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「ゆ、唯先輩…ですよね…?」 「?」 こんにちは、毎度お馴染み中野梓です。突然ですが大変です。唯先輩が幼児になってしまいました! 「……」ジーッ 「え、えっと…」 「だっこ!」ギューッ 「うぇっ!?あっ、ちょ…あぶな…」 「おねえちゃーん♪」 か…かわいい。何がどうしてどういうわけでこうなったのかはわからないけど、とにかくかわいい! 熱を帯びたかのように赤く染まったほっぺはぷにぷにで、いつも以上に積極的に抱きついてくるその体は折れてしまいそうなくらいに華奢でやわらかくて。 何よりも、その笑顔が私の心をきゅんきゅんと惑わせるのだ! 「ま、まぁ、しばらくはこうしててもいいよね。山で迷ったら下手に動くよりじっとしてた方がいいらしいし。…あ、山は関係ないか…」 「ねぇねぇおねえちゃん!」 「は、はい?」 「わたしね、ゆいっていうんだよ。おねえちゃんは?」 「え?私は梓ですけど…名前忘れちゃったんですか唯せ…」 いや待てよ?こんなちっちゃな子に敬語使ったり先輩付けで呼ぶのっておかしいよね。 ここは自然に、自然に… 「わ、私はね、梓っていうんだよ、ゆ…唯…ちゃん!」 「あ、あず…あ、あ…あずにゃん!」 「あら…」 よほど私のあだ名が体に染み付いているのか、ちび唯先輩は何度教えても私をあずにゃんと呼んだ。 まぁ嫌いな呼び方ってわけじゃないし、いいんだけど。…かわいいし。 「あずにゃん、わたしおなかすいた!」 「あ、確かムギ先輩が持ってきてたクッキーがここに…あった!はい、食べていいよ」 「わーい!いただきます♪サクッ」 「どう、おいしい?」 「うん♪おいしいからあずにゃんにもあげる!はい、あーん!」 「あ、ありがとう…あーん」 「おいしい?」 「うん…おいしいね♪」 「ねー♪」 なんだか、妹ができたみたいな感じ…えへへ、こういうのなんかいいかも。 「あずにゃん?」 「ん?もっと食べたい?」 「ちゅっ♪」 「んにゃっ…!な、な…?」 「えへへ♪しってるあずにゃん?だいすきなひとにはね、ちゅーするんだよ♪」 「え…だ、だいすきって…私を?」 「うん♪わたし、あずにゃんだいすきっ!」 「そ…そっか。私も…だいすきだよ、唯ちゃん」 「じゃありょーおもいだ!これでけっこんできるね!」 「けっ…!?」 「わたしおおきくなったら、あずにゃんのおよめさんになる!」 「あ…あはは、ありがと…///」 な、なにどぎまぎしてんだろ私。相手はこんな小さな唯先輩なのに。…いや、唯先輩だからなのかな…? 「じゃあもいっかいちゅーしよ?ちかいちゅー!」 「誓いのキスだね。…わ、わかった」 「せんせーい!わたし、ゆいは!」 「宣誓はちょっと違うような気もするけど…ま、いっか」 「あずにゃんのことを、いっしょうしあわせにすることをちかいます!あずにゃんはちかいますか?」 「ち…ちかいます」 「じゃあちゅーします!ちゅー♪」 「…///」 「ふぅ!あれ、あずにゃんまっかだよ?」 「あ、あったかいからだよ。あはは」 や、やば。本当にドキドキして、幸せな気分だ… 小さい唯先輩でこんなだったら、元の姿だったら…って、な、なに真面目に考えてんだわたし!? 「あずにゃーん♪」 「あはは…まぁなんでもいっか♪唯ちゃんは大きくてもちっちゃくてもあったかいんだから♪」 おしまい テンポいいし面白い -- (鯖猫) 2012-10-26 06 47 23 いいね。 ここでキスシーンを三人が目撃! -- (あずにゃんラブ) 2013-03-07 01 24 30 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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※ハッピーエンドです、ゆっくり達は幸せです。 ※むきゅむきゅうるせぇ 超ぷくーっ! ある日ドスの側近であるぱちゅりーとちぇんの間に一匹のゆっくりが爆誕しました。 どこにでもある幸せな夫婦の、どこにでもある幸せな子供。 「むぎゅうううううう、なんなのごのごはぁぁぁぁぁ!!」 「わがらないよぉおおおおおお!!」 「おかあさんたち、ゆっくりしていってね!」 ただ一つ、赤ちゃんは胴付だったのです! しかしぱちゅりーにしてみればカスタードを痛めて産んだ、可愛い可愛い子供です。 変な子だからとすぐに育児放棄をするつもりはありませんでした。 ちぇんは元々の楽観思考と持ち前のポチティブさであまり気にしていませんでした。 「あかちゃんは虫さんを食べれないみたいだから、果物を用意してね!」 「わかったよー!」 「あかちゃんは草さんを食べれないみたいだから、キノコさんを用意してね!」 「わかったよー!」 ゆっくりにとっては豪華すぎる食事でしたが、それしか食べれないのでしょうがありません。 どうやら胴付ゆっくりは、食べられる物に限りがあるようです。 胴の部分が影響しているのでしょうか? ちぇんは毎日苦労の連続でしたが、愛するぱちゅりーと可愛い子供のために心血を注いで狩りを行いました。 「あいつのいえにいるぱちゅりー、へんなからだできもいんだぜ!!」 「あんなきもちわるいゆっくり、ぜんぜんゆっくりできないよ!」 「ここはまりささまがあのくずをたたきのめすんだぜ!」 しかし群にはそんな胴付を容認しない危険分子がいました。 もちろん彼女達は典型的なゆっくりで、胴付や異形のゆっくりはゆっくりできないと言ったいつもの理由です。 「どす!もうげんかいだぜ!あのきもいゆっくりをえいえんにゆっくりさせるんだぜ!」 「ゆゆゆっ!まりさ、そんなゆっくりできない事はだめだよ!おきゅうをすえるよ!」 温和な性格で有名なドスまりさですが、そこはやっぱりドスまりさ。 毎日グータラなまりさが勝てるはずもありません。 「ゆぎゃぁぁぁ、ばりざのあんござんがぁぁぁぁぁぁ!!」 「あかちゃんに手を出すまりさはとっとと帰ってね!次はないと思ってね!」 「ゆひぃー!」 こうして両親の愛情、ドスの献身的な護衛、美味しいごはんを食べているうちに、胴付ぱちゅりーは立派な成体(?)へと成長しました。 「むきゅ、ちょっと疲れたわ」 「おかあさん大丈夫?」 ぱちゅりーとドスは毎日の仕事とゲス対策が原因か、もうすっかり年寄りゆっくりになってしまいました。 父方のちぇんも狩りの激務で身体はボロボロです。 それでも両親とドス、そして胴付ぱちゅりーは幸せに暮らしていました。 しかし 「ゆっはっはっはっは、ついにまりささまがりーだーになるひがきたんだぜ!」 あの時のゲスまりさが攻めて来たのです。 前回の反省を活かし、水面下でゲス仲間の数を増やしつつ、ドスが弱るのをずっと待っていました。 しかも今回はみょん種から奪ったはくろーけんで武装までしています。 さすがゲス、変なところで賢い。 「むきゅ、またあのバカまりさよ……」 「最近は大人しくしていると思ったのに」 「かずもいっぱいいるんだねー、わかるよー」 「むきゅ!でも負けるわけにはいかないわ!おちびちゃんのためにも戦うわよ!」 ぱちゅりーとちぇん、そしてドスの親衛隊も早速応戦体勢に入ります。 ですがゆっくりちるのでもわかりそうなくらい劣勢です。 そんな時、ドスが叫びました。 「ゆっくり待ってね!、ここはドスが出るよ!」 「むきゅ!ぱっちぇも行くわ!」 「ちぇんもいくんだよー!」 「だ、だめだよ、これはどすのお仕事……」 「むっきゅん、今までドスにはおちびちゃんの事で散々助けてもらったわ、今度は私達が恩返しをする番よ!」 そう言って三匹はゲスまりさ達の前に立ち塞がります。 「老いても枯れてもこのドス、まりさたちのようなゲスには負けないよ!」 「ゆっふっふ、ただのおでぶがよくほえるぜ……みんな、ゆっくりいくぜ!」 「「「「ゆー!」」」」 「ゆ、ゆひぃー…ゆひぃー……」 「ゆっゆっゆっゆっゆっ、なかなかしぶとかったんだぜ?」 結果を見れば惨敗でした。 何だかんだで老いて枯れている身、もう老体のドスまりさにはどすぱーくを撃つ力もなく、ただデカイだけのゆっくりには体当たりしか手段はありません。 そして年老いたドスには体当たりする余力もなく、ただただ皮と餡子を削られる戦いです。 「はくろーけんなんだぜぇ!」 「ゆぎぃぃぃ!」 今もまりさのはくろーけんがドスの横っ腹を削り取ります。 「こ、これ以上好きにはさせ……ごふっ、ごふっ!」 「ゆっはっはっはっは、なにもしなくてもたおれてる、さすがぱちゅりーなんだぜ!」 開戦早々瀕死の状態が続くぱちゅりー 「わかる……ゆぎゃぁぁぁぁ!」 「ちぇんもこうなったらかたなしだね!」 傷つき衰えたちぇんは、若かりし頃の栄光も見る影なく、れいむにすら翻弄される始末。 「お、おちびちゃん……」 「おかーさん!」 「む、むきゅう……良く聞きなさい、そこの岩をどけると通路があるわ、おちびちゃんでもギリギリ通る事のできるサイズよ……そこから逃げなさい!」 「そんな、おかーさんを置いていけないわ!」 「おちびちゃん!森の賢者は我侭を言わないのよ!」 ぱちゅりーが一括すると胴付ぱちゅは萎縮してしまいました。 しかしそんな状況をゲスまりさが見逃すはずがありません。 「ゆっひゃっひゃっひゃ、このまりささまがみのがすとおもってるのぜ?おまえたちはいちゆっくりのこらずみなごろしなんだぜ!」 「そうはさせないよ!ぷくーっ!!」 剣を構えるまりさに対して、ドスは可能な限りの威嚇、ぷくーっ!を行いました。 ここは狭い洞窟です、ドスがぷくーっ!をする事で通路はゆっくり1匹程度の隙間しかありません。 「おでぶがびっくおでぶになってもじゃくてんまるみえじゃいみがないんだぜぇ!」 「ぷくーっ!?」 ゲスまりさ達は一斉にドスのまむまむに向けてはくろーけんを突き刺しました。 ドスになってからは使わなかったとは言え、そこはゆっくりに取って最大の弱点であるまむまむ。 そこに数十本の棒を突き刺されてた堪ったものではありません。 「ぷひゅるるるー…ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!」 「ゆっひょっひょ、いいこえでなくんだぜ、ぐりぐりしちゃうんだぜ!」 「ゆぎぃぃぃぃぃ、やべでぇぇぇぇぇぇ!」 この絶叫には通路から逃げようとしていた取り巻きや胴付ぱっちぇも動きを止めざるを得ませんでした。 「わかるよ、ドスをたすけるんだねー!」 「今行くわ!」 ドスの危機に二匹のゆっくりも立ち向かいますが、いかんせんやはり老体。 すぐに取り押さえられてしまいました。 「ゆふふふふ、としよりをいじめるのはきぶんがいいんだぜ、おまえたちもぐりぐりしちゃうんだぜ!」 「むぎょおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「わがらないよぉおおおおおおおおおおおお!」 あるものはぱちゅりーの頬に剣を押し込み、またあるものはちぇんのしっぽを踏み潰しました。 ドスへの責苦も収まる気配がありません。 「ゆぎぃ……ぱ、ぱちゅりーのおちびちゃん……はやくにげ…ゆがぁぁぁぁぁぁ!」 「うるさいんだぜ、ぐりぐりをぱわーあっぷするんだぜ!」 もうドスのまむまむは棒が根元まで刺さっていました。 ぷくーっ!もできなくなり、白目を向いて餡子を吐いています。 するとその隙間をぬって、胴ぱちぇがゲスまりさ達の前にやってきました。 「ど、ドスを……おかーさんたちをいじめないでぇぇぇぇ!」 「お……おち……び……」 「おお、こわいこわいだぜ、こわすぎてしーしーをもらしちゃうぜ!」 そう言うとゲスまりさはドスと両親に向けてしーしーをかけました。 これは飾りや赤ちゃんを馬鹿にされるのと同等の、ゆっくりにとって最大の屈辱です。 「む、むぎゅうううう!」 「へっ、こんなぷくーっ!もできないおちびちゃんなんてあいてじゃないんだぜ!ぷくーっ!」 まりさは胴ぱちぇに向けてぷくーっ!をしました。 「ひぃッ!!」 究極の威嚇方法にして、幼いゆっくりにとっては恐怖以外の何物でもないぷくーっ! 温室で育ち、暴力とは無縁の世界に育った胴ぱちぇにとって、このぷくーっ!は初めて見る恐怖です。 「ゆっひゃっひゃ、あのおびえかた!」 「きっとりーだーのぷくーっ!がこわくてしーしーもらしそうだぜ!」 「きもちわるいやつだけど、まりさたちのすっきりーっ!あいてにしてやるぜ!」 「ぷひゅるるるー……ふぅ、どうだったんだぜ、まりさのぷくーっ!は……きもちのわるいおちびちゃんにはとてもむりなんだぜ、ゆっへっへ」 「ううっ……」 今にも泣き出しそうな胴ぱちぇと笑いの止まらないまりさ。 胴ぱちぇが塞ぎこんで怯えているうちに、まりさはどんどんと間合いを縮めていきます。 「さぁて、ぷくーっ!もできないおちびちゃんは、どすやぱちゅりーもろともまりさたちのすっきりーっ!あいてになってもらうぜ!」 「おお、りーだーげてものぐい」 「う、うるさいんだぜ、おまえもさっきすっきりーっ!したいっていってたんだぜ!?」 「で、できるもん…」 「ゆあん?」 「ぱっちぇにだってぷくーっ!くらいできるもん!」 「ぷっ……ゆっひゃっひゃっひゃっひゃ」 「げらげらげらげらげら」 「おお、こわいこわい(笑)」 「『パッチェニダッテプクーッ!クライデキルモン!』だぜ!!」 馬鹿笑いするゆっくりたちを背に、ゲスまりさが胴ぱちぇの前に立ちました。 「おもしろいんだぜ、じゃあぷくーっ!してみるんだぜぇ?」 「むぎゅ、お、おち……びちゃん……むりしないで……はやくにげ……」 「おかーさん……うっ……うう……ぷ……ぷくーっ!」 さて皆さんはゆっくりのぷくーっ!についてご存知でしょうか? ゆっくりは基本的に戦いを好みません。 そこでできるだけ戦闘を避けるために、自然界らしく『威嚇』を行います。 この威嚇は他の動物と同じく、自分の体を大きくする事で相手より自分が強いと思わせ、戦闘を回避します。 この時ゆっくりの体が大きくなるのは空気を取り込むのと、体内の餡子(もしくはカスタードなど)を膨張させます。 次にゆっくりが膨らませる体ですが、これはそのまま体を大きくします。 ゆっくりがぷくーっ!するとよく人間は『顔だけ大きくしてどうするんだ』と馬鹿にしますが、これは間違いです。 ゆっくりは顔だけ大きくしているのではなく、体全体を膨らませています。 ただ一般的なゆっくりを構成するパーツは顔しかないために、人間からは『顔を大きくしている』と思ってしまうわけです。 「ぷくーーーーーーー!」 「おお、ひょろいひょろい」 「これはかわいいぷくーっ!なんだぜ!」 胴ぱちぇは顔を真っ赤にして懸命に頬を膨らませています。 幼女体型の胴付ゆっくりが頬を膨らませる姿は、見る人が見れば萌えかもしれませんが、ゆっくり的にみれば大した変化ではありません。 「ぷくーっ!」 「おいおい、おかおがはじけちゃうんだぜ!」 「「「「「げらげらげらげらげら」」」」 大笑いするゲス達の声を引き裂くように、ぱちゅりーが叫びました。 「お……おちびちゃん!」 「ぷくーっ!?」 「ぷくーっ!は空気さんを取り込むだけじゃダメよ、おちびちゃんのお顔に、あんよに、身体全てに!おちびちゃんの気持ちを流し込むのよ!」 「(おかーさん……わかったよ!)ぶぐぅぅうううううううううううう!!」 刹那、胴ぱちぇが大きく膨らんだと同時に洞窟内を暴風が吹き荒れました。 舞い上がる砂埃の中で、胴ぱちぇのシルエットだけが浮かびます。 「お……おちび……ちゃん……?」 「げほっげほっ…ぱちゅりーのおちびちゃん?」 「むきゅっ!?お、おちびちゃんなの!?」 「あ、あれは!!わかるよー!」 「しっているの、ちぇん!?」 「ち、ちぇんはいちどだけみたことがあるよー……ゆっくりしていないおにーさんがらんしゃまたちをいじめていたときにあらわれたきゅーせーしゅさん……」 「むきゅ!?そ、それってでんせつの……」 「「「「まっちょりー!!」」」」 砂埃が収まるとそこには筋骨隆々、ムキムキマッチョの胴ぱちぇがいました。 「ゆ、ゆゆゆゆゆゆ!なんなんだぜぇぇぇぇぇ!!?」 「よくもおかーさんをいじめてくれたわね!このお礼は数倍にしてお返ししてあげるわ!」 「ゆびょっ!」 そう言うと胴ぱちぇは拳を振りかざし、ゲスまりさの顔面へと直撃させました。 ミシミシっと音が鳴り、まりさの歯は全て折れて吹き飛びます。 「むきゅ、次は貴方達の番ね?」 「「「「ゆ、ゆー!?」」」」 「ゆぶわっ!」 あるまりさは胴ぱちぇのトゥーキックが貫通し、苦悶の表情かどうかもわからないような状態になりました。 「ゆ、ゆっくりやべ……ふがっ……ゆびっ!?」 あるありすは口の中に手を突っ込まれ、上顎と下顎で分割させられました。 「ち、ちぼ!?」「わがらなべっ!?」 あるみょんとちぇんは重ねるように圧殺され、チョコレートの重ねがけのようになりました。 「ゆぅ…たたたたたたたたたたたたたたたた、ゆあったぁ!」 「ゆびべべべべべぶぎょ!」 あるれいむは胴ぱちぇがその場で考えた『ゆっくり百烈拳』によって百叩きの目に合いましたが、そもそもゆっくりの耐久度では6発目で汚い花火になりました。 胴ぱちぇもゆっくりなので、特に虐待する意思はありませんが、今までの恨みからか、ゲスまりさ達は無用な苦痛の後に全て爆散していきました。 そして最後に残ったリーダーのゲスまりさも…… 「ゆ、ゆっくりやべぶんだぜ!」 歯がないためか、まともな発音をできていません。 「むきゅっ、むきゅっ、まりさ……あなた、ぱっちぇですっきりーっ!したいって言ってたわよね?」 「ゆゆゆっ!?」 すると胴ぱちぇは股間からぺにぺに……いえ、これはもう男性器と言うべきでしょうか? その立派なものをぶら下げました。 「むっきゅん!遠慮する事はないわ、ゆっくりしていってね!」 「ゆー……ゆー……ゆんやぁああああああああ!!!」 まっちょりー化で不必要にテンションが向上している胴ぱちぇは、そのぺにぺにもハイテンション。 ゲスまりさの末路は確定したと言っても過言ではないでしょう。 「むぎゅううううううっ!まりさの締め付け最高だわぁぁぁぁぁぁ!」 「………ゆっ………ユッ………っ………」 通常のゆっくりに対して、胴付のぺにぺにはまさに規格外、そんなぺにぺにを普通のゆっくりであるまりさが耐えられるはずありません。 最初の一刺しでまりさはよくわからない痙攣する饅頭となってしまいました。 「ゆっくりしていってねぇぇぇぇぇえええええ!」 「………っ………っ………っ………!」 こうしてドスの群に再び平和が訪れました。 それでなくとも老体だった両親とドスが受けたダメージは深刻でしたが、胴ぱちぇの懸命な治療(容易な食料の確保等)によりそれなりに回復しました。 ドスの行っていた業務の殆どを胴ぱちぇは引継ぎ、ゆっくりにはないその四肢を利用して、ドスの群をさらに繁栄させて行きます。 いつしかそこは一人の少女が守る良ゆっくりの群として人間達の噂になっていきました。 そんな胴ぱちぇを人間と思い、里の村長の息子が結婚を申し込んでの一波乱はまた別のお話です。 あとがき 色々あって胴付ぱちゅりーの話になりました。 胴付って人型だから虐待しようって発想がでない、なら対ゆっくり兵器として活躍させようと言うわけでこんな展開に。 胴付ってゆっくり寄りの人間って考えれば便利だけど、それならゆっくり好きの人間の子供とゲスゆっくりの戦いで良いわけだし。 難しいね。 うんすまない、胴ぱちぇがぷくーっ!をしたらまっちょりーになるって書きたかっただけなんだ。 書いた人 NFRP おまけーね 「わかるよー!」 「むきゅう、おとーさん待って!急ぐと危ないわよ!」 「わかるー…いたっ!」 「むきゅ、あらあら大丈夫?前を見ていないと危ないわよ」 「ごめんなさいだよー!」 「おとーさん大丈夫!?ん、貴方は……貴方も胴付ぱちゅりーなの?」 「むきゅう……むきゅ!こんなところでぱちぇと同じ力を持ったぱちゅりーに会えるなんて」 「な、なんのこと?」 「……隠しても無駄よ、ぷくーっ!をしてご覧なさい」 「しょ、初対面の人にぷくーっ!するなんて、森の賢者はそんな失礼な事しないわ!」 「むきゅ、じゃあぱちぇがするわね?」 「!!」 「あ、あれは、わかるよー!あのときらんしゃまたちをたすけてくれた……」 「まさかでんせつの!?」 このSSに感想をつける
