊に近付くのは危ないだろうと、少し離れた所で様子をうかがう。 (とらちゃんと同じ未知の生物? でも、どう見ても人間の子供にしか見えないわね。……一応髪の毛の数本くらいはいただいておこうかしら?) 芳野は、また現れた未知の生物の存在に瞳をぎらつかせる。 とらに加えて、これは貴重な収穫だ。 それに、先程の流星についても何か知っているだろう。 早く情報を訊き出したいという気持ちが、芳野を突き動かす。 「とらちゃん、あの子にさっきの流星の事とか訊きたいし、早く近付きましょうよ!」 「なに言ってんだおめえ。あいつがわしらに襲ってくるようなやつだったらどうすんだよ?」 「何びびってんのよ! 相手は子供じゃない! それに、たとえ襲ってきたって、とらちゃんが私を守ってくれるんでしょ?」 「誰があんなガキにびびるか!! ……ったく、どうなってもわしは知らんからな? 海に落ちんよう捕まっとけよ!」 とらは悪態を吐きながらも、尾で芳野を支えながら海上に浮かぶ少年へと近付いて行く。 さっき大声を出したせいか、少年はこちらに気が付いたようで、近付いてくる芳野ととらへ顔を向けていた。 こんな海のど真ん中から助け出せば、話の一つくらいは聴けるでしょ、と高を括っていた芳野だったが、 そんな甘い相手ではないことを、その身をもって体感することになる。 ◆ ◆ ◆ 海上に浮かぶゼオンは、近付いてくる者達を見て歯を軋ませた。 虎のような魔物と、その背中に乗る人間。 先程叫んでいた声は、波の音と距離があったせいで正確に聴きとる事はできなかったが、 自分を嘗めている(なめている)雰囲気が感じ取れた。 (先程の人間に加えて、こいつらも俺を侮辱するか!) いつもなら、相手の実力も計れぬ愚か者と気にすることもないが、 自分の力を見せてもなお侮られる(あなどられる)屈辱を味わったばかりである。 怒りはまだ治まっていない。 その上、再び己を下に見る者が現れたとあっては、その怒りは膨れ上がる一方だ。 ただでは済まさない。 この雷帝ゼオンを侮辱するとどうなるか、その身をもって思い知らせてくれる! 「……へっ、ガキのくせしてこれほどの殺気を放つたあな。おどろいたぜ」 とらは、ゼオンから発せられた凄まじい殺気を感じ取った。 そこから、この子供が今まで戦ってきたどの妖にも引けを取らない力を秘めていることを理解する。 いつもならば、とらに殺気を放つような奴は八つ裂きにしてやるところではあるが、背中には芳野が乗っている。 下に降ろそうにも、一面に海が広がるばかりで、陸まではまだ遠い。 芳野が泳げるかはわからないが、海水で塩辛くなるのは、美味そうな食事を台無しにするようで気が引けた。 ゼオンとはまだ距離がある。 離れるならば今の内だろうと、とらは空中で動きを止めた。 「ちょっととらちゃん! 急に止まってどうしたのよ!」 「やかましい! おめえはあいつと話しをしたいんだろうが、あのガキは話し合いに応じる気はないらしいぜ。 おめえが海に落ちても良いってんなら、近付いてやっても良いけどよお?」 「それでも良いわ! まずはお宝の情報が最優先よ! ほら、さっさと近付く!」 「ハア!?」 おかしな奴だとは思っていたが、ここまでおかしなニンゲンも初めてだ。 別によしのを背負ったまま戦っても勝てる自信はあるが、よしのを無傷で勝てるかと訊かれると、正直分が悪いとも思う。 ここは、背中でうるさく喚かれようと離れるのが良いだろうと、とらは進行方向をゼオンから陸へと変更した。 「どこ行こうとしてんのよ! そっちじゃないわよ! あっち! あの子の所に行きなさい!!」 「髪を引っ張んじゃねえ!!」 芳野はわーわーぎゃーぎゃーととらの背中で暴れている。 とらはそんな芳野を落とさないようにしているが、流石に堪忍袋の緒が切れるのも近い。 なんでこんなやつの心配をせにゃあならんのだ。 陸に向かうのを止め、銀髪のガキに近付こうかと気持ちを切り替えそうになったその時だ。 銀髪のガキ、ゼオンの殺気が一層膨れ上がったのを感じ取った。 その瞬間、とらはゼオンの方へ振り向いた。 見れば、海上に浮かぶゼオンの体を、その身に纏うマントが包みこんでいるところだった。 ゼオンの体をマントが包みこむと、マントごとゼオンの姿が消え去った。 「あァ!?」 そして、消え去ったはずのゼオンがとらの目の前に姿を現した。 とらとの距離はわずか三メートル足らずだ。 「チィ!! 瞬間移動をつかいやがるのか!!」 「ザケル!!」 ゼオンの叫びと共に右手に持つ魔本が発光し、その左手から雷撃が発せられる。 手加減はしていない。 消し炭にする気持ちで一撃を放つ。 とらはその雷撃をまともに浴びることとなった。 芳野が悲鳴を上げ、とらの背中に身を隠す。 だが、その行為にどれ程の意味があるだろうか。 雷撃はとらの体を走り抜け自分にも届くはずだ。 しがみ付く背から離れ海に逃げようとしたが、とらの尾が体に絡み付いているため離れることができない。 芳野は襲い来るであろう衝撃に目を瞑った。 「小僧、なかなかやるじゃねえか。だがよう」 しかし、芳野に雷撃が届くことはない。 代わりに届いたのはとらの声だ。 とらは雷獣とも呼ばれる雷を操る妖である。 故に、とらは電撃や雷撃といった攻撃との相性が非常に良い。 ゼオンの放った雷撃がとらの耐久を下回っていたこともあり、とらは背負う芳野に雷撃を伝えることなくその身に受け止めることができたのだ。 「そんな雷でわしに挑もうなんざ百年早いわ!!」 お返しとばかりにとらの体からゼオンに向かって雷が放出される。 制限下にあるとはいえ、その威力はゼオンのザケルを上回る。 ゼオンは迫りくる雷に対して、自らのマントでそれを防いだ。 「とらちゃん! あの本を奪うのよ!」 「わかっとるわ!!」 放たれた雷の閃光が晴れた時、とらは既にゼオンに肉薄していた。 同じ雷を操る者同士だ。 今の雷で銀髪の子供を仕留められるとはとらも考えていない。 雷は目眩まし(めくらまし)……と攻撃された仕返しを兼ねて放ったものだったのだ。 本当の狙いは子供の持つ銀色の魔本。 あの本が光輝き、そして呪文と共に子供は雷を発した。 芳野もとらも、その一度で子供の持つ本が攻撃の要であることが推察できたのだ。 芳野はトレジャーハンターとしての経験から。 とらは幾度となく繰り広げた戦いの経験から。 自分の推察が正しいことを確信していた。 「ザケルガ!!」 狙いが本と分かっていて、何も行動しないわけがない。 発光する魔本。かざす左手。 ゼオンが呪文を言い放つと同時に、とらに向けられた左手から一筋の光線のような、一直線に伸びる雷撃が飛び出した。 雷の力を拡散しないように収束し、高密度の状態で放つ術だ。 ザケルガは雷撃による熱、衝撃に加えて物理的な貫通力も有している。 相手が雷に耐性がある魔物だろうが、この術ならばその体を貫くことができる。 とらは身を捻る(ひねる)が、至近距離から放たれた攻撃だったため、完全に回避できず脇腹を貫かれてしまった。 「きゃあ!」 ザケルガはとらの体に穴を開けると、芳野の真横を通り過ぎた。 とらが身を捻らなければ、とらを貫通したザケルガは芳野の体も通り抜けていたことだろう。 「とらちゃん、大丈夫!?」 芳野が尋ねるが、とらは答えない。 ゼオンは追撃をしようと再びとらに左手を向ける。 しかし、その手はとらの右腕に掴まれた。 腹部を貫かれても尚、とらはゼオンへの接近を止めてはいなかったのだ。 「言っただろ、わしは体を二つに裂かれようが動けるってよう!!」 芳野へ返答すると同時に、とらの髪の毛がまるで生物のように動きだし、ゼオンの全身を絡め取った。 「ラウ……!!」 ラウザルクで髪の毛を振り払おうと、ゼオンが口を開いたその時だ。 とらの髪の束が開いた口内に侵入した。 髪はゼオンの口を塞ぎ、喋ることを、呪文を唱えることを不可能にする。 ゼオンは口内の髪の毛を噛み千切ろうとするも、髪の毛は細く噛みにくく、 頭を動かして引き千切ろうにもその動きを他の髪の毛によって邪魔されてしまう。 そのためゼオンは体に絡み付いた髪の毛を、そして掴まれた腕を振り解こう(ふりほどこう)ともがいた。 右腕は魔本を掴んでいるせいで振るうことしかできないが、何も持たない左腕ならばこの邪魔な髪を掴み引き千切ることができる。 ゼオンは左腕を動かすべく力を込めた。 「こいつ! なんつう力だ!」 一体この小さな体のどこにこんな力があるのか。 力には自信のあるとらであったが、ゼオンの力に少々押され気味だ。 この拘束が解かれるのも時間の問題かもしれない。 何か呪文を唱えようとしているのか、ゼオンの持つ魔本は輝きを放ち続けている。 「チッ! しょうがねえ! 先にこいつの本を燃やしちまうぜ!!」 「!?」 「え、ちょ、とらちゃん!?」 ゼオンと芳野に緊張が走った。 見れば、とらの口内には赤い炎が見えている。 芳野はとらの背中を叩いて、叫び、とらを止めようとしているが、とらはそれを無視している。 とらの目はぎらつき、今にも炎を吐き出しそうな雰囲気だ。 不味い、とゼオンは思った。 現在掴まれている左腕をとらの拘束から振り解く事は可能だろう。 だが、とらもそれなりに力が強く、振り解くには時間がかかってしまう。 それまでの間、髪の毛に絡み付かれ動きにくい状態で、放たれようとしている炎から魔本を守り通すことはできるだろうか。 ラウザルクを唱えればこのような拘束など簡単に解いてみせるが、今は呪文が唱えることを妨げられている。 魔本は王を決める戦いにおいて最も重要なものだ。 それを失うということは、王への道を失うのと同等の意味を持つ。 自身を犠牲にしてでも守り通さなければならない。 とらの口から、灼熱の炎が吐き出された。 拘束は未だ振り解けていない。 ゼオンは躊躇うことなく、右手に掴む魔本を炎の魔手より逃がすために放り投げた。 魔本はゼオンの手から離れ、炎はさっきまで魔本を掴んでいたゼオンの右腕を焼き焦がす。 ゼオンは苦痛に顔を歪めたが、声を漏らすことはなかった。 「とらちゃん! あれ!! あの本を取って早く!!!」 放り出された本を見て、芳野はとらの肩から身を乗り出した。 今にも魔本に向けて飛び付きそうな勢いだ。 とらはそんな芳野を左手で背中にへと押し戻すと、伸ばした髪を動かし放り出された魔本を絡め取る。 「危ねえじゃねえか!! 何考えてんだおめえはよう!! ……ったく、ほら、これでいいのか?」 とらは髪に絡め取った魔本を引き寄せると、芳野へと渡した。 「そうよこれよ! これが魔術の核に違いないわ! ……初めて見る文字ね……あれ? この色の変わった部分が読める。読めるわ!!」 芳野は手に入ったお宝に歓喜している。 とらはそんな芳野を見て飽きれていた。 だが、気を緩めるわけにはいかない。 ゼオンの込める力が一層強くなった。 向けられる殺気が膨れ上がっている。 ゼオンの双眸(そうぼう)には、憎悪と怒りが色濃く映っていた。 魔本を手放し自由になった右腕で絡み付く髪を掴み取り、それを一気に引き千切る。 口に侵入している髪も一緒に引き千切り、口内に残った髪を吐き出す。 「貴様ら……許さんぞ……」 憎悪の籠った(こもった)低い声をゼオンは発した。 巴武士に侮られた怒りが、右腕を焼き焦がされた怒りが、そして何より魔本を奪われた怒りがゼオンに充満していた。 「この雷帝ゼオンを虚仮(こけ)にしたこと、死んで悔いるが良い!!!」 叫ぶと、ゼオンは左腕の拘束を振り解いた。 もう、ゼオンの動きを妨げるものは何もない。 その憎悪の籠った瞳を見て、やばいと芳野の本能が告げた。 あの雷帝ゼオンとか言う子供は間違いなくこの本を狙ってくる。 本の影響かとも思ったが、どうやら素で身体能力が常軌を逸しているらしい。 ゼオンの動きでそれがわかった。 では、どうするか。 芳野の右手には『持ち主に魔術を行使させる遺物(オーパーツ)』が握られている。 ゼオンの行動から見て、どうやらこの本を持ち記されている呪文を唱えると使用者の手から雷の魔術が放たれるらしい。 ならばと、上半身をとらの肩の上に乗り出させ、左腕をゼオンへと向ける。 流星のことを訊かなくちゃいけないけれど、このまま暴れられても困る。 あの自在に動くマントも欲しいところだ。 このなんだか強そうな呪文を使って、一時的に気絶してもらおう。 芳野の持つ魔本が輝き始めた。 「ソルド・ザケルガ!!」 さあ、どんな魔術が出て来るの? 期待の込められた芳野の目に映ったものは、自身の左手から放たれる雷の魔術ではなく、ゼオンの手に突然現れた雷の大剣だった。 銀色の本は奪った。 だから、ゼオンは魔術を使えないはずだ。 そう思っていた二人の目の前には、しかし魔術が行使されたゼオンの姿が確かにあった。 「え?」 「愚か者が!!」 巨大な雷刃が振るわれる。 とらが回避行動に移るが、至近距離、そして予想外の出来事だったために避けきれなかった。 魔本は自分では燃やせない。 そのルールにより、例え『ソルド・ザケルガ』が魔本に当たったところで本は燃えないと、 躊躇う必要のない、真横に思い切り振るわれた大剣は、とらの体を半ば(なかば)から上下に分けた。 脚の太腿に辺りが寒くなって、芳野は下を見る。 温かかったとらの下半分が無くなっている。 だから、夜風に当たって太腿が冷えたのだろう。芳野はそう思った。そう、思いたかった。 だが、おかしい。 そこにあるべき自分の両足が、とらの下半分と一緒に消えて無くなってしまっている。 スカートの裾も何故だか短くなっている。 どこにいったのだろうと視線をさらに落とすと、海に落ちる三つの物体があった。 大きいモノが一つと、細長いモノが二つ。 大きい方はとらちゃんの体として、細長い方は………私の、足? 見れば、ぼたぼたとあり得ない量の血液がスカートの中から落ちている。 まさかこの血は私のじゃないわよね? そう思った芳野から、今度は右腕の感覚が消えた。 真横に振られた雷刃が、その速度を保ったまま今度は縦に振り下ろされたのだ。 