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『駄目でいぶ』 7KB 虐待 ゲス 虐待人間 初投票 駄文 『駄目でいぶ』 虐待 ゲス 現代 人間 虐待鬼異惨 初投稿です 駄文 わからな(ry 回想文多すぎる 「まっでえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!」 なんか後ろから大声がする、振り返ると紅白糞饅頭(しんぐるまざー)どもが俺の後ろにいた 「でいぶたちはきんばっじのがいゆっぐりでじだ、おといれさんのばしょもわかりまず!」 「あみゃあみゃよこちぇくしょどれりぇー!」 「おじびぢゃぁぁぁぁぁぁぁん!!どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおお!」 「だまっちぇにぇ!おやのくしぇにれいみゅをゆっくちさしぇないくしぇに!!」 「まぁまぁ、何があったか知らんが話だけは聞いてやろう。」 れいむ達からの話はこういう事だった 最初に行ったとおりれいむは飼いゆっくりだった だが主人と一回公園に外出した時一匹の野良まりさにうんめいのであい(笑)をした だがある日、 そのまりさを家につれて来てしまった、 主人も飼っていいと許可をだした そこが甘かった 「おい!くそどれい、はやくあまあまをもってくるのぜ!!」 「よこちぇーくしょどりぇー!」 「れいみゅたちはあまあまがたべたいんだよ!」 「そんなこともわからないの?ばかなの?しぬの?」 『『『ばきゃはちんでにぇ!!!』』』 三日でこのゲスっぷり まりさがゲスであったためゲスがれいむに移ってしまった れいむがしんぐるまざーになったのは翌日の事であった 「い゛じゃいぃぃぃぃぃぃぃ!!やべろぉくそどれぇぇぇ!!」 「まりしゃはゆっくちにげ『グチャ!」もっどゆ゛っぐぢしたk『グチャ!」 「どうぢてごんなごどずる゛のお゛おおおおおお!!」 「ゆっくりやめt「バキッ!」い゛じゃい「ドカッ!」ごべんな゛ざ「バァァァァァァァン!!」 主人の蹴りがれいむに当たり、れいむは玄関の外の壁に直撃した。 れいむたちのゆっくりぷれいす(笑) からまりさ達の声がする 「バキッ!ガスッ!グチャ!「い゛じゃい゛い゛い゛い゛゛゛いいいいいいい」 「おい!くしょおやたしゅけりょぉ!「グチャァ!!」 「まりさのかみもうらやむおちびちゃんがあああああああ!!」 「ゆぅ・・ばりざぁぁぁぁ」 「おぢびぢゃぁぁぁぁぁん」 「バキャ!ドゴォ!「まりざのさいきょうのおめめがぁぁぁぁ!!」 れいむは逃げるしかなかった 逃げないと永遠にゆっくりさせられる 這いずるように逃げた 「も゛うだいじょだからねぇ」 すると口の中から隠していたれいみゅを出した 「ゆぴぃゆぴぃ」 「ゆぅおじびぢゃん・・・」 それからのこと子れいみゅに全てのことを話した 近くの公園の群れに入り群れの一員となった そしてだ、また悲劇(笑)は起こった 野良ゆにとって最悪の日だった 「ゆっくりおきるよ!!」 「ゆっくちおきりゅよ!!」 れいむ達はまだ知らなかった 「ゆゆーん、ゆっくりしてってね!!」 「ゆーゆーゆゆゆーゆー」 今日は一斉駆除の日だとは 「ゆっ?み、みんなどうしたの?」 「おきゃーしゃんどうちたにょ?」 「おちびちゃんみちゃだめぇ!!」 公園にあったのは大量のゆっくりの死体だった 「うわー回収メンドっ」 「文句いうなy、うわw何この量」 公園の入り口から白い服を着た人がたくさん来た 「おちびちゃんかくれるよ!」 (まずいよにんげんだよ!) (おにいさんからきいたことあるよ、かこうじょのにんげんさんはしろいふくきてるって!) 翌日 「ゆえーんおにゃかしゅいたぁぁぁぁぁ!!」 (ゆぅどうしようごはんさんがないよ。) 「でいぶはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!わかったらごはんさんをちょうだいね!!」 「ゆぅわかったのぜ」 (でいぶはおこらせるとやっかいなのぜ) (そうだよそのてがあったよ!) れいむのきんばっじ(笑)餡子脳がだした結果だった 一日目 「れいむはしんぐるまざーなんだよ、ごはんをだしてね!」 「だしちぇにぇ!」 「わかったよー、すこしまってねー」 二日目 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!ごはんさんをだしてね!!」 「はやくだしちぇねぇ!」 「ちーんぽ びっくまら まぐなむ!」 四日目 「でいぶはしんぐるまざーなんだよ!!わかったらごはんさんをぜんぶだしてね!!!」 「しゃっしゃとしりょ!くしょまりしゃぁ!!」 「ゆぅ、ごはんさんなんてもってないのぜ。」 「ごはんもってないつかえないくそまりさはゆっくりしねぇぇぇぇ。」 「ゆっ?ゆっ?」 「しぇーしゃい!しぇーしゃい!! 「「ドォォォォォン!!」「ゆっぎゃあああああああああああ!!もっとゆっぐじ」 四日でれいむはでいぶになりゲスになっていた 「げすなまりさはせーさいしたよ!!」 「れいみゅたちにごはんさんをあげないからこーなるんだよ!!」 『『げりゃげりゃげりゃ!!』』 「ゆっ?あまあまのにおいがしゅるよ!」 「ゆゆっ!このくそまりさからだよ!!」 『『むーしゃむーしゃしあわぜえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』』 「うっめ!うっめ!まじぱっねぇ!!」 「げすなくそまりさもやっとやくにたったね!」 (ゆぅ、もっとあまあまのがたべたいよ) (そうだよくそにんげんをだましてくそどれいにすればいいんだよ!!) (くそにんげんはあたまがかわいそうだからでいぶのかわいそうでかわいいおかおみればどれいになってくれるよ!!) (かわいくてごめんねぇぇぇぇぇぇぇ!!) そして現在に至る 「まっでえええぇぇぇぇぇぇぇえぇぇ!!」 (このよわそうであたまがわるそうなじじいをくそどれいにするよ!!) 「でいぶだぢはがいゆっぐでじだ、おといれのばじょもわ゛がりま゛ず (はやくゆっりさせろくそどれいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!) 「あまあまよこしぇー!くしょどりぇー!」 (このくそちびぃぃぃぃぃ!!なにい゛っでるんだぁぁぁぁぁぁ!!) 「おじびぢゃぁぁぁぁぁん、どぼじでぞんなごどいうのおおおおおお!!」 (ゆっがああああああ!このくそちびがあああああ!) 「いいよ」 「ゆっ?」 「飼ってやるよ」 「ありがどうござい゛ばずぅぅぅぅ」ニヤニヤ 「やっとれいみゅのかわいしゃがわかったんだにぇ!!はやきゅれいみゅのゆっくちぷれいすにあんにゃいしりょお!!くそどれい!」 もう分かってる、コイツらはゲス 普通「飼ってやる」なんて言ったら飛び跳ねて喜ぶ 成体に近いのに子ゆっくりみたいな喋り方してる奴もいる 「君達のゆっくりぷれいすまで遠いからこのあまあまを食べてくれ」 「どれいのくせにきがきいてるにぇ!!」 「はやくよこせぇぇぇぇどれいいいい!!」 親でいぶは飼われると分かった瞬間ゲスになっていた。 ちなみに渡したのはラムネ ゆっくりにとってラムネは睡眠薬のような物 ドス駆除にも使われている 「なんだかねむくにゃてきたよ!!」 「ゆっくりねるよ!!」 私は二ゆを箱に入れ自宅に走って帰った 「ガァン!!」ゆべっ!!」 「ゆがぁぁぁおきゃーしゃんににゃにしゅるんだくしょどれいぃぃぃぃ!!」 「黙れ」 ドンッ! 成体に近いれいみゅを蹴り 「いじゃぁぁぁぁぁぃ!!」 両手でれいみゅを殴る 左手『いじゃいぃぃ!!」右手「やべろぉぉぉどりぇいいい!!」左手「ゆぎぃぃぃぃ!!」 10分後・・・ 「ゆ゛っゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛」 「おらよォ!!」「ズンッ!」おもっいきりれいみゅを蹴ると バァァァァァァァァン!! れいみゅは壁に当たると同時に爆散した 「ゆぷぷぷ、くそちびはゆっくりしんでね!!さっきからいらいらするんだよ!!」 「おいくそどれいくそちびをころしたおれいにあまあまをたくさんもってこい!!でいぶのめいれいをきけることはどれいにとって せかいいちゆっくりできるんだよ!!」 「だから?」 「ゆっ?」 ヒュン! ドオォォォォォォォォォォォォォン!! 「ゆがぁっ!!」 「なにするんだくそどれいぃぃぃぃぃぃ!でいぶはかいゆっくりなんだぞぉぉぉお!!だからゆっくりさせないとだめでしょおおおお!」 「いや飼うといったけどさぁ」 子れいみゅと同じように 右手で殴る「いじぁぁぁぁいやべろぐぞどれぃぃぃぃぃ゛」 「いやいやwいきなり出てきて」 左手で殴る「やべろっつてんだろぉぉぉぉ!!」 「ゲス饅頭に衣食住譲ったり」 右手で殴る「でいぶはげすまんじゅうじゃなぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁい!!」 「奴隷になるわけないだろw」 「それじゃあ糞紅白饅頭、永遠にゆっくりしていってね!!」 「ゆぎゃあああああああああああああああああ!!」 (なんでこんなにかわいいでいぶをいじめるのぉ!!) (でいぶをゆっくりさせないやつらはぁ!!) (みんなじねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!) 「もっとゆ゛っぐぢし「言わせるかよ」ベチャ!!」 完 あとがき 初投票です(※二回目) SS作るの大変 慣れてる人が凄すぎる あとちるのかわいいよちるの
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『かけがえのない命』 12KB 制裁 自業自得 お家宣言 同族殺し 飼いゆ 野良ゆ 現代 独自設定 毎年この時期になると命について考えさせられますな 気ままあき 「ゆぴゃぁぁぁっ!」 潰されていく。 「もういやじゃぁぁぁぁっ!まりしゃおうちきゃえりゅぅぅぅぅっ!?」 れいむのおちびちゃんが人間さんに無残に潰されていく。 「おかあしゃぁぁぁんっ!きゃわいいれいみゅをはやくたちゅけちぇえええええええっ!」 どうして?どうしてこんな酷いことをするの? 番のまりさが死んでかられいむはずっとひとりでたくさんのおちびちゃんを必死に育ててきたのに! おちびちゃんたちを不幸な事故(実際は親れいむの無能による餓死)で次々と失いながらも けなげに生きてきたんだよ!ゆんっ!れいむタンポポさんのような控えめでけなげで慎ましい良妻賢母でごめんねっ! そしてそして……苦労してやっと新しいおうちに引越しして、さあこれからゆっくりとした新しい生活が始まるよ! と思っていたら突然あとから凶暴な人間さんがやってきたよ! 「ここはれいむたちのおうちだよ!にんげんさんがきやすくはいっていいばしょじゃないよ!」 「はやくでていくのじぇ!でていかないとまりしゃがきょわいきょわいぷきゅーをするのじぇ!」 「でみょあみゃあみゃをもっちぇきちゃら、ふほうっしんにゅうっしたきょとをとくべちゅにゆるちてあげちぇもいいよ!」 「ゆゆ~ん♪れいむのおちびちゃんたちはかんだいっすぎるよ~。こころやさしいてんしさんだね!」 「ゆーん!しょれほどでもありゅよ~♪」 「しゃあ!わかっちゃらちゃっちゃとあみゃあみゃをもっちぇくりゅんだじぇ!そちたりゃくそにんげんはちぬんだじぇ!」 「「「さっさとしんでね!すぐでいいよっ!」」」 れいむたちは当然の要求をしたはずだよ! おうち宣言はすでに完璧にしているよ!名実共にこの家はれいむたち親子の所有物になったはずだよ! そのおうちに無礼にも不法侵入した人間さんの方が全部悪いに決まってるよ! だから家主のれいむ達にお詫びとしてあまあまを献上するのは当たり前のことだよ! さらに人間はゆっくりの常識としてゆっくりできないよ!なら死ぬのは当たり前の話だよ! ゆっくりできない生き物はこの世に存在する資格はないんだよ!なのに…… 「ゆんやああああっ!ちゅぶっ!ちゅぶれりゅぅぅぅぅっ!」 「や、やべてね!やべであげてねっ!?おちびちゃんがいたがってるよぉぉぉぉっ!」 人間さんはその足でれいむのおちびちゃんのまりしゃを踏み潰そうとしているよ! じっくりと時間をかけてたくさんたくさん苦しめて残酷に……ひどいよ!どうしてこんな酷いことができるの!? れいむもすでに人間さんに蹴られたよ!殴られたよ!痛くて痛くて動くこともできないよ! れいむはただ泣きながらおちびちゃん達が痛い痛いなことをされる光景を見ているだけしかできないよ! ひどい……ひどすぎるよ!どぼじて……!どぼじでっ!どぼじてぇぇぇぇっ! あまりのゆっくりできない光景に親れいむは思わず叫んだ。 あらん限りの声で!我が子を虐め殺さんとする人間に向かって! 「どぼじてぇぇぇぇっ!?どぼじてこんなひどいごとずるのぉぉぉぉっ!れいぶたちだっていきてるんだよぉぉぉぉっ! せかいにひとつだけのかけがえのないいのちっ!なんだよぉぉぉぉっ!? いのちはちきゅうよりもおもいんだよぉぉぉぉっ!いきものはみんなびょうっどうっ!でしょぉぉぉぉっ!? みんなみんなうちゅうせんっちきゅうごうっ!のなかまなんだよぉぉぉっ! だからいじめたりころしたりしちゃだめでしょぉぉぉっ!?」 その絶叫を聞いてまりしゃを踏み潰そうとしていた人間……男の動きが止まった。 男はゆっくりと親れいむの方を振り向く。 親れいむは言いたい事を全部言い切ったことに満足したのかドヤ顔でふんぞり返っていた。 「ゆんっ!ばかなにんげんさんでもなんとかじぶんのあやまちがりかいできたようだね!だったらもうっせいっしてね! そしたらおちびちゃんたちをちりょうしてあげてね!そしたらぐずぐずしないでゆっくりし…」 「うるせえカスッ!」 「ゆぎゃっ!?」 男は好き勝手なことをほざく親れいむを思いっきり蹴飛ばした。 親れいむは戸棚に激突して痛さのあまりさらに泣き叫ぶ。 「い、いたいぃぃぃぃっ!いたいよぉぉぉっ!な、なんでぇぇぇぇぇっ?どぼじてごんなごとずるのぉぉぉっ!? れいぶなにもわるいごとじてないのにぃぃぃぃっ!」 「はあ?悪いことしてないィ?ざけんなよお前……よりにもよってたまたま俺が隣りの部屋にいる時に 俺の家に勝手に入り込みやがってよォ。さんざん家ン中荒らしまくってよォ!どう見ても悪いことだろうがこれはッ」 「れ、れいぶがおうちせんげんしたんだから、ここはれいぶたちのおうちでしょぉぉぉぉっ!?」 「バカかお前?お前らの勝手なおうち宣言なんか通用するわけねーだろうがっ」 親れいむは男の勝手な言い草に思わずカッとなった。 ゆっくりがここを自分の棲家にすると告知する、いわゆるおうち宣言はゆっくりにとって神聖な法律であり儀式である。 そしてこの儀式が成立したということはこの家は法的にれいむ達の所有物となったということだ。 そのおうち宣言を認めないで反故にしようとはなんたるゲス!親れいむはすかさず言い返そうとしたが…… 「大体よォー……この部屋には俺の飼いゆっくりがいたはずなんだけどなァ?」 「ゆっ!?」 「確かおうち宣言は誰かに宣言を邪魔されたら成立しねーんだろォ?」 「ぞ、ぞれは……!」 「でよォ。俺の飼いゆっくりはてめーの宣言中に『だめだよ!ここはまりさとおにーさんのおうちだよ!』って 言ったよなァ?おうち宣言を無効にする異議をちゃーんとお前に申し渡したよなァ!」 「ど、どぼじてじっでるのぉぉぉぉぉっ!?」」 「無駄にでけー声だったから俺がいた隣りの部屋まで全部聞こえてたンだよ。おうち宣言?そもそも成立してねーじゃん ならお前の宣言なんざ通用するわきゃねーだろ?馬鹿なの?死ぬの?」 「ゆ、ゆぐぅぅぅぅぅっ!?」 そう……親れいむはすっかり忘れていたのだ。 網戸をぶち破って男の家に不法侵入し、おちびちゃん達とおうち宣言をしようとしたら ちょうどその場にいた銀バッジのまりさにおうち宣言を邪魔されたことに。 そうなのだおうち宣言は飼いゆのまりさに阻止されていた。その後再度のおうち宣言はまだしていない。 何故ならある事に夢中になっていたのと、その後の男の登場で現在この時に至っているからだ。 「……で?お前さァ俺の飼いゆのまりさをどうしたよ?」 「ゆっ……!?」 「あの後ものすごい大声が聞こえてきたよなァ……確か『おうちを独り占めする糞まりさはゆっくり死ね!』だっけか?」 「ゆっ!?ゆっ、ゆっ、ゆっ……!」 親れいむは体の痛みも忘れてガタガタ震えだした。 そうだ、おうち宣言を邪魔されたことに腹を立てたれいむはおちびちゃん達とともに銀バッジまりさを制裁したのだ。 おうち宣言さえ阻止すれば諦めて帰ってくれるだろうと能天気に思っていたまりさは突然の奇襲にやられてしまった。 まず親れいむは銀バッジまりさに本気の体当たりを喰らわせ、おちびちゃん達も次々とまりさに体あたりをした。 ゆっくりの場合はたったそれだけでもう勝負はついたも同然に等しい。 「てめーの逆ギレ聞いて俺は驚いてさァ。急いで駆けつけたわけだけど……もう遅かったわ どうにも最初の一撃が致命傷だったみたいだなァ」 「だ、だってぞれはっ!あ、あのまりざがおうちをひとりじめにしようとするげすだったがらっ!」 「だから制裁したと?」 「ぞうだよっ!ゆっくりできないげすをせいっさいっするのはただしいことなんだよぉぉぉぉぉっ!? ゆっくじじないでそくざにりかいじでねぇぇぇっ!?」 「殺すことが正しいとお前は言いたいわけ?」 「ぞうだよぉぉぉぉっ!ゆっくりできないげすはころされてとうっぜんっなんだよぉぉぉっ!」 「ほ~……で、お前さっきなんていったんだっけ?」 「ゆっ?」 「確か世界にひとつのかけがえのない命!で、命は地球よりも重くて、生き物はみんな平等なんだってな?ええおい?」 「ゆ……ゆぅぅぅぅぅっ!?」 「どうしてかけがえのない命を奪ったの?地球より重い命なんだろォ?ゲスだろうがクズだろうが ゆっくりできなかろうが生き物はみな平等なんだろォ?だから虐めちゃいけないんだろォ?」 「ぞ、ぞれ……ぞれは……」 「命は大切なんだろォ?じゃあなんで俺のまりさを殺したんだよォ。なァ教えろよれいむさんよォ。なァなァなァ!」 「ゆぎぃっ……ゆ、ゆげぐごぎごぉぉぉぉっ……!」 土壇場で人間に向かって命の尊さを口にするのがゆっくりだが果たして本当に命の重さを理解しているのであろうか? 結論からいえばNOである。ゆっくりに平等だの博愛だのという価値観はない。 その時の気分だけで容易に他ゆんを本気で殺すゆっくりに命の価値などわかろうはずがないではないか。 分かるのはせいぜい「自分が死んだらゆっくりできなくなるよ!」くらいなものだ。 ただその程度の認識なのだ。ゆっくりにとって他ゆんの命は果てしなく軽く、 自分とその身内の命のみが地球に匹敵するほど果てしなく重いのだ。 いや……そもそも価値観どころか恐らく自分が言ったセリフの意味さえ理解していないのかもしれない。 ゆっくりも生きている!かけがえのない命なんだ!とさえ言えばお人よしの人間はゆっくりを虐めるのをやめて反省する、 すなわちゆっくりできる……とただ漠然とそう思ってるだけだから。 多分まだ今ほどゆっくりが迫害されていない頃、愛で派の人間がゆっくりを虐待していた鬼意惨に そういう事をいってゆっくりを虐めから救ったことがあるのではないだろうか? なにせ、いかにも偽善に満ちた台詞だ。恐らくゆっくりんピースとかゆーシェパード等の ゆっくり愛護団体所属の人間あたりの言葉だろう。 その時のゆっくりできた記憶が延々と子孫に受け継がれているのかもしれない。 ゆっくりはゆっくりできない記憶は驚くほど忘れるのが早いが、逆にゆっくりできる記憶は驚くほど忘れないのだ。 そういう記憶は何世代にも渡って延々と受け継がれていく場合がある。 だからいざとなればゆん道的見地から訴えれば、虐待鬼意惨は反省するとゆっくりは狡猾にも思いこんでいる。 本当に狡猾な生き物だ。だがこの手のご大層な台詞というのは言う資格というものがある。 銀バッジまりさを殺した親れいむには当然命がどうこうなどと言う資格はない。 その論理は最初から破綻しているのだ。 「う、うるざぃぃぃぃぃっ!れいぶとっ!れいぶのおちびじゃんだけがかけがえのないいのちっなんだぁぁぁぁっ! あんなくずでげすなくぞばりざのいのちなんかどうでもいいだろぉぉぉぉっ!? くずのいのちがこうきっなれいぶたちとびょうっどうとかあるわげないだろうがぁぁぁぁぁぁっ!?」 「おいおい命は地球より重いんじゃないのかよォ?」 「くずのいのちがおもいわげあるがぁぁぁぁっ!」 「宇宙船地球号の仲間なんだろォ?」 「はぁぁぁぁぁっ?なかまぁぁぁっ!?ふざけないでねぇぇぇぇっ!あんなげすなかまでもなんでもないよぉぉぉっ! どれいとしてならこきつかってやってもいいけどねぇぇぇっ!げらげらげらっ!」 「ふーん……」 男は勝手な言い分を延々と言う親れいむを冷めた目で一瞥すると、親れいむに背を向けてスタスタと歩き出した。 その様子を見て自身の勝利?を確信した親れいむはさらに調子にのる。 「ようやくみのほどをしったかくずぅぅぅぅっ!わがっだらざっざとあばあばをもっでごぃぃぃっ!」 「ああ……よーくわかったよォ」 「まっだぐ!くぞばかなにんげんにこのよのしんりっをおしえるのはつかれ」 「ゆぴっ!」 「ゆぶぅっ!」 「………ゆっ?」 不意に聞きなれた声の悲鳴が聞こえたので思わず親れいむは人間の方を見た。 男は両手になにかを握っていた。見覚えのある小さな黒帽子と紅白リボン……そしてひしゃげた肌色のなにか… 「お……おちびちゃぁぁぁぁぁんっ!?」 「おおっとォ。かけがえのない命とやらを思わず握り潰しちまったよォ~。うっかりしててごめんねェェェ!」 「ふ、ふ、ふ、ふざけるなぁぁぁぁっ!おばえれいぶのおちびじゃんだちをよぐもごろじだなぁぁぁぁっ! あんなにゆっくりとしたおちびじゃんだちだったんだぞぉぉぉぉっ!がえぜぇぇっ! おちびじゃんのいのちをがえぜぇぇぇぇ!いきかえらせろぉぉぉっ!はやくやれごのぐずぅぅぅぅぅっ!」 「ん~?じゃあよォ……お前も俺のまりさの命を返せよォ。聞き分けのいいゆっくりとした飼いゆだったんだぜェ」 「はぁぁぁぁっ!?れいぶにぞんなごとできるわけないだろぉぉぉっ!なにいっでるんだぁぁぁぁぁっっ!」 「なら俺だっておちびちゃんとやらを生き返らせるなんてできねえよォ」 「れいぶのおちびじゃんたちをころじでおいで、なにいっでるんだおばえぇぇぇぇっ!」 「……これが平等って奴だ」 「とにがくぅぅぅっ!くそにんげんはれいぶのおちびじゃ…ゆぎゃっ!」 男は親れいむを踏みつけた。だけでなくじわじわと力を入れて踏み潰そうとする。 「俺は飼いゆのまりさをお前らに殺された。だから俺もお前らを殺す。単純に殺されたから殺し返すだけだ。 それでこそすべての命の価値は平等になるってモンだろ。なァ?」 「ゆぎゅ……や、やべ…」 「お前や俺が殺した命は絶対に返ってこないし、生き返りもしねェんだよォ……だから自分と同じ種族の 生き物を殺すってのはまあ基本的には気軽にやっちゃあいけねえ事なんだなァ」 「わ、わがっだが……らぁ……ご、このあしをどけ」 「別にわかんなくてもいいよォ?どのみち俺は今すぐお前を殺す気だからさァ」 「ゆぐぅぅぅっ!?」 「俺もさァ……お前らと平等とかお仲間なんてまっぴら御免だから。だから死んでくれや」 「ゆ、ゆぶぅぅぅ……ご、ごべんなざ」 「じゃあな」 「ゆべっ!?」 男はそう言うと親れいむを一気に踏み潰した。 もっとゆっくりしたかった、とさえ言わせてもらえずに親れいむは永遠にゆっくりした。 そのあと男はゴミ袋をもってきて野良れいむ親子の死体をポイポイ放り込み後始末をする。 ゴミ袋の口を締めながらふと見ると飼いゆのまりさの死体があったので、 一瞬同じようにゴミ袋に放り込もうとした男だったが……男は少し考えて庭に簡単な墓を作って埋めてやることにした。 このまりさは一人暮らしは何かと寂しく感じるから話し相手が欲しいというだけの理由で 飼っていただけの銀バッジのゆっくりだった。 暮らし始めてまだ半月しかたってなく愛着もなにもまだなかったが、さすがに糞野良と一諸にするのは気が引けたのだ。 そして男は庭の片隅に作った墓の前でしばらく手を合わせていた……が。 やがて祈るのをやめて立ち上がるとやれやれといった顔でボソっと呟いたのだった。 「まあ……なんつーか、殺ゆん者がてめーが殺したゆっくりの死体の横で命が尊いとか抜かしても全然説得力ねえよなァ ああいうの初めて聞いたけど所詮はただの命が惜しいだけの鳴き声だったねェ……やれやれ」 そう言って家の中に戻る男は、野良に破られた網戸の修理はどうするべえとただそれだけを考えて……少し憂鬱になった。
