約 1,475,999 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2141.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1361954539/ 京太郎「気が利いてんな、咲。いい嫁さんになるな咲は」 咲「そうかな?」 京太郎「ああ」 優希「京太郎のご飯にふりかけかけといたじょ」 京太郎「勝手なことをするな優希!」 優希「えぇーっ・・・」 和「須賀君の目玉焼きに塩を振っておきましたよ」 京太郎「余計な真似するんじゃない!」 和「すみません」 久「須賀君のデザートの雪見だいふく、一個食べちゃった」 京太郎「殴りますよ部長」 咲「あ、京ちゃん。ほっぺにご飯粒付いてるよ?取ってあげるね」 京太郎「ちょっ、恥ずかしいだろ咲///」 優希「京太郎!」 京太郎「何だよ優希?」 優希「お前、咲ちゃんにばっかり甘いんじゃないのか?」 京太郎「んなこたねぇよ」 久「そうかしら?」 染谷「こないだ、優希が京太郎の唐揚げにレモン汁かけたとき怒っとったんじゃなかったか?」 京太郎「そうでしたっけ?」 優希「そうだじぇ!咲ちゃんがかけたときは怒らないのに!こんなのっておかしいじぇ!」 咲「……」 京太郎「みんな何が言いたいんですか!?咲を特別扱いして何が悪いっていうんですか!?」 久「あちゃー、開き直っちゃったかー」 和「別に須賀君が咲さんを特別扱いしようがどうだっていいです。ただ……」 染谷「部の調和っちゅうもんを考えてもらわんと」 京太郎「でもっ!」 久「ねえ須賀君?どうして咲を特別扱いするの?幼馴染ってだけじゃああまではならないんじゃない?」 須賀「っか~、それを聞きますか部長」 久(ちょっとうざいわね……) 須賀「例えばですよ。例えばの話です」 和「ええ、何ですか?」 京太郎「例えばの話ですが、部長」 久「なあに?」 京太郎「好きな人はいますか?」 久「いえ、別にいないけど」 京太郎「話になりませんね。じゃあ染谷先輩。染谷先輩はどうですか?」 染谷「わしか?いや、わしも別におらんが……」 京太郎「上級生はみんな枯れ果ててますね」 染谷「失敬な奴じゃな」 久「ほんとよね」 京太郎「この部には誰か片思いでいいから恋してる奴はいないのか」 優希「あ……、私が……その……」 和「一応いますけど」 京太郎「じゃあ和。和は俺がお前のご飯に勝手にごま塩かけたらどうする?」 和「少しイラッとしますね」 京太郎「だろう?」 京太郎「でも、ご飯にごま塩を勝手にかけたのが和の好きな相手だったとしたらどうだ?」 和「それは・・・」 優希「あの、私にも好きな人がいますけど」 京太郎「許せるだろう?」 和「・・・・・・はい。その人になら例えご飯の上にスライスチーズを乗せられたとしても 笑って許せると思います。むしろ何をされても喜んでしまうと思います」 京太郎「だろ?つまりそういうことなんだよ」 久「なるほど。じゃあ須賀君は咲のことが好きなわけね」 咲「ふぇぇ~・・・///」 京太郎「なんでそういうことになるんですか!」 染谷「ちゃうのんか?」 京太郎「今の例え話って言ったじゃないですか」 優希「ほっ・・・。じゃあ、京太郎は咲ちゃんに恋してるってわけじゃないんだな」 京太郎「バカヤロウ!優希バカヤロウ!」 優希「えぇ~・・・。どゆこと~・・・」 京太郎「それはそれ、これはこれ」 和「まあ、須賀君が咲さんを特別扱いしてることについて私からは特に言うことはありません」 久「でも、人間関係が色々とね。現に優希がいつもイライラしてるわ」 優希「そんなことないんですけど!」 染谷「咲、お前は京太郎をどう思っとるんじゃ?」 咲「えぇ、私ですか?私はその・・・・・・///」 和「私も気になりますね。どうなんですか咲さん?」 咲「その・・・私は・・・///」 久「ほらほら~。You言っちゃいなYo!」 優希「どうなんだ咲ちゃん!」 咲「うぅ~・・・・・・」 京太郎「やめろ!咲が困ってるじゃないか!悪ノリが過ぎるんじゃないか!?」 咲「京ちゃん・・・・・・」 京太郎「みんなで寄ってたかって咲のわき腹を突っついて、俺をどう思うかだとか・・・・・・」 染谷「まあな。久、それに優希。お前さんらはやり過ぎじゃ」 優希「咲ちゃんごめん・・・・・・」 久「ごめんね咲。ちょっと調子に乗り過ぎたわ」 和「すみません咲さん」 咲「いえ、大丈夫ですヨ」 京太郎「それだけですか?」 久「え?」 京太郎「俺にも謝って下さい」 優希「えっ?何でそうなるんだじぇ?」 久「私も今のはちょっとわからないわ」 和「同感です」 京太郎「わからないんですか!?まったく・・・・・・。染谷先輩ならわかってくれますよね」 染谷「いや、さっぱりわからん」 京太郎「はぁ・・・。こんなこと説明させないで下さいよ」 久「何で上から目線なのよ」 優希「早く説明するじょ」 京太郎「咲に俺のことどう思ってるか今聞いてましたよね?」 久「ええ」 京太郎「もしですよ?もし咲が俺のこと大好きって言ったらどうするんですか?もしそんなこと咲が言ったら俺は・・・俺は・・・」 和「・・・どうなるっていうんですか?」 京太郎「照 れ る じ ゃ あ な い か」 優希「死ねっ!」 久「どうしようもないわね」 和「須賀君は本当に馬鹿ですね」 染谷「しょうがない奴じゃのう」 咲「うぅ・・・・・・///」 和「じゃあ咲さんに、須賀君なんて何とも思ってません。嫌いです。そう言われたらどうするんですか?」 京太郎「・・・・・・・・・」 優希「何黙ってるんだじぇ京太郎」 久「どうしたのよ?」 染谷「京太郎・・・・・・お前、泣いとるんか・・・・・・?」 京太郎「そんなこと言われたら俺、悲しいです」 優希「・・・・・・・・・」 和「・・・・・・・・・」 久「・・・・・・・・・」 染谷「・・・・・・・・・」 咲「京ちゃん・・・・・・・・・」 久「さて、部活動に戻りましょうか」 優希「そうだな」 和「そもそも、部活中に食事してる須賀君が悪いんですからね」 染谷「そもそも何で部活中に飯なんか食うとるんじゃあんたは」 京太郎「当時はまだ若く、お腹が空いていました」 咲「京ちゃん、片付け手伝うよ」 京太郎「ありがとう咲」 和「咲さん、須賀君を甘やかさないで下さい」 久「そうよ。咲も須賀君を甘やかし過ぎなんじゃないの?」 優希「そうだそうだ!」 染谷「ただの幼馴染にしては世話焼き過ぎなんと違うか?」 咲「それは・・・・・・」 京太郎「咲を責めるな!責めるなら俺を責めろ!」 久「はいはい、須賀君は黙っててちょうだいね」 和「教えて下さい咲さん。咲さんと須賀君はどういう関係なんですか?咲さんは須賀君をどう思っているんですか?」 咲「あのね・・・・・・」 完
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/617.html
そのまりさは、幼いころに帽子を痛めた。 具体的には、帽子のつばに切れこみができてしまった。 命のつぎに大切な帽子が傷ものになってしまい、まりさは絶望し、泣きじゃくった。 だが、お家に奥底に縮こまって震えるしかなかったまりさは、やがて自信を快復する。 その契機となったのは、親れいむだった。 「おちびちゃん。ぺーろぺーろしてあげるね!」 そう言って、暗い穴底でせっせと我が子の頬をなめたのだった。 ちびのまりさは、どうしてぺーろぺーろする対象が帽子ではなく自分なのかと、疑問だった。 傷ついているのは、お帽子なのに。 「おちびちゃん。すーりすーりしてあげるんだぜ」 続いてやってきたのは親まりさだった。 自信にあふれた顔つきで、いつまでもいつまでも、頬ずりをしてくれた。 「ゆゆ~。いもーちょに くさしゃんを あげりゅんだじぇっ」 「いもーちょに あまあまとっちぇきったんだじぇ~」 「まりしゃ、ぺーりょぺーりょ しちぇあげりゅねっ」 姉妹たちも群がってくる。 両親も姉妹も、帽子の切れこみについては一言も口にしなかった。 繊細な日常を壊さないように、あるがままにふるまっている。 しだいに、まりさは穴倉に閉じこもっている自分がふしぎに思えてきた。 だから、 「おちびちゃん、おそとに でようっ」 と、家族が言ってきたときも、 「でりゅんだじぇ」 と、素直にうなずくことができた。 ちびまりさは、三日ぶりにお家の洞窟を出た。 陽光のもとに歩みでたとき、まりさは濃厚な春のにおいに包まれた。 やわらかな草が地面を覆っている。木々の黒々とした幹は逞しくかつ美しい。 樹木はことごとく冠を装備する。王冠からしたたる木漏れ日が、草原の上に躍っている。 とりわけ、草むらの中心にたたずんでいる樹木が幼いまりさの目をひいた。 それは、白い樹幹をもっていた。 中空に投げかけられた梢はたっぷりと葉をつけている。 静かな君主が、草むらのただなかにそびえていた。 「……ゆっきゅりぷれいちゅ」 まりさは呆然としながら呟いた。 それらは見慣れたはずの風景、日常の景色にすぎなかった。 だが。 暗い穴の底から這い出てきたまりさの目には、 「きょきょは とっちぇも ゆっきゅり できりゅんだじぇ!」 と、おもわず宣言してしまったほどに、みずみずしいものとして再生されていた。 その快活な声は、一点の濁りもない澄みわたる蒼天に吸いこまれていった。 白濁した空のもとで、ゆっくりたちが草むらにうごめいていた。 その顔には覇気も生気もない。 「むーちゃ、むーちゃ……。ゅげぇ……むーちゃ……。むーちゃ……ゅぐ……」 わきめもふらずに痩せこけた雑草をむさぼっている。 何十頭というゆっくりがいるのに会話もなければ歌声もない。 草と唾液がこねくりまわされる湿った音だけが、無言の生首の這いずりまわる草むらにこだましていた。 草むらの中心には、白い大樹が立ち枯れている。 すでに老樹と化してひさしい。子孫を残す機能などはるかな昔に失われていて、 もはや座して死をまつしかすることがない。しかし樹木であっても死は怖いのか、 まるで救いを求めるように葉のない梢を曇天へと伸ばしている。 その曲がりくねった梢のさき、はるかな高みには、数十もの、はばたかない鴉が悠々と飛んでいた。 それは、戦闘機の編隊だった。 しかしゆっくりたちは空飛ぶ機械などには目もくれない。 空など仰ぐ価値もないと言わんばかりに、ただひたすらに、 あしもとにたむろす痩せこけた雑草を胃の腑にものをつめてゆく。 永遠に続くかとおもわれていた静寂は、しかし突然にひきさかれた。 「ゆぴゃぁぁぁっ!」 悲鳴が草むらにこだまする。 ゆっくりが一斉にふりむく。 広場のすみで、一頭のれいむが野良犬の餌食となっていた。すでに半身を食いちぎられ ていて、中身の餡子はとめどもなく流れだしていた。 「だっ、だずげっ、だずげでねぇっ!」 助けをもとめる濁った悲鳴が空にまう。 混沌が発生した。 ゆっくりできない、こっちこないでね。たすけて。にげるよ。 ゆっくりたちは金切り声をあげながら一目散に逃げだしていゆく。 救援に耳を貸すゆっくりは、ただの一頭もいなかった。 「だずげっ、だずげでっ! ど、どぼじでっ!」 ついにさいごの一頭がれいむの視界から消えた。 すべてのゆっくりが、一度たりとも、ふりむかなかった。 「どぼじでぇ……なんでぇ……ゆぐぅ……ゅぐっ!」 れいむが白目をむいた。 痩せこけた犬がれいむの肌を噛み、そのまま森の暗がりへとひきずりこもうとする。 れいむはあんよを踏ん張ってこれに抵抗した。 ぐるりと眼球が回転し、黒目がもどった。 「やべでぇ……やべ……だずげでっ、だれが、だずげでぇ」 哀訴はとどかない。 ずるずると森のなかへと引きずられてゆき、悲鳴は森の暗やみのなかに吸いこまれた。 こうして、一頭のれいむは仔犬の餌としての運命を歩むことになった。 翌日、草むらのすみには森へと伸びる餡子の道ができていた。 だが、ゆっくりたちはまるで気に留めることなく、草をはみつづけた。 すべては日常の光景だった。 だから驚くにはあたいしない。 猛獣に狩られる同胞も、 曇天に躍る戦闘機の群れも、 ときおり聞こえる爆撃音も、 日常のひとこまにすぎなかった。 星無き夜空の統治がはじまった。 森も山も、まったくの暗がりの満たすところとなる。 白い枯木の広場も例外ではない。 その広場からすこし離れたゆっくりの巣穴では、赤ゆのれいむがさんざんに泣いていた。 「ゆぴぃぃぃーーーー! おにゃきゃ ずいぢゃーーーー! おにゃきゃ ずいぢゃーーー! でいびゅば おにゅぎゃ ずいぢぇりゅにょーーーーーっ! ごばんじゃぁぁーーーんっ!」 この癇癪はいまに始ったことではなかった。それどころか毎晩繰りかえされている。 慟哭がはじまると、家族はいつもおなじ手をつかう。 「おちびちゃん。おかーさんが すーりすーりしてあげるよ。すーりすーり……」 成体のれいむが頬ずりをしてこれをあやす。 「ごはんさんは もうないのぜ。