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そして僕にできるコト ◆7KR.e180t. この殺し合いの中、山小屋に集まった6人の仲間。 一人は別れたきり、帰らぬ人となった。 一人はかけがえのない存在を失い、復讐に走った。 一人は罪を背負い、罪と向き合う為に正義に倒されることを望んだ。 一人は殺し合いの場で心を砕き、悪魔となった。 一人は燃え上がる戦場跡を調べに向かった。 そして一人は―― インデックスは焦燥していた。 山小屋に6人いた時には多少の脆さはあったものの、団結していた心が、今はもう離ればなれ。 あの時はだれも死なずに済むと、ほんのりとだが感じていた。 だれも殺さず、死なず、このゲームから脱出できると、頭の隅では考えていたのかもしれない。 でも現実は厳しく、あの時の仲間はもう、自分のそばにはいない。 不安はあった。 なのはは強い決意で、友達の腕を傷つけた。 その決意を自分達は、悪魔だと罵った。 恐らくそれが原因で、なのはの決意は殺し合いを止めるための殺しをする方に向かってしまった。 ヴィータははやての死を知ってから、自暴自棄になっていた。 復讐の為に行動することはわかっていた。 わかっていたけど、認めたくなかった。 そしてエヴァ。 魔力を取り戻すために吸血をして、りかを殺したといった。 そしてエヴァは、自分に対してあえて悪い印象を持たせようとしていたように感じる。 まるで、お前たちが倒すべき悪は私だと云わんばかりに。 仲間が敵になる。 正しいと思って行動した結果、裏目に出る。 悪い方にいかないように、動いていたはずなのに、気付けば悪い方にばかり向かってる。 過ぎた過去を変えることなんてできないけど、それでも、と考えてしまう。 ――山小屋でなのはとまさるを先に行かせずに、全員で動いていたら。 ――神社でヴィータを足をつぶしてでも止めていれば。 仲間を気遣って分散したチームが、戻らない。 改めて理解してしまう。ここは殺し合いの場で、何が起こるかわからない場所なんだと。 少し離れた間にも、心変わりが起こってしまいうる世界なんだと。 「ニケがもどっているといいんだけど……」 ニケと再開できたら、なるべく離れないようにしないと。 分散による悲劇を身をもって知った少女は、同じ轍を踏まないことを誓う。 そしてようやく神社の入口に辿り着いたインデックスは 神社の鳥居をくぐる緑色の服を着た少年を見つけた。 「リンク!」 名前を呼ばれてこちらを振り返る少年。 それは確かに神社で別れた少年だった。 「インデックス!」 もう少し神社に着くのが遅ければすれ違いになったかもしれない。 少し目を離したすきに誰かがいなくなってしまう世界。 そんな世界で再び仲間に会えたことは、安堵するべきなのだろう。 彼が一人なのは知っている。りかはエヴァが殺したのだから。 「どうしてここに?」 彼の様子から、何をしにどこに行こうとしているか大体想像がつく。 「……ニケとメロがまだ戻らないんだ。だから、何が起こっているのか確認しに行こうと思って…」 確定。 学校でなにかあったのだろう。 「…インデックスのほうは、どうしたの?ヴィータは?」 その質問に息が詰まる。 そう聞かれるのも当然だ。同行していたヴィータがいないのだから。 仲間として、話さないわけにはいかないだろう。 「実は―――」 * * ヴィータの復讐、エヴァとの決別。 ヴィータは出て行った時からそういう雰囲気はあったし、 エヴァとは僕もあった。だからその情報を聞いてもあまり驚かなかった。 梨花ちゃんを殺して、リリスを追う為にタワーに向かったエヴァ。 たぶんリリスと戦おうとしてるのは、ジェダの情報を手に入れるためなんだろう。 ボスを倒すのに、情報は必要だ。 ボスだけじゃない。見たことのない敵に何の情報もなしに向かうのは、結構危険が伴う。 ハイラルやタルミナで、危ない奴らを相手にしてきたからよくわかる。 ナビィやチャットがいなかったら、あいつらを倒すのにもっと苦労しただろう。 もしかしたら倒せなかったかも知れない。 この世界に来てからもそういう相手と戦った。 特に一休に関しては、いまだにどうやったら倒せるのかって見当もつかない。 それに、この世界からの脱出の方法も探さなくちゃいけない。 そういう情報も、リリスなら知ってる可能性は高い。 でも、リリスはきっと手ごわい。エヴァ一人で大丈夫だろうか。 ――って、ちょっと待て、なんで僕はエヴァの心配をしてるんだ? エヴァは梨花ちゃんを殺した敵なのに。 面と向かった時は梨花ちゃんの仇だって思ってたのに。 守れなかった僕自身に怒りを感じても、エヴァに対して憎しみを感じてない自分に少し驚いた。 どうしてなんだろう。ジェダにのことはこんなに憎いのに… 学校で別れた高町なのはに対してもそうだ。 あの子に対しても、怒りや憎しみって感情がわいてこなかった。 仲間が殺されたのに、僕はあの子を怒る気になれなかった。 それになんだか、奇妙な違和感を感じていたような気がする。 「―――リンク、リンク!」 考え事をしていたからか、インデックスの話を聞き流してた。 「……え?あ、ごめん、インデックス。なんだっけ?」 「……やっぱり聞いてなかったんだね。リンクも剣使うなら、この剣つかわないかっていったんだけど」 そういった彼女が手に持っているものを見る。 「これ、僕の剣じゃないか!」 「ふえ!?そうなの?」 インデックスから剣を受け取る。間違いない、コキリの剣だ。 「うん、僕の剣だ。ここに来るまで、ずっと一緒だった剣だ。」 「……そっか。それじゃあそれはリンクがつかったほうがいいね。」 数回振って感触を確かめる。 1日しか離れてないのに、ずいぶん懐かしく感じる。 コキリの森を旅立ってからずっと感じていた感触だ。忘れるはずがない。 この剣と一緒にハイラルを旅していたんだ。もっとも、7年後に行ったときは使ってなかったけど… 7年後に行ったときは、マスターソードが僕の剣だった。 それでサウルに言われて、5つの神殿に賢者を目覚めさせに行ったんだ。 最初はコキリの森の近くにある、森の神殿にいって、サリアを目覚めさせた。 次に炎の賢者を目覚めさせるためにデスマウンテンに向かって―― ――ああ、そうか。 僕が二人を怒れなかったのは、僕が同じことをしたことがあるからだ。 デスマウンテンで多くの人たちを助ける為に、僕は友達を殺したんだ。 『あいつ』はデスマウンテンで暴れていた。 ガノンドロフに操られていただけで、本当はそんなことしたくなかったはずなのに。 でもそのせいで山に住んでいたゴロン族が何人も殺された。 そのまま放っておいたら山が大噴火を起こして、もっと被害がでていた。 僕はそれ以上の犠牲が出ないように、『あいつ』を殺した。 他の誰かが殺されないように、 これ以上の犠牲が出ないように、 『あいつ』を、殺した。 ハイラルの平和を守るためだって理由があった。 その理由の為に僕は友達を殺したんだ。 なのはちゃんだって同じだ。 あの子も、小狼を助けるために哀ちゃんを殺した。 一人の命を助けるために、一人の命を絶ったんだ。 やりたかったわけじゃない、その方法しかないから殺したんだ。 そのことにあの子が心を痛めなかったはずがない。 あの子に感じた違和感はきっと、そのせいだ。 冷静な表情だったけど、そこに躊躇いがあったんだ。 あの子は冷静だった。冷静に、哀ちゃんを殺した。 それが小狼を救う手段だったから。 いつだって戦いに犠牲はでる。 僕も他の犠牲を出さないために、命を絶ってきた。 それが危険な存在だからって、死んだ人のなれの果てをもう一度殺したりもした。 梨花ちゃんはあの子を悪魔だって言ってた。 あの子が悪魔だっていうなら、僕だって悪魔だ。 エヴァもそうだ。 エヴァは梨花ちゃんを殺したとき、それが当然だって言ってた。 でも、彼女だって梨花ちゃんを殺したくて殺したわけじゃない、と思う。思いたい。 梨花ちゃんが殺されたことに怒った僕への挑発だったんだろう。 僕が殺されなかったのが一つの証拠だ。 吸血鬼だったから、ボロボロだった身体を治すために梨花ちゃんの血を吸ったんだ。 それで、そのことで怒った僕と向き合うため、弁解もせずに、自分が悪だと言ったんだ。 そしてタワーに向かった。リリスを倒すために。情報を得るために。 それはたぶん、梨花ちゃんを殺した罪滅ぼしの為。 本当の敵が誰なのか、忘れてはいけない。 目の前の悪が、本当に悪なのか見極めないといけない。 エヴァとも、ちゃんと話合わないと。エヴァを悪と決めるのはそれからだ。 死んだ人間のために、生きている人ができることは、その想いを受け継ぐことだ。 誰かがその想いを受け継いでいてくれたら、たった一人でも想っていてくれるなら、その人は消えない。 その人の心は、想いを受け継いだ人の心へと、つながっていく。 スノーヘッドの魔物を倒せず、里の仲間のことを想って死んだダルマーニの意思を聞いた。 大切な人のタマゴを取り返すために戦ったミカウの心を受け継いだ。 僕はいろんな人の想いを背負って戦ってきた。 梨花ちゃんの願いはなんだ? 皆でこの狂ったゲームから脱出することだ。 そのために、僕は殺し合いに乗ったヴィータを止める。止めないといけない。 「インデックス!」 「うえ!?な、なにかな?」 「ヴィータに刺された場所はA-4だったんだよね?」 「そ、そうなんだよ」 「だったらたぶんだけど、ヴィータはA-3の建物にいると思う。 僕はすぐにそこに行って、ヴィータに会ってくる。」 殺し合いをするのだから、人の集まる場所に行くんだろう。 だとしたら、そこから近いA-3の施設にいく可能性が高い。 今から行ってもそこにいるかもしれない人たちを助けるのは間に合わない。 それに、殺し終わった後ヴィータが他の場所に向かうかもしれない。 だけど、あの子は戦い慣れてる感じだ。それなら、夜の危険性はわかってるだろう。 そのままその施設で夜を明かす可能性は高い。 「リンクは、ヴィータをどうするの?」 「話がしたい。あの子とちゃんと。」 きちんと向かいあって、話をする。 はやてって子が、どんな子なのかわからない。 でも彼女のことが本当に大切なら、彼女の本当の意志を継ぐべきだ。 彼女の意思をみずに、闇にとらわれてしまったらいけない。 それで止まってくれないなら、殺すしかない。 誰も殺さずにこの世界を脱出するなんて、甘い考えは捨てなくちゃいけない。なのはちゃんのように。 その甘さが、他の誰かを殺してしまうことになるのなら。 それなら、僕はオニになろう。鬼神の仮面を、もう一度かぶろう。 「インデックスは学校に向かって、ニケ達と合流するんだ。」 「そんな……私だってヴィータが心配なんだよ!」 学校に一休がいる可能性は高い。 変な幻術を使う相手だし、体が動かなくなる変な薬も持っている。 おまけに斜院征伐とかいう奥の手まである。 油断をしていたとはいえ、小狼と二人がかりで負けた。 相手のことをある程度把握している自分でも、勝てるかどうかわからない。 だけどあいつは僕たちの命を奪うことはしなかった。 シークの時みたいに、なにか事情があったとも考えられる。 深くは考えたくないし、個人的にはコテンパンにしてやりたいけど…… 仮に殺し合いに乗っていないなら、僕がまた一休に会うことでひと悶着が起こってしまう。 「だめだ。君までここから離れたら、誰がニケ達に僕たちの行動を知らせるんだ?」 「連絡!メモを貼っておくんだよ!」 そういうとインデックスはランドセルからメモと鉛筆を取り出し、何かを書きだした。 そして書き終わると少し葛藤した後、身体に張っていた葉っぱを取り、赤い柱に貼り付けた。 「これで、大丈夫なんだよ」 そういった彼女の身体の片方には小さな突起が…… 「……わかった。それじゃあ、いこう」 見ていない。僕は見ていない。 顔が赤くなったりしてないよな?いや!してない!僕は何も見ていないから! 「いそぐんだよ」 って、なんでインデックスが先に行ってるんだ!? 僕はあわてて駆けだす。 あたりは本格的に暗くなってきた。 【B-5/道路/1日目/夜中】 【リンク(子供)@ゼルダの伝説 時のオカリナ】 [状態]:左太腿、右掌に裂傷(治療済み)、左肩に打撲 [装備]:勇者の拳@魔法陣グルグル、コキリの剣@ゼルダの伝説 [道具]:基本支給品一式×5(食料一人分-1)、クロウカード『希望』@CCさくら、歩く教会の十字架@とある魔術の禁書目録 時限爆弾@ぱにぽに、じゃんけん札@サザエさん、エスパー錠とその鍵@絶対可憐チルドレン、 ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)、5MeO-DIPT(24mg)、祭具殿にあった武器1~3つ程、祭具殿の鍵 [服装]:中世ファンタジーな布の服など。傷口に包帯。 [思考]:見てない、僕は何も見ていない! 第一行動方針:工場に向かい、ヴィータを説得する(無理なら…?) 第二行動方針:ニケ達と合流する。 第三行動方針:なのはやエヴァを探す 第四行動方針:もし桜を見つけたら保護する。ニケたちに会ったらエヴァの伝言を伝える。 第五行動方針:祭具殿には出来ればもう入りたくない。 基本行動方針:ゲームを壊す。その後、できることなら梨花の世界へと赴き、梨花の知り合い達に謝罪したい。 参戦時期:エンディング後 [備考]:リンクが所持している祭具殿にあった他の武器が何なのかは次以降の書き手さんに任せます(少なくとも剣ではないと思われます)。 リンクは祭具殿の内部を詳しく調べていません。 夜明けまではヴィータが工場にいると思ってます。 【インデックス@とある魔術の禁書目録】 [状態]:軽度の貧血、背中に大きな裂傷跡と火傷 [装備]:水の羽衣(背部が横に大きく裂けている)@ドラゴンクエストⅤ、 葉っぱの下着(片方)、鉄性の斧(リンクからもらった) [道具]:支給品一式(食料-1日分、時計破損)、 ビュティの首輪、 [思考]:ヴィータをなんとかしないと! 第一行動方針:リンクについていき、ヴィータを止める(仲間の分散は危険と判断) 第二行動方針:ニケ達と合流する。 第二行動方針:アリサを探す。紫穂のことも気がかり。 第三行動方針:落ち着いたら、明るい所でじっくりビュティの首輪を調べたい。 第四行動方針:状況を打破するため情報を集める。 第五行動方針:普通の下着、てか服がほしいかも。 基本:誰にも死んで欲しくない。この空間から脱出する。 [備考]:拾った双葉の型紐が切れたランドセルに荷物まとめて入れています。 インデックス自身のランドセルは壊れているので内容物の質量と大きさを無視できません。 エヴァを完全に敵とみなしているわけではないが不信感あり。 ※斧はアニメで圭一が使っていたものをイメージしています。 [備考]C-4の鳥居にニケ達にあてたメモが張られました。内容は次の書き手さんに任せます。 ≪222 Ragnarok Online 時系列順に読む 225 リドル・パーティ≫ ≪223 侍も飛べば棒に当たる 投下順に読む 225 リドル・パーティ≫ ≪202 彼女の意思を継いで僕は…… リンクの登場SSを読む 236 みかけハこハゐがとんだいゝ人だ≫ ≪208 山頂を見上げて インデックスの登場SSを読む 236 みかけハこハゐがとんだいゝ人だ≫
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Beautiful Dreamer ~Smile Again ◆DNdG5hiFT6 気付いたら私は草原にいた。 視界いっぱいに広がる鮮やかな緑色の絨毯とどこまでも続く透き通るような青空。 草原を走る風が爽やかな匂いを届けて、ぽかぽかした陽気が体を暖めてくれる。 そんな心地いい世界で、私は草原に背を預けごろんと寝転がっていた。 ふと隣に気配を感じて、首を横に向けるとそこには私と同じように寝転がる“お姉ちゃん”の姿があった。 といっても年の離れた実の姉のゆいお姉ちゃんじゃなくて、私にとってのもう一人の“お姉ちゃん”。 血縁的に言えば従姉で、今は一つ屋根の下で暮らすこなたお姉ちゃんだった。 「やっほー、ゆーちゃん元気ー?」 いつも通りの声で私に笑いかけるお姉ちゃん。 「うん、元気だよ、こなたお姉ちゃん」 信じられないほどに体の調子がいい。 やはり空気のいいところにいると体の調子もいいものなのかな? 「うんうん、そりゃ何よりだよ」 そう言うお姉ちゃんは言葉とは裏腹にニヤニヤと笑みを浮かべている。 こういう場合は大抵かがみおねえちゃんをからかっている時なのでちょっと不安だ。 「それにしてもゆーちゃんがいい人とめぐり合えたみたいで私は安心したよ」 そう言われて脳裏に浮かぶのは顔の左側に大きな傷を負った男の人。 ただでさえ強面で――時々ほんとうに怖い顔になるけれど、私は知っている。 自殺しようとしていた自分を落ち着かせてくれて、行動を一緒にしてくれている優しい人だ。 「うん、Dボゥイさんはいい人だよ」 「そうだね、結構カッコイイし。 でもちょっとそこは意外かな? ゆーちゃんのタイプって純朴そうなのかと思ってたからさー。 まさか男ツンデレを攻略するとは……ゆーちゃん、GJ!」 えええええええええええ! い、“いい人”ってそういう意味!? そ、そうじゃない! Dボゥイさんはそういう相手じゃないよおねーちゃん! 確かに抱きしめられてドキドキしたりもしたけど! その時にちょっと「男の人の匂いってこんな感じなんだ……」とか思ったりもしたけど! 「……まさかゆーちゃんがそこまで進んでたなんて……ショックだよ……」 だから違うよ! 『ホントにショック受けた』って顔で言わないでよ! お、お姉ちゃんこそどうなの! 男の人の影がないって言ってたじゃない! でも、私がそう返すとお姉ちゃんはちょっと困ったような表情で。 「んー、私もいい人たちと出会えたかな。 ただちょっと……リアルLUCが足りなかったみたいでさ、そこで運が尽きちゃったみたい。 もしかしてレバ剣拾ったときに使い果たしちゃったかなー?」 その人たちとケンカでもしたのだろうか? そう訊くとお姉ちゃんは首を横に振った。 「ううん、ケンカはしなかったな。 でも、ここで“終わり”だと思うと残念かなって」 そう言って私を見る目はどこまでも穏やかで、不安になる。 だってなんでそんな――『遠く』から私を見るのだろう? 「な、に……言ってるの?」 お姉ちゃんの言うことが理解できない。 