約 3,438,519 件
https://w.atwiki.jp/lls_ss/pages/1380.html
元スレURL 千歌「私たちのお姉ちゃんは」美渡「とっても厳しい」 概要 千歌の部屋で合宿していたAqoursに混じって話をする美渡 ダイヤが厳しいと訴えるルビィを千歌と一緒に否定していたが そのうち果南も交えて話が志満姉の悪口へと発展していき…… 関連作 ルビィ「ルビィのお姉ちゃんは、とっても厳しい」 タグ ^高海美渡 ^高海志満 ^高海千歌 ^Aqours ^コメディ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/2057.html
「ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛はんぜい゛じまずがらゆるじでぐだざい゛い゛い゛い゛い゛」 一匹のゆっくりれいむがお兄さんに捕まった。お兄さんの家に忍び込み大切な母の形見を壊したからだ。 ここまではよくある風景だがこのゆっくりはちょっと違った。 「でいぶはどうなっでもい゛い゛がらおながのあがじゃんだげはだずげでぐだざい゛い゛い゛い゛」 このれいむ実は胎生型妊娠をしていたのだ。幸いなことにお兄さんは虐待お兄さんではなかったので 子供が生まれるまで生かしてもらえることになった。 ? ? ? 1 日 目 ? ? ? 「むーしゃ、むーしゃ…」 れいむは逃げないよう檻に囚われ餌として野菜くずを与えられた。 くずといっても野生の食べ物に比べればはるかに美味しかったがれいむは幸せな気持ちになれなかった。 もうすぐ人間さんに殺されてしまう。そう思うと美味しいはずの食事も味が良く分からない。 「ゆゆっ?あかちゃん?」 その時れいむの腹の中の赤ちゃんが動いた。 「れいむのかわいいあかちゃん、げんきにそだってね」 死の恐怖に怯えていたれいむだが赤ちゃんそ存在がれいむの心を支えていた。 ? ? ? 7 日 目 ? ? ? 「うーん、うーん、うまれるよ…」 お兄さんが仕事で家を開けている時、れいむのおなかに痛みが走る。赤ちゃんが生まれようとしているのだ。 「れいむのあかちゃんうまれるんだね…れいむとってもうれしいよ」 だがその時お兄さんの言葉を思い出す。 『子供に罪はないから生まれるまで待ってやる。だが子供が生まれたらお前は殺すからな』 「ゆゆっ!だめだよ、あかちゃんまだうまれないで!」 れいむは腹に力を込めて生まれてこようとする赤ちゃんを押し戻した。 やがて赤ちゃんも諦めたのかれいむの産気は収まった。 「あかちゃんうまれるのはもうちょっとだけまってね…」 ? ? ? 1 0 日 目 ? ? ? 「うーん、うーん、うまれるよ…」 お兄さんが仕事で家を開けている時、れいむのおなかに痛みが走る。赤ちゃんが生まれようとしているのだ。 「れいむのあかちゃんうまれるんだね…」 だがその時お兄さんの言葉を思い出す。 「あかちゃんおねがいだからうまれないでええええ」 れいむは腹に力を込めて生まれてこようとする赤ちゃんを押し戻した。 だが赤ちゃんは前回より強い力でれいむの体から出ようとする。 「おねがいだからやめてええええ」 自分の力では抑えきれないと思ったれいむは野菜の芯で自分のまむまむに蓋をした。 そのかいあってかしばらくして産気は治まった。 「あかちゃんがうまれるとれいむがこまるんだよ。おねがいだからうまれないでね」 ? ? ? 1 2 日 目 ? ? ? 「うーん、うーん、うまれるよ…」 お兄さんが仕事で家を開けている時、れいむのおなかに痛みが走る。赤ちゃんが生まれようとしているのだ。 「おねがいだからう゛まれないでっていってるでしょお゛お゛お゛お゛」 だが今回は赤ちゃんもなかなか諦めようとしない。 まるで『なんでうんでくれないの?じぶんはいらないこなの?』と言っているようだった。 「わがままなあかちゃんだね!れいむそんなわがままなあかちゃんいらないよ!」 怒ったれいむはお腹の中の赤ちゃんを罵倒しはじめた。れいむの気持ちがわかるのか赤ちゃんは大人しくなった。 「こんなできのわるいあかちゃんがいるなんてれいむはふこうだよ」 赤ちゃんは寂しそうにごろりと動いた。 ? ? ? 1 7 日 目 ? ? ? 「い゛だい゛い゛い゛い゛、でいぶのおなががい゛だい゛い゛い゛い゛い゛」 お兄さんが仕事で家を開けている時、れいむは激痛でのた打ち回った。 お腹の子供が成長しすぎたせいでれいむの体を圧迫しているのだ。 「れいむをいたいいたいさせるあかちゃんはしね!」 れいむは壁や床にお腹を叩き付けた。何度も何度も… あかちゃんは『いたいよ、なんでこんなことするの?』と言う様にもぞもぞと抵抗したが その動きがよけいにれいむのお腹を痛くし怒りを買うことになった。 「あかじゃんあばれるな!はやくしね!はやくしね!」 やがてお腹の赤ちゃんは動かなくなった。壁に叩きつけられたダメージで死んでしまったのだ。 れいむのまむまむからチョロチョロと餡子が漏れる。 「なあれいむ・・・」 「ゆ、ゆぴっ!!」 気がつくと背後にお兄さんが立っていた。 「れいむの赤ちゃん中々生まれないな」 「し、しらないよ!れいむはあかちゃんになにもしてないよ!」 「…」 「お、お兄さん?」 「なあれいむ…」 「れれれ、れいむはなにもしてないよ、あかちゃんはげんきにそだってるよ!」 「…そうか」 お兄さんは無言で部屋から立ち去った。 ? ? ? 2 0 日 目 ? ? ? 「うーん、うーん」 お腹に痒みを感じれいむは目を覚ました。何だろうと思いお腹を見ると… れいむのまむまむにウジ虫が入り込もうとしていた。 どうやら腐った赤ちゃんの餡子の臭いに釣られて湧いてきたらしい。 「やめでえ゛え゛え゛!むしさんれいむのなかにはいらないでえ゛え゛え゛!」 れいむはまむまむを壁に擦りつけウジ虫を引き剥がした。 ほっとしたのもつかの間腹の中にちくりとした痛みを感じる。 どうやら気づいたのが遅かったらしくすでに数匹体内にウジ虫が入り込んでいたのだ。 チクチクとした痛みはやがて激痛に変わる。どうやらウジ虫が中枢餡子のあたりまで入ってきたらしい。 「いだいよお゛お゛お゛お゛!むしさんでいぶをだめないでえ゛え゛え゛え゛!」 「なあれいむ・・・」 「ゆ、ゆぴっ!!」 気がつくと背後にお兄さんが立っていた。 赤ちゃんを殺したことをお兄さんにばれないようにしなければならない。 れいむは痛みをこらえて平静を装った。 「れいむがこの家に来てからもう20日になるな」 「れ、れいむのあかちゃんはゆっくりしているからなかなかうまれないんだよ」 自分が疑われていると思ったれいむは聞かれてもいないのに言い訳を始めた。 「俺あれから考えたんだけどさ。れいむ、赤ちゃんが生まれてもお前は助けてやるよ」 「ゆ、ゆゆっ!?」 「俺も幼い頃母親が死んでさ。だから形見が壊されたときすごい怒ったけど やっぱりゆっくりでも母親は必要だと思うんだ。」 「…」 「生まれてすぐ母親がいなくなるのって悲しいからな。お前の赤ちゃんにもそんな思いさせたくないんだ」 「……」 「あの時のことは水に流してゆるしてやるからお前も赤ちゃんのこと大事にしろよ」 「…ゆ、ゆぐっ」 「れいむ?」 「ゆ、ゆげええええええ!!」 「おいれいむ?どうしたんだ?しっかりしろれいむ!」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4400.html
『最後の希望』 8KB 思いやり 不運 群れ 野良ゆ 現代 人間なし 8作目です ※割と生き残ります 今年の夏はいつになく暑い。 ジリジリと照らす太陽に、人々は閉口している。 当然それは、街に住む野良ゆっくりたちも例外では無かった。 ~最後の希望~ 「ゆべぇ…あづいのぜぇ…」 「だいようざんはゆっぐりしでないでおどなじぐじててねぇ…」 「あづすぎるわぁ…」 ここは双葉町の双葉公園。 群れの全てのゆっくりが日陰を這い回っていた。 茂みに隠したおうちに引きこもっていれば大分楽であろう。 しかし食事をしなくては死んでしまう。 無理をしてでも狩りに出かける必要があるのだ。 しかし日向に出るわけにはいかない。 地面が熱すぎるのだ。 先日、暑さから靴を脱いだ胴付きれみりゃが足を焼き、動けず干からびて死んだほどだ。 それゆえ行動範囲は日陰に限定された。 しかし、その中で見つかるものなど雑草くらいのものだ。 そして何よりも辛いのは… 「おみずざぁああん…どごなのぜぇえええ…」 「ふんずいざんはゆっぐりしずぎだよぉ……」 水不足だ。 不思議饅頭のゆっくりではあるが、飢えよりも渇きの方が辛いのは他の動物と変わらないらしい。 この公園は噴水があり水確保が容易なため、ゆっくりにとって他の公園よりも優れているといえる。 しかしこの暑さである。断水により噴水は止まってしまった。 先日、水を求め噴水に頭から突っ込んだ胴付きれみりゃが怪我をして出られず死んでしまうという珍事も起きた。 「おぢびぃ…おぢびがまっでるんだよぉお…」 「どがいはなおぢびぢゃん…がまんじででねえぇえ…」 ゆっくりたちはおちびちゃんのために水を探し回る。 この群れにはおちびはいない。 暑さと雑草の味に耐え切れず、全て永遠にゆっくりしてしまった。 ただし、一匹を除いてだ。 そのおちびは群れのごく平凡なゆっくりの番の間に生まれたおちびちゃんだ。 今まで両親と姉妹に囲まれ幸せに暮らしていたが、みんな息絶えてしまった。 運が良いのか悪いのか、そのおちびちゃんは奇跡的に生き残った。 そしてそれが発見されたのは数日前… 「ゆびぃ…おちょーしゃ…おきゃーしゃ…」 「むきゅう…のこったのはこのこだけなのね…」 「そうみたいなのぜ…でも…だれもこのこをそだてるよゆうなんて…」 「かわいそうだけど…もういっそ…!」 一息に楽にするべきではないか、そんな意見さえ出てくる。 だが、ぱちゅりーが叫んだ。 「むぎゅう!!だめよ!このこいがいおちびちゃんはいないのよ!!むれがおわってしまうわ!」 「じゃあどうするっていうの!?だれにもおちびちゃんをひとりそだてられるわけないわ!!」 「そうだよー!おさ、かわいそうだけどりかいしてねー!」 当然だ。 ただでさえおちびちゃん1匹育てるというのは大変なことなのだ。 こんな状況ではとてもじゃないが不可能だ。 先日、夜中におちびちゃんが死んで泣き叫んだ胴付きれみりゃが近所のオッサンにフルボッコにされて死ぬという事例もあったほどだ。 たしかに罪もないゆっくり、それもおちびちゃんを殺すなんて許されることではない。 しかしどうしようもない。 だがぱちゅりーは 「だれかにおしつけたりはしないわ!!このこはむれのみんなでそだてるわよ!みんなのおちびちゃんにするわ!!!」 「みんなの…おちびちゃん…?」 「それなら…なんとかなるかもだねー…」 「みんな、がんばりましょう!このこはむれのさいごのきぼうなのよ!!!」 最後の希望。 その言葉に群れのゆっくりたちは奮起した。 「ゆおおおおお!!まりさのおちび!りっぱにそだててみせるのぜぇええ!!」 「おちびちゃんはぜったいしなせないわぁあ!!」 「おとーさんがなんとかするみょん!!おちびちゃん!!!」 かなり単純ではあったが、この群れは極めて善良な群れであった。 おちびちゃんを死なせたいと思うものはいない。 「ゆびゃあん!ゆびぃいい!!」 「ゆぅう!おちびちゃんこわいゆめみたの!?おかーさんがすーりすーりしてあげるからあんしんしてね?」 みんな積極的に子守をした。 「みんなざっそうさんをすこしづつわけるのぜ!!」 「おちびちゃんにはたらふくくわせてやるみょん!」 狩りも精力的にだった。 「くーちゃくーちゃくーちゃくーちゃ…ぺっ!おちびちゃん!ごはんよ!」 「むーちゃむーちゃ…ちょりぇにゃりー」 雑草は、唾液で少しでも甘くして食べさせた。 「のどぎゃかわいちゃよ…」 「ぺーろぺーろ…がまんしてねーわかってねー」 体が渇いたときは、舐めてあげることで少しでも湿らせた。 「あぢゅいどぉお…ざぐやあ…」 「うわっ、子供かと思った」 胴付きれみりゃがその厚着が原因で死に、人間をビビらせた。 苦しいながらも群れ全体がこのおちびちゃんのために頑張った。 しかし限界はすぐ来てしまう。 噴水の断水により水の確保は困難になった。 ぺーろぺーろしようにも、大人たちも暑さですでに乾ききっている。 「どうしようおさ…もうどこにもおみずさんがないよぉ…」 「おぢびぢゃん…しぬのぜ…?」 「まだ、まだてはあるはずよ…!」 ぱちゅりーは考える。 そしてたった一つ、閃いた。 「そうよ!じどうはんばいきさんがあるはずよ!」 自動販売機、そこであれば水が手に入るかもしれない。 「でもおさぁ…あれはにんげんさんのだよぉ…?」 「そうなのぜぇ…いくらなんでもきけんなのぜ…」 その通りだ人間に飲み物をたかろうものなら最悪殺されてしまう。 過去にもプリンドリンクを要求した胴付きれみりゃが虐待されてさらし首にあった例がある。 「そのへんはかんがえてあるわ…ぜったいあんぜんなほうほうよ…」 ぱちゅりーは以前体験したことを話す。 春先のことであった。 ある人間が公園のすぐ近くにある自動販売機で商品を買った。 そして飲んだ缶を地面に捨てたのだ。 少し中身が残っていたらしく、液体が地面に流れていた。 そう、あれはきっとお水のはず。 人間が飲んでいたのだからあまあまなのかもしれない。 そしてそのことを聞いたゆっくりたちは 「すぐいこう!おさ!それはどこ!?」 「はやくおみずさんをみつけるのぜ!!」 大いに沸いた。 早くおちびちゃんを助けたいという一心であった。 数匹のゆっくりがぱちゅりーに連れられて自販機へ向かう。 あるまりさはすぐに飲ませるべきと、おちびちゃんを帽子の中に乗せていった。 茂みから自販機のある方を眺める。 何人もの人間が商品を買う。 そのたびに笑顔になるがしかし、誰もそれを地面には捨てなかった。 マナーが良いという以前に、そばにゴミ箱はあるから当たり前だ。 ゆっくりたちは焦る一方だ。 なぜ地面に置いてくれないのか。 どうしてそんなに意地悪をするのか。 そしてようやく機会は訪れた。 カランッ… ある男が缶を投げ捨てた。 缶からは液体が流れてきている。 「ゆぅううう!!!やったよ!」 「にんげんさんがいなくなったのぜ!!いそぐのぜ!」 帽子におちびちゃんを入れたまりさは跳ねる。 自販機は日向に設置してある。 あんよが熱い。 だがそんなことは気にならない。 自分の、自分たちのおちびちゃんを助けるのだ。 強い思いでまりさは苦痛を乗り越えた。 そしてたどりつく。 「おちび!さあ、おみずさんをごーくごーくするのぜ!!」 まりさはおさげで帽子の中からおちびちゃんを取り出す。 飲みやすいように液体のそばに降ろしてやった。 ジュゥ… 「ゆっびゃあぁあああぁぁああ!!!あぢゅいあぢゅううああっやあいいいいいあいいいああああああああ!!! だぢゅげでだりぇがだぢゅげぢぇおぢょーじゃ、おがーじゃ、べびゃああああ!やげるがらだやげぢゃうううう!!! ゆんやあああああ!!!うぎょぎゃにゃいあんようぎょぎゃなやあああああああああああ!!!じんじゃうううううううう!!!」 「ゆ…へ…?」 まりさは呆然とする。 おちびちゃんは助かるはずじゃないのか?どうして苦しんでいる? 当然である。 まりさはやせ我慢で乗り越えたが、地面は熱い。 それをまだ赤ちゃんであるおちびちゃんが耐えられるわけがない。 ただでさえ弱っているのだから尚更だ。 あんよが焼ける。 それを逃れようと後ろに倒れる。 髪と背中が焼ける。 逃れようと左右にのた打ち回る。 万遍なく焼けていく。 焼きまんじゅうの良い匂いが広がっていく。 「ゆああああああ!!!ごめんにぇええええ!!!おぢびぢゃんんんん!!」 「なにやってるのばがまりざああああ!!!」 「とっととおちびちゃんにおみずのませろよおぉおおおお!!!」 慌て、まりさはおちびちゃんをおさげで持ち上げる。 そして持ち上げたまま液体を飲ませる。 「ゆびぃ…いぢゃいぃいい…ぺーりょぺーりょ…こりぇどきゅはいっぢぇっるっるるううううううう!!!」 その黒い液体を。 「ゆぅ…!?」 「もっぢょ…ゆっぐぢぢだがっだ…」 最後の希望はあっさり消えてしまった。 「…ゆわあぁああああ!!!おぢびぢゃんんん!!!」 「ぱちぇが…ごんなごどいわなげればああああああ!!!」 「まりざがふちゅういずぎだのぜええええ!ごべんなざいなのぜええええ!!!」 「わがりゃにゃいよおおおおおおお!!!!」 最後の希望を失って、残されたものはもう何もない。 太陽は無慈悲である。 この公園でゆっくりが生きていられる時間はもう長くはない。 その短い時間を、彼らは深い絶望と罪悪感に苛まれながら生きるのだ。 ‐おわり‐ 後書き 胴付きれみりゃがポンポン生えてくるのは仕様です。 過去の作品 anko3815 はだかのれみりゃ anko3817 みにくいれみりゃのこ anko3826 れみりゃのカリスマ教室 anko3863 ランプの精 anko3921 冬の日の水上まりさ anko3992かりすまどらいばー☆れみりゃ anko4265 れみりゃを完全に破壊する実験
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/133.html
結婚して10年になろうとしていた。 私たちの間には子供はいない。 昔の人は『子は鎹』とはよくいったものだ。 その鎹のない私たちは10年という歳月の間に夫婦関係はすっかり冷えていた。 夫はと言えば口を開くと不況だなんだと愚痴ばかり。 その愚痴をはじめは黙って聞いていた。 聞くことで鬱憤が晴れるなら私のストレスなど些細だと思っていた。 しかし、何カ月もの間聞かされ続けると私もストレスの限界だ。 不況だと嘆いたところで状況が打破されるわけではない。 今の夫の境遇は夫自身の不徳の致すところではないか。 そういう考えに至ったのは自然な流れだった。 「・・・今日は晩御飯は?」 「あぁ。残業多くてな。たぶん遅くなる。連絡する」 「・・・そう・・・」 朝の会話はこれだけ。 昔のように会社での出来事や他愛もない話に盛り上がることはなくなってしまった。 私はといえば、夫が駄目な人間に見えてしかたなくなっていた。罵ったこともあった。 子供がいればまた違ったのであろうが、不幸にも私たちの間に子供は生まれてくれなかった。 朝、夫を送り出し、いつものように日課であるガーデニングをしに庭に出る。 するといつもとは見慣れないものがそこにはいた。 大きさにしてソフトボールより少し大きめ。大きな赤いリボンを付けている。 「ゆ!・・・にんげんさんはゆっくりできるひと・・・?ゆっくりしていってね!」 不安そうに少し距離を置いて私に話しかけるもの。 そう、ゆっくりれいむといわれるものだった。 比較的都会に住んでいる私は初めて目にしたものだった。 ペットとして飼ってる人は見たことがある。 ペットショップでも何回かは見たことがあるが、さして興味もなく注視はしていなかった。 最近は環境美化対策として野良ゆ排除が進んでいるため、街にも野良ゆは少なかった。 野良ゆというものが初めてだったのだ。 会社勤めを辞めてしまった私にはこの土地には友人と呼べる人が少ない。 数少ない友人たちもそれぞれの生活がある。 今になって思えば、私は少し、淋しかったのだと思う。 「はじめまして。ゆっくりしていってね。」 つい返事をしてしまった。 そこから私とれいむの付き合いが始まった。 夫は元より生き物が苦手な方だった。 前に犬を飼いたいといったときも大反対をされた。 子供の出来ない私の淋しさなど、夫には理解できないのだろうとあきらめた。 そんな経緯もありこの庭れいむは私の秘密の友達となった。 夫は私の行動に興味はない。 庭をいくらきれいにしたところで褒めてはくれない。本当に興味がないのだ。 庭は私とれいむだけの秘密の園となっていた。 れいむは非常に素直で純粋だった。 野良と言えば汚くて醜い。そんな印象だったのだがこのれいむはちがっていた。 私が育てている花壇の花々の話をすると、 「おねーさんがゆっくりしているからおはなさんもゆっくりしているね! れいむもゆっくりしたおはなさんすきだよ!だからほかのくささんたべるね!」 と花を荒らすこともしない。 なにかほしいものはないのかときけば、 「れいむはいまのせいかつがだいすきだよ!おねーさんこれからもれいむとなかよくしてね!」 とかわいいことをいう。 私の荒んだ心に一滴のうるおいを与えてくれる、そんな存在だった。 いつものように夫を送り出し、庭に行く。 ふと思い立ち、れいむの境遇についてきいてみた。 「れいむはどうしてお庭さんにきたの?家族はいないの?」 そう聞くとれいむは少しうつ向いて 「れいむは・・・おかーさんとおとーさんといもうとたちとしあわせー!だったんだよ・・」 と語り出した。 要約すると、人間に見つかりにくい公園の隅で家族幸せにすごしていた。 箱入り娘だったれいむは外の世界はあまり知らないまま育った。 ある日人間に家族が連れて行かれた。 両親は最後の力を振り絞りれいむを逃がした。 どうしていいかわからないれいむは私の育てた花をみてゆっくりできたのでここにきた。 そういうことらしい。 まぁよくある話といえばそれまでだ。一斉駆除があったのだろう。 「そう。大変だったのね・・・ここですきなだけゆっくりしていくといいわ」 「おねーさん・・!ありがとう!れいむゆっくしていくね!」 子供がいない淋しさも手伝ってわたしはこのれいむを見守ることにした。 ある日、いつものように庭に出るとれいむが顔を赤らめてもじもじしていた。 「どうしたのれいむ?」 「ゆん!おねーさん・・・しょうかいするね・・!まりさだよ!」 「まりさはまりさなのぜ!ゆっくりしていってねなのぜ!」 「あら、れいむお友達なの?まりさ。ゆっくりしていってね」 れいむはどこからかまりさをつれてきていた。 