がまんするのぜ。ぺーろぺーろ……」 成体のまりさは舌で頬をなめあげて空腹をまぎらわせようとしていた。 「ゆゅ。れいむがしっかりしないから。すーりすーり……」 成体間近に成長したれいむも、先達にならって頬ずりをする。 しかし赤ゆはいっこうに泣きやむ気配をみせないのだった。 「おなきゃ ずいだのぉぉーーーーっ! でいみゅは おなぎゃ ずいだのぉぉーーーーっ! ゆんやぁぁぁぁーーーーー! ゆんやぁぁぁぁぁーーーーーーっ!」 いくらだだをこねても、食べものは出されない。 あたりまえだ。 巣にはひとかけらの食料も残されていなかったのだから。 だから、赤ゆに供されるものは腹のたしにならない愛情だけであった。 そして、無駄と知りつつ愛情をそそぐ三頭のゆっくりの姿を、 べつの二頭のまりさ種が心配そうな目で見つめている。 このさびれた巣穴には合計六頭のゆっくりが息づいていた。 まず、父まりさと母れいむ。 この二頭には四頭のこどもがいる。 生まれた順かられいむ、まりさ、まりさ、れいむだ。 両親とともに赤ゆをなぐさめているのは、長女たる姉れいむ。 すでにツガイを得ていてもおかしくない年頃だ。 姉まりさはまだ子供といえたが、分別のつかない童でもない。 赤ゆの段階を脱しているもののまだ頼りないのが、妹まりさだ。 そして末っ子れいむ。 けっきょく、赤ゆの嗚咽を止めたのは、 れいむ種の愛情のこもった頬ずりでもまりさ種の温かい舐めあげでもなかった。 泣き疲れと、眠気だった。 子供たちが寝静まると、父まりさはツガイのれいむにつぶやくように告げた。 「……ひっこし、するのぜ」 「ひっこし?」 「もう いやなのぜ」 どれだけ血眼になって探し集めても、土をはんでいるようなまずい草しか食べられない。 森には肉食獣が息づいている。遠雷のような爆音は昼夜をとわず聞こえてくる。 父まりさは限界に達していた。 「ゆぅ……」 母れいむはあいまいな態度をとり、子供たちを横目で見やった。 みんな泣きながら眠っている。涙の理由はよくわかる。子供たちは生まれてこのかた、 一度も満腹をあじわったことがない。寝ても覚めても、空腹がじくじくと痛んでいるにちがいなかった。 「ひっこし するのぜ。あたらしい ゆっくりぷれいすで おちびちゃんたちに おなか いっぱい ごはんさんを たべさせるのぜ」 「……そんなゆっくりぷれいす、あるのかな」 「あるのぜ!」 父まりさが声をあらげた。 母れいむは慌てて子供たちにふりむいたが、起きた子供はいなかった。 「おちびちゃんたちは どーするの?」 桃源郷を探す旅は、長く厳しいものになるだろう。長旅に子供たちが耐えられるかどうか。 姉れいむは問題なくついてこられるはずだ。姉まりさも運動能力にすぐれている、問題はない。 妹まりさにしても、休憩をおおくとるといった工夫しだいでなんとかなる。 問題は、末っ子れいむだ。 「おちびちゃんは まりさが ぼうしのなかに いれて はこぶのぜ」 母れいむは冷たく返答した。 「……まりさのおぼうしには たべものを いれておかなくちゃ」 備蓄はない。 だが、旅に危険はつきものだ。今日食べものが得られてから、 明日も食べられるとは、かぎらない。だからみちみち食べものを集め、余裕をもちながら旅をしなければならない。 このとき運搬具としてまりさの帽子が役に立つ。 逆にいえば、まりさの帽子は食べもの運搬用であり、ここに赤ゆを閉じこめておくわけにはいかなかった。 「ゆぅ……」 父まりさが悲しげにうつむいた。そこにツガイの声がかかる。 「だから。おちびちゃんは れいむがおんぶするよ」 父まりさは顔をあげツガイを見た。母れいむの凛呼とした顔がそこにあった。 「くろうをかけるのぜ……」 翌朝、両親は族長まりさの巣におもむき、旅立ちのむねを伝えた。 族長まりさは特徴的な容姿をもっている。帽子のつばに切れこみがあるのだ。 族長は引っ越しの通告に接して、力なく首を横にふるだけだった。あきらかに反対の意をしめしていた。 だが、明確に反対したわけではなかったので、父まりさは旅立ちを決意した。 こうして、六頭家族は新天地めざして群れを出た。 その日も天空は膿んだ色をたたえていた。 出発してしばらくは、家族は非日常と格闘していた。 引っ越しという初めての経験が、家族にいいしれない不安と緊張と興奮を与えていた。 もっとも末っ子れいむだけは母の頭上で眠りこけていたので、身を切るような緊張とは無関係だった。 しかし、そうした緊張も時間もやがてほぐれていった。 まわりの風景は白の枯木のふるさととあまり変わらず、地獄も天国もそこにはない。 とはいえ、故郷とかわらない景色とは、 痩せさらばえた樹木が呼吸を止めたようにたたずみ、空には濁った雲が渦をつくるばかりの、 生も死も消えてしまったような朽ちかけた光景でせいかなかったのだが。 家族は一列縦隊で行進していた。 先頭をゆくのは父れいむだ。その後ろに補佐役として姉れいむがつづく。 列のまん中をしめるのは妹まりさ。四頭目は姉まりさ。しんがりを担うのは母れいむだ。 いちばん脆弱な赤ゆは、母の頭の乗せられて運ばれていた。 「ゆゆー。しずかなんだじぇー」 妹まりさがぼそりと言った。 その指摘に歯向かうように、末っ子れいむが目をさまし、起きるやいなや泣きだした。 「……ゅ……ゅ……ゆぴゃぁぁぁーーーーーーーーー! おにゃぎゃずいだーーーーーっ! ゆんやぅわぁぁぁーーーーーっ! おにゃが ずいだよぉーーーーーー!」 「ゆぅ……」 行軍がとまり、赤ゆあやしがはじまった。 ただし父まりさは参加しない。 道の行く手に背をむけて、泣きくずれる末っ子れいむとそれをなぐさめる家族たちを見つめるだけだ。 しかし、家族のなかでも一等悲痛な目つきをたたえていたのは、父まりさにほかならなかった。 これからずっと見知らぬ土地を歩くのだ。 どこに危険がひそんでいるか、わかったものではない。 そして、避けられる危険は避けるにこしたことはない。 そのためには息をひそめて、ふかく静かに行軍するのがいちばんだ。 ところが末っ子れいむは親の心配など露知らず、それが赤ゆの本能とはいえ、 ひたすらに自己の欲望を主張するばかりで抑えることをしらない。 こんなことで約束の地に辿りつけるのか。 森に息づき舌なめずりをする危険の網をかいくぐることができるのか。 それを思うと暗澹たる気持ちを抱かざるをえない。 いっそ今からでも戻るべきか……? とさえ、思いはじめていた。 今なら間に合う。今なら……。 「おちびちゃん、しずかにしてね! なけばいーってもんじゃないよ!」 その叱責は、姉れいむのものだった。 家族は水をうったように静まりかえった。 めったに怒りを表明しない姉れいむの怒声は、それだけの効果があった。 「……ゅ……ゅ……!」 末っ子れいむは、母の頭上でふるえた。そして、 「ゆびゃぁぁぁぁーーーーーーーーーっっ! ぼねーぢゃんぎゃ いじばりゅーーーーっ!」 火がついたように泣きだした。 姉れいむの馴れない叱責は、かんぜんに逆効果だった。家族のほうがうろたえてしまう。 ただ父まりさだけは、姉れいむの慌てる姿をみて微笑みをうかべていた。 そのとき、父まりさの背後でかさりと音がした。 家族が音に反応する。 野道のまん中に、猫がいた。 その黒い体毛はひどく薄い。筋肉のもりあがりはすさまじく、ほとんど異形と化している。 爪は曇天からもれる光をふうじて冷たくきらめいている。 その怪物が、琥珀の両眼でゆっくり六頭をしずかに見つめている。 末っ子れいむは狂乱した。 「ゆぎやぁぁぁぁぁーーーーーーー! ぎょばいよぉぉぉぉぉーーーーっ! ねござんば ゆっぎゅり でぎにゃいよぉーーーーー! でいびゅぎょばいぃぃぃーーーーーーーーっ! あっぢ いっでねぇーーーーっ! あっぢ いっでーーーーーっ!」 六頭は立ちすくんでいた。父まりさにいたってはしきりに歯を噛みならしておびえている。 魔物が足を踏みだした。 すると、父まりさの震えがとまった。一家の庇護者たる役割をおもいだした。 一気に頬をふくらまし、 「ぷくぅぅぅーーーーーっっ!」 と、涙ながらに威嚇を展開した。 姉妹たちもそれにつづく。 「ぷ、ぷ、ぷっ……ぷくうぅぅぅっ!」 「ぷきゅーーーーーっ!」 「ぷきゅぅぅぅぅーーーーっ!」 母れいむだけは赤ゆをきづかい、戦闘には参加しなかった。 魔獣とゆっくりによる闘争は、ゆっくりたちの勇気に軍配があがった。 黒猫はしばらくゆっくりを睨みつけていたのち、ぷいと顔をそむけ、草むらに消えた。 家族たちは抱き合っておのれの無事をよろこんだ。 「ぎょばぎゃっだぁぁぁーーーーーーーーーっ! ぎょばがっだぁぁぁーーーーーーーっ!」 しかし末っ子れいむは泣きやまない。 「おちびちゃん、ねこさんは もういないのぜ! かったのぜ!」 父まりさが戦勝を誇ってみせた。 だが赤ゆは、 「おなぎゃずいぢゃぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!」 と、叫びかえした。 その嗚咽を聞き、父まりさはゆるゆるとかぶりをふった。 末っ子れいむの嗚咽をすておいて、行軍の再開を宣言した。 子供らは心配そうな目をしていたが、父まりさは厳しい目つきをするばかりでとりあわなかった。 家族は無言で、背の高い草むらを両脇にしたがえているけものみちを進んだ。 赤ゆはいつしか叫ばなくなっていた。泣きやんだわけではない。 号泣がむせび泣きにかわっただけだ。 「おにゃぎゃ……ゆぐっ……おにゃぎゃっ……ひぐっ」 などと、つぶやいている。 父まりさが口をひらく。 「おちびちゃんたち、おうたを うたって ほしいんだぜ」 すこしでも家族の不安を和らげようとする一家の長の知恵だった。 「おうちゃー、ききちゃーい」 確信があったわけではなかったが、効果があった。末っ子れいむはぴたりと泣きやみ、 母れいむの飾りの上できゃっきゃとさわぐ。 姉れいむが音頭をとった。 「ゆ~は~、ゆっくりの~、ゆぅ~」 ほがらかな歌声がひっそりとした森に広がった。 母と姉妹が声をあわせる。 「ゆ~、ゆ~、ゆ~、ゆっくり~、ゆっくり~、ゆっくりのゆ~」 葬列のような雰囲気は消しとんでいた。上々だと父まりさは胸をなでおろしていた。 赤ゆだけは、 「ゆっくちぃー! ゆっくちぃー!」 と、叫び散らしていたが。本人は歌っているつもりなので、父まりさはよしとした。 ところが、歌声は闖入者によってさえぎられることとなった。 突然、左右に横たわる背のたかい草むらのなかから、ゆっくりが飛びだしてきた。 ありす種だった。 ありすは一列縦隊で進む家族のまんなかを横切ると、そのまま道の反対側に消えた。 「……ゆ?」 先頭をゆく父まりさが振りかえったときには、ありすの姿はすでにない。 「なにかとーったのぜ?」 「ありしゅがいたんだじぇー」 姉まりさが元気よくこたえた。 母れいむも無言でうなずき同意し、しかし直後に悲鳴を上げた。 「おちびちゃんがぁっ! おちびちゃんがいないよぉー!」 一隊のまんなかを歩いていた妹まりさの姿がない。 「まさか……そのありすに……れいむ!」 父まりさが鋭い声を放った。 「ゆゆ?」 「おちびちゃんを みていて ほしいのぜ! さっきのありす なのぜ、おちびちゃんを さらったのぜ! とりかえしてくるのぜ!」 一気呵成にそう言うと、母れいむの了解を待たずして、父まりさは草むらに分けいった。 草むらの向こうで、なにかが逃げてゆく音がする。 あたりの草はおしなべて背がたかく、視界が晴れない。 「はなちぇぇぇーーーー! まりしゃをはなちぇぇーーーー! げしゅぅーーーーーっっ! ゆわぁぁぁーーーーーん! ゆわぁぁーーーーーーーんっっ!」 妹まりさの悲鳴が聞こえてきた。だいぶ遠い。父まりさは殺気立った叫びをあげた。 「おちびちゃんをはなすのぜぇぇぇーーーーー!」 「……ゅ……? ぉ、ぉ、お、おどーじゃぁぁーーーーーーん! だずげでーーーーーっ! ばりざを だずげでぇぇーーーーっ! はなぢぇぇぇーーーーーっ!」 「たすけるのぜぇぇーーっっ」 と、叫びながらも父まりさは焦燥にかられていた。 おもいのほか誘拐犯は足が速かった。 敵には地の利があるらしく、父まりさはなんども石や樹木といった障害物にさえぎられた。 子供の助けをもとめる声も、しだいに小さくなってゆく。 やがて、完全に誘拐犯を見失った。 父まりさはがむしゃらにあたりの草をかきわけた。鋭い葉にあんよが切れる。 石をふみつぶして激痛がはしった。それでも探索の手はやすめなかった。 だが、いくら草むらをかき分けても、痕跡ひとつつかめない。動悸がはやまる。 そのとき、左手方向の遠くから死にいろどられた悲鳴がきこえてきた。 「ゆんやああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーっっ!」 父まりさは目をみひらく。 方向を転じて、跳ぶように走った。 