ねえ、“終わり”ってどういうこと? 「ははは……現実は非情なのにさ、こういうところは漫画みたいなんだね。 もしかしたらあっちには神様もいるかも……できれば綺麗な女神サマがいいんだけどね~」 そんな空っぽな笑い方、らしくないよ。 こなたお姉ちゃんはもっと明るい笑顔が似合ってるよ。 「ん……ありがとね、ゆーちゃん。 ……さてと、そろそろ行かなきゃ。 つかさも待ってるだろうし……もしかしたらお母さんにも会えるかもしれないしね」 体が動かない。声が出ない。何で? どうして? 言いたいことがあるのに。聞かなきゃいけないことがあるのに。 「あ、そうそう。お父さんに伝えといて。“『俺より先にいくな』って約束守れなくてごめん”って」 自分で伝えればいいよ。じゃないと叔父さんも悲しむよ。 「あはは、うん、でもね私、ここでバッドエンドみたいなんだ。 いやーセーブ&ロードが使えないってユーザーフレンドリーじゃないよね。 一昔前ならともかく今ならクソゲー呼ばわりだよ」 言ってることはいつも通りなのに私の中の不安は消えない。 それどころか不安がどんどん膨れ上がっていって体ごと破裂してしまいそう。 「でも大丈夫! ゆーちゃんならノーコンテニューで最後までいけるって!」 そう言いきった姿はいつも通り、自信満々なお姉ちゃんの姿。 でも、何処か寂しげで。その理由を訊こうとした瞬間、 「こなたさーん!」 「おーい、そろそろ時間だってよー」 声のした方に目を向けるとそこには中学生ぐらいの男の子とさっき会ったお姉さんと同じ服を着た眼鏡のおじさんがいた。 その時、私には何故か見覚えの無いその二人がお姉ちゃんを連れて行っちゃう存在に見えて、 失礼にも程があるのに『あの人たちについてっちゃだめ』と言いかける。 でも声が出ない。指も動かせない。動かなきゃいけないのに体の境界線が滲んでしまったみたいにあやふやで動かせない。 そんな感覚に戸惑う私の体を暖かさが包み込む。 そして――理解する。 ああ、抱きしめられてるんだ、私。 「春にゆーちゃんがうちに来てから色々あったよね。 夏祭りも行ったし、文化祭で踊ったの楽しかったね」 うん、楽しかった。だからもう一度――ううん、何度でもやろうよ、こなたお姉ちゃん。 「今はつらいけど、未来には楽しいことが色々待ってるから、挫けちゃダメだよ。 みなみちゃんやひよりん、パティ達とも仲良くね」 そこにはお姉ちゃんもいなきゃダメだよ。かがみおねえちゃんやつかさおねえちゃん、高良先輩たちもいっしょじゃなきゃヤダよ。 「私、一人っ子だったから、ゆい姉さんとゆーちゃんがホントの姉妹みたいで嬉しかったよ」 私だってそうだよ。お姉ちゃんが二人もいるなんて幸せだよ。 「もっと沢山話したかったよ。もっと色々遊びたかったよ。もっとずっと一緒にいたかったよ。 でもさ……私はここまでっぽいや」 耳元から聞こえる声は、優しくて、暖かくて。 なのに――なんで涙が溢れて止まらないんだろう。 「ゆーちゃん、泣かないで。いつもみたいに可愛い笑顔を見せてよ」 頬にやわらかい感触。お姉ちゃんの指が涙を拭き取ってるんだ。 「私が思うにゆーちゃんの笑顔はいわゆる一つの萌え要素ってやつでさ、きっと色々な人に癒しと幸せを運ぶと思うんだ。 これから辛いことや悲しいことが沢山あると思うし、泣きたいときは泣いてもいい。 でもさ、笑うことだけは忘れないで。私には出来なかったけど、ゆーちゃんなら出来るよ」 笑うから、きっと笑うから。だから――いかないで。 「じゃあね、ばいばいゆーちゃん。 ホントに……ホントのホントに大好きだよ。私の……自慢の従妹で、素敵な友達で、かわいい妹だったよ」 どんどん意識がぼやけていく。 気を失うのとは違う、夢から覚めてしまうような感覚。 ああ――そうか、これは夢なんだ。 覚めないでと願っても、夢だと気付いた瞬間にどんどん指からすり抜けてしまう幻みたいな記憶。 だから願いとは裏腹に温もりが、大好きなこなたお姉ちゃんの温もりが消えていく。 「もう……いいのか?」 「……うん、言い出したらきりが無いし。それにゆーちゃんはああ見えて強い子だから大丈夫だよ」 「こなたさんが言うならそうなんだろうね。僕も応援するよ」 「ああ、俺たちにできるのはもうそのくらいしかないしな。スバルの奴もきっと大丈夫だろうよ」 「そうそう、だってスバルもゆーちゃんも“萌え要素”の塊だもん」 「“モエ要素”?」 「んー、あっちに行ったらアル君たちにも教えてあげるよ。 “萌え”の真髄ってやつをさ――」 そう言いながら二人と一緒に歩いていくお姉ちゃんの背中を最後に、私の意識は光の中に落ちた。 * * * 「……たか……ゆたか!」 ゆたかの瞳に映るのは自分を心配そうに見つめる二つの瞳。 顔の左側に大きな傷――ああ、そうだ私はこの人を知っている。 「D……ボゥイ……さん……?」 Dボゥイは心配そうに自分の顔を覗き込んでいる。 「大丈夫か、ゆたか」 「え……何が……」 そう言われて頬を伝う冷たい感触に気付く。 そういえば、何かとても悲しい夢を見た気がする。 でも指の間から水が零れていくみたいに、夢の記憶が無くなっていく。 大切なことだったのに――思い出せない。 「――本当に大丈夫か?」 より深くゆたかの顔を覗き込むDボゥイ。 その距離はゆたかにしてみれば密着状態といっても過言ではない距離で 男性に免疫の無いゆたかは顔に血が上ってしまい、顔を背けてしまう。 そこで気付く。周りの光景が先程までいた公園ではないと。 「あれ……ここはどこですか?」 「地図でいうD-6の端……総合病院の裏側から少し離れたところだ」 * * * Dボゥイも最初はゆたかが目覚めるまで自然公園に留まっているつもりだった。 だがゆたかが気絶してから1時間ぐらいたった頃だろうか。 北の方から連続した銃声と建物が倒壊する音が連続して聞こえてきたのだ。 しかも音の元はこちらに近づいてきている。 ――今、戦闘に巻き込まれるわけにはいかない そう考えたDボゥイはその視界から消えるため、ゆたかを抱えたまま移動するという分の悪い賭けに出た。 周囲を警戒しつつ、喧騒から逃げるように南下。 そして物陰に隠れながら慎重を期しつつ、E-5から回り込むようにして 直線距離で言うとたったの1キロを1時間以上かけて移動した。 そして幸運なことに誰にも会わずに病院に辿り着いたのだが―― 「あの……何で病院に入らないんですか?」 目的地が目の前にある以上、それは当然の疑問と言えた。 その疑問に対してDボゥイは僅かに迷った後に、その理由を端的に答える。 「病院には……危険なやつがいる」 * * * その原因を説明するには、時間を約1時間ほどさかのぼることになる。 Dボゥイがゆたかを抱えて病院近くに到着したのは午前9時前のことだった。 そして見通しのいい道を避け、裏口から入ろうとしていたDボゥイを押し止めたのは、 内部から響いた何かが割れる音とその直後に病院から出てきた中年男性の姿だった。 男は身を隠したDボゥイたちに気付く余裕もないようで、全身がボロボロの状態で北に向かって行き、 その直後、またもや病院から――明らかに人間を超えた速度――二人組の男が中年が逃げた方向に走っていった。 その態度にただならぬものを感じたDボゥイが建物の影に隠れるようにその後の様子を窺っていると、 『ぎゃああああああああああああ!?!?』 そこには両腕を切り落とされ、さらに全身を何らかの電撃で焼かれ絶命する中年男の姿があった。 それは遠目に見ても圧倒的な実力差で、“嬲り殺し”という表現が一番しっくり来るように思えた。 その光景を見てDボゥイは自分の迂闊さを呪う。 病院ならば治療器具がある……そう考えるのは怪我したものだけではない。 そう考えた手負いの者を狙って動く殺戮者も存在するのだ。 恐らくはあの全身が青い男と東洋風の格好をした男もそうなのだろう。 男を殺した二人組が男の死体に何かをしている隙に病院から離れたが、これからの予定は白紙に戻ってしまった。 ――せめてあいつらがいれば。 Dボゥイの脳裏に浮かぶのはアキやノアルを初めとしたスペースナイツの仲間達。 信頼できる彼らがいれば、この少女を彼らに預けてあの危険人物たちと戦えるのだが―― だが、そこまで考えてDボゥイは己の思考をあざ笑う。 (まともな“人間”なら、まずこの殺し合いの戦場にあいつらの名が無くて良かったことを喜ぶべきだろう。 ……所詮俺もあの悪魔達と同類なのか) その証拠に今もしもシンヤと……エビルと会ってしまえば、自分はきっとゆたかを見捨てて殺しあうだろう。 そんなネガティブな思考を止めたのは自分の手を握る小さい手の感触だった。 すでにかつての仲間を殺した、血塗られたこの手を包み込む少女の柔らかな両手。 「Dボゥイさん……怖い顔してます。 その……辛いときこそ笑いましょう。きっと……大丈夫だって思えるはずですから……」 ――これが先程まで知り合いの死を嘆いていた少女の姿だろうか。 絶望の中で笑顔を作るのは難しい。それはDボゥイが誰よりも知っている。 だからこそ、この笑顔には確かな力がある。 儚げで、今にも消えてしまいそうだがそれでも咲き続ける一輪の花のような笑み。 その笑顔を見て、感じていた暗い思考が霞のように消えていく。 「ああ……そうだな。ありがとう、ゆたか」 ゆたかの笑顔に応えるように、Dボゥイは唇の端を持ち上げる。 それは微かであまりにも不器用だったが、彼がこの戦場に連れてこられてから初めて見せる笑顔だった。 【D-6/総合病院から少し離れたところ/昼】 【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】 [状態]:左肩から背中の中心まで大きな裂傷(出血は治癒、裂傷に伴う痛みは若干残っている)、吹き飛ばされたときに全身に打撲、中度の貧血 [装備]:テッカマンアックスのテックランサー(斧) @宇宙の騎士テッカマンブレード [道具]:支給品一式、月の石のかけら(2個)@金色のガッシュベル!! [思考] 1:しばらく潜伏した後、何処に向かうかを決める 2:テッカマンエビル、相羽シンヤを殺す 3:2を果たすためなら、下記の思考を度外視する可能性あり 4:兎に角、ゆたかと自分が休める場所(ある程度安全でベッドや布団のある場所)を探す 5:ゆたかを知り合いか信頼できる人物にゆだねる、つもりだったが迷い中。 6:仲間を探すべきか? だがこの戦場で本当に信用できる人間がいるのか? 7:ゲームに乗っている人間を殺す [備考] :殺し合いに乗っているものはラダムと同じだと結論しました :テッカマンアックス撃破後、身体が蝕まれる前ぐらいを意識しました :ヒィッツカラルドの簡単に埋葬された死体の上にフィーロの帽子@バッカーノ! が置かれています。 :六課メンバー、クロ達、リザの仲間達の情報を入手。 :紙の詰まったトランクケースはD-7に放置されたまま。 :青い男(ランサー)、及び東洋風の服装の男(戴宗)を危険人物として認識しました 【小早川ゆたか@らき☆すた】 [状態]:肉体的疲労小、精神的疲労中 [装備]:COLT M16A1/M203@現実(20/20)(0/1)、コアドリル@天元突破グレンラガン [道具]:支給品一式、鴇羽舞衣のマフラー@舞-HiME、糸色望の旅立ちセット@さよなら絶望先生[遺書用の封筒が欠損] M16 アサルトライフル用予備弾x20(5.56mm NATO弾)、M203 グレネードランチャー用予備弾(榴弾x6、WP発煙弾x2、照明弾x2、催涙弾x2) [思考] 1:辛くても笑わなきゃいけない気がする 2:なんで私泣いてたんだろう……? [備考] :コアドリルがただのアクセサリーではないということに気がつきました。 :夢の内容は今のところぼんやりとしか覚えていません 時系列順で読む Back 野蛮召喚塔 Next 『真偽』と『真意』~危うい■■(前編) 投下順で読む Back 野蛮召喚塔 Next 金ぴかと本と熱血格闘家とあたし 106 悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 Dボゥイ 148:捻 -twists and turns- 106 悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱 小早川ゆたか 148:捻 -twists and turns-
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プロローグ(夕暮坂(ゆくれざか) ナギサ) ■三日前 流れる滝の飛沫が木々を揺らし、風がその間をかけてゆく。 鞍馬山の秘奥、苔むした古木の橋の上で、一組の師弟が相対していた。 「ナギサ。此れより、お主に鞍馬一星流の秘技を伝授する」 ナギサは滝を背に真っ直ぐ、師の玄水と向かい合う。 互いに構えた刀は、切っ先が触れ得ぬ一足一刀の間合い。 「ただの一振り、その目にしかと見届けよ」 「―――はいッ!」 剣気が張り詰め、互いに言葉は消える。 極限まで高まった剣気が水を揺らし、周囲の木の葉を切り裂いた。 それでも、二人は動かない。 (心を、研ぎ澄ませ) ナギサが念じるは水面の如く。唯一振りの星の如く。 一切の油断を許さぬ張り詰めた空気は、一瞬にも、永遠にも感じられた。 額を伝う汗が、頬を流れ、顎から雫になって落ち、 ―――地面を濡らしたその瞬間。 玄水の刃は、振るわれた。 ■十年前 赤、紅、赫。 視界を染める色はそれだけ。 (いたい) 赫い刃が、私の右腕を落とした。 (いたいよ) 目の前の男は、笑顔だった。 (どうして) 男は笑いながら、泣いていた。 (お父さん) 泣きながら、彼は私の腕を掴みあげた。 (やめて、痛いよ。怖いよ) 振り下ろされた刃が私の左腕を切り落とす。 (どう、して) 見上げた父の顔は、絶望に歪んでいた。握りこんだ拳から、血が滲んでいた。 (あの、刀の、せい) 最期に見上げた父は、すまない、と涙ながらに告げて、 (あの刀の) 赫月の妖刀で、自らの首を刎ねた。 ■四日前 ベッドから跳ね起きて、ナギサは両の手で首を擦る。 ぐっしょりと濡れた嫌な感触が手のひらを伝い、せり上がる吐き気を必死に抑える。 明かり一つない部屋の中で、背を撫でる死の感触が遠のくのを、静かに待った。 真夜中の自室に、荒い息だけが五月蠅い。 嫌な夢。 十年前のあの日。随分と、思い出すこともなかったのに。 「………夢だ。あれは、夢」 自らに言い聞かせるようにつぶやいた言葉は、空気みたいに軽い。 鮮烈に焼き付いた脳裏の赫を振り払うように首を振って、立ち上がる。 汗で濡れた髪が肌に張り付いていて、包帯も肌着もぐしょぐしょ。喉も乾いた。このままでは眠れそうにない。 蛇口から直接水を飲んでから、洗面所に向かう。肌着と下着を脱いで、両腕の包帯を解いた。 シャワールームの明かりと、少しずつ温まってくるお湯にほっと息をついて、長い髪を手で梳いた。肌を伝う熱が、夢の中で感じた寒気を少しずつ拭い去ってくれる。 鏡に写る私は、大層ひどい有様をしていた。目の周りは紅く、肌は青白く、胸は平坦。両腕にはいくつもの裂傷と切断痕。 両腕の傷は、妖刀「赫月」を棄てようと試みた数だ。 二度と刃を握れぬよう、何度となくこの手を切り落とした。 それでも気づけば、この両腕は赫月を握っていた。 (………それももう、終わる) 自らを抱きしめる様に、両の腕を抱える。 大会に優勝すれば、願いが叶う。そうすれば、この忌々しい魔人能力を、捨てられる。 私は、 ・・・・・・・・・ もう、人を殺したくはない。 ■三日前 刃は振り下ろされ、 ナギサの背後の滝が、真っ二つに割れた。 一瞬の静寂の後、滝は瀑布となって飛沫を噴き上げ、周囲を濡らした。 滝と師の間にいた筈のナギサには、傷は一つもない。 「―――九曜。幽玄と無限の境目を通す、鞍馬一星流の秘技じゃ。真に心を研ぎ澄ましたお主ならば、振るえるであろう」 「……っ、はい」 極限状態の緊張が解けて、へたり落ちそうな足を叱咤して、ナギサは真っ直ぐに頷く。 その表情を見て、玄水は満足そうに頷き、 「っごほ、かっ、けほ、」 「師範?!」 咳き込んで崩れ落ちた。手は震え、刀を取りこぼした。 玄水に駆け寄ってその背を擦る。掌に荒い呼吸が伝わってくる。 「いや、なに、老体が無理をし過ぎたようじゃ」 「それは、」 「弟子への餞じゃ。少し、年甲斐もなく張り切ってしまったわい」 「……師範」 玄水の背は、ナギサでも折れそうなほどに枯れ細っている。それでも彼の刃が滝を断ったのは、彼の心が、それほど研ぎ澄まされていたからだ。 「ナギサ、心を研ぎ澄ませ。さすれば、お主に斬れぬものはない」 「…………はい、師範」 それからナギサは玄水を背負って山道を下り、道場へと戻った。 九曜。鞍馬一星流の秘技。 それが扱えるならば。 真に心を研ぎ澄ませられたなら、魔人闘宴劇の名立たる覇者を打ち倒し、妖刀を捨て去ることが出来るのだろうか だが、九曜の一閃。師の放ったひと振りは、 ナギサには、まるで見えはしなかった。 ■昨日 京都駅から新幹線で四時間、そこから電車とバスを乗り継いで一時間半。魔人闘宴劇の選考会場は、多くの人で賑わっていた。 人の波をかき分けて会場にたどり着き、受付を済ませて、ナギサは今、控室にいる。 願いを叶える権利、50億円、最強の称号。どれも決して安いものでは無い。当然に、強者は集う。 控室の椅子で、ナギサは心を研ぎ澄ます。 静かに、無心に、雑念を取り払い、ただ刃を正しく振うために。 心の中を水面に例えて、それが波紋一つない鏡になるように。 揺れる心が鎮まって行き、周囲の雑踏も遠のいていく。 (そうだ、心を研ぎ澄ませ) そうすれば、きっと――― ( 無理だね ) ざわりと、心が揺れる。水面が赤く染まっていく。 (お前じゃ勝てないよ。体も心も弱すぎる) それは、赫月の声。彼は、酷く甘く囁いた。 (俺に貸せよ、その体。全員殺してやる) 心が波打って、感情をかき乱す。 「……」 (おいおいつれないじゃねェか。十年来の親友だろ?) 「……黙って」 ナギサの言葉を無視して、赫月は歌うように囁く。 (九曜だっけ? ハハ、あんな技も見切れねェ雑魚が優勝だなんて、夢見ているもんだよな) 「……うるさい」 (いいじゃねェか。本当は気付いているんだろう? 手前は) 「何を……」 (自分勝手な手前は、本当は人を殺したいんだ。 他の誰を殺してでも、手前が救われたいんだろう?) 「っ、」 「黙れェッ !!」 立ち上がって、叫んだ。周囲の視線が突き刺さる。 ケタケタと笑う声が、心の奥で私を嘲笑った。 (いつでも呼べよ。手前が殺したいなら、手を貸してやる) その言葉を最後に、赫月の気配は消えた。 「誰が……お前なんかの……!」 呟く言葉は、途中で途切れた。 心の波は、鎮まりそうにない。 夕暮坂 ナギサ 参加キャラクター
