約 4,794,879 件
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/248.html
体育館に足音が響いていた。 板張りの、広い空間だ。周囲に多少の生活音があろうとも、音が反響することに違和感はない。 なにより、そこは元より運動するための場所である。足音はもはや必然と言えよう。 しかしそれは誰が見てもおかしな状況であった。 足音は、広さに反して2つでしかない。 時刻は、もうすでに暗い時刻。 にも関わらず、照明はひとつも点いていない。 そして何より、破裂音や刃が空を斬る音が幾度も響いている。 通常の使用意図とは明らかに逸脱した、異質。 それを為したのは、当然、響く足音の主たちである。 「っ!」 少女は床を強く蹴った。 一瞬遅れて、顔の左真横を敵の一撃が上下に通り過ぎていく。 ひゅん、という空気を切り裂く音が、耳元でパチパチと鳴る―――己の能力の余剰エネルギーによるものだ―――電気の音と混じり、切られた髪の一房が空を舞った。 「このっ!」 罵声ギリギリの声とともに、少女の体から青白い電光がほとばしり、彼女を中心に放射状に放たれた。 敵は大上段からの一撃を仕掛けた直後だ。通常ならば避けられるはずがない。 しかし。 「ふっ!」 敵は小さく息を吐き、慌てることなく己の武器を床に突き立てた。 敵の武器は、何の冗談なのか、鋭く大きな鋏。そんなものを自在に操り、少女を攻撃し続けているのだ。 片方の刃が床に刺さる一方、90度の角度を保持したもう片方の刃―――その先端が、撒き散らされる電流に向いた。 「っ!」 電気的特性に従って、電撃は鋏の先端に集中し、そのままアースのように床に流し散らされる。 一瞬にして攻撃を無力化された少女。敵が鋏を床から抜くタイムラグを追撃に使うのではなく、間合いを外すための跳躍に消費する。 床を蹴る音が再び響き、ショートカットというにはやや長く、セミロングにはまだ短い茶色がかった髪が、相対的な風に小さく揺れた。 助走なしで数メートルを稼げたのは、能力で筋肉への電気刺激を補正強化しているためだ。いまの彼女の身体能力は、通常の人間よりもずっと高い。 にも関わらず、前髪から覗く彼女の瞳には、強い焦りが満ちていた。 視線の先で、敵が鋏を構えなおした。 子供のような―――下手すれば幼児とも見えそうな小さな身体に、それよりも大きかろうという鋏。 高い窓から入る見事な月影に浮かんだその姿は、まるで死神の様。 そして、 「はっ!」 死神の踵が、タン、と床を鳴らす。 稼いだ数メートルを一気に食いつぶし、敵の鋏が少女の眼前に迫った。 「っっっ!」 驚きの声をあげる暇なく、少女は身を捻る。 動きについていけず、空に取り残された制服の襟元が、突き込まれた鋏の先端に引き裂かれた。 常盤台中学校。 この都市に住む者ならば知らない者はいない名門校の制服が、少女の身からどっと吹き出した汗に濡れる。 いま回避できたのはただの偶然に過ぎない。本当なら、いまので終わっていたはずの一撃だった。 そして、それを為した相手はいまだ目の前だ。 「わあああっ!」 生存本能が叫びを生み、体を動かした。 逃げの一手だったはずの脚が力強く踏み出され、振り上げた両手に電撃が集約する。 力を周囲に放つのではなく一点に集中させたその掌を、少女はオッドアイの死神にたたき付けた。 「!」 追撃の予備動作に入っていた敵は、予想外の反撃に目を見開いた。 辛うじて持ち上げた鋏で少女の両手を受け止める。だが先ほど利用した電気的特性が、今度は牙を剥いて己に襲い掛かった。 鋏を通し、苛烈な電撃が体を貫いていく! 「ああああああっ!」 大きく空間が弾け、バン! とオッドアイの小さな体が吹き飛ばされた。 体勢制御もままならないず、板張りの床にたたき付けられ、ゴロゴロと転がる。 手から離れた鋏が僅かに遅れて床に落下し、ガチャリと金属的な音をたてた。 「はあっ、はあっ、はあっ」 少女は己の攻撃の結果に半ば信じられない表情。衝動的な行動だったため、目の前のことに現実感がない。 だが現実に相手は倒れ伏し、ぴくりとも動く様子を見せなかった。 「・・・・・・」 大覇星祭が終了して数日。 祭の規模が大きければ、それに応ずるように、後片付けもまた大騒ぎになるのが道理と言うもの。 今日はその片付け最終日であり、明日からはその振替の連休だ。 この体育館の片付けを担当していた少女はつい気が緩み、体育館の日だまりで眠ってしまっていたのだ。 日が沈んだ気温の低下で目を覚まし、迫る門限とほっといて帰った同級生たちに恨み言を言いながら体育館を出ようとしたところに、いきなり襲い掛かってきたのが、このオッドアイだった。 強制的に始まった戦いは、終始こちらの劣勢。この結果は、本当に偶然と偶然が重なったものだと確信できるものだった。 だが、一瞬だけ少女の顔に浮かんだ安堵の色は、 「へー、すごいのね。この子を倒しちゃうのは流石、かな」 「!」 不意に響いたもう一つの声によって、再び緊張に彩られた。 薄闇に浮かぶ敵の瞳。左右で異なるオッドアイ。それに見据えられ、少女の心に今こそ本物の恐怖が巻き起こった。 少女と同年代の高い声。 右に転じた視線の先には、閉じた体育館の出入口ドアに背をつけた、セーラー服姿の女。 オッドアイとともに現れ―――しかし戦闘には介入しようとしなかった者だ。 青い月光に照らされ、後ろ手に手を組んでこちらを見つめている彼女の口元には、嘲りとしか見えない笑みが浮かんでいた。 ぎっ、と歯を噛み締め、セーラー服に向き直る少女。あわせて、己が能力を発動。 汗で頬に張り付いた髪が、電流にバチバチと鳴りはじめた。 「なに余裕こいてんのよ・・・次はあんたの番だからね」 「へぇ?」 その言葉に、セーラー服がドアから背を離す。 「!」 ゆらり、としたその動きに、少女は自分の体が強張るのを感じた。 セーラー服の笑みが深くなる。 「ふふっ、そんなに警戒しないでほしいわ。はっきり言ってワタシじゃ勝負にもならないから。ワタシ自身は無能力だからね」 「・・・・・・」 そんな、この都市では圧倒的な不利を意味する言葉を告げながらも、セーラー服は笑みも余裕も崩さない。 警戒をまったく緩めない少女に肩を竦めるセーラー服。次いで、顔をいまだ倒れ伏したオッドアイの方に向け、 「蒼星石、大丈夫かしら?」 と、言った。 「・・・く・・・は、い・・・マスター・・・」 「!」 その声に応じて僅かに身じろぎするオッドアイ。 少女は慌ててそちらに視線を向けるが、セーラー服への警戒を緩めるわけにはいかない。 対するセーラー服はそんな少女の様子をまったく意に介していないように、言葉を続けた。 「いいわ。少し休んでなさい。この女はワタシがなんとかするから」 「はい・・・もうしわけ、ありません・・・」 オッドアイは言葉を返し、そのまま力つきたように再び動かなくなった。 「・・・・・・」 少女の両目がセーラー服に向く。 オッドアイがしばらく動けないのは間違いなさそうだ。 だったら、いまのうちにこいつを倒してしまえば・・・ 少女の腰が僅かに沈み、拳が握り締められた。 一足で跳び込み、拳を叩き込む。 電撃ならば光速で相手を射抜けるが、オッドアイが使ったような方法で回避される可能性がある。 この状況で確実に勝負をつけるには、直接攻撃の方がいい。 「・・・・・・」 脚に微細電流を流し、筋力を強化する。 そして、ぐっ、と力を篭めて跳び掛かろうとした―――その直前。 「そうそう」 「!」 くるり、とまるでそれを読んでいたかのように、セーラー服が少女に向き直った。 出鼻をくじかれ、踏み出しかけた脚がとまる。 セーラー服はクスクスと笑いながら、 「これ、なーんだ?」 後ろ手にしていた両手のうち、右手だけをゆっくりと少女に差し出した。 「・・・・・・」 少女は構えをとかないまま、そこに視線を向ける。 突き出されたその手にあるのは、 「・・・なに考えてんのよ、あんた」 忌ま忌ましそうに、少女が言った。 20㎝にも満たない小さな人形。 セーラー服の手にあったのは、そんな物だった。 陶器のような材質なのか、艶やかな表面が月の光で濡れている。 だが少女が不愉快そうに眉をしかめているのは、セーラー服の態度でも、場違いな物を差し出されたことに対してではない。 「なにって、お人形よ? 人形遊びとか、嫌いかしら?」 楽しそうに小首を傾げる。ほらほら、と小さく人形を振る態度がさらに堪に障った。 「ふざけんじゃないわよ! あんた、そんなもん出してなんのつもり!?」 バチバチッ、と電撃が弾ける。 少女が激高した理由。 セーラー服の持つ人形は、まるで生き写しのように少女にそっくりだったのだ。 いま着ている制服も、髪型も、髪留めすらもまったく同じ。 このまま大きくすれば、間違い探しにだって使えそうなほどの精巧さがある。 この様子ではおそらく、制服の下も完全に揃えているに違いない。ちらりと見えたスカートの中身から考えても、間違いなさそうだ。 余程に入念に観察をしなければ、とても造れそうもない精度である。 いつから自分を観察していたのか。ずっと見られていたのか。 そう思うと、ぞっとするどころの騒ぎではない。 だが、怒りと怖気の混じった少女の視線を真正面から受けても、セーラー服の笑みは陰りなかった。 「ねぇ、アナタは偶像の理論って知ってる?」 それどころか、まったく悪びれない調子でそんなことを言ってくる。 「・・・・・・」 少女は反応しない。 それに構わず、セーラー服は続けた。 「簡単に言うと、似た物には本物と同じ力が宿るし、その逆もあるって理論なんだけど」 一息。 「まぁちょっとしたおまじないよね。そんなの完璧にできちゃったら、神様だって堕ちてきちゃうもの。普通はできないし、できても0.00000何%くらいの力にしかならないのよ」 「・・・・・・」 「まぁそれはそれとして・・・いまの理論とこのそっくりな人形。これでワタシの言いたいことわかってくれると嬉しいんだけど」 「・・・その人形が私で、私はあんたの手の中だって言いたいの?」 「んー、半分正解かな。前半分はね、そういう意味。これは、このお人形は、アナタ」 つん、と人形を持つ手の親指で、精巧なその顔をつつくセーラー服。 「でもさっき言ったわよね。そんなの普通じゃできないし、できても弱っちいの。・・・だったら、普通じゃない場所でなら、どうだと思う?」 「・・・・・・」 少女は息を吸い込み、再び腰を沈めた。 もうこんな無駄話に付き合うつもりはない。こうしている間にも、辛うじて無力化したオッドアイの回復が近づいてしまうのだから。 電流が筋肉に干渉し、力を蓄える。 一撃の準備に入った少女を見ても、セーラー服は慌てない。 「ではここで問題です」 変わらぬ笑みを浮かべた彼女はいったん言葉を切り、 「さっきからアナタは蒼星石とドンパチしてきましたが、なんでこの体育館には傷がついていないでしょう」 と、言った。 「!?」 思ってもいなかったことを告げられ、瞬間的に少女の脳裏に疑問が浮かぶ。 視界に映る範囲では、確かに、まったく壊れた部分がない。 戦いの最中にはそんなことを気にする余裕がなかったが、これは明らかに異常だった。 オッドアイの鋏でも床板は割れるだろう。壁も削れるだろう。 だが自分の電撃の威力なら、もうこの体育館は全壊していてもおかしくないのだ。 「・・・・・・」 普通の、体育館じゃなくなっていた。 そして先ほどの言葉。 『似た物には本物と同じ力が宿る』 『このお人形は、アナタ』 『普通じゃない場所でなら』 ・・・そんな、馬鹿なことが その疑惑が意識の空白を生み、跳び掛かる動作を一瞬だけ遅らせる。 それが明暗をわけた。 「大丈夫よ。それにしたって、ほんの数%だから」 セーラー服の少女が軽く告げ、人形を床に落とした。 間髪を入れず、右足で踏み砕く。 暗い体育館。 悲鳴が上がり、続いて、人の倒れる音が響いた。 それはいつも通りのある日のことであった。 上条当麻はベランダに布団を干そうとすると、ある一通の封筒が置かれている事に気付いた。 最初は風で吹き飛ばされてきたのだろうと思ったが、封筒には”上条当麻様”と書かれており、その他には住所も差出人の情報すらも書かれてなかった。 「何だこれ?