約 1,476,190 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3485.html
『アイスを食べたさせてね!』 9KB いじめ 観察 小ネタ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ いつもの小ネタです。 「ゆわぁぁぁ?!なにしょれ?!あまあましゃんなのじぇ?!おいしそーなのじぇぇぇぇぇ!!」 両目をキラキラと光らせて、俺を見上げる赤まりさ。 比較的きれいな姿をしているのが、おそらくこの公園の野良ゆっくりだろう。 木陰で俺がアイスを食べているのに気がついたらしい。 赤まりさは俺が持っている、ソフトクリームに見立てた形のアイスに釘付けだ。 ここの公園には、野良ゆっくりがよく集まってくるのだ。 理由はゆっくり愛護派の人間が、定期的にここで野良ゆっくりに餌を与えているからだ。 当然、地域住民から苦情は来ているのだが、愛護派の人間は聞く耳持たず。 住民も定期的に駆除しているのだが、それよりもゆっくりが集まる方が早くて手を焼いている公園だ。 この赤まりさが、こんなにも警戒心が薄く、人間に近づいてくるのはそのせいだ。 人間はみんなゆっくりにやさしいと、勝手に解釈してるのだろう。 「ちょーだい!ちょーだい!まりちゃにちょーだい!はやくはやくー!ぺーろぺーろさせちぇよぉぉぉぉ!!」 お下げをピコピコと動かして、俺の周りをぴょんぴょん飛び跳ねる赤まりさ。 近くには他の親ゆっくりもいないようだが、放っておくと仲間が集まってくる可能性がある。 俺は袋に詰めてあった、アイスの入っていたカップを取り出す。 半透明の大きなカップには、俺の予想通りに蓋に少量のアイスが付着していた。 俺はそれを、赤まりさの目の前に放り投げる。 「ゆゆぅ?!なにこりぇ?!こんなのいらにゃいのじぇ!どれーのぺーろぺーろしてるのが、ほしいのじぇ!さっさとよこすのじぇ!!」 赤まりさは俺を睨みながら、カップの前でぴょんぴょんと飛び跳ねる。 だが俺は無視を決め込むと、赤まりさも諦めたのかカップの中に入っていく。 「ゆふん!このどりぇーは、あまたがわるいのじぇ?びんぼーなのじぇ?これをたべちゃら、せーしゃいしてやるのじぇ!」 そんな事をぼやきながら、尻をブリブリと振ってカップに付いたアイスを舐め取る赤まりさ。 時折、「しあわしぇー!」と叫んでは、ブルブルと身を震わせて幸せを噛み締めている。 俺はそんな赤まりさが入っているカップに、残りのカップを被せて蓋をした。 だが赤まりさは、それにまったく気が付く様子も無く、ひたすらカップに付いたアイスを舐めている。 「あんみゃーい!しあわしぇー!こーんなあまあまを、いーぱいたべられるまりちゃは、とくべつなそんざいなのじぇ!ゆっくち~♪」 「ゆゆ?!あまあましゃん?どこにあるにょ?れーみゅをたべちゃい!!」 「あまあま?!あまあまはじぇーんぶ、まりしゃのものじぇ!さっさともってくるんだじぇ!!」 赤まりさの入ったアイスのカップの周りに、うぞうぞと赤ゆっくりが集まって来た。 赤まりさの大声を聞きつけたのだろう。 「ゆゆぅ?!なんなのじぇ!これはまりちゃのものなのじぇ!ぷっくぅぅぅ!」 「ゆっぴぃぃ!こわいよぉぉぉ!どーしちぇいじわるしゅるのぉぉぉ?!ゆんやぁぁぁぁ!!」 「ゆびゃぁぁぁん!こわいんだじぇぇぇぇ!!にげるんだじぇぇぇぇぇ!!」 赤まりさが集まって来た赤ゆっくり達に向かって、頬を膨らませて威嚇した。 その途端他の赤ゆっくり達は、蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げだした。 それを見た赤まりさは満足そうに踏ん反り返ると、再び俺の方を見る。 「ゆっへん!どーなのじぇ!まりちゃの、おそろしさがわかったのじぇ?!ゆぷぷ!いまなら、どれーにしてやってもいいのじぇ?」 赤まりさはすっかり上機嫌で、俺を見てはニヤニヤと嫌らしく笑う。 俺はそんな赤まりさを無視して、少し離れたベンチに移動した。 「ゆゆぅ?!どこいくのじぇ!まりちゃの、どれーになるんじゃないのじぇ?!まつのじぇ!まりちゃ、おこりゅよ?!」 赤まりさはカップの中で飛び跳ねたり、お下げをピコピコと動かしたりして俺に罵声を浴びせる。 「ゆぅぅぅ!!まりちゃ、ぷんぷんなのじぇ!ゆっくちぷーん!どれーに、おしおきなのじぇ!!」 怒り出した赤まりさは、カップ越しから何やら体当たりをしようと必死に飛び跳ねる。 だが当然俺には届くはずも無く、重心の崩れたカップと共にコロコロ転がりだす。 「ゆぴぃぃぃ!ころがりゅぅぅぅぅ?!なにこれぇぇぇぇぇ!ゆんやぁぁぁぁぁ!!」 突然の事態に驚いた赤まりさは、狂ったようにカップの中を跳ね回る。 そのせいで止まったはずのカップが再度動き出し、それに驚いた赤まりさも再び跳ね回る。 普通に大人しくしていれば良いのだが、それに気がつかない赤まりさは自分の行動で自分を苦しめていた。 「ゆっへっへ!いいものたべてるみたいだぜ?さっさとそれを、まりさにもよこすんだぜ!」 「どれいはさっさと、れいむたちの、ようぼうにこたえてね!それがどれいのつとめだよ!!ゆっくりりかした?」 赤まりさの一人漫才を楽しんでいると、俺の足元に二匹の小汚いゆっくりが現れた。 ふてぶてしい顔でニヤニヤと笑いながら、俺を見下すような目で見ている。 「アイスか?それならほら、あそこに転がってるだろ?あれをやるよ」 「ゆぅぅん?なんなんだぜ、そのくちのききかたは?…ゆふん!まあいいんだぜ、まりささまが、むーしゃーむーしゃしてあげるんだぜ!」 「ゆっがぁぁぁ?!ずるいよ!ひとりじめはゆっくりできないよ!れいむにぜんぶちょうだいね!!」 二匹は地面を転がって不自然に移動している、アイスのカップに向かって跳ねていく。 そして中に赤まりさが入っている事に気がついて、何やら罵声を浴びせ始める。 「なんなんだぜ?これはまりささまのあいすなんだぜ!このくそちび!あいすさんはどうしたんだぜ?!」 「ゆっぴぃぃ?!なんなのじぇ!あいすさんなら、じぇーんぶたべたのじぇ!おまえたちのぶんはないのじぇ!ゆぷぷー!」 「ゆっぎぃぃぃ!ゆるせないよ!これはれいむのあいすさんだったのにぃぃぃぃ!ゆっがぁぁぁぁ!せいさいしてやるよ!!」 怒った二匹はカップに向かって体当たりをし始める。 カップは勢いよく転がりはじめ、二匹はそれを追いかけては体当たりを繰り返す。 「ゆっぴょろげぇぇぇ?!おめめがぐるぐるぅぅ?!きもちわるぃぃぃぃ!」 「ゆっがぁぁぁ?!どーしてしなないんだぜぇぇぇ?!まりささまの、こんしんのたいあたりなのにぃぃぃ?!」 「れいむのいかりをおもいしった?でも、まだまだゆるさないからねぇぇぇぇ!!」 三匹は大騒ぎをしながら、公園内を巡回し始める。 「ゆぅ?なんなの、うるさいよ!………ゆゆ?!あれはあいすさん?!あれはれいむのものだよ!ひとりじめはゆるさないよ!!」 「むきゅ!あいすさん?!あれは、いだいなぱちぇが、たべるべきだわ!それがただしい、せんたくなのよ!」 公園内の野良達が三匹の声を聞きつけたのか、彼方此方から姿を現す。 そして吸い寄せられる様に、アイスカップの方へ向かって跳ねていく。 「それは、ちぇんのためのあいすさんなんだよぉぉぉ!そのくらいわかってねぇぇぇ!」 「なにいってるのぉぉぉ?!あいすさんがにあうのは、とかいはなありすに、きまってるでしょぉぉぉ?!」 たった一つのアイスカップを巡っての追いかけっこ。 やがてそこから発展した醜い争いが始まる。 「じねぇぇぇぇ!までぃざのあいすさんを、うばおうとするやつは、みんなしねぇぇぇぇ!!」 「あまあまは、ぜんぶれいむのものでしょぉぉぉ?!どうして、かってにひとりじめするのぉぉぉ!ゆるせないよぉぉぉぉ!」 大小種族さまざまな野良ゆっくり達が、たった一つのアイスのカップを奪い合って殺し合いを始めた。 この公園には自然界でいうところの群や、長といったものが存在していない。 当然野良にもそういったものを作る集団があったりはするのだが、この公園で暮らす野良達はただの寄せ集めなのだ。 愛護派の人間に連れてこられたゆっくり。 公園のうわさを聞いてやってきたゆっくり。 捨てられたゆっくり。 そんなゆっくり達が愛護派の人間に甘やかされ、好き放題に餌を与えられた結果がこれだ。 欲望のままに生き、他のゆっくりの事を考えない。 お互いに自分がゆっくする事しか考えていないから、たった一つのアイスで揉め事になるのだ。 「ゆぷぷ!これであいすしゃんは、れーみゅのも 『グチャ!』 げびょ!」 「まったく、とんでもないくそちびだぜ!これはまりささまの 『グサッ!』 ゆびぎぃ?!…げぼっ…ごぼっ…?!どぼじで…あんござんが…でてるんだ…ぜ?」 「ゆだんきんもつなんだねー!わかって 『ドカッ!』 にゃがぁぁぁ?!わがらないぃぃぃぃ!!」 押しつぶされてはじける赤ゆっくり。 親に踏まれて死に掛かっている子ゆっくり。 互いに噛み付き合ってボロボロのゆっくり。 あまりの惨状にクリームを吐き出すゲロ袋。 どさくさに紛れて発情するれいぱー。 アイスカカップ周辺はゆっくりの残骸で溢れかえり、周囲は甘い匂いでつつまれる。 それでも興奮したゆっくり達の乱闘は収まらない。 「みんなやめてね!どうしてけんかしてるのぉぉぉ?!みんなでゆっく 『ザクッ!』 げびょ?!」 「うるさいよ!じゃまをするなら、さっさとしんでね!!」 争いを止めようとするゆっくりが、まったく居ない訳ではない。 だが結果はご覧の通り。 争いに参加しているゆっくりは、どれもが自分以外のゆっくりを敵だと思っているのだ。 騒ぎを聞きつけた周辺住人も集まってきてはいるが、あまりの惨状にただ顔をしかめるだけだった。 「ゆひ…ゆひ………ゆへ…へ…ばかなゆっくりどもは…みんなしんだの…ぜ…あいすは…まりざのもの…ぜ…ゆげぶっ!………っとゆっくり…ぜ…」 ボロボロになった最後のまりさが、餡を吐き出して崩れ落ちた。 その様子見ていた地域住人数名は、まりさが動かなくなった事を確認すると、ゆっくりの残骸を清掃し始めた。 大小の違いはあるが、およそ20匹程のゆっくりの残骸。 このまま放っておけば、ネズミやゴキブリ等がこれを目当てに集まってくるだろう。 死んでもなお地域住民に迷惑をかけるのだ。 動画撮影を終えた俺は、事前に用意してきた清掃用具を持って清掃に加わる。 その際にアイスカップを回収し中を見てみると、赤まりさが白目を剥いて口から泡を吹いていた。 醜い争いをする野良ゆっくり達の姿を見て、気絶でもしたのだろう。 生まれてからゆっくりする事しか知らなかった赤まりさにとって、この事態は大変な苦痛とストレスを感じた事だろう。 私はカップから赤まりさを取り出すと、他のゆっくりの残骸の中に雑ぜて押しつぶした。 ある程度清掃を終えたところで、水で残りを流し最後に消毒をする。 依頼主の区長が頭を下げて、俺に感謝している。 「これが仕事ですから。それにそちらにも清掃を協力して貰ってますから。また何かありましたら、加工所までご連絡ください」 そう言うと俺は公園を後にし、職場に戻った。 以前から一斉駆除の仕事はあったのだが、今日ほど人手が少なくすんだ事はないだろう。 都会で生き延びてきた野良や群、管理の行き届いた野生の群の駆除はそれなりに手間がかかる。 だが、今回の公園のように、愛護派に甘やかされて暮らしているゆっくりの駆除は、とても簡単なのだ。 ほんの少しの不協和音で、あっという間に全滅させる事が出来る。 ちなみに俺は加工所勤務のゆっくり研究員。 今回の動画は研究データになるのはもちろんの事、愛護派が苦情を訴えてきた時の為の反論材料にもなる。 まあこの映像を見せたところで、絶滅に追い込んだのは自分達が過剰にゆっくりを愛護したからだとは考えないだろう。 それにどうせあの公園には、一週間もしない内にまた野良ゆっくりが集まってくるだろう。 死臭も数日経てば消えてしまうので、ゆっくり避けにはならないのだ。 イタチごっこではあるが、そのおかげで仕事も舞い込んでくるのだ。 下手に絶滅されるとこっちが廃業になる。 ゆっくりは生かさず殺さずが丁度いい。 完 徒然あき
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1753.html
289 :名無しさんなんだじぇ:2011/01/09(日) 13 00 36 ID dea8GDLg カイジ「アニメ二期……はぁ」 律「はぁ……」 とーか「はぁ……」 290 :名無しさんなんだじぇ:2011/01/09(日) 13 05 08 ID H.VFl/Ns 部長「一瞬殺意が湧いたんだけど」 美穂子「気のせいですよ。いくら二期がすでに終わってて、さらに劇場版をやるなんていう作品がため息ついたところで殺意なんてわきませんよ?」 池田「キャプテン…怖いし…」 291 :名無しさんなんだじぇ:2011/01/09(日) 14 15 39 ID osiUxa2c ふじのん「この流れ、ラインバレルがもう一度アニメ化されるということかしら」 ライダー「どこからその発想が出てきたのよ」 ふじのん「その場合は美海の性格を原作のほうにして…フフ」 ライダー「あまりナイスな展開にはならないわね」 292 :名無しさんなんだじぇ:2011/01/09(日) 18 14 16 ID dea8GDLg ライダー「劇場版……orz」
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1229.html
