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新聞書評(2017.3-) 2017.4.30 (朝日新聞) (ひもとく)憲法施行70年 山室信一 戦後史で読む憲法判例 山田 庄幸司郎 たたかう戦後精神 け(参考 ×悪態の精神 庄) この日、集合。 井上ひさし あし 憲法が危ない! 鈴木邦男 (売れてる本)『米中もし戦わば』 ナヴァロ(橋爪大三郎) ×オレたちのプロ野球ニュース 長谷川(サンキュウータツオ) 『そろそろ、部活のこれからを話しませんか』 未来のための部活講義 中澤(斉藤) 県立 8F375.1ナ 市立375.1ナ アメリカ帝国の終焉 進藤(諸富) 講談社現代新書 あ 冬の日誌 オースター(蜂飼耳) けあしだ 内面からの報告書 オースター(蜂飼耳) けあしだろ (辻山良雄の文庫・新書) 『国のない男』 ヴォネガット 県立 7F933ホ 市立934ボ 建築文学傑作選 須賀敦子 あ 『捨てる女』 内澤旬子 『ちいさい言語学者の冒険』 広瀬(野矢) 県立 8F801.0ヒ 大学801.04H72c ×ルネ・マグリット 利根川(横尾) あま世へ 沖縄戦後史の自立にむけて 森(斉藤) け 金利と経済 翁(加藤) けしだ (著者)『「週刊文春」編集長の仕事術』 新谷 8F051.6シ 大学 (毎日新聞) (鼎談 南方熊楠生誕150年) 南方熊楠 松居 けし 『南方熊楠 菌類図譜』 荻原解説 県立 市立474ミ 神社合祀に関する意見 日本文学全集14所収 池澤夏樹編 けあしだ 『安倍官邸「権力」の正体』 木下(藻谷) 県立 青森 大学312.1O78a 角川新書 『フクシマ6年後 消されゆく被害』 歪められたチェルノブイリ・データ 日野(沼野) 大学493.19H61f 公 『スウィングしなけりゃ意味がない』 佐藤(若島) 県立 7Fサト 市立913.6サト ×(著者)旧グッゲンハイム邸物語 森本 (昨日読んだ文庫)大竹英洋 人間の土地 水晶 シュティフター ×地方自治のあり方と原子力 反原発運動全国連絡会編 (読売新聞) (著者)月の満ち欠け 佐藤 けあしろ (読書情報)みみずくは黄昏に飛びたつ 村上×川上 けあしろ? 処女たち ネミロフスキー(土方) け(前書) 『フランス組曲』 『勉強の哲学』 千葉(伊藤) 市立002チ 大学002C42b ユーラシア帝国の興亡 ベックウィズ(出口) けだ 『何がちがう?どうちがう? 似ている日本語』 ササキ(柳川) 県立 青森 市立814サ 大学814.5Sa75n 昭和の店に惹かれる理由 井川(稲泉) け ゲンロン 0 観光客の哲学 東(三浦) 『電卓四兄弟』 カシオ「創造」の60年 樫尾(塚谷) 8F007.3カ 市立007カ グローバル・ジャーナリズム 澤(苅部) 岩波新書 あだ ×ファット・キャット・アート ペトロヴァ(宮部) (日経新聞) (この1冊)ポスト・ケインズ派経済学 鍋島(根井) け (半歩遅れの読書術)福嶋亮大 水滸伝 吉川訳 岩波文庫 儒教エリートの外部の民衆的世界 『中動態の世界』 国分功一郎(山本) 能動でも受動でもない 名誉と恍惚 松浦(山城) 日中戦争の頃 けあし 法のデザイン 水の ネット時代の著作権 け ×「誘う」ブランド ウェーバー 脳内ファンタージー ×評伝 森恪 小山(井上) 中国政策に関与した政治家 『日本犬の誕生』 志村(水原) 県立 8F645.6シ 市立645シ ルポ 希望の人びと 生い 認知症 けあしだろ 飛躍への挑戦 火災 JR東海の会長 けあ ×(あとがき)夢の住家 森山良子 われらの子ども パットナム 格差 けだ (広告) 『猿神のロスト・シティ』 市立295プ 人類の未来 吉成 けあ 『アマゾンと物流大戦争』 角井 大学675.4Ka28a NHK出版新書 『2050年の技術』 英『エコノミスト』誌は予測する 県立 8F504ニ 市立504ニ 大学507E19n 六504ニ☆AIが思考することはない。(『2050年の世界』 県立 8F304ニ 市立304ニ) 著作権の誕生 宮沢 け 『ペンタゴンの頭脳』 県立 発達障害 岩波 あしだ ×やり抜く脳の鍛え方 茂木 ×リーダーの教養書 出口 マッキンゼーが予測する未来 だ データ・ドリブン・マーケティング ジェフリー け 『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』 グーグルの個人・チームで成果を上げる方法 あのGoogleが社内でやっている神速仕事術57 グジバチ 県立 青森 六336グ (『0秒リーダーシップ』 大学336.3G89z 六336グ) ×江戸・明治の古地図からみた町と村 金田 ×マイバッグ ローホー はじめての人のための3000円投資 あし 2017.4.23 (朝日新聞) (ひもとく)林京子の文学 富岡幸一郎 ×祭りの場・ギヤマン ビードロ ×長い時間をかけた人間の経験 林京子全集5 け (売れてる本)『サイコパス』 中野(阿部) 名誉と恍惚 松浦(佐伯) われらの子ども パットナム(斉藤) 米国における機会格差 けだ ×ザップル・レコード興亡記 伝説のビートルズ・レーベルの真実 マイルズ(細野) 『毒々生物の奇妙な進化』 ウィルコックス(市田) 県立 8F481.9ウ 市立481ウ 大学481.9W73d 六481ウ 『ロボットの歴史を作ったロボット100』 まトロニック(佐倉) 県立 6FY25マ 市立548マ 六548マ オネイログラフィア 夢、精神分析家、芸術家 マージン(○木) 夢の記述 だ 『系外惑星と太陽系』 井田(円城) 県立 7FS445イ 大学1648 『江戸→TOKYO なりたちの教科書』 岡本(末國) 8F213.6オ 市立213オ (著者)オリジナル版隠れ増税 さっちん 荒木 (斎藤環)李さん一家 つげ ×(ビジネス)隠れ増税 山田(小林) (古典 桜庭)フランケンシュタイン シェリー 光文社 けあ ×(オススメ)Hiromi Nagakura 長倉洋海 世界の紛争 (新書) 文系人間のための「AI」 高橋 労基署は見ている。 原 けだ 発達障害 岩波 あしだ 財政から読みとく日本社会 井手 けあだ (毎日新聞) 『毒々生物の奇妙な進化』 ウィルコックス(海部) ゲンロン0 観光客の哲学 東(橋爪大三郎) (この3冊)『「おいしさ」の科学』 素材の秘密・味わいを生み出す技術 川崎寛也選 県立 市立498.5サ Cooking for Geeks 第2版 料理の科学と実践レシピ あ 『美味しさの脳科学』 においが味わいを決めている シェファード 県立 市立491シ 大学491.37Sh14 六491シ ×フランス料理を描く フロリレージュ 川手 『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』 山中ほか(小島) 7S159.7ホ 市立159ボ 大学159.7B63 『モラルの起源』 実験社会学からの問い 亀田(大竹) 県立 8F491.3カ 市立491カ 大学491.37Ka44 化学史事典 化学同人2万円 だ 無常の使い 石牟礼(池澤) けあし ×(著者)While Leaves Are Falling... 金山 写真家 (昨日読んだ文庫)ドリアン助川 のろのろ歩け 中島京子 僕は奇跡なんかじゃなかった ヘルベルト・フォン・カラヤン レーベル け (読売新聞) (著者)『ジブリの文学』 鈴木敏夫 県立 市立778ス 大学778.77Su96j 『なかなか暮れない夏の夕暮れ』 江國香織(長島) 県立 7Fエク 市立913.6エク 大学913.6E44n 六913エ われらの子ども パットナム(出口) けだ(関連)『子供の貧困が日本を滅ぼす』 フェミニストたちの政治史 大嶽(三浦) けだ 『春画で学ぶ江戸かな入門』 車(清水) 県立 『特派員直伝 とらべる英会話』 研究社 県立 7FT837.8ト 市立837ト 『原点 THE ORIGIN』 安彦(奈良岡) 県立 8FA726ヤ 大学726.1Y64g 『日本ノンフィクション史』 武田(宮部) 中公新書 『ドライバーレス革命』 自動運転車の普及で世界はどう変わるか? リプソン(柳川) 県立 大学537L67d ×哲学者と下女 高(納富) 伊勢神宮 藤田 (日経新聞)4.22 (今を読み解く) アート・マーケット 小川敦生 ×巨大アートビジネスの裏側 石坂 『巨大化する現代アートビジネス』 グラネ 県立 市立706グ 六706グ 現代アート経済学 宮津 こ 絵、6億円が100億円に MIURA (この1冊)ポスト・トゥルース アメリカの誕生 池田(石田) だ 『岩場の上から』 黒川(清水) 県立 7Fクロ 市立 日本人のシンガポール体験 西原(大東) け ×演奏史譚 1954/55 山崎 クラシックの転換期 挑発する写真史 金村 だ(い) 『夢遊病者たち』 第一次世界大戦はいかにして始まったか クラーク(板橋) 県立 8F209.7ク 市立209ク 大学209.71C76m 公 『帝国大学』 近代日本のエリート育成装置 天野(竹内) 中公新書 7FS377.2ア 大学2424 公 『父と私』 田中真紀子 県立 8F289.1タ 市立 六289タ ×日本経済論講義 コミネ (あとがき)『北斎まんだら』 梶よう子 県立 7Fカ 市立カ 六913カ ×グローバル・イスラム金融論 吉田 (広告) 『聖徳太子』 ほんとうの姿を求めて 東野治之 岩波ジュニア新書 県立 6FY11シ ☆太子の事蹟を認める立場 『情報と秩序 原子から経済までを動かす根本原理を求めて』 ヒダルゴ 根本原理を求めて 県立 大学 記者と権力 滝鼻 だ 牙を研げ 佐藤優 あ ガリラヤからローマへ 地中海世界をかえたキリスト教徒 松本 あだ 新しい人体の教科書 ブルーバックス けし 『ヨハネス・コメニウス』 汎知学の光 相馬 ヨーロッパの知られざる知の巨人 県立 市立371.2ソ 大学371.23C85S 公 『遺書』 東京五輪への覚悟 森喜朗 8F289.1モ 市立289モ 生産性 伊賀 けあ 採用基準 伊賀 けあ 『スタンフォード式最高の睡眠』 「いまの説明、わかりやすいね!」と言われるコツ 浅田 あ 『かわいい浮世絵』 県立 青森 市立721ヒ 『神・時間術』 樺沢 『超AI時代の生存戦略』 シンギュラリティに備える 落合 県立 8F304オ ×一流の本質 foodion 無理なく続けられる人の時間術 古市 (『無理なく勉強を続けられる人の時間術59』 古市 県立 8F379.7フ 市立) 2017.4.16 (朝日新聞) (売れてる本)『僕らが毎日やっている最強の読み方』 池上、佐藤(塩田評) 市民 市立002イ ×自然史 露口(横尾) 『私が死んでもレシピは残る 小林カツ代伝』 中原(斉藤) 県立 8F289.1コ 市立289コ 『スウィングしなけりゃ意味がない』 佐藤(末國) 県立 7Fサト 市立913.6サト THE PIVOT アメリカのアジア・シフト キャンベル(立野) 米国の思考読み解く重要参考書 だ 『日本精神史』 自然宗教の逆襲 阿満(原武史) 市立162ア 『独裁者たちの最期の日々』 デュクレ(山室) 県立 8F313.8ト 市立313ド 『昭和天皇の戦争』 山田(保坂) 県立 8F210.7ヤ 市立210.7ヤ ×新潟県知事選では、どうして大逆転がおこったのか。 横田(諸富) ×(著者)小さき生きものたちの国で 中村 (ビジネス)『超AI時代の生存戦略』 落合(清野) 県立 8F304オ (古典百名山)(大澤)資本論 資本主義は一種の宗教、無意識の宗教 (毎日新聞) ヤズディの祈り 林(角田) け ×昭和の能楽名人列伝 羽田(渡辺) (この3冊)主婦 阿古真理選 モダンガール論 斉藤 けあし お母さんは忙しくなるばかり コーワン けだ 家父長制と資本制 上野 けあしだ 『生物科学の歴史』 現代の生命思想を理解するために モランジュ(村上) 県立 市立460モ 公 中世、ロワール川のほとりで聖者たちと。 (本村) けだ 『経済指標のウソ』 世界を動かす数字のデタラメな真実 カラベル 県立 8F331.1カ 市立331カ 大学 公立 『みんなの知らない 世界の原子力』 海外電力調査会編著 県立 8F543.5ミ 名誉と恍惚 松浦(川本) 魔都上海の裏通り けあし (著者)源氏姉妹 酒井 けあし? 『いのちの証言』 ナチスの時代を生き延びたユダヤ人と日本人 六草 県立 市立234ロ 『「原因と結果」の経済学』 中室 県立 8F331.1ナ (昨日読んだ文庫)東田 暗号解読 (読売新聞) (著者)現代感動詞用法辞典 浅田 け 『神田神保町書肆街考』 世界遺産的“本の街”の誕生から現在まで 鹿島茂(苅部) 県立 市立213カ ×遙かなる他者のためのデザイン 久保田(伊藤) 裁判の非情と人情 原田(橋本)岩波新書 けあし さむらい道 高橋(土方) 出羽山形藩最上義光 けあし 出会いなおし 森絵都(朝井) けあしろ ことばのしっぽ (三浦) けあし 『外来種のウソ・ホントを科学する』 トムソン(塚谷) 県立 8F468ト 市立468ト 大学468To62g 『土偶のリアル』 誉田(稲泉) 市立210.2コ 『山登り語辞典』 県立 7FX786.1ス 市立786ス (日経新聞)2017.4.15 (リーダーの本棚)SUBARU社長 吉永 (座右の書)新訂・経営の行動指針 土光 (その他) 落日燃ゆ、運を天に任すなんて、石田禮助の生涯、もう君には頼まない、ビッグボーイの生涯 現代活学講話選集7 王陽明 『指導者とは』 ニクソン ・強い意志と、他者の意志を動かすすべを知っている マネジメント エッセンシャル版 けあしだろこ 坂の上の雲、竜馬がゆく (この1冊)『ドライバーレス革命』 自動運転車の普及で世界はどう変わるか? リプソン(藤原) 県立 大学537L67d 『原点 THE ORIGIN』 安彦(竹内) ガンダム 『スウィングしなけりゃ意味がない』 佐藤(千野) 県立 7Fサト 市立913.6サト 『日本ノンフィクション史』 武田 中公新書 『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』 2020年に激変する国土・GDP・生活 窪田 県立 『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』 ロンソン(荻上) 7F361.4ロ 『一緒にいてもスマホ』 SNSとFTF タークル(橋元) 県立 市立361.4タ なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか? ライエンダイク け ×国家の矛盾 高村 安保法成立の裏側 ×(あとがき)笑いのカイブツ タカユキ (広告) 『友達以上、不倫未満』 秋山 市立367.3ア 大学367.4A38t ネットの高校、はじめました。 け 『高校生からはじめるプログラミング』 あしろ 『夜型人間のための知的生産術』 斉藤 『建築から見た日本古代史』 武澤 ちくま新書 大学1247 『SPRINT 最速仕事術』 8FN336.2ナ市立336ス ×陽明丸と800人の子供たち 『ドローンが拓く未来の空』 鈴木 市立538ス デザインってなんだろう? マツダ けし 作家的覚書 けあだ 日中漂流 けあだ 『異才、発見!』 岩波新書 県立 7FS371.5イ 大学1659 こども君主論 斉藤 世紀の大発見 フィンセント・ファン・ゴッホ ウェルシュ=オフチャロフ 『日本列島創生論』 地方は国家の希望なり 石破 県立 7FS318.6イ 市立318イ ×コスパ飯 成毛眞 ×ヤセないのは脳のせい 茂木 『さあ、才能に目覚めよう』 ラス ウェブテストのアクセスコード付き 1800円 2018.4.9 (朝日新聞) (ひもとく)旅立ちの季節 上田岳弘 三四郎 夏目漱石 『大学1年生の歩き方』 先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ トミヤマ 県立 6FY15ト 市立377ト 大学377.9To59d 公 『筋トレが最強のソリューションである』 青森 市立159テ (売れてる本)一九八四年 新訳版 オーウェル ハヤカワ(市川) 大学933.7O71s 『虜囚』 コリー(柄谷)拡大する島国イギリスの試練と秘密 県立 哲学してもいいですか? 三谷(野矢) 哲学教育 ろ 時間のないホテル ワイルズ(円城) 未来かホラーか けあしろ 『ローカルブックストアである』 大井(市田) 県立 『本屋、はじめました』 辻山(市田) 県立 芸術の言語 グッドマン(○木) だ なぜペニスはそんな形なのか べリング(サンキュータツオ) けし 『世界を変える「デザイン」の誕生』 シリコンバレーと工業デザインの歴史 カッツ(佐倉) 県立 大学501.8Ka88s 公 マッキンゼーが予測する未来 ドッブス(加藤) だ (著者)日本の近代とは何であったか 三谷 けあだ (山本)日本の昔話 柳田国男 7FB ×(ビジネス)新たな”プロ”の育て方 原田(勝見) (新書) 『人はなぜ物語を求めるのか』 千野 ちくまプリマー新書 6FY91チノ 大学901.3C47h 六901チ 公 大避難 何が生死を分けるのか 島川 あ 消費税は下げられる 森永 け ×シン・ヤマトコトバ学 シシドヒロユキ (桜庭一樹)オズの魔法使い 角川文庫 (オススメ)『インターネット文化人類学』 市立立007セ (毎日新聞) 『宮沢賢治の真実』 修羅を生きた詩人 今野 立 7F910.2ミ 市立910.268ミ どうでもいい。 地球から月へ 月を回って 上も下もなく ジュール・ヴェルヌ インスクリプト社 け (この3冊)鉄道ミステリー 原口隆行選 点と線 松本清張 新幹線殺人事件 森村誠一 けあ 終着駅殺人事件 西村京太郎 あ 安達峰一郎 日本外交官から世界の裁判官へ 柳原(加藤陽子) けだ 発達障害 岩波(佐藤優) 文春新書 あだ 『そして、ぼくは旅に出た。』 はじまりの森 ノースウッズ 大竹 7Fオオ 市立914.6オ 六914オ 日本の戦略外交 鈴木 ちくま新書 大学1236 ×忍者の掟 川上(磯田) 忍者の末裔 高尾(磯田) あし (著者)ヒトと文明 狩猟採集民から現代を見る 尾本 ちくま新書 大学1227 (昨日読んだ文庫)カレー沢薫 桐島、部活やめるってよ 『葬られた文部大臣、橋田邦彦』 戦前、戦中の隠されてきた真実 高橋 県立 (読売新聞) (大河内)『地球全史』 白尾ほか 県立 市立456シ ×(著者)愛国とノーサイド 松任谷家と頭山家 延江 『魂でもいいから、そばにいて 3.11後の霊体験を聞く』 奥野(稲泉)8F147オ 市立 公 ×多田駿伝 岩井(奈良岡) あやつられる難民 米川(三浦) ちくま新書 大学1240 ぼくの美術ノート 原田(尾崎) け 鮪立の海 熊谷(土方) けあし 『貧困と闘う知』 教育、医療、金融、ガバナンス デュフロ(柳川) 県立 市立333デ 大学333.8D95h 公 理性の起源 網谷(納富) けあしこ 『クマムシ博士の クマムシへんてこ最強伝説』 堀川(塚谷) 県立 2018.4.8 (日経新聞) (今を読み解く)行政サービスは効率的か 真渕 『市民を雇わない国家』 前田 県立 日本の行政 村松 中公新書 けあだ 『流しの公務員の冒険』 霞が関から現場への旅 山田 8F318ヤ 市立318ヤ (この1冊)フィリピン 井出 中公新書(大泉) けあだ (半歩遅れの読書術)福嶋亮大 ○刈 谷崎 フジタの白鳥 佐野(三浦) けだ ゆらぐ玉の緒 古井(井口) けあし カリスマフード 畑中 けあ 文芸翻訳入門 藤井 けあ 『系外惑星と太陽系』 井田 岩波新書 県立 7FS445イ 大学1648 ×珍奇な昆虫 山口 光文社新書 二つの政権交代 竹中(待鳥) だ 『コンスタンツェ・モーツァルト』 小宮(岡田) 大学289.3Mo98K 『ミャンマー権力闘争』 アウンサンスーチー、新政権の攻防 藤川 県立 8F312.2フ 市立312フ 『同一労働同一賃金の衝撃』 山田 県立 8F366.4ヤ 市立366ヤ 大学366.4Y19d 六366ヤ (あとがき)『世界まるごとギョーザの旅』 久保えーじ 7FP596.2ク 市立 (広告) 『「週刊文春」編集長の仕事術』 間違いだらけの学習論 西林克彦 新曜社 あだ レトリック流法律学習法 フリチョフ ハフト 木鐸社 け 2017.4.2 (朝日新聞) (ひもとく)リーダー論 ライフネット生命保険会長 出口治明 貞観政要 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 湯浅邦弘 宋名臣言行録 ちくま学芸文庫 梅原訳 ムハンマド 世界を変えた預言者の生涯 アームストロング け 『夢遊病者たち』 第一次世界大戦はいかにして始まったか クラーク 県立 8F209.7ク 市立209ク 大学209.71C76m 公 統治の書 アルムルク セルジューク朝の名宰相 岩波書店 けだ (売れてる本)『アンダーアース・アンダーウォーター』 地中・水中絵図 ミジェリンスカ(武田) 県立 7FJ45ミ 市立J450ミ 六450ミ クラウドガール 金原ひとみ(斎藤) けあしろ 私をくいとめて 綿矢(斎藤) けあしろ 海と生きる作法 川島(佐伯) けだ 鯨を生きる 赤嶺(山室) け ×「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝 荒川(季邦) 『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』 嵯峨(季邦) 県立 7F910.2サ 市立910.26サ (池上冬樹) 『ゴーストマン 時限紙幣』 ホッブズ 県立 7F933ホ 市立933ホ 六933ホ 冬の灯台が語るとき テオリン けあし ビブリア古書堂の事件手帖7 三上 あしろ 福祉政治史 格差に抗するデモクラシー 田中(斎藤) けしだ 『愛しのオクトパス』 海の賢者が誘う意識と生命の神秘の世界 モンゴメリー(宮田) 県立 市立 青年の主張 まなざしのメディア史 佐藤(原武史) け 『科学報道の真相』 瀬川 ちくま新書(佐倉) 大学1231 (著者)いのちの車窓から 星野源 けあし (石田純一)ディンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ カレ ×(ビジネス)ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか?川上(梶山) (新書) 『人工知能の核心』 羽生善治 NHKスペシャル取材班 7FS007.1シ 市立007ジ 大学007.13H11j 歩く、見る、聞く 宮内 けあだ 『モラル・ハラスメント』 イルゴイエンヌ 県立 8F361.4イ 市立 公 ×国家の矛盾 高村 (毎日新聞) ×メイン・ストリートのならず者 ヤノヴィッツ ザ・ローリング・ストーンズ ×健康診断は受けてはいけない 近藤誠(養老) (この3冊)トランプ時代に再び読む 町山智浩選 一九八四年 新訳版 ハヤカワepi文庫 だ すべて王の臣 ウォーレン けあし ここでは起こりえない ルイス 研究社出版 20世紀英米文学案内13 シンクレア・ルイス 大学 『なかなか暮れない夏の夕暮れ』 江國香織(湯川) 県立 7Fエク 市立913.6エク 大学913.6E44n 六913エ ×舞台をまわす、舞台がまわる 山崎正和オーラルヒストリー(鹿島) (著者)『裸足で逃げる』 沖縄の夜の街の少女たち 上間陽子 『裸足で逃げる』 岩波茂雄文集 全3巻 植田康夫ほか(張) け (昨日読んだ文庫)辛酸なめ子 醜い日本の私 中島 け セメント樽の中の手紙ほか 葉山 ちくま文庫 あ (読売新聞) (著者)死にゆく人のかたわらで 三砂 けあし 『植物はなぜ薬を作るのか』 斉藤和季(宮部) 大学499.87Sa25s 結構レベルが高い 文春新書 スパイクマン地政学 スパイクマン だ イブン・バットゥータと境域への旅 家島(出口) けだ 『科学者18人にお尋ねします。宇宙には、だれかいますか?』 佐藤(服部) 県立 6FY244ウ 市立440ウ ゆらぐ玉の緒 古井(塚谷) けあし 自閉症と感覚過敏 熊谷(伊藤) けあだ 地方都市の覚醒 山路(安藤) け ×怪魚を釣る 小塚(稲泉) (村上春樹インタビュー) 自己革新の源泉 肉体的なトレーニング。昨年末もフルマラソン 翻訳で文章を鍛える いろんな音楽を聴く (日経新聞)2017.4.1 (リーダーの本棚)Jパワー会長 北村雅良 (座右の書) 自然手帖 尾崎 ほんとの自分にもどる 115のヒント クンツ けあ (その他愛読書) 博物誌 ルナール 白水社 け ヒトラーが町にやってきた アレン ソフト・エネルギー・パス ロビンズ だ コンスタンティノープルの陥落 けあしだ、ロードス島攻防記、レパントの海戦 塩の ひとりぼっちの叛乱 富田 し 会社はだれのものか 岩井 けあ (この一冊)石油の呪い ロス(須藤) け(著者)レント、レント・レージング、制度崩壊 切腹考 伊藤(神野) あし ビリー・リンの永遠の一日 ファウンテン(○巣) けあしろ (半歩遅れの読書術)福嶋亮大 孤独な散歩者の夢想 ルソー け ありのままのアンデルセン ブース けあ ぼくの死体をよろしくたのむ 川上 けあしろ 『「原因と結果」の経済学』 データから真実を見抜く思考法 中室(乾) 県立 8F331.1ナ 「働く青年」と教養の戦後史 福間(吉見) し (あとがき)いのちの車窓から 星野源 けあし 裁判の非情と人情 原田 岩波新書 あしだ 『蔡英文自伝』 白水社 県立 8F289.2ツ 市立289ツ☆自分の論理で思考し、自分のものとする学習法。模索しながら考える。 『世界でもっとも美しい量子物理の物語』 量子のモーメント クリース 県立 8F421.3ク 市立421ク 公 (広告) われらの子ども 米国における機械格差の拡大 パットナム 2017.3.26 (朝日新聞) (ひもとく)移住 内澤旬子 ×「小商い」で自由にくらす 磯木 『地方創生大全』 木下 県立 8F318.6キ 市立318キ 大学318.6Ki46c 公 『羊飼いの暮らし』 リーバンクス 県立 8F645.4リ 市立64リ (売れてる本)タテ社会の人間関係 中根(橋爪大三郎) アイデアが明快で応用もきく あだ ×土方巽 宇野邦一(宮沢) 切腹考 伊藤(星野) けあし 『ショコラ』 歴史から消し去られたある黒人芸人の数奇な生涯 ノワリエル(中村) 県立 市立779ノ 『岩場の上から』 黒川(大竹) 小説(再処理、最終処分) 県立 7Fクロ 市立 『選択しないという選択』 ビッグデータで変わる「自由」のかたち サンスティーン(武田) 県立 市立331サ 大学331Su74s ☆選択しないということを能動的に選択しなければならない。(大屋雄祐解説) ×「三陸津波」と集落再編 岡村(五十嵐)「理想村」に学ぶ 不平等を考える 斎藤 ちくま新書(過ぎた) 大学1241 『松居直と絵本づくり』 藤本(蜂飼耳) 県立 市立019フ☆月刊絵本「こどものとも」の編集者 (毎日新聞) 切腹考 伊藤(持ちだ) けあし ×京舞つれづれ 井上(三浦) (この3冊)池田晶子 中嶋廣選 新・考えるヒント けあし 死と生きる 獄中哲学対話 あだ 14歳からの哲学 けあし 『ドラッグと分断社会アメリカ』 ハート(内田) 県立 8F368.8ハ 市立368ハ 『安倍三代』 青木(中島岳志) 8F288.3ア 市立288ア 六288ア 幻想の坩堝 ベルギー・フランス語幻想短編集 けあ 検証 アベノメディア ×料理のアイデアと考え方2 後藤明生コレクション2 前期2(荒川) け (著者)俳句と暮らす 小川 あしだ (昨日読んだ文庫)太田 食物漫遊記 種村 (読売新聞) (著者)『芝公園六角堂跡』 西村 県立 7Fニ 市立ニ 六913ニ 黒島の女たち 城戸(稲泉) けあしろ 福祉政治史 田中(苅部) けしだ 不平等を考える 斎藤(苅部) ちくま新書 大学1241 メーゾン・ベルビウの猫 椿(土方) せいのめざめ 益田(青山) あし クラウドガール 金原(長島) けあしろ 『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』 ロンソン(宮部) 7F361.4ロ ×マルティン・ルター カスパー(納富) 「パパが大変」が「面白い!」に変わる本 安藤(朝井) あし ナスカイ 梅 あ ばつ数理法務のすすめ 草の (日経新聞)2017.3.25 (この1冊)「接続性」の地政学 カンナ(岡崎) だ 『なかなか暮れない夏の夕暮れ』 江國香織(佐々木) 県立 7Fエク 市立913.6エク 大学913.6E44n 六913エ 鬼殺し 甘(小野) けあし 生成不純文学 木下 あし 『科学者18人にお尋ねします。宇宙には、だれかいますか?』 佐藤 マッキンゼーが予測する未来 ドッブス 『ウニはすごい バッタもすごい』 本川(福岡) ×リーダーの基準 清水勝彦 『ゼロデイ』 山田 政府が進めるサイバー攻撃 米中露サイバー戦争が世界を破壊する 8F391.6ヤ 市立391ヤ (あとがき)『宮沢賢治の真実』 修羅を生きた詩人 今野 県立 7F910.2ミ 市立910.268ミ どうでもいい。 (広告) 知的な老い方 外山 『超AI時代の生存戦略』 落合 県立 8F304オ 人生を変えるモーニングメソッド エルロッド 『JALの現場力』 金子 県立 小さな会社の稼ぐ技術 『定年男子定年女子』 45歳から始める「金持ち老後」入門! 7FK591オ 市立591オ 六591オ 『ルポ トランプ王国』 もう一つのアメリカを行く 金成 岩波新書 県立 7FS312.5カ 大学1644 公 シルバー・デモクラシー 寺島 けあだ 『原点 THE ORIGIN』 「おもてなし」という残酷社会 けあ あきれた紳士の国イギリス あ 『改訂 桜は本当に美しいのか』 欲望が生んだ文化装置 水原紫苑 大学910.2Mi94s ☆個人的には、桜より梅の方が好きだが。 『東京の森を歩く』 7FS652.1フ 『理化学研究所』 ブルーバックス 県立 7FS407.6ヤ 市立407ヤ 大学408B94.2009 『地球はなぜ「水の惑星」なのか』 県立 市立450カ 2017.3.19 (朝日新聞) (ひもとく)ジャズレコード100年 奥泉光 ジャズからの挨拶(相倉久人ジャズ著作大全 下巻) 日本フリージャズ史 副島 けあ 日本のジャズ史 戦前戦後 内田 新編 風雲ジャズ帖 相倉 あ (売れてる本)老いへの「ケジメ」 斎藤(佐々木) あし 春に散る 沢木耕太郎(武田) けあし 大鮃 藤原新也(武田) あ 田中正造と足尾鉱毒問題 三浦(諸富) 建築史とは何か リーチ(五十嵐) け 『クラウド時代の思考術』 パウンドストーン(佐倉)適切な検索には相応の知識とリテラシーが必要 六115パ (東直子がすすめる文庫) 半自叙伝 古井 けあしろ 『蚊がいる』 穂村 こぼれ落ちて季節は 加藤 けあし ポピュリズムとは何か 水島(原武史)中公新書 けあだ ゴジラ幻論 倉谷(円城)(著作)新版・動物進化形態学 けだ、『分節幻想』 動物のボディプランの起源をめぐる科学思想史 倉谷 比較形態学 県立 (ビジネス)『子育て支援と経済成長』 柴田(森) 県立 市立369シ (著者)『家族最後の日』 植本一子 8F740.2ウ 市立740ウ (オススメ)『新・映像の世紀 大全』 NHK 県立 8F209.7シ 市立209シ 六209シ (新書)『火山で読み解く古事記の謎』 蒲池明弘 県立 (毎日新聞) ジョージ・F・ケナン回顧録(岩間) 富国と強兵 中野(松原) けあ (この3冊)ロシア革命 亀山郁夫選 ロシア革命 カー 大学 『文明としてのソ連』 初期現代の終焉 石井 県立 8F238.0イ 市立 大学 公 スターリン批判 和田春樹 け 紫式部日記を読み解く 池田(小島) 日記で読む日本史シリーズ全20巻 け 中井久夫集1 働く患者(斎藤環)「世に棲む患者」「働く患者」の二編 け 柳田国男 ちくま新書(川田) 大学1218 『夢遊病者たち』 第一次世界大戦はいかにして始まったか クラーク(池内) 県立 8F209.7ク 市立209ク 大学209.71C76m 公 ×経済政策 不確実性に取り組む 松原 現実:不確実性-社会的規制もでる ×2100年へのパラダイム・シフト 広井、大井 (昨日読んだ文庫)竹内薫 雪国 ティファニーで朝食を 村上春樹訳 ミリアム、夜の樹 あ カポーティ ポラーノの広場 宮沢 あ (読売新聞) (細谷雄一) 戦後国際秩序とイギリス外交 あだ 安保論争 ちくま新書 大学1199 迷走するイギリス け 歴史認識とは何か し ×(著者)認められたい 熊代 『騎士団長殺し』 村上(三浦) ガリバルディ 藤沢 中公新書(出口) あだ ランニングする前に読む本 田中(服部) けし 武田氏滅亡 平山(清水) し 決定版! グリーンインフラ 日経BP社(塚谷) け 『ルポ希望の人びと』 ここまできた認知症の当事者発信 生井(橋本五郎) 県立 8F493.7イ 市立493イ 大学493.75I38r 六493イ ドラゴン・ヴォランの部屋 ファニュ(土方) あ アドルフ・ヴェルフリ 服部(伊藤) け (日経新聞)3.18 (リーダーの本棚)日本政策投資銀行相談役 橋本徹 (座右の書) ×山田方谷に学ぶ改革成功の鍵 野嶋 (その他) 峠 司馬 けあし 財政破綻を救う 山田方谷「理財論」 深沢 あ ×炎の陽明学 矢吹 歎異抄 岩波文庫 だ ×都鄙問答 経営の道と心 由井 日本の進路を決めた10年 エントウィッスル し 『文明の衝突』 新・地政学 山内 し 中東・エネルギー・地政学 寺島 あ (この1冊)日本経済史 沢井、谷本(八代)江戸時代からの流れとらえる こ 『騎士団長殺し』 村上春樹(加藤) 『クラウド時代の思考術』 パウンドストーン(中野) 108年の幸せな孤独 中野 け 『子育て支援と経済成長』 柴田 現代日本の官僚制 曽我(飯尾) け アメリカと中国 松尾(佐々木) けだ 『免疫革命 がんが消える日』 日経 7FS494.5メ 張作霖 杉山 けし (あとがき)『社史の図書館と司書の物語』 神奈川県立川崎図書館社史室の5年史 高田 県立 8F016.2タ 市立016タ 六016タ 『グーグルに学ぶディープラーニング』 日経ビッグデータ編 大学007.13G91 (広告) 不平等を考える 斎藤 ちくま新書 けだ 神田神保町 鹿島茂 けし 近代日本の洋風建築 開化編 藤森照信 県立 市立523フ 大学523.1F61Ka、栄華編 『モラルの起源』 かめた 岩波新書 『正しいコピペのすすめ』 宮武 県立 6FY204ミ 組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶ 菊澤 佐藤優推薦 け? プロテスタンティズム 深い 中公 あだ 『帝国大学』 近代日本のエリート育成装置 天野 中公新書 7FS377.2ア 大学2424 公 企業不祥事はなぜ起きるのか 稲葉 あだ ×長生きの統計学 ×仕事が速い人はどんなメールを書いているのか 2017.3.12 (朝日新聞) (ひもとく)トランプが立つ世界 大澤真幸 ×熱狂の王 ドナルド・トランプ ダントニオ トランプ ワシントン・ポスト取材班 あ 『ルポ トランプ王国』 もう一つのアメリカを行く 金成 岩波新書 県立 7FS312.5カ 大学1644 公 帝国以後 アメリカ・システムの崩壊 トッド ヨーロッパとアメリカの亀裂 けあしだ 『反知性主義』 森本あんり ヨーロッパ/アメリカの差異の歴史的起源、キリスト教がアメリカに移植されて被った変質 県立 市立192モ (売れてる本)『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』 栗原(最相) 6FY11ク 市立779ク 六779ク 徳川家康 笠谷(原武史)死後の体制転覆を恐れた理由 け 自分とは違った人たちとどう向き合うか バウマン(杉田) け 自由貿易は私たちを幸せにするのか? 上村(諸富) 多国籍企業だけを利するTPP け貸し 狩人の悪夢 有栖川(末國) けあしろ こびとが打ち上げた小さなボール セヒ(星野) あし? 小説ライムライト チャップリンの映画世界 チャップリンはおか(横尾) けあし 『覗くモーテル 観察日誌』 タリーズ(武田) 市立936タ 『シリア難民』 キングスレー(立野) 県立 8F369.3キ 市立369キ ×(ビジネス)情報法のリーガル・マインド 林(小林) (著者)私のつづりかた 小沢 あ 毒盃 佐藤紅緑 けあし ×近代天皇論 片山 『植物はなぜ薬を作るのか』 斉藤和季 大学499.87Sa25s 文春新書 結構レベルが高い。 ×イスラーム入門 中田 集英社新書 『王様でたどるイギリス史』 池上俊一 県立 6FY223イ 市立847 ×教養としての10年代アニメ 町口 (毎日新聞) すばらしい新世界 ハクスリー(池澤) 一九八四年と並ぶディストピアものの代表 け(光文社) 貧困と闘う知 デュフロ(大竹) けしだこ (この3冊)井伊直虎 小和田哲男選 ×井伊氏サバイバル五〇〇年 大石 井伊直虎 夏目○史 あこ ×井伊直虎と戦国の女100人 川口 『MARS 火星移住計画』 デイヴィッド(海部) 県立 8F445.3テ 市立445デ 覗くモーテル観察日記 タリーズ(若島) し 福島インサイドストーリー 今井 自治体職員 こ 『ルポ トランプ王国』 もう一つのアメリカを行く 金成(伊東) 岩波新書 県立 7FS312.5カ 大学1644 公 (著者)『文明は<見えない世界>がつくる』 松井孝典 県立 7FS112マ (昨日読んだ文庫)はんつ遠藤 歩くアジア 下川 あ ×週末ちょっとディープなタイ旅 (読売新聞) (空想書店)畠山重篤 『森が消えれば海も死ぬ』 第2版 県立 市立519マ 大学 2010 『橋をかける』 子供時代の読書の思い出 美智子 市立 『生命とは何だろう?』 長沼 県立 市立460ナ 『ノーダリニッチ島 K・スギャーマ博士の動物図鑑』 県立 9F 市立 『ヒラメ・カレイのおもてとうら』 山下 6FY248ヤ おもしろい。 (ヤマザキマリ)シリウス ステープルドン SF あ (著者)『ウニはすごい バッタもすごい』 本川 7FS483モ ×悲愛 金菱清(土方) 東北学院大学震災の記録プロジェクト 愉しい学問 ニーチェ(納富) だ貸し「悦ばしき知識」がタイトル新たに 講談社学術文庫 大学134.94N71t ×アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか 松本(奈良岡) シャクシャインの戦い 平山(服部) け 死を想え 今西 平凡社「書物をひらく」シリーズ け <統計から読み解く>都道府県ランキング No.2 久保(宮部) あし No.1(けあし) 中国の誕生 岡本(苅部) 近代型のネイションの誕生 だ 絵画の歴史 ホックニー(伊藤伊) けあ (前著)秘密の知識 け キャスターという仕事 国谷(三浦) けあだ 『ミステリーな仏像』 本田(稲泉) 県立 8F718ホ 六718ホ (日経新聞)3.11 (今を読み解く)「遊び」超えるゲーム産業 細井浩一 『日本デジタルゲーム産業史 増補改訂版』 ファミコン以前からスマホゲームまで 小山 県立 8F589.7コ 市立589コ 『現代ゲーム全史』 中川 市立798ナ ×VRビジネスの衝撃 新 (この1冊)金融危機はまた起こる プレンだー(福田) こ 低反発枕草子 平田(東) けあ さあ、見張りを立てよ リー(越川) けあし ボローニャの吐息 内田 あ 魂でもいいから、そばにいて 奥の あし (新書)『奨学金が日本を滅ぼす』 朝日新書 県立 市立373オ 公、『人類と気候の10万年史』 ブルーバックス マーケティングに強くなる 恩蔵(田中) だ 戦場に行く犬 グッダヴェイジ(高橋) けあ 黒島の女たち 城戸 けあしろ AI時代の働き方と法 大内 け ×(あとがき)怪魚を釣る 小塚 『燃えない電池に挑む!』 69歳からの起業家・吉田博一 県立 『島嶼学への誘い』 嘉数 沖縄からみる「島」の社会経済学 県立 『コロンブスの不平等交換』 作物・奴隷・疫病の世界史 山本 県立 8F209.5ヤ 市立209ヤ 六209ヤ 『縄文時代』 山田 歴博フォーラム 『イルカと日本人』 追い込み漁の歴史と民俗 中村 県立 市立664ナ (広告) 受かる勉強33のルール 山田 あし 『週刊文春 編集長の仕事術』 8F051.6シ 大学 SLEEP スティーブンソン けあし すべての悩みは脳がつくり出す 茂木 あ 『ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス』 ヨグマタ相川圭子 7FF498.3ア 六498ア 『乱読のセレンディピティ』 外山 県立 8F019.1ト 『老いの整理学』 外山 県立 市立367.7ト p.96 森銑三氏は、気に入った記事を切り抜き、袋に入れて保存。いっぱいになると切り抜きを整理して、一冊の本を書き上げた、という。 『新聞大学』 外山(珠玉の3冊) 市民 『シャトゥーン ヒグマの森』 増田俊也 県立 7Fマス 市立 『貧困クライシス』 国民総「最底辺」社会 六368フ☆相対的貧困の増加、『下流老人』 『広告業界という無法地帯へ』 県立 ブコウスキーの酔いどれ紀行 最高でサイテーなヤツがいたんだ!! あ ×自由な自分になる本 増補版 服部みれい ×文明開化 灯台一直線! 土橋 ×イラスト記憶法で脳に刷り込む英単語1880 『僕らが毎日やっている最強の読み方』 池上 佐藤 市民 市立002イ ×DeNAと万引きメディアの大罪 『シャープの中からの風景』 シャープ社員がブログに綴った3年間 元シャープ社員A 大学540.67Mo89s 『日本列島100万年史』 ブルーバックス 県立 市立454ヤ 『書く力』 池上 7FS816イ 市立816イ 公 読売新聞編集手帳の竹内氏との対談 ・文豪たちの大喧嘩 谷沢 毒舌家。音読の効果(池上:伝える力は書いたあとで音読) 学習まんが 日本の歴史 全20巻 18年ぶり全面改訂 あ 2017.3.5 (朝日新聞) (ひもとく)民俗芸能と震災 山内明美 津波のまちに生きて 川島 大学369.31Ka97 『YOKAI NO SHIMA』 フレジェ 県立 (著作)『WILDER MANN 』 『あなたが最期の最期まで生きようと、むき出しで立ち向かったから』 須藤 県立 7F911.5ス 市立911.5ス (売れてる本)夜行 森見 (阿部) けあしろ 『騎士団殺し』 村上春樹(斎藤) 県立 7Fム 市立ム 六ム サザビーズで朝食を フック(加藤) けあ ×複数性のエコロジー 篠原(武田) 『脳はなぜ都合よく記憶するのか』 記憶科学が教える脳と人間の不思議 ショウ(円城) 県立 青森 市立491シ 縫わんばならん 古川(宮沢) けあしろ ヤズディの祈り 林(大竹) け 復興キュレーション 加藤(五十嵐) し 皇族と天皇 浅見(保坂) ちくま新書 あ 大学1224 (ビジネス)新シニア市場攻略のカギはモラトリアムおじさんだ! け (新書) デヴィッド・ボウイ 野中 あだ ×ADHDでよかった 立入 ×里地里山エネルギー 河野 「革命」再考 的場 け (著者)我が名は、カモン 犬童 あ (毎日新聞) (今週の本棚) 『騎士団殺し』 村上春樹 県立 7Fム 市立ム 六ム (この3冊)鮨 中原一歩選 ×ひかない魚 新津 『すきやばし次郎 旬を握る』 里見 9F 7FB596.2サ 市立 失われゆく鮨をもとめて 一志 けあ 人はどうして老いるのか 日高(村上) 旧版は、プログラムとしての老い ×写真集 サハリン逍遥 片山 赤い星は如何にして昇ったか 石川 ×北朝鮮の国家戦略とパワーエリート ×劇作家 秋元松代 山本(渡辺) (著書)ルポ 思想としての朝鮮籍 中村 『ロシア革命』 池田(沼野) 岩波新書 (読売新聞) (著者)Y先生と競馬 坪松 あ 『本屋、はじめました』 辻山(稲泉) 県立 『ローカルブックストアである』 大井(稲泉)県立 あなたの人生の意味 ブルックス(尾崎) あ 書簡の時代 ロラン・バルト晩年の肖像 コンパニオン(ダン) け 人種戦争という寓話 廣部(奈良岡) けだ おばちゃんたちのいるところ 松田(青山) けあし 『フンボルトの冒険』 ウルフ(塚谷) 貧者の息子 フェラウン(長島) け 裸足で逃げる 上間(朝井) けし (日経新聞)0304 (リーダーの本棚)魚谷雅彦 資生堂社長 (座右の書) 私の生き方 小林 けあ マーケティング22の法則 ライズ こ (その他) この国のかたち ハードワーク jy本好 あ? ゴルフが上手くなれば人生でも成功する ウッド ×ターゲット シュシャン (この1冊)政府の隠れ資産 でったー だ (半歩遅れの読書術)渡辺靖 肩をすくめるアトラス ランド だ 『フンボルトの冒険』 ウルフ(樺山) 『羊飼いの暮らし』 リーバンクス(池内) 県立 8F645.4リ 市立64リ プルーストと過ごす夏 コンパニオン けあし 『毛の人類史』 なぜ人には毛が必要なのか ステン 県立 8F491.1ス 市立 六491ス ×「経営の定石」の失敗学 小林(小川) 『消えゆく「限界大学」』 小川(両角) 県立 市立377オ 入門東南アジア近現代史 岩崎 あ ブロックチェーン革命 野口 けあしだろ (あとがき)『ちばてつや自伝』 屋根うらの絵本かき 青森 市立916チ (広告) 儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 けあしろ ×日本の武器で滅びる中華人民共和国 『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』 2020年に激変する国土・GDP・生活 窪田 県立 『大英自然史博物館の《至宝》250』 県立 8F406.9タ 市立406ダ 『シュレディンガーの猫』 ハート=デイヴィス 創元ビジュアル科学シリーズ 市立420ハ 『宮沢賢治の真実』 修羅を生きた詩人 今野 県立 7F910.2ミ 市立910.268ミ どうでもいい。 『閉された言語・日本語の世界』 鈴木孝夫 市立810ス 韓国人による北韓国論 あ ×嘘だらけの日仏近現代史 ×AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則 『ラマヌジャン探検』 岩波科学ライブラリー ×世界が地獄を見る時 ×日本をダメにするリベラルの正体 ×初めてのディープラーニング オープンソース Caffeによる演習付き ×瞬間フレームワーク 超速で問題を解決す
https://w.atwiki.jp/mountandblade/pages/121.html
M B Module System Documentation v0.8時代に作成されたWinter氏によるModule Systemの解説に、 v1.010に合わせてJIK氏が修正を加えたものです。 英語版DLページ <内容> マップアイコンの編集(街、プレイヤー、etc) 新しいパーティの作成(街、兵士、etc) 新しい兵士の作成 アップグレードツリーの編集 Tavernを例としたシーンの作成とゲームエディタの使い方 会話などダイアログの作成 ダイアログや変数を用いたクエストの作成 トリガーによるパーティの登場 (フォーラムより。フィードバックを歓迎しています。) v1.010のモジュールシステムに対応しており、 劇的なシステムの変更などは無いものの、MOD作成初心者には非常に良いチュートリアルです。 ただし、今のところ未完成です。今後は未完成部分の完成とslotの解説を追加する予定とのこと。 PART4-6へ(リンク) PART7-10へ(リンク) M B Module System DocumentationPART1 イントロダクション(Getting Started)1.1 モジュールシステム(Module System)とは? 1.2 環境の準備 1.3 モジュールシステムの入手 1.4 モジュールシステムファイル 1.5 新しいモジュールの作成 PART2 モジュールシステムの編集(Editing the Module System)2.1 モジュールファイルの個人化 2.2 モジュールファイルの編集 2.3 新しいオブジェクトの追加 2.4 ゲームオブジェクトの参照 PART3 兵士(Module Troops)3.1 module_troopsの内容 3.2 兵士のアップグレード 3.3 新しい兵士(troop)の追加 3.4 マーセナリ ※この部隊はもう無いので、new_troopを代わりに利用します。 3.5 NPC 3.6 商人 ※これはWinter氏の旧バージョンのままで、テストされていません。 3.7 チェスト 他の章へのリンクPART4 パーティ(Module Party Templates) PART5 アイテム(Module Items) PART6 定数、勢力、文章とクエスト(Module Constants, Factions, Strings and Quests) PART7 シーン編集(Scene Editing) PART1 イントロダクション(Getting Started) 1.1 モジュールシステム(Module System)とは? M Bのモジュールシステムとは、M Bの内容を追加、編集するためのpythonスクリプトです。 これは公式で使われてるのと同じもので、モジュールシステムを利用することで新しい部隊、キャラクター、クエスト、ダイアログ等を追加/編集することができます。 ただしM Bはpythonスクリプトを直接に読み込むことはせず、実際にはpythonスクリプトからtxtファイルを作成してそれを読み込んでいます。 理論上全てのmoddingはこのtxtの編集を通じて行えますが(実際、直接編集するmodderもいますが)正直なところこのtxtは人間が読めるように書かれていません。 現実的なモジュール作成の方法としては今のところ2つの方法があります。 1つめは公式の提供しているモジュールを利用すること。もう1つはEffidian氏による非公式のモジュールエディタを利用すること。 ただし後者はサポートが途切れて現在のバージョンには適応していません。(v7.5.1など旧verには対応しています。) この文書ではオフィシャルの提供するモジュールの編集を扱います。 1.2 環境の準備 モジュールはpythonスクリプトで出来ているため、編集者もpythonをインストールする必要があります。 Python.orgのダウンロードページ(http //www.python.org/download/) 色々有りますが、Windows向けのv2.6.1だけDLすれば事足ります。 Pythonのインストール後、環境変数を設定します。 Win9Xの場合:Autoexec.batを編集します。 pythonをインストールしたフォルダが”C \Python24”なら、 “PATH=C \Python24;%PATH%”を追加します。 WinXP/Vistaの場合:マイコンピュータを右クリックしてプロパティを開き、「詳細設定」タブの中の「環境変数」をクリックします。 1.「システム環境変数」をスクロールダウンして変数 Parhを探します。 2.「編集」ボタンを押すと「システム変数の編集」ウィンドウが開きます。 3.「変数値」の最後尾に”;C \Python26”を加えます。 1.3 モジュールシステムの入手 最新(v1.010)のモジュールシステムは公式のフォーラムからDLできます。 http //www.taleworlds.com/download/mb_module_system_1010_0.zip (訳注:公式のフォーラムはかなり細かく分かれています。 モジュールシステムのスレッドは公式TOP- Forum- Module Development- The Forge - Mod Developmentの中にあるようです。) 1.4 モジュールシステムファイル モジュールシステム内のファイルを見てみましょう。pythonファイル(拡張子.py)は名前の前頭語によって4種類に分かれています。 * header_ * process_ * ID_ * module_ 最初の2つ(header_とprocess_)はモジュールシステムの実行に不可欠です。弄らないのが賢明でしょう。 3番目(ID_)はモジュールをビルドする際の一時ファイルです。消去してもモジュールシステムが再生成しますので問題ありません。 4番目(module_)はモジュールの内容に関するファイルです。主にこれを編集します。 1.5 新しいモジュールの作成 次に進む前に、自分のモジュールのためのフォルダを作りましょう。 Mount Blade\Modules\を開きます。そこにある「Native」というフォルダは公式のモジュールです。 とりあえずModules\にMyNewModuleというフォルダを作り、その中にNativeの中身をコピーします。 さて新しいモジュールをテストします。M Bを起動してMyNewModuleを選択し起動します。 MyNewModuleの中身はNativeからのコピーなので、ゲーム内容もNativeと同じのままです。 次に、モジュールシステムののビルド先を設定します。 module_info.pyをテキストエディタ等で開き、その中の export_dir = "C /Program Files/Mount Blade/Modules/Native/"を export_dir = "インストール先のパス/Mount Blade/Modules/MyNewModule/"に書き換えます。 もしMyNewModule/内にconversation.txtがあればそれを削除しておきます。 build_module.batを実行するとコマンドプロンプトが開き下記のメッセージが表示されます。 Code [Select] Initializing... Compiling all global variables... Exporting strings... Exporting skills... Exporting tracks... Exporting animations... Exporting meshes... Exporting sounds... Exporting skins... Exporting map icons... Creating new tag_uses.txt file... Creating new quick_strings.txt file... Exporting faction data... Exporting item data... Exporting scene data... Exporting troops data Exporting particle data... Exporting scene props... Exporting tableau materials data... Exporting presentations... Exporting party_template data... Exporting parties Exporting quest data... Exporting scripts... Exporting mission_template data... Exporting game menus data... exporting simple triggers... exporting triggers... exporting dialogs... Checking global variable usages... ______________________________ Script processing has ended. Press any key to exit. . . 何事もなく終わったなら、おめでとうございます!あなた自身のモジュールが誕生しました! もしエラーを吐いた場合はこれまでのステップのどこかで見落としかミスをしています。 どうしても困った場合はフォーラムの検索機能で類似の問題に関するスレッドを探してください。 大体の問題とその解決策は提示されています。 ※訳注:module_info.pyの中にも書いてありますが、module_info.pyでのディレクトリ指定はバックスラッシュ(\)ではなく フォワードスラッシュ(/)を使わないとエラーを吐きます。 PART2 モジュールシステムの編集(Editing the Module System) モジュールシステムの改造手順をおさらいします。 1)モジュールファイル(module_*.py)を編集する 2)build_module.bat を実行し、モジュールをビルドする 3)ビルド時にエラーを吐かなければM Bを起動してテストする ※変更によってはニューゲームが必要です 2.1 モジュールファイルの個人化 最初にMOD選択画面での画像を差し替えて、自分の物らしくします。 対象となるmain.bmpはMyNewModuleフォルダに入っています。 これを変更するとMOD変更時に分かりやすくて便利です。 DDSファイルを編集できるなら、メニューの背景画像に手を加えるのも良いでしょう。 背景となるbg2.ddsは Mount Blade/Textures/内にあります。 これをMount Blade/Modules/MyNewModule/Textures/に移動して編集することで違う背景に出来ます。 pic_mercenary.ddsはメインメニューでの画像です。 この辺りは後からでも出来るので、方法だけ覚えて先に進みましょう。 2.2 モジュールファイルの編集 モジュールシステムではゲーム上のオブジェクトのコレクションにPythonのリストを使っています。 (リストは`[`で始まり、カンマで区切られた要素を含み、`]`で終わります。) 更にそのリストの要素としてタプルを含んでいます。 (タプルは`(`で始まり、カンマで区切られた要素を含み、`)`で終わります。) 例えばmodule_map_icons.pyを開くと下の文章があります。 map_icons = [ ("player",0,"player", avatar_scale, snd_footstep_grass, 0.15, 0.173, 0), ("player_horseman",0,"player_horseman", avatar_scale, snd_gallop, 0.15, 0.173, 0), ("gray_knight",0,"knight_a", avatar_scale, snd_gallop, 0.15, 0.173, 0), ("vaegir_knight",0,"knight_b", avatar_scale, snd_gallop, 0.15, 0.173, 0), ("flagbearer_a",0,"flagbearer_a", avatar_scale, snd_gallop, 0.15, 0.173, 0), ("flagbearer_b",0,"flagbearer_b", avatar_scale, snd_gallop, 0.15, 0.173, 0), ("peasant",0,"peasant_a", avatar_scale,snd_footstep_grass, 0.15, 0.173, 0), ("khergit",0,"khergit_horseman", avatar_scale,snd_gallop, 0.15, 0.173, 0), ("khergit_horseman_b",0,"khergit_horseman_b", avatar_scale,snd_gallop, 0.15, 0.173, 0), ... ここでmap_iconsはリストとして宣言されている一方、リストの各要素 (例えば『("player",0,"player", avatar_scale, snd_footstep_grass, 0.15, 0.173, 0)』)はタプルです。 各タプルの構造は各モジュールファイルの先頭に記されています。 map_iconsでは 1 ) マップアイコンのid(名前) 他のファイルからの参照に用います。 また接頭語 icon_ が自動的に付与されます。 2 ) アイコンのフラグ header_map_icons.py に利用可能なフラグの表があります。 3 ) Mesh の名前 map_icon_meshes.brf、map_icons_b.brf、map_icons_c.brfに利用可能なリストがあります。 これらBRFファイルは Mount Blade\CommonRes にあります。 4 ) Meshのスケール 5 ) サウンドid 6 ) フラッグアイコンのx座標 7 ) フラッグアイコンのy座標 8 ) フラッグアイコンのz座標 これに例のタプル("player",0,"player", avatar_scale, snd_footstep_grass, 0.15, 0.173, 0)を当てはめると、下のようになります。 1 ) マップアイコンのid = "player" 2 ) マップアイコンのフラグ = 0 3 ) Mesh の名前 = "player" 4 ) Meshのスケール = avatar_scale 5 ) サウンドid = snd_footstep_grass 6 ) フラッグアイコンのx座標 = 0.15 7 ) フラッグアイコンのy座標 = 0.173 8 ) フラッグアイコンのz座標 = 0 他のモジュールファイルでも同様に、先頭にあるオブジェクトの構造に関する記述を読むことで内容を理解できます。 2.3 新しいオブジェクトの追加 マップアイコンのタプルの構造が分かったので、いよいよ自分の新しいマップアイコンを追加します。 map_icons = [ ("player",0,"player", avatar_scale, snd_footstep_grass, 0.15, 0.173, 0), ("player_horseman",0,"player_horseman", avatar_scale, snd_gallop, 0.15, 0.173, 0), . . . ("banner_125",0,"map_flag_f20", banner_scale,0), ("banner_126",0,"map_flag_15", banner_scale,0), ] 新しいオブジェクトはリストの内側に追加される必要があります。リストの最後列を一行開けてそこに追加することにします。既存のオブジェクトをコピー&ペーストし、それに手を加えると簡単です。 ここでは("town",mcn_no_shadow,"map_town_a", 0.35,0)をコピーして最後に追加します。 ... ("banner_126",0,"map_flag_15", banner_scale,0), ("town",mcn_no_shadow,"map_town_a", 0.35,0), ] 次はこれに新しい名前をつけます。”new_icon”としておきます。 このアイコンはフラグに0ではなく mcn_no_shadowが入っています。mcn_no_shadow の効果は「このアイコンは地面に影を落とさない」です。今回はこれを0にしておきます。 ... ("banner_126",0,"map_flag_15", banner_scale,0), ("new_icon",0,"map_town_a", 0.35,0), ] Mesh は利用する3Dモデルの設定です。ここでは”map_town_a”になっているのを”City”にします。 “City”は現在使われていないので判別しやすいのです。 次のスケールは、アイコンを何倍の大きさで表示するかを表しています。ここではtownとの違いが際立つように0.35から2に変更します。 ... ("banner_126",0,"map_flag_15", banner_scale,0), ("new_icon",0,"City", 2,0), ] 次節は、今作ったアイコンを私用する新たなパーティを作成するため、module_party.pyを編集します。 パーティがアイコンを利用するためには、アイコンを”参照”する必要があります。 とりあえずここまでで一度モジュールをビルドして構文エラーをチェックしましょう。 エラーの確認のためにビルドするのはナイスアイデアなのです。 2.4 ゲームオブジェクトの参照 module_parties.pyを開きます。 幾つかの定数が宣言された後にparties = [ で始まるPythonのリストがあります。 定数(ex.pf_town = pf_is_static|pf_always_visible|pf_show_faction|pf_label_large)は複数のフラグの繰り返しを楽にしてくれます。定数に関しては後で後述します。 見ての通り、module_partiesのタプルの構造はmodule_iconsとは若干異なっています。 まずはpartiesの構造を詳しく見ていくことにします。 例として下のタプルを取り上げます。このタプルはSargothをマップ上に配置しています。 ("town_1","Sargoth", icon_town|pf_town, no_menu, pt_none, fac_neutral,0,ai_bhvr_hold,0,(-1.55, 66.45),[], 170), タプルの構造を見てみます。 1)パーティID。 他のファイルからの参照に使います。 前頭語 p_ が自動的に付与されます。 2) ゲーム上で表示されるパーティの名前。 3)パーティのフラグ。1つ目のフラグは必ずそのパーティのアイコンを示す必要があります。 header_parties.pyに利用可能なフラグの表があります。 4)メニュー。v0.730以降使用されておらず、使用は非推奨の状態です。 5) パーティテンプレート。このパーティが属するパーティテンプレートのIDです。 デフォルトはpt_noneです。 6)ファクション。module_factions.pyで宣言されています。 7)パーソナリティ。header_parties.pyにこのフラグの説明があります。 8)AIの行動。マップ上でAIがどう行動するかを示します。 9)AIのターゲットパーティ。AIのターゲットを示します。 10)初期の座標。 11)スタックしている部隊のリスト。 三つの要素を含みます。 11.1)部隊のID。module_troops.pyに利用可能な表があります。 11.2)スタックしている部隊の数。 11.3)メンバーフラグ。無くてもOKですがpmf_is_prisonerを入れると囚人扱いになります。 12)パーティの向いている角度(無くてもOK) Sargothの例と比較すると、 ("town_1","Sargoth", icon_town|pf_town, no_menu, pt_none, fac_neutral,0,ai_bhvr_hold,0,(-1.55, 66.45),[], 170), 1) パーティID = “town_1” 2)パーティの名前 = “Sargoth” 3)フラグ = icon_town|pf_town 4)メニュー = no_menu 5)テンプレート = pt_none 6)ファクション = fac_neutral 7) パーソナリティ = 0 8)AIの行動 = ai_bhvr_hold 9)AIのターゲット = 0 10)初期配置 = (-1.55, 66.45) 11)部隊のスタック = [](無し) 12)向き = 170 3)を見ると、Sargoth はmodule_icons.py からアイコン”town”に前頭語icon_ をつけて参照しています。 前頭語はシステムに「どのモジュールファイルからなのか」を示すために用いられています。 ex. mocule_icons:icon_ , module_factions:fac_ , module_parties:p_ など。 各モジュールファイルに対応する前頭語があります。 ではパーティの構造を知った上で、自分の新しいパーティを追加しますが、その前に注意事項があります。 module_partiesや他のいくつかのモジュールファイルでは、リストの最後に追加するとエラーを起こします。 そういう場合は注意書きがコードの中に書かれています。 module_parties.pyでは”town_1”と”castle_1”の間への追加が推奨されています。 これはmodule_constants.pyで定義されています。これについては後述します。 では”town_1”をコピーして”town_18”の直後にペーストします。 ... ("town_18","Narra", icon_town_steppe|pf_town, no_menu, pt_none, fac_neutral,0,ai_bhvr_hold,0,(-22.6, -82),[], 135), ##JIK's Test Area ("town_1","Sargoth", icon_town|pf_town, no_menu, pt_none, fac_neutral,0,ai_bhvr_hold,0,(-1.55, 66.45),[], 170), ##End of JIK's Test Area # Aztaq_Castle # Malabadi_Castle ("castle_1","Culmarr_Castle",icon_castle_a|pf_castle, no_menu, pt_none, fac_neutral,0,ai_bhvr_hold,0,(-69.2, 31.3),[],50),. ... 表記とコメントについて触れておきます。 使用する部位をコメント(#で始まる行)で囲いだし、私(訳注 筆者であるJIK氏)の名前つきで印をつけてあります。 こうすると検索で便利ですし、後から読んでも何をしているか分かりやすくなります。 このチュートリアルではこういった点にも触れておきます。習慣にしましょう。 では編集していきます。 パーティIDを”town_1”から”mod_town”へ、パーティの名前を”Sargoth”から”Mod_Town”へ変更します。 タプルを見ていくと幾つかのことが読み取れます。 1)このパーティを参照するためにはパーティIDに前頭語p_をつけて”p_mod_town”を使います。 2)ゲーム内では”Mod Town”が表示されます。 3)このパーティはicon_townとフラグpf_town(街の共通設定のフラグ)を利用しています。 フラグは次に幾つか変更します。 4)Mod Townのファクションはneutralです。 5)このままだとMod TownはSargothとまったく同じ場所に出現します。なので変更します。 ##JIK's Test Area ("mod_town","Mod_Town", icon_new_icon|pf_town, no_menu, pt_none, fac_neutral,0,ai_bhvr_hold,0,(-1, -1),[], 45), ##End of JIK's Test Area 初期配置を(-1,-1)に、方角を45に、アイコンを”new_icon”に変更しました。 こうすることで問題なく出現します。 セーブしてbuild_moduleを実行します。うまく行っていればマップの中心付近に新しい街が出現します。 失敗した場合、文法とスペリングをチェックしましょう。カンマと括弧の位置に気をつけてください。 街のゲームメニューの設定をしていないので、このままでは街に行ってもマトモに機能しません。 ゲームメニューの設定は少々ややこしいので後述することにして、とりあえずここでは新しい街を作るまでにしておきます。 MOD作成の基礎はこれでおしまいです。Chapter3以降は各モジュールファイルについて見ていきます。 [前頭語リスト] fac_ -- module_factions.py icon_ -- module_map_icons.py itm_ -- module_items.py mnu_ -- module_game_menus.py mno_ -- module_game_menus.py ――module_game_menu内の各オプションへの参照 mt_ -- module_mission_templates.py psys_ -- module_particle_systems.py p_ -- module_parties.py pt_ -- module_party_templates.py qst_ -- module_quests.py script_ -- module_scripts.py scn_ -- module_scenes.py spr_ -- module_scene_props.py str_ -- module_strings.py trp_ -- module_troops.py skl_ -- module_skills.py module_dialogs.pyは直接参照されることがないので前頭語もありません。 PART3 兵士(Module Troops) この章ではmodule_troops.pyを扱います。 module_troopsは一般の部隊、ヒーロー、チェストと街のNPCを定義し、顔、能力値とインベントリを加えて完成します。 新しいキャラ、兵種を追加するときはこのファイルを編集します。 3.1 module_troopsの内容 最初の数行は武器のproficienciesの計算などが記述されています。 この辺はアンタッチャブルなのとPythonのリストの域を超えるために扱わず、 とりあえず troops のリストまで飛ばします。 ここにはプレイヤーや他の兵士に関するタプルがあり、 すぐ下にArenaの相手として出てくる戦士に関するタプルがあります。 これを例として一般兵のレベルアップを見ていきます。 ["novice_fighter","Novice Fighter","Novice Fighters",tf_guarantee_boots|tf_guarantee_armor,no_scene,reserved,fac_commoners, [itm_hide_boots], str_6|agi_6|level(5),wp(60),knows_common,mercenary_face_1, mercenary_face_2], これは”novice fighter”君に関する表記です。彼を一言で表せばザコです。 ではこのタプルの意味を見ていきます。 1)兵士のID。他のファイルからの参照に用います。 2)兵士の名前。 3)複数形での兵士の名前。 4)兵士のフラグ。tf_guarantee_* はその種類の装備がインベントリに存在しているとき必ず身に着けることを保証します。 これをはずすと、その種類の装備をつけずに登場することがあります。melee武器だけは持っている限り必ず保証されます。 5)シーン。これはヒーローユニットにだけ適用され、ヒーローが登場するシーンを指定します。 ex. scn_reyvadin_castle|entry(1) は reyvadin Castleの出現ポイント1にヒーローを登場させます。 6)予約。現在使われていません。reservedか0だけが入ります。 7)ファクション。前頭語fac_を用います。 8)インベントリ。兵士のインベントリにあるアイテムのリストです。一般兵はこのリストの中からランダムに装備を選びます。 9)Attribute。兵士のAttributeの値とレベルです。プレイヤーに対してと同様に働きます。 10)武器のProficiencies。wp(x)は値xの周りでランダムにWeapon Prodicienciesを生成します。 ex.弓のエキスパートだが他の武器のproficienciesは60くらいの兵士の記述はwp_archery(160)|wp(60) となります。 11)Skills。プレイヤーのスキルと同様です。 但し兵士はキャラクターレベル毎にAttributeポイントとSkillポイントを1ポイントづつ得て、それをランダムに割り振ります。 12)顔コード1。顔エディット画面でCtrl+Eを押すことで顔コードを出力できます。(エディットモード) 13)顔コード2。ヒーローユニットには無効で一般兵にだけ適用されます。一般兵の顔は顔コード1と2のどちらかからランダムに決定されます。 Novice_fighterのタプルを当てはめてみます。 1)ID = “novice_fighter” 2)名前 = “novice_fighter” 3)名前の複数形 = “novice_fighters” 4)フラグ = tf_guarantee_boots|tf_guarantee_armor 5)シーン = no_scene 6)予約 = reserved 7)ファクション = fac_commoners 8)インベントリ = [itm_sword,itm_hide_boots] 9)Attributes = str_6|agi_6|level(5) 10)Weapon Proficiencies = wp(60) 11)Skills = knows_common 12)顔コード1 = swadian_face1 13)顔コード2 = swadian_face2 さて注意点が3つあります。 フラグ tf_guarantee_armor が付いていますが彼は鎧を持っていません。 しかしこれは無意味なフラグではなく「ゲーム中に手に入れたら必ず装備する」ことを指示しています。 STRとAGIは6とされていますがこれはLv1でのAttributeです。 実際にはLv5で登場するので、その分のポイントがランダムに加算されて現れます。 スキル knows_common はスキルの集合で、module_troops の中で先に定義されています。 上にスクロールして探してみると、下記の定義が見つかります。 knows_common = knows_riding_1|knows_trade_2|knows_inventory_management_2|knows_prisoner_management_1|knows_leadership_1 ではknown_commonの意味を見ていきます。 各スキルのレベルはRiding=1、Trade=2、Inventory Management=2、Prisnor Management=1、Leadership=1です。 known_commonは「定数」です。定数は色々な値、ID、他の定数やオブジェクトを表すことができます。 この例だと known_commonは knows_riding_1|knows_trade_2|knows_inventory_management_2|knows_prisoner_management_1|knows_leadership_1 と定義され、スキルの欄にknows_commonを代入すると定義文を代入したのと同様に働きます。 では次の兵士の記述を見てみます。 ["regular_fighter","Regular Fighter","Regular Fighters",tf_guarantee_boots|tf_guarantee_armor,no_scene,reserved,fac_commoners, [itm_hide_boots], str_8|agi_8|level(11),wp(90),knows_common|knows_ironflesh_1|knows_power_strike_1|knows_athletics_1|knows_riding_1|knows_shield_2,mercenary_face_1, mercenary_face_2], これを見ると”novice fighter”より少し強く、スキルもknows_common以上の物を持っていることが分かります。 次は”novice fighter”がLv11になったら”regular fighter”へアップグレード出来るようにします。 3.2 兵士のアップグレード アップグレード経路のリストは module_troops の一番下にあります。 アップグレードの選択肢は upgrade(troops) によって定義されます。 最初のIDはアップグレード元、二番目がアップグレード先です。 ex. upgrade(troops,"farmer", "watchman") は farmer から watchman への流れを示しています。 アップグレードの演算は2通りあります。 upgrade(troops,"source_troop", "target_troop_1"), upgrade2(troops,"source_troop", "target_troop_1", "target_troop_2"), upgrade2はアップグレード先が2つある場合に用います。今のところ3つは出来ません。 “novice fighter”の行は無いので、upgrade(troops,"farmer", "watchman")をコピーしてこのブロックの最後の列にペーストし、”farmer”を”novice_fighter”に、”watchman”を”regular_fighter”に書き換えます。 upgrade(troops,"novice_fighter", "regular_fighter") これで”novice_fighter”から”regular_fighter”へのアップグレードが可能になりました。 注意:この作業をしているブロックはtroopsのブロックの外にあります。 またこのブロックの各行末にはカンマがありません。 更に、これから作る新しい兵士の分を追加しておきます。 upgrade(troops,"new_troop", "novice_fighter") を最後に追加します。 終わったら上にスクロールして # Add Extra Quest NPCs below this point がある位置を見つけてください。新しい兵士はここで定義される必要があります。 というわけで"local_merchant"の前に新しい兵士を追加します。 3.3 新しい兵士(troop)の追加 "local_merchant"の前に一行作り、”novice_fighter”をコピー&ペーストして少し手を加えます。 ##JIK - new troop entry ["new_troop","new_troop","new_troops",tf_guarantee_boots|tf_guarantee_armor,no_scene,reserved,fac_commoners, [itm_sword_medieval_a,itm_leather_jerkin,itm_skullcap,itm_hide_boots], str_6|agi_6|level(5),wp(60),knows_common,mercenary_face_1, mercenary_face_2], 見ての通り、"new troop"君は剣と鎧、ブーツを装備しています。 一方“itm_skullcap”を装備しているかはランダムです。 帽子も必ず装備するようにフラグ tf_guarantee_helmet を追加することにします。 ##JIK - new troop entry ["new_troop","new_troop","new_troops",tf_guarantee_boots|tf_guarantee_armor|tf_guarantee_helmet,no_scene,reserved,fac_commoners, [itm_sword_medieval_a,itm_leather_jerkin,itm_skullcap,itm_hide_boots], str_6|agi_6|level(5),wp(60),knows_common,mercenary_face_1, mercenary_face_2], 兵士の能力も変更します。STRとAGIを9に、Lvを4、Weapon Proficiencyを80にします。 ##JIK - new troop entry ["new_troop","new_troop","new_troops",tf_guarantee_boots|tf_guarantee_armor|tf_guarantee_helmet,no_scene,reserved,fac_commoners, [itm_sword_medieval_a,itm_leather_jerkin,itm_skullcap,itm_hide_boots], str_9|agi_9|level(4),wp(80),knows_common,mercenary_face_1, mercenary_face_2], ここまで出来たらbuild_module.batを実行してエラーを確認しておきます。 3.4 マーセナリ ※この部隊はもう無いので、new_troopを代わりに利用します。 スタート時に1人だと寂しいので、数人の仲間を連れているようにします。 module_parties.pyを開き、”main_party”で始まるタプルを探します。 5人のnew_troopを連れているように変更します。 ("main_party","Main Party",icon_player|pf_limit_members, no_menu, pt_none,fac_player_faction,0,ai_bhvr_hold,0,(17,52.5),[(trp_player,1,0),(trp_new_troop,5,0)]), (trp_new_troop,5,0)をパーティスタックに追加しました。 ここで一度セーブしてビルドします。成功したら新しくゲームを開始しましょう。 5人のnew troopが仲間に入っているはずです。 更に戦闘してnovice fighterやregular fighterへアップグレード出来ることを確認しましょう。 おめでとうございます!あなたは一般兵の編集方法を習得しました! 次節ではヒーローユニット、商人、NPCに手を伸ばします。 3.5 NPC NPCを見るためにmodule_troops.pyを開きます。 一般兵とよく似ていますが、NPCと商人が持つ最大の違いはフラグ tf_heroの存在です。 このフラグによってMarnidやBorchaは独自のステータスを持てるようになっています。 商人も含め、ゲーム内の全てのユニークNPCはヒーローユニット扱いです。 ヒーローと一般兵の違いを挙げていきます。 1)ヒーローは殺害できない。 彼らのヘルスは%表示されます。また複製しない限り唯一無二です。 2)ヒーローは1人で1スタックである。 各ヒーローはその種族の中で唯一の存在なので、複数形の名前を持ちません。 なのでタプルの3番目の要素は2番目と同一です。 3)ヒーローは兵士タプルで指定されたシーンに登場する 4)味方のヒーローは囚われの身にならない。 一方プレイヤーは敵のヒーローを捕まえられます。 例としてヒーローのタプルを見てみます。 ["npc2","Marnid","Marnid", tf_hero|tf_unmoveable_in_party_window, 0,reserved, fac_commoners,[itm_linen_tunic,itm_hide_boots,itm_club], str_7|agi_7|int_11|cha_6|level(1),wp(40),knows_merchant_npc| knows_trade_2|knows_weapon_master_1|knows_ironflesh_1|knows_wound_treatment_1|knows_athletics_2|knows_first_aid_1|knows_leadership_1, 0x000000019d004001570b893712c8d28d00000000001dc8990000000000000000], これらは我らが心からの友人Marnid君です。 フラグ tf_ hero によってヒーローユニットと定義されています。 またフラグ tf_unmoveable_in_party_window は敵の虜囚とならない、あるいは拠点に置いたり交換したり出来ないことを指示しています。 彼は Happy Boar Inn の 登場ポイント4に登場していましたが、新しいコードでは各地のTavernにランダムに出現するようになりました。 (JIKによる注:このコードは後で解説する必要があるでしょう。) Marnidは戦闘では非力ですが交易関係のスキルは充実しています。ヒーローとしてスクリプトイベント以外では死ぬことはありません。 また彼はユニークな顔コードを持っています。顔はゲーム内の顔エディターを利用することで変更したりコードを作ったりできます。 これについてはPART10で触れることにします。 Marnidの兵士IDが”npc2”である点に注意しましょう。 参照は常に小文字で行う必要があります。大文字を使うとエラーを吐きます。 なので、他のファイルからMarnidを参照する場合は”trp_npc2”を用います。 タプルの意味が分かるようになったので新しいヒーローを追加します。 # Add Extra Quest NPCs below this point の行を探して、 先に作った”new_troop”の上にMarnidのタプルをコピーします。 分ける必要のない限り、変更点を一箇所にまとめておくのはナイスアイデアです。 コピーしたタプルに手を加えます。 “npc2”を”npc17”に(既にnpc16まで存在しているので)、名前を”Geoffrey”にします。 ついでにMarnidと見た目を変えるために”itm_linen_tunic”を”itm_courtly_outfit”にしておきます。 ["npc17","Geoffrey","Geoffrey", tf_hero|tf_unmoveable_in_party_window, 0,reserved, fac_commoners,[itm_courtly_outfit,itm_hide_boots,itm_club],def_attrib|level(6),wp(60),knows_trade_3|knows_inventory_management_2|knows_riding_2, 0x000000019d004001570b893712c8d28d00000000001dc8990000000000000000], ここまで出来たらビルドします。 エラーを吐かずに成功すればテストにかかりたいのですが、居場所がランダムなので「どこにいるのか分からない」という問題があります。 そこで出現場所を指定します。 town_6(Pravenです)の出現ポイント6を指定することにします。 ["npc17","Geoffrey","Geoffrey", tf_hero, scn_town_6_tavern|entry(1),reserved, fac_commoners,[itm_courtly_outfit,itm_hide_boots,itm_club],def_attrib|level(6),wp(60),knows_trade_3|knows_inventory_management_2|knows_riding_2, 0x000000019d004001570b893712c8d28d00000000001dc8990000000000000000], “scn_town_6_tavern|entry(1)”を追加して再ビルドします。 成功していればPravenのTavernにGeofferey君がいるはずです。 Geofferey君はとりあえずそのままにして、シーン作成の方に移ります。 その前に、これから作るクエストの"役者"を配置しておきます。 まず“costable_hareck”のタプルを探し、Geofferey君の下にコピーします。 後で新しい顔をあて、Mod Townでのクエストのシーンに配置しますが、 その前に彼にユニークなIDを与えます。IDを”hareck”に、フラグを0にしておきます。 ["hareck","Constable Hareck","Constable Hareck",tf_hero, 0,reserved, fac_commoners,[itm_leather_jacket,itm_hide_boots],def_attrib|level(5),wp(20),knows_common,0x00000000000c41c001fb15234eb6dd3f], 3.6 商人 ※これはWinter氏の旧バージョンのままで、テストされていません。 商人はヒーローの特殊形です。tf_hero に加えて tf_is_merchantを持っています。 このフラグはインベントリの中から特別に指定されたもの以外の装備をさせません。 言い換えると、商人は全てのアイテムを受け取れるがその一切を自分で装備せず、商品とします。 商人の例: ["zendar_weaponsmith","Dunga","Dunga",tf_hero|tf_is_merchant, scn_zendar_center|entry(3),0,fac_commoners,[itm_linen_tunic,itm_nomad_boots], def_attrib|level(2),wp(20),knows_inventory_management_10, 0x00000000000021c401f545a49b6eb2bc], これはZendarにいる商人Dungaのタプルですが、Nativeのほかの商人とほとんど同じです。 他との違いはIDと名前、シーン配置、そして顔です。 (訳注:Zendarは旧バージョンに存在した街で、現在のv1.011には存在しません。) ※繰り返しますがこれはテストされていません。新しい商人は”merchants_end”タプルの直前に追加することを推奨します。 商人を追加する手順は少々複雑です。M Bには「商人のインベントリを毎日更新する」スクリプトがあり、それは商人のタイプごとに存在しています。 そして、そのスクリプトはrange関数を用いています。(range関数:指定した範囲に存在する下位タプルの数を返す関数) ex. 防具商人のrangeは”zendar_armorer”を下限として含み、”zendar_weaponsmith”を上限として含みません。 このため、新しい防具商人は”zendar_weaponsmith”の前に、新しい武器商人は”zendar_tavernkeeper”の前に、新しい財商人は”merchants_end”の前に加える必要があります。 (訳注:range関数は終了位置を結果に含みません。 例えばrange(1,10)は[1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]を返します。) 3.7 チェスト ゲーム内にはプレイヤーが干渉できる箱がありますが、チェスト兵士はそのインベントリの役割を果たす特殊な兵士です。 チェスト兵士はチェストそのものではありません。あくまでもそのインベントリです。 ゲーム内で見かけるチェストはシーンプロップ、シーンインフォメーション、兵士、ハードワイヤードです。 新しいチェストを作るためには複数のモジュールを編集する必要があり、いささか複雑です。 ここではmodule_troopsに関係するインフォメーションにだけ触れておきます。 チェストの例: ["zendar_chest","Zendar Chest","Zendar Chest",tf_hero|tf_inactive, 0,reserved, fac_neutral, [],def_attrib|level(18),wp(60),knows_common, 0], チェストのタプルはどれも殆ど同じです。新しいチェストを作る上で変更する点はID、名前、Lv、スキル、そしてインベントリです。 上述の通り、チェスト兵士はゲーム内のチェストのインベントリとして働きます。 ゆえに、チェスト兵士のインベントリに追加した全てのアイテムはゲーム開始時からチェストの中に存在します。 チェストが機能するためにはチェスト兵士が必要です。しかし他のモジュールファイルにも手を加える必要があります。 これに関しては各ファイルの解説の中で触れることにします。 これでmodule_troopsについての全てを学びました。header_troops.pyには使用可能な他のフラグの表があります。 色々実験をして、準備が出来たら次のPART4に進みましょう。
https://w.atwiki.jp/bmrog/pages/516.html
《薙沙》 【薙沙】「やっほー、薙沙だよ」 《薙沙》 【薙沙】「最近土日は師匠の家に入り浸ってまーす。そのうち、同棲しちゃったりして…きゃー♪」 《薙沙》 【薙沙】「そうそう、師匠の家と言えば、ハウスルールを決めるんだけど、どんなのかな。結構、楽しみだったり」 《薙沙》 以上ですー 《GM》 はい、ありがとうございましたっ 《GM》 それではっ 《GM》 《GM》 《GM》 《GM》 Heroine Crisis TRPG Advanced 《GM》 《GM》 はじまりですっ 《GM》 《GM》 《GM》 その日…勅使河原 薙沙は燃えるような闘志を胸に、草薙の家へと足を運びます。 《GM》 負けられない。絶対に。 《GM》 その闘志が瞳に宿り、道行く人が薙沙ちゃんを見ると慌てたように走り去り。 《GM》 犬までもが、その気迫に押されたように、小さな鳴き声とともに走り去っていきます。 《GM》 負けられない、絶対に負けられないっ。 《GM》 それが、たとえ師匠であろうとっ!! 《GM》 勝手知ったるというか、何というか。 《GM》 ベルも鳴らさずにドアを開けた薙沙ちゃん。玄関に足を踏み入れると、薙沙ちゃんの気配を察知していたのか、居間から草薙が顔を出します。 《薙沙》 【薙沙】「師匠、今日こそ因縁の対決に決着を付けるときが来ました!」気がついたら、腹の底から叫んでいた。しかも、人様に指先を突きつけて 《GM》 【草薙】「よく来たね、薙沙ちゃん。」草薙も燃える闘志を目に宿し、不敵に微笑みます。「決着か…そうだね。僕の勝利で終わるにしても、きっちりと決着はつけないとね。」ぞくっとするほどの鋭さを秘めた顔。 《薙沙》 【薙沙】「いくら愛しの師匠でも、こればかりは負けられません!!」ぐっと力強く拳を握りしめて、キッと睨み付ける。それは普段の訓練より真剣で 《GM》 【草薙】「それはこっちのせりふだよ。いくら大切な恋人でも…絶対に負けられない。」師匠の顔から笑みが消え、居間のドアを大きく押し広げます。「ようこそ、この因縁の戦いの舞台へ。」開け放たれたドア越しに見えるのは…。 《GM》 大型のテレビ。 《GM》 そして、それにつながれたゲーム機。 《GM》 大量のお菓子とジュースの山・・・でした。 《GM》 《GM》 あれはそう、先週の日曜日。 《GM》 えっちの後のベッドの上。二人でいちゃつきながらハウスルールを言い合っていたときのこと。 《GM》 これがいい、あれがいいと次から次へと意見が出て。 《GM》 試しに10個だけにしてみようか。と、草薙が口にしたのが始まり。 《GM》 二人はメモをしたハウスルールの中で、とりあえずこれはいいかな?というのを削っていたわけですが…。 《GM》 これは譲れない、これはあったほうがいい。 《GM》 と、どれを削るかで少々もめてしまい・・・。 《GM》 なら、ゲーム10番勝負で決めよう、ということになったのでした…。 《GM》 今日この日を迎えるまで、妙にぴりぴりした薙沙ちゃんを見て、お友達はおずおずと理由を聞き。 《GM》 どっかにいっちゃえーっ!!と、教科書等をぶつけられる事が何度かありましたが。 《GM》 ついに、この日を迎えたのですっ。 《薙沙》 【薙沙】「師匠、今日は絶対に勝ちますからね!」今日はフリルの付いたブラウスに、膝丈のフリルスカートという服装で、スカートを揺らして歩きながら居間まで入っていく 《GM》 【草薙】「ふふっ。その余裕がいつまで続くかな?」薙沙ちゃんが持ち込んだかわいらしいコップと自分の湯飲みにジュースを注ぎながら、不敵に笑う草薙。「どのゲームにするかは、薙沙ちゃんが選んでいいよ。」という声は、絶対の自信の表れか。 《薙沙》 【薙沙】「じゃあ、これにします!」選んだのは、目まぐるしいコンボと、一撃必殺技が特色の格闘ゲーム。アーケードから卓上機に移植されたが、あまり女の子には人気がなさそうな…と言うより、ゲーセンでもやっている女の子を見たことがない感じのゲームである。 《GM》 【草薙】「うん、いいよ。」薙沙ちゃんの前にコップを置いて。コントローラーを握る草薙。 《GM》 電源が入れられ、大画面のテレビにタイトルと、重厚な音楽が流れ出し。 * topic [ゲーム10番勝負(03)][薙沙(09)] * topic [ゲーム10番勝負(3)][薙沙(9)] 《薙沙》 【薙沙】「一勝する事に、一つ決められる。でいいんですよね?」コントローラを握りしめながら、約束事を確認する 《GM》 【草薙】「うん。僕が全部勝つと思うけど。」小さな笑みは自信満々です。 《GM》 ではっ 《GM》 いつもどおりえっちは後回しでっw 《GM》 戦闘開始ですっ 《GM》 ということで・・・薙沙ちゃん、どうぞっ 《薙沙》 【薙沙】「私はこの子でいくよ」薙沙が選んだのは、大剣を振り回すロリめな少女。若干隙が多く身長の高さがネックだが、攻撃範囲と威力がでかい。 《GM》 【草薙】「それじゃ、僕はこのキャラで。」二刀流の青年キャラ。スピードとコンボが売りのキャラです。 《薙沙》 マジックインパクト+シャインヒット 《薙沙》 4d6+4 "(kuda-dice) M09_nagi - 4D6+4 = [2,4,5,6]+4 = 21" 《薙沙》 光属性です! 《GM》 うにっ 《GM》 ではっ 《GM》 2d6+14 マルチアタック 怪力 "(kuda-dice) - 2D6+14 = [4,6]+14 = 24" 《GM》 2d6+14 マルチアタック 怪力 "(kuda-dice) - 2D6+14 = [6,1]+14 = 21" 《薙沙》 で、でかい 《GM》 いえ、そちらのもすごくいたいですw 《GM》 では、だめこんとアクトをお願いしますっ 《薙沙》 まず、その他を飛ばし、ガーディングで6点防御。胸に15点貰って 《GM》 はいっ 《GM》 【草薙】「よっ・・・とっ。」薙沙ちゃんのキャラの攻撃をかいくぐり、テンポよく攻撃を仕掛けてくる草薙のキャラ。 《薙沙》 【薙沙】「えい、やぁ、とう!」若干押され気味ながらも、一撃一撃がダメージがでかいために、常に逆転の可能性を秘めている 《GM》 では、次のターンですっ 《GM》 薙沙ちゃん、どうぞっ 《薙沙》 4d6+4 マジックインパクト+シャインヒット "(kuda-dice) M09_nagi - 4D6+4 = [3,3,3,2]+4 = 15" 《GM》 はいっ 《GM》 ではっ 《GM》 2d6+14 マルチアタック 怪力 "(kuda-dice) - 2D6+14 = [3,1]+14 = 18" 《GM》 2d6+14 マルチアタック 怪力 "(kuda-dice) - 2D6+14 = [4,6]+14 = 24" 《薙沙》 最初をガーディングで6点防いで、12点腰に。胸を散らして 《GM》 はいっ 《薙沙》 小さすぎる胸、コンプレックス:胸 《GM》 りょーかいですっ 《GM》 【草薙】「なかなかやるね、薙沙ちゃんっ。」足をすくわれて倒れたキャラに受身を取らせながら、薙沙ちゃんに微笑む草薙。 《薙沙》 【薙沙】「この日のために…伊達に努力はしてないよ!」何時間も頑張ってプレイしたのか、かなり精錬された動きを見せる 《GM》 次のたーんっ 《GM》 どうぞっ 《薙沙》 4d6+4 マジックインパクト+シャインヒット "(kuda-dice) M09_nagi - 4D6+4 = [2,4,1,5]+4 = 16" 《GM》 2d6+14 マルチアタック 怪力 "(kuda-dice) - 2D6+14 = [4,4]+14 = 22" 《GM》 2d6+14 マルチアタック 怪力 "(kuda-dice) - 2D6+14 = [3,3]+14 = 20" 《薙沙》 腰を散らして、ガーディングで6点防御 《GM》 【草薙】「あちゃ…。」1ラウンド先取されて、ちょっと苦い顔の草薙。 《薙沙》 はえてない、淫猥に歪む果実 《GM》 はいっ 《薙沙》 【薙沙】「早速先制だね」にやり、と嬉しそうな笑顔を見せる 《GM》 【草薙】「ふふん。まだまだこれからだよ?」薙沙ちゃんの笑顔を見て、つい嬉しそうな顔になるのを慌てて引き締めて。 《GM》 では、次のターンですっ 《薙沙》 4d6+4 マジックインパクト+シャインヒット "(kuda-dice) M09_nagi - 4D6+4 = [4,1,3,6]+4 = 18" 《GM》 ではっ 《GM》 2d6+10 マルチアタック 怪力 "(kuda-dice) - 2D6+10 = [5,6]+10 = 21" 《GM》 2d6+10 マルチアタック 怪力 "(kuda-dice) - 2D6+10 = [6,4]+10 = 20" 《薙沙》 ガーディングで6点防いで…合計36点 《薙沙》 35点か 《GM》 はいっ 《薙沙》 乳首絶頂、隷属の悦び、つけられた種 《GM》 【草薙】「ほらほら、どうしたの?」今度は一転、草薙がコンボで薙沙ちゃんを追い詰め始めて。 《薙沙》 【薙沙】「…くっ…」一気に追い詰められて、苦戦中。ゲージ差もかなりあり、簡単にはひっくり返らないと思われる…他の格闘ゲームなら 《GM》 では、薙沙ちゃんどうぞっ 《薙沙》 12d6+4 マジックインパクト+シャインヒット+ファイナルストライク "(kuda-dice) M09_nagi - 12D6+4 = [1,3,4,1,1,2,3,4,1,4,6,1]+4 = 35" 《薙沙》 8/57 6/11 胸4腰2心1 《GM》 おおーうっw * topic [薙沙(9)] 《GM》 ぱたりこ 《GM》 【草薙】「えっ?あ、うわわっっ!!」一瞬の隙をつかれ、一気に追い込まれ、倒されてしまって。思わず慌てた声を出す草薙。 《GM》 そのまま薙沙ちゃんに倒されてしまって。 《薙沙》 【薙沙】「『我久遠の絆絶たんと欲すれば、言の葉は豪魔の刃とかし汝を討つだろう!』」一撃必殺技を師匠のキャラにぶちのめす! 《GM》 【草薙】「・・・まさか負けるなんて。」かなり練習してきたのか、呆然とした感じで画面を見詰めています。 《薙沙》 【薙沙】「やったー、がんばった甲斐があったよ」嬉しそうにウキウキと喜んで。だが、勝って兜の緒を締めよ。次のバトルが近づくと、また身を引き締めて 《GM》 その敗戦のショックが大きかったのか、善戦はするものの、負けっぱなしの草薙。 《GM》 がっくりと大きく肩を落としています。 《GM》 そして、熱い戦いは幕を引き・・・。 《GM》 【草薙】「さて…それじゃ、ルールを決めましょうか。お姫様。」負けが圧倒的に多かった草薙が、苦笑を浮かべて薙沙ちゃんに声をかけます。「まず、薙沙ちゃんがこれは入れたい、って言うのを言ってみて?」 《薙沙》 【薙沙】「じゃあ、師匠。色々決めちゃうね♪ じゃあ、えっと、その…」予め色々考えていたのか、顔を真っ赤にしつつ、指先をツンツンとあわせながら 《GM》 【草薙】「ん?言ってみて?」薙沙ちゃんの様子に目を細めながら、髪に手を置いて優しく撫でて。 《薙沙》 【薙沙】「その…師匠は魔族で、私ってヒロインじゃないですか。だからその…魔族に負けて、捕虜的な扱いをさせられるヒロインがいいなぁ…なんて」自分からそんなことを言って、顔を真っ赤にして上目遣いに師匠の目を見て 《GM》 【草薙】「捕虜…。」小さく考え込むと。「それじゃ、うちに入るときには手枷をつけちゃおうか。どうかな?」薙沙ちゃんのほっぺをなでながら。 《GM》 【草薙】「あと、玄関で必ず敗北の宣言をして…裸になる、っていうのはどう?」にこり、と小さく微笑み。 《薙沙》 【薙沙】「えと…その、敗北宣言をするときに…裸の胸を、指で突いて欲しいな…そうしたら、負けた感じがするから」裸の胸を指で突かれると、参りました。と言う気にさせられてしまう。 《GM》 【草薙】「えっちだね、薙沙ちゃん。」少しからかうように言いながら、おでこに軽くキスをして。「他には何かある?」瞳を覗き込みながら聞いちゃいます。 《薙沙》 【薙沙】「だって、師匠が相手だから…」こちらも瞳を覗き返し、師匠の目に映る自分を見詰めて「あと、必ず中に出して欲しいなぁ。外に出すのは勿体ないなぁって」自ら中出しを強要させるようなことまで口に出してしまう 《GM》 【草薙】「うん、しっかり種付けしてあげる。」おでこをこつんと合わせて。「あ、そうだ・・・。えっちをするときは、ビデオと写真を撮ろうか?あと…何をされるのか、薙沙ちゃんの口から言って欲しいな。」と、変態チックなことを言い、薙沙ちゃんの瞳を覗き込みます。 《薙沙》 【薙沙】「ん、いいよ…」まだ口で言い合ってるだけで実行に移していないのに、想像だけで身体が震えだし、蕩けた瞳で返してしまう「あと、お風呂ではお互いの身体を洗う、ってのはどうかな?」 《GM》 【草薙】「うんうん。洗われる方は、洗う方の邪魔を絶対にしちゃいけない、とかね。」薙沙ちゃんの体を軽々と抱え、ひざの上に座らせます。 《薙沙》 【薙沙】「うん、あとは…たまにはその…乱暴なぐらい、激しいのやりたいなぁ…なんて…」薙沙に触れると、身体がかなり火照っているのを服越しにも感じてしまう。 《GM》 【草薙】「縛り上げて、まるでオナホールみたいに薙沙ちゃんの体を使って…僕の専用便器にしちゃおうか。」薙沙ちゃんの腰に手を回し、ぎゅっと強く抱きしめて。「どうかな?」火照った頬に口づけをして。 《薙沙》 【薙沙】「…師匠も私専用なんだからね」師匠の言葉にトロンとした瞳になりながらも、こちらも抱きしめて猫のように首を擦りつけ合う 《GM》 【草薙】「もちろんだよ。あ、あと…。」薙沙ちゃんの香りを胸いっぱいに吸いながら。「薙沙ちゃんの手料理が食べたいな。このうちにいる間は、ね。」髪を優しく撫でながら、軽いキスを繰り返し。 《薙沙》 【薙沙】「それは私も思ってたよ。腕によりを掛けて、美味しいの作るからね」嬉しそうにぐっと拳を握りしめて。 《GM》 【草薙】「うん、すごく楽しみ。」薙沙ちゃんの手をとり、優しく撫でて。 《薙沙》 【薙沙】「えっと…じゃあ…明日から、かな?」嬉し恥ずかしのハウスルールが決まり、顔を赤らめて 《GM》 【草薙】「そうだね、明日薙沙ちゃんがこの家に入ってから…。」抱き寄せた薙沙ちゃんの頬を撫でながら、唇を寄せて甘いキス。 《薙沙》 【薙沙】「ん…師匠…」甘い甘い口づけを交わす。それは種族や立場が違えど、本当に恋人の様で… 《GM》 そのまま草薙に押し倒される薙沙ちゃん。蕩けるようなキスの感触と、胸元を優しく撫でる指の感触に軽くしびれてしまいながら…。 《GM》 《GM》 《GM》 次の日。 《GM》 今日は待ちに待った金曜日。 《GM》 家族には友達のところにお泊り、と告げて、草薙の家へと向かう薙沙ちゃん。 《GM》 その頭には、昨日決めたハウスルールのことがよぎっては消えて。 《GM》 倒錯的なえっちへの期待が胸いっぱいに膨らむかのようです。 《GM》 もう通いなれた道を早足で進むと、見慣れた草薙の家が見え始めます。 《GM》 今からだ。そう思うと胸がどきんと高鳴って。 《GM》 家のドアの前に来たときにわくわくとどきどきで、顔が火照ってしまっています。 《薙沙》 【薙沙】「…」ごくり、と喉を唸らせてから、師匠の家の合い鍵を使って入ります。勝手知りたる家だが、そこはもう薙沙専用の牢獄だと意識を変えてしまう 《GM》 ドアを開けて玄関に入ると。右手の靴箱の上に脱衣かごが用意されています。そして草薙の靴が行儀よく玄関に並べられていて。 《GM》 【草薙】「いらっしゃい。」その足音を聞いたのか、草薙が居間から出てきて、薙沙ちゃんの前で小さな笑みを浮かべます。 《GM》 【草薙】「ようこそ、僕の家に。とらわれのヒロインさん。」くすり。やや芝居がかった言い方で。 《薙沙》 【薙沙】「師匠…」師匠の姿を見ると、トクンっと心臓の早鐘を鳴らしてしまう。自分で鍵を掛けてしまうと、師匠に向き直って。だが、こちらからは何もせず、師匠の命令を待っていて 《GM》 【草薙】「さあ。何をするんだったか…覚えてるかな?」小さな手錠と首輪をもてあそびながら、薙沙ちゃんが自発的に脱ぐのを待っているようで。 《薙沙》 【薙沙】「はい、師匠…」瞳を閉じると、緩慢な仕草ではあるが止まることなく、一枚一枚脱いでいく。一糸纏わぬ生まれたままの姿になると、変身アイテムであるペンダントを差し出して 《GM》 【草薙】「うん。確かに。」ペンダントを受け取って、大事そうにポケットに入れて。「それじゃ、じっとしててね?」付けづらいだろうから、と首輪を首に付けてあげて。そして手を後ろ手に手錠をかけると。 《GM》 【草薙】「さあ、言うことがあるはずだよね?」むき出しになった乳首を指で強めに弾き、にこにこ笑顔で。 《薙沙》 【薙沙】「んんっ!」首輪は囚われの証。後ろ手に手を拘束されると、この家から脱出することはもはやできない。抵抗することも出来ず、乳首を指で弾かれても、なすすべが無くされるがままで 《GM》 【草薙】「早く言って欲しいんだけどな?」右手の人差し指を薙沙ちゃんの乳首の先端に押し当てて。ゆっくりと乳肉へと押し込んでいきます。時折くりゅっと指から逃げようとする乳首を巧みに指で押さえ、乳房へと押し付けて。 《薙沙》 【薙沙】「ひ、ひゃん…! 私…勅使河原薙沙は…師匠に負けました…。好きにしてください…」言われるまでもなく好き勝手出来る立場の師匠に、荒い吐息をしながら、むしろ望むように言葉を紡いで。 《GM》 【草薙】「ん・・・もうちょっと、えっちに言って欲しかったけどね。」くすり。小さく笑うと、いつの間にか手にしていたビデオを下げて。「それじゃ、どうぞ。」軽く体を横にして、薙沙ちゃんを迎え入れます。 《薙沙》 【薙沙】「あ、はい…」小さくてコンプレックスのある乳房も、その頂の乳首も、師匠に剃られて翳りが無くなってしまった秘部も、全て撮られてしまっていることを実感しながら、ゆっくりと神妙に歩き出す 《GM》 《GM》 居間で草薙のひざの上に乗らされて。テレビをみたり、雑誌を読んだり。まあ、雑誌は草薙が読んでいるのを一緒にみてたのですが。 《GM》 その間にも、乳房をなで上げられ、乳首を弾かれ、首筋をねっとりと舐められ、しゃぶられ。 《GM》 腕を拘束されている薙沙ちゃんは抵抗すらできずに、ただされるまま…。 《GM》 しかし、膣内に魔族の巨根を入れてもらえることはなく。 《GM》 ただじらされているかのように、体に淫熱だけがたまっていっている…。そんな感じです。 《GM》 そういうまったりと、しかし淫らな時間を過ごし…気がつけばもう日が暮れていて。 《GM》 【草薙】「お風呂に行こうか?」薙沙ちゃんにそう声をかけると、ひょいっとお姫様抱っこで薙沙ちゃんを抱えあげます。 《薙沙》 【薙沙】「あ、ふあ…んん、お風呂…?」師匠の優しくも執拗な愛撫から逃れることが出来ず、だからといってイカせられるわけでもなく。一向に開放されない淫欲に酔っていた頃、唐突にお風呂に行こうと言われると呆けた声で反芻して 《GM》 【草薙】「うん、お風呂。もうお湯が沸いてるはずだけど…。」脱衣所に入ると、薙沙ちゃんの手錠の鍵をはずして。「すぐにいくから、先に入ってて?」と薙沙ちゃんに声をかけ、草薙はするすると服を脱ぎ始めます。 《薙沙》 【薙沙】「ん…わかった」手錠を外されたからか、口調が若干砕けたものになって。言われたとおり先に入ると、湯加減を確かめて…と、浴場の中にある奇妙なものに目を奪われてしまう 《GM》 【草薙】「ん?どうかした?」薙沙ちゃんに続けてお風呂に入ってきた草薙は、天井からつるされている手枷を手に取ります。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃ、あ…」天井から吊されている手枷に目を奪われているうちに、その手枷によって縛られてしまう。ふと前を見れば、大きな姿見が居間の自分の姿を映し出して。 《GM》 【草薙】「そのままじっとしててね。」今度は床にある足かせを薙沙ちゃんの足につけ。肩幅に足を広げさせてしまいます。 《薙沙》 【薙沙】「あ、そんな…」足を肩幅に拡げさせられると、裸の姿で人の字になった自身の姿が姿見を通して映し出されてしまう。平らと言えなくもない乳房やトロリと愛液を零してしまっている秘所を無防備に晒せられた姿を、自分自身の目で確認してしまう。 《GM》 【草薙】「それじゃ、今から洗っちゃうから。おとなしくしててね?」そういいながら、ボディーソープを手に取る草薙くん。両手にこすり付けて行きますが…。何だか泡が立っていません。が、そんなこと気にした様子もなく。じわりじわりとじらすかのように、ゆっくりと指を薙沙ちゃんの体へと近付けていきます。 《薙沙》 【薙沙】「そんなこと言われても…ん、暴れようがないよ…」師匠の言葉を押すなよ、絶対に押すなよ。と認識し、あえてじたばたしてみたりする。が、枷によってがっちりと縛られている身体は、身動き一つ出来ず、無駄な抵抗が加虐心をそそらせる 《GM》 【草薙】「まあ、そうだけど…ね。」くすり。小さく笑うと指先で、薙沙ちゃんの乳首を強めに弾きます。豊かとはいえない乳房の上で、大きくぷるぷるっと震えるそれをみて、楽しそうに何度も指で弾き始め。じぃんっ、と痛いような痺れるような悦楽が乳房に走り抜けてしまいます。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃあんっ!!」予想以上の激しい刺激にブルブルっと全身を振るわせてしまう。愛液がトロトロと太ももを伝わって足枷を濡らしてしまうほどに溢れてしまう。小さな乳房の上で揺れる乳首は、師匠から与えられる刺激をもっともっとと望むかのように、何度でも元の位置に戻って 《GM》 【草薙】「薙沙ちゃん、ひょっとして…感じてる?」耳元に唇を寄せ、甘い吐息とともにささやく草薙君。ぴぃんっ、ぴぃんっ。テンポよく弾いていたと思うと、タイミングをずらし。快感に慣れない様にしながら桃色の乳首をいじめる草薙くん。そして右手で乳首をいじめつつ、左手はそっとお腹を撫で。「お風呂場で拘束されて、身動きできない状態でいじめられて…感じてるのかな?」くすり。意地悪く笑いながら、人差し指でクリトリスをつぅっとなで上げます。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃ、はぁん、だって…こんなことされたら…ん、あぁっ!!」師匠の指先にほどよい感触を返しながら、欲望の掃き溜めとして嬲られて。腰を押しつけるように前に出してしまうため、クリトリスを撫でる師匠の左手の指先に、ぬるっと愛液が付着してしまう。 《GM》 【草薙】「されたら・・・?」意地悪く聞き返す草薙くん。クリトリスをなで上げていた指を強めに押し、淫核を恥丘に押し付け、そのまま転がすように指で刺激を始めます。乳首から、クリトリスからびりびりっと電気のような刺激が駆け抜け、薙沙ちゃんの頭の中に真っ白なスパークを走らせます。心地いい、でも牝肉を貫かれるのに比べるとやはり弱い牝の快感。薙沙ちゃんがもだえている顔を楽しそうに見つめながら、いじめ続けて。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃぁあんっ!! 気持ちよくなっちゃうよ…あぁんんんっ!!!」口を大きく開いて、そこから悩ましい嬌声を風呂場に響かせて。無防備な格好で脱力して、さらに無防備な姿になって。乳首とクリトリスはさらなる刺激を求めてツンっと尖るが、身体の方はくたりと力が抜けてしまい、弱々しい表情を見せてしまう 《GM》 【草薙】「薙沙ちゃん、まだ体洗ってないのに。」クリトリスを、乳首をいじっていた指が、ボディーソープを薙沙ちゃんに塗り広げながら、上へ、上へと上がっていき…。「今そんなに気持ちよくなっちゃったら、体が持たないよ?」くすくす。意地悪く笑いながら、ゆっくりと丁寧に薙沙ちゃんを洗い始めます。指先がつぅっと肌をなぞり上げた、と思うと柔らかな指使いで乳房を、背中を刺激して。洗っているというよりは愛撫に近いその指は、薙 《GM》 沙ちゃんの性感を引き出し、指先に意識が集中してしまうかのようになってしまいそうで。 《薙沙》 【薙沙】「そんなこと…言われても…あぁ、ん、ひゃあぁっ…!!」性感帯でない部分ですら、愛撫として感じてしまう。指先の刺激が五感を支配し、師匠の指先だけが世界の全てと思えてしまうほどになってしまう。その指先が弱いところに触れる度、わかりやすいほどに大きく身体を震わせ、軽くイッてしまう 《GM》 【草薙】「あれ、イっちゃったのかな…?」唇を軽く触れ合わせて、小さくささやき。「まだ、ぜんぜん洗ってないんだけどなぁ…。」乳房に指をかぶせてやわやわと揉み解しながら。人差し指で乳輪を軽くなぞりあげる動き。薙沙ちゃんの性感帯やむずむずする場所を知り尽くした動きは、イってしまった薙沙ちゃんの体を、快感で目覚めさせるかのようで。左手はクリトリスを弾きながら、ぷっくりとした肉土手を指で強めに押してこすりあげ。まだ 《GM》 まだ終わってない、と快感で薙沙ちゃんに伝えています。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃぁぁ…まだ、なんだ…あぁっ!!」本当の地獄はこれからだ、と言わんばかりの師匠の言葉に、ゾクリと被虐感で身体を震わせる。同性にも見られるのが嫌だった小さな乳房を、異性の、それも魔族に好きなように嬲られる。それが溜まらなく心地良くなってしまっている。上の口も下の口もよだれを零しながら、絶え間ない刺激に次なる変化を渇望して 《GM》 【草薙】「ん、もちろん。」口元から零れ落ちるよだれを舌でぬぐってあげながら、にこりと小さく微笑み。薙沙ちゃんの後ろに回りこむと、肩越しに顔を出して。肉土手をこすり上げていた指を離し、秘唇の左右に指を当てると。くぱぁっっ。そこを、思い切り指で広げてしまいます。そこに逆の手を当てると、繊細にでも勢いよくこすりあげ始めます。穴の周りをこすりあげるだけでなく、時折指先でくちゅりと穴を刺激しながら、念入りに、丁寧に 《GM》 洗い始めて。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃ、そこ…あ、あぁぁっ!!!!」秘唇に指を当てられくぱぁっと拡げられると、これから何をされるのかが鏡越しによくわかって。しかし何かできることがあるわけでもなく、ただただ鏡越しの目の前の光景を、他人事のように見入るばかりで。指がくちゅりと音を立てて中に入っていくと、悲鳴にも近い絶叫が風呂場に響き渡る。 《GM》 【草薙】「ほら、よくみて?あそこでいやらしくもだえてるのは…誰かな?」くすり。鏡に映る薙沙ちゃんの可愛らしい姿。それを見るように促しながら。「お風呂で拘束されて、恥ずかしい事されてるのに…気持ちよくなってるのは、誰か見える?」親指でクリトリスを軽くつぶして転がしながら。人差し指と中指で、膣壁をこすりあげ始めます。襞の一本一本まで指先で感じようとしているかのように、丁寧に刺激をしたと思えば指の腹で強く押しつ 《GM》 ぶしてピストンし。じわり、じわりと指を押し込んでいく草薙くん。 《薙沙》 【薙沙】「あぁ…んっ…! …ヒ、ヒロインの…勅使河原、なぎさぁぁっ!!」鏡越しに映るのは、裸で拘束され、魔族に好きなように嬲られる自身の姿。自由を奪われ、一糸纏わぬ姿をじっくり見られ、自分でも触れないような所まで触られながらも、恍惚とした表情を見せる、自分じゃないような自分 《GM》 【草薙】「ヒロインの勅使河原なぎさちゃんが…どうなってる?」膣襞を、クリトリスを右手で責めながら、左手を乳房へとうつし。硬くしこってしまっている乳首を人差し指と中指で挟むと、しゅりっしゅりっと強めに扱き出します。 《GM》 鏡に映る姿は、敗北のヒロインそのままで。草薙くんにいじられている、という心地よさと魔族に弄られている、という被虐の悦楽を交互に感じてしまって。 《薙沙》 【薙沙】「魔族の…師匠に…嬲られちゃってます…ぁんっ! 指一本動かせないように…縛られて…ひゃぁっ! 服を着ることも…許されなくて…ぁっあっ! 囚われのヒロインとして…陵辱…されてます…ひゃあぁっ!!」師匠が手にしている乳首とクリトリスは、薙沙をイカすのも生かすのも自由自在。生殺与奪件も奪われたヒロインは魔族の虜囚として華を咲かせるだけ 《GM》 【草薙】「はい、よく言えました。」薙沙ちゃんの耳裏に優しくキスをして。「ご褒美を上げるね。」ぢゅぷっぷちゅぅっ。膣内をこすりあげる指の動きが更に増して行きます。肉壷の奥深くまで侵入した指が薙沙ちゃんの感じるところを重点的に責めあげて。更に乳首を強くつまみ、先っぽに指の腹を押し当てると、くすぐるように撫でまわし。薙沙ちゃんを再び絶頂の高みへと至らせようと、愛撫の手は止まることなく。すっかり大きくなっている草 《GM》 薙くんの肉棒がむっちりとした薙沙ちゃんのお尻の谷間に挟まり、びくんっびくんっと震えるたびに、肉欲を刺激する熱さが染み込んできます。 《薙沙》 【薙沙】「ふわぁ…♪」師匠に褒められると、恍惚とした顔を嬉しそうに歪めて。「ひゃぁ、あん、あぁ、ひゃ、あぁ、あぁっっっっ!!!!!」肉壺に侵入してきた指を力強く食い千切るかのように締め付け、お尻に挟まれた肉棒を折るかのように力強くすぼめてしまう。そして敏感な乳首を摘んで捏ねての愛撫に、待ち望んでいた絶頂へと至ってしまう 《GM》 【草薙】「薙沙ちゃん、ほんとにえっちだね…。」嬉しそうに、楽しそうにくすりと笑う草薙くん。薙沙ちゃんの拘束を解くと、脱衣所へと向かい。帰って来たその手には、縄と手錠が握られています。 《GM》 【草薙】「そういえば、ルールに…たまには便器として使う、っていうのがあったよね?」薙沙ちゃんの横に座ると、後ろ手に手錠をかけて。薙沙ちゃんの足をM字にさせると、縄で丁寧に素早く固定していき。恥ずかしい格好にされてしまいます。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃぁ…ふあぁ…はぁ…はあ…あ、ひゃん…」拘束を解かれると、女の子座りで肩で荒い息をしていたが、あっさりと師匠の手によって、後ろ手拘束のM字に縛られてしまう。人の字に縛られたときには余り見えなかった秘部の入り口が、余すことなく晒されてしまう。 《GM》 【草薙】「それじゃ…今日はたっぷり、犯してあげるね?」薙沙ちゃんを軽々と抱え上げると。ずりゅりゅぅっっっ!!十分に潤んだ肉壷に、牝襞を思い切り押し広げながら肉棒が侵入してきます。ずどんっっ!と子宮口を勢いよく突き上げ、こりこりとした感触のそこを、亀頭でねっとりとこすりあげると、待ちに待った女の快感が体中を駆け抜け。薙沙ちゃんの全身を悦びで包み、ぴりぴりと痺れるような感覚を覚えてしまいます。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃあぁぁぁっぁっっっ!!!!」待ちに待った師匠の肉棒の感触。それが魔族のものであるということも、必ず中に出されると言うことも今は忘れ、悦びに満ちた嬌声を堪えることなく放ってしまう。師匠の肉棒と肉壁の間に一ミリもの隙間を作らぬよう、根元から締め付けてしまう。 《GM》 【草薙】「ん…薙沙ちゃん、気持ちいいよ。」小さな笑みを浮かべて薙沙ちゃんにキスをすると。「それじゃ、お風呂に入ろうか?」軽々と抱え上げ、そのまま湯船へと歩き始めます。草薙くんが歩くたびに下から強烈に突き上げられ、意識が飛んでしまいそうになってしまい。亀頭が子宮口をこすり上げ、こじ開けるかのようにぐりゅぅっと抉り。揺れる薙沙ちゃんの体が膣内のあらゆるところで亀頭を感じてしまって。ざぶんっっ。お湯を大量に溢れ 《GM》 かえらせながら、体内からの淫熱と皮膚からのお湯の熱さで体中が炎のようになってしまいます。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃぁあぁっんんっっ!!! あぁぁぁっっ!! んんんんっっ!!!」一歩ずつ歩く度に深々と肉棒を咥えさせられ、膣の壁をごりごりと削られ、子宮の入り口までその堅さと熱を感じてしまう。お風呂の中にはいると、浮力により多少は身が軽くなって。だが、それは師匠も同じ事で。瞳を開けると、座ったこととお湯の中に入ったことで両手が自由になった師匠を目の当たりにして 《GM》 【草薙】「気持ちよさそうだね。」ずぶんっ、ずぷんっ。浮力のせいか、思い切り突き上げられてはゆっくりと、ねっとりと膣内をこすられ、抉られて。焦れるような快楽の後に子宮を思い切り押し上げられて。普段の挿入とは違った心地よさを薙沙ちゃんに伝えて。両手を乳首に回すと、きゅっと強くつまんでひっぱって。乳首で薙沙ちゃんの体を支えるかのような体勢になりながら、腰を軽く回して膣内のさまざまな場所をカリ首でこすりあげて。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃぁ、あん、ひゃ、あぁ、んんっ!!」水の中での交わりは普段とは異なり、抵抗が大きいためかゆっくりねっとりとなって、逆にそれが長くしびれさせる結果となって。浮力で身体が軽くなったと言っても、上半身の体重を乳首で支えるのはきつく、師匠の腰の上で淫らに踊り、背を逸らす度に嬌声をあげて 《GM》 【草薙】「それじゃ…イっちゃおうか?」ほっぺに優しくキスをすると。お風呂のお湯が激しく波打つほどに、勢いよく腰を振りはじめます。薙沙ちゃんの腰が淫らに跳ねるたびに、きつい締め付けを無理やりこじ開けペニスが肉壷を激しく犯し。先走りと牝蜜をお湯に混ぜ合わせ、淫らな臭いがうっすらと漂うのもかまわずに、カリ首で薙沙ちゃんの性感帯を的確にこすり上げ。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃぁん、あぁん、ひゃ、あぁん、やぁ…ダメ、あぁ、あんんっっ!!!」お風呂のお湯が無くなってしまいそうなほどに激しく腰を動かされ、未だ処女のようなきつい締め付けをする膣を無理矢理抉られかき回され。頭の中にあるのは悦楽の快感しかなく、突けばその度に口から声が漏れるだけの玩具のようで 《GM》 【草薙】「んっ、くっ・・・出るよ・・・っ。」薙沙ちゃんをきつく抱きしめ、ささやかれる言葉。「ルールどおり…たっぷり中に出してあげるよ。」腰がコンパクトに、子宮口を連続してつつき上げ。女性の秘肉のもっとも深い快感を薙沙ちゃんの体に送りながら。まるで波紋が広がるかのように、強く激しく子宮口をこすり上げていき。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃあぁん…!! 中に、中に出されちゃう…!!」師匠の中出し宣言に、わざと悲痛そうな声を出し、嫌々と首を振って師匠の嗜虐心を煽らせる。それでも身体は正直で、肉棒から吐き出される精を体内に入れようとしてか、一突きごとにきつく締め付けて。 《GM》 【草薙】「孕ませてあげる。たっぷり注いでね・・・。」そんな薙沙ちゃんの様子に興奮したのか、耳元でかすれた声でささやいて。薙沙ちゃんの腰を掴み、無理やり自身の腰に打ち付けて。深く深く肉棒を挿入します。ぐりゅぅっっ!!子宮口が亀頭で抉られ、完全に密着して。薙沙ちゃんの全身に駆け抜けるのは、草薙くんの物にされている、という悦びと、被虐の心。ぐり、ぐりぃっと子宮口で刺激されていた亀頭から、大量の精液が注がれます。 《GM》 子宮口に流れ込んでくる熱さを感じるまもなく、ずりゅぅっっ!!と無理やり子宮内に進入してくる亀頭。それが子宮底を激しくつつきあげ、強烈な重さを伴う刺激が薙沙ちゃんの体中に広がっていきます。 《薙沙》 【薙沙】「ひやぁぁっぁぁっっぁっっぁっっ!!!! …あぁ…ぁぁぁぁ…ん…」魔族の熱く粘っこく大量の精を小さな子宮と膣で受け止めて。師匠の太い腕と手でがっちりと掴まれた腰は結合から逃れる術はなく、師匠の肉棒が萎えるまで子宮に精を注がれることを甘んじるほか無く。だが、魔族の肉棒はたやすく萎えることなく、永遠とも思える長い長い間、膣内と子宮内に精を注がれ、穢されていく様を味わってしまう。 《GM》 【草薙】「んっ・・・く・・・。」ぶるるっ。腰が小さく震えて、ようやく長い射精が終わります。薙沙ちゃんをきつく抱きしめ、その首筋に熱い息を吹きかけながら。射精の余韻に浸る草薙くん。ふぅっっ、と大きく息をつくと、顔を上げ。「気持ちよかった?」小さな笑顔で薙沙ちゃんに尋ねて。 《薙沙》 【薙沙】「はぁ…はぁ…ん…」激しい運動で高まった鼓動がだんだんと収まり…きつく抱きしめられると、別の理由でまた鼓動が早くなって「…ヒロインの勅使河原薙沙は、魔族の専用便器にされても、慰み者の玩具にされても、この程度じゃ屈しないんだから…」あえてムスーとふくれっ面でぷいっとそっぽを向いて、遠回しな追加を要求する 《GM》 【草薙】「もちろん、気持ちいいって言ったとしても…許しはしないよ?」可愛くふくれたほっぺに軽くキスをすると。「今日は、薙沙ちゃんは僕の牝便器なんだから。」いまだ硬さがなえない肉棒で子宮口をぐりゅぐりゅと抉りながら、腰に手を回して浴槽から立ち上がります。歩くたびに膣穴を刺激してその締め付けを楽しみながら、脱衣所に入ると。薙沙ちゃんを洗面台に座らせ、犯した姿勢のままお互いの体を軽く拭き始めます。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃぁ、ん、あぁ…ん、ふわぁ…ん…どんなに…犯されて、穢されても…負けないんだから…ぁんん…っ!!」便器プレイ中は乱暴なことと、抵抗できないことを良いことに、あえて反抗して薙沙の被虐心と師匠の加虐心を満足させて。何度身体を拭いても、秘所から溢れる愛液と精だけは、ぬぐい取ることは出来なくて 《GM》 【草薙】「あはは、往生際の悪いヒロインだね。」腰を大きく引き、ずるぅっっと牝汁と精液をかきだしながら、カリ首まで引き抜くと。「それじゃ、僕の肉便器です、って屈服するまで…犯してあげるよっっ。」ぢゅどんっっ!!腰の角度を微妙に変えて、薙沙ちゃんのGスポットを、性感帯をカリで刺激しながら思い切り子宮口を小突き上げ。そして再び抱えあげると、脱衣所から外に出ながら犯し続けます。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃあ…負けない、んだから…ぁっあぁぁぁぁ!!!!!!」開口一番、あっさりと絶頂まで達してしまい、びくびくっと全身を振るわせて気を失いそうになってしまう。それでも意識をつなぎ止めるのは、陵辱に耐えるためか、それとも陵辱を味わうためか。脱衣所を出て廊下を歩いている最中も悦な嬌声を大声で叫んでしまう。だが、ここは薙沙の牢獄。いくら叫んでも助けは来ず、また問題もないわけで… 《GM》 そんな薙沙ちゃんを楽しそうに見つめながら、居間へと入っていく草薙くん。もちろん、薙沙ちゃんを犯したまま…。 《GM》 そして、その陵辱劇?は深夜近くまで及び… 《GM》 《GM》 《GM》 エンディング 《GM》 《GM》 《GM》 もともとは、草薙くんの両親の寝室。 《GM》 でも、大きなダブルベッドがあるために、今では二人の寝室となりつつあるこの部屋で。 《GM》 薙沙ちゃんは、テーブルに置かれたビデオの前にいます。 《GM》 何度も何度もイかされた体は疲労でだるいのですが…。 《GM》 未だに薙沙ちゃんを貫いている剛直が子宮壁をこすりあげるたびに、じぃんっっ、と激しい悦楽が体を支配し、落ちていきそうな意識を無理やり覚醒させられます。 《GM》 【草薙】「さあ、薙沙ちゃん。言わなきゃいけないことがあるよね?」ベッドに腰掛け、背面座位のような体勢で薙沙ちゃんを貫き、腰に回した手で支えながら。薙沙ちゃんの耳元で楽しそうにささやく草薙くん。 《薙沙》 【薙沙】「ふわぁ…ヒロインの…勅使河原薙沙は…魔族の師匠に…屈服させられました…ひゃぁん…」作動するカメラのレンズを見ながら、裸の胸を露わにし、翳りのない秘所に魔族の肉棒が結合している姿を晒しながら、ずっと記録に残ってしまう敗北宣言をする。 《GM》 【草薙】「何回注がれたのかな・・・この可愛いところに?」手を薙沙ちゃんの秘所に滑らせ、肉棒で大きく広がった肉土手をくすぐるように撫で、クリトリスを軽くつまみしごくように擦りあげて。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃん…に、二十回…注がれました…」小さな子宮と膣ではあっさりと溢れてしまい、今もなお結合部の隙間から魔族の精をこぽりこぽりと吐き出してしまう 《GM》 【草薙】「それと、何をされるかも・・・いわないとね?」擦りあげていたクリトリスをきゅっと強くつまみ、痛みとしびれるような悦楽を薙沙ちゃんに流し込み。そのまま腰をくりゅくりゅと回し、子宮底に亀頭をこすりつけて。 《薙沙》 【薙沙】「あぁ…今晩は一晩中…便器にされて…明日は…苗床にされて…ひゃ、あん、あぁ…」ヒロインとして絶望に満ちた、だが愛される女として幸福に満ちた未来に、恍惚の表情を浮かべてしまう。ピクンッと身体が震えて、乳首が揺れる 《GM》 【草薙】「それが嬉しい、ってちゃんと笑顔で言わないと。」大事な大事な恋人をいじめることに抵抗はないわけではないけど、それが返って興奮をあおり。気持ちよさそうな薙沙ちゃんに小さな笑みを浮かべると。ずんっっ!!下から強く腰を突き上げて。 《薙沙》 【薙沙】「あぁん…でも、それが…嬉しいです…」今晩も、明日も、ずっと師匠と一緒に繋がっていられる。それはとても幸せなことで。 《GM》 【草薙】「あはは。」薙沙ちゃんのほっぺを撫でながら小さく笑って。「それじゃ、僕のおもちゃの薙沙ちゃんを…たっぷりいじめようかな?」対面座位のまま立ち上がり、薙沙ちゃんの腰を力強く持つと、そのままどちゅっ、ずぶぅっと犯し始めて。 《薙沙》 【薙沙】「ひゃ、ぁぁん…!! ん…」ずぶっと深く貫かれ、ふいに、師匠の耳元に薙沙の口元が寄る「…本当に玩具のように扱って良いからね♪」もっと酷い扱いを望んでいるのか、そんな言葉を小さな声で口走ってしまう 《GM》 【草薙】「もちろん。」くすり。小さく笑うと。「今日は薙沙ちゃんが僕の子を孕むまで、ずっとずっと犯してあげるよっ。」薙沙ちゃんの腰を抑えると、激しい勢いで腰を降り始める草薙くん。ピストンのたびに垂れてくる精液を薙沙ちゃんの膣内のさまざまな場所に塗りつけ、こすりあげ。自分専用のものだとマーキングするかのように、熱く潤んだ膣内を抉り続けます。 《GM》 このまま、薙沙ちゃんは次の日の朝まで犯され続けて…。 《GM》 かなりえっちなハウスルールに縛られた二人の生活が、始まったのでした。 《GM》 《GM》 《GM》 《GM》 Heroine Crisis TRPG Advanced 《GM》 おうちでの決まりごと 《GM》 《GM》 《GM》 おしまいですっ
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《 魔神都市の探索 》 魔神都市の探索はゲームとして行うにはあまりにも民家や施設が多く、それら一つ一つの内部を探索していってはプレイ時間がとてつもないものになってしまいます。そこでこの簡易探索ルールを使用しても構いません。 +【 区画と探索方針 】 【 区画と探索方針 】 魔神都市には規模に応じて「区画数」が用意され、それぞれの区画には「探索深度」というものが存在します。探索深度は区画内部を巡り回った範囲を数値で示したもので、冒険者は移動する事で探索深度を増加させていきます。この時、冒険者は魔神に発見されやすくなる事と引き換えに深度増加数を増加できます。なお、この変動値は「0」に向かう範囲であれば「0」も含めて任意に指定できます。 探索方針 深度変動ダイス 影響 慎重 +1 変化なし 迅速 +2 遭遇戦ダイス目-1、略奪品ダイス目-1 休息 0 遭遇戦ダイス、略奪品ダイスを振らない。その代わり30分の安全を得る。ただし睡眠はとれない。 仮眠 0 遭遇戦発生ダイス目-2+起床しているPC数。略奪品ダイスを振らない。2時間経過する。 転身 -2 遭遇戦ダイス目+1、略奪品ダイス目-2 探索深度が最大値以上に達した時、冒険者はその区画をひとまず全て巡った事となります。その際、「1D6」を振り、その出目が「6」だった場合、その区画に「ゲート」があるとされ、「ゲートキーパー」と遭遇します。魔神都市のいずこかには必ずゲートが存在しており、都市の区画を巡り未探索区域があと1つとなった時、その最奥にゲートは必ず存在する事となります。「ゲート」が存在しない場合、そこには「ゲート」を安定させるための「トーテム」を発見できます。トーテムには「ラーリス」の紋章が明確に刻まれており、発見さえすれば破壊する事ができます。トーテムを1つ破壊する毎に、魔神都市に存在する全ての魔神、そして魔神に関わる魔法技能者を弱体化させる効果を以下から1種、任意で指定できます。 魔神都市内でのラーリス神聖魔法及び召異魔法レベル-1(0にはならない) 魔神都市内に存在する「種族:魔神」全ての全魔力-2 魔神都市内に存在する「種族:魔神」全ての全部位攻撃命中-1 魔神都市内に存在する「種族:魔神」全ての全部位回避-1 「ゲート」に陣取る「ゲートキーパー」を倒し、無事に魔神都市の外部に脱出できれば、魔神都市の解放は成ったと扱われます。冒険者は「ゲート」発見時、「ゲートキーパー」との戦闘を行うのか、それとも今は戦わないのかを選択できます。戦わない場合、別の区画へ移動し探索を続行できます。区画は探索終了するまで入ってきた区画以外に移動できませんが、探索終了した区画にはどこからでも移動できます。 規模 区画数 基本最深度 対応最大PCレベル 門番最大レベル 村 5 6 6 8 町 5 9 10 12 都市 5 12 - - +【 区画の区分け 】 【 区画の区分け 】 区画は大まかに「中央区」「北西部」「南西部」「北東部」「南東部」に分かれており、それぞれの区画は外縁部は「壁」に遮られており、中央区を除く区画いずれかに「都市門」が存在します。都市への侵入と脱出は「都市門」で行われます。区画に入った時、その地点が「区画深度:0」となります。「最深度」に達すると、移動可能な区画へ探索エリアを変更でき、「探索深度:0」から再び探索を行っていきます。「深度:0」から逆方向に移動すると、直前にいた区画へ移動できます。探索済みの区画に戻った場合、踏み込んだ地点がやはり「深度:0」となります。ただし、探索済み区画では深度増加ダイスが「2D6」となります。探索深度が変動すると、ゲーム内時間では30分が経過します。 「壁」や「都市門」による外部との移動制限は3分の飛行を可能とする場合に無効化されます。飛行によって侵入する場合、任意の区画を探索開始地点にでき、全ての区画から脱出ができます。飛行による脱出に関しては現在の探索深度に関係なく行えます。 区画 移動可能区画 北西部 北東部・中央区・南西部 北東部 北西部・中央区・南東部 中央区 すべての区画 南西部 南東部・中央区・北西部 南東部 南西部・中央区・北東部 GMは区画に以下の特性いずれかを設定する事もできます。 1 バリケード 民兵と魔神の戦場痕跡の目立つ区画です。隠密判定に+1を受け、魔神との遭遇時の状況ダイスが-1されます。 2 見晴らしよし 開けた屋外が占める区画です。隠密判定に-1を受け、魔神との遭遇時の状況ダイスが+1され、略奪ダイスに-2を受けます。 3~4 可もなく不可もなく そこそこの見渡しのよさと悪さを有する区画です。特に影響はありません。 5 住宅迷路 家屋が密集して立ち並ぶ区画です。隠密判定に+1を受け、魔神との遭遇時の状況ダイスが-1され、略奪ダイスを追加で1回振れます。 6 大きな建物 周囲と比較して目立つ大きさの建造物とその敷地が中心となる区画です。最深度でのゲート発見ダイスが+2されます。 +【 進行ルール 】 【 進行ルール 】 朝9時より、都市門有する区画の「深度:0」から探索がスタートします。その後は以下の進行を繰り返します。 ① 深度変動ダイスを振る。 ② 遭遇戦ダイスを振る。遭遇時、状況ダイスを振り、遭遇する魔神グループを決定する。 ③ 略奪品ダイスを振る。 ④ ①に戻る。 +【 遭遇戦 】 【 遭遇戦 】 探索深度が変動した際、徘徊する魔神や魔神教徒に遭遇する可能性があります。GMは「1D6」を振り、「2以下」が出た場合、不運な事に魔神と戦闘に入ります。その際にGMは遭遇戦ダイスとして「1D6」を振り、以下のチャートで出目に応じた状況で戦闘が開始します。この戦闘にて勝利すると、次に行う遭遇戦ダイスの出目を「±1」操作できます。 1 袋小路 戦闘開始語、冒険者は徒歩による撤退ができない。 2~3 魔神の挟撃 「目標値:PC平均レベル+9」の危険感知判定に冒険者のいずれかが失敗すると、魔神が前方だけでなく後方にも魔神が出現する。ただし、魔神の総数は変化しない。 4~5 通常応戦 特になし 6 魔神の油断 冒険者はその場に隠れてやりすごすも不意打ちするも自動的に成功する。 出現する配下魔神のレベルは「ゲートキーパーのレベル-4」を基本とし、基本出現数は以下の通りとなります。他部位魔神の場合、その部位数=出現数に数えられます。 ダイス目 配下魔神のレベル変動 出現数 1~2 +2 1 3~4 +1 2 5~6 ±0 3 魔神からの不意打ちを防止した際、冒険者は戦闘に入る前に、「隠れてやり過ごす」「引いて隠れる」を選択できます。また不意打ちを含めて戦闘開始した直後にも「強引に逃げる」を選択できます。 隠れてやりすごす 冒険者代表が「目標値:PC平均レベル+10」の隠密判定に成功すると、戦闘を回避できる。 引いて隠れる 探索深度を「-2D6」する事で、自動的に戦闘を回避できる。この変動は「遭遇戦」や「略奪」の機会をもたらさない。 強引に逃げる 探索深度を「-1D6」し、逃げたPC全員のHPが「自身のHP最大値÷2」減少した上で、自動的に戦闘を回避できる。この変動は「遭遇戦」や「略奪」の機会をもたらさない。HP減少した際にHPが0以下になった場合、逃げ延びた先で生死判定を行う。 +【 略奪 】 【 略奪 】 探索深度が変動した際、冒険者はその過程において民家や商業施設などから金目のものを見つけ、それを略奪する機会を得ます。冒険者代表は「1D6」を振り、「4以上」が出た場合、財宝として納得できる略奪品がありそうな建築物を発見します。また、その際の出目が「4」だった場合、その建築物にはトラップが存在します。 この時、【遭遇戦】で魔神の戦闘可能性が発生した場合、魔神達はその建設物の内部に待機しているとなり、この魔神を駆逐しなければ略奪は行なえません。 「PC平均レベル+7」を目標値とする「探索判定」を冒険者のいずれかが成功すれば以下の「略奪品基本価格」を建設部内部から取得できます。この探索判定に成功すると、同一区画内での探索判定の目標値が「+1」されていきます。 都市規模 略奪品基本価格 区画全体での略奪可能総額 村 PC平均レベル×50 2,500 町 PC平均レベル×100 6,000 都市 PC平均レベル×150 15,000 ただし、トラップが存在する場合、冒険者のいずれかが「探索判定目標値-2」を目標値とする「罠解除判定」に成功しなければ、以下のトラップいずれかが発動します。罠感知にボーナスを得る装備などの効果を得ている場合、この際の罠解除判定に+2のボーナスを得ます。 ダイス目 トラップ名 対応可能技能 発動効果 1 鳴子 スカウト・レンジャー 次回行う遭遇戦ダイス目-1。 2 クロスボウトラップ スカウト・レンジャー 1D6を振り、3以下が出た対象に物理ダメージ15点。回避目標値はPC平均レベル+5。 3 偽装棘穴 スカウト・レンジャー 1D6を振り、2以下が出た対象に必中物理ダメージ15点。飛行対象には無効 4 毒針 スカウト 1D6を振り、1以下が出た対象に毒属性魔法ダメージ15点。生命抵抗目標値15。抵抗成功時半減。 5 腐乱死体置き場氾濫 レンジャー PT全域に病気属性魔法ダメージ6点。生命抵抗目標値15。抵抗成功時半減。 6 発火装置 スカウト・レンジャー 発見した略奪品消滅。かつ1D6を振り、2以下が出た対象に炎属性魔法ダメージ10点。精神抵抗目標値15。抵抗成功時半減。 略奪品取得時、冒険者は全てを得るのではなく、指定ガメル分の略奪品に手をつけない事も選択できます。ただし、同一区画で発見できる略奪品の最大戦利品価格は以下の「区画全体での略奪可能総額」までとなります。持ち出された略奪品は当然ながら復活しません。 +【 シナリオミッション 】 【 シナリオミッション 】 GMは魔神都市探索をメインとしたシナリオを行う際、以下の1種をシナリオミッションとして設定できます。シナリオミッションを達成した場合、そのシナリオは「成功」とみなされます。トーテムの破壊や略奪をミッションに設定する場合、ゲートキーパーの基本レベルを「+2」程度上昇させても構いません。 シナリオミッション 導入演出 ゲートキーパーの撃破 都市攻略の決定打としてゲートキーパーの打倒を依頼される トーテム1個破壊 都市攻略の一環としての小目標としてトーテム1個の破壊を依頼される トーテムの全破壊 都市攻略の一環としての小目標としてトーテム全ての破壊を依頼される 略奪目当ての都市探索 魔神都市の略奪を目的として冒険者が自発的に向かう。 略奪目当ての都市探索のシナリオミッションでは「略奪品基本価格」「区画全体での略奪可能総額」が倍増します。取得した略奪品の総合価格が「一人あたりの報酬目安×PC数」に至るとミッション達成と扱われます。 PCの平均冒険者レベル 一人あたりの報酬額目安 シナリオボスレベル目安 1~2 1,500 3~4 3~4 3,000 5~6 5~6 5,250 7~8 7~8 8,000 9~10 9~10 11,250 11~13 11~12 15,000 13~15 13~14 21,000 15~17 15 31,000 17~ +【 GM管理テキストシート 】 【 GM管理テキストシート 】(メモ帳にコピペしてご利用ください) 都市名: 都市規模:村/町/都市 PC平均レベル: 門番レベル: 区画基本略奪戦利品最大価格:0,000ガメル 都市門区画: シナリオミッション: 現在時刻:朝9時00分 冒険者現在地: 北西部:現在深度00/最大深度10/発見済み略奪品価格:0,000/略奪済み価格:0,000 北東部:現在深度00/最大深度10/発見済み略奪品価格:0,000/略奪済み価格:0,000 中央区:現在深度00/最大深度10/発見済み略奪品価格:0,000/略奪済み価格:0,000 南西部:現在深度00/最大深度10/発見済み略奪品価格:0,000/略奪済み価格:0,000 南東部:現在深度00/最大深度10/発見済み略奪品価格:0,000/略奪済み価格:0,000 トーテム破壊数:0/4 ・弱体効果: ・弱体効果: ・弱体効果: ・弱体効果: ゲートキーパー 【】 出現配下魔神・魔神教徒パターン 2体【】【】 3体【】【】【】 4体【】【】【】【】 +【 魔神都市例 】 【 魔神都市例 】 PC平均LV 3~4 規模 村 門番 【ダスキーグレイス】 親衛隊 【インプ】 強配下 【アザービースト】【スポーン】 並配下 【モラガイ】【モラガイ】【ヌマズル】 弱配下 【山賊の突撃兵】【山賊の突撃兵】【山賊の弓兵】【インプ】 親衛隊はPC平均LVのが上限だった場合に門番と共に戦闘となる配下です。 PC平均LV 5~7 規模 村 門番 【グルネル】 親衛隊 【悪に手を染めた神官】 強配下 【ダスキーグレイス】【ブルカイネン】 並配下 【スポーン】【スポーン】【アザービースト】 弱配下 【モラガイ】【モラガイ】【ヌマズル】【ヌマズル】 親衛隊はPC平均LVのが上限だった場合に門番と共に戦闘となる配下です。 PC平均LV 7~9 規模 町 門番 【ラグナカング】 親衛隊 【アルガギス】 強配下 【グルネル】 並配下 【ヴァルブレヴァーズ】 弱配下 【ブルカイネン】【ブルカイネン】【ブルカイネン】【ブルカイネン】 親衛隊はPC平均LVのが上限だった場合に門番と共に戦闘となる配下です。 +【 魔神・魔神教徒一覧 】 【 魔神・魔神教徒一覧 】 レベル別魔物一覧_LL173 名前 レベル 部位数 使用魔法 参照 ラルヴァ(蛮族) 2 1 召異1 CG21 インプ 2 1 神聖2 BB128 山賊の弓兵(人族) 2 1 - IB160 山賊の突撃兵(人族) 2 1 - IB160 流れの拳闘士(人族) 2 1 - CG171 ヌズマル 3 1 - IB167 モラガイ 3 1 - IB167 悪に手を染めた神官(人族) 3 1 神聖3 BB160 一般の兵士(人族) 3 1 - CG171 アザービースト 4 1 - BB148 スポーン 4 1 - BB148 山賊の首領(人族) 4 1 - IB161 魔導に魅入られた魔法使い(人族) 4 1 神聖4 BB161 強力な神官戦士(人族) 4 1 神聖4 CG171 ダスキーグレイス 5 1 操霊3 BB148 ブルカイネン 5 1 - IB167 盾を持った重戦士(人族) 5 1 - CG172 ヴァルブレバーズ 6 3 真語5 BB149 ギルドレック 6 1 - BB149 ザルバード 6 1 神聖4 BB149 リャグ(蛮族) 6 1 召異3 CG90 欲望を満たす魔神使い(人族) 6 1 召異6 CG110 アルガギス 7 1 - BB150 グルネル 7 2 真語7・神聖7 BB150 レドルグ 7 1 真語7・操霊7・深智7 BB150 正騎士(人族) 7 1 - IB162 名高い狩人(人族) 7 1 - IB162 ダルグブーリー 8 1 - BB151 テラービースト 8 1 神聖4 BB151 キューゼルダス 8 1 - IB168 邪教の神官戦士(人族) 8 1 神聖7 CG173 ゴードベル 9 1 - BB151 ティキラ 9 1 神聖9 BB152 メメリラ 9 1 - IB168 ラグナカング 9 4 神聖5 BB152 リャグサグ(蛮族) 9 2 召異6 CG91 怪力無双の腕自慢(人族) 9 1 - IB162 ブガラドレ 10 3 操霊8 BB152 メルビズ 10 2 - BB152 テルニット 10 1 - IB168 ボストール 10 1 - IB169 邪教の高司祭(人族) 10 1 神聖10・操霊7 IB162 上級騎士(人族) 10 1 - CG174 エルガクレオ 11 1 真語10・操霊10・深智10・神聖10 BB154 ケルベロス 11 4 - BB154 キルバイゼン 11 2 - IB169 メメリルリラ 11 1 - IB169 ジャーグラッド 12 4 神聖9 BB155 メルマザール 12 1 真語10・神聖10 B155 シュルゼルバ 12 1 真語(限定)12 IB170 ズゥールー 12 2 真語11・操霊11・深智11 CG108 ウェンディゴ(幻獣) 12 1 召異15 CG106 ティキティキ 13 1 神聖12 BB156 フォルゴーン 13 3 神聖12 BB156 ゴーガン 13 1 - IB170 デモニックブアウゾンビ(アンデッド) 13 1 操霊6・召異9 CG99 邪教の大神官(人族) 13 1 神聖13 IB175 ドレッドバール 14 3 神聖13 BB157 イグナヴ 14 7 神聖12 CG108 ドッペルゲンガー 15 2 真語15 BB157 バルーサビヨーネ 15 3 - CG109 ジャバウォック(幻獣) 15 7 召異15 CG107 ラグアドラグ 16 6 神聖15 BB158 ヌヴェズル 16 3 - FC165 ザンガルズ 17 4 神聖15 BB158 ゲルダム 19 3 神聖15 BB159 エルガデリアル 20 2 - FC165 ガルム 24 2 - FC166 グラァバドーン 25 3 神聖20 FC167 プレグフェルゴール 25 1 操霊20・神聖20 FC168 アーリザハーリク 25 4 真語20・神聖20 FC168 ナーティヴィエル 25 3 - FC170 《 淫辱の聖餐 》 これは『魔神都市簡易探索』を18禁化ルールに変更する選択ルールと補助設定です。魔神都市攻略の目標は都市の開放ですが、それと同時に「聖餐の開放」を追加します。また、これが適応される魔神都市では「トーテム」が後述の「淫魔のトーテム」に変更されます。 +【 聖餐の開放 】 【 聖餐の開放 】 『聖餐』とは、魔神の娯楽のために都市陥落の折に捉えられた美女・美少女達です。魔神達はこの世界の知性と理性ある存在が苦しむ様子をなによりの美酒としており、魔神が人族の領土を破竹の勢いで蹂躙していったのも、まさに人族が苦しむ様を味わうためなのです。その苦しみは苦痛の果ての虐殺にとどまらず、レイプなどの陵辱にも及びます。魔神の肉体は仮初のものであるために自然繁殖はならず、故に人族などに性的欲求を抱く事は基本的にありませんが、彼らはその肉体に繁殖機能を有さない男性器や女性器に連なる器官をあえて作り出す事があります。それは精神的苦痛を好む嗜好の魔神が娯楽の一貫として陵辱を行うためです。 こうした嗜好を有する魔神は殺戮を最小限にとどめ、捉えた人々を娯楽のために利用します。その生存者に貴族や神官の美女・美少女、そして名誉人族の蛮族女傑が多いのは、彼女たちが陵辱される事を楽しむ人々が存在するためです。犯される彼女たちの苦しみはもちろん、家族が犯される光景を見せつけられた者は心臓が引き裂かれる思いに苦しみ、欲情を抱いた相手が犯される、そして自身が犯す事に歪んだ愉悦を充足させる人々は精神性を魔神に近づけます。魔神は苦しむ人々を楽しみ、それを楽しむ人々は魔神の駒として利用できる。そのため、魔神は美女・美少女を『聖餐』として捕らえ集め、娯楽の生贄として人道を踏み外した人々に投げ込むのです。こうして魔神の配下となった者たち、魔神教徒は『聖餐』の確保と維持のための生活必需品を集める義務を負わされ、彼らはそのために各地に散らばり、誘拐や人身売買、麻薬などの禁制品取引などの重犯罪行為に手を染めるようになります。 こうした陵辱ショーは魔神のゲートが置かれた場所で開催されます。『聖餐』とされた彼女たちは魔神の宝として健康管理が徹底され、自刃すら許されません。同時に捕らえられた親類縁者の生死は魔神の気まぐれに左右され、陵辱ショーは監禁されて放置されます。彼らは自殺をするも、見世物として反抗し『聖餐』の目の前で惨死するも、魔神教徒となって『聖餐』の陵辱に参加するも自由とされます。時にはあえて都市の外へ逃され、『聖餐』とその縁者の運命を社会に伝え、救出を訴えさせます。この訴えはショッキングかつセンセーショナルであり、「餌」と新たな魔神教徒足り得る者たちを魔神都市に招き入れる事を誘発します。 PCはこうした経緯によって『聖餐』の過酷な運命を知らされた関係者などから都市開放と共に救助を依頼されます。この救助はゲートキーパーを打ち倒しゲートを破壊し都市を奪還する事で成されます。こうして救助された『聖餐』は、(関係者の資産状況に左右されますが)【召異魔法:デモンズシード】などがほどこされていないかのチェックを受け、手遅れではないと確認されれば解呪が施されます。救出を成したPCはこうして自由となった『聖餐』とコネクションを結ぶ事ができます。 しかし、『聖餐』の悲惨な運命はこの救出によって終わるわけではありません。魔神の卑劣な思惑は、その魔神が打倒された後にこそ仕掛けられています。 +【 発芽する悪意の種 】 【 発芽する悪意の種 】 救助された『聖餐』は、その経緯故に社会からの好奇と侮蔑の視線に晒される等の二次陵辱を受け続け、これは多くの場合、直接的な関係者からも及びます。陵辱を受け続けた『聖餐』は「家名を穢した」として嫌悪され、上位貴族からの婚約の破棄を受けるなどして政略結婚の道具としての価値も暴落し、神殿に「捨てられる」事は珍しくありません。共に捕らえられ、そして『聖餐』へ陵辱を行ってしまった近親者と共に救助された家庭においては、もはや筆舌に尽くしがたい環境へと変貌します。また、『聖餐』は【性的状態異常】を植え付けられている事もあり、その放蕩への衝動は『聖餐』をより追い詰めていきます。 こうした「後遺症」は幸福な家庭を取り戻すかすかな希望を完全に粉砕し、『聖餐』は一転して這い上がれぬ絶望へと沈み、やがて自暴自棄となって娼婦となったり自殺に走ったり、時には「魔神教徒」へ自らの意思で堕ちる事を選択します。こうした精神の破壊は魔法的な効果ではない環境変化による意思の誘導で行われ、「神聖魔法:リムーブカース」でも解除できない最悪の呪いとなって『聖餐』を襲うのです。 この経緯により、救助された『聖餐』とのコネクションを取得時、必要消費名誉点が以下のように軽減されます。 条件 軽減 家から断絶されている -50% 家から断絶されていないものの婚約を破棄されている -10% 近親相姦の関係が続いている -15% 性的状態異常を受けている その種類合計数(【発情】は進行度を加算する)×-2% +【 淫魔のトーテム 】 【 淫魔のトーテム 】 魔神都市のトーテムに魔神が仕掛けを施したものです。トーテムにはそれぞれの区画全域に固有の結界が展開されており、これを破壊する事で結界は解除されます。結界に踏み込んだ者は踏み込んだ時点、そして30分ごとに「目標値:ゲートキーパーのレベル+7」の「精神抵抗判定(精神効果)」を行い、失敗すると結界の効果を受けます。この判定は深度変動ダイスの前に行います。これらの効果は重複はせず、たとえば発情効果を受けてもすでに発情していればそれは無効化されます。結界で受けた効果は魔神都市の外に出ると解除されます。 1 絶禁結界 【発情Ⅰ】と【絶頂禁止】を受ける。 2 拡張結界 【発情Ⅰ】と【拡張適応】を受ける。 3 延焼結界 【発情Ⅰ】と【欲求不満】を受ける。 4 淫売結界 【発情Ⅰ】と【淫乱性】を受ける。 5 欲情結界 【発情Ⅰ】と【セックス狂】を受ける。 6 交尾結界 睡眠による休息が無効化され、自慰あるいはセックスで睡眠相当の休息が取れる。ただし自慰の場合休息の効果は半減する。この結界効果は必中となる。 この結界はゲートに多大な負担をかけており、魔神都市に存在する全ての「種族:魔神」はトーテム1つにつき「全ての判定-1、最大HP-5、最大MP-2」されています。トーテムを破壊すれば魔神のペナルティは回復していき、最大HPと最大MPが回復すると現在値も同値回復します。なお、通常のトーテムを破壊時に与えられる魔神への悪影響は、この淫魔のトーテム破壊では与えられません。 +【 聖餐となった冒険者 】 【 聖餐となった冒険者 】 都市を開放しに、あるいは同時に『聖餐』を救助しにやってきた冒険者であるPCが都市内部での戦闘に敗北し全滅した時、そのゲートキーパーが『聖餐』を求めている魔神であれば、PCを『聖餐』として捕らえます。この時の戦闘ではPCは生死判定に自動的に成功し、「意識を維持するがあらゆる行為判定に自動的に失敗する気絶状態」としての【無抵抗】の状態となります。『聖餐』とされたPCはその姿が男たちの欲望を煽るものであれば魔神や魔神教徒から輪姦陵辱を受け、そうでなければ「親類縁者」として監禁されます。この虜囚の日々は都市が開放されるか、あるいは魔神の気まぐれ(復讐を煽って返り討ちにしてさらに嬲るため、餌を増やすため等の理由)で終了します。いずれにせよ、『聖餐』としてレイプを受けたPCには以下の不名誉称号が与えられます。この称号は会得時の冒険者レベルが以前と異なれば別称号として扱われます。また、『聖餐』となったPCは開放時に【性的エネミー特性:陵辱の侵食】を受け、【性的状態異常】をランダムで1つ与えられます。 名称 称号名誉点 【 魔神都市の聖餐 】 聖餐となった当時のPCの冒険者レベル×5点 《 番外編 ゾンビ都市 》 これは魔神ではなくアンデッドに支配された都市を魔神都市攻略ルールを流用して遊ぶシナリオルールです。主たるエネミーが魔神からアンデッドに変更され、基本の攻略ルールと変更点が以下の表の通りにあります。 アンデッドが支配する都市は古い時代に放棄されたもの、魔神から開放されたもののアンデッドが大量に発生し人族の手に戻らなかったもの、吸血鬼が戯れに支配したものが主となります。それらの都市は穢れが大地に染み込み、地域一帯がアンデッドが生まれやすい不浄の大地へと汚染していき、その穢れが新たにアンデッドを発生させたり誘引したりするなどして、大量のアンデッドがさらに集うという悪循環にあり、そこからあぶれたアンデッドが隣接地域へ流れ被害を拡大させるという災害に至っています。PCはそうしたアンデッド災害拡大を食い止め、収束させるために派遣されます。泣けるぜ。 +【 ゲートとゲートキーパーから、タイラントコアとタイラントへの変更 】 【 ゲートとゲートキーパーから、タイラントコアとタイラントへの変更 】 ゲートは存在しなくなり、代わりにアンデッドを呼び寄せ、あるいはアンデッドを発生させる程の濃密な穢れで地域を汚染させる原因が存在します。ゲートキーパーはその原因を持ち込んだ者やまさに原因そのもの、あるいは汚染の核から生み出された最も強力な者となります。これらの事から、その名称は【 ゲート → タイラントコア 】【ゲートキーパー → タイラント】に変更されます。 タイラントには「アンデッド」と「ノスフェラトゥ」の2種類が存在し、アンデッドのゾンビ都市では純粋にアンデッドが集い、ノスフェラトゥのゾンビ都市ではブラッドリングなどの吸血後の廃棄物が集います。なお、このゾンビ都市に出現するノスフェラトゥの信仰は全てメティシエとなります。ノスフェラトゥの都市では、「タイラント=タイラントコア」となります。 +【 配下魔神からアンデッドトループへの変更 】 【 配下魔神からアンデッドトループへの変更 】 ゲートキーパー同様に配下の魔神達も低級のアンデッドである「ゾンビ」あるいは「ブラッドリング」の群体である「トループ」へと変化します。ゾンビ都市はこのどちらかが蔓延しており、その数の暴力こそが障害となります。知能が低いアンデッドは血肉有した生者を優先して襲うため、魔法生物であるゴーレムや魔導器であるバイクには積極的に攻撃を行ったりする事はありません(それが生者を襲う障壁となっていれば攻撃します)。PC種族であるフロウライトはこの性質上、アンデッドの群れから獲物として積極的に認識されません。センティアンは受肉しているために通常通り獲物として認識されます。 ノスフェラトゥタイラントの支配する都市では太陽が出ている昼間の時間(午前6~午後6時)はブラッドリングは屋内に引きこもり、表を出歩きません。そのため昼間はアンデッドとの遭遇戦ダイスが「+1」され、遭遇時は屋内で遭遇した事となります。反面、夜間(午後6時1分~午前5時59分)においてはブラッドリングは一斉に活動を活性化させ屋外を闊歩しはじめるため、遭遇戦ダイスが「-1」されます。 +【 トループの説明 】 + 【 トループリーダー 】 【 トループ 】 ゾンビ都市を徘徊するアンデッドは個体そのものはさしたる脅威ではありませんが、集団として固まると1個の巨大な不定形の生物のようにまとまって活動を始め、奇妙な連携によって熟練の戦士をも餌食とします。こうしたアンデッドの群体を「トループ」と扱います。トループは「戦闘特技:ブロッキング」を有する「1部位」として扱い、それぞれの構成員のHPはトループという1個体として共有しています。トループを構成する群体の数の半数まで、乱戦範囲内の別個対象へ攻撃を行えます。ただし、同じ対象に構成数と同じだけ攻撃を行えるという事ではなく、対象には1回までの攻撃しか行なえません。トループを構成するのは「ゾンビ」もしくは「ブラッドリング」となり、両者が混在する事はありません。 トループエネミーに範囲攻撃が行われた場合、トループの構成数が範囲の対象とされ、命中した範囲攻撃にて構成員1体1体が受けたダメージは共有HPにて全て適応されます。ダメージ効果ではない、回避や命中にペナルティを与える等の効果を受けた場合、まずその効果にトループが抵抗に成功できるかどうかを決定します。トループが抵抗に成功した場合、通常通り効果は失敗扱いとなり未適応となります。トループが抵抗に失敗した場合、その効果をもたらす手段の対象範囲数と構成数を比較します。効果の範囲適応数が「構成数以上」であれば、トループに効果が完全にかかったとされ、「構成数未満」であれば、不完全にかかったとなり、その効果は「短縮」扱いとなります。 トループから戦利品を剥ぎ取る場合、構成数だけ掃き取りを行えます。この時、1回戦利品判定を行い、その結果を残った構成数全てに適応する事を推奨します。 タイラント アンデッド ノスフェラトゥ 主なアンデッド ゾンビ ブラッドリング 村区画での基本出現トループ 【ゾンビ・スカッド】 【ブラッドリング・スカッド】 町区画での基本出現トループ 【ゾンビ・プラトーン】 【ブラッドリング・プラトーン】 都市区画での基本出現トループ 【ゾンビ・カンパニー】 【ブラッドリング・カンパニー】 出没 村規模 名前 ゾンビ・スカッド 名前 ブラッドリング・スカッド レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 4 50 - 1 12 10 2D6+5 13 13 5 48 6 3 14 11 2D6+4 14 15 4体分の群体です。 出没 町規模 名前 ゾンビ・プラトーン 名前 ブラッドリング・プラトーン レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 7 100 - 1 14 10 2D6+8 14 14 8 96 6 3 16 11 2D6+6 16 17 8体分の群体です。 出没 都市規模 名前 ゾンビ・カンパニー 名前 ブラッドリング・カンパニー レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 10 200 - 1 18 10 2D6+11 16 16 11 192 6 3 20 11 2D6+9 19 20 16体分の群体です。 出没 都市規模 名前 ゾンビ・バタリオン 名前 ブラッドリング・バタリオン レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 12 300 - 1 22 10 2D6+13 24 24 13 286 6 3 24 11 2D6+11 21 22 24体分の群体です。 【 トループリーダー 】 トループには中枢となるアンデッドリーダーが存在します。基本リーダーとなるのは「PC平均レベルと同値」の単部位アンデッドで、リーダーはトループ一つを「部位」として支配します。「知能:人間並み」のリーダーは、トループに「戦闘特技:庇う」をトループに取得させる事ができ、「知能:高い」のリーダーは、さらに「戦闘特技:ガーディアン」を取得させる事ができます。先にリーダーを喪失したトループはあらゆる判定に「-4」を受けます。 ノスフェラトゥの支配するゾンビ都市でのトループリーダーは吸血鬼の眷属が基本となり、【スカッド:ブラッドリング】【プラトーン:ブラッドサッカー】【プラトーン、バタリオン:マッドブラッド】が主に割り当てられます。 +【 遭遇戦 】 【 遭遇戦 】 探索深度が変動した際、徘徊するアンデッドトループに遭遇する可能性があります。冒険者代表は「1D6」を振り、「2以下」が出た場合、不運な事にトループリーダーに率いられたトループの一群と戦闘に入ります。その際にGMは遭遇戦ダイスとして「1D6」を振り、以下のチャートで出目に応じた状況で戦闘が開始します。この戦闘にて勝利すると、次に行う遭遇戦ダイスの出目を「±1」操作できます。 1 袋小路 戦闘開始語、冒険者は徒歩による撤退ができない。 2~3 バックアタック 「目標値:PC平均レベル+9」の危険感知判定に冒険者のいずれかが失敗すると、トループが後方に出現する。 4~5 通常応戦 特になし 6 食事に夢中 冒険者はその場に隠れてやりすごすも不意打ちするも自動的に成功する。 アンデッドからの不意打ちを防止した際、冒険者は戦闘に入る前に、「隠れてやり過ごす」「引いて隠れる」を選択できます。また不意打ちを含めて戦闘開始した直後にも「強引に逃げる」を選択できます。 隠れてやりすごす 冒険者代表が「目標値:PC平均レベル+10」の隠密判定に成功すると、戦闘を回避できる。 引いて隠れる 探索深度を「-2D6」する事で、自動的に戦闘を回避できる。この変動は「遭遇戦」や「略奪」の機会をもたらさない。 強引に逃げる 探索深度を「-1D6」し、逃げたPC全員のHPが「自身のHP最大値÷2」減少した上で、自動的に戦闘を回避できる。この変動は「遭遇戦」や「略奪」の機会をもたらさない。HP減少した際にHPが0以下になった場合、逃げ延びた先で生死判定を行う。 アイテム「ホーリーウォーター」を有している場合、「隠れてやりすごす」「引いて逃げる」「強引に逃げる」のいずれか選択する際に1つ消耗する事で以下のボーナスを受けます。 隠れてやり過ごす 隠密判定に+2を受ける 引いて逃げる 深度変動が「-2D6」から「-1D6」に軽減される 強引に逃げる HP減少値が「最大HP÷2」から「最大HP÷4」に軽減される。 +【 トーテムの変更 】 【 トーテムの変更 】 トーテムはタイラントの種類によってその性質が変化し、それを破壊した場合の影響も魔神都市のものから変更されます。アンデッドタイラントの都市におけるトーテムとは汚染源から湧き出したアンデッドが移動し、新たな汚染源としてその場所に固定されたもので、その破壊にはトーテムと化したアンデッドと戦闘し勝利する必要があります。ノスフェラトゥタイラントの都市におけるトーテムとは、餌となる生きた人族の保管庫となり、その破壊や救出には守護する吸血鬼の従者と戦闘し勝利する必要があります。 ノスフェラトゥが支配する都市の場合、その規模によってタイラントと人族倉庫の守護者である従者が固定されます。また、タイラントが存在する区画には「穢れの土」が存在します。穢れの土を放置した場合、タイラントは穢れの土から復活し、その都市を放棄して逃亡し、また何処かの都市を遊び場にするために暗躍し続けます。人族倉庫を1箇所開放すると以下の生存者を1トループ救出できます。生存者は「モブ」として扱われ、救出するとモブのトループを引き連れる事になります。「モブ」の移動力は「12」となります。 村 モブ・スカッド 町 モブ・プラトーン 都市A モブ・カンパニー 都市B モブ・バタリオン 名前 モブ・スカッド 名前 モブ・プラトーン レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 2 24 12 1 8 8 2D6 11 11 3 48 12 1 9 9 2D6+1 12 12 4体分の群体です。 8体分の群体です。 名前 モブ・カンパニー 名前 モブ・バタリオン レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 レベル HP MP 防護 攻撃 回避 打撃 生命抵抗 精神抵抗 4 96 12 1 10 10 2D6+2 13 13 5 144 12 1 11 11 2D6+3 14 14 16体分の群体です。 24体分の群体です。 アンデッドタイラントの都市ではタイラントやトーテムの種類やレベルがPCレベルによって変化し、基本として「タイラントのレベル=PC平均レベル+2」、「トーテムのレベル=PC平均レベル+1」となります。アンデッドトーテムに勝利すると、その区画ではアンデッドは発生しなくなります。 +【 吸血鬼の下僕へ 】 【 吸血鬼の下僕へ 】 上位蛮族の主流であるノスフェラトゥは時として強力な武力を有する人族を一族に招き入れるために、人族をまず奴隷化する事があります。奴隷となる条件は冒険者レベルが7以上である事です。レッサーヴァンパイアがそのために人族を捕らえた場合、上位のヴァンパイアの元へ連れ去ります。 ノスフェエラトゥの奴隷となった場合、まずヴァンパイアが魅了能力によって無力化し、その後リャナンシーが男女問わず誘惑し、精神と肉体を犯し支配して反抗意思を削ぎ落とします。以後、奴隷はリャナンシーによって「適正」があるかどうか監視・管理され、適正ありと判断されればヴァンパイアに報告し、ヴァンパイアが直々に血族たる資格を有するかを確かめます。ここで奴隷はレッサーヴァンパイアにされ、さらにヴァンパイアに気に入られればリャナンシーとして迎え入れられます。リャナンシーの確認の段階で適正なしとされれば、奴隷はヴァンパイアの喉を潤す食事として、その日まで監禁される事となります。 ノスフェラトゥに奴隷として捕らえられたPCのPLは、「眷属化」を選択できます。眷属化を選択した場合、上記の通りにノスフェラトゥの眷属となり、PCとして完全にロストします。眷属化を拒む場合、リャナンシーに魅了はされますが「適正なし」とされて監禁されます。以後、PCは救出されるまでPCとして活動ができなくなります(これにより食事として消費され、PCロストする事はありません)。 +【 ゾンビ都市例 】 【 ゾンビ都市例 】 PC平均LV 2~5 規模 村 タイラント 【ジャックオーランラン】 親衛隊 【スケルトンアーチャー】 トーテム 【1:グール】【2:ワイト】【3:グールメイジ】【4:ランタンヘッド】 総数 【北西:10】【北東:10】【中央:10】【南西:10】【南東:10】 親衛隊はPC平均LVが上限だった場合に門番と共に戦闘となる配下です。トーテムの数は戦う順番となります。 PC平均LV 5~9 規模 町 タイラント 【マミーロード】 親衛隊 【マダーシールド】 トーテム 【1:レッサーマミー】【2:フレイミングゴースト】【3:ポルターガイスト】【4:マミー】 総数 【北西:100】【北東:100】【中央:100】【南西:100】【南東:100】 親衛隊はPC平均LVが上限だった場合に門番と共に戦闘となる配下です。トーテムの数は戦う順番となります。 PC平均LV 9~13 規模 都市 タイラント 【ミニングレス】 親衛隊 【マダーシールド】 トーテム 【1:バンシー】【2:ゴーストホース】【3:カーストアーマー】【4:デモニックブアウゾンビ】 総数 【北西:250】【北東:250】【中央:250】【南西:250】【南東:250】 親衛隊はPC平均LVが上限だった場合に門番と共に戦闘となる配下です。トーテムの数は戦う順番となります。 規模 想定冒険者クリアレベル 出現トループ リーダー タイラント 守護者 村 5~6 スカッド ブラッドリング ブラッドサッカー ブラッドリング 町A 7~9 プラトーン ブラッドサッカー マッドブラッド ブラッドサッカー 町B 10~11 カンパニー マッドブラッド レッサーヴァンパイア マッドブラッド 都市A 13~15 バタリオン レッサーヴァンパイア ヴァンパイア・リリィ レッサーヴァンパイア or リャナンシー 都市B 14~15 バタリオン レッサーヴァンパイア ヴァンパイア・ローズ リャナンシーアサシン +【 アンデッド一覧 】 【 アンデッド一覧 】 レベル別魔物一覧_LL173 (他部位のHP、MP、防護はコアのみ表示) 名前 レベル 部位数 HP MP 防護 使用魔法 参照 ゾンビ 2 1 25/25 - 1 - BT93 ブラッドリング 3 1 24/24 6 3 - BT93 スケルトン 1 1 15/15 - 3 - BT92 ゾンビドッグ 1 1 20/20 - 1 - CG98 ゴースト 2 1 20/20 20/20 0 - BT92 プレーグゾンビ 2 1 28/28 - 2 - CG98 グール 3 1 30/30 - 0 - BT93 レスティリガイスト 3 1 25/25 - 0 - CG98 スケルトンアーチャー 4 1 28/28 - 5 - BT93 デスソード 4 1 36/36 18 4 - BT94 ワイト 4 1 31/31 10 4 - BT94 グールメイジ 5 1 33/33 24/24 3 真語4 BT94 シン 5 1 43/43 12 5 - BT94 スケルトンソルジャー 5 1 32/32 - 7 - BT95 イビルヘイズ 5 1 38/38 21 5 - BT95 ブラッドサッカー 6 1 39/39 6 6 - BT96 レッサーマミー 6 1 42/42 19 6 - BT96 ブアウゾンビ 6 1 40/40 25 6 - CG98 グラッジワイト 6 1 40/40 15 8 - IB145 ランタンヘッド 6 1 42/42 42/42 4 神聖6 IB145 ジャックオーランラン 7 1 48/48 54/54 6 真語・操霊・深智6 BT96 スケルトンガーディアン 7 1 55/55 - 10 - BT96 デュラハン 7 4 38/38 44/44 5 真語・神聖5 BT97 マダーシールド 7 1 55/55 26 11 - BT97 フレイミングゴースト 7 1 58/58 - 6 - IB146 スペクター 8 1 51/51 60/60 7 - BT97 ブランク 8 1 64/64 - 8 - BT98 ポルターガイスト 8 5 45/45 51/51 8 操霊8 BT98 ポリュートファントム 8 1 62/62 44 7 - IB146 バンシー 9 1 62/62 73/73 10 真語・操霊・深智9 BT99 ボーンナイト 9 2 62/62 58/58 11 操霊8 BT99 マミー 9 1 66/66 30 9 - BT99 フェイラー 9 1 68/68 20 9 - IB146 ゴーストホース 10 2 72/72 23 10 - BT100 ナイトグール 10 1 73/73 25 9 - BT100 パッチワークブアウゾンビ 10 1 76/76 40/40 8 操霊6 CG99 アブソリュートグラッジワイト 10 1 70/70 55/55 12 神聖10 IB147 ポイズンワイト 11 1 69/69 - 11 - BT101 マミーロード 11 1 73/73 75/75 13 真語10 BT101 ロトンビースト 11 1 122/122 20 6 - IB147 アイアンメイデン 12 1 99/99 36 15 - BT102 カーストアーマー 12 1 76/76 60/60 15 神聖10 BT102 ゴーストシップ 12 7 120/120 71/71 12 操霊10 BT102 キャリオンバルーン 12 1 74/74 22 13 - IB147 レイス 13 1 88/88 112/112 13 操霊13 BT103 ロトンロック 13 3 102/102 17 12 - BT103 デモニックブアウゾンビ 13 1 103/103 62/62 12 操霊6・召異9 CG99 イビルエント 13 1 102/102 80/80 12 妖精12 IB148 アンデッドジェネラル 14 1 108/108 - 18 - BT104 ミニングレス 14 1 101/101 113/113 15 操霊14 BT104 ヘイジィガイスト 14 6 150/150 55 0 - IB148 エンシェントゴースト 15 1 184/184 184/184 0 - BT104 ジャイアントゾンビ 15 2 90/90 20 16 - BT105 カースクラウド 16 1 124/124 136/136 18 - BT105 デスペアーピーコック 16 1 183/183 83 13 - IB149 グレイブアース 17 6 92/92 35 14 - BT106 ファントムウィング 17 1 168/168 - 17 - IB149 ペイルライダー 18 2 151/151 108/108 14 操霊15 CG100 デスロード 19 1 138/138 210/210 20 真語・操霊・深智・神聖15 BT106 ドラゴンゾンビ 20 5 147/147 61 18 - BT107
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2005年05月22日(日) 05時29分-穂永秋琴 (ここまでのあらすじ:南蛮の儂智高の叛乱を鎮圧して都へ凱旋した楊宗保・文広親子。戦勝祈願のため東岳へ進物を持っていった使者が焦山の山賊に襲われ、宝物が奪われてしまったことを知る。楊文広は部将の魏化とともに、山賊を討って宝物を取り返し、改めて東岳へ納めるため、軍勢を連れて焦山へ向かった) 文広、兵を率いて宝を取る さて仁宗皇帝は楊文広に、まず焦山へ行って宝を取り返し、さらに東岳へ行ってこれを納めてくるよう命じた。文広は詔を得て、「奉敕取宝進香」と書かれた旗を作らせた。旗が出来上がると、無佞府へ戻って父と別れ、ついに三千の鉄騎兵を率いて出発した。 出発にあたって、文広が魏化に、 「焦山へはどの道を通って行けば良いのだろう」 と尋ねると、 「二つの道があるそうです。一つは広い道で、焦山の正面へ通じています。もう一つは隘路で、焦山の後ろ側に出るのですが、こちらのほうが距離は近いとか」 との答え。そこで文広は、 「隘路の方が近いなら、夜のうちに進撃して、備えのないところを衝けば、すみやかに討滅できるだろう」 と言い、魏化も、 「小将軍の意見は正しいと思います」 と応じた。そこで文広は兵士たちを率い、隘路を通って進発した。 さて焦山の杜月英と宜都の竇錦姑は義姉妹の契りを交わしていた。月英は朝廷の使者を襲撃し宝を奪ったあと、人を遣って都の様子を探らせていたが、その人が戻ってきて、文広が隘路を通って宝を取り戻しに来たことを報せた。月英が喜んでいると、錦姑がやってきたので、出迎えて中へ招いた。 錦姑が問うて、 「あなた、どうしてそんな嬉しそうにしているの?」 と尋ねると、月英は、 「あたしはこの前、朝廷の三種類の宝を奪い取ったけど、楊文広が奪い返しに来るそうなのよ。この人は長善公主の許婚だけど、まだ結婚はしてないわ。彼は美少年だと聞いているし、あたしだってなかなかのものよ、不釣合いじゃないわ。だから彼を捕まえて結婚し、良い旦那さまを持とうと思ってね」 との答え。錦姑は話を聞いて、密かに思うよう、 ――月英は好い夫を欲しがってるけど、私にも夫は必要だわ。私が先に部下を連れて戦って、結婚してしまうとしましょう。 そこで月英に、 「彼がどの道から来るか分かってる?」 と尋ねた。 「姐さんが来た方角からよ」 錦姑は暗に喜び、月英と別れて戻り、文広を捕らえる作戦を決めた。 文広が軍を連れて宜都山の前まで来ると、たちまち前方に一つの軍勢があって道を阻んでいるとの報せ。文広が進み出て、問うて言う。 「私は天子の勅令を受け、東岳へ香を届けに行く者だ。そなたは何者か。どうして道を阻むのか」 その部隊から美貌の少女が進み出てこれに答えた。 「私は宜都山の竇天王の娘で、ここを守っている者よ。もし旅人や商人がここを通過するときは、まず若干の通行料を置いて通ることになっているわ。このことを知らないの? あなたは何者?」 「私は先に儂王天子を捕らえて帰国した、先鋒の楊文広だ」 「その蛮族を捕らえることはできても、私の宝刀を受けきれるかしらね」 文広は大いに怒り、槍を引っさげて錦姑に向かった。錦姑は馬を進めて数合を交わした後、絆馬索を放って馬の脚を絡めとり、力をこめてぐいと引く、すると馬は倒れて文広を地面に放り出した。すると山賊たちが一斉に打ち出て文広を捕らえてしまった。魏化が救援のために慌てて出てきたが、錦姑が矢を放って彼の馬を射ると、魏化もまた地に投げ出された。錦姑は魏化を放っておき、文広を縛って連れ去った。 塞に戻って錦姑が座って休んでいると、山賊たちが文広を引っ立てて前に立たせた。錦姑が文広を見てみると、顔は白粉を塗ったよう、唇は朱をすり込んだよう、捕らえられてなお威儀を保っている。心の底で思わず喜び、ついに山賊たちに結婚のことを話させた。ところが文広は、 「私は堂々たる天子の婿だ。どうして山野のカラスと連れ合いになることがあろう。死んだほうがましだ」 ととりつくしまもない。錦姑は怒って、 「虜囚の身で何を言っているのやら。今は殺さないで、ただ閉じ込めておきましょう。朝廷に知られたところで、なにができるわけでもないし」 と言うと、文広は犬と罵り、錦姑に頭突きを見舞おうとした。錦姑は山賊たちに命じてその手足を厳重に縛らせた。 その後、密かに山賊たちに、 「彼に傷をつけたりしてはいけないわよ。私に計算があるから、彼が結婚のことを承知しないからって、心配することはいわ」 と言いつけた。山賊たちは承知して、文広を床に転がしておいた。 それからまもなく、塞の外で地を揺るがすような声がした。錦姑が出てこれを見てみると、まさしく魏化である。 「この前は助けてあげたのに、またやって来るなんて、大胆なこと」 「話をする必要はない。小将軍を返してもらおう」 「もう煮てしまったわ」 魏化は怒って、真っ直ぐに錦姑に向かって行ったが、数合を交えただけで捕らえられてしまった。山賊たちが彼を塞へ引きずっていった。錦姑は自ら彼の縄を解いて言った。 「あなたを捕らえたのはね、仲人になってもらうためなのよ」 「どういうことだ?」 「私は楊さんと結婚したいんだけど、この話をしても私の身の上を嫌って、承知してくれないのよ」 「そんな馬鹿な話があるか! あの人は朝廷の婿だぞ。まだ婚約しているだけだから、知らないのも無理はないが」 「私が第二夫人になれば、問題はないでしょ?」 「――まあ、俺が将軍に話してみよう」 魏化が塞の中へ入ってみると、文広が手足をきつく縛られ、床の上に転がされていた。 「小将軍、おいたわしや!」 「魏化、どうしてここへ来たんだ?」 「先に小将軍が落馬したのを見、助けようと思いましたが、弓で射られ、落馬させられてしまいました。馬を換えてもう一度戦いにきましたが、捕らえられてこの有様です。――あの娘は結婚のことを話していましたが、どうするつもりですか?」 「どうやって結婚できると言うのだ。宮廷へ戻ったら罪に問われるぞ」 「私もそう思います。しかし今、頑強に拒み続ければ、おそらく生かして帰してはくれないでしょう。物事の順序に従い、彼女を第二夫人になさればよろしいでしょう。なお朝廷から咎めがあれば、私が弁護いたします」 文広はしばらく考え込んでいたが、ついに承知した。魏化がこれを錦姑に告げた。 「小将軍は承知した。しかし、後で文句を言っては困るぞ」 「何のこと?」 「上下のことだよ」 「私は宮仕えした人間じゃないけれど、礼儀は心得ているわ」 そこで山賊たちに命じて大いに酒宴を開き、夕方には文広と夫婦になったのだった。 月英、怒りて錦姑を攻む 翌日の早朝、文広が錦姑と別れて東岳へ向かおうとしていると、たちまち塞の外に喚声が上がった。文広が馬に跨って出て行ってみれば、またしても一人の佳人である。 ――どうしてまたこんな目に遭うのだ。 頭を抱えてそう思ったが、とりあえず槍を手にして言った。 「私は大宋の皇帝の勅令を受け、進物を納めに行く者だ。そなたは何者か。どうして道を阻むのか」 月英が言った。 「あなたが楊文広将軍かしら?」 「そうだ」 「ではあなたはあたしの旦那さまね! あなたと戦うつもりはないわ。そっちのあばずれに、出てきて技を比べるように言ってよ!」 文広はこれを聞き、もはや言葉も出さずに馬を駆って月英に打ちかかった。月英はこれを迎え撃ち、数十合に渡って戦ったが、勝負はつかない。魏化が助太刀に出てさらに数十合戦ったが、やはり決着はつかなかった。文広はさらに戦おうとしたが、錦姑が止めたので、軍を収めて塞に戻った。 錦姑が言った。 「月英の力量は私の十倍以上だし、頭も切れるわ。彼女とも結婚しておかないと、後々の災いになるかも」 文広はもはや諦めの境地で、 「では、そのことをどう報せたものだろう」 と言う。錦姑は魏化に行ってもらうように勧めた。 翌日、魏化は月英の陣営を訪れ、この事を告げた。 「憎らしいわね、あたしを騙そうと言うんでしょう」 「もし錦姑どのが昨晩強く勧めなかったら、楊先鋒も承知しなかっただろうな」 「確かに承知したなら、楊さんには一人であたしの陣営に来てもらいましょう。そうしたら軍を退くわ」 魏化が戻って文広にこのことを伝えると、文広は錦姑に別れを告げた。錦姑は涙をふるって言った。 「またいつか。どうぞ田舎者の私をお嫌いにならないで。私に白頭の嘆を抱かせないでくださいね」 文広は答えた。 「どうしてそんなことがあろう。私は王允らとは違うぞ」 それから文広は一人で月英の陣地に向かった。 月英は迎えに出て、大いに喜んで言った。 「旦那さま、迎えに出るのが遅れました。どうぞご寛恕くださいな」 文広が月英を見ると、化粧は薄く、眉は整い、口中には白い歯が並んでいる。密かに思うよう、 ――世間にはこれほどの美少女がいるものなのか! 月の仙女の美貌は無双だと言うが、見たところ、あるいは彼女なら並びえるかもしれない。 文広は非常に嬉しくなり、ついに焦山まで同行した。その晩、月英は大いに宴を設け、文広をもてなした。 翌日、文広は月英に言った。 「君の愛が厚いのは分かってる。でも私は聖旨を奉じて東岳へ行かなければならない。期日に遅れれば穏便にはすまされないからな。まずは先に君が奪ったという宝物を返してもらえないか。そして再会の日を待とう」 「本当は何日もここに留まってほしいんだけど、君命を軽んじるわけにはいかないわね。だから無理に留めはしないわ。でもあたしは死ぬまであなたを旦那さまにしておきたいの。忘れないでね」 文広は心臓を指して、 「君の心を捨てることがあれば、天が罰するだろう」 と言った。 それから月英は小娘を呼び、三種の宝物を持ってこさせた。――この三つの宝とはどんなものか? 一つは万年経っても消えない青叢灯、一つは吉凶を占う玉の筒(これを叩けば籤が出て吉凶を示してくれるのだ)、それに夜光の珠である。文広はこれらの宝物を収めると、月英と別れ、軍勢を連れて東岳へ向かって旅立ち、やがて燕家荘へ到着した。 燕家荘の前には大きな谷がある。鮑大登という人がいて、身の丈一丈(2メートル30センチ)、生きた牛から角を引き抜く怪力の持ち主である。燕皇帝を自称し、海賊行為を働いていたが、官軍は捕らえることができないでいた。彼の夫人は江氏。三男一女があり、息子たちはそれぞれ太卿、少卿、世卿、娘は飛雲といい、みな勇力があった。数万の無頼漢を率いて燕家荘にたむろしているのだった。 この時、鮑大登が江氏と談笑していると、たちまち飛報を告げる者があり、宋の朝廷が東岳へ進物を納めに人を遣り、今この地を通過するので、部隊を繰り出して宝物を奪い取ろうと言ってきた。 「太卿と少卿は海へ行っているから、わしが奪ってこよう」 と大登は言ったが、世卿は、 「いや、俺にお任せください。進物を奪うなど、袋の中のものを取るようなものです」 と豪語し、ひらりと馬に跨って、無頼漢どもを引き連れて出発した。 文広の軍に遭遇すると、世卿は言った。 「さっさとその宝を置いていけ、そうすれば好きな方向に通してやろう。嫌なら生かしては帰さんぞ!」 これを聞き終わるや、文広は激怒し、矛を振りかざして世卿に突進した。世卿も馬を進めて迎え撃ったが、数合を交えた後、文広が鞭を振り上げて世卿の左肘を撃ったので、痛手を受けて逃げ帰った。大登はこれを見て、槍を手にして出て行ったが、十合打ち合った後、やはり敗れて逃げ戻った。大登は悶々として喜ばなかった。 飛雲は父が敗れて帰ったと聞き、慌てて尋ねた。 「これほどの勇者とは、来たのは誰でしょう?」 大登は答えた。 「名は問わなかった。ただお前の兄が鞭で一撃されたので、わしも出て行って戦ったのだが、こうして早めに逃げ出さなかったら捕らえられるところだったわ」 「父さん、ここは計略を用いるべきです。蛮勇を頼みにするのは無益だわ」 「来たのは美貌の少年だ。子供だと思って不覚をとった」 「私が出て行って戦ってみます」 「気をつけて行けよ、彼は槍法に長けている。もし彼を捕らえてお前の夫にできたなら、わしは満足なのだが」 飛雲は恥じらってそれ以上答えず、馬に乗って出陣し、問うて言った。 「将軍、あなたの名前は」 「私は征蛮元帥の子で、先鋒の楊文広だ」 飛雲は文広の容貌が美麗なのを見、また楊家の子弟であると聞いて、密かに思うよう、 ――父さんの言葉は間違ってなかったわ。 そこで言った。 「あなたも『悪竜さえ蛇とは争わない』ということわざを聞いたことはあるでしょう。あなたが私たちの土地を通るなら、多少に拘らずに礼物を献上して通るべきではありませんか? それなのに無礼を働き、豪勇を恃みに無理矢理道を切り開くなんて、何か得があるかしら」 文広は聞き終わるや大いに怒って、真っ直ぐに馬を駆った。数合に渡って戦ったが、飛雲は力及ばず、馬を返して谷のほうへ走った。文広は、 「賊の小娘、どこへ逃げる!」 と叫びながらこれを追った。 飛雲はいつも馬に谷を飛び越す調練をさせていたので、馬は跳躍に熟達していた。そこで文広を引き寄せたのである。ついに谷まで至ると、馬に鞭をくれてひらりと跳び越えた。文広は飛雲が誘っているのだと悟らず、谷のところまで来ると同じく馬に一鞭をくれて跳び越えさせたが、馬は中途でいななきを残して谷に落ちた。魏化が慌てて救援に向かったが、大登に阻まれた。飛雲は文広が谷に落ちたのを見ると、水練に長けた無頼漢にこれを捕らえさせた。飛雲は文広を傷つけないように命じると、馬を返して先に塞へ戻り、母親と結婚のことを相談した。 文広、飛雲と親と成る さて飛雲が文広を捕らえて塞へ戻ると、江氏が出迎えて言った。 「あなたがこの将を捕らえてきたから、先に負けた父さんや兄さんの恥も雪がれたというものだわ」 「恥のことはこれで済んだけど、もう一つ話しづらいことが……」 「母さんに話せないことがあるわけ? ほら、言ってごらんよ」 飛雲は話しかけたが、また口をおおってしまい、ただ照れ笑いをするだけだった。 「ああ、この人を捕らえてきた本当のわけは、お婿さんにしようというわけね」 飛雲はうなずいて、 「彼は楊家の人だし、年頃も丁度良いから……」 「父さんが帰ってきてから話しましょう」 やがて大登が戻ってきて、江氏は側に座った。部下が楊文広を引っ立ててきた。江氏が見ると、容姿美麗なことは冠玉のようである。思わず喜んで、婿に相応しいわとつぶやいた。大登が問うた。 「捕らえられてきて跪かないのは、どういうわけだ」 文広は答えた。 「私の膝は金石よりも堅い。ネズミ野郎などに屈するものか」 大登は激怒し、剣を引き抜いて殺そうとした。江氏は遮って、 「この人は楊家の子弟です。留めて飛雲の夫にしたいと思いますが、あなたはどう思し召します?」 と言った。そこで大登は剣を投げ捨てて笑い、 「婿どの、怖れることはない」 すでに日は暗くなっていた。大登は文広の返事を聞かず、その縄を解き、飛雲を呼びつけて、この事を天地に告げた。 飛雲が出てくると、大登は跪くよう命じた。文広は従わなかったが、大登はその頭を押し付け、無理矢理跪かせた。文広は諦めて思った。 ――またしてもこのような目に遭うとは。従わなければ生かして帰してはくれまい。承知するほかない。 そこでついに跪いて舅を拝した。このことが終わった後、文広と飛雲は部屋へ入り、夫婦の楽しみを尽くしたのだった。 翌日、文広は大登に告げて言った。 「舅どのの厚恩には感謝に耐えませんが、婿は詔を奉じて宝物を納めに行かなければなりません。期限もあることですから、先へ進みたいと思います」 「臣たる者が忠節を尽くすのは当然のことだが、お前の妻はどうするつもりだ」 「復命の後、人を遣って迎えることにします」 「いや、わしが送っていこう。娘は傷のない璧だったが、お前が点をつけたのだ。白髪になるまで節を守れ、見捨てることがあってはならんぞ」 「婿は軽薄な者ではありません。二言はありません」 「では娘に別れを言ってこい」 そこで文広は部屋へ戻り、飛雲に別れを告げた。飛雲はしばらく押し黙っていたが、やがてため息をついた。 「何をそんなに悲しんでいるのだ」 「こんなに早くあなたと別れることになるのは、縁がなかったからに違いありません」 「そうじゃない。天子の命令を受けているのでなければ、軽々しく別れたりするものか」 「一緒に行ってはいけませんか」 「いや、それはまずい。進物を捧げに行くのだから、身は綺麗にしておかねば。女を同行するわけにはいかない」 「どうしたものでしょう」 「都へ帰ったら、人を遣って迎えるから」 「どうか私のことを憐れと思って、忘れないでいてくださいな」 「何を言っている、心配無用だ」 「外まで送っていきましょう」 飛雲は文広とともに庭に出て、父に告げて言った。 「楊さんを外まで送っていきます」 「婿どのが負っている役目は重大だ。間違いのないようにな」 この言葉が終わると、文広は大登・江氏と別れ、飛雲を伴って去った。 塞を出ると、飛雲は両目から涙をこぼした。文広も不覚の涙を禁じえず、語りかけた。 「君とはもう別れなければならないが、どうしてこの悲しみに耐えることができよう。もしこの後、私からの音信がなかったなら、それでもまた会おうと思ったなら、焦山の杜月英・宜都の竇錦姑と合流し、三人で都を訪ねるといい。金水河近くの無佞府が私の家だ。真っ直ぐそこへ向かえ」 「無佞府へ行っても、あなたの家の人が入れてくれないと思いますが、どうすればよいでしょう」 文広は金の簪を取って飛雲に与えた。 「もし私が不在でも、それを見せれば入れてくれないことはない」 「宜都と焦山の二人は信じてくれないと思いますが、どうしたものでしょう」 文広は鴛鴦綉袋一つを解き、飛雲に渡した。 「これは月英から貰ったものだ。これを見せれば不信はあるまい。君と私はもう夫婦の仲だ。いずれまた会う機会もある」 飛雲は悲しみに耐えなかったが、ついに道を分かって帰った。文広は飛雲と別れた後、軍営に戻り、魏化に事情を知らせた。魏化は言った。 「これは天の縁で、将軍が生まれる前から定まっていたものでしょう。仇敵の家とでも、必ず成就するはずです」 それから文広は軍を率いて再び出発した。 数日を経ずして、東岳へ着いた。文広は魏化に言った。 「兵士たちは山下に駐屯させ、私と君は斎戒沐浴して三つの宝を聖帝に献上し、誠意を見せるとしよう」 翌日、文広と魏化は沐浴が終わると、宝物を捧げ持ち、一歩につき一拝し、大帝の面前へ至った。青叢灯をかけ、玉筒を安置すると、文広は「夜光の珠は大帝の手にかけるとしよう」と言い、自ら案に登ってかけた。それから二人は礼拝して香を捧げた。それが終わると、魏化とともに建物の中を巡って見物し、感嘆して言った。 「霊山の景勝は、まさに趣の尽きないところだ」 文広がそれぞれの部屋を見てまわると、道士たちはみな容姿秀麗で、飄然として神仙のようである。そこで、 「我々は矛を持って戦い、いつも驚き怖れている。こちらは大変よいところだ。我々は、ここの人たちのように、悠々と遊んで天地の高下を知らないのに及んでいない」 と言った。 文広が嘆じていると、道官が食事を勧めてきた。食事が終わると、文広は山の景色が見たいから、そなたたちは退いてくれと言った。道官たちはおのおの去っていった。 文広は魏化とともにある峰に至った。その峰は険しく聳え立ち、高さは諸峰を圧倒している。文広はその峰に、石殿があるのに気づいた。殿の門上には「天下第一高峰」と書いてある。ややあって空が暗くなり、雨の降りそうな気配がし始めた。 魏化が言った。 「雨が降ったら、どこで雨宿りしましょうか」 文広が答えた。 「この石殿の門を開けて、中で雨を避けたらどうだろう」 そこで魏化が石殿の門を押してみたが、少しも動かない。 「開かないようですが」 「力を入れて押してみてくれ」 魏化は全力で押したが、やはり開かない。 「私も試してみよう」 文広が押してみると、音が聞こえた。「開けられそうだぞ」と言い、両手でもって押すと、山崩れか霹靂のような音がして、門が開いた。魏化は文広の大力に肝を冷やした。 中へ進もうとすると、たちまち矛を手にした二人の武士が現れて文広らの両脇に立ち、一喝した。 「大胆にも禁門を開けて中に入ってくるとは、何者ぞ」 「天子の命を受け、香を進めに来た者です」 言葉が終わらないうちに、今度は文官が出てきて、言った。 「聖帝が将軍とお話したいと仰っておられます」 文広らは彼に従って後殿に入り、ひざまずいた。 「臣が楊文広でございます。本日は旨を受けて魏化とともに香を進めに参り、遊玩してここに至りました。雨を避けんと思い、みだりに禁門を開けたのです。どうぞ罪をお許しください」 帝は答えた。 「そなたたちの罪を許そう。顔を上げるがよい」 二人を側に座らせ、側近に命じて茶と桃を与えたが、文広と魏化は敢えて食べようとはしなかった。帝は言った。 「その桃は非常に貴重で、味は極めて良い。かつて西王母が漢の武帝に桃を献じたことがあったが、これと同じ種類のものだ。まずは試してみよ」 二人はようやく桃を食べたが、その香り高さと甘さには比類がない。茶を飲み終わると、今度は酒が出され、それぞれが三杯飲んだ。帝は言った。 「楊どのは、惜しいことによき連れ合いに出会われたため、優れた境遇を傷つけることになった。そうでなければ、真果を得ることもでき、凡世に生まれて奔走することもなかったろう。だがこれも前世の縁で、棄てることはできぬ。魏化は凡人だが、主君に忠義であったから、今日は楊どのとともに飲食できた。この益は少なくはないぞ。この後、好きなように変化し飛翔することができるようになるだろう。そなたたちが労して香を進めに来たから、こうして真心で答えるのだ」 二人は辞して殿を出、門外へ来た。文広は言った。 「帝は意のままに変化できると言っておられた。私は鶴に化して前の山まで飛んでいってみよう。君は後からどんな鳥にでも化けてついてくるといい」 文広が身を揺すって跳躍すると、一羽の鶴となり、前の山へ向かって飛んでいった。しばらく待ったが魏化が追ってこないので戻ってみると、魏化は三尺も飛び上がっては地に落ちてしまう。文広が問うて、 「君はどうして飛べないんだ?」 と言うと、 「分かりません」 との答え。 「同じものを飲み食いしたのだから、君だけ飛べないなんてことがあるか。さてはあの仙桃の種を呑み込んでいないのだろう」 「帰ったらまこうと思いまして」 「帝が君を凡人だと言われたが、やっぱり君の心は凡俗だ。そんなことじゃ飛び立つことなんかできないぞ。さっさと呑むんだね」 「凡人ですから、呑んだら死ぬかもしれません」 「どうせ百年も生きられやしないんだ。死を恐れてどうするんだよ。呑め呑め!」 魏化は無理に飲み込んだ。文広は声をかけると、魏化の手を取って飛び上がり、さっと山へ飛んでいった。地に降りて立ち、元の姿の戻ると、魏化は言った。 「落ちて死ぬかと思いました」 「死を恐れる心こそ凡心の極なるものだ。道を学ぶのが難しいのも凡心のせいだ。君は早くこれを棄てて、私とともに真果を得るべきじゃないか。道に迷って真性を失ってはいけない」 翌日、文広と魏化は東岳を辞し、軍を率いて都に戻った。一日もしないうちに都に到着し、文広は仁宗に奏上した。仁宗は喜び、楊宗保を無敵大元帥・宣国公とし、楊文広を無敵大将軍・忠烈公とし、楊宣娘を魯国夫人とし、魏化を殿前都指揮使としたほか、功績によって文武の官を昇格させた。また文広に命じて長善公主との結婚を果たさせたが、これについてはさておく。 さて狄青は毎日楊宗保を恨み憎んでいたが、また宗保の一族が封を受けたのを見て、 「老賊め、わしの恨みはいつ晴らすことができよう」 と言い、腹心の家僕で師金という者を呼ぶと、 「わしが以前南蛮を征伐したとき、宗保の老いぼれに辱めをうけた。奴を殺して恨みを雪ぎたいが、お前、何か策はないか」 と尋ねた。師金は難色を示して、 「宗保は朝廷の信任厚い人物ですから、旦那さまが彼を殺すとなれば、後難は避け難いでしょう」 と答える。すると狄青は怒って、鉄錘を手にして怒鳴った。 「お前、殺されたいのか?」 逃げた師金を追って後園まで走っていった。師金は密かに思うよう、 ――今は適当にごまかしておこう。でなきゃ殺されるから。 もう後園に来ていたが、師金は一計を案じて、跪いて言った。 「旦那さま、怒りを休め、私の話をお聞きください」 「何を言おうというのだ。お前を千日も養ってきたのはこの日のためなのに、かえって他人の威風を恐れて忠心を曲げるとは」 「はかりごとは機密に行わなければ災いを招くと言うではありませんか。旦那さまが大声でそのようなお話をなさるものですから、楊家に報せに行く者が現れるのを恐れたのです。楊家の者たちが、旦那さまが私情でもって人を殺そうとしていることを明らかにすれば、朝廷で彼とともに奏上する者も多うございましょう。その時悔いても遅いのですぞ。旦那さまを怒らせたのはこういうわけです。今はここまで来ましたから、申し上げましょう」 それを聞いて狄青は喜び、 「なるほど、お前の話には理が通っている。では聞くが、いかなる策略で楊宗保・文広親子を殺すのだ?」 「先ほど旦那さまは私を打ち殺そうとなさいました。まずは私を追い出してください。それから私は楊家に投じ、機会を待って楊宗保を殺し、証拠も消します」 「妙計だ!」 そこで狄青は師金を追いかけるふりをし、大声で罵り散らし、家人に命じて追い出させた。師金はすぐに楊家へ向かった。 この時、無佞府の中では大いに宴が催されており、燭台はきらめいて、文広と長善公主の結婚を祝っていた。屋敷の者たちはみな大いに飲み、泥のように酔いつぶれていた。師金は宗保の部屋に辿り着き、梁上に潜んだ。宗保が客との飲食を終えて部屋に戻ってくると、冠を脱いで床に寝転がったが、梁上に人をいるのに気づいて、言った。 「梁上の君子よ、そなたの望みは金かな? それともわしの首か? まずは降りてきなさい、相談しようではないか」 師金は聞いて、転がり落ちるように宗保に跪いて、事情を告げた。 「私は狄太師の家僕の師金です。太師に命じられ、刺客としてやって参りました」 「結構。わしの首をくれてやろう」 「老旦那さまが私を殺さないのでしたら、どうして私にも義に背く真似ができるでしょうか」 そこで遂に狄青が宗保を謀殺しようとしたこと、自分がそれを承知しなかったことを逐一教えた。そして、 「老旦那さま、どうぞ計略をもって私の命を救い、狄旦那さまの復讐の心を静められますよう」 「わしは死んだことにしよう。そなたは帰って狄青に報告せよ。それでことは収まる」 師金はその策に従い、夜の中を逃げ帰って、狄青に知らせた。 「楊家は婚姻のことがありましたから、宗保さまは酔いつぶれており、私は彼を床の上で刺し殺しました」 「まずは一人だな。次は文広だ」 この話はここまで。 さて宗保はこの日に多量の酒を飲んだため、夜半に至ると身体の調子が優れなくなり、急いで文広を呼んで後事を託した。文広は問うた。 「父上、何か不安がおありですか?」 「さきほど狄家の家僕の、師金という者がわしを殺しに来た。わしは殺せと言ったが、彼は泣いてできないと言ったので、わしは彼に助かる道を教えてやった。つまり私は彼に刺し殺されたことにしたのだ。その後、寝ていたら、陛下が武士にわしを斬るよう命ぜられているのを夢に見た。今にして思えば、この運命を逃れることは難しく、生きようと思っても無理であろう。狄青はのちにきっとそなたを殺そうとするぞ、気をつけろよ」 言い終わると、痰を咽喉につまらせ、間もなく亡くなった。翌日、朝廷に宗保の死を奏上すると、朝廷は文広に葬儀を任せた。 三女、都へ赴き夫を尋ねる さて、大登はいつも飛雲を都へ送っていきたいと考えていた。ところが嵐のために太卿と少卿が海で溺死し、世卿は崖から転落死するといった具合に、立て続けに不幸が起きた。このため大登は悲しみから血を吐いて死んでしまう。飛雲は母の江氏と相談して、言った。 「父さんも兄さんたちも亡くなってしまったから、この土地は居心地が悪いわ。楊さんのところに行こうと思うの」 「あれから日にちも経つし、心変わりしてなきゃいいけど」 「彼は別れるときに匂い袋を残してくれて、焦山の杜月英・宜都の竇錦姑とともに都へ訪ねてくるように言ってくれたわ。これだけ誠意を尽くしてくれたのだから、軽々しく心を変えることはないと思う」 「そういう約束があるのなら、早速行こうじゃない」 そこで二人は塞は焼いてしまい、焦山を目指して出発した。 焦山に到着すると、杜月英が馬に乗って出てきて、尋ねた。 「あなたたちは何者? 兵を連れて出てきたわけは?」 「姉上は月英さんじゃないですか?」 「そうだけど」 「前に楊さんは、あなたを連れて都を訪ねるように言い残して行きました。姉上のお考えはいかがです? 一緒に行きますか?」 「まずあなたの名前を聞かせてもらいましょう。楊さんがどうしてそんなことを言い置いて行ったかもね」 「私は鮑飛雲です。楊さんは別れるときに、姉上が贈られた鴛鴦綉袋を私に預け、姉上と宜都の竇錦姑さまを同行して来るように言われました。そこで今日は姉上をお誘いするため、ここにやって来たのです」 月英はこれを聞いて涙目になり、思わず言った。 「楊さんと別れてから、随分日が経ってしまったわ」 「とりあえず今晩は、妹を塞で休ませてください。そして明日、宜都へ行きましょう」 そこで月英は飛雲を塞へ招いた。翌日、月英は準備を整えると、山塞を焼き払い、飛雲とともに宜都へ向かった。 月英らが宜都に到着すると、山賊は錦姑に、 「どこからか軍勢が現れました!」 と慌てて報せた。錦姑がそこで馬に跨って出て行くと、軍を率いているのは月英である。思わず笑って、 「この小娘! 今日、兵を連れて騒ぎに来たのは、またここに楊さんを閉じ込めていると思ったからでしょう」 と言うと、月英も笑って、 「抜け駆けされて楊さんを先に取られてしまったから、今日はその罪を問いただそうと思ってね」 「そっちの女の子は誰?」 「これも楊さんのいい人よ」 「宋の太后は、『蓮の花は楊文広には劣っています、なぜなら楊文広は言語を理解しますが、蓮は理解しませんからね』と言っていたそうだけど、確かに蓮は楊さんには及ばないわ。そうでなければ、その子が引っかかるわけもないからね」 これを聞いて飛雲は顔を真っ赤にして言った。 「そんなことはいいですから、まずは塞を拝ませてください」 そこで錦姑は二人を塞へ招きいれた。 挨拶が済むと、錦姑は、 「二人は今日、何事があって訪ねてきたのかしら?」 と尋ねた。月英が答えて、 「姐さんはさっき楊さんのことを言っていたけど、その楊さんのことで来たのよ」 「というのは、どうした経緯があってのこと?」 「楊さんと別れて二年、全然音沙汰がないものだから、姐さんと一緒に訪ねていこうと思ってね」 「あの人の母上・穆桂英さまは厳格な人だし、もし楊さんが不在だったら、家に入れてもらえないわよ。楊さんは軽薄な男じゃないんだから、待っていれば必ず迎えに来てくれる。行く必要はないと思うわよ」 すると飛雲が言った。 「私も心配でしたが、楊さんから証拠の金の簪を預かっていますから、これを見せれば入れてもらえないということはないでしょう」 「なるほど、それなら……。でも、都へ大勢を連れて行くわけにはいかないわね。みなを解散させて、見所のある者だけを同行しましょう」 そこで月英・飛雲が連れてきた無頼漢たちを解散させ、数十騎のみを率いて、三人で都へ向かった。 数日して彼女たちは都へ到着し、無佞府を訪問した。錦姑が手下を遣って、 「我々は文広将軍の親戚の者です。どうぞお報せください」 と言わせたが、門番は、 「夢は寝てから見ろ、文広将軍に外からやって来る親戚があるものか」 とけんもほろろに追い返した。手下が戻ってきて報告すると、錦姑は馬から下りて自ら門番に問いかけた。 「兄さん、文広将軍は在宅でしょうか」 門番は錦姑の風貌が美しいのを見て、戯れに言った。 「将軍がいたらどうなんだ? あの人とどんな話をするんだい?」 錦姑は怒って、 「無礼な! 将軍に会ったら、まずそなたの首を刎ねるぞ」 と言った。門番は錦姑の話しぶりが凶悪になってきたのを見て、何か事情があるのだろうと思い、 「失礼しました。将軍は外出しておりますが、晩には戻られます」 と言った。 「では母上に報せてください、親戚の者がやってきて、門外で待っていると」 そこで門番は中へ入り、穆桂英に報せた。 「外に何人かの人が来て、楊将軍の家の者だと言っております」 「あの子が結婚したなどという話は聞いてないわ。都に楊を姓とする者はいくらでもいることだし、きっと家を間違えたのでしょう」 門番は出て行って、穆桂英の言葉を錦姑に伝えた。錦姑は金の簪を取り出し、門番に渡して言った。 「これは楊将軍が離別のときに残していったものです。これを母上にご覧いただけば、はっきりするでしょう」 門番は簪を取って穆桂英に告げた。 「これは私が持っていたものだわ。前にあの子が南蛮征伐へ行くとき、髪を束ねるために渡したのよ。これを持っているなら、きっとなにか事情があるのでしょう。彼女たちを招きなさい、文広が戻ってきたら、わけを聞いてみます」 こうして遂に門番は三人を無佞府へ招いた。錦姑は月英・飛雲とともに府の中へ入った。門の外でこれを見ていた人たちは、口々に「あの三人の娘は、まるで観音様のようだ」と言い合った。 錦姑たちは中へ入って控えた。穆桂英が出てくると、三人は挨拶して、 「母上の万福をお祈りします。長らくお目にかかれませんでしたが、どうぞ罪をお許しください」 と言った。穆桂英が驚いて、 「そなたたち、どうしてそのような挨拶をするのです?」 と尋ねると、錦姑はこれまでの経緯を説明しようとしたが、たちまち門の外で声がして、楊文広が帰ってきたことを報せた。文広が入ってくると、錦姑たちは拝して、 「旦那さま、お変わりはありませんでしたか?」 と問うた。 「すこぶる平安だったよ」 と文広は答え、母である穆桂英に三人のことを一々知らせた。そこで桂英は家人に命じ、酒を出して三人の娘をもてなさせたのだった。 さて長善公主は、文広が咲きに賊の娘三人を娶ったことを聞き、急いで文章を書き、翌日の早朝、これを奏上した。 「文広は聖意に背き、三人の強盗の娘を娶りました。罪は棄市にあたりましょう」 仁宗皇帝は奏を見て大いに怒り、 「小僧め、無礼な真似で朕を欺きおって!」 と言い、兵士たちに文広を捕えに行かせた。宰相の包拯は文広を捕えると聞いて、慌てて奏上した。 「文広は聖旨に背きましたが、戦場での武功は絶大です。法司に委ねるべきではなく、必ず陛下の前で問い詰め、事情を調べねばなりません。もし本当に聖旨をないがしろにしたなら、その時刑罰を加えても遅くはありませんし、酌量の余地があれば、刑をお許しになるのがよろしいでしょう」 仁宗はこれを許し、文広を連れてこさせた。 文広が数十人の武士に捕えられてやって来ると、仁宗は罵って、 「無礼な小僧め、長善公主の婿でありながら、大胆にも先に賊の娘と婚姻したのはいかなる理由か」「臣には確かに罪があります。しかしやむをえない事情があったのです。魏化にお尋ねくだされば、お分かりになりましょう」 そこで仁宗は魏化を呼んでこさせた。すぐに魏化はやってきて、事情を一々奏上した。仁宗は聞き終わると、 「ではこれらの婚姻は偶然ではなかったわけか。包拯の言葉を聞かなかったら、忠臣を罰するところであった」 と言い、遂に文広の釈放を命じたのだった。 文広は衣を整えて恩を謝し、それから狄青が父と仇となった由縁、師金をやって暗殺しようとした次第などを仁宗に知らせた。仁宗は言った。 「老賊め、このように私情を挟んで人を殺そうとするとは、それでも社稷の臣といえるのか」 この言葉が終わると、文広は魏化に視線を送ってから、ともに奏上して、 「狄太師が私を憎むことは、深く骨髄に入っており、私の首を斬らないことには心が休まらないのです。私は陛下に忠であろうと願わないわけではありませんが、もし死んで首のない幽霊となったら、悔いても及ばぬことです。陛下、どうぞご竜体をお大事に。私は官職を返上し、人の世を棄てることに致します」 言い終わると稽首再拝し、ひらりと身を躍らせると、文広は一羽の鶴に、魏化は一羽の鴉に化け、天を衝いて去っていった。仁宗と朝廷の百官は驚嘆してやまなかった。仁宗は言った。 「文広は化して去ってしまった。もはやどこに忠心を尽くして朕を助けてくれるものがあろう。もし辺境に変事があったなら、誰に討伐させればよいのだ」 さて、楊家に文広が化し去ったことが伝えられた。長善公主は驚いて亡くなってしまって、一家のものはみな庭に出て哭した。するとたちまち文広と魏化が飛んで戻ってきた。穆桂英は文広が戻ってきたのを見ると、言った。 「文広、あなたは変化して去ったと聞いたのだけれど。長善公主は驚いて亡くなってしまったわ」 「若くして亡くなってしまうとは気の毒に。……みな、私たちが戻ってきたことは外には伝えないでくれ。今から後は天子の言葉を聞かず、家に隠れて念仏を唱え、時を削ることにする」 翌日、楊家は長善公主のことを朝廷に奏上した。仁宗はますます哀しみを募らせ、彼女を忠烈夫人に封じて手厚く葬らせた。無佞府の者たちが行った葬儀についてはさておく。 解題 本稿は明代の通俗小説『楊家府通俗演義』、通称『楊家将演義』の部分訳である。訳したのは巻七の後半部分で、作品全体ではこの二十倍ほどの分量になる。 『楊家府通俗演義』は、宋初の名将・楊業を始祖とする楊家五代の活躍を描いた作品で、作者はわかっていない。類似の作品に『北宋志伝』がある(こちらも『楊家将演義』と呼ばれるが、内容はやや異なっている)。とはいえ民間の伝説を集成したものなので、歴史小説と呼べる代物ではなく、描かれていることの大半は虚構である。 楊家将の故事は民間に広く愛されたが、『楊家府通俗演義』の小説としての完成度には相当に疑問符がつく(あたかも『三国志演義』に匹敵する作品であるかのように紹介する本があるが、とても比較にならぬ)。特にストーリーの構成は散漫である。ただ個々のエピソードには精彩があり、人をひきつけ、あるいは笑わせ、あるいは泣かせるに足るだけのものがあると言っても差し支えない。人物造型も生気があり、かつ独創的である。それは本稿で紹介した三人のヒロイン、竇錦姑・杜月英・鮑飛雲からも窺い知れるであろう。 底本には中華書局の「中華古典小説名著普及文庫」に収められている『楊家将演義』(2001年9月)を用いた。本作品は通俗文学とはいえ古典であり、訳者の技量も拙いことから、本稿には多く誤謬が存在すると思われる。謹んで有識者・読者の叱正を請う次第である。 省略個所を埋め、誤訳を訂正し、解題をつけました。省略を補填したといっても、かえって構成が散じてしまった気もしますが。 『泡』に掲載するのはこれです。
https://w.atwiki.jp/clockgrail/pages/46.html
――――夢を見ている。 夢だ。 芝居を見る夢。 芝居を演る夢。 自分は壇上に立っている。 スポットライトが壇上を照らしている。 真っ暗な観客席はがらんどう。 遠くに立派なお屋敷の大道具。 近くに鬱蒼と生い茂る木々の大道具。 これが夢だとわかるのは――――自分に芝居を演じた経験なんて、一度も無いから。 そして、この夢を見るのが初めてではないから。 嗚呼、そうだ。 知っている。 この夢の事を知っている。 この夢の主を知っている。 魔力のパスを通じて、あの従僕の記憶と夢で繋がって混ざっている。 そういうからくり。 サーヴァントの生前、あるいは魂の奥底にあるもの、そういうものの追体験。 そもそもにして、あのサーヴァントに本当に“生前”などというものがあるのか、疑わしいが。 それでもこれは確かに、サーヴァントの記録と己の記憶が混ざり合ってできた、つまらない悪夢に違いない。 スポットライトの熱が、肌をちりちりと焼いている。 熱い。 不快だ。 けれどその感覚は手足や顔よりも、胸の奥から湧き出ている。 焼けるように胸が熱い。 いや、あるいは本当に焼けているのか。 薪をくべ過ぎた暖炉のように、煌々と、ごうごうと、心の臓が燃えているのか。 そう思わせるほどに熱い胸を抑えながら、自分は歩を進めて行く。 ごうごう。 ごうごう。 風景が変わる。 炎に包まれていく。 閉じた幕を焼くように、がらんどうの観客席が炎に消えていく。 大道具が焼け落ち、暗い、暗い夜の中に飲み込まれていく。 嗚呼――――舌打ちする。 この夢は、混ざっている。 サーヴァントの記録と、己の記憶とが。 戦争の記憶。 いくつも越えてきた戦場の記憶――――ではない。違う。 ……そう、戦争の記憶。 これは、戦争の記憶なのだ。 自分は歩を進めて行く。 数多の景色が後方へと流れていく。 心臓が熱い。 風景が焼けていく。 ――――――――少女がいる。 キャンパスのように白い髪。 ありふれた学生服を着た、どこにでもいるような少女。 その姿が浮かんで、消える。 後方へと流れていく。 また浮かんで、消える。 いくつも、いくつも、その少女の姿が浮かんで、消えていく。 その少女は――――笑っていた。 泣いていた。 怒っていた。 笑っていた。 踊っていた。 笑っていた。 いくつもの表情。 その多くは無垢な笑顔。 世間を知らず、邪悪を知らず、けれどとびっきりに邪悪な、無垢の笑顔。 そのいくつもが浮かんで消える度に――――嗚呼、胸が、熱を帯びていく。 燃えるように。 焼けるように。 ごうごう、ごうごう、と胸が熱くなる。 その苦しみから逃れるように、歩を進めて行く。 歯を食い縛る。 脂汗が滲む。 時に敵であった少女。 時に利用していた少女。 そして最後には殺そうとして――――自分を殺した、あの少女。 その全てで、踊るように笑みを浮かべていた、あの少女。 残影が後方へ消えていく。 違う。 ふと気づく。 その全てが、消えぬまま光を放っていることに。 暗い夜の世界が、少女の残影が放つ光に食い破られていることに。 前を見る。 自分は動揺している――――怯えている? そこにはまた、最初にあったような立派な屋敷があり、そびえるようにバルコニーが見える。 バルコニーには、輝きがある。 白く、あらゆる色が混ざっていて、けれど白い、眩い輝きがある。 咄嗟に目を覆う。 熱い。 焼けるように。 あの光だ。 あの光が、自分を焼いているのだ。 けれど自分は、歩を進めてしまう。 己を焼く光を目指し、その肉体が焼け落ちながら、それでもなお、前へ、前へ――――あの光の下へ。 なんだ。 なんなんだ、あの光は。 まるで太陽のように眩く輝く、あの美しい光は―――――――――――― ◆ ◆ ◆ 「――――――――――――喰らいなさいッ!!!」 つららにも似た氷の刃が、次々と飛んでいく。 ロケットにも似て夜を切り裂き、目の前の男に飛んでいく。 刃の主は、女である。 古びた懐中時計を手にし、仮想の東京に呼ばれた女である。 魔術というものを知らず、しかしこの地に呼び出された際に才能を開花させた、女である。 幸いなことに、彼女には才能があった。 少なくとも、この聖杯戦争という殺し合いの舞台に必要なだけの才能が。 氷を“召喚”し、射出する魔術――――あまりに単純だが、しかし殺傷には十分な能力。 まだ扱いに習熟しているとは言えないが、けれど彼女には頼れる相棒もいた。 セイバー。 遠く古代ギリシャ、トロイア戦争に名を連ねる偉大な英雄。 不勉強な彼女はその名前を知らなかったが、神話の時代の英雄というものはただそれだけで上位の格を有する――――らしい。セイバー本人の弁だ。 ともあれ、“彼”との二人三脚。 始まった聖杯戦争。 主従の仲は良好で……実を言うとちょっとだけ、彼女はセイバーに惹かれていて。 そんな日々の、とある夜に―――――――――――― 「――――あまり暴れないでくれよな、お嬢ちゃん」 …………“彼ら”は、来た。 屈強で、大柄な、厚手のトレンチコートを着た男性。 日本人ではあるまい。 その予想の根拠となる、褐色の肌と闇色の短髪。 袖から覗く手と、外気に触れる顔には、複雑な紋様が刺青として刻まれているのが見える。 恐らく、コートの下にもそれは及んでいるのだろう。もしかすると、全身に。 年のころは、せいぜいが四十台といったところだろうか。 どこか虎を思わせるような、獰猛で威圧的な印象の男。 宝石のような紫色の瞳をして、つまらなそうな視線を向けている。 その男が軽く手で空を払うと――――氷の刃が、“何か”に阻まれてあらぬ方向へ逸れていく。 「あんたのセイバーは、中々有望な“選択肢”だったが……あんた方はどうにも仲が良さそうだし、バーサーカーがあれじゃあな……」 「くっ、この……!!」 続いて第二波、第三波。 次々と氷の刃を飛ばす。 その全てが、やはり“何か”に阻まれて逸れていく。 違う。 徐々に見えてくる。 見えてきている。 “何か”ではない。 「風……!?」 「おお、正解だ。よく分かったな」 風だ。 男の周囲に渦巻く風が、障壁となって氷を阻んでいる。 指揮者のように振るう手が、風の防壁を生み出している。 風を操る魔術。そういうもの。 ならば―――――――― 「なら、これで……ッ!!」 「ふむ。まぁ解答としてはそう間違ったものじゃあないが――」 頭上に作り出すのは、巨大な氷塊。 単純にして明快な回答。 風の防壁で逸らせないほどの、大質量を叩き付ける。 直径1mにはなろうかという大氷塊が夜闇を冷却し、十分な魔力を充填させて。 「……無駄だ。やめておけ」 「――――――――うるさいっ!!!!」 大砲のように、真っ直ぐに射出。 着弾。 轟音。 砕けた氷が大気を冷やし、冷えた空気がスモークを焚いて―――― 「――――――――――――もっと冷静に考えろ」 ………………。 いる。 立っている。 悠然と。 傷ひとつなく。 砕けた氷塊のすぐ傍で、男は当然のようにそこにいる。 「俺がそれをかわさない道理が今、どこにあった? そんな見え見えで大ぶりな大砲を、わざわざ喰らってやる趣味はないぜ」 歯噛みする。 子供を諭すような、叱りつけるような、そんな言葉。 その紫の瞳が無感情に、女を見竦めている。 女の顔がカッと熱くなる。 怒りか、羞恥か。あるいは戦闘の興奮か。 焦りはある。 心臓の鼓動を加速させるような、焦燥が。 「アンタなんかに、構ってる暇は……!!」 「…………心配か、あんたの王子様が」 「っ、うるさいッ!!!!」 めちゃくちゃに、乱暴に撃ちだす氷刃の嵐は……やはり、ひとっつも当たることは無く。 「なぁ……やめようぜ、お嬢ちゃん。わかってるだろ? 俺はあんたを傷付けるつもりはないし、あんたに俺を傷付けることはできない……意味が無いんだよ、こんなことには」 呆れたような声色。 腹立たしい。 悔しい。泣きたくなる。 子供を諭すような……ということは、子ども扱いをされているのだ、 事実として、それだけの年齢差があった。 恐らく戦闘者としての経験は、それ以上に隔絶している。 「俺たちは、サーヴァントの戦いが終わるのを待っていればいい。……あんたとしても、その方がまだ目があるんじゃないか?」 「それでも……私は、約束したから……!!」 それでも。 それでも、だ。 だからこそ、なのだ。 歯を食い縛る。 今こうしている間にも、セイバーは敵――――バーサーカーだというあの美青年と戦っているはずなのだ。 狂戦士という名にそぐわない美しさの、しかし確かに様子のおかしい、あのサーヴァントと。 助けに行かなくてはいけない。 あるいは、助けに来てくれるかもしれない。 いずれにせよ、ここで自分が戦わない理由はない。 約束したのだ。 一緒に戦う、と約束をかわしたのだ。 だから、退けない。 ここで退くわけにはいかない。 女はキッと力強く男を睨み、もう随分消耗してしまった魔力を必死に練り上げて、夢中で氷の刃を飛ばした。 「……約束、ね。“意気込み”の間違いだろうに……よくやるもんだ。皮肉だぜ、これは」 当然のように、それら全ては通用しない。 連打を狙おうと一撃を狙おうと、足を使ってかき回そうと軌道に工夫を凝らそうと――――その全てが無造作に、意味を成さずに拒絶されていく。 次はどうする。 次は、次は、次は――――――――そうして必死に頭を巡らせて、だから気付かなかった。 ……気付かなかったのだ。 それだけは絶対に、気付いているべきだったのに。 「おっと――――――――悪いなお嬢ちゃん。“時間切れ”だ」 言葉と同時に、男の姿が消える。 夜の密林に消える虎のように。 紫の眼光を残して、闇に溶け込むように男が消えていく。 灯火のように残った紫の光が、やはり灯火のようにかき消えて。 「なっ、に、逃げるな……っ!!」 慌てて追いかけようとする。 手当たり次第に氷の刃を飛ばす。 当たるわけがない。 わかっている。 どうする。 どうする。 時間切れ? 敵を逃してしまった。 追いかける――――否、否、否。 違う。 追いかけてどうする。 そうじゃない。 セイバーと合流。これが正解。 バーサーカーと戦っているであろうセイバーに加勢して―――― 「嗚呼――――――――――――待たせたね、『ジュリエット』」 その言葉は、歌うように。 「夜の闇の中にあって、都市の光よりもなお眩く僕を導く光。僕の心に行き先を示してくれる灯台の君」 そして、踊るように。 軽やかに、歓喜と共に、その青年は躍り出る。 月下に広がる暗い夜の中で、その暗闇をかき消すかの如き美貌と、熱量を胸にしながら。 頬を返り血で汚し、腰に細剣を佩いた、美青年が。 現れる。 近付いてくる。 歩み寄る。 激戦の痕跡をその身に写し、しかしそんなことはおくびにも出さないような、喜びと感謝に満ちた笑顔で。 ……セイバー、ではない。 違う。 彼は。 この男は。 「『あちらは東、ならばジュリエットは太陽だ! 昇れ太陽よ、妬み深い月の光を消せ!』……やはりキミは、僕のジュリエットだ」 「バーサーカー……ッ!!」 バーサーカー。 狂戦士。 あの男のサーヴァント。 彼女のことをジュリエットと呼び、熱病に浮かされたように甘い言葉を囁く気狂い。 「会いたかった……会いたかったよジュリエット。僕たちを結ぶ運命の糸を手繰り寄せ、今ようやく僕たちはまた愛を囁くことができる!」 青年は歌う。 さながらギリシャ彫刻のように美しい、金髪の青年である。 仕立てのいいシャツ、バラの刺繍をあしらったコート。 長いまつ毛がかかった瞳には爛々とした輝きが宿り、そのアンニュイな吐息にはえも知れぬ色気が混ざる。 上気した頬はルビーの煌めき、伸ばす指先は真珠の枝、歌い上げる声は天使の囁き。 それそのものが、その振る舞いの全てが、天上の芸術品であるかのような美青年。 「さぁ! 再び僕らは夫婦になろう! 僕は向日葵、キミという太陽の光を浴びる向日葵だっ!!」 歓喜の歌を奏でながら、青年は“彼女”に向かって手を伸ばす。 血に濡れた指先。 女は身じろぎして、たたらを踏むように距離を取る。 その血の主は、つまり。 「そんな……せ、セイバー……? セイバーはどうしたの……!?」 彼と戦っていたあの人は、今。 その名を出せばバーサーカーはその瞳を僅かに伏せ、目じりに涙すら浮かべた。 「セイバー……彼には悪いことをしてしまった」 嘆いている。 悲しんでいる。 悪いこと? なにを、という疑問はハリボテの伽藍洞。 知っている。 わかっている。 けれど自分が、認めたくないだけ。 「立場と行き違いが、僕らに刃を握らせた……パリスの時と同じだ。彼もまた、キミを守ろうとしただけであろうに」 パリス。 その名前はきっと、トロイア戦争の引き金になった英雄ではない。 彼が忌々しげに語った、牛飼いの王子のことではない。 この美青年の真名には見当がついている。 当たり前だ。 熱っぽい瞳で惚れた女を“ジュリエット”と呼ぶ美青年の名など、見当をつけるなという方が無理がある。 でも、違う、そんなことより。 「じゃ、じゃあ、セイバーは……」 「――――死んでしまったよ。僕の刃が彼の心臓を貫き、彼は塵のように消えてしまった……」 カッ、と。 怒りとか悲しみとか、色々な感情がない交ぜになって、一気に爆発する。 セイバー。 セイバー。 優しくて、強くて、かっこよかったあの人が。 死んだのか。 負けたのか。 せいぜいが中世の、創作物の、それもロマンスの主人公に過ぎない、この男に。 神話の時代、生粋の戦士として戦場を駆け抜けたあの男が、負けたというのか。 「嘘……嘘よ……!!」 「ジュリエット……優しい君よ。どうか許して欲しい。僕はまた、罪を犯したのだ。ティボルトを殺したように。パリスを殺したように……」 歌うように懺悔するバーサーカー。 どうする。 どうするも、こうするも――――セイバーはもう、いないのだ。 勝てるのか。 勝てるわけはない。 けれど、けれど……戦わなかったら、どうなるのだ? この男はきっと、自分のことを“運命の恋人”だと誤認している。 誤認している間は、まだいい。 けれどそれが誤認だと気付いた時――――この気狂いは、果たしてどんな行動を取るのだ? 恐怖。 それがゆっくりと、かまくびを持ち上げる。 もう、自分を守ってくれるセイバーはいないのだ。 急に裸で外に放り出されたような、焦燥と絶望と孤独。 どうする。 どうする。 一体どうすれば―――――――― 『――――――――助けてやろう、お嬢ちゃん』 「っ、!?」 ……女の耳を打つ、男の声。 先ほどまで戦っていた、獰猛な虎を思わせる紫の瞳の男。その声。 見渡せど、姿はない。 「……ジュリエット? どうしたんだい?」 どうもバーサーカーにも、聞こえていない。 「だ、だって、今……」 『あんたにしか聞こえてない。……風に声を運ばせてるんだよ。声ってのは空気の振動だからな。わかるか?』 風に、声を。 …………男は風を自在に操れるようだった。 他にも手札はありそうでもあったが……その能力の応用として、遠話を仕掛けてきているのか。 わざわざ、自らの従僕にも聞こえないようにする意味はなんだ? その疑問は予測済みと言わんばかりに、補足が入る。 『まぁお察しの通りだが……バーサーカーは少し不安定でな。俺はあまり刺激したくないし、恩もある程度売っておきたい。そしてあんたも、こいつに殺されたくはないだろ?』 殺される―――――――――――― ……当然だが、そうだ。 その可能性は、あるのだ。 彼は敵対するサーヴァントであり、気の狂った狂戦士なのだから。 マスターであるこの男がそう言うからには、そうなのだろう。 恐怖。恐怖。恐怖。 『――――――――そこで、提案だ』 その囁きは、果たして悪魔のそれか。 気さくに、淡々と、無感動に。 男の声は、闇の中から耳を打つ。 『俺はあんたの安全……バーサーカーや俺があんたを傷付けないように保証する。その代わり、あんたは俺に従う。……なに、こいつの茶番にちょっと付き合ってくれればいいんだよ』 「心配なのかい? ジュリエット……嗚呼、無理もない! 優しい君が、こんな恐ろしい戦いに巻き込まれてしまったのだから……」 二つの声が、同時に迫ってくる。 マスターの声が聞こえていないバーサーカーは、お構いなしに声をかけてくる。 頭が混乱してくる。 だというのに虎の男の声は、いやに胸に響いた。 バーサーカーは、何を言っているのかわからない。 『いつまでもって訳じゃない。まぁ一日ってとこか……それだけ付き合ってくれたら、俺はあんたを解放するし、その間のあんたの無事は約束する。悪い話じゃないだろ?』 「そ、そんなの……」 『断るなら……まぁ残念だが、しょうがねぇ。俺はバーサーカーの好きにさせるよ』 「嗚呼……そんなことは無い、と? ジュリエット……確かにそうだ! 僕もキミと共にいられるのなら、何も恐ろしくはない……!」 バーサーカーが勝手に盛り上がっている。 興奮気味に、女の手を握り締める。 力強く。 もう二度と離さない、と言わんばかりに。 ひ、と声が漏れた。 怖い。 怖い。 恐ろしい。 この狂人の手の中にあるのは、とてつもなく恐ろしい。 「誓おう……ジュリエット。今再び、僕はキミの中で生きよう。だからキミの魂も、僕の中に寄越してくれるだろうか。夫婦の契りを結ぼうじゃないか!」 『どうする? その気ならあんたは自分の名に誓って、魔術師として宣言すればいい。“私は貴方の提案した契約に同意します”、ってな』 至近距離で、バーサーカーの宝石のような瞳がこちらを覗き込んでくる。 それはどこまでも吸い込まれるような、深淵にも似ていて。 セイバー。 セイバー。 呼べば笑いかけて、守ってくれた貴方は、もういないと言うのなら。 せめて――――死にたくはない。 貴方が守ろうとしてくれたこの命を、捨てたくはない。 がちがちと震える歯を必死に宥めながら、今すぐ叫んで気絶してしまいたい衝動を抑えながら、女はゆっくりと、しかし力強く答える。 「わ、私は――――■■■■は、こ、ここ、この名前に誓って、貴方の提案した契約に、どう、同意、します……っ!!」 なんて無様な命乞い。 けれど助かるにはもう、これしかないのだ。 その宣誓をプロポーズへの答えだと認識したバーサーカーが、喜びに顔をほころばせる。 「嗚呼、ジュリエット……!! もう離さない、決して離すもんか!!」 力強く、けれど恭しく、そして情熱的な抱擁。 『――――――――ノクト・サムスタンプの名において、宣誓を受理する。ここに契約は成立した』 熱い。 胸が。 違う。 何か、体の奥底にあるなにかが、あつい。 『……魔術師が持ち掛けた契約に乗っかるってのはな、お嬢ちゃん』 あたまが。 ちがう。 意識が、なんだか、急に、ふわふわと、どこか遠のいて。 『“終わり”だぜ――――――――ありがとうよ、ド素人』 ひ、と。 声を、出そうとして。 出ない。 ちがう。 これは。 両腕が。 勝手にバーサーカーに抱擁を返して。 「『嗚呼――――ありがとう。私たちはまたこうして、夫婦になれるのね――――』」 知らない言葉を、口から出している。 なんだ。 自由が利かない。 言葉と体が、勝手に。 『――――――――契約条項、“あんたは俺に従う”。……じゃ、しばらく色男と遊んでやってくれや』 ――――嗚呼。 これが狡猾とすら呼べない、見え透いた罠だったのだと今更気付いて――――――――女の体は自動的に微笑み、狂戦士に愛を囁いた。 ◆ ◆ ◆ 夜明けと共に、“三人”は拠点として宿泊しているビジネスホテルに帰還して。 夫婦の仲に水を差すつもりはない、とノクト・サムスタンプはさっさと眠ってしまって。 それから――――太陽が頭上に差し掛かった頃にノクトが起床すると。 「――――――――――――恋と太陽は、いっそおぞましいほどによく似ている」 美青年……バーサーカーはアンニュイな嘆息と共に、窓から外を眺めていた。 陽の光を浴びながら窓の桟に腰掛けるその姿は、写真に撮ればひとつの芸術として美術館に飾ることも許されよう。 そんな、まさしく絵に描いたような美青年の呟きに――――ノクトは「ああ」とか、そういう気のない返事をする。 その相槌に視線をやり、物憂げに眼を伏せてから、美青年はやや芝居がかって大袈裟にかぶりを振った。 「愛する彼女の輝きは朝日のように眩く我が身を焼き、けれどその炎はやがて……地平線の向こうへと消え、闇が訪れる」 「……ああ……つまりその……」 「…………おはよう、マスター。彼女は……『ジュリエット』は、いなくなってしまったよ」 嗚呼ッ! なんたる悲劇であろう! 時を超え世界を越え、奇跡のように再開した恋人たちは、けれど運命の悪戯によってまたしても引き裂かれてしまう…… そのような残酷すぎる神の気まぐれに、美青年はこの世の絶望の全てを湛えたかのような瞳で部屋の中を見渡す。 そこにはもはや、“彼女”はいない。 もう、いないのだ。 「どうしてだ、ジュリエット……どうしてキミはまた、僕を置いて行ってしまうんだ……!!」 嘆きと共に、涙が流れる。 マスター……ノクト・サムスタンプというその魔術師は、あまり興味が無さそうに身支度をしている。 『ジュリエット』が消えた理由は明白だ。 サーヴァントを失ったマスターは、数時間後にこの仮想世界から消滅する。 その単純明快なルールがあの女を消滅させただけ。 契約通り、ノクトもバーサーカーも彼女を傷付けてはいない。 ただそれを、バーサーカーがさも悲劇のように認識しているだけのこと。 「――――――――かれこれ、“三度目”か」 そう。 このような出来事は……つまり、バーサーカーが『ジュリエット』と見染めた女性と出会い、しかし悲劇的に別れるのは、これで三度目であった。 「僕の胸はもう張り裂けてしまいそうだ……鉄のハインリヒの悲しみを抑え込んだタガでさえ、僕のこの悲しみの前では紙切れのように千切れてしまうだろうね……」 …………さて。 そろそろ、説明せねばなるまい。 バーサーカーの――――――――――――英霊『ロミオ』の、狂える性質について。 といっても、複雑な話にはならない。 英霊ロミオ。 誰もが知る悲恋劇『ロミオとジュリエット』の主人公その人。 禁じられた恋に狂い、身を焦がし、悲劇的に果てた美青年。 その――――狂気と呼ぶに相応しい恋心により、彼は狂戦士のクラスを以て現界するに至った。 そして彼は、“惚れっぽい”のだ。 酷く。 あまりに酷く。 可憐な女子を見かけたが最後、彼の狂気はこう囁くのだ。 ――――嗚呼、あれこそはまさしく、我が恋人ジュリエットの生まれ変わりに違いないぞ。 彼はそのように誤認して、なんとしてでも再び彼女と結ばれようとする。 もしもその道行きを阻むものがあるのなら、彼は容赦なくそれを切り捨てるだろう。 ……『ロミオとジュリエット』は恋愛悲劇。 主題では無いからこそ、と見るべきか……怒れるロミオは、恐ろしく強い。 原作中で二度の決闘を難なく制したその実力は、サーヴァントとして現界するにあたって宝具として昇華された。 愛する者のためならば、際限なく強くなる――――そんな馬鹿げた宝具の力は、神代の英雄を正面から下した昨夜の戦いで証明済み。 強い。 けれど、扱いづらい。 狂える恋に身を焦がすバーサーカーは、誰のために戦うかも予測不可能な暴走特急。 手駒としては、最悪の部類と言っていいだろう。 ほどほどに機嫌を取っておき、頃合いを見て他のサーヴァントに乗り換えるべきだ――――というのが、ノクトの所感である。 それが簡単なことではないと理解はしているが、かといって彼と共に聖杯戦争を生き抜くのはいささか無理がある。 ――――――――“前回”の相棒は、さて。 果たしてどんな手合いだったか……掠れた記憶は、答えを返さない。 ノクト・サムスタンプは、聖杯戦争の参加者だった。 だった、というからには過去形で――――つまり、この聖杯戦争の話ではない。 今となっては“第一次”の枕詞が付く前日譚。 七人の魔術師と七騎の英霊が集う、最小最大の神秘の戦争。 ノクトは魔術師であり、魔術使いであり、傭兵だった。 金で雇われ、聖杯を持ち帰って依頼主に献上する猟犬。 研究に先が無いとして家を畳んだ魔術師が、隠居を目論んで大きい仕事に手を出して――――下手を打って死んだ、というくだらない話。 けれどその命は無理やりに繋ぎ直され、今またこうして、聖杯戦争の参加者として戦うことを余儀なくされている。 前の聖杯戦争のことは、何も覚えていない。 自分がどんなサーヴァントを召喚していたのかすら、覚えていない。 ……まぁ多分、このバーサーカーよりはまともな英雄ではあっただろう。 そして――――多分キャスターでも、なかっただろう。 その英霊は、“彼女”が従えるものだったから。 …………嗚呼。 己の相棒は覚えていないというのに、けれど。 覚えている。 彼女のことだけは、記憶に焼き付いている。 白い髪の少女。 信じられないほどに無垢で、未熟で、完璧で、完全で、不安定で、輝いていた、少女。 神寂祓葉。 ……その名を思い浮かべるだけで、他の記憶の全てが急速に色褪せていく。 出来損ないのキャスターを呼んだ、巻き込まれただけの一般人。 精々利用してやろう、と思った。 舞台の上で踊らせて、うまく使ってやろうと思っていた。 時に手を貸した。 呆気なく敗退させてしまうよりは、生かして恩を売れば使い道もあるだろうと思ったから。 時に罠にかけた。 否応無く他の陣営と戦わせて、より強い陣営の手札を引き出す当て馬にしようと算段を立てたから。 時に命を狙った。 いつでも殺せる弱小陣営だと思っていた彼女たちが、いつしか無視できないほどに強いことに気付いてしまったから。 そして――――――――あの少女は踊るように、ノクトを殺した。 なんて、下らない最期だろう。 合理を気取り、賢者を気取り、策士を気取って、無様に死んだ。 あまりに下らなくって、思わず笑ってしまうほどだった。 舞台の上で可憐に踊るあの少女は、ライトも喝采も独り占めするプリマドンナだったわけだ。 理不尽に不合理に、全ての障害を踏み越えて踊る麗しの乙女。 その演目を最後まで見ることができないのが、僅かばかりに心残りだなと思った。 どこかの別の誰かが、彼女の舞台の終幕を見届けるのだろう。 そのことを酷く、口惜しいと思いながら死んだ。 常に合理的な思考を尊ぶノクトには似合わない、気の迷いのような思考だと今では思う。 けれどあの時、あの瞬間――――ノクトは確かに、そんなことを思いながら死んだ。 あの少女を独り占めにしてしまいたいと、下らないことを思いながら。 「…………………マスターは、平気かい?」 ――――――――意識が現在に戻る。 気付けばバーサーカーは心配そうに、ノクトの顔を覗き込んでいた。 「ああ? ……何の話だよ」 「キミの話さ。わかるよ、マスター」 イカれた狂戦士に、何が分かるというのか。 内心でそう見下すノクトを気遣うように、しかし同時にどこか誇らしげに、バーサーカーは儚げに微笑んだ。 「恋を、しているんだろう?」 ――――それがあまりにも、当然のように話すものだから。 「……ハッ。そうかね」 不思議と否定する気も湧き起らず、ノクトはシニカルな苦笑を浮かべた。 「嗚呼! 恋は盲目と人は言うが、それならばどうして僕たちの胸は彼の矢で貫かれるのだろう? せめてその矢が、僕とジュリエットの心臓から滴る血で十分に満足してくれればいいものを……」 「自分で答え、言ってるじゃねぇか。……意地悪なんだろ、恋のカミサマって奴はよ」 下らない。 吹き出しそうになる。 恋。 恋? 恋と言ったのか、この男は! このノクト・サムスタンプが恋をしていると、そう言ったのか! 誰に? 決まってる。 神寂祓葉に恋焦がれているのだと――――そう言いたいのだ、この狂戦士は!! あの無垢にして邪悪なる少女に、恋焦がれていると!! 「……俺は大丈夫だよ。イカれっちまうほどのもんじゃあないさ」 馬鹿馬鹿しい。 魔術師とはいえ、ノクトも人の子だ。 44年に及ぶ人生の中で、恋のようなものを経験したこともあるし、女を抱いたことだっていくらでもあるし、一時は結婚したことだってある――――まぁ、妻は必要に駈られて始末してしまったが。 そんな自分が……30歳近くも年下の少女に、恋をしていると言うのか? 嗚呼、なんて馬鹿馬鹿しい、狂戦士らしい勘違いであろうか。 確かに――――確かに自分は、“あの少女を独占して自分の物にしてしまいたい”と思っているが! 合理的に考えて、ノクトがあの少女に恋をする道理がどこにあると言うのだろう。 魔術的素養のカケラもなく、母体としての性能も疑わしく、ただその眩い輝きを永遠に見たいと思わせるだけの、ただの小娘に! 「しかしキミは、太陽の光を浴びずにいるままじゃあないか!」 「生憎と夜型でね。それに月の光ってのは、太陽の光を照り返してるんだぜ」 「嗚呼……離れている時にこそ、恋の炎には薪が投げ込まれ天を焦がす……それは確かに、そうかもしれないな」 まったく、何を言い出すのかと思えば。 “適当に話を合わせてやっている”が、狂人と会話をするのは中々に骨が折れる。 狂化のランクが低いおかげで意思の疎通はスムーズとはいえ、所詮は彼はバーサーカーなのだとしみじみ思い知ってしまう。 「ま、あんたもそうなんだろ? 何度離れ離れになっても、また出会えると信じている。だから四度の別離を経ても、まだ太陽を探してる」 「うん――――うん、うん、そうだともっ!」 ご機嫌取りのために適当な言葉を与えてやれば、バーサーカーは力強く胸を張った。 その内に乗り換えようという判断に変更は無いが、それまでは駒として働いてもらう必要がある。 こうやってほどほどに機嫌を取って、うまいこと戦ってもらう他はあるまい。 「さぁ、また探しに行こう! 僕の太陽を! そして僕たちの太陽をっ!!」 「ああ……とりあえず、情報収集からだな。まだ昼間だぜ……」 …………ノクト・サムスタンプは気付いていない。 自分の思考が、歪んでいることに気付いていない。 狂人と意思の疎通ができていることに気付いていない。 彼は、気付いていない。 少女の輝きに魂を焼かれ、自分の中で育ってしまった狂気の存在に気付いていない。 合理的な判断を尊ぶが故に、あまりに合理的でないそれを自覚できない。 「……やれやれ、恋は太陽、太陽か――――――――」 ――――――――――――――――――――確かに神寂祓葉は、太陽みたいな女だったな。 恋は盲目。 太陽の光が、その瞳を焼き焦がす。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 ロミオ@『ロミオとジュリエット』 【属性】 中立・恋 【ステータス】 筋力D 耐久C 敏捷B 魔力D 幸運D 宝具E 【クラススキル】 狂化:E バーサーカーは狂化の影響をほとんど受けていない。 ただ、いささか“惚れっぽく”なっているのみである。 【保有スキル】 精神汚染(恋):B 焦がれるような恋によって正常な判断力を失っている。 そのため外部からの精神干渉をレジストできるが、色恋が絡むと暴走状態に陥る。 同ランクの精神汚染スキルを持つか、同じく恋に焦がれるものとしかまともな意思疎通ができない。 気配遮断:C- サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 愛する人のためなら、どんなところにでも入り込む。 ただしこのスキルはあくまで「忍び込む」ためのものであり、とても奇襲などに使えるものではない。 単独行動:D マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。 【宝具】 『恋は盲目(ブラインド・アローレイン)』 ランク:E 種別:対恋宝具 レンジ:- 最大捕捉:1 愛する者のために戦う時、バーサーカーは強くなる。 言ってしまえばただそれだけ。ごく当たり前のことが宝具にまで昇華されたもの。 この条件を満たしている間、バーサーカーの狂化のランクは加速度的に上昇し、際限なくステータスが向上する。 強化効率は愛の深さと熱量に比例する。それが恋愛であれ、友愛であれ。 ……問題はバーサーカーが生来の性格として惚れっぽく、思い込みが激しく、そしてそれが狂化によって悪化していることである。 【weapon】 『無銘・レイピア』 さしたる変哲もない、優雅な装飾の細剣。 特に謂れのある名剣というわけではないが、見た目の割に頑丈。 【人物背景】 最も有名な悲恋演劇のひとつ、『ロミオとジュリエット』の主役。 イタリアはヴェローナの貴族モンダギュー家の子息であり、敵対するキュピレット家の令嬢ジュリエットと恋に落ちた。 その壮絶な運命の出会いはしかし、両家の確執によって阻まれる。 「おお、ロミオ。貴方はどうしてロミオなの?」――――生まれを呪うこのセリフは、あまりにも有名であろう。 そのあらすじは誰もが知るところであるが、今回の現界にあたって一点を特筆する。 ……それは、ロミオは極めて惚れっぽい人間だということである。 登場時点で恋に悩んでいるロミオだが、その恋の相手はロザラインという別の女性。 片思いに苦しんでいるところを親友に誘われ、気晴らしに忍び込んだキュピレット家のパーティでジュリエットに出会うのである。 この時点でロミオの心は完全にジュリエットに移り、それ以降ロザラインへの愛はすっかり失われて「そんな名前はもう忘れました」とすらのたまう。 確かにロミオとジュリエットの出会いは運命のそれであったが、その心変わりはいささか勢いが良すぎると言わざるをえまい。 ――――ロミオという人物はあまりに、恋に狂える青年なのである。 【外見・性格】 まつ毛の長い金髪の美青年。 幼さの残るチャーミングな顔立ちに、しかしどこか憂いを宿す。 上品な仕立てのシャツの上にバラの刺繍をあしらったコートを羽織り、その腰にはレイピアを佩いている。 ナイーブに思い悩んだかと思えば、炎のように勢いよく怒り出す、精神的に不安定な人物。 本来の性格は気さくで温厚な好青年であり、平時であれば――――つまり色恋が絡まない場面であれば、そのように振舞う。 もちろん狂化状態にあるバーサーカーはほとんど常に恋に悩んでおり、正気である時間は極めて短いのだが。 狂化の影響もあって極めて惚れっぽく、美しい女性を見かけると高確率で「ジュリエットの生まれ変わりに違いない」と思い込んでアプローチを仕掛けるだろう。 そしてその傍にいる者のことを、恋の障害だと認識して襲い掛かるだろう。 恋の矢は盲目のままに放たれ、手当たり次第に彼を狂わせるのである。 【身長・体重】 183cm/74kg 【聖杯への願い】 ジュリエットと再会し、添い遂げる。 ただしロミオが“ジュリエット”と認識する相手は聖杯戦争中に目まぐるしく移り変わる可能性が高く、最終的にどう着地するかは誰にもわからない。 もしかすると英霊の座に刻まれたジュリエットを呼び出して共に受肉しようとするのかもしれないし、そうでないかもしれない。 【マスターへの態度】 自分と同じく、恋という呪いに焦がれ狂う同志。 同じ苦しみを持つ者としてマスターの恋を応援している……が、所詮はバーサーカーなので自分の都合優先。 自分が彼の恋を応援するのと同じように彼も自分の恋を応援してくれるものと思っており、平気でマスターを振り回す。 【名前】 ノクト・サムスタンプ / Nocto Thumbstamp 【性別】 男 【年齢】 44歳 【属性】 秩序・中庸 【外見・性格】 褐色の肉体に複雑な紋様の刺青を彫り込んだ、虎を思わせる容貌の屈強な男性。 闇色の短髪、紫の瞳、短く刈り込んだ髭、刺青を隠すような厚手のトレンチコート(実際には刺青は顔や手にも及んでいるため、全てを隠せてはいない)。 獰猛な外見や気さくな口調とは裏腹に、極めて合理的な判断基準を有する人物。 合理と理性を尊び、あらゆる物事を俯瞰的な損得で勘定し、判断には決して私情を挟まない。 冷徹を基本とする世の魔術師と比してなお、根源にすら執着しないという点で一線を画した徹底的合理主義。 ただし人情を理解しないわけではなく、あくまで「自分では用いない判断基準のひとつ」として他者の感情は十分に考慮する。 何事も気負わず、執着せず、常に実現可能な範疇で目標を設定する諦念的楽観主義者。 その魔術特性上、「契約」というものだけは強く重んじる。 【身長・体重】 192cm/112kg 【魔術回路・特性】 質:C 量:C 特性:『契約による霊的取引の締結』 【魔術・異能】 ◇契約魔術 他者との契約を霊的・呪的に締結する技術体系。 「使い魔」や「ギアス」などの基礎的な契約も高度に取り扱えるものの、その真骨頂は「幻想種との契約」による能力の授受。 原理としてはシャーマニズムと呼ばれるような精霊魔術に近しいものではあるが、サムスタンプの契約はより合理的かつ長期的に交わされる。 個人がその場で交わす契約ではなく、一族単位で長期的に結ばれた契約により、彼らはもはや生来備わった特性として契約の恩恵を受けられるのである。 あくまで借り受けた能力であるために行使する神秘の規模に比して極めて燃費が良く、詠唱も短く、次代への継承も容易。 代償として、幾重にも重なった契約事項を常に遵守して生活しなければならない。 全身に刻まれた刺青は魔術刻印と癒着した契約の証であり、言わば肉体そのものが契約書となっている。 サムスタンプ家は現在、『大気の精』及び『夜の女王』と呼ばれる二種類の幻想種と契約を結んでいる。 契約内容については各代の当主が生涯に一度だけ交渉を行うことができるが、ノクトはまだどちらの契約についても交渉を行っていない(そもそもする気も無いようだ)。 なお、理論上は契約内容次第で幻想種の直接使役も可能ではあるが、制御の困難さ等から一族はこれを禁忌としている。 「相手の方が強いからお願いして力を借りてるってのに、そいつに首輪をはめようなんてゾッとする」とはノクトの弁。 ◇妖精眼 グラムサイト。 後述する『夜の女王』との契約によって獲得した魔眼。 現実の視覚とは焦点が「ずれて」おり、「世界を切り替える」ことで魔術の気配・魔力・実体を持つ前の幻想種などを把握できる視界。 妖精眼としての格は低く、あくまで実体を持たない幻想種との交渉をスムーズに行い、また交渉のテーブルに乗せる眼の価値を引き上げるためのもの。 ◇『大気の精』との契約 大気の化身である幻想種との契約。 ノクトはこの契約によって備わった風を操る魔術を戦闘に用いる。 細々とした条項は多数あるものの、『大気の精』(以下、甲)とサムスタンプ家当主(以下、乙)の間で交わされた重要な契約は大まかに以下の通り。 ・甲は乙に「大気を操る力」を与える。 ・乙は七日に一度狩猟の儀を執り行い、成果物を甲に捧げること。 ・乙が当項目に違反した場合、乙の眼球ひとつを甲に捧げた上で七日間の契約停止処分を執行する。乙が眼球を有さない場合、乙の心臓で代用するものとする。 ・乙の遺体は樹齢120年以上の樫の木の根元に埋葬すること。 ・乙の死後三日以内に埋葬が契約通りに行われなかった場合、甲は乙の遺体を眷属として変質させ、日中自由に使役する権利を有するものとする。 ・所定の手順で乙が殺害された場合、殺害者は新たな乙と認められ、遺体の埋葬後に魔術刻印ごと契約が移譲される。 ・甲はこの魔術刻印の移植に全面的に協力すること。 ◇『夜の女王』との契約 夜を支配する幻想種との契約。 ノクトはこの契約によって夜間の行動に有利な補正がかかっている。 細々とした条項は多数あるものの、『夜の女王』(以下、甲)とサムスタンプ家当主(以下、乙)の間で交わされた重要な契約は大まかに以下の通り。 ・甲は乙に妖精眼を与える。 ・甲は乙に「夜に親しむ力」を与える。 ・夜に親しむ力とは、「夜を見通す力」、「夜に溶け込む力」、「夜に鋭く動く力」の三種を統合した呼称であるとする。 ・乙は三十年に一度、一族の者を夜に捧げること。 ・乙が当項目に違反した場合、甲は乙の魂を収奪する権利を有するものとする。 ・乙は夜間に就寝を行わないこと。 ・気絶などによる意図しない意識の喪失は該当しないものとする。 ・乙が当項目に違反した場合、乙は三日間起床できず、起床後三日間の契約停止処分を執行する。 ・乙の遺体は夜間、月の光を浴びた状態で埋葬すること。 ・乙の死後三日以内に埋葬が契約通りに行われなかった場合、甲は乙の遺体を眷属として変質させ、夜間自由に使役する権利を有するものとする。 ・所定の手順で乙が殺害された場合、殺害者は新たな乙と認められ、遺体の埋葬後に魔術刻印ごと契約が移譲される。 ・甲はこの魔術刻印の移植に全面的に協力すること。 【備考・設定】 魔術組織などに金で雇われて依頼を果たす、いわゆる「魔術使い」の傭兵。 サムスタンプ家は古い歴史を持つ魔術師の家であり、長い歴史の中で幻想種を捜索し、交渉し、契約を結び、さらにそれを更新してきた一族である。 己より格上の存在から契約によって力を手に入れることで位階を高めることを目的としてきた一族なわけだが、当代当主であるノクトはこの手法に先が無いと判断。 世界から多くの神秘が失われ、幻想種の多くが「世界の裏側」へと去ってしまっている以上、もはや幻想種を頼っての根源到達は不可能であるというわけだ。 この「合理的判断」により、ノクトは魔術師としてのサムスタンプ家を畳み、魔術使いの傭兵として活動するに至る。 当時ノクト・サムスタンプ18歳。魔術刻印継承のため、父を殺害し埋葬した一週間後の声明であった。 一族の者からは激しい反発を受けたが、幻想種との契約を行った当主とそれ以外の者とでは天と地ほどの実力差があり、この全てを制圧して黙らせたという。 その後は名うての傭兵として活動してきたが、齢40を超えたあたりでそろそろ引退を考慮。 ある魔術の名門に雇われて聖杯戦争に挑み、その莫大な報酬でもって隠居生活を送ることを画策していた。 ……そして〈はじまりの聖杯戦争〉の中で、彼は運命に出会う。 客観的に見て、最後まで生き残れるはずもない弱者。 俯瞰的に見て、数合わせに巻き込まれただけの書割。 合理的に見て、あまりに取るに足らないただの少女。 損得を鑑みて時に手を貸した。 利益を鑑みて時に罠に掛けた。 危険を鑑みて時に命を狙った。 その全てを、理不尽に不条理に非合理に踏み越える少女に――――その輝きに魅せられたことに、ノクトは最期まで気付かなかった。 蘇ってなお、気付かない。 彼の合理的判断は、恋に狂うなどというロジックエラーを否定する。 己に潜む狂気から目を背けながら、彼は冷徹に聖杯を求めようとする。 〈はじまりの六人〉、そのひとり。 抱く狂気は〈渇望〉。 ノクト・サムスタンプ。サーヴァントは、恋の虜囚。 【聖杯への願い】 特に無し。 契約通りに聖杯を持ち帰り、莫大な報酬を受け取り、悠々自適に隠居することが参戦の理由である。 既に死んだ身、二度目の聖杯戦争――――このイレギュラーな状態で問題なく目標を達成できるかは怪しいところだが、合理的な判断として神寂祓葉を自分のものにしたい。 【サーヴァントへの態度】 扱いづらい上に格も低い、あからさまな“はずれ”サーヴァントであるとみなしている。 幸いにして正面戦闘であればかなりの馬力を発揮するとはいえ、それすらも不安定で信用に値しない。 よって合理的な判断として、適当なところで他のサーヴァントに“乗り換える”ことを考慮している。 相手は話の通じない狂人であり、ほどほどに話を合わせてやり過ごしているが、いつその刃がこちらに向くともわからないのだから。 ……神寂祓葉に植え付けられた狂気によって、本来不可能なはずの意思疎通がある程度成立していることにノクト本人は気付いていない。
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バグベア Bugbears バグベアは他の人型生物が夜に恐れる存在である。彼らは狂える殺し屋であり、食糧や住み処を探しに行くように恐怖と苦痛、惨劇を与えに行く。バグベアは他のクリーチャーなど、自分の家族でさえも気にかけない。彼らは暗き激動を満たす最良の方法を探す以外の動機を持たない。 バグベアとその色の抜け落ちた雪上を歩く従兄弟のウィカワクは最大のゴブリン類であり、全長7フィート近く――ただしそれは背筋をぴんと伸ばした場合の話で、ほとんどのバグベアは猫背でいることを好む。このがっしりとしたクリーチャーの重さは400ポンド(ウィカワクなら450ポンド)。彼らの顔はゴブリンやホブゴブリンに似ているが、ずんぐりとして大きな顔をしている。その顔は毛に覆われていないが、それ以外の部分は深い毛で覆われており、変な角度に曲がったりもじゃもじゃになっていることも多い。そのがっしりとした筋肉と巨大な身体にもかかわらず、バグベアは驚くほどしなやかに動き、隠れる。バグベアが獲物の後をつける姿を見ると狼狽えるだろう。彼らは頭が大きいにもかかわらず、小さな隙間を音もなくすり抜ける。 他のゴブリン類と比べて、バグベアは一人で過ごすことが多い。弱いものを連れ回すことを嫌い、他人の力を必要とするときには、それが例え氏族や直接の家族であってさえ生理的な不信感を抱くためだ。それが特に当てはまるのがウィカワクで、村を襲撃するときや交配の時にのみ、一時的に徒党を組む。バグベアもウィカワクも一人で生存するのに適している――その素晴らしい感覚は、十分遠くにいる内に脅威に気付くことができ、強すぎる場合には避けることができるし、生来の隠密能力のお陰で隠れた寝床や生活用品を収めている場所を気付かれることなく旅をすることができる。もちろん、バグベア1体では病気や傷ついたときには狩られるほど弱くなる。このように身体が弱くなったときには、彼らは用心深くなる。傷ついたバグベアはほとんど危険のないほど弱い獲物を自力で探すが、同時にその獲物は数週間~数ヶ月の間苦しめられても耐えられるだけ強くあればいいと願う。 一人で過ごすバグベアが年老いて衰弱すると、過去の栄光を支えに入れる集団に加わることを納得するか、影に隠れて全ての危険と病気を避けようとする。バグベアは寛容なクリーチャーではないが、かなりの大きさのバグベア氏族は2つの理由から高齢者を受け入れる。1つ目の理由は、新参者は衰弱しているため、氏族の既存の指導者を脅かす可能性は低いことだ。2つ目の理由は、高齢のバグベアは狡猾なバグベアだと考えられるため、音もなく忍び寄り殺す術を知っているかもしれないことだ。バグベアは他の大抵の形で知識を用いることは皆無だが、こういった者達が伝える信頼できる指導や逸話は、学究的な意味でも娯楽的な意味でも価値を見出される。 一般的なバグベアの氏族は互いに長い間裏切った歴史を持たない家族に過ぎない。そのため極度に分解しやすい。あるバグベアは離れた獲物よりも氏族の一員を襲おうとするかもしれないし、食糧や住み処のためにバグベアの家族はしばしば争う。特に理由も無く他人を攻撃するバグベアもいるかもしれない。法もなく、長く続く伝統もないため、一つの事件が全面的な衝突になることを止める術がない。衝突の結果、壊れやすい氏族はばらばらになることも多い。ただし、新しい指導者が殺戮の中立ち上がり、法まがいのものを押しつければ別だ。 安定したバグベアの社会はほとんど無いが、以下の2つの種類に分けられることが多い。バグベア居住区と結社である。バグベア居住区は複数のクリーチャーがずっと安定した統治の法(と監視の目)の下に生活している。それは巨人や竜といった強力な支配者1人によるものである場合もある。このような支配者は強力であるか、その支配下でバグベアが問題を起こさないような、十分な恐怖を与えるほどの存在でなければならない。そのような支配者はバグベアを密偵や拷問吏、秘密警察として雇う。彼らは生まれつき無慈悲で油断せず、他の派閥と距離を保つため重宝される。 バグベア居住区は時により組織化された形を取ることがある。それは特に、ホブゴブリンに属した場合だ。このような場合、バグベアは第二級市民として扱われ、斥候や兵士として働くよう義務づけられる。それぞれのバグベアは上のホブゴブリンを殺すことができるだろうが、組織化されたホブゴブリンの軍隊はしばしば群れることがなく利己的なバグベアを抑え、ホブゴブリンの法に対する反乱を打ち砕く。 このような秩序だった社会にいるバグベアは自由なものに比べるとずっと野蛮で怒りやすいことが多く、彼らが望む混乱や暴力を生み出せない制限に常に怒りを抱いている。一人で生きようと逃げるものもいるが、優れた組織の軍隊や絶対権力は、「逆らって死ぬよりも我慢して生き残る方がましだ」とバグベアの小さな集団に信じさせることができる。 バグベア社会の二つ目の形はずっと珍しい結社である。これはバグベアの小集団が大人数の他の人型生物――オーク、ゴブリン、コボルドが多い――を支配するものだ。言葉の意味を考えるに、バグベアの結社は政府は愚か氏族とさえ考えることができない。それは強盗団であり、純粋な暴力と強奪によって他の集団をうまく操っているに過ぎない。結社は共同体の最終決定権を持つが、統治の詳細は支配下にある集団に任される。 結社の代理人という存在はその居住地における最高の地位のように見える。しかしバグベアは最も重要な代理人を怯えさせることを、下僕に恐怖と惨劇をもたらす事と同じように好む。バグベアの結社は恐怖と力を無作為に誇示することで支配する。そのためその部下はすぐに、生き残る最高の方法は一切の興味を惹きつけないことだと知る。しかし、誰かが政府のこの需要を蒙らなければならないため、バグベアは一般大衆の高齢者にそういった仕事をさせ、責務を果たせない場合には拷問を加える。 バグベアの完全なデータは Bestiary の該当する項目に掲載されている。 新ルール New Rules 以下の項ではバグベアとウィカワクが好むアーキタイプ、新しい特技、呪文、そして魔法のアイテムをいくつか掲載している。 バグベアのアーキタイプ Bugbear Archetype 最も残虐で血に飢えたバグベアが、アンティパラディンの外套を羽織る。彼らは通常、その不浄な力で可能な限り恐怖をもたらす。 恐怖を撒くもの(アンティパラディン) Fearmonger 恐怖を撒くものは苦痛、惨劇、混乱をもたらすことだけを求める。彼らは敵に恐怖を撒き、大衆全てにそれを広がらせる。恐怖を撒くものアーキタイプは、アンティパラディン代替クラスのみに適用することができる。 恐怖喰い(超常)/Feed on Fear:2レベルの時点で、恐怖を撒くものの呪文や擬似呪文能力、超常能力(クリーチャーを怯え状態、恐れ状態、恐慌状態にする能力も含む)で生み出された[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローにそのラウンドで最初にクリーチャーが失敗すると、恐怖を撒くものは2アンティパラディン・レベル毎に1ポイントだけ回復する。この能力が起動した際にヒット・ポイントが最大値の場合、恐怖を撒くものは代わりに等しい値の一時的ヒット・ポイントを得る。この一時的ヒット・ポイントは1分間だけ持続する。複数回この能力の使用に成功したとしても、この能力で得られる一時的ヒット・ポイントは累積しない。代わりにその持続時間が累積する。 恐怖を撒くものはこの能力を、1日にアンティパラディン・レベルの半分+【魅力】ボーナスに等しい回数だけ使用することができる。この能力は腐敗の接触を置き換える。 恐怖呼ぶ無慈悲(超常)/Frightening Cruelty:恐怖を撒くものは3レベルの時点で得られる無慈悲に怯え状態を、6レベルの時点で得られる無慈悲に幻惑状態を、9レベルの時点で得られる無慈悲に恐れ状態を選択しなければならない。12レベルの時点で、恐怖を撒くものは無慈悲で与える状態異常に恐慌状態を加える。 恐慌状態/Panicked:アンティパラディンが有する4クラス・レベル毎に1ラウンドの間、 目標は恐慌状態になる。アンティパラディンがこの無慈悲を選択するには、怯え状態と恐れ状態の無慈悲を有していなければならない。 このクラス特徴は無慈悲を変更する。 バグベアの特技 Bugbear Feats 以下の特技はバグベアの中では一般的なものだ。 《痛めつけ》(戦闘) Hurtful 君は侮辱するために傷を加える方法を知っている。 前提条件:【筋】13、《強打》。 利益:君が〈威圧〉判定によって近接攻撃の間合いにいる敵の士気をくじくことに成功したなら、君は即行アクションとしてそのクリーチャーに対して1回の近接攻撃を行うことができる。君の攻撃が目標にダメージを与えられなかった場合、士気をくじくことで与えた怯え状態は直ちに終了する。 《奇襲組みつき》(戦闘) Bushwhack 君は気付いていない敵を速やかに押さえつける。 前提条件:【敏】13、《組みつき強化》、《素手打撃強化》。 利益:立ちすくみ状態のクリーチャーが君の存在を気付いておらず、その相手に対する組みつきに成功したなら、君はフリー・アクションとして、その敵を押さえ込まれた状態にするために2回目の組みつき戦技判定を試みることができる。《絞め落とし》を有しているならば、君はこの2回目の戦技判定で代わりにこの特技の効果を開始しようと試みることができる。 《恐怖蓄積》(戦闘) Pile On 君はいつまでも敵を恐怖で震えさせる。 前提条件:【筋】13、《痛めつけ》、《強打》。 利益:1ラウンドに1回、既に怯え状態、恐れ状態、恐慌状態のいずれかであるクリーチャーに君がダメージを与えたなら、君はそのダメージを半分にする代わりに、その[恐怖]状態の持続時間を1ラウンドだけ伸ばすことができる。 《強烈な怒鳴り》(戦闘) Shocking Bellow 君は突然の恐ろしい絶叫により、敵の士気をくじくことができる。 前提条件:《腕力による威圧》。 利益:戦闘の不意討ちラウンドに行動する際、君はフリー・アクションとして、君の姿を見、声を聞くことのできる30フィート以内のクリーチャー1体の士気をくじくために〈威圧〉判定を1回試みることができる。 《よろめき化渾身の一打》(戦闘) Staggering Blow 君は敵を一時的によろめかせるために、どこに一打を加えればいいかを知っている。 前提条件:【筋】13、《強打》、《渾身の一打》、基本攻撃ボーナス+8。 利益:《渾身の一打》を用いて敵に攻撃を行う際、君は自分の攻撃ロールに-2のペナルティを受けることで、よろめき化打撃を行うことができる。攻撃ロールを行う前にこの選択を行わなければならない。攻撃が成功したなら、目標は頑健セーヴィング・スロー(DC=10+君のキャラクター・レベルの半分+君の【筋力】修正値)を行わねばならず、失敗すると君の次のターンの開始までよろめき状態となる。君のよろめき化打撃の効果を避けるためのセーヴに失敗したクリーチャーは、以後24時間の間この特技の効果に完全耐性を得る。アンデッド、植物、人造、粘体、(非実体)クリーチャー、クリティカル・ヒットに完全耐性を持つクリーチャーは、この効果に完全耐性を持つ。 《ラッソ絞首術》 Strangler 君はラッソで敵を締めることができる。 前提条件:《特殊武器習熟:ラッソ》、《武器熟練:ラッソ》。 利益:君がラッソを用いてクリーチャーを絡みつかれた状態にすることに成功し、目標の戦技防御値を5以上上回ったなら、目標は囁き声以上の大きさで会話できなくなる。加えて音声要素を持つ呪文の発動、合言葉を持つアイテムの使用、発声を必要とする魔法の使用を行うには、精神集中判定(難易度=20+君の戦技ボーナス+呪文レベル)に成功しなければならない。加えて、ラッソから逃れるために行う〈脱出術〉の難易度は、15か君の戦技防御値か、いずれか高い方を用いる。 《理屈抜きの脅威》(戦闘) Visceral Threat 君が敵を怯えさせる能力は、敵が行動をためらうほど素晴らしいものだ。 前提条件:《腕力による威圧》。 利益:君は近接攻撃範囲のクリーチャーに対してフェイントを試みる際、〈はったり〉の代わりに〈威圧〉を使用することができる。 バグベアの呪文 Bugbear Spell バグベアの呪文の使い手は獲物に支援が届かないようにする。 アイソレイト Isolate/孤立 系統:幻術(幻覚);レベル:アンティパラディン3、インクィジター3、ウィザード/ソーサラー3、ウィッチ3、バード3 発動時間:1標準アクション 構成要素:音声、動作 距離:接触 目標:接触したクリーチャー 持続時間:1ラウンド/レベル(解除可) セーヴィング・スロー:意志・不完全;呪文抵抗:可 術者は目標を不可視状態かつ音が出ないようにするが、この効果は目標の仲間に対してのみ作用する。目標に中立的かそれより悪い態度を持つクリーチャーや目標を傷つけたいと思うクリーチャーは、目標を通常通り見ることができる。目標は自分の姿を見、声を聞くことができ、音声要素の呪文を発動することもでき、合言葉を口にすることも通常通り行えるが、仲間にその目標の姿を見、声を聞くことを要求する効果は機能しない。不可視状態のクリーチャーを見ることのできる仲間は、アイソレイトの目標の姿を見、声を聞くことができる。 目標がセーヴに成功した場合、この呪文の持続時間は1ラウンドに減少する。 バグベアの魔法のアイテム Bugbear Magic Items いかなるクリーチャーも以下のその他の魔法のアイテムを使用することができるが、特にバグベアの中で人気がある。 エリクサー・オヴ・オプレッション (Elixir of Oppression/迫害の霊薬) 市価 600GP;装備部位 なし;術者レベル 3;重量 ―;オーラ 微弱・変成術 この霊薬は、通常トゥーム・ヘラルド(訳注:墓所の先触れ、程度の意。ゴラリオン世界のキイチゴの一種)のジュースから作られるが、他の作成方法も知られている。このアイテムはクリーチャーに恐怖を嗅ぎ分ける嗅覚を与え、恐ろしいクリーチャーに出会った際には使用者に血の渇きを与える。使用者は嗅覚により〈知覚〉判定に+4の技量ボーナスを得ると共に、DC15の〈知覚〉判定に成功すれば、クリーチャーは嗅覚で怯え状態、恐れ状態、恐慌状態のいずれであるかを識別することができる。クリーチャーの状態が識別できれば、使用者はその敵に対して行う攻撃ロールと、対抗技能判定に+2の士気ボーナスを与える。 この効果は1d4+1時間だけ持続する。クリーチャーが1つ目を飲んで24時間以内に2つ目のエリクサー・オヴ・オプレッションを飲んだなら、24時間の間不調状態となり、2つ目の利益は得られない。 必要条件 コスト 300GP 《その他の魔法のアイテム作成》、スケアー ホラー・ダスト (Horror Dust/恐怖の塵) 市価 600GP;装備部位 なし;術者レベル 3;重量 ―;オーラ 微弱・死霊術 ホラー・ダストはナイトメアの一部をすりつぶしたものだ。これはガラス製の瓶に入っており、射程単位10フィートの飛散武器として投擲することができる。ぶつかると砕け、幻覚魔法の雲が半径20フィートに広がる。この雲は効果を受けたものに恐ろしい幻視を見せ、幻の絶叫を聞かせる。この範囲にいる目標はDC13の意志セーヴを行わねばならず、失敗すると1d6ラウンドの間怯え状態となる。直接ホラー・ダストが命中したクリーチャーがセーヴに失敗すると、加えて1ラウンドの間混乱状態になる。ゴブリン類はホラー・ダストで作られた幻視を楽しむため、この[恐怖]効果に完全耐性を持つ。 必要条件 コスト 300GP 《その他の魔法のアイテム作成》、コーズ・フィアー バグベアの例 Example Bugbears バグベアの獣肉喰らい Bugbear Cannibals バグベアは知性のあるクリーチャーの肉を好むが、同種の肉を喰らうよりは他のものを食べることを好む。彼らはしばしば何週間もの間虜囚の一団を飼っておき、時が来るとそれを一度に殺して食べてしまう。 バグベアの歯ぎしり男 CR4 Bugbear Gnasher XP 1,200 バグベア、2レベル・バーバリアン 混沌にして悪/中型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +4;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+9 防御 AC 21、接触12、立ちすくみ17(+3外皮、-2激怒、+4【敏】、+6鎧) HP 53(5HD;3d8+2d12+22) 頑健 +9、反応 +8、意志 +3 防御能力 直感回避 攻撃 移動速度 30フィート 近接 高品質のファルシオン=+11(2d4+9/18~20)、噛みつき=+5(1d4+3) 遠隔 ジャヴェリン=+8(1d6+6) 特殊攻撃 激怒(8ラウンド/日)、激怒パワー(獣の憤怒) 戦術 戦闘前 歯ぎしり男は激怒を使用する前に、獲物に密かに近づこうとする。 基本データ 激怒していない場合、歯ぎしり男のデータは以下の通り。AC 22、接触13、立ちすくみ19;HP 41;頑健 +7、意志 +1;近接 高品質のファルシオン=+10(2d4+9/18~20);【筋】18、【耐】 14;CMB +8;技能 〈威圧〉+15。 一般データ 【筋】22、【敏】19、【耐】18、【知】10、【判】9、【魅】10 基本攻撃 +4;CMB +10;CMD 22 特技 《傷めつけ》、《技能熟練:知覚》、《強打》、《腕力による威圧》 技能 〈威圧〉+17、〈隠密〉+11、〈生存〉+4、〈知覚〉+9 言語 共通語、ゴブリン語 その他の特殊能力 高速移動、忍び寄る 戦闘用装備 エリクサー・オヴ・オプレッション* ;その他の装備 ブレストプレート、ジャヴェリン(6)、高品質のファルシオン、クローク・オヴ・レジスタンス+1、219GP バグベアの大肉喰らい CR8 Bugbear Flesh Glutton XP 4,800 ジャイアント・バグベア、5レベル・バーバリアン 混沌にして悪/大型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +3;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+14 防御 AC 23、接触10、立ちすくみ19(+6外皮、-2激怒、-1サイズ、+3【敏】、+7鎧) HP 99(8HD;3d8+5d12+48) 頑健 +12、反応 +8、意志 +5 防御能力 直感回避強化、罠感知+1 攻撃 移動速度 30フィート 近接 +1ファルシオン=+15/+10(2d6+13/18~20) 遠隔 高品質のジャヴェリン=+10(1d8+8) 接敵面 10フィート;間合い 10フィート 特殊攻撃 激怒(16ラウンド/日)、激怒パワー(獣の憤怒、力任せの一打) 戦術 戦闘前 大肉喰らいは激怒し突撃する。 基本データ 激怒していない場合、大肉喰らいのデータは以下の通り。AC 24、接触12、立ちすくみ21;HP 83;頑健 +10、意志 +3;近接 +1ファルシオン=+13/+8(2d6+10/18~20);遠隔 高品質のジャヴェリン=+10(1d8+6);【筋】22、【耐】 18;CMB +14;技能 〈威圧〉+21。 一般データ 【筋】26、【敏】17、【耐】22、【知】10、【判】10、【魅】10 基本攻撃 +7;CMB +16;CMD 27 特技 《Pile On》、《傷めつけ》、《強打》、《腕力による威圧》 技能 〈威圧〉+23、〈隠密〉+10、〈生存〉+10、〈知覚〉+14 その他の特殊能力 高速移動、忍び寄る 装備 +1ブレストプレート、+1ファルシオン、高品質のジャヴェリン(2)、クローク・オヴ・ファングズ、373GP バグベアの狩人 Bugbear Hunters 自然の中を忍び寄る、バグベアの狩人はその残虐さを実践できるよう、常に食糧や犠牲者になり得るものに目を光らせている。一般に、彼らは縄張りを持ち忍耐力が強く、都市から助けを得られないほど遠くまで離れた旅行者を捕食する機会を得ると身震いする。 バグベアの静殺者 CR5 Bugbear Stalker XP 1,600 バグベア、3レベル・レンジャー 混沌にして悪/中型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +3;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+11 防御 AC 20、接触13、立ちすくみ17(+3外皮、+3【敏】、+4鎧) HP 41(6HD;3d8+3d10+12) 頑健 +6、反応 +9、意志 +4 攻撃 移動速度 30フィート 近接 高品質のシミター=+9(1d6+3/18~20) 遠隔 +1コンポジット・ロングボウ=+10(1d8+4/×3) 特殊攻撃 得意な敵(人間+2) 戦術 戦闘前 静殺者は敵を追跡し、離れたところから呪文の使い手と人間を狙い撃つ。 戦闘中 静殺者はボウで戦い、シミターに武器を替えるまで、可能な限り《近距離射撃》や《致命的な狙い》で優位を保つ。 一般データ 【筋】16、【敏】17、【耐】15、【知】12、【判】14、【魅】6 基本攻撃 +5;CMB +8;CMD 21 特技 《遠射》、《近距離射撃》、《持久力》、《致命的な狙い》、《武器熟練:ロングボウ》 技能 〈威圧〉+11、〈隠密〉+13、〈生存〉+11、〈知覚〉+11 言語 共通語、ゴブリン語、森語 その他の特殊能力 忍び寄る、追跡+1、得意な地形(森林+2)、野生動物との共感+1 戦闘用装備 ポーション・オヴ・キュア・ライト・ウーンズ(4);その他の装備 チェイン・シャツ、+1コンポジット・ロングボウ(+3【筋】)とアロー20本、高品質のシミター、284GP バグベアの奇襲兵 CR10 Bugbear Ambusher XP 9,600 バグベア、8レベル・レンジャー(罠使い) 混沌にして悪/中型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +6;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+11 防御 AC 25、接触14、立ちすくみ22(+1回避、+5外皮、+1盾、+1反発、+2【敏】、+5鎧) HP 90(11HD;3d8+8d10+33) 頑健 +11、反応 +12、意志 +7 攻撃 移動速度 30フィート 近接 +1ロングソード=+14/+9(1d8+6/19~20)、+1ショート・ソード=+14(1d6+3/19~20) 遠隔 高品質のダガー=+11(1d4+5/19~20) 特殊攻撃 得意な敵(エルフ+4、ノーム+2)、罠(7回/日;DC17;足輪の罠、pit trap、tar trap) 戦術 戦闘前 奇襲兵は足跡や水飲み場に罠を仕掛け、罠にはまったものに飛びかかる。 戦闘中 最初に、奇襲兵は罠に引っかかっていない目標に攻撃を集中させる。それらを片付けると、奇襲兵は残った犠牲者をゆっくり苦しめる時間を取る。 一般データ 【筋】20、【敏】14、【耐】16、【知】10、【判】16、【魅】6 基本攻撃 +10;CMB +15;CMD 27 特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《外皮強化》、《持久力》、《二重斬り》、《二刀のかきむしり》、《二刀の守り》、《二刀流》、《早抜き》 技能 〈威圧〉+15、〈隠密〉+18、〈生存〉+11、〈装置無力化〉+18、〈知覚〉+11、〈登攀〉+11 言語 共通語、ゴブリン語 その他の特殊能力 狩人の絆(動物の相棒)、忍び寄る、迅速なる追跡、追跡+4、得意な地形(湿地+4、地下+2)、森渡り、野生動物との共感+6 戦闘用装備 ポーション・オヴ・キュア・ライト・ウーンズ(2)、ポーション・オヴ・キュア・モデレット・ウーンズ(2)、ポーション・オヴ・インヴィジビリティ ;その他の装備 +1チェイン・シャツ、+1ロングソード、+1ショート・ソード、高品質のダガー(2)、アミュレット・オヴ・ナチュラル・アーマー+1、クローク・オヴ・レジスタンス+1、リング・オヴ・プロテクション+1、271GP バグベアの信徒 Bugbear Cultist 自分を預言者だと主張する大げさな狂信者が率いるバグベアの教団は、小さく長続きしないことが多い。狂信者は自分が世界を脅かすに値する力(と権力)によって特別に祝福されていると考えており、呪文と呪いを使って特別な地位を確かなものとする。バグベアの預言者のほとんどは下位のクリーチャー(騙されやすいゴブリンやコボルドであることが多い)の小さな集団を率いる。しかしダイア・エイプやエターキャップ、ハウラーといったずっと奇妙な集団を連れていることもある。 バグベアの信徒 CR7 Bugbear Cultist XP 3,200 バグベア、6レベル・オラクル 混沌にして悪/中型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +3;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+14 防御 AC 22、接触14、立ちすくみ18(+1回避、+3外皮、+3【敏】、+5鎧) HP 64(9d8+24) 頑健 +6、反応 +9、意志 +6 攻撃 移動速度 30フィート 近接 +1モーニングスター=+10/+5(1d8+4) 修得オラクル呪文 (術者レベル6;精神集中+8) 3レベル(3回/日)―インフリクト・シリアス・ウーンズ(DC15)、ビストウ・カース(DC16)、マジック・ヴェストメント 2レベル(6回/日)―インフリクト・モデレット・ウーンズ(DC14)、サモン・モンスターII、フォッグ・クラウド、レジスト・エナジー 1レベル(7回/日)―インフリクト・ライト・ウーンズ(DC13)、エンラージ・パースン、キュア・ライト・ウーンズ、シールド・オヴ・フェイス(DC13)、プロテクション・フロム・グッド、レイ・オヴ・シックニング(DC14) 0レベル(回数無制限)―ヴァーチュー、ガイダンス、クリエイト・ウォーター、スパーク、ディテクト・ポイズン、ディテクト・マジック、ブリード(DC13) 神秘 闘争 戦術 戦闘前 信徒は自分のチェイン・シャツにマジック・ヴェストメントを発動する。 戦闘中 信徒は自分にシールド・オヴ・フェイスを、自分か接触できる仲間にエンラージ・パースンを発動する。その後ビストウ・カースとレイ・オヴ・シックニングを発動し、敵を苦しめ惨めにする。 基本データ マジック・ヴェストメントがない場合、信徒のデータは以下の通り。AC 20、接触14、立ちすくみ16。 一般データ 【筋】16、【敏】16, 【耐】15、【知】12、【判】8、【魅】14 基本攻撃 +6;CMB +9;CMD 21 特技 《回避》、《技能熟練:知覚》、《呪文熟練:死霊術》、《戦闘発動》、《無視界戦闘》 技能 〈威圧〉+18、〈隠密〉+18、〈呪文学〉+7、〈生存〉+5、〈知覚〉+14、〈知識:宗教〉+7 言語 共通語、巨人語、ゴブリン語、地獄語 その他の特殊能力 オラクルの呪い(異言)、啓示(戦場の明快さ1回/日、奇襲突撃1回/日)、忍び寄る 戦闘用装備 ワンド・オヴ・キュア・モデレット・ウーンズ(25チャージ);その他の装備 高品質のチェイン・シャツ、高品質のモーニングスター、クローク・オヴ・レジスタンス+1、呪文構成要素ポーチ、186GP バグベアは奇妙な、時に矛盾するやり方で信仰する。誰も彼らの宗教が「体系だった」とは言わないだろう。そのほとんどは、たまたま名前を知っているデーモン・ロードに時々単純なお礼をいうだけだ。比較的体系的な宗教に関わり、役立つ呪文を発動する能力を備えた狂信者は、時に他のバグベアを宗教的熱狂に追いやらせることがある。狂信者は戦神、特にデーモン・ロードを崇める。その儀式は非常に多様で、しばしば暴力的な血の生け贄が捧げられる。特に自信を持つ狂信者は、自分を真の預言者や生ける神であると考える。 バグベアの急襲者 Bugbear Sneaks 多くのバグベアが斥候や暗殺者としてホブゴブリンの軍勢に仕える。彼らは時に殺害自体に夢中になり、街の姿のない殺戮者になるべく、生まれながらに持つ音もなく動く能力を用いる。 バグベアの要撃手 CR8 Bugbear Lurker XP 4,800 バグベア、7レベル・ローグ 混沌にして悪/中型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +8;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+13 防御 AC 20;接触15;立ちすくみ18(+4鎧、+4【敏】、+1反発、+2外皮) HP 81(10d8+37) 頑健 +6、反応 +12、意志 +3 防御能力 直感回避、身かわし、罠感知+2 攻撃 移動速度 30フィート 近接 +1ショート・ソード=+12/+7(1d6+3/19~20) 遠隔 ジャヴェリン=+12(1d6+2) 特殊攻撃 急所攻撃+4d6 戦術 戦闘前 要撃手は素早く近づくために高速隠密を使用し、不意討ち攻撃を仕掛ける適した場所に位置取る。 一般データ 【筋】14、【敏】18、【耐】16、【知】13、【判】10、【魅】10 基本攻撃 +7;CMB +9;CMD 23 特技 《イニシアチブ強化》、《技能熟練:隠密》、《攻防一体》、《フェイント強化》、《武器の妙技》 技能 〈威圧〉+17、〈隠密〉+31、〈軽業〉+16、〈装置無力化〉+16、〈知覚〉+13、〈登攀〉+14、〈はったり〉+13 言語 オーク語、共通語、ゴブリン語 その他の特殊能力 忍び寄る、ローグの技(出血攻撃+4、高速隠密、不意討ち攻撃)、罠探し+3 戦闘用装備 錬金術師の火(4);その他の装備 高品質のチェイン・シャツ、+1ショート・ソード、ジャヴェリン(4)、クローク・オヴ・エルヴンカインド、リング・オヴ・プロテクション+1、656GP バグベアの影討ち士 CR10 Bugbear Shadow Sneak XP 9,600 バグベア、5レベル・ニンジャ/4レベル・シャドウダンサー 混沌にして悪/中型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +4;感覚 暗視90フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+15 防御 AC 25、接触16、立ちすくみ20(+1回避、+5外皮、+1反発、+4【敏】、+4鎧) HP 82(12d8+29) 頑健 +6、反応 +14、意志 +4 防御能力 直感回避強化、身かわし 攻撃 移動速度 30フィート 近接 +1ショート・ソード=+15/+10(1d6+6/17~20)または高品質のダガー=+13/+8(1d4+5/19~20) 遠隔 高品質のダガー=+12(1d4+5/19~20) 特殊攻撃 急所攻撃+3d6 シャドウダンサーの擬似呪文能力 (術者レベル4;精神集中+5) 2回/日―影の幻術(DC11) 1回/日―影の召喚(DC15) 戦術 戦闘前 影討ち士は敵を不意討ちするために影隠れで忍び寄る。 一般データ 【筋】20、【敏】18、【耐】14、【知】8、【判】10、【魅】12 基本攻撃 +8;CMB +13;CMD 29 特技 《回避》、《気の力追加》、《強行突破》、《クリティカル強化:ショート・ソード》、《武器熟練:ショート・ソード》、《迎え討ち》 技能 〈威圧〉+5、〈隠密〉+23、〈軽業〉+19、〈芸能:舞踏〉+6、〈生存〉+11、〈知覚〉+15、〈登攀〉+20 言語 共通語、ゴブリン語 その他の特殊能力 影隠れ、影渡り(40フィート/日)、気蓄積(5)、痕跡消去+1、忍び寄る、シャドウ招来、毒の使用、忍術(高速隠密、跳ね起き)、ローグの技(鈍らせ) 装備 +2レザー・アーマー、+1ショート・ソード、高品質のダガー(3)、アミュレット・オヴ・ナチュラル・アーマー+1、クローク・オヴ・レジスタンス+1、リング・オヴ・プロテクション+1、374GP バグベアの流血魔術師 Bugbear Bloodmage 秘術魔法能力をわずかでも顕現できるバグベアはほとんどおらず、その才能を活かすことはほとんどない。そのようなものは重要な手法の邪魔になる:獲物への忍び寄り、脅し、そして殺害の。しかし才能を追求した者――そしてその潜在性に完全に手が届く程に生きた者――は誰からも恐れられる、血に濡れた絶望の器となる。 バグベアの流血魔術師 CR11 Bugbear Bloodmage XP 12,800 バグベア、10レベル・ソーサラー 混沌にして悪/中型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +6;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+0 防御 AC 18、接触13、立ちすくみ15(+1回避、+5外皮、+2【敏】) HP 97(13HD;3d8+10d6+49) 頑健 +8、反応 +11、意志 +9 抵抗 [火炎]20 攻撃 移動速度 30フィート 近接 +1クオータースタッフ=+12/+7(1d6+7) 遠隔 高品質のショートボウ=+10(1d6/×3) 血脈の擬似呪文能力 (術者レベル10;精神集中+12) 6回/日―精霊の光線(1d6+5[火炎]) 1回/日―精霊の奔流(10d6[火炎]、DC18) 修得ソーサラー呪文 (術者レベル10;精神集中+13) 5レベル(3回/日)―ファイアー・スネーク(DC18) 4レベル(5回/日)―エレメンタル・ボディI、ファイアー・シールド、ブラック・テンタクルズ 3レベル(6回/日)―スティンキング・クラウド(DC16)、ハウリング・アゴニー(DC16)、ファイアーボール(DC16)、プロテクション・フロム・エナジー、レイジ 2レベル(7回/日)―インヴィジビリティ、オルター・セルフ、シー・インヴィジビリティ、スコーチング・レイ、タッチ・オヴ・イディオシー、レヴィテート 1レベル(7回/日)―エンラージ・パースン(DC14)、カラー・スプレー(DC14)、シールド、バーニング・ハンズ(DC14)、マジック・ミサイル、レイ・オヴ・エンフィーブルメント(DC14) 0レベル(回数無制限)―アシッド・スプラッシュ、ゴースト・サウンド(DC13)、タッチ・オヴ・ファティーグ(DC13)、デイズ(DC13)、ディテクト・ポイズン、ディテクト・マジック、メイジ・ハンド、リード・マジック、レジスタンス 血脈 精霊(火) 戦術 戦闘前 流血魔術師はインヴィジビリティを発動し、被害を受けることなく呪文をぶつけることのできる場所に移動する。 戦闘中 戦闘の開始に、流血魔術師はファイアー・スネークとファイアーボールを敵に発動する。攻撃の目標になると、自分を守るために自分にシールドとファイアー・シールドを発動する。 一般データ 【筋】18、【敏】15、【耐】16、【知】8、【判】10、【魅】17 基本攻撃 +7;CMB +11;CMD 24 特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《近距離射撃》、《呪文威力強化》、《呪文距離延長》、《神速の反応》、《精密射撃》、《戦闘発動》、《物質要素省略》 技能 〈威圧〉+6、〈隠密〉+9、〈呪文学〉+12 言語 共通語、ゴブリン語 その他の特殊能力 血脈の秘法(エネルギー・ダメージの呪文を[火炎]に変更する)、忍び寄る 戦闘用装備 ポーション・オヴ・キュア・モデレット・ウーンズ、その他の装備 +1クオータースタッフ、高品質のダガー、高品質のショートボウとアロー20本、アミュレット・オヴ・ナチュラル・アーマー+2、クローク・オヴ・レジスタンス+1、ヘッドバンド・オヴ・アリュアリング・カリズマ+2、117GP バグベアの中にいる秘術呪文の使い手は、通常ソーサラーだ――学習や制御が必要なウィザードのような秘術の道を歩めるほどに興味や忍耐のあるバグベアはほとんどいない。バグベアはこのような生まれながらの魔法の才を持つ者を流血魔術師と呼び、彼らの呪文発動能力を技能と同じように扱う――致傷に有益であれば、知っておく価値がある、と。一般的な流血魔術師は破壊と苦痛を与える呪文、加えて自分を守る助けとなる補足的な呪文少々にのみ興味を持つ。魔法のアイテムを作成する方法を学ぶ流血魔術師はまずいない。 バグベアの暴君 Bugbear Tyrant バグベアの暴君は恐怖と殺戮を引き起こす、狂える使者である。かつては単独の略奪者であった彼は、デーモン・ロードが選びし代理人として邪教団が周囲に集まっていくような偉大な力を得ており、粗暴なバグベアの国がこの暴君の下に出来上がっていっている。これは全て、暴君の通知の下に行われた。暴君は自分に従う相手にも、また自分が期待されていることや自分がするように予定されていることにも頓着しない。彼の使命はただ一つ、恐怖と暴力を撒くことである。 バグベアの暴君 CR13 Bugbear Tyrant XP 25,600 バグベア(男性)、12レベル・アンティパラディン(恐怖を撒くもの) 混沌にして悪/中型サイズの人型生物(ゴブリン類) イニシアチブ +1;感覚 暗視60フィート、鋭敏嗅覚;〈知覚〉+11 オーラ 絶望(10フィート)、戦慄(10フィート)、復讐(10フィート) 防御 AC 27、接触12、立ちすくみ26(+4外皮、+1反発、+1【敏】、+11鎧) HP 136(15HD;3d8+12d10+57) 頑健 +15、反応 +11、意志 +11 完全耐性 病気 攻撃 移動速度 30フィート 近接 +2ファルシオン=+22/+17/+12(2d4+9/18~20) 遠隔 高品質のジャヴェリン=+16(1d6+5) 特殊攻撃 善を討つ一撃4回/日(+2攻撃およびAC、+12ダメージ)、負のエネルギー放出(DC18、6d6) アンティパラディンの擬似呪文能力 (術者レベル12;精神集中+14) 回数無制限―ディテクト・グッド 準備済みのアンティパラディン呪文 (術者レベル9;精神集中+11) 3レベル―アイソレイト*(DC15) 2レベル―コラプション・レジスタンス、スケアー(DC14)、リタニィ・オヴ・ウォーディング 1レベル―ディスガイズ・セルフ、リタニィ・オヴ・ウィークネス、リタニィ・オヴ・スロウス 戦術 戦闘前 バグベアの暴君は敵に気付かれることなく近づくため、ディスガイズ・セルフを使用する。 戦闘中 自由に使える[恐怖]効果を用いて、バグベアの暴君は《Cruel Opportunist》と《傷めつけ》でダメージを増加させる。その一方で、恐怖喰い能力を使ってヒット・ポイントを回復する。暴君はそばで戦うものの命にほとんど気を払わない。逃げなければならない場合、仲間を殺しても気にしない。 一般データ 【筋】20、【敏】12、【耐】16、【知】12、【判】8、【魅】15 基本攻撃 +14;CMB +19;CMD 30 特技 《Cruel Opportunist》、《威圧演舞》、《傷めつけ》、《強打》、《恐怖蓄積》、《武器熟練:ファルシオン》、《理屈抜きの脅威》、《腕力による威圧》 技能 〈威圧〉+26、〈隠密〉+15、〈知覚〉+11 言語 共通語、ゴブリン語、奈落語 その他の特殊能力 恐怖喰い*(6HP)、忍び寄る、魔物の恩恵(武器+3、2回/日)、無慈悲(幻惑状態、恐れ状態、恐慌状態*) 戦闘用装備 エリクサー・オヴ・オプレッション*、ポーション・オヴ・キュア・モデレット・ウーンズ ;その他の装備 +2フル・プレート、+2ファルシオン、高品質のジャヴェリン(2)、アミュレット・オヴ・ナチュラル・アーマー+1、ブーツ・オヴ・ストライディング・アンド・スプリンギング、クローク・オヴ・レジスタンス+1、リング・オヴ・プロテクション+1、973GP 惹きつける存在感で他のバグベアを従えるものの、バグベアの暴君は他のクリーチャーを打ち払い苦しめることで自らの伝説を本当に作り出す。バグベアは領土を得たり敵を降伏させることよりも、苦痛を与え頭を集めることに興味を持つ。彼らはアンティパラディンの心と他人に苦痛を与える超常能力に宿る狂気にすぐに気付き、理解する。 暴君はバグベア種族の敵に暴力を惜しむことはない。とりわけ退屈になると、楽しみのために部下に手を上げたり切り刻むこともないわけではない。 フライトフル・ホーンター Frightful Haunter 霧がぼんやりと人の形を取る。姿ははっきりしないが、爪の生えた手と、髪が伸び牙の生えた顔ははっきりと分かる。 フライトフル・ホーンター CR8 Frightful Haunter XP 4,800 混沌にして悪/中型サイズのアンデッド(非実体) イニシアチブ +7;感覚 暗視60フィート;〈知覚〉+17 オーラ 戦慄(30フィート) 防御 AC 16、接触15、立ちすくみ12(+3反発、+3【敏】) HP 60(8d8+24);高速治癒0(特殊能力を参照) 頑健 +5、反応 +5、意志 +9 完全耐性 霊障 防御能力 エネルギー放出に対する抵抗+3、非実体 攻撃 移動速度 飛行40フィート(完璧) 近接 身もすくむ接触=+9(3d8、加えて意志・DC17に失敗すると怯え状態) 特殊攻撃 身もすくむ接触(DC17)、霊障作成 一般データ 【筋】―、【敏】17、【耐】―、【知】15、【判】17、【魅】16 基本攻撃 +6;CMB +6;CMD 21 特技 《技能熟練:知覚》、《無視界戦闘》 技能 〈威圧〉+13、〈隠密〉+14、〈生存〉+11、〈知覚〉+17、〈知識:地域〉+13、〈知識:歴史〉+10、〈飛行〉+11 言語 共通語、ゴブリン語 生態 出現環境 気候問わず/地形問わず 編成 単体、2体、または徒党(3~6) 宝物 なし 特殊能力 戦慄のオーラ(超常)/Aura of Cowardice フライトフル・ホーンターははっきりと分かる恐ろしいオーラを放つ。30フィート以内にいる敵は[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローに-4のペナルティを受ける。[恐怖]に対する完全耐性を持つクリーチャーでも、このクリーチャーから10フィート以内に入れば完全耐性を失う。 霊障作成(超常)/Create Haunt フライトフル・ホーンターはあまりに怒りを抱いており、そして恐怖を生み出したいと願っている。その思いが実際に、霊障を1時間に1つ作り出す。霊障それぞれはフライトフル・ホーンターのCR-2以下のCRを持ち、フライトフル・ホーンターが選択した場所に関連したものか、フライトフル・ホーンターが怯えさせたい犠牲者からイメージされたものになる。 通常の霊障とは異なり、フライトフル・ホーンターが作り出したものは無力化されると同時に破壊され、フライトフル・ホーンターのヒット・ダイスに等しい日数が経過するとかき消えてしまう。フライトフル・ホーンターはHD毎に霊障1つを超えて操ることはできない。霊障がその限界を超えて作り出されると、最も古い霊障が無力化される。 恐怖を喰らう(超常)/Fear Eater フライトフル・ホーンターは30フィート以内にいて、[恐怖]効果の影響を受けているクリーチャーの数に等しい高速治癒を持つ。 恐怖起源(超常)/Made of Fear フライトフル・ホーンターは自らが生み出したものでなくても、霊障の効果に完全耐性を持つ。 身もすくむ接触(超常)/Terrifying Touch フライトフル・ホーンターの接触攻撃が命中したクリーチャーは3d8ポイントのダメージを受け、DC17の意志セーヴィング・スローに成功しなければ1分の間怯え状態となる。セーヴに成功したクリーチャーは以後24時間の間、身もすくむ接触によって怯え状態になることはないが、依然としてダメージは受ける。身もすくむ接触が複数回成功すると単に効果の持続時間が延びるだけである。より強力な[恐怖]段階にはならない。これは[恐怖、精神作用]効果である。DCは【魅力】に基づいている。 ときに、恐怖と不幸を生み出したいという欲望が、バグベアの死後でさえ残ることがある。このようなクリーチャーは自身の邪悪な本質を切り離し、霊障という形の恐ろしい精神的な罠を作り出すことができる。可能なときにはいつでも、フライトフル・ホーンターは怯えさせる為の霊障を作る前にその集団を観察し、犠牲者の恐怖と弱さに基づいてその霊障の効果に手を加える。フライトフル・ホーンターが集団と直接出会わなければならなくなると、ダメージを与える霊障の要塞を作り出そうと試み、敵集団が霊障を1つでも無効化するような場合にのみ攻撃を行う。それから他の準備のできた別の場所に逃亡する。 遭遇 Encounters バグベアと出会うときには1体だけの場合もあるが、襲撃、斥候、殺戮、威嚇の際には徒党を組むこともある。 バグベアの襲撃隊(CR6) Bugbear Raiding Party 襲撃隊は倒れた隊商の犠牲者や、村や畑から離れたところで迷うものを探し出す。 バグベアの歯ぎしり男 CR4 Bugbear Gnasher XP 1,200 HP 53 バグベア(2) CR2 Bugbears XP 各600 HP 各16 バグベアの偵察隊(CR9) Bugbear Scouts ホブゴブリンや他の主と共に働いている、これらの偵察隊は音を立てずに死を招く。主の敵を殺すために共同で作業をする。 バグベアの大肉喰らい CR8 Bugbear Flesh Glutton XP 4,800 HP 99 バグベアの静殺者(2) CR5 Bugbear Stalkers XP 各1,600 HP 各41 バグベアの殺戮賊(CR11) Bugbear Murder Gang 恐怖と苦悩を撒く最高の方法は、街に住む愛すべき人を殺すことだ。このバグベア集団はより大きな侵略に先だって町を混乱させようとし、尊敬されている評議会メンバーを殺すために音もなく忍び寄る。 バグベアの信徒 CR7 Bugbear Cultist XP 3,200 HP 64 バグベアの要撃手(2) CR8 Bugbear Lurkers XP 各4,800 HP 各81 中枢の側近(CR15) Inner Circle バグベアの暴君の恐ろしい権力の周りに群がるこの一団は、バグベア氏族の野蛮さや、蛮行の蔓延の核を示すものかもしれない。個々人は互いに小競り合いをするかもしれないが、彼らは部下に同じ仕事をさせたいのであり、実際に勢力圏に敵が攻めてくると、彼らは組織として行動し、乱暴に侵入者を討伐する。 バグベアの奇襲兵 CR10 Bugbear Ambusher XP 9,600 HP 90 バグベアの流血魔術師 CR11 Bugbear Bloodmage XP 12,800 HP 97 バグベアの信徒 CR7 Bugbear Cultist XP 3,200 HP 64 バグベアの暴君 CR13 Bugbear Tyrant XP 5,600 HP 136
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758人。 それが何の数字かと問われれば、今しがた失われた命の数だ。 鬼ヶ島という死地に取り込まれ、覚醒という婉曲な死刑宣告を受け。 大看板という三体の怪物の糧となった無辜の市民達を示す数値。 「ま、医療の発展には犠牲はつきものだよな」 惨事を引き起こした張本人、皮下真はこれまでと何も変わらない軽薄な笑みを浮かべた。 仮説は再現性を得て、経過は良好。 これまで固有結界の中でしか活動できなかった大看板達は霊基を向上させ、 結界の外でも自由に活動できるだけの魔力を蓄えた。 今後は、大看板達も駒の一つとして盤面に出せる。 これは従えるサーヴァントが一気に四体に増えたような物だ。 優勝に向けて大きく前進したと言ってもいいだろう。 更に、ここ一時間での成果はそれだけではない。 カイドウに念話を飛ばし、興味深い話をいくつか耳にした。 これについては後で調べる必要があるだろう。 そして極めつけは―――、 「君もそう思うかい?梨花ちゃん」 皮下は、同盟者の協力もあり脱出派のマスターを捕虜にする事に成功していた。 未だ気絶したまま目覚めない古手梨花と名乗った少女。 界聖杯が手塩にかけて集めた可能性の器の本家本元。 それがどれだけ優秀な実験動物(モルモット)となるか…実に楽しみだった。 皮下は先ほど切り落とした梨花の腕を弄びながら、もう片方の手で支える少女の耳元で囁く。 「薬漬けにして色々吐いてもらった後、色々弄り回させてもらうわ。 未来の平和の礎になれるんだ、平和の使者の冥利に尽きるだろ?」 前提として。 古手梨花の状況は詰んでいる。 絶対の命令権たる令呪は右腕と共に失い、頼みの綱のセイバーは敗走し重症の身。 そして彼女を捕らえたのが生粋の人でなしたる皮下なのだから致命的だ。 三十分後には苛烈な拷問と梨花の体を用いた実験が始まるだろう。 仮に武蔵が数時間後に救出に来たとしても、その頃にはとうに廃人になっている。 それが奇跡を求めた少女の末路。彼女一人では変えようもない一つの結末。 「……そいつが件のマスターか」 早速皮下が診察室(ごうもんべや)に招待した時だった。 こつりと背後で足音が響いたのは。 上機嫌な笑顔そのままに振り返ると、同盟者である不治の否定者とその従僕がそこにいた。 憮然とした表情で自分を見やるリップに、皮下は笑みを崩すことなく労う。 「おう、リップ。アーチャーちゃん、お疲れさん。二人のお陰で助かったよ」 皮下の労いの言葉にリップは答えない。 その視線はずっと彼に抱えられた少女の方に向けられていた。 そして、皮下の持つ切り落とした梨花の腕と、少女を交互に見ながら短く尋ねる。 「…そのガキの令呪はどうした」 「ん~御覧の通りだが」 皮下はそう答えながらちぎれた人形の腕を弄ぶように、ぷらぷらと切り離された少女の腕を揺らす。 切り離された上にさんざん踏み躙られたその腕は見るも無残な物だった。 令呪もこれでは使い物にならないだろう。 それを見てわざとらしく溜息を吐くと、リップは追及を開始する。 「残しておけばセイバーを傀儡にするなり自害させるなりできただろうが」 「えっ、いや、うん。確かにそうだけどさー…令呪で向こうのサーヴァント呼ばれたら おっかないだろ?リスクヘッジって奴だよリスクヘッジ」 「何のために俺のアーチャーが骨を折ったと思ってる」 「あー…いやー…まぁ、その。正直すまんかった。埋め合わせはさせてもらうよ」 指摘から話を逸らすように、皮下はシュヴィの前にしゃがみ込む。 「今回のMVPはアーチャーちゃんだ。何か欲しいものがあったら用立てるさ。 頼まれてた例の薬の量産も取り掛かるし、パフェでも何でも食べたいものがあれば――」 「ううん…いらない、でも」 まるで優しい兄の様な声色で機械の少女の機嫌を取ろうとする。 しかし、シュヴィは皮下の提案には乗らず、静かに首を振った。 そして、その代わりとして、皮下が抱える少女を指さした。 「その子が……欲しい」 これには皮下も「は?」と疑問の声が漏れる。 自分にとって古手梨花の身体から得られる情報は正しく宝の山だ。 だが、目の前の少女がこんな令呪も失った無力なマスターを手に入れて如何するのか。 そのまま視線をスライドし、彼女の主へと移す。 主にも話は合わせているのか、リップの目にシュヴィの要求に対する驚きは無い様子だ。 そのまま自らのサーヴァントの要求を汲んで、皮下に重ねて告げる。 「聞いた通りだ。埋め合わせというなら、そのガキの身柄は俺達が預かる」 「貴重なサンプルだ。直ぐに頷く訳にはいかねーな。目的を聞こうか。 単にこの子を哀れに思ったってんなら、却下させてもらうぜ」 皮下にとっても梨花の体は貴重な資源であり戦利品だ。 すぐさま渡す決断はできない、そう考えての問いかけだった。 そんな彼の問いかけに、返された返事は早かった。 リップではなく、シュヴィが先んじてその返答を返す。 「貴女と…同じ。可能性の器の……調査。私の……『解析』の、精度は…… 貴女よりも……ずっと精度が高い…合理的」 言ってくれるねぇと、苦笑いを禁じ得ない。 確かに皮下の調査よりも、シュヴィの解析の方がより早く、より精度の高い情報が得られるだろう。 悔しいが、そこは認めざるを得ない。 しかし、まだ反論の余地はあった。 「うーん、しかしなー…梨花ちゃんに対する尋問はどうする? アーチャーちゃん、そういうのに向いてないだろ?だから代わりに俺が―――」 「尋問は俺がする、不治の能力を使ってでもな 腕を切り落としたお前が相手じゃ話すものも話さないだろう」 僅かな反論の余地だったが、すぐさま潰された。 確かに、リップの“不治“の能力は尋問に向いている。 その力を持つ彼が直々に尋問を行うと言われれば、断るにも苦しい。 「……他意は無いんだな?」 「当たり前だ。生憎こっちを消しに来る可能性のある相手に慈悲をかける趣味は無い」 「いやそうじゃなくて、アーチャーちゃんと言い梨花ちゃんと言いおまえひょっとしてロリコ―――うおおおっ!?」 言い終わる前に皮下の顔面に磨き上げられたメスが飛来する。 刺されば再生の開花を有する皮下ですら決して癒えない傷をつける刃が。 それも一本だけ、ではない。 ダーツの的に投げる様に、避けた先へと二本三本と次々に飛来してくる。 「ちょちょちょ、お前のは洒落にならな―――待て待て待て話せばわかる! ほんとに待てって!!分かった分かった俺が悪かった! 幾つか条件はあるが、それさえ飲めるなら梨花ちゃんは好きにしろ!」 「…条件を出せる立場か。何ならこっちはお前を殺して奪ったっていいんだ」 「まぁ焦らず聞けって。どれもそう大した話じゃない」 白衣にメスが何本か刺さり、冷や汗を垂らして、皮下はリップの要求に折れた。 三本指を立てて、目の前の天敵を宥める様に条件を提示していく。 「一つ、尋問で得た情報は俺に共有してくれる事。 二つ、尋問が上手くいかない様であれば俺と変わる事。これはまぁ、当たり前だな」 前述の通り、皮下の出した条件は当然と言ってもいい容易な物だった。 リップが皮下の立場でも同じ要求をしただろう。 今提示された条件については彼もまた、異論はなかった。 それを確認した後、皮下の白衣の下から一台のタブレット端末が取り出される。 それとともに、最後の条件が提示された。 「最後に、またアーチャーちゃんに仕事を一つ頼みたい」 「見ての通りアーチャーはお前を守って療養中だ。荒事なら自分の手足を動かせ」 「そんなんじゃないって、ただちょーっと、デトネラットの社長について調べてほしいだけさ」 デトネラットと言えば、このひと月でリップも耳にしたことがある程の大企業だ。 調べろ、という事はその会社の関係者がマスターなのか? リップはそう予想したが、続く皮下の返事は予想外のモノだった。 「さっき念話で聞かされたんだが、総督たちがそのデトラネットの本社に襲撃をかけてな、 ビルは焼き払ったが、そこにいたサーヴァント達に追い返されたみたいだぜ」 「…それが本当なら、お前が頼りにしてるあのライダーも存外大したことなかったようだな」 「総督はほとんど無傷みたいだけどな。で、だ。そのデトネラットを根城にしていたサーヴァントの集団の中に、どうも社長室に居た奴がいるらしい。 どうだ?ここまで話したらお前も気になって来ないか?」 「……」 確かに、あの皮下のライダーすら退けたサーヴァント達の連合ともいうべき集団がいるなら気になる所だ。 そんな戦力を抱えている集団のバックに大企業の社会力が付いている可能性は無視できない。 戦闘力と権力の完璧さで言えば大和が遥かに勝っているだろうが、根本的には孤軍であるリップにとって厄介なことには変わりない。 「敵は大和や283だけじゃない。厄介な連中の尻尾は早いうちに掴んでおく、合理的だろ?」 「……それで、アーチャーに何をさせるつもりだ」 「デトネラットのバックアップサーバーにハックして、社長周辺の情報を洗ってくれ。 通話記録やら、メールの履歴、周辺の監視カメラの情報とかも欲しいな アーチャーちゃんなら朝飯前の仕事だろ?」 その要請に、無言で自らの弓兵へと視線を動かす。 瞳だけで「できるか?」と問いかけられたアーチャーの少女は無言でコクリと頷いた。 そして、皮下から手渡された彼女からしてみれば骨董品どころか化石に等しいレベルの端末を中継してハッキングが始動する。 結果は直ぐに出た。 ここひと月のデトネラットの社長へと向けた通話記録やメールの履歴に、怪しい物がないか抽出するだけの簡単な仕事だ。 世界的有名企業(らしい)デトネラットのセキュリティは現代における最高峰のモノだ。 だが、電子戦の女王たるシュヴィにとって現代の最高峰など子供の手慰みにも等しい。 どれだけのセキュリティや暗号化で防衛しようと、たかが21世紀の科学技術で機凱種の解析体(プリューファ)たるシュヴィの目を誤魔化せるはずもない。 「おー…こりゃすげえ、デトネラットのハゲ社長だけじゃなくて大手ITから出版社。 果ては政治団体まで抱き込んでるのか、手広くやってんなー」 そうして出た解析結果は、まず間違いなくクロだという事。 それもただの黒ではない、敵手は想定以上に手広くこの社会に巣を張っている様だった。 通話記録やメール履歴から推定マスターと“覚醒者“容疑者を割り出していくと、 名だたる大手企業の取締役や役員がぞろぞろと羅列された。 峰津院が表社会の支配者ならば、この連合の元締めは裏の支配者と言えるだろう。 社会戦という土壌で言えば、皮下ですら及ばない。 まさしく峰津院と並ぶ最強と呼べる主従だろう。 その上、皮下の召喚した大海賊のライダーと並ぶ女海賊を撃退するだけの暴力をも有している。 楽観視できる相手では当然なかった。 「割り出したのはいいが、これだけ広範囲に巣を張ってる奴を相手にどうするつもりだ」 上機嫌そうにシュヴィより転送された音声データや通話履歴に目を通す皮下に冷ややかな声をかけるリップ。 兎角連合の盟主がこの一月で構築したであろうネットワークは広範囲に過ぎる。 葉桜の兵隊にでも襲撃をかけさせてもいいが、一つ一つ襲撃していたらキリがない。 また自分が聖杯戦争に関わっていると知らないデコイ役のNPCも相当数用意されていることを考えれば、鼬ごっこになるのがオチだ。 かといって、放置するには危険すぎる戦力でもある。 大企業の複合体を裏で支配し、四皇すら退ける戦力の持ち主を相手取るにはリップや皮下単騎では余りにも心もとない。 しかし、そんな難敵を相手にしているというのに、皮下の態度は涼し気だった。 「俺達は所詮日陰者だからな。餅は餅屋って奴だ。 東京中に巣を張った蜘蛛を退治するのに相応しい白の騎士(ホワイトナイト)様はもういるだろ?」 ひらひらとその手の端末を振りながら、皮下は軽薄に笑った。 画面に映っているのは、彼にとって怨敵ともいえる相手。 この街の表の支配者にして、裏の支配者である連合の盟主ですら及ばない権力者。 峰津院大和が動画をアップロードしたSNSのアカウント。 そこのダイレクトメッセージ欄に、今しがた手に入れたデータを纏めてぶちまける。 ―――『煮るなり焼くなりお好きなように』そう綴って、投稿ボタンをタップした。 無論の事、DOCTOR.Kのアカウントを介して、だ。 「……大和の奴はお前の仕業だって気づくだろ、乗ってくると思うか?」 「大和が感情よりも利を獲れる男ならな。峰津院の権力を使うだけで厄介な陣営の社会的戦力を根こそぎ崩せるんだ。ローリスクハイリターンでどう考えても旨い話だろ?」 これがもし大和本人を誘導しようものなら即座に彼の男はその狙いを看破し、皮下の思惑を上回ろうと動くだろう。 だが、覚醒したNPCを潰すだけならば大和本人が動く必要はない。 デトネラットも巨大企業ではあるが、峰津院財閥に比べれば赤子と大人だ。 その権力を以て踏み込むなり監視なりしてくれれば、周辺の蜘蛛の巣を一気に封じ込めることができる。 その上でデトネラットに巣食う勢力を始末してくれれば万々歳だが、流石にそこまでは期待しない。 あくまで情報をリークするだけで大和に決定権(キャスティングボード)を委ねる。 例え大和が乗って来なくとも、皮下とリップに損はない。 「………仕事は終わりだ。古手梨花の身柄は俺が預かるぞ」 リップの表情は晴れない。 また一つアドバンテージを積み重ねたはずなのにも関わらずだ。 シュヴィの情報収集能力は圧倒的だが、彼女の解析能力でも東京中の通信回線を一つ一つ検分していくのは骨が折れる。 というより、かかる時間を考慮して決してしなかっただろう。 リップだけなら辿り着くことができなかった情報に、皮下の協力で辿り着いた。 けれどそれは。 結局のところ、皮下の舗装した道を走っているのではないか。 そんな危機感が募っていくのだ。 「腕も寄越せ。繋げてみて令呪が使い物になるかどうか試す、お前の設備も借りるぞ」 「注文が多いなぁおい。令呪使われてあの怖い女侍が出てきたらお前が責任とれよ?」 「そうなる前に不治を使う。いいからお前はさっさと俺の要求するものを渡せ。 交換条件で先に要求に応えたのは此方だろうが」 「へいへい。サービスで貸しといてやるよ。その代わり尋問はしっかり頼むぜ」 やれやれと肩を竦めて、皮下は梨花の体を乱雑に投げ渡す。 それを受け止めながら、リップはあらかじめ調べておいた皮下の研究設備のある部屋へと向かう。 それを見送りながら、皮下は出来の悪い教え子を見る様な笑みで独り言ちた。 「甘い奴だねぇ、つくづく。ま、お陰で制御しやすいけどな」 ◆ 意識がうっすらと覚醒して。 まず最初に感じたのは、右腕に走る強烈な違和感だった。 痛みは無いけれどそれでも強烈な疼きは強制的に少女の意識を眠りから呼び覚ます。 そうして、古手梨花が目を覚ますと。 金の髪に眼帯の男と、長い黒髪の自分と同じくらいの年齢の少女が立っていた。 「……ッ。此処、は……」 脳に鞭を打つようにお ぼろげな意識を覚醒させ、周囲を伺う。 目の前の男と少女の背後の景色は、どう考えても自分の知る自宅ではない。 それを認識すると同時に、意識を失う前の記憶が蘇ってきた。 そうだ、私は皮下に捕まり、右腕を切り落とされて―――と。 「目が覚めたか、右腕の調子はどうだ」 眼帯の男の問いに、意識が斬り落とされた方へと向く。 ゆっくりと視線を傾けると、喪われたはずの腕がそこにあった。 二度、三度、握りこぶしを作ってみる。 軽い痺れのような疼きはあるものの、動かすのに支障はなかった。 踏み躙られぐちゃぐちゃになった筈の令呪の刻印も復元していた。 一画、消費されている様だったが。 「……貴女は?」 「聖杯戦争の参加者だよ。お前と同じな」 「そうじゃないわ。名前よ名前。この腕を繋げてくれたのは貴方でしょう? お礼くらいは、言わせて頂戴」 「…リップだ。礼は必要ない。その腕を繋げたのもお前を利用するためだからな」 リップ、と名乗った男の声は、感情を一切感じさせない冷淡な物だった。 本能的に危機感を感じ、体を起こそうとした梨花の耳朶に金属の鎖の音が響く。 音の方を見てみれば、自分の片腕と片足は頑丈そうな鎖で拘束されていた。 それを見て、助かったのではなく、やはり虜囚の身であることを彼女は理解した。 「状況が飲み込めてきた所で―――令呪を使ってもらうぞ」 少女が事態を飲み込んできたのを察すると、リップは静かにしゃがみ込み。 梨花の首筋に、鋭利なメスを添えながら令呪を使えと静かに命じる。 それが脅迫であることは、誰の目から見ても明らかだった。 「………」 「行っておくが、もしサーヴァントを呼ぼうと考えているならやめておくことだ。 この状況ならお前が言い終わる前に、俺がお前の首を掻き切る方が早い」 「……ッ!!」 リップの制止は的確な物だった。 事態が飲み込めてきた梨花がまず考えたのは、蘇った令呪による離脱だったのだから。 だが、首筋に刃物を当てられた現状では既に難しい。 更に、リップは容赦なく脅迫時の切り札を彼女に提示した。 即ち不治の否定能力。 決して消えない傷をその身に刻み付ける、アンリペアの呪いを。 「腕を繋げるときに仕込みはさせてもらった。 もし令呪を使って逃げおおせたとしても俺は不治を発動する。 そうなれば右腕から大出血。お前の命は保って一時間程度だな」 切り落とされた右腕を繋げるのはそう難しい事ではなかった。 元外科医であるリップと、機凱種のシュヴィの知識。 皮下の有する医療・研究設備と地獄への回数券(ヘルズ・クーポン) これだけ揃えば切り落とされた右腕を繋げ、元通り動かせる程度に回復させるのは訳はなかった。 丁度、時を同じくして。 破壊の魔王が損傷の激しい片腕を見事に復活させたように。 だが、それは梨花にとって決して朗報であるとは限らない。 代償として、その身に決して消せない否定の理を刻まれたのだから。 「信じないならそれでもいいが、俺の要求を飲まないのなら…お前を皮下に引き渡す」 梨花の脳裏に、ついさっき自分の腕を切り落とした男の顔が浮かび上がる。 にこやかな笑みを浮かべて、自分の仲間をごみの様に殺した皮下真という男。 あの男に引き渡されれば、間違いなく凄惨な最期を迎えることになるだろう。 「奴は一切の容赦をしない。一時間もすれば薬漬けにされて何もかも奪われるぞ。 皮下の話じゃ多少痛みに耐性はある様だが、特殊な訓練を受けていなければ薬物と拷問には人の体は耐えられない。そういう風にできてるんだよ」 どれだけ良識や精神力を有していようと。 特殊な訓練を受けていない常人では薬物と拷問には耐えられない。 人の体とはそういう風にできている。 道を踏み外してから、嫌というほどそんな光景を見てきた。 そして、皮下の手に渡れば梨花を待っているのはそんな悲惨な末路だ。 セイバーが救助に来ても、その頃にはとうに廃人になっているだろう。 「……それで、引き渡されたくなければ貴女の命令に従えってこと?」 「選ぶのはお前だ。皮下の実験動物にされても、正気を保つ自信があるならそうしろ」 どこまでも冷酷に、冷淡に。 努めて声色から感情を消し去り、リップは梨花の目の前にスマホを突き出す。 そこに映っていたのは、実験動物(モルモット)にされた二人の少女の末路だ。 金と黒の髪の少女が獣のような声を上げて壊れていく阿鼻叫喚の実験記録。 梨花が目覚める前に、リップが生き残った皮下の研究設備からサルベージした代物だった。 主に園崎詩音の手によって拷問には慣れているはずの梨花ですら、心胆を凍り付かせるに十分な光景だった。 「……私に、どうしろと?」 青ざめた顔で、冷や汗をとめどなく流しながら。 気づかぬうちに、縋るような声で尋ねていた。 要求をつっぱねる気力はとうにどこかに行ってしまっている。 此処で逆らった所で死ぬか、死より辛い地獄を味合わされるのは明らかで。 最早自分に選択肢は無いのだと、少女は悟らずにはいられなかった。 そんなおびえた様子の少女に対して、それでも男は冷酷に命じる。 「先ずは取り戻した令呪でこう命じろ、『リップとそのサーヴァント…アーチャーの指示に従え』ってな」 リップの要求は、梨花主従の隷属だった。 不治の権能により梨花がリップに危害を加えることは最早できない。 それすらも治療行為と判断されるためである。 それに加えて、支持という形でサーヴァントからの攻撃さえ封じてしまえば完全に少女と女侍の主従はリップ達への対抗手段を失う。 それは梨花にも直ぐに理解できる事実で、言葉に詰まる。 だが、リップはそんな彼女の逡巡を許さない。 「どうした。元々俺がいなければ喪っていた令呪だろ。それともやっぱり皮下を呼ぶか?」 「……ッ!!分かった…わよ。使えば良いんでしょう。使えば!!」 殆ど自暴自棄といった様相で、梨花はリップの要求に屈した。 その選択は、少なくとも現状の彼女が生き残る唯一の選択肢だった。 皮下に引き渡されれば、どう転んでも脱落が確定してしまう。 それならば、目の前の眼帯男に与する方が望みはわずかにだが残る。 梨花とセイバーでは決してリップに対抗できなくなるが、他の主従が彼を倒す可能性や戦うことなく脱出が叶う可能性も無い訳ではない。 問題は、それまでに梨花達が使いつぶされていなければ、だが。 「セイバー…令呪を以て命じるわ…『リップと、そのサーヴァントの命令に従いなさい』」 言い終わると同時に、少女の手の甲から令呪の紋様が一画分消費される。 此処にはいないセイバーがどんな反応をしているかは分からない。 だが、最低でも自分が生きている事と、令呪が使用できる状態である事は伝わっただろう。 それを考えれば決して無駄ではない。後者の状況はどれだけ維持できるかは分からないが。 「……私とセイバーに何をさせるつもり?」 せめて視線だけは気丈にリップを睨みつけ。 指示に従えなんて命令を行った真意を少女は問う。 令呪は内容の具体性が上がるほどにその効力も向上する。 単に攻撃されたくないなら攻撃の禁止だけを命じた方が効果は高いはずだ。 そんな彼女の疑問に、リップは簡潔に答えた。 「簡単だ。皮下真か峰津院大和…こいつらの主従を刺す時にお前達には無条件で協力してもらう」 その言葉に、訝しむ様に眉を顰める梨花。 「貴女と皮下は仲間というわけではないの?」 梨花からすればリップという男は、皮下の仲間だと思っていた。 いや、同じ聖杯戦争の参加者であることを考慮すれば競争相手ではあるのだろうが。 それでも密かに暗殺を目論むほど剣呑な間柄であるとも思っていなかった。 そんな思考故の問いかけだったが、変わらぬ簡潔さでリップは語る。 『今は奴と同じ方向を向いているが一時的な物。好機が訪れ次第始末する予定だと』 (………みー。つまり、このリップという男は…) 自分を皮下に対する伏兵として使いたいのだろう。 隠し玉と言ってもいい。 その時梨花は、皮下の会談の際現れた少女のサーヴァントを想起した。 もし、リップのサーヴァントがあの機械の少女のマスターであるならば。 セイバーと交戦したであろう彼女が、セイバーの剣の腕を報告し、 マスターである彼が目を付けたのだろう。 だからいずれ来る皮下との決戦に備えて自分を引き込もうとしているのだ。 (それなら……) まだ、命運は尽きてはいない。 恐怖と絶望に光彩を失いかけていた瞳に、再び焔が灯される。 「皮下の脱落はお前達にとっても損は無いはずだ」 「分かったから、刃物を降ろして頂戴。今更逃げたりなんてしないわ」 先ほどよりもいくらか冷静になった声で、首筋のメスを降ろすように乞う。 ともすれば己の立場が分かっていない受け取られかねない要求だった。 だが既に令呪は使用させたため、リップは特に異を挟まずメスを降ろした。 そして、最後の要求を迫る。 「よし、次だ。次はお前のセイバーを令呪で回復させろ、今回に限り、な」 その命令は、梨花にとって予想外のもので。 先ほどの要求はリップにとって利になる物だったが、これは違う。 何方かと言えば、梨花の方が得るものが大きい命令だった。 「勘違いするなよ、いざという時に使い物にならないんじゃ意味がない。 お前のセイバーは俺のアーチャーに惨敗で逃げるのがやっとの体だったらしいからな」 アーチャーの報告では、交戦したセイバーは間違いなく重症を負っているとの事だった。 核攻撃も核やの火力と、霊骸と呼ばれる霊基すら犯す毒を受けたのだから当然だ。 幾ら腕が立っても、青息吐息のサーヴァントではあの怪物のライダーには鉄砲玉にすらならない。 肉壁程度ではリスクを冒して手駒にする意味がない。 それ故にいったん復調させておく必要があった。 無論、効果は単発にしておく。 その方が回復し続ける命令よりも効果が期待できるというのがシュヴィの言だった。 「分かったわ…セイバー、令呪を以て命じるわ。『一度だけ、体を回復させなさい』」 命令と共に、梨花に宿った最後の令呪の紋様が消えて失せる。 切り札たる令呪が全て消えた右手の甲を眺め忸怩たる思いを抱くものの、 出し惜しんだところで抱え落ちするだけだったと無理やり自分を納得させる。 「……それで、次は歌でも歌えばいいのかしら?」 紋様の消えた握りこぶしを作りながら、リップに尋ねる。 令呪を失った彼女に対して、リップの次の要求は至極予想通りのモノだった。 即ち、脱出派の情報を吐け、という尋問。 特に、件の脱出宝具を有しているサーヴァントとそのマスターについては絶対に吐いてもらうと、男は低い声で宣言した。 「―――仲間を売れっていうの」 「義理立てするのは結構だが、それなら折角繋げた右腕にお別れするんだな。 残念ながら皮下も俺がただで腕を繋げてやる慈善家じゃないのは知ってる。 『情報を渡す代わりに右腕を繋いだ』…筋書きには従ってもらうぞ」 食ってかかる梨花に対して、リップの態度はあくまで冷淡なままだ。 一切の感情を排除した瞳で「それに」と続く言葉を紡ぐ。 「喋らないなら聖杯を目指す連中全員、合意の上での283狩りが始まるぞ。 放って置いたら全員死ぬかもしれないんだ。誰もお前たちの味方はしない」 実際は割れた子供達の暴虐によりNPCのアイドル達は殆どが命を散らしているのだが。 当然二人には知る由もない。 ないからこそ、梨花は苦渋の決断を迫られる。 令呪の使用はどう転ぼうと影響は梨花個人で完結している。 だが今回は違う。 彼女の選如何では、死人の数が一気に跳ね上がる。 ―――どうする……!! もし喋ってしまえば、脱出派への合流は最早絶望的だ。 客観的に見れば梨花は命惜しさに情報を売り飛ばした裏切者でしかない。 だが、もし黙秘を続ければリップは容赦しないだろう。 殺されるか、それとも皮下に引き渡され拷問の末情報を結局引き出されるか…… いずれにしても、待っているのは確実な破滅だ。 行くも地獄、退くも地獄。 岐路に立たされた彼女に、否定者の青年は選択を迫る。 「もし喋るなら目標以外の283関係者への攻撃は控えさせたり、 何なら保護するように皮下に持ち掛けてもいい。これなら283にとっても悪い条件じゃない筈だ」 実際は体のいい人質になるだろうがな、という言葉は飲み込む。 だが、その提案の効果は絶大だと、言葉にしなくとも彼女の反応だけで分かった。 正しく、地獄にたらされた蜘蛛の糸だ。 追い詰められた少女にとって縋りたくなる一縷の希望。 それが虚構でしかないことを承知の上で、それでも迷わず不治の否定者は持ち掛けた。 「…………」 静寂が場を支配する。 文字通り古手梨花という少女の運命を決する決断だ。 直ぐには答えられない。 だが、リップはそれでも答えを求めた。 皮下を討つ話を聞かせた以上、彼女の選択を聞かなければ安心できないから。 「……一つだけ、聞かせてちょうだい」 絞り出すような声だった。 焦燥をと緊張を露わにした、僅かな光彩を湛えた瞳で少女は問う。 「貴女は皮下のやっている事に…いいえ、この世界に納得しているの?」 凛と、鈴のなるような清涼な声が静寂を破った。 焦燥と、絶望と、逡巡と、不運や不条理に対する嘆きを顔に浮かべて。 問いかける少女の瞳には、それでも諦観は宿っていなかった。 「その質問と俺の命令に何の因果がある」 「命を握っている相手の事を知っておきたいのは人情ってものじゃないかしら」 ふっと、どこか自嘲するように。 梨花はニヒルにほほ笑んだ。 彼の言う通り、これから彼女が下す決断と直接的な因果関係は無いのだ。 それでも問わずにいられないのは、きっと選んだ選択に対するささやかな納得のため。 「―――知って何になる。俺の心変わりを期待しているならやめておけ 目指す場所が違う以上、俺達の道が交わることは無い。知っても虚しいだけだ」 「虚しい、と思ってくれるのね」 この男は皮下とは違う。 返答が帰ってきたとき、梨花は感覚的にそう思うことができた。 自分の腕を切り落としたあの桜の魔人は虚しいなどとは思わないだろうから。 ただ事実を受け止めて、その上で軽薄な笑みを浮かべるのだろう。 だけど目の前の男は、リップは、虚しいといった。 分かり合えないことは、理解しあえない事は虚しいと。 都合のいい解釈であることは分かっている。けれど、そう思いたかった。 勿論、それだけで一緒に歩めるだとか、味方に引き込めると思うほど己惚れてはいない。 だけど少なくとも会話はできる相手だと、抱いたのはそんな印象だった。 「下らない揚げ足を取るな、俺は―――」 「貴女、何だか知り合いに似ているわ。本当は一番この世界に納得できていないのに。 それでも歯を食いしばって、無理やり鬼になろうとしてる」 リップを上目遣いに見つめて、そう告げる少女の雰囲気は。 彼にとって本当に先ほどまでの少女と同一なのかと思うほどの変化だった。 纏うモノが明らかに違う。 ただの子供の雰囲気でないことは明らかだ。 子供の姿はそのままに、まったく別種の生物に変わった様な、そんな錯覚を覚えた。 「……それ以上囀る様なら、皮下に引き渡すぞ」 「分かってるわ。知りたいことはもう知れたもの」 返事こそ帰っていないものの。 今のやり取りだけで、梨花には十分だった。 そして、腹を括る。 リップの人となりを僅かなりでも知った今、賭けに出る覚悟を決める。 自分の失敗で窮地に追い込んでしまった彼女達のために。 少しでも時間を作ることが、今の自分の役目だと、彼女はそう考えていた。 思案していたのは皮下の拠点にたどりつく前。 もし交渉が決裂し、自分が下手を打った時のために練っていた論理(ロジック)。 文字通り一世一代の大芝居。失敗すればリップは自分を容赦なく始末するだろう。 だが、彼が私とセイバーの主従を手駒にする価値はあると認めてくれているのなら。 勝算は僅かながらあると、彼女は踏んでいた。 「………貴女達が一番知りたがってる情報について教えてあげる」 少女の瞳が、紅く煌めいた。 ◆ 時間は、僅かに巻き戻る。 少女が、最後の令呪を使用したのと、同時刻に。 彼女にとっての一縷の希望が目覚める。 「……つ、梨花ちゃんッ!!!」 古手梨花のサーヴァント。 宮本武蔵は目覚めて直ぐに、自分の状態を確認した。 此処は何処だ? 自分はどれだけ気を失っていた? 疑問に突き動かされるように周囲を確認すると、そこは現代人ではない武蔵には馴染のない、仮設の医療用テントの中だった。 新宿で行き倒れていた所を、被災民と誤認され、此処まで連れてこられたらしい。 「アナタ!だめですよ勝手に起き上がっちゃ!!」 医師と思わしきNPCの制止の声も無視して、脇目もふらずにテントの外へと飛び出す。 気を失ったときには血に塗れていない部分を探す方が難しかった五体が動いた。 体中を覆っていた火傷もなく、撃ち抜かれた傷跡も修復されている。 ダメージ自体は残っているが、ある程度緩和されているし、これならば戦闘も可能だ。 明らかに自然な時間経過ではありえぬ快癒。 ここまでくれば、間違いない。 自分の現在の主は、令呪を使用したのだ。 (けど、私がまだ呼ばれてないって事は…!) 梨花とのレイラインは未だ切れていない。 加えて、令呪を使ったという事は少なくとも令呪を使用できる状態という事だ。 だが、決して楽観視はできない。 今自分が彼女の元へ呼び出されていないという事は。 以前梨花は捕らえられた猫箱の中という事なのだから。 しかも、漲る魔力とは別種の強制力が働いていることも感じる。 令呪によって違う命令が下されていると見るべきだろう。 そんな中、今自分が動くべきは―――、 (……あの、灰のライダー君と合流するべきかしらね。 悔しいけど今の体の状態で、私ひとりじゃ梨花ちゃんを取り戻すのは難しい。 何よりにちかちゃんが危ないわ) 思考を巡らせながら、ごふ、と。 鮮血を掌へと吐き出す。 令呪ですら、彼女の霊基を完全回復させるには至らなかったのだ。 ダメージは緩和されているとは言え残っているし、何より霊骸の爪痕は深かった。 壊れた精霊――霊骸はサーヴァントの霊基すら乱し、犯し、汚染する。 直撃こそ免れたとは言え全身に浴びたのだ、今、武蔵の体に全身腐り堕ちる様な激痛が走る。 しかし、霊核には及んでいない。あくまで霊基の表面だけだ。 身体に常に激痛が走ることを除けば欠損もなく、五体満足。 幸運だった。 霊基と切り離される欠損や霊核に損傷を受ければ、まず令呪であっても修復は不可能だろうと武蔵は踏んでいたからだ。 刀は握れる、戦うには問題はない。痛みさえ無視すれば軽症なり。 しかしそれで梨花を取りもどせるかどうかは別問題。 故に彼女が選んだ選択肢は灰のライダー、アシュレイ・ホライゾンとの合流だった。 脱出派の計画が成功した時に待ち受ける未来が発覚した以上、 要の脱出宝具を有したライダーとそのマスターであるにちかが真っ先に狙われる。 彼らに迫る危機を伝えなくては。 だが、連絡手段がない。 連絡先は武蔵も把握しているが、携帯電話はマスターである梨花すら持っていないのだ。 当然、彼女が持っているはずもなかった。 「仕方ない、誰かに借りて……!」 周囲には自身や知り合いの安否確認のために熱心に電話をかける被災民であふれている。 その表情はそのどれもが深刻であり、NPCと言えど無理やり電話を奪うのは気が引けたし、揉め事になっては面倒だ。 何しろ、現状は本当に一刻を争う。 誰か丁度いい人を見つけて電話を半ば無理やりにでも借りることを決意。 眼鏡に叶う人間を探すために周囲を鋭く睥睨し――それを発見した。 (何、あの子たち…?) 武蔵が発見したのはパーカーを目深に被った少年少女の一団だった。 年若く美しい子供に目がない彼女の性癖によって視線が誘われたわけではない。 注目した理由、それは彼の子供達に殺気を感じたからだ。 武蔵に向けられている訳ではない。 魔力は感じない。であればマスターでもサーヴァントでもない筈だ。 では、あれだけ剣呑な殺意で全身を満たす子供達は何者なのか。 何をするつもりなのか。 (ダメ、ダメよ私。今は梨花ちゃん達が最優先。それ以外の事には構って―――) 今は兎も角、自分の不徳で窮地に追いやってしまった主をこそ最優先するべき時だ。 そうこうしている内に、子供達が医療用テントの一つに入っていく。 だが、関係ない。 今は一刻を争う事態だ。 関係ない。関係ない。関係ない――――、 「あぁ、もうッ!!」 脳裏を過るのは橙色の髪をした、最初の主。 あの子のお節介な所がどうやら少し私にも移ったらしいと歯噛みして疾走を開始する。 何故NPCと思わしき彼らがあんなに殺気だっているのかは知らない。 しかし、あんなに殺気に満ちたものが何を仕出かすかなんて決まっている。 痛む体に鞭を討ち、豹を思わせる俊敏さを見せて地を駆ける。 そして、二秒かからずテントへと押し入った。 「貴女達!何してるのッ!!」 テントの中では、足に怪我をしたと見られる若草色の髪の女性を顔にガムテープをした子供達が押さえつけ、運び出そうとしていた。 口に猿轡をかまされ、身動きが取れない女性の顔は恐怖に歪んでいて。 そんな彼女の表情は、武蔵にとって見覚えがあった。 (この人、もしかして―――) 脳裏の記憶を手繰り寄せながら、今は女性を助けることを優先する。 即座に臨戦態勢に移行し、鬨の声を上げた。 張り上げられたその声に少年少女の方がビクリと震え、バッと此方に振り向いてくる。 「迂闊(ヤベッ)!見つかった!!」 「真実(マ?)殺せッ!!」 その場を見咎められたと理解した瞬間、女性を放り出して子供達が飛び掛かってくる。 やはり、ただの子供の身のこなしではない。 何十人という人間を殺してこなければ、此処まで的確に首を狙う動きは出来ない。 未だ元服も迎えていないであろう彼らがなぜこんな動きを身に着けたのか。 そんな疑問を抱きながら、刀の鞘で一蹴する。 幾ら常人ではありえぬ技巧と殺意を有しているとは言え、所詮はNPC 霊骸汚染を受けているとは言え英霊たる武蔵には太刀打ちできず、テントの外へと放り出された。 「不運(チッ)サーヴァントだぞこのアマ!!」 「撤退(ひ)けッ!!撤退(ひ)けッ!!」 何処から情報を仕入れたのか、サーヴァントの事も既知らしい。 此方がそのサーヴァントであると理解すると、蜘蛛の子を散らす様に人ごみ紛れ逃げ去っていった。 その速度も迅速で無駄は一切なく。 彼らが何なのか捕らえて聞き出しいた所ではあったが、今は女性の身が優先される。 襲われていた女性に視線を移し、生存を検めた。 すると、ある事に気が付く。 「貴女……もしかして……!」 片足に包帯が巻かれ処置されたと思わしき若草色の髪の女性。 その顔には面影があった。 昼間に出会った、七草にちかという少女の面影が。 傍らを見てみれば、暴れた彼女のポケットから滑り落ちたとみられる財布や社員証が転がっている。 財布からはみ出した写真や、社員証の『七草はづき』という名前を確認した時、 もしやという予感は確信へと変わる。 「貴女……もしかして、七草にちかちゃんのお姉さん?」 「え…な、何でにちかの名前を……貴女、一体…」 今しがた誘拐されかけ。 ここに来る前も相当怖い目に逢ったのか、にちかの姉と思わしきはづきという女性が怯えた表情で武蔵を見上げる。 その顔を見たとき、武蔵はもしこの世界に神がいるのなら、と思わずにはいられなかった。 この世界に神がいるのなら、今すぐににちかの元へと馳せ参じろと言われているような、そんな確信めいた思いを禁じ得なかった。 事実、新宿の避難民受け入れがパンク寸前で、中野区の避難区域に武蔵が移送されなければ。 峰津院大和が283のアイドルの捜索に部下を裂いていなければ。 割れた子供達の一派が、ケガをしているという情報から警察署の唯一の生き残りである、 七草はづきの追撃に、現場に一番近い避難区域に赴いていなければ。 この出会いはきっとなかっただろう。 ともあれ、彼女にコンタクトを取れれば、幽谷霧子や櫻木真乃とも協力体制を築けるかもしれない。 (にちかちゃん…ごめんなさい。 怒ってくれていい。恨んでくれてもいいわ) 連絡を取るためだけに彼女に助力を仰げば。 どう説明しても聖杯戦争に触れることになる。 それはつまり彼女が大切に思っているであろう姉を巻き込むという事で。 だが…今手段を選んでいれば、にちかと何より梨花の命に係わる。 更に、先ほどの子供達や彼女が足に負った怪我。 既に女性が聖杯戦争にまつわる何某かにっ補足され、襲われたことは想像に難くない。 はづき本人の命すら、このままここに留まっていては危険なのだ。 だから、怯えた視線でこちらを見つめてくる少女の姉へ、話を切り出すことに迷いはなく。 「今は信じられえないかもしれないけど…どうか聞いてください。 貴女の妹さんに…にちかちゃんに危険が迫っているの。 その事を彼女に伝えなきゃいけない。だから、あの子に連絡を取りたいの」 肩に手を添えて、宥める様に優しく言い聞かせる。 はづきは未だ混乱の極みにあるような表情をしていた。 何が起きているのか分からない。だが、何かとてつもない事態になっているのは分かる。 目尻には痛みと恐怖で涙すら浮かんで。 それでも“にちか”の名前が出た瞬間、絞り出すような声で武蔵に尋ねた。 「……信じて、いいんですか?」 「えぇ、彼女と連絡が取れて合流するまで…貴女を護衛させてもらうわ。 此処も、もう危ないから」 本当にごめんなさい、と。 もう一度心中で武蔵はにちかに謝罪の言葉を述べる。 理由は二つある。 合流するまで護衛すると言っても、合流した先が安全であるとは限らない空手形の約束である事。 もう一つははづきを巻き込むことで否応なくにちかに助力を仰ごうとしている自分の打算だ。 シュヴィ・ドーラというサーヴァントがいなければ分からなかったこととはいえ。 自分と梨花は脱出派を窮地に追い込んでしまった。 そんな武蔵が梨花救出のために助力を仰いだところで頷いてもらえるかは分からない。 最悪の想定に備え、にちかにとって決して無視できない存在であろうはづきを交渉のカードにしようとしている。 だが、繰り返すが事態は本当に一刻を争うのだ。 手段は最早選んではいられない。 梨花を救うためならば、何だって使って見せる。 それが宮本武蔵という人でなしが選んだ選択だった。 (その代わり、埋め合わせは戦働きでさせてもらうわ) 梨花のただ一度きりの後方支援、無駄にはしない。 自分は所詮人斬りの戦包丁。 犯した失態の挽回は剣で為すほかに方法を知らず。 状況は依然絶望的。 それでも過去を思い、後悔に足を止める事だけはしない。 敵も、未来も、前進した先にしか存在しないのだから。 退路は既に断たれた、背後は断崖。 ならば覚悟を決めて。 ―――いざや推して参らん、屍山血河の死合舞台! 【二日目・未明/中野区・路上】 【セイバー(宮本武蔵)@Fate/Grand Order】 [状態]:ダメージ(中)、霊骸汚染(中)、魔力充実、 令呪『リップと、そのサーヴァントの命令に従いなさい』 [装備]:計5振りの刀 [道具]: [所持金]: [思考・状況] 基本方針:マスターである古手梨花の意向を優先。強い奴を見たら鯉口チャキチャキ 0:梨花を助ける。先ずは灰のライダー(アシュレイ・ホライゾン)と合流する。 1:おでんのサーヴァント(継国縁壱)に対しての非常に強い興味。 2:アシュレイ・ホライゾンの中にいるヘリオスの存在を認識しました。 武蔵ちゃん「アレ斬りたいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。でもアレだしたらダメな奴なのでは????」 3:櫻木真乃とアーチャーについては保留。現状では同盟を組むことはできない。 4:あの鬼侍殿の宿業、はてさてどうしてくれようか。 →
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「マ~~マママ! 帰ったぜカイドウ! 迎えのケーキを用意しなァ~!!」 "母(マム)"の帰還は例の如く突然だった。 鏡面世界に突如現れる巨体。 天を衝く、という表現を地で行くサイズ感はしかし対面している相手が相手だからか不思議と違和感なく風景の中に溶け込んでいた。 ライダーが帰ってきた衝撃に震撼する子供達のことなど一顧だにせず、彼女が上機嫌に笑い掛けた相手は自身と同格の巨体を持つ鬼。 異界は異界でも、鏡の世界ではなく鬼ヶ島を本拠地とする客人にして同盟相手。 四皇――百獣のカイドウ。同じく四皇の肩書きを持つ女傑"ビッグ・マム"シャーロット・リンリンが恐るべき同盟を結んだ相手である。 「なんで客のおれがお前を饗さなきゃならねェんだ、つまみが欲しいならガキ共を呼べよ。 それより手下を連れ帰ってくるんじゃなかったのか。何だって手ぶらで帰ってきやがった」 「色々あってねェ……。その上、連中は一足先にこっちに戻ったらしくてな。 奴さんの報告は聞きたいが、何を置いてもお前に聞かせてェ話があってね!」 「つまり無駄足だったってことか」 ぐびぐびと酒を飲み干しながら言う、カイドウ。 その視線がリンリンの傷付いた拳へと向かう。 四皇の覇気は絶大だ。 そして見聞色の覇気にも精通しているカイドウは、鏡の中に居ながらも現実世界で放たれた彼女の覇気を知覚出来ていた。 だからこそ彼は既に知っている。シャーロット・リンリンが出向いた先で、予期せぬ小競り合いに見舞われたことを。 その上で改めてリンリンの拳から血が滲んでいる様を見ると、そこにあるごく小さな傷の持つ意味合いも大きく変わる。 「お前の拠点を街ごとブッ飛ばした野郎と、偶然出くわしたよ」 「あァ……成程な。何処の誰に傷負わされてきたんだと思ったが、あの野郎だったか」 「死に体も同然にボロボロだったがね。しかし――ハ~ハハハ! 生意気なほどの腕っ節だったよ。 あれならお前が苦戦するのも頷ける! ロジャーや白ひげの野郎を思い出す、懐かしい強さだった!!」 「ボロボロ? あの"鋼翼"がか。お礼参りもまだだってのに、何処の誰にやられたってんだ……あのバカ野郎は」 今は亡き新宿区でカイドウが相見えた"鋼翼"、ベルゼバブ。 個人としての武力ならば最強と称された彼をして殺し切れなかった、頭抜けた暴威を秘めた強者だった。 にも関わらずリンリンに拠れば、その彼が死に体同然の無様を晒していたという。 これはカイドウにとって少なからず驚きで、そして不愉快な事柄だった。 皮下医院の倒壊に、鬼ヶ島そのものへのダメージ。あれだけ痛手を与えてくれた相手なのだ、ケジメは自分の手で付けたかった。 しかしそれにしても不可解。一体この世界の何処に――あの鋼翼を地に叩き落とせるような強者が隠れ潜んでいたというのか。 カイドウの疑問に対する答えは、苦汁を舐めさせられたというのに何処か上機嫌なリンリンが伝えた。 「"ガキども"さ。お前も当然知ってんだろう?」 「……、……」 四皇ビッグ・マム/シャーロット・リンリンの小指を奪い、愛剣を砕いた連合。 そして今回、カイドウをして同格の強者と認める他なかった鋼翼のベルゼバブさえもが"ガキども"にしてやられたのだという。 酒臭い呼気を吐き出しながら、カイドウは嘆息した。 因果と因縁。どうやらそれは、一度死んだ程度で簡単に振り切れるものではないらしい。 「"新時代"か」 「あァそうさ。おれ達の一番嫌いな言葉だよ」 「昔を思い出した、ってツラだなリンリン。 お前は老いた。夢見がちなガキどもほど鬱陶しいものはねェと、そう考えるもんだと思ってたがな」 恐るべき海賊同盟は、過去にも一度世を震撼させている。 極東の閉鎖国家ワノ国。ひとつなぎの大秘宝を手に入れるべく、いよいよ大海原へ漕ぎ出そうというその間近。 結成された四皇同士の同盟。龍王カイドウと女帝リンリンの結託という"災害"。 しかし彼らの野望は打ち砕かれた。奇しくもそれは超新星――旧時代の終わりを標榜する若き海賊達の手によって行われた、下剋上であった。 そして今。界聖杯という異界の地においてまたしても、海の皇帝達はルーキーの台頭に遭遇している。 「折角の二度目の生なんだ。おまけに"あの頃"のように、こっちの血を沸き立たせるような強ェ奴も居る。 しばらくぶりに挑む側に戻ってみるのも、悪くねェかと思ってね……」 「挑む側、か」 脳裏に過ぎるのは、月下の決戦だった。 神々しい"白"に染まり、不敵な笑みを湛えて現れたその男。 積み上げた無念と鬱屈の全てを解き放つかのような、異質の強さに。 カイドウは全力で挑み――そして敗北して、地へと沈んだ。 「ロックスのやり直しをしてェんなら好きにしろ。ただ、おれは乗らねェ」 「あ!? カイドウテメェ、生意気だねェ! おれを袖にするってのかい!?」 「お前ほど血気盛んじゃねェんだよこっちは。それに、おれには何十年か越しの"悲願"もある」 あの敗北に悔いはない。 やり直そうとも、思わない。 そしてだからこそカイドウは、この世界で自分達を脅かすという"超新星(ガキども)"のことを危険視するつもりはなかった。 「ウォロロロロ……あんなメチャクチャなガキどもが、そうそう現れて堪るかってんだ」 ビッグ・マムは超新星の眩しい闇に触れ、この地で荒れ狂う鋼翼の強さを知った。 だから玉座にふんぞり返るのは止めにして、初心を取り戻して挑む側へと戻った。 しかしカイドウは違う。彼はそれでも王として、古い時代の玉座に座って酒を呑むのだ。 新時代を作ると嘯くだけなら、誰でも出来る。 本当にそれを成せる星が、真新しく眩しいだけのそいつらの中に一体どれほどあるだろうか。 本物を知っているからこそ疑う。 疑うからこそ、彼は挑まない。 これまで通り――誰も彼もにとっての巨大な壁、障害物としてその行く末を阻み続ける。 それが、伝説の時代を知るもう一人の老君が選んだ姿であった。 「兎に角まずは霊地を獲るぞ。峰津院のガキにも、例の鋼翼野郎にも、誰に喧嘩を売ったのか教えてやらなきゃ示しがつかねェ」 「マ~マママ! 勿論おれだってそのつもりさ! 争奪戦には"連合"も出てくるだろうからね……派手な戦争にしようじゃねェか、後に草の根一本残さないような!!」 東京に安息の時は、やはりと言うべきか訪れない。 霊地争奪戦を皮切りに戦局は大きく動き、また多くの命が犠牲になる。 街一つが地図から消えるような激闘だって、第二があったのだから第三も当然有るだろう。 大海賊時代、彼らが君臨していた時代の影を倍算したような破局が、泰平の世を食い潰していく。 「……ところで沙都子と、リンボの糞坊主はどうしたんだい?」 「リンボは一足先に霊地の奪取に向けて動かした。 奴の計画にも興味はあるが、今はそれよりも霊地の方が優先度が上だ」 アルターエゴ・リンボ。あの陰陽師のことを、カイドウは率直に言って信用していなかった。 だが、その実力については別だ。プロデューサーのサーヴァントに対する援護役として派遣した戦場でも、きちんと戦果を持ち帰ってきた。 策謀が回せてなおかつ腕も立つとなれば、これほど便利な小間使い役もない。 目先の問題である霊地の争奪戦においても、持ち前の悪辣さを活かして混沌を生み出してくれるかもしれない。 逆に、此処でボロを出したならその時は処分するまでだ。 彼の生殺与奪は常に、カイドウとリンリンの手に握られている。 「ハ~ハハハ違いない! じゃあ沙都子のガキも、それにくっついていったのかい」 「あいつはウチで捕らえた捕虜に面会中だ。知り合いなんだとよ、さっき言ってただろ」 一方で。 彼のマスターである北条沙都子はと言えば、カイドウの部下である大看板を監視役に鬼ヶ島へ入城していた。 交渉を謳い乗り込んできたところを返り討ちにして捕らえたという、マスターの少女。 古手梨花との面会がその目的だ。彼女について語る時の沙都子の目を、カイドウは覚えている。 喜悦と執着が入り混じった、淀んだ瞳。 ああいう目をした人間を、何度か見たことがある。 その共通点は――救いようがないほどろくでもない、ということだった。 【中央区・某タワーマンション(グラス・チルドレン拠点)・鏡面世界内/二日目・早朝】 【ライダー(カイドウ)@ONE PIECE】 [状態]:健康、首筋に切り傷 [装備]:金棒 [道具]: [所持金]: [思考・状況] 基本方針:『戦争』に勝利し、世界樹を頂く。 0:あの日の悔恨に"決着"を。 1:峰津院の霊地(東京タワーとスカイツリー地下)を強奪ないし破壊する。 2:組んでしまった物は仕方ない。だけど本当に話聞けよババア!! あと人の真名をバラすな馬鹿! 3:鬼ヶ島の顕現に向けて動く。 4:『鬼ヶ島』の浮上が可能になるまでは基本は籠城、気まぐれに暴れる。 5:リップは面白い。優秀な戦力を得られて上機嫌。てめェ戻って来なかったらブチ殺すからな 6:リンボには警戒。部下として働くならいいが、不穏な兆候があれば奴だけでも殺す。 7:アーチャー(ガンヴォルト)に高評価。自分の部下にしたい。 8:峰津院大和は大物だ。性格さえ従順ならな…… 9:ランサー(ベルゼバブ)テメェ覚えてろよ 10:"ガキども"? ……下らねェ [備考] ※鬼ヶ島の6割が崩壊しました。復興に時間が掛かるかもしれません 【ライダー(シャーロット・リンリン)@ONE PIECE】 [状態]:高揚、疲労(小)、右手小指切断、両拳の裂傷と出血(小) [装備]:ゼウス、プロメテウス@ONE PIECE [道具]:なし [所持金]:無し [思考・状況] 基本方針:邪魔なマスターとサーヴァント共を片づけて、聖杯を獲る。 0:挑んでやるさ―――どこまでも! 1:プロデューサーからの報告を聞く。ガムテが何やら揉めている気配もあるが……とりあえずは前者優先。 2:北条沙都子! ムカつくガキだねェ〜! 3:敵連合は必ず潰す。蜘蛛達との全面戦争。 4:ガキ共はビッグマムに挑んだ事を必ず後悔させる。 5:北条沙都子、プロデューサーは傘下として扱う。逃げようとすれば容赦はしない。 6:ナポレオンの代わりを探さないとだねェ…面倒臭ェな! [備考] ※ナポレオン@ONE PIECEは破壊されました。 ◆◆◆ 「牢屋まで付いてくるおつもりですの?」 「煩わしいと思うならば、総督の信用を勝ち取れなかった自分の無能を恨むことだな」 所は変わって、鬼ヶ島。 界聖杯内界とは明確に隔絶された異界、常時展開型の固有結界。 その大地を踏み締め歩く北条沙都子の隣には、カイドウが擁する百獣海賊団の中でも不動の二番手。 カイドウの右腕である大看板"火災のキング"が見張り役として常に侍っている。 彼の言葉の通り、カイドウは沙都子のことを買ってはいても信用はしていなかった。 とはいえこればかりは彼女自身に問題があったというよりかは、概ね彼女の連れている"彼"の方に問題があった結果なのだが……それはさておき。 「……まあ、構いませんわ。でもキングさん、一つだけお伺いさせていただいてもよろしいかしら」 この"キング"と呼ばれた男は、三騎士サーヴァントの平均値をすら大きく超えるステータスを有していた。 間違いなく強い。少なくとも、サーヴァントが宝具で呼び出せる使い魔同然の手下が持っていていい強さでないのは確かだ。 正面戦闘に限るならばリンボですら分が悪いだろう。このレベルが最低でも後二人居るというのは、本来なら気分を暗澹とさせる事実の筈。 しかし今の沙都子には、そんな些末なことは気にならなかった。 今、彼女の胸中にあるのは。文字通り自分の全てを懸けてでも捕まえておきたい、無二の親友のことのみだった。 「なんだ」 「あの子は――梨花は、ずいぶん痛め付けられた上で捕まえられたと聞いてますわ。 誰がそれをしたのか、差し支えなければ私に教えていただけませんこと?」 「総督のマスターだ。復讐をするつもりなら止めておけ」 明かす意味は、本来ならばない。 "疫害"ならばいざ知らず、無駄を排した鉄仮面の彼が無駄な嗜虐趣味に走ることはあり得ない。 にも関わらず答える必要性のない質問にわざわざ"答えて"やったのは、ひとえに見極めのためだった。 もしも逆上や、総督のマスター……皮下真への怒りを露わにするようであれば独断で然るべき処置を行う。 最低でも両腕を切り落として、総督カイドウに逆らえない状態にして万一の謀反を防ぐ。 そのつもりで敢えてくれてやった"答え"。しかし沙都子はそれを受けて、怒るでもなく殺意を剥き出すでもなく。 「あら、そうでしたの。今度お会いしたら……お礼を言っておかないといけませんわね」 ただ――笑った。 それはキングにとっても予想外の反応。 竹馬の友を囚われの身に落とされた挙句、瀕死の重傷まで負わされて。 その上で怒るのではなく妖しげな笑みを浮かべるというのは、全く以て理解不能のリアクションだったから。 「梨花がもし殺されてしまっていたなら、流石に少し動揺したでしょうけど。 梨花が生きているのでしたら、あの子を傷付け追い詰めてくれたことにはむしろ感謝しかありませんわ。 世界の垣根を越えて再び巡り合えたんですもの。少しは――火が点いていてくれないと。私も張り合いがありませんから」 陶然とした様子でそう語る沙都子の異様さは、まさしく魔性の類のそれだった。 火災のキングは人の狂気を知っている。人は目的のためなら何処まででも非道に走れる生き物であると、知っている。 だが彼は、沙都子が有する類の狂気。狂おしいほどに熟れて腐った"愛"の狂気と対面したことはなかった。 過酷極まりない大海賊時代を数十年と歩んできた大看板が、一瞬とはいえ背筋に寒気を覚えた。 それも致し方ないことだ。彼が今前にしている"魔女"は――百年を歩む、そういう存在なのだから。 「ああ……本当に。本当に――楽しみで仕方ありませんわ、梨花……!」 まるで世界に自分一人しか居ないかのように、心の中に留めず声に出して再会を喜ぶ沙都子。 キングはもう何も言わなかった。世の中には話しても無駄な存在が居ると、彼は知っていたから。 彼の中で、北条沙都子という人間の分類は他でもない主君カイドウの腐れ縁……"ビッグ・マム"と非常に近い位置で落ち着いた。 理解不能。 理解を示すだけ徒労に終わる、そもそもからして会話や意思疎通が成り立たない手合い。 そう看做すに足るだけの異常性を、古手梨花との再会を目前にした北条沙都子は確かに秘めていた。 故に火災のキングは彼女を警戒対象という認識はそのままで、そういう存在として知略の外に追いやる。 何かあれば首を刎ねる。それ以外は相手にしない、する意味がない。 彼女の視界の中には自分もカイドウも、ともすれば従僕であるリンボすら存在しない。 ――古手梨花。彼女以外の存在はものみな全て、沙都子にとっては何ら価値のない塵芥であるのだから。 元居た雛見沢の住民ならばいざ知らず。この世界で初めて出会った相手など、それが誰であろうと。 北条沙都子という絶対の魔女の心を動かすことなど、不可能なのであった。 ◆◆◆ 「……、……っ」 目を開けた途端に、古手梨花を襲ったのは全身の鈍痛だった。 牢屋の硬い床に転がされていたのもあるし、失血と疲労による不定愁訴も酷い。 最悪の気分での起床。どれくらいの時間眠りこけていたのかすら、この囚われの身では分からない。 見れば梨花の傍らには、どこか申し訳なそうな顔をしておずおずと彼女の顔を覗き込むアイの姿があった。 どうやらアイが、梨花の身体を揺すり起こしたらしい。 「ごめんなさい、起こしちゃって……。でも、すぐに伝えなきゃってアイさん思って……」 「大丈夫よ、……少しだけど休めたから。それより――伝えなきゃいけないことっていうのは何?」 アイは葉桜により、超人集う夜桜家に仕えるべく改良された犬種・"大神犬"の因子を複合されている。 彼女の頭に生えた犬耳や、臀部から垂れる尻尾がその証拠だ。 そんな彼女の五感……特に嗅覚と聴覚は人間のそれとは比べ物にならないほど高い。 故にこそアイは梨花の身に迫る危険を察知し。それを彼女に伝えるべく、眠っていた彼女を揺り起こしたのだった。 「此処にね、誰か向かってきてるの。一人は知ってる匂いだけど……もう一人は、知らない匂い」 「その知ってる匂いっていうのは……皮下? それとも、リップ?」 「ううん。総督さんのとこの……"キング"って呼ばれてた、怖いひと」 こうなってくると、どうにも不明な状況だった。 皮下かリップが護衛役を連れてやってくるというのなら分かる。 だがそうではなく、アイをして匂いに心当たりのない人間。 そんな相手が何故、こんな囚われの小娘のところを訪ねてくるのか。 「……教えてくれてありがとう、アイ。私のことはいいから貴女はどうか逃げて、見つからない場所に隠れていて」 「うん、分かった……でも――梨花は、一人でだいじょうぶ……?」 「心配要らないわ。私のことをこんなにすぐ殺すつもりなら、わざわざこうやって捕らえておく必要はないでしょう?」 恐らく、"キング"の役目は護衛ではなく監視だろうと梨花はそう踏む。 一人で好き勝手に動かせては何をするか分からない、あちら側としても油断のならない相手。 であれば一先ず、自分を殺す目的でやって来る訳ではないと見ていいだろう。 来訪者が皮下であったならアイに頑張って貰うしか活路はなかったが、これならまだ事態は"最悪"ではない。 キングが居る以上リップ相手にやったような交渉は無理だろうが……それでも、何か得られるものはあるかもしれない。 ――それに。 古手梨花の頭の中にはもう一つ、可能性が浮かんでいた。 脳内に甦るのは皮下の言葉。彼が何気なく零した、"同盟相手"の名前。 自分が下手を打って囚われの身に堕ちたことが、もしも"彼女"の耳にも届いていたならば。 「……臨むところよ」 走り去っていくアイの足音を聞きながら。 彼女の無事を心から祈りながら……梨花は小さく呟いていた。 そう、臨むところだ。あっちから会いに来てくれるというのなら、これ以上の僥倖はない。 終わった筈の惨劇。再始動した昭和58年のループ。 文字通り死ぬ思いで見つけ出したかつての定石(ルール)を完全に無視した"新たな惨劇"は、百年の魔女を名乗った梨花の心を激しく摩耗させた。 そしてとうとう心が限界を間近に感じ、膝を屈しかけたあの日の教室で。 親友であり、家族も同然だった筈の"彼女"が――古手梨花に銃口を向けた。 問わねばならない、彼女の真意を。 確かめねばならない、彼女の真実を。 知らねばならない……彼女の願いを。 牢屋の扉が開く。 現れたのは、天を衝くような鉄仮面の大男と。 見慣れた金髪、見慣れた私服。口元から八重歯を覗かせて微笑む、"彼女"。 その眼球を染める紅は紛れもなく、あの日の教室で見たのと同じもので。 故に古手梨花は改めて確信した。 分かってはいたけれど信じたくなかった事実。それと、明確に対面を果たす。 「ごきげんよう、梨花。念願の都会での生活、楽しんでまして?」 「おかげさまでね。そういうあんたの方こそ、ずいぶん物騒な仲間が出来たみたいじゃない――沙都子」 片や奇跡の魔女。そうなり得た存在。 一パーセントの可能性を無限回の試行錯誤で掴み取る、運命の虜囚。 片や絶対の魔女。そうなることを選んだ存在。 奇跡の起こる余地を無慈悲に奪い、ゼロへと擦り減らす、運命そのもの。 深く暗い情念を寄る辺に魔女へと染まり、雛見沢村の惨劇をその筆先で新たに描き繰り返し続ける"神"。 沙都子は懐から銃を取り出すと、梨花の知るのと全く同じ顔で彼女に向けた。 梨花が最後に見た沙都子の目、表情、そして――殺意。 妖しく微笑みながら引き金に指を掛ける、かつての親友。 「私の"仲間"は、今も昔も貴女達だけですわよ? 貴女とは違って、私は雛見沢のことが大好きですから」 梨花は沙都子を睨み、視線を反らさない。 直視する、この真実を。北条沙都子こそが、二度目のループの主犯。 救われた筈の雛見沢に絶対の意思を以って惨劇を起こし続ける、業の根源なのだと。 引き金に、力が籠もる。 それでも梨花は、怯まない。 沙都子も、力を緩めない。 張り詰めた空気の中で―― 「止めておけ」 響いたのは、梨花でも沙都子でもない声だった。 火災のキング。梨花は先程、キングは恐らく監視役だろうと推測していたが、実際それは当たっていた。 「こいつは今のところおれ達の捕虜だ。総督はお前に"面会"は許したが、"処刑"は許していない」 「分かってますわ、そんなこと。ちょっとした冗談ですわよ」 堅物は困りますわね、と溜め息をつき銃を収める沙都子。 とはいえ実際、仮にこの場に彼が居らずとも撃ちはしなかったろう。 何故ならば―― 「こんな辺鄙な場所で、せっかくの梨花を台無しにしてしまうなんて……勿体なすぎますもの」 北条沙都子は、古手梨花という一個人に深く深く執着している。 屈折は歪曲に変わり、そしていつしか殺意に変わった。 そんな彼女にとって、この地で梨花と再会出来たことは紛れもなく僥倖だった。 梨花が沙都子との再会を"臨むところ"だとして歓迎した以上に、沙都子は梨花が自分と同じ世界に流れ着いていたことを祝福している。 そしてなればこそ――その得難い幸運を、身動きの出来ないところを一方的に撃ち殺すような粗雑な手段で消費してしまいたくはなかった。 銃を収めた沙都子に、梨花は。 眉を顰めて目を尖らせて、静かに口を開いた。 「……何が、気に入らなかったの?」 面と向かって対面するまでは、沙都子が全ての黒幕でない可能性も考えていた。 沙都子はあくまで実行犯、もしくは単なる末端の使い走りで。 裏に彼女を操っている真の黒幕が存在するのかもしれないと、そうも思っていた。 かつて百年に渡り梨花の未来を阻み続けた鷹野三四が、その実もっと巨大な陰謀に操られている"駒"でしかなかったように。 沙都子も誰かに操られている被害者なのではないかと……疑っていた。親友を疑いたくない、そんな気持ちもそこには多分に含まれていただろうが。 しかしその可能性は、こうして実際に彼女と対面してみて――消えた。 浮かべる笑み、放たれる言葉、滲む好意と殺意。 そこには確かな、彼女自身の意志が誘蛾灯のように妖しく煌めいていたから。 「あんたが――あの学園に馴染めていないことは分かってた。 そんなあんたを救い切れなかったのは……無理矢理にでも手を引っ張って、立ち直らせてあげられなかったのは私の責任。 あんたがあの頃の雛見沢に戻って、また楽しく過ごしたいと考えたって決して責められない。でも……!」 間違いない。再びの惨劇のループを支配し、古手梨花(わたし)を殺し続けていたのは……沙都子だ。 沙都子が考え、沙都子が自らの意思で私を殺していたんだと。 そう理解した梨花の口からは堰を切ったように言葉が溢れてくる。 沙都子と過ごしたかけがえのない時間、そして追い詰められた彼女を助けられなかった後悔。 それを沙都子は、微笑んだまま聴いていた。 その"らしくない"笑顔に、記憶の中のそれとは違う笑顔に歯を噛み締めて――梨花は吠えた。 「そこに惨劇は必要なかったでしょう!? どうして雛見沢での生活を……仲間(みんな)のことが大好きだったあんたが、あんな酷い世界を作ったのよ!?」 「どうして、って」 古手梨花の物語は――昭和58年の雛見沢を巡る物語は、ハッピーエンドで幕を下ろした。 梨花の死を望む陰謀は頓挫し、仲間達は誰一人として狂気に陥ることはなく。 沙都子を長きに渡って苛み続けた病は消え、そして梨花は外の世界を望み、自らの意思で歩み出した。 ……だが。 梨花に付き合って彼女の望む未来に旅立った沙都子は、新たな暮らしに適応出来なかった。 奪われていく時間、溜まっていく心労、すれ違いにより大きくなっていく互いの溝。 その末に何らかのきっかけで力を手に入れた沙都子が、幸せだったあの頃に戻りたいと考えた。 それだけならば、梨花は沙都子を責められなかったかもしれない。 しかし分からないのは、何故そこに惨劇が必要だったのかということだった。 梨花の詰問に対し沙都子は、何を当たり前のことを――とでもいうように肩を竦めて、答える。 「だって梨花は――やり直したところで、また外に行きたがるでしょう?」 ――それは、あまりにも単純な理由だった。 硬直する梨花に、沙都子は続ける。 「分かっているんですのよ、何度も試しましたもの。 梨花の邪魔をしたこともありましたし、我儘を言ってみたこともありましたわ。 けれど全部駄目でした。私も面食らってしまいましてよ、梨花がまさか此処まで強情な人間だとは思いませんでしたから」 「……そんな」 「ですから、アプローチの仕方を変えようと思いましたの。 あれこれ努力して諦めさせるのが無理なら、貴女自身に諦めて貰えばいい。ふふっ、我ながら名案だと思いませんこと?」 「そんなことの、ために――」 沙都子にとって一番大切な存在。 それは、文字通り寝食を共にしながら生きてきた梨花だった。 北条沙都子は古手梨花と離れることに耐えられない。 けれど、自分を歪めてまであの学園で生きることも耐えられない。 ひどく幼稚で身勝手な動機。しかし彼女にとっては、他のどんな大義にも勝る立派な"理由"だった。 「そんなことのために、あんたは……!」 「あら。幸せな世界を目指して繰り返すことの、一体何がいけないんですの?」 大好きな梨花と、ずっと一緒に雛見沢で暮らしたい。 それが、新たな運命を手繰る魔女の原点。 惨劇を道具として梨花の心を折り、彼女が外の世界を諦めた理想のカケラを実現させる。 それが、哀れな黒猫を囚え続ける魔女の結論。 「梨花(あなた)もやっていたことではありませんの。 簡単に世界を諦めて、投げ出して、次に期待するわとふて腐れて」 「……ッ」 「ああ、別に責めたい訳ではありませんのよ? 貴女も大変でしたわよね、梨花。貴女の旅はエウアさん――私に力を授けてくれた方を通じて、見せていただきましたわ」 古手梨花の歩んだ百年を、北条沙都子は既に鑑賞し終えている。 彼女が如何にしてハッピーエンドに辿り着き、惨劇から解放された祭囃しを聴くまでの旅路を。 そしてその上で。彼女の苦しみの全てを見た上で――梨花を囚えるための材料にした。 「感謝しますわ、梨花。貴女が諦めないでいてくれたから、私は今こうして生きていられる」 梨花の心は、その意思は沙都子の予想を越えて固かった。 だから、沙都子が自ら惨劇を引き起こさなければならなくなってしまった。 そしてそこまでしても、簡単には折れてくれない。 手強い相手だ。しかし、沙都子は諦めない。 理想の世界をこの手に掴むまで――決して。 「貴女が、どんな過酷な運命にも挫けずにあがいてもがいて"奇跡"を掴んだように。 私も、梨花がどれだけ強情に運命に逆らおうとも、諦めることなく貴女を"絶対"に囚え続けますわ」 「……それが――貴女の願い、なのね。沙都子」 「ええ、いかにもそうですわ。界聖杯を手に入れたなら、私は聖杯の力を私の理想を叶えるために使いますわよ。 元は聖杯が手に入ろうが入るまいが、生きて雛見沢に帰れるならどちらでもいいと考えていたのですけれど」 貴女も此処に居るのでしたら、私だけ帰っても意味がありませんものね。 沙都子はそう言って、うっとりとした笑みを浮かべた。 梨花の居ない世界には、興味がない。 彼女の存在が明らかになった以上、ただ元の世界に帰ればいいという訳ではなくなった。 元の世界に帰ってエウアの力を使い"次の"雛見沢に行ったとして、そこに今まで通り梨花が存在するかどうかはギャンブルだ。 そんなリスクを背負いたくはない。それよりかは、より確実に。聖杯の力を使って梨花と理想の世界を生きる道を選んだ方が利口だと、そう考えた。 諸々の種や動機を明かしたのもそのためだ。 もはやゲーム盤はジャンルごと移り変わった。 この世界で雌雄を決する上で、大仰なトリックもロジックも必要ない。 「させないわ」 目の前で告げられた、野望。 それに対し梨花は、しかし毅然とそう言った。 自分の親友が、自分のせいでこうまで歪んでしまったことに動揺がない訳じゃない。 だが、それでも。いや、だからこそか。 梨花は沙都子の向ける妖しい殺意に怯むことなく、嗤う彼女を睨み返した。 「あんたの思い通りにはならないし、させない。 あんたの理想の世界なんて真っ平御免よ。 私の人生は私のもの。私は……私の行きたいところに行って、見たいものを見るの」 「傷つきますわね。貴女にとって私達"仲間"と過ごした時間は、捨て去りたい過去でしかないんですの?」 「本当にそうだったなら……百年も往生際悪く殺され続けたりなんかしないわよ」 沙都子に譲歩する選択肢はなかった。 確かに外の世界を諦め、彼女の理想に媚びる姿勢を示していれば。 もしかしたら、彼女を皮下らの陣営から引き剥がすことも可能だったかもしれない。 だがそれをしてはならないと思った。それをしたら、何かが決定的な終わりを迎えてしまうという確信があった。 「私が目指すのは、界聖杯からの脱出。もうどう抜け出すのか、まで決まっているわ」 「それはそれは。ずいぶん良い出会いに恵まれたのですわね、流石は梨花ですわ」 「――私は……あんたを倒すわ、沙都子。 あんたを引っ叩いてぶちのめして、その思い上がった根性を叩き直してあげる」 ぴく、と沙都子の眉が動く。 そこで初めて梨花は笑みを浮かべた。 笑うような気分では全くなかったけれど、此処は笑うべき場面だと思ったから。 そうした方が相手は嫌だろうと、目の前の彼女と部活で争っていた時のような思考回路でそう導き出して、笑った。 「首根っこ引っ掴んででも雛見沢に連れて帰ってやるから、今度はあんたがちゃんと考えて選びなさい。 付いてくるんなら歓迎するわ。今度は頭の悪いあんたが落ちこぼれないように、全力注いで勉強教えてあげる。 邪魔したって私は諦めない。あんたが一人で諦めるなら、私はそれを尊重する」 「……そう。決意はご立派ですけれど、その考えの浅さには溜め息が出ますわね」 一度は収めた拳銃を、もう一度梨花に向け直す。 傍らのキングが目を細めたのが分かったが、知ったことではない。 その上で沙都子も笑みを浮かべ直した。凶暴な、引き裂くような笑みを浮かべて、言う。 「まさか――私に勝てるとお思いで?」 配下は残忍なる陰陽師、辺獄の名を冠したアルターエゴ。 背後には語るだけでも背筋の凍る恐るべき"皇帝"、そして彼の采配に従う万もの軍勢。 おまけに皇帝同士は引かれ合い、話の通じない狂気に満ちた女帝と心の壊れた子供達までもが沙都子と同陣営に身を置いている。 圧倒的な戦力と暴力。それが、北条沙都子の味方として今もこの世界で脈を打ち続けているのだ。 「勝つわ。必ず、あんたに勝ってみせる。 天狗みたいに伸びきったその鼻っ柱をへし折ってあげるから、覚悟しておくことね」 「……上等ですわ、梨花。趣向はいつも通りで構いませんこと? 敗者には――」 「ええ。負けた部員には――」 戦意と殺意が、交錯する。 彼女達は雛見沢分校部活メンバー、世界が変わろうと主義主張が変わろうとその一点だけは決して変わらない。 梨花は言わずもがな、沙都子も当然のようにそうであった。 ならばその先の言葉は必要ない。部活メンバーが二人揃って勝負をするなら――後に待つものは決まっている。 「……ありがとうございました、キングさん。もう結構ですわ」 沙都子はくるりと踵を返して、監視役の大看板にそう言った。 これ以上は何を話しても蛇足になる。沙都子としては、梨花が思いの外強く食い付いてきてくれただけで充分に満足だった。 今回の梨花は強いかもしれないと思ってはいた。しかしこうまで期待通りだと、思わず笑みが浮かんでしまうというものだ。 面白い。これほど勇ましく宣戦布告をしてくれた梨花をへし折れたなら……さぞかしこの先に待つ雛見沢での暮らしは楽しく、満足感に満ち溢れたものになるだろう。 へし折ってやる、必ず。 踏み躙ってやる、何度でも。 そして私は願いを叶える。――貴女が何処にも行かない、理想の世界を作り上げてみせる。 「ああ、最後に一つだけ。 梨花? 貴女は先ほど、この世界から脱出してみせるのだと言っていましたけど」 「……ええ、そうよ。それが何?」 「奇遇ですわね。私のサーヴァントがついさっき、貴女と同じ志を持っている方々を襲撃し。 その上で――マスター一人とサーヴァント一体がお亡くなりになったそうですわよ?」 「……、……!」 振り向きはしない。 振り向けばさぞかし愛しい顔が見られるのだろうと思ったけれど、理性で自制した。 何度でも叩きのめしてやろう。何度でも、大切な人間を奪ってやろう。 その心が折れるまで。そして、この手に聖杯が収まるまで。 何度でも――何度でも。"絶対"に、私の意志は貴女を逃さない。 「精々頑張ってくださいな、頑固者の梨花」 沙都子は去り際に嘲笑を浴びせて、八重歯を覗かせながら次の計画を練り始めた。 脳の回転の速さとその冴え具合は、もはやこれまでの比ではない。 何しろ梨花と対面出来た上に。お互いに宣戦布告をし合えたのだ。 であれば――手を抜くなど。なあなあな気持ちで臨むなど許される訳がない。 全力で叩き潰す、その為に。絶対の魔女は、彼方の勝利を目指して此処に新たな一歩を踏み出した。 【二日目・早朝/異空間・鬼ヶ島】 【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に業】 [状態]:健康、高揚 [令呪]:残り3画 [装備]:トカレフ@現実 [道具]:トカレフの予備弾薬、地獄への回数券 [所持金]:十数万円(極道の屋敷を襲撃した際に奪ったもの) [思考・状況] 基本方針:理想のカケラに辿り着くため界聖杯を手に入れる。 0:さて。それでは、改めて私達の勝負を始めましょうか。 1:脱出の道は潰えた。願うのは聖杯の獲得による、梨花への完全勝利のみ。 2:割れた子供達(グラス・チルドレン)に潜り込み利用する。皮下達との折り合いは適度に付けたい。 3:ライダー(カイドウ)を打倒する手段を探し、いざという時確実に排除できる体制を整えたい 4:ずる賢い蜘蛛。厄介ですけど、所詮虫は虫。ですわよ? 5:ガムテに対しての対抗策も考えたい。 【古手梨花@ひぐらしのなく頃に業】 [状態]:疲労及び失血(大)、右腕に不治(アンリペア)、決意 [令呪]:全損 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:数万円程度 [思考・状況] 基本方針:生還を目指す。もし無ければ… 0:セイバー達が助けに来るまで時間を稼ぐ。 1:沙都子を完膚なきまでに負かして連れ帰る。 2:白瀬咲耶との最後の約束を果たす。 3:ライダー(アシュレイ・ホライゾン)達と組む。 4:咲耶を襲ったかもしれない主従を警戒、もし好戦的な相手なら打倒しておきたい。 5:櫻木真乃とアーチャーについては保留。現状では同盟を組むことはできない。 6:戦う事を、恐れはしないわ。 ◆◆◆ 「……なあ、今の聞いてた? 最近のガキ、怖くね?」 「いつの時代もこんなもんだろ。覚悟するのにも歪むのにも、歳は関係ねえんだよ」 皮下医院"元"院長、皮下真は慎重な男である。 北条沙都子が進言した古手梨花への面会。 そこに百獣海賊団の大看板・火災のキングを監視役として遣わすに当たって。 彼は、キングに小型の隠しカメラを持たせていた。それを通じてリアルタイムで皮下は彼女達の再会を鑑賞しており、その一部始終を最初から最後まで見届けた上での感想が今しがたの台詞なのであった。 引くわ~、とでも言わんばかりの顔でそう漏らした皮下に。 彼の傍らで同じく映像を見ていたリップは、ふうと息を吐いて淡白な感想を口にする。 「まあ、変に結託とかし出さないだけ良かったけどよ。 キングが見逃さなかっただろうが、流石にこれ以上胃痛の種を抱えるのは御免なんでね」 ただでさえ、色々といっぱいいっぱいの現状なのだ。 これ以上面倒事を抱えるのは、修羅場慣れしている皮下も流石に御免被りたかった。 その点、北条沙都子が古手梨花とあくまで対立し続ける姿勢なことを示してくれたのはありがたかった。 彼女は従者であるリンボ共々油断ならない相手だが、しかし優秀さに置いては今のところ非の打ち所がない。 目の上の瘤だった脱出派の勢力にも小さくない痛手を与えてのけたこともあり、少なくとも現状は、皮下達の未来に貢献してくれている。 「色々と頭の痛くなるようなことが多すぎて誤認しそうになるが、俺達の置かれてる状況は決して悪いものじゃない。 ウチの"総督"にお前の"械翼(アーチャー)"ちゃん、そして総督が勝手に同盟結んだらしい"女帝"。 これだけ揃えば峰津院のクソガキにも決して遅れは取らないだろう。……ま、人徳ってやつかな」 「寝言は寝てから言ったらどうだ、ヤブ医者」 「傷付くな。まあ、それはさておき……そろそろ行くか。現世(あっち)に」 脱出派の存在は、現在進行形の障害だ。 だが、しかし。彼らと競い合う上でこちらは未だ何一つ劣っていない。 それに――明確に脱出派の存在を許容したがっていない界聖杯が、いざ連中の脱出計画が実行に移されたとして、果たして黙って見ているだろうか。 皮下はそうは思わない。連中の道のりは、連中が思っている以上に過酷な道だ。 そしてこちらは連中がその過酷さに手を拱いている間に、圧倒的な暴力で以って叩き潰してやればいい。 「お前のボディーガード役は金輪際御免だ。手早く終わらせろよ、そこまで付き合いたくはない」 「それはあちらさんに言ってくれ。ガキだとは聞いてるが、話の分かる奴だといいんだけどな」 そう言いながら、皮下はリップ共々現実世界。 カイドウの同盟相手である"もう一人の皇帝"、そのマスターの元へと向かおうとしていた。 霊地の争奪戦に加え、脱出派勢力への対処。その他諸々引っ括めての今後の展望について、などなど。 話すべきことは無数にある。むしろ今の今まで顔を突き合わせずにいたことの方がおかしい。 そして皮下は、会談の場に臨むに当たってリップを連れて行くことにした。 その理由は護衛と、そして監視だ。彼ら主従の強さ、便利さは皮下自身よく知っている。 なればこそ、主従揃った状態で留守を預けるのは危険極まりないと。そういう結論に達したのだ。 リップが自分達に弓を引くとしても、それは今ではないと。皮下はそう思っているが。 それでも――不安の種を取り払っておくに越したことはない。 「世田谷の一件もある。精々有意義な話し合いが出来ることに期待しようぜ」 【皮下真@夜桜さんちの大作戦】 [状態]:健康 [令呪]:残り二画 [装備]:? [道具]:? [所持金]:纏まった金額を所持(『葉桜』流通によっては更に利益を得ている可能性も有) [思考・状況] 基本方針:医者として動きつつ、あらゆる手段を講じて勝利する。 0:ひとまずライダーが同盟を結んだサーヴァントのマスターとコンタクトを取る。 1:大和から霊地を奪う、283プロの脱出を妨害する。両方やらなきゃいけないのが聖杯狙いの辛い所だな。 2:覚醒者に対する実験の準備を進める。 3:戦力を増やしつつ敵主従を減らす。 4:沙都子ちゃんとは仲良くしたいけど……あのサーヴァントはなー。怪しすぎだよなー。 5:峰津院財閥の対処もしておきたいけどよ……どうすっかなー? 一応、ICカードはあるけどこれもうダメだろ 6:梨花ちゃんのことは有効活用したい。…てか沙都子ちゃんと知り合いってマジ? 7:逃げたアイの捜索をさせる。とはいえ優先度は低め。 [備考] ※咲耶の行方不明報道と霧子の態度から、咲耶がマスターであったことを推測しています。 ※会場の各所に、協力者と彼等が用意した隠れ家を配備しています。掌握している設備としては皮下医院が最大です。 虹花の主要メンバーや葉桜の被験体のような足がつくとまずい人間はカイドウの鬼ヶ島の中に格納しているようです。 ※ハクジャから田中摩美々、七草にちかについての情報と所感を受け取りました。 ※峰津院財閥のICカード@デビルサバイバー2、風野灯織と八宮めぐるのスマートフォンを所持しています。 ※虹花@夜桜さんちの大作戦 のメンバーの「アオヌマ」は皮下医院付近を監視しています。「アカイ」は星野アイの調査で現世に出ました ※皮下医院の崩壊に伴い「チャチャ」が死亡しました。「アオヌマ」の行方は後続の書き手様にお任せします ※ドクロドームの角の落下により、皮下医院が崩壊しました。カイドウのせいです。あーあ 皮下「何やってんだお前ェっ!!!!!!!!!!!!」 ※複数の可能性の器の中途喪失とともに聖杯戦争が破綻する情報を得ました。 ※キングに持たせた監視カメラから、沙都子と梨花の因縁について大体把握しました。結構ドン引きしています。主に前者に 【リップ@アンデッドアンラック】 [状態]:健康、魔力消費(小) [令呪]:残り3画 [装備]:走刃脚、医療用メス数本、峰津院大和の名刺 [道具]:ヘルズクーポン(紙片) [所持金]:数万円 [思考・状況] 基本方針:聖杯の力で“あの日”をやり直す。 0:仕方ないので皮下と一緒に現世に行く。 1:皮下と組むことに決定。ただしシュヴィに魂喰いをさせる気はない。 2:283プロを警戒。もし本当に聖杯戦争を破綻させかねない勢力なら皮下や大和と連携して殲滅に動く。 3:古手梨花を利用する。いざとなれば使いつぶす。 4:敵主従の排除。同盟などは状況を鑑みて判断。 5:地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)の量産について皮下の意見を伺う。 6:ガムテープの殺し屋達(グラス・チルドレン)は様子見。追撃が激しければ攻勢に出るが、今は他主従との潰し合いによる疲弊を待ちたい。 [備考] ※『ヘルズ・クーポン@忍者と極道』の製造方法を知りましたが、物資の都合から大量生産や完璧な再現は難しいと判断しました。 また『ガムテープの殺し屋達(グラス・チルドレン)』が一定の規模を持った集団であり、ヘルズ・クーポンの確保において同様の状況に置かれていることを推測しました。 ※ロールは非合法の薬物を売る元医者となっています。医者時代は“記憶”として知覚しています。皮下医院も何度か訪れていたことになっていますが、皮下真とは殆ど交流していないようです。 時系列順 Back ハッピーエンドをはじめから Next ウィーアー! 投下順 Back ハッピーエンドをはじめから Next ウィーアー! ←Back Character name Next→ 112 拍手喝采歌合 皮下真 128 ウィーアー! 117 Surprise MOM Logic ライダー(カイドウ) 120 STRONG WORLD ライダー(シャーロット・リンリン) 128 ウィーアー! 116 prismatic Fate 北条沙都子 133 地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1) 112 拍手喝采歌合 古手梨花 133 地平聖杯戦線 ─RED LINE─(1) 112 拍手喝采歌合 リップ 128 ウィーアー!
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FrontPageへ イベントへ 物語 序章:旅立ち 1章:黒鯱の威容 2章:赤髭の海賊 3章:手駒不足の奇襲 4章:用心棒時代 5章:十七年目の邂逅 6章:北海の戦雲 7章:重なりし芳酒の記憶 8章:暴挙の勲章 9章:白昼の狙撃 10章:審問の贄 11章:Hasta la vista(アスタラビスタ) 12章:時代への反逆 13章:昨日と、今日と、明日と 14章:インドへの誘い 15章:航路の代価 16章:疑惑の渦中で 17章:コショウを巡って 18章:眼前の疑惑に 19章:孤狼の時代は去りぬ 20章:罠か、恥辱か 21章:義理も情けも 22章:Prisionero Del Pasado (過日の虜) 23章:熱き拳 24章:超えたいがゆえに 25章:昏睡の帰還 26章:災いの日 27章:遠き誓いに 28章:綻び 上へ 物語 序章:旅立ち あらすじ イベリアより、イスラム勢力を駆使した余勢を駆り、大国への道をひた走るイスパニア王国。 その古都セビリアにて、プレイヤー名は航海者としての第一歩を踏み出したのだった。 2,000Dを入手する。 ダガーを入手する。 帆塗料を入手する。 望郷のカリヨンベルを入手する。 北大西洋の入港許可を入手する。 上へ 1章:黒鯱の威容 あらすじ セビリアの街を引き回される、虜囚となったバルバリア海賊たち。人々は、海軍の手柄を誉めそやすが、そのかたわらには、彼らを冷笑する若い傭兵がひとり。 海賊を捕らえたのは自分たち傭兵艦隊で、軍は手柄を横取りしただけだと、語る。 そのとき、突如響き渡る人々の悲鳴。海賊が脱走したのだ。 海賊は海軍の将官を人質に、新造艦を占拠。民間人を使いに、食糧を積み込むよう要求する。 食糧の引き渡し役として、船に乗りこんだプレイヤー名。 だが、海賊はプレイヤー名をも人質に取り出航しようとする。 その時、船室に威風堂々とした軍人が出現。その手に握られた短銃が火を吹き、海賊は反撃の間もなく絶命する。 軍人は、銃声に腰を抜かした将官を、豪快に笑いとばす。 彼の名はバルタザール。イスパニアが誇る海賊狩りの精鋭・黒鯱傭兵艦隊の隊長であった。そこへ王城からの使者がやってくる。 プレイヤー名とバルタザールは、事情聴取のため、王城へと召喚される。 王城で待ち受けていた大貴族・アルバ公は、貴族である将官に銃をむけた非礼を責める。 だが、バルタザールはどこ吹く風。逆に、海賊脱走の原因を作ったアルバ公を叱りとばし、部下の待つ酒場へとプレイヤー名を誘い、その場を立ち去る。 酒場にはバルタザールの部下たちが待っていた。バルタザールの世渡り下手を語るのは、艦隊の若き斬込隊長エドゥアルド。 それをたしなめるのは、義理人情にあつい、古参の傭兵アゴスティノである。 アゴスティノによれば、海軍を統括するアルバ公は、バルタザールが一傭兵隊長にも関わらず、多くの支持者をもつことが気に食わず、何かと難癖をつけてくるのだという。 愚痴るアゴスティノに、バルタザールは久々の陸の酒をたのしむよう諭す。 プレイヤー名と傭兵たちの宴の夜は、こうしてふけていった。 上へ 2章:赤髭の海賊 あらすじ 数日後、プレイヤー名は、セビリアの交易所より呼び出される。 どうやら、海賊立てこもり事件での活躍を見こまれたらしい。 荷を取り違えたままマラガへむかった商船の追跡を依頼される。 西地中海の入港許可を得る。 3,000Dを入手する。 プレイヤー名が商船を発見し、ようやく追いついた時、商船は赤髭のイスラム海賊の襲撃を受けた後だった。 すでに船員は全滅。かろうじて生きていた船長もマジョルカ島パルマの酒場にいるバルタザールへの通報を依頼し、絶命する。 艦隊への戦力補充を渋るアルバ公に、うんざりしている傭兵艦隊の面々。 しかし、プレイヤー名が商船略奪の件を報せると、にわかに空気が緊迫する。 プレイヤー名が見た赤髭の海賊は、バルタザールの宿敵にして、悪名高きバルバリア海賊の首領ハイレディンであることが判明した。 ハイレディンが残した「合流地点に急ぐ」との言葉から、次なる企みを察知したバルタザールは、現場周辺の哨戒に出ていく。 プレイヤー名は、アゴスティノから、情報をつかんだら、マラガ近海にいるバルタザールに報せるよう依頼される。 上へ 3章:手駒不足の奇襲 あらすじ プレイヤー名はパルマの港で、海賊との取引に遅れる、と会話する少年たちに出会う。 年上のほうの少年アルヴェロによれば、彼らはバルバリア海賊の人質となった大物貴族の身柄を買い戻す、大切な仕事の途中なのだという。 プレイヤー名はその話をバルタザールに報告する。 バルタザールは表情を曇らせる。取引なぞ口先だけ。使者を自らの勢力圏に誘い出し、思いのままに略奪する。それが、バルバリア海賊のいつもの手口なのだ、と。 バルタザールは、戦力不足を押し、掠奪から帰還するハイレディンに奇襲をかけようと決意する。 エドゥアルドは、プレイヤー名にも奇襲作戦に参加しろ、と強制する。 プレイヤー名は、その強引な物言いに押され、彼の指揮下で戦いに加わることになる。 伝令から報せが届き、ハイレディンの居場所が判明。艦隊は、ハイレディンが目撃されたマラガから東南東、北アフリカ沿岸へ船を進める。 突然の奇襲に、混乱する海賊たち。だが、その守りは堅く、ハイレディンの旗艦は逃してしまう。悔やむバルタザールに、戦力不足ゆえの限界をぼやくエドゥアルド。 やむなく艦隊は、本拠地パルマへの帰途につく。 帰還後、押収した積荷の中から捕虜が見つかる。捕虜はポルトガルの王族であるという。 ソンブレロを入手する。 バルタザールは、この捕虜こそが、取引の対象となった人質貴族だろうと推察。 バレンシア官庁内の執務室にいる、アルバ公に報告するよう、プレイヤー名に依頼する。 上へ 4章:用心棒時代 あらすじ バレンシアにて、プレイヤー名は、アルヴェロと再会する。 彼は、バルタザールたちの予想通り、海賊たちの待ち伏せに遭い、身代金を奪われていた。だが、海賊たちが始めた内輪もめのどさくさで、命だけは助かったのだという。 人質の身柄を傭兵艦隊が預かっていることを知ったアルヴェロは、パルマまで連れて行ってくれと懇願する。 パルマで、アルヴェロとプレイヤー名はバルタザールと対面する。 人質引渡しの際、バルタザールは、アルヴェロの船旗についた紋章を指差し、問いかける。 「貴様、サルミエント商会の者か」 アルヴェロは、商会代表ディエゴ・サルミエントの息子であることを、しぶしぶ告白する。やおら笑い出すバルタザール。 「まさか、こんなところでヤツの息子に会おうとはな」 そこに、伝令がハイレディンがマルセイユ沿海に出現したと報せにくる。 バルタザールは、アルヴェロに来たる日の再会を約し、宿敵の待つ海へと船出する。 しかし、現場にハイレディンの姿はない。バルタザールは、偽報を流したアゴスティノを問い詰める。 「私がお願いしたのよ」 声の主は、バルタザールの昔馴染みの酒場女イレーヌであった。 イレーヌの酒場で、ウイスキーを傾ける傭兵艦隊の面々。 イレーヌは、十七年前、バルタザールが、アルヴェロの父・ディエゴの用心棒をしていたころのことを回想する。だが、バルタザールは不機嫌顔を隠せずにいる。 サルミエント商会といえば、ポルトガル随一の大商会である。その創設期の一員であったというバルタザールが、なぜ、しがない傭兵隊長をしているのか、エドゥアルドは詮索する。 しかし、それがバルタザールを怒らせることに。 イレーヌのとりなしで、なんとか怒りを納めたバルタザール。 彼はプレイヤー名に何かあればパルマの酒場まで来るように告げ、去っていった。 15,000Dを入手する。 上へ 5章:十七年目の邂逅 あらすじ バレンシアの港にて、アルバ公の邸宅を探す男から声をかけられるプレイヤー名。 アルバ公に客分として招かれていたその男こそ、サルミエント商会の代表ディエゴ・サルミエントその人であった。 ディエゴは、プレイヤー名の折り目正しさに感じ入り、将来有望な航海者として、アルバ公に売りこむのだった。 大物二人の会談が始まろうとしたその時、バルタザールが、突如邸内に乱入して来る。 ディエゴを目にしたバルタザールは旧友との思わぬ再会に驚くが、すぐさま我に返りアルバ公に食ってかかる。 なぜ、自分をバルバリア海賊の討伐の任務から外し、ネーデルランド反乱軍の鎮圧をしろと命じたのか、と。 「昔の私と同様、ハイレディンだけを追っていれば済む立場でなくなったということだ」 そんなディエゴの説得には耳も貸さず、バルタザールは命令拒否を一方的に告げると、出て行ってしまう。 ディエゴは、変わらぬ旧友の姿に呆れつつも、改めてプレイヤー名に礼をのべ、アルバ公と共に、執務室へと消えていくのだった。 上へ 6章:北海の戦雲 あらすじ プレイヤー名は、イスパニアの重鎮タベラ枢機卿の招きで、セビリアへと呼び出される。 セビリアの港では、リスボンから来た商人がポルトガルの提督ガマが、東廻りの航路を使い、インディアスから少量のコショウを積んで帰還した、と吹聴していた。 だが人々は、そんな噂など気にも留めない。 なぜなら、イスパニアには、クリストバル・コロン提督が数年前にひらいた、西廻り航路がすでにあったからである。 王城にて、プレイヤー名は、臨時の傭兵契約を持ちかけられる。 タベラ枢機卿によれば、プレイヤー名をバルタザール指揮下の傭兵に迎えるように、とアルバ公より推薦されたのだという。 契約を受けたプレイヤー名は、バルタザールの駐屯するパルマへ向かうよう、命じられる。 5,000Dを入手する。 任命状を入手する。 パルマの酒場に着くなり、プレイヤー名は、エドゥアルドとアゴスティノが言い争いをする場面にでくわす。 バルタザールが断ったネーデルランド行きの話をエドゥアルドが勝手に受けてしまい、艦隊の遠征が決まってしまったのだ。 アゴスティノは、隊長の意思を無視したエドゥアルドを責めるが、当の本人は、反省の色すら見せようとしない。 そこにバルタザールが帰ってくる。 プレイヤー名は、バルタザールに、王城で受け取った任命状を見せる。 バルタザールは、アルバ公が勝手にプレイヤー名を傭兵契約して、艦隊の補充にあてたことを悟る。 しかし、ヘタな軍人よりも役に立つと、プレイヤー名を歓待。 プレイヤー名は、火薬5樽を購入し、アントワープで本隊と合流するよう命じられる。 3,000Dを入手する。 北海の入港許可を得る。 上へ 7章:重なりし芳酒の記憶 あらすじ プレイヤー名が火薬を渡すと、複雑な顔をするバルタザール。 マッチロック式射撃銃を得る。 今回は、これを使うことになって欲しくないというつぶやく。 この反乱は、アルバ公がネーデルランドにかけた重税が原因であるから、と。 だが、エドゥアルドは、反乱軍を攻めるなら、内部対立を繰り返している今しかないと、強く主張する。 しかし、バルタザールはこれを却下。 エドゥアルドは、イレーヌの酒場に酒を届けろと命じられる。 戦線を外されたエドゥアルドは面白いはずもない。しかし、絶対の隊長命令には逆らうこともできず、プレイヤー名を同伴させることを条件に、これを受け入れる。 海に出るなり、エドゥアルドは、舵の修理のためカレーに寄港したいと言い出す。 だが、修理などは、真っ赤な嘘。 エドゥアルドは、今回の戦いが、世間に認められる最後の機会かもしれないと、プレイヤー名に酒樽をまかせ、勝手に戦線復帰してしまう。 取り残されたプレイヤー名は、ひとりイレーヌの酒場のある、マルセイユへむかうことになる。 マルセイユに着いたプレイヤー名は、さっそくイレーヌに酒を届ける。 するとイレーヌは、樽の帯鉄に彫られた文言を見つける。 『戦ばやりのイダルゴに忍従の酒を』 ディエゴとバルタザールが共に仕事をしていた頃ディエゴは戦いにはやるバルタザールに酒を送りその苛立ちをしずめていた。 バルタザールは、それにならい、功をあせるエドゥアルドをしずめようとしたのである。 イレーヌは、バルタザールが他人にかけていた苦労を、彼自身が味わっている皮肉に思わず苦笑してしまう。 その時、二人連れの客が、店内に入ってくる。 客によれば、ネーデルランドの反乱勢力が一本化し、大規模な迎撃艦隊が誕生。鎮圧に向かったイスパニア艦が次々に沈められているのだという。 色を失ったイレーヌは、プレイヤー名にバルタザールの身を案じる手紙を託す。 上へ 8章:暴挙の勲章 あらすじ プレイヤー名がアントワープに戻ると、アゴスティノが頭を抱えていた。 エドゥアルドが命令を無視し、反乱軍艦隊『海の旅団』を倒そうと出撃してしまった。しかも、バルタザールもこれを引きとめなかったのだ、という。 イレーヌの手紙を読み「見くびられたものだ」と笑うバルタザール。 20,000Dを入手する。 そこに伝令が駆けつける。アムステルダム沖で、エドゥアルドが『海の旅団』らしき艦隊に包囲されたらしい。 バルタザールは、エドゥアルド救出のため、プレイヤー名を連れて出撃する。 突然の援軍襲来に、算を乱す『海の旅団』。無事エドゥアルドを救出したバルタザールは、逃げる敵を深追いせず、アントワープへと帰還する。 死刑か艦隊追放かと、隊長からの制裁に恐れおののくエドゥアルド。だが、バルタザールは、鉄拳の一撃を見舞っただけで、処分を終えてしまう。彼の暴挙のおかげで、『海の旅団』の強さの秘密が、地形を利用した包囲戦術にあったことが判ったからである。 戦線が落ち着く見通しも立ったため、バルタザールは、早期の停戦をアルバ公に進言すべく、アゴスティノを使いに立てる。 そして、プレイヤー名に、従軍を終え、本国に帰還するよう、うながすのだった。 上へ 9章:白昼の狙撃 あらすじ プレイヤー名は、見知らぬ軍人より、アントワープにいるアゴスティノに渡してくれと、一通の書簡を託される。 アントワープで再開したアゴスティノは、不機嫌な様子。 アルバ公が、バルタザールの提言をしりぞけ、直属の艦隊に反乱軍の徹底鎮圧を命じたのだ。反乱平定後の統治をかえりみようとしない、アルバ公の戦略眼のなさに、バルタザールも怒りを隠せない。 プレイヤー名が渡した書簡が、二人の怒りを助長させる。 書簡には、バルバリア海賊の首領ハイレディンがアレクサンドリアで行われる式典に、トルコの皇帝(スルタン)と列席する、と書かれている。 ハイレディンの狙いが、自らを北アフリカの事実上の支配者として、世に認めさせることにあるのは、明らかであった。 力を強めていくハイレディンに対し、それと渡り合う戦力を与えられる見込みのないバルタザールたち。 バルタザールは状況を打破するため、アレクサンドリアに乗り込み、式典に現れるハイレディンを狙撃することを決意する。 そしてジェノヴァの酒場で密売している狙撃用の特殊銃・螺旋溝銃を買い、アレクサンドリアへ持ち込んでくれと、プレイヤー名に依頼する プレイヤー名は、無事、螺旋溝銃を手に入れ、アレクサンドリアに到着。バルタザール、エドゥアルドと合流すべく、街へ急ぐ。 バルタザールは、すでに民家の二階で準備を整えていた。 そして、式典が始まった。 バルタザールは人波の中からハイレディンを見つけ、引金をひく。銃弾に貫かれたハイレディンは地に倒れた。 しかし、そのかたわらから、もうひとりにハイレディンが現れる。 バルタザールは再び銃を取るが、警備兵たちが追ってくる。やむなく狙撃を中断し、パルマへ帰還することにする。 アゴスティノによれば、ハイレディンは、自らの身を守るため、影武者を持っているとの噂があったのだという。バルタザールは自らの打つ手が、とうの昔から読まれていた事実にほぞを噛むのだった。 上へ 10章:審問の贄 あらすじ パルマの酒場に戻った傭兵艦隊を待ち受けていたのは、物々しいイスパニアの兵士たちだった。 バルタザールの戦線離脱の罪を質すため、審問会を行うのだという。 抵抗もせず、連行されていくバルタザール。その身の上を案じたアゴスティノは、審問会の行われるセビリアへと向かう。 後日、プレイヤー名は、セビリアでアゴスティノ、エドゥアルドに再会。 バルタザールが黙秘を続けていること、判事がアルバ公びいきであることで、審問会は圧倒的に不利な状況にあるという。 そしてプレイヤー名たちもまた、重要参考人として、審問会の行われている大聖堂への出頭を命じられる。 審問会では、バルタザールが相変わらず黙秘を続けていた。アゴスティノは、エドゥアルドが勝手に契約したことを根拠に、バルタザールを弁護。 だが、エドゥアルドは、証言を拒否し、バルタザールの立場はいっそう悪化する。 やがて判決の時がくる。判事が判決を下そうとしたその時、思わぬ人物が現れる。 その人物とは、インディアス発見の英雄クリストバル・コロン提督である。 コロンは、アルバ公がこれまでバルタザールに対し行ってきた再三の契約違反を指摘。 さらに、バルタザールをバルバリア海賊討伐から外したことで、了解防衛をおろそかにした落ち度にも言及する。 英雄の言葉にどよめく聖堂内。 静粛をもとめる判事の槌の音もむなしく、審問会は混乱と紛糾のうちに閉廷を余儀なくされる。 アルバ公は、バルタザールに後日の報復を誓い、立ち去っていく。 プレイヤー名は、コロンとバルタザールに誘われ、酒場へとむかう。 酒場でバルタザールとの思い出を語るコロン。 ーー十七年前、ポルトガル王室からの援助を打ち切られたコロンは、バルタザールの船に便乗し、イスパニアに亡命。 その後、イスパニア王室の援助で見事にインディアスを発見し、一躍、かの地の副王の座に昇りつめたのである。 それから数年。近頃は、リウマチに悩まされるようになり、隠退を考えているのだという。 そんなコロンはプレイヤー名とエドゥアルドを気に入り、イスパニア国王への推薦を約束する。 必ず大物になって見せると張り切るエドゥアルドの若者らしく、野心あふれる姿を、コロンは頼もしげに眺めるのだった。 上へ 11章:Hasta la vista(アスタラビスタ) あらすじ 後日、プレイヤー名はセビリアの王城より召喚を受ける。 そして、同じように呼び出されていたエドゥアルドと、国王から命令を受ける。 命令は、アフリカ沖カーボヴェルデに潜伏する、『海の旅団』首領エグモント伯の捕縛であった。 西アフリカの入港許可を得る。 エドゥアルドは思わぬ大仕事に張り切っている。 だが、『旅団』のアジトに潜入してみれば、エグモント伯は新たな寄港地を求め、すでに旅立った後だった。 しかもエドゥアルドの話すオランダ語になまりがあったことから、イスパニアからの侵入者であることがバレてしまう。 遁走を余儀なくされた二人は、出航所で出会ったポルトガル艦隊の一行に紛れ込み、なんとか追手をやりすごす。 酒場で出会ったポルトガルの士官に、任務の失敗を愚痴るエドゥアルド。 仕官は、うだつのあがらなっかた自分が、ガマ提督の下につくなり、インド到着の英雄の一員となれた幸運を語り、慰めようとする。 インドがどんな場所かを話したがる士官にエドゥアルドは、もう知っているとばかりに、コロンから聞いたインディアスの様子を披露。 だが、士官は、自分の見てきたインドとは異なるその風景描写に、首をかしげるばかりだった。 それを見たエドゥアルドは、突然、何か思いたったように席を立ち、セビリアに帰還すると言いだす。 エグモント伯の捕縛を断念し、おめおめと戻ってきた理由を問いただす国王。 これに対しエドゥアルドは、コロンの到着したインディアスが、実際のインドではない疑いがある、と報告する。 インド進出競争が、敗北の危機にあることを知った国王は、がくぜんとして、二人を下がらせる。 まんまと、任務失敗の責任を逃れることに成功したエドゥアルド。そんな彼にアルバ公が声をかける。 エドゥアルドは、プレイヤー名に先に帰るように告げ、アルバ公とともに王城の奥へと消えていくのだった。 上へ 12章:時代への反逆 あらすじ プレイヤー名は、インディアスにからむ騒動が、セビリアで起こったと聞きつける。 セビリアでは、インディアスとインドとは、まったく別の土地であるとの噂が広まっていた。 疑惑の渦中に立たされたコロンは、セビリアの一等地に構えた邸宅をも売りに出し、汚名返上を賭けた最期の航海に出ようとしていた。人々は、それを老獪とあざ笑うのだった。 プレイヤー名は、コロンからバルタザールがセビリアの酒場に来ていることを聞く。 酒場では、アゴスティノがコロンへの中傷に腹を立てていた。 プレイヤー名の話で、噂をふりまいたのがエドゥアルドであることを知った、アゴスティノは激昂する。 だが、バルタザールはこう言ってアゴスティノを諭す。 コロンが英雄だった時代が過ぎ去ったことは、コロン自身が一番よく知っているはず。しかしそれでも信念に殉じようとするコロンを、止める理由はないのだ、と。 コロン出航の報せを聞いたバルタザールは、友の最後の船出を見届けようと、ゆっくりと港へむかう。 カリブ海の入港許可を得る。 船に乗り込もうとするコロンの元に、兵士が駆け寄ってくる。国王に無断で出航するコロンを連れ戻そうというのだ。 だが、バルタザールはこれを一喝、追い返す。 コロンは、旧友の友誼に感謝しつつも、偏屈をつらぬくあまり、アルバ公の報復を受けぬように、と忠告する。 これに対し、バルタザールは、偏屈はお互い様と笑うだけだった。 やがてコロンは、遥か西の海へと、船を漕ぎ出していった。 上へ 13章:昨日と、今日と、明日と あらすじ プレイヤー名は、ジブラルタル海峡でパルマの傭兵艦隊が暴れているとの話を聞きつける。 古参の傭兵によれば、エドゥアルドが若い傭兵たちを引き連れ、傭兵艦隊を脱退。艦隊の戦力が激減したのだという。 アゴスティノは、バルタザールの留守を狙ったアルバ公の陰湿な報復に苛立っていた。 だが、傭兵たちの怒りの矛先は、アルバ公ではなく、エドゥアルドにむかっており、裏切り者を殺してやる、と血気にはやっているという。 まずは、傭兵たちの暴走を止めるのが先決だというアゴスティノは、一緒に傭兵たちの行方を探してくれと、プレイヤー名に依頼する。 しかし、エドゥアルドは古参傭兵たちに捕縛されていた。傭兵たちはパルマに戻り次第、彼をなぶり殺すと息巻いている。 そこへ、バルタザールからマルセイユに来るようにとの命令が届く。傭兵たちは、エドゥアルドの処分をバルタザールに一任する。 バルタザールの前に引き出されたエドゥアルドはアルバ公の権威を盾に開き直る。 アルバ公と対立しながらも、結局、その力を借りて戦っているバルタザールを嘲笑し、そんなことで手下の将来を保障できるのかと、罵倒する。 バルタザールは、その言葉を聞き、無言で剣を抜き、一閃! だが、剣はエドゥアルドの体をかすめるのみだった。 バルタザールは、次に会う時は叩き斬る、と脅したのみでエドゥアルドを釈放してしまう。 たちまち、傭兵たちから不満の声があがる。だがバルタザールは、耳を貸さずに近海の監視に出ていく。 その態度に古参の傭兵までもが、愛想を尽かして艦隊を離れていく。 バルタザールの真意を図りかねたアゴスティノは疑問を口にしかけるが、思いなおし、近海の監視に出て行く。 一部始終を見ていたイレーヌは語る。 バルタザールはエドゥアルドに、過去の自分自身を重ね見ていたのかもしれない、と。 十七年前、バルタザールは、彼の大切な『明日』を奪ったハイレディンを倒すため、何もかもを捨ててディエゴのもとを飛び出したのだという。 「だから、あの人は『昨日』に生き続けようとしている。目前の『今日』なんかより、もっと大切な、あの人の絆、憧れに――。でも、そういう人だから、他人の『明日』は大切にするのかもしれないわね…」 イレーヌは、そういって話を結ぶと、静かに杯を傾けるのだった。 上へ 14章:インドへの誘い あらすじ リスボンの大商人ディエゴの商館へと呼び出されたプレイヤー名。 ディエゴは、アルバ公がプレイヤー名を勝手に傭兵艦隊に送りこんでしまったことを謝罪した。 そして、その埋め合わせとして、インドからのコショウの運搬をプレイヤー名に任せたいと申し出る。 依頼を引き受けたプレイヤー名に、さっそくポルトガル王宮より呼び出しがかかる。 カリカットに開かれる機関・通商院に赴任する役人を船に同乗させてくれ、との依頼である。 プレイヤー名は、役人を船に乗せ、インドへの旅路につくのだった。 南大西洋の入港許可を入手する。 アフリカ東岸の入港許可を入手する。 上へ 15章:航路の代価 あらすじ ようやく、喜望峰を越え、アフリカ東岸に到達したプレイヤー名。 だが、地元の商人によれば、インドへの渡航には領主コリタンの認可が必要なのだという。 コリタンは、航路使用の代価として、砂金5袋を差しだすよう要求。断った場合には、軍船を差しむけると脅迫する。 ポルトガルのガマが支払ったのだから、他国の航海者も支払というのが、その言い分であった。 プレイヤー名は仕方なく、砂金を供物として差し出すが、コリタンは渡航を認めようとしない。 季節風が吹かなければ、渡航はできないというのだ。 プレイヤー名は、しばらくの間、東アフリカの地に逗留するよう命じられる。 上へ 16章:疑惑の渦中で あらすじ 数日後、コリタンから呼びだされたプレイヤー名。 コリタンは、ようやく、インドへの渡航を許可する。 インド洋の入港許可を入手する。 広大なインド洋を超えて、プレイヤー名は、ようやくカリカットに到着。 だが、待ち受けていたのは、ポルトガル商人たちの敵意にみちた視線だった。 通商院の役人と、サルミエント商会のせいで、コショウが、以前のように、自由に買えなくなったことを嘆く商人たち。 しかし、彼らのせいで左遷されたガマ提督が、近いうちにカリカットに帰還し、通商院を追い払ってくれるはずだと、互いに励ましあっていた。 通商院の役人は、事実関係を確かめるために、ポルトガルの駐在商館へとむかう。 話によれば、交易の全権委譲とカリカットからの退去という王命が下り、ガマは命に服したものの当然、不満を抱く者は多いという。 通商院の役人は、ゴアに駐在するガマの動静を探ってくるよう、プレイヤー名に命じる。 ゴアで、ガマと対面したプレイヤー名。 ガマは、自分が反乱など企むはずがないと明言。 貿易は、適任者が適切に流通を取り仕切るべきと非難するどころか、逆に弁護に回るほど。 その事実を伝え聞いた通商院役人は、安心して警戒をとく。 そして、通商院役人はプレイヤー名に専売品であるコショウ50袋を渡し、マディラへ届けるよう命じるのだった。 上へ 17章:コショウを巡って あらすじ マディラのポルトガル王立商館にコショウを納入しようとするプレイヤー名。 だが、何を勘違いしたか、「サルミエント代表からの贈り物」として、50袋のコショウを渡される。 そして「近日中に始まるインドとの通商にむけ、次はお約束の場所にて」との言葉を、アルバ公に伝えるよう託されるのだった。 母国へと戻ったプレイヤー名は、何者かより、セウタ東方の岸部に呼びだされる。 そこには、兵士を従えた商人が待ち伏せをしていた。 プレイヤー名はコショウの返却を強引に迫られる。 と、その時。一発の銃声が響き渡る。兵士は倒れ商人は慌てて逃げ散っていく。 救いの主は、バルタザールとアゴスティノであった。彼らは、怪しげな商人を尾行してきたのだという。 バルタザールは、事件の背後に、サルミエント商会とコショウが絡んでいることを知ると、くわしい事情を聞くため、プレイヤー名をマラガの酒場に誘うのだった。 上へ 18章:眼前の疑惑に あらすじ マディラの商館で扱われるコショウは、ポルトガル王室の専売品である。 それを、なぜプレイヤー名が手にすることになったのか、とアゴスティノはいぶかしむ。 そして、ディエゴとアルバ公が何らかの裏取引をしているのではないか、と推理する。 それに対して、バルタザールは、裏が取れたわけではないと不快げに、席を立つ。 アゴスティノは、プレイヤー名に、何か動きがあれば、パルマまで報せにくるよう告げ、バルタザールの後を追うのだった。 上へ 19章:孤狼の時代は去りぬ あらすじ 地中海の街々は、バルバリア海賊とイスパニア国王の間で、講和条約が結ばれたとの噂で持ちきりだった。 これで本当に、海賊の掠奪行為がおさまるのか、不安がる人々。 突然の停戦に激怒したバルタザールは、すでにアルバ公への抗議にむかっていた。 アゴスティノは、バルタザールがはやまって、アルバ公を殺してしまわないか気が気でない。 とはいえ、彼自身は血気にはやる部下をおさえることで手一杯。 そこでプレイヤー名が、バルタザールの後を追ってバレンシアへむかうことになる。 バルタザールと合流したプレイヤー名は、バレンシア官庁前で、兵士たちに包囲される。 そこにやってきたアルバ公は、『特別な賓客』を迎えるための警備だったとうそぶき、二人から武器を取り上げ、官庁内へと連行する。 現れた『賓客』。それはバルタザールの宿敵ハイレディンだった。 「長い戦いの過去は水に流し、これからは共に栄えようではないか」 ハイレディンのあざけるような申し出を、バルタザールは、にべもなく拒絶。アルバ公に傭兵契約の解除を迫る。 だが、アルバ公は、これを認めない。 怒ったバルタザールは、隠し持っていた短銃をハイレディンにむける。 だが、ハイレディンは、撃てばパルマの傭兵たちの命もないぞ、とせせら笑う。 やむなく銃を下げたバルタザールは、憤怒の表情で部屋を出て行くしかなかった。 官庁を出たプレイヤー名は、大砲の音を耳にする。 バルタザールの逆襲かと慌てふためくアルバ公。 ハイレディンは、その音が空砲だと見抜き「行き場を失った孤狼の末期の遠吠え」と嘲笑。 「ヤツには、自滅の道しか残されておらん」と砲火の響きを背に、不敵な笑みを浮かべ、条約の調印に戻っていった。 上へ 20章:罠か、恥辱か あらすじ 後日、プレイヤー名は、バルバリア海賊との講和は不平等条約だ、との声を耳にする。 その数日後、プレイヤー名はバルセロナで何者かが自分を探していた、との噂を聞く。 むかってみると、そこには見知らぬ商人が一人。 彼は黒鯱傭兵艦隊に救出を頼みたいので、どうかバルタザールに会わせて欲しい、と懇願してくる。 50000Dを入手する。 パルマの酒場に着くと、アゴスティノは困惑の表情である。 この手の救助依頼は、すべて断っているのだと騙るアゴスティノ。 講和条約は、あくまでバルバリア海賊とイスパニア海軍の間での講和であり、民間船の掠奪は、その限りではなかったのだ。 海軍の指揮下にある彼らも、当然バルバリア海賊との戦闘を禁じられているため、救出依頼があっても、引き受けられない。 この状況にバルタザールは怒り心頭。ひとまず、マルセイユにあるイレーヌの酒場で落ち着いてもらっているとのことだった。 だが、この話をドア越しに聞いていた商人は、マルセイユへむかってしまう。 プレイヤー名とアゴスティノは、バルタザールがはやまらないよう、説得にむかうことにする。 マルセイユの酒場では、すでに商人以外にも、肉親の救助を求める先客たちがいた。 汚辱と怒りに身を震わすバルタザールは、罠と知りながらも、人質交換が行われる、シチリア沖へ出撃しようとする。 その背にイレーヌがささやくように語りかける。 「どうして、そこまでして、敵討ちに拘るの? たとえ、ハイレディンを倒しても、あの人は帰ってこなくてよ――」 無言のまま扉を閉めるバルタザール。イレーヌは絶望の表情で立ちつくすのだった。 上へ 21章:義理も情けも あらすじ 単艦で出撃したバルタザールを見送ったまま、港に立ちつくすアゴスティノ。 プレイヤー名は、彼からバルタザールの救出にむかわないかと誘われる。 重ガレー1隻、大型ガレー3隻との戦闘。 プレイヤー名は、バルタザールの援軍に入り、ハイレディンの乗艦を撃破。 人質を救出する。 バルタザールは、ハイレディンの死を確かめるべく、拿捕船をシラクサへ曳航する。 だが、船の中には、ハイレディンの骸が見当たらない。 そこに、アルバ公指揮下の艦隊が近海で待機中との報せが届く。 一行は、バルタザールの乗艦を囮として残し、プレイヤー名の船で、マルセイユへと帰還することにする。 人質にとらわれていた民間人は、肉親との再会に歓喜する。 だが、それもつかの間、アゴスティノが、バルタザールが隊長から解任され、賞金首として手配されたとの情報を持って、駆け込んでくる。 バルタザールを匿ってくれる者を募るアゴスティノ。 だが、民間人たちは、それまでの感謝はどこへやら、急によそよそしい態度をとる。 その薄情ぶりに、あぜんとするアゴスティノ。 バルタザールは、「隠れ場所など自分で探す」と出ていこうとするが、イレーヌが呼び止める。 「この酒場の奥に部屋があるわ」 イレーヌの強い決意に押され、バルタザールは、しばらくの間、酒場に留まることにする。 上へ 22章:Prisionero Del Pasado (過日の虜) あらすじ プレイヤー名は、アゴスティノからパルマの酒場にくるよう言伝を受ける。 パルマに行くと、今度は、バルセロナの酒場にくるよう伝言される。 アゴスティノによると、このようなまわりくどい連絡方法を取らなければならないのは、アルバ公がバルタザールの行方を突き止めるため、周辺各国に捜索の手をのばしているためだという。 プレイヤー名は、バルタザールとイレーヌに注意するよう、言伝を頼まれる。 マルセイユには、すでにバルタザールの姿はなかった。 イレーヌは、自分の言葉のせいで、バルタザールが出ていってしまったと悲嘆に暮れている。 彼女はディエゴに協力を依頼しようと提案したのだった。だが、バルタザールはこれを拒否。 イレーヌが拒む理由をたずねると、重い口調で「今のヤツに弱みを見せれば足元をすくわれかねん」と答え、翌朝には姿を消していたという。 バルタザールとディエゴの完全な決裂を、いまだに信じられないイレーヌは、二人の過去の絆について、語りはじめる。 十七年前、二人は、ポルトガルの交易商として、時に海賊まがいの手段も使いながら、地中海にその名を轟かせていた。 孤島マディラに莫大な富を蓄え、王権の介在できない別天地を築きあげた彼らの夢は、海の続く限りの世界を制することであった。 だが、降誕祭を間近に控えた日、海賊ハイレディンが不戦の盟約を破って、マディラ島を襲撃。 商館は焼かれ、財産が奪われ、かつて二人に等しく愛され、ディエゴの妻となった女、ナタリアまでもが、殺されてしまった。 こうして、夢見ていた『明日』を奪われたバルタザールは、ハイレディンへの復讐を決意。 だがディエゴは自らの商会と息子を守ることに専念し協力しようとしなかった。 バルタザールが、友情も名誉もすべて捨てて、イスパニアに亡命したのはそのためである、以来、傭兵としてハイレディン打倒のみに生きるようになったのだという。 イレーヌは、過去の二人の絆に賭け、ディエゴにとりなしを依頼する手紙をしたためる。 プレイヤー名は、イレーヌからその手紙を託され、ディエゴのもとへ。 手紙を受け取ったディエゴは、アルバ公のやり口に怒りを見せるものの、とりなしの依頼についてはできないと断ってくる。 仕方なく商館を去るプレイヤー名を、呼び止めるディエゴ。 プレイヤー名は、とりなしの件を考え直したのかと期待する。 だが、単に物珍しい瓶積めの葡萄酒を、バルタザールに会ったら渡してくれ、という頼みだった。 宝石箱を入手する。 ディエゴに協力を拒まれ、嘆き悲しむイレーヌ。 そこに、ディエゴを信じるのは危険だという忠告の声が響く。 入ってきたのは、官憲に追われているはずの、アゴスティノであった。 バルバリア海賊の船から、ディエゴがハイレディンに資金提供していたことを示す書簡が見つかったことがあるという。 バルタザールが八方塞がりの状況にあると知ったイレーヌは、急ぎ、その行方を探そうとする。 だが、アゴスティノはその必要はないと止める。 バルタザールは、彼の勧めで、大西洋を越え、インディアスに逃避したのだ。 アゴスティノは、これから、最後の隊長命令に従い、残った傭兵たちと共に、アルバ公に投降するという。 彼は、バルタザールからの伝言を、イレーヌへ伝える。 「達者で」 それは、復讐に生きるため、大切な人間ほど自分から遠ざけてきた男ゆえの、あまりに不器用すぎる離別の言葉であった。 上へ 23章:熱き拳 あらすじ は、バルタザールを追討すべく、 アルバ公がその精強な精鋭部隊を、インディアスに差し向けたと知る。 ほどなく、イレーヌより呼び出しがかかる。 プレイヤー名は、バルタザールを助ける事を嘆願され、 インディアスにおもむく事に。 戦闘用ガレオン4隻との戦闘。 プレイヤー名は、サンフアン沖で、バルタザールを追討する艦隊と遭遇する。 艦長は、衆目に触れぬインディアスの海にいる事に乗じ、略奪を許可する。 と、そこに見慣れた船旗をかかげた船が駆けつける。バルタザールである。 私設艦隊の一群を撃破したバルタザールは、プレイヤー名の用件を聞くべく、サンフアンへ寄港する。 プレイヤー名の訪問が、イレーヌの差し金と察したバルタザールは、 「余計なことを」と言わんばかりの表情をする。 街の中に入った二人は、見張りをしていた追討艦隊の兵士と遭遇。 同行を命ずる兵に対し、バルタザールは、力ずくでの脱出を決断する。 だが、そこに上官らしき男がやってくる。 それは、アルバ公の元に寝返ったエドゥアルドであった。 エドゥアルドは、部下たちに立ち去るよう命令。 以前の借りを返すべく、バルタザールに、街の広場での決闘を申し入れる。 街の広場。 武器を抜けと急かすエドゥアルド。だが、バルタザールは拳で充分と余裕を見せる。 見くびられたエドゥアルドは、渾身の斬撃を放つが、バルタザールは難なくこれをかわし、顔面に鉄拳を叩き込む。 無様に地に倒れるエドゥアルド。 バルタザールはエドゥアルドを「未熟者め」と叱りつける。 屈辱に耐えかねたエドゥアルドは、殺せと叫ぶ。帰ってきたのは「百年早い」との言葉だった。 「チクショオォォォォッ! 殺れッ! 俺をッ・・・俺を殺ってくれェェッ!」 悲痛なエドゥアルドの絶叫がこだまする。駆けつけた兵士は彼の異変にあぜんとするばかり。 混乱に乗じ、バルタザールは脱出。 「ハイレディンを獲るまでは、くたばる事はない」とイレーヌへの伝言を残し、去っていく。 取り残されたエドゥアルドは、もはや、抜け殻の状態で、その場を動こうとしなかった。 上へ 24章:超えたいがゆえに あらすじ ジャマイカ近海で、空が真昼なのに赤く光っていたとの噂を聞きつけたプレイヤー名。 プレイヤー名は、ジャマイカの酒場でバルタザールを捕らえたという、追討艦隊の提督と士官たちに会う。 彼らの表情は暗い。 なぜなら、バルタザールとの戦いで、甚大な被害を出していたから──。 彼らは全艦隊で、ジャマイカを包囲。圧倒的戦力差でバルタザールの逃げ道を完全に封鎖した。 だが、バルタザールは正面から切り込みを敢行。 不意を突かれた艦隊は、密集して動きもとれずバルタザールが占拠した船からの砲撃で大火災を起こしてしまう。 鎮火後も、バルタザールは、砲門室に立てこもり、人間ばなれした戦いぶりで抵抗。 最後は仁王立ちのまま気絶しているところを捕われ、追討艦隊の兵士たちに、深い恐怖心を植えつけたのだった。 サントドミンゴに移送されたバルタザールの身柄は、本国に送られ、処刑される予定だという。 プレイヤー名は、急ぎサントドミンゴへむかう。 サントドミンゴには、エドゥアルドがいた。 彼は、プレイヤー名に街の空き家まで来いと告げる。 追討艦隊の兵士に支給される鎧を渡し、唐突にバルタザールを逃す計画を持ちかけてくるエドゥアルド。自分が大貴族に出世し、足元にひざまずかせるまで、バルタザールの命をあずけておきたいというのが、その言い分だった。 プレイヤー名は、鎧を着て、出航所まで来るよう、命じられる。 テルシオスプレートを入手する。 船に乗り込んだエドゥアルドは、見張りの兵士たちを次々に騙し討ちにし、バルタザールの囚われている船室へと潜入。意識のないバルタザールを救い出すと、船室に放火して、自分の凶行の証拠隠滅を図る。 甲板に出ると、ふいにエドゥアルドはプレイヤー名に一通の書簡を渡す。 それは、ハイレディンとアルバ公の講和が、実はディエゴの手引きによるものであることを示す証拠だという。 だが、次の瞬間、エドゥアルドの脇腹を予期せぬ凶刃が貫く。先刻、騙し討ちにした、追討艦隊兵士の復讐の刃だった。 エドゥアルドは逆上して、兵士にとどめを刺すが、出血おびただしく、甲板にひざをつく。 そして、プレイヤー名に『隊長』のハイレディン打倒を手伝え、とだけ言い残し、たちこめる黒煙の中にその姿を消すのだった。 上へ 25章:昏睡の帰還 あらすじ 大西洋上で目を覚ましたバルタザール。だが、体の傷は癒えておらず、再び深い眠りにつく。 マルセイユに帰還したプレイヤー名。 イレーヌは、昏睡したままのバルタザールを酒場の奥の部屋に運びこむと、プレイヤー名に深く感謝する。 イレーヌは、プレイヤー名がエドゥアルドから託された書簡に目を留める。その文面はまさしくディエゴの名義で、アルバ公にハイレディンとの講和条約を進める内容であった。 妻ナタリナの仇であったはずのハイレディンと、バルタザールを陥れた張本人であるアルバ公。 この二人と手を組んでバルタザールを窮地に追い込んだディエゴの仕打ちに、イレーヌは絶望。 これからは、ディエゴの手を借りず、自分の力でバルタザールの身を守りぬくことを、固く心に誓うのだった。 上へ 26章:災いの日 あらすじ イレーヌの酒場を訪れたプレイヤー名。 運んで以来、バルタザールは一度も目を覚まさないのだという。 だが、その時奥部屋から、大きな物音が響く。 部屋に賭けこむと、バルタザールが目を覚ましており、ノドの乾きを訴える。イレーヌは急いで水を持ってこようとする。 だが、酒好きのバルタザールは、ディエゴが託した葡萄酒に目をつけ、奪い取ると一息に呑み干してしまう。 毒が入っていないか心配するイレーヌ。バルタザールは、呑みなれたマジョルカ島の葡萄酒だったと、声を上げて笑う。 だが、その贈り主がディエゴであると知るや、にわかに表情が険しくなる。 そして、カラになった瓶を、改めてまじまじと眺めると、突然、何かに気付いた様子で立ち上がるのだった。 瓶底には、葡萄酒の色に隠すかのように、ラテン語の一文が焼きつけられていた。 『災いの日 すみやかにきたるべし』 その警告とも嘲笑ともとれる、謎めいた一文を、バルタザールは、実にディエゴらしいと笑う。 だが、イレーヌは、ディエゴの講和に関する書簡を見せ、もはや彼が信用に値しないことを諭す。 今のディエゴは、すっかり変貌して、地位と金のことしか考えていないと、悲嘆するイレーヌ。 だが、バルタザールは、その言葉をきっかけに、瓶の底の文言について、ある心当たりに気付く。 それは、十七年前、彼がイスパニアに亡命を決めた頃のことだった――。 商館をリスボンに遷したディエゴは、無頼の道を捨て、地位と商会経営に血道をあげるようになっていた。その姿に失望したバルタザールは傭兵として戦い続けることを宣言。 だが、ディエゴは動じもせず、独力では勝ち目がないと諭す。その際に、聖書の文言を引用し、こう説いたのだった。 「旧約聖書「申命記」にて、神はかく語れり。 『復習と報いは、我のもの。それは、彼らの足、よろめくときのため。その災いの日は近く、来るべきこと、すみやかに来るべし』 …いずれ 裁きは連中にも下る。私は、そのときが来るのを待つ。それだけだ――」 この悠長で、神頼みともとれる言葉に激怒したバルタザールは、商会を脱退。イスパニアへ亡命したのだという。 だが、改めて過去を振りかえるに、ディエゴがバルタザールに酒を贈るのは、常に謀りごとが進むのを黙って待つよう、諭すときだった。 今回も、ディエゴが、何らかの企てを進めているのではないかと察したバルタザールは、怪我も忘れて、酒場を飛び出していく。 上へ 27章:遠き誓いに あらすじ プレイヤー名は、葡萄酒の伝言の意味を探ろうとするバルタザールを乗せ、パルマへとむかう。 だが、パルマの港には、相変わらず、アルバ公の厳戒な捜査網が敷かれている。 プレイヤー名は、バルタザールから手がかりを探ってきて欲しいと頼まれる。 最近、酒場に、珍しく海軍軍人の客がきていたことを聞きつけたプレイヤー名。 その行方についてたずねると、軍人たちは「下見は終わり」などと話しており、先日、任地へ戻っていったとのこと。 決定的な手がかりこそ得られなかったものの、バルタザールは、その軍人の行方を探すため、近隣の港をあたろうと提案する。 バレンシアに入港すると、そこには、アルバ公のものと思しき、おびただしい数の軍船が集結していた。 プレイヤー名は、軍船が何の目的で集められているのか、探りにむかう。 だが、士官たちですら、艦隊が集められた目的を知らされず、待機状態が続いているのだという。 やがて、プレイヤー名は、アゴスティノらしき兵士がアルバ公の邸宅近くをうろついていたとの情報を得る。 そしてプレイヤー名はアゴスティノと再開する。 突然の再会に驚き喜ぶアゴスティノ。バルタザールが来ていることを知るや、連れていって欲しいと懇願する。 バルタザールと同様に、アルバ公の艦隊の集結に疑問を抱いていたアゴスティノは、その身辺を探った結果、ある極秘情報を入手していた。 ディエゴが、ハイレディンと、マジョルカ島パルマにて会見。その警護をアルバ公の艦隊が行うというのだ。 しかし、単なる警備の任務が、なぜ極秘で進められているのか、一同は腑に落ちずにいた。 不意に、会談の予定日をたずねるバルタザール。それが、降誕節の三日前だと知るや大笑いする。 実は、その日こそ、マディラの商館が奇襲を受けディエゴの妻ナタリナが殺された命日であった。 「ディエゴのヤツめ。会談など、真っ赤な嘘。油断させ、誘きよせたハイレディンを、アルバ公に奇襲させるつもりだ」 ディエゴの真意を解き明かしたバルタザールは、軍備を整え、参戦を決意。 プレイヤー名とアゴスティノは、ネーデルランド戦線にむかった元・傭兵たちを結集した後、セウタの酒場で合流することとした。 上へ 28章:綻び あらすじ アントワープでは、元傭兵たちが、傷だらけになっていた。 反乱軍艦隊の一斉反撃により、ネーデルランドを包囲していたイスパニア艦隊が壊滅。彼らの艦隊もまた、壊滅的な打撃を受けたためである。 それでも、アゴスティノが、事情を説明すると、元傭兵たちは喜び勇んで、戦線を脱走。バルタザールの元へとむかう。 地中海への帰途、アゴスティノは、水平線の彼方に大艦隊らしき影を見たという。 セウタに戻った二人は、バルタザールに、ネーデルランドでの艦隊壊滅の一件を報告する。 すると、バルタザールは、「あの艦隊は、そういうわけか…」と声を震わす。 実は、アゴスティノが帰還中に見た艦影こそが、ハイレディンを奇襲するために、パルマに集結させていたはずの、アルバ公の艦隊であった。ネーデルランドでの敗戦に焦ったアルバ公は、ディエゴとの盟約を破り、艦隊を北海へと送ってしまったらしい。 ディエゴのハイレディン妥当計画が、実現を前に頓挫しつつあることを察したバルタザールは、計画たてなおしのため、リスボンへと急行する。 無料ホームページ