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* 虐はゆるめです。 * 『ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね』続き。 * まあ、タイトルで予想できるとおり、大体定番の展開ですので、 盛り上げるためにも前置きやら小ネタが必要になりました。 『雨さんはゆっくりしてるね』 D.O 夏。 今日も町は、餡子の底まで焼けつくような暑さだ。 一昨日、小学校に居たゆうかりんからもらった水は、もはや一滴も残っていない。 れいむは今日もおちびちゃんたちとともに、水を求めて町をさまよう。 「もうゆっくちあるけにゃいよぉ。」 不満を漏らす彼女は末っ子れいむ。 「ゆっくちがんばっちぇにぇ、ときゃいはじゃにゃいわ。」 それをいさめるのは長女ありす。 れいむ自慢のゆっくりしたおちびちゃんたちだ。 でも、このままじゃおちびちゃんたちもゆっくりできなくなるよ。 ゆっくりしないでおみずさんをみつけないと。 れいむ一家が朦朧とした意識で這い進んでいると、何やら目の前に、 ゴミ捨て場さんによく似た小さな山が見えた。 「ゆう・・・ゆっ?なんだかこのはこさんゆっくりできるよ?」 「ちゅめちゃーい!ゆっくちー!」 「しゅーりしゅーりしゅると、とっちぇもしゅじゅしいわ。ときゃいはー!」 「おちびちゃんたち、ちょっとここでやすもうね!」 「「ゆっくちー!」」 「「「すーや、すーや・・・。」」」 「よーし、湯土郎!荷物積み込んだらとっとと車に乗れー。」 「キャンプッ!キャンプッ!」 ブロロロロロロォォォォォ・・・ 「「「ゆっ!?」」」 「あれっ?とーちゃん、ゆっくりが乗ってる。」 「なんだとぉ?」 彼女たちが冷たいと喜んでいたのは氷を満載したクーラーボックス。 ゴミ捨て場に見えたのはキャンプ用品の山である。 こうして彼女たちは、予想だにしない形で町の熱気から解放されたのだった。 「いや、そこらに置いて行こうよ湯土郎、野良ゆはゆっくりできないってばっちゃが言ってたぞ!」 「こんなトコに置いてっちゃかわいそーだろ! 仲間のいるところに返してやろーよー。」 親子が話し合う中、人間さんのすぃーに無断で乗ってしまったことに気づいたれいむ一家は、 奥歯もかみ合わないほど震えあがっていた。 だが、彼女たちの心配は良い意味で裏切られる。 結局父が折れた。 「ありす、ゆーどろごっこしようぜ!」 「ぷきゅぅぅぅぅぅうううう!ぷきゅるるるるーーーー!ゆっくちー!」 「な!たのしいだろ!」 あにゃるからストローで息を吹き込まれるたび、 長女ありすは自分がいつもより大きく膨らんでいるような気がして、とても喜んでいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 巷のゆっくり愛好者に人気のキャンプ場『虹浦ゆーキャンプ』。 このキャンプ場は、近くに大人の足首程度の水深の小川と、捕食種の住みつかない恵み豊かな森を有しており、 多くの人懐っこいゆっくりたちが住みつく、素晴らしいゆっくりプレイスだった。 「「「ゆっゆーーー!!!」」」 「じゃーね、れいむ!ここならたくさんゆっくりした友達がいるから、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 れいむ一家は人間さんの親子に別れを告げると、仲間達のにおいをたどって森へと入って行った。 美しい緑に興奮しつつ、れいむ一家が森を進んでいると、 木の影から、 岩の隙間から、 崖の上から、 いつの間にか、無数のゆっくりの視線がれいむ一家を取り囲んでいた。 森のゆっくり達は見かけない顔のれいむに、距離をとりつつもゾロゾロと集まる。 向けられるのは好奇の視線。 町の排気ガスと油に汚れた体、水不足と食料不足でゆっくりできていない下膨れ、森のゆっくり達とはまるで別物。 れいむ一家自身も明らかな差を自覚し、さらし者にされているかのよう、いや、実際さらし者にされていた。 それは、かつて飼いゆっくりの集まる公園にあんよを踏み入れた時の感覚に似ていた。 「ゆっくりしていってね!」 その静寂を破ったのは、森ゆの中でもひときわゆっくりしていた、一匹のまりさだった。 まりさは周囲のゆっくり達よりさらに一歩れいむに近づき、れいむの瞳をじっと見つめていた。 その視線は鋭かったが、なぜかゆっくりできないものではなく、れいむ自身もまりさに目を合わせた。 そして数時間にも感じられる数秒が過ぎたころ、まりさは再びお口を開いた 「みんなっ!このれいむたちはゆっくりできるよ。みんなもいっしょにゆっくりしてね!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 れいむ一家は、こうして森に迎え入れられた。 木々の木陰はひんやりと涼しく、町の猛暑を餡子がとろけるほどに味わっていたれいむ一家にとっては、 まさに別世界だった。 ゆっくりひなたぼっこ。ごはんはどちらを向いても山のようにある。 小川の清水は、おちびちゃんたちの全身に染みついた町のホコリを清めてくれた。 全身を清め終えたれいむ一家は、栄養状態こそそこそこだが、いまや森ゆに負けない美ゆっくり達となっていた。 「べっ、べつにそんなにゆっくりしてるとかおもってないわよ!ちょっととかいはだからってちょうしにのらないでねっ!」 「とっちぇもゆっくちできりゅわ!おにぇーしゃんはとっちぇもときゃいはにぇ!」 「なっ、なによ!ありすをほめたって、このあまあまのきのみさんくらいしかでないわよっ!」 「ありがちょー。」 今や、だれが見てもれいむ達は立派な森ゆであろう。 そして数日後。 そんな美ゆっくりとなったれいむに、まりさが惹かれたのか、 ゆっくりしていなかった自分を森に受け入れてくれたまりさに、れいむが惹かれたのか、 確実なことは、まりさとれいむが周囲のゆっくり達公認のカップルとなったことだった。 むろん新参のよそ者と、森でもそのゆっくりっぷりが評判のまりさが恋仲となるので波紋は生じる。 例えば、 「ふんっ!そんなれいむをすきになるなんて、まりさもとんだいなかものだったのねっ!」 捨て台詞を残して去って行ったのは、まりさと並ぶ美貌を誇っていた、つんでれありすだ。 お察しのとおり、彼女はまりさのことを愛していたが、厄介な性格のせいで告白できなかった。 これまたお察しのとおり、まりさ以外の森ゆ全員が彼女の想いを知っていた。 所詮は個ゆっくり間の色恋沙汰など、誰も進んで関わりたがらなかったが。 「「「「「わかるよー。」」」」」 他のゆっくり達はわりかし物分かりがよく、お祝い事を素直に喜んでいた。さすがにゆっくりである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今日も見事な青空だった。 空には大きな大きな入道雲。 森のみんなは狩りもそこそこで終わらせて、浅い小川でサッと水浴び、 そのあとは岩の上で横になり、日光浴ですっきりーする。 みんながゆっくりしている姿の中にあっても、まりさは本当にゆっくりしていた。 おちびちゃんたちと水浴びを終えたれいむは、ふと以前から持っていた疑問を投げかけてみた。 「ねぇ、まりさ。」 「なに、れいむ。」 「はじめてあったとき、まりさはどうして、れいむとゆっくりしてくれたの?」 「・・・・・・。」 「れいむは、よごれてて、やせてて、とってもゆっくりしてなかったよ。どうしてゆっくりさせてくれたの?」 「・・・なんとなくだよ。」 「?」 ゴロゴロゴロ・・・ 「なんとなく、れいむはゆっくりしてたよ。それだけだよ。」 「ゆ、ゆーん。なんだかれいむもよくわからなくなってきたよ。まりさはれいむのこと、ほめてくれてるの?」 「よくわからないよ。」 「ゆがーん!」 「それに、そんなのどうでもいいよ。まりさは、れいむのことがだいすきだよ。それだけでじゅうぶんなんだよ。」 「まりさ・・・。」 ゴロゴロゴロゴロッ・・・ 「れいむ・・・。」 見つめあう二匹。 だが、れいむがまりさの下膨れにうっとりとしていたその時、まりさは突然はっとして、空を見上げた。 まりさは気づいたのだった。 先ほどまで何事もなかった自分のお肌が、しっとりと濡れていることに。 「!」 慣れ、 気の緩み、 れいむともっとゆっくりしたいという願望、 いずれか、あるいはその全てであったかも知れない。 まりさは出せる限りの大声で叫んだ。 「みんなっあめさんがふるよ!ゆっくりしないでおうちにもどってね!!!」 まりさは、その大して長くもないゆん生において、 数えることができるほどしか(具体的には3回以下)してこなかった、 そして、もっとも致命的な失敗を犯した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− まりさの声が川原に響いた瞬間、 ピッッッシャァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!!! 雷鳴。 そして、次の瞬間 「「「わがらにゃぁぁあああああ・・・・・・・・・!!!」」」 桶の底を叩き割ったような大雨。 小川で水浴びに興じていた数十匹のゆっくりが一瞬で砕けちった。 かろうじて森の中に逃げ込んだれいむたち。しかしまだまだ安泰とは言えない。 「このあめさんは、はっぱさんじゃふせぎきれないよっ! みんな、まりさといっしょにどうくつさんにいくよ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆぁぁ・・・」 「ゆびっ・・・」 「やめじぇぇぇ・・・」 「あめざんやべじぇ・・・」 「あんよが、あんよが・・・」 「「「ゆっぐりざぜでぇぇぇぇえええええ・・・!!!」 「おぎゃあじゃぁぁん・・・」 「ばりざぁぁぁあ・・・」 「・・・をつかわざるをえない・・・」 「ぎゃぼ・・・」 「こんなのおかしいよぉ。」 ほんの少し前までここはたしかに至高のゆっくりぷれいすだったはずなのに。 今、れいむの眼前には地獄絵図が広がっていた。 もともと森の人気者だったまりさの周囲には、いつのまにか多くの森ゆたちが集まり、 一緒に洞窟に向けて、なるべく深い茂みの中を進んでいた。しかし、 「おきゃあしゃ『ボタッ』ゆびっ・・・。」 「おちびちゃん?おちびちゃぁぁぁあああん!!」 茂みをくぐり抜けた雨粒は、肌の薄い子ゆ、赤ゆ達を確実に狙撃していく。 しかし、森の豊富な食糧によって大きく育った赤ゆたちすべてをおくちの中に避難させることはできない。 れいむ一家にしても状況は深刻だ。 ここ数日の食生活のおかげもあってか、長女ありすも末っ子れいむも、急速に子ゆっくりサイズ近くへと成長してしまった。 もはやおくちの中に入れて運んであげることなどできない。 れいむ達は、自分と、おちびちゃんの頭上に死が降りかからないことを祈ることしかできなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おちび、しげみさんのおくにきなさい!おちびのくせにあめさんにぬれるつもり!」 「ゆあーん。でもありしゅおにぇーしゃんがぬれちゃうよぉ」 「あっ、ありすはへいきにきまってるでしょ!すこしあめさんにぬれたいきぶんなのよ!」 「ゆーん、ありしゅおにぇえ・・・ゆ?」 「ゆぁぁぁああああん!!!ありしゅおにぇえちゃんのおかおがくじゅれちゃっちゃよぉぉぉおおお!!!」 「いや・・・いやぁぁぁあああ!!!」 「ありすっ、おちついてよー!」 「こんなのとかいがじゃないわぁぁぁぁぁぁ。」 「ありすー、だいじょうぶだよー、ぺーろぺーろしたらよくなるよー。」 「だめぇ、こんなゆっくりしてないおかおじゃ、まりさのちかくにいられないのぉ。 ありすみたいな、いじわるでゆっくりできないゆっくりが、おかおまでゆっくりできなくなっちゃったらぁ・・・。」 「・・・ちがうよー。ありすはやさしくってゆっくりできるありすだよー。 ちぇんはずっとすきだったよー。おちびちゃんをまもってけがしちゃったありすはもっとすきになったよー。 わかるー?」 「ちぇん・・・」 「あめさんがやんだらちぇんとずっとゆっくりしてほしいよー。 へんじはこんどでいいよー。わかってねー。」 「・・・・・・。」 つんでれありすは気づかない。 愛の告白をした、ちぇんの尻尾の付け根はすでにふやけて痛々しく裂けており、 ありすとすーりすーりするたびにチョコレートを大量に流していたことに。 ちぇんは気づいていない。 ありすの崩れた顔は、もはや皮としての強度を持ち合わせておらず、 ちぇんとすーりすーりするたびにカスタードを大量に流していたことに。 その光景を眺めていた赤まりさは、 彼女たちのあまりにゆっくりした姿に、自分も加えてもらおうと、 餡子をボロボロとこぼすあんよでゆっくりと這い進み、二匹にそっと寄り添った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 一方れいむ一家はまりさや森ゆ達と茂みを進んでいたが、 普段は雨さんから守ってくれるはずの葉っぱさんから、さらに大粒になった水滴が降り注ぐ中で、 赤ゆ、子ゆから次々に餡子を散らしていく。 「ゆぴっ・・・・」 「ゆげぇ・・・」 「おちびじゃん、おちびちゃんがぁぁぁ・・・ゆべぇ。」 いつのまにか周囲には、れいむ一家とまりさ以外は誰も居なくなってしまっていた。 「おきゃあしゃん・・・もぉあるけにゃいよぉ。」 末っ子れいむがついに弱音を吐き始めた。 とはいえ今回ばかりは甘えだとも言い切れない。 事実末っ子れいむと長女ありすのあんよはぶよぶよにふやけて限界まで来ていた。 まりさが2匹を、帽子に交互に入れてあげてはいたが、 洞窟が見えるところまで来て、ついにれいむ達は完全に身動きを取れなくなった。 れいむ一家は近くにあった木の洞に隠れる。 「まりさ、まりさもきのあなさんのなかにはいってね。」 「まりさはおぼうしがあるからへいきだよ!れいむたちこそもっとおくにはいってね!」 「おきゃあしゃぁぁあん、このあなしゃん、おみじゅしゃんがはいっちぇくるよぉぉ。」 しかし、ゆっくり達のおうちに使われてないだけあり、 その洞はあまりに小さく、雨から完全に身を守ることはできなかった。 その時、少しだけ雨が弱まった。 あんよが濡れる危険があろうとも今洞窟に向かうしかない。 「れいむ、これからおちびちゃんといっしょに、どうくつさんにむかってね。」 「「まりしゃおにぇーしゃん?」」 「まりさ、なにいってるの?」 「よくきいてね。まりさだけならこのあなさんのなかでもだいじょうぶだよ。 でもおちびちゃんたちまではむりだよ。」 「まりさをおいてなんていけないよ! それにれいむたちはおぼうしがないから、あめさんのなかをどうくつさんまでいけないよ。」 「れいむはまりさのおぼうしをかぶってね。 おちびちゃんたちは、きゅうくつでもおぼうしのなかにはいってね。とにかくまりさはここにのこるんだよ。」 その時れいむは、洞に入らず雨にさらされ続けていたまりさのあんよが、 ろくに動かせないほどふやけていることに気づいた。 「ありしゅものこるよ!」 「なにいってるの、おちびちゃん!」 「まりしゃおにーちゃんがいりゅからだいじょうぶだよ。 おきゃーしゃんは、りぇいむをちゅれてどうくつさんにいっっちぇにぇ!」 普段ならば、いかにおちびちゃんの言葉とは言え、じゃあゆっくりのこってね、とはいかない。 しかし、 「わかったよ。おちびちゃんはまりさとゆっくりしていってね。」 れいむは、末っ子れいむだけを帽子に入れて、洞を飛び出していった。泣き叫ぶのをこらえながら。 「ありすはもう、あんよがやぶれちゃってたんだね・・・。」 「でも、もういちゃくにゃいんだよ。へんだにぇ・・・。」 「おそとはつめたいよ。まりさのおくちにはいってね。」 「まりしゃおとーちゃんのおくち、あっちゃきゃいにぇ。」 「がんばったね、おちびちゃん。もうきょうはすーやすーやしようね。」 「ゆっくち。おとーしゃんのおくち、とっちぇもときゃいはにぇ。おきゃーしゃんとおなじくらいゆっくちしちぇるよ。」 「ゆっくりしていってね、おちびちゃん・・・」 「おやしゅみにゃしゃい・・・」 木の洞にあった丸い影は、少しずつ形を崩していき、ついには赤いカチューシャの他に何一つ痕跡を残さず消え去っていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 洞窟内には、周辺の群れも合わせて数百の家族がひしめきつつ、一様にすすり泣いていた。 「まりさぁぁ・・・」 「おとうしゃぁぁぁあああん・・・」 家族たちの中には、ゆっくりまりさのとんがり帽子をかぶったありすやちぇんも多い。 そばに寄り添う赤ゆに、必ずと言ってよいほど赤まりさがいたことで、れいむはおおよその事情を悟ったのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 雨のあがった夕方、川原は、泥を洗い流すゆっくり達で、タコ焼き機を敷き詰めたような賑わいだった。 川の水も若干増水しており、流れもすっかり速くなっていた。 とはいえ元々きれいな水である。多少濁ってはいてもきれいきれいする分には問題なかった。 「かわさんはちょっとゆっくりしてないよ!おちびちゃんたちは、かわさんのなかにはいらないでね! おかーさんにきれいきれいしてもらうんだよ!」 「「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」」 先代の群れの長まりさも永遠にゆっくりしてしまっていたため、 急きょ新しい長となった若いまりさは、群れのゆっくり達に注意を促す。 突然の任命に多少動揺していたものの、その眼には、誇りと責任感がはっきりと見て取ることができた。 群れは数を減らしはしたが、今後も安泰であろう。 「すっきりー!」 きれいに晴れた空を見ながら、れいむはまりさと赤ありすのゆっくりした下膨れを思い出す。 まりさ・・・ありす・・・ゆっくりしていってね。 れいむはふたりのぶんまでゆっくりするよ。 「おきゃーしゃん!りぇいみゅあのいわしゃんのうえでぽーかぽーかしゅるよっ!」 そこには、大きな岩が転がる川原の中にあって、ひときわ大きな岩があった。 子ゆっくりでも登るのは一苦労、ましてギリギリ赤ゆといった末っ子れいむでは転んで怪我をする危険もある。 「れいみゅひちょりでにょぼるよ!おきゃーしゃんはみちぇちぇにぇ!」 「ゆーん。おちびちゃん。あぶないよ。」 「れいみゅだいじょうぶだよっ! れいみゅも、まりしゃおにぇーしゃんみちゃいに、ありしゅおにぇーしゃんみちゃいに、 ゆっくちしたゆっくちにゃるんだよっ!」 「・・・おちびちゃん、たいようさんにゆっくりかわかしてもらってね!」 ありす、まりさ。ふたりがいなくても、れいむはもうなかないよ。 おちびちゃんが、あんなにゆっくりてるから。 だから、おちびちゃんを、ずっといっしょにみまもっててね・・・。 末っ子れいむは、お母さんれいむにキレイに泥を落としてもらうと、 日向ぼっこをするために、川原から少しのぼった先の岩の上に駆け上がる。 ぴょんっ! ぴょんっ! ぴょんっ! ドドドドォォォォオオオオオオオオオオオ・・・・・・・ ぴょんっ!「ゆっ!」 ぴょんっ!「ゆっくち!」 ぴょんっ!「あともうしゅこちだよっ!」 ぴょんっ!「ゆぅーん!」 「おきゃーしゃんっ!れいみゅひちょりでのぼれちゃよっ!!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」 * o + # * o + # * o + # * 。 末っ子れいむが振り返ると、そこには先ほどまでの2倍以上の幅、10倍どころではない深さとなった濁流が、 とてもゆっくりしてない速さで流れていた。 ついさっきまで水浴びを楽しんでいた群れのゆっくり達は、どこを見ても影も形もない。 山津波。 それは上流で山地に蓄えられた水が、豪雨などにより貯水限界を超えて、土砂を巻き込み一気に流れ落ちる現象。 野生のゆっくり達にとっても、その川の姿は想像を超えていたことだろう。 「おきゃーしゃん。ゆっくち・・・しちぇいっちぇにぇ・・・。」 末っ子れいむは、小首(?)をかしげつつ、いつまでも母を呼び続けるのだった。 前作『真夏はゆっくりできるね』では脇役がヘタにキャラ立ちしていたため、おまけSS作成が大変でした。 今回はほぼ全員にしっかりトドメを入れておいたのでおまけは書かずに済みそう。 でも、雨ってやっぱり味気なくてイマイチ面白くなりませんね。すみません。 小ネタに頼らざるを得ないのは悪い傾向です。 ちなみに『ゆうかりんのご奉仕授業』の校長の名前は倉塚先生でした。 あと、『ゆっくりのみるゆめ』の虐待お兄さんは天霧さんです。 過度な絵師さんいじりにはならないよう、なるべくイメージと遠いキャラに、名前を使わせていただいております。 苦情があったらやめますが。 実は、登場予定だった長まりさと側近みょんを削っています。だって悲劇にならなかったんですよ。 (一部抜粋)「もうまりさはここまでだぜ。みょんははやくどうくつにむかうんだぜ。」 「何言ってるんですかい、おやっさん。最後までお供させていただきやすぜぇ。みょん。」 「ばかなこといってるんじゃないんだぜ。みょんはむれのこれからにひつようなゆっくりなんだぜ。」 「ふっ。あっしみてぇなロートルが残ったところで、若けぇもんに腫れもの扱いされんのがオチでさぁ。 それに、おやっさんと三途の川ぁ渡って、あっちでひと暴れすんのが楽しみってもんでさぁ。みょん。」 「ふぅ・・・つくづくどうしようもないみょんなんだぜ。もういいんだぜ、ここまでにしてくれだぜ。」 「介錯は任せてくんなせぇ。あっしもすぐにお供させていただきやすぜ。みょん。」 ギャグですね。 ※次回予告 最愛の母と姉を失いながらも赤れいむは強く生き続ける。 そして、町に戻った彼女が母と同じ大きさに育った頃、彼女に最後の試練が降りかかるのであった。 次回、D.Oが送る季節モノ系SS最終回『クリスマスイブさんはゆっくりしてね』(仮)。 まあ、あんまり期待しないで待っててください。ダラダラ書きます。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業
