約 5,995 件
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/407.html
―――― 上条宅 上条「なぁインデックス」 インデックス「なぁに、とうま」 上条「イギリスは恋しく無いのか?」 インデックス「別に?だって向こうの事なんて覚えて無いもん」 上条「そうか…(やっぱりこいつは独りぼっちなのか…)」 上条「もしイギリスに帰れるとしたらどうする?」 インデックス「分かんない、多分ご飯が美味しい方に行くんだよ。それよりご飯マダー?」 上条「今作りますよ…(結局俺はこいつの家政婦だった訳か…まぁ分かってたけど…)」 上条「(どうするか…このままインデックスと暮らすか、彼女をイギリスに返すか。多分イギリス清教に言えば引き取ってくれるだろうし…今より贅沢な暮しを…)」 “雲川「今日、私達が過ごした時間、それが“高校生の普通の過ごし方”という時間だけど」” 上条「…、高校生の普通の過ごし方…か」 テレッテテテテ~♪ 上条「ん?メール?…父さんからか…」 Re 当麻へ 父さんだけど、元気にしてるか?飯はちゃんと食べてるか? まぁ私も大学生のころはインスタントばかりだったから言えないがな(笑) 今日、財布拾ったらお礼として一万円貰っちゃった。 これで母さんとデートしようと思ったが、やっぱ当麻にやるよ。 銀行に振り込んどいた。 私の金じゃないけど、気にせずこれで友達とでも遊んでくれ PS、また夏に旅行に行こうな 上条「父さん…ありがとう…っと」ポチポチ 上条「そうだな、折角だし久しぶりに土御門と青髪と遊びますか」 ―――――― ロンドン女子寮 神裂「はぁはぁ、これで何回目ですか…」 ルチア「百回以降数えてません」 サーシャ「第一の解答ですが、これで123回目です」 アンジェレネ「この人数だからあいこが続くのも珍しくはないけど…」 ルチア「これは多すぎです」 五和「もうクジでいいんじゃありませんか?」 神裂「そうですね…と言うより最初っからそれにすれば…」 キャーリサ「何?文句があるし?」 神裂「何でもありません」 ヴェント「で、クジってどんなクジなワケ?」 フロリス「私に良い考えがあるよ」 シェリー「それは?」 フロリス「ここに何故かトランプが一つ。順に引いて、この中からAとジョーカーを引いた6人が日本行きの切符を手に入れれるってどうかな」 アニェーゼ「もうそれで決めちまうです。さっさとしないと日本に着くのが、さらに遅れちまうです」 キャーリサ「ああ!もうめんどくさいし!」 オルソラ「流石にそろそろ決着をつけたい所でございます」 ―――――――― 次の日 学校 上条「土御門、青髪ピアス、今日遊びに行こうぜ」 土御門「カミやんからのお誘いって珍しいぜよ」 青髪「急にどうしたんや?」 上条「ふふふ、聞いて驚くなかれ、臨時収入が入ったんでございます」 土御門「カミやん…まさか…」 青髪「ついに…犯罪に…」 土御門「まぁ、ジャッジメントになんか聞かれたら、いつかやると思ってましたって答えとくにゃ~」 青髪「そしてボクはカミやんの知り合いの女の子達を慰め…そしてそのままゴールインが見えて来ましたよ!?これはチャンス!?」 土御門「いや、それは無いにゃ~(逆に奪還しかねないメンバーだぜよ…特にあのロンドン寮はやりかねないぜよ)」 上条「お前ら…俺をなんだと思ってやがりますか!?父さんが財布拾ったお礼を俺にくれたんだよ、これで遊べって」 青髪「カミやんの父さんはツイてるのに、カミやんは相変わらずやもんなぁ~」 土御門「まぁ、それならさっさと行くぜよ」 上条「そうだな、じゃあどこ行くか?」 土御門「まずはゲーセンでもいくにゃ~」 上条「おいおい、初めて見ましたよこのゲーム!?」 青髪「お、流石カミやん!目の付け所が違なぁ~!それはアイドル育成ゲーム、家庭用ゲーム機でも出てると言う人気作品や!」 上条「な…なんと…じゃあ自分好みのアイドルに!?」 青髪「そして歌って踊れる完璧なアイドルを目指すんや!」 上条「う、歌って踊るのか!流石学園都市!」 土御門「驚くのはまだ早いぜよ、そこまでは外での話しにゃ。学園都市の技術を結集したこれは、フォログラフで3Dになって踊るぜよ」 上条「な、なんと!?それはもう負け犬にとってのパラダイス!?もちろん下から覗けば!?」 青髪「それ以上言ったらアカン…あぁ、僕もこれにはまって暗黒面に落ちるとこだったんや…これは中毒性が高すぎるんや」 上条「なるほど…それは触らぬが吉らしいですね…」 土御門「それにあそこを見てみるぜよ」 上条「人目を気にせず荒ぶる踊りを披露する人が見えますよ!?」 青髪「あれが最終進化形や…ああなったらもう誰にも止められんのや」 上条「あぁ何と言う学園都市、暗黒面の入り口はすぐそこに在ったんですね」 土御門「無難に格闘ゲームでもやるぜよ」 上条「ふ、この無限コンボを食らうがいいでせう!」 青髪「残念ながら、バージョンアップと共に無理になったんや!」 上条「なんと!?じゃあこのキャラクターは…」 土御門「ただの時代遅れのキャラにゃ~」 上条「時間の流れをビンビン感じますよ!?しかし青髪ピアスのもただの萌えキャラだったはず!これでイーブンでせう」 青髪「ふふふ、ところがドッコイそのバージョンアップによって!」 上条「ま、まさか!?」 青髪「萌えと強さを併せ持った強キャラの仲間入りを果たしたんや!」 上条「時代の流れどころか、ジェネレーションギャップと言うやつを感じますよ!?」 青髪「覚悟するんやな」 上条「ギャー」 上条「ふぅ~楽しかったぁ~、二人とこんなに遊んだのは久しぶりだな~」 青髪「そうやなぁ~最近カミやん忙しそうやったもんなぁ~」 土御門「カミやんと久しぶりに遊べて良かったぜよ(カミやんはイタリア行ってイギリス行ってロシア行って…そりゃあ多忙だったぜよ…カミやんに申し訳ないにゃ~)」 上条「(1000円でこんな遊べるとは…されど1000円インデックスが居る限り…かぁ…)」 青髪「じゃあボクそろそろバイトやから」 土御門「あぁ、そんな時間か俺も用事があるぜよ」 上条「そうか、今日はここでお別れか」 青髪「あぁ、今日は楽しかった、またなぁ~」 土御門「じゃあな」 上条「また…か…(幸せはお金で買えかえないって言うけど、この楽しさは本物だよな…まぁそれもあいつらが居るからだけど)」 ―――― ロンドン寮 神裂「ては、行ってきます」 キャーリサ「(やっぱ王女の風格だし)」 番外個体「(電磁波でカードを詠んだのは秘密です、とミサカは勝ち誇ってみる」) 五和「(やった!このメンバーで勝てるとは思いませんでした。早くおしぼり用意しないと!)」 シェリー「学園都市か…久しぶりだよ」 フロリス「(皆には悪いけど、これも運ってことで)」 アニェーゼ「さっさと行って、上条を連れて来ちまうです」 ルチア「私達は祈ってますから」 オルソラ「良い報告を期待してるでございます」 レッサ―「いいなぁフロリス、次会った時、彼が居なかったら覚えといてね」 ベイロープ「はぁ…フロリス!信じてるからね!」 ランシス「…くすぐったぃ、…信じて待ってるから…はうぅ…」 アンジェレネ「待ってますから!」 キャーリサ「じゃあ空港に飛行機呼んであるから、さっさと行くし」 上条「まだ、時間はまだ5時を過ぎたとこ…今日はまだ遊んでいたいですよ…」 美琴「か、上条当麻!」 上条「ん?あぁビリビリか、今日はどうした?上条さんは今日は勝負なんてする気にはなれませんよ?」 美琴「今日は、ってそれじゃあいつも私が勝負ばっかり仕掛けてみるみたいじゃない!」 上条「違うとは言わせたくありませんよ?」 美琴「うっ…」 上条「ん?後ろに居るのは、御坂妹に黒子ちゃんに初春ちゃんに佐天ちゃんじゃないですか」 御坂妹「お久しぶりです、とミサカは喜びながら挨拶してみます」 黒子「お久しぶりですわ」 初春「お久しぶりです」 佐天「久しぶり~」 上条「学校の帰りか?」 初春「はい、それで皆で遊ぼうって話になって、行こうとしたら上条さんが居て」 上条「そうか、じゃあ楽しんでこいよ」 美琴「あんたも来なさいよ」 上条「へ?」 佐天「(はぁ…素直になれないなぁ)」 黒子「上条さん、暇ですか?」 上条「えぇ、上条さんはこのテンションをもっと味わいたくて、ぶらぶらしようとしてたとこです」 黒子「では、私達と一緒にどうですか?(お姉様は彼を攻撃しますから任せてられませんわ)」 美琴「(ナイス!!…だけど私が言いたかったなぁ~)」 初春「(白井さん積極的ですね~///)」 佐天「じゃあ行きましょうか」 上条「で、何するんだ?」 黒子「遊ぶことしか決めてませんわ」 初春「御坂さんどうします?」 美琴「そうね…、映画でも見ない?見たい映画があるのよ」 御坂妹「それは楽しみですとミサカは胸に期待を膨らせます」 佐天「それどんな映画なんですか?」 美琴「そ、それは見てからのお楽しみよ」 上条「おぉ、それは楽しみだ」 美琴「着いたわよ」 上条「(映画館なんて久しぶりだなぁ)へぇ…お?なんか割引制度あるぞ?」 皆「「「「(カップル割引!?)」」」」とミサカは心の中でビックリします」 上条「カップル割引かぁ…俺には無縁な話ですね」 美琴「(これはチャンス!)」 黒子「(これは一つの山ですね。彼の未練を残すと言う目線で見れば、誰でもいいはずです…が、個人としたら…)」 佐天「(これは…///)」 御坂妹「(こ、これは一つのチャンスでは!っと期待に胸をふくらませます)」 初春「上条さん、私とカップルのふりしませんか?///」 皆「!!」 上条「いいのか?俺なんかとカップルのふりなんて」 初春「はい。それに上条さんじゃないとイヤです!」 上条「な///!?そんなことを言われると恥ずかしいですよ!?