ビルディング・フォレスト 22KB 悲劇 観察 理不尽 自滅 同族殺し 野良ゆ 赤子・子供 ゲス 都会 現代 独自設定 うんしー 四作目 「ビルディング・フォレスト」 ・「ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ」の続編という形をとっています ・人間視点ですが主軸はゆっくりです ・駄文注意 ・自滅?モノ ・いくつかの独自設定を使っています 冬も本格的に到来した季節。朝や夜は耳が痛くなるような寒さが本格的な冬の到来を感じさせていた。 …私は再び羽付きと共に街を歩いていた。 目的は勿論「観察」 冬のゆっくりの中でも越冬をほとんどしない都市の中心部のゆっくりがどう活動しているか見たかったからだ。 羽付きは自身の「仕事」でよく街の中心部まで来ることがあるのでこの辺の地理には詳しいといった。 いくつかの資料を見て分かった事だが街ゆっくりでも越冬をしないゆっくりがいると言う。 往々にしてそれらは街の中心部にいるゆっくりだと聞く。 山や街の外れ(公園や郊外等)のゆっくりは食糧を貯め込め越冬する習性がある。これはゆっくりにとっても人間にとっても当然の常識だ。 だが街の中心部にいるゆっくりは違う。耳が痛くなるほどの寒さでも街の中央で「おうた」を歌ったり「飼いゆっくり」にしてもらうためのアピールを行うゆっくりがいるのを良く見かけるのが何よりの証拠だ。 それらのゆっくりは冬の間はどう生活しているのだろうか? …私はそこで街の中心部に住むゆっくり特有の最後という物を目にする事になる。 羽付きは繁華街の雑踏を離れた裏通りへと跳ねて行った。 煌びやかな表通りと違ってゴミゴミとして、それでいて灰色のアスファルトやコンクリートがむき出しの荒涼として光景が目に入る。 表通りから見れば風景も人の通りも全てが違うのが、雑踏を歩き回った私や羽付きに何か一種の落ち着きを感じさせた。 ふと歩いていると平たく潰れた何かを私は踏んだ。グチャっとした触感だった様に思う。 足をどけて何かと見るが、グズグズになったそれはもはや何かすら分からなかった。 隣にあるもう一つのそれを指差し羽付きに尋ねた。これは何だと 羽付きはそこら変に落ちている棒きれでそれをつっ突きながら言った。 「これは…あかゆっくりなんだぜ」 羽付きの言葉で急にそれが何なのか思い出すように判明した。これは「ゆっくり」だと ゆっくりコンポストという物があるのはご存じだろうか?その中にぱちゅりー種や赤ゆっくり、子ゆっくりを入れておくと目にする光景だ。 餡子変換能力が弱いそれらは総じてゆっくりの中でも虚弱と言われる部類のものがよくなると言われている。 それらが腐った物やカビの生えた物をむ~しゃむ~しゃすると小麦粉の皮や中の餡子にカビが生えてしまう。 そうなればもう一巻の終わりで、数日もしない内にデロデロに腐って緑色の何かになり果ててしまうのだ。 だがこれはコンポストでしか見られない光景のはずである。なぜこんな所で見られたのか? 羽付きが言うには街の中心部ではよく見られる光景だと言う。山や郊外の様に柔らかい草や虫などが手に入らないのでどうしても街の赤ゆっくりが口にするのは菓子類、穀物などの様な柔らかいものだ。 だが、常に新鮮な物が手に入るとは限らない。それがゆっくりとなればなおさらだ。痛んだものが殆どだろう。カビが生えたものに気づかずに食べた場合は最悪で、小麦粉の皮ではなく餡子にカビが付いてしまい中から腐ってゆく。その場合は野良ゆっくりではどうしようもないのだ。 おそらくこれらはそう言った赤ゆっくりの跡だろうと羽付きは言った。 それ以外の理由もあるが…と呟く様に羽付きは最後に付け加える。 その言葉を聞いて思索にふけっている私をせかすように羽付きは空地の方へ跳ねて行った。 空地、と言っても使われなくなった駐車場の一角の様な物だった。さびた車がポツンと置かれている。 その片隅に横に倒したビールケースが置かれていた。上にはダンボールを破って平たくした物に石ころが二つ三つ置かれていて雨よけになっている様だ。 その中に数匹のゆっくりが入っていた。 私と羽付きが近づくとすぐにバスケットボール程のゆっくりが飛び跳ねてきて前に立つ。大きなリボンが特徴のゆっくり、「れいむ」だ。 れいむはそのまま口をつぐんで体を大きく膨らませるとピコピコと左右のピコピコを激しくふるわせ始める。威嚇の様だ。 「ゆ!ここはれいむとおちびちゃんのおうちだよ!ゆっくりできないにんげんさんとまりさはゆっくりはいってこないでね!」 奥の方に目をやるとハンドボールほどの子まりさとテニスボールほどの子れいむが同じように大きく体を膨らませて威嚇していた。 羽付きと私は無言でその様子を眺めていた。暫くしても立ち退かない私たちを見てそのれいむは次々と言葉を放っては体を膨らませる。 山にいるゆっくりならまだしも、今どき街に住んでいるゆっくりが人間や他のゆっくりに対して威嚇を有効と思いこんでいる時点で、このれいむは長くはないと言う事を私は感じた。 「ゆっくりかえってね!れいむおこるよ!」 「…にんげんさん、かえるんだぜ」 羽付きがくるっと振り向いて跳ねだす、私も大慌てで足早に建物の蔭に消えた羽付きの後を追った。 後ろからは「ゆっくりこないでね!」と叫ぶれいむの声が響いている。 羽付きが隠れた場所はそこからあのれいむ一家の行動が見られるちょうどいい場所だった。 私が来て早々に「あのれいむ…ながくはないんだぜ」と羽付きが呟く。 私はあえてそれを聞かなかった。私も同じ考えだったからだ。 しかし不思議に思ったのはあのれいむは番いとなるゆっくりがいないと言う事である。都市部ではそう言った事はよくあるし、珍しくとも何ともないが、何か知っていないかと私は羽付きにその事を尋ねた。 羽付きは静かに、だが淡々と語り始める。どうやら知っている様だ。 羽付きの話では、元々はまりさ種とつがいだったあのれいむは冬の直前の時期にすっきりをしたという。 植物型であったが、まりさ種の方は冷静だった。冬を越せないかもしれないから引き抜こうと言ったのだ。 当たり前のことだがゆっくりが冬の直前にすっきりをするのはあり得ない事だ。食糧集めに難航するし、自分の体積以上のものを毎日食べる上に狩りにだせない赤ゆっくりというネックがあつからだ。だが不思議とこれをする後先を考えないゆっくりが多いと聞く。 そう言った背景も考えれば当然の話だ。だがそれに猛反発したのがあのれいむだった。 なんとそのれいむは「おちびちゃんがふえる→もっとゆっくりできる」から転じて「ゆっくりの数が増える→食糧集めの効率も良くなる」と謎の理論を展開して押し切ろうとしたそうだ。 確かにそうだがそれは全てが生体サイズであった時の話であって、頭に蔓を生やしたゆっくりや子ゆっくりでは役に立つどころか逆に負担になる。 それでなくともれいむ種というのは元来保護欲が強い種類の饅頭である。それが悪い方向に働けば「しんぐるまざー」と称して滅茶苦茶な行動を繰り返すようになったりするが… また、子ゆっくりができればれいむ種は番いより子ゆっくりを優先する傾向にある。だから「もっと番いが働けばみんなでゆっくりできる」という結論に至るのだ(普通に考えれば無茶苦茶な話である) 何より子ゆっくりを盾にされれば大抵の番いは言う事を聞かざる負えなくなる。ゆっくりの世界では子ゆっくりを捨てて逃げるなど飾りのないゆっくりが飾りを奪うにも匹敵する行為だと言われているからだ。 稀にあまりにも無理が過ぎれば見捨てて逃げられるという話もあるが。それはあくまで例外の話と言われている。 そう言った背景もあり、れいむの我儘を押しつけられたまりさ種はそれから連日食料を集めたという。もちろん冬の直前でまともな食料が取れる筈もなく、遂には「あぶれゆっくり」が固まっている危険な餌場に手を出してそれ以来見かけていないそうだ。 それからあのれいむは一匹で子ゆっくり達の面倒を見ているらしい。 羽付きが言うにあのれいむは決して「ゲス」ではない。どちらかといえば原始ゆっくりに近い気質を持っていると推測できると言っていた。つまり「ゆっくりする」という事の本来の意味に重きを置くタイプである。 その話を聞き終わった直後だろうか、タイミング良くれいむの声が響いた。 「おちびちゃんたち!かりにいこうね!」 「ゆっきゅりわかっちゃんだじぇ!」 「ゆっきゅりわかっちゃよ!」 勢いよくどこかへと跳ねていく。どうやら食料探しに行くようだ。子ゆっくりも動員しなければならないと言う辺りにあのれいむ一家の厳しい事情が垣間見える。 羽付きがその後方を跳ねていった、私もその後ろについて歩き出す。 「ゆ~ん♪ゆゆ~ん♪ゆ~っくり~♪」 「ゆ!ゆ!ゆっきゅりおねえしゃんにちゅいちぇくりゅんだじぇ!」 「ゆっきゅりわかっちゃよ!ゆ!ゆ!ゆっきゅりいしょぎゅよ!」 上機嫌な様子でボヨンボヨンとリズミカルに跳ねている。親れいむの方が能天気にペースも考えずに跳ねているその後ろで、かなり苦心して必死に子まりさと子れいむがついていっていた。 ちらっと一瞥しただけだが、私の目にはソフトボール大の子れいむの後ろ側の小麦粉の皮に緑色のシミが出来ている様に見えた。気のせいかもしれないが… そんな考えは頭の片隅に追いやって、一体どこに行くのかと見れば別の路地裏だったようだ。 ここで羽付きと私は顔を見合わせた。向かうのは間違いなく「餌場」。この時期に手つかずの餌場なんて存在する筈もない。間違いなくこのれいむ一家は無傷では帰れないだろう 「ゆ!いっぱいごはんさんがあるばしょへいくよ!おちびちゃんたちもゆっくりさがしてね!」 「わかったんだじぇ!」 「れいみゅあまあましゃんがちゃべちゃいよ!」 口々に勝手な事を言いながら路地裏へ進んでいく、そこでれいむは突然何かに弾き飛ばされた。 私が見たかぎりでは丸っこい何かがれいむを弾き飛ばしたようにしか見えなかったが大体想像はつく。 「ゆんぎゃ!いだいいいいいいい!!」 「ゆゆ!?おきゃあしゃんどうしちゃんだじぇ!?」 「ゆ!?」 私が目を向けるとそこには大きなありす種とちぇん種、そしてまりさ種がれいむ一家の前に立ちふさがっていた。 体当たりで弾き飛ばされたれいむは。口から少量の餡子を吐きだして声を上げている。相手はどうやらこの辺を根城にしているゆっくりの様だ。 「かってにちぇんたちのてりとりーにしんにゅうするなんていのちしらずなんだねーわかるよー!」 「ありすたちのゆっくりぷれいすにてをだそうとするなんてとんでもないいなかものね!」 「こんなゆっくりできないげすはせいさいするんだぜ!」 まず外見からして街ゆっくりだとわかった。全体的に薄汚く、砂糖細工の歯と歯茎を剥き出しにしてニタニタと笑っている。明らかにゲスゆっくりだと分かるゆっくりだ。 往々にして歯茎を剥き出しにしてニタニタと笑っていたが、突如素早い動きで動き始めた。ありすがれいむの右のピコピコを口で引っ張り上げて引きずり出す。待ち構えていたまりさが帽子の中から小石を取り出した。 「さっさとくるのよ!このいなかもの!」 「いだいいいいい!!ゆっぐりやべでね!れいむのびごびござんびっばらないでね!」 「ゆっへっへ!まりさたちのこわさをおもいしらせてやるんだぜ!」 一方ちぇんの方は子ゆっくり達を脅しかけるように木の枝を口にくわえて上下に振りかざしていた。 「さ~てどうしてやろうかかんがえてるんだね~わかるよ~」 「ゆんやああああああ!!きょわいよおおおおお!!」 「ゆ!ゆっきゅりおきゃあしゃんちょまりしゃたちをかえしゅんだじぇ!まりしゃおきょりゅよ!」 子まりさに小麦粉の皮をくっつけてがたがたと震えている子れいむ。子まりさの方は果敢にも体を膨らませて威嚇している。 今までの一連の行動、そしてこの子まりさの行動を鑑みるにれいむ一家は多分純粋な街ゆっくりではないと私は直感的に判断した。 なぜなら街ゆっくりというのは決して体をふくらませる威嚇はしない。動けなくなることを知っているからだ。そんな事をするよりかは動き回ったり攻撃に転じた方が遥かに良いと言う経験から淘汰された行動なのだろう。 「やべでね!おちびちゃんにゆっくりさわらないでね!れいむもゆっくりはなして…ゆびゅっ!?」 「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!」 こんな状況になっても能天気に振舞うれいむ(私から見ればだが当のれいむは真剣なのだろう)にまりさが舌を使って小石で打ちすえた。 れいむの小麦粉の皮が大きくへこんでその部分の餡子が盛り上がって見える。中の餡子が不規則に変化したせいか、人間でいう痣の様になっているのだ。 勿論だが、まりさの舌は休まない。どんどん小石を振り下ろしていく。 「ゆびゃっ!ゆぎぃっ!いだ!いだいいいいいいいい!!やべでね!れいむをだだがないでね!ゆぎぃぃっ!」 れいむの方はその度に砂糖水の涙を流し、玉の様な砂糖水の汗を小麦粉の皮に滴らせながら叫んでいる。遠目で見た程度だが、どんどん小麦粉の皮が膨れ上がっていくのがわかる。 不意にありすがれいむのピコピコを口でブンブンと振り回し始めた。その度に地面に潰れたようになっていたれいむは右に左にと振り回されていく。 「やべでええええええええええ!!でいぶのびこびこざんびっばらないでえええええ!!ゆぎいいいいい!!ぢぎれるうううううう!?」 「うるさいわよ!いなかものなれいむはだまってなさい!」 れいむの方は砂糖水の涙と涎をまき散らしながら右往左往に振り回される。張りつめたピコピコが今にも千切れそうな軋みを上げてれいむを繋いで振り回される。アスファルトに顔を突っ伏して横に振り回されているのだ、相当な痛みだろう。 不意にありすが大きく体をひねった様に見えた。ブチっと音がしてれいむがゴロゴロと投げ出される。 「あ”あ”あ”あ”!?でいぶのびごびござんがああああああああ!!」 見れば、ありすの口にはれいむの右側のぴこぴこが咥えられていた。思いっきり振り回したのが原因でちぎれたのだ。ありすが拾ったが興味のない物を捨てるようにペっとピコピコを地面に投げる。 「ゆ”!ゆ”!れいぶのびごびござんゆっぐりぐっづいでね! れいむはそれを舌で拾い上げると元あった場所にペタペタとくっつけ始める。当然くっつく筈がなく、自分で自分ペーロペーロしているようにしか私には見えなかった。 「どぼじでぐっづがないのおおおお!?ゆっぐりでぎないいいいゆぎゃ!」 泣き叫ぶれいむをまりさがボヨンと跳ねて弾き飛ばした。れいむの方は壁にぶち当たり餡子を吐いて昏倒した。 ぐったりと小麦粉の体を潰しているが、大した傷ではないようだ。そもそも餡子があまり出ていない時点でゆっくりは重傷にはならない。 私がれいむの方に目を凝らしていたが、子ゆっくり達の方が大変な状況に陥っている様だった。 「いぢゃいいいいいいいいい!!までぃざのおべべぎゃああああああああ!?」 「おねえしゃあああああああん!?」 声にハッとなり目を向けると、子まりさの寒天の目が無くなっていた。周りを広く見るとちぇんの口にある木の枝の先に一個、そして地面に一個転がっている。 羽付きはその瞬間を見ていたらしく、その状況を見ていなかった私に説明してくれた。そんな複雑な物ではなく、膨れた子まりさにちぇんが木の枝で子まりさの寒天の両目を突き刺したといったとの事だ。 「こんなのじゃおわらせないんだねー!わかるよー!」 ちぇんはそう言うと子まりさの帽子を口で取り払い、髪の毛を口で毟り始めた。当然子まりさの体はズリズリと引きずられては引っ張られている。 先ほどのありすの様に左右に口をふるい始めた様に私の目には映った。