様子を見るにれいむはこのまりさが好きなようだった。 「まりさはかりのめいじんなのぜ!おねーさんにはめいわくかけないのぜ!」 「ん?」 「れいむがまりさにおはなさんはむーしゃむーしゃだめっておしえたんだよ!」 「そうなの。ありがとうね。」 そういってれいむの頭をなでてやると幸せそうにしていた。 これからこの二匹は番になるのだろう。 そう予感した私は二匹のためにおうちを庭の隅の目立たないところにプレゼントした。 「ゆーん!おねーさんとてもゆっくりできるおうちありがとう!」 「まりさも一緒に住んだらどう?」 「ゆ!おねーさん!れいむ・・・はずかしいよ!」 「・・・・ほんとにいいのぜ?」 「いいのよね?れいむ?」 「・・ゆん!まりさもいっしょにゆっくりしてね!れ、れいむ・・・まりさとずっといっしょに ゆっくりしたいよ・・!」 それはれいむからのプロポーズ。 「ゆぅぅ!て、てれるのぜぇぇ!まりさがんばってかりするのぜ!!!」 私の庭に家族が増えたのだった。 私は特に餌は与えていない。 庭にいる虫や雑草などを食べて二匹は生活しているようだった。 二匹にしてみればごはんさんには事欠かない環境らしく飢えを訴えることはなかった。 れいむはひなたぼっこをしながら上手とはいえないおうたを歌い、 まりさは狩りも兼ねた虫との追いかけっこ。 日々ゆっくりとしていた。 そんな日が何日かすぎ、れいむがおうちからあまりでてこなくなっていた。 「まりさ。れいむをみないようだけど・・・何かあったの?」 「ゆん!れいむはにんっしんっ!したのぜ!おちびがもうすぐふえるのぜ!」 「・・・そう。おめでとう」 「おねーさんありがとうなのぜ!まりさかりをがんばるのぜ!」 心から喜んであげられない自分がいた。 私には子供が出来ないのに、こんなに簡単にゆっくりには子供ができる。 ゆっくりの性質上当たり前のことだが。 そんな自分に気がつくと自分のことが前より嫌いになりそうだった。 これでは悪循環。喜んであげようと私は精一杯明るく努めた。 「これからはもっとがんばらないとね。まりさ?」 「ゆん!そうなのぜ!まりさはれいむをゆっくりさせるのぜ!」 そういってまりさは狩りを再開させた。 れいむの様子をみようとおうちを見ると、れいむは額から茎を生やしていた。 とてもゆっくりした表情で寝息を立てて寝ていた。 それから何日かしておちびちゃんが生まれたようだった。 「ゆーん!おちびちゃんとってもゆっくりしているよぉぉ! おねーさん!れいむのかわいいおちびちゃんをみていってね!」 無邪気に赤ゆを私に見せるれいむ。 赤ゆはといえばこれまた無邪気だった。 「ゆぅ!りぇーみゅはりぇーみゅだよぉ!おねーしゃんゆっくちしていっちぇにぇ!」 「ゆっくちゆっくち!」 「まいちゃはまいちゃにゃのじぇ!」 れいむ種が2匹にまりさ種が2匹。一気に6匹家族となったのだ。 「まりさがこれからもっとがんばらないといけないのぜ!れいむはこそだてでいそがしいのぜ!」 まりさは忙しそうに狩りをしていた。 「まりさ!ゆっくりがんばってね!れいむもゆっくりしたおちびちゃんをそだてるよ!」 仲睦まじい。新婚。そんな言葉がぴったりだった。 そんなゆっくりたちをみていると、結婚したばかりだった私たち夫婦を思い出していた。 夫は板前をしていたが収入のために仕事を変えた。大変だったが幸せだった。 大好きな人と一緒に日々を過ごせる幸せ。それは何事にも代えがたいものだと思っていた。 このままこの人と、ずっと幸せな日々が続くと夢を見ていたあの頃。 夫の仕事も軌道に乗り出し、この家を購入した時。 仕事で忙しい夫のため、元気の出るような料理を頑張ってつくっていたあの頃。 ほんの数年前のことだというのに、忘れていた自分がいた。 それに気付かさせてくれたこのゆっくりたちに感謝をしなくてはいけないとさえ思った。 数日後、いつものように庭をみるとまりさが狩りにせいをだしていた。 身の回りのことまで気が回らないのだろう、まりさは少し汚れていた。 「まりさ。ごはんさん集めるの大変なの?」 そう聞くとまりさは元気に、 「ゆん!かぞくのだいこくばしらっ!としてまりさはがんばるのぜ!」 とだけいって私の目の前から消えていった。 忙しそうに働くまりさ。まるで昔の夫のようだった。 れいむはというとおうちのまわりでおちびちゃんたちにおうたを歌っていた。 「ゆっくりのひ~♪まったりのひ~♪~」 「おきゃーしゃんのおうちゃはゆっきゅりできりゅにぇ!」 「ゆっきゅりこーりょこーりょしゅりゅよ!」 おちびちゃんたちも元気にそだっているようだ。 様子がおかしくなってきたのはいつごろだろうか。 まりさが日に日に痩せていくのがわかるようになった。 「まりさ?大丈夫?無理してるんじゃないの?」 「ゆぅ・・・。だいじょうぶなのぜ!ただおちびがすこしおおきくなってごはんさんが たりなくなってきたのぜ・・・おねーさん・・・ないしょさんがあるのぜ・・・」 「どうしたの?」 「いらないごはんさんをすこしだけわけてほしいのぜ・・・ れいむにはおねーさんにめいわくかけるなっていわれたのぜ・・・でも・・。」 「いいのよまりさ。お父さんとしての立場もあるものね。ちょっとまってて」 そして私は野菜の切れ端を少し分けてあげた。 「ゆん!おねーさん!ありがとうなのぜ!これでおちびもゆっくりできるのぜ!!」 「大事に食べるのよ。狩り、がんばってね」 まりさは帽子に大事そうに野菜を詰め込み、おうちとは反対方向に持って行った。 どうやら多くごはんがとれたときにいざという時のために貯め込んでいるようだった。 また今日もれいむは姿を見せない。いつも私の前にきてくれていたのに。 子育てに忙しいのだろうか。 まりさはというと相変わらずせかせかとごはんを集めていた。 「そろそろおちびちゃん達も大きくなったのかしら?おねーさんにもみせてくれない?」 そうまりさに話しかけるとうれしそうに頷き、おうちにれいむたちを呼びにいった。 数分後、戻ってきたのはまりさだけだった。 「ゆん・・おねーさんゆっくりごめんなさい・・・れいむはこそだてでいそがしいみたいなんだぜ・・」 「そう、ごめんね無理言っちゃって。」 まりさは申し訳なさそうに振り返り、また狩りに戻って行った。 それからまた数日したある日のことだった。 いつもきれいに咲いていた私の花壇がぐちゃぐちゃに荒れていた。 野良ネコでもはいってきたのだろうか。 そうだとするとあの家族は無事だろうか。 私の心は不安に支配されていた。 「れいむ!まりさ!大丈夫!?」 そう言って私は一家のおうちの方に様子を見に行った。 そこには私の見たことのないでっぷりと醜くふとったれいむが眠っていた。 近くにはなすび型に体が膨れた子ゆ。 おうちの外にはあのまりさがぐったり横たわっていた。 こいつか。私の花壇を荒らした犯人は。 このでいぶが花を食べ散らかしたに違い無い。 だとすると、私のれいむはどうなったのか。 どこにも見当たらない。 急いでまりさを抱きかかえ家にあげた。 「まりさ!大丈夫!?」 すっかりやせ細り、体にも髪にも艶がない。 オレンジジュースをストローで少し飲ませてやるとまりさは気がついた。 「・・ゆ・・・ゆん!ここは・・・!?」 「おねーさんのおうちよ。まりさ。何があったの!?」 「ゆ・・・ごめんなさいなのぜ・・・・まりさ・・・まりさ・・・」 そういうとまりさは涙をぽろぽろと流し、今までのことを語り始めた。 れいむと出会っておちびちゃんが元気に育っていったこと。 れいむがごはんを足りないといったこと。 まりさがどんなに頑張ってごはんを集めても足りないとなじられたこと。 冬に備えて貯め込んでいたごはんがれいむにばれたこと。 まりさが独り占めしたと誤解をうけ、制裁されかけたこと。 ぐずなまりさがごはんをちゃんと集めないせいだといわれ、れいむが花壇の花を食べ始めたこと。 それを止めようとしてまた制裁されたこと。 そんなはずはない。 私の知ってるれいむは優しくて純粋で素直なれいむだ。 あの醜く太ったでいぶではない。 「本当なの・・・それは・・・」 「ゆん・・・ほんとうなのぜ・・・まりさがんばったのぜ・・・でも・・でも・・!」 そう言うとまりさはまた涙を流し始めた。 確かめなければいけない。 私はまだぐったりとしているまりさを家に残し一家のおうちに確かめにいった。 どこかで聞いたのだが、ゆっくりは個体認識を飾りでするらしい。 ということは私のれいむの飾りを取り上げ、れいむになりすましたでいぶなのかもしれない。 そうだとしたられいむは、れいむはでいぶに殺されたのかもしれない・・・ 「れいむ!起きなさい!」 「ゆぅ!まだれいむはねむたいんだよ!・・・・ゆ・・・!」 私と目があったでいぶはその巨体をゆっくりと動かし起き上がった。 「おねーさん!ゆっくりしていってね!」 でいぶが私のことをおねーさんといった。 知らない人間に出会ったなら、もう少し反応が違うはず。 「・・・れいむ・・・なの・・?」 恐る恐るそう聞いてみると 「ゆん!おねーさんれいむはれいむだよ!ゆふふ!へんなおねーさん!」 このでいぶは私の知っているれいむだった。 「ど、どうしたの・・・?れいむこんなに大きくなかったよね?」 「ゆん!れいむはこそだてでいそがしいからえいようつけなくちゃいけないんだよ! まりさとけっこんっ!してからたいへんだったんだよ!おちびちゃんたちはおおきくなるし、 ぐずなまりさはかりがじょうずさんじゃないし。でもれいむこそだてがんばってたんだよ! だからこんなにおちびちゃんたちもおおきくなれたんだよ! ゆふふ♪れいむってほんとうにこそだてがじょうずだね!れいむのままもこそだてがじょうず だったんだよ!だからままのみたいにこそだてしているんだよ! れいむはぐずだからごはんさんがたりないんだよ!だからおはなさんもたべられたんだよ! これもぜんぶぐずなまりさがわるいんだよ!」 目の前には明らかに食べ過ぎている子ゆ。 荒れた花壇。 いつからこんなれいむになってしまったのだろう。 「・・・れいむ・・?まりさはちゃんと狩りを頑張っていたわよ?おねーさん見ていたから知ってるよ」 「ゆん!まりさはごはんさんをかくしていたんだよ!かしこいれいむはすぐわかったんだよ! むのうでぐずなんてどうしようもないちちおやなんだよ!」 「だから・・まりさは・・・」 「ゆ!おねーさんはまりさのみかたなの!?れいむはまりさがいないあいだひとりでこそだてしてたんだよ! がんばってたんだよ!でもまりさはかりでいそがしいってそればっかりだったんだよ!おちびちゃんたちとも ろくにあそばないだめなちちおやだったんだよ!そんなまりさのみかたするなんておねーさんもぐずなの!?」 でいぶは自分が自分がと自己中心的な理論を展開し続ける。 「れいむ・・・まりさは狩りで忙しかったのよ。あなたのこともちゃんと考えていたわ。 あなたがわからなかっただけなのよ。いつも忙しそうに狩りをしていたわ。 れいむはなにかまりさのためにしてあげ・・」 そこまで言いかけハッとした。 このでいぶは。このでいぶは私ではないか 自分の主張を通し、褒められたいがだけに行動し、その結果空回り。 ガーデニングだって夫の癒しになればと始めたものの結局褒めてくれない夫が悪いと思っていた。 どうして自分は頑張っているのに認めてくれないのか。 そんなことばかり思うようになり夫に嫌気さえ感じていた。 そんな自分と重なるようだった。 気がつくとスコップを振り上げていた。 私はでいぶじゃない。こんな醜いでいぶじゃない。 私の中のでいぶを消すように、私はスコップの先をでいぶの頭に振りかざそうとしていた。 「ゆん・・・!や!やめるのぜ・・・!」 家に置いてきたはずのまりさが体を引きずりながら足元まできていた。 「まりさの・・・まりさのだいじな・・・れいむなのぜ!おねーさん・・・おはなさんはあやまるのぜ! まりさのせきにんなのぜ!まりさが、まりさがぐずなばっかりにぃ!だ・だから!!!!」 こうなってしまったでいぶでも愛しているとでもいうのか。 「違うわ!まりさは悪くないの!私が全部悪いの!」 気がつくと私から涙がこぼれていた。 そうだ。夫は私のためにいつだって頑張ってくれていた。 いつまでたっても子供ができない私に、つらい治療をするぐらいなら 二人でゆっくり過ごそう、子供がいなくても大丈夫だと慰めてくれたこともあった。 そんなことも忘れていた自分。 またこのれいむに助けられた。そんな気さえした。 わたしはこのでいぶをれいむへと戻さなければいけない。 そんな使命感がうまれた。 「れいむはわるくないよ!せーっさいっ!するならぐずなまりさにしてね! それがおわったらあまあまもってきてね!ゆっくりしないでもってきてね!」 生まれた使命感はその瞬間はじけ飛んだ。 そう相手はゆっくり。人間ではないのだ。 一度こうなってしまったからには私が決着を付けてやるのがせめてもの心。 いや、まりさも止めていることだし、ここは辛抱強くれいむを改心させるべきだ。 そんな二つの意見が私の中でバトルを繰り返す。 私はスコップを持ったまま考えていた。 「おーい。ただいまー。いないのかー」 まだ昼間だというのに夫が帰ってきたのだ。 夫は私をリビングへ呼び出し、「これ」と小さな箱をくれた。 簡素な包みのその箱を私はゆっくり開いていった。 指輪だ。 「ほら・・その・・・なんだ。あれだ。10周年だろ。今日・・・」 少し照れくさそうに夫は目をそらす。 小さいながらもダイヤが光っていた。 「これ、、、え。。。高くなかった・・・?」 「うん。今月残業頑張ったからな。ごめんな。いつも」 「え、あ・・」 「悪いなとは思ってたんだ。切っ掛けなくってさ。いつもな。かまってやれなくて」 「・・・・うん・・・・わたし・・わたし・・・!」 私は馬鹿だ。こんなに大事な夫がそばにいたのに。 私はでいぶになっていたなんて。 夫の胸で、今までたまっていたものが全部でていくかのように泣きじゃくった。 涙と一緒にわたしのなかのでいぶは消えてなくなった。 「こ、これなんだけど・・・」 どうしていいのかわからない私は思い切って夫に相談してみた。 「あぁゆっくりかー。久々にみたな~昔は田舎によくいたもんな」 「なんかれいむがでいぶになっちゃって。」 「こんなの簡単だよ。」 そういうと夫はでいぶの前でしゃがみこんだ。 「ゆ!にんげんさん!あまあまもってきたの?それともどれいにりっこうほなの!? ゆゆん!かわいくってごめんねー!」 「ほら。鏡みろ」 そういうと夫はでいぶの前に鏡をおいた。 「ゆふふ!でぶでみにくいれいむがこっちみてるよ!おぉあわれあわれ・・・ってどぼじででいぶど おなじうごきずるのぉぉぉ!!!!」 「鏡だからな。今のお前はこれだよ。でぶでみにくいなぁ?」 「ゆぅぅぅ!!!!!れいむはびゆっくりなんだよ!こんなみにくいはずないよ!」 「じゃぁ鏡に映ってるのはなんだ?」 「ゆぅぅぅぅぅ!!!!!!!」 「まりさもお前のことがデブで醜いからちがうれいむと結婚するかもなぁ?」 「うるざいぐぞにんげん!!!!!・・ぶぎゅっあ!」 夫はれいむを殴った。 「や、そんな!かわいそうよ!」 「だいじょーぶだって。見てろって。ってかこれ重症だな・・・」 「いだいぃぃぃぃ!!!!!!!!」 「これからどうしよっかな~♪」 「ゆぅぅぅぅ!!!!!!たすけてね!れいむはわるくないよ!」 「そうだ。まりさにきこう!」 「ゆ”!?」 そういうと夫はまりさを抱えてでいぶの前に立った。 「まりさかわいそうだな?こんなになって」 「まりさ!かわいいれいむをたすけてね!」 「れいむ!だいじょうぶなのぜ!いまたすけるのぜ!」 まりさは至って健気であった。 「まりさの愛も確認したし」 そういうと夫は重たいでいぶを軽々と持ち上げ家へと運んだ。 「あなた・・どうするの・・?」 「ゆっくりってゆーのはなー。組織の中身が大体餡子なんだよ。消化器官も餡子なら脳みそも餡子」 夫は少し上機嫌だった。久々だ。こんな夫を見るのは。 お菓子の入った戸棚からラムネと市販の餡子を取り出すと手際良く包丁を握る。 「え・・・?どうするの・・・?」 「まぁまぁ。みてのお楽しみ。」 ラムネをでいぶに食べさせ麻酔をする。 手際良く背中の方から包丁をいれ、餡子をとりだしてく夫。 「あなた・・・なんだか楽しそうね・・・」 「俺の田舎じゃこんなの沢山いたからな。おまえは慣れてないだろうけど。」 ダブついた皮を包丁で取り除き、小麦粉で補修していく。 最後に餡子を少し足して傷を埋めていった。 オレンジジュースをかけるとれいむは目が覚めた。 「ゆ・・・ゆん・・・れいむ・・・」 一回りちいさくなったれいむはあのでいぶではなくなっていた。 「れいむぅぅぅー!!!!!・・・だいじょうぶなのぜ?」 「ゆん!なんだかからだがかるいよ!まりさ!れいむはれいむだよ!」 夫によると悪い記憶もゲスな中身もすべて餡子が左右するらしい。 餡子を取り出したり中身を変えることによりどうにかなってしまうものらしい。 ゆっくりは反省などしない。 一度悪くなってしまったものはどうにもならないとのことだった。 「人間とは違うからな。言葉は話すけど根底が違うナマモノ。それがゆっくりだからな」 とのことだった。 「それで・・・あのね・・・」 「いいぞ。こいつら飼っても」 「え・・・」 「俺実は犬苦手なんだ。ゆっくりだったらいいぞ。」 こうして一家は晴れて飼いゆとなった。 これからは私がこのれいむを再びでいぶにしないように見守っていこう。 きっとわたしがでいぶになったらまたこのれいむはでいぶになってしまう。 そんな気がした。 些細な幸せも見逃さなず感謝する。 いつだって相手のことを思いやる。 大きな幸せばかり求めるといままであった小さな幸せは霞んで見えてしまいがちだ。 そう私は再確認できた。それだけで幸せだ。このゆっくり一家のおかげだ。 私の手に光る指輪とこのれいむ。 この二つをみればもう忘れることはないだろう。 わたしの中のでいぶにあらためてさようならをいった。 おまけ その1年後・・・ 「だー!だっっとぅ!あばー!」 「こら。あんまりれいむのぴこぴこさんひっぱっちゃだめよ」 「うぶー!」 「おねーさんれいむだいじょうぶだよ・・・ちょっといだいぃぃぃ!」 「ゆーくんひっぱりすぎ!もぉ・・・かわいいこ」 「おちびちゃんはゆっくりできるね!」 「そうね・・・」
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1324.html
ゆきのなか 35KB 虐待-普通 越冬 「餡子ンペ09」 ・餡子ンペ投稿作品:『親子/期待はずれ』 ・掲載ペースが落ちてると言われる昨今・・・忙しくて書けない時期もあるんですよ。 仕事って時期が重なるんですよね。 『ゆきのなか』 D.O 季節は冬。 ここは、人間の里から少し山の中に入った森の中。 しんしんと降り積もる雪の中、木の根元あたりに、 木の枝や小石が積み重ねられた奇妙な膨らみが見える。 「・・・っくちちちぇにぇ・・・」「すーり・・・むーしゃ・・・」「・・・ちあわちぇー・・・」 もしもここに人間がいて、周囲の音に注意深く耳を傾けたならば、 その膨らみの奥から、人間のしゃべるような声を、かすかに聞き取ることができたであろう。 そして、さらに注意深く周囲を観察すれば、同じような奇妙な膨らみは、 そこらじゅうの木の根元に見つけることができたはずだ。 そんな奇妙な膨らみの一つ、雪と、木の枝や小石に隠された奥には、木の洞がある。 そこには、つがいである2匹のゆっくり、群れの長まりさとれいむが住んでいた。 冬という、ゆっくりにとって死の季節の中にいながら、2匹の表情はとても明るい。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 「・・・(プルプル)」 「ゆぅ~ん。おちびちゃんがおへんじしてるよ~。」 なぜなら、おうちの入り口を完全に閉ざして越冬を開始してから数日、 このつがいの間には、間もなく新しい命が誕生しようとしていたからだ。 ここはゆっくりの群れの生息地。 木の枝や小石で作られた膨らみは、木の洞や洞穴など、巣穴の入り口を塞ぐためのバリケード、『けっかい』であった。 野生のゆっくり達は、雪の降るような冬の季節には、巣穴にこもってゆっくりと過ごし、 寒気を防ぐために入り口を堅く閉ざして、秋に蓄えた食糧で命をつないで春を待つ。 「どぼぢでごはんさんなくなっちゃうのぉぉぉおおお!!」 「ゆぁーん。おきゃーしゃん、おなかしゅいたー。」 「しょうがないよ・・・おぢびぢゃんは、でいぶにゆっぐりだべられでねぇぇぇええ!!」 「ゆびぃぃぃぃぃ!!どぼぢでしょんなことしゅるのー!?」 「もっちょ・・・ゆっぐぢ・・・」 と、たいていの場合、野生のゆっくりにとって、越冬は過酷であり、命がけのものだ。 十分な量の食料確保に失敗すれば、飢餓が親子にすら共食いを引き起こし、 それでも食料が不足すれば、体温を保てず凍死するか餓死する。 巣穴である『おうち』の作りがあまければ、積雪の重みで崩壊、雪と土の中で圧死。 巣穴が頑丈でも、入り口の塞ぎ方がダメだと隙間風でやはり凍死。 こうした悲劇を起こさないため、特に優秀なリーダーがいる群れならば、いくつもの対策を立てて 必死に被害を減らそうと努力している。 ドスまりさの力で頑丈な崖などに洞窟を掘り、共同住宅として群れ全員で冬を越す、 熟練のゆっくり達が協力して、群れのみんなの『おうち』補強工事を監督する。 食料が足りなかったら、人間さんの独り占めしているお野菜を強奪してくる、など。 そんな中で、何より注意されるのが、『越冬前にすっきりーして子供を作らない』ということだ。 「「すっきりー!!」」 「ゆぅん。れいむのかわいいおちびちゃんが、たくさんできたよ~。 まりさ、おちびちゃんのために、はやくれいむにあまあまをとってきてね!」 「なにいってるのぉぉぉおお!?おそとはゆきさんがふってるんだよぉぉぉおおお!!」 「だからなんだっていうの!?