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『ゆっくりさせてほしいの』 28KB 前作に続き今作も虐待するだけの話 補足 虐待(ゆっくりを虐待するだけの話です。テンプレでごめんね!) ゲス(ゆっくりがゆっくりを殺す描写があります) 虐待人間(非情なのはゆっくりに対してだけです。普段はいい子なんです。多分) ある晴れた昼下がり。 公園にある池の畔で、ゆっくりの一家がとてもゆっくりとした時間を過ごしていた。 「ゆっくりのひー♪まったりのひ~♪ゆっくりしていってねー♪ゆっゆっゆぅ~♪」 「ゆぅ~!おきゃーしゃんのおうたはゆっきゅりできりゅにぇ!」 「おちび!おとーさんのおてほんどおりにゆっくりかりのしかたをおぼえるんだぜ!」 「ゆっきゅりりかいしちゃのじぇ!ゆっゆぅ~ん!ちょうちょしゃんまっちぇね!ゆっきゅりまりちゃにたべられちぇね!」 れいむ、まりさの番いにそれぞれの種の子供が一匹づつの計四匹。 至ってシンプルな家族構成である。 「「「「ゆっくり~♪」」」」 厳しい冬を乗り越え、春の恵みを存分に享受しているゆっくり一家は、まさに幸せの絶頂であった。 そんなゆっくりの一家を見つめる者が一人いた。 美しい黒髪を背中まで伸ばし、幼いながらも大人びた雰囲気を併せ持った人間の少女だった。 「・・・・・・なかなか『ゆっくり』してそうな家族ね。これなら期待できるかも。くすくす」 少女は妖艶とも言えるような笑みを浮かべながら、ゆっくりの一家に近づいていった。 「ゆっくりしていってね?」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 ゆっくりしていってね、の挨拶につい反応してしまったゆっくり一家だったが、声を掛けてきたのが人間であることに気付いた瞬間、怯えた表情を浮かべはじめた。 「ゆゆっ!?に、にんげんさんなのぜ!?」 「な、な、なんのようなの?れいむたち、わるいゆっくりじゃないよ!?」 「「きょわいよ~(ぷるぷる)」」 流石に公園に棲んでいるゆっくりたちである。 人間の恐ろしさは十分理解しているようだ。 「くす。そんなに怯えなくてもいいのよ?・・・・・・これ、私が焼いたクッキーなの。よかったらみんなで食べてね」 少女はお近づきの印にと、もっていたクッキーを一家に分けてあげた。 「ゆわぁぁぁぁ!とってもゆっくりとしたクッキーさんだよぉぉ!」 「あみゃあみゃ!ほちいほちい!」 「くすくす。いっぱいあるからゆっくり食べてね」 「「「「しあわせー!!」」」」 すっかり少女に気を許したゆっくり一家はクッキーを食べながら少女と色々な話題でおしゃべりをした。 おちびちゃんがどれだけかわいいのか、まりさが狩りの達ゆんであること、最近ゆっくりした出来事、などなど。 それはお互いにとって、とても楽しい時間だった。 一家は滅多に食べられないあまあまに上機嫌だったし、少女はそんなゆっくり達の話を聞きながらニコニコと微笑んでいた。 そんな最中、少女は突如アンニュイな表情を浮かべると「はぁ」と小さくため息を漏らした。 「みんなとってもゆっくりしてるのね。うらやましいわ。私、最近あまりゆっくりできないの・・・・・・」 「ゆぅぅ?ゆっくりできないなんて、ゆっくりしてないね。とってもかわいそうだよぉ」 れいむはそんな少女に同情した。 他のゆっくり達も心配そうな表情を浮かべている。 「それでね、とってもゆっくりしているみんなにお願いがあるの」 「「ゆゆ?おねがい?」」 番の二匹が揃って小首をかしげる姿にクスっとしながら少女は話を続けた。 『ゆっくりさせてほしいの』 「「ゆっくり?」」 「そうなの。とってもゆっくりしたみんなで、ゆっくりできない私をゆっくりさせてほしいの」 突然の少女のお願いに最初はキョトンとして顔を見合わせたゆっくり一家だったが、 「ゆ!そんなのおやすいごようなのぜ!とってもゆっくりしたクッキーさんのおれいにまりさたちがおねーさんをとぉ~ってもゆっくりさせてあげるのぜ!」 「そうだね!れいむたちのゆっくりとしたすがたをみていれば、おねーさんだってすぐにゆっくりできるはずだよ!」 人間に頼られたことに気を良くしたのか、ゆっくり一家は少女のお願いを快く引き受けることにした。 「ありがとう、みんな!私をゆっくりさせてくれたらお礼にあまあまをいっぱいあげるわね!」 「ゆゆ!?あみゃあみゃ!?まっかしぇるのじぇ!まりちゃたちはゆっきゅりのたつゆんなのじぇ!」 「ゆっち!ゆっち!」 先鋒はワシらに任せろ!とばかりに子供達が勢いよく乗り出してきた。 先ほどクッキーを食べたにも関わらず、あまあまと聞いて俄然やる気がでてきたようだ。 「おちびちゃんたち!がんばってね!」 そんな我が子達を両親はニコニコしながら応援していた。 「ゆふふ、ちゅいにまりしゃたちのじだいがきちゃんだじぇ!」 「れいみゅたちの『ゆらら☆だんっしんっ』、みせてあげりゅよ!!まりちゃっ!」 「おーけーなのじぇ!れいみゅ!」 子ゆっくり達はお互いコクリと頷き合うと、くるりと横を向きつつ、プリン!とお尻を突き出した。 「「ゆららゆらら♪ゆ~ららゆらら♪ゆららゆらら♪(ぷりん!ぷりん!)」」 子ゆっくり達は鼻歌を歌いつつプリプリとお尻をフリフリ踊りはじめた。 「「きぃりゃ☆きぃりゃ☆」」 そして舌をぺロリと出しながらバチコーンとウィンクを飛ばす。 「ゆゆ~ん!おちびちゃんたち!とぉ~ってもゆっくりしてるよぉ~ん!!」 「かわいいんだぜぇぇぇ!いますぐぺーろぺーろしてすーりすーりしてあげたいんだぜぇぇ!」 「・・・・・・・・・」 両親はその愛くるしい我が子の姿に涙を流して喜んでいるようだが、少女は全く笑っていない。 もるんもるんと尻を振る子ゆっくりたちを、無表情に見ているだけだった。 いや、無表情というよりも何かを我慢するかのように必死に感情を押さえている、そんな表情であった。 その証拠に、手はぷるぷると震えている。 「ゆふぅ~!いいあせかいちゃのじぇ!これでおねーしゃんもゆっきゅりできたのじぇ!」 「ゆっち!ゆっち!おねーしゃん!あみゃあみゃちょうじゃいね!いっぴゃいでいいよ!」 踊りきった満足感に浸りながらあまあまの要求をする子ゆっくり達だったが、 「ゆっくりできなかった。逆にイラっとしたわ」 少女は両手でバッテンを作りながら「NO」の判定を下す。 そのジャッジに一切の妥協はなかった。 「ゆぎゃーん!いっちょうけんめいおどっちゃのにぃ~!ゆんや~!」 「しょんにゃ~!れいみゅのあみゃあみゃ~!ゆ~んやぁ~!」 「ゆぅぅ、おちびちゃんたち!なかないでね!おかーさんたちはとってもゆっくりできたからね!」 落ち込む子供達をペロペロと舐めて慰める母れいむであった。 だが、ここで少女が思いがけない行動をとった。 「あ、言い忘れてたけど、ゆっくりできなかったら罰ゲームね。とりあえず、お飾りは没収よ」 ひょいっと、子れいむのリボンを取り上げる少女。 あまりにも一瞬の出来事だった為、子れいむは何が起こったのか理解できなかった。 少女にヒラヒラと目の前でリボンを見せつけられたことでようやく事態を理解した。 「ゆゆ!?れいみゅのすちぇきなおりぼんしゃん!かえしちぇね!?かえしちぇね!?」 「ほらほら、おリボンはここよ?返してほしかったら、自分で取りに来なさい」 子れいむがちょうど届かない高さでリボンをヒラヒラとさせている。 子れいむはリボンを取り返そうと、必死にピョンピョンと飛び跳ねる。 「な、なにするのぉぉ!?おちびちゃんのおりぼんさん、ゆっくりかえしてねぇぇ!?」 そんな母れいむの言葉を聞き流し、少女は持っていたポーチの中から釣り用の針と糸を取りだすと、針の先にリボンを取りつけ、今度は子れいむが届く位置にリボンを垂らし始めた。 「おりぼんしゃん!(パク!)」 「よし!フィーッシュ!」 子れいむがリボンに喰いつくのを確認した後、少女は釣り糸を近くに転がっていた長めの竹竿に括りつけ簡易の釣り竿を作成する。 「さぁて、れいみゅちゃん。しっかりとおリボンを咥えているのよ?もし離しちゃったら・・・・・・とぉっても痛い目にあうわよ。くすくす」 「ゆぴぃ!?」 子れいむはリボンを咥えたまま下を見る。 そして自分が身長の何倍もの高さの位置まで持ち上げられていることに気が付いた。 こんな高度から落ちたらただでは済まない。 子れいむは高さに震えながらも、落ちないようしっかりとリボンを噛みしめた。 「ゆぅぅぅ!おおひへぇ!おおひひぇひぇ~!ゆぅひゃー!」 口でリボンにつかまっているため、満足に話をすることはできないが、その表情からとても焦っている様子は手に取るようにわかる。 「や、やめてね!やめてね!おねーさん!おちびちゃんをはなしてね!」 「ゆぅぅ!?ま、まつのぜ!おちびをどこへつれていくのぜぇぇぇ!?」 ゆっくり達の声を無視して、少女は池の方へとスタスタと歩いてゆく。 そして、池の水面上に釣り竿の先端がくるよう、池の畔に釣り竿を設置する。 「さて、こんなところかしら。さあ、ゲームを再開しましょう。私をゆっくりさせてくれたら、このれいみゅちゃんは助けてあげる。もしできなかったら・・・・・・くすくすくす!」 少女は竿を軽く揺さぶった。それに併せて釣り竿に吊るされた子れいむもユラユラと揺れはじめる。 「ゆぅひゃー!おひひゅぅぅぅ!」 「「お、おちびちゃぁぁぁぁん!?」」 もし、子れいむがリボンから口を離したら、池の中へと真っ逆さま。デッドエンド確定だ。 体力の無い子ゆっくりがいつまでもリボンに喰らいついていられる訳が無い。 リボン自体の強度もどれほど持つかも分からない。まさに死の崖っぷちに吊るされている状態だった。 両親と子まりさが「どぼじでごんなごどするどぉ!?」と少女の足元にすがりつくように問いかける。 だが、少女はそんなゆっくり達を振りほどくように蹴り飛ばした。 「「「ゆべっ!?」」」 「いいから私をゆっくりさせなさい。それ以外にこの子を助ける方法はないわ。はやくしないと池にポチャンよ。くすくす」 もはや少女は出会った頃の優しい存在ではなかった。 「ゆ、ゆぅぅ・・・・・・このおねーさん、まさか・・・・・・」 「やっぱりにんげんさんはゆっくりできなかったんだぜぇぇぇ!」 「ゆんやぁぁぁぁ!れいみゅぅぅぅ!」 所詮は人間。やはりゆっくりできる存在ではなかったのだ。 それをゆっくり一家が理解した時には、もう手遅れだった。 子れいむを人質に捕られている以上、こうなったら少女の言うとおり彼女をゆっくりさせるしかない。 そう判断したゆっくり達は、思いつく限りの方法で少女をゆっくりさせようと奮闘した。 「れ、れいむがゆっくりとしたおうたをうたうよ!ゆっくりのひー♪まったりーのひー♪」 「ダメね。ダメダメ、全然ダメ。ゆっくりできないわ。てゆーか、ひどい音痴ね、貴女。そんなのでゆっくりできてたの?耳悪いんじゃない?」 「ゆがーん!れ、れいむおんちじゃないぃぃぃ!」 「まりちゃがこーろこーろするのじぇ!こりょこりょ~!」 「だから何?ひょっとして可愛さアピール狙ってる?言っとくけど、全然可愛くないわよ」 「ゆぴゃぁぁぁ!まりちゃはかわいいのじぇぇぇ!ゆんや~!」 「ま、まりさはかりがとくいなんだぜ!みてね!きょうのしゅうかくだぜ!すごいのぜ!」 「私、虫とか嫌いなの。気持ち悪い物みせないで。という訳で減点1。ペナルティよ。ほーら、ユサユサ!」 「ゆぴぃやぁぁぁ!?やへへぇぇぇ!?」 「ゆわぁぁぁ、す、すびばぜんんん!ゆらさないであげてねぇぇ!おちびがおちるのぜぇぇ!」 結局ゆっくり達は何をやっても少女をゆっくりさせることはできなかった。 「ゆ、ゆぅぅ・・・・・・ど、どうすれば、いいんだぜぇ・・・・・・」 万策尽きたゆっくり達はもう次は何をしていいのかわからず、ただ涙するしかなかった。 「ほらほら、もうネタはないの?そろそろれいみゅちゃんも限界みたいだけど?」 「ゆゆ!?お、おちびっ!」 子れいむはプルプルと震え、全身からはタラタラと冷や汗が流れ落ちていた。 無理もない。脆弱なゆっくりの顎の力で全身を支えているのだ。もはや長くは持たないだろう。 今にもリボンから口を離し、落ちてしまいそうな状態だった。 「ゆ!ゆ!な、なんとかしないと・・・・・・したはおみずさんなのぜ!おちびがとけちゃうのぜぇぇ!?・・・・・・ゆっ!?したは、おみずさん・・・・・・?そ、そうなのぜ!」 父まりさは何を思いついたのか、自身の帽子を脱ぎ、口に咥えると池の方へと駆けて行った。 そして父まりさは帽子を勢いよく池へと放り投げた。 池に落ちた帽子は沈むことなくプカプカと浮かび、子れいむの真下へとゆっくり進んでいく。 「おちび!そのおぼうしにゆっくりのるんだぜ!」 このまりさは水上まりさではないので自身が帽子の上に乗ることはできない。 だが、子れいむ程度の大きさなら、父まりさの帽子でも十分救命ボートとして機能するのだ。 「くすくす。なかなか考えたわね。でも、所詮はゆっくりね。その程度で危機を脱したとは言えないわ」 少女は池の畔に立ち、両掌を胸の前で「パン!」と叩き合わせた。 パン!パン!パン! 何度も何度も掌を叩き続ける。 「ゆ、ゆぅ?な、なにをしてるのぜぇ?」 父まりさは少女が何をしているのか理解はできなかったが、とても嫌な予感だけは感じていた。 すると、池の水面近くに何やら複数の影が集まっていることに気が付いた。 「あ、あれは・・・・・・?ゆ?おさかなさん!?」 そう、この池には鯉が棲んでいるのだ。 鯉は少女の掌の音に反応して集まってきた。 そして、ちょうど水面に漂っているまりさの帽子に気付くと、パクリと喰らいついた。 「ゆ、ゆわぁぁぁぁぁ!?おさかなさぁぁぁん!?まりさのおぼうし、たべないでねぇぇぇぇ!?」 しかも、それは1匹や2匹の話ではない。 パシャパシャパシャパシャパシャ! 帽子に喰らいついた鯉は、数十匹単位で存在しているのではという数だった。 まさに水面は鯉という鯉で埋め尽くされ、まりさの帽子を奪いあうように貪り喰らっている。 「ゆぴぃぃぃ!?」 その光景を池の上空からみていた子れいむは、更なる恐怖に怯えだす。 もし、この池に落ちたら水に溶けるどころの話ではない。 このおびただしい数の鯉たちに、あの帽子のように全身を貪り喰われるのだ。 それは想像を絶する死のイメージ。 そんな恐怖から逃れようと、子れいむはなけなしの力を振り絞り必死にリボンに喰いつくのだった。 「くすくすくす。残念だったわね、まりさ」 「ゆ、あ、あぁぁ・・・・・・まりさの、おぼうしがぁ・・・・・・」 「れいみゅちゃんを助けたければ私をゆっくりさせること。これが絶対のルールよ。貴方が帽子を失ったのはルール違反の罰だと思ってあきらめるのね。くすくすくす」 完全に積んだ。 父まりさは自身の無力を痛感し、ただただ涙を流すしかなかった。 そんな父まりさに、母れいむがゆっくりと近づいてきた。 「ゆぅ・・・・・・ごべんでぇぇ、でいぶぅぅ。ばでぃざ・・・・・・もうどうしたらいいのかわがらないんだぜ」 「だいじょうぶだよ、まりさ。れいむ、このおねーさんをゆっくりさせるほうほうがわかったよ・・・・・・」 「ゆ!?ほ、ほんとうなのぜ!?れいむ!ゆっくりおしえてね!」 すると母れいむは何を思ったのか、唐突に父まりさの頬に唇を押しつけた。 「ゆゆ!?れ、れいむ!?こ、こんなときにチュッチュなんて・・・・・・///」 突然の口づけに思わずドギマギしてしまう父まりさ。 だが、それは求愛行為などではなかった。 母れいむはそのまま、父まりさの頬にガブッと噛付くと、 ビヂィィィィ!! そのまま勢いよく頬の皮を引き千切ったのだ。 「ゆぎゃぁぁぁぁっぁぁ!?!?れ、れいぶぅぅぅ!?なにするんだぜぇぇぇ!!?」 母れいむによる突然の凶行と痛みに父まりさは混乱し、目を白黒とさせている。 そんな父まりさに対し、母れいむは冷淡に「ペッ!」と咥えていた頬皮を吐き捨てた。 「このおねーさんはぎゃくったいにんげんさんだよ。だからね、おねーさんをゆっくりさせるには・・・・・・ゆっくりがイタイイタイしてるところをみせてあげればいいんだよ・・・・・・!」 「な、なにいっでるんだぜぇぇぇ!?」 狼狽する父まりさを何の感情も無い表情で見つめながら、母れいむはトンデモないことを言いだした。 「どーせ、おぼうしをなくしたまりさはもうゆっくりできないよ。だったらおちびちゃんのために・・・・・・ゆっくりしんでいってね!」 倒れている父まりさに飛びかかり、踏みつけるように覆い被さってきた。 「ゆげはっ!?で、でいぶぅぅ、どぼじでぇぇぇぇぇ!!??」 「これはおちびちゃんのためなんだよ?それをりかいしたならゆっくりしんでね!」 母れいむは何度も何度も「しんでね!しんでね!」と繰り返しながら、父まりさをバフンバフンと踏みつける。 「ゆげっ!やべっ!でいっ!ぶっ!ぶっ!ぶぅぅぅ~!」 そして、父まりさは大量の餡子を吐きながら踏み潰されて死んでしまった。 「・・・・・・ゆふぅ、ゆふぅ・・・・・・ど、どう!?おねーさん!ゆっくりできたでしょ!?だかられいむのおちびちゃんをたすけてね!」 母れいむは『決死の覚悟でやり遂げました』と言わんばかりの引きつったような笑顔で少女に訴える。 だが、そんな母れいむとは対照的に、少女の表情は至って淡白だった。 「・・・・・・そうね。まりさが愛する番いのれいむに無様に踏み潰される様はとても滑稽だったわ。・・・・・・でもねぇ、そんなありきたりな『制裁』じゃあねぇ。ちょっと物足りないわね。・・・・・・私は『制裁』じゃなくて『虐待』が好きなの。この違い、ゆっくり理解できるかしら?それが解らないなら・・・・・・」 少女は池の淵に置かれた竿に手をつけるとユサユサと揺らし始めた。 「ゆぴぃぃぃ!?や、やへへぇへぇぇぇぇ!!?おひひゅー!おひひゅぅぅぅ!!」 「お、おてぃびちゃぁぁぁん!?」 「この子は返せないわねぇ。くすくす」 母れいむは焦った。 (このままだとかわいいれいむのおちびちゃんがあぶないよ!でもどうすればいいの!?) オロオロと辺りを見回した時、母れいむの目に飛び込んできたものは、 「おちょーしゃん!ちっかりするのじぇ!おちょーしゃん!おちょぉぉしゃぁぁぁん!!」 母れいむに踏み潰され圧死した父まりさの亡骸にすがりつき涙を流している子まりさの姿だった。 そんな子まりさを見つけると、母れいむは再びぎこちない笑みを浮かべ、わが子に話しかけた。 「ゆ、ゆひひ・・・・・・ま、まりさのおちびちゃん?ゆっくりきいてね!」 「ゆゆ?お、おきゃーしゃん?」 子まりさは父が母に殺される様をはっきりと見ていた。 その為、普段ならとってもゆっくりできるはずの母の笑顔が、今は恐ろしくてたまらなかった。 「おとーさんはれいむのおちびちゃんをたすけるために、えいっえんにゆっくりしちゃったよ」 「おきゃーしゃん!どうちて!?どうちてきょんなこちょ・・・・・・!」 「でもね、それだけじゃぁだめだったんだよぉ。だからねぇ、まりさのおちびちゃん?ゆひ、ゆひひ・・・・・・」 「ゆ、ゆぴぃ・・・・・・っ!?」 狂気を内包した笑顔でにじり寄ってくる母れいむ。 そんな母に恐怖し、子まりさはおそろちーちーを漏らしながらズリズリと後ずさる。 「れ、れいむのおちびちゃんをたすけるためだよぉ!?まりさのおちびちゃんも、ゆっくりきょうりょくしてね!!」 「ゆぴぃぃゃぁぁ!に、にげるのじぇぇぇ!」 クルリ回れ右をし、一目散に逃げ出そうとした、その瞬間。 パシュッ! 頭の上で何かが弾き飛ばされるような音が聞こえた。 「ゆ、ゆっ!?ま、まりちゃの・・・・・・おぼうち・・・・・・?」 遥かかなたに飛んでゆく自分の帽子を確認したが、子まりさは呆然と立ち尽くしてしまう。 取りに行けるのなら行きたかった。だが、それは目の前にゆっくりと立ちふさがる母れいむが阻止していた。 そして母れいむは宣言する。 「こんなところにゆっくりしてないゆっくりがいるよぉ?ゆっくりしてないゆっくりはぁ、せいっさい!いや、ぎゃくったい!だよ!」 「ゆ、ゆ、ゆ・・・・・・っ!ゆんやぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」 母れいむは振り上げた揉み上げを子まりさに何度も叩きつけた。 「いじゃぃ!いじゃいのじぇぇぇ!?ゆんやぁぁぁ!おきゃーしゃん!やめちぇ!やめちぇぇぇぇ!!」 更に母れいむは逃げられないよう子まりさに覆い被さった。 「ゆんやぁぁぁ!おもいのじぇぇぇ!どいちぇぇぇぇ!!ちゅぶれりゅぅぅぅ!!」 「さぁ、かみのけさんをひっこぬくよ!ぶーちぶーち!ゆっくりひめいをあげてね!」 「ゆびぇぇ!?まりちゃのきゅーてぃくるなきゃみのきぇぎゃぁぁぁぁ!!」 ブチブチと髪の毛を引き抜いてゆく母れいむ。 子まりさは泣き叫びながら、ゆっくりとハゲ饅頭へと姿を変えてゆく。 その途中、母れいむはチラリと少女の表情を窺った。 「・・・・・・・・・」 だが、少女は無表情なまま黙ってこちらを見ているだけだった。 (だめだよ!おねーさん、ぜんぜんゆっくりしてないよ!?) そんな焦りが母れいむの虐待をエスカレートさせていく。 「おつぎはおめめをくりぬくよ!ぐーりぐーり!」 母れいむはドスリ!と舌を子まりさの右目に突き刺すと舌をグリグリと動かし、目玉を抉り取った。 「ゆぎぇぇあぁぁぁ!!まりちゃのつぶらんぼなおめめぎゃぁ~!!」 片目を失った子まりさはその痛みでコロコロとのた打ち回る。 これならばと少女の方へと振り向く母れいむであったが、 「・・・・・・ふわぁぁぁ~」 少女は大きく口を開けて欠伸をしていた。明らかに退屈している仕草だ。 ますます焦燥感に追い立てられた母れいむは、揉み上げで子まりさを掴みつつ、大きく振り上げた。 「このぉぉ!もっとゆっくりとしたなきごえをだせぇぇぇ!」 そして思いっきり子まりさの顔面を地面へと叩きつけた。 「ゆぴゃぁっ!?」 再び掴みあげ、叩きつける。 「ゆぎゅぅっぅ!!」 何度も何度も叩きつける。 「ゆぎ! ゆが! ぼう! やべ! ゆんやっ! ・・・っ! ・・・! ・・・」 「もっとだぁぁ!もっとなげぇぇ!なきさけべぇぇぇ!こんのぉぉぉ・・・・・・っ!」 更に叩きつけようと振り上げる。 「もういいわ」 突然の少女の制止に、思わず動きを止める。 「ゆ、ゆぅ!?お、おねーさん?」 「これ以上続けても時間の無駄よ。その子、もう死んでるわ」 母れいむが掴みあげていた子まりさに目をやると、顔がぐちゃぐちゃに潰れて絶命していた。 「ゆひっ!きもぢわるい!」 母れいむはポイっと子まりさを投げ捨てた。 そして、これまでの疲れがどっと押し寄せたのか「ゆひぃ、ゆひぃ」と息を荒げていた。 母れいむはゆっくりと少女の方へと顔を向ける。 「ゆ、ゆへへ、お、おねーさん。こ、これでゆっくりできたでしょぉ!?だ、だからね!れいむのおちびちゃんを、ゆっくりかえしてねぇぇぇ!!」 少女は目をつぶり、腕を組みながら首をかしげていた。 「う~ん、そうねぇ・・・・・・」 暫く思案した後、少女はおもむろにニッコリと笑顔を浮かべた。 「ええ、そうね。とってもゆっくりできたわ。だからこの子は返してあげる、」 「ゆゆっ!?ほ、ほんとに!?」 母れいむも思わずパァっと笑顔となる。 「――ってぇ」 一瞬、少女の右足が母れいむの視界から消えた。その直後、 メコリ! 少女の右足のつま先は、母れいむの顔面に深々と突き刺さっていた。 「!?!?」 母れいむは自身に何が起こっているのかわからぬまま、蹴り飛ばされ、ビターンビターンと二、三回バウンドした後、ゴロゴロと転がり岩にぶつかることでようやく停止した。 「んなわきゃねぇぇだらぁぁぁぁぁ!!」 少女の笑顔は急変し、まるで汚物でも見るかのような嫌悪の表情を浮かべ、倒れる母れいむを見下していた。 「ゆぐはぁ!?ゆぎぃぃ!?ど、どぼじでぇ!?ゆぎぃいへぇあぁぁぁぁ!!」 歯が何本か折れた口から餡子を吐き出しながら、母れいむは理不尽な仕打ちに絶叫した。 