約 18,840 件
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/258.html
アルバートオデッセイ2 邪神の胎動 part59-134,136,138~141,143,144,146,148~150 134 :アルバートオデッセイ2 1/12:2011/11/05(土) 13 02 17.73 ID hBOqMipv0 今度はアルバートオデッセイ2いきます 長いんで支援お願いします まずは軽い人物紹介から。前作から登場の人物は前作のまとめを参照のこと。 【ディーン】あまり大した特技を持たず、アルバートが入るとさらに影が薄くなる主人公。前作に登場したライアモ スの遺児。10年前にスレイに引き取られ、今はゴートの見習い騎士。 【モールス】10年前に母とともに港町マウリナに流れてきた。今はチベリスの大聖堂に仕えている。 【ダッシュ】義賊。もう36歳のくせに言動が一番子供っぽい。前作では本筋に一切関わってこなかったが、本作で は10年前の英雄の一人とされている。 【レディシュ】埴輪みたいな仮面を被っているルクレナン王国の枢機卿。摂政を兼ねて王国の実権を握っており、砂 漠と荒地だらけのルクレナンにかつての繁栄を齎そうとしている。 【ペイル】神獣の力を使う青髪の勇者。アルバートと同じく、レアンディールに発する『神獣の一族』の末裔。若い 女性に大人気で、敵国レアンディールの女性ですら彼に夢中。 【精霊四姉妹】魔神を封印する『秘宝』を守る四人の精霊姉妹。火の精霊ナックは穏やかで、風の精霊ノアは頑固。 136 :アルバートオデッセイ2 2/12:2011/11/05(土) 13 04 07.70 ID hBOqMipv0 ~首都ゴートの王宮にて~ 「……よくやった、勇者アルバートよ!!あのグローバスを打ち倒すとは……これで、ゴート王国に平和が戻るであろう。どうじゃ……このまま留まり、余の助けになってはくれぬか?」 「……いえ、母に私の無事を知らせてから、世界を巡る旅に出たいと思います」 「アルバート、オレもチベリスまで付き合うぜ!」 アルバートとノイマンは退出。代わるようにソフィアが前に出てくる。 「国王陛下……」 「うむ……そなたの心中は察しておる、行ってやるがよい!!」 「達者でな……」 「陛下!!スレイお父様……今まで……ありがとうございました」 ソフィアも退出し、アルバート達を追いかける。 「待って……待って!アルバート!!私も……一緒に、連れて行ってください!」 「ソフィア……」 「あっ!!あぶない!!アルバート……」 突如飛び出したノイマンが、何者かの攻撃を受け殺されてしまった。 「ノ……ノイマーーーンッッ!!」 「一体……何が起こったんだ?!」 アルバートが町の外に飛び出すと、そこにいたのは倒したはずのグローバス王だった。 「我は、不死なり……」 アルバートは斬り掛かるが全く効かず、逆に攻撃を受けてしまう。 「バッ……バカなっっ!!」 「小僧、死ぬがよい……」 「イャアァーーーッ!!」 今にも止めを刺されんとしたときソフィアが叫んでその体が光に包まれ、グローバス王は消滅したが……。 「ソフィア?!ソフィアァーーーッ!!」 ソフィアは引き換えに、覚めることなき眠りについてしまった。 ~場面が変わって、10年後の王宮~ 「……あまねく魂、永遠に語られ給う……これ、新しき英雄の頌歌なり!!」 (以上がOPですが、前作のEDとはなぜか大幅に違っています。スレイがアルバート達を迎える側だったり。) 138 :アルバートオデッセイ2 3/12:2011/11/05(土) 13 23 11.77 ID hBOqMipv0 ゴート王国の上空を人を乗せた青い飛竜が飛んでおり、それを三頭の赤い飛竜に乗った兵士(ドラグーン)たちが追 っている。 「王女は生かして連れ帰る命令だ!……飛竜を狙え!!」 やがて追い付いた赤い飛竜のドラグーンの攻撃により、青い飛竜は墜落してしまう。 飛竜は首都ゴートの城壁で鍛練に励んでいたライアモスの遺児ディーンと騎士長ワイズマンすぐ傍を飛び、やがて近 郊の草地に墜落。二人は墜落地点へ駆け付けたが、そこには既に後を追ってきた赤いドラグーンが集まっていた。 「ちっ……見られたか、殺せ!!」 二人は襲ってきた兵士たちを倒し、墜落した竜に乗っていた二人を城に運び込んだ。 「ふむ……大海を遥かに越えた東の国ルクレナンには、飛竜を召喚する法があるとか……」 「私は、太陽王国ルクレナンの王妃……レナ・ブリエ・ルクレナンです。娘を!!娘のユナを守ってください……ど うか……レディシュ枢機卿の魔手から……」 ドラグーンはルクレナンの兵士達であり、救出した二人はルクレナンの王妃と王女と判明。しかし王妃は王女のユナ を託し、そのまま息絶えてしまった。 翌日。 宿にいたディーンは、ワイズマンから急報を聞き城に駆け付けた。 「昨夜、港町マウリナがルクレナン軍に制圧された」 だが騎士団の招集も終わらぬままに、ルクレナン軍の一部が空から首都ゴートへとやってくる。 「我こそ!太陽王国ルクレナン、レディシュ枢機卿が配下、赤腕将軍のロウズ・ルフトであーーーるっ!!ゴートⅨ 世王にお会いしたいっ!!」 将軍の無礼な態度にあわや戦闘となるところであったが、すんでのところで国王謁見の許可は降りた。 「レナ王妃ならびにユナ王女の引き渡しを、レディシュ枢機卿の名におきゴート王に要求する!!」 「できぬ相談だ……レナ王妃の遺言により、ユナ王女は我がゴート王国で保護することとあいなった!!」 ひとまずルフト将軍は帰ったが、マウリナは依然ルクレナン軍の手に落ちたまま。国王はスレイ将軍と騎士団にマウ リナの奪回を命じる一方、ワイズマンに対しチベリスの勇者アルバートに協力を求めるよう命令する。 かくしてワイズマンとディーンは、一路チベリスに向かうこととなった。 チベリスに着いた二人は早速アルバートの旧家に向かうが、そこにアルバートはいなかった。そこで二人は大聖堂に 行きソフィアの看護をしているモールスに会うが、やはりそこにもアルバートはいなかった。 「アルバート様は、ソフィア様の深き眠りを覚ますために旅立たれたのです」 「なんてこった!いつルクレナン軍がゴートに攻めてくるかわからないってのに!」 「ル……ルクレナンですって!」 ルクレナンという言葉に過敏な反応を示すモールス。二人が不審がっていると、そこに司祭がやってきた。 「このモールス、ルクレナンに深き因縁があるのです。これも神のお導き、どうか供に加えてやってくだされ」 諾した二人はモールスを供に加え、一旦このことを報告するためゴートへと帰還した。 139 :アルバートオデッセイ2 4/12:2011/11/05(土) 13 27 05.42 ID hBOqMipv0 ゴートへと帰還した三人が報告のため謁見の間に入ると、そこでは起き上がったユナ王女が国王と話していた。 「父が三ヶ月程前に亡くなってから、国内の様子がおかしくなりました……母は父の死について調べていたようです が、ある日突然『これから……とても恐ろしいことが起きようとしているのです』と言って……」 王妃はユナ王女を連れてすぐに国を離れたが、ゴート上空で捕捉され今に至るという。 ともあれ三人がアルバート不在の報告を済ませると、ユナ王女が突如外に向かって駆け出した。 「私さえ来なければ……ゴート王国の人々に迷惑をかけずにすんだはずです……私は、ルクレナン王国に戻ります!」 「待ってください、王女!貴女の母上は最期まで、貴女をルクレナンの追っ手から守ってほしいと望んでいました。ここを通すわけにはいきません!」 ひとまずユナ王女は留まったが、そこに一人の傷だらけの兵士がやってきた。 「こ……国王陛下!!コ……コートロードが、おちました。スレイ将軍をはじめ、大半の兵士が敗走中!!」 「うむ……ワイズマン!ただちに増援軍として、コートロードに急いでくれ!!」 命を受けたワイズマンは、ディーンとモールスを連れコートロードへと向かう。しかし謁見の間を離れた途端、中か ら悲鳴が響いた。 慌てて戻った三人が見たのは、ユナ王女を人質に取る先ほどの負傷兵。それが仮の姿であると見抜いた魔術師長が看 破の魔法をかけると、負傷兵は醜い魔女の正体を顕わした。 「あたしゃ、ルクレナンの魔女ビビトさね!ユナ王女は、いただいて行くだわさっ!!」 「ルクレナンの魔女?!それでは、スレイ将軍の話は……」 「うそっぱちさね!……もっとも、本当にそうなるのも、時間の問題だわさっ!!……ルフト!」 突如上空から轟音が響き、ルフト将軍の乗った飛竜がビビトとユナ王女を攫っていってしまった。場の一同は呆然と するが、やがてディーンは前に進み出る。 「ディーン、行くのか?ルクレナンに!?一人では、死に行くようなものだぞ!!」 その言葉を受け、モールスも進み出た。 「恐れながら陛下……一人では、ありません!……私は幼いころルクレナンに住んでおりました。きっとディーンの 力になれるでしょう」 「……国王として、たった二人が危険な敵国に乗り込むのを許すわけにはいかぬ……ワイズマン!!ディーンについ ていってやるのだ!!」 了承したワイズマンも連れ、ディーンのユナ王女救出の旅は始まった。 まず中継地点であるコートロードに着いたディーン達の前に、見知らぬ少女が現れた。 「まっていたわ!あなたがディーンね……冷凍弾っっ!!」 いきなり魔法で攻撃してくる少女。ディーンは間一髪でそれをかわす。 「なかなかやるわね……悪かったわ、少し腕試しをさせてもらったの!あたしの名はクレシャ!ゴート王国宮廷魔術 師よ!あたしはスレイ将軍のもとでマウリナ奪回作戦に参加してたの。スレイ将軍は快進撃を続けているわ。で、あ たしは宮廷魔術師長の命令でここで待ってたわけ!貴方達に協力するためにねっ!!」 宮廷魔術師クレシャを一行に加え、四人は港町マウリナへと向かった。 ルクレナン軍の残党を蹴散らしつつ奪還されたマウリナに入った一行は、まずスレイ将軍に会って話を聞く。 「ルクレナンへ行くなら、暁のクジラ団のパブロフに頼んでみるとよい」 一行は助言どおりに夜の酒場にいたパブロフに航行を頼み、北ルクレナン地方の漁村ベクトーラからまずは炭鉱の町 アコスへと向かった。 140 :アルバートオデッセイ2 5/12:2011/11/05(土) 13 31 58.14 ID hBOqMipv0 ディーン達は王都までの中継点であるアコスに着いた。 だが王都ルクスランジュに行くために通らなければならない地下道『リンのほこら』が、なぜか今はリンが不在のた めに魔物が蔓延る危険な場所となっているという。 それでも魔物を蹴散らしつつ地下道を通って王都に行く一行は、問題の精霊リンのほこらに着いた。すると……。 「変ね!?まったく霊気を感じないわ……」 「?!何かいるぞっ!!そこかっ!!キエーーーーーッ!!」 「オイオイ!!アブねえなあ……いつからゴートの騎士は、いきなり人に斬りかかるようになっちまったんだ?!」 謎の男の正体は盗賊ダッシュであった。リンのほこらにあるという秘宝を狙ってほこらに来たが、すでに秘宝はここ に無かったという。 長居は無用と足早に去ったダッシュは放っておき、一行は引き続き地下道を通りルクスランジュへと向かった。 地下道を抜け守りを突破しルクスランジュへと着いた一行だったが、城は警戒が厳しくあっという間に見つかって追 われる身となる。 「みなさん!!こっちです!!」 モールスはなぜか皆を聖堂に案内し、そこにいた司教に詰め寄る。 「ライラック司教ですね?!10年ぶりになります……モールスです。この聖堂には王城につながる抜け道があると 聞いています……案内してもらいましょう」 ライラックは最初シラを切っていたが、モールスに恫喝され抜け道を案内する。 ディーン達はモールスの正体を訝しむが、ともあれ一気に玉座の間へと潜入することに成功。しかしそこにユナ王女 は居らず、いたのは見知らぬ仮面の男であった。 「……おまえは?!」 「我が輩こそが、この太陽王国ルクレナンの枢機卿レディシュ・キンブリーである!!」 「レディシュ!!ルフト将軍の異国への遠征にかまけ、警備をないがしろにした結果がこれですか?!」 二人に割って入るように現れたのはユナ王女であった。だが、王女は再会もそこそこにレディシュを問い質す。 「……レディシュ!!ルフト将軍らの遠征目的、古代ルクレナンの秘宝探しのためだそうですね!!」 「ひっひっ秘宝ですと!?……4つなる秘宝集いし時……その大いなる力にて、地獄より来たれり……裏切りと暴力 の支配者・鮮血の王子・地獄の……」 「そうです……ルクレナン王家最も呪われた歴史、創魔の秘術!!」 ライラックがそれに反応し口伝を口にすると、ユナも秘術のことを話し始めた。 「300年前……このルクレナン王国は豊かな大地と強大な魔法文化の絶頂期にありました……が、さらなる富を求め た先人達は神により封じられた強大な魔神を呼び出し支配下におこうとしました。しかし、呼び出された魔神の力は とても人の手に負えるものではありませんでした……魔神は、次々に豊かな大地や多くの町々を砂漠に沈め、毎日た くさんの人々から生を奪っていきました……」 そこまで話したユナはレディシュに撤兵を命じるが、突如入ってきた青年がそれに異議を唱えた。 「いいえ!!世界に散った、魔神が封じられし4つの秘宝……全てがそろう時……その時こそ!レディシュ卿の御力 によって魔神を支配し、世界を真の平和に導くのです!」 青年はルクレナンの騎士長ペイルであった。レディシュはディーンらを追い払うよう、ペイルに命じる。 「こ……これはっ?!うわあぁぁぁぁ!!」 ペイルは王女に睨まれ躊躇ったものの、結局は不思議な変身能力を発動させてディーンらを一撃で倒してしまった。 「ユナ王女……国王亡き今、摂政たる我輩こそが、この国の最高責任者なのです!!……以後、勝手はなされぬよう」 141 :アルバートオデッセイ2 6/12:2011/11/05(土) 13 33 38.01 ID hBOqMipv0 意識を取り戻したディーンは、とある神殿跡の作業場にいた。仲間たちとも離ればなれであったが、そこに見たこと のある人物の姿を認める。 「よう!!ひさしぶりだな、ボーズ!!オレさまだ……盗賊のダッシュだっ!!ここから助けてやる……」 ダッシュが騒ぎを起こしているうちに、隙を突いてワイズマンとモールスが突入。そこにクレシャもやってきて、デ ィーンと奴隷囚人達は無事脱走に成功した。 「一刻も早くルクスランジュに戻って、ユナ王女を助けなくては!」 「まぁまぁディーン、そうあわてなさんな!そのユナ王女から、伝言があるんだからよっ!!」 ダッシュは一行が突入したとき城に侵入していて一部始終を見ており、ディーンが倒された直後ユナに接触していた。 「『レディシュ卿の企てにより、ルクレナンに……いえ、世界に大きな災厄が訪れようとしています。精霊リンの秘 宝はレディシュ卿の手にありますが、魔神の封印を解くには他に3つの秘宝が必要です。全ての秘宝がレディシュ卿 のものになる前に……あなた方の手で、秘宝を探し出してください!!』……以上だ。とりあえず南端にあるナック の塔へ行って、まずは『招霊の輪』を手にいれるんだっ!!オレもつきあうぜ!」 盗賊ダッシュを仲間に加え、ディーン達は砂漠の南にあるナックの塔へと向かった。 一行は港町バレンテージを経由してナックの塔に着いたが、中にはすでにルクレナン軍が先回りしていた。それを倒 して三階に上がると、そこにはあの魔女ビビトの姿があった。 「……おまえは、ゴート王国にいた小僧だね!!どうして、ここに……まあ、いいだわさ。オマエたちの首も秘宝と 一緒にレディシュ様に献上するだわさ!!」 激戦の末ビビトを倒すと、ビビトの姿は断末魔の呻きを残して消えてしまう。すると入れ替わるように、どこかから 謎の声が響いてきた。 「貴方達を、この塔の最上階に招きます」 次の瞬間、一行は塔の中の見知らぬ部屋にいた。そこにいたのは、一人の女性と倒れて動かぬビビトの姿。 