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Calling ◆.WX8NmkbZ6 場に縁が現れた直後。 空飛ぶホウキで戦線を離脱したレナは、他の参加者の姿を探していた。 ――助けを呼ばなきゃ。 ――ヴァンさんは怪我をしてるんだから、私が何とかしなきゃ。 これまでにレナが出会った参加者は、真紅、後藤、ヴァン、C.C.、ミハエル、東條、縁の七人。 この会場にいる参加者の全てが殺し合いに加わっているわけではない事を、レナは知っている。 同時に殺し合いに加わっている人間が少なくない事も、知っている。 それでも仲間の命が掛かった今、レナは真紅やヴァン、C.C.のような参加者との出会いを信じた。 迷いはあった。 危険人物と遭遇する可能性があったから、ではない。 もし味方になってくれる参加者を発見出来たとしても、本当に助けを求めていいのかを迷っていた。 助けを求めるという事は、戦いに巻き込むという事。 殺し合いが行われている、まず自分の命を守る事を第一としなければならない状況で、それは正しいのか。 仲間を失いたくないという自分の感情一つの為に、他の参加者を危険に晒していいのか。 それでも戦う術を持たないレナには、ホウキを走らせる事しか出来なかった。 無我夢中に進んだ先で出会った蒼嶋と千草は、事情を説明すると二つ返事で応えてくれた。 移動している間に行った情報交換も信じて貰えた。 二人はレナの期待した通りの相手だったと言える。 「逃げろと言ったのに……」 「はぅ~……ごめんなさい……」 C.C.の腹に穿たれた傷は出血が止まっており、服に空いた穴よりも少し小さい。 先のC.C.の説明にあったように再生しているのだろう。 いつもはもっと早く復帰するのにとC.C.は違和感を口にするが、レナにしてみれば死ななかったというだけで安堵に足る。 今は二人で戦いの場から離れる事の方が重要だった。 そして。 レナの思いがもたらした『結果』が、眼前に広がる。 「ちぃちゃぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」 C.C.に肩を貸した姿勢のまま。 蒼嶋の叫びを聞きながら。 千草の姿を目に焼き付けながら。 レナは立ち尽くした。 ▽ 千草は手からブラフマーストラを落とし、膝を着く。 ――悔しいなあ……。 ――せめて一発、あいつを殴りたかったのに。 もう死ぬ。 一度死んだ経験があるせいか、千草は自分の終わりを悟っていた。 ――ろくでもないなあ。 ――あたし、まだ十五年しか生きてないのに。 何の為に生きていたのか分からないし、何の為に生き返ったのか分からない。 狭くなり始めた視界に、蒼嶋の顔が映る。 わざわざ自分の為に、シャドームーンの攻撃をかいくぐって駆けつけてくれた――そう思うと申し訳なくなる。 「ねぇ、シュン。 あたし、さ……」 ――ねぇシュン……ぶっ飛ばしちゃってよ。 ――銀色の奴も、東條も、ブイツーも、こんな下らない事してる連中、みんなみんな。 ――あたしの事はもう、いいからさ。 一度あんな死に方をしたのにまた殺し合いに連れて来られて、最悪だと思っていた。 それでも一つだけなら、いい事があった。 「シュン……と……」 その言葉の先が紡がれる事はなかった。 ただ霞む視界の中で、蒼嶋がずっと手を離さなかった事だけははっきり覚えている。 少なくとも、独りぼっちで死ぬわけではない。 最初に死んだ時と同じで、最後に一緒にいてくれる誰かがいる。 ――それがシュンで、よかった。 蒼嶋が気に入らない連中を一人残らずぶっ飛ばして「皆で焼き肉に行こうぜ!」なんて叫んでいる、そんな光景を夢に見る。 夢じゃない、蒼嶋はきっと夢で終わらせない。 そう信じて千草は目を閉じた。 【千草貴子@バトルロワイアル 死亡】 ▽ 「冗談よせよ、目を開けろよ、ちぃちゃん……ちぃちゃん……!!」 無防備な姿を晒す蒼嶋を、東條は黙って眺める。 「英雄なんかじゃない」と、否定された。 これからどうすればいいのか、教えてくれる人はどこにもいない。 その混乱の中で、東條の思考に「英雄を倒せば英雄になれるのではないか」という考えがよぎった。 「強い相手に一歩も引かない」から英雄なら、その英雄に「一歩も引かな」ければ英雄。 その歪んだ思想の下に、東條は蒼嶋へと腕を振り下ろす。 蒼嶋の頭を叩き割るはずだったその手を掴んで止めたのは、シャドームーンだった。 それまで善戦していたヴァンも白髪の男も、既に倒れ伏している。 「……」 シャドームーンは無言で、その銀色の仮面の上からでは表情を読み取れない。 東條は既にシャドームーンの強さと恐ろしさを見ている。 その上で間近に、思う所の知れないシャドームーンを目にするのは恐怖そのものだった。 だが東條は怯まない。 仲村、香川、沙都子、ミハエル、そして「ちぃちゃん」と呼ばれた女を手に掛けた。 強さを手に入れて英雄に近付いた、その自信があるのだ。 裏返せば。 これでもし、強くなっていないのなら。 英雄に近付いていないのなら。 ただの『弱虫』の『卑怯者』なのだとしたら。 これからどうすればいいのか、分からない。 掴まれていない方の手で握ったデストバイザーでシャドームーンを斬り付ける。 しかしシャドームーンはそれをサタンサーベルで容易に止めた。 そして東條の腹に蹴りを入れる。 特に力の籠められていないただの蹴りだが、ライダースーツの上からでもその衝撃は殺されなかった。 シャドームーンがその蹴りの瞬間に東條の手を離すと、東條は十メートル以上吹き飛ばされる。 「ガッ……っぁ……」 差は縮まらなかった。 それを余りに呆気なく、一瞬で思い知らされてしまった。 それでも東條は再び立ち上がる。 (皆、僕の心の中で生きている。 僕が頑張って、会場の皆を救って……英雄に――) パキパキ、と音がした。 見れば腰のVバックルに装填したデッキにひび割れが出来ている。 今のシャドームーンの一撃によるものである事は明らかだ。 「あ、ああああ、あ、」 手で押さえて破損を止めようとする。 これまでに『救った』者の顔を思い出しながら。 これから『救う』者の顔を思い浮かべながら。 しかし努力虚しくデッキは砕け散り、変身が解除された。 デストワイルダーの様子が急変する。 「助けて、助けて仲村君……佐野君――」 追い掛けてくるデストワイルダーに、東條は大切な人達の名前を呼びながら逃げ惑う。 助けてくれる人が、いない。 レナとC.C.が気を失った面々を連れて逃げる背中が見えた。 シャドームーンも最早、こちらへの興味を完全に失ったようだった。 「助けて沙都子、ミハエル君、助けて――」 一歩でもその場から離れようとするが、縁とシャドームーンの攻撃を受けた体は思うように動かない。 大した距離も稼げないうちに、デストワイルダーが東條に追い付く。 「助けて……助けて、助けて下さい、」 腕を掴まれ、引き倒される。 神崎士郎からデッキを受け取って以降ずっと共に戦ってきたデストワイルダーの顔が、すぐ目の前まで迫っていた。 「香川先生――……」 【東條悟@仮面ライダー龍騎 死亡】 ▽ シャドームーンの注意が東條へ逸れてすぐ、C.C.とレナは行動を起こしていた。 C.C.は放置されていた東條のデイパックからフライングボードを出す。 「ヴァン、向こう岸へ逃げるぞ!」 倒れたヴァンのもとへ着くと、その体を背負う形で乗せてボードを浮き上がらせる。 レナもホウキにまたがり、放心している蒼嶋へ手を差し伸べた。 「蒼嶋さん、逃げましょう!」 「けどよ……ちぃちゃんが……」 「早く!!」 蒼嶋はレナの手と千草の亡骸を交互に見比べ、表情を歪ませる。 そして――レナの手を取った。 空飛ぶホウキとフライングボードに二人ずつ乗って、西の海へ去って行く。 その背へシャドームーンがシャドービームを撃つとボードは海へ打ち落とせたが、ホウキは空中で忽然と姿を消した。 気にはなったものの、シャドームーンは追撃や捜索はしない。 死んでいればそれまで、死んでいないならば次に改めて殺すだけだ。 ヴァン、縁、蒼嶋の三人に負わされた傷に触れる。 時間を置けば回復するもので、深くはない。 しかし放送前の戦闘と違うのは、三人が生身の人間だった事だ。 ただの人間達が支給品の効果ではなく己の身一つ、剣一本で世紀王に立ち向かい手傷を負わせた。 それもサタンサーベルを持った状態のシャドームーンに、だ。 その事実にシャドームーンは少なからぬ感銘を覚えていた。 シャドームーンの背後で、最後に残った縁が立ち上がる。 全身に走っていた管はもう見えない。 出血も疲労も一目で限界と分かるものだが、苦しげに息を吐きながらも縁は退く気配を見せなかった。 「ここは見逃してやろう。 消えろ」 シャドームーン自身、何故そんなつもりになったのかは分からない。 少なくとも油断によるものでないのは確かだ。 この殺し合いに、新しい可能性を見出したせいかも知れない。 その声が聞こえていたのかいなかったのか、縁はシャドームーンを相手に一人刀を構えた。 「蹴 撃 ――」 縁が言い終わるよりも早くシャドームーンは縁の眼前に立つ。 拳を一撃腹へ叩き込むと、縁はその場に踏み留まる事は叶わず紙のように吹き飛ばされた。 「次はない。 せいぜいそれまで、残り短い生を謳歌しろ」 世紀王には到底届かない、しかし有象無象と切り捨てられぬ敵。 シャドームーンは亀山薫との交戦から、この会場にいる参加者達をそう評価した。 だがブラックサンやシャドームーンを倒す「万一の可能性」は、起こり得る。 油断と慢心を捨てたからこそ、シャドームーンはそれを認めた。 前の戦闘で、シャドームーンはカードデッキを使って変身する二人を目撃した。 そこからカードデッキは参加者を「一定の強さに変える」、もしくは参加者を「強化する」為の支給品であるという仮説を立てた。 シャドームーンは更に推測を広げる。 もしもシャドームーンに生身で立ち向かったあの三人のような人間があのデッキを用いたら、どうなるだろうか。 前者の「一定の強さに変える」であれば、問題はない。 つまりは引き上げる強さに上限があるという事で、余裕を以て対処出来る事は既に証明されている。 だが後者の「強化する」であれば、楽観視は出来ない。 人間離れした力が更に強化されるなら――ブラックサンやシャドームーンに匹敵しかねないのだ。 故にシャドームーンはこの殺し合いへの警戒を更に強める。 しかし例え創世王の目的が何であろうと、次期創世王はこの自分。 だからこそヴァン達が今後デッキを手にする危険性を鑑みながらも、この場では止めを刺さない。 全て真正面から打ち破って見せる――それは、シャドームーンの世紀王としてのプライドだった。 そしてこの会場でいかなる敵が現れようと、王座を争う相手はあくまで南光太郎だ。 シャドームーンはこのバトルロワイアルへの思いを変化させながらも、宿敵への執念を薄れさせはしなかった。 【一日目午前/F-1】 【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】 [装備] サタンサーベル@仮面ライダーBLACK [支給品] 支給品一式、不明支給品1~3(確認済み) [状態] 疲労(中)、胸とシャドーチャージャーに傷(回復中) [思考・行動] 1:殺し合いに優勝する。 2:元の世界に帰り、創世王を殺す。 3:かなみは絶望させてから殺す。 4:死ななかった五人(ヴァン、C.C.、レナ、蒼嶋、縁)は次に会ったら殺す。 【備考】 ※本編50話途中からの参戦です。 ※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。 ※折れたブリッツスタッフ@ヴィオラートのアトリエ、折れた逆刃刀@るろうに剣心、レイ・ラングレンの銃(60/100)@ガン×ソード、菊一文字則宗@るろうに剣心が放置されています。 ※デストワイルダーの行方は、後続の書き手氏にお任せします。 ▽ シャドービームで撃ち落とされたC.C.とヴァンは大きな波飛沫を上げて海へ落下した。 直撃を受けたボードは砕け、最早本来の役割は果たせそうにない。 ビームの余波で気を失いそうになりながら、C.C.は海中でデイパックに手を入れる。 取り出したのは水中呼吸を可能にするエアドロップ。 とっさの事で一粒しか見付けられなかったが、不死のC.C.には不要の物だ。 思うように身動きが取れない中、ヴァンに向かって手を伸ばす。 ヴァンは連戦で負傷して体力を失っている状態で海中に放り込まれたのだ、このままでは死ぬ。 (起きろ、ヴァン!!) 気絶したままのヴァンの腕を掴んで手繰り寄せ、その口にドロップを押し込む。 (ヴァン、死ぬな!!! お前まで……お前まで私を一人に……!!) ヴァンの手を引き、レナ達を追って西へ泳ごうとする。 しかしC.C.もまた傷の回復が済んでおらず、息が保たない。 ゴボ、と肺に残った空気を吐き出すと、全身の筋肉が弛緩するのを感じた。 (ヴァン――) ▽ (抜刀斎が死んだ……?) シャドームーンが去る足音も聴いていない。 たった今まで続いていた戦いの中、縁の眼にはヴァンも、東條も、蒼嶋も、シャドームーンさえも映っていなかった。 目の前に広がるのはただ、縁の髪が白く染め上がったあの雪の日の光景と―― ――……がみ ――緋村剣心 ――平賀才…… ショックイメージの中で再生された放送。 そして初めに連れてこられた空間。 抜刀斎が、死んだ。 放送を聞いた瞬間に蓋をした、目を逸らした可能性。 姉が殺されたその日から呪い続けた男の、死。 それを信じられずに刀を振るっている間は逃避出来ていた。 しかしそれが終わってしまえば、目を向ける事になる。 (殺し合い…… そんなもので命を落とすような男から、俺は姉さんを守れ、なかった) 殺し合いで死ぬ、殺される。 縁はそんな弱い男からすら姉を守れなかった、最低以下の男になってしまったのだ。 (姉さん……教えてくれ、姉さん……俺は……) 縁の前に現れた巴の幻影は目を伏せたまま、微笑む事はなかった。 【一日目午前/F-1】 【雪代縁@るろうに剣心】 [装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心 [所持品]:無し [状態]:左肩に刺し傷、両拳に軽症、全身打撲、各部に裂傷、疲労(大) [思考・行動] 1:????? [備考] ※殺し合いを認識しました。 ※『緋村剣心』以外の死者の名前、及び禁止エリアの放送を聞き逃しました。 ▽ 千草が死んだ。 蒼嶋はそれが信じられなかった――と思おうとしているだけで、本当は分かっている。 蒼嶋は既に千草の死を理解し、受け入れていた。 そしてそんな冷酷とも言える自分の一面に、嫌気が差す。 「はは……女一人守れない上にこれだもんな……」 涙一つ出ない。 いっそパニックでも起こしていれば、幾らでも悲観に暮れて不幸に酔う事が出来たのに。 弱い自分や殺し合いに参加している者、殺し合いを仕組んだ者への怒りも、沸点を振り切れて逆に冷え切ってしまったようだった。 爪が掌に食い込むまで拳を握るが、その拳を振り下ろす場所を見付けられずに力なく解いた。 「ちぃちゃんが死んだんだぜ……? これじゃホントに、化物みてえじゃねえか……」 挙げ句、千草の遺体を保身の為に見捨てた。 学校が魔界に堕ちた時もそうだった。 人が死んでいるのに――自分が生き残る為なら幾らでも冷静でいられるのだ。 その証拠が手の中にあるデイパックとブラフマーストラ。 千草の亡骸の傍に落ちていた物だ。 「戦うのに邪魔になるから」と事前に千草に預けていた蒼嶋のデイパックもその中に入っている。 あの状況下でもアイテムは見落とさない。 蒼嶋は自嘲し、ますます自暴自棄になった。 「蒼嶋さん……ごめんなさい」 声を掛けられ、そちらへ顔を向ける。 レナの目は濡れて、今にも涙をこぼしそうだった。 「私が見た時はあの銀色の怪物はいなかったけど……それでも分かってたんです。 ……あそこが危ないって。 なのにヴァンさんとC.C.さんを、私の知ってる人達を助けたいって、そればっかりで……蒼嶋さん達を……」 「……巻き込んだ、ってか。 いいよ、もう。 俺も……ちぃちゃんも、危ないの承知でレナについてったんだから」 それを聞いたレナは俯いた。 蒼嶋はレナがそのまま自身を責めて泣き続けるのだと思い、冷めた目で見る。 自分の失敗による犠牲の大きさに、人の死という重さに耐えられる中学生がどこにいるだろう。 しかしレナは制服の袖で目元を拭うと、グッと顔を上げて蒼嶋の目を見据えた。 「……移動、しましょう。 C.C.さん達はまだ来てませんけど……こっち側には後藤っていうバケモノがいるんです。 私達を見付けたらきっと襲ってくるから、隠れないと」 (……おいおい) 「C.C.さん達は、何かあったのかも知れませんけど……絶対来ますから。 それまで、出来る事を考えましょう。 ……千草さんも多分、そうして欲しいと思ってるんじゃないかな……かな」 (おかしいだろ、それ) 「圭一君って、すっごく頼りになる男の子がいるんです。 きっと圭一君も、何とかしようとして頑張ってるから……」 (お前中坊だろ。親のスネかじって、友達と暢気に遊んで、人生バラ色ハッピーな歳じゃねぇか。 俺だって、人の事は言えねえけどさ) 「だから、私達も頑張りましょう」 レナは恐らくただ嘆く、ただ泣く事の不毛さを知っているのだろう。 思い返せば最初に出会った時から、レナの目には涙を擦った痕があった。 この会場で出会った友達を亡くしたと言った。 放送で親しい友達を三人も亡くしたと言った。 その四人の為に泣いて、泣いて――今のレナは、凛と立っている。 (どうして俺の会う中坊はどいつもこいつも、俺より強いんだかな……) 足下をふらつかせた蒼嶋は、レナに支えられながら歩いて行く。 疲れ切って、冷め切って、握り拳一つつくれないまま。 