「おちびぢゃぁぁぁーーんっ!」 返答はなかった。 もどかしい。 父まりさは歯ぎしりした。 悲鳴を耳にして身をこがすような不安にかられていたのに、 いまはその返事の不在が不安でたまらず、悲鳴でもいい、妹まりさの声がききたかった。 「ゆんっ!?」 とつぜん、藪のような草むらが途切れ、背のひくい草が繁茂する広場に転がり出た。 「おちびちゃん!」 がばりと起きあがりあたりを見回す。 灰色の葉をつけた大樹の足もとに、ありすがいた。 父まりさを蒼ざめた瞳で見つめている。 「……」 二者は黙して対峙した。 「……おちびちゃんは、どこなのぜ」 ありすの体が、びくついた。その目に涙がたまってゆく。 が、それも一瞬のことでしかない。 一転して獰猛な目つきをたたえると、猛然と飛びかかってきた。 父まりさは横っとびに飛びのいて、奇襲を回避した。 敵は着地に失敗してバランスを崩す。 父親はすかさず背後をとった。 地面に落ちていた小枝をひろいあげ、あかいカチューシャのちかく、脳天にふかぶかと突き刺した。 絹を裂くようなするどい悲鳴が、しずかな森をさわがした。 父まりさはありすの上に飛びのり、全力でこれを押しつぶす。 白いクリームがぶっと吐き出された。もういちど、全力で踏みしだく。 こんどは口のみならず肛門と性器からも白濁液が流出した。 ありすは痙攣をはじめた。 父まりさは誘拐犯からおりて、詰問をはじめた。 「おちびちゃんはどこなのぜ。いうのぜ! いますぐ!」 「ゆ……ぐ……あなだの……ごども……」 瀕死の重傷だった。 「そーなのぜ! どこなのぜ! いうのぜ!」 尋問官の目は血走っている。ありすはクリームの涙をながしながら答えた。 「……ゆ……ゅ……ごべ……ごべんな……ざい…………あがぢゃん……が……おなが…… ずいでだがら……ゅ……だがら……」 「ど……どーでもいーことなのぜ! げすのこどもが おなかすいてたから なんなのぜ! こたえるのぜ! おちびちゃんは どこにいるのぜ!」 「……ごべんなざいぃ……」 さいごに謝罪をくりかえすと、ありすはひときわ大きく痙攣し、 せいだいに中身を吐きもらして事切れた。 父まりさは舌打ちして、あたりを見回した。焦燥が父まりさの胸を騒がしていた。 謝罪とは、過去の行いに対する反省の弁にほかならない。 すなわち、ありすは既に何かを実行してしまったことになる。 「おちびちゃーん!」 叫び声は森林に吸い込まれてゆく。 「……?」 どこからか声が聞こえてくる。 くぐもった、甲高い響きだ。 音源へと歩く。 樹木の根もとに、まりさ種の帽子が置かれていた。その帽子のつばには石が置かれている。 大きさから察するに、もちぬしは成体まりさ種であろう。 そして、ゆっくりがお飾りや帽子をその身からはずすことはありえない。 もちぬしのいない帽子など、不気味なだけだ。 振りかえり、ありすの死骸を見やった。ぴくりとも動かない。完全に死んでいる。 また黒帽子を見つめた。 父まりさは帽子に顔を近づけて耳をそばだててみた。 甲高い声が、帽子のなかに渦巻いていた。 『……みゅーちゃ……みゅーちゃ……みゅーちゃ……みゅーちゃ……おいちぃぃーーーー!』 『……おいちぃーわ……とっちぇも ときゃいひゃな おあじにぇ!』 『……ちあわちぇー……。まりしゃは とっちぇも ゆっきゅりしちぇいりゅんだじぇ……』 吹き飛ばすように、帽子をのけた。 蓋の下には、窪みがあった。 そこに七頭の赤ゆがいた。 窪みの底には藁がしかれている。巣のつもりか。 赤ゆらはいきなり明るくなった空をあおぎ、じぶんたちを睨みつける巨大な顔を見つけた。 かれらは同時に失禁し、蜂の巣をつついたような大騒ぎを呈した。 「ゆぴぃぃぃぃーーーーー! しりゃにゃい ゆっきゅりが いりゅぅぅーーーーーーーー! ゆっぐぢ でぎにゃのじぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーっっ!」 「ぶぎゃぁぁぁっ! ゆっぎゅり でぎにゃいぃぃーー! みゃみゃぁぁぁぁーーーーーー! みゃみゃぁぁぁーーーーーー! どっどど だじゅげりょぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!」 「……ま、ま、まままま、まり、まりっ、ま、まりまりまり、まり、まりしゃっ、まりしゃはっ、 ちゅ、ちゅ、ちゅよっ、ちゅちゅちゅちゅ、ちゅよい、ちゅちゅちゅちゅ、ちゅよいっ」 「ゆわぁぁーーーん! ゆわぁぁぁーんっっ! ごっぢごなびでぇぇーーーーーーーっっ!」 曇天のもと、父まりさはひどく澄んだ目つきで、騒然と泣きわめく赤ゆたちを観察した。 まりさ種が三頭と、ありす種が四頭だった。 その口もとは、ことごとく、べったりと黒く汚れていた。 窪みのすみには、もちぬしのいない四つ目の小さな帽子が座っている。 赤ゆのまりさのそれにくらべると、少しばかり大きかった。 草むらのなかから父まりさがその姿を見せると、子供たちはよろこびに沸いた。 母れいむも安堵のため息をもらす。ところが、奪い返しにいったはずの妹まりさの姿が みえず、黒い不安が胸のうちで頭をもたげてきた。 「ね、ねえまりさ」 「おちびちゃんたち。ごめんなのぜ」 父まりさはツガイの呼びかけを無視して、群がってくる子供たちのもとにすすんだ。 そして黒帽子からなにか白い塊をとりだして子供たちの前にさしだした。 それは大量のあまあまだった。カスタードクリームと餡子の混合塊だ。濃厚な甘ったる い匂いが、子供たちの鼻孔を直撃する。 「ゆゆぅぅぅぅーーーーーーーーっっ!」 狂ったような歓声をあげた。 それと同時に。 ぷしっ。 と、いっせいに子供の肛門から尿が吐き出された。唾液はまたたくまによだれとなってあごをつたう。 目は食欲にきらめき、凝然と甘味を見つめている。 父まりさは包容力のある笑みをうかべる。 「すーぱー むーしゃむーしゃ たいむなのぜ。……たべるのぜ」 「ゆ゛ん゛や゛あ゛ぁぁぁぁーーーーーーっ!」 自制心など吹きとんでいた。 三頭のゆっくりは我先にと餡子にむらがって、一心不乱にをむさぼりはじめた。 しかし、母れいむは素直にはよろこべなかった。 妹まりさはどうしたのだ? 父まりさの横顔を見てもよろこんでいるようにはみえない。むしろ悲痛でさえあった。 それに、こんなに大量のあまあまをどこから調達してきたのだろうか。 餡子もクリームも自然界には存在していないのに。 いやちがう。 唯一存在する場所があるが、それは……。 「ねえ、まりさ。これって もしかして」 「れいむ。いうんじゃないのぜ」 おおいかぶせるように言って、ツガイの疑問を遮断した。 「さあ、まりさたちもゆっくりたべるのぜ」 「……これを?」 「おちびちゃんだけに たべさせちゃ だめなのぜ」 母れいむは息を呑んだ。 「わかったよ……」 と、答えたときだった。 「ちあわちぇぇぇぇーーーーっっ!」 末っ子れいむの雄叫びが森にこだました。 「えぐっ……ゆぐっ……ぢあばぢぇぇ……ぢあばじぇだよぉ……」 姉女れいむにいたっては、ふってわいたような幸せかみしめ、むせび泣いている。 その喜悦は想像するにあまりある。 ゆっくりは頭上から茎を生やし、その先に実をつけるように子を成らすことで繁殖する。 その茎型の生殖管は子供が生まれたときにへし折られて食事として子に与えられる。 砂糖水をたっぷりと沁しみこませた茎は極上のあまあまだ。 姉れいむはそのとき以来、一度も甘味をたのしんだことがなかった。 そして、一生涯、二度とあまあまは食べられないものだと悟り、あきらめてさえいた。 忘れかけていた砂糖の味は、陶酔するほどおいしかった。 「おどーじゃん……おいぢーよぉ……ありがどぉ……あり……?」 姉れいむは父を見て声を失った。 父まりさは甘みを一心に見つめるばかりでいっこうに食べようとしていない。 空腹にはちがいないのに。あきらかに挙動が不審だった。 それでも意を決したように甘みを口にふくんだ。その瞬間、目をむいた。苦しんでいる。 甘みと格闘し、死にものぐるいでのみくだした。 どうしてこんなにおいしいのに苦しむのだろう。 姉れいむはクリームと餡子のかたまりを見下ろした。 大量の甘みは、家族にたしかな活力をあたえた。 それから数日間は旅程の消化もはかどった。 さしたる危険を感じずに過ごすことができた。 ときおり上空を戦闘機の轟音が駆けぬけていったが、馴れたものだ、気にしなかった。 唯一の気がかりといえば、 「ゆんやぁぁぁーーーーーーーっ! おねぇぇじゃぁぁーーーーーーーんっ!」 と、ときおり末っ子れいむが思い出したように姉の不在を強調することだけだった。 妹まりさについては、 「しっそう」 ということにされた。追跡したが見失ったと父まりさは言った。 それが嘘だと、すくなくとも母れいむと姉れいむは気づいた。 姉まりさの話題は禁忌となった。しかし、赤ゆに泣きわめかれては家族の努力もむなしくなる。 妹まりさが失踪してから七日目のことだった。 道行く家族の目のまえに、一頭の見知らぬゆっくりが踊り出た。 「ゆゆ!?」 家族はひさしぶりに見たゆっくりに安堵をおぼえた。 ちかくに群れがあるならば迎え入れてもらおう。そんなことさえ思いはじめた。 だが驚きと戸惑いはすぐに恐怖へと転じた。 左右と背後からもゆっくりが飛び出してきて、五頭の家族をすきまなく包囲したためだ。 一家を包囲するゆっくりたちは、一様に瞳を欲望にたぎらせている。 だれもが尖った白い棒で武装していた。それは研磨した動物の骨だった。 「な……なんなのぜ」 父まりさは正面のゆっくりまりさに問いかけた。 「へへ。ひさしぶりの えものなんだぜ」 リーダー格と思わしきゆっくりまりさは、家族を品定めするようにねめつける。 母れいむ、姉れいむ、姉まりさは父まりさの背中によりそった。 末っ子れいむは本能的に事態を察して母の髪の毛のなかにもぐりこむ。 「みちをあけるのぜ……」 乾いた声で、父まりさは言った。 「いやなんだぜ」 リーダーはほくそ笑みながら即答する。 「ぜんいん ここで いただくんだぜ」 「いただくって、なんなのぜ」 リーダーだけではない。襲撃者たちは全員、おびえる家族を見すえてあざ笑っている。 「ふん。どれいにしてやるんだぜ」 「どりぇい!」 その単語に鋭く反応した姉まりさが、父まりさのかたわらに進み出た。 「なにいっちぇるのじぇー!」 「おちびちゃん、さがってるのぜ!」 父まりさは襲撃者をにらみながら大声を張った。ところが姉まりさは下がろうとしない。 「まりしゃは げしゅの どりぇいに なんきゃ ならないんだじぇーっ!」 涙をこらえつつ、姉まりさは朗々と宣言した。 「こいつ……なんなんだぜ?」 山賊頭のまりさは、勇敢なるゆっくりを睥睨した。 「ゆぴっ!」 あらごとに馴れた山賊の敵意はほんものだった。壮絶な敵意をあてられて、 姉まりさは失禁した。それでも引き下がりはしなかった。それどころか対抗した。 「まりしゃは ちゅよいんだじぇ!? しゃっしゃと みちをあけにゃいと……」 「あけないと、なんなんだぜ?」 「せ、せ、せ……」 「おちびちゃん、さがるのぜ、ここはおとーさんに まかせるのぜ!」 「せ?」 姉まりさは目をつむって悲鳴をあげるようにさけんだ。 「せ、せ……『せいっさいっ』しゅるんだじぇーーーっっ!」 「へぇ……やってみてほしいんだぜ、なあ?」 リーダーまりさは仲間を見渡した。七匹の仲間は嗤っていた。侮蔑の笑みだった。 「ま、ま……まりしゃを わりゃうにゃーーーーっ! ゆりゅせにゃいんだじぇーーーっ! もう、あやまっちぇも おしょいんだじぇー! まりしゃの『ぷきゅー』をくりゃえーっ!」 「お、おちびちゃん、おとーしゃんも てつだうのぜ!」 父まりさも同調した。二頭のまりさが息をすいこむ。 「せーの……」 父と子は呼吸をあわせて、 「ぷくぅぅぅぅぅーーーーーーっ!」 「ぷきゅぅぅぅぅーーーーーーっ!」 全身全霊の「ぷくぅ」を見舞った。 はたして勇敢な姿をつきつけられた襲撃者たちは爆笑した。 「ひ……ひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ! うぎゃー。こ、こわいんだぜー! ぷくーはー、 こわいんだぜー。……ってかぁ!? ゆひゃひゃはははひゃはっっ!」 「こわいよ~、くくっ……ぷくーはやめてね~、ぷくーはこわいよー、くくっ。あははっ、 くくっ……こわいよ~、げっひゃひゃひゃっひゃっ!」 『ぷ、ぷ、ぷくくぅぅぅぅーーーーーっっ!』 攻撃意志を表明するたびに哄笑は高まっていった。 「あはははは、まだ、まだやってるんだぜー! けっさくなんだぜー!」 姉れいむの目は涙が落涙した。母れいむも唇をかみしめている。 末っ子れいむは母の髪の毛のなかで震えていた。 そして父まりさと姉まりさは、山賊たちの侮辱など聞こえないとでも言いたげに、 効果のない威嚇を壊れたようにくりかえしていた。 