約 304,377 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/652.html
モンスターバスターズ・前編 ※後編が18禁です 「うー…トイレトイレ…っと、静かに…」 仕事が長引いた為、そのまま会社に泊まった俺とユキ ユキがクレイドルでスヤスヤと眠っている為に、そっと仮眠室を抜け出しトイレへと向かう俺 非常灯を頼りに歩いていく …そこのカドを曲がれば… 「…ん?」 カドに一瞬なんか白い物が浮いていたような…? カドに行って先を見てみるが、何もない 「気のせいか…」 そのままトイレへと行き、用を足す 「ふぅー、スッキリした」 トイレから出て、仮眠室へ戻ろうと… 「あれ?」 まただ 一瞬、白い影のような物が見えたが、またフっと消えた いや、先に進んでいったような気がする… 「はは、まさかな…」 気のせいだ、と思い込むようにして部屋へと戻る しかし、その先々で白い影が見える… まさか… ようやく白い影が見えなくなった。しかしそこは、仮眠室前の通路であった 「まさか…仮眠室に?」 仮眠室にはユキがいる! 走って仮眠室へと向かい、部屋のドアをバァンと開ける 「ユキッ!大丈夫か!」 「…うにゅ…どうしたの、お兄ちゃん…?」 部屋に白い影は無く、ユキも眠っていたようだった 「よかった…なんでもないようだな…」 ユキを抱え上げ、撫でてやる 「どうしたのお兄ちゃん、ヘンなの…」 事情を説明する 「…見間違いじゃないのかなぁ?」 「でも、一回や二回じゃないからなぁ…防犯カメラを確認してみるか」 仮眠室からセキュリティルームへと行く この間も見ながら進んでいったが、白い影は見当たらなかった 「すいません、こんな時間に…」 事情を話し、警備の人に確認を取って貰う 時間と場所が分かっているので調べるのは簡単だった 「写ってないですね…」 「やっぱ見間違いかな。ならいいんですが…」 「そうだね…あ!」 ユキが何か見つけたようだ 「お兄ちゃんこれ、かなり見づらいけど…」 ユキが見ている画像には特に何も写ってる様子がない 「お兄ちゃん達じゃわからないかもしれないけど、ここに高速で動いてる物の残像らしき影が…」 画像をコンピューターにかけ、処理をする すると… 「あ、ここ、なんか写ってますね」 何かが通り過ぎた様な影が映っている 「しかし、センサー等には何も…警報装置にもひっかからないなんて…」 「となると…やっぱりアレか…?」 「聞きましたよセンパイ!出たんですって?」 「情報が早いな。どこで聞いた?」 あの後、画像解析を警備会社にお願いして箝口令を敷いたはずなんだが… 「誰って…部長から」 「部長~!誰にも言わないでっていったでしょ…」 「…てへっ…でも…まだ…新道さんと…愛澤さんにしか…言ってません…」 「まだ確認中なんですから、余計な不安を煽る真似はしたくないんですよ。コレ以上広げないでくださいね。新道もだぞ!」 「…大丈夫です…相手を選んで…話ししてます…」 「そーいうことで、部長に口止めされてますから。ただセンパイに確認をとりたかっただけです」 「ふぅ…ならいいんだが」 新道は口が軽いようでいて、秘密を漏らす様な真似はしない。あれだけ喋ってて、よくポロリと言ったりしないもんだ 「でもセンパイ。この科学万能の時代にオバケだなんて…」 「そうでもないさ。まだ解明されてないことなんて、ゴマンとあるだろ」 「…意外ですね。センパイはそういうのを真っ先に否定するかと思ってました」 「起きた現象を素直に受け止め、解析する事が重要なのさ。で、まだ解明出来てない事が多いだけだ」 『ピー』 「っと、社内メールが来たな。4課と5課からか。ちょっと行って来る」 「あれ、なんかテストですか?」 「いや、個人的に頼んでおいた物が出来たって」 「またユキちゃんとラブラブになる為の物ですか?たまには私がお相手しますよ!」 「魅力的な提案だが丁重にお断りする。あと今回のはユキといちゃいちゃする為の物じゃない」 「あら残念。またの機会にでも考えて置いて下さいね」 いつか新道の思いに答えられる日が来るのだろうか。それとも新道が他の男に… 俺は自分勝手な考えを振り払って、4課へと向かった 「香田瀬さん、こんなのどうするんですか?」 「ちょっと気になることがあってな」 4課の那俄世から頼んで置いた物を受け取った 「ホントに注意してくいださいね。香田瀬さんじゃなかったら、到底渡せない物なんですから」 「ああ分かってる。大丈夫だって」 「いよう香田瀬。お前も好きだなぁ」 「そんなんじゃねーよ、4課で貰ってきた物のために、どうしても必要な物なんでな」 5課の三都衣に4課で貰って来た物を見せる 「…なるほどな。何があったかは聞かないが、気を付けろよ」 そして夜 残業の後、俺はユキにタイマーモードで昨日の時間に起きて貰う様に指示をした 勿論、例のオバケ騒動の究明の為だ なるべく昨日の状況を再現するべく、眠っておくことにしたのだ 「でも大丈夫かなぁ、二人だけで」 「俺の予想通りなら大丈夫だと思う」 「え?検討付いてるの?」 「まぁおそらくは、だがな。だからソレを用意した」 ユキは昼間貰ってきた物を装備している 白い上着に赤いスカート、そして先に白いヒラヒラが付いた棒 「ソレって、この巫女さんのカッコ?」 そう。ユキは巫女さんのカッコをしていたのだ 「オバケ退治といえばやはり巫女さんだろう。ちゃんとその為の機能もついてるぞ」 「そ、そうなの…?」 「まぁそういうわけで、時間まで寝てよう。おやすみ、ユキ」 「うん。おやすみなさい、お兄ちゃん」 「お兄ちゃん起きて、時間だよ」 ユキが小声で起こしてくれる 「…よし、それじゃあ行って来る」 ポケットにインカムを忍ばせ、トイレへと向かう 問題の手前のカド… いた。一瞬だが見えた そのまま気付かないフリをしてトイレへと入る 用を足すついでにインカムのスイッチを入れる。コレがユキへの作戦開始の合図となる トイレから出ると… やはりカドに見え、スっと移動する カドを曲がっていき、仮眠室の3つ手前のカドでインカムを付ける 今頃ユキも仮眠室の中で待機しいているはずだ ヤツは俺を確認するとその次のカドまで移動しているようだ つまり、次のカドで俺を見れば、仮眠室を通過してその反対のカドまで移動するはず そこがチャンスだ 作戦発動ポイントとなるカドへと行く。白い影が一瞬見えた 「今だユキ!」 バチバチバチッ! 「にょわ~~~~~~!」 かかった! 俺はダッシュし、仮眠室前へと移動する 「やっぱり…」 そこには、対神姫用特殊パルスを受け、目を回しているちるちるがいた 「ちるちるって…いうな…」 「うーむ、敵ながらアッパレ」 「お兄ちゃん。今なんかスゴイ音がしたけど…?」 「おおユキ、作戦成功だぞ」 といってドアをあける 「どれどれ…あ!ミチルちゃん!?大丈夫?」 「ああ、大丈夫だ。一時的に行動不能にするだけだから。しかしさすがに丈夫だな。普通完全に動けなくなるのに…」 ミチルを拾い上げ、向かって叫ぶ 「観奈ちゃん!来てるんだろ?でてきなさい!」 すると、仮眠室の奥の部屋から、観奈ちゃんが出てきた 「あう…その…」 「なんでミチルにこんな事させたんだ?」 「う…その…大人の恋愛が知りたかったのじゃ…」 「は?」 「だって…わらわの好きな人の周りには…大人の女性ばかりおるのじゃ…」 「観奈ちゃん…」 「だから、ケンシロウとユキ殿を見て、どのようなのが大人の恋愛なのか、しりたかったのじゃ…」 「知る必要は無いんじゃないかな?」 「え?」 「だって、観奈ちゃんは観奈ちゃんだろ。今からそんな背伸びしなくても、いまのままの観奈ちゃんでいることを、その人も望んでるんじゃないかな?」 「でも…その人は鈍感だから…」 「きっと通じてるさ」 そういって観奈ちゃんに近づき ちゅ… おでこに口づけをする 「…あ」 「想いが伝わるおまじない」 「あ…ありがとうなのじゃ…」 「それじゃ家まで送っていくよ」 「…うん」 おれは観奈ちゃんを家まで(といっても敷地内なのでスグだが)送っていった 後半のエロへ続く
https://w.atwiki.jp/houseofhero/pages/2718.html