つべこべいわないで、はやくごはんをとってきてね!!」 びゅぅぅぅぅううううう 「しゃぶぃぃぃぃいいいいい!!!ゆっぐぢぃぃいいい!ゆっぐぢぃぃぃいいいいいい!!」 「れいむはむーしゃむーしゃするよ!むーしゃむーしゃむーしゃ・・・はぐっ!ばくばくっ!めっちゃうめっ!ぱねぇ!」 ・・・3日後 「どうしてごはんさん、なくなっちゃったの・・・・・・おちびちゃんをむーしゃむーしゃするよ・・・」 こんなことも当たり前のように起こる。 秋の半ば以降にすっきりーしようものなら、にんっしん中だけでなく、生まれてからも子育てのために、 つがいの一方は狩りに参加できなくなる。 越冬中にすっきりーしたりしたら、さらに最悪だ。 食い扶持の増加で貯蔵食料の計算は完全に崩れ、食糧不足で結局一家全滅となる。 つまり、厳しい環境下に生活する野生のゆっくりにとって、 冬+赤ゆっくり=死、というのは、ごくごく一般的な考え方なのだ。 だが、実は先ほどの長まりさとれいむのつがいだけでなく、この群れの中では、現在にんっしん中、 あるいは生後数日以内の赤ゆっくりを抱えた家族が大半を占めていた。 いかに若いゆっくり達とは言え、本能にまで刻み込まれた冬の恐怖を知らないはずはない。 では、なぜあえて越冬が始まった今、ゆっくり達は子供を作ることを選んだのか。 その理由を見ていくため、先ほどのつがいの一方、長まりさの生まれた春の中頃まで時間をさかのぼることにする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 季節は春。 多くの野生ゆっくりにとっては、長い死の季節を乗り越えたあとの、喜びの季節である。 暖かな陽気。 新鮮で大量にある、ゆっくりした野草や虫。 食料の心配がなくなったことで、成体ゆっくり達はさっそくすっきりーに励み、 新たな命を迎えることでさらに喜びが積み重なる。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 ・・・・・・。 「そうだよね・・。」 「・・・そうだよ。」 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 まりさも、そんなベビーラッシュの中で誕生し、祝福を受けた赤ゆっくりであった。 だが、生まれて数日経ち、おうちから外を眺めて過ごすようになった赤まりさは、 春の陽気も楽しめず、あまりゆっくり出来ていなかった。 なぜなら・・・ここが岩肌も荒々しい、草木もろくに育たない高山の荒地だからだ。 「ただいま、れいむ・・・。」 「おかえり・・・まりさ。」 「ふぅ・・・ごはんだよ・・・なかよくむーしゃむーしゃしようね・・・。」 「ゆわーい!!むーちゃむーちゃしゅるよ!!」×10 だが、食卓代わりに置かれた平たい石の上には、固い雑草が少々と干からびた虫の死骸だけ。 「むーちゃむーちゃ・・・それなりー。」 「おとーしゃん・・・もっとむーちゃむーちゃしちゃいよ・・・。」 「ごめんね・・・はぁ・・・おうちのまわりに、ごはんがないんだよ・・・」 「どぼぢでしょんなこというにょぉぉぉぉおおお!?」×10 とは言ってみたものの、赤ゆっくり達はそれほど駄々をこねることなく、残念そうに食事を終えた。 父まりさの話が嘘ではないことは、生後3日を迎えてようやく跳ねることが出来るようになったばかりの、 幼いまりさ達にもわかってはいたのだ。 何せ、おうちを一歩踏み出してみたら、眼前に広がるのは砂利や砂ばかりという、 およそ命の喜びとは無縁の世界が広がっていたのだから。 「おちびちゃんたち・・・きょうはもう、ゆっくりすーやすーやしようね。」 「ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×6 「じゃあ・・・まりさが、ふぅ・・・おふとんをよういするね・・・」 だが、森に住む野生のゆっくり達のような、落ち葉や草を敷いたお布団や、 ましてや丁寧に編みこまれたベッドなどというものが出てくるはずもない。 そんなものがあったら、今日の夕御飯になっているのだから。 「おちびちゃん・・・はぁ・・・ゆっくりすーやすーやしてね・・・」 「ごりょごりょちて、ゆっくちできにゃいよぉ。」×6 「ふぅ・・・ごめんね・・・ゆっくりがまんしてね・・・はぁ・・・」 お布団として用意されていたのは、比較的粒の細かい砂(といってもサラサラというには程遠い)を、 平たい石の上に厚めに敷いただけのものである。 まりさ達赤ゆっくりは、この砂にあんよを口のすぐ下あたりまで埋め、身を寄せ合って眠る。 石の上に直に眠る両親よりはマシかもしれないが、少なくともしあわせーからは程遠かった。 まりさ達のおうちは、大きめの石が偶然積み重なってできた隙間に穴を掘って作ったものだ。 風雨や外敵から身を守るという意味で言えば、まあ、そうそう悪くもないものではあったが、 とにかくゆっくり出来ない場所に住んでいる、という感覚のまりさから見たら、 なんだか無機質でゆっくり出来ないおうちに思えてならなかった。 『ここはゆっくりできないよ。まりさはおおきくなったら、ゆっくりぷれいすにいくよ。』 それは、まりさが生まれてからずっと抱き続けていた想いである。 そして、食糧不足で次々と姉妹達が餓死していく中、なんとか生き延びてテニスボール程度に成長したある日、 父まりさが大事なお話がある、と言って姉妹をおうちの近くの崖へと連れて行った。 「ゆわーい!もりしゃんがみえりゅよ!」 「とっちぇもゆっくちちちぇりゅにぇ!」 「おしょらとんでるみちゃーい!!」 「ふぅ・・・。おちびちゃんたち。あの、もりのむこうをみてね。」 「ゆぅ?・・・ゆゆっ!!」 崖からは、山のふもとに広がる広大な森が一望できる。 この眺めのいい崖へのピクニックは、まりさ姉妹にとってはほとんど唯一と言っていい娯楽であった。 大きくなったらあんなところに住むんだ、というのは、姉妹共通の夢であったのだ。 そして、その広大な森のさらに向こうに、木々がほとんどない、平らな土地が広がっているのが見えた。 「あそこはね。・・・にんげんさんがすんでるところだよ。」 「ゆわぁぁぁ。しゅごくゆっくちしちぇるにぇぇ・・・」×3 ゆっくりは、ゆっくりしているものに関しては敏感なものだったりする。 人間から見てもかすんで見えるほど遠くの人里に、まりさ達はとてもゆっくりしたものを感じ取っていた。 里の中を流れる小川、緑に輝く田畑。 人間さんが出入りしている所は、人間さんのおうちだろうか。 だが、まりさ姉妹がゆっくりしている中・・・父まりさだけはまったく別の表情を浮かべていた。 人里を眺めているだけにもかかわらず、歯は限界まで食いしばられ、全身汗まみれ、 口の端からは餡子混じりの泡がゴボゴボとたれている。 「ゆ゛・・・ゆぎぃ・・っ!ゆぅぅぅうう・・・!!」 「おとーしゃん?」 「ゆぎぃぃぃひぃ!にんげんさんはゆっぐりでぎなぃぃぃいいいい!!」 「!?」×3 しばらく脂汗をかき、顔色を赤、青、土色にあわただしく変化させていた父まりさが、突然暴れ始めた。 「ゆびぃっ!!おねぇじゃんっ!だべぇっ!!おぎゃあじゃぁぁん!!」 「ゆぅぅぅ!!おとーしゃん、ゆっくちちちぇにぇっ!ゆっくちちちぇー!」 ・・・・・・。 「ゆぅ・・・ゆぅぅぅ・・・おちびちゃん、ぜったいにんげんさんにちかづいちゃだめだよ。ぜったいだよ。」 「ゆ、ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×3 結局、何があったのかは聞けなかった。 まりさ姉妹達だって、餡子による記憶継承の効果で、人間さんがゆっくりできない、 という感覚は両親から受け継いでいるのだが、所詮は両親一代限りのトラウマであり、 れみりゃ等のような、明確な意味でのゆっくり出来なさは記憶を受け継いでいない。 そのため、まりさにとって父まりさからの忠告は、 『人間さんに出会うと確実に死ぬ』と言う様なものではなく、 『ゆっくり出来ない存在で、どんな強いゆっくりでも不用意に近づくと酷い目にあう。』 という程度のものと認識されることになった。 それからさらに月日は流れ、季節が夏の終わりに差し掛かった頃、 他の姉妹全てが命を失う中、最後まで生き延びたまりさが、 独り立ちして親元を離れる日がやってきた。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「もうおちびちゃんじゃないよ!ゆっくりがんばるね!ゆっくりしていってね!!」 こうして結局まりさは、親の忠告を無視して森の方へと旅立っていったのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 独り立ちに際して、まりさには一つの計画があった。 その計画は大体以下のようなものである。 1.人間さんの里に行き、そこで一番強い人間さんと勝負して勝つ 2.力を示すことで人間さんからゆっくりプレイスと食料、おうちを手に入れる 3.森や山からゆっくりを呼び集め、人間さんの里をゆっくりのためのゆっくりプレイスにする 4.群れの長になる 5.ゆっくりした美ゆっくりと、ゆっくりした家庭を築く 6.ゆっくりし続けたまりさはいつしかドスになる 意気揚々と山を下り、森に入り、人間でも丸一日ではきかない距離を走破するまりさ。 まりさ自身は気づいていなかったが、山育ちであったため、 足腰の強さとスタミナについては、確かに群れの長にふさわしい逞しさを手に入れていたのである。 そして、ゆっくりの足で言えば、あと一日で人間の里に着こうという森の中で、 まりさの旅は、予想外の形で終わりを迎えることになった。 「ゆぁぁぁぁああああ!!なにこれぇぇぇええええええ!!!」 目の前には、人間の里が霞んでしまうほどの、ゆっくりプレイスが広がっていた。 木々は適度に生えて木漏れ日が優しく降り注ぐ。 地面には若く柔らかな雑草から人間も食用とするような野草まで青々と茂っている。 草ばかりではない。 周囲にはキノコやゆっくりでも届く高さに実った木の実も豊富にある。 その豊かな食料に誘われてか、昆虫からイモ虫まで、取り尽せないほどにいる。 食料ばかりではない。 大きく育った木々の根元を見れば、その多くにはゆっくりが家族で暮らすのにちょうどいい洞がある。 中は小石などもほとんど落ちておらず、すべすべに整えられており、隙間も丁寧に埋められている。 明らかに以前別の群れが使っていたと見られるおうちばかりであった。 今、どうしてゆっくりが住んでいないのか不思議であったが、 一時的な食糧不足で群れごと引っ越すことも珍しくはないので、 ここはかつて別の群れが使い、放棄したゆっくりプレイスだったのであろうと、まりさは理解した。 まりさが放心状態でゆっくりプレイスの中を歩き回っていると、 まりさとは別の場所から独り立ちしてきたのであろう、若いゆっくりの集団が多数、 吸い寄せられるようにこのゆっくりプレイスにやってきた。 「ちぇん、ゆっくりしていってね!!」 「まりさだねー!ゆっくりしていってねー!!ゆわぁぁー、すっごいゆっくりぷれいすだねー!わかるよー!」 「ゆぅん!ちぇんもそうおもう!?ここにはいま、ほかのゆっくりたちはぜんぜんすんでないんだよ!」 「わからないよー!!こんなゆっくりぷれいす、ほっとくにはもったいないねー!」 「ゆっふん!!そうだよ!ここは、まりさたちのおうちにしようね!!」 「わかるよー!!」 こうして、まりさの無謀なゆん生計画は、あっさりと方向転換を向かえ、 人里から近くも遠くも無い、実り豊かなゆっくりプレイスで、一から群れを作る作業が始まったのであった。 そもそも、まりさにしても、ゆっくりしていない人間さんと争うのは、あまり気が進まないことではあったのだ。 まりさほどのゆっくりであれば、相手が人間さんであっても負けることは無いであろう。 しかし、ケンカは痛いしゆっくり出来ない。 それに、万が一相手に遅れをとれば、永遠にゆっくりしてしまうこともあり得る。 また、実のところ人間さんの里を見たこともないので、どの程度ゆっくりしたゆっくりプレイスなのかわかったものでもない。 遠くの、あるかも怪しいゆっくりプレイスより、目の前の極上のゆっくりプレイス。 まりさの、新生活はここから始まった。 ゆっくりしたおうちとご飯は、余りにもあっさりと手に入ってしまった。 さらに、まりさ達のゆっくりとした姿を見つけて、独立したての若いゆっくり達が続々とやって来ては定住を決める。 わずか数週間で、まりさ達のゆっくりプレイスには、大規模、と言って差し支えない規模の群れが形成されていった。 「わからないよー。そろそろおさをきめないと、ゆっくりできなくなっちゃうよー。」 「そうね。せっかく、とかいはなゆっくりぷれいすなんだから、みんななかよくしたいわ。」 「むきゅん!それじゃあ、ぱちぇはまりさがおさになるといいとおもうの!!」 「ゆぅぅー!まりさでいいのぉぉぉおお!?」 「まりさなら、きっととかいはなむれにできるわ!」 「ゆぅ。でもまりさ、もりでのせいかつになれてないよ。わからないこともおおいよぉ。」 「わかるよー。でも、まりさのできないことは、みんなできょうりょくしてあげるからだいじょうぶだよー。」 ・・・・・・。 「ゆぅ。わかったよ!まりさ、このむれのおさになるよ!!」 「むきゅーん!ぱちぇたちにもおてつだいさせてね!むきゅっ!」 流れは自然と生まれ、拡大していく。 まりさは群れの初期メンバーとしてリーダーシップを発揮していた点を考慮され、立候補するまでもなく長に選出された。 なお、幹部メンバーは、このゆっくりプレイスでまりさに初めてであったちぇんとありすのつがい、知恵者ぱちゅりーの3匹。 群れの体制はこの4匹を中心として、急速に固まっていった。 そして・・・ 「このむれのおさはまりさみょん!?みょんたちをむれにいれてほしいみょん!!」 「ゆっくりしていってね!!おうちはたくさんあるよ!・・・ゆゆっ!?」 「どうしたみょん?れいむのおかおになにかついてるみょん?」 「・・・ゆぅ?ゆっくりしていってね。」 「(ゆわぁ。ゆっくりしたれいむだよぉ。)ま、ま、まりさとずっと、ゆっくりしていってね!!」 「・・・・・・?・・・ゆぅぅぅうううう!!?」 ある日群れに加わってきた若ゆっくりの集団に、一匹のれいむがいた。 清楚な物腰、紅く輝く大きなおリボン、そしてゆっくりとした下膨れ。 初めてれいむとあいさつした時に、まりさのぺにぺにに電流が走った。 一目ぼれというものであろう。 結局いきなりすぎて、れいむから正式にOKの返事が来るまでに5分以上かかったが、 まりさは、ゆっくりプレイス、長という立場にくわえて生涯の伴侶まで、あっさりと手に入れてしまったのであった。 季節は夏の終わりという時期。 群れのゆっくり達も、そろそろ新生活に慣れてきた時期である。 早期にこのゆっくりプレイスにやってきたメンバーはつがいを見つけ、にんっしんしている者も多かった。 長まりさとれいむの間にも、何一つ障害はない。 後は、一刻も早くおちびちゃんを手に入れて、ゆっくりとした家庭を築きあげれば、 まりさのゆん生計画は、ほぼ完璧に果されることになるはずであった。 ・・・だが、ある出来事が、まりさとれいむの子作りに待ったをかける。 「むきゅぅぅぅううううん!!まりさがぁぁぁぁああ、おちびちゃんがぁぁぁぁああああ!!」 その不幸は、長まりさの側近筆頭、ぱちゅりーの元に訪れた。 無論、この叫びの対象になるまりさとは、長まりさではなくぱちゅりーのつがいであった、だぜまりさである。 「むきゅ・・・おちびちゃん・・おそとはあぶないって・・・むきゅぅ。」 ぱちゅりーは胎生出産で、子供はまりさ1匹だった。 赤まりさは好奇心旺盛で、将来有望なゆっくりだったが、その好奇心が強すぎた。 「まりしゃ、おとーしゃんとかりにいっちぇくるよ!しょろーり、しょろーり!」 父であるだぜまりさが狩りに行き、母である側近ぱちゅりーがお昼寝している間に、 おうちを抜け出して、群れの喉を潤す泉へと遊びに行ってしまった。 さらに好奇心があだとなって、水草を採集している父、だぜまりさのマネをしてしまう。 水への恐怖よりも、お帽子で泉の上を自在に漂ってみたいという衝動が勝ってしまったのだ。 「まりしゃ、ゆっくちおぼうちにのりゅよ!ゆ!ぷーきゃ、ぷーきゃ・・・ぼちゃん。」 結果はご想像の通り。転覆、水没。 さらに不幸に輪をかけたのは、赤まりさが自分のおちびちゃんであると気付いただぜまりさが、 赤まりさを引き上げるため現場に急行、 「ゆぁぁぁぁああ!!おちびちゃん、まっててね!いまたすけ・・ゆぅっ!?・・・ぼちゃん。」 あわてすぎて転覆、水没。 結局側近ぱちぇは、一気に家族全員を失ってしまったのであった。 特に大きな危険もなく、ここに至るまで群れのゆっくりは増える一方だったため、 失うということに慣れていなかった幹部メンバーは、過剰に反応することになる。 特に側近ぱちぇは、自分自身を襲った不幸ということもあり、 これ以上同じ思いをするゆっくりを増やさないための対策を必死になって考えた。 そして、一つの結論に至る。 「ゆ!みんな、まりさのいうことをよっくきいてね!!」 「ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!」×300 「このむれでは、これからすっきりをきんしするよ!!」 「・・・ゆっぐりでぎなぃぃぃいいいいい!!!」×300 「でもあんっしんしてね!ずっとしちゃいけないわけじゃないんだよ!」 「?」×300 まりさ達幹部メンバーは、期限付きのすっきり禁止令を決定した。 内容は簡単。 要は、冬ごもりに入るまで一切すっきりーしてはダメ。 子作りは、冬ごもり中に行うべし!とのことである。 先にも書いたとおり、通常の群れであればこれは自殺に等しい案だ。 秋の間に集められるのは、成体のつがいであっても自分達の分だけで精いっぱい。 そこに子供が入れば飢え死に確定となる。 しかし、そこにこの群れの強みが加わると、状況が変わる。 何せ、ここは類を見ないほどのゆっくりプレイスで、食糧はおうちの外にあふれるほどある。 秋の間につがいで必死に集めれば、それこそ成体ゆっくり10匹以上は養える蓄えが出来るほどなのだ。 ならば・・・蓄えてしまえばいい。 後は、冬ごもりの季節になったらおうちの入り口をしっかりと閉じて、存分にすっきりーする。 赤ゆっくりはおうちの中で誕生し、お外にこっそり出て行ったりする心配はない。 しかも、両親ともやはりおうちから出ることはないので、にんっしん、子育て中にしんぐるまざーになる心配もない。 ゆっくりとしたおちびちゃん達とたっぷりゆっくりして冬の数か月を過ごし、その間におうちで出来る教育は済ませておく。 おちびちゃん達が子ゆっくり程度、十分に大きく成長した頃に、冬ごもりは終わりを迎えるはずだ。 後は春の恵みの中で、おちびちゃん達は大きく育ち、世界に羽ばたいていくのだ。 「すごーい!!おさはやっぱりてんっさいだよー!」 「わかるよー!」 「むほぉぉぉおおお!!すっきりー!」 群れのゆっくり達は、説明を聞き終わるとともに、目をキラキラと輝かせて幹部達をほめたたえた。 それもそのはずで、餡子で継承されている記憶では、冬ごもりと言うととても楽しいものではない。 餓死、凍死の危険を感じつつ、つがいがいればまだしも、下手すれば一匹で暗く狭い穴の中に閉じこもって過ごすのだから。 それが、死の危険もなく、最上級のゆっくりである『おちびちゃん』とともに過ごせるとなれば、 ゆっくりでなくとも、その喜びはなんとなく理解できるであろう。 そして群れのゆっくり達は以降数カ月間必死で狩りに奔走し、 (中には不幸な事故ですっきりを味わうことも出来ずに命を落とした者もいるが) ほとんどのつがいが無事に冬を迎え、すっきりー出来るだけの蓄えを確保しておうちの入り口を塞いだのであった。 みんな、より大きなゆっくりをちらつかせられた分、意外と我慢強かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・・・そして現在の状況に至る。 おうちの奥には貯蔵食糧の山、れいむの頭上にはツタが一本とそこに揺れる6匹の赤ゆっくり。 おうちの中央には、まりさがこの日のために、特に柔らかい枯れ草を編み上げて作った、 おちびちゃん達用の鳥の巣型ベッド。 ふかふか、ふわふわになるように、一生懸命頑張ったよ。 きっと、おちびちゃん達も気に入ってくれるね。 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ・・・・・・ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ゆぅぅん!おとーしゃん、おきゃーしゃん、ゆっくち!ゆっくち!」 「ゆぅ!まりさそっくりの、げんきなおちびちゃんだね。」 「ゆふぅん!でも、れいむにおめめはそっくりだよぉぉ。」 「ぴゃぴゃー!みゃみゃー!れいみゅおなきゃしゅいちゃよ!」 「むーちゃむーちゃしちゃいよぉ。」 「ゆっ!まっててね。おちびちゃんに、つたさんをたべさせてあげようね!」 「ゆっくちむーちゃむーちゃしゅるよ!」 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」 「おちびちゃん、さむくない?」 「ゆっくち!べっどしゃんがふーわふーわであっちゃかいよ!」 「ゆぅ。でも、まりしゃちょっとしゃむいから、しゅーりしゅーりしちぇにぇ!」 「おとーさんがすーりすーりするね!すーりすーり、しあわせー!」 「しゅーりしゅーり、ちあわちぇー!」 「ゆぅん、じゅるいよ!れいみゅもみゃみゃとしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「すーりすーり、しあわせー!」 「しゅーりしゅーり!ちあわちぇー!」 