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《劣等複合》木戸野亜紀&バーサーカー ◆OyTrU9.ZbA ――ぱらり、 教師がチョークを片手に、教科書のページをめくる。 6時間目。一日の内の、最後の授業。 そうなるともう、集中力というものは使い果たしてしまっていて、 船をこぐか、机に突っ伏すか、携帯電話をいじるか。そんな生徒ばかりになる。 弛緩した空気の中、教師の声は遠い。 「僕」もまたノートをとることもなく、ぼんやりと窓の外を眺めていた。 窓の外、校庭を挟んだ先には、マンション群が建ち並んでいる。 そのマンションの一つが、真ん中からガラガラと崩れていった。 たった今崩落した一棟の他も、まるで兵器でも打ちこまれたのかのようにぼろぼろで、 いつ同じ運命をたどってもおかしくない状態であった。 道の標識はひしゃげて折れ、道路は大震災のあとのように陥没している。 崩壊は“外”だけの現象ではない。 教室内の壁や黒板にも亀裂が走り、剥がれ落ちた天井からは絶え間なくコンクリート片が落ちてくる。 誰も、騒ぎ出すような者はいない。 これは現実に起こっている出来事ではなく、「僕」の心の底の想いが投影されているだけに過ぎない。 絶望と諦観と抑圧された憎悪に塗れた、静かなる“破滅”の願い。 ――――■■なんてなくなってしまえばいい―――― つっ、と、鼻の奥に熱いものがこみ上げてきた。 鉄錆に似た、血の味と匂い。 登校前、「僕」は上級生たちに囲まれ、殴られ、財布から金銭を抜かれた。 その時の傷が開いたのかもしれない。 暴行も恐喝も、「僕」にとっては日常茶飯事だった。 気弱でおとなしく、暴力が嫌いで反抗することのない「僕」は、恰好の餌食だった。 殴らないにしてもせめて一言言ってやれば――と、友人から言われたことがある。 自分の言葉にそんな力なんてない。 僕にはなんの力も…… ――ぱらり、ぱらり 音もなく静かに降り注ぐ破片は、まるで墓所に積もる雪のようであった。 誰も崩壊していく世界に気付くことなく、何も変わることなく、また一日は終わりに向かう。 …………………… ………… …… ◆◆◆ 図書館の片隅、書庫に囲まれた人気のない閲覧席に本をうず高く積み上げていた少女は、浅い眠りより目覚めた。 すっと、自身の鼻先に手を伸ばす。 出血していた痕はなく、擦っている様子もない。体の方も、理不尽な暴力の痕跡はどこにもない。 そうしてあれは“夢”だったのだと認識し――――「僕」と癒着していた意識は、「木戸野亜紀」としての自我を取り戻した。 「――――……」 奇妙な夢であった。周囲の誰ひとり気に留めることなく、果てしなく壊れゆく景色。 その非現実的な光景は、まさしく夢ならではと言えよう。 しかしあれほど明確な破壊のイメージこそ伴っていないものの、あの荒涼とした静けさは 亜紀が高校に進学して以来しばらく遠ざかっていた現実感覚とよく似ていて、眠っている記憶をちくちくと苛んでくる。 人間は周囲を感情で色付けし、認識しているのだと亜紀は思っている。感じることが、感覚だ。 だから感情を殺せば安定し、感覚に霞がかかる。 墓場のような聖域。全てを無価値にする代わりに、悲しまず、傷つかず、恐怖しない。 そうあらねばならなかった原因は、亜紀の場合も“いじめ”であった。 おとなしく聡明で、そして大人受けの良かった亜紀は、子供たちからは大いに苛められた。 上履きは何度も隠され、教科書や笛はトイレに漬けられた。ランドセルは6年の間に5回買い替えるはめになった。 誰もが亜紀を無視し、いじめが陰惨を極める中で、亜紀は感情を殺すようになり、周囲のすべてを見下すようになった。 ――自分は特別だ。だから虐げられる。 歪んだプライドが自我を補強し、亜紀の心を支えた――――己を無力と卑下していた、夢の少年とは対称的に。 小中学生時代に陰湿で悪質な行為の数々を経験したが、女児であった亜紀は、夢で受けたような直接的な暴力にはあまり縁がない。 そうして差異を検めていくと、夢と自己の記憶とを切り離したものとして見れるようになっていった。 理性が、沸き立つ感情を冷やしていく。 多少の不快感こそ尾を引いているものの、心をかき乱されるほどではなくなっていた。 ただここしばらく亜紀の身の回りで起こる出来事は、亜紀に平穏を与えない。 その筆頭たるものが“聖杯戦争”――人類史に残る英雄を呼び出して、命を懸けて万能の願望器を奪い合う儀式。 閲覧席に腰掛ける自身のすぐ近くに佇む“異存在”を見てとって、亜紀の眉根がにわかに寄った。 「――で、あんたが私のサーヴァントってわけ?」 “サーヴァント”。“聖杯戦争”に際して“マスター”に与えられる、使い魔的存在。 そんな単語が詰まることなく自然と出てくる不自然さに、亜紀は眉をしかめる。 自身の与り知らぬところで脳みそをいじくられでもしたかのような、不快感。 不機嫌がにじみ出ている亜紀の問いに対して、サーヴァントはなんの反応も示さなかった。 「…………」 そこにいるのは、ぼろ布を纏った少年であった。 鎌でも持たせれば、まさに“死神”といったような風体である。 クラスは「バーサーカー」。 しかし狂戦士という名のイメージに反して、そのサーヴァントには覇気というものが一切感じられなかった。 整った顔立ちもあって、意思のない人形めいた印象さえ与える。 単純に“敵”を前にしていないベルセルクが茫然自失の状態にあるようなものなのか、それともこの英霊の特性なのか。 「世界」とのつながりの薄い、存在感の希薄さ。 バーサーカーはサーヴァントとして実体化していたが、その実幽霊のようなものでもあった。 例えば亜紀が本を投げつけたとしても、霞のようにすり抜けることだろう。 見ればバーサーカーの輪郭は時折、煙のように揺らいでいる。 虚ろな人形。いや、自らでは人の形さえまともに保てない、風のように曖昧な“なにか”。 どこか憂いの含んだ表情を見て、ふっと亜紀の脳裏に、臙脂色の少女の姿が浮かんだ。 「とりあえず……消えてくれる? 霊体化ってやつ、できるんでしょう? ――あんたがいると私が疲れる」 八つ当たり混じりの、辛辣な物言い。 口にした直後に、軽い自己嫌悪を覚える。 伝わったのか、伝わっていないのか。 バーサーカーは最後まで表情を変えることのないまま、すっと空気の中に溶けていった。 「はぁ――…………」 バーサーカーが消えたのを見て、亜紀はため息をついた。 バーサーカーが実体化したままだと亜紀の疲労が増すというのは、事実である。 サーヴァントとして実体化していても物理干渉を受けにくい性質、それは常時発動型宝具の効果を受けたもの。 さきほど亜紀が本を読みながらうたた寝をしてしまったのも、長時間の読書による疲労が積み重なっていたこともあるが、 バーサーカーの現界に際し、魔力を大きく持っていかれたことが原因であった。 このアーカムに来る直前、亜紀は生徒たちに「どうじさま」と呼ばれている<儀式>を行なっていた。 学校の裏庭にある池から、自身の“欠け”を補ってくれるという異界の存在を“半身”として呼び出す儀式。 手順に従って、誰もいない時を見計らって夜の裏庭に足を踏み入れた。 一輪の花と、消しゴムで作った小さな人形を池へと投げ入れた。 あとは、池に沈んだ人形を拾い上げ持ち帰るだけ。そんな時に、異変は起こった。 夜を映した墨色の池に左手を差し入れる。池の水は、想像していたよりも遥かに冷たい。 消しゴムの感触を確かめながら、指先で人形をつまみ上げる。 にもかかわらず水面から引き抜いた亜紀の手の中にあったのは、闇の中鈍く光る『銀の鍵』であった。 普段の亜紀ならばその『鍵』をよく観察し、握りに施された“ガラス細工のケモノ”の意匠にもその場で気づいたことだろう。 しかし別の世界に繋がっていると噂される池のある裏庭は、すでに異様な雰囲気に満ち満ちていた。 池の匂いを含んだ湿気た冷たい空気が、亜紀の顔や手をひやりと撫でつける。 校舎の壁と裏山に区切られた箱庭の静寂が、心の不安を煽る。 長く居続けるとひしひしと闇に正気を喰われそうだと、そんな怯えにも近い感情を抱いてしまうほどに。 亜紀は<儀式>を終わらせ早々に立ち去るために、手に持つ『異物』の確認も疎かに再度水面へと手を伸ばす。 そう、池――――水は、“異界”へと通じている。 竜宮、ニライカナイ、邪神の墓所を擁する古の都。 水中に広がるのは、人の理の及ばぬ別世界だ。 水面とは二つの世界を隔てる壁であり、そして両者をつなぐ“扉”である。 故に『鍵』を手にしたまま“水面”へと手を伸ばした亜紀の所作は、さながら“鍵を扉に差し込む”ようで。 そのまま異界――聖杯戦争の舞台たる「アーカム」の街へと、亜紀を誘うこととなったのであった。 「…………」 今閲覧席に座る亜紀の前に積まれている本は民俗学や伝承、象徴学等に関する本である。 中身はもちろん英語だ。 どういうわけか慣れぬ言語であっても「読む」のに不自由はしなかったが、「読み解く」となるとさすがにそうもいかないようである。 先程少し眠りはしたものの、疲労は取れるどころか睡眠前より増している。 しかしここであきらめるつもりはない。 亜紀は痛みを発する目頭を揉み解してから、読書用の眼鏡をかけなおして中断していた資料漁りを再開することにした。 亜紀が「どうじさま」を行なったのは、触れ込みの通りに自身の“欠落”を補ってもらうことを目的としていたわけではなかった。 <儀式>への“感染”という形で美術部員に起きている“怪異”の手掛かりを掴み、 自らを情報源とすることで空目との間にある溝を埋める。 自分が役に立つということ以外、亜紀には自分と空目を繋ぐものがなかった。 怪異に対して無力な亜紀は、今までと同じことをしているだけでは蚊帳の外だ。そのことが亜紀には耐えられなかった。 そのために事前に反対されていたにも関わらず、一人<儀式>を実行することにした。 リスクを承知で行なった「どうじさま」の儀式であったが、 空目ら文芸部のメンバーと断絶してしまった現状は、亜紀にとって不本意であった。 たしかに、空目が「どうじさま」がモチーフとしているかもしれないと言った「竜宮童子譚」は、 その過程に“異界探訪”が含まれることが多い。 そういう意味では、向こうから見たら“神隠し”に遭っているような現状も、決して予期できないことではなかった。 自身の浅慮に苛立ちを覚えながら、「聖杯戦争」を“怪異”の一種と捉えている亜紀は、 元の世界に帰還する手がかりを少しでも得るために、ひたすら書物に目を滑らせていく。 池から呼び出した“半身”が<サーヴァント>で、サーヴァントによって手に入れた<聖杯>は“欠けを補ってくれる”。 自分の性格と能力に一貫性を確信している亜紀は、もちろん自分が完全であるとは思っていないものの、 “欠け”があるとも思っていなかった。 ただ“欠け”を“願い”と捉えるのなら、亜紀も一介の人間である限り、なんの願いも抱いたことがないということはない。 聖杯が真に万能の願望器というのならば、幼少時に神隠しに遭遇して以来、異界にしか志向が向いていないような男との 溝を埋めるどころか、その精神を亜紀が望む形に変容させることだって、造作もないのだろう。 「……馬鹿馬鹿しい」 ふっと浮かんだ考えを、亜紀は即座に棄却する。 そんなものを望んでいるわけではないし、仮に“本心”とやらがそういったことを求めているのだとしても、 「木戸野亜紀」の大部分を構成する理性とプライドが、それを認めることなどない。 理性の追いつかない願望は、たとえ望みが叶えられたとしても、すべてを台無しにする。 過去の凄惨な苛めによって築き上げられた強固なプライドと理性は、亜紀の心を守る鎧であると同時に大きな枷であった。 亜紀の抱いた恋心は、誰にも知られず、相手に伝わることもなく、物理的な別離によって終わる。 木戸野亜紀が「木戸野亜紀」である限り、それは確実に訪れる未来である。 ――はらり、 読み終えた本を閉じ、新たな本に手を伸ばそうとした際に、いつの間に緩んでいたのか、腕に巻いていた包帯がほどけ落ちた。 左手首に刻まれた、赤い幾何学模様の痣が露出する。 令呪――――亜紀がマスターであることを如実に語るもの。願いのために、聖杯を求める者の証左。 亜紀は包帯を引き縛り、再び誰の目にも入ることのないよう、きつく覆い隠した。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 広瀬雄一@アライブ 最終進化的少年 【ステータス】 筋力D 耐久B++ 敏捷D 魔力A 幸運D 宝具B+ 【属性】 中立・狂 【クラススキル】 狂化:D 筋力と耐久のパラメータを向上させるが、 言語能力が単純になり複雑な思考を長時間続けることが困難になる。 【保有スキル】 能力者:A- 宇宙から飛来した“自殺ウイルス”に感染しても、死ぬことなく生を選んだ人間が持つスキル。 治癒能力を含めた身体能力の向上と、それぞれの「心の穴」に応じた固有の力を得る。 バーサーカーの場合は『無』。物理、概念を問わず触れたものを消滅させる球状の攻撃を放つ。 Cランク相当以下の防御、守護では性質そのものを消し去るため防がれることがなく、 それ以上のランクであっても対抗判定次第ではダメージを与えることができる。 なお、バーサーカーが宝具『アクロの心臓』の加護を受けている際は 威力を2ランク上昇させて判定を行なうものとする(Cランク以下貫通→Aランク以下貫通)。 ちなみに“自殺ウイルス”の正体は、進化の果てに肉体を捨てた不老不死の精神の集合体――いわば「第三魔法」に到達した魂であり、 バーサーカーの持つ高い魔力は、癒着した魂がかつて永久機関であった名残に由来する。 被虐体質:B 集団戦闘において、敵の標的になる確率が増すスキル。 マイナススキルのように思われがちだが、強固な防御力を持つ者がこのスキルを持っていると優れた護衛役として機能する。 Bランクでは更なる特殊効果として、攻撃側は攻めれば攻めるほど冷静さを欠き、 ついにはこのスキルを持つ者の事しか考えられなくなることがある。 精神汚染:C- 精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を中確率でシャットアウトする。 ただし遮断に失敗した場合、不安定な精神はより強い影響を受けることになる。 気配遮断:D サーヴァントとしての気配を断つ。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【宝具】 『アクロの心臓』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~999 最大捕捉:1人 肉体を捨て永く永く宇宙を彷徨い続けた異星の生命に連なる、評価規格外の宝具。現在、バーサーカーと一体化している。 所持者の固有能力や再生能力などを大幅に向上させるが、“器”としての適性がないと力が溢れて弾けてしまう。 バーサーカーの場合はこの宝具での『無』の能力の強化によって実体が無くなっているため、 銃撃や斬撃などの点や線の攻撃を受け流すことができる。 ただし実体がないといっても完全に消え去っているわけではなくそこに「いる」ので、 周囲の空間ごと作用して逃げ場がなくなるような攻撃を回避することはできない。 バーサーカーの任意で確かな実体を持つことはでき、自身の形体を変化させて 布のようにまきついたり槍のように貫いたりするといった攻撃も可能。 本来の担い手は『御霊』と呼ばれる存在であり、その際は一定の文明圏を築いた生命を 一挙に精神体へと進化させ統合する、対大衆・対界宝具として機能する。 【weapon】 『無』の攻撃。変形させた自身の体。 【人物背景】 物語開始時点で高校一年生の少年。優しく気弱な性格から、幼いころよりたびたびいじめに遭っていた。 ひそかに幼馴染みの落合恵を慕っていたが、彼女の好意はもう一人の幼馴染みである叶太輔の方に向いており、 いつもいじめっ子から助けてくれる大輔に感謝すると同時に抱いていたコンプレックスに拍車をかける。 無力感と疎外感を抱いた生活を送る中、宇宙から“自殺ウイルス”が飛来し能力者として覚醒。 強力な力を手にしたことと、別の能力者により受けた『洗脳』によって豹変し、恵を連れ去って『アクロの心臓』を求め行動する。 『心臓』を手に入れ“器”となったあとはさらに暴走し、一旦マグマの中に閉じ込められるも米軍の介入によって復活。 その後は「かつての友」そして「ひとりになること」を望み、『無』の力を振るって多くの人間を殺した。 【サーヴァントとしての願い】 ―――― 【基本戦術、方針、運用法】 バーサーカーにしては筋力値が低いが、替わりに押し付け性能の高い破壊に特化した攻撃手段を持つ。 ただし「狂戦士」というクラス特性および能力強化効果を持つ常時発動型宝具による魔力消費は絶大であり、 マスターの魔力量も常人よりは多いものの規格外というにはほど遠いため、攻撃に回せる力はそう多くないと思われる。 また スキル:被虐体質 はバーサーカーの持つ能力との相性も悪くないのだが、 他者の攻撃性を引き出すことは、神秘の目撃が正気度へのダメージとなる此度の聖杯戦争では少々厄介である。 しかし『犬神』を失っている現マスターに戦闘力は無いため、バーサーカーが矢面に立つことは必至。 「被虐体質」の特性からして、まずは信頼できる仲間を求めるのが良いか。 【マスター】 木戸野亜紀@Missing 【マスターとしての願い】 ―――― 【能力・技能】 犬神統 正しく祭れば家に富をもたらし、おろそかにすれば害をなすなどと言われる霊物を宿す家筋。 霊物は憑き筋の者の害意や妬心に反応し、たとえ宿主が望まずとも相手やその縁者に憑りつき害を与える。 亜紀の母方の血に宿る『犬神』は犬に似た小さな黒い獣であるが、霊視能力者以外には基本的に視えない。 「呪いのFAX」の事件の際に『犬神』は焼却され、現在その力は失われている。 ただし、その後『できそこないの犬神』を宿すことも可能であったため、 魔術回路を全て失ったわけではない(少なくとも魔力タンクとしての機能は残っている)と思われる。 【人物背景】 聖創学院大付属高校二年、文芸部所属。 周囲からはクールな毒舌家として見られているが気性が激しく、ガラスのように鋭く繊細な精神性を併せ持つ。 小中学生時代、聡明で大人受けが良かったことから陰湿な苛めを受け、歪んだプライドで自我を補強することでいじめを耐えた。 同じ文芸部員の空目恭一を密かに慕っており、空目の傍らに存在する神隠しのあやめを快く思っていない。 参戦時期は9巻ラスト、「どうじさま」の儀式を行っている最中より。 【方針】 元の世界に帰還する。 そのためにまずは現状把握に努める。 BACK NEXT Berserker01 《生物学》Dr.ネクロ&バーサーカー 投下順 "Watcher" 《神話生物》金木研&ウォッチャー Berserker01 《生物学》Dr.ネクロ&バーサーカー 時系列順 "Watcher" 《神話生物》金木研&ウォッチャー BACK 登場キャラ NEXT 木戸野亜紀&バーサーカー(広瀬雄一) OP 運命の呼び声~Call of Fate~
