約 1,476,190 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/951.html
京太郎「年末かー。もう今年も終わりだな」 優希「今年は本当に色々なことがあったじぇ」ウンウン 咲「京ちゃん、優希ちゃん。そんなこと言っててもこれをどうにかしないと」 『大掃除』 和「……溜まりに溜まってますね」 優希「その大部分が部長が持ってきたもののような気がするじぇ」 京太郎「今は『元』部長だぞ」 優希「そーいえばそうだった。して、その元部長は?」 咲「学生議会の資料作りに不備があって運悪く借り出されたとか」 京太郎「あの人にしては珍しいな。そういうのは飄々としてかわしそうなのに」 和「いえ、あの人だからこれと向こうを天秤にかけたのでしょう」 優希「確かにこれの片付けは大変そうだじぇ」 咲「染谷先輩もお店のほうが忙しくていないらしいね」 京太郎「年末だからどこも混みあうらしいな」 和「つまり、私たちで何とかしなければならないんですよね」 京太郎「まあ、ウダウダ言ってても始まらないしとっととやろうぜ」 和「……そう、ですね。こういうのはやろうとする意思が必要ですし」 優希「むう、犬の癖にリーダーシップを発揮するとは……お前は本当の京太郎か!?」 京太郎「あー、ツッコミはしないぞ。ただでさえ疲れそうなのに」 優希「いやん、かまってくれないのは寂しいんだじぇ」 咲「もう二人とも喋ってないでこれをもってやるっ」 京太郎・優希「「はーい」」 京太郎「おお、これは!?」 優希「次は何が見つかったんだじぇっ?」 京太郎「古びた竹刀、だ」 和「本当に部長はどこからこんなものを調達してきたんでしょう」 優希「のどちゃん、のどちゃん。元部長だじぇー」 和「…………これはゆーきにつられてしまっただけです」 京太郎「次から次へと変なものがでてくるな」 和「タイヤに物干し竿、くるみ割り機にCDプレーヤーで今度はこれってさすがに無節操すぎませんか?」 咲「無節操は言いすぎだよ」ア、アハハ 京太郎「こ、これも部の伝統ってやつじゃないのか」 和「咲さん、須賀君。フォローになってませんよ」 咲「でも、これらも麻雀部の中に確かにあったんだし一緒に歩んだ軌跡なんかがあったんじゃないかな」 優希「そう思うと感慨深いじぇー」ウンウン 京太郎「でもさ、そうだとすると任されたとはいえ俺らが勝手に処分をしていいのかな?」 和「……確かに、そうですよね。まだ分別のしているだけですけどこれらの処分は果たして勝手にしていいんでしょうか?」 「そんな気難しく考えなくてもいいわよ」 優希「おお、元部長!?」 咲「向こうのほうが大丈夫なんですか?」 久「一区切りしたしこっちを見ておこうと思ってね。それとその元部長というのは何とかできないの?」 優希「もう馴染んだじぇ」ドヤァ 和「こら、ゆーき」 久「まあ、今更『竹井部長』なんて改められても困るわね」 京太郎「それよりさっきのは?」 久「ああ、あれね。そのままの意味で捉えてくれていいわ」 久「私ももう今年で卒業だしこういうのは本当は私がするのが道理のような気がするけど……」 和「『けど』?」 久「なんかそれって私らしくないじゃない。だから決めたのよ。これからもここを使う後輩にいらないものを決めてもらおうと」 京太郎「それって、掃除が面倒とかじゃないんすか?」ジトー 久「それもあったわ」 咲「あは、あはは」 和「そんなことでしたり顔をされても困ります」 久「本当はまこが主動でして欲しかったんだけどね。店の手伝いじゃ仕方ない」 優希「……うん、そういえばこのおいしそうなにおいは何だじぇ?」 久「あ、そうだ忘れてたわ。これは差し入れね」 優希「おおー。これは……そば!」 京太郎「どーやってもってきたんですか、これ」 久「議会の生徒に手伝ってもらったのよ。私もまだ向こうのほうが続きそうだしね」 咲「わぁ、あったかそう。手作りですか?」 久「さすがにそばは手作りじゃないけど。議会のほうの仕事はまだまだ続きそうだから家庭科室で作ったのよ」 京太郎「それをここにもってきてよかったんすか?」 久「まあ、議長権限ってやつね。面倒なことを頼んだし」 和「議長ももう変わりましたよね」 久「気にしない気にしない。というわけであなたたちも難しく考えなくていいわよ。これからを担うのはあなたたちなんだから」 ガチャ 咲「いっちゃった」 京太郎「なんか前よりもパワーアップしてないか?」 優希「でもそのほうが元部長らしいじぇ」 和「そうですね。あの人らしいです」 京太郎「とりあえずそばを食うか。もうちょうどいい時間だし」 咲「あ、お箸も丁寧に置いてあるよ」 和「さすがですね。こういうところは無駄に細かいです」 優希「うーん、ちょっと早めの年越しそばになるのだろうか?」 京太郎「ほら、妙なところを悩んでるなって」 咲「年越しそばかあ。……うん」 京太郎「咲、どうした?」 咲「ううん。ただ来年もよろしくね、京ちゃん」 京太郎「? 当たり前だろ、そんなの」 咲「あはは、ほら向こうで食べよう」 京太郎「おおっと、あまり引っ張るなって」 ~おまけ~ 優希「つれないじぇ。咲ちゃん。私たちにはないんかー」 咲「わわ、そういうことじゃないよっ」 和「こら、ゆーき。あまり人をからかってはいけませんよ、ふふ」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2780.html
『あいつらの成体』 36KB 愛で 制裁 飼いゆ 赤ゆ 希少種 現代 わさとつむり 奴らの成体見たことないからと思い あいつらの成体 麦茶あき 気になる。 とっても気になる・・・ 何がそんなに気になるかって?人には本当にどうでもいいことを気になったりするものさ。 そういう俺もそうだ、俺はゆっくりのある種の奴らが気になっているんだ。 どんな奴らかって?それはな・・・ つむりとわさ種だ。 ペットショップ、虐待お兄さん画像集、愛で画像集、ネットなど様々な分野で調べたがつむり、わさ種の成体は見た事がなかった。 どいつもこいつも赤ゆ、子ゆで成体ゆっくりは一匹もいなかったのだ。 どういうことか気になり自分なりに推理してみたが、まぁ小さいからかわいいという理由だろう。 大きくなって売り出しても絶対うざい、重たいなどの理由で人々は買わないと推論した。 子ゆっくりのころからあれだしな、大きくなっても需要ないと業者が踏んだんだろ。 その所為でつむり、わさ種の成体を誰も目にすることできなくなった。 というより誰もあいつらを育てる奴がいないだけだと思う・・・ だが俺はやる。 誰がなんと言おうとやってやる。 そんなわけで俺はペットショップからつむりとわさ種のれいむを買ってきた。 わさの方は安いのにつむりは金バッチ並みに高かった。 おかげで俺の懐はいま寂しいのさ、ぐすん。 さて買ってきたつむりとわさを起こしてあげよう。 保存されている袋から取り出しそっと机の上に置く。 「むきゅう、それがおにいさんがきになるゆっくりなの?」 おっと紹介が遅れた。 こいつは俺が飼っているぱちゅりーだ。 ゆっくり関連の仕事なんかでいつもお世話になっているいい奴だ。 「ああ、こいつらを育てるんだ」 「むきゅう、たいへんなことになりそうね」 さて話している最中に二匹が起きたようだ。 目が覚めたら見知らぬ場所にいて慌てる二匹。 だが俺が丁寧に事情を話し二匹を落ち着かせた。 「ゆゆ?しょれじゃあまりちゃはかいゆっくちになっちゃのじぇ?」 「ああ、そうだよ」 この赤つむりまりさはだぜ口調のようだ。 憎たらしいだぜ口調がつむりのうざさをさらに増大させている。 しかし虐待目的で買ったわけではないのでここは我慢だ。 「やっちゃんだじぇ!まりちゃはゆっくちちてるのじぇ!」 「なんでそう思うんだ?」 「どれいにきいちゃんだじぇ!かいゆっくちはゆっくちできりゅんだじぇ!」 奴隷と言う言葉を使っている時点でゲスの因子が出始めているなこいつ。 いかんな、徹底的に教育しないと大きくなる前に潰しそうだ。 恐らくだが、奴隷と言うのはペットショップの店員のことだろう。 店番やってたお姉さん美人だったのにこいつときたら奴隷呼ばわりしやがって・・・スパルタ教育にしてやる。 「ゆぴゃぁぁ!!おきゃぁしゃん!ゆんやぁぁ!」 「おいおい、泣くなって」 わさ種の赤れいむは自分の周りに母親がいないことに気づき泣いてしまった。 もみ上げをピコピコ動かし母親を求めている。 しーしーを垂れ流し、しーしーの水溜りがあんよにできていた。 こいつはかなりの泣き虫のようだ、まぁそのうざさのおかげで虐待お兄さんからも虐待人気が高いんだが。 「むきゅう、おちついてね」 「ゆ?・・ゆわぁ・・・しゅ~りしゅ~り♪」 ぱちゅりーがれいむを落ち着かせるために肌を擦り合わせてスキンシップをとるす~り、す~りをして落ち着かせた。 感情の起伏が激しいのか、嬉しいことがあったらすぐに笑顔になって喜び、 悲しい、ゆっくりできないことが起こったらすぐに泣く。 性格に純粋なのか、素直なのか、そこがわさ種の特徴かもしれない。 す~り、す~りしているとつむりまりさがわされいむを突き飛ばし、ぱちゅりーに擦り寄った。 「ぱちゅりーおねえしゃんちょはまりちゃがしゅるんだじぇ!」 「いぢゃぃぃ!!ゆんやああぁぁ!!」 「むきゅう!だいじょうぶ?!」 ぱちゅりーがぺーろぺーろしてわされいむの傷を舐めてやる。 幸い、赤ゆっくりによる体当たりだったので軽傷だった。 怪我の治療をしている横でつむりまりさはぱちゅりーにす~り、す~りしていた。 「むきゅう!おちびちゃん!どうしてわさのおちびちゃんをつきとばしたの!?」 「ゆゆ??!にゃにでおこっちぇるんだじぇ?」 「はぁ~前途多難だな」 「ゆんやぁぁ!」 二匹にこれからのことを説明した。 ただ成体にしてもおもしろくない、ちゃんと教育し、育成させてこいつらを立派な成体にさせる。 こいつらを立派な成体にするには骨が折れるが多分、大丈夫だ。 うん、多分。 飼育用の家をダンボールで作ってやった。 天井から中が見えるような簡単な工作だが家の中で飼うにはこれで十分だろ。 中は結構広く、成体ゆっくり三体が余裕で入れるくらいの広さだ。 ベット代わりにテッシュペーパーを数枚重ねてベットにした。 テッシュの柔らかさに赤ゆっくりたちは満足そうだ。 さすがに二匹だけで寝ると言うのは寂しそうなのでぱちゅりーに一緒に寝るように言った。 さて授業の始まりだ。 金バッチが取れる程度・・・とはいかないが知識だけはきっちり学ばせよう。 中途半端に教育しては減った懐に申し訳が無い。 早速授業に取り掛かっていこうとしたら、つむりまりさがわされいむのもみ上げを噛み付いているではないか。 何やってんだコイツ。 「わしゃわしゃしゃんをはむはむだじぇ!」 「ゆぴぃ!!やめちぇ!!はみゅはみゅちにゃいでぇぇ!」 はむはむ? ああ、甘噛みってやつか、へー。 ってなんでそいつにやってんだよ、別においしくねえだろそれ。 「むきゅう!やめなさい!わさのおちびちゃんがいやがっているでしょう??!」 「どうちてまりしゃがおきょられるにょおおお!!?」 「ゆんやぁぁ!!!ゆんやぁぁ!!」 むぅいかんな、つむりまりさの性格をどうにかせねばわされいむが非ゆっくち症を起こして死んでしまうかもしれん。 ここは俺が何とかせねば。 「つむり、あまりれいむを苛めるなよ?」 「いじめちぇないのじぇ!どれいはうるしゃいのじぇ!!」 あれ?俺のこともう奴隷扱い? 早くね?? 「むきゅううう!!おにいさんにどれいなんてことばつかっちゃだめでしょおおおおお!!!」 「にゃんでおきょられりゅのおおおおお!!!?」 ふーむ、ここはやはり力関係をはっきりさせた方がいいな。 こいつが後々調子に乗らないよう。 「おい、つむり。れいむにちゃんと謝れよ」 「にゃんでまりしゃがしょんなこちょちなきゃいけにゃいのじぇ!?ちゅむりはゆっくちしちぇるのじぇ!!」 「ゆっくりできてるからなんだよ、悪いことには変わりないだろ」 「ゆぎぃぃ!うるしゃいのじぇ!しぇーしゃいしゅるのじぇ!」 制裁と言いながら俺に向かってぷくーするまりさ。 別になんともない、ていうか何してんの? 「ゆぴゅるるる・・・・どうぢゃじぇ?おしょれちーちーをなぎゃしゅのじぇ!」 「別に怖くないけど」 生まれたばかりの赤ゆっくりでは精々ぷくーが限界だろ。 まぁつむりだしねぇ。 ここは喝を入れてあげよう。 「おい、つむり。俺がてめーを痛めつけるから泣いたられいむに謝れよ」 「ゆゆ?にゃにいっちぇるのじぇ?どれいがまりちゃをなきゃしぇるわけないのじぇ!」 言ったな?お前は言ったな?泣かせるわけないと。 だったら貴様に味合わせてやろう、人間の半分の半分の半分以下の力で貴様を痛めつけて泣かしてやる。 生まれて経験したことがない痛みを貴様にな。 俺はつむりの目の前に親指で人差し指を抑えながらつむりまりさに標準を合わせた。 つむりは俺が何をやっているか理解できないだろう。 俺がやろうとしていること、それはデコピン!! 人間でもでこに当てれば痛いデコピンを俺は赤ゆっくりであるつむりまりさにやろうとしているのだ。 うん、別に凄くない。 てなわけで強力なデコピンを一発・・・ 「ってゐ!!」 ビシッ!! 「ゆびゅぇぇ!!!?」 顔面にモロ直撃したつむりはそのまま数センチ飛び数秒してから痛がり始めた。 「いちゃいいいいいいいい!!!まりちゃのおきゃおぎゃああああああああああああああああ!!!」 「じゃあもう一発」 「ゆ??!」 ビシッ!!! 「いぢゃいいいいいいい!!!もうやめちぇぇえええええ!!!」 もう一発デコピンしたところでつむりまりさは泣いてしまった。 相当痛かったのか、しーしーまで垂らしている。 よし、これで人間の俺との力関係を理解したな。 「泣いたかられいむに謝れよ」 「ゆっくちわっきゃったよ・・・・」 ズリズリ・・・・・・・ 「れいみゅ・・・ごめんなしゃんなのじぇ・・」 つむりはわされいむの方に這いずり謝った。 お飾りであるつむりを外して。 こいつ、礼儀を学んでいるだと?! ちょっと驚いた、あれはゆっくりでいう土下座じゃないか。 生まれたばかりで調子こいているゲスかと思ったら意外といいところあるじゃないか見直したぞ。 「・・・・」 「・・・・・・ゅ」 わされいむは黙ってつむりに近づく。 うーん、これはさっき苛めたから制裁するよ!か? と思ったら違った。 「ぺ~りょ、ぺ~りょ」 「ゆ?くしゅぐっちゃいのじぇ?」 なんとつむりまりさの顔を舐めて傷を癒しているではないか。 制裁ではなく痛がっているつむりを慰めているのか。 「ゆ~ん、だいじょうびゅ?」 「れ、れいみゅ・・・・」 「ゆっくち!もうだいじょうびゅだよ!」 「ゆん・・れいみゅ・・・おきょってにゃい?」 「ゆゆ?おきょってみゃいよ?まりちゃゆっくちしよ!」 「ゆん・・・!」 わされいむは素直で優しい個体なのか。 泣き虫でうれしーしーとかおそれしーしーとか垂れ流したり、わさがうざかったりするけどいい子だなこいつ。 仲直りできたみたいだし結果オーライだな。 「むきゅん、おにいさんじゅぎょうは?」 「あ」 すっかり忘れていました、てへ♪ 「えーでは授業ね、難しいことも少しずつ学んでいこうね」 「「ゆっくちりきゃいちたよ!」」 おっ、やる気だな。 さっきのことがあって意気投合したのか。まぁいいことだ。 今回はじめてやる授業は最初だしな赤ゆっくりのころから難しいことやっても理解できないから体育の授業にするか。 あんよ発達にいいかもしれないし。 「よし、じゃあ駆けっこだ。そこら辺を適当に走り回って遊ぼうか」 「「ゆわーい!」」 つむりとわさは机の上をあんよで走り回った。 わされいむは運動はそれほど高くはないが赤ゆっくりながらも元気に飛び回っている。 たまに這いずったり転んだりして微笑ましい光景も見れた。 転ぶたびにしーしー漏らしたり泣いたりしなければなおよかったのだが・・・ 「むきゅう、げんきなのはいいけどよくまえをみてね?」 「ゆわぁ・・・くしゅぎゅっちゃい!」 ぱちゅりーがわされいむをあやしている。 こうしてみるといい親子みたいだな、微笑ましい。 ところでつむりのまりさはというと・・・ 「ゆんしょ、ゆんしょ・・・」 駆けっこしよう!って俺が言ってから数分が経ったのだが、こいつスタート地点からほんのちょっとしか進んでねぇ・・・ え?