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体育館の扉を開けると、逆方向の扉の前でピクリとも動かない新入生達の山、そして中央でポーッとしてる女性を発見した真夜。 新入生達の山は無視し、ポーッとしてる新入生に声をかけた。 「すみません、大丈夫ですか?」 「……へっ? あ、ああっ! し、失礼しました……えっと新入生達は一人残さず気絶させるということは私もでしょうか? い、井ノ原真夜さん」 「僕の目的の一つ、それに僕の名前を初対面で知り得たということは貴女は心理掌握さんですね」 (大した洞察力ですわね……。しかももの凄く怒ってらっしゃるのに思考は全く乱れていないどころか冷えすぎている。けど……) 今の真夜の洞察力と落ち着いた態度に驚く心理掌握だが、彼女が一番驚いているのは別のことだった。 物思いに耽っている心理掌握にまたもポーッとしたと勘違いした真夜は心理掌握を心配する。 「大丈夫ですか? 具合が悪いようなら保健室へ」 「お気遣い感謝いたしまますわ。攻撃なさるのならその前に一つ答えて下さい。答えてくれるのなら私は抵抗致しませんので」 「僕で良ければ。ですが貴女の満足のいく答えを出せる保証はありませんよ?」 「ええ、構いませんわ。私が変わる為には必要なことですから。では……貴方は異性に恋する時、何を好きになるのですか?」 目の前の少女なら自分の心を覗くだけで解決出来ると思った真夜、しかしそれをしなかったことを受け、自分なりの考えを心理掌握に告げる。 「ありきたりなことを言うなら心、なんでしょうけど僕の場合はそれらをひっくるめた『全部』です。可愛い所も怖い所も強い所も弱い所もその他諸々の『全部』です」 「短所も、ですの? 短所や欠点なんて好きになる価値など無いと思うのですが……」 「いい所だけを見ようとするうちは違うと思います。僕にとっては短所も欠点も全て受け入れて好きなんですよ。僕の頭を覗いて下さい、彼女達が僕の恋人です」 心理掌握は言われるがままに真夜の頭の中を覗くと、そこには真昼と赤音の姿、しかも時折真夜がいじられてる姿さえも見受けられる。 しかし真夜の幸せそうな顔を見た心理掌握は一つの答えを得ると、彼の頭の中を覗くのを止めるとスッキリした表情に。 「何となく……分かったような気がします。私に足りなかったのは『相手そのもの』を知ることだったんですね。それにしても実の姉を含めた三人の恋人関係、いい趣味をお持ちのようで」 「よく理解してますよ、その辺りは。さて、これで貴女からの質問には答えました。では、行かせてもらいます」 ここでの用事をほぼ終えた真夜、素早く心理掌握の後ろに立った。 真夜の意図をすでに理解している心理掌握は覚悟を決めていた。 「他の新入生達と比べて貴女は潔いので手加減させてもらいます。それに有意義な会話をさせてもらいましたから」 「井ノ原先輩、貴方のような心に全く嘘の無い人に出会えて良かったです。これを機に私は変わり、そしてアク様を一から知ろうと思いますわ!」 「アク様が誰か心当たりがあります。もし良ければ相談相手程度にはなりましょう、味方にはなれませんけど。では心理掌握さん、いずれまた」 そして真夜は延髄に手刀を一発入れて心理掌握を気絶させ、そっと横たえるとグラウンドに向かっている三人の新入生を追いかけるのだった。 その頃のグラウンド中央、上琴によるハイドマン&クレイウーマンへの尋問が続けられていた。 ただしどこかの性質の悪いチンピラのような因縁の付け方(主に当麻)に土白、一方通行、インデックス、ステイル、神裂、シェリーはドン引き。 初春だけはそんな上琴でもドン引きしていないが、二人の魔術師が壊れてしまわないか本気で心配していた。 「……こんなバカな計画出した奴は誰だ?」 「……あの、本当に勘弁してください!!助けてぇ!!」 「……さっさと吐きなさい。それとも違う意味で楽になりたい?」 二人は拳と、電撃をバチバチいわせながら立っている。ただそれだけなのに後ろから殺気が見える。 それに耐えられなくなったクレイウーマンは、 「……わかった。私の袖から通信用の霊装を出してくれ」 そう言うとステイルがゴソゴソとクレイウーマンの袖から通信用の霊装を取り出した。 それは見た目はただのしおりの様に見えたが、この通信用の霊装に何か特別なところに繋がるのだろうか? 「……私達の幹部達に繋がる霊装だ。後はそちらに聞け」 クレイウーマンがそういった瞬間、通信用の霊装が光り声が聞こえた。 『お前ら……捕まったのか?』 その声は低く、ワイルドな印象がある声だった。 「すいませんスカルさん!!私たちじゃ手も足も出ませんでした!!」 どうやらその声の人物は上の人間らしい。……偽名にしてもスカルはどうかと思うが。 そして上条が何かを我慢出来なかったしく、大声を張り上げる。 「テメェか!!俺と美琴の愛の巣をぶち壊そうと考えたバカは!?」 『……状況からして幻想殺しか?だが残念ながらそれは次の神がきめちまったことだ。俺にはどうもできねぇよ』 「次の神だ?ふざけんな!!そんな戯言に付き合ってる暇はねえ!!テメェらの目的は何だ!!」 『あ?いやぁ……今の神を殺して俺達が神になろうとしてるだけだが?』 ………………………………………………………………あれ?なんかあっさり言っちゃった? 本当に軽く言うもんだから一同例外なくずっこけた(初春、クレイウーマン、ハイドマンも含む)。 しかもその目的がかなりぶっ飛んでいた。まあ魔術師と言うのはそんな物だが。 そんな中、向こうから違う声が聞こえた。 『……スカル、君はまたうっかりミスかい?』 『え?最後にはわかるしいいんじゃないか?』 『……スカル、君にはお仕置きが必要だ。ハードボイルドは夢のまた夢だと思え』 『ちょっと待って相棒!?ここで神の術式をポンポン使うな!!』 『……君だけには言われたくな―――ブチ』 ………魔術的回線は向こうから途切れ、霊装の光は消えた。 何だかシリアスな場面で、コントを出されても困る面々だった。 そんな時、新入生達の最後の生き残りの三人がグラウンドに降り立ち、当麻達を襲わんと向かってきた。 当麻達はすぐさま魔術師二人を隠し、自分達で蹴散らそうかと思っていたが体力とか色々と限界だったので軽いピンチに。 ネセサリウスメンバーが戦うわけにもいかず困っていたがその三人が「がっ!」「うぐっ!」「ぐえっ!」と呻き声を上げてその場に崩れ落ちる。 「ふうっ、何とか間に合いました。当麻くんも元春くんも一方通行くんも月夜さんも無事で何よりです」 「し、真夜? ど、どうしてここに? ていうか何その喋り方?」 「新入生の方々が騒いでいたせいで真昼さんと赤音さんの安眠が妨害されたので彼らを全員黙らせようかと。喋り方は気にしないで下さい、単に僕が怒ってるだけですから」 新入生三人を気絶させた真夜に感謝した当麻達だったが、それ以前にボロボロの制服とか普段と違う様子が気になってしょうがない。 次に真夜からもたらされた情報は当麻達にとっては大変喜ばしいことで、それは同時に真夜の限界も示していた。 「これで新入生達は全員気絶ないしは行動不能になりました。理后さんから聞いた確かな情報です」 「そっか、これで俺達も無事に帰れそうだにゃー♪ 新入生達も今回の全滅で俺達に対する態度を改めてくれると助かるぜい……い、井ノ原弟?」 安堵していた土御門だが突然倒れた真夜に驚き、当麻達と一緒に駆け寄った。 心配そうに見つめる当麻達に対する真夜の答えに当麻達はただただ呆れることに。 「あー……うん、ごめん。新入生達が、ぜ、全滅したって改めて思ったらさ、怒りが消えただけだから。おかげで我慢していたものがい、一気に……」 「我慢? 一体何を我慢したってンだァ?」 「そ、それがさ、む、麦野さんから、う、受けた傷が……。傷自体は、か、回復したんだけど、能力、なのかな? 今、す、すっごくあ、熱いんだ……」 「つまり井ノ原くんが今まで動けていたのはその怒りとやせ我慢のお陰?」 そう、今まで麦野の閃光のアームの一撃を喰らって後遺症とも呼べる焼けるような痛みに平然としていたのは単に怒りが痛みを凌駕していたこととやせ我慢のお陰である。 ちなみに既に怒りは霧散している状態なので真夜の喋り方とかもいつも通りに戻っていたりする。 月夜の問いに黙って頷く真夜を見て当麻達は思った、こいつも相当なバカなんだと。 「てっきり俺は能力を使っている間は痛みすらも感じないと思ってたぞ」 「上条、そ、そんなわけ、無いから……。能力でし、身体能力がアップしてもい、痛みは、か、感じるぞ……」 「カミやんカミやん、そろそろ休ませた方が良さそうだぜい。第四位の攻撃喰らってんだ、喋ってられるのも限界だと思うぜよ」 「そ、そうしてく、くれるとた、助かるな……。そ、そろそろね、眠りたいし……。あ、あと、体、冷やしてく、くれるとう、嬉しい……な」 真夜が気を失う前に頼んできたことをやったのは月夜だった、ただし瞬間凍結ではなく首より下を雪で埋め尽くす形で。 「どうやらそちらの厄介ごとは全て片が付いたようだね。じゃあ僕達の抱えている厄介ごとを片付けるのを手伝ってもらえるかい?」 真夜が完全に意識を失ったことを確認したステイルが、ハイドマン&クレイウーマンの処遇ならびに二人の属する魔術結社への対処方法を求めてきた。 そこに初春の携帯が鳴った、相手は先程メールを送った相手のうちの一人、フィアンマだ。 『先程のメールだが、俺様が思うに上条当麻はまた大きな不幸に巻き込まれたな』 「どういう事ですか?」 『なあに、そのままの意味だ。スカルって魔術師はローマ正教には所属していたが、ローマ正教の情報網を使っているだけだったな。 あいつの本職は神父だが、主に探偵の真似事をしていたらしいな。「神の右席候補」だったからよく覚えている』 「……そういえば通信でハードボイルドとか誰かか言ってましたね」 それならなおさら不思議なことがある。どうでもいい事かも知れないが……なんでスカル? 初春の知っているスカルの意味は『死の象徴』である。探偵をやっていくならばそんな名前物騒だと思うのだが? そんな事を考えている間にもフィアンマの説明は続く。 『スカル、神の術式とかなんとか相方に言っていたんだろう?たぶんそいつはスカル以上に厄介だ』 「どういう事ですか?」 『そいつの名前は今はブレイン、スカルの相棒でもあり、「神の右席候補」の一人だ。 そいつは禁書目録さえ見る事が許されなかった……というより見せられなかった「原典」、「地球の知識」所有している』 「……どんな『原典』なんですか?」 『そいつはこの地球という世界にいる、「物」や「者」のすべてを覗くことができる。それは人の行動パターンや世界の法則を全て治めている究極の一冊だ。 禁書目録のように全ての魔術も検索できるチートな「原典」だ。だがそれは他の「原典」にあるような魔術を見る事はできない。 ……いや、可能は可能だがそんな事したら毒尽くしで即死だ』 「でもそのブレインさん『神の右席候補』だったんですよね?もしかして他の『原典』も覗けたりするんですか?」 初春は冗談半分で言ってしまった一言だが……。 『ああ、そのとおりだ』 「ぶふっ!?」 フィアンマのその一言に初春は思わず吹いてしまった。 それはもう完全無敵じゃないのか!?と言うほどチートなのである。 『だが安心しろ。ブレインは観覧はできても使用することはできない。もう神の術式が仕えるしな、スカルも含め』 「えぇぇぇええええええええええええええええええ!?もうそれ『原典』とか関係なくやばい相手じゃないですか!!」 『そんなの知らん。俺様の考えでは、その組織のボスも多分神の術式が使えるぞ。というか使える人間は十人くらいいるんじゃないのか? じゃあこっちじゃ消灯の時間なので切る――――ブチッ』 「……なんか凄い事聞いちゃった」 初春は現実逃避をするために、そういえばフィアンマさん監獄にいるんだった。と思い出す初春なのだった。 ちなみに初春が会話していた頃の、ステイルの方の会話はと言うと、 『スカルの代わりに僕が代役を勤めることになった。ブレインだ』 「ブレインって確か脳みそって意味だよね?そんな名前で気持ち悪くないのかい?」 『そうだろうか?僕は結構気に入っているのだが。……まあ科学側にもそう呼ばれてる人間が居るには知ってるけど』 そこで土御門の耳がピクッと動いた気がしたが、ステイルは話を続ける。 「僕は学園都市に居るけど、科学側じゃないからそういうのはわからないね」 『そうかい。それで部下の話だけど、管轄は違うが部下が死んでいくのは僕としてもいただけない。だから返して貰えると助かる』 「殺すつもりはない。だが君たちの情報を聞き出すにはちょうどいいからね。こちらで預かっておこう」 『……僕独断の判断では後で結構嫌な目にあうけど、一つ提案がある』 「うん?それはどういった提案かな?」 『夏頃に向かいに行く。それまで五体満足、精神状態も安定した状態を維持してほしい』 ステイルは少し時間をくれと言うと、しばらくして一つの答えが出てきた。 「……すまない。精神安定は保証できない」 『それは幻想殺しと超電磁砲が殺気を出しながら説教でもしてるからかい?』 「……説明が省けた。それでいいなら他の条件は満たせるが?」 『わかった。夏頃一万人の魔術師達を引き連れそちらへ向かおう』 「……君部下のことが心配とか言ってたけど、それ明らかについでだよね?」 『いいや?ついでに学園都市を潰すだけだけだが?』 「よしわかった。熱烈歓迎してやろう」 『君が言うと洒落にならないね、ステイル君。それでは、また夏にでも会おう――――ブチッ』 通信用の霊装が切れると、ステイルは空を見上げた。 (……夏は大変そうだ) そんな事を考えてるうちに、なぜか仲間の魔術師たちと、上条たちにステイルは囲まれた。 「?これはいったいなんだい?」 「……そういうのはもっと時間をかけてからといつも言っているでしょう」 「……ああ、今から戦争の準備だな」 「でもその前に……ステイル君をフルボッコ開始だにゃー!!」 「!?なぜだ!!」 「「「「「「「「「「そんなの自分で考えろォ!!」」」」」」」」」」 「なぜか不幸だー!?」 ちなみに、ブレインも向こうでステイルと同じ目にあっているのは言うまでもない。 (真夜が入ってきたため、前のうちに人払いを張ったため生徒が巻き込まれる心配がないのを追記しておく)
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1000レス毎のキリ番をまとめたページです。 【】は、人物リクエスト時の原作作品になります ※7スレ目から5000、10000レス時のみ有効になりました 1スレ目 2スレ目 3スレ目 4スレ目 5スレ目 6スレ目 7スレ目 8スレ目 9スレ目 10スレ目 11スレ目 12スレ目 13スレ目 14スレ目 15スレ目 16スレ目 17スレ目 1スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 済 1000 なし 明示されなかったためなし。 済 2000 南雲宗一郎【惑星のさみだれ】登場 スカーレット×オンディーナの子供候補 済 3000 アナライジング強化オナシャス!ダメでしたら、神条紫杏【パワポケ】登場で マスター能力「フルアナライジング」習得が採用 済 4000 アシュロン【金色のガッシュ!!】登場 黒神めだかのマスター付きとして登場 済 5000 ワイズモン【デジタルモンスター】登場 済 6000 無効? 命令安価で作者さんが踏みました。 済 7000 シノン【ソード・アート・オンライン】登場 かげほうし×アンデスの子供候補 済 8000 風鳴弦十郎【戦姫絶唱シンフォギア】登場 人間(マスター?)枠で登場 ※ 8052でスレ容量上限に達したため、9000、10000はなし 2スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 済 1000 キャプテンブラボー【武装錬金】登場 世界樹クリフォトにて、エ・フェラリオとして登場 済? 2000 ワイズモンのAAで何か欲しいポーズとか 安価取った職人さんからのリクエスト 済 3000 ランデル・オーランド【パンプキン・シザーズ】登場 深白商店の店長として登場 済 4000 双子のませき入手 済 5000 ミニス・マーン【サモンナイト】登場 世界樹クリフォト・ツァーカブエリアにて野生モンスターとして登場 6000 ダイゼンガー【スーパーロボット大戦】登場 済 7000 麦野沈利【とある魔術の禁書目録】登場 【クリスタルな大都会のカギ】にて登場 済 8000 美国織莉子【おりこ☆マギカ】登場 マスター枠として登場 9000 綾瀬夕映【魔法先生ネギま!】登場 3スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 済 1000 スカー【鋼の錬金術師】登場 モンスターとして登場 済 3000 スタッカート向けの隠し味 「ふたごのませき」を入手。※2スレ4000のものとは別扱い 済 5000 ビビ・オルニティア【FINALFANTASY Ⅸ】登場 ルドウィッグ×クロイツの子供候補 済 7000 ハサハ【サモンナイト2】登場 依頼【お守はどこに消えた?】で菜月昴のマスター付きとして登場 済 大喜利 柊柚子【遊戯王ARC-V】登場 MM特務隊として登場 4スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 済 1000 たいやきペット化 うぐいすとしてできる夫の仲間に 済 3000 うぐいすに変わったスキルが生える ≪戦術策:方円≫を覚える 済 5000 芙蓉の召喚獣強化イベント。無理ならなにか芙蓉向け隠し味 隠し味【シルフィスティアのかけら】を使用 済 7000 マークニヒト【蒼穹のファフナー】登場 【あなたはそこにいますか?なパスタ祭のカギ】にてご神体として登場 済 9000 壇狩摩【相州戦神館學園八命陣】登場 世界樹クリフォトにてエ・フェラリオとして登場 済 10000 ロイ向けの隠し味 炎の巻物入手 5スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 不可 1000 ユウカの子がフェストゥム由来のスキルを習得する 作者さんよりフェストゥム関係のキリ番は実行不可と明言有り(7スレ目 5056) 済 3000 スカーの加入条件緩和。なければなんかよい隠し味入手 不可 5000 地球意思のバグかなんかでユウカが翠章と他のカップル候補どもと一時的に同化してトランザムライザーみたいな感じでカップル候補どもがいろいろ通じ合う感じのイベントが起こるついでにユウカが1000とは別枠で同化由来のスキル習得 ユウカが配合済みのため 済 7000 不知火(艦これ)登場 世界樹クリフォト・ツァーカブエリアにて野生モンスターとして登場 済 9000 カナコ神降臨、詩音になにか良いスキルを与える 【ワンフォウオール】を習得! 済 10000 うぐいすがワープ進化 佐山・御言(終わりのクロニクル)にワープ進化 6スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 1000 キュアスカーレット【Go!