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『マスタードを少しだけ2』 12KB いじめ 日常模様 野良ゆ 子ゆ ゲス 現代 独自設定 前回露骨過ぎると言われたので今回はかなりぼかしてみました ※俺設定注意 ※シリーズ「マスタードを少しだけ」 辛口の短かい話です。 ※作者は長月 ※社会風刺、政治批判、毒の効いた皮肉を含みます。実在の人物、団体とは関係ありません。 4th episode どこかで見た笑顔 「ゆゆっ!!やっとあけてくれたね!!」 何やら玄関のほうから音がするのでドアを開けたら一匹のぶくぶくに太ったゆっくりれいむがいた。 小汚くバッジもないので野良だと分かる。どうやらこいつがドアに体当たりしていたらしい。 「・・・・なんか用か?」 「れいむはめぐまれないおちびちゃんのためにこのみをささげるじあいっにみちたゆっくりなんだよ!!これをみてね!!」 そう言ってれいむは2匹の子ゆっくりを見せる。2匹ともガリガリにやせておりお飾りもない。 「おねがいでしゅ・・・まりしゃにごはんをめぐんでくだしゃい・・・」 「れいみゅきのうからなにもたべてないんでしゅ・・・」 「かわいそうでしょ?だからこのこたちにごはんさんをあげてね!!たくさんでいいよ!!」 ああ、なるほど。こいつ物乞いか。最近この手のゆっくりは多い。 どうせかわいそうなおちびちゃんの為なんて言ってるが実際に餌をやれば後で自分が食うつもりだろう。子ゆっくり達にはおこぼれ程度。でなければ野良がここまで太れるはずがない。 まぁこんなみえみえの手でも餡子で家の玄関を汚したくないから潰す人間は少ないし、庭先で喚かれるとわずらわしいからと餌をやる人間はかなりいる。 失敗してもせいぜい追い出されるだけ。 それにこのでいぶはともかく利用されている子ゆっくり達はかわいそうと思うものは多いだろう。 そう考えるとローリスクハイリターンの中々いい方法だ。ヘドが出るが。 「ゆゆ!!はやくしてね!!おちびちゃんがかわいそうでしょ!!」 ふてぶてしい表情で喚くれいむ。その顔が見ていて本当に腹が立つ。 それにしてもこの糞でいぶの顔どっかで見たことあるな。どこでだろう? 「なにしてるの!!?れいむはおなかをすかせたおちびちゃんのためにいそがしいんだよ!!ひるまっからごーろごろしてるにーとっのおにいさんとはちがうんだよ!!」 なおもれいむは口汚く喚き続けている。俺が平日の昼間家にいるのは別にニートだからではないのだが。 つーか良く今まで生きてこれたなこいつ。 まぁいい。そうまで言うなら見せてもらおうじゃないか。このれいむのじあいっ(笑)て奴を。 「ちよっと待ってろ・・・」 俺はある物を取りに行くため家に戻った。 1時間後 「ゆぎゃあああああああ!!!!やべてぇええええええ!!!!」 「おいおい。お前恵まれないお腹をすかせたおちびちゃんの為にその身を捧げるじあいっ(笑)に満ちたれいむ様なんだろ。だったら頑張ってその身を捧げてくれよ。うちのお腹をすかせたゆゆこ達の為にな。」 「いやだぁああああああ!!!そんなのむりぃいいいいいい!!!!」 そう泣き叫ぶれいむの下腹部にはたくさんの子ゆっくり達が群がっている。 「こぼにぇー。」 「うまいにょかー。」 「うー・・うみゃい・・・」 ちなみに全員捕食種だ。俺が育てた自慢のゆっくり達である。 そう俺はブリーダーお兄さん。平日の昼間にこうして家にいるのは断じてニートだからではないのだ。 あの後俺は家にラムネを取りに行きれいむに飲ませた。そして寝ている間に小汚い体を洗いあんよを焼いておいたのだ。 こうしてれいむはうちの捕食種子ゆっくりの生餌となった。 下のほうから少しずつ食べられていくれいむ。ぶくぶくに太ったこいつなら1週間は持つだろう。 「いだいいだいいだいいだいぃいいいいい!!!!!しんじゃう!!しんじゃうぅうううう!!!」 なんとか動かせる口から上を動かしぐねぐねと動き続ける。わさわさと動き続けるもみ上げと相まって公害レベルにうるさいしうざい。 「あーうるせぇな・・・ご近所から苦情が来るだろうが。」 俺はホッチキスを手に取るとれいむの口をパチンパチンと閉じる。ついでに目障りなもみ上げも切っておく。これでれいむにできるのは涙を流すことくらいになった。 えっ?こいつが連れてた子まりさ達はどこへいったかって? 子まりさ達は犠牲になったのだ・・・あそこにいる母体用ゆゆこの食欲の犠牲にな・・・ こうして万事一件落着したわけだがひとつすっきりしないことが残った。 「うーん・・・誰だったかなぁ・・・」 あのれいむが誰かに似てると思うのだがそれが思い出せないのだ。 いつまでも唸っていてもしょうがない。TVでも見よう。 俺はリモコンでテレビの電源を入れる。やっているのはニュースのようだ。 「ああ・・・こいつか。」 画面に映ったある人物を見て俺はやっと疑問が氷解する。 そいつはあのでいぶと同じ、偽善に満ちたいやらしい薄笑いを浮かべていた。 5th episode 本当のやさしさ 大学から帰る途中、商店街を歩いていたら路地裏からゆっくりありすとまりさが飛び出してきた。 「おねがいじますぅううううう!!!あでぃすのおちびちゃんたずけでくださいぃいいい!!!」 「おちびちゃんがおおけがしちゃったんですぅうううう!!!」 藁にもすがる思いといった感じで俺に助けを求める2匹。ふと路地裏を見れば子ありすが白目をむいて横たわっている。 「ゆ・・・いじゃい・・・いじゃいよ・・・」 恐らく通行人でも踏まれたのだろう。靴後がはっきりとその体についている。 既に泣き叫ぶ元気もなく、ただ断続的に痙攣し続けているだけだ。治療しなければ長くはないだろう。 「あでぃすたちはとかいはにあこがれてやまからきたんですぅううう・・でも・・・まちはぜんぜんゆっぐいできなくで・・・」 「たぐざんいたおちびちゃんたちもみんなしんじゃって、このこしかのこってないんですぅうううう!!!だから・・・だから・・・」 必死に懇願し続けるありす達。今は10月の末。多分町に妙な幻想抱いて山から降りてきたゆっくり達だろう。 クリームを吐きながら力なく泣き続ける子ありすのことがよっぽど大切と見える。 そんなありす達を無視し俺は子ありすを手に取り 「ゆ?たすけてくれるの?」 「ありがとうおにいさ・・・」 グチョ そのまま握りつぶした。そのまま子ありすだったものを路地裏のゴミ箱に投げ捨てる。 「ゆぁあああああ!!!!あでぃすのとかいはなおちびちゃんがぁあああああ!!!」 「どぼじでぇえええええ!!!どぼじでそんなひどいことするのぉおおお!!!」 「やかましいんだよ!!!このくそ饅頭どもが!!!」 「「ゆゆ!!」 いきなり怒鳴られ、いすくむ2匹。通りを歩いている通行人たちもなんだなんだとこっちを見ている。 ガスゥ 「ゆべ!!いだいぃいいいいい!!!!」 まだショックで動けないまりさに俺はサッカーボールキックをお見舞いしてやった。 「何が都会派だ!!人間様の領域に踏み込んでんじゃねえよ!!」 「まりざぁあああああ!!!どぼじで・・・どうぼじでそんなことするのぉおおおお!!!ありすたちなにもわるいことしてないでしょおおおおお!!!」 「何がどうしてだ!!手前らくそ饅頭どもは存在そのものが迷惑なんだよ!!とっとと町から出ていかねえともう一発食らわせるぞ!!」 「ゆ・・・ゆびぃいい・・・」 俺の剣幕に押され最早声も出ないありす達。まりさに至っては蹴られたショックもあってしーしーを漏らしてガタガタ震えている。 「ちよっと止めなさいよ!!!」 その時路地裏に俺達以外の声が響いた。 声の主は女性だ。スーツを着て年齢は20代半ばと言ったところか。 「いい年して弱いものいじめなんかして!!!貴方恥ずかしくないの!!」 見れば他の見物している連中も俺に対して非難めいた目をしている。下手すりゃ警察なりゆりんぴーすなりに通報されそうな雰囲気である。 これはこの場を離れたほうがよさそうだ。 俺はささるような視線を受けながらその場を後にした。 ありす達にはそのお姉さんが女神様に見えた。 とかいはに憧れ町へ降りてきたもの噂のようにあまあまも食べられず大きなおうちも手に入らず、人間さんはありす達を邪魔者あつかい。 しかも悪いお兄さんに見つかり最後のおちびちゃんまで殺され、つがいのまりさまで暴力をふるわれてしまう。 そんな不幸なありす達に現れた幸運の女神様。 「もう大丈夫よ。悪いお兄さんはいったから。」 そう言ってお姉さんはバッグの中からめろんぱんとかいうあまあまをくれた。 「「し・・しあわせー!!!」」 それは子供を全て失い意気消沈しているありす達を癒すのに十分な甘さだった。 つらいこともあったし怖い人間さんも多いけどこうして自分達をゆっくりさせてくれる人もいる。 町へ来て以来いいことなんて一つもなかったけどもう少しがんばってみようかな。 そうありすは思った。 「あいつら・・・もう駄目だろうな・・・」 俺は町の雑踏の中つぶやく。あいつらと言うのはもちろんあの2匹のゆっくり達の事だ。 言っておくが俺は虐待お兄さんでもなければ、弱いものをいたぶって憂さをはらすような人間でもない。 むしろ俺はあの2匹を救ってやりたかったのだ。たいしたことも出来ないくせに恩着せがましい言い方ではあるが。 あそこで子ありすを助けてやるのは簡単だった。 どこかそこらのスーパーやコンビニでオレンジジュースでも買ってきて子ありすにかけてやればいい。多少クリームを吐いて弱っていたようだがそれもついでに駄菓子でも買ってきて食べさせれば回復するだろう。 そうすれば俺は子ありすの命の恩人だ。それこそ世界を救った救世主のごとくあの2匹は感謝し、賛美するだろうし、俺も気分良く路地裏を後にできただろう。 しかし俺はあえてそれをしなかった。 それではあの2匹を救えないから。 それでは何も解決しないから。 もしあの子ありすを助ければあの2匹はこう思うだろう。 あのお兄さんはおちびちゃんを助けてくれた。優しい人間さんだ。 ゆっくりできない人間さんも多いけど、ゆっくりできる優しい人間さんもたくさんいて、困ったときには助けてくれる。 だから町はゆっくりできる所なんだ、と。 こうなるともうおしまいだ。ゆっくりは自分にとって都合のいい、ゆっくりできる記憶を優先して覚えるという習性がある。 仮にその後いかに俺が町は危険でゆっくりできない場所だと説明し、元いた山へ帰るよう説得しても「町はゆっくりできる」と記憶した2匹は帰ろうとしないだろう。 そしてそんな甘い考えのゆっくりが生き残れるほど野良の世界は甘くない。1週間と持たず、一家全員物言わぬ万頭になること確実だ。 それに町のルールが分からない2匹が畑あらしやおうち宣言してしまう可能性もある。そうなれば他人にも迷惑をかけることになるのだ。 だからこそ俺は心を鬼にして子ありすを握りつぶし、まりさ達に怒鳴りつけ、暴力もふるった。 町はゆっくりできない所と教えるため。 人間はゆっくりできない存在だと教えるために。 そうしなければあの2匹に「町はゆっくりできない。だから山に帰ろう」と思わせることができないからだ。 足手まといな子ゆっくりさえいなければ山へ帰ることも比較的容易になるだろうし、必要となる食料も少なくなるので今からでも冬ごもりの準備も可能になる。 子守をしていただろうありすとともに頑張ればなんとか成体2匹が冬ごもりできるくらいの量はどうにかなるだろう。 勿論それでも100%確実に生き残れるわけではないが、加工所や先住の野良ゆのいる町にいるより遥かに生存率は上がる。 だがそれも失敗だ。あの余計な正義感を出したOLのせいで。 どうせあの手の人間は飼いもしないくせに、その場限りの施しをして満足するタイプだろう。そんなことしても人間、ゆっくりどちらにも不幸な結末しか待ってないのに。 もうあのありす達が山へ戻ることはない。そして他の山を降りたゆっくり同様悲惨な末路を辿ることになることは馬鹿でもわかる。 優しさとは決して言われるまま乞われるまま施しを与えることではない。 時には鬼、悪魔と罵られ一生恨まれることになっても、それが相手のためなら憎まれ役をやることも必要なのだ。 「はっー・・・・」 吐くため息が白い。もうすぐ冬が来るからだろう。 俺は夕闇に包まれつつある町の雑踏をただ歩き続けた。 後書き 4th episode どこかで見た笑顔 あえて最後にTVに映った人物は書きません。皆さんのご想像にお任せします。 5th episode 本当のやさしさ 「夕暮れと信じる者の幸福」 「ゆっくりまりしゃと聖夜のシンデレラガール」に出てきた無責任系偽善お姉さん三度再登場。(わかり辛いですけど)時系列としては「夕暮れと信じる者の幸福」の1ヶ月ほど前になります。 ちなみに出てきたありすは「夕暮れと三日月」で死に掛けていたありすです。 面白かった、ゆっくりできた、と言う方は下のゆっくりできたよ!!ボタンを押していただければ幸いです。 ご意見、ご感想、ご要望は感想用掲示板(長月用スレ)でおねがいします。URLは下にある通りです。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/ 今まで書いた作品 anko259 ゆっくりちるのの生態(前編) anko268 選ばれしゆっくり anko279 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 anko292 ゆっくり見ていってね anko304 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 anko313 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い anko333 夢と現実のはざまで anko350 あるまりさの一生 anko385 ゆっくりを拾ってきた anko425 ゆっくり Change the World(出題編) anko448 ゆっくり Change the World(出題編2) anko484 ゆっくり Change the World(解答編) anko497 あるゆっくりできない2匹の一生 anko542 てんこがゆっくりするSSさん anko558 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ anko577「餡子ンペ09」ゆっくりを愛でてみた anko613「餡子ンペ09」れいむと幸せを呼ぶ金バッジ anko633「餡子ンペ09」としあき博士のれいぱーありす矯正計画 anko735「餡子ンペ09」あるてんこの一生 メスブタの群れ anko764「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(前編) anko791「餡子ンペ09」あるさなえの一生 ゆっくりは皆それぞれ(後編) anko932 誰も救われない話 anko1022 あるババ・・お姉さんの結婚 anko1057 もらうぞ anko1127 めすぶた祭り anko1224 あるちるのの一生 ずっと続いていく物語 anko1500 ある愛でお兄さんの午後 anko1530 「餡子ンぺ10春」どうして・・・ anko1629 「餡子ンぺ10春」ゆっくりというのは anko1638 とてもかわいそうなでいぶ anko1672 奇跡のドス anko1713 まりさときゃっしゅさん anko1775 ゆっくりしたおちびちゃん anko1836 希少種になる薬 anko1877 幸せまりさ一家 anko1898 となりにいるのは anko2000 最高のゆっくちプレイス anko2104 「餡子ンぺ10夏」代償 anko2116 「餡子ンぺ10夏」あるおりんの一生 わんわんおじいさんと一緒 anko2262 野良まりさと野良おじさん anko2308 どこへいったんだ anko2452 夕暮れと三日月 anko2687 夕暮れと信じる者の幸福 anko2747 ゆっくりまりしゃと聖夜のシンデレラガール anko2760 夕暮れと戻れないあの頃 anko2792 マスタードを少しだけ anko2830 しあわせーなてんこ
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やよいメール「かわいいそーです☆」 取得条件:高テンション時に取得 お仕事中だったらごめんなさいっ。やよいです。 家に帰る途中、通りすがりのおばさんたちに、囲まれちゃいましたっ! 「テレビで見たけど、娘みたいでかわいい」 って。び、ビックリしましたーっ!! その後、スーパーのお買い得情報とか色々教えてもらって、とっても楽しかったですっ。 やよいメール一覧に戻る トップページに戻る