すると少女は母れいむの揉み上げを掴み、自身の目の前まで持ち上げると唐突に語り出した。 「私はねぇ、ゆっくりが大好きなのよ」 「ゆ、はぁぁぁぁ!?」 れいむの混乱はますます増していく。 ゆっくりがすき?ゆっくりがすきならどうしてこんなことするの? そんなれいむの疑問など関係ないとばかりに少女の独白は続く。 「私が理想とするゆっくりはね、穢れを知らず、いつもニコニコと笑っていて、世界は『愛で』に満ちていると信じて疑わない、純真無垢な心を持った存在なの。仲間や家族のゆっくりにも優しくて、何かピンチがあっても力を合わせて立ち向かい、決して裏切ったりはしない、むしろ自身を犠牲にしてでも皆を助けようとする慈愛の心を持っている。それこそが真にゆっくりしているゆっくりだと、私は思うの!」 少女は、瞳をキラキラさせながら自身の理想のゆっくりというものについて語っている。 それは年相応の夢見る少女のような表情だった。 そんな天使を彷彿とさせるような愛らしい少女の表情が、残虐な悪魔の笑顔へと変貌する。 「・・・・・・それでね?私は、そんな頭ん中お花畑なゲロッカスな妄想を・・・・・・グッチャグチャの!ズッタズタに引き裂いて!ゆっくり共を絶望の淵に叩き落としてやるのが!だぁぁぁい好きなのよぉぉ!!ほぉんと私って最低なクズ人間でしょぉ?でもね、そういう性分なんだからしょうがないじゃなぁい!?くすっくすくすくす!」 「ゆ、ゆ、ぁ、ぁ、!?」 れいむは少女が何を言っているのか理解できなかった。 当然だ、人間でもこんな狂気を理解できるものはそうはいない。 「でもね?最近のゆっくりってホンっトにゲスばかりなの。仲間や家族を平気で裏切って、どいつもこいつも自分がゆっくりすることしか考えてないクズなのよ。だから私はゆっくりできなかった。言ったでしょ?私、ゲスを『制裁』したいんじゃなくて、善良を『虐待』したいの!こんな風にね!」」 母れいむを地面に叩きつけると力まかせに掴んでいた揉み上げを引き千切った。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!?で、でいぶのこけてぃっしゅなぴこぴこさんがぁぁぁぁぁ!?」 「ねぇ?わかる?私は、アンタらゲスの悲鳴じゃゆっくりできないのよ、このゲスれいむ!」 少女は苛立ちを露わに母れいむをゲシゲシと蹴り始めた。 「ゆげ!ゆぎっ!ぢ、ぢがう!で、でいぶは!げすじゃ、ないぃぃぃ!」 「ゲスはみんなそう言うのよ。でもまあ、厳しいこの世界を生き抜くうえではゲス化も仕方のないことってのは理解しているわ。その原因の大部分が私たち人間だってこともね。それでも忘れちゃいけないものってあると思うのよ。愛とか友情とかね」 「で、でいぶは!でいぶのおてぃびじゃんを!ほんっとうにあいしてるよ!だがらでいぶはげずじゃないんだよ!」 番いと子供のまりさは殺しておいてよくいうものだと少女は呆れた顔をする。 だが、ふと思った。 確かに、まりさを殺したのはゲス行為だが、それはれいむ種の子供を助けるためにしたことなのだ。 「なるほどね。確かに、貴女の同種の子供に対する愛情は本物かもしれないわねぇ・・・・・・?」 れいむ種はぼせい(笑)が高いとはよく言われるが、中には同じれいむ種限定でしか愛情を注がないものも少なくないという。 「たとえその愛情が同種限定のものだったとしても、本物の愛情であるのなら、私もゆっくりとすることができるかもしれないわね。・・・・・・いいわ、試してあげる。貴女の『愛』をね?くすくすくす」 少女は釣竿を手に取ると、上下にしならせるように揺さぶりだした。 「ゆゆっ!?お、おねーさん!なにするの!?やめてね?やめてね!?おちびちゃんがおちちゃうよ!?」 「このまま釣り針ごと池の中に放り込みたいところだけど、生憎ここの公園って釣りは禁止なのよね。でも、餌を与えるのはOKなの。だから、れいみゅちゃんだけお池に落っこちてね?今すぐでいいわよ。くすくすくす」 これまでにないほど釣竿を大きく振り回す。 「ゆぴぃっぃぃ!!」 だが、子れいむはしぶとくリボンに食いついてなかなか離れようとはしなかった。 「ゆああ!おちびちゃん!おちびちゃぁぁぁん!がんばってね!ぜったいにおくちをはなしたらだめだよ!」 「なかなか頑張るわね。でも、これでっ!フィナーレよ!」 少女が釣竿を大きく振り上げる。 それにあわせて釣り針も大きく上空へと放り投げられる。 「!?」 突然の大きな浮揚感が、子れいむのゆっくりとしての本能を刺激する。 その結果、 「おしょらをとんじぇるみちゃーい!」 思わずお決まりのフレーズを口走ってしまった。 当然、こんな状況でそんなセリフを喋ろうものなら、結果は考えるまでもない。 「ゆわぁぁぁぁ!?おてぃびちゃぁぁぁん!?おくちからおりぼんさんはなしちゃだめぇぇぇぇ!!」 「・・・・・・ゆ?ゆぅぅぅ!?」 気づいたときにはもう遅かった。 宙へ放り出された子れいむは驚愕と恐怖の表情を浮かべながら、ポシャン!と池へと墜落してしまった。 「くすくす!さぁさ、おいでなさいお魚さん達!美味しい美味しいお饅頭を召し上がれぇ!」 少女が再び両掌を「パァン!」と鳴らすと、池の鯉たちは池ポチャした子れいむへと群がっていった。 「(パシャパシャ!)ゆんやぁぁ!?(パシャパシャ!)やめちぇね!(パシャパシャ!)やめちぇ(パシャパシャ!)おしゃかな(パシャパシャ!)しゃん!れい(パシャパシャ!)みゅを(パシャパシャ!)たべに(パシャパシャ!)ゃいで(パシャパシャ!)にぇ!(パシャパシャ!)いちゃいぃぃ!(パシャパシャ!)やめ(パシャパシャ!)ちぇ(パシャパシャ!)ゆん(パシャパシャ!)やぁ(パシャパシャ!)ゆ(パシャパシャ!)や!(パシャパシャ!)ゆ゙っ!(パシャパシャ!)ゆ゙(パシャパシャ!)っ!(パシャパシャ!)!(パシャパシャパシャ)(パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャッパシャパシャ)」 子れいむの絶叫は直ぐに聞こえなくなった。 今はもう、池の鯉達が水面を叩く音が聞こえるのみであった。 「ゆ・・・・・・ゆあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁっぁぁあ!!?」 「くすくすくすくすくすくすくすくす!!」 少女は暫くの間、絶叫し涙を流す母れいむを嘲笑いながら眺めていた。 「やっぱりゆっくりにも愛とか友情は必要よねぇ。だって、それをめちゃくちゃにしてやった時の爽快感は最ッ高だもの、くすくす。・・・・・・さてと。それなりに楽しませてもらったから、そろそろ終わりにして帰ろうかしら」 ゆっくりの嘆きを堪能した少女は、母れいむを踏み潰そうと片足を持ち上げた。 「ゆぅ、おねーさん・・・・・・」 「なぁにぃ?」 最期に辞世の句だけでも聞いてやろうと返事をする。 「もう、じゅうぶんゆっくりできたでしょ?だったらもうかえってね。れいむにこれいじょうひどいことしないでね」 「・・・・・・・・・」 思わず足を降ろしてしまう。 母れいむの台詞にわずかな違和感を感じたのだ。 彼女のこれまでのゆ虐経験からすると全てを失ったゆっくりがとる行動は、怒りに身を任せて飛びかかってくるか、絶望し廃ゆっくりと化してしまうかが大半だ。 だがこのれいむはどうだろう。落胆はしているが、その瞳にはまだ生きようという意志があるように見える。 やはりただのゲスだったのか?いや、子れいむに対する愛情は本物だった。 それを失った今、何を希望に生きていくというのか。それとも、まだ希望が残っているのか? なんにせよ、 コ ノ レ イ ム ハ マ ダ ゼ ツ ボ ウ シ テ イ ナ イ 「・・・・・・くす」 少女の口が、三日月のように釣り上がる。 「そんなつれないこと事言わないでよ、れいむ。皆でクッキーを分けあった仲じゃない。もっと一緒に遊びましょう?」 「いいからかえってね!もうここにはなんにもないよ!」 その言葉でここらに何かあるのだと容易く理解した。 ゆっくりとは隠し事が下手なナマモノなのである。 「私の友人にね、宝探しが好きな子がいるの。だから、私も最近宝探しに興味があってね。どう?一緒に何か素敵なものでもないか探してみない?くすくす」 「や、やめてね!?やめてね!!ここにはなにもないっていってるでしょぉぉぉ!?」 そんな母れいむの言葉を華麗にスルーし、少女はウロウロと辺りを歩き始めた。 そして、ある方向へと足を向けた途端、 「ゆぅぅぅ!?そっちへはいかないでね!なんにもないからね!」 実に分かりやすい自爆であった。 少女はニヤニヤしながらそちらの方向へと歩みを進めていく。 母れいむも必死に後を追うが、ゆっくりの速度では少女には追いつくことができなかった。 「・・・・・・見ぃ~つけたぁ~!くすくす。これがれいむの宝物なのね。ホント、ゆっくりとしてるわね」 れいむの宝物。 それは、木陰に立てかけられたダンボール箱。 「ゆぴぃ・・・・・・ゆぴぃ・・・・・・」 その中でスヤスヤと寝息を立てている赤ゆのれいむであった。 「や、やめてね!やめてね!そのこは、そのこだけは・・・・・・っ!おちびちゃ~ん!にげっ!ゆぐふぅ!?」」 「ダメよ、れいむ。そんな大声あげたら赤ちゃんが起きちゃうでしょ?」 少女は素早く母れいむを踏みつけて口を閉じさせた。 そして、ポーチからガムテープを取り出すと、母れいむの口をふさぐようにベタベタと張りつけた。 「・・・・・・!?・・・・・・!!・・・・・・!!」 「これでよし、と。さて、後は動けないよう体の皮でもはぎ取っておこうかしら。ついでに目玉もね。くすくす」 取り出したカッタ―を母れいむに見せつけるように目の前でカチリカチリとゆっくり刃を押し出してゆく。 「その後で、とってもゆっくりとしたお歌を聞かせてあげるわ。おちびちゃんの絶叫と言う名のお歌を、ね。くすくすくす!」 狂気の笑みを浮かべた少女がカッターを振り下ろす。 それが、母れいむの見た最期の光景となった。 その後、全身の皮を生きたまま剥がされる激しい痛みに襲われ、意識を失ってしまった。 「あら?気を失ったみたいね。まあ、オレンジジュースでもかけておけばいずれ起きるでしょう。その間に、色々準備しとかなくちゃね。くすくす!」 母れいむは夢想する。 とてもゆっくりした家族達と幸せに暮らす日々を。 それが突如暗い闇に閉ざされた。 (どうしてこんなことになっちゃったの?れいむたち、ただゆっくりとしてただけなのに) 最後に残された赤れいむ。 もはや、それだけが唯一の希望だ。 (おちびちゃんだけは、ぜったいにれいむがまもるよ!) そして意識は覚醒する。 そこには夢も希望もない、ただただ絶望しかない非情な現実であることを理解するために・・・・・・。 <了> 前作: anko3313_声だけ
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やよいメール「かわいいそーです☆」 取得条件:高テンション時に取得 お仕事中だったらごめんなさいっ。やよいです。 家に帰る途中、通りすがりのおばさんたちに、囲まれちゃいましたっ! 「テレビで見たけど、娘みたいでかわいい」 って。び、ビックリしましたーっ!! その後、スーパーのお買い得情報とか色々教えてもらって、とっても楽しかったですっ。 やよいメール一覧に戻る トップページに戻る
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前作『ふたば系ゆっくりいじめ 823 ゆっくりが残すもの』にたくさんのコメントありがとうございます。 濃厚なコメントさんもたくさんあって本当にうれしかったです。 コメントは、どんなに遅く付こうと全部読んでます。 あと、前作のコメント欄でのコメントにいくつかここでレスしたいと思います。 布団を押入れに残すことはあまり無いんじゃないかな? これはダムで水没したの? それともダムの放水で流されたの? 放水で沈没しました(苦笑) 布団はまあ、古い物を残していったということでご勘弁を(汗 ちょっとチグハグな印象 タイトルが、ダム放流が本流と認識させるのに それに反してお兄さんとしんぐるまざーの自己主張が大きいからだと思う ただ、ダムに流されただけじゃ話として弱いかなと思ったので。 チグハグに感じないように精進したいと思います。 長編は難しいですけど一緒に頑張っていきましょうねっ! ありがとうございます。一緒に頑張りましょう! 今回は短編ですが… これからも、ゆっくりできたよと言ってもらえるように頑張ります。 「ありすとぱちぇとおにいさん」 「おねがいじまずううううう!!!まりさをがいゆっぐりにじでぐだざいいいいいい!!!!!」 道を歩く青年に、野良のゆっくりまりさが声をかける。 「飼いゆっくり?」 青年が立ち止まる。普通は野良ゆっくりなんかの声に足を止める人はいないので珍しい青年だ。 「ぞうでずううううう!!!まりさは、もどがいゆっぐりだっだんでずううううう!!!!!」 よだれと涙を撒き散らし、傍目から見ても非常に不快感を残す光景だ。 これで、飼ってくれる奴なんているはずも無い。 「んん…?なるほど…飼いゆっくりか…いいな」 「ゆうう?!ほんとう!かってくれるの!これで、まりさもゆっくりできるよ!ゆっくりしていってね!おにいさん!」 まりさは大喜びだ。本当に青年はこんな醜い野良ゆっくりまりさを飼うつもりなのだろうか? 「ん?ああ、お前を飼うなんて一言も言ってないよ。飼いゆっくりは店で買うよ。お前、汚いし」 「ぞんなあああああああああ!!!ゆっぐり!ゆっぐり!がっでね!まりさを…うべっ!!!」 青年のケンカキックがまりさの顔面にめり込む。 「ゆぎゃああああああああああ!!!まりさのぷりちーで、きゅーとなおかおさんがあああああああ!!!!!」 目と目の間に青年の靴のサイズの穴が開き、そこから餡子が漏れる。ジタバタ痛みで暴れるので、もっと漏れる。 青年はまりさの帽子を取り上げると 「ゆあああああああ!!!!!まりさのずでぎなおぼうしいいいいい!!!!!ゆっくりかえしてねええええええ!!!!!」 穴が顔面に開いているのに元気なことだ。 青年は、自治体が設置したゆっくり用ゴミ箱に帽子を入れる。 「がえじでね!まりさの、ふぁっしょなぶるなおぼうしかえしてねえええええ!!」 そして、ゴミ箱の横に設置されているスコップ(持ち去り防止の為、鉄の鎖でゴミ箱と繋げている)を手に取る。 鎖の届く範囲内に、お帽子の為にまりさが自分からやってくる。 「おぼうじがないど、ゆっぐりでぎないいいいい!!!」 青年はスコップで、まりさを何度も叩く。 「ゆべっ!!ぐぎゅ!!いじゃいいい!!!つぶれりゅううう!!ゆっぐりでぎないいいいい!!!!!」 青年はスコップの一突きで、口を破壊する。歯は砕け、口の形が十字に裂ける。 そして、瀕死のまりさをスコップですくうとゴミ箱へ入れた。 (おみずざんは、ゆっぐりでぎないいいいいいいい!!!!!!) 中には水が入っており、まりさは傷口から餡子が溶けて、ゴミ箱に入れられて直ぐに絶命した。 その後、まわりを箒で掃き(これも備え付け)青年はその場を後にした。 「ゆっくりショップに寄っていくか」 ゆっくりショップには色々なゆっくりが置いてある。 青年は、店の中を物色する。 やはり基本4種が多い。そしてバレンタインセールとやらで、子ちぇんが特に大量に並べられていた。 その前には、女性客がいっぱいいる。 「バレンタインの贈り物に、甘くてスイーツなちぇんはいかがですかー。わかるよー」 店員さんの売り込みの声も聞こえる。 れいむとまりさが、青年の視界に入る。しかし 「れいむとまりさは、うーん…好みじゃないんだよね…」 ぱちゅりーとありすを見る、青年。 「どうしよう、まあまあかなあ。2匹だと財布の中身が、でも…」 ブツブツと思案した様子の青年。 「ん、奮発するか。すみませーん!この、ぱちゅりーとありすください!」 青年は、ゆきっつっあん一枚の値段で、銅ぱちゅりーと銅ありすを購入した。 「ここが、俺のおうちだ」 ボロアパートで、4畳の部屋がひとつのみ。風呂無し、トイレ共同。 この青年は、アルバイトで生計を立てているワーキングプアさんなのだ。 「ゆっくりしていってね!」 「むっきゅりしていってね!」 2匹が、おうちの中で改めて青年に挨拶をする。まあ、本能だ。 「いいか、このボロアパートは壁が薄い。ここは角部屋で、隣もいないがそれでも騒ぐな」 不満そうな残念そうな何とも言えない表情の2匹だが 「ゆっくりりかいしたわ…」 「ぱちぇは、けんじゃだからいいつけはまもるわ…」 一応、言うことは理解したようだ。 これで愚図りだされても面倒くさいので、青年はホッと一安心という表情だ。 「お前たちには、一万円もかかってるんだからな。俺の役に立ってくれよ」 「ええ、とかいはにゆっくりさせてあげるわ」 「むきゅ、ぱちぇのけんじゃなちしきで、おにいさんをせんのうするわ」 「洗脳てお前…まー、しかたねーか。森賢に期待してもな…」 覚えた言葉を意味も分からずに使いたがるのは、ぱちゅりーの悪い癖でもある。 ゆっくりショップに売られている透明な箱も購入済みだ。防音の為、騒いでほしくないときに重宝する。 「さて、とりあえずお前らは夫婦になれ」 「「ゆゆゆゆゆ?????」」 この青年は何を言ってるのだろう? 「それで、おにいさんがゆっくりできるなら…いいわ」 「むきゅ!ありすとふうふね!なりたりこんまちがいなしだわ!むきゃきゃきゃ!」 「成田離婚の意味知ってんのか?」 「むきゅ、とうぜんよ。ぱちぇにしらないことはないわ!あいしあうことに、きまってるでしょう!」 (馬鹿すぎる…何で、同じ値段だったんだろう…) 青年は気を取り直すと 「じゃあ、さっそく子供をつくってくれ」 「「ゆゆゆゆゆ?????」」 この青年は何を(ry ありすは、子供をつくるなと固く躾けられたので意味がわからない。 「ほんとうにいいの?」 「ああ、早い方がいい」 「おちびちゃんがいれば、むっきゅりできるものね!ありすのじーすぽっとさんをまんぐりがえしよ!むきゃきゃきゃ!」 2匹を透明な箱に入れると、揺すって発情させ、さっそくすっきりーをさせる。 (しかし、醜いなー) 野良ゆっくりが駆除される最大の理由は、PTAなどによる「ゆっくりのすっきりーが子供の教育に悪いから」だ。なまじ人語をしゃべるだけに。 「あ、あ、あ、ぱちゅりー…もっと、やさしく…」 「むへっへっへ…けんじゃなぺにぺにでよがりくるうといいわ!たかなみのてくでしょおおおおお!!!!!ちょこぼーるうううううううううう!!!!!」 「「すっきりいいいいいいいいいいい!!!!!」」 本当に醜い。気持ち悪い。 そして、ありすの頭に実ゆが4匹実った茎が生えた。 3日ほどすると、子供が生まれてくる。 「ようやくか」 青年は待ちくたびれたかのように呟く。 「かわいいかわいいありすのおちびちゃん、ゆっくりうまれてきてね」 「むきゅきゅ!けんじゃなぱちぇのおちびちゃん、ぱちぇのえいさいきょういくで、いんばいにしてあげるわ!」 青年は慣れたもので、ぱちゅりーの戯言にも眉ひとつ動かさない。 「ゆっきゅりちていっちぇにぇ!」 赤ありすが生まれ落ち、最初の挨拶をする。 「ゆっくりしていってね!ゆーん、ありすのおちびちゃんはとってもゆっくりしているわ~」 とろんと惚けた表情で我が子を見つめる、ありす。 「むっきゅりしていってね!きっとこのこは、りこーるがふきそしょぶんになるわ!」 テレビで垂れ流される文言を、ただ反復する森賢。 全ての子が産み落とされると、その赤ゆっくり共を青年は全て手に取るとタッパーに入れる。そして 「また、子供をつくれ」 「「ゆゆゆゆゆ?????」」 この青年(ry 「でも、もうおちびちゃんが…」 「むきゅきゅ!おちびちゃんはいればいるほどいいのよね!そうたいせいりろんが、げしゅたるとほうかいしてるわ!」 透明な箱に布をかぶせ、青年は2匹にすっきりーさせる。 そうして、2匹がすっきりーしている間に… 「いただきまーす」 (きょわいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!みゃみゃあああああああああああああああああああああ!!!!!) 口を押さえて、騒がないようにすると口に放り込み子ありすを食べる。 「んー、物足りないなあ。やっぱり、もう少し成長しないとダメか…」 そう、青年は貧乏で、甘いお菓子は切り詰めた食費の為、ほとんど口にできない。 「俺は、餡子はあんまり好きじゃないんだよね。カスタードと生クリームは美味しいな」 残りも全て食べてしまう。赤ゆなんて直ぐに死ぬので、保存もあんまり効かない。 しかし、繁殖は容易なので時々は甘いお菓子を食べられる。青年にはそれで充分だった。 これから、2匹はシュークリーム製造機として生きていくことになるだろう。 「おにいさん?!おちびちゃんはどこおおおおおおお?????」 「けんじゃあああああああああああああああああああ?????」 シュークリーム食べてて思いついた話です。 挿絵:
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「そ~らたかいたかーい♪」 「おねーしゃんしゅごーい♪」 「おねーしゃんだいしゅきー♪」 「だすげでえええええ!」 一年で最も過ごしやすいと言われる秋の昼下がり。まりさが妹たちと遊んでいると、友達のれいむの助けを求める声がした。 「ゆゆ!れいむどうしたの!けがしてるよ!」 「れいむおねーしゃんだいじょうぶー?」 「いちゃいのいちゃいのとんでいけー!」 「むきゅん!まりさはおちびちゃんたちをさがらせてね!」 傷つき餡子が流れ出しているれいむを介抱していると、長のぱちゅりーの指示が飛んだ。 指示どおりに妹たちを遠ざけて、囲いとなりだした集団へと戻ると、驚くほど白くなったれいむが息絶えるところだった。 「れいむぅぅ!」 「もっとゆっくり……したかっ……た……」 「どうじてえええ!」 「むきゅー……、れいむはいいつけをやぶってにんげんのところへいったのよ」 ぱちゅりーによるとれいむが話した事情は以下の通りだった。 群れの中でも問題児のまりさが人里で野菜を食べようと誘った。自分ともう一人のれいむがそれに乗った。 野菜を食べていると人間がやってきていじめた。自分は、もう一人のれいむが手助けしてくれたおかげで逃げられた。 捕まっている二人を助けてほしい。 誘ったとみられるまりさは群れのルールを守らず、悪知恵が働き行動力旺盛な、ゲスと呼ばれる部類のまりさだった。 規律ある集団生活には有害だが、未踏の危険地帯を開拓していくことで、問題児ながらも若ゆっくりからは人気があった。 いいところもあったが、人間に捕まってはしょうがない。自業自得だ。群れのメンバーに諦めムードが漂う。 「れいむは?れいむはどうするの!?」 紛らわしいがここで問題にしているのは捕まっているほうのれいむである。まりさはそちらのれいむが好きだった。 「むきゅん。ざんねんだけどあきらめるしかないわ。せめて……このむれにどすがいたら……」 人間には同じように「れいむ」と聞こえるのだが、きちんと意図を汲み取って答えるぱちゅりー。 なにがしかのアクセントの違いがあるのかもしれない。 「そんな……みんながたすけないなら、まりさだけでもたすけにいくよ!」 「むきゅん!だめよまりさ!にんげんはおそろしいのよ!」 制止も聞かず、まりさはそう言って人里へと向かう。 『人里は餡外魔境』 (まっててねれいむ。まりさがだいすきなれいむをたすけてあげるからね!) 頭に広がるは成功のイメージ。人間は自分たちを食べたりいじめたりすると聞く。 だから食べられる前に、まりさたちが木の実を巣の奥に溜め込むようにして閉じ込められているれいむを、助け出すつもりだった。 捕まっているれいむをこっそり逃がして、頬ずりをして無事を喜び合う。 れいむもまりさのことを見直して、人気者のまりさよりも自分のことを好きになってくれる。 『れいむ!もうだいじょうぶだよ!』 『まりさ!』 『こっそりついてきてね!』 『ぶじににげられたよ!ありがとう!』 『れいむにはまりさがついてるからあんしんだよ!』 『まりさ……』 『れいむ……』 そこには根拠のない自信と、れいむをデートに誘いだせたゲスまりさへの嫉妬があった。 坂を下り茂みを越え、動き始めたれみりゃから隠れながら里についたのは、日が暮れようとする時分だった。 黒々と闇が落ちた村の外れに、赤々と灯る松明。その明りの下、男たちが丸い物を蹴りまわしている。 目を凝らしてもよく見えず、 「そろ~り、そろ~り」 と小声で言いながら近づくまりさ。 「ゆぎゃあああああああ!」 蹴りまわされるものの正体を見極める前に、身を引き裂くような絶叫を耳にしてそちらを向いた瞬間、視線が釘付けになった。 自分と同じ顔をしたものが足を焼かれている。ブスブス焦げる匂いが風に乗って流れてくる。 これはゲスまりさが 「ごめんなさい!ごめんなさい!にんげんさんのものだってしらなかったんですぅぅ!」 一度は殊勝に謝っておきながら、 「まりさはおいしくないんだぜ!たべるんならこっちのれいむにするんだぜ!」 許されないと知った瞬間に仲間を売ったことに対する、調理を兼ねた制裁である。 「ばりざがわるがっだでずうううう!あやばるがらばりざのあ゛んよ゛やがないでぐだざいいい!」 「何が悪かったのかなー?」 「にんげんざんのおやざいだべでごべんなざいいい!」 「分かってねえなあ」 「ばりざのおぼうしがああああああ!?」 相手をしていた男は、ゲスの帽子を取ると手にしている松明にかざした。優美なぐらい緩やかに燃え上がる。 悪知恵が働くとはいえ、知能の絶対値が低いので人間には即行でばれる。 「かえすよ」 「ゆぎゃああああああ!あづいいいいい!」 緋色に輝く帽子を頭にのせると、ゲスは大声をあげてとても喜んだ。 「こいつもこんなもんでいいよな?」 「おう、いいよ」 「何か」を蹴っていた男たちが蹴っていたものを鉄板の上に置く。赤々と照らし出されたのは変わり果てたれいむの顔で。 (あくまでもゆっくり視点で)整っていた顔は間断なくめり込んだ足で歪み、砂糖菓子で出来たリボンはところどころ欠けている。 「あづいいいいい!ゆっぐりでぎないいいい!」 「ん?そいつは?」 「あ?なんだお前」 男たちが気づいてまりさを掴み上げた。 「飼いゆっくり?」 「バッジないから違うだろ」 「まりざああ!ばりざとがわるんだぜええ!」 「ま……りさ?……!だずげでえええええ!」 「あ、知り合い?」 まりさは答えない。答えられない。 「みでないでざっざどだずげろおおおお!」 「だずげないならまりざなんがゆっぐりじねええええ」 男の一人が二匹の餡子を掬い取って、OKサインを出した。 「甘みは十分だから全体焼こうぜ」 「けど片方足で蹴ったからそのまんま食いたくねーよ」 「じゃあこいつらに子供産ませてそれ食おうぜ」 「折角手間かけたのにもったいなくないか?それ」 「ストレス解消になったからいーじゃん。それに赤ん坊のほうが旨いらしい」 「どうやって産ませるんだ?」 まりさは目の前の光景を受け入れられずにいた。 変わり果てた姿の人気者のまりさとれいむ。信じられないほど痛そうな仕打ちと嫌な臭い。 助けにきた自分を罵倒する、優しかったはずのれいむ。 「「せーのっ」」 鉄板から引きはがされた二匹が、人間の手で強制的に擦りつけられる。 「すっぎりじだぐないいい!」 「ずっぎりじだらしんじゃうううう!」 「あはは間抜け!」 「いっそこうしたほうが楽じゃね?」 「だはははは!」 男たちはゆっくりの悲鳴なぞ頓着せず、手に持って擦り合わせるのも面倒なので、股に挟んで腰使いの真似などをして笑い転げる。 「い゛や゛だあああ!もっどゆ゛っぐり、じだいいいい!……ゅっゅっ」 「もうゆるじでええええええ!……ゅっゆぅぅ」 「うわ汚ね!」 焦げた二匹の体が粘液で包まれ、今までの苦悶の声から甘く、押し殺したような声に変わる。 「れいむ……れいむ……」 まりさはそんな二人を呆然と見ている。嫌悪感が湧くのに、目を逸らせない。ぬるぬるのれいむ。聞いたことのない声。 「「んほおおおおおおおおおおお!すっきりー!」」 嬌声を上げて二匹は絶頂に達した。見る間に茎を生やし黒ずんでいく。 それを見た瞬間、まりさの何かが切れた。 「いやだああああ!おうぢがえるううう!」 「うおお!?」 おとなしかったゆっくりが突然暴れ出したので思わず取り落とす男。その隙にまりさは灯りの届かない闇へと消えて行った。 「もったいねー」 「うっせ」 「誰か醤油持ってない?」 男たちはあえて追わず、出来立ての赤ちゃんに舌鼓を打った。 まりさが逃げ去ったのは、帰るには見当違いである、村の方向だった。 「ゆ゛ぅぅ……、ゆっぐ……、ゆっぐ……」 泣きながら物音におびえ、目についた隠れられそうな物影に飛びこむ。 「あんなのれいむじゃないよ……あんなきたないのれいむじゃないよ……」 年長のれいむはまりさにとって憧れの存在だった。優しくてきれいだったのに。大好きだったのに。 「ゆー……だれかいるの?」 「ゆゆ!?」 声がしたほうを振り向くと、皮の張り、毛づや、その他どこをとっても素晴らしい、成体の美れいむがいた。 月明かりを浴びたその姿はたおやかで、まりさは一目で心を奪われてしまう。 「ここはおにいさんのおうちだよ。わるいこはゆっくりしないででていってね」 「まりさはわるいこじゃないよ!」 「じゃあゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 「ゆー、おねえさんはとってもきれいだね!」 「おにいさんがとってもかわいがってくれるからだよ!」 「ゆ!にんげんはこわいよ!れいむが……れいむがあああああ!」 「なかないでね、なくのやめてね。まりさがかなしいとれいむもかなしいよ」 そう言って美れいむは泣きだしたまりさの涙を舐めとる。その親愛の情がうれしくて、いい匂いにどきどきして。 「ゆー……くすぐったいよ」 「まりさはわらってるほうがかわいいよ!」 そう言って頬を擦り合わせる。まりさは先程の光景を思い出して体が強張るが、それも伝わってくる優しさがほぐしていく。 「れいむ……」 「なぁーに?」 「まりさはれいむのことがだいすきだよ」 このれいむこそがほんとうのれいむなんだ。まりさがすきだったやさしくてきれいなれいむはこのこなんだ。 このことおうちにかえろう。これからはふたりでおいかけっこしたり、ちびちゃんたちにおうたをうたったり、ひなたぼっこするんだ。 「れいむもまりさのことがすきだよ」 すりすりすりすり。 伝わってくる振動が、変わった。 「くすぐったいよれいむ~♪」 「……ゅ……ゅぅ……」 「……れいむ?なにか……へんだよ?」 さっきも聞いた声、れいむが出すとは思えなかった声。 「れいむにまかせてね。れいむがきもちいいことおしえてあげるね」 「やめて、やめてね。なにかまりさのからだおかしいよ?」 「れいむといっしょにすっきりー♪しようね」 「!」 実はこのれいむはHENTAIお兄さんに売り込むべく調教されていた、百戦錬磨のエロれいむだったのだ。 「いやだああああ!ずっぎり、ごわいいいい!」 「だいじょうぶだよ。とてもゆっくりしたきぶんになれるよ」 「どぼじでごんなごどするのおおお!?ぎれいなれいむがぞんなぎだないごどしちゃだめでしょおおお!?ごんなのゆっくりじゃないよおおおお!」 「すっきりをわるくいうこにはおしおきだよ!ちょっとほんきだすね!」 当然、その価値観も通常と違い、性行為に対して羞恥心がなく、ゆっくりできる最高の手段だと思い込んでいる。 「ゆふぅ……!」 駆け抜ける快感突き抜ける有頂天。れいむの愛撫で、急速に自分の中で何かが育っていく。 「じぬううう!すっぎりじだらしんじゃうううう!」 「こんなにおおきいのにまりさはなさけないね!」 れいむは取り合わない。人工的な環境で鍛えられたため、成体かどうかの微妙な差異は分からないのだ。 そのため、単なる快感への怯えと判断して更なる刺激を与えていく。 「ごわいよおおおおお!おがあざああああん!」 「「すっきりー!」」 茎を生やして黒ずんでいくまりさ。いくつかの実をつけるも熟しきるには至らない。 「あ゛あ゛あ゛あ゛まりざどおじてえええええええ」 変わり果てたまりさに号泣するれいむ。 「うー醤油醤油」 そこに飼い主である男が戻ってきた。 「おに゛いいざあああん!まりざが、まりざが、すっきりじだらじんじゃったあああ!」 「ん?そいつさっき入り込んだゆっくりか?仲間も黒ずんだし、まだ子供だったんだろ。 未熟なうちにすっきりしたら、産まれる子に餡子とられて死ぬよ」 「ながよぐゆっぐりじだがっただけなのにいい!」 れいむは声を張り上げて泣いた。 翌日。日差しの柔らかな草原で、子ゆっくりが保育役のゆっくりに問いかける。 「まりしゃおねーしゃんまだー?」 「おちびちゃんたちゆっくりきいてね。まりさとはもうあえないよ」 「そんなのうしょだよ!」 「うしょつかないでね!ぷんぷん!」 「ぷかぷかうかんであそぶーってやくしょくしたもん!」 「まりしゃおねーしゃんはいっちゅもやくしょくまもるよ!」 責任感が強く世話好きで、いつもニコニコしていたまりさ。そのまりさが約束を破るはずがない。 「ゆっくりりかいしてね……」 悲しげな説明も耳にせず、その日一日、子ゆっくりたちはまりさの帰りを待ち続けた。 このSSに感想を付ける
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『ゆっくりまりさのサプライズ 中篇』 35KB 自業自得 差別・格差 育児 親子喧嘩 番い 群れ 赤ゆ ゲス 希少種 都会 現代 人間なし まりさのゆん生転落劇その2 「むきゅ、みんなのおうちはむこうにあるわ」 街ゆっくりの長であるぱちゅりーの先導でまりさ一家は公園の奥へと歩みを進めていた。 飼い主との唐突な別れを理不尽に押し付けられたまりさの表情は未だに晴れる事無く、 甘い糖質でなぞられた涙の跡が眼の下の隈を思わせる様に染み付き、頬から顎下に掛けて濃い線を残している。 まりさの自慢だった銀バッジは既にお帽子になく、その代わりに、 飼い主のお兄さんと入れ替わりにやってきた街ゆっくりの管理を請け負っているNPO法人『街ゆっくり友の会』の会員である初老の男性が、 連絡を受けて真新しい街バッジをお帽子に装着してくれた。 まりさの前を歩いているでいぶも子供達も、お揃いの街バッジがお飾りの上で踊っているが、 それを見るたびにまりさは現実を突きつけられる気がして、居た堪れない気持ちを抱いたまま視線を落として雑木林の奥を目指す。 「ついたわ、ここがきょうからまりさたちのおうちよ」 「ゆっ……!?」 林の向こうに拓けた平野の隅に置かれた多くの箱を見てまりさは思わず絶句した。 箱はずらりと向かい合わせで二列に並べられており、良く目を凝らせば、その箱の中に大勢のゆっくりたちが身を寄せ合っている。 おうちと紹介された場所が木作りの大き目な飼育箱であった事実にまりさはただただ驚愕を覚えるだけ、 ついさっきまで飼いゆっくりであったまりさには、これが到底おうちと呼べる代物に思える筈がなかった。 もっと大きくて広々としていてテレビがあってふかふかの座布団があって――。 想像していた当たり前の光景が一転し、せいぜい一家族が押し込める程度の、 まるで監獄を思わせる狭苦しい箱がこれからの生活スペースだと言われてまりさは納得できる訳がない。 「ま、まってね!こんなちいさなはこさんがおうちなのはおかしいよ!」 「むきゅ?おかしい?」 ぱちゅりーは後ろに居たまりさをちらりと一瞥すると、眉を吊り上げて小さく嘲笑した。 街ゆっくりの長というだけあって、捨てられ都落ちしてくる飼いゆっくりを大勢見てきたぱちゅりーは、 まりさの心情を透かし見る様に代弁した言葉を紡いで目を細めた。 「こんなせまくてきたないところはゆっくりできない、とでもいいたそうね」 「そ、そうだよ!おうちはもっとおおきくて、きれいなところだよ!こんなところじゃゆっくりできないよ!」 「そう……」 まるで小馬鹿にしたようにぱちゅりーは冷ややかな眼でまりさを見下すと、その辺の草が茂った場所に視線を向けて、こう言い放った。 「おおきくてきれいなところがいいのならまりさはそのあたりをおうちにしていいわ、さっ、れいむとおちびちゃんたちはあっちのおうちにいきましょう」 くるりと身体を翻して、ぱちゅりーは立ち止まったまりさを置いて箱で作られた団地の奥へ向かおうとする。 慌てたまりさは声を張り上げてぱちゅりーを引き止めると、出し尽くして枯れた筈だった涙を再び目尻に浮かべて震えながら懇願する。 「ど、どうじでそんなごどいうのっ!?こんなどころはまりさのおうぢだなんておかじいよっ!!べつのおうちをよういじでね!!」 「あまえたことはいわないでね!どんなにまりさがぱちゅりーにだだをこねても、まりさののぞむおうちはよういできないわ、 ここではこれがあたりまえよ!それがふゆかいならそのばっじさんをおいてどこへなりともいくがいいわ」 「ゆぅううっ……だってっ……だってぇ!」 「むきゅぅ、にどはいわないわ、じぶんでかんがえてじぶんでけつだんしなさい」 やや厳しく突き放す口調でぱちゅりーは吐き捨てると、 新聞紙をクシャっと丸めたような表情を浮かべてポロポロと涙を流すまりさに背を向けた。 街ゆっくりシステムがこの町に導入され、先代の長からこの群れの任されたぱちゅりーは、 今までに数多くの飼いゆっくりがこのまりさの様に捨てられ街ゆっくりになる姿を見てきた経緯があった。 純正の街ゆっくりたちより知性が高く素行も大人しく素直な個体であることは変わりないのだが、彼らには総じて欠点と言うべき劣った部分がある。 その一つが生活力の無さだ。 飼い主に頼り切ったゆん生を送ってきた飼いゆっくりは、他人に頼る事を前提とした生き方へと思考が偏ってしまう傾向がある。 当たり前の様に運ばれてきた美味しいご飯を何の疑問も抱かず食べ続けていれば、 それが当然だと刷り込まれ餡子脳が麻痺していくのは当然と言えるかも知れない。 こうしたゆっくりにまずぱちゅりーが何をするのかと言えば、甘えた根性を徹底的に叩き直す事だ、 我侭を言えば突き放し、癇癪を起こせば無視を決め込み、駄々を捏ねれば叩き付ける。 元々自分だけでは生きていけないゆっくりであり、どんなに当ゆんにとって厳しい事を言ったとしても、 その知性の高さから未知への恐怖だけはよく理解している故に逃げ出すことは出来ない。 「ゆぅううっ……」 結局まりさも、ぱちゅりーの思惑通り恨めしそうに唇を噛みながら後を付いて来た。 そしてついに到着したまりさ一家のおうちは、遠くから見るよりも遥かに汚らしくみすぼらしい貧相な外観の文字通りの簡素な箱だった。 「さっ、ついたわ。このおうちはじゆうにつかっていいわ」 「ここが……まりさのおうち……」 箱の側面、入り口に当たる部分に使い古しの暖簾が掛かっている、 まりさが徐に中を覗くとそこには床一面に薄汚れた毛布が敷き詰められているだけの小さな空間だった。 毛布は外から吹き込む砂でざらついており、前に住んでいたであろう家主のゆっくりがこびり付けたうんうんの跡や食べ粕がそこら中に散らばっている。 「きたないところだよ!くそじじいをどれいにしてせれぶなかいゆっくりになるよていだったのに、ひどいかくさだよ!まったく!」 しかめっ面のでいぶがそう言いながらも箱に入ると、ずてんと大きな物音を立てて奥の一角を陣取った。 遅れて赤ゆっくりの姉妹も入室するが、その表情は暗く何故か先ほどから一言も言葉を交わしていない。 「むきゅ、きょうはいろいろあってつかれたでしょう、またあしたよびにくるからもうやすんでいいわ」 「わかったよ……」 「わからないことがあったらぱちゅりーにききにくるのよ、いいわね?」 それだけ言い残して元来た道を引き返していくぱちゅりー、このままここで突っ立っていても仕方ないのでまりさはおずおずとおうちに入る、 暖簾の隙間から差し込む日差しだけが光源の薄暗い箱の中、まりさは心地の悪さから息詰まり感を覚えずにはいられなかった。 「まりさはうそつきのどうしようもないていしゅだよ!れいむをかいゆっくりにしてくれるやくそくをどうしてくれるの!?」 陣を構えたでいぶがこれまでの鬱憤を晴らす為か唐突に声を荒げた、 キィっと口を歪めて右眉毛だけを吊り上げた姿は臆病なまりさを怯ませるに十分な迫力だった。 「れ、れいむ……ご、ごめんね!まりさもこんなことに……こんなことに、なるとはおもってもみなかった……んだよ……」 「あやまってすめばけいさつさんはいらないよ!まったく、つかえないていしゅだよっ!」 ぷりぷりと余分な肉を震わせ涎を撒き散らしながら罵り続けるでいぶ、 繰り出される罵倒の数々にどうしてこんなにゆっくりできないでいぶと一緒になる事になってしまったんだろうかとまりさは頭を抱えながら溜め息を付くと、 でいぶに寄り添って密着していた我が子の存在を取っ手付けたかのように思い出して顔を上げた。 「そうだよ!まりさにはまだおちびちゃんたちがいるよ!おちびちゃん、まりさといっしょにゆっくりしようね!」 赤まりさに近付こうとした瞬間、まりさは予想だにしない拒絶を受けた。 「うるしゃいよっ!!だまっちぇねっ!!」 一瞬硬直して立ち止まったまりさ、見下ろした最愛の我が子が発した言葉が自身を受け入れない拒否の言葉だと気付いて後ずさる。 視線を落とせば、キュッと口元を強く結んで鋭利な視線を投げかけている赤まりさがでいぶの横に佇んでいる。 その隣の赤れいむも同様の表情を浮かべたまま不慣れな為か歪に膨らんだぷくーっをまりさに向けて峻拒の気概を示している。 「お、おちびちゃん……ど、どうしてまりさにそんなことするの!?いっしょにすーりーすーりーしようよ!!」 「ちかづかないじぇっていっちぇるでしょ!!れいみゅをいらないこあつかいしゅるぐじゅおやはきえちぇね!!」 れいむを要らない子扱いする愚図親――。 そのフレーズにまりさはたじろいだ。 子供達のこれらの態度は、さっきの飼い主のお兄さんとのやり取りの最中、まりさが思わず発してしまった一言、 『もうおちびちゃんなんかいらないからまりさをおうちにかえしてよぉ!』の反発から生まれたものだった。 子供達の心を傷付けたと知ったまりさは慌てて取り繕いを始めるが、既に遅く完全に時期を逃してしまっていた。 「あれはちがうんだよ!おちびちゃんはまりさのたいせつなおちびちゃんだよ!だから――」 「ちがわないよ!ぐじゅおやはまりしゃのおちゅーしゃんじゃないよ!!まりしゃはおかーしゃんとしゅーりしゅーりするよ!!」 「ゆふふっ、さすがはれいむのかわいいおちびちゃんだよ!あんなだめていしゅはほっといてみんなでゆっくりするよ!」 でいぶも子供達に親としての優劣を付けられた事で、ご満悦といった感じにドヤ顔を作ると、 その体型の為かやや野太くなった左右のピコピコで赤れいむと赤まりさを寄り添わせ頬を重ね始めた。 「ゆふーっ、おちびちゃんはとってもゆっくりできるよ!」 「ゆーん、おかーしゃんはおおきくてあっちゃかいよ!」 「ゆぅうっ、まりざのっ、おちびちゃん……」 結局まりさは3匹の寄り添う姿を羨ましそうに眺める事しかできず、その日はまりさは一度も子供達と触れる機会が与えられなかった。 日を跨ぎ深夜になった頃まりさは目が覚めた、正確には急激な環境の変化に対応出来ずはっきりと睡眠を取ったという感覚がないので、 一時のまどろみから開放されただけに過ぎないが、まりさは徐に冴えた頭を振ってでいぶと密着して寝息を立てている子供達を見下ろした。 昼間の憤怒の表情はなくすやすやと心地良さそうで何か楽しげな夢でも見ているようだ。 暖簾の隙間から吹く風がまりさの小麦粉の肌を叩く、秋の夜ともなればひんやりと軽い冷気を纏っていて身が疼く。 「ゆぅ……」 どうしてこんな事になってしまったのか、でいぶもおちびちゃんもまりさを全くゆっくりさせてくれない、 お兄さんが言っていた多過ぎるゆっくりは人間にとって毒だと例えた意味が今なら何となく理解出来るかも知れない、 とそんな事を思いながらまりさは再びあんよを休ませ、眠りの準備を始めるも眼は冴えるばかりだ。 不意に強く吹き込んできた風が暖簾を押し上げると、箱の中から見えた空が月を隠すほど酷く曇っていて、 まるでまりさの心情を映し出したかのような風景がそこに広がっていた――。 ――――――――――――――――― 翌日、まりさは近所の駅前で大勢のゆっくりたちの中に混じり、投げ捨てられた空き缶やお菓子の袋などのゴミを集めていた。 ようやく眠りにつけたと思った矢先、まだ太陽が顔を出す前の夜明け前、まりさは迎えに来たぱちゅりーに叩き起こされ、 気が付けば公園から離れた駅前にまで連れて来られていた。 これが街ゆっくりの日課となるゴミ収集と教えられたまりさであったが、この世に生を受けお兄さんに飼われてから此の方、 時計の時針が8を指す時間以降にしか起きた試しが無く、太陽が昇る前の暗がりと東の空が僅かに白い光を宿した真空の世界はまさしく未知の経験だった。 こんなに冷たくて眠くてゆっくりできない時間に、どうして街ゆっくりのみんなはあんなに必死にゴミを集めているのだろう。 周囲のゆっくりたちを半ば内心で馬鹿にしながらも覚束ないまま作業を続けるまりさは、他のゆっくりよりも幾分か重い足取りでゴミを集めていた。 「まりさっ!あぶないよー!わかってねー!」 急に誰かに名前を呼ばれたかと思い振り返ると、まりさの顔面に丸い物体がぶつかり激しく転倒した。 「ゆぐゅっ!!な、なにずるのっ!?」 ぶつかってきた物体が丸まったゆっくりちぇんだと知って、赤くなった顔を痛みで震わせながらまりさは抗議した。 すると派手に転んだちぇんもむくりと立ち上がり、頭から湯気を上せて怒っているまりさと対峙する。 ちぇんはつい最近成体になったばかりの若いゆっくりのようで、まりさより一回り小さいがその眼付きはどこか鋭い。 「まりさはどんかんなんだねー、わかるよー。さっきまりさはにんげんさんのすぃーにひかれそうだったんだよー ちぇんはぜんいでたすけてあげたのに、まりさはわからないんだねー」 「ゆっ……にんげんさんのすぃー?」 さっきまで居た場所を見ると、大きな車が物凄い速さで駆け抜けて行くところだった。 ひゅんっと中枢餡が一瞬にして冷え切ったような気がして、まりさは息を呑んだ。 「こんなのろまなまりさはあいてにしてられないよー、ちぇんはごみさんをあつめるよー」 まりさがお礼を言う間もなく、ちぇんはゆっくりらしからぬ早さで駅前のロータリーに向かうと、尻尾に結んだゴミ袋に空き缶を詰め込み始めた。 間も無くして太陽が東の空に浮かんで見えたところで、ぱちゅりーの号令が掛かった。 「あさのごみあつめはここまでよー、もうすぐにんげんさんのしゅっきんじかんだからゆっくりしないでかたづけるのよー!」 「「「ゆっくりりかいしたよー」」」 夢中になってゴミを漁っていたゆっくりたちがぱちゅりーの声に感化して呼び掛けに答える。 素早く準備を終えると整列して公園に戻る街ゆっくりたち、 まりさのゴミ袋は底に僅かなペットボトルのキャップや紙屑が入るに留まっているが、他のゆっくりはそれなりの量を確保したようだ。 公園に到着すると、ぱちゅりーの側近であるありすやみょんがゴミの集計に入る。 一列に並んでゴミを回収し、ついにまりさの番になった。 