ブチブチと引きぬけるたびに口でくわえてどんどん砂糖細工の髪の毛を毟っていく。 「いぢゃいいいいいいいいい!!まりぢゃのがみじゃんぬがにゃいでぼじんだぢぇえええええええええ!!」 あっという間に子まりさはおさげを残してその砂糖細工の髪を殆ど毟られてしまった。産毛の様な物がチラホラ残っているのが見ていて痛々しい。 「ゆ”!ゆ”!いぢゃいんだじぇえええええ!!にゃにもみえにゃいんだじぇえええええええ!!」 「ゆびえええええええええん!!きょわいよおおおおおお!!ゆっきゅりだちゅげぢぇええええええ!!」 恐怖からか保身からかはここからでは定かではないが、子れいむの方が砂糖細工の涙をまき散らしながら飛び跳ねて逃げだした。 「にがさないんだねー!わかるよー!」 「ゆんやああああああ!!きょなにゃいぢぇね!ゆ!ゆ!」 当然スピードはちぇんの方が上だ。どんどん追いつめられていく。 「ゆ!ゆ!ゆぎゃ!いぢゃいいいいい!!」 「ここまでなんだねー!」 子れいむが着地した拍子に小石にぶつかり前のめりに倒れた。体を起こすのにもたついている間にちぇんはすぐそこまで来ている。 それを見て私は声を上げて前に飛び出した。 「コラ!うるさいぞ!」 「ゆ!?」 「に、にんげんさんはゆっくりできないんだね!にげるよおおおお!!」 ちぇんの方が私の姿を見てすぐに引き返し始める。以前人間に辛酸をなめさせられた経験でもあるだろうか?とにかく引き下がってくれてとよかったと私は安堵した。 子れいむの方は穴という穴から涙とも涎ともつかない砂糖水を流しながらこちらを見ている。まだ状況が理解できていないようだ。 「どうしたんだぜ!?いきなりとびだすなんて!」 私の行動に驚いていたのだろうか、遅れて羽付きが飛び出してくる。 別に善意で助けたわけではない。どうしても気になった事があるからだ。 私は手を伸ばして子れいむを掴む。 「ゆゆーん!おしょらをちょんじぇるみちゃいー!」 先ほどの態度はどこへ行ったのか、すっかり上機嫌になった。こういう心境の急激な変化は私、少なくとも人間には理解できないだろうと常々思う。 触ってみての感想だが、触感は最悪だった。モチモチとした…というにはほど遠く、部屋の隅に落として拾った油粘土の様な感触だ。所々ゴミやほこりが付いていて、それでいて微妙にぬるぬるとしている。 「ゆっきゅりできるにんげんしゃんだっちゃんぢゃね!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」 私の顔を覚えている様だ。小麦粉の皮をクネクネと動かして砂糖水の涎をたらしながらニヘラニヘラと愛嬌をふりまいている。子れいむにはそれが媚を売っていると思っているのだろうが、とても汚い何かにしか私には見えなかった。 底部に近いギリギリの地面に当たらない皮の部分を見て先ほど見た物が気のせい出ないとわかった。 ほんの僅かだがカビが生えている。 羽付きもそれを見たようだ。同時に驚いた表情から一転して落ち着きを取り戻した。どうやら私が飛び出した理由を分かってくれたようだ。 私は子れいむを地面に降ろす。子れいむの方はニタニタと笑いながらこちらを見上げていた。 悪意はないのだろうが薄汚れて砂糖水の何かをべたべたとつけた姿は本当に何か気味の悪いものにしか見えない。だから「ニタニタ」と意地汚い笑い顔を浮かべている様に見えた。 子れいむは「ゆっくちしちぇいっちぇね!」というとそのまま親れいむのいた方へ跳ねだしていった。 跳ねる子れいむの後姿を見ながら羽付きが呟くように声を上げた。 「かびさんはうつるんだぜ、ぺーろぺーろしたり、すーりすーりしたり…だからあのれいむやまりさは…」 私はそれに何も答えなかった。ただ無言でれいむ一家の方に目を向ける 先ほどのゲスゆっくり一向は居なくなっていた。ちぇんが知らせてどこかへ逃げおおせたようだ。ここがテリトリーと言っていたのでそう遠くではないだろう。 私の目に映ったのはゆっくりの様な「モノ」としか思えないものであった。 おさげをわずかに残して寒天の両目が無くなった子まりさは口を開けて寒天の目が合った所から砂糖水の涙をドバドバと流している。 「ゆびぇえええええええん!!にゃにもみえないんだじぇえええええ!!きょわいんだじぇえええええええ!!」 「ゆ”!ゆ”!おちびぢゃん…ゆっぐりだいじょうぶだよ…ぺーろぺーろ…」 宥めるように先ほどの親れいむが別に小麦粉の皮が裂けてもいないところをぺーろぺーろしている。 「おねえしゃん!れいみゅはきょきょぢゃよ!しゅーりしゅーり!」 先ほどの子れいむも安心させようと「カビの生えた」小麦粉の皮ですーりすーりを繰り返していた。 一通り見てだが、一番マシなのは子れいむだ。全く持って無傷と言っていい。だが親れいむの方は約1、5倍にも腫れ上がった小麦粉の皮と砂糖細工の髪と頭のボロボロのリボンがなければ何種かも分からない程にやられてしまったようだ。 片方のピコピコもなく、所々小石の角ぼ部分が当たった所はにじみ出るように餡子が漏れ出している。だが餡子がそれほど漏れてはいないのでかなり元気だ。流石に飛び跳ねる事は出来ないだろうが… 子れいむが親れいむや子まりさにすーりすーりしていると、暫くして親れいむがしてこう言いだした。 「ゆ”…!ばりざはおがーざんのぴこぴこさんをくちにくわえでね…ゆっぐりおうぢにがえるよ…」 「ゆ…わかっちゃんだじぇ…」 子まりさが親れいむのピコピコを口で咥えるとずりずりと這いずる様にして移動を始める。子れいむもそのスピードに合わせて這いずっている。 奇妙な何かの行進、そう形容する他なかった。「ゆ”!ゆ”!」とくぐもった声で凸凹に小麦粉の皮が腫れたれいむらしきゆっくりと、寒天の目が合った所がぽっかりと穴が開いており、そこから砂糖水の涙を流してそのれいむのぴこぴこを口でくわえた砂糖細工の産毛とおさげだけの禿げ饅頭がナメクジの様に這いずって移動している。 その後ろに比較的にまともな子れいむがついているのだ。アンバランスさも加わって不気味に見えた。 点々と砂糖水で黒く湿った印を残してその行進は続いていく… 私は知っている。「カビ」が生えたゆっくりの末路を ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あれから一週間後、私と羽付きは再びあのれいむ一家がいる場所へと足を進めていた。 「さいきんはえさばのほうもぶっそうになってきたんだぜ…」 餌場や水場を争っての抗争が激化しているらしい。冬ももう入って久しいのだ。最後に生き残りをかけた争いだと羽付きは呟いた。 「たまにいるんだぜ、このあいだのれいむたちみたいになにもしらずにえさばにはいってゆっくりできなくなるゆっくりが…」 羽付きが言うには「れいむ」や「まりさ」の様なゲスでない通常種がこの時期餌場に飛び込むのはかなり珍しいそうだ。 大体はゆっくりが集まっているのでれみりゃやふらんが少数でやってきては帽子と服の切れ端を残してあぶれゆっくり達の餡子になるのだと言う。 あのれいむ一家がいた餌場は件のまりさ一味が取り締まっている小規模な物なのでかなりユルい方らしい。 凄まじい所は夜になると壮絶な争いが繰り広げられ、朝になれば残っているのは餡子と飾りだけという所も多々あると言う話だ。 そんな話を聞きながられいむ一家のいるダンボール箱を覗き込む。 そこでは私は案の定ゆっくりらしきものを目にした。 「ゆへぇ…ひどいんだぜ…これは…」 覗き込んだ羽付きがそう漏らすほどにそこには凄まじい光景が広がっていた。 「ゆ”!ゆ”!ぽん…ぽんが…いだい…よぉぉ…」 私は思わず鼻を衝く異臭に吐き気を催した。それほどの臭いがしたからだ。 目の前にいるのはもはやゆっくりと呼べる代物ではなかった。 少なくともゆっくりというのは丸々としていて張りがあるはずだ。(なすび型もあるが) だが「それ」は違った。カビらしき物はすでに小麦粉の皮全体に広がっており深緑色に変色してしまっている。 空気の抜けたというよりパンクしたゴムまりの様に地面に潰れていた。寒天の両目はすでにない、落ちてしまったようだ。 何より小麦粉の皮がデロデロに溶けている。れいぱーありすにすっきりされた時の様に小麦粉の皮と砂糖細工の髪と飾りを残して潰れたような感じと同一だと私は思ったが… 皮もあまってビロビロで、張りが無くなったとかそんな問題ではなかった。 異臭の正体とさらに不気味さを醸し出す物を見た。グズグズの深緑の何かが転がっている。ネチョっとしたような触感、これは「うんうん」だ。 コンポストの中でカビが生えるゆっくり特有のものだ。餡子変換能力が極端に弱くなるか、なくなる事によってどんなものを食べても餡子にならずにうんうんと同時に出てしまうのだ。 だがこの場合は少し違う。餡子についたカビを出そうとして餡子をうんうんで出してしまったのだ。しかも三分の一を失うまではかなり時間をかけて。 想像を絶する苦痛ではないかと私は思う。小麦粉の皮が余ってビロビロになってしまったのはそのせいだ。 「ゆ”…!ゆ”…!ゆ”…ぎ…ぃぃ…」 だが一番私が驚いた事はまだこのれいむが生きていると言う事だ。 時折まるでアメーバの様な動きでクネクネと小麦粉の皮が動いて、あにゃるらしき部分から餡子が深緑に変色した餡子らしき物が垂れ流しになっていた 大量のカビの生えた餡子(うんうん)に目を向けると、中に埋もれるようにして砂糖細工のおさげと小さなリボンが浮かんでいた。既に二匹の子ゆっくりは完全に腐って饅頭としての形を保てなくなっていたようだ。 「かびさんがはえたゆっくりがいるとそのまわりぜんたいまでかびさんがはえるんだぜ…」 明日は我が身だと言わんばかりの表情で羽付きが呟く。 通常ゆっくりにカビが生えると言う事はまずあり得ない。ぺーろぺーろや水浴びで常に清潔に保っておくからだ。 だがここは街、それも中心部のコンクリートジャングルだ。水場も確保しなければならない程にそういった事情には逼迫している。 なので街の中心部にいるゆっくりは実はかなりカビにかかりやすい、との事だ。 ちょっとでもカビが生えてしまえばゆっくり特有の「すーりすーり」や「ぺーろぺーろ」で伝染する。 そうなれば数日の内にカビで動けなくなってしまうのだ。中の餡子についた場合はもっと最悪で、うんうんを垂れ流しにして小麦粉の皮だけになってしまう。 ふと突然目の前の親れいむが激しくウネウネと動きだした。 「ゆ”!ゆ”!ゆ”!ゅ”!ゅ”…!ゅ”…」 これはゆっくりの餡子が三分の一以上無くなった時の行動だ。目はないが、あれば恐らくは寒天の目をグリンと上に向けて痙攣を始める。 私の目の前でその親れいむはものの1分もしない内に完全に動かなくなってしまった。 後に残っているのはグチャグチャに腐った饅頭らしきものだけであった。 …私と羽付きは人が交差する表通りの雑踏を進んでいた。 表通りを歩くと煌びやかで、賑やかな光景が広がっている。 だが、私にはそれが何か寂しくて無機質な物として目に映った。 羽付きと私がふと路地裏に目をやると雑多に積まれたゴミにまみれて汚いゆっくりがダンゴのように固まってウネウネと動いている。 暫く立ち止まって見ていると一匹のゆっくりが私に気がつくとそそくさと周りのゆっくりもどこかへ跳ねていってしまった。 視線を戻して街の中心から離れるために再び歩く。羽付きもその光景を見て無言で跳ねていた。 その後、羽付きと別れる間際に聞いた話によれば、今も「とかいはなゆっくりプレイス」を夢見て街の中心部までやってくるゆっくりは後を絶たないらしい。 あのれいむ一家は何だったのだろうか?捨てゆっくりか山から下ったゆっくりか? 色々考えた歯見たが、今となっては詮索しようもない。 羽付きと別れて家路につく途中、ふと振り返るとそこには天を衝くようなビルが固まっている街並みが目に入った――― 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 504 かりすま☆ふぁいたー ふたば系ゆっくりいじめ 516 サバイバル・ウィンター ふたば系ゆっくりいじめ 527 シティ・リベンジャーズ 挿絵 by儚いあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 私は、羽付きまりさが大好きです。 -- 2016-07-16 16 04 57 中々香ばしいおキチさんが湧いてらっしゃいますね。 -- 2013-03-25 18 50 52 このシリーズ(?)は面白いですね 虐待とは違った視点が好きです ↓下の人たちってさ人様の作品のコメント欄で醜い言い争いして悪いと思わないの? 作者やコメント見た人の気持ちを考えろよ -- 2012-06-25 22 00 58 感動しました^^ -- 2012-04-29 14 46 25 途中で気持ち悪くなったお(´∀`) -- 2012-04-29 14 45 33 感想書けよおまえら 私はこのSS楽しかったです -- 2012-01-21 18 17 46 ゆっくりしろよ -- 2011-08-25 17 21 33 ↓必死かよw -- 2011-07-17 16 19 41 ↓、↓×3 そういうことか、お前ら同一人物か!自演乙すぎるw -- 2011-07-16 18 38 01 ↓×2 過去にズタボロに論破されてるみたいだな それが悔しくて実は自演でしたとか嘘乙w -- 2011-07-12 08 39 16 ノリノリだな -- 2011-07-11 17 47 50 おもろい?そうか、それはよかったっ!私も頑張った甲斐があったというものだっ! 何故ならばっ!ここにあるコメントの約8割がっ!この私のっ!自作自演!だからだぁっ! 私は諦めない!ステアウェイトゥゆっげえの完遂を諦めないっ! 悪意を燃やせっ!殺意を巡らせろっ!ステアウェイトゥゆっげえは終らないのだっ! -- 2011-07-09 19 51 57 おまえらのコメがおもろいわw -- 2011-07-08 15 46 37 ぎゃあぎゃあ五月蝿いからほっとけばいい希ガス -- 2011-07-02 23 05 21 コメントできる頭のいいゆっくりがいっぱいいるな -- 2011-06-24 23 03 35 ( ゚∀゚)О彡゚えーりん!えーりん! -- 2011-05-10 02 43 07 なにここの米楽しいwwwww ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! -- 2011-03-31 01 57 17 www本当のこと言われたからってそんなにムキになんなよゆとりDQNのキモ荒らしさんww -- 2011-03-09 15 28 06 お前ら楽しそうだな -- 2011-03-07 12 29 22 ↓>薄々勘づいてはいたけど、これでただのDQNだってことが明らかになったね! あっやべ!もしかして恐がらせちゃった? やっぱりすげえビビらせちゃった? いや、わりーwわりーw、でもビビんなくていいぞw つうかこれくらいで超ビビってんじゃねえよwマジヘタレだなww >自分の思い込みで見事にドツボにはまってるねぇ やっぱりここにこだわっちゃうんだw 連続投稿一人小芝居だけはどうしても、ど~しても否定したいんだww だから別の俺はやっちゃ駄目なんて言ってないじゃない やりたければ好きにやればいいじゃない、それでお前が虚しくないのならなww >必死に自分の顔のキモさをアピール 結局それかよw語彙がどうとか言っといてお前も「お前がキモい」かよww まあ別にいいけどな 憎しみが憎しみを呼び、顔も知らぬお互いをキモいキモいと罵り合うキモキモ合戦・・・ そんな不毛でキモい戦い、俺は結構好きだぜ! あっでもお前はリアルでキモいけどな ↓↓>特にゴルア連呼してる奴 一見全員のスレチを諌める風を装っているが結局標的はゴルア一人w わっかりやすいのうw なんともわかりやすい一人小芝居だのうww ついに伝家の宝刀「連続投稿一人小芝居」を抜いたんだねーwキモウザいよーw まあでもお前が虚しくないなら連続投稿一人小芝居すればって言ったけどさ 何人かでガーガー言ってるように見えて、 実はゆとり二人が罵り合ってるだけってかなり寒いよなw お前はキモ寒いんだよ!!!ゴルゥアアアァァァァ!!!!! まあ俺は違うけどなw -- 2011-02-25 13 30 19