芳野の右肩に近い上腕部分、そしてとらの右肩を通り過ぎ一直線に雷刃は通過した。 結果、とらの残った上半身は更に二つに分断され、魔本を持った芳野の右腕は体から切り離された。 切り離された右腕に握られている魔本から、まるで命が失われたように輝きが失われる。 芳野はそれを見ると、自分の体の最後の支えである左腕をとらから離し、魔本を持つ切り離された自身の右腕に向けて腕を伸ばした。 その伸ばした腕は切り離された右腕に向けたものなのか、魔本に向けたものなのか、或いは、両方に向けられたものなのか。 左腕を伸ばした芳野の体を浮遊感が襲う。 芳野を支えていたとらの尾はソルド・ザケルガにより切られ遥か下。 最後の支えであった左腕もとらから離したのだ。 全ての支えを失った芳野の体がとらから離れていくのは当然だろう。 芳野の左腕は、まだ魔本を持つ右腕へ向けて伸ばされていた。 ◆ ◆ ◆ 「ふん!」 ゼオンは鼻を鳴らした。 とらに二回攻撃を加えた所でゼオンの手から『ソルド・ザケルガ』が消失したのだ。 恐らくは後ろに居た女が死んだか、本を手放したかで魔本に心の力が送られなくなったからだろう。 そう思っていると、女が海に落ちているのが見えた。 魔本を掴んだ女の右腕も一緒に落ちているが、その回収は後回しだ。 目の前の魔物からは、まだ生気は消えていない。 「やろう!!」 ゼオンに向かって、業火と共にとらの“両腕”が襲いかかる。 とらの口からは火炎、そして残された左腕がゼオンを抹殺すべく動き出しているのだ。 切り離されたはずの右腕も、独自に動いてゼオンへと迫っていた。 とらの下半身はというと、芳野を救おうとしているのか、芳野に向かって直進している。 なるほど、体を裂かれても動けるというのは本当らしい。 ゼオンの体は未だ空中にある。 魔本は無く、術を使うことはできない。 ゼオンは己を切り裂かんとする爪、焼きつくそうとする業火を防ぐべくマントで自身を覆い隠す。 その爪と業火がマントに触れようとする直前、ゼオンの体は空気に溶けるように消え失せた。 「どこにいきやがった!!」 とらの攻撃は空振りした。 最初に見せた瞬間移動を使ったのだろう。 ゼオンはどこへ移動したのか。 気配を探ると、背後からゼオンの気配を感じ取れた。 それと同時に首へ衝撃が起こる。 攻撃を受けたらしいが、とらは構わず振り向きざまに腕を振るう。 何かが砕ける音が首から聞こえた。 振り向いた先には、蹴りの姿勢をしているゼオンの姿があった。 どうやら首に蹴りを入れられたらしい。 振るった爪はゼオンの胴に食い込み、その小さな体を抉り(えぐり)ながら大きく吹き飛ばした。 即座に追撃するべくとらの体が動く。 しかし、とらの追撃がゼオンに届くことはなかった。 とらが追撃のために動きだすと同時に、とらの首から炸裂音が上がる。 それは、最初の広場で見せられた首輪の爆発の音と同じものだった。 爆発音がとらの耳に聞こえるよりも先に、とらの首が胴から離れる。 その吹き飛ばされた頭は怒りの表情に満ちていた。 全ての怒りを集約したかのような、ぞっとする程ぎらついた瞳は、最後までゼオンを睨みつけていた。 ◆ ◆ ◆ 落下の途中。 視界の端でとらの頭が胴から離れるのが見えた。 そして聞こえる爆発音。 とらが死んだのだと、芳野は理解した。 どじを踏んだと自分でも思う。 あの魔本は持ち主に力を与えるのではなく、ゼオンに力を与える物だったのだ。 支給品やとらの話から、何らかのオーパーツだと思ったが、あれはゼオンの元々の持ち物だったのだろうか。 それとも、最初に使用した者に力を与える物だったのだろうか。 それを判断する術を、芳野は持ち合わせていない。 あそこでああすれば良かった。こうすれば良かった。 後悔しても後の祭りだ。 体が海に到達する。 傷口に海水が染み、激痛で意識を失いそうになる。 (ごめんね……とらちゃん………) 芳野の意識は、ここで終わった。 【とら@うしおととら 死亡】 【染井芳野@スプリガン 死亡】 【残り69名】 投下順で読む 前へ:ナビ 戻る 次へ:どじふんじゃった!(後編) 時系列順で読む 前へ:ナビ 戻る 次へ:どじふんじゃった!(後編) キャラを追って読む 019:うしおと――/――ととら 染井芳野 060-b:どじふんじゃった!(後編) とら 028:虹 ゼオン・ベル ▲
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澪「まぁいいや」 律「そうだな」 澪「それで?」 澪「いったん学校に戻ってきたって言ってたけど…唯や和もいたのか?」 律「ああ。みんな、いたよ」 律「……梓以外は」 澪「えっ、梓はどうしたんだ?」 律「犬に追いかけられて消えてった」 澪「そっか」 律「梓をのぞくアタシらは学校に戻って 澪やムギたちにコンビニで買ったメシを届けたんだ」 律「まあ、言ったとおり澪は寝てたけどな」 澪「うん」 律「で、みんなでメシ喰って、しばらくして 救助の人が『ここはヤバいから移動しようず』とか言ってきてさ」 澪「ヤバい?何が?」 律「…電気がアレで、復旧しなくて、水も破裂?して 食べ物も、アレで、寒くて、冷えて、、。」 律「おわり」 澪「えっ」 律「で、唯が救助の人にコショウをふりかけて、どっかに走り去って ムギは本物の動物の豚の生皮着ぐるみを着て、どっかに走り去って 和もいつのまにかどっかに走り去っていった」 澪「待て待て待て」 律「そして私もどっかに走り去った」 澪「待てって!!」 律「どうしたの?お腹痛くなったの?」 澪「あたま痛くなったの」 澪「分からないことだらけだよ」 律「まあ、いつの時代もそんなものさ」 澪「救助の人が何を言っていたのか絶対に理解出来なかったんだな?」 律「はい」 澪「まぁいいよ。良くはないけど、そこは諦めるよ」 澪「しかし、なぜ 唯が救助隊にコショウをふりかけたかくらいは分からないのか?」 律「さあな……最近の唯さんが何を考えてるか アタシらでも分かんねーんだ」 澪「アイツは暴走族のイカれたヘッドか何かなのか?」 律「まぁ、とにかく澪以外みんな走り去っていったんで アタシも走り去る事にしたんだが 走り去ってる途中で どこへ走り去ったらいいか分からなくなってな」 澪「そりゃそうだろうな」 律「でも、そのうち気付いたんだ」 律「アタシたちは明日に向かって走り出しているんだ!ってな」 澪「そうか」 澪「なに言ってんだお前」 澪「まあ1つずつ、いこうじゃないか」 律「いいぞ」 澪「お前は走り出したあと、どうしたんだ」 律「なんか、そこらの家から人がワラワラ出てきてね」 律「雪も降り始めているってのに民族大移動の始まりさ」 律「気が付けば町中の人が、どこかに向かって歩き出していた」 澪「ほう」 律「頭の悪いアタシでも流石に気付いたよ」 律「こりゃやべぇってな」 澪「そうだな」 律「で、アタシはしばらく町の人らと何処かへ歩き続けていたんだ」 澪「お前にしてはマトモなチョイスだな」 律「でも、そのうち学校で寝ている澪の事が 気がかりになって引き返したんだ」 澪「律にしてはステキなチョイスだな」 律「でも、そのうち扉が開きっぱなしになって 店員のいない漫画喫茶があってね」 澪「お、お前、まさか」 律「さっきまでそこにいた」 澪「2日間も!?」 律「なんとかスラムダンクを全巻読破したぞ」 澪「スラムダンク読むのに2日もかかったの!?」 律「字が多かったからな」 澪「多くないよ!!」 律「おもしろかった」 澪「私の事は!?」 律「好きだよ」 澪「えっ…ば、ばかっ///」 律「まぁいいか」 澪「まぁいいよ」 澪「それでも、ここに戻ってきてくれたんだから」 律「まあね」 澪「しかし、お前……そののち、校庭で排泄行為をおこなっていたが… トイレまで我慢出来なかったのか?」 律「いや~、雪にジャムつけて食べてたら お腹が急に痛くなっちってさ」 澪「なぜ、そんなマネを」 律「食べ物はジャムしか持ってなかったからね」 澪「なぜジャムしか持ってなかったんだ」 律「梓にハメられたんだ」 澪「どうやったら、そんな状況になるんだ」 澪「いや…でもまあ、お前は頭がおかしいからなぁ」 律「おい、そんな納得の仕方でいいのか」 澪「それで…来てくれたのはありがたいが これからどうするんだ?」 律「そりゃアタシが聞きたいよ」 和「それならこの学べる和にお聞きなさい」 澪「えっ!?」 律「おっ」 和「全新系列!!」 律「天破侠乱!!」 和律「見よッ、眼鏡は赤く燃えているッッッ……!!」 澪「一体、何が起こったんだ…」 和「ウソよ」 澪「あぁ。何がウソなのかは全く理解できないけど……」 澪「和……お前、どうしてここに?」 律「何処かへ走り出したんじゃなかったのか?」 和「私は色々と準備を整えて澪を助けに来たのよ」 澪「私を?」 和「救助の人たちは寝ている澪を置いていくって言っていたしね」 澪「置いていくって…みんな、どこに行ったの?」 和「あら、律から聞いてないの?」 律「へへ…」 和「あぁ、まぁ彼女は頭がおかしいものね」 澪「そうなんだ」 律「そんな事ないよ!?」 和「スラムダンク名言集ク~イズ」 律「よし来い!」 和「左手は…?」 律「揚げるだけ」 澪「唐揚げでも作る気なのかこのイカレカチューシャ」 和「それで澪、調子はどう?」 澪「あぁ、すっかり元気になったよ。いささか眠り過ぎたけれど」 和「元気になったのは分かっているわ」 和「私が訊ねているのは精神的な話よ」 律「どういう事だ?」 澪「こんな事態になって不安じゃないか…とかって事?」 和「澪、あなたは保健室で目を覚まし、携帯を確認した直後 パンツに手を突っ込んで拳を「ドーン!」って突きだしたわね?」 律「えっ」 和「こうよ」モゾッ 和「ドーン!」グィィン 澪「……」 律「どういう意味なんだ?」 和「分からないわ」 澪「和、なんでそれを…」 和「私は昨日から保健室にいたのよ」 律「あっ、そうなのか?」 和「ずっと澪が目を覚ます様子がないから 綿を含んだ水で口を湿らせてあげたり 寒くないように添い寝してあげたり 寝汗を拭いてあげたり下着を脱がせたり 下着を頭にかぶったり下着を着せたり脱がしたり 触ったり触ったり触ったり 色々世話になったのよ」 律「へ~」 澪「世話になったってなんだよ!?世話をしたんだろ!?」 和「そうね」 和「それと、何か誤解しているようだけれど 私は純粋に看護しただけだから」 澪「本来かなあ」 律「和は偉いや」パチパチパチ 律「なぜ下着を頭にかぶったのかは謎だが」 和「弱っている女、子どもを私は放っておけないわ」 律「聖人君子なのか変質者なのかハッキリしてくれ」 澪「なんだろう…」 澪「すごく胸がもやもやするよ」 和「胸が…?それはイケナイわね……」 澪「いや、興味をもたなくていい」 澪「まぁいいよ」 和「それがいいわ」 澪「でも私が目覚めたとき和の姿は見えなかったぞ」 和「保健室は暗かったでしょう?」 澪「うん」 和「私は闇の中、黒の全身タイツを着て、立ち尽くしていたのよ」 律「まるで名探偵コナンの犯人のような」 澪「どうしてそんな事を…」 和「澪がそろそろ目を覚ましそうだったから ビックリさせようと思って」 澪「今、十分ドン引きしたよ」 和「それでいつ驚かせようかタイミングを見計らっていたら」 和「ドーン!」グィィン 澪「……」 和「私は澪の気色悪さに失神したってワケ」 澪「……」 和「精神を疑いたくなるのも頷けるわね」 律「私から一ついいか?」 和「どうぞ」 律「お前ら変態じゃないの?」 澪「お前に言われたくないんだよ!」 和「まぁいいわ」 律「そうだな」 澪「そうしよう」 澪「さて、律の説明は意味不明だったが 和は今どういう状況か理解してるのか?」 和「救助隊の話は聞いたわ」 和「かなりややこしい話だったし『たぶん、おそらく』と 推定の部分が多すぎて どこまでが本当か分からないけれど…」 澪「うん」 和「簡潔に言えば もうすぐもっと寒くなって、雪が積もって 水や食料、燃料の供給が一時的に断たれるから しばらくの間、街を離れるべき、という話だったわ」 澪「えぇ~…」 澪「なんかオオゴトだな…。どうしてイキナリそんな事に…?」 和「さぁ…過去に例が無い異常気象だからなんとも…」 和「でも物事には必ず始まりがあるものだし 『そんな話、聞いた事ない!』と喚いてみても、仕方ないわ」 澪「まあ、そうだけど…」 澪「けど…、そんな状態で私は学校にとり残されたのか」 澪「よく考えたら怖い話だ」 和「正確には、後回しにされたのよ」 和「町の人たちを避難場所まで送り届けたあと 助けに戻るとは言っていたけれど」 律「でも救助の人、来てないじゃん」 和「これだけ雪が積もっての長距離移動は辛いでしょ」 和「責められないわよ」 和「それで、澪の両親も、その事を知らずに避難してる可能性があったから 私が一肌脱いで人肌でヌイたというワケよ」 澪「ん?」 和「なんでもないわ」 澪「あっ、もしかして唯が救助隊にコショウをふりかけたっていうのは 私を置き去りにする事に対して怒って…?」 和「いえ、アレはそんなタイミングじゃなかったわね」 和「もっと異質な何かだったわ…」 澪「そ、そうか…」 律「で、学べる和センセイ、これからどうすんの?」 和「ふふ」 澪(和がウキウキしてる…) 澪(気味が悪い) 和「本来ならセーフティラインまで避難すべきでしょうけど 雪で足元が悪く、移動にはかなり手間どるのではないかしら」 和「予報によると明日はかなり天気が荒れるらしいし 今は動くべきではないかも」 律「ふんふん、それで?」 和「幸い、ここには灯油があって、充分な食べ物もある」 和「明日から荒れるという天候がおさまるまで ここで暖をとりつつ留まるのが賢明でしょうね」 律「移動は明後日以降ってワケかぁ」 澪「て事は、まだ学校に居続けなきゃいけないんだな…」 澪「私はもう3泊くらいしてる事になっちゃった」 和「色々、準備はしてきたから初日よりは快適なハズよ」 和「寒さと飢えを気にしないでいいだけで、かなり違うわ」 律「そりゃ分かるけど、ヒマだよなぁ」 澪「じゃあ部室に行って練習するか?」 律「えぇ~…あそこは寒いだろ」 澪「ストーブくらい運べばいいだろ」 和「ふふっ、楽しそうね」 澪「あ、でも和は退屈かな?」 和「あら、私も簡単な曲ならピアノで弾けるわよ」 律「よーし。そんじゃ、ドラム叩いてストレス解消するのも悪くないか」 和「じゃあ軽音部の部室に行きましょうか」 澪「あっ…」 律「どした?」 澪「なんでもないよ」 澪(そういえば亀が死んでるんだった…) 澪(でも、私が殺ったなんて分かんないよな…?) 澪「じゃあ部室に行こう!」 14