何?つむりってこんなに遅いの? 確かにそのお飾り重たそうだけどさぁ、いくらなんでも遅すぎだろ。 ネットでつむりはお飾りのせいでろくに走れないクズとか書いてあったけどここまでとは・・・ 「ゆゆ、ちゅかれたのじぇ・・・・」 しかも、もう疲れてたと言っている・・・ もしつむりが野生で生きるとしたら生まれた頃から元気に跳ねなくちゃ捕食種にあっという間に捕らえられるはずだ。 生まれた頃からこれでは・・・・ 「つむり・・・お前、もうちょっと頑張れよ・・」 「ゆええええ??!どぼじでしょんにゃこちょいうにょおおおおお??!」 いかん、つむりまりさに新たな課題ができてしまった。 こいつにはスパルタさせてでもあんよを鍛えなければ・・・ 翌日、ダンボールのなかを覗き中の様子を見る。 三匹とも仲良く寝ているな。 ぱちゅりーをそっと起こしてやり赤ゆっくり共を起こさせる。 今日はこの二匹の健康状態を見るためにゆっくりニックに行く予定だ。 三匹を飼いゆっくり用の籠に入れ病院に出発だ。 病院に着き車を駐車場に停める。 運転中、赤ゆっくりたちは大人しかった。 会話だけだったのでよくわからないがぱちゅりーの髪の毛の中に入ったりはむはむしながら遊んでいたそうだ。 楽しそうでなにより。 病院の中に入るや否や急にゆっくりの悲鳴が聞こえてきた。 なんだ?ここは病院じゃないのか? 「やじゃあ!やじゃあああああ!!おいしゃしゃんやじゃああああああああああ!!!」 「れいみゅはおちゅうしゃしゃんやじゃあああああああああ!!」 「ありしゅはきょしぇいしちゃくにゃいわああああああああああああああああああ!!!」 「いやにゃんだよおおおおお!!!!わきゃってねー??!」 「みゅきゅううううううう!!!エレエレ・・・・・」 「おちびちゃんがあああああああああああ!!!」 「おねえさん!やっぱりおちびちゃんにびょういんさんは・・・」 「病気になってもいいの?」 「それはやだよおおおおおおおおおおおおお!!!」 「子ゆっくりのまりさ、れいむちゃーん、お入りくださーい」 「「ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」」 ああ、いわいる人間の子供のあれですな。 赤ちゃんや幼児が病院を嫌がるみたいな・・・ ゆっくりでも同じ様な現象があるんだな、初めて知った。 「ヒャッハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!診察だあああああああああああああああああああ!!!」 ん?今聞きなれた声が聞こえたような気がするが気のせいか? うん、気のせいだ。 「きょ・・・きょわいのじぇ・・・」 「ゆひぃ・・・」 「むきゅう、だいじょうぶよ。きょうはいたいことはしないわ」 ぱちゅりーの言うとおりだ。 今日は診察に来ているだけなので注射なんかは射さないから安心しろつむり、わさ。 診察のときが来たらしく中に入る俺たち。 そこには何故かモヒカン頭の鬼井参がいた。 「ヒャッハー!!お次はつむりにわさかああああああああああああ!!!」 「「ゆひいいいいいいいいいいい!!!」」 「何で虐待お兄さんが医者やってんの」 おかげでつむりとわさが怖がってしまった。 しーしーをティッシュで拭いてやり普通に診察させてもらった。 「ちっつまんねーな、病気になって苦しめばいいのに(いたって健康ですね、いいですよ)」 「言ってることと心の声が逆では?」 そんなことはともかくこいつらが健康でよかった。 病気にでもなっていたら成体に成長するまでなんらかの支障をきたすかもしれないからな。 待合室に戻り会計の時を待つ。 どうやら待合室にはゆっくりの遊び場があるらしく赤ゆっくりのつむりとわさを放して遊ばせてやる。 初めて見るゆっくり、玩具に二匹は興味心身だ。 「ゆわぁ・・・しゅぎょーぃ・・・」 「まりちゃ、あれじぇあしょびちゃいじぇ・・」 わさのれいむはもううれしーしーを漏らしてる。 ぱちゅりー、見張っててくれ。 「むきゅう、わかったわ」 つむりとわさは二匹で赤、子ゆっくりが集まる場所へ向かった。 言われてみればこいつらにとってぱちゅりー以外のゆっくりに会うのはこれが初めてじゃないか? これを機に友達のゆっくりでも作ってくれ。 つむり、わさは遊び場にいる子ゆっくりたちに元気に挨拶することにした。 先ほどぱちゅりーに聞いて最初は元気に挨拶するのがいいと聞かせてもらった。 素直な二匹は早速実行した。 「ゆっくちしちぇいっちぇね!!!まりしゃはまりしゃなのじぇ!」 「れ、れいみゅはれいみゅだよ!ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」 「ゆゆ?ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」 「はじみぇちぇみりゅね!ゆっくち!」 「きゃわっちゃおきゃじゃりねみゅきゅう」 「わきゃりゅよー」 遊んでいた子ゆっくりたちに迎えられてつむりとわさはその輪の中に入っていった。 「まりしゃはかわっちゃおきゃざりじゃね!」 「みゅきゅう、ぱちゅはちってりゅわ。きょれはちゅむりよ、ちょっちぇもめじゅらちいの」 「「しゅごーい!!」」 「れいみゅはへんにゃもみあげしゃんだにぇ」 「どびょじでしょんなこちょいうにょー??!」 「めじゅらちいなんてときゃいはだわ!」 「ゆゆ?ゆっくちしちぇる?」 「とっちぇもゆっくちしちぇるよおおおお!」 つむりまりさはその言葉を聞いて優越感に浸った。 やっぱり自分はゆっくりできているんだ。 つむりに生まれた選ばれたゆっくりなんだと。 褒められたことでつむりまりさはさらに調子に乗ろうとした。 「まりしゃはゆっくち・・・・・・・・・」 「ゆゆ?きょんなちょこりょにくじゅのちゅむりがいりゅんだじぇ!!!」 「「「「ゆ??!」」」」 そこに現れたのは一匹の子ゆっくりのまりさだった。 いかにも偉そうで世界が自分中心に回っているとしか考えてないような顔だ。 しかもだぜ口調、うざさまで出ている。 「まりしゃはくじゅじゃないよ!」 自分のことをくず呼ばわりされたつむりはだぜ子まりさに反論するが・・・ 「まりしゃはちっていりゅんだじぇ!ちゅむりはやきゅちゃたじゅのにょろまなんだじぇ!」 「ゆ?しょうにゃの?」 「ち、ちぎゃうよ!」 このだぜ子ゆっくりのまりさはつむりのあんよが遅いことを知っているようだ。 どうやって知ったのか不明だがここまで言われてつむりはただ黙っているわけにはいかなかった。 「にょろまじゃないのじぇ!しょんにゃにいうんじゃっちゃらしょうびゅしゅるのじぇ!!」 「ゆ?まりちゃにかちぇりゅとおもっちゃにょ?ばきゃにゃの?ちぬの?」 つむり子まりさとだぜ子まりさの勝負が始まった。 勝負の方法は至って簡単、ゴールにいる子れいむのところまで先に着けば勝ち。 ゆっくりの駆けっこ勝負だ。 子ぱちゅりーが引いた線をスタートラインにだぜ子まりさとつむり子まりさが走る構えをする。 スタートの合図を子ありすがすることとなった。 「ゆへへ・・・」 「ゆ!」 スタート地点で構える二匹。 子ありすがスタートの合図をしようとする。 「よーぃ・・・・ドンッ!!」 一番最初に駆け出したのはだぜ子まりさだ。 子ゆっくりであるがそのあんよの速さはここにいる子ゆっくりの中でちぇんには及ばないが速い方だった。 あっという間にゴールに着き一位になった。 「やっちゃんだじぇ!」 「しゅごーい!」 「ちゅむりまけちゃったね」 「しょうだね・・・・・ゆ?ちゅむりは?」 「あれ?どきょに・・・・」 子ゆっくりたちがつむりを探しているとスタート地点の方から声がした。 そこには必死で走っているつむりを応援するわされいむとスタート地点から僅か一センチしか進んでいないつむりがいた。 「まりちゃ!ぎゃんびゃっちぇ!」 「ゆんしょ、ゆんしょ・・・・」 それを見た子ゆっくりたちは全員そろって・・・ 「「「「「おっそ」」」」」 「ゆ??!」 「ありえにゃいんだねーあんにゃにおしょいにゃんてわきゃらないよー」 「しゃすがにれーみゅでもあしょこまでは・・・」 「いきゅらにゃんでもおしょしゅぎよ・・・」 「みゅきゅ・・・ぱちゅもあしょこまでは・・・」 「しょーろー・・・どうちぇい・・・」 子ゆっくりたちから哀れみの目で見られつむり子まりさを擁護するものはいなくなった。 そもそも駆けっこでつむりが普通の子ゆっくりであるまりさに勝てるわけがなかった。 庇ってくれるゆっくりがいなくなったためつむりはだぜ子まりさに苛められた。 「いちゃいいいい!!!」 「ゆっへ!ちゅむりのくしぇにちょうちにのりゅんじゃないんだじぇ!!」 「やめちぇえぇぇ!!ゆんやぁぁ!!」 つむりが苛められている横でわさが泣いている。 泣くくらいなら助けなさいと言いたいがわさにそんなことできるはずもなかった。 理由は泣き虫だからだ。 泣いているだけで役立たずのわさの声を聞きつけぱちゅりーが止めに入った。 「むきゅう!やめてちょうだい!いじめなんてよくないわ!」 「ゆゆ?くしょびゃびゃあはだまっちぇりゅんだじぇ!まりちゃはえりゃいんだじぇ!!」 「く、くそばばあなんてはじめていわれた・・・ぐすん」 くそばばあと悪口を言われてへこむぱちゅりーにだぜ子まりさが噛み付いてきた。 あきらかに大きさが違うというのにこのだぜ子まりさ度胸がいいのか、それともぱちゅりーが弱いことをいいことに調子に乗っているだけなのか。 噛まれたぱちゅりーは振りほどこうとするがだぜ子まりさの噛む力が強くて中々振りほどけなかった。 「むきゅううう!やめてぇぇええ!!」 「「ゆんやぁぁ!ゆんやぁぁ!!」」 ぱちゅりーは噛み付いているだぜ子まりさを振りほどこうとするができず、 わさとつむりは泣き叫ぶだけだった。 まさにだぜ子まりさ無双。 だがこいつは忘れている、ここにはこいつ以上の力を持った生物がいることを・・・ ヒョイ・・・ 「ゆ?おしょらちょんじぇるみちゃい!」 誰かに持ち上げられただぜ子まりさはゆっくりの本能である『おそらとんでるみたい!』を口走った。 その持ち上げたのは誰かと言うと・・・・ 「何してるのかしら?まりちゃ君?」 ギュウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・ 「ちゅ、ちゅぶれりゅううううううううううぅううぅぅぅ!!!??」 握り締めたのはこのだぜ子まりさの飼い主のお姉さんであった。 ゆっくりの遊び場がなにやら騒がしかったので様子を見たところ、 自分の飼いゆっくりが他の飼いゆっくりを苛めていたのだ。 これにお姉さんは怒り、他の人に迷惑かけぬよう静かに怒りだぜ子まりさを握り締めた。 しかもその力はどんどん強くなっていく。 「ちゅぶれっ!!ちゅぶれりゅううううううう!!」 「ゆんやああああああ!!!おねえさん!!おちびちゃんにひどいことしないでねええええええええ!!?」 「こんな悪い子はお仕置きね」 だぜ子まりさの親であるれいむはお姉さんに自分の子供に酷いことしないでと言っているがお姉さんは聞く耳を持たない。 ぱちゅりー、わさ、つむりを介抱してやりこの三匹の飼い主の元へやる。 「申し訳ありません、うちのゆっくりが」 「い、いえそんな謝らなくても・・・」 お姉さんはお兄さんに謝った後病院を出た。 握り締められたまりさは死んではいないが生死を彷徨うような状態になっていた。 俺は家に帰った後噛まれたぱちゅりーの傷の具合を見てやった。 子ゆっくりに噛まれただけなので痕は残っておらず、ぱちゅりーも至って健康だった。 それにしてもあのまりさ・・・あのお姉さんに虐められて死ねばいいのに・・・ そんな中、わさがぱちゅりーの傷をぺ~ろぺ~ろしている。 恐らく傷を癒そうとしているのだろう。 ぱちゅりーは「ありがとう」と言いす~りす~りしてやった。 この二匹、中々相性いいな。 つむりはと言うと帰ってから元気が無い。 あのだぜ子まりさに負けたことが相当ショックなのか。 それとものろまと言われてショックなのか、落ち込んでいた。 「・・・・・まりちゃはにょろまなんだじぇ・・・」 うん、知ってる・・・なんて口では言えない。 「ちゅむりは・・にょろまなゆっくち・・・」 あのだぜ子まりさに自分のことを馬鹿にされ、圧倒的な力の差を見せ付けられてつむりはそう呟くしかなかった。 しかしこれは少しやばいかもしれない。 つむりはゆっくりできないと思い込み、その内非ゆっくち症を起こして死んでしまうかもしれない。 そうはさせない、俺はこいつらの成体が見たいんだ、こんなところで死なせてたまるか。 つむりを非ゆっくち症にさせないため俺はあの計画を実行に移そうとした。 「まりさ、いつまでそうしてるつもりだ?」 「ゆ・・・・」 「確かにお前はのろまかもしれねえけどそこまで落ち込むことねえだろ」 「だ、だっちぇ・・・まりちゃは・・・」 「お前悔しくねえのか。 自分のこと馬鹿にされたんだぞ?自分の家族にまで被害が出たんだぞ?黙ってそうするしかねえのか?」 「・・・・・・」 「どうなんだ?」 「・・・・・くやしぃのじぇ」 つむりはそう呟いた。 「くやしいのじぇ!ばきゃにしゃれて!ぱちゅおねえしゃんがいじめられちぇ!!れーみゅがないちぇ!まりちゃはにゃんにもできなきゃっちゃのじぇ!!」 「むきゅう・・・まりさ」 「ゆぅ・・・」 つむりは涙を流し叫んだ。 悔しかった分が一気にあふれ出たのだろう、あんよに水溜りができていた。 つむりは最初の頃、ゲスっぽかったがわさとの仲直りによって家族みたいな繋がりができて素直になった。 その後もわさと一緒に遊んだり、ぱちゅりーの言うこともちゃんと聞いている。 こいつにとってわさとぱちゅりーは家族みたいなもんだ、そんなときにあのだぜ子まりさに馬鹿にされて、 わさが泣いてぱちゅりーが噛まれて、黙ってこのままにする性格じゃないってことも俺は知っている。 正直俺もあの糞まりさのことがムカつく。 こいつらだけじゃなくぱちゅりーにまで手ぇ出しやがって・・・ だから俺はつむりを鍛えさせる。 もうあのまりさに馬鹿にされないよう徹底的にな!! 「悔しいならそれを力にするんだ、俺が鍛えさせてやる」 「おねぎゃいしゅるんだじぇ!」 「中身吐くような辛い鍛え方だぞ?」 「しょれでみょいいんだじぇ!!まりちゃはみょうびゃきゃにしゃれちゃくないんだじぇ!」 「よく言ったつむりぃ!!」 こうして俺とつむりの地獄のような特訓が始まった・・・ スタミナを鍛えるための特訓で俺は自転車をこぎ、あんよで走っているつむりに喝を喰らわす。 「つむり!!おそいぞ!!そんなんじゃまりさにまた笑われるぞ!!」 「ゆひぃー!!ゆひぃー!!」 皮を強化するために俺の指を犠牲につむりにデコピン。 「喰らえ!!デコピン百発ラッシュ!!!」 「いちゃいぃぃぃ!!・・・・・でみょたえりゅのじぇぇぇ!!!」 「俺も指がいてぇえええええええええええ!!!(泣)」 ゆゆことの鬼ごっこ。 「こぼねええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 「ゆぴぃぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!きょっちきょないでぇええええええええええ!!!」 「頑張れつむり!」 あんよを鍛えるために足焼きフルコース。 「いちゃいいいいいいい!!!まりちゃのあんよぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!」 「耐えろ!!つむり!!!」 四法八方から来る木の枝から避ける特訓。 ヒュンヒュン・・・ 「ゆっ!!ゆっ!!」 「そうだ!目で追うのではない!!体で感じるのだ!!!」 まぁとにかく色々な特訓をした。 「むきゅう・・・・あれでよくへいきね・・・」 「ゆぁぁ・・・」 「むきゅ、おちびちゃんはおべんきょうをしましょう」 そして・・・一年が過ぎた・・・・・ 「ゆっへっへ!!まりささまはきょうもぜっこうちょうなのぜぇ!!!」 あのだぜ子まりさから成体になったまりさは今日も絶好調だった。 昔からのゲスはそのまま矯正されることなくゲスゆっくりとして成長してしまったようだ。 そんなまりさは飼い主のお姉さんと公園で他のゆっくりと出会っていた。 