「ひひ……わかったんだぜ。そのぷくーにめんじて……」 威嚇行動が止まった。 父まりさの瞳に希望が差す。 だが、直後に発せられた襲撃者の一言により、一縷の望みはあっけなく断ちきられた。 「……ひとりでゆるしてやるんだぜ」 「ゆ?」 リーダーは父まりさに鋭い眼光を投げつつ、ことばを重ねた。 「ひとりさしだすんだぜ。それでゆるしてやるんだぜ」 「お、おちびちゃんはさしだせないのぜ!」 父まりさは金切り声を発した。 リーダーの笑みが止まった。侮蔑がひっこみんだ。 「なにいってるんだぜ。おちびちゃんが だめなら おまえでもいーんだぜ。おちびちゃ んを さしだすひつようは ないんだぜ。どーして おちびちゃんが ぜんてい なんだ ぜ? けっ……。ぽーずだけ なんだぜ……」 父まりさは言葉に詰まった。ちがうと言いたかった。 じっさい、そんなことは露ほども考えていなかった。 ではなぜおちびちゃんが奪われると思ったのかと問われれば、その理由は思いつかなかった。 「さあ。どいつにするんだぜ?」 「だ、だれも だめなのぜ……」 顔をうつむかせてこたえた。そんな返答で許してもらえるとは思えなかった。 「じゃあ、ぜーいん どれいにして やるだけなんだぜ」 「それは だめなのぜ」 「じゃあ、きめるんだぜ。えらぶんだぜ」 「え、えらべないのぜ……」 「……れいむが!」 姉れいむが凛々と叫んだ。 その場にいたすべてのゆっくりにとり予想外の反応だった。 リーダーはどことなく困惑した顔つきを浮かべつつれいむを見やった。 「れ、れいむが……いくよ」 れいむは震えていた。尿も垂れ流している。涙も浮かべている。 だが口調はしっかりしていた。その毅然とした態度をみて、山賊頭まりさは目をほそめた。 部下に命令をくだす。 「みあげたゆっくりなんだぜ。わかったんだぜ。おい、つれていくんだぜ!」 その命令に従い、部下のゆっくりが姉れいむを家族から引き離した。 襲撃者たちが引き上げてゆく。しかしリーダーは最後まで残っていた。 呆然自失している父まりさを心底から蔑んでいた。 「おやだったら、もっと ていこうするべき なんだぜ。こいつ、あんしんして やがるん だぜ。へどが でるんだぜっ! こどもがさらわれるってのに どうして あんしん で きるんだぜっ! しねっ!」 山賊ゆっくりは力いっぱいぶちかました。 父まりさはかるがると吹き飛ばされ、いくばくかの餡子を吐きもらした。 山賊に前後左右をかためられて、姉れいむは道を歩いている。 おそらくは、もう家族と再会することはない。 「へっ。どーしようもないおやだったんだぜ」 前方を行くリーダーまりさは独りごとのように言った。姉れいむは答えない。 「ほんとうに どーしようもない……」 「あなたも」 姉れいむが静かに口をはさんだ。 「あなたも、いえあなたは、おやにすてられたの?」 リーダーまりさの足が止まった。それにあわせて七匹の仲間も停止した。 姉れいむは金色の後ろ髪を一心にみつめて返答を待った。 「……むかしのことなんて わすれたんだぜ」 そう言って、また歩き出す。 一行は無言で歩きつづけた。 やがて。 前方を行くリーダーまりさが、それを踏みつけた。 人間はそれを、地雷とよんでいる。 爆音が森をおどろかし、爆風が草をなぎ倒す。 火焔があたりの腐った植物をなめ、黒煙が曇天を汚した。 ほどなく、濁った空から砕け散ったゆっくりの残骸が降ってきた。餡子が大地に森にばらまかた。 こうして姉れいむをふくむ九頭のゆっくりは、 悲鳴をあげる権利さえあたえられぬまま、 爆炎にのまれて全滅した。 (下に続く)
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/3235.html
960 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/10/11(日) 02 05 01 ID ??? ネーナ「劇場版なんて滅びてしまえ!」 キラ「そうだそうだ。完成しなきゃいいんだ」 シン「今日ばかりは気が合うな」 ルナマリア「ねえ…後ろ二人はわかるけど、なんでネーナまで荒れてるの?」 ルイス「いや……それは……」 ファ「きっと出られる希望がないからじゃない?」 ルナマリア「あ……そっか……確かとどめ刺したのルイスだっけ」 ルイス「何の話よ?」 ルナマリア「何ってあんた、すんごいMAで…」 リボンズ「ふんっ!」ビシッ ルナマリア「はうっ…」 ファ「ちょっと!いきなり何するのよこの黄緑頭!」 リボンズ「この二人が仲良くしてるなんてそうはないことなんだ。邪魔しちゃだめだよ」 962 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/10/11(日) 04 39 53 ID ??? 960 ウッソ・ガロード「劇場版なんてしねばいいのに」 キラ「ガロード、君は早く鼻血を止めようね」 963 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/10/11(日) 11 10 14 ID ??? カリス?「そうか、鼻血で発散してくれれば砂糖発生率を抑えられるんですね!」 カリス「その程度で済むんでしょうか、そちらの二人は……」 シャギア「まず無理だな」 オルバ「僕もそう思うよ兄さん」 カリス?「お二人も少しは協力してくださいよ……」
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1604.html
874 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/25(土) 19 45 53 ID GwMsl/oc レイ「……………」 ライダー「仲間外れですか。哀れですね」 レイ「お前には言われたくない」 C.C「そう邪険にするな。空気同士仲良くしようじゃないか」 レイ「こっちへ来るな!出番が減る!」 ファサリナ「減るも何も元々出番なんか無いじゃありませんか」 レイ「貴様ぁぁぁぁっ!」 875 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/25(土) 20 42 54 ID QiAGjFWI ???「貴方達はまだましです!」 一同「!?」 ユフィ「私なんて!!水泳大会以来!!全く!!出番がありませんよ!!!」 一同「……ごめん、忘れていました」 ユフィ「ウワァァ―――――。゚(゚´Д`゚)゚。―――――ン!!!!」 □ ◆ □ ◆ マリアンヌ「で、私に相談しに来たわけなのね」 ユフィ「ぐす、そうです。なんで私はここまで出番がないのでしょうか」 マリアンヌ「だって、あなたは清楚なイメージが強い皇女だからね。 せめて趣味や特技が公式設定で付いていれば話を作れるけど……そうなかなか貴女を描ける人がいないわよ」 マリアンヌ(それにインパクトの強いアレをここでやらせるわけにもいかないし) ユフィ「そんな、それじゃ困ります!!このまま空気キャラになりたくないです!!私、出番が欲しいです!! ですのでマリアンヌ様、一緒に空気脱却の方法を考えてくれませんか!」 マリアンヌ(はぁー、なにこのデジャブ。アーニャに続いてこの子まで空気を気にしていたなんて。…さて、どうしようかしら) 【ユフィ、空気を嘆き脱却を目指す!!】 876 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/25(土) 21 19 17 ID kXPpuv3Y 光秀「フフフ、実は私も最近出番が」 マリアンヌ「帰れ」 877 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/25(土) 21 55 06 ID Ef5Fmg8g レイ「俺が空気…?馬鹿な…」 レイ「…」 レイ「くそっ…何故俺が…」 レイ「……ちっ、気分転換に奴の相手でもするか」 レイ「おい!暴れ龍久しぶりに勝負しろ!」バァン 律「あっ……ゃ、キャスターさん、今日はもう勘弁して…」 キャスター「だ~め♪今日は徹底的に……!?」 レイ「Oh…」 女性の部屋にノックなしで入るんじゃないわよおおぉ!! ぐああぁっ!! ユフィ「ああやってもう活動に移ってる人もいるんですね」 マリアンヌ「いやぁあれは違うんじゃないかな…」
https://w.atwiki.jp/yuiui/pages/218.html
944 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/08/12(木) 10 37 00 ID lRR2Fj090 憂「お姉ちゃん帰ってこないんだ。あ、そうだ! お姉ちゃんの下着を借りようっと。お姉ちゃんが一緒にいる気分~♪ 憂「うん、胸は苦しいけど下はぴったりだね。 おねえちゃんと間接貝合わせ///」 憂「お姉ちゃんが居ないのは寂しいけど、お姉ちゃんの下着を借りたりタイツの匂い嗅ぐチャンスだよね… 偶にはいいかも」 唯「ただいまー」 憂「!?お、お姉ちゃん!?今日は学校に泊まるんじゃ……」 唯「泊まるよ。でも下着くらいは着替えるよ。 その着替え取りに来たんだよ」 憂「そ、そう」 唯「あれー?あれれー?洗濯機の中かなー?あれー、やっぱりない……」 憂「どうしたの?」 唯「お気に入りの下着が無い。アレ履いてこうと思ったのに」 憂(私が履いてるコレの事か……。こっそり脱いで渡すにしても、 濡れちゃってるし……) 唯「ういー、お姉ちゃんの下着知らない?」 憂「え、ええっ?さ、探しておくね。今日は他の下着使えばいいんじゃないかな? 明日帰って来る頃には、私が見つけておくから、ね?」 唯「ねえ憂ー、どうして憂の下着がこんな所に脱ぎ散らかされてるの?」 憂(しまっ。着替える時に一時的に置いておいたヤツだ……) 唯「んー。まさか憂が間違えて履いてたりー?」 憂「!? 憂(調べられたら終わっちゃう……) 感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/shienki/pages/676.html
※アバター、ネタ 持ちキャラとかに関係あるようなそうでないような ※※要:妄想力 ※※※原作コミックのカバー下漫画の最新刊(4/30現在)ネタ含 のどっち:課金アイテムまた増えてるのな ステルスモモ:基本無料っすからねー、そういうとこで取らないと潰れちゃうっすよ namber:でも、最新のカタログ見ましたけど、、、キワモノも増えましたよね 紫炎姫:そうか? のどっち:エフェクトってーの?あーいうの目が痛いレベルだし ステルスモモ:衣装の方も勇者系っていうんすか、それ系が目立ってきたっすしねー namber:前々から魔法の杖がありましたけど、とうとう剣まで出ましたしね……… 紫炎姫:いやいや、ガンランスが出るまでやるべきだと思うぞ? のどっち:…………… ステルスモモ:……………… namber:……………… 紫炎姫:むしろ龍系なエフェクトが出てない辺りまだまd のどっち:ってか、お前のアバターどうなってんだよそれ!? ステルスモモ:既に別ゲーの主人公さんじゃないっすか!? namber:幾ら注ぎ込んだんですか!? ~で~ 紫炎姫さんが入室しました のどっち:………ようやくいつものに戻ったか ステルスモモ:まぁ、それでも充分派手なんすけどね 紫炎姫:…………うぅ、折角コラボアイテムやらレアやらで固めたのに namber:………ですから、幾ら注ぎ込んだんですかソレ 紫炎姫:………ほんの小鍛治プロカード一枚分くらい namber:基準がわかりません ~同時刻、中級部屋~ 夏星:まったっでっすっかあああああああああああああああああああああああ むっきー:うむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむ(;д;)=3=3=3=3 にゃー!>みはるん:……………これで何回目だっけ、この叫び聞くの? みはるん>にゃー!:うん、54回目くらいだね 夏星:切れたんで近所のコンビニ行って買ってきます!! むっきー:うむ、私も!≡≡≡ヘ(*--)ノ にゃー!>みはるん:……………確か、プロ麻雀せんべいって一枚当たり みはるん>にゃー!:うん、120円だね すーみん: (※そろそろお煎餅以外のお菓子が恋しくなってきた) ~まぁ、さておき再び長野女子部屋~ 紫炎姫:ちなみに今回のバージョンから人間以外の種族も選択出来るようになったそうな のどっち:…………人間以外て何だよ、おい 紫炎姫:エルフとかドワーフとかホビットとか ステルスモモ:森の小さな妖精さんオンリー!? 紫炎姫:第一弾だしな、安心しろ。