///だけどそう言うのは好きな人に言うべきでせう」 美琴「(こ、これが初春クオリティー…正直舐めてたわ…あいつは相変わらずだけど)」 黒子「(なんか釈然としませんわ…)」 佐天「(流石初春…だけど勝負は終わって無いんだなぁ~、次の勝負は始まってるしね。それにしても彼は気付いて無いし…これは強敵だね)」 御坂妹「(はぁ…ミサカにもっと勇気があれば…とミサカは肩を下ろします)」 初春「(はぁやっぱ気付かないかぁ~)」 美琴「ま、まぁとにかく入りましょう」 上条「あ、あそこ席ちょうど6つ空いてるぞ」 美琴「(席!?忘れてた!まだチャンスが!)」 黒子「(能力を使用してもいいんでしょうか…いえ、ここは臆したら負けですわ!)」 佐天「(ここが勝負、どうやって隣をゲットするか)」 御坂妹「(これはチャンスが到来しました、とミサカは張り切ってみます)」 上条「まぁ初春ちゃんは俺の隣だな」 初春「そうですね」 美琴「な!?」 上条「チケットに書いてあるんだよ、注意書きが」 初春「はい、カップルらしい様子が見れない場合、退場処分とします。って」 佐天「あ…本当に書いてある」 上条「だから、せめて席は隣じゃないと怪しいよなぁ」 皆「…」 上条「あ…じゃあ俺が一番奥行きますよ?」 皆「え!?」 上条「な、なんで驚いてますか!?良く前の人を見てみなさい」 美琴「す、すごい髪型…」 黒子「女性ですの?」 初春「なんだからライオンみたい…」 御坂妹「ライオンという比喩にミサカは納得します」 佐天「あれだと前が見えないね…」 上条「そこで、座高が一番高い上条さんの出番ですよ、俺なら何とか見えるだろうし」 美琴「(変な所で気を使うのね…)そうね、じゃあ座りましょう」 上条「(こ…これは恋愛物!?なんか地雷臭が漂ってきますよ!?)」 美琴「(まぁいいわ、ここまできたら映画に集中しましょう)」 初春「(上条さんが隣に…緊張します///で、でもこの映画…恋愛物…ですよね?)」 佐天「(今日は初春の勝ち…か。でもこれで外国組には一歩リードしたよね)」 黒子「(それにしてもお姉様のセンスは良く分かりませんわ、しかしお姉様の選んだ物なら何でも受け止めますわ!)」 御坂妹「(こ、これはワクワクする映画です、とミサカは映画に集中します)」 チョンチョン 上条「(ん?隣から突かれてますよ?でもこっちは初春ちゃんじゃないよなぁ…)」 チラ フロリス「」ニコ フロリス「シーッ!映画館で大声出しちゃ駄目でしょ!」コソコソ 上条「なんでこんな所に居るんでせうか」コソコソ フロリス「日本観光にね、久しぶりに当麻の顔も見たかったし///」コソコソ 上条「そう言えばイギリス以来だもんなぁ…」コソコソ フロリス「そっ。後、前に居る人良く見てみて」コソコソ 上条「前の人って、あの金髪の個性的な髪形の人ですよね?ってあれ…」コソコソ フロリス「フフフ」コソコソ 上条「まさかシェリーさんですか?ですよね?でした?」コソコソ フロリス「なんで最後が疑問形なのよ、それに後ろを見てみて」コソコソ 上条「まさか!?今度は誰だ!?しかしもう驚きませんよ!それが私上条クオリティー!」コソコソ チ、チラ ガシッ フロリス「だから大声出そうとしない!」コソコソ 上条「冗談にもレベルがあるんですよ!?王女様はやりすぎの範囲です!ってことは他にも!?」コソコソ フロリス「さぁ、どうでしょう」ニヤニヤ ドーンッ! 上条「!?」 初春「!?」ギュッ フロリス「!?」ギュッ 上条「魔術師か!?」コソコソ キャーリサ「(映画の演出だし、いちいち可愛いやつだなぁこいつは。イギリスの時と大違いだし)」コソコソ 上条「(会話に集中してて見て無かったぁ~、ってこれ恋愛物じゃ?何で爆発音が!?)」 初春「(ビックリして上条さんの袖握っちゃったけど、このままで居たいなぁ///)」 フロリス「(不意打としても、まさか日本の映画に驚くとは…、だけどチャンス!このまま袖を握った状態を維持します///)」 ――――― 上条宅 禁書「はぁ…お腹減ったんだよ…とうま早く帰ってこないかな~」 ピンポーン 禁書「あ、帰って来たんだよ。さっさとご飯作って貰うんだよ」 ガチャ 禁書「お帰り~とう…ま」 五和「ど、どうも、お久しぶりです」 神裂「インデックス、元気にしてましたか?」 番外個体「初めてだね、まぁ見覚えがあると思うけど、とミサカは挨拶するよ」 禁書「五和に、火織に…妹?」 番外個体「そうね、まぁ妹で間違ってないよ、とミサカは補足するよ」 禁書「何しに来たの?またとうまを危険な目に合わせるのは許さないんだよ?」 五和「いえ、今回はただの観光目的です」 神裂「それで、近くまで来たもんですから彼に挨拶に来たんですが…」 禁書「とうまはまだ学校から帰ってきてないんだよ」 五和「(そろそろ会ってる頃ですか)そうですか…」 禁書「上がって待ってればいいんだよ、ついでにご飯を作ってくれる嬉しいんだけどな?」 五和「はい、そう言うと思って材料を買ってきました」 禁書「なんだか食いしん坊みたいに思われてる感じがすんごくするんだけど、今回はご飯に免じて許すんだよ」 火織「(流石扱いに慣れてますね)では早速作りましょうか」 番外個体「じゃあお言葉に甘えて上がらせてもらうよ、とミサカは確認をとるよ(これが…当麻の家…)」 ―――――― 映画館 上条「(こ…これはいわゆるR18なシーンというやつでせうか!?)」 フロリス「(な!日本の映画を舐めてたわ…まさかこんなシーンがあるなんて///)」ギュッ 初春「(し、心臓がバクバクいってます!袖を握ってる手のひらも熱く///)」ギュッ 上条「(うぉ!?気付いたら袖が握られてますよ!?い、意識したらヤバいです、何がヤバいか言えないですけどヤバいです!?)」 フロリス「(当麻、気付いてくれるかなぁ///)」 初春「(だ、駄目です。もうこれから上条さんの顔直視できません///)」 フロリス「(ここは、もうちょっと攻めてみます///)」コツン 上条「(な、ん、あ、な、な、ん、あ!フロリスの頭が肩に!?上条さんの理性のタガはもう限界突破しそうですよ!?)」 キャーリサ「(ふふ、これはどうかし)」ツゥー 上条「(く、首筋に指が這ってます!?こ、これは本格的にヤバいです!一回トイレに行かないと!?何を考えてるんだ俺!?トイレで何を!?)」ブルブル 上条「(って袖が掴まれてて、どこにも行けない!?)」 シェリー「(まだまだだよ。行きなさいゴーレム)」 ドンッ 上条「(うぉ!?いきなり肘掛が壊れましたよ!?)」ガクン フロリス「キャッ!」 初春「わ!」 上条「(お…おう、両側から柔らかい感触が…それに何だかいい匂いも…)」 フロリス「(もう少しこのまま///)」ギュッ 初春「(なにが起こったか分からないけど…上条さんの胸板///)」ギュッ 上条「うわっ!(ヤバい思わず声が!)」 プチ 災誤「お前らさっきからうるさいんだよ!!見ないならどっか行きやがれ!」 上条「そ、その聞き覚えのある声はゴリラ!?何でこんなとこに!?」 災誤「誰がゴリラだ!ん?その声は上条か!」 上条「やばっ!?ここは一旦引きますよ!?」 ダダダダダ 災誤「待て!って、ちっ、逃げ足だけは速いな…」 キャーリサ「ねえそこのお兄さん?」 災誤「!!な、なんでしょうか!?」 キャーリサ「いいとこだったのに…飛んで行くし!!」 災誤「ぐはっ!」 ドーーーーンッ! ――――― アンチスキル詰め所前 ピリピリピリピリピリピリピリピリ 上条「(な、なんですかこの空気は、息が詰まりそうですよ!?)」 美琴「あの、どちら様でございますか?(ついに来たわね外国人部隊!)」 上条「(あ、あのビリビリが敬語!?こ、これは雷が落ちるフラグでせうか!?)」 サーシャ「どちら様って言われても、初対面の人に名乗るほど有名な者じゃないです。(番外個体とそっくりだね、これが学園都市の力ですか)」 キャーリサ「まぁいいし、用があるのは当麻だけだし」 黒子「(直球ですわね…これは強敵になりますわよ…)」 御坂妹「(皆で見る映画も良いものです、と思ってたら思わぬ展開にミサカは驚きます)」 初春「(はぁ結局映画中ずっと握っちゃったぁ///なんだか胸がぽかぽかする。この暖かさも保温出来ないかなぁ)」 フロリス「(もう少し、もう少しだけあのままが良かったなぁ///)」 佐天「まぁ、落ち着いて下さい。貴方達は上条さんの知り合いですか?」 上条「(お、佐天ちゃん!佐天さん!いやっ、ここはMr.SATENさんですね!?ナイスフォローですよ!)」 シェリー「えぇ、イギリスの時にお世話になりまして。日本に来た挨拶がてら会いに来ました」 美琴「(やっぱり予想通りの展開ね)」 黒子「話は分かりましたわ。それで?これからの予定はどうするつもりですか?」 キャーリサ「これから、当麻の家に行くつもりだし」 皆「!!」 フロリス「(あ、あれ?そこまで聞いてませんよ!?)」 シェリー「(王女様は度胸も据わってますね。…まぁ、じゃないとクーデターなんて起こしませんけど)」 黒子「(な、何と!?これは早々のピンチですわ!)」 美琴「それはどう言うことですか?」ニコッ 上条「(ヒーッ、美琴さんが笑いましたよ!?これはヤバイ…)」 佐天「(これはもう収集がつかなそうだ…それに比べて初春は…)」 初春「(///)」 佐天「(まぁ初春には早すぎたのかな?顔真っ赤にして上の空だし…あんな初春も可愛いけどね)」 キャーリサ「どう言うことも、ホテル代なんて持ってきてないし、泊めてもらうしか無いでしょーよ」 上条「ブーッ!!」 皆「なっ!!」 上条「何を言ってるんでせうか!?」 キャーリサ「当り前だし、それともお前は私達に野宿をしろと言いたいのか?」 上条「い、いえそう言う訳では…(この人達襲っても逆に殺されるだけ…なんて正直な気持ちは言いませんよ?死亡フラグしか残りませんからね!学習しますよ上条さんは)」 黒子「(これが外人クオリティ―…臆せず進みますわ)」 美琴「(くっ…流石に連続で門限を破るのはマズイ…)では、当麻君?」 上条「はいっ!」 