「あら、すくないわね。ごごのごみあつめはもっとたくっさんあつめるようがんばりなさいね」 そう言ってありすはまりさからゴミを受け取ると隣のみょんがまりさに小包を手渡した、今日のご飯であるゆっくりフードだ。 まりさはご飯を受け取って久しぶりにパァッと明るい笑顔を作るが、小包のそれが思った以上に軽く、その笑顔は直ぐに崩れた。 「ゆー……これだけじゃすくないよ!もっとたくっさんっごはんさんがほしいよ! さっきのちぇんはいっぱいごはんさんをもらってたよ!!どうしてまりさはこんなにすくないの!?」 「ぜいたくいっちゃいけないみょん、まりさはごみさんをたくっさんっあつめられなかったからしかたないみょん」 「まりさはいなかものねぇ……ここのはいきゅうはぶあいせいなのよ、おなかいっぱいごはんさんがたべたかったらごみさんをいっぱいあつめることね」 「そ、そんなっ……」 後ろで待ち草臥れたれいむに背中を押され、列から弾き出されたまりさは、俯いたまま雀の涙程度の小包をおうちに持って帰ると、 きりきりと歯軋りを立てて、頭から煙を噴出したでいぶが仁王立ちして待っていた。 「おそいよっ!れいむとおちびちゃんはおなかぺこっぺこっだよ!!いつまでもまたせないでね!!」 まりさはまりさなりにも産まれて始めての重労働を必死にこなして来たと言うのに、でいぶは労いの言葉を掛ける訳も無く横柄な態度を取るばかりだった、 それでもまりさはでいぶの威圧的な姿が怖く、うんざりとしながらもへらへらと作り笑いを浮かべて小包を差し出した。 「なんなの!?ぜんっぜんったりないよ!!これっぽっちでれいむのおちびちゃんがまんぞくするわけないでしょぉお!!ふざけないでねっ!!」 小包を乱暴にピコピコで取り上げたでいぶは器用に封を開けると、中身の少なさに憤怒してまりさに迫った。 待たせたことは仕方ないにしても、やっとの思いで稼いだそれを馬鹿にされてまりさは反論せずにはいられなかった。 「だったられいむもてつだってね!まりさはにんげんさんのすぃーにひかれそうになったりしてたいへんだったんだよ!!」 「ばかいわないでね!れいむはこそだてがおしごとなんだよ!!かりはおっとのしごとなんだよ!! そんなこともわからないなんてほんとうにまりさはぐずなていしゅだよ!」 「ぐじゅおや!ぐじゅおや!!はんせいしゅるんのじぇ!!」 隅を見れば相変わらず密着していた赤れいむと赤まりさが、でいぶの肩を持ちまりさを捲し立てる。 この場では味方がいないまりさは次第に萎縮し口数を減らしていった。 「ゆふーっ、おちびちゃんのいうとおりだよ。まりさがおやのつとめもはたせないようじゃおちびちゃんがかわいそうだよ、れいむはなさけなくなるよ!」 「ゆぅうう……」 結局言い返せば言い返すほど深みに嵌まると理解したまりさは貝の様に口を噤んで黙り込んでしまう。 それでも自分に楯突いたまりさを許せないのか、でいぶはこめかみに青筋を立てて罵倒を続け、 ついにはまりさの努力の結晶である今日の稼ぎを勝手に独占し、赤ゆっくりとでいぶだけでそれらを食らい尽してしまった。 文句も言えずまりさは部屋の隅で押し黙ったまま、でいぶと子供たちがべたべたと湿った舌を暴れさせゆっくりフードを頬張る姿をただ見つめることしか出来なかった。 ――――――――――――――――― あの日から数週間が経過した、相変わらずまりさは不器用で収入は少なく街ゆっくりの一員として馴染む事も出来ず、 日課のゴミ収集を黙々と孤独にこなす日々が続いていた。 まりさのおちびちゃんは、でいぶが猛烈に反対したもののぱちゅりーの強い勧めもあって同年代のゆっくりたちを集めた保育園に通わせる事となり、 飼い主のお兄さんが心配したような不幸な事故も起こらず着実に成長していったが、相変わらずまりさとの関係に埋まらない溝を作ったままだった。 午後のゴミ集めで、近くの河川敷に来ていたまりさは街ゆっくりたちの集団から離れ橋の下でゴミを探していた。 そんなまりさに1匹のゆっくりが近づいてきた、気配に気付いたまりさが振り返るとそこには年季の入った汚らしいカチューシャを装着しているゆっくりありすがいた。 その身形から一目で街ゆっくりの中でもかなりの古参であると見抜いたまりさは警戒しながら軽く会釈すると、対照的にありすは頬を緩めて小さく笑った。 「こんにちわ、まりさ。いっしょにゆっくりしていいかしら?」 「……ゆぅ、まりさはごみさんをあつめてるんだよ……ゆっくりはできないよ……」 「ゆふふ、そうだったわね」 ちらりとまりさがありすのゴミ袋を一瞥すると、そこには既に大量のゴミが詰まっていた。 あれだけ必死に頑張っていたまりさは、目の前のありすの半分にも満たない事実に恥ずかしくなって、 視線を逸らしゴミ収集を再開するが、ありすがそれを引き留めた。 「まりさ、よかったらありすのごみさんをわけてあげるわ」 「ゆっ!?わ、わけてくれるの?」 突然の提案にまりさは目を輝かせるが、それがお零れを貰う事だと気付いて表情を曇らせる。 この過酷な環境に僅かながらまりさにも本能と呼べる闘争心、プライドが蘇り始めていたからだろうか、 まりさは首を振ってありすの好意を受け流した。 「やっぱりいらないよ……まりさはじぶんのちからでごみさんをあつめるよ……」 「あら、きをつかわなくてもいいのよ。ありすはありすだけのごはんさんがあればじゅうぶんだから、こんなにひつようないのよ」 「ひつようないの?……だとしてもどうしてまりさなの?」 妙に馴れ馴れしいありすに困惑しながらもまりさは尋ねると、ありすは困ったように微笑んでまりさの円らな瞳を凝視した。 「ありすもおなじよ」 「おなじ?なにがおなじなの?」 「ありすもまりさといっしょでもとかいゆっくりだったのよ」 突然のカミングアウトにまりさはどう返事をしていいか迷っていると、ありすはここではないどこか遠いところを見ながら話を続けた。 「ひとりぼっちのまりさをみてるとなんだかむかしのありすをおもいだしてしまったのよ……あぶなっかしいまりさがどうしてもきになっていたの」 「ゆっ、あぶなっかしいはよけいだよ!」 「ゆふふ、ごめんなさいね」 ありすは今までにまりさが出会ったどのゆっくりよりも、とてもゆっくりしていた。 街ゆっくりの皆は本当の意味での『ゆっくり』を知らない者ばかりだが、まりさは嘗て経験した幸せの時の残り香をこのありすから仄かに感じた気がした。 ありすは色んな事を話してくれた、まりさもそれに応える様に今までの出来事を沢山話した。 まりさが捨てらた経緯や番のでいぶは全然ゆっくりしていない事や未だに懐かないおちびちゃんの事やまりさ自身の事など。 話の途中で感極まったまりさは思わず涙を滴らせてしまい、ありすが優しく宥め頬を擦り合わせた。 「だいじょうぶよ、ありすがそばにいるわ。さみしくなんかないわ」 「ゆぐぅっぅ……ゆぐっ……」 番がいる成体ゆっくりが他のゆっくりと頬を擦り寄わせるのはゆっくりの一般常識から言えばモラルに反する行為であったが、 介抱を受けるまりさは疚しい気持ちも一切の後ろめたさも感じてはいなかった。 これがまりさが唯一心を許したゆっくりありすとの出会いだった。 彼女は群れの中でもかなりの古株で、先代の長ぱちゅりーが台頭していた時代を知る数少ないゆっくりであった、 そんなありすはこれまで培ってきた経験を活かして無知で未熟なまりさに様々な助言をしてくれた。 神社や河川敷でゴミが集まりやすい穴場のポイントや、鉄線が張り巡らさせている危険な場所があることや、 街バッジを奪おうとする悪い野良ゆっくりのことや、街ゆっくりの中に他ゆんのゴミをこっそりくすねるゆっくりがいることなど、 どれもこれもまりさには全く知らなかった情報の数々で甚く感心するが、その中でも効率のいいゴミ集め法はとんでもない切り口でまりさは驚嘆を隠せなかった。 「あのにんげんさんのおばあさんならきっとだいじょうぶよ、さあ、やってみて!」 「ゆっくりりかいしたよ、まりさはやってみるよ!」 後日、駅前のコンビニのゴミ箱の後ろに身を隠していたまりさとありすは、こちらにやってくる着物姿の老婆を見て素早く表に飛び出した。 まりさは老婆を呼び止めると、顔中を皺だらけにした老婆は何事かとやや驚いた表情を作った。 「にんげんさんのおばあさんっ、まりさにそのごみさんをわけてね!」 たったそれだけ言うと、まりさは口を噤んでおっかなびっくりに老婆を見上げた。 すると老婆は二カーッと黒ずんだ歯を見せてカラカラと特有の笑い声を発しまりさの頭を撫でた。 「これがほしいのかい?あぁいいよ、もっておいき」 「ゆっ!?お、おばあさんゆっくりありがとう!!」 まりさに小さな袋を手渡すと老婆は手を振って駅の構内に消えていく、まりさは嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねてありすに近付き、 老婆から受け取ったそれを自分のゴミ袋へと詰め直す、中に入っていたのは家庭ゴミの一部でお菓子の箱などであり、まりさのゴミ袋は直ぐにパンパンに膨らんだ。 「ゆぅうーっ!やったよ、ありすのいったとおりだったよ!」 「よかったわね!これだけあればまりさのおちびちゃんもきっとよろこんでくれるわ」 「ゆーん、これもぜんぶありすのおかげだよ!」 ありすの提唱したゴミ集め法とは、駅前のコンビニで待ち伏せ今まさにゴミを捨てようとしている人間から譲ってもらう事だった。 一見すると本来の美化活動から逸れた抜け駆けとも言える姑息な手段ではあるが、 ゴミを収集するに当たり明確なルールは決められていないのでグレーゾーンではあるもののこれらは全て一様にまかり通った。 無論こういった手法が蔓延するようになれば街ゆっくりが社会と共存する為の基盤が崩れ問題化するのは目に見えているので、 他の誰かに気付かれない様に細心の注意を払いながらこっそりと行うに留まっている。 「いいわね、なんどもいったけれどはなしかけるのはにんげんさんはおんなのひとにするのよ、それからひつよういじょうにしゃべらないこと」 安全面を考慮しゆっくりを良く思っていない人間と鉢合わせても直ぐに手を出す確立が少ない女性を選ぶ点は、ありすの知性の高さは如実に現していた。 ありすの狡猾さと暖か味はまりさを惹かれさせるのに十分な魅力に値した。 まりさはおうちで関係が冷え切ってしまった家族と居るよりもありすと一緒にゴミを集めるほうがとてもゆっくりできると感じ、 日に2回あるゴミ収集が楽しみで仕方が無かった。 そうして間抜けなところは多々あるものの物を覚える力があるまりさは、ありすの教える知識をまるで乾いたスポンジの様にどんどんと吸収していき、 2週間もすればまりさは街ゆっくりの中でもゴミを集めるのが上手い、狩り上手と称えられる程に腕を上げ長ぱちゅりーに一目を置かれる様になっていった。 だが、まりさのささやかな幸福は突然と打ち砕かれた。 ありすの事故死によって――。 突然の訃報を聞き息を切らせて公園の広場に向かったまりさはそこで信じがたい光景を目の当たりにした。 「むきゅ……まりさ……」 「う、うそだよ……ありずがっ、どうじでごんなっ……!」 そこには群れの共通の運搬道具として活用されているかつてはまりさの私物だったすぃーに、 頭をちょうど真っ二つ割る形で窪みを作り、黒いタイヤの跡を一直線に残したありすの無残な死体が乗せられていた。 運んできたみょんやれいむがありすの死骸を重たそうにすぃーから降ろすと、新聞紙を敷いた地面の上に転ばせた。 年季の入ったカチューシャもありす同様に真っ二つに圧し折れ、物言わぬ骸と化した主人に寄り掛かっている。 「ありずぅううっ、おめめをあげでよぉおおっ!!!どうじでっ、どうじでぇえええ!!」 その日のゴミ収集はたまたま2班に分かれて行われた為、まりさは神社、ありすは駅前のそれぞれ別の清掃活動に従事していた。 事故があったのは帰り際だったそうで、後ろから猛スピードでやってきた自転車に乗った高校生に轢き潰されたらしい。 周囲のヒソヒソ話を耳にして大体の状況を理解したまりさはよろよろとありすの亡骸に近寄り、 泣き崩れてゆんゆんと泣き腫らすと、ぱちゅりーがまりさの背中を突いてそれを静止した。 「まりさ、もうそのへんにしておきなさい。ごみさんをかいしゅうしてくれるにんげんさんがくるまでにありすのしょりをしないといけないわ」 「ゆぅうううっ!いやだよぉっ!!まりざはありずといっしょにいだいよぉおお!!!」 「いつまでもそうしてはいられないわ、みょん、まりさをひきはなしてちょうだい」 「わかったみょん、まりさっ、ゆっくりしないではなれるみょん」 「ゆぅううううっ、やべでよぉおお!!ありずぅううっーっ!!」 みょんにお下げを引っ張られずいずいと後退させられたまりさは、ぱちゅりーやれいむの手によって新聞紙で包まれるありすの最後の姿を目の当たりにした。 知り合って間もなく、限りなく短い時間を共有したに過ぎなかったが、それでもまりさの心の支えに成り得たありすとの関係はこうしてあっさりと途切れてしまった。 その現実を受け入れたくなくてまりさは頭を振って涙で頬を濡らしていると、死骸の処理を終えカスタードと死臭を僅かに纏ったぱちゅりーが話し掛けて来た。 「まりさはありすとなかがよかったわね、これからありすのおうちをかたづけにいくからいっしょにいらっしゃい」 「……わかったよ……」 ぱちゅりーの後を追って重い足取りで街ゆっくりたちの居住区である団地へ進む、 途中ぱちゅりーはありすと縁のあるゆっくりに話掛け、一緒にありすのおうちの片付けをする様に誘った。 ありすのおうちは団地の一番奥の角にあった、中に入るとありすの性格を現しているかの様に綺麗に整頓された室内が目に映る。 「このいすさんはちぇんがもらうよー」 「ゆーん、ふかふかのべっどさんだよ、れいむがつかってあげるよ!」 掃除をする為にやってきたゆっくりたちは、ありすの使っていた手作りの家具を次々に運び出していった。 ほんの少し前までありすの私物だったそれを何の躊躇もなく奪い去っていくゆっくりたちにまりさは腹立ちを覚えぱちゅりーに抗議する。 「ぱちゅりーっ!どうしてみんなありすのかぐさんをもっていっちゃうの!?ありすがっ、ありすがかわいそうだよ!!」 「もうありすがつかうことはないの……だからのこしておいてもしかたがないわ、それならだれかがつかってくれたほうがいいのよ」 ここではこれが当たり前の光景のようで、死亡したゆっくりに親族がいなければ私物を身近な者が引き取って構わないルールが敷かれていた。 ぱちゅりーの言い分も理解出来ない訳ではなかったが、まりさは喜々として家具を選別するゆっくりたちに心が無いと感じずにはいられなかった。 結局、まりさは他のゆっくりが家具を持っていくのを見守るしかなく、最後に誰も手を付けなかった物をぱちゅりーと一緒に運び出す事となった。 「これは……おぼうしさんっ……」 「むきゅー……こっちにはぼろぼろのしゃしんもあるわね……」 部屋の隅の一角に置かれたそれを手に取り、思わずまりさは驚いた。 それはまりさ種の黒いお帽子だった、サイズは小さく恐らく子ゆっくりサイズの物だと思われたが、 一体誰の物なのかは居合わせたぱちゅりーにも分からなかった、その形はまりさのお帽子とどことなく似ている気がした。 そしてぱちゅりーが手にした写真は、ありすの生前の、飼いゆっくりだった頃の姿を映した物だった。 まりさが徐に覗きこむとボロボロで掠れたそれの中にゆっくり用の毛糸のパンツに身を包み、 滑らかなブロンドの髪を揺らして満面に笑みを浮かべたありすと飼い主の女性と思しき人物と一緒に頬を寄せ合った姿がそこにあった。 写真の中で幸せそうな笑顔を振り撒くありすが、かつての自分の姿と重なりまりさは無意識に涙が溢れ出た。 きっと想像を絶する惨苦を経験し、今日にまで至ったのだろう。 こんな形でゆん生の幕を降ろす事になってしまった理不尽さに、 地べたを這いずり回ってでも懸命に生きようとしていた姿勢を一蹴し嘲笑う運命に、 まりさは途方もなく大きな壁を前にしている様な絶望感を知り、ただ平伏すしかなかった。 「にんげんさんっ、これがきょうのぶんのごみさんですっ、おねがいしますっ!」 「はい、ご苦労様。いつも助かるよ」 街ゆっくりたちが集めたゴミを回収しに来た人間の男性が業務用のゴミ袋に入ったそれを少し重そうに掲げて持っていった。 男の太い二の腕に揺られたゴミ袋の中にありすの死骸と大切に保管されていた黒いお帽子が一緒に混じっている。 ここで亡くなったゆっくりたちは文化的に埋葬されず、ああしてゴミと一緒に処分されるようで、まりさはその様子を押し黙ったまま見送った。 「ゆぅ……ありす……」 ありすの生前の姿を忘れない為に遺品として受け取ったボロボロの写真を徐に帽子裏から取り出すと、まりさは心苦しそうにそれを眺める。 ありすの死は、まりさが初めて直面したゆっくりの死でもあった――。 ――――――――――――――――― 季節が秋から冬へ移り変わった。 ありすの死後、街ゆっくりの仲間たちが相次いで死没したり行方不明になった。 ぱちゅりー曰く、この季節は最もゆっくりが死ぬ確立が高いらしく一層警戒が必要な時期だとまりさは教えられた。 山や森に生きる野生のゆっくりは秋に備蓄した食糧を駆使して越冬を行うが、街ゆっくりにはゴミ集めという責務がある為にそうはいかないのが現状で、 支給された使い古しのゆっくり用毛糸のパンツを着込み、食すとその辛さから寒さに強くなるカラムーチョや暴君ババネロを携帯し、街の清掃活動に従事する。 だが街に居付いた野良ゆっくりに毛糸のパンツを奪われたり生命線の携帯食を食べ忘れたりして凍死する哀れなゆっくりは群れの中にも多く、気が休まる日はなかった。 そんな過酷な環境の中で今日も駅前へとゴミ収集に向かう一団に紛れてまりさが歩いていた。 各々に防寒着を身に纏い、口数少なく互いと目を合わせようともしないゆっくりたち。 さながらその姿は冬山を越えて行軍し寒さに喘ぐ軍隊の出で立ちのようだ。 ふとまりさは、前方からこちらにやってくるゆっくりに気付いて視線を向けた。 見ると胴付きのゆっくりゆうかが重い足取りで折れて拉げた日傘を杖代わりにして歩いており、 チェックの服と袖を通したシャツはところどころ破られ、淡いエメラルドグリーンの髪が乱暴に跳ね上がっていた。 その姿と同期した様に眼も虚ろで焦点はおぼろげ、どうやら深い傷を負っているらしく端正な顔立ちにはっきりと死相が現われている。 「……はぁ……はぁ……」 すれ違い様にゆうかの掠れた吐息が伝わる、脆弱な息遣いは命の灯火が限りなく小さい事を訴えている。 まりさはありすの死後、ゆっくりの死や自分の死について考える様になった。 あのゆうかに何があったのかは知らないが、きっとありすと同じに無機質なゆん生の終幕を迎えるのだろう。 消えていく者の哀愁は酷く寂しく、見ていられなくなったまりさが視線を前に戻そうとした時、ゆうかはその場で砂埃を上げて倒れ込んだ。 気付けば恐らく自身も驚く程に無意識に、街ゆっくりの列から離れゆうかの前に立っていたまりさ。 民家のコンクリートの壁に寄り掛かり、肩で息をしているゆうかを見てまりさは萎れる。 「ゆゆっ、まりさっ!?なにやってるの?」 まりさが列から脱線したのに気付いて隣を歩いていたれいむが慌てて追いかけてきた。 「きゅうにれつからはなれてどうしたの?」 「……このみなれないゆっくり……」 「ゆ?そいつはゆうかだね、えきまえのかだんでおはなさんをどくせんしてるわるいゆっくりだよ!!」 正確には花壇で花の世話をしているだけで、独占している訳ではないのだが、 花壇を荒らそうとするゆっくりに容赦ない姿勢が、少なくともこのれいむに悪いゆっくりと認識させてしまっているようだった。 「ゆぷぷっ、いいざまだよ!おはなさんをひとりじめしたばちがあたったんだね!」 れいむはケラケラと乾いた笑い声を上げて、ゆうかの不幸を面白がっている。 そんなゆうかを不憫に思ったまりさはお帽子の裏から、ぱちゅりーが出立前に渡してくれた暴君ババネロを取り出してその場に置こうとする。 だが、それに気付いたれいむが素早く揉み上げのピコピコでそれを取り上げて公然と怒鳴り散らした。 「まりさっ!?なんでそんなことするのっ!?ばかなの!?ばばねろさんはたいっせつっなんだよ!!」 「でも……かわいそうだよ、ほうっておけないよ!」 「ゆーん、じゃあれいむはもうなにもいわないよ。でもまりさがどんなにしにっそうっになってもれいむのからむーちょさんはわけてあげないよ!」 呆れた顔をしたれいむがピコピコで持ち上げた暴君ババネロをゆうかの前に置き直すと、不満気に半開きにした眼をしてまりさの様子をジッと伺う。 まりさはしたり顔のれいむと青白い顔をしたゆうかを交互に見比べて唸った。 このゆうかに暴君ババネロを差し出したとしてこのゆうかが助かるかどうかなんて分からない、 むしろ今の状態を見る限りたかが知れている僅かな食料だけで死地を脱するとは到底思えない。 でも誰かが永遠にゆっくりするのは見ていられない、ありすだってそうだ、死んでいった街ゆっくりの皆も、この見知らぬゆっくりも、 そう思ったからこそまりさはゆうかの前に立ったのだと、自分を納得させ列に戻ろうとしたまりさの動きが何故かピクリと止まり硬直する。 けれどこれで自分自身が死ぬとしたら――。 その思考にまりさが囚われた時、一瞬にして脳裏にありすの死に顔が鮮明に蘇った。 「……ゅっ!」 よろよろと重くなった右腕を精一杯持ち上げて、暴君ババネロを手にしようとしたゆうかの手を慌てて振り払い、まりさはそれを取り戻した。 「ゆゆーん、そうだよ。よのなか『じゃくにくっきょうしょくっ』なんだよ!まりさはまりさのことをいちばんにかんがえないといけないんだよ!」 「……ゆぅ……」 一部始終を見ていたれいむはほっこりとした笑顔を作り頷いた。 まりさは申し訳なくも思いながら、命の繋ぎとなる暴君ババネロを大事そうに帽子の中に入れ、れいむと2匹で街ゆっくりの列に戻る。 交差点の角にまで差し掛かった辺りで、まりさは一度だけ振り返るともうそこにゆうかの姿はなかった。 それから無事に仕事を終えたまりさは、冷たくなった身体を震わせながら公園に戻るといつもの様にゆっくりフードを受け取って帰宅した。 「ゆっくりただいま……」 「ゆっ、くずていしゅがかえってきたよ!ゆっくりしないできょうのごはんさんをよこすんだよっ!!」 「くしょどりぇい!きゃわいいれいみゅがうんうんしゃんをしちゃよ!くじゅくじゅしないでかたじゅけちぇね!!」 帰ってくるなり早速と罵倒を浴びせ憎たらしい顔をニヤつかせて今日の稼ぎを要求するでいぶと、 すっかり子ゆっくりサイズに成長した子れいむが、でいぶと肩を並べてまりさを貶し咎めた。 「おちびちゃんっ、まりさをどれいよばわりしちゃだめっていってるでしょ!」 「くしょどりぇいはくしょどりぇいだよ!うんうんしゃんがくちゃいよ、ゆっくちしないでしょりしちぇね!のろまなぐじゅはきらいだよ!!」 子れいむはまりさを親と思っていなかった、それどころか自分よりも劣った存在と認識しまりさを奴隷と呼ぶ様になっていた。 更にその成長した姿はどこか歪で茄子型にぷっくりと下腹部の妙な膨らみを作った、運動不足を示す典型的なおデブさんで、 あろうことか未だに赤ゆ言葉が抜けておらず、未発達な姿はまりさが外で見掛ける同年代の子ゆっくりと比べると明らかに異端であった。 これらの未成熟な姿には全て親であるでいぶの影響が色濃く現われていた。 おちびちゃんとゆっくりしたいからという理由で保育園に通わせるのを独断で止めさせ、毎日碌な運動もさせず、 おうちで好きなだけ寝て過ごし、役に立たない音程の外れたお歌を唄っては「とってもゆっくりしている」と褒めちぎっていれば、 苦労のくの字も知らない子れいむは我侭で自己中心的なゆん格を形成し、まりさの悩みの種になるのは仕方がない事だろう。 