https://w.atwiki.jp/sakiyuriyuri/pages/329.html
211 一時期あった部タコ① [sage] 2010/01/30(土) 22 01 52 ID IpCA1Mz6 Be よくあることだ。自分の知らないあいだに友達の関係が進展していたりするなんて。 だけど、それが決定的に傷口を広げた。 痛い……もうどうにも立っていられない。私があげたものすべてが、咲ちゃんとの思い出に塗りつぶされていく。のどちゃんの中から私はいなくなるんだ。 だからその日も、曇り空だった。 「咲さん、また泊まりにいってもいいですか」 「……うん」 のどちゃんの指が咲ちゃんの指に重なる。 いつか自分にも向けられていた、あの期待させておいて見透かすような表情をしているのだろうか。確認する勇気はないが。 「お前、最近元気ないぞ。ちゃんとタコス食ってるのか?」。 「タコスぢからじゃどうにも治らないんだじぇ……」 「お前が元気ないと、なんか調子狂うんだよ……」 京太郎はやっぱり優しいやつだ。こいつと関係をもってしまえば、のどちゃんを忘れることができるのだろうか。 それが、まやかしでも。 そんな吐き気をもよおすような思考に至ったとき、高い場所が好きな人からの呼び出しで引き戻された。 「優希、ちょっとベランダにこない?」 ◇ 「なんだー」 「腐ってるから日光浴」 「いまのウチには届かないんだじぇ。もう構わないで欲しいじょ」 「嫌よ。 ……だってあなたは、私そっくりだから」 理解追いつかず。 「あら、やっぱりそういう顔するのね」 なおも部長は私に攻め込んでくる。 「いつも空元気だったわ。寂しがり屋で、まこがいなかったら多分どこか変になってた」 ……。 「私にはもう誰もいない」 「私は、あなたと寄り添いたかったわ。出会ってからずっとね」 「そういうのやめてくれ……あんたの大事な人は染谷先輩だろ」 「大切よ。だけどあなたへの気持ちとは違う」 言わないで。 「優希! あなたの痛みを分かち合いたいの!」 「メンバーにはなる! 全国大会にはちゃんと出るから! 部長、もうやめて……」 感情が、涙が溢れてくる。私、子供だ。 「……少し、勘違いしていたわ」 額に、やわらかい感触。心の距離を図るようなキス。 「あなたの強情は私以上ね」 「……部長のこと嫌いじゃないけど、まだのどちゃんに愛されたい」 「わかってる。でも、少しでもそばにいさせて」 そんなの、部長だって苦しいのに! 「そして――絶対に和了ってみせるわ」 雲間から光が差し込んでくる。あたたかい光が。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2079.html
※M1氏のイラストを基に書いています。 台詞丸々パクリ、原作レイプ注意 いつの間にか習慣となっていた朝の散歩。 気ままにフラフラし、見も知らぬ公園に立ち寄った。 気付いてみれば草むらの奥、水を吸い込んでボロボロになった小さな段ボールの中に、そいつはいた。 まりさだ。ゆっくりまりさ。 子ゆっくり程だろうか。小さな段ボールの中に、小さなまりさが納まっていた。 その姿はボロボロで、薄汚れている。 襤褸切れといっても差し支えない帽子らしきものを被って薄笑いを浮かべている。少々不気味だ。 「・・・・・・ゆへへ、おにーしゃんは ゆっくりできる ひと?」 こちらに気付いたのだろう。 まりさは見上げながら訊ねてくる。 一応危害を加えるつもりは無い。「ゆっくりできる人だ」と言っておいた。 「・・・・・・ゆっくりできる おにーさんは まりしゃに あまあまを もってくる のじぇ」 またか。 心の中で舌打ちする。 二言目には物を集ろうとする野良ゆっくりの下種根性が、俺は好きではない。 「断る。何で貴様なんかに物を恵んでやらなきゃならんのだ」 「・・・・・・ゆへへ 。いいのかじぇ? まりしゃは どすになる ゆっくりなのじぇ」 「・・・・・・なに?」 珍しい。 こんな野良風情がドスの名を口にするとは。 少しだけ興味がわいてきた。このまりさにもっと喋らせてみよう。 「まりしゃの おきゃーさんは どす なんだじぇ」 「ふーん」 適当に相槌を打つ。いちいち野良の嘘に突っ込む気は無い。 「かりばの みんなは ぜんぜんしんじにゃいで まりしゃを いじめて いじめて いじめぬくけど」 「ほぉ」 「おおきくなったら どすになって みかえしてやるんだじぇ」 まりさの身体には小さい傷がそこらじゅうにあった。 恐らくだが、このまりさは『狩り場』とやらで今のご高説を垂れ流していたのであろう。 野良のゆっくりは、コミュニティの和を乱すものを嫌う。それは自分達の生命すら脅かしかねないからだ。 結果、このまりさは苛め抜かれてこの様というわけだろう。 よく見てみれば、小汚い油色に染まった金髪の下、まりさの左目は白く濁っている。 虐めの影響か、あるいは他の要因か。 まりさの視界の半分はもう既に無いのだろう。 残った右の眦からは涙が零れ落ちてきている。 仲間であるはずの野良達から何をされたか思い返しているのだろうか。 薄笑いを浮かべたまま泣く。ゆっくりにしてはなかなか器用な芸当だ。 「こんな だんぼーるさんの いえにゃんかじゃなくて にんげんの おうちを のっとるんだじぇ」 「・・・・・・」 俺に向かって物騒なことを吐くまりさ。 本来ならこんな言動を取る野良は即刻駆除されて然るべきなのだが、とりあえず聞き流す。 「だって まりしゃは どすに なる まりしゃだきゃらね ゆへへ」 「・・・・・・はぁ」 溜め息を吐く。 何を言い出すかと思えばこんなものだったとは。 「まりさ。つまりお前の母親はドスで、お前もこれからドスになるから言うこと聞けってか」 「・・・・・・ゆへへ。 そうだじぇ。だから まりしゃに あまあま よこしてね」 「ふーん・・・・・・」 まりさの言葉を受けて、考え込む。 いや、正確に言えば、考え込む「振り」だ。 これからどうするかなんて決まっている。 「はっ」 思わず鼻で笑ってしまった。 下らない。本当に下らない。 あまりの莫迦莫迦しさに思わず笑いを堪え切れなかった。 しゃがみ込み、できるだけまりさと視線の高さを合わせるようにする。 それも自然にまりさを見下す位置になってしまった。 まぁいいや。見下ろす形のまま出来るだけ優しい声でまりさに語りかける。 「いいか?まりさ。お前は母親がドスで、お前もドスになると言った。野良共に仕返しして、人間の家を奪うとも」 「・・・・・・ゆへへ。 そうだじぇ。だから おにーさんは まりしゃに あまあまを・・・・・・」 「だけどな、まりさ。それは有り得ないんだよ」 バッサリと、まりさの主張を真っ向から真っ二つにする。 一瞬呆気に取られるまりさ。だが気を取り直し、きっと眉を上げて抗議してくる。 「・・・・・・ありえなく なんか ないのじぇ。まりしゃは どすに なって・・・・・・」 「ああ、いいよ別に言い返さなくても。そんな事しても無駄だからさ。 これからお前の言ってる事がいかにインチキか教えてやる」 まりさを黙らせ、続ける。 「まりさ、お前の母親はドスといったな。先ずこれが間違いだ。 この町に、いや、人間の都市にドスまりさは一匹も存在しない。何故なら、全部駆除されてるからだよ」 「ドスまりさってのは以外に危険だからな。人間に危害が及ばないように、見かけ次第駆除されるってわけだ。 まりさ、お前は見たところこの町出身だろう?残念だけどこの町にはここ数年ドスまりさは近寄ってすらいない」 「つまりお前はどっかの糞野良がひり出した糞野良の子に過ぎないってわけだ。 ドスなんて言葉、何処で覚えた?大方飼いゆっくりの話でも聞いてたのか、それとも本能とやらか。 まぁ、俺にはどっちでもいいがね」 「それにお前さぁ、ドスになるって言うけど一体その身体でどうやってドスになるって言うんだ? ボロボロでさ、言葉も途切れ途切れになるほど体力が無くなってる。明日にでも死ぬんじゃねーの?」 俺がひとつ言葉を吐き出す度に、まりさの目からは光が失われていく。 その目に残るのは深い闇。絶望という名の奈落だ。 「まぁ百万歩譲ってお前の母親がドスで、お前もドスになれたとしよう」 この言葉を受けてまりさの目に少しだけ光が灯る。 最も、数秒後には無惨に消えるのだが。 「そしたらお前、死ぬぞ? 言っただろ、ドスは駆除されるって。お前が言ったのは自殺の宣言に他ならないんだよ」 再びまりさを絶望に突き落とす。 瞳の中の淡い光が掻き消えるその瞬間は、見ていてとても面白かった。 「なぁまりさ。分相応って言葉、知ってるか?」 喋らなくなってしまったまりさにそう話しかける。 もうそろそろ潮時だな。立ち上がる。 「お前もドスになるとか言ってないで、ゴミクズはゴミクズらしくプライドなんて捨てて生きればいいんだ。 少なくともその方が楽だと思うぞ?」 真っ暗な瞳でこちらを見つめ続けるまりさを尻目に、歩き出す。 もうこうなっては駄目だな。面白くないし、生きていけるとは思えない。 暇つぶしにもならなかったな。残念。 公園の入り口まで差し掛かって、再びまりさの方へ振りむいた。 まりさは動かない。ただひたすらこちらを光の無い目で見つめ続けているだけ。 助けて欲しいのだろうか?救いの手を差し伸べて欲しいのだろうか? 嫌だよバーカ。 誰がお前みたいなゆっくりを飼ってやるものか。 せいぜいそこで足掻きまくって、惨めに死ね。 もう振り返ることは無い。 俺は颯爽とした足取りで公園を後にした。 元ネタ:M1
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2302.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367831615/ ――4月某日・清澄高校麻雀部部室…… 優希「もうすぐゴールデンウイークだな、京太郎!」 京太郎「ああ、そういえばもうそんな時期か……前は5月末だけだったけど 今年はゴールデンウイークも合宿するんだったよな?」 優希「うん、一週間使っての大型合宿だって染谷部長はそう言ってたじょ。 なんせ清澄はインハイ優勝校だから、追われる者として気を抜かないように レギュラーと個人戦出場者は全員参加で後は自由参加だって」 京太郎「ふうん、じゃあ俺も参加ってわけか」 優希「うん、京太郎は個人戦に登録してるから強制参加だじぇ」 京太郎「結局男子は俺1人か……本当男子部員来ないよな……今年だって来たの3人くらいで結局全員いなくなったし」 優希「咲ちゃんやのどちゃんにボコボコにされて逃げ出したからなー」 京太郎「情けないよなあ、いつもやられてる身からしたらあれくらいでへこむなと言いたいわ」 優希「あはは、何回も直撃させて新入部員1人追い出しといてよく言うじぇ!」 京太郎「しかたねえだろ、お前らみたいなのを相手してたら和了れる時には和了る癖がついちまったんだよ」 優希「人のせいにするとは情けない奴だじぇ!」 京太郎「事実だろ。 いや、まあ……」 優希「?」 京太郎「俺が追い出した奴はお前にしつこく言い寄ってたからついムキになったってのはあるけど」 優希「……は、恥ずかしい事を///」 京太郎「う、うっせえ!」 優希「あはは……なあ、京太郎」 京太郎「ん?」 優希「今年は行けるといいな。 サポートとしてじゃなくて選手として、一緒に」 京太郎「……そうだな」 咲「京ちゃん、優希ちゃん、盛り上がってるところ悪いんだけどちょっといいかな?」 京太郎「おっ、どうした咲、和」 和「2人に卓に入ってほしいんです。 一年生達がレギュラーだけの闘牌を見たいらしいんですが、 部長は学生議会に予算の交渉に行ってますから手が足りなくて」 京太郎「学生議会って何しに……ああ、そっか。 去年部長が学生議会長だった時と同じってわけにはいかないんだよな」 優希「そもそも優勝校なのに扱いがあんまり変わってない気がするじぇ……」 咲「雀卓もくれなかったから染谷部長の雀荘にあった古いの持ってきて使ってるし、顧問の先生も相変わらず来ないしね」 和「まあ、思うところはありますがないものねだりをしても仕方ありません。 それより一年生が待ってますから早く打ちましょう」 優希「了解だじぇ!」 京太郎「さて、3人が相手じゃトバされないよう気をつけないといけないな、これは」 咲「京ちゃんったら、最近は振り込みなんてほとんどしなくなったのによく言うよ」 京太郎「だって振り込みはしなくてもお前らガンガンツモるじゃんか……当たり牌なんかまず来ないし」 優希「じゃあ京太郎もツモで和了ればいいだけだじぇ」 京太郎「簡単に言うなよ、ったく」 ――4/29・合宿初日…… 優希「着いたじぇ、合宿所ー!」 京太郎「ここは変わらないな。 