美琴「分かってるわね?」ニコッ 上条「はい!勿論この上条当麻、全身全霊を懸け彼女らをお守りします…?」 佐天「じゃあそろそろ遅いですし、帰りましょうか(今日は…ね)」 黒子「では、ここでお別れですね。御機嫌よう」 御坂妹「さようなら、とミサカは別れの挨拶をします(これは帰って作戦会議ですね、とミサカはやる気を出します)」 初春「か、か、上条さん」 上条「ん?」 初春「さ、さようなら///」 佐天「上条先輩、さようなら」 上条「おお、まだ7時だけど気をつけて帰れよ」 フロリス「それじゃあ、当麻の家にレッツゴ~」 ――――――――― 映画館前 結標「あら、こんなとこに財布…学生証が入ってるわね…上条当麻…」 土御門「おい、どうしたぜよ、さっさと仕事終わらせるにゃ~」 結標「そう言えば、あんた上条当麻の家知ってたわよね?」 土御門「あぁ、知ってるがどうしたぜよ?」 結標「ちょっと教えてよ」 ――――――― 上条宅前 上条「(つ、ついにここまで来てしまった…)あ、あの本当に家に来るんでせうか?」 シェリー「仕様が無いじゃないですか、王女様の命令ですから」 フロリス「そう言う訳だから、行こ!」 キャーリサ「(…、よく考えたら男の部屋なんて初めてだし…あれ?何?この胸の高鳴りは///)」 上条「(リビングで雑魚寝ならまぁ、3人は入る…よな…?)じゃあこっちです」 上条「(なんか家からいい匂いがしてきますよ?)」 上条「ただいま~」 禁書「お帰り、とうま」 上条「遅くなってごめんな。てかお前料理したのか?いい匂いが玄関までしてたぞ?」 五和「あ、お帰りなさい上条さん」 上条「五和!?」 神裂「久しぶりです」 番外個体「ロシア以来だね、ってミサカは気楽に挨拶してみるよ」 禁書「彼女達、ここに泊めて欲しいんだって、ってとうま?どうしたの?」 上条「どう言うことだぁーーー!!!」 ―――― リビング 上条「で、日本観光のついでに来たと」 神裂「そうです」 上条「で、本当はお金が無い訳では無く、不法侵入したからホテルを借りられないと」 キャーリサ「そう訳だし、よろしくね」 上条「いつまで居るんだ?」 フロリス「さぁ、それは決まって無いよ」 上条「言いたいことは分かりました、ではまず周りを見渡して下さい」 上条「ご覧の通り、この部屋はそれはそれは狭いでございます」 キャーリサ「そうだね」 上条「どこで寝るつもりですか?」 キャーリサ「皆で詰めれば何とかなるし」 上条「マジですか…」 シェリー「そう言えば当麻はどこで寝てるのですか?」 上条「え?風呂場ですが?」 フロリス「風呂場!?」 禁書「そうなんだよ、とうま、一緒に寝てくれないんだよ?」 キャーリサ「(成る程、イギリスの男より紳士だし…)」 上条「そう言う事だから、夜の風呂場には近付かない方が良いよ、てか近付かないで下さい(上条さんがいくら紳士でも理性が保つか分かりませんよ?)」 五和「じゃあご飯でも食べましょうか?」 上条「お、五和が作ってくれたのか?」 五和「いえ、3人で作りましたよ」 上条「(3人って事は1人作って無いのか…)おぉ、それは3人ともサンキューな」チラ 禁書「なに?とうま」 上条「いえいえ、何でもありませんよ?」 神裂「準備しますので少し待ってて下さい」 番外個体「じゃあ私も」 五和「いえ、ミサカちゃんはいいですよ。後は盛り付けるだけですから」 番外個体「分かった、じゃあ当麻、一緒にテレビ見よっ、ってミサカは誘ってみるよ」 フロリス「そうそう、日本のテレビ見てみたいなぁ」 上条「そうだな、日本観光に来たならテレビも見といて損は無いもんな」 番外個体「じゃあ当麻、ここにあぐらで座って、ってミサカはお願いしてみるよ」 上条「こうか?」 番外個体「ありがと、じゃあこっちは貰ったね~、ってミサカは高らかに宣言するよ」 上条「なっ!?どこに頭を乗せてますか!?」 番外個体「どこって、モモだよ、ってミサカは教えるよ」 フロリス「いいなぁ~じゃあこっちは私が貰うよっ!(映画館の続きだよ///)」 禁書「なっ!?何してるんだよ!?」 フロリス「何って?イギリスはクッションなったけどこっちは無いからクッション代わり~」 シェリー「じゃあ私はこっちかな」 上条「なっ!?後ろに座って何をするつもりでせうか!?」 シェリー「いいから、そのまま寄りかかって来て」 上条「そ…そんなことしたら、シェリーさんに…」 シェリー「いいから」グイ 上条「うわっ!」トン シェリー「(案外、体つきいいんだ…)それと、さんは要らないからね」ナデナテ 上条「(はぁ…落ち着くなぁ…。…じゃねぇよ!ヤバイヤバイこれは流石に!?)」 上条「(そ、それに柔らかいのがが当たってますよ!?こ、これは!!)」 キャーリサ「じゃあ私はここしか残って無いし」 上条「って、どこに入ってるんですか!」 キャーリサ「(はぁ…こうやって最後に甘えたのはいつぐらいだろ…なんだか落ち着くし…)いいから、まぁ座り心地は悪くないし」ストン 上条「(こ、ここが楽園ですか!?)」 禁書「じゃ、じゃあ私も!」 フロリス「残念、もう場所無いよ~」 禁書「ぶぅー」 五和「(上手くいったようですね)」ゴニョゴニョ 神裂「(えぇ、ミサカちゃんが上手くきっかけを作ってくれましたからね)」ゴニョゴニョ 五和「(後は、ご飯でインデックスちゃんのご機嫌を取れば終わりです)」ゴニョゴニョ 五和「(それにしても…)」ゴニョゴニョ 神裂「(なんですか?)」ゴニョゴニョ 五和「(両サイドの二人はともかく、キャーリサ様とシェリーの顔が幸せそうですね)」ゴニョゴニョ 神裂「(そうですね、二人とも色々ありましたから、ああいう甘えられる…心の拠り所が必要なんですかね)」ゴニョゴニョ 五和「(宗教は、なれてその宗教の人にしか心の拠り所になれませんが、彼は違いますね)」ゴニョゴニョ 神裂「(そうですね、それほど彼が救った人は大きかったんですね)」ゴニョゴニョ 五和「(もう少し、ゆっくり準備しましょうか)」ゴニョゴニョ 神裂「(そうですね、もうちょっと甘えさせてあげましょう)」ゴニョゴニョ
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3434.html
【種別】 人名 【初出】 新約十四巻 【CV】 伊藤 美来(ゲーム『とあるIF』) 【解説】 『上里勢力』に所属する少女。 しこたま無線機を詰めたリュックを背負い、首筋に自前のインプラントをぶち込んで、 巨大風船片手に年中無休で遊覧飛行している未確認パジャマ少女。 大熱波以降はビキニ+ピンクのパーカーという出で立ちで主に行動する。 この格好、大熱波で急上昇した気温への対策かと思われていたが、事態が収束して12月の気温に戻っても 全く変化が無いことから、普段からこの手の格好をしている可能性が高い。 オティヌスからは「将来的には自宅では全裸でないと落ち着かないフリーダムな人になるかもしれんな」と言われている。 上里曰く、 「どこまで本気か知らないが、UFOのインプラントで『原石』を強化している」。 本当に宇宙人にさらわれたかどうかは上里勢力の中でも意見が分かれるが、 UFOを追いかけている彼女が天体観測や無線電波についてやたら詳しいというのは概ね一致した評価。 鑑識少女絵恋と並んで上里勢力の情報戦の一翼を担う。 ウサギグレイの大ファンであり、このキャラクターをテーマにした宇宙ステーションを自作し、運用している。 【作中での行動】 新約十四巻のパトリシアを巡る騒動では、絵恋と共にサンプル=ショゴスの解析に回っていた。 後に去鳴の学園都市へ来襲した際には、事態をいち早く察知し、絵恋達に警告の連絡を行っている。 新約十六巻において、学園都市を襲った大熱波を起こした張本人。 完全お手製の宇宙ステーションから学園都市に高出力マイクロ波を照射し、エレメントの行動を阻害していた。 その後の『窓のないビル』直下、地下の決戦には参加せず、外で暮亞と共に待機していた。 しかし、上里自身が理想送りによって消失した後、 木原唯一の言葉によって上里勢力が掌握されてしまう。 逃げ惑う上条当麻から事の顛末を聞いていた暮亞も同様に異変を起こすが、ただ一人、府蘭だけは事態を知っても変わることなく、 高出力マイクロ波を一瞬だけ一点に照射することで暮亞に一撃をくれた後、上条の手を引いて共に逃亡する。 原石を自称していたが、その正体はイギリス清教が上里を調査するために送り込んだ魔術師である。 つまり勢力内にありながら上里翔流にも木原唯一にも染まりきっておらず、理想送りを唯一が手にした時も一人だけ上条に協力出来たのはこのため。 スパイである事を絵恋に見抜かれて激しく動揺するが、上条の叱咤を受け、 本心から上里に惹かれていたことを認めた上で「この恋を終わらせるため」大胆な行動に出る。 上里のサルベージを成功させた後、上里勢力から離脱。 公的機関である必要悪の教会の所属ではなく ローラの私的な手駒である点に利用価値を感じたらしく、 アレイスターが府蘭の身柄を確保するべく出現するが、 割って入った土御門に救われ、そのまま合流した。 その後、隠密特化のイギリス清教の回収部隊とコンタクトを取り、 土御門元春及び義妹の舞夏と共に合流する手はずだった…のだが、 学園都市の外壁を越えようとした瞬間に舞夏にアレイスターのトラップが発動。 上条・土御門両名が解決のために窓のないビルに向かうことになり、インデックス、オティヌスと共にこれに同行する。 能力開発の影響で魔術の使用に命の危険が伴う土御門、単独で魔力を練ることが出来ないインデックスと異なり、 一行の中では唯一ノーリスクで魔術を行使出来る存在であったため、道中では実働部隊として立派に前線で戦っていた。 普段はパーカーで隠れているが、頭頂部に三個のピジョン・ブラッドが埋め込まれており、 これを介してローラことコロンゾンの霊媒(アバター)として操作された姿がA・O・フランキスカである。 このフランキスカという名称も、コロンゾンの侵食を受けつつも必死になって府蘭が残したヒントだった。 上里勢力をから得た「複数の大戦力を管理する手法」を使い「ミメティックプレデター」を振りかざし、 ローラの…否、コロンゾンの刺客として上条、アレイスター、浜面、リリスに襲いかかった。 まさに浜面の首を狙って飛びかかった瞬間、アレイスターが霊的蹴たぐりで航空支援式のビッグバン爆弾を連想させた。 更に衝撃の杖の効果で威力を10倍に引き上げ、ざっと宇宙を10回作れるほどのエネルギーでミメティックプレデターを一掃。 さらに霊的蹴たぐりで再現した無数の医療機器を使い、ピジョン・ブラッドを摘出し、府蘭はコロンゾンの支配から解放された。 コロンゾン討伐のためクロウリーズ・ハザードに乗じて英国に侵入。 クイーンブリタニア号攻略戦後は新たな後ろ盾としてヴィリアン配下に収まる。 【口調】 一人称は「私」。 会話の際に「です」、「なのです」を多用する。 「……おかしいのです」 「やな感じなのです」 「ぶっ殺しますよ変態野郎‼︎」