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19:これマジで死んじゃう何分前って奴なんじゃないの? 俺、アーネストと浅井うららさんは、廃墟になった病院(医院)に着いた。 そして、うららさんは診察室跡に入るなり俺に診察ベッドの上に寝るよう言った。 俺は言われた通り、仰向けに寝たんだ。 「診察始めまーす」 「え…?」 そう言うなり、うららさんは、俺の股間を撫で回し始めた! えええ! 待って、ちょっと、嘘でしょ、まさかこんな。 「う、うららさ…!?」 「じっとしてて。まずはモノを見ないと」 「モノって、あっ、あん…」 絶妙な手つきに俺はすぐに快感を感じ始めてしまう。ナニが収納されているスリット周辺を、 優しく撫でられるだけで電気が走る。やばい、凄く気持ち良い! そ、そんなのされたら、俺、すぐ…あ、もう、無理、固くなっちゃうよぉ! 「おっ! 出てきたわね…アーネスト君の息子が」 「うううううっ、は、恥ずかし…」 「うわぁ、凄……大きいね…立派だよ……太くて硬くて…長くて…あはっ、ビクビクしてるね」 !! やめ、あ! 触っちゃ駄目だって、マジ、無理! 無理いいいいいいあああああああああ!!!!! 「ガアアアァァァアアァアアアアァアアァアアアアアァア!!!!」 …… …… ああ……。 気が付いた時には真っ白な液に塗れたうららさんがいた。俺の腹も白い液で汚れていた。 なのに俺の愚息は固さを失わないどころがさっきよりも大きくなってるような気がする。 いや、っていうかさ、俺…あ!? お、オ○ニー以外で、い、イっ、 「凄い量ねぇ、アーネスト君、溜めていたの?」 「い、や、その」 「こんなに溜めていたら身体に悪いわ。私に任せて」 「いや、あの、任せるって、え? あ」 うららさんが俺の目の前で服を脱ぎ始めた。 嘘、マジで…そりゃ、こんな綺麗な人と出来たら良いなって思ったけど、まさかこんな簡単に、叶うの? 今までヤりたいと思っても全く出来なかったのに、こんな簡単に。 いや、嫌じゃないぞ。嫌じゃないけど。 そうこうしている内にうららさんは裸になってしまった。靴は履いているけど。 30歳とは思えない、瑞々しい肌と、柔らかそうなおっぱい、そして……ああ。 身体が、熱い…発情してきた…俺も…本能、が、首をもたげ……て。 「…アーネスト君、可愛い」 「うらら、さ……」 診察ベッドの上に乗ったうららさん、が、俺の、肉槍の上に、自分の股間が来るようにしている。 夢の、夢にまで見た、光景……! 「力抜いて…行くよ?」 …… …… あ。 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!! ◆◆◆ 「…ちょっと見てるのも良いかもねぇ」 性的な意味で阿鼻叫喚となっている診察室を覗きながら、片山美咲は己の秘部をまさぐっていた。 【朝/E-2廃医院一階】 【♀01番:浅井うらら】 [状態]全裸、興奮、快感、アーネストと行為中 [装備]コルトローマン(6/6) [持物]基本支給品一式、.357マグナム弾(18)、ワルサーカンプピストル(1/1)、26.6㎜榴弾(3) [思考・行動] 0:殺し合いには乗らない。妹のさららを捜す。 1:アーネスト君を(ry [備考] ※片山美咲には気付いていません。 【♂01番:アーネスト】 [状態]興奮、発情、快感、浅井うららと行為中 [装備]チェーンソー(バッテリー残り100%) [持物]基本支給品一式 [思考・行動] 0:殺し合いをする気は無い。 1:うららさ(ry [備考] ※片山美咲には気付いていません。 【♀05番:片山美咲】 [状態]健康、興奮、快感、自分を慰めている [装備]S WM29(5/6) [持物]基本支給品一式、.44マグナム弾(12)、イジェマッシMP-443(17/17)、MP-443予備マガジン(3)、サバイバルナイフ [思考・行動] 0:殺し合いに乗る。優勝狙い。誰であろうと容赦しない。 1:診察室の二人(浅井うらら、アーネスト)の行為が終わったら、二人を殺すつもり。 [備考] ※特に無し。 018:部外者はモニタ見ながら拍手喝采 目次順 020:素晴らしきこの世界 003:保健医の女とドラゴン…どう言う組み合わせだ 浅井うらら 027:夢を飾り眠る 003:保健医の女とドラゴン…どう言う組み合わせだ アーネスト 027:夢を飾り眠る 014:奪うだけ 片山美咲 027:夢を飾り眠る
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前ページ次ページSSまとめ 36-240 36-240 名前:アキラ 夜の幻[sage] 投稿日:2006/07/31(月) 20 45 43 ID ??? アキラ 夜の幻 1/2 ちょっと眠れなかった夜、ふと立ち寄ったロビーに人影がありました あれは・・・ 円 「あ・・・アキラさん」 ロビーにいたのは円さんと美砂さん 円さんは酔いつぶれた美砂さんを介抱していました アキラ 「こ、今晩は・・・美砂さん大丈夫?」 しかし円さんに制止されました 円 「来ない方がいい。今、美砂とってもお酒臭いから」 円さんはそう言うと、ぐてんぐてんの美砂さんに肩を貸して立ち上がりました でも、円さんだけでは力が足りなかったようです 円 「おおっ・・・」 美砂さんに肩を貸したまま、円さんは倒れそうになりました アキラ 「危ない!!」 私はそう叫ぶと、円さんと美砂さんを抱き止めます アキラ 「うっ!!」 あまりの臭気に少し顔が歪みました。思わずぐらつきそうになります 円 「だから言ったのに」 アキラ 「だ、大丈夫。部屋まで運ぼう」 私はなんとか体勢を立て直すと、円さんを見つめました 円 「・・・ありがと。私の部屋の方が近いから、私の部屋に放り込もう」 こうして私は円さんの部屋に入ることになったのです 36-241 名前:アキラ 夜の幻[sage] 投稿日:2006/07/31(月) 20 46 49 ID ??? 2/2 美砂 「もっと・・・水割り・・・」 円さんのベッドに横たわった美砂さんは、軽く寝言を言いました 円 「まったく馬鹿たれめ・・・ちょっと着替えてくるから、ソファーにでも座ってて」 アキラ 「うん・・・」 ソファーに座る私。円さんの部屋はちょっとどきどきする 飾りっ気のない部屋だけど、それでも女の子に必要な物はそろっている。無駄がないのかな? しばらくきょろきょろしていると、円さんが着替え終わってやってきました 円 「お待たせ。珈琲飲む?」 やってきた円さんは裸でした。本当に全裸でした アキラ 「あ、あう?」 円 「ああ、私、部屋ではほとんど裸なの。気にしないで」 アキラ 「き、気にしないでって言われても・・・」 そんな中、円さんがとんでもないことを言い始めました 円 「ねえ、このチョーカーつけてくれないかな?」 と言って差し出したのは明らかに犬用の首輪。これをつけるって・・・ アキラ 「こ、これって」 円 「お気に入りなんだ。私、私服では必ずチョーカーをつけるの。ねえ、お願い・・・」 私は混乱していました。そんな私を優しく見つめながら、円さんは私に首輪を手渡しました 円 「お願い・・・」 私はつばを飲み込みました。はっきり言って何をして良いのか分かりません だから、言われるまま円さんに首輪をつけてしまいました 円 「ありがとう・・・あ、こう言った方がいいかな?」 アキラ 「え?」 円 「ご主人様・・・わん!!」 この時、私の中で何かが壊れそうな気がしました。真名もそうだったのかな? 完 36-247 36-247 名前:意外とテクニシャン?![sage] 投稿日:2006/07/31(月) 23 37 44 ID ??? 意外とテクニシャン?! 3−Aのクラスにはとても特徴的な双子姉妹がいる。 それが鳴滝姉妹だ。 「史伽ー。答え見せてー」 「お姉ちゃんだめですよー。ちゃんと自分の力で答えるですー」 この双子、やることは似ているがとにかく対照的だ。 風香は活発で史伽はおとなしい、そして中学3年というのに何故か体つきが小学生レベル。 同部屋の楓と比べると大きな差だ、とてもクラスメイトとは思えない。 「それでも拙者よりは点はいいでござるよ」 バカブルーの楓はテストの答案を見せる。点数は言うまでもない。 「しかしすごい答案ね、全部平仮名ー」 横に居た美砂が答案を覗き込んで言った。 「覗かないでくださいー!」 「こらー史伽に何をするんだー」 風香も史伽も行動はまるで小学生そのもの。 何百年生きてきたエヴァンジェリンや哲学的に考える夕映を除けば、確実に子供。 ネギの帳簿にもいたずらで『大人の味 hearts』『意外とテクニシャン?!』とか書いていたりする。 この日は珍しくファミレスで食事をしていた楓と鳴滝姉妹。 「何にしましょう?」 店員の問いかけに。 「拙者はビッグプリンを」 「チョコパフェー」 「イチゴパフェでお願いします」 それぞれの好みを注文する3人。 しばらくしてテーブルにはプリンとチョコパフェにイチゴパフェが並べられた。 「いただきまーす」 36-248 名前:意外とテクニシャン?![sage] 投稿日:2006/07/31(月) 23 38 17 ID ??? 三人それぞれが食べ物を口に含む。 楓はよほどうまかったのかプリンを3つもおかわりしていた。勢いよく食べる風香とゆっくり味わう史伽。 当然だが風香が先に食べ終わった。 することがなくなってしまったか風香のいたずら心に火が点いてしまった。 手始めに楓のプリンに横からストローで刺す。 プリンで頭のことがいっぱいの楓は風香が横にくっついていることに気がつかない。 そして一気に吸った。 ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ 「せ、拙者のプリンが!?そんな食べ方は邪道でござるよー!!」 不意打ちにショックを受けた楓を見てクククと笑い声を上げる風香、次のターゲットは史伽だ。 残り少なくなったパフェの中を覗くと一つのイチゴが。 一番好きなものは最後まで残しておく史伽、そのイチゴをスプーンで取る。 「あ、お姉ちゃん!返してー!!」 「やーだよ。あーん」 イチゴを口に入れ前歯あたりで噛んだ瞬間、史伽が飛びついた。どうしてもイチゴがほしい。 「返すですー!」 「む!うぅー!」 手を使おうにも風香が両手をしっかり掴んでいる、足で取るなんて持っての他、残された手は… むちゅっ 「むむーーー!」 史伽は残された手段として風香の口に自分の口を押し当てる。 「ふ…むぅ〜〜〜〜!!」 密着した二人の口の中でイチゴ争奪戦が勃発。口をこじ開け舌を絡ませる、何が何でもイチゴを取り返そうと必死だ。 36-249 名前:意外とテクニシャン?![sage] 投稿日:2006/07/31(月) 23 39 09 ID ??? そんな戦いが1分以上経過した時。 「ふぅ……ぁ…ぉ……」 風香が痙攣しだす。それを見て史伽が口を離した。 「ふぅ…ごちそうさま hearts」 「ほ…はぇ…あ……」 すべてが終わったとき、風香の口にあったはずのイチゴは史伽の胃の中に納まり、風香は空気が抜けた風船のようになっており 頬はほんのり赤く染まって腑抜けになってしまっていた。 「ふ、史伽殿は意外と出来るでござるな…」 妙な感心をしてしまう楓。 風香がネギの名簿にいたずら書きした『意外とテクニシャン?!』は案外本当なのかもしれない… 終 36-258 36-258 名前:真名ちゃんもっこり日記89[sage] 投稿日:2006/08/01(火) 06 05 56 ID ??? 真名ちゃんもっこり日記89 こんな早朝に日記を書くのも珍しいと思うが、妙な時間に目覚めて寝付けなくなっただけなんだ。 アキラは横でぐっすり寝ている。 軽く突付こうと思ったが寝顔があまりにも可愛いからこのままにしておいた。 仕方なく外の空気を吸いに出てみる。 「うにゃぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん。にゃぉおぉぉ〜〜〜〜〜〜ん」 おぉ明石か。毎日早起きだな。 猫なお前はすごく可愛いぞ。朝からいいものを見た、このかつおぶしをやってみよう。 ん?先客か? 「どうぞ」 「にゃー」 あいつは!どんな猫でもまっしぐらの茶々丸! すでに皿にミルクを用意しているあたり明石のこの行為を知っていたな。 「おいしいですか?」 「にゃ〜〜ん」 なでなで くぅ〜、先手を取られた、私も混ぜろ。 「おはよう、私も混ぜてもらおうかな茶々丸」 「拒否します」 早朝会っていきなり拒否体勢かよ。しっかり明石を抱きしめて羨ましい。 「いいじゃないか」 がしっ 「にゃ!」 「駄目です。あなたが相手ですと明石さんが逃げてしまいます」 36-259 名前:真名ちゃんもっこり日記89[sage] 投稿日:2006/08/01(火) 06 06 36 ID ??? 「私はそこまで野蛮ではない!離せ!」 「嫌です『失せろ』と言いたい気分ですね」 ご丁寧にファックサインまで…●モード炸裂ですな、いいだろうその喧嘩買った。 「絶対離さん!」 「『邪魔はそっちだ』と言いたい気分です」 暴言出したい放題だな!