非常食袋 食いしん坊万歳なキャラクターの エルウィン=ランドルフが常日頃持ち歩く怪しげな袋。 非常食袋とは言いつつも、何故かひとりでに動き出したり、 ほかほかのカレーやラーメンなどの汁物が出てきたり、 明らかに袋に入る体積以上が入っていたりと やたらと謎が多い代物。 またこれ以上に謎の機能として身内の不幸を知らせる機能がある。 祖父のジェイラス=ランドルフがI-BISグランプリで 事故を起こした日にも発動したらしく、本人は凶事を察知している。 なおその機能とは突如『くぅ』と袋が鳴く、というのが本人の談。 実はレノール=スターリィフィールドが開発したもので、 一度袋を開けたら、閉めた瞬間に中の空気を全て抜く機構によって、 一瞬にして真空保存状態に出来る優れものであり、 これによる保存状態の継続化によって、消費期限までの時間は、 理論上、冷凍保存時の約10倍になるとまで言われる 家電メーカーなどが喉から手が出るほど欲しがる技術の結晶。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2090.html
「ふぇえん、幽香ぁ」 「何よどうしたのリグルったら、情けない声出して」 「虫の知らせサービスが立ち行かなくなって破産宣告されたぁ」 「んもー、だからヘタに商売っ気出すなって言ったのに」 「どうしよう、このままじゃ虫たちがドナドナされちゃう・・・」 仕方ない、私が一肌脱いであげるしかないわ。 でも私にできる仕事なんて・・・あ、用心棒。 ゆうかりんfA・大量虐殺ルート ただの虐殺SSだ、いじめでもなんでもない。東方的ですらない。 これは警告だ。今のうちに手を引け。 いいか、俺は面倒が嫌いなんだ。 ・ ・ 妖怪の山の中腹にあるバイオプラント。 ここではゆっくりの遺伝子改造によって、その品種改良を行い 更に培養技術で機械的にゆっくりを増産することを研究していた。 それらは着実に成果を挙げ、ゆっくりの培養タンクからは急速培養された ゆっくりがベルトコンベアで次々にミキサーに投入されていく。 このプラントが一定の成果を挙げた暁には、より大型の工場で ゆっくりの大量生産が行われるようになるだろう。 だがある日、培養エリアが原因不明の暴走事故を起こした。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」 怒涛のごとく押し寄せるゆっくりの大群、数にして数万という単位のそれは 地下通路の空間という空間を飲み込み、そこを通る職員を無慈悲に 押しつぶしてゆく。 「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」 頑丈に作られたゲートも何するものぞ、その圧力は金属製の分厚い扉を 変形させ、押し破った。 ゲートが割れる瞬間に罅からピューピュー噴出した黒いものが何であるかは 容易に想像がつく。その猛烈な圧力で潰れ、圧縮されたゆっくりたちの 成れの果ての姿であろう。彼らはその純粋さ、悪く言えば知能の低さにより 先走ることで後続の道を確保はしたが、同時に多くが犠牲になりもした。 「「「「「ゆっく、ゆっくり!」」」」」 地下通路を埋め尽くすゆっくりの大波は、ついに大部屋に 通じるゲートに差し掛かる。 ここを突破すれば出口まであと一歩、何万というゆっくりはその加速を 更に強め、ゲートに押しかけた最初の何百というゆっくりを一瞬で押しつぶし その圧力は数秒でゲートを変形させた。あと一歩で扉が破ける。 その瞬間だった。 「「「「ゆっ!?」」」」 ゆっくりたちは何が起きたのか理解できなかった。 通路にいたはずの何万ものゆっくりは一瞬にして消滅し、それらの焼け焦げた 残骸が通路の向かいの壁まで貫通している。 通路を曲がってきたゆっくりたちはその光景に驚愕し、歩みを止めたが 後ろからやってくるゆっくりたちは何も知らないため、ただ押し出されるしかなかった。 閃光 またしても通路に充満しはじめたゆっくりたちが無慈悲に消えていく。 それでも後ろから後ろからゆっくりたちは押しかける。とどまることを知らない。 三度目の閃光は今までと違った。通路の向かいの壁に届いたそれは そこで爆発し、曲がり角の向こうのゆっくりまで広範囲に粉砕したのである。 ここへきて、後続のゆっくりたちが怯んだ。 彼らは、自分たちの天敵が正面にいることを自覚したのである。 ― 依頼主:キューカンバーバイオダイン 報酬:45.000zun 我が社の研究施設から実験体が流出した。 凶暴性は低い種で、一匹一匹の能力も高くはないが プラントはいまだに自動操業を続けており、放置 すれば実験体で研究施設が埋め尽くされるだろう。 早急に実験体を排除し、プラントの緊急停止装置を 作動させてほしい。 「まったく」 乾いた声だった。 「自分たちの生み出したものの始末もつけられないとは、とんだ笑い話ね」 冷酷な口調と裏腹に、その顔面には微笑みが張り付いている。 それがかえって見る者の恐怖をかきたてた。 「まぁ、それを始末して報酬を貰う私も同類なのだけど」 緑色のくせ毛、おしゃれなチェックのベストとスカート、こぎれいなブラウス。 一見してどこかのいいとこのお嬢様にしか見えないそれは、ゆっくりの群れに 展張した片手の傘を向ける。 顔面には既に微笑みは残っていない。あるのは嘲りか、それに近いものだけ。 「ゆ、ゆっ!」 「消えなさい。群れる弱者は嫌いなの」 傘の先端が光った。ゆっくりたちは我先に遁走しようともがくが、すでに後ろでは あらたに生まれたゆっくりが満杯になった培養室から次々に出てきているため 後退は不可能だった。 幾多のゆっくりが、不可抗力で外に向かうゆっくりと、恐怖で内に戻ろうとする ゆっくりとの間で押し潰され、生まれてきた本来の運命同様に、中身をぶちまけ 粉々になり、崩れ去っていく。 マスタースパークはそんな恐怖するゆっくりを、潰れてもはや死んだゆっくりを、 まだ何も知らず前で何が起こっているのかも知らないゆっくりを、平等に、そして 容赦なく一瞬で蒸発させた。 一発では終わらない。二発、三発。 幽香はマスタースパークの合間に向日葵で、炭化した死骸を片付ける。 幻想郷の甘味好きの欲望と身勝手により生み出されたゆっくりたちは 次から次へと、精神を肉体から強制的に解放され、恐怖と苦痛により、 その魂を救済されていった。 ゆっくりたちが綺麗に消え去った通路を歩く。 時折、焼け焦げた残骸の中からかろうじて生きているゆっくりの虫の声が聞こえたが それを聞くたび、幽香はその位置を強く踏みつけて通った。 後には何も聞こえなくなった通路だけ。 前からゆっくりが来ればマスタースパークで粉砕する。 何度目かのとき、廊下の照明が落ちた。電路を破壊してしまったらしい。 照明は薄暗い赤い非常灯に切り替わった。幽香は大して動じず、 こんなステージも趣があっていいわねとか、にこりとしながら、 前から現れたゆっくりに向日葵弾を撃ち込み、歩みを止めることはなかった。 ひととおり通路のゆっくりを殺戮し終えた後、幽香は低い音が響く部屋の前に出た。 と、自分を雇ったクライエントから通信が入る。 『その先が培養室だ、内部のゆっくり残存数は40%以下に減少したが、 まだまだ危険なレベルだ。慎重に行動してくれ』 「私を見くびってもらっちゃ困るわ」 『それと、培養装置は一度壊れると修理は絶望的だ。なるべく無傷で奪還して欲しい』 「はいはい、わかってるわよ」 おぞましい光景だった。 ベルトコンベアが停止しているために、培養機の口からあふれたゆっくりが そこかしこで「ゆっくりしていってね!」の大合唱と共に跳ね回っている。 その大音響は培養機のジェネレーターの音と同格であった。 そしてそいつらは、跳ね回るごとにすり鉢状の部屋の傾斜に沿って下っていき 底部でいまだ回転しているミキサーに次から次へと自ら突っ込んでいくのだった。 きっと、周囲の仲間と跳ね回ることに気を取られて、ミキサーが何であるか 理解できていないに違いない。 