…別に自分の名前宛てなんだから開けてもいいよな…」 そんなことを思いつつ封筒を開けてみるとそこには一枚の紙が入っていた。 中身を読んでみると 「おめでとうございます上条様!!!貴方は54128人の中から厳正な抽選にて選ばれ、『幻想御手(レベルアッパー)』を獲得することができる幸運な学園都市の人です!!! チェックをしたら、そこから外へこれを紙飛行機の形にして飛ばしてください。人口精霊ホーリエが異次元より貴方の手紙を回収に参ります。」 その手紙の最後には”まきますか まきませんか”と大きな文字で書かれていた。 「新手の詐欺か?全く、上条さんはこんな面倒な事に付き合ってる暇なんかないってのに…」 そんな独り言を呟きながらも、手紙に書いてある”幸運な学園都市の人”という文字列に思わず目を奪われてしまい、ふとした思いで”まきます”の方にチェックをして、紙飛行機の形に折り外へと投げた。 「こんな事で能力者になれたら上条さんは今頃不幸じゃないですよ…」 そんな事を思いながらも上条は心の奥底で何かを感じていた。 新たな何かを--- 布団を干し終えた上条は、一度大きく伸びをして、秋の空を見上げた。 「大覇星祭も終わったし、旅行先のゴタゴタもなんとかなったし、しばらくは静かだといいんだけどな・・・」 呟きながら、ここ数ヶ月のことを思い出す上条。 気がついたら記憶がなくて、同居人が増えてて、魔術師の知り合いが出来てて、数日ペースで命のかかる様々極まりない騒動が気軽に巻き起こる日々。 そんな思い出というには新しい記憶が、吹く秋風とともに上条の脳裏を通り過ぎていく。 「よく生きてるよなー、俺・・・不幸だ」 数ヶ月前に件の同居人がひっかかっていた手摺り。そこにに手をかけた彼の口から、割と本気の感想がついてでた。 言葉だけなら、自分の境遇を歎く一言。 だが、彼が浮かべているのは、やや苦笑が混じっているが微笑みに属するものである。 自分の境遇を嘆き恨む者には、決して出来ない表情だった。 それに彼は気づいているのかいないのか。 「さて、じゃあさっさと洗濯物を干しちまうかな」 ともあれ、上条はもう一度伸びをしてから、部屋に戻る。 まだ一日は始まったばかりで、今日のうちにやりたいことは多いのだ。 そうして一歩、ベランダから室内に脚を踏み入れた上条を待っていたのは、 右足の小指がちょうど当たる位置に置かれていた、大きな鞄であった。 「へ?」 そんなところに鞄が置いてあるなど、想像していない。 だから彼の右足は、まるで吸い寄せられるようにその鞄に向かう。 それも綺麗に小指が当たる角度で。 コツン、とかわいらしい音とともに、 「っっっ!」 上条は、右足を押さえてのたうちまわることとなった 「な、なんだこれ?」 上条はひとしきりもがいた後、涙目で鞄を見下ろした。 痛々しく腫れが上がった指も気になるが、いまは鞄である。 ついさっきまでこんなものはなかったはずだ。ついでに、こんな鞄を持っていた覚えもない。 「・・・じゃあ、インデックスのか?」 自分ではない以上、可能性があるのは同居人の私物ということ。 しかし彼の同居人である腹ペコシスターは、こんなもの持っていなかったはずだ。 いまでこそ多少の私物は増えたものの、基本的に生活用品くらいしかないはずである。 「高そうな鞄だし、それはないか。小萌先生からもらったのかもな」 インデックスにも、当の上条にもこういったものを購入する機会も財力もない。 ついでにこの町の半不正規滞在者であるインデックスには、バイトして稼ぐこともできないはずである。 可能性があるとするなら、誰かからのもらいもの、というところだろう。 「でもおかしいな。さっきまでこんなの置いてなかったはずだけど・・・」 不思議そうに首を傾げる上条。 件のインデックスは、朝早くから小萌の家に出掛けている。 なんでも買い過ぎて賞味期限ギリギリの食材を一気に片付けるためにインデックスの力を借りたいとのことだった。 そういう話に食欲最優先の彼女が動かないわけがなく、今日は泊まり込みで食べてくるらしい。 いままで何度か泊まりに行っているが、そのたびに手ブラなのを気にして小萌が用意してくれた可能性は十分にあった。 おそらくお泊まりグッズを詰めて、しかし普段の習慣どおりに手ブラで出掛けたのだ。 ただでさえインデックスである。食事が用意されている状況下なら、その辺りが抜け落ちても不思議はない。 「せっかく用意してくれたのに忘れていってどうするんだよインデックス・・・」 と、上条は呟いた。 彼の中で納得のいく理由が思い付いたせいで、もう鞄が誰の物かということはほぼ決定状態になってしまっている。 床の上に置いてあることも、何らかの勘違いで気がつかなかったのかもしれない。 普通はこんなものが床においてあれば100%気がつくに違いないが、ここは学園都市だ。 誰かが外でおかしな能力を使って、その余波が出たのかもしれない。 場合によっては、高価な鞄をもらった鞄インデックスが後ろめたくて何かしらの魔術でも使って隠していたのかもしれない。 彼女は魔術は使えないと聞いているが、いままでも何度か戦闘でそれらしいことをしていた記憶がある。 純然たる魔術といえなくてもそれらしいことが出来ても不思議はなかった。 それが何かの拍子に、自分の右手に触れたのだろう。 「どうするか・・・っても、届けてやるべきだろうなこれは」 気がついた以上、それをそのまま放っておくのは性にあわなかったし、何より上条家の経済破綻をギリギリで回避していられるのは、小萌の食事会によるところが大きい。 「義理と人情を欠いては浮世は渡れないと思うのですよ上条さんは」 呟きながら、鞄の取っ手に左手をかけた。 かなり大きい鞄だが、力には多少自信がある。それに中に入っているのはおそらくタオル程度であろう。 「よっ、と」 上条は一気に持ち上げようとして、 「!?」 ズシリ、と予想外の重みが腕にかかった。 完全に軽いものと信じていた上条だ。勢いがあまって、体勢が一気にまえのめりになる。 「お、わ、たっ」 左手が無意識に鞄を離す。僅かに浮いていた鞄は床に落ち、代わりに重量感の消えうせた彼は、堪えるどころか一気にバランスが崩れた。 「っ」 軽くなった彼の上半身が反射的にのけ反る。だがバランスに調整がついていかない。 「うわっ」 それでもなんとか体勢を立て直そうとして脚を踏み出す上条。だがその足が、いましがた干そうとして床に投げていた薄手の掛け布団を踏み付けた。 ずるり、と脚が滑り、視界が反転する。 「ふ、不幸だぁっ!」 彼の嘆きの声が響き、その一瞬後、床に頭が激突する音がこだました。 「いてててて」 湿布を貼って包帯でぐるぐる巻きにした右手で後頭部に保冷剤(上条家冷凍庫に入っている唯一のもの)を押し当ててながら、上条は鞄の前に腰を下ろした。 鞄を持ち上げようとした、ただそれだけで、彼は後頭部強打と右手首捻挫という負傷をしてしまっている。 負傷自体は悲しいことによくあることで、応急手当も慣れたものであった。 それよりも、いまの彼はもっと重要なことがあるのだ。 「まったく、なにが入ってるんだこれ?」 ポン、と左手で鞄を軽く叩く。 持って行こうと思ったが、予想外に重いものだ。 左手だけで持ち上げるのは、小萌の家までの距離を考えると、少々きつい。 となると、残る方法は中身を見て、無用なものを出すしかまい。 この段階に至って『持って行かない』という選択肢が出てこないところに、彼の人の良さが伺えた。 ついでに、小萌の家に電話してインデックスに確認するという点に気がつかないあたりに、彼の単純さがわかる。 さらに言えば、そもそも女の鞄を開けようとするな、と言う点に考えが至らないところに、彼のデリカシーの無さと鈍感ぶりが計り知れよう。 「えーと、留め金留め金っと・・・」 などと言いながら、無事な左手で取っ手の脇にある留め金に指をかける。 軽く動かすと、パチリ、と存外に軽い音をたてて留め金は外れた。 「鍵、かかってなくてよかった」 かかっていたらお手上げだったに違いない。 流石の幻想殺しも錠前を壊すことなんか出来ないし、何よりいまは包帯で皮膚が完全に隠れるほどぐるぐる巻きである。 よかったよかった、等と呟きながら鞄を開ける。 ギギギ、と小さな軋みとともに開き、徐々に見えてくる中身を見た上条は、 「え」 カシッ、とその動きを止めた。 彼が予想していた中身は、連れていったスフィンクスのためのネコ缶や、小萌の家でするためのゲームソフト(蔵上条家)が大量に、というものだった。 だから、動きを止めるのも無理はない。 中に入っていたのは、それこそ美術館に飾られていそうなほどの、綺麗な人形だったのだから。 驚きと、人形の持つ息を呑むほどの美しさに、数呼吸。 「な、なんだこれ。こんなの、先生んちに持って行くつもりだったのか?」 再起動した上条は、左手を鞄の取っ手にかけたまま、眉を潜めた。 鞄の中には、本当に人形しか入っていない。予想していたネコ缶もゲームソフトもなく、ましてやタオルも着替えもなかった。 そもそも身を丸めるようにして入っている人形だけで、鞄はいっぱいいっぱいである。これ以上何を入れるスペースはない。 とはいえ、鞄そのものの装飾や大きさ、そして人形の『収まり具合』から考えて、明らかにこの人形専用の鞄に思えた。 「西洋人形・・・ってやつだよなこれ」 鞄を完全に開けてしまい、つんつんと左人差し指で人形の頬をつつく。 陶器のような硬い、しかし人の肌に吸い付くような不思議な質感を指先に感じた。 「小萌先生がこんなのをインデックスに? いやでも、だったらこれ持って行く意味わからねぇし」 顔を上げ、腕を組む上条。 「だったらやっぱりインデックスの私物か・・・あいつ、いつのまにこんなもの」 正直、インデックスの趣味とは思えなかったが、こうなるとそれ以外の線が考えられない。 『記憶のあった上条』の私物という線もあったが、それはとりあえず否定することにした。 いやその趣味そのものをどうこう言うつもりはないし、偏見もない。 ただ、以前に失った記憶を補完しようと、自分のアルバム等を探したときには、こんな鞄は見当たらなかったというだけである。 それに、インデックス自身はあまり快く思っていないようだが、彼女にも一応故郷があり、その知り合いがいる。あの炎の魔術師や破れジーンズの魔術師が持って来ることだってないとは言えないのだ。 「明日、帰ってきたら聞いてみるかな」 いま、それを確認する方法はなさそうである。 上条はため息をつき、ふと、鞄の中で眠るような人形に目をやった。 「・・・でも、インデックスはこういう色が好きなのか。あいつシスター服だから、白以外のイメージなかったけど」 そしてもう一度、つん、と人形の頬をつつく。 「こんな赤色の人形を持ってるとはねぇ」 彼の言葉どおり、人形は全身で赤を纏っていた。 洋服は言うに及ばず、ヘッドドレス、襟元の薔薇、履いている黒色の靴すらも光の加減によっては赤みを帯びて見える。 異なる色と言えば、髪の金と肌の白くらいだろう。 「赤と白と金色でめでたしめでたしってところですか」 極めて日本人的発想を口にする上条。 いまだ日本の文化に馴染みの薄いインデックスにそれはないにしても、上条的には白い少女が赤い人形を抱いている情景は妙に縁起がよいように思えたのだった。 「あ、そういや大丈夫かな」 覗き込むようにして人形を見ていた彼の顔に、若干の緊張が浮かぶ。 彼が危惧しているのは、さきほどの開けようとして転ぶ事件を思い出したからだ。 この鞄、転ぶ直前に手を離した拍子に、けっこうな勢いで床に落ちたような気がする。 「まずい、どっか壊れてたら・・・」 これがそう安いものではないことはアンティークや芸術に疎い上条にも容易に想像できた。 たとえ安価なものであったとはいえ、インデックスのお気に入りには違いない。 ほとんど食べ物以外をねだらない彼女にして、その何倍もしそうな装飾の一品である。 それに傷をつけてしまえば、彼女はどう思うだろう。 頭を噛まれるくらいならいいが、もし泣かれたりしたら切腹→火葬ものだ。 いや、上条が自主的にしなくても、たぶん二人の魔術師が強制して来るに違いない。 それに上条としても、そんな心が痛い事象は避けたかった。 