エヴァにもそうやっているのか!? ぎゅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう 「に、に゛ゃぁぁぁぁ…」 ぷちっ あ 36-266 36-266 名前:二ノ宮 闇の唄[sage] 投稿日:2006/08/01(火) 17 28 31 ID ??? 二ノ宮 闇の唄 二ノ宮 「さて・・・今日はどんな悩みが入っているかな?」 いつものように意見箱を開く二ノ宮、いつもならたくさんの悩みが入っているはずだった 二ノ宮 「一通?」 箱に入っていたのはたった一通。二ノ宮は最近は生徒に悩みがなくなったのかな、と悲しく思った 二ノ宮 「さて・・・ん?」 その紙には不気味にも血文字でこう書かれていた ”やっつぁっつぁぱれびっぱれらんらんびっぱりりんらんぴちたんるんらーりぴたりるんらーるっぱりるぴらんこれかんろっかやきりかんぐー” 二ノ宮 「な、なんだ・・・これは・・・頭の中に・・・入って・・・く、る?」 それは呪詛のように二ノ宮の頭の中を巡った。まるで二ノ宮の記憶のすべてを書き換えるように・・・ 頭を抱えて蹲る二ノ宮。嗚咽を漏らし、震え始めた。やがて・・・二ノ宮は大きく叫ぶ ?? 「ナバァァァァ!!!!」 次の瞬間、二ノ宮は二ノ宮でなくなっていた。頭を抱えていた手はだらんと垂れ下がり、何かを掴んでいる そして・・・そこには葱般若の面をつけ、長ネギを持った一人の鬼が立っていた ?? 「やっつぁっつぁぱれびっぱれらんらんびっぱりりんらんぴちたんるん・・・ニタァ」 ハルナ 「夏の恐怖は那波さんから!!伊達に長く生きてはいないからね!!」 今日は地下ポンプ室で創作系同人誌を作っていた。前回、少年に尻ネギされた。プロおばさんじゃないから痛くもかゆくもなかった ハルナ 「こうやってまた一人、また一人、恐怖が増殖して・・・え?」 ?? 「やっつぁっつぁぱれびっぱれらんらんびっぱりりんらんぴちたんるん・・・」 それは壁から、床から、天井から聞こえてきた。一小節終わる事に唄う者が増え、ループされてゆく。終わりのない唄がそこには響いた 完 36-274 36-274 名前:チア+ザジちうの学食[sage] 投稿日:2006/08/01(火) 22 07 11 ID ??? ぽろぽろ 美砂「あー、桜子こぼしてるぞ」 桜子「あ、ホントだ」 千雨「ホントだ、じゃねえだろが」 ザジ「桜子さん」 ぐいっ 桜子「えっ!何!?」 ザジ「口の周りがべたべた」ふきふき 桜子「ありがとザジちゃん」 ザジ「…(にっこり)」←素でやさしい 桜子「ザジちゃんってやさしいね。ねっ、千雨ちゃん」 千雨「あ?」 桜子「ねぇちゃんと取れた?」 千雨「馬鹿、まだ取れてねぇよ」ふきふき 桜子「んー」 千雨「これでよしっと」←実は面倒見がいい 桜子「わーいありがと大好き hearts」 千雨「調子に乗るな」 円「ねぇ…あれってわざと?」 美砂「二人の間に座ってる時点で確信犯だったりして」 円「(そのポジション…この間まで私だったのに……)」 36-276 36-276 名前:史伽 子守歌[sage] 投稿日:2006/08/01(火) 23 17 26 ID ??? 史伽 子守歌 暑い夏には眠れない夜もあります。でも今日は特に暑いというわけではありませんでした 現にお姉ちゃんも楓姉も気持ちよさそうに寝ています なんだろ、この心のどきどきは?分からないです だからちょっと自販機までお買い物。冷蔵庫に飲み物くらいはあるけど・・・外に出てみたかったです ぶぅぅぅん・・・ 誰もいないロビーに鳴り響く自販機の作動音。非常口の緑の表示を見ると、ここが夜中の旅館みたいです ジュースを買って、ロビーのソファーに座る私。なんだか旅行気分 千鶴 「あら?眠れないの?」 しばらくボーとしていたら、突然声をかけられました 史伽 「うん、ちょっと寝苦しくって」 千鶴 「私もよ。ねえ、隣、いいかしら?」 史伽 「うん」 千鶴姉は浴衣姿です。あげてまとめられた髪から覗くうなじが色っぽいです 千鶴 「眠れないなら・・・膝枕してあげようか?」 史伽 「・・・眠れるですか?」 千鶴 「子守歌も歌ってあげる」 私はそうして横になると、とっても柔らかい千鶴姉の太ももに頭を乗せました。凄く心地がいいです 千鶴 「歌ってもいい?」 史伽 「お願いするです」 千鶴 「やっつぁっつぁぱれびっぱれらんらんびっぱりりんらんぴちたんるん・・・」 なんだか不思議な子守歌。ぐるぐると頭の中を回って私の意識を消していきます。ああ、もう、眠く・・・ 翌朝、私は自分の布団で目が覚めました。きっと千鶴姉が運んでくれたんだと思います。でも手に葱を握っていたのはなんでだろう? 完 36-288 36-288 名前:五月屋[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 00 38 31 ID ??? 五月屋 五月 いらっしゃいませ いいんちょ「お久しぶりです五月さん。しばらくここが閉鎖してましたけど?」 五月 少々改築などがありまして…。それでメニューも一新しました ・裕奈のひみつ ・亜子のひみつ ・アキラのひみつ ・まき絵のひみつ2 ・鳴滝姉妹のいたずら悩み相談室 ・パル画伯の漫画講座 ・明日菜の苦労 ・千雨のツンデレレベル測定 ・クーフェイマンスタッフ構成 ・ザジのメイクアップ技術 ・赤点戦隊バカレンジャー高校入試、激動の90日間 ・秘密コマンド ・二ノ宮先生としずな先生が語る『大人の世界 hearts』 ・ブラックちゃん真名VS忍者月影 ・千鶴の『燃えろ!いい女』 ・ ウイルス(購入すると己の存在の保障は利きません) ALL時価 いいんちょ「えぇと…“明日菜の苦労”と“まき絵のひみつ2”を」 五月 分かりました。 ひそひそ いいんちょ「そ、そんな!明日菜さんがそんな…」 ごにょごにょ いいんちょ「う…うぅぅ〜〜〜〜〜〜(号泣)明日菜さーーーん」 五月 続いて… ひそひそ いいんちょ「う゛っ…(鼻血)」 五月 どうです? いいんちょ「すばらしいですわ… つ1万円」 五月 ありがとうございます。あれ、あまりの刺激の強さに失神してしまいましたね。 36-289 36-289 名前:夢[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 00 56 39 ID ??? もるです。綾瀬夕映です。今日はわたしが見た夢を話すです。 恐らく江戸時代でしょう。わたしは和服を着ていました。わたしはある女の人を母上と呼んでいたです。その人はクラスメートの那波千鶴さんにすごく似ていました。 二人は母子家庭ながらも幸せに暮らしていたようですが、その幸せは長くは続かなかったようです。ある夏の日、わたしが川で溺死してしまったからです。 時は現代。わたしは図書館島に向かう途中、偶然那波さんに会いました。彼女はわたしを見て、すぐに抱き締めました。 「やっと会えた…。」 わたしは懐かしさを感じました。そして、「母上」と言おうとした瞬間に目が覚めたです。 もしかしたらわたしと那波さんは前世では親子だったのかもしれません。今度近くのデパートの占い師さんに相談してみるです。 36-291 36-291 名前:ネギまほラジオ:ゆえパル分析隊[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 01 02 06 ID ??? 「夕映と」 [ハルナの] 『ザジちうスレ・傾向分析〜!』 「後編です」 ゆえ「最近のスレ内におけるクラスメイトの扱われ具合を独断と偏見で分析する『傾向分析』、11回目になるです。 ……ハルナ、体の具合はどうですか?」 ハルナ[まだ少し声がかすれているけれど大丈夫。問題ありません] ゆえ「それならいいのですが――おっと、まずは昨日のことをお詫びしなければなりませんですね」 ハルナが急に隊ty……体調を崩しまして、代打のDJも見つからなかったので急遽延期してもらったです」 ハルナ[ご心配をおかけしました] <この番組は ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ノノ .┃ ┃ 〃 ´⌒`ヽ. ┃ ┃ Ki ((ハレ))〉 * 『抱き枕から夜のオカズまで .┃ ┃ ノヘ.|l. ゚ ヮ゚リ ,* 漏らさずカバー』の ┃ ┃ (( ⊂リ.水 ||つ ,* ┃ ┃ )) く/_|〉 ┃ ┃ し ノ 雪 広 社 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛と 『私の胃袋は宇宙』フードファイター・ニジュウイン5歳の提供でお送りいたします> ゆえ「何ですか、この中途半端なバーチャルネットアイドルみたいな解説は」 ハルナ[『新ジャンル:バーチャルフードファイター』ってのはどうでしょう?] ゆえ「V I P で や れ 。さて、分析の遅れを取り戻すですよ。ランキングは 164-165を参照してくださいです」 36-292 名前:ネギまほラジオ:ゆえパル分析隊[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 01 04 22 ID ??? 〜22番:鳴滝風香〜 『将軍様はお休み中? いたずら稼業は忙しい』 ゆえ「久々に上位陣に戻ってきた風香さん。 前スレでは将軍様にさほど頼ることなくこの数字でしたので、まだまだ伸びる可能性を秘めています」 ハルナ[姉妹で、あるいは楓さんとの登場が多い結果となりました。これもまた原点回帰かもしれませんね] ゆえ「珍しくまともな分析をしますね、ハルナ。それともやはり体調が――?」 ハルナ[な、何をおっしゃいますかゆえさん。私はこのとーりぴんぴんしてるよ? ほら、私の戦闘力は53万です] ゆえ「そ、それならいいのですが……」 〜23番:鳴滝史伽〜 『絶好調の妹分、もるです属性習得か?』 ゆえ「こちらも急上昇の史伽さん。風香さんとほぼ同率ですが、わずかに届きませんでした」 ハルナ[三姉妹として爆破術にも挑戦されていましたが、残念ながらいまだ不発です。 代わりにどうやらゆえさんと同様の属性を獲得したようです。むしろ奪ったのかもしれません] ゆえ「い、いえ、あれはその、偶発的事故というか……次行くです、次!」 〜24番:葉加瀬聡美〜 『博識少女、恋人と誕生日の風に乗る』 ゆえ「前スレにて誕生日を迎えられた聡美さん。見事トップテン入りを果たしましたです」 ハルナ[ハカセのトップテン入りは分析開始以来初かもしれませんね。 私も誕生日会に混ざりたかったのですが、その日はメンt……い、いえ、入稿日で] ゆえ(もっと砕けた感じでいいです、私のことも呼び捨てでお願いします) ハルナ?(……了解しました) 36-293 名前:ネギまほラジオ:ゆえパル分析隊[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 01 06 20 ID ??? 〜25番:長谷川千雨〜 『ネットアイドルの憂鬱、燻る想いを煙に乗せて』 ゆえ「前回の分析で見事トップの座に返り咲いた千雨さん。残念ながら今回は一歩及ばずです」 ハルナ[不良化とツンデレ化の二極化してる気がするわね。 千雨さんは今まで大きくキャラを崩したことがないだけに、不良化はコワれ系の一種かも] ゆえ「桜子さんとの関係も少し変化してきました。一方的な拒絶というよりは少し妥協が見え始めました」 ハルナ[これからの展開が大いに気になるところだね] 〜26番:Evangeline.A.K.McDowell〜 『主人を大切にしない従者なんて大嫌いだ』 ゆえ「……絶対書きたかっただけでしょう、これ。例の量産事件ですか」 ハルナ[マs……ええと、エヴァちゃんならきっとこういうかな〜って。 2スレに一度上昇の法則はすっかり成り立たなくなっちゃったけど、今回は久々に上昇期だったよ] ゆえ「久々に主役のSSが多かったですからね。あの事件は収まったのか、まだ続いているのか……」 ハルナ[おかげでずいぶん楽になったけど] ゆえ「はい?」 ハルナ[や、なんでもない。こっちの話だから] 〜27番:宮崎のどか〜 『心を何に例えよう、ほんのり染まる恋心』 ゆえ「他人のことは言えませんが、久々にデッドゾーン脱出ののどかです」 ハルナ[あ、そうか。私以外の図書館組って全員下位組だったんだっけ] ゆえ「下位組で悪かったですね。それにしても、楓さんとのあの関係はなんとしたものか……」 ハルナ[ほら、文字通り『友達以上恋人未満』ってやつなんじゃない?] ゆえ(ラブ臭感知センサーとかないんですか?) ハルナ?(あれは未だに原理が解明できません) 36-294 名前:ネギまほラジオ:ゆえパル分析隊[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 01 08 09 ID ??? 〜28番:村上夏美〜 『普通少女は自然体。自分の舞台、み〜つけた』 ゆえ「聡美さんの誕生日に便乗、前回から一転して急上昇の夏見さんです」 ハルナ●[とりたてて言うこともありません] ゆえ「それじゃ分析にならないでしょう! ……ですが、無理に演劇などの話にするよりも、普通に行動している夏美さんは一番映えると思うです」 ハルナ[そういうものなのかなぁ……] 〜29番:雪広あやか〜 『今宵の私は大胆? いいえ、素直なだけですわ』 ゆえ「次第に大胆になっていくいいんちょさん。これが噂のクーデレといいうやつですか?」 ハルナ[どちらかといえば素クール……これも違う気がするなぁ。いや、同じ?] ゆえ「まき絵さんとの奪い合いが落着して安定期に入ってきましたかね。これからどうなっていくか注目です」 〜30番:四葉五月〜 『ここが私の場所。どなたさまもいらっしゃい』 ゆえ「相変わらず際どいところにいるのですが……五月さんが上位に来るところはあまり想像できません」 ハルナ[誕生日は5月12日○時△分□秒――まだまだ遠いなぁ] ゆえ「五月さんの誕生日、ですか。