次以降からはしっかりカマエルや人気のダークエルフg number:と言いますか麻雀ゲームですよね、これ麻雀ゲームでしたよね!? ~同時刻、臨海部屋~ ねりねー:Hey!Hey!!Hooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!! メガラバ:あ、『きこりの与作』のコスプレですネ 委員長:おい、与作はドワーフじゃなくて人間だからな ハオハオ:いやいやいやツッコミ所そこじゃないですからっ!? パラソル: (※カマエル種の配信を心待ちにしてる、のどっちとお揃い的な意味で) ~まぁ、これもさておき再び長野女子部屋~ 子供じゃない!さんが入室しました 紫炎姫: のどっち: ステルスモモ: number: 子供じゃない!:ののかー、ともきー遊ぼー 紫炎姫: のどっち: ステルスモモ: number: 子供じゃない!:む……どうした? 紫炎姫:………………その、衣、ちょっと質問していい? 子供じゃない!:? 紫炎姫:………………何故にエルフ? 子供じゃない!:とーかが買ってくれた!!!! 紫炎姫:…………ヒモじゃないってレベルの水着も? 子供じゃない!:うん!!! 特盛りカツ丼さんが入室しました ~同時刻、龍門渕部屋~ 亜空間>龍門渕一:………………なぁ、国広君 龍門渕一>亜空間:ん?なーに純君? 龍門渕透華:目だってなんぼ、目立ってなんぼですわ!!!!!!!!!!!!! 龍門渕歩:あぁ、素敵ですお嬢様!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 亜空間>龍門渕一:……………オレ、新しいアバター作るわ 龍門渕一>亜空間:いやいや、似合ってるって純君 龍門渕透華:たとえネット麻雀でだろうが、目立ってなんぼなんですわ!!!!!!! 龍門渕一>亜空間:そのピンクリボンふりふりゴスドレス衣装 亜空間>龍門渕一:ああああああああああああああもおおおおおおおおおおおおおおおお ~まぁ、とにかくさておき再び長野女子部屋~ 酢だこさんが入室しました 酢だこ:失礼するじぇ!!!!! 酢だこ:って、何か元気ないじぇー。大丈夫かー? 紫炎姫:…………いや、ちょっとプロリコンの退治に時間がかかってな のどっち:…………アバターにまで欲情するとか、ないだろマジで ステルスモモ:…………プロリコンさんがプロリコンさんたる所以っすよ number:…………もういっそ、自分のアバターをそれにすればいいんじゃないでしょうか 酢だこ:?よくわからんが大変だったんだなー? 紫炎姫:おー…… 紫炎姫:って、何だ。お前も新作ダウンロードしたのな 酢だこ:む、よく気付いたじぇ!褒めて使わす! 紫炎姫:マントしてる時点で気づかない方がおかしいっての のどっち:…………しかも背中には大きい剣背負ってるし ステルスモモ:………どこの勇者さんっすか 酢だこ:デザインに一目惚れだったじぇ!!!まさにこの世に二つとない一品!! number:お金さえ払えばDLし放題ですけどね 酢だこ:私はこれを聖なるタコスソードと名付けよう!!!! number:無視ですか ~同時刻、白糸台部屋~ てる☆てる:ねぇねぇ、この剣かっこよくない!? 九月愛:典型的な厨二病意匠のバスターソードだな ネオ緑茶:と言いますか見てるこっちが恥ずかしいです ~まぁ、綺麗さっぱりさておき再び長野女子部屋~ ~試合終了~ 酢だこ:orz 紫炎姫:かいしんのいちげき! ゆうしゃはしんでしまった!! ステルスモモ:ざんねん!タコスのぼうけんはここでおわってしまった!!! のどっち:………衣装変えても麻雀の腕が変わる筈もないしな number:………至極当然の事ですけどね 酢だこ:ぐ、ぐぬぬぬぬぬぬ 紫炎姫:おお ゆうしゃよ! しんでしまうとは なさけない 酢だこ:だ、黙るんだじぇ!!!!!! 紫炎姫:そなたに ふっかつのじゅもんを おしえよう 酢だこ:カセットロムっ!? ステルスモモ:古き良き時代っすねー のどっち:…………えぇっと number:………まぁ、見かけばっかり拘っても中身g 酢だこ:こ、これは麻雀向けの装備じゃないから仕方がないんだじぇ!!!!!! number: number:はぁ 紫炎姫>のどっち:また盛大に自爆スイッチ押したぞ、おい のどっち>紫炎姫:…………私はもう知らん ステルスモモ:じゃぁ、どんな時の為の装備なんすか? 酢だこ:そ、それは勿論、正義の為の力が必要な時だじぇ!!!!!! number:……と、言いますと? 酢だこ:え、、えっと、そう、タコスの国を守る時で!!!!!! ステルスモモ:ほうほう、どうしてその国は危険なんすか 酢だこ:そ、、、それは勿論、隣国の王様が材料を独占しちゃったからだじぇ!!!!! number:どうして独占しちゃったんですか? 酢だこ:えっと、ほら、トウモロコシをエネルギーに変えて戦争に使ってて、、、、 ステルスモモ:なるほどなるほど、しかもその戦争でタコスの国も危ないんすね 酢だこ:そ、そうなんだじぇ!!そこにすんでるタコスびとも全員元気がなくて!!!!! 紫炎姫>のどっち:さて、そろそろ引っ込み所が消え失せたんだが のどっち>紫炎姫:………私はもう知りません! ~同時刻、清澄部屋~ †∬京∬†:た、大変だあああああああああああああああああああああああ 超会長:あら、須賀君いたの? roof-top:そうぞうしいのぅ…… みやながさき:きょうちゃん、いったいどうしたの? †∬京∬†:そ、そそそそれが!! みやながさき:それが? †∬京∬†:ペットのカピバラに羽が生えてどっかに飛んでっちゃったんだよ!!!!!!! 超会長:…………… roof-top:…………… みやながさき:・・・・・・・・・・・・・ †∬京∬†:こ、こういう時ってどうすりゃいいんだ!?やっぱ保健所に電話しt 超会長:……………次回に期待ね roof-top:……んなしょーもないネタ、せめて四月馬鹿にやっときな みやながさき:きょうちゃん、さすがのわたしでもそんなのじゃだまされないよ †∬京∬†:本当なんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお そんなこんなな話 有料課金コンテンツほど怖いものはないような気がしますね、ガチに 某アイドルなマスターしかり大半のネトゲしかり ………………………… えぇ、そう思っていた時期も私にはありました 世の中タダが一番怖いですね。ラブプラス+的な意味で …………フルコンプ条件がリアル全国行脚ってのは新しすぎると思ふ ちなみに、片岡家の近くでUMAの目撃情報が相次いだとかそうでないとか 疾風の如く空を駆け、流星の如く降下し、牛のようにタコス食って帰ったそうな。何しに来た ………………………… ちなみに龍門渕一さんのアバターは温泉の女将姿だったぽい てかむしろ日頃より露出度絞った方が逆に目立つようなそうでないような、ふしぎ!!! 南場さんが途中からuに変わってるのはタコス登場を予感したからなのか…さすが宿命のライバルだじぇ -- 名無しさん (2010-04-30 04 18 14) きこりの与作か……20年ほど前にファミコンにあったな……※の人の年齢が気になるようなならないような -- 名無しさん (2010-04-30 04 52 35) 田吾作の出番はないのかい -- 名無しさん (2010-04-30 05 33 46) アバターにペットもあったのか。それにしても逃げ出すイベントとは阿漕な手だぜ -- 名無しさん (2010-04-30 11 07 59) ↑アバターが実体化してタコス食べに来るとかSOA! -- 名無しさん (2010-04-30 11 43 38) ↑いやいやいや、そもカピバラに羽が生えて空飛b(ry 非日常の慣れって恐ろしい -- 名無しさん (2010-04-30 13 34 42) 京、今日も相手にされずか・・・カピパラに羽が生えるなんて・・・どんn -- 名無しさん (2010-05-02 01 25 25) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1486.html
430 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/24(火) 09 55 09 ID 8RwmUHUA 男A「皆さんごっそりいなくなりましたね」 玄霧「桜ケ丘高校の皆さんはふさぎこみ、麻雀世界の方々は大体が控室に行きましたからね」 男A「死は万人に等しく訪れるものですが、受け入れがたい事実でもあるでしょう」 玄霧「あの女性はそれだけ多くの死者と関係を築いていたということでしょうね」 男A「しかしこれで桜丘高校の方々が殺された麻雀世界の人間は延べ四人目ですか」 玄霧「運命的ですらありますね」 431 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/24(火) 11 43 14 ID gbm5Utic 海原「あれ? 此処に仕舞った筈なんですけど……」 政宗「Hey、海原光貴。 何を探してやがる」 海原「あれ、伊達さん。 福路さんに会いに行かなくていいんですか?」 政宗「Ha、まだ死んだと決まった訳じゃねえ。 労いの声を掛けるのは、こっちに来るのが確定してからでも遅くねえだろ」 海原「伊達さんらしいですね。 あ、こんな所にあった」 政宗「何だそりゃ? ジュラルミンケースか?」 海原「これですよ、これ」 【福路美穂子の左腕】 海原「池田さんに預かって貰ってたんですよ。 福路さんに持っていって欲しかったんですけど、置いていっちゃって」 政宗「おいおい、まだ死が確定してねえってのに気が早過ぎねえか?」 海原「それはそうですけど、仮面アステカー騒動の事とか色々ありましたからね。 出来るだけ早く引き取って貰いたいんですよ」 政宗「Ha、大変だなお前さんも」 432 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/24(火) 19 23 00 ID 53I0vEEU ~控え室~ 美穂子「ここは……?」 『キャプテン!!』 美穂子「そ、その声は……華菜!?」 池田「キャプテン……ついに会う時が来ちゃったし」 久「私もいるわよ」 美穂子「上埜さんまで……あぁ、そうか。私、死んじゃったんだ」 池田「ま、まだ分からないですよ! あくまでここは死亡予定者の控え室だから戻れる可能性もあります!」 美穂子「そう。なら、まだ気を抜くわけにはいかないわね」 久「福路さん、貴女はよく頑張ったわ。ここでぐらい気を抜いたら?」 美穂子「いえ。私は最後の最後まで諦めない、負けないと決めましたから」 久「強いのね」 美穂子「そんな事はありません。多くの人が私を支えてくれたおかげです」 久「……もしもの時は私の胸を貸してあげるわね。慰めてあげるから」 美穂子「え!? あの、その、上埜さんがそんな///」 久「こーら、そんなに慌てないでよ。こっちが恥ずかしくなるじゃない」ニヤニヤ 池田「……」イラッ 【キャプテン、部長&池田と共に控え室待機確認】
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3594.html