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ゆっくりしたモノの義務 32KB 虐待 自業自得 差別・格差 家族崩壊 飼いゆ 野良ゆ ゲス 現代 愛護人間 汚い描写があるかも *四作目 *スマナイ、またシングルマザー虐めなんだ *でいぶ虐めのれいむ優遇 *心を圧し折ることに挑戦した結果です *今更ですが、「飼い」と「野良」の間に露骨すぎる差別描写がありますよ *肉まんシリーズのキャラがしゃしゃり出てきますが、大筋には無関係です。「ぱしたさん」にかける刻みパセリのようなもんだと思ってくださいな *最後に一つ。「ポールあき(仮)」ってどういうごどなのーーーー!!!? 「こんなまじゅいごはんしゃんにゃんて、たべられにゃいよ!!!」 「おかあしゃんは、ぐじゅぐじゅしにゃいで、きゃわいいれいみゅにおいしいあまあましゃんをもってきちぇね!!!」 ケヤキが整然と配置された美しい公園内の小奇麗なトイレの裏。 そこに転がっている小汚いダンボールのお家の中で、薄汚いお饅頭のおちびちゃんがお母さんを困らせていました。 お母さんでいぶにお姉ちゃんでいぶ、妹でいぶがそれぞれ一匹ずつの昔ながらのでいぶ一家です。 このお母さんでいぶには、とても悲しい過去――少なくとも彼女はそう信じているモノがありました。 あるとき、森で暮らしていたでいぶさんは、もっとゆっくりとした生活に憧れて街へと降りていきました。 まるで、誘蛾灯に集まる哀れな蛾のような生き物ですね。 慣れない街にもかかわらず、早々に立派な宮殿を見つけることができたでいぶさんは、そこを自分のお家にしました。 優しいでいぶさんは、そこに後からやって来たゆっくりしてない人間にも、この世で最も崇高で美しく、ゆっくりとした自分をゆっくりさせるという栄誉を与えてやりました。 それなのに人間は何を勘違いしたのか、でいぶさんに暴行を働いた上、立派な宮殿から追い出してしまったのです。 こうして「野良」という死亡フラグ80%超という身分に落ちてしまったでいぶさんでしたが、賢く優秀な彼女は、お風呂場のしつこいカビのようにしぶとく生き残りました。 しかし、悲劇のヒロインに襲い掛かる厄災というのは、止まることをしりません。 折角、つがいになってやったまりさは、すっきりするだけすっきりした後、にんっしんしたでいぶさんを残してどこぞに旅立ってしまったのです。 「ZA☆MA☆A!!! まりさよくやったよ!!! でも、苦しん苦しんで苦しみ抜いた後に死んでね!!!」と言わざるをえません。 怒り心頭のでいぶさんでしたが、お腹の子供に罪はないことに気がつきました。 それに自分の優秀な遺伝子を受け継いだ可愛い子供がいれば、きっと不幸な自分もゆっくりできるはずです。 そう考えたでいぶさんは、お母さんでいぶになることを決意したのです。 というか、そう考えた方が、よりいっそう悲劇のヒロインっぽい感じがすると思ったので、そう考えることにしました。 ところで、頭しかないのに怒り心頭ってどういうことでしょうね? キレやすいってことなのかな? ゆっくりしてないね~!! さて、可愛いおちびちゃんを育てることにしたお母さんでいぶでしたが、シングルマザーの子育ては、とっても大変です。 おちびちゃんは、腕白で我侭言い放題、周りに暮らすゆっくりはゲスばかりです。 誰も彼もがシングルマザーのお母さんでいぶを、ちっともゆっくりさせてくれません。 それでも、お母さんでいぶは頑張りました。 可愛いおちびちゃんのために、自分たちをゆっくりさせてくれないゲス共を制裁して、そいつらが独り占めにしていたお家や御飯さんを取り戻すことで今まで生きてきたのです。 しかし、それもついに限界の時が訪れてしまいました。 お母さんでいぶのグルメな舌を受け継いでしまった子でいぶちゃんたちは、今まで我慢して食べてきた割とおいしいゴミや比較的柔らかい雑草では我慢できなくなってしまったのです。 単に舌が肥えただけとも言います。 野生生物のくせに何様のつもりなのでしょうね? これには、お母さんでいぶも、ほとほと困り果ててしまいました。 上質なあまあまは、ゆっくりしていない人間が独り占めにしているので簡単には手に入らないのです。 うんうんと頭を悩ませるお母さんでいぶでしたが、目の前にいる子でいぶちゃんたちを見て会心の策を思いつきました。 「そうだよ!! かわいいおちびちゃんたちをみせてやれば、かいしんしたにんげんがあまあまをくれるはずだよ!!」 流石、稀代の策士、お母さんでいぶ! 紫陽花に集るナメクジのような生き物を見て、こんな発想が自然と出てくるなんて、人間ではまずありえません。 「ゆゆ! それはいいかんがえだにぇ!!」 「しゃしゅがおきゃあしゃんだよ!! きゃわいいれいみゅたちには、きゃんぎゃえつかないことをへいぜんとおもいつく!! そきょにしびれりゅ、あきょがれりゅぅ!!」 子でいぶちゃんたちも、穴だらけで、どこから突っ込んだらいいのか分からない完璧な計画に大賛成のようです。 うんうんのこびりついた尻をぶりん、ぶりんと振るって賛成の意を示しました。 「そうときまれば、さっそくにんげんがいるこうえんにいくよ!! おちびちゃんたち、ゆっくりしないで、ゆっくりついてきてね!!!」 何気に難しい注文を出しつつ、一家は公園に出発しました。 まあ、もとから公園の敷地内にいるんですけどね。 ぽいん、ぽいんと聞いてるだけで人を不快にさせる音を発てて跳ねること30分。 お家から500mも離れた広場に辿り着きました。 でいぶ一家が、ナスのような体を気持ち悪く伸ばして辺りを伺っていると、向こうから歩いてくる影が一つ。 早速、第一町人発見です。 それは、一匹の「ちぇん」ちゃんを連れた厳つい人間でした。 七つの傷が付いた胸を大胆にも露出したセクシーな革ジャンに鉄仮面、肩には痛そうなトゲトゲのついた肩当てをつけた、見るからにゆっくりしていない人間です。 その人間は、広場の真中に着くと連れてきたちぇんちゃんを地面に下ろして、なんと彼女と喧嘩を始めたのです。 衝撃で芝生が捲れ上がり、大地が割れ、自然石が砕け散り、至る所で火の柱が立ち上ります。 これには、お母さんでいぶも吃驚仰天、てんてこ舞いのぴーひゃらら、すってけてんのぽんぽこりんです。 糞の詰まった餡子脳な空気読めないでいぶちゃんたちですが、あの中に入っていったら、間違いなく死んでしまうということだけは、分かりました。 町人探しを再開します。 おっと、今度はベンチに座っている人間を発見しました。 20代前半といったところでしょうか。 ニコニコとした太陽の様な笑顔の絶えない、人間にしてはゆっくりとした雰囲気の青年です。 しかも、彼は、ベンチの脇に置いた袋から見たこともないあまあまさんを取り出して、美味しそうに食べているではありませんか。 なんという幸運なのでしょうか。 これは、あまあまを貰えと神が言っているに違いありません。 むしろ、でいぶこそ神だ。 でいぶちゃんたちは、そう確信しました。 しかし、油断は禁物です。 人間は、馬鹿で下等なゆっくりしていない野蛮な生き物ですが、力だけは強いのです。 宮殿から追い出された時も、お母さんでいぶの正論を無視して暴力を振るいました。 挙句の果てに、美しいお母さんでいぶを「ぺにぺにの皮以下のドサンピンが!!」と罵ったのです。 ドサンピンの意味は今も分かりませんが、お母さんでいぶは、あの日の屈辱を一生忘れるものかと固く心に誓ったものです。 そんな過去があるので、お母さんでいぶは慎重かつ大胆に完璧な計画を進めることにしました。 「ゆ!! そこのにんげん!! れいむたちは、おなかがすいてるんだよ!! しんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!! かわいいれいむのおちびちゃんをみせてあげるから、あまあまをよこしてね!!!!」 「ゆっきゅりしにゃいでね!! ぐずはきりゃいだよ!!!!」 「おれいに、きゃわいいれいみゅのうんうんたべちぇもいいきゃら、はやくしちぇにぇ!!!!」 完璧です。 最初に上から目線で話しかけることで、精神的に優位に立ち、自分たちが如何に気高(ry な存在であるかを相手に知らしめることができました。 しかも、高(ry なでいぶちゃんたちのうんうんを食べることを許すという寛大さまで示せています。 こんな素晴らしいでいぶちゃんたちに対するお兄さんの反応は、もちろん決まっています。 「ああ! もちろんだ!」 大成功! でいぶちゃんたちは、ぬめぬめとした得体の知れない液体を体中から噴出し、白痴のような顔で「んほぉぉぉぉ!!」と歓喜の雄叫びを上げました。 次に続く一言で一気に興奮冷めやるとも知らないで。 「ゆっくりしてないモノをゆっくりさせてやることこそが、世界で一番ゆっくりしているこの俺の義務だからな!!!!」 「「「ゆ?」」」 でいぶちゃんたちは、お兄さんの言っていることが理解できませんでした。 こいつは、いったいなにをいってるの? れいむたちがゆっくりしてないっていったの? ゆっくりしてないにんげんふぜいが。 「どうした? 遠慮することないぞ!! 何故なら俺は、この世で最も賢く、気高く、強く、そして何よりもゆっくりした者!!!! お前たちのようなゆっくりしてない野良にも平等にあまあまをやるから、安心して食べるといい!!!!」 お兄さんの気持ちのいい笑顔には、一点の曇りもありません。 本気と書いてホンキと読むくらいマジなようです。 「なにいっでるぐぞじじぃぃぃぃぃ!!! ゆっぐりじでないのはくそにんげんだろぉぉぉぉぉぉ!!!」 「しょうだよ!!! ふじゃけりゅにゃ!!!」 「れいみゅは、ちゅよんいだよ!! なめたこちょいってりゅと、ゆっきゅりできなくさしぇりゅよ!!!!」 ゆっくりにとって、ゆっくりしていないと言われることは、最も不名誉なこと。 しかも、それをゆっくりしていない人間から言われたのですから、でいぶちゃんたちの怒りも一入です。 偏食により歯並びが悪くなった黄ばんだ歯をギリギリと軋ませて、猛抗議しました。 「ははは!! 急に大きな声をだすなんて、やっぱり野良はゆっくりしていないな~!! もっと、この俺を見習ってゆっくりしてね!!!」 そんな怒りを露にするでいぶちゃんたちに対して、お兄さんはやはり清々しい笑顔で話しかけました。 しかも何気にまたゆっくりしてないと言い、さらには自分を見習えとまで言っています。 このお兄さんを再び怒鳴りつけたい衝動に駆られるお母さんでいぶでしたが、ここはグッと堪えました。 ここで、怒鳴ってしまえば相手の思う壷。 また、ゆっくりしていないと馬鹿にされてしまいます。 「ゆ、ぐ……! じ、じじいがゆっくりしたれいむたちより、ゆっくりできるわけないでしょ!? ばかなの!? しぬの!!?」 溢れる怒りを抑え込んで、何とか一矢報いることが出来ました。 この完璧な理論の前では、お兄さんは手も足も出ないはずです。 「ん? おまえこそ何言ってるんだ? ああ、そうか!!! ゆっくりしてない上に馬鹿なのかー!!! はっはーん、だから俺のゆっくりさが分からないのだなー!!!」 やっぱり駄目でした。 また、ゆっくりしてないと言われた上に、しかも今度は馬鹿という暴言も加わりました。 これには、堪忍袋の緒が切れたでいぶちゃんたちですが、お兄さんは先程よりもテンション上がっているようで、彼女たちに反論の暇すら与えてくれません。 「だが安心するといい!! 馬鹿でゆっくりしてないお前たちのために、この世で最も賢く、気高く、強く、そして何よりもゆっくりした俺が、いかに俺がゆっくりしているかを馬鹿でゆっくりしてないお前たちにも分かるように懇切丁寧に説明してやろう!!! なに、お礼なんて不要だ!! 何故な(ry」 ゆっくりした偉大なでいぶちゃんたちに対して、あまりにも無礼で身の程知らずなお兄さんの発言が降り注ぎます。 でいぶちゃんたちは、でっぷりとした体をびったん、びったんと地面に打ち付けて悔しがりますが、そんなことは一切合財無視して、お兄さんは一気にまくし立てます。 「馬鹿でゆっくりしてない」という冠詞が固定されてしまったようですが、どうでもいいことですね。 「よし!! そこの小っこいでいぶ!! 馬鹿なお前でもわかるように質問するから、ちゃんと答えるんだぞ!!? 馬鹿だから、わっかりませーんとかなしだぞー!! さー、聴くぞー!! 聴くぞー!! 『あまあまを食べたらゆっくりできるか!!?』 はい答える!!」 「ゆぅぅぅ!!? しょんにゃのあちゃりみゃえだよ!!! あと、れいみゅはれいみゅだよ!!! まちがえにゃいでね!!!」 答えを聞いたお兄さんは、「おお!! 馬鹿なでいぶでも、これくらいの受け応えはできるのか!」と感動の涙を本当に流しつつ、先程の袋からめっさ美味しそうなあまあまを取り出して、むーしゃ、むーしゃと食べ始めました。 何気に「でいぶ」を直す気は、ないようです。 「あむ、うっめ!! こんな風に、はむっ、俺は毎日、おいしいあまあまを腹いっぱい食べている!! はむっ、はむっ、これめっちゃうっめ!! だから、俺は毎日とてもゆっくりしているのだ!!!」 でいぶちゃんたちは、言葉に出来ない衝撃を受けました。 何となくお兄さんが無茶苦茶なことを言っているのは、でいぶちゃんたちにも分かります。 それでも、頬っぺたをパンパンにして、子供のようにあまあまを頬張るお兄さんを見ていると、どうしても彼がゆっくりしているように感じてしまうのです。 万事休すです。 このままでは、いつもゆっくりしていないと馬鹿にしていた人間を、ゆっくりしていると認めざるをえなくなってしまいます。 しかし、そこは優秀なお母さんでいぶ。 屁理屈に対して、即座に屁理屈をコネコネして対抗します。 「……!! ゆゆ!! にんげんがあまあまをいっぱいたべれるのは、ばかでおろかなにんげんが、かわいいれいむたちのあまあまをふとうにしょじして、ひとりじめにしてるからでしょ!!! それがわかったら、あまあまちょうだいね!!!」 ゆっふん!! とお母さんでいぶは、誇らしげなババア顔をしながら言い放ちました。 今度こそ手も足もでない完璧な論理展開です。 子でいぶちゃんたちもくっさいお口を痴呆のように開け放って、お母さんにドロドロとした羨望の眼差しを向けています。 でも残念ながら、手も足もないゆっくりと違って、お兄さんはれっきとした人間です。 しっかりと手も足も出ます。 というか、このお兄さんの場合は、意図せず勝手に出てしまいます。 「なにぃぃぃぃ!!? あまあまを独り占めにするなんて……。そいつは何て悪い人間なんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! だが、安心するといい!!! 何故な(ry お前たちのような馬鹿でゆっく(ry」 どうやら、振り出しに戻ってしまったようです。 おまけに馬鹿という修飾表現も、しっかり追加されてしまいました。 「ゆぎぎぎぎ……。わかったよ……。いちおくまんぽゆずって、じじいはゆっくりしてることにしてあげるよ!!! でも、れいむたちがゆっくりしてないっていうのは、ていせいしてね!!!」 「しょうだよ!! ていしぇいしちぇね!! 」 「きゃわいいれいみゅたちは、とっちぇもゆっきゅりしてりゅよ!!」 このままでは、埒が明かないと判断したでいぶちゃんたちは、眉間に物凄い皺を寄せて悔しがりつつ、一先ずお兄さんの意見を尊重してあげることにしました。 とは言っても、でいぶちゃんたちのようなゲスな餡子脳では、相手に譲るという高尚な考えを許容できる訳がありません。 つまり、事実上の敗北宣言です。 それでも、彼女たちには、譲れないモノがあります。 お兄さんの「ゆっくりしてないモノ」発言だけは、何としても撤回させなくては、ゆっくりの沽券に関わるのです。 「わはーはっはっはっはっは!!! ないない!! それはない!!!」 返ってきたのは、お兄さんの大爆笑でした。 どうやら、心の奥底からガチで笑っているようで、またしてもでいぶちゃんたちの喧しくがなりたてるだけの意見とも言えない意見を聞いてくれません。 そうして、ひとしきり笑い転げた後で、またまた一方的に意見を述べ始めました。 「だってそうだろ? お前たちがゆっくりした可愛いゆっくりなら、誰かの飼いゆっくりになってゆっくりしているはずだ!! 野良をやっているということは、不細工でゆっくりしてない証拠!! 現に俺は、お前たちを絶対に飼いたくないからな!!!」 そう、ゆっくりした可愛いいゆっくりは、引く手数多です。 特に、この町には、可愛いモノや美しいモノに目がない住人がいることもあって、可愛い野良ゆっくりというのは、それこそ数えるほどしかいないのです。 そういったことを噛み砕いて、餡子脳でも分かるようにお兄さんは説明してやりました。 それに対して、でいぶちゃんたちが向けるのは嘲りの笑い。 「おお、浅はか、浅はか!!」とでも言いたげな、ふてぶてしい不細工な馬鹿面です。 「だが、安心するといい!!! 何故ry」 「うるさいよ!! それはもういいからやめてね!!! それから、れいむさまのありがたいおはなしをゆっくりしないできいてね!!!」 お兄さんは、またゆっくりしてない長い口上を言おうとしていました。 しかも今度は、「不細工な」を追加して。 でもそれは、お母さんでいぶが咄嗟の判断で割り込んだことでキャンセルできました。 「ゆっふっふ、かたるにおちたとは、このことだね!!! かいゆっくりなんて、ゆっくりのはじさらしだよ!!! かとうな、くそにんげんのどれいになってゆっくりできるわけないでしょ!!? あと、れいむたちは、かわいいにきまってるよ!! じじいにみるめがないだけだよ!!!」 「しょうだよ!!! きゃいゆっきゅりにゃんて、ゆっきゅりできにゃいよ!!! きゃわいいれいみゅをにんげんごときがどれいにちようにゃんて、いっちょうこうねんはやいよ!!!」 「ぷんぷん、あんにゃゆっきゅりしてないゆっきゅりになるにゃんて、こっちからねがいしゃげだよ!!!」 今度こそ勝った。 でいぶちゃんたちは、思いました。 この世で最も優れた生き物としてのプライドを蹴って、人間の奴隷に甘んじているような奴らがゆっくりしている訳がないのです。 ただ、よく出てくるネタですが、光年は時間ではなくて距離です。 テンプレなネタを使ってぎょめんにぇ!! 「ん? じゃあ、お前たちは、飼いゆっくりをじっくりねっとり観察したことがあるのか!? いいな、いいな、俺も一日中飼いゆっくりを眺めて過ごしたいな!!」 「ゆっふん!! そんなのわざわざ、みるかちもないよ!!!」 明らかに、悪あがきなお兄さんの質問にお母さんでいぶは、自信満々に答えてあげました。 それを聞いて、お兄さんは「ははーはははー! なーんだ知ったかだったのかー!」と高笑いしました。 気持ちよくないのは、でいぶちゃんたちです。 さっきから、さんざん煮え湯を飲まされてきた相手です。 碌でもないことを言ってくるに違いありません。 そんな、でいぶちゃんたちの予想は、半分当りで、半分はずれでした。 お兄さんは、でいぶちゃんたちの後ろを指差して一言だけ述べました。 「なら、この機会にじっくり見たらどうだ?」 でいぶちゃんたちは、その言葉に反応して一斉に指の先を見ました。 そこにいたのは、紛うことなき飼いゆっくり。 にっこに笑顔に、お羽がパタパタ。 肉まんシリーズ最後の良心「れみりゃ」ちゃんです。 「「「ゆ、ゆわぁぁぁぁぁ!!!! れみ……りゃ?」」」 捕食種に対する恐怖で思わず叫び声を上げて、しーしーを漏らしそうになったでいぶ一家でしたが、その叫びを思わず飲み込んでしまいました。 サラサラふんわりな水色ショートヘアーに、もっちりすべすべなお肌。 汚れひとつないお帽子やお洋服は、ふっかふかのピッカピカ。 口元から覗くちっちゃな牙は、真珠のように真白で、細めた目元から垣間見える真紅のお目々は、キラキラと艶やかな輝きを放つサードオニキスのようです。 相手が捕食種であることを忘れて見入ってしまうほどの美ゆっくりでした。 