いや、たった1年で変わってたらむしろ驚くんだけどさ」 咲「今年もいっぱい麻雀打って特訓しないとね」 和「そうですね、あくまで今日来たレギュラー候補の一年生達の特訓がメインですけど、 私達も恥じない姿を見せるようにしなきゃいけませんね」 京太郎「部長、結局新入部員は何人合宿に来たんですか?」 まこ「一年生の女子が6人……全員参加じゃな。 入部時には3倍以上おったのに今じゃこれしか残っとらんとは……」 優希「だからこそ残ってるのは大成する事間違いなしだじぇ!」 まこ「そうじゃな。 今年の新入部員は教えれば伸びそうなんばっかじゃし、そういう意味では期待も出来るか」 和「新入部員で一番レギュラーに近いのはムロですが……それもどうなるかこの合宿次第、と言えるくらいには優秀ですからね」 咲「それと京ちゃんの特訓もしないとね」 京太郎「だな。 今年こそ去年みたいにはいかないぜ!」 まこ「その意気じゃ、京太郎。 というわけで一応お前さんにはこれを渡しとく」 京太郎「これは?」 まこ「わしが見た限りでの京太郎の闘牌の改善点とそん策じゃ。 去年の咲のネト麻や和のエトペンみたいなもんじゃと思えばええ。 久の考えたものほど参考にはならんかもしれんが……」 京太郎「い、いえ、ありがとうございます!」 優希「おお、とうとう京太郎もその段階に来たか! 私も師匠として鼻が高いじぇ!」 京太郎「おう! お前がつきっきりで教えてくれたおかげだ、ありがとうな優希!」ナデナデ 優希「ひゃっ……う、うん///」 まこ「ほらほら、いちゃついとらんで合宿所の部屋に行くぞ。 部屋に荷物を置いたら予定を説明するから集まってくれ」 ――合宿所・京太郎の部屋…… 京太郎「よいしょっと……今年も男子部屋は俺1人、か」 優希「広いから羨ましいじぇ」 京太郎「おわっ、お前なんでこっちにいるんだよ!」 優希「1人じゃ寂しいと思ってな! そういうのを癒すのは彼女である私の役目だじぇ♪」ギュッ 京太郎「おいおい、遊びに来たんじゃないんだぞ。 いくらつき合ってるって言っても少しは自重をだな……」 優希「……京太郎は嫌なの?」 京太郎「うっ」 優希「……」ジー 京太郎「……別に、嫌じゃねえよ」 優希「本当に?」 京太郎「本当に。 俺だって1人でいるのは寂しい時もあるし、お前のこういう行動には素直に感謝してるよ」ギュッ 優希「ふあっ……そうかそうか♪」スリスリ 京太郎「だけどやっぱり自重もしとけよ? 後輩達に示しがつかないからな」 優希「うん、わかったじぇ」 京太郎「じゃあ荷物整理したら俺も集合場所に行くから先に行っててくれよ」 優希「おーう。 あっ、京太郎ちょっと耳を貸すじぇ」 京太郎「んっ、どうした?」シャガミ 優希「んっ」チュッ 京太郎「なっ!?」 優希「へへっ、頑張ろうじぇ京太郎!」パタパタ 京太郎「……」 京太郎「それは反則だろ……」 ――…… まこ「全員集まったな、ほんじゃあ今回の合宿について説明させてもらうけぇの」 まこ「まず今回の合宿では新入部員からのレギュラー選抜をメインとさせてもらう」 まこ「新入部員は6人、わしらレギュラー4人の内2人が3人につき1人の比率で 1日毎に交代しながら新入部員の指導をする。 それぞれが全く違う麻雀のスタイルじゃけぇ、 盗めるところはどんどん盗んでいきんさい」 まこ「最終日には実力を確かめるための卓を設けるつもりじゃけえ、頑張るんじゃぞ」 一年生「はい!」 まこ「いい返事じゃ。 一年は卓の置いてある大部屋に移動、二年は話があるからちょっと残ってくれんか」 まこ「さて、こっからは京太郎の強化メニューについての話し合いじゃ」 和「2人が新入部員の指導にあたるという事は、もう2人が須賀君の特訓につきあうんですね?」 まこ「そういう事じゃな。 ただし優希、あんたぁ、京太郎につきっきりで教えんさい」 優希「えっ、いいのか?」 まこ「いいも何も優希の指導を理解できるんは京太郎くらいじゃからのう…… はっきり言って感覚型の優希は壊滅的に指導に向いとらん」 優希「じょ!?」 咲「えっと、それなら私もあんまり誰かに教えるのは得意じゃ……」 まこ「咲は新入組の壁として立ちはだかってやってくれんか?」 咲「壁、ですか?」 まこ「全国には咲みたいなんが少なからず存在するっちゅう現実を今の内からしっかり見せとかないかんからのう……」 京太郎「あー、確かにいざ本番でいきなり咲みたいな相手に当たったらトラウマになりかねませんね」 まこ「うむ、そういう事じゃ。 だから咲には一年達を壊れん程度に圧倒してもらうけぇの」 咲「と、とりあえず普段通りに打てばいいんですよね?」 まこ「まっ、そういう事じゃな。 フォローはわしと和がやるけん、よろしく頼むぞ」 咲「は、はい!」 まこ「ほんじゃあ今日はわしと和が新入組の指導に回る。 咲は優希と京太郎を鍛えてやりんさい。 和、行くぞ」 和「わかりました」 まこ「そういえば和」 和「なんでしょう?」 まこ「今年はちゃんと浴衣を着とるんじゃな?」 和「なっ!?」 まこ「はっはっは、またひんむく手間が省けて助かったわ!」 和「ぶ、部長!」 ピシャリ 京太郎「さあて咲と優希が先生か……これは大変そうだ」 咲「よ、よろしくね京ちゃん」 優希「よーし、京太郎を全国一位にするためビシビシ鍛えてやるとしよう!」 京太郎「いきなりハードルたけぇな!?」 咲「あはは……とりあえず三麻しようか」 ――…… 京太郎(優希の東場の速攻高火力に咲の場の支配……当然俺にはそんな器用な真似出来やしない。 だったら) 京太郎「……」タンッ 咲「……」タンッ 優希「……」タンッ 京太郎(テンパイ……待ちは広いし相手が一年なら迷わずリーチしていくところだけど) 京太郎「……」タンッ 京太郎(相手は咲と優希、ここでツモ切りしか出来なくなるのは自殺行為でしかない。 それならテンパイを崩してでもこの牌は抱え込む!) 咲「あ……」タンッ 優希「ふむふむ」タンッ 京太郎「テンパイ」 咲「ノーテン」 優希「テンパイだじぇ!」 京太郎「うわ……」 優希「むっ、その反応からして私の当たり牌を持っていたのは京太郎、やっぱりお前だったのか!」 京太郎「まあな。 最初にテンパイした時リーチかけないで助かったわ……」 咲「あっ、やっぱり一回テンパイ崩してたんだね」 京太郎「リーチかけたらツモ切りで直撃、そんな展開は嫌ってほど繰り返したからな。 お前ら相手だとリーチは危険だって学習はしたつもりだよ」 京太郎(最初のテンパイの時ツモった牌は優希の当たり牌で、 たぶんその次に引いたのは河に1つもないのを見る限り咲の槓材だったんだろうな……危ない危ない) 優希「それにしてもそこからよくテンパイにまで持ってきた! よしよし、褒めてやろう!」ナデナデ 京太郎「やめい!」 咲「相変わらず仲いいね、2人共」 優希「もちろん! 私達はいつでもラブラブだじぇ!」 京太郎「恥ずかしいっつうの!」 ――合宿初日・夜…… 京太郎「ふう……やっぱり何回も集中して打ってると疲れるな」 優希「大丈夫か?」 京太郎「ああ、大丈夫。 それにしても雑用で体力には自信があったんだけどな……」 優希「雑用と麻雀じゃやっぱり違う?」 京太郎「そうだな、特に目の酷使加減が……ってちょっと待て」 優希「ん?」 京太郎「お前、こんなとこで何してんだよ」 優希「えっ?」 京太郎「いやいや、そのなに言ってるんだお前はって目をしても誤魔化されねえからな? なんで男子部屋……というか俺の部屋にお前がいるんだって聞いてるんだよ」 優希「寝る前にちょっと会いに来ただけだじぇ」 京太郎「布団に潜り込んでてその言い訳は通用しねえよ!?」 優希「静かにしないとみんな起きるじぇ。 それに細かい事を気にすると禿げるぞ京太郎」 京太郎「いや、これは全然細かくないから。 俺昼間に自重しろって言ったよな?」 優希「だからみんながいる前ではイチャイチャしなかったじゃないかー」 京太郎「そういう問題かよ……ったく、キリのいいところで部屋戻れよ?」 優希「はーい。 ほらほら、早く布団に入るんだじぇ」 京太郎「はいはい……」ゴソゴソ 優希「京太郎、あったかいじぇ」ギュッ 京太郎「そりゃまあ、風呂から出たばっかりだしな」 優希「えへへ……京太郎♪」 京太郎「聞いてんのかこれ……」 ――4/30・合宿2日目…… 優希「今日もタコスが美味しいじぇー♪」 京太郎「結局俺が寝る直前までいたし……優希、お前今日も来る気か?」 優希「もちろんだ!」 京太郎「ダメって言っても……聞かないんだろうな、お前の場合。 こうなったら染谷部長に……」 優希「ちなみに染谷部長も節度を守るなら好きにしていいって言ってくれたじぇ!」 京太郎「マジかよ……完全に退路が絶たれた」 優希「というわけで今日もよろしく、あなた♪」 京太郎「もう好きにしてくれ……」 和「部長、本当にいいんですか? ゆーきと須賀君が一緒に寝るのを許可するなんて」 まこ「優希はその性格故か状況でモチベーションが大きく左右されるタイプじゃからな。 だから優希の力を引き出すにはなるべく京太郎と一緒におった方がええ」ズズッ 咲「あっ、もしかして京ちゃんの指導に優希ちゃんが絶対いる理由も……」 まこ「そういう事じゃ。 それに……」 優希「今日も特訓頑張っていくじぇー!」 京太郎「おーう、やるからには頼りにしてるからなー」 まこ「京太郎の奴もまんざらじゃないみたいじゃからのう」 和「それではよろしくお願いしますね」 京太郎「今日は和か、よろしくな」 優希「京太郎、気をつけろ! のどちゃんはただそこにいるだけで相手を誘惑する力を持つからな……!」 京太郎「ああ、わかってるぜ優希……!」 和「もう、何を言ってるんですか!」 京太郎「あはは、悪い悪い……で、和も咲みたいに実践形式で教えてくれるのか?」 和「いえ、それは咲さんが行う方がいいと思います。 なので私は私の得意分野で須賀君を指導しますから」 京太郎「和の得意分野って事は、ネト麻とか牌効率とか?」 和「そうですね。 まずはペーパーと実際に牌を使った問題で須賀君の理解度を 確かめてから改めてプランを考えましょう……はい、これが問題用紙です」 京太郎「うわ、すっげえ問題の数だな……」 優希「ううっ、見てるだけで頭が痛くなりそうだ……学校のテストだけでも手一杯だろうに同情するじぇ」 京太郎「同情するならとりあえず離れろ、集中できん」 優希「つれないじぇ、京太郎……」 和「ほら、ゆーきは須賀君の邪魔にならないようにこっちで牌効率の勉強です」 優希「じょ!?」 和「常々ゆーきの計算違いには私も頭を悩ませていたんです。 ですからここで須賀君と一緒に指導します!」 優希「そ、そんなあー!」 京太郎「えーっとここは……こう、か?」 和「ほらゆーき、ここ間違ってます」 優希「あ、あれ……おかしいな」 京太郎「ここは……こうだな」 和「ゆーき、点数がずれてますよ」 優希「うええっ!?」 京太郎「……」 優希「じぇぇぇ……勉強いやぁ……」 和「もう後輩達もいるんですから、いつまでも点数移動計算が出来ないなんて泣き言は言ってられないんですよゆーき!」 優希「ううっ……!」 京太郎「……あれ、これ俺の指導じゃなかったっけ?」 ――2日目・夜…… 優希「頭痛いじぇぇぇ……」グッタリ 京太郎「よしよし、よく頑張った頑張った」ナデナデ 優希「ううっ、ああいう時ののどちゃんは容赦なさすぎだじぇ……」ギュッ 京太郎「それだけお前を信じてるんだろうよ。 優希なら教えた事をものにしてくれるって」 優希「むー……それはわかってるけど」 京太郎「だったら頑張ろうぜ。 俺も一緒に頑張るからさ」 優希「……なら、その分今は甘えるじぇ!」 京太郎「それはいいけど……お前本当に甘えたがりになったな」 優希「……こんな私はいやか?」 京太郎「んなわけないだろ。 信頼されてる気がするし甘えられて悪いとは思ったりしないって」 優希「そうか……ねぇ、京太郎」 京太郎「ん?」 優希「今日は一緒に寝ていい?」 京太郎「……朝に好きにしろって言っただろ? もう俺は何も言わねえよ」 優希「えへへ、じゃあ好きにするじぇ」ギュッ 京太郎「一応言っとくけど蹴るなよ?」 優希「はーい」 ――5/1・合宿3日目…… 京太郎「おい優希、口元ソースついてるぞ」フキフキ 優希「あ、ありがとう……///」 咲「な、なにかあったのかな? 昨日より距離が近いけど」 和「ど、どうなんでしょうか?」 まこ「うーむ……」 ――…… まこ「今日はわしじゃな」 京太郎「よろしくお願いします、部長」 優希「よろしくだじぇー」 まこ「咲からは実践形式、和からはデジタル面での指導を受けたんじゃったな?」 京太郎「はい」 まこ「ほんじゃあわしからは駆け引きを教えるとしようかの。 基本ネト麻や決まった打ち方をする咲達との打ちが多い京太郎にはわしが記憶している色々な卓の状況から勉強してもらう」 京太郎「わかりました」 まこ「京太郎、この卓の状況から何を切る?」 京太郎「安牌がありませんね……だったら、これですか?」 まこ「残念、ロンじゃ。 ここだけじゃなくて周りの河も注目してみい」 京太郎「あ、ここでロンしてないって事は単騎待ちの方だったのか……なるほど」 まこ「奇をてらった待ちをしてくる打ち手は意外に多い。 こういう手合いは一度ハマると立て直しも難しいから用心しとくように」 優希「ハマると去年の県予選の元部長を相手した風越みたいになるんだじぇ!」 京太郎「あれみたいにか……それは確かに危険だな」 まこ「久ほどひねくれてるんはまずおらんがのう……よし、次の状況はこれじゃ」 京太郎「えっと、これは……」 ――合宿3日目・夜…… 咲「合宿所のご飯って美味しいけど競争率高いからゆっくりとは食べられないよね」 和「そうですね……あっ、咲さん、これ美味しいですよ」 咲「ありがとう、和ちゃん」 和「どういたしまして。 それにしても……」 優希「その肉いただいたー!」 京太郎「させるかよぉ!」 優希「ぐぎぎ……なかなかやるじゃないか京太郎……!」 京太郎「お前もな優希……!」 優希「だが詰めが甘い!」 京太郎「なにぃ!?」 優希「もらったー!」 まこ「いらんならもらうぞ」パクッ 京太郎・優希「あ」 和「一番騒いでいるのが知り合いなのが情けないです……」 咲「あ、あはは……」 ――京太郎の部屋…… 優希「うー! まさか染谷部長に漁夫の利を取られるとは思わなかったじぇ!」 京太郎「悔しいのはわかるけどあんまり騒ぐなよ」 優希「そうは言うけどなー!」 京太郎「帰ったらタコスいっぱい作ってやるからそう拗ねるなって」 優希「むう……いつもより多めにな」 京太郎「はいはい」 優希「よし、なら許す!」 京太郎「ありがとうございます……って俺別に悪い事してないだろ!」