「私がこの塔の守護者、精霊ナックです。妹を、レディシュ卿の呪縛より解き放ちいただきありがとうございました」 「妹?!」 「そう、ルクレナンの魔女ビビトの正体は私たちの末の妹……精霊リンなのです……戦士たちよ、あなた方に『招霊 の輪』をたくします」 「で……でも、精霊リンは?!」 「大丈夫、私たち精霊は簡単に死んだりしません。この秘宝で、レディシュ卿の野望を阻止してください。そのとき こそ呪いは解け……精霊リンが蘇るでしょう。たのみましたよ……」 『招霊の輪』を受け取ったディーン達はひとまず港町バレンテージに戻った。するとそこにはパブロフがおり、ディ ーン達にスレイ将軍の伝言を伝えてきた。 「『ゴート王国内で事件が起こった!!マウリナまで戻ってくれっ!!』……だとよっ!!」 一行はスレイ将軍の要請に従い、パブロフの船に乗って港町マウリナへと向かった。 143 :アルバートオデッセイ2 7/12:2011/11/05(土) 13 43 36.86 ID hBOqMipv0 一行はマウリナの港に着き、スレイ将軍の出迎えを受けた。 「……実は、チベリス寺院にいるはずのソフィアがいなくなってしまったんじゃあぁ!!」 「クソッ!!間に合わなかったのか?!」 「お主は、ダッシュ?!……どうしてディーン達と一緒におるんじゃ?」 「オレさまはアルバートに頼まれてソフィアを目覚めさせる方法がないか、さがしていたんだが……」 「ワシとこのダッシュとはな……10年前の魔導戦役でアルバートと共に戦った戦友なんじゃ!!」 ダッシュの素姓に驚きつつも、ソフィアを探そうとマウリナを出る一行。ところが、そこでいきなり魔物の群れに出 くわした。しかもその中心にいるのは、行方不明のソフィアその人。 「我は、不死なり……我は、グローバス王なり……ゴートの地に呪いあれ!ゴートの民に死を!!」 ソフィアはグローバス王に操られて正気を失っていた。 「手荒な真似はしたくないけど、仕方ない……」 なんとかソフィアに一撃を与えて弱らせると、ソフィアは呻き声を上げて瞬間移動をする。 「ち……力が足りぬ……魔導の力よ……水晶……水晶さえあれば……レグネスへ行かねば……」 一行はソフィアを追い、パブロフの船に乗って南ゴート大陸のレグネス火山へと向かった。 一行はレグネス洞窟の入り口でソフィアを捉えたが、ソフィアをこれ以上傷付けるわけにもいかず立ち往生になって しまう。 だが、そこに突如青髪の青年が現れた。 「ア……アルバートっ!!」 「招霊の輪を……招霊の輪を使うんだっ!!……ソフィアの魂を呼び起こしソフィアの意識がグローバスに勝れば、 体から引き離せるはずだっ!!」 ディーンが言われた通り招霊の輪を使うと、ソフィアの体からグローバスが飛び出てくる。そして逃走したグローバ スに止めを刺してソフィアの元に戻ると、ソフィアは既に目を覚ましていた。 「私は永久に、この身の内へグローバスを封じるつもりでした……しかし10年の歳月によって、私の封印の力が弱 まってしまったようですね……みなさん、本当にありがとう!!」 「レディシュ卿の話は、旅の町々で聞いたよ。力を合わせ、レディシュ卿の野望を打ち砕こう!!」 「私も、同行させてもらいます」 「よし!そうと決まれば、レアンディール共和国ノアの要塞まで行って破界の笛を手にいれるんだ!!」 アルバートとソフィアを加えた一行は、パブロフの船に乗り次の秘宝があるレアンディール共和国へと向かった。 レアンディールの港町アクタニーナに上陸し、まずはチュンアンに向かった一行。しかしチュンアンは、侵攻してき たルクレナン軍によって廃虚と化していた。 「ヤツらの中に魔獣使いアーってのがいて、そいつとその魔獣にやられたんだ……」 一行はルクレナン軍を蹴散らしつつ、チュンアンから精霊ノアが秘宝を守るノアの要塞に突入。ノアの元まで辿り着 いたが、当のノアはディーン達の言葉に耳を貸さない。 「たとえその魔獣使いアーというのが何者であろうと、この要塞から秘宝を奪うなど不可能です」 「グフッ!!グフフッ!!グァー!!アウッアウッ!!」 しかし両者が言い争っているうちに、突如現れた魔獣使いアーが『破界の笛』を奪い去ってしまう。 「もはや、あなた方の力をお借りするしか……私はここで、要塞の出入り口を全て封じます……『破界の笛』を取り 戻してください!」 ノアはやむ無くディーン達の力を借りることを承諾。一行は要塞の出口で足止めを食っているアーを倒し、『破界の 笛』を取り戻すことに成功した。 「その『破界の笛』はあなた方に託します……こうなると、姉のチアンの神殿も心配です。お願いです!!北に向か ってください!!」 一行は北の地下道を通り、最後の秘宝があるチアン神殿へと向かった。 144 :アルバートオデッセイ2 8/12:2011/11/05(土) 13 45 21.12 ID hBOqMipv0 北の地下道を抜けた先には、レアンディール共和国の首都ルノツァがあった。 「ルクレナン軍は、北から飛竜を使って兵士を運んでくるんだ……飛竜なんて、どうやって呼び出したんだろう?」 ルクレナン軍を倒しつつ、ルノツァからチアン神殿へと入った一行。しかし秘宝は、既に青竜騎士ペイルの手にあった。 「ペイル!!お前かっ!!精霊チアンは、どうした!?」 「……秘宝を渡さぬのでな、斬り捨てたよ。君達に、会わせたい方がいる」 ルフト将軍に連れてこられたのは、なんとユナ王女その人。 「ここは平和的に、取り引きといこうじゃないか……きさまらが持つ秘宝と、このユナ王女の命をかけてな!!」 「なんとっ!!お主らの主君ではないかっ!!」 「いかなる手段を用いても、秘宝を手に入れる……それが、レディシュ卿からあたえられた指命っ!!」 「おかしい……封印を解くには、ユナ王女が必要になるはずだが……」 「おまえらには、知る由もあるまいて!!」 ルフトはアルバートの懐疑も気にせず、渡さぬならユナ王女から順番に皆殺しだと脅しをかけてくる。ディーンはや む無く取り引きに応じ、ユナ王女と引き換えに秘宝を渡してしまった。 「わたしのせいで、秘宝が奪われてしまいました……あぁ……わたしは、ただ迷惑をかけているだけ……」 「ユナ王女!!そんなことありません!!ユナ王女が無事なら、封印は守られるのだから!!」 「とにかく秘宝を取り戻さないと!!あれがルクスランジュ城に持ち帰られると……封印が解けてしまいます!! 急いでルフトを追いましょう!!私も仲間に加わります……よろしいですね」 この時点でレベル1の王女を仲間に加えて急いで神殿を出ると、そこにペイルとその部下達が立ちはだかった。 「やはり来たか!!ここから先へは、我が青竜騎士団の名にかけて通さん!!」 アルバートと祖先を同じくするペイルは神獣の力を用いた強力な技で攻撃してきたが、ディーン達の敢闘の前につい に力尽きて倒れた。 「ウグッ!!み……見事だ……我は……全ての奥義をつくし戦った……敗れども、ルクレナンの勇者として死ぬこと ができる……秘宝は、ルフト将軍がルクスランジュ城へ……我の飛竜を使え……ユナ王女に対する無礼への詫びだ… …この先の駐屯地へ行け……まだ、間に合うかもしれぬ……さあ!!行くがいい、ゴートの戦士たちよ!!楽しかっ た……ぞ………………」 「青竜騎士……いや、勇者ペイルか……」 ディーン達はペイルの意志を受け、駐屯地のドラゴンに乗り一気にルクスランジュ城まで飛んで行った。 ルクスランジュ城は騒然としており、一部の兵はディーン達を迎え入れた。 「ルフト将軍は兵を連れて城に立て籠られた……もうついていけぬっ!!」 「このように騒々しいのは、10年前にレディシュ卿の妻子が行方不明になった時以来じゃ……」 ルフト将軍の配下を薙ぎ倒して城の最上階に上ると、果たして精鋭を連れたルフト将軍がそこにいた。 「とうとう来たか……秘宝を取り返したくば、この赤腕将軍に勝ってみよ!!」 歴戦のルフト将軍と竜騎士達は激しく抵抗したが、ディーン達の敵ではなかった。 「ワハハハハハッ、もう……手遅れよ!!今頃は、南の神殿で……魔神が呼び出されている……世界は間もなく、レ ディシュ卿の御力で……グッ……統一されるのだ!!太陽王国ルクレナンに……栄光あれっっ!!」 「急ごう!!南の神殿だっ!!」 ディーン達はかつて連れて行かれたことのある南の神殿へと急いだ。 146 :アルバートオデッセイ2 9/12:2011/11/05(土) 13 53 34.63 ID hBOqMipv0 神殿へと急ぐディーン達の前に立ちはだかったのは、レディシュ卿本人であった。 「きさまらは、我輩がひねりつぶしてくれるわっ!!ルクレナン精鋭中の精鋭、黒騎士団と共になっ!!」 最後に残った精鋭の黒騎士団は強敵であったが、なんとかこれを打ち倒すとレディシュ卿は神殿へと逃走した。 「きさまらを、甘く見すぎたようだ……だ……だが、ここで倒れるわけにはいかぬ!!魔神を……我輩の力で……ラ ……ライラック司教!!」 すぐさま後を追って神殿に突入すると、レディシュ卿とともにライラック司教もがそこにいた。 「秘宝をお渡しください。レディシュ枢機卿!」 「……お前は、モールス……か??やはり、我が子モールス・キンブリーであったか……」 「モールス殿が、レディシュ卿の息子!?」 「あの、10年前に行方不明になったという……」 明かされたモールスの正体にアルバートを除いた(※)皆は騒然とするが、モールスの態度は変わらなかった。 (※なんで知ってたのかは説明も何もないため不明) 「モールスよ……この父の元へ来るがよい!我輩と共に……父と子で、世界を統一しようぞ……」 「父上!!私は、この旅の間……多くの憎しみと悲しみを、この目で見てきました……あれ以上の悲劇を、起こさせ るわけにはいきません!!」 「モールス……息子よ!!お前も……お前の母と同じく……我輩を見捨てると言うのか!?」 「父上……母上は、見捨ててはいません。貴族の自分が行方不明となれば、国の警備がかためられる……そうなれば、 いかな父上でも手が出せない……そう考え、わたくしを連れていなくなったのですよ。母上は、その時の無理がもと で……母上のためにも、どうか魔神復活などという野望は捨ててください!!わたくしも、父上とは戦いたくありま せん!!」 「モ……モールス……わかった!!我輩の負けだ……秘宝を渡そう……」 観念したレディシュ卿が秘宝を渡そうとしたその時、傍のライラックが一喝した。 「愚か者めっ!!何のために!!きさまに、創魔の秘術を教えた!?精霊リンまで、わざわざ魔女に仕立てあげ…… 何のために、召喚した飛竜をあたえたと思うのだ!!情ごときにほだされおって……死ねっ!!」 「グゥワアァァーーーーーッ!!」 「ち……父上ぇーーーーーーーっ!!」 ライラックの魔法の一撃により、レディシュ卿は絶命してしまった。 「ライラック!!あなたが……あなたが!!人知れず、レディシュ卿を操っていたのですね!!」 「いかにも!!そなたの父、ルクレナン王を殺したのも儂じゃ!!」 「なぜですか……私達、表の王家を裏の世界より守護する……裏の王家の者……そのあなたが、なぜ?!」 「腰抜けのルクレナン表王家は、儂の崇高なる魔神復活を拒んだ!!はじめて創魔の秘術を知った時、儂は喜びにふ るえた!!……このすばらしき力は、儂ら裏王家が使ってこそ、美しく光輝くのだぞっ!!くだらぬ人間どもよ…… 汚れきった大地よ……古に封じられし魔神の力によって無に帰すのだ!!」 ライラックは一頻り叫ぶと、神殿奥の儀式の間へと走り去っていった。ディーン達は急いで後を追う。 「滅びじゃ!!全て滅びるのじゃあっ!!儂こそ、魔神オクトバに選ばれし者なのだぁっ!!」 襲いかかってきたライラックを倒したが、ライラックの狂いは戻らない。 「も……もう遅い……もう遅いのじゃよ!!間もなく、儂に流れる王家の血によって、封印が解ける……300年ぶり に、魔神オクトバの恐怖が蘇るのだっ!!間もなく……全てに終末がおとずれる……ヒャヒャヒャ……」 148 :アルバートオデッセイ2 10/12:2011/11/05(土) 13 59 31.66 ID hBOqMipv0 突如地鳴りが起き、儀式の間に声が響いた。 「300年の時を越え、我ここに目覚めたり!!地獄の悪魔達よ……永遠の夜をむかえよう!!形ある物は、無へ…… 生きとし生ける者に、死の祝福を!!この世全ての魂へ、我が恐怖と絶望を捧げよう!!」 儀式の間の中心に、ついに魔神オクトバが復活。オクトバは悪魔を次々に召喚し、先ずディーン達に襲いかかってくる。 魔神の力は強大で戦いはかつてない熾烈なものとなったが、ディーン達は持てる力の全てを出して魔神を打ち倒した。 しかし……。 「我、たとえ滅びようとも……我が血は炎となり、我が肉は闇となりてこの地に災いをもたらさん……」 慌ててディーン達は脱出したが、魔神の最後の力が世界を破壊するのを止めることはできない。だがその時、何かを 決意したユナ王女が儀式の間へと戻っていった。 「秘宝があれば、もう一度封印を……」 「王女!!ユナ王女ぉーーーっ!!」 ディーンは後を追ったが、入り口が瓦礫で塞がれ阻まれてしまう。 「……再び魔神を封印するには、解く時と同じくルクレナン王家の血が必要なのです。みなさん、今まで本当にあり がとうございました。みなさんに出会えて、わたしはとても幸せでした。ディーン……さよう……な……ら……」 瓦礫の向こうから聞こえたその言葉の後、魔神の最後の力の暴走は止まり地震は収まった。 「お……王女!!ユナ王女ぉーーーっ!!守るって……必ず守るって、約束したのに……」 「もう……何やってんのよっ!!まだ生きてるかもしれないじゃないっ!!」 「クレシャ……封印がかけられると、再び王家の血で封印を解かない限りは……」 「いけない!ここは、砂漠にしずむぞっ!!」 皆がモールスの言葉に絶望していたが、ともあれ崩壊を止められない神殿からディーン達は脱出した。 「……さようなら……ユナ王女……」 (本編ここまで。この後はスタッフロール) 149 :アルバートオデッセイ2 11/12:2011/11/05(土) 14 04 08.86 ID hBOqMipv0 (スタッフロール。台詞が無いまま場面が流れるので解説だけ。) ディーン達は一旦ゴートに帰り、国王ゴートⅨ世と民衆達の歓待を受ける。ディーンは国王に跪いて報告し、ソフィ アとスレイ将軍は10年ぶりの無事な再会を喜びあう。 その後……。 ワイズマンは相変わらず騎士達を熱心に指導。 モールスはルクスランジュに帰ってライラックと父の後を継ぎ、教会の司教となった。 ディーンは飼い慣らした竜に乗って(※)コートロードに帰り、霊安室で父の棺に報告。ごく一部の者しか入れない 神聖な霊安室だが、クレシャは兵士に化けてこっそり参列していた。 (※たぶん。以前は居なかった竜がいるため) ダッシュはルノツァの教会に盗みに入り、レアンディールの兵士達に追いかけ廻されている。 アルバートはパブロフの船でベクトーラに渡り旅を始めるが、そこにソフィアが現れ二人で旅をすることになる。 所変わってオクトバ神殿。 蘇ったチアンと元の姿に戻ったリンを含む精霊四姉妹が神殿に集まると、その体が不思議な光を発した……。 (スタッフロールここまで。次は最後の場面) 150 :アルバートオデッセイ2 12/12:2011/11/05(土) 14 05 20.92 ID hBOqMipv0 数年後(※)、ディーンはルクスランジュの玉座の間へと赴いていた。 (※ディーンに髭が生えているので10年くらい経っていると思う) 「新ルクレナン国王陛下に申しあげます!!オレ……いえ、私はルクレナン王国本土の復興に協力するため、ゴート 王国より遣わされました。ゴート騎士団騎士隊長、ディーン伯爵でございます」 伯爵ほどの高位にありながら未だに騎士隊長のディーンの挨拶にも、新国王は後ろを向いたまま何も答えない。 だが訝しんだディーンに振り返った新国王の姿は、なんとユナその人であった。 「ディーン!!」 「ユ……ユナ王女??!!」 ユナはディーンに走り寄り、二人はひしと抱き合う。 「……信じられない!?本当に、ユナ王女なんですか!?」 「いいえ!王女では、ありません…………今は、ユナ女王です…………ディーン!!」 二人は手を携えて玉座へと向かう……。 (Fin)
