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412: 名前:マロン☆03/27(土) 20 58 52 手術室のドアの向こうでピッ――と長い音がする その音はあまりにも悲しくて…残酷な音色だった 私はおばさんを睨みつける 恨み、憎しみ、そして…怒りの米タメでおばさんを睨む こいつのせいで…こいつらのせいでッッ!!!!! 結華の人生はめちゃくちゃになったんだ!!!! 許さない… 許さないッッッッ!!!!!!!!!!!! それから、結華の葬式があった その日は、よくドラマで見る光景と同じく雨が降っていた その雨は結華の今までの悲しみの涙だったのかもしれない 私は葬式で結華のおばあちゃんから結華からの手紙と小さなかわいらしい袋を受け取った おばあちゃんは涙を浮かべながら「結華の友達でいてくれてありがとう…」と言われた 私のほうこそ… 私のほうこそ友達でいてくれてありがとう… 馬鹿で我侭で自己中で結華を傷つけた私とずっと親友でいてくれて本当に本当にありがとう…!! 私の目からは大粒の涙が零れ落ちてきた そして…結華が火葬場に運ばれた… 私も火葬場へとついていった おばあちゃんが結華の顔を最後に見てやってくれと言われたし…私も結華の顔を見たかったから… 火葬場に着いた私は火葬される前の結華の顔を見た 結華の顔は死んでいるとは思えないほどきれいだった 結華の顔を見ると思いだす… 結華との楽しい思い出… 色々な結華の表情がシャボン玉のように浮かんできてすぐに消える とうとう、結華が火葬される時が来た 結華が火葬するところに入ろうとする 「結…………華………!!」 私は火葬されようとしている結華の名前を呼んだ 勿論答えは返ってこない… 「やめて…!!結華を…結華を燃やさないで!!」 私は涙を流しながら結華を燃やすため火葬するところに入れる係の人に叫んだ 私が係の人を止めようとして行こうとすると一緒に来ていたお母さんが私を押さえた 私は必死にもがく 「やめてェェェェェェ!!!!結華を…結華を燃やさないでェェェェェェェェェェ!!!」 私は必死に叫ぶ 私の叫びが聞こえないのかのように係の人はどんどん結華を火葬していく 「やめてよォ…!!やめろォォォォォォ!!!!」 私は声がかれるくらいに叫んだ だけど、私の願いはかなわず結華は火葬されてしまった 「いやァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!! 結華ァぁァァァァ!!!!」 私は心の底で思って信じてたんだ 結華は死んだふりをしていてどこかで生き返って私にいつものような笑顔で笑ってくれるのを… 「ゆ……………いか…………………」 私は枯れた声で結華の名前を呼んだ やっぱり返事は返ってこない… 私はここでやっと分かった… 本当に結華は 死んだのだと 416: 名前:マロン☆03/28(日) 21 39 20 結華の死を理解した私は目の前が真っ暗になった… 悲しみの一色に心は染まって私の目からは多分光が失われたいたと思う 私はお母さんに支えられて家へと帰った 家に帰った私は部屋へと戻りドアの前で泣き崩れた 「結…………華………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」 すっかり枯れてしまった声で泣いた 私はしばらくずっと泣き続けていた 私は、喪服のポケットの中に入れておいた結華からの手紙と 小さな可愛い袋が入ってあったのを思い出した 私はポケットからその二つを取り出した そして、手紙を開いて、見た 未那へ 今日、2月17日は何の日か分かる?? なんと!!私達が出会って親友になって10周年の記念日でした~ 今日渡したそっちの小さな袋は私達二人だけのお揃いだよ!! 世界にたった一つだけ!! 一応すごくお金がかかったんだよ!! 感謝してよね!!(笑) な~んてね!冗談だよ!! でも、最近未那と一緒にいることが少ないような気がするんだ… 未那はクラスのみんなから人気があるから仕方ないけど やっぱり寂しいなァ~ でも、私達の絆は一生切れることないものだと思ってるよ! これからもわがままで馬鹿で寂しがり屋の私をよろしくね!! そして、これからもいつも通りの優しくて笑顔の可愛い私の親友の未那でいてね!! 結華より 手紙を読んだ私は目からまた涙があふれてきた ごめん…ごめんね… 私…結華の様子に気づいてあげられなくて… もっと私が相談に乗ってあげればよかった… 結華の強がりは私を思いっきり頼っていた強がりだったんだね… 結華なりに私に頼ってたんだね… 私が鈍すぎて気付いてあげられなかったんだね 私がもう一つの小さな袋を開けるとその中には 私と結華の名前が掘ってあるハート形のペンダントと 私と結華のマスコットのストラップだった 私は結華からの贈り物を思いきりギュッと抱きしめた 「結華の馬鹿ぁ…嬉しいけどお揃いじゃないじゃん…結華と二人で持っていなきゃお揃いじゃないじゃんッ!!」 私は、泣きながら結華からの贈り物を強く強く抱きしめ今はいない結華に向かって怒った 神様……… 結華を… 私の大切な親友を ――返してください―― なんでもしますッッ!! だから、結華を 返してください 419: 名前:マロン☆03/29(月) 20 34 54 小学校を卒業し、春休みに私は転校した 見送りにはクラス全員が来てくれた でも、一人足りない… 一人…一人だけ足りない… クラス全員とそのほかの人たちに見送られて私は引っ越した 新しい家にも着き、あっという間に春休みは過ぎて行った とうとう私が転入する中学校への登校日がやってきた 私の心は不安で埋め尽くされた 中学校へ着くとクラス票が張り出されていた 私の名前は"1-A"に書かれていた 自分のクラスを確認した私は、クラスの担任である先生がいる職員室へと向かう 私達のクラスの担任の先生は女の先生で名前は小川麻奈美(オガワ マナミ)と言う先生だった 容姿としては、茶髪の髪の毛を軽くまいており、目にはブルーのアイシャドーを付けているぱっちりしている。唇は、薄いピンク色の色つきリップを付けていて、スタイルはいいけど意外に胸が小さい。 「では、神崎さん、クラスへ行きましょう」 私は小川先生の後ろをついていく 私は小川先生の後ろをついていきながらたくさんの生徒を見た 生徒達はみんな楽しそうに友達としゃべったり、ふざけ合ったりしている 私だって…此処に結華がいたら… 私の眼から涙があふれ出てきた ――結華―― この言葉を聞くだけで涙が出るなんて… 私弱虫だな… クラスに着くとホームルームが始まり転入生紹介で私は紹介された 自分の名前もかき紹介を終え、自分の席へと向かった 私の席の隣の子は雪咲祐梨亜と言う子だった 綺麗でつやのある腰まである黒髪を今日はそのままストレートしていた 瞳は、奇麗な黒で顔も整っていて唇も薄い桜色 スタイル抜群だった 「よろしくね!神崎さん」 これが私と祐梨亜との出会いだった 休み時間になると女子が雪咲祐梨亜のところへと群がっていく 隣の席の私としては凄く迷惑だ… 私は自分の席をたち屋上へと向かった 423: 名前:マロン☆03/30(火) 11 13 29 私は屋上でただ空を眺めながら結華との思い出を思い出していた 楽しそうな笑顔や、悲しげな顔、苦笑いしている顔や色々な表情を思い出していた 私の目からはまた涙が流れていた 涙は拭いても拭いても流れてくる 「私、いつからこんな弱虫になっちゃったんだろう… 結華にはいつも強がっていたくせに…」 私はその場に座り込む 私が一人で泣いていた時だった 後ろのドアが開いて、誰かが入ってきた 私は振り向いた そこにいたのは…雪咲祐梨亜だった 「神崎…さん?……泣いてるの?」 私の様子を見た雪咲祐梨亜は私のもとへと駆け寄ってきて心配してくれた なんだろう?この安心感は… 結華といた時と同じような安心感 「何か悩んでいることがあるの?それなら一人で抱え込まないで私に全部相談して…?」 雪咲祐梨亜は私に優しい声で言ってくる 私はそれから雪咲祐梨亜に私の思っていることを全部言った 祐梨亜は私の話を首を軽く縦に振りながら聞いてくれた そして、私に優しく微笑んで 「神崎さん!!私達は今日から友達ね?私のことは祐梨亜って呼んで?未那…」 ふと、祐梨亜が結華に見えた そして、私達は約束をした 何 が あ っ て も 決 し て 裏 切 ら な い と でも、この約束が簡単に破られて裏切られるだなんてこの時は思いもしなかった 428: 名前:マロン☆03/30(火) 21 07 28 それから私と祐梨亜は仲良くなった 毎日一緒に行動して、一緒に学校生活を過ごしていた 私は、結華といるようでそして、新しい友達ができてとてもうれしかった この幸せがいつまでも続けばいいと思っていた そんなひそかな願いは簡単にもろく壊された ある朝、私が学校へ行くと私の机には 「死ね」や「ワガママ」などと胸に刺さる言葉が書かれていた 多分、私が祐梨亜と仲良くしているのを恨んだ女子たちの仕技だろう 私はその落書きを雑巾で消す その日は早めに学校に来ていたので 祐梨亜が来る前に何とか消すことができた 祐梨亜に心配をかけたくない そして、祐梨亜が来た 私は笑顔で祐梨亜に話しかける 「おはよう!!祐梨亜ッ!!」 私が笑顔であいさつした横を祐梨亜が何も言わず通り過ぎていく え…? 「祐…梨……亜…?」 私が祐梨亜の肩を触ろうとした瞬間私を丸で汚いもの扱いするのかのように手を払い私を突き飛ばした 突き飛ばされた私はそのまま教室のドアにぶつける 「触らないで?汚らわしいっ!! 未那…私はもう、あんたの味方じゃない!!あんたの味方は、このクラスの誰一人としていないのよ!!」 祐梨亜は私を指さし見下す 「何で!!?私と祐梨亜は友達じゃなかったの?! 約束したよね?!私達はお互い絶対に裏切らないって…」 祐梨亜は私を見下し鼻でフッと笑うと 「ハァ?アハハハハハ…あんたみたいな馬鹿でワガママが私の友達なわけないじゃない!! それに…私あんたのこと一度も友達だと思ったことないよ!!!」 アレ?このセリフどこかで聞いたことがある… そうだ…私が結華と喧嘩した時だ また、結華と祐梨亜が重なって見えた 432: 名前:マロン☆03/31(水) 20 55 46 また…言われちゃったなァ… 私のこと友達だと思っていなかったなら 何で私に話しかけてきたの?! 転校してきた初日から無視してくれたほうがずっとましだったのに… 何で私に優しい言葉をかけてくれたの? それならいっそのことひどいことを言われたほうがましだったのに… 何で私と友達になったの…? 何で? ナンデ……? 私の目からは自然と涙があふれ出てきていた 「うわっ…こいつ泣いてるし…キモッ」 祐梨亜の仲間達が私に暴言を投げ捨てる 心が痛い… その日から私の地獄の日々が始まった 私が毎日学校へ行くと机には様々な暴言が書かれた紙が貼られており、迷惑メールや電話も増えてきた そんな日々を過ごすうちに私の身体も精神も心もボロボロになりかけていた 友達だと思っていた人に裏切られた いつしかこの思いは悲しみではなく『恨み』に変わって行った ある日、私がいつも通り学校へ行くと私はいきなり教室の入り口付近で足をかけられて転んだ 「……痛ッ…」 右膝には血がにじんでいた 「大丈夫ぅ?ずいぶんど派手に転んだねェ?キャハハハハ」 祐梨亜が私に話しかけてくる 私は祐梨亜を睨む 私の睨みを見た祐梨亜は私の髪の毛をつかみ 「この髪の毛長すぎね?私達が可愛くカットしてあげる!」 そして、祐梨亜はハサミを取り出し私の腰まであった髪の毛を首までのショートにした まぁ、ちょうど髪の毛がうっとうしいと思ってたからいいけどね… でも、確実に体も心も精神もまたぼろぼろにはなっていたんだ… 444: 名前:マロン☆05/16(日) 21 03 16 いじめに我慢しきれなくなった私はクラス全員をある日屋上に呼び出した お前らに地獄を見せてやる!!! 私が屋上のドアを開けると目の前に入ってきた景色は クラス全員がちゃんといた 「クスクス…遅かったじゃん…」 と祐梨亜が笑いながらいう 「あんたらが早いだけだよ…バーカ」 私はそれなりに反抗する 私だって、やられっぱなしじゃないんだから!!! 「いつからそんな口きけるようになったのォ~?」 と祐梨亜に付きまとっているブスでぶりっこ女・東条由美子(トウジョウ ユミコ)が言う 「お前はお母さんですか?私がいつこんな口を聞こうと私の勝手…お前らに教える必要はない… てか、ぶりっこ黙れ…臭い・キモイ・ウザい・この世から消えろ」 私は冷たい目で祐梨亜と由美子を睨む 「ヒドォ~イ!!由美子は臭くないし、キモイもないしウザくもないわよォ~!!!由美子は世界で一番可愛いんだからァッ!」 と由美子が言う はっきり言ってもいいなら言います みてて吐き気がする 「ゆ…由美子になんてこと言うのよ!!お前のほうがキモイし!!由美子に謝れよ!!」 と祐梨亜が言う 「嫌だね!!何で私が悪いわけ?私は親切に本当のこと教えてあげているだけじゃん!」 私が言っても誰も信じてくれないだろうけどね… 「でも、まぁいいや…これから貴方達にいいものを見せてあげる…」 私は不気味に笑うと屋上のフェンスのほうへと歩いて行った 「イッツ・ショータイム!!私は今からお前らの願っていることをかなえてあげる! 皆の願い事は一つ…『私が消える』ことでしょ?」 皆の口から相槌を打つのが聞こえてくる 「だから、私皆の前から消えてあげる…だけど、私はお前らを一生恨み続ける!!!!!!」 そう言って私はフェンスを飛び越える そして、最後に 『さ よ う な ら』 そういうと私は屋上から落ちる 「未那…?ぃやぁぁぁぁああああああ!!!」 と祐梨亜の叫び声とともに私は地面へと落ちて行った 448: 名前:マロン☆05/21(金) 21 27 07 祐梨亜目線 「祐梨亜!!どうしよぉ!!!私…私ぃ!」 と言って私の部屋に駆け込んでくるのは私の双子の妹の雪咲真里亜だった 私達は一卵性の双子 だから、私たちの顔つきなどもすごく似ていて 同じ格好すればばれない 昔から体の弱い私は私の格好をした真里亜に変わりに学校へ行ってもらっている でも、最近、真里亜の様子がおかしい なんというか、帰ってきても凄く悲しそうな顔して帰ってくる 私が理由聞いても答えてくれない 「どうしたの?」 私は真里亜に問いかける 「祐梨亜ぁ…私…私…人を死に追い詰めちゃった…」 と真里亜は涙を流しながらいう 「どういうこと…?説明して?真里亜」 と私は真里亜に聞く 真里亜は何もかも説明してくれた つまり、私の代わりをしていた真里亜は、東条由美子って子に頼まれて断ると 「断ったら、あんたの大切な妹とあんたの親友の未那を殺す。そして、あんたの大切なものからどんどん消していく」 と脅迫して断れなかった だって、東条由美子の家は有名な組(悪いほう)だったから 由美子ならやりかねない… 真里亜は由美子の脅迫に負けてしまったということだ 「私…人殺しだよォ…ぅっく…ヒック…」 真里亜…私が身体なんか弱くなければ真里亜も未那って子も悲しまずに済んだんだね… 全部私のせいだ… 「真里亜、大丈夫だよ?真里亜は悪くない…悪いのは全部私…もう、今から真里亜は真里亜。私は私で未那さんを虐めたのは私、未那さんを死まで追いつめたのも全部私 だから、真里亜が罪悪感を感じることはないんだよ!」 そう言って私はにっこり微笑む 私がすべて悪いんだ… だから、この問題の始末くらい私が自分でしなきゃね… 「祐梨…亜ァ…ごめん…ぅっく本……当に…ヒックごめん」 真里亜は言葉をとぎれとぎれに私に謝る 「真里亜、もう謝らなくてもいいんだよ!」 そう言って私は真里亜の頭を撫でる 罪をかぶるのは私だけでいいの… 皆か幸せになれるなら私は自分の自由を捨てたってかまわない!! 呪いの鬼ごっこ-助かる確率1%- 続き11
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73: 名前:乃愛☆12/28(月) 18 28 04 でぃあ*玖羅さま 評価ありがとうございましたッ!! キュンキュンしちゃってますかぁ~えへへ((← 結夏ちゃんは結構のほほ~んてしますんで、 書いている乃愛自身も癒されちゃってますw 庵蓮くんは、はい…もう…ねぇ((は/ あ-、雄輔くん派ですかぁ♪ 可愛い系が好きだなんて…うふ❤((キモ/ はいッ、更新頑張ります!! ---------------------------------------------------- 啓斗Side 本当はだるくなんかなかった。 ただ……結夏と距離を置いておきたかっただけ。 あんなことを言う結夏のそばにいたくないんだ。 “あたしと庵蓮くんはただの席が隣ってだけだよ!!” この結夏の言葉だけが、俺の頭の中を支配している。 「 どしたん?啓斗 」 俺の顔を覗く相川の顔。 こいつ…何で俺のこと呼び捨てにしてんだよ。 つか、何どさくさに紛れて腕絡めてるんだよ。 「 ……別に 」 俺はどうでもいいような顔を浮かべて ふいっとすぐに目を逸らした。 「 きゃッ!! 」 相川の小さな叫び声と共に 絡めていた手の方がグンッと下に引っ張られた。 「 !? 」 俺は声にならない驚きを隠しつつ床に座ってしまった。 隣には何故か涙目の相川の姿。 はぁ……何かめんどくせぇ。 俺は1人になりたかったのに、何でこいつが来るわけ? 俺は相川の方を見ずに深い溜息をした。 「 ねぇ……啓斗 」 「 あ? 」 嫌々振り向くと、頬には冷たい手の感触。 相川は俺の頬を触りながら近づいてくる。 「 あたし…あたしね、啓斗のことね…好きなの 」 はぁ!? こいつの言っていることが理解できねぇ。 「 何言って…「 黙って… 」 相川は俺の気も知らずに唇を近づけてくる。 俺は結夏がっ……。 ガタッ 「「 !? 」」 俺と相川は音のするほうを見る。 そこにはゴミ箱を動かしてしまった結夏の姿。 「 あ……何だ、そっかぁ…… 」 「 結夏? 」 「 あたし1人だったんだね……… あたし1人で舞い上がって、勘違いしてたんだね…… 」 結夏の大きな瞳からは大粒の涙。 下唇を強くかみ締めて拳にも力が入っている。 「 違っ……!!誤解だよ、結「 言い訳なんていらない!! 」 結夏は耳を塞いで左右に何度も首を振っている。 「 もういいよっ!!庵蓮くんなんか大ッッッ嫌い!!! 」 74: 名前:乃愛☆12/29(火) 08 29 24 啓斗Side 結夏は溢れる涙を拭かずに走っていってしまった。 今すぐ涙を拭いてあげたい……。 でも……足が床にくっついたみたいに離れない。 これは、俺の意思なのか…? 「 可愛いなぁ、あんなに転ぶぐらい走っちゃって 」 さっきまで何も言わなかった相川がクスクスと笑って結夏を見送っている。 「 お前ッ……… 」 お前のせいで、結夏とまた…… 俺は相川を睨むと近くにあった保健室に入った。 保健室には誰もいなく、俺はすぐにベットに入った。 疲れていたのか、見えていた天井が見えなくなっていった―……。 「 庵蓮くんは蕾さんのこと好きだったんだね…… 」 「 違うよ、結夏… 」 結夏は俺の前でまたぼろぼろと泣いている。 今度こそ……俺の手は結夏の頬へと近づいていく。 「 なぁに、キス? 」 目の前にはにっこりと微笑む相川の姿。 「 なッ……何でお前ッ……… 」 「 また………あたしを裏切るんだね 」 相川の後ろから悲しそうな顔をしている結夏の姿。 冷たい―… 結夏……お前今泣いてるのか? 「 結夏ッ!! 」 俺は、ハッと我に返って目を覚ます。 見えるはずの天井は見えない……。 代わりににっこりと微笑んでいる………相川の姿。 「 相川……… 」 「 飲みます? 」 涙だと思っていたものは缶ジュースからのしずく。 「 ……いらねぇ 」 むすっとしている俺の顔を見てクスクスと笑う相川。 そのクスクス笑い……気に入らねぇ。 77: 名前:乃愛☆12/29(火) 16 51 41 でぃあ*藍華さま はじめから読んでいただけるなんて嬉しいデスbb* お……面白い!?∑、 まぢでアリ(●´・ω・)(●´_ _)ガト♪ はい、更新頑張りまぁすw でぃあ*まひろさま はじめから読んでいただけるなんて嬉しいッ☆ 超ついちゃいますか!?