まりさがおちびちゃんだった頃、しあわせーと言えばせいぜい、 栄養不足でガサガサな両親の頬とのすーりすーりくらいしかなかった。 さもなければ、手の届かないところにある、木々の緑を眺めている間の、白昼夢の中にだけ。 まりさは思うのであった。 この、ゆっくりとしたおちびちゃんには、まりさの全てを注いで、精一杯しあわせーを与えていこうと。 そうすることが、自分の報われなかった過去を取り返すことにもなるかのように。 「おとーしゃん、ゆっくちないちぇるにょ?」 「ぴゃぴゃ、ゆっくちちちぇにぇ!」 「ゆぅ?ゆふふ・・・おとーさんはね、しあわせーすぎてないちゃったんだよ。とってもゆっくりしてるよ。」 「ゆぅん、へんにゃにょー。」 「ゆふふふ、おちびちゃんたちも、おおきくなったらわかるよ。ゆっくりおやすみなさい。」 「ゆっくちしゅーやしゅーやしゅるよ!・・・しゅーや、しゅーや。」 「・・・・・・ゆっくりしていってね。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 次の日の朝、異変は突然やってきた。 ざくっ! まりさ一家が眠っているおうちの中に、何かが突き刺さるような異音が響いた。 「ゆぅ、ゆ?なんなの?」 「まりさ、おうちのいりぐちで、へんなおとがしたよ。」 「ゆぁーん、ゆっくちできにゃいよぉ。」 「ゆゆぅ。まりさがみてくるから、おちびちゃんたちは、べっどさんのうえでゆっくりまっててね。」 「ゆぴゅぅ・・ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 「ゆぅぅ、なんなのぉ?・・・ゆぁぁぁぁあああ!なにこれぇぇぇぇぇええ!!?」 まりさが入り口に向かうと、おうちの入り口を塞ぐ『けっかい』を、何か見たことない物が貫いていた。 「ゆぅぅぅううううう!!ゆっくりでていってね!ゆっくりはやくいなくなってねぇぇぇええ!!」 それは人間が見たとしたら、子供の手のひらサイズの、先割れスプーンに似ていると思うであろう、 銀色に輝く金属製の道具であった。 金属製のそれは、まりさの言葉を聞くまでもなく、ゆっくりと左右に動かされ、『けっかい』の石や木の枝を崩しながら引き抜かれた。 まりさが、寒気でおちびちゃん達がつらい思いをしないようにと一生懸命塞いだ入り口は、 いともたやすく寒気の中に口を開けてしまったのであった。 「まりさ、どうしたの・・・どうしてけっかいさんがなくなってるのぉぉぉおおお!!?」 「ゆぅぁあああ!ぎんいろのぴかぴかさんが、けっかいさんをこわしちゃったんだよぉぉ!」 訳が分からない相手に、秋の間ずっと待ち望んでいたゆっくりした時間を奪われた衝撃で、 れいむだけでなく、群れの長になったほどのまりさまでもが逃げるという選択肢を忘れ、お外にいるであろう敵に向かって飛び出していった。 そこでまりさ夫婦が見たものは、 先ほどの特Lサイズの先割れスプーンを、長さ1mほどの棒の先端に取り付けた、 槍のような奇妙な道具を手に持つ、一人の人間さんであった。 ちなみにその道具は、人間さんを避けていた、ゆっくり達は知らない道具。 里の人間さんの間では、『あの棒』と呼ばれている道具である。 「ゆ・・・にん、げんさん・・・。」 「ゆぅ?・・・どぼちて・・・?」 これまで、ゆっくりしていないからと、近づかないようにしていた人間さん。 遠くもない所に住んでいるのに、ゆっくりプレイスに一度もやってこなかった人間さん。 それが、雪の降り積もった、ゆっくりがおうちに閉じこもってしまった今、なぜかここにいた。 茫然とした一瞬、その間に、まりさとれいむは、人間さんのあんよでころりと上下さかさまに転がされた。 「「ゆ?」」 そして次の瞬間、 ざくっ!ざくっ! 「ゆ・・・ゆぎひぃぃぃいいいい!!!」 上を向いた2匹のあんよに、『あの棒』が突き刺された。 「どぼぢでっ!あんよさんが、まりさのゆっくりしたあんよさんがぁぁぁぁ!!」 まりさの叫びともとれる問いは、人間さんには聞こえた雰囲気すらみえず無視しされた。 そして人間さんは、崩されたままだった『けっかい』の材料であった、 木の枝や大きめの石を『あの棒』を使って雪に埋めていく。 「どぼ、ぢで・・・。やべでね!げっがいでおうぢをふさがないど、ざむぐでゆっくりでぎないよ!!!」 だが、やはりまりさの声は届かず、人間さんは手際よく木の枝や石を雪に埋めてしまった。 「なんでぞんなごどずるのぉぉおおお!!まりさだぢ、なんにもじでないでじょぉぉぉぉおおお!!?」 さらに人間さんは、もはや邪魔するもののなくなったおうちの入り口から、『あの棒』をおうちに滑り込ませると、 先端のフォーク状になった部分でおちびちゃん達のベッドの端を引っ掛け、崩れないようにそろりそろりと引きずりだす。 そのベッドの上には、まりさとれいむの、5匹の可愛いおちびちゃん達が恐怖と寒さで震え、涙を流していた。 「ゆぴぃ、ゆぴぃぃ・・・ゆっくちちちぇ・・ゆぅぅぅ、ころがりゅぅぅうう、ゆぴぃっ!!」 そして、ベッドに引っ掛けたままの先端を少し持ち上げ、ベッド全体を傾けて、 ゆんゆん泣くおちびちゃん達をころりと転がし落とす。 おちびちゃん達もまりさも状況についていけず、泣くことも出来ずに目を丸くしている中、 主のいなくなったゆっくりしたベッドは、雪をひとすくいかぶせられ、人間さんのあんよでパンパンと踏み固められてしまった。 「ゆ・・・くち、べっどしゃん・・ゆっくちちちぇ。」 「ゆぅ、・・・ぺーりょ、ぺーりょ、・・・ちゅめちゃぃ・・・。」 何が起きているのか未だに理解できていないおちびちゃん達は、 すっかり踏み固められた雪の下にうっすらと見えるベッドの上にもしょもしょと集まって、 ぺーろぺーろしようとして舌を雪に突っ込んだり、あんよをもぞもぞさせて、 ついさっきまで確かに感じていた、ゆっくりとした柔らかさを得ようとしていた。 しかし、当然埋め固められたベッドは二度と柔らかさを取り戻すことはなかった。 「ちゃむいよぉ・・・ゆっくちちゃちぇちぇ・・・」 「ゆっく・・・しゅーり、しゅーり・・・」 そうでなくても生まれたてのおちびちゃん達は、跳ねることが出来ず、這いまわることしか出来ない。 その上、すっかり冷え切ったおちびちゃん達のあんよは、もはやわずかに震える程度にしか動かせなくなっていた。 雪に埋められた、かつてベッドだったモノの上で、5匹のおちびちゃん達は、おうちに戻ることもできず、 身を寄せ合ってなんとか温まろうとすーりすーりしている。 「ゆぅぅううう!!にんげんざん!もうやべでね!まりざはどうなっでもいいがら、おぢびぢゃんをおうぢにいれであげでぇ!!」 そんなことを言っている間に、人間さんは再度『あの棒』をおうちの中に突っ込み、 まりさとれいむが秋の間、必死になって集めた、ゆっくりとしたご飯さんを、山盛りすくい出し、 ビュッ!!・・・・パラパラパラッ。 勢いよく周囲の雪の上にばら撒いてしまった。 「やべでぇぇぇぇええええ!!!おぢびぢゃんのだめの、だいじなごはんざんがぁぁぁああああ!!!」 それも、2回、3回と繰り返される。 まりさには、おうちの中は見えていなかったが、秋の間集めた食料の、実に9割近くは辺り一面にばら撒かれていた。 無論、逆さまにされている上、あんよに大きな穴があいているまりさには、集めなおすことなど出来ない。 結局まりさの声は人間さんに一向に届くことなく、視線すら一度も合うことがなかった。 人間さんはふぅっと一息吐くと、まりさのおうちの木の、人間さんの目のあたりの高さに描いてあった、 すっかり色が薄くなっていた×印を赤の塗料で塗りなおす。 そして、全ての作業が終わったとでも言うように、人間さんは向きを変えると、 こきっ、こきっと首をならし、深呼吸をして、どこかに移動しようと、歩き始めたのであった。 「ゆ・・・まっちぇ・・・」 人間さんが再びまりさ一家の前に通りがかった時、ベッドの残骸の上でぷるぷると震えていた赤まりさが最後の力を振り絞って呼びかけた。 「どうちちぇ・・・?にんげんしゃ・・・ん。」 人間さんは、赤まりさの前を素通りすると、まりさの横を通って、 群れ幹部のちぇんとありすのおうちの方へと、まっすぐ向かっていった。 ざくっ! まりさの後方で、聞き覚えのある音が響いた。 「ゆぅぁあああ!ぎんいろのぴかぴかさん、けっかいさんをこわさないで・・にん、げんさん・・・?」 「わ、わからないよ・・・?」 「ちぇぇぇん!ありずぅぅぅうう!にげでぇぇぇええええ!!」 まりさは叫ぶ。だが、全ては遅すぎた。 「「ゆ?」」 ころりっ・・・ざくっ!ざくっ! 「わ・・・わぎゃらにゃぁぁぁあああ!!!」 「どぼぢでっ!あんよさんが、ありずのどがいはなあんよさんがぁぁぁぁ!!」 「なんでぞんなごどずるのよぉぉぉ!!ありずだぢ、なんにもじでないでじょぉぉぉぉおおお!!?」 まりさの背後で、ありすとちぇん達の叫び、そして、 まだ生まれたばかりであろう赤ありすと赤ちぇんの泣き声が聞こえる。 「ゆぴぃ、ゆぴぃぃ・・・わきゃらにゃぁ、ころがりゅぅぅうう、わきゃら!!」 ばさっ!ばさっ!ぱんっ、ぱんっ! 「しょんにゃ・・・くち、べっどしゃん・・しゃむいわ・・・」 「ゆぅ、・・・ぺーりょ、ぺーりょ、・・・わきゃらにゃ・・・。」 「ゆっくちちちぇ・・・しゅーり、しゅーり・・・」 ビュッ!!・・・・パラパラパラッ。 「やべでぇぇぇぇええええ!!!おぢびぢゃんのだめの、とかいはなごはんざんがぁぁぁああああ!!!」 ・・・・・・。 その後も、まりさの後方では、いくつかの家族の叫び声が聞こえ続けていたが、 それがいくつか続いた頃には、まりさも大声で人間さんに呼びかけたり、ゆっくりに逃げるように叫んだりはしなくなっていた。 ただ、逆さまのまま身動き一つ取らず、涙を流していた。 そしてよく見れば、まりさの遠く前方にも、まりさ同様に上下ひっくりかえされ、 あんよに穴を開けられたまま、声一つ上げずに泣く成体ゆっくりの、つがいの姿がいくつも見える。 そして、バスケットボール大の饅頭達の目の前では決まって、数個の小さな饅頭が身を寄せ合いながら、静かに息を引き取っていた。 まりさの横に、逆さまになっているれいむは、あんよに穴を開けられてから、一度も声を発することなく息絶えていた。 おそらくあんよへの一刺しが中枢餡にまで届いてしまったのであろう、即死であった。 だが、まりさから見れば、それはうらやむべき幸運であっただろう。 「ゆ・・・もっちょ・・・く・・・・・・」 「ゆっぐぢぢでぇ、おぢびぢゃん、ゆっぐぢぢでぇぇぇ。」 ベッドの埋まる雪の上で、身動き一つ取れず凍えていたおちびちゃん達は、結局誰にも助けられることのないまま、 まりさの目の前で苦しみぬいて死んでいった。 これから毎日、あったかいおうちの中で存分にむーしゃむーしゃして、すーりすーりして、 春になったらきれいな草花さんや、あったかい太陽さんの光に包まれて、ゆっくりとしたゆん生を歩むはずだったおちびちゃん達。 だが、今まりさの目の前には、涙まで白く凍りついた、悲しい表情のまま息絶えた5個の饅頭が並んでいる。 「・・・くちちちぇにぇ。・・とーしゃ・・・。」 「・・・・・・ゆ!」 5?・・・おちびちゃんがひとり足りない!! 「・・ゆっくちちちぇにぇ。・・おとーしゃん・・・」 「ゆ・・!ゆっくりしてね!おちびちゃん!おちびちゃぁぁあああん!!」 まりさが、動けないながらも必死で視線をおうちの中に向けると、そこには末っ子まりさの元気な姿があった。 「おにぇーちゃん・・・みんにゃぁ・・ゆっくちちちぇにぇ。」 「おちびちゃん!こっちにきちゃだめぇ!!」 「ゆぴぃっ!」 まりさは、姉達のもとに駆け寄ろうとする末っ子まりさを制止する。 「おちびちゃん!よくきいてね!おうちにごはんさんはある!?」 「ゆ・・・ゆぅ。おとーしゃんのぶんしかにゃいよぉ。」 「・・・ゆぅぅ、おちびちゃん。それはおちびちゃんのぶんだよ。」 「ゆぅ?しょしたらおとーしゃんのごはんしゃんがにゃくなっちゃうよ!ゆっくちできにゃいよぉ!」 まりさは、もう決断していた。 「おちびちゃん。まりさは・・・おとーさんは、もうゆっくりできないよ・・・。」 「どぼぢでしょんなこちょいうにょぉぉぉおおお!?」 「おとーさんは、もうあるけないんだよ。だから、おちびちゃん。はるさんがくるまで・・・ひとりでゆっくりしていってね!!」 「ゆぅぅううう!?しょんなのゆっくちできにゃいよぉぉおおおお!!!」 「だいじょうぶだよ。おちびちゃんは、まりさとれいむのおちびちゃんなんだよ。」 「・・・ゆ・・・ゆぅ。」 「だから、はるさんがくるまで、おうちのごはんをたべて、べっどさんのかわりに、ごはんさんのなかですーやすーやするんだよ。」 それは、まりさの夢。 まりさの最後の希望。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆぁぁぁあああん!!ゆっくちりきゃいしちゃよぉ!!ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 まりさの両親は、人間さんの手によって、山のゆっくり出来ない土地に追いやられた。 まりさは、人間さんの手によって、ゆっくり出来ない最期を迎えようとしている。 しかし、それでも希望は、まりさのゆっくりとした夢は、未来へと輝き続けるのだ。 そして、まりさは余りにも理不尽に幸福な未来を奪われながら、群れのゆっくりの中でただ一匹、 満ち足りた表情で3日間生き延び、その後永遠のゆっくりへと旅立っていったのであった。 そしてただ一匹人間さんの手を逃れた赤まりさは、わずかに残されたご飯さんを食べ、 ご飯さんの山をお布団代わりにして、中に身を埋めて必死に寒さと戦った。 だが、寒さで体温を奪われ続けるため、体温維持のためにむーしゃむーしゃを絶えず続けなければならない。 しかしむーしゃむーしゃを続けると、お布団の代わりになるご飯さんがどんどんと減っていき、体温を維持できなくなる。 そこでさらにむーしゃむーしゃを繰り返す。 しかも、どれだけ体温を維持しても、おうちの入り口を塞ぐ材料も技術もないので、 室温は全く上がらず、状況が改善されることは無い。 結局、赤まりさは、まりさが息を引き取る2日ばかり前に、おうちの食料を全て平らげて、あっさりと息を引き取ったのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 森は春を迎えた。 前年の秋には300匹を数え、冬ごもりの中で生まれた赤ゆを合わせれば1500匹を超えた巨大な群れは、 人間さんの手によっておうちから引きずり出され、一匹残らず死に絶えた。 そして、その亡骸は雪解けとともに溶け、大地に栄養を与えて森の恵みを育む。 それは、雪に埋められた赤ゆっくり達のためのベッドも、冬ごもりのために貯められた食糧も同様である。 沢山の栄養で育った草花や木々は、今年も多くのゆっくりに、ゆっくりとした恵みを与えてくれるであろう。 また、ゆっくり達によって長年整備されてきた木の洞は、 いずれも新たなゆっくり達にとって絶好のおうちになることであろう。 おうちの入り口を塞ぐ『けっかい』の材料にも困ることはない。 なにせ、前の年の冬にも使われた、小石や太い木の枝もそのまま残っているのだから。 ゆっくり達が変わることが無い以上、昨年最高のゆっくりプレイスであったココは、 今年も多くのゆっくりにとって、最高のゆっくりプレイスとなることであろう。 ・・・・・・そう、人間さんの里に、近づこうなどとは考えないほどに。 春を迎え、山にもベビーラッシュがやってくる。 まりさの両親は新しい命を迎え、過酷な生活の中でも少しだけゆっくりしていた。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 「このおちびちゃんたちも、おねえちゃんたちみたいに、げんきにそだってほしいね。」 「そうだね。・・・みんな、げんきにしてるかな?」 「きっとげんきいっぱいだよ。まえのおちびちゃんだって、あんなにゆっくりしたまりさだったもん。」 「そうだよね・・。」 「・・・そうだよ。」 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 なーんかイマイチ。 挿絵 byキリライターあき 挿絵 by儚いあき 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ 前日談 ふたば系ゆっくりいじめ 522 とてもゆっくりしたおうち 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん 『町れいむ一家の四季』シリーズ 後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る てかこんな大規模な群なのにドススパーク打てる奴が居ないってどゆこと? -- 2018-08-25 19 01 46 フォオオオオオオオオオオオオおっぱいもみたい -- 2017-06-04 07 22 37 しかしこんだけ数がありゃ何組か残ってもいいはずだが わざわざ全滅させる必要も無さそう -- 2014-08-27 04 17 19 ガキはすぐ死んでいくのに外で足破かれて3日生きる糞饅頭の生命力ときたら・・・人間よりはるかに丈夫だなおい -- 2013-08-07 01 05 42 ↓森から群れが消えた日(後編)を読めば分かる -- 2012-08-03 01 38 02 なんか納得できない。 -- 2012-07-29 22 25 49 こういう感情もなく容赦無いSSにはキリライターの絵がすごくマッチするなあ -- 2011-09-27 01 52 37 ↓畑や人里に行く気も失せるようなゆっくりプレイスを作ってゆ害の防止、冬になったら一斉駆除って事じゃないか? -- 2011-08-30 06 56 43 結局人間がここまできた理由がまだわからないんだが・・・ -- 2011-08-27 00 47 47 かつて先祖が散々好き勝手やってきたツケを未だに支払わされてる訳だ、コイツらは。 「森から群れが消えた日」見る限り、山の人達にとっておよそ最悪の部類に属する害獣だし こんなのがのさばってたら当然駆除だわな。恨むんだったら愚かなご先祖達を恨んでね! -- 2011-05-01 14 25 18 う~ん… 人間って怖いね。 -- 2011-04-14 05 57 47 ゆっくりは、弱肉強食のなかでは一番弱い生物だ!! -- 2011-03-18 22 34 32 めっちゃ面白かった!ぱねぇQNQNできた!! ゆっくり出来る森は人間の罠だったのかw 人間が毎年群れを潰すからゆっくり出来る森でいられるんだな -- 2011-03-08 12 57 34 長の考えた策は良かったんだけどな、ゆっくりにしては上出来といえる -- 2011-01-30 13 20 39 やべえ濡れた やっぱ越冬を無理やり失敗させるのはたまらなくQNQNするね! -- 2010-12-02 23 20 17 まあ、かつて散々山荒らしまわったクズ共の子孫で 実際あの場所見つけるまでは人里乗っ取ろうと企んでたアホだし、駆除は当然だな。 -- 2010-11-16 15 45 12 なんかもう虐待いらないわ逆に -- 2010-11-03 23 55 50 淡々とする作業、まさに駆除って感じがして良いですねぇ。 街に来るゆっくりを防止するための防波堤でもあり、ゆっくりホイホイでもある森か -- 2010-10-20 14 49 36 語彙的に無理なんじゃね?ゆっくりの知能で何か説明するのって難しいんだろうと解釈した それに言葉を重ねるより、アレにとって「ゆっくりできない」は存在に関わる最強の脅し文句なんだし十分と思ったとか あとトラウマすぎてその話をする事すらとか無理ゲーとかなんじゃね?w -- 2010-10-07 06 31 53 ↓ それを話そうとすると、顔色変えて発狂して暴れだす始末なんだから無理だろ。 ここらへんがゆっくりの限界なんだよ。 -- 2010-09-28 00 47 17
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2557.html