ビシッ! 優希「ちっ、バレたか!」 京太郎「お前なあ……」 優希「まあまあそんな些細な事は気にしないで早く寝よう!」 京太郎「……」 優希「え、えっと……」 京太郎「……ぷっ、なんだよその顔」 優希「うっ、だって怒らせたかって不安になったから……」 京太郎「この程度で怒るわけないだろ。 そんな不安になるなんていつものお前らしくないぞ」 優希「いつもの私って?」 京太郎「そりゃ図々しくてわがままで子供っぽくてアホで……」 優希「なっ……」 京太郎「そのくせ変なところで律儀で、一々やる事が可愛くて、元気いっぱいで 見てて明るくなれる……俺が惚れたのはそんな奴だよ」 優希「あっ、えっ……///」 京太郎「……なに言わせんだよ、恥ずかしいな」 優希「そ、それはこっちの台詞だじぇ……」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「あー……」 優希「……!」ビクッ 京太郎「寝るか」ゴソゴソ 優希「そ、そうするじぇ」ゴソゴソ 京太郎「ほ、ほら優希、来いよ」 優希「う、うん」ギュッ 京太郎「……おやすみ」 優希「お、おやすみ」 京太郎・優希(ね、眠れない……) ――5/2・合宿4日目…… 京太郎「……」 優希「……///」 咲「京ちゃん達、今度は少し距離を取ってるね……」 和「何かあったんでしょうか……」 まこ「全く……」 咲「今日は私だね」 京太郎「よぉ、咲。 そういえば一年生の様子はどうなってるんだ? 夕食の時とか見る限り心配はなさそうだけど」 咲「みんな頑張ってるよ! 和ちゃんと染谷部長の教えてる事をすぐ試したくて仕方ないみたい」 優希「ほほう、それで咲ちゃんはどれだけ相手したんだ?」 咲「あっ、一応牌譜は持ってきたけど見る?」 京太郎「おう、ちょっと見せてくれないか」 咲「はい、これだよ」 京太郎「どれどれ……」 優希「ふむふむ……」 京太郎・優希「……」 京太郎(あ、相変わらず次元が違うな……まさか全局咲が大差つけて一位とは) 優希(うわ、一年生の半分以上が焼き鳥だじぇ……) 咲「ど、どうかな? プラマイゼロはしないようにって約束だったから頑張ってみたんだけど」 京太郎「あ、ああ……いいんじゃないか? なあ、優希」 優希「そ、そうだな、うん! 振り込みも少ないし一年もなかなかやるな!」 咲「そっか、染谷部長や和ちゃんも同じ事言ってたし何も問題ないなら良かったよー」 京太郎(もしかして一年生がここに来てからほとんど喋ってないのは……いや、やめとこう。 これ以上考えるのは危ない気がする) 優希「……さ、三麻しようじぇ!」 京太郎「だ、だな!」 咲「うん!」 咲「カン!」 京太郎「んなっ!?」 優希「じょ!?」 咲「ツモ! 嶺上開花!」 優希「ああ! また負けたあー!」 京太郎「ま、また飛んだ……」 咲「だ、大丈夫2人共?」 優希「ふ、ふふ……大丈夫だじぇ。 伊達にインターハイで魔物扱いされてる連中とやり合ってきたわけじゃないからな……!」 京太郎「俺もだ、この程度で折れてられるかっての……優希、まだいけるか?」 優希「もちろんだじぇ! さあ咲ちゃん、もう一回勝負だ! 今度こそ私が勝つ!」 咲「京ちゃん、優希ちゃん……うん、わかったよ!」 ――ここからの対局はあまりにも惨いのでダイジェストでお送りします―― 京太郎(よ、よし張った……) 咲「カン!」 京太郎「ああっ!?」 咲「ツモ! 嶺上開花!」 京太郎「」 ――…… 優希(イーピン……なんだか嫌な予感がするけどこれ持ってたら和了れないし) 優希「……」タンッ 咲「カン!」 優希「ひっ!?」 咲「もいっこカン!」 優希(連続カン……!?) 咲「もいっこカン!」 京太郎「おいおい、これはまさか……」 優希(どこかで全く同じ展開見たんですけどぉー!?) 咲「ツモ。 清一、対々、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花……32000です!」 優希「そんなのありかあ!?」バタッ ――…… 咲「カン!」 京太郎「また来た!?」 優希「もうやだぁ……」 咲「もいっこカン! もいっこカン!」 京太郎「また三槓子かよ……」グッタリ 優希「ま、また数え役満か……?」カタカタ 咲「もいっこカン!」 京太郎・優希「!?」 咲「ツモ。 四槓子!」 京太郎・優希「」チーン ――合宿4日目・夜…… 京太郎「つ、疲れた……今までにないくらい疲れたぞ」 優希「ううっ、もうカンやだぁ……咲ちゃん容赦なさすぎだじぇ……」 京太郎「飯もまともに食えなかったな……優希、風呂どうするよ?」 優希「冷や汗で身体ベトベトだから入るじぇ……」 京太郎「そうか……俺の分までゆっくりしてきてくれ」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「き、京太郎……その、もしよかったら――」 カポーン 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「あー……い、いい湯加減だな?」 優希「う、うん……」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎(か、会話が続かない……かといって黙ったままだと背中合わせの優希を意識しちまって心臓が痛くなってくるし……) 優希(顔熱い……自分で言った事だけど一緒にお風呂入ろうなんて大胆すぎるじぇ……) 優希「あの、京太郎?」 京太郎「お、おう、どうした?」 優希「なんか無理言ってごめんだじょ……」 京太郎「いや、別に無理を言われた覚えはないから問題ない。 緊張は、やっぱりするけどな」 優希「京太郎も緊張してるのか?」 京太郎「そりゃ、なあ……今後ろに恋人が裸でいるとなったら緊張しないわけがないだろ」 優希「っ……このエロ犬め!」 京太郎「犬言うな! だいたい一緒に風呂入ろうなんて提案してきたお前だって人のこと言えないだろ!」 優希「そ、それは!」 京太郎「それは、なんだよ?」 優希「もう京太郎には見られた事あったし……」 京太郎「ぶっ!?」 優希「ま、まさかこんなに恥ずかしいなんて思わなかったんだじぇ……」ギュッ 京太郎「ちょっ!?」 優希「わ、わかるか? 私今すごくドキドキしてるんだじぇ……京太郎」 京太郎(こ、こいつ……自分が何してるかわかってんのか? 裸で抱きつくとか、無防備にも程があるだろ……!) 優希(あ、京太郎もドキドキしてる……ちゃんと意識してくれてるんだな……) 京太郎「お、おい優希……そろそろ離れてくれ」 京太郎(これ以上は我慢の限界だ。 けどさすがに部の合宿でやらかすのはマズすぎる……なんとか鎮めるんだ俺!) 優希「ん、わかった」パッ 優希(初体験に失敗してから手を出してくれなかったから不安だったけど、これなら大丈夫そうだじぇ) 京太郎「ふうっ……よし、そろそろ上がるか」 優希「のぼせると大変だしな!」 京太郎(なんとか鎮めたけど、今日眠れるかな俺……) ――5/3・合宿5日目…… 京太郎「ふあっ……んう」 咲「京ちゃん、眠そうだね」 京太郎「ああ……誰かさんのせいで寝不足もいいところだよ、全く」 優希「それは大変だったな京太郎……私の寝てる隙をつくとはいったい誰の仕業だじぇ!」 京太郎「……」ヒクヒク 咲「きょ、京ちゃん、落ち着いて……」 ムロ「あの、先輩……」 和「あの2人はいつもああいう感じなので気にしなくていいですよ」 ムロ「は、はい」 まこ「やれやれ……」 和「今日は私です」 優希「ひぃっ!」 和「……そんな怯えられると傷つきますゆーき」 優希「じゃあそれを解消するためにも勉強はなしで……」 和「それとこれとは話が別です」 優希「じぇぇ……」 京太郎「いや、優希の勉強もいいけど俺の方も頼むよ、マジで」 和「あっ、そうでした」 京太郎「大丈夫なのか……」 ――…… 和「須賀君、ここは河の状態から考えて……」 京太郎「ああ、なるほどね……じゃあこっちは……」 和「はい、そうです。 それでは次は……」 優希「あーうーあー、計算全然終わらないじぇ……京太郎、のどちゃん助けてー」 和「ゆーき、人に頼ってばかりでは成長しませんよ」 京太郎「悪い、こっちも今自分の分で手一杯なんだ」 優希「ううー……」 京太郎「あっ、和、ここは……」 和「そこはですね……」ムニュッ 京太郎「うおっ!?」 京太郎(の、和の胸が腕に当たって……!) 和「須賀君?」 京太郎「な、なんでもない……」 京太郎(いかん、昨日の優希との風呂で色々溜まってたからつい意識しちまった……集中集中) 京太郎「ここはこうか」 和「正解です、よくできましたね」 京太郎「まあ先生がいいからな」 和「上手い事を言っても手は抜きませんよ?」 京太郎「望むところだ!」 優希「……」ジー 優希「……京太郎のバカ」ボソッ ――合宿5日目・夜…… 優希「……」ムスッ 京太郎「なあ、そろそろ機嫌なおしてくれ……つうか何を怒ってんだよ」 優希「別に私は怒ってないじぇ」プイッ 京太郎「それで怒ってないとかもうちょっとマシな嘘をついてくれ……」 優希「……腕に当たったのどちゃんのおっぱいは気持ちよかったか?」 京太郎「なっ!?」 優希「……この浮気者め、のどちゃんにデレッとしたのを私が見抜けないと思ったのか」 京太郎「そ、そう言われてもだな! 俺だって男だしそれに今日は……」 優希「今日がどうしたっていうんだ!」 京太郎「……誰かさんが昨日変に刺激してきたせいでモヤモヤしてたんだよ!」 優希「……えっ」 京太郎「……いや、やっぱり今のなし。 こんなのいいわけにならないよな……確かに一瞬意識持ってかれたわけだし」 優希「あ、うん……」 京太郎「……なあ、どうすれば許してくれる?」 優希「えっと、それじゃあ……まずは私をギュッとしろ」 京太郎「こうか?」ギュッ 優希「ぁう……そ、それで頭を撫でて」 京太郎「了解」ナデナデ 優希「ひゃんっ……」 京太郎「これでいいのか?」 優希「そ、それでそれで……」 京太郎「それで?」 優希「キ、キス、してほしいじぇ……」 京太郎「……マジ?」 優希「う、うう……」 京太郎「本当、甘えたがりになったな優希は」チュッ 優希「んっ……」 京太郎「……」 優希「あ、は……なんだか頭フワフワするじぇ……」 京太郎「もう、いいのか?」 優希「へっ……」 京太郎「キスは一回でいいのかって、聞いたんだよ」 優希「……」 京太郎「……」 優希「……っと」 京太郎「……!」 優希「もっと、いっぱいしてほしい、じぇ……」 京太郎「優希!」 優希「京太……んんっ!」 ――5/4・合宿6日目…… 優希「~~♪」 和「ゆーき、ずいぶん機嫌がいいですね?」 優希「あっ、のどちゃーん。 昨日はありがとうだじぇ!」 和「えっ、なんの話ですか?」 優希「ふふーん、こっちの話だじぇー♪」 和「……?」 咲「京ちゃん、優希ちゃんと何かあったの?」 京太郎「いや、まあ……あはは」 一年生「染谷部長、部長に用があるってお客さんが……」 京太郎「あっ、誰か来たみたいだぜ!」 咲「話を露骨にそらしたね……」 まこ「わしに客? いったい誰が……」 久「まこ、みんな、元気にやってた?」 まこ「久!?」 優希「おぉ、部長だじぇ!」 和「元部長、ですよゆーき」 京太郎「これはまた予想外の客が来たな」 咲「でも、どうしてここに……」 久「少し様子を見にね。 まこ、あれが今年の新入部員?」 まこ「ああ、そうじゃ」 久「戦力として期待出来そう?」 まこ「なかなか骨はある。 まあ、去年ほどとはいかんけどな」 久「さすがにそれは高望みでしょ」 まこ「ふっ、それもそうじゃな。 こっちにはどれだけおるつもりなんじゃ?」 久「ごめんなさい、予定があって今日と明日しかいられないの。 ここに来たのも様子を見に来たのは確かだけど、まこに家からの伝言を伝えに来たのが主目的だし」 まこ「そ、そうか……久が主導してくれたら指導がもっと上手くいくと思ったんじゃが……」 久「もう、今の部長はまこなんだからそんな弱気な事言ってちゃダメじゃない」 まこ「わかってはおる、つもりなんじゃがな……」 久「……さて、ところでまこ。 今年のルーキーがどれだけ粒揃いか確かめたいし私も打たせてもらっていいかしら?」 まこ「お、おう、もちろんじゃ。 あんたと打てばそれも後輩達にはいい経験になる」 久「ふふっ、期待には答えるわ。じゃあ少しもんであげるとしましょうか」 京太郎「……ってわけで今日は2人きりか」 優希「染谷部長が元部長のフォローに回っちゃったからなー」 京太郎「まあ、たまにはこんな日があってもいいか……」 優希「そういえば京太郎、元部長が来てから染谷部長の様子が変じゃなかったか?」 京太郎「言われてみれば……やっぱり元部長と自分を比較しちまってるとか、なのかね」 優希「比較かー……私にはよくわかんないじょ」 久「やっほー、2人共ここにいたのね」 京太郎「あっ、竹井先輩」 久「ごめんなさいね、2人きりのところを邪魔しちゃって」 京太郎「別にそれは構わないんですけど、何かご用ですか?」 久「ちょっと話があってね」 優希「話?」 久「そう、実は2人に協力してもらいたい事があるの……」 ――…… 京太郎「……なるほど」 優希「私は喜んで手伝うじぇ!」 久「ありがとう優希。 須賀君は?」 京太郎「むしろ断る理由がありませんね。 わかりました、手伝います」 久「須賀君もありがとう。 それじゃあ私は他に準備があるから行くわ、明日はよろしく頼むわね!」 優希「もしかしてこの為に来たのか、元部長?」 京太郎「ああ、そうかもしれないな……」 ――合宿6日目・夜…… まこ「さて、夕飯の前に話がある」 まこ「いよいよ合宿も残り2日。 明後日に一年生は選抜の為の対局を行う事になっちょる」 まこ「というわけで明日1日は練習は休みじゃ。 どこかに行くなり、休むなり、好きなように過ごして英気を養いんさい」 まこ「わしは実家の雀荘に顔を出すけぇ、羽目を外しすぎんようにな」 まこ「連絡は以上じゃ」 京太郎「咲、和……元部長から話は聞いてるか?」 咲「うん、私達もお手伝いするって言ってあるよ」 和「こういう事をするのは初めてですからなんだかドキドキしますね……」 優希「くふふ、明日が楽しみだじぇ」 京太郎「よし、勝負は夕方までだ。 いっちょ頑張るとしようぜ!」 咲「おー!」 和「はい!」 優希「頑張るじぇ!」 ――5/5・合宿7日目…… まこ「じゃあ行ってくるけん、すまんが留守番は任せた」 久「行ってらっしゃーい……よし」 久「みんな、今日の計画はおさらい出来てるわね?」 京太郎「はい、完璧です! 