【一日目午前/ F-10 遊園地付近】 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】 [装備]:無し [所持品]:支給品一式、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、空飛ぶホウキ@ヴィオラートのアトリエ、真紅の下半身@ローゼンメイデン [状態]:疲労(小)、悲しみ [思考・行動] 1:圭一、詩音、C.C.、ヴァンと合流する。 2:蒼嶋と同行する。 3:翠星石と蒼星石も探す。 4:水銀燈、後藤、シャドームーン、縁を警戒。 [備考] ※この会場の西端と東端、北端と南端は繋がっています。 どこかの端からエリア外に出ると、逆の端の対応する位置へとワープします。 ※ギアス、コードについて一定の理解を得ました。 【蒼嶋駿朔(男主人公)@真女神転生if…】 [装備] ブラフマーストラ@真女神転生if… [支給品] 支給品一式×3、どんと来い超常現象全巻セット(なぜベストを尽くさないのか付)@TRICK、スイカ(残り4玉)@スクライド、 庭師の鋏@ローゼンメイデン、鉈@ひぐらしのなく頃に、織田のバイオリン@バトルロワイアル、未確認支給品(0~1) [状態] 各部に裂傷、疲労(大)、全身打撲 [思考・行動] 基本 ブイツーだかなんだか知らんがムカつく野郎はぶっ飛ばす。 0 ちぃちゃん……。 1 狭間は相変わらずの様子ならもう一回ぶっ飛ばす、つーか刺す。 2 一緒にブイツーだかをぶっ飛ばす仲間を集める。 [備考] ※千草が小病院でアイテムを調達しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。 ▽ C.C.が目を開けると、眼前には青い空が広がっていた。 まだ水中にいるのかと訝るが、身体は砂浜に横たえられている。 「ゲホ、ゴホ、……」 飲んだ海水を吐きながら上体を起こす。 視線を落とせば腹部の傷が小さくなっており、時間が少し経過している事に気付く。 服はまだ濡れているものの乾き始めていた。 水中にいたはずが地上に寝かされていたという事は、運ばれたのだろう。 そこまで考えたところで、すぐ傍にいた男の事を思い出す。 「ヴァン!」 見回すとすぐ横に、だらしなく大の字になって寝ている男がいた。 「生きてるか?」 「んん……」 声を掛けるとヴァンはうっすらと瞼を上げる。 普段通りの寝呆けた眼。 ショックイメージで起こした錯乱も、今は落ち着いているようだった。 「あの状態で人一人を抱えてここまで来るとは、大した奴だな。 今回ばかりは労わってやろう」 言って辺りを見回す。 戦闘になったF-1から西へ向かえばワープしてマップの東端に着き、遊園地が見えるはずだ。 そして近くにレナ達もいる。 その確信の下に三百六十度周囲を見たのだが、遊園地のシンボルたる観覧車の姿は見えない。 代わりに、どこか見覚えのある風景がある。 障害物の少ない荒涼とした土地に、離れた場所で細く黒煙を上げる何か――恐らく車だろう。 C.C.とヴァンの現在位置はH-1。 潮に流された後、ヴァンが適当に近くの浜を目指した結果だった。 「……」 シャドームーンから逃げる為に会場のワープを利用しようとしたというのに、マップの西端に戻って来てしまっては意味がない。 しかもレナ達とはぐれてしまった。 シャドームーンが付近にいないのがせめてもの幸いだが―― 「……私は『向こう岸へ逃げる』と言っただろう! お前はまともな方向感覚もないのか、このバカ!!」 「……すみません」 それを言った時、ヴァンは気絶していたのだから責めても仕方がない。 そう承知してはいても、C.C.はその場でヴァンを罵倒せずにはいられなかった。 【一日目午前/H-1 砂浜】 【ヴァン@ガン×ソード】 [装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- [所持品]:支給品一式、調味料一式@ガン×ソード [状態]:疲労(大)、右肩に銃創、右上腕部に刀傷、各部に裂傷、全身打撲 [思考・行動] 0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。 1:レイが気にならない事もない。 [備考] ※23話「みんなのうた」のミハエル戦終了後より参戦。 ※ヴァンはまだC.C.、竜宮レナの名前を覚えていません。 【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ R2】 [装備]:無し [所持品]:支給品一式×4、エアドロップ×2@ヴィオラートのアトリエ、ピザ@コードギアス 反逆のルルーシュ R2、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎 ファサリナの三節棍@ガン×ソード、カギ爪@ガン×ソード、レイ・ラングレンの銃の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード、確認済み支給品(0~2) [状態]:疲労(大)、腹部に傷(回復中) [思考・行動] 1:レナ達と合流する。 2:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない。 3:後でピザを食べる……つもりだったが、今はそんな気分ではない。 4:後藤、シャドームーン、縁は警戒する。 [備考] ※TURN11「想いの力」終了後、日本に戻る前から参戦。 ※不死でなくなっていることに気付いていませんが、回復が遅い事に違和感を覚えています。 ※フライングボード@ヴィオラートのアトリエは破壊されました。 【チーズケーキ@ヴィオラートのアトリエ】 シャリオチーズを材料に使ったとても美味しいケーキ。 体力・精神力・生命力が結構回復する。 時系列順で読む Back 英雄 Next 遊星よりの物体X 投下順で読む Back 英雄 Next 夢の終わり(前編) 104 英雄 シャドームーン 120 二心同体(前編) 雪代縁 121 彼と彼女の事情 ヴァン C.C. 竜宮レナ 112 Dear you 蒼嶋駿朔 千草貴子 GAME OVER 東條悟
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この病は死に至らず ◆JvezCBil8U 座り込んでいることさえできなかった。 力が入らず、勢いよく上半身が地面に倒れ込む。 エドワードの体から抜け出ていくのは、きっと、目に見えるものだけではない。 薄れていく意識の中で、安藤が何かを言いながら駆け寄ってくるのが見えた。 心配するな、と言おうとして、胃の奥からこみ上げてきた血がごぼりと口から洩れる。 「やべぇな……、死ぬかも」 そんな呟きすら、溢れる血は許さなかった。 体そのものが冷えていく。 痛みさえいつの間にか消えていた。 色々なものが眼前をよぎっていく。 昔の記憶、今の記憶。 ずっと隣を歩いていた弟。 取り戻したかった母。如何とも形容しがたい、父。 師匠からの虐待の日々や、旅の中で出会った人々。 敵として戦った人も、人でなくとも人らしかったものも、己の中にしっかりといる。 遡る時間の中には、特に忘れがたい思い出が焼き付いている。 禁忌の日。燃え盛る家。決意の朝。 踏み出した足と手は鋼に包まれていた。 虚ろな目で、視線を動かす。 ……ああ、そうだ。 この足と手で、ずっとこの道を歩んできた。 この足と手が、ずっとこの背を支えてくれた。 金色の髪が、目の前でなびいた気がした。 その笑顔を救わなければならない。 終わる訳にはいかないと、酩酊する頭でそれだけを形を確かにする。 けれどこのままでは助かるまい。 きっとこの体の死は免れ得まい。 さあ、どうするエドワード・エルリック。 損傷した肉体というハードが、まともな思考を許してくれない。 ……だが、それがどうした? 答えは既に己の内にある。 この島は、ありとあらゆる物質的なモノと数多の魂で編み上げられた巨大な錬成陣だ。 安藤はそこに、三次元の座標という新たな視点を組み込んでくれた。 ……だが、本当にこの錬成陣はそれだけか? 形あるものに、囚われ過ぎていたのではないか? 錬成陣の本質とは、情報の配置だ。 何処に何があるか、それを以って意味を形作る事でこの世の真理を教え説いているものだ。 ……ならば。 形など、物質的な場所など、それに代わる媒体があれば、意味をなさないのではないか。 覚束ない手で、ゆっくりと懐に手を入れ、取り出す。 大丈夫だ。 幸いこれは、壊れていない。 携帯電話を手にエドワードは、咳き込まぬようゆっくりと息を吐く。 思い当って然るべきだった。 情報だけで構築された、情報の為のネットワーク。 ……それは、物質を描いて作った錬成陣などよりも遥かに純度も密度も高い錬成陣となりえるのではないか。 参加者達の使用する掲示板やら何やらは全てカモフラージュだ。 本当に必要なのは、高密度の情報体そのもの。 インターネットこそ、この島の文字通りのライフライン。 アルフォンスは血を媒介にした錬成陣で魂を鉄の鎧に定着させることで、現世に居続けることが出来た。 携帯電話、そしてパソコン。自らの知らない鉄の技術。 それを応用して、この島のネットワークに魂を定着させることはできるだろうか? ……代価として、“扉”を開ける。 肉体など、いくら持っていかれてもかまわない。 元々首輪を外す手段として試みるつもりでいたのだ。 これを機に試してみるのは――悪くない、と思う。 それに、仮に、の話ではあるが。 もし誰かが錬金術を行使してくれれば、またこの体を持って戻ってくることが出来るかもしれない。 のろのろと両手を動かし、パン、と打ち鳴らす。 鋼の手と肉の手、二つが一つになり、ゆっくりと離れて行った。 そのまま両手は、携帯電話に。 ――押し当てる。 光に融けていくのが、最後の感覚だった。 【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師 消息不明】 ***** 現場検証を始めてすぐ、鳴海歩はそれに気付く。 「……これは」 東郷の死体のすぐ傍に転がっていた、もう一つの死体。 年端もいかない少年のそれは、見覚えのあるものを握っていた。 「コピー日記……。なんで、これが?」 我妻由乃との邂逅で失ったはずのコピー日記。 それを、この少年が持っているのは、どうしてか。 「……やられた、か?」 無論、あの時学校に置いてきたのをたまたまこの少年が回収したのだろうと考えることもできる。 勿論そんな偶然を信じるつもりはない。 何故なら、コピー日記は一見単なる携帯電話にしか見えない。 当然、この道具の真の価値を知っている者だからこそ、あのどさくさに紛れて持って行ったと考えるべきか。 そうなると、だ。 「こいつが秋瀬或……か」 あの場にいたはずの関係者で、雪輝でも由乃でもないなら、それしか考えられないだろう。 放送の情報があてにならないというのは、掲示板にも書かれている。 あるいは何らかの手段で自分達を誤魔化して、死んだことにしたのかもしれない。 いずれにせよ、この少年はずっとこそこそ裏で動いていたのだ、きっと。 電話越しのやり取りを思い出す。 ……警戒すべき相手だし、実際に言葉という矛を交えたこともある。 だが――嫌いにはなれなかった。 「…………」 黙祷を捧げる。 今できるのは、後はこの少年の遺志を継ぐこと。それくらいだ。 そして、東郷。 この男もまた、最後まで実直に在り続けたのだろう。 ……まさか死ぬなどとは思えなかった。 理性ではなく感情の面で、想像が出来なかったのだ。 「……あんたが死ぬなんて、一体何があったんだ?」 目を閉じ、やはり同じようにする。 目的のために手段を選ばない男だった。 善でもなく、悪でもなく、ただ自分であろうとする存在。 ……ある意味、自分が見てきた中で一番完成された人間だったのかもしれない。 だからこそその力を頼り、危険性を封じる為に、安藤と同行させたのだが。 ……そう、安藤だ。安藤が、ここにはいない。 そのことにうすら寒いものを感じる。 彼の安否はどうなったか。それとも、彼自身がこれを引き起こしたのか。 物言わぬ躯と語らうことで、その片鱗でも拾えればいいのだが。 東郷の死体を見やる。 あんまりにも綺麗に、脳天が撃ち抜かれている。 だが、状況があまりに不自然だ。抵抗の様子が全く見られない。 この狭い部屋の中で、この男が何もできずこうまで圧倒された? ……有り得ない。これほど用心深い偉丈夫が、室内戦で後れを取るはずがない。 何らかの理由で全く抵抗が出来なかったと考える方が妥当だ。 ……そう。 例えば、相手の意識を完全に奪う異能の様な。 しかし、しかしだ。 東郷の死因は、間違いなくこの銃痕だ。 そして自分の知る限り、あの能力はこの口径の銃と同時に扱う事は不可能なはずだ。 と、なると――最低でも一人、共犯者がいることになる。 思い当るのは、やはり先刻の狙撃手だ。 「…………」 知人を疑う自分に、嫌気がさす。 だが、思考を止めることはしない。 それが自分に出来ることだと知っている。 たったひとつの冴えたやりかた、などと、何かを妄信するつもりはない。 ありとあらゆる可能性を試し、足掻き、藻掻き、進んで退いてを繰り返し。 この道の先を知らぬ人間でも、それでもいつか、どこかに手が届くのだ、と。 ――それが鳴海歩なのだから。 頭を振り、検証を続ける。 まだ、あの少年が犯人だと決まった訳ではない。 ……しかしだ。 やはりこの室内は綺麗すぎる。 秋瀬或と、東郷。最低二人はいたはずなのに、どちらか一方すら犯人と争った形跡がないのはやはり妙だ。 「…………?」 視線の先に、弾痕が止まる。 壁にぽっかと開いたそれは、一見流れ弾による産物のようにも見える。 が。 「……血液の飛び散り方と、射線軸が一致するな」 ――壁越しに攻撃した、とでもいうのか? 馬鹿な、と自分の考えを否定する。 完全な盲射ではないか、と。 謎の狙撃手の仕業だとしても馬鹿馬鹿しい。 ……だが、もしそうなら東郷さえ手も足も出なかった理由に説明がつく。 流石に壁越しに正確な攻撃を脳天に食らう、などというのは想像すらできないだろう。 異能による意識の喪失と、壁越しの奇襲。 これらが同時に発生したならば、流石の東郷でもどうにもなるまい。 ……もし、壁越しに攻撃したとして。 予めそこに撃ち込めばこの結果がもたらされると確信していたが如く、 こうも正確に脳天を撃ち抜く――その手段はなんだ? 「…………」 結論ありきで考えている。それは分かっている。 ――誰かに意識を誘導されているのかもしれない。 踊るのは慣れている。……この感覚は、身に染みている。 だが、それでも。自分にはこれしかないのだ。 大きく、ゆっくりと、時間をかけて溜息を。 酸素を取り込み、掻き乱された頭を整調する。 時間が惜しい。 一つの疑問点にかかずらってはいられない。 東郷の躯から、秋瀬或と思しき死体にまた視線を戻す。 「ん……?」 よくよく見ると、握っているモノはコピー日記だけではない。 もう片方の手には、メモ帳が握られていた。 それもわざわざ、自分の血に濡れないように。 「これは……」 ――感嘆する。 そこには数々の、秋瀬或の得た情報や、そこから導いた考察が詰まっていた。 特に最後の方には、錬金術とその視点から見たこの島について詳しく書かれている。 エドワード・エルリックより聴取、と、小さく脇に記されていた。 几帳面なことに、この情報を聞いた時刻までしっかりと。 「エドワード・エルリック……か」 ……この男は、何処にいる? 記された時間からして、まだ遠くには行っていないはずだ。 この惨劇が発生してからの時間は、きっと思うより遅くない。 おそらくは東郷や、安藤とも共にいたはず。 「探してみる価値は……あるな」 書かれている内容は錬金術を不完全とはいえ齧った自分には興味深いものばかりだが、 後で読み返すことにして一旦置いておく。 ……自分の兄の名前が記されていたことも、今は保留だ。 懐に手帳をしまい、次に手を伸ばしたのはコピー日記だ。 これもまた、血に濡れないように気遣われていた。 「……懇切丁寧だな」 苦笑する。 ……この男は、そういう男だ。 僅かなやり取りではあったが、十分に理解させられた。 もしかしたら最初から自分に遺すつもりでこうしていたのかもしれない。 神社で合流というのは、おそらく東郷達から聞いていたのだろうから。 「……っと」 ひらりと、二つ折りのコピー日記の隙間から紙が零れ落ちる。 「なんだ……?」 畳まれたそれを開いてみる。 ――名簿だった。 一部の名前が赤に染まった、名簿。 「……っ!」 不自然なことではない。名簿に記された死人の名前は、赤く染まる。 だが、その中で一つだけ。 染まった方法が、明らかに違うものがあった。 「安藤……!?」 その名前が、真っ赤に染まっている。 この名簿の機能ではない、秋瀬或自身の、血によって。 ――秋瀬或は、探偵だ。 こんな名簿をわざわざ、コピー日記に挟んでおいた、その意図は。 歩の中で、何かがカチリと填まる。 そう、コピー日記だ。 あの秋瀬或が、単に自分が秋瀬或だと自分に伝える為だけに、こんな回りくどいことをした? 否だ。 待て。 待て、待て。自分は先ほど何と考えた? 『予めそこに撃ち込めばこの結果がもたらされると確信していたが如く、 こうも正確に脳天を撃ち抜く――その手段はなんだ?』 ――そうか、と歩はしっかりと、秋瀬或のバトンを受け取った。 「未来日記。……安藤、お前は」 【ゴルゴ13@ゴルゴ13 死亡】 【秋瀬或@未来日記 死亡】 【F-5/神社/1日目/夜中】 【鳴海歩@スパイラル~推理の絆~】 [状態]:疲労(中)、腹部裂傷(小)、貧血、左肩に深い刺創(応急手当済み)、両腕に複数の裂傷 [服装]:上半身裸 [装備]:秋瀬或のメモ帳、小型キルリアン振動機“チェシャキャット”(バッテリー残量100%)@うしおととら、コピー日記@未来日記、風火輪@封神演義 [道具]:支給品一式×3、医療棟カードキー、破魔矢×1、社務所の売り物(詳細不明)×0~3、錬丹術関連の書籍、 手錠@現実×2、警棒@現実×2、警察車両のキー 、詳細不明調達品(警察署)×0~2(治癒効果はない)、 No.11ラズロのコイン@トライガン・マキシマム、居合番長の刀@金剛番長、月臣学園男子制服(濡れ+血染め)、雪輝日記@未来日記 [思考] 基本:主催者と戦い、殺し合いを止める。 0:未来日記を得た安藤と狙撃手の協調への強い疑い。 