「ちょ、ちょっとだけ確認を」 頬に汗でも伝っているような感覚で、上条は人形に手を伸ばした。 もし傷がついていても修理できるものではない。それでもこういうことは、気になりだしたら確認するまで止まれないのだ。 傷がついていなければよし。 もし傷がついてたら・・・土下座と高級料理フルコースで手を打ってもらいたい。 そんなことを考え、左手を人形の脇の下に入れる。 「わっ、と」 そのまま持ち上げようとするが、これが大きい。一抱え、というか、下手すれば幼児ほどもありそうだ。 反射的に右手も添えようとして――― 「って、大丈夫かこれ触って俺」 その右手をとめた。 いまのところどこからどうみてもただの人形だが、これはインデックス関係のもの。 魔術的な要素があれば、右手で触れるのは危ないかもしれなかった。 「・・・・・・」 じっと包帯の巻かれた右手を見る。 とはいえ、人形を調べるには片手じゃ厳しそうである。 無理に持ち上げて床に直接落としたら、傷物まちがいなし。鞄ごとならばまだ言い訳もたつが、予測した上でそんなことになろうものなら目も当てられない。 「・・・ま、包帯でびっしりだし、大丈夫だよな」 幻想殺しの効果は右手首から先で、直接触れたもの、という限定的なものだ。 完全に包帯で覆われた今の状態なら問題あるまい。 「よっと・・・って、でかいし、重いなこれ」 両手で『たかいたかい』でもするようにして持ち上げる。 ずしりと両腕にかかる重量感。身長に対応するように、その重みも人間の幼児並だ。 「しっかし、すごいなこれ。芸術は爆発というわけですかそうですか」 その顔を覗き込み、精巧さに思わずため息が漏れた。 人のような大きさ、人のような重み、人と見間違いそうな精巧な顔形。 そしてなにより、 「なんか色々な柔らかくて上条さんは大変ですよまったく」 指は、意外な柔らかさを上条に伝えてきていた。 なるほど、さきほど頬を突いたときの硬さや質感は、こうしてみると意外なほど人に近いものを思える。 人そのものよりもやや硬いが、その差が逆に『人を模そうとした』ことを感じさせることとなっていた。 「ま、まぁ傷もなさそうだし、そろそろ戻すかな」 と、妙に早口で人形を下ろそうとする。 そんな彼の鼻先を、金色の髪が掠める。 ふわり、と甘い香りが鼻腔をくすぐった。 「・・・・・・」 (って、いまなに考えてた俺そんな俺はその趣味はないないいやだってそんな土御門じゃあるまいし人形様にだってうわらばあばばばばば) ブンブンと頭を振る。 いま顔が熱いのは気のせいだ、気のせい。そうじゃないと困る。 思わず視線を逸らした上条。 そんな彼の目が、ひとつの金属片が捉えた。 ぱっと見て、ハート型のようにも見えるそれは、 「ゼンマイか、これ?」 内心の動揺を自らごまかすように呟きつつ、ゼンマイを右手で取り上げる。 包帯越しに金属の感触をかえしてくるソレは、正しくなんの変哲もないゼンマイだった。 「・・・・・・」 視線を落とせば、自分にもたれかからせるようにして、膝の上で抱えた人形の、その背中が見えた。 そこに、差し込み口のようなものがある。 「駆動式? カラクリ人形?」 差し込み口とゼンマイの先端は同じ形だ。間違いなくそこに挿すものだろう。 「・・・・・・」 いくら不幸に塗れても、いくらこの学園都市の学生として見ても異常な事態に遭遇していると言っても、上条は男の子である。 こう言ったカラクリと言うたわいもない『おもちゃ』には心躍らされるものがある。 (ちょっとくらいなら、大丈夫、だよな) 好奇心が動き出す。 これだけ精巧な人形だ。駆動するとなれば、どこまで綺麗に動くのか見てみたい。 それにもし動かしてみて、異常がなければ内部機構にも問題がないという証明にもなるのだ。 (そう、これは確認、確認なんですよインデックスさん) 持ち主に無断で動かすという罪悪感を義務感という名目でごまかしながら、上条は手にしたゼンマイを、背中の穴に挿しこんだ。 その瞬間だった。 キリキリキリ・・・と軋むような音をたてて、ゼンマイがひとりでに動きはじめた。 「え・・・」 上条の口から驚きの声が漏れる。 反射的に右手を放すが、ひとりでにまかれていくゼンマイは止まらない。 そして、呆然とする彼の目の前で、 「・・・・・・」 ふわりっ、とさきほど鼻先を掠めた人形の髪のような軽やかさを持って、当の人形が空中に浮かび上がる。 「ちょっ、えっ、や、やっぱり魔術的なあれですか!?」 無意識のうちに右手を胸元に引き寄せながら、左手で床を掻いて後ろにさがる上条。 普通の人間なら、いや、この学園都市にひしめく能力者たちでも驚くような光景に、それでも素早く反応できるのは、いままでの経験ゆえか。 驚きと、若干の警戒を宿した彼の視線の先で、人形が鞄の上、その空中に直立する。 そのまま、まるで風になびくように、人形は鞄の上から床に水平移動。 上条はそれを見守ることしかできない。 そして、その彼の眼前で、 「・・・・・・」 伏せられていた人形の目がゆっくりと開き、その切れ長の目が、すい、と上条に向いた。 「な・・・」 上条が声を漏らしたのは、人形がこちらを向いたことにではなかった。 人形の瞳。 そこに篭められた、明確な敵意に対してである。 「・・・・・・」 トン、と人形の靴が床に着地する。しかし上条に向いた視線の色は、種類を変えないままだ。 赤い人形の左手が、ゆっくりと持ち上がる。 「くっ」 右コブシを握る上条。手首が痛むが、この際そんなこと言っていられない。 人形の視線―――その敵意は強くなる一方。 そして、人形が一歩、脚を踏み出した。 上条の、方に。 「お、お前っ・・・!」 上条が言葉を投げかける。 「・・・・・・」 だが人形は反応を見せないまま、ツカツカと歩をすすめてくる。 人の脚で数歩の距離。やや小さい人形では、もう少しかかる。 人形の手は持ち上げられているだけでいまのところなにも異常な様子はない。 だが油断はできない。 相手は魔術の結晶に違いないのだ。上条の右手同様、触れた瞬間にだけ効果を発するのかもしれなかった。 「!?」 (まずいっ、右手・・・!) 上条が息を呑んだ。 頼みの幻想殺しは、いまは包帯で完全に拘束されている。これではなんの意味もない。 慌てて左手で包帯を毟ろうとするが、 「・・・・・・」 「!」 もうその時には、人形は上条の目の前に立っていた。 (やべっ!) さらに後ろに飛びすさろうとする。 が、それよりも一瞬だけ早く。 「なんて起こし方をするの」 ぶん、と上条の右頬に、彼から見て右斜め上から小さな手が振り下ろされた。 「うべっ!?」 室内に、本日二回目のよい音が響く。 こうして、上条の一日は、いつものように悲鳴と不幸から始まって行ったのだった。 「まったく、いきなりレディを床に落とすなんて、いつになっても男というのは野蛮なものなのだわ」 「まことに申し訳ありませんでした・・・」 「その上、無遠慮に頬と言わず鼻と言わず突付いてくるし・・・いまの世界の挨拶は、顔をつつくことから始めるのかしら?」 「滅相もございません、すべてわたくしの不徳の致すところであります」 腰に手を当て、いかにも立腹してますという風情で見下ろしてくる人形に対し、上条がとった対応は男らしい土下座であった。 もっとも、小さな女の子に少年とは言え大人に近い男がそうしている情景には、男らしさの欠片もないのだが。 あの平手一閃から5分後の、上条家の情景である。 「・・・あなた、名前は?」 「不肖、わたくし上条当麻と申します」 「じゃあ当麻」 「なんでございましょうか」 「あなたの土下座はとても綺麗で見事なのだけれど、もう許してあげるから頭を上げて頂戴。そのままじゃ話しにくいわ」 「わ、わかりました」 「それと、敬語もいらないのだわ。あなたの普通がその敬語なら、別だけど」 「・・・わかった」 なんとかお許しをもらって、顔をあげる。 つい先ほど彼の左頬を張り飛ばした西洋人形は、まるでそこが定位置であるかのように、上条家のソファーに腰掛けていた。 ソファーに座っているのに腰に手を当てるという行動は妙に見えるが、本人(?)は気にした風はない。 インデックスが怒ると噛み付いてくるのと同様、この人形はそういう癖でもあるのかもしれなかった。 やっぱりペットと同じで魔術人形も持ち主の影響を受けるのか、などと考える上条であったが、それはともかく。 人形がしゃべるという状況に、彼はそれほど違和感を感じていなかった。 そのくらいの大騒ぎは何度も経験済みだ。 ついでに言えば、これくらい小さい相手にお小言を言われるのも小萌相手で慣れている。 それよりも、上条の心配事は別にあった。 「でも、本当に大丈夫なのか、背中とか、腕とか・・・」 言いながら、心配そうな目を向ける上条。 あの見事な張り手は、彼の頬に若干のダメージを与えたが、それ以上のことはなかった。 むしろ彼にして土下座という方法をとる原因になったのは、床に落とした拍子に背中を痛めただの、散々体を弄繰り回されただの、レディに対して重いと言うのはデリカシーなさすぎとか、そっちの方の文言である。 チクチクと心をえぐるようなその言葉の嵐に思わず土下座するしかなかったが、しかし上条には、それらがすべて悪意から来る言葉のようには感じなかった。 怒っていたのも本当だっただろうが、それよりもむしろ、インデックスや、超電磁砲との掛け合いのような感覚だったのである。 だからどうしても、その負傷が気になってしまう。 「・・・・・・」 人形は彼の言葉に軽く驚きの表情を浮かべ、ついで、ゆっくりと微笑んだ。まるで、何かを思い出したかのように。 「問題ないのだわ。あの程度で壊れてしまうほど、私は脆弱ではないもの」 「そうか、ならよかったよ」 上条は、ほっと胸を撫で下ろした。 自分のせいで修復不可能な傷を与えたとあっては、持ち主だろうインデックスにも、人形である彼女(?)自身にも申し訳がたたない。 「・・・変わった人間なのだわ」 「? なにがだよ」 「私と初対面で、こんな風に普通に話をした人はいなかったのよ。みんな驚いて、何かの仕掛けか、と疑ってきていたのに」 「・・・あー、それは、まぁ、慣れっつーか環境っつーか」 「慣れ? 環境?」 「ああ、それも説明しなくちゃな。インデックスより、あんたの方がしっかりしてそうだし」 「?」 「でもその前に、ひとつだけいいか?」 「なにかしら」 「その、あんたのことはなんて呼べばいいんだ? 人形とか、お前ってわけにもいかないだろうし」 「・・・・・・」 人形は再度、驚きの表情を浮かべる。 「?」 「ふふっ」 こちらの表情の意味がわからなかったのだろう。 不思議そうな顔をしている上条に、思わず笑みが漏れた。 (人形に名前があるのが当然と思っていて、それが普通な人間なのね。・・・ジュンですら、最初はそんなこと思ってもいなかったはずなのに) 「どうしたんだよ? 俺、何か変なこと、言ったか?」 「いいえ、ごめんなさい。そういえば自己紹介もまだだったのだわね」 そう言って、赤い人形は両の足で立ち、上条を正面から見つめた。 「私の名前は真紅」 「ローゼンが創りし薔薇乙女の、第5ドール」 そして人形―――真紅は、口元にやわらかい笑みを浮かべた。 「当麻。貴方の、お人形よ」
https://w.atwiki.jp/83452/pages/2159.html