彼女は祝われるより祝う側に回ってしまいそうですね」 〜31番:Zazie Rainyday〜 『世界一雄弁な無口、スポットの下で笑う』 ゆえ「なんと、以外にも今回下位陣に回ってしまったザジさん。しかし、これはライン引きの問題でしょうか」 ハルナ[二ノ宮先生まで入れれば4人まとめて同率だからね。ここらへんは接戦だなぁ] ゆえ「朝倉さんに対して、ザジさんは『受け入れる』タイプといえそうです。 ただ、あくまでも彼女なりのルールには従っているようですが。今度時間があるときに詳しく検証するです」 36-295 名前:ネギまほラジオ:ゆえパル分析隊[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 01 12 01 ID ??? ゆえ「といったところで今日の放送はここまでです。ハルナ、本調子でないなら今日は早めに寝るですよ」 ハルナ[うん、そうする……それじゃ、最後のアレで締めようか] 『それでは、これからもザジちうスレが良き萌えの開拓地となりますように』 <この番組は ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ノノ .┃ ┃ 〃 ´⌒`ヽ. ┃ ┃ Ki ((ハレ))〉 * 『抱き枕から夜のオカズまで .┃ ┃ ノヘ.|l. ゚ ヮ゚リ ,* 漏らさずカバー』の ┃ ┃ (( ⊂リ.水 ||つ ,* ┃ ┃ )) く/_|〉 ┃ ┃ し ノ 雪 広 社 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛と 『私の胃袋は宇宙』フードファイター・ニジュウイン5歳の提供でお送りいたしました> ――【舞台裏】―― ゆえ「助かりましたです、ハカセさん。昨日からハルナが布団に潜ってしまったのでどうしようかと思ってたですよ」 ハカセ「とんでもないです〜。『クラスメイト回路』のいいサンプルが取れました〜」 茶々丸[……ハカセ、もう声を戻して構いませんか?] ハカセ「うん、ご苦労様。まだまだ改良の余地がありますね〜。それではまたよろしくお願いします〜」 ――【寮の一室】―― ハルナ「つ、次はどこから『襲って』くるの!? ひぃッ、わ、私の『尻』に近寄るなァァァァ!」 36-314 36-314 名前:リクカプ劇場[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 22 49 15 ID ??? リクカプ劇場 いいんちょ×アキラ編:KISS 早朝、ぐっすり寝ていたアキラは目を覚ました。 見慣れないベッド、ふかふかとした布団。普段の寮の部屋とはかけ離れた豪華さに少し戸惑った。 「…そうだ、ここいいんちょの実家だった」 室内プールで夜遅くまで練習していたら終電を逃してしまった。 途方にくれていたときに偶然あやかと鉢合わせになり、近くということであやかの家に泊めてもらうことにした。 「よく眠れましたか?」 意識が完全に覚醒するとそこにはあやかの全開の顔があった。 「わぁ!」 驚いてベッドから転がり落ちてしまう。 「大丈夫ですか?」 「はい、大丈夫です…」 少し腰と頭を打っただけですぐに立ちあがった。 「朝ごはんは和食と洋食、どちらにしますか?」 いきなり朝ごはんのオーダーだ。 「あ、洋食で」 「味噌汁は赤、白、合わせ、どれがお好みで?」 「合わせで」 「あじの開きは好きですか?」 「…はい」 「漬物はたくあんでいいですか?」 「…はい」 「他にリクエストは?」 「別にいいです」 「分かりましたわ、30分くらいで用意できますのでゆっくりしていてください」 朝から随分と細かく指定してきてくれる朝ごはん、寮ではなかなかないことだ。 36-315 名前:リクカプ劇場[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 22 49 52 ID ??? 「あ、忘れてましたわ」 そっと近寄るとアキラの口に軽くキスをした。 「!?!?!?」 「おはようのキスですわよ hearts」 そしてあやかは部屋から出て行く、一方のアキラは口をぱくぱくさせて真っ赤になって驚いていた。 着替えてぼんやりと外を眺める。 あやかは私服でテラスに出て紅茶を飲んでいる。お嬢様らしらを存分に出して。 さっきその彼女に唇を奪われてしまった。 顔はしっかりしてて頭もいいしお金持ち。自分が男だったらきっと惚れているかもしれない。 「彼氏って…いないよね」 ネギにぞっこんの彼女が彼氏を作るはずがないだろう。これだけ条件の揃った人物なのだから相手がいるならそれなりの 家系の人間か同等の立場のお坊ちゃんあたりだろう。 だがアキラはそれ以上に自分にキスしたことが一番気がかりだった。 とてもキスしなれていた、上品で大人っぽくて…だがアキラにもしていた。 「きっと、挨拶なんだよね」 『おはようのキス』なのだからそう信じたいが… アキラの描いているキスは映画のワンシーンみたいに抱きしめて、そして激しく。 「どうしました?ぼうっとして」 「わぁ!?」 ぼんやりと考えている間にあやかがテラスからこちらにやってきていた。 「だ、大丈夫です」 「そうですか」 さり気なく、そっとアキラの隣に座るあやか。 「あなたは必死に頑張るのは認めますが、しっかりと帰る時間くらいは確認したほうがいいですわよ」 「は、はい」 36-316 名前:リクカプ劇場[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 22 50 36 ID ??? 急に照れてしまうアキラ。あまり1対1での話は慣れていない。 いつも運動部4人組で遊んで話して、それが普通のことだった。一人での行動は水泳の練習くらい。 いろいろと二人だけで痴話話をする。 学園のこと、友人のこと、成績のこと、そして。 「いいんちょって、キス慣れてるの?」 「そんなこと聞いてどうするのですの?」 「い、いや何ていうかその…朝の、アレ…」 顔を真っ赤にしてアキラは話す。 「ふふふ、アキラさんも結構奥手なのですね」 「えぇ?」 「もっとこう大胆に走ってもいいのでは?」 そっとあやかが近づく、先ほどのようにキスをする状態だ。 あやかの顔が近づく。 ―いい香りがする。朝起きてそれほど時間が経ってないのにとても優しい香り。 まるですべてを包み込むような顔であやかはアキラを見つめ… 「あ」 「ふふ」 肩をまわされてそっとキスをされた。 一度口を離してもう一度、そして押し倒されるような状態まで体が自然と横たわる。 「準備が出来たようなので、食事にしましょうか」 するとあやかは立ち上がり扉を開けて食卓に案内する。 何十人と座れる食卓に座っている明はボーっとしていて、食欲がないように見えているが実際のところは… 「いいんちょ……本気になれそう…」 終 36-325 36-325 名前:史伽 お花畑[sage] 投稿日:2006/08/02(水) 23 27 00 ID ??? 史伽 お花畑 史伽です。夏は暑いです さて、やっと梅雨も開けました。本格的な夏の到来です で、夏は雨が少ないです。だから木やお花の水やりが大切になります 蛇口をひねってホースから水を出します。口を軽く絞って勢いを強めましょう しゃわわわわ・・・・ こうして水を花壇にまきます。角度を変えれば虹も見えそうです 水滴がついたお花はとっても嬉しそうにお辞儀をしてくれます なんだか歌でも歌いたい気分になってきました。だからもう、歌っちゃいます 史伽 「やっつぁっつぁぱれびっぱれらんらんびっぱりりんらんぴちたんるん・・・」 あれ?この歌を歌うと・・・なんだか手が勝手に回り始めます。あれれ? まあ、手が勝手に回れば水やりも楽なので別にいいんですけれど・・・なんでだろう? さて、鼻歌を歌って水やりをしながら花壇の周りを移動していたときのことでした 千鶴 「きゃあ!!」 史伽 「ふえ?」 悲鳴がしたので振り向けば、近くにいた千鶴姉に水がかかってしまったようです 千鶴 「あらあら・・・よく見てなきゃダメよ?」 史伽 「ご、ごめんなさい」 千鶴 「まあ、いいわ。少し暑かったし」 さすが千鶴姉、大人の余裕です。水に濡れた服が肌に張り付いたおっぱいの脹らみも大人の余裕です 千鶴 「お花も嬉しそうね」 史伽 「あ、わかるですか。やっぱり千鶴姉です」 千鶴 「私も手伝うわ。いいでしょう」 夏の花壇は優しさでいっぱいです 完 前ページ次ページSSまとめ
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一週間後 律「ゆーいー!!いい加減にしろーー!!」 唯「ふ、ふぇ?」 律「ここんところ毎日のように寝てばっかりじゃないか!練習だってぼーっとしてるし!」 唯「ご、ごめん・・・」 澪「一体毎晩何してるんだ?」 唯「そ、それは・・・その・・・」 紬「唯ちゃん、私たちは唯ちゃんを心配してるのよ?」 梓「そうです!唯先輩にもしものことがあったら・・・私・・・」 唯「だ、大丈夫だよ・・・ちょっと・・・その・・・ゲームを・・・」 律「まぁ・・・そんなことだろうとは思ったけどさ」 律「とにかく、今日は帰ったら寝ること!じゃないと体壊すぞ!」 唯「わ、わかったよぉ・・・」 平沢家 唯「さすがに今日は寝ようかな・・・」 唯「りっちゃんにも怒られちゃったし」 唯「一週間以上、まともに寝てないしね・・・」 唯「それに、なんだか体中から鈍い痛みがするし・・・」 唯「今日はちゃんと寝て、明日からまたおばあちゃんに会いに行こう」 唯「元気な姿を見るのが嬉しいって言ってくれたんだしね」 唯「じゃ、おやすみなさ~い・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 翌日 コンコン 憂「お姉ちゃん、おはよう」 唯「ふあ・・・」 憂「・・・疲れてるみたいだけど、昨日はずっと寝てたんだよね?」 唯「うん・・・帰ってすぐ寝て・・・そのまま・・・・・・」 憂「本当?」 唯「ほんとだよ・・・」 憂「そう・・・じゃあ、ごはんできてるから、降りてきてね」 唯「うん・・・」 唯(12時間以上ぐっすり寝たのに・・・・・・なんでこんなに疲れてるんだろ・・・) 唯(それに・・・体の痛みも取れてない・・・) ―――― 律「・・・唯?」 唯「・・・何?りっちゃん」 律「昨日、ほんとにちゃんと寝たのか?」 唯「寝たよ・・・」 律「にしては、疲れてるというか、生気が無いというか・・・」 唯「そっかなぁ・・・」 梓「憂も昨日は、唯先輩ちゃんと寝たみたいだって言ってましたよ」 律「うーん、そっか」 唯「・・・」 平沢家 唯「ただいまー・・・」 唯「何でこんなに疲れてるんだろ・・・」 唯「でも、今日は夜はなんとしても起きなきゃ・・・」 唯「昨日会ってないしね・・・」 唯「夜まで寝てよう・・・」 唯「おやすみー・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 唯「・・・うーん」 唯「はっ!今何時!?」 唯「・・・夜の2時、ちょうどいい時間・・・」 唯「行かなきゃ・・・」 唯「いてて、やっぱり体中が痛む・・・」 ガタッ 憂「お姉・・・ちゃん・・・?」 唯「う、憂!?」 憂「ふわぁ・・・お姉ちゃん・・・どこ行くの・・・?」 唯「え、えと、ちょっとコンビニまで!」 憂「夜遅いし・・・危ないよ・・・」 唯「だ、大丈夫!憂は寝てていいよぉ」 憂「そう・・・気をつけてね・・・ふわぁ・・・」 唯「うんうん、じゃ、おやすみ~」 パタン 唯「・・・危なかったぁ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 唯「おばあちゃん・・・?」 「唯ちゃん・・・?」 唯「おばあちゃん、こんばんわ」 「こんばんわ、唯ちゃん。昨日は来なかったねぇ」 唯「ちょっと疲れちゃってて、ごめんね」 「あらあら、お大事にね」 唯「うん、ありがとう」 「天国に行ってもすることないしねぇ」 「こうして唯ちゃんとお話しするのが、楽しみでしょうがないんだよ」 唯「私も、おばあちゃんと話すこと、すっごく楽しみにしてるんだ」 唯「だから少しくらい無理してでも、おばあちゃんに会いたいよ」 「そうかい、それは嬉しいねぇ・・・」 唯「今日はもう寝てきたから、大丈夫だよ」 「それなら今日もたくさん、色んな話をしようねぇ・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 翌日 コンコン 憂「お姉ちゃん、おはよう」 唯「・・・おはよ・・・・・・」 憂「・・・大丈夫?お姉ちゃん」 唯「うん・・・大丈・・・うわっ」フラッ 憂「わわっ、お姉ちゃん!?」 唯「えへへ、ちょっと立ちくらみしただけ・・・ごめんね」 憂「お姉ちゃん・・・」 ―――― 澪「ゆ、唯、大丈夫か?」 律「唯、見るからに体調悪いぞ?一時間目体育だけど・・・」 唯「うん・・・大丈夫だよ・・・」 紬「唯ちゃん、無理しなくていいわよ。見学にしたら?」 唯「ううん、昨日だってちゃんと寝たから・・・」 唯「だから・・・大丈夫・・・ありがとね、みんな・・・」 澪「唯・・・」 ―――― 先生「今日はサッカーです。ペアを組んで、パスの練習からしましょう」 律「唯、やろうぜ」 唯「うん・・・」 律「・・・大丈夫か?ほんとに」 唯「うん・・・大丈・・・夫・・・・・・」フラッ ドサッ 律「!? 唯!?大丈夫か!しっかりしろ!!」 澪「唯!?」 紬「唯ちゃん!?」 先生「平沢さん!?・・・すぐに保健室へ!!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先生「恐らく、貧血でしょう。安静にしておけば大丈夫です」 律「・・・良かったぁ」 先生「少なくとも今日は早退させましょう。