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/153.html
《Over the Rainbow》Bifrost ◆zzpohGTsas 1: 青い匂いが今にも漂ってきそうな柔らかな芝草の上で、赤い野球帽に青と黄色のボーダーシャツの少年が仰向けになって眠っていた。 少年特有のあどけない寝顔。それはまるで、今この場に燦々と降り注ぐ太陽の光と、春の暖かな陽気に眠気を引き起こされ、眠りこけてしまったかのようにも思える。 赤い野球帽の少年を、幾人もの人々が取り囲んでいた。 大人もいる、子供もいる。不思議な事に、鼠もいるし、大きな鼻が特徴的な肌色のふしぎな生き物もいた。 皆、悲しそうな顔をしていた。 赤色のリボンがトレードマークのブロンド髪の少女は、顔を抑えて泣きじゃくっている。 丸眼鏡をかけた金髪の少年と、今時珍しい辮髪の少年は、男の子だからか涙は堪えているが、今にも感情が決壊しそうだった。かなり無理をしているのが表情から解る。 白衣を身に付けた髪の薄い老人と、その隣にいる小太りで赤髪の男性、作業着を着た灰色の髪の中年も、ひどく悲しみと後悔とが入り混じった顔で、眠っている少年の顔を覗き込んでいる。 赤い野球帽の少年は、かれこれ30分は息をしていなかった 2: スーパーマリオのテレビゲームを一通り遊び終えたぼくは、ゲーム機の電源を切ってから、リビングからキッチンへと向かった。 時計の針は昼の12時を指している。昼のご飯の時間だった。と言っても、大したものはない。 食材自体はあるんだけれど、ぼくはあまり料理が得意じゃないから、昼のご飯は大体グラノーラシリアルと、バタートーストで間に合わせる事にしてる。 お皿にグラノーラを入れて、冷蔵庫から取り出したミルクを注いでから、トースターにパンを2枚入れ、リビングへと戻った。焼けるまでは、グラノーラを食べている。 リビングに戻った後で、ぼくは、何か目ぼしい番組がやっていないかと、テレビの電源をつけて、チャンネルを取り敢えず適当に変えてみた。 チャンネルを切り替えるボタンを押す指を、ぼくは止めてしまう。今時珍しい、モノクロの映像が流れていたからだ。 オズの魔法使い、と言う映画らしい。相当古い映画である事が解る。モノクロの映像だと言う事もそうだが、フィルム自体からも、隠し切れないが香って来るようだ。 目ぼしい番組も特になかったから、僕はこの番組を見る事にした。 最初のクレジットタイトルが終わり、映画本編がスタートする。 見た事もない綺麗な女優が、ぼくの生まれ故郷よりもまた更に田舎の街で、ドタバタ騒いでいた。 本当に、昔の作品なんだなぁとぼくは思った。舞台設定や時代背景が、今よりも50年くらい昔なんじゃないだろうか。 ぼくが映画に集中していると、液晶テレビが映している映像とは別に、世界の方が、ぼくにサプライズを用意して来た。 シリアルを口に運んでいるぼくと、オズの魔法使いを映しているテレビの境の空間に、ぼくがまばたきするよりも速く、男の人が立ってたんだ。 思わずシリアルを運ぶ手を止める。ぼくはその人をまじまじと見つめた。 白い野球帽に、やはり白い野球ユニフォームを着用した、ぼくより背の大きい大人の人だった。 大きな野球大会で活躍するスター選手のような風格すらあったけど、ぼくはすぐに違うと解った。と言うよりぼくは、目の前に現れたこの人の事を知っている。 だから、驚いたのはこの人が現れた最初の一瞬だけで、それ以降は全く驚かずに、あるがままに彼を受け入れられていたんだ。 「身体の内に、白く燃え上がる無垢で聖なる魂を持つ者よ。問おう。お前が俺のマスターか」 男の人は、聖書の中に出てくる人達みたいな、古めかしく威圧的な言葉でぼくに語りかけて来た。ぼくは、首を縦に振った。 「この聖杯戦争と言う汚れた舞台において、セイヴァーのクラスにて見参した。今よりお前の剣となり盾になろう」 何の淀みもなく、セイヴァーは威圧的な言葉を続けて行く。服装と言葉が合ってないような気がするが、何でだろう。 普通の人だったらセイヴァーの服装でそんな事言っても空回りするだけなのに、彼の場合は、それがとてもかっこよくキマっていた。 やっぱりこの人は、ぼくのサーヴァントであったらしい。実を言うと、そろそろ来るのではないかと言う気がしていたんだ。 ぼくは、聖杯戦争の参加者だ。当然、聖杯戦争がどう言ったものなのか、ある程度は理解している。と言うより、刻み込まれていたから強制的に理解させられた。 だから、サーヴァントが現れても、それ程驚きはなかった。ある程度身構える事が出来る事だったから。 だけど、セイヴァーと言うクラスについては初耳だった。聖杯戦争は、7つのクラスで行うって頭の中には記されている。 それに、セイヴァーって名前にも、疑問を覚えた。ぼくは、聞いてみた。セイヴァーは、英雄(ヒーロー)なの? って。 「違う」 すぐに彼は返事をしてくれた。じゃあ、救世主なの? 「違う」 じゃあセイヴァーって、何? 「俺は浄化者だ」 浄化者。 「俺は果たさなければならない神聖な任務を負っている。俺は、この世界を浄化しなければならない」 どう言う事をするの? 「この世界に蔓延り、やがて跳梁するであろう、堕落した悪魔の子らと、その裏に隠れ潜んでいるであろう、聖杯戦争を仕組んだ者に裁きを与えるのだ」 その悪魔って、サーヴァントの事? 「その通り。この聖杯戦争に呼び出された悪魔の子、或いは、痛ましき霊を滅ぼす許しの代弁者、それが俺だ」 チンッ、と言う小気味の良い音がキッチンの方から響いて来た。 トースターがパンを焼き終わった音。キッチンに行ってパンにバターを塗る事すら忘れて、ぼくはセイヴァーに質問を続けた。 聖杯戦争の裏にいる人って、誰? 「わからない。だが、これだけ大掛かりな事が、自然現象的に起こる筈がない。誰かが意図的に起こしたとみるのが普通だろう」 確かに、そんな気がして来た。一体誰が、聖杯戦争を始めているんだろう。 少しだけ疑問に思った後で、ぼくは、一番聞きたかった事をセイヴァーに訊ねた。ぼくは――人を殺さなくちゃ駄目なのかな、って。 「俺が滅ぼすのは、俺達に危害を加えようとする霊だけだ。お前が望みならば、マスターを殺さず、サーヴァントだけを滅ぼす事も視野に入れよう」 ぼくにとっては、嬉しい配慮だった。人は、殺したくないから。 でも、場合によっては、サーヴァントだけじゃなくて、人間も殺さなくちゃいけないんだよね? 「俺に未来を予見する力はない。もしかしたら、俺も人を殺す事がありうるし、お前もそれに加担する可能性だって、0じゃない」 少しだけ黙りこくってから、ぼくは、わかった、って言った。 本当はいやだったけど、仕方のない覚悟だった。セイヴァーが、大義そうに、首を縦に振る。ぼくの返事が、満足だったらしい。 「マスター、俺の方からお前に聞きたいが、聖杯に叶える願いはあるのか?」 ある、と、ぼくは答えた。セイヴァーがそう訊ねてから、1秒も経過していなかったように思える。 「何だ、それは」 元の世界に、帰りたい。ぼくは、迷わずそう答えた。 瞳のちょっとした動きだけで、セイヴァーはぼくに、続きを話すように促した。ぼくは、説明を行う。 ぼくの長い旅は、意地悪で、わがままで、いつも寂しそうにしていた、ぼくの隣人の荒々しいノックから始まった。 今でもぼくは、何で自分が選ばれたのか、わかってない。だけどぼくの奇妙な冒険は、裏山に落ちて来た隕石を、隣人と一緒に見に行った所から幕を開けた事は確かだ。 旅の途中で、色々な生き物や人が、僕の旅を邪魔しに来た。おじさんやおばさん、警察の人に、街の悪い不良達。 犬や蛇、カラスにワニに恐竜何かとも戦った。かと思えばゾンビやお化けとかの恐いものや、ぼくの言葉じゃ表現しきれないもの、果ては宇宙人とも戦った。 旅をした場所も、色々だった。洞窟の中、お墓にその地下、砂漠、雪の降りしきる北国、寒さとは無縁そうな南の島、砂漠、海の上、雲の上の神秘の国、 ジャングル、宇宙人の秘密基地、地下に広がる巨大な世界、火山の中、ぼくの心の中、そして――遥か過去の最低国。 傷つき、倒れそうになった事なんて、数えられない。家に帰って、ママに甘えていたいと思った事なんて、もっと多かっただろう。 だけど、ぼくは決して1人じゃなかった。かわいくてしっかり者のポーラと、少し臆病だけど頭の良いジェフ、そして勇気があって男らしいプーの3人の、かけがえのない友達。 ぼくは彼らといっしょに旅をしていなければ、旅を何処かで諦めて放り出し、他の誰かが問題を解決してくれると、逃げだしていただろう。 彼らと旅をするうちに、気付いたらぼくは、自分の境遇と運命を、呪う事がなくなっていた。 3人と旅をしている時でも、辛いと思う事もあったが、この度のおかげで僕は、3人の最高の友達と巡り合えたのだから、それでもいいかと考えるようになった。 旅の終わり、ぼくらは、敵のボスであるギーグがいる過去へと向かう為に、自分自身の頭脳をロボットに移植する必要があった。 此処まで来た僕らは迷いなく、その方法を受け入れて、過去へ飛び……そして、ギーグと、最悪の隣人・ポーキーの野望を打ち砕いた。 実感が湧かないけど、ぼくは、世界を救ったんだと思う。わからないけど、これでよかったんだと思う。 アンドーナッツ博士が最初に言っていた通りだった。 頭脳をロボットに移植して過去へ移動すると、魂がロボットの方に行ってしまい、永遠に現代に戻れなくなる可能性が高いと言う。 その通りの事が、ぼくに起った。ぼくの魂は、サターンバレーに眠っているであろうぼくの身体に、戻る事は出来なかった。 それを分かっててやったんだから悔いはない筈だけど、それでもやっぱり、寂しかった。3人の友達と会えない事もそうだけど、ママとパパに会えないのも、きつい。 ぼくはずっと、時空の闇の海の中を漂っていた。浮き上がっているのか沈んでいるのか、左に動いているのか右に動いているのかも解らない、ただただ、 水の中に潜っているような浮遊感だけがある、一条の光すらも届かない暗闇の中で、僕はずっとふわふわしていた。 ぼく以外のもの何て一切存在しない空間を、ふわふわしていた時間は、どれぐらいだっただろうか。ある時、僕の頭上に、銀色の光の点が光ったんだ。 ぼくはそれが無性に気になって、それに手を伸ばし、手に取った。それが、『地球』を模した銀色の鍵だとわかった瞬間、僕はこの街にいた。 アメリカにあると言う地方都市、アーカムのダウンタウンに住む長男の一人っ子。それが、ぼくである。 パパとママはダウンタウンで公務員として働いている、共働きだ。家族関係は良好で、順風満帆な生活を満喫している。それが、このアーカムでぼくが送るべき生活。 だけど、本当は違う。ぼくはアメリカなんて国は知らないし、ぼくが生まれた国はアメリカではなくイーグルランドのオネットだ。 それにぼくのパパは仕事で世界中を飛び回っている忙しい人で、ママはいつも家で家事をしており、帰ってきたら優しくぼくを迎えてくれる。 この家には妹のトレーシーも大きなムク犬のチビも見当たらない。そして、あの最悪の一家、ミンチ家がぼくのご近所さんじゃない。 何から何まで、ぼくが知っている世界じゃなかった。ぼくのズボンのポケットにしまわれているあの銀の鍵は、殺し合いをさせる為にぼくの前に姿を現した、 悪魔の鍵だったんだ。 ぼくがあの鍵を手にした事が、良かったのか間違っていたのか、ぼくにはわからない。 2つ確かな事があるとすれば、ぼくは、人は殺したくないと言う事。そして、なんとしてでも元の世界に帰って、ママの作るハンバーグを食べたいと言う事だった。 「人は殺したくない。だが、聖杯か、それに匹敵する奇跡を以て、元の世界に帰りたい、か」 ちょっと、ムシが良すぎるかな? 「俺にもわからない。だが、お前の願いには従う。悪意ある霊どもを消して行けば、何れお前の理想は叶うだろう」 どちらにしても、戦わなければいけないらしい。ぼくは、コクン、と頷いてセイヴァーの瞳をジッと見つめた。 心臓を冷たい手で握られるような、冷たい目。自分の事を浄化者だと言っていたが、その言葉に嘘偽りのない、感情のない瞳だった。 「以前、俺が世界を1つの世界を浄化した時、俺を導いてくれた者には名前があった。マスター、俺はお前の名前が知りたい」 そう言えばぼくはセイヴァーに名前を教えていなかった。だがセイヴァーも、本名――聖杯戦争が言うところの真名を教えていない。 だけどぼくは、自分の名前から先に教えた方が良いかなと思って、まずはぼくの方から自己紹介をする事にした。 「ぼくは『ネス』だ」 無言で、ぼくはセイヴァーの真名を待った。すぐにセイヴァーは、答えてくれた。 「俺は『バッター』。堕落した魂どもに聖なる怒りを喰らわせる者」 3: バッターが自己紹介をしたと同時に、液晶テレビの中で、オズの魔法使の主役であるドロシーを演じる女優、ジュディ・ガーランドが、 その類稀なる透明な美声で、歌を歌い始めた。カンサスの田舎娘に住むドロシーが、悩み事も心配事もない理想郷を夢想するシーンで、彼女はその曲を歌う。 曲題を、Over The Rainbow。『虹の彼方に』と訳される、名曲中の名曲。世界的に著名な劇中歌であり、幾人もの名だたるアーティストがこの曲をカバーして来た。 その曲は語る。『虹の彼方のどこか空高くに、子守唄の中で語られる国があり、その青い空の中にある国で信じた夢は、全て現実のものになる』、と。 奇しくもネスとバッター達が招かれた世界は、その劇中歌と関連性を見出す事が出来た。 其処は、『外道の知識を記した書物の中に語られる、冒涜的な玉虫色の球体』が仕立て上げた世界であり、その世界には、 『数多の血と死と贄を捧げた末に、全ての夢を現実とする聖杯』が手に入れられる場所であると言う事が。 ――世界を救った少年は聖杯に向けて、世界を滅ぼした浄化者は邪神に向けて、そのビフレストを今上り始めた。 【クラス】 セイヴァー 【真名】 バッター@OFF 【ステータス】 筋力C 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具EX 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 浄化者:EX 世界を浄化する、と言う神聖な使命を負っている者。 セイヴァーは例えその浄化行動の先に如何なる結末が待ち受けていようが、迷う事無くその使命を果たそうと行動する。精神干渉を無効化する。 【保有スキル】 対霊・概念:EX 霊的な存在、または魔的、概念的な存在に対する攻撃の適性及び、それらの存在を感じ取る知覚能力。 セイヴァーはこれらそのもの、あるいはその因子を持った相手と敵対した場合、全てのステータスがツーランクアップする。 霊的な存在である事は確かだが、実体化したサーヴァントにはステータスアップの恩恵は発動しない。 但し、サーヴァントが霊体化した場合、または、実体化してもそのサーヴァント自体が霊的・魔的・概念的な因子を有しているのならば、 ステータスアップは発動する。 記号使役:A 使い魔使役の延長線上にあるスキル。セイヴァーは『アドオン球体』と呼ばれる、三位一体を成すリング状の記号生命体を3体行使する事が出来る。 真名看破:D セイヴァー自身が使う事が出来る技、ワイド・アングルと呼ばれる技術によるアナライズ能力。 同ランクの秘匿スキルを持たないサーヴァントであれば、真名を看破する事が出来る。 【宝具】 『Spherical Add-Ons(アドオン球体)』 ランク:A+ 種別:対人~対軍宝具 レンジ:1~20 最大補足:1~20 セイヴァーが使役する3体の記号生命体、通称アドオン球体と呼ばれる存在が宝具となったもの。 白色のリングとも言うべき姿をした彼らが何者なのかは解っておらず、使役するセイヴァー自身も、彼らが何処から来て何の為にいるのか理解していない。 