『ほんとうのうえ 前篇』 31KB 観察 自業自得 差別・格差 仲違い 妬み 飾り 実験 妊娠 追放 同族殺し 共食い 番い 赤ゆ 希少種 現代 なかとそとの人です はじめに この作品は・・・ 希少種が登場します 一部の希少種が傷ついたり死んだりします 基本的には基本種への虐待です 人間は直接虐待を行いません 以上の点に注意してお読みになるようお願いします 1 四方を壁に囲まれたそれ程広くない空間 長方形の部屋の真ん中には柵があって自由に行き来はできないが、向こう側の様子を窺うことはできる どちらの側にも数匹ずつゆっくりがいて、その数は同じではない 片方の部屋には二十匹、もう片方の部屋には十匹 大きさが同じために人数の多い方の部屋は狭く居心地が悪い もう一方の人数の少ない部屋はスペースに余裕があり、のびのびと生活することができる そして、もうひとつ大きく違う点が一つ 与えられる食事の量だ 日に二回、壁の一部が開いてそこから餌が落ちてくる 与えられる食事は量に差異があった 少ない人数の部屋には二十匹分の甘くておいしい餌が 多い人数の部屋には十匹分のパサパサした味気ない餌が与えられる 水だけは十分に与えられていたものの、餌の量はきっちりと決まってた 少ない人数の部屋では沢山の餌を与えられて思う存分食事をとることができる 多い人数の部屋ではわずかな餌を分け合ってひもじい思いをしてなんとか食いつないでいた これは、そんな小さな世界の小さな物語 2 人数の多い部屋には沢山の種類のゆっくりがいた れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょんなどの基本六種に加え めーりん、さくや、ゆうか、らん、さなえなどの希少種が一匹ずつ 仮にこの部屋にいたのが基本種ばかりだったら、直ぐに殺しあいが起きていただろう そうならなかったのは希少種達が餌の配分を公平に行って秩序を守ったからだ 希少種達は基本種の餌を少なく配ったりすることはなく、むしろお互いに励ましあって仲良く暮らしていた 一方、人数の少ない部屋にはまりさとれいむの基本種のみがそれぞれ五匹ずつ 大量に降ってくる余りある食事を無分別に貪り食っていたため、どれも醜くまるまると肥えている 「ハフハフ!むしゃむしゃ! これうめ! めっちゃうめ!」 「ガツガツ! げえええええっぷ! うますぎる! ガツガツ!」 「ゆぅ・・・ いいね、あっちは。 いっぱーむーしゃむしゃできて・・・」 「れいむ・・・ いちどでいいからあれくらいむーしゃむしゃしたいよ・・・」 柵の向こうでれいむとまりさが一心不乱に餌に食らいつく様子をみて寂しそうに見つめる基本種達 そんな彼女たちにさなえが話しかけた 「みなさん! そんなところでボーっとしてないでこっちに来てください!」 「ゆぅ・・・? さなえ?」 「きょうもみんなでたのしくあそびましょう!」 「ゆ・・・そうだね・・・ たのしくあそぼうね・・・」 「はい!ではみんさんあっちのほうへ・・・ おや?れいむさん?どうしたのですか?」 部屋の隅っこでうずくまっているれいむを見つけて近寄るさなえ れいむは身体をくの字に折り曲げて、自分のお腹に顔をうずめていた 「こうしやっておなかをはみゅはみゅするとむーしゃむしゃしてるようにかんじるんだよ・・・」 「そうですか・・・ そんなことよりれいむさん! みんなにれいむさんのおうたをきかせてください!」 「・・・れいむのおうた?」 「はい! みんなたのしみにしてるんですよ!」 「そうなの・・・? れいむおうたそんなにじょうずじゃないよ・・・」 「そんなことありません! さなえもれいむさんのおうたがだいすきです!」 「ゆふふ。 おせじはいいよ。 でもなんだかげんきがでてきたよ、ゆっくりありがとう・・・」 「はい!ではいっしょにいきましょうか!」 さなえは率先して基本種達を励まし、集団の輪から外れるものがあれば話しかけて内へと引き込んで行った そんなこんなで何とか種別の違いを乗り越えて彼女たちは上手くやっていた 3 「それではまあるくならんでください!」 さなえの合図で部屋いっぱいに広がり円形に並ぶ 綺麗に円形にとまではいかないが、等間隔でそれなりに形よく並んでいる 「じゃおおおん! じゃおじゃお!」 「はぁ、めーりんあなたはいつもげんきなのね・・・」 円の中心にめーりんが躍り出て、その後にさくやがとぼとぼと続く 「きょうこそまりさのしゅんっそく!でめーりんをまかしてやるのぜ!」 「まりさ・・・ あんまりむりしないでね?」 続いてライバルのまりさとその番のありすが円の中心にやってくる めーりんとまりさはお互いに視線を合わせて軽く抱擁する これは人間でいう握手のようなものと思ってもらえればいいだろう 「それではいちについてください!」 「じゃおおおおおおおおおおおおおん!」 「がってんしょうちのすけさんかくさんなのぜ!」 さなえのいる位置に両者並んで待機する 円形に並んだゆっくりを運動場のトラックに見立ててかけっこをしようというわけだ 「あなた、あのまりさがうちのめーりんにかてるとおもって?」 「ゆふん! いずれそのかちほこったおかおにどろをぬってやるわ!」 にらみ合って火花を散らすさくやとありす この二匹は決して仲が悪い訳ではないが、それぞれパートナーにぞっこんなため 番のこととなると絶対に譲れないのだ 「いいですか・・・? よーい、すたーとです!」 「じゃおおおおおおおおおおお!」 「いくのぜええええええええええ!」 小さなトラックを精いっぱいかける二匹 若干めーりんのほうがリードしているが、まりさも何とかその後ろに食らいついている あっという間にトラックを一周してさなえの立つスタート地点が近づいてくる スタート地点がそのままゴールとなるので先にさなえのところまで行った方が勝者となる 「じゃおおおおおお! じゃおじゃお!」 「ゆぎぎぎぎ! まけってたまるかなのぜえええええええええ!」 まりさはラストスパートをかけてめーりんに肉薄するが逆転するには至らなない しかし、ゴール手前でめりーんは転んでしまい、そのまままりさがゴールして勝者となった 「ゆひぃ・・・ ゆひぃ・・・ かった・・・かったのぜ! まりさはめーりんにかったのぜえええええ!」 「じゃおおお・・・ じゃお・・・」 「ああ、まったく・・・ まけてしまうとはなさけない」 「まりさああああ! とってもとかいはよおおおおお!」 勝利を喜ぶまりさとありす さくやは敗者となっためーりんに厳しい言葉をぶつけているが、心配そうに頬を寄せている 「おめでとうございます! きょうのしょうりしゃはまりささんでした!」 さなえが宣言すると周りからは一斉に歓声が上がる このゲーム、別に勝ったから食料がもらえるとかそういう特典は無い ただ早く走って勝敗をつけるだけという一見何の意味もないゲームである こういった娯楽を取り入れることで空腹から来るストレスを紛らわせているのだ 「つぎはれいむさんのおうたです! れいむさんおねがいします!」 さなえは元気に声を上げて次のプログラムの合図をした 4 「うめえ! これめっちゃうめえ! ハフハフ!むしゃむしゃ!」 「ゆげええええええっぷ! でいぶはもうおながいっばいだがらずーやずやずるよ」 こちらは飢えることを知らないゆっくりたちの部屋 うず高くチョコレートやクッキーなどのあまあまが積み上げられている 与えられる餌が多すぎるため食べきれず、部屋の中があまあまだらけになってしまったのだ こちら側にいるゆっくりたちは基本的に食べるか寝るかどちらかしかしていない たまに思い出したようにすっきりをするが身体がうまく動かないので大抵失敗してしまう 壁に天井まで縦に伸びた穴があり、そこに排泄物を捨てればいいので餌が汚れることはない なにも無い食べるだけの虚しい毎日と思えなくもないが 柵の向こう側で飢えているゆっくり達を眺めながらする食事は最高に旨いのだ それだけあればこちら側のゆっくりたちは満足だった ただ一つ気に入らないのは、向こう側で行われているゲームだ 走ったり飛んだり跳ねたり歌ったりと、見ているだけで疲れるようなことを毎日のように繰り返すのだ 何の意味もない筈なのにとってもゆっくりしている向こう側の連中をみると無性にいーらいらしてくる まるで自分達は不幸ではなくしあわせーなのだと必死にアピールしているかのようだ こちらの方がはるかにゆっくりしていると言うのにその現実を受け入れず虚構に走る まったくもって愚かなやつらだ 「ゆゆ! でいぶいいごどおぼいずいだぼ! おじびじゃんぼずぐればいいんだぼ! ゆーん! おじびざんばうっぐぢでぎるね! でいぶはでんざいだね! ざっぞぐづぐるよ!」 巨体をのそのそと動かして、一番近くにいたまりさににじり寄るれいむ そのまりさはお腹いっぱいに餌を詰め込んで気持ちよくお昼寝を始めたところだった 「までぃざー! でいぶどがばいいおじびじゃんぼずぐろうね! いばずぐでいいぼ!」 「・・・ゆぴー までぃざばもうだべらべないのべ・・・」 「ゆぎぎぎぎ! でいぶをむじずるなああああああ! おぎろおおおお! このまぬげえええええええええええええ!」 「ゆぴーゆぴー・・・」 れいむの呼びかけに一向に反応しないまりさ 手に余ったれいむはぺにぺにを寝ているまりさに無理やり挿入して交尾に及んだ 「ごうなっだらじがだないぼ! ぼんどうだらでいぶがにんっじん!ずるはずだったげど、おぢびぢゃんがでぎべばぞででいいぼ!」 「ゆぴー・・・ ゆふふふふ。 までぃざはみんだのあいどどぅだぜ・・・ ゆぴー」 鼻ちょうちんを作っているまりさの額からは、実ゆっくりが鈴なりに実った茎が生えてきた どの実ゆっくりもまりさから餡子を沢山吸ってまるまると肥えている 「ゆーん! おちびぢゃんばゆっぐぢでぎるぼ!」 おちびちゃんを見てご機嫌のれいむ 他にも同じように考えていた者がいたようで、茎を生やしたゆっくりが何匹か見られた おちびちゃんが生まれたらもっとゆっくりして柵の向こうの連中に見せつけてやろう れいむはおちびちゃんの誕生を心から待ち望んでいた それは母性からくる感情ではなく、虚栄心からくるものであった 5 「またそんなところでおなかをはみゅはみゅしているんですか?」 「・・・わるい? これはれいむのしゅみなんだよ」 以前声をかけたれいむは、いつもひとりでおなかをはみゅはみゅとあまがみしている 他のれいむはまりさやみょんとつがいになっていると言うのに このれいむだけはいつも一人ぼっちで過ごしている 他にやることはないのかと突っ込みたくなる気持ちを抑えてさなえは優しく語りかけた 「そんなことをしていたら、おなかにあながあいてゆっくりできなくなってしまいますよ」 「ゆん。 わかってるよ・・・ でもやめられないんだよ・・・」 「どうしてですか? ゆっくりできるからですか?」 「それもあるけど・・・ふあんでしょうがないんだよ・・・」 「・・・ふあん?」 「そうだよ・・・さなえはかんがえたことない? ここでずーっとおなかがすいたままゆんせいをおえるなんて、さきのことをかんがえるとこわくない?」 「たしかに・・・」 さなえは今まで考えたことが無かった この先のこと、未来のこと、自分のゆん生のこと・・・ 確かに、言われてみれば不安にならなくもない 「たしかにふあんにおもうことはありますよ・・・ でも、れいむさん・・・ こうやってだれかとはなしているあいだは、ふあんもすこしだけいないいないするんじゃないですか?」 「・・・ゆぅ? たしかにそうだね・・・ れいむはさなえとおはなしするときは、おなかをはみゅはみゅしなくてもへいきだよ・・・」 「そうでしょう? きっとだれかといっしょにいればたのしくなって、ふあんさんもふきとびますよ!」 「ゆん! さなえのいうとうりだね それにしても・・・れいむはいつもさなえにたすけられてばかりだね・・・」 「そんなことありません! れいむさんのおうたにはいつもゆっくりさせてもらってますから!」 「ゆふふふふ。 またそんなこといって・・・ でも、ゆっくりありがとう」 れいむが元気になったのを見て、さなえはその場を去った まったく・・・少しでも目を放すとこれである 基本種達はこまめに面倒を見てやらないと簡単に死んでしまうだろう そうならないために私が頑張らねば・・・ さなえは基本種達を支えることを使命と感じ それに尽力すること自体が、彼女の精神的支柱となっていた 「はぁ・・・みなさんにももっとしっかりしてほしいものです やれやれですよ・・・あ・・・れ?」 急に頭が重くなり、顔がぼおっと熱くなる 身体を支えられなくなりその場に倒れこむさなえ 「どぼじだのおおお!? じっがりじでよざなえええええええええ!」 混濁する意識の中、さなえはれいむの声を聞いたような気がした 6 「ゆぅぅ・・・ さなえぇ・・・しっかりしてねぇ・・・」 「どぼじでごんなごどにいいいいいいいいいい!」 「もとわといえばおまえたちがさなえをこきつかったせだぞ! おまえたちのせいでこうなったんだ!」 「みょおおおん!? どーじでみょんだじのぜいになるんだみょおおおおん!?」 「わがれよー! らんしゃまのいうことはぜったい!なんだよー!」 さなえは体調を崩してしまい複数のゆっくりが取り囲んで丁重に看護している 毎日のように皆で仲良くできるように気配りをし続けたため、栄養失調も相まってダウンしてしまった さなえがダウンしたことでパワーバランスに微妙な変化が表れ始める らんを中心としたちぇんのグループと他の基本種のグループとが対立し始めたのだ 数でいえばらん派はらんとちぇん三匹の計四匹 もう一方はれいむとまりさが三匹ずつ。 ありす、ぱちゅりー、みょんが二匹ずつの計十二匹 圧倒的に基本種グループの方が数が多い だが、らんは戦闘能力が非常に高く、基本種十匹程度なら簡単に皆殺しにできてしまう そのため数で勝っていてもらんに歯向かうことはできなかったのだ 「おい、ゆうか! いっしょにこいつらをころしてしょくりょうをやまわけしないか? そうすればいまよりもちゃんとしたせいかつがおくれるぞ!」 らんは同じ希少種のゆうかに応援を呼び掛けた とたんに基本種達の顔がみるみる青くなる ただでさえ戦闘力に差があるのに、ゆうかが加勢すればその差は絶望的なものになる 戦っても戦わなくても残された道は死 基本種達は全滅するしかない しかし、そうはならなかった 「わかったわ、でもじょうけんがあるわ あなたにまとわりついてるそのいまいましいねこみみどももころしてちょーだい そいつらうるさくてかなわないのよ」 「ふざけるな! ちぇんのどこがふまんなんだ! こんなにゆっくりしてるじゃないか!」 「「「そうだよー! わかれよー!」」」 「ふぅん・・・ ならわたしはこっちにつくからそれでいいわね」 「なんだと! しょうきなのか!?」 基本種達の方へと歩み寄ってらんの方を向くゆうか らんと同等の戦闘力を持つゆうかが加わったことで数で勝る基本種達が有利になった 「さぁ? どうするの? たたかう? しぬ?」 「ゆぎいいいいいいい!? どういうことだあああああ! せんたくしが“たたかう”と“しぬ”しかないぞおおおお!?」 「どういうことって・・・わかるでしょ?」 ゆうかはそう言ってぺろりと舌で唇をなめた 次の瞬間、らんがゆうかに飛びかかり他のゆっくり達も加勢する それから行われたのは戦闘と言うより、一方的な処刑だった ゆうかともみ合っている際にらんは基本種達から一斉に攻撃された 反撃しようにも、目の前のゆうかから目を放せばあっという間に殺されてしまう 助けを求めたがちぇんたちは震えているだけで戦いに参加しようともしない ある程度らんを弱らせると、ゆうかは基本種達を下がらせ一本ずつ自慢のしっぽを引き抜いて行く らんは泣き叫びながら命乞いをしたがゆうかは聞く耳を持たない 目の前でちぇん達を基本種達に綱引きの要領で引き裂かせたあと らんも同じようにして殺してしまった 不穏な空気を感じ取ったのか、柵の向こうでは新しいおちびちゃんの誕生をこれ見よがしに祝っていた 「おじびじゃんばがばびびねー! ゆっぐぢぢないでばやぐうばれでね!!」 「どぼじでばでぃざのあだばにぐぎざんがばべでるのぜー!?」 7 らんとちぇんが死んで食料に若干の余裕が出た 余った分は一緒に配ってしまうのではなく、貯蓄しておく分と倒れたさなえに特配する分とに分けることにした これを提案したのはさくやだ さくやは食料管理を任されており、その管理能力はかなりのものだった 寸分たがわぬまでに平等に分けたので、誰も文句を言うことができなかった そんなさくやもさなえの存在感の大きさを痛感していた らんが基本種を殺そうと言った時、さくやは何もできなかった 基本種の連中はどうでもよかったが、一度殺せば次がある ちぇんを溺愛するらんは次は弱っているさなえを狙っただろう そう懸念しながらも、自分可愛さのあまりなにもできなかった・・・いや、しなかったのだ だからせめてもの償いとして、さなえに早く良くなってもらおうと食料を大目に回すことにしたのだ 意外だったのは基本種達がこのことに賛成したということだ 「さくやのいうことはもっともなんだぜ! まりさはさくやにさんっせいするのぜ!」 「ありすもさんっせい!するわ! さくやのいっていることはもっともよ!」 いつもめーりんとかけっこをしているまりさとその番のありすが賛成にまわって他の基本種を説得してくれた さくやはそれを食料管理を担当している自分へのご機嫌取りのように思えてならなかった 所詮は基本種である 考えていることなどたかが知れている 最終的に基本種達の意見はさくやの提案に概ね賛成ということでまとまった 勿論、一部は反発して不平不満を述べた者もいたが・・・ 彼らにとってもさなえの存在が大きいものになっていたということなのだろう 貯蓄は一か所に集めて夫のめーりんに番をさせている こちらは新しくおちびちゃんを作った時の蓄えということでうまく丸めこむことができた しかし、このことが後に大きな誤算となることを彼女はまだ知らない 隣の部屋では茎から赤ゆが生まれおち、まりさの額には新しい茎が生えていた 「おびびばん!でいぶどいっじょびゆっぐぢぢでいっでべ!」 「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」」」」 「どぼじべまだぐぎざんがはえでるのおおおおおお?!」 8 「ゆんやあああああああ! れいむしっかりしてええええええ!」 一匹のまりさが叫んだ 番のれいむの額には茎が生えていて、げっそりとやつれている 既に周りを複数の基本種が取り囲んでおり、さくやはそれを押しのけるようにして前に出た 「いったいなにをやってるの!? おちびちゃんをつくるなんてどうかしてるわ! そもそも、たべるものがないのにどうやってそだてようというの?」 「ゆっ・・・ぞんだ・・・ごどない・・・ ごはんなら・・・ある・・・よ」 「さくや!れいむにごはんをむーしゃむしゃさせてあげてね! すぐでいいよ!」 まさか、貯蔵している食料を当てにしてすっきりに及んだと言うのか? だとするならば、あまりに無分別である さくやは切り捨てるように言った 「だめよ。 もしそんなことしたらみんなですっきりしてこどもをつくりだすわ ためておいたごはんもすぐになくなってしまう。 ゆっくりあきらめなさい・・・」 「ふ・・・ざけ・・・る・・・な・・・!」 「そんなのひどいよ! このままじゃれいむもおちびちゃんもしんじゃうんだよ!?」 「わかったわ・・・ ほかのみんながおちびちゃんをがまんして、れいむにごはんをわけてもいいっていうのなら ためておいたごはんをれいむとれいむのおちびちゃんにわけてあげましょう」 「・・・みんな? ・・・いい・・・よね? れ・・・いむに・・・ごはん・・・くれる・・・よね?」 「おねがいじばず! どっでもゆっぐぢじだゆっぐぢにぞだでまず! だがら・・・だからあああああああ!」 基本種達に何度も額を床に打ち付けて懇願するまりさ だが、周囲からの反応は冷たいものだった 「なにいってるの? じょうだんもやすみやすみさんだよ」 「じぶんたちだけおちびちゃんをつくるなんてじこちゅーなんだぜ!」 「まったく、はじしらずないなかものね・・・」 「むきゅん・・・どうじょうのよちはないわね」 「きまりみょん! ぜんかいいっちできょひけんをこうしするみょん!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!? このままだとでいぶがしんじゃうんだよおおおおおおおおおおおおおおお!?」 どんなに頼んでも首を縦に振らない基本種達 番のまりさがどんなに頼んでも相手にすらしようとしない 「・・・みなさん! まってください!」 そこにさなえが身体を引きずりながらやってきた 誰に言われるでもなく道を開ける基本種達 集団は二つに分かれ、さなえの前には道ができた 「れいむさんにはわたしのぶんのごはんをたべてもらいます! だから、みなさんにはけっしてめいわくはかかりません!」 「ゆぅ?! いいの? ゆわーい! れいむよかったね!」 「・・・とうっぜん!・・・だよ おちびちゃんは・・・ゆっくり・・・できるんだよ」 願ってもないさなえの提案に喜ぶれいむとまりさ 二匹は安どの笑みを浮かべ、周りの基本種達は不満そうにしている 「だめよ。 そんなことしたらほかのみんなもおちびちゃんをつくってしまうわ」 間に止めに入ったのはゆうかだった さなえは不安そうな顔をして尋ねる 「でも、もしこのままほうっておいたら、れいむもおちびちゃんもしんでしまいます!」 「あなたがわけようとしているのは、みんながあなたのためにあつめたごはんよ かってにほかのゆっくりにあげたりしたら、みんながなっとくいくはずないでしょう?」 「でも! みすてるなんてことできません! ゆうかさんがなんといおうとわたしのけついはかわりません!」 「・・・わかったわ。 なら、あたらしい“るーる”をつくりましょう」 「“るーる”・・・?」 ゆうかが告げたルール それはとても残酷なものであり、誰も不幸にならない唯一の方法だった 9 「おびびびゃんはがばいいべー! どんどんむーじゃむじゃじでねえええええ!」 「「「「「ゆっぎゅじりびゃいじびゃぼ!」」」」」 「ゆんやああああ! どぼじでぐぎざんがにぼんもばえでぶのおおおおお!?」 柵の向こう側で家族そろってご飯をおいしそうに貪るゆっくりたちを 額に茎を生やしたれいむは恨めしそうに眺めていた 向こうのおちびちゃん達はまるまると肥えていて、とても赤ゆっくりには見えない なぜかまりさの額ばかりに茎が生えるような気がするが気のせいだろうか? 結局れいむは貯蔵しておいた分とさなえの特配分から特別に食料を分けてもらえることになった だが、それにはとても納得できない条件がついていた 生まれたおちびちゃんは柵の向こう側へ追放しなければならないという条件だった 柵の隙間は成体のゆっくりが通るには狭すぎるが、赤ゆっくりなら何とか通れる広さたった その隙間から食料が豊富な向こう側へと追いやって食いぶちを減らそうというのだ この決定にれいむと番のまりさは当然反発したが ゆうかの死ぬか殺されるかの二択を恐れて最終的には受け入れてしまった 既に向こう側のゆっくり達とは話がついており 食料はこれっぽっちも分けてくれないものの、おちびちゃんの受け入れには快諾してくれた 「ゆーん! あんっじん!じでべ! むのうなでいぶのかわりにりっばなゆっぐぢにぞだでであげるぼ! はやぐうばれるどいいね! でいぶだぢががわりにゆっぐぢぢであげるぼ!」 