えへへWW 更新頑張ります⇒ ---------------------------------------------------- 結夏Side 庵蓮くんと蕾さんがキスしようとしているところを見てから少し経って…… あたしは、授業を受ける気にもならなくて帰ることにした。 鞄を休み時間の間にこそっと取りに行き昇降口まで小走りで向かった。 自分の靴箱を見ると何か紙が入っていた。 何……? 紙を見ると、内容はこうだった。 ----------------------- to 今村 結夏様 はじめまして。 今日、体育館の裏庭で待ってます。 時間はいつでもいいです。 あなたに会いたいです―… ------------------------- ………何、これ。 もしかして…… もしかして…… 裏庭に呼び出されていじめ!? や、やだ……。行かないほうがいいよね? ……行かないほうがいい、んだよ…ね? でもでもッ!こうゆうのって行かないとヒドいことされないかな? 相手の人は待ってるんだし… 行ったほうがいいね! ちょっと怖いけど…、一応学校内だし叫べば大丈夫だよね。 あたしは心の中で結論を出すと、 さっそく靴を履いて裏庭に向かった。 「 今村さん? 」 裏庭に着くと後ろからいきなり名前を呼ばれた。 恐る恐る振り返るとそこには……チャラ男。 「 あ、はい…… 」 あたしはにっこりと作り笑いを見せた。 すると相手の人はにっこりと可愛く微笑んだ。 「 良かったぁ!手紙、見てくれたんだ!! あ、俺…竹林隆司。知ってる? 」 あたしは何も言わずに首を左右に振る。 男…隆司は“そっか”と少し残念そうな顔を見せると、 すぐにまたにっこりと可愛らしい笑みを見せてきた。 「 ね、俺…今村さんのこと好きなんだけど… どう?良かったら付き合わない? 」 「 え!?あたし? 」 あたしの大きな声にびくともせずに隆司はこくこくと頭を上下に振る。 つ……付き合うとか。 マジ有り得ない…。 「 あ、あたし……その、隆司さんのことよく知らないし…。 だから、あの…ごめんなさいッ! 」 「 ……チッ… 」 え……? あたしの言葉の後になった舌打ちの音。 隆司さんを見ると何故かニヤニヤしている。 「 あの、じゃあ…あたし帰ります! 」 あたしは嫌な予感がしたので、お辞儀をして 小走りでその場から去ろうとした。 「 待てよ!! 」 「 きゃっ! 」 右手をグイッと強く引っ張られ、あたしは学校の壁に追い詰められた。 隆司さんはあたしの体をジロジロと見てくる。 「 なぁ……俺の女になれよ 」 「 はッ!?だからそれはお断…んッ…ふ… 」 言葉をさえぎられるようにあたしの唇は隆司さんに奪われた。 まとわりつくようなキス。 口を開けてはいけない……。 「 んん~…あッ!!ん…ふぁあ… 」 あたしの胸元に違和感を感じ見てみると制服の中にすでに手が入っていた。 思わず口を開けてしまいその瞬間を待っていました、とでも言いそうな顔をしている隆司さんに舌を入れられてしまった。 長い長いキスの後―… あたしは肩で息をしながら、隆司さんを睨みつけた。 隆司さんはくすっと悪魔のような笑みを浮かべた。 「 お-、可愛い子の睨みはいいねぇ。 すっげぇ、そそられる…… 」 「 くっ…!! 」 78: 名前:乃愛☆12/29(火) 17 09 02 「 こんなことしていいと思ってンの!? 思いっきり大きい声で叫びますよ!! 」 すると隆司さんはくっと微笑むと、 あたしの体を見て、 「 別に叫べばいいじゃん。 その格好…みんなに見られるけどな 」 気づけばあたしの上半身は裸。 ブラも制服もすべて、隆司さんの後ろに捨ててあった。 「 やだっ…!! 」 あたしは腕で胸元を隠し、また隆司さんを睨みつけた。 「 隠すなよ…どうせ、これからヤるんだし? 」 「 何言ってんの!?…あんっ! 」 隆司さんはあたしの睨みを気にせずに乳首を強くつまんできた。 「 へ~え…結構可愛い声出すんだな 」 そういいながら隆司さんの手はすばやく動き出す。 右手はあたしの右胸をいじって、 左手はすでにあたしのあそこを探り始めてる。 マズい……このままじゃやられる!! あたしは今更自分の身の危険に気づき始めた。 今、隆司さんはあたしの体に夢中なんだし…チャンス!? 手を動かそうと後ろに回っていた腕を動かそうとした。 「 いっ…!! 」 気づけば、あたしの腕は結ばれていた。 「 ふふっ…もっと暴れろよ 」 笑っているけど目は笑っていない。 「 あっ…あんっ!…やめっ… 」 「 止めて?体は止めて欲しく無さそうだけど? 」 いつの間にかあたしのあそこに顔を埋めている隆司さん。 あたしのクリトリスだけどいじり続けて反応を楽しんでいる。 「 …そろそろだな 」 隆司さんはボソッと何か呟くとズボンのベルトを外し始めた。 まさか……!! 体中の血が引いていくような感じがする。 隆司さんのモノを見て、さらに恐怖は上回った。 「 やだっ…止めて、許してっ… 」 あたしの目からはたくさんの涙。 首を左右に何度も振りながら泣く。 「 今更?無理無理、だって俺の…あんたのに入りたいって言ってるし 」 そう言いながらあたしを壁にくっつけて、 バックから入れようとしている隆司さん。 ズブブブ…… 「 あああああッ 」 体をそらして叫ぶあたし。 そんなあたしの髪を掴んでパンパンと腰を動かす隆司さん。 いつしか望んでないような声が出るようになった。 「 あっあっあっ…あんっ… 」 83: 名前:乃愛☆12/30(水) 18 22 57 でぃあ*藍華さま 初めから読んでいただけて嬉しいです! て、天才ですか!?!?そんなことないですよおv 本当ですか!?も-、是非って感じでs…((殴/ 結「 大丈夫じゃないですよお~、助けてください! 」 でぃあ*苺さま お久しぶりです^^ はい、も~大変ですよッ。 でぃあ*亜蝶さま 続き気になりますか? これから更新しますね! でぃあ*まひろさま はい、も~結夏ちゃんモテ子なんで大変なんですよ? 続き気になりますか? 有難うございます、頑張ります^^ ---------------------------------------------------- 「 言っとくけど、謝んないから俺 」 肩で息をして倒れているあたしに向かって放った言葉。 何も言わないあたしを見てふっと鼻で笑うと、隆司さんは歩いて何処かへ行ってしまった。 ………何だったんだろう。 あたしは全裸のまま立ち上がり、投げ捨てられた あたしの制服と下着を身に着けて鞄を持ち学校を後にした。 「 ただいま…… 」 誰もいない家に向かって声をかける。 机の上に紙があるのを横目でみると、鞄を足元に置き手をのばした。 ----------------------- to 結夏へ 今日はママが親戚の家に行って、 パパが出張です。 お留守番宜しくね。 ------------------------- お留守番…か。 何かいいな、懐かしい。 あたしはクスッと微笑むと紙を元の位置に置き 鞄を持って階段をのぼり、自分の部屋に入った。 部屋に入ったとたんに体の力が抜けて、 制服のまま、ベットに寝転がった。 そして、目からは大粒の涙。 あたし……レイプされたんだ。 初めてでもないし、体は痛くはないけど… 心が痛い…心が痛いよ、庵蓮くん……。 はッ!違う、庵蓮くんのこと何か考えてない。 あたし……庵蓮くんにも裏切られたんだから。 信じれる人が……誰もいない。 「 ふえ…庵蓮くぅん…ヒック 」 自然と出てくる庵蓮くんの名前。 認めたいのに認められない。 どうしたらいいの? どうしたら………。 ♪~♪~♪~ タイミングよくあたしの携帯が鳴った。 あたしは涙を制服の裾で拭くと、鞄から携帯を取った。 「 はい… 」 《 結夏!?やぁ~っと出たよ 》 電話の先には安心したかのような声を出している、優莉。 何で……優莉があたしに電話を? 《 聞いた…聞いたよ、庵蓮くんから 》 何も言わないあたしを心配したのか、 溜息混じりに優莉は言った。 「 ふッ……ふええ…ゆ、優…莉ぃ… 」 《 えッ?ちょ、結夏!? 》 優莉の声を聞いて安心したのかあたしは電話越しに泣き始めた。 《 何があったの? 》 「 ひっ…う… 」 言えない… 言えないよ… あたしは何も言わないでただ泣いていた。 そんなあたしに優莉は優しく声をかけてくれた。 《 電話じゃ言えないこと? 言えないんだったらいいよ…? あたしは無理に聞こうとは思ってないから…。 》 優莉……。 「 あッ…あした…ヒック…明日、話すッ…ね 」 《 うん、じゃあね 》 電話を切ると、あたしは枕を顔に押し付けて、 声を殺して泣いた。 - ピチチ…チチ… 「 ん… 」 可愛らしい小鳥の囀り。 カーテンの隙間から明るい日差しが覗いてきた。 「 朝!? 」 あのまま寝ちゃったんだ…。 制服を見ると、ちょっとしわが出来てる。 学校…行きたくないな。 でも、行かなくちゃ……。 行って…優莉に話を聞いてもらおう。 あたしは、少ししわが出来た制服を手でのばすと 全身が見える鏡を見た。 目…赤いし、腫れてる。 そりゃあ…あんなに泣いたらこうなるよね。 あたしは溜息をつくと1階におりた。 リビングには誰もいない……。 そうだ、お父さんもお母さんもいないんだ。 あたしは朝食も取らずに家を出た。 84: 名前:乃愛☆12/30(水) 18 32 38 啓斗Side 朝。 俺は目が早く覚めたので家を出た。 昨日は、相川のせいで結夏に誤解されちまった。 今日会ったらすぐに誤解を解こう。 俺、相川とは何もないよ―… 俺、結夏が一番好きだよ―… …って言わなきゃ。 色々と考えているうちに目の前に同じ格好をした女の子。 間違えるはずがない…。 あれは、結夏だ!! 俺はダッと走ると、結夏と思われる女の子の肩を叩いた。 女の子はゆっくりとこちらを向く。 ふわっ…。 その子の周りだけに桜が舞っているように見えた。 ドキッ…… 「 あ…庵蓮くん? 」 やっぱり。 俺の予想は見事的中。 「 うん 」 結夏は俺を見て驚いている。 たけど…俺と目を合わせようとしない。 何……その態度。 俺は結夏の右腕をぎゅっと掴み引っ張った。 結夏はそれでも目を合わせようとしないで、顔を背けた。 でも…俺には見えてしまった。 俺以外がつけた首筋のキスマークと、 無理やり犯しただろうと思われる手形。 「 …!?これッ… 」 「 はなしてッ!! 」 結夏は俺から避けるように掴んでいた手を振り払った。 結夏の目からは溢れるばかりの涙。 「 俺だけのプリンセス 」 続き5
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1: 名前:モネカ☆09/14(火) 21 07 17 ども~! 3作品目の{ひみつのトビラ} を書かせてもらうモネカです! ぜひみてください! スタート! 今日も放課後の教室から聞こえる…… 「1枚2枚3枚4枚…あと28枚足りな~い!」 CAST 野々村陽菜 〔ののむらひな) 内緒で漫画家をやっている。 自分を見立てた漫画を描いている。 黒川瞬希 〔くろかわしゅんき) イケメンツインズの一人。 じゃまた今度 2: 名前:モネカ☆09/15(水) 17 22 37 陽菜からの目線 「どーしよどーしよどーしよぉ!?」 あたし陽菜! 新人漫画家です! だけど恋に輝く乙女でもあるのです! でも明後日〆切りなのに28ページも書いてないんです! 「や、やばいぞ。これは史上最強にやばいぞ!」 「だれか居るのか?あけるぞ。」 3: 名前:モネカ☆09/15(水) 17 52 04 「あっ!待ってください!」 急いでかたずけなきゃ! 「どうぞ。」 「入るぞ。」 ビ、ビックリした~。 「お前今何か隠しただろ?」 「そ、そんなことありませんよぉ?」 「じゃあ手出してみ?」 「わかりました。ほら!」 ドサドサッ あ……落ちちゃった。 どうしよう。 「ほーら。なになに?」 見られちゃったぁ! 「お前漫画家ごっこしてんのか?漫画家には絶対なれないのに。」 「あ、あたしは正真正銘漫画家です! 言っちゃった……。 「マ、マジで!?」 「はい……?」 な、なんだろう? 「俺、一回だけでいいから漫画家に会いたかったんだ。」 「そ、そうなんですか……」 こんなカッコイイ人に「会いたかったんだ」なんて言われると好きになっちゃうよ~! 「握手してくれ!」「その前にこのこと絶対に誰にも言わないでください。」 「わかったから。な?」 ギュッ 暖かい……。 この気持ちは何?好きになったの? …… すきになったんだ! 「名前はなんていうのですか……?」 「あぁ。俺は黒川瞬希だ。」 瞬希くんか。 4: 名前:モネカ☆09/15(水) 17 54 08 瞬希くんのためにも頑張ろう。 続く 6: 名前:モネカ☆09/16(木) 18 30 55 ドール!>>マジで!?実はあたしも今めちゃくちゃ漫画家になりたい!頑張って! 続き ー瞬希からの目線ー 初めて会ったんだよな~。漫画家。 あいつを見てるとますます漫画家になりたくなるな。 俺はそう思っていた。 「よし!そうと思えばまず行動だ!」 俺は急いで着替え、しん●くにいった。 「あった!まずこれから買わなきゃ。」 漫画家になるための参考本を手にとってかごに入れた。 ウイーン 自動ドアをスッと通り抜けて家まで走る。 「ついたー。」 目の前には大きな平屋の家が建っていた。 その家には陽菜が住んでいる。 ピーンポーン 「は~いどちら様ですか?」 この声は確かに陽菜だった。 「俺です!黒川です!」 「く、黒川君!?何で家知ってんの?」 「まあまあそこはいいから。」 俺は決心をきめ、言った 「明日土曜日ですので原稿の手伝いさせてください!」 「お、お願いします!手伝ってくれるなら!」 やった~!俺!明日手伝えるぞ! 「じゃ、じゃあな」 照れくさいけど手伝えるならそれでいい。 続く 7: 名前:モネカ☆09/17(金) 19 50 46 続き 陽菜の目線 「今日は瞬希くんが来る日だよね……。」 わたしは緊張しまくっていた ピ~んぽ~ん 「俺だよ~!」 「……!は~い!」 ちょっとびっくりした! まず開けて上がらせるんだよね。 「上がって!」 「うん!」ギュッ 「ひゃっ!」 そんなに握られるとドキドキ感が伝わっちゃうじゃん 「ご、ごめん」 「だいじょうぶだから。」 今から原稿書くのに集中だ……! 続く 9: 名前:モネカ☆09/18(土) 09 39 31 だよね~! 迷ってんだよね~!小説家になるか漫画家になるか! っま!いいか! 続き カリカリカリッ サッサッサッ 陽菜の部屋から丸ペンの音と筆の音がまじりあう。 「つか、これどっかで見たことある女の子じゃね?」 「ギク……!」 その絵は陽菜そっくりの女の子の絵だった。」 「うーンどっかで見たことあるんだけどなー。」 「さあ?まあ私の絵ですから……」 〔どうしよう!?話をそらせなきゃっ!〕 「そんなことより原稿に集中集中!」 「そうだな!」 危なかった~! 「3枚目終了!」 「ですね~!瞬希君!」 ビビった陽菜であった……。 12: 名前:モネカ☆09/18(土) 11 10 44 「瞬希くん27枚目突入したよ~~!?」 「やったな!」 陽菜と瞬希は喜んだ。 だが2人は気付かなかった。このあと災難が起きることに… ―――――――――――― こんにちは! もう一人登場人物がふえます! 村井甜羅 〔むらいてんら〕 この子も漫画家で瞬希の幼馴染だった。 陽菜の向かいの家に住んでる。 甜羅もだれにも漫画家ってことは話していない 美少女だ 続き ピ~んぽ~ん 「はーい!」 陽菜が勢いよく開けると 村井さんがいた。 「こんにちは!さっきお母様が出って言ったから 1人かな?って思ってきたんだけど…。」 ドアの向こうに村井さんがいた。 瞬希が部屋から出てきた 「陽菜さんだ……れ?って甜羅!?」 「瞬希!?」 「瞬希さん知ってるんですかぁ!? 続く 14: 名前:モネカ☆09/19(日) 12 08 02 続き 甜羅からの目線 やっぱり……瞬希さま 15: 名前:モネカ☆09/19(日) 12 14 59 瞬希様が来ていたのね! でもあたしたちの間に邪魔ものが入りやがった! そうだ!陽菜からみて瞬希様を悪者っぽくすれば 陽菜は離れるでしょーね! あったまいい~! 「いたの!?瞬希!」 「お、おう!」 「村井さん!瞬希君のこと知ってるんですか!?」 「マ、まあ、幼馴染だからね!」 「あ、あがってください!」 「ひつれいします!」 さああたしの出番よ! 続く 16: 名前:モネカ☆09/19(日) 14 36 24 続き 甜羅からの目線 「い、今漫画を描いていたところで……。」 「気にしないでね!そういえばトランプしない?」 「うん!2階にあるから取りに行ってくるね。」 今から作戦に入んないと! がたっ ガシャン 「こ、こぼれちゃった~!どうしよう!」 かけね。さあ瞬希様はなんて言うでしょう! 「だ、大丈夫か?俺が何とかするから。」 やっぱり。私の思うとおりだわ! 「持ってきたよーってどうしたの!?インクがこぼれてるよ!?」 「俺がこぼしたんだ。」 フン!どうよ!嫌うでしょ! 「大ジョーブ!気にしないで!」 はあ!?インクがこぼれたのよ!?怒んないの!? 「じゃあ拭いたらやろっか。」 ―――――…… 「じゃあまたね~!」 これで二人っきり。 「明日瞬希くん宅行っていい?」 「おう!いいぞ!」 やった!これであなたは私のもの! 続く 20: 名前:モネカ☆09/20(月) 12 31 24 やっほ=>w< 佑香>> 来てくれたの~!? うれしー♪ これからもがんばって友でいよー! ドールもいそがしんじゃないの? なな様>> きたの!?まじ!?しかも2回!? うちすっごく嬉しいよ~!(泣) なな様が書いた作品には負けたよ^^ でも今度あたしが追い越してみせる!<<(蹴) がんばって! 続き 瞬希からの目線 今日は甜羅がくるな~ 最悪。断わっておけばよかった……。 しゅーんきくん!てーんらだよ! 来た……。うぜ~……。 「おう!あがれ!」 21: 名前:モネカ☆09/20(月) 12 43 57 「ひつれいしまーす!」 ―……… 「あのねぇ。あたしねぇ瞬希さまにぃ お話があるのぉ。聞いてくれるぅ?」 実はこいつ、おれの前だけぶリっこ口調なんだ。 うざったるい。 でも普通に返さないとやばいから…… 「いいぞ!何でも聞いてやる!」 「あたしねぇ瞬希様とぉやってみたいなぁ~。」 は?こいつ何言っちゃってんの? 俺は当然 「ごめんな!無理だよ~!ごめんな!」 こうやって断んないとやっばいことがあるんだよな~。 続く 22: 名前:モネカ☆09/23(木) 09 40 22 瞬希からの目線 「もう帰れ!」 「なんでぇ~?」 「用事が出来たんだ。」 「じゃあまたね♪」 ガチャ あぶねー。断わっといてよかった。 今度から俺の家には上がらせねー。 「バイバイ!瞬希くん!」 うぜー。 「おう!じゃ、またな」 甜羅からの目線 「バイバイ!瞬希くん!」 どうしてなの?私の気持ちなんかちっとも分かってくれない……。 「ただいまー」 「おかえりなさい。甜羅。」 お母さんは何も言えないさえない母。 「ただいま。お母さん。」 帰ってきちゃった。 いいお父さんぶリしてるうざい父。 「たっだいまー!わぁ!いい匂い!」 かわいこぶってる姉。 みんなみんな大っ嫌い!うざいのよ! 「甜羅!かえってたの!?いってよー!」 「甜羅ー!綾羅ー!手を洗って夜ごはん食べるわよー」 「甜羅。お父さんは先に風呂入ってるからな。」 みんなあたしのこと嫌いなくせにあたしに気を使ってるし。 分かりやすいんだよ!?あたしのこと嫌いって。 みんなみんな消えれば瞬希様はわたしのもの……なのに。 続く 24: 名前:モネカ☆09/24(金) 20 34 10 甜羅の目線 ――――朝―――― 「おはよう!陽菜ちゃん。」 きゃ!びっくりした~。 「おはようございます!甜羅さん。」 「あのね。いい話を持ってきたんだけど……。」 「なんですか?」 なんだろう? 「あのね。あなた瞬希君スキでしょ?」 え……?何で知ってんの? 「そ、そんなことないですよ~!」 「本当のこと言ってみ?」 いおうかな……?言わないかな……? 「もういいます!好きです!」 あーもう後戻りできん! 