そしてそれを補う以上の速度で培養機からはゆっくりが噴出し続けているのだが、 4基ある培養機のうち2基は、完全に暴走しており、うち片方は、まだ体をなさぬ 未完成の餡子と、ゆっくりの目耳鼻がついた皮袋をとんでもない勢いで噴出しており、 もう片方はといえば、一応は完成したゆっくりを放出してはいるものの、放出口の エマージェンシー・シャッターが半分降りているため、出てくるのは常に グシャグシャに潰れたゆっくりだけという有様である。 放出口からはゆっくりが絶叫と共に死体となって吐き出され、動くことのないそれらが 放出口の前にうずたかく積みあがり、かろうじて生き残った瀕死のそれも すぐ積みあがった死骸の山に突っ込み、後ろから断末魔と共に飛んで来るゆっくりだった 物体の怒涛の放出によって、山の中にうずもれてその声は消えてゆくのだった。 それらの周囲で何千というゆっくりが短い生を謳歌してはミキサーに落ちていくのは 喜劇なのか悲劇なのかわからず、幽香は軽い頭痛を覚えた。 非常用の通路である天井のキャットウォークに陣取った幽香は、どうやって始末したものか しばらく思案したあと、考えるのもバカらしくなり、そのまま飛び降りた。 幽香はわずかな減速もなしに、そのまま、餡子と皮で汚れきった床に着地した。 「ゆっ!?」 突然の来訪者に全てのゆっくりがそちらを向く。 「お姉さんだれ!?」 おねえさんダレ?の大合唱。その後ろでは暴走した培養機のうち1基が終わることのない 断末魔を発し続けていたが、ゆっくりたちの好奇の声はそれを覆い尽くした。 「私は幽香。風見幽香よ」 微笑みながら幽香は告げる。主にゆっくりがもっとも集中したあたりへ向けて。 その声色にはいささかの敵意も憎悪も含まれていない。 「ゆうか!?おねえさんもゆっくりしにきたの!?」 「一緒にゆっくりしようよ!」 「ゆっくりしていってね!」 同じような台詞があたりを埋め尽くす。再びゆっくりたちの跳ね回る大音響。 幽香はクスクス笑いながら、気配を殺しつつ、続けた。 「ごめんなさい、私はゆっくりしてはいられないの」 それでも、ゆっくりたちは動じず、疑念だけを向けてくる。 「どうして!?ゆっくり楽しいよ!」 それが本能からの行動だったとしても 「ゆっくりしようよ!」 自らの欲求を満足させるためだけに 「ゆっくり!ゆっくり!」 そいつらは叫び、跳ね、飛び回った。 そのうち一匹が、幽香のすぐ近くまで跳んできた。 「ねえお姉さん!一緒にゆっくり!ゆっくり楽しんでいってね!」 その一匹に感化されたか、他のゆっくりたちも我も我もと幽香へ接近する。 べしゃ。 「ゆ!!」 幽香に接触したゆっくりの顔面に、幽香の手が刺さっていた。 その瞬間はゆっくりの動体視力で確認できるものではなかった上、 「い"だい"!!い"だい"よ"お"姉"ざん"!!!」 突き刺さったのと反対側から突き出た幽香の指がわきわきと動いて、 その激痛にゆっくりが悲鳴を上げたことで、周囲に群がろうとしていた ゆっくりたちは、皆一様に凍りついた。 「無理ね」 幽香はそこで初めて、今まで隠していた敵意を剥き出しにした。 オーラが風圧となって部屋を振るわせる。衝撃波に似た何かが、幽香を中心に 床に散らばった餡子と皮を吹き飛ばしながらゆっくりたちへ襲い掛かった。 「私はあなたたちを根絶に来たんですもの」 ゆっくりたちは、周囲で生まれた瞬間に死ぬ仲間の断末魔や、ミキサーから聞こえる 絶叫に晒されてはいたが、生まれた瞬間からあるものだったからか、それを自らと 直接結び付けて考えてはいないようだった。 そのせいか、幽香の凶行には過剰に反応した。 それにはゆっくりする以外の本能、おそらく生存本能も関与していたろう。 機械的な死と、憎悪をもって自らを狩りに来る相手では、存在感が違いすぎる。 「ゆーっ!!!」 「ゆっく・・・ギェァアアアアア!!」 「ゆっくりできないよ!!」 「お姉さんゆっくりして!おねがががががああああ!」 そこから先は、先程の通路のときと同じ、一方的な虐殺だった。 「はやくやめてね!はやくやめてね!!」 「だずげで、ぐるじぃ!!」 「ゆっくりさせてよ!ゆっくりさせて!!」 幽香は持ち前の拡散向日葵弾を連発しているだけでよかった。 「う"ぁぁああ"ぁ"あああ!」 「みんな!みん・・・っゴ!」 「ゆ・・・ぷヴェッ!!」 それも、ミキサーから遠い場所にいる連中を撃つだけで、恐慌状態に 陥ったゆっくりたちは安全場所を失い、逃げ惑った結果、自分から ごろごろとミキサーに突っ込んでいくのだった。 幽香は殺して殺して殺しまくった。 こんなに殺したのは何百年ぶりか明確に思い出せるほど殺しまくった。 虐殺マシンと化した幽香を止めるものは、なにもない。 幽香に依頼を出したにとりは、生気に満ち溢れた顔でただひたすらに かりそめの生を与えられた物体の命を弄ぶ幽香に恐怖した。 モニタを通してですら、その圧倒的な恐怖が伝わってくる。 『もう充分だろう、幽香。そろそろ非常停止システムを』 その一言を発することができない。喉がカラカラに渇いて痛覚を刺激した。 今のにとりは、もはや天敵に射竦められた被捕食者のようなものである。 すっかりゆっくりも少なくなった。 放出口の前に巨大なひまわりカッターを常駐させて、全ての培養機を 生まれた瞬間に殺す装置に変身させたことで、部屋の中には既に 数えるほどしかゆっくりが残っていなかった。 残った数十匹をどう始末するか、幽香は部屋の隅でこちらを見ながら ガタガタ震えている残りを前に思案していた。 その様相は、返り餡まみれであったが、黒い付着物は非常灯の赤い光の 中にあっては、返り血にしか見えない。 そういえばこの部屋に入ってからマスタースパークを撃っていないことを思い出し、 餡避けで真っ黒になった傘からお手入れついでにマスタースパークを放ち 残った哀れなゆっくりを蒸発させた。 一通り虐殺が終わったことで、ようやく我に返ったにとりが、まず理解したのは 自分が失禁しているということだった。 警備管理室はその性格上、水の持込は禁止だったが、にとりの座っていた 椅子からはいまだ湯気をあげる黄色い液体が滴っている。 大慌てで雑巾を用意し、始末をしようとしたところで、今度は幽香のほうから 通信が入ってきた。にとりは慌ててコンソルに向き直り、幽香からのコールに 応える。 「あらかた片付いたわ。どう?こんなもの?」 『あ・・・ああ、よくやってくれた。凄いな、予想以上だよ』 「当然。で、次だけど」 『そ、そうだった。非常停止装置は――』 「ちょっと違う」 『え?』 「貴方との契約、破棄でもいい?」 にとりは我が耳を疑った。あの風見幽香が、ここまでやっておいて契約を反故にし、 契約金を受け取らず、そのまま帰るなど考えられない。 いや、彼女はそこまで金に執着するタイプではないかもしれないが、落とし前は きちんとつける性格だったはずだ。それが、一体何故? 『ゆ、幽香、貴方は一体何を』 混乱するにとりが必死で搾り出した言葉に、幽香は悪びれた様子もなく言った。 「別に、ちょっとこのワケわかんない連中が腹立たしくなっただけ。だから――」 「この施設、破壊するわ」 警備管理室のモニタには、マスタースパークで破壊されて炎上する培養装置が 大きく映し出されていた。 「んふふふふーっーふーっ♪1基目ぇ」 にとりはそれを見て、下半身の後始末も忘れて絶叫した。 『やめろ、やめて幽香!それは私達の大切な!!』 また閃光、瞬間、モニタがブラックアウトする。映像が回復すると、そこには 2基目の培養装置がひしゃげて燃え盛っているのが見て取れた。 「んふふふんふふ♪2基目ぇ」 鼻歌を歌いながら施設を破壊していく幽香の姿がモニタの前を横切る。 『イヤぁああ!やめて!おねがい幽香さん!お願い!ゆうかさま!!!!』 命を弄んだ者は、同じく命を弄ぶ者によってしっぺ返しを受けた。 ただ、河童が望んだのは富、幽香が望んだのは快楽という違いはあれど 両者に互いを批判する権利などない。 『おねがいぃ・・・減価償却がまだ終わってないの・・・稼動したばっかりなのぉ・・・』 にとりの絶叫はもう幽香には届いていないようだった。また閃光。 「んふっふっふっふっふっふ♪んふふふふっふ♪3基目ぇ」 にとりは先程と上下逆の穴から体液を滴らせてむせかえっていた。 目、鼻。もうモニタを直視できていない。 彼女が企画したこのプロジェクトは間違いなくこれでおしまいだ。 膨大な費用をかけても、元が取れると判断されたから計画が承認されたのだ。 