肥満体のでいぶ達はニタニタと不潔な笑みを浮かべてれいむに声をかける 茎に実った三匹の実ゆっくり達は、これからの運命を知らぬまま安らかに眠っていた 10 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 ついに出産の時を迎えた実ゆっくり達 一番先についていた赤まりさが生まれおちて元気に挨拶をした 「ゆうううううううう! れいむのおちびちゃんかわいすぎるよおおおおおお!」 「よかったねれいむ! つぎのおちびちゃんもうまれそうだよ!」 我が子の誕生に感涙するもつかの間、つづいて赤れいむが二匹同時に生まれおちる 「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」」 「「ゆっくりしていってね!」」 自分そっくりの赤れいむにまたまた涙するれいむ 一匹ずつ舌で綺麗に身体を拭いてやり、額の茎をまりさに引きぬいて貰ってそれを与える 「ゆぅ? これむーちゃむちゃしちぇもいいにょ?」 「ゆわぁ・・・にゃんぢゃかちょっちぇもおいししょうだよ・・・」 「れいみゅおなかしゅいちゃ! これちゃべちぇいい?」 「いいよ! いっぱいたべてはやくおおきくなってね!」 「「「ゆわーい!」」」 生まれて初めての食事にとびっきりの笑顔を見せる赤ゆ達 しかし、涎を滴らせて茎に食らいつこうとした瞬間 さくやが茎を奪い取って、柵の向こうへと放り投げてしまった 「ゆぅ? まりしゃにょくきしゃんぢょこいっちゃにょ?」 「れいみゅにょ・・・ぎょはんが・・・・・にゃんぢぇ?」 「ごはんぎゃにゃい・・・れいみゅにょ・・・ぎょはん・・・」 「「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおお!?」」 あっけにとられる赤ゆ達 激怒するれいむとまりさにさくやは冷たく言い放った 「くきなんかたべたらさくのすきまがとおれなくなるかもしれないでしょ? やくそくどおり、さっさとむこうがわへおいだしてちょうだい」 「そうだぜ! むこうにいけなくなったらみんながむーしゃむしゃできなくなるのぜ!」 「じぶんかってないなかもののおちびちゃんはさっさとむこうへいってね! すぐでいいわ!」 「すぐについほうするみょん! そくじつしっこうだみょん!」 さくやに続いて基本種達も追放を迫る 一家に味方するものは誰もいないかのように思われたが、さなえがやって来て以前と同じように一家をかばった 「まってくださいみなさん! うまれたばかりのおちびちゃんをおやからひきはなすのははやすぎます!」 「そうだよ! さなえのいうとおりだよ! おちびちゃんがかわいそうだよ!」 「れいむのおちびちゃんはれいむがそだてるんだよ! ゆっくりりかいしてね!」 「だめよさなえ。 そんなことをいっていたら、きょうのよていがあすになり、あすがあさってになって いつまでもついほうしないままここにとどまってしまうわ」 さくやが優しく諭すものの、さなえはおちびちゃん達の前に立ちはだかって動こうとしない たとえ実力行使にでたとしても、彼女は最後まで抵抗するだろう 一家とさなえを基本種とさくやが取り囲んだまま、こう着状態に陥ろうとしていた 「さなえ・・・ちょっといいかしら?」 「ゆうか・・・さん?」 ゆうかが前に出ると一家の顔が凍りついた さなえは微妙に距離を置きつつ、ゆうかのほうへ近づいて行く 「ゆうかさん・・・まさかあなた・・・」 「そのまさかよ。 いまここであのかぞくには“し”か“りべつ”かをえらばせるわ もし“し”をえらんだばあい・・・わたしがてをくださなくてもほかのゆっくりがゆるさなでしょうね」 「そんな!おねがいです! みなさんもうすこしよくかんがえてみてください!」 「むだよ。 みんなのあたまのなかには そいつらをころしてじぶんのおちびちゃんをつくることしかあたまにないわ」 「そ、そんなことないんだぜ! なぁ、ありす?」 「え?ええ、そ、そうね! そんないなかものみたいな・・・」 近くにいたまりさとありすの目が泳ぐ 他のゆっくり達もバツが悪そうにうつむいている 「・・・・・これでわかったでしょう? そのおちびちゃんをたすけたらほかのゆっくりがゆっくりできなくなってしまうのよ」 「それならいちにちだけでも・・・」 「わかれがつらくなるだけよ・・・あなたのきもちもわからなくはない けれど、ふよういなどうじょうは、ときとしてよりふかくこころをきずつけてしまうわ」 「・・・わかりました」 「どぼじでぞごであぎらめじゃうの!? ぞごでえええええええええ!!」 「いやぢゃああああ! でいぶのおじびじゃんはでいぶがぞだでるううううううう!!」 さなえはゆうかに説得されて身を引いた 両親はおちびちゃんを連れて行かれまいと、お口の中に隠そうとしたが その前に、さくやとゆうかが取り押さえて引き離した 「やめちぇにぇ!? おとーしゃんちょおかーしゃんのちょこりょにいかしゃちぇにぇ!?」 「ゆんやああああああああああ! ゆんやあああああああああああ!」 「どびょじちぇこんにゃこちょすりゅにょおおお!? れいみゅをゆっくちさせちぇよおおお!!」 基本種達に無理やり柵の向こうへと連れて行かれるおちびちゃん達 柵の向こうへとつきだされると、待ち構えていたでいぶたちが口にくわえて奥へと連れて行ってしまった 「がばびびおじびじゃんだべー! でいぶがゆっぐぢがばいがっであげるぼ!」 「「「ゆんやああああああああ!」」」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおお!? までぃざだじなんにもわるいごどじでないのにいいい!」 「でいぶのおちびちゃんがああああああああああ! ゆんやああああああああああああああああああああ!」 「・・・れいむさ『やめときなよ』・・・ゆうかさん?」 「いまなぐさめたってつらいだけよ、ほうっておいてあげましょう」 泣き叫ぶれいむとまりさに声をかけようとしたさなえを、ゆうかがそっと引き留めた 11 「ゆーん! おじびじゃんだじ! だーぐざーんむーじゃむじゃじでいいがらで! でいぶはいぐじぼおぎじだむのうなでいぶどはじがっで、がんっだい!なんだぼ!」 「ごれがりゃでいびゅだぢぢょゆっぐぢぢでいっじぇにぇ!」 「まりじゃばぢゃいがんげいにゃのじぇ! ゆっぐぢじぢぇいっぢぇべ!」 「「「・・・・・・・」」」 柵の向こうへと追いやられたおちびちゃん達は三匹ではとても食べ切れない沢山の餌を山盛りにして与えられた こちら側の赤ゆは自分たちよりも二回りも大きく、生まれたばかりの彼女たちからしたら相当な威圧感がある 「まりしゃ・・・おきゃあしゃんがくれちゃくきさんをむーちゃむちゃしちゃいよ・・・」 「れいみゅもくきしゃんがいいよ・・・ぢょこにありゅにょ?」 「ゆぅぅ・・・ おきゃあしゃん・・・おちょうしゃん・・・」 親を恋しがっているのか、なかなか餌に口をつけようとしない 欲しがっている茎は先ほど誰かが勝手に食べてしまったためもうない でいぶはちょっとだけ恐い顔をして、おちびちゃん達に言った 「わがばばいばないでべ! いうごどぎがないわるいごはぜいっざい!だがらね!」 「「「ゆぴいいいいいいいいい!」」」 予想以上に怯えるおちびちゃん達に戸惑いながらも、何とか餌を食べさせようとするでいぶ 食べるか寝るかしかしてこなかったでいぶは、世話をするといっても思いつくのは食事のことくらいだった とりあえず近くに落ちていたチョコレートを適当に噛み砕いて口移しで無理やり長女まりさの口に流し込んだ 「ゆぶぶぶぶぶ! ぶっべっは! ゆーん! おいじぐむーじゃむじゃでぎだ?」 「げっほげほ!ごげええええ! ひゃぁ・・・ひゃぁ・・・ あみゃあみゃ・・・? こりぇ、あみゃあみゃぢゃよ! ゆっくちできりゅよ! ゆっくちー♪」 長女まりさは口の周りについた残滓をぺロりと舐めて目を光らせる それを見た次女れいむが舌を出して餌を要求し始めた 「ゆぅ? ゆっくちできりゅにょ? れいみゅも・・・れいみゅもたべちゃい!」 「まっででね!ごはんばだっぶりあるがらね! もぎゅもぎゅ・・・ぶちゅー!!!」 「むぐぐ!もごもご!ぶはぁ! げほげほ・・・ゆぅ? こりぇ・・・ゆっくちできりゅ! むちゅむちゅぷはぁ! もっちょ!もっちょちょーらい! もっちょもっちょ!」 次女れいむは唇を何度も口の中に巻き込んでチョコレートの甘みを味わっていた 生まれて初めて味わう至高の食事 彼女たちを親との離別の悲しみから立ちなおらせるには十分だった 「ざぁ! ざいごのおじびじゃんぼ、むーじゃむじゃじよおね! おぐじぼひらいでね! あばあばざんぼだーぐざーんあげるぼ!」 「・・・・・れいみゅ、いらにゃい。 あみゃあみゃよりくきしゃんがたべちゃいよ」 「ゆーん!? どぼじでぞんなごどいうのがな? いうごどぎがないごはぜいっざい!っでいっだよね!?」 「れいみゅ・・・れいみゅは・・・ヒッグ! おぎゃあじゃんにょ・・・エッグ! ぐれじゃぐぎじゃんが・・・・ ぐぎじゃんがだべちゃいじゃいいいいいいい! あみゃあみゃにゃんかほじぐないいいいいい!」 「ゆぎぎぎぎぎ・・・ ごっじがれいぎだだじびおどなのだいおうじでればじょうじにのりやがっで・・・」 泣き出してしまった末っ子れいむに苛立ちを隠せないでいぶ 他の兄弟も頑なにあまあまを拒否する末っ子に不快感を覚え始めた 自分たちがおいしいと感じた物を食べたくないと拒否されれば当然だ 「わがままいっちぇちゃらおおききゅなれにゃいよ! ゆっくちはんしぇいしちぇにぇ!」 「しょんなこちょいっちぇちゃら、なにみょたべられにゃいでしょ! ぴゅんぴゅん!」 「やぢゃやぢゃ! ぐぎじゃんがいい! ぐぎじゃんがだべだいいいいいいいいい!」 「ぞんなにわがばばいうんだっだらもうじらないよ! がっでにじでね!」 末っ子れいむは何と言われようと、決してあまあまを口につけようとはしなかった でいぶ達はそんな末っ子を完全に見放し、長女まりさと次女れいむにつきっきりであまあまを与え続けた 12 「ハフハフ!むしゃむしゃ! うめえ! これめっちゃうめえ!」 「ガツガツ!もぎょもぎょ! ゆぷううううう! でいびゅもうだべらでにゃい!」 長女まりさと次女れいむは豊富な食料を食べ続けて順調に肥え、体積は軽く十倍近くまで膨れ上がっている 身体が大きくなりすぎたためほとんど自分で動くことができず、でいぶ達にありとあらゆる世話をしてもらっていた 一方、末っ子れいむはとある理由から餌をほとんど口にせず、全くと言っていほど身体は成長していない その理由というのが・・・ 「おきゃあしゃーん! おちょーしゃーん! れいみゅ、まちゃきちゃよ!」 「おちびちゃああああああああああああん! すーりすりしようね! ぺーろぺろしてあげるね!」 「ゆわわわわ・・・ こっちにきちゃだめだよ!」 親に会いたいがために、柵の隙間を通り抜けられるよう最低限の食事しかとっていなかったのだ 他の基本種達はそれを見ていい思いをするはずがなく 末っ子れいむが侵入するたびに全ゆんからの白い視線を浴びる羽目になる それでも親れいむは可愛い我が子と一緒に過ごせるだけでゆっくりできたので末っ子れいむを叱るようなことは無かった 「またきたのね・・・ はやくむこうへもどりなさい」 「ゆ、ゆうか!? やめでね!? おちびじゃんにひどいごどじないでね!?」 ゆうかが近づくと、親れいむは末っ子を後ろに隠した 連れて行かれないようにするためだが、基本種達に囲まれていつも同じように引き離されてしまう 「おきゃあしゃあああああああん! ゆんやああああああああああああ!」 「でいぶのおじびじゃんがらでをはなぜええええええ! おじびじゃんをがえぜえええええええええ!」 いつものように柵の向こうへと叩きだす しかし、向こう側のでいぶ達は末っ子れいむに興味を失っており、奥につれて行こうともせず 直ぐにまたこちら側へと戻って来てしまう 基本種達が柵の前に立ちはだかり何とか向こうへと押し出そうとするが しつこく何度も間を縫って侵入を試みる末っ子れいむ そんなやり取りを見て、居てもたってもいられなくなったさなえはゆうかに話しかけた 「・・・ゆうかさん。 このこだけならうけいれてもいいのではないでしょうか おちびちゃんひとゆくらいならよゆうがありますし・・・」 「・・・まだそんなことをいっているの? あなたは“ごうまん”なゆっくりね」 「ゆん!? あのおちびちゃんをたすけてあげるのが、どこが“ごうまん”だというのですか!?」 「あなたはすべてのゆっくりを、じぶんがすくえるとおもいこんでいるわ でもそれはまちがいよ。 あなたもしょせんゆっくりなのだから・・・ みのほどをしるといいわ」 「なっ!? そんなことおもっていません! ただ・・・ただわたしはっ・・・!」 「いいかげんじぶんをしりなさい しょせんこのちいさなおりからでられない、ただのゆっくりだということを・・・」 「それくらいわかっています! あなたにいわれなくてもそれくらい・・・」 「わかってないはずよ あなたはこころのどこかでれんちゅうのことをみくだしているのよ じぶんがたすけてあげなくちゃいけない“かわいそうなゆっくり”だってね」 「そんな・・・ わたしはそんなことは・・・」 「どうやらずぼしみたいね。 わかったらこれいじょうむだなどうじょうはよしなさい」 「・・・・わたしは ・・・・わたしは」 ゆうか論破されたさなえは、虚ろになって何かをぶつぶつと呟き続けた さなえは、ゆうかの言った通り基本種達をどこか見下してみていた節があった 自分がゆっくりすることしか考えず、仲たがいを起こして簡単に殺しあってしまい お飾りをなくしたゆっくりや、めーりんのような特定の種を迫害する基本種 そんな彼女たちを管理して秩序を保つことが、さなえにとってのアイデンティティーとなり 同時に自分の虚栄心を満たす、さなえにとっての“ゆっくり”だった この関係が成立するには、基本種とさなえの間には能力的な格差が存在することが前提であり 相手を見下していなければ“さなえ”の役割は成立しない 何故なら、“かわいそうなゆっくり”を“助けることができる自分”という図式が出来上がらないからだ そのことに気づいてはいたものの皆の為だと自分に言い聞かせ 他ゆんをゆっくりさせる“さなえ”を演じて心の隙間を満たしていた その関係は今、破綻を迎えようとしているのだ 身勝手なすっきりで生まれてしまったおちびちゃんを庇おうとすれば他の基本種に示しが着かない かといって、見捨てたとすれば“さなえ”の役割は果たされたことにならない 大きな矛盾を抱えて、さなえは自分自身が生みだした因果に苦しめられていた 後編へ続く
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1970.html
* 『ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね』のブルーシートまりさが主役。リクエストがあったので。 * 前作にも増して虐成分少なめ。まあ、より前作を味わうためのおまけですんで。 『ゆっくりのみるゆめ』 D.O 「ゆっくりしちぇっちぇにぇ!!!」 ここは商用ゆっくりの総合製造工場、通称「餡工場」。 ここは銀バッジ付以上のような『愛玩用』ではなく『商品用』ゆっくりが日夜生産され続けている。 今回の主人公であるゆっくりまりさもこの工場内で産声を上げた。 「はーい『!』3つ。」 まりさは両親から「ゆっくりしていってね」と返されることもなく、所定のベルトコンベアーに振り分けられた。 赤まりさの等級区分はその活発さの度合いで決められている。 まりさ=活発 れいむ=母性(笑) ありす=都会派(笑) その個性が際立ってこそ購入者も満足するのだ。 まあ具体的には、生まれて第一声のあいさつが元気なほどよりマシな将来が用意されており、 『!』が3つ以上で廉価飼いゆ、2つ~1つで各種ゆっくり商品の生体部品、元気がなければ餡子となる。 「ゆぴっ!ゆぅ、にゃんだかねむきゅなっちぇきちゃよ。すぴーすぴー。」 廉価飼いゆにえらばれた赤ゆたちはあにゃるから睡眠薬入り茎ペーストを注入され、 真空パックに封入後各店舗へと送られる。 こうして彼女たちの命は1匹50円で飼い主に握られることとなるのである。 「ゆぅ、ゆっ?ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」 「うわーい!赤まりさだー!ゆっくりしていってね」 「どうだ、M太。元気な赤まりさだろー。」 「うん!すっげー元気!とーちゃんありがとー!」 「むほぉぉおおお!M太はかわいいなぁ!よーしよしよしよし×300。 M太の欲しいものならなんっっっっっっだって買ってあげるからなぁ。」 「ほーら。ごはんやるからな。あぁ、とーちゃん、邪魔。」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおお?」 「ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!!!ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!!!」 こうしてまりさは溺愛お父さんとM太の家で育てられることとなった。 数日の間は。 「とーちゃん!この『卓上水上まりさ』っての欲しい!買って!」 「んあ?赤まりさは?」 「飽きた。」 「むほぉぉおおお!そんな冷血のM太もかわいいなぁ!よーしよしよしよし×500。」 「おにーしゃん、やめちぇにぇ。おいていきゃにゃいでにぇ。 まりしゃなにかわるいこちょしちゃならあやまるよ?まっちぇにぇ。まっちぇ・・・まっちぇぇぇぇええええ!!!」 こうしてまりさは3日間も食事を忘れられた挙げ句、 家から遠く離れた林へと捨てられた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆぅ。むーちゃむーちゃ、ちょっとちあわちぇー。」 まりさは自分でも集めることができる唯一の食糧、雑草を食べて生き延びる。 草や虫など食べられない大抵の飼いまりさであれば、ここで儚いゆん生を終えていた事であろう。 だが、飼い主のあまりに雑な飼育が、結果として彼女の命を救うこととなった。 彼がこの数日間で与えられた食事と言えば、試供品のゆっくりフード『ミラクルベジタブル』一食分と水のみ。 そもそもこの商品にしてから、野菜の姿を残しつつ風味と食感を完全に除去したという、奇跡の名にふさわしい虐待用品である。 事実上体内に注入されていた茎ペーストのみで生き延びていたまりさは舌が肥えることとは無縁だったのだ。 「なんじぇ?まりしゃにゃにかわるいこちょしちゃにょ? おとーしゃん、おきゃーしゃん。さびちいよぉ。しゃむいよぉ。」 「むきゅ?おちびちゃん一人でこんなところにいちゃあぶないわよ?」 「わきゃらにゃいよ。おとーしゃんもおきゃーしゃんもいなかっちゃんだよ。 おにーしゃんもまりしゃをおいちぇどっきゃいっちゃったんだよ。」 「むきゅーん。大体事情はわかったわ。まだこんなに小さな赤ちゃんなのに。 まりさ、お外はあなたみたいな子供が一人でいると危ないわ。ぱちぇのところにいらっしゃい。」 まりさが林で生活を始めて4日目、初めて言葉を交わした相手は、体高50?を超える一匹の老ぱちゅりーだった。 「むきゅん。このキノコさんはゆっくりできるわ。こっちの木の実さんは殻をとらないとゆっくりできないわね。」 「しゅごーい。ぱちぇおにぇーちゃんはものしりだにぇ。」 「おねーさんなんてよばれたのは久し振りね。こんなおばーちゃんなのに。むきゅむきゅ。」 「おうちはゆっくりにとってごはんとおなじくらい大切なのよ。 雨さんも風さんも、太陽さんからも守ってくれるのよ。」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「山のゆっくりは、穴をほっておうちをつくるけど、そうするとお引越しが大変ね。 できれば人間さんの置いて行った箱さんや布さんを使って作る方がいいかもしれないわ。」 「ぱちぇおねーちゃん。」 「何かしら?」 「なんではじめてあったときひとりだったの?」 「長をやっていた群れから追い出されたのよ。」 「なんで?ぱちぇおねーちゃんはこんなにゆっくりしてるのに。」 「若いドスが来てね。年寄りは引退しろって。 皆のために厳しくしていたけど、自分の娘にまで出て行けと言われた時はちょっと悲しかったわ、むきゅん。」 「・・・・。」 まりさがぱちゅりーから生きていく知識を吸収し、子ゆっくりとなったころ生活に転機が訪れた。 「ふむ、あれが報告のあった巨大ぱちゅりーか。これは珍しいね。」 「湯宇川教授、準備できました。」 「むきゅん。人間さんの気配がするわ。」 「にんげんさんはゆっくりできないよ!ぷんぷんっ。」 「そんなこと言っちゃだめよ。人間さんもゆっくりも、ゆっくりできる相手もいればできない相手もいるの。 でもね、もしもお話しすることがあっても絶対に近づいちゃだめよ。 喧嘩になりそうだったり、反対にいきなりあまあまをくれたりする人に出会ったら、 おうちも宝物も、全てを捨ててでも逃げるのよ。それが生き延びるコツね。」 「むぎゅぅぅううう。まりさ、おうちの裏口から逃げてね!振り返っちゃだめよ!」 「ぱちぇおねーちゃん!いっしょににげてね!もうひとりはいやだよ!」 「・・・おねーさんは一人でならば逃げられるわ。でもあなたがいたら足手まといなのよ。わかったら急いでね。むきゅ。」 「・・・ゆっくりりかいしたよ。」 「ここから太陽さんが顔を出す方にしばらく行ったところにありすとちぇんの群れがあるわ。 ぱちぇの親友なの。お互い生きてそこで落ち合いましょう。」 「おねーしゃん・・・」 「?」 「にんげんさんからにげて、またあえたら、おかーさんってよんでいい?」 「むきゅ、むっきゅーん。これは意地でも逃げきる理由ができたわ! さあ、もう行って!