「やっぱりね~今度家来なよ。」 「わ、わかりました。」 陽菜はそう約束して走って行った。 その陰で瞬希がみていた。 「アイツやベー。今度着いてみよ。」 続く 25: 名前:モネカ☆09/24(金) 21 00 46 続き 甜羅からの目線 翌日…… 「こんにちは!甜羅さん。おじゃましますね。」 「あがってあがって!」 ここから始まるわ! 「ちょっとジュースを取りに行ってくるね。」 私の計画はジュースを取りに行くときに机に包丁を出す。 そして次にわざと陽菜の服にこぼして付近を取りに行く。 ついでに包丁も、持っていってあわてている陽菜の後ろから刺す。 これで完璧♪残るは実行。 「はい。ブドウジュースだけど大丈夫?」 「大丈夫です。ありがとうございます。」 ガタッ バシャッ 「うわ!ごめんなさい!陽菜ちゃん大丈夫?」 「家々大丈夫ですよ。布巾を持ってくれば……。」 思い通り思い通り! 「そうだね取ってくるわ。」 実行開始。 カタンッ ドキッ 「あーどうしようお母さんに怒られ……?」 後ろを向いてたのにいきなりこっちを向いてしまった。 「どうしたですか?包丁持って……。」 くそ~!予定外だ!でも…… 「なんでだと思う?それはねあんたがうざいから……」 「ちょ、ちょっと待ってください!なんなんですか?」 甜羅は陽菜に包丁を向ける。 「あたしもね、漫画家なの。だけどあんたが入ってきて 売れなくなったの。しかも瞬希も取られて最悪なの! あんたがいるから幸せが逃げたのよ!」 これからどうなるんだか…… 続く 27: 名前:モネカ☆09/29(水) 18 10 02 なな>> み、みごたえっすか!? うれし~いん!>w<更新ガンバ! ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ごめん。陽菜ちゃん。恨まないで」 「いや、ちょっと待ってください!いやだ!いやぁぁぁぁぁ!」 甜羅が包丁を向けた。 バンッ! 「陽菜!」 「瞬希君!」 いきなり瞬希がでてきた。 「……!」 「お前バカか!こうなったらお前逮捕されるんだぞ!?」 「だって……。」 甜羅はその場にしゃがみこむ。 「お前を信じた俺がバカだった。」 「いや!離れないで!私から離れないでよぉぉぉぉ!」 甜羅は瞬希にすがりついた。 「瞬希君。甜羅さん。もういいです!甜羅さんがもうこんなことしないんだったら。」 「陽菜ちゃん……許してくれるの?」 甜羅は陽菜に聞く。 「許しませんよー!?ホントに怖かったんだから!…… でももうこんなことしなんでくださいよ~!」 「分かったわ!だから許して!」 「分かりました許します。」 陽菜はにっこりした。すると甜羅もにっこり 「ちょ、ちょっと俺のこと忘れてねーか?」 「「わすれてた!」」 「はあ!ひどいよ!」 そんなこんなで一件落着ですかね……? 28: 名前:モネカ☆09/29(水) 18 52 31 ~追加CAST~ 古松由莉 〔こまつゆり〕 陽菜と同じ光山保育園という一般の保育園より2ランク上の保育園育ちで親友。だが漫画家ということは知らない。 なのに陽菜田のの(野々村陽菜のペンネーム)先生が大大好き! 平多里久 〔ひらたりく〕 瞬希の幼なじみで親友。 由莉に思いを寄せている。 また明日! 29: 名前:モネカ☆10/01(金) 18 46 52 由莉からの目線 「陽菜~~!」 「あ、由莉だ。」 今日は土曜日!陽菜と119行く約束したのにちょっと遅れちゃった。 「待たせたでしょ?ごめんね。」 「全然!あたしも来たばっかだし。」 「そっか!じゃあ行こ!」 「うん!」 じつはこの前の帰りに陽菜が言ってきたんだ :回送中: 「ねえ由莉~」 「なに?」 「あたしねぇ好きな人できたんだ~。」 「え~~~~~~~っ!だれだれだれ~?」 「実は……瞬希君が好きなんだよね」 「ふ~ん。でどうしたの?」 「今度の土曜日あいてる?」 「あいてるよ!でもなんで?」 「瞬希君の誕生日が来週だからプレゼントを買おっかなーなんて」 「わかった!」 :回送終了: ウィーン 「わぁ!涼しー」 「たしかにー」 何買うのかな?陽菜の恋も応援しなきゃ! ―…… ウィーン 「やっぱ外はあちーねぇ」 「ほんとホント!」 ほんとにあちー。外出たくなかった。 ―…… この二人は恋の波乱が訪れていることは知らなかった…… 続く ひみつのトビラ 続き
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episode13-1 ※ここから愁…高3 直人…中1になります。 《直人目線》 ――柔らかな暖かい陽射しが教室に差し込んでいる。 校舎の周りに植えられている桜は満開で、オレはヒラヒラと舞い落ちる花びらを窓からぼんやりと眺めていた。 もう中学生かぁ…。 去年は勉強ばっかりしてた記憶であんまり楽しい思い出は無かったなぁ…。 まあ、愁ちゃんに付きっきりで教えて貰ってたのは嬉しい事だったけど。 猛勉強の甲斐あって、オレはこの春、愁ちゃんと同じ学校に入学する事が出来た。 懇切丁寧に教えてくれていた愁ちゃんは、合格の知らせが届いた時はお母さんよりも喜んだぐらいで。 チラリと自分が着ている制服に目線を落とす。 濃紺のブレザーに、胸ポケットには金糸で刺繍されたエンブレム。 チェックが入った灰色のズボン。 そして中等部規定の青のネクタイ。 今、憧れだった愁ちゃんが着ていた制服を自分が着ているなんて、入学してもう二週間以上経つのになんだか実感が沸かない。 ……格好良く見えたのはやっぱり愁ちゃんが着ていたからだったのかなぁ。 制服の事はとりあえずいいとして、肝心なのは授業の方。 着いて行けるか本当に最初の頃は不安だったけれど、いざ始まってみると意外と大丈夫みたいでホッとした。 ……まあ、オレの横に居る奴は相当苦労してるみたいだけど。 「……直人ぉぉー。はぁ……もう今日のテストも散々だったんだけど。あー、まじで俺はサッカーさえ出来ればいいんだけどなー。俺、行く学校間違えたかも……」 「……オレもまさか一緒の学校になるとは思ってなかったよ」 隣で紙パックのジュースを気だるそうに飲んでいる拓也を見遣る。 拓也は窓に顎を乗せながら、ストローをブラブラと揺らして遊んでいて。 この学校はスポーツ推薦という制度があって、サッカーが大得意な拓也はその枠であっさりと入学を決めた。 去年死ぬ程勉強したオレにとっては若干納得がいかなかったけれど、全然知らない子達の中で拓也と同じクラスになれたのはやっぱり心強くて安心する。 もちろんここは男子校なので、残念ながら桜は公立の学校に進んでバラバラになってしまった。 桜とは入学祝に買ってもらった携帯でごくたまにメールする程度だけど、それでもオレ達三人は昔と変わらず仲が良い。 「なー直人。次の授業何だっけ?」 「次? んーと、英語じゃない?」 「げぇぇ……最悪。ん……? あ、あの白衣着てる奴、愁兄ちゃんじゃね?」 拓也の声につられて窓の下を覗き込むと、確かに次の授業へと移動する愁ちゃんが見えた。 制服の上から白衣を着ているって事は……恐らく次は化学の実験でもするんだろう。 数人のクラスメイトらしき人達と談笑しつつ歩いていて。 家に帰れば今まで通り会えるんだけど、それでも愁ちゃんと学校で会える事は滅多に無いから、つい心臓が高鳴ってしまう。 ……ついでに言ってしまうと、白衣姿にドキリとしたって言うのもあるんだけど。 「愁ちゃん!」 オレ達がいる三階の校舎の窓から呼び掛けると、声に気付いた愁ちゃんは目線を上げてオレ達に気付く。 オレと目が合うと、愁ちゃんはニコリと微笑みを返してからヒラヒラと手を振ってくれた。 そのまま行くのかと思ったら、一緒に歩いていた人達に先に行ってて、と声を掛けてからオレの方へと身を近づけて話し掛ける。 「ちょうど良かった。ナオ、今日提出課題忘れてたでしょ。朝、叔母さんに渡すよう頼まれたから、お昼休みに持っていくからー」 あ。そうだ。 今日の午後からの授業に必要だったのに、リビングの机の上にすっかり忘れてた。 「ゴメン、ありがとー。次、化学なの?」 「? そうだよ」 「実験、頑張ってね」 オレが意味の無い応援を送ると、クスクスと愁ちゃんは微笑んでから、また後でね、と背を向けてクラスメイト達の輪に戻って行った。 愁ちゃんの姿が見えなくなってから拓也がポソリと呟く。 「相変わらず格好良いお姿な事で……」 ……確かに。……白衣姿はオレもヤバイです。 オレが心の中だけで激しく同意をしていると、拓也は続けて口を開いた。 「しかしお前ら相っ変わらず仲良いなー。お前は知らないだろーけど、入学してから俺は大変なんだぞ」 「え? 何が?」 意味が解らずに拓也に聞き返す。 「なんかさー、『南川先輩と良く一緒に帰ってるアイツは何者なんだ』とか、『どういう関係か知ってるか』って、違うクラスの奴とか、はたまたサッカー部の先輩とかが聞いてくんだよ。 そんたびにアイツはただの従兄弟ですよって言うのしんどいよ」 ……まさかオレの知らないところでそんな変な事になっていたなんて。 そうだった。バレンタインの時、去年も今年も愁ちゃんはチョコを大量に貰ってたっけ。 愁ちゃんは学校での事をあんまり話さないから今まで良く知らなかったけど……やっぱり油断ならない。 「なんか……ごめん。みんなもオレに直接聞いたらいいのにね」 「万が一お前が恋人だったらショックで立ち直れねーからじゃねーの?」 ケラケラと笑いながら茶化す拓也にギクリと固まってしまった。 拓也は時々気付いてるのか気付いていないのかわからないような事を言ってオレを焦らせる。 恐らく……というか絶対後者だとは思うんだけど。 「はは……そんな訳ないのにね……。って言うか、そもそも男同士だし」 適当に誤魔化すものの、自分で言ってて悲しくなってくる。 もちろん今でも愁ちゃんとの関係は誰にも内緒。 でも、やっぱり堂々と付き合えないのは淋しくて。 考えても仕方のない事ばかり頭に浮かんできて、つい暗い表情になってしまう。 窓の外を眺めながら考え込んでいると、拓也の声に突然パッと意識が引き戻された。 「おっと! 休み時間もう終わりじゃん。直人、次の授業俺が当てられたらマジで助けてくれ」 「あ、ああ、うん。わかった――」 曖昧に拓也に返事をするのと同じタイミングで、次の授業の予鈴が鳴り響いた。 × 自分が忘れたのに、愁ちゃんにわざわざ届けて貰うのも悪いよね……。 オレは今、急いで昼食を済ませた後、愁ちゃんの居るクラスへと向かっているところ。 ……さっきから周りの視線が痛い。なんで中等部の奴がここに? みたいな目でこっちを見てくる。 高等部とは校舎が別棟になっているし、そもそも制服のネクタイの色も違うからどうしても目立ってしまう。 もう早く愁ちゃんに貰って帰りたい。 内心ビクビクしながらも、やっと愁ちゃんのクラスまで辿り着いて教室の扉をそろそろと開ける。 ……あれ? 愁ちゃん、いない……? 「中等部の仔がこんな所まで何の用?」 キョロキョロと見渡していると、入口近くの席でパンを食べている生徒の人に話しかけられた。 「愁ちゃ……じゃなくて、南川さんって今どこに居るか分かりますか?」 オレが愁ちゃんの名前を出すと、その人はオレを頭からつま先までジロジロと見てから、表情を一気に怪訝なものへと変えてまるで汚い物を見るような目つきで冷たく答えた。 「……アイツに告白でもすんの? はぁ……アイツも顔が良いばっかりに変な奴等に狙われて、ホントある意味可哀想だよな……。ああ、絶対断るから止めとけ、止めとけ」 その人は愁ちゃんに同情するようにヤレヤレと言った顔で溜め息を吐いた。 「は!? や、違います!」 ブンブンと頭を横に振って慌てて否定する。 愁ちゃんが告白とかを受けているのもショックだったけれど、それよりもその事に対する一般的な人の考えを目の当たりにしてしまって、もうその場から早く立ち去りたいぐらいだった。 オレが否定すると、途端に表情が和らぐ。 「あ、ごめん違うの? いや、なんかたまに変な奴が来るから勘違いしちゃってさー。 ……ってか南川がどこ行ったかなんて俺も知らねー……。あ、美倉なら居場所知ってるかも」 後ろを振り返って、美倉―! と教室の奥で談笑しているグループに大きな声で呼び掛けると、美倉と呼ばれた人がこちらに気付いて振り返った。 そのまま、何―? とオレの方に近づいて来る。 わ……。近づいてきた顔を見てびっくりしてしまった。 愁ちゃんとはちょっと感じが違うけれど、引けを取らない程の綺麗な顔立ち。 オレの前に立つと、じっとオレの顔を見詰めてから口を開いた。 「君、愁の従兄弟のナオ君でしょ?」 × × × 追加キャスト ■美倉 千秋(ミクラ チアキ) × × × 突然オレの名前を言われたのでビックリしてしまった。 「えっ! なんでオレの事知ってるんですか?」 「愁が良く話してるから。この春入学したんだってね」 “愁”と呼び慣れた感じの雰囲気にピクリと反応してしまう。 そう言えば、愁ちゃんの友達を見たのはこれが初めてかも知れない。 「俺、美倉千秋。午前中の移動教室の時、愁の横に居たの……気付かなかった?」 ……愁ちゃんしか目に入ってませんでした 「すみません、遠くて顔がよく見えなくて……。愁ちゃんから聞いてるかも知れませんが、柊直人と言います。美倉さん、それで、あの、愁ちゃんが今どこに居るか知ってますか?」 「……愁“ちゃん”ね」 ボソリと小さく呟いた後、続けて口を開いた。 「愁ならさっき廊下で先生に呼び止められて、何か用事があるとかって職員室に行ったけど。まあ直ぐに戻ってくるんじゃない?」 「そうですか……」 どうしようかな。自分の教室まで戻ってもいいけど、せっかくここまで来たなら待っていた方が良いようにも思える。 一番最初に話し掛けてくれた生徒の人はもう用は済んだと教室に戻ってしまって、教室の入り口にはオレと美倉さんの二人が残った。 美倉さんも廊下に出ると、教室との窓に背をもたれかけさせて、無言でオレを見ている。 気……気まずい。なんか……喋らないと間が持たない。 「えっと、美倉さんは……愁ちゃんとは、仲良いんですか?」 「仲良いよ。愁とは中等部の時からクラス一緒だし、名前も近いしね」 そう言って美倉さんは初めてフワリと笑顔を見せた。 それはまるで愛しい人の事を想う時のような笑顔で、何故だかキリキリと胸が痛くなった。 もしかして、美倉さんは……いや、でもそんな単純な考えがあり得るわけ無い。 オレが何とも言えずに立ち尽くしていると、美倉さんは小さく呟いた。 「……ったく、どー考えても俺の方が……」 「? ……何か、言いました?」 美倉さんが何を言ったのかよく聞き取れなくて訊ねると、急に美倉さんの声が冷たく変わって、キッと睨み付けられた。 「愁と付き合ってんだろ? あんなに愛されてるのにまだ嫉妬する訳? 欲張りな奴だね」 「えっ!?」 美倉さんの言った言葉に、一瞬思考がフリーズする。 「なっ……! そのっ……オレ達、別にっ!」 「はっ、隠すなよ。別に誰かに言う訳じゃ無いし」 相変わらず口調は冷たくて、オレを見透かすように小さく嘲笑う。 ……この人は、本当にオレ達の関係を知っている。 何で? 誰が? 何でこの人がオレ達の……オレ達“だけ”の秘密を知ってる訳? バクバクと心臓が急に波打ち、冷や汗が背中を伝うのが判った。 「……愁ちゃん、から……聞いたんですか」 「愁が言う訳無いのはお前が一番良く知ってんじゃないの?」 「じゃっ……何、で!」 もう全然意味が解らない。 最初に話した時からなんだか好意的ではないと感じていたけれど、さっきから敵意剥き出しの態度に段々オレも腹が立ってきた。 「やっぱり、愁からなーんにも聞いてないんだね」 クスクスと美倉さんは口に手を当てて意地悪そうに笑ってから、続けて口を開く。 「……俺は愁の“元”恋人だよ?」 その言葉を聞いた瞬間――頭が真っ白になった。 「う……そ」 開いた口がわなわなと震える。 「本当だってば」 美倉さんは愉快そうに笑いながら、ジリジリとオレに近づいてくる。 「そ……そんなの、し、信じません」 愁ちゃんが? オレの前に? しかも男って……! そんなの、信じたくない。 そりゃあ、あれだけ格好良ければ恋人の一人や二人居たのは当然かも知れないけど、別に今まで深く考えた事なんて無かった。 多分……考える暇が無いぐらい、愛されていたから。 「あ、そ。じゃあ知ってる? ……愁の内腿にホクロがあってさー。そこを舐めると感じるみた――」 「……っ!! 止めて下さいっ!」 耳元で囁かれてカアッとなったオレは、ドンッと美倉さんを突き放した。 この人っ……! 全然愁ちゃんを諦めてないじゃんっ! 「あなたと愁ちゃんがっ……昔付き合ってたかなんだか知らないけどっ!……今付き合ってるのはオレです!」 キッと睨んで見上げると、へぇ、と美倉さんは意外そうな顔をした。 「……言うじゃん。ちょっと言えば泣き出すかと思いきや」 「一体……何がしたいんですか」 愁ちゃんとの事を知ってるくせにバラす様子でも無いし、この人の考えてる事が全く解らない。 暫くの間、お互いに無言で視線を合わせる。 逸らすもんか。愁ちゃんを想う気持ちなら、オレだって負けない。 数十秒、それとも数分だったのかは判らないけれど、先に視線を逸らしたのは美倉さんの方だった。 フイと一瞬だけ顔を背けて淋しそうな様子を見せたかと想えば、すぐにまた向き直って冷たく意地悪な表情に戻ると、オレに向かってゆっくりと答えた。 「……別に? 関係をグチャグチャにしてやる事なんて簡単なんだけどね。そうだな、例えば……このままナオ君を襲ってもいいし」 そう言ってまたオレににじり寄ってくる。 「や、めーー」 「……千秋?」 ――その時、美倉さんの背中越しに愁ちゃんの声が聞こえた。 「そんな所で何してんの? ……あれ? ナオ?」 愁ちゃんの声が聞こえた瞬間、美倉さんはパッとオレから身を離す。 さっきまでの冷たい表情から一変してニコッと微笑むと、愁ちゃんに向かって明るい声で答える。 「愁、遅いー。 何かナオ君に渡す物あったんでしょ? 待ち切れずに取りに来てくれたみたいだよ」 ナオ君とは初めましての挨拶をしてたんだよねー、と愁ちゃんに向けた笑顔のままコチラを振り向く。 と、同時にボソリと小さな声でオレだけに聞こえるように囁いた。 「……いらねー事言うんじゃねーぞ」 「……!?」 美倉さんの豹変ぶりに頭がついて行かなくて、咄嗟に何も言い返す事が出来ない。 愁ちゃんはと言うと、オレ達が並んでいるのを見てほんの一瞬困惑したような表情を見せたものの、すぐにいつもの愁ちゃんに戻ってオレに謝った。 「ナオ、ごめんね。俺が行くつもりだったんだけど、なかなか先生が帰してくれなくて。今、持ってくるから」 ちょっと待ってて、と愁ちゃんが教室の席までに取りに戻る。 その間にまた二人きりになってしまったオレは、ちらりと美倉さんの様子を伺う。 美倉さんは、もうオレの事なんかどうでもいいみたいな様子で教室に居る愁ちゃんをじっと見詰めていた。 「美倉さんって……二重人格なんですね」 「別に。……愁を悲しませるような真似しやがったら、ぶっ殺してやるからな」 「そ、そんな事、あなたに言われなくたってしません!」 「うるせーよ。愁にバレるだろ?」 なんなのこの人。まじで意味解んない。 ……ちょっと、オレより前に付き合ってたからって。 「お待たせ。ハイ、もう忘れちゃダメだよ?」 教室から出てきた愁ちゃんから課題のノートを受け取る。 なんか、美倉さんの前で上手く愁ちゃんの目を見れない。 「……ありがと。昼休み、もう終わるし……オレ、もう戻るね」 だめだ。 ……これ以上、美倉さんと愁ちゃんが二人で居るところを見たくない。 オレは素っ気なく愁ちゃんにお礼を言うと、すぐに背を向けてそのまま振り返る事無く自分の校舎へと駆け足で戻った。 × × × 続き × × ×