それを、システムを暴走させた上、自力解決もできず、その上、解決を依頼した者まで 完全に見誤るとは、失態ここにきわまったとでも言うべきだろう。 「んふ。これでおわり。最後の1基」 幽香が無慈悲に告げる。 『いや・・イヤイヤイヤぁ・・・やめてよぉ、何で・・・こんなことするのよ・・・』 すすり泣くにとりの前で、またモニタが閃光でブラックアウトした。 ・ ・ 前略 風見 幽香様 この度は弊社の依頼を快く引き受けてくださり、誠にありがとうございました。 弊社にとって河童の技術は目の上の瘤、それも産業スパイを使って 弊社のノウハウを盗んだ上でのゆっくり生産計画などという悪行は 許すわけにはまいりません。 幽香様のお陰で、弊社の将来は安泰となりました。 重ね重ねお礼申し上げます。 これからも、どうか当社をご贔屓に。 草々 ・ ・ いつもの向日葵畑で、幽香は手紙をびりびりと引き裂いて土に生め、その上に 向日葵を生やして情報を根絶した。 河童の生産設備に工作員を送り込んで暴走させたのも、自分をあらかじめ 買収しておいたのも、すべてあのゆっくり甘味本舗の事業主であった。 まったく、人間とは小ざかしいものだと心底あきれたが、あれだけの殺戮に 興じ得たのは僥倖としかいいようがない。 利害は一致していたというわけだ。 おかげでここしばらく、すっきり眠れる日が続いていた。 やはり弱いものいじめは気分がいい。最近スペルカードルールのせいで強いものと ばかり戦っていたが、抵抗できない数多の命を奪う快楽も耐え難いものだ。 うふ。こんなに機嫌がいいのにはもうひとつ理由があるのよ。 近いうちにまた同じような仕事が来るんじゃないかってね。そう思わない? 憎悪は憎悪を呼ぶもの、やられたらやり返す。それがこの世の常。 ほら、噂をすればそこにいる。 「出てらっしゃい、河童さん」 幽香の声に、向日葵畑のすみで風景が奇妙な揺れ方をした。 ほどなくそこから光学迷彩を解いた河童が一匹現れる。にとりではなかった。 彼女は歯切れ悪く、こう切り出した。 「その・・・商売敵を潰すのに協力してくれませんか?」 幽香はその後、ゆっくり産業最大の天敵と呼ばれるようになり、 急成長した甘味市場は供給停止により暴落、ゆっくり甘味製品は暴騰し 野生のゆっくりがますます乱獲されるようになったが、それはまた別の話。 GAME OVER このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/mgrpgar2e/pages/1340.html
メニュー>戦場サポート>非常呼集 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/923.html
33話 愚民以下から這い上がれ 自動ドアをくぐり、銀鏖院水晶はS W M19を右手に持ちながら病院のロビーへ進入した。 病院特有の薬品のような臭いが水晶の鼻を刺激する。 非常灯が点いているためまだ深夜だが視界には困らない。 他の参加者の姿を捜すため水晶がロビーの奥へ足を進める。 殺し合い開始早々、獣に強姦されるという悲劇に見舞われ、 更に自慢の超能力も使えず、今の自分は愚民以下だと自信も純潔も喪失していた水晶。 しかし、その喪失感を怒りに代え、他参加者達を殺害する事で、 その怒りを発散させようと奮起したのだった。 水晶が、ロビー奥の喫煙室付近まで来た時。 「――!」 背後から殺気を感じた。 次の瞬間。 ダダダダダダダダダダッ!!! 機関銃の発射音と共に無数の弾丸が水晶目掛けて襲い掛かってきた。 喫煙所を仕切るガラス壁が一瞬で穴だらけになった。 「くっ…!」 しかし間一髪だった。水晶はすぐ近くにあった柱の影に隠れ難を逃れた。 (マシンガン!? くそっ…!) 柱の影からほんの少しだけ顔を出し、襲撃者の顔を確認する。 病院玄関付近に、翼を持った長髪の女性が立っているのが見えた。 そして手に持った武器らしき物を水晶の隠れている柱の方に向け――。 ダダダダダダダダダダッ!!! 「!!」 弾丸を受け過ぎ喫煙室のガラスがついに砕け散った。 壁や柱、ソファー、観葉植物、ロビー内のありとあらゆる物が弾丸で抉られる。 柱の影で水晶は反撃の機会を窺った。 水晶を手にした短機関銃、イングラムM10の掃射で襲撃した、 オレンジ色の髪に赤い翼、尻尾を持ったサキュバス、メリエは、 空になった弾倉を取り換え、一気に水晶のいる柱付近まで近付こうとした。 だが、柱の影から水晶が身を乗り出し、M19の銃口をメリエに向け、発砲する。 ダン! ダン! ダン! 「くっ!」 どうにか胴体に当たるのは避けたが、左の翼の膜に一発命中してしまった。 傷みに顔を歪めるが、メリエは再び水晶に向けイングラムを掃射した。 「死ねぇーっ!!」 ダダダダダダダッ!!! しかし既に水晶は奥にある廊下の方向へと走り出していた。 「逃がすかっ!」 殺せる獲物は、殺せる時に殺した方が良いと、メリエは水晶を追い掛ける。 この病院目指して空中を飛んでいた時、病院の中入っていく少女――水晶の姿を発見し、 気付かれないように静かに着陸、そして背後から銃撃を仕掛けた。 こちらは連射可能な短機関銃、相手は――他に武器を隠し持っていなければ――単発銃のみ。 火力は圧倒的にこちらが上、勝機は十分にあると踏んだメリエは、 水晶に止めを刺すべく追走した。 そして廊下の曲がり角を曲がった時だった。 前方数メートル先に銀色の髪をなびかせ走る学生服姿の少女の姿。 しめた、と思い、メリエはイングラムの銃口を水晶に向け――る前に、 水晶が踵を返し、M19の銃口をメリエの方に向ける方が、数瞬早かった。 「死ぬのは――」 しまった、と思い、メリエはイングラムの引き金を引こうとした、が。 「お前だぁぁぁぁぁ!!」 ダン! ダン! ダン! それより先に水晶がM19の引き金を引き弾倉に残っていた3発の.357マグナム弾をメリエの身体に叩き込む。 一発目がメリエの豊満な乳房の内の右胸、二発目が左胸のやや下、 そして最後の一発がメリエの美しい顔の、鼻のやや横辺りに命中し、 後頭部へと貫通し、そして突き抜けた頃には、メリエの意識は消失していた。 そのまま仰向けにメリエは倒れ、血溜まりを作り、もう二度と立ち上がる事はなかった。 水晶はM19のシリンダーラッチを押し、弾倉を横に振り出し空薬莢を排出、 制服のポケットに入れていた予備弾を装填していく。 「ハァ…ハァ…死ぬかと思ったけど、何とかなったわね」 最初短機関銃の掃射を受けた時、水晶は正直な所、死を覚悟した。 現在ここに生きて立っていられるのは幸運と言っていいだろう。 水晶はメリエが落としたイングラムM10と、メリエのデイパックの中から、 イングラムの予備マガジン8個と食糧を抜き取った。 殺し合いを有利に進めるには武器が多い方が良い。 連射が効く短機関銃を手に入れられ水晶は思わず笑みを浮かべた。 (えーちょっと、何これ……私が惰眠こいてる間にえらい事なってるんだけど) 院長室の扉を少しだけ開け、様子を窺う全裸の少女――に見える若い女性、戸高綾瀬。 ソファーで眠りについていた綾瀬を目覚めさせたのはロビーの方から聞こえてきた銃声だった。 しばらく――脱ぎ捨ててあった服を着るのも忘れ――机の陰に隠れていたが、 やがて三発の単発銃のものと思しき銃声を最後に、音が止んだため、 恐る恐る院長室の扉を少しだけ開け何事か様子を確認した。 そこには血溜まりを作って床に倒れたまま動かなくなっている翼を持った悪魔っ娘と思しき女性と、 学生服を身に纏った銀髪の小柄な少女が、リボルバー拳銃に弾を込めている所が見えた。 状況から見て、学生服の少女が悪魔っ娘を殺害したと見るのが妥当だろう。 (あの子、殺し合いに乗っているの? それともあの悪魔っ娘に襲われて、 正当防衛で殺したの? どうしよう、思い切って接触してみようかな) 綾瀬よ、それよりも何よりもまず服を着ろ。 (……やめとこう。危険を冒してまで接触する事もないでしょ。 それより一旦どこかに隠れた方が……そうだ、窓の外に) 脱ぎ捨ててあった服を掻き集め、デイパックとボウイナイフ、衣服を持ったまま、 院長室の窓を静かに開け、外の植え込みに着地し静かに窓を閉めた。 