人間さんが来ちゃうわ!」 「むっきゅー!ぱちぇはこっちになんていないわよー!」 「でかいって言ってもしょせんゆっくりか。自分から声出して場所を知らせてくれてるよ。」 「ふむ。そうかね。まあ、そこまでして守りたいものなんて大体予想がつくがね。」 「はぁ。(相変わらずわけわかんねえなあ。まああの巨乳の考えてることなんてどうせ理解できねぇけど。)」 そして、ぱちぇは二度とまりさの前に姿を現すことはなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ありす。よろしくおねがいし、・・・するんだぜ。」 「大変だったわね、まりさ。これからはこのむれでゆっくりしていってね。」 「「「「「「わかるよー。」」」」」」 まりさはこれ以来『だぜ』まりさとなった。 だぜまりさは飼いゆや町ゆの間ではしばしばゲスの代名詞として敬遠される。 だが本来は、まりさ種の中でも特に活力とたくましさに優れた個体が生まれつき発現する個性である。 まりさは、もっと強く、たくましく、 大切なゆっくりを守れるような大人になりたいと願い、『だぜ』を語尾に付けるようになった。 「みんなもこの、ほぞんのきくきのみさんをあつめたほうがいいんだぜ。 ざっそうさんもいざってときにはたべられるんだぜ。ほして、おふとんにもできるんだぜ。」 「まりさすごいわー。とってもとかいてきね。」 「ばったさんをつかまえるには、いとさんにみじかいきのえださんをつけてそっとひっぱるんだぜ。」 「ばったさんがかってにくっちゅいてきちゃよー。まりしゃおにぇーちゃんしゅごーい。」 老ぱちゅりーはいなくなったが、その教えはまりさの中に生き続けていた。 いつしかまりさは群れの中心となり、彼女の知識と指導によって十分な食料を集めることができた群れは、 ほとんど被害を出すことなく冬を越えることができた。 ありすから長の座を譲り受けたのはそうして、群れの誰もがゆっくりしていた春のある日だった。 「まりさ。これからもむれのみんなをおねがいね。」 「これからは、まりさがむれのみんなをゆっくりさせるのぜ。みんなもゆっくりてつだってほしいのぜ。」 「まりしゃおにぇーしゃんははとっちぇもときゃいはなおさにぇ。」 「「「「「「わかるよー。」」」」」」 「さーて、んじゃ今日の作業始めんぞー!」 「「「ゆゆっ?」」」 「ほい、チェーンソーよこせ。」 「へいへーい。」 「んじゃ離れてろよ。『ギュァァァァアアアアアン』」 元長ありすとちぇんのとてもゆっくりしたおうち、大きな洞を持った大木が見る間に切り倒された。 あまりに突然の出来事、群れの誰一人として何が起きているのか理解できたものはいなかった。 「このでっけえ木さえどかせりゃ後はあっという間よぉ。とっとと切り株引っこ抜くぞぉ!」 「へいへーい。」 その周囲でも次々と木が切り倒されていく。 人間たちが手をつけていないのは、まりさたちが集会をしていた広場だけだった。 そして、元長ありすのおうち、大きな切り株が丸ごと引っこ抜かれたところで、 ようやくまりさたちは事の重大さに気がついた。 「ゆぁぁぁっぁあああああああ!なにやってるのおにーさぁぁああん! こんなのまったくとかいはじゃないわあああああ!!」 「何ってお前、家建てるんだよ、家。」 「そこはありすとちぇんのあいのすなのよぉぉおおおお! かえしてぇぇぇえええ!もとにもどしてぇぇぇええええ!」 元長ありすは、長まりさ、いや、これまで群のだれもが見たこともない取り乱し様だった。 このおうちは、ありすの親の親の親の代から長女に代々受け継がれてきた大切なおうち。 ありすのゆん生の思い出、そして今は亡き夫である、先々代長ちぇんの温もり、ありすのすべてが詰まっていたのである。 ありすは、ぽよん、ぽよん、と、効果などありようもない体当たりを繰り返して抗議していた。 「かえしてぇぇぇえええ。おねがいよぉぉ、かえしてよぉ・・・。」 「おーい新入りぃ。お前ちょっと杭よこせ。」 「へいへーい。」 「かえしてぇ・・・。かえ『ざくり』・・・・・・。」 ありすはなんの躊躇もなく、あっさりと殺された。 「おーい、お前らぁ。作業中止。ゆっくり駆除先にやっちまうぞぉ!」 「「「へいへーい。」」」 そして、建設作業員にとっては通常作業のひとつ、ゆっくりにとっては大虐殺が始められた。 まりさはそのころすでに、群れの縄張りからはるかに離れた民家の裏に逃げ隠れていた。 ありすが人間に大声で抗議を始めた瞬間、老ぱちゅりーの声が餡子の底から蘇ったのだ。 『おうちも宝物も、全てを捨ててでも逃げるのよ。それが生き延びるコツね。』 まりさは民家の裏に縮こまり、地面に顔を突っ伏して震えていた。 「やじゃぁぁぁあああ!やめちぇにぇ、や『ぞぶり』・・・」 春になり一番最初に群れに誕生した赤まりさが死んだ。 「ゆぁぁぁあああああぁぁぁ。いや『ぐさり』・・・」 秋に一緒にバッタを採った、群れ一番の美ありすが死んだ。 「わがらにゃ『ぶさり』・・・」 元長ありすの娘、まりさと並ぶ次代の長候補だったちぇんが死んだ。 どすり・・・ぶすり・・・ずぶり・・・・・・。 「親方ぁ。これどう処分するんすかぁ?」 「まったく今時ぁゴミもそこらにゃ捨てらんねえ。ごみ袋に放り込んで持って帰るんだよ!」 「「「へいへーい」」」 「ぱちゅりーおがあぢゃぁん、どうぢだらいいのぉ。おがあぢゃんならどうぢだのぉ。」 その日の夕暮れ、群れのゆっくりぷれいすには、ゆっくりの気配を感じさせるものは何一つ残されていなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 数日後、まりさは小さなビルの並ぶ街中に居た。 群れに居た時から、人間さんと会ったことは一度や二度ではない。 これまで人間たちは、稀にいたずら(あにゃるにストローを差し込んで空気を吹き込む程度)をしてくるくらいで、 あそこまで徹底的な虐殺をおこなったことなどなかった。 では何故? まりさは気づいた。 群れを潰した人間さんは皆同じ服装をしていた。 まりさは、その日から作業服の人間さんがいない場所を探し求め、気がつけば街中にたどりついていた。 「ここのゆっくりたちは皆ゆっくりできてないんだぜ。」 街中では、人間さんたちはゆっくりに手を出しては来なかった。 むしろ汚いものに触れないように、避けて通るくらいである。 狩りの成果を奪われたり、怪我を負わされる危険を感じるのは、むしろ同族のゆっくり達の方に対してであった。 「このおべんとうさんはちぇんのものなんだねー。わかるー!」 「つべこべいってないでれいむにそのごはんをちょうだいね!」 「ふぎゃぉぉおおおおお!」 「ゆがぁぁぁあああああ!」 「はーい、お前たち両方ゴミ箱へGO!」 「「どぼぢ」」ポイポイッ まりさとしては不思議だが、町ゆは植栽の周りに生える野草などは意外と食べない。 まりさとしては競争相手がいない以上ありがたい話ではあったが。 これは、町ゆの多くが元飼いゆっくりであったため、野草を食べ物と認識できなかったことによる。 まりさは、おそらく人間さんのご飯には、周りの草花ではゆっくりできなくなる毒が入っているのだろうと理解していた。 いつ、どれだけ手に入るかわからないご飯を求めてさまよう町ゆ達は皆、死んだような濁った眼をしている。 やはり、人間さんには極力関わらない方が良い。 しかし、れみりゃ達捕食種が出没するような本物の自然の中で育っていないまりさには、本当の山奥で生き延びる自信はなかった。 結局、危険と折り合いをつけてでもここで生きていく道しか残されてはいなかったのだった。 まりさは、雑居ビル2件に挟まれた、人間では通り抜けできない空間を選び、おうちをつくる。 雨さんにも他のゆっくりの攻撃にも負けない頑丈な木箱を商店の裏から、 雨さんを完全に防ぐ青いシートを公園のごみ箱から、 水や食料を保管する鍋、皿、クッション。 ゆっくり達も寝静まる夜、誰にも見られることのないように作業は続けられた。 そして気づく。 かつて老ぱちゅりーに教わった知識は、山で暮らすためのものよりも街中で暮らすためのものがはるかに多かったことに。 おそらくぱちゅりーは、ゆっくりたちの相食み争うこの街中で生きて、 ついに街中で隠れることもできなくなるほど大きくなった末に山へと移り住んだのであろうことに。 「ぱちゅりーおかあさん。おかあさんはどうやってこんなところでゆっくりしたゆっくりになれたんだぜ?」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そしてある日、まりさのゆん生にとって重要な出逢いがやってきた。 いつもどおり太陽が顔を出す前から食糧確保に励んでいたまりさは、 ゴミ捨て場にぞんざいに放り捨てられていた一匹のれいむと出会ったのだった。 あんよは7割方焼きを入れられており、たとえ回復したとしても這い歩くのがやっとであろう。 リボンはたばこを押しつけられて穴だらけ、もみあげは力任せに引きちぎられていた。 まむまむの位置には刃物を刺した跡が無数にあり、舌も半分ほどの長さしか残されていない。 これ以上無いくらいに、ゆっくりしていないれいむだった。 なのに何故あれほど惹きつけられたのだろうか。 ここまで酷い虐待を受けながらも、他の町ゆと異なり、その瞳に理性の輝きを宿していたから? それとも、彼女がおくちからそっと出した、おそらく生まれて間もないであろう一匹の赤まりさを丁寧に介抱する様が、 あの老ぱちゅりーと自分自身の姿に重なったから? 「れいむ。しゃべれるのかだぜ。そっちのまりさもだいじょうぶかだぜ?」 「だぃ・・じょぶ。・・ゆっく・・・ていt・・ね。」 「ゆ・・くち。」 「にんげんさんにやられたんだぜ。よかったらおうちまでおくるんだぜ?」 「も・・なくなtt・・た。に・げんさ・にこわさr・・て」 「そうかだぜ。ならまりさのおうちにくるんだぜ。そのおちびにもかいほうがひつようなんだぜ。」 「れいむの、旦那のまりさや他のおちびちゃんはいないのかだぜ。」 「?」 「辛いこと聞いてすまないのぜ。でも、このおちびちゃん以外は助からなかったのぜ?」 「れいmは、けっこnもすっきりーもしtことないよ?」 「?このおちびちゃんは?」 「ゆっくりできないにんげんさんのところに、おちびちゃnがいっぱいいたの。 すてらrそうになったとき、おくちにひとりだけかくせたんだよ。」 「じ・・・じぶんがしんじゃうかもしれないときに、じぶんのでもないおちびちゃんをたすけようとしたのかだぜ・・・。 よくそんなことができたんだぜ・・・。」 「だって、おちびちゃnはゆっくりできるんだよ?」 「でも、まりさは『おうちも宝物も、全てを捨ててでも逃げるのよ。』って教えられたのぜ? じゃないと生き残れないって言われたのぜ。」 「でも、おちびちゃんは、たからものよrゆっくりできるよ?」 「ゆっ。」 「ゆぁーはははは!!!れいむは凄いのぜ。 まりさなんて目じゃないくらい強いゆっくりなのぜ!! まりさなんて今までずっと逃げて逃げて全部捨ててきたのぜ! ぱちゅりーも、ありすも、ちぇんも、おちびちゃんたちも。 ゆふぅぅうう、ううぅぅぅぅぅうううぅぅぅ・・・」 まりさは笑いながら泣いていた。 これまで自分は、何一つとして守ってこれなかった。 それは、絶対に無理だと思ったから。 自分は死ぬわけにはいかないと思っていたから。 だが、このれいむは、多くの犠牲を払いながらも、ただ一つだけ、 この、だれの子供とも知れない赤まりさだけは守り通すことができたのだった。 そしてぱちゅりーも、おかあさんも全てを犠牲にしながら自分を守り抜いてくれた。 だが自分は・・・ なぜまりさが泣いているのかわからないれいむは、自分の怪我のことも忘れてオロオロしていた。 そして、自分が助けられたという事実すらよくわかっていない赤まりさは、 「おにぇーしゃんはしゅぎょいにょ?」などと首を(?)かしげていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 奇妙な共同生活が始まった。 餡子のつながりもなく、年齢も育ちもバラバラ。 その上一匹は全身ズタボロ。 だが、まりさは、トラウマと街での生活の中ですっかり鋭くなってしまった目つきを、 ボロれいむと赤まりさに対するときだけは少しほころばせるようになっていた。 そして数日が経ったころ、突然破局は訪れた。 「それじゃあ、狩りに行ってくるよ!」 「いってらっしゃい、まりさ。」 「まりしゃおにぇーしゃん、いっちぇらっしゃーい!」 「ゆ!それじゃあおそうじはじめようね!」「ゆっくち!」 まりさは毎早朝、日の出よりずいぶん早くから狩りに出かける。 大抵は植栽の周りに生える、タンポポやシソなどの採集になる。 人間でもしばしば食用とするこれらの野草ならば、 残飯による味覚汚染を受けたれいむでも食べられるのだ。 そして、留守番は動くことができないれいむが引き受けることになっていた。 「ゆーん!きれいになったn「やあ、れいむちゃん。おひさしぶり!」」 ビルの隙間の前には、れいむの体をズタズタにした張本人、虐待お兄さんが立っていた。 「いやー。探したよー。 だってさぁ、れいむちゃんを捨てた後、家に戻ったら赤ちゃんが一匹減ってるんだもん。 あの赤ちゃんさぁ。 ぼくが、ゆっくりプラネタリウムを作ろうと思ってかき集めた大事な大事な赤ちゃんなんだよー。 わし座のアルタイルって知ってる? あれにするつもりだった、きれいな形の赤まりさだったんだよー。 さぁ。出てきてお話ししようねぇ。」 「おきゃーさ「ゆぁああああああああ!!!!」」 れいむは、赤まりさがまだ虐待お兄さんに見つかっていないことを察知して、 赤まりさがしゃべりだす前に口の中に隠したあと、緊急避難用にと掘っていた穴の中に放り込んで、お皿で蓋をした。 「ゆぅぅぅううう!ゆぅぅぅうぅぅうぅうううう!」 「?しゃべれないの?馬鹿なの?まあ、どっちにしても君の体に聞いてみるだけだからいいけどね。」 そういうと、虐待お兄さんはおもむろに取り出したマジックハンドをれいむに向けた。 「ゆふーん。今日も収穫は上々なのぜ!」 れいむと赤まりさの喜ぶ顔を思い浮かべながら帰路についていたまりさは、しかし 甘い夢の終わりを悟った。 おうちのあるビルの隙間の前には、ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべた人間さん。 そして、その足元には、 親指ほどの大きさの破片に丁寧に分解された饅頭と、れいむのリボンが置かれていた。 「ふぅ。確かにしゃべってたと思ったんだけど、結局悲鳴ひとつあげなかったなぁ。プライド傷ついちゃったよ。」 逃げなければ。まりさの中枢餡はそう告げていた。 しかし、まりさの中枢餡以外のどこかから命令を受けたあんよは、その人間さんに向かって走り始めていた。 「ゆぅぅううううううう!!!」 「え?あれっ?」 不意を突かれた虐待お兄さんは、ゆっくりに股の間を抜けられるという屈辱を受けた。 そしてまりさは、一切迷うことなく赤まりさが隠された穴へと駆け抜けた。 「ゆっがぁぁぁっぁああああああ!!!」 まりさは止まらない。何故れいむに閉じ込められたか分からず、 ベソをかいていた赤まりさを帽子の中に放り込み、再び人間さんの足元へと駆ける。 「2度も抜けさせるかっ!この糞饅頭がぁ!」 だが、まりさは無謀に突っ込むことなく、 おうちの入口あたりに隠してあった延長コードを虐待お兄さんの足元へと放り投げた。 「えっ?うわっ!」 乱雑に絡み合った延長コードに足を取られて転ぶ虐待お兄さん。 そのわきを、まりさはゆっくりにあるまじき速度で駆け抜けていく。 排水溝の中をくぐり、ビルの隙間を抜けて、公園を横切り、まりさはひたすら駆けて、駆けて、駆け抜けていった。 「なんてこった・・・。ゆっくりに翻弄されるとは・・・。」 まりさが疲れ果ててあんよを止めたとき、町には朝日が射し始めていた。 「ゆぅ。りぇいみゅおにぇーちゃんはどうちたの?」 「れいむおねーちゃんは・・・れいむおかーさんは、まりさを精いっぱい守ったんだよ。」 「ゆぅ?れいみゅおにぇーちゃんはおきゃーしゃんにゃにょ?おっかちいにぇ!」 「おかしくないよ、おかしくなんてないんだよ・・・。」 まりさは、それからしばらくの間、困った顔をしている赤まりさにすーりすーりし続けていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 数日後、まりさの住んでいたビルには、 あの恐ろしい、ありすたちを虐殺したのと同じ、作業服を着た人間さんたちがやって来ていた。 虐待お兄さんが、その財力にものを言わせてビルごとまりさたちのおうちを叩き潰してやろうと動いたのだった。 よほど屈辱的だったのだろう。 「これはゆっくりしていられないんだぜ。おちびちゃん、明日の朝は暗いうちにおひっこしするのぜ。」 「ゆーん。ゆっくりりかいしちゃよ。」 「・・・なかなかひとつの場所でゆっくりさせてはもらえないもんなんだぜ。 まりさにももう少しだけ運があったらよかったのに、苦労をかけるんだぜ。」 「おちょーしゃん。」 「?」 「まりしゃはとっちぇもゆっくちしちぇるよ。 おおきくなっちゃらおきゃーしゃんみたいにつよくて、おとーしゃんみちゃいにやさしいゆっくりになりちゃいよ。」 まりさをまっすぐ見つめる瞳はまるで、かつて老ぱちゅりーと見上げた星の輝き。 ビルの隙間で暮らすようになってから見ることのなくなって久しいその光に、 まりさは多くの大切なものとともに失ったかつての自分自身の姿を確かに感じた。 「さぁ、おちびちゃん。明日は太陽さんが出る前にお引越しをしなきゃならないから、早くすーやすーやしてね。」 「ゆっくちわかったよ。おとーしゃん。」 この世界は、ゆっくりに対してあまりにも厳しい。 この赤まりさも、ただひたすらに純粋であり続けることはおそらくできないだろう。 しかしながら、せめて一度、ただ一度でいいからこの赤まりさを心の底からゆっくりさせてあげたい。 それが報われることのなかった自分達の生涯を救う、唯一つの方法であると信じ、まりさは束の間の眠りにつくのだった。 ゲス度を下げるほど悲劇度は増す。でも爽快感は低下。難しい。 ※ちなみに、anko215.txtの登場ゆっくり達には一通り裏設定が存在しています。 水飲み場のゲス、便所ちぇん、小学校ゆうかりん。誰だって、それぞれの過去や葛藤を持って生きています。 などと色々邪推してみるのもSSの楽しみ方なのでしょうか。 実は「ゆうかりんのご奉仕授業」というタイトルで、小学校ゆうかりんのストーリーも掲載予定だったんだけども、 逃れることを許されない過酷な性的虐待、 校長から連日受ける性奴調教を軸として、 数学教師の緊縛SMプレイ→体育教師の青姦スカトロ浣腸プレイ →高学年生の好奇心に任せた壮絶な輪姦と続き、 全校集会での露出放尿プレイあたりまで受けながらも誇りを失わないゆうかりんは夏を迎える、 などと書いたあたりで、 「これ、ゆ虐じゃないんじゃね?」と思ったのでお蔵入りとしました。ていうかご時世的にやばい。 まあ、そんな背景があったということを念頭において、 彼女の言動を読み直していただけたら幸いです。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1084.html