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馬情報 馬名 チファーニィ 誕生年 2178年 性別 牝 父馬 サキソモルヴェーナ 母馬 ブラックシープ アルファベット表記 CHIFFURNIE 馬名の由来 架空の物語に登場する人形の名前 引退時パラ 競走成績 出走年/月/週 コース レース名・格 馬場・距離 騎手 着順 レーティング 2178/9/4 中山 2歳新馬 芝1600良 ビューティ市ヶ谷Ⅳ 2着 10/4 京都 2歳未勝利 芝1600良 音無琴音 1着 2179/1/5 京都 エルフィンS 芝1600良 ビューティ市ヶ谷IV 10着 2/2 東京 クイーンC(GⅢ) 芝1600良 五位洋史 8着 5/4 東京 カーネーションC 芝1800重 田山勝秋 9着 5/5 京都 3歳上500万下 芝2000良 淵田伸一 3着 8/3 新潟 阿賀野川特別 芝2200良 五位洋史 8着 8/5 札幌 オーロラ特別 ダ1700不良 島田義臣 1着 9/1 新潟 新潟記念(GⅢ) 芝2000良 五位洋史 9着 10/4 東京 甲斐路S 芝1800良 五位洋史 5着 10/5 福島 河北新聞杯 芝1200良 蝦名正晴 4着 2180/2/1 東京 節分S 芝1600良 ぺじー 3着 3/2 中山 中山牝馬S(GⅢ) 芝1800良 ぺじー 1着 4/4 福島 福島牝馬S(GⅢ) 芝1800稍 ぺじー 2着 6/1 阪神 鳴尾記念(GⅢ) 芝2000重 ぺじー 2着 7/5 札幌 クイーンS(GⅢ) 芝1800重 ぺじー 2着 10/1 大井 レディスプレリュード(GⅡ) ダ1800不良 ぺじー 1着 11/3 京都 エリザベス女王杯(GⅠ) 芝2200良 音無琴音 6着 12/4 阪神 阪神C(GⅡ) 芝1400良 ぺじー 1着 2181/2/2 京都 京都記念(GⅡ) 芝2200良 ぺじー 着外 4/1 阪神 産経大阪杯(GⅡ) 芝2000良 ぺじー 3着 7/3 函館 函館記念(GⅢ) 芝2000良 ぺじー 3着 9/4 中山 オールカマー(GⅡ) 芝2200良 ぺじー 1着 12/4 阪神 阪神C(GⅡ) 芝1400稍 ぺじー 5着 2182/2/5 中山 中山記念(GⅡ) 芝1800良 ぺじー 2着 4/1 阪神 産経大阪杯(GⅡ) 芝2000良 ぺじー 4着 6/2 阪神 マーメイドS(GⅢ) 芝2000良 ぺじー 1着 産駒一覧 生産年 馬名 父名 管理者/(生産者) 主な勝鞍 2183年 ティファニー オシテマイル あのよろ(同) GⅡ2勝 GⅢ2勝 2184年 ターキー アクタルク あのよろ(同) 2186年 ティンパニー ギミックコスモ あのよろ(同) ローズS(GⅡ) この馬について 生誕時メモ 小学生の砌に見た夢をショートショートに書き起こした作品『500円天使』に登場するうさぎの人形です。 高さは30cmほど。シルバニアファミリーを大型にしたようなデザインです。 2179年7月3週 あまり強そうな感じはしませんね。 まあ普通遅で気性も普通ですし、現段階で将来性について語るのは尚早ですかね。 2180年11月3週 右専だわこれ。しかも相当な巧者っぽい。 2180年2月2週 阪神カップを逃げ切るとは驚いた。右専だけでなく坂適性も相当高いのでしょう。今日からこの馬はマリアライトだと思って管理します。 2181年12月4週 引退が近づいてきました。まだまだ右坂番組は豊富にあるので年明け即引退とはならないでしょう。 とても分かりやすい適性の持ち主ゆえどこに使うべきかが明確で、結果も出してくれる馬です。管理してて楽しかった。 2182年7月 引退。詳しいことは二期報にも載せています。 厩舎史上トップクラスの恵まれた裏パラを武器になんと重賞5勝の殿堂入りまで辿り着きました。 リアル競馬では中山も阪神も高速化しつつあり、チファーニィのような巧者タイプの馬の活躍も少なくなりましたね。管理しててどことなく懐かしさをおぼえていました。 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/welovejpop/pages/972.html
11/1 SunShine sympathy 11/3 手紙 ハルカトミユキ 11/3 Precious One ~かけがえのないストーリー 杏里 11/5 自分らしく生きていたい それだけなんだけど 阪本奨悟 11/8 疾風乱舞 姫神CRISIS 11/8 LAST NUMBER (feat.中元日芽香(乃木坂46)) RADIO FISH 11/9 かくれんぼ フジファブリック 11/10 東京 手嶌葵 11/10 LOVE YOUR LIFE/【パラレル・シンクロニシティ】 produced by m-flo ShuuKaRen 11/15 新しい明日 松田聖子 11/15 浅草キッド 菅田将暉×桐谷健太 11/15 Relax 家入レオ 11/15 Beauty Avatar 架凛 11/22 相言葉 近藤晃央 11/22 Despacito Beverly 11/22 I 御中~文房具屋さんにあった試し書きだけで歌をつくってみました。~ the peggies 11/22 奇跡 シェネル 11/29 One 中孝介
https://w.atwiki.jp/jbbbb/pages/22.html
※入手場所で「イベント」とあるのはゲーム中の特定のイベントやベットバトルで手に入る限定ビットを指すものとします ※ここでは代表的な入手場所(最初に手に入るダンジョン>トレード>BBSトレード>イベント)を示しておきます。詳しい入手場所・方法などは各属性ごとのページで見てください(作成予定) ※通信進化に関しては使用制限レベルを超えるビットを通信した場合、通信先で進化しません(Lv25までのCランクのデータにLv36のシャークハンターを送ってもシードランに進化しません) ※クリスタルは以下のように略されます ダーク→闇C ストーン→石C コスモ→宇宙C ゴースト→霊C ホーリー→神C シノビ→忍C エレキ→電気C ヒーロー→ヒーローC スナイプ→銃C ファイア→火C メカニック→機械C ウォーター→水C インセクト→虫C ドラゴン→龍C フリーズ→氷C セイレイ→精霊C NO モンスター 名前 入手場所 進化条件 覚える技とレベル 1 コオニット まよいのもり - なし 2 ドラーQ クライゼルしれいぶ - なし 3 バットン BBSトレード(ブリテンタウン) - なし 4 コットン トレード(コンドルロード) バットンLv20 ナイトメアLv22 5 デビルマジシャン モスクむらたんこう奥 - なし 6 デスサイズ - デビルマジシャンLv40以上に霊C ヘルズカウントダウンLv43 7 ゴズー ルート1 - なし 8 ギガタウロス - ゴズーLv50 ダイナミックアックスLv52 9 マオウ ベットバトル(ダークサイドシティ) - なし 10 ベルゼブーン - マオウLv60以上に闇C アクマノトイキ進化直後 11 ハーデスト - ベルゼブーンを通信 アンコクノチカラ進化直後 12 イワガメ カイテイトンネル - なし 13 カザンガメ レイクロード イワガメLv10 カザンダイフンカLv15 14 コロリン レイクロード - なし 15 ロックンバード ベーダーズトンネル コロリンLv20 ガンセキマネキLv21 16 ドセキリュー ベーダーズトンネル - なし 17 ロックファント ベーダーズ基地 - なし 18 ガガンモス - ロックファントに石C ガイアスタンプ進化直後 19 ロックビート イベント(ベーダーズ基地最深部) - なし 20 ハニハニ ルート6 - ハニハニダンスLv42 21 ドグー - ハニハニを通信 クロマンダピラミッド進化直後 22 アダムスキー クライゼル司令部 - BBキャッチャー 23 カセイジン 滝裏の洞窟 - なし 24 キンバリアン モンキーマウンテン カセイジンLv20 なし 25 グレイ? - キンバリアンLv40 ミューティレーションLv45 26 シューティングスター イベント(滝裏の洞窟) - なし 27 オリヒメ イベント(ルート1) - ミルキーウェイLv21 28 ヒコボシ イベント(ルート1) - カウカウライダー入手時 29 ギャラック イベント(むじんとう) - なし 30 ギャラクシード - ギャラックに宇宙C ダークギャラクティカ進化直後 31 ニャンコポン イベント(ダークサイドシティ) - ペコピタポンLv55 32 ポルタ まよいのもり - なし 33 テンシン ルート4 - ゴリムチュウLv20 34 ドクトルミイラ BBSトレード(ブリテンタウン) - ???ウィルスLv20 35 ホネホネドッグ イベント - なし 36 ドラボーン BBSトレード(ダークサイドシティ) ホネホネドッグに霊C ホネボンバーLv20 37 フランケン BBSトレード(ベイサイドパーク) - なし 38 ブロッケン - フランケンLv30 なし 39 ダイハッケン - ブロッケンを通信 フジミ進化直後 40 パンプキッズ ベーダーズ基地 - なし 41 パンプキング - パンプキッズLv60 パンプキッズパレード進化直後 42 ティクロック イベント(ときのしんでん) - なし 43 クロノス - ティクロックLv25 ヨジゲンクウカンLv27 44 ビストール ルート3 - なし 45 ライキング - ビストールLv30以上に神C グレートジャングリズム進化直後 46 ブレーカー ルート3 - なし 47 デスギガン - ブレーカーLv30以上に闇C ギガプレッシャー進化直後 48 アスタル イベント(コダイイセキ) - なし 49 ルナティ イベント(コダイイセキ) - なし 50 アポロダイナ イベント(コダイイセキ) - なし 51 ドラグシン ベットバトル(マスダ) - ヤムクムタンLv80 52 キリガクレ 滝裏の洞窟 - なし 53 ハンゾー ルート1 キリガクレLv20 イントンノジュツ進化直後 54 サスケ ルート4 - なし 55 ガマ - サスケに忍C なし 56 クノイチ - ガマLv20以上に忍C ゴタンノウクダサイ進化直後 57 ニンジャボット ルート2 - カラクリニンジュツLv25 58 ニンジャロイド - ニンジャボットに電気C シュリケンノマイ進化直後 59 ドクガンリュー イベント(うみのいえ) - シラハドリ入手時 60 ドウマル ベットバトル(ダークサイドシティ) - なし 61 ハチガネ ベットバトル(ベーダーズ基地) - なし 62 サガミノカミ イベント(ベイサイドパーク大会会場) - なし 63 パチパチヘビ カイテイトンネル - なし 64 デンキコブラ コンドルロード パチパチヘビLv10 デンキスネークカモンLv16 65 ビリモグ コンドルロード - なし 66 ダイデンジュウ モンキーマウンテン - なし 67 ダイデンリュウ - ダイデンジュウLv29(それ以下の可能性も) なし 68 デンキソルジャー ルート6 - なし 69 スパークナイト - デンキソルジャーLv?で進化(Lv38で確認) スパークブラストシェル 70 カミナリコゾウ コンドルロード - なし 71 カミナリオヤジ ルート3 カミナリコゾウLv10 チャブダイリバースLv18 72 ライジーン - カミナリコゾウLv20以上に電気C カミナリジャスティス進化直後 73 カミナリダイショウグン - ライジーンLv40以上に神C ゲキハライザントウLv50 74 コモドドラゴン ルート4 - なし 75 コモドライダー リュウノシンデン(ゲット不可?) コモドドラゴンLv20以上を通信 なし 76 コドモドラゴン ルート4 - なし 77 リュートレイラー むじんとう コドモドラゴンLv20以上に機械C コウソクトッキュウ進化直後 78 ハッピードラゴン ルート3 コドモドラゴンLv15~24 なし 79 バクシンオウ イベント(リュウノシンデン) - ゲキシンドウLv35 80 ヘルツインヘッダー BBSトレード(ブリテンタウン) コドモドラゴンに闇C ツインアイスレーザー進化直後 81 ゲキリュウオウ イベント(リュウノシンデン) - ダイゲキリュウLv35 82 ゴウテンオウ イベント(リュウノシンデン) - グレネードダイブLv35 83 ネッケツリュウタ ルート5 コドモドラゴンLv25以上 なし 84 セントドラグニアン - ネッケツリュウタLv55に神C ニジイロコウセン進化直後 85 タマゴドラゴン イベント(リュウノシンデン) - なし 86 カエンガー - タマゴドラゴンLv16 マグマバリアー進化直後 87 アルティメットドラグーン - カエンガーLv32 インフィニティブレスLv35 88 アフロイドJ イベント(学校) - サタデーナイトフィーバー初期 89 ジャージマン カイテイトンネル - なし 90 タイクカイK ベーダーズトンネル ジャージマンLv15~19 ネッケツモウトッシンLv17 91 バーベルマン ベーダーズ基地 ジャージマンLv20~29 ムキムキプロテインLv23 92 マケンドー - ジャージマンに忍C なし 93 テンヤード BBSトレード(ベイサイドパーク) ジャージマンLv30以上 なし 94 ナイスガイン - ジャージマンにヒーローC ロケットガインダー進化直後 95 モエロドラゴン BBSトレード - なし 96 カラテカ ルート5 - なし 97 マスター★ツー - カラテカを通信 ゴッドハンドLv45 98 ダンガーン まよいのもり - なし 99 テッポウウオ レイクロード - なし 100 ミサイリュウ BBSトレード(ベイサイドパーク) ダンガーンLv20 スーパートレイサー64Lv22 101 ランチャー クライゼルしれいぶ - なし 102 ダイカイジュウ カイガラカイガン - クシャミデッポウLv33 103 リボルマン コンドルロード - なし 104 バントライナー ルート3 リボルマンに銃C ハイパースナイパーLv25 105 キャノンボール クライゼルしれいぶ - なし 106 タイホーン ベーダーズトンネル キャノンボールLv36 無し 107 ツインホーン - タイホーンLv60 ロングレンジボガーン進化直後 108 コロポックン むじんとう - ペタポンハンマーLv15 109 バンシー イベント(トーテムタウン) - なし 110 ウンディーネ - バンシーに精霊C バブルバリアーLv18 111 レプラル レイクロード - なし 112 イフルン - レプラルLv15 なし 113 バーニングエンジェル - イフルンLv30以上に火C ジョウネツキッス進化直後 114 ノーム ルート3 - なし 115 ガチンコ ベーダーズトンネル ノームLv25 ガチンコロックLv26 116 モックン BBSトレード - なし 117 デーダラボッチ - モックンを通信 タイジュノイカリ進化直後 118 フウライボウ モンキーマウンテン - なし 119 マッチマン まよいのもり - なし 120 バーンファイター BBSトレード(チャイナシティ) マッチマンLv10 バーニングパンチLv12 121 バンバンビー まよいのもり - なし 122 バーニングホーン ルート2 バンバンビーLv20 レッドゴアロケットLv21 123 ヒダネ レイクロード - なし 124 フレイムローズ ルート1 ヒダネに火C ダンシングローゼス進化直後 125 ヤキトリン トレード(グレートフォール) - なし 126 フェニックス - ヤキトリンに神C フッカツノホノオ進化直後 127 バーナード コンドルロード - なし 128 ケルベロード - バーナードLv40以上に闇C トライバーンブラスター進化直後 129 トラッカー イベント(テキサスシティ) - なし 130 ブルドン イベント(チャイナシティ) - なし 131 ディグドラ イベント(ルート4) - なし 132 ムカシグルマ モスクむらたんこう - なし 133 フォーミュラ - ムカシグルマに機械C ニトロダッシュ進化直後 134 ボロッカー - ムカシグルマを通信 チューニングアップ進化直後 135 モーターゾンビ - ボロッカーLv40 136 メガロアーム イベント(モスクむらたんこう奥) - なし 137 メガロレッグ イベント(ブリテンタウン公園) - なし 138 メガロボディ イベント(ダークサイドシティ) - なし 139 カリヤード レイクロード - なし 140 シェルブリンガー ジャングル カリヤードLv15以上 カイガラディフェンスLv17 141 マーメイディア 滝裏の洞窟 - なし 142 セイレーニア ルート5 マーメイディアLv20 ラブリーバブルポップ進化直後 143 ローレライ - マーメイディアに水C サーフスラッシャーLv20 144 シャークハンター ルート6 - なし 145 シードラン カイガラカイガン シャークハンター通信 なし 146 イカキング カイガラカイガン - イカスミブロー 147 クジラエビ ルート4 - なし 148 クジラガニ - クジラエビLv50 ジャイアントテンペストLv55 149 クモキッズ まよいのもり - なし 150 スパイダーウィッチ モンキーマウンテン クモキッズLv15 スパイダーネットLv15 151 タマゴン レイクロード - なし 152 タマゴセイジン - タマゴンに宇宙C パラサイト進化直後 153 カマール - タマゴンに虫C なし 154 デンデンドラゴン イベント(ウッキー) タマゴンに龍C なし 155 カブトドン - タマゴンにヒーローC ハイパワーホーンリフト進化直後 156 イモムー ルート3 タマゴンLv15 なし 157 ティービー ジャングル イモムーを通信 ドクドクニードル進化直後 158 バタフリン ジャングル イモムーLv30 ルミナスパウダー進化直後 159 マダムスノー BBSトレード - コオリノマイ初期 160 フリッパー ルート3 - アイスクリーム初期 161 ペンギラス モスクむらたんこう フリッパーに氷C なし 162 レイトロン イベント(ダークサイドシティ) - なし 163 フローズン モスクむらたんこう - なし 164 ツララマジン - フローズンLv30以上に神C ゼッタイレイド進化直後 165 ステゴリュウ ベーダーズトンネル - とうみん初期 166 ブリザードボーイ ルート3 - なし 167 ビッグフット - ブリザードボーイLv30 なし 168 サスカッチョ - ビッグフットLv55 なだれ進化直後 169 ガリモグ イベント(クリア後ロクマルの家) - なし 170 マリン イベント(クリア後クルミの家) - なし 171 ハヤリグルマ 入手不可(図鑑のみ) - ニトロダッシュ 172 GTキング 入手不可(図鑑のみ) - ウィニングラン 173 キョンシロー トレード(ホイ=コーロー) - イーアルサンスー入手時 174 マグナガール イベント(テキサスシティ) - なし 175 レディーデリンジャー - マグナガールに銃C ラストリボルバーLv10 176 ゴロンゴロンゴ 入手不可(図鑑のみ) - ゴロンゴストーン 177 バステトキャット 入手不可(図鑑のみ) - ミイラバインド 178 ファントムシップ 入手不可(図鑑のみ) - - 179 バイキングシードラン 入手不可(図鑑のみ) - ノルディックキャノン 180 ドクガフライ 入手不可(図鑑のみ) - ポイズンパウダー 181 メタルクイーンビー 入手不可(図鑑のみ) - ホーネットスティンガー 182 サイゾウ 入手不可(図鑑のみ) - れっぷうはせいけん 183 パンツァーホーン 入手不可(図鑑のみ) - - 184 レオパルドキャノン 入手不可(図鑑のみ) - マックスボンバー 185 カラクリサムライ 入手不可(図鑑のみ) - シュリケンノマイ 186 サンダーボロット 入手不可(図鑑のみ) - 1000まんボルト 187 メガサンダーボロット 入手不可(図鑑のみ) - 8000まんボルト 188 ギガサンダーボロット 入手不可(図鑑のみ) - メルトダウン 189 ヘルフリーザー 入手不可(図鑑のみ) - - 190 フロスティックドランザー 入手不可(図鑑のみ) - グレイテストフリーザー 191 フロストイレイザーデビル 入手不可(図鑑のみ) - - 192 NO DATA 193 NO DATA
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第一話 束の間の幸せ 第二話 崩壊