「むーちゃむーちゃ、しあわちぇぇえええええぇ!!!」 すっかり肥えた頬を動かしくちゃくちゃと下品な音を立ててゆっくりフードに齧り付く子れいむ、 ボロボロと食べ粕を溢し、その落ちた破片を卑しくも舌で掬い取ろうと部屋中をなぞり涎塗れにし、小汚い尻を振っては原始的な食事を楽しんでいる。 この節操を知らぬ惨めな我が子の姿に心を痛めたまりさは何度もぱちゅりーに相談したが、 冬というゆっくりにとって特殊な季節はぱちゅりーに様々な課題を与え、まりさの家族に時間を割く事が出来なかった。 「ゆーん、れいむのおちびちゃんとってもゆっくりしてるよ!ごはんさんをたべおわったら、いっしょにおうたをうたうよ!」 「ゆっきゅりりかいしちゃよ!れいみゅはむれのあいどるになっちぇ、みんなからあみゃあみゃしゃんをさくしゅするよ!」 「ゆふふっ、おちびちゃんならすーぱーあいどるになれるよ!れいむにもあまあまをわけてね!」 そのふてぶてしい形と腐った歌声で崇拝の的になろうなんておこがましいにも程があると、世間知らずな2匹を横目にまりさは項垂れる。 そんな2匹に嫌気がさしてまりさは視線を逸らしていると、でいぶや子れいむと少し距離を置いて蹲っている子まりさと目が合った。 どうせ子れいむ同様に拒絶されるのだろうと、半ば諦め気味に眺めているとどこか様子がおかしいのに気付いてまりさはギョッとなった。 凝視した子まりさの顔は酷くやつれており体型は明らかに痩せ細り、生気を欠いた眼差しが覇気のなさを現している。 「れいむっ!!」 「ゆっ!おうたのれっすんのじゃまをしないでね!れいむのおちびちゃんはみらいのすたーなんだよ!!」 戯言を無視してでいぶに近付くと、まりさは凄みを利かせて強い口調で問い質す。 「おちびちゃんのげんきがないよ!!れいむはちゃんといくじをしてるの!?おちびちゃんのたいちょうかんりはおやのつとめだよ!!」 「ゆっ?おちびちゃん??」 まりさが目配せした方向の子まりさを見てでいぶはにんまりと頬を緩めて笑った。 「ゆゆーん、あれはまりさにのおちびちゃんだよ。くずににたおちびちゃんがれいむのおちびちゃんとどうれつなんておかしなはなしだよ!」 「ふっ、ふざけないでねっ!!おちびちゃんにゆうれつをつけるなんてははおやしっかくだよ!!」 「ゆぶぅううー!!ばかいわないでね!!なんでれいむがあんなぐずのめんどうをみないといけないの!?いっしょにいるだけでもかんしゃしてほしいくらいだよ!!!」 「ゆぐぐっ……!」 でいぶは頭の足りないれいむ種によく見られる同種の子供にのみ愛情を注ぐ差別思考が見受けられた。 子まりさが栄養失調気味なのは言うまでも無く、まりさの稼ぎをちゃんと分配せずでいぶが差っ引いていたからだろう。 もはや贔屓と呼べる状態を超過し、児童虐待の域に達してしまっている深刻な事態だ。 もっと早く気付くべきだったと、家庭を蔑ろにした非を認めたまりさは自分を責め甚く反省をし、 元気のない子まりさを咥えておうちの外に出ると、でいぶが追ってこないのを確認してお帽子の裏から取り出したゆっくりフードをおちびちゃんに差し出した。 「おちびちゃん、これをたべてね……!」 「……おいちそうな、においがしゅるのじぇ……むーちゃ……むーちゃ……」 ただでさえ難癖を付けて稼ぎの取り分を多く要求するでいぶ対策に、予め取り除いて避難しておいたゆっくりフードの一部をまりさは分け与えた。 顔色が悪かった子まりさは、久方振りに味わったご飯をやつれた顔で嬉しそうに頬張ると「ちあわせー」と小さく歓喜の声を上げた。 「まりさははんせいするよ……おちびちゃんがこんなになってたのにきづかなかったまりさはちちおやしっかくだよ……」 「おちょーしゃん……しゅーりしゅーりしてほしいのじぇ……」 「ゆっ!?」 食事を終えた子まりさがまりさの頬に寄り掛かってスキンシップを図ろうとしているのを見て、まりさは感情が昂るのを覚えた。 もう随分と触れ合っていないお肌の寄せ合いに、まりさは目尻に涙を溜め込みながら微笑んでそれに応えた。 「おちびちゃんっ!やってあげるよ!!……いっぱいすーりすーりしてあげるよ!!」 「ゆぅうん……おちょーしゃん……」 弱々しい力で精一杯に身を引っ付けようとする子まりさを愛おしく思い、まりさは決心する。 「まりさのおちびちゃんはなにがあってもまもるよ……!」 それからまりさは、でいぶを強引に説得して子まりさだけでも保育園に通わせる事と、ゆっくりフードを均等に分け与える事を約束させた。 まりさが初めて見せる高圧的な態度に怯み、でいぶが渋々承諾した形だがその不満気な仏頂面は真に納得したとは思えなかった。 それ故に不安は拭いきれないが、まりさはでいぶに誓わせた言葉を信じゴミ集め中の留守を任せる事にした。 ※後編に続きます
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作者はマ・あきです 一話完結 これまでの作品とは一切関係なし 今年はなかなか寒い。 数年ぶりに大雪だ。 庭にも雪がどっさりと積もり、今もしずしずと雪が降り積もる。 とても静かな雪の夜だ。 石油ストーブをがんがんに焚いていたが、 寒いからといって、窓をしめきっていては空気が悪くなる。 窓を全開にして換気してみよう。 この季節、虫が入ってくることもない。 僅かに雪が入り込んでくるが、それくらいは構うまい。 窓を開けっ放しにしてしばらく放置。 自分はその間、別の部屋に退散するとしよう。 ゆっくりを地獄に叩き落す鬼のような人間さん(嘘) さて、そろそろいいかと部屋に戻ってくると、 見慣れない物体が部屋の隅に固まっている。 なんとゆっくり。 窓を開けていたとはいえ、この季節、雪が降り積もる中でゆっくりとは。 「ゆ・・・、ゆぅ・・・?」 成体と見えるまりさがこちらを見上げて弱弱しく鳴く。 寒さのせいか、他の要因か随分と衰弱しているようだ。 「にんげんさん・・・、みんなをたすけてあげてね・・・。」 成体まりさの他には、成体のれいむ一匹と 子まりさ一匹、子れいむ一匹。 どいつもこいつも酷く衰弱しているようだ。 特に子ゆっくりは死に掛けているように見える。 「・・・・・。」 どうしたものかなと思案しながら、 まずは窓を閉める。 流石に寒い。 改めて暖房を入れる。 「にんげんさん・・・。」 まりさが、再び弱弱しく呼びかけてくる。 どうするか考えているうちに、ゆっくりたちが全部死んでしまいそうなので、 とりあえずゆっくりたちを暖房の前に運んでやる。 「ゆ、ゆああああああ!あったかいにぇ!」 「れいみゅ、さむくにゃいよ!ぽーかぽーかだよ!」 「ゆうううううう!よかったよー! れいむのおちびちゃんたちが、げんきになったよー!」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ・・・!よがっだー!ほんどーによがっだよおおおおお! にんげんざああああん!ありがどうだよおおおおおぅ!」 あれから一時間。 ゆっくりたちはすっかり元気だ。 なんと言うか、瀕死の状態から全快までに時間が掛からなくて大変よろしい。 「ゆん!にんげんさんのおかげで、みんなげんきになったよ! ほんとうにありがとうだよ!」 お礼を言ってきたのは、父まりさ。 この四匹は家族で、まりさが父、れいむが母だそうだ。 「にんげんさんのくれたごはんで、みんなげんきになったよ! おちびちゃんたちも、にんげんさんにおれいをいおうね!」 「ゆー!にんげんしゃん、ゆっくちありがとうにゃんだじぇ!」 「ゆっゆっ!にんげんしゃん、れーみゅ、げんきににゃったよ! ゆっくちしていってにぇ!」 母れいむに促されて子ゆっくり共もお礼を言ってきた。 「おー、ゆっくり、ゆっくり。」 こいつら、結局暖房の前に連れてきてやっただけじゃ回復しなかった。 寒さだけでなく空腹、正確には危険なレベルの栄養失調でも死に掛けてた。 仕方ないから買い置きの大袋入りのチョコとかビスケット、 それに俺の人生でも初のホットオレンジジュースを作って出してやった。 それを最初はもそもそと、そして食べながら体力が回復したのだろう、 次第に勢いよく、結構な量を食べきった。 その頃には体も十分温まったのだろう。 見ての通り煩いくらいに元気になってくれた。 「ゆっくりー」 「ゆっくりー」 「ゆっくちー」 「ゆっくちー」 「お前らうるさい。」 煩いゆっくり共に静かにするように注意してから、こいつらに話を聞いてみる。 何で人間の家に入ってきたのかとか、なんであんなに弱ってたのかとか。 大体想像はつくけど聞いてみる。 「ゆ・・・。まりさたちのおうちは、あめさんとかぜさんにこわされちゃったんだよ・・・。」 「れいむたち、もうなんにちもむーしゃむーしゃしてなかったんだよ・・・。」 「おにゃかへってたんだじぇ・・・。でも、ごはんさんどこにもなかったんだじぇ・・・。」 「れいみゅたち、しゃむいしゃむいで、がーたがーたぶーりゅぶーりゅだったよ・・・。」 早い話が家の造りが悪くて、餌の備蓄が十分でなかったらしいな。 あんまり出来のいい連中ではないようだ。 「で、俺の家に入ってきたのは?」 「まりさたち、おなかすいてたし、さむくてしにそうだったんだよ。 そしたら、にんげんさんのおうちがあいてたんだよ。」 「にんげんさんのおうちはぽーかぽーかで、ごはんもいっぱいあるってきいたよ。」 「にんげんしゃんのごはん、おいしかったのじぇ!」 「れいみゅ、しあわちぇー!!だよっ!!」 まあ、死に掛けてる状況で緊急避難的に入ってきたんだろうけど、 それにしても考えなしというか厚かましいというか。 「まあ、お前らも大変だったのは分かるけど、 勝手に人の家に入ってくるってのは良くないぞ。」 人間の理屈がこいつらに理解できるか分からんが、一応は注意しておかないとな。 「ゆ、ゆゆっ!?まりさたち、ほんとにこまってたんですぅ・・・。」 「そうだよぉ・・・。おちびちゃんたちも、しにそうだったんだよ・・・。」 ゆっくりの言い分なんてそんなもんだろうな。 「ゆぐ・・・。にんげんしゃん、こんにゃにりっぱなおうちをもってるにょに、 ひとりじめはずるいんだじぇ・・・! まりちゃたち、おそとでしゃむいしゃむいだったんだじぇ!」 「そうだよ!れいみゅたち、おにゃかぺーこぺーこでこまってたんだよ! あんにゃにごはんさんあるんにゃら、ちょっとぐらいわけてくれてもいいでしょ!」 まあ野良饅頭に人間の習慣や、モラルを求めるほど俺も馬鹿じゃない。 こいつらは、所詮人間ではないし、頭の程度も知れたものだ。 気分は良くないが、別段怒るまい。 「まあいいや。今日は俺の家においてやるよ。 明日は天気も良くなるらしいし、そうしたら出てってくれよ。」 「ゆー・・・。」 「そんなぁ・・・。」 「まりちゃ、しゃむいしゃむいはいやなのじぇ!」 「れいみゅ、おいしいごはんがたべたいよ・・・。」 やっぱり、一度美味しい目にあわせると味を占めるもんだな。 この分だと、家に居座る気まんまんだったな。 「駄目だぞ。飼ったりはしないからな。」 いくらなんでもそこまでは責任を持てない。 ここだけは、はっきりさせとかないとな。 「まりさたち、にんげんさんのいうことしっかりききます! どうかまりさたちを飼いゆっくりにしてください!」 「おねがいだよ! もうさむいさむいも、おなかぺーこぺーこもいやだよ! なんでもしますから、れいむたちをここにおいてください!」 うーむ、食い下がるな。 と言うか、何気に飼いゆっくりにしてくれってはっきり言ってるし。 なんか更にハードルが上がっている。 交渉術としては、ありかもな。 最初に飼いゆっくり要求をする。 次に、飼いゆっくりは諦めます、その代わり、しばらくお家に置いて下さい!ってな。 まあ絶対そんなこと考えてないだろうけど。 「なんと言われても駄目。飼わない。」 でも、断る。 これだけは、こっちも譲れない。 「にゃんでー!?れいみゅたちだって、あったかいおうちがほしいにょにー!?」 「まりちゃ、ここにすみたいよ!もう、おそとはいやだよ!」 子ゆっくりたちも、野良生活の不満を口にする。 「はいはい。ゆっくりゆっくり。」 でも、そんなの相手にしない。 人間として、饅頭の言うことを真に受けたりしない。 「ゆ!?ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくちー!!」」 こちらの“ゆっくり”に反応してゆっくり返しをしてくる一家。 「ゆゆゆゆゆ!?にんげんさん、ごまかさないでね!」 「そうだよ!れいむたち、にんげんさんが飼ってくれるまで、ここをうごかないよ!」 「まりちゃ、飼いゆっくちににゃるのじぇ!」 「れいみゅは飼いゆっくちだよ!」 大した決意だな。 付き合わないけど。 「よーし。お前ら折角だから風呂にでも入ってさっぱりしとけ。」 こいつら野良だけあって汚いしな。 一晩家に置いとくにもこのままじゃ、あちこち汚れる。 それに、薄汚い野良共には本来なら生涯経縁のない、 風呂という極楽を経験させてやるのも一興だ。 「ゆゆ?お風呂?」 「れいむたち、こんなにさむい日にみずあびなんかしたくないよ!」 「そうだじぇ!おみずはゆっくちできないんだじぇ!」 「れいみゅたちきれいだから、おふろはいらにゃいよ!」 ふふふふふ。 こいつら、やはり知らないな。 風呂という桃源郷。 限りなく天国に近いゆートピアを。 「ゆゆゆゆゆゆ!!!ゆっくちー!ゆっくちだじぇ!」 「れいみゅ、ちゃーぷちゃーぷするよ!」 「おちびちゃん!ぴゅー、だよ!ぴゅー!」 「ゆあぁぁぁ!きもちいいよぉ!おとーしゃん、もっとやってほしいのじぇ!」 「れいみゅも!れいみゅも、ぴゅー、やってほしいよ!」 「まっててね!じゅんばんだよ!つぎは、おちびちゃんのばんだからね!」 「ゆーん!れいむのおちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるよー!」 嫌がるゆっくりを宥めすかして風呂場まで連れてきた。 最初はお湯や風呂場といったものに、 興味半分、警戒半分といったとこだっだが、今はこの通り。 この一家もすっかり風呂の虜だ。 それぞれ用意してやった風呂桶でお湯に浸かって極楽気分を味わっている。 「おーい。お前らあんまり長風呂すると体が溶けるぞ。気をつけろよ。」 この分だと体が溶けるまで風呂に浸かりかねない。 一応注意はしておいてやろう。 まあ面倒臭いから、危なくなるまでは放っておけばいいか。 俺も自分の体を洗ったり、湯船に浸かったりとのんびりしていたら、 子ゆっくりたちの様子がおかしい。 「ゆゆ!まりちゃのあんよがへんにゃのじぇ!」 「ゆ!?れいみゅ、もうゆっくちできにゃいよ!だしてにぇ!だしてにぇ!」 「ぽーかぽーか!きもちいいよー・・・。」 「まりさ・・・。なんだかとってもゆっくりしてるね・・・。」 「ほんとうだね・・・。おふろはとってもゆっくりできるね・・・。」 「ゆわーん!おとーしゃ!おかーしゃ!まりちゃ、もうでたいのじぇ!」 「みゃみゃー!れいみゅ、ゆっくちできにゃいー!みゃみゃー!みゃみゃー!」 「ゆふー・・・。ねえれいむ、なんだかゆめをみてるみたいだね・・・。」 「ゆ・・・。ほんとうだよ。 こんなにゆっくりできるなんて、ゆめみたいだね・・・。」 「でも、ゆめじゃないよね・・・。」 「そうだよ。おちびちゃんたちも、とってもゆっくりできてるよ・・・。 にんげんさんのおうちにいれば、これからもずっとゆっくりできるよ・・・。」 「「ゆっふー・・・。」」 「ゆああ!?まりちゃのあんよ!?あんこさんがぁぁぁぁ!?」 「たちゅけてー!ぴゃぴゃー!みゃみゃー!かわいいれいみゅをたしゅけてー!!」 なんだか子ゆっくりたちが阿鼻叫喚の地獄絵図を描きつつある。 いい加減助けてやるか。 「よいしょっと。」 二匹ともお湯でふやけて、体がグズグズになりかけている。 これ以上体が崩れないように、素早くそっと掬い出してやる。 「ゆ?まりちゃ、おそらをとんでるのじぇー!」 いきなり持ち上げられてパニックでも起こすかと思いきや、 なんとも暢気な反応の子ゆっくり共。 そのまま、風呂場から出て用意してあったタオルの上にそっと載せる。 軽くタオルで余計な水分を吸い取って、後は大人しくしてれば問題なし。 「ゆ!にんげんしゃん!ゆっくちありがとうだよ!」 「お前ら、しばらくそこから動くなよ。体が崩れても知らないからな。」 「ゆゆ!?おちびちゃん!だいじょうぶなの!?」 もう一度風呂に浸かり直そうかと踵を返すと、 今頃になって親ゆっくりが出てきた。 「ぷっきゅー!れいみゅ、ゆっくちできにゃくなりそうだったよ!」 「そうだじぇ!まりちゃ、あんよがゆっくちできにゃくなるとこだったのじぇ!」 流石に、子ゆっくりも怒っているようだ。 まあ、あれだけ助けを求めて大騒ぎしていたのに、 親共ときたらゆっくりしすぎて、気づきもしなかったからな。 「ごめんね、おちびちゃん!まりさたちがわるかったよ!」 「ゆゆぅ・・・。あとで、あまあまいっぱいあげるからゆるしてほしいよ!」 「ゆ!あまあま!あまあま、たべちゃいのじぇ!」 「れいみゅも!れいみゅ、またオレンジジュースさんほしいよ!」 うーむ。 ゆっくりだからか、子供だからかあっさりと食べ物に釣られたな。 それにしても、あまあまあげるって・・・。 「ゆーん!おちびちゃんたち、ごきげんなおったね!よかったよー!」 「ゆんゆん!人間さん! おちびちゃんのために、あまあまいっぱい用意してほしいよ!」 ばきっ どかっ やっぱり俺に頼るのか。 本当に厚かましい奴らだ。 まあ、どの道何か餌は用意するつもりだったからいいだろう。 「だったら、どうしてけるのーー!!?」 「ゆぅぅぅーーー!!?れいむのおかおがーーーー!!!」 「ふー・・・。いいお湯だった。」 あれから、もう一度風呂に浸かってリビングに戻ってきた。 ゆっくり共は、仕方ないので先にまとめてリビングに運んでやった。 その際に子ゆっくりには、 ある程度体が乾くまで動かないように強く言っておいた。 親ゆっくりには、子ゆっくりをしっかり見ているように伝えておいた。 まあ、子ゆっくりも自分の体がふやけてることぐらい理解出来るだろうし、 親ゆっくりも一緒なんだから大丈夫だろう。 「おーい、お前ら。体乾いたかー?」 「ゆぐぐぐぐ・・・!ゆぴっ!ゆぴぃぃぃぃぃぃ!いたい、いたいぃぃぃ! まりさのおかおがいたいよぉぉぉぉ!!」 「だれひゃぁぁぁ!れいひゅをひゃしゅけひぇぇぇぇぇ!! れいひゅのひひゃはんがいひゃいいいいい!!!」 「おとーしゃ!おかーしゃ!しっかりするのじぇぇぇ!」 「ゆっくちー!!ゆっくちしてにぇ!ゆっくちだよぉぉぉぉ!!」 ってどうなっている? 大饅頭二匹はリビングの床でのた打ち回ってるし、 子饅頭は涙で体中べとべとになりながら泣き叫んでやがる。 一体何があったんだ・・・? ん・・?あれは・・・。 俺の大事にしていた壷があああああああ!!? 飾っておいた壷が床で粉々に砕けている! 子ゆっくりは最初にいたタオルの上から動いていない。 どうやらちゃんと言いつけを守ったようだ。 親ゆっくりたちは・・・。 まりさは、ほおの辺りから餡子が漏れている。 何かで切ったような傷跡だ。 れいむのほうは、舌だな。 舌から餡子が漏れている。 傷の様子はまりさと似ている。 おそらくは、まりさの傷を舐めてやろうとして、 自分も破片で舌を切ったというところか。 状況が飲み込めてくると、腹立たしくはあるが、 幾分冷静さを取り戻してきた。 「ゆぎゃああああああ!まりさ、しぬ!しんじゃうぅぅぅぅぅ!!」 「ひひゃ!ひひゃがぁぁぁぁぁ!! まりひゃぁぁぁぁ、ひゃしゅけえひぇよぉぉ!!」 ごろごろごろ ごろごろごろ ずどん ずどん 「「ゆぐうぅぅぅぅぅぅぅ!!!?」」 とりあえず、動きを止めるのが先決。 ごろごろと無意味に転がる二匹を、 上から押さえつけるようにぶん殴った。 呻き声をあげながら、動きが止まる二匹。 「ゆはー、ゆぜー・・・。にんげんさん、ありがとうだよ・・・。」 「れいむ、しぬかとおもったよ・・・。」 とりあえず、オレンジジュースを患部に塗布してやった。 すぐに完治。 便利でいいですね、本当に。 それはさておき。 「おい、お前ら。あれはどういうことだ。」 砕けた壷を指差し問い詰める。 「ゆっ!きれいなたからものがあったから、 まりさ、おうちにかざろうとおもったんだよ!」 「まりさが、あそこにのぼってしたにおとしたら、こわれちゃたったんだよ!」 「ゆんゆん!にんげんさんは、あんなあぶないもの、おいとかないでほしいよ!」 「そうだよ!れいむとまりさは、いたいいたいだったんだよ!ぷんぷん!」 「「ぴゅんぴゅん!!」」 親ゆっくりが交互に口を開く。 最後には子ゆっくりまで口を出してきた。 それにしても、今回は突っ込みどころが満載だ。 どこから突っ込むべきか・・・。 「ゆっ!そうだよ!」 何だ、一体? 「にんげんさん!あまあまよういしてね! おちびちゃんたちにあげるやくそくだよ!」 「そうだったね!すっかりわすれてたよ! まりさも、けががいたいいたいで、またおなかぺーこぺーこになったよ!」 「にんげんしゃん!まりちゃに、あまあまちょーらいにぇ!」 「ゆー!!あまあまいっぱいだにぇ!あまあま!あまあま!あまあま!」 うーん、本当ににどこから話をすればいいやら。 ぼこっ げしっ ぴしっ ぴしっ 一先ず、蹴り二発とデコピン二発でゆっくりを黙らせる。 「ゆぴぃぃぃぃぃ!」 「いじゃいいいぃぃぃ!」 「「ゆんやあああぁぁぁぁぁぁ!!」」 と思ったら今度は泣き声がうるさい。 「お前ら、黙らないともう一発いくぞ。」 「「「「ゆっ!」」」」 ピタッ よろしい。 「お前ら、ここは俺の家だ。それは分かるよな。」 「ゆ!ここはにんげんさんのおうちだよ!」 まりさが代表して答える。 他の連中も頷くような仕草をしているし、理解できているようだ。 「俺の家の中にあるものは、俺のものだ。分かるよな。」 「ゆん!にんげんさんのおうちのなかのものは、にんげんさんのものだよ!」 一同頷く。 「あの壷。おまえらの壊した宝物も俺のものだ。分かるよな。」 「ゆんゆん!まりさは、ゆっくりりかいしてるよ!」 一同頷く。 「人の物を壊すのは悪いことです。分かるか?」 「ゆ?ゆゆゆゆゆゆゆ!?」 一同、動揺。 「あれは、俺が大事にしてた宝物なの。それを壊して何か言うことはないか?」 ゆーんゆーん・・・ ゆーんゆーん・・・ 饅頭思考中。 たっぷり五分ほど経過。 「ゆ!でもまりさたち、あれのせいでけがしたんだよ! にんげんさんのせきにんだよ!だからおあいこだよ!」 「だから、れいむたちにあまあまいっぱいちょうだいね!」 「「ちょうだいにぇ!!」」 どかっ ばきっ ぴしっ ぴしっ 「ゆ・・・。まりさがわるかったでず・・・。」 「れいむ、ゆっくりあやまります・・・。ごべんなざい・・・。」 「「ごめんにゃさい・・・。」」 絶対何が悪いか理解できていないが、 ゆっくりにこれ以上反省を求めるのは無駄というもんだな。 それより話を先に進めるのを優先。 「ところで、お前らあの壷を家に飾るってどこに飾るつもりだったんだ。 お前ら確か、家が壊れたっていってなかったか。」 「ゆ!そうだよ!まりさたちのおうち、こわれちゃったんだよ!」 「たからものをかざるのは、あたらしいおうちだよ!」 「新しいお家ってどこだよ。」 いつの間に新しい巣なんか見つけたんだ。 「ゆん!ここだよ!」 まりさが、指し示すのは部屋の隅の机の下。 「ゆー。すてきなばしょだよ!れいむたちのゆっくりプレイスだよ!」キリッ 「ゆんゆん!