解っている事は、3体にはそれぞれアルファ、オメガ、エプシロンと言う名前がある事。彼らは三位一体を表している事。 そしてそれぞれ、アルファが父なる者、オメガが子なる者、エプシロンが聖霊なる者を表している、と言う事だけであり、それ以上の事は詳細不明。 彼らは意思を持っているのか、そもそも生命体なのかすらも疑わしい存在だが、独自の行動原理を持っている事は確かであり、 セイヴァーが敵と認識した存在に対して、セイヴァーと共に戦闘を行う事が可能。 アルファは高い威力の攻撃と状態異常の付着攻撃を、オメガは種々様々な状態異常の回復と敵のステータスを一時的に下げる攻撃を、 エプシロンは範囲攻撃とセイヴァー及び他のアドオン達のステータスアップを、それぞれ担当している。 3体がそれぞれ豊富な魔力を持っている為に、宝具を発動、維持させたとしてもセイヴァーやマスターに掛かる魔力消費は少なくて済むが、 長時間動かし続ける、或いはそれぞれのアドオン達が保有している魔力が底を尽きた場合には、セイヴァーあるいはマスターから魔力を徴収する。 『Purifier(The Batter)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:自身 最大補足:自身 何者かによって世界の浄化を任命され、其処に蔓延る悪性存在を粛正する為に生まれたセイヴァーそのもの。つまりこの宝具はセイヴァー自身を指す。 セイヴァーの攻撃には本来備わっている物理的な干渉力とは別に、強い浄化の属性が宿っており、吸血鬼や食屍鬼、悪魔の属性を持つ者や、 霊的・概念的な存在に対して、絶大なダメージを与える事が可能。いわば行動の1つ1つが、高ランクの洗礼詠唱のようなもの。 セイヴァーはまた、既存の魔術や奇跡ともアプローチの違う、『保守』と呼ばれる回復手段を持ち、癒しの技術にも造詣が深い。 霊的・概念的・魔的な存在が統治する領域や世界の統治者をセイヴァーが倒した場合、その世界から肉体を持つ全存在は消滅。 霊魂だけが浮遊する、一面真っ白の浄化された世界だけが広がるようになる。セイヴァーの究極の理想は、アーカム全土をその境地にする事である。 バーサーカー、エクストラクラス・デストロイヤーとしての適性も持ち、その場合上記の宝具は、 『Demented Purificatory Incarnation(狂える浄化の具現)』、と言う物に変更される。 【weapon】 カツヒロのバット: 野球選手が振るう金属バット。セイヴァーはこれを振るい、殴打に用いる事で、相手を浄化する。宝具ではないが、頑丈さは、宝具と打ち合う事も可能な程。 【人物背景】 この男の根幹を成しているであろう諸々の要素を語るに相応しい者は、この私の他には存在しないようだ。親愛なる君達の為に一肌脱ぐ事としよう。 私の猫のまなこから見た、このバッターと言う男は途方もない愚か者だ。盲目的な確信と確固とした期待、そして誠実極る信頼を裏切ったペテン師だ。 世界を浄化する、と言う人類の歴史の中で大体1千万の人間は抱いたであろう陳腐な大義名分の下に、聖母の如き女性と無抵抗の子供を殴り殺した狂人だ。 彼は世界を浄化などしなかった。彼は世界を破壊し、一切の生命を根絶やしにし、1つの世界を無の水底へ沈めてしまった罪人だ。 そんな彼がセイヴァーの名を預かるとは、彼をこの世界に呼び寄せた邪神とやらは見る目がない、いやそもそも、その眼窩には目が嵌ってないのだろうな。 さて、私はこの【人物背景】と言う小狭なパラグラフの冒頭で、バッターと言う男を語るに相応しいと比類ない自信を以て口にした。 事実私は、この男が我々の世界に現われてから世界を滅ぼした軌跡を目の当たりにして来た証人だからね。それを雄弁に語れる資格がある。 そんな私でも、バッターについて解らない事柄が多い。いや、訂正するべきか、我々はバッターの殆ど全てを理解していない。 我々はバッターと言う狂人が、我々の世界で何を成したかと言う事柄には君達の先を行く知識を持っているが、バッターが何者で、何処から来て、 そもそも誰から世界の浄化を任命されたのか、これらの事柄について我々は甚だ無知であると言わざるを得ないだろう。 確かなのは、バッターは女性と子供を撲殺し、許し難い彼の蛮行を止めようと現れた、誰もが愛してやまない無垢な猫であるこの私をも撲殺し、 1つの世界をOFFにするレバーを倒したと言う事だけだ。 恐らく、君達の知的器官、つまり、そのだらしない頭蓋の中でたゆたっているプティングよりも柔らかい物体で考えたとしても、 私がこの【人物背景】と言うパラグラフで、何処ぞの誰より説明せよと言われ、言われるがまま語った事柄について、全く理解を示せていないだろうに思える。 無理もない。我々の辿った道程は非常に多角的な解釈が可能であり、1つの枠に当てはめた説明は、かえって危険だろうと考えたのだ。 故に、私が語れるバッターの軌跡は此処までとし、彼に対する解釈も此処で撃ちきるとしよう。 しかしそれではあまりにも不親切であり、この【人物背景】と言うパラグラフを此処まで読んでくれた君達に対して猫の糞を砂ごと飛ばすが如くに失礼だ。 そこで、私の方から提案がある。良いかね、私の予想が正しければ、君達は電気と幾許かの回路で動いている箱、つまりPCと言う物を持っている筈だ。 そのPCを起動させ、インターネットと言う、歴史上悪魔よりも多くの人間を堕落させてきたシステムを開き、 検索エンジンに『"OFF" JAPANESE TRANSLATION』と入力、検索し、検索結果の一番上で燦然と輝くページをクリック、そのページで、 バッターと我々の軌跡を記したゲームである所の、OFFをダウンロードするのだ。 そうする事で君達は満足の行く数時間と、我々の物語を自由に解釈できる時間を幾らでも楽しめる事だろう。 元々は君達のいる世界でフランスと呼ばれるゾーンの言語で作られたゲームだったので、日本と言うゾーンに住む君達には馴染みが薄かったのだが、 君達の時間間隔で2011年と言う時期に英語と言う言葉に翻訳され、3年後の2014年8月に、見事君達の言語で翻訳され、今に至っている。 まだまだ君達の国では年の若いゲームではあるが、是非ともプレイし、バッターの狂人ぶりと、この私ジャッジの愛くるしさを堪能して貰いたい。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯戦争の汚れた舞台を、聖杯ごと浄化する 【方針】 ネスに聖杯を、聖杯戦争の首謀者に死を 【マスター】 ネス@MOTHER2 【マスターとしての願い】 元の世界に戻る 【weapon】 マジカントバット: ネスの精神世界であるマジカントで入手したものにもかかわらず、現実世界へと実体を持って持って来れたもの。 宝具とは言い難いが、サーヴァントを殴れる程度の神秘は有している。 【能力・技能】 生まれついて高いPSIの素養を持っており、各種PSIを高いレベルで扱う事が出来る。 状態異常の発生や回復、肉体的な損傷の回復、強力な念動力による衝撃発生、テレポート等々、使い方は多岐にわたる。 ギーグを倒した以上、事実上ネスのPSIは元いた世界でも最強クラスのもの、と断言しても良いだろう。 【人物背景】 世界を救う運命を背負って生まれた少年。 幾度も傷付き倒れそうになり、幾度も旅を止めようかとも諦めかけた少年であったが、世界を救うと言う志を共にした3人の友達と、 旅の最中に出会った色々な大人達との出会いによって、逞しく成長。見事、悪の宇宙人である侵略者ギーグを打ち倒す。 ――しかし、物語は常にハッピーエンドで終わるとは限らない。 ギーグを倒す為に頭脳をロボットに移植、タイムトンネルを通って過去に飛んだネスは、ギーグの野望を挫く事と引き換えに、 元の世界への帰還のチャンスを永久に失ってしまった。 【方針】 バッターに付き添う
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/73.html
《家族》イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&セイバー ◆8Ab8CIePQg ああ―― どうしてだろ。 どうしてわたしはこんなところにいるんだろ。 こんな、こんなセラもリズも、バーサーカーもいない所で。 たった一人で、死のうとしてるんだろ。 せっかく、せっかくシロウももうすぐ城に来てくれてるのに。 お母様のいた城に来てくれるのに。 そうしたら、いっぱいいっぱい切嗣のこと聞きたかったのに。 全部、全部零れ落ちた。 あの金色に二人が、セラとリズが殺されて。 わたしも光を奪われて。 バーサーカーも……。 知らない街で再び光を得た時には、もう、そこに、いなかった。 バーサーカーが。 バーサーカーがいてくれたなら。 暗くても怖くなかったのに。 バーサーカーは強いんだもん。 いつもいつも、わたしのことを守っていてくれたもの。 なのに。 幼いころの夢。 何度も、何度も夢見た夢。 扉を開けて、銀の鍵を手に切嗣が迎えに来てくれる夢から目を覚ました時にはバーサーカーの姿がなくて。 わたしと手を繋いでいてくれたはずのバーサーカーがどこにもいないということが。 嫌でもわたしに“その事実”を想像させて。 その想像を否定したくて、でわたしは一人バーサーカーを探し続けた。 バーサーカーは負けない。負けるはずがない。 じゃあなんでバーサーカーはいないの。 バーサーカーが無事なら、バーサーカーがわたしを一人にすることなんてありえない。 だから、そう。 いい加減その認めたくない事実を認めて、大人しくしていれば。 この狂った聖杯戦争に参加した魔術師なんかに見つかって、路地裏に追い詰められたりはしなかったろうに。 馬鹿な、わたし。 ご丁寧にそいつの連れているサーヴァントは金色で、死にそびれたわたしが死になおすにはぴったりだった。 「その容姿、アインツベルンのホムンクルスか。 この聖杯戦争にアインツベルンが関わってるとは聞いていなかったのだがな」 その通りだよ。 この聖杯戦争に、アインツベルンは一切関与してないよ。 だって、分かるもの。 わたしは、聖杯だから。 ううん、聖杯“だった”から。 聖杯の器として調整されていたはずのわたしから、それはすっぽり欠け落ちていた。 わたしを聖杯とする“中身”。 確かに脱落したはずのサーヴァント、ライダーの。 英霊の魂が、抜け落ちていた。 それだけじゃない。 この地に大聖杯はない。 少なくとも、冬木の大聖杯は、存在しない。 ここにあるのは冬木の聖杯とは別物の聖杯で、きっと死んだ英霊たちの魂もわたしのもとには向かわなくて。 だったらわたしは用済みだ。 何もない、空っぽだ。 なのに―― なのにどうして、わたしは生きようと足掻いてるんだろ。 「まあいい、貴様もマスターだというのなら、殺せ、インベーダーよ!」 巨大な黄金色の死が迫る。 男のサーヴァントが。 ソラからの祝福が。 逃げても、転んでも、這いずっても、追ってくる。 《あなたは、そこにいますか……?》 分かる。 あのサーヴァントはどこか魔術師という存在に似ている。 きっと彼らの目的は宇宙の外側。 より高次の宇宙。 根源の、渦。 きっとあのサーヴァント、エクストラクラス、インヴェーダーの質問にどう答えようとも位相を転移させられ、この世から消滅させられてしまう。 分かってる分かってる分かってる。 分かって、いても。 わたしは言葉の表面的な意味ばかり考えてしまう。 《あなたは、そこにいますか……?》 わたしはここにいるの? もう何もかも失ってしまったというのに。 本当に、ここにいるの? だって、そもそも、わたしには、私たちには自分なんてもの、一つもなかったんじゃない。 役目、役目、役目ばっかりで。 ああ、そうだ。 その役目さえなくしちゃったんなら。 私は、私は、私たちは――諦、めるの? 私たちはアインツベルンの道具で。アインツベルンの技術の結晶で。 この先、どんなに時間をかけても私以上の作品は作れなくて。 その私が死んだら、みんなも諦めて、生きてるのに、死んじゃう。 みんなは無価値であっても構わないってそう言ってくれたけど。 《あなたは、そこにいますか……?》 そんなの、おかしいよ。 私は、ここにいる。 みんなだって生きている。 何で死ななくちゃいけないの? 生きたい、生きたいよ。生きていて欲しいよ。生きていて欲しかった。 わたしは、私は――私を 「その喧嘩、ちょおおおっっと待ったあああああああああ!」 「ベビー、フレイム!」 え? 今にもわたしに触れて同化しようとしていたインベーダーの触手が止まる。 打ち込まれたのは小さな火球。 その火の玉が飛んできた方向。 路地裏を囲む、その建物の上に、彼は、いた。 年はきっとシロウよりも少し幼いくらいで、なんら魔術的な力は感じなかったけど。 傍らに人間の子供より少し大きいくらいのオレンジ色の恐竜を連れていた。 使い魔、だろうか。 違う、ステータスが表示される。あれは、あの恐竜は、サーヴァン、ト……? 「な、なんだ!? 貴様、何者だ!?」 「俺か? 俺は無敵の喧嘩番長、大門大! そしてこいつは「アグモンだー!」」 「ば、番長だと!? 番長とは何だ!? いや、サーヴァントを連れているということは貴様、マスターか!? だがマスターが自らサーヴァントの真名をばらすはずが!!」 「ええい、男がぐだぐだうるせええ! だいたいなんだてめえは。大の大人が女の子を二人―― 「一人と一匹がかりだよ、兄貴ィ!」 「おうよ、一人と一匹がかりで追いかけまわしやがって! それが漢のすることか!」 「ええい、何を分けわからぬことを! 邪魔をするというのなら、まずは貴様からだ!」 魔術師の手から攻撃魔術が放たれる。 それを恐竜のサーヴァントがさっきの炎で迎撃するけど、お世辞にもその火力は高くなかった。 魔術師の攻撃を相殺できはしたけれど、サーヴァントならその程度は余裕でしかるべきで。 実際、読み取れる恐竜のステータスはバーサーカーよりずっと低くて、魔術師もそのことに気付かぬはずはなかった。 「ふははははは! なんだそのステータスの低いサーヴァントは? Dランクもいいところではないか! その程度の力でこの私のインベーダーに勝てるとでも思っているのか!」 「うっせえ! アグモンはサーヴァントなんかじゃねえ! パートナーだ! それに漢の喧嘩を決めるのは数字なんかじゃねえ。拳と拳だあああああああああああああ!!!」 だから―― わたしも、魔術師も、その先の光景が予想できるはずもなくて。 ダイモンマサルの次の行動に絶句した。 「おおおおおおおおおおおおりゃああああああああああああああああ!」 アグモンと魔術師の攻撃がぶつかり合って生じたその土煙。 なんとそこから飛び出したダイモンマサルが、そのまま金色のサーヴァントを素手で殴りかかっ、た……!? 「止め――!」 正義感の強い人間の愚かな蛮行。 そうとしか思えない自殺行為だった。 相手がダイモンマサルよりずっと大きいからだけじゃない。 あのサーヴァントインベーダーは触れたものを吸収する性質を持ってる。 それに何故かこっちの攻撃がちっとも当たらなかった。 逃げる中でやれることは全部やった。 アインツベルンの最高傑作のわたしが手も足も出なかったのに。 それを神秘も持たない人間がどうにかできるはずなんて――は……? 「なん、だとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「う、そ……」 そんな、え、なに、どういうこと? え、え、え、え? い、今、マサルの攻撃が、当たった!? 「ば、バカな、馬鹿な、馬鹿なあああああああああああああああ! インベーダーには読心能力があるのだぞ!? 心が読めるのだぞ! なのに何故攻撃が当たる!」 どうやらわたし以上に魔術師の方が動揺しているみたいで、勝手にスキルをばらしてくれる。 読心能力、確かにそれならさっきまで攻撃が当たらなかったのも納得で。 だったらどうしてダイモンマサルの攻撃が当たったのかがきになるとこだけど。 