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衛宮切嗣&キャスター◆NHpqfH./HY 「それじゃあ士郎、僕はもう行くけど、ちゃんと大河ちゃんの言うことを聞いて良い子にしてるんだぞ」 「言われなくってもわかってるって。爺さん、いってらっしゃい」 冬木市の一角にある屋敷の前で、何度も繰り返したやり取りが行われた。 旅に出ると言ってどこかへ赴く父と、特に疑うことなくそれを見送る子。 数日後にはどこか寂しそうな顔をした父が帰ってきて、子がそれを迎え入れる。 ひょっとしたら永遠に続くのではないかと錯覚するほどに何度も繰り返してきた光景だ。 しかし、物事に永遠はない。 爺さんと呼ばれた男は、これで幾度となく繰り返した偽りを終わらせようと決意していた。 父親の名は衛宮切嗣。「魔術師殺し」の名を持つ魔術師である。 いや、魔術師であった、が正確かもしれない。 アインツベルンのマスターとして数年前に行われた聖杯戦争に参加し、そこで魔術師としての力は失われているからだ。 聖杯戦争に参加した彼は生き延びることに成功したが、体を呪いで蝕まれ、夢は砕け、生きながらにして死人となっていた。 士郎と呼ばれた少年も切嗣の実子ではなく、彼によって齎された大火災から唯一救い出せた孤児であり、切嗣が養子として迎えたのだ。 そうして幽鬼のように生きているはずの彼が時折どこかへ旅に出る。 その目に使命感を漂わせ、なにかに脅迫されているような面持ちで。 子供ながらも士郎はそのことに気付きはしたが、枯れた彼がそれで生きていけるならいいと、いつもにこやかに切嗣を送り出していた。 切嗣が旅と偽って訪れていた場所はアインツベルンの所領である。 結界に閉ざされたその場で、たどり着くことが叶わなかろうと何度も結界を破ることに挑戦していた。 大切な、たったひとりの娘を取り戻すために。 しかし体を呪いで蝕まれた切嗣には結界を解くことはおろか、その起点を探し出すことすらできずにいた。 凍死寸前まで吹雪の森を彷徨うことを無意味に繰り返し、娘を救出することを半ば諦めかけていた。 諦めがつくならどれほど楽であるだろうかと自嘲しながら。 体の中で延々と続く怨嗟の声に押し潰されそうになりながら。 「これで駄目ならば、もう…………」 数日前に情報屋を名乗る魔術師からある噂話を耳にした。 どのような結界や封印が施されていようとそれを打破する、どのような鍵穴にも適合する礼装があると。 藁にも縋る思いでどこにあるのかと問うと、魔術師は素質のある、強く求める者の元にいつの間にか現れると言った。 一体なんの素質なのか、それを聞いても魔術師は一切口を開かず、煙のようにその場から消え失せた。あの魔術師は果たして何者だったのか。 そんな疑問を今更ながらに抱くが、だが謎の魔術師の言葉は真実であった。その日になんとなく家の土蔵を掃除していると、蔵から複雑な彫刻を施された銀の鍵が発見された。 「強く望む者の前に現れるという話は本当だった。だが、噂通りに結界を解除できるかどうか……」 確かに鍵からは強い神秘を感じ取ることができる。だが謎の部分が多すぎるのだ。 銀の鍵など今まで一度も耳にしたことがない礼装であるし、そもそも強く望むだけで手元に来るなどわけがわからない。 さらに素質というワード。魔術師として、という意味ではないだろう。それならば僕は選ばれはしないはずだ。魔術師としての、いや、魔術師など関係なく既に僕は死に体に等しい。 だというのにこの鍵は僕の元へと現れた。 詳細も理由も一切不明の、そんな未知の礼装であろうと今はこれに頼るしかなかった。 僕の力ではどうやってもイリヤスフィールを救い出すことはできない。そしておそらく、僕ももう長くはない。 「噂通りであってくれよ」 猛々しく吹雪く森の中、目の前には何度も辛酸を舐めさせられた結界が展開されている。 ポケットから鍵を取り出し、恐る恐る結界へ近づけると、まるでそこにはなにもないかのように鍵は結界を貫き、そして根元近くが結界の中に入った所で行き止まりにぶつかった。 一瞬噂は嘘だったのかと考えたが、ここから何をどうすべきかすぐに思い至る。 「鍵だから、回せってことか…………。待っててくれイリヤ。すぐ迎えにいくよ」 随分と長く一人にさせてしまったことの罪悪感から、どのような顔をして会えば良いのかはまだわからない。だが。 愛する娘を助け出すため、衛宮切嗣は結界に刺さった銀の鍵を回す――――――――。 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 「――――くそッ! よりにもよってまた聖杯戦争だって!?」 衛宮庭の土蔵の中で、切嗣は声を荒げる。 銀の鍵を回した瞬間、切嗣はアーカムへ召喚されていた。 切嗣が召喚された場所は自宅の土蔵。冬木の自宅がそっくりそのまま、アーカム市内にて再現されていた。 外から響いてくる喧騒が普段のものと異なる以外は内装から庭、何もかもがそのままで、聖杯から与えられた知識がなければ冬木へ飛ばされたと勘違いしていたことだろう。 しかし切嗣からすれば、いっそ冬木へ送還されていたほうが良かった。 もはや切嗣の体は聖杯戦争に耐えることが不可能なほど衰弱しており、まともにサーヴァントを運用するほどの魔力も有してはいない。 おまけにマスターを召喚する聖杯など耳にしたこともなく、明らかなイレギュラー。 そしてなによりも、第四次聖杯戦争で聖杯が汚染されていたという事実が切嗣に拭いきれない不安を与えていた。 「なにがどんな封印も解く鍵だ! なにが結界破りの礼装だ! 詐欺もいいとこじゃないかッ!」 この挑戦で駄目ならば諦めて士郎と静かに余生を終えるつもりでいた切嗣にとって、聖杯戦争への強制参加など失敗する以上に望まない、最悪の展開である。 生き残ることなど不可能。このままではイリヤだけでなく、士郎までひとりにさせてしまう。 聖杯戦争に参加せずに逃げ帰ってしまえれば良いのだが、アーカムシティなどという都市は本来存在していない。そしてそこに自宅が設置され、この都市の市民としての記憶が与えられているなど、ひょっとすると自分は異界に召喚されていて、日本行きの飛行機に乗ったところで冬木市は存在していないかもしれない。 いや、そもそもこの都市から抜け出すことすら可能かどうか。 兎に角、士郎のところに帰るにはこの聖杯戦争で生き抜くしかなかった。 そしてそれが叶わないことは明白であり、状況は完全に詰みであった。 「くすくすくすくすくす…………」 詰みであると――――――この時までは思っていた。 絶望的な展望に活路を見出そうと思案していた切嗣の耳に、静かな、透き通っているはずなのに微かなおぞましさを伴わせた笑い声が届く。 その笑い声に惹かれたように視線を上に向けると、そこには見知らぬひとりの女が佇んでいた。 それは白い女であった。 汚れひとつない真っ白のローブで全身を覆い、絹糸のような白髪は真っ直ぐに腰まで流れている。 肌は雪の様に白く、ローブについたカウベルや裾等に装飾された金の模様以外は全てが白。おそらく他に色を持つ箇所があるとすれば、今は閉ざされているその『目』だけであろう。 「はじめましてマスター」 「!? お前は……僕のサーヴァントか……?」 くすくすと笑っていたかと思えば切嗣が己の存在を認識したことに気付くと、女は慈母のような微笑を携えて、切嗣へ出会いの言葉を送った。 それは従者から主に向けての言葉であり、正しく契約により切嗣の元へと召喚されたサーヴァントであるという証明の言葉であった。 「ええ、私はキャスター。あなたが望んでいたクラスのサーヴァント」 キャスターは微笑を崩すことなく、切嗣に自らのクラスを告げる。 己はマスターが望んでいたクラスのサーヴァントであると。 そんなキャスターの言葉を、しかし切嗣は快く受け入れることはできなかった。 確かに自分は第四次聖杯戦争の始まりに際して、アハト翁から英霊召喚の触媒を渡された時、扱いの良さからアサシンやキャスターの方が好ましいと考えていた。 だが今の衰弱した肉体ではどのクラスの英霊を手にしたところでどうすることもできない。アサシンであろうと満足に魔力を供給することもできずに消滅してしまうだろう。 今更キャスターを与えられたところで、結局はなにもできずに敗退する未来しか存在しないのだ。 「そんなことはないわ、マスター」 「そんなことはないって、実際僕はお前を現界させているだけで既に…………――――!?」 キャスターの言葉を返す途中で、切嗣はある事に気付く。 自分はキャスターに対し、考えていたことをまだ口に出してはいなかったということに。 (心を読まれた? いや、そもそも僕はキャスターを召喚したいだなんて微塵も考えてはいなかった。 まさか、記憶を見られた――?) 突如心どころか記憶までも覗かれたことに狼狽する切嗣の様に、今度は子供のように楽しそうにキャスターは笑う。 「くすくすくす…………。ごめんなさい、マスター。先にあなたがどういう人なのか知っておいたほうが会話がスムーズになると思って」 悪びれた様子もなく、上手くからかえたことが実に面白いと言わんばかりにキャスターは笑う。 「それがお前の力か……、キャスター」 「そう。『視る』。これが私の力。此方から彼方、過去から未来までの遍く全てを視ることができる、ただそれだけのチカラ」 切嗣が平静を取り戻したからか、キャスターは笑いを微笑へと戻し、己の力が何であるかを伝える。 全てを見通す目。それはきっと、切嗣が健全な状態であれば恐ろしい力となっただろう。 「そうね。あなたの魔力供給がもっと多ければこのアーカム全てを見渡すことが出来るでしょうね。マスターもサーヴァントも、そうでないものも全て。どこにいて、何を考えているかまで手に取るようにわかるでしょうね」 そうなればいくらでも敵のマスターを屠ることができるだろう。敵の位置や、あろうことか考えまでわかってしまうなど、攻略本を見ながらゲームをするようなものだ。 だが現実はそうではない。 「記憶を覗いたのならわかっているだろう。僕の体は呪いに蝕まれている。どれだけお前が強力であろうとその力を活かすことはできない」 それが確かな真実だ。 あの時、『この世全ての悪』によって与えられた呪いは魔術回路を使い物にならなくし、確実に切嗣の体を、寿命を食らっている。 サーヴァントのエンジンであるマスターが死に体である時点で、どれだけ優秀なサーヴァントであろうと関係ないのだ。 「だから僕達はこの聖杯戦争に勝つことはできない」 いや、そもそも勝ちたいとすら考えていないのかもしれない。 だってそうだろう? 未知の聖杯によって執り行われるこの聖杯戦争を、誰がまともに信用することが出来る。一体誰が、聖杯が泥によって汚染されていないと言い切れる。 詰る所、僕はそもそも聖杯戦争を勝ち抜くことにすら懐疑的で、ただ士郎の所に戻りたいだけなのだ。 だから、厄介事に巻き込まれるのはごめんだ。 そう考えて、切嗣は右手を掲げてその甲を見やる。 そこはセイバーの令呪が宿っていた場所であった。そして今そこに刻まれているのは、三画によって成された一つの目。 力のない目でそれを見返し、切嗣はあることをキャスターに命じようとする。 聖杯戦争に巻き込まれない方法。それはマスターであることをやめてしまうことである。 自分のように徹底するマスターがいなければ、それで聖杯戦争に巻き込まれることなく生き残ることができる。そう考えた。 キャスターという監視の目を失うことは多大な損失であり、早計かもしれない。 聖杯に願わなければ帰ることはできないかもしれない。 だけどひょっとしたら、聖杯戦争が終われば元の場所へ返されるかもしれない。 誰にも気付かれることもなく生きられるかもしれない。 すべては可能性の話。 だがキャスターを現界させ続けることは切嗣の僅かな寿命をさらに削るということは紛れもない現実であった。やるならば、早い内にやっておかねばならなかった。 そうして切嗣は、なんの躊躇いを持つことなく己の下僕へと命令を下す。 「令呪を以て我がサーヴァントに命ず――キャスター、自害せ――」 「イリヤスフィールのことはもういいの?」 冷徹な指示が下る直前、切嗣の心の中の、最も気付きたくなかった部分をキャスターが指摘する。 「イリヤスフィールのことは、諦めてしまうの?」 なおもキャスターは切嗣の心残りを掘り返す。実の娘を取り戻すことなく、ただ漫然とした余生を甘受するのかと問い質す。 「でも、そうよね? あなたには士郎がいるから別に寂しくはないものね? 藤村組のみなさんも良くして下さるし、今はとても穏やかな生活だものね? 戦場を転々として、魔術師を殺して、安息のない日々を、常に何かを失い続けた過去とはまるで違う。今更イリヤスフィールなんていなくてもあなたは満たされているものね?」 「違う。そんなことはない……」 ああ、そんなことはない。 「あなたは穏やかな余生を過ごせればそれでいいのよね? イリヤスフィールにはもうあなたしかいないけれど、関係ないわよね?」 「違う! そんなことはないッ!」 そんなことあってたまるか――! 「だってそうじゃない。折角聖杯戦争だなんて何でも望みが叶う儀式に召喚されたのに、いきなりその権利を放棄しようとするのだもの。今回が最後と決めていたのに、随分とあっさり諦められるのね」 「聖杯戦争は殺し合いだ。こんな状態じゃどうやったって死ぬ。……士郎を一人にはできない」 そこまで言って、ある変化に気付く。 些細なことだが、とても大きな、おぞましい変化。 「そうよね。士郎を一人にはできないわよね?」 どこまでも白かった女に、色が混じっていた。 「じゃあ、アインツベルンの結界を突破できていたら、どうするつもりだったのかしら? 流石に城の中にまで入ってきた侵入者を見逃すはずがないもの。きっと殺されるわ」 そのローブは変わらず真っ白であった。 「運よくイリヤスフィールの元に辿りつけたとして、追っ手はどうするつもりだったのかしら? 大切な小聖杯を奪われて黙っているはずがないもの。下手をすればイリヤスフィールも巻き込まれて命を落とすかもしれないわね」 絹糸のように美しい白髪はやはり腰まで伸びていた。 「もしも日本まで逃げ切れたとして、どうするの? 士郎とイリヤスフィール、家族三人で仲良く暮らすの? それが叶うと思うの? まさか、日本まで逃げればアインツベルンの積年の妄執も諦めてくれるとでも本当に思っているの?」 肌も雪のように白いままだ。だが――。 「ありえないわ。必ず見つけ出されて殺される。士郎も、藤村組の人も、あなたがイリヤスフィールを助け出せば、みんな巻き込まれて死ぬわ」 いつの間にか女はその両の瞳を開けていた。 そこにある色は紅。 今まで一度たりとも目にしたことがない、恐ろしいほどに鮮やかすぎる真紅の二点が、白で構成されていたはずの女に新しく付け加えられていた。 慈母のようであった微笑も、愉しくて悦しくて仕方がないのか、口の端は歪みきり、悪魔のそれと形容できる物へと変化していた。 「あなたがイリヤスフィールを助け出せば必ず死ぬわ。しかも成功すればするほど周りへの被害が酷くなる。士郎を一人にできないと言っておきながら、あなたは何度そんな危険な綱渡りに挑んだのかしら?」 紅は僕の全てを見透かすかのように、視線を外そうとはしてくれない。 耐え切れずに僕の方から視線を逸らそうとするが、恐ろしいというのにその真紅の眼から目を離すことが全く出来ない。 「うふふ、くすくす。いえ、実際はそんな綱渡りじゃなかったわよね? だってあなた自身、本当は無理だって気付いていたものね? だけど努力はしたと、全部自分に言い聞かせるための行動だったのよね?」 否定の言葉を出そうとするが、口も視線同様に一切動けない。女がそれを許可しない。 「不可能なことはわかっているけど、だからといって行動しなくちゃ夢見が悪いものね? 『この世全ての悪』の呪いも良くなることはないものね? アイリスフィールに顔向けできないものね?」 アイリと同じの赤い目の白い女は、徹底的に切嗣の心を切り刻む。切嗣ですら気付いていない、気付こうとしなかった所を明け透けと指摘する。 「もういいじゃない♪ 何度も頑張って、何度も凍死しそうになったんだからいいじゃない♪ 諦めても、きっとアイリスフィールはあなたのことを許してくれるわ。実の娘なんか忘れて、仮の子供と静かに余生を過ごせばいいじゃない♪ ――――――――あなたはそう考えているわ。自覚はしていないけれど、聖杯戦争を降りようとしたことがその証」 「嘘だッ! 僕は本気でイリヤスフィールを助けようとした! 罪悪感からの行動だったわけじゃない!! 娘を、イリヤを忘れられるわけないだろう…………っ!!」 耐え切れず、切嗣はキャスターに反論する。自覚していない部分をどれだけ指摘されようと、自分は確かにイリヤを助けようとした。それは本心であったと、後ろめたさからの行動ではなかったと、言葉にしなければ耐えられなかった。本当に自分がそう思っていたのではないかと、真紅の目を見ていると錯覚しそうになった。 いつの間にかキャスターはその目を閉ざしていた。それはきっと切嗣が反論をした際には閉じていたのだろう。そうでなければ未だに切嗣は一言も発することはできなかったはずだ。 そして再び慈母のような微笑を浮かべるキャスターは、切嗣にだったらどうするべきかと問いかける。 「イリヤスフィールは諦めるの? それとも諦めないの?」 簡単な、意地の悪い質問であった。 切嗣は諦めたくはない。 だが聖杯を勝ち取り、イリヤを助け出すなど夢のような話である。 どちらを選ぶかなど、合理主義者である切嗣からすれば選択肢など無いに等しい。 「僕は――――イリヤスフィールを取り戻したい」 切嗣が選択したのは、魔術師殺しであれば取らなかった方であった。 「どうして? そんな選択はあなたらしくないわ。素直にさっきしようとしたみたいに、少しでも早くこの聖杯戦争から降りた方が利口よ? 勝ち目のない戦いに乗るなんてバカのすることじゃない。感情を優先させるなんて、愚か者のすることじゃない。もっと合理性を追求しなければ嘘じゃない」 キャスターはその笑みを崩すことなく、切嗣に問う。そんな愚かな選択で良いのか、気まぐれではないのか、と。 「お前が乗せたんだろうキャスター。僕はイリヤを助けたい。この気持ちに嘘なんかない。それを証明するためにも、僕は聖杯を利用する」 途端にキャスターの顔がつまらない物を視るものへと変化する。聞き分けのない子供に辟易した大人のような怒りがそこに見て取れた。 「つまらない。つまらないわマスター。またそうやって夢に逃げて現実と向き合わないつもりなの? そんな体でどうやって勝ち抜くことができると言うの? 聖杯が汚染されていたことをもう忘れたの? この聖杯戦争なら無事だとでも言い切れるの?」 キャスターは切嗣の選択に露骨な不満を示す。正確には切嗣が振り切れたことに、だが。 その様子から切嗣は、このサーヴァントは自分を苦しめたいだけであると悟った。自分が懊悩する様を、ただただ視ていたいだけ。 気付いてしまえば、キャスターの発する言葉に惑わされることなど無い。 「どうしたキャスター? 僕が令呪を使えば死んでしまうというのに、随分と僕に令呪を使わせたそうじゃないか」 「それは私が聖杯に焼べる願いを持っていないから。いつまでも私を現界させ続けることはあなたの寿命を縮めるから。あなたが最初に思った事じゃない」 煩わしそうに、キャスターは切嗣の質問に大した興味を持たずに受け流す。 「なあキャスター……、ひょっとしてだが、お前なら僕の体をある程度戦える状態まで戻すことができるんじゃないか?」 ありえないことかもしれないが、それでも切嗣はそのことをキャスターへと問うた。 見つめる先の顔はつまらないを通り越してしかめっ面になっていたが、この問を聞いた途端に虚を突かれた物となり、そして子供のように楽しそうな笑顔へと戻る。 「どうして……そんな突拍子も無いことを考えたのかしら、マスター?」 「別に、お前が勧める方とは逆の選択の可能性について考えただけだよ。お前が残念がる僕の顔を見たいから、わざと間違った選択肢を突きつけてきているのではないかってね」 切嗣の答えが気に入ったのか、キャスターは笑い声を漏らす。その笑いは、選択は間違ってはいないと切嗣に確信を持たせた。 「くすくすくす。ひどいマスターね。従者が体のことを気遣ってあげているというのに、その気持ちを無碍にして疑うだなんて」 可笑しそうに、楽しそうに、キャスターは切嗣のことを嘲う。 「第一、本当に可能だと思うの? あなたの体にある呪いは『この世全ての悪』によって施されたものよ。一介の英霊でどうこうできるものだとでも、本当に思っているの?」 「そうだな。きっと生半な英霊ではどうにかできるような代物じゃないだろう。…………だけどキャスター」 切嗣は思っていたことを口にすることにした。 それはキャスターの異常性について。 魔術師の最高位となる存在ならば、キャスター同様に世界の全てを見通すことが可能である。 しかし見れる物は、過去か、現在か、未来か、これらの内の一つだけだ。 キャスターは違う。過去も未来も現在も、それらの全てを見渡せると言った。 そのようなことが可能な存在がいるとすれば、それは――。 「キャスター――――お前は、神霊じゃないのか?」 切嗣がキャスターについて、その疑問から導き出した仮説を口にした瞬間。 「うふ」 また、キャスターの笑い声が漏れた。しかしそれは今までのようにすぐに収まることは無く。 「うふ、うふふふふふ……、くすくすうふふ、あはっ、あはは! あーっははははははは!くすすあはははうふあはははははははうふふふふはは!!」 まるで壊れたスピーカーから発せられたかのように耳障りな、耳をつんざくけたたましい哄笑が土蔵の中で反響した。 「そう! そうよ! 私は神。摩利支天。凄いわマスターよくわかったわね! あははははは! 凝り固まった魔術師の頭でよく正解できました!」 なにがおもしろいのか全くわかりはしなかったが、それでも摩利支天と名乗ったサーヴァントは笑い転げる。 切嗣はそこに得も言えぬ恐怖を抱いたが、そんなことよりももっと気にすべき点があった。 「うふくすすすす。そう、そうね。私はサーヴァント。でも、おかしいわよね? 正常じゃないわよね? 本来ならば英霊の座にアクセスしてそこからサーヴァントを引っ張ってくるはずなのに、神霊が召喚されるだなんて異常よね?」 未だ楽しそうにしているキャスターの言う様に、本来の聖杯戦争ではありえない。神霊の召喚など、冬木の聖杯を遥かに凌駕している。 「で、どうするのだったかしら? 汚染されているかもしれない聖杯を勝ち取りにいくのだったかしら? 明らかに本来の聖杯から逸脱しているソレを」 マスターを召喚する時点で異常だとはわかっていたが、神霊を再現してサーヴァントとして使役させるなど想像以上である。 キャスターは聖杯をどうするのか、とても興味深げにこちらを見ている、のだろう。