そして脱いでいた服を着始める。 綾瀬がさっさと逃げなかったのには訳があった。 それは廊下に放置されていると思われる悪魔っ娘――メリエの死体。 綾瀬は参加者の首にはめられている首輪のサンプルを入手したがっていた。 それには参加者の死体から――つまり、死体の首を切断し、首輪を入手する必要があると、綾瀬は考えていた。 もうこのゲーム会場には幾つかの死体が転がっていると思われたが、 それを捜索して見付けるのは苦労する。 なので、すぐそこにある死体を、メリエの死体を利用しようと考えたのだ。 (しばらく待って……あの女の子がいなくなったら、いよいよ……) 自分の武器であるボウイナイフを手に取り、 綾瀬はゴクリと生唾を飲み込んだ。 【メリエ@オリキャラ 死亡確認】 【残り37人】 【一日目黎明/G-8病院:一階廊下】 【銀鏖院水晶@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]:精神的ダメージ(やや回復) [装備]:S W M19(6/6) [持物]:基本支給品一式、.357マグナム弾(24)、イングラムM10(22/30)、 イングラムM10のリロードマガジン(30×8)、メリエの水と食糧 [思考]: 0:殺し合いに乗る。優勝を目指す。 1:もう少し病院内を探索する。 2:みんな殺す。とにかく殺す。クラスメイトでも容赦しない。 3:あの黒狼(レックス)は今度会ったら絶対に殺す。 ※本編開始前からの参戦です。 【一日目黎明/G-8病院:院長室すぐ外の植え込み】 【戸高綾瀬@オリキャラ】 [状態]:健康 [装備]:ボウイナイフ [持物]:基本支給品一式 [思考]: 0:殺し合いには乗らない。首輪の解除を目指す。 1:しばらく植え込みに身を潜めて、悪魔っ娘(メリエ)の死体から首輪を回収。 2:もし可能であれば仲間が欲しい。 3:襲われたらどうする…? ※銀鏖院水晶(名前は知らない)の容姿を記憶しました。 ※服を着ました。 ※G-8病院周辺に銃声が響きました。 ※G-8病院玄関ロビーが荒れています。 ※G-8病院:一階廊下にメリエの死体とデイパック(水と食糧抜きの基本支給品入り)が放置されています。 男達の花園 時系列順 Triple axel 男達の花園 投下順 Triple axel 傷付いた水晶 銀鏖院水晶 その思いは正義をも砕く 傷付いた水晶 メリエ 死亡 傷付いた水晶 戸高綾瀬 さっさと調べろと言うのは無粋、無粋。
https://w.atwiki.jp/precuredays/pages/75.html
あらすじ その頃、学校の社会科見学でエコについてレポートをまとめることになったまひるたちだが、他の班と見学場所が重なったり、見学を断られたりなかなか良い場所が見つからない。放課後残ってあーだこーだと思案するまひるたち。その時、右京則子が「そーだ! まひるのお父さんって発電所に勤めてるじゃん!」と思い出したのがきっかけでお父さんの発電所を見学に行くことに決定した。 「よろしくお願いしまーす!」「よく来たね! じっくり見てってくれよ!」 土曜日に発電所を訪れるまひるたち。発電所の仕組みや成り立ちを聞きながら一生懸命メモを取ったり写真を撮影したりしていると、事務所の中にいたお父さんをまひるは見つける。思わず声を掛けようとしたまひるだったが、仕事場の人たちと真剣に話し合っている様子をみて声を掛けそびれてしまうと同時に家とは違うお父さんの姿にますます尊敬してしまうのだった。 そんな時、室内の明かりが点滅し、急に消えた。騒ぎになる発電所内。原因不明の事故が発生したらしい。けたたましく鳴る警報! 非常灯が点き、騒然とした雰囲気。大きな爆音と震動が伝わってくる。 「こっちに避難してください!」 案内の職員の人が皆を誘導するが、騒ぎの中でまひるとかぐやの二人は、皆とはぐれてしまう。周囲には眠ったように倒れている人たちがたくさんいる。 「これは只の事故じゃないレジ!」「闇の気配を感じるプル!」リュックの中からオレンジとパープルが顔を出す。 「じゃあ、ダークネスの仕業?」 二人はキュアパストをサーチモードにしてかざす。すると発電所の中心部に何かの反応があることが分かった。 「デュアル・クロッシング・デ―――イズ!」 二人がプリキュアに変身して発電所の中心地に向かう。途中でさっきまでお父さんのいた部屋に気付いたサンディが中をのぞくとお父さんが倒れている。 「お父さん!」 思わず駆け寄るサンディ。 「大丈夫! 眠ってるだけレジ。安心して先に行くレジ」「うん!」 発電所の重い扉を開けると、たくさんの機械が並んだ中に巨大な乾電池が電気を吸い取りながら暴れている。 「わぁはぁはぁ! いいぞ、乾電池クライナー。全ての電気を吸い取り、夜の闇を作り出すのだ!」 クライナーのそばに高笑いをしている怪人が! 「あー! 何? わんちゃん?」 指を差して首を傾げるサンディ。 「わんちゃん、じゃない オレはオオカミだ! ウォルケン様がお前らを倒しにきてやったぜ!」 サンディをにらみつけるウォルケン。 「乾電池に充電すると危ないんじゃなかったっけ?」とポツリいうナイト。 「やれ! あいつらを片付けて、プリキュアの力を奪うんだ!」 ウォルケンの命令で乾電池クライナーが二人に襲い掛かる。 「きゃぁーーーーーっ!」 クライナーの腕が二人を掴むと電流が流れる。そしてそのまま吹き飛ばされ設備を突き破って隣の部屋へ。ダメージから再び立ち上がり、プリキュアの攻撃。すばやく駆け寄り足元を蹴るサンディ。壁を駆け上がり、強力なパンチを繰り出すナイト。堪らずひっくり返ってしまう乾電池クライナー。 「これ以上、お父さんの発電所を壊させないんだから! いくよ、ナイト!」 サンディの迫力にナイトがうなずく。クライナーに向けて必殺技「プリキュアクロスライジング」を発射! 「そんなものがエネルギーを吸収する乾電池クライナーに通用するものかぁ!」 ウォルケンが勝ち誇ったように叫ぶ。「!!」 乾電池クライナーがプリキュアクロスライジングを吸収しているのだ。こんなことは初めてだ。 「負けないわよ! もう一回!」 再びプリキュアクロスライジングを発射する二人。「何度やっても無駄だ!」 しかし、二度目の必殺技を喰らったクライナーに変化が起きたのを二人は見逃さなかった。急激に膨らんでいくクライナー。「く、クライナー!」 苦しそうなクライナー。「な、何? エネルギーを吸収しすぎたのか! くそっ撤退だ!」「ハヴァナイスデー!」 断末魔の叫びと共にクライナーが破裂してシャイミーのカードに変わる。それと同時に発電所は元に戻った。 「ありがとうございました!」 その後何事もなかったかの様に見学は終了し、皆は家に帰ることにた。まひるは、帰り道『家に帰ったらお父さんにちゃんとお礼を言おう』と思った。 ストーリー設定メモ (作品内にこんなシーンが欲しいという設定やイラストを記載します) 09.01.31設定 お父さんの発電所は、様々な発電(太陽光、太陽熱、風力、波力、etc.)を研究する試験場のような所。 スゥさんは8話でわかったプリキュアの弱点を元に作戦を計画中なので、代わりにウォルケンが登場する。 お父さんが家では優しいけどちょっと抜けてるキャラみたいなのを出しといて、発電所でのクライナー事件でカッコイイ姿を見せるというのがあると面白そう。 仕事場ではきびきび部下に指示しているお父さんとか、クライナーが現れたとき避難を指示するお父さんでも十分格好よさは発揮できると思う。 意識が遠のく中施設を止めるお父さんとか、問題が起こったときにまひるが避難せずに「わたしに任せて」とか言うのを「バカを言うんじゃない!」って怒鳴るとか たしかに何かが起こる前に施設の機能は停止させないといけないしな。そういう権限があるぐらい偉い地位ならカッコイイ。 登場幹部はウォルケン。 登場クライナーは乾電池クライナーです。 次回予告 まひる「聞いて聞いて、テレビに出ちゃうのー」 かぐや「落ち着いて、朝日奈さん…」 まひる「チア部が紹介されるし、新しい振り付けもあってねー」 かぐや「ちょっと、落ち着いてって…」 まひる「レポーターさんがイケメンなのー」 かぐや「イケメンってあのクライナーが?」 