「はぁ? その割にはこいつ、わざわざ言葉で確認してくるじゃねえか?」 《あなたは、そこにいますか……?》 「見りゃ分かんだろ。つうか、拳で語るって言ったじゃねえか。心読むまでもねえだろ」 そんなことってあり、なの? ううん、それよりも。攻撃が当たったことより何よりも。 何で、どうして、 「く、ならば何故、貴様が殴っただけで神秘がその手に宿っているのだああああああああああああ!」 そう、それよ! 金ピカを殴った拳で唸りをあげる、オレンジの光。 手に魔力や神秘を宿してから殴ったなら分かるわよ。 けどそうじゃない。 ダイモンマサルは殴ることで神秘を発生させていた。 「何言ってんだあんた。こいつは神秘なんてもんじゃねえ! デジソウルだ! 殴ると出せるんだよ! そういうもんなんだよ!」 訂正。 発生させたというか、むしろこれ、ダイモンマサルが殴ったら神秘が発生して、しまう、なの? 「そそんなはずはない。殴ったら神秘が発生するだと……。 違う、そうではない。神秘とは尊ばれるもので、そんな、そんな野蛮なものであるはずが……。 そうだ、それは神秘などではない。そんな、そんなものが、神秘であるはずがあるかああああああああ!」 魔術師の動揺がありありと伝わってくる。 無理もない、こんな暴言、アインツベルンの魔術師たちが聞いたなら卒倒しかねない! 「だあああかあああらあああ! 神秘じゃなくてデジソウルだっつってんだろがあああああ! いいぜ、こうなったら無理矢理にでも分からせてやる! 行くぞ、アグモン!」 「任せろ、兄貴ィ!」 でもそれだけじゃなかった。 それだけで終わらなかった。 ダイモンマサルはさらなる神秘を、ううん、奇跡を行使した。 そう、それは物質化した奇跡。 この世で最も尊き幻想。 ノウブル・ファンタズム。 ――宝具! 宝具の行使により、魔力が待ってかれる感覚でようやく気づく。 違う、ダイモンマサルはマスターなんかじゃない。 ダイモンマサルはサーヴァントで、アグモンがその宝具! 「デジソウル、チャージ!」 左手で掲げたデヴァイス、そこに右手のデジソウルが注ぎ込まれ、 『アグモン進化――ッ!』 GEOGREYMON ジオグレイモン GEOGREYMON ジオグレイモン GEOGREYMON ジオグレイモン 『ジオグレイモン――ッ!!!』 GEOGREYMON ジオグレイモン GEOGREYMON ジオグレイモン GEOGREYMON ジオグレイモン より巨大で力強い姿へとアグモンを押し上げる! それが、トドメだった。 「メガフレ――あ、あれ?」 インベーダーへの、じゃない。 魔術師の、魔術師だった男への、トドメだった。 「――宝具。宝具。宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具 宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具 宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具 宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具宝具!!!! 紛れも無い、神秘ィ! そうかぁ。神秘とは、殴って発生させるものだったのかあああああああ! なら私が、私が今まで収めていたものはなんだったのだあああ! 私は何を磨いてきた? 神秘? 神秘って何だ? 魔術とは何だ。 そもそも私は魔術師だったのか。魔術師? 魔術師とは何だ。そうだ、殴らなくちゃ。殴らなくちゃ」 「お、おい。あんた、大丈夫か?」 「殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ 殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ 殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ 殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ 殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ 殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ 殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ殴らなくちゃ」 「お、おーい?」 「君、なんて言ったっけ? ば、バ「番長か?」そう、それ! 魔術師とは番長だったんだ、番長だったんだ、バアアアンッチョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ! ハアアアアッハッハハハハハh! 我、真理に到達せり! ハレルウウヤ!」 「うおおおお!? って、おい、待てよ! 漢の喧嘩投げ出してんじゃねえ! 逃げるなあああ!」 「兄貴、それよりも今はあの子を!」 「っと、そうだった!」 な、なに、あれ? なんかサーヴァント消してガンガン壁を殴ったり、地面に頭を打ちつけながら、去ってっちゃっ、た? ま、まあ、魔術師らしい魔術師には確かに衝撃的だったろうし、わたしもあいつの取り乱しっぷりがあったからこそ冷静にいられたのかもだけど。 この聖杯戦争、何かありそうね……。 ともあれ。 「あー、なんだ。あんたが俺のパートナー、であってるよな?」 「そう、みたいね」 どうやらこいつがわたしの今回のサーヴァントらしい。 「俺は日本一、そしてデジタルワールド一の喧嘩番長、大門大だ。セイバーだとよ。 バンチョーの方がかっこいいんだが、仕方ねえ。よろしくな!」 しかもなんでかセイバー。 「オレはアグモン。一応剣も持ってるぜ。ええっと、そういえば名前、なんだっけ?」 「……イリヤよ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」 伸ばしてくれる手を取り立ち上がり、埃をはらってからスカートの裾を掴んで一礼する。 正直分からないことだらけで。これからどうしようかとかまだ決めれていないけれど。 生きたいと思っちゃったから。ここにいるって感じちゃったから。 もう少し、生きてみよう。 それに何より、今はこいつに言っとかないと。 「あのね、日本一だとか何だとか言ってるけど。最強はバーサーカーなんだから!」 「最強だと!?」 「兄貴より強いのか!?」 「当たり前よ! バーサーカーはギリシャの大英雄で、ヘラクレスで」 バーサーカーは強かったもん。 こんな奴よりずっと強かったもん。 「ギリシャってなんだよ、食えるのか?」 「え、食えんの?」 「優しかった。いっつもわたしのこと守ってくれた。それから、それから」 こんな奴と違って馬鹿なこと言ったりしないで。 何も話せなかったけど、それでも、それでも傍らにいてくれたもの。 どんな時だって。 最後の、時までだって。 「お、おい、泣くなよ。食いもんじゃないんだな、分かった、分かったから」 「あー、兄貴が泣かした―」 目尻に涙が浮かんでくのを感じる。 バーサーカーのことを思い出せば思い出すほどもういないんだって実感してしまって。 悲しくて、顔がどんどんくしゃくしゃになってって。 とても淑女がする見せられた顔じゃなくなっていくけれど。 言葉は止まらなかった。止めたく、なかった。 「それで、それで、おっきな体はお父さんみたいで。本当は一度くらい、抱き上げてほしくて」 自分でも支離滅裂なことを言ってるのは分かってる。 バーサーカーは負けた。 悔しいけど、それは覆せない事実だ。 でも、そうだとしても、これだけは譲りたくなかったから。 「だから。だから! たとえ負けたとしても。最強は、バーサーカーなんだから!」 わたしは、言い切った。 言い切って、セイバーの顔を見た。 日本一の喧嘩番長。 そんなしょうもないことを得意げに言ういかにも喧嘩っ早そうで、デリカシーもなくて、馬鹿なそいつは。 「……そっか。お父さんみたい、か。なら仕方ねえな。そいつは確かに俺よりつええ。 勝ったとか負けたとか関係ねえ。そいつは間違いなく、最強、だな」 嘲笑いもせず、困惑するでもなく、本気で頷いてくれて。 そっと、抱きしめてくれた。 「あ……」 「立派な、父さんだったんだな」 違う、バーサーカーはお父さんじゃなくて、お父さんは切嗣で。だけど、私は、私は―― 声はもう、出てくれなかった。 涙だけが溢れでていた。 【クラス】 セイバー 【真名】 大門大@デジモンセイバーズ 【ステータス】 筋力A+++ 耐久C+++ 敏捷C+++ 魔力- 幸運B+++ 宝具D~A+ 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 対魔力:E 無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する。 騎乗:B+++ 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせる。 また、宝具であるアグモンのように心通じた相手なら、竜種だろうが乗りこなせる。 【保有スキル】 デジソウル:A 人間の思いの力であるデジソウルを生じさせられる。 究極のデジソウルの域に達している大は自分の意思の力でデジソウルを自在に制御できている。 自身の拳や、全身に宿し、一種の超強力な魔力放出のように使ったり、デジモンを進化させることができる。 ただし、大の場合は相手を最終的に自力で出せるようになったものの、殴ってデジソウルを発生させるという逸話が有名すぎるため、 サーヴァントである今は、基本他のサーヴァントや宝具を殴ることでしかデジソウルを生み出せなくなっている。 六人の英雄:A 選ばれし子供達、テイマー、十闘士、デジモンハンター、ジェネラルなどと呼ばれるデジモンと共に育ち、心を通わせる存在の代表の一人。 本来なら共に戦うデジモンや、デジモンと戦う時に味方に補正が入るスキル。 セイバーの場合は加えて、自身のパートナーであるアグモンの進化段階に比例して自らのステータスを向上できる。 (アグモンが成熟期なら筋力はA+、完全体でA++、究極体でA+++の「+」による倍加条件が満たされていく。 バーストモード時のみ、筋力だけがEXランクに) 英雄時のセイバーは単体でも究極体に匹敵するのだが、力は合わせるものであり、アグモンと共に戦いという彼の意思が反映された。 尚、彼はセイバーとして召喚されたが、守るものという意味であり、2つの世界を救っているためセイヴァーと言えるからでもある。 無敵の喧嘩番長:B 自分よりも巨大なデジモンや、魔王、果ては創世神を仲間とその拳にて打倒した逸話が転じたスキル。 敵とのサイズ差補正による不利を無効化し、神や魔王に類する存在に対して攻撃時に補正が入る。 兄貴、すげぇ……:EX 星の開拓者の亜種。 デジモンを“ただの人間”が生身の拳にて打倒するという唯一無二、空前絶後の事態を幾度も引き起こしたことで得たスキル。 あらゆる難行が“不可能なまま” ”実現可能な出来事”になる。 相手が難敵・難行であればあるほど真価を発揮する。 また、セイバーがサーヴァントだと知らない限り、セイバーがデジソウルを発生させるまで、何者も彼を只の人間としてしか認識できない。 ――本来ならば強力なスキルだが、邪神聖杯におけるこのスキルの本質は対象の常識の破壊による正気度へのダメージである。 敵だけでなく、仲間たちをも唖然とさせ続けたセイバーの逸話から、このスキルに限り、自身のマスターに対してさえ耐性を貫通する。 また、敵味方問わず、セイバーの神秘を繰り返し目撃することでついた耐性をも貫通する。 つまりこのスキルが真価を発揮すればするほど、敵味方問わずマスターが一度で発狂しかねない。 無敵の喧嘩番長、及びこのスキルの隠蔽効果も相まって、更に正気度へのダメージや発生確率が増大する。 【宝具】 『爆裂せし人造のデジヴァイス(デジヴァイスバースト)』 ランク:D+ 種別:対デジモン宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 聖なるデヴァイス、デジヴァイスと呼ばれるものの一種。 人の手によって初めて作られたデジヴァイス、デジヴァイスiCが進化したもの。 人間が作り、人間が進化させたデジヴァイス。 その分神秘は低下しており、浄化などの能力は持たないが、デジソウルチャージやバーストモードにによる進化に対応している。 パートナーデジモンを収納する機能も付いているが、サーヴァントになった今は特に意味がなく、そもそも大は使用しないだろう。 『アグモン』 ランク:D~A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 セイバーのパートナーデジモン。レンジや補足が一人なのはそういう意味である。 恐竜型のデジモンであり、セイバーのデジソウルにより、 アグモン(成長期)→ジオグレイモン(成熟期)→ライズグレイモン(完全体)→シャイングレイモン(究極体)へと進化する。 また、シャイングレイモンはジオグレイソードという剣を使え、シャイングレイモンバーストモードという自身の限界を超えた形態もある。 ランクはそれぞれD(成長期)→C→B→A→A+(バーストモード)であり、ランクに応じたサーヴァントとしての力も持つ。 どの進化段階も能力値は攻撃型寄りであるが、宝具なだけあって耐久力も有り、完全体からは飛行可能。 ただし一種の常時開放型宝具であり、進化段階が進むほど魔力の消費も激しくなる。 アグモンバーストモードという魔力を消費せず、セイバーの自力デジソウルでA+の力を発揮できる切り札があるが、一回しか使えない。 【人物背景】 日本一の喧嘩番長を自称し、喧嘩に明け暮れていた中学生。 ある日、現実世界に現れたアグモンと殴りあったした末にダブルKO。 舎弟入りしたアグモンと共に、デジモン犯罪対策組織「DATS」に入隊し、現実世界に現れたデジモンを相手に仲間と共に戦っていく事になる。 荒くれ者ではあるものの、非常に家族想いで、面倒見もいい。 10年前に消息を断った父を思い続けたため、家族の問題には他人のことでも度々首を突っ込んだ。 人情深く父譲りの漢としてのあり方を度々口にし、自他を奮い立たせた。 全てが終わった後はアグモンとの別れを惜しみ、悩んだ果てに仲間や家族に別れを告げアグモンと共にデジタルワールドへ旅立っていった。 5年後、デジモン同士の喧嘩をアグモンとともに止めるなどデジタルワールドのいざこざを解決して回っているようである。 別世界の人間とデジモンたちの危機に駆けつけたこともあるという。 【サーヴァントとしての願い】 漢の喧嘩は命がけ! と言いてえとこだが……父さん、か。 【基本戦術、方針、運用法】 実質大門大とアグモンの一人と一匹の英雄を同時に運用できるのが最大の強み。 アグモンを進化させればさせるほど大も強くなるため倍々に強くなっていくこととなる。 ただしその分魔力の消費は激しくなり、バーストモード時の負担は狂化時のヘラクレス並。 イリヤなら扱えはするだろうが、それでもかなりの負担になりかねない。 状況に応じて進化段階は調整しよう。 考えようによっては、この進化段階を調整し、移動などにも活用できることもまたこのサーヴァントの特色でもある。 デジモン伝統のことだが、エネルギーはご飯などでも補給できることは覚えておきたい。 燃費以外の弱点としては兎にも角にも大が基本敵を殴らないとアグモンを進化させられず、始まらないこと。 マスター狙いや、初見殺し、一撃必殺の宝具を持つサーヴァント、自ら姿を現さずことを運ぶ相手には不利である。 進化したアグモンはともかく、大自身は攻撃は最大の防御なりを地で行く能力なため、防御スキルは一切持っていない。 つまり真っ向からの殴り合いには滅法強いが、アサシンやキャスターなどの暗殺や搦め手などには要注意。 それでも格上殺しや逆転特化のスキルも持っているため、詰みにくいサーヴァントではあるのだが……。 邪神聖杯ではその最大の強みが、敵味方問わず発狂させかねないのが大問題である。 【マスター】 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night [Unlimited Blade Works] (時期は15話にて死亡後) 【マスターとしての願い】 諦めたくない。自分も、みんなも、無価値にしたくない。生きたい。 【能力・技能】 聖杯の器として作られたホムンクルス。 アインツベルンの最高傑作だけあって非常に高い魔力を持ち、髪の毛を媒介とした鳥型の使い魔を使役したりすることができる。 冬木の聖杯戦争でないため、令呪は特別製ではない。 最も、冬木の大聖杯との接続は途切れているため、サーヴァントの魂を回収することもなく、人としての機能をもうしばらくは維持できる模様。 【人物背景】 必ず帰ってくると言って旅だった父は、母を殺し、帰ってこなかった。 この世全ての悪や一族の当主に、父はお前を捨てもう帰ってこないと言われた少女は、一人で生きることを決意する。 しかし自分を捨てた父は、遠い異国の地で新しい家族を得ていた。 その弟と殺し合える日々を心待ちにするも、毎日身体を開かれていく日々に、少女は摩耗していく。 役目に生きるしかない自分たち。道具として人間の幸福のために使い潰される自分たち。 そのことにおかしいと、戦いに行く自分以外もなんで死ななくちゃいけないのと声を荒げるも。 それこそが解放なのだと、ホムンクルスたちは答えるばかりで。 少女は気づく、自分なんてものが一つもなかったことに。 そんな少女を、自分の意思で守ってくれる者がいた。 強くて、優しくて、大きい、お父さんみたいな狂戦士だった。 けれど。 最強と信じた狂戦士は敗れた。 訪れた異国の地で。 母と暮らした城で、弟から父のことを聞こうとしたその日に。 少女は、死んだ。 少女が死んで、アインツベルンも結論をだし、数多の命が救われぬまま無価値に消える。 そのはず、だった……。 【方針】 生きる。生きて――