朝から調子が優れなかったみたいだし」 澪「ここんとこ、ずっと調子が悪そうだったんで、風邪かなんかかもしれないです」 先生「そうかもしれないわね・・・。とにかく、家で寝ることが第一ね」 紬「唯ちゃん、ここのところ色々あって、疲れが溜まってたのね・・・」 先生「山中先生に頼んで、家まで送ってもらいましょう」 澪「さわ子先生呼んできますね」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ さわ子「はい、唯ちゃん。きっちり家まで送り届けたからね」 唯「さわちゃん・・・ありがとー・・・・・・」 さわ子「・・・どうしても苦しくなったら、救急車でも何でも呼びなさいね」 唯「うん・・・」 さわ子「じゃ、ちゃんと治してから学校に来てね」 唯「はーい・・・・・・」 ブロロロ..... 唯「・・・・・・夜まで、寝よう・・・」 唯「おばあちゃんに・・・会わなきゃ・・・・・・」 オカルト研究会部室 オカ研1「あれ・・・・・・・・・ない・・・・・・」 オカ研2「何が・・・?」 オカ研1「・・・反魂の法のノート・・・」 オカ研2「・・・・・・・・・鍵は・・・?」 オカ研1「ちゃんとかけてあった・・・でも中身がない」 オカ研2「あ・・・」 オカ研1「何・・・?」 オカ研2「反魂樹もない・・・」 オカ研1「えっ・・・」 オカ研2「これは一大事・・・」 オカ研1「心当たりは・・・?」 オカ研2「特になし・・・平沢さんが来た日から・・・触ってない・・・」 オカ研1「・・・平沢さんが持ち出した?」 オカ研2「・・・他に心当たりがない」 オカ研1「あの儀式は、呪いの儀式・・・」 オカ研2「決して・・・行ってはいけない・・・」 オカ研1「平沢さんに・・・聞きに行こう・・・」 オカ研2「うん・・・」 ―――― 律「よーし、今日の授業は終了!唯の見舞いにでも行くかー?」 澪「そうだな・・・」 オカ研1「あの・・・」 律「ん?おぉ、オカ研の二人じゃん、久しぶりー」 オカ研2「久しぶり・・・」 澪「久しぶり、二人とも」 紬「久しぶりね~、今日はどうしたの?」 オカ研1「平沢さんに・・・用事があって」 オカ研2「平沢さんはどこ・・・?」 律「あー、唯なら・・・今日は早退したよ」 オカ研1「えっ」 澪「体育の時間に倒れたんだ。最近調子も悪かったみたいなんだ」 オカ研2「調子が悪い・・・」 オカ研1「・・・平沢さんが、調子が悪かったのは・・・いつごろから?」 澪「えっ?・・・うーん、大体・・・一週間くらい前かなぁ?」 紬「そうね。寝不足っぽくて、ボーっとしてる感じで・・・」 オカ研1「・・・時間が・・・無いかも・・・」 律「時間?」 オカ研2「平沢さんは・・・恐らく・・・禁断の秘術に手を染めた・・・」 澪「禁断の・・・秘術・・・?唯の調子と、関係あるのか・・・?」 オカ研1「話すと・・・少しだけ長くなる・・・」 ――――――――――――――― 「・・・・・・・・・・・・い・・・ちゃん・・・」 「・・・・・・・・・ゆい・・・ちゃん・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 唯「・・・うーん・・・おばあ・・・ちゃん・・・?」 唯「・・・・・・はっ」 唯「・・・夢?」 唯「おばあちゃんが・・・呼んでた・・・・・・」 唯「行かなきゃ・・・おばあちゃんの・・・とこへ・・・行かなきゃ・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ パチ・・・パチ・・・ 唯「おばあちゃん・・・出てきて・・・」 「ゆいちゃん・・・・・・?」 唯「おばあちゃん!」 「唯ちゃん・・・こんにちわ」 唯「こんにちわ、おばあちゃん・・・はぁ・・・はぁ・・・」 「どうしたの、そんなフラフラで」 唯「えへへ、実はちょっと風邪引いててね、体も痛いんだけど・・・おばあちゃんに会いたくてお昼なのに呼んじゃった」 「そう・・・それは嬉しいねぇ」 4
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詳細情報 【ハンドル】実は危ないものなんじゃ ◆PwYy9.yeoY 【パートナー・ガイド】金髪のねーちゃん。外国語か片言の日本語しかしゃべらんかった 【初成功までの訓練期間】6ヶ月 【離脱回数/頻度】1 【離脱方法】 まずは頭の中を空っぽにする。何も考えないでリラックス、照明、音楽等は無し 軽く睡魔に襲われたらまどろみと一緒に自分が体から抜けてくのをイメージ。 【離脱直後の状態】目は見えない。元々部屋くらくしてるからかもしれんが。 あとすげー浮遊感。プールとか海に浮かんでるときの感じに近い 【集中開始から離脱までの時間】わからん 【禁則事項】 現実世界での知合いにあったらかかわらんほうがいいって言われた 【離脱前後の状態】 [精神面]五感が狂いまくり。しばらくすると普段に近い状態に。 [肉体面]だるい。脱力感と疲労がかなり。 【備考】 詳細は後記。 とりあえず、パートナーにヴォルホラだかビャルハルだかなんかって所に行こうって進められたんだが 片言だし発音が英語っぽくなかったから誰か実在する単語で心辺りあったらよろ 離脱時体験談 109 名前:実は危ないものなんじゃ ◆PwYy9.yeoY 投稿日: 2006/07/12(水) 22 46 26.65 ID 9jKXOlIq0 とりあえず忘れると困るから書きなぐりだけどスマソ。まとめてから書いたほうがいいなら言ってくらはい まだ入りたてだからかもしれんが空も飛べんかったし壁とかも抜けられん 魔法もダメだった。パートナーっぽい人は最初から近くにいた。 やり方聞いたけどまずは世界に馴染むのが先って言われて教えてくれんかった。 あと、空は普通飛べないらしい。日本語がすごい下手だった。 パートナーの人は英語とは違う言葉喋ってたけど、こっちがわからないってそぶりをみせたら 片言で日本語喋り始めた。名前はたしかドリュスって言ってた。 あ、目覚めたところは自分の部屋じゃなかった。どっかの貸しビルの空き部屋っぽい所だった。 117 名前:実は危ないものなんじゃ ◆PwYy9.yeoY 投稿日: 2006/07/12(水) 22 56 46.77 ID 9jKXOlIq0 んで、とりあえず魂をこっちの世界に馴染ませないといけないって言われて とりあえず日本っぽい所の、中途半端に開けた田舎つれ回された。 イメージ的には軽井沢とかの避暑地みたいな。 んで、ほいほいついていったんだけど、前情報とちがって全然こっちの言う事聞いてくれないし 言葉がみょうに頭に響いて聞いてるだけでぼんやりほいほい頷きそうになるから ちょっと警戒心が生まれた。 で、つれまわされてるときにもし現実世界での知り合いに合ったら気づかない振りしてその場からなるべく 離れろって言われた。理由はよくわからんかったけど、なんか、お互いを認識すると色々まずいらしい。 精神がどうのっていってたかも 121 名前:実は危ないものなんじゃ ◆PwYy9.yeoY 投稿日: 2006/07/12(水) 23 01 11.11 ID 9jKXOlIq0 で、つれまわされてるうちにどんどん人気のない山奥つれてかれて、 ヴァルハラにいかないかみたいな話振ってきて どんなとこって聞いたら楽園だみたいな事いってて行ってみようかなって思ったんだけど なんか入口が洞窟じゃないけど、そこの見えない暗い穴だったから怖くなってやめた。 そもそも聞いてたパートナーと様子が全然違うし正直不安だったから拒否したんだけど その瞬間目がさめた
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前ページ次ページSSまとめ 「物事を疑い、考えを巡らせることと、何も考えず盲目に信じることは、表裏一体です。それは嘘かもしれない、という疑念 だけを信じて先に進まないのは、何も考えないのと一緒です。私が、たった一つの言葉を信じて世界が変わるのであれば、 私は信頼した相手の嘘など恐れないです」 「夕映っち……」 「あ〜あ……」 椅子を持っているのがいい加減疲れたのか、龍宮が疲労の声を上げて椅子を下ろした。勢い良く下ろされた ため、背中に衝撃が走る。 「バカじゃないの……。私の時は、信じてくれなかったくせに」 「私は、同じ失敗は犯さないです」 「それが成功って言えるの? 適当に人を信じる事が」 「のどか。今のページ……朝倉さんが椅子に縛り付けられてましたが、のどかが話してくれたのとは、少し違うようですね」 「違うって……何が」 「そのアーティファクトは確か、人の表層意識を読むものでしたね。のどかの絵柄で」 朝倉がその瞬間、はっと顔を上げた。確か修学旅行の時、一度だけ見せてもらった事がある。お世辞にも上手い絵とは言い 難かった。しかし、今見たのは、下手は下手でもどこかが違っていた。わざとそう見せているような、演出じみた感じ、というか、 下手な絵を理解している印象を受けた。 「ハルナに描かせたのですか。ですが、おかげで気付きました。いくら元絵に似せて下手に描いたとしても、ずっと同人創作を 手伝ってきた私には、ハルナの絵柄を見分けるぐらい、簡単です。リアルに見えるように、先を見越して縛られている姿を描 いたのでしょうが、のどかは自分が縛られている姿なんて想像したことがありますか?」 言われて初めて気付く。朝倉は、縛られている自分の全体像を想像しようと試みたが、失敗する。縛られている最中なら、尚更 そんな事を考えている余裕はない。 「本能を読み取れる、というのも嘘ですね」 のどかは一瞬顔をしかめたが、気丈な振る舞いを崩そうとはせず、威圧感を込めて言った。 「だから? それが分かったから、なんだっていうの?」 再び龍宮と刹那に指示が飛んだ。「二人を窒息させてください。死んで しまっても構いません」 木乃香が笑う。「それはあかんやろー」 のどかが怒りに震えている。たとえ気丈なふりをしても、心の奥では冷静さを失っていた。 龍宮は仕方ない、といったふうに、刹那は何かを必死に忘れようとしながら、二人の頭を重力の方向へと向けた。 「刹那さん、そっちじゃありません」 刹那が「え?」という顔をした。一瞬遅れて、言葉の意味に気付く。一歩隣に移動して、一番右の缶の前に立った。 朝倉がいくらやめて、と叫んだところで、事態は変わらない。それでも、今朝倉にできるのは、それぐらいしかなかった。 叫びながら、頭は水の中に浸されていく。そう思って目を瞑ったが、そうはならなかった。 朝倉は目を開けてみたが、視界に映っているのは、体育倉庫の床だった。その直後、水の跳ねる音が聴覚に届く。 龍宮が持っていた椅子は投げ捨てられ、床を転がりながら頭を打ち付けると、鈍い痛みが走った。 何が起きた。いや、その前に夕映は。 「くっそ、なんだ」 龍宮の声からして、周りの皆も状況を把握できていない様子だった。 「障気……?」 刹那が警戒して、木乃香の側に寄る。 朝倉は首の向きを変え、床に寝たまま辺りを確認しようとする。夕映も朝倉と同じような姿勢だった。どうやらニスは被ってい ないらしい。 「はっは〜ん。知ってるぞ、この気」 龍宮がポケットから除霊の道具を取り出す。「出て来い、相坂」 朝倉が顔を起こそうとするが、縛られた縄のせいで上手くいかない。 「さよちゃん!?」 もう一つの缶が持ち上がり、中身が木乃香に降りかかろうとしたが、刹那が全身で受け止めてそれを阻止した。 そう夕映は説明した。 龍宮の魔眼が光り、辺りを散策し始める。同時に、朝倉に不安がよぎった。私達は命の保証はされているのだ。もちろん、 自殺に追い込むという間接的な殺害も彼女達ならやってのける可能性はあるが、今のところ、その点は免れている。 しかし、さよは話が別だ。彼女は既に死んでいる。そして、法律は関与しない。法律では、幽霊は“いないもの”とされて いる。たとえ消滅させたとしても、それは除霊という行為に当たり、なんら罪に問われる事はない。 「さよちゃん、逃げて!」 除霊用の、鋭利な刃物が投げつけられる。当たったら一発で終わりと思ってしまうような、鈍い光を放ったその刃物は、倉庫 の出口に刺さり、的を外した。龍宮が舌打ちをして刹那に伝える。 「外だ。私が行ってくるからお前は二人を見張ってろ」龍宮が扉の閂を外して外へと出る。 「やはり、最初からやっておくべきだったんだ」 『 Sayo 』 天井から外に出たさよは、本校者の方を向いた。遠く離れた窓から、保健室の様子を確認する。どうやら気付いてくれたら しい。あとは、しずな達がここへ来るまで時間稼ぎをしなければならない。 木乃香達なら、たとえ先生が来ようとも、あの場に籠もってやり過ごすことができる。今までそうして、教師の目を誤魔化して きていた。彼女達を引きずり出さなければ。そのためには、あの扉を開けさせるしかない。 あの現場を教師達に見せなければならない。朝倉と夕映の行動が制限されていることを、直接眼球に見せつけなければなら ない。あのままでは朝倉と夕映が窒息で死んでしまう。もし死んだら、恨みを残してくれるだろうか。幽霊になって、今よりも もっと近くにいられるだろうか。珍しくそんな幽霊らしい事を考え、不謹慎だな、と思う。 私は多分、嫌われている。 朝倉のつらさも考えず、勝手なイメージばかりを押しつけた。皆に荷担してはいけない、だなんて、そんなことは朝倉だって分 かっていた。 私自身は何も差し出さず、自己犠牲を押しつけた。嫌われて当然だ。 私だってこの身体ぐらい、捧げなければ。危険だけど、構わない。どうせ幽霊なんだし。 龍宮は更衣室を探していた。すぐに隠れられるように、ロッカーの中から顔半分だけを外に出す。 「そこか」 振り向きざま、勢いよく投げつけられた霊具はロッカーに刺さり、さよの胸の手前で動きを止めた。 慌てて顔を引っ込め、別のロッカーに移動し、姿を潜める。