「そ~らたかいたかーい♪」 「おねーしゃんしゅごーい♪」 「おねーしゃんだいしゅきー♪」 「だすげでえええええ!」 一年で最も過ごしやすいと言われる秋の昼下がり。まりさが妹たちと遊んでいると、友達のれいむの助けを求める声がした。 「ゆゆ!れいむどうしたの!けがしてるよ!」 「れいむおねーしゃんだいじょうぶー?」 「いちゃいのいちゃいのとんでいけー!」 「むきゅん!まりさはおちびちゃんたちをさがらせてね!」 傷つき餡子が流れ出しているれいむを介抱していると、長のぱちゅりーの指示が飛んだ。 指示どおりに妹たちを遠ざけて、囲いとなりだした集団へと戻ると、驚くほど白くなったれいむが息絶えるところだった。 「れいむぅぅ!」 「もっとゆっくり……したかっ……た……」 「どうじてえええ!」 「むきゅー……、れいむはいいつけをやぶってにんげんのところへいったのよ」 ぱちゅりーによるとれいむが話した事情は以下の通りだった。 群れの中でも問題児のまりさが人里で野菜を食べようと誘った。自分ともう一人のれいむがそれに乗った。 野菜を食べていると人間がやってきていじめた。自分は、もう一人のれいむが手助けしてくれたおかげで逃げられた。 捕まっている二人を助けてほしい。 誘ったとみられるまりさは群れのルールを守らず、悪知恵が働き行動力旺盛な、ゲスと呼ばれる部類のまりさだった。 規律ある集団生活には有害だが、未踏の危険地帯を開拓していくことで、問題児ながらも若ゆっくりからは人気があった。 いいところもあったが、人間に捕まってはしょうがない。自業自得だ。群れのメンバーに諦めムードが漂う。 「れいむは?れいむはどうするの!?」 紛らわしいがここで問題にしているのは捕まっているほうのれいむである。まりさはそちらのれいむが好きだった。 「むきゅん。ざんねんだけどあきらめるしかないわ。せめて……このむれにどすがいたら……」 人間には同じように「れいむ」と聞こえるのだが、きちんと意図を汲み取って答えるぱちゅりー。 なにがしかのアクセントの違いがあるのかもしれない。 「そんな……みんながたすけないなら、まりさだけでもたすけにいくよ!」 「むきゅん!だめよまりさ!にんげんはおそろしいのよ!」 制止も聞かず、まりさはそう言って人里へと向かう。 『人里は餡外魔境』 (まっててねれいむ。まりさがだいすきなれいむをたすけてあげるからね!) 頭に広がるは成功のイメージ。人間は自分たちを食べたりいじめたりすると聞く。 だから食べられる前に、まりさたちが木の実を巣の奥に溜め込むようにして閉じ込められているれいむを、助け出すつもりだった。 捕まっているれいむをこっそり逃がして、頬ずりをして無事を喜び合う。 れいむもまりさのことを見直して、人気者のまりさよりも自分のことを好きになってくれる。 『れいむ!もうだいじょうぶだよ!』 『まりさ!』 『こっそりついてきてね!』 『ぶじににげられたよ!ありがとう!』 『れいむにはまりさがついてるからあんしんだよ!』 『まりさ……』 『れいむ……』 そこには根拠のない自信と、れいむをデートに誘いだせたゲスまりさへの嫉妬があった。 坂を下り茂みを越え、動き始めたれみりゃから隠れながら里についたのは、日が暮れようとする時分だった。 黒々と闇が落ちた村の外れに、赤々と灯る松明。その明りの下、男たちが丸い物を蹴りまわしている。 目を凝らしてもよく見えず、 「そろ~り、そろ~り」 と小声で言いながら近づくまりさ。 「ゆぎゃあああああああ!」 蹴りまわされるものの正体を見極める前に、身を引き裂くような絶叫を耳にしてそちらを向いた瞬間、視線が釘付けになった。 自分と同じ顔をしたものが足を焼かれている。ブスブス焦げる匂いが風に乗って流れてくる。 これはゲスまりさが 「ごめんなさい!ごめんなさい!にんげんさんのものだってしらなかったんですぅぅ!」 一度は殊勝に謝っておきながら、 「まりさはおいしくないんだぜ!たべるんならこっちのれいむにするんだぜ!」 許されないと知った瞬間に仲間を売ったことに対する、調理を兼ねた制裁である。 「ばりざがわるがっだでずうううう!あやばるがらばりざのあ゛んよ゛やがないでぐだざいいい!」 「何が悪かったのかなー?」 「にんげんざんのおやざいだべでごべんなざいいい!」 「分かってねえなあ」 「ばりざのおぼうしがああああああ!?」 相手をしていた男は、ゲスの帽子を取ると手にしている松明にかざした。優美なぐらい緩やかに燃え上がる。 悪知恵が働くとはいえ、知能の絶対値が低いので人間には即行でばれる。 「かえすよ」 「ゆぎゃああああああ!あづいいいいい!」 緋色に輝く帽子を頭にのせると、ゲスは大声をあげてとても喜んだ。 「こいつもこんなもんでいいよな?」 「おう、いいよ」 「何か」を蹴っていた男たちが蹴っていたものを鉄板の上に置く。赤々と照らし出されたのは変わり果てたれいむの顔で。 (あくまでもゆっくり視点で)整っていた顔は間断なくめり込んだ足で歪み、砂糖菓子で出来たリボンはところどころ欠けている。 「あづいいいいい!ゆっぐりでぎないいいい!」 「ん?そいつは?」 「あ?なんだお前」 男たちが気づいてまりさを掴み上げた。 「飼いゆっくり?」 「バッジないから違うだろ」 「まりざああ!ばりざとがわるんだぜええ!」 「ま……りさ?……!だずげでえええええ!」 「あ、知り合い?」 まりさは答えない。答えられない。 「みでないでざっざどだずげろおおおお!」 「だずげないならまりざなんがゆっぐりじねええええ」 男の一人が二匹の餡子を掬い取って、OKサインを出した。 「甘みは十分だから全体焼こうぜ」 「けど片方足で蹴ったからそのまんま食いたくねーよ」 「じゃあこいつらに子供産ませてそれ食おうぜ」 「折角手間かけたのにもったいなくないか?それ」 「ストレス解消になったからいーじゃん。それに赤ん坊のほうが旨いらしい」 「どうやって産ませるんだ?」 まりさは目の前の光景を受け入れられずにいた。 変わり果てた姿の人気者のまりさとれいむ。信じられないほど痛そうな仕打ちと嫌な臭い。 助けにきた自分を罵倒する、優しかったはずのれいむ。 「「せーのっ」」 鉄板から引きはがされた二匹が、人間の手で強制的に擦りつけられる。 「すっぎりじだぐないいい!」 「ずっぎりじだらしんじゃうううう!」 「あはは間抜け!」 「いっそこうしたほうが楽じゃね?」 「だはははは!」 男たちはゆっくりの悲鳴なぞ頓着せず、手に持って擦り合わせるのも面倒なので、股に挟んで腰使いの真似などをして笑い転げる。 「い゛や゛だあああ!もっどゆ゛っぐり、じだいいいい!……ゅっゅっ」 「もうゆるじでええええええ!……ゅっゆぅぅ」 「うわ汚ね!」 焦げた二匹の体が粘液で包まれ、今までの苦悶の声から甘く、押し殺したような声に変わる。 「れいむ……れいむ……」 まりさはそんな二人を呆然と見ている。嫌悪感が湧くのに、目を逸らせない。ぬるぬるのれいむ。聞いたことのない声。 「「んほおおおおおおおおおおお!すっきりー!」」 嬌声を上げて二匹は絶頂に達した。見る間に茎を生やし黒ずんでいく。 それを見た瞬間、まりさの何かが切れた。 「いやだああああ!おうぢがえるううう!」 「うおお!?」 おとなしかったゆっくりが突然暴れ出したので思わず取り落とす男。その隙にまりさは灯りの届かない闇へと消えて行った。 「もったいねー」 「うっせ」 「誰か醤油持ってない?」 男たちはあえて追わず、出来立ての赤ちゃんに舌鼓を打った。 まりさが逃げ去ったのは、帰るには見当違いである、村の方向だった。 「ゆ゛ぅぅ……、ゆっぐ……、ゆっぐ……」 泣きながら物音におびえ、目についた隠れられそうな物影に飛びこむ。 「あんなのれいむじゃないよ……あんなきたないのれいむじゃないよ……」 年長のれいむはまりさにとって憧れの存在だった。優しくてきれいだったのに。大好きだったのに。 「ゆー……だれかいるの?」 「ゆゆ!?」 声がしたほうを振り向くと、皮の張り、毛づや、その他どこをとっても素晴らしい、成体の美れいむがいた。 月明かりを浴びたその姿はたおやかで、まりさは一目で心を奪われてしまう。 「ここはおにいさんのおうちだよ。わるいこはゆっくりしないででていってね」 「まりさはわるいこじゃないよ!」 「じゃあゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 「ゆー、おねえさんはとってもきれいだね!」 「おにいさんがとってもかわいがってくれるからだよ!」 「ゆ!にんげんはこわいよ!れいむが……れいむがあああああ!」 「なかないでね、なくのやめてね。まりさがかなしいとれいむもかなしいよ」 そう言って美れいむは泣きだしたまりさの涙を舐めとる。その親愛の情がうれしくて、いい匂いにどきどきして。 「ゆー……くすぐったいよ」 「まりさはわらってるほうがかわいいよ!」 そう言って頬を擦り合わせる。まりさは先程の光景を思い出して体が強張るが、それも伝わってくる優しさがほぐしていく。 「れいむ……」 「なぁーに?」 「まりさはれいむのことがだいすきだよ」 このれいむこそがほんとうのれいむなんだ。まりさがすきだったやさしくてきれいなれいむはこのこなんだ。 このことおうちにかえろう。これからはふたりでおいかけっこしたり、ちびちゃんたちにおうたをうたったり、ひなたぼっこするんだ。 「れいむもまりさのことがすきだよ」 すりすりすりすり。 伝わってくる振動が、変わった。 「くすぐったいよれいむ~♪」 「……ゅ……ゅぅ……」 「……れいむ?なにか……へんだよ?」 さっきも聞いた声、れいむが出すとは思えなかった声。 「れいむにまかせてね。れいむがきもちいいことおしえてあげるね」 「やめて、やめてね。なにかまりさのからだおかしいよ?」 「れいむといっしょにすっきりー♪しようね」 「!」 実はこのれいむはHENTAIお兄さんに売り込むべく調教されていた、百戦錬磨のエロれいむだったのだ。 「いやだああああ!ずっぎり、ごわいいいい!」 「だいじょうぶだよ。とてもゆっくりしたきぶんになれるよ」 「どぼじでごんなごどするのおおお!?ぎれいなれいむがぞんなぎだないごどしちゃだめでしょおおお!?ごんなのゆっくりじゃないよおおおお!」 「すっきりをわるくいうこにはおしおきだよ!ちょっとほんきだすね!」 当然、その価値観も通常と違い、性行為に対して羞恥心がなく、ゆっくりできる最高の手段だと思い込んでいる。 「ゆふぅ……!」 駆け抜ける快感突き抜ける有頂天。れいむの愛撫で、急速に自分の中で何かが育っていく。 「じぬううう!すっぎりじだらしんじゃうううう!」 「こんなにおおきいのにまりさはなさけないね!」 れいむは取り合わない。人工的な環境で鍛えられたため、成体かどうかの微妙な差異は分からないのだ。 そのため、単なる快感への怯えと判断して更なる刺激を与えていく。 「ごわいよおおおおお!おがあざああああん!」 「「すっきりー!」」 茎を生やして黒ずんでいくまりさ。いくつかの実をつけるも熟しきるには至らない。 「あ゛あ゛あ゛あ゛まりざどおじてえええええええ」 変わり果てたまりさに号泣するれいむ。 「うー醤油醤油」 そこに飼い主である男が戻ってきた。 「おに゛いいざあああん!まりざが、まりざが、すっきりじだらじんじゃったあああ!」 「ん?そいつさっき入り込んだゆっくりか?仲間も黒ずんだし、まだ子供だったんだろ。 未熟なうちにすっきりしたら、産まれる子に餡子とられて死ぬよ」 「ながよぐゆっぐりじだがっただけなのにいい!」 れいむは声を張り上げて泣いた。 翌日。日差しの柔らかな草原で、子ゆっくりが保育役のゆっくりに問いかける。 「まりしゃおねーしゃんまだー?」 「おちびちゃんたちゆっくりきいてね。まりさとはもうあえないよ」 「そんなのうしょだよ!」 「うしょつかないでね!ぷんぷん!」 「ぷかぷかうかんであそぶーってやくしょくしたもん!」 「まりしゃおねーしゃんはいっちゅもやくしょくまもるよ!」 責任感が強く世話好きで、いつもニコニコしていたまりさ。そのまりさが約束を破るはずがない。 「ゆっくりりかいしてね……」 悲しげな説明も耳にせず、その日一日、子ゆっくりたちはまりさの帰りを待ち続けた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2810.html
ほんのりと俺設定注意 車を走らせ馴染みのコンビニへと向かう。 途中ゆっくりが飛び出してギリギリかすめて通過。セーフ。 車が汚れなくて良かったとひと安心。 駐車場でに着いてドアを開けると不快な熱い外気、と、 「ゆっふ!ゆっ!ゆーふっ!!」 不快な声が耳に響く。 店の前に設置しているゆっくり専用ゴミ箱から聞こえてくる。 その前を通りすぎる際にゴミが話しかけて来た、 「ゆっ!?おにいさん!れいむをたすけてねっ!」 無視。 「どぼじでむしするのぉ!?」 自動ドアから店の中に入る。冷房が効いていて最高の環境だ。 お目当ての弁当と飲み物を買ってから週刊誌を立ち読みする。 そのあと、気に入った雑誌を追加購入して店を出た。 「おにいさん!かわいいれいむをたすけにきてくれたんだねっ!」 (まだ居るのかよ……。) れいむは、ゴミ箱の淵をもみあげで掴み踏ん張っている。 体は半分穴に埋もれていて、自力での脱出は厳しそうだ。 「れいむはとってもゆっくりできるんだよーっ!」 滅茶苦茶必死の形相。凄く暑苦しい。 全然ゆっくり出来て無いじゃん。 「はやくたすけてねっ!このままじゃおちちゃうよっ!?」 唾を撒き散らし喚く。 こんなゆっくり誰も助けたいとは思わない。 「かわいいおちびちゃんをみせてあげるから れいむをたすけてねっ!」 「…おちびちゃんはどこに居るんだ?」 「おにいさんのあしもとにいるでしょうっ!おめめがみえないのっ!?」 足元? 下を見ると確かに居た。 虫の息だったが。 「おちびちゃんたちはかわいいでしょっ!?ゆっくりれいむをたすけてねっ!」 「可愛くないから助けなくていい?」 「どぼじでぞんなごどいうの゛ーーっ゛!?」 号泣。本当に暑苦しい。 下に落ちている赤ゆを摘みあげれいむに見せる。 驚愕の眼差しの後、「ひどいことするにんげんはゆっくりしねっ!」と喚きだす。 ただ拾っただけだっつーの。 「れいむ口開けて。」 「ゆっ!そうだねっ!れいむのおくちのなかにゆっくりかくれてねっ! やばんなにんげんさんはゆっくりできないよっ!」 赤ゆ達を放り込む。 勝ち誇った顔がまたムカツク。何も好転してねーよ。 「おちびちゃんたちをきずつけた いしゃりょうをせいきゅうするよ!」 チラチラと手に下げた袋を見ながら催促をして来る。 口に赤ゆ詰め込んで流暢に喋るその無駄な技術。何げに凄くね? 「はいはい。わかりましたー。」 「なかなかいいこころがけだよっ!」 戯れにパックのジュースを飲ませてみた。れいむは至福の顔でとろけている。 普段口に出来ない甘みに感動しているようだ。 ゴックンと喉?を大きく鳴らす。 「もっといしゃりょうをちょうだいねっ!こんなんじゃたりないよっ!」 大口を開けて追加を要求する。 そこで先程放り込んだ物体が無いことに気づいた。 「……赤ゆは?」 「ゆゆっ?」 口を閉じて、もごもごと動かした後、れいむは固まった。 信じられない…。と言う顔をして、また口中を舌で探る。 いや、居ないから。明らかにお前が飲んだから。 「うっ!うわぁぁぁぁぁぁぁっ゛!!?あかちゃんがぁぁぁっ!」 「あーあ。お前アホだろ?」 「じゅーすをいっぱいおぐぢにいれるからでしょぉぉぉっ゛!?」 また言いがかりですか。 もう付き合いきれん。というか暑いからそろそろ帰りたい。 「ゆっくりはんせいしたなら れいむをひろってかわいがってねっ!? いっぱいかわいいあかちゃんうんであげるよっ!かんしゃしてねっ!?」 自信に満ち溢れた声を張り上げる。 可愛いからジュースを貰えたし、ゆっくりプレイスにも連れて行ってくれる。 お嫁さんといっぱいすっきり~っ!してあかちゃんを作るよっ! 都合の良い妄想で未来を作り出している最中に、人間の手がゆっくり迫ってきた。 それを見てれいむは最高の笑顔で声を張り上げる。 「れいむをゆっくりさせてねっ!にんげんさん!」 薄暗い穴の底で蠢く物体が二つ。 ゆっくり出来る環境では無い事は確かである。 臭い,狭すぎる,暑い。まさに地獄。 「ぐぞにんげん!れいぶをおどしだなーーーーっ!?」 油断していたれいむはあっさり落ちた。 箱の中で運悪く逆さまに落ちて身動きが取れなくなっている。 「ゆ゛ーーっ!ぜっだいゆるざないよーーーっ!!」 マヌケな姿で強気に吼える。 体を震えさせ起き上がろうと試みるが、スペースが狭すぎて思うようにいかない。 そこで不安からちょっと弱腰になってしまい、 「いまたすけてくれたらゆっくりゆるしてあげるよっ!」 あっさり和平交渉に入った。 「きこえてるんでしょぉぉぉぉっ!おみみがわるいのっ!?」 『…ユッ』 「かわいいれいむがこまってるんだよっ!ばかなのっ!?」 『ユフッ。コフーッ!』 「しぬのっ!?……ゆっ!?じゃましないでねっ!せなかがあついよっ!」 れいむは背中に熱い風がかかるのが気になった。 人間さんを説教してる時に邪魔するなんてゆっくりできないよ! さらに声を張り上げて話を続けようとした時、 『アマアマッ!イタダキマァァァスッ!』 後頭部に鋭い痛みが走った。 次は頬っぺたが引っ張られる感触。 そしてブチブチと千切れて何かの口に収まる。 「いだいーーー~っ゛!どぼじでっほっべざんがいだいのっ゛!?」 髪ともみあげが無理矢理毟られ 頬からは餡子がボタボタと床に落ちる おりぼんが軽快な音を立てて砕けた 硬い物がれいむの体を削り取っていく 『ウッメッ!メッチャウメーーー~ッ!!』 「やべでーーっ!?ゆっぐぢでぎない゛ぃぃぃぃっ゛!!」 許しを願っても全く辞める気配を感じない。 自分の餡子が急激に減っている事が嫌でもわかる。 このままではれいむが死んじゃう! にんげんさんっ!にんげんさんっ!おねがいっ! 「にんげんざん゛っ!だずげでっ!れいぶだべられぢゃうよっ!」 『ムーシャ!ムーシャッ!!』 「おでがいだがらっ!ゆっぐぢざぜでーー~っ!?」 『ウンメッ!マジパネェッ!!』 「うっ゛ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁ!?」 このゴミ箱は水流式ではない。 コンビニでは回収作業が定期的に行われるので、投下式を設置していた。 この最新のゴミ箱は、転倒防止機能と這い上がりが出来ない構造に作られている。 回収作業を容易に行える様に、箱の底には棘状の突起物は無い。 その為、生きたまま投入されるゆっくり達は、そのまま底で生存する確率が高い。 餌の代わりに他のゆっくりを共食いして、生き残るのも珍しい事ではなかった。 そして、れいむはゴミ箱に居た主の糧となり死んだ。 食われる少し前にジュースを大量に飲んだ為なのか、 生命維持活動が活発になってしまい、なかなか絶命する事が出来なかった。 どこまでも不幸なれいむである。 「やっぱり野良は可愛く無いな。」 残りのジュースを飲みながら結論を述べた。 あの自信満々な声で喚いているのを聞いていたら、いつの間にか突き落としていた。 野良は人をイライラさせる何かがある。 やっぱり躾が行き届いて可愛いゆっくりの方が良い。 「そのあまあまをまりさによこすんだぜっ!」 「まりさっ!かっこいいっ!」 「ぴゃぴゃ!ぎゃんばれっ!」 「いちゃいめみりゅまえに こうちゃんしてにぇっ!」 とか思ってるとまた野良ゆっくりだよ。 全然ゆっくりできない。 「さっさと…」 「はいはい。ゆっくりゆっくりーっ。」 ポイポイと捨てる。 手際のよさに呆気を取られ、親達は何の反応も見せずゴミ箱の中へと消えた。 「…ぴゃぴゃとみゃみゃがぁー~っ!?」 「うぅ?にゃんでぇぇぇぇっ゛!?」 煩く騒ぐ赤ゆも例外なく放り込む。 片方の赤ゆを放り込んだ所で、残りの1匹が、 「…お、おにいしゃんのこじょもになりゅよ!」 早い、早いよ!裏切りが。 この赤ゆは優秀だ。生き残る術を知っている。 「ゆゆー~ん!きゃわいく…。」 でも残念ながらゴミ箱にIN! 汚いし可愛くも無い。それに簡単に家族見捨てるのは良くないよ? みんなに会わせてやるから謝ってきな。 片道キップでの送迎になっちゃったけどね。 ……すっごくガタガタ揺れてるよ。喧嘩でもしてるのか? まぁ、なにはともあれゆっくり仲良くしていってねーっ。 家族の幸せを適当に願いつつ帰宅する事にした。 「ゆあっ゛!?ゆっぐぢやべでっ!まりざはづよいんだよっ! あ゛ぁー~っ゛!?」 「れいぶはおいじぐないよっ!だべるならおちびぢゃんをたべてねっ!?」 「「ぢょぼじでじょんなごぢょいうにょー~っ゛!?」」 『ムーシャ!ムーシャッ!シッ…シアワセーーー~ッ!!!』 「「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ゛!?」」 食欲旺盛にモリモリと食らう。 親ゆの大半を食らった後、隅に逃げた赤ゆを追い詰めていく。 「りぇいむはおいちくにゃいよ!おにぇちゃんのほうがおいちいよ!」 「いみょうとのほうがまろやきゃでおいちいよ!だきゃら……ゆびゃぁ!?」 「ゆっふゅふゅ!れぇいみゅはえりゃばれたんだにぇ!しゅーりりゅーりすゆよ! ゆ…?おくちしゃんあけてにゃにするの?」 一口で絶命した。……ら幸せだったのに。 紙一重で生きていたが擦れ声を上げたのは大失敗。再度大きな口が迫ってくる。 もう一度容赦なく噛まれる恐怖を味わいながら、赤ゆは天に召された。 租借しながら狂ったように歓喜の声を上げ続ける主。 環境のストレスから食べる欲求のみが色濃く表面化して、完全に壊れていた。 この主も夕方の回収を待たずに死ぬだろう。今からまだまだ暑くなる。 じっくり蒸されてこの世にお別れをするのは時間の問題だ。 ひと時の幸せを求めて哀れな主は腹に同胞を詰めていく。 帰り道の途中で路上に転がる、ゆっくり家族の変り果てた姿が視界に入った。 (さっきのが餌を狩った後に戻ろうとして轢かれた。のかな?) ゆっくりの固体判別は難しい。 外見個性が乏しすぎる。 そこに加えて現状はただの餡子の塊が数箇所に点在するのみ、 詳細な判別はほぼ不可能。 「こういうのは誰が片付けるんだろ?」 疑問を呟きながら、塊を避けるのは対向車が接近してる為にちょっと厳しいと判断する。 洗車を覚悟しながら、愛車で餡子に新しい轍を刻み込み走り去った。 終 「れいむとまほうのいた」 「金バッチ品質保障証」 「まりさは優秀な劇団員」 「ぬし」 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/noharahiroki/pages/54.html
ここでは、僕がちびちゃとでよく会う「常連さん」、僕がよく喋る仲間を紹介しますww 天翔 4ee4b085e165a6629399bf07bf9c933a.jpg 備考 最近友だちになった、喧嘩を売られると人が変わったように 口調がかわる、ほかの喧嘩師からみるとまぁまぁ喧嘩は強い。(僕から見るとです・・・) 一樹 383136cb4e0d7da8e9edb7c77ac93ca0.jpg 備考 昼から夕方にかけて出没する。1ヶ月前ぐらいに友達になった どちらかといえば平和軍(でもたまに死ねなどという言葉を使う) 新生愛上尾 ca16a48e8f399a4b70cf5a60f583ae50.jpg 備考 ちびちゃとにいくとよく見かけるこちらから見ると 常連だと思う・・・たぶんそうだと思います、タイピング結構早いです。 ERISU 936e2a4450cf956ecd56defaa38944b8.jpg 備考 ちびちゃとはもちろんもなちゃとでも有名な喧嘩師です、ちなみに僕のリア友です 昼ごろからちびちゃとにいます!タイピング糞早いです!! 最近るんと@ちくわさんの運動会に潜入したりしてるそうです・・・ 春 5c0a845e4c7f1f0910479ae508a21c1e.jpg 備考 ちびちゃとの常連さん、昼ごろに良く見かけるタイピングはまぁまぁ早い 僕と良く喋りますww!バスケを習っているらしいんですね! るんと@ちくわ runto1214?cmd=upload act=open pageid=2 file=tikuwa.jpg 備考 最近skypeでもちびちゃとでも見かけないですね ERISUがたまに運動会とかに潜入捜査しているようです・・・ 注・ss無許可です(笑)