約 18,840 件
https://w.atwiki.jp/dabisuta11/pages/12.html
シマカゼベガ 二歳セリ 4000万 父エピファネイア 母サイレントロマンス 母父サンデーサイレンス 戦 勝 賞金 主な勝鞍 適正 成長 メモ 19 7 2億7210万 阪神C マーメイドS 京阪杯 京都牝馬S 芝短 普通 いいお母さんコメ 産駒一覧 番仔 名前 父 戦 勝 賞金 主な勝鞍 適正 成長 メモ
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/2764.html
ガーディアナ国とサイプレス国 両国の合同軍による邪神イ・オムとの戦いから 2年の歳月が流れようとしていた… (生贄の祭壇にて) ワードラー「それではこれより イ・オムに生贄を奉げるとしよう!」 ワードラー「我が暗黒神イ・オムよ! あなたの僕ワードラーが 気高き血筋の生贄をここに奉げ申し上げーる!」 ある国王「やっ やめろ! やめんか! 私は捕えられたとはいえ 一国の城主なるぞ! こっ これが王たるものにとる行動とは無礼なり! ええい!この縛めを解かぬか!」 ワードラー「静かにしろ!見苦しいぞ! イ・オムは王族の者こそを生贄に望まれるのだ! イ・オムの神の一部となれるのだ 喜んで死ぬがよい カーッ!」 (祭壇の王の体が浮く) ワードラー「偉大なる暗黒神イ・オムよ! 今こそ 生贄を奉げん!」 (宙に浮いた王の体がさらに高く浮く) ある国王「やめろ!やめてくれ! やめて…ウワーッ!」 (王の体が溶岩に落ちる) ワードラー「さて サイプレスの話だったな バーバラから 話してみるがよい」 バーバラ「ワードラー様の作戦通り まんまとその気になっております 今や 我がイ・オムに遠征すると準備を進めておりますわ ホホホ…罠とも知らずに!」 ワードラー「して ガーディアナ軍はどうだ?」 バーバラ「ご心配には及びません サイプレス軍の出発には まず間に合いません!」 ワードラー「そうか 予定通りか して ソロ!お前の方は!」 ソロ「はっ アルカム平原に建造中の砦は間もなく完成いたします 他に溶岩洞窟など あらゆる罠を張り巡らせてサイプレス軍を待つばかりです」 ワードラー「うむ よくやったぞソロ!」 ワードラー「…後は破邪の剣か ううむ…どうしたものか」 ワードラー「ゴードン!ゴードンはおらぬか!」 (ゴードンが出てくる) ゴードン「ワードラー様のお召しにより ゴードンこれに参りました」 ワードラー「うむ…聞きたい事がある サイプレスのニック王子だが サイプレス軍のイ・オム遠征にガーディアナが間に合わずとも ニック王子は出発するか」 ゴードン「大神官ウォルドル様に右手を石にされたとはいえ 責任感の強い男です 間違いなく やってくるでしょう」 ワードラー「奴の右手が使えない今 あの剣は持ってくるまい! ゴードン!命令を与える! サイプレス軍が城を出たらサイプレス城を襲うのだ そして破邪の剣を!」 ゴードン「なるほどそういうことですか 畏まってございます」 (退がるゴードン) ワードラー「バーバラ!ソロ!お前たちも行くがよい!」 バーバラ「はい!」 (消えるバーバラ) ソロ「御意!」 (消えるソロ) ワードラー「ところでヒンデルよ そなたもあわれよのう…」 ヒンデル「は?あわれとは?」 ワードラー「弟のことよ… 下賎の者の刃にかかり命を落としたと聞いたが?」 ヒンデル「そのことでしたか… しかし 致し方ありますまい 自分を守る力の無い者は 生きていく資格も無いというもの それが 今の世の慣わし…」 ワードラー「そうだ!その通りだヒンデル! やはり余のにらんだ通り そなたは大した男よ!」 ワードラー「今の時代に必要なもの それは力だ!力なのだ! ウワッハハハハハーッ!」 (タイトル画面になるのでゲームを始める) (サイプレス城の中庭に軍勢が並ぶ) テディ「我々サイプレス軍は! 本日 ニック王子と共にイ・オムへ向かうことになった! 我がサイプレス国の平和のため 必ずや悪しき邪教を! イ・オムを倒そうぞ!」 「ワァー!ワァー!」 テディ「さあ ニック王子! 準備がよろしければ そろそろ参りましょう!」 ニック「メイフェア!後は頼んだよ! 僕達の留守中は君だけが頼りだからね!」 メイフェア「ニック王子…わかりました どうか お任せください」 メイフェア「テディ!王子のことくれぐれもお願いね そしてあなたのことも…決して無理しないようにね」 テディ「わかってるって!」 ニック「よし 行こうか!」 (軍勢の前に出るニック王子) ニック「もう 僕からは何も言う事はない! 本当の平和をつかむため みんなの力を貸してくれ!」 テディ「橋を降ろせーっ!」 (橋が降り軍勢が渡る) ニック「どうしたんだ?ナターシャ!」 ナターシャ「ニック王子 大変です! じ 実は崖下の方で呻き声がしたので 行ってみたら…人が!」 アンジェラ「この少年が倒れていたのです!」 ニック「なんだって それはいけない! さあ 城に運んで手厚く看護してあげなさい」 アンジェラ「はい 畏まりました!」 (退がるアンジェラ) ナターシャ「あの…ニック王子様 とうとう イ・オム討伐に行ってしまわれるのですね…」 ニック「ああ…ハハハ どうした? そんなに深刻な顔をして! この遠征はサイプレスにとってどうしても避けられないんだ! 後のことは頼んだよ さあ横に退いておくれ」 (サイプレス軍が出発しナターシャは名残惜しく見る) メイフェア「心配しなくても大丈夫よ!」 メイフェア「あの人達は大丈夫 あなたが思っているよりも ずっと ずっと強いんだから」 メイフェア「きっと元気で帰ってくるわ それを信じていましょうね」 ナターシャ「はい そうですね! きっと無事に戻りますよね!」 (第一章の開始)
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/154.html
フリット・アスノ&クトゥルフ・ガール ◆Ee.E0P6Y2U 進化とは何か。 呼び出したサーヴァントはまずそんなことを問いかけてきた。 唐突な問いかけだったが、フリット・アスノはすぐさま答えることができた。 「分からない」 と。 フリット・アスノは決して学がない訳ではない。 齢60を越える退役軍人である彼であったが、しかしその頭の冴えは今なお衰えている訳ではない。 顔には皺が深く刻まれ、肉体的にも衰えが見えているが、しかしその頭脳と――眼光はかつての輝きを持ったままだ。 若さという翼がなくなろうが、軍人として一線を退こうが、心の奥底に鈍く灯る暗い炎は決してなくなりはしない。 その炎の源は復讐ではあるが憎しみでもない。 ルサンチマンの類を憑代に半世紀も戦える訳もない。 フリット・アスノはひとえに人を救いたかった。その為にありとあらゆるものを研究し、戦ってきた。 生きる為に。 生かす為に。 彼は戦っているのだった。 「“進化”とは分からないものだ」 彼はもう一度答えた。 進化。 それは彼の人生を語る際、決して抜かすことのできない単語だった。 進化。彼がその言葉に傾倒したのは何時からだったのだろうか。 早くから工学――それも兵器開発の道に進むことを決めていた彼は、しかし本来は全く違う分野である筈のその単語にも興味を持っていた。 何が生命を進化させるのか。何故進化が必要だったのか。そもそも進化とは何なのか。 それは彼の血――アスノ家が長年追及していたテーマであった。 早くから親をなくし、研究面においては家の影響などなかったはずだが、しかし――あるいはやはりというべきか――フリットもまた進化というワードに憑りつかれることになった。 AGEシステム。 それは進化するガンダムである。 兵器の発展に生命の進化系統樹を重ねあわせたシステムの開発に成功したからこそ、彼は幼少期から最前線に立つことができた。 そんな彼をして“進化”は――分からないものなのだった。 「人の叡智はある程度のところまでは“進化”を解明することができた。 ゲノム情報からとある生物の進化上における位置や、どの時点で他の生物から遺伝子的に分岐したのか、そういったことの解明はできた。 それを系統樹として体系化することも勿論可能だった。ここまでは子供でさえ学校で習うだろう。 しかし進化を体系化することには一つ問題があった。 一つの進化を系統樹として表すことはできるが、しかしただ一つの系統樹がどのように決定するかは、何が進化を決定づけるかは分からないということだった。 進化の系統樹は一つではない。様々な系統樹が存在し、その中から最善樹やコンセンサス系統樹なるものが選択される訳だが、 しかしそこには必ず曖昧さと冗長さが絡んでくる。 ある閾値に達しない“枝”はすべて無視され、ほかの選択肢、ほかの可能性はことごとく捨てられてしまう。 つまり“進化”とはアバウト過ぎるものだ」 フリットがそう語ると、サーヴァントである“少女”はゆっくりと頷いた。 「しかし、それを補うために“車輪樹法”という手法があるんでしょ?」 「確かに……だが」 車輪樹法“Centroid Wheel Tree“”はそのアバウトな進化系統解析結果を、情報豊かに偏り無くかつ直感的に表現する為に考案された。 進化系統樹を一つのものに限定することは現代生物学においてはあまりにもナンセンスである。 人は成長する。その為に系統樹を限定することのない記述法を勘案したのだが、 「だがそうした手法を以てしても“進化”を体系的に書き記すことはできない。 “ドメイン”という概念がある。古典的生物学では“界”が最高位の分類法とされていたが、これはその上の分類だ。 生物を真正細菌、古細菌、真核生物の三つに分ける“三ドメイン”がより一般的になっている」 真正細菌とはいわゆる“細菌”だ。 大腸菌や腸内細菌といった微生物のことであり、これらは細胞の中に遺伝子がバラバラに散逸している。 古細菌とはそれら微生物が高温域や極寒域、大気圏などの特殊な環境に適応したものだ。 そして真核生物は細胞の中に核を持っているものだ。 ――つまり人間やマウス、ゴキブリのことである。 「三ドメインを総称して“超生物界”なる呼称が生まれた。 この“超生物界”を車輪樹法――円環の系統樹で書きあらわすことはできる」 フリットは生物学の研究の際に見た図を思い起こす。 それらは本来初心者向け――専門外の人間に見せる為の図であり、直感的に理解できるような図であった。 真正細菌、古細菌、真核生物の三領域から始まり、それぞれの円内から円弧へと線が伸びている。 真核生物の弧上には動物界、植物界、原生動物界といった“界”の区分けがある。 一方で最も区分けが多いのは真正細菌の領域であり、その円弧にはフィルミクテス門、クラミジア門、プランクトミケス門、アクチノバクテリア門……といった“門”が存在する。 「しかし、ここで終わりだ。これ以上の体系化はできない。 古典的生物学における最上位“界”や“門”の、更に上の区分けまではたどり着いた。 