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182: 名前:サスライ☆09/06(日) 19 01 59 私は太子と呼ばれた男をジィと見てた。黒髪のオールバックでタレ目、そして貴族特有の白布に金を散りばめた中華服を手本の様に着ている。 私とは遠く離れた存在であり助ける理由等、天文学的数字が関与する程あり得ない。明日は水虫に侵された火星人が侵略してきてもおかしくは無いだろう。 「何で助けたのさ?」 「コイツが税を不当に懐に入れていて罰を与えようと探していたら偶然貴様が殴られそうだったからだ」 彼は冷たく淡々と、私を掴んでいた役人をカカトで踏みながら答える。グリグリと…。 彼は役人を片手で担いで私に背を向ける。役人は都に戻され、新しい役人が都から来るのだろう。 「と ころで、何で殴ったのさ」 「…?」 「殴らなくても一声かければ良かったじゃないのさ」 問いかけに彼は歩くのを止めた。彼は上を向いて担いでいない方の手でアゴに手を当てた。 そして数秒して、彼は役人を地面に落とし、肩や手やらの動きから推測するに懐から何やら取り出して書き始めた。 すると私に振り向いて紙を渡す。字が書いてあるが勿論学の無い私にそんな物は読めない。 「これを、役所まで持っていって『神封太子の命令だ』と言って来い…。 マトモな飯くらいなら喰える」 そう言って彼こと神封は、また役人を担いで去って行った。 突然過ぎて呆然として、結局答えを聞いていない事に気付く。 184: 名前:サスライ☆09/06(日) 20 40 50 183 そうですか。そりゃ嬉しい♪ならば、少し頑張りましょう † † † 役所に例の紙切れを手渡すと、手渡された側は猜疑(サイギ)の表情を私に向けた。私は学が無い分そういう感情を読むことには自信がある。勿論役人を殴った時の神封の感情も。 あれは『焦燥(ショウソウ)』。則ち焦りだ。 ワキガに侵された木星人が近々攻めてくる予定で、それに焦ってるのかも知れないといったのが私程度の予想だが、学の無い私だから恐らく違うだろう。 無駄な事を考えている内に何やら部屋に案内された。向こうは、はじめと打って変わって敬語を私に垂れる程に頭が低い。猜疑は残っているが。 「こちらにございます。お嬢様」 「…凄い」 私はアゴの骨が外れるかと思う位に呆然とした。 何やら柔らかそうな布団と敷物に、ヒノキの机に棚。棚には沢山の本がある。そして埃らしい物は見当たらない。 「これ、タダで使って良いの?」 「ハイ。太子の命令で御座います」 何か泣けてきた。恵まれた事はあっても、ここまで恵まれた事は無い…。 掌を顔に当てて膝を付く。自分の感情がよく解らなくなってきた。 その時、後ろから神封と同じく私より少し歳上っぽい男の陽気な声がする。 「たっだいま~。って、俺の部屋で何してるの~?」 私はバカだから、神封の感情は解っても考えは解らない。てか、何と無くだけど頭が良くても解らない気がするよ…。 187: 名前:サスライ☆09/07(月) 13 38 41 俺の名は千鳥 笑(チドリ シャオ)。15の若さだがこの地方の警備兵の師範をしている。 何でそんな奴がそんな役職かは、俺が代々王族が使う千鳥流武術の長男だからであり、何でこんな田舎にいるかは、千鳥流の長男は、若い内は独りで修業する義務があるからだ。 とは言え、腐り切った事に定評のある都に居るよりはずっと気楽だ。田舎の山で一週間程修業して、役所に用意された余り使わない部屋に帰ってくる。 で、帰ってきたら知らない奴が俺の部屋で泣き崩れていた訳なんだが、どう解釈してくれようか。 困り顔の俺に役人が何やら「太子が、コレを師範に」と、紙を渡して来た。 あのインテリ野郎の封が俺に? 見たときは目が開きすぎて血の涙が出ると思った。デカイ熊に出会った時より驚きだ。そこに書いてあるのは、要約するとこんなトコである。 「笑 か。お前の部屋をコイツに譲れ、お前に選択肢は無い。太子命令だからな。 どうせ使わないだろうから俺の部屋じゃ無くて、お前の部屋にした。 お前は仲良く大自然でパンダとでも一緒に寝床を探せ」 破りてぇ…。 その時、俺の中で何かが弾けそうだったが、泣き崩れていた奴の顔が目に入る。 「やっぱ、ダメ…?」 兎、小鳥、猫、色々と比喩出来るがそんな弱々しい表情で俺に語りかける。 封のヤロウ…、俺がこういう表情は弱いって知った上でやってやがるだろ。 くれてやるよチクショウめ。 188: 名前:サスライ☆09/07(月) 15 10 37 千鳥師範はその後、客間で寝ていて、何故か頻繁に私に会いに来てくれる。因みに神封太子に出会うとよく殴り合いになるが挨拶の様なモノらしい。 偉い人は何を考えているか本当に解らない。 ココに来て三ヶ月が経つ。こう時間が経つと御伽の国の様な感覚にも慣れてくる。未だに不満を感じて、ジロジロ見てくる役人が居るが千鳥師範や神封太子曰く、「俺等も似た様な扱いだから気にするな」の事。 ところで、私に名前が出来た。銀世界になった田んぼの油絵を見てたら、何か勝手に『銀田一 雪』と命名された。照れ臭いが気に入っている。 さて、三ヶ月とは意外に長いモノで、ここの環境に慣れてきて自然に『神封太子』、『千鳥師範』と呼ぶようになったり、敬語になったり、メイド服になったりしている。 千鳥師範と神封太子に着せられて、その後二人はメイド服の好みについて二時間程熱く議論した挙げ句に殴り合いになった。 偉い人は何を考えているか本当に解らない。 そう言えば、ある日の事だ。私が神封太子に本を教わっている最中こんな話になった。 「神封太子なんて止めてくれ」 「……え?」 「そ うだな。神封・兄、繋げてシェンフォニーとでも呼んでくれ」 「そんな!?恐れ多いです神封太子!」 「太子命令だ」 「あう~」 神封太子改めシェンフォニー様は、その呼び方を偉く気に入っていたが千鳥師範がそれを呼ぶと殴り合いになる。うわぁ、ミンチより酷ぇ(建物が壊れる的な意味で)。 偉い人は何を考えているか本当に解らない。 190: 名前:サスライ☆09/09(水) 14 42 38 「フッフッフ、甘いね♪ギャグが小説で小説がギャグ。小説とギャグは表裏一体にして宇宙の神秘なのだよ!」 「いきなり何を電波に目覚めとるんスか、馬鹿主!」 過去を説明途中に、レスに返信とか言った感じの電波に目覚めたシェンフォニー様に対して私はチョップした。 彼が痛そうに頭をさする状況、兎に角話を続けなければグダグダになるといった危機感を感じた。昔、毒キノコで死にそうになったのがフラッシュバックする。 「…と、言う訳で私がシェンフォニー様に拾われた後です。 シェンフォニー様に学問を教わり、笑師範は相変わらず修行三昧で、たまに帰って来ては貴方と殴り合いになりました。そんな日常は幸せでした」 シェンフォニー様は指を絡めて下を向き、頷く。まるで懺悔する様に。 「ああ、大体思い出して来たよ。笑とは良く下らない事で喧嘩したっけな…。 懐かしい」 シェンフォニー様は下を向いている上に髪で隠れて表情が見えない。只、泣いてる様にも見える。【今は亡き】笑師範の事を、思い出したのだろう。 あの後の戦争の悪化。そこでシェンフォニー様は彼を守れなかった。救えたけど、守れなかった。それを思い出しているのだろう。 私は黙って紅茶を注ぐ。 191: 名前:サスライ☆09/10(木) 21 09 50 HOST a2P2WiEOwpslpqha_softbank.co.jp 私と千鳥師範とシェンフォニー様で部屋で話していて、シェンフォニー様が輸入品の紅茶を飲んでいた時だ。千鳥師範が言った。 「トコロで、封がシェンフォニーなら俺は下の名前で読んでくれよ♪」 「分 かりました笑師範。」 「あっるぇ、なんか封よりスムーズだよ~」 「お前は下の名前で呼ぶ事に違和感が無いからな」 身長的な問題と背を曲げてるか立ててるかの違いで千鳥師範改め笑師範が見上げる形になる。シェンフォニー様は相変わらず優雅に紅茶を啜っていた。 「アッ ハッハ。自分が上だってのかコノヤロー」 「そこまで理解するなんて。明日の天気は空から大量の胸毛でも降ってくるかな」 「よし表に出やがれコノヤロー」 「あ、雪。紅茶は処分してくれて構わない」 笑師範が親指で示した先に向かう時にシェンフォニー様は私に言い残し、直後殴り合いの音がする。ワッショイワッショイ的な。 一人部屋に残され紅茶を飲みながら窓を見た。以前居た村が見下ろせる。色々幸福に変わった。 しかしこのままで良いのだろうか。何時からか生きる為、私の中には誇りが刻まれていた。【私は自分の力で生きている。だから偉い】と。 今の自分はどうだろう。まるで私らしく無いと思う。しかし紅茶を飲み干した。 「このままで良い訳ないなあ…」 一人ごこちる。 196: 名前:サスライ☆09/12(土) 17 17 49 私は向日葵 社。 早速だが、ひまわり研究所には貴族が来る事は無い。有るとしたら前上司の神封太子が友人をからかう為に商品を購入する位だ。 しかし今日は別の貴族が来ていた。小太りの貴族は部屋見て、機材見て、眉間にシワを寄せて散々文句垂れた後にやっと嫌々席に付く。 「態々都からお疲れ様です」 「ああ。だが私は忙しいのでね、直ぐに都に帰らねばならない」 つまり都にサッさと帰りたいって事だろうに。素直に言わない所がまた頭に来る。 さて、貴族本人が来たと言う事は最近の戦争の押され気味に拍車が掛かった件だろう。技術者として私を求めているのか。 だが私の都に帰る気は0どころかマイナスだ。しかしこの陰湿な貴族は私の心を動かす。 「単刀直入に言おう。君のカラクリを全て譲渡したまえ。で、無ければ都に来たまえ」 つまり『全て渡せ』。 そういう事か。コイツ、井時が私の弱味と知っている!もし、断って都に行かなくても普通に井時を兵士として使う気だ。 貴族のほくそ笑みがシャクに触る。私は冷や汗を垂らす。汚い手で心臓を握られた気分だ。 197: 名前:サスライ☆09/12(土) 18 21 08 満月を眺めるボクは井時 晶。社と一緒に住んで暫く、一つ解ったのは社は意外と面白い。からかいながらも親しみを。そんな毎日は充実だ。 これから月光浴にでも行こうかと考えたその時、社の声がして振り向くと、彼は大きな旅行鞄を担いでいて突然口走る。 「…これには札束がギッシリ入っている」 「銀行強盗でも、した…?」 ボクは冗談を吹っ掛けるが無反応。これは解る、覚悟した人間だ。 そして今日の朝に起こった事を社は言うと心に衝撃を受けた。何時かそうなるのでは無いか頭ではあったが、心が認めたく無かったのだ。 ボクは此処に来て始めて顔を焦らせる。対称に腹をククっているのか社は冷静だ。 社は旅行鞄を押し付けると指を裏口に向ける。 「表口だと見られる可能性があるからな」 「そ、そんな…」 「喧しいぞ井時 晶!私をまた逃げる臆病者にする気か!」 社の目には独特の真っ直ぐな光がこもっていた。人間だった時に見てきた。テコでも動かない、武人の目。そんなボクに出来るのは一言を浴びせる位だ。 「死ぬなよ…?」 裏口の扉を開いて、ボクは駆ける。夜風が染みて月光は遠ざかる。その時、聞こえる筈の無い社の声がした。 「幸せに、なれ…」 198: 名前:サスライ☆09/13(日) 18 40 17 私は都に行かない事を告げた。すると貴族は面白い位に顔を真っ赤にして机を叩く。おお、脂肪まみれなクセに強そうだ。サンプルを取ってみたいね。 「人形は何処かね!?私は『全て』のカラクリと言ったんだ。帝国直々に渡された人形が有る筈だろう」 いや、偶然の産物で帝国のモンじゃ無くね?何なのそのジャイアン理論。そういやコイツ、ジャイアンみたいな顔してるな。やはり歌で窓を割れるのだろうか。 兎も角。これで無いと言えば反乱とでも見なされ最悪極刑だ、でもそんなつもり等はサラサラに無い。この貴族のカリスマ程も無い。極刑になりたくないのは兵士時代の生への執着か、はたまた井時の一言か… 私は逃げる臆病者にはならない。研究者には研究者なりの戦い方がある。研究者はアイデアの世界、私もそれに習おうか。 貴族の濁った目を見て、うわ、マジで汚い目付きしてんなコイツ。まあ、汚物を見ながら告げる。 「人形は実験に使った結果、壊れてしまいました」 「何だと!?どうしてくれるのかね」 臭ぇ息吐くなぁ。コイツ生物兵器かなんかじゃね? 「まあ、お陰で人形と同等の物を作る方法を見つけました」 懐から取り出した資料を渡す。この交換条件にて、輪帝国は人形兵の投入によりエピソード共和国に対し、一時的に勝利を納めるのである。 199: 名前:サスライ☆09/14(月) 21 10 49 ひまわり研究所に日光が差し込む。照明無しでも物が見える太陽の偉大さを感じると同時に、自分の小ささを思う。 取り敢えず一段落ついて今、突然に思ったんだ。もしかして私はマゾではないのかと。 これを聞いても引かない勇者諸君に理由をお聞かせしよう。取り敢えず私は椅子に腰を掛けて足を組んだ。前方机にあるコーヒーに手を掛けて砂糖を入れようとする時に慌てて砂糖の容器の中身を舐めて砂糖と分かる。 あれは井時が来て間もない頃だ、コーヒーを飲もうとして砂糖を入れたら実は井時によって塩にすり替えられていた。そして次の日、また塩にすり替えられていた。また次の日、流石に三度目は無いなと思いつつも砂糖を舐めたら、味の素だった…。 と、言う訳で確認が武道家が朝起きて正拳突きを練習するような領域にまでなったのである。 しかしこう何も無くては退屈だ。何か面白いモノでもないか。 ボゥとしていると扉を叩く音がした。また銀田一か。私は嬉し半分で扉に向かった。 200: 名前:サスライ☆09/14(月) 21 30 51 【200レス記念番外編】 と、言う訳で200レス行きました~!皆様のお陰です♪ 司会は私、辰凪館のメイド長にしてシェンフォニー様のブレーキ役、銀田一 雪でお送りします。 「アッ ハッハ、何を言っている?それではまるで俺にブレーキが無いみたいじゃないか」 いや、その通りですからね!?シェンフォニー様、貴方の悪行の数々はバッファローマンもビックリですよ、砂糖の容器の中身を砕いたデンプンと入れ替えたり。 「バッファローマンとは、作者が産まれる前の懐かしいネタだね。 あ~、そうそう。井時に話を聞いたら対抗心が燃えてきてさ」 いや、んなコトに対抗心燃やさなくて良いですから!どこの二番煎じ連載漫画ですか!?打ち切りの臭いがプンプンしますよ。 「うん。流石に俺も飽きてきた、そこで編み出したのが必殺技、『シェンフォニーウェーブ』だ」 何ですか、その荒ぶる鷹の構えは…、そして何ですか、その中二病丸出しの名前は… 「先 ず、雪の紅茶と緑茶を入れ替えて…」 いやいやいや、そりゃ流石に無理がありますって! 「大丈夫。ソ連の編み出した色料は緑茶を紅茶に見せれる」 この世界にソ連無いでしょ、てかソ連スゲェ。 「最後に一つ。実は俺にブレーキは付いてるが雪の反応が面白くて、ついアクセルを踏んでしまう」 突拍子無いけど、取り敢えずはハリセンで殴らせて頂きます。 201: 名前:サスライ☆09/15(火) 16 18 52 「何故、私の助手なんぞになりたがる?所謂日陰者の助手なんぞに。だ」 「だからです。貴方程の人が敢えて日陰者にあるから日陰者だった私はそれを選ぶのです」 上のやり取りを社さんとして、銀田一 雪、ひまわり研究所の助手に就職成功。このニュースはシェンフォニー様と笑師範の間を稲妻の、もしくはダオスレーザー(初期ティルズのボスの技。トラウマ並の破壊力を誇る)の如く駆けたらしい。 直後彼らは呆然としつつ、お互いがお互いの頬をつねり、殴り合ってやっと夢で無いと理解したそうな。 偉い人は本当に何を考えているか解らない。 初期格闘ゲームの様に痛々しい青アザを顔に付けた二人は口々に言う。異常な顔と常識的な台詞のギャップに吹き出しそうになった。 しかし何とかこらえる事に成功した、ミラクルメイドパワーで。 「助手っつーとヤッパ薬を作ったり、ネジを締めたりすんの?」 「いや、正統な授業な訳では無いから雑用だろう。資料の整理やデータ作り、他には掃除だな」 やはり、こういう事はシェンフォニー様の方が一枚上手らしい。因みに、太子権限で私を正統な学士にする事も出来るが、私が自立したい気持ちを組んでか一度もその話題にはならなかった。 204: 名前:サスライ☆09/15(火) 20 34 23 私が社博士の助手になって暫く、植物データの採集に山に来た訳で山に来て早速見たのが、笑師範の立ちションだったので思わず悲鳴を上げて後頭部にハイキックを喰らわし顔面を木に打ち付けさせて気絶させてしまった。 気絶している笑師範はその内起きるから良いとして、私も随分乙女になったモノだと思う。博士に「思ったよりマトモだ…」と言われた事を思い出した。 数分後、笑師範が起きると記憶が飛んでるらしく、必死に誤魔化そうと世間話を挿入した。どんな流れかこんな話題になる。 「笑師範って修行で山に居るんですよね?」 「違ってたら仙人か、山マニアか、なんかだな」 「何故、笑師範は修行するのですか。義務だからですか?」 「話 聞けよ…。まあいい、ほら、アレを見ろ」 指の差す方を見るとそこは村が上から見れた。山だからだ。田畑が微笑ましい田舎だと思う。 「地 図なんか紙に書かれた物よりも、俺にとっての世界とは俺の認めたモノだ。そしてあれも俺の世界…」 正拳、回し蹴り、裏拳、正拳。笑師範は舞う様に技を空間に放つ。暖かい風が私達を、否、世界を包む。 「この美しい世界を守りたいんだ」 「笑師範…」 貴方に「美しい」は流石に似合いません。と、言おうとしたがKYな気がするので止めておいた。 207: 名前:サスライ☆09/17(木) 14 33 46 シェンフォニー様(ついでに笑師範)の所には本が兎に角沢山あったがこの研究所は量より質と言った勢いで珍しい本が沢山ある。 資料整理をしている最中についつい魅入っていたら後ろから都からの手紙で作ったハリセンで叩かれるくらいだ。 今回見つけた、そんな仕事をサボるきっかけになる本がこの『未確認生物集』である。歴史的に考えると確実に居る筈だが発見例が皆無な生物をまとめた物らしい。 開くとこれまた素敵なゲテモノをスケッチした皆様、しかしたまにマトモな生物もいる。見た目ならヒトと変わらない生物も居た。 「未確認生物、【オーガ】。興奮すると角が生えて強靭な力を…」 へぇ。【鬼】って実在したんだなぁ。驚いていると廊下を駆ける音がした。え、まさか監視カメラでもついてんの!? 扉をバンと開ける音がする。心臓が跳ね上がるというのは、もしくは喉から手が出るとはこんな感じか。いや、後半違うけど取り敢えずは驚いて背中に本を隠した。 「銀田一!…」 何だろうか酷く焦った声。イヤな予感がして後ろを見ると、目を見開き息を枯らす予想以上に焦った博士が居た。 「… エピソード共和国が攻めてきた!ここらは戦場になるぞ!」 私は凍り付き、本が床に落ちる音はヤケに乾いていた。 208: 名前:サスライ☆09/17(木) 16 06 48 俺、神封は不快だった。朝からヤケに倦怠感がある癖に仕事をしなければいけないからだ。嫌な事とは続くモノで、今日は笑が山から帰ってくる日で、その笑は今私の部屋でゴロゴロしてる。不快な余り気に入りの万年筆を指でへし折ってしまった。 「封~、暇~。なんか面白い話して~」 「鏡を見ろ。私と話をするなんかより、ずっと面白いぞ」 「あ゛~、 んだとコンニャロ表出やがれ~」 「よし。更に面白い顔に…ん?」 殴れば少しはスッキリするか。楽しみを目の前に嫌なニュースが立ち塞がる。 俺が今やっている仕事とは軍に用いる鉄兵(人形兵には劣るが活躍する量産品)の承認と、外交に関する報告書に対する意見なのだが、何か引っ掛かる。取り敢えず軍の師範をしている笑に聞く。 「…なあ笑よ。人形兵が配備されたのは何時辺りだったか」 「んあ。確か2年位前だったんじゃね?」 「……そうか」 人形兵配置位置、他国からの情報、都の内部情勢。それ等から今の敵の動向を推測する。 ここは田舎でロクに人形兵が居ない。居ても鉄兵程度だ。 エピソード共和国は人形兵、鉄兵に苦戦してから引くが調子に乗った都は追い討ちをかけている。 「ヤバい!至急偵察部隊をこれから言う位置に配備しろ、人形兵開発者の社博士と太子である俺を狙ったエピソード共和国が攻めてくるかもしれん」 嫌な事とは続けて起こるものだな。 銀田一 雪さんとシェンフォニー様と後、なんかの話 続き9