梓「こんにちはー」 律「おお梓、ちょうどよかった、ちょっとこっちきてくれよ」 梓「はぁ・・・どうかしたんですかって唯先輩!」 唯「あずにゃんあったかいよぉ~、あずにゃ~ん」 澪「おい唯、それじゃ梓に抱きつくために呼び寄せたみたいだろ・・・」 紬「あらあら」 唯「ごめんごめん、あずにゃん見るとつい抱きしめたくなるんだもん」 梓「大丈夫です澪先輩。それより何か話があるんですよね?」 律「うん、最近えらい寒くなってきただろ?だから泊まりで温泉行こうって話しててさ」 梓「温泉旅行ですか、いいですね。でも今の時期じゃ予約は厳しいんじゃないですか?」 梓「それに予約とれたとしても旅館代もお高いんじゃ・・・」 律「そこはな、ムギ?」 紬「ええ、うちの系列で経営している温泉宿を使うから大丈夫よ」 梓「さすがというかなんというか・・・」 澪「いつもほんと悪いな、ムギ」 唯「ありがと~、ムギちゃん」 紬「うふふ、いいのよ気にしないで」 紬「あ、せっかくの旅行だもの憂ちゃんと和ちゃんも一緒にいかがかしら」 唯「え?憂と和ちゃんもいいの!?」 紬「ええ、人数が多い方がきっと楽しいわ」 唯「やったぁ~、ムギちゃん大好き!チューしてあげる」 澪「おいおい嬉しいのはわかるけど自重しろ」 とうじつ! 憂「お姉ちゃんそろそろ起きて、和さんももう来てるよ」 和「ちょっと唯、早く起きなさい、私達まで集合に遅れさせる気?」 唯「ん~・・・あ~二人ともおあよ~」 和「あいさつはいいからほら、早く支度しなさい」 唯「あい~わかりましたです和隊長」 憂「すいません和さん、お待たせしてしまって」 和「いいのよ、こうなることは予想していたし」 憂「あ、コーヒーでもいかがですか?お姉ちゃんの支度が終わるまで少しかかりそうですし」 和「ええ、いただこうかしら」 憂「どうぞ。お砂糖とミルクはどうしますか?」 和「それは自分でやるわ、ありがとう。」 和「それにしても私達まで軽音部の旅行に呼ばれるとは思わなかったわ」 憂「今回は合宿ってわけじゃないみたいですからね」 和「それに泊まりなのに旅館代はタダってどういうことなのかしら」 憂「そ・・・そうですね(たぶん紬さんのおかげなんだろうけど言わないでおこう)」 和「ところで、軽音部ってことは憂ちゃんの友達の子も来るのよね?」 憂「梓ちゃんですか?来ますけど・・・どうかしました?」 和「あ、いや、ほら、今までほとんど話す機会がなかったじゃない?」 憂「あんまり接点ないですもんね。学年も違いますし」 和「ええ、だから今回の旅行をきっかけに話せるようになっておこうかなって思って」 憂「そうなんですか。梓ちゃんとってもいい子ですよ」 唯「二人ともおまたせ~、準備できたよ~」 和それじゃあ行きましょうか、温泉旅行楽しんできましょう」 憂「はい。楽しい思い出になるといいですね」 …… 唯「お~いみんな~」 律「おーっす唯、今回は遅れないで来たな」 唯「当然だよ~、みんなに迷惑かけられないもん」 和「よく言うわ、私達がいなければ寝坊してたでしょ」 唯「そ、そんなことないよぉ。一人でも起きられたもん」 律「まだまだ唯はおこちゃまだな」 唯「律っちゃんひどいよぉ~」 憂「梓ちゃんおはよう」 梓「おはよ、憂とは泊りがけで出かけるのは初めてだね」 憂「そうだね。ほんと言うと昨日は楽しみでちょっと寝付けなかったよ」 梓「あはは、憂でもそういうとこあるんだ」 梓「あ、ねえ憂はあの生徒会の人と知り合いなの?」 憂「和さんの事?うん、お姉ちゃんの幼馴染の人だから昔から知ってるよ」 梓「そうなんだ。話したことないからちょっと緊張しちゃうな」 憂「大丈夫だよ。とってもいい人だから」 澪「おはよう和、朝から唯のフォローで大変だな」 和「おはよう。昔からこの調子だからね。もう慣れてるわ」 和「それより今日はお招きありがとう」 澪「お礼を言われるほどでもないさ。むしろ和が来てくれてよかったよ」 澪(私一人じゃこのメンツを引っ張っていくの大変だし・・・) 和「あ、中野さんはもう来てる?」 澪「来てるよ。ほら、あそこで憂ちゃんと一緒にいる」 和「ちょっとあいさつしてくるわ」 和「えーっと・・・中野さんだったかしら」 梓「えっ、はっ、はいっ」 和「いつもとメンバーが違って迷惑かもしれないけど今日はよろしくね」 梓「ぜ、全然迷惑なんてことないですっ!こちらこそよろしくです!」 和「一応自己紹介しておくわね。私は真鍋和。和って呼んでくれていいわ」 梓「な、中野梓です。私も梓って呼んでください」 和「そう。じゃあ梓ちゃんまた後でね」 梓(何か・・・かっこいいかも) 憂「ね?感じのいい人でしょ?」 梓「あ、うん、そだね・・・」 紬「それじゃあ皆そろったしそろそろ行きましょう」 さわ子「そうよ、早く行かなきゃ電車に乗り遅れるわよ」 律「ってさわちゃん来てんのかよ」 さわ子「あったりまえでしょ?タダで温泉行けるなんてめったにないんだから」 澪「まあいつものことだしな。どうせ呼ばないでも来るだろうし」 唯「なのであえて呼びませんでした」 和「なんていうか・・・この軽音部にしてこの顧問ありって感じね」 … 唯「とうちゃく~。うわ~すごい旅館だね」 澪「趣があるっていう感じだな」 律「それにしてもえらい山奥まできたな、周りが森しかないし」 和「まさに陸の孤島ね」 憂「先生起きてください、着きましたよ」 さわ子「うーん・・・私もうバスの中で寝てるからほっといて」 梓「何しにここまできたんですか。仕方ない、憂そっち担いで」 紬「二人とも大丈夫よ。私が背負っていくわ」 紬「よいしょっと・・・さあ中に入りましょう」 紬「こんにちはー」 「「「「「紬お嬢様、ご友人の皆様方、ようこそお越し下さいました!!」」」」」 和(軽く二、三十人くらいはいるわね) 律「おいおいすげ~な、こういう出迎えってマンガの世界だけだと思ってたよ」ヒソヒソ 澪「ムギがお嬢様だって再確認させられるな」ヒソヒソ 唯「・・・」 憂「お姉ちゃんどうしたの?いまのでびっくりしちゃった?」 唯「あいす食べたい・・・」 梓「この状況で・・・どれだけマイペースなんですか・・・」 紬「ここが今日泊まる部屋よ」 律「おー、すっげー広いな。走りまわれるぞこれ。よし零戦部隊出撃!ブーン」 唯「わたしもしゅつげき!ぶ~ん」 澪「おいおい、お前らいきなり暴れるな。他のお客さんに迷惑だろ」 紬「大丈夫よ、今日は貸切にしてあるから。私達以外誰もいないわ」 梓(さすが紬先輩、やることのスケールが違う) 和「畳の匂いが心地いいわ。それに窓からの眺めが最高ね」 憂「そうですね。ふもとの町が一望できますし。山と空もきれいです」 憂「ところで・・・紬さん」 紬「なあに?」 憂「ずっと先生背負いっぱなしですけど大丈夫ですか?」 紬「あら?すっかり忘れていたわ。とりあえずここに寝かせてっと・・・」 律「むぎすげぇ」 律「よーし、こういう旅館にきたらまずやることがあるよなー?澪ちゃん」 澪「何だよ?」 律「ふふふー、よし梓、その掛け軸の裏にお札が貼ってないか見てくれ」 澪「!!」 梓「えー、嫌ですよ自分で見たらどうですか?」 律「何だよー先輩に逆らうのかぁ?あ、もしかしてびびってるんですかにゃー?」 梓「そんなことないです!やってやるです!」 澪「いいよぉーそんなことしなくてぇー」 梓(澪先輩泣き出しそう・・・) 梓(ここはちゃちゃっと見て安心させてあげよう・・・どうせあるはずないし) 梓(・・・) 梓(嘘・・・なにこれ・・・本当に貼ってある) 梓(でもこのことを言ったら澪先輩が・・・) 律「どうだ梓、貼ってあるか?」 梓「貼ってあるわけないじゃないですか。そんなこといって澪先輩を怖がらせないで下さい」 律「なんだつまんないの。だってさ澪ちゃん、よかったね」 澪「よかったぁー・・・ほんとにそういうのやめろよな」 唯「澪ちゃんだいじょぶだよ、おばけなんていないよ」 唯「でもいたとしたら友達になりたいな~、一緒に空とかとべそう」 律「まったく、澪も少しは唯のお気楽さを見習えよ」 澪「うっさい!律のバカッ」 梓「・・・」 和「・・・」 和「ちょっと喉渇いたわ。自販機で飲み物買ってくるけど皆も何か飲む?」 律「んじゃコーラ」 澪「温かいミルクティーがいいな」 憂「私も澪さんと同じのでお願いします」 紬「はちみつレモンをお願いできるかしら」 唯「あいす!」 和「はいはいアイスコーンポタージュね」 唯「嘘ですごめんなさい。じゃあねぇ・・・ぐんぐんグルト!」 和「先生には無難なところでお茶でいいかしら」 和「梓ちゃんは?」 梓「あ・・・私はいいです・・・」 和「気をつかわなくていいわよ?それとも遠慮してるの?」 梓「いえ・・・本当に」 和「いいからいいから、それじゃ一緒に行きましょう」 和「それで好きなのを選ぶといいわ、おごってあげる」 梓「えっえっ・・・あの」 律「私たちもおごりじゃないいのかよー」 唯「和ちゃんのけち~」 和「ケチで結構よ、それじゃ言ってくるわ」 梓「あの・・・本当に私は・・・」 和「さっきの・・・お札が貼ってあったんでしょう?」 梓「・・・!」 梓「・・・はい。気づいてたんですか?」 和「ええ、その直後から少し顔色が悪いもの」 和「澪に気を使って言わなかったのね?」 梓「それもありますし、せっかくの雰囲気が悪くなると思って・・・」 和「怖い?」 梓「正直、怖いです。あんなものが本当にあると思ってませんでしたから」 和「それを自分ひとりで抱え込もうとしたのね」 梓「私一人に留めておけば皆さんは楽しくすごせますから」 和「あなたは優しい子なのね」 梓「優しいだなんて・・・って和先輩・・・?」 和「唯もこうして抱きついてくるでしょ」 和「体・・・少し震えてるわね」 和「こうされていると安心するでしょ?」 梓「あ・・・はい」 和「あなた一人で抱え込まなくていいのよ。何かあったら私に言って・・・ね?」 梓「・・・はい、ありがとうございます、和先輩」 梓(何でだろう・・・唯先輩のときと違って、ちょっと・・・ドキドキする) 和「ただいま、買ってきたわよ」 さわ子「遅いっ!喉渇いて死にそうよ」 和「先生起きてたんですか?ていうか五分もかかってないはずですけど」 さわ子「細かいことはいいのよ。さあその手に持っているものを渡してもらいましょうか」 律「ダメだ和、それを渡したら人類の未来が終わってしまう」 唯「わたし達はもうだめ・・・和ちゃんが最後の希望なんだよ」 さわ子「ころしてでもうばいとる」 和「殺されるくらいならはいどうぞ」 憂「そんなにあっさりと!?」 さわ子「ゴクゴク・・・フフフ、体中から力が沸いてくるわぁ」 律「何てことだ・・・最後の希望である和までがやられた」 律「人類はおしまいだ・・・こうなったら唯、世界の終わりまで一緒にいてくれるか?」 唯「うん、最後の最後まで一緒だよ、りっちゃん」 澪「お前らはよくそんなことを即興で思いつくな」 紬「うふふ、それじゃあ落ち着いたところで温泉に入りに行きましょう」 梓「やっぱり浴衣に着替えていった方がいいですかね?」 律「あたぼうよ、それが温泉のルールってぇなもんだ」 唯「りっちゃん男前~」 憂「浴衣はこのクローゼットの中ですかね?」 紬「ええ、人数分あるはずよ」 和「それじゃ配るわ。はい唯、律、澪・・・」 さわ子「澪ちゃん、着替えさせてあげましょうか」 澪「結構ですっ!」 唯「おんせん!」 澪「露天風呂か、やっぱり温泉はこうでなくちゃな」 梓「寒いです、早く温泉につかりましょう」 律「ダメ!ダメダメダメ!まずは体を洗ってから!」 梓「なんでそんな強否定なんですか」 律「今日の私は江戸っ子ですから。温泉のルールは破らせねぇ」 澪「意味がわからないけど確かにその通りだな。とりあえず体洗うか」 憂「お姉ちゃん背中流してあげるよ」 唯「ありがと~うい~。ねえ、和ちゃんもおいでよ~」 唯「ちっちゃいときみたいに三人で洗いっこしよ?」 和「いや、私は遠慮しておくわ」 唯「え~なんでぇ~、し~よ~う~よ~」 和「ハァ、わかったわよ」 唯「やった~。えへへ~、じゃあお客さんこちらへど~ぞ~」 律「澪、こっちも負けてらんないぞ、私たちもやろう」 澪「ええー、いいよ恥ずかしい」 律「あいつらだってやってんだからいいじゃんか」 澪「それに律変なことしそうだし・・・」 律「問答無用、ほらいくぞ!」 澪「お、おい律!腕を引っ張るな!」 唯「ふふ~、甘いなりっちゃん。わが軍は三人そっちは二人」 唯「こっちのほうが圧倒的に有利なんだよ」 律「こしゃくなー、よし、ムギ、梓、こっちに来るんだ!」 唯「なっ、卑怯だよりっちゃん」 律「ここは戦場だ・・・勝つためには手段を選べないのさ」 唯「ならこっちだって!さわちゃん先生、援軍おねがいします!」 さわ子「オッケー!さあ、覚悟なさい」 律「りょ、りょ・・・呂布だあっー!」 澪「このノリにはついていけないな」 梓「はい・・・」 紬「ほらほらけんかはやめて」 紬「そうだ、この際みんなで洗いっこすればいいんじゃないかしら」 唯「それ楽しそう~、そうしよう」 律「よーし、そうと決まったらみんな一列に並べー!」 梓(和先輩の隣がいいな・・・) さわ子(澪ちゃんの隣になってさりげなくさわさわしてあげるわ) 座り順 憂→唯→和→梓→紬→律→澪→さわ子 憂(お姉ちゃんの体、しっかり洗ってあげなくちゃ) 唯「そっとそっとそばにいま~すそよ風の~ように♪」 和(小さくてかわいい背中ね) 梓(何か嬉しいような、恥ずかしいような) 紬(こんな経験ができるなんて、本当に軽音部に入ってよかった) 律「おおっとー手がすべってしまったぁ」 澪「さりげなく胸を触ろうとするな!」 さわ子「それじゃあ皆、そろそろ逆になりましょうか」 2