その目は開いてはいなかった。 「ねえ。ねえねえねえ! どうするの? どうするのマスター!? これで碌でもないことしか叶わない聖杯だとしたらどうするの? それでもあなたは聖杯を求めるの? 今度はきっと『この世全ての悪』よりもっと酷い物に憑かれるかもしれないわね!?」 キャスターは問う。聖杯をどうすべきなのか、と。果たして求めて良い代物であるのか、と。 その問に、正しく答えることが出来るのはおそらく切嗣ひとりだけであった。汚染された聖杯を知り、正しく人類のことを思うことができるのはこの男だけであった。 「だったらなおさら、他のマスター達に渡すわけにはいかない。僕が勝ち残らねばならない」 仮令汚染などなくても、神霊を召喚可能な力を持つ聖杯が邪な者の手に渡れば、それは間違いなく世界に未曾有の危機を齎すだろう。 「そう! その通りよマスター! なんとしてもあなたが残らなければ、下手をすれば全世界規模で大惨事なんてことになりかねないものね! ああでも残念ねマスター! あなただけしか正しく脅威を認識できていないというのに、あなたには戦う力が残っていないだなんて!」 意地悪そうに、何が入っているかわからないプレゼントの箱を開ける子供のように、わくわくとした顔でキャスターは切嗣に語りかける。 これほど歯痒いこともないでしょう、と暗にそう語りかける。 そして切嗣の答えは定まった。 イリヤの元に駆けつける為に、一人の父として聖杯を求める。 悪意を持つ者が悪用しない為にも、汚染されていないとも限らない聖杯を処理する為にも、魔術師殺しとしても聖杯を求める。 そしてそれを実行するためにも。 「キャスター。頼む、僕の体を治してくれ」 この衰弱した肉体をどうにかしなければならなかった。 「嫌よ。無理。できない」 しかしキャスターはそれを拒んだ。不可能であると断じた。 それでも引き下がることはできず、切嗣は右手を掲げ、手の甲に出来た目をキャスターに見せ付ける。 「令呪を使ってサポートをする」 令呪。聖杯より授けられた強制執行権。 本来ならば己のサーヴァントを律するために使用するが、補助として扱えばサーヴァントに生前の能力を使用させることも可能となる。 それを利用すれば、最悪『この世全ての悪』の呪いを軽減させることができるかもしれない。 切嗣はその可能性に賭けた。 「嫌」 キャスターは再びそれを拒否する。しかし今度は不可能であるとは言わなかった。 (やはりか……) キャスターが言った、そんなことはないという言葉に、切嗣は体をある程度元に戻すことができるのではないかという可能性を感じていた。 そしてしつこい程の令呪の使用の強制。ここから、一画使用したところで、三画あれば体を治せたとでも言うつもりだったに違いないと踏んでいた。 何せこのサーヴァントは性悪で、切嗣が苦悩することを至上にしている節が今までの会話で十分に感じ取ることができた。 「だったらキャスター。どうすれば僕の体を治してくれる?」 令呪を用いての強制命令も考えたが、純粋な神霊相手に令呪がどれだけ機能するかもわからないし、下手に抵抗されて治癒が出来なければ令呪の無駄撃ちとなってしまう。 それを避けるためにも、切嗣はキャスターが快諾するための方法を聞いた。 「目を」 するとキャスターは、何かを呟いた。 先ほどの悪魔じみた笑顔とは別の、完全に悪魔と言える笑みを張り付かせて。 「? 目?」 「そう。目をちょうだい――?」 そう言うとキャスターは切嗣の左目に掌を押し付けた。左側の視界が減少する。 「辛いことや苦しいこと、悲しいことばかり見てきたあなたの目を、ちょうだい?」 キャスターは言う。自分は目玉をコレクションしていると。『この世全ての悪』と向き合ったあなたの目が欲しい、と。 戦闘において片側が視認できないということや距離感が掴めないということは大きな不利である。 しかし、全く動くことができない体でいるよりも、片目を失ってでも健康な体である方が遥かにアドバンテージがあると切嗣は判断した。 「それで聖杯戦争で戦えるようになるなら……僕は――ッ!?」 喜んでこの目を捧げる。そう言おうとした瞬間、もう片方の目もキャスターによって押さえつけられ、視界が暗転する。 「誰も片目だけだなんて言ってないわ。両目。どっちも貰う」 手から逃れようと必死にもがくが、サーヴァントの筋力には衰弱していようといなかろうと敵うはずがなかった。 「まずは前払いとして左目を頂くわ。これは私の分ね。で、聖杯を勝ち取ることが出来れば報酬として本体の方に右目を貰うわ」 暗闇の中で、ただキャスターの声だけが聞こえてくる。目を閉じればいつでも見ることができる闇だというのに、今はそんな単純な闇が恐ろしい。 「恐い? そうよね。怖いに決まっているわ。この暗闇がずっと、ずぅーっと続くの。 聖杯を手にしてイリヤスフィールをその手に抱いても、あなたは娘の顔を見ることができない。成長して姿が変わっていたとしても知ることができない。 イリヤスフィールだけじゃないわ。士郎もそう。これからどんどん大きくなるというのに、あなたはその姿を見ることができないの。嫌?」 意地の悪い笑い声だけが闇の中で木霊する。不安に潰されそうになり、キャスターの腕に手をかけると万力のような力で頭を潰されそうになる。 「ぐあっ、がぁあああああああっ!?」 「嫌? 嫌よね!? こんな目に遭ってまでイリヤスフィールを助ける必要なんてないじゃない! 正義の味方になんてなる必要なんかないじゃない! いつまで生きられるかわからないけど、静かに生きて士郎の成長を見守ってあげればいいじゃない!?」 切嗣の心配など一切していないくせに、中身のない親身な言葉を楽しそうにキャスターは送る。 闇に対しての恐怖と頭を締め付ける激痛に、言葉などまともに聞き取れる状態でなかった切嗣は、しかしその発言に待ったをかけた。 「ど、んなに苦しくても……、辛くても、……恐くても、それでも、ぼ、くは……、ぼく、は――――――!!!!」 「僕は? 僕は、何? 僕はなんなの?」 今までだって、そういう選択を選んできた。最近はそうでもなかったが、ずっと何かを失い続けてきた。 イリヤもそうだ。僕が失った物の一つ。そのイリヤを取り戻すことができるのだったら、今更自分の目の一つや二つ。 「僕は……、そういう生き方しか、できない…………!!」 そう言った直後、左目の部分に激痛と喪失感が襲い掛かってきた。 そして強力な倦怠感と疲労感もそれらに追随し、一瞬気を失いそうになる。 それは大量に魔力を消費した時に起こる疲労であった。 衰弱しきった体では即死であったはずの量の魔力を持っていかれたと切嗣は気付いた。つまり――。 「契約完了ね」 そう言ってキャスターが手を離すと視界が光を取り戻した。両目を開いたはずなのに、左側の視界は欠けていた。 見える右側だけで体に視線を落とすと、衣服は左目から零れた血で汚れていたが、枯れ枝のようになっていた腕は健康的な太さに戻っており、血色も良好であった。 体が数年前の、第四次聖杯戦争時の肉体へと戻っていた。 相違があるとすれば今は左目の部分が空洞となっている、という部分だけである。 魔術回路は規則正しく励起し、強力な疲労感があるにも関わらず、体は数分前までよりもよっぽど軽い。 「……何をした? 僕はまだ令呪を使用していなかったはずだ」 「面倒だから左目を貰った際に一緒に使わせてもらったわ。あの体のままだと目を抜き取った時の激痛だけで死にそうだったもの」 言われ、右の手の甲を見てみると、そこにはもう目の模様は存在していなかった。 「令呪が全て消えたなんて些細なこと。だって、魔術師殺しが復活したんだもの」 「魔術師殺し……」 魔術師殺し――それは切嗣につけられた渾名。 魔術師として魔術師が取るであろう行動を全て想定し、そして魔術師が想定し得ない手段を用いて魔術師を殺す者。 その男が、片目こそ失っているものの、全身全霊で聖杯戦争へと臨む。 「うふふ、くすくす……。楽しみね。本当に楽しみ」 何が見えているのかわからないが、キャスターは目を閉ざしてくすくすと、先ほどと同じように楽しそうに笑う。 その様子にどこか嫌な物を感じ取った切嗣は、当たり障りの無いように、基本的なことからキャスターに聞くことにした。 「キャスター、まずはどれだけの組が存在するのか、そして警戒すべきはどこの組かを教えてくれ」 最も知っておくべきこと。敵の数と、そして脅威の認識。これらのことを切嗣はキャスターから聞き出そうとする。しかし。 「え? 嫌よ。いきなりネタバレなんてつまらないわ」 「なっ――!?」 あっけらかんと。キャスターはマスターである切嗣からの指示を断った。 「うふ、うふ、うふふふ。ひょっとして、令呪のないあなたの指示に私が従うとでも思った? サーヴァントをただの道具としか思わないあなたに、私が従うと思った? 人間なんて神さまからしたらおもちゃみたいな物なのに、そんな物の言うことを聞くと思った?」 可笑しそうにキャスターは笑う。令呪のない人間の言うことを神が聞くわけがない、と。なんとも可笑しなことを言う、と。 そこで初めて切嗣は思い至った。このサーヴァントは元々自分に協力するつもりはなかったということに。 そもそもこいつは切嗣が苦しむ姿が見たいだけというのは、切嗣自身が出した結論だったではないか――! 「そう。私はただおもしろいものが見たいだけ。今回の番組は聖杯戦争。その役者の一人なのに何もできないんじゃつまらないからあなたを魔術師殺しの役に戻してあげたの。 それなのにわざわざ他の参加者の情報を教えると思う? ありえないわ。あなたも思った通り、そんなことをすれば攻略本を見てゲームをするようなものになってしまう。それじゃあつまらないの。だから私はあなたに協力しない。 あなたは役者で私は視聴者。偶にファンレターを出して意見することはあるかもしれないけど、基本的には番組に干渉はしない」 うふふ。 「だから切嗣、あなたは一人で他のマスターを全員殺さなくてはならないわ。ここには舞弥もいないし、当然アイリスフィールもセイバーもいないもの。 何人いるか、どんな力を有しているかもわからないマスターを、サーヴァントに協力してもらえないのに全員殺すの。くすくす、きっと第四次聖杯戦争の時より大変ね」 くすくす。 「でも、しょうがないわよね? あなたが召喚したのは私だったんだもの。折角あなたが望んでいたクラスだったのに、召喚されたのが私じゃどうしようもないものね?」 「だったら……、攻めてこられるまで僕はお前と居るぞ。一軒家に一人暮らしな上に、令呪もなくなった今なら長い間隠れ続けることが出来る。マスターの数が減るのを待つことも戦略として十分取ることができる」 「じゃあ敵を呼び込むわ。話が動かないなんてつまらないでしょう? ああ、当然私は隠れてるから」 「お前――!」 どこまでも意地の悪い女は切嗣を虚仮にする。道具と認識していた存在から道化扱いされる男を馬鹿にする。 「僕が死ねばお前は……ああそうか、くそッ!」 自分が死ねば番組を見ることができないとキャスターを脅そうとして、それが無意味だと切嗣はすぐに悟る。 未来の見えている存在に途中退場を脅迫に使ったところで意味はない。しかし。 「くすくす、その選択は正解よ切嗣。だって私LIVEは生派だもの。先に結末を視るなんてつまらないわ。だから」 キャスターが言葉を紡ぐその間、切嗣の体にあった倦怠感や疲労感、左目の激痛は瞬時に消失した。 「どれだけ死に掛けても、ここに来れば治してあげる。もちろん死んでいたら無理だけど」 何をされたかわからず、切嗣は左目に手をやった。そこに目玉はなかった。 だが目玉が取られた際に流れた血が手に付いておらず、衣服に目をやると血の汚れなどどこにもない。 「陣地内でならこれぐらいできるわ。どうにも埃っぽいのが問題だけど、私もできれば最後まで番組を視ていたいからそこは我慢しましょう」 「陣地……。この土蔵を工房にしたのか」 工房。それはキャスターのクラスに与えられた陣地作成によって作り出される自らに有利になる空間である。 キャスターはこの小さな土蔵を工房として選んだようである。 「工房だなんてそんな木端な物じゃないわ。これは領地。私が好きなようにできる箱庭。 それよりも切嗣、早く屋敷に戻らないと生徒のみんなが待っているわよ?」 いつの間にかマスターから切嗣と呼ぶようになったキャスターに指摘され、切嗣はこのアーカムでの自分の役割を思い出す。 切嗣は自分の屋敷を利用して、日本語塾の教師をしている、ということになっている。 そして腕時計に目をやれば、すでに塾が始まる時間となっていた。 「今はそれどころじゃ……、それに体のことをどう説明する」 「与えられた仕事をきちんとこなさないと、先に敵のマスターに見つけられるわよ? それに体のほうは何の心配もいらないわ」 「何……?」 「だって昔からそうだったって、この都市であなたに関わった全員の記憶を書き換えておいたもの」 数十、下手をすると数百人規模での一瞬の記憶の改竄に、切嗣は神霊のチカラの一端を垣間見る。 「ほら、待たせたら生徒が可哀想よ。先生」 キャスターに促されるままに土蔵から出ようとする切嗣の足は、やはり数分前よりも遥かに軽い。軽いのだが。 まるで別の呪いを仕込まれたかのように、その空間から逃れようと急ぐ足は重く感じられた。 「頑張ってね、切嗣。面白い物語を期待するわ」 こうして――――邪神に魅入られた男の運命が、幕を開けた。 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 切嗣が塾生達の元へ駆けていった後も、キャスターは蔵の中で目を閉じて座っていた。 「うふふ、くすくすくす。さあ、この物語はどうなるのかしら? みんな発狂して終わっちゃうのかしら? 誰かが聖杯を手にして終わるのかしら? それとも――――」 誰も聞く者はいないというのに、まるで誰かに語りかけるようにキャスターは独り言を漏らす。 「それとも、あなたの目論見通りになってしまうのかしら? ねえ――キーパー?」 【クラス】 キャスター 【真名】 マリーチ@ミスマルカ興国物語 【ステータス】 筋力D 耐久D 敏捷E 魔力EX 幸運D 宝具EX 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 陣地作成:EX 魔術師に有利な陣地を作り上げる。工房を上回る神殿、信者さえ確保できれば更にその上を行く教団領を作成可能。 教団領は信者の数に呼応して範囲を拡大可能。教団領内に限定すれば、キャスターは過去や現在の改変・物質や生命の分解と再構築、空間の操作等本体の持つ『権能』を小規模で再現可能となる。 令呪の補助を受けた場合は、教団領内に関係する事柄に限れば外部にすら干渉可能。 道具作成:E 魔力を帯びた道具を作成できる。 特に非業な生涯を送る不器用な人間を自らの『使徒』として仕立てることを好む。 【保有スキル】 神性:☆ 摩利支天。仏教の守護神である天部の一柱。日天の眷属で陽炎を神格化したもの。 キャスターの正体はその伝承の元となった張本人であり、神霊そのものであるため通常のサーヴァントの規格を超えたランクで表記される。 カリスマ:B- 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘において自軍の能力を向上させる稀有な才能。 神仏としての崇拝を集め、また新たな教団を作り世界規模で浸透させるだけのカリスマ性を持つ。ただし本性を曝け出した相手には効果を喪失する。 天の属:- 天界に生まれた唯一神直系使徒。かつて運命を司った聖四天という出自を表す。 本来この次元で観測できる彼女は二十六次元からの射影であり、それ未満の次元からでは彼女の本体に干渉することはできない。 ただしサーヴァントとして再現された分身に過ぎないキャスターは、その性質を失っている。 魔眼:E~A++ 宝具に由来する億千万の目。ただの人間の目から、元の持ち主がわからないものまで、ありとあらゆるものを見通す無数の目を眷属として保有している。 中でもキャスター本人が持つ未来視は最高位の魔眼とされている。 【宝具】 『億千万の眷属・視姦魔人(Laplace s demon)』 ランク:EX 種別:対心宝具 レンジ:億千万 最大捕捉:億千万 魔人の最高位、インフィニティ・シリーズの一柱である億千万の目。視えぬものなしと謳った視姦魔人である彼女の能力にして眷属、在り方そのものの伝説が宝具として再現されたもの。 此方から彼方までの空を埋め尽くすほどの大小様々な、数え切れぬほどに膨大なストックのある眼球を場所と個数を問わず自在に召喚し、使役する。 精神的な干渉に特化しており、白い目玉、黄ばんだ目玉、血塗れの目玉、萎んだ目玉、乾いた目玉、潰れた目玉、人の頭ほどもある目玉、人の体が入りそうな目玉等々のいずれもが他者を覗き込むことで心を読み、必要とあればそこに何かを投影し、そのまま対象を発狂させることや五感を欺き幻惑することができる。この効果は精神干渉に耐性を持つ相手でも、宝具ランク未満ならば貫通して作用する。 敢えてこちらから覗き込まずとも、元々気の弱いものならば大量展開しただけでも正気を失ってしまいかねない景色を披露できたが、此度の聖杯戦争では常を越える精神的打撃を見るものに与えることとなる。また、奪い取った他者の目を宝具の一部として取り込むことが可能。 過去未来現在、世界中から異界まで果てなく見通す全知の神たるチカラであったが、人間のマスターではその本来の規模を再現することは不可能。 それでも都市一つを見通すだけの力は発揮できるが、ハイゼンベルクの不確定性原理に打ち払われて以来、完璧であったはずの未来視は損なわれ、時に視間違いを起こしてしまうようになった。 【weapon】 白杖……造りが良いだけの杖。キャスターの膂力ならば人体を貫く程度はできるが、サーヴァント相手には意味を成さない。 神器『崩壊の鐘』……本来はキャスターの持つもう一つの宝具であるが、クラス適正とキャスター本人の希望もあってここでは外観を再現しただけの単なるカウベルとなっている。 【人物背景】 元は天界に生まれた唯一神直系使徒。運命を司る聖四天の座を与えられ、未来を見通す力を持っていた。 悠久の昔、未来視の力で人心が神仏から離れることを察知し警告を発したが、逆に彼らに人間への愛想を尽かせ、神々を異界へと引きこもらせることとなってしまう。 わずかに人界に残った神々には問題児しか居らず、人類を絶滅の危機に追い込む神々の潰し合いの仲介役としてマリーチは自らの片翼を折り、天界を離れて地上を管理する神々の列に加わる。 神々の手綱を握る魔王の側近に収まる一方で、預言者として神殿協会を設立して人と魔のバランスを取って人の世を導く存在となり、後の摩利支天のモデルとしての信仰も集めた。 しかし訪れた平和な世界は皮肉にも人の心を鈍らせ、やがて人間同士の争いを頻発させるようになってしまう。 やがてハイゼンベルクにより狂わされていた未来視で最悪の世界大戦を視たマリーチは、それを回避するために『一切問題のない世界』を作ろうとするも、クルト・ゲーデルの不完全性定理によってそんなものは実現し得ないと、よりにもよって導いて来た人の理性により拒絶されてしまう。 第二次世界大戦の結末もマリーチの視たものとは異なる結果となり、自らの存在意義を揺るがされたマリーチは心を歪め邪神と化す。自らの見たいシナリオのために他者の人生を玩弄し、そうして作った恨み辛みを利用して次の芝居を打たせるような邪悪な神に。 やがて、かつて己の発した警告で神々が不在となった世界そのものを玩具として破滅寸前に導くが、初代聖魔王が引き連れた軍勢との戦いの中、初代魔王から改竄していた己の記憶を突きつけられ、ショックで己が何者であったのかも忘却して逃げる道を選び、神として“堕ちて”しまう。 しかし更なる未来、文明崩壊後も残っていた神殿協会改め神殿教会の象徴・預言者として存在していたマリーチは、悠久の時の中で忘れ去られて消え去る前に、時の教皇クラウディスの暴走によって自己を取り戻す。今回限りの反則としながら再び神としてのチカラを揮ってクラウディスの起こした動乱も、それに関わった者達の人生も書き換えて事態を鎮圧。 聖魔杯を求めるマヒロ・ユキルスニーク・エーデンファルトに警告を与えるものの、初代魔王ら残った神々同様、基本的には人の世を見守るという在り方に従い彼らの旅を覗き見している。 かつては善神だったが現在は性悪。人間が悩み苦しむ様を視るのが大好きで、不幸な生涯を送ってきた人間の目玉をコレクションするなど大概な一方、そのような境遇を恨まず自らの信心を貫く人の在り方を好み、そういった人間には今でも時々神としての慈悲を与える。本当に時々。ただし堕ちてボケていたのが直った後は、以前よりも心なし温和。 現在では自らを基本的にはブラウン管の外の視聴者としており、ファンレターのように役者へ意見を言うことがあってもスタジオに入ることは「たぶん」もうないと語っており、今回も切嗣が四苦八苦するところを見たいだけであるため、本当に陣地外でまで手助けするつもりはないと思われる。ただし、そのLIVEをリラックスして楽しみたい自分の領域(リビング)にまで踏み込んでくる場合にはその限りではない可能性もある。 【マスター】 衛宮切嗣@Fate/Zero 【マスターとしての願い】 聖杯を勝ち取り、危険ならば破壊。そうでなければイリヤスフィールを助け出すために使用する。 【weapon】 護身用のトンプソン・コンテンダー 【能力・技能】 魔術師としての腕前は並程度だが、一般的な魔術師が忌避している銃火器及び爆発物の扱いに長けており、また自身の時間流を操作する『固有時制御』での高速戦闘及びバイオリズムの抑制による隠密活動を可能とする。 【人物背景】 「魔術師殺し」の異名を持つ、魔術師を殺す術に長けた異端の魔術使い。 冬木で執り行われた聖杯戦争に参加し世界を平和にするという願いを叶えようとするも、その聖杯に宿っていた『この世全ての悪』の存在に気付き、セイバーに聖杯を破壊させ、聖杯から溢れた泥を浴びて呪いを受けることとなる。 冬木の大火災を引き起こした原因である切嗣は、その火災の中で唯一助け出すことができた士郎を養子として引き取り静かに暮らしていたが、その実何度も妻・アイリスフィールとの忘れ形見である娘のイリヤスフィールをアインツベルンから奪おうと何度もアインツベルンの領内へ踏み込み、そしてその度に凍死寸前まで彷徨い歩いてきた。 今回の聖杯戦争ではサーヴァントのチカラにより肉体が以前の健康な状態へ戻っており、自らを聖杯の危険性を知りうるただ一人の人間として、イリヤスフィールを助け出す為に利用できるのなら利用するつもりで聖杯を求める。 【方針】 キャスターは陣地に篭り、切嗣が帰って来た際に回復するか、敵が攻め込んで来た際に場合によっては迎撃するだけ(やられたフリだけで済ますか抗戦するかは気分の問題)。 基本的には片目喪失起源弾なしの切嗣が単独で敵マスターを発見し打倒して行く形となるためかなりのハードモード。