一年生達もみんな手伝うって言ってますし予定より早く終わるかもしれませんね」 優希「任せてほしいじぇ!」 咲「私と和ちゃんは……」 和「こちらの担当ですね、頑張りましょう咲さん」 咲「うん!」 久「みんな頼もしいわね……こんないい後輩を持てて、あの子も幸せ者だわ」 京太郎「竹井先輩……」 久「ふふふ、ごめんなさい。 感傷に浸ってる暇はなかったわね……それじゃ各自分担された役割をよろしく!」 4人「はい!」 ――…… まこ「ただいま」 久「あっ、おかえりなさいまこ」 まこ「おぉ、なんじゃ、わざわざ出迎えに来てくれたんか?」 久「それだけじゃないんだけどね。 ほら、こっちこっち」 まこ「なんじゃなんじゃ、何かあったんか?」 久「何かあったんじゃなくて何かあるのよ。 着いたわ、まこ扉を開けて」 まこ「言っとる意味がよくわからんが……開ければいいんじゃな」 ガラッ 「染谷部長、お誕生日おめでとうございます!」 まこ「……は?」 京太郎「あれ、今日って染谷部長の誕生日でしたよね?」 優希「まさか間違えたのか!? これはどういう事だじぇ京太郎!」 京太郎「俺のせいかよ!?」 まこ「あ、いや、確かにわしの誕生日は今日じゃが……」 咲「よかったあ、もし間違えてたらどうしようかと思いました」 和「誕生日を間違えるのってすごく気まずいですからね」 まこ「そうじゃな……」 久「もう、いつまで呆けてるつもり? ほら、主役はあっちに座った座った」 まこ「久、もしかしてこれはあんたが仕組んだのか?」 久「確かにまこの誕生日をお祝いしたいって話はしたわよ。 でも後はみんなこの子達が自分の意志でやってくれたわ」 まこ「……」 久「まこの事だから私みたいに部長が出来るのかーなんて変な事考えてる気がしてね。 それならいっそあなたがどれだけ慕われてるか見せてあげようと思ったのよ」 優希「ケーキ持ってきたじぇー!」 和「私と咲さんで手作りしたんですけどお口に合うかどうか……」 京太郎「咲の事だから塩と砂糖間違えてたりしてな?」 咲「京ちゃん、私を馬鹿にしすぎだよ! いくら私だってそんな間違い……と、時々しかしないよ!」 京太郎「するんじゃねえか!」 まこ「そう、か……」 久「まあ純粋に私がまこの誕生日を祝いたかったっていうのが本音なんだけどね」 まこ「面倒かけたの、久」 久「あら、面倒なんかじゃないわよ。 だって今のまこ、とってもいい顔してるもの。 その顔が見られただけでもやった甲斐があったわ」 まこ「全く、あんたっちゅう奴は……」 京太郎「あっ、それでですね部長……急な話だったんでプレゼント用意できなかったんです、すいません」 まこ「別にかまわんよ。 こんな風に祝えてもらっただけでわしは……」 優希「だから、私達決めたんだじぇ!」 まこ「何をじゃ?」 咲「私達、染谷部長を絶対に全国に連れて行きます。 そして全国二連覇をプレゼントします!」 まこ「!」 和「もちろん元からそのつもりではありましたけど……これで今まで以上に目標への気持ちが引き締まります」 まこ「あんたら……」 京太郎「それと、男女揃っての全国出場……竹井元部長の代に出来なかった事も達成するつもりです!」 久「……だ、そうよ?」 まこ「本当に……あんたらは、なんて……」 久「ああ、もう泣かないの。 まこに泣かれたら私もみんなも困っちゃうじゃない」 まこ「嬉し泣きくらい、好きにさせんさい。 わしは今、最高の幸せを噛みしめているんじゃ」 久「まこ……」 まこ「……行くぞ、みんなで全国に。 わしら清澄高校の力を今一度全国に知らしめてやるんじゃ!」 麻雀部一同「おー!」 ――合宿7日目・夜…… 京太郎「ふう……今日は走り回ったりドンチャン騒ぎしたりで騒がしい1日だったな」 優希「でも嫌な疲れじゃないじぇ」 京太郎「だな」 優希「……大きな約束をしちゃったな京太郎。 責任重大だじぇ」 京太郎「そうだな。 でも言ったからには叶えてみせるさ……俺達はみんなで全国に行くんだ」 優希「よく言った、それでこそ私の婿だ!」 京太郎「そりゃどうも……これからも面倒かけると思うけどよろしく頼むな?」 優希「うむ、まかせとけ!」 キラッ 優希「あっ、流れ星!」 京太郎「おっ、本当だ。 去年の合宿の時も見たけどやっぱり綺麗なもんだな」 優希「私は去年見られなかったから今日が初めてだけど、空がキラキラしててとっても綺麗だじぇ……」 京太郎「……」 優希「あっ、また流れた!」 京太郎(こういう時って漫画とかならお前の方が綺麗だよって言う場面なんだろうな……だけど柄じゃねえよな) 優希「ん、京太郎?」 京太郎(それに言えるかよ、そんな恥ずかしい事……) チュッ…… ――5/6・合宿最終日…… 京太郎「ん……朝か」 優希「むにゃむにゃ……」 京太郎「すっかり慣れちまったな、優希と一緒に寝るのも」 優希「あ、ん……京太郎……?」 京太郎「悪い、起こしたか?」 優希「んーん、大丈夫……今日が最後だっけ……」 京太郎「正確には今日の夕方までだな。 今日は一年生からレギュラーを 選抜する日だから俺は一応暇もらってるけどどうする?」 優希「んー……それならちょっと行きたいところがあるじぇ」 京太郎「じゃあ一緒に行くか」 優希「うん!」 ――…… 京太郎「へぇ、滝か……こんな場所があったんだな」 優希「去年は咲ちゃん、のどちゃんと一緒に来てまたこの合宿所に来ることを誓ったんだじょ!」 京太郎「なんだ、去年どこか行ってると思ったらそんな事してたのか」 優希「まあな! だから今年はゲン担ぎに京太郎を連れてきたのだ!」 京太郎「また、ここに来れるようにか……咲達が来たなら確かに御利益がありそうだ」 優希「そうだろう、そうだろう!」 京太郎「ここまでしてもらったんだ、もう二度とあの日みたいな無様な姿は見せられないな……」グッ 優希「京太郎?」 京太郎「情けない話なんだけど俺、去年の個人戦の事思い出すと未だに手が震えるんだよ。 あんな何も出来なかった対局、部活以外じゃ初めてだったからな」 優希「……」 京太郎「しかも今年は全国優勝校の看板だのなんだの背負ってるから余計に怖かった…… またあの日みたいな事になったら今度こそ俺は清澄の名に拭いきれない泥を塗っちまうって」 優希「京太郎……」 京太郎「だけど、そんな情けない考えはもうやめだ。 染谷部長と約束した、咲や和に教えてもらった、 お前に……優希に支えてもらったこの分、きっちり結果にして返してみせる」 優希「そっか……それなら待ってるじぇ、京太郎が私達に追いつくの!」 京太郎「ああ、絶対追いついてやるよ!」 優希「頑張ろうな、まずは県大会!」 京太郎「そして全国に、だな!」 優希「やるじぇー!」 京太郎「おー!」 ――1ヶ月後・県予選会場…… 京太郎「……」 京太郎(昨日の団体戦、清澄は去年のメンバーがそのまま残ってた龍門渕を下して 見事に二年連続の全国出場を決めた……これで、余計に負けられなくなったな) 優希「京太郎!」 京太郎「おう、優希」 優希「いよいよだな、個人戦」 京太郎「今日は東風戦だけだからお前は余裕で突破なんだろうな」 優希「もちろんだ! 今年は団体、個人、両方とも清澄で固めてやるじぇ!」 京太郎「そりゃすごい目標だな……」カタカタ 優希「……」 京太郎(くそっ、今になってまた震えてきやがった……! こんなんじゃまともに戦えないっつうのに!) ファサ…… 京太郎「えっ……これ、マント?」 優希「私のと色違いのやつだじぇ! それをあげるから勝ち進んでこい!」 京太郎「優希……」 京太郎(ああ、そうだ……俺は1人じゃないんだよな) 京太郎「ありがとな、優希」ナデナデ 優希「えへへ……あっ、そうだ!」 チュッ 京太郎「!?」 優希「勝利のおまじないだじょ。 頑張れ、京太郎!」 京太郎「……ああ!」 京太郎(ここまでされて負けるなんてありえねえよな!) 優希「ファイトだ、京太郎!」 京太郎「おう、行ってくる!」 清澄高校○×年度麻雀全国大会結果 女子団体戦……優勝、白糸台高校と同じく二連覇達成 女子個人戦……宮永咲1位、原村和4位、片岡優希8位 男子団体戦……人数不足のため出場せず 男子個人戦……須賀京太郎全国大会二回戦敗退 ――ただし敗退時の顔は決して暗いものではなかった事をここに追記しておくものとする カン!
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/1144.html
957 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/27(火) 23 06 12 ID Gup14Kb. 再び脱線 【オペレーション・クリスマス 実施時間軸】 リボンズ「再び時間軸が巻き戻ったような気がするだろう?」 リボンズ「しかし僕たちにとってはリアルタイムだからそのつもりで」 リボンズ「では次のプレゼントは全部同じだからダイジェストでお送りするよ」 【池田ァの部屋】 池田「キャプテ~ン…」 リボンズ(ふっ…)パチン シャララララ 【あずにゃんハウス】 あずにゃん「唯せんぱ~い…」 リボンズ(それ…)パチン シャララララ 【???】 ???「??~…」 リボンズ(チンカラホイ…)パチン シャララララ リボンズ「え?何で最後だけ隠すのかって?」 リボンズ「正直最後の彼女だけはネタが通じるか不安なんだよね…」 リボンズ「だからわからなかったらゴメンと、先に謝っておくよ」 958 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/27(火) 23 06 54 ID Gup14Kb. 【翌朝】 【池田ァの部屋】 池田「にゃわあぁ~~~ッ!!?」 【あずにゃんハウス】 あずにゃん「にゃにゃにゃあぁ~~~ッ!!?」 【???】 ???「うわあぁ~~~ッ!!?」 【バンド練習所】 美琴「4人とも遅いわね…」 唯「どうしたんだろうね…」 プリシラ「もう年末ライブまで時間ないのに…」 唯「そういえば2人はサンタさんに何貰ったの?」 美琴「唐突に聞くのね…」 唯「私はギー介のマフラーとか耳宛とか貰ったんだ~♪」 プリシラ「…それってギー介のものなの?」 唯「美琴ちゃんは~?」 美琴「え?わ、私は…その~…ふ、普通のマフラーよ…」 二人(*1) 美琴「プ、プリシラは何貰ったの?」 プリシラ「……缶コーヒー」ボソッ 二人「「え?」」 プリシラ「缶コーヒー一年分…一方通行にお供えして貰ったのと同じメーカーの…」 二人「「あ~…」」 プリシラ「もうちょっとさ~…ネタあったんじゃないかな~とか思うんだけどさ~…」 唯「そ、そうだよね…」 プリシラ「坂本少佐もさ~…何で2期で中の人代わっちゃったんだろうね~…おかげでネタにしにくいし…」 美琴「落ち着いてプリシラ!この書き手のボキャブラリーが少ないだけだから!」 プリシラ「でもいいんだ~…バンドメンバーで私だけ空気って何となくわかってたし…」 唯「げ、元気出していこうよ!」 959 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/27(火) 23 07 31 ID Gup14Kb. あずにゃん「お、おはようございまーす…」 唯「あ、あずにゃんおはy」 あずにゃん「………」←E:猫耳&尻尾 美琴「」 プリシラ「」 唯「あ…あずにゃん…」 あずにゃん「あ、あの…別に好きでこんな恰好になった訳j」 唯「あずにゃ~~~ん♪♪♪」ダキッ あずにゃん「にゃっ!?」 唯「かわいいよ~かわいいよ~♪あずにゃんかわいいよ~♪」スリスリ あずにゃん「ちょ、ちょっと唯先輩…!」 美琴「…で、何でそんなことになってる訳?」 あずにゃん「わ、分かりません…枕元に『メリークリスマス♪』ってメッセージカードが…って唯先輩!話しにくいです!」 唯「え~♪だってかわいいんだも~ん♪」スリスリ プリシラ「……いいなぁ…」 三人「「「え?」」」 プリシラ「な、何でもない…」 かじゅ「お、おはよう…」 美琴「あ、ゆみおh」 かじゅ「………」←E:猫耳&尻尾 美琴「」 プリシラ「」 唯「」 あずにゃん「」 かじゅ「あの…無言はやめてくれ…却って恥ずかしい…」 美琴「え~と…じゃあ聞くけど…何故?」 かじゅ「わからない…枕元に『メリークリスマス♪』と書かれたメッセージカードがあっただけで…」 あずにゃん「あ、それは私も同じです」 かじゅ「更に『PS:ネタがわからない人はゴメンね♪』とも…」 あずにゃん「それは私のにはなかったです…」 唯「何でだろうね~?」 プリシラ「……やっぱり羨ましい…」 四人「「「「え?」」」」 プリシラ「……何でもない…」 【一方…パーティホール】 池田「キャプテ~ン!猫耳と尻尾が~」 部長「いつものことじゃない」 美穂子「そうね」 池田「えぇ!?」ガーン
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1876.html