そのれみりゃちゃんは、やたらめったら偉そうな飼い主さんのお膝の上にチョコンと愛らしく座って、飼い主さんと一緒に鯛焼きさんを食べています。 時折、飼い主さんがれみりゃちゃんの頬っぺたに付いた餡子をとってあげたり、逆に飼い主さんの頬っぺたに付いた餡子をれみりゃちゃんがペロッと舐めたりと、一人と一匹はとっても仲良しでゆっくりしています。 最後に一個だけ残った鯛焼きさんも、喧嘩なんてせずに仲良くはんぶんこです。 「どうだ!? 飼いゆっくりが、とっても可愛くてゆっくりしていることがわかっただろ!?」 笑顔で問いかけるお兄さんに答えることは、出来ませんでした。 でいぶちゃんたちは、悔しいけれども認めてしまったのです。 確かに、飼いゆっくりは、ゆっくりしていると。 基本的に自分に正直に生きる餡子脳たちは、嘘をつくことが苦手です。 ですので、困ったことがあると、口をつぐむか叫んで暴れることしか出来ないのです。 どうやら今回はだんまりを決め込んでしまったようです。 「よし!! じゃあ、今度は、自分の家族の姿を観察してみるといい!!」 意地でも飼いゆっくりを褒めてなるものかと口を引き結んだでいぶちゃんたちですが、お兄さんの言葉についつい反応して、お母さんや姉妹の姿をまじまじと観察してしまいました。 普段は、そんなに事細かに観察する機会がないからか、改めて見るといろんなことがわかります。 ギトギトべっちゃりなベリーショートの黒髪に、ごわごわべたべたなお肌。 汚れてくすんだおりぼんは、お手入れと称してベロベロ舐めたせいで、カピカピのカッチカチ。 ナスビ型の下半身は醜く肥えてぶくぶくぼってり、お手入れしてないしーしー穴はぐっじゅぐじゅ、拭かないあにゃるはにちゃにちゃで、洗わないあんよは真っ黒けっけ。 生臭いお口の中で疎らに生えた歯は、ニコチンのように真黄色で、ぎょろぎょろとした真っ黒なお目々は、光を跳ね返さない石炭のようです。 可愛いと思っていた家族は、案外そんなこともないということがわかりました。 「「ゆぷぷ!! れいみゅ(おねえちゃん)もおきゃあしゃんもゆっきゅりしちぇにゃいね!!! ゆ?」」 大事なことなので二度言いますが、餡子脳は嘘をつくのが苦手です。 そのため、思ったことをすぐに口にして、大喧嘩なんてことは日常茶飯事なのです。 「なにいっちぇりゅにょぉぉぉぉぉ!!! ぶちゃいきゅできちゃにゃいにょは、れいみゅでしょぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆぅぅぅぅ!!! しちゅれいにゃこちょいわにゃいでね!!! れいみゅはきゃわいいよ!!! ぶしゃいきゅでゆっきゅりしちぇにゃいにょは、おねえちゃんでしょぉぉぉぉぉぉ!!!」 あらあら大変です。 子でいぶたちは、予想通り喧嘩を始めてしまいました。 姉妹で喧嘩なんて、ゆっくりしていません。 やれ、お飾りが汚いだの、お尻が不潔だのと自分たちのことは、棚に上げて言いたい放題です。 他者の不幸に目聡いくせに自分を省みないゲスの精神ここに極まれりと言ったところでしょうか。 「ゆゆ!! れいむのかわいいおちびちゃんたち!!! けんかはゆっくりできないよ!!! ゆっくりしないではやくやめてね!!!」 「「うるちゃいよ!!! きちゃないおかあしゃんはだまっててね!!!」」 「どぼぢでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 お母さんでいぶが颯爽と仲裁に入りますが、もはや止めることはできません。 一度見下せば、親でも見下すゲスの精神が遺憾なく発揮された結果ですね。 「こらこら、喧嘩はだめだ!! ただでさえ、ゆっくりしてないのに、ますますゆっくりできないぞ!! でも、これで自分たちがいかに不細工でゆっくりしてないかわかっただろ!? だが安心す(ry」 さあ、餡子を分けた姉妹の餡子で餡子を洗う殺し合いが始まるかと思われた矢先に止めに入ったのは、やっぱりお兄さんでした。 うん、うんと何度も頷いて「わかるよー! 俺何でもわかるよー!」という態度でお兄さんは佇んでいます。 姉でいぶちゃんには、そのお兄さんの態度も気に入りませんが、一番気に入らないのは、不細工な妹とひとまとめにされたことです。 妹でいぶちゃんも同様な意見です。 結局、二匹とも自分の都合の良いようにしか考えられないゲスチューン餡子脳――それも未発達な状態の物しか搭載されていないため、自分が醜いという事実を認められないようです。 「なんだい!? もしかして、まだ自分だけは可愛いと思ってるのかい!? それならお母さんに聴いてみるといいんじゃないかな!? ねえ、おっきいでいぶ!!」 それは、名案です。 ゆっくりしてない汚いお母さんでいぶですが、いつも自分を可愛いと褒め称えるだけの審美眼があります。 こんな醜い姉妹なんて捨てて、自分をゆっくりさせてくれるに違いありません。 「ゆぅ!!? おちびちゃんたちは、どっちもおなじくらいかわいいよ!!! どっちもだいじなれいむのたからものだよ!!!」 言い切りました。 「今、お母さん良いこと言った」と思っている慈悲深い顔です。 お兄さんが「あー、可愛いなんて嘘言ってるー。いーけないんだー!」と囃し立てていますが、気になりません。 ですが、このときばかりは、いけませんでした。 所詮、餡子脳では、自分の発言が大勢にどういう影響を与えるか判断することなど出来ないのです。 「お、おんにゃじ? れいみゅが…ぶちゃいきゅないみょうとと…おん…にゃじ……。じゃあ、じゃあ、れいみゅは、きちゃにゃくて、みにきゅきゅて、きもちわりゅい……?」 「うん! そうだ!! お前は、気持ち悪い!!! でも安心す(ry」 どうやら、お姉ちゃんでいぶは、事実をすんなりと受け止めてしまったようです。 お兄さんがまたしても意図せずに止めを刺したせいもあってか、以後「ゲゲゲゲ」と笑うだけのお饅頭さんになってしまいました。 「ゆびゃぁぁぁ!! ふじゃけりゅにゃぁぁぁ!! れいみゅはきゃわいいよぉぉぉぉ!! みにきゅいおねえしゃんとおにゃじにゃんていう、きちゃにゃいげしゅおやはちねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 一方、妹でいぶは、事実を受け止めることを拒否しました。 自分のことを醜い姉と同じだと言ったお母さんでいぶを制裁すべく、ぽこぺん、ぽこぺんと何度も体当たりをしかけます。 この凶行にお母さんでいぶの思考は、完全にフリーズしてしまいました。 このおちびちゃんは、なにをいってる? かわいそうなしんぐるまざーのでいぶがいいことをいったのにきいてなかったの? そうか! こいつはげすだったんだよ!! 「がわいぞうなでいぶをわるぐいう、ぐぞぢびはじねぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆびゃぁぁぁぁぁぁ!!!」 見事な三段論法で復帰したお母さんでいぶのとった行動は、可愛そうなシングルマザーの自分をゆっくりさせない我が子に対する制裁行為でした。 「じね!! じね!! じね!! じね!! じね!! じね!! じね!! じね!!」 「びゅびゃ!! べびゃ!! おげゃぁじゃん!! やめちぇ!! れい、びゅ!! にょあんきょしゃ!! でぢゃう!!」 お母さんでいぶは、餡子を分けた子でいぶに何度も何度も圧し掛かってストンピングの嵐を見舞いました。 そのたびに妹でいぶは、体中の穴という穴から餡子を噴出して衰弱していきます。 お母さんに助けを求めても、止めてくれません。 こうして、お母さんでいぶは、妹でいぶの中身が無くなって死ぬまで踏みつけを続けました。 「ゆふう。おちびちゃんはとんでもないげすだったよ!! だから、これはせいっさいだね!! れいむはわるくないよ!!!」 制裁を終えたお母さんでいぶは、にっこりと、晴れやかで気持ちの悪い笑みを浮かべました。 ゲスを制裁して気分爽快なのでしょうか? 目元に涙の跡があることからすると、案外、悲劇のヒロインな自分に酔っているのかもしれませんね。 あまりにも唐突な出来事で、今度はお兄さんがフリーズしていましたが、お母さんでいぶの気持ち悪さによって奇跡的に復帰しました。 「そ、そんな、まさかお前はゲスだったのか!! この(略)な俺としたことが、そんなことに気付かなかったなんて……。すまない馬鹿で不細工でゆっくりしてなかった小さいでいぶ!! お前をゲス親の凶行から救ってやれなかった俺を許してくれ!!!」 お兄さんはそう叫ぶと、その場に跪いてぼろぼろと涙を流しました。 それでも、妹でいぶの屍骸に触れようとしないところ、このお兄さんもいい根性しています。 「ゆ、ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、ぎ……」 そんなお兄さんを見つめる視線がありました。 そう、お母さんでいぶです。 悲劇のヒロインである自分以上に、お兄さんが悲しそうにしているのが彼女には、気に入りません。 それに元はといえば、このお兄さんが全ての元凶ではありませんか。 お兄さんがゆっくりしていることも、飼いゆっくりが可愛くてゆっくりしていることも、自分たちが醜くてゆっくりしていないことも、お母さんでいぶは知りたくなんてありませんでした。 つまり、このお兄さんも可愛そうなお母さんでいぶをゆっくりさせてくれないゲスなのです。 ゲスは、制裁しなければなりません。 分不相応な高望みをした自分たちのことを棚上げして、お母さんでいぶはそう考えました。 「げすなにんげんはせ「ドズーン」!!!? ブバッ!」 それは、賽銭箱と言うにはあまりにも重厚過ぎた。 一般的なゆっくりよりも少しだけ小さいサイズの長方形の大きさは、全高17cm、奥行き17cm、横幅25cmといったところでしょうか。 表面に油性マジックで「れーむのすてきなさーせんばこ」と書かれた箱は、守ってよし攻めてよしの超展性チタン製。 突如としてお母さんでいぶの頭上から落ちてきた32.6kgもあるそれは、今まさにお兄さんに飛び掛らんとしていた彼女の体の半分を押し潰して死に至らしめてしまいました。 「お兄さん……。また、おそとのこたちの餌付けにしっぱいしたんだね」 「おお!! 我が愛しのれいむではないか!! 危うくゲスの魔の手に落ちるところだった!! 助けてくれてありがとう!!」 ぽすんと音を立てて、賽銭箱の上にまん丸な物体が乗っかりました。 艶やかなセミロングの黒髪が眩しいお兄さんの飼いゆっくり「れいむ」ちゃんです。 れいむちゃんは、赤褐色のバッジがついた真赤なおりぼんで一本に結った髪をふらふらさせながら、お兄さんに話しかけました。 「もう、なんどもいってるでしょ、お兄さん。おそとのこたちは、本当のことを言われると怒るから、餌付けがしたいなら嘘でもほめてあげるか、黙っているかしないと」 「ぅむー……。そうは、言うがな、れいむよ! 嘘はいけないと思うんだ! 母様も夜遅くに帰ってきた父様に『嘘つきは、ぺにぺにもげて死んだらいい!!』といつも言っていたぞ!!!」 大事なことなので何度も言いますが、餡子脳は嘘が下手な上に、馬鹿正直に思ったことを話してしまうのです。 れいむちゃんは、頭が痛くなってきました。 全身頭ですが。 「それはわかったよ、お兄さん。でも、そのお洋服はなんなの! こんなに汚しちゃってぇぇぇ! あまあまを食べならがしゃべるのはマナーいはんだよ!」 野良への餌付けに対しては、何か言うのを諦めたれいむちゃんでしたが、こればかりは許容できません。 あまあまさんをお行儀悪く食べたせいで、お兄さんの服は、生クリームや餡子でベタベタです。 れいむちゃんは、くりくりとした黒真珠のようなお目々でお兄さんを睨み付けます。 「れいむは細かいなー! 洗濯すれば、元通りじゃないか!」 「そのおせんたくをするのは誰だとおもってるの?」 「ん? れいむだろ?」 当然のように言い放ちました。 このお兄さん、早くなんとかしなくてはなりません。 れいむちゃんは、胃がシクシクと痛くなるような気がしました。 胃なんてありませんが。 「はぁ……。もういいよ。それより、もうかえろ、お兄さん。れいむの賽銭箱もお兄さんのお洋服もあらわないといけないよ。あと、お風呂にも入らないとね」 お兄さんは爆笑しながら地面を転げまわったせいで、れいむちゃんは賽銭箱を担いでお外を跳ねまわったせいで、それぞれ砂まみれです。 しかし、お兄さんはれいむちゃんの意見に顔を顰めました。 「えー!! お風呂はやーだー!!」 本当に駄目な社会人です。 今まで生きてこられたのが不思議で仕方ありません。 「わかったよ。ごゆうはんは、お兄さんのだいすきなハンバーグさんをつくってあげるから、ゆっくりとお風呂はいろうね」 「本当かれいむ!!? 嘘じゃないな!! よし!! じゃあ、ゆっくりしないで早く帰ろう!! 家まで競争!!」 晩御飯にハンバーグの約束を取り付けたお兄さんは、一目散に駆け出します。 れいむちゃんには、お兄さんが本当に社会人なのかが分からなくなってきました。 「おにーさーん!! もっとゆっくりしてよー!!! もう、お兄さんったらいつになったら「ど…じ…」ゆ?」 その声が聞こえたのは、れいむちゃんが重たい賽銭箱を、よいさーっと持ち上げてお兄さんを追いかけようとしていた矢先でした。 この世の全てを呪うような、怨嗟と憤怒の入り混じった声が賽銭箱の下から聞こえてきたのです。 「で…いぶは、しんぐ…まざーで、がわいぞ…なのに。どぼじで、ど…じで」 なんとそれは、永遠にゆっくりしたかと思われていたお母さんでいぶでした。 重たい賽銭箱に体を削ぎ落とされたものの、どうやら中枢餡からは外れていたようで、まだ息があったのです。 しかし、この出餡量では絶対に助かりません。 運がいいのやら、悪いのやら。 「あなたは、別にかわいそうじゃないよ」 れいむちゃんは、お母さんでいぶに何の感情も抱いていませんでした。 確かに、お兄さんに酷いことをしようとしていましたが、こちらも命を奪ったのだからお相子です。 それでも、れいむちゃんは、このお母さんでいぶに言わなくてはならないことがありました。 「知ってる? れいむたちの体はね。だれかからゆっくりをもらうことで、おおきくなるんだよ」 ぞれがどぼじだ……。 「れいむは、お兄さんからいつもゆっくりをもらうかわりに、お兄さんにゆっくりを返してるよ。ゆっくりさせてもらったら、同じ分だけゆっくりを返す義務があるんだよ。だから、れいむの体はおおきくならないんだよ」 くずにんげんにこびるだげのぐずだがらだね。 「あなたや、あなたのおちびちゃん。とっても、おおきいね」 でいぶは、ずいごうでゆうじゅうだがらどうぜんだよ。 「ちがうよ。あなたたちは、もらったゆっくりを返そうとしなかっただけだよ。でもね、どっちにしたって、体がおおきいのはゆっくりしているしょうこだよ。だから、あなたは、かわいそうじゃないよ」 ぞんなごどあるが……。でいぶは、じんぐるまざーだ。がわいぞうなんだ。 「やっぱり、そうなんだ。あなたは、かわいそうな自分が好きだからそういってるんだよね。つまり、それは……」 !!? だまれ、いうな!! そのさきをいうな!!!! 「悲劇のヒロインでいたいから、ふこうのふりをしていただけだよ」 「ゆがぁぁぁぁ!!! じねぇぇぇぇぇぇ!!! でいぶをゆっぐりざぜないぐずばじねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 お母さんでいぶは、最後の力を振り絞って叫びました。 この日、お母さんでいぶは、お兄さんに自分が醜いこと、ゆっくりしていないことを指摘されました。 それでも、れいむちゃんが余計なことを言わなければ、彼女は自分が道化であることに気づくことなく安らかに逝けたのです。 我侭で汚いクソちびを我慢して育て、周囲の理不尽な暴力に耐えて生きてきた悲劇のヒロインとして。 しかし、それも、もうご破算です。 お母さんでいぶは、最後の最後になって、それを指摘されてしまいました。 もう、壊れた心に平穏なんて訪れません。 「じねぇぇぇ!!! じねぇぇぇぇぇ!!!!」 「ごめんなさい。れいむは、まだ死ねないよ。お兄さんは、れいむがいないと、おきがえもできない駄目なひとだからね。だから、れいむが死ぬのは、お兄さんがしっかりもののお嫁さんをもらってからだよ。れいむがにんげんさんだったら、一番よかったんだけどね」 壊れたラジオのように同じことを繰り返すだけになったお母さんでいぶに、そう告げると、今度こそれいむちゃんは、お兄さんを追って跳ねて行ってしまいました。 「こんどうまれてくるときは、おちびちゃんをしあわせにしてあげてね」 そう言い残して。 「じ……ね……じ…………ね………………………」 「げ、げげげ」 清らかな空気の漂う冬晴れの公園には、一個の壊れたお饅頭と二つの死体が残されました。 「う~♪ てんかのおうらいのどまんなかに、おまんじゅうさんが落ちてるど~♪ もって帰ってさしみにするど~♪」 「別に食ってもかまわんが、皮は汚いから食うんじゃないぞ」 壊れたお饅頭も、もうすぐ死体の仲間入りのようです。 おまけ 「あまあま、でりしゃす~♪」 とある一軒家のリビングで、れみりゃちゃんは、輪切りにしたお饅頭の中身を頬張っていました。 先ほど締めたばかりの新鮮なお饅頭の餡子は、とっても甘ったるくて格別です。 「鯛焼きを山ほど食っておいて、よくもまあ、そんな饅頭の餡子など食えたものだな」 そう述べたのは、れみりゃちゃんの飼い主さんです。 豪華な椅子に足を組んで座り、頬杖をつきつつワインを燻らせる姿は、あんた何様だと言いたくなるほど偉そうです。 「うー☆ おんなのこの体にはあまあませんようのブラックホールがあるんだど~!! だからいくらでも入るんだど~♪」 そう言って、次々と餡子を頬張っていきます。 どんどん詰め込むので、頬っぺたは、まるでリスのようです。 そんなれみりゃちゃんの姿をなんともなしに眺めていた飼い主さんでしたが、不意にあることを思い出して語り始めました。 「そういえば、野良饅頭共は、ゴミや排ガスに塗れた雑草を食らうようだな。まあ、それはいい。どうせ、食ったら餡子になるのだから、気にさえしなければどうということはない。だが、奴らが餡子に出来るのは、人間がギリギリ食えるものだけで、金属は餡子に出来ない。つまり、取り込んだ重金属は、体内に残留することになる」 「うぅぅ!!!? お、お兄さん……? れみぃには、よくわかんないけど、それってつまりどういうことだど~?」 このとき、れみりゃちゃんは、すっごく嫌な予感がしました。 思わず、食べていた餡子をお皿に戻してしまいます。 「簡単に言うと、物凄く体に悪い」 「だばぁぁぁぁ、エレエレエレ……」 この後、二人でプリンを食べてお口直しをしたそうです。 ちなみに、飼い主さんは物凄く体に悪いと言いましたが、あくまでも人間が食べた場合であり、同じゆっくりが食べるのなら実は問題ないということをれみりゃちゃんは、後になって知ったそうな。 