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馬情報 馬名 ハートノナナ 誕生年 2175年 性別 牝 父馬 ライドギブサイト 母馬 ジコチューツルマキ アルファベット表記 HEART NO NANA 馬名の由来 ハートの7 引退時パラ 競走成績 出走年/月/週 コース レース名・格 馬場・距離 騎手 着順 レーティング 2175/7/2 中京 2歳新馬 芝1400良 早仕掛け 1着 10/3 門別 エーデルワイス賞 ダ1200良 早仕掛け 5着 10/5 京都 萩S 芝1800良 金田忠雅 8着 2176/2/1 東京 クロッカスS 芝1400良 早仕掛け 2着 2/3 東京 セントポーリア賞 芝2000良 早仕掛け 6着 2/5 阪神 すみれS 芝2200良 早仕掛け 3着 5/3 新潟 ゆきつばき賞 芝1800良 早仕掛け 3着 5/4 東京 カーネーションC 芝1800良 早仕掛け 3着 6/1 東京 3歳上500万下 芝1600稍 早仕掛け 1着 8/5 小倉 西部スポニチ賞 芝1800良 早仕掛け 4着 9/3 阪神 ローズS(GⅡ) 芝1800良 ビューティ市ヶ谷Ⅳ 1着 9/5 中山 内房S ダ1200不良 早仕掛け 2着 12/4 阪神 阪神C(GⅡ) 芝1400良 ビューティ市ヶ谷Ⅳ 3着 2177/3/4 中京 高松宮記念(GⅠ) 芝1200重 ビューティ市ヶ谷Ⅳ 7着 4/1 中山 ダービー卿CT(GⅢ) 芝1600重 ビューティ市ヶ谷Ⅳ 1着 5/3 東京 ヴィクトリアマイル(GⅠ) 芝1600良 奥居紀明 3着 6/4 東京 安田記念(GⅠ) 芝1600良 ビューティ市ヶ谷Ⅳ 8着 7/2 福島 織姫賞 芝2000良 早仕掛け 3着 9/1 英 スプリントC(GⅠ) 芝1200良 ビューティ市ヶ谷Ⅳ 3着 121 9/5 中山 スプリンターズSG1 芝1200良 デーリッチⅡ 3着 11/1 大井 JBCスプリントG1 ダ1200不良 ビューティ市ヶ谷Ⅳ 3着 12/4 阪神 阪神C 芝1400良 デーリッチⅡ 5着 産駒一覧 産駒なし この馬について 生誕時メモ 高能力種牡馬&トリプルニックス配合でこの能力なのかぁ~~ せっかく父から譲り受けた体力も、成長型が2段階前に傾いてしまったせいで持ち腐れ。サヨナラで再度付ける予定も再考の必要アリですねこれは。 2176年9月1週 気性良くて能力もあって脚質も合わせたのにOPすら勝てない。 これはアレですかね。左と坂でダメならもうお終い。 2176年11月4週 一筋の光差す。 坂コースならまだ生きていける。来年はフーデッドと一緒にスプリントCでも目指してみるか? 2177年4月2週 足切り候補から良く持ち直しました。G1狙いは他の馬に任せてこのコは地道に行きましょう。 気性は3歳のギリギリで5に成長し、体力の持ち腐れを防ぐことに繋がりました。流れが向いていますね。 2177年7月2週 地道(大嘘) ヴィクトリアマイルの3着でちょっと夢見ちゃったw 夏場はそもそも坂競馬が少なすぎるのでG1ローテで行きます。 2177年11月5週 3着病だw 生粋の大逃げ馬なのでJBCは面白いかなと思いましたが、他馬のスピードに圧されてしまいました。 フーデッドとは距離、坂、馬場の適性が酷似していて直接対決ではこちらが先着したものの、「道悪適性が☆でない」この一点で実績に差が付きました。 2178年1月5週 引退。坂適性はやはり抜群。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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それぞれのブランチ ◆Jnb5qDKD06 白銀の世界。真夏の雪原。 白レンの世界であり、唯一存在を許される場所だ。 人の闇を具現化するその世界は知的生命体にとって悪夢に他ならない。 ある時は殺人鬼、ある時は魔獣、ある時は魔導士の暗黒面(ドッペルゲンガー)。 シルバーカラスとの戦いを終えた後もその白銀の世界は悪夢を生み出し続ける。そして今悪夢を生み出している白レンは──── 「今日はマサチューセッツ州の人間から新鮮なアサリを使ったクラムチャウダーが取れたわ」 炬燵に足をいれ、両手を合わせてご飯を食べていた。 炬燵の上には白いスープと茹でたロブスターが積まれており、反対側にキャスター……ドッペルアルルが座っている。 クラムチャウダーはアメリカ東海岸のニューイングランド、つまりマサチューセッツ州発祥の料理であり、牛乳をベースとした白いクリームスープである。 アサリとタマネギ、ジャガイモを細かく刻んでバターで炒めた後、小麦粉と牛乳を入れてクリーム状になったら上からパセリを載せるものがオーソドックスであるが、夢の主はこれにニンジンとキャベツを加えたアレンジを行っている。 「カニではないけど新鮮なロブスターが取れたのも幸運だったわ。流石にここならあのブサイクネコに喰われないし!」 ロブスターは日本の食卓には馴染みの薄い食材であるが、日本でいうところのカニに近い。触感もカニに近いらしく茹でたロブスターをバターにつけて食べたり、レモン汁に付けて食べるという。 他にも炬燵の上にはタラやマグロの刺身、アサリをふんだんに使ったパスタなどが並んでいる。 いっただきまーすと挨拶をして食器を持った白レンにキャスターは至極当然の疑問を口にした。 「キミ、本当に猫なの?」 「猫よ。厳密には違うけど」 「猫がタマネギとか海鮮類食べて大丈夫なの?」 「あのブサイクネコは食べてたし大丈夫でしょ」 そういって白レンはクラムチャウダーを手に付け始めた。 作り立てなのか温かく、木製のスプーンで一口、二口と口へ運んでいく。 ドッペルゲンガーアルルもぱく、ぱく、ぱくとロブスターを口にしていく。 「カレーの夢は無いの?」 「カレーライスの悪夢ってどんな夢よ」 「それを言ったらこの食卓そのものがアウトじゃない?」 「失礼ね。漁に不安を持つ漁師はたくさんいるのよ。漁業の神様なんてものまで作られるくらいにね。このあたりにも確か古い神様を信仰している漁村があるらしいわ」 「カレーの神様はいないのかい?」 「そんなもの聞いた事無いわよ。いたとしても信仰しているのはせいぜいあのシスターくらいよ」 「あのシスター?」 「何でもないわ、こっちの話よ。それよりどうしましょう?」 「ボクはホタテとタラをいただくよ」 「違うわよ! 聖杯戦争の話よ!!」 先ほどマスターの一人と戦闘し、今は魔力と体力を回復するために休息を取っている。 これからどうするべきか。他に協調性がありそうな走狗(マスター)を探すべきなのだが、生憎とそんなに簡単には見つかりそうも無い。 いや、それよりも急を要する事案がもう一つ。 「タタリの真似事をしている奴がいるわね」 「マスターより強力じゃない? 昼間に出てくるし、サーヴァント並に強い奴もいるし」 「失礼ね! あれは強力じゃなくて見境が無いっていうのよ! あんな何でも作るようなはしたないのなんて格下よ!」 誰かが悪性情報を具現化している。おそらく力の大きさからしてサーヴァント。そのせいで真夏の雪原にも影響が出ていて「現実化するほど明確な悪夢を呼び起こす」レンの能力が発揮できないでいる。 猫は自分のテリトリーを荒らされるのは気に入らない。荒らす者を許さない。 「誰だか知らないがこの迷惑料は高くつくわよ」 クラムチャウダーのアサリを飲み込んでレンはまだ見ぬ誰かに呟いた。 【???/1日目 午前】 【白レン@MELTY BLOOD】 [状態]まあまあ [精神]すっきり [令呪]残りみっつ [装備]なし [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針: 1.回復したらどうしようかしら [備考] ※固有結界は、魔力があるなら勝手に出入りできるみたい。マスターだけ閉じ込めるのは難しいかも。 ※シルバーカラス及びそのキャスターと宝具『反魂蝶』を目撃しました。 ※アーカム全域を覆うタタリの存在に気付きました。 【キャスター(ドッペルゲンガーアルル)@ポケットぷよぷよ~ん】 [状態]ばっちり [精神]かれー食べたい [装備]装甲魔導スーツ [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターに従う。 [備考] ※シルバーカラス及びそのキャスターと宝具『反魂蝶』を目撃しました。 * * * 白い少女とやり合った彼、シルバーカラスはスシ屋に入った。 「Hey ラッシャイ!!」 黒人のイタマエが来店したシルバーカラス=サンに声を掛ける。勿論、日本語でだ。 キャスターの花見の場所取りと、白い少女の追撃を防ぐために寂れたイーストダウンからダウンタウンに入ったシルバーカラス=サンは魔力の補充と少々の休息のためにスシ・バーに入った。 無人スシ・バーでも回転スシ・バーでもない。 (もしやオーガニック・スシか? そんなに金持ってねぇぞ) オーガニック・スシ。魚の切身をネタにしたスシだ。 シルバーカラス=サンのいたネオサイタマでは高級品である。庶民は粉末状になった魚をネタにしたスシを食う。 (おいおい、イクラ・キャビアが200円とかあり得ないだろ。ここはぼったくりバーか?) そう思って席を立とうとした瞬間、声をかけられた。 「隣よろしいですか?」 振り向くとそこには東洋系の顔をしたマッポがいた。 * * * タタリを倒した後、亜門鋼太朗はロウワー・サウスサイドでもう一つの惨状を目のあたりにした。 砕かれたコンクリートの破片。散らばる肉片。溜まった血。瓦礫の下から聞こえる呻き声。 サーヴァント同士の戦闘があったのは明らかだ。 「ふざけるな」 亜門は激怒する。 この惨状を生み出したことに対してではない。この惨状を放置したことだ。 戦闘が終わって既に数十分は経っただろうこの場所にレスキューも呼ばず、怪我人を捨てて去ったのだ。 確かにそれが戦いのセオリーとして正しいと理解はできるものの人として間違っている。 携帯電話を取り出し乱暴に911のボタンを押した。 ▼ ▼ ▼ レスキュー活動が終わり、第一発見者としてダウンタウンの行政区に証拠資料を提出した後、署を出た時には既に午前の終わりが近付いていた。 (少し早いが食べるか) 早朝より戦闘を行った体はたんぱく質を求めていた。ならば、ハンバーガーショップやホットドッグを食べるのが良いのだろうが、今は日本食が食べたい。 もしかしたら知っている敵と戦って日本が恋しくなったのかもしれないなと半ば自嘲しながら適当に歩き回ると寿司屋が目に入った。 「マスター! 是非スシが食べてみたい」 「興味があるのか?」 「ああ。生きている時は調和された肉体を保つために食事が制限しててね。スシを食べる機会には恵まれなかったんだ」 「そうか。しかし幽霊に味覚はあるのか?」 「実体化していればね。もしかすると私が実体化して魔力消費が多くなるのは困るか」 「いや、それより他のサーヴァントに見つかる可能性がある方が問題だ」 「あーなるほど確かに…………駄目かな?」 ランサーが上目使いで指をもじもじする。 これで鎧と武器が無ければ端から見てマネージャーにねだるアイドルに見えただろう。 ふーと息を吐く。フェミニストでは無いが、これだけ頼んでいる女性を拒否するのは亜門にはできない。 「店の外から見てサーヴァントの気配が無ければ実体化していい。一応、俺も目で確認しよう」 「了解!」 破顔するところから察するに本当に寿司が食べたいんだなと亜門はランサーの以外な一面を確認して寿司屋の暖簾を潜る。 店内の客人はやはり欧米人が多い。 東京に住んでいたため寿司屋に外国人というのは見慣れているが日本人と外国人の比率が見事に逆転している。 (とりあえず空いているカウンター席に座るか) 二人しかいないのにボックス席を使うのはしのびない。丁度壁際が隣あって空いている席を発見した。 「隣よろしいですか?」 隣にいた中年男性に許可を取る。 「…………」 しまった。つい日本語で話しかけてしまった。 相手が日本人とは限らないのだ。亜門も日系アメリカ人として通っている以上、相手も同様の可能性を考慮すべきだった。 反省して英語で言い直そうとすると…… 「ドーゾ、お構い無く」 流暢な日本語が返ってきた。 日本語が通じてよかったと安堵していると、暖簾を潜ってきたランサーの姿が見えた。 「ランサー、こっちだ」 そう呼ぶと隣の男性がブッと茶を吹き出した。 * * * シルバーカラス=サンは飲んでいた水を吹き出す。 まさかのアンブッシュだ。まさか他のマスターとサーヴァントが同じスシ・バーに現れるなど予想できようか。 ランサーと呼ばれた妙齢の女性がこちらへ向かってくる。 (まずい、バレたか) 流石に今のはイディオット。 向かってくるサーヴァントはそのまま、シルバーカラス=サンの前に立ち 「大丈夫ですか?」 心配の声をかける。誰に? 勿論、シルバーカラス=サンにだ。 右手を上げて制止と大丈夫というジェスチャーをするとそうですかと言って座る。 念話でキャスターに連絡する。 (おいキャスター) (なぁにマスター) (今どこだ?) (あなたの自宅だけどどうしたの?) (スシ・バーにはいったら隣にサーヴァントが来た) (寿司、いいわねぇ) (イディオットかてめぇは。そこは重要じゃねぇ、サーヴァントの方だ) (マスターだってバレてないんでしょ?) (バレる要素はあるか?) (無いわ、多分) (そうか、じゃあ一旦切るぞ) (お土産にお寿司を買ってきて頂戴) (ボッタクリ・スシ・バーで買うわけねぇだろ) (私が行ってもいい?) (来るな) (来るなと言われると余計行きたくなるわ) (令呪を使ってやろうか) (ふふ、冗談よ) 念話を切る。 隣ではマグロ、ガリ、ロブスターのオーガニック・スシを食う音が聴こえる。 (今の内にズラかるか) 三十六計逃げるにしかずと古事記にもそう書かれている。 アンブッシュでマスターを殺るというのも手だが、このマッポは全く隙が見当たらない。 (いや、待てよ。何も食わずに出るとそれこそ不自然か?) スシ・バーに入ればスシを食うのがルールである。 幸い、横のマスターはマッポだ。ボッタクリ・スシ・バーでもマッポは相手にしたくないだろう。 「タイショー、マグロ一つ」 「ヨロコンデー」 そう言って一分後くらいにやってきたのは赤いルビーの如き切身を乗せたオーガニック・スシ・マグロだった。 それを口に運ぶ。ウマイ。ニンジャ味覚が本物のマグロだと言っている。 一皿、二皿と食していき、三皿目を空にするところでランサーのマスターとは逆の隣の席に青年が座った。 顔は日系。上から下まで黒く、独特の神秘アトモスフィアを纏っている。 「マグロ一つ」 ヨロコンデーというイタマエの声がして一分くらい後にスシが青年の前に置かれた。 * * * ────話は約数分前に戻る。 空目恭一とアサシンは戦闘後そのままノースサイドを一通り歩き回り、隣のダウンタウンで休息と軽めの朝食を取るためにカフェに入った。 カフェでコーヒーを飲んでいる空目にアサシンが念話で話かける。 (マスター。右斜め前方にいるアレ。そう、鎧来ている彼女。サーヴァントですわ) 見てみると背中に大きなバイオリンを背負った女が寿司屋の中を覗いていた。何を睨んでいるのか、もしや他のマスターが寿司屋にいるのだろうか。 (どうする?) (どうするも何も無い。放置だ) (いいの? あの中にあやめちゃんがいてサーヴァントが狙っているかもしれないのに?) 確かに可能性はある。あやめは『異界』の存在だ。サーヴァントと間違われて襲われる可能性もあるだろう。 しかし、あやめが一人で寿司屋に向かうヴィジョンが浮かばない。しかし可能性はゼロではない。 「行くか」 可能性がある以上、席を立つ。 暖簾を潜るとイラッシャイマセーというカタコトの日本語が空目を迎えた。 ざっと見渡してみればカウンター席に何人かの欧米人に紛れて日系人の男二人とその奥に先程のサーヴァントが座っていた。 とりあえずあやめはいないようだ。サーヴァントの3つ隣のカウンター席に腰掛けマグロ一つと注文する。 寿司が来る間にアサシンとの念話を開始する。 (どうやらあやめはいないらしいな) (で、どうしますマスター。あれの隣にいるのマスターらしいですわよ) (戦う必要は無い) (いえいえ、そうではなくて警官ということはあやめちゃんが保護されている可能性があるのでは?) (無論、その可能性もある。しかし、あやめのような人間とも英霊(オマエタチ)とも異なる存在の関係者という時点でマスターであると言っているようなものだ) (同盟を結ぶというのは?) (……相手に依るだろう。この蠱毒で積極的に相手を殺そうという相手には通じん) (一応、警官みたいですわよ?) (経験上、権力のある機関に人格を求めるのは間違いだと知っている) (それでは現状は放置かしら) (一応の接触は試みる。だが、決裂したらお前の宝具でサポートしろ) (了解ですわ、魔王閣下) 念話を切って茶を啜る。 聞き耳を立ててサーヴァントとそのマスターの会話を盗み聞きすることにした。 * * * 「美味い。美味いぞマスター!」 「日本の食べ物を喜んでもらったなら何よりだ」 「ああ、日本にいたことはあったんだが。スシを食う機会に恵まれなくてね。ネコ缶やら廃棄するハンバーガーばかりさ」 流石に最後のは冗談だろうと思って流しつつ、亜門もエビを注文する。 (そういえば日本食も久しぶりだな) このアーカムは北米らしい。そのためいつもホットドッグやハンバーガー、フランクフルトなどを食べていたから久しぶりの寿司は楽しみだ。 もしかしたらランサーじゃなくて自分が来たかったのかもしれないな そう思いながら茶を入れ、醤油を垂らし、箸を割って握られたエビの寿司を口へと運ぶ。 「かッ────!!」 そして亜門は思い知る。 自分の慢心を、こんな寿司屋で何も起きないだろうとタカを括っていた自分の油断を。 (なんッ……だ……これッ……は……) いや亜門は知っている。 与えられた衝撃で体中の体液が頭部へと凝集し、遂には体制御を振り切って涙腺から溢れ出し、苦悶が苦痛へと変容する。 聖杯戦争の知識として与えられ無かった亜門を追い詰める最悪の天敵。 「マスター?」 ランサーがマスターの様子に気づくがもう遅い。 彼は食らってしまったのだ 『ワサビ』を!! 亜門は忘れていた。寿司にはワサビが塗られることを! 亜門は知らなかった。アメリカではワサビが人気でこの店では大量にワサビが塗られることを。 日本食というホームグラウンドにいた慢心がもたらした緑色の辛味は甘党の亜門の味覚を破壊する。 「──────!」 発作的にガバッと茶を飲み、今度は茶の熱さに悶絶する。 淹れたて熱々の茶は舌を、というか口を蹂躙し喰種ではない人間の亜門はこれに耐えられない。 「グッ!!!」 コントの如き滑稽な状況だが、本人に取っては大真面目だ。火傷と辛味に耐えて、絞り出すような声で寿司を握っている職人に告げる。 「大将……」 「ワッツアップ?」 「水を…………ください」 「ヘイ、おまち」 今度は差し出された水を一気に飲んだ。 * * * シルバーカラス=サンはイクサの気配が無いと分かると席を立った。 隣でワサビショックしているマスターとそのサーヴァントは特に害は無い。ワサビショックしている今ならアンブッシュの一撃で殺せるだろうが、そんなことよりタバコだ。 ────というのはタテマエだ。問題はその逆。 シルバーカラスの危険信号はランサーのマスターと反対側に座った少年に向けられていた。ニンジャ第六感が逃げろと言っている。 この場で最強の存在は間違いなく右2つ隣に座ってオーガニック・スシを食っているランサーだ。それは間違いない。 なのに何故、モータルにしか見えない少年にニンジャ第六感がアラートを鳴らすのか。 理屈は不明。理解は不可能。しかし、シルバーカラスとしてはこの第六感を信じる。 「全部で6$ドスエ」 「ハイヨ」 「アリガトウゴザイマシタ」 雨が降り出しそうな曇天。キャスターへの土産のオーガニック・スシ・パックを持ってアパートへ向かった。 【ダウンタウン・スシ・バー/1日目 午前】 【シルバーカラス@ニンジャスレイヤー】 [状態]平常 [精神]正常 [令呪]残り3画 [装備]「ウバステ」 [道具]スシ [所持金]余裕はある [思考・状況] 基本行動方針:イクサの中で生き、イクサの中で死ぬ。 1.陣地構築のため、候補となる地点へ向かう。 ※亜門鋼太朗とそのサーヴァント(リーズバイフェ)を視認しました。名前や正確な情報は持っていません。 ※空目恭一を見ました。空目恭一に警戒を抱いています * * * 西行寺幽々子はマスターの指示通りイーストタウンのアパートで待機していた。 「今日は多いわねぇ」 死霊が増えていた。それも十や二十ではきかない。凡そ3桁に近い数の死者が街全体から出ている。 この時、西行寺幽々子は知りもしないが『固有結界タタリ』によって各地で大なり小なりのタタリが登場していたのである。 無論、他のマスターが撃滅したことで被害を防げた例もあるが、それでも倒されなかったタタリによって犠牲者は出続けていた。 NPC達はこの聖杯戦争に用意された駒であるが、同時に本物の人間である。 死ねば死霊が生まれるし、無念を宿せば怨霊となる。 「南東ね」 幽霊であり冥界の統率者である彼女はそういったものがどこから溢れているか理解できる。つまりどこで大量の死者が出たかが分かるということだ。 無論、死者というものは生者がいる限り産み出されるものであるし、不幸な事故ということもあるだろう。しかし、怨霊が明らかに局所に偏っていればそれは他殺であり同時にそこで殺戮が起きたと言ってもいいだろう。 『西行妖』は血を啜ることで条理から外れた妖怪桜である。故に魂や魔力を養分として開花するため生やすならば数多の死者が出た場所が良い。 もしも、そこでサーヴァント同士の戦いがあったならば当然、飽和した魔力が漂っているはずだ。なお条件として優れている。 マスターの帰ってきたら南東────すなわちロウワー・サウスサイドへ行ってみよう。 この時、もしも西行寺幽々子がもっと死霊達を細かく見ていれば不自然な死霊が混ざっていることに気付いただろう。 〝異界〟の出身にして死者である彼女を。 【イーストタウン/1日目 午前】 【キャスター(西行寺幽々子)@東方Project】 [状態]健康 [精神]正常 [装備]なし [道具]扇 [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:シルバーカラスに付き合う。 1.妖怪桜を植える場所の候補にロウワー・サウスサイドを挙げる。 [備考] ※各地に使い魔の死霊を放っています。 * * * 隣の男性がいなくなった席に一人の少年が座った。 無論、食事の後はまだ残っているし片付けなどされていない。 礼儀にうるさい日本人として、ましてや今は警官である亜門はこの若者に何か言ってやらねばなるまいと口を開きかけた時──── 「黒髪で臙脂のケープを着た少女を見なかったか?」 少年が先に口を開いた。そして亜門は眉をひそめ、怪訝な眼差しを少年に向ける。 前置きも無く質問する少年の口調、そして態度は図々しさを通り越して相手の状態に対する無関心と言っていい。 だが、それ以上に異常なのは質問の内容だ。この北米のアーカムで黒髪に臙脂のケープの少女のNPCなどそうそう出てくるわけも無い。 日本のアイドルグループがいるらしいが、彼らとて日本の伝統衣装で出歩いているという話は聞かない。 ならば、この質問が意味するところはつまり────いや、待て。まだ決まったわけじゃない。 必死に慣れない作り笑顔を浮かべ、少年に返答をする。 「知らないな。その子はお友達かな? 一体どうしたんだ?」 「ここ数日ほど行方がわからん。アーカムにいることは確実だから警察に保護されているかと思ってな」 「すまないがそんな特徴の少女を保護したとは聞いていない」 事実だった。亜門はこの聖杯戦争で魂喰いをする者を倒すと決めた時に手配犯や聖杯戦争に関わると思しき事件の関係者を洗ったが黒髪で燕尾服の少女などいなかった。 「そうか、見つけたらこの番号に連絡をくれ」 そう言って電話番号を渡すと少年は全く興味を無くしたというように席に戻った。 そして亜門はいつの間にか自分の右手がクインケの入ったトランクを掴んでいることに気付いた。 * * * 席に戻ると未だに怪しむ警官の視線を無視して食事を再開する主へ八雲紫は念話で囁いた。 (魔王閣下は豪胆ですわ) (何がだ?) (彼女。いつでも飛び出せるように臨戦状態でしたよ) (そうか) (マスターの方も何か持ってますわ。武器かしら?) (興味ない) 今、銃口よりも危険な物が自分に向けられていたと告げられていてもあるのは無関心。その様子に八雲紫は苦笑する。 言うまでも無いが空目恭一は撃たれれば死ぬし、飯を食わなければ餓死する。それどころか女と力比べで負けるほど華奢だ。 そして空目はそんな自分の脆弱さは理解している。大丈夫。何とかなる、などと都合の良い妄想や危機感の麻痺に陥ってなどいない。 つまり空目恭一という男は自身の生死すら無関心なのだ。死んだ? ああ、死ぬべくして死んだのだろうな。そう割り切って生きられる異常者。 改めて述べるが諦観や妄想の類で精神状態を維持しているのではない。強いていえば達観、或いは狂気だろう。幼い頃に〝異界〟という世界の裏側を知ってしまった彼は心をあちら側に置き去りにしてしまっている世界不適合者である。 そして実質、〝異界〟側の人間である彼はこちら側の事に興味を抱けない。ましてや他人の心情等に気づくはずも無い。 彼の周りにいた人間はさぞかし苦労させられたでしょうねとここにいない彼の仲間に同情の念を送る。 (あやめが警察に保護されていないことはわかった) (それじゃあもうお開き?) (そうだな、一度睡眠が必要だ) 生まれた時から妖怪であった八雲紫には分からないことだが、未明の時刻から今まで歩き通したマスターの体は休息を要求しているのだろう。 わかりましたわと呟いて念話を終了した。 そして空目は最後に皿に残っていたイクラを食べて勘定を払いに席を立った。 * * * 一体先程の少年は何だったのか。 ランサーことリーズバイフェ・ストリンドヴァリはあの少年に対し確かに危機感を感じた。これが聖杯戦争だから、怪しい人物だから警戒したと済ませてしまえば単純だがリーズバイフェの勘は否と断じた。 あの華奢な四肢から推察するに身体的な戦闘能力は極めて皆無。機械の戦闘義肢でないことは足音や動きから確認できた。 ならば魔術師かと言うとそれも否。魔力は感じず魔術・概念礼装らしきものは見当たらない。 血の匂いなどしないし何より敵意も殺意も無い。本当に聞きたいから聞いたという事務的な口調だった。 しかし、しかし、しかしだ。 何か無視出来ない違和感を感じたのは間違いない。 起源覚醒者、ただの魔眼保有者、或いは魔術を全く知らぬ異端者を相手にしているような感覚でありながら、そのどれとも違う。 リーズバイフェは職業柄膨大な数の異端と神秘、奇蹟を扱ってきた。だからこそ、この少年の〝知識では拭えぬ何か〟を見過ごすことが出来ない。 つまりあの少年は〝計り知れない〟のだ。現実に存在しながら現実に当て嵌める枠組みが存在しない者。 だからこそリーズバイフェは臨戦体勢に入っていた。視線も表情も変えず、だがいつでも飛び出せるように。 しかし結果は何も起きらず肩透かしを食らった気分である。 (私の勘も鈍ったかな…………) そう思って最後のマグロを注文した。これで十四皿目だった。 【ダウンタウン・寿司屋/1日目 午前】 【亜門鋼太朗@東京喰種】 [状態]正常 [精神]落ち着いてきた [令呪]残り3画 [装備]クラ(ウォッチャーによる神秘付与) [道具] 警察バッチ、拳銃、事件の調査資料、警察の無線、ロザリオ [所持金]500$とクレジットカード [思考・状況] 基本行動方針:アーカム市民を守る 1.他のマスターとの把握 2.魂喰いしている主従の討伐 3.白髪の喰屍鬼の調査 [備考] ※調査資料1.ギャングの事務所襲撃事件に関する情報 ※調査資料2.バネ足ジョップリンと名乗る人物による電波ジャック、および新聞記事の改竄事件に関する情報。 ※神秘による発狂ルールを理解しました。 ※魔術師ではないため近距離での念話しかできません。 ※警察無線で事件が起きた場合、ある程度の情報をその場で得られます ※シルバーカラス、空目恭一を目撃しましたがマスターだと断定はしていません。 ※空目恭一の電話番号とあやめに対する情報を得ました。あやめを保護した場合、彼に連絡します。 【ランサー(リーズバイフェ・ストリンドヴァリ)@MELTY BLOOD Actress Again】 [状態]健康 [精神]寿司うめぇ [装備]正式外典「ガマリエル」 [道具]なし [所持金]無一文 [思考・状況] 基本行動方針:マスターと同様 1.タタリを討伐する 2.キーパーの正体を探る [備考] ※女性です。女性なんです。 ※秘匿者のスキルによりMELTY BLOOD Actress Againの記憶が虫食い状態になっています(OPより) ※『固有結界タタリ』を認識しましたがサーヴァントに確信を持てません。 ※空目恭一に警戒を抱いています 【空目恭一@Missing】 [状態]健康 [精神]正常 [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]なし [所持金]学生レベル [思考・状況] 基本行動方針:あやめを探す 1.ノースサイドでも探す [備考] ※邪神聖杯戦争の発狂ルールを理解しました ※既に人ではない彼はSANチェックに対して非常に有利な補正を得る。 あるいは、微細な異常ならばSANチェックを無視できる。(ただし、全てのSANチェックを無視する事はできない) ※ランサー(セーラーサターン)とその宝具『沈黙の鎌』を確認しました。 ※セイバー(同田貫)とそのマスターを確認しました。 ※ランサー(リュドミラ=ルリエ)とそのマスターを確認しました ※クリム・ニックとの間に休戦協定が結ばれています。 四日目の未明まで彼とそのサーヴァントに関する攻撃や情報漏洩を行うと死にます。 ※亜門鋼太朗とそのサーヴァントを目視しました。 【アサシン(八雲紫)@東方シリーズ】 [状態]健康 [精神]健康 [装備]番傘、扇子 [道具]牛王符(使用済) [所持金]スキマには旧紙幣も漂っていますわ。 [思考・状況] 基本行動方針:??? 1.マスターの支援 [備考] ※ランサー(セーラーサターン)とその宝具『沈黙の鎌』を確認しました。 ※セイバー(同田貫)とそのマスターを確認しました。 ※ランサー(リュドミラ=ルリエ)とそのマスターを確認しました ※クリム・ニックとの間に休戦協定が結ばれています。 四日目の未明まで彼とそのサーヴァントに関する攻撃や情報漏洩を行うと死にます。 ※亜門鋼太朗とそのサーヴァントを目視しました。 BACK NEXT 016 BRAND NEW FIELD 投下順 018 昏濁の坩堝へと 016 BRAND NEW FIELD 時系列順 018 昏濁の坩堝へと BACK 登場キャラ NEXT 008 Horizon Initiative 白レン&キャスター(アルル・ナジャ(ドッペルゲンガーアルル)) シルバーカラス&キャスター(西行寺幽々子) 004 アーカム喰種 亜門鋼太朗&ランサー(リーズバイフェ・ストリンドヴァリ) 021 Pigeon Blood 010 妖怪の賢者と戦姫 空目恭一&アサシン(八雲紫)
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《勇気ある心》三好夏凜&ライダー◆MQZCGutBfo ―――友奈が、泣いていた。 無邪気で。真っ直ぐで。バカみたいにいっつも笑顔で。 どんな時でも心が折れることなんてなかった友奈が。泣いていた。 だから、決めた。 『大赦の勇者』として戦うのは、もう辞めた。 これからは勇者部の一員として、戦うって。 だって。 友奈の泣き顔なんて、見たくないから。 「さあさあ! ここからが大見せ場!! 遠からんものは音に聞け!! 近くば寄って、目にも見よ!!」 『壁』の外は、地獄だった。 地球は、神樹様が守っている場所以外。地表は既になく、マグマの塊と化していた。 その外に広がるのは、深遠。 そう、宇宙だ。 宇宙から迫る敵影、雲霞の如く。 いたる所で無数の『星屑』が醜悪な姿で蠢き。 倒したはずのバーテックスへの形成を始めていた。 『真実』を知りたがっていた東郷が、この『現実』を見て。 仮におかしくなってしまったのだとしても、不思議はない。 私だって怖くない、なんて言ったら嘘になる。 戦うことは、別に怖くはない。 例え相手が宇宙だろうと神様だろうと。戦うことだけが、私の存在価値だったのだから。 怖いのは―――失うこと。 満開を使わなければ、切り抜けられない。そして、満開を使えば――― だから、みんなの写真を、目に焼き付けた。 ずっと、ずっと。覚えていられるように。 友奈は変身できない。 風と樹は来る気配がない。 東郷は……。 戦えるのは、私ただ一人。 でも、弱音は吐けない。だって私は、勇者でなくてはならないんだから。 「―――これが讃州中学二年! 勇者部部員! 三好夏凜の! 実力だああああああ!!!!!」 ◇ すべてが、暗闇だった。 すべてが、無音だった。 それが、ただただ、恐ろしかった。 誰かが、私を抱えあげてくれたのが分かった。 手は、左側だけ、動かすことができた。 相手の顔らしき場所に手を当てる。 ほっぺたの柔らかさから、きっと友奈だと思った。 ぽたぽたと、暖かい水が私の顔に落ちてくる。 ―――ダメだな、私。 泣かせないように頑張ったのに、結局また泣かせてしまった。 どのくらい、時間が経ったのか、分からない。 ―――そして気が付いたら。 目の前に、扉があった。 え……扉? あれ? 私……それを見ることができている……? 動かなくなったはずの私の右手には。 山躑躅を模した、銀の鍵。 動けるのなら、迷うことはない。 早く友奈を助けに行かないと。 真っ白な空間にぽつんと存在する扉。 私は躊躇することなく、その鍵穴に鍵を右手で差し込み。 がちゃり、と鍵を開けた。 ◆ ジュニア・ハイスクールでの今日のカリキュラムが終わって、明日は休日。 商業地帯まで足を伸ばし、薬局でサプリメントと、日本雑貨の店でにぼしパックを購入。 誰も待つ者のいないマンションへと帰っている。 ミスカトニック河を左手に見ながら、郷里を思う。 瀬戸内海を臨む景色とは、当然ながら、全く違う。 ―――もっとも。その景色自体が幻影で。 瀬戸内海の先は、深淵の地獄だったわけだけれど。 大赦から渡されたスマートフォンを見る。 電波状態を示す棒は、辛うじて一本だけ経っていて。 それでも、勇者部のみんなに、連絡は届かないみたいだった。 戦いはどうなっただろうか。 友奈は、みんなは、無事だろうか。 いくら焦っても、すぐにどうこうできる状況ではなかった。 一時的に戻ったところで、あの白い空間に戻るだけかもしれない。 聖杯戦争。 願いがなんでも叶うという。 バーテックス達を全て退治して、なんて願いを祈ったとしたら、叶うのだろうか。 神様の集合体である神樹様が、ああやって一握りの人間達を守るだけで精一杯なのに。 その守ってくれる神樹様でさえ、私達に代償を求めたというのに。 頭を振った。 何度考えても、答えなんて出ない。 だから、サーヴァントとやらも、まだ私の前に来ないのだろうか。 「……そこのお嬢さん」 思考に耽っていたせいか。 相手が近くまで来ていたことに、気がつかなかった。 「あ、えと……こんにちは。はい、なんでしょう?」 話しかけた人見ると、フードを深く被った女性が一人。 「こういうもの、お持ちじゃないですか?」 その女性の手には、銀色の鍵。 ハッ、と気がついた時には遅かった。 人通りがあるはずのこの道には、誰一人通っていなかった。 「ふふふふふふふふふ、そう。持っているわよねえええええええ!!!」 「くっ……結界!?」 辺りは暗さを増し。 人の気配は完全に消えてしまっていた。 「結界魔術師の私が!! この結界に特化した刻印を使っても!! この街の結界から出られないなんて!!! だからあなたのカギを渡しなさい!!! それをたくさん集めて私はこの街から出るの!!冗談じゃないわ!!そう冗談じゃない!!! そう鍵よ鍵鍵鍵カギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギカギ!!!!」 「な、なに……」 相手の鬼気迫る表情に気押され、私は数歩後ずさる。 「ランサー!!何してるの早く出なさい!!」 女性が叫ぶと。 その傍らに、槍を携えた漆黒の騎士が現れ始めた。 「え……」 その瞬間に、悟った。 この騎士には、決して勝てない。 バーテックスなんかの比じゃない。そこにある存在の重みが違う。 死。 そう、戦ったら、死ぬ。 それだけ何故かはっきりと理解できた。 いつも守ってくれた、義輝はいない。 「へ、変身、しなくちゃ……」 でも変身したら。満開ゲージがまた溜まってしまったら。 あの暗闇が。無音が。また待っているのではないか。 だいたい変身したとしても。 あの死の存在に、かなうはずがない。 ゆっくりと、黒き騎士が近づいてきた。 その騎士は、私に一礼して。 槍を、軽く突き出してきた。 ―――そして私は、《跳躍》していた。 日々の鍛錬が。 ずっとずっと毎日欠かさず続けてきた鍛錬が。 私を裏切らなかった。 「勇者部五箇条ーーーー!!」 そう。そして、私には。 風、樹、東郷、そして……友奈。 勇者部で培った《勇気ある心》が、ある。 震える手でスマートフォンを押し。 「なせばたいてい!! なんとかなる!!!」 赤い装身具を、身に纏った。 「はあああああああああああ!!!」 装備した二振りの日本刀で、渾身の力を込めて、黒き騎士に振るった。 黒い騎士は避けようとも槍で受け止めようともせず。 私の振るった刀は、相手に傷一つ付けることができなかった。 威力が、弱まっている……? 騎士は槍を軽く横に振るい。 その威力だけで、私は河原まで吹き飛ばされていた。 「くっ……!」 今まで衝突の衝撃を軽減してくれていた精霊・義輝はやはり出て来ず。 なんとか自分で受け身を取って、ごろごろと転がった。 「何を遊んでいるのランサー!! 早く殺して鍵を奪いなさい!!! 鍵を鍵を鍵を鍵を!!!」 黒い騎士は女性に一礼すると。 槍をこちらに向け、突進してきた。 金縛りにあったように、私は動けない。 さっき刀で触れた時。自分の心が相手に畏れて震えたのが分かったのだ。 「勇者部五箇条ーーーー!!」 その弱い自分の心と身体を叱咤する。 「なるべく!! あきらめないーー!!!」 何とか刀を二本交差し、受け止める姿勢に無理やり動かす。 突進してくる黒い影。 その時。 『―――君の勇気!! 確かに受け取った!!!』 私の目の前に。緑の光の奔流が、立ち昇った。 ◆ ―――三好夏凛の前に現れた光。 その光は、黒き騎士の突進を弾き飛ばした。 光の中から現れたのは、鋼の身体に金の左腕。 獅子の如きたてがみを揺らした人型の男。 その名は、サイボーグ・ガイ。 「イーーーークイーーーーップ!!!」 彼はそう叫ぶと、光の結晶が頭に集まり、その光は兜と化した。 ――イークイップ。 これは、彼の頭にホーンクラウンを装着する掛け声であるが、それだけではない。 サイボーグ・ガイの意識を戦闘へと切り替えるスイッチにもなっているのだ。 「ウィル・ナイフ!!」 再び突進する黒の騎士の槍を、手にしたナイフで受け止めた。 光と闇とが拮抗し、辺りに衝撃派が生まれた。 「ちょ、すご……これが、私のサーヴァントってやつなの!?」 サイボーグ・ガイが現れたことにより、自由を取り戻した夏凛が立ち上がって戦いを見守る。 光の戦士と黒の騎士は跳躍し、空中で数度打ち合っていた。 戦闘は拮抗し、戦士と騎士は互いに一度離れた位置へと立つ。 「何を手こずっているのランサー!!!!!!!! 早く!!!!早くソイツを殺して鍵を奪いなさい!!!!! 