しかし――それすらも超越した“起源”にたどり着くことができない。 “進化”とはそもそも何であるか。 “進化”が何から始まったのか。 それを記述する筈の“起源”――“起源X”には届かないのだ」 三つのドメインに分岐するためには、それより古い時代に存在した筈の生命体が想起されなければならない。 ありとあらゆる生命の根幹をなす唯一無二の生命体が存在――それを“起源X”としよう。 “起源X”を解き明かさないことには、“進化”が何であるかを語ることはできないのだ。 それが旧世紀から連なる生物学におけるテーマであり、フリットが行き当たった壁であった。 「そうです。“進化”が何であるかは分からない。 何故こんなシステムが存在するのか、どうしてこんな形が生まれたのか、誰がどんな思惑で生物を“進化”させたのか。 分からない。けれど“進化”は今現在もてはやされている。 ここに――欺瞞があるのよ、マスター」 そういったサーヴァントである少女は、可憐に舞った。 露出度の高い外見。女王様ルックのボンテージ姿。 魔法少女における――お色気担当。 それは――萌える外見をしていた。 「クトゥルフよ」 彼女がそう言った途端、部屋に備え付けてあるテレビからチープな映像が流れ出した。 ……アニメだった。 四人の少女が躍り狂っている。 安っぽい楽曲に合せ、フリフリな少女趣味のドレスに身を包みながら激しいダンス・ビートを刻んでいる。 歌はこんな歌詞だった。 『適応進化 フルくさーい ダーウィン先生 まじめすぎ 漸進進化 マダるっこーい ドーキンス先生 いばりすぎ 断続進化 ウソくさーい グールド先生 はげしすぎ 創造進化 信じられなーい 原理主義者 あぶなすぎ だから、ね、ね、わたしたち 何がなんでも 絶対進化 そうよ だから やっぱり ウー ワー オー 絶対進化しましょうか 絶対進化しましょうか』 ……というものだった。 何ともチープで不出来な、見る価値のないであろう映像であった。 しかし、フリットは目を離すことができなかった。 何故ならば、その映像の中にいたアニメの少女が――目の前の少女と瓜二つだったからである。 彼のサーヴァントは、アニメの美少女なのであった。 フリットの困惑を見透かしたように、少女は落ち着いた声で語りかけてくる。 「“セカイ系”は二十一世紀ゼロ年代を経てゆるやかに終焉したかのように言われているわ。 けれど、表層的には消費しつくされたかのような構造にも、本当は意味があったとしたら。 ――戦闘少女と無力少年の組み合わせには、はるかに深い意味が隠されているの。 どうして“セカイ系”で少年は無力でありつづけられ、少女たちは過酷な戦いを強いられつづけるのか。 どうして“ハーレム系”では、何の才能も魅力もない少年が何人もの美少女たちに一途に想いを寄せられるのか。 どうして“残念”なキャラがいて、“ヤンデレ”あるいは“ツンデレ”なキャラがいるのか。 これらは何のメタファーなのか。“永遠の夏休み”は何を表しているのか。 アニメ、ラノベ、ゲームにおけるこうした謎の答えもまた“進化”のそれと同じ」 フリットは何も言えない。 元より彼はそうしたサブカルチャーに詳しい人間ではないのだ。 ましてや彼からみれば数百年も前の地球で花開いた文化のことなど、まるで専門外なのだから。 しかし、アニメの少女から目を話すことができなかった。 「クトゥルフよ」 少女はもう一度その単語を挙げた。 それはフリットの知らないワードであった。 「マスター、あなたならパンスペルミア説は知っているわね」 「あ、ああ……マーチソン隕石の」 それは知っていた。 生物学における学説の一つだ。 旧世代において提唱された“起源X”の正体の一つだ。 地球生命体の起源は宇宙にあり、はるかな過去に生命の種子のようなものが地球に飛来した、というものだ。 “宇宙起源節”は要するに地球上に“起源X”が見当たらない以上、宇宙にある筈だという説だ。 荒唐無稽ではある。 しかし全く説得力がない訳ではないのだ。 旧世紀1969年にオーストラリアに落下したマーチソン隕石というものがある。 この隕石から糖やアルコール化合物が発見され、一躍注目を浴びることになる。 「ええけれど、マーチソン隕石にくっついてものはそれだけではなかった。 当時のNASAの科学力では解明できなかったけれど“クトゥルフ”はそこにいた」 「クトゥルフ……」 「ラヴクラフトが創造したクトゥルフ神話において“クトゥルフ”は太古に宇宙から飛来した邪神の名前なの。 それこそが、クトゥルフこそが“進化”の神であり、“起源X”である。 ラヴクラフトが何に気付き、どうしてそれをクトゥルフと呼ぶようになったかは分からない。 恐らく彼はそうと気づかずに何かに接触したのだろうと思う。それで遺伝子が感作され、クトゥルフというアイディアで表現されることになった。 だからこそ、“進化”の真実の一端を表していたからこそ、以後ラヴクラフトの創作神話は一種のポップ神話としてもてはやされることになった。 ――この世界の裏側には、人間の言葉では発音することのできない、仮にクトゥルフとしか呼ぶことができない何物かが実在している。 その何者かが“進化”という欺瞞を創り上げた。 “クトゥルフ”は人間の、あるいはゴキブリ、マウスの体内マイクロバイオームに共通して宿る。 未だ特定されずにいる微生物の遺伝子スイッチをオンにする作用がある。 だからこそこんなにもラヴクラフト神話は語り継がれてきた。 その事実自体が“獲得形質の遺伝”であってクトゥルフ進化そのものなのだから」 「クトゥルフ進化……」 「そうクトゥルフ進化よ。 私たちはその“進化”そのものに対するカウンター、悪魔。“クトゥルフ少女”は“進化”の欺瞞に対抗すべく生まれた」 フリットは何か口を挟もうとするが、できなかった。 ただアニメだけが流れている。 “クトゥルフ少女戦隊”という名前の、チープなアニメーションだけが。 「クトゥルフが何故アニメの少女として表現されたのか。 それはネオ・ダーウィニズムから説明することができる。 生体レベルから遺伝子レベルへの“逆影響”が、いわばラヴクラフトとクトゥルフの関係を取ったということ」 しかし、とフリットはかろうじて反論できる部分で声を上げる。 「それは過去のラマルク進化論ではないのか。 生物がよく使用する器官は発達し、使わない器官は退化する“用不用説”は否定され、 それによって得た形質が遺伝する“獲得形質の遺伝”もまた切り捨てられた。 それが現代の進化論――ネオ・ダーウィニズムではないのか」 「そうネオ・ダーウィニズムでは生体が遺伝子に影響を与えることは絶対にない。 生体と遺伝子は常に“非対称的”とされている。 これが進化論における“自発的対称性の破れ”である、ネオ・ダーウィニズムのセントラル・ドグマ。 けれど超える例外。新説があった」 “クトゥルフ・ラマルキズム” 彼女はそう言った。 「クトゥルフ・ラマルキズムにおいては生体が遺伝子に逆影響を与えることができる。 これを感作し、発動し、制御するのが“アニメリー”と呼ばれる進化因子」 「あ、アニメ……」 「そう――これは偶然と呼ぶにはあまりにも奇妙。 考えてみれば素粒子のクォークにも“チャーム(かわいい)”と“キモい(ストレンジ)”が存在するわ。 とりわけ過去の日本人、それもオタクと称される個体群のなかに、アニメリー進化因子を発現させるものが多いらしい。 生体レベルでの外的な刺激、主にアニメ、ラノベ、ゲームなどの“二次元的なもの”を受けて、アニメリーがそれを感作、受容する。 “かわいい”と“きもい”の遺伝子重複をおこして二つ/ダブルになる――大規模な“多重かわいい遺伝子族”“多重きもい遺伝子族”を形成する。 しかもそれらは通常の中立遺伝子の“浮遊固定速度”をはるかに超える速度で同種内に拡散される。 これこそが答え。“セカイ系”“ハーレム系”の作品構造はつまりアニメリー進化遺伝子が関係している。 それは私たち“クトゥルフ少女”はアニメに影響を受けるということでもある。 “多重かわいい遺伝子族”人間が生体レベルにおいてアニメ、ラノベ、ゲーム、アイドルなどの“チャーム(かわいい)”に触れると転写因子がアニメリーに感作。 これによりネオ・ダーウィニズムにおいて明確に否定されている筈の“生体レベルから遺伝子レベルへの逆影響”が生じる。 そうして私たちは“アニメの美少女”の姿を形どる」 フリットはもはや何も言うことができなかった。 「最初に言ったように“進化”とは何かは分からない。 タンパク質やDNAが“進化”を担うものと解明されても、“進化”そのものが何であるかは未だに分からない。 これは“進化”だけでなく“免疫”“神経”といった複雑なネットワーク・システムにとっても同じ。 生命における普遍的かつ重要なシステムは、それ自体が何であるかを考えること、定義することができない。 中心が空っぽであり、空虚である。 絶対不在少年――単なる無気力でさえない主人公を美少女が求め続ける構造と酷似している。 そういった逆説的に浮かび上がってくるものが“クトゥルフ”なの すなわち――」 進化は正義である! 「――そう叫ぶものこそが“クトゥルフ”よ。 そして私たち“クトゥルフ少女”は戦っている。 これは戦争なの! “進化”とは即ち砲撃に等しいわ。クトゥルフはマイクロバイオーム環境の全てに高エネルギー重粒子線の集中砲撃を浴びせかけている。 そうした突然変異砲(ミュータント・ガン)の砲撃こそが五億年前の“カンブリア爆発”であり、これから起こる“クトゥルフ爆発”。 “進化”とは全生命体とクトゥルフの戦争の証なのよ。進化的に砲撃されて破壊される。地ならしとしてゲノムが砲撃される。 そんな最前線に投入されたのが私たち“クトゥルフ少女”なのよ」 「つ、つまり……」 フリットは頭を抱えつつも、言葉を絞り出した。 「君たちは“進化”と戦っているということなのか。 “進化”をもたらすもの……神のような“クトゥルフ”と戦う為に」 「そうよ。そのために私たちクトゥルフ少女はこの聖杯戦争において表現された。 聖杯戦争……ここはクトゥルフ神話の最前線の一つよ。 ここは聖杯戦争であり、同時に“進化コロシアム”でもある。 デッドコピー、二次創作、SS……そうした環境もまた“クトゥルフ”との戦場の一つ。 この戦争に優勝することができれば、アニメリー因子を用いてオタクという個体群に遺伝的に転写することができる」 「何のためにだ。“進化”は……“進化”は……」 “進化”とはなんだ。 分からない。 分からないと言ったばかりではないか。 “進化”は素晴らしいものであると、フリットはかつて教わった。 しかし中身自体は空疎なものである。空っぽなのだ。何もない。何か分からない。 それが何故“素晴らしいもの”とされている くら、と目眩がした。 フリットは“進化”を戦争に使った。 それはもしかすると、本能的にその欺瞞に気付いていたからではないか。 “進化”とは決して善なるものではない。 寧ろ悪――邪神に属する者がもたらした、逆説的な砲撃なのではないか。 