779 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/15(木) 22 11 34 ID DzWwJfc6 インデックス「…随分静かなんだよ」 C.C.「…確かにそうだな…ひょっとしてもう終わったのか?」 衣「………」 インデックス「むぅ~…せっかく私の知識が活かせる機会かもと思ったのに…」 C.C.「だったら最初からついていけばよかったじゃないか」 衣「………」 インデックス「C.C.が一緒に留守番って言ったんだよ!」 C.C.「ん?そうだったか?…よく覚えてないな…」 衣「………」 インデックス「 765の台詞をよく見るんだよ!!」 C.C.「あ~…確かに言ってるな…でもまあいいじゃないか」 衣「………」 インデックス「何がいいのかな!?」 C.C.「コロちゃんと一緒に麻雀して楽しかっただろ?なぁコロちゃん?」 衣「…衣は楽しかった」 インデックス「うっ…確かに楽しかったんだよ…」 C.C.「ならもういいじゃないかそれで…後は歓迎会をするだけだろ?このまま合流してしまおう」 衣「………」 インデックス「でもご馳走はどうするのかな?」 C.C.「その場で作ってもらえばいいだろ。厨房があるのは食堂だけじゃないんだし」 衣「…なあシーちゃん」 C.C.「ん?」 衣「何故衣はシーちゃんに抱っこされているんだ?」 C.C.「そんなの決まっているだろう。コロちゃんは私のぬいぐるみだからだ」 衣「衣はぬいぐるみではない!!何度言えば分かるんだ!?」 C.C.「…そうだな…訂正しよう。コロちゃんは私のぬいぐるみの代替品だ」 衣「大して変わっていないではないか!!衣を物扱いするなと言っているんだ!!」 C.C.「『抱っコロモ』…ぷっ…」 衣「何を訳の分からないことを言って笑っている!?いい加減に下ろせ~!!」ジタバタ 780 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/15(木) 22 12 29 ID DzWwJfc6 インデックス「それにしても結構遠いんだよ…疲れてきたかも…」 C.C.「まあ徒歩だしな…私たちは別に身体能力に優れたキャラでもないし…」 衣「衣はすごく楽だ~♪」 C.C.「なんだ。結局抱っこが気に入ってるんじゃないか」 衣「い、いや違うぞ!決してそういう訳では…」 ?「待て」 C.C.「ん?」 衣「ん?」 インデックス「ん?」 ?「そんなに急いで何処へ行こうとしている?」 衣「第二安土城というところだが…お前は誰だ?」 ?「私か?私は…」 C.C.「『あらやだ、出番無さそう蓮』という悲しい名前の魔術師だ」 荒耶「違うッ!!!『荒耶宗蓮』だッ!!!」 C.C.「どっちでもいいよそんなの」 荒耶「よくないッ!!!まっっったくよくない!!!」 C.C.「まあ気軽に『あらやん』と呼んでやれ」 衣「分かった、あらやんだな」 荒耶「うむ…まあそれなら…」 遠藤「いいのかよ…」 衣「それで、お前は誰だ?」 遠藤「いやいやいや!お前俺の顔は知ってるはずだろ!?」 衣「え?ん~~~~~と…」 C.C.「そいつは遠藤…全裸でいる事に情熱を捧げている変態だ…」 遠藤「違うッ!!好きで全裸な訳じゃねぇ!!そもそも誰のせいでこんなことになってると思ってやがるッ!!」 C.C.「誰のせいって…投票の結果だしなぁ…」 遠藤「その投票だってたったの一票だろうがッ!!しかも投票始めた本人のッ!!」 C.C.「それに対して反対票も入らなかったんだから仕方ないだろ…今も牢屋に居るのも、誰もそのことに不満を持ってない証拠だ」 遠藤「ぐぅ!何で俺がこんな目に…」 C.C.「みんなお前には無関心なんだよ。いい加減その現実を受け入れろ」 781 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/15(木) 22 13 05 ID DzWwJfc6 衣「ああぁ!!思い出した!!お前とーかの首輪を爆破させた奴だろ!!」 遠藤「やっと思い出したか…別に俺自身が吹っ飛ばした訳じゃねーんだが…」 C.C.「まあ仕方ないさ。なんせあれから二年以上経ってるような気がするんだからな」 インデックス「気がするというか事実なんだよ…」 荒耶「まあ話の中では、まだ一日と少ししか経っていないんだがな…」 衣「よくもとーかを殺したな!!…あれ?でも何でお前たち牢屋の中に居るんだ?」 遠藤「今更それを聞くのかよ…」 荒耶「元々は我々も主催者側の人間ということで、そこにいるインデックスのように現世とここを行き来していたのだが…」 遠藤「今じゃ完全にこっちの住人だ…」 衣「?…どういうことだ?」 C.C.「要するにこいつらももう死んでるってことだ」 衣「え?そうなのか?…ということは主催者側の人間は、死んだらここに閉じ込められるのか?」 インデックス「ええッ!?それじゃ私も死んだらここにッ!?そんなの嫌なんだよ!!」 C.C.「いやそうじゃない。こいつらがここに閉じ込められてるのは、主催側とかは全く関係ない」 衣「え?そうなのか?」 C.C.「ああ、基本ここは皆平等というスタンスだからな…表向きは…」 衣「ん?最後なんて言ったんだ?」 C.C.「いや何でもない…こいつらが閉じ込められてるのは、それぞれこの死者スレで悪さをしたからだ」 遠藤「俺は何もしてねーよッ!!」 C.C.「ほう…?全裸で外を歩き回るのは悪さではないと…?」 遠藤「俺はちゃんと服を着てたっつーの!!」 C.C.「それを誰も信じてないんだからそこに居るんだろ?諦めろ」 遠藤「だったらせめて今着る服をよこせよ!!」 C.C.「何故お前にそんな施しをしなければならない?一生…というのは変だが全裸でいろ」 遠藤「うぅ…畜生…」 荒耶「まあ、何度も言うが…物好きな書き手も居るかもしれないぞ」 遠藤「またそれかよ…」 782 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/15(木) 22 13 38 ID DzWwJfc6 衣「それで、あらやんは何をしたんだ?」 荒耶「ふふふ…聞きたいか?私の武勇伝を聞きたいか?」 C.C.「いやどうでもいい。じゃあな」 インデックス「さよならなんだよ」 衣「え?もう行くのか?」 荒耶「ちょ、ちょっと待って!!行かないで!!」 C.C.「先を急いでいるんだが…」 荒耶「別にいいじゃな~い!話くらい聞いてくれたって~!!」 C.C.「…お前自分のキャラが安定してないって気付いてるか?」 荒耶「気付いてる。だからどうした?」 C.C.「開き直るのか…大体何で私たちに声をかけたんだ?」 荒耶「数少ない出番を得る為だ…出番の為なら何だってやる…私はここでのキャラをそうすると決めた」 C.C.「おいおい…」 荒耶「だから聞いて!私とここでおしゃべりして下さいお願いします!!」 衣「…なぁシーちゃん…別に聞いてやるくらいいいのではないか?」 C.C.「聞いてもつまらない話だぞ…」 衣「構わん。それに私は友達が欲しいんだ」 C.C.「こんな奴と友達になる気か?正気かコロちゃん?こいつは現世で…」 衣「過去がどうであろうと、今のこいつは面白そうな奴だ。私はこいつとも友達になりたい」 荒耶「ありがとう!ありがとう天江衣!」 衣「あっ、お前とは友達になる気はないぞ。衣はお前が嫌いだ」 遠藤「いや別にいいし…」 783 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/15(木) 22 14 20 ID DzWwJfc6 衣「それで?何であらやんはここに閉じ込められてるんだ?」 荒耶「うむ…実はな… 説明中(詳しくは>>689~>>695を読んでね♪) …という訳なのだ」 衣「あらやんは悪い奴だ!!衣はお前とは友達にはならない!!」 荒耶「ええぇぇぇーーーーッ!!!!??」 C.C.「まあ当然の結果だな」 衣「行くぞ!シーちゃん、インデックス!」 C.C.「そうだな」 インデックス「今度こそさよならなんだよ」 荒耶「あっ、待ってコロちゃん…」 衣「気安く呼ぶな!この悪者!!」 荒耶「ガ―――――――ンッ!!!!!!!」 遠藤「いや口でガーンとか言うなよ…」 C.C.「自業自得だ、そこで反省してろ」 遠藤「………行っちまったな」 荒耶「うぅ…くそぅ…天江衣と友達になれれば、風紀委員に進言してここを出られると思ったのに…」 遠藤「そんな考えだったのかよ…でも俺よりマシだろ?お前はラジオの時には出られるんだから…」 荒耶「……それもそうだな…お前はずっとこのままかもしれないし…」 遠藤「……人に言われるとムカつくな…」
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/991.html
358 :名無しさんなんだじぇ:2011/09/06(火) 03 42 08 ID bWFjF.Ww 部長「最近退屈なのよね…」 エツァリ「ボクにそう言われましても」 部長「なんとなく新しい刺激がほしい、というか」 エツァリ「…気がきいて料理も麻雀もうまい人がいるじゃないですか」 部長「おいしい料理も食べ続けると飽きる、というか。贅沢な悩みなんだけどね」 エツァリ「じゃあ、どんな珍味がいいんですか」 部長「なんというか鉄板カップルを崩したい気分なのよね」 エツァリ「はぁ…随分と変わった趣味ですね」 部長「NTRって一番興奮しない?」 エツァリ「コメントは控えます。えーと、鉄板というとキャスターさんと田井中さんとかですか?」 部長「あの二人は仲いいし想像妊娠まで発展しているけど、お互い想い人がいるんでしょ?」 エツァリ(キャスターさんはともかく田井中さんにそんな人いたかなぁ…) 部長「ユフィちゃんと枢木くん、両義さんと黒桐くん、咲と和。みんな片方は御存命中なのよねぇ」 エツァリ「寝取った様子を教えるのが趣味なんですか?!」 部長「それも面白そうだけどね」 部長「あ、そうだ!ほらなんだっけ、あの子」 エツァリ「なんです?」 部長「ほら、やたらと電気飛ばす」 エツァリ「 彼 女 だ け は 駄 目 で す ! 」 部長「あら、なんで?条件に見合うようなカップルなんてそれくらいしか…」 エツァリ「上条当麻と彼女はそんな関係じゃありません!第一、彼女はまだ恋愛なんて早いですよ!中学生ですよ?!」 部長(ニヤニヤ) エツァリ「な、なんです?!」 部長「いや、いい暇つぶしになったわ。ありがとう」 エツァリ「い、いえ…」 終わる 359 :名無しさんなんだじぇ:2011/09/06(火) 10 10 36 ID eut2wEf2 死者スレ限定でのカップルも多いなw「どうしてこうなった」的な化学変化を起こしてるのもあるが。 360 :名無しさんなんだじぇ:2011/09/06(火) 21 59 00 ID vQTJ6vr2 359 キャス律の事かーーー!! 361 :名無しさんなんだじぇ:2011/09/10(土) 07 33 57 ID n70WzKLk キャスター「私達の関係が化学変化だなんて言った人、ちょっとついてきなさい。りっちゃんの可愛さをよーくその目に焼き付けてやるわ」 律「ちょっ…えっ?何する気ですかっていうかどこにつれていくんですかああぁぁ」
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/1562.html
「航空自衛隊を元気にする10の提言」×3 田母神俊雄 平成15年7月 航空自衛隊を元気にする10の提言 パートI 6 あれでいいんだ同好会 防衛庁設置法と自衛隊法は防衛2法と呼ばれ、予算成立等に伴うこれらの改正については戦後の55年体制下でいつも与野党の対立法案であった。このため自衛隊において各種事故や事案が発生すると、某野党などはここぞとばかり自衛隊を攻撃し一部マスコミもこれに同調してきたのではないかと思う。残念ながら我が国においては今なお自衛隊が国民の財産として十分には認知されていない。部隊等においてはこのため事故防止に格別の努力をし、隊員指導を強化してきた。その結果25万人の人員を抱える自衛隊の各種事故率は25万の人口を持つ市や郡に比較して圧倒的に低い状態に抑えられている。犯罪白書によれば、千人あたりの日本国民全体の刑法犯は平成11年から13年まで22.9、25.7、28.1であるが、自衛隊の刑法犯は、4.0、4.4、4.9とその約6分の1である。しかも25万人の平均年齢は35.1歳と若く、20歳そこそこの若者を数多く抱えた組織であるのにである。高校等において全く先生の言うことをきかなかった者が自衛隊に入って数ヶ月もすると礼儀正しい立派な社会人になるのを見るにつけ自衛隊は素晴らしい教育機関であると思う。 にもかかわらず一民間人が起こしても何の話題にもならないような事故でさえも自衛隊員が起こした場合、マスコミ等で激しく叩かれる場合がある。しかも10年以上も前に自衛隊を辞めて民間人になっている人あるいは昔自衛隊に数ヶ月勤務しただけの人の不祥事についても元自衛官などと報道される場合もあり、それ自体は確かに事実ではあるが、なんとなく不自然さやある種の意図を感じざるを得ない。 しかしこのようなことが長期間繰り返されると、われわれ幹部自衛官の心の中にも萎縮が起り、空幕やメジャーコマンド司令部等においてさえ、事故はゼロにはならないことを忘れ、隷下部隊等が起こした事故、あるいは事故に対する許せる範囲の対応のまずささえ責めたくなる。しかし私はこれを統率上絶対にやってはいけないと思う。私自身それをやってしまった場面に何度か出くわしたが、それによって空自内の団結を損なうこと著しいものがあると痛感した記憶がある。事実その事故が起きても相変わらず空自の事故は少ないし、隷下部隊等の対応もまずまずの合格点であると思っていた。しかしながら外から責められているという事実をもって誰かを悪者にしないといけないような雰囲気が充満していた気がする。問題を起こしたことが問題なのである。「どうしてこんな事故を起こしたんだ。だから俺達の仕事が増えて大変だ。そうでなくても忙しいのに。」という気持ちはよくわかる。しかしここは気持ちを切り替えて隷下部隊を護ることを考えなければならない。それをやらなければ部隊の上級司令部に対する信頼は失われてしまうし、何か理由があって自衛隊を攻撃している人達の思う壺である。自衛隊員がやる気をなくすことが無上の快楽である人たちに迎合しては国益を失ってしまう。よく自衛隊に対する信頼が失われたとか、警察に対する信頼が失われたとか報道されることがあるが、今までわが国においては自衛隊に対する信頼も警察に対する信頼も失われたことは一度もないと私は思う。国民は自分の生命等がもし真に危険にさらされたならば、信頼が失われたと報道されているときでさえきっと自衛隊や警察に助けを求めたであろうと思うからである。どこかの国の軍や警察とは我が国の自衛隊や警察は違うのだ。 従ってこのような場合上級司令部等は隷下部隊等を護る発言をすることが大切である。事故を起こしたことは謝罪するにしても、少なくともそれに対する隷下部隊等の対応については「あれでいいんだ」と言わなければならない。これまでの私の経験ではあれでいいんだと言えない程のまずい対応は経験したことがない。空自の部隊長等になる人はそれなりの能力も常識も備えており、それなりの対応をしていると思って間違いない。よく調べもせずに「いったい何をやっているんだ」などとゆめゆめ言うなかれ。万が一あれでよくなかった場合は上司が責任を取るのだ。しかし「あれでいいんだ」と言わなければ、その責任を部下たちに取らせることになる。幕僚等が指揮官に迷惑をかけてはいけないという気持ちはよくわかる。しかしそのための予防線として初めから隷下部隊の対応のまずさを強調するようでは、決して部隊は精強にはなり得ない。幕僚は指揮官も部隊も両方護る責任がある。隷下部隊の対応はいつでも合格点であることを信じよう。みんなであれでいいんだと言おう。私は自称、航空自衛隊の「あれでいいんだ同好会」の会長である。 (引用者注)太字は引用者による 目次に戻る