約 40,747 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2527.html
『長まりさをやってみた 2話』 9KB 制裁 観察 差別・格差 実験 追放 群れ ゲス 自然界 長お兄さんガンバレー 長まりさをやってみた 1話の続きです 群れからゲスなチビ達がいなくなったことで俺がほとんど力を貸さなくてもチビ達が満足する量の食料を集められるようになった。 しかしそれによって俺の仕事が減ってしまったのだ... 『退屈だし、ゆっくりの教育とやらを見てみるか。』 仕方なくこの先、群れの未来を担う若者たちのところに行ってみた。 「おかざりはとてもたいせつで、おかざりのおおきいゆっくりはびゆっくりなのよ」 「とかいはになるためにはとかいはなコーディネイトがひつようなのよ」 「「「ゆっきゅりりきゃいしたよ」」」 これは野生動物としていいのか? 『なぁ?何が食べられて何が食べられないとか、狩りのしかたとか生き残るために必要なことを教えなくていいのか?』 「むきゅ?おさはなにをいっているの?ゆっくりがいきるためにはゆっくりするためのちしきがひつようなのよ?」 「とかいはじゃないゆっくりなんてゆっくりじゃないわ」 生存本能とか置いてきぼりな思想だな。 有能の奴を引き抜いたつもりだったけど...あくまで[ゆっくりにしては]有能ってことか。こりゃまたどうにかする必要があるな。 次の日の朝 『今日は大人たちに話がある!広場に集まってくれ!』 「ゆ?なんだろうね?」 「とりあえずいってみるのぜ」 長として、それなりに認められているらしく、ゆっくり達はすぐに集まってくれた。 『今日はチビ達の教育について話したいと思う!』 「「ゆ?」」 「むきゅ!?おさはぱちぇたちのきょういくにもんだいがあるというの!?」 「ありすはちゃんと、とかいはなことをおしえてあげているわ!!」 やはり本ゆん達的にはあれでも真面目に教えているらしい... 『お前たちの教育のだとチビ達が永遠にゆっくりしやすくなっているのに気付かないのか?』 「むきゅー!!ぱちぇがまだおちびちゃんだったころにおとおさんやおかあさんからおしえてもらったいせつなことよ!」 「そんなこというなんておさはとかいはじゃないわっ!」 『あー、まぁ反論はあるよな。だから実際に俺もチビを教育してみたいと思う。』 「おさが、おちびちゃんを?」 『ああ、そしてゆっくりするための教育をしたゆっくりと俺が教育したゆっくり、どっちが良いゆっくりになるか皆の目で確かめて決めてくれ。』 その後、ルールを決めた。そのルールとは ・育てるのは群れの中で1番子育てがうまいゆっくりと俺 ・育てるチビは子ゆっくりを1人(匹)5匹ずつ ・他のゆっくりは子育てしているゆっくりとチビにに食料を与えるがそれ以外は子育てを手伝ってはいけない ・どっちの育てたゆっくりがよりゆっくりしてるか群れのゆっくり達に決めてもらう 「それなられいむがおちびちゃんをそだてるよ!」 「れいむにならきっとうまくいくのぜ」 「おさもきっとゆっくりきょういくのたいせつさをわかってくれるみょん」 そういえばゆっくり達はれいむ種は子育てがうまいと思い込んでるんだっけ...まあいいや相手のレベルが低けりゃ、ゆっくり教育の無意味さをわかってくれるだろ。 俺が育てるのは、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょんを1匹ずつだ。種族ごとに得意なことをを教えてやればいいかな。 れいむが育てるのは、れいむ、れいむ、れいむ、れいむ、れいむ...れいむ種は自分の種族を大切にするのは知っていたがこれは... 『あー、れいむ?育てるチビは全員れいむでいいのか?』 「そうだよっ!このこたちにかんぺきなきょういくっ!をするよ!」 『はぁ、そっか、がんばれ。』 そんなわけで俺とれいむの子育て勝負が始まった。 -俺の場合- 運動が得意なまりさ、ちぇん、みょんには狩りの仕方を教えた。 『生きていくのに必要な食べ物が必要なのはわかるよな?』 「むーしゃ、むーしゃしないとえいえんにゆっくりしちゃうのぜ!」 「わかるよーおいしいごはんさんをたべればしあわせーになれるんだねー」 「ごはんさんをたべられないゆっくりはゆっくりできないみょん」 『なら、そのごはんをどうやって集めるかしってるか?』 「ゆっ!?どうするのぜ?」 「わからないよーどうすればいいのー」 この大きさになってまだ狩りについて教えてもらってないのか。 「みょん...!!たしかおとおさんがかりにいっていたみょん!」 「わかったよーかりをすればあつめられるんだねー」 『おお、よくわかったな。じゃあこれからお前達には狩りの仕方を練習をしてもらう。』 「ゆぅ、まりさはおうたのれんしゅうがしたいよ。」 『なぁ、狩りをしてごはんが食べられるゆっくりと歌うことしかできなくてごはんを食べられなり、永遠にゆっくりしちゃうゆっくりはどっちがゆっくりしてる?』 「えいえんにゆっくりしちゃうのはゆっくりできないよ。」 「わかるよーかりはたいせつなんだねー」 「みょんもがんばってれんしゅうするみょん」 人と違って極端な例をあげても文句言ってこないのは便利だな。 -れいむの場合- 成体れいむ(以下成)「ゆゆーおちびちゃんたち、これからおうたのれんしゅうをしましょうねー」 子れいむ(以下子)「「「ゆっくりわかったよ!」」」 成「ゆ~ゆ~ゆ~ゆっくり~ゆゆゆ~」 子「「「ゆっくり~ゆ~ゆっくり~」」」 成「ゆゆーん、とてもゆっくりしたおちびちゃんだよ」 子「「ゆっくり~」」 成「これだけゆっくりしたおちびちゃんをみれば、おさもゆっくりしたきょういくをりかいしてくれるよ!」 子「「「ゆゆゆ~」」」 成「きっとれいむはせかいでいちばんこそだてがうまいね!こそだてじょうずでごめんねー!」 -俺の場合- 頭のいいありすとぱちゅりーには生きていくために必要な知識を与えた。 『いいか?知識を持っているとゆっくりしたゆっくりになれるぞ。」』 「ぱちぇはいろんなことをしりたいわ!」 「ありすもとかいはなゆっくりになりたいわ!」 『なら良く効くんだぞ。軽い怪我をしたゆっくりがいたら、傷口にこの葉っぱを貼るんだ。そうすれば怪我の治りが早くなる。』 「むきゅ!はっぱさんはすごいのね!」 『家の内装...都会派なコーディネートってのは住みやすい環境を作ることだ。寒い夜でも暖かく眠れるベッドを作ったりすれば住みやすい家になる。』 「ありすはがんばってとかいはなおうちをつくるわ!」 ゲスが居ないせいか俺が長だからかしらないけど子ゆっくり達が素直に俺の言うことを聞いてくれる。 『少し愛着が湧いてきたかも...なんてな。』 -れいむの場合- 成「こそだてがじょうずなれいむがそだてるおちびちゃんは、きっととくべつなおちびちゃんだねっ!」 子「かわいくって!ごめんねー! 成「とくべつなおちびちゃんにはれいむがとくべつにうんうんたいそうをおしえてあげるよっ!」 子「ゆっくりー」 子「かわいいれいむがうんうんするよっ!」 成「ゆふふ、こんなにかわいいおちびちゃんたちをそだてるなんてれいむはとくべつなゆっくりだね!」 1週間後 広場には群れのゆっくり達が集まって俺とれいむの育てたゆっくり達を見ている。 育て始めの頃はまだ子ゆっくりだったゆっくり達も豊かな森のおかげで立派な大人になっている。 『今日はどっちの育てた子ゆっくりがゆっくりしてるか決めるだよな。』 「おさのおかげで、とてもゆっくりできるゆっくりになれたのぜ!」 「おさおしえてくれたかかりで、ゆっくりできるごはんさんがあつめられるようになったよー」 「おさのおかげで、しんのとかいはがなにかわかったわ!」 「ぱちぇも、たくさんのちしきをおしえてもらえたわ!」 「はくろーけんのつかいかたも、おさからおしえてもらえたみょん!」 俺の育てた子供たちは俺がどんな教育をしてたか群れのゆっくり達に教えている。 『今日はどっちの育てたゆっくりがゆっくりしてるか決めるだよな?』 「ゆ~ゆ~ゆ~ゆっくり~ゆ~ゆ~ なにしてるの?れいむのおうたきいたならあまあまもってこい!」 「ゆっくりしないでさっさとあまあまもってきてね!たくさんでいいよ!」 「うんうんたいそうするよ!おれいにあまあまもってきてね!」 「れいむはとくべつなんだよ!わからないの?ばかなの?しぬの?」 「ゆっくりしたれいむに、はやくびまりさをもってこいーーー!!」 『れいむ、こいつらがお前の育てたチビ達か?』 「そうだよ!こそだてじょうずなれいむでごめんねー!」 子育てが得意ってのが迷信だって知っていたが、まさかゲス化させるとは。 「ゆゆーん、とてもゆっくりしたゆっくりだね!」 「おなじれいむとしてはながたかいよ!」 何故か他のれいむ達も満足そうだ。どうやられいむ種は子育ての価値観が違うらしい。 けどこれならどんな教育をすればいいのか、他のゆっくり達もわかってくれるだろう。 『あー、皆っ!これで俺が言いたいことはわかってくれたか?』 「ゆっくりわかったのぜ!おさのそだてたおちびちゃんはとてもゆっくりしてるのぜ!」 「とかいはなおちびちゃんをそだてるにはおさのきょういくっ!ほうほうがいいのね!」 『わかってくれたみたいd「あとれいむがむのうなんだねーわかるよー」ん?』 「れいむのそだてたおちびちゃんはげすになったみょん!」 「しかもそのげすのことをとてもゆっくりしているなんていっているわ!」 「むのうなれいむはでていくんだぜ!」 でていけ! でていけ! でていけ! でていけ! 「「どぼしてそんなこというのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」 どうやら教育の仕方と同時にれいむ種の無能さも群れのゆっくり達に伝えてしまったらしい。 「れいむにだまされてずっといっしょにゆっくりしたらゆっくりできなくなってたのぜ!おさ、そしえてくれてありがとう!だぜ!」 「むきゅ!おさはぱちぇよりもものしりなのね!」 「れいむのそだてたおちびちゃんはとてもゆっくりしてるでしょーーー!!!」 れいむの弾圧は予想外だったけど...庇う価値もないしそのままでいいか。 「「ゆっくりできないーーーー!!!」」 その後群れにいた全てれいむ達は逃げるように去って行った。 俺がこの群れに最初に来た時、ゲスやらシングルマザーは狩りができないせいか、ほとんどれいむ種だったからな。れいむ種への不満が今回の弾圧につながったのかもしれない。 『無知は罪なりって言うけど、どうやら無能も罪みたいだな~。』 今回の一件でまた群れの数は減ってしまったけど、これから子ゆっくりがきちんと教育を受けることで有能なゆっくりの数は増えて行くだろう。 有能でも使い道のないれいむ種が消えてくれたのは群れにとってプラスだと考えよう。これで仕事のできないゆっくりも居なくなるはずだ。 俺の長としての立場も上がってきてるみたいだし順調にいい方向に向かっている。 さぁ次はどうやって群れを良くしていこう? そういえば俺、ここの長やってからまだ邪魔なゆっくりを減らす以外してないな... その後のれいむ達 「くそどれいっ!はやくあまあまもってこい!」 「そだててあげたのに、どぼしてそんなこというのぉぉぉぉ!」 「うるさいよ!むれからおいだされたのはくそどれいのせいだよ!いしゃりょうとしてあまあまもってきねて!」 「うるざいぃぃぃぃぃぃ!おまえがゆっくりしてないかられいむがおいだされたんだぁぁぁぁぁ!!」 「うるさいよ!いうこときかないくそどれいはせいさいっ!するよ!」 「ゆべぇ!」 「あまあまもってこないゲスはしね!」 「ゆぶぅ!」 馬鹿なれいむ達は最後の1匹になるまで殺しあった。そして、 「くそどれい!さっさとあまあまもってきてね..........どぼしてだれもいないのぉぉぉぉぉ!」 群れから追い出されたれいむ達はゆっくりした教育のせいで片時もゆっくりできずに自滅していった。 続くよ ******************************************************** ずっと群れの中の掃除ばっかしてますね。そろそろ群れの外から来る異変に立ち向かわせてみようかと思っています。 人間いるせいで群れが滅びる原因の1つの捕食種が使いにくいことに今さら気付いたりしてます。無計画ですね。 まだ右往左往しながら作っておりますがこれからも付き合ってくれると嬉しい限りです。 とある魔術の禁書目録の上条さんが好きなせいで長お兄さんに説教させたくなります。誰かタスケテー!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2121.html
[甘い話には裏がある] fuku3059の続き 1.ドスまりさに出てもらいました 2.人間は直接手を下しません 3.制裁でも、虐待でもないと思います 4.行間を読まないとすっきりできないかもしれません それでもよろしければ、読んでください。 おかしい。ドスまりさはいぶしがった。 このところ、群れのゆっくりたちのいざこざが増えている気がする。 警察活動を担当しているみょんに確かめても同じ答えだ。 餌が集まらないのか?いや、群れの誰もがつやつやもちもちとしてる。 ならば、縄張り問題か?いや、バラバラに5組のゆっくりに確かめて見てもそんな様子はなかった。引っ越す前の場所ならともかく、自分達が今いる場所は天然の洞窟も枯れ木も存分にある天然の要塞だ。住む場所が見つからないなど考えにくい。第一、群れに新しいゆっくりが入ってきた様子もない。 どういうことだろう……ドスまりさは悩んだ。 「ゆー、ゆー。ゆ゛っ゛く゛り゛つ゛か゛れ゛た゛ー!!もううごけなんだぜ!」 「まりさ、しっかりしてね!とかいはらしくないわ」 まりさとありすの二匹がとてとてと道を歩いてはや1里。もうまりさは限界だと根を上げているのに対し、ありすは疲れきっているもののまだ大丈夫そうだ。同じ体格なのにこの差は性格によるものだろう。まりさ種の方が元来は体力があるはずなのだから。 ぎゃーぎゃー騒ぎながらも二匹は一軒家の前に来た。 「おおきいね、ここをまりさとありすのゆっくりプレイスにするんだぜ!!」 「ゆゆ?なにいってるの?ばかなの?ありすたちはみんなからたのまれておつかいしているんだよ?しごとをこなせないゆっくりはとかいはじゃないわ。おつかいがおわってからゆっくりプレイスにしようね!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」結局、ゆっくりプレイスにはなるようだ。 「ゆっくりあけていってね!!」 きんきん響く金切り声を上げて中の人を呼び出す。 「はいはい、今行くよ。ん?君たちは……あの群れのゆっくりかな?」 「はいはいっかいだぜ!!そんなこともわからないの?ばかなの?」 「ああ、ごめんね。それで、用事は何かな?交換かな?」 「そうだぜ!!むれのみんなからあつめたきのことわらびをもってきたんだぜ!とっととあまあまをもってくるんだぜ!あとれいむもよぶんだぜ!」番のアリスと一緒なのにいい度胸である。 「あ~、ちょっとまってね。今もってくるから。れいむはちょっと用事があって外してるんだ。ごめんね?」 「つかえないおじんだぜ!ゆっくりしないでさっさとしぬんだぜ!」 「まりさ!いくらいなかものにたいしてもれいぎってものがあるわ。ほんとうのことでもこころのなかでおもっててね。ほんにんのめのまえていうのはとかいはじゃないわよ。」 「ゆっくりりかいしたよ!!」耳打ちは他人に聞こえないようにすべきだと思うがな。 「よっと、こんなもんかな?」 「ゆゆ?すくないんだぜ!もっとよこすんだぜ!つかえないじじいはし……しばかりにいくんだぜ!」 ありすに言われたことを気にしていたのか、取り繕ってさっきより多少ましな口調で男をののしるまりさ。 当の男はというと、全く気にするそぶりもなく、最初に渡したのと同じ量を二つの瓶に分けて渡した。 「そんなことないよ。人里で確認してくればいいんだけど、妥当な取引だと思うよ?こちらも原価が高いからね。それに、あんまり多くても君達二人じゃあ運べないだろ?」 「おじさん、ありがとー!そんなにきをつかわないでいいよ!いなかもののおじさんがはこんでくれるのでがまんするよ。」それは気を遣いすぎだろ。 「それじゃあ、群れのみんなによろしく。ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!そこはまりさたちのゆっくりプレイスだから、つぎくるときまできちんとかんりするんだぜ! 「ゆっくりしていってね!まりさがしつれいなこといったかもしれないけど、いなかものでたんきなおじさんにわるいってあとでおこっておくわ!」 「気にすることないさ。なくなりかけたらまた来てね」 季節は巡ろうとしている。果実が豊富な秋も終盤に近づき、秋の味覚を集めることも困難になっていく。 群れは困っていた。越冬よりも切実な理由で。 「あれ?今回の交換品は少ないねぇ。それだとこれぐらいしかあげられないよ?」 「ゆゆ!!それはこまるんだぜ!もっとよこすんだぜ!」 「あいかわらず、まりさはゆっくりしてないね!ぷんぷん」今日はいた美れいむ。 「ふ~ん、いいのかな?そんな態度で。別に君達に交換してもらわなくとも僕は別に困らないよ。ほかの人達に売っちゃうだけだから。」 「どぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛ー!!おじざん゛ごべんだざび!!!あ゛り゛す゛た゛ち゛が゛わ゛る゛か゛っ゛た゛です゛ぅ゛……こ゛でがさ゛い゛ごな゛ん゛で゛す゛ぅ゛!!あ゛り゛す゛た゛ち゛は゛い゛な゛か゛も゛の゛で゛い゛い゛か゛ら゛、く゛う゛き゛の゛よ゛め゛な゛い゛お゛じさ゛ん゛の゛お゛ん゛じ゛ょ゛う゛をー!!」 「ゆっ!おにーさん、れいむからもおねがい!まりさたちをたすけてあげて!ゆっくりがゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「しょうがないなぁ~。」 「ゆゆっ?ただでくれるんだぜ?おじさんのくせにたすかるんだぜ」 「今回はだめ。次回来るときに多少おまけしてあげるよ。別に嫌なら買わなくてもいいよ。」男はいつになく鋭い目つきをしながら答えた。 「まりさ、よかったね!これでゆっくりできるよ!!」裏表のない純粋な笑顔で喜ぶれいむ。 「ゆぐぐ……かんだいなまりさはれいむにめんじてゆるしてやるんだぜ!」ほんとうにしかたないけど、れいむがみているのだからしょうがないんだぜ。いつかじぶんがひとりできたときにれいむとすっきり!!するためにはたしょうのじょうともひつようだよね。ここはうつわのおおきいところをみせないとね。 まりさ自身は自覚していなかったが、このまりさが人里から帰ってこれた最大の理由は鋭さであった。例え口先でなんと言おうと、まりさは自分が人間に勝てないことを本能で理解していた。目の前で自分を除く一家が皆殺しにされたのだから。 だからこそ、まりさは生き延びてきた。人間が饅頭相手に本気で怒る瞬間を見つけるのが上手かったから、ギリギリのところで媚を売ったり、早々に率いてきた仲間を見捨て命だけは残っていた。 「まって、まりさ!ありすたちはもうつぎにもってくものがないわよ!」 「ああ、成る程ね。本当に困っているんだねぇ~。みんなにあげてるアレは甘いものでしょ? だから、 “ 甘 い も の ” と な ら 交 換 し て も い い よ。カカカッ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「あまいものをさがしてくるわ。いなかもののおじさんがちっちゃいのあたまをしぼってかんがえてくれただけあってたすかるわ。ありがとー!!」 「うん。じゃあね。」 ゆっくりたちは希望を持って群れに帰ったものの、抜本的な解決にはなっていない。 “甘いもの”なんて野生にはほとんどない。そんなものあったらとっくに食べている。 いつもおつかいをしていた二匹は自然とこの問題を群れから任された。 ……思いつかない。このままではアレがもらえなくなってしまう。それは困る。あれだけゆっくりできる食べ物はそうはないのだから。 「ゆー、困ったんだぜ……。」 「まりさ、げんきだして!とかいはのありすもいっしょにかんがえるわ!」 そういって、ありすはまりさを元気付けようとほお擦りをし始めた。 「ゆ~……ゆっ!すーりすーり」 まりさも負けじとほお擦りを仕返す。まったりとした空気が流れる中、だんだんとスピードをあげていく二 匹。いつの間にか体もぶるぶる小刻みに震る。目つきがとろんとしてくる。 最近は冬の準備で忙しくてゆっくりできなかったが、若い二匹のことである。劣情に駆られてしまうのを止めるのも野暮なものだろう。特に今日はあの美れいむを見た後である。たまりにたまっている。 さいきんはいつもよりすっきりするかいすうがおおいきがするんだぜ。 当然、交尾の時間となる。 「ゆっゆっゆっ……」 ねちゃねちゃとした、粘っこいものが糸を引きそうな音を出してこすり合わせる。 「ゆゆゆゆ……ゆっゆっゆっ……」 「ゆぅ……ゆゆゆぅ……」 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 二匹のほお擦りは加速していき、こすれ合う頬は摩擦で真っ赤になっていた。 「ゆっゆっ……んほぉぉぉぉ!!!」 「すっきりー!!!」 二匹の交尾は終わった。 ありすの頭から茎が伸びていく。 ああ、まりさのおちびちゃんができるのか。いまはどうでもいいや。あのあまあまをもらうためにあまあまをみつけることかんがえなきゃ。 まりさは赤ん坊どころではなかった。前にもらったアレはもうなくなりかかっている。どんどんなくなるのが早くなってる気がするが、まりさには原因がよくわからなかった。群れのみんなから案を出せと言われてからもう三日にもなる。ゆっくりの三日といえば相当長い。 まりさは全くゆっくりできなかった。 ふと、まりさが見上げると赤ん坊が微笑んでいた。 はぁ、おちびちゃんにかまってるばあいじゃないよ。このままじゃみんなからまりさがゆっくりできないとおもわれちゃうよ。 群れから買出しを頼まれていることからも分かるように、ドスまりさ一派からは良く思われていなかったがまりさは群れのみんなから尊敬されていた。ときどき人里に行って野菜を少しちょろまかしてきたこともある。れみりぁと死闘を繰り広げ、なんとか群れの被害を最小限に抑えたこともある。 もうまりさは一匹だけでゆっくりすることはできなくなってしまった。 群れのみんなから凄いねと言ってもらうこと。ドスまりさから苦虫をつぶしたような顔で感謝の言葉を述べてもらうこと。最愛のありすにほめてもらうこと。お高くとまった側近のぱちゅりーとありすの目を盗んですっきり!!したあとに体を預けられながらぱちゅりーの賞賛をきくこと。 もし、自分が今回の問題を解決できなければ今まで築き上げた名声が崩れてしまう。もうみんなにゆっくりしてもらえなくなる。それはだめだ。何とかしなくては。 おちびちゃんたちはいいよね!!じぶんでえさとることもないし、まりさとありすにゆっくりしてもらえるし。あんこがたりないあたまがうらやましいよ!ぷんぷん 待て、今なんだって?餡子が足りない頭? あ ん こ が た り な い あ た ま。 餡子って何だっけ? ゆっへっへっへ。まりさはてんさいなんだぜ!! そばで見たありすはこう回想したことだろう。今迄で一番ゆっくりした笑顔だったと。 「クカカカカ……悲劇だ、実に悲劇だ。自分達の現状を弁えずに交換に出るなど…奴等は持ってくるな、間違いなく。」 「うまくいったね!おじさん!だかられいむに“ごほうび”ちょうだいね!!」 「クカカカカ……アレがほしいのか?だが、今回あの饅頭どもは既に追い詰められていた。お前の功績など無きに等しい。だめだね」 「どぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛ー!!」 家の中で、男はずっと失笑を浮かべていた。 男は強制するつもりなどない。交換することも、しないことも。そう、強制するつもりなど一切ないのだ。 おかしい。ドスまりさはいぶしがった。 このところ、群れのゆっくりたちから見せられる赤ちゃんゆっくりの数が減っている気がする。 管理しているありすに確かめても同じ答えだ。 餌が集まらないのか?いや、群れの誰もがつやつやもちもちとしてる。 ならば、すっきりー!!を控えている?いや、バラバラに5組のゆっくりに確かめて見てもそんな様子はなかった。顔を真っ赤にして報告してくれたけど。 冬篭りしている最中ならともかく、今は子供を生む最後のチャンスだ。冬になれば自分が凍死や餓死することは経験上わかっているゆっくりが多いため、種の本能に従うのだ。だが嘘をついているなど考えにくい。第一、夜な夜などこかからか嬌声が聞こえてきて自分は眠れないくらいだ。 どういうことだろう……ドスまりさは悩んだ。 そして、動いた。 今までにない事態が起こっているのか?問題が重なるように出ているのに、原因が分からない。どういうことだ。群れを率いる者としてもう黙って見ているわけには行かない。 最近は寒いのか、外に出ないゆっくりも多くいる。気が進まないが、ドスまりさはあのまりさのところに行ってみることにした。悔しいが、若いゆっくりの間での人気は抜群だし、それなりに実力もある。 巣を覗いてみて、ドスまりさは戦慄した。 巣の中から生気がしない。目の前に二匹のゆっくりがいるにもかかわらず、だ。 違和感に気づいた。二匹は目がうつろなのだ。何を考えるのでもなく、目の前にいるドスまりさにさえ反応しない。いつものまりさなら、常にドスまりさを侮蔑するような色を目の奥にたたえているのに、だ。 ある意味、最もゆっくりしているといってもいい。 「ゆっくりしていってね!!」 「……………………………」 「……………………………」 どういうことだ?この二匹はゆっくりの本能であるこの言葉に全く反応しない。 いつも気障で外見を取り繕うありすでさえ、だ。 ふと見ると、二匹は餌を食べに行くようだ。 群れの頭首である自分を目の前にしてこの無礼。一体どうしたのだろう?謀反でも起こすつもりか? 「ぺーろ、ぺーろ、しあわせ♪」 「ぺーろ、ぺーろ、しあわせ♪」 「ゆっ?ドスまりさ、なにしているんだぜ?ゆっくりしていってね!!」 「ありすたちのとかいはなぺんしょんでゆっくりしていってね!!」 あり得ない。この二匹は今私に気付いたというのか?こんなに体が大きいのに? なら、なぜ二匹とも今なんだ? 何かを舐めた後だ。それはなんだ? 「ゆっくりみせてね!!」 「ゆゆ!!これはまりさたちのもんだぜ!ドスまりさといえどぶれいはゆるさないんだぜ」 「そうよ!ひとのものをとるゆっくりはいなかものだわ!!」 「黙っててね!!」 ドスまりさは二匹の抗議に目もくれずに目の前の食べ物を舐めてみた。 「ぺろっ!これはあまあま」 「ゆ!ドスまりさのくせにまりさたちのあまあまに手をつけたんだぜ!!ゆっくりしね!ゆっくりしんでってね!!」 「そうよ!ひとのものをとるいなかものはしねばいいんだわ!」 おかしい。いくらまりさが反抗的とはいえ、たかが1舐めくらいで私と全面戦争でもするつもりなのか?人間よりも強い私に? それにこの甘いのはどこかで舐めた気がする……。 「どこから盗ってきたか、ゆっくり白状してね!!」 「ゆゆ!!まりさたちはぬすんでなんかいないんだぜ!!せーとーなたいかだぜ!!」 「そうよ、ひとのことをぬすっくりあつかいするなんて!ああ、いなかもの、いなかもの。」 「嘘言わないでね!!自然でこんな甘いもの取れるわけないでしょ!!」 「うそじゃないんだぜ!!けちんぼなじじいとつーしょーしたけっかがこれだよ!」 「そうよ、ありすとまりさにゆっくりあやまってね!!」 じじい……そうだ、これはあの優しい人間ときれいなれいむ(ポッ)が持ってきた食べ物だ。 でもあの人間は二回しかここに来ていないはずだ。しかもずっと前に。さらに言えば、ああまい物を持ってきたのは最初の一回だけだ。 この二匹が嘘をついていないとしたら、人間と交換をしたはずだ。二匹の様子を見ていると、嘘をついたとは到底思えない。 「ゆっくり全部話してね!!」 ドスまりさは理解した。群れの献上した餌が減った原因を。群れのいざこざが増えた原因を。群れの赤ゆっくりの顔見せが減った原因を。 ドスまりさは泣いた。自分が油断した結果がこれだよ!人間なんて信用するもんじゃない。 ドスまりさは怒った。「条約」を結んだ自分たちは守っているのに、人間が勝手に破った。 ならばどうする?よろしい、ならば制裁だ。 「ぱちゅりー、群れのみんなを呼んでね!!」 「むきゅ、ドスまりさ。どうするの?」 「ゆっくり戦争だよ!!!!」 群れを全部見渡して、ドスまりさは現状の深刻さを把握した。 皆が無気力でドスまりさの話など聞く耳持たない。 どうにか、ぱちゅりーの人望でみんなを集めたのはいいけど、これでは戦争も何もできない。 仕方がない、この手を使うしかないか。 「みんな、ゆっくり聞いてね!!あの人間があまあまを独占しているんだよ!!そんなずるい人間を倒してみんなでゆっくりしようね!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 「あまあまだねーわかるよー。」 「ひとりじめにするんて、あのにんげんはいなかものだわ!」 今まで自分達で奪いに行くことは無理だったが、ドスまりさがくれば話は別だ。「対価」は残り少なくなったし、いつまでも交換できるものでもない。現状に不安を覚え始めたゆっくりたちはドスまりさの煽動に乗ることにした。 これは兵隊ではない。ただの暴徒だ。人間を制裁した後、アレの摂取を止めさせる手段は分からない。人間の里に襲撃をかけるゆっくりが出てくるかもしれない。最終的には、人間と真っ向対立しかねない。 かまうものか!!自分が育て上げたこの群れを壊した人間など生かしてはおけない。どうせ、この群れはもうだめなんだ。ならば、死なばもろともだ。 頭に餡子が上ったドスまりさは決断した。 あとがき 次で最終話にします。 「美味しい物→ゆっくりの舌が肥えて働かなくなる→人里に行くor群れ崩壊」 テンプレ乙というべきこの内容でどうやって予想外の結果に持っていけるかね。 勘のいい人は「アレ」とか、結末に気付いたかも。 捻りがないのは仕様です。。 続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/siegespoiler/pages/456.html
攻撃側索敵ガジェット比較 保有オペレーター JACKAL DOKKAEBI LION GRIM DEIMOS ガジェット名 アイノックス モデル III ロジックボム EE-ONE-D カワンハイヴランチャー DEATHMARKトラッカー 探知方法 足跡のスキャン 敵の持つ携帯電話への発信 EE-ONE-Dによるエリア全体のスキャン ビーボットの群れを格納したカプセルの射出(及び展開されたビーボットによる追跡) 超小型ヘリコプターの探査機による追跡 補足した敵の位置の共有方法 赤PING 敵が発する電話の着信音 赤PING 赤PING 専用赤PING 所有数 3回 2回 3回 5個 3個 探知の前提条件 防衛側オペレータが残した足跡を1分30秒以内にスキャンする必要有 無し EE-ONE-Dによるスキャン中に防衛オペレータが移動する必要有 展開されたビーボットの群れの中に防衛オペレータが侵入する必要有 発見済みオペレーターのみ索敵可能 防衛側による迎撃 △ ◯ ◯ ◯ ◯ × × × 〇 × ◯ × × × × × × ◯ ◯ ◯ × ◯ × ◯ ◯ 備考 スキャンする足跡の鮮度に応じてスキャン回数が変化する 着信中は防衛オペレーター(及び死亡した防衛オペレーター)は偵察ツールにアクセス不可死亡した防衛オペレータが落とした端末をハッキングすることで防衛側偵察ツールにアクセス可能 EE-ONE-Dによるスキャン1.5秒前に防衛オペレータ全員に警告が通知される ビーボットの群れの中にいる防衛オペレータにはリアルタイムで赤PINGが更新される群れから離脱後も1秒毎に赤PINGが3回更新される トラッカーによる追跡3秒前に全プレイヤーにDEIMOSが追跡を試みている旨の警告が通知される警告表示中に追跡対象がシグナルディスラプター及びゾト・キャニスターの効果範囲内に入ると追跡に失敗する追跡中はDEIMOSにも専用の赤PINGが刺さり、追跡対象のみその赤PINGを視認できる ※伏せによる移動では防衛オペレータは足跡を残さない ※CAVEIRAはサイレントステップ発動中は足跡を残さない
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/753.html
※この作品は以下のものを含みます 脇役な虐待お兄さん 比較的普通の良いゆっくり 比較的普通の悪いゆっくり あんまり目立たないドスまりさ タイトルで既にバレバレな内容 それでも良い方のみ、以下にお進みください 汝は餡狼なりや? やあ! 僕は虐待お兄さん! 最近、村の近くにドスのいるゆっくりの群れが住み着いたってんで、早速虐待しに行っているところさ! 武器は持たない! 空手だ! というか今日はあくまで様子見なので、特に何をするということもないのだけれど。 歌でも歌っちゃいそうな気分で歩いていると、すぐにドスまりさのデカ頭が見えてきた。 まずは定番の挨拶でもして、こっちに気を向けてやろう。僕は木陰から飛び出しながら、言った。 「やあ! ゆっくりしていって……ね?」 お決まりの言葉の途中で、僕は思わず声を止めてしまった。 というのも、ドスまりさやその周りのゆっくりの様子がおかしかったからである。 僕を目の当たりにしても、「ゆっくりしていってね!」と返さないどころか、警戒する様子さえない。 何やら複雑な事情がありそうである。 「ゆっ……なんだ、人間のお兄さんだね。ゆっくりしていってほしいけれど、まりさ達は今はゆっくりできないよ……」 しょぼくれた様子のドスまりさ。ますますワケが分からない。 「どうしたんだお前ら、何かあったのか?」 あまりに特異な状況に、思わずギャクタイズムソウルもなりを潜めてしまった。僕はドスまりさに近寄り、事情を聞くことにした。 「ゆっ、お兄さん、実はね……」 ドスまりさはぽつりぽつりと話し始めた。 その群れは、ごくごく普通のゆっくりの群れであった。 前いた場所に野生動物が増えてきたため大移動を行い、最近ここに住み着いたのだ。 中には人間に喧嘩を売るような愚かなゆっくりもいたが、案の定そういう連中は早死にしてしまった。 なので今では、残ったゆっくりだけで、できるだけ人間に関わらずゆっくり過ごそうということになったのだ。 しかしここで、ちょっとした異変が起きた。 或いはそれが全ての始まりであったのかもしれない。 「ゆゆっ! みなれないまりさだよ! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていくんだぜ!」 流れ者の一匹のまりさが、群れの仲間に加わったのである。 まりさはすぐに一匹のれいむと仲良くなり、一緒に過ごし始めた。ここまでは群れも、新しい仲間を素直に歓迎していた。 だがしかしある朝、そのれいむが無残に食い殺された屍体となって発見されたのである。 近くには野犬やれみりゃもおらず、人間が近づいた痕跡もない。 疑いの目は、自然な流れとして、新参のまりさに向けられた。 昨晩れいむと最後までいたのもまりさだし、同じ巣に住んでいてれいむが外に出るのに気づかないはずがないと皆は思った。 「ちがうんだぜ! まりさはやってないんだぜ! どす、みっかだけまってほしいんだぜ! そのあいだにまりさが、しんはんにんをみつけてみせるんだぜ!」 その申し出は受け入れられた。まりさの必死さと、れいむを殺した犯人に向ける怒りに、嘘はないとドスは感じたのだ。 しかし翌朝、まりさは群れの縄張りの西端で屍体となって見つかった。これにも、食い殺されたようなあとがあった。 誰がやったかは分からない。事実なのは、犯人と疑われたまりさがもう死んでしまったことである。 多くのものは、れみりゃの仕業に違いないと思った。そのくらいしか犯人のあてがなかった。 しかしさらに翌朝、縄張りの中心にれみりゃの帽子とちぎれた羽が落ちているのが発見された。 群れのゆっくり達は昨晩は一歩も巣の外に出なかったが、何かが揉み合っているような音がしたと証言した。 ここに来て、ドスと側近のぱちゅりーは事態がただならぬ方向に動き出していると悟った。 静かなゆっくりの群れの中で起きた、連続殺ゆっくり事件── その犯人は、この群れの中の誰かである目算が高い── ゆっくり達は互いに疑心暗鬼に陥り、さりとて仲間を犯人と決め付けることもできない。 このままではゆっくりできなくなってしまう。そのことだけは皆漠然と感じていた── ……と、そういう事情であるらしい。 「ふぅむ」 中々興味深い話ではある。が、僕の虐待欲求とは全く関係がない。 関係がないが、この事件を放置してゆっくりを虐待しても、収まりがつかない気がするのだ。 なんというか伏線が回収されてない小説でも読んでいる気がして。どうにかできないものか。 ゆっくり共々車座になって思い悩んでしまった。その状況に違和感を覚えなかった時点で、虐待お兄さんとしては既におかしい行動だと自分でも思ったけど。 しかしそこはそれ、ゆっくりとは違う。僕はすぐに面白いことを思いついた。 「ねぇドス、こんなのはどうだい?」 「ゆっ、何?」 群れのゆっくりの注目を浴びる中、僕はコホンと咳払いして喋りだす。 「君達の話を聞いていて、どうやらこの群れの中に犯人がいるらしいという事情は分かった。 だがそれが誰なのかまではわからない。それで困ってる。そうだね?」 「むきゅっ、そうよ!」 ドス側近のぱちゅりーが合いの手を入れる。 「対応策は色々あるだろう。夜に寝ずの番を立てるとか、戸締りをするとか。 だが寝ずの番を立てたところで、その番が襲われたら意味がない。一晩中外にいることになるからね。 最悪、寝ずの番として選ばれたゆっくりが犯人だったら、そのまま逃げられたり、また誰か殺されてしまうかもしれない。 戸締りをしていても、相手はれみりゃさえ殺してしまうようなやつだ。家の中まで入られてしまえば一貫の終わりだろうね」 「ゆ、ゆゆゆゆぅぅぅぅ~~~!!!」 「いやだぁあああああ、ごわいよぉぉぉぉぉ!!!」 僕の煽り口調に、ゆっくり達が恐怖に震えだす。そうでなくっちゃいけない。 「そこで提案がある。君達の中で、最も犯人として疑わしいゆっくり。それを僕に差し出して欲しい」 「「「「「ゆゆっ!!!???」」」」」 ゆっくり達がいっせいに声を上げた。 「どういうことなの!? ちゃんと説明してね!!」 ドスが詰め寄る。こうして見るとほんと迫力あるなぁ。 「いいから、落ち着いて話を最後まで聞いてね。 何も、そのゆっくりをすぐに殺すって言ってるわけじゃない。僕の家に連れ帰って、監視するだけさ。 そして翌日以降、しばらく誰も殺されなかったら、僕が捕まえてるやつが犯人ということになるだろう?」 「むきゅ、でもはんにんがころすのをがまんしたら、むじつのなかまにつみをきせることになるわ……」 ぱちゅりーが反論してきた。こいつは中々に頭がいいみたいだね。 「まぁ、そう思うだろうさ。 でもねぱちゅりー、一度仲間の味を覚えたゆっくりというのはね、その味に取り憑かれて……」 できるだけ怖い表情を作って詰め寄っていく。 「む、むきゅ、むきゅきゅ……!」 怯えるぱちゅりー。 「ゆっくりを食べずにいられないゆっくりになってしまうんだ……!」 「むきゅきゅううーーーーー!!!」 口からデロリと生クリームを垂れ流して気絶するぱちゅりー。気の弱いやつである。 別に嘘は言っていない。甘いものが大好きなゆっくりにとって、同じゆっくりは最も身近な甘味である。 餓えた状態になくとも共食いに走るゆっくりというのは、自然の中でもたまに出てくるのだ。 なんとも業の深い生き物である。 すっかり怯えてしまった群れに向けて、僕は説明を続けた。 「で、さっきの続きだけど。 もし容疑者ゆっくりを捕まえた状態でいても殺ゆっくり事件が発生した場合、まだ群れの中に犯人がいるということになる。 その場合は、また一番疑わしいゆっくりを僕に差し出してもらう。 これを殺されるゆっくりがいなくなるまで続ければ、いつかは犯人が見つかるだろう?」 「で、でもそれじゃあなかまがたくさん死んじゃうよ!」 慌てた様子でドスが反論してきた。 犯人が捕まればそれでいいが、逆に言えば捕まらない限り犠牲が出続けるわけだからね。 「勿論、それは分かってるさ。でも他の方法で犯人を捕まえられる算段はあるのかい? 群れ全部を監視することは、いくらなんでも僕にもできないし」 「ゆ、それは……」 僕は元気付けるようにドスに言う。 「なに、そんな心配することはないよ。疑わしいゆっくりは、夕方に投票でもして決めればいいじゃないか。 昼の間は皆で協力して犯人の痕跡を探すなりして、効率的に時間を使えばいいんだから。 それで犯人が分かれば、それが一番いいわけだしね」 「ゆ……なるほど。お兄さんのいうことにもいちりあるよ」 時間を有効に使う、というところで納得したのか、ドスはしきりに頷いた。 そしてドスは皆に向き直って、声を張った。 「みんな! はなしはきいていたね! お兄さんのいうとおり、みんなできょうりょくして犯人をさがすよ!」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!!!」」」」」 解決の糸口が見え始めたからか、群れにも活気が戻ってきたようだ。 うんうん、良いことだね。なんだか僕まで嬉しくなってきたよ。 「さて、それじゃあ今日の容疑者ゆっくりを決めてほしいんだけど」 「「「「「ゆ゛っ!!!???」」」」」 いや、『ゆっ!?』て。 「だからさっき言ったじゃないか。皆で誰が犯人と思うか決めてくれって。 もうすぐ日も暮れちゃうし、早く決めてくれないとまた被害者が出ちゃうよ」 なんともおめでたい餡子脳っぷりである。本当に大丈夫かなぁ。 どのゆっくりも考え込みすぎて顔が赤くなってきたので、僕はいい加減助け舟を出してやることにした。 「まぁ、まずドスまりさは違うと思うよ。これだけ大きいのが夜中歩き回ってたら、さすがに皆気づくだろうしね。 あと、ぱちゅりー種も違うかな。いくらなんでもぱちゅりーにれみりゃは殺せないだろう。 同様の理由で、子供のゆっくりも違うだろうね。──だから残るのは、大人のゆっくりだ」 「「「「「ゆゆゆゆゆゆ~~~~~~……」」」」」 これで容疑者候補は半分程度にまで絞られたが、それでも皆悩んでいた。 だが効果はあったようで、やがて話し合っていた数匹のゆっくりが声を上げた。 「あのきのしたにすんでるありすがあやしいよ!!!」 と一匹のありすを名指しした。 当然、たまったもんじゃないのは当のありす本人だ。 「どぉじでぞんなごどいうのぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!」 発言したゆっくりに対してくってかかるありすだったが、別のゆっくりがその理由を語る。 「だってありす、あのまりさといっしょにすんでたれいむがうらやましいっていってたでしょ! だからきっとありすがれいむをころしたんだよ!!!」 「そうだとしても、ありずがまりざをごろずりゆうはもっどないでじょおおおおお!!!???」 「はんにんだってばれそうになったから、くちふうじをしたんだよ!!!」 何匹かのゆっくりがありすを攻め立てると、他のゆっくりもそれに迎合し始めた。おお、醜い醜い。 まぁそれだけ、連日連夜の殺ゆっくり事件にストレスがたまっていたということだろう。 なんでもいいから、罪を押し付けられる相手が欲しいのだ、要は。 「決まったようだね」 僕はありすを持ち上げ、しっかりと胸に抱いた。 「いや゛あああああああ!!! ありずはなにぼじでないいいいいいい!!!」 「はいはい落ち着いてね。何も殺すって言ってるわけじゃないんだから」 じたばた暴れるありすをなんとか押さえつけると、群れの中から数匹のゆっくりが現れた。 ありすが三匹にまりさが三匹。いずれも子ゆっくりである。 「おかーさんをはなせえええええええ!!!」 「おかーさんはなにもしてないよ!! きのうはゆっくりこもりうたをうたってくれたよ!!」 「おねがいじまずぅうぅううう!! おがーざんをだずげでえええええええ!!」 「みんな……!」 必死に無実を訴える子供達。自分を信じてくれた子供達に涙を流す母。 その姿に群れのゆっくり達の何匹かはほろほろと涙をこぼしている。実に感動的なシーンだ。ゆっくりじゃなければ。 「大丈夫さ。本当に君達のお母さんが何もしてないというなら、真犯人が捕まったときにちゃんと解放するよ。それまでの辛抱だよ」 僕もついつい情にほだされ(たということにして)、子供達を慰めた。 ありすも、こんな良い子供達を前にいつまでも無様に泣いているわけにはいかないと思ったのだろう。 「だいじょうぶよ、しんぱいしないで! おかあさんはきっとぶじにかえってくるからね! だからみんなはゆっくりまっててね!」 「「「「「「ゆっくりまってるよ!!!!!!」」」」」」 強い絆で結ばれた親子の姿がそこにあった。ドスも側近ぱちゅりー(いつの間にか復活していた)も滝のような涙を流している。 「じゃあ行こうか、ありす」 「ええ」 僕はありすを連れて、ゆっくりの群れを去った。 後ろからはいつまでも子ゆっくり達の声が聞こえてきていた。 そして、翌日。 結論から言えば、ありすは犯人ではなかった。群れで新たな犠牲者が出たからだ。 しかも殺されたのは、犯人として疑われたありすの長女まりさだった。 「どうしたものかな」 朝イチで群れに行ってそのことを聞いた僕は、ありすに事実をありのまま伝えるかどうか迷った。 残された子供達は意気消沈した様子であり、泣き叫ぶことすらしなかった。 だが結局、何も知らせないことにした。わざわざ心労をかける必要もなかろう。 ちなみにありすは牢獄代わりに透明な箱に入れてある。子供達を心の支えにしているのか、大人しいものだった。 え? 虐待しないのかって? いやいや、確かに僕は虐待お兄さんだが、無実のゆっくりを虐めるのは好きではないのだ。 ……というのは嘘で、これも考えあってのことである。 僕は既にある推理を打ち立てていた。まだ『もしかして』というレベルで、だけど。 でももしそれが正しいなら、容疑者ゆっくり達には事件解決まで健康に過ごしてほしい。 それに一応、ドスと約束したことでもあるしね。今後のためにも、信頼は得ておくに越したことはない。 そう、既に僕の中では、今後のプランが構築されつつあった。僕が最大限の利益を得る方法が…… 夕方になって再び群れを訪れると、今日の下手人はあるまりさに決定されたようだ。 「なにをいってるんだぜ! まりさははんにんなんかじゃないんだぜ!」 そう主張するが、決定は決定なので覆らない。 このまりさ、流れ者のまりさともありす一家とも普段から折り合いが悪かったらしく、犯人候補の槍玉に上がったらしい。 普段からのご近所づきあいって大切だよね。『イツカハヤルトオモッテタンデスヨー』ってやつだ。 「おかーさんひどいよ! わるいおかーさんはもうかえってこないでね!」 「おかーさんはもうまりさたちのおかーさんなんかじゃないよ! ぷんぷん!」 「ゆっきゅりちんでね!」 「どぉじでぞんなごどいうんだぜぇぇぇぇぇぇ!!!???」 しかも昨日のありす一家と違って家族からの人望すらないらしい。何気に末っ子が一番口が悪いな。 僕はまりさを連れ帰り、昨日のありすと同じく透明な箱に詰め込んだ。 ここからは似たような事態が続いていくので、できるだけ簡潔に追っていこう。 さらに翌日。 今度はまりさ一家の三姉妹の末っ子が殺されていた。 しかも昨日のありす家のまりさが殺されたのは巣の外だったのに、この末っ子は巣の中で殺されていたのだ。 巣の入り口は壊されており、誰かが侵入したものと思われた。 ドスは夜の番をしていたが、犯人の姿を見つけることはできなかった。 「なにかおおきなものがはいってきてあかちゃんをごろじぢゃっだぁあああ!!!」 「どぉじでえええ!!! まりざのいぼうどおおおお!!!」 ガタガタ震えるまりさ姉妹。これでまた、事件は振り出しに戻ったわけだ。 ドスも側近ぱちゅりーも色々考えているようだが、中々犯人を見つけ出す良い手立ては見つからないようである。 その日は一匹のちぇんが容疑者として僕に引き渡された。 昼の犯人捜索を、親代わりであった病気のらんしゃまの看病を理由に断ったためだ。ほとんど言いがかりである。 だが、やはりと言うべきか、ちぇんもまた犯人ではなかった。 縄張りの外れで、何かに絞め殺されたかのようならんしゃまの屍体が見つかったからである。 この日もドスが深夜遅くまで番をしており、らんしゃまが巣を出て行くのを見かけたらしい。 そして追いかけたものの途中で見失い、明け方近くになってようやく変わり果てたらんしゃまを発見したのだ。 子供を連れ去られ、伴侶を喪ったゆかりんはひどく消沈していた。 その日はある一家の母れいむが容疑者として引っ立てられた。 翌朝、れいむの巣の中で一人娘のまりさが殺されていた。 このとき父まりさは、子供を守るために、自分も群れを見張ろうと巣の前で歩哨に立っていたという。 しかしついうっかり眠ってしまい、朝になって巣の中に戻ると、ぺしゃんこになった子まりさの姿があったという。 巣の入り口は破壊されておらず、犯人の進入経路は謎なままだった。 容疑者として、一人ひっそりと暮らしていたみょんが上げられた。 その次の朝には、別の場所に住んでいたみょんの両親の、母みょんのほうが遺体となって見つかった。 遺体には暴行、もといすっきりー!した痕跡があり、幸いにも蔓に実った子供達は無事だった。 遺体は鋭利な刃物で下半分を切断されたような状態だった。凶器は恐らく、近くに落ちていた細長い石だろう。 なんとか無事に生まれた落ちた赤みょんは、そのまま父みょんが育てることになった。 容疑者として、群れ一番の性欲を誇るありすが引っ立てられた。 もうこの時点で、それまでの被害者の共通点を見出して犯人を決めるという余裕はゆっくり達から抜け落ちている。 翌朝見つかったのは、ありすのセフレ(笑)の一匹であった子ぱちゅりーの屍体だった。 同じくセフレ(笑)であったまりさ、れいむに事情聴取が行われたが、三匹は仲が悪かったらしく、お互いに何も知らないと主張した。 最近は子ぱちゅりーばかりがありすの寵愛を受けており、二匹は常々快く思っていなかったようである。 性欲全開ありす達とずっと仲の悪かった、別の理性的なありすが引っ立てられた。 また最近側近ぱちゅりーは、屍体発見の報を受けるたびに「むきゅー!」とクリームを吐き出して失神してしまうらしい。 全体的に、精神の限界が近いかもしれない。 さらに翌朝、理性ありすと同棲していたまりさが死んでいた。 巣の中にあった木の枝で目を刺し殺されていたのである。 しかもそれだけではなく、巣の入り口からは誰が入った痕跡もなかった。 またドスが一晩中見張りをしていたのだが、その間ありすとまりさの巣に誰かが入っていく様子もなかったという。 ドスが見張っていたすぐそばに二人の巣があり、この証言の信頼性は高かった。 この日の容疑者には、ある大家族を一人で支えていた母れいむが上げられた。 理由は巣が一番近いからだった。 そのまた翌朝、れいむ一家の末っ子の赤れいむが殺されていた。 この赤れいむは生まれつき跳ねることができない未熟児だった。 屍体は見るも無残な姿で、餡子の染みとしか分からないほどまでに念入りにすり潰されていた。 昨晩のまりさと同じく、密室状態での殺ゆっくりだった。 しかし赤れいむ以外の子供は一切被害を受けておらず、また殺されたことにさえ気づかなかったという 姉妹達は、元々ゆっくりできてない赤ゆっくりが嫌いだったようで、特段悲しむ素振りも見せなかった。 繰り返される悲劇に、群れのゆっくり達は、ゆっくりとその精神をすり減らしていく。 このままでは群れ自体が長く続かないことだろう。それは僕の望むところではない。 ──さて。 もうそろそろ、解答に入ってもいいかもしれない。 群れ全体のストレスも既に限界であるし、側近ぱちゅりーに至ってはいい加減クリームを吐き出しすぎである。 まぁ毎日野菜クズなんかを差し入れしてやってるから死ぬということはあるまいが。 僕は家を出て、いつもより早めに群れに向かった。 続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/asaahingaeaw/pages/548.html
ユタラプトル属 ドロマエオサウルス科 ドロマエオサウルス亜科 アドラステアラプトルの概要 ジュラ紀から白亜紀。(紀元前、約1億432万年前から紀元前6,600万年前)にかけて生きていた恐竜でアドラステア帝国各地で化石が発見され、現代まで研究が続けられている。ユタラプトルと似ているがユタラプトルと違ってこちらは雄1匹に雌5匹または7匹の群れ(デモンサーチ)を作るとされている。餌はユタラプトルと同じ肉食だがたまに草などを食べる賢さもあり、頭脳面で言えばユタラプトルよりも勝るだろう。嗅覚も敏感だったようで鳴き声を7つか8つに使い分けて行動できるそうで雄の頭のトサカは長く、このトサカを雄同士は比べて戦っていたと推察される。ユタラプトルよりも好戦的ではなく寧ろ温厚であるがナワバリに近づいた者は許さない性分だった。ちなみに子供の雄はライオンみたいに群れから出ていく時もあれば群れから離れずお父さんとして見ることもあるという。その時は後継者争いが起き、内部抗争が起きたと推察されます。
https://w.atwiki.jp/homuhomu_tabetai/pages/2624.html
作者:GsbsZTguo その1 その2 参考文献 ジャンル:ほむまど群れ ほむまど複数 ほ食種 ほ食種群れ ほ食種虐待 実験 希少種番 捕獲 殺処分 生態 考察 虐待 誘き寄せ 蹂躙 食物連鎖 感想 すべてのコメントを見る 淡白でワロタ
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4340.html
『どすどすぬぷぬぷ』 11KB 小ネタ 変態 ドスまりさ 自然界 下ネタ注意 四作目 俺には密かな悩みがある。実は、その、アレのサイズが非常に大きいのだ。 この立派な♂の所為で過去に何度も恥ずかしい思いをしたり、からかわれたりした。 高校時代、初めてできた彼女と良い雰囲気になった末に「内臓が破裂しそうだから……ごめん……」と断られたのは今でも苦い思い出だ。 だがそれはいい。仕方ない。もし俺が女だったら多分断る。だからもういい。 現在は股間のマグナムを、いや股間の列車砲グスタフを満足させる方法を探すのに苦心している。 世にはT○NGAなる物が存在するが、当然俺は使えない。先っぽすら入らない。 そこで俺は閃いた。 そうだ。ゆっくりを使おう! 『HENTAIお兄さん』という言葉もあることだし、そういう行為に使えないことは無いはずなのだ。 早速俺は適当な野良ゆっくりを捕まえて来た。 今日のお相手は、れいむ、まりさ、ちぇん、の三匹だ。 「おにいさん、はやくあまあまちょうだいね!」 「ゆっくりしないでだすんだぜ!」 「ちゃんとついてきたよー。あまあまほしいんだよー。わかれよー!」 「はいはい。着いてきたらあまあまをあげる約束だったな。ちょっと待ってろよ」スルスル ストン ムクムク ジャキーン!! 「……ゆ? おにいさんに、さんぼんめの あしさんがはえてきたよ?」 「れいむ。お兄さんと一緒にすっきりーしようね。そーれ」ユッサユッサ 「ゆゆゆゆ。ゆふ~ん。れいむ、なんだかきもちよくなってきたよー!」 「んでは、レッツIN!」ズヌブン 「ゆぎゃあっ!?」 れいむはお亡くなりになった。中枢餡を貫かれて即死だった。 続けてちぇんもお亡くなりになった。中枢餡を貫かれて即死だった。 続けてまりさもお亡くなりになった。中枢餡を貫かれて即死だった。 俺の杭に三匹のゆっくりが刺さっている。般若の如き面相の生首が縦に並んでいた。 一番上にいるまりさの帽子を取ると、そこから先っぽが顔を覗かせている。 俺は溜息を吐いて、先っぽに帽子を被せた。 さて、山である。 ノーマルサイズのゆっくりでは、すっきりする前に永遠にゆっくりさせてしまう事が分かったからだ。 今回の狙いはドスまりさだ。 そう。俺はドスをれいぽぅする、ドスれいぱーになるのだ! 「ゆっ? おにいさん、ゆっくりしていってね!」 「あぁゆっくりしていってね。ドスに会わせてくれないかい?」 「いいよ。じゃあ、れいむについてきてね!」 「ありがとう。れいむはとてもゆっくりしているね」 「ゆふふ。それほどでもあるよ!」 れいむを抱え上げ、山を歩くこと十数分。俺は群れの広場へとやって来ていた。 母役であろうゆっくり達が井戸端会議に花を咲かせ、直ぐ傍では子ゆ赤ゆが遊んでいた。 見える範囲にいるゆっくりは30くらいか。狩に出ている夫役や独り身を含めるとこの群れの総数は5、60といったところだろう。 無闇に増えてないのを見ると、この群れはちゃんとすっきり制限を行っているようである。 ゆっくり達がこちらに気付いて挨拶してくる。それも「おにいさん、ゆっくりしていってね!」とだ。 人家近くの森に住み、人間の恐ろしさをしっている群れならば、呆然、絶叫、逃亡が基本だ。或いは「ここはゆっくりのぷれいすだよ! いますぐでていってね!」と言い放ってくる。 この群れは今まで人間と接する機会が殆ど無かったのだろう。善良そうな群れである。 俺はゆっくり達に適当に返事しつつ、ドスの住処に行く。 そこは小さな洞窟だった。 俺はれいむに礼を良い、頭を撫でてやった。 れいむは嬉しそうな顔をした後、「ゆっくりしていってね!」と言うと広場に向かって跳ねていった。 「ゆ? だれかきたの?」 洞窟の奥からずりずりとドスまりさが這い出てきた。 その体高は2m強。当然、俺よりデカい。 もちろん真正面から飛び掛っても体重差であっさり負けるだろう。 だから俺は道具を用意してきている。 熊避け用のペッパースプレーとサバイバルナイフだ。 作戦はこうである。 スプレーを顔に噴射→ドスが転げまわる→あんよをさらけ出す→ナイフでザクザク→れっつIN! うむ。完璧だ。 「おにいさん? ゆっくりしていってね。どすになにかようなの?」 「……ん。あ、ああ。別に用事がある訳じゃないんだ。この群れにドスがいるって聞いてね。一緒にゆっくりしようと思って来たんだ」 「ゆふふ。もちろんいいよ、おにいさん。どすといっしょにゆっくりしようね」 ドスまりさはニコニコと笑っている。 俺は適当にドスに話を振る。最近の天気や山の食糧事情や群れで起きた事件、etc.etc. 喋りながら道具を準備し、それからドスの隙をじっと探ってみる。 ゆっくりなので隙だらけだった。いつでも行けそうだ。 今度は周囲に目を向ける。 近くにゆっくりがいないかどうか。もし居ても俺のれいぽぅを阻止できないだろうが、騒がれると邪魔だ。 ……と、思ってたらいた。やっぱりいた。こっちに向かって跳ねてくる。まりさ種の亜成体のようだ。 「どすー! どすー! まりさがかえってきたんだぜー!」 「まりさ、おかえりなさい。きょうはずいぶんはやいね」 「ゆっへっへ。おっきな いもむしさんを つかまえたんだぜ! だからかえってきたんだぜ!」 「すごいね。さすがはまりさだよ」 「ゆっへん!!」 一しきり騒ぐと、そのまりさはポンポンと広場の方へ跳ねて行った。 「今のは?」 「このまえひとりだちしたまりさだよ。いもむしさんをとれたのが よほどうれしかったんだね」 ドスまりさは柔らかい笑みを浮かべて広場の方に目を向けている。 「………………」 「……ゆ? どうしたのおにいさん?」 「何でもないよ。ゆっくりしてるだけ」 「ふふ。じゃあどすもゆっくりするよ」 俺とドスは並んでのんびりと日向ぼっこしていた。 ドスは本当にゆっくりしてるだけだが、俺の頭はフル回転していた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ドスは本能的に「群れをゆっくりさせたい」と考える生物だったはずだ。 さっきのまりさを見たドスは、『慈愛に満ちた』とでも言うべき笑顔をしていた。 そしてもう一つ引っかかった点は口調だ。 まりさは「だぜ」口調だったが、ドスは「だぜ」口調ではない。 ドゲスはともかく善良なドスまりさが「だぜ」口調を使ってるイメージは、あまり無い。 その事にたった今気付いたのだ。 「どすはどすだぜ」と「どすはどすだよ」ならば、後者の方がよく耳にする気がする。 まりさ種は父親役になることが多い種族だけど、ひょっとして…… 『母性が強いまりさ種ほど、ドスになりやすい?』 或いは、 『ドスになると同時に母性を獲得し、群れを見守るようになる?』 いや、そんな。まさかな。 だがもしこの仮説が正しいならば話は変わってくる。 少し試してみよう。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ところで、ドスって番はいるのか?」 「ううん。いないよ」 「寂しくないのか?」 「どすにとって、むれのみんなが おちびちゃんみたいなものなんだよ。だからさみしくないよ」 「そうなのか」 「うん。そうだよ」 「でもそれだと、あっちの方が寂しいんじゃないか?」 「あっち? あっちって、どっち?」 「すっきりーの事だ」 「ゆゆっ!?」 突然の俺の言葉に、ドスはかなり驚いたようだ。 目を丸くして十秒ほど固まった後、頬を赤くして言った。 「いきなりなにをいうの? おにいさんはえっちだね!」 この反応。もしこのドスが普通サイズのゆっくりだったら確実に母役になるだろう。 さっきの仮説が正しいかどうかは分からないが、少なくともこのドスまりさは母役寄りのゆっくりなのだ。 「あ~あ~、そうかそうか。普通のゆっくりのぺにぺにだと小さすぎてすっきりー出来ないもんな。だから番がいないのか」 「もうっ! そのおはなしはやめてね! えっちなおにいさんとはゆっくりできないよ!」 ドスは怒っているように見えた。 だがすっきりーはゆっくりにとって数少ない娯楽である。 このドスはすっきりーが出来ず、おちびちゃんも産めない寂しさを「群れのゆっくり達が自分のおちびちゃん」と思うことで紛らわそうとしているのではないだろうか? エッチだからどうこう、ではなく、あまり考えたくない事だから拒絶の意思を示しているのだ。俺はそう判断した。 「俺とじゃゆっくり出来ないのか。でもすっきりーなら出来るんじゃないか?」スルスル ストン ムクムク ボッキーン!! 「――――」ポカーン 即座にズボンとパンツを脱ぎ、臨戦態勢に入る俺。そして唖然とした顔のドスまりさ。 もちろんここでドスが拒否れば当初の予定通りれいぽぅへと移行する心積もりである。 「…………」 ドスは俺の股間、いや顎下までそそり立ったソレを凝視している。 俺は力を込めてソレをピクンピクンと揺らしてやった。 ドスの顔が真っ赤になる。 「ししししししないよ、そんなこと! にんげんさんとすっきりーなんて、へんたいさんがすることだよ!」 搾り出すように言うドス。だが虚勢なのは丸分かりだ。現にその視線は俺の電信柱に釘付けである。 俺はこれでも過去に一度は彼女ができた身だ。女性の扱い方について無知ではない。 こういう時、女性には言い訳が必要なのだ。 「そうだなー。ドスは変態じゃないよなー。でもHENTAIお兄さんの俺は、今からドスをれいぽぅするぞー」 「ゆゆゆっ!? や、やめてねっ! やめてねっ!」 「ドスが暴れたら俺は勝てないだろうなー。でもドスが怖くて動けないなら俺でもれいぽぅ出来るだろうなー」 「ゆゆーー! れいぱーはこわいーーーー!!」 おいおい、あっさり過ぎるだろ。というか餡子の回転早くないか? まぁこれで『恐怖で動けないドスを俺がれいぽぅする』という構図が出来上がった。 ドスは人間とのすっきりーを望んだ訳ではない。あくまでも被害者なのだ。襲われてしまったのだ。だから仕方無いのだ。 一人と一匹は溜まりに溜まったものを解き放つ為に、何度もコトにおよんだ。 「また出るぞ! すっきりーーー!」 「ゆぅ~~~~ん! おにいさんすごすぎるよぉぉぉ! すっきりーーー!!」 満足した俺達が我に返ると、周囲にいるゆっくりと目があった。 ドスの嬌声を耳にしたゆっくりが何事かと見に来たらしい。 「うわぁ……ふたりともすごいんだねー」 「わざとみせつけるなんて、とかいはじゃないわね。……でもとてもうつくしいあいが、ここにはあるわ」 「むきゅー。ぱちぇには しげきてきすぎるわよ」 「おにいさんのぺにぺに、すごい……れいむのまりさより、とってもとってもすごいよぅ」 「どぼぢてそんなこというのぉぉぉぉ!?」 「っ!? みんな、みないでね! こんなどすをみないでね!」 「もう遅いぞドス。聞け、ゆっくり達よ。ドスだってゆっくりだ。すっきりーしたくなるのは当然なんだ!」 「ゆゆゆゆ! お、おにいさん! なかでまたおっきくなってるよ!」 「さぁ見せ付けてやろうじゃないか」ドッスンドッスン 「ゆああああ! またくる! またきちゃうーーーー!」 「ゆふぅ。れいむもすっきりーしたくなってきちゃったよ」 「まりさもなんだぜ。でもれいむとは してやらないんだぜ」 「ゆぅぅ? さ、さっきのはじょうだんだよ! れいむはまりさのがいちばんだよ!」 「……ねぇ、ちぇん?」 「うん。ありすとなら、いいんだねー」 「むきゅー」「ちーんぽ」 俺達にあてられたゆっくりが次々にすっきりーを始めてしまい、洞窟前で乱すっきりーパーティーが繰り広げられることになった。 すっきりーフレンドになった俺とドスは、再会を約束して別れる。 それから二、三度、俺はドスの元を訪れてすっきりーをした。 だが秋が深まり、肌寒さを感じる季節になると山に登るのが億劫になり、次第にいかなくなってしまった。 そして冬が過ぎ、春が訪れる。 俺は数月ぶりにドスのいる山へと足を運んだ。 だがそこに群れは無かった。洞窟にも行ってみたが、ドスの姿は無い。代わりにドスの帽子の切れ端が見つかった。 おかしいとは思ったがどうしようもない。 仕方なく帽子の切れ端を持って家路に着こうとしていると、広場を歩いているパチュリーが目に留まった。 「むきゅ? にんげんさん、ゆっくりしていってね」 「あぁぱちゅりー。ゆっくりしていってね。ところで、ここにはゆっくりの群れがあったと思うんだが」 「あったみたいね」 「ん? ってことは、ぱちゅりーは最近ここに来たのか。ここの群れがどうしてなくなったか知らないか?」 「えっとうしっぱいよ」 「越冬失敗?」 ぱちゅりーは別の群れにいたゆっくりで、数匹のゆっくりと一緒に群れを出立し、新しいゆっくりぷれいすを探していたそうだ。 そしてここに辿り着いた。 その時ここは地獄のような状況だった。あちこちに死んだゆっくりがいて死臭が立ち込めていたのだ。 「おちびちゃんのなきがらが、とてもたくさんあったわ。きっとすっきりーせいげんをしらないむれだったのね」 ぱちゅりーと仲間は近くに仮拠点を気付き、蟻がゆっくりの死体を処分し終えるまで待ち、それからこのぷれいすに居ついた。 そして俺に出会ったのだ。 「そうか。ありがとうな」 「むきゅ。どういたしまして」 俺はぱちゅりーに礼を言って、別れた。 ……何となく想像がついてしまった。 群れが崩壊する原因を作ったのは俺だ。 あの乱すっきりーパーティーで生まれた赤ゆだけなら平気だったかも知れない。 だがその後、ドスはすっきりー制限を解除してしまったのだろう。 群れの皆に「おちびちゃんはつくるな」と言っておきながら、自分は俺とすっきりーしまくる。そんなのを群れの皆が許すはずが無い。 その結果が食糧不足による越冬失敗だ。 手に持ったドスの帽子の切れ端をじっと見つめる。微妙に焦げ付いているのが分かる。 恐らく群れが崩壊した悲しみのあまり、ドススパークを暴走させて自殺したのだろう。 俺とドスは単なるすっきりーフレンドだったが、それでももう会えないとなると少し寂しくなった。 俺は洞窟の方に視線をやり、 「ドス。お前のまむまむ、最高だったぜ」 そう呟くと、後は振り返ることなく山を降りた。 次はクイーンありすでも探そうかな。
https://w.atwiki.jp/seriale/pages/2918.html
12/07/01(日)23 13 10 No.8350921 ■ガーディアン・フロント■ ジェット・フェンサー 「黒玉の剣士」の名で呼ばれる、極めて人型に近いスリムな体型の先住生物 その名の通り黒く輝く甲殻で覆われており、頭部の赤いレンズのみが際立って目立つ外観を持つ 10m級と30m級の2種が存在し当初は近縁の別種と考えられていたが、 研究の結果、大型が雄、小型が雌である事が判明している 所謂ハーレム型の群れを形成し、雄1体に対して雌が4~6体程度の割合で活動する 厄介なことに人間の目から見ても優れた戦術性を持った生物であり、 時に複数の群れが共同で行う「狩り」は海兵隊のBSやDDであっても十分な脅威と成りうる存在である また、フェンサーの名が示すように他の先住生物の甲殻や人類の兵器の残骸等を剣の様に扱い、 それらは使い込む中で研磨されて予想外の切れ味を発揮することもある 学習能力が極めて高い事もあり、長く生き延びた群れは無視できない難敵である 12/07/07(土)19 11 20 No.8375054 ツノ2本がオス ようは原始人ですね
https://w.atwiki.jp/i-shura/pages/232.html
遠い昔の記憶では、いつも波の音がする。 略歴 村の四兄弟の出来の悪い末の弟と、群れの中で一番弱い奇形の鳥竜との交流の記憶。 一人(*1)と一羽(*2)の、起源。 人物 ハルゲント:かつての野望に満ちた少年時代。彼の語る『英雄』への夢は一人と一羽の記憶に深く刻まれることになる。 アルス:かつての群れで最弱だった一羽。まだその異形の腕は何も掴めない。友は「原因を考えて、対策しろ」と言った。 レグネジィ:辺境の海岸線に生きる飢えた鳥竜の群れの中の一羽。アルスより少し年上。すでに天才の片鱗を覗かせている。 スジー:友が語る、見返してやりたい村の連中。 マシキ:同上。 タクレクン:同上2. ペミザ:同上3.クソッタレ。 オルディカ:同上4.一家全員対象。 グーリカ:同上5。この前笑いやがった。 アビーク:同上6。金物屋。三つくらいになる子供がいる。 「――教えてもらった分は……何か返したいんだ」 書籍版登場人物 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/947.html
※この作品は以下のものを含みます ドスまりさ×2 善良なゆっくり 悪辣なゆっくり 制裁要素 虐待お兄さん それでも良い方のみ、以下にお進みください ゆっくり禅譲 あるところに一匹のドスまりさがいた。 外敵が少なく餌の多い森林部に暮らし、とても大きくなったまりさだ。 森に生えたキノコを食べて育ち、ドス特有のドスパークやゆっくり光線を身につけるに至った。 まりさには、かつては他に姉妹もいたが、寿命や事故でそれぞれ命を落としていった。 そも、生物として脆弱なゆっくりがドスと呼ばれるまで成長するには、豊富な経験と多大な知識、そして何よりも運が必要だった。 そういった意味で、このドスまりさは強運の星の下に生まれたと言っても過言ではないだろう。 「ゆっへっへ、まりささまもおおきくなったし、そろそろむれをもってもいいころなんだぜ。 もりをでて、てきとうなむれをまりささまのものにするんだぜ」 ただし性格は最低だった。 ドスといえど、元がただのゆっくりである以上、性格はそうそう変わるものではない。 ゆっくりへの情に篤く、人を畏敬し両者の仲を取り持つような存在になるには、またより多くの時間が必要なのである。 そういった意味でこのドスまりさはまだ若輩であった。よって便宜上、このドスまりさを若ドスまりさと称するものとしよう。 「ゆっゆっゆ! おらおら、どすまりささまのおとおりなんだぜ」 誰もいない森の中を、その巨体を揺らしながら、若ドスまりさは出て行った。 あるところに一匹のドスまりさがいた。 人里にほど近い場所にいる群れのリーダーを勤めるドスまりさである。 このドスまりさはドスの中でもかなり長く生きており、まさに歴戦のつわものといった風情であった。 こちらは便宜上、老ドスまりさと呼ぶことにしよう。 老ドスまりさは、非常に責任感が強く、真面目なドスであった。 群れを護ることは当然のこととして、群れに属さないゆっくりや人間とも、可能な限り有効な関係を築こうとしていた。 南にれみりゃ・ふらんあればこれを蹴散らしてゆっくりを護り。 西にいじめられるめーりんあれば間に入ってこれを助け。 北に人間の里あれば「あそこには行くな」と群れに教え。 東に畑持つゆうかあれば群れには手出しさせないから安心しろと言い。 兎にも角にも、群れとその周囲の環境を護るため東奔西走。良きリーダーであろうとするあまり、ゆっくりできる日は一日もなかった。 なおかつ、群れの大半はそんな老ドスまりさの考えをあまり理解してくれなかった。 何度駄目だと言っても、自分の力を過信したゆっくりがれみりゃや人間に殺されたり、めーりんやゆうかを虐めたりするのだ。 幸いにして相手側に被害を与えたことは今のところないが、それも時間の問題であった。 元々からして、この群れはあまり素行の良くない群れであったのだ。それをなんとかしようとしたのが老ドスまりさであった。 だが全く学習してくれない群れの皆に、老ドスは疲れを感じ始めていた。 その姿たるや、さっさと引退して楽隠居を決め込みたい老体そのものであった。 そんな折である。 「ゆっ! どすがきたんだぜ! みんなこのどすまりささまのいうことをきくんだぜ!」 若ドスまりさはたまたま目に付いた群れの前に飛び出すと、早々にリーダー宣言を行った。 しかしゆっくり達の反応は、若ドスまりさの予想とは異なっていた。 「ゆゆ!! どすがもうひとりきたよ!!」 「どうしよう!? とりあえずれいむたちのどすをよんでくるよ!!」 「ゆゆゆ?」 若ドスまりさは困惑した。この群れにはもう他にドスがいたのか? 「ゆっ! 自分以外のドスまりさを見かけるのは久しぶりだよ! どうかゆっくりしていってね!」 やがて、群れのリーダーである老ドスまりさが姿を現した。 両者の大きさは同じほどであるが、見るものが見ればその纏う雰囲気の違いというものが一発で分かっただろう。 貫禄というか偉容というか、老ドスまりさにはそういったものが満ち溢れていた。 対し、若ドスまりさはそんなもの微塵もない。 また初めて山から下りてきたので、当然、ドスに対する信頼の証である髪の毛のリボンも一本もない。 これだけでどちらが格上か分かろうというものだ。 しかし若ドスまりさはそんなこと全然分かっていなかった。 「きょうからここはまりささまのむれなんだぜ! おいぼれどすはとっととでていくんだぜ!」 ここに虐待お兄さんがいたら若ドスまりさを指差してゲラゲラ笑っていたことであろう。 それほどまでに若ドスまりさの言動は身の程知らずであった。 体格とパワーが同じなら、ものを言うのは経験の差である。その点、二匹の差は天地ほどの開きがある。 ここで老ドスまりさが戦おうものなら、一分と持たずに若ドスまりさは地に伏すことであろう。 しかし老ドスまりさの発言も、また意外なものであった。 「分かったよ! この群れはまりさに任せて、私は出て行くよ!」 ここに虐待お兄さんがいたら顎が外れそうなほどに口を開いて呆然とすることだろう。 何しろ老ドスまりさには、この若輩者に立場を譲る意味が全くないからだ。 若ドスまりさも、これには流石に驚いた。 若ドスまりさとしては、群れの目の前で現リーダーを叩きのめし、自らの地位を不動のものとするつもりであったからだ。 老ドスまりさはゆっくりと説明を始めた。 「実は、もう私も歳をとってしまったから、そろそろ引退しようと考えていたんだよ! ちょうどよくまりさが来てくれたことだし、群れのリーダーは若くて強いまりさに譲ろうと思うよ!」 「ゆっ、そういうことなら引き受けてやらなくもないんだぜ!!!」 強いと言われて、若ドスまりさは得意満面である。 このドスは自分の強さに恐れをなし、屈したのだ。自分は戦わずして勝利を納めたのだ。若ドスまりさの中ではそういうことになった。 「そうと決まれば、まずみんなにリーダー交代を教えなきゃいけないよ! れいむ、群れのみんなを広場に集めてね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 一匹のれいむが、群れの仲間達を集めに走り去っていった。 それから一時間ほどして、全てのゆっくりが広場に集められた。 老ドスまりさと若ドスまりさは、普段老ドスまりさが皆に話しかける際に使っている盛り土の近くに控えた。 「ゆゆゆ? どすがふたりいるよ?」 「あっちのどすはだれー?」 群れのゆっくりは混乱しているようだった。一度に二匹のドス級を見ることなど、普通ありえない事態だからだ。 「みんな、落ち着いてね! 今から事情を説明するよ!」 老ドスまりさが声を張り、盛り土の上に乗った。 「突然だけど、私は今日で群れのリーダーを引退するよ!」 「「「「「「「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆーーーーーーー!!!!!!」」」」」」」 群れは大混乱に陥った。 あまりに突然すぎる話であったし、今日まで老ドスまりさがいたから群れは存続できていたのだ。 このままじゃゆっくりできなくなってしまう、と群れのゆっくり達は総じて思った。 「でも大丈夫だよ! ゆっくり聞いてね!」 老ドスまりさはそう言って一歩引き、若ドス魔理沙に前に出るよう促した。 「今日からは、こっちのドスまりさがみんなのリーダーになってくれるよ! 私の代わりに、今日からはこっちのドスまりさをドスって呼んでね!」 老ドスまりさがそう言うと、混乱は収まったものの、しかしまだ困惑顔のゆっくりも多い。 それが若ドスまりさには不満であった。 (せっかくまりささまがりーだーになってやるっていうのに、なんのふまんがあるんだぜ!!) それを察したかのように、老ドスまりさが若ドスまりさに言う。 「さっ、まりさ、みんなに襲名披露演説をしてね!!」 「ゆっ? しゅーめーひろーえんぜつ?」 聞きなれない言葉に首をかしげる若ドスまりさに、老ドスまりさは頷く。 「そうだよ! 今日からまりさが群れのリーダーになるんだから、その前にみんなの前でリーダーとしての意気込みを語るんだよ! ここでみんなの気持ちをぐっと掴むことができれば、まりさの地位は磐石のものになるよ!!!」 「ゆゆゆっ、そういうことならまかせるんだぜ!!!」 言葉の意味はさっぱりだったが、若ドスまりさはニュアンスでそれとなく理解した。 要するに、自分がいかに頼れるか、強いかを群れの皆に教えてやればいいのだ。 「ゆっ、そういうわけで、きょうからむれのりーだーをすることになった、どすまりさなんだぜ!!!」 若ドスまりさは、老ドスまりさよりもさらに大きな声で自己紹介を行った。 それだけで、群れのゆっくりの殆どは若ドスまりさに好感を持った。 元気だし、活力に満ち溢れているし、何より若々しくて頼りがいがありそうだった。 ……実際は新しいものを目にしたときの錯覚も多分に含まれている認識だが。 「まりさは、むれのみんなにいままでいじょうのゆっくりをあたえることをやくそくするぜ!!! こっちのどすなんかよりもっともっとだぜ!!! にんげんだってやっつけちゃうんだぜ!!!」 「「「「「「「ゆゆーーーーーーーーーーー♪♪♪」」」」」」」 頼もしい若ドスまりさの言葉に、群れはいっせいに色めきたった。 群れが新しいリーダーを認めたという証拠である。 「おめでとう、まりさ! これでまりさが群れの新しいリーダーだよ!」 「ゆへへ、てれるんだぜ!」 笑顔の老ドスまりさに褒められて、若ドスまりさはとても気分が良かった。 ああ、なんと自分は幸運なんだろう。労せずしてこれほどの規模の群れのリーダーになれるとは。 老ドスまりさが、再び皆に向き直る。 「それじゃあ、私が預かっているリボンをみんなに返すから、新しいリーダーに結び直してあげてね! それが終わったら、私は群れを新しいリーダーに任せて、ここを出ていくよ!」 「「「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!!!」」」」」」」 後ろを向いた老ドスまりさに、群れのゆっくりが一列に並んで飛びついていく。 そして自分の分のリボンを取ると、若ドスまりさの髪に結わえ付けていった。 一時間ほどして、ようやくゆっくりがそれぞれ元の位置に戻った。 「ゆゆゆっ?」 ここで若ドスまりさが声を上げる。 てっきり全てのゆっくりがリボンを付け替えてくれたと思ったが、老ドスまりさの頭にはまだいくつかのリボンが残っていた。 そして、どうやらそのリボンの持ち主と思しきゆっくり達が、老ドスまりさの近くに並んでいる。 残っているのは、れいむ一家、まりさ一家、それにありすとぱちゅりーと子れいむが一匹ずつだ。 「ゆっ! ぱちゅりー、これはどういうことなんだぜ! せつめいをようきゅうするんだぜ!」 全てのゆっくりが自分に従っていないと気づいた若ドスまりさは、容易く激昂した。 ここでぱちゅりーが迂闊な答えを返せば、すぐにでも潰さんばかりの勢いである。 しかしぱちゅりーは落ち着いて答えた。 「むきゅ、わたしとありすはこっちのどすの『そっきん』だから、どすといっしょにたびをするわ。 こっちのこどものれいむは、ありすがそだててるこだから、いっしょにつれていくの」 「まりさ! 自分の側近を選ぶのが、群れのリーダーの最初の仕事だよ! まりさも自分の群れの中から、自分に合った側近を探し出してね!」 「ゆっ、そういうことならまぁいいんだぜ」 老ドスまりさにそう言われ、若ドスまりさは納得した。確かにこれだけのゆっくりがいるのだから選り取り見取りであろう。 「そっちのれいむとまりさのかぞくはどうするんだぜ?」 「れいむたちは、こどもがおおきくなってきたから、あたらしいおうちをさがすたびにでるよ!」 「ごはんとおうちはそのままにしておくから、みんなでなかよくわけてね!」 それぞれの家長である母れいむと母まりさが言う。 「そういうことならしかたなくもないんだぜ! わかったからさっさとみんなでていくんだぜ!」 リボンを得たことで、若ドスまりさは既に万軍、いやさ饅軍の長になったかのようなふてぶてしい態度を隠さなかった。 ここに虐待お兄さんがいればモウガマンデキナくなってその拳を振るうところであろうが、老ドスまりさはなおも温和だった。 「そんなこといわないでね! 私に元リーダーとしての最後の仕事をさせてね! 私の巣に、緊急用の備蓄食糧があるから、それをドスのお祝いに使おうと思うよ!」 「ゆゆっ、それはいいあいでぃあなんだぜ! さっさとその『きんきゅうようのびちくしょくりょう』とやらをもってくるんだぜ!」 「わかったよ! それじゃあ持ってくるから、リーダーはそこでゆっくりしていってね!」 恵比須顔のまま老ドスまりさは自分の巣に跳ねていった。 しばらくして戻ってきた老ドスまりさは、口一杯に含んでいた食糧を吐き出す。 「ゆゆゆう! ごちそうがいっぱいなんだぜ!」 「今日は皆でそれを食べて、新しいリーダーをお祝いしてあげてね! それじゃあまりさ達はもう行くよ! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていくんだぜ!」 老ドスまりさの最後の言葉に振り向きもせず若ドスまりさは答え、目の前の食糧に突進していった。 他のゆっくりも食糧に齧りつき、思い思いに口に収めていく。 「…………」 老ドスまりさはそれを一瞥すると、ぱちゅりー達と一緒に旅立っていった。 明けて朝。 「ゆゆんっ、ちょっときのうはたべすぎちゃったんだぜ!」 老ドスまりさの住処をそのまま我が物とした若ドスまりさ──いや、もう区別する必要もないのでドスまりさと呼ぼう。 ドスまりさは食糧庫を見て溜息をついた。 昨日はちょっと羽目を外しすぎたようだ。食糧庫の中には、昨日食べた量の半分程度しか餌がない。これでは今後が少々不安だ。 「れいむー! れいむ、はやくくるんだぜー!」 ドスまりさは側近のれいむを呼んだ。 「ゆ! どす、なんのよう?」 このれいむ、頭の出来は普通だが中々の美ゆっくりであり、ドスまりさは昨日の歓迎パーティで一目見たときから気に入っていた。 そのため即日自分の側近とすることに決め、こうして巣の中で一緒に暮らしていた。 「ごはんのりょうがこころもとないから、ちょうたつにいこうとおもうんだぜ。 このあたりでたくさんごはんがありそうなところをしっていたら、おしえてほしいんだぜ」 「ゆゆ! それならひがしにゆうかのはたけがあるよ! あのゆうかったら、きれいなおはなやおいしいくだものをひとりじめして、れいむたちにはわけてくれないんだよ!」 れいむはぷんぷん怒りながら言う。 「それならさっさとうばっちゃえばよかったんだぜ! なんでそうしなかったんだぜ!」 「だって、ゆうかをいじめるとまえのどすがうるさかったんだよ! れいむたちがいじめると、いっつもゆうかにあやまってたよ!」 「なんておくびょうなどすなんだぜ! あんなやつこのむれからおいだしてせいかいだったんだぜ!」 どうやらドスまりさの中では、『前の臆病で弱いドスまりさを自分の力で追い出した』ということになっているらしい。 「でもまりささまはそんなよわいどすとはちがうんだぜ! れいむ! みんなをあつめてくるんだぜ! ゆうかりんのはたけを、まるごとまりささまたちのものにしちゃうんだぜ!」 「ゆーん! かっこいいよ、どす! さっそくみんなをよんでくるよ!」 ドスまりさの呼びかけに応じ、群れのゆっくりの大半が集まった。 「それじゃあさっそくえんせいにいくんだぜ」 「「「「「「「ゆーーーー!!!!!」」」」」」」 気勢を上げるゆっくり達の軍勢は、森を抜け、程なく開けた場所についた。ゆうかの花畑である。 視界一杯に花々が咲き乱れ、とてもゆっくりできそうな場所だったが、しかし今、そこに主の姿はない。 「ゆゆっ? ゆうかがいないよ?」 「つごうがいいんだぜ! いまのうちにみんなでぜんぶいただいてしまうんだぜ!」 「「「「「「「ゆっくりいただいていくよ!!!!!」」」」」」」 ゆっくり達は、それぞれが思い思いに花畑の中でゆっくりし始める。 むーしゃむーしゃするもの、ごろごろと転がるもの、家に持ち帰ろうと集めるもの。 ドスまりさは花を食べたり集めたりしながら、ときどき周囲の森に横目を向けた。 どこからかゆうかが見ていたら、それに喧嘩を売ろうという魂胆である。 怒りに駆られでてきたゆうかを皆の前で叩き潰せば、皆の尊敬の眼差しはより強いものになるだろう。 しかし結局、ドスまりさが食事を終えてもゆうかは出てこなかった。 「ちっ、つまんないんだぜ! せっかくゆうかをいじめられるとおもったのに!」 「ゆー、しかたないよ、どす! きっとどすのつよさにおそれをなしてにげちゃったんだよ!」 「おくびょうなやつなんだぜ! ゆぇーっへっへっへっへ!!!」 「「「「「「「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!!!」」」」」」」 ゆっくり達は大笑いすると、既にぼろぼろになった花畑を自分達の縄張りにすることを決め、群れに戻っていった。 午後からは、西にいるというめーりん一家のところに行ってみることにした。 「ゆゆっ! くずめーりんがいないよ!」 「おいっ、くずめーりん! さっさとでてくるんだぜ! またいじめてやるんだぜ!」 ゆっくり達は口々に、めーりん一家の住処である古木のうろに向かって叫び続けるが、出てくる気配はない。 ドスからめーりんを虐めることを厳禁されていたこともあって、ゆっくり達のめーりん一家への憎悪は並々ならぬものがあった。 「ゆっゆっゆ、まぁまぁみんな、そんなにあせることはないんだぜ」 いかにも大物らしく身体をゆすり、ドスまりさは笑う。 「どうせめーりんも、このまりささまのきょうだいさにおそれをなし、すがたをかくしているにちがいないんだぜ。 だからいまはみのがしておいてやるんだぜ。そのかわりいつかみつけだして、そのときはじっくりいたぶってやるんだぜ。 せいぜいのこりみじかいじんせいをたのしむがいいんだぜ」 「むきゅん! さすがどすらしい、かんだいなおこころだわ!」 「めーりんもいのちびろいできて、どすにかんしゃしてるはずなんだぜ!」 「ゆぇっへっへっへ!!! そうだぜ、まりささまはやさしいんだぜ!!!」 笑いながら、ゆっくり達は元来た道を戻っていった。 さて。 戻ってきたはいいが、結局あまり食糧は集まらなかった。 朝に比べればそこそこの量にはなったが、しかしこれではすぐになくなってしまうという予感がドスまりさにはあった。 昨日食べたほどの量をなんとか恒常的に確保したい、というのがドスの願いである。 一度贅沢を覚えてしまうと、多少のものでは満足できなくなってしまうものだ。 「しかたないよどす! きょうのところはがまんして、あしたまたたくさんあつめようね!」 にこにこ顔で側近れいむが言う。その美しい笑顔に思わず見とれてしまうが、しかしやはり食糧は欲しかった。 何か名案はないものか、とドスまりさは考え、そしてぴんと思いついた。 「そうだぜ! にんげんのたべものをうばってしまえばいいんだぜ!」 「ゆゆゆ!」 側近れいむが色を喪う。 「にんげんはだめだよ! ゆっくりできなくなっちゃうよ! むれのなかまも、なんにんもにんげんのところにいってもどってきてないんだよ! まえのどすも、にんげんにだけはちかづいちゃいけないっていってたよ!」 だがドスまりさは気にした風もなく、力強く言った。 「だいじょうぶなんだぜ! まりささまはまえのよわっちいどすとはちがうんだぜ! にんげんなんてちょちょいのちょいなんだぜ! しんじるんだぜ!」 バチン、とれいむに向けて含みを持たせたウインクをする。キモイ。 「ゆゆん……! かっこいいよぉ、どすぅ……!」 その勇ましい顔に、れいむは瞳を潤ませる。キモイ。 「それじゃあ、まりささまはこれからにんげんのところにいってくるんだぜ! れいむたちはみんなといっしょにまりささまのかえりをまってるんだぜ!」 「ゆっくりまってるよ!」 れいむの見送りを受け、ドスまりさは森の中を跳ねていった。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 そうしながら、ドスまりさは思考する。 さっきはついあんなことを言ってしまったが、ドスまりさとてそう簡単に人間から食糧を得られるとは思っていなかった。 しかし、それほど難しいとも思っていなかった。 何しろ人間の里の近くで、あれだけの群れが維持されてきたのだ。恐らく、老ドスまりさと人間達の関係は良好であったに違いない。 なら自分が新しいドスを襲名したと言えば、昨日の老ドスまりさのように、お祝いとしてある程度の食糧は用意してくれるだろう。 いや、そうでなければならない。このつよいまりささまに、にんげんはしたがうべきなのだ。 従わなくても、こちらにはドスパークがある。その威力は実証済みだ。 人間を見たことはなかったが、話に聞いた限りでは、それほど強いものだとも思えなかった。 「ゆっへっへ、このよのすべてはまりささまのものなんだぜ……!」 そう意気込みながら、ドスまりさは森を下っていった。 そして開けた場所に出る。地面には規則正しく野菜が並び、その真ん中で直立した細長い生き物がどすまりさを見ていた。 あれが多分人間なのだろう、とドスまりさは思った。思っていたよりもずっと弱そうである。これなら労せずして食糧を得られるに違いない。 とりあえず、ドスまりさはゆっくりのリーダーとして挨拶をすることにした。 「ゆっ、おじさん、まりささまは「ドスまりさが来たぞーーーーーーーーーーーーー!!!!!」ゆゆゆっ??」 ドスまりさの言葉を最後まで聞かず、人間は後ろを振り返って大きな声で叫んだ。 何事かとドスまりさが思っていると、遠くから両手を上に上げた人間達が、大きな声を上げながらこっちに走ってくる。 (ゆゆっ、みんなでまりささまのりーだーしゅうめいをおいわいしてくれてるんだぜ!) そう思ったまりさは、まず人間達を落ち着かせようと声を発した。 「あわてなくていいんだぜ! まずひとりずつならんで、それからまりささまにごはんを「死ねこの化け饅頭が!!!」ゆびゃえっ!!??」 人間の一人が振り下ろした大木槌が、ドスまりさの額にめり込んだ。 「とうとう来やがったな、クソ饅頭ッ!!」 「オラァッ、潰れろッ!!」 「やっぱり餡子脳じゃ『協定』のことは忘れちまったようだなぁ!!!」 何も言わないうちに、ドスまりさは複数の屈強な男達からタコ殴りにされた。 「ゆびぇっ、ゆげべっ、べぇえええ!! やべでえええええ!!」 ドスまりさは突然の事態についていけなかった。 身体が大きく、ドスパークを使えようとも、このドスまりさには経験が足りなかった。 しかも痛みらしい痛みも知らずに育ったため、最初の一撃ですっかり闘志を折られてしまっていたのである。 「うるせぇっ! 約束も守らねぇゆっくりにかける情けなんかねぇんだよっ!!!」 「折角、最後の頼みだって言うから聞いてやったってのに! 甘さを見せた結果がこれだよ!!!」 「じらないぃぃぃ!!! やぐぞぐなんでじらないんだぜえええ!!!」 「しらばっくれるんじゃねぇ!!!」 「げびっ!!!」 ドスまりさの口から、大量の餡子が吐き出された。 ……実は、前リーダーである老ドスまりさは、人間達と『絶対不可侵協定』なるものを結んでいた。 その内容とは、ゆっくりが人間の里に一歩でも入った場合、その後の進退にドスまりさは関与しないというものであった。 ドスまりさの威光を笠に着たゆっくり達の度重なる襲撃に業を煮やした人間達が、老ドスまりさに突きつけた最後通牒であった。 もしドスまりさが罪を犯したゆっくりを庇い立てするなら、いかなる犠牲を払おうとドスまりさを討伐するとまで宣言して、である。 老ドスまりさは、すんなりとこれを呑んだ。 老ドスまりさとしても、正直なところ人間に迷惑をかけるゆっくりの扱いには頭を痛めていたのだ。 注意しておいたのに、それに従わないゆっくりにかける情けはない、と老ドスまりさも決断したのである。 しかし今のドスまりさ──若ドスまりさはそれを知らなかった。 当然だ。老ドスまりさがそれを教えなかったのだから。 いや、教えずとも、れいむを通して注意は喚起されていた。だがドスまりさは、それを無視した。 リーダーが変わろうと協定はいまだ有効であり──その範囲には、当然ドスまりさも含まれていた。 「ぢがうぅぅぅう!! まりざざまはどずなんがじゃないんだぜええええ!!」 ようやく殴られる理由を理解したドスまりさは、必死に主張した。 ドスまりさからしてみれば、自分の知らないところで交わされた約束で撲殺されようとしているのだからたまったものではない。 「嘘つくんじゃねぇ! そんなに髪にビラビラとリボンつけたゆっくりが、他にどこにいるってんだよ!!!」 「今更言い逃れしようなんざふてぇ野郎だ!!!」 だが人間達にとっては、その言葉は通用しなかった。 当然である。普通の人間に、ゆっくりの顔の区別はつかない。ましてや、ほとんど姿を見せないドスまりさである。 人間達にとって、『人間より大きく髪の毛にたくさんリボンをつけているゆっくり』が、即ちドスまりさなのだ。 「オラァ! さっさと逝けやデカブツがぁあ!」 「ゆがばぁあああああ!!!」 人間達が、木槌で、木刀で、もしくは石で、ドスまりさを滅多打ちにしていく。その度に、ドスまりさは口から餡子を吐き出していった。 そんな折、ドスまりさの帽子からぽろりと大きなキノコが落ちてきた。 (ゆ……!) そこに、ドスまりさは希望を見出した。落ちてきたのは、ドスパーク用の魔法のキノコであったからだ。 必殺のドスパークを使えば、こんな人間達など一発で消し飛ばせる。そう思い必死に舌を伸ばして、 「させねぇよ馬鹿!」 「ゆんびぇっ!!!???」 キノコを蹴り飛ばされた挙句、伸ばした舌を踏みつけられた。最後の希望を絶たれたドスまりさは、両目から目幅大の涙を流した。 もっともチャージタイムのかかるドスパークでは、撃つ前に阻止されていただろうが、ドスまりさはそんなことにも気づかなかった。 舌を踏みつけた男が、チッ、と忌々しげに舌打ちをする。 「こうなった以上、群れも放置しておくわけにゃいかねぇな。おい又八、他の男衆連れて森のゆっくり片付けろや。加工所にも応援呼んどけ」 「おうよ」 「どっ……どぉじでええええええ!!!??? まりざのむれになにずるのぉおおおおおおお!!!???」 男の一人が唾を吐き捨てた。 「ほれ見ろ。やっぱこいつ覚えちゃいねぇ。自分から言い出しやがったくせに」 「ドスっていうくらいだからちったぁマシな気もしたが、そんなことはなかったぜ!」 かつて老ドスまりさが人間と結んだ協定には、もう一つの要素があった。 もしドスまりさ自ら人間の里に侵入した場合は、群れ全体を殲滅して良いという内容だった。 これは老ドスまりさが人間への誠意の証として自ら提案したものであり、それを受け、人間も人里に入ったゆっくり以外には手を出さないと決めたのだ。 勿論、このドスまりさはそんなことは知らない。 「じらないいいいいい!!! まりざはぞんなやぐぞぐじでないいいいいいい!!!」 「ああうっせぇ。おい、さっさと黙らせようや」 「おうよ」 それからドスまりさは男達からしこたま殴られ、餡子をきっかり半分吐き出させられると、リヤカーに乗せられ、縄で縛り付けられた。 「ゆ……が……が……」 息も絶え絶えなドスまりさは、男達の手によって、森の奥まで運ばれていく。 そしてある地点に辿り着くと、男はリヤカーを傾け、その光景をドスまりさに見せ付けた。 「……ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 ドスまりさは叫んだ。 あたり一面に広がる餡子の海が、一体なんであるのかを理解した。 生き残っているゆっくり達は、その全てが人間の持つ網の中に詰め込まれていた。 「むれがあああああああ、まりざのむれがあああああああああああ!!!」 「うるせぇ!」 「ぐぎぇっ!」 男の拳が、傷だらけになった顔面を殴りつける。 「うわああああああん!」 「ゆっくりできないよぉおぉぉぉぉ!」 「どすぅぅぅぅ! たすけてぇえええええ!!!」 数匹のゆっくりが、人間の手を逃れてドスまりさのほうへ向かってくる。 「まーだいやがったか」 近くにいた人間が、それを足で一匹ずつ踏み潰していく。 「ゆぎぇっ!」 「おねーじゃああああわびゅっ!」 「どうじでええええ! なんでだずげでぐれないのどずううううう!!!」 「ああ、ああああ……」 ゆっくり達は、ドスまりさに助けを求めながら、ドスまりさの前で朽ち果てていった。 その中には、あのれいむもいた。 「れいぶぅぅぅぅぅぅ!!!」 れいむは後ろ半分を踏み潰されていたが、まだ息はあった。美しい髪も半分以上が喪われ、見る影もない。 「じっがりずるんだぜっ! れいぶ、じんじゃだめなんだぜええええええ!!!」 どう見ても助からない傷だったが、ドスまりさは叫んだ。叫ばずにはいられなかった。 尋常ならざるドスまりさの様子に、男達はれいむにトドメを刺すのを待ってやった。 れいむは、自分に赦された最後の力を振り絞って、ドスまりさへの別れの言葉を呟いた。 「……どずの、ぜいだ……」 「ゆゆっ!?」 「どずが……にんげんだぢに……でをだじだりなんがずるがらだ……」 「どぉしてぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉ!!??」 「うるざいッ!!!」 死に体だとは思えぬ大喝に、ドスまりさは竦んだ。 「うぞづぎっ、うぞづぎっ、にんげんなんがに、がでるなんで、どうじでぞんなうぞづいだのぉぉ……。 おまえみだいなぐぞまりざ、どずでもなんでもないよ……!」 「ぢがっ、ぢがうううう!!! まりざざまはほんどにづよいんだぜぇええええ!!! ほんどなんだぜえええ!!!」 だがれいむには、もう答える気力も残されていなかった。 話が終わったと見て、男はれいむを踏み潰すために足を振り上げた。 「ゆっくり……しね……」 それを最期の言葉として、れいむは飛び散った。 ドスまりさは、自分の群れの崩壊を最後まで見せ付けられた。 そしてそのまま、森の中に放置された。 続く このSSに感想を付ける