「私たちはゴキブリを救うために聖杯戦争に参加したわ。 来たる“クトゥルフ爆発”はゴキブリを“死”に追いやってしまう。 その砲撃から生命を守らなくてはならない」 少女の言葉は続く。 もはやフリットの理解を優に超えている。 しかし、これが全生命、進化、ありとあらゆる概念の根本に立つ戦争であることは、分かった。 分かってしまった。 「私は実存少女サヤキ。 私が求める“実存”はサルトルでなければカミュでもない。 全ての関係性を排したあとに、人の意識の中に残る筈の“実存”を私は求めている。 ああそれと――」 私は“ツンデレ”よ。 サヤキがそう口にした時、フリットはう、と口元を押さえていた。 嘔吐していたのだ。 【クラス】 クトゥルフ・ガール 【真名】 実存少女サヤキ@クトゥルフ少女戦隊 【ステータス】 筋力D 耐久D 敏捷A 魔力E 幸運C 宝具B 【属性】 中立・善 【クラススキル】 モエ A クトゥルフ少女表現型は表現される単位。 彼女らの活動領域であるマイクロバイオーム環境において、内部時間一キロモエが主観時間にして十五分に当たる。 ――要するに思考や活動が相対的に加速するのである。 本来ならば百モエ秒が十ミリ秒と表されるのだが、この聖杯戦争ではリミットが課せられているようだ。 【保有スキル】 変化 - 文字通り「変身」する。 元々は沙耶希がマイクロバイオーム環境に反転/フリップすることで実存少女サヤキが表現される。 が、この聖杯戦争においては実存少女サヤキの名に縛られる為、沙耶希の姿を取ることができず機能していない。 戦闘続行 A+++ 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 このランクになると異常なまでの死ににくさを誇る……というか死んでも活動停止に到るまでがとにかく長い。 決定的な致命傷を受けた場合も、実時間にして一日は活動することができる。(死んでいるのは変わりないので治療はできない) ただし魔力切れの場合はこの限りではない。またこっぱみじんにされれば意味がない。 ツンデレ D アニメの美少女の属性。 この属性を持って表現された以上、好意をストレートに伝えることができなくなる。 このスキルは外せない。 【宝具】 『遺伝子超能力<テレクエシング>』 ランク:B 種別:対ゲノム宝具 レンジ:1~30 最大補足:30 相手のマイクロバイオームのゲノム情報を解読し、塩基配列を随意に選んでそれを活性化させる。 テレパシーとして使えるだけでなく、相手の“思考”や“感情”を操ることができるのである。 この宝具によって相手が人間であるならば、自由に操ることができる。 またゴキブリやマウス、あるいは人間由来のサーヴァントも、人間とマイクロバイオーム構成が共通している為、ある程度は操ることができる。 魔術によるものでないので対魔力でレジストすることはできない。 ただしそれ以外の存在――たとえば神性スキル持ちのサーヴァントには通用しない。 weapon 鞭 自在に操ることができる。 クトゥルフ少女は高い身体能力を誇る。 【人物背景】 5億4000万年まえ、突如として生物の「門」がすべて出そろうカンブリア爆発が起こった。 このときに先行するおびただしい生物の可能性が、発現されることなく進化の途上から消えていった。 これはじつは超遺伝子「メタ・ゲノム」が遺伝子配列そのものに進化圧を加える壊滅的なメタ進化なのだった。 いままたそのメタ進化が起ころうとしている。怪物遺伝子(ジーン・クトゥルフ)が表現されようとしている。 おびただしいクトゥルフが表現されようとしている。この怪物遺伝子をいかに抑制するか。発現したクトゥルフをいかに非発現型に遺伝子に組み換えるか? そのミッションに招集された現行の生命体は三種、敵か味方か遺伝子改変されたゴキブリ群、進化の実験に使われた実験マウス(マウス・クリスト)、そして人間未満人間以上の四人のクトゥルフ少女たち。その名も、究極少女、限界少女、例外少女、そして実存少女……。 クトゥルフと地球生命体代表選手の壮絶なバトルが「進化コロシアム」で開始された! これまで誰も読んだことがないクトゥルフ神話と本格SFとの奇跡のコラボ! 読み出したらやめられない、めくるめく進化戦争! (クトゥルフ少女戦隊 あらすじ) クトゥルフ少女の一人、ツンデレ。 クトゥルフと仮に呼ぶしかない何かが起こした進化砲撃“クトゥルフ爆発”を防ぐため、最前線に投入されたクトゥルフ少女の一人。 例外少女ウユウ、限界少女ニラカ、究極少女マナミと共に“クトゥルフ”の進化コロシアムに挑む。 現実世界での姿は人気アナウンサー、沙耶希であり、身体を使ってTV局内でのし上がっていた。 元々は文学少女であり、実存というワードに強く惹かれている。 他のクトゥルフ少女と同様“マカミ”に惚れており、彼を救うために戦っているが、同時に彼への想いもまたプログラムされたものであることも理解している。 【マスター】 フリット・アスノ@機動戦士ガンダムAGE 【マスターとしての願い】 ヴェイガンを殲滅……? 【能力・技能】 パイロット、技師、指揮官をこなせるオールラウンダ― 【人物背景】 「機動戦士ガンダムAGE」の初代主人公。 出典は三部開始直後あたり。ヴェイガンを討つため、孫のキオを教育している。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/7466.html
登録日:2009/12/12 Sat 23 09 55 更新日:2023/08/05 Sat 00 21 49 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 GB GBC RRG ZOIDS ウィル エンカウントも鬼畜 クソゲー ゲームボーイ スタンが鬼畜 ゾイド トミー マゾゲー レアヘルツも鬼畜 水害も鬼畜 邪神復活!~ジェノブレイカー編~ 隠れた名作 鬼畜 トミー(現:タカラトミー)から1999年に発売されたGB及びGBC用ソフト。 ゾイドのゲームとしては初となる携帯ゲーム機用のソフトでもある。 なお、タイトル名にもなっているジェノブレイカーは別に重要要素ではない。 また「編」となっているが、別に続編などもない。 〇あらすじ 帝国と共和国による戦争(アニメ版ゾイド -ZOIDS-)が終結し、惑星Ziにつかの間の平和が訪れた。だが、その頃から不思議な地震が各地で頻発するようになる。しかも、野生ZOIDSや野良ZOIDSたちが、まるでレアヘルツを浴びたかのように暴走しはじめた。一体、何が起きているのか? バンはフィーネ、ジークと共に、最近地震が起きたというエレミアの森を調査するが…。 【登場人物】 〇バン・フライハイト ご存知主人公。今作はアニメ版ゾイド -ZOIDS-の1期と2期の間という設定のため、容姿は1期のままである。 戦争終結後なのに、愛機がシールドライガーであるのには突っ込んではいけない。 〇フィーネ 1期と特に変わらず。 〇ジーク 1期と特に変わらず。 〇アーバイン 今作では途中から登場する。 期間限定の仲間ということになっていて、急にメンバーを抜けたりする。 しかもその度にレベルがリセットされるため、育成を放棄した者も多数いる。 〇ムンベイ アーバインと同じく期間限定の仲間。 メンバー離脱時にレベルがリセットされるのも同様。 〇カール・リヒテン・シュバルツ 途中から登場。今作ではアーバイン達と同じく期間限定の仲間になる。 バンと同じくレアヘルツの謎を追っている。 〇レイヴン ご存知バンの永遠のライバル。 ジェノザウラーとシャドーのコンビでバンに勝負を仕掛けてくる。 レイヴンが2期の途中まで記憶喪失だった事にも突っ込んではいけない。 〇マリア バンの姉。アニメでは殆ど出番は無かったが、今作では道具を預かってくれたりゾイドエッグを孵化したりしてくれるため非常に重要な人物。 〇ドクターディ 天才科学者兼セクハラオヤジ。今作ではゾイドの強化&改造をしてくれる最も大切な存在。 〇デザルト・アルコ・バレーノ 砂漠の盗賊団。今作の序盤のボスは全て彼等の担当。 〇ロブ・ハーマン&オコーネル 今作では完全なサブキャラ。 〇クルーガー ハーマン達よりは出番は多いが、やはりサブ。しかし、ダンジョンで遭遇した際には自分のゾイドの能力を上げてくれるため意外と重宝する。 〇イオ博士 今作のラスボス。最初のダンジョンでいきなりジェノザウラーに乗って現れるというド派手な登場の仕方をした。 【概要】 冒険の舞台は、プレイする度に形の変わる4つのフィールド+4つのダンジョン、そしてラスボスの待つ「イオの塔」を含めた5つの塔の合計13の場所。 ダンジョンによっては戦わなくてもダメージを受ける場所もあるため、注意が必要。 各ダンジョンはすべて全地下31階あり、ボスはそれぞれ地下5、10、15、20、31階にいる。 それらを倒すことによりレアヘルツ反応が消滅し、解放されたゾイドを仲間にすることができる。 ちなみに、シナリオクリアを優先するなら、4つのダンジョンの攻略は後回しでもよい。 フィールド エレミア砂漠 イセリナの森 エース山脈 レッドリバー ダンジョン 砂漠の洞窟(熱でダメージを受ける) イセリナ洞窟(落盤でダメージを受ける) エース遺跡(突風でスタン状態になるorレアヘルツにかかる) 地底湖(水害でダメージを受ける) 5つの塔(4つのダンジョンの内2つの地下10階のボスを倒すと出現。全て12階) アレフの塔(ボス:ブレードコング) ベスの塔(ボス:フォレスト) ダレスの塔(ボス:ハンマーロック3) ギメルの塔(ボス:ディバイソン2) イオの塔 今作唯一の固定ダンジョン。入るには4つの塔全てのボスを倒すと手に入る「イオのかぎ」が必要。 デスザウラーが門番をしており、そのデスザウラーが使う「ヘルジャジメント」はノーマルゾイドでは一撃必殺のためとてもじゃないが勝てない。 だが、このデスザウラーにわざと負けると、ドクターディからマッドサンダーの存在を教えられ、これを捕獲すれば何とか勝てる(ただし、捕獲するには盗賊団を倒さなければならないが)。 ちなみにデスザウラーに初戦で勝ってしまうとマッドサンダーのイベントが起こらずマッドサンダーが手に入らない。 デスザウラーを捕獲可能まで他ステージを進めてから、こいつに挑むと「ヘルジャッジメント」を習得したデスザウラーが捕獲出来る。 中ボス2体(ガンブラスター・ガンギャラド)を倒して進むと、いよいよイオ博士との決戦となる。 【特徴】 今作には旧大戦のゾイドが数多く登場している(というか、殆どが旧大戦のゾイド)。 そのため、アニメからゾイドに入ってこのゲームを買った子供たちの多くが 「(゜Д゜) ポカーン」 となったことは想像に難くない。 逆に、このゲームを通じて旧大戦のことを知った人も多くいる模様。 ゾイドゲーム史上に残る程の難易度を誇り、当時の子供たちには何とかシナリオクリアは出来ても図鑑コンプはまず不可能だった。 