プリンセスプリキュア】登場 済 3000 前衛射撃血統と原初の獣血統がこの二つの血統の組み合わせの秘奥義習得 ≪秘奥義:ブラックレギオン≫習得 不可 5000 芭蕉呪の仮面に祝福(意味深)が降り注ぐ 作者さんより実行不可と明言有り(7スレ目 5056) 済 7000 一度だけ重大なミス回避 不可 9000 パルプンテの玄海の3倍速の影響が八代に発現 作者さんより「残さない」と明言有り(7スレ目 5056) 10000 知り合いにもうぐいす的存在が生える 7スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 済 1000 魔物の卵を拾うイベント 【ギガモンスターの半額セールなカギ】にてハム・エッグ護衛の依頼報酬としてギガモンスターの卵を孵化してメリュジーヌを仲間にする 3000 騎獣血統にアマツマガツチ(モンスターハンター)が生まれる可能性無理なら騎獣血統にドラゴン系が生まれやすくなる 済 5000 トッパル(突発的なパルプンテ)発生 済 7000 次に修羅場コミュを取る時リンが修羅場に参戦する無理なら修羅場について詳細に聞いたリンの反応が見たい 済 10000 次回簡易探索にボーナスを 8スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 5000 ふたごの魔石を追加でください ※ 9319でスレ容量上限に達したため、10000はなし 9スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 不可 5000 韋駄天になんかイベントが起きる 韋駄天が配合済みのため 10000 伝説の魔石ゲット 10スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 済 5000 朱羽の男嫌いが最終的に解消駄目なら野球大会かなんか 10000 立花・誾(境界線上のホライゾン)登場 11スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 済 5000 松実宥(咲-Saki-)登場 アバナグーンでの依頼で登場 10000 ガンダムAGE-FX登場 12スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 5000 アルタイル(Re CREATORS)登場 済 10000 隠し味を 【ヤグルシの破片】を胡蝶×なのはで使用 13スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 5000 射撃大会 10000 他マスター視点のギャグイベント 14スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 5000 ワイズモンの私生活が暴かれる 済 10000 騎手・騎獣でレース サーカス開催のレースで優勝 15スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 5000 厨房組で何か良いイベント 10000 ドッペルアルル(ぷよぷよ)登場 16スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 5000 自宅の地下にONSEN迷宮が! 10000 雨宮夕日対アーバン 17スレ目 消化状況 番号 安価内容 備考 済 5000 無効? 作者さんが踏みました。 10000
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いつものテンプレはこちら これらの設定はSS速報やVIPなどでの『MNWネタ』と呼ばれる一連の二次創作でよく使われるもの 決して公式見解ではないので注意 これらのネタは通称一方通行に踏まれたい変態の 一方通行「…………」御坂妹「……(何か喋れよとミサカは(ry)」 が発端。詳しくは用語目録/MNWネタを参照 検体番号 備考初出 00000 試験個体(フルチューニング)。御坂琴音という固有名も持つ。レベル4の電撃使い(エレクトロマスター)。妹達と美琴の頼れるお姉さん。スタイルはオリジナルよりもお母さんに近いようです 8251 実験中に一方通行により脳を破壊されるも生き延びる(障害あり)。その後一方通行の住処に住み着き、一方通行からナナという名を貰う・一方通行「……クソッタレ…」 09982 実は死んでませんでしただったり、美琴の記憶を移植されて欠陥電気(レディオノイズ)と呼ばれりと立場色々。 10020 記憶を無くした一方通行と一緒に計画を潰した。一方ラブ 10032 基本。上条ラブ。上条から貰ったネックレスを着用している。学園都市在住 10033 超ドM。一方通行に踏まれたり蹴られたり蔑まれたりすることに快感を覚える。甘党・一方通行「あは、ぎゃはっ!」ミサカ10033「ああ、もっと蹴ってぇ…とミ(ry」 10039 自称御坂丸。痩せている学園都市在住。デート中のスネークをスネークするも簡単に撒かれる。・番外個体「小さい一方通行?」 10050 グアテマラ在住 10090 フィリピン在住 10093 自他共に認めるオタ子・番外個体「小さい一方通行?」 10100 服のデザインが得意・一方通行「あは、ぎゃはっ!」ミサカ10033「ああ、もっと蹴ってぇ…とミ(ry」 10404 読書好きで昔話マニア 10501 オーストリア在住 10801 末尾が801の娘は夢みる乙女 10840 ドイツのザルツギッター在住 10855 ポーランド在住 10854 スペイン在住 11028 まさかの黒子ラブ。それがあって、黒子を邪険に扱い気味のオリジナルが少々憎いようです 11056 関西弁・11056号「……あんたのせいやからな」青髪「何ゆうとんの~」 11111 ド外道・一方通行「イヤだ」 11117 時報ミサカ 世界各地の時間まで0.01秒もズレなく正確に把握 11195 色々知ってる。美琴の水着でキャッキャウフフ大公開まで知ってる。黒い。 11329 萌え上がるショタコンことショタレンジャーレッド・番外個体「小さい一方通行?」 11899 ベネズエラ在住 12053 インド在住 12083 タイ在住 12345 童話好き+上位個体に従順で、劇の準備などを「一晩でやってくれました」を地でいく上位個体専用ジェバンニ 12481 スロベニア在住 12555 元フィリピン在住変態研究者の手でウミウシを内臓した改造ミサカに相方はイリオモテネコの神田川 12945 イタリア在住 13072 フランス在住 13153 鹿児島ミサカ。キレると怖い 13355 ヤンデレ電波ミサカ。麦野ラブ 13576 囲碁センターがお気に入り・ミサカネットワークを駆使して上条とデートしてみる 13577 自称御坂.jp。学園都市在住・番外個体「小さい一方通行?」 13857 『アニェーゼ部隊』所属のシスター。ドSらしい。どのような経緯で入隊したのかは不明。考えてない。能力者なので魔術はもちろん使えない。・ステイル「最大主教ゥゥーーーッ!!!」 13874 三重県産ミサカ。略して三重サカ。北欧とは大違い。怒ると怖い娘・一方通行「焼き肉パーリィだァ?」・一方通行「……ちょっと、三重行ってくる」 14332 施設を抜け出すのは日常茶飯な自他共に認める問題児。オーストリア在住 14333 メキシコのグアデハラ在住 14440 弱味握って一方さんとデートしたりするやり手。木原くンの弱味も握っているようです。アレイスターとはネトゲ友達。一方ラブ・一方通行「…あれ?」 14444 佐天派。百合っ娘 14510 番外命名、一方恋心(アクセラレーコ)略してレーコ。異端。一方ラブ。表情等、感情表現がやや豊か。自販機で一方通行に買って貰った水が一生の宝物らしい・一方通行「…………」御坂妹「……(何か喋れよとミサカは(ry)」番外個体「小さい一方通行?」御坂妹「花見しようぜ!とミサカは(ry」一方通行「…………」 14889 自称漢子。漢前。冷静。やだ…カッコいい…。アップルマンゴーとたこわさと唐揚げが好物・一方通行「…………」御坂妹「……(何か喋れよとミサカは(ry)」番外個体「小さい一方通行?」御坂妹「花見しようぜ!とミサカは(ry」一方通行「…………」 15000 アミーゴ青春アミーゴ好き。事あるごとにミ・アミーゴ・番外個体「小さい一方通行?」 15110 アルゼンチン在住 15113 ポルトガルのブラガンサ在住 15327 韓国在住 15555 マジパない娘。完全に中立。一方ラブも上条ラブも等しく平等に支援する・御坂妹14510号「MNWの力で一方通行とのデートを成功させる」 16542 ドイツ在住 16582 澄み渡るショタコンことショタレンジャーブルー・番外個体「小さい一方通行?」 16770 ドイツのシュレスウィヒ在住 16836 カナダのムースニー在住 17600 プロスネーク。海原が師匠。妹達を完璧に見分けられる青ピとデートをし、その後恋人となる。・ミサカネットワークを駆使して上条とデートしてみるミサカ「俺らのこと見分けつく奴なんていんの?」 17000 イギリスのガラシールズ在住 17009 オーストラリアのシドニー在住 17010 南極在住の19900号に見せて貰った事でペンギンがお気に入り(しかし、ペンギンが食料である事と、調理現場を19900号に実況された事が有り、それがトラウマ)。オーストラリア在住 17203 イタリアのファエンツァ在住 17403 ブラジルのコダジャス在住 17801 手先が器用・一方通行「あは、ぎゃはっ!」ミサカ10033「ああ、もっと蹴ってぇ…とミ(ry」 18072 ノルウェーのベルゲン在住 18264 北欧在住。あけすけでドクゼツンデレ。一方ラブ(?)・上条「何してるんだ?」一方通行「…かくれンぼ」 18820 アメリカ在住 18022 スイス在住 18071 煌めくショタコンことショタレンジャーイエロー・番外個体「小さい一方通行?」 18413 管理人(ドラゴン)とも呼ばれる。コンビニバイトしてたりマンション管理人だったり、行動だけで無くMNW自体からも非常にフリーダム。一方ラブ・御坂「これって……デートよね……」一方「余り俺を怒らせンなよォ、ブチ犯すぞ」打止「いいよ」 18456 まさかの打ち止めラブ。上位個体の為ならエンヤコラサで、アラスカから海だって泳いで渡れる。船は酔うから嫌い。 19072 ・▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ2冊目」【超電磁砲】 19009 中国在住 19090 新入りショタレンジャー、ショタグリーン。上条命名【小声】痩せている。断るのが下手。学園都市在住。MNW常駐・番外個体「小さい一方通行?」 19348 フィンランドのロヴァニエミ在住 19488 作戦は『ガンガン行こうぜ』が好き。スペインのログローニョ在住 19696 河川敷に住むホームレスミサカ。タレント【野生の勘】で17600のスネークに最初から気付いた。学園都市在住貯金100万ほど。MNW上でも口調が変わらない希有な存在。 19784 両方派 19900 南極在住 20000 自称ロシアのノボシビルスク出身の変異体の変態。媚薬もつくれる。行動は主に変態、極々稀にさわやか。MNWブラックリスト最上位 20001 幼女。上位個体にして運営一方ラブ(?) 番外固体 ミサカシリーズ最新作ミサカワースト、略してミサワ。一方通行を[ピーーー]のが目的らしい。一方ラブ(?)ロシアの一件以来一方通行(特に黒翼一方通行(ダラクサレータ))に激しいトラウマを持っている Huzekzkr104 天使様
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【作品名】とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(レールガン) 【ジャンル】漫画 【名前】御坂美琴 【属性】超能力者 7人しかいないレベル5の第三位 【大きさ】女子中学生並 【攻撃力】パンチ一発で女子中学生を数m吹っ飛ばす。 男子高校生を背中から蹴っとばして4・5mほど転がす。 発電能力者であるため、さまざまな特殊攻撃が可能。 超電磁砲(レールガン):電磁誘導でコインを加速させて撃ち出す。 射程50m程で、それ以上飛ぶとコインそのものが溶ける。 威力は直撃しなかった自動車が着弾時の衝撃波で上空10mぐらいに吹き飛ぶ。 直撃の場合5・6m程の怪物の胴体に2mほどの穴を開けて貫いたり、縦に突き刺さった電車のレール三本を容易に貫いたりする。 砲弾初速・秒速1030m(約マッハ3.03) 連発能力・1分間8発(7.5秒に一発) 電撃:10億ボルトの高圧電流を自在に操る事が可能。基本的に思考発動。以下作中の使用パターン。 ・前髪から飛ばした電撃で十数m先の電柱にあて電灯を破壊。 ・自身の周辺7・8mほどの範囲に電撃を放射して7人の人間を黒焦げにして気絶させる。 ・5・6m上空にばら撒かれた空き缶爆弾100個以上を落下する前に電撃ですべて打ち落とす。 ・陶器爆弾の破片をすべて打ち落とす。 ・本気で撃つと横10m程の太い電撃となる。射程数十mほど。 5・6mほどの怪物に放った際、相手は誘電力場で直撃を避けたが体表面が電気抵抗の熱で消し飛んでいる。 磁力:周辺の金属や砂鉄を磁力によって操る事が可能。基本的に思考発動。以下作中の使用パターン ・砂鉄を操って剣状にして相手に切りかかる。ブレード部分が振動してチェーンソーのようになっている。 ムチ状にしてリーチを4・5m伸ばしたりもできる。 剣として手に持たなくても地面に手をついて磁力を操る事で11の鞭状の砂鉄剣を作り出して相手に襲い掛からせる事が出来る。(射程10mほど) 5・6mほどの怪物の腕を切ったり、コンクリートに突き刺さったり、2・3mほどの氷柱を砕いたりした。 ・柱の一部を磁力で抉り取って相手に投げつけたり、周辺にある電車のレール百本近くを操って相手の頭上から落としたりできる。 ・砂鉄を磁力によって高速回転させ、10数mほどの砂鉄の竜巻を作って相手を巻き込む。射程10mほど 数十秒ほど時間が有れば自然落雷を誘発させる事が出来る。 【防御力】 自身を中心に雷球を発生させた際、20m程の爆発が起きたが自身は無傷。 三日三晩まともに休憩せず行動し、暗部組織と連戦を行うなどなかなかにタフ。 自身と同様の電撃系の能力の場合、数十mは離れて壁越しでも攻撃の出を察知して捻じ曲げる事が可能。 作中では麦野沈利の使う粒子・波形のいずれでもない『曖昧な状態』に固定した電子を放つ粒機波形高速砲を 感知して捻じ曲げている。(複数の高速砲にも対応) 磁力:磁力によって近くの金属や砂鉄を集める事で盾代わりにすることが可能。金属はほぼ一瞬で集める事が出来る これにより近距離で起こった爆弾の爆発を防いでいる。 崩落してきた建物の瓦礫をすべて斥力で跳ね除けて回避したりもしている。 【素早さ】4m程の位置で爆発した陶器爆弾の破片が2mほどの距離に近づいた時点で電撃で打ち落とす。 10m程の位置から発射された超小型ミサイルに反応して数mの距離に迫った時点で磁力により大ジャンプして天井に張り付くなどの反応。 全力で走って十数m離れた距離から落下してくるバッグを空中でキャッチ出来る。 前を走るチンピラ集団に後ろから走って追いつける。 磁力:建物内で磁力を最大にする事で高速で天井に飛んだり壁に張り付いたりすることが出来る。 超小型ミサイルが数mほどの位置に来た時点で天井に回避したりしている。 これを利用する事で建物内では3次元的に動く事が可能。 【特殊能力】 10億Vの高圧電流、電磁波、磁力などを自在に操れる。(作中説明) 電磁波:全身から微量に発している電磁波の反射を受ける事で死角の位置にあるものも探知が可能。 そのためスタングレネードで目と耳がやられていても超小型ミサイルを感知して天井に飛んで避けた。 また、機械の遠隔操作などが可能であり、監視カメラ、赤外線センサーなどを無効化、 警備ロボットを3m程離れた物陰から操る他、暴走させて故障させたことあり。 ハッキング:ネット経由でサイバーテロを起こす事が可能。だがスレ的には意味ないっぽいので割愛。 【長所】いろいろ特殊能力持ちで強力な攻撃持ち 【短所】素の防御面 0ld-- 【作品名】とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲(レールガン) 【ジャンル】漫画 【名前】御坂美琴 【属性】超能力者 【大きさ】女子中学生並 【攻撃力】パンチ一発で女子中学生を数m吹っ飛ばす。 発電能力。 特殊能力欄参照 【素早さ】鍛えた女子中学生並。全力で走って十数m離れた距離から落下してくるバッグを空中でキャッチ出来る。 上条当麻の右手を掴める(砂鉄の剣出して防がれた後なので1~数mから) 【特殊能力】超電磁砲(レールガン):コインを加速させ撃ち出す。 射程20m程度。直撃しなかった自動車が着弾時の衝撃波で上空10mぐらいに吹き飛ぶ。 砲弾初速・秒速1030m(約マッハ3.03) 連発能力・1分間8発(7.5秒に一発) 雷撃の槍:前髪から電撃を飛ばす。射程十数m。発動は一瞬。 威力は電柱に当たって電灯を破壊する程度。生物への威力は不明。 10億ボルトの電流を自在に操る事が可能らしい。 【防御力】女子中学生並 【長所】攻撃力 【短所】防御力の描写がほとんど無い 【戦法】とりあえず雷撃の槍連発。倒せなかったら超電磁砲 ※上条当麻の反応 全ジャンル敵役最強スレの上条当麻(漫画)のテンプレより、美琴の超電磁砲に50mから対応する反応とする 3スレ目 335 :格無しさん:2011/01/01(土) 16 39 30 ID 3B5pWi7F みなさんあけましておめでとう。 御坂美琴(漫画)再考察。 銃弾反応の壁から。戦法は即広範囲電撃、それでも生きてるか見るからに機械っぽいなら超電磁砲 ○ 大島アリサ 殺し続け勝ち ○ 園﨑魅音>音無小夜 広範囲電撃勝ち ○ 飴谷千歳 相手の攻撃に耐えて広範囲電撃勝ち ○ 閻魔あい>亞夜子 不思議攻撃だし倒せるか ○ 楠奈美 電撃勝ち ○ 神崎・H・アリア 相手の攻撃に耐えて広範囲電撃勝ち ○ モーラ 電撃で弱った所を超電磁砲勝ち ○ 神楽 戦闘速度すごいけど広範囲の電撃で倒せる ○ 毛利蘭 超電磁砲勝ち ○ 珠瀬壬姫 超電磁砲勝ち ○ ポポミ 電撃勝ち ○ 久遠 超電磁砲なら倒せるか × セレネさん ビッグバン負け × シャナ 封絶負け × レヴィ 電撃撃つ前にぶん殴られ負け × 高町美由希 超スピードで斬られまくり負け 戦闘速度が低いのが裏目に出たか セレネさん>御坂美琴>久遠