もっとも他のゆっくりはそのことに快く思ってはいない。 何故ならだぜまりさが飼いゆっくりたちの中でリーダー的存在になってしまい好き勝手に他の飼いゆっくりや野良ゆっくりにちょっかいをかけていたのだ。 「よくみるんだぜ!!まりささまにさからうとこういうめにあうんだぜ!!」 「ちゅ、ちゅぶれりゅうううう!!!」 「おちびちゃんがあああああああああああああああああああああああああああ!!!」 そんなまりさは野良ゆっくりのれいむ親子の赤ゆっくりを虐めていた。 飼いゆっくりであることをいいことに野良ゆっくりを虐めてるのだ。 さらには飼いゆっくりたちが自分に逆らわぬよう脅しをかけていた。 飼いゆっくりたちは子ゆっくりのころから逆らえなかったため従うしかなかった。 「「「「「ゆ・・・ゆっくりりかいしたよ・・・」」」」」 「ゆっへっへ・・・!!」 調子に乗ったまりさはまたやりたい放題だ。 「ゆっへぇ!れいむ!まりささまとすっきりーするんだぜ!!」 「ゆぅぅ!!?なにいってるのおおおおおおおおお??!」 「まりささまはすっきりーしたいんだぜ!だからありがたくおもうんだぜ!!」 「やるわけないでしょおおおおおおおお!!!?れいむのしょじょはみょんにささごうとおもっているんだよおおおおおお??!」 「しっとこっちゃないんだぜ!すっきりーするんだぜぇ!!」 「ゆ??!やめてね!!?」 まりさが圧し掛かりれいむとすっきりしようとする。 れいむは「だれかたすけてね!」と叫ぶが誰も助けてはくれなかった。 それもそのはず、逆らえば殺される、子ゆっくりのころからそう教わった飼いゆっくりたちは誰もれいむを助けようとはしなかった。 まむまむにパンッパンッとぺにぺにを打ちつけ絶頂へ逝こうとするまりさとれいむ。 「ゆへえええええええきもちいいのぜえええええええええええ!!!」 「やべでえええええええええええきもちよくないいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 そろそろすっきりーしそうなまりさにどこからか助けの声が掛かった。 「やめてね!いやがってるでしょ!!?」 「ゆ?!だれなんだぜ??!まりささまにさからうゆっくりは!!」 そこにいたのはあのつむりまりさ。 お兄さんとの特訓の成果でたくましく大きく育ち、立派なつむり成体へと進化した。 後ろにはあのわされいむとぱちゅりー、お兄さんがいた。 「だれかとおもったらのろまなつむりなんだぜ!!なんのようだぜ!!?」 「そこにいるれいむからはなれてね、いやがってるでしょ」 「はあああああああああああああああ???!なにいってるのぜえええええええええ!!? まりささまがすっきりーさせてやってるんだぜえええええええええええええええ!!?いやがるわけないんだぜええええええええええ!! むしろかんしゃしてほしいくらいなんだぜえええええええええ!!!」 「そんなわけないでしょ、ゆっくりげんじつをみてね」 「ゆぎぎ・・・・・つむりのくせにぃぃぃ・・・」 レイプされかかっていたれいむはすでに脱出していた。 だぜまりさはこのままこのつむりに好き勝手に言われるのは自分のプライドに傷がつくと思い餡子脳で何か策はないか考えた。 そこで思い出した。 そうだ、あの時と同じ勝負をすればいいと。 「ゆっへ!そこまでいうならまりささまとかけっこするのぜ!!」 「いいよ!」 だぜまりさは一年前、子ゆっくりだったころつむりと勝負した駆けっこで決着をつけるつもりだ。 つむりが鈍足なことはこのだぜまりさはよく理解している、その上での勝負だ。 両者ともスタートラインに並び駆けっこの用意をする。 あれから一年経つがだぜまりさのあんよの速さは相変わらずだった。 比べてつむりはどうだろうか? それはこれからわかることだ。 スタートの合図が鳴り二匹は揃って走りだす。 二匹とも速度は同じ様に見えたがつむりの方がだぜまりさより速かった。 徐々に距離を離され先につむりがゴールした。 「ゆん!やったよ!」 「そ、そんな・・・!!?」 ありえないと叫びたいくらいだった。 だぜまりさは飼いゆっくりの中であんよの速いゆっくりである。 よくちぇんと駆けっこをし、1,2位を争うほどの(実際はちぇんの弱みを握っていてそうなっているだけ) 走りには自信があっただぜまりさがまさかつむりに負けるなど信じれないことだった。 駆けっこの勝負を見て飼いゆっくりたちはつむりを称えた。 「す、すごいよー!あのまりさにかつなんて!!」 「とかいはだわ!!」 「むきゅう、のろまっていったことをあやまらないとね・・・」 「わかるよー」 「しゃせい!!」 だぜまりさのことなどすっかり忘れてつむりを誉める飼いゆっくりたち。 「ゆ・・・そうだちぇん。まりさとかけっこしない?」 「にゃ?ちぇんと?でもあのはやさじゃちぇんには・・・」 「おかざりはずしてはしっていい?」 「にゃにゃ??」 つむりの提案でちぇんと駆けっこすることになった。 しかしこれはちぇんが勝つであろう。 何故ならだぜまりさがちぇんと競り勝っていたのは弱みを握られていたからであり、 そのリスクがないつむりとの勝負では本気の走りができるからだ。 いくらだぜまりさに勝ったとはいえさすがにちぇんには勝てないと飼いゆっくりたちは思っていた。 だが思っていたのは飼いゆっくりたちのみ、お兄さんたちはそうは思ってはいない。 つむりは走る前に自分の貝殻を置き走りの構えをする。 「よーい、どんっ!」 両者共に走り互いに競いながら走っていく。 いや、先ほどのだぜまりさとの勝負のようにどんどん距離が離されていく。 ちぇんよりも速い速度でゴールしたつむりが一位となった。 「にゃがーん!ちぇんがまけちゃったよー!!」 「やったよ!」 「すごーい!!」 「むきゅう、さっきまでのうごきがちがったわ・・・どういうことなのかしら?」 「ゆっくりせつめいするよ!」 つむりは自分の貝殻を持ってきて説明した。 何故自分があんなに速く走れたか。 それはお飾りの貝殻を外したことで重りが無くなり体が軽くなったのだ。 試しに他のゆっくりがつむりのお飾りを持ってみると重かった。 成体ゆっくりでも持っているだけで疲れてしまうほどの重さだった。 つむりはいつもこんな重いものを持って走っているのかと飼いゆっくり全員が驚いた。 特にこの事実にショックを受けたのはだぜまりさだ。 だぜまりさとの勝負ではつむりはお飾りを被っていた。 にも関わらず、圧倒的差を見せ付けられ、 しかもそれがハンデを背負って負けたと知っただぜまりさは中枢餡に衝撃的な精神ダメージを受けた。 昔のろまと馬鹿にしていたつむりに自分が負けたことに物凄いショックを受けてしまったのだ。 (そ、そんな・・・・・・・・まりさは・・・・・・まりさは・・・・・・・・・・) だぜまりさは無意識に地面に落ちていた木の枝を拾った。 そしてそれを口に咥えてつむりに向かって突き刺そうとした。 「しねえええええええええええええええええええええええ!!!」 その目には憎悪。 ―のろまのくせに!つむりのくせに!このまりささまに逆らいやがって!! 愚かなプライドがこのままでは許さないと叫びつむりを亡き者にしようとだぜまりさは思った。 他の飼いゆっくりが「危ない!」と叫んだときにはすでに木の枝は刺さっていた。 だぜまりさの目に。 ブスッ 「い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!ばりざざまのおべべえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!??」 左目に自分が咥えていた木の枝が刺さり悶えるだぜまりさ。 わけがわからなかった、自分はつむりを刺そうとしたのに何故この偉大なるまりさ様が刺さっているのだ?!と。 答えは簡単だ。 だぜまりさは後ろから不意を突きつむりを殺そうとした。 そこまではよかった、しかしそれがこの結果を生み出してしまった。 左目に刺さってしまったのは木の枝がつむりのお飾りに木の枝が弾かれて、 その衝撃で木の枝が折れてしまい目に刺さってしまった痛い結果だった。 その真相を知らないだぜまりさは痛みで悶え苦しむしかなかった。 「いだいいよおおおおおおおおおお!!!これとってええええええええええええええええええええ!!!」 ズポッ・・・ 「ゆっ!!?と、とれたのぜ!!だれだかしらないけどまりささまのいだいなどれいにしてやるのぜぇ!!」 「ふーん、奴隷ね」 ぎゅううううううううううううううううううううううう!!! 「ゆぎゃああああああああああああ!!!つ、つぶれるううううううううううううううううううううううう!!!」 踏みつけられただぜまりさはその圧力で左目から餡子が飛び出した。 もちろん踏みつけているのは・・・・ 「だ、だれなんだぜ!!まりささまをこんなめにあわせるくそどれいは・・・!!」 「私だけど、な に か?」 「ゆああああああああああああああああ!!!おねえさあああああああああああん??!」 だぜまりさの飼い主、お姉さんである。 子ゆっくりのころから握りつけられて生死を彷徨うことになったのはあれから何回もあった。 そのおかげでだぜまりさにはお姉さんが恐怖の対象にしか見えなくなった。 「あああああ・・・・・お、おねえさん・・・・」 「まりさ君?お姉さんはしっかり見てたわよ。あのつむりちゃんを殺そうとしたところを」 「ち、ちがうよ!!あんよをふみはずしてたまたまそうなっただけだよ!!!」 「嘘付くな」 ぎゅうううううううううううう・・・・・・ 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!??」 中身を踏みつけられ苦しむまりさ。 お姉さんの虐待姿に他の飼いゆっくりたちはすっかり怯えていた。 「まぁまぁ、その辺にしておかないとまりさが死んでしまいますよ」 「あらごめんなさい」 だぜまりさから足を退けるお姉さん。 「ゆはぁー・・・ゆはぁー・・・し、しぬかとおもったのぜ・・・」 「あ、そうそうまりさ」 「ゆ?」 「あんたのバッチ没収するから」 ブチッ!!! 「ゆぇ??」 「じゃ」 そう言って飼い主のみなさんと一緒にどこかへ行ってしまった。 一匹残されただぜまりさはしばらくして正気に戻った。 「ゆああああああああああ!!!おねえさんまってえええええええええええええええゆべぇ!!」 突然後ろから体当たりされただぜまりさ。 その犯人はさっきの野良ゆっくりのれいむだった。 「の、のらのくせにかいゆっくりにてをだすなんてなまいきなんだぜ!!せいさいされるといいのぜ!!!」 「なにいってるの?まりさはもうかいゆっくりじゃないでしょ?」 「ゆ・・・・?・・・・・・・はっ!!!」 だぜまりさは先ほどお姉さんにバッチを取られたことを思い出した。 見る見るうちに顔が蒼白になり後ずさりする。 「く、くるなだぜ!!まりさはかいゆっくりなのぜ!!!」 「もうかいゆっくりじゃないでしょ・・・・おちびちゃんのかたきぃ・・・・」 「ゆひぃ!!?」 子供を殺されたことで般若の顔になるれいむ。 本来れいむ種は母性が強く子供には強い愛着がある。 愛情を多く注げば注ぐほどそれは大きくなっていく。 もしそれが何者かに殺されればそれは憎しみとなり殺したものへ復讐するためれいむは強くなるのだ。 「しねええええええええええええええええええええ!!!」 「待った!!」 「ゆ??!」 れいむがだぜまりさへ制裁しようとしたとき止めに入ったのはつむりの飼い主のお兄さんだった。 お兄さんはオレンジジュースをだぜまりさの左目にかけてやり出餡を防いだ。 「ゆっへっへ・・・・さすがどれいなんだぜ!さぁ!このくそゲスをせいっさいするのぜ!!」 「駄目じゃないかれいむ。一発で殺しちゃ駄目だよ」 「ゆぇ?」 「だってこいつはおちびちゃんのかたきだよ!!」 「苦しめてから殺さないと絶対反省してないからこいつ」 「ゆ!それはあぶなかったよ!!」 話についていけないだぜまりさは固まるしかなかった。 「この万能薬で治してから虐めなさい」 「ありがとう!おにいさん!」 「ゆ?ゆ?」 野良れいむにおさげを引っ張られて引きづられるまりさ。 さすが般若状態のれいむ、力持ちだ。 「ゆわあああああああああ!!!ど、どれいいいいい!!まりささまをたすけろおおおおお!!!」 「沢山虐めたら万能薬と食料持って来てやるよおお!!」 「わかったよー!!」 「どぼじでええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!??」 こうしてだぜまりさは野良ゆっくり一同に虐められる日々が続いたのであった・・・ さて、あの糞まりさの制裁が済んだしこれで良しとしますか。 あれから一年、俺のつむりは成体として立派に成長した。 自分のお飾りの重さに負けない強さと体力。 その両方を手に入れつむりまりさは誰よりも強くなった。 もし野生に成体つむりがいるとしたらこんな立派な奴だろうな。 それと成長し続けたらいつのまにかだぜ口調が無くなっていた。 まぁいいだろう、別に気にすることじゃない。 飼いゆっくりたちの間でつむりはすっかり人気者になった。 最後に駆けっこ勝負したちぇんとはまた駆けっこする約束までしたそうだ。 なんでもあんよを鍛えてまた勝負しようと声をかけてきたらしい。 だぜまりさはというと野良ゆっくり一同に今も虐待され続いている。 お姉さんが昔あのだぜまりさがつむりを虐めたことを侘びに来たときは驚いたがそんなことはどうでもいい。 俺からの条件としてだぜまりさがつむりに負けた後野良生活を堪能させようという条件でだぜまりさのやったことは水に流すつもりだった。 しかも虐めている野良ゆっくりたちがよく働くものだからゆっくりフードをたまにあげている。 あいつらにも仕事先を紹介してやって駆除は免れていた。 そうそう、つむりなんだがゆっくりんピースからつむりの育成係としてオファーが来ているんだ。 成体のつむりなんて今までいなかったから巷では結構話題になっていたそうだ。 希少種のつむりを成体にして増やそうというプロジェクトに参加してくれとお偉いさん方がわざわざやってきたのだ。 まぁ、希少種保護の目的でやっているんだから別に参加してもいいけど? その話を聞いてつむりはプロジェクトに参加することを了承した。 自分以外のつむりが馬鹿にされないよう徹底的にしごいてやるそうだ、誰の所為かなこれ・・・ 「おにいさん、まりさがんばるよ」 「それはこれから生まれてくるつむりたちが言うセリフだな」 「ゆ~ん!」 将来こいつには他の飼い主を探す予定だったがゆっくりんピースが引き取ってくれるというなら手間が省ける。 つむり、そこで頑張っていけよ。 一方わされいむはというと・・・・ 「しぇんしぇーまちゃおもらちしちぇりゅー」 「あきゃちゃんみちゃいー」 「どぼじでそんなごというのおおおお!!!ゆわぁぁん!!!」 わされいむはぱちゅりーの教育の元、飼いゆっくり育成のゆっくりとして成長したかに見えたが、 実際はお漏らしが直らず生徒に馬鹿にされて授業どころじゃなくなったり、 泣いてしまって生徒に慰めてもらうなんともお間抜けなゆっくりとなっていた。 「むきゅうぅぅ・・・こんなはずじゃ・・」 「うーん・・・成体になってもそこは変わらないのかな・・・?」 「なかないでねれいむ!まりさがおむこさんになってあげるから!」 「ゆぅ・・・ほんとぉ・・・?」 ちなみにつむりとわされいむは番同士になった。 赤ゆっくりの頃から仲がよかったしこれは必然的だったのかも。 何はともあれこうしてつむりとわさの成体の姿が見れてよかった。 俺とぱちゅりーの教育のおかげであいつらは大丈夫だろう。 元気でやってくれるさ。 「むきゅう・・・いろいろあったけどせわのかるこたちだったわ」 「そうだな・・・(ぐすん)・・・ べ、別に泣いてなんかないんだからね!!!」 「ぱちゅはなにもいってないわよ」 一週間後、自分の子供にわさをはむはむされているわさとそれを見て笑っているつむりの写真が送られてきた。 めでたしなのかー あとがき さすがにたった一人でアグさん三頭連続きつかったわー 上位じゃなくて下位武器でよく狩れたと思うね、さすが麦! つむりとわさかぁいいよぉ!こたつむりもかぁいいよぉ!! 正月にこたつむりネタでも書こうかなー? 今まで書いたやつ 加工所本部 前編・後編 れいむその後 まりさその後 14番れいむのその後 れみぃと野良豆ゆっくり 前編・後編 あいつらの違い れいむはいい飼いゆっくりさ 折れた「ぐんぐにる」 ドスれいむ 追われるれいむ ゆなら HENTAIお姉さんとクイーンありす 消費期限切れのお菓子を与えてみた HENTAIたちの無双劇 HENTAIフルコース 小舟のお家 ぷでぃんの真実 トンボを捕まえたかっただけなのに・・・ 昼寝中 ありす、家出する 前編 挿絵:
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/607.html
97 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/04(金) 22 51 08 ID jeqV11uI アチャ「弓をひくと胸が大きくなると言うが」 池田「まじで!?」 バサカ「興味があるのなら私とアーチャーのガチムチ弓兵二人組がきっちりみっちり付きっきりで教えてあげますよ」 池田「え、遠慮しときます…」 アチャ「まぁそういうな」 池田「は?」 バサカ「大きくしたいんでしょう?胸」 池田「え?」 アチャ「ならばするべき事はただ一つ!さぁLet's弓道!」 池田「ちょ、ちょっと…」 バサカ「なぁに心配はいりません。何しろ弓の英霊が講師なのですから。あなたもすぐに私のような厚い胸板が手に入りますよ」 池田「絶対いらないし!ほしくもねーし!」 アチャ「またまたご冗談を。では行くぞバーサーカー。彼女を射撃場にお連れしろ!」 バサカ「アイアイサー!」 池田「降ろせこの…って高っ!」 アチャ「素敵な胸が欲しい方は是非射撃場まで!今ならもれなく初心者用弓道セット(投影品)がもらえます!」 バサカ「アーチャー バーサーカーの弓道講座を今後ともよろしく!」 池田「放せぇぇぇぇ!」 98 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/05(土) 00 18 50 ID mPaazjj2 ライダー(そういえば、あなたは道具作成スキルがランクAだったのでは? 不死の薬もどきも作れるとか)ヒソヒソ キャスター(まぁ、豊胸の薬程度ならここでも作れるけど、あのままが良いから黙っておきましょう)ヒソヒソ 99 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/05(土) 00 21 50 ID msjmgZGA 部長「でも胸を揉めば大きくなるのは確かよ?」 律「じゃあなんであたしは大きくならないんですか!」 部長「それはね、女性ホルモンの分泌が促されていないからなの」 キャスター「つまりりっちゃんを私が感じさせていない、と?」 部長「そうねぇ…」 和「咲さん…大丈夫でしょうか…」ぽよんぽよん 部長あ、和!いい所に来たわ」 和「あ、部長…」 部長「見て、和のこの胸!」 むにゅぅぅぅん 和「きゃ!な、何するんですか、部長!」 部長「和のこの胸は恋人の咲に毎日揉まれているからなのよ」 和「そんなことさせてません!」 かじゅ「ほほぅ…」 唯「こ、恋人…!」 キャスター「納得できないわね。ならなんでりっちゃんの胸は大きくならないの?」 部長「貴女、田井中さんを孕ませようとして揉んでいるのかしら?」キリッ キャスター「そ、それは…!わたしには宗一郎様という方もいますし…」 部長「命を育もうとしなければホルモンは騙せないわ。和、なんていったかしら、あの細胞。同性同士でも子供が作れるっていう」 和「iPS細胞ですか?」 部長「そう、和はそれを使って咲の子供を妊娠するつもりだもの。だからこれだけ大きくなれるのよ!」 和「だからそんなことしてません!」 キャスター「そ、そうだったの…」フラフラ 律「キャスターさん…」 キャスター「じゃあ、これからは、りっちゃんを凄い魔術で孕ませる気で揉み続けるわ!」 律「なんか目的がちがってますうううぅぅぅううううぅぅぅ!」ズルズル キャスター「セイバー!貴女も同性同士で出産させた経験者ならこっちに来なさい!」 セイバー「なぜにゆえにぃぃぃ!!」ズルズル 100 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/05(土) 00 29 31 ID 6EE0z51I 唯「なるほど、そういうことか…よし、あずにゃんにこのお酒を…」 撫子「唯お姉ちゃんそれだめーっ!」 101 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/05(土) 00 43 26 ID H2B5AY7I カイジ「やっぱり衣らの世界は同性婚やら同性妊娠が普通にあるのか。だがあのセイバーもだと?」 カギ爪「人は見かけによらない本当ものです。しかしコクトーくんはまだしもセイバーさんまでとは…」 アーニャ「あんなに真面目そうだったのに結婚して子供も作ってたんだ…」 カイジ「だが待て、セイバーは士郎って野郎のことが好きなんだろ? これって…不倫か?」 神原「凄い、凄すぎる! あのセイバー殿がまさか不倫していたとは! この目でも見破れなかった…」 かじゅ「しかしホルモンの関係で胸を揉めば大きくなるのは信憑性はあるのだが…相手役の方は大きくないな」 和「わ、私は咲さんの胸を揉むとかそういうことはしていません!」 部長「駄目じゃない、こういうことはギブ&テイクですることよ。お返しはちゃんとしないと」 和「だからそんなことしてません!」 池田「私もキャプテンに揉んだり揉まれたりしてたら大きくなっていたかも…」 102 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/05(土) 00 55 38 ID H2B5AY7I ビリビリ「そういえば生前は私も黒子に揉まれたような…でも大きくなってはないけど?」 部長「だから妊娠させる気で揉まないと大きくならないものなのよ」 ビリビリ「ちょ、さすがにそれは勘弁してよ。まだ妊娠なんて…でも黒子ならそこまで血迷うかも」 小萌「胸を揉んで貰える相手すらいなかった…orz」 部長「(さすがにここであの上条って子がいたじゃないとか冗談でも言えない…)」 103 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/05(土) 01 06 48 ID mPaazjj2 玄霧「元をたどれば、彼女はむしろ不倫された側だったんですけどね」 神原「何ッ! そこまでドロドロな百合の果てのことだったのか!」 玄霧「伝え聞いた通りなら、配偶者と部下との間で事が起こってしまったそうですよ」 神原「それは凄い……! その上で若い少年に手を出すというのも重ねて凄い」 セイバー「さっきから(キャスターに引っ張られながら)黙って聞いていれば……エクス――――!」 玄霧「あなた】【は】【言えない」 セイバー「――――!」(何か怒っているけど声が出てない) 玄霧「やれやれ、危ないところでした」 神原「声を封じる……つまりあえぎ声すら出せない状況で後ろk」 玄霧「あなた】【も】【言えない」 神原「――――」(言語化に耐えない内容を口パクしている) 玄霧「更に危ないところでした」 104 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/05(土) 09 51 15 ID E3u2Fzoc 船井「そういえば知っとるか? 女子の胸はその形で成長するかどうかが分かるらしいで」 安藤「へえ、そうなんですか。 具体的にはどんな胸が大きくなるんですか?」 船井「何でも、乳首の周囲だけポチッと突き出てる胸が成長の可能性ありらしいわ。 逆に、皿を被せたみたいになだらかに全体が膨らんだ胸は望み薄らしいで」 安藤「へえ。 あ、でもアニメに出てくる小さな女の子ってたいていなだらか胸ですよね」 船井「そら、形がええからな。 けど逆を言えば、アニメの幼女は生物学的に胸の成長は見込めな……」 ビリビリ「船井ィィィィィィィィィィ!!!」 カイジ「……なあ、助けなくていいのか?」 真宵「自業自得です。 だいたい、服の上からじゃポッチかなだらかかわからないではありませんか」 カイジ「……まあ、お前には未来があるしな」 池田ァ「もう死んでるから未来もクソも無いし」 真宵「池田ァ!!」 池田ァ「にぎゃああああああ!!!」 カイジ「……程々にしとけよ」
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1812.html
489 :名無しさんなんだじぇ:2011/10/16(日) 22 14 58 ID w8f3iRPA 黒桐「ツモ。2600オール」パラッ ゼクス「むっ!速いな…まだ6巡だとゆうのに…」ジャラジャラ 池田「うーん、なかなか上がれないし~」ジャラジャラ 黒桐「たまたまですよ」 撫子「そういえばこの書き手は投票するのかなぁ?」カチャカチャ 黒桐「僕が聞いたところだとこんな感じだね」 個人・竹井 久 コンビ・ モンキー ドラゴン(本編から好きです。ラジオも楽しみ。) 仮面アステカーシリーズ セイバーのコスプレはアリで。死者スレの女性人と衣装交換とか?真宵セイバーなんか想像してしまった 黒桐「こんな感じで言ってました」タンッ 撫子「撫子には票くれないのかな?ポンです」カッ 黒桐「化物語では真宵ちゃん好きみたいだよ」タンッ ゼクス「真宵押しとは毒吐代行の人と被るな」タンッ 池田「でも個人ではあの女に入ってるし~」タンッ 黒桐「もともと部長好きらしいよ。伊達さんと迷ったらしいけどね。伊達さんにはコンビで1票入れるとのことだよ……失礼、ロンです」バラッ 池田「!!!?」ガーン 490 :名無しさんなんだじぇ:2011/10/16(日) 23 06 04 ID 1Ke2G.ZQ C.C.「ん?気付いたら新しい投票が来ていたな」 戦場ヶ原「あらホント。しかし見事なまでにみんなバラバラね」 C.C.「まあ、グループ部門は『俺とホンダム』コンビが『特攻野郎』のメンバーだから、一歩リードと言ったところか」 戦場ヶ原「そんな中で、『セイバーコスプレ説』は順調に票を稼いでいくわね」 C.C.「衣装交換か…その発想はなかったな…」 戦場ヶ原「みんなの妄想…もとい、想像力には驚かされるわね」 遠藤「…で、俺はいつまでここにいりゃいいんだ?」 C.C.「ラジオ書き手氏の返事が来るまでは待機だ。愚か者」 戦場ヶ原「しゃべらないでくれる?あなたのツッコミなんて期待してないわ」 遠藤「………結局こんな扱いされるのかよ…」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3482.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388925097/ ――幾つかの土地を移った私は、既に慣れていました 同じ時を過ごした友人と別れるということに 感謝と別れの言葉を掛け合い、その折に流す涙に、私のために流される涙に かつて住んでいた町がやがて遠ざかっていく光景に 彼女ら、彼らと過ごした記憶が、私の片隅で白く光りながら次第に風化していく感覚に そして始まる、一人だけの学校生活に―― 中学三年生の私には、二つの道がありました 一つは、中学校の親友と同じ長野の高校へ進学する道 もう一つは、父に従い東京の進学校へ進学する道 前者を選べば、親友のゆーきと共に高校生活を過ごすことができる 高校へ進んでも、中学校と同じようにゆーきと麻雀をすることができる 後者を選べば、私の進める道が増える 母のように、罪を詳らかにし、悪人を裁きにかけ、正しい方向へ導けるような検察官になることができる 父のように、他人を頭脳で護れるような弁護士になることができる 学べば学ぶほど将来の選択肢は増えていくことは、私でも十分理解できていた 勿論、東京へ引越すのでゆーきとは離れ離れになってしまいます 小学三年生の時や小学六年生の時や中学二年生の時と同様に、私はまた友人と別れ、一人になる それは私にとっても、ゆーきにとっても辛いこと 果たしてどちらを選ぶべきか、私は迷いました そうした苦悩を抱えていたからでしょうか 私は、ミスを犯してしまいました それは試験が開始する7分前、既に殆どの生徒が受験会場である教室の席についていた頃 筆箱の中から筆記用具を取り出そうとしたとき、消しゴムを忘れた事に気づいた私は失意の淵に立たされていました 前日まで念を押して不得手な国語の勉強をしていたため机に出していた消しゴムをそのまま置いてきてしまったのです 同じ教室に私の知人はおらず、当然私が頼れる相手などいませんでした 今まで受けてきた学校とは差のある公立校と言えど、消しゴムを使わずに合格することには難があるように思えました ―さらに下手を打てば、落ちてしまうかもしれない ―こんな間の抜けたミスのせいで親友と離れ離れになってしまうのか ―私自身のせいで私は道を選ぶことができなくなるのか 諦観して、悔しさに歯を軋ませていた そんな私に、話しかけてくれたのが 「これ、使って」 彼、でした ――――よろしいんですか? 「困ってるんでしょ?いいよそのくらい」 「俺はシャーペンの後ろの奴使うから気にしないで」 右隣にいた金髪の彼が差し出してくれた消しゴムはまだ新品同然の様子で、それは彼の受験への努力を表しているように思え このことがますます気がかりになりました ――――見ず知らずの人に迷惑をかけるわけにはいけません 「いいよ、どうせ消しゴム有っても無くても結果は変わらないし」 「さっきの君の顔、凄かったぜ」 「『どうしよう、ちょっぴりおしっこ漏らしちゃったよぅ……』みたいな顔してた」 沈黙 「悪い!悪かったよ!つい、連れのこと思い出しちゃって……」 「あ、そうそう、俺もここん中に知り合いいないんだよ、みんな他の教室でさ」 「君もいないんだろ?同じ中学の人」 「知り合いいない同士のよしみってことで受け取ってくれよ」 「さっきも言ったけど、俺は大丈夫だから」 と、よく喋る彼は私に笑顔を向けながら遠慮しました 彼の微笑み、向けられる遠慮、迫る時間の流れに私は逆らえず、 突きだそうとした右手を机の上に戻して、二度目のチャイムが鳴らされるのを待つ 教室中に、私と彼との間には自然と静寂が訪れ、それぞれの世界に身を投じる これが、私と彼との出会いでした ,.ー-‐.、 ヽ、 ヽ __ /,..-ニ‐- '"_,..) / ̄\ _,.‐-、 ' ´/ , _ 、´ / ヽ ' 、 .ノ _ _ ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\ / _| r ヽ i'´ ` ! , ',. -一' ./..'/ .} / <_ ,..-、 ! l i ヾ、_ / ,. '′ ,..,. ,/ ./ `ー-イ \ / ヽ ! ! し , iヽ、i / / { \ヽ i' _,/ ,.イ ̄`'´ /! ゙、 l ! / ヾ | ー'´ `´\ ヽヽ ! / ̄ // / / | └! .i! .!┘ ヽ r'´ ,.'⌒ `,. l ! 〈 \| | | | l !l .! ヽ ! ! ゝ-‐'´ /l .! ヽ r/ ヽ/ | l .l ! l i ゙、 \ / } .}ー"ヽ ヽ ヽ__// _ r、__, ,、 __,ノ l .! l .! | ト、゙、 `ヽヽ j ノ`ー-、 } ./ / | | ≧、__|  ̄ ____r' 」 l、゙、_ノ」__ン____________゙、`' /__ ヽ/_/ ./ | |________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ } ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"'´ ̄ ̄ ゙、. | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽノ ヽ、ノ 『第一話 差し出してくれた左手』 優希「のどちゃんのどちゃーん、合格してたー?」 