https://w.atwiki.jp/83452/pages/1749.html
澪「春夏秋冬の秋、風林火山の山、それから、えっと……澪筋の澪」 紬「澪筋……なんて卑猥な響きなの」 澪「水が流れている深い部分、byはてなキーワード」 梓「ジュがミオとも読めるからミオって呼ばせてる、って解釈であってます?」 澪「ミオともって言うかミオって読むんだよ」 唯「なんか難しくてよくわかんないよぉ」 澪「つまり、私の名前は アキヤマ ミオ だってこと」 紬「あ~聞いたことあるような……ないような」 澪「むしろチュ・サンジュこそ聞いたことないだろ」 梓「とりあえず、これでまた一段と軽音部の絆が深まりましたね」 澪「あー……昨日は律に悪いことしちゃったな」 みおのいえ! 澪「ただいま~」 澪母「あらおかえり、遅かったわね」 澪「友達を納得させるのに時間がかかったもんで」 澪母「何をか知らないけど、大変ね」 澪「ところで、この靴誰の?」 澪母「あぁ、親戚のおじさんが遊びに来てるの。ちょうどいいわ、挨拶していきなさい」 澪「はーい」 親戚「アニョハセヨー」 澪「」 ~終わり?~ つぎのひ! 唯「ねぇ聞いた?澪ちゃんも家庭の事情でお休みだって」 紬「りっちゃんもまだ来ないし、何が起こってるのかしら」 梓「何か大きな陰謀のようなものが働いてるとか?」 唯「インボーって体を反らせてバーをくぐるダンスのこと?」 紬「大きな淫棒ってちょっと卑猥よね」 梓「私はどっちにツッコめばいいんでしょう」 唯「何かツッコまれるようなこと言ったっけ?」 梓「えぇ言いました」 紬「どっちに突っ込むかだなんて……梓ちゃんが望むなら私は前でも後ろでもかまわないわ」 梓「わかりました、ムギ先輩はほっときます」 唯「私何言っただろう……んーと……えー……?あれぇ……」 梓「あー……わからないならもういいです」 紬「放置プレイも意外と悪くないわね」 梓「もうヤダ」 唯「まぁりっちゃん澪ちゃんが心配だよね~って話だったよね」 梓「正常な思考をしてくれて嬉しいです」 紬「人間色々あるからね」 梓「そうですよね」 唯「えっ?あずにゃんも共感できるの?」 梓「……ええと、どういう意味でしょう」 紬「だって梓ちゃん、人間じゃなくて猫じゃないの」 梓「」 唯「猫の世界も大変ってことかな」 梓「どこからツッコめばいいんだろう」 紬「どこでも突っ込んでいいって言ってるじゃない」 梓「とりあえずそれ系には反応しないことにして」 唯「あずにゃんは頑張ってるよね、人間世界に溶け込んでる」 梓「うん、当たり前ですよね」 紬「でも名前には猫っぽさを残して あずにゃん だものね」 梓「律先輩と澪先輩と私、1番かわいそうなのだ~れだ」 唯「あずにゃん、私達何か変なこと言った?」 梓「常識では考えられない一言、アンビリーバボー」 紬「変なこと……思い当たる節がないわ」 梓「ムギ先輩は特に思い当たってほしかったです」 唯「なんだろう、りっちゃんが田#中だって話?」 梓「なんで一昨日の話が今問われてると思っちゃうんですか」 紬「梓ちゃん、私達が何を言っちゃったか教えてもらっていいかしら」 梓「お二人ともが言ったことだけ挙げますね、ムギ先輩単品はスルーで」 唯「よし!心の準備はできたよ!さぁ言って!」 梓「私はガラ空きのボディをうたれたわけですが」 紬「待って、私はもう少し時間がほしい……」 梓「いいえ待ちません」 唯「さぁ!さぁさぁあずにゃん!」 梓「はぁ、なんでこんな流れになっちゃったんだろう」 紬「よしいいわよ、さぁ言って!」 梓「お二人とも、私のことを猫だって言いましたよね」 唯「うん。何かダメだった?」 梓「すんごい冷静な反応!」 紬「もしかして大きな声で言っちゃマズいの?」 梓「ある意味マズいでしょうね」 唯「えっもしかして、もしかしてだけど、間違ってたらごめんだけど、もしかしてあずにゃんは猫じゃないの!?」 梓「そんな言い方しなくても、明らかに猫じゃないので安心してください」 紬「猫じゃなかったら何に分類されるの?有袋類?」 梓「後半は聞こえなかったことにして、人間です。ホモ・サピエンスです」 唯「ホモ……あれ?レズじゃなくて?」 梓「人間です でとめればよかった」 紬「私でよければ……夜の相手もするわよ……?」 梓「えぇ、こちらから願い下げです」 唯「そっかぁ……あずにゃんは猫なだけじゃなくレズでもあるんだぁ」 梓「話聞いてました?人間ですよ?」 紬「人間の、レズ?」 梓「ノンケです」 唯「ごめんねあずにゃん、今までずっと猫かと思ってた」 梓「猫の定義から調べなおしたほうがいいですよ」 紬「定義と照らし合わせたらますます猫のような気が……」 梓「別の辞書をお買い求めください」 唯「あずにゃんって呼び方も変えなきゃ……あずちゃん?」 梓「そこは別にあずにゃんでいいです……」 紬「いやはやまたもや軽音部の絆がよりいっそう強くなったわね」 梓「その絆は何で構成されてるんだろう」 あずさのいえ! 梓「はぁ、ただいま」 梓母「おかえりなさい」カサカサ 梓「!?」 梓母「どうしたのよ玄関で固まっちゃって」カサカサ 梓「ゴ……ゴキb……」 梓母「あらやだ気絶しちゃったわ」カサカサ 梓「」 梓母「ちょっとー!あなたー!」カサカサ 梓父「どうした?」カサカサ 梓「」 ~終わり?~ あくるひ! 唯「まさかこんなことになるなんてね」 紬「梓ちゃんも休んじゃうなんてね」 唯「それもまたもや家庭の事情で」 紬「みんないったいどうしたのかしら」 唯「ムギちゃんと二人だけじゃ練習もできないや」 紬「あっ!唯ちゃんと二人きり!」 唯「なんだがつまんないな~」 紬「私はとても楽しい!」 唯「……」 紬「ねぇ唯ちゃん!二人っきりで何しましょ!?」 唯「うん……」 紬「そうそう、音楽室って防音しっかりしてるのよね!」 唯「……」 紬「だからちょっと大きな声だしたって誰も気付かないわよ!」 唯「……うるさい」 紬「」 唯「ムギちゃんが何をいいたいのか、私がわかってないとでも思ってるの?」 紬「わかってくれてるなら話は早いじゃない」 唯「いや明らかに私が乗り気じゃないでしょう?」 紬「でもそれを無理やりってのもなかなか」 唯「もういい、かかわらないで、口も聞きたくない」 紬「ゆ、唯ちゃん……?」 唯「……なーんちゃって、ムギちゃんのM心をくすぐってみましたー」 紬「どこから演技だったのかわかんない怖い」 唯「ムギちゃんってMなんだよね?」 紬「否定できないわね」 唯「じゃあちょっと叩かせてもらっていい?」 紬「唯ちゃんはSなの?」 唯「ん~わかんない、だからちょっと調べてみようかと思って」 紬「そうなの。じゃ、じゃあどうぞ……優しくね?」 唯「よっし叩くぞ~!……やっぱいいや」 紬「なんという放置プレイ」 唯「だってー今から叩こうっていうのに全然興奮しないんだもん」 紬「だからSじゃないと言いたいのね」 唯「といっても逆に痛いのはイヤだし」 紬「だからMじゃないと言いたいのね」 唯「むしろ痛いのを喜ぶ人って何考えてるんだろうね」 紬「今度は言葉攻めでもしてくれるのかしら」 唯「なんていうか、生物として終わってるよね」 紬「あぁん気持ち……ちょっと待って」 唯「痛いのが嫌っていうのは生物の防衛本能なのにさ」 紬「本能に打ち勝つ強い理性の賜物よ」 唯「そのくせ求めてるのは本能丸出しの性的快感なんだもん」 紬「そのとおり過ぎて言い返せない」 唯「ホント、Mの 人間らしきもの ってなんなんだろう」 紬「人間ってことすら認めてもらえなくなったわ、存在全否定」 唯「まぁムギちゃんには関係ない話だよね」 紬「いや私Mって言ったじゃない、唯ちゃんはMの私でも喜びにくいぐらいのこと言ったじゃない」 唯「やだなぁもう、私は生き物のMは存在意義がわからないって言ってるだけで~」 紬「あ、なんかこの後の展開がわかったかも。どうせ私はあの食べ物で人間じゃないって言うんでしょ」 唯「うん、蒲鉾は無生物でしょ?」 紬「ほらやっぱり沢庵って言っt……蒲鉾!?」 唯「見事な半円を描いてるよね~」 紬「どうしよう、沢庵は言われ慣れたけど蒲鉾は初めて言われたわ」 唯「私、ムギちゃんのこと食べちゃいたい!(非性的な意味で)」 紬「カッコがなければどんなによかったか!」 唯「蒲鉾ってみんなムギちゃんみたいにMなの?」 紬「唯ちゃん?落ち着いてじっくり考えてみましょ?」 唯「じっくり……って、何を?」 紬「仮に私が蒲鉾つまり無生物だったとして、ならどうして私は動いたり喋ったりしてるのかしら」 唯「うー???……難しいなぁ」 紬「眉毛を見つめながら考えるのはやめて」 唯「よくわかんないけど、ムギちゃんはムギちゃんだよ!今のままで充分素敵!」 紬「これで軽音部の絆がよりいっそう強く!とでも言うと思った?」 斎藤「あぁお嬢様、探しましたぞ!」 唯「見知らぬ人があらわれた!ゆいのこうげき!」 紬「家の執事よ、攻撃しないで。斎藤、学校に来るなんていったいどうしたの?」 斎藤「いやはやうっかりしておりました、実は今日が収穫日なのです」 唯「しかしこうげきはあたらなかった!」 紬「収穫?家庭菜園で何か育てたりしてたかしら……どっちにしろ、私に構わず勝手に収穫なさいよ」 斎藤「かしこまりました、では自由にさせていただきます……おいお前達!」 黒服「はっ!」 唯「ゆいはみをまもっている!」 紬「だ、誰この人達!?」 斎藤「お嬢様を収穫場へ運べ!くれぐれも蒲鉾は傷付けるなよ!」 黒服「はっ!」 唯「ゆいはこのしゃべりかたにあきてしまった!」 紬「ど、どういうことよ!?きゃっ!担ぎ上げないでっ!」 斎藤「ご学友の方、驚かせて申し訳ありません。実はお嬢様は18年物の極上蒲鉾なのです」 黒服「エッサ、ホイサ」 唯「いえいえ。美味しい蒲鉾がとれるといいですね」 紬「唯~!助けて~!ユイー、タスケテー、……ー、……ー」 斎藤「学校のほうには、家庭の事情でしばらく休暇をとる、と伝えてますので口裏のほどを」 唯「はいわかりました、家庭の事情って便利ですね」 斎藤「それでは失礼いたします」 唯「次来るときはドアから入ってきてくださいね」 紬「」 ~終わり?~ ゆいのいえ! 唯「ただいま~」 唯「って、憂はまだ帰ってきてないのかな」 唯「あぁっ!机の上に置き手紙がっ! 唯「……足りない醤油を買いに行ってるだけだからすぐ戻るね……か、びっくりしたぁ」 憂「ただいま~」 唯「噂をすればなんとやら、おかえり憂!」 憂「あっ、ただいまお兄ちゃん!」 唯「」 ~終わり~ 戻る
https://w.atwiki.jp/harvestzoom/pages/18.html
vipタンについて 2ちゃんねるの雑談掲示板、ニュース速報板(通称vip)からやって来た。 一番好きな物は縞々ニーソックス。
https://w.atwiki.jp/vipdesabagame/pages/99.html