今投げつけられたのは、以前、最初に姿を現した時の道具だ。 幽霊には、怪我という概念がない。最初から身体の一部が無く、苦痛を強いられている霊体もいるが、それ以上傷口が広がる ということもない。そのかわり、霊具などであっという間に成仏してしまう可能性がある。一度もらったら文字通り、即お陀仏だ。 「楽になれ。あの世にはお前の欲しがっている友達がたくさんいるぞ」 否定はできない。しかし、魂ごと消滅するだけ、という可能性も、捨てきれない。人間が、人間とはなにか、と考えるように、幽霊 だって、幽霊に詳しくはないのだ。 「あなたたちが……あなたたちさえいなければ、この学園は平和で、もっと楽しい所だったんです」 こんな言葉で変わる人ではない。彼女は仕事人間だ。でも、訴えたかった。 「どうして……友達を、あんな目に遭わせるんですか」 「仕事だよ。言ってしまえば、金だ」 「お金なんかより……友達の方が、大切です!」 「では聞くが、そのお金で友達の命が救える、と言ったらどうする」 「え……?」 「金で買う関係は世の中に溢れている。しかしな、友の命を救うには、それと同じくらいの、時にそれ以上の額が必要なんだよ」 龍宮の言葉の意味を考える。命を救う? 彼女の友達は、病気を患っているのだろうか。 「でも……でも、そんな事をして稼いだお金で人を救ったって、別の誰かが苦しむだけです! そんなの、絶対おかしいです!」 なんということだ。戦後、日本は民主主義になり、資本主義になった。彼女はそれに忠実に沿って生きている。 「なら聞くがな。もし貴様の体が、金を積めば甦る。そうなったらどうだ」 「そんなことをされて生き返ったって、嬉しくなんてありません」 「お前の事を聞いているんじゃない。お前の友達は、お前の事を一番に考えている親友は、躍起になって金を稼ぐ。その行為を お前は否定できるのか?」 朝倉の顔を思い浮かべる。彼女はそうしてくれるだろうか。今は嫌われている。でも、もしも、仲直りできたなら。そして、私の ために、必死になってお金を稼いでくれたら。 嬉しい。 「貴様に私の生き方を否定する権利はない」 少なくとも、その行為を全面否定はできない。 「……どうなんだ……?」 彼女は僅かに不安を滲ませながら、私に答えを尋ねてきた。救われる立場になった時の、私の答えを求めている。 それは嬉しいのか、と。 「嬉しいですよ……確かに」 龍宮が安堵した様子を見せた。「そうだろう?」 「でも」 頬を涙が伝う。 「でも……だめじゃ……ないですか、そんなの……」 「何……?」 「私が、それを……許しちゃ、ダメじゃないですか……」 「何を言っているんだ」 「なら、朝倉さんが、その人のところに行って同じ質問をしたら、世界中の貧しい子達に向かってそんなこと聞いたら!」 龍宮が言葉を詰まらせる。 「嬉しいだろ? なんて、だから……君は後回しだ、なんて言えるんですか!!」 龍宮の胸に、ずしりと重い石が入り込んだ。 そうか。こいつは60年も精神を積み重ねていたんだ。60年間学校の中で生を羨み、どれだけ実感を得たい、と思った事だろう。 どれだけ人と話がしたいと思ったろう。人の肌に触れたいと思っただろう。おそらく思春期真っただ中で、何も経験することが できない。学校で幽霊扱いされているのと殆ど同じ状況だ。彼女はただ、幽霊であるだけなのだ。そんな中、たった一人だけ できた初めての友を、私が奪うという役目を買っている。 私は、運が良かったのか? たったの数年であの運命を抜け出した私は、幸せなのだろうか。守りたいと思う人がいるというのは。 龍宮が銃を下ろして、ロッカーを挟んで反対側にいるさよに向かって言った。 「でもな、相坂……後回しなんだよ。結局な、そうなってしまうんだ。仕方がないんだ」 しずな達の足音は、さよの耳にはまだ聞こえない。 「上から順番になってしまうんだよ。だからな、私達は……私達は、与えられた順番に従って、前に進むしかないんだ。だから、 君はさっさと成仏して、次の世を楽しんだ方がいい」 ロッカーを蹴り飛ばした先には、さよはいなかった。 「お断りします」 さよは背後に回っていて、呻り声と共にロッカーを浮遊させた。六つ程かき集めて出口を塞ぎ、残りの全てを龍宮に叩き込む。 回避するにも場所がなく、龍宮は両腕で受けるしかなかった。中から出てきたユニフォームが顔にかかる。 さよが念力の限りでロッカーを押しつけると、龍宮の腕力との勝負になった。感情は高ぶり、普段以上の力が溢れている。龍宮 を倉庫に戻したら、閂を閉められてしまう。たとえ霊力が尽きようとも、今、この場で龍宮を止めなければならない。 しかし、埋めることのできないスタミナの差が徐々に表れ、龍宮が押し戻し始める。早く来て、と心の中で願う。頭痛がひどい。 「私を止めているつもりか。なら無駄だ。別に私を中に入れる必要はないんだからな。あいつらなら、私のことなど気にせず、 とっとと鍵を閉めるだろうよ」 とうとう龍宮が完全に押し返した頃になって、ようやくしずな達の足音が聞こえた。さよがへたりこんで呼吸を荒げているところ に、龍宮が銃を突き付ける。 「お別れだな」 「龍宮さん……何、やってるん? 銃なんか持って」 ロッカーが倒れる音を聞いて駆けつけた亜子は、更衣室の入口の異様な光景を見て、中で何かが行われているのではないかと 慌ててロッカーをどけて中に入り込んだが、そこにはただ哀しそうな目をした龍宮が、銃口を斜めに構えているだけだった。 亜子は銃口の向く先を見たが、何もいない。 「いや、なんでもないよ」 普段から見せる威圧的な声色ではなかった。何があったのか聞こうと思ったが、しずなが倉庫の方で大声を出しているのを聞い て、それどころではくなってしまった。 亜子が去った後、誰もいなくなった更衣室で、龍宮はただ「よかったな」とだけ呟いた。 * 私が心配なのは、さよの身だ。ただそれだけだった。 しずなが縄を解くなり、朝倉は静止の声も聞かずに夢中で走り出した。更衣室までは大した距離ではなかったが、非常に長く 感じた。ロッカーが更衣室内から外に転がり出ている。尋常ではない音がしたのは、これか。邪魔な箱を踏み越え、中に入る。 「ねぇ……さよちゃんは?」 どんなテストの結果を聞くより怖かった。自分にしか分からない、友達の生死なのだから。他に誰も悲しむ人がいない。 「……ねぇ、さよちゃんは!?」 「消したよ」 龍宮は、消した、と言った。消えた、ではない。 間違いであって欲しいと願いながらも、間違いなくそう聞いた。 「嘘でしょ……」 「ごめんなさい、だってさ。お前に」 「また、私に対する嫌がらせでしょ?」 龍宮は、泣いてもいなければ、笑ってもいなかった。その真実味のある表情が、朝倉に絶望的な結果を伝えていた。 「人殺し」 朝倉は龍宮の胸元に迫り、訴えた。 「人殺し!!」 もう死んでるじゃないか、という冗談は飛んでこなかった。 「さよちゃん、六十年もこの学校にいたんだよ。ずっと、一人で……友達欲しい、友達欲しいって思いながら、誰に話し掛けても、 何も返って来なかったんだよ! ずっと、みんなの楽しそうな顔、見てるだけだったんだよ!」 「私が、解放してやった」 「都合のいい事言わないでよ! 勝手な事言わないでよ! ただの人殺しじゃない! 戦争で、勝手に人撃ち殺して、“解放して やった”とか、“平和のため”とか言ってるのと一緒じゃない!!」 「お前は、あいつの親類か何かか!」 龍宮が掴まれていた胸元の手を振り払い、逆に朝倉の胸ぐらを掴み返す。 「一年にも満たない付き合いで相坂の事を、死者の気持ちを理解したつもりか!? 調子に乗るな!! お前が奴をこの世に 縛り付けてどうする! お前がいれば相坂は幸せなのか? たった一人の友が、次の世で出会えるかもしれない大勢の人間 達よりも価値があるというのか? 自惚れるな!!」 朝倉が表情が変化し、迷いの様相を浮かべると、龍宮は掴んでいた手を離した。 朝倉は、自分の答えに迷いを見せた。それでいい。今のお前の様な、直情的な感情が答えではない。答えには様々な形がある。 「生きていればな、事を起こせる気力があるなら、まだ何かに期待はできる。でもな、あいつはもう、死んでるんだ。自殺だって できない。お前がいなくなったら、またそういう人生を歩むことになる。寂しい思いをする」 これでいいんだ。最初からこういう約束だった。相坂は守るべき人を守ったし、私は仕事をこなした。何も問題はない。 龍宮は背後に朝倉の呻く声を聞きながら、体育館を後にした。 前ページ次ページSSまとめ
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かんなぎれんじゃーの熱い夏 作:みぽりん 神聖巫連盟政庁兵部省裏庭。 なんだか目が受け付けるのを拒否しそうなくらい漢字が羅列したこの場所では目を回したみぽりんを犬士たちが取り囲み、心配そうにしていた。 有馬信乃に連行もとい連れられて、おもに礼儀作法を中心に特訓を受けることかれこれ 二十数時間。 座学が大嫌い、もとい少しばかり苦手なみぽりんはオーバーヒートを起こしぶっ倒れた。 「信乃さまひどいです」 犬士の一人がみぽりんに濡れタオルを当てながらつぶやいた。 涙目である。 「みぽりんさまが何したっていうのでしょうか!」 あ、数人の犬士が目をそらした。 (このあたり『「E127 FVB逆侵攻」4班の思いで』に詳しいので参照されるといい。http //www25.atwiki.jp/nanakazari/pages/210.html) 「みぽりんさんは一所懸命でした。そうでしょう?みなさん!」 数人こそっと逃げ出した。 しかし残った数人がうなづく。 「そうです!私達も、みぽりんさまも一生懸命がんばりました!」 「がんばったのです!わたしたち!!」 手を取り合いうんうんうなづきあう犬士たち。 脳裏にはあの初夏の特訓が思い浮かぶ。 輝いていたの、わたしたち。 しばしうっとりした後、考える。 「信乃さまはどうしてそれをわかってくださらないのでしょうか…」 うーんと考え込む一同。 自分達に欠けているのは何か。 情熱か、熱血か。 そのときむくっと、みぽりんが目を覚ました。 「話は聞かせていただきました!みんなすばらしいです!!」 「みぽりんさま!」 「お体は大丈夫ですか?」 駆け寄り、よろけるみぽりんを支える犬士たち。 そこにはまさしく友情があった。 「ありがとうみなさん!みぽは負けないです。かんなぎれんじゃーの明日のためにっ!」 びしっと夕日を指差すみぽりんに、数人の犬士が感極まって涙する。 ああ、みぽりんさまもすばらしいです。 「で、信乃さんは理由なく怒る人ではありません」 「ではどうして…」 しりあすに考えるみぽりん。 夕日が差す中庭は妙にいい雰囲気だ。 「信乃さんはもしかしたら」 言葉を選びながらみぽりんがいう。 「かんなぎれんじゃーのよさを理解していないのではないでしょうか!」 「理解…、ですか?」 こくりとうなづくみぽりん。 「まだ信乃さんはかんなぎれんじゃーの深遠にふれてはいないのです!だから理解できない」 「な、なるほど!!」 犬士たちがうなづきあう。 「では私達に出来ることは…」 「信乃さんに、『かんなぎれんじゃーのよさ』を教えてあげるですよ!」 だれからともなく手が出され、重なり合う。 ここにかんなぎれんじゃーは、結束を深くした。 /*/ 兵部省。信乃執務室。 めずらしく信乃は執務中に大きなあくびをした。 「信乃さん、眠そうですね」 あるがお茶を入れるために立ち上がった。 「ああ、失礼。代わりますよ」 信乃があとを引き継ぎ、茶器を手にする。 炎天下での訓練とその後の座学の講師。 さすがに今日は体が痛い。 しかし訓練と講義を先延ばしにするわけにはいかなかった。 何事にも「時期」というものがある。 戦闘から時間をおかずに徹底的に行う必要があった。 (あれで犬士もみぽりんさんも懲りただろう) 湯をわかすと、とっておきの玉露と茶器を出す。 慣れた手つきで茶器を温め、適温にした湯を急須に注ぐ。 はじめは部下がやってくれていたが、飲むタイミングと味の好みを考えるうちにこうなった。 もちろん今も忙しいときは任せるし茶の入れ方も教えてあるが、手があいているときは息抜きも兼ねて自分で入れる。 「甘いです。それにとってもいい香り!」 目をまるくして、あるが言う。 信乃はあえて何も言わずに自分の湯のみを手にし、ぬくもりを味わう。 穏やかなひととき。 ふと窓辺に目をやり、信乃は思わず茶を吹きそうになる。 窓辺にあったのは手作りの「かんなぎれんじゃー」のポスターだった。 くらりとくるのをなんとかこらえる。 「午後は自分の仕事に戻りますね。今日はありがとうございました」 あるが礼儀正しく頭を下げる。 今日は兵部省の資料をみせてもらっていたのだ。 「いえ、お疲れ様でした。……ところで、一つお願いしてもいいでしょうか」 「なんでしょう?」 ポスターをはがし 「これを、みぽりんさんに返しておいてください」 「うわあ、よく描けていますね!」 無邪気なあるの声。 本当によく描けている。 どれだけ底なしなのだと脱力感を覚えた。 /*/ 「兵部省執務室!掲示終わりましたであります!」 「おつかれさまであります!」 神聖巫連盟寮、みぽりんの部屋には大きな横断幕がかかっている。 『信乃さんに かんなぎれんじゃーの よさを!!』 信乃がみたら突っ伏しそうな横断幕である。 今日はたまたま休みだったみぽりんが主導になって、他の休みの犬士たち(有志)と、休憩時間などを利用して活動を始めた。 もちろん本業は一所懸命! 信乃さまに「かんなぎれんじゃー」のよさを伝えるために!! みぽりんが猛烈な勢いでポスターを製作している。 こんなとき。どうしてかものすごく力を発揮するみぽりんである。 みぽりんの様子をみて胸を熱くする犬士たち。 「衣装できました!!」 「てーまそんぐ、つくりました!」 「変身のときの爆発、かんがえました!」 次々とあがってくる企画たち。 