あとがき 前回、テンション高すぎとのお叱りを受けたので、なんとかローテンションを維持しようとしたけど無理だったよ! それにしても、毎回幅広い種類のゆっくりを虐待しようと思って書くのに、ついつい初代の二種を虐めてしまう。何か呪いでもかかってんのか!!? それと、今回は三人称にしてみました。 前回までは難しいといわれる一人称にチャレンジしていたのですが、やっぱ読みづらいですよね。 なに? 三人称でも読み辛い? サーセンorz 最後に一つ、上の方にも書いてましたが、wikiの名前が「ポールあき(仮)」だったのは、名前付けた方ナイスと言わざるをえません。 一応、クレンドラーさんに悪い気がするので、変えようとは思うのですが、なかなかファンキーな名前が思いつかないよ、クラリスー。 という訳で、もしゴッド・ファーザー(名付け親)になってやろうという奇特な方がおられましたら、感想の方にお願いいたします。 最悪の場合、「肉まん職人」か「ポールあき」でいくつもりですが。 前に書いたやつ ふたば系ゆっくりいじめ 394 お兄さんと冷めた肉饅 ふたば系ゆっくりいじめ 408 お前もポールさんみたいにしてやろうか!? ふたば系ゆっくりいじめ 442 肉まんと出かけよう 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 491 肉まんと出かけよう 完全版 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る RU姉貴みたいなオカンがいた気がする -- 2016-01-03 13 07 42 お兄さんもあんこ脳っぽいな まさかゆっくりと人間のハーフ・・・そんなわけないか -- 2015-10-19 23 39 05 うっうー☆ -- 2015-01-29 12 01 02 でいぶザマァwwwwwwwww -- 2014-03-19 17 03 58 あのれいむ絶対プラチナ取れるだろあとれみぃ可愛いよれみぃ -- 2013-01-05 01 06 21 ぽーるあきさんのSSはゆっくりできるよ! -- 2012-04-25 18 18 57 あまあませんようブラックホールwww -- 2012-04-22 18 56 01 さーせんばこwwwwww -- 2011-07-18 23 16 44 多分金取ってないのはお兄さんがバッジについてよく知らないからだろうな。 このお兄さんの元ネタは仮面ライダーカブトの神代剣ってキャラだ。名家のお坊ちゃまで世間の風に全く当てられずに育ったからものすごい世間知らずで、豆腐をヨーグルトと間違えて砂糖かけまくったり、二十歳なのに幼稚園児の服を着て庶民(ショ・ミーン)の町を練り歩いたりと、行動が常に常人の理解の範疇を超える。一流の教師をいっぱい雇っての英才教育のおかげで大抵のことは人よりできるから「俺は〇〇においても頂点に立つ男だ」が口癖。 -- 2011-01-20 16 50 59 れいむちゃんがチート過ぎだろw -- 2010-11-21 11 01 44 でいぶざまぁww 相変わらず楽しい町だなぁw お兄さんの元がわからなかったが、れいむが凄い高性能だ。 この町に金バッチ制度が有ったら、間違いなく金取ってるな -- 2010-10-13 10 10 27 できる! -- 2010-09-12 22 34 56 なんだこのお兄さん?めっちゃおもしろい! -- 2010-08-15 21 49 19 れいむちゃんは嫁というか母だな、、 俺の嫁にくれ。 -- 2010-08-12 02 03 40 おい…しんぐるまざーは可哀想なんだよ。…いじめるなよ…ゆっくりさせてやれよ。 …ふぅ。心にも無いことを書くのは精神的につらいな。 -- 2010-07-20 02 05 14 兎に角愉快だったw けど、ゆっくり顔負けのお兄さんが買っているれいむは本当に銅バッジなのか!? 推測だけど、飯も作れる、重たいものも平気で運ぶ、人間の着替えや洗濯までこなし、挙句ゲスを諭す程の知能 控えめに見ても絶対に金だよね!?この子!? -- 2010-07-20 01 44 01 このでいぶ一家、めっちゃ汚いな…心も体も… れみりゃこんなの食べて大丈夫か? -- 2010-07-18 01 35 44 しんぐるまざー(笑)とか クソゴミがなに言ってんだか -- 2010-06-25 00 46 57 差別用語はいかがなものかと -- 2010-05-02 21 21 16 ゆっくりを口で言い負かすのはすっきりするね -- 2010-04-12 00 47 46
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『二択』 8KB 虐待 家族崩壊 虐待人間 失礼します。 『二択』 過去作 anko4445 anko4449 anko4452 anko4456 anko4461 anko4464 勢いで書いた部分が大きいので、読み辛いと思います。それでもよろしいという方は、どうぞ。 「ゆっくりしていってね!」 私が公園のベンチで一休みしていると、そんな声をかけられた。 足元を見下ろすと、そこにはゆっくりの一家。 「はいはい、ゆっくりしていってね」 私は取り敢えず返事を返してやる。込められた感情は、珍しいな、が3割、面倒だなあ、が7割くらいだ。 珍しい、と言っても、この一家そのものはまりさとれいむの番に、数匹の赤ゆっくりという一般的な構成だ。 ただ、この公園に住んでいるゆっくりは基本的に人間を恐れているから、非常時に一か八か『あまあま』をもらおうとするもの以外は人間には近づこうとすらしない。 だから、声をかけてきたこの一家が物珍しく感じたのである。 「ゆっ! にんげんさんは、ゆっくりしてるにんげんさんだね!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 そんな私の内心を知ってか知らずか、返事がもらえたことに喜ぶ一家。 そして、 「ゆっくりしてるにんげんさんは、まりさたちにあまあまちょうだいね!」 それが当然というように、そう宣った。 こいつらは、あれか。ただの馬鹿か。 おそらく、返事をしてくれるような人間だったら、あまあまをくれるに違いないと思ったのだろう。 そこには、何の警戒心もない。 最近では珍しいレベルの餡子脳である。 取り敢えず、その甘すぎる考えに現実を見せてやろう。 「れいむ、まりさとそのおちびちゃん達、どっちが大事かな?」 「ゆ? にんげんさん、なにいってるの? そんなことより、あまあまちょうだいね!」 「何言ってるのもなにも、言葉通りだよ。答えてくれたら、あまあまをあげることを考えなくもない。どっちが大事?」 れいむは、困ったように傍らのまりさを見た。 するとまりさは、微笑みを浮かべ、れいむに頷きかける。 れいむはすぐに私に向き直り、 「ゆっ! まりさもれいむも、おちびちゃんのためならゆっくりできないことでもがまんできるよ! だから、おちびちゃんのほうがだいじだよ!」 自信に満ちた表情で、言った。 「そっか」 私は、れいむに対して笑みを返し、 「じゃあ、まりさはいらないね?」 まりさを思い切り踏み潰した。 「………………ゆ?」 顔にまりさの餡子を付けて、残された一家が呆けた表情を浮かべた。 たっぷりと時間を置いて、 「ばりざああああああああああああああああああ!?」 「「「「「おとーしゃあああああああああああああああん!?」」」」」 一家は、面白いくらいに揃った叫び声を上げた。ただし、別に面白くはない。うるさいだけだ。 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおお!?」 すぐに、れいむの叫びは私への抗議へと変わる。 「どうしてって……まりさもれいむも、おちびちゃんのためならゆっくりできないことでも我慢できるんだよね?」 「そんなこといまはかんけいないでしょおおおおおおおおお!?」 「いや、あるよ。だって――」 まりさが大事だったら、おちびちゃんの方を潰してたから。 「…………ゆ?」 私の言葉を聞いて、れいむがぽかん、と口を開ける。 「なにそれえええええええええええ!?」 「いやあ、何それもなにも、人前に出てくるようなゆっくりは潰すのがマナーだしさあ」 言いながら、私は赤ゆっくり達を拾い上げる。 「「「「「おしょらをとんぢぇるみちゃい!」」」」」 「ゆ、はなちてにぇ! かわいいれーみゅがいやがっちぇるよ!」 「おちょーしゃんをころちたくしょにんげんは、ゆっくちちないであやまっちぇにぇ! ぷきゅううううう!」 「ゆんやあああああああ! きょわいいいいいいいい!」 私の手の上で、勝手気ままに騒ぐ赤ゆっくり達。 赤れいむが二匹に、赤まりさが三匹だ。 「おちびちゃんをかえしてねええええええ! いやがってるでしょおおおおおおお!?」 そう要求するだけで何もしないれいむの前に、私は右手に赤れいむ、左手に赤まりさを乗せ、突き出してやる。 「ゆっ! にんげんさん、はんせいしたんだね! そしたら、しゃざいとばいしょうとしてあまあまちょうだいね!」 この後に及んでもまだそんな発言をできるれいむにやや感心しながら、 「まりさ似のおちびちゃん達とれいむ似のおちびちゃん達、どっちが大事?」 もう一度、訊いてやった。 「「「「「ゆううううううううううううう!?」」」」」 驚きの叫びをあげたのは、赤ゆっくり達だ。 れいむは、口をぱくぱくさせているだけである。そろそろ、そういう反応も見飽きてきた。 「早く答えないと、みんな潰すよ?」 だから、取り敢えず急かしてやる。 「ゆ、おきゃーしゃん! まりちゃをたしゅけちぇね!」 反応が一番早かったのは、他よりやや大きな赤まりさだ。 「おきゃーしゃ! れーみゅぎゃきゃわいきゅにゃいにょ!?」 「げしゅのれーみゅにゃんかほっといちぇ、しゃっしゃとまりちゃをたしゅけちぇね!」 それに続き、他の赤ゆっくり達も命乞いを始める。 もう一方のネガキャンをするやつがいるあたり、将来が不安になる――まあ、こいつらに将来なんて無いが。 「さあ、どっち?」 言いながらさらにずい、と手を突き出すと、れいむは砕けるのではないかと思うくらい歯を食いしばりながら、 「れいむににた……おちびちゃんだよ……」 小さな声で、そう言った。 「ゆわーい!」 その言葉を聞き、単純に喜ぶ赤れいむ達。 「ごべんね、おぢびぢゃん……ごべんねぇ……」 「ゆ、おきゃーしゃ、どうちて……」 それと、れいむの泣き顔を交互に眺めながら、赤まりさ達は呆然としていた。 「いやあ、残念だったねぇ、君達」 その赤まりさ達に、私は話しかける。 「でも、仕方ないよ。だってれいむお母さんは、まりさに似てる君達より自分に似てるおちびちゃんの方が可愛いんだから。」 「ゆっ! ちが――」 「違うんなら、どうして『たくさん』いる赤まりさを選ばなかったのかな?」 「ゆぐっ!」 痛いところを突かれ、れいむは押し黙る。「ぼせい」を持つれいむらしい反応だ。 「やっぱり、君達はいらないんだってさ」 「ゆ、おきゃーしゃ、まりちゃは……いらないのじぇ?」 「…………っ」 れいむの沈黙を肯定と取った赤まりさたちは、 「こにょ、くじゅおやあああああああああああ!」 「……ゆっくち! ゆっくち!」 「おきゃー、しゃ」 三者三様の反応を返した。 れいむは目を閉じ、そこから顔を逸らす。 「君達がまりさに生まれたばっかりに、赤れいむ達とずいぶん差が付きましたぁ。悔しいでしょうねえ!」 「ゆ、きゃわいいまりちゃをゆっくちゆるちちぇ――」 そして、左手を、閉じた。 ぐしゃり、という感触がして、左手の上は静かになった。 「ゆ、にん、げん、さん」 何かを言おうとするれいむに、 「さて、どっちのおちびちゃんが大事?」 空いた左手に片方の赤れいむを載せ換え、間髪入れず、私は問う。 「ゆ、あ、もう、やべで……」 「どっち?」 私が詰め寄っても、れいむはがたがたと震えるばかりだ。 そんな時、 「いもーちょをたしゅけちぇにぇ!」 言葉を発したのは、右手の赤れいむだった。 私を含む全員の目が、そこに集まる。 「れいみゅはおねーしゃんだから、いもうちょをまもりゅよ! ぢゃから、いもーちょをたしゅけちぇね!」 キリッという効果音が聞こえそうな表情で、おそろしーしーを漏らしながら、もう一度赤れいむが言った。 「だってさ。それでいい?」 投げやりに私がれいむに聞くと、 「ゆ、おぢびぢゃん、だずげであげられなぐで、ごべんねぇ……。おぢびぢゃんみだいなりっばなおぢびぢゃんにあえで、れいぶば……」 安いお涙頂戴を見せられて不快だったので、取り敢えず右手の赤れいむをそのまま落とした。 「ゆっぎゃああああああああああああああああ!? いぢゃいいいいいいいいいいいいいい!」 即死はしなかったものの致命傷を負い、赤れいむが今日一番の悲鳴を上げる。 「おちびちゃ、すぐにぺーろぺー――」 本能的なものなのか、動こうとするれいむ。 その目の前で、 「ゅぴっ」 私は赤れいむを潰し直した。 すると、れいむは一瞬硬直して、 「おちびちゃん! すぐよくなるからねっ! ぺーろぺーろ!」 すぐにぺーろぺーろを始めた。 潰す前の時点でも無駄だっただろうが、死体にまでやっている姿を見ると、滑稽を通り越して哀れにすら思えるのが不思議である。 「じゃあ、れいむ」 何か、気持ちが萎えてしまったので、私はそろそろ切り上げることにした。 「れいむの『おりぼんさん』と最後のおちびちゃん、どっちが大事?」 「……!」 れいむは、何度も何度も声を出さずに口だけを動かしていたが―― 「おりぼんざん、だよ……」 赤れいむと赤まりさで選ばせた時よりいくらか早く、その結論を出した。 「へえ? どうして?」 「おりぼんざんがなぐなっだら、ゆっぐり、でぎないよ……」 「おちびちゃんがいても?」 「ゆ……ぞう、だよ……」 覚悟を決めた表情で、れいむは言い切った。 「だがら、れいむば、おりぼんざんのぼうが、だいじだよ……」 私は、その言葉を、待っていた。 「じゃあ、れいみゅちゃん。おりぼんさんの方が大事な、嘘つきのれいむお母さんとれいみゅちゃん、どっちが大事?」 潰した一家の残骸をゴミ箱に捨てて、私は元のベンチへと戻ってきた。 そこには、赤れいむだけが残っている。 それを拾い上げ、私は歩き出した。 「ゆ、にんげんしゃん、れいみゅをかいゆっくちにちてくりぇりゅにょ?」 「そうだねえ……」 私は赤れいむの問いに対して、 「れいみゅちゃんは、あまあまいっぱい食べてゆっくり過ごすのと、前と同じように家族と暮らすの、どっちがいい?」 さらに問いを返した。マナー違反? ゆっくり相手だし構わないだろう。 「ゆっ! れいみゅは、あんにゃげしゅとくらすより、あみゃあみゃいっぴゃいたべられるほうがちあわちぇー! ぢゃよ!」 予想通りの答えに、 「そっか」 私は短い応答の言葉を返す。 「まあ、何て答えても、結末は一緒だけどね」 そして、手のそれをゴミ箱に放り込んだ。 後書き もっとじっくりと描写できるようになれば、より良いものが書けるようになるとは思うんですが。難しいです。 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 それから、感想版にて『台風の目』を考察してくださった3038様、ありがとうございます。
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このごろなんかメールおくってね!みたいなのがいっぱいいてうざったい・・・ -- ピソリーノ (2011-02-23 20 21 49) この頃暇・・・・・ -- なすび (2011-02-23 21 09 04) わかる!! -- ピソリーノ (2011-02-23 21 20 01) 今日ちびちゃとでパパゲーナにあいました☆ -- ピソリーノ (2011-02-27 12 04 24) ぴそりーのにあいたいな -- キングツル・ツルリーナ3世 (2011-02-28 19 32 55) うちも!だけど今、アメーバにはまってる1 -- ピソリーノ (2011-03-02 21 18 24) ええ ちびチャとやってよ・・・・・・・・・・・・ -- キングツル・ツルリーナ3世 (2011-03-04 21 47 40) ぱらっぱっぱっぱ~あいらーぶに。 -- るんと (2011-03-09 18 16 36) るんとさんみにきてくれたの -- キングツル・ツルリーナ3世 (2011-03-09 18 29 39) ウルトラ臨終さんにあいました~~~ -- キングツルリーナ3世 (2011-03-15 18 16 48) 荒らし魔 (2011-03-17 00 55 58) wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww (2011-03-21 06 35 53) wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww (2011-03-21 06 36 04) さっきちびちゃとやったら「ナンパ男」って人に声かけられた -- あ (2011-05-03 11 44 08) おーーーーーーーーーーーーーーーーーいまたきたよーーーーーーーーー -- パパゲーナ5号 (2011-07-14 19 48 28) 名前 コメント