『砂場さんはゆっくりできる?』 19KB 虐待 不運 姉妹 子ゆ 現代 ミスったので投稿しなおし・・・申し訳ないです スレの方で、「砂場って少し低くなってて囲まれてるし、子ゆっくりじゃ出れないんじゃね?」って聞いて、てぃんと来て書きました。 虐待が少しの上、ぬるいです。ごめんなさい。 ゆっくりの朝は、意外にもそこそこ早い。 太陽が顔を出し、町を明るく染める頃、だいたい7時くらいには目覚める。 しかし、暑い夏の季節、日が昇って温度が急上昇し、地面は焼けるように熱く、マンホールはこんがりとゆっくりを焼き殺す。 そんな時間に狩りに行くのは自殺行為である。 だから、夏のゆっくり達はいつもより更に早く目覚め、まだ涼しいうちに狩りを行い、日が高くなり暑くなってくれば家に帰りゆっくりするのだ。 公園の草むらの中から、とある平凡なゆっくり一家の朝の挨拶が聞こえる。 生い茂る草むらの中は、近所の子供がかくれんぼでもして遊んだ際に出来たのだろうか? ちょうど子供が1~2人。ゆっくりなら成体が数匹住めるほどの空間が空いている。 まるで草むらだった空間を切り抜いて作られたような空間は、枝や葉っぱが覆い重なり、雨をしのげるようになっている。 編みこまれたような細い幹達は、籠のようにゆっくり達を風や気温から守ってくれている。 誰がこんなとこに捨てたのか、あるいは偶然中に入り込んだのか、食料をためられるようなビニール袋や、ブルーシートの代わりに使える壊れた傘もあり、おまけにタオルなども置いてある。 れいむ、まりさ、れいみゅ、だじぇまりちゃ、まりちゃ、とテンプレな家族構成の一家は、最近見つけたこの素敵なゆっくりぷれいすをおうちとして使っているのだ。 一家の大黒柱、父のまりさは、自慢の黒い帽子を深めにかぶり、明け方の町へと狩りに繰り出そうと草むらを這い出る。 「きょうはごちそーなのぜっ!ゆっくりいってくるんだぜ!!」 まりさは毎日、子供達や妻のれいむに良い物を食べさせようと、張り切って狩りに行く。 公園近くのゴミ捨て場や、少し離れた場所にある自販機の裏から、甘いジュースが少し残っている空き缶を拾ってくる。 極稀にではあるが、硬貨を拾っては、知り合いの飼いゆっくりに頼んでお菓子を買ってもらったりして、一家をとてもゆっくりさせている。 「ゆぅ~ん♪むりしないでね!ゆっくりいってらっしゃい!」 れいむはまりさの自慢の美ゆん妻で、野良だと言うのにお肌はすべすべもちもち、おうちの掃除をそつなくこなし、使えそうなガラクタを拾って来ては、家具として利用している。 まりさが狩りに行っている間、れいむは公園内のゴミバコや、植木や他の草むらへ虫を見つけにいく。 子供達が心配ではあるが、もう子ゆっくり、かわいい子には旅をさせよと、午前中の間だけ子供達を公園内に放し、たまに一緒に遊んだりしてあげている。 「まりちゃ きょうはおしょとしゃんであしょびちゃいのじぇ!」 「まりちゃも!まりちゃもおしょとでゆっくちしゅるよ!」 「れーみゅもいもーちょたちのめんどうをみりゅよ!」 今日は平日で、既に学生や社会人の通学通勤時間を過ぎていた為、子ゆっくり達を外に出して遊ばせてやることにする。 「ゆぅ・・・きょうはおかーさんはついていけないよ!・・・だからおちびちゃん、ゆっくりきをつけてね!」 暑くなってきたらすぐに帰ってこい。 人間や野良猫を見つけたら影に隠れて静かにやりすごして逃げろ。 怪我をしたり、何かあったら大声で叫べ。 変なゆっくりにはついていくな。 遊びに行かせる度に耳(無いけど)にタコが出来る程伝えている注意事項を伝えると、れいむは子供達を公園の遊具の近くに運んでやり、自らも狩りへと出かけた。 平日の夏の午前中に公園に来る人は、中々居ないだろう。公園はゆっくりにとって、見つかりさえしなければとてもゆっくりできるのだ。 「ゆっ!きょーはにゃにしてあしょぶんだじぇ!?まりちゃはしゅべりだいしゃんがいいのじぇ!」 「まりちゃ!ぶらんこしゃんがいいよ!!」 「れーみゅはしーそーさんがいいよっ!」 三匹の子ゆっくりは、どの遊具で遊ぶかを相談する。 だが、だじぇまりちゃとれーみゅ提案のブランコとシーソーは、どちらも母のれいむが居ないと遊べないどころか、乗る事すら出来ない。 滑り台ならまぁ、逆から登っていけば無理ではないが、子ゆっくりの移動速度に加え、あの傾斜では半分も登れないだろう。 「ゆっ!きめちゃのじぇ!きょーはしゅなばしゃんであしょぶのじぇー!」 「ゆ!しゅなばしゃんまでかけっこぢゃよ!」 「ゆゅっ!?いもーちょたち!ゆっくちまっちぇにぇ!?」 だじぇまりちゃが今日の遊び場を決定すると、一目散に砂場に向かってぴょんぴょんしていった。 砂場に着いた子ゆっくり達は、一斉に砂場の中に飛び込む。 前夜、気温が低かったのと、日が差してからあまり経っていないため、砂場の砂はひんやりと冷たい。 「ゆっくち!ちゅめちゃいんだじぇ!」 「ゆわぁっぷ!ぺっぺっ!しゅなしゃんがおきゅちにはいっちゃよぉ~!ぎゃりぎゃりしゅりゅよ~!」 「ゆわぁ~っ!すなしゃんはしゃらしゃらしゅべしゅべでゆっくちできりゅにぇ~!」 子ゆっくり達は思い思いに砂場でゆっくりし始める。 不規則な形の小さな砂丘にそってこーろこーろレース。 どれだけはねてもころんでも、ある程度衝撃を吸収してくれる砂の上で追いかけっこ。 まりちゃ達が常備している、小枝を使って小さな砂山をいくつか作ったり。 れーみゅが砂山の上で歌ったり、頂上から転がり降りたり。 少しの間、そうしてとても楽しんでいた子ゆっくり達。 疲れてしまったのだろうか?皆、少し眠そうな顔をしている。 「ゆぅ~・・・にゃんだきゃねむくなっちぇきちゃのじぇ・・・」 「れーみゅもちゅかれちゃったよ・・・」 「いいこちょおもいついちゃよ!ゆっくちまっちぇちぇにぇ!」 そう言うと、末っ子まりちゃは小枝で砂山に横穴を掘ると、そこにすっぽりと入り込んで、ゆっくりぷれいす宣言をする。 「きょきょをまりちゃのゆっくりぷれーしゅにしゅるよ!」 「ゆぅ~!いもーちょはてんっちゃいだじぇ!」 「れーみゅもまにぇしゅるよ!」 「ひんやりしちぇゆっくちできるのじぇ~・・・」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「ゆぴぃ・・・ゆぴぴぃ・・・」 三匹は砂山に自分の身体ほどの穴を掘ると、そこでゆっくりと眠りについてしまった。 『砂場さんはゆっくりできる?』 「ゆぅ~?にゃんだかぽーきゃぽーきゃしてきちゃよ?」 れーみゅが寝苦しさに目を覚まし、瞼を開くと、凄まじい光がれいむの目に飛び込み、瞳を焼く。 「ゆぎゃぁ!?めっ、おめめしゃんぎゃ~!おめめしゃんぎゃ~!?」 痛みに悶えているうちに少しずつ目が慣れてくると、外の世界が一変していることに気づいた。 外はとてつもなく明るい。れいむの居る砂山も少しずつ温かくなっていた。 「ゆぅ~!すなしゃんきらきらしちぇる!・・・でもきょこはしゅこしゆっきゅりできにゃいね・・・いもーちょたちのとこりょにゆっきゅちにげりゅよ!!」 過しにくくなったゆっくりプレイスを手放し、近くのまりちゃの居る砂山を目指すべく、あんよを前に進める。 穴が遮っていた、太陽の眩い光がれいむの顔を包む。そして、あんよが外の輝く砂に触れる。 「ゆっぴぃ!?すなしゃんがあっちっちだよ!?」 太陽に照らされていた砂は熱を持ち、れーみゅのあんよにその熱を伝える。 「あちゅいよ!はやきゅいもーちょのとこりょにいくよ!」 くっついたり、足焼きされて歩けないほどでは無かったため、妹である次女まりちゃの砂山に向かって素早くぴょんぴょんで移動する。 「ゆぅ?どうちたんだじぇ?」 「おにぇーちゃん、ゆっくりしじゅかにしちぇにぇ?」 その騒がしさに二匹のまりちゃが目覚め、れーみゅの異変を確かめようと外に出ようとして、足が砂に触れる。 「「ゆひぃ!?あっちゅい!?」」 二匹はあんよの熱に驚き、即座に後ろにぴょんと跳ねる。 だじぇまりちゃは、すぐ後ろにあった砂山を潰してしまった。 末っ子まりちゃは、すっぽりと元の位置に戻ったが、衝撃で砂山が崩れ、中に埋もれてしまう。 「ゆひぅっ!?こっちもあちゅいのじぇ!?」 「あちゅいよ!おもいよ!しゅなしゃん!ゆっくちどいてちぇにぇ!?」 砂に埋もれ、ゆっくりと蒸されていきそうなまりちゃをなんとか砂の中から引きずり出す。 三匹は寝ている間に突然変化した環境にゆんやーしているが、母れいむは公園の隅の方にいってしまっているのか、泣けど叫べど助けは来なかった。 ぐずぐずしている間にも、太陽に照らされた砂は更に熱を帯びていく。 三匹は冷静さを少し取り戻したようで、暴れるのをやめて、とにかくここから逃げることに決定した。 「ゆぅ?でも、きょきょどのへんなのじぇ?」 そう、この三匹はとにかく遊びまわっていたため、自分達が居るのが砂場のどの辺りなのか、まったく分からなかったのだ。 人間から見ても、大きめな砂場、成体ゆっくりからすれば、とても広い砂場、子ゆっくりから見れば広大な砂漠となる。 どれだけのーびのーびして辺りを見渡しても、見えるのは晴れ渡る青空、ギンギラギンにさりげなく輝く太陽。 そして遠くに遠くにかすかに見える木の緑だけだった。 悩んだが、とりあえず草があるところに出たいと考えた三匹は、広大な砂漠を進みだす。 ジリジリと肌を焼く太陽。 あんよをじんわりと焼いていく熱い砂。 滝のように流れていく砂糖水が、砂の上に落ち、砂を湿らせて斑点を作る。 照りつける太陽の光を受けた砂の照り返しで、目がチカチカしてくる。 「ゆんやー!まりちゃもうあるきちゃくにゃいいいいい!!」 「だめなのじぇ!ここにいちゃらゆっきゅちできにゃくなるのじぇ!?」 「しょうだよ!おねーちゃんもがんばりゅから、いもーちょもがんばっちぇにぇ!ぺーりょぺーりょ!」 黒い帽子は太陽の光を吸収してしまい、帽子の中が蒸れるが、直射日光よりはマシだ。 れーみゅは黒髪、しかも直射日光。 二匹のまりちゃよりさきに体力をどんどん消耗していくが、長女としてのプライドと責任を持ち、頑張って歩いた。 しかし、楽しんでいた時は気づかなかったが、風で出来た小さな砂の波が今は大きさ砂丘になる。 子ゆっくり達は励ましあいながらそれを一つ越えては、乾燥していく肌をぺーろぺーろで潤し合いながら進んでいく。 どれほど歩いただろうか? 長く辛い、ゆっくりできない旅の終わりが見えてきた。 ついに子ゆっくり達は、砂場の出口にたどり着いた。 が、そこで出れるほど、ゆっくりのゆん生は甘くない。 少し、子供の頃遊んだ砂場を思い出してもらいたい。 砂場と言うのは、早い話、「砂がある場所」。 砂は風に飛ばされたり、水に流されやすいため、多くの場合、コンクリートか何かで囲まれている。 地面から一段低いところに掘られ、コンクリートの囲いがあるのだ。 つまり、今子ゆっくりの目の前にはその囲いがある。 その囲いは、子ゆっくりには絶対に越えられない壁となって、砂漠からの脱出を阻止する。 「ゆぅ!?かべしゃんがあってでらりぇにゃいのじぇ!?」 「かべしゃんはいじわるしにゃいでゆっくちどいちぇにぇ!?」 「ぷきゅーしゅるよ!?ぷっきゅぅー!!」 当然の事ながら、壁は退かない。 以前母ゆっくりと遊んだ時には、母れいむに手伝ってもらったり舌でだっこしてもらっていたので登る事が出来た。 しかし、背丈の低い子ゆっくりだけではこの壁を越えることは不可能だ。 子ゆっくりたちは、壁に体当たりしてみたり、罵倒してみたり、ぷくーしたりしてみるが、一向に効果はでない。 むしろ自分達の体力を消費していくだけだった。 ゆっくりできない壁をやっつける事を諦めた子ゆっくり達は少し壁沿いに歩き、気づく。 どこまでも壁が聳え立っていて、出口が見つからない事を。 「れ、れーみゅたち、とじこめらりぇちゃってりゅぅぅぅ!? 「ゆんやぁあああああああっ!!!」 「だしゅのじぇ!!まりちゃたちをここかりゃだちゅのじぇええええええ!!!」 勿論、泣けど叫べど助けは来ない。 更に強くなっていく日差しと、絶望感に子ゆっくり達は途方にくれて、壁にもたれかかる。 まだ太陽は完全に真上に来てはおらず、壁が影を作って涼しい。 冷たいコンクリートに背中を預け、つかの間のゆっくりを取る。 しかし、刻一刻と登る太陽は、三匹から少しずつ影を奪っていく。 すると、末っ子まりちゃが何かをひらめいた。 まりちゃはすぐに帽子から小枝を取り出すと、一心不乱に砂を掘り始める。 その奇行に残りに二匹は心配したが、まりちゃは構わず掘り進める。 そしてある程度の大きさの穴を作ると、そこに自ら転がり落ちた。 「ゆぅ~!ちゅめちゃいよ!おにぇーちゃんたちもゆっくちしようにぇ!」 「ゆぅ?どういうこちょにゃんだじぇ?ゆわぁ!ひんやりー!」 「ほんちょーぢゃよ!?ひんやりーでゆっきゅちー!」 「ゆふふ!いじわりゅなしゅなしゃんをほっちゃら、ゆっきゅちできりゅしゅなしゃんがでてきちゃよ!!」 「やっぱりいもーちょはてんっちゃいなのじぇぇえええ!!」 「ゆぅ~ん、いもーちょ!しゅぎょいよぉ~!」 まりちゃが穴を掘ったのは、このためだった。 表面の砂は熱せられていて熱いが、掘り起こした砂はまだ冷たい。 さきほど、砂山に入ってゆっくりできたときのことを思い出したのだ。 三匹は、まりちゃを手放しに褒め称えて、またゆっくりしはじめた。 しかし、やはりそれもただの時間稼ぎにすぎない。 真上に上った太陽の日差しを逃れる術は無く、穴の中も少しずつ熱を持ってあつくなる。 「ゆぅ~!?ここにょしゅなしゃんもいじわりゅなのじぇ!?」 「ゆっくちにげりゅよ!!」 そう宣言し、熱い砂の穴を登っていく。 ずーりずーり、ずざざー。ずーりずーり、ずざざー。 砂の流れに乗って、子ゆっくり達は上がっては下がり、登っては滑り、を繰り返す。 「「「どびょじちぇでらりぇにゃいのおおおおお!?」」」 砂に穴を掘った。 登ったら砂が崩れて登れない。 即席のあり地獄の完成である。 余計な事をしたまりちゃに二匹から非難が飛び交う。 「おみゃえがよけいにゃこちょしゅるきゃらだじぇええええ!?」 「ゆぅううう!?れーみゅたちににゃんのうりゃみがありゅのおおおお!?」 「にゃんでぇえええ!?みんにゃゆっくりしちぇちゃでしょおおおおお!?」 「まりちゃをゆっくちさしぇにゃいげしゅはゆっくちふみだいににゃりゅんだじぇ!!」 「ゆっ!れーみゅもゆっくちふみだいにしゅるよ!!」 「ゆぶぅっ!