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第十五話 『守りたい!』とマジになる時 真紅「ミキシトランス、ティラノ!」 花子さん「変身した!?」 真紅(ティラノ)「食らえ、古代の牙!」 白鹿あき4「花吹雪!」 真紅(ティラノ)「くそっ!」 白鹿あき1(化身)「おらぁ!」 真紅(ティラノ)「うわー!」ドカーン 沙砂「…」 白鹿あき1(化身)「ガキが! このまま引導を渡してやる!} 沙砂「…渡さナイ、ヨー」 静水久「同感…なの」 加耶「全く、人が大人しくしてれば良い気になって」 沙砂を中心に、二人が脇を固める。 腹の底から叫んだ言葉が力となり、小さな力は大きな存在へと形を変える。 沙砂&静水久&加耶『一夜城!』 その存在はまるで一夜で築き上げられた城のように大きく、そして力強かった。 城は壁となって白鹿組の前に立ちふさがり、彼らを茫然とさせる。 白鹿あき1「なん…だと…?」 沙砂「沙砂達の仲間は奪ワセナイ…守るンダ」 超太郎(あんな子供の妖怪が頑張ってるってのに…俺は情けねぇな) 超太郎の脳裏に、嫁である麦野沈利の記憶が蘇る。 がさつな性格ではあったが、基本的に優しい彼女が超太郎は好きだった。 その嫁が、今や未来からの侵略者の手によって失われようとしている。 この戦いに負ければ、アインによって自分達も彼女のようになってしまうだろう。 負けられない。 嫁や仲間を守るために、超太郎は自らを震え立たせた。 白鹿あき2「調子に乗りやがって! 行くぞ、俺!」 白鹿あき3「おう、俺! 火縄バレット!」 白鹿あき2「着火!」 再び強烈な炎の弾丸が放たれる。 一度この技に敗れた超太郎は再び、意を決して自ら飛び込んだ。 超太郎「護星神スタープラチナ!」 空条超太郎は考える。 オラオラッシュも通用しない。化身の力も通用しない。 ならば、残る手段はただ一つ! 超太郎(化身)「エルドラドの野望は、俺が、俺達が! 打ち砕ーくっ! アームド!」 スタープラチナが光となって、超太郎の体を包み込む。 星の白金の輝きを持った鎧が、彼に新たなる力を与えた。 超太郎(アームド)「異次元・ザ・ハンド!」 超太郎が地面を叩き付けると、まるでガラスが割れたかのように彼の目の前の空間が割れた。 炎の弾丸はその中に吸い込まれて消え、巻き戻し再生するかのように空間は元へと戻っていく。 瞬きの暇すら起きない、一瞬の出来事であった。 超太郎「や、やった! 第十五話、完!」 真紅「終わってねーよ!」 たから「アームドをした上に新技とは…やるじゃない」 エヴァ「……」 カズキ「エヴァちゃん、焦っちゃダメだよ。俺達だって、きっと出来るさ」 エヴァ「…ああ」 白鹿あき1「くそ! 妖鬼カマイタチ!」 花子さん「…あんまり私を怒らせないで。ミキシトランス、戦神美粧(バトルスタイル)!」 花子さんの体が炎に包まれ、その姿を変える。 等身は上がり、体付きも大きく成長し、衣装も凛々しく変わる。 花子さん(戦神美粧)「みたまヨーヨー!」 炎を纏ったヨーヨーが、白鹿あきの風の刃を呑み込み、化身ごと貫いた。 白鹿あき1「お、俺の化身がぁ!」 カズキ「良し、トドメだ!」 カズキは銀色に輝く槍を取り出した。 槍に巻かれたマフラーが山吹色に輝く。 彼は腰を深く落とし、槍を後ろに大きく振りかぶる。 カズキ「伝・来・宝・刀!」 山吹色の光が槍より伸びて、大きな刃と化す。 大きく腕を振り上げると同時に、その光の刃を解き放った。 白鹿あき達「うわぁぁぁ!」 カズキの放った一撃は白鹿あき達を吹き飛ばした。 アイン「…やはり、無理でしたか」スッ 真紅「あ、逃げやがった!」 明夏羽「さて、今のうちにこいつらを縛っておきましょ」 沙砂「助かったヨー、アリガトウ」 静水久「こいつらは私達が責任持ってしかるべき場所に突き出しておくから安心しろーなの」 加耶「とんでもない借りが出来ちまったようだね」 エヴァ「なに、気にするな。どんな時代でも困った時はお互い様と言うからな」 花子さん「どんな時代…?」 エヴァ「あ、いや気にするな」 捕縛した白鹿組を引きずり、彼女達は去って行った。 エルドラドの力添えが無くなってただの人間に戻った彼らではもう彼女達を捕えることが出来ないだろう。とりあえずの危機は去り、たから達はほっと胸を撫で下ろした。 アイン『…申し訳ありません。作戦に失敗しました」 トシアキ議長『ふむ…』 アイン『何故、あのような回りくどい事をして、我々を使わなかったのです?』 トシアキ議長『歴史に深く介入し、傷跡を残せば、タイムパラドックス崩壊が起き、時間の中にブラックホールを生むことになる。非常に危険なのだ』 アイン『ではこのまま彼女達の行動を放っておけと…』 トシアキ議長『そう焦るな、アイン。その歴史にあるものを使えば良い』 アイン『…! 今川義元!』 トシアキ議長『そうだ。追って指示を出す。それまでは待機だ』 アイン『Yes.マスター』 超太郎「白鹿組が今川義元の手の者だって!?」 花子さん「いきなり大声を出すんじゃないよ…」 超太郎「ごめん。で、誰だっけ、そいつ?」 カズキ「知らないで驚いてたのかよ!」 超太郎「え、だってここ驚く場面じゃん?」 ネロ「お師匠…それだと自分はバカだって宣伝してるようなものだよ…」 たから「今川義元と言えば……東海の辺りで最も有力な武将とされる人物ね」 斗貴子さん「変なキャラは加味されてはいるが、元は天下一に一番近いとされていた人物だったな」 花子さん「今川義元が、天下統一を果たすために色々な勢力を取り込んで言っているらしい。それが私達妖怪だった、と白鹿組が口を割った訳さ」 カロメ「妖怪を戦力に…?」 花子さん「そうさ。力有る物が国を支配する、そういう思想の元に怪しげな術であっても、戦力となるのであればどんどん採用するらしいね」 たから「それをどうして私達に?」 花子さん「何…あんた達にはそれを知る権利があるし、私としても聞きたい事があってここに来た。他の子達…特に静水久と沙砂は妖怪として目立つからね。だから一人で来たんだよ」 大阪「確かめたい事~?」 花子さん「…あんた達こことは異なる世界から来た、そうだろ?」 皆「!?」 花子さん「私は他の子達と違って、『気』の感度が強くてね。その私が感じているのさ。あんた達はこの世界の、この時代の波動ではないって」 メロン「ぬぅ…何と言うチート能力…!」 真紅「それが本当だとして、どうするつもりだ?」 花子さん「別にどうもしないよ。ただ、興味があっただけ。こんな戦乱の時代に一体どんな用事があるのかと」 エヴァ「真紅、どうする?」 真紅「うーん…」 ウラ「じゃあ僕が説明してあげるよ」 ネロ「うわまた出たな!」 ウラ「人を害虫みたいに言うのは良くないなぁ、ネロちゃん♪」 (続く)
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目的の幼稚園はすぐに見つかった。 西洋のお城のような屋根の付いた、カラフルでかわいらしいデザインの建物だった。 裏に回ると廊下側の窓の中が外からでも窺える。 園内を囲むフェンスを辿って進む。 正門の真裏へ回り込むと、そこに人影があった。 ちょうど、お歌とおどりの練習中の教室が見えるあたりだ。 「うふふ……見える見える……」 「あらたかし君、右回りと左回り、間違えないようになったじゃない……」 「ひとし君てば、上手になって……」 「これのために一週間生きてるようなものだわ……」 何かいる。 「む……結標淡希?」 「!」 上条が恐る恐る声を掛けると、フェンスにへばりついていた女が振り返った。 年齢は上条と同じか少し上くらい。 赤みがかった髪を二つに縛っている。 ここまではまだ普通だが、服装は奇抜だった。 どこかの学校の制服に着こなしアレンジを加えまくっている印象だ。 上はピンクのサラシのようなものを胸に巻き、ブレザーを肩にかけただけ。 下はやたら短いスカート。 つまり露出が多い。 妙に扇情的だ。 (本当にミニスカートに縁があるな……ってそれどころじゃない) 上条が結標を観察している間、彼女の方でも上条をじろじろ見ていた。 「貴方誰? 見たところ学園都市の人間のようだけど、また私を狙った連中じゃないでしょうね?」 「俺は上条当麻。お前を助けに来た」 「私を? ……」 「……どっちかっていうと、今は黙って帰ってくれた方が助かるんだけど……」 結標は、踊る園児たちの方をちらりと見て言った。 「――成程。小萌の生徒さん」 事情を説明すると、結標はすんなり納得してくれた。 「小萌には確かに悪いことをしたわ」 「襲われた時に携帯を落としてしまって。 そのまま逃げ続けていたから連絡が取れなかったの」 「何で襲われたのか分かるか?」 結標は、肩をすくめてふう、と息を吐いた。 「私が狙われたのは、『レムナント』を運び出そうとしていたかららしいわ。 今じゃもう興味もないけど、彼らは欲しがっていたみたい」 レムナント。壊れた『樹形図の設計者』の破片。 それを使えばまた『樹形図の設計者』を作り上げることができるという代物だ。 しかし、そんなものを魔術師が欲しがるだろうか? 「あれはとっくにバラバラにされているから、私はお役に立てないと言ったんだけどね」 「今も逃げてる最中なのか?」 「ええ。どこへ逃げてもすぐに見つかってしまうの。 彼ら、どんな能力者を味方につけているのかしら」 結標は首を傾げる。 まさか、魔術師が不思議な呪文で居場所を特定してきているなどとは考えないのだろう。 上条もこの件が魔術師の仕業かどうかは半信半疑だった。 「しかしそんな中でもお遊戯のお稽古は見逃さないとは……」 「悪漢のために生きがいを諦めるというの? 冗談じゃないわ」 上条は、「そうか」とだけ答えた。 「学園都市と交渉したいんだ。力を貸してくれないか?」 追手の影を警戒しつつも、結標に問いかける。 彼女と行動を共にする以上、何かあれば必ず守り抜くつもりだ。 滝壺の件はすでに彼女に話してあった。 結標自身、学園都市そのものにはいい感情を持っていないようで、 都市と対峙すること自体は抵抗がないようだった。 「『窓のないビル』に行きたい。そこで統括理事長と話をつける」 「……案内だけなら構わないけど。上手くいくとは思えないわね」 結標は学園都市の闇を知っている。 「やるだけやるさ」 上条は、少女の目を見て何故かそう思った。 「それじゃあ、ここから歩くよりは私の能力で移動した方が早いわね」 「能力ってどんなの?」 「空間移動系の高度なものよ。対象に触れなくても好きな場所へ移動できるの」 結標は、上条から一歩距離を置いて、言った。 「準備はいい? と言っても、貴方はただ立っていればいいのだけど」 「いや……多分ダメだと思う」 「? 何が?」 「俺の右手には『幻想殺し』ってのが宿ってて、異能の力は全て打ち消しちまうんだ」 それを聞いた結標は、しばらく無言で上条を見つめていた。 「……信じられない。本当に移動しない……」 「と、いうわけだからさ、悪いけどバス停に付き合ってもらえるか」 「それはいいけどね。一つ問題があるわ」 「何?」 結標は呆れたような顔で上条を眺める。 「私の『座標移動』が効かないと、あのビルの中へは入れないわよ」 「えっ」 「……当然でしょう? この能力があるから私が『案内人』に選ばれたのだから」 「……」 二人はしばし立ちつくしていた。 最近電話帳に登録した番号その二。 浜面へ電話を掛けると、当然のように『アイテム』のメンバー達が付いて来た。 仲がいいんだな、と上条は適当な感想を抱く。 もともと、学園都市と交渉したがっていたのは浜面だ。 それに、滝壺は上条よりも彼ら『アイテム』が助け出すべき少女である。 上条が手出しできない以上、ここは彼らに任せるのがいいと思ったのだ。 「案内人捕まえたって!?」 「捕まえたって言うか、助けたって言うか……いや、ただ会っただけだな」 特に追いかけてもいないし危機から救ったわけでもない。 それを思い出し、上条は自らの言葉を訂正した。 「とにかく、この子についていて貰えば、あのビルの中に入れるんだな」 浜面は露出の多い結標を前に目のやり場に困るようで、 どうにか彼女の耳当たりに視線を定めていた。 『窓のないビル』前。 すべての壁に何もないせいでどこがビルの正面なのか分からないが、 とにかく彼らはそのビルの前に集結した。 「統括理事長か……ついにここまで来たわね」 「超長かったです……」 「俺たちのラスボスだよな」 『アイテム』の面々がそれぞれの感慨を口にしている。 彼らの物語はここが最終章ということになるのだろう。 (こいつらもこいつらでドラマがあるんだろうな……俺の物語は半分も進んでないけど) 名前が増えるばかりの救助リストを思い出し、上条は胸のあたりにずしりと重たい物を感じた。 「それじゃあ、結標。頼む」 浜面の言葉に、結標は無言で肯いた。 一度に四人も運べるのか? と上条は思ったが、彼女は平気な顔をしている。 彼らは、『窓のないビル』へと乗り込んで行った。 そして二分で戻って来た。 「!? 早いな?」 思いがけず目の前に現れた四人を見て、上条は後ずさる。 「交渉はどうなったんだ? 滝壺は? ……統括理事長は?」 麦野が舌打ちした。 「いない。アレイスターのクソ野郎、どこかへ消えてやがった」 ■■■■救助リスト(抜粋)■■■■ ===学園都市=== 理事会 new! アレイスター=クロウリー 【失踪】 「どうせこんなこったろうと思ってたよ!」
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シ ャ ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ シャワーのヘッドから流れ出る湯が全身を温め、こびりついた血や垢も落とし清めていく。 彼女、ベルベット・クラウは気持ちいい、とシンプルに思う。 顔に湯が掛かれば、目を閉じて顔を顰めつつもその一滴一滴を心地よく感じ。 たわわに実った果実から爪先までもが温もりに包まれ。 地に放たれた湯から立ち昇る湯気に、鼻腔をくすぐられながら深呼吸して肺いっぱいに満たし。 そして頭から湯を被り、長い髪の先までをも濡らし、備え付けのシャンプーを手に擦り付け泡立てると、その泡で髪を洗い始める。 もこもこもこ シャンプーの泡がベルベットの頭を包み込む。 その感触の心地よさに思わず鼻歌の一つでも歌いたくなるような気分になる。 シャンプーを流すと、長年のしかかっていたような錘から解き放たれたような気分にすらなる。 髪の次は全身だ。 持ち込んだタオルに石鹸を着け、わしゃわしゃと揉みしだき泡立てると、首から順に拭っていく。 肩。腕。脇の下。胸。腹部。臀部。脚。全身を余すことなく泡で包めばそれだけで充足感が湧いてくる。 そのまましばし待機し、泡を全身で堪能。程なくして洗い流せば汗や血、垢と共に疲れも流れていくようなそんな感覚すら覚えてしまう。 傷はさすがに埋まらないが、それでも全身が綺麗になればシャワーを浴びる前とは見違えるほどスッキリした気分になれるのだ。 「あー......生き返る」 浴槽に浸かり、手足を思いっきり伸ばして息を吐けば自然とその言葉が出てくる。 体中に染み渡る熱を感じつつ、ベルベットはその肢体をゆっくりと沈ませていった。 「ふぅ〜〜〜...」 思わずため息にも似た吐息が漏れる。吐瀉物や汗を落とすために急遽入った風呂だったが、思えば、こんなにゆっくり風呂に入るなどいつ以来だったか。 アルトリウスに左腕を切られ、監獄島に堕ちてから、寝る時以外はずっと戦い喰らい続けてきた。そもそもロクな入浴施設が無かったのもそうだが、何よりも強くなるため。強くなりアルトリウスを殺すため。ただそれだけを考える三年間で、今までのような人間らしい行為なんて忘れていた。 と、感慨にふけっていると、ふと思い出す。 (...そういえば、私の臭いってどんなだったのかしら) この世界が虚構であり、自身もまた本物ではないかもしれない、というのはわかっている。しかし、μが「三年間、ロクに風呂にも入らず血みどろなまま過ごした人間」をそっくりそのまま細部まで再現している可能性もある。 体臭というものは自分ではわからないことが多い。もしもμが臭いまで再現していたらとなるとゾッとしてしまう。 (...大丈夫よね?臭くないわよね?麦野たちも特に何も言ってなかったし...) 夾竹桃はともかく麦野であれば喧嘩腰に臭いについて言及があるはずだ。それが無かったということは決して気になる臭いではなかったということだ。 そう思いつつも、一度気になってしまえばついてまわるのは乙女の本能か。 すんすんと鼻を鳴らしてみるが、やはり不安にかられてしまう。 (...もう少し浸かろう) いま何分くらい入ったかはさておき、ベルベットはそのまま湯船に顔までつかりぶくぶくと泡を吐くのだった。 ☆ 「...遅せぇ」 琵琶坂は苛立ちと貧乏ゆすりをしながら椅子に腰掛けていた。 ベルベットと共にテレビ局に着くなり提案したのは身体の洗浄だった。 疲れが溜まっているのもそうだが、それ以上にベルベットが吐いた吐瀉物の臭いが気になって仕方なかった。プライドの高い琵琶坂からしてみればそれが耐え難く、彼女から先に入らせ、自身はボロボロになった服の代わりを探していた。ベルベットをシャワー室に向かわせ、程なくして見つけたのは衣装部屋だった。 そこにはなんと参加者分の全ての替えの衣装が用意されていた。 この殺し合いの舞台はμの作ったメビウスだ。アレなら替えの衣装の用意くらいは容易いだろうが、それにしてもなぜテレビ局に集めているのだろうか、思考を巡らせる。 (この殺し合いでの俺たちは偽物らしいが...まさか、そいつらのコスプレ用か?) テレビ局と衣装の関連性をこじつけるなら、誰ともわからない偽物たちが本来の姿で訪れた時、この衣装を着て成りきる為か。 そこまで考えたところでどうでもいいかと切り捨て、目当てのものだけを手に、落ち合う予定だった食堂で待機。しかし、ベルベットが入ってから三十分は経過したというのに未だにやってこない。 「制限時間もあるのに呑気な奴だな...」 琵琶坂は溜め息を吐かずにはいられない。ベルベットの長風呂もそうだが、自分も早くシャワーを浴びてスッキリしたいのだ。殴り込みをかけてもいいのだが、相手もただの雑魚じゃない。こんなところで無駄な消耗はしたくないため、大人しく待機しているのだ。 それからさらに十分ほど経過して、ようやく風呂から上がってきたベルベットがやってきた。 「待たせて悪かったわね」 「そう思うならもっと早く出てくれ」 気だるげに立ち上がり、ベルベットの横を通り過ぎようとする琵琶坂だが、肩を掴まれて立ち止まる。 「...なんだ?」 「ねぇ、私、変な臭いしない?」 思わぬ問いかけに琵琶坂は「はぁ?」とつい漏らしてしまう。 それもそのはず。つい先程まで暴君の如き振る舞っていた女が、今は恥じらい隠せぬ乙女のようなことを言い出すのだから。 (まさか臭いを気にして長風呂してたのか...?) 「ねえ、どうなのよ」 「...特に変な臭いはしないさ。もう充分だろ?」 「ええ。それならよかった」 「それと、向こうに衣装部屋があった。そのボロ切れだと見苦しいから、なにか着てくるといい」 「助かる」 衣装部屋へと向かっていくベルベットの背中を見ながら、本当に人が変わったようだと思う。 魔王と自称していた時より威厳が消えたというか憑き物が落ちたというか。つい先程まで暴れるしかなかった脳筋の暴君とは思えないほどの変貌ぶりだ。 (まあ邪魔にならなければなんでもいいさ。どのみち、優勝するんならいずれは殺すし、そうでないにしても二度と会うこともないしな) 琵琶坂永至は組んだ相手に情を抱くことは決してない。