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ほんのりと俺設定注意 車を走らせ馴染みのコンビニへと向かう。 途中ゆっくりが飛び出してギリギリかすめて通過。セーフ。 車が汚れなくて良かったとひと安心。 駐車場でに着いてドアを開けると不快な熱い外気、と、 「ゆっふ!ゆっ!ゆーふっ!!」 不快な声が耳に響く。 店の前に設置しているゆっくり専用ゴミ箱から聞こえてくる。 その前を通りすぎる際にゴミが話しかけて来た、 「ゆっ!?おにいさん!れいむをたすけてねっ!」 無視。 「どぼじでむしするのぉ!?」 自動ドアから店の中に入る。冷房が効いていて最高の環境だ。 お目当ての弁当と飲み物を買ってから週刊誌を立ち読みする。 そのあと、気に入った雑誌を追加購入して店を出た。 「おにいさん!かわいいれいむをたすけにきてくれたんだねっ!」 (まだ居るのかよ……。) れいむは、ゴミ箱の淵をもみあげで掴み踏ん張っている。 体は半分穴に埋もれていて、自力での脱出は厳しそうだ。 「れいむはとってもゆっくりできるんだよーっ!」 滅茶苦茶必死の形相。凄く暑苦しい。 全然ゆっくり出来て無いじゃん。 「はやくたすけてねっ!このままじゃおちちゃうよっ!?」 唾を撒き散らし喚く。 こんなゆっくり誰も助けたいとは思わない。 「かわいいおちびちゃんをみせてあげるから れいむをたすけてねっ!」 「…おちびちゃんはどこに居るんだ?」 「おにいさんのあしもとにいるでしょうっ!おめめがみえないのっ!?」 足元? 下を見ると確かに居た。 虫の息だったが。 「おちびちゃんたちはかわいいでしょっ!?ゆっくりれいむをたすけてねっ!」 「可愛くないから助けなくていい?」 「どぼじでぞんなごどいうの゛ーーっ゛!?」 号泣。本当に暑苦しい。 下に落ちている赤ゆを摘みあげれいむに見せる。 驚愕の眼差しの後、「ひどいことするにんげんはゆっくりしねっ!」と喚きだす。 ただ拾っただけだっつーの。 「れいむ口開けて。」 「ゆっ!そうだねっ!れいむのおくちのなかにゆっくりかくれてねっ! やばんなにんげんさんはゆっくりできないよっ!」 赤ゆ達を放り込む。 勝ち誇った顔がまたムカツク。何も好転してねーよ。 「おちびちゃんたちをきずつけた いしゃりょうをせいきゅうするよ!」 チラチラと手に下げた袋を見ながら催促をして来る。 口に赤ゆ詰め込んで流暢に喋るその無駄な技術。何げに凄くね? 「はいはい。わかりましたー。」 「なかなかいいこころがけだよっ!」 戯れにパックのジュースを飲ませてみた。れいむは至福の顔でとろけている。 普段口に出来ない甘みに感動しているようだ。 ゴックンと喉?を大きく鳴らす。 「もっといしゃりょうをちょうだいねっ!こんなんじゃたりないよっ!」 大口を開けて追加を要求する。 そこで先程放り込んだ物体が無いことに気づいた。 「……赤ゆは?」 「ゆゆっ?」 口を閉じて、もごもごと動かした後、れいむは固まった。 信じられない…。と言う顔をして、また口中を舌で探る。 いや、居ないから。明らかにお前が飲んだから。 「うっ!うわぁぁぁぁぁぁぁっ゛!!?あかちゃんがぁぁぁっ!」 「あーあ。お前アホだろ?」 「じゅーすをいっぱいおぐぢにいれるからでしょぉぉぉっ゛!?」 また言いがかりですか。 もう付き合いきれん。というか暑いからそろそろ帰りたい。 「ゆっくりはんせいしたなら れいむをひろってかわいがってねっ!? いっぱいかわいいあかちゃんうんであげるよっ!かんしゃしてねっ!?」 自信に満ち溢れた声を張り上げる。 可愛いからジュースを貰えたし、ゆっくりプレイスにも連れて行ってくれる。 お嫁さんといっぱいすっきり~っ!してあかちゃんを作るよっ! 都合の良い妄想で未来を作り出している最中に、人間の手がゆっくり迫ってきた。 それを見てれいむは最高の笑顔で声を張り上げる。 「れいむをゆっくりさせてねっ!にんげんさん!」 薄暗い穴の底で蠢く物体が二つ。 ゆっくり出来る環境では無い事は確かである。 臭い,狭すぎる,暑い。まさに地獄。 「ぐぞにんげん!れいぶをおどしだなーーーーっ!?」 油断していたれいむはあっさり落ちた。 箱の中で運悪く逆さまに落ちて身動きが取れなくなっている。 「ゆ゛ーーっ!ぜっだいゆるざないよーーーっ!!」 マヌケな姿で強気に吼える。 体を震えさせ起き上がろうと試みるが、スペースが狭すぎて思うようにいかない。 そこで不安からちょっと弱腰になってしまい、 「いまたすけてくれたらゆっくりゆるしてあげるよっ!」 あっさり和平交渉に入った。 「きこえてるんでしょぉぉぉぉっ!おみみがわるいのっ!?」 『…ユッ』 「かわいいれいむがこまってるんだよっ!ばかなのっ!?」 『ユフッ。コフーッ!』 「しぬのっ!?……ゆっ!?じゃましないでねっ!せなかがあついよっ!」 れいむは背中に熱い風がかかるのが気になった。 人間さんを説教してる時に邪魔するなんてゆっくりできないよ! さらに声を張り上げて話を続けようとした時、 『アマアマッ!イタダキマァァァスッ!』 後頭部に鋭い痛みが走った。 次は頬っぺたが引っ張られる感触。 そしてブチブチと千切れて何かの口に収まる。 「いだいーーー~っ゛!どぼじでっほっべざんがいだいのっ゛!?」 髪ともみあげが無理矢理毟られ 頬からは餡子がボタボタと床に落ちる おりぼんが軽快な音を立てて砕けた 硬い物がれいむの体を削り取っていく 『ウッメッ!メッチャウメーーー~ッ!!』 「やべでーーっ!?ゆっぐぢでぎない゛ぃぃぃぃっ゛!!」 許しを願っても全く辞める気配を感じない。 自分の餡子が急激に減っている事が嫌でもわかる。 このままではれいむが死んじゃう! にんげんさんっ!にんげんさんっ!おねがいっ! 「にんげんざん゛っ!だずげでっ!れいぶだべられぢゃうよっ!」 『ムーシャ!ムーシャッ!!』 「おでがいだがらっ!ゆっぐぢざぜでーー~っ!?」 『ウンメッ!マジパネェッ!!』 「うっ゛ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁ!?」 このゴミ箱は水流式ではない。 コンビニでは回収作業が定期的に行われるので、投下式を設置していた。 この最新のゴミ箱は、転倒防止機能と這い上がりが出来ない構造に作られている。 回収作業を容易に行える様に、箱の底には棘状の突起物は無い。 その為、生きたまま投入されるゆっくり達は、そのまま底で生存する確率が高い。 餌の代わりに他のゆっくりを共食いして、生き残るのも珍しい事ではなかった。 そして、れいむはゴミ箱に居た主の糧となり死んだ。 食われる少し前にジュースを大量に飲んだ為なのか、 生命維持活動が活発になってしまい、なかなか絶命する事が出来なかった。 どこまでも不幸なれいむである。 「やっぱり野良は可愛く無いな。」 残りのジュースを飲みながら結論を述べた。 あの自信満々な声で喚いているのを聞いていたら、いつの間にか突き落としていた。 野良は人をイライラさせる何かがある。 やっぱり躾が行き届いて可愛いゆっくりの方が良い。 「そのあまあまをまりさによこすんだぜっ!」 「まりさっ!かっこいいっ!」 「ぴゃぴゃ!ぎゃんばれっ!」 「いちゃいめみりゅまえに こうちゃんしてにぇっ!」 とか思ってるとまた野良ゆっくりだよ。 全然ゆっくりできない。 「さっさと…」 「はいはい。ゆっくりゆっくりーっ。」 ポイポイと捨てる。 手際のよさに呆気を取られ、親達は何の反応も見せずゴミ箱の中へと消えた。 「…ぴゃぴゃとみゃみゃがぁー~っ!?」 「うぅ?にゃんでぇぇぇぇっ゛!?」 煩く騒ぐ赤ゆも例外なく放り込む。 片方の赤ゆを放り込んだ所で、残りの1匹が、 「…お、おにいしゃんのこじょもになりゅよ!」 早い、早いよ!裏切りが。 この赤ゆは優秀だ。生き残る術を知っている。 「ゆゆー~ん!きゃわいく…。」 でも残念ながらゴミ箱にIN! 汚いし可愛くも無い。それに簡単に家族見捨てるのは良くないよ? みんなに会わせてやるから謝ってきな。 片道キップでの送迎になっちゃったけどね。 ……すっごくガタガタ揺れてるよ。喧嘩でもしてるのか? まぁ、なにはともあれゆっくり仲良くしていってねーっ。 家族の幸せを適当に願いつつ帰宅する事にした。 「ゆあっ゛!?ゆっぐぢやべでっ!まりざはづよいんだよっ! あ゛ぁー~っ゛!?」 「れいぶはおいじぐないよっ!だべるならおちびぢゃんをたべてねっ!?」 「「ぢょぼじでじょんなごぢょいうにょー~っ゛!?」」 『ムーシャ!ムーシャッ!シッ…シアワセーーー~ッ!!!』 「「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ゛!?」」 食欲旺盛にモリモリと食らう。 親ゆの大半を食らった後、隅に逃げた赤ゆを追い詰めていく。 「りぇいむはおいちくにゃいよ!おにぇちゃんのほうがおいちいよ!」 「いみょうとのほうがまろやきゃでおいちいよ!だきゃら……ゆびゃぁ!?」 「ゆっふゅふゅ!れぇいみゅはえりゃばれたんだにぇ!しゅーりりゅーりすゆよ! ゆ…?おくちしゃんあけてにゃにするの?」 一口で絶命した。……ら幸せだったのに。 紙一重で生きていたが擦れ声を上げたのは大失敗。再度大きな口が迫ってくる。 もう一度容赦なく噛まれる恐怖を味わいながら、赤ゆは天に召された。 租借しながら狂ったように歓喜の声を上げ続ける主。 環境のストレスから食べる欲求のみが色濃く表面化して、完全に壊れていた。 この主も夕方の回収を待たずに死ぬだろう。今からまだまだ暑くなる。 じっくり蒸されてこの世にお別れをするのは時間の問題だ。 ひと時の幸せを求めて哀れな主は腹に同胞を詰めていく。 帰り道の途中で路上に転がる、ゆっくり家族の変り果てた姿が視界に入った。 (さっきのが餌を狩った後に戻ろうとして轢かれた。のかな?) ゆっくりの固体判別は難しい。 外見個性が乏しすぎる。 そこに加えて現状はただの餡子の塊が数箇所に点在するのみ、 詳細な判別はほぼ不可能。 「こういうのは誰が片付けるんだろ?」 疑問を呟きながら、塊を避けるのは対向車が接近してる為にちょっと厳しいと判断する。 洗車を覚悟しながら、愛車で餡子に新しい轍を刻み込み走り去った。 終 「れいむとまほうのいた」 「金バッチ品質保障証」 「まりさは優秀な劇団員」 「ぬし」 このSSに感想をつける
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作者はマ・あきです 一話完結 これまでの作品とは一切関係なし 今年はなかなか寒い。 数年ぶりに大雪だ。 庭にも雪がどっさりと積もり、今もしずしずと雪が降り積もる。 とても静かな雪の夜だ。 石油ストーブをがんがんに焚いていたが、 寒いからといって、窓をしめきっていては空気が悪くなる。 窓を全開にして換気してみよう。 この季節、虫が入ってくることもない。 僅かに雪が入り込んでくるが、それくらいは構うまい。 窓を開けっ放しにしてしばらく放置。 自分はその間、別の部屋に退散するとしよう。 ゆっくりを地獄に叩き落す鬼のような人間さん(嘘) さて、そろそろいいかと部屋に戻ってくると、 見慣れない物体が部屋の隅に固まっている。 なんとゆっくり。 窓を開けていたとはいえ、この季節、雪が降り積もる中でゆっくりとは。 「ゆ・・・、ゆぅ・・・?」 成体と見えるまりさがこちらを見上げて弱弱しく鳴く。 寒さのせいか、他の要因か随分と衰弱しているようだ。 「にんげんさん・・・、みんなをたすけてあげてね・・・。」 成体まりさの他には、成体のれいむ一匹と 子まりさ一匹、子れいむ一匹。 どいつもこいつも酷く衰弱しているようだ。 特に子ゆっくりは死に掛けているように見える。 「・・・・・。」 どうしたものかなと思案しながら、 まずは窓を閉める。 流石に寒い。 改めて暖房を入れる。 「にんげんさん・・・。」 まりさが、再び弱弱しく呼びかけてくる。 どうするか考えているうちに、ゆっくりたちが全部死んでしまいそうなので、 とりあえずゆっくりたちを暖房の前に運んでやる。 「ゆ、ゆああああああ!あったかいにぇ!」 「れいみゅ、さむくにゃいよ!ぽーかぽーかだよ!」 「ゆうううううう!よかったよー! れいむのおちびちゃんたちが、げんきになったよー!」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ・・・!よがっだー!ほんどーによがっだよおおおおお! にんげんざああああん!ありがどうだよおおおおおぅ!」 あれから一時間。 ゆっくりたちはすっかり元気だ。 なんと言うか、瀕死の状態から全快までに時間が掛からなくて大変よろしい。 「ゆん!にんげんさんのおかげで、みんなげんきになったよ! ほんとうにありがとうだよ!」 お礼を言ってきたのは、父まりさ。 この四匹は家族で、まりさが父、れいむが母だそうだ。 「にんげんさんのくれたごはんで、みんなげんきになったよ! おちびちゃんたちも、にんげんさんにおれいをいおうね!」 「ゆー!にんげんしゃん、ゆっくちありがとうにゃんだじぇ!」 「ゆっゆっ!にんげんしゃん、れーみゅ、げんきににゃったよ! ゆっくちしていってにぇ!」 母れいむに促されて子ゆっくり共もお礼を言ってきた。 「おー、ゆっくり、ゆっくり。」 こいつら、結局暖房の前に連れてきてやっただけじゃ回復しなかった。 寒さだけでなく空腹、正確には危険なレベルの栄養失調でも死に掛けてた。 仕方ないから買い置きの大袋入りのチョコとかビスケット、 それに俺の人生でも初のホットオレンジジュースを作って出してやった。 それを最初はもそもそと、そして食べながら体力が回復したのだろう、 次第に勢いよく、結構な量を食べきった。 その頃には体も十分温まったのだろう。 見ての通り煩いくらいに元気になってくれた。 「ゆっくりー」 「ゆっくりー」 「ゆっくちー」 「ゆっくちー」 「お前らうるさい。」 煩いゆっくり共に静かにするように注意してから、こいつらに話を聞いてみる。 何で人間の家に入ってきたのかとか、なんであんなに弱ってたのかとか。 大体想像はつくけど聞いてみる。 「ゆ・・・。まりさたちのおうちは、あめさんとかぜさんにこわされちゃったんだよ・・・。」 「れいむたち、もうなんにちもむーしゃむーしゃしてなかったんだよ・・・。」 「おにゃかへってたんだじぇ・・・。でも、ごはんさんどこにもなかったんだじぇ・・・。」 「れいみゅたち、しゃむいしゃむいで、がーたがーたぶーりゅぶーりゅだったよ・・・。」 早い話が家の造りが悪くて、餌の備蓄が十分でなかったらしいな。 あんまり出来のいい連中ではないようだ。 「で、俺の家に入ってきたのは?」 「まりさたち、おなかすいてたし、さむくてしにそうだったんだよ。 そしたら、にんげんさんのおうちがあいてたんだよ。」 「にんげんさんのおうちはぽーかぽーかで、ごはんもいっぱいあるってきいたよ。」 「にんげんしゃんのごはん、おいしかったのじぇ!」 「れいみゅ、しあわちぇー!!だよっ!!」 まあ、死に掛けてる状況で緊急避難的に入ってきたんだろうけど、 それにしても考えなしというか厚かましいというか。 「まあ、お前らも大変だったのは分かるけど、 勝手に人の家に入ってくるってのは良くないぞ。」 人間の理屈がこいつらに理解できるか分からんが、一応は注意しておかないとな。 「ゆ、ゆゆっ!?まりさたち、ほんとにこまってたんですぅ・・・。」 「そうだよぉ・・・。おちびちゃんたちも、しにそうだったんだよ・・・。」 ゆっくりの言い分なんてそんなもんだろうな。 「ゆぐ・・・。にんげんしゃん、こんにゃにりっぱなおうちをもってるにょに、 ひとりじめはずるいんだじぇ・・・! まりちゃたち、おそとでしゃむいしゃむいだったんだじぇ!」 「そうだよ!れいみゅたち、おにゃかぺーこぺーこでこまってたんだよ! あんにゃにごはんさんあるんにゃら、ちょっとぐらいわけてくれてもいいでしょ!」 まあ野良饅頭に人間の習慣や、モラルを求めるほど俺も馬鹿じゃない。 こいつらは、所詮人間ではないし、頭の程度も知れたものだ。 気分は良くないが、別段怒るまい。 「まあいいや。今日は俺の家においてやるよ。 明日は天気も良くなるらしいし、そうしたら出てってくれよ。」 「ゆー・・・。」 「そんなぁ・・・。」 「まりちゃ、しゃむいしゃむいはいやなのじぇ!」 「れいみゅ、おいしいごはんがたべたいよ・・・。」 やっぱり、一度美味しい目にあわせると味を占めるもんだな。 この分だと、家に居座る気まんまんだったな。 「駄目だぞ。飼ったりはしないからな。」 いくらなんでもそこまでは責任を持てない。 ここだけは、はっきりさせとかないとな。 「まりさたち、にんげんさんのいうことしっかりききます! どうかまりさたちを飼いゆっくりにしてください!」 「おねがいだよ! もうさむいさむいも、おなかぺーこぺーこもいやだよ! なんでもしますから、れいむたちをここにおいてください!」 うーむ、食い下がるな。 と言うか、何気に飼いゆっくりにしてくれってはっきり言ってるし。 なんか更にハードルが上がっている。 交渉術としては、ありかもな。 最初に飼いゆっくり要求をする。 次に、飼いゆっくりは諦めます、その代わり、しばらくお家に置いて下さい!ってな。 まあ絶対そんなこと考えてないだろうけど。 「なんと言われても駄目。飼わない。」 でも、断る。 これだけは、こっちも譲れない。 「にゃんでー!?れいみゅたちだって、あったかいおうちがほしいにょにー!?」 「まりちゃ、ここにすみたいよ!もう、おそとはいやだよ!」 子ゆっくりたちも、野良生活の不満を口にする。 「はいはい。ゆっくりゆっくり。」 でも、そんなの相手にしない。 人間として、饅頭の言うことを真に受けたりしない。 「ゆ!?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくちー!!」」 こちらの“ゆっくり”に反応してゆっくり返しをしてくる一家。 「ゆゆゆゆゆ!?にんげんさん、ごまかさないでね!」 「そうだよ!れいむたち、にんげんさんが飼ってくれるまで、ここをうごかないよ!」 「まりちゃ、飼いゆっくちににゃるのじぇ!」 「れいみゅは飼いゆっくちだよ!」 大した決意だな。 付き合わないけど。 「よーし。お前ら折角だから風呂にでも入ってさっぱりしとけ。」 こいつら野良だけあって汚いしな。 一晩家に置いとくにもこのままじゃ、あちこち汚れる。 それに、薄汚い野良共には本来なら生涯経縁のない、 風呂という極楽を経験させてやるのも一興だ。 「ゆゆ?お風呂?」 「れいむたち、こんなにさむい日にみずあびなんかしたくないよ!」 「そうだじぇ!おみずはゆっくちできないんだじぇ!」 「れいみゅたちきれいだから、おふろはいらにゃいよ!」 ふふふふふ。 こいつら、やはり知らないな。 風呂という桃源郷。 限りなく天国に近いゆートピアを。 「ゆゆゆゆゆゆ!!!ゆっくちー!ゆっくちだじぇ!」 「れいみゅ、ちゃーぷちゃーぷするよ!」 「おちびちゃん!ぴゅー、だよ!ぴゅー!」 「ゆあぁぁぁ!きもちいいよぉ!おとーしゃん、もっとやってほしいのじぇ!」 「れいみゅも!れいみゅも、ぴゅー、やってほしいよ!」 「まっててね!じゅんばんだよ!つぎは、おちびちゃんのばんだからね!」 「ゆーん!れいむのおちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるよー!」 嫌がるゆっくりを宥めすかして風呂場まで連れてきた。 最初はお湯や風呂場といったものに、 興味半分、警戒半分といったとこだっだが、今はこの通り。 この一家もすっかり風呂の虜だ。 それぞれ用意してやった風呂桶でお湯に浸かって極楽気分を味わっている。 「おーい。お前らあんまり長風呂すると体が溶けるぞ。気をつけろよ。」 この分だと体が溶けるまで風呂に浸かりかねない。 一応注意はしておいてやろう。 まあ面倒臭いから、危なくなるまでは放っておけばいいか。 俺も自分の体を洗ったり、湯船に浸かったりとのんびりしていたら、 子ゆっくりたちの様子がおかしい。 「ゆゆ!まりちゃのあんよがへんにゃのじぇ!」 「ゆ!?れいみゅ、もうゆっくちできにゃいよ!だしてにぇ!だしてにぇ!」 「ぽーかぽーか!きもちいいよー・・・。」 「まりさ・・・。なんだかとってもゆっくりしてるね・・・。」 「ほんとうだね・・・。おふろはとってもゆっくりできるね・・・。」 「ゆわーん!おとーしゃ!おかーしゃ!まりちゃ、もうでたいのじぇ!」 「みゃみゃー!れいみゅ、ゆっくちできにゃいー!みゃみゃー!みゃみゃー!」 「ゆふー・・・。