どびょちちぇえええ!?ゆべぇっ!」 二匹から理不尽に罪をかぶせられ、二匹の踏み台になってしまう末っ子まりちゃ。 二匹がまりちゃを蹴り、その勢いを使ってあり地獄を抜けようともがく。 そしてもがけばもがく程、砂埃が舞い、熱せられた流砂があり地獄の中心のまりちゃに降り注ぐ。 「ゆべっ!ぺっぺっ!やめちぇにぇ!?ゆんやあああ!おめめしゃんにしゅなしゃんはいっちゃあああ!! あちゅいいいいいい!おみょにじぇんしんがあちゅいいいいいい!!!」 二匹はもがきながらも何とかあり地獄を抜け、中心で暴れるまりちゃを見下す。 先ほどまで仲睦まじかった姉妹も、命の危機やゆっくりの危機ならば平気で蹴落とすのがゆっくりだ。 「おぉぶじゃまぶじゃま!しょこでいっしょうゆっくちしちぇりゅんだじぇ!!」 「こんにゃげすないもーちょにゃんていらにゃいよ!うんうんでもくらっちぇにぇ!!」 「ゆんやぁあああ!うんうんしゃんくしゃいいいいいいい!!?たしゅけちぇええええええ!!」 熱い砂に飲まれ、うんうんにまみれて、まりちゃは泣き叫んで助けを請う。 「そこですなしゃんでもたべちぇ、ゆっきゅちしちぇにぇ!!」 「すなしゃんでうめちゃうよ!!どしゃどしゃー!!」 「あじゅぃ・・っ!だじゅきぇ・・・!ゆびゅぇっ!がひゅ・・・っ!ゅびゅぶ・・・!!」 二匹がかける砂は容赦なくまりちゃの上に降り注ぎ、少しずつまりちゃは砂に飲まれていく。 やがて砂が口の中を満たし、呼吸もまともに出来なくなったまりちゃは砂に埋もれた。 このままゆっくりと砂の中で蒸し饅頭にされるだろう。 そんなまりちゃを尻目に、二匹はなんとかゆっくりできないかと、辺りを見渡す。 そして何かを見つけたようだ。 「ゆゅ!?このおやましゃんをのぼりぇばおしょとにでりゃれしょーなのじぇ!?」 だじぇまりちゃが見つけたのは、小さな砂山。 末っ子まりちゃが穴を掘った時に出た砂が積み重なって砂山となっていたのだ。 砂山の頂上は、壁の一番上へと伸びている。 確かにあそこから外へ出られそうだ。 そう気づいた瞬間、れーみゅは一目散に駆け出した。 「ほんちょう!?れーみゅがさきにみちぇくりゅよ!!」 「まりちゃがしゃきにみちゅけたんだじぇ!?」 「うりゅしゃいよ!!れーみゅがさきにでちぇゆっくちしゅりゅよっ!!」 またもや醜い罵り合いをしながら、二匹は砂山を登る。 ばたばたとあわただしく登るので、砂山の表面の砂が少し崩れてすべるが、気にせず頂上を目指す。 そしてついにれーみゅが先に砂山にたどり着いた。 「ゆっくちだっしゅつしゅりゅよ!!ってどぼじでとどかにゃいにょおおおお!?」 残念、砂山の頂上からはほんの少しだけ壁の上には届かない。 れーみゅがぴょんぴょんはねても、外の世界がちらりと見えるだけで、上ることはできない。 「いまなのじぇ!!ゆっくちふみだいになっちぇにぇ!!!」 れーみゅがあたふたしている間に、まりちゃが追いつき、後ろかられーみゅを踏んづける。 そしてれーみゅの反発力と、跳躍力を合わせ、一気に大ジャンプ(子ゆっくり基準)。 お空を本当に飛びながら、まりちゃは姉であるれーみゅを見下しあざけ笑う。 「ゆきゃきゃ!!くしょおにぇーちゃんはしょこでいっしょうゆっきゅりしてりゅのじぇ!! まりちゃはこりぇかりゃもゆっきゅちしちぇあげりゅから、ゆっきゅちかんしゃちちぇにぇええええええっ!!」 やった!これで外に出られる! 外に出たら、まずはおうちに帰ってゆっくり休もう。 そしてグズで無能な姉妹の分のおやつを全部独り占めにしてやろう。 それから両親が帰ってきたら、崇高なるこの自分に意地悪をした壁さんと、砂場さんを制裁してもらおう。 その後、この公園をまりちゃのものにしよう、そうしよう。 「ゆっきゅちちゃくちしちゃよ!!」 そんな都合の良い考えを、瞬時に餡子脳で思い描いたまりちゃは、ゆっくりと着地する。 真夏の太陽に、数時間晒されていて、かなり高温となっているコンクリートの上に。 「ゆ・・・?にゃんだきゃあんよしゃんが・・・あっぢゅいいいいいいいいいいいいいいっ!!??」 着地と同時に、高熱がまりちゃのあんよを焦がし、まりちゃが跳ね上がる。 そしてまた勢い良くコンクリートに着地し、今度は完全に密着する。 コンクリート程度とはいえ、皮が脆く、薄く、水分を多く含んでいる子ゆっくり。 あんよから水分の蒸発音が聞こえ、凄まじい激痛と共にあんよの感覚が無くなっていく。 「あぢゅいいいいいいいい!!!!ゆびゃあ゛あああああああぁっ!!!!」 このままではあんよさんがたいへんなことになる。 「あんよしゃんんんんん!!!?ゆっぐちうぎょいぢぇにぇえ゛えええええええっ!!? あぢゅいいいいいいいいい!!!!ゆんやああああああっ!!!」 本能で危険を察知したまりちゃは、すぐにこの上から逃げようと、体を動かす。 「ゆぇっ!?あ、あんよしゃ・・・!」 が、あんよが思うとおりに動かず、顔面から熱いコンクリートと熱いちゅっちゅを交わす。 「ゆべっぢゅ!?ゅぎゅぅぅ・・・っ!?・・・ゅぅ゛っ・・・!?・・・ぅ゛ぅ゛ぅっっ!?!?」 小麦の焼ける良い匂いがあたりに放たれる。 まりさの顔面は高熱でこんがりと焼き上げられ続ける。 コンクリートと接した目玉は熱でしぼんでいき、眼孔の餡子にまで熱を伝える。 くぐもった悲鳴が、聞こえているかどうかは分からない。 しかし、先ほどまでまりちゃが散々大声で叫んでいたのは、すぐ下のれーみゅに届いていたようだ。 れーみゅは下卑た笑いを浮かべ、大声で空を仰いで高笑いをしながらまりちゃを罵倒する。 「ゆひゃひゃひゃひゃっ!!ざみゃあああああっ!!!ざみゃあああああああぁぁぁぁっ!! ねぇねぇいみゃどんにゃきもちぃ!?にぇえどんにゃきもちぃぃぃぃぃっ!!? れーみゅをうらぎりゅきゃらこうにゃるんだよ!!?げすにゃいもーちょはゆっきゅちくりゅしんできゃらしんぢぇにぇぇぇぇぇぇっ!!」 れーみゅは踏みつけられて、皮が破れて餡が流出しているのに気づいていないのか。 それとも砂の熱さと気温の暑さに中枢餡をやられたのか、砂山の上で腹を抱えて、体をよじって大笑いしている。 出餡死も時間の問題だろう。 「ぅ゛ゅ・・・ゅ゛・・・!!ゆ゛!!?ゅ゛ゅ゛ゅ゛ゅ゛ゅ゛ゅ゛っ!!!!!」 顔の皮や体の皮が少しずつ炭化し始め、コンクリートにゆっくりと焼かれていたまりちゃは、ビクンと一際大きく痙攣すると、小刻みに激しく痙攣し始めた。 どうやら、熱が中枢餡にまで届いたようだ。 じっくりゆっくりと中枢餡に熱が伝わり、痙攣は激しさを増す。 そして最後に小さく呻いた後、まりちゃの体はピクリとも動かなくなり、ただただ熱によって萎んでいった。 ゆっくりの声が聞こえなくなった砂場に、一陣の風が吹き込む。 暑い夏にうれしい風は、まりちゃの帽子を吹き飛ばし、れーみゅのお飾りを奪っていった。 「おちびちゃぁーん!どこなのー!?ゆっくりおへんじしてねぇええええ!!?」 「おちびぃいいいいい!?どこなのぜええええええ!?かくれんぼさんはやめて、ゆっくりでてくるんだぜえええええええ!!」 「ゆわああああああん!おちびちゃんいなくなっちゃったあああああああ!!!」 「れいむがちゃんとみていてあげなかったからでしょおおおおおおおお!!?このげすううううううううううううううううううう!!!」 「かわいいおちびちゃんにはたびさんをさせようね!っていったのはまりさでしょおおおおおおおおおおおおおっ!?」 お昼の時間を過ぎても、おやつの時間になってもかえってこないわが子を探しに、二匹は公園内を探し回る。 もう夕暮れ時、いつもならそろそろ眠る時間だ。 空は赤色から、藍色へと変わっていく。 「ゆぅ・・・みつかったのはおかざりさんと、おいしそうなあまあまさんだけだったよ・・・ おちびちゃああああん!あまあまさんをいっしょにてべようねええええええ!?だからでてきてええええええええええ!!」 「おちびいいいいいいいいい!!いっしょにゆっくりしようなのぜえええええええええええ!!」 すっかり暗くなった公園で、二匹のゆっくりが泣き叫ぶ。 声は公園の周りの家々に反響し、そして遠くへと消えていく。 二匹は暗くなった空に浮かぶ、わが子を探す声が引き寄せたいくつもの影には気づいていない。 ただただ、返事の返ってこない虚しい呼び声が公園に響いた。 終わりです。 最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。 anko2360 『馬鹿一家と賢いぱちゅりー』 anko2376 『ゆっくりショップの事情』 anko2654 『ゴキゆ』 anko3317 『さくらさんはゆっくりできる』 anko3348 『もコンロ』 anko3532 『工作ゆ虐』 挿絵:
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1851.html
671 :名無しさんなんだじぇ:2011/11/26(土) 19 45 54 ID Z0Qt2ZAg とーか「むー…」 かじゅ「少しは落ち着け…というのは無理か」 部長「そうよね、もう少しで全てが終わるかもしれないのだからね」 美穂子「その割に加治木さんは落ち着いてますね」 かじゅ「もうじたばたしてもしょうがないからな。それロン」 とーか「くぁっ…」 672 :名無しさんなんだじぇ:2011/11/26(土) 22 05 17 ID FwrkE8qE 撫子「みんな本編投下が近づいて緊張してるみたいだね…」 セイバー「おかわりです!!」 黒桐「そうだね…」 アーチャー「まだ食べるのか…?」 撫子「そういう幹也お兄ちゃんも結構緊張してるよ…?」 セイバー「言ったでしょう…私の胃袋は宇宙です!!」 黒桐「うん…まぁね…」 アーチャー「だからそのネタは古いと…はぁ…」 撫子「やっぱり式さんが心配…?」 セイバー「全く…こんな時にシロウは一体どこに…私のご飯はシロウの担当でしょう…」 黒桐「うん…相手が相手だからね…」 アーチャー「もうすぐ本編投下だからみんなと一緒に見に行った…寧ろ見に行かない方がおかしい…」 撫子「撫子も暦お兄ちゃんが心配だよ…ううん…きっとみんなそれぞれ心配してる人がいると思う…」 セイバー「どんな理由があろうと私のご飯を作ることを放棄するなど許せません!!」 黒桐「………僕らもそろそろ行こうか…」 アーチャー「…出来れば私も見に行きたいのだが…はぁ…」 673 :名無しさんなんだじぇ:2011/11/27(日) 01 24 06 ID F5hbOgSU 海原「こうやって…こう。わかりましたか?」 ユフィ「やはり…美しいです」 ふじのん「前よりはよくなっていると思いますけど…この域にはまだ…」 海原「大丈夫ですよ、申し訳ないという気持ちがあればフォームは自然と美しくなります。ではもう一度…」 二人「はい!」 筆頭「なんだ、ありゃ?」 神原「海原さん講師による『美しい土下座教室』だ。ユフィさんは衣ちゃん、浅上ちゃんは東横ちゃんが来たらきちんと謝りたいとのことだからな」 筆頭「…色々と大変だな」 神原「まああの努力が無に終わるのか一番いいのだがな」 筆頭「だが、浅上はほっといていいのか?」 神原「投下中及び投下終了後しばらく経つまではあれだ。もう少し待とう。もし誰かが来れば…」 筆頭「確かにな。じゃあもう少し好きにやらせるか」
https://w.atwiki.jp/kyoutarouherlame/pages/71.html