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37: 名前:みるみる☆03/23(月) 09 25 43 35流華様 はい! やっぱり読んでくれる人がいないと、やる気なんて出ませんから(私の場合);; のわっΣそれは私にとっては最上級の褒め言葉ですよ! ありがとうございます! 碧ちゃんは……どうなんでしょう← まだ先のお話とか、ぼんやりとしか決まってないので; 黒ちゃんですか! 私もお気に入りです(おい こんなキャラをもっと虐めたくなってしまうという…… でも最後は抱きしめてあげたいです♪ 36なお様 引き込まれてくれたんですか? こんな小説に← 書籍化は絶対無理ですw もし売られたとしても、業者さんにクレームがたくさん来て、その日のうちに販売中止ですねっ★ 読んでくださってありがとうございます! ◆ 「あ、おかえりなさい」 「おー。遅かったな」 私達が住処に戻ると、黒と赤が迎えてくれた。 黒を見て、また胸がちくんと痛んだ。 「うん。ちょっと店長の息子さんと話し込んじゃってね」 「ん、それって黒の彼氏じゃねえの?」 ぼっ、と音がするくらいの勢いで、黒が頬を染めた。 「そんな、大声で言わないでください……」 「いーじゃん、碧も知ってるんだろ?」 「うん」 黒は顔を手で覆って、しゃがみこんでしまった。 どうやら相当恥ずかしいらしい。 私には、彼氏がいたことがないので分からないけど。 「そうそう、琥珀くん、見習いになってたよ」 「ふーん、出世したじゃねぇか。会える日も近いんじゃねーの? おい、黒」 「はい……」 2人のやりとりを見ていて、笑いそうになってしまった。 こんな正反対の2人で、よく何年も暮らせたものだ。 「ずっと会ってないの?」 「はい……もうかれこれ5年ほど……」 「5年!?」 じゃあ今、黒は17歳か。 「琥珀くんも一途だよねぇ。思春期なんだから心移りしてもおかしくはないのに」 だから青、そんなことを黒の前で言わないで。 全く、デリカシーがないのか、天然なのか。 「あ、そうだ」 今思い出した。 青の話を聞いてから、やろうと思っていたこと。 「突然だけど、今からみんなに名前を付けるよ!」 38: 名前:みるみる☆03/23(月) 14 21 36 「名前、ですか?」 「はぁ?」 「わあ、それは楽しみだね」 三者三様の返答だった。 赤があんまり乗り気じゃなさそう。 でも私は気にしない。 「覚えやすいように、色にちなんだ名前がいいよね。えーっと、赤、赤……」 「ちょっと待てよ。何で今更名前とか付けようとするんだ? 面倒くせえ」 赤は本当につまらなさそうに言う。 「だって、名前が無いなんて可哀想じゃない!」 「可哀想? もう慣れてるんだよ。それにさ、名前なんてのは、記号だろ?」 その言葉に、私は頭に血が上ってしまった。 赤は、何かを諦めているような気がする。 人として生きていくこととか。 差別をなくすこととか。 「違うよ、赤。名前には、それを名付けた人の愛情がこもってるんだよ!」 だから、可哀想なあんた達のために、名前を付けてあげる。 私からの、精一杯の愛を込めて。 人間であることを忘れないで。 人は、大量生産されたロボットじゃない。 ましてや、不良品なんて無い。 みんながそれぞれ、幸せに生きていく権利が、ある。 「まず、赤! 赤音!」 「あかね?」 「そうよ! なんか文句ある?」 「いや、無いっす……」 「次、青! 40: 名前:みるみる☆03/23(月) 14 49 20 ぎゃああ! ぽちっと押してしまいました…… つづきです…… ◆ 「青だから、蒼太!」 「うん、良い響きだね」 「次、黒! は……えっと」 今気付いたけど、黒の名前って無いかも! そうだよね、ダークな感じだもんね。 うわ、どうしよう。 「『チェルナ』とかは?」 青が唐突に提案してきた。 「ちぇるな?」 「うん、どっかの国の『黒』の女性形だったような気がする」 「なんか、1人だけ浮いてねぇ?」 「浮くのは嫌です……」 うーん、黒ねぇ。 黒い目。 黒い髪。 黒い髪――! 「『小町』だ!」 「こまち?」 「うん、艶があって黒い髪! まさに小町の名にふさわしいかも!」 名前に色は入ってないけど、細かいことはどうだっていい。 大事なのは愛だもの! そんなわけで、カラフル軍団は、私好みに和風な名前になった。 45: 名前:みるみる☆03/24(火) 08 31 06 43ゆみ様 ごめんなさい;あともう少ししたら出ると思いますので← なかなかそこまでたどり着かないです……。 44なお様 そういって下さると嬉しいです! でも流石に少なすぎだ……。今日は更新頑張ろうかな。 お褒めの言葉ありがとうございます! ◆ ここに来て、初めての朝が来た。 私が布団から顔だけ出すと、みんなはもう起きていた。 いきなり寝坊しちゃったよ。 携帯の時計を見ると、まだ5時半だった。 「早っ……」 そんなに早く起きてすることなんてあるの? 私は、わしゃわしゃと髪を掻いて、大きなあくびをして、それからゆっくりと起き上がった。 本当、昨日はいろんな事が起こったな。 24時間前、まだ私は、元の世界ですやすやと眠っていたはずだ。 だけど私には、随分昔のことのように感じられた。 「おはよ」 顔を洗って髪をとかした後、外(薄暗い路地)に出ると、赤音さんに声をかけられた。 「あ、おはよう。みんな早いんだね」 「今日は特別早いな。黒、いや、小町のやつがよー、朝超早く起きたもんだから、どうしてそんなに早いのかって聞いたら、『碧ちゃんの初めての朝ご飯だから』だってよ」 うわ、なんか素直に嬉しいかも。 でも赤音さん、それは違うと思う。 「それ多分、琥珀くんの事が気になって眠れなかったんじゃないかな」 「あ、それビンゴかも。じゃあさ、今日お前小町も買い物連れてってやれよ。絶対喜ぶからさ」 「ビンゴじゃありませんっ」 頬を染めた小町が間に入ってきた。 手にはフライパンが握られていた。 ほう、今日はスクランブルエッグか。 「くだらない妄想は止めにして、朝ご飯にしましょう」 「くだらない? じゃあ小町、今日は買い物行かなくてもいいのか?」 「…………」 「顔に出てるぞ、お前。『本当は会いたくってたまんない。いやーん、超るんるんっ!』って」 「……行きます、買い物」 赤音さん、ちょっと虐めすぎ。 朝のメニューは、トーストに焼きベーコン、スクランブルエッグ、コーヒーだった。 予想してたのより、かなり豪華だった。 あと、小町はやっぱり料理が上手だった。 スクランブルエッグという、卵をぐちゃぐちゃにしただけの料理にも、才能がにじみ出ていた。 「蒼太くん、これ、どこで手に入れたの?」 私はベーコン達を指さしながら聞いた。 「あれ、見てなかったの? 琥珀くんにもらう紙袋には、生活に必要なもの諸々が入ってるんだよ」 「あ、そうだったの?」 てっきりパンだけかと思っていた。 「それと、もうやり方は分かったと思うから、今日から僕、ついていかなくていいよね?」 「うん。小町ちゃん、一緒にいこうねっ」 「はい!」 「ほら、るんるん気分じゃんか」 「赤音さん、虐めすぎ……」 46: 名前:みるみる☆03/24(火) 08 48 30 ◆ 「いらっしゃいませ」 昨日も感じた、明るい店内の雰囲気は、変わっていなかった。 「こんにちは、琥珀さん。今日はスペシャルゲスト付きなんだよっ」 そう言って私は、さっきから私の背後にぴったりとくっついていた小町を引きずり出した。 「お、お久しぶりです……」 俯いて、耳まで赤くして、やっとそれだけ、小町は呟いた。 「その声……」 「はい、えっと、名前は私が付けたんだけど、小町ちゃんです! あなたの恋人!」 琥珀さんは、しばらく呆然と小町ちゃんを見つめていた。 信じられない、と今にも言いそうだった。 「小町……」 「はい、小町です」 「会いたかった……」 白く長い指がのびてきて、琥珀さんは、ぎゅっと小町ちゃんを抱きしめた。 小町ちゃんは、固まって動けなくなってしまった。 見てるだけで全身が痒くなるほどの純愛だった。 なんか、私邪魔者みたい。 「じゃあ、私先に帰ってますんで!」 私は紙袋を手に持つと、さっさと店を後にした。 47: 名前:みるみる☆03/24(火) 08 55 01 すみません……「小町」だったり「小町ちゃん」だったり、書き方がばらばらになってしまっていました。 「小町ちゃん」で統一したいと思います。 最近ミスばっかり……そろそろ呆けてきたのかな← 49: 名前:みるみる☆03/24(火) 12 57 36 48高坂 陽様 読みやすいですか!?うわぁ、嬉しいです♪ 私が今まで書いていた小説では「読みにくい」ってコメントがあったので、読みやすくするのが今回の目標ですw 改行の加減が分かんないんですよね; あげありがとうございます! ◆ 「はぁ? 置いてきたの?」 「うん。何か、らぶい雰囲気だったから」 「そりゃ居づらいね」 「でしょ?」 帰ってきて、赤音さんと蒼太くんに事情を話した。 蒼太くんは笑顔でうんうんと頷いていたが、赤音さんは何か浮かれない顔をしていた。 「ん、赤音さん、どうしたの?」 「んにゃ、何でもない」 「赤音、恋人がいないから嫉妬してるんだね」 「してねぇよ!」 赤音さんは蒼太くんを睨み付けた。 ああ、成る程、そういうことか。 その美貌ならすぐに恋人ぐらいできそうだけど。 「まぁ、今日は帰ってこないだろうな」 「え?」 「蜜夜だねぇ」 「だから笑顔でそんなこと言わないで!」 そうかぁ、5年ぶりだもんな。 でもちょっと想像できない。 2人とも優しくてふわっとしてるもん。 「で、晩ご飯は碧ちゃんが作ってくれるのかな?」 「あ」 50: 名前:みるみる☆03/24(火) 16 17 15 ◆ しばらくの間、私は琥珀くんの腕の中にいた。 肩から伝わってくる温かさが、5年という歳月をゆっくりと溶かすようだった。 「あの、恥ずかしいです」 「あ、ごめん」 腕がほどけ、幸せな束縛から、私は解放された。 「ちょっと、父さん! 今日は店番休むから!」 店の奥の方に彼が声を掛けると、「おう」と低い声が帰ってきた。 「ちょっとあがっていけよ」 「あ、いいんですか?」 「いいに決まってるだろ」 琥珀くんに付いていって、一旦店の外に出て、すぐ隣にある家に私達は入った。 彼の家だ。 「あの――」 「大丈夫だよ、母さんはいないから」 良かった。 あの人がいたら、私はどうなってしまうことだろうか。 もう一生、彼に会えなくなるかもしれない。 どうして家にいないのかは聞きそびれたが、そんなこと、私は知ろうとも思わなかった。 2人で、大きなソファーに腰掛けた。 私は、大きくて重いコートを脱いだ。 少しだけ、彼がどう反応するのか、怖かった。 「……本当に、真っ黒になったんだね」 そう呟く彼を、私は改めてまじまじと見た。 5年前と、全然違う。 声も、体も、すっかり大人になってしまったようだ。 でも、優しそうな瞳と、「茶色」は変わらない。 私と違って。 「何か、もう『女の子』じゃなくなったね」 「琥珀くんこそ、別人みたいです」 「それ、褒めてる?」 「秘密です」 「えぇ、何それ」 拗ねた顔の彼を見て、思わず笑ってしまった。 彼も、つられて笑顔になった。 17歳の彼の笑顔。 それは5年前と全く変わっていなくて。 懐かしいような、悲しくて嬉しいような、複雑に絡みあう思いを止めることが出来なくて。 それは涙になって溢れた。 笑顔から急に泣き出したので、彼は驚いたようだった。 しかし、それさえもぼやけた視界の中では見ることが出来なかった。拭っても拭っても、溢れる思いは止まらなかった。 代わりに、さっきのように抱きしめられたのが分かった。 「ずっと、ずっと……会いたかったんですっ……」 「うん」 「寂しかった、んです……」 「うん」 「今、死にそうなくらい、嬉しいんですよっ……」 さっき、恥ずかしくて言えなかったことが、次から次へと言葉になって、こぼれ落ちる。 「うん、僕もだよ」 「っ――!」 声は漏らさないようにして、静かに私は号泣した。 52: 名前:みるみる☆03/24(火) 19 10 24 51流華様 大量更新してみました;新生活で、4月からは忙しくなりそうなので、今のうちに更新です♪ 幸せシーンを書き慣れてないので、見ていて不快になられるかと思います。本当、書いてて全身の肌が粟立っちゃいます。 私に文才を分けてください。本気で← 今からちょっとずつ慣れていきたいです♪ 赤音は多分、ただ羨ましかっただけでしょうねw 57: 名前:みるみる☆03/25(水) 16 45 29 53a様 すみません……だんだんらぶくなってきてるので、もうすぐかと…… 54流華様 おお、ではいろんなことが起こっても大丈夫だと言うことですね! 新生活って言ってもそんな大したことじゃないですw 更新ペースは遅くなると思いますが、放置はしませんので! 56なお様 ま、毎日ですか!? それは嬉しいです♪ 文才はありません、妄想力だけですねw← お褒めの言葉ありがとうございます! はい、頑張ります∀ ◆ 「ぇおぅっ……」 「うん、なかなか個性的な味だね」 「小町ちゃん、帰ってきて……」 只今、私達3人は夕ご飯の最中です。 赤音さんは、ひとくちスープを啜っただけで、食べるのをやめた。 蒼太くんは、にこにこと笑いながら、スープを飲み干した。 「お前、味覚死んでるんじゃねぇの?」 「まあまあ赤音、臥薪嘗胆だよ」 「別に、苦労してまで手に入れたいものなんて無ぇよ!」 2人の漫才みたいな会話を遠くに聞きながら、私は、改めてお母さんのありがたさを感じていた。 ああ、ちょっと帰りたくなってきちゃったかも。 「そういえばさ」 食事をやめたことで手持ち無沙汰になった赤音さんが、唐突に切り出した。 「小町、泊まるんなら、琥珀んところだよな」 「うん、まあそうだろうね」 「大丈夫なのか? あの母ちゃん」 何のことだろう。 「お母さん? 琥珀さんのお母さんが、どうかしたの?」 「言ってなかったっけな。琥珀の母ちゃん、差別に敏感なんだよ。だから小町、酷い目に遭ってないかなぁって思ってさ」 「赤音、友達思いだね。いいことだよ、うん」 「うっせぇ!」 そうなんだ。 あの温厚な性格の琥珀さんに、そんなお母さんがいたなんて。 もしかして、ここに逃げてきたのも、その人の影響があったんだろうか。 黒い髪の毛が生えたとき、小町ちゃんはどう思ったんだろう。 自分から、あの場所を離れたんだろうか。 「まあ、琥珀くんがいるなら大丈夫じゃないかな? 彼も、もう子どもじゃないし」 「そだな」 ◆ 「落ち着いた?」 「はい、ありがとうございます」 泣きやんだ私に、彼はホットココアを持ってきてくれた。 一口飲むと、みぞおちのところに温かい膜が広がっていくような感じがして、心地よかった。 「美味しいです。でも……」 「でも?」 「見られてると恥ずかしいです」 「あ、ごめん」 恥ずかしげに頬を染めて、彼は向こうを向いてくれた。 彼の背中を見ながら、私はもう一口、ココアを飲んだ。 大きい背中。 本当に、大人になったんだな。 悲しさは、すっかり涙になってこぼれ落ちてしまって、今私の中にあるのは、もういちど会えたという喜びだけだった。 だからちょっとハイになっていたのかもしれない。 普段の私なら絶対にしないだろう。 本当に、自分でも驚くぐらい突発的に、それは起こった。 58: 名前:みるみる☆03/25(水) 17 02 59 「本当に美味しいです」 「それはどうも」 「琥珀くんも飲みますか?」 「あぁ、うん――」 彼がカップを受け取ろうとして、こっちを向いた。 私は、その整った形をした唇の端に―― キスを、した。 「っ……」 彼がカップを持っていたなら、それは落とされて割れていたかも知れない。 びっくりしたまま、人形のように動かなくなってしまった。 端整な顔立ちだから、本当に人形みたいだ。 「甘かったですか?」 そんな彼に向かって、私はべぇっと舌を出した。 自分でも、信じられない。 本当に、こんなことをしたのは初めてだ。 まるで、酒にでも酔ってしまったかのよう。 「……ああ、もう」 ところが彼は、怒ったように私を睨み付けた。 からかったのが、いけなかっただろうか。 悪戯が、過ぎただろうか。 高揚した気分が、一瞬で冷えた。 「我慢しようと思ってたのに、さぁ」 「え――」 あまりに突然だったので、目を閉じる暇もなかった。 ソファーに背中が着いたのと、唇が塞がれたのは同時だった。 持っていたカップが、派手な音を立てて床に落ちた。 59: 名前:みるみる☆03/25(水) 22 17 36 彼の口が角度をずらして、舌は奥に入ってきた。 どうしよう、私、キスの仕方も知らない。 と言うか、これ、口が完全に塞がれてる。 「――っ、――っ!」 やめて、と言いたいのに、これじゃあ伝わらない。 足をばたばたさせても、それは同じだった。 慌てて、舌を押し返そうと頑張ってみたけど、かえって舌を絡める結果になってしまった。 やっと彼が離してくれた時、私は息も絶え絶えだった。 「だ、大丈夫?」 「息がっ、肺が、限界、です」 「息、してなかったの?」 「え? そんなこと、でき、るんですか?」 「鼻を使えよ」 「すみません……何も知らなくて」 ああ、本当に死ぬかと思った。 無知は本当に恐ろしい。 息が正常になるまで、彼は待っていてくれた。 「……ゆっくり、覚えていけばいいよ」 「はい」 て言うか、お前がいろいろ知ってたら嫌だなぁ、と彼は呟いた。 61: 名前:みるみる☆03/26(木) 08 56 25 60ピータン様 ぎゃー! 嬉しいです、最高の褒め言葉です! まだまだしょぼいですが、たまに見に来てくれると嬉しいです♪ あと、これからは何度も書き方(視点)が変わっちゃうと思います。読みにくかったら言ってください; どうしよう、濡れ場書けない← ◆ 今度はゆっくり、深くキスをした。 落ち着いてみれば、ちゃんと息をすることが出来る。 私も一応、ちろちろと舌を動かしてみたけど、うまくいかなかった。 「……んっ……」 歯茎をなぞられると、くすぐったいような変な気持ちになり、くぐもった声が出た。 「ココア味だ」 唇を離した彼が、そう言った。 「そうですか?」 「ちょっと甘すぎたかな」 彼は照れたように笑って、またキスをした。 手が、お腹を伝って入ってくるのが分かった。 「あの、すみません」 「ん、何?」 「無いんです、胸」 「最初から分かってたよ」 「胸ばっかり見てたんですか? 変態です」 「そんな訳ないだろ」 「冗談ですよ」 怒った顔の彼に、私はそう言った。 「服、上にあげてて」 まくし上げられた服を、私は噛んだ。 普段、外気に触れるところのない部位なので、ひやりとした。 指が這う。 パン屋というだけあって、決して柔らかではない指が動くだけで、私にはかなりの刺激になった。 でも、声を出すことは恥ずかしかったので、服をさらに強く噛んで、それに耐えた。 口でされるまでは。 「! ひゃっ……」 いきなりの刺激だったので、その拍子に服が口から離れてしまった。 指とは全然違う、舌の感覚。 愛撫された後も、そこはひやりとして、それだけで私は混乱してしまいそうだった。 「声、我慢しなくていいよ」 「だって、っ……」 恥ずかしい、とまでは言えなかった。 下の方に、冷たい指を感じたから。 「ちょっと……!」 展開が早くて、ついて行けなさそうになる。 「ごめん、余裕無い」 そんなこと言われたって、私の脳の回転も、そろそろオーバーヒート気味だ。 62: 名前:みるみる☆03/26(木) 11 53 11 誰にも触らせたことなんて無かった。 自分でも、罪悪感からか、することが出来なかった。 だから、肌着の中に入ってきた手に驚くと同時に、羞恥で顔に血が上った。 「っ!」 反射的に足を閉じようとしてしまう。 指はうごめいて、小さな突起に辿り着いた。 「――んんっ!」 腰が引けてしまうくらいの、強い刺激だった。 ああ、もうそろそろ駄目かもしれない。 理性とか、自制心とか、羞恥とか―― そんなものは、どこかに飛んでいってしまうかもしれない。 彼は、なおも執拗にそこを責め立ててくる。 「ぁあっ、そこっ、嫌……っ」 「嫌?」 「やめて、くださっ、何か、変ですっ」 快感の波に、溺れそうになる。 必死に、彼の肩を掴んだ。 「何か、来るっ……」 足が、自然と突っ張る。 膝が、笑っている。 「小町、」 彼の声しか聞こえない。 彼の瞳しか見えない。 もう、もう―― 「ん、――――っ!」 精一杯我慢した声が、これだった。 一気に、力が抜けた。 体が、もの凄い勢いで酸素を求めている。 鼓動の音が、耳でうるさく響いた。 彼が、やっと手の動きを止めてくれた。 「止めてって、言ったじゃないですか……」 「ごめん、なんか、可愛かったからさ」 可愛いなんて、とんでもない。 見られたくないものを、見られてしまった。 「恥ずかしくて死にそうです……」 「そんなところで悪いんだけどさ、続けさせてもらって良い?」 「えっ!?」 僕も、もういっぱいいっぱいなんだ、と彼は言って、さっき私を責め立てていた右手を、私に見えるようにした。 それを見た私は、どんな顔をしていただろう。 「こっちも、大丈夫そうだし」 「!!」 いつの間に、こんな事になっていたんだろう。 彼の指の間には、細く糸を引く透明な液が付いていた。 「そんなもの、見せないでください!」 ひょっとしなくても、あなた完全にSですね、と私は吐き捨てたけど、彼は気にも留めていないようだった。 代わりに、私の中に指が入ってきた。 「!」 「うわ、濡れてるけど、きついな……」 異物感。 確かに、濡れていたから割とすんなり入ったと思うけど。 「力抜かないと、痛いよ」 そんなことを言われても、無意識に、指を押し出そうとしてしまう。 指はしばらく、深くなったり浅くなったり、色々な動きをしていた。 「……っ、ん、」 「痛い?」 「痛いというか、何か……。? ん、ふぁっ!?」 指がある一点に触れたところで、一気に下腹部が熱くなった。 「あ、ここか」 彼が何か意味の分からないことを言っている。 また鼓動が早くなる。 部屋に、水音が響く。 それが、耳さえも熱くさせる。 「小町、指、いま何本入ってると思う?」 「っ、え? に、2本……?」 その答えを聞くと、彼は満足したように指を抜いた。 「入れるよ」 「……はい」 思わず、身構えてしまった。 力抜いてて、と彼に言われてしまった。 「っ ――!」 入ってくる。 指なんて生やさしいものだった。 異物感どころではない。 内蔵が壊れてしまいそうな気分だった。 有色人種。続き2