ゲームとしての完成度もお世辞にも高いとはいえず、バグによって図鑑のデータが頻繁に消えてしまう、ダンジョンが完全にランダムで構築されるため攻略困難、敵ゾイドが攻撃を回避しまくる、など、問題点も多々あった。 そのためクソゲー認定されることもある。 同時期のPSゲーム「メカ生体の遺伝子」はダイレクトに旧大戦を取り扱っているため、もし旧大戦をゲームで触れたいのなら「メカ生体」のほうがいい。 ただ、旧大戦ゾイドのバリエーションでは「邪神復活!」のほうが多い。そりゃ「クレーンザットン」だの「いどうトーチカ」だの出てくるゲームもそうそうないか。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 俺は知らないゾイドが沢山いてテンション上がったけどなぁ -- 名無しさん (2014-05-31 21 54 07) クソゲーにして神ゲー -- 名無しさん (2014-09-02 21 47 04) システム的に図鑑コンプは不可能 -- 名無しさん (2014-12-22 17 49 50) 初めてやった時、重装パック落ちまくって売りまくったな -- 名無しさん (2015-07-04 00 02 28) 最初から始めると通信したら溜まるポイントが100Ptぐらいあるから強化パーツを入手してバンのシールドライガーをブレードライガーに改造するとヌルゲーになる。 -- 名無しさん (2015-07-04 00 23 38) バグのおかげで図鑑が完成しないんだよな -- 名無しさん (2016-03-25 21 02 44) 図鑑から消えるキングライガー -- 名無しさん (2016-12-24 13 36 56) 強いゾイド手に入れても敵が数の暴力だから役に立たないんだよな。スパイカーやペガサロスが集団で来るとヘルジャジメントデスザウラーでも危うい -- 名無しさん (2021-04-22 03 29 38) 大人になってから増殖技を知って、シュヴァルツのコングを最後まで連れて行ったのが最大の満足かもしれん -- 名無しさん (2023-03-20 20 35 10) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bsnazo/pages/332.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (BS12-X02.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (BS38-RVX02.jpg) 誤 oncept by ヒラタ リョウ 正 concept by ヒラタ リョウ なぜかリバイバルしてもかたくなに修正されないことに定評のある脱字。 カード 誤植
https://w.atwiki.jp/tyaran/pages/196.html
蒼Next Link 空Various Tunes 神Change The World 名前も存在も臭ってクサイ。 パズドラやってるTwitter民。 実はネパール人だという。 "お疲れ様でした。またの御アクセスをお待ちしております。"
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/176.html
Call of darkness ◆HOMU.DM5Ns 悪夢(タタリ)は去った。 初めての戦い、聖杯戦争の一幕を神崎蘭子とランサーは超えた。 真昼に沸いた陽炎。演目の合間に差し込まれた短い即興劇だとしても、行われたのは確かに殺し合いだった。 サーヴァントの戦い。伝説に残る英雄譚の再現……それとは反転した、恐怖劇。 一人の少女を象徴とした真昼の幻影は、光の幻想の前に虚偽を暴かれ、神威の焔に貫かれ蒸散した。 残るものは確かな実数。生き残ったマスターである蘭子と、そのサーヴァントであるランサー、カルナの二人だけだ。 「近づいてくる気配が複数ある。火の騒ぎを聞きつけて集まってきたようだな。このままでは人目につくのも時間の問題か。 マスター、動けるか」 「……うん、なんとか」 膝を折って倒れていた蘭子に傍らのランサーが声をかける。よろよろと、緩慢ながらも立ち上がって答える。 一気に体力を奪い取られた倦怠感も、悪夢を目にした震えも今は喉元を過ぎて治まりつつある。 発汗で背筋にじっとりと張り付いた服が、少し気持ち悪い。着替えるか、シャワーでも浴びれば気持ちよくなれるだろうか。 そんな風に、どこか現実逃避気味に考えを巡らせる程度には、精神も安定を見せていた。 「ぅ―――――」 思わず口を塞ぐ。一瞬、鼻をつく臭気に吐き気がこみ上げた。 そこは戦場跡。切り取られた区画に吹く風に、溶けたゴム素材特有の悪臭が乗っている。 ランサーの放出した炎で黒一色に染め上げられた、スタジオ裏の空き地だ。 最後の一合以外は最大限加減された出力だったのだが、それでも元あったバスケットコートのラインも見えなくなるほど黒く焼け焦げていた。 ブスブスと焦げ付く地面から昇る煙が、鉛色をした天に繋がれて消えていく。 毒と害を生産し続ける黒い染み。底の見えない、深い洞穴に繋がっているように蘭子の目には映る。陽の光を浴びれぬ、影に潜み血を啜る怪物がねぐらにするような。 恐怖の空想をトリガーにして、数分前の記憶が紐解かれる。堕ちた天使のイメージが蘭子の脳内で踊る。グロテスクな情景が脳髄をくすぐる。 磨き上げた武技や練り上げた魔法。天界や魔界、本来なら在り得ぬ世界に生きた住人。 一般人の常識の枠に留まらない超越した者達。 黄金に貪欲な魔物を屠り財宝を手に入れた勇者のような、救国の為に立ち上がった聖女のような、幾多の困難を踏破する冒険譚。 そんな綺羅星の如く眩い物語の主題となる誇りある英雄達が一同に集い、互いに鎬を削る絢爛たる光景。 それが神崎蘭子の想像だった。会場の外から見ているだけで高揚するような、迫力と鮮烈さに満ちた舞踏会。 いつも脳裏に思い描いている幻想。輝きを持った生命の飛翔だった。 まったく、違っていた。 先程まで自分に迫って来ていたモノは、そんな幻想とは遠すぎる、埒外にあたる存在だ。 戦いとは即ち殺人だ。 名高き英雄であるほどに、奪った命の数は数多に登り、手に担う剣には常に血が滴っている。 英雄など殺戮者の偽称。獣の醜さを覆い隠し華美に彩ったに過ぎない欺瞞。 血潮を見せつけ、希望を手折り、絶望を顔に突きつけ、殺すという意思に耐えられなくなり、器が割れるまで注ぎ込む。 今更語るまでもない。人は人を殺す。人類史は人間の死で溢れている。 蘭子が直視を避けてきた、当たり前の現実(リアル)。 その、血なまぐさい酸鼻な現実を、都市に流布された恐怖(フォークロア)で脚色した劇が―――あの姿だった。 初めての殺意との遭遇。恨み呪いをぶつけられる経験。 邪神の神秘。恐怖の噂の具現。自分自身の悪夢。 有無を言わさず流れ込んだ数多の忌まわしき情報は、蘭子の純真無垢な精神に禍々しい爪を立て、疵をつけた。 それがアーカムで行われる聖杯戦争のルール。英霊と宝具を認識する事で発症する精神汚染。 今まで受ける事のなかったあまりに濃い恐怖の形は、アイドルになるより以前から持っていた蘭子の期待を、嘲り笑いながら破壊していった。 何枚も自分の想いを込めて描いた絵をまとめて、大事に抱えていたお気に入りのスケッチブックを、目の前で破り裂かれたのにも等しい。 疵というのなら、それが一番の疵痕だ。アイドルとして壇上で歌いファンから声援をもらうようになって、久しく忘れていた寂しさ。 今までの自分の趣味を、ひいては人生そのものを否定される。それはどんな怪異よりも蘭子の心を壊す恐怖となる。 「やはり、調子が優れないようだな」 狂想に駆られていた心が、現実に引き戻される。 顔を上げると、頭一つ分上から蘭子を窺う翠の瞳と目が合った。 無表情であるが、こちらを気遣うようなランサーの眼差しに暫し見入る。 白昼の悪夢に蘭子が囚われずこうして生きていられるのは、全てランサーのおかげだ。 一人では為す術なく殺されていた。孤独では縋れず耐えられなかった。 体も心も死ぬ以外ない闇中から救い出してくれたのは、容赦なく敵を討つ烈火の激しさと、寒さから守る焚き火の暖かさを兼ね備えた、炎のようなひとだった。 "いいや、この勝利は我がマスターに捧げられるものだ。 彼女の求心力(ひかり)がお前の虚飾(カゲ)を払った。オレはそこに槍を刺しただけにすぎん" 幕間の終わりの間際、ランサーはそう影の魔王に宣告した。 彼を傷つけたものはマスターの噂が生み出した影だ。言ってみれば自分が傷つけたようなもの。 それを前にして命を危機に晒されていながら、ランサーは蘭子を責める事もなく、その輝きを肯定した。 己が背負う太陽に劣らぬ眩き光だと。闇に打ち克ったのは彼女の功績だと華を添えたのだ。 黄金の鎧を纏った体は命を守り、誠実な言葉は心を救ってくれた。 恐怖から解放された蘭子の胸の中に残るのは、ささやかな、華開く前の蕾のような誇らしさだ。 それだけで何も変わらない。現実に何かを起こす事もない。けれどそれは背中を小さく押して前に進む力をくれる。 家の窓を開いて外の世界に足を踏み入れた時のように。アイドルとして成功した蘭子はその力を信じていた。 「……ククク、案ずるな我が友よ。この身の翼はいまだもがれてはおらぬ。片翼の天使へと堕ちはしないわ!」 片方の手を突き出し、もう一方の手で顔を覆う。蘭子にとってのいつものポーズ。アイドルとして受け入れられ、求められた形。 プロデューサーがアイドルの魅力を引き出し、アイドルはプロデューサーの期待に応える。 今の自分を通すのが、称賛してくれた彼に対する一番の礼儀だ。 「本来我とは相容れぬ属性。されど光と闇は同時に隣り合い、高め合う運命を背負っている……。 比翼たる貴方がいる限り、たとえ嵐に見舞われようとも、共に羽撃き空を舞う時を待っているわ……!」 ややぎこちなく不敵な表情を形作る蘭子を、ランサーはじっと見てどこか感心したように頷いた。 「……そうか、なるほど。虚勢でも口に出せるうちは正常の範囲だ。その迂遠な言葉回しもまさしくいつものお前だ。安心したぞ」 「う、迂遠……?あ、我が友こそ、その体は壮健か?」 「傷なら問題はない。既に治癒は済んでいる」 「おお、さすがは金色の羽衣……あらゆる魔を弾く神の真結界ね……」 申告どおり、ランサーの肉体にはあれほどあった傷は跡形もなく消えていた。 傷の殆どは鎧の内側の肉体にあったものなのだから正しく装着している今見えないのは当然でもあったが、それを抜きにしても健全な状態にまで治癒されている。 何者をも弾く黄金の鎧、伝承に疑わぬ姿の英霊カルナは元の万夫不当さも完全に取り戻していた。 裏路地に細く差す日差しの温もりと別の、心の凍えを解かす存在感。 これこそが太陽の具現。生まれた頃より神に賜った日輪の具足。 日常を照らす象徴に護られているという感覚が、底に溜まった澱を焼却していく。 「時に主よ、話を戻すがこの場をどうやって離脱するつもりだ?じきに駆けつけてくる、この街の救急隊員とやらに保護を願うのなら、それも手だが」 「そ、それは困る……ンンッ、今は我らの神秘を衆目の民に晒すわけにはいかぬ。急ぎ翼を羽撃かせ退かねば……」 人気のない場での火事騒ぎなど、まずアイドルが関わっていてはいけない状況だ。 付近には蘭子が所属しているプロダクションも入っているスタジオもある。 プロデューサーや仲間のアイドルにも迷惑をかけてしまう。……聖杯戦争には無用の配慮だが、アイドルの目線でいえば自然な対応だ。 「神秘の漏洩は魔術師の禁忌と聞くが、お前にもそのような気構えがあったとはな。 しかし翔ぶか。ふむ、確かに上に逃げるならまず一般人には目につくまい」 「え?」 そしてランサーは何か、見当違いの方向で納得した風に、蘭子の細い手首を軽く掴んだ。 「ふぇ、ぅぇ!?な、何故我が手を取って……!?」 青ざめていた顔が一瞬で赤くなる。引いていた熱がまた上がっていく。 ゆるりと伸ばされた蘭子の華奢な腕を誤って壊さないように慎重に手に取るランサー。 見る構図によっては、場所さえ考えなければダンスを踊る二人の男女、と捉えられなくもない。 ……ランサーは一切感じていないし、蘭子にもいつもの口調を保つ余裕もなかったが。 「案ずるな、お前から魔力を貰う必要もないぞ。オレが担ぎ上げるだけで事足りる」 「そ、そうじゃなくてぇ……」 「……?ここを離れるのではなかったのか?」 「あぁぅぅ……」 ちぐはぐとした、噛み合わない会話。 死線を共にし、互いに確かな信頼が通っているのにどうしてか、こうした普段にするような会話の時二人の意見は奇妙なまでにすれ違うのだった。 「え?」 急に手を放してランサーが背後へ振り返る。マスターである蘭子を背にして、彼女を庇う位置に回る。 緩やかさを取り戻していた空気が凍りつく。警戒と殺気を表層に出してビル影の奥を睨む。 「――――何者だ」 暗い、ビル影の向こう側。 そこには、闇があった。 闇が固形となって光の下を謳歌している、そんな混沌の具現のような存在。 この大英雄をして、今の今まで気配すら悟らせずにいつの間にかそこにいた、男のような闇が佇んでいた。 「おや、お邪魔だったかな?これは失敬。 仲睦まじき事で実に結構。マスターとサーヴァント、互いの奉仕と信頼こそ聖杯戦争の華だ」 ずるり、と闇が這い出てきた。 赤い衣に身を包んだ、神父風の男だった。 風、としたのはあくまで見た蘭子がイメージした中で一番近しいと思ったのが、神父の衣装というだけでしかない。 鮮血を想起させるほど毒々しい赤に濡れた装束を纏う聖職者が実際にいるかなどは、蘭子には想像もつかない。 嫌でも目につく派手な服装は、しかし男の持つより強烈な特徴で印象を塗りつぶされていた。 真昼の空において、一点だけ破り裂けられたような夜の色。 空間に孔が空いていると錯覚してしまう黒。 人種だけでは到底説明がつかないほど濃く染まった肌が、男の不気味な存在感を決定づけている。 衣装と相まってよりイメージを収束させる。蘭子がいつも心の中で思い描く物語に登場する、『悪の魔法使い』そのものだった。 火を見て駆けつけた住民、と考えるはずもなかった。 コレはとっくに、日常に含まれる範囲を逸脱している。蘭子にもそれは理解できていた。 マスター。サーヴァント。アーカムに紛れる自分達の間でしか意味の伝わらない力を持った言霊。 唇までも黒い口から、既に呪いの言葉は吐かれている。 「聖杯戦争の監督役か」 「如何にも」 薄い笑み。 「私は呼び声を聞き遂げて現れた者。大いなる日の降誕を待ち望む者。 魔女の流刑地、アーカムにて執り行われる儀式。血の陣の上に贄を乗せ開かれるサバト。 此度の聖杯戦争の名を見届ける者。名をナイ神父という。 以後お見知りおきを。灰かぶりの姫。そして太陽の子よ」 恭しく頭を垂れる、ナイと名乗った男。 恐ろしい容貌とは裏腹に語りかける口調は穏やかなものだ。 それが逆に誤魔化しの利かない齟齬になって、よりおぞましさが増している。蘭子にはそんな気がした。 対してランサーは恐れを感じた様子は微塵も見せず、臆せずナイへと尋ねた。 「それで、用件はなんだ?ただマスターに顔を見せるためにこの場に現れたわけでもあるまい。 ここでの損壊を責めるというのなら、それは確かにオレの落ち度だ。叱責があれば甘んじて受けよう」 目を見開いて、ナイは白の手袋をはめた手を出して破顔した。 「落ち度?叱責?まさか!私は罰する者などではない。私は見届けるだけのものだ。それに君の手際は完璧だったとも。 襲い来る敵を滅ぼし、己がマスターを守護する。なおかつ外の往来を歩く有象無象の市民への被害にも配慮した。 残留した神秘の残り香に誘われてそのまま精神を焼かれる者はいるだろうが、まあそれは自己責任さ」 ランサーの言葉が心底意外だと言わんばかりに説明を施す。 「私が来たのはその始末のためでもある。単なる火消しだよ。儀式は序盤に入ったばかり。神秘の漏洩はまだ避けるべきだからね。 ああそれと、そこのお嬢さんの顔見せの意図も含めているよ」 そこまで言って、ナイは口を止めた。赤く濡れた、蛇のように艶めかしい視線が妖しく光る。 ランサーの後ろでおっかなびっくり顔を覗かせていた蘭子は生理的嫌悪を覚えた。 「どうかね。お楽しみ戴けているかな?聖杯戦争は」 「―――!」 心臓が裏返りそうになった。 ただ見られただけで身が竦む。気持ちの悪さが肉の底から這い上がってくる。 見ることは原始の魔術である。目は口ほどに物を言う、と言われるように視線にはある種の意思が宿る。 邪視。魔眼。言葉が発達するより前から人は視線に力を見出していた。 今蘭子が感じているのもそれだ。見てはならない断崖の淵。底から覗く眼を見てしまった。 「ふふ」 神父はずっと、言葉を投げかけるランサーに注視しているとばかり思っていた。 監督役といえど、サーヴァントと正面で相対するのなら警戒は怠るまいと勘違いしていた。 実際は違う。視線の焦点が当たってるのはひとつのみだ。ランサーはその射線上にいただけでその実眼中に入っていない。 現れた最初の時から、ナイの眼球はたった一点、一人にぴったりと張り付いて見ていたのだ。 「そのご様子では、あまりお気に召されてはいないようだ。意外ではあるね。 是非再び神秘を目の当たりにした喜びと興奮の感想を聞かせてもらいたかったのだが―――」 「そんなの、わ、我は―――私は、このような儀式など、求めていないわ」 「ほう?」 神父の眼が細められる。震えながら自らに拒否の言葉を返してきた少女に、大きく関心を寄せられていた。 「求めてない?何故? 神秘との遭遇、魔と幻想の体験は君の念願であった筈だろう?」 故に的確に、嘲笑を以て少女に刃を突き刺した。 「ぁ……―――――――」 蘭子の心臓に痛みが襲う。攻撃ではない。物理の刃、魔的な呪詛であれば傍にいる英霊が弾く。 しかし幻痛は、言霊の重みは耳を塞いで何も聞かない限り防げるものではない。 「此処には在るのだよ。魔術も、英霊も、君が求めしかし掴めなかった神秘の全てが。 このアーカムでなら君はそれを目にする事も、手に取る事もできる。自ら使役し、行使する事だってできる。 かつて君が夢見た空の世界、再びその神秘を着飾れる舞踏会場に招かれた。それなのに、どうして快楽の海に耽溺しないのかね?」 ―――痛みの次は、胸が穿たれたような空虚。 翼を生やし、手の内から魔法を放ち魔獣を討つ。蘭子が思い出した、冒険の日々の記憶。 楽しかった。歓喜に満ちていて、嬉しくて、その後のことなんて忘れてしまって。 ずっとこんな時間が続けばいい。永遠に愛したものと幸福に包まれていたい。そんな駄々をこねたこともあった。 忘れていた記憶を思い出して、もう一度行きたいと願っていた。条理の外を超えてもう一度彼らに会いたい、流れ星に願う小さな欠片。 その結果、辿り着いたのがこの世界。 一握りの奇跡を追い求める殺し合い。 酸鼻な殺撃を広げるのみに狂信する怪物。化物。 それは違う。そんな世界は求めていない。けれど――― あの世界でも、陽の当たらない裏では同じような地獄が起きていたのだろうか?目を逸した向こう側には、怨嗟が沼のように沈んでいたのか。 これが、自分の楽しんできたものの正体―――? 神父の言葉の意味を問い返す余裕も、今の蘭子にはない。 胃の内容物どころか、内蔵もろとも体の中から排出したくなるような拒絶感が体内で暴れまわっていた。 まるで腹腔の奥の奥にイキモノが棲みついてるよう。自分の体を内側から食い破って出て来る怪物の姿が浮かぶ上がる。 いっそ、吐き出してしまえ。黒い誰かが耳元で囁く。 ああそれはなんて甘い誘い。極めて堕落。安易な失楽。 喉に手を肩まで突っ込んで引き摺り出す。するとほら、出て来るのはこんなに綺麗で艶めかしい君の■■が――― 「―――――――――」 不意に、上を見た。高い空にではなく、すぐ隣に佇む金色の太陽を。 伸びた前髪から見え隠れする瞳は、鮮やか色で自分を見返している。濁りのない、吸い込まれるような色に、暫し蘭子は恐怖を忘れた。 ランサーは静かに、ただそこにいるだけ。主に慰めの言葉ひとつ授けずに、何も語らず黙している。 それが無関心からくる放棄の沈黙ではないと、もう蘭子は知っている。 英雄であり、けれど少し不器用で人に伝える事が苦手な所がある、温かな性根があると知っている。 だって、彼はそこにいる。 そこに、いてくれているのだ。 一人では耐えられなかった。誰かに傍にいて欲しかった。 サーヴァントはマスターに従うもの。そんな、ルール上に記載されているだけの理由だとしても、傍を離れないでいた。 ならば他に、ここで何を望むというのだろう。それだけで蘭子は救われているのに。 彼は待っている。蘭子が口を開くのを。 自身への命令であれ、目の前にいる神父への返答であれ、選んで取るのは蘭子の意思。彼女にしか背負えない役目であると理解している。 そっと、鎧の上からでも細い腕に手を乗せた。振り払いもせず青年は受け入れる。 硬い、金属質の触感。けれど冷え切っていた指先には暖かさが戻ってくる。 「は、ぁ―――――――」 暗転しそうな意識を懸命に保つ。えづきそうになりながらようやく重い息を吐き出す。それで、気持ちの悪さは一旦引いてくれた。 「でも……私が行きたい世界は、ここじゃないから」 喉には唾液がからみつき、心臓の鼓動は不穏に高鳴っている。 「ならば君は、何処を目指す?」 声は掠れ掠れて、歌声なんて聴かせられないぐらいみっともない。 「もっと綺麗で、輝いていて、皆に声を届けられる場所」 今にも崩れ落ちそうな体を支え、泣きそうな顔を抑えて、それでも言葉は断ち切れる事なく、 弱々しくも、こう告げた。 「―――星みたいな、煌めく舞台を、昇っていきたい」 「ああ――――――素晴らしい」 黒肌の男は目を閉ざして顔を上向け、まるで聖歌に聴き入ってるかのように深く頷いた。 胸に当てられた手が震えている。感動か、はたまた別種の感情か。 「そうだ。そうだとも。そうでなくては意味がない。 自身の『願望』のため、生きて、考え、動き、戦い、呼吸し、走り、足掻き、傷つき、泣き、笑い、叫び、奪い、失い、築き、壊し、血を流し、怒り、這いずり、狂い、死に、蘇る……。 君のような愛しい人間が足掻くからこそ、定命の華は美しく咲き誇るのだ」 やがて目を見開いたナイの顔には、変わらぬ微笑が張り付いていた。 分け隔てなく振り撒かれる慈愛の如く、しかし全てを見透かし睥睨する薄っぺらい笑み。 「やはり、聖杯戦争とは面白い。私も監督など暇な役職(ロール)でなくいっそ参加者として関わりたかったが……いや、言うまい。 『私』という可能性は遍在する。思い至った時点で、既に別の『私』が実行に移しているだろう。 それに相応しい英雄の仮面(ペルソナ)も、あることだしね。知っているかね?全ての人には心の闇に潜む普遍的無意識の住人が―――」 本人にしか意味のない言葉を呟いて、再び蘭子へ向き直ったナイが冒涜的な真実を並び立てようとした時、焼き焦がす熱気に次の句を遮られた。 「悪いが、そこまでにしてもらおうか。それ以上は害意ある干渉と見做さざるを得ん」 主の意思を聞き届けたランサーが口を開く。 周囲に炎の翼が舞い降りたかと思う火の熱は、しかし現実には火の粉の一片も舞ってはいなかった。 今のはあくまでランサーの視線の威。太陽神の子たるカルナとなれば、眼力だけでも燃焼の現象を齎す。魔力ではなく単純な覇気としてもだ。 「用向きが済んだのならば疾く去るがいい暗黒。蘭子はオレの主人だ。監督役といえど手を出さない訳にはいかない。 それこそお前の中立としての立場も揺らぎ出すぞ」 マスターの許可なく戦闘力を開放する軽率さは持ち合わせてない。翻せば、命令さえ下ればカルナの槍は音速で神父に迫りくるだろう。 ナイはその間合いに入っていた。物理的な距離にも、蘭子の精神の許容量においてもだ。 「それは怖い。生ける炎が如し君を相手にしては、私のような影は消えるしか他ないな。……確かに、些かからかいが過ぎたようだ。少し『貌』が覗いてしまった」 白い手袋をはめた手で表情を覆い隠し、さっと身を引くナイ。 そこに口にするほど、ランサーの炎を畏れている風には見受けられない 「これでは叱責を受けてしまうのは私の方だな。望み通り素直に立ち去るとしよう」 するすると遠ざかっていく様子は波が引いていく様子にも似ていた。 「しかし、覚えておきたまえ施しの英雄。人はいずれ、太陽(きみ)にも手が届く時が来る。 かのアインシュタイン、オッペンハイマーが発明し、アンブローズ・デクスターが推し進めた滅びの兵器。終末の時計の針はいつ進んでもおかしくはないのだから」 「警句、感謝する。有難く受け取っておこう」 皮肉を交えていたらしきナイの言葉にも至極真面目に取り合う。ナイもさして不快にした気もなく笑みのまま流した。 路地裏にまで引き込み、そのまま影の中に溶け込んでしまいそうな段になって、思い出したように言い残した。 「……ああ、そうそう。隔離の為この辺りの時間を少しかしいであるが、君達が去るまでは解除しないでおこう。 何処へ向かおうと、君達のその過程が他人に捉えられる事はないだろう」 時間を取らせたお詫び代わりだよ、と付け足して、今度こそ神父の姿は路地の奥に吸い込まれて完全に消失した。 影から生じた闇が元の影に戻り、今度こそ世界は色を取り戻す。 『ではさようなら、暗雲に覆われしアーカムで、なお輝きを見失わぬ少女よ。汝に星の智慧があらんことを』 なのに、声だけが明瞭なほど耳に反響して、去る最後まで跡を濁していった。 アーカムという水面に投げ入れられた小石。広がる波紋は次なる波の呼び水になり、より大きな波を作る。 この邂逅は、その流れのうちのどれに値するのか。 暗黒の神父に脆く決意を宣言した少女の行為に、如何なる意味を持つのか。 真実は暗雲に包まれている。正答は仄暗い海の底に沈み落ちていく。 全ては闇の中にあり、闇もただ黒い笑みを浮かべるのみ――――――。 神崎蘭子の緒戦。聖杯戦争ではありきたりの一幕はこうして下ろされた。 【商業区域・スタジオビル裏/一日目 午前】 【神崎蘭子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]魔力の消費による疲労、ストレスにより若干体調が優れない [精神]大きなストレス(聖杯ルール、恐怖、流血目視、魔王ブリュンヒル登場によるショック)、ナイ神父との接触により症状持続 [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]なし [所持金]中学生としては多め [思考・状況] 基本行動方針:友に恥じぬ、自分でありたい 0.…… 1.我と共に歩める「瞳」の持ち主との邂逅を望む。 2.我が友と魂の同調を高めん! 3.聖杯戦争は怖いです。 4.私が欲しいのは――― [備考] タタリを脅威として認識しました。 商業区域・スタジオビル裏にて、ナイ神父と接触しました。 【ランサー(カルナ)@Fate/Apocrypha+Fate/EXTRACCC】 [状態] [精神]正常 [装備]「日輪よ、死に随え」「日輪よ、具足となれ」 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターに従い、その命を庇護する。 1.蘭子の選択に是非はない。命令とあらば従うのみ。 2.今後の安全を鑑みれば、あの怪異を生むサーヴァントとマスターは放置できまい。 3.だが、どこにでも現れるのであれば尚更マスターより離れるわけにはいかない [備考] タタリを脅威として認識しました。 タタリの本体が三代目か初代のどちらかだと思っています。 【アーカム市内?/一日目 午前】 【ナイ神父@邪神聖杯黙示録】 [状態]? [精神]? [装備]? [道具]? [所持金]? [思考・状況] 基本行動方針:この聖杯戦争の行方を最後まで見届ける 1.? [備考] [全体の備考] ナイ神父の措置により、現在位置を離れるまで、蘭子達が一般人に発見される事はありません。 BACK NEXT 022 吊るしビトのマクガフィン 投下順 023 Libra ribrary 022 吊るしビトのマクガフィン 時系列順 024 Libra ribrary BACK 登場キャラ NEXT 014 Arkham Ghul Alptraum(前編) 神崎蘭子&ランサー(カルナ) 025 Shining effect 012 鉛毒の空の下 ナイ神父 026 The Keeper of Arcane Lore(後編)
https://w.atwiki.jp/playyugiohvip/pages/301.html
計40枚 最上級*17 光と闇の竜*3 トラゴエディア*3 神獣王バルバロス*3 大天使クリスティア*3 光神機-轟龍*2 地縛神Aslla piscu 地縛神Ccapac Apu 冥府の使者ゴーズ 魔法*17 死皇帝の陵墓*3 テラ・フォーミング*2 次元の裂け目*3 トレード・イン*3 非常食*3 サイクロン 大嵐 ハリケーン 罠*6 無力の証明*3 ヒーロー見参 激流葬 リビングデッドの呼び声 運がよければ勝てる
https://w.atwiki.jp/21silverkeys/pages/142.html
《鬼哭啾啾》間桐桜 キャスター ◆7q1uGo5q1A 始まりの刑罰は五種、生命刑、身体刑、自由刑、名誉刑、財産刑、様々な罪と泥と闇と悪意が回り周り続ける刑罰を与えよ『断首、追放、去勢による人権排除』『肉体を呵責し嗜虐する事の溜飲降下』『名誉栄誉を没収する群体総意による抹殺』『資産財産を凍結する我欲と裁決による嘲笑』死刑懲役禁固聞拘留罰金科料、私怨による罪、私欲による罪、無意識を被る罪、自意識を謳う罪、内乱、勧聞い誘、詐称、窃盗、強盗、誘拐、自傷、強聞い姦、放火、爆破、侵害、過失致死、集団暴力、業務致死、過信による事故、誤診に聞いてよる事故、隠蔽。益を得る為に犯す。己を得る為に犯す。愛を聞いて得る為に犯す。徳を得る為に犯す 自分の為に聞いてす。窃盗罪横領罪詐欺罪隠蔽罪殺人罪器物聞いて犯罪犯罪犯罪聞いて私怨による攻撃攻撃攻撃攻撃汚い汚聞いてい汚い聞いて汚いおまえは汚い償え償え償え償え償え聞いて聞いて聞いて聞いて―――― 「聞いて、お姉ちゃん」 唐突に間桐桜の視界は開けた。 どこまでも続く暗闇の中、地が髑髏に埋め尽くされた世界。 そこで吹く風は、声となって桜に聞こえてくる。 「お父さんも、お母さんも死んじゃったのは、みんな大江山で帝を僭称している男のせいだって言われたの。 だからあたしは刀で刺したの。お役目を果たしたのに、それを告げたら、胸を突かれて――」 一筋の風が桜に吹くと、また異なる声が聞こえてくる。 「聞いて。僕はひもじくてひもじくて、だけど妹だけは助けてあげたくて稲わらを盗んだんだ。 そしたら首を――」 風が逆巻き、桜に集まる。 風がきいきいと哭く。風の一筋は亡者の叫び。 怨念、無念、悪念、残念。 人の恨み、天の恨み。そして何より――己への恨み。 だが、例え怒りのままに人を、己を切り裂こうとも、虚しさは胸から去らない。 最早怒りをぶつける相手はどこにもいないのだから。 だからこそ、人を恨み、天を憎み、何より己を憎み、魑魅魍魎は哭くのだ。 ……あの女さえいなければ。あいつが憎い。痛いよ。熱いよ。もう嫌だ。死にたくない。殺してやる。助けてくれ。あの子だけは。 ねえ、聞いてくれ。この痛みを。苦しみを。つらさを。無念を。聞いてくれ。聞いてくれ。聞いてくれ! その声に耐えきれず、桜は悲鳴を上げた。 ◇◇◇ ◇◇◇ ――――悲鳴と同時に、桜に映る景色が変わる。 暗闇の奥、さらに暗い部分には――蟲など一匹もいなかった。 床が垂直になっている事から、桜はようやく自分が倒れたという事に気が付いた。 同時に、なぜこんなところで倒れ伏しているのか、その理由も。 間桐桜はアーカムで穏やかな日々を過ごす最中、常に何か急き立てられるような感覚に襲われていた。 何かが欠けている。そう思いながらハイスクールに通い、兄とやや呆け気味の祖父の世話をしながら、違和感が薄れることは無く、むしろ増していった。 だが、何かが違う。何かが足りない。 いや、何かじゃない。誰か、が――!? ある時、その喪失感に気づいてしまった。 ――衛宮士郎の存在に。 必死になって元の生活の痕跡を探し、存在しない衛宮邸を探し、知人を探し、桜にとって悪夢そのものである、間桐邸の地下修練場まで探しても何もないと知って。 絶望のあまり気を失ってしまったのだ。 「……帰りたい。帰らないと……」 桜は身を起こしながら呟いた。 桜に願いがあるとすればただ一つ、衛宮士郎との生活を続ける事だけだ。 「――たとえそれが家族ごっこだとしても?」 後ろから投げかけられた言葉に、桜は驚き振り向いた。 「あは、こんちわ!」 戸惑う桜と違い、彼は明るい笑顔で挨拶をした。 衣装は日本の貴族が着る直衣というものだろうか。紫というよりピンク色の着物を着ている。 下には袴を付けず、艶めかしい足が裾から覗いていた。 桜は流れる魔力から、ようやく彼がどのような存在なのか理解し、声をかけた。 「貴方が私のサーヴァント?」 「そ。ボクはキャスター。真名は『キツト』。 黄色の黄、三本線の川と、人間の人で『黄川人』さ。よろしく、マスター」 そう言ってキャスター、黄川人は桜に対し礼をした。 「私は……聖杯なんて必要じゃない。ただ、元の生活に戻りたい。 ……貴方はどうするの?」 黄川人からこの聖杯戦争について教わった桜は、黄川人に尋ねた。 それは単なる疑問ではなく、聖杯を求めないマスターをどうするか、という問いかけだ。 サーヴァントは叶えたい願いがあるからこそ召喚に応じる。 よって聖杯に無関心なマスターは、切り捨てられる可能性が大だ。 その時は令呪を使う必要があると、桜は理解していたのだが。 「いいよ、別にボクには聖杯に叶えてもらうような願いなんてないし。 こうして肉体を持って、現世を謳歌出来るだけで満足さ」 黄川人はくるりと一回りし、桜に向かい微笑んだ。 「大体さァ、あらゆる願いが叶う聖杯なんてうさん臭いよねェ。 そんな海のものとも山のものとも知れない代物に願おうなんて奴は考え知らずの馬鹿か、さもなくば追い詰められて都合の良い奇跡にすがる奴くらいだぜ。 あれ、じゃあやっぱり馬鹿しかいないってことじゃないか。アハハハ……」 何がおかしいのか、黄川人はけらけらと笑った。 「……他のマスターがどこに居るか分かる?」 桜が黄川人に尋ねると、黄川人は呪を唱えた。 「白鏡、黒鏡。この地と怨敵を映せ」 すると桜の視界の隅に、この町の地図が映し出された。地図の上には、動き回る黒い点がある。 「その点がボク達の敵、つまりマスターとサーヴァント、それと使い魔その他魔力を持った奴の位置だから。 それにしても……いきなりマスターの位置を尋ねるなんて、殺る気満々だね」 「違うわ。ただ私は戦いに巻き込まれたくないだけ。その前にこの町から出たいの」 「ふうん。だけどさ、アサシンのような気配遮断ができる相手だと、この術も通用するかどうか分からないよ。 いきなり襲われる事もあるだろうけど、その時はどうする?」 その時は。桜はそう言いかけて口ごもった。 「ま、その時はサーヴァントのボクの出番だけどね。おっ払うくらいはできると思うよ」 そう言って桜に対し無邪気な笑みを見せた。 「じゃあ、行きましょう」 と言って桜は地下から出る階段を登って。 「あ。そうそう、一つ頼みがあるんだけど……君の事を、マスターじゃなく“姉さん”って、呼んでいいかな?」 桜は歩みを止めた。 「ボクには赤ん坊の頃、生き別れた姉がいたらしいんだ。結局死ぬまで会えなかったんだけどね」 その言葉は、桜の脳裏にある光景を思い出させる。家族がそろっていたあの時の情景を。 「もし君のような人がボクの姉さんだったらうれしいんだけど……だめかな?」 思い出させないでほしい。 あの日々を思い出してしまったら、全てを諦める事でやっと手に入れた幸せが崩れてしまう。 「やめて、キャスター」 喉から悲鳴の様にかろうじて絞り出された声。桜にはそれを言うのが精一杯であった。 「ああ、わかったよ。桜」 黄川人はあっさりと受け入れ、さりげなく名前で呼んだ。 桜は震えそうになる身体を押さえ、階段を登って行った。 その姿を見る黄川人は、桜の前では見せなかった、歪んだ笑みを浮かべた。 黄川人が持つスキルの「千里眼」。それは単に視力の良さのみならず、物や人の過去を見通す。 先程の頼みも、桜の過去を覗いたからだ。 このマスターは面白い。鎖で縛られ、鎧で固められた精神の内で、素晴らしい怪物を育てている。 さあ、戦いを始めよう。聖杯なんてどうでもいい。彼女の内にある憎悪と嫉妬、そして『この世、全ての悪』を解き放ってやろう。 そしてマスターもサーヴァントも殺し、さらにあの自惚れ屋の神々を殺しつくし、海を埋め立て地を平らにし、この世を一からやり直そうじゃないか。 何だってできるさ。桜とボクが一緒なら……。 【マスター】 間桐桜@Fate/stay night 【マスターとしての願い】 早く元の生活に戻りたい。 【weapon】 無し。 【能力・技能】 架空元素・虚数 魔術師として極めてまれな属性だが、現在は上手く扱えない。 この世、全ての悪(アンリ・マユ) 人類60億全てに悪であれと望まれた呪い。 桜が元居る世界の聖杯の中で、誕生する時を待っている。 本来ならば桜は聖杯としての機能は覚醒しないが、繋がる可能性はある。 この聖杯戦争の聖杯(つまり邪神)とつながっているかは不明。 【人物背景】 遠坂凛の実妹。遠坂家の次女として生まれたが、間桐の家に養子に出された。 表向きは遠坂と間桐の同盟が続いていることの証。裏では、間桐臓硯にとっては断絶寸前だった家系を存続させるために、魔術の才能がある子供(というよりは胎盤)を求めていたという事情があった。 また遠坂時臣にとっては一子相伝である魔道の家において二人目の子供には魔術を伝えられず、そして凛と桜の姉妹は共に魔道の家門の庇護が不可欠であるほど希少な才能を生まれ持っていたため、双方の未来を救うための方策でもあった。 間桐家に入って以後は、遠坂との接触は原則的に禁じられる。 しかしながら「間桐の後継者」の実態は間桐臓硯の手駒であり、桜の素質に合わない魔術修行や体質改変を目的とした肉体的苦痛を伴う調整、義理の兄である慎二からの虐待を受けて育つ。 だがある頃に、士郎の懸命な姿を見て彼に憧れを抱く。 【方針】 聖杯戦争からの脱出、ではあるがその方法が見つからないならどうするか不明。 【クラス】 キャスター 【真名】 黄川人@俺の屍を越えてゆけ 【パラメーター】 筋力C 耐久C+ 敏捷C 魔力A+ 幸運B 宝具B 【属性】 混沌・悪 【クラス別能力】 陣地作成:A+ 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 “工房”を上回る“神殿”を複数形成することが可能。 道具作成:A 魔力を帯びた器具を作成できる。 恨みの念から、鬼を形成できる。元になった人間の怨念が強ければ強い程、サーヴァントにも匹敵する怪物となる。 【保有スキル】 呪歌:A+ 黄川人の世界の神々が編み出した魔術体系。 攻撃、防御、属性付与は重ね掛けが可能で、攻撃の術は併せることで、人数×2倍の威力を発揮する。 キャスターとして召喚された影響で全ての術、さらに短命種絶の呪いや空間移動等を使用できる。 千里眼:A 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 さらに遠隔透視、過去視を可能とする。 自己改造:A+ 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。 このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。 他人の身体に潜り込み、相手の意識はそのままに身体を操る。 また、この状態だと同ランクの気配遮断の効果を持つ。 神性:E-(A) 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。 本来は最高の神性適性を持つが、本人が神を嫌っている上、鬼に貶められている。 【宝具】 『八つ髪(やつがみ)』 ランク:B 種別:召喚宝具 レンジ:― 最大補足:― 黄川人の八本の髪の毛から生み出される、竜種を模した鬼。 各々の髪は自己の意志で動き、術を行使し、倒されても魔力を注げば復活する。 陣地作成と合わせれば、召喚、運用、復活に本人の魔力を必要としなくなる。 『朱ノ首輪(しゅのくびわ)』 ランク:A 種別:対神宝具 レンジ:― 最大捕捉:1柱 神、もしくは神性スキルを持つ相手にのみ通用する宝具。 枷をはめられた敵の能力と理性を封印し、獣に貶める(イメージとしてはプリズマイリヤの黒化英霊を参考に)。 この宝具は術として唱える型と、首輪を実体化させる型の二種類がある。 術の場合、以下の呪文を唱える。 「風祭り、火祭り、水祭り、土祭り、滄溟を探りたもうた天の瓊矛の滴よ、ここに集いて禍事を為せ」 首輪の場合、道具作成スキルで製造する。こちらは填めることさえできれば誰にでも使用でき、黄川人本人にも通用する。 『阿朱羅(あしゅら)』 ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:1人 黄川人の道具作成、自己改造スキルを自分自身に用い、異形の鬼へと変化する。 ステータスは以下の通り。 筋力A 耐久A+ 敏捷A 魔力A+ 幸運D 宝具B 無論この状態でも、全スキル、宝具は使用可能。だが、常時莫大な魔力を消費し続ける。 もし魔術回路を持つ者と一体化できたなら、自力で魔力を生成し、生前の力を完全に発揮できるだろう。 【サーヴァントとしての願い】 桜に『復讐』の思いを自覚させ『この世、全ての悪』を使い世界をやり直す。 【人物背景】 打倒朱点童子を目指す主人公一族の前に現れる水先案内人。 天真爛漫な性格で様々な情報を知らせてくれるが、セリフの端々に皮肉が混ざっている。 正体は主人公に呪いをかけた朱点童子本人。 下天した神、片羽ノお業と人間の間に生まれる。これを機に神は下界に介入し、黄川人を皇子として従うように下知する。 神の起こす奇跡により信仰は広まり、都が造られるまでに至るが、時の帝の命により、黄川人のいる都は焼き討ちされ、皆殺しの目に合う。 赤子だった黄川人は殺戮から逃れ、お紺という女性に拾われるが、黄川人が能力で富籤を連続で当てさせた結果、お紺の家庭は崩壊し、無理心中を図られる。 その後は氷ノ皇子の元に辿り着き、彼の血を啜り生き延び、術を教わる。 ある時、流れ着いた敦賀ノ真名姫の死によって身の内に溜まった復讐心が爆発し、怨念は地上天界を揺るがした。 それを鎮める為討伐に来た神々諸共、神へと転生した姉の昼子に鬼の身体へ封じ込められる。 それでも尚黄川人の意識は残り、鬼の自我はそのままに意志を操り京を荒らし続けた。 これに対し自分を倒すため、もう一人の神との混血『朱点童子』を作る計画を聞きつけた事で、封印を解く計画を思いつく。 鬼の身体を倒しにきたお輪を人質にして、まだ赤子の主人公に短命の呪いをかけた。 自分を封印から解き放つ動機を持たせ、封印を解く程度で実力を抑えるように。 そしてその赤子が神の力を借り、朱点童子討伐に乗り出すところから物語は始まる。 【方針】 戦闘やトラウマを抉り出す言葉責めで桜のSAN値を削り、桜が黒化した後で勝負に出る。 それまでは陣地を作り、待ちの戦術でいく。 【基本戦術、運用法】 戦法はまず陣地を作り、八つ髪を配置するというキャスタークラスの基本戦略に沿う形になる。 暗殺も一応は可能だが、やはり八つ髪と術の併せを用いた方が良いだろう。 主従関係について補足しておくと、黄川人は桜を利用しても、裏切る気は全くない。 サディスティックに責めたてても、それは桜に復讐心を自覚させるためである。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9123.html
シャイニング・フォース外伝 遠征・邪神の国へ 【しゃいにんぐふぉーすがいでん えんせい・じゃしんのくにへ】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 ゲームギア 発売元 セガ 開発元 クライマックスソニック 発売日 1992年12月25日 定価 5,500円 配信 バーチャルコンソール【3DS】2013年10月2日/524円 判定 良作 シャイニングシリーズ 概要 ストーリー システム 評価点 問題点 総評 余談 概要 ゲームギアで発売されたシャイニングフォースシリーズの外伝作。 ストーリーは「シャイニング・フォース 神々の遺産」の20年後という設定であるが直接的な繋がりはない。 キャラクターデザインは本作より梶山浩氏が担当。 ストーリー (説明書3ページより引用) 光の軍勢 (シャイニング・フォース)が悪の化身ダークドラゴンを封印してから20年。ガーディアナ王国はアンリ女王のもとで平和に統治されていた。だが、その平和もつかの間。ルーン大陸の南方に位置する軍事国家、サイプレス国の使者の来訪により平穏な日々も崩れ去ることになってしまう。友好を結ぶためと偽り訪れた大神官ウォルドルは、サイプレス王からの贈り物として小箱をアンリ女王に手渡した。しかしこの小箱こそが、サイプレスの罠だったのだ。そうとも知らず小箱を開けてしまったアンリ女王は魔法で永遠の眠りについてしまう。サイプレスの罠にかかったガーディアナ国は、女王を再び目覚めさせるために、戦いを決意! 未知の島国へとガーディアナの軍勢は旅立っていくのだった…… システム シャイニングフォースのシステムを一部引き継いだ、ステージクリア型のシミュレーションの形式を取るRPG。 全4章、22ステージ構成。 シミュレーションパート 最大12名のユニットを操り、戦術マップに居る敵の全滅もしくは敵リーダーの撃破を達成すればステージクリア。 主人公が戦闘不能になる、もしくはリターンの魔法(アイテム天使の羽根でも可)を使うと撤退となり、キャンプコマンドで仕切り直しとなる。 純粋なターン制ではなく、敵味方問わず素早さの高いユニットから順番に行動できる。 いずれかの行動コマンドを実行するとそのユニットの手番は終了し、次のユニットに行動順が回ってくる。 マップには地形に応じた「地形効果」が設定されており、これが高いほどダメージ軽減率と移動距離の制約に大きく影響を与える。 宝箱などの特殊ポイントでは、調べることでアイテムなどを入手出来る。 戦闘シーン シミュレーションパートで攻撃や魔法、道具といったコマンドを選択すると、アニメーション付きの戦闘シーンに切り替わる。 味方の行動時は、戦闘シーンの結果に応じてユニットに経験値が加算される。経験値が100まで貯まるとレベルアップ。 キャンプコマンド シミュレーションパートをクリア後、イベントを経由するとキャンプコマンドに移行する。 「お店」では買い物、「本陣」では装備、メンバーの入れ替えといった戦闘準備や、戦闘不能や呪いなどに陥ったメンバーの治療などが行える。 お店はステージを進めるにつれて品揃えが豊富になっていく。 加えて何らかの原因で手放した貴重品は「掘り出し物」の品目に並ぶ場合がある。 転職 レベルが10以上になったユニットは、キャンプコマンドから任意のタイミングで転職が行える。 転職するとレベルアップによるステータスの伸び方が変わり、より強力な武器や魔法を扱えるメリットがある。 ユニット + ユニット解説(カッコ内は転職後) 剣士(勇者) :主人公専用ユニット。攻守のバランスに優れる。転職後は強力な攻撃魔法を扱えるが、MPは控え目。 戦士(ウォーリア) :機動性でイマイチ劣るが、近接戦闘においては並ぶ者なしのエキスパート。 アーチャー(スナイパー) :弓による高火力と射程が強み。飛行型の敵に強い。 レンジャー(ボウナイト) :アーチャーの攻撃性能と騎士の機動性能を併せ持ったハイブリッド職。 魔術師(ウィザード) :攻撃魔法・補助魔法のスペシャリスト。耐久力に難がある。 騎士(パラディン) :高い機動力と戦闘能力を兼ね備えた切り込み隊長役。 モンク(マスターモンク) :肉弾戦と回復魔法に長ける格闘家。戦士と同様機動力の低さがネック。 鳥人(バードラー) :高い攻撃力と飛行能力による抜群の機動力を持つ。反面地形効果を受けない影響で耐久力は低く、弓攻撃に対して弱点を持つ。 僧侶(司祭) :回復魔法・補助魔法を得意とする。大器晩成型だが近接戦闘もそこそここなす。 獣人(ベルセルク) :戦士をより攻撃に特化させた性能を持つ獣人。 魔法生物 :とあるマップに隠れている隠しキャラ。 前作「シャイニング・フォース 神々の遺産」からの変更点 シミュレーションパート以外のシステムについて、携帯機であるゲームギアのスペックに合わせて以下の点が変更されている。 町や村・中継地のシステムの簡略化。探索要素をオミットしたキャンプコマンドとして一本化された。 「本陣」「出口」「お店」のメニューのみ存在し、出口を選択することで即時にSLGパートに移行する形となっている。 勝利条件達成後のフィールドの任意探索パートの廃止。 これによりゲーム全体の流れは、ステージクリア型の形式を取る比較的シンプルなものとなった。 評価点 シャイニングフォースの世界観やシステムを見事に継承。 シャイニングシリーズの特徴の一つである、十字型コマンドを始めとしたユーザーインターフェイスの快適性をほぼ忠実に再現している。 操作性もキーレスポンスが早く概ね良好と言える。 ゲーム開始時の「女性がプレイヤーと一緒に、本に綴られた物語を読み進める」ていで始まるシーンも健在。世界観の再現についても抜かりはない。 町が簡略化された影響で、シミュレーションパート以外のパートが快適になった。 お店で買った武器は本陣へ戻って装備しなければいけないが、あまりストレスは感じない。 シミュレーションゲーム初心者から熟練者まで幅広く楽しめる絶妙な難易度。 フォース1と同様に敵勢力は手強く、ユニットの能力と相性・地形効果を考慮して進めなければ攻略は難しい。 一方でリターンや天使の羽根を使えば、ノーリスクで町へ戻ってバトルをやり直せるため、これを利用した稼ぎを行えば、能力差で強引に突き進むことも出来る。 熟練者はリターンを縛れば、手に汗握るスリリングな戦術を楽しめるだろう。 レベルアップ時に超過した経験値は次に持ち越されるようになったので経験値が無駄にならなくなった。 「フォース1」ではレベルアップ時に100を超えた分の経験値は消滅してしまっていた。 フォース1に存在した上級職に転職した際の能力値低下が撤廃され、気軽に転職を行えるようになった。 以降の作品でもこの仕様が標準となった。 前作と同様、ステージ攻略途中での中断セーブが可能。携帯機のお手軽さも相まって、時間の制約にとらわれず好きな時間にプレイ出来る。 フォース1のキャラクターやその近親者が登場する。同作をプレイした人ならニヤリと出来ること請け合い。 シミュレーションゲームにありがちな、敵の思考による待ち時間がほぼないに等しい。 携帯機に最適化するにあたり、思考ルーチンを可能な限りシンプル化した努力の賜物であろう。 当時のフルカラー携帯機であるゲームギアの特色を十分に生かした美麗なグラフィック。 キャラクターの顔グラフィックは梶山氏のデザインの特徴を上手く捉えている。 マップグラフィックは地形の視認性がよく、SRPGとしてはありがたいところ。 戦闘グラフィックはアニメーションパターンこそ削られているものの、据置機の前作に見劣りしないクオリティを誇る。 今作のBGMは「フォース1」の吉村政彦氏に代わり、武内基朗氏が担当した事で大きくリファインされた。 PSG音源とは思えない重厚なハーモニーを駆使したBGMの数々は、前作に負けじと勇壮かつ壮大。 特にマップBGM「はるかなるたびじ」、仲間加入時BGM「ビクトリーロード」はなかなかの名曲。 隠しコマンドでサウンドテストが可能で、楽曲のタイトルもそこで確認できる。 ジングルについては楽曲のフレーズにそのまま言葉を載せたような脱力モノのタイトルが付いており、クオリティとのギャップを楽しむのも一興。 武内基朗氏はその後、フォース2などのシリーズのBGMに関わり、ゲーム機のスペックに捉われないシンフォニックな楽曲を数多く生み出した。 問題点 本陣での仲間との会話はない。 そのためキャラクター同士の掛け合いはイベントでしか見られず、キャラの個性が薄れてしまっている。 武器は誰が装備できるかわからないので実際に試してみる他ない。 装備品の傾向を見れば大体の見当はつくのが幸い。 持ち物もステータスで確認しないと種類や数を知る事ができない。 魔術師を始めとした後衛職の扱い辛さ。 攻撃魔法の威力がほぼ固定ダメージのため、武器やレベルによる伸びしろの大きい前衛・中衛職と比べると、後衛職の利便さは敵のHPが飛躍的に上昇する中盤以降は頭打ちになりがち。 必中効果や攻撃範囲、補助能力といった前衛職にないアドバンテージは健在のため、前衛職と協力してその強みをどう生かすかがカギとなるだろう。 仲間の一人、メイフェアが育てにくい。 このゲームでは敵にトドメを刺した時が一番経験値が多く獲得できるが、メイフェアは僧侶キャラのため攻撃力が低くこれが難しい。 しかもメイフェアは加入時のレベルが、その時点での主人公たちと比較して低めなのも攻撃力の低さに拍車をかけている。 そして範囲回復魔法を扱える僧侶キャラが彼女一人だけ(*1)なので、ある程度意図的に育成しないと終盤の攻略が厳しくなる。 隠し仲間のドミンゴの初期能力 魔法使い系のキャラクターなのだが、仲間になった時点で使えるのはブレイズとフリーズのレベル1のみ。この頃には仲間の魔法使いが上位版を習得していると思われるので、仲間になるタイミングとしては相対的に弱い。せっかくの隠し仲間なのに… しかし根気よく育てれば大きくステータスを伸ばすことが出来、上位魔法の習得も相まって目覚ましい成長を見せてくれる。 運用次第では地形による移動制限を受けにくい魔法使いとして活躍してくれる。正しく大器晩成キャラクターと言えるだろう。 本作ではストーリーが完結しない。 エンディングの内容も急展開を迎えた上で結末の描かれない、いわゆるクリフハンガー的なものとなっている。 ストーリーは次回作の「シャイニングフォース外伝2」に持ち越されてそこで完結するようになっている。 総評 シャイニングフォースのシステムを簡略化した上でゲームギアという携帯機に上手く落とし込んだ作品。 シリーズのファンにもゲームギアでSRPGを楽しみたいという人にもオススメできる一作である。 余談 後にメガCDに続編の外伝2とセットになってシャイニング・フォースCDとして移植されている。 また「シャイニングフォース クロニクル」というタイトルでモバイルにも移植されている。