409 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 00 06 11 ID ImiGB9uP 咲SS初めてですまんのぅ。 麻雀詳しくなくてすまんのぅ。 タコス呼ばわりですまんのぅ。 それは京太郎と咲がまだ麻雀部に入部する前の話 「団体戦に出られないってどういうことだじぇ!」 バンと部室の卓をたたきタコスは立ち上がる。 「あら?言ってなかったかしら? 残念ながらウチの部、団体戦に出場するにはまだ部員が足りないのよね~」 「ふがいのぅてすまんのぅ」 そう言って部長とまこは申し訳なさそうに頭を下げる。 そんな二人を見てぐぐぐと唸り声を上げるタコス。 「なら、簡単なことだじぇ!大会までにもう一人集めてくればOKだじぇ」 「あっ…優希」 原村和が呼び止めるよりも早くタコスはばびゅんと部室を飛び出していく。 タコスの目標はただひとつ。 麻雀部部員五人目を見つけ出し入部させることだった。 「大ミエ切ったものの…どうするじぇ…」 勢いよく部室を飛び出していったタコスは校門で途方に暮れていた。 先ほどから元気良く1時間ほど入部勧誘を行っていたのだがまったくの徒労に終わっている。 清澄は部活動の入部率が高く、この時期にまだ部活の入ってない生徒などごく一部に限られていたのだった。 「うーむ、他に心当たりは…」 「よぉ、優希じゃないか」 呼びかけられタコスは後ろを振り返る。 そこには京太郎が片手を挙げて立っていた。 「どうした。何かしょげこんでる様子だったけど」 「京太郎…」 「ん?」 「女装に興味はないかじぇ!」 「全くないわ!!」 ちっ、女装させて五人目にしたてあげようとしたのに。 爪をかみながらタコスは舌打ちをした。 「そういえば京太郎も帰宅部だったハズだじぇ! 麻雀部に入ってみないかだじぇ!!」 「あー、悪い。俺もう他の部活に入る予定だから」 「え……」 京太郎の言葉に何故か愕然とするタコス。 「いや~囲碁部の部長が滅茶苦茶かわいいいって噂でさ~。 という訳だから麻雀部、だっけ?には入れないんだ。…おい優希どうした?」 「京太郎のバカーーーだぁじぇーーーー!!」 「いっってーーーーー」 京太郎の顔面に拳をつきいれ同時にタコスは校舎のほうに走り去っていく。 「……ったく、なんなんだよ優希のやつ」 京太郎はただただ唖然として殴られた頬をさすりながらタコスの走った方向を見つめていた。 ぐすっ タコスは半べそになりながらとぼとぼと校舎裏を歩いていた。 ばかばか、京太郎なんて大キライだじぇ…。 やがて日もそろそろ落ちかけ、いつの間にか辺りは暗くなりかけていた。 「ポン」 (ん…) 声につられタコスはふと顔を上げる。 そこは第二体育用具室だった。よくみるとその建物の中から光が漏れている。 (こんなところに誰か居るのかじぇ?) タコスがそう思うのもその筈、そこはかなり前から既に使われてないハズの建物だったのだ。 「ロン。トイトイ三色ドラ3、12000 」 ドキリとした。 こんな人気の無いところに麻雀を行う生徒が居たのだ! 自分が麻雀部部員勧誘に尽力していたことを思い出し、タコスの瞳がぱぁあと輝く。 きっとタコス一人で5人目の部員を見つけたら二人の先輩やのどちゃんもきっと大喜びしてくれるだろう。 そしたらきっと5人で全国に行くんだ。 そうすればきっと京太郎だってタコスを見直して……。 「って、何でここで京太郎が出てくるんだじぇ!!」 とタコスは混乱して建物の扉に体をぶつける。 「わっ」 そのままタコスはけつまづき、建物の扉を開けてしまう。 「……アァ、なんだ?テメェは?」 タコスは恐る恐る顔を上げる。 そこには三人で麻雀を打っていた三人組の不良がギロリとタコスを睨み付けていた。 「はぁん?なるほど。そうか、麻雀部員を探していたのか?」 「だじぇ…」 縮こまりながらタコスはそこに来ていたいた理由をつらつらと話す。 三人組のうちリーダー格の不良はニヤニヤと笑いながらタコスを見下ろしていた。 「はっ、いいぜ。別に部員になってやっても」 「えっ、いや、無理にとは言わないじょ」 「ハァン?勘違いするな、お前の方からお願いしたんだろ?」 「あ……う…じぇ…」 「じゃオレ達と勝負しろよ。お前が勝ったらお前の好きに決めさせてやる」 「わ、わかったじぇ…」 俯きながらタコスはそれを飲むしかできなかった。 そうしてタコスたちはなし崩し的に四人で麻雀を始めることとなった。 東一局 タコス親 配牌 八九九②③Ⅸ白白白發發中中 中 (…手牌よすぎるじぇ) 配牌の時点で既に一向聴しかも大三元を狙えるとは。 (これは即効で勝てるじぇ!!) タコスは必勝の笑みを浮かべ、手牌からキュウソーをきる。 だが結局、それがタコスの捨てる最後の牌となった。 「ポン」 次順タコスが牌を引く前に上家の捨て牌を鳴かれる。 (ちっ、飛ばされたじぇ…) 手牌がいいだけに順番を飛ばされることに苛立ちを隠しきれないタコス。 しかし…。 「チー」「ポン」「ポン」「チー」「チー」 その後、最初から数えて6連続鳴かれタコスは悪寒を感じていた。 その間タコスは一度も牌を引けていなかったのだから。 不良どもはそんなタコスを見ながらクククと笑い声を漏らしていた。 「そうだ…。ゲーム開始前にルール説明してなかったよな」 「だじぇ?」 「オレ達の払いは一応、特別ルールでやってる。それで勝敗つけるんでいいよな」 「……。わかったじぇ」 タコスにだって意地があった。 たとえ不利なルールだろうとこの東場で自分は負けない。そうタコスは考えていた。 「クク…そうか。―ツモ!タンヤオのみ」 「!!」 タコスに電流走る。 負けた!自分の得意な東場で…!しかも最初以外一回も牌を引かせてもらえずに! 「…って、何で脱いでるんだじぇ!」 気づくとツモ上がりしたリーダー以外の二人の不良が上着を脱ごうとしているところだった。 「ハァ?何言ってんだ?てめぇも脱ぐんだよ!」 「え……」 「言ったろ。支払いが特別ルールだって。だってこれは脱衣麻雀なんだからな」 三人の不良はタコスのほうを見て再びニヤニヤ笑う。 (…はめられた!!) そう、タコスが気づいたときにはすべてが遅かった。 「う…う……」 「どうした。最初のころの威勢はよ?」 開始から一時間弱。 タコスの得意な東場など既にとっくの昔に終わっていた。 気迫は完全に欠け、満身創痍。ただ負け続けることに身を任せるだけである。 今のタコスは上半身ブラのみ。下半身は何もはいてない状態であった。 雀卓に座っている為、下半身は他の三人の見える範囲にはないが、もはや立ち上がることさえ出来ない。 一方の不良たちといえば上着や靴下を脱いでる程度で、もし彼らが飛ぶにはタコスが一人で連勝を続けなければならなかった。 とはいえ、タコスはまだ一度もあがっておらず、ヤキトリ状態だったが。 「しゃんとしてくれよ。まだ最後まで終わってないんだからさ」 「もう、許して欲しいじぇ…」 「ハァ?オイオイ、オレたちはお願いされて勝負をしてるんだろ」 「…………」 もうタコスには訂正する気力も湧かなかった。 「しかし、よくよく考えれば不公平だよな。 オレらは『青春』の大事な時期を賭けて勝負してるっていうのによ…」 そこで不良のリーダーはタコスの上半身を舐めるように見回しニヤリと笑った。 「…賭けろよ。そうすれば対等だろ」 「え……」 「…お前も賭けろよ。春くらい」 「リーダーってそんな趣味があったんですか?」 「うるせぇ」 「…………」 呆然としながらタンとタコスが牌を切る。 「おっと、悪いな。それ、ロンだ」 「あ……」 思わずタコスは自分の手牌に目を向ける。 手牌はもうぐちゃぐちゃ、捨て牌にだって統一性がない。 こんな打ち方じゃ、たとえ運よくタコスが振り込まなくても早晩相手方に上がられていただろう。 「ああ……」 涙がじわりと溢れて来る。 いつから自分はこんな諦めのよい女になったのだろう。 自分のしてきたことはただ無為に死を待つのと同じではないか。 悔しい、そしてそれと同じくらい自分が情けない。 「ほら、さっさとブラ脱げよ」 言って不良の手がタコスの胸へと伸びる。 「…イヤァッ!!」 「く!…この女!!」 手を弾かれたことで不良のリーダーは憤慨して立ち上がる。 「押さえつけろ!」 「イヤだじぇーっッ!」 助けて部長。助けてのどちゃん。 助けて、助けて…、 助けて……京太郎!! パシャ その時、入り口の扉からカメラのシャッター音がした。 「誰だ!?」 不良のリーダーは驚いて後ろを振り返る。 「おいおい、こりゃ何の冗談だ?」 そこには携帯を片手に持った京太郎が立っていた。 「京太郎!!」 京太郎はタコスを見て何か呟いたがその言葉はタコスには聞こえなかった。 「京太郎!助けてだじぇ!!」 「お前…いつから見てたんだ!」 不良のリーダーはくつくつと不機嫌そうな口調で京太郎を威嚇する。 「そんな、ついさっきです。ほんの偶然ですよ」 フッと京太郎は微笑を浮かべ手に持った携帯を挙げる。 「それにしても…意外な趣味があったんですねえ」 ぐうと不良のリーダーの表情は急に厳しくなる。 「……このオレを脅す気か?」 「脅す?そんなつもりはありませんよ。ええ、まったく、これといってね…」 不良のリーダーはじぃとたっぷり10秒は京太郎を睨み付けていただろうか。 「……チッ。いくぞお前ら」 「り、りーだ~!!」 舌打ちをし不良達は京太郎のそばを通って部屋を出て行く。 バン 扉が閉められて十秒後。 虚勢を張って立っていた京太郎はへろへろと脱力して座り込んだ。 「京太郎!京太郎!!」 思わずタコスは京太郎に抱きつく。 「…ん?うわ!!優希!そんな格好で抱きつくな!」 恥ずかしそうに顔に手を当てる京太郎を見てタコスは愛おしく感じるのだった。 やがてタコスは脱いでいた服をすべて身に纏う。 「ハァ、お前のせいで囲碁部に入れなくなったじゃないか」 「……?なんでだじぇ?」 「いや、まあこっちの話だ」 「そうだ、京太郎!麻雀部に入るといいじぇ!」 京太郎は眩しそうに目を細めるとふっと息を吐く。 「いや、いい…」 「京太郎…」 わしゃわしゃと京太郎はタコスの頭を撫でてやる。 「…ありがとな。だけど、俺は自分の道は自分で決める」 「でも……」 「だから優希…。お前も自分の信じた道を行くんだ」 「……うん、わかったじぇ」 いつまでも京太郎を頼ってばかりは居られない。 自分の事は自分でけじめをつけろ。 そう京太郎は言いたいのだろう。 「京太郎…」 「ん……」 「…大好きだじぇ」 京太郎にも聞こえない小声でポツリとタコスは呟いた。 おまけ:京太郎ルート 「京太郎のバカーーーだぁじぇーーーー!!」 「いっってーーーーー」 放課後、夕方にもう近いころだったろうか。 校門のところで遭遇したタコスは何故か不機嫌で俺にナックルパンチを食らわせると校舎のほうに走り去っていった。 まったく意味が分からん! 一体なんだと言うのか。 もしかしてアノ日か!? せっかく囲碁部に入って学園生活をエンジョイしようと思っていたのに気分が台無しだ。 くぅーと唸りながらも俺は入部届けを持って囲碁部の部室へ向かうこととした。 さて、俺がこの囲碁部に来るのは初めてではなかった。 一度、仮入部として部室に来ていたことはあったのだ。 だが、その時不運にも囲碁部の部長は休んでおり、顔を拝むことが出来なかったのだ。 さて、結論から言おう。 囲碁部の部長はモロ美人だった。 美人度をタコスを5としたら58万くらいあるだろう。 俺は内心でガッツポーズを繰り返しながら、この部に一生骨埋める事を心に誓った。 「須賀君、ちょっとお願い事を頼まれてくれないかしら」 はい、何ですか? その部長が俺に声をかけてきた。きっとこんな所から始まる恋もあるよね。 囲碁部の部長が言うには部室に居ない副部長を呼んできてほしいのだという。 副部長?いや、勿論覚えてるよ。仮入部の時に一回顔を合わせただけだが、 少し目つきの鋭いクールビューティなお姉さんだ。 「あの子、碁の腕は確かなのにまともに部に出てくれなくて…」 ハァと囲碁部の部長は溜息をはく。 ふふふふん。 なるほど、任せてください。 この京太郎、すぐにその副部長とやらを連れ戻してきますよ。 そうして俺は副部長のよく居る場所を聞くとるんるん気分で部室を出て行った。 『…イヤァッ!!』 『く!…この女!!』 は?その副部長が居るといわれた部屋に来てみて俺はあんぐりと口を空けた。 扉の端から中をのぞくと半裸の少女が三人組のお姉さま方に襲われているところではないか。 いやいや、冷静になれ冷静に……。 今、俺がここでしなくちゃならないことを考えるんだ…。 俺は熟考に熟考を重ね…、 己の男の心に従い、黙って携帯のカメラで光景を保存した。 いや、男だったら誰でもやるよね、こんな状況だもの。 「誰だ!?」 うわ、一人がシャッター音に気づいて振り向いた。 俺はあわてて一瞬視線をはずす。 だが、やがてそんな事をしても無駄だということに気づき、改めて現場を見直した。 「……おいおい、こりゃ何の冗談だ?」 そこでは半泣きのタコスと捜していた張本人である副部長がこちらを奇異の表情で見つめていたのだ。 (って半裸の娘、優希かよ!) せっかく入手した貴重なその写真の無用さに俺は心の中で叫んだ。 「……チッ。いくぞお前ら」 囲碁部の副部長のお姉さんが部屋を出ていくのを確認すると俺はその場に崩れ落ちた。 ハァー!!寿命が十年は縮まったわ!! しかし、あの副部長がそっち系の人だったとは…。 人は見た目に拠らないものだなと痛感する。 ハッ!まさか部長とデキてたりとかはしないよな。 しかし、あの人去り際に俺の耳元で『覚えてろよ』っていってたよな。 ううう、もう駄目だ。あんな人に目をつけられてはもう囲碁部にはいられないだろう。 ああ、短いシャングリラだった。 途中、タコスが半裸で抱きついてきた。気楽なもんだ。 こいつには羞恥心ってものがないのか? その後、俺は適当な言葉を吐いてタコスの麻雀部の勧誘を断った。 タコスが後ろで何か言ってるようだったがどうせ恨み言だろう。俺は軽く聞き流した。 悪いな優希。俺はお前みたいな体型は趣味じゃないんだ。 帰宅後、俺はタコスの半裸の写真を一回使用した後、携帯のメモリから削除した。 …それから三日後 原村和、ktkr!! 俺、麻雀部に入部する! おわり