主催者はコテ&トリップを必ず付けましょう! ○○○#■■■■ ⇒ ○○○に固定ハンドルネーム、■■■■に任意の文字列 覚えておくこと 何事も焦らず困ったら助けを求めましょう。 本当に初参加しかいない限りは、意外とみんな判ってくれます。 お金のやりとりがあります!注意して扱いましょう。 オフ当日にあると便利なもの トランシーバー(スタージの確認に便利) カウンター(FPS戦の際に便利、無くても「正」の字でカウント出来るよ) キッチンタイマー(時間制限戦の際に便利) ホイッスル(説明など注目して欲しい場合や、ゲーム一時中断を知らせることが出来て便利) ※トランシーバー以外は100円均一でも売ってるそうです サバゲオフ企画の為の手順 大きく4つのパートに分けられます。 準備 ⇒ 開催日まで ⇒ 当日 ⇒ 帰ったら 準備 1.告知・フィールドの設定 余裕を持って告知しましょう。(最低でも1ヶ月) 準備が間に合わない。&参加者が調整できない。ってのもあるので突発は控えましょう。 (予約をして開催したが参加者が…ってなこともあります。) 内容を何も決めていない場合、まずは「インドア」か「アウトドア」かを決めよう。 開催したい場所を立案、もしくはリクエストを募集して開催地を決めよう。 (車が無い参加者が多いので、最寄り駅やフィールドまでの移動手段も考えておきましょう。) 昼食は各自準備するか、フィールド側に任せるのかを決めましょう。 昼休みに買出しに行くのは面倒です。 告知例 例1:オフの企画してみたいけど、インドア・アウトドアどっちがいい? 例2:○月ごろに□□□でやりたいけど、どうだろう? 2.日程調整・フィールド予約 スレやwikiで他にオフがないかチェックしよう。 (同日開催もいいけど、人がバラけて集まりが悪いってことも考えられます。) フィールドの予約状況表を見て、希望日程に予約。 (スレで「この日はどうだろう?」もありだけど、返答が長引くと埋まっていることも…。) 空きがなければ開催日を遅らせることや、または開催地の変更もやむを得ない。 予約の際には住所・電話番号・メールアドレスをフォームに記入。 代表者or主催者とはアナタのことです。 (連絡先はフィールド管理者様が必要とするものです。キチンと書きましょう) 予約したら「現在募集中のイベント」に日時・フィールドだけでも書いておきましょう。 3.ゲーム内容の設定 開催日もフィールドも決まったら、ゲーム内容を考えましょう。 「どんなゲームをやりたいですか?」と聞けば、適当に案が出てくるのでまとめましょう。 万が一出なかったときのために、自分でも代替案を考えておきましょう。 ※遊び方を参照するといいでしょう。 ゲーム内容によっては特別な備品がいるのか確認しておきましょう。 (協力を頼むか、自分で用意しなければなりません。) 4.協力者を募る 当日は、ピックアップ・出欠確認・ゲームの仕切り・金銭の徴収と集計など、やることは沢山あります。 そこを分担してくれる人を募集しましょう。 特にピックアップは重要です! 車は何人が用意できるかなど必ず確認しましょう。 無線機・拡声器などを持ってる人がいた場合、貸してもらえるように頼むと進行が楽です。 5.フィールドへの質問 1~4.までができたら、最終的な質問をフィールド側にしましょう。 質問例 こういうゲームは可能か? これを使っても良いか?(一部の武器、バーベキューなど) 昼食予約は何日前までか? 参加人数は何日前までに連絡が必要か? 利用料金は先払いか?後払いか?(非常に重要です!) フィールドのサイトに載っていない事項も多いので、まとめて聞いてみましょう。 その都度質問するのも大変だし、相手側にも迷惑をかけてしまいます。 必ずまとめて質問しましょう。 開催日まで 1.wiki更新と参加者名簿 トップページ・現在募集中のイベントに、 日時・フィールド情報・質問の回答などを更新しましょう。 名簿での参加表明のための「タグ」を決めましょう。(ω、ε、凸など) 昼食をフィールド側にお願いする場合は、専用タグも決めておきましょう。 2.天気と相談(アウトドア限定) 中には遠方から来る人もいます。(※特に合同オフ) アウトドア戦を企画した場合は、天気予報を常に気にかけましょう 週間天気予報などを確認し、最低一週間前には開催か中止かを決断します。 この決断だけはスレに頼らず自分で考えましょう 中止の決断が遅れる場合、参加希望者・フィールド側に多大な迷惑をかけることになります。 ※決断の材料としては、利用者名簿の「住んでいるところ」を見るのが良いでしょう。 また気象庁の気象統計情報を見るのも良いでしょう。 当日 1.出欠確認 料金先払い制 出欠確認・徴収を兼ねると非常に楽です。 遅刻・途中参加がいた場合は、あとでと言わず真っ先に徴収をしましょう。 料金後払い制 出欠確認・徴収を兼ねると、大金を一時保管するため注意が必要です。 万一紛失したりすると大変なので、徴収は終了後でやったほうが無難です。 事前に参加者名簿を用意して、出欠確認だけしましょう。 終了間近に、名簿と照らし合わせて順次徴収しましょう。 参加表明者全員が到着しているかどうかを確認し、 到着していない人がいれば、スレやメールで連絡しましょう。 2.挨拶と仕切り 出欠確認が終わったら挨拶。 「○○○○○です、今日は宜しくお願いします」で充分。 ゲームの仕切りは自信が無いなら慣れている人に任せる。 仕切り例 例1:最初のゲームは○時○○分から、□□□戦をします。ルールは… 例2:次のゲームが終わったら昼食にします。午後は○時開始予定です。 例3:片付ける時間も考えまして、次で本日のラストゲームとします。ルールは… 人数によってはフィールド側でやってくれる場合もあるます。 フィールド管理者に聞いてみるといいでしょう。 自分で行う場合は、大きな声で話しましょう。 ホイッスルがある場合は、吹けば注目してくれますので、それから話しましょう。 3.オフ終了 当日のラストゲーム終了後は、主催はいち早く自分の荷物を片付け、閉会の準備をする。 料金後払い制の場合、主催は2~3ゲーム参加を自粛をして、ゲーム間に徴収しましょう。 支払いは閉会前に全部済ませること! 閉会式的な挨拶をして終了。 打ち上げの準備をしていた場合、案内をしましょう。 (準備のときに、やるかやらないかは決めておきましょう。) 帰ったら スレでご挨拶、wikiと名簿更新 まずはスレでご挨拶をし、wikiの情報を編集しましょう。 トップページに終了したことを1週間ぐらい書いておきましょう。(テンプレあり) 現在募集中のイベントから終了したイベントへと内容を移しておこう。 (次に企画する人が参考にします。) 名簿も参加表明を外してもらい、放置だけはしないように気をつけましょう。 また、現在募集中のイベントは混乱防止のため早めに消しましょう。 以上でイベント全てが終了します。大変だと思われますが、終了までがんばりましょう。
https://w.atwiki.jp/gs4_selif/pages/187.html
誘う 誘われる友好 好き以上 自由行動1回目普通以下 好き以上 好き以上(ときめき修学旅行) 枕投げ枕投げに参加しなかった場合 枕投げ終了 自由行動2回目 自由行動終了後メモ欄 誘う 〇〇「御影先生!」 御影「おう、おはよう。どうしたんだ?」 〇〇「おはようございます。御影先生、今日の自由行動、予定はどうなってますか?」 OK(普通以下) 御影「ははっ、まさかお誘いかよ。」 〇〇「はい。よかったら一緒に回りませんか?」 御影「いいに決まってる。こっちも課外授業・長崎編を考えてたところだ。」 〇〇「やった!課外授業・長崎編、よろしくおねがいします!」 NG 〇〇(0000000000) 〇〇「0000000000」 男子「0000000000」 〇〇「0000000000」 誘われる 友好 共通 男子生徒「ごめん、先生。オレたちやっぱり別行動で。」 女子生徒「ごめんなさい、わたしたちも。」 御影「気にすんな。好きなように行動しろ。」 生徒たち「はーい。」 御影「〇〇、おはよう。」 〇〇「おはようございます、御影先生。どうかしたんですか?」 御影「ああ。課外授業・長崎編やろうかと思ったんだけどさ、需要ないなー。」 〇〇「課外授業、長崎編?」 御影「おう、おまえ興味あるか?」 OK 御影「よし、じゃあ決まりだ。参加者募集中だけど、この調子じゃ……いないかもな、いいのか?」 〇〇「はい、楽しみにしてます。」 御影「ああ、楽しもうぜ。」 〇〇(課外授業・長崎編か……ふふっ、すっごく楽しみ!) NG 〇〇「ええと、遠慮しておきます」 御影「まあ、そうだな。おまえの選択が正しい。」 御影「修学旅行は一度きり。後悔しないようにな。」 〇〇(うーん……少し御影先生寂しそう……申し訳なかったかな?) 好き以上 共通 御影「おう、元気そうだな。」 〇〇「あ、御影先生。おはようございます!」 御影「おはよう!おまえ、今日の自由行動予定決まってるか?」 御影「課外授業・長崎編やるんだけど、どうだ?」 〇〇「えっ、課外授業?」 御影「今のところ、参加者ゼロだけどな?」 OK NG 〇〇「ええと、遠慮しておきます」 御影「そうだよな……ここまで来て課外授業とか、俺だったら絶対断るわ……」 〇〇(うーん……申し訳なかったかな?) 自由行動1回目 〇〇「わぁ……風車とお花がとっても可愛らしいですね!」 御影「オランダはあの風車で、干拓地を作って国土を広げたらしい。 〇〇「風車で水を汲み上げていたんですね。」 男子生徒A「先生、ここまできて課外授業かよ?」 御影「おう、残念だけど参加者募集は締め切った。な?」 〇〇「ふふっ、はい。」 男子生徒B「ていうか、誰も頼んでないって。じゃあねー。」 御影「なんだ、冷やかしかよ……おまえは、楽しめてるか?」 〇〇「もちろんです。御影先生と二人の課外授業、楽しいに決まってます。」 御影「よっし、じゃあ次行くぞ。」 〇〇「はい!」 御影「あの塔……やばいな?」 〇〇「やばい?」 御影「ああ、高さ105メートルだってさ。」 〇〇「御影先生、高い所が苦手でしたっけ?」 御影「あのタイプが最も恐ろしいよ。近代的な高層ビルじゃなくてさ、古さがまたなんともさ。」 女子生徒A「じゃあ次、展望室行こう!」 女子生徒B「賛成っ!」 御影「ふぅ……もしかしたら今日は、行けるかもな。」 〇〇「え?」 御影「行ってみようぜ?」 〇〇(御影先生、付き合ってくださってありがとうございます。ハウステンボス、楽しかったな!次は移動だ) 〇〇「建物も花壇も、すごくきれいですね!」 御影「そうだな。ここの主は、花が好きだったのかもしれないな。遠く異国まできて、故郷の花でも植えたのかな。」 〇〇「御影先生だったら、どんな花を植えますか?」 御影「俺は、その土地で見つけたキレイな花を植えるかな?」 〇〇「そのっ土地のきれいな花……」 御影「土屋機構に適したキレイな花が咲いているんだ。無理に遠くから持ってくることはないよ。」 〇〇「そうなんですね。」 御影「そう、長崎には長崎の、はばたき市にははばたき市の元気でキレイな花があるってことだ。」 〇〇「はばたき市の?」 御影「ああ。おまえたちみたいに、元気でキレイな花だ。」 〇〇「ふふっ!うれしいな。」 御影「ここの主は故郷に帰ることなく、生涯を終えたらしい。」 御影「きっと、こっちでキレイな花を見つけて、戻れなくなったんだろうな?」 〇〇「御影先生?」 御影「西洋から来た貿易商人に思いを馳せる。課外授業っぽいだろ?」 〇〇(御影先生……?少しいつもと違っていたような……) 普通以下 御影「お疲れさん。おかげで、俺は楽しませてもらったよ。」 〇〇「わたしのほうこそ。課外授業・長崎編、ありがとうございます!」 御影「おお、気に入ってくれたなら、明後日も開催してみるかな?」 〇〇「やった!ぜひ!」 好き以上 〇〇(0000000000) 〇〇「0000000000」 男子「0000000000」 〇〇「0000000000」 好き以上(ときめき修学旅行) 〇〇(今日はたくさん歩いたから、ゆっくりお風呂に入ろうっと) ???「マリィ、見っけ!」 〇〇「あっ、ひかるさんにみちるさん!」 みちる「マリィもこれからお風呂?それなら――」 男子生徒「みかげっち!蛇口壊れたー!」 御影「……ったく、おまえら何やってんだよ。これで押さえとけ!」 みちる「……?なんだか、男湯が騒がしいみたい。」 〇〇「うん……なんだろうね。」 ひかる「楽しそう、覗いてみよ?」 〇〇「ちょっと、ひかるさん!」 みちる「しょうがない……マリィ、私たちも行こう。」 〇〇「ええ!?みちるさんまで!」 御影「しっかり、押さえとけよ!!人呼んでくるから。」 〇〇(あれ……こっちに来る!?) (スチル表示) 〇〇「わぁっ!」 御影「おおっ、大丈夫か?」 〇〇「は、はい……」 ひかる「えっ、なになに??御影先生、どうしたの?」 御影「シャワー壊しやがってさ、噴水状態だよ。