1:放送の内容やネット情報、秋瀬或のメモについて考察したい。 2:競技場に向かい、趙公明の動向を探る。並行してエドワード・エルリックの捜索。 3:結崎ひよのに連絡を取り、今後の相談をしたい。 4:島内ネットを用いて情報収集。 5:首輪を外す手段を探しつつ、殺し合いに乗っていない仲間を集める。 6:カノン・ヒルベルトの動向には警戒。 7:『砂漠の星の兄弟(姉妹?)』に留意。 8:『うしおととら』と、彼らへの言伝について考える。 9:神社の本殿の封印が気になる。 [備考] ※第66話終了後からの参戦です。自分が清隆のクローンであるという仮説に至っています。 また時系列上、結崎ひよのが清隆の最後の一手である可能性にも思い至っています。 ※主催者側に鳴海清隆がいる確信を得ました。 また、主催者側にアイズ・ラザフォードがいる可能性に気付きました。 ※会場内での言語疎通の謎についての知識を得ました。 ※錬金術や鋼の錬金術師及びONE PIECEの世界についての概要を聞きましたが、情報源となった人物については情報を得られていません。 ※錬丹術(及び錬金術)についてある程度の知識を得ました。 ※安藤の交友関係について知識を得ました。また、腹話術について正確な能力を把握しました。 ※未来日記について、11人+1組の所有者同士で殺し合いが行われた事、未来日記が主観情報を反映する事、 未来日記の破壊が死に繋がる事、未来日記に示される未来が可変である事を知りました。 ※考察に関しては、第91話【盤上の駒】を参照。 ※秋瀬或のメモ帳には、或が収集した情報とエドワードの錬金術についての知見、それらに基づく考察が記されています。 ※神社の石段手前に中型トラックが停められています。 ※ゴルゴ13の死体はブラックジャックのメス(8/10)@ブラックジャック、ジャスタウェイ(4/5)@銀魂、携帯電話(白)を身につけています。 ※秋瀬或の死体はクリマ・タクト@ONE PIECE、ニューナンブM60(4/5)@現実を身につけています。 ※ゴルゴ13の死体の傍にデイパック(支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師、包丁、不明支給品×1(武器ではない)、熱湯入りの魔法瓶×2、ロープ 携帯電話(黒)、安物の折り畳み式双眼鏡、腕時計、ライターなどの小物、キンブリーの電話番号が書かれたメモ用紙)が落ちています。 ※秋瀬或の死体の傍にデイパック(支給品一式、各種医療品、 天野雪輝と我妻由乃の思い出の写真、ニューナンブM60(5/5)@現実、.38スペシャル弾@現実×20、 警棒@現実×2、手錠@現実×2、携帯電話、A3サイズの偽杜綱モンタージュポスター×10、A3サイズのレガートモンタージュポスター×10 永久指針(エターナルポース)@ONE PIECE)が落ちています。 ***** 目の前で、エドワードが撃たれた。 たったそれだけで、安藤は混乱の極みに陥った。 何故? どうして? 誰が? 何処から? 今すぐここから逃げる、という選択肢さえ、考える余裕はなかった。 こんな筈ではない。 こんなの予定にない。 妄信は依存を生み、依存は安寧を育てる。 然らば、依存を失った安寧は淪落するが道理というものだ。 「そんなっ! なんで……!? 駄目だ、こんなの駄目だ! エド、エド!」 半狂乱。 かろうじて理性がアトラスのように自我を支えているだけで、安藤は己の体調をも顧みずエドワードに縋りつく。 捨て去ったと思っていた罪悪感はちっともそんなことなく整然と心に積み上げられていて、あたかも図書館の本棚の如く自分の周りに聳え立っている。 ……ただ整理をつけて、動き回るのに支障はないようにしただけ。 どこまで行っても安藤は、その心は、どこにでもいる普通の人のものなのだから。 「エド、駄目だ! あんなこと言っといて死ぬなよ! お前……っ、ウィンリィさんを守るんだろ! 救うんだろ!? 俺とおんなじで、弟がいなくなって、辛いんだろ? だったら駄目だ! ちゃんと最後まで生き抜いて、あいつを――死んだあいつらを救わなきゃ!」 喚き散らす。 涙と鼻水と血が顔面をぐちゃぐちゃに汚し、ついた膝は泥塗れ。 尊厳とか誇りとか、そんなものとはこの世で一番程遠い姿である。 実に惨めったらしい。 けれど、エドワードはそんなことはお構いなしで。 目の前でごそごそ何かを取り出すと。 「……エ、ド?」 呼び掛けは虚空へ。 エドワードは自分を見てなどいないのだと、脳漿に氷柱をぶっ刺されたように急速に理解した。 これ以上一人相撲を続けることはできず、けれどこのまま黙って何もしない訳にもいかず。 硬直した僅かな間のその隙に、安藤の出来ることは全て終わっていた。 唐突にまばゆい光が目の前で起こり、焼かれないよう一瞬目を閉じる。 とっさに掲げた腕がその動きを止める頃には、事態はとっくに終わっていたのが間抜けな光景ではある。 ちかちかとする視界を無理にこじ開け、目を眇めながらすぐ先のエドワードを確かめる。 「エド?」 返事はない。 急に辺りが冷え込んだように、感じた。 「……え、あ?」 そこに動く影は、もはや安藤一つしか存在しなかった。 エドワードがいた場所には、首輪と、服と、彼の荷物が転がっている。ただそれだけ。 どういうしかけか、機械鎧はそこにはない。 ベージュとハートの携帯電話が、やけに月明かりに輝いていた。 「え……、何、が」 理解できない。 銃で撃たれた、それだけなら理解はできる。 たとえ取り乱してもちゃんと筋道立てて考えられる。 ……もう、安藤の頭は飽和状態だ。故に完全な思考停止に陥る。 倒れた。光った。消えた。 安藤に分かるのはそれだけ、因果も何も見えては来ない。 何も分からず、何もできず、ただそこに立ち尽くしていた。 たった一人で。 ……一人? いや、違う。 ざり、という音が、安藤のすぐ傍から届く。 はっとして顔を挙げる。 佇む影が、静かににじり寄っていた。 まるで幽鬼のように音もなく、しかし、おぞましいほどの笑みをその顔に浮かべて。 「電話をかけてみて正解だったね。 どっちが僕に連絡を入れてきたのか分からなかったから、試しただけなんだけど。 こんなに簡単に君を特定できるとは思わなかったよ」 言葉が出ない。 ああ、神様。それとも悪魔? この出会いで、何を自分に求めているのです? 「やあ……」 たった今殺戮を行ったばかりのその手を柔らかに伸ばし、人好きのする表情で。 それは、告げた。 「初めまして、僕はカノン。カノン・ヒルベルトだ」 【D-4/川辺/1日目/夜中】 【カノン・ヒルベルト@スパイラル~推理の絆~】 [状態]:疲労(小)、全身にかすり傷、手首に青痣と創傷、掌に火傷、“スイッチ”ON [服装]:月臣学園男子制服 [装備]:M16A2(12/30)@ゴルゴ13、理緒手製麻酔銃@スパイラル~推理の絆~、麻酔弾×15、携帯電話(シルバー) [道具]:支給品一式×4、M16の予備弾装@ゴルゴ13×3、パールの盾@ONE PIECE、 大量の森あいの眼鏡@うえきの法則、研究所の研究棟のカードキー、 五光石@封神演義、マシン番長の部品、秋葉流のモンタージュ 不明支給品×1 [思考] 基本:全人類抹殺 1:鳴海歩と合流は保留。通信ネットワークの存在下における最適な殲滅方法を再定義。 2:安藤(兄)への興味。 3:十分なアドバンテージを確保した状態であれば、狙撃による人類の排除。 [備考] ※アイズ・ラザフォードを刺してから彼が目覚める前のどこかからの参戦です。 ※剛力番長から死者蘇生の話を聞きました。内容自体には半信半疑です。 ※みねねのトラップフィールドの存在を把握しました。(竹内理緒によるものと推測、根拠はなし) 戦術を考慮する際に利用する可能性があります。 ※森あいの友好関係と、キンブリーの危険性を把握しました。 【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX】 [状態]:全身打ち身(中)、頭部裂傷(小)、腹話術の副作用(大)、魔王覚醒、風邪気味 [服装]:飼育員用のツナギ [装備]:殺人日記@未来日記(機能解放) [道具]:イルカさんウエストポーチ、菓子数個、筆記用具(以上全て土産物)、土産品数個(詳細不明) 水族館パンフレットの島の地図ページ、携帯電話(古い機種) [思考] 基本:脱出の糸口を探す。主催者と戦う。危険人物は可能な限り利用した上で同士討ちを狙う。 0:エドワードの消滅とカノン・ヒルベルトの意図に混乱。 1:首輪を外す手段と脱出、潤也の蘇生の手掛かりを探る。 2:闘技場に向かい、C・公明の企みに介入する。可能ならば病院で治療も。 3:殺し合いに乗っていない仲間を集める。利用できるなら殺し合いに乗っていても使う。 4:歩本人へ強い劣等感。黒幕の一味との疑い。 5:エドの機械鎧に対し、恐怖。本人に対して劣等感。 6:リンからの敵意に不快感と怯え。 7:関口伊万里にやりどころのない苛立ち(逆恨みと自覚済み)。 8:今後の体調が不安。『時間』がないかもしれない。 [備考] ※第12話にて、蝉との戦いで気絶した直後からの参戦です。 ※鳴海歩から、スパイラルの世界や人物について彼が確証を持つ情報をかなり細かく聞きました。 ※会場内での言語疎通の謎についての知識を得ました。 ※錬金術や鋼の錬金術師及びONE PIECEの世界についての概要を聞きましたが、情報源となった人物については 情報を得られていません。 ※我妻由乃の声とプロファイル、天野雪輝、秋瀬或のプロファイルを確認しました。由乃を警戒しています。 ※未来日記の世界と道具「未来日記」の特徴についての情報を聞きました。 ※探偵日記のアドレスと、記された情報を得ました。 ※【鳴海歩の考察】の、1、3、4について聞いています。 詳細は鳴海歩の状態表を参照。 ※掲示板の情報により、ゆのを一級危険人物として認識しました。 ※腹話術の副作用が発生。能力制限で、原作よりもハイスピードで病状が悪化しています。 ※九兵衛の手記を把握しました。 ※月食が"何か"を引き起こしかねないという考察をエドに聞いています。 ※秋瀬或から彼自身の考察や鳴海清隆についての話をある程度聞いています。 ※エドワードと秋瀬或の交渉の中で、エドワードの考察をある程度聞いています。 ※キンブリーと趙公明の繋がりを把握しています。 ※携帯電話(ベージュ+ハート)、エドワードの首輪、エドワードのコートと服、バロンのナイフ@うえきの法則、 デイパック(支給品一式(二食消費)、かどまツリー@ひだまりスケッチ、柳生九兵衛の手記、食糧1人半分、割れた鏡一枚、土産品数個(詳細不明))が安藤の目の前に落ちています。 時系列順で読む Back ギャシュリークラムのちびっ子たち Next 狂い咲く人間の証明 投下順で読む Back ギャシュリークラムのちびっ子たち Next 狂い咲く人間の証明 170 ギャシュリークラムのちびっ子たち 秋瀬或 GAME OVER 170 ギャシュリークラムのちびっ子たち 安藤(兄) [[]] 170 ギャシュリークラムのちびっ子たち エドワード・エルリック [[]] 170 ギャシュリークラムのちびっ子たち カノン・ヒルベルト [[]] 170 ギャシュリークラムのちびっ子たち ゴルゴ13 GAME OVER 170 ギャシュリークラムのちびっ子たち 鳴海歩 [[]]
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Deus ex machina ◆oRFbZD5WiQ 蛇を相手にしているようだ。 弁髪の老人と交戦し数分、Dボゥイはそのような感想を抱いた。 「く――おおおお!」 体が軋み、思考はどこか霞んだように不明瞭となっている。 それでも、退くワケにはいかぬ。その思考が意識を繋ぎ止め、両の腕が剣を振るう力を生み出す。 「ぬるいわぁ!」 されど、相手は蛇。ぬるりと枝を這うように剣の軌道から外れ、拳を振るう。 そして――衝撃。 がは、と肺の空気を吐き出し、ゴム鞠のように後方に吹き跳ぶ。その勢いで廃墟と化した家屋に突き刺さる。 常人なら既に十は死んでいるであろう暴虐。されど、皮肉な事に、彼が憎むラダムの力が命をつなぎとめていた。 「ぎ――ぐ、」 されど、それにも限界は存在する。 コンクリートとて、長い年月の間、水滴を受け続ければ抉れる。それがドリルであれば尚更だ。 そして、あの老人の力はドリルほど生易しいモノではない。 東方不敗――マスターアジア。 その名で呼ばれる老人の拳は、下手なモビルファイター相手ならば十分渡り合える代物だ。それを幾重も受けて、無事で済むはずがない。 その上、Dボゥイは万全ではなかった。貧血、打撲、裂傷――それらが、元々薄かった勝ち目を致命的なまでに遠ざけていた。 「ふん、宇宙人と言うからにはもう少し歯ごたえがあると思ったが――これでは、あの馬鹿弟子の方がまだ見込みがある」 黙れ。 そう呟く気力もない。 聖剣を杖にし、ゆらりと立ち上がる。それは幽鬼のような動き、もはや戦闘に堪えうるのは不可能であるのは、誰の目にも明らかだ。 けれども、意志は肉体を凌駕する。まだ立てる、その思考が体に喝を入れる。 精神論と嘲る事なかれ。強い精神は肉体を超越するという事実は、プラシーボという形で医学にも用いられている。 「――ふむ、その根性だけは認めてやろう。だが、実力が伴っておらぬようだな。 宇宙人よ、Dボゥイよ。貴様には『体』はあっても『技』がない。 身体能力があろうとも、それを生かす技術が存在しない」 確かに、と思う。 自分はテッカマンになれる。テックランサーやボルテッカ、そして、圧倒的な推進力で突貫するクラッシュイントルードなどといった力を振るう事が出来る。 しかし、確かに訓練はしたものの、それは、テッカマンのポテンシャルに頼り切ったモノ。 元来の肉体には、アキのような体術もなければ、ノアルのような銃技もない。 「その肉体だけで勝てると思っておったか、愚か者めが」 迎え撃とうとするが――致命的なまでに遅い。腹部に膝が食い込み、きりもみしながら吹き飛ぶ。窓を窓枠ごと突き破り、ガラスまみれの状態でアスファルトに転がった。 「人には牙がない。爪がない。それ故に、武器を作った、体を鍛え上げた――技を磨いた。 知るがよい、遥か遠方から訪れた来訪者。これが人が生み出した牙、格闘技だ。 流派東方不敗、その身に刻み、そして逝け!」 更にもう一度、一撃を加えられた、ような、気がする。 だが、どこか感覚が曖昧だった。 意識が徐々に遠のいていく感覚。それは甘美な誘惑。苦しみから解き放ってやろうという――死神の誘い。 ――ふざけるな。 そちらに傾きかけた心に喝を入れ、立ち上がる。 瞬間、顔面に拳が突き刺さった。 「ァ――――が!」 それはまるで、なけなしの気力を砕くように。 砕けたアスファルトの上を滑るように吹き飛ぶ。がりがり、という音。石が服を食い破り、皮を切り刻み、肉を食む音。 立ち止まった頃には、リムジンから伸びているような赤いカーペットが敷かれていた。 その上を、あの老人が悠々と歩いている。 全く以って似合わないな、と。酷く場違いな思考が過ぎる。 ――まずいな。 笑みが漏れてきた。今の自分の状態も、目の前の老人も、可笑しくてたまらない。 脳内麻薬でも分泌されだしたのか、痛みも薄く、むしろ快感な気さえする。 その快楽に身を委ねれば、きっと楽に死ねる。この胸の奥底を炙る復讐の炎から解放される。 だが、それを受け入れるワケにはいかなかった。 それは復讐のためであり、そして――あのか弱い少女のためである。 だから、Dボゥイは立つ。背中を真紅に染めながらも。 その姿を、酷くつまらなそうに見やる老人を睨みながら、無意識でも手放さなかった剣を握る。 「――ねえ」 そんな中、いつの間にか隣にいた少女が口を開いた。 ◆ ◆ ◆ その情景は、悲惨を通り越して滑稽なものだった。 絞りカスで戦っているようなDボゥイと、ほぼ万全な状態の東方不敗。 天秤がどちらに傾くかなど、火を見るより明らか。いや、火を見て明らかというべきか。 数回の攻撃で力を使いきったのか、Dボゥイは反撃どころか防御すらマトモに出来ていない。ただただ、ゆらりと立ち上がるだけ。 その姿は、ゾンビ映画を連想させる。 然り。その姿は死体のようで、いつ崩れてもおかしくない泡沫のようで―― 「ァ――――が!」 顔面に拳が突き刺さる。受身を取る事すら許されず、背中を砕けたコンクリート片が散らばる地面に擦りつけながら、こちらに飛んでくる。 地面が赤い。流血と皮、肉、服の破片。それらが散らばる絨毯を、老人は悠々と歩く。 もはや追い詰める必要はない、そう言うように。 然り。ここまでの暴虐を受けて、なぜ抗うというのか。 これ以上、どう抗おうとも侵略めいた拳によって蹂躙されるだけではないか。 (……なんで?) それでも、彼は立ち上がった。 十中八九殺されるこの状況で。座して死を待った方が楽であろう、この状況下で。 分からない。なぜ、彼が立つのか。 そうだ、分からないといえば、自分を殺さなかった事も分からない。分からない事だらけだ。 「――ねえ」 だからだろうか。無意識の内に口が開いていた。 「どうして、そんな風に立っていられるの?」 ああ、と思う。 それはたぶん、似ているからだ。 彼は言っていた。許せないと。不幸を理由にして殺し合いに乗っていることが、俺には許せないのだと。 あの言葉を聞いた時に、なにか、感じ取るモノがあった。 それは――どこか同類めいた何か。 その男が立つ理由、それが、どうしても気になったのだ。 「――これ以上」 噛み締めるように、Dボゥイが口を開く。 それは、舞衣の問いに答えたと言うよりは、自分自身に言い聞かせているようだった。そう、まるで折れかかった心を支えるように。 「これ以上、こぼさない、ためだ」 剣を構える。だが、力が入っていないのか、その重さで前に倒れかけ―― 「失ったモノは取り戻せない。だから、俺は復讐の道に足を踏み入れた。だが――」 ――その寸前で踏ん張る。 その姿は、壊れかけたロボットがダンスを踊っているよう。不安定で、醜く、滑稽で―― 「――それでも、これ以上、大切なモノをこぼしたくないからだ」 ――けれど、心のどこかに訴えるモノがあった。 ◆ ◆ ◆ そうだ、これ以上、何かを失いたくはない。 自分が死ねば、シンヤは用済みとなったゆたかを殺すだろう。 そう、彼女には随分と助けられた。 