和「人で掲示がよく見えないので……わからないですね」 優希「そっかー、じゃあ学校にもどるじぇ」 和「駄目です、何を言っているんですか」 優希「私ものどちゃんも合格してるに決まってるし、途中でぱーって遊んで戻るじぇー」 和「もし落ちていたらどうするんですか、見に行きますよ」 優希「人の群れは好きじゃないじぇー」 和「そうですね、私も好きではないです」 優希「のどちゃんは囲まれる側だからいいんだじぇ」 和「囲まれるのも煩わしいものですよ」 優希「そんな台詞、一回は言ってみたいじぇ」 和「ゆーきはあっちの方ですから、ここで一旦別れましょう」 優希「わかったじぇー」 ゆーきと私は清澄高校の合格発表に訪れていました 清澄は難関私立や難関公立とは違い、平均的なレベルの公立高であるためか 合格できなかった悲しみに嘆くという人はあまりおらず 合格した喜びを友人と分かち合う人が大多数 ゆーきと別行動をすることにした私は若干の注目を集めつつ、集団の先頭へ 私が潜り抜けた集団の中には彼の金髪は見当たらず、気落ちしながら掲示に目を移して 掲示にある番号と、手元の番号を共に二度確認して胸をなでおろした私は、また顔を上げました 私は彼の受験番号を見つけようとしていたのです 受験会場となった教室の座席数を覚えていたので私の受験番号から彼の受験番号を算出して、確かめる 傍から見ればおそらく気色悪い行為でしょう それでも私は、彼が合格しているのかどうかを知りたかったのです 途方に暮れていた私に手を差し出してくれた彼と高校生活を送れるのかが、心配でした 殆どの受験生が合格するであろう試験ではありましたが、心配でたまりませんでした というのも、私が一時間目の試験を無事解き終え、横目に映った彼の姿勢が心配せざるを得ないものだったからなのです そのとき見た彼は、机に突っ伏したまま動いていませんでした ペンも持たず、枕にするための腕を組んでいるようでもなく、だらりと両腕を下ろしているだけなのです 使いづらいペンの消しゴムを使いながら試験開始三十分後に問題を解き終えることができるのでしょうか、と怪訝に思いました 寝ていたように思える彼は、試験終了の一分ほど前に起き上がり 眠たげな表情は見せずチャイムが鳴り、監督の先生が教室を出て行った直後に彼も教室を出て行きました 後ろの席に座っていた人も私と同じ感想を抱いたようでしたが、無関係な問題だと思ったらしく手元の教材に目を落としていました 彼は監督の先生が教室に入る数十秒前に席に着き、私に見向きもせず、私もまた彼から視線を外し、試験へ挑みました ―あのとき、彼が寝ていなかったのだとすれば、彼は何を考えていたのでしょうか ―彼はしっかりと問題を解いていたのでしょうか その疑問が心配の根源でした 優希「のどちゃん見つかったー?」 和「……えっ」 和「あっ」 優希「?」 和「は、はいっ、受かってました」 優希「のどちゃん、なーんか隠してないかー?」 和「何でもありませんよ」 優希「本当に?」 和「本当です」 優希「本当の本当に?」 和「本当の本当って言ってるじゃないですかっ」 和「結果も分かりましたし、まっすぐ帰りましょう」 優希「学食のタコス食べてみたいじぇ!」 和「"まっすぐ"帰りましょう」 優希「頑張った自分にご褒美ー」 優希「ねえいいでしょ?のどちゃん」 和「……はぁ」 和「放課後にみんなでお祝いしてあげますから帰りましょう」 優希「おおっ!流石のどちゃん!話がわかるじぇ!」 和「あまり騒がないでください」 優希「そうそう、のどちゃんの王子様は見つかったのか?」 和「な、何を言い出すんですか!」 優希「歩調が遅いから落ち込んでるように見えるじぇ」 和「歩調……」 和「って、王子様って何ですか!」 優希「窮地に立たされてたのどちゃんを助けてくれた白馬に乗った金髪で高身長な王子様のことだじぇ」 和「彼が座っていたのは椅子です」 和「それに身長まではよく覚えていませんでしたよ」 優希「のどちゃんの話を聞く限りじゃそんな感じだったじぇ」 和「そんなに脚色していませんよ」 優希「で、結局どうだったの?」 和「……見当たりませんでした」 優希「金髪だったらすぐ見つかりそうだけどなー……あ、金髪の男子なら見たじぇ」 和「それを早く行ってください!」ガシッ 優希「キンパツノダンシナラミタジェ!」 和「その速くじゃないですよ!ありきたりなボケをしないでください!」ガシガシ 優希「気持ち悪くなるから頭揺すらないでほしいじょ……」 和「すみません」 和「……だから高身長なんて言ったんですね」 優希「確信犯だじぇ」 和「使い方が違いますよ」 優希「のどちゃんってさー、ひょっとして一目惚れ?」 和「男性を一度見ただけで好きになるとかそんなオカルトありえません」 優希「もしそうなら、諦めた方がいいと思うけど……」 和「どういうことですか?」 優希「私が見た金髪、女子と一緒にいたんだじぇ」 和「それは、ただ同じ中学校だったからなのでは?」 優希「他に同じ制服の集団がいたけど、あの二人だけ別のタイミングで来たみたいだったじぇ」 和「そもそもそんなことを言ってどうしたいんですか」 和「私はただ、彼にお礼をしたいだけです」 優希「お礼って、入試の休み時間か終わった後に言えなかったの?」 和「……それが、毎回すぐに教室を出て行って、試験開始5分前には戻ってくるのですが」 和「直後に監督の先生が入って来るので話しかけられるような機会が無かったんですよ」 和「試験が終わった後も早々と帰ってしまって、消しゴムも返せずじまいで」 和「今日会って、消しゴムを返してお礼でも、と思っていたのですけど……」 優希「じゃあその男子は受かってなかったの?」 和「なぜ、私が知っていると思うんですか」 優希「だってのどちゃん、声かけたときに違う番号見てたじぇ」 優希「金髪が合格したか見てたみたいだったし、今の言いぐさだと金髪が清澄に来ないように聞こえるじぇ」 和「…………」 優希「のどちゃん?」 和「貴女、本当にゆーきですか?」 優希「それは流石の私でも傷つくじょ……」 優希「それにしても男友達の一人もいないのどちゃんが肉食系に変貌するとは、世も末だじぇ」 和「どういう意味ですか、私にも男性の友人はいましたよ」 優希「高遠原でのどちゃんに話しかけてる男子は見たことないじぇ?」 和「高遠原に来るずっと前にいました、阿知賀にも……数人はいました」 優希「意外な事実が発覚してしまったじぇ」 和「優希の中の私はどうなっているんですか……」 優希「才色兼備冷静沈着容姿端麗八方美人最強爆乳わがままボディ難攻不落な高嶺の花」 和「急によくそこまで思いつきましたね」 優希「前にクラスの女の子たちとのどちゃんを四字熟語で表したらどうなるかを考えたんだじぇ」 和「いつの間にそんなことを……」 優希「気になるのはのどちゃんの男友達だじぇ、どんな奴らだったんだ?」 和「阿知賀の友人は日常会話をするほどの仲でしたよ」 優希「日常会話……ってどのくらいの?」 和「おはよう、とかさようなら、とかですね」 和「男女間では仲のいい方だったとは思いますよ」 優希「その基準は大間違いだじぇ、それなら私はクラスの男子全員の嫁になるじぇ」 和「それは確かに……では彼らの扱いは何なのでしょうか」 優希「のどちゃんが友達だと思えば友達なんじゃないか?」 和「ならば彼らは友人ということにしておきます」 優希「それは惨い選択だじぇ」 優希「じゃあのどちゃんは男子と遊びに行ったこともないの?」 和「遊んだことは…………」 和「……………………」 優希「無いなら無理に思い出さなくてもいいんだじぇ?」 和「いえ、遊んだ記憶はあるのですが…………よく思い出せないといいますか……」 和「こう言っているだけだとゆーきに見栄っ張りと言われそうなので思い出しているんです」 和「確かあれは…………」 和「……無事故の改新が起きた645年」 優希「のどちゃんがトリップしちゃった!?」 和「何分6年程前のことなので思い出せず、ゆーきのようにボケてみようかと」 優希「キャラに合ってないじぇ」 和「たまにはツッコまれる側の気持ちもわかりたかったんです……」 和「上手くツッコまれるのは気持ちが良いと聞いていましたが、そうでもありませんでしたね……」 優希「のどちゃんの情報源がわからないじぇ」 優希「話は変わるけど、のどちゃんは清澄に入っても麻雀部だよね?」 和「唐突ですね」 優希「唐突な話題変更は女子高生の必須スキルだじぇ」 和「どんな場面に使うんですかそんなスキル」 和「……麻雀部には入るつもりですよ」 和「入りたい部活は麻雀部くらいしかありませんし、何より楽しいですから」 和「また一緒に頑張りましょう、ゆーき」 優希「無論、のどちゃんと私の強力タッグで全国制覇するじぇ!」 優希「でも、そういえば清澄の麻雀部は壊滅寸前って聞いたよーな……」 和「本当ですか?」 優希「試験監督の先生に聞いてみたらそう言ってたじぇ」 優希「部員が二人だから本来は同好会の扱いだけど生徒議会長特権で無理矢理部に格上げしてるらしいじぇ」 優希「それで真面目な先生の中には麻雀部の扱いに是非を唱える人もいるとか、何とか」 和「……インターハイの団体戦に参加できるのは5人」 優希「団体戦と個人戦の両方で優勝が一番かっこいいじぇ!」 和「そうですよね、そうすると私とゆーき、予めいらっしゃるお二人を加えるとあと1人ですか……」 優希「……あ!いいこと思いついたじぇ!」 和「何をですか?」 優希「確実に部員を確保する方法だじぇ!」 和「ゆーきの思いつきは不安ですが……言ってみてください」 優希「まずのどちゃんが金髪を誘って入部させる!」 優希「そして金髪がさっき一緒にいた女の子を連れてくる!」 優希「これで女子部員5人、団体戦に出場できるようになるじぇ!」 優希「まさに芋づる式!完璧優希ちゃんの黄金方程式だじぇ!」 和「ツッコみどころに困るのですが」 和「そもそもなぜ彼を私が誘わなければいけないんですか!」 優希「試験の間数時間ものどちゃんの隣に座っていてのどちゃんのことを忘れない男子なんていないに決まってるじぇ」 優希「だから、こういう風に…………」 優希「――――入学して数日経つある日」 優希「『入試の時に消しゴムを貸した美少女は俺のことを覚えているだろうか』」 優希「『親切をしてあげたんだからそれなりの見返りがあってもいいはずだ』」 優希「そう思いながら登校して下駄箱を開けるとそこには美少女からの手紙が!」 優希「期待して放課後の体育館裏へ行った金髪は、のどちゃんの魅惑のボディに負けて入部届にサイン――――」 優希「こういう算段だじぇ!」 和「頭が痛いです……」 優希「団体戦の枠は埋まるし、のどちゃんは金髪と同じ部活でいいところを見せられる」 優希「金髪といられる時間が増えれば、必然的にお礼をできるチャンスも増えるはずだじぇ」 優希「全中優勝者の肩書きを持つのどちゃんなら金髪を経験者・未経験者問わず教えても不満には思われないだろうし」 優希「部活中二人っきりなら距離は急接近だじぇ?」 和「他の新入生が入ってくれる可能性があるじゃないですか」 和「それに私とは無関係な人を巻き込むのは気が引けますよ」 優希「そっかー、それもそうだなー」 和「……ですが」 親友のゆーきと離れたくないから ゆーきと共に麻雀の高みを目指していたいから 彼の親切を無駄にしたくないから 故に私は、父に反して清澄へ進学することに決めました いえ、正確にいうと「予め決めていた」でしょうか 私は、両親への反抗というものを恐れていました 私が逆らえば、両親に負担をかけることになってしまうかもしれない 両親の期待に私が背いてしまえば、たった三人の家族の間に亀裂が入ってしまうかもしれない 私には両親に対抗しきれる自信が無く、けれど、両親の言葉通りに東京へ行き、ゆーきと別れる、というのも真っ平御免でした そうして、両親と親友を選びかねていた私の背中を押してくれたのが、彼が差し出してくれた左手なのです 結果から言うと、意外にも両親の許可はあっさりと降り、私の反抗は実を結びました そうか、とだけ言った父を見て、まるで狐につままれたような感を覚え 同じような答えを返した母にも肩すかしを喰らったような気がしました 今、こうして高遠原へのこの道を、ゆーきと笑顔で歩いていられるのは彼のおかげでしょう あの日の彼の親切が、幸せだと感じる今を作ってくれているのだと思うと ―ありがとう、とお礼を言いたい ―何か、お礼をしたい ただその感情だけが胸に湧き上がってくるのです いつかは必ず、この感情を届けたい ――――彼を誘う、というのは そのために、今は 「のどちゃんが金髪を誘って入部させる!」 親友の、突飛で唐突な心のこもった提案に乗る、というのも ――――アリ……かも、しれませんね 続く
https://w.atwiki.jp/kyoutarouherlame/pages/63.html
32 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 04 57 09 ID ZNGTxvZh 京太郎に手を伸ばそうとするタコス 「ロンだ」 後ろから突き刺さる声。それはまぎれもなく仇敵、咲のものだった。 振り向くとそこには和、部長、そして咲がいる。 驚愕するタコスに咲は、まるで追い討ちをかけるかのようにこう言った。 「リーチ、一発、おっぱい、年増、そしてドラ京太郎──倍満だ」 「うそ──だじぇ」 愕然とするタコスを京太郎は振り返らない。 「じゃ、じゃあタコスもロン! ロン! ロンだじぇ!!」 泣きながら、声を嗄らして叫ぶタコス。その声はむなしく校庭にこだました。 「ドラはな――」 咲の声は冷たく、そして鋭利だった。 「──役じゃねぇんだよ」 砂煙だけがあたりを舞っていた。 39 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 22 06 41 ID gDJX1w8E →32 取られた。 何度も部屋で自問自答を繰り返すタコス。 「京太郎をポン・・・京太郎をチー・・・」 取られる前になくべきだったのか。先に手役を完成させるべきだったのか。 「無理だじぇ」 今さら負け分は戻ってこない。 部室にはあれから顔を出していなかった。行ける訳がない。あそこには咲がいるのだ。 以前は確かに前を向いて歩いていたタコス。 今は顔を伏せ、人目をはばかるようにして町を歩いた。人の顔を見ることができなくなったのだ。 静かに学校へ行き、誰よりも早く家に帰った。いつまでそういう生活を続けるのだろう。ベッドで 寝返りを打ち、なんど自問しても答えは出なかった。 ──直撃食らって男を取られたのよ。 囁きが聞こえる。 その声は学校の誰からも聞くことができた。いつも笑顔だった購買のオバさんが、隣の席のクラスメイトが、 担任の教師が、そして見ず知らずの他人までもがそうタコスに囁くのだ。 狂っている。 そういう認識はある。赤の他人が自分のことなど話題にするはずがない。その程度の常識はタコスにもあった。 「でも、聞こえるんだじぇ」 目を閉じると小さな子鬼が耳元で囁く。お前はみすみす咲に振り込んだのだと。 不意に電話が鳴った。 ともすればくず折れそうになる体を持ち上げ、ゆっくりと取り上げた受話器からは、聞き覚えのある声がした。 「いま、お時間いいですか?」 原村和だった。 50 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 01 07 18 ID HpT9gZdR →39 「麻雀を、やりませんか」 震える手で受話器を取ったタコスに、原村和はそう告げた。 「原村・・・さん」 「もう昔みたいに呼んでくれないんですね」 のどちゃん。 本当はそう呼びたかった。しかし、今のタコスにはその力はない。人との交わりを絶って居場所を作っていたのだから。 「もう、麻雀は無理だじぇ」 「そんなことありません」 強く。 原村和は昔と変わらない声でタコスに呼びかける。 「何度やってもアイツには勝てないじぇ・・・。次に負けたらもう」 一番大事な最後の何かも失ってしまう。もう何もかも奪われたのだ。下を向いて生きようと決めていた。 しかし、そんなタコスに原村が言ったのは意外なひとことだった。 「イカサマを仕込みました」 「え・・・?」 