フロント行ってくる。」 みちる「御影先生、その恰好で外には出ない方が……」 御影「おおっ!」 (スチル閉じる) 御影「……悪い。俺のシャツで蛇口押さえてんだ。フロントの人に伝えてくれないか?」 〇〇「あ、はい!行ってきます。」 ひかる「えー、なんでひかるたちが?」 みちる「いいじゃない、御影先生に貸しができるし。ね、マリィ?」 〇〇「え?う、うん。早く行かないとね!」 〇〇(御影先生が飛び出してくるなんて…………はぁ、びっくりした) 枕投げ 枕投げに参加しなかった場合 御影「何やってんだぁ?もう、部屋に戻れよ。」 〇〇「あっ、御影先生。はい!」 御影「どうだ、楽しんでるか?修学旅行の醍醐味はこれからだろ?」 〇〇「え?」 御影「布団に入ってこっそり「恋ばな」とか?俺だってそのくらいは知ってる。」 〇〇「御影先生も経験アリですか?」 御影「全然ない。本当は俺も混ぜてほしいくらいだ。」 御影「あっちはもう始まってんのか?オレは向こうを鎮めに行ってくる。」 御影「おまえも、部屋に戻って楽しめよ。じゃなくて、寝ろよ!」 〇〇「はーい。」 枕投げ終了 御影「はい、そこまでだー!」 男子生徒「ヤバっ、御影先生だ!」 御影「無駄な抵抗はやめて――」 御影「俺も混ぜろー!!」 生徒たち「やったー!さすが!みかげっち!!」 生徒たち「御影先生、こっちのチームにきて!」 氷室教頭「静かにしたまえ!消灯時間は、とうに過ぎているはずだ!」 御影「あっ……」 男子生徒「やべぇ、教頭先生だ!!みんな、隠れろ!」 〇〇(ど、どこに隠れよう!?) 押入に隠れる 〇〇(わっ、押入の中、誰かがいる!) 〇〇(だ、誰だろう……暗くて全然見えないよ……) 〇〇(うぅ、すごく近くにいるみたい……先生たち、早く出て行って~!!) 氷室教頭「君たちには高校生としての自覚がないのか?明日に備えて早く休みなさい。」 氷室教頭「それと、御影先生は教師としての自覚が足りないようだ。来なさい!」 御影「は、はい。」 〇〇(ハァ……行ったみたい。早くここから出ないと……!) 布団をかぶる 〇〇(わっ!布団の中に、誰かいる……) 〇〇(ああっ、ごめんなさい!今、カラダが当たっちゃった……) 〇〇(ドキドキが聞こえちゃいそう……先生たち、早く出て行って~!!) 氷室教頭「全く……毎年同じ説教をしなければならない私の身にもなってほしい。」 氷室教頭「……それと。御影先生にはたっぷり話があります。来なさい!」 御影「は、はい。」 〇〇(ハァ……行ったみたい。早くここから出ないと……!) テーブルの下に入る 〇〇(わっ!テーブルの下、誰かいる!) 〇〇(だ、誰だろう……すごく近くにいるような……) 〇〇(うぅっ、動けないよ!先生たち、早く出て行って~!!) 氷室教頭「全く……そんなに体力が有り余っているならレポートの下書きでもしておきなさい。それから――」 氷室教頭「御影先生は私と一緒に来るように。」 御影「は、はい。」 〇〇(ハァ……行ったみたい。早くここから出ないと……!) 自由行動2回目 普通以下 〇〇「今日はおみやげを買いに行こう。」 御影「おはよう!ゆっくり眠れたって顔だな。」 〇〇「はい。御影先生は?」 御影「おう、こっちは準備バッチリ。抜かりなしだ。じゃ、行くか。」 〇〇「はい!」 〇〇「わぁ、本当にメガネに見えるんですね。」 御影「ああ、今日は天気もいいし、川面に映って完璧なメガネだ。」 御影「あれがさ、17世紀に架けられたなんて、信じられないよな。」 〇〇「何百年も前の橋……すごい頑丈なんですね。」 御影「ははっ、そうだな。よし、じゃあ渡ろうぜ。」 〇〇「はい!」 ??「そこの二人っ!はい、ニコっとして~!」 (パシャ) 〇〇「えっ!?」 御影「うん?」 みちる「ふふ、さすが御影先生。咄嗟でも自然な笑顔。」 ひかる「マリィのハッとした顔も超カワイイよ♡」 〇〇「もう……びっくりした。」 御影「おう、じゃあみんな一緒に眼鏡橋、渡ろうぜ。」 ひかる「さんせ~い♪行こっ、マリィ!」 〇〇「えっ!」 みちる「さあ、行きましょ。」 御影「おい、待てって。俺も混ぜてくれよ。」 御影「……ふぅ。参加者が増えると、課外授業も大変だな」 〇〇「ふふっ、でも楽しかったです。」 御影「そうか。花椿たちと一緒に行っても良かったんだぞ?」 〇〇「いえ。みちるとひかるはおみやげ選びで大変ですから。」 御影「お、関係者多層だもんな。で、おまえは見ないのか?みやげ物。」 〇〇「はい、でも家族に買うくらいです。御影先生は?」 御影「俺は、家で待ってるの、植物たちだけだからなー。」 〇〇「植物におみやげですか?」 御影「なるほどなあ……じゃあ、俺もちょっとぶらっとしてくるかな。おまえの邪魔しちゃ悪いしな。」 御影「んじゃ課外授業・長崎編、いったん解散な。」 〇〇「はーい!」 御影「いい買い物できたか?」 〇〇「はい。家族と自分にカステラをたっぷり。」 御影「いいな。俺も試食したよ。美味かった。」 〇〇「御影先生は何を買ったんですか?」 御影「課外授業・長崎編のMVP賞だ。」 〇〇「え?」 御影「チューリップの球根。12月までに植えれば、春にはきれいに咲くぞ?」 〇〇「わ、すごい!」 御影「おまえも負けずに、きれいに咲いて春を迎えること。いいな?」 〇〇「はい!御影先生、ありがとうございます。」 自由行動終了後 普通以下 御影「疲れたろう?俺なんか足が棒だ。」 〇〇「そうですか?わたしは平気ですよ。」 御影「まあ、俺も心地いい疲れってやつだ。ありがとな。」 〇〇「こちらこそ、課外授業・長崎編、楽しかったです。」 御影「よっし、チャイムは鳴らないけど、これでお終いかな。」 〇〇「はい!ありがとうございました!」 御影「おう。あ、レポート提出は免除してやる。」 〇〇(ふふっ!レポート書きたいくらい楽しかったな。ありがとう、御影先生) 更新日時:2024/05/20 19 58 01 wikiトップ|▲ページ TOP メモ欄 枠内に書き込み、投稿ボタンを押すとここに表示されます。 メモ wikiトップ|▲ページ TOP
https://w.atwiki.jp/kimasuhouse/
きます邸へようこそ これはとあるサークルのwikipedia(きます邸のHP)です。 だけどwiki形式をとってるので多人数参加型のHPとなってます。 とはいってもサークルメンバ以外の方の編集はできないようにしますのであしからず なんか説明があったから残しておいた まずはこちらをご覧ください。 @wikiの基本操作 用途別のオススメ機能紹介 @wikiの設定/管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 無料で会員登録できるSNS内の@wiki助け合いコミュニティ @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください @wiki助け合いコミュニティの掲示板スレッド一覧 #atfb_bbs_list その他お勧めサービスについて 大容量1G、PHP/CGI、MySQL、FTPが使える無料ホームページは@PAGES 無料ブログ作成は@WORDをご利用ください 2ch型の無料掲示板は@chsをご利用ください フォーラム型の無料掲示板は@bbをご利用ください お絵かき掲示板は@paintをご利用ください その他の無料掲示板は@bbsをご利用ください 無料ソーシャルプロフィールサービス @flabo(アットフラボ) おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 まとめサイト作成支援ツール バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
https://w.atwiki.jp/charafre/pages/16.html
気になる情報 発言者が違う?!本当の発言者の確認方法 階段下や下駄箱なので挨拶をしていると、ログに残ってる人と挨拶している人が違う現象になることがあります。これは常に移動することになるキャラと発言者の位置情報が違う為だと思われます。違和感を感じたら下の方法で本当の発言者にたどり着けます。 右側ログの名前をクリック。 下にその人のプロフィールが表示されます。 プロフィールの人が本当の発言者です。 例: 右のログ 花子:おはようー ←花子をクリック 下のプロフィール表示 太郎 ←この人が本当の発言者 校舎裏など、学校の奥への行き方 新人さんが良くつまづいているので書いておきます。 職員室とか教室とか同好会とかの一覧が表示される廊下から更に前方に移動できます。 ↑キーを押して先に進んでね。 トイレや渡り廊下、校舎裏、屋上(頼まれごとクリア後)などに行けます。 特に校舎裏は「頼まれごと」攻略に必須です。 外出許可証 外出許可証はコインを買うと無条件でもらえますが、イベントを進行させると手に入れる機会が有ります。理事長先生の外へのお使いがそれです。お使いを頼まれてそのまま外出すると体育教師に呼び止められるので、事務室で許可証を受け取ってください。 ※「頼まれごと」の発生例をメニューの「頼まれごと」に記載しました。参考にしてください。 プールへ行くには 水着が必要です。購買部でチケットを使いスクール水着を購入するか、郊外の商店街でコインをつかってパレオ水着などを購入してください。 着替えは更衣室で行います。 水着に限った話では有りませんが、詳細で色々な着こなしが可能です。たとえばパレオ水着はパレオを外すこともできます。 生徒会役員と仲良くなろう イベントの進行に関わってくるのが生徒会役員。 たとえば「カラスに取られたカギ」を探すのにも生徒会役員と面識がないとダメです。 頼まれごとの進行は順番どおりとは限らない 「頼まれごと」は先に受けたものを解決したら次に、と進行するとは限りません。 条件を満たそうとしているうちにあとからうけた「頼まれごと」を解決することもあります。 また、それの繰り返しでいつの間にか条件を達成することも。 つまり、「急がば回れ」ですね。 時間経過で進行することもあるのでチャイムを待つのも大事ですよ。 男子寮・女子寮 チケット500枚で4ヶ月入寮できます。 標準で小窓と机、椅子がついてきます。 道具屋(チケット)、インテリアショップ(コイン)でアイテムを揃えてください。 ロビーまでは「友達に逢いに来た」といえば許可無く入ることが出来ます。 ただし、左右のロビーはガールズトーク、ボーイズトークの場ですので、立ち入るのは遠慮したほうがよさそうです。 「頼まれごと」の失敗?! 頼まれごとは選択肢や行動を間違えると失敗することがあるようです。 失敗しても進級などには影響ありませんが、アイテムが手に入らないことも。 ショッピングモールマジックアイテムショップでコインにより再挑戦アイテムが手に入ります。 掃除用具の入手方法 2つ方法があります。部活レベルを5にするともらえる報酬か、教室が汚れているときに先生から「掃除しなさい」と怒られて入手する方法です。 掃除をすると「天使の羽」をもらえるので、かなりほしいアイテムといえます。※頼まれごとでClean度15(バケツのみ)がもらえますが、これを所持していると教室イベントでClean度50(バケツとホウキ)がもらえません。ロッカーにしまっちゃいましょう。 アイテムのプレゼント 所有するアイテムを「贈る」ことができます。 ただし、1度切りです。他の人に贈ることはできません。 商店街のコインフリマ、チケットフリマに出展できるのは譲渡していないアイテムのみです。 また、お互いプレゼントし合うことで「プレ友」に友達ランクが上がります。 あれっ?アイテムが無い?? アイテムは手持ち→ロッカーの順にいっぱいになると移動するようです。 ロッカーもいっぱいだと未使用のロッカー2以降に移動してしまいます。 そうなるとアイテムを整理しても取り出せなくなるので、チケットでロッカーを拡張してください。 まぁ、そうなる前に手持ちアイテムの整理をしましょうね。 食べ物は消費期限があるので期限切れは捨てるしかないですよ。腐らせていませんか?