もっとも、本人は否定するだろう。助けられたのはわたしですよ、と。 ああ、確かに。確かに、肉体的な面で自分は彼女を何度か救った。 けれど、それ以上に、彼女はDボゥイの精神面を救ってくれた。 だから――Dボゥイは老人を睨みつける。 それは、徹底的に抗うという決意。 それは、この命を貴様に渡すワケにはいかぬ、という宣言。 「オ――」 吼える。喉を震わせ、全細胞に告げる。 なにを腑抜けている、血が足りない? 傷が開いた? 疲労が酷い? その程度で眠っているのか貴様らは! どうせ、ここで抗わねば死ぬのだ。なら――全ての力を引き出してみせろ。 そう、徹底的にAngriff! Angriff! Angriff! 剣を以って活路を開くのだ! 「――オォォォオオォォオッ!」 駆ける――否、その速度は普段の歩みよりもなお遅い。 杖をついた老人よりは速いだろうか? その程度の速度でしかない。 「ふん、諦めの悪い。いいだろう、この一撃で――む?」 それは、純粋な疑問だった。 Dボゥイと目を合わせた東方不敗は、ありえない何かを見るような目で瞳を見開いた。 ――なんだ? まるで、『Dボゥイの目が、別の何かに取って代わった』とでも言いたげな瞳。 「貴様、それは一体――」 知った事か。 心中で吐き棄て、剣を振るった。 風を切る音はしない。ゆっくりと振り下ろされていくそれは、スローモーションでも見ているのではないかと思わせる。 しかし、 (なんだ――?) なぜだろう。 今なら、たとえこの速度だとしても威力を発揮できる。そんな気がしたのだ。 誰が言ったわけでもない。強いて言えば、剣の鼓動から感じ取ったというべきか。 つい先程まで感じなかった力の唸りが、他ならぬ自分から注ぎ込まれている――そんな気がしたのだ。 「勝利すべき(カリ)――」 知らず、呟く。 流れ込んでくる名を。檻に囚われた獣を、解放するように。 先程まではなかった感覚に困惑しつつも剣を力強く握るDボゥイ。 その瞳は――確かに螺旋を描いていた。 「――黄金の剣(バーン)!」 そして、光が溢れた。 ◆ ◆ ◆ 突如視界を覆った光は、現れた時と同じように唐突に消えた。 そっと、瞳を開く。 「なに、これ」 舞衣の瞳に飛び込んできたのは、大地に穿たれた巨大なクレーターだった。 見渡すと、辺りはもうもうとした土煙で覆われていた。近くは見えるのだが、遠くは全く見えない。 事実、舞衣が向いている方角――即ち、北で遠く見えていた学校も、今は輪郭すら掴めない。 大きさは、大体一般家屋一つ分。恐らくは、先程まであの二人がいた場所。 なら、あの二人は? 「あ――」 視線を彷徨わせると、すぐ近くで倒れているのが見て取れた。 恐らくは、この衝撃で吹き飛ばされたのだろう。 恐る恐る、彼に近づく。 幸いな事に、生きてはいるようだ。打撲こそ多いものの、裂傷が少ないのが幸いした。止血さえすれば、命を取り留める事はできるだろう。 そこまで考えて、ハッとした。 「なんで助ける事を前提に考えてるのかな……」 それは――たぶん、憧れめいたモノを抱いたから。 あの背中は、自分と同じでありながら、けれども決定的に違うモノがあった。 それを、知りたい。 同類めいた自分たちが、けれども別の道を進んだワケ。その答えが欲しい。 それさえあれば、この揺らぐ心も収まるのではないか、そう思ったのだ。 そっと抱きかかえようと屈み込み、 「中々の威力。少々肝を冷やしたわ」 しわがれた声に体を硬直させた。 ありえない、だって、あんな威力の破壊を受けて、生きているはずがない。 だというのに、 「なん、で」 あろう事か、その老人は傷一つ負ってはいなかった。 「馬鹿者が。どれほど威力があろうとも、直撃さえ受けなければ傷付かん。 ましてや、振り下ろすだけで精一杯といった風体の者が放つ衝撃波など、見ずとも避けられるわ」 Dボゥイの『変化』に気づき、それがなんであるのか悩んでいる最中、彼が剣を振り下ろそうとした。 しかし、その剣が先程とは違う『気』めいた何かを纏っている事に気づき、剣の直線状から退避。すると、濁流の如く全てを押し流す衝撃波が、脇をすり抜けていった。 つまりは、ただそれだけの事。 本人すら気づかなかった螺旋力の覚醒。しかし、それも見当違いの方面に発揮されただけに終わったのだ。 必殺の一撃が外れた今、その効果はゼロどころかマイナスだ。 螺旋の力で増大した体力と力。だが、その力は魔力の代用品として聖剣に注ぎ込まれ枯渇、そして訪れたのは気絶という眠りだ。 これならば、まだ覚醒しない方が望みがあっただろう。 「失望したぞ、娘。よもや、ここに至って男を救おうとするとはな。 悲しみのままに罪無き子供を殺し、しかし数刻で心変わりするとはな。 外道を行い、けれど人を救う。その矛盾、真に人間らしい」 だが、と吐き棄てるように呟き。 「だからこそ、醜い」 え? と声を出す暇もない。 瞬時に間合いを詰めた東方不敗は、撫でるような滑らかな動きで拳を放つ。腹部にめり込む、破壊の鉄槌。 「ぐ――げ、ぇ」 カエルが潰れたような声と共に、血の混ざった胃液を吐き出す。 吹き飛ばなかったのは、きっと手加減されたからだろう。でも、なぜ? 「気が変わった。先に貴様から殺してくれよう」 髪の毛を乱暴に捕まれ、持ち上げられる。 ああ、そうか。手加減されたのは、ダメージを与えて動きを止め、かつ、遠くに吹き飛ばさないため。 動きが止まった自分を、確実に殺すため。 ああ、殺される。 恐らく、生身の自分では、ものの一撃で消し飛ぶだろう。 (でも、それもいいのかも) 死後の世界。 もし、そんなモノがあれば、きっとそこはこんな世界よりも幸せな場所に違いない。 だって、ここには辛い事しかない。 けれど、死後の世界に行けば、弟がいる、シモンがいる、なつきがいる。 自分が亡くしたモノ、その全てが、在る。 ならば、それでもいいじゃないか。 そう思って、舞衣は瞳を閉じた。 訪れる死を受け入れるために。 ◆ ◆ ◆ 機械仕掛けの神、デウス・エクス・マキナ。 物語が解決困難な局面に陥った時、脈絡もなく絶大な力を持った『神』が現れ、それを解決する演劇の手法である。 だが、それは好まれぬ手法でもある。 伏線もなしに登場するそれは、超展開と揶揄される事も少なくない。 ――しかし、である。 物語の登場人物にとって、そのようなモノは関係ない。 たとえ、神にも似た解決策に伏線があろうとも、登場人物がそれを自覚していなければ、彼にとってそれはデウス・エクス・マキナとなるのではないか? そして、鴇羽舞衣は、東方不敗マスターアジアは知らない。 ロイ・マスタングという男がDG細胞に侵されている事も、 彼がスバル・ナカジマの仲間を殺戮した事実も、 デパートで彼と彼女の戦いが起こっている現実も、 ――――スバル・ナカジマという少女が、己の力と宝具の力を最大限に用い、爆発的な閃光と共に付近を薙ぎ払った現実も。 全ては二人には知りえない事であり、脈絡のない神の光臨であった。 ◆ ◆ ◆ 瞬間、黒い視界が白に塗りたくられた。 閉じた目蓋の中ですら、「眩しい」と知覚できる暴力じみた閃光。 だが、彼女は幸いに瞳を閉じ、その上、デパートの方面――即ち、光源から背を向けていた。 しかし、東方不敗は違った。 光源の方角に体を向け、目を開いている状態。あの爆発的な光を、直視してしまったのだ。 「ぬぐォおおおおおおおおおおォ! ぐ、目が、目がァァあああ!?」 もし、彼に制限が加えられてなければ、いち早くそれに気づき、瞳を閉じる事もできたかもしれない。 だが、現実は非情であり、死を運ぶはずであった老人は、瞳を押さえ、苦しみ悶えている。 (……なによこれ。まるで) まるで、死後の世界の誰かが、自分に対して『生きろ』と背中を押しているようではないか。 そう、これ以上ない、という程の隙。これを逃せば、自分は殺されるだけだ。 だが、決心がつかない。心の中ある死の誘惑が足を縛る。 しかし、ふと思い出す。 足元で倒れる彼、Dボゥイ。 彼の話を聞きたい、そう思ったのではないか? そこまで考えて、舞衣は彼を背負い、ゆるやかに移動を始めた。 けれど、その速度は致命的なまでに鈍い。 振り向けば、背後で悶え苦しむ老人の姿は、未だ近距離と言っても差し支えのない距離だ。 「はや――くっ」 叱咤するように呟き、足を進める。 だが、いかにHiMEの彼女とて、生身の能力は一般女子高生と大差はない。 そんな彼女が、筋肉質な男を背負い、かつあの老人が回復する前に逃げ去る事は出来るか? ――不可能だ。 そもそも、彼女の疲労は既に限界であり、自分だけ走って逃げるという選択肢も危うい状態だ。 せめて――せめてエレメントが使えれば。 あれがあれば飛べる。走るよりずっと速く移動が出来る。 けれど……あの力は、今は使えない。 歯を食いしばる。結局、自分はなにもできない。奪われるのを待つしかできない――! ――轟、と。 聞きなれた音が、確かな温かみが、両の腕に宿った。 「え……?」 両腕の腕輪。彼女の力、エレメントの姿がそこにあった。 失ったのではないのか、使えなくなったのではないのか。 だが、考えている暇はない。腕に巻かれたそれに力を込める。すると、彼女に答えるように腕輪は炎を纏いながら高速回転し――彼女を動かした。 本来は飛べるのだが、今はなぜだか能力も低下しており、その上、男一人分の重量を背負っている。この速度で移動できるだけマシと考えるべきか。 風を切って移動しながら、舞衣は炎を用いてDボゥイの背中を、傷口を軽く炙る。 医者に見せたら怒られそうな処置ではあるが、治療道具も治療する暇もない今、それも致し方がない事だ。 もっとも、いずれは薬品などで消毒などをしなくてはならないだろうが。 だが、病院は駄目だ。あちらは、あの閃光が吹き出した方向。下手にそちらに向かって戦闘に巻き込まれれば、今度こそ助からない。 なら――学校だ。 あそこには保健室がある。もちろん、設備は病院などとは比べるまでもないが――贅沢は言えない。 「でも」 自分と彼との違い、それを聞いて、一体どうなるのか。 ……分からない。少なくとも、今は。 そうこうしている内に、学校はすぐそばまで近づいてきていた。 ◆ ◆ ◆ ――――HiMEの能力は、 大切なモノ(者、物)を媒介にし、自らの意志でエレメントやチャイルドを具体化することが出来る力だ。 故に、彼女が心を閉ざした為に、大切なモノという機動キーが鍵穴に差し込まれなかった。 鍵穴をちょうど悲しみのガラスで覆ってしまった、そのような形で。 だが――Dの青年との会話によって、僅かながらに心を開いたのだ。 ……そう、開かれた。 明けぬ夜はないように、閉ざされたままの心もまた、存在しないのだ。 けれども、それはあくまで僅かにだ。 彼女が心を完全に開くか、再びガラスで覆ってしまうかは――彼女の背で眠る、Dの青年の行方次第だ。 彼のDが彼女にとって、Dreamなのか、Deadなのか、Dangerousなのかは――まだ、誰も知らない。 そう、それは機械仕掛けの神とて同じ。 物語は進んだ、解決不能な命題はとある少女の最期の光で取り払われた。 これ以降は、彼の神が介入する余地はない。 二人の影は、未だ筋書きの定まらぬ物語を、ただひたすらに突き進んでいた。 【B-6/学校校門前/一日目/夕方】 【鴇羽舞衣@舞-HiME】 [状態]:疲労(大)、全身各所に擦り傷と切り傷、腹部にダメージ、罪悪感 [装備]:なし [道具]:支給品一式 [思考]: 1:Dボゥイの治療 2:1の後、彼の話を聞きたい 3:その後、自分の在り方を定める [備考] ※カグツチが呼び出せないことに気づきましたが、それが螺旋王による制限だとまでは気づいていません。 ※静留にHiMEの疑いを持っています。 ※チェスを殺したものと思っています。 ※一時的にエレメントが使えるようになりました。今後、恒常的に使えるようになるかは分かりません。 【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】 [状態]:左肩から背中の中心までに裂傷(開いた後、火で炙って止血)、右肩に刺し傷(応急処置済み) 全身打撲(大)、貧血(大)、腹部にダメージ、 背中一面に深い擦り傷(火で軽く炙り失血は停止)、気絶 [装備]:なし [道具]:デイバック、支給品一式、月の石のかけら(2個)@金色のガッシュベル!! [思考] 基本:テッカマンエビル(相羽シンヤ)を殺し、小早川ゆたかを保護する 1:………… 2:ゆたかと合流する 3:テッククリスタルをなんとしても手に入れる 4:極力戦闘は避けたいが、襲い掛かってくる人間に対しては容赦しない 5:再びシンヤとテッカマンの状態で闘い、殺害する [備考] ※殺し合いに乗っている連中はラダム同然だと考えています ※情報交換によって、機動六課、クロ達、リザの仲間達の情報を得ました ※青い男(ランサー)と東洋人(戴宗)を、子供の遺体を集めている極悪な殺人鬼と認識しています ※シンヤが本当にゆたかを殺すと思っているため、生への執着が高まりました。 ※恐らくテッククリスタルはどちらを使ってもテックセットが可能です。またその事を認識しています ※ペガスが支給品として支給されているのではと思っています。 ※螺旋力に目覚めた事実に気づいていません。 【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】 ――螺旋力覚醒。 ◆ ◆ ◆ 「ぬかったわ。まさか、あのような事が起こるとは」 瞳の焼ける痛みも治まり、辺りを見渡すが、当然の如く辺りに人影はなかった。 光が飛び込んできた方角に視線を向けると、先程までは見えていたデパートが消滅している。 「……モビルファイターでも支給されたか、はたまた宇宙人の能力の類か」 どちらにしろ、対人には過ぎた威力だ。 それが如何なる状況で行われたモノか、興味があるが――それ以上に、 「Dボゥイ、奴の瞳は確かに……」 ――ドリルの先端のような模様を持った瞳。別の表現をするならば、螺旋の瞳。 それが、気になった。 螺旋王ロージェノムが最初に言った、螺旋遺伝子の選定という言葉。 まさかとは思うが、あれが奴の言う螺旋遺伝子とやらなのだろうか。 しかし、分からない。 たとえ、推測が正しかったにしろ、なぜあのような状況下で力を使いだしたか。 奴に力を出し惜しみする余裕など、カケラもなかったはずだ。 「……なんらかの要因が引き金となり、その力が表に出てくる――それが妥当か」 もっとも、その『なんらかの要因』については皆目見当も付かないのだが。 ふむ、と小さく息を吐き、地面に落ちた剣を握る。 やはり、剣は光らない。 それが当然だ、というように鈍い光沢を放つそれをデイバックに仕舞いながら、最強の老人は呟いた。 螺旋遺伝子に目覚めた――と思われる――Dボゥイが使ったとき、この剣は莫大な力を発揮した。自分が握っても無反応だというのに、だ。 即ち、これは螺旋遺伝子とやらの力を伝達する、言わば砲身のようなモノだろうと当たりをつけた。 もし、その仮説が正しければ、螺旋遺伝子を発現させた者はこれを扱えるという事になる。 これを扱える者に出会えば、螺旋遺伝子の解明も進み、螺旋王とやらの思惑も理解できるかもしれない。 そのために、Dボゥイで実験をしたいところだったが――追撃をかけようにも完全に見失っている。 ふむ、と小さく息を吐き、遥か遠方に視線を向ける。 そう、自分の目を焼いた光の元へ。 「デパートに行くとしよう」 あの状態だ、病院に行っているとも考えられなくもないが、そのような分かりやすい場所には逃げ込まないだろう。 ならば、少なくとも場所は確定している光の元を目指すのが利口だ。 そうと決まればここに留まる道理はない。地面を蹴り、跳躍。原型を保っていた家屋に足をのせ、リズミカルに跳んで行った。 【C-6中央部/市街地跡/一日目/夕方】 【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】 [状態]:全身、特に腹にダメージ、螺旋力増大? [装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム [道具]:支給品一式、カリバーン@Fate/stay night [思考]: 基本方針:ゲームに乗り、優勝する。 1:E-6に向かい、光の原因を探る。 2:情報と考察を聞き出したうえで殺す。 3:ロージェノムと接触し、その力を見極める。 4:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける。 5:できればドモンを殺したくない。 ※137話「くずれゆく……」以後の行動は、騒動に集まった参加者たちの観察でした。 ※137話「くずれゆく……」中のキャラの行動と会話をどこまで把握しているかは不明です ※173話「REASON(前・後編)」の会話は把握しています。 ※螺旋王は宇宙人で、このフィールドに集められているのは異なる星々の人間という仮説を立てました。 本人も半信半疑です。 ※Dボゥイのパワーアップを螺旋遺伝子によるものだと結論付けました。 ※螺旋遺伝子とは、『なんらかの要因』で覚醒する力だと思っています。 ※ですが、『なんらかの要因』については未だ知りません。 ※視力については問題ないようです。 時系列順で読む Back 刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する(後編) Next 螺旋の力に目覚めた少女 投下順で読む Back シャドウ・ラン Next 螺旋の力に目覚めた少女 184 こころの迷宮 Dボゥイ 218 夢‐‐。涙…… 184 こころの迷宮 鴇羽舞衣 218 夢‐‐。涙…… 184 こころの迷宮 東方不敗 205 爆心地のすぐ傍で