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165: 名前:みるみる☆06/14(日) 20 56 57 163限様 私の記憶を舐めて貰っちゃあ困りますw コメントを下さった方はみんな覚えてます(多分←) そのくらい大切にしたいんです。うふw← あげありがとうございます! 164せいな様 えひゃああああ← ありがとうございます! 「すき」って平仮名で表記すると良いですよね。平仮名好きです。 言われるともっと嬉しいですよ! 感謝します! ◆ 「いやっ、離してよっ!」 まるで人間を相手にしていないようだ。 ぞく、と背筋が震える。 もたもたするんじゃなかった。 早く、ここから逃げれば良かった。 まさに後悔先に立たず。 どうしよう、蒼太君は小町ちゃんを抱えているし、となると赤音さんしか―― ああ、もう誰でもいいから。 たすけて。 「!」 私の願いが通じたのか、私の足を掴む琥珀さんの手は、青白い手によって引き剥がされた。 青白い手。 小町ちゃんだった。 目の前の、半分狂人になったような琥珀さんでさえ、私と同じ表情をしていたと思う。 動けないはずじゃなかったのか。 小町ちゃんは、ゆっくり琥珀さんの方に向かいなおった。 表情は分からない。 掴んだ手を、優しく包むように握っているのが見えるだけだ。 「琥珀くん」 細いけれど、良く通る声。 「私の方こそ、あなたを縛っていたのかもしれない。ここ数日、あなたを見ていて思ったんです。あなたは、私以外の世界を知らなすぎる。愛情に対して、あまりにも幼稚すぎるんですよ」 誰も、何も喋らない。 小町ちゃんの周りだけ、時間が動いているようだ。 「私が諦めていればそれで良かったのに、私はここから逃げておきながら、あなたを忘れることができなかった。そのときから、あなたは何も変わっていない。もうそろそろ、成長しなくてはならないんです」 だから、と言ってから、小町ちゃんは少し間をおいた。 深く息を吸ってから、また言葉を紡ぎ出す。 「あなたを束縛から解いてあげます。自由になって下さい。そして、世界に溢れるたくさんの愛を、知ってください」 私にだって分かる。 それがどういう意味なのか。 「琥珀くん ――」 できることなら、言わないで欲しい。 今すぐにでも止めたい。 でも、私に止める権利はない。 「きらい」 ずる、と琥珀さんの手首が床に落ちた。 170: 名前:みるみる☆06/24(水) 00 08 33 169夜様 ありがとうございます! 忙しいのに、本当に毎回コメント下さって;; 只今、期末考査からの逃避を謀っております← 書いたら勉強しますから。本当ですよ!? とか言いながら爆睡……。 ◆ 石畳の道を、4つのコートが歩いていく。 見ようによっては可愛くも見えるが、頭までフードをすっぽろかぶっているので、怪しい宗教団体にしか見えないだろう。 「いやいや、無事奪還って感じで」 赤音さんが最近見せなかった心から愉快そうな表情を浮かべている。 多分小町ちゃんが戻ってきたのが嬉しいんだろう。 感情と表情が癒着しているかのような現れようだった。 「それにしても、頑張ったねぇ、小町。詳しいことは、まだ分かんないけどさ」 蒼太くんが、自分と同じ色の、朝の晴れやかな空を仰ぎながら言った。 「すっきりしました」 小町ちゃんも、吹っ切れたようで、笑顔でそれに応えた。 そんな表情の小町ちゃんを見て、蒼太君は何を思ったか、両手を前に差し出すポーズを取る。 「?」 「おいで」 言われるままにする小町ちゃん。 「ぎゅう」 抱きしめられた。 「っう、ぇえ!?」 腕の中で猫のようにじたばたする小町ちゃんを腕力で押さえつけて、肩をぽんぽんとたたく。 「よしよし、頑張った頑張った」 何か、愛情表現がアメリカンっていうか……。 「あー! あーあーあー、それはあたしんだ! 返せよ!」 小町ちゃんを引き剥がして自分も抱きしめようとする赤音さん。 おもちゃの取り合いか。 172: 名前:みるみる☆06/28(日) 20 30 02 171夜様 ありがとうございます! また明日からテストです……。4日間の地獄っ;; ◆ その後、蒼太君は小町ちゃんを抱っこして、「あんまり無理すると倒れちゃうよ」と言った。 そう言えば、小町ちゃんはまともに起き上がることもできなかったはずだ。 琥珀さんとの出来事ですっかり忘れていたが、相当無理をしていたようだ。 そんなことを考えながら、お姫様抱っこをしている蒼太君の背中をついていく。 しかし、お姫様抱っこって実はもの凄く腕に負担がかかってるよな……。 小町ちゃんは軽そうだけど。 それからしばらく歩いて、やっといつもの路地に着いた。 なんだか、長い間ここに帰っていなかったような気がする。 ほんの1時間前くらいには、まだここにいたはずなのに。 小町ちゃんは深く眠っていた。 そんな小町ちゃんをゆっくりと寝かせて、私は脱脂粉乳でホットミルクを作ってあげた。 目が覚めたら、飲ませてあげるつもりだ。 赤音さんは、大きなたらいを調達してきた。 「何に使うの? それ」 「へっへっへ、風呂に入ろうぜ、風呂」 そう言って自慢げに笑う赤音さん。 一瞬、どうやって使うのか分からなかった。 「つまりだな、このたらいにお湯はって女3人温泉ごっこするんだよ! うわ、あたしって超冴えてる!」 ええ……。 この浅さで、この狭さで? 175: 名前:みるみる☆07/05(日) 15 12 40 173夜様 テスト終わりました! 長らく更新してなくて申し訳ないです。テストの結果は悲惨でしたが、まあ気にしません← 174容子様 夏休みですか、良いですねー! 7月からってかなり長めですよね。アメリカとかは2ヶ月あるって聞きましたけど。 私は8月から18日間あります。何をしようかなーw 176: 名前:みるみる☆07/05(日) 15 28 11 ◆ 「このたらいは、流石にないと思う」 「たらいかぁ、洗濯物みたいだね」 蒼太君までもが、赤音さんに突っ込みを入れた。 自信とお手柄自慢に満ちあふれていた赤音さんの表情が引き攣る。 さあ、どうする。 「ふ、ふん」 強がっている。 「じゃあさ、お前等ならどうするんだよ、あん? 風呂に入りたい、だけどバスタブがない、この状況をどう打破するってぇんだい、あ?」 精一杯威張っている。 そんな様子を見ていた蒼太君は、「ふう」と仕方なさそうに溜息をついた。 「普通の思考回路なら、たらいよりも先にドラム缶を思い浮かべそうなものだけどなぁ」 「はっ、ドラム缶じゃ3人いっぺんには入れねーだろうが」 「いや、たらいでも無理だと思う」 思わず突っ込みを入れてしまった。 て言うか、本気で3人いっぺんに入ろうと思っていたのだろうか。 窮地に追い込められた赤音さんは、今度は蒼太君に詰め寄った。 「じゃあ、お前はドラム缶3つ調達できるって言うんだな? 言ったな、おい。仕方無ぇから楽しみに待っといてやんよ。ほら、さっさと行ってきな」 なんだか滅茶苦茶偉そうだった。 そこまでして風呂に入る意味って、なんだろう。 179: 名前:みるみる☆07/16(木) 22 28 40 177高坂 陽様 ありがとうございます! 最近忙しくて、私の文才のなさが露見してますね。いや、最初からですけど; すみません、もっと頑張ります! 178夜様 ありがとうございます! 本当に更新できなくてすみません……。 ◆ 今日の出来事をただ見守っていた、ある意味残酷な日の光も、世界を赤く染め上げながら沈んでいった。 壁によって四角く切り取られた空がすっかり蒼闇色になったのを見て、蒼太くんは立ち上がった。 「よし、行こうか」 その言葉を聞いて、赤音さんと私、そして寝ぼけなまこの小町ちゃんもよろよろと立ち上がった。 向かうのは、すぐ近くにある廃棄所。 だって、この路地に3つのドラム缶を運び込むのは流石に無理だから。 羽織った分厚いコートの中に、なぜか高揚した気分がぽこぽこと弾けるようだ。 このコートも、そこに着けば脱ぐことができる。 人目につかない。 夜を選んだのは、そのせいだ。 186: 名前:みるみる☆07/25(土) 16 13 10 185夜様 ありがとうございます。焦らず頑張ります^^ ◆ 着いたのはそれはそれは荒れ果てた廃棄所だった。 鉄屑、自動車、冷蔵庫、ボートまで、いろんなものが無造作に積み上げられていて、この街の雰囲気とはかけ離れていた。 「まるで世界のゴミ箱ね」 私がそう呟くと、視界の端で赤い髪が揺れた。 「うん、あれもゴミ、これもゴミ。廃棄物同士、仲良くやろうぜ」 そう言って、赤音さんは転がっていた電子レンジを乱暴に蹴った。 横に転がり、コードやら何やら、人間で言えば内臓をさらけ出した状態のそれに、とどめを刺すように赤いハイヒールが振り下ろされる。 「そんな事してないで手伝ってよ」 少し離れたところで蒼太君が呼ぶ。 ドラム缶の3つ目を立てているところだった。 力仕事はできないので、小町ちゃんと2人で石を焼いた。 正確に言うと石は焼けないので、火をおこして石を熱した。 それを、水を張ったドラム缶に投げ入れる。 じゅわじゅわと、花火をバケツに入れる時のような音がして、少しずつ水が温まっていく。 肩が疲れてきた頃になって、ようやく水はお湯に変わった。 赤音さんも満足げだ。 「お疲れ蒼太。あんたはもう帰って良いよ」 「え、僕入れないの?」 「入れるとでも思ってたの?」 うわあ……。 蒼太君におおいに同情した。 まあ、入浴するから仕方ないとも思うけど。 空には一番星が出ている。 192: 名前:みるみる☆08/02(日) 15 03 58 ◆ 青く寂しそうな背中が去っていくのを見て、私達はコートを脱いだ。 今まで外でコートを脱いだことはなかったので、何だか新鮮。 「ひゃっほう!」 赤音さんが早速ドラム缶にダイブ。 エナメル地のような赤い服は脱がなかった。 「赤音さん、服は?」 「脱ぐわけ無いだろ! みんなも入って入って!」 私は自分の服を見た。 制服なんだけどなぁ……。 プリーツとか、もう結構とれかけなのに完璧駄目になっちゃうじゃん。 そんなことを考えているうちに、小町ちゃんは赤音さんとは対照的に、非常に女性らしい動きで「とぷん」とお湯に浸かった。 「なあ、気持ちいいだろ?」 「はい、服の汚れも取れます」 ああ、そういう考えもあってのことだったのか。 もういいや、制服なんて改造しまくって原型あんまりとどめてなかったし。 ドラム缶に足をつけると、少しぬるめのお湯が私を包み込んだ。 「ぅああー……」 「うわ、碧おっさんみてー」 気分が良いのでここは言い返さなかった。 197: 名前:みるみる☆08/05(水) 13 35 06 気付かないうちに、空には満天の星が輝いていた。 あの四角く切り取られた黒い闇とは別のもののように思われた。 そう言えば、自分の住んでいる街に比べると、ここは極端に車の数が少ない。 この空気の透明度はそのせいかもしれなかった。 「お湯、見て」 赤音さんが言ったので水面を見ると、金箔を散らしたように星がゆらゆら揺れていた。 夜空に自分が包まれている錯覚に陥る。 「う、わぁ……」 「綺麗ですね」 小町ちゃんの声が震えていたので、心配になって横を見た。 水面に、ぽたぽたと涙が散っていた。 「ぎょっ」と効果音が出るほど私は驚いて、狼狽した。 どうしよう。泣いてる人の慰めかたってどうしたらいいの? 自分だったら放っておいて欲しいけど、小町ちゃんがそうとは限らないし。かといって下手に慰めても逆効果かもしれない。 それに、この涙は「お化けが怖い」とか、そんなに安いものじゃないはずだ。 結局どうすることもできずに、私はドラム缶の中で洗濯機のようにぐるぐる回った。 情けない。 「ん?どうかしたのお前、おい、小町」 ぴたり。 洗濯機、一時停止。 なに直球聞いちゃってんの赤音さん! 198: 名前:みるみる☆08/07(金) 「え、何がですか?」 小町ちゃんがとぼけてみせる。 しかし赤音さんには通じない。 「お前、泣いてる?」 「泣いてないです」 「嘘つけ、ぜってー泣いてる」 「泣いてないですってば」 「この夜空に感動したってか。あーやだやだ、この子って本当に純粋なのねぇ。ぴゅあぴゅあの真っ白しろじゃないの。おねーさんは背筋が凍るくらい感激するわよ、企画したあたしに感謝しなさい?」 なにその言葉遣い……。 しかし、指を唇に当てているだけなのに、どうしてそんなに妖艶なんだろう。 爪が赤いのが手伝っているのだろうか。 「違います。ちょっと自分が情けなくなったんです」 小町ちゃんが薄い桜色の唇を尖らせて言った。 泣いたのを間接的に認めてしまっている。 「情けない?」 その問いかけに応えるまで、いくらかかかった。 「自分の我が儘が、あのひとを駄目にしたんです」 そんなことを、小町ちゃんは今朝も言っていた。 小町ちゃんが我が儘なんて、私の我が儘に比べたら零に等しい。 私は、傲慢なお姫様気取りってところだろうか。 「信じて貰えないかもしれませんが、彼は本当はいい人なんですよ? 一途で真っ直ぐで、曲がったことが大嫌い。そんな彼にさよならも言わないで逃げたのは私です。彼は、何年も私を待っていた」 帰ってくると信じて。 他のものなど、目に入らなくて。 自分を、過去に留めたまま。 「私が帰ってきて、どうしていいか分からなかったんだと思います。彼は大事なものを大切にすることさえ分からなかったんです。自分のやっていることが正しいかどうかさえ、彼は分からなかった」 水面の星が、波紋で揺れている。 「私が逃げなかったら、事態は変わっていたかもしれない。さよならを言っていたら、彼の時間は止まらなかったかもしれない。私の体が、こんな風にならなかったら――」 磁器のような白い指が、漆黒の髪の毛をむしり取るかのように引っ張っていた。 202: 名前:みるみる☆08/12(水) 01 01 59 199夜様 もう本当に何回もありがとうございます; 早く夏休みが終わって欲しいです。夏休みの方がきついです……。 200manaka様 200おめでとうございます! 私の中で200は初めてかな? 皆さんのおかげです。冗談じゃなく。 ◆ 「気にすることないと思うよー?」 突然、この3人では絶対に出せない低い声が響いたかと思うと、小町ちゃんの肩に青い爪の指が巻き付いた。 「っ……!?」 3人とも目を見開いて、絶句した。 嘘、いつからここに? 赤音さんの服を脱がない方針がこんな事で役に立つなんて! 「あのねぇ、小町はちょっと考えすぎ。背負い込みすぎ。そんなことばっかり考えてたら、この髪全部白髪になっちゃうよ? 小町が諦めて琥珀くんと別れたとしても、あいつなら絶対未練たらたらだったと思うし、成長がないのはあいつのせいじゃん」 いきなり説教。 しかし、登場の仕方はともかく、蒼太くんは私の考えていることを見事に言葉に変換してくれた。 語彙って大事。 「あのさぁ、格好良いこと言いたいのは分かるけど、お前の登場に対する突っ込みのタイミング逃しちまったぞ。お前あっち行ってたんじゃないのか、ずっとここにいたのか、ったく、男子禁制なのに」 呆れたように赤音さんが言う。 それに対して蒼太くんは「そこはスルーで」と笑った。 小町ちゃんの涙は、びっくりした拍子に止まったようだ。 それよりも、濡れた服の上に巻き付く腕を、むずがゆそうにしていた。 207: 名前:みるみる☆08/20(木) 00 15 29 204夜様 あげありがとうございます! 読み返してみると何だか文字の羅列で、もう二度と読み返したくはない感じです← ああ、誰か文才を分けてください…… しばらく来られない間にちょっと荒れちゃったみたいですけど、気にせず行きましょう! ◆ 「っぐしゅっ!」 変なくしゃみが出た。 少し風邪気味かもしれない。 というのも、あの後、びしょびしょの服のまま路地に帰ったのだ。 赤音さんはタオルを忘れるという初歩的にして決定的なミスを犯してしまった。 気付かなかった私も悪いのだろうけど、もうちょっと考えて欲しい。 恨めしい目線を赤音さんに送ってみたが、本人は全く気付かない様子で、食料の入っている箱をまさぐっていた。 ばりばりと、プラスチックがこすれる音がする。 「あ、やべえ」 音が止むと共に、赤音さんの少し強ばった声。 「どうしたの?」 「食料がない。パンがない。何もない」 「あー。調達しようかと思ったけど、琥珀くんの家には行けなくなっちゃったからねー。どうしよっかなぁ、ん、んんん」 のんびりした口調だけど、言っていることはとても深刻だ。 そうか。 忘れていたけど、琥珀さんの家以外に、私達を受け入れてくれるお店って、あるのだろうか。 213: 名前:みるみる☆08/26(水) 23 48 51 思い立ったらすぐ行動。 但しやる気がある時のみ。 「そんな私、結構好き」 がば、と隣の赤音さんと小町ちゃんを起こさないように、それでも素早く起き上がった私は、朝の冷たい空気に自賛の言葉を浮かべた。 昨日寝る時から、赤音さんの言っていたことが気になって仕方がなかったのだ。 パンがなければケーキを食べればいいのに。 そんないつぞやのお姫様が言ったことを頭に思い浮かべ、世界は本当に不公平だと思った。 「赤音さん、私行ってくるね」 と、髪を手ぐしで解きながらコートに手を掛けた。 自分も、この人達の為に何かしてあげたい。 赤音さんみたいに大人じゃないし、小町ちゃんのように賢くもないし、蒼太君みたいに力があるわけでもない。 それでも、私ができることならなんだってやる。 「職を探して、三千里」 自分で言って、少しだけ笑った。 216: 名前:みるみる☆08/31(月) 20 21 35 214夜様 まとめますね。何度もあげありがとうございます! ◆ 朝の街というのは、静かなのにそわそわしていて、自然と自分も早歩きをしてしまう。 夜の間に星空に冷やされた空気は頬をぴんと張らせる。 そんな私を悠然と眺めるように、朝焼けはレンガ道を照らすのだ。 「さて」 頭の中に何となく詩的な言葉を連ねたが、そう長く現実逃避してはいられない。 なにせ、こちとら4人の胃袋がかかっているのだから。 有色人種。続き6