まひる「ぎゃー、あれはキモイっていうんだよー!」 ま&か「まひる「冒険! プリキュアデイズ、『第10話タイトル』」 まひる「ピカピカ輝き見つかるかも!」 かぐや「テレビ……(ボソッ」 第09話のタイトル候補 「守れ!? お父さんの発電所!」 「電気の神秘! お父さんの発電所」 「戦うお父さん 街の明かりを取り戻せ!」 「街の明かりを守れ! お父さんの発電所」 「守れ神秘! お父さんを取り戻せ!」 から話し合いで「街の明かりを守れ! お父さんの発電所」が選ばれました。 第09話の話合いの際に出された全体の設定メモ 09.01.31設定 10話(または、11~12話で)、チアリーディング部の話をやりたい! 都築さんは、クラスメイトとして普通にかぐやたちと付き合っている程度(左右コンビより密度が薄い)の濃度 こんな話が見たい! 修学旅行の話が見たい かぐやの家にまひるが泊まりに行く話が見たい。 かぐやの家は布団っぽい。隣同士に並べて寝る。 かぐやの家のお婆さんに居様に懐くまひるネタ。 文化祭とか運動会とか色々と話のネタはあるよ! 旅行なら夏休みの家族旅行とかクラブの合宿とか。 第×話「届け笑顔 かぐやのビデオレター」 今まで友達のできなかったかぐやが日本でたくさんの友達がきた事を両親にビデオレターで伝えることにする。撮影の最後のほうになだれ込んでくるみんな。そんな映像を苦笑しながら見て喜ぶ両親 第×話「対決! あさひvsかぐや??」 あさひとかぐやの関係を示す回。しっかりもののはずの姉がでれてる相手に妬くというのもありそうだが、あたしのほうがかわいい(頼れる)子なんだとアピールしだすとか… あさひとさくらが絡む話がある(闇さくら解放回?) まひるの全開ぽかぽか太陽(サンライト)スマイルにはかなわないが、冷たい夜明けに射し込むあさひのやさしさと温もりのあふれるスマイルにさくらの闇の心は揺さぶられる かぐやのためにまひるがロールケーキを作る話 かぐやに喜んでもらおうと色々思考錯誤して挑戦するんだけど、緊張とか新しい試みをするので失敗ばかりしちゃう→でもかぐやは文句言わずに美味しそうに食べる。 むしろあの味が忘れられなくて毎週食べにくるとか→しかし、カフェ・アルジェントの立場は? 留学先から友達がかぐやの元に押しかけてくるが、日本で親友を作った姿を見て安心する話 まひるとあさひの関係について まひるは外見は頼りないが、内面がしっかりしているのを知っているので、その点をあさひは尊敬している→まひるに近付こうと努力している。 新幹部のアイデア そいや幹部にフクロウ怪人なんてどうかなとか考えたんだけど。音もなく静かに現れる。クビが回る回る
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/1919.html
非常大権:A (イヴァン雷帝) 対立した貴族を支配するため、イヴァン雷帝が求めた皇帝への絶対服従権。 周囲の人間への強烈な威圧感は、全能力のランクを下げる強烈な“重圧”の効果をもたらす。 一般の人間であれば、目視することも難しい。ランクB以上のカリスマにより、打ち消すことが可能。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/26554.html
【検索用 ひしょうのゆき 登録タグ 2013年 NexTone管理曲 VOCALOID shr ひ 曲 曲は 殿堂入り 鏡音リン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:shr 作曲:shr 編曲:shr 唄:鏡音リン 曲紹介 曲名:『非常の雪』(ひじょうのゆき) 歌詞 厄介の夏も早や斜陽にて 人々なら堵(と)に安んずる 不都合ばかりの具合の中ぢゃ 慨嘆に堪へず 仕様が無いから あゝ先づはさういう事は棄てて 時分に身を任すのさ 誰も季節夫々(それぞれ)に 見合ふ恋をそつと願つて居る 至極平生の雪なら 直ぐに君を此処に入れて遣れる さういふ事なら さあ お往でなさい 全く僕らは始末にいけぬ 却(かえ)って不埒な世上の事ぢゃ 憚(はばか)るでしよう 恥かくでしよう あゝ其れでも赤心の次第では 忘るゝ積りも無いのさ 口にせられた言葉 併(しか)し餘程(よほど)心地悪いやうで 敢へて雪を願つて 都合付けて仕舞ふ恋でした あゝ恋とは何(こ)うも不思議なもので 拘(かか)はらずには居て呉れない 其れは非常の雪が 君の心體(からだ)隠すやうで 直ぐに君の許(もと)へと 向ふ足は僕に無いやうで 今日に非常の雪が 君の心體奪つて往く 今は往かれぬ日々さ 僕は此処で冬を待つて居る コメント 追加おつ! -- 名無しさん (2013-08-31 09 37 07) 歌詞有難いです!追加御疲れ様です -- 名無しさん (2013-08-31 11 33 53) おつ! -- 名無しさん (2013-08-31 13 33 04) おつー! -- 名無しさん (2013-09-01 11 46 12) shrさんの曲は中毒性あるなぁ・・・ -- 名無しさん (2013-09-01 14 38 55) 今回の曲すごいツボだわ -- 名無しさん (2013-09-01 14 47 18) 聞けば聞くほどはまっていく…さすがです -- 名無しさん (2013-09-02 22 08 08) この曲かっこいい…! -- 名無しさん (2013-09-04 12 09 26) サビのメロディーが好き -- 名無しさん (2013-09-07 20 23 41) なんで、伸びない!? -- 桔梗 (2013-09-08 15 51 01) 言葉遣いがすごくいい!なんで伸びないのか不思議だ -- 名無しさん (2013-09-09 06 33 51) カラオケこないかなー? -- 名無しさん (2013-09-16 12 48 08) 「何も」ってどうもじゃない? -- 名無しさん (2013-10-07 09 32 29) この歌、好きやわ~ -- 名無しさん (2013-11-05 17 11 36) なぜ伸びぬ -- 名無しさん (2015-01-02 12 35 09) 仕様がないため、じゃないの? -- 名無しさん (2016-01-04 15 43 10) 投稿されてから三年経って、ずっとこの曲を聴いているけれど、今日になってようやく、田山花袋の『蒲団』がモチーフなのかな、て思った。 -- 名無しさん (2016-06-17 17 15 28) メロディーも言葉も良すぎて聴くたびに好きになってしまう -- 名無しさん (2024-01-09 01 07 11) 忘れられない誰かを待っているなんて切ない -- 名無しさん (2024-07-15 21 15 33) 田山花袋の蒲団では、、! -- 名無しさん (2024-07-19 12 57 06) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/jfsdf/pages/802.html