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登録日:2024/06/15 Sat 06 47 09 更新日:2024/06/23 Sun 01 36 27NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 GK キャプテン翼 デューター・ミューラー ドイツ 古田信幸 増元拓也 細谷佳正 西ドイツ 概要 略歴 関係者 概要 デューター・ミューラーは、「キャプテン翼」に登場するキャラクター。 通称は鋼鉄の巨人。 国籍 ドイツ(連載当時は西ドイツ) 生年月日 8月10日 身長 193cm (プロ入り時点) 体重 98kg (プロ入り時点) ポジション GK 利き足 右 所属 西ドイツJrユース→シュツットガルト→ドイツユース→ドイツU−22 担当声優は以下の通り。 古田信幸(OVA版) 増元拓也(RONC版) 細谷佳正(2018年版以降)。 略歴 西ドイツJrユースの面々がJrユース国際大会中、西ドイツの弱点はGK、若林帰化しないかな?と話していると、大会にはあの幻のGKが参加するみたいだぞ、と話が出て選手の士気が上がる場面がある。 準決勝前日、フランスに到着し.準決勝当日、ベンチ入りスタート。 ウルグアイJrユースのビクトリーノに先制点を許し、サッカーボールを握り潰し苛立ちを露わにするが、監督からシュナイダーが取り返すから黙って見てろと言われ落ち着く。 シュナイダーの同点シュートを見て、オレなら取れたな、と呟く。 ウルグアイの直接フリーキックを前にGKをシュタインと交代。 ボールが見にくいからと壁を退けて、ノーマークにし、ブチ切れたビクトリーノのフリーキックを止めた。 ミューラーの姿をみた若林が逸話として、ブンデスリーガ優勝チームのシュトゥットガルトとの親善試合でアマチュアチームに参加し、何十本ものシュートを全て止め、シュトゥットガルトの監督からその場でプロにスカウトされたが、ギュンターによる修行が終わるまでプロ入りを許されていなかったためこれを断った。 この日より「幻のキーパー」伝説が生まれたと話した。 翌日の日本Jrユースとの決勝は先発出場。 身にまとった雰囲気から、新田、日向、翼から点の取れる気配がしないと絶望感を抱かせる。 加えて、松山、早田のロングシュート、岬のオーバーヘッドも止めるなど、鉄壁ぶりを見せつける。 極めつけは翼、日向のドライブタイガーツインシュートを片手で止める離れ業を見せつける。 ミューラーの自信の裏付けになっているのが、師匠•ギュンダーの最終試験で3つのボールを時間差をつけて落とすからそれを取る、合わせて岩も落とすから、それは避けてねって言うモノ。 3つ目のボールを取る時、大岩を砕きながら取るという超人的セービングを披露。出る作品間違えていますよ、あなた。 その後、日向、沢田のツインシュートにみせたパス、岬のダイビングヘッドまでは対応したが、翼のプッシュキックアシストまでは気が付かず、同点を許した。 前半終了時、呼び出されてギュンターに説教されていた。 後半も奮闘はするが、前半程の無双感は無く、 日向のネオタイガーショット、翼のドライブオーバーヘッドで2点を許し、チームは敗退、準優勝になった。 Jrユース大会後、かねてよりスカウトがあったシュトゥットガルトに入団。 3年後の日本で開催されたワールドユース大会には正ゴールキーパーとして参加。 グループリーグの最終戦、対スウェーデンユースでエースのステファン・レヴィンに4ゴールを決められるなどして3−5で敗れ、ボールに銃弾のようなスクリュー回転をかけてから放つレヴィンシュートに両腕を破壊された。 チームは決勝トーナメントに進出したものの、1回戦の対アルゼンチンユース戦は3−2で勝利しているがミューラーは欠場。 次の対ブラジルユース戦はチームが0−5で敗退している。 この試合もミューラーは欠場したとある。 ブンデスリーガにおいて若林と並ぶ名GKとして活躍。 若林と世界No.1GKの座をかけて争う関係となる。 フィールドプレーヤーとしても一流のスキルを持ち、滅多に使わない為、味方にも分からない人がいたが、オーバーラップも仕掛けることもある。 マドリッド五輪サッカー競技、予選グループ最終戦の対U−22ブラジル戦でナトゥレーザとサンターナのフルメタルファントムをワンハンドキャッチしようとして指間裂傷を負い、4失点。 決勝トーナメント1回戦の対U−22日本戦で負傷箇所が悪化、ブラジルに借りを返すまで交代出来ないと意地を張り、フル出場をしたものの、7失点。 攻撃側のインフレにミューラーがついて行けなくなってきている。 ゲーム(TECMO版)では必殺技は無いが、基礎能力が高く設定され、無印ラスボスの一員に相応しい能力になっている。 バンナム版「RISE OF NEW CHAMPIONS」でも活躍を見せ、カルロス・バーラのシュートを真正面から止めている。 関係者 ○ギュンダー…ミューラーの師匠。 ロベルト本郷、吉良耕三、賀茂港などより経歴不詳の人物。 ミューラーの為に聖闘士、北斗神拳、飛天御剣流、巨人の星のような修行を行う。 ミューラーの家族構成は不明だが、幼い頃に両親が亡くなり、きっかけが会ってギュンダーに引き取られ二人三脚でプロのサッカー選手を目指して頑張っていたのかも知れない。 ミューラーは「先生」と呼んでいるから、多分血の繋がりは無さそうだか、血の繋がりが有っても人間関係が壊滅的な親子も存在するので、この二人は幸せな部類かも知れない。 マドリッド五輪ではU−22ドイツ代表GKコーチに就任している。 ○若林源三…当該項目にて。 Jrユース大会決勝戦、若林のプレーを見て、試合に出て、西ドイツNo.1キーパーの称号を獲ている事に羨望の眼差しを向けていた。 中学生編で松山のロングシュートを見て、 「練習の成果を発揮出来るお前は、幸せ者だぜ」 と洩らす日向を彷彿とさせる。 プロに入ってからは良いライバル関係になる。 ○シュタイン…Jrユース編、西ドイツJrユース正GK。 背番号1。 チームメイトから西ドイツの弱点はGK、若林帰化しないかな?と言われ、若林と比べられた人。 立ち位置的にドイツの森崎なのかも? ワールドユース編では名前が出てこなかったが、登録されていれば、ミューラーは負傷で決勝トーナメントを欠場しているので試合に出場している可能性も。 ちなみに1回戦のアルゼンチンユース相手に2失点、準決勝のブラジルユース相手に5失点。 まさか、この時だけ控えGKがアニオリキャラのヘフナーくんや若林に公開処刑されたハンスくんじゃないよね? マドリッド五輪U−22ドイツ代表では控えGK。 ミューラーがあの通りなので、中々出場機会に恵まれない。 シュタインの所属チームは不明だが、ミューラー、若林みたくチームの正GKなら、ある程度の試合感があり問題はない。 問題は所属チームの第二、第三GKだと殆ど出場機会に恵まれないので試合感が無い、慣れるのに時間が掛かる処。 フィールドプレーヤーと違い、GKの出場枠は一人。 自ずと経験値を得る機会も限られる。 特にキャプテン翼は初見殺しの必殺シュートがバーゲンセールの様に出て来る世界線。 対U−22日本との試合、日本側が若林、若島津が接触プレーで退場した後、百戦錬磨の第三GK森崎が出場したが、後半途中から出場して5失点、負傷して試合終了。 森崎クラスのキャリアを持つGKでこの有り様。 試合慣れしていないシュタインが出場すれば、即、負傷退場だったかもしれない。 追記・修正をお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
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Spell card rule/命名決闘法 ◆TDCMnlpzcc 「それでは、こちらから行きますよ!!」 東風谷早苗は叫び、右手を高く上げた。小野塚小町は少し離れたところから、早苗の手を見つめる。 「奇跡「白昼の客星」」 宣言と同時に、その手から青色の弾とレーザーが放たれた。対する小町は足に力を入れた。 夜の人里、その屋根の上で二つの人影が踊っている。 普段なら自由に空を飛びまわり、速さと華麗さを競う弾幕ごっこだが、制限のかかった現状、二人は滅多に飛ぶことはなく、ほとんど平面での弾幕ごっこを余儀なくされていた。 それでも、弾幕ごっこをするには十分だ。民家、寺小屋、木、使える物は何でも使い、弾幕を張り、避ける。 大小二つの弾とレーザーを屋根から屋根へと飛び移り、小町はかわした。 顔のすぐ横を抜けたレーザーが、通りの軒にぶつかり、軽い音を立てて消滅する。 見た目は派手だが、威力は普段より控えめ、この殺し合いの空間で、幾度も見た弾幕とは比べ物にならないくらい平和な攻撃。 でも、それが本来の日常だったはずだ。今でこそ違和感を覚える平和な争いも、もともとはいつものやり取り。 たった一日で変わってしまった周囲の常識に驚きながら、小町は腕に力を集中させた。 「さて、反撃をしないとね」 死神の手元で弾が作られ、勢いよく放たれる。 こちらも、いつもとおなじ、人間に当たってもケガをしない程度に抑えた緩い弾幕だ。 相手への配慮と同時に、妖力の減りも抑えてくれる、一石二鳥な弾幕。青と白の奔流の中、目標に当たったかは分からない。確かめる暇もない。 次の弾とレーザーが小町を貫こうと、舌を伸ばす。 また、小町は高く飛び、別の屋根へと飛び移る。カリカリと音を立て、弾をかすめた服の裾が、はじけ飛ぶ。 応戦して、再び攻撃を仕掛ける。弾きだした攻撃は、また、弾幕の海へと潜っていく。 「どっちも派手だなあ」 少し離れた通りの中央、どちらの動向もよく見えるその場所で、フランドール・スカーレットが二人の荷物を守りつつ、見守っていた。 どちらが勝っているかはよく分からない。流れ弾を手で弾きながら、フランドールは目を細めて、戦いの行方を探る。 小町が屈んだ瞬間、その上を弾幕が通過した。一瞬できた余裕を使い、遠くにいる吸血鬼を見て、目を細める。 たとえば、だ。もしもあの吸血鬼が裏切り、銃を向けてきたらどうなる。 彼女の手元にはここにいる二人を殺しても余るだけの武器がある。弾幕ごっこに興じる二人など、格好の的だろう。 もし、自分なら、撃つ。躊躇はするかもしれないけれど、撃つ。 ついさっき、早苗たちに牙を向こうとしていた自分が、本当にこんなことをしていていいのかと、ふと疑問が頭に浮かぶ。 こんなことをしている間にも、時間は過ぎていく。八雲紫についていくのか、いかないのか、選択するとすれば今しかない。 弾幕をよけるふりをしてフランドールに近づき、銃を奪えば、後は丸腰の二人を撃つだけだ。 「開海「海が割れる日」」 早苗が新たなスペルカードを宣言し、先ほどとは別のパターンで、弾幕が押し寄せる。 包むように現れたレーザーを紙一重でよけながら、小町は遠くをうかがう。 視線の先には、眼を見開き、こちらを睨みつける早苗の姿があった。 見たくない。そんな恨みがましい顔など見たくない。 自分は、幻想郷のためという理由をつけて、たくさんの妖怪を屠ってきたのに、まるで今そのおこがましさ、非道さに気付いたかのように体が震える。 あたいを責めるな。あたいは正しいと思って、全体のために頑張ってきた。 八雲紫と出会い、その周りの面子と触れ合ったせいか? 映姫様と出会い、その死を見てしまったためか? 生じた迷い。それにメスを入れるように、早苗は小町を睨み続ける。 空虚な怒りが、切り開かれた心の隙間から小町に流れ込む。 腕をかすめるように赤い弾が連なって通り過ぎた。小町は慌てて後ろへ飛びのく。 続けて襲ってくる弾幕をうまく切り返すのは難しい。気付けば小町はレーザーの海に押し付けられていた。生ぬるい熱が背中に伝わる。 「まずい、みたいだねぇ」 ボムを使うしかないか?眉をしかめて、懐に手を入れる。 突如、ピタリと弾とレーザーの嵐が止んだ。タイムオーバーか?いや、それには早い。 気付かないうちに、地道な攻撃が効いていたらしい。 元通りの暗さを取り戻した民家の屋根で、早苗が手持ち無沙汰に空を見上げていた。挑発するかのように、その力の抜けた手が揺れる。 「なら、次はあたいの番だね」 気分を高揚させるため、わざと大声で叫ぶ。 小町は手元のカードを見て、うなずいた。 「死歌「八重霧の渡し」」 宣言とともに、手元から金銀の弾幕が生成される。 今日は銭の持ち合わせがないため、不完全なものとなっているが、今の自分はそのくらいの方がいい。 こちらに寄ろうとする早苗をレーザーでけん制しつつ、弾幕で薙ぎ払う。 避けにくいだろうに、早苗は地面、屋根と飛び移り、的確にかわしてゆく。センスのある子だと、小町は素直に感心した。 反撃のショットに顔をゆがませつつ、弾幕の威力を調整する。 「小町さん」 弾のカーテンの向こう、思っていたよりも近い位置から早苗の声が響いた。 小町は無視して、弾幕に集中する。 「どうしてあなたが皆を、諏訪子様を殺したのかは聞きません」 「・・・!?」 声と同時に、カーテンを突き破って、早苗が小町の前に姿を見せた。 手を伸ばせば届きそうな距離に現れた早苗に、驚き、弾幕が乱れる。慌ててレーザーで迎撃すると、その姿は再び掻き消える。 「でも、あなたがこれからどうすべきなのかは、問わせてもらいます」 タイムオーバーだ。 「古雨「黄泉中有の旅の雨」」 次のスペルカードを宣言して、目を細める。開いた隙間から、遠くで飛び跳ねる早苗の姿が見えた。 撃ちだされた弾幕が、早苗の足元を打ち据え、瓦を打ち壊す。 苛立ちで、威力の調整がおろそかになっていたことに気付き、小町は急いで、雑念を払う。 「小町さん!!聞いてください!!」 いや、違う。無視しているのは雑念ではなく、早苗の訴える声だ。 ひたすらに、早苗の叫ぶ声が聞きたくなかった。聞いてはいけないと思った。 不快な、情に訴えてこれからの計画を滅茶苦茶にするような言葉が飛び出すと思ったから。 「あなたはいまさら引き返すのが嫌で、もう後戻りなんてできないと思って、同じ道を進みたがっているだけです。 無責任です。責任を取りたくないから、今の道を選んでいるのです!!」 もうわかっていたはずなのだ。もう手遅れだった。八雲紫は集団を作り、脱出へと手を進めている。 それ以前に、古明地さとりも集団を束ね、仲間を助けようと動いていた。 賢者を助けると嘯きつつ、その賢者の意に沿わぬことをしてきたのは誰だったか。はじめから、誰にも歓迎されなかったのだ。 たった一人だけの生き残りを目指して、行動したところで、賢者はその行為を無駄だと判断しただろう。小野塚小町の殺人の先に、未来なんてなかった。 そして、この終盤でこのような集団ができる、その時点で、自身の計画すら崩れ始めているのにも目を背けていた。 「じゃあ、どうすればいい。あたいはこれからどうすればいい!!」 本当は、小野塚小町にはもう打つ手がないのかもしれない。 あきらめるのはいやだ。あきらめたくない。その思いの結果、導き出した打開策が、優秀で重要な一人を生き残らせるという考え。 それを打ち砕かれたら、次にどう動けばいいのか分からなくなる。 本当に怖いのは、自分が何をすればいいのか分からなくなること。 ただの死神として、川渡しをしていた時は感じなかった恐怖。 「小町さん」 気付けば、小町のスペルカードは破られていた。カラカラと崩れる瓦が、小さな音色を奏でている。 「私たちと一緒に、行動しましょう」 なぜか、泣きそうな顔をして、早苗がこちらを見つめていた。 だが、よく見ればその表情は悲しみではなく辛い何かを押さえる、苦しみの表情だった。 ああ、早苗は、自分のことをまだ許していない。そして、その感情を押さえて、説得しようとしている。小町には簡単に分かった。 このような魂は、今までに何度も見てきている。何か不幸にあって亡くなった三途の川の乗客は、たいていこういう顔をしている。 何を怨めばいいのか分からず、困惑しているのだ。 一瞬生まれた“逃げ”の感情で、思わず後ろに一歩下がる。だが、その先には、あるはずの足場がなかった。 「え?」 スッ、空ぶった右足が宙に浮く。足場を失った体が宙に投げ出される。 ドサッ 「・・・・ッ!?」 大した高さで無かったのが幸いして、足で着地することに成功した。 だが、改めて立ち上がろうとして、小町は足の痛みに気付いた。無理な着地で、どこか痛めたらしい。 「大丈夫?」 戦いが終わったことに気付いたフランドールが駆け寄って、不安そうな目で見つめる。 忌々しげに首を振り、小町はもう一度足に力を込めた。 「・・・・・・ッ!!」 今度は、先ほど以上の痛みが、右足を襲い、バランスを崩して再びしりもちをつく。 気が付くと、目の前に早苗が立っていた。どこか複雑に感情が混じった視線が、無遠慮に突き刺さる。 もう、逃げられない。 「小町さん」 早苗は、静かに言った。 「私たちと一緒に、戦ってくれませんか?」 小町は何も言わず、押し黙っていた。まず、答えるべき言葉が思い浮かばなかった。 自分のこれから進む道を、選択することすら、したくなかった。 結局、正しい道を選ぶことができないことだけは理解できていたからだ。 しばらく沈黙した後、小町は顔を上げた。心配そうに見つめる吸血鬼と、こちらの発言を待ち、表情を硬くする巫女もどき。 辛気臭くていけない。自分が作った空気であることを無視して、苛立つ。 いつまでもこちらの返事を待つつもりらしい早苗にため息をつき、小町は口を開いた。 「早苗。あたいが保護しようとしている面子の中で生き残っているのは、博麗の巫女と八雲紫の二人だけだ。 もし、この二人が結託するようなら、あたいは喜んで力を貸すよ」 まあ、そんなことはないだろうけれど。吐き捨てるようにつぶやき、小町は続けた。 「もし、最後に二人のうちどちらかが生き残ったのなら、残った方に従う。 幻想郷のキーパーソンに従うあたいの方針は変わらない」 それから、と気まずそうに顔を背けて続けた。これはある意味“逃げ”の答え。選択を後回しにしたに過ぎない。 たとえそれがよくない判断であったにしろ、ここまで行動してきた小町には、急に方向転換することができなかった。 だから、判断を保留にするということは、小町にできる最大限の譲歩だった。 「今回の弾幕戦は引き分け。ただお前さんの頑張りに免じて、次に霊夢と会うまでは、皆に手を出さないことを保証する。 神に準ずる死神の言葉だ。嘘偽りはしない。もっとも、結局何もかもを後回しにしたあたいをお前さんは笑うかもしれないがね」 「そんなことはありません。ダメだったらあきらめるつもりの説得でしたし」 小町に早苗は笑いかけ、腰から機械を抜き出して見せた。 制限解除装置、確かにこれなら小町を圧倒することもできただろう。 準備のいいことだ、と頭の中で拍手する。 銃器や強力な武器にばかりに頭を回し、その“武器”のことを失念していた。 「なるほど、少し甘く見ていたようだな」 顔をしかめて、小町がため息をついた。 「霊夢さんと会うまでの安全を約束してもらっただけでも十分です。