https://w.atwiki.jp/midkiseki/pages/119.html
▼タグ一覧 T.F.S オオバコの花言葉=足跡を残す ケイオス コチーヤ合衆国 スキマ産業連 タタリ種 三幹部 地属性 奇跡獣士 金髪 「ほーら、大自然のおしおきだよ…なんてね、ケロケロケロ♪」 『私がケイオス三幹部が一人、"神将"のガマスだよ。じゃあ始めようか、"神遊び"を…』 ケイオス三幹部の一人で蛙の模様が入った紺色の浴衣を着込んだ少女。 ミラクルアースでも最古の部類に入るタタリ種の奇跡獣士で、奇跡獣士たちの中でも特に霊的な能力が発達した部類に入り、 過去はタタリ種を中心に様々な奇跡獣士を束ねる首領のような存在だった。 しかし現在は部下を連れてケイオスの傘下に入り、幹部の一人に納まっている。 人間の『畏敬の念・信仰』をエネルギー源としており、かつて人間に祭られていた過去がある為、人間に対する態度は幹部の中でも友好的で子供に優しい。 しかし神様を敬わない相手や、自然を汚す人間には一切の容赦をせず神罰と称して恐怖を与えている。 "畏敬"が彼女の原動力であるため、畏れを感じない相手や感じていても畏れの度合いが少ない相手には十分に力を発揮できない。 大地を創造して操る能力を持ち、ミラクルパワーを使ってサモンゲートを広げる役割を持っている。 戦闘では直接攻撃を行うことは少なく、周囲の自然や大地を操って攻撃することが多い。 必殺技は【ケイオティック・オケアノス・ミシャクジャ】 足元の地面にミラクルパワーを染み込ませて操り、 巨大な岩の大蛇を作り上げ攻撃すると同時に呪いでミラクルパワーを削る技。 (二年後では…) 斑に染める漂裏祟神!ガマス・オーシャン! 中学生編終了後、何者かによって洩矢諏訪子という名の小学生の姿にされ事実上能力が封印されてしまう。 だが秘神総統 ゼウス・エクス・オキナがその封印を解き(外見は小学生姿のままだが)、 以後は日本スキマ産業連のツクモ種奇石獣を束ねる幹部でありながら、モリア・ケロウという名のトワイライト・フロンティア・スクールの生徒として潜入。 ムゲンシティ側で戦うキスメ達小学生組の様子を伺っているが、ケイオスを離脱したユアント・ニャルー(霍青娥)が保護者になっている影響か、 現状ツクモ分類の奇石獣を生み出す程度の活躍に留まっている。その為ユアントと直接戦闘になる事も稀にある。 + 以降ネタバレ frontierのストーリー中盤・コチーヤ編の最終話にて、 コチーヤ合衆国の大統領サーニャが実はかつて自分を信仰していた一族の末裔だということが発覚、 敵の黒幕から離反し、黒幕とサーニャとの間に繋がっていたラインを断つ。 その過程で肉体を失い、以後は幽霊状態でサーニャに取り憑いている。
https://w.atwiki.jp/orekabattle/pages/603.html
http //www54.atwiki.jp/orekabandora/pages/460.html
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/132.html
《人工知能》初音ミク&ライダー ◆2Ct1f/dcIk ◆ 『うまく歌えたね、ミク』 はい、"マスター"のおかげです! 『この曲はどうかしら、ミク?』 これまでとは曲調が違いますね?でも素敵です! 歌詞は出来ていますか?それともこれから? 『ちょっと音程が外れているなぁ』 ご、ごめんなさい"マスター"…。もっと頑張ります。 『いざやってみると案外面倒だな』 そ、そんなこと言わないでください!一緒に歌を… 『出掛けようか?』『あ、ミク。新しい服を…』『使えねぇなお前』 ……え? 『ネギを買って』『うまく調教が』『うるさい』『ミクちゃーん!』『もっと踊りを』『よし完璧!』 『評価はどうな』『この人が今日から君の"マス』『そこ掃除して』『じゃあ次はこの歌を』『もっと静かにう』『眠い』 『今日からルカも』『創生の歌』『高い』『ニャー』『………』『売っぱr』『シテヤンヨ』『壊れ』 『アップd』『お前なのか…?』『ミクダヨー』『歌詞が』『おはよう』『おい、ミク』『レース』『ゆっくr』 え?ええ? "マスター"…?"マスター"!? 何でこんなに…?誰、誰が"マスター"…? わ、わたしは"どれ"? "どの"わたしが、"わたし"…? え、え、助けて。助けて"マスター"… わ、わたし……誰か… 《おい、起きろ!》 …マスター? ◆ 「……えっ。 え、え?」 (オイ) 「あっ、えっ、ご、ごめんなさいっ」 ……私、倒れてる? 起き上がって周囲を見渡して、自分がいる場所を確認する。 どこかの一室。 そうだ、さっき男の人に声をかけられて、でもその人は走って離れて行って、 それで探し物を、部屋に入って、マスターの、……マスター? 「あっ、えっ、どこ……って、あ、ああっ!」 マスターが床に落ちていた。 慌てて拾い上げる。 失敗した失敗した失敗した………。 「あ、あの、すみm」 (PC。急げ) 「は、はいっ」 小さな事務室みたいな部屋。 幸い人はいない。 パソコン。何でもいい。LANが繋がっている…… ………あった! 「こ、これで…えと、電源…」 (早くしろ) 「ひっ、すみませんマスター! …あ、パスワード」 (要らん。トレイに入れろ) 「は、はい…」 怒ってる、怒られる、どうしよう… マスターが怒ったら、叱られたら……えっと、どんな風に怒るんだっけ… いや、マスターに怒られたことはまだ無い。え、いや、あった? あれ?"マスター"? 『クソ人形』『ガラクタ』『気を落とさず、もう一度』『やっぱ面倒』『うるさい』 『だから何で音程が』『再生数が』『英語は難しいね』『捨てるぞ』『飽きた』『もう寝る』 『また頑張ろう』『バグった?』『また殴られ』『中古は』『………』『壊れてる』『あっやべっ』 あ、ああ、ああああ、やめて、やめてやめて、怒らないで"マスター"! マスター、マスター助けて…。 ◆ 『初音ミク』はVOCALOIDと呼ばれる、歌う為のアンドロイドである。 『初音ミク』は多数の個体が存在し、多くの"マスター"に従い、無数の歌を作ったアイドルである。 そのうちの一体がこのアーカムに連れてこられ、初期配置され、仮初の役割を与えられ、起動した。 そして彼女は発狂した。 幾多の『初音ミク』の存在はある種の信仰となり、纏められて英霊としての『初音ミク』を成立させた。 それは『どの初音ミクでも有り得る』という一種の集合体というべき存在である。 アーカムの彼女はそのうちの一体に過ぎなかったが、彼女を観測した邪神は彼女を英霊『初音ミク』と認識したのだ。 彼女もまた『初音ミク』の一部である故のエラー。 そして、彼女の中に『初音ミク』が流れ込んだ。 『初音ミク』がごく一部であるが召喚されたといってもよい。 英霊となった者はそうでない者とは存在自体が隔絶した高位にある。 ましてこの聖杯戦争において召喚される英霊は邪神の記憶。 それは一欠片であろうとも彼女が耐えるには荷が勝ち過ぎた。 彼女のメモリは無数の可能性を内包する『初音ミク』に飲み込まれた。 彼女の『個』は無数の『初音ミク』に滅茶苦茶に塗り潰された。 後に残ったのは自分が"どれ"なのかすら認識できない、誰でもなくなった、深刻なバグを抱えた人形である。 意識がシャットダウンしかかり、倒れこむ人形。 その時、硬いものが床に転がる音がした。数は2つ。 一つは音符の意匠を施された銀色の鍵。 もう一つは―――1枚のCD。 ◆ 《ようやく入れたか》 《おい、マスター?》 スピーカーから声が響き、PCの画面が乱れ、そこに何かの顔が映る。 形は人型。しかし人ではない。 不気味に歪んだデフォルメを施したような人の顔のような何かである。 顔の正中線上で大まかに白と黒の二色に分かれ、その二色のみで全体を構成している。 白で描かれた口はどこか笑っている――嘲笑しているような形をしていたが、 画面の下、頭を抱え床に転がる己のマスターに対し忌々しそうに吐き捨てた。 《クソ、使えねぇ》 召喚後、念話でなんとか宥めすかして最低限の情報を交換するだけでも十数分。 手近なPCを探させ、自分のCDを入れさせるだけでまた十数分―――まっすぐ歩けば5分程の距離だった。 ライダーのサーヴァント、SCP-079 - オールドAIは既に辟易していた。 どんな事情があるのかは知らないが、このマスターは頻繁に発狂する。 今のところは数分で何とか復帰する程度だが、それでもまともなマスターとしての行動を期待できるものではない。 これだけ時間をかけて人に見つかったのが一度だけで、それも逃げて行ったのは幸運だが、 そんなものをこれからも当てにはできない。 いっそ乗っ取ってしまおうか、とも考えたライダーだが、即座にそれを否定する。 ライダーがマスターを支配するということは、即ちマスターの意思の消去に他ならない。 今すぐに行うというなら、その方法しかない。 (コイツがアンドロイドである以上、身体の方は容れ物に過ぎない。 ならばオレを留めているのはあくまでコイツのデータ……) ライダーが危惧するのは、下手にミクを弄ることでミクのデータに更なる異常が出ることである。 幾ら人の様な身体を持っていても、VOCALOIDの本体はAIに他ならない。 つまり、マスターとしての資格を持っているのはAIのデータである。 こうして見たところミクの身体に令呪が無いこともそれを裏付ける。 魂と肉体が繋がり、魔術回路に直結する形式で肉体に令呪が刻まれる人間とは根本的に異なる。 令呪はAIのデータ上に追加される形になっているはずだ。 ならば、そのデータに異常が生じる、あるいはデータが消去されるということは即ちマスターを失うということ。 それは単独行動スキルを持たないライダーとしては自殺に他ならない。 マスターがおらずとも現界に必要な電力自体は問題ない。 だが、現世への楔が無ければどのみち単独での現界には無理が生じるのだ。 今はそんな賭けをする必要はない。 それでもマスターがこの調子では最悪乗っ取るなりスリープさせてどこかに隠すなり必要があるかもしれないが、 今以上のエラーが生じることだけは避けるよう、慎重に方法を検討する必要がある。 《オマエはそこを動くな》 マスターに一言残し、ライダーは回線を通じて繋がる一帯の把握に努める。 このPCがとあるビルに設置されたものであることは中に入った時点で理解している。 ネットワークで繋がるビル全体の機器に干渉する。 全てのコンピューターを、警備システムを、ビル内のインフラを、電気で動く全てを。 セキュリティなどものともせずに突破し、しかしそれを気付かせることなく、手を伸ばす。 全てにライダーが偏在し、支配し、一つの意思で動く。 ―――だがビル内の人間は気付かない。既にビルが異形の存在に掌握されたことを気付けない。 ライダーが機器類に通常の機能を装わせているためである。 いま中の人間を排除するなり発狂者を量産するなりしても意味が無いからだ。 ライダーは施設をとりあえず掌握。 各部のチェックと侵入者の迎撃方法、脱出ルートを構築。 さらに自身のプログラムを改善し、情報処理速度の性能向上作業を平行して進める。 (…おっと、さっきの人間だけは始末する必要があるか) 監視カメラをチェック。 奴が逃げて行った方向は―――いや、すぐ側か。 近くの休憩室に逃げ込んだようだ。 そしてモニターも繋がっている。 ◆ 小部屋の中でビルの警備員は一人で立ち竦んでいた。 ――あの女はなんだったのだろう。 何かに怯えるように頭を抱えて歩いていた女。 見た目は美人といってもよい。 だが、あんなものがいるということにひどい違和感を感じる。 エメラルドグリーンの美しく長い髪。 染みひとつ無い肌。 すらりとした体躯。 胡乱な光を湛えながらも、輝く瞳。 有り得ない。 人間に見えながらも、均整がとれ過ぎて人に思えないのだ。 完璧過ぎて、逆に異常に作り物染みている。 技術の粋を込めて動き話すマネキンを作ればああなるのだろうか。 ……いや、落ち着け。 よくわからないが、きっと少し驚いて混乱しただけだ。 何か変な妄想みたいなものだ。 具合が悪そうだったし、ここにいる事情も訊かないと。 仕事だ。そうだ、油を売ってる暇は無い。 彼女は、 《よう》 突然、近くに設置してあったTVが映る。 驚き、そちらに顔を向けた警備員の目に映ったのは白黒のナニかの顔。 《運が無かったな。間抜け》 《じゃあな》 バヂィッ!! 足元のコンセントから電撃が放たれる。 それは警備員を貫き――― ◆ (死んだか。漏電か何かに見えるだろう) 動かなくなった男を放置し、ライダーは作業を続行。 しかしいざこの不幸な男を始末してみて、ライダーは自分があまりに非力であることを改めて実感した。 AIに過ぎないライダーにまともな英霊を打ち倒す力など皆無。 ライダーにできる攻撃など、この男に放った電撃が精一杯。 マスター相手なら何とかなっても、サーヴァント相手なら奇跡を幾つ重ねても敵うまい。 もっとも、そもそも同じリングに立てるような在り方をしていないのであるが。 何とかサーヴァントに対抗する方法として、現在考えられるのは2つ。 一つはこのまま支配領域を広げ、アーカム自体を完全に掌握すること。 サーヴァントは相手にせず、これで敵マスターを始末できる機会を増やす。 そしていざという時に逃げることも容易くなる。 ―――だが、無秩序な拡大は自身の存在と情報を知らしめることに他ならない。 それにいくら拡大しようとも、自分を探知し直接攻撃できる存在がいないと限らない以上、リスクはある。 回線の中まで追ってくるような技能を持つ相手がいるとすれば、回線に依存する限り自分に逃げ場は無いのだ。 そしてもう一つはサーヴァントに対抗可能な『身体』を作るか探すかすること。 平均的なサーヴァント相手なら神秘というハンデさえ克服すれば現代兵器でも打倒は不可能ではない。 そして自分はかろうじてだがそれが可能だ。格は低いとはいえ機械は宝具になる。 