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転勤の挨拶状が届いた。 そのハガキには、雛形どおりの挨拶文が印刷されているだけ。 一行の添書きもなかった。 「先日は楽しい思いをさせていただいた上、結構な贈り物までいただき、本当にありがとうございました。 先生もどうぞお元気で」 下手な日本人より日本語が堪能な女史である。 せめてこれくらいの添書きが書けないものかと首をひねった。 ふだんつきあっていた彼女は、非常に頭の回転が速く機転がきいた。 礼儀正しかった。 それだけにこの挨拶状には失望させられた。 そうか、彼女にとって私という存在はその程度のものだったのかと、正直、非常にさびしく感じたものだ。 好意的に解釈すれば、このハガキは彼女が誰かにリストをわたして宛名書きをさせたものかもしれない。 しかし、そうであったにしろ、特に自分がお世話になった人には、自筆でひと言添える心づかいがあってしかるべきである。 もし、日本で一緒に仕事をしたすべての人に同じことをしたのだとすれば、彼女は、せっかくの日本でのキャリアを捨ててしまったことになる。 彼女は日本で仕事をする場合、また一からはじめなければならないことになるからだ。 仮に彼女が再び日本に来て、仕事をする機会があっても、私は喜んで協力する気にはなれないだろう。 "たかが一筆"がなかったことが、私と彼女の距離を隔てたのだ。 人材育成コンサルタント・前野岳洋
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662 名前:彼女≠私 01 ◆RgBbrFMc2c [sage] 投稿日:2010/09/07(火) 17 10 42 ID O+S73750 [2/8] 椚田ミオリ。 彼女はおかしなことをごくごく当たり前のようにやりのけてしまう一風変わったクラスメイトである。 こう言ってしまうとまるで彼女が絵にかいたような暴走型少女であるように思われてしまいそうなのでひとつ断っておくと、 椚田はそういうタイプの人間ではない。 彼女は始終冷静で暴走しているところなど見たことがないし、何より他人に迷惑をかけない。 かく言う僕も頼みごとひとつされたことがない程だ。 それが己の信用感のなさによって招かれているものだとしたらさすがに認識を改めなければいけないが、それはないものとして話を進めよう。 しかしまあ、おかしなことと言っても例をあげなければ伝わるものも伝わるまい。 よってこの先は少しばかり彼女の代表的な珍行動を紹介したいと思う。 僕としては珍というよりも謎というか秘密にまみれた黒いものを感じるのだけれど、その話はまた後ほど。 まずは定期テストでどの教科でも平均点ピッタリ賞をとるというところである。 当たり前だが、実際うちの学校にそんな賞はない。 しかし、その点数が小数点第一位まで合っているともなれば、これはもう感心するしかないだろう。 ピッタリ賞を作るべきだとすら思わされる。 ちなみにそれを故意でやっているのか、本当に偶然偶々すべては運命の悪戯としてなされているのかは定かでない。 まあ、故意でやっているとしか思えないけど。 テストの点数見るたび「やったッ」とガッツポーズを決めているぐらいだから、そうなんだと思う。 以前そんな点数を取るそして、平均点を予測するコツを聞いてみたところ、 「そうだなあ、ぴーんときてががーと書いたら当たるよ」 と言われた。危ない電波をキャッチしていそうだ。 他には何度席替えをしても僕の前に席を落ち着けていたり、 クラスの皆にテストの山を予言したり(全部記号問題の記号だけを予言する。しかも外れがない)、 僕の弁当と全く同じおかずを自分の弁当に入れてきたり、 校内の窓ガラスのたたき割りならぬ雑巾がけをしたり、 うっかり僕が忘れ物をしてしまったときに忘れ物そのものを持ってきてくれたり (僕の母親に頼まれるのだそうだ。ちなみに椚田の家は学校を挟んで真反対の方角にある)。 ほら、おかしなことばかりだけど誰にも迷惑はかけてない。 ひょっとするとテストを作った教師の意には反しているかもしれないが、椚田の予言はせいぜい3問程度なので出る点数のぶれは毎回10点弱である。 教師本人も予想点数との差は誤差の範囲内だと思っているだろうし、問題はないだろう。 そして僕自身に関することについては、どれだけ椚田が前に居座り続けようと僕は彼女のことが好きなのでむしろ歓迎している。 おかずが同じだからと言って何か僕に不利益があるわけでもないし、忘れものに至ってはただただありがたい。 よって僕も彼女を迷惑だなどと思ったことはない。 つまり、椚田ミオリは確かにおかしな奴ではあるが、基本的には良い奴なのだ。 だから僕も他のクラスメイトたちも、一クラスメイトとして彼女に接し、学校生活を共にしている。 663 名前:彼女≠私 01 ◆RgBbrFMc2c [sage] 投稿日:2010/09/07(火) 17 11 20 ID O+S73750 [3/8] 「……いや、絶対おかしいって」 「だから、おかしいことはおかしいって言ってるだろ」 「そうじゃない! そのくすきだ、さんだっけ? その人も十分おかしいけどお前もお前のクラスもおかしいんだよ!」 バンと机を叩いて、特徴は眼鏡、あだ名はめがね、ハンドルネームはメガネな友人が叫んだ。 「くすきだじゃない、くぬぎだ」 「ああそうだったな……悪い。って違う! だから、そんな化け物許容すんなよっていうか普通にストーカーだろお前の!」 「うんまあそうだろうな」 ところでめがね、改め雲井。 ここは昼休みの教室などではなく普通のファミレスなのだから、あまり叫ぶとご退場を願われてしまう。 「落ち着けよ、椚田は過程はどうあれ結果的には良いことをしてるんだ」 「その過程を重要視しよう、それ絶対危ない橋渡ってるだろ。職員室のテスト保管してる棚とか漁ってるだろ」 「疑わしきは罰せず精神でいこう」 「残念だけど明らかな黒には適合しないんだ、ちなみにこれ常識な」 「全校の窓を雑巾がけなんて健気過ぎて涙出てくるだろ」 「俺はいっそ割ってくれと言いたい……何なんだよ雑巾がけって」 ため息をつきながらちらちらと周りの様子を気にした後、雲井は頭を抱え込んでしまった。 こいつとこんな話をするのは一体何度目だろうか。高校へ入学し、雲井とクラスが離れてからはずっとこんな雰囲気だ。 ちなみに椚田と出会ったのは小学生の頃で、雲井とは市立の中学校で友人関係になった。 その中学校生活の中で椚田はどうしていたのかというと、私立中学校を受験し見事合格してしまったので全く知らない。 とりあえず、この春に高校でばったり再会してから現在までの7ヶ月間でまたかなり親しくなった。今では毎日昼食を一緒にとる間柄である。 なにやら突き刺さるような周囲客と店員の視線は気にしないことにし、 氷でかなりかさ増しされているであろうアイスコーヒーに口をつけていると雲井がハッとしたように顔を上げた。 664 名前:彼女≠私 01 ◆RgBbrFMc2c [sage] 投稿日:2010/09/07(火) 17 11 56 ID O+S73750 [4/8] 「おい、さっきこれ以上にない自然な流れでその、椚田さんのことが、好きとか言わなかったか?」 「言ったな」 「友達として?」 「いや、異性として」 「…………お前、本当におかしいぞ」 そんなストーカー女、好きになる奴いないだろ……。 そう呟いた雲井は僕の顔色を窺うように目をいぶかしめ、苦い表情を作っていた。 「何でそんなに椚田を持ち出すんだよ」 ただの興味本位でそう聞いてみると、雲井は口ごもるように黙った。 雲井との間で椚田の話題が出始めたのは9月末に行われた体育祭の後だったと思う。 彼女と屋上で昼食をとっていた現場を目撃されたのだ。 最初のうちこそそれをネタにいじられているだけだったのだが、いつからか急に椚田に対して否定的な意見ばかりを言うようになっていた。 あんな良い奴でも、嫌われたりするのか。世渡りというのはやはり難しいものらしい。 「あいつがお前に何かしたのか、変な噂でも飛び交ってるのか、訳が知りたいんだ」 「……別に何もされてないし噂もないけど、それがむしろ変で不気味なんだよ」 妙に真剣な顔でそう言った雲井は、眼鏡をかけ直して何故か周囲を見渡し、こう言った。 「お前の話を聞く限り、その椚田さんっていうのはかなり凄い人なんだよな……それで噂にならないっていうのが、まずおかしいだろ」 なあ、そう思わないか? 悠一。 665 名前:彼女≠私 01 ◆RgBbrFMc2c [sage] 投稿日:2010/09/07(火) 17 12 33 ID O+S73750 [5/8] *** 俺の友達である遠野悠一は、物静かで何事も達観しているような男である。 別に嫌味というわけではなく、本当にそうとしか言い表せないのだ。自分の感情をあまり交えずに言葉を発し、行動し、表情を作る。 だから、中学からの付き合いがあるとはいえ、俺もたまに悠一の言っているこれは本心ではないんじゃないかと疑ってしまうことがあった。 そこが妙に頼もしく見えてしまったりするせいで、現在進行形あの男は女子からそこそこ人気を得ているというのがたまに苦々しい。 加えて顔もいいからな、むしろこっちが重点かもしれないけどな。 所詮世の中顔なのかと認識させられたのも悠一所為だった。 とは言ったものの、実際話してみればなかなか面白い奴だと分かるし、 向こうもとりあえずは友達認識をしてくれていそうなので、仲がこじれたということはない。 ただ、最近は少し状況が違っていた。いや、本当は高校に入学した4月のあの日から違っていたのかもしれない。 何の違和感も感じさせず、それは侵食していたのだ。悠一を、そして悠一のクラスメイトを、そして、実は、俺たちの学校にいる人間全てを。 どれだけ危険なことをしようが笑顔で済ませられる日常を作り出し、どれだけ不可思議なことをしても問いただされず、 どれだけ不気味なことをしても許容されて、またそれを平凡な日々だと認識させる、おかしな空気が俺達の学校には流れていた。 その原因は何か、俺と悠一のやりとりを見ていたのならそれは誰もが答えられる、非常に簡単な問題だ。 椚田ミオリ。 おかしなことをおかしいと感じさせない。 違和感を麻痺させる女、椚田ミオリこそがその原因である。 「あの子はそういう体質なんだよ」 俺が椚田ミオリの存在に気付き、その異常性、むしろ悠一を含む周囲の反応が異常だと クラスメイトや部活の部員、教師たちに話しまわっていたときにそう言ったのは養護教諭の山名先生だった。 誰へ話しかけても、 「それのどこがおかしいんだ」「まあ、椚田さんだしね」「つまり、君は何を言いたいんだい?」そんな答えしか返って来ず、 全く俺の意は伝わっていないと、むしろ俺がおかしくなってしまったんじゃないかとすら思い始めていた。 テストを作っている教師までそんなことを言うなんて、思ってもいなかったのだ。 そんなことを続けているうちに担任は俺がどうにかなっていると思ったらしく、カウンセリングをかねている山名先生のところへ行かされた。 どうせこの人も真に受けてくれないんだろうと思ってはいたが、どうしても望みが捨てられず考えていることをその先生に全て話した。 そして返ってきた言葉が、 「あの子はそういう体質なんだよ」 この言葉だったのだ。 666 名前:彼女≠私 01 ◆RgBbrFMc2c [sage] 投稿日:2010/09/07(火) 17 13 11 ID O+S73750 [6/8] 「私はミオリさんがその体質を利用して、テスト問題の答えを数問公言するなんて可愛らしいこと以上の悪事を働かないかどうか、監視しているんだ」 どこかの非日常系学園小説に出てきそうな位置づけだろう? 向かい側に座っている山名先生はそう言ってにっこり微笑んだ。が、そんなことをいきなり言われても俺には全く理解できなかった。 「君はあの子の体質に対する抗体をもっているから、現状が異常であることに気づけたんだ。 ちなみに、抗体っていうのは生まれつきだから、あまり深く考えないでいいよ」 そうきりだして、山名先生は椚田の体質についておおまかなことを教えてくれた。 それはどれだけおかしなことをしたとしても、それをおかしいと認識されない体質で、 効力は椚田ミオリ自身が操っているため正確には分からないが、少なくともこの校内には確実に広まっているということ。 現在の目的は遠野悠一と平和に学校生活を送ることなので、あまり危険性はない、そう聞いた。 「あの子が本当にテストの答案をくすねているのか、何を思って全校の窓を掃除したのか……。 そんなことは私の思考範囲外だからなんとも言えないけれどね」 そう言って山名先生は苦笑した。 「君が遠野悠一の友人で、ミオリさんの過剰な愛情から離れさせたいなら私は君を止めはしない。 しかし、おすすめもしない。だって、あの子は無害だろう?」 「無害でも、友達がこのままずるずる変な方向へ行ってしまうのは見てられません。下手すれば一生あのままなんですよね……あいつといる限り」 「まあ、そういうことになるかな。……変な方向ねえ、ふうん。君は随分友達想いだね」 「そいつのやり方が、嫌なんですよ」 相手の感覚狂わせてまで、自分を受け入れてほしい。そんなのはただのエゴだ。 結局その女は自分のことしか考えていない、おまけにストーカー行為を働くような奴はどうしたってろくでもない奴だ。 「ま、せいぜい頑張りなよ。話ぐらいならいつでも聞いてあげるから。ところで、今までの話しに質問はあるかい?」 目を細めて和やかに笑った山名先生の言葉に、少し考えてから、 「……あの、山名先生って本職は先生じゃないんですか?」 実はかなり気になっていたことを聞いてみると、ああ、というような顔をされた。 「免許は持っているけど、本職ではない。今の監視だって、ミオリさんの両親に頼まれてやっていることだしね」 ではその本職がなんなのかというと、というところまでは教えてもらえなかった。 少し残念だと思いながらも、その日から悠一と話すたびになんとか椚田ミオリの異常性を訴えようとしたのだが、やっぱり効果はなかった。 やり方を変える必要があるな……。 ファミレスから帰って自室のベッドに寝転がりながらそう考え、次の策を練っている間に、俺は眠ってしまった。 667 名前:彼女≠私 01 ◆RgBbrFMc2c [sage] 投稿日:2010/09/07(火) 17 13 52 ID O+S73750 [7/8] *** 椚田ミオリが憎い。 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い。 あの女がいなければ私は彼の傍にいられるのにあいつさえいなければ、あの女さえいなければ、私は彼に近づけるのにッ。 早く消えて今すぐにでもこの世からいなくなってしまえ、 そして彼の前に現れるな彼を騙しているだけの女に彼を渡してたまるか絶対に、絶対に絶対にッ。 でも、あいつがいなくなればきっと彼はもう私のことなど見てくれない。 ああああああどうしてこうなってしまったのだろうどうして私は、私はただ、悠一君が好きなだけだったのに。 好きになって欲しかっただけなのに――――。
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彼・彼女の顔が思い浮かんだ ◆Bn4ZklkrUA 「ところで健太郎さん。さっきから何をしてるんですか?」 「おかしいなぁ。いつもなら怪しい場所をどんどん触っていけば隠し扉の一つや二つ、すぐに見つかるものなのにー」 「さすがにそんなに簡単に見つかるようなら誰も苦労しないと思いますけど…」 「それでもこんなに探して、何も出ないのは最初から何も無かったと思うんだけどね」 「それは……」 改めてこの慰霊碑を一通り探索していた二人だが所詮は探索に素人。 しかも片方は闇雲になんでも弄って、罠が発動しようがどうなろうがお構い無しな行動が探索することだと 本気で思ってる自称ベテランだ。 最初から探索には不向きなコンビだったのだ。 何かがあったとしても見つけられるかどうか最初から疑わしいが…。 「それもそうですね……いつまでもここにいるより早く他の人達と合流した方がいいかもしれませんね」 「それもそうかもしれないけど、今から探すとなると大変じゃないかな?」 健太郎は別に殺し合いをしたいわけではないが、接極的に他人を助けたい理由もない。 いい手段があるのなら手伝ってもかまわないかなぐらいの動機はあったが。 「それについて私にいい考えがあるんです。実は私に支給されたアイテムが……じゃん、コレなんです」 余程自分のアイデアに自信があるのだろう。自慢げにバッグからそれを取りだす。 「え~と、それは?」 「なんでも遠くにも声を届ける事ができる機械なんですけど。つまり……」 ◇ ◇ ◇ 「え~と……つまり、それで人を集めるつもりなんですよね? でも、それを使用すれば人を呼ぶのは簡単だけど……危ないんじゃないかな?」 「はい、本当はコレを使うのに躊躇してたんです」 躊躇するのも当たり前だ。仮に拡声器を使った場合、殺し合いに乗った参加者も引き寄せる可能性がある。 「でも……こうしてる間にもこの島の何処かで誰かが誰かを殺してるのかもしれない。 誰かが誰かに殺されてるかもしれない……だから、だから私はそれを止めたいんです!! お願いです、健太郎さん。私に協力してください!」 そう言い切るとさくらは勢いよく健太郎に対して頭を下げる。 「えっ、ちょっと、急にそんなこと言われても……」 突然の急展開にさすがの健太郎も慌てる。 「でも、さっきの無敵結界なら誰にも負けないと思うんです。私だけではどうにもならないけど健太郎と一緒ならっ! お願いです! 協力してください!!」 再度、健太郎に対して頭を下げる。その真剣さにさすがに戸惑う。 空気の読めない彼でもここで『僕は別に他の人なんて…』と馬鹿正直に言えない。 それにこの島からは出たいが彼自身にはこれといった代案もない。 ならば……と思ったが、ふと、頭に思い浮かんだのはランスの傍若無人の姿である。 確かにこれが上手くいけばランスとも合流できるかもしれない。彼なら女性の声……さくらさんの声に反応するだろう。 まあ、合流したら合流したで自分は邪険に扱われそうだがその辺はなんとか言い包める自信は無くも無い。 だがその時、近くの男剣士が来たら……おそらく乱闘になるだろう。あの人は男はどうでもいいって性格だし。 そうなったらもう自分に止められるかどうか…まずい、それは凄くまずい。大乱闘だ。 その時の情景を想像して青くなる。 「え~と、さくらちゃんがどうしてもと言うなら協力するのはやぶさかでもないけどもう少し慎重に…」 「それは駄目です! こうしてる間にも殺し合いがどんどん進んでします! 例え危険でもそれを止める手段があるのなら 命を賭けるに値します!」 さくらは正義感が強く、とても頑固な性格だ。この時もこの殺し合いを打開できそうな手段に執着した。 「いや、でも、ほら、僕ら以外の参加者で物凄く危険な人だっているじゃないか。例えば超が付くほどの自己中心的性格で女性とみれば見境が無くて犯して、 その反面、男には無茶苦茶厳しい鬼畜で、そういう性格な上に無茶苦茶強いから手に負えない外道剣士がいるかもしれないじゃないですか」 「……そこまで酷い人がいるんですか? 嬉々として殺し合いに乗る人はいると思いますが……」 「え~と、それもそうですね。あ、あはははは」 健太郎の言葉にジト目で返すさくら。冷や汗を掻きつつ笑って誤魔化す健太郎。 確かにさくらも帝国華撃団の一員としてさまざまな悪人、怪人と対決したことはあるが健太郎の言い分はまるで子供の想像に出てくる 『ぼくが考えたさいきょうのわるもの』を聞いてるみたいで現実感が無いように思えた。 まあ、幾らなんでもあんなエロゲーにしか存在しないような、超自己中な鬼畜剣士が現実に存在するなんてどんなに説明されても 普通は誰も信じないだろう。 それにそれを納得させようにも説明する健太郎も弁が立つ方でもない。 大体、言葉を重ねて相手を納得させたとしても『どうしてそんな外道剣士の事に詳しいんですか?』と尋ねられたら誤魔化すか、 『僕の知り合いですから』と言わざる負えない。 さすがに下手に誤魔化そうとしたり、馬鹿正直にそんな外道が知り合いですと言おうものなら相手の不信感を買うだろうぐらいは彼も判ってる。 言いよどむ健太郎を余所にさくらの決意は変わらなかった。 「自分でも馬鹿な方法だと判っています。でも、私にはこの首輪を外す知識も技能もありません。 でも自分にしかできない事でこの殺し合いに抗いたいんです。 お願いです、健太郎さん。いざという時、必ずあなたを守り切れるとは言えませんが力を貸して……」 「その言葉、偽りでないのなら私も手を貸しましょう」 突然、自分達以外の声が聞こえ……反射的にそちらに剣を向け、身構えるさくら。健太郎もそちらに注意を向ける。 いつからそこに居たのだろうか。近くの森の傍に長身の少女が佇んでいた。 会話に夢中になっていて大声を出していたから聞こえてしまったのろうか。 自分のうっかりさを呪うさくら。 もっとも、健太郎はびっくりしたがそれだけだ。余裕があるのか鈍いのか。 おそらくその両方だろう。 だが少女はそんな二人の動揺を表面上は気にせずに言葉を畳みかける。 「先程の会話からあなた達もこの殺し合いに抵抗しようとしてるとしているみたいですね。なら私達は共闘できるのではないでしょうか?」 「えっ? それって……あなたも殺し合いに乗ってないんですね!」 最初は警戒していたさくらだったが相手も自分と同じこの殺し合いに抗う同士だと知って破顔する。 普通なら初対面の相手の言い分をここまで簡単に信じるものだろうかとも思えるがよくも悪くもさくらは純朴だった。 「はい、最初は人の声が聞こえて合流を考えたのですがあなた達が乗ってないかどうか判らなかった。 まずはあなた達の会話から判断しようとして気配を消して近づいたのですが……疑ってしまった事を謝罪します」 「そ、そんな! 気になんかしないでください! え~と……」 「神裂火織と言います」 「神裂火織さん……っていうんですか。私は真宮寺さくらと言います」 「それと僕は小川健太郎っていうんだけど、君も協力してくれるってどういう事なのかな?」 「言葉通りの意味です。あなた達はその拡声器使って人を集めようと考えているのですよね? それも危険を承知の上で。 だが護衛役がいればそういう危険を排除できる。その役を私は引き受けても構わないというのです」 『ま、まずい。まさか女性がもう一人いきなり現れて協力するとか急展開過ぎるよっ!』 さくらちゃんも可愛いけどこの人も別タイプの美人だ。 しかも……さくらちゃんよりおっぱいが大きい。 ランスさん、こんな大きなおっぱいを見たら前後の見境なしに押し倒すだろうなぁ、絶対。 この人もさくらちゃんも真面目そうだから襲われたらまず剣を抜くだろう…… 最悪、貞操を守る為にそのまま戦闘に突入するかもしれない。 ランスさん、相手が死んでも嫌みたいな場合以外は無理やりにでも…する人だし、 傍から見たら……それなんて強姦魔? ああ、どうすれば…… はぁ、やっぱりここは…… 「さくらさんの言いたい事はよく判りました。僕も協力しますよ」 「健太郎さん! ありがとうございます」 「でも、さくらちゃんや神裂ちゃんを危険な目に遭わせたくないよ。だからこれは僕が貰います」 そう言うとさくらから拡声器を奪う。 「きゃ、健太郎さん! 急に何をするんですかっ!」 「どういうつもりですか?」 さくらも神裂も健太郎の行動の意味が判らない。 「見ての通りさ。これで人を集めるのは僕一人でするよ」 「何を言ってるんですか! そんなの危険……」 「さくらさんは僕の力を知っているでしょ。なら僕だけで行動した方が都合がいいよ」 「能力ですか? ですがあなた一人でそれを使うなんて無謀では?」 「うん、そうだね。でも都合だけで言ってる訳じゃないんだ。君達にお願いがあるんだ」 お願い? 二人とも首をかしげる 「お願いですか?」 「そう、僕はあの山の上で人を集めるつもりだ。でもさすがに西の街とかまでは届かない。 だから僕が人を集めている間にそっちは二人に任せたいと思う。その方が効率的だと思うんだ」 「確かに二手に分かれて探索した方が効率的には妥当でしょう。ですがあなたはそれでいいのですか?」 「そうですよ。一人でなんて危険です! やっぱりここは三人で……」 「でも、こうしている間にも殺し合いが進んでいるって言ったのはさくらちゃんだよ。大丈夫、僕は死んだりしないから」 そういうとにっこりと微笑を浮かべる。 「で、でもっ!」 「じゃあ、僕はもう行くよ。人を集めたら西の街に向かうからそこで合流しよう。二人ともお元気で」 尚も喰い下がるさくらを尻目に健太郎は山の方へダッシュした。まるで都合の悪い事から逃げる様に。 「あ、待ってください!」 「いえ、待つのはあなたです。彼の言い分も一理あります。 可能な限り多くの人を救いたいのであるのなら分散して事に当たるべきです」 確かに言われてみれば二人の言い分も正しい。さくらも多くの人を助けたいのは同じだった。 完全に納得できない。だがここは健太郎の無事を信じるしかない。 「……判りました」 「では、まずはお互いの情報を交換しませんか?」 ◇ ◇ ◇ 「ふう、これでランスさんとさくらちゃん達が出会う事は無くなったね。さて、頂上から呼びかければ人は集まるけど…… どうしようかな……まぁ、なんとかなるか」 楽観的に、というかお気楽極楽にあっさりとそう締め括る。 自分の能力を過信してる、こういう性格だか、その両方で彼はこの状況でもある意味ブレていない。 さくらちゃんらに呼び止められない内に強引に拡声器を奪い、一人でこれを使用する為に別れる。 彼女たちに護衛よりも二手に分かれて殺し合いを止めに回った方がいいと言い含め、人を集めてさせて後で合流する。 ランスさんとさくらちゃんらを出会わせない為の苦し紛れから出た計画だが中々悪くないかもね。 あ、でもみんなと合流する時はどうすればいいんだろう…… なんとかなる……よね……うん、それは後で考えよう。なるようになるさ! とりあえず僕だけならこれでランスさん個人へ呼びかけても文句は言われない。 この近くに居るかどうかは分からないけどランスさんを見つける事ができれば僕だけなら言い包められる…… いや、男の顔なんか覚えていないとかでいきなり切りかかられるかもしれないけど。 まぁ、繰り返し説得して、おだてればまだ活路はある。うん、あると思う。多分。 後は他の人と喧嘩になりそうなら上手く割って入れればいいんだけど……。 彼女たちを巻き込みたくない為の苦し紛れの計画。この状況で拡声器を使用するのは危険なのも判っている。 ただ、ランスの事以外は口から出まかせを言ったわけではない。 誰よりも先にランスを確保して自分が他の人の間に立って緩衝材代わりになるつもりはある。 そうする事がこの状況ではベターな手段だと思えたから行動を起こす。 彼はお気楽極楽で空気が読めなくて軽薄な所もあるが完全にどうしようもない訳ではないのだ。 もっとも、後でさくら達と合流する時にランスをどう扱うかまで考えが及んでいなかったが…。 【G-7 西北部 一日目 黎明】 【小川健太郎@ランスシリーズ】 【状態】一ダメージ程の怪我 【装備】支給品の刀@不明、スコップ、拡声器 【道具】支給品一式 ランダムアイテム(一つはスコップ) 【思考】基本:なるようになるさ! 1:美樹ちゃんに怒られない内に帰りたい。 2:さくらちゃんみたいないい人がランスさんに…されるのはできれば避けたい。 3:山の頂上で拡声器を使いランスさんを確保したい。その後は…なるようになるさ! 4:人を集めたら西の街で合流する。 ◇ ◇ ◇ (あそこは話を合わせるしかありませんでしたが……これからどうすればいいのでしょう?) 急激な展開に内心戸惑っていたのは神裂火織も同じだった。 最初に殺そうとした相手、それが自分の想像以上に手練だった上に本気で殺そうとしたのに仕留められなかった。 このゲームで優勝を目指すにはただ殺して回るだけでは駄目だと悟り、 確実に倒せそうな相手、そして確実に仕留められる状況を見極めてから殺害する戦術に切り替えた。 他の参加者を探すべく、地図にある大きな墓標らしきものに足を運ぶ。 森に姿を隠れつつ建物を観察してみれば建物の傍で二人組の男女がなにやらウロチョロしてしていた。 あれで探索してるつもりなのだろうか。傍から見ていても素人なのは判った。 さて、あの二人をどうすべきか思案していると袴の少女の方が珍妙なかっこうの青年になにかを懇願している。 会話の内容に耳を傾ければ、大声を出せるアイテムを使って人を集めるというではないか。 ……正直、他の参加者がどうなろうが知った事ではない。 だが、危険を承知の上で人の善意を信じ、人を救う為に死地に飛びこもうとする勇気ある行為……でも…… 自分は元の世界に帰る為に優勝すると決意したのだ。 あの子の元へ急いで駆け付けると決めたのだ。 それだ。この状況を利用すればいいだけのことだ。彼らに協力する振りをして集団に混ざって気を窺えばいい。 人を集めるというのならその状況を利用して臨機応変に動けばいい。 そうと決まれば彼らに声をかけ、協力を持ちかけた。 彼らの信用を勝ち取る為に協力を約束した。 相手はそれを疑う事もせず拍子抜けするほど簡単で信じてくれた…信じたというより疑っていないと言うべきか。 だが…… 「無敵結界…ですか。それが彼の自身の源なのですね」 「ええ、あれは凄かったんです。傷一つ付いてなかったんですから」 「あなたもいったいどういう状況で彼を攻撃したのですか? 二人とも味方同士の様に思えたのですが…」 まさか、あそこで彼が独断専行するとは思いませんでした。 確かに彼女…さくらの言う事が正しければ私達がいる必要はありません。 さくらから聞いた範囲では一見、無敵に近い様に思えますが……少なくとも事前情報も無しに襲撃していたら苦戦は免れませんでした。 しかし、能力による自信もあるのでしょうが、彼もまたこの殺し合いを止める為に危険な手段を取る事を厭わない人間ですか… 「では情報交換も終わりましたし私達も街に行きましょう」 「そうですね、私達も頑張らないとっ! 行きましょう神裂さんっ!」 「ええ……」 私はこれまでの行動を一部を除いて嘘偽りなくさくらに伝えた。 最初に出会ったのはあなた達だという部分以外は……。 無論、自身がある男を襲撃した事も伏せる。 嘘はいつかばれる。だが、嘘がばれるまで集団の中に紛れて力を温存するのもいいかもしれない。 せめて、もう少し人数が減ってくれれば…そして私はあの子の元へ…。 (なんだろう……まるで火織さんって……昔のマリアさんに似ている様な…) 小川健太郎がランスの為(?)に単独で行動した様に、真宮寺さくらが神裂火織を疑わなかったのにも理由がある。 マリア・タチバナ 帝国華撃団の副隊長であり、同じ帝都を守る仲間。厳しさの内にも優しさがあり、隊長である大神やみんなの信頼も厚い。 でも、今でこそ大神さんやみんなと打ち解け合っているが、昔は他者に対して礼儀正しいが何処か距離を取ってる様な…人との交わり 避ける様なスタンスを取っていた。 火織とはこの島で出会ったのが初めてであり、まだ出会って間もない間柄だ。 それにさくらも人物眼が優れている訳でもないし、火織の容姿がマリアに似ている訳でもない。 ただ……それでも雰囲気が似ている様に思えるのだ。 理性的だけでは割り切れない何か。他人に距離をおき、どこか自分に対して捨て鉢というか… (でも付き合いにくいってだけで、この人も悪い人じゃないみたい) いきなり誘拐同然に呼び出され、見知らぬ者同士、殺し合いを強制させられたが健太郎さんも入れてこれで 殺し合いに抗う人間が三人目。まだ首輪を外す見通しもここから脱出する方策も立ってない。 だが、この不利な状況で同じ志を持った者同士が団結する事が出来たのは大きな前進に思えた。 少なくともこの時のさくらはそう思えた……。 【G-7 巨大な墓の下 一日目 黎明】 【真宮寺さくら@サクラ大戦】 【状態】健康 【装備】エクスカリパー@FFV 【道具】支給品一式 【思考】基本:この島の平和は私が守る! 1:大神さん、私に力を! 2:西の街を探索する。 3:二人とも何を考えてるかわからないけど、悪い人じゃないみたい。 ※火織と情報交換をしました。一部、嘘があります。 【神裂火織@とある魔術の禁書目録】 【状態】全身に軽い打撲 【装備】秋水@ONE PIECE 【道具】支給品 ランダムアイテム 【思考】基本:この殺し合いで優勝する 1: 一刻も早く優勝して元の世界に帰る 2:しばらく集団に紛れて力を温存する 3:彼女らの様な善人もこの島にはいるのですね… ※参戦時期は小説の一巻の上条戦後です。 ※さくらと情報交換をしました。 ※巨大な墓の下は健太郎とさくらが探索したつもりですが 素人の探索なので見逃しがある可能性があります BACK NEXT 039 聖剣の少女騎士 投下順 041 七転八刀 039 聖剣の少女騎士 時系列順 041 七転八刀 BACK 登場キャラ NEXT 017 最強の聖剣 小川健太郎 041 七転八刀 017 最強の聖剣 真宮寺さくら [[]] 014 この闇の先には―― 神裂火織 [[]]
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登録日:2009/06/15 Mon 22 50 15 更新日:2023/07/12 Wed 18 20 46NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 10年経ってもニトロはニトロ Nitro+ ちよれん どいつもコイツも変態ばかり エロゲー エロゲーブランド ドミニオン ニトロプラス バイク 仮面ライダー鎧武 千代田区 変態の巣窟 妙に人気のあるスタッフ 戦うヒロイン 東京都 燃えゲー 社員の趣味全開 ←だがそれが良い 銃 高確率で主人公がロリコン 人気アダルトゲームブランドの一つ。 本社所在地は東京都千代田区。 ◆作風 「萌え」よりも「燃え」を優先した硬派な作風のいわゆる燃えゲーを中心に製作している。 硬派なストーリーと3DCGにも定評がある。 癖の強い作品が多いが、それが良いと逆に人気になっている。 だが、その一方でエロシーンが薄いことでも有名。 「これ何でエロゲ?」なんて言われたりもする。 またZIZZ STUDIOが手がける音楽も定評があり、『NITRO SUPER SONIC』と言う名前で毎年ライブが行われるほど。 また、とにかくスタッフが癖の強い野郎共ばかり。 しかし、そんなスタッフを纏めている社長は大物以外の何物でもない。 大抵は勢いで作ったゲームだったりする。 一例 社員1「脊髄の赴くままに作っちゃった♪」 社員2「鎧っていいすね~~という事で作っちゃった」 社員3「SF作ろうとしたら錬金術とかゴッドファザーとか人狼とかのゲーム出来ちゃった」 社長「良いんじゃね?」 流石ニトロ。 十周年経った今でもこんな感じらしい。 妹ブランドにBLゲームを製作しているニトロプラスキラルがある。 流石のニトロもBLには抵抗があったらしく、泣く泣く作ったという逸話があるとかないとか。 しかしあっちもニトロはニトロだった。 よくバイクや戦うヒロインや銃が登場する。 実際、ニトロ本社には大量の銃が飾ってあったりする。ニトロェ… そして、主人公が高確率でロリコンになる。 TCG・LyceeやChaosなどにも参戦。 ちょっとした小細工でマルチがデモンベインを一方的に粉砕できたりする。 ◆作品リスト 自社作品 Phantom -PHANTOM OF INFERNO- 吸血殲鬼ヴェドゴニア 鬼哭街 斬魔大聖デモンベイン 機神飛翔デモンベイン 沙耶の唄 天使ノ二挺拳銃 塵骸魔京 刃鳴散らす 字祷子D 妖都最速伝説 月光のカルネヴァーレ 続・殺戮のジャンゴ~地獄の賞金首 "Hello, world." スマガ サバト鍋-Nitro Amusement Disc- ニトロ+ロワイヤル -ヒロインズデュエル- 装甲悪鬼村正-FullMetelDaemon MURAMASA- ソニコミ アザナエル ドグラQ 君と彼女と彼女の恋。 ギルティクラウン ロストクリスマス ギルティクラウン ロストクリスマス Nitro+BRUSTERS HEROINES∞DUEL 凍京NECRO みにくいモジカの子 科学ADVシリーズ Chaos;HEAD Steins;Gate Robotics;Notes CHAOS;CHILD 他社作品への関与 ゲーム 魔法少女まどか☆マギカ ポータブル(バンダイナムコゲームス、開発協力) ガンスリンガー・ストラトス/Gunslinger Stratous2(スクウェア・エニックス、シナリオ原案) 刀剣乱舞(DMM、シナリオ) マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 アニメ・特撮 BLASSREITER Fate/Zero 魔法少女まどか☆マギカ ギルティクラウン PSYCHO-PASS 翠星のガルガンティア 仮面ライダー鎧武 楽園追放 -Expelled from Paradise- ALDNOAH.ZERO がっこうぐらし! Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 GODZILLA3部作 ◆スタッフ 在籍スタッフ プロデュース:でじたろう 製作指揮:虚淵玄 製作進行:まさかり ディレクション:虚淵玄、もえら、おがみけいち シナリオ:虚淵玄、鋼屋ジン、奈良原一鉄、下倉バイオ 原画:きんりきまんとう、津路参汰 グラフィック:なまにくATK、津路参汰、りんごキック、おがみけいち、ぺはら塗装、ゆーぽん、常葉まう、三杜シノヴ、三ツ矢ヨツヤ、Dr.ようかん、つがる大次郎 SDキャラ原画:ゆーぽん デザイン:yoshiyuki、Mzk WEBデザイン:ぺはら塗装 アートディレクション:難中亭多楽 3DCG:パーヤン、麻生さん、イム、K、G=2008 スクリプト:徒歩十分 品質管理:ピエール、りんと 開発:usao.exe、もりた 広報:ニトロくん、あっきゅん、艦長RX、電柱路傍 イベント:きんきーず☆こーいち ニトロプラスダイレクト店長:不動 元スタッフ 原画:中央東口、矢野口君、Niθ グラフィック:よう太 代表取り締まられ役・営業(最狂広報):ジョイまっくす ぶっちゃけ型月や鍵以上に18禁要素を必要としない作品を量産している。 そのためか一部作品のノベライズはパラダイムなどの18禁レーベルからではなく、角川スニーカー文庫から出ている。 もちろん、18禁要素はほぼない。 エロゲのノベライズと知らずに読んでる奴もきっといっぱいいる。 話が変わるが、「最近のニトロはニトロじゃない」という声が2ちゃんねるを中心に聞こえる。 というのはヴェドゴニアや刃鳴散らすみたいな硬派な作品がここ最近発売されてないことが原因だろう。 次回作もアザナエルを手掛けたスマガチームが作るため心配である(まだ詳しいことは分からないが)。 しかし、あくまでもニトロスタッフは好きなものを作っているだけなのだ。 我等が虚淵はいつまた硬派な作品を出してくれるのであろうか…… と思っていたが…… 次回作にあたる下倉バイオの「君と彼女と彼女の恋」の情報が出た。 「バイオだからまたあれだろ」「はいはいスマガスマガ、アザナエルアザナエル」とか思ってたそこのお前! 違ったぞ…… なんとまさかのエログロ!! 良かったな! エログロだがいつもの血生臭いニトロが帰ってきたぞ!! ただし、帰ってきてくれたのは血生臭いエログロだけで燃える熱いバトルは残念ながら今回もお預けに…… しかし、ニトロは我々を見捨てていなかった……さらなる次回作「凍京NECRO<トウキョウ・ネクロ>」が2015年夏の発売を目途に発表された。 遂に燃えるニトロも帰ってきたぞ!! 追記・修正は銃に詳しくなってから頼みます。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- キャラクターや作品に対しての誹謗中傷・罵倒等を行った場合、IPの規制等の措置をとらせて頂きますのでご了承下さい。 ▷ コメント欄 [部分編集] 以外とエロいな。 -- 名無しさん (2013-07-27 21 36 44) ととのは10年くらい前に出てたら伝説になってただろうなあ。如何せん業界自体が衰退気味だから・・・ -- 名無しさん (2013-08-28 10 04 35) 色々手は広げてるけどそれは商業的には間違ってないよな。旧来のファンがあまり良い気持ちでないのはわかるけど、何をやってもニトロはニトロだし。 -- 名無しさん (2013-10-31 11 42 42) 村正は長かったけど楽しめたなぁ -- 名無しさん (2014-06-27 20 15 45) 意外にも「すーぱーそに子」について一切書かれていないんだね。リンクだけでも貼っていいのでは -- 名無しさん (2014-09-27 08 33 54) ↑×3しいたけ栽培…マイナスイオン発生器…うっ、頭が… -- 名無しさん (2014-09-27 15 36 46) ↑5ととのはなんだかニトロというより13cmっぽい気がする。 -- 名無しさん (2014-09-28 00 54 05) 関東連合は無視しちゃならない -- 名無しさん (2014-10-21 20 47 37) 所属じゃない人を(ニトロプラス)にするのは、ややこしいからやめたほうがいいと思う。 -- 名無しさん (2014-10-21 20 55 26) ニトロがシナリオ関与してるせいか、とうらぶのアニメとかあったら絶対グロ展開あるような気がしてならない -- 名無しさん (2015-04-27 13 34 55) ↑前にtwitterで「アニメがあったら脚本は虚淵にちがいない」なんて言われてたな。個人的には刀モチーフなんだから奈良原にやってほしいけど。そしてアニメオリジナル刀剣男子として村正やマギョッペが出るに違いない(錯乱 -- 名無しさん (2015-04-27 15 28 26) 奈良原さんは古流剣術の師範代でガッチガチのカタナフリークだしな…ただ…余りにも血生臭く陰鬱な感じになって腐女子共が耐えれるのか…? -- 名無しさん (2015-04-27 15 48 28) ↑むしろその陰鬱で血なまぐさい展開を燃料にしかねない -- 名無しさん (2015-05-09 14 48 18) って言うか奈良原って生きてんの?全く音沙汰がないんだが…… -- 名無しさん (2015-05-17 18 16 21) とうらぶの騒動がやっと終息しそうだが…あれはひどい。 -- 名無しさん (2015-07-11 00 31 33) ↑その騒動というのが何なのかはわからないけど運営はDMMだぞ。 -- 名無しさん (2015-07-11 02 26 10) どうやらガンダム新作にニトロが関わるという噂が・・・まあ、それ以前に漫画「ザ・ラストサン」でメカデザインやってるし -- 名無しさん (2015-07-11 20 10 03) ↑刀剣乱舞のゲーム画面のいたるところをニトロの社員が他人の著作物を盗用してたって話だからDMMは関係ないよ -- 名無しさん (2015-07-11 22 12 11) 凍京ネクロにガチレズ主人公が…これ、ニトロファン兼レズゲー厨としては期待できるか? -- 名無しさん (2015-07-16 13 46 10) 最近はアニメ関連の仕事ばかりなせいか、昔のニトロのエロゲを知らない層から「萌えの皮を被った欝グロばかりやる会社」というイメージが付いてしまっている印象がある。 -- 名無しさん (2015-07-17 20 44 26) とりあえず、DLsite で買えたからファントムとデモンベインやってみたけど、同じ燃えゲーでもずいぶん作風が違うな。ライター違うから当たり前なんだろうけど。 -- 名無しさん (2015-11-03 00 27 43) ドグラQはどうなりましたか…?(小声) -- 名無しさん (2015-11-03 01 01 46) 本当にネプテューヌとコラボしてて笑った。お前ら一応エロゲメーカーだろwww -- 名無しさん (2015-12-18 23 57 48) 真面目な話、刀剣乱舞の盗用問題とあの謝罪文はもっと問題視しなきゃならないと思う、余りにも不誠実過ぎる。 -- 名無しさん (2016-04-18 23 36 45) なんでエロゲなんか作ってるんだろ。普通に特撮とか映画にしても通用する作品ばかりなのに。ていうかクソみたいな邦画より遥かにレベルは上だろ。邦画業界はニトロに映画を作らせるべき。ニトロがエロゲ業界が燻ってるのは日本の損失だと思う。 -- 名無しさん (2016-04-25 21 47 57) エロゲ「なんか」とは失敬な物言いだな。エロゲならコンシューマーよりも規制がゆるくて自由に作品を作れるからじゃないか -- 名無しさん (2016-04-27 01 01 27) 鎧武はすごかった、実は一話で恩人殺してました(テヘペロ)とか鳥肌立った -- 名無しさん (2016-07-28 11 30 37) 2016/07/28 にコメント欄が撤去されていましたので復元致しました。また、当該については報告致しました。 -- 名無しさん (2016-11-24 11 21 42) 「凍京NECRO」のコミカライズ版がどういう訳だかかの叶精作氏が手掛けている事に驚いた。どうしてエレクチオンしないのよーッ!現在2 -- 名無しさん (2017-04-30 11 09 59) 荒らしコメを削除 -- 名無しさん (2017-08-20 18 06 04) 「怪獣黙示録」「プロジェクト・メカゴジラ」の展開が陰惨すぎると思っていたが監修も著者もニトロなら納得。 -- 名無しさん (2018-04-30 13 13 15) だいしゅきホールド起源主張事件で下倉バイオがやらかしたな -- 名無しさん (2020-03-12 06 15 33) ぷつっとコメントが止まってる… -- 名無しさん (2022-02-26 19 48 58) 名前 コメント
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只今午後2時30分。 蕎麦屋の嵐のようなランチタイムが終わり、休憩に入るのはいつもこの時間。 僕は、深大寺の境内のベンチに座る。 缶コーヒーを空け、一口飲むと、広く多い茂った緑を眺め、大きく息を吸った。 ここにくると、心が穏やかになり、自然と活力が蘇る。 僕のいつもの休憩タイム。 そこで、少し離れた隣のベンチに、誰かが座る気配を感じた。 さっき、蕎麦屋のデッキ席でもりそばを食べていた女性。 凜とした美しさに僕が一瞬心を奪われたあの女性だ。 僕は勇気を振り絞って声をかけた。 「先ほどは、どうも」 彼女は一瞬、ぽかんとして僕を見ていたが、 「あ、さっきのお蕎麦屋さん?こちらこそ、ごちそうさまでした。もりそば、美味しかったです。」 彼女は笑顔で答えてくれた。 「今まで拝観ですか?」 「いえ、写経教室です」 シャキョウ? 僕は意外なワードに一瞬、面食らった。 すると彼女は 「写経だなんて、ちょっと渋いですよね。でも、面白半分ではじめてみたら、すごくはまっちゃって。お経の文字をただ書いていくだけなんですけど、癒されるというか、落ち着くというか。」 といって、笑った。 「じゃあ、僕が毎日ここでこうやってぼーっとしているのと、同じようなものですね」 僕は笑い返した。 「僕はここに来ると落ち着くんです。田舎を思い出します」 「田舎?」 「長野です。戸隠っていう蕎麦の産地で、僕の実家、蕎麦の実を作ってるんです」 僕は聞かれてもいないのに、無意識のうちに自分のことを話していた。 「長野は、空気が美味しいし、水もきれいだし。だから、美味しいそばが獲れるんです。実家の蕎麦もうまいんですよ。あの蕎麦屋に実家の蕎麦を入れさせてもらっていて、そのツテで、3年前からあの店で、蕎麦の修行を。実をいうと、高校卒業してからしばらく地元でプータローしてたんです。でも、これじゃいけないって。自分の人生、何かを変えたくて、とりあえず東京に行こうって。口実ですね、蕎麦修行は。」 僕は自嘲気味に笑った。 すると彼女は真面目な顔でこう言った。 「最初の動機なんて、なんでもいいじゃありませんか。今こうして、がんばっているんですもの。」 そう話す彼女の横顔は、優しく、凜として、潔い。 僕は、彼女のこの横顔に恋をした。 「そろそろ行かなくちゃ」 彼女の声でふと我に返る。 そうだ、彼女とは、こんな風に偶然に会うことなど、もうないかもしれない。 「写経教室にはしょっちゅう来られているんですか?」 僕は冷静を装いながら、次、彼女と会う機会を探る。 「ええ。写経教室は毎週木曜、やっているんです。私もしばらく通ってみようかなって。」 「だったら、また、うちの蕎麦、食べにきてください」 僕は必死だ。 「もちろん。また伺います。」 彼女は微笑んで、去っていった。
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1―1 それから5ヶ月後、少女――泉こなたはアウレ町を歩いていた アウレ町は彼女と彼女の父が住む町。道が石畳で舗装されており、近くの集落の中では一番大きな場所だ 彼女は今、町の図書館を目指して歩いている 彼女の目当ては図書館が貯蔵している魔導書にある 彼女は基本的に勉強が大の苦手だが、魔導書に書かれている文字『魔導言語』を学ぶのは好きな様子 毎日と言っていいほど図書館を訪れていた 「ふふふ、館長さん、今日は封書を読ませてくれるって話だし、楽しみだな~」 彼女は鼻歌を歌いながら道を歩いていく。何が書かれているか気になって仕方がない 封書を早く読みたいがために、足速に通りを歩く 町の武器屋を通り過ぎたあと、近道のために裏路地へと入る 「きゃ!!」 「うわ!!」 裏路地に入ろうとした直前、その裏路地から女の子が出てきた 避けることは出来ず、こなたは女の子とぶつかってしまった こなたはよろめきながらもなんとか倒れることは阻止できた これは彼女が古武術という昔から伝わる武術を習っていた賜物である しかし、ぶつかった女の子はそういうわけにもいかず、石畳に尻餅をついてしまった 「いたた……」 「ごめんね。大丈夫?」 女の子は薄紫色の髪を左右でツインテールにしていて、腰には鞘を差している こなたは女の子に手を差し出すが、その手は払いのけられ、女の子は立ち上がりながらこちらを睨み付けてきた 「あんた、何処見て歩いてんのよ!!」 「ごめんごめん、急いでてさ~」 「……あんた、謝る気ある?」 「あるよ~」 言葉だけで悪びれる素振りも見せないこなたに女の子は大きな溜め息をついた 「……まあいいわ。ところで、『そうじろう』って人はどこに住んでるかわかる?」 「ああ、それなら……」 こなたは裏路地から出て、家々の間にある大きな家を指差した 「あの青い屋根の家に住んでるよ。結構大きいから、すぐにわかると思う」 「わかった、ありがとね」 女の子は裏路地を出て、こなたが指差した方へ歩いていった 「……ん?」 ふと地面を見てみると、そこには光るものがあった それを拾い上げてみると、どうやらそれはロケットペンダントのようだ 「しまった、ぶつかった時に落としちゃったのか……」 女の子が駆けていった方を見るが、もうその姿は見えなくなっていた 「……ま、いっか。家に来てるんだし、帰ってきたら渡してあげよ」 そう言って、こなたはロケットペンダントの中身を見る 中央に先ほどの女の子がいて、両脇に二人の少女がたたずんでいる その中の三人は、笑顔でこちらを向いていた
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俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎるスターターデッキ 2013年10月25日発売。 BEFORE:さくら荘のペットな彼女スターターデッキ NEXT:みなみけスターターデッキ ブースターと同時発売。 カード60枚、サインカード1枚(4種類)、プレイマット、ルールブックを封入。 久々のハイランダー構成となっている。 収録カードリスト ※はスターター限定カード。サインカード仕様のカードとして+1枚封入されている。 ナンバー カード名 星 枚数 01-002 《春咲 千和》※ 3 1 01-008 《春咲 千和》 1 1 01-010 《春咲 千和》 2 1 01-011 《春咲 千和》 1 1 01-013 《春咲 千和》 1 1 01-014 《春咲 千和》 1 1 01-015 《春咲 千和》 1 1 01-017 《春咲 千和》 1 1 01-018 《春咲 千和》 2 1 01-019 《春咲 千和》 2 1 01-020 《春咲 千和》 2 1 01-021 《夏川 真那》 2 1 01-023 《夏川 真涼》※ 3 1 01-028 《夏川 真涼&春咲 千和》 3 1 01-030 《夏川 真涼》 1 1 01-032 《夏川 真涼》 1 1 01-034 《夏川 真涼》 2 1 01-036 《夏川 真涼》 1 1 01-038 《夏川 真涼》 1 1 01-040 《夏川 真涼》 2 1 01-041 《夏川 真涼》 1 1 01-042 《夏川 真涼》 1 1 01-043 《夏川 真涼》 2 1 01-045 《秋篠 姫香》※ 3 1 01-055 《秋篠 姫香》 2 1 01-057 《秋篠 姫香》 2 1 01-058 《秋篠 姫香》 1 1 01-059 《秋篠 姫香》 1 1 01-060 《秋篠 姫香》 2 1 01-061 《秋篠 姫香》 1 1 01-062 《秋篠 姫香》 1 1 01-063 《秋篠 姫香》 1 1 01-064 《秋篠 姫香》 1 1 01-065 《秋篠 姫香》 2 1 01-066 《秋篠 姫香》 1 1 01-067 《季堂 鋭太》 1 1 01-068 《季堂 鋭太》 1 1 01-071 《冬海 愛衣》※ 3 1 01-081 《春咲 千和&夏川 真涼》 3 1 01-082 《冬海 愛衣》 1 1 01-083 《冬海 愛衣》 2 1 01-086 《冬海 愛衣》 1 1 01-087 《冬海 愛衣》 2 1 01-088 《冬海 愛衣》 1 1 01-090 《冬海 愛衣》 2 1 01-092 《冬海 愛衣》 1 1 01-094 《冬海 愛衣》 1 1 01-095 《桐生 冴子》 1 1 01-096 《プール清掃》 2 1 01-097 《今日の朝ごはん》 1 1 01-099 《食いしん坊》 1 1 01-100 《ふくれっ面》 1 1 01-103 《プールの授業》 2 1 01-109 《水着選び》 3 1 01-113 《前髪パッツン》 1 1 01-115 《座席の順番》 1 1 01-116 《春夏秋冬》 3 1 01-123 《ウェディングドレス》 1 1 01-124 《中二ノート》 2 1 関連項目 『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』 編集
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トップページ トップページ 超大作 ☆SA・O・RI 『SA・O・RI』 第一章 『SA・O・RI』 第二章 『SA・O・RI』 第三章 『SA・O・RI』 第四章 『SA・O・RI』 第五章 『SA・O・RI』 第六章 『SA・O・RI』 第七章 『SA・O・RI』 最終章 ☆疑心~何かいる~ 何かいる 大作 ~貰いもの~ ☆運命 『運命』 第一章 『運命』 第二章 『運命』 第三章 『運命』 第四章 『運命』 最終章 ☆僕と彼女の記念塔 『僕と彼女の記念塔』 第一章 『僕と彼女の記念塔』 第二章 『僕と彼女の記念塔』 第三章 『僕と彼女の記念塔』 最終章 その他 ☆硫化水素殺人事件 狂気の行方 ☆恋愛シリーズ 札幌の中心で、愛を叫ぶ 18禁 ☆官能 ~淫らな君を~ 総合 - 今日 - 昨日 -
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1- セッ! ハッ! フッ! ヤァー!! まだ辺りに霧が立ち込めているなか、アグリアスは早朝から剣の鍛錬をしている。 毎日の朝起きたら素振りをする。 誰に言われたわけでもない。 自分のためだ。 特に最近は鍛錬をより厳しくした。 ――まだ、足りない ――――もっと強くならなければ だというのに、なぜだろう…? 最近、剣を持つ手が重いのだ…。 ある国(またはそれに準ずる地域)と別の国(同)との間で行なわれる商品の売買のことを貿易いう―― このイヴァリースにもいくつか貿易都市があるが、その一つにドーターと呼ばれる街がある。 陸路による貿易の中継地として発展した都市で、様々な人々が行き来する活気にあふれた町だ。 町人、商人、貴族、従者、護衛、農民など様々な身分の者達が行き来するが、当然その中には身分を明かせない者もいる。 闇商人や盗賊など・・・。それは好ましい状況ではないが、だからこそ彼らも街に入ることもできる。 「気分転換に儲け話でも行きましょうよ」 そう言ったのは元部下のアリシアだ。 「…無理に決まってる。私が儲け話に行ったら隊の守りが薄くなる」 誘いを断るのは元上司のアグリアス。 「え~、良いじゃないですか。アグリアス隊長が抜けったって大丈夫ですって。オルランドゥ伯もいらっしゃいますし…」 ――痛いところをついてくる。 シド=オルランドゥが仲間になってから、アグリアスはあっさりNo1アタッカーの座を奪われた。 そのためアグリアスはさらに剣の鍛錬を厳しくしている。 「それに依頼って意外と良い訓練になるんですよ?ほら、以前の儲け話の時には――」 確かに話に聞けば、ゴーレムだのキマイラだの普段の戦闘では相手に出来ないような敵が居る。 「そうだな。確かに己を鍛えなおすいい機会かも知れん」 「ホントですか!?やったー!!」 「だが、ラムザに許可を取ってからだ。許可がでなければ――」 「なんの許可ですか?」 突然背後から声をかけるラムザ。 「な!…ラムザ、居たのか」 「居たのか?なんて酷いなぁ」 笑いながらアグリアスの隣に座るラムザ。 「で、何の話だったんですか?」 「あぁ、実は――」 依頼についての話をするアグリアス。 己を見つめ直すため、再び更なる高みを目指すため、依頼に行く事を許可してもらうよう話した。 ラムザは話を聞き、すこし考える。 やはり無理なのだろうか。 確かにアグリアスはシドよりは劣る。だが、いまだ主力メンバーの一人だ。 そう簡単に許可が出るわけが―― 「良いですよ。許可します」 「ありがとーラムザ隊長~☆」 「い、良いのか?私の居ない間隊の守りは大丈夫か?」 喜ぶアリシアを余所に、意外にあっさり許可された事に動揺をするアグリアス。 「はい。どのみち4日間程度休養をしようと思っていましたし」 確かにここ最近は移動ずくめで皆つかれてい居るだろう。 だが、4日とは異例だ。今まで最長で2日だったものを大きく上回る。 きっと私の心情を読み取っての決断だろう。 「そうか。ありがとうラムザ。4日で終わるよう全力で頑張るよ」 心の中でもラムザに感謝をする。 「はい、頑張りましょうアグリアスさん」 ―――は? 「僕も行きます。アリシアと3人で行けば何とかなるでしょう」 「ラムザも来るのか!?」 「はい、一度依頼に行ってみようと思ってたんですよ」 2- チョコボ車に揺られドーター~ゴルランド間の交易路を移動するアグリアス。 ラムザも一緒に依頼に出るという、異例の事態となった。 ドーターに残してきたメンバーが気になるが…まぁ、大丈夫だろう。 隊を離れてはや3日―― 早く終わると思っていた依頼も意外に時間がかかっている。 話を受け、依頼者のもとに行ってみればそこはバッカス酒造。 囮のために襲われた時と同じ荷物を貸してもらい、ドーターへと向かっている最中だ。 ゴルランドは雨季乾季に関わらず雪が降る土地なので、現在荷台の布を締めきっている。 そのため景色も見れないので、なんとなく依頼書に目を走らせる。 依頼名:交易路に現われる山賊団を撃退 内容 :最近、ドーター~ゴルランド間の交易路に山賊が現れるようになりました。 しかも、狙われるのは我が社のチョコボ車だけなのです。これ以上被害の出ない内に山賊を退治してください。 ―――バッカス酒造 締め切っているおかげでチョコボ車の荷台には甘いアルコールの香りが立ち込めている。 出発した時はそうでもなかったが、時間がたち香りが強くなってきた。 初日は真剣な顔をしていたアリシアは積み荷の香りに機嫌を良くし、酒の詰まっている樽に凭れかかっている。 聞こえるのは地面をはしる車輪の音と、ゴルランドの寒風が荷台の帆を叩く音…それと寝息? 「アリシア、寝てるのか?」 一応確認をするアグリアス。 「ぇ……そんな事無ぃですょぅ……?」 スースーと寝息を立てるアリシア。 寝る前に酒を飲むと良く寝れると言うが、香りといえども油断できないものだ。 酒造からずっと御者をしているラムザに声をかけるべく外に出た。 外の空気は少し冷たく、いまだゴルランドの寒風が肌をさす。 雪は降っていないが、長時間外で御者をしているラムザは辛いだろう。 「ラムザ、そろそろ替わるぞ」 「大丈夫ですよ、アグリアスさん。防寒用のマントを3枚も羽織ってるんです。意外に温かいですよ?」 「そうか。だが、3枚も羽織っていたらだいぶ動きずらそうだな」 「そうですね。こんなところをモンスターに襲われたらちょっと危ないですね」 「ははは。確かに」 「アリシアはどうしてます?」 「アリシアは寝てるよ。中は酒の香りで充満してるからな」 「あはは。それじゃあ酒好きのアリシアは良い夢見てるでしょうね」 そんな他愛無い話を交わす。 そういえば、このところ教会やルカヴィ達との戦闘であまりゆっくり話している時間が無かった。 といっても今もあまり気を抜く事は出来ないが…。 少し沈黙が流れた後、アグリアスが言を発する。 「ラムザ」 「何ですか?」 「その…私のために無理に隊を休ませたのだろう?」 「ははは。やっぱりバレてました?」 笑みをこぼすラムザ。 「ありがとう、ラムザ」 「お礼を言われる事ではないですよ。それに、今までがちょっと急ぎ過ぎたかなて思ってたんです」 確かに気の休まる事のない長い旅だ。だが、ゆっくりもしていられないのも事実だ。 まだオヴェリア様のお傍に戻る事も出来ないし、アルマ殿もルカヴィ達に攫われたままだ。 きっとラムザは急く心を必死に抑えているのだろう。 「でも、依頼に行きたい言っいったのも事実ですよ?」 「…お前は強いな」 「いえ、そんな事は―」 「いや、お前は強いよ。常に自分以外の事にも目を向け、気を配り、戦ってきた」 ―だと言うのに私はどんどんと弱くなっている。 あまりの自分の不甲斐なさに涙が出そうになる。 「すまん。愚痴を言ってしまったな」 やはり少し酒に当てられたのかもしれない。 「もう直ぐクルス山にさしかかる。クルス山の入り口で夜まで待つだろ?」 「はい、そのつもりです」 「では私は後ろに戻るよ。交代したくなったらいつでも声をかけてくれ」 「アグリアスさん」 「何だ?」 「僕はいろんな人に支えられてここまでやってこれたんです。ラッドやアリシアやラヴィアン…。 でも一番支えられたのはアグリアスさん、貴女に支えられました」 「私にか?」 「はい、ゴルゴラルダ処刑場でアグリアスさんが僕を信じてくれたから…」 ゴルゴラルダ処刑場でアグリアスが言った言葉。 あの時は必至だったが、今思い出すと少し恥ずかしい。 「あ、あの…アグリアスさ――」 ガゴン! ラムザの言葉を遮るようにチャコボ車が少し揺れた。 どうやら小石の上に乗り上げたようだ。 と、同時に荷台からゴッ!と音が鳴る。 『ぃった~ぃ。……あれ、アグリアス隊長は?』 荷台から場違いな声が聞こえてきた。 「どうやらアリシアが起きたようだな」 「…の、ようですね」 真剣な顔からいつもの笑顔に戻るラムザ。 「で、何だ?」 「は?」 「何か言い掛けていたではないか」 「い、いえ、何でもないんです!何でも…」 「?」 「まだ、寒いですから荷台に入ってください」 「あぁ、そうさせてもらうよ」 先ほどまでの真剣な顔はいったい何だったのだろう。 気にしながら荷台に戻るアグリアス。 ラムザと話をして少しすっきりした。 到着まで少し寝よう。 地面を走る車輪の音と、ゴルランドの寒風が布を叩く音が聞こえる。 こころなしかさっきよりチョコボ車のスピードが上がったようだ。 3- クルス山の麓にはすでに商用チョコボ車が何台か停まっていた。 ドーターの北に広がるゼクラス砂漠。昼間は摂氏50度にもなるかと思えば夜間は一気に氷点下まで下がる『死の砂漠』。 そのため、商人たちは商品の傷まないように日の入り~日の出の間に移動する。 ラムザ達は他のチョコボ車をまきこまないように少し時間を置いてから出発する事にした。 盗賊と戦闘するため、チョコボ車の布を全部空ける。 運のいい事に風も弱まり、空も晴れた。 ラムザ達の乗るチョコボ車を後ろから照らすように月も出た。 おかげで月の光が道を照らしてくれるので、戦闘になってもある程度は動けそうだ。 「しかし、意外に強い物だな」 「―え?何ですか?」 酒の香りで少し呆けていたアリシアが聞き返す。 「いや、香りがな。布を上げておいてもまだ香る」 「まぁ、天下のバッカスシードですから」 「バッカスシード?」 アグリアスは聞いた事のない言葉に興味を持った。 「はい。バッカス酒造の主力商品でバッカスリキュールと言う物があるのですが、そのリキュールに使われる果実がバッカスシードです。 バッカスシードは決まった土地でしか採れないうえに、その香りは豊潤にして強烈な甘匂を発するんです」 「ほぅ、ではこの香りもバッカスリキュールから香っているのか」 「いえ、この香りはバッカスリキュールと言うか…きっとコレだと思います」 そういうとアリシアは背にしている木箱を叩いた。 「これはバッカスの酒と呼ばれる幻のワインなんですよ」 バッカスの酒…聞いた事がある。 たしか上級貴族ですら飲めることも稀だと聞く。 ―だとすると、このチョコボ車が狙われるのはそこにあるのかもしれない アグリアスが盗賊の傾向について思案していると、急にチョコボ車が止まった。 「アリシア、アグリアスさん」 御者をしていたラムザが言を発する。 「前方にミノタウロスと…ゴブリンが3体だな」 「盗賊の姿が見えませんね」 アリシアが辺りをキョロキョロを見回す。 「暗闇に紛れている可能性が高い。アリシアはチョコボ車を護衛しろ。私が前方の敵を倒してくる!」 「僕はアグリアスさんの援護ついでに、召喚獣を呼び出して盗賊を威嚇します」 「よし、では行くぞ!」 チョコボ車から飛び降りるラムザとアグリアス。 ラムザが召喚獣を呼ぶならばゴブリンは無視しても構わないだろう。 アグリアスは目標をミノタウロスに定め、夜の山を疾走した。 「風、光の波動の静寂に消える時 我が力とならん… シヴァ! 」 シヴァの放つ氷河の結晶がゴブリンとミノタウロスを凍らせていく。 『ゴブー!!!』 『モ゛!』 モンスター達は堪らず悲鳴を上げる。 ゴブリンはこれで倒せただろうが、ミノタウロスはまだ動けるだろう。 その体躯は見せかけではなく、繰り出される攻撃、攻撃に耐えうる体力量は脅威に値する。 実際この下位種である牛鬼と戦ったときも、初めはその体力量に軽い恐怖を覚えたくらいだ。 だが、それも簡単には倒れないと判っていれば、それに合わせて戦えばいいだけのこと。 アグリアスの予想道理、氷を砕きミノタウロスが動き始めた。 夜間の戦闘は普通ならば避けた方が良い。 何故なれば視界が悪いため、敵との距離を把握し辛いからだ。 だから、ナイトやモンクのように近距離から攻撃をするジョブには夜間はきつい。 また、周りの状況も判らないため自分の置かれている状況もわからない。 そういう意味ではアグリアス達は幸運だった。 月明かりが周りを照らし、昼までとは行かずともある程度、周りの状況を把握できるからだ。 そしてアグリアスは近距離からの攻撃をしなくとも相手を討つ事が出来る。 「命脈は無常にして惜しむるべからず… 葬る! アグリアスの不動無明剣が敵を討つ。 『ブモ゛ー…』 一声を上げ、地面に倒れるミノタウロス。 同時に背後からアリシアの悲鳴が聞こえてくる。 「きゃー!」 ―新手!?…いや本命の盗賊か! 踵をかえしてチョコボ車に向かおうとするアグリアス。 それを待っていたかのようにミノタウロスが立ちあがる。 さすがにしぶとい。 アグリアスは再び聖剣技を繰り出すために体制を整える。 ふいにミノタウロスの体が大きくなった―そんな感覚がした。 ――まずいッ!! アグリアスは咄嗟に盾を構える。と、同時にミノタウロスがツルハシを振り回し始めた。 ギンッ!ガガガッ! ミノタウロスの全力を持って振り回されるツルハシは嵐のように、その範囲に居る者を薙いで行く。 ギリギリ範囲内に居たアグリアスは何とか盾で防ぐ。 これがもう少し近ければ暗い森の中に飛ばされていただろう。 またギリギリ範囲内にいると言っても少しも後退する事は出来ない。 アグリアスの全力を持って盾を支えなければ今にも飛ばされそうだからだ。 ガガガッ――!!ガッ! こうなっては攻撃が止むまで耐えるしかない。 盾が削り取られているような不安を覚える。 昔、嵐が過ぎるまで怯えていた自分を思い出す。 ガッ!ガッ!ガッ!―ガッ! 少しずつ嵐が弱くなった。 ラムザの攻撃に、不動無明剣を受けているのだ。 残りの体力も少ないだろう。 それなのにこれほどまでの力を繰り出すとは、流石と言わざるを得ない。 この好機を逃すアグリアスではない。 防御から攻撃に転ずるため盾に伝わる音と衝撃に神経を集中させる。 ガガッ!―ガッ!―ガッ!――ガッ! 確実に遅くなってきた事を確認し、次の攻撃に備え剣を握る手に力を入れる。 ―――ガッ! ツルハシが盾に当たった瞬間、攻撃と同じ回転方向に体を翻す。 その反動を持って側面から攻撃をするアグリアス。 勢いを持った剣はミノタウロスの体に深々と沈む。 『グモゥ…』 アグリアスを横目に力尽きるミノタウロス。 ある意味モンスターだからこそ使えた手である。 人間が相手なら相手がタイミングを図っているのも判っていただろうし、またそれに合わせフェイントを繰り出してくる可能性もある。 ミノタウロスから剣を引き抜き、チョコボ車へと向かった。 4- (ちょっとラムザ視点です) チョコボ車に駆け寄ると、馬車の近くで座り込んでいるアリシアがいた。 盗賊が近くに居ないか気を張り、アリシアに声をかける。 「アリシア、大丈夫!?」 「エヘヘ、ケーキかったらモルボル味でしたよ~?」 ――は? 戦闘中に何を言ってるんだろう?っていうかモルボル味って?? もしかすると盗賊に襲われて軽い混乱状態なのかもしれない。 正気に戻すため、とりあえず揺すってみる。 「しっかりしてよ、アリシア!」 「いやん、ラムザ隊長ご~いん♪私はイイですけど、皆が見てますから――」 ……駄目だ。完全に混乱してる。 ムスタディオやラッド相手なら殴ってるところだけど、相手はアリシア。 正気に戻すためとはいえ、殴ればあとで何を言われる(or 要求)されるか判らない。 ラムザは少し手間をかけてエスナを唱える事にした。 詠唱中にアリシアが騒いだり、殴ってきたりとなかなか詠唱が終わらない。 「―そを与えたまえ!エスナ!」 やっとの事で完成したエスナがアリシアを包み込む。 「この間、夜中にアグリアス様が一人で――アレ?」 正気に戻り、状況が判らないとばかりに目をパチパチさせるアリシア。 アリシアの話の続きが気になったが、今はその時ではない。 「ラムザ、賊は!?」 遅れてやってきたアグリアスが、盗賊の居場所を聞いてきた。 "―ゴトッ! バキッ!!" 荷台から物音が聞こえた。 アグリアスは荷台に乗りこみ、酒を飲んでいる人影に向かって斬りつけた。 「盗賊め、覚悟しろ!!」 が、剣は空を斬り、影は跳躍し荷台の屋根を突き破る。 影を追い表に出ると、月を背に酒をラッパ飲みしている女。 「キャっ」 「な、ななな…!!!」 「うわッ」 思わず声を上げる一同。 それもそのはず。その女はほぼ裸。胸と腰だけを隠す布を付け、手と足は黒く闇に融けている。 豊満な胸を隠す布も隠し切れているとは言えない状態で、下乳が見えている。 なにより一同を驚かせた事はその女の背中には黒い羽が生えていた。 「あーッ!私のお酒ぇ――ーッ!!!」 目の前で消えていく幻の酒に悲鳴を上げるアリシア。 いや、アリシアのじゃないし。 「ゴメンね。もう全部飲んじゃった☆」 空になった瓶をアリシアの前に投げる。 とうのアリシアは目の前で酒が消えた事に衝撃を受けて動けなくなった。 アグリアスも目の前に現れた女に動揺を隠せない。 「き、貴様!は、恥ずかしくないのか!?」 「ん~?何が恥ずかしいの?」 酒を飲んでいた女は首をかしげる。 「その格好だ!」 「あぁ、コレ!」 そういうと、完全に胸を隠し切れていない布を引っ張る。 「わ、ば、馬鹿者!そんな事したら…」 「私はこんな布いらないんだけど、こっちの方が燃えるらしいのよね。なんて言うの…チラリズム?」 「破廉恥な!女なら慎みというものを―」 「アグリアスさん、落ち着いてください。アレは人じゃないですよ」 「人だろうが、モンスターだろうが、慎みは必要だろう!!」 その考えだと、チョコボやウッドマンも服を着ろと言う事なのだろうか? 「とにかく落ち着いてください。アレは多分リリスですよ」 「リリス?―あの妖魔リリスか!?」 アカデミー在学中に読んだ文献によればそれは生命の母とも、最初の悪魔とも云われ、男性に対して害をなす存在だとか。 「あら、意外に物知りね。それに――」 フッと目の前から消えた。 「可愛いだけじゃない。…イイ男☆」 ラムザの側面に現れたかと思うと、突然抱きついた。 「き、きき、貴様ッ―!!ラムザに抱きつくとは命が惜しくないようだな、色魔め!!」 「私の名前はサロメ。そこら辺に居るサキュバス達と一緒にしないで」 「リリスってサキュバスと違うんですか?」 「そんな事も知らないの?失礼ね。…食べちゃうわよ?」 「何を平然と会話をしているのだ、ラムザ!」 「いぇ、そんなつもりは…」 「言い訳は良いから早く振りほどかんかッ!!!」 「は、はい!――あ、アレ?腕が」 リリスはただ抱きついただけでなく、左腕と剣を握っている右手を抑えていた。 「ダ~メ~。貴方の事気に入っちゃった☆」 それでもどうにか振りほどこうとするラムザ。 しかし流石は悪魔種。抑え込む力はとてつもなく、ビクともしない。 せいぜい動かせるのは肘くらいだが、しっかりくっつかれているため肘打ちもほとんど意味がなく、さっきから豊満な胸にポヨポヨと当たるのみ。 「あん☆私のおっぱい好きなの?直に触ってみる?気持ちイイよ~☆それとももっと気持ちイイことする?」 「な―!」 ラムザが驚愕の声を上げる。 当然、リリスの誘いを断ろうとするラムザ。 だが、その言葉が発するよりも早リリスがある言葉を紡ぐ。 「青き海に意識薄れ、沈み行く闇 深き静寂に意識閉ざす… 」 ―これは夢邪睡符!? 気付いた時にはもう遅く、ラムザの意識は遠のいていった。 その2へ
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