あとで、だんぼーるさんもってきておうちをつくるんだよ!」キリッ ズドーン ズドーン ずっしりと重い拳がゆっくりの顔面に突き刺さる。 「ゆぴいぃぃぃぃ!なにするの、にんげんさん!まりさのおかおがいたいよ!」 「そうだよ!れいむに、ひどいことするにんげんさんは、ゆっくりあやまってね!」 「「しょーだ、しょーだ!あやみゃれー!」」 ゆっくりに背を向け、大きく息を吸い込み、大きく吐き出す。 それを何度も繰り返す。 すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー すーはー 深呼吸で気分を落ち着ける。 その間もゆっくり共が何か騒ぎ立てているが、極力耳に入れない。 何とか冷静さを取り戻したところで、向き直る。 「ゆっ!にんげんさん!やっと、まりさたちの話をきく気になったんだね!」 「ぷんぷん!ちゃんと、れいむたちにあやまってね!」 ズドン ズドン どかっ 再び振るわれる重量感にあふれる拳。 吹き飛び壁に叩きつけられるゆっくり。 ・・・いかん。 どうやら、まだ深呼吸が足りなかったらしい。 取り乱すとは、我ながら恥ずかしい。 「ゆげげ・・・。」 「ゆ・・・。ゆぅ・・・。」 「おちょーしゃん!」 「みゃみゃー!」 流石に親ゆっくりもダメージの蓄積が堪えてきたらしい。 ちょっとインターバルをいれよう。 それにしても。話が全く先に進まないな。 やれやれ・・・。 またまた、ホットオレンジジュースを用意してやった。 寒い日にはいいんじゃないでしょうか。 「ゆっぷー!おいしいよー!まりさ、しあわせーっ!だよ!」 「れいむもだよ!でも、のみものだけじゃなくて、たべものもほしいよ!」チラッチラッ 「「あまあまたべちゃいよ!!」」 だんだん俺の理性も春の氷のように頼りなくなってきたな・・・。 ゆっくりブリーダーって凄い職業なんだな・・・。 「それより先に話すことがある。 お前らあそこを新しい家にするって言ってるけど、ここは俺の家だ。 お前らも理解したんじゃないのか。」 まさか、人間さんから奪うよとか、 俺のいない間にお家宣言したからここはまりさたちのおうちだよ、 とか言ったらすぐに追い出そう。 そうしよう。 「ゆ!ここはにんげんさんのおうちだよ! でも、まりさたちのおうちでもあるんだよ!」 「そうだよ!れいむたちと、にんげんさんのおうちだよ!」 え? 良く分かんない。 どんな理屈だろう。 「なんで俺の家でもあり、お前らの家でもあるわけ?」 「ゆっふーん! ここはにんげんさんのおうちでもあるけど、まりさたちのおうちでもあるんだよ! だって、まりさたちはにんげんさんの飼いゆっくりだよ!」キリッ 「よろしくね、にんげんさん!」キリッ 「「よろしくにぇ!!」」キリッ 「いやいや。俺、お前ら飼ったりしないから。 明日になったら出てってもらうから。 そう言ったよな。」 わざとだろうか。 それとも本当に都合のいいほうへと記憶が改竄されているのだろうか。 「ゆ?なにいってるの?まりさたち、飼いゆっくりだよ?」 「れいむたち、にんげんさんの飼いゆっくりなんだよ?」 「そうだじぇ!まりちゃたち、きょうからここにすむのじぇ?」 「にんげんさん、ゆっくちりかいできりゅ?」 ふはは。 もういい。 良く分かった。 今はお前らの好きにさせてやる。 だが俺は一度もお前らを飼うとは言ってないぞ。 明日までは家においてやるといっただけだ。 明日になったら、見てろよ。 それまでは、せいぜい、いい夢見させてやる。 そういや、こいつらあまあまが欲しいって言ってたっけ。 「よーし、お前ら甘いものが欲しいって言ってたな。 ちょっと待ってろよー!」 家にあった甘いものをかき集めてきた。 これだけあれば足りるだろ。 もし足りなけりゃ、近所のコンビニまで買いに走ってやる、畜生。 「ゆ!ゆわああああああ!すごい!すごいよ、にんげんさん!」 「ゆうぅぅぅぅ!れいむ、ゆめをみてるみたいだよー!」 「たべていいにょ!?これほんとにまりちゃがたべてもいいにょじぇ!?」 「れいみゅ、こんにゃごちそうはじめてだよ! どれからたべていいかわかんにゃいよ!」 ぴこぴこ だじぇだじぇ ぴこぴこ だじぇだじぇ あらん限りに喜びを表すゆっくり共。 「それじゃ、あまあまたべようね! ・・・にんげんさん、ゆっくりいただきます!」 「いただくよ!」 「「ゆっくちいただくよ!!」」 むーしゃむーしゃ、しあわせー むーちゃむーちゃ、しあわちぇー あーもー。 本当に食べ方汚いな、こいつら。 新聞の上に餌皿載っけたけど、その外にまで食べこぼしそうな勢いだな。 まあ、野良でちょっと前まで餓死寸前だったことを思えば納得できるけどな。 こんなご馳走今まで見たこともなかったろうし、 こんなに山のような食べ物を見るのも初めてだろう・・・。 ゆっくり共の、すーぱーむしゃむしゃタイムがやっと終わったが、 お菓子はまだ結構残ってる。 流石に一回で食べきれる量じゃないか。 「ゆっぷっぷー・・・。まりさ、おなかいっぱいだよー!」 「れいむも、もうたべられないよ!」 「ゆぅ・・・。まりちゃ、もうたべれにゃいよ・・・。」うとうと 「ゆぴー・・・。れいみゅの・・・、あみゃあみゃさん・・・。ゆぴー・・・。」 どいつも食いすぎで体がパンパンだな。 全身胃袋みたいなものだからか。 それに、子ゆっくりは満腹になって眠たそうだな。 特に子れいむはもう、半分夢のなかだな。 あれだけ食べて、まだあまあまの寝言ってのが凄い。 「おい、これがお前ら寝床だぞ。」 用意しておいたのはダンボール。 一家がまとめて入れそうな大きいサイズ。 「ゆぅぅぅ!!これが、まりさたちのおうちなんだね!」 「すごいよ!こんなにりっぱな、だんぼーるさんがおうちなんだね!」 「ゆぅ・・・。ゆっ!おうち! これがまりちゃたちのあたらしいおうちなんだじぇ!」 「すぴー・・・。ゆぴー・・・。 むーちゃむーちゃ、ゆふふ・・・。ゆぴー・・・。」 大喜びの一家と一匹就寝中。 「さっそくはこぶよ!」 「まりさ、がんばってね!」 「おとーしゃん、がばるのじぇ!」 ずーりずーり まりさが、ダンボールを銜えて例の机の下へ運んでいく。 子まりさはともかく、れいむは手伝ってやれよ。 「やった!おうちが、かんっせいっ!したよ!」 「やったね、まりさ!」 「さすが、おとーしゃんにゃのじぇ!」 どうにかダンボールを運び終えたな。 じゃあ、次はこれをやるか。 「おい、じゃあこれ、家の中に敷いとけよ。」 用意してあったのは、新聞紙とタオル。 新聞を下にして、その上にタオルを敷いとけば温かいだろう。 「ゆゆ!!ありがとうだよ、にんげんさん!」 「おうちをこーでぃねーとしようね!」 「ゆぅ・・・。どきどきするのじぇ!」 「ゆぴー・・・。ゆぴー・・・。」 ダンボールの中に新聞紙とタオルを敷いて、具合を確認するゆっくり共。 「ゆ!?ゆゆ!?」 「な、なんなの、これ!?」 「ゆぴぴぴぴぴ!?」 タオルの感触を確かめ、固まる。 「「「すごくあったかいよ!!!!」」」 「ゆぴー・・・。ゆごー・・・。」 驚きのあったか宣言と、しつこく就寝中の一匹。 「ゆぐっ・・・、ぐすっ、ゆえぇぇぇん!」 突然泣き出す子まりさ。 どうしたんだ。 「どうしたの、おちびちゃん!?」 「どこかいたいの!?にんげんさん、おちびちゃんをみてあげてね!」 診てあげてね、って言われてもな。 オレンジジュース用意するぐらいしかできないんだが・・・。 どうしたもんか。 「ゆぐ、ぐすっ・・・。ちがうのじぇ・・・。 まりちゃたち、もうしゃむいしゃむいしなくていいのじぇ? おにゃか、ぺーこぺーこしなくていいのじぇ?」 「ゆ!?ぐすん・・・。そうだよ! まりさたちは、飼いゆっくりだからさむいさむいも、ぺーこぺーこもないんだよ! ね、にんげんさん!」 「おちびちゃんはほんとに、しんぱいしょうだね・・・。 だいじょうぶだよ・・・。 おかあさんが、ぺーろぺーろしてあげるからね・・・。」ぺーろぺーろ ・・・・・・。 いや。 ね、にんげんさん!なんて言われても、 本当にお前らの面倒見るとかいってないんだけど・・・。 明日には出て行ってもらうし。 とかやってるうちに、れいむに舐められて落ち着いたらしい子まりさが、 こっちにやって来た。 「にんげんしゃん!」 んん? なんだ。 「まりちゃたちを飼いゆっくりしてくれて、ありがとうなんだじぇ! これからもよろしくなんだじぇ!」 ・・・・・・。 まあ、いい。 明日だ。 明日になったら見てろよ・・・。 「それじゃ、おちびちゃんはもう、すーやすーやしようね! おかあさんがいっしょにねてあげるからね!」 「まりさは、おちびちゃんをおうちまではこぶよ!」 どうやらもう、寝るらしい。 そうしろ。 静かになって丁度いい。 子まりさは先に親れいむと一緒に巣の中。 子れいむは親まりさが口に入れて運んでやるようだ。 「おちびちゃんをゆっくりはこぶよ!」ぱくっ いちいち宣言が必要ですか、貴方達は。 ずーりずーり 子れいむを起こさない為だろう、言葉通りゆっくりと這って巣に移動する。 そこで、子れいむも親れいむの傍らにそっと下ろすと、 親まりさがこっちにやって来る。 「にんげんさん!まりさたちを飼いゆっくりにしてくれてありがとうだよ! あらためておれいをゆうよ!」 ・・・・・・。 最早何も言うまい。 「ゆ・・・・。 それじゃ、またあした・・・・、ゆっくりしていってね!!」 そう、明日だ。 明日で終わりだ・・・。 そして次の日。 起きて窓の外を見ると猛吹雪。 天気予報を見てみると今日は一日、こんな天気らしい。 昨日は晴れるって言ってたくせに。 嘘つき。 だが予定に変更はない。 今日で終わりだ。 あのゆっくり共の面倒を見るのもこれまで。 昨日の予定では、昼頃には出て行ってもらうつもりだったし、 それでいいだろう。 そんなことを考えていると、ゆっくりも起きだしたらしい。 「ゆぅぅ・・・。ここどこだじぇ・・・?」 「にゃんだか、あったかいにぇ・・・。」 子ゆっくりか・・・。 寝惚けているな。 「ゆゆぅぅぅ・・・。どうしたの、おちびちゃんたち・・・。」 「ここどこにゃの・・・?おうちじゃないのじぇ・・・。」 「ゆふふ!ここはおうちだよ・・・。あたらしいおうちだよ。」 「ゆ!?わかってるのじぇ!ここはまりちゃのおうちじぇ!」 「ゆゆ!?おうち?」 子まりさは、慌てて誤魔化したな。 子れいむは、昨日は一匹だけ早く寝たから巣のことは知らないんだな。 親ゆっくりが子れいむにも巣のことを説明する。 「すごいよ!れいみゅのおうちはとっちぇもゆっくちできるにぇ!」 親に巣のことを教えられて大喜びだな。 「おい、朝飯は昨日の残りでいいよな。」 「ゆん!じゅうぶんだよ!」 昨日食べ切れなかった餌は、あの後まりさがせっせと巣の中に運び込んだ。 一応飼いゆっくりとしての躾を受けていないゆっくりの習性として、 巣の中に食料を備蓄したいらしい。 別にどうでもいいので、まりさの好きにさせた。 「それじゃ、あさむーしゃむーしゃしようね!」 「ゆっくちいただくのじぇ!」 「ゆっくちいただくよ!」 むーちゃむーちゃ、しあわちぇー うんうん。 幸せそうでいいね。 この後には地獄が待っている。 もう何時間かあとには、猛吹雪のなかに放り出す。 今の内に、しあわせーしとこうね。 「まりちゃ、ゆっくちこーろこーろするのじぇ!」 「れいみゅも、こーろこーろするよ!」 「まりちゃ、のーびのーびするのじぇ!」 「れいみゅも、のーびのーびするよ!」 「ゆううーん!おちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるよー!!」 「ほんとだね!とってもゆっくりしてるね!」 子ゆっくりは暖かい部屋の中で、存分に跳ね回ってる。 親ゆっくりも、そんな幸せそうな子ゆっくりの姿を見てとても幸せそうだ。 今、時計は11時30分。 そろそろ昼飯にして、1時頃に落ち着いたらこいつらを追い出そう。 まずは飯の仕度だ。 自分の飯の仕度を済ませたので、次はゆっくり共の番だ。 こちらは簡単。 また、甘いお菓子を餌皿に入れてやるだけ。 ホットオレンジジュース付き。 「ゆわーい!いっぱいたべりゅよ!」 「むーちゃむーちゃ、しあわせー!!」 がつがつと貪るゆっくり。 早々に食べ終わったな、あいつら。 「ゆー。まりさ、ごーろごーろするよ・・・。」 「れいむも、ごーろごーろ・・・。」 「ゆゆぅ!まりちゃもだじぇ!」 「れいみゅも!」 「それじゃ、みんなでごーろごーろしようね!」 「「「「ごーろごーろ、しあわせー!!」」」」 もぐもぐ。 幸せそうでいいね。 本当にさ・・・。 時計は1時丁度。 ゆっくり共は、あれから速やかにすーやすーやモードに移行した。 今も夢の中だ。 外の様子は・・・・。 猛吹雪だ。 ・・・・・・・。 寒そうだな・・・。 ・・・・・・・。 とにかく、ゆっくり共を起こそう。 どかっ どかっ ぴしっ ぴしっ 蹴りとデコピンがゆっくり共に突き刺さる。 「ゆぴぃぃぃぃぃ!!?」 「なんにゃのじぇ!?まりちゃのおかおがいたいのじぇぇぇぇ!!!」 「ゆぅぅぅぅぅ!!?なんなのぉぉぉぉ!!」 「ゆげっ、ゆげぇっ・・・。ぱぴぷぴぱぺ・・・・。」びくんびくん しまった。 当たり所が悪かったのか、親れいむが餡子吐きながら痙攣してる。 こんな時はオレンジジュースだ。 ゆっくり共は熟睡しているところに、突然の暴力と、 親れいむの惨状にパニックを起こしかけた。 しかし、俺の素早い処置で親れいむはすぐに回復。 ゆっくり共には、侵入してきたれみりゃが一家を襲ったが、 俺が追い払って事なきを得たと説明。 パニックを鎮めるどころか、更に感謝までされた。 馬鹿でよかった。 それはともかく、本題だ。 「お前らには俺の家から出てってもらう。」 「ゆ?」 「なにいってるの、にんげんさん?」 「「????????」」 予想通りの反応だ。 「俺は昨日から一度もお前らを飼うとは言ってない。 一日だけ家に置いてやるといっただけだ。 出ていってもらう。」 「ゆゆ!?まりさたちは、にんげんさんの飼いゆっくりだよ!!」 「違う。飼いゆっくりじゃない。」 「でも、にんげんさんは、おうちをよういしてくれたよ!?」 「一夜の宿だ。」 「まりちゃ、いやなのじぇ!ここがいいのじぇ!」 「駄目だ。」 「れいみゅ、もうおそとはいやだよ! しゃむいしゃむいも、ぺーこぺーこもいやだよ!」 「それをどうにかするのは、お前の親だ。俺じゃない。」 口々に言い立てるゆっくりに静かに答える俺。 こいつらがなんと言おうと、どう勘違いしていようと、 俺はこいつらを飼うとは一言も言ってない。 ここは一夜の宿なのだ。 ゆっくり共が泣き喚き、じたばたと暴れるが全く問題にならない。 嫌がるゆっくりを窓辺まで引きずる。 ガラッ 窓を開けると途端に寒気が肌に突き刺さる。 昨日よりも雪が多い上、風が強く更に寒く感じる。 ・・・・・・・。 昨日の天気予報では晴だったんだけどな・・・。 まあ、仕方ないか・・・。 「ゆぶぅ・・・。」ガタガタ 「しゃ、しゃむいのじぇ・・・。」ガタガタ 「い、いやだよ。もう、しゃむいしゃむいはいやだよぉぉぉぉぉ・・・。」ガタガタ 「にんげんさん、おねがいします! れいむたちはどうなってもいいですから、 おちびちゃんたちだけでもぉぉぉぉ・・・。」ガタガタ ゆっくり共もすぐにガタガタと震えだした。 この天気じゃ、子ゆっくりなんかすぐに死んでしまうんじゃないか。 昨日の時点で、半分死に掛けてたぐらいだし・・・。 「にんげんさん、おねがいです!まりさたちを飼いゆ・・・・ゆわああああ!!?」 むんず まりさの頭から帽子を剥ぎ取る。 「まりさのすてきなおぼうしさん!!?かえしてぇぇぇ!!」 ばらばら 帽子の中に、用意しておいた菓子を入れて戻してやる。 「ゆゆ!?まりさのおぼうし、かえってきてくれたんだね!!」 「帽子のなかに、食い物入れといたからな。」 「ゆゆ!?にんげんさん・・・。」 ぽーい ぽーい ぽいっ ぽいっ 「ゆゆ!?おそらをとんでるみたー・・・ゆびゅ!!」 「れいむ、おそらをとんで・・・、ふごっ」 ゆっくり共を全部窓から外に放り投げる。 「ゆ・・・!!にんげんさん、まってね!? まりさたちをおうちにいれてね!!」 「まりちゃを、おうちにいれてほしんだじぇ!!」 「れいみゅ、飼いゆっくりにゃんだよ!!? れいみゅ、飼いゆっくりにゃんだよにぇ!?にんげんしゃん!?」 「もごもごっ・・・!」 一匹着地に失敗して顔から雪に突っ込んでいるのがいるけれど無視。 ガラガラッ 窓を閉める。 「にんげんさん!?にんげんさんんんんんんん!!?」 「ゆぴぇぇぇぇぇぇぇん!!しゃむいよぉぉぉぉぉぉ!!!」 「まりちゃをおうちにいれてほしんだじぇ!!おねがいだじぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「もがもが、むぐっもげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」ぷりんぷりん ピシャッ ゆっくりが騒いでいるが、窓越しなのとしんしんと降る雪のせいで、 窓を閉じてしまうとその声もほとんど聞えなくなる。 ・・・・・・・・・・・。 後は、自分達で勝手にしろ。 30分後。 まだゆっくりが窓の下にいる。 子ゆっくりの姿は見えない。 どうやら親の口のなかのようだ。 そうしなければ、すぐに死んでしまうだろう。 ゆっくりの上にも既に5センチは雪が積もっている。 1時間後。 まだいる。 もう、騒ぐことはやめてしまったようだ。 その元気もないといったところだろうか。 二匹寄り添ってガタガタと震える以外の動きは見えない。 10センチ以上は雪が積もっている。 更に1時間。 ゆっくりの体の半分以上が雪に埋もれている。 もう意識が朦朧としているのだろうか。 うつらうつらと眠そうにさえ見える。 更に1時間。 もうゆっくりの姿は見えない。 雪の下だ。 「ゆっくちのーびのーびするのじぇ!」 「ゆっくちこーろこーろするよ!」 子ゆっくりが幸せそうに遊びまわっている。 のーびのーびに、こーろこーろ。 それに、ゆっくり用の玩具まであるからな。 「ゆゆぅ!!おちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるよー!!」 「ほんとうだよ! それに、こんなにすてきなおうちがあってれいむ、とってもしあわせーだよ!!」 楽しそうな子ゆっくりを見て、親ゆっくりもしあわせそうだ。 「れいむ・・・。」 「まりさ・・・。」 すーりすーり 「ゆっ!?だめだよ!まりさ!おちびちゃんたちにみられちゃうよ!」 「ゆ!れいむ、まりさもうがまんできないよ!!」 「まりさー!!」 「れいむー!!」 今度は何が始まったんだ・・・。 俺の家にには相変わらず、ゆっくり共がいる。 子ゆっくりは所構わず騒ぎまわるし、親ゆっくりも碌な事をしない。 「ゆっくちー!!こんどはあっちなのじぇ!」 「まってにぇ!れいみゅも、いくよ!!」 どかーん がしゃーん 「れ、れいむ・・・!!」 「まりさーーーーっ!!!」 すっきりーーー!!! ・・・・・・・・・・。 一体どうしてこうなってしまったのだろうか。 ・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 まあ、仕方ない。 だが春になったら今度こそ絶対に出て行ってもらう。 絶対にだ。 ・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 そう言えば、俺の友人が口癖の様に言ってた台詞があったな。 たしか・・・。 俺は鬼にはなりきれないのだ・・・。 「ゆ!このつぼは、いいものなのじぇ!まりちゃのたからものにするのじぇ!」 どん ガチャーン! 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃ!!?れいみゅの、きゃわいいおかおがーーーーーーー!!!!」 挿絵:嘆きあき
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「ゆ、唯先輩…ですよね…?」 「?」 こんにちは、毎度お馴染み中野梓です。突然ですが大変です。唯先輩が幼児になってしまいました! 「……」ジーッ 「え、えっと…」 「だっこ!」ギューッ 「うぇっ!?あっ、ちょ…あぶな…」 「おねえちゃーん♪」 か…かわいい。何がどうしてどういうわけでこうなったのかはわからないけど、とにかくかわいい! 熱を帯びたかのように赤く染まったほっぺはぷにぷにで、いつも以上に積極的に抱きついてくるその体は折れてしまいそうなくらいに華奢でやわらかくて。 何よりも、その笑顔が私の心をきゅんきゅんと惑わせるのだ! 「ま、まぁ、しばらくはこうしててもいいよね。山で迷ったら下手に動くよりじっとしてた方がいいらしいし。…あ、山は関係ないか…」 「ねぇねぇおねえちゃん!」 「は、はい?」 「わたしね、ゆいっていうんだよ。おねえちゃんは?」 「え?私は梓ですけど…名前忘れちゃったんですか唯せ…」 いや待てよ?こんなちっちゃな子に敬語使ったり先輩付けで呼ぶのっておかしいよね。 ここは自然に、自然に… 「わ、私はね、梓っていうんだよ、ゆ…唯…ちゃん!」 「あ、あず…あ、あ…あずにゃん!」 「あら…」 よほど私のあだ名が体に染み付いているのか、ちび唯先輩は何度教えても私をあずにゃんと呼んだ。 まぁ嫌いな呼び方ってわけじゃないし、いいんだけど。…かわいいし。 「あずにゃん、わたしおなかすいた!」 「あ、確かムギ先輩が持ってきてたクッキーがここに…あった!はい、食べていいよ」 「わーい!いただきます♪サクッ」 「どう、おいしい?」 「うん♪おいしいからあずにゃんにもあげる!はい、あーん!」 「あ、ありがとう…あーん」 「おいしい?」 「うん…おいしいね♪」 「ねー♪」 なんだか、妹ができたみたいな感じ…えへへ、こういうのなんかいいかも。 「あずにゃん?」 「ん?もっと食べたい?」 「ちゅっ♪」 「んにゃっ…!な、な…?」 「えへへ♪しってるあずにゃん?だいすきなひとにはね、ちゅーするんだよ♪」 「え…だ、だいすきって…私を?」 「うん♪わたし、あずにゃんだいすきっ!」 「そ…そっか。私も…だいすきだよ、唯ちゃん」 「じゃありょーおもいだ!これでけっこんできるね!」 「けっ…!?」 「わたしおおきくなったら、あずにゃんのおよめさんになる!」 「あ…あはは、ありがと…///」 な、なにどぎまぎしてんだろ私。相手はこんな小さな唯先輩なのに。…いや、唯先輩だからなのかな…? 「じゃあもいっかいちゅーしよ?ちかいちゅー!」 「誓いのキスだね。…わ、わかった」 「せんせーい!わたし、ゆいは!」 「宣誓はちょっと違うような気もするけど…ま、いっか」 「あずにゃんのことを、いっしょうしあわせにすることをちかいます!あずにゃんはちかいますか?」 「ち…ちかいます」 「じゃあちゅーします!ちゅー♪」 「…///」 「ふぅ!あれ、あずにゃんまっかだよ?」 「あ、あったかいからだよ。あはは」 や、やば。本当にドキドキして、幸せな気分だ… 小さい唯先輩でこんなだったら、元の姿だったら…って、な、なに真面目に考えてんだわたし!? 「あずにゃーん♪」 「あはは…まぁなんでもいっか♪唯ちゃんは大きくてもちっちゃくてもあったかいんだから♪」 おしまい テンポいいし面白い -- (鯖猫) 2012-10-26 06 47 23 いいね。 ここでキスシーンを三人が目撃! -- (あずにゃんラブ) 2013-03-07 01 24 30 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る