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301: 名前:乃愛☆07/30(金) 14 19 24 でぃあ*留奈 さっそく、留奈って呼ばせて頂きました♡ 啓斗に惚れちゃったんですか-? 啓「 さんきゅ、留奈! お前みたいな可愛い子に惚れられるのは、嬉しいぜ!! 」 …だそうですv 勿論、仲良くしましょうね(+● 艸`*bq)⌒+Pq*§ でぃあ*少数さま 質問ですか?喜んで、答えさせて頂きます♡ Q1*千葉県です♡ Q2*14歳の中2ですよッ♡ Q3*女の仔です♡ Q4*ん-...6くらいでしょうか?v Q5*蟹座ですv´ω`v (←蟹のつもりv) Q6*1996年7月13日生まれです♡ でぃあ*まやさま あげ、有難う御座いますッ♡ ♡♥皆様へ♥♡ な、何と…300まで行っちゃいましたぁ!Σ 自分に吃驚なんですけど…((笑´ω`ヶラ ここまでこれたのも、皆様のお陰だと思っています。 これからも、「 俺だけのプリンセス 」をお願いします♡ ---------------------------------------------------- 啓斗Side 風呂から上がり、ふらふらとなった結夏を持ち上げて 自室へと俺は戻る。 結夏は、頬を赤く染めて 人形のように黙って俺に抱かれていた。 ―バタンッ。 部屋に入り、ベットに結夏をおろす。 …と言うより、寝かせた。 「 啓斗くん…? んんっ…! 」 首を傾げて、寝ている結夏にキスをする。 閉じている唇を舌で開こうとする。 「 やめっ…んっ! 」 一瞬の隙を狙い、俺は結夏の口の中に舌を入れる。 最初は抵抗していた、結夏だが、次第に力が緩まっていく。 「 んふぅ……ん……っ 」 潤んだ大きな瞳。 さらさらの綺麗な髪。 透けるように白い肌。 潤っているピンク色の唇。 無駄のない綺麗な体。 全部、全部… 俺のものにしたい。 「 んぁ……んっ… 」 ベットの上で全裸の結夏。 こいつは自分の姿を分かっているのだろうか。 俺は、結夏の体を優しく撫で回しながら 濃厚なキスをした。 「 んぅ!…はぁ……はぁ… 」 唇を離すと、2人の間には銀色の愛し合った糸。 結夏は、目をとろん…とさせて肩で息をしている。 「 はぅん! 」 俺は黙っている結夏の乳首をいじりながら、 また、ぬるぬるとしてきた、あそこに指を沈めた。 「 にゃあっ…やらぁっ! 」 猫のような喘ぎ声を出しつつも、 結夏は俺の手を掴み、阻止しようとした。 だが、結夏の中に入った指を動かしているのは結夏だった。 自分で、腰をくいっ…と動かしている。 「 淫乱な女の子だな… 」 俺はくす、と不敵な笑みを浮べた。 そして、露になっていた自分のものを結夏に近づけた。 「 ~~っ! 駄目っ! 」 結夏は、ガバッと体を起して ベットの角に向かって、逃げるように後退りした。 「 な、んで……? 」 そう俺が問いかけると、結夏は頬を赤く染めた。 「 その…、何回もえっちしてたら、 えっちの大切さが分からなくなっちゃう… 」 結夏は、シーツで自分の顔を隠しながら呟いた。 俺は、ふう…と溜息をついて、再び結夏を押し倒した。 「 啓斗くっ…!? 」 「 分かってるって 」 俺はそう言って、結夏の口を塞ぐように 触れるだけのキスをした。 302: 名前:乃愛☆07/30(金) 14 39 36 結夏Side 「 要するに、結夏の中に… 俺のもんを入れなければいいってことだろう? 」 あたしは、こくこく…と小さく頷いた。 すると、啓斗くんの顔が一気に悪魔に変わった。 「 だったら…、結夏だけを苛めるのは有りだろ? 」 そう言って、啓斗くんは あたしのあそこに顔を埋めた。 「 なぁっ…!? 」 あたしの抵抗も虚しく、 啓斗くんは、あたしのあそこをぐいっ…と広げた。 「 俺と何回もヤッてるのに、 何でこんなに綺麗なんだ…? 」 「 やっ…! 」 そんなに、広げて見ないでっ…! …って言うか、そんなところで喋らないでよぉ。 ―つんっ。 「 やあっ! 」 いきなり、全身に電流が走ったような感覚があたしを襲う。 啓斗くんは、あたしのクリを舌で刺激していた。 「 ちょっと触れただけなのに、もう愛液出てる… 」 啓斗くんは、あたしの愛液を確認すると 中にまで舌を進入させた。 「 あぁんっ!…んっ、はぁ…!…やめっ…! 」 イきそうっ…! ―ピタ。 「 え…? 」 一気に啓斗くんの行為が止まった。 啓斗くんはにっこりと微笑み、 「 “止めて”って言うから、止めたんだけど 」 …と言った。 あそこが…もぞもぞする……。 イきたいっ…。 でも、言うのは恥ずかしいよぉ。 「 “イかせて下さい、啓斗様っ”って言ってみ? 」 「 ほえ…? 」 啓斗くんの発言に、自分の耳を疑う。 い…“イかせて下さい、啓斗様っ”!? 「 言えよ 」 あたしは首を左右に何度も振る。 「 イきたくねえの? 」 あたしの割れ目をつつー…となぞった啓斗くん。 「 ひゃあっ…! 」 「 ここ、ぴくぴくしてるけど? 」 あたしのあそこを指差して、くすくすと笑う啓斗くんは 本当に悪魔のように見える。 「 イ…かせて、下さい…… 」 「 聞こえなぁい 」 は、恥ずかしいよぉ……。 「 イかせて下さい、啓斗様っ! 」 あたしは両目をぎゅ、と瞑り 手に力を込めて言った。 「 了解 」 啓斗くんは、舌をぺろ…と出して、 また悪魔のような笑みを浮かべた。 「 ひゃあぅんっ!…あっ、んはぁっ! 」 啓斗くんは、人差し指と中指をあたしの中に入れて、 親指で、あたしのクリを刺激した。 「 いやらしい…いや、エロい顔だなぁ… 」 そう呟いた啓斗くんは、 手の動きを早めた。 「 ひゃああぁああ! 」 ビクンッ、と体を大きく揺らして あたしは絶頂に達した。 305: 名前:乃愛☆08/01(日) 14 50 04 でぃあ*大阪っ娘。さま キュン02してくれて、嬉しいですっ♡ 最高じゃないっすよ-(ノ)ω*)$!、 あげ、有難う御座います-+(●0ω0*)ノ でぃあ*留奈 タメ語で話すねω. 駄目-、啓斗は結夏のもの-♥ ドSでドエロな男を求める、留奈はドMだねえv 啓「 俺が欲しいの? クス...、素直な奴は好きだぜ 」 はい、調子に乗るな変態野郎((殴、 啓「 ...ってえ! 留奈と乃愛は大違いだな! 」 ええ、大違いですとも。 留奈は乃愛と違って可愛いですからね-ω. タメOKだょbb* うん、またコメしてね? ---------------------------------------------------- 啓斗Side 「 はぁ……っ…はぁ… 」 俺のベットのシーツを掴み、 肩で息をする結夏。 俺は、結夏にそっと手をのばす。 「 やっ…! 」 結夏は、俺の手から逃げるように 上半身を起して、後ろに下がった。 「 結…「 も、もう無理だからねっ! 」 ―へ…? 無理って何がだ? 「 何のこ…「 もう、疲れたのっ! 」 ああ…、 何だ、そんなことかよ。 「 アレだけで、もう疲れたの? 」 「 んえ? 」 俺の言葉を頭の中で繰り返すようにして、 何かをブツブツと呟いた結夏。 そして、目を見開くと 何かが思いついたような顔をした。 「 け、啓斗くんは他の女の人と もっと激しいことを…!? 」 顔を青く染めて、頬に両手を添えた結夏。 「 馬鹿 」 俺はそう言うと、結夏の頭を自分に引き寄せた。 そして、ピンク色の綺麗な唇に触れた―…。 「 俺が好きなのは、お前だけだし 」 結夏の唇を親指でなぞりながら、 俺は少し下を見てそう言った。 「 っ…うん… 」 結夏は、顔を赤く染めて頷き、 俺の手を離して、自分の唇を俺に押し当ててきた。 「 … 」 一瞬、戸惑った。 結夏が自ら、キスしてくるなんて。 「 …んんっ! 」 結夏の頭をグイッ、と自分の方に押し 口をこじ開けて、舌を絡める俺。 「 ん……ふ…んぁ…… 」 時々、とろん…とした瞳で俺を見る。 その顔が愛らしくて、俺は何度も唇を重ねた。 「 ふ……んぅ…んっ…… 」 結夏の唇は、いつキスしても潤っている。 俺は、結夏の小さく漏らす声に酔いながら、行為を続けた。 「 んっ……啓っ…とぉ……… 」 その声に、俺は思わず口を離した。 「 …? 」 結夏は首を傾げて、自分の唇に触れている。 まるで、自分は何も知らないかのように―…。 「 今…、“啓斗”て呼び捨てだったよな? 」 「 えっ!? 」 どんどん赤く染まっていく結夏の顔。 「 言った、…よな? 」 俺は結夏の露になっていた、 乳首を指で優しく転がしながら、そう問いかけた。 「 …んはぁ!い…言いました 」 やべっ…、すっげえ嬉しい。 308: 名前:乃愛☆08/03(火) 19 09 18 でぃあ*縷々さま 結「 えっ...、あ...あれはその... 思わず言ってしまったものでっ.../// 」 アゲてくれて有難う御座いますッ☮*/. これから更新していきますね(%+ `艸*◆)⌒゚ ---------------------------------------------------- 結夏Side 今の啓斗くんの顔―… 子犬みたいで可愛いっ。 呼び捨てで呼んじゃったのは、 たまたまだけど……。 啓斗くんがこんなに喜ぶんだったら、 これからも呼び捨ての方がいいのかな? 「 駄目 」 「 えっ…!? 」 あたしの心を読むように、タイミング良く発言した啓斗くん。 だ、駄目なの……? …って言うか、何であたしの心の考えが分かったの? 不安そうな顔をした結夏を そっと両手で包み込む啓斗。 「 ふぁ… 」 思わず、あたしは気の緩んだような声を出した。 「 俺と2人きりのときだけな… 」 耳元でそう囁く啓斗くん。 耳元で話されると、そこに神経が集中する…。 「 え…? 」 あたしは、目をとろん…とさせながら 小さく首を傾げて問いかけた。 「 俺と2人でいるときだけ、 “啓斗”って呼び捨てにして…? 」 ―どきんっ。 少し寂しそうで、心細そうな声に 何故かあたしはどきっ…とした。 「 うん…、啓斗…… 」 あたしは小さく啓斗くんの名前を呼ぶと、 彼の顎にちゅっ…と音を立ててキスをした。 ― 「 体、辛くないか? 」 「 う…ん、大丈夫 」 着替えをしていると、啓斗くんは あたしを覗き込むように声をかけてきた。 啓斗くんを心配させたくなくて、 あたしはへらっ、と笑う。 本当は、ちょっと……体が重い。 でも、これは…愛された証だよね? 《 プルルルッ…プルル… 》 下の方から、***がする。 309: 名前:乃愛☆08/03(火) 19 09 36 「 ちょ、行ってくるわ 」 啓斗くんはそう言うと、 バタバタ…と足音を立てて階段を降りていった。 ―ふう。 思わず、深い溜息が出る。 何か……、今までより啓斗くんが近くなった気がする。 “啓斗”―…。 呼び捨てにするだけで、 こんなに距離が縮まるものなのかな? 「 はぁ!? 」 下の方から、啓斗くんの驚きの声が聞こえる。 一体、相手は誰なんだろう…? 開いている扉から、顔だけをひょっこりと出し あたしは啓斗くんのいる下の方を見た。 「 か、母さん本気かよ! 」 母さん…? あ、お母様…。 お仕事場から***かな? 「 あー、分かったよ!じゃあな! 」 そう言って、受話器を乱暴に戻す啓斗くん。 階段を上がってくる音。 あたしは慌てて、扉を閉めてベットの上に座った。 「 だ、誰っ? 」 何事も知らなかったように、 あたしは髪をいじりながら、問いかけた。 「 ……母さん 」 「 お、お母様かぁ! いっ…一体どうしたの? 」 むすっ、とした表情の啓斗くんに 内心ビビりながら、啓斗くんにあたしは近づいた。 「 んー…、残業だから 仕事場の友達の家に泊まるって 」 「 ええっ!? 」 啓斗くんはあたしを抱き上げて 胡坐をした間に座らせた。 「 ……なぁ、お前…泊まるか? 」 「 へっ!? 」 突然の言葉に驚き、 あたしは勢いよく振り返る。 お姉ちゃんの言ってることが的中している―…。 「 え、えっと…… 」 言葉に詰まるあたしを包み込む手に ぎゅっ…と力を込める啓斗くん。 「 俺は……… 」 ―ぴくんっ。 あたしの弱い、啓斗くんの囁き。 一気に顔が赤く、熱くなっているのが分かるよ。 「 結夏と…一晩、過ごしたい……な 」 313: 名前:乃愛☆08/05(木) 10 32 54 啓斗Side 「 あ……たし…も、一緒にいたい…… 」 俺の首に透き通るような白く細長い腕を 絡めて、耳元で囁いてきた結夏。 やば……、理性が………。 「 勿論、結夏に触って良いんだよな? 」 俺は、結夏の耳をぺろっ…と舐めて問いかけた。 みるみるうちに結夏の顔や耳は赤くなる。 おー、すっげえ反応…。 まぁ、結夏のことだから否定するだろうな。 「 い…いいよ? 」 自分の耳を疑うよな結夏の答え。 い、今…“いいよ”っつったのか? 一体どうしたんだ…? どっちにしても、俺にとっては好都合だけどな。 「 結夏…… 」 俺は、結夏の頬にキスをしながら、 シャツの中に手を忍ばせた―…。 「 あっ… 」 俺の人差し指が、結夏の突起物に触れた途端。 結夏の体は大きく反応した。 「 もう、かたいな… 結夏はえっちな女の子だな 」 少し触れただけなのに、結夏の乳首は ぴん…と突起している。 「 やぁ……、言わないっ…んっ……で… 」 俺は、結夏の背中にまわり後ろから 乳首を指で転がすように遊びながら、 結夏のあそこへと手をのばした。 ショートパンツの中に手を忍ばせて、 下着の上から探るように割れ目をなぞる。 「 ひゃうっ!…んぅ……あっ…! 」 やがて、下着越しでも分かるくらい濡れてきた 結夏のあそこは、触る度に水音がした。 「 最近、俺が触る度に 結夏のここ……濡れるようになったよな 」 そう言いながら、俺は結夏のショートパンツと 下着を優しく脱がせた。 結夏は俺にもたれながら、可愛らしい喘ぎ声を出す。 その姿が何とも言えないが、愛らしかった。 「 そんなことなっ…あぁん…! 」 否定をする結夏を遮るように、俺は 結夏の中に中指をゆっくりと入れた。 ぬぷ…、と音を立てて 俺の指は吸い込まれるように楽に入った。 「 はぅん……、恥ずかしい… 」 右手の中指で結夏の中を探るように掻き混ぜながら 左手で結夏の乳首を弄ぶ。 「 やらっ…!あっ…掻き混ぜちゃっ…! 変になっちゃうよぉっ…あんっ! 」 俺の服の裾を皺になるくらい、ぎゅ…と掴み 体を反らしている結夏。 「 変に?…なれよ、可笑しくなれよ 」 俺は、結夏の中に入れていた指をぎりぎりまで 抜くと、一気に奥に入れた。 そして、乳首を中指と人差し指で挟み、弄ぶ。 「 ひゃあぁああっ! 」 体を弓のように反らした、結夏は 色っぽい顔をして、絶頂に達した。 俺は、この瞬間の結夏にいつも欲情している。 315: 名前:乃愛☆08/05(木) 19 04 02 でぃあ*沙理さま 更新しちゃいました♫*/. 今からまた、更新しますよぉ! ---------------------------------------------------- 結夏Side 啓斗くんが、いつもよりえっち……。 愛されてる証拠っていうのは、分かるけど… あたしの体、持つかなぁ…? 「 あ…、結夏 」 「 ん…? 」 後ろからあたしの中にまだ指を入れながら 啓斗くんは耳元であたしの名前を囁いた。 「 家に…***しなくていいのか? 」 あっ…、ヤバい! すっかり忘れてた…。 「 する!***…借りてもいい? 」 「 いいよ、親には何て言うの? 」 首を傾げて、少し心配そうな顔をしている啓斗くん。 やっぱり、そうゆうのは啓斗くんでも心配になるよね? 「 お姉ちゃんが、出てくれるから… 」 すると、啓斗くんの顔はふっ…と緩む。 やっぱり…、変に緊張させちゃった。 「 じゃあ、行って来るね 」 あたしがそう言うと、啓斗くんは にこ…と微笑み、手を振ってきた。 ―ぱたん。 扉を閉じて、あたしは自分の姿に気づく。 あ…、あたし…全裸だっ…! ど、どうしよう…。 でも、***は姿が見えるわけでもないし。 大丈夫だよね、お母様も来ないし…。 あたしは、溜息をつきながら 受話器に手をかけた。 えーっと…、***番号は…… 《 プルルル…プルルッ…はい、今村です 》 お姉ちゃんの声。 約束通り出てくれたんだぁ…。 「 お、お姉ちゃん?結夏だけど… 」 《 ああ、結夏。やっぱり、お泊り? 》 受話器の奥から聞こえる、鼻で笑ったような声。 うう…、お姉ちゃんにはお見通しだぁ。 「 う、うん…お母さんには…… 」 《 上手く言っておくよ 》 あたしが言葉に詰まると、お姉ちゃんは 優しい声でそう言ってくれた。 “有難う”―… あたしは、***越しにお姉ちゃんに囁くように言うと 受話器を元に戻し、啓斗くんの部屋へと戻った。 ―かちゃ…。 「 大丈夫だったか? 」 扉を開く音で、啓斗くんはあたしの方を向く。 あたしは、何も言わずににっこりと微笑む。 「 じゃあ、するか 」 そう言って、啓斗くんはベットにあたしを押し倒した。 そして、あたしの足を大きく広げて、舐めるようにまじまじと見つめた。 「 綺麗……だな 」 そうぽつり…と呟いた啓斗くんの言葉に あたしのあそこはぴくっ…と反応した。 ぬぷ…、と音を立てて、 あたしの中に2本の指が入った。 「 ひゃあっ!…ん…はぅん… 」 奥まで入った、啓斗くんの指。 2本も簡単に飲み込んじゃうなんて… あたし、えっちなんだ……。 色々と考えていると、 あたしの中に入った2本の啓斗くんの指が ばらばらに動き始めた。 「 ひゃあぁん!…あっ、んふぅっ…! 」 声を我慢するように、あたしは下唇を噛み締めた。 あたしのえっちな声…、恥ずかしいから聞かせたくないっ。 すると、啓斗くんの指があたしの唇に近づいた。 「 駄目…、可愛い声……もっと聞かせて? 」 ―きゅんっ。 その言葉にあたしの恥じらいは無くなり、 同時にあたしのあそこがきゅっ…と引き締まった。 「 あぁああっ!イッちゃ…イッちゃうぅ! 」 ―ぴた。 啓斗くんの指の動きが、ぴたりと止まる。 思わず、あたしは目を丸くした。 な、んで……止めちゃうの? 「 まだ、イッちゃ駄目。 イクのは、俺のものにしない? 」 318: 名前:乃愛☆08/06(金) 09 51 00 でぃあ*沙理さま 啓「 沙理さんみたいに 可愛い子に言われるのは嬉しいです 」 乃愛は天才じゃないですよ!?Σ 何方かと間違ってると思いますぅ((笑 でぃあ*ありささま お久し振りです(ノ)ω*)$!、 啓「 有難う、ありささんは可愛いですよ。 ありささんが、Mだなんて嬉しいな 」 あ-、ありささんがMとか言うから 啓斗のドSスイッチが少し入っちゃったじゃないですかぁv ---------------------------------------------------- 啓斗Side 口元に手を当てて、潤んだ瞳で俺を見つめながら 結夏は少し照れ気味に小さく頷いた。 俺は、結夏の了承を得てから 自分のものをゆっくりと挿入した。 「 ああぁああ… 」 結夏の中に俺のものがゆっくりと……入っていく。 奥に入れば入る程、結夏の声は大きくなり、 体は弓のように反っていく。 「 大きいよぉ……啓斗くんの… 」 俺のものがすべて、結夏の中に包み込まれたとき 結夏は頬を真っ赤にさせながら呟いた。 「 啓斗って呼べよ 」 俺は少し、頬を膨らませながら 結夏の中に入れた自分のものをぎりぎりまで抜いた。 「 はぅ………、け…啓斗…… 」 小さく声を漏らしてから、息を整えて 小声で俺の名前を囁いた結夏。 俺は、それを聞いてから自分のものを 結夏の奥に向かって、一気に突いた。 「 ひゃあぁんっ! 」 俺のものが、結夏の子宮まで一気にたどり着いた。 先が、こつん…と何かとぶつかる振動。 結夏は、自分のお腹辺りに手を置き 可愛らしい喘ぎ声を出した。 俺は、満足気な顔をすると 腰を激しく動かし始めた。 「 あっ、あっ…!んはぁっ…あんっ! 」 俺が腰を動かす度、結夏の大きく綺麗な胸が ゆさゆさ…と揺れる。 俺は、腰を動かしながら、 結夏の乳首を指で弄んだ。 「 らめぇっ…!両方はぁ…あんっ、あっ! 」 途端に反応した結夏の体。 どうやら、結夏は両方攻めが弱いらしい。 神経を中の方に集中すると、不意打ちをかけるように 乳首が弄ばれる。 逆のことを考えると、また…攻められる。 「 あっ、やぁ!イッちゃ…、イッちゃうよぉ! 」 今にもイキそうな、艶やかで色っぽい顔をした結夏。 眉間に皺を寄せて苦しい顔をしている表情が何とも言えない。 「 早いな…、やっぱり結夏はえろいなぁ! 」 言葉を言い終わると同時に俺は、 腰の動きを更に早めて、結夏の顔を見つめた。 「 あぁんっ!あっ、駄目っ…イクッ!イ、イッちゃあぁあああっ! 」 仕舞いには、自分でくりをきゅうっ…と摘み 中をきゅっ…と引き締めて、絶頂に達した結夏。 とうとう、自分の手も使うようになったのか…。 結夏の中が、きゅっ…と引き締まったことによって 俺は、ぎりぎりまで抜くことが出来ずに 慌てて、自分のものを無理やり外に出した。 「 俺だけのプリンセス 」 続き17