https://w.atwiki.jp/shienki/pages/197.html
494 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/05(木) 02 17 18 ID MogP2/87 龍門渕透華:…それでは、失礼いたしますわ 龍門渕透華 さんが退室しました (12月xx日 00:43:38) 亜空間:おう、じゃあみんなお疲れ 亜空間 さんが退室しました (12月xx日 00:44:41) 龍門渕一:明日はお休みだからって夜更かしのし過ぎはダメだよ、ともきー。 じゃあ、お休み~ 龍門渕一 さんが退室しました (12月xx日 00:45:52) ともきー:うん、みんなお休み ころも さんが入室しました (12月xx日 02:35:22) ころも:ともきー、まだ起きていたのか? ともきー:衣? こんな時間にどうしたの? ともきー:…いや、そんなことより風邪ひいてるのに起きたら駄目 ころも:全く、ともきーも透華の口喧しさがうつったようだな。。。 ころも:寝るのは大好きだが、いくら衣でも一日中寝ていられん! ともきー:待ってて。今、そっち行くから ころも:大丈夫だ。布団の中で暖かくしてるから気遣いは無用だ ころも:衣は目が冴えてしまっただけ。ちょっと話相手になってくれればいい ともきー:本当に? 喉とか渇いてないの ころも:うん、大丈夫だ。 こういうのも普段と違う赴きがあってなんだか楽しいしな ともきー:わかった。でも、夜は寒いから暖かくしなきゃ駄目 ころも:わかってる。ここも冬は寒さは厳しいが、ともきーの居た所はもっと寒かったのであろう? ともきー:そう。北海道の冬はもっと寒かった ころも:衣は北海道には行ったことはない。どんなとこなのだ? ともきー:この季節は辺り一面雪に覆われている。外を出歩くには不便 ころも:それでか。合点がいったぞ ともきー:? ころも:以前、言ったではないか。ここに来る前のこと ともきー:ここに来る前のこと? ころも:ともきーはゲームばかりしていたのだろ? 出歩くのに不便な地なら当然であろう ともきー:別に北海道の人が皆、私みたいな訳じゃない ころも:そうなのか? では、他の者は何をして過ごすのだ? ともきー:過ごす。遊ぶ、ということならスキーとかスケートをする子が多かった ころも:スケートにスキーか。衣はそういった遊びをしたことがない。。。 ともきー:私も。少しは出来るけど他の子みたいには上手くなかった ころも:そうか。衣はいつも庭にいる蛙や虫達が遊び相手であったからな ころも:北海道にはそういった者達はいるのか? ともきー:いるとは思う。けど、私の居た所ではほとんど見かけなかった ころも:そうか。北海道とはだいぶ寂しい場所なのだな。。。 ともきー:虫とかは少なかった。けど、キツネやリスはよく見かけた ころも:キツネやリス! 動物園とかにいるというアレか ともきー:そう。北海道では野生にいた ころも:なるほど。衣は本物を見たことがないから目にしたい物だ ともきー:…風邪が治ったら透華にお願いするといい。きっと見せてくれる ころも:そうだな。きっと本物もさぞ可愛いのだr そしたらともきーも共に見n ともきー:…衣? ハギヨシ:申し訳ございません。衣様はご就寝されたようです。 ともきー:ハギヨシさん…? びっくりした。何時から? ハギヨシ:失礼しました。私はこちらの部屋の管理人でございますので、常時ログインしております ともきー:なるほど。衣の具合は大丈夫? ハギヨシ:はい。大分良好になられたかと。夜も更けております。沢村様もそろそろお休みされては? ともきー:ありがとう。そうする ハギヨシ:…それと、ありがとうございます ともきー:? 別に私は何もしてない ハギヨシ:いいえ。私には至らぬ部分で皆様は衣様に良くして頂いています ともきー:私にはよくわからない。でも、衣たちに会えたことは良かった気がする ハギヨシ:左様でございますか。そうおっしゃって頂ければ、お招きした者として嬉しく思います ともきー:うん。それじゃあハギヨシさん、私はそろそろ落ちる ハギヨシ:はい。夜分遅くまでありがとうございました。 あ、それと ともきー:? ハギヨシ:衣様の御加減が治りましたら、是非皆様ご一緒にキツネやリスを ともきー:…わかった。私も楽しみ。じゃあ、お休みなさい ハギヨシ:ありがとうございます。それではお休みなさいませ ともきー さんが退室しました (12月xx日 03:08:36)
https://w.atwiki.jp/sacragloria/pages/51.html
夢を見る。雨の中、黄金の桜は嵐となって全てを追い越していく。全てを。私のことも。 やっと足を止めて、あぁ、また負けてしまったという思いと、私の親友が勝った誇らしさが同時に胸に湧き上がり、誰よりも、あの子のトレーナーよりも早く、「おめでとう」と声をかけようとして… その背中は崩れ落ちる。 世界から、音も光も消え去った。 『栄光の代償-ジェット-』 悪夢から目を覚ます。汗をびっしょりかいた体はまだ震えている。私がこんなふうになっているのに心配きてくれる優しい声はない。それこそが、これが現実だとありありと証明していた。 グローリアがいない部屋。 あの有馬記念から、グローリアはまだ戻ってこない。 季節は移ろい、薄紅の花が蕾を膨らませる頃には、 サクラグローリアの名前がトレセン学園生の口に上ることはなくなっていった。 あの子はいつも誰かの理想になろうとしていた。 いつも強くて、恐ろしいくらい眩しくて、惹きつけられる走り。可憐な容姿も相まって、全てを焼き尽くす天使のようだった。 グローリアがいないなら、私はどうして走っているんだろう。 何か大事なものを忘れそうで、忘れないために、或いはもしかしたら既に忘れてしまったことを紛らわすために、私は走ることだけに没頭した。 グローリアは無敗の女王だった。彼女が戻るまで、自分も無敗で王座を守ると決めた。 いつしか、好きだった和菓子を作ることも、食べることもなくなった。 大阪杯。G1という大舞台。誰が相手だろうと関係ない。誰にも追い付かせない。喉がちぎれそうになっても、脚がバラバラになりそうでも、走る、走る、限界を越えるまで。 前には誰もいない。やっと、やっと一着!! 「やった!グローリア……ぁ……」 ゴール板を通り過ぎて、お互いの健闘を讃えあおうとした。あの子がいつもそうするように。 もちろん、そこにはグローリアは居ない。居るはずがなかったんだ。 そんな当たり前のことに気がついて… それからどうやって帰ったか、覚えていない。 「お前、あんま無理すんなよ。大阪杯のウイニングライブ、ひっでー顔してたぞ。ちょっと休憩してはちみー飲みいこうぜ?抹茶ラテでもいいけど」 勝てればどうでもいいじゃないか。 そんなことより、トレーニングの邪魔をしないでくれないか?グローリアが戻ってくるまで、私は負けるわけにはいかないんだ。出かけるのは遠慮しておくよ、パストラル。 闇の中に足を取られるような心地がする。 何か、怒号のような、悲鳴のような、歓声のような、地響きのような唸りが聴こえる。 でもそれは、いつも聴こえてきた、肌が粟立つほどに恐ろしい、それでいて魂が昂るような足音ではなかった。 細かいことはどうだっていい。前を行く奴ら全員、邪魔だ!退け!! 「大阪杯に続いてシンボリレクイエムが一着ーーー!!!見事、二冠達成!!!春の盾を勝ち取りましたーーーっ!」 天皇賞春、出走の方はウイニングライブの準備を… そんなアナウンスが聴こえてくる。くだらない。そんなことをしている場合か。 「ちょっと、どこいくの」 「……っ。気分が優れないので、ウイニングライブは欠席します。運営の方に伝えておいてください」 「え、待って、どこか悪いなら医務室に……っ!!」 敗者は黙ってろ。 そんなことよりも。もっと。勝たなければ。これからも。もっと強くならなければ。 グローリアが戻ってくるまで、誰にも負けるわけにはいかないんだ。 「レクイエム、あれは良くない。ウイニングライブを欠席してトレーニングをするなんて」 次の日、ルドルフさんに呼び出された。 動けるならウイニングライブに出ろ、勝ったとはいえ先輩に失礼な態度を取るな、わかってる、わかってるけど。聴こえてきたのは意外な言葉だった。 「あまり、私を心配させないでくれ」 「ルドルフさんには、わかんないよ!」 なんだよそれ。思っていたよりも大きな声が出た。 「心配してくれなんて頼んでない!こんなところで足を止めている場合じゃないの、私は!だって、こうしている間にも、グローリアは」 はっとした。ルドルフさんが、やるせないような、今にも泣きだしそうな顔をしていたから。 そんな顔を見るのは初めて……いいや、テイオーが菊花賞を諦めた時以来で…… 「…っ、失礼します」 逃げるように立ち去った。自室に戻ったら苦いものが喉から迫り上がってきて、胃の中のものは全て戻した。ほとんど何も入ってはいなかったが。 不思議と、涙は出なかった。 それから、ルドルフさんとは話せていない。 時々、目の端に何かもの言いたげなパストラルが映った。全て無視した。君はそうやって人に構うようなタチではないだろう。放っておいてくれ。 春の二冠を獲って、その頃の私は「絶望の黒」「死神の鎮魂歌」と呼ばれるようになっていた。 ジェットという宝石をご存知ですか? ヴィクトリア女王が好んで身につけていた漆黒のモーニングジュエリー 宝石言葉は「忘却」 散りゆく桜は美しい 弾けて落ちる線香花火も 黄昏時に移ろう空も 掌で溶けていく結晶も 時を巻き戻すことはできません 失われたものは元通りにはなりません 儚いものは美しいのでしょう 忘れることが癒しになることもありましょう それでも 忘れてはいけないものまで 忘れてはならない だって、まだ何も失われてはいない 今も夢を見ながら 黄金の桜は再び咲く日を待っているのだから 「シンボリレクイエム」 誰だ?地下道で立ち塞がる奴がいる。 「勝負だ。勝ったらオレの言うこときけよ」 「……あぁ」 どうでもいい。勝つのは私だから。 「皇帝シンボリルドルフを思わせる圧倒時な走りでこれまで春二冠を勝ち取りました。三冠が期待されています。1番人気、シンボリレクイエム」 「マイルスプリント路線から距離を伸ばして参戦、春のグランプリを華やかに彩ります。 3番人気はこの娘、パストラル」 「……今、一斉にスタートしました!」