早く早く早く早く!!!!!」 騎士は魔術師に頷き、槍に魔力を込め始めた。 「まずい! 宝具か! マスター! こちらにも使用許可の承認を!!」 「は……?」 二人の戦いに見とれていた夏凛が、意識を取り戻す。 「承認を!!」 「な、なんだかよく分かんないけどっ……。 いいわ。承認するっ!!」 「いよっしゃああ!! ギャレオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!」 サイボーグ・ガイがひとたび咆哮し。 左腕に装着されている ガオーブレス から、 Gストーン の翠の光が発せられ、閃光となって虚空を走る。 その虚空から、一体の巨大な獅子が姿を現した。 ――『天を駆ける鋼鉄の獅子』、ギャレオン。 獅子王凱と共に地球を守った宇宙メカライオン。 サイボーグ・ガイは ガオーブレス からプロジェクションビームを放つこで、ギャレオンを召喚することができるのだ! 「な、なに。あのライオン……」 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」 「なっ、なに?」 夏凛は虚空に現れたメカに見惚れ。 敵対する女魔術師は、その獅子を見て、大声を上げて畏れはじめた。 「はっ、はっはっ、破壊壊壊壊、破壊される、壊される壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊壊」 「ちょ、ちょっと一体なんなの!?」 黒騎士はその様子を見て魔力の集中を解き、魔術師の方へ駆けだそうとする。 「逃がすな!! ギャレオン!!!」 凱に応えるように鋼鉄の獅子は大きく咆哮し。 口から発せられた特殊振動 メルティングウェーブ によって黒騎士の魔力の衣を剥ぎ取り、その場に釘づけにしている。 「今だっ!! マスター! 合体許可を!!」 「へっ? 合体……?」 一瞬ぽかんとした後。顔を赤くする夏凛。 「な、なななななな。こんな時に何言ってんのこの変態!!」 「変体…? いや、そうだな。合体ではなく合身と言うべきだな。 ギャレオンとの合身許可を、マスター!!」 「へっ……」 再びぽかんとした後。顔を赤くしたまま応える。 「わ、わかってたわよ。ええ。承認よね承認。ほらさっさとやんなさい」 「サンキューマスター!!」 サイボーグ・ガイは夏凛にサムズアップをした後、高々と宙を跳びギャレオンの元へと向かう。 メルティングウェーブを解除したギャレオンもそれを迎えるように跳ぶ。 「フューーーーーーーーージョーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!」 機械仕掛けの獅子が大きく口をあけ、サイボーグ凱がその中へと入る。 「ガイッッッッ!!!ガァァァァァ!!!!」 獅子が変形を始め、人型へと姿を変えていく。 ――サイボーグ・ガイは、ギャレオンとフュージョンすることにより、メカノイド・ガイガーへと変形するのだ。 鋼鉄の巨人を目にした女魔術師は更に何事かを叫び始め。 騎士は跳躍して魔術師の元へ向かうところを。 「ガイガー! クロウ!!」 鋼鉄の牙によって、両断された。 「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!」 途端。 断末魔の叫びを上げたのは騎士ではなく。魔術師の方。 魔術師は気が触れたように何事かを叫びながら、全速力で走って行く。 「結界は……解かれたみたいね」 逃げる魔術師に油断なく構えていた夏凛が、息を吐く。 と。 「あ……れ……」 夏凛の膝から力が抜け、ふらふらと倒れそうになっていた。 「おっと」 合体を解除した凱が夏凛を受け止める。 「すまない、いつもの調子で戦ってしまった。 ここでは魔力を使うんだったな……」 ◆ マンションの近くまでライダーに抱えて運んでもらい。 人気の無い場所に降ろしてもらって、そこからよろよろとなんとか自宅に辿り着き。 辛うじてベッドに倒れ伏して。意識が途絶えた。 ―――そして翌日。 目を覚ますと。 昨日のようなスタミナを極度に喪失したような感覚はない。 しっかりと回復できたようだ。 「―――大丈夫か、マスター。すまなかった」 「ええ。平気よ。 ……助けてもらっちゃったわね、ありがと」 空間から若い男――ライダーが出現して謝り始めた。 この人が自分のサーヴァントなのだと、理屈でなく感覚で理解できた。 繋がりを感じるのだ。 「聖杯戦争……ね。あれがサーヴァントってやつなのね。 とても、私では敵わない」 敵に刀で触れた時の本能的な畏れを思い出し、拳を握りしめる。 だが少なくとも、ここにいるライダーには、そんな感情は抱かない。 「紹介が遅れたな。俺はライダーのサーヴァント、獅子王凱だ。よろしくな」 「私は三好夏凛よ、こちらこそよろしく」 爽快に笑っていうライダーに、こちらも挨拶を返す。 正直、兄以外の男性と親しく会話したことはないから、どう接していいのか分からないけれど。 挨拶は大事よね。 「夏凛だな。俺のことは凱と呼んでくれ」 「ってちょっと! 何勝手に名前で呼んでるのよ!」 何を言うのかこの男は。 「何って……ここはアメリカだぞ、夏凛。スクールじゃそう呼ばれてるんじゃないのか」 「そ、それはそうだけど……。 アメリカ、って。 歴史では当然習ったし、避難民の子孫で米系や欧州系の人もいるから英語は残ってはいるけど。 四国以外はウィルスでやられていたって習っていたから外の状況も分からなかったし、あまり実感湧かないのよ」 アーカム市民、としての記憶は不思議にあるけれど。 元々滅んだ場所としての認識も同居しているため、どうにも収まりが悪い。 「四国以外がウィルスで……?」 「ええ。本当のところは地球は四国以外全滅していて、それもギリギリの状態、ってところだったんだけどね」 「……馬鹿な……守護者は呼ばれなかったのか……?」 凱は小さく何かを呟いた。 「どうかした?」 「いや。……夏凛はその解決を、聖杯に願うのか?」 「ってナチュラルに夏凛って呼ぶことを流すな! でもまあ。それなんだけどね。これでも神樹様……神様の力で私達が守ってるのよ。 代償……を払って、なんとかね。 聖杯っていうのも、きっと神様の力なんでしょ? 『バーテックスの全滅』を願って、それが本当に叶うのかどうか。具体的なイメージもないし」 「……なるほど」 それからいくつかバーテックスについて凱に聞かれ、私は一つ一つ答えていった。 それを聞いてしばらく考え込んでいた凱。 「それなら、俺と仲間達を援軍で呼ぶことを願えばいい」 「はあ!?」 「宇宙での戦いなら、慣れているし、そういった未知の生命体と戦った経験もある。 きっと力になれると思う」 自信に満ちた表情でこちらを見る凱。 これが……本当の勇者、なのかな。 「でも……。 だいたい、アンタはともかく、呼ばれる仲間はいい迷惑じゃない」 「そんなことはないさ。仲間達も英霊になっているし。 むしろ俺一人で行ったら、そのことの方を怒られる。 仲間だからな。 GGG憲章第五条一二項。GGG隊員は、いかなる危機的状況においても、常に人類の未来を考えねばならない。 同一四項。GGG隊員は、困難な状況に陥った時、仲間同士協力し合って対処せよ。ってね」 「仲間……」 目を瞑って、みんなを思い出す。 仲間。 確かに、怒るだろう。 「そう。―――ええ、そうね。 分かった。改めてよろしく………が、凱」 「よろしく、夏凛」 凱が差し出した手を、しっかりと握った。 ―――これは邪が裏で蠢く中、人類の存亡を賭けて戦う、熱き勇者達の物語である。 君達に、最新情報を公開しよう。 【マスター】 三好夏凜@結城友奈は勇者である 【マスターとしての願い】 友奈を助けたい。バーテックスをなんとかする。 獅子王凱とその仲間を援軍に呼ぶ。 【weapon】 勇者システム付きスマートフォン 木刀*2(通常時) 日本刀*2、脇差(変身中) 【能力・技能】 『勇者システム』 対バーテックスのために、神託を授かった神官の末裔が組織した『大赦』によって開発された討伐システム。 発動することによって変身し、神樹の力を得ることができる。 勇者への変身はバーテックスの接近に関わらず、任意に発動することができる。 三好夏凜は赤色を基調とした勇者服姿へと変身する。 聖杯戦争の場においては神樹から距離、時間、概念が離れているため、 その能力は本来の物より減衰しており、防御を司る『精霊』は出現しない。 『満開/散華』 満開とは神の力を具現化する勇者の切り札。 三好夏凜の満開時は、刀を持った4本の巨大な鋼の腕を追加装備した姿となる。 神の力を使用する対価として、肉体の一部を神樹に捧げる。このことを散華と呼ぶ。 夏凜は四回の満開/散華によって、右腕の自由、右足の自由、両耳の聴覚、両目の視覚を失ったことがある。 捧げる部位の法則性は解明されていない。 聖杯戦争の場においては、満開を行うことで神樹との繋がりを一時的に強固にすることが出来る。 その為、通常の満開と同様の力及び魔力を神樹から引き出すことが可能。無論、散華の代償も通常のものと同等である。 大国主大神を始めとする神樹が、重要な局面で自身の尖兵である夏凛に、供物を返した上でアーカム入りを何故認めたのかは判明していない。 『勇者部五箇条』 挨拶はきちんと なるべく諦めない よく寝て、よく食べる 悩んだら相談! なせば大抵なんとかなる 【人物背景】 「大赦」から「讃州中学校」に派遣されてきた勇者の少女。灰色の髪をツインテールにしている。 幼少時から長年戦闘訓練を積んできた正式な勇者であり、初戦では単独で「バーテックス」を撃破する戦闘力をみせた。 優秀な兄を持ち、そのコンプレックスから勇者の訓練にストイックなまでに打ち込むようになった。 成績優秀、文武両道ではあるが、自身や身の周りのことには無頓着で、人付き合いが下手。 だが勇者部のメンバーと接するうちに態度も徐々に軟化していき、やがて勇者部の一員として仲間と共にバーテックスと戦う意思を持つに至る。 【方針】 聖杯戦争に勝利して、凱を呼んで友奈達を助ける。 【クラス】 ライダー 【真名】 獅子王凱@勇者王ガオガイガー 【パラメーター】 筋力C+ 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具A+ 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 対魔力:D 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 騎乗:B+ 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 ただし、後述のギャレオンについては騎乗可能。フュージョンが主だった為、あまり騎乗のイメージはないが、 元スペースシャトルのパイロットであり、本編でバイクや新幹線等を乗りこなしてもいる。 【保有スキル】 フュージョン:A 機械との一体化能力。凱はギャレオンとフュージョンすることで、メカノイド・ガイガーとなる。 また、ガイガー時、3機のガオーマシンとファイナル・フュージョンすることもできる。 道具活用:B 手持ちや周辺の道具、構造物を利用する能力。 常識に捉われない自由な発想で活用できる。 ハイパーモード:C 全身が光輝き、サイボーグとしての全ての能力・出力を15%増加させる。 3分間限定。一度使用すると数時間使用することが出来ない。 勇気ある心:A++ 獅子王凱を英霊たらしめるもの。 いかなる絶望的な状況においても、決して折れること無き勇者の証。 また、マスター及び自身が仲間と認めた者の『勇気』を魔力に変換して力を得ることができる。 【宝具】 『勇気を育む命の宝石(Gストーン)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 緑に輝く六角形の結晶体。命の宝石。 「無限情報サーキット」とも呼ばれ、それ自体が超高度な情報集積回路・情報処理システムである。 生きようとする意思、『勇気』の高まりに応じて、Gパワーと呼ばれる緑色の輝きのエネルギーを無尽蔵に放出する。 『天を駆ける鋼鉄の獅子(ギャレオン)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 獅子王凱と共に地球を守った宇宙メカライオン。 凱が左腕の ガオーブレス からプロジェクションビームを放つこで、ギャレオンを召喚することができる。 前足の爪によるギャレオンクロー、牙で噛み砕くギャレオンファング、 特殊震動発生装置による咆哮・メルティングウェーブを使用可能。 Gインパルスドライブによる飛行も可能となっている。 また、凱がフュージョンすることで、小型ロボット・ガイガーに変形することができる。 ・ガイガー 凱がGストーンを共鳴させギャレオンとフュージョンすることにより完成するメカノイド。 武装は腕部のガイガークローのみ。決定力不足は否めないが、敏捷性に優れ格闘戦を主体に戦う。 『勇気ある者たちの王(ガオガイガー)』 ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:- 最大捕捉:- ドでかい守護神。くろがねの巨神。すんごい鉄人。星々の宝。ぼくらの勇者王。 そして、破壊神とも呼ばれる。 その破壊の神がひとたび現出すれば、その姿を見た者は正気を失うであろう。 ただし、同格存在が相向かえば、その影響は相殺されるかもしれない。 ―――そう、例えば。獅子の心臓を持つ機神などと向かい合うのであれば。 ガイガー状態の時、ドリルガオー、ライナーガオー、ステルスガオーIIの三機のガオーマシンを召喚し、 ファイナル・フュージョンを行うことで、重機動スーパーメカノイド『ガオガイガー』へと合体することができる。 正式名称は『スターガオガイガー』であるが、その名で呼ばれたことはなく、ガオガイガーという呼び名で問題はない。 右腕部を高速回転させて射出するブロウクンファントム、左腕部で空間を湾曲させて防御空間を形成するプロテクトウォール、 膝に装備されたドリルで攻撃を行うドリルニー、防御フィールドを反転させ目標を捕獲・拘束するプラズマホールドなどが使用可能。 尚、ステルスガオーIIに乗り込むことで、二人乗りが可能である。 召喚に際し、当然膨大な魔力を必要とするが、それ以上にマスターの『勇気』の証明が召喚の条件となる。 つまりマスター三好夏凛においては、魔力・勇気どちらも満たす『満開』の発動が召喚必須条件となる。 ・聖なる左腕(ディバイディング・ドライバー) ガオガイガーの左腕に装着する超ハイテクツールを召喚する。 要はドライバーで開けた穴を一時的に物凄く広げる超技術。 これにより巨体であるガオガイガーの戦闘において、街や住人に被害を出さずに戦うことが出来る。 召喚には令呪一画に相当する魔力が必要となる。 ・滅ぶべき右腕(ゴルディオン・ハンマー) ゴルディーマーグを召喚し、マーグハンドとゴルディオンハンマーに変形させる。 ガオガイガーの右腕にマーグハンドを装着し、ゴルディオンハンマーを持つ形となる。 ハンマーを叩きつけられた対象は光子のレベルまで分解、完全に破壊される。 召喚には令呪一画に相当する魔力が必要となる。 ・天と地と(ヘル・アンド・ヘヴン) 右腕に攻撃的エネルギー、左腕に防御的エネルギーを集中させ、両掌を組み合せることで爆発的な破壊力を生み出す。 ガオガイガー単体において最大最強の特殊攻撃である。 本作の凱は存命時の記憶を持つ英霊であるため、「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ」という呪文に、 「ウィータ」という単語を追加で唱え、真のヘル・アンド・ヘヴンを行使可能である。 なお、使用には令呪一画に相当する魔力が必要となる。 【weapon】 ガオーブレス 左腕に装着されているギャレオンを模したガントレット。 プロジェクションビームを放つことでギャレオンを召喚することができる。 ウィルナイフ ガオーブレスに収納されているナイフ。凱の勇気によってその硬度や切れ味が増す。 発信器にもなっていて、遠く離れていても凱はその位置を把握できる。 【人物背景】 GGG機動部隊隊長。スペースシャトルで宇宙に出た際、パスダーと邂逅、瀕死の重傷を負う。 ギャレオンに救われた後、父親の手でサイボーグとして復活。 礼儀正しい熱血漢で、自身の危険を顧みず、正義と勇気を最後まで貫く勇者と呼ぶに相応しい人物。 だが「(周囲の人間の気持ちに答えるために)弱音は吐けない。自分は勇者でなくてはならない」と吐露しており、 その性格が多少意識的なものである節が示唆されている。 尚、サイボーグとなった後、生身の身体にGストーンを宿した超進化人類エヴォリュダーに進化を果たしたが、 本作においてはサイボーグ時代における現界となっている。 【サーヴァントとしての願い】 マスターの願いを叶える。 ―――これが、勝利の鍵だ。 【基本戦術、方針、運用法】 戦闘においては、基本、凱単体のみでの戦いが主体となってくるだろう。 凱は平均並の能力を持つサーヴァントであり、牽制や瀬踏み戦においては十分他サーヴァントにも通用する。 ただし精神攻撃が主体となるであろう邪神聖杯での戦いにおいては、身体能力を上げるハイパーモードをもってしても決定打には成り得ない。 やはり、ギャレオンの召喚が肝となってくるだろう。 注意したいのは召喚した後、原作同様に勢いで「フューーージョーーーン!!」と叫ばせないようにしたい。 ガイガーになってしまうとロボットとしてパワーや頑丈さは大きく強化されはするが、 サーヴァント戦ではその巨大さは返って弱点にもなりえてしまうし、ガイガー自体も決定力不足である。 (実際ギャレオン時に使えるメルティングウェーブ(特殊震動発生機構)はサイボーグ・ガイにも影響してしまうため、合体後は使用できないのである) 彼のクラスであるライダーらしく、ギャレオンとは分離したまま騎乗して戦うことを心掛けよう。 ギャレオンは機械ではあるが神秘性は高いので、彼を現出させることで、敵マスターへの精神圧迫はそれなりに効果がある。 勇気で全て解決するイメージのある凱だが、戦ってきた敵のタイプは多種多様に渡っており、 力、精神攻撃、本部強襲などあらゆる局面において打破してきた、その比類なき戦闘経験こそが彼の強みである。 マスターである夏凜は幼少時から戦闘訓練漬けだったため、変身前でも常人の範囲内では十分実力者ではある。 また、変身することで戦闘能力も上がり多少神秘の力も手に入るが、本来の神秘力は出せない状況にあるため、サーヴァントには届き得ない。 跳躍力、敏捷性はあまり落ちていないので、変な欲は出さず対マスター戦に専念すべきだろう。 なお、ガオガイガーの出現必須条件が満開であり、散華による影響により、 実質ガオガイガーを出した後は聖杯戦争脱落もほぼ必須となる。よく考えて使おう。 如何に夏凜に勇気を出させ、魔力を充填するかが勝利の鍵だろう。 BACK NEXT Lancer04 《守護者》亜門鋼太朗&ランサー 投下順 Rider02 《オカルト》アイアンメイデン・ジャンヌ&ライダー Lancer04 《守護者》亜門鋼太朗&ランサー 時系列順 Rider02 《オカルト》アイアンメイデン・ジャンヌ&ライダー BACK 登場キャラ NEXT 三好夏凜&ライダー(獅子王凱) OP 運命の呼び声~Call of Fate~