ねえれいむ、なんだかゆめをみてるみたいだね・・・。」 「ゆ・・・。ほんとうだよ。 こんなにゆっくりできるなんて、ゆめみたいだね・・・。」 「でも、ゆめじゃないよね・・・。」 「そうだよ。おちびちゃんたちも、とってもゆっくりできてるよ・・・。 にんげんさんのおうちにいれば、これからもずっとゆっくりできるよ・・・。」 「「ゆっふー・・・。」」 「ゆああ!?まりちゃのあんよ!?あんこさんがぁぁぁぁ!?」 「たちゅけてー!ぴゃぴゃー!みゃみゃー!かわいいれいみゅをたしゅけてー!!」 なんだか子ゆっくりたちが阿鼻叫喚の地獄絵図を描きつつある。 いい加減助けてやるか。 「よいしょっと。」 二匹ともお湯でふやけて、体がグズグズになりかけている。 これ以上体が崩れないように、素早くそっと掬い出してやる。 「ゆ?まりちゃ、おそらをとんでるのじぇー!」 いきなり持ち上げられてパニックでも起こすかと思いきや、 なんとも暢気な反応の子ゆっくり共。 そのまま、風呂場から出て用意してあったタオルの上にそっと載せる。 軽くタオルで余計な水分を吸い取って、後は大人しくしてれば問題なし。 「ゆ!にんげんしゃん!ゆっくちありがとうだよ!」 「お前ら、しばらくそこから動くなよ。体が崩れても知らないからな。」 「ゆゆ!?おちびちゃん!だいじょうぶなの!?」 もう一度風呂に浸かり直そうかと踵を返すと、 今頃になって親ゆっくりが出てきた。 「ぷっきゅー!れいみゅ、ゆっくちできにゃくなりそうだったよ!」 「そうだじぇ!まりちゃ、あんよがゆっくちできにゃくなるとこだったのじぇ!」 流石に、子ゆっくりも怒っているようだ。 まあ、あれだけ助けを求めて大騒ぎしていたのに、 親共ときたらゆっくりしすぎて、気づきもしなかったからな。 「ごめんね、おちびちゃん!まりさたちがわるかったよ!」 「ゆゆぅ・・・。あとで、あまあまいっぱいあげるからゆるしてほしいよ!」 「ゆ!あまあま!あまあま、たべちゃいのじぇ!」 「れいみゅも!れいみゅ、またオレンジジュースさんほしいよ!」 うーむ。 ゆっくりだからか、子供だからかあっさりと食べ物に釣られたな。 それにしても、あまあまあげるって・・・。 「ゆーん!おちびちゃんたち、ごきげんなおったね!よかったよー!」 「ゆんゆん!人間さん! おちびちゃんのために、あまあまいっぱい用意してほしいよ!」 ばきっ どかっ やっぱり俺に頼るのか。 本当に厚かましい奴らだ。 まあ、どの道何か餌は用意するつもりだったからいいだろう。 「だったら、どうしてけるのーー!!?」 「ゆぅぅぅーーー!!?れいむのおかおがーーーー!!!」 「ふー・・・。いいお湯だった。」 あれから、もう一度風呂に浸かってリビングに戻ってきた。 ゆっくり共は、仕方ないので先にまとめてリビングに運んでやった。 その際に子ゆっくりには、 ある程度体が乾くまで動かないように強く言っておいた。 親ゆっくりには、子ゆっくりをしっかり見ているように伝えておいた。 まあ、子ゆっくりも自分の体がふやけてることぐらい理解出来るだろうし、 親ゆっくりも一緒なんだから大丈夫だろう。 「おーい、お前ら。体乾いたかー?」 「ゆぐぐぐぐ・・・!ゆぴっ!ゆぴぃぃぃぃぃぃ!いたい、いたいぃぃぃ! まりさのおかおがいたいよぉぉぉぉ!!」 「だれひゃぁぁぁ!れいひゅをひゃしゅけひぇぇぇぇぇ!! れいひゅのひひゃはんがいひゃいいいいい!!!」 「おとーしゃ!おかーしゃ!しっかりするのじぇぇぇ!」 「ゆっくちー!!ゆっくちしてにぇ!ゆっくちだよぉぉぉぉ!!」 ってどうなっている? 大饅頭二匹はリビングの床でのた打ち回ってるし、 子饅頭は涙で体中べとべとになりながら泣き叫んでやがる。 一体何があったんだ・・・? ん・・?あれは・・・。 俺の大事にしていた壷があああああああ!!? 飾っておいた壷が床で粉々に砕けている! 子ゆっくりは最初にいたタオルの上から動いていない。 どうやらちゃんと言いつけを守ったようだ。 親ゆっくりたちは・・・。 まりさは、ほおの辺りから餡子が漏れている。 何かで切ったような傷跡だ。 れいむのほうは、舌だな。 舌から餡子が漏れている。 傷の様子はまりさと似ている。 おそらくは、まりさの傷を舐めてやろうとして、 自分も破片で舌を切ったというところか。 状況が飲み込めてくると、腹立たしくはあるが、 幾分冷静さを取り戻してきた。 「ゆぎゃああああああ!まりさ、しぬ!しんじゃうぅぅぅぅぅ!!」 「ひひゃ!ひひゃがぁぁぁぁぁ!! まりひゃぁぁぁぁ、ひゃしゅけえひぇよぉぉ!!」 ごろごろごろ ごろごろごろ ずどん ずどん 「「ゆぐうぅぅぅぅぅぅぅ!!!?」」 とりあえず、動きを止めるのが先決。 ごろごろと無意味に転がる二匹を、 上から押さえつけるようにぶん殴った。 呻き声をあげながら、動きが止まる二匹。 「ゆはー、ゆぜー・・・。にんげんさん、ありがとうだよ・・・。」 「れいむ、しぬかとおもったよ・・・。」 とりあえず、オレンジジュースを患部に塗布してやった。 すぐに完治。 便利でいいですね、本当に。 それはさておき。 「おい、お前ら。あれはどういうことだ。」 砕けた壷を指差し問い詰める。 「ゆっ!きれいなたからものがあったから、 まりさ、おうちにかざろうとおもったんだよ!」 「まりさが、あそこにのぼってしたにおとしたら、こわれちゃたったんだよ!」 「ゆんゆん!にんげんさんは、あんなあぶないもの、おいとかないでほしいよ!」 「そうだよ!れいむとまりさは、いたいいたいだったんだよ!ぷんぷん!」 「「ぴゅんぴゅん!!」」 親ゆっくりが交互に口を開く。 最後には子ゆっくりまで口を出してきた。 それにしても、今回は突っ込みどころが満載だ。 どこから突っ込むべきか・・・。 「ゆっ!そうだよ!」 何だ、一体? 「にんげんさん!あまあまよういしてね! おちびちゃんたちにあげるやくそくだよ!」 「そうだったね!すっかりわすれてたよ! まりさも、けががいたいいたいで、またおなかぺーこぺーこになったよ!」 「にんげんしゃん!まりちゃに、あまあまちょーらいにぇ!」 「ゆー!!あまあまいっぱいだにぇ!あまあま!あまあま!あまあま!」 うーん、本当ににどこから話をすればいいやら。 ぼこっ げしっ ぴしっ ぴしっ 一先ず、蹴り二発とデコピン二発でゆっくりを黙らせる。 「ゆぴぃぃぃぃぃ!」 「いじゃいいいぃぃぃ!」 「「ゆんやあああぁぁぁぁぁぁ!!」」 と思ったら今度は泣き声がうるさい。 「お前ら、黙らないともう一発いくぞ。」 「「「「ゆっ!」」」」 ピタッ よろしい。 「お前ら、ここは俺の家だ。それは分かるよな。」 「ゆ!ここはにんげんさんのおうちだよ!」 まりさが代表して答える。 他の連中も頷くような仕草をしているし、理解できているようだ。 「俺の家の中にあるものは、俺のものだ。分かるよな。」 「ゆん!にんげんさんのおうちのなかのものは、にんげんさんのものだよ!」 一同頷く。 「あの壷。おまえらの壊した宝物も俺のものだ。分かるよな。」 「ゆんゆん!まりさは、ゆっくりりかいしてるよ!」 一同頷く。 「人の物を壊すのは悪いことです。分かるか?」 「ゆ?ゆゆゆゆゆゆゆ!?」 一同、動揺。 「あれは、俺が大事にしてた宝物なの。それを壊して何か言うことはないか?」 ゆーんゆーん・・・ ゆーんゆーん・・・ 饅頭思考中。 たっぷり五分ほど経過。 「ゆ!でもまりさたち、あれのせいでけがしたんだよ! にんげんさんのせきにんだよ!だからおあいこだよ!」 「だから、れいむたちにあまあまいっぱいちょうだいね!」 「「ちょうだいにぇ!!」」 どかっ ばきっ ぴしっ ぴしっ 「ゆ・・・。まりさがわるかったでず・・・。」 「れいむ、ゆっくりあやまります・・・。ごべんなざい・・・。」 「「ごめんにゃさい・・・。」」 絶対何が悪いか理解できていないが、 ゆっくりにこれ以上反省を求めるのは無駄というもんだな。 それより話を先に進めるのを優先。 「ところで、お前らあの壷を家に飾るってどこに飾るつもりだったんだ。 お前ら確か、家が壊れたっていってなかったか。」 「ゆ!そうだよ!まりさたちのおうち、こわれちゃったんだよ!」 「たからものをかざるのは、あたらしいおうちだよ!」 「新しいお家ってどこだよ。」 いつの間に新しい巣なんか見つけたんだ。 「ゆん!ここだよ!」 まりさが、指し示すのは部屋の隅の机の下。 「ゆー。すてきなばしょだよ!れいむたちのゆっくりプレイスだよ!」キリッ 「ゆんゆん!あとで、だんぼーるさんもってきておうちをつくるんだよ!」キリッ ズドーン ズドーン ずっしりと重い拳がゆっくりの顔面に突き刺さる。 「ゆぴいぃぃぃぃ!なにするの、にんげんさん!まりさのおかおがいたいよ!」 「そうだよ!れいむに、ひどいことするにんげんさんは、ゆっくりあやまってね!」 「「しょーだ、しょーだ!あやみゃれー!」」 ゆっくりに背を向け、大きく息を吸い込み、大きく吐き出す。 それを何度も繰り返す。 すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー 深呼吸で気分を落ち着ける。 その間もゆっくり共が何か騒ぎ立てているが、極力耳に入れない。 何とか冷静さを取り戻したところで、向き直る。 「ゆっ!にんげんさん!やっと、まりさたちの話をきく気になったんだね!」 「ぷんぷん!ちゃんと、れいむたちにあやまってね!」 ズドン ズドン どかっ 再び振るわれる重量感にあふれる拳。 吹き飛び壁に叩きつけられるゆっくり。 ・・・いかん。 どうやら、まだ深呼吸が足りなかったらしい。 取り乱すとは、我ながら恥ずかしい。 「ゆげげ・・・。」 「ゆ・・・。ゆぅ・・・。」 「おちょーしゃん!」 「みゃみゃー!」 流石に親ゆっくりもダメージの蓄積が堪えてきたらしい。 ちょっとインターバルをいれよう。 それにしても。話が全く先に進まないな。 やれやれ・・・。 またまた、ホットオレンジジュースを用意してやった。 寒い日にはいいんじゃないでしょうか。 「ゆっぷー!おいしいよー!まりさ、しあわせーっ!だよ!」 「れいむもだよ!でも、のみものだけじゃなくて、たべものもほしいよ!」チラッチラッ 「「あまあまたべちゃいよ!!」」 だんだん俺の理性も春の氷のように頼りなくなってきたな・・・。 ゆっくりブリーダーって凄い職業なんだな・・・。 「それより先に話すことがある。 お前らあそこを新しい家にするって言ってるけど、ここは俺の家だ。 お前らも理解したんじゃないのか。」 まさか、人間さんから奪うよとか、 俺のいない間にお家宣言したからここはまりさたちのおうちだよ、 とか言ったらすぐに追い出そう。 そうしよう。 「ゆ!ここはにんげんさんのおうちだよ! でも、まりさたちのおうちでもあるんだよ!」 「そうだよ!れいむたちと、にんげんさんのおうちだよ!」 え? 良く分かんない。 どんな理屈だろう。 「なんで俺の家でもあり、お前らの家でもあるわけ?」 「ゆっふーん! ここはにんげんさんのおうちでもあるけど、まりさたちのおうちでもあるんだよ! だって、まりさたちはにんげんさんの飼いゆっくりだよ!」キリッ 「よろしくね、にんげんさん!」キリッ 「「よろしくにぇ!!」」キリッ 「いやいや。俺、お前ら飼ったりしないから。 明日になったら出てってもらうから。 そう言ったよな。」 わざとだろうか。 それとも本当に都合のいいほうへと記憶が改竄されているのだろうか。 「ゆ?なにいってるの?まりさたち、飼いゆっくりだよ?」 「れいむたち、にんげんさんの飼いゆっくりなんだよ?」 「そうだじぇ!まりちゃたち、きょうからここにすむのじぇ?」 「にんげんさん、ゆっくちりかいできりゅ?」 ふはは。 もういい。 良く分かった。 今はお前らの好きにさせてやる。 だが俺は一度もお前らを飼うとは言ってないぞ。 明日までは家においてやるといっただけだ。 明日になったら、見てろよ。 それまでは、せいぜい、いい夢見させてやる。 そういや、こいつらあまあまが欲しいって言ってたっけ。 「よーし、お前ら甘いものが欲しいって言ってたな。 ちょっと待ってろよー!」 家にあった甘いものをかき集めてきた。 これだけあれば足りるだろ。 もし足りなけりゃ、近所のコンビニまで買いに走ってやる、畜生。 「ゆ!ゆわああああああ!すごい!すごいよ、にんげんさん!」 「ゆうぅぅぅぅ!れいむ、ゆめをみてるみたいだよー!」 「たべていいにょ!?これほんとにまりちゃがたべてもいいにょじぇ!?」 「れいみゅ、こんにゃごちそうはじめてだよ! どれからたべていいかわかんにゃいよ!」 ぴこぴこ だじぇだじぇ ぴこぴこ だじぇだじぇ あらん限りに喜びを表すゆっくり共。 「それじゃ、あまあまたべようね! ・・・にんげんさん、ゆっくりいただきます!」 「いただくよ!」 「「ゆっくちいただくよ!!」」 むーしゃむーしゃ、しあわせー むーちゃむーちゃ、しあわちぇー あーもー。 本当に食べ方汚いな、こいつら。 新聞の上に餌皿載っけたけど、その外にまで食べこぼしそうな勢いだな。 まあ、野良でちょっと前まで餓死寸前だったことを思えば納得できるけどな。 こんなご馳走今まで見たこともなかったろうし、 こんなに山のような食べ物を見るのも初めてだろう・・・。 ゆっくり共の、すーぱーむしゃむしゃタイムがやっと終わったが、 お菓子はまだ結構残ってる。 流石に一回で食べきれる量じゃないか。 「ゆっぷっぷー・・・。まりさ、おなかいっぱいだよー!」 「れいむも、もうたべられないよ!」 「ゆぅ・・・。まりちゃ、もうたべれにゃいよ・・・。」うとうと 「ゆぴー・・・。れいみゅの・・・、あみゃあみゃさん・・・。ゆぴー・・・。」 どいつも食いすぎで体がパンパンだな。 全身胃袋みたいなものだからか。 それに、子ゆっくりは満腹になって眠たそうだな。 特に子れいむはもう、半分夢のなかだな。 あれだけ食べて、まだあまあまの寝言ってのが凄い。 「おい、これがお前ら寝床だぞ。」 用意しておいたのはダンボール。 一家がまとめて入れそうな大きいサイズ。 「ゆぅぅぅ!!これが、まりさたちのおうちなんだね!」 「すごいよ!こんなにりっぱな、だんぼーるさんがおうちなんだね!」 「ゆぅ・・・。ゆっ!おうち! これがまりちゃたちのあたらしいおうちなんだじぇ!」 「すぴー・・・。ゆぴー・・・。 むーちゃむーちゃ、ゆふふ・・・。ゆぴー・・・。」 大喜びの一家と一匹就寝中。 「さっそくはこぶよ!」 「まりさ、がんばってね!」 「おとーしゃん、がばるのじぇ!」 ずーりずーり まりさが、ダンボールを銜えて例の机の下へ運んでいく。 子まりさはともかく、れいむは手伝ってやれよ。 「やった!おうちが、かんっせいっ!したよ!」 「やったね、まりさ!」 「さすが、おとーしゃんにゃのじぇ!」 どうにかダンボールを運び終えたな。 じゃあ、次はこれをやるか。 「おい、じゃあこれ、家の中に敷いとけよ。」 用意してあったのは、新聞紙とタオル。 新聞を下にして、その上にタオルを敷いとけば温かいだろう。 「ゆゆ!!ありがとうだよ、にんげんさん!」 「おうちをこーでぃねーとしようね!」 「ゆぅ・・・。どきどきするのじぇ!」 「ゆぴー・・・。ゆぴー・・・。」 ダンボールの中に新聞紙とタオルを敷いて、具合を確認するゆっくり共。 「ゆ!?ゆゆ!?」 「な、なんなの、これ!?」 「ゆぴぴぴぴぴ!?」 タオルの感触を確かめ、固まる。 「「「すごくあったかいよ!!!!」」」 「ゆぴー・・・。ゆごー・・・。」 驚きのあったか宣言と、しつこく就寝中の一匹。 「ゆぐっ・・・、ぐすっ、ゆえぇぇぇん!」 突然泣き出す子まりさ。 どうしたんだ。 「どうしたの、おちびちゃん!?」 「どこかいたいの!?にんげんさん、おちびちゃんをみてあげてね!」 診てあげてね、って言われてもな。 オレンジジュース用意するぐらいしかできないんだが・・・。 どうしたもんか。 「ゆぐ、ぐすっ・・・。ちがうのじぇ・・・。 まりちゃたち、もうしゃむいしゃむいしなくていいのじぇ? おにゃか、ぺーこぺーこしなくていいのじぇ?」 「ゆ!?ぐすん・・・。そうだよ! まりさたちは、飼いゆっくりだからさむいさむいも、ぺーこぺーこもないんだよ! ね、にんげんさん!」 「おちびちゃんはほんとに、しんぱいしょうだね・・・。 だいじょうぶだよ・・・。 おかあさんが、ぺーろぺーろしてあげるからね・・・。」ぺーろぺーろ ・・・・・・。 いや。 ね、にんげんさん!なんて言われても、 本当にお前らの面倒見るとかいってないんだけど・・・。 明日には出て行ってもらうし。 とかやってるうちに、れいむに舐められて落ち着いたらしい子まりさが、 こっちにやって来た。 「にんげんしゃん!」 んん? なんだ。 「まりちゃたちを飼いゆっくりしてくれて、ありがとうなんだじぇ! これからもよろしくなんだじぇ!」 ・・・・・・。 まあ、いい。 明日だ。 明日になったら見てろよ・・・。 「それじゃ、おちびちゃんはもう、すーやすーやしようね! おかあさんがいっしょにねてあげるからね!」 「まりさは、おちびちゃんをおうちまではこぶよ!」 どうやらもう、寝るらしい。 そうしろ。 静かになって丁度いい。 子まりさは先に親れいむと一緒に巣の中。 子れいむは親まりさが口に入れて運んでやるようだ。 「おちびちゃんをゆっくりはこぶよ!」ぱくっ いちいち宣言が必要ですか、貴方達は。 ずーりずーり 子れいむを起こさない為だろう、言葉通りゆっくりと這って巣に移動する。 そこで、子れいむも親れいむの傍らにそっと下ろすと、 親まりさがこっちにやって来る。 「にんげんさん!まりさたちを飼いゆっくりにしてくれてありがとうだよ! あらためておれいをゆうよ!」 ・・・・・・。 最早何も言うまい。 「ゆ・・・・。 それじゃ、またあした・・・・、ゆっくりしていってね!!」 そう、明日だ。 明日で終わりだ・・・。 そして次の日。 起きて窓の外を見ると猛吹雪。 天気予報を見てみると今日は一日、こんな天気らしい。 昨日は晴れるって言ってたくせに。 嘘つき。 だが予定に変更はない。 今日で終わりだ。 あのゆっくり共の面倒を見るのもこれまで。 昨日の予定では、昼頃には出て行ってもらうつもりだったし、 それでいいだろう。 そんなことを考えていると、ゆっくりも起きだしたらしい。 「ゆぅぅ・・・。ここどこだじぇ・・・?」 「にゃんだか、あったかいにぇ・・・。」 子ゆっくりか・・・。 寝惚けているな。 「ゆゆぅぅぅ・・・。どうしたの、おちびちゃんたち・・・。」 「ここどこにゃの・・・?おうちじゃないのじぇ・・・。」 「ゆふふ!ここはおうちだよ・・・。あたらしいおうちだよ。」 「ゆ!?わかってるのじぇ!ここはまりちゃのおうちじぇ!」 「ゆゆ!?おうち?」 子まりさは、慌てて誤魔化したな。 子れいむは、昨日は一匹だけ早く寝たから巣のことは知らないんだな。 親ゆっくりが子れいむにも巣のことを説明する。 「すごいよ!れいみゅのおうちはとっちぇもゆっくちできるにぇ!」 親に巣のことを教えられて大喜びだな。 「おい、朝飯は昨日の残りでいいよな。」 