「ですから、イカサマを仕込んだんです」 「そんな、自動卓だじぇ」 「部室の全自動卓は磁力で牌を混ぜるタイプです。ですから、それ用にあつらえた牌を用意すれば 簡単にイカサマができるんです。部室の一番ドア側の席。そこに座れば字牌が偏るように調整しました」 何を。 言っているのだこの娘は。 しばらくタコスは原村の真意をはかりかねた。 「でものどちゃん、それは」 「呼んでくれましたね。名前。私も──」 咲を倒したいんです。殺しましょう宮永咲を。私たちの麻雀で。 その娘の声は、甘い誘惑だった。 52 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 02 24 25 ID HpT9gZdR →50 「今日は公式じゃねーからな。テンイチで行こうぜ」 軽口を叩く咲をタコスは睨みつけた。 テンイチ。千点10円の賭博だ。もちろん公式ではありえない。コイツはこんな麻雀をやっていたのか。 「構わないじぇ」 構わない。負けても大した金額ではない。 「じゃあ、最初は二万五千円からスタードだ」 「え?」 タコスは驚いて思わず声をあげた。今、二万五千円と言わなかったか。 「なんだよ。テンイチってのは一点一円のことだろうが。なぁ原村」 ニヤニヤといやらしく笑う咲。その顔は普段京太郎や部長に見せる顔とはまったくの別人だった。 それでも、それでも最後に笑うのは自分だ。 一度意思決定してしまえば揺るぐことはない。上家の和を見ると、彼女もまた目に強い光をたたえていた。 三人で卓を囲む、いわゆる「サンマ」の状態で勝負は始まった。ジャラジャラと洗牌の音を聞きながら タコスは今までの苦渋に満ちた仕打ちを思い出していた。今日ここでその全てを清算するつもりだった。 機械音とともに牌がせりあがり、自牌を取り終えてオープンしたとき、タコスは思わずため息をもらした。 (さすがだじぇ・・・のどちゃん) 役満大四喜イーシャンテン。 (いける) そう確信した何巡かあとツモった西を招きいれ、迷わずタコスは一索を河に叩き付けた。 「負けるやつは、いつまでも負け続けるんだよタコス」 「な・・・!」 対面に座る咲の口が嘲笑を浮かべていた。 「平和のみ」 最後通牒のようにそう宣言する咲の口はどこまでも暗く、深く、タコスは自分が泥沼に落ちているかのような 錯覚を覚えた。咲の口から流れ落ちる泥はそのまま卓を満たし、タコスの足をとらえて離さない。 (泥が・・・どうして。こんな・・・) 親の三本場。すべて安手ではあったが、それでも三回も振り込んだタコスは、もう肩口まで泥の中にいた。 54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 02 47 15 ID HpT9gZdR →52 (くそっ・・・牌が・・・) 牌が寄っているのだ。 確かに和が仕込んでくれたイカサマは一流だった。労せずしてタコスは字牌を揃えることが出来た のだから。しかしそれは一方で咲に数牌を片寄らせるという結果になってしまっていた。 手牌は役満字一色イーシャンテン。 しかしまたしても索子の老頭牌が浮いている。 おそらく咲の待ちもコレのどれかに絞っているはずだ。切ることは出来ない。 (別に役満じゃなくてもいいんだじぇ) 浮いている牌を手役に入れるのだ。幸いある程度面子はできている。 混一色チャンタ三暗子、それに風牌にドラ三・・・。倍満あるいは三倍満まで手が届く。 (まずは親を流すんだじぇ) 欲張らない。負け分は十分取り返せるのだ。 タコスはそのまま字牌の中を河に捨てた。 「通らばリーチ!」 「通しません」 そのとき、ありえない声をタコスは聞いた。 ゆっくりと牌を倒していくのは、まぎれもなく上家の和だった。 「ロン。跳満です」 そんな。 そんな。 何故、和が自分から上がるのだ。 「う・・・」 「嘘じゃ──ありませんよ」 泥が。 これは── 「の、のどちゃん」 「その呼び方は、気に入りませんね」 何が起こっているのだ。 誰かの笑い声が聞こえる。自分以外の誰もが自分を笑っている。狂っている。それはわかっている。 赤の他人が自分のことなど話題にするはずがない。その程度の常識は。 ──直撃食らって男を取られたのよ。 頭の中で小鬼が囁く。 対面で哂っているのは、誰だ。 「誰も、信じられないなタコス」 あれは、悪魔だ。 68 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 10 51 10 ID TlNBn37s →54 (クズだ。クズだ。コイツらはクズだじぇ!) 口の端に血が滲み、涙で前が見えない。最初の振込みから何度か振込み続け、ようやくそこに思い至った。 何のことはない。和と咲が組んでいるのだ。最初からタコスを陥れるための麻雀だったのである。 (仲間のふりして・・・) 役満の字牌が寄ってくるイカサマの卓。浮いている数牌を切れば咲が、手を変えるべく不用な字牌を切れば和がそれで待っている。それは麻雀という名のリンチだった。 「しかし字牌のトイツ落としとはな。完全に下りちゃつまらねぇよ。アンコにしたらどうだ?」 これ以上ないくらいに嫌みな咲の言葉。 「ハコったらわかってるだろうなタコス」 わかっている。 二万五千点の、本来四人打ちの点数は他でもない、ただいち早くハコテンにするためだけに設定されたものなのだ。 それに気付いたときにはすっかりドロ沼に落ちていた。羽は汚泥にまみれ、二度と這い上がれない状態にまで折れた。 「・・・払うじぇ」 「足りない分はどうするんだ? そうか。京太郎に買ってもらえよ」 「え・・・」 嗜虐的な笑みを浮かべて咲は続ける。 「だから、京太郎に体を買ってもらえよ。なぁ。いくらでも払えるだろう? 好きなんだよなぁ。京太郎が」 (────!!) 息が、苦しい。コイツはどこまでクズなのか。 (・・・殺すじぇ。殺して。引き裂いて。吊るし上げて。切り刻んで。必ず。必ず殺してやるじぇ) 「好きなんだろう? 買って貰えよ。できるよなぁ? 一石二鳥だよなぁ? なぁ和」 浮かれている。 (いや、待て) 直前の咲の言葉がよみがえった。 (さっきの手はアンコを崩してのトイツ落しだじぇ。だから、たぶんコイツらは手牌まで完全にお見通しじゃないってことか) 探せ。そこに何があるか。タコスは不意におとずれた一筋の光明をたぐりよせる。 「もう、無理だじぇ。この半荘で終わりにしてもらいたいじぇ・・・」 「駄目だな。それじゃあガキの小遣いにしかならねえ。今日はとことん付き合ってもらうぜ」 「じゃ、じゃあ・・・」 ボロボロと涙をこぼすタコス。 (どこまでも毟り取るつもりだじぇコイツらは。だから、だからこそ・・・) 「じゃあ、レートを倍にしてほしいじぇ」 みすぼらしく。できるだけ惨めに。できるだけ相手の自尊心をくずぐるように。 「あぁ・・・構わないぜ。倍たぁ、豪儀じゃあねぇか。命の取り合いなら、歓迎だ。三尺高ぇ所にその首上げてやるぜ。お、おい、 どこ行くんだよ。まさか逃げる気か?」 ゲラゲラと嫌らしく笑う咲。あまりにものけぞった姿勢を取ったものだから、彼女には見えていなかった。 「ただの、小便だじぇ」 暗いドロの沼の、その一番底で不敵に笑うタコスの顔に。 その背中が敗者のソレではなかったことに。 79 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 15 35 19 ID u30arOma →68 大三元字一色イーシャンテン。 タコスの思ったとおりだった。 どうあがいてもこの配牌から逃れることはできない。眼前の欲に囚われた瞬間、さらに深い泥沼へと落ちていく 片道切符。タコスは迷わず白、發を落としていった。 (とすると、この浮いている九萬が咲、中が和の当たり牌だじぇ) 「なんだよ。ベタ降りじゃねぇか」 愉快そうな咲を尻目にタコスは黙々と牌を捨て続けた。しかしわずか二巡目にして和の様子が変わる。 (三枚目の中・・・) 続いて咲にテンパイの気配。さすがに手が早かった。しかし、それでもタコスは切る手をとめない。一直線に 目的のテンパイまで数牌を切り続けた。その打牌は六索。 「てめぇ・・・」 ギロリと咲の表情が変わる。タコスに字牌が寄っているように、咲には索子が寄っている。一番の危険牌だった。 (そんなのわかってるじぇ。でもお前は上がらない。なぜなら・・・) 「リーチだじぇ!」 牌を曲げた瞬間。咲はそれが面白くてしょうがないとでも言いたげな表情をうかべた。 あたり前だった。和の当たり牌の中を所有し、そして和が中を三枚所有している以上、雀頭にすらすることができないのだから。 いわば死に手。当たり牌の中は絶望的なまでに出てこない。 そのことにタコスは気付いていない。そう思っているのだ。 (慢心だじぇ──――そしてお前は宣言する) 「覚えてるかタコス。てめぇと最初にやったときのことを――カンだ!」 途端に咲の手牌から二枚の西が裏返る。 (さすがだじぇ。その強運は) それは咲が最初に部室に来たときの麻雀。彼女は手配のカンから嶺上開花でツモ上がりをして見せたのだ。 残り少ない点棒に倍のレート。ただタコスをハコにするだけなら直撃でいい。しかし咲はそれを選ばないと確信 していた。 タコスのリーチを跳ね飛ばす嶺上開花。この嫌らしい女はそれを一直線に狙ってくると。 しかしそれは。 「タコス。この嶺上牌で死ね」 泥のなかに張り巡らした毒の糸だった。 80 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 15 40 58 ID u30arOma →79 咲が腕をゆっくりと伸ばす。対面から嶺上牌に延びてくるその手を、タコスはがっしりと掴んだ。 「てめぇ、何のつもりだ!」 「お前はこのまま泥に沈んでいけ」 ──言葉で人を殺せるのならば。 「何!」 「ロンだじぇ!」 驚愕の表情。次の瞬間、咲の目にありえないものが映った。 槍槓。 それも国士無双。 唯一捨て牌以外からロン上がりができる手役だった。一撃必殺の役満はその名のとおり、鋭い槍となって 咲の体を貫く。 「そんな……そんな偶然が」 「偶然じゃないじぇ。手役は字牌だらけ。中を切らずに直撃するのはこれしかないし、咲ちゃんの強運は 必ず西をカンするってわかってから、狙い撃ち楽勝だったじぇ」 もし本当にこの場を支配する強運をもっていたなら。この字牌が片寄る場にあって必ず西を四枚引いてくる。 タコスは咲の強運に乗ったのだ。 捨牌を見ていればすぐにわかったはずだった。見ていなかったのは、勝負に勝ったつもりになっていたから。 「親の役満直撃。ハコだじぇ咲ちゃん」 83 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 17 42 07 ID u30arOma →80 「咲ちゃん。咲ちゃんのおかげだじぇ。さすがだじぇ咲ちゃん」 見下すように咲の両耳から泥を流し込む。何度も何度も何度も。 その自尊心を踏みにじる。人格を殺して、尊厳を引き裂き、名誉を吊るし上げ、プライドを切り刻んで。 「てめぇ・・・もう一度その名で呼んでみろ。ただじゃおかねぇぞ」 「やめられないじぇ咲ちゃん」 「ブチ殺してやる!」 立ち上がった咲にタコスは雀卓を思い切り蹴り飛ばした。側面が咲の下腹部にめり込む。たまらずその場にくずれた。 「清算だじぇ、咲ちゃん」 つとめて相手の敵意をあおるように、タコスは言った。その挑発に咲は抵抗する術はなかった。 「も・・・もう一度だ!」 「往生際が悪いねぇ咲ちゃん。やるなら、そうだじぇ。レートは十倍だ」 あと一歩。もう少しで。 「この野郎なめやがって・・・」 「払えるのかな咲ちゃんは。そうだ。無理なら買ってもらうんだじぇ」 空気が凍りつく。 「なんだと?」 「だから京太郎に、体を買ってもらうんだじぇ咲ちゃん。いくらでも払えるよなぁ?」 声にならない声が咲の口から漏れる。それは獣のうなり声に似ていた。 「・・・十倍だ。吠え面かかせてやる」 弱った者は徹底的にいたぶり、しゃぶりつくす。それは他ならぬ和から教えてもらったことだった。 既に修羅場と化した部室では洗牌の音だけが響いている。親はタコスというのが条件だった。 「半荘の集中なら天才なんだじぇ。咲ちゃんは本気で勝負しないから負けちゃうんだ。わかるかな?」 咲の応えはない。牌が整い、理牌の小気味良い音に変わっていった。そうだ。必死に理牌するんだとタコスは呪いをかける。 今度は本気。咲の顔にはそう書いてある。負者はいつもそう思うのだ。さっきは手を抜いていたのだと。運が悪かったのだと。 「おやおやぁ、おかしいじぇ~」 沈黙のなか。タコスの声に咲は顔をあげた。 「なんだてめぇ」「いやいや困ったじぇ。今日は──」 タコスの指に押され、パタリパタリと牌が倒れていく。 「──やけに役満がでる日だじぇ」 それはビロードのカーテンのようになめらかに。 「う・・・」 「嘘じゃないじぇ咲ちゃん。またハコだじぇ咲ちゃん」 天和、四暗刻、字一色。それは最後通牒だった。 85 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 18 17 21 ID u30arOma それは簡単なイカサマだった。 最初、和から電話があったとき彼女はこう言ったのだ。 ──それ用にあつらえた牌を用意すれば簡単にイカサマができるんです。 そのすり替えは完璧だった。理屈はわからないが、タコスの席には毎度毎回字牌があつまり、例外はなかった。 結局それはだまし討ちだったのだが、勝負の中でそれを変えることは不可能だった。しかし、そのコンビ打ちに気が付いたとき、タコスの中で別の疑問が首をもたげた。 それでは。 それでは元々あった細工前の牌はどこへ行ったのか。 簡単な問題だった。簡素な家具しかない部室にないのならば、それは倉庫となっているトイレでしかありえない。 果たしてそこには本来の、細工前の牌がそのまま前種類置いてあった。 そこから一九字牌を抜き出して卓に戻ったのである。ネコのぬいぐるみに隠した字牌と握りこんだ一九牌。 いくら咲がリーチ後の嶺上開花を狙っているとは言え、そこまでタコスの運は強くは無い。左手に握りこんだ 牌を、上家がツモる瞬間を狙って不用牌とすりかえ、国士まで持っていったのだ。 しかしそれだけではない。さらに右手で握った未加工牌を手牌に入れ、同じ種類の不用牌を左手に握って処理した。 本来ならすぐにバレてしまうすり替え。しかしこの場は勝負でもゲームでもなかった。咲の必勝が約束された場だったのである。誰もそのすりかえに注意を払うものはいなかった。 結果。白、東、南の暗刻が全て入れ替わり、不用牌として河に捨てられていく。それは次の戦いのための布石だった。 すりかえられた牌は卓内で混ぜられ、ここで「寄る字牌」と「寄らない字牌」に分けられる。 当然、和が細工した牌だけがより厳選されてタコスの手牌に入るのだ。あとは理牌しながら調整すればよい。 幸い、天和まで一つすりかえればいいだけだった。 しかし、その代償はあまりにも大きかった。結局のところ勝負に勝って全てを失ったのだから。 その後タコスの姿を見たものはいない。 女だてらに「坊や」を名乗り、語尾に特徴のある雀士が登場するには、実に10年以上の歳月を待たねばならなかった。 そして京太郎は忘れられていた。 おわり
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3485.html
『アイスを食べたさせてね!』 9KB いじめ 観察 小ネタ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ いつもの小ネタです。 「ゆわぁぁぁ?!なにしょれ?!あまあましゃんなのじぇ?!おいしそーなのじぇぇぇぇぇ!!」 両目をキラキラと光らせて、俺を見上げる赤まりさ。 比較的きれいな姿をしているのが、おそらくこの公園の野良ゆっくりだろう。 木陰で俺がアイスを食べているのに気がついたらしい。 赤まりさは俺が持っている、ソフトクリームに見立てた形のアイスに釘付けだ。 ここの公園には、野良ゆっくりがよく集まってくるのだ。 理由はゆっくり愛護派の人間が、定期的にここで野良ゆっくりに餌を与えているからだ。 当然、地域住民から苦情は来ているのだが、愛護派の人間は聞く耳持たず。 住民も定期的に駆除しているのだが、それよりもゆっくりが集まる方が早くて手を焼いている公園だ。 この赤まりさが、こんなにも警戒心が薄く、人間に近づいてくるのはそのせいだ。 人間はみんなゆっくりにやさしいと、勝手に解釈してるのだろう。 「ちょーだい!ちょーだい!まりちゃにちょーだい!はやくはやくー!ぺーろぺーろさせちぇよぉぉぉぉ!!」 お下げをピコピコと動かして、俺の周りをぴょんぴょん飛び跳ねる赤まりさ。 近くには他の親ゆっくりもいないようだが、放っておくと仲間が集まってくる可能性がある。 俺は袋に詰めてあった、アイスの入っていたカップを取り出す。 半透明の大きなカップには、俺の予想通りに蓋に少量のアイスが付着していた。 俺はそれを、赤まりさの目の前に放り投げる。 「ゆゆぅ?!なにこりぇ?!こんなのいらにゃいのじぇ!どれーのぺーろぺーろしてるのが、ほしいのじぇ!さっさとよこすのじぇ!!」 赤まりさは俺を睨みながら、カップの前でぴょんぴょんと飛び跳ねる。 だが俺は無視を決め込むと、赤まりさも諦めたのかカップの中に入っていく。 「ゆふん!このどりぇーは、あまたがわるいのじぇ?びんぼーなのじぇ?これをたべちゃら、せーしゃいしてやるのじぇ!」 そんな事をぼやきながら、尻をブリブリと振ってカップに付いたアイスを舐め取る赤まりさ。 時折、「しあわしぇー!」と叫んでは、ブルブルと身を震わせて幸せを噛み締めている。 俺はそんな赤まりさが入っているカップに、残りのカップを被せて蓋をした。 だが赤まりさは、それにまったく気が付く様子も無く、ひたすらカップに付いたアイスを舐めている。 「あんみゃーい!しあわしぇー!こーんなあまあまを、いーぱいたべられるまりちゃは、とくべつなそんざいなのじぇ!ゆっくち~♪」 「ゆゆ?!あまあましゃん?どこにあるにょ?れーみゅをたべちゃい!!」 「あまあま?!あまあまはじぇーんぶ、まりしゃのものじぇ!さっさともってくるんだじぇ!!」 赤まりさの入ったアイスのカップの周りに、うぞうぞと赤ゆっくりが集まって来た。 赤まりさの大声を聞きつけたのだろう。 「ゆゆぅ?!なんなのじぇ!これはまりちゃのものなのじぇ!ぷっくぅぅぅ!」 「ゆっぴぃぃ!こわいよぉぉぉ!どーしちぇいじわるしゅるのぉぉぉ?!ゆんやぁぁぁぁ!!」 「ゆびゃぁぁぁん!こわいんだじぇぇぇぇ!!にげるんだじぇぇぇぇぇ!!」 赤まりさが集まって来た赤ゆっくり達に向かって、頬を膨らませて威嚇した。 その途端他の赤ゆっくり達は、蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げだした。 それを見た赤まりさは満足そうに踏ん反り返ると、再び俺の方を見る。 「ゆっへん!どーなのじぇ!まりちゃの、おそろしさがわかったのじぇ?!ゆぷぷ!いまなら、どれーにしてやってもいいのじぇ?」 赤まりさはすっかり上機嫌で、俺を見てはニヤニヤと嫌らしく笑う。 俺はそんな赤まりさを無視して、少し離れたベンチに移動した。 「ゆゆぅ?!どこいくのじぇ!まりちゃの、どれーになるんじゃないのじぇ?!まつのじぇ!まりちゃ、おこりゅよ?!」 赤まりさはカップの中で飛び跳ねたり、お下げをピコピコと動かしたりして俺に罵声を浴びせる。 「ゆぅぅぅ!!まりちゃ、ぷんぷんなのじぇ!ゆっくちぷーん!どれーに、おしおきなのじぇ!!」 怒り出した赤まりさは、カップ越しから何やら体当たりをしようと必死に飛び跳ねる。 だが当然俺には届くはずも無く、重心の崩れたカップと共にコロコロ転がりだす。 「ゆぴぃぃぃ!ころがりゅぅぅぅぅ?!なにこれぇぇぇぇぇ!ゆんやぁぁぁぁぁ!!」 突然の事態に驚いた赤まりさは、狂ったようにカップの中を跳ね回る。 そのせいで止まったはずのカップが再度動き出し、それに驚いた赤まりさも再び跳ね回る。 普通に大人しくしていれば良いのだが、それに気がつかない赤まりさは自分の行動で自分を苦しめていた。 「ゆっへっへ!いいものたべてるみたいだぜ?さっさとそれを、まりさにもよこすんだぜ!」 「どれいはさっさと、れいむたちの、ようぼうにこたえてね!それがどれいのつとめだよ!!ゆっくりりかした?」 赤まりさの一人漫才を楽しんでいると、俺の足元に二匹の小汚いゆっくりが現れた。 ふてぶてしい顔でニヤニヤと笑いながら、俺を見下すような目で見ている。 「アイスか?それならほら、あそこに転がってるだろ?あれをやるよ」 「ゆぅぅん?なんなんだぜ、そのくちのききかたは?…ゆふん!まあいいんだぜ、まりささまが、むーしゃーむーしゃしてあげるんだぜ!」 「ゆっがぁぁぁ?!ずるいよ!ひとりじめはゆっくりできないよ!れいむにぜんぶちょうだいね!!」 二匹は地面を転がって不自然に移動している、アイスのカップに向かって跳ねていく。 そして中に赤まりさが入っている事に気がついて、何やら罵声を浴びせ始める。 「なんなんだぜ?これはまりささまのあいすなんだぜ!このくそちび!あいすさんはどうしたんだぜ?!」 「ゆっぴぃぃ?!なんなのじぇ!あいすさんなら、じぇーんぶたべたのじぇ!おまえたちのぶんはないのじぇ!ゆぷぷー!」 「ゆっぎぃぃぃ!ゆるせないよ!これはれいむのあいすさんだったのにぃぃぃぃ!ゆっがぁぁぁぁ!せいさいしてやるよ!!」 怒った二匹はカップに向かって体当たりをし始める。 カップは勢いよく転がりはじめ、二匹はそれを追いかけては体当たりを繰り返す。 「ゆっぴょろげぇぇぇ?!おめめがぐるぐるぅぅ?!きもちわるぃぃぃぃ!」 「ゆっがぁぁぁ?!どーしてしなないんだぜぇぇぇ?!まりささまの、こんしんのたいあたりなのにぃぃぃ?!」 「れいむのいかりをおもいしった?でも、まだまだゆるさないからねぇぇぇぇ!!」 三匹は大騒ぎをしながら、公園内を巡回し始める。 「ゆぅ?なんなの、うるさいよ!………ゆゆ?!あれはあいすさん?!あれはれいむのものだよ!ひとりじめはゆるさないよ!!」 「むきゅ!あいすさん?!あれは、いだいなぱちぇが、たべるべきだわ!それがただしい、せんたくなのよ!」 公園内の野良達が三匹の声を聞きつけたのか、彼方此方から姿を現す。 そして吸い寄せられる様に、アイスカップの方へ向かって跳ねていく。 「それは、ちぇんのためのあいすさんなんだよぉぉぉ!そのくらいわかってねぇぇぇ!」 「なにいってるのぉぉぉ?!あいすさんがにあうのは、とかいはなありすに、きまってるでしょぉぉぉ?!」 たった一つのアイスカップを巡っての追いかけっこ。 やがてそこから発展した醜い争いが始まる。 「じねぇぇぇぇ!までぃざのあいすさんを、うばおうとするやつは、みんなしねぇぇぇぇ!!」 「あまあまは、ぜんぶれいむのものでしょぉぉぉ?!どうして、かってにひとりじめするのぉぉぉ!ゆるせないよぉぉぉぉ!」 大小種族さまざまな野良ゆっくり達が、たった一つのアイスのカップを奪い合って殺し合いを始めた。 この公園には自然界でいうところの群や、長といったものが存在していない。 当然野良にもそういったものを作る集団があったりはするのだが、この公園で暮らす野良達はただの寄せ集めなのだ。 愛護派の人間に連れてこられたゆっくり。 公園のうわさを聞いてやってきたゆっくり。 捨てられたゆっくり。 そんなゆっくり達が愛護派の人間に甘やかされ、好き放題に餌を与えられた結果がこれだ。 欲望のままに生き、他のゆっくりの事を考えない。 お互いに自分がゆっくする事しか考えていないから、たった一つのアイスで揉め事になるのだ。 「ゆぷぷ!これであいすしゃんは、れーみゅのも 『グチャ!』 げびょ!」 「まったく、とんでもないくそちびだぜ!これはまりささまの 『グサッ!』 ゆびぎぃ?!…げぼっ…ごぼっ…?!どぼじで…あんござんが…でてるんだ…ぜ?」 「ゆだんきんもつなんだねー!わかって 『ドカッ!』 にゃがぁぁぁ?!わがらないぃぃぃぃ!!」 押しつぶされてはじける赤ゆっくり。 親に踏まれて死に掛かっている子ゆっくり。 互いに噛み付き合ってボロボロのゆっくり。 あまりの惨状にクリームを吐き出すゲロ袋。 どさくさに紛れて発情するれいぱー。 アイスカカップ周辺はゆっくりの残骸で溢れかえり、周囲は甘い匂いでつつまれる。 それでも興奮したゆっくり達の乱闘は収まらない。 「みんなやめてね!どうしてけんかしてるのぉぉぉ?!みんなでゆっく 『ザクッ!』 げびょ?!」 「うるさいよ!じゃまをするなら、さっさとしんでね!!」 争いを止めようとするゆっくりが、まったく居ない訳ではない。 だが結果はご覧の通り。 争いに参加しているゆっくりは、どれもが自分以外のゆっくりを敵だと思っているのだ。 騒ぎを聞きつけた周辺住人も集まってきてはいるが、あまりの惨状にただ顔をしかめるだけだった。 「ゆひ…ゆひ………ゆへ…へ…ばかなゆっくりどもは…みんなしんだの…ぜ…あいすは…まりざのもの…ぜ…ゆげぶっ!………っとゆっくり…ぜ…」 ボロボロになった最後のまりさが、餡を吐き出して崩れ落ちた。 その様子見ていた地域住人数名は、まりさが動かなくなった事を確認すると、ゆっくりの残骸を清掃し始めた。 大小の違いはあるが、およそ20匹程のゆっくりの残骸。 このまま放っておけば、ネズミやゴキブリ等がこれを目当てに集まってくるだろう。 死んでもなお地域住民に迷惑をかけるのだ。 動画撮影を終えた俺は、事前に用意してきた清掃用具を持って清掃に加わる。 その際にアイスカップを回収し中を見てみると、赤まりさが白目を剥いて口から泡を吹いていた。 醜い争いをする野良ゆっくり達の姿を見て、気絶でもしたのだろう。 生まれてからゆっくりする事しか知らなかった赤まりさにとって、この事態は大変な苦痛とストレスを感じた事だろう。 私はカップから赤まりさを取り出すと、他のゆっくりの残骸の中に雑ぜて押しつぶした。 ある程度清掃を終えたところで、水で残りを流し最後に消毒をする。 依頼主の区長が頭を下げて、俺に感謝している。 「これが仕事ですから。それにそちらにも清掃を協力して貰ってますから。また何かありましたら、加工所までご連絡ください」 そう言うと俺は公園を後にし、職場に戻った。 以前から一斉駆除の仕事はあったのだが、今日ほど人手が少なくすんだ事はないだろう。 都会で生き延びてきた野良や群、管理の行き届いた野生の群の駆除はそれなりに手間がかかる。 だが、今回の公園のように、愛護派に甘やかされて暮らしているゆっくりの駆除は、とても簡単なのだ。 ほんの少しの不協和音で、あっという間に全滅させる事が出来る。 ちなみに俺は加工所勤務のゆっくり研究員。 今回の動画は研究データになるのはもちろんの事、愛護派が苦情を訴えてきた時の為の反論材料にもなる。 まあこの映像を見せたところで、絶滅に追い込んだのは自分達が過剰にゆっくりを愛護したからだとは考えないだろう。 それにどうせあの公園には、一週間もしない内にまた野良ゆっくりが集まってくるだろう。 死臭も数日経てば消えてしまうので、ゆっくり避けにはならないのだ。 イタチごっこではあるが、そのおかげで仕事も舞い込んでくるのだ。 下手に絶滅されるとこっちが廃業になる。 ゆっくりは生かさず殺さずが丁度いい。 完 徒然あき
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/141.html
32 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 04 57 09 ID ZNGTxvZh 京太郎に手を伸ばそうとするタコス 「ロンだ」 後ろから突き刺さる声。それはまぎれもなく仇敵、咲のものだった。 振り向くとそこには和、部長、そして咲がいる。 驚愕するタコスに咲は、まるで追い討ちをかけるかのようにこう言った。 「リーチ、一発、おっぱい、年増、そしてドラ京太郎──倍満だ」 「うそ──だじぇ」 愕然とするタコスを京太郎は振り返らない。 「じゃ、じゃあタコスもロン! ロン! ロンだじぇ!!」 泣きながら、声を嗄らして叫ぶタコス。その声はむなしく校庭にこだました。 「ドラはな――」 咲の声は冷たく、そして鋭利だった。 「──役じゃねぇんだよ」 砂煙だけがあたりを舞っていた。 39 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 22 06 41 ID gDJX1w8E →32 取られた。 何度も部屋で自問自答を繰り返すタコス。 「京太郎をポン・・・京太郎をチー・・・」 取られる前になくべきだったのか。先に手役を完成させるべきだったのか。 「無理だじぇ」 今さら負け分は戻ってこない。 部室にはあれから顔を出していなかった。行ける訳がない。あそこには咲がいるのだ。 以前は確かに前を向いて歩いていたタコス。 今は顔を伏せ、人目をはばかるようにして町を歩いた。人の顔を見ることができなくなったのだ。 静かに学校へ行き、誰よりも早く家に帰った。いつまでそういう生活を続けるのだろう。ベッドで 寝返りを打ち、なんど自問しても答えは出なかった。 ──直撃食らって男を取られたのよ。 囁きが聞こえる。 その声は学校の誰からも聞くことができた。いつも笑顔だった購買のオバさんが、隣の席のクラスメイトが、 担任の教師が、そして見ず知らずの他人までもがそうタコスに囁くのだ。 狂っている。 そういう認識はある。赤の他人が自分のことなど話題にするはずがない。その程度の常識はタコスにもあった。 「でも、聞こえるんだじぇ」 目を閉じると小さな子鬼が耳元で囁く。お前はみすみす咲に振り込んだのだと。 不意に電話が鳴った。 ともすればくず折れそうになる体を持ち上げ、ゆっくりと取り上げた受話器からは、聞き覚えのある声がした。 「いま、お時間いいですか?」 原村和だった。 50 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 01 07 18 ID HpT9gZdR →39 「麻雀を、やりませんか」 震える手で受話器を取ったタコスに、原村和はそう告げた。 「原村・・・さん」 「もう昔みたいに呼んでくれないんですね」 のどちゃん。 本当はそう呼びたかった。しかし、今のタコスにはその力はない。人との交わりを絶って居場所を作っていたのだから。 「もう、麻雀は無理だじぇ」 「そんなことありません」 強く。 原村和は昔と変わらない声でタコスに呼びかける。 「何度やってもアイツには勝てないじぇ・・・。次に負けたらもう」 一番大事な最後の何かも失ってしまう。もう何もかも奪われたのだ。下を向いて生きようと決めていた。 しかし、そんなタコスに原村が言ったのは意外なひとことだった。 「イカサマを仕込みました」 「え・・・?」 「ですから、イカサマを仕込んだんです」 「そんな、自動卓だじぇ」 「部室の全自動卓は磁力で牌を混ぜるタイプです。ですから、それ用にあつらえた牌を用意すれば 簡単にイカサマができるんです。部室の一番ドア側の席。そこに座れば字牌が偏るように調整しました」 何を。 言っているのだこの娘は。 しばらくタコスは原村の真意をはかりかねた。 「でものどちゃん、それは」 「呼んでくれましたね。名前。私も──」 咲を倒したいんです。殺しましょう宮永咲を。私たちの麻雀で。 その娘の声は、甘い誘惑だった。 52 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 02 24 25 ID HpT9gZdR →50 「今日は公式じゃねーからな。テンイチで行こうぜ」 軽口を叩く咲をタコスは睨みつけた。 テンイチ。千点10円の賭博だ。もちろん公式ではありえない。コイツはこんな麻雀をやっていたのか。 「構わないじぇ」 構わない。負けても大した金額ではない。 「じゃあ、最初は二万五千円からスタードだ」 「え?」 タコスは驚いて思わず声をあげた。今、二万五千円と言わなかったか。 「なんだよ。テンイチってのは一点一円のことだろうが。なぁ原村」 ニヤニヤといやらしく笑う咲。その顔は普段京太郎や部長に見せる顔とはまったくの別人だった。 それでも、それでも最後に笑うのは自分だ。 一度意思決定してしまえば揺るぐことはない。上家の和を見ると、彼女もまた目に強い光をたたえていた。 三人で卓を囲む、いわゆる「サンマ」の状態で勝負は始まった。