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タタリに終わりはない。 未だアーカムを覆う噂に限りはなく、人が活動し始める午前という時間において情報は加速度的に増殖する。 情報の種類は千差万別であるが汎用性が高かったり流行の情報ほど数が多く、芸能人で言えば知名度が高い者ほど取り上げられる量が多い。 そして現代の電脳においては情報を知った者が感想を述べたり第三者へ拡散するソーシャルネットワークが構築されている。 故に生じたこの事象も至極当然であり 「傷ついた悪姫────第二形態! 魔王ブリュンヒルデ降臨!」 同時に否定できない現実であった。 「L inizio! さぁ、緞帳(マク)は上がったぞ。終末(オワリ)を謳うがいい」 アイドルという存在もまた、人々の会話に上がりやすいのだ。 スキャンダルを狙うパパラッチが、飯の種にする報道機関(マスコミ)が、あるいは彼女たちに喝采を送るファンが大勢噂する。 故に情報を絡めとり吸血鬼へと二次創作(アレンジ)するタタリにとって彼らのアイドル賛歌は絶好のカモである。 顕現したのは『本当に魔の力を得た神崎蘭子』。無論、本人は悪魔の如き角も生えていなければ、四枚の黒翼もない。 「闇に飲まれよ(カット)!」 しかし、事実としてここにタタリ『魔王ブリュンヒルデ』は顕現していた────彼女を噂したファンを殺す現象として。 * * * 【SANITY CHECK――『タタリ』の規格急上昇による再チェック】 マスター/神崎蘭子……『失敗』 タタリが自身に関する噂をベースにしたため狂気に下方修正が入ります * * * 「闇に飲まれよ(カット)!」 自分の貌をした何かが暴威を振るう。 魔法の力を使う姿。自信と威厳に溢れた姿。 それこそ、私が夢見た姿だった。だけど、それは最悪の方向性をもって蒼の世界からアーカムへと顕現した。 生じた影は先ほどの数倍の密度と規模で360度全方位よりランサーと自分を飲み込まんと迫る。 傍から見たら嵐の時の河川や雪崩を思わせるだろう影の奔流が迫るのに対し、蘭子が感じたのは不安でも恐怖でもなく、ショックだった。 カルナの言う事が事実であったのならば、大多数の人間が『神崎蘭子が白髪の食屍鬼に違いない』と願っているのだ。これがショックでなくて何だといおう。 あまりのショックに力が抜けて膝をつく。 「ショックかね、我が原典(はは)よ!」 影の奔流が怒涛の勢いで迫る中、なぜかもう一人の自分の声がゆっくりと耳に届いた。 高みから見下ろすその姿は天上の存在そのもので、しかし黒く染まった翼は堕天使のソレである。 蒼界幻想ではなく人々の想念から顕れた魔王ブリュンヒルデ。その口が産声の代わりに絶望を親元へと囁く。 「何も不思議なことではない。 覚醒(メザメ)を願ったのだろう。魔王(ワレ)を願ったのだろう。 汝が描き、振舞った願望が子羊たちによって顕現したに他ならん。 尤も、之より先は汝が忌む血の惨劇だがな。 約束の刻は来た。この運命(サダメ)を謳うがいい」 お前が魅せてきた姿だ。お前の望んだ結末だ。 故にこれからの殺戮を受け入れろ。それが運命である。 下される言葉と共に影が迫るのを虚ろな目で蘭子は見ていた。 「ほう、これがマスターの積み重ねた結果だと?」 カルナが紅炎を全方位へ放ち、二人の間を割るように蘭子の前に踊り出た。 * * * 影の大侵攻に対抗してカルナの炎もまた勢いを増しているが、ジリジリと押されていく。 押されるのならば出力を上げればよい、という風にはいかない。場所が悪すぎる。 カルナの炎はスキル「魔力放出」によって外側へ放つ力である。 この影の威力を超える力を一気に出すことは可能だが、勢いが過ぎれば周りに被害が出るだろう。 ここはスタジオビルの裏側であるし、表は商業区域であり人が大勢いる。 (宝具の使用は控えるべきか……) 迫る影が五感全てにプレッシャーを与える状況の中、カルナは微細な火力調整で徐々に拮抗状態に持ち込むしかない。 弱卒であれば既に恐慌しているだろう。修羅場を経験した強者でも肝を冷やしているだろう。 しかし、カルナは大英雄だった。冷静であり、そして清廉な戦士だった。 命が惜しくて周りを吹き飛ばすような思考回路をカルナは持っていないし、一片たりとも考えていない。 反面、怪物の方は犠牲者が多い越したことがなく、『神崎蘭子』という殻に固執がないため、自壊をも厭わぬ規模と威力を引き出す。 「…………」 加減と限界突破。出力差は明らかで炎が押されても無理はない……だけでは今の状況に説明がつかない点が一つある。 それはカルナの太陽という属性とタタリの吸血鬼という属性だろう。吸血鬼にとって太陽の光も炎も鬼門である。 そもそも最初の少女のタタリは泥を炎に一方的に喰われ、眼光で吹き飛ぶような強度しかなかったのにここに来てこの状況。 カルナが極限まで抑えているとはいえ、サーヴァント級の力を発揮できて、しかもコレ自体はサーヴァントではないのだ。不自然極まる。 その異常性に気付いたカルナは僅かに怪訝な表情を浮かべ、その表情を愉快そうに眺めながら魔王が口を開く。 「汝の貌は疑問を持っているという貌だな。察するに我が何故、サーヴァントと同等の力を解放できるかといったところか」 「そうだ吸血鬼。貴様らは太陽の光の前には疾く塵になるのが道理だろう。サーヴァントでもない、使い魔に何故これほどの力がある」 期待していない問いだった。戦闘中に己の力の秘密を語る者などおるまい。 だが意外にも怪異はその問いに応じた。 「キ─────キキキキキ。至極当然の理であるぞ槍兵よ。生前の我、否、"私"ならば煩わしい太陽の前に疾く塵になったであろうが、忘れてはおらんか? 今の"私"はサーヴァントよ。英霊よ。当然、この『固有結界"タタリ"』もまた異なる魂の解放を遂げておる」 ランサーの目が微かに見開く。固有結界タタリ────己が宝具の名を自ら口にしたのだから当然と言えるだろう。 聖杯戦争においてサーヴァントの真名と宝具を隠蔽するのが定石である。正体が知られれば弱点が知れ渡るし、対策を取られることが明らかだ。 しかし、目の前の存在は違う。一切合切、聖杯戦争の定石を無視している。 かといって正々堂々を望む存在かと言えばそれも違う。そも、そんな高潔な人格ならば民草を殺戮しようなどという気など起こすはずもない。 故にコレは異端、異形、異常だ。 これは聖杯戦争に参加しながら聖杯戦争などどうでもよいと考える殺戮者。その口が饒舌的に己の宝具を説明する。 「"闇の眷属(タタリ)"の生成方式は汝の睨んだ通り噂や妄想が『実際に起きてもおかしくない』と思われることにある。 共鳴できるか? 英霊への昇華と同じよ。噂(ものがたり)が信憑(しんこう)されて昇華するのだ。 つまり"私"の保有する固有結界"タタリ"はな。一時的な噂の英霊化なのだよ。 サーヴァントと違うのは親和性と知名度の補正が上限(カンスト)に至っていることだな」 さらにと魔王は付けたし──── 「この地は太古より邪神や怪物の伝承に事欠かぬ。 化け物と聞けば途方もない上位者の存在を思い浮かべ、その祝福を受け闇の眷属達はより禍々しく逞しき力が満ちる! 故に我が漆黒の闇は汝を飲み込むに足る顎(アギト)を宿している。 如何な業火を纏おうとも魂の解放をしておらぬ汝ではこの魔王ブリュンヒルデに仇名すことなど不可能よ! ナーハッハッハッハッハ!」 話題沸騰中のアイドルと巷で噂の殺人鬼から生まれたタタリ。 光が強いほど闇が強くなるように、神崎蘭子というフィルターを通して神話めいた力を発揮できる本物の魔王だ。 そして忘れてはならない。これはワラキアの夜でもあるのだ。 「黒き翼に舞え(ブレイク)!」 鎧の"内側"、皮膚と鎧の間に斬撃が満遍なく発生してカルナの肉体を切り刻む。 内側からの攻撃で黄金の鎧が剥がれる。 「……!」 決して軽くない傷を受けて、刹那ほど意識に間隙ができた。炎の純度に淀みができた。 当然、刹那でも勢いが弱まれば天秤が一気に傾くのが自明の理であり──── 「ナーハッハッハッハ────では、ここで死ね」 影の濁流がミキサーの如くコンクリートも炎も切り刻みながらカルナ達を飲み込んだ。 * * * 「どうして」 無明と無音の闇の中、蘭子は呟いた。 オカルティックな言動と周りの理解がかけ離れているというのは知っていた。 それが原因で人との意思疎通が困難になったり、時には前に歩み出せない障壁にもなった。 そして、私が夢見た存在が今、私たちを殺そうとしている。 「一体、私は……どこで……間違えたの……」 「違うな。どこも間違えてなどいない」 闇の中でほんのわずかに炎が灯った。 「確かに、アレは、マスターの知名度から力を得ているのだろう。 アレは強い。並の戦士(クシャトリヤ)では束になっても敵うまい。故に鎧を剥がされた俺がこうなるのは道理か」 炎はカルナだった。彼は身を挺して蘭子を守っていたのだろう。 いや、今も守っているのだ。徐々に増えていく彼の切り傷、擦り傷がそれを証明している。 彼と一体であったはずの黄金の鎧は彼を守らず、逆にサイズの合わない服のように不格好な印象をカルナに与えている。 彼をここまで苦しめているのは自分の夢だ。 きっと、怒っているだろう。 たぶん、恨んでいるだろう。 「だから誇るがいい。我がマスター、神崎蘭子。 光が強いほど闇が濃くなるというのならば、あれの強さこそ真にお前が他者に魅せた輝きの強さに他ならない」 だが、ここで、こんな状況で。 彼から出た言葉は糾弾ではなく賞賛だった。 「お前が人々を魅せる輝きも、積み重ねてきた熱量も、この太陽(オレ)に確かに匹敵するものだ。 仮令この先どうなろうとも、その輝きは太陽神スーリヤの子である俺が保証する」 その口調に憐憫や皮肉は一切感じられない。掛け値なしの賛辞が太陽の子から人界の娘に送られる。 「そしてそんなお前のサーヴァントだからこそ、俺もそれに相応しい役割を演じてみせよう。 そも、このまま太陽(ちち)の威光が影ごときに負けるなど俺が許せん」 気炎を噴き上げるカルナ。 その身に纏った炎が主に応じて勢いを増す。 「キレイ……」 ──なんて、美しい。 ──なんて、逞しい。 太陽の子に相応しくあろうとする彼、それに応じる炎。 互いが互いを鼓舞し奮わせるその相互関係はアイドルとファン、またはプロデューサーと自分に似ていて──── 「わが主。神崎蘭子よ。まだ諦めていないというのなら────どうか俺に力を貸してくれないだろうか?」 そしてそんな彼のマスターだからこそ、それに相応しい役割を演じたい! そう想う心に嘘はなく────ククク、魂が猛るわと笑いながら震える足で立ち上がって喝破する。 「よかろう。ならば行こうぞ我が友よ! 既に魔力は満ち、今こそ魂を共鳴させるとき!」 熱を上げる魔力回路。 カルナへ齎される魔力。 呼応して噴き上げる焔。 次第に光が闇を喰らい、熱が死を焼却し、臨界を超えて世界を切り裂いた。 * * * 圧縮して暗黒とも呼べるほどに高密度になった影が光に裂かれるのをタタリ『魔王ブリュンヒルデ』は見た。 そして同時に槍の英霊がこちらに向かって飛び出す。その足は大地よりも少し高い位置で滞空……いや、徐々に上昇している。 炎を背から噴き上げジェット噴射するように気流を操っているのだろう。浮いて地面との接触が無い分、ただ地を蹴るよりも何倍も速かった。 距離が近づくにつれて急上昇し、己ヘ接近する腹積もりだろう。 「愚かな」 だがその選択はどう考えても誤りだろう。なぜならマスターの守護ががら空きである。 そもそもブリュンヒルデで全方位で攻撃していたのはランサーをマスターから離さないためにある。 散々己の強さを自慢しておいてなんだが、実のところランサーの眼力で吹き飛ばされて実力差は理解しているのだ。 あの眼力でさえブリュンヒルデに重傷を負わせるだろう。ならば本業の槍を使われれば、いや炎を纏ってさえいれば肉弾でもブリュンヒルデを殺し得るはずだ。 故に常に距離を取ってマスターを巻き込む形で攻撃し、溜めの時間も攻撃に移る時間も与えないようにしていた。 非力な少女を狙うこの戦術を卑怯と断ずる者などおるまい。 元よりタタリにとってこの状況は御前試合でなく殺戮の一つにすぎない。 ルールだの正々堂々だのそんな騎士道精神は持ち合わせていないし、鉄火場でそれを訴えるのは底なしの間抜けだろう。 そして正道を弁えない戦術だからこそ有効である。 相手は常にマスターを守らなければマスターが死ぬ。こちらは防戦一方のランサーを嬲り殺せばよいだけだ。 しかし今、相手はマスターの守護を放棄した。 もしかすると先にタタリを討つ自信があったのかもしれないが、ランサーが詰める前にマスターを肉片に変える方が圧倒的に早い。 「闇に飲ま(カッ)……」 ツマラナイ。そう思いながら幕引きの一撃を放つ寸前、タタリは異変に気付いた。そう、無いのだ。ランサーの黄金の鎧が。 鎧はどこに行ったのか、明晰な頭脳はその答えに一瞬で辿り着き、その様子を見たランサーが口を開く。 「お前は初めからマスターを巻き込む形で攻撃していたな。 それは俺とマスターを離さないため、そして距離を取るためだろう」 ────淡々と話すものだ。 台詞を棒読みで話す新米の役者か、あるいは達観した識者が語るようではないか。 「その戦法が別に卑怯だとは思わない。そも、その場合はマスターを守れない俺に非がある。 故に反省した。どうやら俺はある一点において慢心していたようだ」 ────およそ慢心とは程遠い役者に見えたが。 「俺の父の鎧は無敵だとそう信じ切っていた。しかし、お前に無効化されてようやく気付いた。 鎧は確かに何物をも弾く無敵の鎧だが、俺は無敵ではない。 つまりお前は"鎧を切り剥がしたという俺の伝承を再現した"のだな?」 カルナは思い出す。 鎧の内側を切り刻まれた時、カルナが感じたのは苦痛よりも違和感だった。 身を刻むその痛みになぜか懐かしさを感じたのだ。そして同時に機能不全に陥る黄金の鎧。 いや、黄金の鎧自体は全く何も変わっていなかった。変わったのはカルナの方だ。 「魂とは高密度の魔力の塊であり、同時に霊子という情報媒体でできているらしい。 固有結界"タタリ"を使う者は3名。うち2名は第五架空要素(エーテル)を使って、魂への強制介入(ハッキング)を行うのは2名だ。 お前はそのどちらかなのだろう。英霊の魂を解析し、そこから情報を分析して再演したといったところか」 霊子ハッキング。または魔術理論・擬似霊子(ムーンセル)とも呼ばれる魂への強制介入。 エジプトのアトラス院にてとある魔術の家系が使う他者の魂から情報を複製する魔術。 タタリの初代と三代目はその家系より生まれており、故に使えてもおかしくはないとランサーは判断したのだろう。 そしてそれは間違いではない。この技術こそ"私"がアトラス最高の錬金術師であった証明である。 さすがに英霊に擬似神経を仕込むことは───特にランサーの場合はあの黄金の鎧が邪魔なため───不可能である。 しかし、現界したサーヴァントの血肉もまた、ハッキングに利用するエーテライトと同じ材質、すなわち第五架空要素で構築されているのだ。 エーテライトから情報を読み取る要領である程度は解析できる。 「鎧は使えず、力は放てず、体は動けず。ああ、見事に嵌るところだった。だが────」 ついにランサー槍が現界する。 魔王ブリュンヒルデは一目で理解した。 アレは掠るだけで己を滅するに足る。 「鎧の力は失われていない。マスターに渡せば何物をも弾く太陽の力を発揮する」 故に鎧をマスターに渡し、ランサーは前に出たのだろう。 相手マスターの様子を見る余裕は魔王ブリュンヒルデに無い。 ランサーは加速し、突貫の勢いはそのまま、槍を突き出す。 だが、まだだ。魔王ブリュンヒルデが素早く状況を理解したため先手を撃てる距離がある。 「魔王を讃えし漆黒のヴェール(ループ)!」 漆黒の翼から羽根が次々と舞う。 羽根の一枚一枚が鴉に。 鴉が黒槍に。 黒槍が槍衾に。 ランサーの勢いはもはや止まれまい。故に串刺しになるのは確定事項であるとそう考えたところで。 「“梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)”」 英雄は確定事項を書き換える────! あらかじめ力を溜めておいたランサーの眼力によって影の槍衾は粉々に破壊される。 その様は叩きつけられた陶器か、破城槌に砕かれる城壁の如く無残かつ無慈悲であった。 そしてランサーは止まらない。止められない。だからこその強者(つわもの)である。 あわよくばランサーを滅ぼすという思い上がりはこの瞬間に消え失せた。 「─────キ」 「……」 ブリュンヒルデは大鎌を振る。 ランサーはより前へと槍を突き出す。 おそらくランサーがブリュンヒルデを仕留めるだろう。 しかし、鎧無き今。鎌によって重傷を受けることは必然である。というよりそれ以外の選択肢はランサーに無い。 これで、しばらくは戦線復帰もままなるまい。 * * * 205.名無しさんはアーカム市民 おいおい、特定人物を殺人鬼扱いとは正気の沙汰じゃねぇな 206.名無しさんはアーカム市民 そういえばHasttur(ハスッター)の呟きにノースサイド線の駅で神崎蘭子見かけたって つソース [URL] ─────とある電子掲示板より * * * 「 キ キ キ キキ キ キ キ キ キキ キ キ キ キ キ キ 」 鎌を振るう腕から頭頂に至るまで大きく罅が入り────像がぼやける。 それはタタリにとって決定的なダメージが入ったことを意味してる。 "サーヴァントと違うのは土地の親和性と知名度の高さが上限(カンスト)に至っていることだな" 絶大な信憑性を拠り所に暴と虐を行う吸血鬼タタリ。裏を返せば少しでも信憑性が疑われた瞬間に、タタリという存在は意義を無くす。 それが数人程度であれば大した問題ではないが、数百人規模で信じられなくなれば話は別だ。語源となった祟りとは少なければ百人に満たない村落程度で起きる呪術なのだから崩壊の度合いは絶大だろう。 「 キ キ 」 ましてや今回の聖杯戦争において、固有結界タタリと死徒ズェピア・エルトナム・オベローンは剥離している。 故に「魔王ブリュンヒルデ」という固有結界が与えられた心象風景(かたち)は外部の影響に強く揺さぶられてしまう。 「キ キキ 」 電子掲示板の一言。たった数byteのそれでタタリが崩れた。 もしも時代が古代であれば問題なかっただろう。迷信というものは根付くから迷信である。中世でも同じだ。近代であってもここまでの崩壊は起きまい。 しかし現代、情報社会においてはそうもいかない。真偽定かならぬ情報が渦巻く坩堝の中で確定情報こそが最大の信用を得る。たとえ数多の伝聞と冒涜的な信仰渦巻くこのアーカムであってもだ。 故にタタリの存在強度に罅が入った。崩壊はそれだけに留まらない。 所詮、噂は噂。砂上の楼閣だと思い知らせるように、腐乱した死体が如く肉体が崩れだした。 膂力は衰え、身体は硝子よりも脆くなる。 「ギ────!」 そして遂にランサーの槍とタタリの鎌が交差する。 槍は一撃で胴体を吹き飛ばす。 鎌はランサーの脇下に触れた瞬間に砕け散る。 無論、ランサーは傷一つ負わない。 これにて決着。上半身だけなったタタリの首をすかさずランサーが掴んだ。 「キ。キキ。汝の勝利だ。我が祝福を受けるがいい」 「いいや、この勝利は我がマスターに捧げられるものだ。 彼女の求心力(ひかり)がお前の虚飾(カゲ)を払った。俺はそこに槍を刺しただけにすぎん」 首を掴むランサーの手元から炎が噴き出る。 キキキと薄気味の悪い声は消えない。 魔王ブリュンヒルデという殻は既に崩れ去っており雑音(なかみ)が回光反照の如くまだ囀る。 「最後に朗報だ『施しの英雄』。コレは私であって本体(ワタシ)ではない。 君達の情報を知っているのはこの一幕(わたし)のみだ。 本来、噂とは一人歩きするものだからね。キ、キキキ、キキキキキ────!」 完全に灰と化し消失する。残ったのは2名と破壊の跡が残るコートのみ。 三度の攻防、二分足らずの戦いであったが、蘭子達にとって初勝利であることに変わりはない。 くるりとカルナは振り返り、汗だくの蘭子を見た。瞳を潤ませ、足は震えている。 「マスター、大丈夫か」 「だ、だ、大丈夫……です。だけど、少し……休ませて下さい」 零れ出す涙は安堵のものか、それとも恐怖の名残か。 震える足は友への見栄か、あるいは緊張の名残か。 いずれにせよ、彼女は生き残り、理解した────これが聖杯戦争(ころしあい)だと。 太陽は沈まず南中へと昇る。明けない夜は無く、東から西へ移るは天の道理である。 しかし天界と人界とは未だ、鉛色の帳を隔てている。 【商業区域・スタジオビル裏/一日目 午前】 【神崎蘭子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]魔力の消費による疲労、ストレスにより若干体調が優れない [精神]大きなストレス(聖杯ルール、恐怖、流血目視、魔王ブリュンヒルでの登場によるショック) [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]なし [所持金]中学生としては多め [思考・状況] 基本行動方針:友に恥じぬ、自分でありたい 1.我と共に歩める「瞳」の持ち主との邂逅を望む。 2.我が友と魂の同調を高めん! 3.聖杯戦争は怖いです。 [備考] タタリを脅威として認識しました。 「日輪よ、具足となれ」はこの後に返還しました。 【ランサー(カルナ)@Fate/Apocrypha+Fate/EXTRACCC】 [状態]切り傷、擦り傷多数あり(次回には再生できている程度) [精神]正常 [装備]「日輪よ、死に随え」「日輪よ、具足となれ」 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターに従い、その命を庇護する。 1.蘭子の選択に是非はない。命令とあらば従うのみ。 2.今後の安全を鑑みれば、あの怪異を生むサーヴァントとマスターは放置できまい。 3.だが、どこにでも現れるのであれば尚更マスターより離れるわけにはいかない [備考] タタリを脅威として認識しました。 タタリの本体が三代目か初代のどちらかだと思っています。 BACK NEXT 013 The Keeper of Arcane Lore 投下順 015 UNDERGROUND SEARCHLIE 013 The Keeper of Arcane Lore 時系列順 015 UNDERGROUND SEARCHLIE BACK 登場キャラ NEXT 003 選択 神崎蘭子&ランサー(カルナ)