https://w.atwiki.jp/pikopedia/pages/22.html
提供:pon(OMANKO/6GA)、HOYA クンコ(????年?月?日-)はピコ森、またチャット界のスーパースターである。 カリスマ性があり、その強烈な個性から敵対勢力も少なくない。 かねてから、ピコ森内の未成年者にふさわしくない コンテンツに対して適切な処置を取るように管理人に強烈な 抗議行動を起こしており、また、ピコ森内でクンコスペシャルと呼ばれる独自の スクリプトを使用した警告活動などを行っていたが、 これに手を焼いた管理人はクンコのアクセス制限などでは対処しきれず、 なんとクンコの名前そのものをNGワードにしてしまった。 (全角文字でカタカナのクンコは禁止ワードに設定されている) 個人の名前そのものがNGワードに設定されるなどは前代未聞 の出来事であり、これこそがまたクンコの偉大さを象徴する 出来事であったと言えるだろう。 過去に住人を脅迫し、通報されたが通報された側は何の対処もしなかった。 いや、出来なかったのだろう。 クンコという人物がどういう者だか分っていたから──… その他 人並み以上にエロイ側面も持ち合わせており、エロイ投稿も数多く 見受けられるが、エロこそがクンコのパワーの 源泉であるという見方もできるであろう。 またクンコ独自の掲示板の設立、クンコ独自の用語もある。 第1子誕生を掲示板で暴露したことがあるが定かではない。
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/38.html
217: 名前:みるみる☆09/01(火) 00 47 31 気合いを入れるだけじゃ、何も起こらない。 具体的な行動を起こさなければならない。 私はお世辞にも性能が良いとは言えない脳をフルに稼働させる。 体力を使う仕事なら、多分やれる。 人が嫌がるような、臭くて汚いような仕事だってやれる。 但し、この髪。 『colored』を受け入れてくれる人が、いったいどのくらいいるのだろう。 「雇ってくれるかなぁ……」 はりきって家を出たものの、見切り発車だったようだ。 接客業は絶対に駄目だ。コートなんて着ていられないし、自分の素性がばれるに決まっている。 なるべく人目につかない職業、それでいて資格が要らないもの。 悶々と考え込んでいると、目の前をえらくレトロな自転車に乗った少年が横切った。 慌ててそれをかわすと、少年はそれを気にも留めない風で、家々の郵便受けに紙の束をつっこみながら走り去っていった。 「新聞配達!」 文句を言おうとした口が、ひらめきによって笑顔の形を作った。 そうだ、なんですぐに思いつかなかった! 224: 名前:みるみる☆09/07(月) 23 58 59 223高坂陽様 いつの間にこんな事に……。救ってくださってありがとうございます; ◆ 自転車の少年を、フードが脱げないようにしっかりと握りしめて全力で追いかけた。 「待ってよー!」 少年は聞いているのかいないのか、こちらには振り返らずにペダルをこぎ続けている。 自転車の後ろに付いている籠には、まだ朝刊が2,3部入っていた。 「もー! 話、聞きなさいよ! 少年よっ、先輩を、敬えっ!」 叫ぶと息が切れる。 最後の朝刊をすとんと郵便受けに入れたところで、少年は自転車を止めた。 「何?」 無愛想な声だった。 「何よ、聞こえてたんじゃない」 ぜえぜえと息を切らしながら、必死で言葉を紡ぐ。 コートを着ているせいか、随分と体が重かった。 「仕事、探してるのよ」 「あっそ。でも新聞配達とか人手は足りてるから、要らないっす」 「いや、そこを何とか」 「嫌だ、これ以上給料減ったらどうするんだよ」 そこで少年はハンドルを切り、自転車を発進させた。 あ、と声を漏らしたが、追いかける気にはなれなかった。 そんな余力はどこにもない。 230: 名前:みるみる☆09/16(水) 23 56 26 225伊月葵様 おお、これはもしや一般の方にもコメントを下さった方では! まちがっていたらごめんなさい。 更新がなかなかできなくて困っています。 陸上をやってるので、家に帰ったら課題やってくたばるだけなんですよね← 226夜様 ありがとうございます! 名前は…ちょっと洒落た名前にしたいと思いつつ、面倒くさいのでこのままにしていますw 229犀様 漢字、これで合ってますか? 自信ないです…。 嬉しすぎでハナヂが(え 最高って、高いがMAXってことですよね← そんな言葉は華やかすぎて貰えませんw そうなんです、地毛は確か… ◆ 「…… ああ、もう」 歩道と車道の間、ちょうど段差になっているところに、私はどすんと腰を下ろした。 衝撃が直に響いて、虚しく痛むお尻が情けない。 早朝だから車はあまり通らない。 地面がレンガ敷きなので、コートさえなければお洒落な風景になっただろう。 「どうしよう」 とうとうというか、早速行き詰まってしまった。 無意識のうちに、自分の頭は新聞配達をしようと決め込んでいたらしい。 だから、この先のことは何も考えていない。 困ったなあ。 いっそ盗みを―― 否、否。そんなことは断じて許されない。 段々、自分がいつかの現代文で習った羅生門の下で雨止みを待つ下人のように思われてきた。 目線をこのあたりで一番高い建物、少し遠くにある時計台に移した。 あの上には死体がたくさん転がっていて、老婆が死人髪の毛を抜いているんだろうか。 「そりゃないわ」 だってここはこんなにお洒落で豊かで幸せな街だもの。 236: 名前:みるみる☆09/27(日) 12 25 52 ◆ 段々と日差しが明るくなってきて、、通りも賑やかになってきた。 世界が目覚めて、動き出すのを緑色の瞳に映して、私は何度目かの溜息をついた。 座るというのも長時間になると疲れるものだ。 もうお尻が痺れたように痛い。 「あぁ、もう!」 両手を広げ、ばたぁん、と大きな音を響かせて、自分の背中を地面に激突させてみる。 割と痛かった。 「いったー!」 通りを歩いていた何人かがこちらを見下ろしてきたが、すぐに視線を他へ移して歩いていった。 その背中を思いっきり睨み付けて、それから正面を向いた。 目の前に大きな空が広がる。 ああもう、何やってるんだろう、私。 「仕事くださぁーい!」 大声に、何人かがびくっと方を振るわせた。 構わない。 自棄になっているのが、自分でも分かる。 この苛々を、声にして吐きだしているだけだ。 「何でもしますからぁー! トイレだって掃除しますからー! おむつだって替えますからぁ!」 寝たまま叫ぶのも相当疲れる。 はぁはぁ息を切らしていると、耳元でかつんと足音が響いた。 「きみ、仕事探してるの?」 若い男の声だった。 人を雇うような年齢の声ではない。 雇えない癖に、声を掛けないでよ。 「そうですよー?」 私が腹立だしげにそう答えると、男の笑ったような呼吸音が聞こえた。 何がそんなにおかしい。 「なんですか。雇ってくれないなら、構わないでくださいよ」 「雇わないなんて言ってないじゃないか。君を雇ってあげるよ」 「え、ほんと!?」 その言葉に、私は跳ね起きた。 ああ、この言葉を待っていた! でも、起き上がった拍子に、フードが半分、取れかかった。 前髪が露出する形になる。 「う、わ」 慌てて両手でフードを引っ張る。 体中から一斉に冷や汗が出る。 まずい。 ばれた……? ちらりとその男の方を見ると、男はまだ笑っていた。 「うん、好都合だ」 240: 名前:みるみる☆10/02(金) 14 50 54 ◆ からん、と氷が溶けてグラスが音を立てた。 その氷で少し薄くなったであろうアイスコーヒーを飲むべきか迷いながら、私を朝っぱらから喫茶店に連れてきた目の前にいる男に目をやった。 やはり茶色い瞳をした男である。 お洒落なのか何なのか、黒いハットを被っていて、部屋の中でも脱がない。 指輪のような形のピアスが左耳に付いていて、朝の光を反射している。 軽そうな男だ、と思った。 怪しむ私の視線を感じ取ったのか、男は口角を上げた。 「そんなにじろじろ見ないでくれない? 俺、そんなに怪しい奴じゃないから」 「……雇ってくれることには感謝します。でも、私未成年だし、夜のお仕事とかはちょっと……」 「きみさ、」 私の言葉を完全にスルーして、男は話す。 「『colored』だよね? さっき見ちゃった」 さっと全身に緊張が走る。 やっぱり、ばれていた。 いまにでも、ここを抜け出したい気持ちになる。 幸い、早朝の喫茶店、他に客はいない。 従業員は厨房にいるようで、今の話は聞かれていなかったようだ。 「今、逃げようとか考えてた?」 「っ……」 「大丈夫だって。俺はそんなに古い考え持ってないから、そんな酷い目に遭わせたりしないって」 ああそうだ、仕事の話になるけど、と男は指を顎に当てて話し出す。 「日給制ね。働きたくなったらここに来ればいい。俺多分ここにいるし。そんで、俺に指定されたところに派遣される。やれっていわれたことをこなす。仕事はそれだけ。OK?」 「……はい」 なんだか、随分適当な感じだった。 派遣社員、か。 さすがに安定は望めそうにもないけど。 でも、私がお金を集めて、みんなのお腹をいっぱいにするんだ。 そんな使命感に燃えた。 242: 名前:みるみる☆10/04(日) 14 18 24 241蓉子様 あげありがとうございます! テスト期間中なのに何やってるんだろう私 ← ◆ 「んじゃあ、今日は取り敢えず電車に乗ってここまで行ってくれる?」 そう言って男はポケットの中から携帯電話を取りだした。 多分この世界に来て初めて携帯電話を見ると思うが、その画面に片仮名の地名が表示されていた。 「駅はその辺にあると思うから、最初に来る電車ね。始発になると思うけど」 始発って、そんなに遅いんだろうか。 のんびりした街だこと。 終わったらここに戻ってくることを約束して、切符代と、依頼主に分かりやすいようにとペンダントを貰った。 「それ、ずっとつけておいてね。目印だから」 男がウインクしたが、それを無視するように「いってきます」と言って、結局アイスコーヒーには手をつけずに店を出た。 外はすっかり明るくなって、通りにいる人の数も増えていた。 幸いなことに、少し辺りを見渡すと駅らしい物が見えた。 人が次々と入口へ吸い込まれていく。 「よっし、頑張っちゃうもん!」 フードが脱げないように右手で押さえてから、私は駅へと走っていった。 246: 名前:みるみる☆10/18(日) 13 50 10 243夜様 張り切ってますねw 私も張り切らねば! 244棗様 ありがとうございました。本当にこれでいいのか迷っていたので助かりました! 245ruki様 ありがとうございます。すみません;時間がなくて更新停滞中です……。 ◆ 駅の構内は、人いきれでむっとした。 きっとこれからそれぞれの仕事場所へ向かうのだろう。 そして、私も自分の仕事のためにこの駅にいる。 ここでは誰も自分の正体に気付かない。 自分のことで精一杯、あるいは大勢の中の一人には目がいかないのだろう。 『孤独な群衆』――そんな、またも社会の授業で習った知識を引っ張り出しながら、構内の券売所で切符を買った。 どうやら通勤ラッシュのようなので、列車の発着時間など調べる必要もなさそうだった。 ただ、人の波に乗って列車に乗ればいい。 方向さえ間違えなければ、きちんと目的地に着くはずだ。 ベルが構内に鳴り響いて、黒い車体がレールを軋ませながらやってくる。 ドアが開き、列車からたくさんの人がはき出されるように出てきて、私は人に揉まれながら狭い車内へと入った。 女性客が少ないのが少しだけ不安だった。 私の後にもたくさんの人が列車に乗り込み、あっという間に私は車両の隅へ押し流された。 「っ苦し……」 ぎゅうぎゅうと押しくらまんじゅうされているように周りの客と密着して、ともすると足が浮いてしまうんじゃないかと思うほどだ。 隣の人の息が耳にかかる。 はっきり言って不快だ。 列車が重たそうな体をゆっくりと前進させ始めた。 251: 名前:みるみる☆11/26(木) 00 07 33 247奈央様 わわわ…更新遅くなって申し訳ないです(スライディング土下座 本当に放置としか思えないですよね、すみません。 最近1日を乗り切るので精一杯で、なかなか書く時間が見つかりません……。 248みお様 ありがとうございます! て言うか褒めすぎです; お待たせして申し訳ないです。これからもこんな感じの更新になると思いますが、たまに上がってるのを見つけたら生暖かいくらいの目で見守ってくだされば幸いです←日本語おかしいですね; 249夜様 本当に何回も上げてくださってるのにお待たせして申し訳ないです。情けない(号泣 時間を見つけて更新したいです! 250とーよ様 下がりまくったスレを見つけてくださって感謝感謝です! 一ヶ月も更新してませんでした……。 もう、私の馬鹿っ(びんた ◆ 慣性の法則に従って、中の乗客がぐっと体を傾かせる。 「ぐえ」 車両の端にいる私は、隣の客と壁でサンドウィッチにされてしまった。 もう、隣の身長の高いこの客(多分男だろう)とは半身がぴったり密着していて、だけど逃れるスペースはなかった。 女の人だったら、こんなに嫌じゃないのに。 この男の人が悪いわけではないのに、わざとしかめっ面をした。 そんなときだった。 ちゃり、と軽く金属音がして、首にかけていたネックレスが動いた。 私が動いたからではない。 電車が揺れたわけではない。 その、まさに私に密着している男が、鎖を握っていた。 どうしたんですか、と言おうとしたが、その前に男が呟いた。 「君で、あってるよね?」 列車の走行音に紛れそうなくらい小さく、そしてじっとりとくらい響きの声だった。 253: 名前:みるみる☆12/02(水) 15 13 57 252容子様 気付いてくださってなんて……!おぅ(卒倒 あげありがとうございます! ◆ 「えっ……」 嫌に煙草臭いその囁きに、私は何と言っていいかわからなかった。 もしかして、自分の雇い主だろうか。 そうだとしたら、なぜこの人も同じ列車に乗っているのだろう。自分が向かう必要なんて無いじゃないか。 私が何も応えないのを肯定の返事と受け取ったのか、男は鎖を持つ手を離した。 その手は、私の太腿へ移動した。 「な、えっ……?」 これじゃあまるで痴漢だ。 相手の顔を確認しようとするが、狭くて首さえも動かない。 「静かにしててね。金払ってるんだから、言うこと聞けるよね?」 じゃあ、よろしく。と、その男は笑った。 その手から逃れることなんて、出来そうもなかった。 ただ、体を強ばらせることが、ただ一つの防御。 冷たい指が太腿を這って、ただ、不快感に肌が粟立った。 嫌だ。 見ず知らずの男に、金を貰って公共の面前でこんなことをされている自分。 分厚いコートの中をうごめく指が、下着の上をなぞった。 「っ!」 気持ち悪い。 何か、得体の知れない生き物――ミミズのような感触。 本当は、今すぐ叫び声を上げて、この男を蹴り倒してやりたい。 それが出来ないのが、歯痒かった。状況的にも、立場的にも―― そう、ここで『仕事』をこなさなかったら、自分はそのうち飢え死にをしてしまう身なのだ。自分だけではない、3人の大切な人を巻き添えにして。 綺麗事なんて言える存在じゃない。 お前には、それがぴったりだよ。 さあ、頭を空っぽにして全てを流れに委ねればいいじゃないか。 相手が望むなら靴だって舐めてやればいい。 そしてその口で食べ物が食えるなら、それで良いじゃないか。 どこか遠くで、誰かが囁いているような気がした。 だから、私は心を、体から切り離すことにした。 255: 名前:みるみる☆01/05(火) 17 29 13 254とーよ様 更新遅くなって本当に申し訳ないです。 碧視点はなんだか書きづらいです……。あああ← ◆ それからどれくらい経っただろう。 ぷしゅう、と気の抜けた音を立てて鉄の扉が開いた。 人が雪崩れるようにして外へ吐き出されていく。 駅に着いたのだ。 ふらりとその流れを追うように扉へ向かった。 手は、それ以上追っては来なかった。 構内の喧噪も頭の中でぼんやりと響く。地に足が付いているのかさえ、はっきりとはわからない。 それでも迷わず真っ直ぐと公衆トイレへ向かった。 トイレ内に誰もいないのを確認してから、洋式トイレの個室に入った。 はっきり言って綺麗なトイレではない。 「うっ……」 私は便器に手をついて、胃の中にあるものを全て排出しようとした。 気持ち悪い。 気持ち悪い。 さっきのあの手の感触がまだ体に残っている。 体をミミズが這うような、あの感触。 吐いても吐いても、出るものは胃液ばかりだった。 当たり前だ。あまり満足な食事も取っていない。 でも嘔吐きだけは止まらない。 それが苦しいのか、辛いのか、それとも哀しいのか、だとしたら何が哀しいのか、わからない。 瞳の裏が猛烈に熱くなって、それ以上何も考えることが出来なくなった。 256: 名前:みるみる☆01/13(水) 17 41 09 しばらくして、ようやくトイレから出て、私は線路沿いを歩いて戻ることにした。これならば迷うことなく元の場所につける。 私の雇い主は相変わらず喫茶店で携帯電話をいじりながら待っていた。 「よぉ、ねーちゃん。お勤めどうだった?」 私が黙っていると、「はい、給料ね」と紙幣を何枚か渡された。 男によると、このお金で切り詰めれば1週間は暮らせるらしい。 「4人なら」 「ん?」 「4人なら、何日分ですか?」 「うーん、3日くらいじゃないの、知らないけど」 耳のピアスをいじりながら、男は答えた。 軽くお礼を言って、外に出た。 頭の中はぼうっとして、何を考えているのか、何も考えていないのか、自分でもわからなかった。 でも、確かに言えることは、瞳だけは目線の先をあちこちに移動させながら――探しながら歩いていた。 そして見つけた。 この古い洋風な町並みにはおおよそ不釣り合いなコンクリートの明るい建物。 ドラッグストア。 ドラッグとは言っても名ばかりで、その商品の多くは食料品、文房具、雑貨、生活必需品が占める。 店に入り、かごを手にとって、手当たり次第栄養になりそうなものを取っていく。 パン、卵、スープの素、それから野菜まで売っているとは意外だった。 そして最後にやって来たのは、化粧品が並ぶコーナー。 一応、一応なんだよ、と自分に言い聞かせて手に取ったのは――除光液と染髪剤。 当たり前といえば当たり前だが、染髪剤といっても売り場には白髪染め用のブラウンしか置いていなかった。 構わない。 一応、だから。 257: 名前:みるみる☆01/21(木) 23 05 58 「ただいま」 昼でも薄暗い路地に、自分の声が響いた。 赤音さんの、ピンヒールなのかよく分からないデザインの靴音が近づいてきた。特徴的な音だ。それも、かなり速く、強く。 少しだけ嫌な予感がする。 「てめえ、」 ほら、的中。 赤々と燃える様な瞳がきっと自分を見つめると、身が竦みそうなくらい迫力がある。 「朝起きたらなんで居ねぇんだよ、こら。小町のやつ、『どうしましょう、家出なんかしてたら』って半泣きで、もう空気しょっぱくなるんじゃねーかって思ったんだけど」 258: 名前:みるみる☆01/23(土) 00 42 59 圧倒的なその迫力にじりじりと後ずさりしながらも、私は答える。 「置き手紙とか、するべきだったって思うよ。ごめん、でもここ、ペンとか紙とか無いじゃん」 「あたしを起こせばいーんだよ。何しに行ってた?」 「ちょっと、働きに」 表情から少し険の抜けた赤音さんに、私はドラッグストアで買った食材の入っているビニール袋を差し出した。 もちろん、除光液と染髪剤は箱から抜き出して制服のスカートにあるポケットに入れた。 ほんの少しふくらんでいるようだが、見た目に問題ないだろう。 例によって笑顔の蒼太くんが間に割って入ってきた。 「わー、偉いね碧ちゃん。赤音が食料がないって言ってたの聞いて、気を利かせたんでしょ? 優しいね。うん、これだけあれば3日は大丈夫なんじゃないかな」 有色人種。続き7