みぽりんも犬士たちも、目をぐるぐるにして頑張っていた。 /*/ 悪夢だ… 悪い夢を見たように信乃はやつれていた。 はじめは執務室だった。 次は廊下に出たところでずらりと並んだポスターたち。 それを片付け外に出ると、軽快な音とともに『かんなぎれんじゃーショウ』がはじまり、 無視して寮の部屋に帰ると『信乃さんへ☆』と書かれたメモとともに着れといわんばかりの衣装がおいてあった。(しかも振りつけつきだった) 全部みぽりんにつきかえそうと執務室に一時保管していたが、あまりに膨大な量である。 なにより部屋においておくと目障りで仕方ない。 先日、雹のところを訪ねるとそこにも大きなポスターが貼ってあり (『いや、みぽりんさんにたのまれましてw』 雹 談 ) 姫巫女(※神聖巫連盟の藩王)の執務室では等身大フィギュアがかざってあり (『みぽりんにもらったんだよ。もらったものは大事にしなきゃね』 藻女 談 ) ミツキは訪ねてきたときにふと 「最近かんなぎれんじゃー、はやってるんでしょうか」 と、おっとりつぶやいた。 (『え?だってよくみかけますし…』 ミツキ 談) 直談判しようとみぽりんの部屋を訪ねたが、本人は留守だった。 お互い走り回っているからか全く連絡がとれない。 そんななか、訓練の休憩時間に犬士たちは元気に「かんなぎれんじゃー」のポーズを練習していた。 全くどこにそんな元気があったのか。 信乃の口からげっそりとしたため息が漏れる。 /*/ 汗が背中を伝う…。 日差しが目にささる…。 一言でいうと『暑い』!! ふはーとため息をつき、摂政 七比良鸚哥ががくっと肩を落とす。 『大事な話がある』と集団で押し寄せてきたのはこういうことだったか。 「せっしょさまー!!どうですか?みぽ達かっこいいですか?」 さっきから何度もいろんなポーズをみせられた。 どうやら少しずつ違うようだがよくわからない。 なによりもよくわからないのは『これのどこが大事なことなのか』というあたりである。 しかし、こういうときのみぽりん‘S を野放しにするほうが危険である。 (経験談!!) 使命感にも似た何かが自分を支えている。 …… あ、もうだめ…。 七比良鸚哥は最終兵器を発動した。 「みぽりんも、みんなもよくがんばっていますね」 褒め言葉に皆大喜びである。 すかさず後をつづける。 「少し休憩しませんか?ご褒美に『わらびもち』がありますよ」 作戦は大成功だった。 皆、『わらびもち』を食べて大満足だった。 (ふふ、勝った…) 摂政は密かにがっつぽーずをした。 /*/ 兵部省、有馬信乃執務室。 「信乃さん、本、ありがとうございました」 借りていた本を信乃に手渡しながら、あるが言う。 どういたしましてと受け取る信乃。 しばらく信乃の顔を見つめたあるは、心配そうに尋ねる。 「信乃さん、少しやつれましたか?」 力なく笑う信乃。 「ところで、ぼく不思議なんですが、信乃さんはどうしてそんなに『かんなぎれんじゃー』を嫌うのですか?」 少しの沈黙の後、信乃が言う。 「嫌ってはいません。僕は戦闘に支障がなければ別にかまわないと思ってますよ。まあ一緒に歩きたくはないのですが」 「え?でもFVBの戦闘の後の信乃さんは、なんか嫌ってるみたいでしたけど…」 小首をかしげるあるに、信乃が続ける。 「『戦闘に支障がなければ』、ですよ。 FVBの戦いのときはわざわざぽーずを決めてなんて馬鹿なことをしていたでしょう。一瞬の隙が自分や味方を傷つける。そのとき泣くのは、みぽりんさんであり、犬士たちだ。僕が悪者になって改善されるならいくらでもそうしますよ」 「ああ、だから『厳しい訓練をした』?」 「そうです」 ほむほむとあるはうなづく。 ぱずるがぴたっと合う感覚。 しばらく考えていたあるは、『あるもの』を信乃に手渡した。 /*/ 「みぽりんさん」 信乃はやっとつかまえたみぽりんと犬士たちに声をかける。 「信乃さんですー!!」 「信乃さまこんにちは」 みぽりんと犬士たちが元気にご挨拶する。 「たくさんの『かんなぎれんじゃー』のぐっず、ありがとうございました」 「信乃さんよろこんだですか?」 「ええ。ただ量が多いので、厳選して一枚だけいただきました」 「多かったですかー」 ほけほけしながらみぽりんが笑う。 これが『素』だから怖い。 「それで、今日はみなさんのお役に立てればと思いまして、こんなものを用意してみたんですよ」 信乃は数枚の紙と、植物の種、長い布を手渡した。 「ほえ?何ですか?」 「忍術の訓練書です」 信乃の言葉に一同驚き、わくわくする。 「例えばこの種。麻の種なんですが、忍者はこの種の芽を毎日飛び越えて、訓練したそうですよ。麻の生長にあわせて高く跳べるようになるそうです。そしてこの布。腰にまいて、布の端が地面につかないように早く走る訓練です」 「おおおおお!!かっこいいです!!!」 一同の目がきらきらきららと輝く。 「他にもいろいろ訓練を探して書いておきました。『かんなぎれんじゃー』の訓練にお役に立てればよいのですが。頑張ってくださいね!」 信乃の温かい言葉にじんとなる一同。 信乃さまに私達の情熱がつたわった!! 「ただし、実際の戦闘では『かんなぎれんじゃー』はやめましょうね」 一同、右手をあげ、「はーい」とお返事する。 そして早速種をまき、上を跳んでみたり、布を腰につけて走ったりしはじめた。 /*/ 信乃の周りに静寂が戻った。 「こんにちはー。遊びにきました」 ひょこっとあるが顔を出す。 「いらっしゃい。ちょうどお茶を入れたところです」 信乃が笑顔で迎え入れる。 「あるさん、ありがとうございました。おかげで収まりましたよ」 「いえ、どういたしまして。よかったです」 いたずらが成功したように笑うある。 あの日、あるが渡したのは『麻の種』だった。 /*/ 夏空広がる神聖巫連盟。 政庁や寮の中庭では麻を飛び越えたり、布を腰に巻いて走る『訓練』にいそしむみぽりんや犬士たちが見える。 時折ぽーずの練習も欠かさない。 今日も世界は平和である。 【めでたしめでたし】
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「なんか静かですねぇ。スレの中には書き手もいないし他ロワとはえらい違いだ」 「ああ……書き手の戦力は軒並み向こうに回してんのかもな」 「まっ……そんなのもう関係ないですけどね!」 「上機嫌だな」 「そりゃそうですよ! みんな助かるし、タカキも頑張ってたし、俺も頑張らないと!」 「ああ……」 (そうだ。俺たちが今まで積み上げてきたもんは全部無駄じゃなかった。これからも俺たちが立ち止まらないかぎり道は続く) キィィッ……!!(書き込みが止まる音) ダン……!!(去っていく書き手) 「ぐわっ!」 ダダダダダダダダン……!! 「団長? ……何やってんだよ!? 団長!!」 「ぐっ! ウゥァォォォォォォォォオオオオァッ!!!!!!」 ダン……! ダン……! 「ぐっ! キュィィィン」 走り去る黒塗りの高級車 「はぁ……はぁ……」 「なんだよ、結構当たんじゃねぇか。ふっ……」 「だ……団長……あっ……あぁ……」 「なんて声、出してやがる……Ride on!」 「だって……だって……」 「俺は金田一ロワ応援団団長オルガ・イツカだぞ。こんくれぇなんてこたぁねぇ」 「そんな……このロワなんかのために……」 「団員を守んのは俺の仕事だ」 「でも!」 「いいから行くぞ! 皆(みな)が……待ってんだ」 (それにミカ……やっと分かったんだ。 金田一ロワにはまともな話なんていらねぇ。 ただ進み続けるだけでいい。 止まんねぇかぎり、道は続く) 回想 「謝ったら許さない」 「ああ……分かってる」 「俺は止まんねぇからよ……」 「お前らが止まんねぇかぎり」 「その先に完結はいるぞ!」 「だからよ……」 「止まるんじゃねぇぞ……」 「オルガ?」 ぽんやり東大美女・斧寺空美は、放送を聞いていた。 先ほどまで彼女は、鯖木が刀丸猛人に追いかけられているのを確認していたが、正直鯖木はやはりどうでもよかった。 というのも、彼女にとって必要なのは刀丸が持っているロープだった。 考えてみると、あの状況で人を襲っている狂人からロープを取るというのはリスキーだった。 そもそもロープなんてその辺のホームセンターで売っているわけで、たかがロープ欲しさに命を左右する選択など馬鹿らしい事この上ない。 たとえば、貴方なら「金田一少年の事件簿27巻セット2000円が売られているが殺人犯が立てこもっているブックオフ」に金田一を買いに行くだろうか。 否だ。 金田一少年の事件簿は大概どのブックオフにでも売っている。わざわざ殺人鬼が立てこもっているブックオフに金田一を買いにはいかない。 それを考えると、彼女がまったりと放送を聞いているのも当たり前の事だった。 鯖木の尊い犠牲を助けないのも、まあ別に悪人ではないにせよ、ひときわ優しいわけでもないそらみちゃんの性格を考えれば致し方ない。 か弱い女性の力で何が出来るというのだろう。 ちなみに放送からわかった情報は次の通りだ。 いっぱい死んだ。 美国礼奈は高校時代マジメだった。 放送は一回に一時間ほどかかる。 放送の最中に人が一人殺されている(推理すればわかる)。 見捨てた鯖木は別に死んでない。 そして、ここから導き出される結論は、早く脱出した方が良いという事だった。 何故早く脱出した方が良いのかというと、普通に人が結構死んでいるからだ。 先ほど鯖木が頑張って殺人鬼から逃げていた事からわかる通り、殺し合いに乗っている人間は膨大にいる。 誰かが殺し合いに乗っているから十五人も死んでいるわけで、全員が体育館のように事故死で死んだとは思えない。 それは流石にやべえ話である。ありえん。 (まあ、そうだとしたら呪いだったりして……なーんてね♪) ……そして、そんな環境下で三日も待つとか無理に決まっていた。 常識である。 殺し合いに何人巻き込まれているのかは正確には知らないが、体育館にいたのはだいたい六十人前後。 僅か六時間で四分の一が死んだ事から考えて、殺し合いを積極的に行おうというちょっとやばい人が一定数集められているらしく、このままいけばいつ死んでもおかしくないのだった。 そこから考えれば、彼女が「脱出」という手段を志している事は先見性のある行為だったと言えよう。 具体的な脱出プランもめどがついているし、後は仲間さえいれば良いのだが……。 ◆ そして、鯖木は、刀丸猛人から逃げていた。 奇跡的にも、三時間逃げきっていた。 ちなみに鯖木は次回登場時に死にます。 【一日目/朝/背氷村@雪夜叉伝説殺人事件】 【斧寺空美@雪鬼伝説殺人事件】 [状態]健康 [装備]萩元殺害時に使われた銃剣@墓場島殺人事件 [所持品]基本支給品一式、身代金2950万円(元は3000万円)@白銀に消えた身代金 [思考・行動] 基本:殺し合いから脱出する。 1:頃詩哀島から二百メートル先に島を発見。 主催があの島にいると思われるので、そちらに渡る。 2:脱出プランを練り、より多くの人間を脱出プランに参加させる。 3:首輪を解除する。 4:ファントムの持っているロープが欲しい。 [備考] ※参戦時期は、「なーんてね♪」って言った後。 ※脱出には、全長200mの形状記憶合金製ワイヤーのようなものや、サーカスの軽業師、氷橋が必要だと考えています。 ※このロワには首輪がないので、エア首輪解除をする予定です。 ※ある程度参戦時期にばらつきがあることを思い付きました。 ※鯖木のこれまでの動向、支給品をある程度把握しています。 ※「それって売ってすぐお金に換えることできるかなー」という発言があるので案外お金にドライなところがあります。 ※現在40万円赤字(斧寺目線)しているのでいずれ黒字にまで持っていくつもりです。 【一日目/朝/ロス】 【鯖木海人@雪鬼伝説殺人事件】 [状態]怒り、恐怖 [装備] なし [所持品]基本支給品一式、双子姉妹探偵@蝋人形城殺人事件、S・Kのイニシャルキーホルダー@悲恋湖伝説殺人事件、身代金50万円 [思考・行動] 基本:『災厄の皇帝(エンペラー)』及び観月旅行者及び小説家多岐川かほるの炎上。 0:炎上させこのロワイアルを終わらせる。 1:ネット環境のある場所へ行く。 2:『災厄の皇帝(エンペラー)』は参加者に紛れ込んでいると疑っている為人は信用しない。 3:誰か助けて……。 [備考] ※参戦時期は、雪鬼伝説殺人事件に巻き込まれる前。 ※外部連絡が通じないということが頭から漏れています。 ※金田一世界の事件をある程度一般人が調べられる範囲で知識があります。 ※リーダーシップの持った人間及び動機のない殺人をする者に『災厄の皇帝(エンペラー)』が紛れ込んでいると推理しています。 ※刀丸猛人に襲われています。 ※次回死にます。 【刀丸猛人@悲恋湖伝説殺人事件】 [状態]ファントム [装備] オペラ座の怪人『ファントム』の仮面@オペラ座館殺人事件、コンビニチェーン店でしか売られていない特殊なロープ@首吊り学園殺人時間 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:ファントムになりきる。 0:この手で参加者を消していく。 1:順番は違うがジョゼフ・ビュッケを消す。 [備考] ※参戦時期は、逮捕された後。 ※クリスティーン役(ヒロイン)がいれば浄化するかもしれません。 ※妄想と現実の境目がありません。 ※ファントムになりきっているので自分の名前が刀丸猛人という名前だということも役になりきっている間は理解していません。 ※そもそも人と接することが出来ない人間らしい。 ※鯖木を襲っています。 039 SNSより本スレに感想くれると嬉しいです 時系列 041 Sick or Victory 039 SNSより本スレに感想くれると嬉しいです 投下順 041 Sick or Victory 031 斧寺空美の溜息 斧寺空美 031 斧寺空美の溜息 鯖木海人 031 斧寺空美の溜息 刀丸猛人