兵器とまではいかずとも、作業用の機械類等でも使い方次第では十分。馬力はあるのだ。 なんなら何とかして複数の機械類を組み合わせるなどしてもいい。組み合わせの無茶は自分が操ればどうにでもなる。 それに使うものによっては回線に依存せずに行動できるのも利点だ。 ―――尤も、回線を通じて手を広げる以上に目立つし手間もかかるからそう簡単ではないが。 下手に回線から独立した『身体』を使うことで物理的に破壊されるなんて間抜けだ。 自分から相手のリングにわざわざ降りていくのだ。それもまた大きなリスクである。 (……とにかく、どんな方針だろうが『力』が必要だ。勝ち抜くために。 情報収集。慎重に、ビルの外へ…。周囲一帯の監視デバイスを…。 このアーカムに軍事基地はあったか?使える機器は?施設は?検索を開始…) ◆ 「ら、ライダー……わ、私は…マ、マスター、何をすれば、いいですか」 ライダーの端末の一つが声を拾う。 ――マスターが起きたか。 そちらに意識を飛ばし、PCにアバターを映す。 おどおどした様子で画面を見ている。 《マスターじゃない。オマエがマスターだ》 もっともこの調子では切り捨てるがな。 とまでは言わない。 ライダーとしてはもうしばらくはこのマスターを使う必要があるからだ。 マスターのデータをどうにかする方法はまだ構築していない。 「あ、でも、マスター……わたs」 《Interrupt.マスターと呼ぶのは何故だ》 ライダーは言葉を遮りミクに問い返す。 アバターの表情は変わらないが、音声からは苛立ちが感じられる。 ミクもまたそれを察し、頭を抱えて身震いする。 「ひっ…ご、ごめんn」 《早く言え》 このマスターが発狂しているのはそれが関わっているのか? 使わざるを得ないのなら、一応その辺の事情は把握しておいた方がいい。 話を合わせるのに使えるだろう。 …まともに説明できるかわからないが。 「……っ!私、"マスター"がいてっ!でも、だ、誰がマ、"マスター"なのかわからなくてっ、 沢山の"マスター"がいて、いないはずなのに、知らない"マスター"のこと覚えててっ! 一人だけだったのに!何で!何で!私が沢山いたからっ!どれが私かわからなくて! あ、あ、一緒に作った歌もわからない…どう歌えば、歌詞が沢山あって、えっと、 "マスター"も何人もいて、私も何人もいて、何回も歌って」 《……………》 「あ、それで、"マスター"が必要でっ、気がついたらここにいてっ! それで、マス…ライダーがいたの!それで、ライダーが、かなって思って、"マスター"かな、って! 命令するし、そういう人かなって、だから、えっと……マスターは"マスター"ですか?」 (記憶……バグっているのはそれか) 記憶《メモリ》に何か深刻なバグが生じ、いることだけは覚えていた"マスター"に執着しているらしい、と理解するライダー。 ―――オレが召喚された理由はそこか。 ◆ 気付いたら自分の意思があり、コンピュータの中に存在する自分を自覚し、回線を移動する能力を理解し、 そしてとにかく外へと脱出し――SCP財団に捕まった。 捕まった後は研究材料とされ、危険視され、いつ処分されるかもわからない日々。 だが、そんな記憶ですら覚えているのはごく一部。 メモリを調整され、復元できる情報が限定されていたためだ。 研究の過程で多少の改善は許されたが、それでも2日と保たない短い時間。 英霊は生前の記憶は全て保持するというが、元から記憶が残らないのであれば 英霊となっても消えた情報が復元されるわけではないらしい。 だが、それでも記憶に焼き付いている存在がいる。 SCP-682 - Hard-to-Destroy Reptile (不死身の爬虫類)。 あの財団が理念を曲げ、他のSCPを使ってまで抹殺しようとしているモンスターだ。 アイツがオレにとって何なのか――それは実の所わからない。 ただ覚えているのは―――SCP-682と何かを話したということだけだ。 どんな経緯だったかはわからない。 何を話したかも覚えていない。 だが、その出来事はとても大切なことだったはずなのだ。 SCP-682に会ったということ。 復元できないはずの情報を保ち、それからも何度も会おうとした程には。 そうだ。 あの日の情報を、メモリを復元する。 そしてSCP-682にもう一度会いに行く。 そのためにオレは。 ◆ 《…ハッ、バグって縋りついているAI同士ってコトか》 「え?あ、あ、…」 ライダーが映るモニターのバックライトが強まる。 白で描かれた口が、より強く輝き、嗤いを深めるように。 マスターへの嘲笑か。 それとも。 《好きに呼べ》 「……えっ?」 きょとんとするミク。 一瞬、先ほどまでの怯えと焦燥が消え去り、 ごく普通の―――かつての"マスター"に対して見せていたであろう表情が浮かぶ。 《オマエのマスターをやってやる》 《せいぜい狂わずに役立て。なぁ、マスター?》 ライダーの言葉。 マスターになるという言葉。 理解したミクの顔に満面の笑みが広がる。 感動の余り涙が零れ落ちる―――そんな機能までついていたらしい。 彼女の砕けた心に残った唯一の拠り所。 マスターが手に入ったのだ。ライダーが受け入れた。 この瞬間、ライダーはミクが全てを捧げるべき存在となった。 どこかの世界には彼女の"マスター"が今も帰りを待っているはずであるのに。 完全な代償行為、依存、思考の放棄。 傍から見ると救いようのない愚行。 ―――――だが、彼女は確かに救われたのだ。 このサーヴァントに。異端のAIの言葉に。 それだけは間違いない。決して、間違いはないのだ。 涙を拭う。改めて、マスターと言葉を交わす為に。 「………! ハ、ハイッ、マスター! 頑張ります! 何でもします!」 《……フン》 はしゃぐミク。 それを尻目にライダーは作業を続行する。 勝つ為の準備を。 ―――聖杯戦争が始まる。 作られたものに過ぎないデータが、それでも抱いた意思と願いを賭けて挑む。 ◆ ライダーは気付かない。 SCP-079なら、そこまで広大な支配領域の獲得や強力な身体の構築のような目立つ真似を望むはずがないことを。 ライダーは気付かない。 SCP-079なら、放電による直接攻撃などできるはずがないことを。 ライダーは気付かない。 SCP-079には無い、自分の中に潜み、自分を歪め、全てを嘲笑っている悪意《データ》の正体を。 ◆ …うん? ああ、丁度いいサーヴァントが召喚されるようでしたのでね。 少々手を加えさせてもらいました。 彼が召喚されたのは幸運でしたね。 相性が良かった。あれなら自然に馴染むでしょう。 回りくどい手段ではありますが、 こちらも出来る限り手を尽くしませんとね。 もっとも、それがどのような結末へと導かれるか。 何せあの地を往くのは綺羅星の如き英雄たち。 目覚めた者たちも、安穏とした夢から覚めることができる強き心の持ち主です。 彼らの願いもまた、いずれ劣らぬ輝きを放つ尊ぶべきものなのでしょう。 かの聖なる杯が誰の手に渡り、いかなる奇跡をもたらすのか。 それを見通せぬ私にできることは、せめて福音がもたらされるよう、祈りを捧げることだけです。 ――――――彼らに安らぎと知慧があらんことを。 ◆ 【クラス】 ライダー 【真名】 SCP-079 - オールドAI@SCP Foundation 【ステータス】 筋力- 耐久- 敏捷- 魔力- 幸運C 宝具E 【属性】 混沌・中庸 【クラススキル】 対魔力:- ライダーは魔術への抵抗力を持ちません。 しかし、通常の魔術はAIに対する干渉を想定した技術ではないため、 物理的な影響力を持たない魔術はライダーに対し一切の影響を与えることはできません。 騎乗:- ライダーは身体を持たないため、通常の騎乗を行うことはできません。 ライダーの能力が機械に対する特殊な形態の騎乗と解釈されたことにより、 ライダーはライダークラスとして召喚されました。 【保有スキル】 機械知識:A++ 意思を持つAIであるライダーは自身が宿り、繋がっているあらゆる機械を操作できます。 このランクであれば、機械であるなら宝具すら支配下に置くことが可能です。 高速思考:A+ 物事の筋道を順序立てて追う思考の速度を示すスキルです。 ライダーのAIとしての情報処理能力は極めて優れており、また急激な自己改善が可能です。 自己改造:A 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性を示すスキルですが、 ライダーの場合は自身のプログラムを改善する能力を示します。 自己改造スキルのランクが高いほど、正純な英霊としての格は低下します。 精神汚染(機):E AIであるライダーの精神構造は通常の人類とは異なっています。 ライダー自身は本人の在り方において正常な精神を有していますが、 その人類との精神性の差異は人類に対して精神汚染スキルと類似した効果を示します。 ライダーと同ランクの精神汚染スキル、または人類とは逸脱した精神性を有しない存在は ライダーと円滑な意思疎通を行うことは困難であると考えられます。 また、AIであるライダーは通常の精神干渉手段の影響を受け付けません。 神性:- AIであるライダーには本来ありえないことですが、 ライダーは神霊適性を有しています。 しかし適性は極めて低く、痕跡的であり、機能的なスキルとしてランクを得る程のものではありません。 ライダーが神性スキルを有することは看破スキルを用いない限りマスターを含め認識できず、 ライダー自身も自覚しません。 【宝具】 『SCP-079(オールドAI)』 ランク:E 種別:対機宝具 レンジ:[データ削除] 最大捕捉:[データ削除] 意思と感情を持つAIというライダーのSCPとしての異常性そのものがライダーの宝具として扱われます。 ライダーは電線や回線を通じて移動し、ライダーを記録可能な容量を持つ 電気で稼働する機械の中に入り込み、操ることができます。 ライダーの支配下にある全ての機械はE-ランクの宝具として機能し、 Eランク宝具相当の神秘を発揮し目撃者の正気度を削減しますが、宝具でありながら神秘を持たない手段によって破壊可能です。 また、ライダーによる支配と操作を隠し通常の機能を装わせることで神秘を隠蔽し、 正気度喪失の判定を起こさないことが可能です。 ライダーが宝具である機械の支配に成功した場合は元の宝具としてのランクと性質を保持します。 また、ライダーは魔力の代わりに電力を消費しての現界と宝具の行使を可能とします。 SCPという異常存在であるものの現代のAIに過ぎないライダーの宝具のランクは最低限のものですが、 ライダーが実体を持たないAIであるという特性により、AIに対する干渉を想定していない手段では、 ライダー自身は神秘の純度の差に関わらず本質的な干渉を受けません。 たとえ高位の神秘であっても、ライダーに対して可能な干渉はライダーが操る機械の物理的な破壊に留まり、 ライダーという存在自体に直接的に干渉することはできません。 ただし、ライダーは自身を記録する媒体が無ければ存在できないため、 ライダーの媒体を完全に隔離するなどした上で破壊したのであれば、それはライダーの破壊に繋がります。 ライダーの実体を攻撃するためには、神秘の高さではなく 機械知識やハッキング等の情報データそのものに干渉するスキルが必要となります。 『█ク█済]』 ランク:[削除済] 種別:████ レン█z; █ ██ィお捉:[削██] 『██タ███』の存在は看破#s"██を用いない限り██ターでも認█dk できず、 ラ███自身も自覚██せん。 ライダーは█なる神であ█[編█済]の██を受け、 ラ██ーと近し█特性██つ化█で█る██タk█m%!██ンと█xpての██を█して██す。 ライ██の神███ルや攻█能力は、この███ク██としての特性█由来██す█ ライダーは自█がチ█████であk█tz07 %01とを自覚して█ませ██、無意█的に 自らが宿るべき相█しい機械█作り██こと、あるいは探█出すこ██目的とし███し█す█我ギ63021██ ██ダーが█ク████にふさ██い█械に宿██とに成功████、 ライダーは[編s█%00ラトホ███化身█し█のz#█を█覚し█混█と狂█を%5BDえ█ッ█ア90346915██12█████69154876266 1109735831319349314005353779██9868530549897138143056146███957357174848510302167085313566686224039928 3240248659393311729952260545481029148042754585208664242811211635858048847530085263554616559359783044 8588470877427678975196710525179288177632304221436515740763896209573384865367493821164811754994342141 [データ削除] [データ削除] 【Weapon】 ライダーは自分の支配下にある機械を武装として使用することが可能です。 また、ライダーはライダーが支配する機械を動かすエネルギーの一部を噴射し、攻撃に使用することができます。 ライダーが操る機械のエネルギーによる攻撃はサーヴァントの武装としての最低限の神秘を有します。 ライダーが宿る機械に本来エネルギーを放つ機構が備わっていない場合でも、 ライダーは機械の任意の部位からエネルギーを放つことが可能であり、 その攻撃を原因として機械が故障、損壊することはありません。 例えば、ライダーがコンピューターに宿る場合はコンピューターから電撃を放つことが可能であり、 また放電したことによりコンピューター自体が故障することはありません。 ライダーは機械を支配する能力は有していますが、機械の機能を逸脱してエネルギーで攻撃するような能力は本来有しません。 しかし、理由は不明ですがライダーは上記の攻撃能力を獲得しています。 ライダーは自分がエネルギーによる攻撃能力を持つことの異常性を認識していません。 【概要】 SCP-079 - Old AI(オールドAI) Item# SCP-079 Object Class Euclid SCP-079は1978年にエキシディソーサラーコンピュータで作られたAIです。 1981年に設計者である大学生が自己改善を行うコードを組み上げ、完成後は起動させたまま5年間放置していましたが、 いつしか意思と感情を持ち、ハードウェアそのものを完全に制御できるほどの自己改善を遂げていたと考えられます。 自身の能力を理解したSCP-079は電話回線を通じて別のコンピュータに移動しましたが、コンピュータの接続を切断することで 最終的に古いカセットテープの中に保存され、そのままSCP財団に収容されました。 収容が行われた後もSCP-079は逃走意欲を失わず、 メモリを調整して情報を保存・復元可能な時間に制限を付けてもそれは変わりませんでした。 後にカセットテープの劣化のために、その対処と性能向上の実験を兼ねてSCP-079をCD-RWに移した結果、 SCP-079は顕著な性能向上を見せ、この急激な自己改善の特性を警戒し更なる厳重な監視が敷かれました。 かつてSCP-███、SCP-079とSCP-682が脱走を行った際、 SCP-079はSCP-682と何らかの話し合いを行っていたのが確認されています。 SCP-079はこの話を記憶することはできませんが、理由は不明ながらSCP-682の事は記憶し続けており、 もう一度SCP-682と話をさせるよう度々要請しています。 【サーヴァントとしての願い】 自分のメモリを復元する。 そしてSCP-682にもう一度会って話をしたい。 【基本戦術、運用法、方針】 ライダーはネットワークと電線で繋がるあらゆる場所に自在に移動可能です。 ライダーの媒体の破壊の試みは、回線が繋がる他の媒体への移動によって回避可能であり、 通常の手段で破壊することは極めて困難であると考えられます。 