用が済めばすぐに関係を断ち、あるいは排除して、繋がりを消すことで己の本性を世間からひた隠し欲望を振るう。それはこの場でも、どんな相手でも変わらない。 ☆ シ ャ ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ シャワーのヘッドから流れ出る湯が全身を温め、こびりついた血や垢も落とし清めていく。 彼、琵琶坂永至は気持ちいい、とシンプルに思う。 思えばここまでロクな目に遭わなかった。 非力だった少女に氷で頬を裂かれ。巨大な鳥にタップダンスを踏まれ。クソメイドにナイフを突き立てられ。珍妙な陰陽師に身体を焼かれ。魔王のビームによる襲撃に遭い。暴走する馬鹿に飽きるほど殴り飛ばされ。 そんな溜まりに溜まった鬱憤も、シャワーを浴びているこの時ばかりは和らいだ。 シャンプーで髪を洗い、石鹸で全身を泡で包めば、血も臭いも全てが洗い流されていき、爽快という2文字では表せられないほどに気持ちが和らぐ。 これで風呂が一人分の浴槽ではなく、旅館のような温泉であれば更に良かったのだが。 琵琶坂はメビウスの都合上、学生の姿をしているものの、実年齢は三十四歳。世間的に言えばまだ若いものの、直に中年の領域に入る。風呂に酒の一つでも持ち込みたいと思ったが、流石に殺し合いという状況の中でそんなことをするほど愚かではない。身体が温まり、ほどほどに気も安らぐと、風呂からあがり、身体をしっかり拭いて衣服を身に纏う。 そして、食堂に向かうと、鼻腔に届くのは食欲を誘う香りだった。 そのまま足を進めれば、下着のシャツの上からエプロンをかけたベルベットが台所に立っていた。 「ちょうどいいわね。もう少しでできるから」 「...なにをやってるんだ?」 「見ればわかるでしょ。料理よ、料理。あんたもお腹空いてるでしょ」 ベルベットの手元にはおたまが、目の前には鍋が煮えたぎっており、そこからは香ばしい臭いが漂っていた。 クリームシチュー。 殺し合いの舞台であるテレビ局の中で、その料理が出てくるというのはなんともミスマッチな光景だ。 ただ、食欲という欲求には逆らえず、琵琶坂の腹は早く寄越せと音を鳴らす。 「...毒でも入れたか?」 「入れるわけないでしょ。あんた、私をなんだと思ってるの。...こんなものでいいかしら」 ベルベットは呆れながら鍋の中身を皿によそい、テーブルに置くと、琵琶坂も席に着く。 そして、スプーンを手に取りシチューを口に運ぶ。 「!こ、こいつは...」 美味い。思わずそう漏らしてしまうほどに。 殺し合いの場であることを忘れてしまいそうになるほど、その味は美味かった。 ホワイトソースが舌の上で溶けるように広がり、そこに野菜や肉の旨みが染み渡る。 具材も小さく切られており、変に舌や歯に挟まることもなく胃に収めることができる。そのおかげで一つまた一つと食べる手が止まらない。 「で、どう?味は?」 「...悪くないんじゃないか」 強がるようにそう答えるが、未だに止まらないスプーンで本心は誤魔化せない。 「そ。ならよかった」 微笑みをこぼすベルベット。基が顔立ちの整っている彼女の微笑みだ。側から見ればそれは大層な美女として映るだろう。これまでの言動を知らなければ。 (...なんだこいつ。俺に取り入ろうとしてるのか?) 琵琶坂はベルベットを訝しむが、しかしすぐに「ないな」と改める。 もしもこれが帰宅部の頭の軽そうな女どもであればそういう可能性も無きにしもあらずだったろう。 しかし、ベルベットは帰宅部連中のような後ろ向きのダメ人間ではない。暴君、百歩譲っても荒れ狂うゴリラだ。そんな彼女に微笑まれようが、琵琶坂の心は微塵も寄らない。もとから他者に寄せる心なんてものは持ち合わせていないが。 そして琵琶坂の考えは概ね当たっていて。 (よかった...久々に作ってみたけど案外忘れてないものね) ベルベットは琵琶坂のために料理をしていたのではない。 ベルベットは喰魔になった影響で、味覚が殆ど死んでいた。何を食べても無味であり、不味でもなければ美味くもない。そんな中で味見もせずにかつての味を再現できるか不安だった。しかし、その心配は杞憂だったようだ。 そして本当に食べてもらいたいのは琵琶坂ではなく、『ライフィセット』。弟と同じ名前を冠する彼のためだった。 (...おかしな話ね。これから殺そうとする相手に喜んでもらいたいだなんて) 彼は最終的には殺す。それは変わらない。そうしなければ願いを果たせないからだ。けれどもう、彼に対しての憎悪や怒りなどない。戦う前に一度、向き合って話したい。記憶だけではなく、互いのことをもっと解りあいたい。だからか、柄にもなく変な臭いがしないか気になったり、手料理を食べてもらいたいなどと変に色気づいたりしたくなった。 (ふふっ、魔王なんてものになったせいでイカれちゃったのかしら) 思わず笑みを溢すと、琵琶坂が怪訝な目を向けてくるのを感じ取った。 ベルベット自身、己の変わりように驚きもした。けれど忌避感はなく受け入れられてるのは、吹っ切れて心が軽くなったからだろうか、それともーーー ☆ 食事を終えた二人は、これからの方針を決めるーーーはずだったのだが。 「私たちで話し合うことなんてある?」 「そりゃ...あー、いや、ないな」 琵琶坂にしてもベルベットにしても、ここまできたからには狙うは優勝であり、最終的には殺し合う間柄だ。 故に、互いに信頼など一切置けず、他の連中のように背中を預け合って戦うなんてこともできるはずもない。組んでいるメリットとしては相手にする人数を分散するくらいのもので、それについても特別に策があるわけでもない。 「これでよし、と」 『1階・ベルベット・クラウ 2階・琵琶坂永至』 テレビ局の入り口に貼られた紙にはそう書かれていた。非常にシンプルな案内ではあるが、これで互いに背中から撃たれることもなく、且つ敵の戦力を分散させることができる。 仮に一方に戦力を集中させようとしても、敵はかえってもう一人の背後からの奇襲に気を割かなければならなくなるため、それはそれで都合もいい。 そして、ここがテレビ局だということは、移動する必要もないということでもある。 「えーと、このメガホン?ってやつに向けて話せばいいのね」 「ああ。たぶん、それでここら一帯くらいには響くんじゃないか?」 ベルベットが手に持つのは、大型メガホン。 テレビの機材として置かれていたそれを見て、使い方を知るなり彼女はこう考えた。 これで相手に呼び掛ければ会いやすくなるんじゃないかと。 琵琶坂からしても、以前までならいざ知らず、今はゲッターの恩恵を得ているため、大概の相手が脅威ではない。故に、面倒な相手、特にメアリのようなやつらとはさっさと決着を着けられるならそれでいいと同意した。 そして、ベルベットがメガホンに声を吹き込めば、周囲にその声が響き渡った。 『あー、あー。ちゃんと響いてるわよねこれ...まあいいわ。いま私たちはテレビ局にいる。ベルベット・クラウと琵琶坂永至、この二人に用がある奴らは今すぐここに来い!』 【一日目/夜中/Hー5】 【ベルベット・クラウ@テイルズオブベルセリア】 [状態]:疲労(大)、全身にダメージ(大)、????を注入された。気分スッキリ。 [服装]:いつもの服装 (新品) [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考] 基本:復讐を果たす。私のやりたいことはソレだ。 0:テレビ局で他の参加者を待ち受ける。 1:琵琶坂永至、信用ならないが利用する。 2:会いたい...ライフィセット 3:『ゲッター』は邪魔をするなら排除する。 [備考] ※牢獄でのオスカー戦後からの参戦です ※3人でアイテムを結成しました ※恐らく『絶対能力者』へ到達しました。恐らく『その先』にも到達する可能性があります。 ※夾竹桃の知っている【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。 ※複合能力 『災禍顕現』を習得しました。本人の拡大解釈を以て穢れを様々な形として行使できる能力です。 ...が、本人が魔王になるつもりがないので出力は大幅に下がっています。 【琵琶坂永至@Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-】 [状態]:◆◆化、顔に傷、全身にダメージ(大)、疲労(大)、背中に複数の刺し傷、左足の甲に刺し傷、ゲッター線による火への耐性強化、火傷(中)、痣@鬼滅の刃 [服装]:黒のゴシックスーツ(ボロボロ) [装備]: [道具]:基本支給品一式、不明支給品0~1、ゲッター炉心@新ゲッターロボ、絹旗の首輪 [思考] 基本:優勝してさっさと元の世界に戻りたい……つもりだったが…… 0:俺の邪魔となるやつは全員潰せばいい。利用できるやつはとことん利用してやる 。ひとまずテレビ局で他の参加者を待つ。 1:ベルベットと組み、他の参加者を潰してまわる。ひとまずは休憩か。 2:あいつ(流竜馬)は許さない、が、関わりたくもない。頼むからどこかで勝手にくたばってろ。 3:あのクソメイド(咲夜)も殺す。...そういえばさっき居たな...殺しそびれたな...まあいいか 4:他の帰宅部や楽士に関しては保留 5:他に利用できそうなカモをがいればそいつを利用する 6:クソメイドの能力への対処方法を考えておく [備考] ※帰宅部を追放された後からの参戦です ※ゲッターに選ばれました。何処まで強化されたかは後続の書き手にお任せします。 前話 次話 暴走特急 投下順 戦々凶々(前編) 前話 キャラクター 次話 魔獣戦線 ー生命の輝きー ベルベット・クラウ --- 魔獣戦線 ー生命の輝きー 琵琶坂永至 ---
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ブチャラティ達は、進み続ける。 九郎の背には、見るからに重態の少年がおり、まさにその命は風前の灯に見えた。 フレンダも、この状況では逃げ出すわけにもいかず、二人の後をついていく。 「ブチャラティさん、あとどの程度ですか?」 「もう少しのはずだ。とにかく急ごう」 ブチャラティは周囲の警戒を怠らないまま進む。 こんな状況でも、襲い掛かろうとする不埒な参加者がいないとも限らないからだ。 向かう先は、病院。 とにかく、今はそこを目指すだけだったが人影が見えた。 そこにいたのは、一人のホスト風のスーツ姿の若い男。 傍らには妙な帽子姿の人形(?)に、銀髪のオカッパ頭の少年がいる。 一応、警戒は解かないが、少なくとも即座に攻撃を仕掛ける意思はないようだった。 相手の男はこちらを見て、少し驚いたように目を見開き、 「……お前ら、ブローノ・ブチャラティとライフィセットか?」 こちらから何か喋るよりも先に、男が訊ねた。 前者はともかく、後者の名前に関しては心当たりはない。 男の向けた視線の先から自分の事かと九郎も思ったが、 「2号!?」 「ら、ライフィセット!? どうしたんでフか!?」 銀髪の少年と、帽子姿の人形が背中にいる少年の方へと近寄ってくる。 スーツ姿の男の視線もよくみれば自分ではなく先ほど、あの魔王から保護した今も重態の少年へと向けられている事に気づく。 九郎に変わってブチャラティが、 「この少年の知り合いなのか? いや、それよりも何故、俺の名を――」 それを訪ねようとした矢先、 『――参加者の皆様、ご機嫌よう――』 ここで、あの忌々しい声が響く。 この会場にいる皆が知っているであろう声が。 ゲーム開始直後。 そして、前回の放送で多くの者に怒りと絶望を与えた声。 だが、それを聞いて相手の男は「ちょうどいいか」と呟く。 「俺の名は垣根帝督。テメエら、話を聞く気があるなら着いて来い。歩きながら、話してやるよ」 そう言って、背を向けて歩き出した。 「……どうします?」 九郎がブチャラティに問いかける。 「ちょ、ちょっと待ってよ! な、何だかあの男は怪しいし、やめた方がいいかなー、何て私は思うわけよ」 ……と何故だか、異様な焦り具合を見せるフレンダが口を挟んでくる。 「いや、行くべきだろう」 だが、それをブチャラティはバッサリと切り捨てる。 「確かにこんな状態で会った相手を、すぐに信頼しろというのは難しいかもしれないが、少なくとも奴には問答無用で攻撃してこようという気はないらしい。奴の口ぶりから、ジョルノの情報も手に入るかもしれん」 何より、と九郎の背にいるライフィセットへと視線を動かす。 「奴の歩いていった方向は病院だ。どちらにせよ、目的地だしあの男――垣根とやらを怪しんでここで足踏みしていたら、この少年が危険だ」 「そうですね。僕も同意です」 「……っ!」 2体1となり、自分の意見を押し通す事が難しくなったフレンダは黙りこむ。 「納得してくれたようだな。行くぞ」 そう言うと、ブチャラティは足早に垣根の後を追った。 続いてライフィセットを背負った九郎と、それを心配そうに銀髪の少年と帽子の人形が追った。 「ああもう!」 それを見て、ひとり残されたフレンダは頭を掻きむしる。 「こうなったら、覚悟を決めていくしかないってわけよ……」 それから肩を落としながら、その後を続いた。 ◇ ◇ ◇ 病院は、幾度かの戦闘によりひどい有様だ。 それでも、病院としての機能はある程度は残っており、薬や治療用の機材もある。 幸いというべきか、ギャングとして抗争の経験の多かったブチャラティも、不本意な経緯ながらも様々な治療法に関する知識のあった九郎が少年――ライフィセットの応急処置をしてベッドへと寝かせた。 だが、少年を蝕む謎の火傷のような痕は、二人の知識をもってしても原因が掴めない。 今もビエンフーとシルバ――聖隷と言う存在だと説明を受けた――ら二人で心配そうに傍らにいる。 それでも一旦は、落ち着いた事もあり、ようやくまともに話しあいがはじまろうとしていた。 「ジョルノが……」 垣根は病院まで向かう間、それにブチャラティ達がライフィセットの治療をしている間にも簡易な経緯の説明をしており、そして放送によって確定してしまった事実。 ジョルノの死。 ブチャラティにとって、それはとてつもない衝撃だった。 垣根の話によればマギルゥというこの少年の仲間と出会い、組まれた臨時チーム『スクール』。 そして、そのチームでの主催打倒を目指したという流れ。 なるほど、いずれも自分の知るジョルノ・ジョバァーナという少年らしい行動であり、彼がジョルノとチームを組んでいたという事に疑いは持たなかった。 だからこそ、先ほどの放送とも合わせて垣根から知らされた事実は衝撃だった。 ――ジョルノが死んだ。 相手は、鬼舞辻無惨というらしい驚異的な再生能力持ちの怪人物。 いや、この際は誰が相手などという事実よりもジョルノが死んだという事実にブチャラティは衝撃を受けていた。 ブチャラティは目を閉じて回想する。 ジョルノとの出会ってからの期間は、極めて短い。 『涙目のルカ』の一件から接触し、『ボス』への反逆まではわずか数日間の出来事だ。 この会場に来てから出会った者達と比べても、そこまで差はない。 だが、それでもジョルノという存在の死に予想以上にブチャラティは衝撃を受けていた。 パッショーネの『ボス』がトリッシュの件で裏切る前にしていた、もう一つの裏切り。 ブチャラティにとっての禁忌である、麻薬の売買。 その事実を知った時、ブチャラティの心は死んだ。 生きながらも死んだ状態だった。 ジョルノは、そんなブチャラティを再び生き返らせてくれた存在――まさに黄金の風だった。 その衝撃は大きかった。 間違いなくジョルノは死んだのだろう。 放送がデタラメを言っているわけでも、垣根が嘘をついているとも思わない。 垣根のこれまでの話から、間違いなく自分の知るジョルノ・ジョバァーナだと確信が持てる。 「ブチャラティさん……」 前回とは逆に、今回は九郎の知人――といっても、元々の知人で残されたのは岩永琴子のみであるが――の犠牲者は出ていない。 前回の放送の時とは真逆の立場に立つ事になった九郎から、不安そうに声をかけられる。 「こっちは話してやったんだ。お前らのここまでの話も聞かせろ」 垣根からしても、ジョルノやマギルゥへの義理立てのみで情報を話したわけではなかった。 見返りとしての、情報交換――いわば当然ともいえる要求である。 「……ああ、そうだな」 「ブチャラティさん、僕の方から話します」 それに応じようとするブチャラティを止め、九郎から話し始める。 これまで、臨時チームともいうべき自分達のまとめ役のような役割をやってきていたブチャラティだが、先ほどの放送を聞いてから明らかに気落ちしているように見える。 それゆえの配慮だった。 それが伝わったのか、ブチャラティも「頼む」とのみ小さく言った。 そして、九郎は話し始める。 これまでの経緯。キースやジオルドといった「乗った側」に襲われた事や、ホテルで別れたアリアや新羅の事。 最後に、列車でのあの魔王との戦闘やライフィセットの救出の事などだ。 一通り語り終えた後、 「とりあえず、岸谷先生が心配ですね」 九郎が放送を聞いてまず気になった事を口にする。 先ほどの放送で呼ばれた者の一人。 ――セルティ・ストゥルルソン。 岸谷新羅にとって大事な人。 特にゲーム開始直後から一緒にいた九郎にとっては、散々その名前を聞かされており、彼女とは直接会っていなくてもどれだけの思いを聞かされている。 そんな存在を失ったとなれば、新羅がどう動くか。 「それに、神崎さんの方も心配ですね」 もし仮に、新羅がマーダー化しようものなら、真っ先に犠牲になるのは同行しているはずのアリアだろう。 さらには彼女の知り合いと聞いた高千穂麗まで退場している。 「ああ。だが、彼女も無力な存在ではない。最悪の場合でも、何とか切り抜けてくれると良いのだが……」 ブチャラティもキースとの戦闘でアリアの実力は見ている。 だが、ここで問題となるのがアリアの性格だ。彼女の性格からして、逃げ出そうとするのではなく不殺を守り何とか新羅を無力化しようと考えるだろう。 それが裏目に出なければ良いが、と内心で少し不安になる。 「ま、ここにいねえ奴らの事を心配しても仕方がねえだろ」 そんな風に話す二人に、冷たい口調で垣根が話を戻す。 彼からすれば、どちらも一度も会っていない相手であり文字通り他人事なのだろう。 「それより、お前の話を聞いてジョルノの事で少し気になってる事がある」 垣根の知る「ジョルノ」は間違いなくブチャラティの知る「ジョルノ」だった。 だからこそ、一つの疑問が生まれる。 それは、垣根が聞いたジョルノとの話の間に生じた矛盾。 「ジョルノは、チョコラータとやらと戦い、コレッセオに向かう途中だと――そう言ったんだな」 垣根達、『スクール』は当初の予定では元々ジョルノの目的地だったコロッセオに向かい、その後にマギルゥら仲間が集う可能性が高いバンエルティア号へと向かう予定だった。 ところがその途上でチョコラータに屠られた参加者(妖夢)の死体を発見し、病院へと向かい、その予定も事実上消滅してしまったわけだが、こうして当初の目的を達してしまったのは皮肉というほかない。 「ああ。俺の知る限り、ジョルノがチョコラータとやらと交戦した記憶はない」 つい先ほど、垣根達が戦ったという相手、カビを用いて戦うスタンド使いでありボス親衛隊だというチョコラータ。彼は、元々の世界でも敵対した相手だったらしく、ジョルノの話によるとブチャラティもその相方と戦ったという。 