西暦2020年11月21日 03:20 自衛隊札幌病院 佐藤の病室 「まいったなぁ」 ドアを眺めつつ佐藤は呟いた。 さすがにドアを破られる恐れはないが、かといってこちらは出る事ができない。 困った話である。 「こっちの武器は、と」 血まみれの椅子。 小ぶりの包丁。 昇進試験用の分厚いテキスト。 「まったく、普段だったら自動小銃に拳銃に、武装した部下や友軍がたくさんだというのにな」 呟きつつも椅子の足をへし折り、足の部分に包丁をガムテープで固定する。 やや離れた場所を攻撃できる槍の完成である。 「しかしなぁ、相手人間じゃないしなぁ」 刃物を振り回しても相手は怯んでくれない。 もちろん怪我をさせても相手の戦闘能力は奪えない。 こいつら相手の場合には、格闘技のプロでも剣術の達人でもダメだ。 近距離で1対1の戦いをする以上、相手の数がこちらよりも多ければ、いつか限界が来る。 銃器で脳を撃ち抜くか、重火器でバラバラにするか。 なんにせよ、遠距離でも破壊力がある武器の使用が必要である。 民間人が生き残りエンドを迎えられるゾンビ映画がアメリカでしか成立しないわけだ。 取りあえずの武器を用意した佐藤は、病院内部の構造を必死に思い出した。 外部と通話できる電話はナースセンターか廊下の公衆電話。 あるいは事務室内部に存在する。 医官の個室にもあるかもしれないが、移動先をいくつも設定できるほど余裕がある状況ではない。 しかし、外部から容易に侵入できる部屋は危険である。 そう考えると、移動先は必然的に絞られる。 「いや、待てよ」 彼はある可能性に行き当たり、病院内部の構造をより詳細に思い出した。 通常、高層建築物には非常階段の設置が義務付けられている。 別に10階20階建てといわず、5階や6階建ての物件であってもそうだ。 そして、当たり前であるが非常階段へ進入するには防火扉を開ける必要がある。 当然ながら、防火扉とは頑丈に作られている。 「非常階段か。しかしなぁ」 脳内に浮かんだアイデアを再検討する。 非常階段は、当然だが逃げるためのものである。 そして、この病院には、夜とはいえ職員と患者が数多くいるはずである。 そのうちの一人でも、どういう経路で感染するか知らないが、とにかくゾンビ化する前に階段に入って息絶えたとしたら。 奴らが一体でも階段にいた場合、余り広くない空間である事を考えると、避難は容易ではない。 「非常、階段?」 そこまで考え、佐藤は気付いた。 自分で声を出さなくとも、外に異常を伝える方法。 公共施設ならばほぼ全てに完備されている設備。 火災報知機。それを鳴らすためのボタン。 「決まりだな」 佐藤は作戦を決定した。 廊下へと進出、火災報知機を作動させ、防火壁で院内各所を寸断。 非常階段より外部へと避難し、早急に外部の部隊と合流し、敵を殲滅する。 「やっぱり俺は頭がいいな」 武器を構え、ドアに接近する。 耳を当てるが、廊下の様子はわからない。 可能な限りゆっくりと、物音を立てないようにバリケードをどかす。 深呼吸し、ドアノブのつっかえ棒を外す。 異常はない。 ゆっくりとレバーを倒し、ドアを少しだけスライドさせる。 廊下は不気味なまでに静まり返っている。 徐々にドアを開き、そして首を出して廊下を確認する。 彼の部屋は廊下のほぼ真ん中に位置している。 右を見る。 異常なし。 左を見る。 破壊されたドアが見える。 先ほど叫んでいた患者だろう。 そのままゆっくりと体を出す。 非常灯だけが照らし出す薄暗い廊下には、彼の作り出した影以外動くものはない。 武器を握り締め、ゆっくりと歩き出す。 暗い廊下は遠近感を狂わせる。 微かに聞こえる雨音は集中力を乱す。 驚くほどに安定しない心拍は注意力を失わせる。 「せめて64式、いや、この際62式でもいい。とにかく銃を持っていれば気分は楽なんだがな」 呟きつつも非常ボタンへと接近する。 赤いランプが床や壁を照らし出している。 あと5m、あと4m。 ゆっくりと接近する。 よし、こいつを押して、あとは非常階段まで走ればいい。 防火扉は頑丈だからな。 引きこもってしまえばこちらのものだ。 あと3m、もう直ぐだ。 「助けて下さい!」 突然、直ぐそばから大声が上がった。 武器を構えて向き直ると、そこには憔悴しきった様子の看護婦がいる。 「静かに、静かにしろ」 小声で必死に制止する。 だが、相手はそんな事はお構いなしにこちらに飛びつき、泣きながら化け物が出たと繰り返す。 足音が聞こえる。 非常ボタンの方からだ。 相手はまだ振りほどけない。 足音は増えていく。 一人、二人、三人、何人いるんだ!? 「付いて来い!逃げるぞ!!」 熱い抱擁を強引に振りほどくと、俺は看護婦の手を掴んで自分の病室目掛けて駆け出した。 あと少しだったのに。 しかし、非常ボタンも非常階段への入り口も、敵が接近する方向である。 咄嗟に駆け出してしまったが、考えてみれば押してから逃げてもいいわけだよな。 自分自身に呪詛の念を唱えつつ、俺は懐かしの病室へと逃げ込んだ。 西暦2020年11月21日 03:24 自衛隊札幌病院 佐藤の病室 ドアを閉鎖し終わるまでに、永遠に近い時間がかかったように思えたが、実際には4分程度しか経過していなかった。 部屋の中はすすり泣く看護婦と俺の荒い息、そして時計の秒針が立てる神経に障る音しかない。 幸運な事に、相手は病室のドアを叩くだけで、中に入ってこようという意欲は感じられない。 冗談じゃないぞ。 傍らを見ると、先ほど作成したばかりのささやかな武器すらない。 どうやら廊下に落としてしまったらしい。 何ということだ。 看護婦一人のおかげで、俺はもうおしまいだ。 床に座り込み、ひたすらに泣いている看護婦を見る。 暗がりで見ても非の打ち所がない完璧なプロポーションだが、そんな事はどうでもいい。 今重要なのは、この女のせいで俺も死にそうということだ。 「頼むから泣くのを止めてくれ。無理ならせめて声を殺して泣いてくれ」 小声で語りかける。 奴らは物音に確実に反応する。 それは先ほどの経験で痛感している。 だとすれば、これ以上物音を提供するのはあまり好ましい行動ではない。 何が何でもこの女には黙ってもらわないといけない。 「そんなの無理よ!貴方おかしいんじゃない!!」 遺憾の意を表明したいな。 この女は物音を立てるのが好ましくない状況で、よりにもよって金切り声を上げてくれた。 俺の心の中での非難声明に答えるように、ドアの外の同志諸君は勢いよく扉を叩く。 それに反応した彼女は悲鳴を上げる。 この場合、この女を殺しても緊急避難は成立するのかな? 悲鳴と物を叩く音で満たされた室内で、佐藤は溜息をついた。 「頼むから静かにしてくれ。奴らが音に反応する事ぐらいわかるだろう?」 とにかく冷静に語りかける。 興奮している相手に、武器を持たないこちらが興奮しても効果はない。 不毛な治安維持活動で学んだ教訓だ。 とにかく語りかける。 それで相手が従わなければ実力行使。 それも、逃げる気しかわかない程に徹底して。 錯乱した個人でも、暴れまわる暴徒でも、この基本的な対処法を守れば被害は減る。 「どうしてわかるのよそんな事!どうせ死ぬんだわ!!」 さて、そろそろ実力行使に移ってもいいのかな? うんざりした気分で看護婦を見た瞬間、胸のネームプレートが見えた。 どこかで見た苗字だ。 「お前さん、もしかして二等陸曹の姉がいないか?」 不思議そうな声で佐藤が尋ねると、相手は沈黙した。 「い、いるけどそれが何よ」 予想外の質問を投げかけられた反動で、相手は冷静さを取り戻したらしい。 「そうか、アレにも家族がちゃんといたんだな」 「姉の知り合いなの?・・・ああ、貴方があの一尉さん」 看護婦は俺の正体に気づくと、非常に嫌そうな顔をした。 どうせならいやらしい表情を浮かべてくれないかな。 とにかく、どういうわけだか、俺に対してあまり好意的な印象は持っていないらしい。 ふむ、今後は二曹の手紙の検閲は俺がやろう。 俺にとって不利益な事が書いてあるようならば油性マジックで上書きしてやる。 と、ようやく会話が成立し始めたところで、彼女は頭を抱えた。 「おしまいよ!疫病神の佐藤一尉と同じ部屋なんて!おしまいだわ!!」 佐藤は頭の中で二曹を銃殺刑に処した。 とにかく、なんとしても気を静めないと、おかしくなってしまう。 再び泣き喚きだした看護婦と、ドアを勢い良く叩き続けるゾンビたちによって、佐藤の精神はズタズタだった。 彼はポケットから煙草を取り出し、ここが病室である事を無視して火をつけた。 ゆっくりと紫煙が立ち上り、そして天井から水が降り注いだ。 彼は、完全に鎮火した煙草を加えたまま天井を見上げた。 スプリンクラーが水を振りまいている。 その隣にある、小さな装置。 廊下からは非常ベルの立てる耳障りな音が聞こえる。 「そうか、そうだよな」 思わず笑いがこみ上げてくる。 何も決死の覚悟で廊下に出る必要はなかったんだ。 火災報知機は、何もボタンを押す事だけが作動させる手段ではない。 <火事です。火事です。全ての非常扉が閉まります。 シャッター付近の方はご注意下さい。 火事です。火事です。全ての非常扉が閉まります> テープに録音された男性の声がスピーカーから流れる。 何か重いものが動く音と、金属が擦れるような音がそこかしこから聞こえてくる。 「助かるぞ」 ずぶぬれになり、唖然とした表情でこちらを見てくる看護婦に、佐藤は極上の笑みを浮かべた。 