ジャラジャラと洗牌の音を聞きながら タコスは今までの苦渋に満ちた仕打ちを思い出していた。今日ここでその全てを清算するつもりだった。 機械音とともに牌がせりあがり、自牌を取り終えてオープンしたとき、タコスは思わずため息をもらした。 (さすがだじぇ・・・のどちゃん) 役満大四喜イーシャンテン。 (いける) そう確信した何巡かあとツモった西を招きいれ、迷わずタコスは一索を河に叩き付けた。 「負けるやつは、いつまでも負け続けるんだよタコス」 「な・・・!」 対面に座る咲の口が嘲笑を浮かべていた。 「平和のみ」 最後通牒のようにそう宣言する咲の口はどこまでも暗く、深く、タコスは自分が泥沼に落ちているかのような 錯覚を覚えた。咲の口から流れ落ちる泥はそのまま卓を満たし、タコスの足をとらえて離さない。 (泥が・・・どうして。こんな・・・) 親の三本場。すべて安手ではあったが、それでも三回も振り込んだタコスは、もう肩口まで泥の中にいた。 54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 02 47 15 ID HpT9gZdR →52 (くそっ・・・牌が・・・) 牌が寄っているのだ。 確かに和が仕込んでくれたイカサマは一流だった。労せずしてタコスは字牌を揃えることが出来た のだから。しかしそれは一方で咲に数牌を片寄らせるという結果になってしまっていた。 手牌は役満字一色イーシャンテン。 しかしまたしても索子の老頭牌が浮いている。 おそらく咲の待ちもコレのどれかに絞っているはずだ。切ることは出来ない。 (別に役満じゃなくてもいいんだじぇ) 浮いている牌を手役に入れるのだ。幸いある程度面子はできている。 混一色チャンタ三暗子、それに風牌にドラ三・・・。倍満あるいは三倍満まで手が届く。 (まずは親を流すんだじぇ) 欲張らない。負け分は十分取り返せるのだ。 タコスはそのまま字牌の中を河に捨てた。 「通らばリーチ!」 「通しません」 そのとき、ありえない声をタコスは聞いた。 ゆっくりと牌を倒していくのは、まぎれもなく上家の和だった。 「ロン。跳満です」 そんな。 そんな。 何故、和が自分から上がるのだ。 「う・・・」 「嘘じゃ──ありませんよ」 泥が。 これは── 「の、のどちゃん」 「その呼び方は、気に入りませんね」 何が起こっているのだ。 誰かの笑い声が聞こえる。自分以外の誰もが自分を笑っている。狂っている。それはわかっている。 赤の他人が自分のことなど話題にするはずがない。その程度の常識は。 ──直撃食らって男を取られたのよ。 頭の中で小鬼が囁く。 対面で哂っているのは、誰だ。 「誰も、信じられないなタコス」 あれは、悪魔だ。 68 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 10 51 10 ID TlNBn37s →54 (クズだ。クズだ。コイツらはクズだじぇ!) 口の端に血が滲み、涙で前が見えない。最初の振込みから何度か振込み続け、ようやくそこに思い至った。 何のことはない。和と咲が組んでいるのだ。最初からタコスを陥れるための麻雀だったのである。 (仲間のふりして・・・) 役満の字牌が寄ってくるイカサマの卓。浮いている数牌を切れば咲が、手を変えるべく不用な字牌を切れば和がそれで待っている。それは麻雀という名のリンチだった。 「しかし字牌のトイツ落としとはな。完全に下りちゃつまらねぇよ。アンコにしたらどうだ?」 これ以上ないくらいに嫌みな咲の言葉。 「ハコったらわかってるだろうなタコス」 わかっている。 二万五千点の、本来四人打ちの点数は他でもない、ただいち早くハコテンにするためだけに設定されたものなのだ。 それに気付いたときにはすっかりドロ沼に落ちていた。羽は汚泥にまみれ、二度と這い上がれない状態にまで折れた。 「・・・払うじぇ」 「足りない分はどうするんだ? そうか。京太郎に買ってもらえよ」 「え・・・」 嗜虐的な笑みを浮かべて咲は続ける。 「だから、京太郎に体を買ってもらえよ。なぁ。いくらでも払えるだろう? 好きなんだよなぁ。京太郎が」 (────!!) 息が、苦しい。コイツはどこまでクズなのか。 (・・・殺すじぇ。殺して。引き裂いて。吊るし上げて。切り刻んで。必ず。必ず殺してやるじぇ) 「好きなんだろう? 買って貰えよ。できるよなぁ? 一石二鳥だよなぁ? なぁ和」 浮かれている。 (いや、待て) 直前の咲の言葉がよみがえった。 (さっきの手はアンコを崩してのトイツ落しだじぇ。だから、たぶんコイツらは手牌まで完全にお見通しじゃないってことか) 探せ。そこに何があるか。タコスは不意におとずれた一筋の光明をたぐりよせる。 「もう、無理だじぇ。この半荘で終わりにしてもらいたいじぇ・・・」 「駄目だな。それじゃあガキの小遣いにしかならねえ。今日はとことん付き合ってもらうぜ」 「じゃ、じゃあ・・・」 ボロボロと涙をこぼすタコス。 (どこまでも毟り取るつもりだじぇコイツらは。だから、だからこそ・・・) 「じゃあ、レートを倍にしてほしいじぇ」 みすぼらしく。できるだけ惨めに。できるだけ相手の自尊心をくずぐるように。 「あぁ・・・構わないぜ。倍たぁ、豪儀じゃあねぇか。命の取り合いなら、歓迎だ。三尺高ぇ所にその首上げてやるぜ。お、おい、 どこ行くんだよ。まさか逃げる気か?」 ゲラゲラと嫌らしく笑う咲。あまりにものけぞった姿勢を取ったものだから、彼女には見えていなかった。 「ただの、小便だじぇ」 暗いドロの沼の、その一番底で不敵に笑うタコスの顔に。 その背中が敗者のソレではなかったことに。 79 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 15 35 19 ID u30arOma →68 大三元字一色イーシャンテン。 タコスの思ったとおりだった。 どうあがいてもこの配牌から逃れることはできない。眼前の欲に囚われた瞬間、さらに深い泥沼へと落ちていく 片道切符。タコスは迷わず白、發を落としていった。 (とすると、この浮いている九萬が咲、中が和の当たり牌だじぇ) 「なんだよ。ベタ降りじゃねぇか」 愉快そうな咲を尻目にタコスは黙々と牌を捨て続けた。しかしわずか二巡目にして和の様子が変わる。 (三枚目の中・・・) 続いて咲にテンパイの気配。さすがに手が早かった。しかし、それでもタコスは切る手をとめない。一直線に 目的のテンパイまで数牌を切り続けた。その打牌は六索。 「てめぇ・・・」 ギロリと咲の表情が変わる。タコスに字牌が寄っているように、咲には索子が寄っている。一番の危険牌だった。 (そんなのわかってるじぇ。でもお前は上がらない。なぜなら・・・) 「リーチだじぇ!」 牌を曲げた瞬間。咲はそれが面白くてしょうがないとでも言いたげな表情をうかべた。 あたり前だった。和の当たり牌の中を所有し、そして和が中を三枚所有している以上、雀頭にすらすることができないのだから。 いわば死に手。当たり牌の中は絶望的なまでに出てこない。 そのことにタコスは気付いていない。そう思っているのだ。 (慢心だじぇ──――そしてお前は宣言する) 「覚えてるかタコス。てめぇと最初にやったときのことを――カンだ!」 途端に咲の手牌から二枚の西が裏返る。 (さすがだじぇ。その強運は) それは咲が最初に部室に来たときの麻雀。彼女は手配のカンから嶺上開花でツモ上がりをして見せたのだ。 残り少ない点棒に倍のレート。ただタコスをハコにするだけなら直撃でいい。しかし咲はそれを選ばないと確信 していた。 タコスのリーチを跳ね飛ばす嶺上開花。この嫌らしい女はそれを一直線に狙ってくると。 しかしそれは。 「タコス。この嶺上牌で死ね」 泥のなかに張り巡らした毒の糸だった。 80 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 15 40 58 ID u30arOma →79 咲が腕をゆっくりと伸ばす。対面から嶺上牌に延びてくるその手を、タコスはがっしりと掴んだ。 「てめぇ、何のつもりだ!」 「お前はこのまま泥に沈んでいけ」 ──言葉で人を殺せるのならば。 「何!」 「ロンだじぇ!」 驚愕の表情。次の瞬間、咲の目にありえないものが映った。 槍槓。 それも国士無双。 唯一捨て牌以外からロン上がりができる手役だった。一撃必殺の役満はその名のとおり、鋭い槍となって 咲の体を貫く。 「そんな……そんな偶然が」 「偶然じゃないじぇ。手役は字牌だらけ。中を切らずに直撃するのはこれしかないし、咲ちゃんの強運は 必ず西をカンするってわかってから、狙い撃ち楽勝だったじぇ」 もし本当にこの場を支配する強運をもっていたなら。この字牌が片寄る場にあって必ず西を四枚引いてくる。 タコスは咲の強運に乗ったのだ。 捨牌を見ていればすぐにわかったはずだった。見ていなかったのは、勝負に勝ったつもりになっていたから。 「親の役満直撃。ハコだじぇ咲ちゃん」 83 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 17 42 07 ID u30arOma →80 「咲ちゃん。咲ちゃんのおかげだじぇ。さすがだじぇ咲ちゃん」 見下すように咲の両耳から泥を流し込む。何度も何度も何度も。 その自尊心を踏みにじる。人格を殺して、尊厳を引き裂き、名誉を吊るし上げ、プライドを切り刻んで。 「てめぇ・・・もう一度その名で呼んでみろ。ただじゃおかねぇぞ」 「やめられないじぇ咲ちゃん」 「ブチ殺してやる!」 立ち上がった咲にタコスは雀卓を思い切り蹴り飛ばした。側面が咲の下腹部にめり込む。たまらずその場にくずれた。 「清算だじぇ、咲ちゃん」 つとめて相手の敵意をあおるように、タコスは言った。その挑発に咲は抵抗する術はなかった。 「も・・・もう一度だ!」 「往生際が悪いねぇ咲ちゃん。やるなら、そうだじぇ。レートは十倍だ」 あと一歩。もう少しで。 「この野郎なめやがって・・・」 「払えるのかな咲ちゃんは。そうだ。無理なら買ってもらうんだじぇ」 空気が凍りつく。 「なんだと?」 「だから京太郎に、体を買ってもらうんだじぇ咲ちゃん。いくらでも払えるよなぁ?」 声にならない声が咲の口から漏れる。それは獣のうなり声に似ていた。 「・・・十倍だ。吠え面かかせてやる」 弱った者は徹底的にいたぶり、しゃぶりつくす。それは他ならぬ和から教えてもらったことだった。 既に修羅場と化した部室では洗牌の音だけが響いている。親はタコスというのが条件だった。 「半荘の集中なら天才なんだじぇ。咲ちゃんは本気で勝負しないから負けちゃうんだ。わかるかな?」 咲の応えはない。牌が整い、理牌の小気味良い音に変わっていった。そうだ。必死に理牌するんだとタコスは呪いをかける。 今度は本気。咲の顔にはそう書いてある。負者はいつもそう思うのだ。さっきは手を抜いていたのだと。運が悪かったのだと。 「おやおやぁ、おかしいじぇ~」 沈黙のなか。タコスの声に咲は顔をあげた。 「なんだてめぇ」「いやいや困ったじぇ。今日は──」 タコスの指に押され、パタリパタリと牌が倒れていく。 「──やけに役満がでる日だじぇ」 それはビロードのカーテンのようになめらかに。 「う・・・」 「嘘じゃないじぇ咲ちゃん。またハコだじぇ咲ちゃん」 天和、四暗刻、字一色。それは最後通牒だった。 85 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 18 17 21 ID u30arOma それは簡単なイカサマだった。 最初、和から電話があったとき彼女はこう言ったのだ。 ──それ用にあつらえた牌を用意すれば簡単にイカサマができるんです。 そのすり替えは完璧だった。理屈はわからないが、タコスの席には毎度毎回字牌があつまり、例外はなかった。 結局それはだまし討ちだったのだが、勝負の中でそれを変えることは不可能だった。しかし、そのコンビ打ちに気が付いたとき、タコスの中で別の疑問が首をもたげた。 それでは。 それでは元々あった細工前の牌はどこへ行ったのか。 簡単な問題だった。簡素な家具しかない部室にないのならば、それは倉庫となっているトイレでしかありえない。 果たしてそこには本来の、細工前の牌がそのまま前種類置いてあった。 そこから一九字牌を抜き出して卓に戻ったのである。ネコのぬいぐるみに隠した字牌と握りこんだ一九牌。 いくら咲がリーチ後の嶺上開花を狙っているとは言え、そこまでタコスの運は強くは無い。左手に握りこんだ 牌を、上家がツモる瞬間を狙って不用牌とすりかえ、国士まで持っていったのだ。 しかしそれだけではない。さらに右手で握った未加工牌を手牌に入れ、同じ種類の不用牌を左手に握って処理した。 本来ならすぐにバレてしまうすり替え。しかしこの場は勝負でもゲームでもなかった。咲の必勝が約束された場だったのである。誰もそのすりかえに注意を払うものはいなかった。 結果。白、東、南の暗刻が全て入れ替わり、不用牌として河に捨てられていく。それは次の戦いのための布石だった。 すりかえられた牌は卓内で混ぜられ、ここで「寄る字牌」と「寄らない字牌」に分けられる。 当然、和が細工した牌だけがより厳選されてタコスの手牌に入るのだ。あとは理牌しながら調整すればよい。 幸い、天和まで一つすりかえればいいだけだった。 しかし、その代償はあまりにも大きかった。結局のところ勝負に勝って全てを失ったのだから。 その後タコスの姿を見たものはいない。 女だてらに「坊や」を名乗り、語尾に特徴のある雀士が登場するには、実に10年以上の歳月を待たねばならなかった。 そして京太郎は忘れられていた。 おわり 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/212.html
タコス「ねえ、咲ちゃーん。この問題ってどうやって解くんだじぇ?」 咲「えっとねえ、これは・・・えっと・・・えーーーっと・・・」 京太郎「ここをこうやって、この公式に当てはめるんだよ」 タコス「おお、なるほど! サンキュー犬!」 京太郎「しかし、こんな問題も分かんないんじゃ、咲も追試受けたほうがいいんじゃねーの?」 咲「な!? ひどーい、京ちゃん!」 京太郎「くっくくく。わりいわりい」 タコス「・・・あ、じゃあこの問題はどうするんだじぇ?」 京太郎「おお、それは・・・・・・あー・・・えー・・・」 咲「それはこう! こういう考え方をして・・・」 タコス「なるほどー。ありがとうだじょ咲ちゃん」 咲「えへへ・・・。でもなーんだ。京ちゃんこそ追試受けたほうがいいんじゃないの?」 京太郎「なんだとー?」 咲「さっきのお返しですよーだ」 京太郎「このー」 ぷにっ 咲「うふふ」 京太郎「あはは」 いちゃいちゃ タコス「・・・・・・」 修羅場になりそうなので、和ちゃんは用事で欠席ということで 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/9487.html
咲「そ……そんな!ひどいよ!京ちゃんがいないと…私、どうなっちゃうか分からないんだよ!?」 和「きっと迷子になりますね」 優希「コミュ障で道を聞くのも出来なさそうだじぇ」 まこ「しかしそうとばかりも言うとられんじゃろ?」 久「第一、付き合いが一番長いならその間に進展しておくべきだと思うのよ」 咲「ひどいよ!?カンするよ!?おっぱいが大きくて甘えられる女の人が京ちゃんの好みだって聞いたから相談したのに!」 和「勝ちました」キリッ 優希「甘えてるじぇ」ドヤッ 久「甘えを受け入れられるわよ」ドヤッ まこ「おんしら……」 咲「うわーん!これじゃ京ちゃんを取り戻せないよー!」 和「どういうことですか」 久「詳しく話してね」 優希「犬がどうしたんだじぇ」 まこ「別に京太郎が誰と付きおうても構わんやろ…」 京太郎「ちょ、当たってますって!」 はやり「ううん、当ててるんだぞ♪」 京太郎「はやりさん、俺だって男なんですから……襲っちゃっても知りませんよ?」 はやり「襲ってくれるんだ♪じゃあ結納待った無しだねっ♪」 京太郎「あー……それは俺が成人するまで待ってもらう形になりますが」 はやり「それでもいいゾ♪」