でも、ゆっくり考えてどうするのか決めてください。 きっと、小町さんと私は……仲間になれると思うからです」 「甘いねえ。もう少し非情にならないと、妖怪たちの間でやっていけないよ」 「小町さんを許したわけじゃありませんよ。だから、もし小町さんが敵になり、何かの機会で死ぬことがあっても、私は笑顔で見送れます」 凄味をきかせて睨む早苗に、小町は思わず噴き出した。 「あんたにそんな顔は似合わない。あたいは足をやっちゃったみたいだからさ。仲間の間だけでも優しくしてほしいな」 手を当てると骨は折れていないらしいことがわかる。 ただ、足首が燃えるように熱い。しばらくは歩くこともできなそうだ。 「わかった。じゃあ、魔理沙の所に運ぶから、安静にしていてね」 吸血鬼の馬鹿力のおかげか、フランドールは幾つも銃火器と一緒に小町を担ぎ上げると、本拠地に向けて歩き始めた。 はあ、変な約束しちゃったなあ。後悔後先立たず。 約束は守るつもりだが、下手な約束はすればするほど不利になる。 巫女もどきに押されて、口を開けてしまったのが運のつき。 「私に手伝えることはありますか?」 「疲れているでしょ?早苗はゆっくり着いてきて」 よく見れば後ろをついてくる早苗の息は荒れ、足にも力が入っていない。 さっきの弾幕ごっこは人間にとって少しきつすぎる運動だったのかもしれない。 ま、あたいを説得しようなんて本当に物好きな人間だねえ。 自分よりも小さな吸血鬼の背中で、小町はくすくすと笑った。 【D-4 人里 二日目・黎明】 【フランドール・スカーレット】 [状態]右掌の裂傷(治癒)、右肩に銃創(治療済み)、スターサファイアの能力取得 [装備]てゐの首飾り、機動隊の盾、白楼剣、銀のナイフ(3)、破片手榴弾(2) [道具]支給品一式 レミリアの日傘、大きな木の実 、紫の考察を記した紙 ブローニング・ハイパワーマガジン(1個) [思考・状況]基本方針:まともになってみる。このゲームを破壊する。 1.スターと魔理沙と共にありたい。 2.反逆する事を決意。レミリアのことを止めようと思う。 3.スキマ妖怪の考察はあっているのかな? 【東風谷早苗】 [状態]:銃弾による打撲 それなりの疲労(ふらつく程度) [装備]:防弾チョッキ、ブローニング改(13/13)、64式小銃改(16/20)、短槍、博麗霊夢の衣服、包丁 [道具]:基本支給品×2、制限解除装置、 魔理沙の家の布団とタオル、東風谷早苗の衣服(びしょ濡れ) 諏訪子の帽子、輝夜宛の手紙、紫の考察を記した紙 64式小銃弾(20*10) [思考・状況] 基本行動方針:理想を信じて、生き残ってみせる 1.負けません 2.人間と妖怪の中に潜む悪を退治してみせる 3.紫さんの考察が気になります 【小野塚小町】 [状態]右髪留め破損、右頭部、手、肩裂傷、左手銃創(治療済み)、右足捻挫 それなりの疲労 [装備]トンプソンM1A1改(23/50) [道具]支給品一式、M1A1用ドラムマガジン×3、 銃器カスタムセット [基本行動方針]生き残るべきでない人妖を排除する。脱出は頭の片隅に考える程度 [思考・状況] 1.紫と霊夢、生き残った方を助け、幻想郷のために尽くす 2.霊夢と再会し、話し合うまでは早苗たちに手を出さない 3.最後の手段として、主催者の褒美も利用する 180 赤より紅い夢、紅より儚い永遠 時系列順 179 眩しく光る四つの太陽(前編) 180 赤より紅い夢、紅より儚い永遠 投下順 182 流星雨のU.N.オーエン 175 A History of Violence(後編) 東風谷早苗 183 ……and they lived happily ever after.(序章) 175 A History of Violence(後編) フランドール・スカーレット 182 流星雨のU.N.オーエン 175 A History of Violence(後編) 小野塚小町 183 ……and they lived happily ever after.(序章)
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登録日:2011/11/05(土) 10 27 10 更新日:2021/02/22 Mon 22 44 18 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 TIME KILLERS ジャンプSQ. ジャンプスクエア 加藤和恵 娯楽 暇つぶし 漫画 短編集 集英社 青の祓魔師 T I M E K I L L E R S 加 藤 和 恵 短 編 集 本書は、加藤和恵がデビュー当時から現在までの間に掲載された記録のある11作品を1冊にまとめた短編集である。 刊行は集英社のジャンプスクエア名義になっているが、他誌での掲載作品も収録されている。 扉絵だけでなく色の付いたイラストは全てフルカラーで印刷されており、紙質を統一するためか通常の単行本用紙とは別の印刷紙を使っている。 お値段は何と定価780円(税込) 普通のジャンプコミックスと同じ大きさなのに、値段は約2倍である…… 余談だが、題名の『TIME KILLERS』は「娯楽」や「暇つぶし」という意味。 本書を手に取った方々にとって、この本が「いい暇つぶし」になりますように。 収 録 作 品 ●僕と兎 記念すべきデビュー作。しぶい。濃ゆい。 【あらすじ】 晴れて高校生になった朱里は、育ての親が経営する銭湯を手伝いながら、殺し屋の裏稼業も続けていた。 登校初日では何の縁か、昨晩裂傷を負った彼の右腕を名乗りもせず応急処置した少年・平と再会するが、次に舞い込んできた依頼では平の父親が標的となっていた。 藤堂朱里 表向きは高校に入学したての少年だが、殺し屋の仕事をして6年目になる。 ウサギのヘルメットにゴーグル装着、ジャージ姿で杵型の万能武器を振り回す。 弐村平 いつか父親のような医者になるのが夢。 見た目完全不審者の朱里の怪我を手当てし、翌日も拒絶まっしぐらの彼に付きまとうなどかなりの度胸の持ち主。 おやっさん 朱里の育ての親にして、彼の仕事の事務所にもなっている銭湯「卯の湯」番頭の老人。 年若くも凄絶な人生を送る朱里の身を心の底から案じている。 弐村平造 弐村総合病院院長。平の父。 医療ミスを隠蔽し、法から逃れて臓器売買も行う所謂悪徳医師である。 ●赤茄子(とまと) 赤マルジャンプ掲載作品。ふんどし。 【あらすじ】 荒野を往く2人の用心棒。金無し宿無し飯も無し。 彼らは地上げに遭っている畑と赤茄子を育てるオバチャンを守るという仕事にありつく、が。 宇佐うさ吉 チビオッサン白うさぎ。半人前の祭助のお目付け役兼相棒。 双村祭助 お馬鹿。人の話を聞かない。好きなものは親子鶏。 丘ノ杏 デブでオバサンな赤うさぎ。彼女がヒロインである。 彼女がヒロインである。 いやマジで。 ○赤い大地に生まれた戦士のはなし 季刊エスに掲載されたオールカラー作品。 加藤の欲望のままに描かれただけ。 ○USA BOY!!! 季刊エスに掲載されたオール(ry 加藤の欲望のままに(ry ○ひめごろも取説漫画 季刊エスに掲載された1P。 付録の取説だけどせっかくなので。 ○人生街道はぐれ星 季刊エスに掲載された読み切り作品。 マガジン志向で描いたがスベッた。 ○ニライ 季刊エスに掲載された(ry シロイルカ風人魚がキモ……キモクナーイ! ○主と某 季刊エスに(ry 年明けの深夜に訪れる夢の一時。 ○乙女の祈り 季刊(ry 加藤の欲ぼ(ry ★ホシオタ ジャンプSQU(スクエアセカンド)掲載作。 これまでの加藤の世界観そのままな作品と異なり、『好き勝手描くのをやめて読者のことを考えて仕上げた』と曇り無きまなこで豪語する一品。 ……しかし当時はファンに不評だった…… 【あらすじ】 「星オタ(天文オタクのこと)」とイジメられた昔の自分から脱却し、高校デビューを果たした(つもり)の藤子ヨシオは、星オタの手塚さんに恋をしてしまった……! 宇宙の話題に関わりたくないが手塚さんとは仲良くなりたいヨシオは独り苦悩するが、目の前にテンプレ過ぎる文句を述べる本物の宇宙人が現れて!? 藤子ヨシオ 元・星オタ。見た目はまんま奥村くん家の双子の弟。ただしホクロは一つも無い。 入学式の日から明るく話しかけてきた手塚さんに惚れているが、彼女が星オタだと知り絶望。 星オタの根性は抜け切っておらず、濃厚な知識をぶち撒けそうになることも。 手塚さん ヨシオの隣の席のミーハーな星オタ。でもカワイイからぜんぜんオッケーなみんなの人気者。 昨年廃部になった天文部の望遠鏡を使って星を観測しようとヨシオを誘う。 正直で勇気のある男性が好み。 ミニチュア宇宙人 手のひらサイズのUFOに相乗りする宇宙人の3人組。 滅亡させることにした地球人類の標本にしようとヨシオを追いかけ回す。 うち一人は「議長」と呼ばれ、ヨシオの自由意思を尊重したり約束を守ったりと割といい奴。 ◆深山鶯邸事件 ジャンプスクエア掲載作品。 本書収録作の中でも最も評価された読み切り。 現在スクエア本誌で連載中の『青の祓魔師』の原点と言われているが、厳密にはこちらの方が『青〜』を元にしてつくられているとのこと。 え!? 一応ラブストーリーなんだぜコレ! 【あらすじ】 東京・某所――深山鶯邸。 ある夜、祓魔師を名乗る青年が邸に押し入り、家元の最中を見遣って言い放った。 「この娘、悪魔に唾付けられてるぞ」 追い出そうにも教皇庁や政府に公認の祓魔師組織からの捜査令状を突き付けられ、対応に困った邸の者達は取り敢えず彼を招き入れることに。 見張りをすると言って寝室に居座る青年は、最中に何か話をしてほしいと頼まれる。 寝物語と称し、青年は昔話を語り出す…… 祓魔師の青年 邸に問答無用で上がり込んで来た悪魔祓い。退魔の術を心得、落ち着いて余裕のある態度を身に纏っており、精神的な強さが見られる。 武器には倶利伽羅に酷似した日本刀を用い、聖水も周到に用意している。 モデルは奥村燐。容姿は彼を大人にしたような感じだが、断然頼りになりそうな好青年。 深山鶯最中 深山華道家元四十七世。幼少時に川で溺れた際、自分を助けようとした両親を水死させてしまってから水を恐れ、外出も出来ない。 昔は素朴な草の姿を生ける技法を好んでいたが、事故以来織部に言われるまま派手で豪華な花を生けている。 モデルは杜山しえみ。草花を愛する優しい性格なのは彼女と同様。 織部 華道家、深山華道会会長。最中の叔父で、両親に代わって彼女を育てて支援してきた。 鬱屈し歪んだ精神の持ち主で、最中を邸の中に縛り無理矢理言うことを聞かせている。 夜 最中が幼い頃に出会った小悪魔。猫と間違えられていた。 元は若くて弱い名無しで、パズスの手下で虐待され常に血を流していた。 最中から愛情を注がれ、自然の美しさを知ったが…… パズス 名のある上級の悪魔。無数の手下を従え、塵芥のように使っている描写がある。 最中を見初め、時期を計って彼女を喰い殺そうと画策している模様。 本項目のみならず アニヲタwikiの閲覧や 項目の追記修正が 皆様の良き「暇つぶし」になりますように △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
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【世界観】 現実の世界、空のある尸魂界、空のある虚圏、地獄、断界で単一宇宙×3+2α 【共通設定】 死神や虚(悪霊)、破面(進化した虚)は常人には見えない。壁抜けは任意で可能。全員物理攻撃は効く。 この手の漫画に多い魂を直接引きずりだしたりする攻撃を使えるやつはあんまりいない 参戦メンバーの連中の攻撃はどれも不思議攻撃なので幽霊にも効くかと思われる 【作品名】BLEACH 【ジャンル】オサレ漫画 【名前】グレミィ・トゥミュー(Gremmy Thoumeaux) 【属性】The Visionary ― 夢想家 ―。滅却師。人間。 【大きさ】子供の人間並み。本体は脳味噌のみ。 【攻撃力】空想で出したミサイルなどで径120m以上の爆発を起こす斬撃の直撃を受けて無傷の剣八にダメージを与えることが出来る。 【防御力】ヤミーを楽々切り裂ける剣八の攻撃を受けても無傷。 また、自分の空想の能力で自分の死のイメージを完全に消しているため死ぬことが無い。 【素早さ】常時全能であるユーハバッハの破壊行動に反応して避けられるペルニダと戦闘可能な更木剣八と戦闘可能なため0秒行動 【特殊能力】想像を現実にする力。 空想だけでなんでもできちゃう奴と他称で言われているため任意全能。 作中では想像で生命を造ったり地形を変えたり隕石を落としたり宇宙空間を作成した。 また死神を見ることが出来るので不可視の物を視認可能。 【長所】さらっと出てきた滅却師最強の敵。 【短所】剣八より強い自分を想像したら自分の身体が付いて来れず勝手に自滅した。 【戦法】全能を行使する 【関係】主人公の敵である星十字騎士団の一人。 【備考】美しさとは そこに何もないこと 参考テンプレ。http //www41.atwiki.jp/goronka/pages/1199.html 【名前】ヤミー・リヤルゴ 【属性】破面・第0十刃 憤獣 「憤怒」 【大きさ】体長50mのゴリラ並み 【攻撃力】余波で65km程度の高さの建造物を100kmに渡って破壊する以上の攻撃の4倍の攻撃力。 虚弾:拳から体長の2倍程度の大きさの光弾を放つ。拳を振る動作は反応速度相応。射程100m程度。即発動。 通常のパンチの動作から延長として繰り出せ、威力は上記以上。連射可能。 虚閃:口から体長以上の太さの光線を放つ。威力は虚弾以上で射程100m程度。溜め1秒程度。 【防御力】余波で65km程度の高さの建造物を100kmに渡って破壊する以上の攻撃で無傷。 口腔に同様の攻撃を受けても咽るだけですぐ立ち直りダメージ無し。 高さ60~70kmに及ぶ炎の爆発を不意に受けて驚きはすれど無傷。 これより遥かに弱い状態で体を氷結させられても軽く脱出した。 【素早さ】光速の35100倍以上の反応速度。移動速度は大きさ相応のゴリラ並み。戦闘速度は移動速度相応。 【特殊能力】霊体なので常人には不可視。物理攻撃は有効。 魂吸:自分の半径数百m内にいる生物から魂魄を吸い出して捕食する。 魂魄に力を持ち耐性がある者も疲労困憊となり倒れこむ。 速さは反応速度相応。魂吸は吸ったら即座に魂魄が抜かれる。 数百m距離が離れていても同時に抜かれる。 反膜の匪:角砂糖位の大きさの道具。最低1個は所持。 5cmの至近距離から使う事で人間大の相手を閉次元に永久に閉じ込める事が出来る。 憤怒:ダメージを受けて怒りを蓄え爆発させる毎に一回り以上に巨大化。 それまでに受けたダメージが全回復した上で攻撃力が倍増する。 怒りを爆発させる度合いは複数箇所の裂傷や手足を欠損する位。 胴体を大きく切り裂かれ致命傷を受けた場合には発動しない模様。 【長所】攻撃力が高く対戦相手が豊富なおかげでタフ、何気に強力な魂吸。 【短所】憤怒が受身発動、人気キャラ二人にいつの間にか倒されていた。 【戦法】初手魂吸。耐性があるようなら虚弾連発。 【備考】失くしたものを 奪い取る 血と肉と骨と あとひとつ vol.106 グレミィ考察 単一宇宙×3+2αの常時全能 ユーハバッハと= グレミィ・トゥミュー考察 35100倍以上の任意全能。 アゼル(ティンクル☆くるせいだーす) ○先手任意全能勝ち 渚カヲル ○先手任意全能勝ち マホロアソウル ○先手任意全能勝ち Almagest △相手が任意全能の範囲よりも大きい。分け ゼスト △先手任意全能出来るが相手のほうが全能による復活が速いので分けか 八俣遠呂智 ○こっちは死ぬことがなくなってるので即死は聞かないだろう。先手任意全能勝ち リベル・レギス ×先手任意全能負け 絶対的至高者 ×精神攻撃は無理。負け まぁこの上は無理 リベル・レギス>グレミィ・トゥミュー>八俣遠呂智 51 返信:格無しさん[sage] 投稿日:2014/06/18(水) 00 23 10.12 ID loCl3Kzx [1/2] 50 戦法が妄想スレみてーだなオイ 52 返信:格無しさん[sage] 投稿日:2014/06/18(水) 00 25 29.26 ID jBvWoeyZ 46 49 想像具現化で強くなったのを剣八が倒したんじゃなくて ただ剣八以上の体になろうとして自爆って それ不死とか全能とか関係なくね 53 自分:格無しさん[sage] 投稿日:2014/06/18(水) 00 32 37.50 ID INjzb+Y1 [2/4] 51 まぁ戦法が妄想だしね 52 全能の力で肉体越えようとしたら自滅したんだから関係あるでしょ 54 返信:格無しさん[sage] 投稿日:2014/06/18(水) 00 33 43.28 ID wgtSrh98 [1/2] 50 その戦法って「任意全能が能力で自分を常時全能にすることを願う」のと同じでは? 他の任意全能でそうするやついたっけ? 剣八に勝てない想像力でもいけるのかなあ? 55 自分:格無しさん[sage] 投稿日:2014/06/18(水) 00 40 37.14 ID INjzb+Y1 [3/4] 54 うん、同じだと思うよ 剣八に勝てない想像力~は上でも言ったけどそれ言ったら誰かに負ける全能も通らなくなるからいけるんじゃない 56 返信:格無しさん[sage] 投稿日:2014/06/18(水) 00 45 14.26 ID wgtSrh98 [2/2] 55 同じなら「相手を倒す想像」でいいでは?違うなら全部の全能書き直しか? 57 自分:格無しさん[sage] 投稿日:2014/06/18(水) 00 49 29.89 ID INjzb+Y1 [4/4] 56 まぁどっちにしろあんま変わらんと思う 全能になる。くらいは書き足すわ あとジャンプ読み直したけど 剣八の肉体になろうとして負けたってか化け物想像してその化け物に殺されてるっぽいから 剣八の肉体に耐えられなかったってわけじゃなさそう 禁書のアウレオルスみたいな感じの負け方か 58 返信:格無しさん[sage] 投稿日:2014/06/18(水) 14 14 30.79 ID loCl3Kzx [2/2] 57 能力が強すぎるから自滅もしやすいんだろうね