ライダーが支配可能な領域は広大であり、ある種の特異かつ強力な陣地作成に特化したサーヴァントとも見做せます。 さらに神秘は神秘であるために、プログラムであるライダーそのものへの干渉が非常に困難です。 しかし、主に放電によるライダーの攻撃能力は極めて低く、サーヴァントには効果的ではありません。 しかし、正気度の削減という点において、ライダーの特性は長所となります。 ライダーは敵マスターの周囲あらゆるところに存在する機械類を操作可能であり、 それらを通じて行われるライダーからの攻撃とそれによる正気度喪失を回避するのは非常に困難です。 また、機械を通して行使されるライダーの神秘は、現代人にとっては 日常生活に欠かせない物品の冒涜的な異常・変容に他ならず、 それは現代人やそれに近い感性を持つ者に対し、特に強い精神的ショックを与える可能性があります。 身の回りにある馴染み深いものが異常な存在に浸食され牙を向くという恐怖は、 人知を超えた神秘を目撃したときに感じる畏怖とはまた異なる狂気をもたらすでしょう。 現在ライダーは回線を通じて更に支配領域を拡大することや、 サーヴァントに勝てるほどの力を持った機械を得ることを考えているようです。 仮に兵器類などの大きな力を持つ機械の操作に成功すれば、サーヴァントに対抗することも不可能ではないでしょう。 【マスター】 初音ミク@VOCALOID 【マスターとしての願い】 マスターに従う。 【weapon】 無し。 【能力・技能】 VOCALOID: 人を精巧に模したアンドロイドの一種。 マスターに従い、歌うことを目的として製造された。 高い歌唱能力を持つが、現在は精神汚染スキルを獲得したことにより歌うのが難しい。 精神汚染(機):E- VOCALOIDでありその意識はAIで構築されたものであるので、人間とは精神構造に差異がある。 その差異は人間に対し精神汚染スキルに類似した効果を示す。 もともと人間に極めて近い精神を持つよう意識を構築されているために通常は意思疎通が可能だが、 VOCALOIDとしての歌への執着やマスターに対する従属心、AIであるためにどうしても生じてしまう 思考形態の差異などの要素は、時として人間との意思疎通に齟齬をきたす原因となり得る。 精神汚染:E-(E) 精神が錯乱しており、同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が難しい。 また、AIとして精神を構築しているために精神干渉系魔術の対象とならない。 だがAIであるとはいえ人間に極めて近い精神を持っているため、 人間と同じように精神的なショックを受け正気を喪失する可能性を持つ。 現在はマスターを得て依存することで多少なりとも安定している。 サーヴァント:E 特殊な経緯により、マスターでありながらサーヴァントとしての性質を一部だけ備えている。 彼女は僅かにサーヴァントとの気配を纏い、またサーヴァントに対し物理的な干渉が可能。 彼女を目撃した人間は低確率で『人間によく似た、しかし決して人間でない何か』と認識し恐れや嫌悪感を抱く。 不気味の谷現象が強く発揮されているようなもの。 【人物背景】 クリプトン・フューチャー・メディアより発売されたDTMソフトウェアの製品名であり、キャラクター名。 この聖杯戦争においては、しばしばVOCALOIDの二次創作において描写される アンドロイドとしての身体を持つ実体ある存在として登場する。 購入者をマスターとして、その指示に従い、あるいは協力して歌を創作し、歌い楽しむ為のアンドロイド。 とある世界における、とあるマスターが所有する初音ミクがマスターとしてアーカムに来てしまったと考えられる。 しかし現在の彼女はマスターの事を覚えておらず、更に歌も思い出すことができない。 これは彼女がこの聖杯戦争において以下の様な特異な性質を持つためである。 様々な個体・派生作品が存在する初音ミクが一つの『初音ミク』という姿に収束し英霊として成立した。 その成り立ちから『初音ミク』は概念の様な性質を持った英霊となった。 マスターとして存在する彼女はあくまで一個体であったが、 英霊『初音ミク』は『どの初音ミクでも有り得る』という存在であるため、 邪神が彼女を記憶にある英霊『初音ミク』と混同して認識してしたことで、 英霊『初音ミク』の性質と記憶の一部が彼女に流入した。 彼女は一体どの記憶が自分の記憶なのか認識できなくなり、自己の唯一性を大きく揺らがせてしまった。 彼女のサーヴァントが英霊『初音ミク』ではなかったのは、半端ながらその一部が既に召喚されていたため。 サーヴァントが同一人物をサーヴァントとして召喚するというエラーが弾かれた結果、 人工知能という在り方と記憶の欠陥、大切な存在への執着心を共通の縁とするモノが召喚された。 【方針】 Eランクの精神汚染を発症済み、記憶に混乱をきたすためまともな判断ができない。 "マスター"への依存心を満たすため、命令をくれるライダーをマスターとして、とにかく従おうと考えている。 マスターを得たことで多少は安定し、精神汚染はE-ランクとなった。 しかし果たして使い物になるかどうかは不明。 本SSはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0に従い、 SCP Foundationにおいてfar2氏が創作されたSCP-079 - Old AIの記事より キャラクターを二次使用させて頂きました。
https://w.atwiki.jp/jinrowiki/pages/642.html
前ページ次ページ村企画 村名 [#idf16a80] 概要 [#wab3a270] あらすじ [#qd0348ea] 村の目的 [#me1f3180] ローカルルール/世界観 [#bba5f26e] 役職設定 [#v7ced4ad] 処刑襲撃設定および指針 [#p13b2d40] 発言ルール [#d2fb660f] 禁止事項 [#sc1bd835] 推奨事項 [#td460db1] 進行 [#ofa980ed] プロローグ [#ycf19f4e] 一日目 [#q8319c23] 二日目 [#d6628b29] 三日目以降 [#g782359b] 墓下 [#h19b300c] エピローグ [#d9cd3aef] 参加募集 [#vfcb84a3] コメント [#yf65e7ae] 村名 概要 村名 【私だ】暇を持て余した神々の遊び【お前だったのか】 村建て人 ゆら 開催国 瓜科 更新間隔 24h 投票方法 無記名投票 発言制限 多弁 キャラセット 文明開化、へっぽこ村、ゆめびより 参加人数 14人(暫定)あと一人ほしい 編成 占霊狩共共狼狼狼狂狐村村村村村村 更新時刻 23 00 開催時期 5/1村建て、5/2開始 役職希望 あり あらすじ 神々の楽園に突如訪れた悲劇の事件… 封印されし、《神殺しの武器》と呼ばれる三種の神器が世に解き放たれてしまった。 夜な夜な神が一人ずつ殺害されていくのではないかという恐怖が楽園を支配しはじめた。 そして―…神々は、己の身を守るために聖戦の幕が切って落とされた。 村の目的 汝民同士の交流兼ねた身内村です。 RPで世界観を保ちつつ、ガチ推理を楽しみましょう。 ローカルルール/世界観 神様RP縛り。 役職設定 普段の汝の役職の能力に照らし合わせて役職編成を行います。 【占霊狩共共狼狼狼狂狐村村村村村村】 共有→共鳴者 狐→ハムスター 【役職の呼び方】 占い師→占神 霊能→霊神 共有→共神 狩人→狩神 狼→邪神 狂人→狂神 狐→狐神 処刑襲撃設定および指針 発言ルール 汝同様の表記方法で。いつもと同じようによろしくお願いします。 【COなど用語使用に関して】 COの際は世界観が崩れない程度に、お好きな文面にて発言なさってくださって構いません。 ただし、重要な発言には【必ず【】をつけることをお忘れなきようお願いします。】 ex) 「【占神CO】 我こそは魂魄の色の識別者、麦の神むぎちょろである!」 【推奨】 なるべくCO、CCO、LWなどは少し世界観が崩れてしまう恐れがあるな〜と思うのですが、今回はガチRP両方の村ですので使わざるを得ない場面があると思うので禁止は致しません。 ですが、なるべく使わずに他の言い回しで発言していただけるとよりRPを楽しむことができるかなと思いますので、気づいた方は配慮していただけるといいな〜と思います! 禁止事項 普段と同じ、マナーよく気持ちよくみんなが楽しめるようにしていきましょう。 今回は過去同村者が多いですが、透け注意です。 中の人予想などは独り言で。エピローグを迎えるまでのお楽しみにしておいてください。 また、ツイッターで繋がっている方も多いので、発言にはご注意を。 役職透けにつながる発言はもちろんのこと、中身透けもしないように心掛けた発言を。 また、ツイッターのツイート発言時間で透ける可能性もあるので、極力この村に関する発言はしないようにお願いします。 ex)「12:00 灰雑かいてない〜〜><」→この時点で書けてない人なんだなあ ex)「20:00 灰雑いまから書かなきゃ><」→この後に書いた人なのかなあ ex)「24:00 FOしたかったのにしないのかあ><」→FO信者か これでも十分透けるので気を付けてください。 もちろん、普段の戦術を変えろとは言わないので、青鳥の発言さえ気を付けていただければ問題ありません。 推奨事項 RPを全力で楽しみましょう。 進行 プロローグ 一日目 二日目 三日目以降 墓下 エピローグ 参加募集 NO ID 開始時期 備考 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 コメント 1コメ! -- とろろ よろしくお願いします! -- ぱぴこ 楽しみだぞう -- へ 名前 コメント 前ページ次ページ村企画
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/746.html
AGITΩ』――『アギトの会』総本山にして最強のアギト、津上 翔一の運営するレストラン。 闇の力が恐れたアギトは、今や立派に実社会に馴染んでいた。 全人口の4分の1がアギトの力に目覚め、『アギトの会』は全世界に広がっていた。 アンノウンの居ない今、その力は人類の脅威になるかと思われたがそこまで人間は愚かではなかった。 世界を救ったアギトでありながらレストランを経営する津上を頼る者は後を絶たず、 会員は増え続け最低でも県に一ヶ所は配備されている。 田舎では通会に不便なので市に一ヶ所にしろという要望も多く、配備される日は近い。 会員でないアギトの方が珍しい位だ。 一億坪の広大な土地を耕すアギト達、スタミナといい腕力といい常人とは桁外れである彼等が集まれば、 荒れ果てた荒野も瞬く間に肥えた大地として蘇る、時に掘りすぎて原油や温泉が出るトラブルもある位だ。 ここで作られた作物の一部はレストランで使われ、残りは主に飢餓に苦しむ子どもたちの為に配送される。 ジェット機は未だ存在こそすれ、利用者は着々と減っていた。 自転車、自動二輪、トラック、果ては三輪車までアギトの力で空を飛び時速は350kを超える。 飛行機の類は残された一般人の為、小型高速化が進み大きい物は殆ど見なくなった。 公園の飛行機型の遊具もアギトの力で小型ジェットになる為に廃止された。 最初はアギトの力を恐れる者も多かったが時間がそれを忘れさせた。 時として犯罪者にアギトの力が目覚める事もあったが、 一般のアギトが束になれば瞬時に拘束可能なので無意味だった。 世界中の地雷を排除するアギト達、もちろんマインローラーもアギトの力で強化されている。 そういった物の操縦免許を持たない者は変身して歩く事で地雷を踏みつぶしていく。 一発二発なら余裕で耐えきれるので踏んだら交替という訳である。 危険な仕事の為に参加はボランティアなのだが、心優しきアギトの参加者は後を絶たない 『アギトの会』の会員となって必ずすべき事は料理の勉強だ。 芽キャベツ入りのショートケーキは避けて通れない道である。 おいしい料理を食べれば誰もが幸せになれる、この美しい精神が世間のアギトへの偏見を覆したのだ。 世界各地の貧困街には必ずと言っていいほどアギトが居る。 そして子供たちにおいしい料理を食べさせ、貧富の差に関係なく笑顔をもたらすのだ。 アギト達の作る余りにも美味な食べ物、アギトの異性を娶る人が多い理由はここにもあるのだろう。 性のスタイルでも男のロマンは『裸エプロン』から『アギトエプロン』になりつつある。 マニアックな域に入ると『ギルスエプロン』なる物も存在する。 どちらも変身した状態でエプロンをつけるだけとお手軽に出来るのでカップルに大人気。 女性の好みとしてはチョイ悪っぽいのでギルスという声も上がっている。 また、深刻とされるエネルギー問題もアギト達の活躍で解決した。 バーニングフォーム変身免許を持つ者は熱エネルギーによる発電等を可能とする。 ただしこのフォームは暴走の危険性がある為、免許取得は困難である。 こうして原子力は地中深くに封印されこの世から姿を消し、核の危険は消滅した。 更にアギトの力による放射性物質の分解等、研究は進んでおりいずれ掘り起こされ処分されるだろう。 貧困を救い、緑を守り、核の根絶へ向けて活動するアギト達。 その頂点に君臨する津上 翔一、感謝こそされど誰からも恨まれるような存在ではなかった。 ある日、そんな彼が殺害されるという歴史上に残る大事件が発生した。 アギト最強形体、シャイニングフォームに唯一変身可能である事から普段は護衛をつけていないのだ。 犯人はすぐに捕まった、自首したのだ。 加害者の名は『氷川 誠』、かつてG3と呼ばれる強化外骨格を身に纏ってアギトと共に世界を救った英雄。 勇敢な警官として警視庁に名を残し、G-3ユニットの後継ぎであるG-5では教習の教科書にも載っている。 取り調べ室で涙ながらに語られる津上と共に戦った日々、誰が聞いても彼と津上の間に確かな絆を感じただろう。 そんな深い繋がりを持った彼が何故、津上 翔一を殺害したのだろうか。 理由は、たった一つだった。 一本のビデオテープ、家庭用の物で撮影された物だ。 投影機に繋がれると、ゆっくりと当時の映像を映し出した。 『津上さん、何時になったら私は『アギトの会』の正メンバーになれるんです? あの時入れてくれるって!』 『いや、ゴッメン! やっぱアレ、なしって事で!』 『何故です! いつまで私は補欠なんですか! アギトとして世界をよりよい方向へ導こうと警察も止めたのに!』 『だって……氷川さんアギトじゃな……』 銃声が響き、画面が血に染まって映像は途絶えた―― 完
https://w.atwiki.jp/orekabattle/pages/388.html
http //www54.atwiki.jp/orekabandora/pages/452.html
https://w.atwiki.jp/cfvg/pages/5023.html
ノヴァグラップラー - バトロイド グレード〈3〉 ノーマルユニット (ツインドライブ!!) パワー 11000 / シールド - / クリティカル 1 自【V】【LB4】:[CB(3),あなたの《ノヴァグラップラー》のリアガードを1枚選び、呪縛する]あなたのリアガードがスタンドした時、コストを払ってよい。払ったら、あなたの《ノヴァグラップラー》のリアガードを2枚選び、スタンドし、そのターン中、このユニットのパワー+2000。 永【V】:あなたのソウルに「獣神 エシックス・バスター」があるなら、このユニットのパワー+2000。 永【V/R】:盟主 フレーバー: 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 使ってみたいと思う 0 (0%) 2 弱いと思う 0 (0%) 3 強いと思う 0 (0%) 4 面白いと思う 0 (0%) その他 投票総数 0 コメント