だが、ブチャラティにその記憶はない。 「俺の知る限り、組織を、『ボス』への裏切りを決意したのがここに来る最後の記憶だ」 「だが、俺の知るジョルノの奴はそうじゃなかった」 垣根も詳細までは聞いてはいないが、大まかな流れは聞いている。 ジョルノらの所属していた組織『パッショーネ』から離反から、暫く経っていたらしく、『ボス』への反逆を決意した直後から来たというブチャラティの話とは矛盾している。 ブチャラティも、垣根が嘘をついているともジョルノが垣根に嘘をついたとも思っていない。 こんな意味不明の嘘をつく理由がなく、汗で見抜くまでもない。 ――そうなると、だ。 「呼ばれた時間が違う、んじゃないかな」 不意に、ブチャラティや九郎にとって初めて聞く少年特有の高い声で答えがきた。 ◇ ◇ ◇ (ここ、どこ……?) 草木の類は見えず、ただ暗いだけの闇が続いている。 身体が浮き上がり、今にも消えてしまいそうな現実感のない感覚。 朦朧としながらも、ライフィセットは理解する。 (これは、夢……?) だが、ひたすらに暗く深い。 夢は夢でも悪夢だ。 どこか、あの地脈と似た感覚の場所。 光らしきものも、生を感じさせるものがなく、ひたすらに暗い。 そんな中――それを見つけた。 一人の見覚えのある少女の姿。 「えれ、のあ……?」 一度目の放送で死を告げられた少女。 ゲーム開始からさほど経っていなかった頃。 この病院の地で、一人の参加者が命を散らした。 エレノア・ヒューム。 ライフィセットの器であり、元は敵対していた聖寮の退魔士の少女。 同じく参加者であるメアリ・ハントの『死の水』によって命を落とした。 そのような事情は、当然ライフィセットも知らない。 『ライフィセット』 エレノアは告げる。 「エレノア、僕は……」 ここは、死後の世界だというのか。 なんで――と思いかけた時、同時に思い出した。 (そうだ、ベルベットが……っ!) ようやく会えたと思った存在。 何よりも大事だったはずの存在。 だが、そのベルベットは何かがおかしかった。 ――そして。 (――っ!!) 全ての記憶が戻る。 様子のおかしかったベルベットに自分は殺され――、 『いえ、貴方は生きています』 そんな中、どこか憂いを帯びた表情のままエレノアが告げた。 『ですが、このまま私のところに来てしまった方が幸せかもしれません』 「どうして……?」 『起きても、苦しい事や嫌な事ばかりかもしれませんよ』 別人と豹変したベルベット。 いつ死んでもおかしくない重傷。痛くて、苦しい状態。 今もどこかで死んでいるかもしれない、他の仲間達。 問題は山積み。 このまま、意識を永遠に手放してしまった方が楽かもしれない。 『ですので、このまま――』 「嫌だ」 だが、エレノアが最後まで言う前に、ライフィセットが告げる。 「確かに生きてるって事は、悲しい事や苦しい事だってあるかもしれない。けど――それ以上に楽しい事だって、やりたい事だってやらなきゃいけない事だってある。だから僕は、生きる」 生きる者――そう名付けてくれたベルベット。 そして、目の前の少女に対しての答えだった。 「それに、ムネチカだって、僕のために戦ってくれた。その気持ちを裏切りたくない」 『そうですね。貴方ならそう言うと思っていました』 そんな返答を予想していたのか、エレノアも小さく笑う。 『ならば、多くを語る必要はありません。ただ――生きてください』 それだけを告げると、そこにいたエレノアが薄れていく。 「エレノア!?」 これは、少年の見たただの幻だったのか。 それとも本来、二人に契約の繋がりがあった事によって起きたバグのようなものだったのか。 ――あるいは、最期を迎える瞬間にもエレノアがライフィセットの行く末を案じた事によって起きた正真正銘の奇跡だったのか。 それは誰にも分からない。 (ん……) だが、一つの事実として朧気ながらも、ライフィセットは意識を取り戻していた。 全身が重傷で、全てを覆いつくさんばかりの暗い穢れに蝕まれたこの状態で、まさに奇跡ともいうべき出来事。 そんな中、漠然と、耳の中に入って来る声。 朦朧としながらもあの場から、この場にいる者達に助けられた事。 聞き覚えのある声もする。片方は、よく知る仲間の一人。 そして、もう片方も――記憶の中にある声と一致するものがある。 そんな会話が繰り広げられる中、身体をまともに動かす事すらできない状態のためか、逆にあの時の事を今になって冷静に回想できた。 あのベルベットとは、色々と嚙み合わない事が多々あった。 『やっぱりあんたは、ラフィじゃない』 彼女の言い様ではまるで、ライフィセットの事を仲間である「フィー」ではなく、実の弟の「ラフィ」であるライフィセット・クラウを騙っているかのような言い方だった。 先ほどから、ブチャラティ達の会話を聞いていて――もし、彼女が自分と出会うタイミングから来ていたとした――そんな推測がガッチリと噛み合った。 もしかしたらあのベルベットはこの会場に――。 「呼ばれた時間が違う、んじゃないかな」 気が付けば、声が出ていた。 「ら、ライフィセット!? 気が付いてたんでフか?」 「に、2号、大丈夫なの……?」 部屋にいた者達、全員がこちらを見て、ビエンフーとシルバが不安そうに声をかける。 「うん。ビエンフー。それにシルバもいたんだね」 「2号……」 「ううん。僕は2号じゃなくてライフィセットだよ、シルバ」 顔色の悪いまま、ライフィセットはそう訂正する。 ビエンフーはともかく、シルバはあのカノヌシによってドラゴン化してしまい、自分の意思を持ち、話していたシルバという聖隷としては完全に死んでしまった。 そんな相手と再開できた事はこんな状況でさえなければ、手放しで喜べた事だった。 「えっと……」 そんな中、代表する形でブチャラティが前に出る。 「ああ、改めて自己紹介をしよう。俺はブローノ・ブチャラティだ、ライフィセット」 「うん、助けてくれてありがとう。その、ムネチカは……?」 未だに顔色は悪く、全身を蝕む穢れや激痛にこらえながらもライフィセットは同行者だった女性の事を口にする。 「ムネチカ、というのは一緒にいた獣耳の彼女の事か?」 状況的におそらくは間違いないとは思うが、確認の為に訊ね、ライフィセットが頷いたのを見てブチャラティは答える。 「すまない。彼女までは助けている余裕がなかった。だが、先ほどあった放送でもその名前は呼ばれてはいない。ひとまずは安心していいはずだ」 実際のところ、安心などできない。 あのような危険な連中の虜囚となった可能性が高く、生きているからといって何をされているか分からない。 だが、それをわざわざ口にする事はなかった。 それでもそれが分かっているからか、ライフィセットはその表情をさらに悲痛なものへと変える。 「それよりもだ。呼ばれた時間が違うってのはどういう事だ?」 だが、それに構う事なく垣根が口を挟む。 「いや、その前にお前の知っている事を教えろ。ここに来てからこれまでの全部だ」 「か、垣根さん、ちょっとそれは……」 「ううん、ビエンフー、いいから……」 奇跡的に意識を取り戻しているとはいえ、半死人状態の少年を相手に情報提供を要求する垣根に、ビエンフーが苦言を呈そうとするが、ライフィセットは苦し気に顔を歪めながらも、話はじめる。 ここに来てからムネチカと会った事、ジオルドと名乗る相手との遭遇や、列車で意識を取り戻してからの戦闘。そして、噛み合わないベルベットとの会話などをだ。 「ジオルド・スティアート、か」 「ええ、やっぱりと言うべきですか……」 キース・クラエスと同様に、カタリナ・クラエスのために殺しあいに乗った者。 実際にその様を見ている九郎が、当時の事を思い出す。 案の定、殺しあいにのったまま、未だに会場のどこかにいるようだ。何とかすべき存在である事に変わりないが、今は他に問題がある。 「そ、それじゃあベルベットはずっと前の状態で呼ばれたって事でフか!?」 「うん。そう考えるしかないと思う」 ビエンフーの言葉にライフィセットは頷く。 「それも確かに気にかかるが――そのベルベットとやらと手を組んでるって奴は多分、俺の知ってる奴だな」 「そうなのか?」 「ああ、同じ学園都市の第四位のレベル5だ」 ライフィセットの語る外見的な特徴や能力から垣根はそう推測する。 これまでずっと黙っているフレンダがビクリと動いた気がしたが、垣根は気にする事なく続ける。 「けどまあ、それよりもだ。単に過去から来たってだけじゃあ、説明がつかねえ事がある。そうだろ」 あれは、ベルベット・クラウであってそうでない者へと変貌した。 「もしか、したら、何か、されているのかもしれない。もし、そうなら、何とかして……」 そう言いかけた時、先ほど以上に顔色の悪くなっていたライフィセットの意識が再び闇に落ちた。 「ら、ライフィセット!」 ビエンフーとシルバが慌てて近づくが、再びライフィセットは深い眠りについているようだ。 「無理もない。この状態だ。これまで話せていた事が奇跡だ」 穢れを抜きにしても、身体全体にダメージを受けており、両腕もないまま。応急処置こそしたものの、未だに重傷のままだ。 奇跡的に意識を取り戻していたとはいえ、喋ることすらきつかったはず。 「凄まじい精神力、ですね」 「ああ」 そんな状態で話していた事に、九郎も驚き、ブチャラティも頷く。 幼い身体でありながらも、彼の目には弱っていても決して折れない強い意思の力を感じた。 (そうだな。俺も落ち込んでばかりいられないな、ジョルノ) ブチャラティは今は亡き部下に改めて近い、意識を切り替える事にした。 再びライフィセットは寝かせられ、ここで九郎が口を開く。 「それで、何ですが一ついいですか?」 「ああ、どうした?」 「その、ここに来てから話そうとしていた事があるんですが」 そう言って、九郎は話始める。 ――鋼人七瀬。 天然のものではなく、現代を生きる人間達の妄想や願望によって生み出された『想像力の怪物』。 かつて、九郎の従姉である桜川六花が放たれた存在であり、岩永琴子によって消滅させられた。 九郎もそれに助力したため、当然ながらよく覚えいている。 七瀬かりんという亡くなったアイドルに対するイメージから生み出され、誹謗中傷をした世間への復讐心から夜な夜な人を襲う怪人となり、実際に人を襲い始め、ついには死人が出てしまう。 これを放置すれば、完全に手のつけられない化け物へと変貌し続けてしまうと考え、九郎の恋人であり知恵の神である岩永琴子と共に無力化し、ついには消滅させる事に成功した存在を。 「それと今の話に出て来たベルベット・クラウが、似ていると?」 ブチャラティとしても、今更九郎の言葉を疑いはしない。 スタンドだけでなく、魔法だ聖隷だ超能力だと言った話が出てきているのだ。 想像力の怪物などといった存在を聞かされても、嘘だとは思わない。 「ええ。何を、と言われても説明には困るんですが」 だが、これは鋼人七瀬と実際に対峙し、直接戦った九郎だからこそ分かる感覚であり、ブチャラティにそれを伝える事は困難だった。 (想像力の怪物、ねえ) そんな中、垣根は二人の会話を聞きながら、冷静に思考を進める。 超能力は、オカルトの類ではなく科学的な力によってつくりだされたものだが、その根幹となるものは『自分だけの現実』であり、ある意味では妄想であり、思い込みに近い。 だが、それはあくまできっかけとなるだけのものであり、科学的な力の補助を受け、開発とカリキュラムを進め、ようやく身に着ける事ができる。 「おい、ビエンフー」 ここで、垣根はビエンフーに視線を向ける。 「なんでフか?」 「ベルベット・クラウは、元々そんな力は持っていなかったんだよな」 「そうでフねえ、ベルベットは喰魔っていう特別な業魔だったでフが、そんな力はなかったでフよ」 おそらくはビエンフーがベルベット達、災禍の顕主御一行に加わったのは、マギルゥがエレノアからビエンフーを奪い返して以降の話。 少なくともライフィセット合流前の段階らしいベルベットのようだが、そんな力を持っていたという話も聞いていない。 「となると、その力に目覚めたのは、この会場に来てからって事か。という事は、だ。やっぱりコレが関係してるかもしれねえ」 そう言って、ジョルノやマギルゥの首輪を取り出す。 「それは、首輪か」 「ああ、俺達をこんなクソみてえなゲームに縛り付けてる元凶だ」 ブチャラティの言葉に、垣根は苦々しげに答える。 「さっきも言ったように、こいつには色々と書かれてあった」 色々と優先して話す事があったため、後回しにしていたが、改めてこの首輪に関して書かれてあった事を垣根は話す。 仮想世界。さらには、自分達が生み出された存在であるかのような書き方にさすがのブチャラティも九郎も目を瞬かせる。 「メビウスをベースとした世界だの、生み出した存在だの色々と気になる事が書かれてありますね」 「ああ、だがそれなら納得してしまう事もある」 ここが生み出した世界、あるいは仮想世界だというのはブチャラティにとってある意味、説得力がある答えでもあった。 何せ、ブチャラティの身体はあの時、『ボス』によって完全に殺されていたのだ。 ジョルノによって与えられた奇跡でも、決して長くは持たないと思われていた。 それが、確かな肉体を持って蘇っている。 あの時のブチャラティを拉致して会場に連れて来て、新しく肉体をつくりだしたなどと考えるより、よっぽどか説得力が出る。 そしてそれは、九郎にとっても同様。 何せ、この人魚の力とくだんの力を身に着けた身体はあらゆる意味で手の施しようがなかった。 力を失う事もできず、だからこそ六花は様々な策を取ろうとしていたのだ。 にも関わらず、その片割れである未来予知の力があっさりと失われている。 身体に手を加えて改造した、と考えるよりはくだんの力は再現しなかった、と考える方が説得力が出てしまう。 「垣根。お前はここが作られた世界で、俺達も作られた存在だと考えているのか?」 ブチャラティの質問に、垣根は「いや」と返す。 「今の時点じゃ、結論は出せねえ。都合の良い事ばかり考える脳ミソお花畑のつもりはねえが、何もかも悪い方にばかり考えてウジウジと悩み続けるつもりもねえ。今の時点じゃ、コイツに書かれてある文章のみだ。それも、こんな風にご丁寧にわざわざと書かれた、な」 別の場所で考察を進めている、岩永琴子やレインとは違い、垣根の手元にあるのメビウスに関する情報源は首輪の説明のみ。 二人と違い、バーチャドールや楽士といった情報源がない以上、考察という点では後れを取らざるをえなかった。 「それに俺は俺だ。このクソみてえな殺し合いに従う気なんざ微塵もねえし、ぶち壊す気でいる」 「……そうだな。少なくとも俺も、『ブローノ・ブチャラティ』としての心を持っている。ならば、やるべき事は変わらない」 ブチャラティも納得したように、垣根の言葉に頷いて見せる。 ジョルノを失った喪失感からも立ち直りつつあり、強い決意の力を瞳に宿しはじめていた。 「それで、話を戻すぞ。ここがメビウスとやらかは置いておいて、かなり特殊な空間だって事に違いはねえ」 だからこそ、起こりえた事。 「お前の言う、鋼人七瀬とやら以上に意思やら妄想やらの力がモロに影響を受けやすいのかもしれねえ」 「それが、あの魔王のような変貌を果たしたと?」 「ああ、まあ、実際にはそんな単純なものじゃねえだろうが、色々と条件が重なったんだろうな」 垣根としては、この戦いの目的として異能力者達を戦わせる事によって既存の存在とも違う存在を生み出そうとしているのではないか――と推測もしているが、これはあくまで推測。 それ以上は話す気はなかった。 「まあ、良い。俺はそいつと関わる気はねえ。何かする気があるなら、お前らで相談でもしてな」 マギルゥとの約定は、あくまで災禍の顕主の御一行であるベルベット・クラウに対してのもの。 この会場にいるベルベットがその枠組みから外れた存在であるならば、何の義理もなく関わる気もない。 もちろん、襲ってくるというのであれば返り討ちにする気ではあるが。 あの魔王ベルセリアについての話は、いったんここまでとなり、垣根は次の議題へと移る。 「俺はこの後、あの触手野郎――鬼舞辻無惨をぶっ潰す気でいる」 無惨という男が、ジョルノを含む垣根の仲間達を殺した事は既に聞いている。 「仲間の復讐なんて言う気はねえが、あのクソ野郎がのうのうと会場をうろついているってだけで虫唾が走るんでな」 「……そうか」 ジョルノの仇を殺すと宣言する垣根に、ブチャラティの返答はあっさりとしたものだった。 「自分の手で部下の仇討ちをする気はねえのかよ」 「ああ。ジョルノの奴なら、自分の仇討ちを優先しろとは言わないだろうからな」 ――ブチャラティ、それよりも他の事を優先しましょう。 ブチャラティの脳裏に、部下だった黄金の少年の言葉が聞こえた気がした。 ジョルノの意思を継ぐのであれば、この状況下でブチャラティ一人でとび出し、どこにいるかも分からない鬼舞辻無惨という男を討つべきだ――などとは間違っても言わないだろう。 「確かに、アイツならそう言うだろうな」 半日ほどの付き合いでしかなかったが、垣根もそれに同意する。 冷静で、思慮深く、それでいて行動力もある。窮地でも落ち着いて行動のできる優秀な男。 そんな男が、 『――後は頼みます』 「――っ!」 最期の場面が、垣根の中で再生される。 (クソが。だったら、頼むのは俺じゃねえだろうが) 最後の希望を垣根に託し、ジョルノは逝った。 「どうかしたのか?」 「なんでもねえ。それよりもだ」 ジョルノの顔を脳裏から振り払い、垣根は続ける。 「テメエらのボス――ディアボロも見つけ次第、俺が殺す。そっちにも文句はねえな」 ブチャラティやジョルノの所属する組織『パッショーネ』のボスであり、リゾットにとっての仇でもある人物。 リゾットの部下であるソルベとジェラートを殺した実行犯は、先ほどリゾット自らが屠ったチョコラータであっても命令したのは間違いなくこちらだ。 もしリゾットが生き残っていたのであれば、間違いなく追い続けていただろう。 「ディアボロ――それがボスの名前か」 ブチャラティにとって、その名前を知るのはもう少し後の時間軸の話。 このブチャラティにとっては初めての事だった。 「ボスも、この殺し合いに巻き込まれていたとはな」 複雑な思いを抱えながら、ブチャラティは呟く。 ブチャラティにとって、参加者名簿の中で知っている相手はジョルノのみのはずであり、アリア達にもそう答えていた。 しかし、実際にはチョコラータやリゾット、そしてディアボロのような存在までいたのだ。 「そいつも俺の獲物だ。構わねえな?」 無念の思いを抱えて死んだリゾットの代理などという気持ちはない――つもりだ。 それに、垣根がディアボロに対して好印象を持っていなかったのは事実だ。 自身は安全圏から見下ろし、リゾットらに危険な仕事をやらせながらも冷遇した存在。それが、学園都市上層部とどこか重なっていた。 一方、ブチャラティにとって、ディアボロことボスは許せない存在ではある。 しかし、ボスを倒そうとしたのは、あくまでトリッシュを、そして仲間の安全のため。 さらには組織を牛耳り、麻薬を国や街から排除しようというジョルノの思いに共感したからだ。 ボスの命そのものには、そこまで執着はなかった。 最も、この殺し合いに参加しているというのであれば、ボスが大人しくしているはずはない。向こうから狙ってくるのであれば、別である。 その時は、絶対に排除する必要のある相手だ。 だが、少なくとも現状で自分から動く気はない 最も部下であるレオーネ・アバッキオがボスによって始末された後の時間軸から来ていたのであれば多少は優先順位が変わっていたかもしれないが。 「俺は無理にボスを狙う気はない。お前がどう動いても止めはしない」 その答えに垣根も「そうかよ」とのみ答えた後、 「それで、お前らの方こそこれからどうする気だ?」 「とりあえずは、彼――ライフィセットをどうにかする方法を探そうと考えている」 相変わらず眠り続けている、ライフィセットを見る。 先ほど意識を取り戻せていたのが奇跡か何かのように、再び深い眠りについている。 「そうですね。身体の欠損だけなら、何とかなる方法があるかもしれませんが……」 九郎の言う事は、決して気休めではなかった。 九郎の再生能力、さらにはブチャラティの知るジョルノのゴールドエクスペリエンスのように身体の部品をつくるような能力者もいる。 重傷であるライフィセットの身体を治す方法もあるかもしれない。 だが、問題は、 「これ、ですよね……」 ライフィセットの身体を蝕む強力なナニか――ビエンフー曰く彼の元の世界にあった穢れと呼ばれる存在に近いもの。 「ビエンフー。これはお前の知る穢れとやらに近えんだよな」 「そうでフね。全く同じとはいえないでフが……」 「その穢れっつうのは、器とやらと契約しちまえば何とかなるはずだな」 本来、聖隷と呼ばれる存在である彼は人が発する穢れは猛毒らしく、清純な存在である器と呼ばれる存在と契約する必要があるらしい。 「なら、話は簡単だ。聖隷契約とやらをしてみれば何とかなるかもしれねえぞ」 「ええ!? でも、これは単なる穢れとは明らかに違うでフ。そんな事をしても何とかなる保証はないでフよ?」 「このままなら、間違いなく死ぬぞ」 垣根の言葉に、ビエンフーも黙り込む。 何も手を打たず放置するか、何とかなる「かも」しれない手を打ってその可能性にかけるか。 その二択しかない。 「だが、俺達はその契約とやらのやり方を知らないぞ」 「いや、そのやり方ならここに書いてある。本来なら、対魔士とやらじゃねえとできねえらしいが、ここでは問題ないようだ」 ブチャラティの言葉に、垣根が数枚の紙片を差し出す。 それは、マギルゥの遺品を整理している時に、見つけたものだった。 『これを読んでいるという事は、儂は死んでいるというという事じゃろう。おお、何という悲劇、この大魔法使いの葬儀は盛大にするのじゃぞ! 具体的にはお主の全財産の半分くらいを使ってな♪』 そんなふざけた――マギルゥらしい書き出しからそれははじまっていたが、そこからの内容は真面目なものだった。 非常時に備え、万一の場合があった場合、シルバと契約するようになっている事。 スタンド使いのジョルノにはそれが難しい事。 先ほど、ビエンフーと話した推測通りの内容だ。 途中から、様々なパターンを想定した事が書かれてある。 今、実際にそうなったようにマギルゥとジョルノが死んで、垣根が生き残った場合。 マギルゥのみが死んだ場合。 そして今渡したのは、マギルゥと垣根が死んでジョルノが生き残った場合のパターンのものだ。 その場合のフリーになった聖隷――シルバを他の参加者と再契約する場合を想定して、聖隷と契約するための手順の説明が書かれてある。 それを垣根はブチャラティに手渡す。 「いいのか?」 「ああ。俺はもう目を通した。必要ねえよ」 「感謝する」 ブチャラティが受け取ったのを確認する。 「だが、契約とやらをしたところで何とできるかは……」 「それ以上は、俺は責任を持つ気はねえ」 そこまで言うと、垣根は立ち上がった。 「さて、とだ。話す事はこんなものか」 「行くのか?」 「ああ。悪いが、いつまでも仲良しこよしってのは性に合わねえ。ここから先は好きにさせてもらうぜ」 垣根からすれば、あの鬼舞辻無惨やディアボロを討ち、さらには主催者も討つ気でいる。 義理は果たし、情報交換もすませた以上、いつまでも病院に留まる気はなかった。 ここにいる面子で再び対主催チームを、という気も起きない。 あのメンバーこそが特別であり、他のチームなんて考えられない――というわけでもなかった。 単純なチームとしての相性の問題だ。 ジョルノやマギルゥの話からも聞いていたし、実際に出会ってからのやり取りでも分かったが、 ブチャラティはギャングではあるが、義侠の者。目の前で窮地に陥っている者を放ってはおけない。初見の相手であるライフィセットを窮地から救ったりした事からも分かる。 ライフィセットや九郎にしても、そちら側だろう。 垣根は悪党を自称しているし、必要のない鬼畜行為を行うような外道と呼ばれるまでに堕ちる気はないが、必要とあれば非道な手であろうが、垣根は取る気でいる。無惨やディアボロ、そして主催打倒のためなら手段を選ぶ気はない。 こうして情報交換を交わす程度ならば問題はないだろうが、長期的に行動を共にすれば、そういった事に対する意識のズレはいずれ綻びとなって出てくるだろう。 「それに、さっき言ってたテメエらの仲間。何かあれば伝言程度は伝えてやるよ」 「アリア達の事か?」 新羅が放送の後、どうなっているかは分からない。だが仮に二人とも、無事で何事もなかったにせよ、このまま池袋駅に向かわれても合流できないかもしれない。 「それなら、こちらに――病院に向かうように言ってもらえませんか?」 「……分かった」 九郎の言葉に垣根は頷く。 今の状態で、下手に病院から動くのは逆に危険だろう。 さらにいうなら、問題のセルティ・ストゥルルソンがこうなってしまった以上、池袋駅に集合する理由も一つ減っている。 首輪の解析についても必要がなくなったため、研究所に行く必要性も薄れた。 「ありがとうございます」 「あくまでついでだ。会えなかったとしても、文句言うなよ」 「いや、それでも感謝する」 今度はブチャラティが言う。 「それより、お前ら。こんな目立つところにいつまでも留まるつもりか?」 病院は、地図にも表記されており、遊園地や映画館などといった場所とは違い、怪我人の出やすいこの状況では人が集まりやすい。 事実、ブチャラティ達がここに来たのもそれが理由だ。 「そうせざるを得ないからな」 だが、ライフィセットの事がある以上、下手に動くわけにもいかない。 とはいえ、「乗った」側が来てしまえば、窮地に陥る事は間違いない。 (何か罠でも仕掛けておいた方がいいかもしれんな) 幸いにも、フレンダが色々と使えそうなものを持っていたはずだ。少なくとも足止め程度はできる罠を設置できるかもしれない。 垣根は「そうか」と頷いた後、続けて先ほどから、心配そうにライフィセットに付き添ったままの少年――シルバへと視線を動かす。 「それでお前はどうする気だ?」 「!!」 「俺は今言ったように、ここから去る。お前がそいつの所に残りたいなら、好きにしろ」 「え? いいの……?」 思わぬ言葉に、シルバは驚いたように目を瞬かせる。 「残りたいならはっきり言やいい。嫌がってる奴を無理に働かせても大した力にはならねえよ。敢えていうぞ、命令じゃねえ。お前の意思で選べ」 「……」 シルバは黙り込む。 暫しの沈黙の後、小さくだがはっきりとした言葉が出た。 「その、僕は2号と、ライフィセットと残りたい」 「そうか」 垣根の返答は短かった。 それに込められていたのはいかなる感情か――少なくとも、未だ幼いままのシルバには分からなかった。 「そ、その。また会える、よね……?」 そう言ったシルバに垣根は「違えよ」と修正する。 「……会えるか、じゃねえ。また会うんだよ。テメエ自身の力でな。邪魔な連中倒し続けてりゃあ、どうせそのうちまた会えるだろ」 「はい!」 そう頷いたシルバに背を向け、垣根は今度こそ病院を出ていった。 ◇ ◇ ◇ 「ま、待って欲しいでフ~」 病院を出た垣根は、背後から来たビエンフーの方を向く。 「ああ、そういえばお前もいたな」 「ひ、ひどいでフ!?」 今気づいたと言わんばかりの態度の垣根にビエンフーは近づいていく。 「一応、離れていても聖隷術とやらは問題なく使えるみてえだし、テメエも残ったところで別に良かったんだがな」 「そんな冷たい事言わないで欲しいでフよ……」 ビエンフーとて、旅の仲間であるライフィセットが心配でないはずがない。 重傷を負い未だ危機的状況にある状況にあるのだ。 だが、あちらにはブチャラティ・九郎・フレンダ、さらにはシルバが着いているのに対し、垣根は仲間を皆失って一人のままだ。 亡き主の意思もあるし、現時点の主でもある垣根をこのままにはできない。 それに、このまま放任しておけば何処かで誰にも知られずに亡くなりそってしまいそうであり心配だった。 が、それを口にする事はなかった。 それを口にする事は間違いなく垣根はそれを否定するだろうし、ビエンフーも素直に口にする事はできない。 「そういえばあの金髪の娘、一言も喋って来なかったでフね」 そんな思いを誤魔化すように、ビエンフーは何故か一言も喋ってこなかった少女の事を、ふと口にする。 何やら驚いたり、焦ったりしている様子はあったので、聖隷2号時代のライフィセットのように意思を封じられているというわけではないようだが。 「ああ、あいつは多分、俺の口から都合の悪い事を話されたくなかったんだろうな」 「ええ!? あの娘の事、知ってたんでフか?」 「アイツは、俺と同じ出身だ」 顔写真付きの参加者名簿にもしっかりと書かれてある。 フレンダ=セイヴェルン。 ここに来る直前――本当にここがメビウスとやらならそれも怪しくなるが――返り討ちにして、情報を引き出した「アイテム」の女。 「じゃ、じゃあ、どうして言わなかったんでフか!?」 「別に必要ねえからな」 フレンダを助けるつもりも、糾弾する気もなかった。 ただ、別に必要がないと判断した。それだけの事だった。 奴も学園都市の暗部組織の人間ではある。あの反応からして、おそらくブチャラティ達に全てを語っているわけではあるまい。ただの巻き込まれた一般人として振る舞っているのかもしれない。 垣根も学園都市の暗部の人間。 人の事をどうこう言うべき立場にないし、咎める資格もない。 そしてそれは、つい最近までカタギだったらしいジョルノはともかく、マギルゥやリゾットにしても同様のはず。 この会場に来る前の事など、どうでも良かった。 脱出の為に協力できる存在であるか、無惨のように邪魔な存在か、何の役にも立たない存在。 過去の事などどうでもよく、垣根にしても大事なのはそこだ。 問題なのはここに来てからの行動だった。 共闘ができ、主催者打倒という目的を持っていれば殺人者だろうがテロリストだろうがどうでも良い事だ。 故に、敵対する気がない限り放置。 それが、垣根の対応だった。 ――最も、垣根は知らない。 ここに来てから、フレンダは様々な問題を起こしている事を。 流竜馬を罠に嵌めた事を。さらには、その竜馬の悪行をでっちあげ、他の参加者に広めていた事を。 そして、その悪行を知る参加者が各地で出始めていた事を。 最もそれを知ったところで、どうする気もなかっただろうが。 垣根はフレンダの事など、気にする事なく歩を進めていった。 【E-6/一日目/日中】 【垣根提督@とある魔術の禁書目録】 [状態]:疲労(小)、全身に掠り傷、強い決意 [服装]:普段着 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3、ジョルノの心臓から生まれた蛇から取り出した無惨の毒に対するワクチン、ジョルノの首輪、マギルゥの首輪、妖夢の首輪、リゾットの首輪、ビエンフーテイルズ オブ ベルセリア@、土御門の式神(数個。詳しい数は不明)@とある魔術の禁書目録、マギルゥの支給品0~1、ジョルノの支給品0~3、顔写真付き参加者名簿、リゾットの支給品2つ [思考] 基本方針: 主催を潰して帰る。ついでにこの悪趣味なゲームを眺めている奴らも軒並みブッ殺す。 0:とりあえず、大いなる父の遺跡の方角に向かいアリア達に伝言を伝える 1:あの化け物(無惨)は殺す。 2:リゾットの標的だったボスも正体を突き止めていずれ殺す。 3:未元物質と聖隷術を組み合わせた独自戦法を確立する。道中で試しながら行きたい。 4:異能を知るために同行者を集める。強者ならなお良い。 [備考] VS一方通行の前、一方通行を標的に決めたときより参戦です。 ※ジョルノ、リゾット、マギルゥの支給品も垣根が持っています。 ※未元物質を代用した聖隷術を試しました。未元物質を代用すると、聖隷力に影響を及ぼし威力が上がりますが、制御の難易度が跳ね上がります。制御中は行動が制限されます。 ※首輪の説明文により、自分たちが作られた存在なのではないかと勘繰っています。 ※ブチャラティ達と情報交換をしました。 ◇ ◇ ◇ 「ああもう!」 フレンダは、一人で頭を抱えている。 「結局、状況は何も改善してないってわけよ……」 警戒も兼ねて外の見張りをしてきて欲しい、というブチャラティの頼みにより、病院の周囲を歩きながらぶつぶつ呟く。 自分を警戒しているであろうブチャラティが、自分を外して九郎と何か相談でもしたいのだろう――と想像はつくが、断る事もできずに従っていた。 「あの第二位が何も言わなかったのは助かったけど……」 垣根帝督――あの麦野が対抗意識を強く持っていた相手であり、学園都市の第二位。 何か自分の不利益になるような事を言いだすのではないかと、ずっとハラハラしていたが、特にそんな事はなかった。 「とにかく、何か考えないとまずいってわけよ」 ふう、と一つ息をついてから、先ほどまでの会話を頭の中でまとめる。 様々な情報が彼らの間で飛び交っていたが、フレンダは最後まで口一つ挟む事はしなかった。 放送が流れ、この会場で知り合った彩声の退場を知ってもそこまで心は動かない。第一回放送で亡くなっていたのであれば、自分のせいかもという罪悪感も多少はあったかもしれないが、第一回放送の時点では生き残っていた。 おそらく自分とは無関係の原因で亡くなったのだろうと素早く割り切る事にした。 同じ『アイテム』である絹旗の退場を知っても、弔いどころか驚きの言葉すら口にする事はできなかった。 何せ、自分の知り合いは浜面と滝壺のみだと、ブチャラティと九郎には話してしまっている。 ライフィセットの口から、麦野らしき人物について触れられた時も同様だった。 何かしら矛盾が出てしまえば、自分が窮地に追いやられる。 レインの時も、もう少し大人しく立ち回っていれば、もっとうまくやれたかもしれないという後悔もあった。 (なんだってこんな事に……) 放送によれば、あの流竜馬も平和島静雄もレインも未だに存命。 あれから既に何時間も経っているのだ。逆に自分の悪評を他の参加者にバラまかれている可能性は高い。 時間が経てば経つほど、自分の首は絞まっていくだろう。 竜馬を嵌め、悪評をばらまいていった行動は完全に裏目に出てしまっている。 さらには、麦野はあの化け物とさらにもう一人と手を組んでいる可能性が高い。 それだけでも問題なのに、向こうが気づいているかは分からないが、その麦野から獲物を搔っ攫うような真似の手伝いをしてしまったのだ。 もしバレていれば、マズい。とてつもなくマズい。 その上で、自分の失態の尻拭いなど頼めるはずがない。 もはや麦野との合流という選択肢も潰れてしまったに等しい。 退路は完全に塞がれ、頼れる味方もいない。 こうなると、残された手段は。 (ブチャラティ達に本当の事を話して、守ってもらう?) 竜馬ならわからないが、ブチャラティも九郎も問答無用に自分を処断するような真似はしないだろう。付き合いは短いがそれは分かる。 曲がりなりにも、ライフィセット救出の際には役立ったのだ。その功績もある。 だが、それでも今後の行動に大きく制限をかけられるかもしれないし、再度裏切ったり出し抜く事は絶望的になるかもしれない。 やっぱり、それはやめてこれまで通りにうまく立ち回ろうとするべきか。 そう考えた時、 『俺は生きたいと願う気持ちは否定しない。だから考えろ。犯した罪にどう向き合うかは、きみ次第だ』 不意に、第一回放送で散ったあの炎の男の言葉が脳裏に蘇る。 あの後、結局は竜馬や静雄への謝罪という道を取る事はできなかった。そして、その後にあったシグレ達に、そしてブチャラティ達に本当のことを言う事なくズルズルきてしまい、気がつけばこの状態だ。 まるで、真綿で首でも絞められているかのように、じわじわと追い詰められ、取れる選択肢を失い続けてきている。 (私は――) 悩むフレンダだが、その結論を出すまでに考える時間はあまり残っていないかもしれない。 なぜなら竜馬からフレンダの悪行を知らされた、博麗霊夢とカナメがこちらに近づいてきているのだ。 彼女に残された決断までのタイムリミットは、決して長くなかった。 「フレンダさん、大丈夫でしょうか……」 垣根とビエンフーに続き、フレンダも外に出ているため、一気に人口密度の下がった部屋で九郎は呟く。 この「大丈夫」というのは、フレンダの事を心配しての言葉ではあるが「何かしでかすのではないか」という警戒心からの意味も含まれている。 垣根との情報交換の間もフレンダは挙動不審な様子であり、ブチャラティほど警戒していなかった九郎からみても、明らかに怪しかった。 「何事もなければ、それに越した事はないのだがな」 ブチャラティとしても、フレンダがシロだというのであればそれに越した事はない。 だが、あまりにも怪しい言動が多かった。 かといってクロだという確定的な証拠があるわけでもなく、現状ではこうやって行動を共にしながらも警戒し続ける事しかできない。 「腹を割って話す事ができれば良いんだが、そう簡単にはいかんな」 結局のところ、今のままではフレンダは「とても怪しい」止まりなのだ。 何か隠し事をしているようだが、無理に暴くわけにもいかない。 「それよりも、当面の問題は」 「ええ」 二人の視線が、未だに眠り続けるライフィセットに向けられる。 シルバも不安そうにそのそばにいる。 先ほど、意識を取り戻せていたのが嘘のように深く苦し気な眠りだ。 傷口への手当はしたものの、黒い火傷のような穢れは消えておらず、誰がどうみてもまずい状態だ。 「問題はこの穢れ、というのに近いコレを何とかする必要がある事ですね」 「ああ、聖隷契約とやらは俺では難しいらしいが……」 垣根らの説明によるとスタンド使いでは、聖隷契約ができない可能性が高い。 かといって、色々と疑わしい事が多いフレンダにやらせるわけにもいかない。 となれば、消去法で九郎という事になるが、その場合も問題がないわけではない。 聖隷の器とは、聖隷が穢れないよう本来は清純さを維持した存在がなるものらしい。 だが九郎は人ならざる者であり、妖怪やら物の怪などと言われる存在からも異常な存在らしい。 不死の力や、こちらに来てから使えないとはいえ未来予知の力もある。 そんな存在と契約を結んでしまえば、どんなイレギュラーな事態になるかわからない。 「そうですね。いざとなったら僕がするしかないでしょう」 だが、それでも試さないと確実にライフィセットは死ぬだろう。 ハイリスクだろうが、躊躇っているうちに死にましたなどという事は避けなければならない。 今は応急処置をしつつ、何とか延命させているがいつまで持つかもわからない。 「そうだな。絶対に助けなければ」 ブチャラティにとって、幼い子供のような存在は絶対に守るべきものだ。 あのように、強い意思を見せた存在であればなおさら。 ブチャラティは知らないが、ライフィセットの間にはある共通点があった。それは、ある人物と出会うまで両者ともに「生きて」いなかった。 ライフィセットは、意思の封じられた聖隷2号として、そこに自分の意思は存在せず、主であるテレサに従うだけの生きながら生きていない状態。 ブチャラティはジョルノと出会うまで、麻薬を憎みながらも麻薬を売る パッショーネの一員として活動するという矛盾を抱えながらも生きながらも死んだ状態だった。 そんな状態からライフィセットはベルベットと、ブチャラティはジョルノと出会う事によって再び「生きる者」となったのだ。 そういった事からの、無意識でのエンパシーでもあった。 「ところで九郎。お前の言う鋼人七瀬とやらは、最後は消滅したんだったよな」 ライフィセットの件もあるが、あの魔王ベルセリアへの対策も必要だった。 今は後回しにしても、いずれは対処する必要がある。 「はい。ですが、鋼人七瀬は無から生まれた存在ですので、今回のケースとはだいぶ違っていますが」 鋼人七瀬は桜川六花が無から生み、育てた存在だ。 あくまで、何かしらの外付けの力があったらしい、このケースとは異なっている。 だが仮に。 ベルベット・クラウが、完全に別の存在と成り果てた時、魔王ベルセリアの消滅はベルベット・クラウの消滅と同義になるかもしれない。 これはもちろん、仮定に仮定を重ねた話だ。 実際にどうなるかは分からない。 (その時に、最悪の場合は――) もし、彼がここまで慕うベルベットを元に戻す方法がなかったとしたら。 あるいは、消滅という手段でしか残されていなかったとしたら。 (――すまない) わずかな会話だけでもこの少年がベルベットという女をどれだけ慕っているかはわかる。 だが、あれは放置するにはあまりに危険だ。 その時は、この目の前の少年にどれほど怨まれようと決断を下すしかない。 そうブチャラティは密かに決意していた。 【D-6/病院/一日目/日中】 【フレンダ=セイヴェルン@とある魔術の禁書目録】 [状態]:全身にダメージ(小)、心痛、右耳たぶ損傷、頬にかすり傷。衣服に凄まじい埃や汚れ、腹下り(極小)。 [服装]:普段の服装(帽子なし) [装備]:麻酔銃@新ゲッターロボ [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1、『アイテム』のアジトで回収できた人形爆弾×2他、諸々(その他諸々の内パラシュート3つと、入っていた全てのばくだんいし@ドラゴンクエストビルダーズ2は使用済み)。レインの基本支給品一色、やくそう×2@ドラゴンクエストビルダーズ2、不明支給品1つ(確認済み)、鯖缶複数(現地調達) [思考] 基本方針:とにかく生き残る。現状は首輪の解除を優先するが、優勝も視野には入れている 0:ブチャラティ達にこれまでの事を話す? 1:ブチャラティは要注意。ボロを出さないようにしないと。 2:煉獄の言う通りに竜馬と出会うことがあれば、謝る? 3;麦野との合流は、諦めた方がいいかも… 4:絹旗、彩声、死んじゃったんだ…でも、私のせいじゃないよね? 5:煉獄、死んじゃったんだ… 【ブローノ・ブチャラティ@ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風】 [状態]:疲労(小)、フレンダへの疑念(中)、強い決意 [服装]:普段の服装 [装備]: [道具]:不明支給品1~3、スパリゾート高千穂の男性ロッカーNo.53の鍵) サーバーアクセスキー マギルゥのメモ [思考] 基本:殺し合いを止めて主催を倒す。 0:ライフィセットの容態を何とかする。 1:放送を聞いた新羅への不安と、アリアへの心配。何とか合流したい。 2:病院に何か罠でも仕掛けておいた方がいいかもしれない。 3:魔王ベルセリアへの対処。 4:余裕ができてから高千穂リゾートを捜索。 5:フレンダを警戒。彼女は何かを隠している。 6:あかり、高千穂、志乃、ジョルノ、カナメ、シュカ、レイン、キースの知り合いを探す。 7:カタリナ・クラエスがどのような人間なのか、興味。 [備考] ※ 参戦時期はフーゴと別れた直後。身体は生身に戻っています。 ※ 九郎、新羅と知り合いの情報を交換しました。 ※ 画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。 ※ 新羅から罪歌についての概要を知りました。 ※ 垣根と情報交換をしました。 【桜川九郎@虚構推理】 [状態]:健康 静かに燃える決意、魔王ベルセリアに対する違和感 [服装]:ホテルの部屋着 [装備]: [道具]:基本支給品一色、不明支給品0~3 [思考] 基本:殺し合いからの脱出 0:ライフィセットの容態を何とかする。 1:あの彼女(魔王ベルセリア)、何とかしかければ……。 2:フレンダは、念のため警戒。 3:岩永を探す 4:ジオルドを始めとする人外、異能の参加者、流竜馬、仮面の剣士(ミカヅチ)を警戒 [備考] ※ 鋼人七瀬編解決後からの参戦となります ※ 新羅、ジオルドと知り合いの情報を交換しました。 ※ アリア、ブチャラティと知り合いの情報を交換しました。 ※ 画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。 ※ 新羅から罪歌についての概要を知りました ※ 魔王ベルセリアに対し違和感を感じました。 ※ 垣根と情報交換をしました。 【ライフィセット@テイルズ オブ ベルセリア】 [状態]:気絶、穢れによる侵食(重大)、両腕欠損、全身のダメージ(大) [服装]:いつもの服装 [装備]:ミスリルリーフ@テイルズ オブ ベルセリア(枚数は不明) [道具]:基本支給品一色、果物ナイフ(現実)、不明支給品2つ(本人確認済み)本屋のコーナーで調達した色々な世界の本(たくさんある)、シルバ@テイルズ オブ ベルセリア [思考] 基本:ベルベットを元に戻して、殺し合いから脱出する 0:(気絶中) 1:ブチャラティ達と行動する 2:ムネチカへの心配 3:ベルベットの同行者(夾竹桃、麦野)への警戒 4:ロクロウ達との合流 5:エレノア……。 [備考] ※参戦時期は新聖殿に突入する直前となります。 ※異世界間の言語文化の統一に違和感を持っています。 ※志乃のあかりちゃん行為はほとんど見てません。 ※魔王ベルセリアによる穢れを受けた影響で、危険な状態です。このまま何の処置もせず放置すれば確実に死ぬでしょう。 ※呼ばれた時間に差がある事に気づきました。 ※マギルゥの死に関してまだ聞いていません。 前話 次話 カウントダウン 投下順 Revive or Die Again(前編) 前話 キャラクター 次話 最後に笑うは 垣根帝督 ギャクマンガ虚獄 ~ムギノインパクト~ Liber AL vel Legis -THE WORLD REVOLVING- ブローノ・ブチャラティ 過去が今、私の人生を収穫に来た Liber AL vel Legis -THE WORLD REVOLVING- 桜川九郎 過去が今、私の人生を収穫に来た Liber AL vel Legis -THE WORLD REVOLVING- フレンダ=セイヴェルン 過去が今、私の人生を収穫に来た Liber AL vel Legis -THE WORLD REVOLVING- ライフィセット 過去が今、私の人生を収穫に来た
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目の前のこの光景は何なのだろう。 田村さんとその先輩達、それと双子の姉が盛り上がっていて、こなちゃんがハブられている。変なの…こういうの、ヲタク談義って言うんだろうか、そういうのだったハズなのに… 「ねぇゆきちゃん。なんでこうなったんだろうね」 「何故なんでしょうね?泉さんが何かネタ…というような台詞をかがみさんにふったのが発端だったのはわかりますが」 4×2=?(声ネタを自重しないものとする) ある日曜日。私達四人(ひーちゃんはデート、日下部さんはサークルでいない)はゆきちゃんお奨めの喫茶店に来ていた。 「そんで、みさきちがレポート表紙つけ忘れてさ」 「あぁ、私もやったわ。大学指定レポート表紙でしょ?こっちはレポートなんて初めてなんだから大目に見て欲しいわよね」 「だよね~、引用部の書き方とかめんどいしさ。みゆきさんも大変じゃない?」 「そうですね。書き間違えると一枚全て書き直しですから、参考文献の処も気が抜けません」 「あれ、そういうのって、パソコン使うんじゃないの?」 「「「………つかさ(さん)、世の中には、手書きしか認めない堅物教授もそんざいするんだ(の)(です)よ」」」 何か触れてはならない事だったみたい。あれ、でもみんな違う大学……どんだけ~。 「ここだここ。紅茶専門店」 「だから言ったんだよ、たまきに道案内させるなって」 「でも言い出しっぺも店知ってるのも山さんなんだけど」 「まぁまぁ、奢りなんだからいいじゃん。ひよりんの」 「私っスか?!あれ、泉先輩達?」 「おやひよりんじゃない」 別のお客さんが来たと思ったらひよりちゃんだった。他の人達は…あれ、ゆたかちゃん達じゃないんだ。他に友達居たんだ。意外。 「あ、泉先輩じゃないですか。この前はどうも」 「あ~、こないだコスプレしてきたOGさんか」 「てことはあのラブレターの人もいるのかな?」 「…今のでわかったわ。陵桜のアニ研の人達ね」 「かがみさん、ラブレターって何の話でしょうか?」 ゆきちゃんにはそういえば話してなかったっけ。というかこの人達はアニ研の人達なんだ。 「…とりあえず、みんな座らない?先輩達に自己紹介しなきゃなんないし、ついでに店の人の視線も痛いから」 自己紹介も注文も済んで、一段落。 「じゃあ、別にヲタクのイベントが近くであった訳じゃないんだ」 「まぁ山さんのリラッタヌグッズ買うのの付き添いですけどね。皆さんは?」 「ああ、私達は「くっくっく、タダじゃ教えられないねぇ」…またアンタは」 「タダって、何なら言いんです?トーストにジャムとマーガリンをつけましょうか?」 「たまき、それ店のサービス以下だから。で、一体何ですか要求は」 思えばこの一言を言ったのがこなちゃんの運のツキだったと思う。 「かがみと契約して魔法少女になってよ」 …沈黙が訪れていた…何言ってるのこなちゃん。 その沈黙を破ったのは八坂さんだった。 「とりあえずひよりん、ティロフィナーレしよっか」 「いやいや、髪からすれば私はほむほむっス」 「黙れ、黙ってマミれ」 「じゃ毒さんはおりこね」 「漫画のキャラなの私」 …私とゆきちゃんは未だ沈黙中。えっと、魔法少女?契約?何の話? そんなことを考えていたら、お姉ちゃんがある言葉を発した。 ひよりちゃん曰く「この瞬間、『ダメー!』と叫べば良かったかも知れないっス」とのこと。 「…アンタは毎度毎度…この前は人にランドセル背負った蝸牛やれと言ったと思ったら…おっけぃ、こなた」 「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね」 全員が退いていた…こなちゃんなんか顔面蒼白だった。お姉ちゃんの顔、すごく怖い。お姉ちゃんの堪忍袋の緒が切れちゃったみたい。 「おぉ、ヤンデレだ」 「ヤンデレだね、結局、ロシアまで追うヤンデレ」 「かがみ先輩、義手義眼になっちゃいますよ。ひよりん、鮭弁当買って来な」 「超了解っス。ついでに超鯖缶買ってきます」 「急げ、先輩がせん/ぱいされる前に」 …超鯖缶って何? あれ、アニ研の子達は退いてない…普通にしてる。あ、お姉ちゃんが息を吐いた。 「…助かったわ。理解してもらえて」 「いやいや、魔術側の方が好きなんで反応遅れてすいません」 「やさこ、科学側苦手だっけ?」 「あ、滝壺誰かやらなきゃ」 「毒さんやりなよ。私フレンダしちゃったし」 「え、なら私浜面?」 「だいじょうぶ、そんなやさこをわたしはおうえんしてる」 「そこは応援しないで」 「えっと…つまりはかがみんのアレ、何かのネタだったの?」 「何かって…禁書の麦野ですよね」 「そう。こなたの暴走が酷い時のために使おうと思ってたんだけど…予想以上だったわ。まぁ…」 こいつはアニメを選んだじゃないの…ドラマCDじゃなくて。 ってよくわからない台詞をお姉ちゃんは呟いた。 ドラマCD?アニメ? 「出てない私達への挑発ですかそれは」 「やさこはゲーム出てるじゃんか…はっ」 「どしたたまき。ろくでもない事思い出したみたいだけど」 「かがみ先輩が今生きていると言うことは…世界は泉先輩の手で滅びる!」 …はぃ?こなちゃんが世界を?なんで? 「…山辺さん。蝸牛ひっぱるのやめてくれない」 「世界の危機だ。しかも滅亡確定の」 「山さんー、帰ってこ~い」 「今すぐ過去に飛ばないと。さぁキスショットさん!」 「へっ、わ、わたし?キスショット?誰?」 「先輩、そこは『元』をつけるとかしないと。それにかがみ先輩が二十歳になるまでは無事っス」 「あと一年くらいだけど…というか私をトラックに引かせる気?それにこなたアニメでしか知らないから。だから化物語しかわからないわよ」 「…え~。ならミスドとかも」 「通じないわよ」 「携帯食も家のあちこちにしかない存在の跡も」 「それ羽川さんネタじゃないむしろ」 「風呂場での千枚通しも」 「月火よねそれ。いや和解シーンだけどさ」 「撫子にフルボッコされるのも」 「え、何それ。新作のやつ?ちょっと私まだ読んでないんだけど!」 …こんな感じで今に至る。誰かこなちゃんに助け舟出さないかな。私やゆきちゃんが話しかけたら 「…」 と無言だった。 「何か調子狂っちゃうね」 「ま、まぁ、かがみさんも以前『ラノベの話がしにくい』『こなたはバカテスの良さをちゃんと理解してない』と言っていましたから。これはその反動ではないかと」 ストレス溜まってたのかなぁお姉ちゃん。 変な光景だけど…まぁお姉ちゃんには気分良いのかも知れないね。 「私って、ホント馬鹿…」 Q 4×2=?(声ネタを自重しないものとする) A あり得ない1がハブられて1:2:5に別れてしまう。 コメント・感想フォーム 名前 コメント 契約ネタしかわからん(笑) 誰か詳細教えてくれ ↑ggrks -- 名無しさん (2011-08-05 15 52 19)
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――第七学区 銀次「蛮ちゃん、蛮ちゃん! なんかドラム缶が走ってるよ!」 蛮「その程度ではしゃいでんじゃねぇよ……学園都市は外に比べて数十年は進歩した科学技術を持ってんだだ。案外、クローンとかもいるかもしんねぇぜ?」 銀次「かもしれないねー」 銀次は改めて街並みを見渡した。科学技術が進歩していると言われるとなんとなく納得してしまう。しかし、数十年後に新宿の街並みがこのように――自動で掃除をするドラム缶型の機械や、風力発電用の風車がいたるところにある風景に――なるとは到底思えなかった。 銀次「この街ってなんか落ち着かないなぁ」 蛮「ん? そうか? 珍しい物ばっかだからじゃねぇの?」 銀次「そうなのかなぁ……。誰かに見られてるような気が……。ところで蛮ちゃん」 蛮「なんだ?」 銀次「依頼さ、どっちにする?」 蛮「……なんとも言えねぇよ。まだ来たばっかりだしな。この辺りで怪しげなとこに目ぇ付けながら歩いてようぜ」 銀次「う~ん、すごくのんびりした街な気がするんだけど、ホントに、レムナント……だっけ? 奪い合ったりするのかな?」 蛮「ま、今は何処も授業中だろうしな、そりゃ静かだろ」 銀次「授業? 何の?」 蛮「何の? って、そりゃぁ超能力だろ」 銀次「超能力!?」 蛮「……お前、もしかして学園都市知らねぇんじゃねえだろうな」 銀次「え~っと……」 蛮「学園都市の人口は?」 銀次「この人のいなささは……二千人!」 蛮「……」シュッ 銀次「いたっ!」バキッ 蛮「二百三十万人だ馬鹿野郎。いいか、学園都市ってとこは、脳みそを開発することで、科学的に超能力を人間に与えてんだ」 銀次「えぇー!?」 蛮「対象は学生だ。だからこの街には約百八十万人もの学生がいる」 銀次「学生をたくさん集めてたくさん能力者を作ってるって事?」 蛮「あぁ。ま、超能力開発に必要な『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の発言に大人が向かないらしい。だが、必ずしも能力が発言するわけじゃねぇんだ」 銀次「能力が全く使えない子もいるってこと? それってなんか可哀相だね。わざわざ能力の開発のためにここに来たんでしょ?」 蛮「そうだな。ま、そういうやつはたいていは堕ちて……っ!?」 蛮は言葉を最後まで言い切らず慌てて跳ぶようにして一歩下がった。 そのすぐ後、先ほどまで蛮のいた場所に勢いよくバットが振り下ろされ、ガァン! と金属を叩きつけたような音が辺りに響いた。 タッタッタッ 銀次「蛮ちゃん!?」 蛮「大丈夫だ。それよりも追うぞ! 噂をすればなんとやらだ」ダッ 銀次「う、うん! 蛮ちゃん、噂って?」ダッ 蛮「いまさっき話してた落ちこぼれの話だよ! 能力者ってのは段階に分けるとLEVELが0~5まであんだ! その中で一番下のLEVEL0ってのはこういう風になっちまうんだよ」 銀次「な、なんで!?」 蛮「いくら努力しても変わらない、そんなのが続けばグレたくもなるってもんだ!」 銀次「そんな……もっと努力し続ければ変わったかもしれないのに」 蛮「まぁな。ただ、はっきりと『貴方は能力者になる才能がありません』ってのが突きつけられ続けたんだ。けっこうキツイんじゃねぇか?」 銀次「たしかに、努力してもそんな風に言われちゃうとね……」 蛮「だが、だからといってこんなこと許してやるつもりはねぇよ!!」ザッ 銀次「うん。こんなことは間違ってるって教えなきゃね!!」ザッ 銀次「って、すんごい数だよ! どうするの蛮ちゃん!?」 蛮「ざっと、30人ってとこか? たいしたことねぇだろ。ただ、この中にさっきのやつがいるなら関係ねぇ……1人残らず叩き潰す」 銀次「こ、殺さないようにしてね……」 ――時間は遡り、Get Backersがゲートをくぐり抜けた頃。とある一室 カタン 垣根「お、届いたみたいだな」 麦野「郵便物? それに例のモノの場所でも記してあるわけ?」 垣根「いや、外部からのお客様だ。『レムナント』狙う輩は外にもたくさんいるんだよ。そういう連中を把握しようと思ってな」ビリビリ 絹旗「へー、いっぱいいますね。みんな見るからに超怪しいですね」 フレンダ「でも、こっちには〈第二位〉と〈第四位〉いるわけでしょ? 結局外の連中なんて楽勝でしょ?」 垣根「どうだか……。こいつらも外の人間だしな」 ???「ふん。テメェ等の強さなんか知ったこっちゃねぇ。ただ、俺はアイツを殺してぇからここにいる」ギシッ 垣根「ま、あんたの目標がいるかは知らんがその力には期待させてもらうぜ。超能力とは違うみてぇだしな」 心理定規「このウニ頭と金髪の二人……なんか強そうには見えないわね」 ???「!?」 心理定規「あら、知ってるの?」 ???「あぁ。ククク……来るとは思っていたがこんなに早く見付けられるとはなぁ……必ず殺すぜ、美堂ォォ!!」ギシッ ???「二人共知っている。こいつ等は……友達だ」 浜面(そんな風に見えねぇぇぇぇぇx!!) ???「……」クスッ ――廃工場前 蛮「おらおらぁ!! 邪魔だ!!」ブンッ 銀次「うおぉぉぉ!!」バチバチ スキルアウトA「うあぁぁぁ!!」 戦いは一方的なものであった。握力が200kgあり、バトルの天才と謳われる邪眼の男、美堂 蛮。さらに、ここなどより遥かに治安の悪い裏新宿で悪魔の化身(ディアブロ)と恐れられた雷帝、天野 銀次。 能力を持たない人間がこの二人を相手にできるはずもなかった。 蛮「ちっ、張り合いがねぇなぁ……。これなら無限城でパソコンボーヤが操ってた連中のがましだぜ」ゴキッ スキルアウトB「こ、こいつら能力者だ! くそったれ、話が違ぇじゃねぇか!」 蛮「あぁ?」バキッ スキルアウトB「ぐおっ!」バタッ 銀次「俺らが……能力者?」ビリビリ 蛮「超能力っても、念動能力(テレキネシス)や精神感応能力(テレパス)だけじゃねぇんだ。火や水を操ったり、お前みたいに電気でビリビリやるようなのもいるのさ」 銀次「ふ~ん」イナズマキーック スキルアウトC「くそ! あれを使うぞ!」 キィーン 銀次「!?」 蛮「!?」 スキルアウトC「はは、こんな時のために用意しておいて正解だったな! どうよ!? キャパシティダウンの力は!! ブオッ」グシャ 蛮「……このちんけな音がどうかしたのか? もしもこんなんが奥の手なんだとしたら、これ以上は弱い者イジメになっちまうなぁ!」バキッ 銀次「う~ん……能力者には有効なんじゃない? 俺らを能力者だと思って使ったんだし……。まぁ、超能力開発なんて受けたことないんだけど」ピシピシ 蛮「で、どうなんだ? これ以上は何も出さなくていいのか? お前で最後なんだがよ……」 リーダー「ひぃ!」 銀次「蛮ちゃん……ちゃんと殺してないよね……?」 蛮「当ったり前だろうが」 銀次(確実にヤバイ音がしてたんだけど……) リーダー「くそっ、くそっ!! なんなんだお前ら!! なんで能力が使えんだよ!?」 蛮「だから能力者じゃねぇっつってんだろ」 リーダー「お前は電撃使い(エレクトロマスター)だろうが!」 銀次「ん? なにそれ?」 蛮「電気、磁力を操る能力者のことだろうよ。で、なんだって俺らを狙った……誰の差し金だ」 リーダー「し、知らねぇ! 誰だかは知らねぇんだ! ただ、なんかやばそうな野郎だった! お前らよりもな!」 蛮「ここは? テメェ等のアジトか? キャパシティダウンとやらはテメェ等のか?」 リーダー「い、いや違う! 全部用意されてたんだ!」 蛮「ふ~ん……。なるほど、よくわかった。あんがとよ」バキッ リーダー「なん……で」バタン 銀次「う~ん……いったい誰がこんなこと仕向けたんだろうね」 蛮「さぁな。ただ、まだ奥がある、まるで誘ってるみてぇだな」 銀次「誘ってる?」 蛮「俺らはこんだけの人数ぶっ倒した。それにしちゃ動きがなにもないのはおかしい……。まだ中に入ってねえしな。入り口に全員いるってのはな……」 銀次「い、行くの!?」 蛮「こいつらは頼まれてこんなことしたんだぞ? しかも狙いが俺らだ、『レムナント』が関わってる可能性がある」 銀次「なるほど」 蛮「それに、いつの間にか音もやんでるしな……。誰かいるんだろうよ」 ――廃工場内 銀次「なにもなさそうだよ?」 蛮「……」 銀次「蛮ちゃ……!?」ゾクリ 蛮「感じたか」ボソッ 銀次「うん。凄い殺気だね……」 蛮「さっさと出て来やがれ! 気配でいるのはわかってんだ!」ワカッテンダー テンダー 銀次(ん? なんだろうこれ……暗くてよく見えなかったけど、テープみたいのがいたるところに……!?) シュゴォォォォォォォォォ 銀次「蛮ちゃん!!」 蛮「!?」バッ 蛮(なんだいまのは!? 危うく足を持っていかれるとこだったぞ!!) ???「おいおい、美堂ォォ! 少し見ない間に随分丸くなっちまったかぁ!? いまの仕掛けにも気付かねぇとはなぁ!」 銀次「この声!! 蛮ちゃん!!」 蛮「あぁ。まさかお前がこんなところにいるとはな……。あの時、殺しておくべきだったか? えぇ、不動ォォ!!」 不動「ククク……今すぐにでも殺してやりてぇが、依頼人に止められちまってるからなぁ! だが、必ずこの街で殺してやる……」 蛮「はっ、上手に飼われてるみてぇだなぁ。奪い屋からペットに転職か!?」 不動「……」 絹旗「ちょ!? 静かに向かおうとしないで下さい!! ここで戦うのはプランに超そってませんから!」 不動「ちっ」 蛮「本当に飼いならされてんな……!? あ? 人形?」 銀次「蛮ちゃん! 下がって!」バチバチ 蛮「なっ!?」 突如、頭上から落ちてきた人形を雷撃で打ち抜くと、木っ端微塵に破裂した。 それと同時に足元のテープが火花を散らした。 蛮「くそっ、またか!」バッ 絹旗「フレンダもたまには超役に立ちますね」 フレンダ「たまに!?」 蛮「ちっ、女に囲まれて楽しそうだなぁ! さすが、物欲と食欲と性欲の為だけに生き、支配欲と殺戮欲だけで行動するだけはあるな!」 絹旗「え」バッ フレンダ「え」 不動「……」 フレンダ「絹旗! 離れなさい! 結局外部の人間は信用できないわけよ」 不動「ガキに興味はねぇよ」 蛮(音の聞こえ具合からだいたいの場所はわかった……真正面の暗がりに野郎と超々うるせぇの……。ただ、もう一人、恐らくこのテープを使ってるやつだけ場所が全く違ぇな。不動に近付きながらあのテープを避けるのはきつい……) 銀次「君達! 姿は見えないけど、まだ子供だろ!? その男は危険すぎるよ! それに自分達がなにをやってるのかわかってるの!?」 蛮「銀次……(コイツは本当に真っ直ぐなやつだな……。だが)」 絹旗「超余計なお世話です。私達は『レムナント』を狙っている貴方達を始末しに来てるんですよ?」 銀次「なっ!?」 蛮「無駄だよ。この街も、裏新宿と変わらねぇんだよ。それなりに使える能力者は、こういう使い方ができるのさ」 銀次「そんな……まだ子供だよ!?」 蛮「……俺も、ガキの頃に人を殺してるよ。こんなことに年は関係ねぇ……お前もそうだったろ?」 銀次「……」グッ フレンダ「ま、そういうこと。結局、どんな場所にも闇はあるってわけよ」 銀次「だとしても……この件から足を引いてくれ……。君達みたいな子と戦いたくはない」 絹旗「……超甘ちゃんですね。まさか、私達が貴方達より弱いとか思ってるんですか? あまり舐めたことを言わないで下さい。超腹が立ちますっ!!」ヒュン ガゴッ! 銀次「な、何!? いきなり後ろの壁が!?」 蛮「ちっ!! なんて速度でレンガ飛ばしてんだ!?」 絹旗「今のでも超手加減したんですよ? ムカついても当てない私の優しさに超感謝してくださいね? ただ、次も舐めたこと抜かしたら当てます」 蛮「……」ピクッ 絹旗「と言っても、当てようが当てなかろうが貴方達はここでお仕舞いですけど。さて、そろそろ次の仕事に移りましょう」 不動「ふん、もうそんな時間か……おい、金髪!」 フレンダ「ったく、名前くらい覚えろっての! そりゃ」 シュバァァァァァ フレンダが返事をした直後、工場内に張り巡らされたテープに火花が散った。 フレンダ「ま、結局ここに来た時点であんた達に勝ち目はなかったわけよ。埋もれてなさい!!」 フレンダの用いているものは、本来ドアや壁を焼き切るためのツールである。そのテープが壁や天井に張り巡らされているのである。よって、工場の壁、天井は焼き切れ、崩落する。その中心に蛮と銀次はいた。 銀次「蛮ちゃん! このままじゃ!」 蛮「ち、このために中まで誘ったのか!」 絹旗「いまさら気付いても超遅いです。それでは、さようならGet Backersさん」 すでに、絹旗の声は工場の外からしていた。外に用意された車に不動、フレンダと共に乗り込み、工場を後にした。車内から眺めると今も工場はガラガラと大きな音を立てて崩落している。 ――車内 絹旗「超あっけなかったですね。あんなのにわざわざ出向く必要超なかったんじゃないですか?」 フレンダ「結局、外の人間なんてあんなもんだったってわけよ」 不動「ふん、あいつらがこんな程度でくたばるかよ」ギシッ 絹旗「ふーん。ま、次会ったとしても負ける気しないですけどね……。ところで、しょっちゅう腕の具合みてますね? 痛みますか? 超気になるんですけど……」 不動「調子はいいさ。ただ、疼くんだよ」 フレンダ「調子いいのに疼くの? 結局調子いいの? 悪いの?」 不動「無限城製のよりも遥かに合ってるさ。ただ……やつを、美堂を喰い殺せって疼くのさ!! 次に会った時は殺す……いや、殺すだけじゃ物足りねぇ!! 四肢を捥いでから目玉を抉ってすり潰す、それから……」 フレンダ「ストーップ!! 怖い!! 麦野の比じゃないわよ!!」ビクビク 絹旗「正直、あなたとは超戦いたくないですね」ゾクリ 不動「ふん。次会ったら依頼なんか関係なく殺らせてもらう」 絹旗(超巻き込まれたくないですね) フレンダ(ま、結局あの様子じゃ助かってるわけがないわけよ) 不動「で、他の連中は?」 絹旗「『ピンセット』の場所はわかってますけど、『レムナント』については超出遅れたんで、他の組織がもってます。『ピンセット』は麦野、滝壺さん、バカ面とあの超よくわかんない人が、『レムナント』は垣根 帝督と心理定規が追ってますよ。他にもなにか超探してるらしいですよ?」 不動「んなことは知ってるよ。首尾がどうか聞いてんだ」 絹旗「まだ連絡が……」 フレンダ「ま、私達は仕事こなしたんだし、問題ないっしょ。他の探し物ってのも人なんでしょ? すぐに見付かるんじゃん?」 絹旗「ですかね。ところで、あの刀差してる人はまだしも、もう一人はなんなんですか? 超謎なんですけど。同じ外の人間なんですよね?」 不動「……あいつについては俺も詳しくは知らん」 フレンダ「たしかに、仲良しですってな風には見えないしねぇ」 絹旗「ホントに超謎ですよねぇ……。何を考えてるか超わかんないですし」 不動「ただ、これだけは言える、奴は強い……。恐らく俺よりもな……、直接やりあったことはねぇが」 絹旗「あなたみたいな人がそこまで言うなんて……よっぽどですね」 不動「あぁ……なんせ野郎は、バビロンシティ出身者らしいからな」 ???『ザッ……その……ザザッ……バビロンシティってのは……ザッ……どんな場所なんだ?』 フレンダ「うわっ!?」ビクッ 絹旗「超ビックリしましたよ……。で、いつから聞いてたんですか? 垣根 帝督?」 垣根『いまさっき繋がったとこだ。で、聞かせてくれよ』 不動「お前達に……裏新宿の無限城って言ったところでわからねぇだろうな」 絹旗「超知らないですね。学園都市を出たことないですし、外の事は超興味ないですから……。ただ、そのバビロンシティってのは気になりますね」 フレンダ「結局、こんなやばいとこで暗部なんかやってると、外に出るなんて夢のまた夢なわけよ」 垣根『噂程度には聞いたことがあるな。腕時計を着けてると腕ごとぶった切って持ってくとかいう話だったか?』 絹旗「どこのスラムですか!?」 不動「まぁ、それでも最も安全な地域で、下層エリア(ロウアータウン)なんて呼ばれてるがな。上へ行くと死体なんかいくらでも転がっている」 フレンダ「ここよりヤバイんじゃ……」 不動「詳細は知らねぇが、LEVEL2の上からLEVEL3程度ならロウアータウンでもやっていけるだろ……。ただ、中層エリア(ベルトライン)となると次元が変わってくるらしい……。ここはLEVEL4、5でもどうなるかわからねぇな」 絹旗「超ヤバイなんてもんじゃないじゃないですか!!」 不動「ロウアータウンは常にベルトラインからの脅威にさらされているんだと。さっきいた金髪の方が、ベルトラインからの侵攻を防いでいて、無限城の雷帝と恐れられていたらしい」 絹旗「あの、弱っちそうなのがですか!?」 不動「そんで、バビロンシティってのはそのさらに上にあるそうだ」 絹旗「それって超危険人物ってことじゃないですか!!」 垣根『ただ、敵意はなさそうだし、いまのとこは心強いじゃねぇか』 フレンダ「そんなやつと一緒に仕事していたくないわね……」 不動「まぁ、噂だがな」 絹旗「……ところで、垣根 帝督はなんの用で連絡を?」 垣根『おいおい、今は仲間なんだぜ? フルネームで呼ぶなよ堅っ苦しいからよ』 絹旗「……垣根、超なんかようですか?」 垣根『なんか冷てぇな……ただの暇つぶしさ。お前らは仕事終わってんだろ? あっちはまだらしくて、話し相手が欲しかったのさ』 フレンダ「結局、仕事こなしてるのは私達だけってわけね」 垣根『そろそろ見付けられそうなんだがな』 不動「早くしろよ。俺は美堂を殺したくてしょうがねぇんだ……」 垣根『わかってるよ。あ、そうそう、それから……』 ――崩壊した廃工場 ガラガラ 銀次「ぷっはー!! 死んじゃうかと思ったよ!!」 蛮「こういう時、お前の能力は便利だよな」 銀次「必死に傘の代わりになる金属探したよ」 蛮「磁力で持ち上げた金属で瓦礫の山を支えるなんてなぁ」 銀次「それにしてもあの人が関わってるなんてね……これからどうするの?」 蛮「あいつは俺を殺す為に来てんだろ。無限城できっかり殺しておくべきだったか……三度目の正直だ、次は……殺す」カチャ 銀次「……っ」ゾクリ 蛮が何気なく位置を正したサングラスから覗く瞳は、さきほどとは違い明らかな殺意を秘めていた。 数多くの強敵を葬ってきた美堂 蛮の見せる、本気の瞳だ。 銀次が初めて蛮と出会ったときも、彼はこのような瞳をしていた。ゆえに、銀次は蛮のこの表情にいまだに恐怖を感じる。蛮が、どこか遠くに行ってしまう。そんな気がするのだった。 蛮「とりあえずここから離れるか。警察かなんかが来ると面倒だしな」スタッ 銀次「う、うん」 銀次は静かに蛮の後を追うのだった。 ――第七学区内のファミレス前 男A「な、いいじゃん。奢るからさぁ」 ???(何もよくないっつーの……) 男B「そうそう、俺らといい事しようぜ」 ???(今どきこんなこと言う奴がいるんだ……) 男C「とりあえずそこ入んない?」 ???(入んねぇよ……にしても、誰も彼も関わろうとはしない、か。当然っちゃ当然ね) 男A「さっきから黙っちゃってさぁ、緊張しちゃってんの?」 男B「可愛いねぇ」 ???「……ろ」 男C「え? 何?」 ???「悪いけど、私も暇じゃないの。だからさ、消えろ」 男D「あぁ!? こっちが下手にでたら……」 ???「お~。こんなとこにいたのかぁ、待たせちまったな」 男A「あ? なんだお前」 ???「この娘の連れだよ。いやぁ悪いなぁ。授業が長引いちまってさぁ、待ったか?」ギュ ???「……誰? あんた」 男ABCD「「「「……」」」」 ???「……」 ???「で、いつまで手ぇ握ってんの?」パシン 上条「……だぁぁぁ! せっかくの『人が知り合いのフリして自然にこの場から連れ出す作戦』がぁぁ! どうして上条さんの出会う女性は人の好意を無下にするんでせうか!?」 ???「いや、あんたの事情は知らないけど……」 男B「で、なんなの? 知り合いじゃないなら消えてくれよ」 上条(くそっ、四人か……さすがに分が悪い……) ???「ちょっと下がっててくれる?」 上条「な!? 女の子を残して下がるなんて……」 ???「助けようとしてくれた人を巻き込むわけにはいかないでしょ?」ポンッ 上条「お、おい」 ???「あんた達、原始時代からやり直したら?」フワァ 男A「な、なんか」 男B「いい匂いが」ポンッ 男C「ウキャ?」 男D「ウキャキャ」 上条「な、なんだよこれ……」 ???「『退化香』ってやつよ。嗅いだら思考が原始時代のサルに退化するのよ」 上条「それを嗅がせないように一歩下がれって?」 ???「そうよ。あんまり巻き込みたくなかったからね」 上条「これ、どう考えてもやばいだろ……あんた何者だよ」 ???「私? 私は工藤 卑弥呼。外じゃ、七つの毒香水(ポイズンパフューム)を操る魔女、レディ・ポイズンなんて呼ばれてるわ」 上条「ま、魔女!? まさか、あんた魔術師か!?」 卑弥呼「魔術師? あぁ、魔女ってのは通り名みたいなもんよ。それにしても、あんた学園都市にいるくせに随分オカルトなこと言うのね」 上条「あ、そうですか……でも、外って……」 卑弥呼「学園都市では外の世界に魔術師がいることになってんの?」 上条「いや、あの……」キョロキョロ 卑弥呼(怪しいわね……) 卑弥呼「ま、深くは聞かないことにしてあげる」 上条「あ、あぁ。それで、工藤さんはなにをしに外から来たんでせうか?」 卑弥呼「私、外で運び屋をやっててね……って、こんなこと学園都市の人間に教えていいのかしら……」 上条(なんかやばそうな気が) 卑弥呼「……」 上条「……」 卑弥呼「……」キュポ 上条「わぁぁぁ! 誰にも言いません! 何も知りません! 上条さんはなにも聞いてません! だからポイズンパフュームを取り出さないでくれませんかぁぁ!! 不幸だぁぁぁぁぁ!!」 卑弥呼「冗談よ冗談」 上条「はぁはぁ……」 卑弥呼「『忘却香』って便利なのよね。嗅ぐと二十四時間以内の記憶を抹消できるのよねぇ」チラッ 上条「嗅がせないで下さい! お願いします!」 卑弥呼「あ、違う違う。あんたがちょっと知り合いに似ててね」 上条(っ!? まさか、以前の上条さんの知り合いだったりして……) 卑弥呼「特にそのウニみたいな髪型がねぇ」 上条「……ウニ」ズーン 卑弥呼「あはは、悪かったわね。『忘却香』でいまの嫌なこと忘れる?」スチャ 上条「け、結構です!!」 卑弥呼「あ、そろそろ行かなくちゃ。じゃあね、上条クン。……貴方もおかしなことに足を突っ込んでるみたいだけど……仕事中に会わない事を祈るわ」ダッ 上条「あ、はい……。また、この街でなにか起きているのか?」 蛮「んで、『レムナント』についてはどうだ?」スタスタ ???『……外部から学園都市にハッキングを仕掛けるってのは、大変なんてものじゃないんだよ?』 蛮「だからお前に頼んでんだろ? パソコンボーヤ」 MAKUBEX『全く……わかってるね?』 蛮「……」 MAKUBEX『最新の映像……といっても、五分ほど前のものだけど。たしかにそこ、第七学区にあるよ』 蛮「お前さんの言った場所には物はなっかったけどな……」 MAKUBEX『手掛かりはあったんじゃない?』 蛮「ほとんどねぇな……。ただ、手荒い歓迎なら受けたけどな」カチャ 黒服A「ぐぁ……」ビリビリ 黒服B「がぁ……」ビクンビクン 黒服C「……」ピクピク 銀次「う~ん、なかなかそれっぽいものはなさそうだよ?」 蛮「ちっ、無駄骨か?」 MAKUBEX『いや、そうでもなさそうだよ』 蛮「あん?」 MAKUBEX『そこの奥にある路地、奥のT字路を右、そこから三つ目の横道を左、二つ目の十字路を右に、急いで!』 蛮「は! 見付けたか! 行くぞ銀次!」ダッ 銀次「わかったよ、蛮ちゃん!」ダッ 蛮「あいつらよりも先に手に入れんぞ!」 MAKUBEX『特別危なそうな連中ではないみたいだね』 銀次「ここを左!」ザッ 蛮「右だボケ!!」ザザッ MAKUBEX『次は三つ目を……』 蛮「左ぃ! 銀次、着いたと同時に仕掛けるぞ!!」ザッ 銀次「わかったよ! ここの十字路を、右だよね!! 喰らえー!!」バチバチ 黒服「「「なっ!?」」」 バチーン 突如通路から人影が現れ、認識すると同時に閃光が瞬いた。トランクの周囲にいた屈強そうな男達は、自らに何が起きたかを正しく把握することなく地面に倒れた。