西暦2020年11月21日 03:30 自衛隊札幌病院 佐藤の病室 ゆっくりと扉が開かれる。 一人分の隙間が開かれると、佐藤はそっと頭を出した。 散々水が撒かれた廊下は酷い有様になっており、そして非常ベルは未だに煩く鳴り響いている。 「大丈夫だ」 彼はそう室内に告げると、素早く廊下に出る。 非常灯によって照らし出された廊下は薄暗く、おかげで数名のゾンビたちが警告を告げるスピーカーに群がる姿が見える。 「声を出すな、音を立てるな。俺について来い」 看護婦にそう告げ、佐藤は水浸しの廊下で音を立てずに進みだす。 後ろからは看護婦が立てる水音が聞こえる。 「足音を立てるな」 「無理言わないで」 押し殺した佐藤の声に、看護婦は小声で反論する。 実際のところ、佐藤も水音を立てている。 しかし、耳に障る音がしない。 対して看護婦は、ゆっくりではあるが普通に歩いているため、どうしても水が跳ねる音がしてしまう。 ここの所民間人と行動をしていない佐藤は、無意識に全ての人々が実戦経験を積んだ自衛官並みの動作をする事を求めてしまう。 「いや、すまん。まあ、非常ベルのおかげでわかりはしないだろうがな」 苦笑しつつ詫びる。 そして二人は再び歩き始めた。 階段室前は、巨大な防火扉が閉まっている。 しかし、当たり前の事であるがその隣には出入り用の小さな扉が設置されている。 扉まであと5m。 「もう少しだ。階段室に入ったら、とにかく一階に下りるぞ」 現在位置は三階。 階段を駆け下りればあっという間である。 あと4m。 後ろから再び水音が聞こえる。 先ほどに比べて、随分と大きい。 「音を立てるなと言っただろう?」 不満げに振り向いた佐藤は、見たくないものを見た。 目を閉じてしゃがみこむ看護婦。 その前を、ゆっくりとゾンビが歩いている。 白濁した目は、明らかにこちらを指向しているようだ。 「立てるか?」 遠慮のない声量で尋ねる。 非常ベルの音の中でもその声は届き、看護婦はこちら見て頷く。 佐藤は覚悟した。 「扉まで走れ!」 叫ぶなり、ゾンビに蹴りを放つ。 防御も回避もしない相手は、胸にまともにそれを受けて倒れこむ。 足音が止まる。 振り向くと、看護婦はこちらを見て立ち止まっている。 「走れ!早く!」 廊下の奥から水音が多数聞こえてくる。 見ると、佐藤たちが大陸では亜種と呼んでいた、運動能力が残っているタイプが三体、走っている。 「走れぇぇぇぇ!!!」 未だに立ち止まっている看護婦の手を取り、佐藤は非常扉へ向けて一気に駆け出した 一瞬で距離が詰まる。 取っ手を引き、階段室へ看護婦を放り込む。 そのまま自分も飛び込み、後ろでに扉を閉じる。 何かが金属に激突する音が聞こえる。 「間一髪だったな」 扉を叩く音が聞こえる中で、佐藤は安堵の表情を浮かべる。 だが、看護婦は先ほどの恐怖が消えないのか全く身動きしない。 「おい、大丈夫か?」 尋ねると、微かに異臭がする。 それには触れずに、佐藤は言葉を続けた。 「あの合金をブチ抜けるほどの奴はいないだろう。 さあ、さっさと下に降りて脱出するぞ」 当然のように手を引き、階段を降り始める。 看護婦は何も言わずに付いてくる。 二階。 何もいない。 一階に到着。 防火扉に死体らしき物が引っかかっている。 扉の先からは、悲鳴やうなり声のようなものが聞こえる。 「まずいな」 佐藤が呟いた途端、上の階から扉が開かれる音がした。 「地下だ、地下にいくぞ」 立ち入り禁止のプラスチック製の鎖が外れていないのを確認した佐藤は、看護婦の手を引いて地下へと駆け出した。 地階に到着した二人は、その余りにも凄まじい光景に沈黙していた。 廊下一面に血が塗られているようだ。 「なに、これ」 看護婦が呟く。 なかなかに酷い光景だな。 さすがに言葉数は少ないが、佐藤は冷静な思考を保っている。 彼は大陸で、これよりも酷い光景を作り出した経験を持っている。 「あの部屋から出てきたみたいだな」 血の跡はそこらじゅうの床についているが、開いている扉は一つしかない。 「ここにいろ、警戒を怠るなよ」 とりあえずそう告げ、部屋の中を覗き込む。 二人の自衛官が倒れている。 あーあー、酷い有様だなこれは。 全身を食われている上に、首やら手足がバラバラだ。 冷静に観察しつつ、彼は腰に付けられた拳銃を回収した。 死体は起き上がってくる気配がない。 もう一人からも拳銃を回収し、他に武器があるかどうかを確認する。 何もない。 この事件が終わったら、国内であっても警戒配置では完全武装になる事を義務付けないとな。 そんな事を思いつつ、両方の拳銃を装填し、安全装置を掛けてポケットに入れる。 片方は当然手の中だ。 「ちょっと!」 置いてきた看護婦が声を挙げつつ室内に入ってくる。 「どうした?」 「外から銃声がするわ!きっと自衛隊よ!」 俺も自衛隊員なんだがな。 と内心で苦笑しつつ、佐藤は廊下に出た。 微かにだが銃声が聞こえる。 89式自動小銃の連射音。 武装し、意思を持った自衛隊員だけが出す事のできる発砲音。 もちろん、連続して、途切れることなく。 佐藤にとって、それは実に心地よい音だった。
https://w.atwiki.jp/denjihahanzai/pages/120.html
非常識性を利用した疑惑回避による犯罪隠蔽 犯罪は常識では説明できない … ルールを守ることが前提の常識は、ルールを破る犯罪行為の説明根拠にはならない 常識的におかしい、だからこそ犯罪なのだ 非常識性を利用した疑惑回避による犯罪隠蔽 集団ストーカー犯罪では、全体的に、非常識であるという理屈で疑惑を回避するような犯罪・嫌がらせ行為の隠蔽が行われています。被害者の言うことに対して、普通であればそのようなことは起こらない、非常識である、などとして、様々な犯罪行為や嫌がらせを隠そうとします。 政府・マスコミによる集団ストーカーという用語の規制・使用禁止や、創価学会の暴力的な凶悪性アピールによって批判を回避しようとうとする、被害者に敬遠策をとらせるような、批判抑圧策が犯罪者側によって行われています。これはどちらも、非常識工作、非常識性を利用した疑惑回避による犯罪隠蔽を目的としている行為だと言えます。 犯罪は常識では説明できない … ルールを守ることが前提の常識は、ルールを破る犯罪行為の説明根拠にはならない 非常識だという理屈で、非常識なことを否定する、非常識工作は、そもそも論理的に破綻しています。常識で非常識な行為や事態を説明することはできません。なぜならば、常識を無視した、常識の外にあるものが非常識だからです。 常識的におかしいという理屈で説明できることは、それが非常識であるというところまでです。それも非常識性が証明できるだけで、非常識な犯罪や嫌がらせの存在、それらが行われているかどうかは、証明することも、否定することもできません。 常識論は、あくまで、それが常識的か非常識か、どちらであるか(どちらの状態や性質であるか)を論じることしかできない理論にすぎません。非常識な犯罪の有無を説明することはできません。長さを測るメジャーで重さを測ろうとしているようなものです。 つまり、常識論は、非常識な犯罪の存在を否定することができないのです。 それにもかかわらず、非常識という理由だけで、犯罪の存在を否定する方法、集団ストーカー全般で使われるこの方法は、理屈として間違っているのです。 常識的におかしい、だからこそ犯罪なのだ 社会やそのなかで暮らす人々は常識を守ります。われわれの社会は常識というルールを守ることで成立しています。犯罪はその逆です。常識を守らない、無視することで、殺人や窃盗、企業や役所などの不成行為は、犯罪として成立しているのです。常識を正しく守った犯罪行為など、そもそも犯罪ではありません。それは常識のある人がとる常識的な行動にすぎません。 やはり常識で犯罪は語れません。集スト犯はそれでもしつこく常識論を持ち出してくるかもしれません。そのときは、「愉快犯も常識では説明できないではないですか」などと言って、非常識工作を論破してはいかがでしょうか。集スト犯も社会や警察の認めている犯罪者である愉快犯すら説明できないような常識論は取り下げざるをえないことでしょう。(2015/12/25)