https://w.atwiki.jp/deruta_sanbaka/pages/99.html
「…生々しいですわね。」 「あんな御坂様、初めてみましたわ…」 「白井さん、平気なのですか?」白井の百合っぷりを知っている人が尋ねる。 すると白井は平然と、 「あの殿方ならお姉さまの支えとなってくれるでしょうし、不純なこともしないでしょうから。」 「「「はあ。」」」 「それに白井さんにはいい殿方がいるようですしね♪」 「なっ!!いや、あのそれとこれとは話が別なのでしていやいや同じ話ではjvdsjふぃ;あ」 「絶賛言語おかしい状態ですわね。」 そのころ、打ち止めと一方通行はというと……、 一方通行はとってもアツアツだった。 「アッチィィィィィ」 打ち止めに焼いたばかりの肉をいきなり口に入れられ能力を使う間もなく火傷をした。 「なにすんだよッ!!」 「ミサカもあーん、っていうのがやってみたかったのってミサカはミサカは正直に言ってみる」 「分かったからよォ。もうすこしコッチのことも考えろよ」 その頃青髪はクラスメイト達にこんなことをいっていた。 「ボクぁ落下型ヒロインのみならず、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩・・・・・・・・・・・・」 その言葉を聞いた白井は青髪のところへテレポートした。 正確にはその右斜め上。 女には極悪非道だとわかっていてもドロップキックせねばならない時がある。 「でくでゅぱ!!ってなにすんねん!!」 「少々制裁をしただけですわ。」 「もしかして白井さんはやきもちをやいているんでしょうか?」常盤台生徒ニヤニヤ 「な/////!!!!」 その頃の土御門は… 「きゅーきゅーしゃー…本当にヤバイにゃー…」 「元春!!死なないでーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」 死に掛けていました…。(魔術使ったからねえ…。) 「ハッ、自業自得だろォがよォ。」 アクセラレータがぼそりとつぶやく。 瞬間 バチーン!!!!!! 白雪の平手が見事に決まった。(Offにしていた。) 「何しやがる!?」「もう一度言ってみろ。」 白雪が今までにないほど殺気立っている。 「あわわわ、月夜ちゃん、落ち着いて…」「素人はすっこんでろ。」 友人の茜川にさえこうである。静かな口調だけに余計に怖い。 「学園都市最強だとか言ってたけど、死ねえええっ!!!!!」 直後。 すさまじい吹雪が焼き肉店内に吹き荒れた!!!! 「ぎゃーっ!!肉が凍るーっ!!」「凍え死ぬーっ」 「みんな集まれ!!体を寄せ合うんや!!!」「寝るな!!寝たら死ぬぞ!!!!」 周りにいる人間が余波でこの状態である。 能力をONにする間もなく攻撃目標とされた一方通行になすすべはなく…… 今、白井月夜は学園都市最強を打倒した2人目の人間となる。 と思ったが…、 「つ…、つきよ~…。もうだめですにゃー…さむいぜいー…」 「ギャーーーーーーーーーーーー!!!!!元春死なないでーーーーーーーーーーー!!!!!」 そのため雪雲は消え、皆、なんとか助かったのである。 「まさに雪女だなオイ!!」 「能力が暴走したほうが強いっていう娘がいるらしいけど、あの娘はまさにそれね。」 「ン?そういや海原どうした?」 「へ?」 なんだかとてつもなく嫌な予感がするのはこの二人だけである。 「誰が諦めたって言いました………?」 海原の殺意は抑えきれない…………。 「オイ、まさかまだアイツのこと殺ろうとしてんのか……?」 「そうかもね。まぁ助けなくても・・・・・・・」 「さっさと探せェ。」 「上条当麻もあの娘の世界だって言うの?」 「ンなもンだァ………。」 この女は知らない。上条当麻のあの名言を…………。 ところで皆さんは液体窒素に入れたバラなんかが割れるのを見たことが有るだろうか。 それと同じことが起こったために…… 「くそっ、使えるやりはもうこの1本だけですか…。」 もっと予備を手に入れておけばよかったと嘆く海原だった。 「まてよ?あの言葉だァ?それだ!!」 一方通行は土御門をさがす。が、見つからない。 「クソ!!オイ!!土御門のやろうしらねえかァ?」 「つっちーなら病院いったで?」 こんな時に使えねぇ野郎だと嘆く一方通行。 そんな時アオピが希望のメモリを取り出す。 「確か一方通行はんはこれあの二人の声で聞いてなかったやろ?」 「そのメモリはッ!!」 そう、それは土御門が使っている盗聴器の記憶装置である。 ただし。 「でも、再生装置がないわよ。」「いや、あったでー。」 「『た』ってェのはどォいう意味だァ?」恐る恐る聞く一方通行。 「あれや。」 そのさす先には巨大な雪の塊。 先ほどの吹雪でできたものと、その後の雪かきで出たのを集めたところである。 「確かあそこに置いてあったはずなんやけど…」 「…なんで雪かき前に避難させなかったのよ?」 「ッたくそんなことかよォ。ふっ飛ばせばいい話じゃねェか。」 そういって彼は首に手を伸ばす。 吹雪の第二波がやって来る……
https://w.atwiki.jp/stellamedia/pages/30.html
プロフィール バサラ◎/マヤカシ●/マヤカシ△ PL えのきの第二のキャスト 御門忍は、死霊王ハクが付与していた"死の印"が経年劣化により消失したことで、三度の生を得てこのキャンペーンに戻ってきました。 PL えのきのアオサギに代わる第二のキャストとして、キャンペーンを盛り上げてくれることでしょう。 概要 公式ルルブの時点でカムイST☆Rの代表であった予知能力者です。彼女は既に死亡しています。 彼女は北米喪失以前に、事故により死亡しました。魔王の数を4名にまで減らし、カムイST☆Rをアヤカシが支配する街へと変えてしまった大戦争「逢魔刻」はその時から始まったのだという歴史解釈も存在します。 逢魔刻 「逢魔刻」は、厳密には3つのフェーズに分割されます。 魔王二柱が結託して獣王クンネカムイを襲撃した第一次魔王戦争。魔会の2大勢力、天使の血脈と悪魔の血脈が正面衝突し、魔王の数を四柱まで減らした第二次魔王戦争。 そして、そのすべての発端となった出来事が、狭義の「逢魔刻」です。 魔会と御門忍らST☆R上層部による定例会議の際、死者の血脈の魔王である死霊王(デスロード)、ハクが乱心し、御門忍に対し密やかに死の印(デスマーク)の呪いを付与しました。 そして、これを即座に察知した獣王クンネカムイは、間髪入れず死霊王ハクを噛み殺してしまいます。 そして、御門忍は数日後の死の印の完成により死亡します。 公の場で、魔王が魔王を殺すという実績となってしまったこの事件を契機に、二度に渡る魔王戦争、広義の「逢魔刻」が始まってしまったのです。 アクト内で開示された情報 御門忍の現在 御門忍は、"死の印"が経年劣化によって消失したため、コールドスリープで保存されていた肉体が蘇生したと、蘇生のあらましを説明しています。これが事実であるかどうかを証明する方法も無く、ST☆Rでは御門忍が統治者となることを認めざるを得ない状況です。 また、獣の血脈と協力関係にあり、獣王クンネカムイを後ろ盾に持つ以上、武力による制圧も困難な状態にあります。 カナギによる調査 御門忍の変化 13:御門忍は、かつてST☆Rをアヤカシと人間が調和した都市とすべく尽力していました。一方、復活してからの御門忍は、獣王クンネカムイを代表としてアヤカシの統一を進めようとしており、これには違和感を感じている者も多いようです。 23:御門忍の変化を事細かに追った結果を総合するに、御門忍はかつての御門忍とは本質的に別人と言わざるを得ません。死者の血脈のアヤカシの力を調査した結果としても、死の印が経年劣化により解除され蘇生した、という説明もカバーストーリ―に過ぎないと断言できます。 御門忍の目的 コネ:???で判定した場合のみ22 8:御門忍の目的は、獣の一族とともにST☆Rを統一し、再びST☆Rを統治して人間とアヤカシが調和したST☆Rを取り戻すことです。 18:御門忍の計画では、コッペリア陣営を打破することが第一とされています。ST☆R最大勢力であり、ST☆Rの在り方を歪めている人形の一族を許してはおけないのでしょう。次いで予想される龍の一族との衝突については、ST☆Rにおける人間とアヤカシの調和が取り戻されるなら、決着をつけて完全な統一を果たす必要はないと考えているようです。 23(22として獲得):その背景は不明ですが、御門忍の計画の裏にはST☆Rに魔王戦争とそれによる混乱をもたらそうとする意図があるようです。つまり、龍の一族との全面戦争すら辞さないというのが真相のようです。 御門忍、そしてアオサギの正体 10年前に死んだはずの御門忍に成り代わり、第三次魔王戦争を引き起こそうとした人物。そして、かつてアオサギという男としてツシマFORTЯЭSSに太平洋を封鎖させようとした人物。"それ"らは同人物です。 エトランゼ●/カゲムシャ▼、『ジャック』。火星からやってきたその男は、他人を乗り継ぐことが出来る宇宙人です。 関連情報 カムイST☆R メニューに戻る
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/836.html
とある少女の騒動日記 1. 「ふあーっ、あーあ」 お昼休みも半ばに差し掛かった頃、昼飯用の焼きそばパンを食べ終えた上条当麻は大きな欠伸をした。 教室ではクラスメイトがグループで集まって談笑していたり、外を見れば運動部が部活に励んでいたりもする。教室にいる上条当麻は前者であり、前と右隣の席には青髪ピアスと土御門元春が上条に椅子を向けていた。三人のお決まりのトークタイムである。 「どうしたんやカミやん。午前中寝といてまだ寝足りんの?」 「……にゃー。昨日は深夜までうるさかったからなあ、カミやん」 金髪グラサンの土御門が意味ありげな含み笑いをしていた。 「だぁー、うっせ。昨日、布団に水をこぼしちまって、あんまり寝てないんだよ」 夜は床で寝ているとインデックスがベッドから転がり落ち、不意打ちのボディプレス。その上、体の色んなトコロが密着していまい、朝起きたら噛みつきのオンパレード。銀髪碧眼少女に朝ご飯を十二分に与えていなければ、自分まで朝食にされそうな勢いだった。 「そりゃあ災難だったなあ、カミやん。まあ、日頃の行いの罰として、それくらいは受け取ってもらわんとなあ」 「日頃の行いの罰って何だよ? 青髪」 「なははー☆」 青髪ピアスは、両手を挙げて腰をクネクネと軟体動物のように揺らしたかと思いきや、 グバァ! と金髪グラサンと共に身を乗り出してきた。 頬づえをついていた上条はその迫力に押され、思わず後ずさった。 「な、何だよ?」 不気味な笑顔を浮かべたまま接近してくる青髪男と金髪男。ツンツンとした黒髪男は言い知れぬ恐怖を感じる。 「カミやーん、先週の日曜日、ショッピングモールで手つないでた常盤台の女の子は誰なんや~? 夏休み最終日の子とまた違ってやんかー?」 「そうだぜー、カミやん。カミやんの軽率な行動は彼女いない歴=年齢の同胞(オレ)たちを裏切ることになるんだぜい?」 「なっ! あれはっ……」 「ツインテールの可愛いらしい子やったなあ。あーあ、カミやんはあと何本フラグを立てたら気が済むんや」 眉間にシワが寄った笑顔の青髪ピアスはポキポキと腕を鳴らしている。 「あ、あれは『風紀委員(ジャッジメント)』の人で、別に強制フラグイベントみたいなドッキリドキドキなモノでは全然無いですヨ!?」 「それもフラグの一つですたい。カミやんはそうやって幾つものフラグを立てては女の子を傷つけているんだぜい?」 「おい、土御門。お前何言って……」 「それは。私も賛同」 不意に後ろから声が聞こえた。 「おわぁっ!! 姫神!? いつの間に!?」 「ついさっき。何やら。面白そうだったから。何となく来た」 「……ここにも上条フラグが」 呪いの言葉を吐くように呟いた青髪ピアスを見た土御門は、ポケットから『何か』を取り出し、青髪ピアスに手渡した。 スコーピオンの柄が入った装飾品。銀色に輝く爪のような形をしており、鎧の一部のような印象を受ける。 「……あのー、土御門サン? その禍々しいブッタイは一体何ですう?」 「それ。通販で。見たことある」 「気が利くやないか土っちー。何や、知らんのかカミやん? これは『でこピン』用の装備品や。酒瓶も一発で粉々になるスグレモノなんやで♪」 右手の人差し指に装着すると、青髪はカシャカシャと音を立てて、でこピンをする素振りを見せていた。上条に笑顔を向けたままで。 「って、おいいいィ!! 何なんだこの空気は!? カミジョーさんが何となく『でこピン』を喰らってしまうという強制イベント突入ですか!?」 金髪グラサンは逃げ出そうとする上条の肩をつかんだ。振り返ればキラリと輝くサングラスに金のネックレス。親指を突き立てた左手。 笑顔が語っていた。 逃げられないぜい☆、と。 「そ、そんな! いくらフラグが立とうがそれから何も進展しない駄フラグオンリーばかりの不幸少年カミジョーさんですよ? ただ女の子と手を繋いでたからってテテテッイデェ!?」 上条にものの見事に土御門のヘッドロックが決まった。 「『ただ』女の子と手を繋いでたって言ってる時点で十分ムカつくんダヨ。その言葉もっぺん言ってみ? ん?」 「あががががががっ! ひ、姫神、ヘルプミー!」 だが、神様は残酷だ。 ぽん、と肩を叩かれる。 「君は。一度。制裁を受けるべき」 唯一の救世主から、死刑宣告が下った。 2. 突然、教室が静かになった。 周囲の異変に気づいた姫神と青髪ピアスは廊下に視線を向けた。 「え?」 二人は目を丸くした。 それを見た土御門も視線を向けた。 腕の力が緩んだ隙に、土御門のヘッドロックから抜けられた上条は折り曲がった学ランを戻しながら、息を正していた。 「っ、ぷはーっ。土御門、本気でやるなよ! って、ん?」 クラスメイトの視線が集まる方向へ上条は目を向けた。 上条はギョッとした。 高校の教室には相応しくない人物がいた。 そこには4,5歳程度の少女が立っていた。 「うー、ここドコー?」 不安な顔で呟く少女。背丈は1メートルもない。 黒い瞳に黒髪のショートヘアー。白いワンピースを着ていた。 少女はキョロキョロと辺りを見回す。誰かを探しているようだった。 クラスメイトの人たちが対応に困る中、一人の少女が近寄った。 姫神秋沙である。 「君は。どこから来たの? ママは?」 膝を折り、優しく話しかけた。 突然、話しかけられたことで少女は動揺した。 「……ふ、ふえっ」 「大丈夫。落ち着いて。何も。しないから」 姫神はそっと少女の頭を撫でた。 「……ほんと?」 「うん。本当」 その光景を見ていたクラスの三バカ(デルタフォース)は、姫神の評価をググッと上げている。 「優しいなぁ、秋沙ちゃん。なかなかレベル高いでぇ、彼女」 「……すっげえイイにゃー。あの少女」 「……土御門、犯罪の匂いがするぞ。お前」 「でも誰なんや。あの子。……まさか、カミやんフラグじゃないやろうな」 上条はその少女の顔を見た。 「ンなワケ無えだろ。俺も知らないよ」 見覚えは無い。先生の子どもか何かだろうと考え、『でこピン』強制イベントをどう切り抜けるか思案していたところ、 ふと少女と目が合った。 今度は少女が目を丸くしていた。 何故だろう。上条は嫌な予感がした。 「あっ。ちょっと」 姫神を通り越し、少女は走り出した。 「あれ? あの子、こっちに来とるぞ。土っちー、知り合いか?」 「いんや、知ら……」 「パパー!」 少女はそう言って笑顔で上条当麻に抱きついた。 「……………………………………………………………………………………………え?」 絶句する上条。凍りつく姫神と青髪ピアスと土御門。時が止まる教室。 「……うみゅう? どうしたの、パパ?」 無垢な少女は上条を見上げながら呟いた。 3. 「皆さーん、ここに幼稚園生くらいの女の……ってエエッー!! 上条ちゃーん! 一体どうしたのですかー!?」 「小萌センセー!! 止めんどいてください! 男には死んででもヤらなあかん時があるんです! かっ、カミやんは俺たちを裏切ったんや! 男たちの友情を弄んどったんや! 仲間のフリをして、一人で笑ってたんやー!」 昼休みが終わる五分前。教室の男子全員は一人のクラスメイトを囲んでいた。 名を上条当麻という。 右手に『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を宿す不幸な少年。 学園都市第三位の電撃から神の御加護まで打ち消せる力を持つ彼はこれまでに数々の人知れぬ功績を生み出してきた。 一〇万三〇〇〇冊の魔道書を保有する少女の運命を、 無意識に吸血鬼の命を奪ってしまう少女の運命を、 実験で産み落とされ、殺されていくだけの少女たちの運命を、 右手一つで、絶体絶命の運命から救い出してきたのである。 だが、そんな彼の右手も現実では何の意味もなさない。 上条に抱きついた少女は、姫神と数人の女子生徒と一緒に教室の外に行ってしまい、残された男子生徒は一言も言葉を介さず、自分がなすべきことを理解した。そして行動に出た。 男たちの扉が今、開かれたのだった。 クラスメイトに囲まれた上条当麻はボロ雑巾のようにフルボッコにされ、漢泣きする青髪ピアスの鉄拳を喰らい、彼の意識は向こうの彼方へと飛んでいった。 そんな光景を、担任、月詠小萌は見たのである。 「どうしたのー、パパァ? 元気無いよ?」 真っ黒で、純粋そのものの瞳で上条を覗き込む少女。真っ黒な髪で、真っ白く燃え尽きたようにうなだれる上条。 ここは職員室の近くにある会議室。パソコン一台に、本棚にはクラブ活動に関する日誌。長方形の白いテーブルに、教室にあるイスとは2ランク高いオフィス用の椅子に三人が腰かけていた。 午後の授業は上条のクラスだったのだが、月詠小萌は「自習」と黒板に大きく書いて、現在は会議室で上条の対面に真剣な面持ちで座っていた。 「で、この子は上条ちゃんの一体何です?」 「俺にもサッパリで……」 視線も合わせず、下を俯く上条当麻。呼吸をするたびに体中に激痛が走った。クラスメイトの人たちはマジで殺る気だったらしい。 そして、上条の左腕を力強く抱きしめる少女は頬を膨らませた。またもや激痛が走る。 「もうっ! 何言ってるのー? パパはパパだよぉ!」 「………パ、パ?」 「そうだよ! 私のパパなのっ! ねー?パパ!」 上条は小萌先生を見た。体が小刻みに震えて何だか目が潤んでいるようにも見える。 「か、上条ちゃん?」 「いっ、いや、本当に知りませんよ……」 「えー!? パパ、大丈夫!? 私のこと覚えてないの? 昨日もママと一緒にお風呂に入って洗いっこしたじゃん!」 空気が死んだ。上条は再び小萌先生を見た。 「か、か、上条ちゃん?」 わたくしめにも全く身に覚えがないものでして、と言おうとして、上条当麻は口を噤んだ。 上条当麻は記憶喪失だ。 彼は七月二八日以前の記憶がない。 自分は無実だと信じたいだが、記憶がないために『上条当麻』は身の潔白を証明できないのだ。その上、今までの事件を振り返ると過ちが起きてもおかしくない事態に幾度となく遭遇したことがある。記憶が無くなる以前にも、同じような状況が起きていたなら、何らかの拍子で若気の至りを冒してしまったのかもしれない。そう考えると上条はますます塞ぎこんでしまった。 少女の顔を見る。 キラキラと輝く大きな黒い瞳に肩にかかるほどの黒い髪。白いワンピース一枚に赤い皮靴。日にあまり浴びていないような透き通った肌。成長すれば結構な美人になりそうだ。 ん? その顔をじっと見ていると、上条は誰かに似ているような気がした。顔の輪郭と目つきが知り合いの誰かに似ている。 そんなことを考えていると、 「ほ、ほほ、本当に、上条ちゃんの……娘なのですか? あ、相手の方は一体誰なんですかー!? し、しかもママと一緒にお風呂に入ったなんて、き、昨日も、なんて、じゃあ、いっつも上条ちゃんは、ふぅ~」 顔を真っ赤にした小萌先生はその場で気絶してしまった。刺激が強すぎる妄想は彼女の精神をパンクさせてしまった。 上条はもう一度、少女を見た。 「……あのさ」 「ん? なぁに? パパ」 「もう一度確認するけど、俺の、娘、なんだよな?」 「うんっ! 私はとうまパパの娘だよっ!」 とびきりの笑顔で返事をする娘。幼い子の笑顔は、なんて可愛らしいのだろう。 「……そうか、そっか」 「もーう、パパったらー、何か今日はおかしいよ? 風邪でもひいたのー?」 上条当麻は『以前の自分』に一言、言ってやりたかった。 アンタ、スゲェよ、と。 4. 午後の授業を抜け出した上条は、第七学区にある大きな公園に来ていた。 上条はベンチにぐったりと腰かけ、青空を見上げていた。 隣には美味しそうにアイスを食べる白帽子の少女。初め、垂れたアイスクリームが白いワンピースを汚さないか冷や冷やしていたが、食べ方を見る限り大丈夫そうである。上条の思考は止まっていた。先ほど買った抹茶アイスが七〇〇円だったことがショックなのではない。 「ねえ、パパも食べる?」 自分をパパと呼ぶ、『上条ミカ』と名乗る少女が原因だった。 クリクリとした大きな黒い瞳に黒髪のショートヘアーの可愛らしい少女。つばの長い白い帽子に純白のワンピース、着色されたリンゴのように赤い皮靴を履いている。 もちろん今の上条の記憶には無い。乙姫のように「お兄ちゃん」と呼ぶ親戚はいたが、流石に「パパ」と呼ぶ知り合いはいなかった。 というか普通はいないと思う。かつての上条当麻は一体何をしていたコーコーセーなのか、恐怖すら感じていた。 「な、なあ、ミカちゃん」 アイスを舐めながら、少女はこちらを振り向いた。 「もへ? なあに? パパ」 「……ママは、何処にいるんだ?」 そういうとにんまりと笑った少女は、ミカと名乗る少女は言った。 「あともうちょっとで来ると思うよ?」 太陽のように輝く笑顔。日差しが照らす少女の笑顔はとても可愛かった。上条は思わず見惚れてしまう。口の周りに付いた抹茶色のクリームをハンカチで拭きとった。インデックスの対応とはうって変わり、優しくその頬を触る。ハンカチごしに伝わる柔らかさは心地良かった。 「えへへ、ありがとう。パパ」 上条は無意識に頭を撫でていた。そんな自身の行動も驚きつつも、上条はそれを受け入れていた。これが子を持つ父親の愛情というやつな―――――――――――――― 「上条さん?」 唐突にそんな言葉を投げかけられた。 慌てて正面を見ると、そこには二重まぶたが印象的なショートヘアーの女の子がいた。 「い、五和? 何故ここに?」 縞模様のタートルネックネットにベージュ色のジャケット、紺色のデニム素材のジーンズ。豹柄のベレー帽を被った五和がそこにいた。頬を若干染めつつ、慌てた素振りで上条を見ていた。 「お久しぶりです。あ、あの今日はですね、あ、ええっとぉ……」 「あ、五和お姉ちゃん!」 と、少女はアイスをベンチに置くと、五和の足にしがみ付いた。いきなりの行動に二人は驚く。 「おいっ、ミカちゃん。五和を知ってるのか?」 「うん! ママの友達だもん!」 「えっ、あ、えと、ママ?」 「………何だ、天草式の仲間の子だったのか。その子」 「え、ええっ!? そうなんですか? 私、知りませんよ?」 「は? でも、ミカちゃんは五和を知ってるみたいだぞ?」 「……この子、『ミカちゃん』っていうんですか?」 訝しげに五和は少女を見て、腰をかがめた。頭を撫でながら、笑顔で五和は少女に問いかける。 「ねえ、ミカちゃん。パパとママのお名前は分かる?」 至極当然な質問。しかし、少女は奇妙な顔つきで大きく首をかしげていた。白い帽子が風に揺れる。 「何言ってるの? ママはママしかいないじゃん」 「ごめん。ミカちゃん。お姉ちゃんド忘れしちゃった」 少女の目の前で手を合わせて片目を瞑る五和。こういうやり方もあるのか、と上条は五和の臨機応変さに感心していた。上条も幾度となく母親の名前を聞いたのだが、上手くはぐらかされていた。幼稚園程度の少女に話しをはぐらかされる上条の話術も問題はあるが、もしも本当に彼女が上条の娘だったならば、母親の名前すら知らないというは不自然なので、それ以上追及できなかったということも事実である。 「ママの名前は―――――――――」 その時、少女の声を遮るように五和の背後から、聞き覚えのある女の声が聞こえた。思わずその声に五和と上条は振り返る。そこには―――――――――― 「―――――――――捜しましたよ。上条当麻」 「あ、神ざ……」 「あ、ママ!」 この瞬間、世界が止まった。
https://w.atwiki.jp/deruta_sanbaka/pages/85.html
夜は更けてついにハワイ最終日。 某映画監督に捕まったりして一日無駄にした8人は今日はハワイを楽しむことに専念する。 「お買い物したーいってミサカはミサカは提案してみる」 「そうだね。買い物なんて出来なかったし私もしたいな」 「私は当麻といれれば何でもいいけど」 「今日は○○(青ピ)さんがなにか買ってくれると仰ってたので私もお買い物をしたいですわ」 女性陣の意見もありそれぞれのカップルで散策することになった。 ~一方通行組~ 「あれが食べたーいってミサカはミサカはおねだりしたリ。」 「わァったよ。」そう言って財布を取り出すか取り出さないかのうちに 「やっぱりこっちが良い!!ってミサカはミサカは変更したり。」 「…ホント、おめェの人生って寄り道ばっかだなァ……」 振りまわされる。 のを実は意外に楽しんでたりする。 ~土御門組~ 「なんかほしいもんあるかにゃー?」 「えーとねー、うーんとねー」 「にゃー?」 「これもいーなー、あれもいーなー」 「・・・?」 「あ、あれもいいかも。あーでもなー」 「にゃー!これなんかどうだにゃー」 雪の結晶のマークの中にハート型の石がはめ込んであるネックレス 「いいかもー、でもこんな高いものいいの?」 「いいにゃーいいにゃー(どうせ必要悪の教会からだすにゃー)」 「ありがとー」ちゅっ こっちも楽しんでいた ~青ピ組~ 「んー、これもいいですわね。」 「そうでっか、そんなら…」「いや、こちらも捨てがたい……」 「……」「これはこれでイイですし……」 「あーもう!!!これでどうやっ!?」 その手にはごくありきたりな、十字架のネックレス。 宗教的・魔術的な意味は全く含まれていない。 ここ重要。 ありきたりのとはいってもなかなかしっかりした立派なもの。 「えーっと…嬉しいのですが…その…大丈夫ですの?」 おもにお財布的な意味で。 「ええねんええねん。こういうのにケチつけたらあかんねん。」 「ありがとうですの。では……」 そういうとためらいがちに近づき、 チュッ とうとう… 青ピ硬直「へ?」 「へ?じゃありませんの。昼間私のファーストキスを奪いましたし、一緒に寝ている時点でこういうことですの。」 顔真っ赤にしている二人。 ~上条組~ アクセサリーショップの中にいる。 「これなんかどうだ?美琴に似合うと思うぞ」 「いいんだけど金属はちょっと...」 「じゃあこれは?」 上条が出したのは稲妻の形をしたストラップだ。ハワイと稲妻の関連性はほぼ皆無に近いがとにかくあったのだ。 「いいわねそれ。当麻も買おうよ」 「俺には似合わないんじゃ」 「稲妻よ。電気よ。似合わないわけないじゃない!似合わないんだったら私も似合わないってことになっちゃうじゃない」 「そんなことはありません!!美琴とこれは一緒じゃねえよ!でもまぁ、同じのってのもいいかも」 結局2人はそのストラップを購入した。 その後も色々な物を2つずつ買って持ちきれないほどにおそろいの物が増えた。 買い物終了後 「わー美琴ちゃんいっぱい買ったねー」 「実は全部当麻とおそろいなの」 「すごーい」 土御門が青ピの顔を見て 「あれ?○○(青ピの本名)なんか顔赤くないかにゃー?」 「べ、別にキスとかしてへんぞ////」 「ば、バカですの、自分で暴露して////」 「そんなことがあったにゃー」 打ち止めは打ち止めで 「うぅ、とミサカはミサカは嘆いてみる」 「どうした?」 上条が聞くと 「ほしいもン変更しすぎて何も買ってねェンだよォ」 「そりゃあ残念」 ふと、ここで疑問がひとつ・・・ 「ところで、いつの間に打ち止めが?」 「「「「「そういえば!!」」」」」 「縛られてたはずじゃなかったかにゃー」 「自力で脱出した!ってミサカはミサカは自慢ポコッ」 「夕食の後、オレが解きに行ってやったンだよォ」 「「「「「「さすがロリコン」」」」」」 「ロリコンじゃねェっつってんだろォ!」 そんな会話をしながらホテルへ向かうと・・・ 「土御門と白雪は結構いい感じだな」 「にゃー 至福のひと時を過ごしたにゃー」 白雪は少し頬を紅色に染めて土御門と腕を組みながら 「土御門君…」 となんだかラブラブな雰囲気 「もー当麻。私たちも負けられないんだら!」 と御坂は強く上条の腕に抱きつくが、皆はなぜか目をそらす 「ん?」 と上条は不思議に思うが深追いはしない。 その時 ちょうど同じように荷物の山に埋もれつつ、運んでいる父親2人と、 それを従えて手ぶらでおしゃべりしている母親2人に出くわした。 それを見ながら4カップルの男どもは言う。 「「「「ああいう風にはなりたくねえな(ァ)。」」」」 そういいつつ、実際はもうすでに荷物運びになりつつある。 すると件の母親のほうから声をかけてきた。 「あらー、美琴ちゃん偶然ねー。」 「ホントに偶然?」当然のごとく疑う美琴。 その時、声を出そうとしたかバランスを崩しかける旅掛。 「危ない!お義父さん!」 フラグ発動。この手の親切によって建てられるフラグは老若男女をとわない。 結局 「す、すまないね当麻君。」 美琴の父親とも仲良くなってしまった上条当麻。 ちなみに彼の父親は旅掛に倍する量の荷物のために口も手も出せず、母親はニコニコと眺めているだけであった。 そして残る6人は 1 )) 上条のあの素晴らしい発言のために悪意なくこう思った。 その後、当麻は旅掛の部屋まで荷物を運んだまましばらく話しこんだ後に美琴が待つ部屋に帰ってきて…… 「……当麻、酒飲んだでしょ?」 「ふにゃー。なんかちゅきはえ見たいな話になってこちょわれにゃかったにょでしゅよー。」(なんか付き合えみたいな話になって断れなかったのですよー。) ろれつが回っていない。 そして 「おやすみー。」バタン 美琴との会話もそこそこにベッドへ倒れてそのまま寝てしまった。 美琴の方は(?????) 酒まで酌み交わした父親の対応に納得がいかない。昼間は話もそこそこに当麻に引きずられて去ったため怒っているに違いないと思っていたのだが……。 その時美琴の携帯が鳴った。 「にょわっ!」当麻を起こすとまずいため慌てて電話をとる。 相手は美鈴 「ちょっと母。急に電話しないでよー。」「ゴメンゴメン、でも報告しないとねー。」 「????」「父さん、当麻君の事気に入ったみたいよ。」 「マジで?昼間途中で飛び出したのに?」「ははー。そういうことかー。」 「は?」「ん、何でもない。後それと日本帰ったら何か連絡するかもよー。」 何でもないと言ったのは実は旅掛、美鈴との結婚の際、似たように手を引っ張って話を切り上げた事があるのである。 それと連絡と言うのは気の早い「新居探し」の件である。 「じゃーお休みー。」「ちょっ!」 美琴が何か言う前に電話は切れた。 「まあいっか。私もつかれたし。寝よ。」 最終日もかくて終わる。 翌朝………、
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/940.html
「何だよ!? 何なんだよお前!? 俺とエンゼル様の邪魔する気か!?」 火野は拡声器でひっくり返った声を撒き散らした。 「いいか? 妙なことをしたら、この子供の頭をぶち抜くぞ! こいつはボタンを押すと人が殺せるという不思議な道具なんだぞ!」 小萌のこめかみに拳銃のようなものをあてがい、喚く。 「そんなことはさせない! とう!!」 削板は、跳んだ。 高さ80メートルはあろうかというジェットコースターのコースの上から。 そして、50メートルはあろうかという驚異的な距離を越えて、何故か火野のいるゴンドラに飛び乗りこんだ。 「その子は撃つな!! 撃つならオレを撃て!!」 パーン 本当に撃つ火野。 弾は確実に削板の胸板へと直撃した。 ――はずなのだが。 「……痛え」 「ッ!?」 「痛え……が、響かねえ……!」 「な、何だお前!?」 削板は倒れない。 なぜならば。 「そんな根性のこもってない一撃は、オレの胸には響かねえんだよ! いいか……根性ってのは、こうやって示すんだ!!」 思い切り、拳を振り上げる削板。 訳の分からぬ悪寒に襲われ、火野は悲鳴を上げた。 「すごいパーンツ!!!」 「ビブルチッ//」 88 :1 [saga sage]:2011/03/07(月) 23 35 18.23 ID Awa8dqWO0 すいません間違えました 「すごいパーンチ!!!」 「ビブルチッ!?」 不思議な声を漏らし、火野は足元から崩れ落ちた。 「あ、あ、ありがとうなのですよ……」 小萌は半ば呆然としながら礼を告げる。 「ふふん、いいってことよ」 こうして、事件は幕を閉じた。 「――ってミサカはミサカは締めくくってみたり!」 「なんじゃそりゃ!?」 遊園地から少し歩いた所にある、小さなカフェ。 無事帰って来た打ち止めと、上条は話し合っていた。 黄泉川は事件の事後処理で遊園地に残っている。 御坂妹がネットワークに繋げなくなっている事について訪ねてみると、 彼女は小さな顔を下に向けて、悲しげに言った。 「ミサカネットワークを切断したのはミサカなの、ってミサカはミサカは告白してみる」 話を詳しく聞くと、原因はある一体のミサカなのだという。 「ミサカ19090号……って言っても、あなたには分からないかもしれないね。 他のミサカよりちょっぴりスタイルのいいミサカなんだけど、その子がウイルスに犯されてしまったみたいなの。 会って確かめてはいないから詳しいことは分からない。でも、共有されたあの感覚はすごく覚えがあった。 ミサカがすぐに気付いてネットワークを緊急停止したんだけど、 話を聞く前にどこかへ行ってしまったみたいなのってミサカはミサカは結論を述べてみたり」 「じゃあ、御坂妹だけじゃなくて、全員ネットワークに繋がっていない状態なのか?」 「うん。ミサカが許可を出せばすぐに復旧できるけど、 その前に19090号を助けてあげないと、ウイルスが他のミサカにも感染しちゃうかもしれないからって ミサカはミサカは歯がゆい思いで足踏みしてるの」 「つまり、19090号を見つけなきゃ妹達全員が大変だってことか……」 「あの子は学園都市にいるはず。だけどネットワークが無いとミサカには見つけられなくて……って ミサカはミサカはいざという時の自分の役立たずっぷりに落胆してみたり……」 普段は天高くそそり立つ立派なアホ毛がしぼんでいる。 どうやら本当に落ち込んでいるようだ。 「何だ、学園都市にいるなら簡単だよ。な? スフィンクス」 上条は、にっこりと、少し遠くをあるくスフィンクスを振り返った。 スフィンクスが少し遠くにいるのは、打ち止めが近くにいるからだ。 「……にゃー」 スフィンクスが警戒心をあらわにして鳴いた。 「どういうこと? ってミサカはミサカはあなたの自信満々な顔を疑いの眼で見詰めてみるんだけど」 「俺にはソニャーがあるからな。近くにいる妹達を見つけるならお手の物だ」 「な、何? ソニャーって? って、ミサカはミサカはかわいらしい響きにときめいてみる!」 「ふふん、それはな……」 上条がソニャーの効能について説明しようとしたその時、 彼は気が付いた。 「いやあ、やっぱり夕方のコーヒーは体に滲みるね?」 「ほのかな甘さが疲れをほぐしていくぜよ」 すぐ後ろの席に、カエル顔の医者と土御門がいた。 「ウオ――――――――イ!!!」 「何だ? かみやん。店内では静かにするぜよ」 「過ぎたおしゃべりはマナー違反だよ?」 冷静に指摘する2人。 しかし、これが黙っていられるか。 「先生、あんた行方不明じゃなかったのかよ!?」 「自分で自分を行方不明と振れ回った覚えはないよ?」 「一週間も何しにどこへ消えてたんだ?」 「患者を探しに。いつものように往診に行ったら姿が見えなくてね?」 「何で土御門とお茶してるんだ?」 「偶然会っただけだよ。どうやら危険な場所から自分で脱出したみたいだね?」 疑問符ばかりの会話が出来上がった。 「かみやん。まだまだ全然救助できてないみたいだな。 小萌先生の件も知らないヒーローにいいとことられたみたいだし」 「知りすぎだろお前は……」 土御門は元気そうだ。 救助リストの彼の名前にチェックを入れようとした、その時だった。 曲がり角の陰から、突如として謎のキャンピングカーが現れ、 中から出て来た黒ずくめの男達に、土御門が羽交い絞めにされた。 「うわあああ! またさらわれてるところだにゃーッ!! 助けてかみやーーん!!」 「やだ」 土御門を無事送り出したところで、上条は今後の方針を決めた。 何かというと事件に巻き込まれる打ち止めを連れ回すのは得策ではない。 カエル顔の医者に彼女を預け、ソニャーで19090号の捜索をするのだ。 そうと決まれば話は早い。 上条は再びスフィンクスをしっかり捕まえると、彼女が嫌がる方向へと進む。 「にゃー……に(中略)ャ―――ッ!!!」 「お、見つけたな。おーい! お前が19090号か?」 「そうです、私が13577号です、とミサカは自己紹介します」 「う……」 「フギャ―――ッ!!!」 「19090号か!?」 「はい。あなたの10039号です、とミサカは自己紹介します」 「そ、そうか……」 「フギャ―――ッ!!!」 「19090号! 見つけたぞ!!」 そこには、誰もいなかった。 orz 打ちひしがれる上条の耳に、小さな電子音が聞こえて来た。 携帯電話を確認すると、病院に預けた打ち止めから発信されている。 「もしもし」 『はーい、打ち止めでーすってミサカはミサカは元気に名乗ってみたり!』 「分かってるって。どうした?」 『あのね、19090号なんだけど……』 「何か分かったのか?」 『具合が悪いからって、自力で病院に来たよ』 「…………」 上条の体から何かが抜けた。 膝から崩れ落ちる。 目線が低くなって気が付いた。 「……打ち止め」 『なあに? ってミサカはミサカは聞き返してみる』 「一方通行が落ちてる」
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/347.html
【種別】 あだ名 【初出】 四巻 【解説】 土御門が神裂火織を呼ぶ際に使用するあだ名。 恐らく元ネタは、 「年上の女性」 ↓ 「年上だから→姉」 ↓ 「姉(あね)」 ↓ 「姉ちゃん(ねぇちゃん)」 ↓ 「ねーちん」
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/968.html
(1.) 上条当麻の日常を打ち壊したのは昼休みに姫神秋沙から掛けられた一言だった。 「上条君。これ食べてみて」 「え?姫神。どうしたんだ、この弁当?」 「味見して感想を教えてくれると嬉しい」 「ホントに?それじゃ、いただきまーす」 エビの天ぷらをほおばろうとした上条だったが、右手首をホールドした青髪と チョークスリーパーを極めた土御門に動きを止められてしまった。 「カミやん。一人だけ姫やんの愛妻弁当にありつこうなんて酷いんとちがう?」 「そうそう。 モテない俺達の前でイチャつこうなんて人の道を外れた所業とは思わないのかにゃー? それともカミやんは俺達の心の傷に塩を擦り込んで嬉しいのかな?」 「ホンマ。僕らを友達と思っているならお弁当の独り占めなんてありえへんよ」 「ゲホッ、テメーら俺を殺す気か?これは姫神が俺に味見してくれって言ったんだぞ」 「いいよ」 「「「え?」」」 「土御門君も青髪君も食べて感想を聞かせてくれると嬉しい」 「じゃあ、このエビ天は僕が頂きーっ。パクッ」 「こら!それは俺が今食べようとした……」 「カミやん、スキあり!」 「返せ!土御門、そのかき揚げはエビ天の次に食べようと……」 「カミやん。食事中によそ見するなんて行儀悪いなぁ。 あっ、このサツマイモもごっつぅ美味しいわぁ」 「こら!」 「そうそう。行儀が悪いと女の子に嫌われるぜよ。 おっと、このイカ天は頂きなんだにゃー」 「テメーら!俺の分が無くなるじゃねえか」 最後に残ったタマネギの天ぷらを巡る3匹の野獣の最終決戦(アルマゲドン)勃発を 防いだのは吹寄制理の鉄拳制裁であった。 「止めんか!この三バカども!」 「痛てっ!吹寄、何しやがる」 「貴様ら!秋沙にお弁当の感想を頼まれたのだろう? なら、じゃれ合ってないでさっさと感想を言いなさい」 「アー。姫やん、エビのプリプリ感は最高やったわぁ」 「それに、かき揚げのサクサク感もたまらんかったぜよ」 「このタマネギの甘みも申し分ないし。 姫神、また料理の腕を上げたんじゃないのか?」 上条達の絶賛の声とは裏腹に姫神秋沙は暗い表情して考え込んでしまった。 「上条君。今日のお弁当変じゃなかった?」 「いや、前に食べさせてもらった天ぷら以上の出来だったぞ。 しかしこんな手間掛けて弁当を作るんだったら姫神は一体いつ起きてるんだ?」 「…………」 「どうした?姫神」 「実は。今日寝坊した」 「へー。寝坊してもこんな弁当が作れるんだ。すごいな」 「だから今日のお弁当は私のじゃない」 「じゃあ、だれが?」 「わからない。寝坊して起きたときにはテーブルの上に何故かこの弁当があった」 「へっ?……っということはさっきのは味見じゃなくて……」 「そう、毒味よ!」 「吹寄、テメーの入れ知恵か!」 「良かったわね、秋沙。どうやらこのお弁当は秋沙への嫌がらせじゃ無かったようね」 「こらっ、吹寄!その前に実験台にされた俺達に何か言うことはないのか?」 「文句ある? さっきあんた達、美味しい美味しいって食べてたわよね。 それなのに私に文句があると言う訳?」 「うっ、……ありません」 「最近私の周りで変なことが起こるの」 「え?何だって?」 「今日のお弁当もだけど。 一昨日も寝ている間にハンカチにアイロンが掛けられてあった」 「だから私も最初は秋沙をストーカーする変質者がいるのかと思ったんだけど」 「子供達の蹴ったボールが私に飛んできた時も、当たる寸前何かに弾かれたり……」 「なんだか守護天使みたいだけど、正体が分からないと秋沙だって不安でしょ。 だから今日のお弁当はあなた達に協力してもらったわけ」 「おい、土御門」 「おうよ。カミやん」 「ちょっとトイレに付き合え」 「了解ぜよ」 守護天使の正体に心当たりのある二人は不審の目を向ける三人を無視して教室を出て行った。 「土御門、『癒之御使(エンゼルフェザー)』ってやつは家事もできるのか? それともお前、まだ俺に何か隠してるんじゃねえのか?」 「俺も知らねえぜよ」 「それに姫神は自分の能力をまだ自覚していないのか?」 「最初の時は姫神自身が気を失っていたから、まだ自覚してないかもな」 「それじゃ、守護天使の正体が『超機動少女カナミン』だってことも……」 「知らないだろうな」 「知ったらショックを受けるかな?」 「……多分」 「どうしよう」 「まあ、これはカミやんの問題だからな。俺っちは知らぬ存ぜぬで押し通すぜよ」 「こら!土御門。逃げるんじゃねえ!」 (2.) 土御門に逃げられ、一人で帰ってきた上条を心配顔の姫神秋沙が迎えた。 「上条君、大丈夫?私のせいで……」 「へ?何のこと?」 「だって、お腹を壊したんでしょ?」 「いや、さっきのトイレはそんな事じゃなくて……」 「安心しなさい。上条当麻。 そんな訳だから、今日の夕食は私と秋沙が作ってあげる」 「どっ、どういう理論展開したらそんな結論にたどり着くんだよ」 「それは私達の手料理なんか食べられないって意味?」 「いやそんな訳じゃ……」 「なら決定ね」 「…………はい」 「あのー、吹寄さん。僕も一緒に毒味をしたんやけど」 「うるさい!そんなものは気力で直しなさい」 「なんで……なんでいつもカミやんにだけ美味しい展開があるんや。 神様はそんなに僕が嫌いなんか? ちくしょーっ、夕日なんか大嫌いやーーーっ」 「あいつ、まだ昼だぞ。どこまで走っていく気だ?」 青髪ピアスを欠いたまま午後の授業も滞りなく終わり下校時刻がやって来た。 上条は姫神秋沙と吹寄制理に連れられてスーパーマーケットまでやって来た。 もうすぐ特売タイムらしく入り口付近は結構混雑していた。 「あの、上条さんの経済状態は芳しくないので高級な食材を買われると……」 「大丈夫!貴様は大船に乗った気でいなさい」 「えっ、吹寄。まさか奢ってくれるの?」 「足りない分は私が貸してあげる。利子は取らないから安心しなさい」 「…………」 特売タイムへの突撃体勢を整えつつあるクラスメイト二人の後ろで上条は大きなため息をついた。 そんな上条に聞き覚えのある声が掛けられた。 「あっ、いたいた!ちょっとアンタ」 「よっ、御坂か。どうした?」 「どうしたじゃないわよ? この前レストランで美味しい食事をしようて言ったのに。 それがなんでマク○ナ○ドのハンバーガーになったのよ!」 「バカ野郎、それでも俺がなけなしの金で奢ってやったんだろうが? お前だって『意外と美味しいかも』ってしっかり完食したじゃねえか」 「あれはアンタが奢ってくれたからつい嬉しくて……って、そんなことを言ってるんじゃない。 あんなんじゃ、私は全然納得しないからね。 埋め合わせはキッチリとしてもらうわよ」 「あのなーっ」 「どうしたの上条君?……あれ、貴女は?」 「うっ、あなたはこの前の……姫神秋沙さんでしたっけ?」 「嬉しい。名前を憶えていてくれてたんだ。 私達これから夕飯の買い出しなの。じゃあ上条君行きましょ」 姫神秋沙に右手を引っ張られる上条の左手を御坂美琴はムンズと掴んで引き留めた。 「ちょっとアンタ。その女(ひと)が右手なら私は左手だって前にも言ったでしょ。 なんで勝手に行ってんのよ。私も一緒に行くわよ」 「え?」 上条の疑問の声は無視して、目の前に現れた敵(姫神秋沙)に対して 美琴センサーが敵戦闘力のスキャンを開始した。 (この女(ひと)、美人よね。 肌は透き通るほど白いし、髪も黒くてツヤがあるし。 身長は同じぐらいか。 体形は…………くっ、私よりスリムかも。 それなのに胸は私より大きい…………でも 私だって後2年あればあの位には。そうよ、私には輝く未来があるもの) どうやら美琴センサーは敵戦闘力が自分以上ではあるものも逆転可能な差であると判断したようだった。 しかし、そんな御坂美琴の思考を遮るように新たな敵戦力が出現した。 人混みの中から顔を出した吹寄制理が上条に話しかけてきた。 「何をしている?上条当麻。 なんだその子は? 常盤台中学の制服……貴様は中学生にまで手を出しているのか?」 「バカ言うな。吹寄」 (また美人が……、一体コイツの周りには何人の強敵が……) 新たな敵戦力をスキャンし始めた美琴センサーは驚愕の戦闘力をはじき出してしまった。 「(くっ、この胸は……母さんより大きい。トップ93cmのFカップ……) ハハッ、いっ、いい気になってんじゃないわよ。 いっ、今に見てなさい。私だっていつか……、うわあぁぁーーん。」 御坂美琴は泣きながら走り去ってしまった。 どうやら吹寄の胸は御坂美琴の『輝く未来』という幻想すら打ち壊してしまったようだった。 「一体何があった?上条当麻」 「さあ?俺達何もしていないハズなんだけど……」 その夜、常盤台中学学生寮208号室にて 「おっ、お姉様。一体どうしたんですの? 牛乳パックを一気飲みなさるなんて。 しかもその買い物袋一杯に一体何パック買って帰られたのですの?」 「うるさい!黒子。 これは女と女の意地を掛けた戦いなの。絶対に負けるもんですかーっ」 つづく……と思います。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/551.html
【種別】 オカルト 【初出】 四巻 【解説】 四巻にて火野神作のエンゼルさまに付いて土御門が語った単語。 自動書記の類で、プランシェット自体はこっくりさんに近い意味を持つらしいが詳細は不明。下記を参照。 【備考】 プランシェット