「ゆん!じゅうぶんだよ!」 昨日食べ切れなかった餌は、あの後まりさがせっせと巣の中に運び込んだ。 一応飼いゆっくりとしての躾を受けていないゆっくりの習性として、 巣の中に食料を備蓄したいらしい。 別にどうでもいいので、まりさの好きにさせた。 「それじゃ、あさむーしゃむーしゃしようね!」 「ゆっくちいただくのじぇ!」 「ゆっくちいただくよ!」 むーちゃむーちゃ、しあわちぇー うんうん。 幸せそうでいいね。 この後には地獄が待っている。 もう何時間かあとには、猛吹雪のなかに放り出す。 今の内に、しあわせーしとこうね。 「まりちゃ、ゆっくちこーろこーろするのじぇ!」 「れいみゅも、こーろこーろするよ!」 「まりちゃ、のーびのーびするのじぇ!」 「れいみゅも、のーびのーびするよ!」 「ゆううーん!おちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるよー!!」 「ほんとだね!とってもゆっくりしてるね!」 子ゆっくりは暖かい部屋の中で、存分に跳ね回ってる。 親ゆっくりも、そんな幸せそうな子ゆっくりの姿を見てとても幸せそうだ。 今、時計は11時30分。 そろそろ昼飯にして、1時頃に落ち着いたらこいつらを追い出そう。 まずは飯の仕度だ。 自分の飯の仕度を済ませたので、次はゆっくり共の番だ。 こちらは簡単。 また、甘いお菓子を餌皿に入れてやるだけ。 ホットオレンジジュース付き。 「ゆわーい!いっぱいたべりゅよ!」 「むーちゃむーちゃ、しあわせー!!」 がつがつと貪るゆっくり。 早々に食べ終わったな、あいつら。 「ゆー。まりさ、ごーろごーろするよ・・・。」 「れいむも、ごーろごーろ・・・。」 「ゆゆぅ!まりちゃもだじぇ!」 「れいみゅも!」 「それじゃ、みんなでごーろごーろしようね!」 「「「「ごーろごーろ、しあわせー!!」」」」 もぐもぐ。 幸せそうでいいね。 本当にさ・・・。 時計は1時丁度。 ゆっくり共は、あれから速やかにすーやすーやモードに移行した。 今も夢の中だ。 外の様子は・・・・。 猛吹雪だ。 ・・・・・・・。 寒そうだな・・・。 ・・・・・・・。 とにかく、ゆっくり共を起こそう。 どかっ どかっ ぴしっ ぴしっ 蹴りとデコピンがゆっくり共に突き刺さる。 「ゆぴぃぃぃぃぃ!!?」 「なんにゃのじぇ!?まりちゃのおかおがいたいのじぇぇぇぇ!!!」 「ゆぅぅぅぅぅ!!?なんなのぉぉぉぉ!!」 「ゆげっ、ゆげぇっ・・・。ぱぴぷぴぱぺ・・・・。」びくんびくん しまった。 当たり所が悪かったのか、親れいむが餡子吐きながら痙攣してる。 こんな時はオレンジジュースだ。 ゆっくり共は熟睡しているところに、突然の暴力と、 親れいむの惨状にパニックを起こしかけた。 しかし、俺の素早い処置で親れいむはすぐに回復。 ゆっくり共には、侵入してきたれみりゃが一家を襲ったが、 俺が追い払って事なきを得たと説明。 パニックを鎮めるどころか、更に感謝までされた。 馬鹿でよかった。 それはともかく、本題だ。 「お前らには俺の家から出てってもらう。」 「ゆ?」 「なにいってるの、にんげんさん?」 「「????????」」 予想通りの反応だ。 「俺は昨日から一度もお前らを飼うとは言ってない。 一日だけ家に置いてやるといっただけだ。 出ていってもらう。」 「ゆゆ!?まりさたちは、にんげんさんの飼いゆっくりだよ!!」 「違う。飼いゆっくりじゃない。」 「でも、にんげんさんは、おうちをよういしてくれたよ!?」 「一夜の宿だ。」 「まりちゃ、いやなのじぇ!ここがいいのじぇ!」 「駄目だ。」 「れいみゅ、もうおそとはいやだよ! しゃむいしゃむいも、ぺーこぺーこもいやだよ!」 「それをどうにかするのは、お前の親だ。俺じゃない。」 口々に言い立てるゆっくりに静かに答える俺。 こいつらがなんと言おうと、どう勘違いしていようと、 俺はこいつらを飼うとは一言も言ってない。 ここは一夜の宿なのだ。 ゆっくり共が泣き喚き、じたばたと暴れるが全く問題にならない。 嫌がるゆっくりを窓辺まで引きずる。 ガラッ 窓を開けると途端に寒気が肌に突き刺さる。 昨日よりも雪が多い上、風が強く更に寒く感じる。 ・・・・・・・。 昨日の天気予報では晴だったんだけどな・・・。 まあ、仕方ないか・・・。 「ゆぶぅ・・・。」ガタガタ 「しゃ、しゃむいのじぇ・・・。」ガタガタ 「い、いやだよ。もう、しゃむいしゃむいはいやだよぉぉぉぉぉ・・・。」ガタガタ 「にんげんさん、おねがいします! れいむたちはどうなってもいいですから、 おちびちゃんたちだけでもぉぉぉぉ・・・。」ガタガタ ゆっくり共もすぐにガタガタと震えだした。 この天気じゃ、子ゆっくりなんかすぐに死んでしまうんじゃないか。 昨日の時点で、半分死に掛けてたぐらいだし・・・。 「にんげんさん、おねがいです!まりさたちを飼いゆ・・・・ゆわああああ!!?」 むんず まりさの頭から帽子を剥ぎ取る。 「まりさのすてきなおぼうしさん!!?かえしてぇぇぇ!!」 ばらばら 帽子の中に、用意しておいた菓子を入れて戻してやる。 「ゆゆ!?まりさのおぼうし、かえってきてくれたんだね!!」 「帽子のなかに、食い物入れといたからな。」 「ゆゆ!?にんげんさん・・・。」 ぽーい ぽーい ぽいっ ぽいっ 「ゆゆ!?おそらをとんでるみたー・・・ゆびゅ!!」 「れいむ、おそらをとんで・・・、ふごっ」 ゆっくり共を全部窓から外に放り投げる。 「ゆ・・・!!にんげんさん、まってね!? まりさたちをおうちにいれてね!!」 「まりちゃを、おうちにいれてほしんだじぇ!!」 「れいみゅ、飼いゆっくりにゃんだよ!!? れいみゅ、飼いゆっくりにゃんだよにぇ!?にんげんしゃん!?」 「もごもごっ・・・!」 一匹着地に失敗して顔から雪に突っ込んでいるのがいるけれど無視。 ガラガラッ 窓を閉める。 「にんげんさん!?にんげんさんんんんんんん!!?」 「ゆぴぇぇぇぇぇぇぇん!!しゃむいよぉぉぉぉぉぉ!!!」 「まりちゃをおうちにいれてほしんだじぇ!!おねがいだじぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「もがもが、むぐっもげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」ぷりんぷりん ピシャッ ゆっくりが騒いでいるが、窓越しなのとしんしんと降る雪のせいで、 窓を閉じてしまうとその声もほとんど聞えなくなる。 ・・・・・・・・・・・。 後は、自分達で勝手にしろ。 30分後。 まだゆっくりが窓の下にいる。 子ゆっくりの姿は見えない。 どうやら親の口のなかのようだ。 そうしなければ、すぐに死んでしまうだろう。 ゆっくりの上にも既に5センチは雪が積もっている。 1時間後。 まだいる。 もう、騒ぐことはやめてしまったようだ。 その元気もないといったところだろうか。 二匹寄り添ってガタガタと震える以外の動きは見えない。 10センチ以上は雪が積もっている。 更に1時間。 ゆっくりの体の半分以上が雪に埋もれている。 もう意識が朦朧としているのだろうか。 うつらうつらと眠そうにさえ見える。 更に1時間。 もうゆっくりの姿は見えない。 雪の下だ。 「ゆっくちのーびのーびするのじぇ!」 「ゆっくちこーろこーろするよ!」 子ゆっくりが幸せそうに遊びまわっている。 のーびのーびに、こーろこーろ。 それに、ゆっくり用の玩具まであるからな。 「ゆゆぅ!!おちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるよー!!」 「ほんとうだよ! それに、こんなにすてきなおうちがあってれいむ、とってもしあわせーだよ!!」 楽しそうな子ゆっくりを見て、親ゆっくりもしあわせそうだ。 「れいむ・・・。」 「まりさ・・・。」 すーりすーり 「ゆっ!?だめだよ!まりさ!おちびちゃんたちにみられちゃうよ!」 「ゆ!れいむ、まりさもうがまんできないよ!!」 「まりさー!!」 「れいむー!!」 今度は何が始まったんだ・・・。 俺の家にには相変わらず、ゆっくり共がいる。 子ゆっくりは所構わず騒ぎまわるし、親ゆっくりも碌な事をしない。 「ゆっくちー!!こんどはあっちなのじぇ!」 「まってにぇ!れいみゅも、いくよ!!」 どかーん がしゃーん 「れ、れいむ・・・!!」 「まりさーーーーっ!!!」 すっきりーーー!!! ・・・・・・・・・・。 一体どうしてこうなってしまったのだろうか。 ・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 まあ、仕方ない。 だが春になったら今度こそ絶対に出て行ってもらう。 絶対にだ。 ・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 そう言えば、俺の友人が口癖の様に言ってた台詞があったな。 たしか・・・。 俺は鬼にはなりきれないのだ・・・。 「ゆ!このつぼは、いいものなのじぇ!まりちゃのたからものにするのじぇ!」 どん ガチャーン! 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃ!!?れいみゅの、きゃわいいおかおがーーーーーーー!!!!」 挿絵:嘆きあき
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前作『ふたば系ゆっくりいじめ 823 ゆっくりが残すもの』にたくさんのコメントありがとうございます。 濃厚なコメントさんもたくさんあって本当にうれしかったです。 コメントは、どんなに遅く付こうと全部読んでます。 あと、前作のコメント欄でのコメントにいくつかここでレスしたいと思います。 布団を押入れに残すことはあまり無いんじゃないかな? これはダムで水没したの? それともダムの放水で流されたの? 放水で沈没しました(苦笑) 布団はまあ、古い物を残していったということでご勘弁を(汗 ちょっとチグハグな印象 タイトルが、ダム放流が本流と認識させるのに それに反してお兄さんとしんぐるまざーの自己主張が大きいからだと思う ただ、ダムに流されただけじゃ話として弱いかなと思ったので。 チグハグに感じないように精進したいと思います。 長編は難しいですけど一緒に頑張っていきましょうねっ! ありがとうございます。一緒に頑張りましょう! 今回は短編ですが… これからも、ゆっくりできたよと言ってもらえるように頑張ります。 「ありすとぱちぇとおにいさん」 「おねがいじまずううううう!!!まりさをがいゆっぐりにじでぐだざいいいいいい!!!!!」 道を歩く青年に、野良のゆっくりまりさが声をかける。 「飼いゆっくり?」 青年が立ち止まる。普通は野良ゆっくりなんかの声に足を止める人はいないので珍しい青年だ。 「ぞうでずううううう!!!まりさは、もどがいゆっぐりだっだんでずううううう!!!!!」 よだれと涙を撒き散らし、傍目から見ても非常に不快感を残す光景だ。 これで、飼ってくれる奴なんているはずも無い。 「んん…?なるほど…飼いゆっくりか…いいな」 「ゆうう?!ほんとう!かってくれるの!これで、まりさもゆっくりできるよ!ゆっくりしていってね!おにいさん!」 まりさは大喜びだ。本当に青年はこんな醜い野良ゆっくりまりさを飼うつもりなのだろうか? 「ん?ああ、お前を飼うなんて一言も言ってないよ。飼いゆっくりは店で買うよ。お前、汚いし」 「ぞんなあああああああああ!!!ゆっぐり!ゆっぐり!がっでね!まりさを…うべっ!!!」 青年のケンカキックがまりさの顔面にめり込む。 「ゆぎゃああああああああああ!!!まりさのぷりちーで、きゅーとなおかおさんがあああああああ!!!!!」 目と目の間に青年の靴のサイズの穴が開き、そこから餡子が漏れる。ジタバタ痛みで暴れるので、もっと漏れる。 青年はまりさの帽子を取り上げると 「ゆあああああああ!!!!!まりさのずでぎなおぼうしいいいいい!!!!!ゆっくりかえしてねええええええ!!!!!」 穴が顔面に開いているのに元気なことだ。 青年は、自治体が設置したゆっくり用ゴミ箱に帽子を入れる。 「がえじでね!まりさの、ふぁっしょなぶるなおぼうしかえしてねえええええ!!」 そして、ゴミ箱の横に設置されているスコップ(持ち去り防止の為、鉄の鎖でゴミ箱と繋げている)を手に取る。 鎖の届く範囲内に、お帽子の為にまりさが自分からやってくる。 「おぼうじがないど、ゆっぐりでぎないいいいい!!!」 青年はスコップで、まりさを何度も叩く。 「ゆべっ!!ぐぎゅ!!いじゃいいい!!!つぶれりゅううう!!ゆっぐりでぎないいいいい!!!!!」 青年はスコップの一突きで、口を破壊する。歯は砕け、口の形が十字に裂ける。 そして、瀕死のまりさをスコップですくうとゴミ箱へ入れた。 (おみずざんは、ゆっぐりでぎないいいいいいいい!!!!!!) 中には水が入っており、まりさは傷口から餡子が溶けて、ゴミ箱に入れられて直ぐに絶命した。 その後、まわりを箒で掃き(これも備え付け)青年はその場を後にした。 「ゆっくりショップに寄っていくか」 ゆっくりショップには色々なゆっくりが置いてある。 青年は、店の中を物色する。 やはり基本4種が多い。そしてバレンタインセールとやらで、子ちぇんが特に大量に並べられていた。 その前には、女性客がいっぱいいる。 「バレンタインの贈り物に、甘くてスイーツなちぇんはいかがですかー。わかるよー」 店員さんの売り込みの声も聞こえる。 れいむとまりさが、青年の視界に入る。しかし 「れいむとまりさは、うーん…好みじゃないんだよね…」 ぱちゅりーとありすを見る、青年。 「どうしよう、まあまあかなあ。2匹だと財布の中身が、でも…」 ブツブツと思案した様子の青年。 「ん、奮発するか。すみませーん!この、ぱちゅりーとありすください!」 青年は、ゆきっつっあん一枚の値段で、銅ぱちゅりーと銅ありすを購入した。 「ここが、俺のおうちだ」 ボロアパートで、4畳の部屋がひとつのみ。風呂無し、トイレ共同。 この青年は、アルバイトで生計を立てているワーキングプアさんなのだ。 「ゆっくりしていってね!」 「むっきゅりしていってね!」 2匹が、おうちの中で改めて青年に挨拶をする。まあ、本能だ。 「いいか、このボロアパートは壁が薄い。ここは角部屋で、隣もいないがそれでも騒ぐな」 不満そうな残念そうな何とも言えない表情の2匹だが 「ゆっくりりかいしたわ…」 「ぱちぇは、けんじゃだからいいつけはまもるわ…」 一応、言うことは理解したようだ。 これで愚図りだされても面倒くさいので、青年はホッと一安心という表情だ。 「お前たちには、一万円もかかってるんだからな。俺の役に立ってくれよ」 「ええ、とかいはにゆっくりさせてあげるわ」 「むきゅ、ぱちぇのけんじゃなちしきで、おにいさんをせんのうするわ」 「洗脳てお前…まー、しかたねーか。森賢に期待してもな…」 覚えた言葉を意味も分からずに使いたがるのは、ぱちゅりーの悪い癖でもある。 ゆっくりショップに売られている透明な箱も購入済みだ。防音の為、騒いでほしくないときに重宝する。 「さて、とりあえずお前らは夫婦になれ」 「「ゆゆゆゆゆ?????」」 この青年は何を言ってるのだろう? 「それで、おにいさんがゆっくりできるなら…いいわ」 「むきゅ!ありすとふうふね!なりたりこんまちがいなしだわ!むきゃきゃきゃ!」 「成田離婚の意味知ってんのか?」 「むきゅ、とうぜんよ。ぱちぇにしらないことはないわ!あいしあうことに、きまってるでしょう!」 (馬鹿すぎる…何で、同じ値段だったんだろう…) 青年は気を取り直すと 「じゃあ、さっそく子供をつくってくれ」 「「ゆゆゆゆゆ?????」」 この青年は何を(ry ありすは、子供をつくるなと固く躾けられたので意味がわからない。 「ほんとうにいいの?」 「ああ、早い方がいい」 「おちびちゃんがいれば、むっきゅりできるものね!ありすのじーすぽっとさんをまんぐりがえしよ!むきゃきゃきゃ!」 2匹を透明な箱に入れると、揺すって発情させ、さっそくすっきりーをさせる。 (しかし、醜いなー) 野良ゆっくりが駆除される最大の理由は、PTAなどによる「ゆっくりのすっきりーが子供の教育に悪いから」だ。なまじ人語をしゃべるだけに。 「あ、あ、あ、ぱちゅりー…もっと、やさしく…」 「むへっへっへ…けんじゃなぺにぺにでよがりくるうといいわ!たかなみのてくでしょおおおおお!!!!!ちょこぼーるうううううううううう!!!!!」 「「すっきりいいいいいいいいいいい!!!!!」」 本当に醜い。気持ち悪い。 そして、ありすの頭に実ゆが4匹実った茎が生えた。 3日ほどすると、子供が生まれてくる。 「ようやくか」 青年は待ちくたびれたかのように呟く。 「かわいいかわいいありすのおちびちゃん、ゆっくりうまれてきてね」 「むきゅきゅ!けんじゃなぱちぇのおちびちゃん、ぱちぇのえいさいきょういくで、いんばいにしてあげるわ!」 青年は慣れたもので、ぱちゅりーの戯言にも眉ひとつ動かさない。 「ゆっきゅりちていっちぇにぇ!」 赤ありすが生まれ落ち、最初の挨拶をする。 「ゆっくりしていってね!ゆーん、ありすのおちびちゃんはとってもゆっくりしているわ~」 とろんと惚けた表情で我が子を見つめる、ありす。 「むっきゅりしていってね!きっとこのこは、りこーるがふきそしょぶんになるわ!」 テレビで垂れ流される文言を、ただ反復する森賢。 全ての子が産み落とされると、その赤ゆっくり共を青年は全て手に取るとタッパーに入れる。そして 「また、子供をつくれ」 「「ゆゆゆゆゆ?????」」 この青年(ry 「でも、もうおちびちゃんが…」 「むきゅきゅ!おちびちゃんはいればいるほどいいのよね!そうたいせいりろんが、げしゅたるとほうかいしてるわ!」 透明な箱に布をかぶせ、青年は2匹にすっきりーさせる。 そうして、2匹がすっきりーしている間に… 「いただきまーす」 (きょわいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!みゃみゃあああああああああああああああああああああ!!!!!) 口を押さえて、騒がないようにすると口に放り込み子ありすを食べる。 「んー、物足りないなあ。やっぱり、もう少し成長しないとダメか…」 そう、青年は貧乏で、甘いお菓子は切り詰めた食費の為、ほとんど口にできない。 「俺は、餡子はあんまり好きじゃないんだよね。カスタードと生クリームは美味しいな」 残りも全て食べてしまう。赤ゆなんて直ぐに死ぬので、保存もあんまり効かない。 しかし、繁殖は容易なので時々は甘いお菓子を食べられる。青年にはそれで充分だった。 これから、2匹はシュークリーム製造機として生きていくことになるだろう。 「おにいさん?!おちびちゃんはどこおおおおおおお?????」 「けんじゃあああああああああああああああああああ?????」 シュークリーム食べてて思いついた話です。 挿絵: