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天気予報 降水確率七十%- 「よしっ。いける…」 【SweetTrap】 さぁぁぁ- 予報通り雨が降りだした。 「ここまでは計画通りね」 何日も前から念入りに準備を進めてきた。 (こなたは高確率で傘を持ってきていない。置き傘は私が隠したし…) 授業の終わりと共にこなたのクラスにダッシュ。 「こなたっ!」 「泉さーん。恋人がお迎えに来てるよー」 クラスメートの声と共にあいつが出てくる。 「ちょ、かがみっ」 「ん?」 「…かがみはその無自覚な所がずるいと思うよ」 上目遣いでにらんでくる。 うあ、鼻血でそ…… 「で、用事は何だったの?」 「あんた傘ないでしょ?」「そうなんだよ~。何故か置き傘も無くなってるしさぁ」 言え!言うんだ!柊かがみ! 「えっと、その、い、一緒に帰って上げてもいいわよ?」 するとこなたは。にへらと笑い。 「別に走って帰るからいいよ」 「ちょ、ダメ、ダメだってば!計画が…」 「計画?」 「あ、うぅ…何でもない…」 言いながらもこなたは玄関で靴をはいている。 「ぐすっ、私は…あんたと、ひっく、帰りたかったのに…ふぇ」 だから準備をしてきた。 「ほら、泣いてると置いてくよ~」 「え?」 「かがみがいないと帰れないでしょー」 こいつっ…騙したな! 急いでこなたの側まで走っていく。 相合い傘で帰る。それはお互いの温もりを感じられる距離。 「こ、こなたっ」 「んー」 「家、寄ってかない?」 「かがみの家?」 「うん。濡れちゃったしさ!何か飲み物でもどうかと思って!別に変な含みはないよっ?」 「いいよ~」 よしっ。計画通り。 -- 「飲むものもって来るから適当に座っといて。」 「ん。」 こなたが腰を下ろしたのを確認。 私はキッチンに。 「この薬を入れて…と。」 俗に言う『媚薬』。 「今日こそはあいつからしたいって言わせて見せるわ…」 「お待たせー」 「かがみー、この漫画面白いねー」 「でしょ?ほら、ホットミルク」 「ん。ありがとー」 よし。飲んだっ 何の疑いもなく、飲み干す。 (即効性だからすぐに効き目が出るはずだけど…) 「…かがみ、この部屋暑くない?」 (来たっ) 「そう?」 見ると漫画を読んでいた目はギュッと閉じられている。 「あっ、かが…み、なんか」 「どうしたの?」 「ね、かがみ…しよう?」 「何をー?ちゃんと言ってくれないと分かんないなー♪」 「ひ、ひど…」 たまには反撃しないとね。 「…えっち…したい…」 「ふふ。良く言えました。次は自分で服、脱ぎなさい?」 「えっ!言えたらしてくれるって…」 「そんな事言ってないけど」 ちょっといじめてみる。 「~~っ!脱ぐ、からぁ」 制服のシャツ、そしてスカートをおずおずと脱ぐ。 「あれ~?あんた濡れちゃった?」 「や、違っ」 「私まだ何も手出ししてないんだけど。見られて濡らしちゃうなんてえっちなのねぇ」 「うぅ…」 「そんな子にはお仕置きしないとね♪」 「え、あっ!」 こなたの割れ目に足を這わせ、ゆっくり振動させる。 「わっ、あっ、やばい、それやばいって」 「いいっていうまでイっちゃダメよ」 「そ、そんな…ああっ!なんかっ…気持ち良すぎるっ」 (薬の効き目はバッチリみたいね) 「あんっ、うあっ、かがみっ…我慢出来ないってぇ」 こなたは上半身をばたつかせながら耐えている。 「…私はとっくに我慢出来てないのよ…」 「え?」 「何でもない!」 足の振動を強める。 「ひゃっ!?ダメだってば!あぁっん、やめ、イかせてぇぇっ」 「まだダメよ?」 「ふぁっ、やだやだやだぁぁっ!」 「……。」 絶頂を迎えたのだろう。こなたは荒い息で震えていた 「ぁ…、ごめ、ごめんなさ、い…」 呂律の回らない舌で謝って来る。 「…お仕置きね。」 「え?」 私は再び足をかけた。 「ちょ、ちょっとタンマ!」 今度は陰核を押し潰す様に。 「ひっ!あっ、イった、ばっかりなんだって!」 「だからお仕置きしてるんでしょ」 「あんっ、やぁ、また、イっちゃうって!う、ぁぁぁぁっ」 二度目の絶頂を迎えた後も執拗に責め立てる。 --- 「…かがみ」 「……。」 私はこなたの前で正座していた。 「なんでこんな事したの」 「あんたが可愛いからやった。今は反省している。」 「……。」 「でも気持ち良かったでしょ?」 「……ちょっとだけね」 「ちょっとー?10回もイったのはどこの誰さんでしたっけ」 「……」 こなたは無言で立ち上がり。 「ちょっと?泉さん?なんで私の服脱がしてるんですか?」 「私ばっかり気持ちいいのは不公平でしょ~?」 「ちょ、うわぁぁぁぁ」 FIN コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-09-23 15 20 47) 「うん。濡れちゃったしさ!」 ヤル気まんまんですがな -- 名無しさん (2011-04-12 23 01 19) バレたのか,,,, -- 名無しさん (2010-08-12 11 54 03) 10回....... -- ロケーション (2010-06-13 13 18 03)
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唯「最近、あずにゃんのスキンシップが激しすぎる気がするんだけど……」モグモグ 律「んー?何だ、惚気か?余所でやってくれ余所で」 唯「違うよ!」 澪「うん、まあ最近の梓はグイグイ押して行ってるよな……っと、律」ヒョイ 律「おっ、サンキュー。へへ、澪の卵焼きは美味しいんだよなー♪ほい、お返し」ヒョイ 澪「ありがと」 紬(何て自然なお弁当交換……!さすがりっちゃんと澪ちゃんね!) 唯「グイグイ来すぎだよー……」 律「いいじゃん、スキンシップ好きだろ?もともと唯が梓に抱きつきまくってたんじゃん」 唯「そうだけどさ、あれは恥ずかしがるあずにゃんが可愛くて……」 紬「あら?唯ちゃんは積極的な梓ちゃんは嫌いなの?」 唯「そ、そういうわけじゃないけど……」 律「梓も戸惑う唯が面白くてエスカレートしてるのかもな。いっそ梓の攻めを受け入れてみたらどうだ?」 唯「むっ、りっちゃんにしては良い意見だね。あずにゃんを受け入れて、それで……」 紬「にゃんにゃんして、イケるとこまでゴーね!」ウフフ 唯「ダメじゃん!」 澪「……」メモメモ 律「ん?みーお、何書いてんの?」 澪「いや、良い歌詞が浮かびそうな気がしてさ。女の子のアクティブな恋を描く感じで……」 紬「モデルは梓ちゃん?凄い曲が出来そうね!」 唯「……うん、すごい変態ソングが出来る悪寒がするよ……んっ、私ちょっとトイレ行ってくるね」 ―――― 梓「最近、唯先輩とのスキンシップが足りない気がするんだよね」モグモグ 純「はい?梓いっつも唯先輩にベタベタしてんじゃん」 梓「まだ足りないんだよ。私の唯先輩分はチャージに時間がかかるからね」 純「唯先輩分ってあんた……」 梓「あ~、唯先輩の胸に飛び込んで思いっきりギューってしたいなあ」 憂「あはは、お姉ちゃんあったかくて気持ちいいもんね~」 梓「うんうん、柔らかいしいい匂いするし、最高だよ」 憂「お姉ちゃんに抱きしめられるとホワホワしちゃうよね」 純「何だこの会話」 梓「あーあ、唯先輩の話してたら余計に唯先輩分を補給したくなってきちゃった」 純「放課後まで我慢しなよ発情猫」 梓「放課後までかあ……ん、私ちょっとトイレ行ってくるね」 純「あ、私も行くー」 梓「え?私三年のトイレ行くけど」 純「三年生のトイレ!?何でわざわざそんな遠い所に……」 梓「もしかしたら唯先輩に会えるかもしれないじゃん」 純「梓、そんな涙ぐましい努力を……」 梓「それにもしかしたら、唯先輩と一緒に個室に入れるかもしれないし」 純「そんなことはありえない」 梓「というわけで私は行くね、じゃあまた後で!」ダッ 純「あっ、……行っちゃった。憂、トイレ行かない?もちろん近いとこのね」 憂「うん、行くよ」 唯「あっ」 梓「あっ」 唯「あずにゃんもトイレ?奇遇だねー」 梓「はい、奇遇ですね」 唯「でもここのトイレってあずにゃん達の教室から遠いよね?何でここに……」 梓「決まってるじゃないですか。唯先輩に会うためですよ」キリッ 唯「ふえっ!?……そ、そっかー///」 梓「会えてよかったです」 唯「むむ……あずにゃんも言うようになったねえ」 梓「成長したんです。褒めて下さい。唯先輩分を補給させて下さい」 唯「唯先輩分とやらが何なのかは知らないけど、とりあえずトイレが先だよあずにゃん君」 梓「あ、そうですね。じゃあ一緒に入りましょう」 唯「一緒には入らないよ?」 梓「私って真ん中の個室って何故だか好きじゃないんですよね。奥のほうでいいですよね?」 唯「無視しないであずにゃん!」 …… 唯「何だか最近あったかくなってきたね~」 梓「そうですね」スリスリ 唯「……」 梓「……♪」クンカクンカ 唯「あずにゃんや」 梓「はい?」 唯「熱いうえに歩きにくいから、その絡みつくようなくっつき方はやめない?」 梓「え?嫌です」 唯「即答だね」 梓「唯先輩、シャンプー変えました?」スンスン 唯「あと匂い嗅ぐのもやめてね」 梓「わがままですねえ」 唯「あずにゃんには言われたくないよ」 梓「ご存じのとおり、私は唯先輩にくっついてないと死んでしまうんです」 唯「初耳だよそんなこと……ほら、とりあえず離れた離れた」グイー 梓「あう……ゆいせんぱいぃ……」グスッ 唯「何で泣くの!?」 梓「ひっく、ぐす……」 唯「ああもう、じゃあ手!手をつなごう!」ギュッ 梓「あ……えへへ、唯先輩の手あったかいですね」 唯「泣いた子がもう泣きやんだよ」 梓「恋人つなぎってこんな感じでしたっけ?」 唯「わわっ!?指を変なふうに絡ませてくるのはやめてあずにゃん!」 梓「ふふふ、唯先輩をねっとりと絡めとってあげます」 唯「変な言い方もしないの!もーっ!」 紬「梓ちゃん、ついに泣き落しまで会得したというの……!?」 律「振り回されてるなあ唯のやつ」 澪「……」 律「ん?澪、どうかしたのか?」 澪「い、いや、何でもない……」 紬「あらあら?唯ちゃん達を見て、りっちゃんと手をつないで帰りたくなっちゃったとか?」ワクワク 澪「ぅえっ!?ち、ちが……っ!///」 紬「もう、澪ちゃんってば素直じゃないんだから!ほらほらりっちゃん、澪ちゃんをエスコートしてあげないと!」 律「ええっ!?え、えーと、その……んっ///」ギュッ 澪「り、りつ……えへへっ」ニコッ 紬「こういう初々しいのもいいわあ……」ウットリ …… 梓「むう……」 唯「ん?どうしたのあずにゃん、唸ったりして」 梓「あ、唯先輩。実は進路のことでちょっと……」ペラッ 唯「進路調査票かあ。あずにゃんもそろそろ将来について考える時期なんだねえ」 梓「はい。色々考えてはいるんですが、何故か先生に書き直せって言われちゃいまして……」 唯「ああ、あるある!私もミュージシャンって書いて、さわちゃんに呆れられちゃったんだよね~」 梓「先生たちは頭が固いんですよ」 唯「でもあずにゃんって成績良いし普通に進学じゃないの?どれどれ、何て書いて……」 唯「……」 梓「どうして固まってるんですか唯先輩」 唯「いや、あずにゃん?」 梓「はい?」 唯「私の目に狂いがなければ、この調査票には『お嫁さん』って書いてあるように見えるんだけど……」 梓「書いてありますね」 唯「しかも、『唯先輩の』っていう修飾語までついてるし……」 梓「唯先輩のお嫁さんを希望しているんですから当たり前でしょう」 唯「……」 梓「……」 唯「ああもう、ちゃんと書き直しなさい!こんなの通るわけないじゃん!」 梓「えー」 唯「えー、じゃないの!もうっ!ご丁寧に名前欄が『平沢梓』になってるし!」 梓「中野唯のほうがいいですかね?」 唯「いや、そういう問題じゃなくてね……」 梓「私的には唯先輩のお嫁さん的ポジションが良いので、平沢姓を推したいところなのですが……」 唯「はあ……何かあずにゃんと話してるとたまに凄く疲れるよ……」 梓「私は唯先輩と話してると凄く元気になりますよ?」 唯「うん、それはいいからとにかく書き直し!ほらほら、ペンを持って!」 梓「むう……」ブー 唯「むくれないの。ほら、ちゃんと大学進学って書いて」 梓「……」 唯「あずにゃん?」 梓「……唯先輩と、一緒の、大学っと」カキカキ 唯「……まあそれくらいならいっか。みんなでバンド出来るし、ね」 梓「はい。ずっと一緒にいたいです……」 唯「あずにゃんは甘えんぼさんだねえ」ナデナデ 梓「えへへ……結婚はとりあえず大学に行ってからですかね」 唯「はいはい」 …… 唯「ふわああ……眠いぃ……」フラフラ 梓「ほら、しっかりして下さいよ唯先輩。危ないですよ」サワサワ 唯「……体を支えるフリして変なとこ触るのはやめようね、あずにゃん」 梓「ちっ」 唯「それにしても今日は疲れたねえ」 梓「久しぶりにいっぱい練習しましたからね」 唯「すっかり暗くなっちゃったねえ……早く帰らないと」 梓「そうですね……あっ」 唯「ほえ?」 キラッ 梓「……流れ星ですよ、唯先輩」 唯「わあ……」 梓「綺麗ですねえ。唯先輩ほどじゃありませんけど」 唯「そうだねえ」 梓「せっかく誉めたのにスルーですか。顔を赤らめて慌てて否定しちゃうとか、そういう可愛い反応を見たかったんですが」 唯「流石に使い古された言葉でそんな過剰反応はしないよ」 梓「むう……」 唯「ところであずにゃん、流れ星って見ている時に三回願い事をすると叶うっていうよね?」 梓「ああ、言いますね」 唯「私あれ成功したことないんだよね~」 梓「そうなんですか?まあ普通にやっても無理な気はしますが……あっ」 唯「え?あっ、また流れ星!」 キラッ 唯「えっとえっと、ギターがもっと上手く……いや、美味しいものをもっといっぱい……あれえ」ワタワタ 梓(唯唯唯) 唯「うう、やっぱり無理だったよ……見えなくなるの早いよお」 梓「ふっふっふ、私はたぶん成功しましたよ?」 唯「ええっ、本当に!?あずにゃんすごーい!」 梓「えっへん。褒め称えて下さい、ハグして下さい」 唯「もう、あずにゃんはそればっかり……おめでとう♪」ギュウッ 梓「……♪」 唯「ところで何をお願いしたの?」 梓「ふふ、秘密にしときます」 唯「え~?あずにゃんのけち~」 梓「でもまあ、叶えてもらえそうではありますよ?」 唯「へえ、いいなー」 梓「というか、現在進行形で叶ってるのかも」ボソッ 唯「あずにゃん、何か言った?」 梓「いえいえ。早く帰りましょう、唯先輩」グイッ 唯「わわわっ、急に引っ張らないでよ~!」 …… 梓「……」 唯「ふんふん♪」 梓「……」 唯「らんらん♪」 梓(唯先輩が、構ってくれない……私以外の子に夢中になってる……) 唯「えーっと、確か替えがこの中に……」ゴソゴソ 梓(唯先輩……)グスン 唯「あれー?どこに入れたんだっけ?」 梓(あずにゃんはここですよ。もっと構って下さい……)ウルウル 唯「う~ん……」ゴソゴソ 梓(ゆい、せんぱいぃ……) 唯「あっ!ここにあったのか~」 梓(ううう……私から唯先輩を奪う、憎き存在……) 唯「待たせてごめんね。今すぐ取り替えてあげるからね~♪」ナデナデ 梓(唯先輩を夢中にさせ、あのしなやかな指にいつも優しく触られてるあの子……) 唯「よーし、行くぞ~……」プルプル 梓(私だって唯先輩といつも一緒にいたいのに!あんなことやこんなことをしたいのに!) 唯「とりゃー!」パチンッパチンッ 梓(許せないよ……) 唯「ふい~、一仕事終了!次はっと……」 梓「許せないよギー太!唯先輩をかけて勝負だ!」ガタッ 唯「こらこら、無機物に嫉妬しないの」ペチン 梓「あう」 唯「まったくあずにゃんは……」 梓「唯せんぱぁい……」グスッ 唯「もう、ギー太の弦を張りかえたら一緒に練習するんでしょ?それまでおとなしく待ってなさい」ナデナデ 梓「にゃあ……」 律「平和だなー……」ズズー 澪「そうだな」 紬「……」 律「どうしたムギ、黙り込んじゃって」 紬「ううん、りっちゃんは澪ちゃんのエリザベスに嫉妬したりしないのかなあって」 律「はあっ!?す、するわけないだろー!」 紬「そうなの……?澪ちゃんはどう?りっちゃんがドラムにかかりっきりで寂しくなっちゃったりしない?」 澪「いや、別にそういうのはないな」 紬「ふむ……」 紬(自分がお互いの一番だと理解し合っている故の正妻の余裕という感じかしら……?) 紬「それもまたよし!」フンス! …… 梓「……」 唯「あれ?あずにゃん、どうしたの?」 梓「あ、唯先輩。見て下さい、雨ですよ雨」 ザー… 唯「あー、今日は夕方から降るかもって言ってたからねえ」 梓「……唯先輩、傘持ってきてます?」 唯「うん!憂が持たせてくれたんだ~♪」 梓「そうですか……」 唯「もしかしてあずにゃんは持ってきてないの?」 梓「はい、うっかりしてました」 唯「おおう、しっかり者のあずにゃんにしては珍しいミスだねえ」 梓「そうですね……あの、」 唯「じゃあ一緒に入ってく?あんまり大きい傘じゃないけど」 梓「……はい、お願いします!」パアアッ パシャパシャ 梓「えへへ……相合い傘ですね」 唯「そうだねー。あずにゃん、肩濡れたりしてない?」 梓「大丈夫ですよ、唯先輩にしっかりくっついてますし」ギュー 唯「……ちょっとくっつき過ぎな気がするなあ」 梓「濡れちゃわないようにするためですよ。唯先輩ももっと私にくっついて下さい」ギュー 唯「……まあいっか」 憂「あれ?梓ちゃんは折りたたみ傘を持ってたような……」 和「ふふ、唯と相合い傘をしたくて嘘をついちゃったのかしら?可愛いわね」 憂「……」 和「どうしたの?」 憂「えっと、傘忘れちゃったから……和ちゃんのに入れてくれないかな?」モジモジ 和「え?でも憂も……」 憂「……ダメ?」ウルウル 和「……はいはい。一緒に帰りましょ」 憂「えへへ、ありがとう!」 戻る
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107 名前:名無しさん@秘密の花園 投稿日:2009/07/03(金) 00 22 20 Xgp4PyPY 私は学校で会長と呼ばれ、部活動では部長と呼ばれる。 いつからだったか忘れたけれど、私にはある願望があった。それは他の人から見たらくだらないだろうし、別に願望というものに遠く及ばないかもしれない。 私は名前を呼んで欲しかった。 いつも、私のことを役職名で呼ぶ。会社の上司じゃあるまいし。 名字を呼ぶのは先生くらいで、名前なんてここ最近、特に学生議会長就任後は呼ばれたことなんて無かった。 そうなったのは呼びやすいからだろうし、敬意を持ってくれてるからなのかもしれない。 でも、親しい間柄ならやっぱり名前で呼んでほしかった。 まあ、無理に呼ばせる気はなかったし、呼んでくれたら嬉しいかな、なんてレベルの願望だった。 だけど…最近、一人。無性に呼んで欲しい人ができた。 あのコには特別に呼んでもらいたいかな…なんて。 馬鹿ね、私。 これじゃまるで少女マンガの主人公みたいな気持ちじゃない。私にはそんなキャラクターは似合わない。 誰だったか私を不良っぽくてイイだなんて言ってきたけど、確かに乙女ちっくな私は似合わないのは自分でも解る。というか、私は不良なんかじゃありません。 何はともあれ私は、あのコだけには名前で呼んでほしかった。 ----------------- 今日は珍しく晴れた。 嬉しくなって、私は今日も頑張ろうと空を見上げた。 梅雨は嫌いだ。 雨は嫌いじゃないけれど、やっぱりこのジメジメとした空気があまり好きではない。 夏に近いからか、直射日光が私を包むと体温が上がりっぱなしになる。 優希に作ったお弁当、危なかったりして…?いや、冷却材を一緒に入れといたから大丈夫。 学校に到着。 「おはよーございます、会長ー」 「会長、おはよー」 「おはようございます」 私は校庭内に入ると下級生から同級生までの沢山の人たちに挨拶される。 私は今日もそれに答える。 挨拶してくれる人の中に、少し、何というか…スキスキオーラ全開の人とかいる。私の自惚れかもしれない。でも、優希が私を見る目に近いものを感じるんだ。 正直悪い気はしないけれど、そんな目で見ていいのは残念ながら一人だけなのよね。 …優希はそんな情景を見たらなんて思うかな。 ちゃんと焼き餅妬いてくれるのかな? じゃないと、少し淋しいな…。 「ぶちょー、おはよーだじぇ!」 「のわっ!?」 不意打ちだった。 後ろから、小さな女のコが私を抱き締める。 一瞬誰だか解らなくて、でも直ぐにその特徴ある口調で、優希だと気付いた。私の小さな恋人の、優希。 さっきまで優希のこと考えてたから、少し驚いてしまった。 「なぜそんなにあわててるのだ?」 「いやー、びっくりしちゃったから。…おはよ、優希♪」 「うん、ぶちょー♪」 うーむ。可愛らしい。 ----------------- 昼食は、屋外木陰の下で二人きり、時々咲や和もいる、なんていう日々が続いた。 だけど今日は暑い。私は良いとしても、優希にあまり無理させたくないわね…。 というわけで、私は今日は校内で食べることを考えた。 場所は私のクラスの教室。 昼食時教室には、クラスメートはあまりいない。学食や他の教室に行っているからなのだろうか。 うちの学校には上級生の圧力や格はそんなに無いから、学年を飛び越え仲の良い人のもとへクラス移動する人が沢山いる。私のクラスでも毎日のようにそういう人は来てる。 だから、きっと優希も上級生のクラスに入るのにさほど抵抗がないと思う。 などと授業中考えていたから、授業の内容全然聞いてなかった。ま、大丈夫だけどね。 気だるい授業は終わった。 そうして迎えにゆくのは、私だけのお姫様。 彼女に私は提案し、快く了解してくれた。 クラスに戻ると、今日もほら、クラスメートはまばらで。十人満たない。 私は窓際の机を提供した。持ち主いないからいいわよね。 熱い日差しが入るからカーテンでも引こうかな、なんて思ったら…徐々に天は曇り空に切り替わっている最中だった。 「はい、優希。今日のタコス」 「わー♪おいしそーだじぇ!いっただきまーす♪」 美味しそうに食べる優希。 そんな優希を見てるだけでこっちまで幸せを感じるから不思議だ。 「毎日タコスで飽きない?」 「無論だじぇ。タコスならいくら食べても飽きないじょ♪」 「そんなに好き?」 「うん♪」 じゃ、ここでお決まりの意地悪を一つ。 「優希はタコスと私、どっちの方が好き?」 優希が硬直するのが解る。 直ぐに頬を赤らめて、もじもじする。 そんな優希を見てると抱きしめたくなっちゃうから困る。 「…言わなきゃ、だめぇ…?」 破壊力抜群の台詞をその表情で言われると私も死んでしまいそうになる。 もー、めちゃくちゃ可愛いんだから! だけど私は、更にちょっとした意地悪をしたくなってしまう。 やっぱり私は悪い奴なのかしら。 「言いたくないなら良いわよ?優希は私よりタコスが好き、だなんて」 「!?!?」 優希は焦った表情になる。 あ、やばい。少し苛めすぎた。 急に良心にとがめられて。 「ご、ごめん優希…意地悪し過ぎたわ」 「…ひどいじょ、ぶちょー…」 「本当にごめんね…。許して?」 「……ぶちょーは私のことを苛めたくて仕方ないんだじぇ」 「な!!ち、違うわよ!?」 断じて違うわ! 「じゃあ…ぶちょーは私のこと、好き?」 「勿論よ!」 「じゃあ…愛してるって言って?」 「な……」 まさか、これは。 …優希の逆襲だったか。 やはり。いつの間にか、笑顔で言ってきていた優希。 や、やられた。 私が「好き」だとか「愛してる」だとかの発言が苦手なのを知ってる優希。 「…優希だって意地悪じゃない」 「おあいこだじぇ♪」 「やられたわ」 屈託なく笑う彼女。 無邪気に、優しく、私に笑顔をくれる。 私はまた、幸せ…を感じてしまうのだった。 だけど。 そんな幸福感の中に私はあっても、やっぱり思ってしまう。 何で、私を部長って呼ぶの…? 優希は私を好きなんでしょ…? なら、呼んでよ。 久って、呼んでよ。 その優しい笑顔で、可愛らしい口調で。 我が儘にも程がある。ばかばかしい願い。 でも……名前で呼んで。 ----------------- 授業が終わり、私は学生議会の仕事へ。 本日の議題は“来たる夏に向けての清掃活動”。別に夏だろーが何だろーが清掃活動はボランティアとしてやるのだけれど、私の意向でそうしてもらった。季節感が大事なのよ…まあ、単純にゴミ拾いなんだけどね。 生徒から有志を募って人数を増やす必要があるわね。うちの部員も入れちゃおうかしら。 暫くの後、部活へ赴く。 部活の時間は楽しい。 同じようにルールを知る人が、同じ時間、同じ場所に、四人いないと出来ないゲーム。 制約が多いのだけれど、それって凄く素敵なこと何じゃないかしら。 「あ、部長だ」 「こんにちは、部長」 「はいはーい、こんにちは」 「随分と遅い登場じゃのう」 「仕方ないじゃない、色々仕事があるのよ?」 一通り挨拶を交わして…あれ?一番元気なコがいない。 「優希は?」 いないと寂しい。お昼はあんな元気だったのに、何かあったのかしら。 「優希なら…」 和が指差す先は仮眠用のベッド。 なんだ、寝ていたのか。 …寝顔が見たいわね。 起こさないように、静かに近づいて。 「すー…すー…」 天使がそこにはいた。 「可愛い…」 「いや言わんでいいから」 「あ…」 思わず口に出てしまった。恥ずかしいわね。まこに突っ込まれてしまった。 「だって可愛いから仕方ないじゃない?」 「のろけんでえーから…全く、最近変わったのう」 「そうかしら?」 「そーじゃ。日に日に女にのーてる」 「私は産まれたときから女よ、失礼ね」 ま、確かに男勝りかな。 よくカッコイイだなんて優希が言うけどそれって女としてどうなのかな。 「まー、あまりのろけんで…只でさえ一年生がラブラブもんじゃから」 当の二人を見る。 普段はそんな雰囲気匂わせないのに。 ふと目があう二人。咲が笑いかけ、和の顔が赤くなる…前言撤回、普段も匂わせてた。 ----------------- 朝はあんなに晴れていたのに、下校時刻になる頃には雨が降り出した。昼に雲を浮かべた空は、雨を降らせる準備をしていたらしい。 しまった、傘持ってきてない。置き傘も折り畳み傘も生憎持ち合わせていない。 「ぶちょー、傘無いの?」 「うん…。優希、もしよかったら…」 「勿論だじぇ♪」 優希に入れてもらい、帰ることになった。 優希の傘は狭く、折り畳み傘だからか、二人には少し無理があった。 優希の肩を濡らしたくない。 私は出来るだけ優希に、傘が守る比重を置いた。 二人だけの空間がそこにはあった。 「ぶちょー、肩濡れてるじぇ…」 「大丈夫よ」 「でも風邪引いちゃう…」 私は優希に風邪引かれたら困るわ。 「いいから、ね?」 「…ごめんなさいだじぇ」 あまり強くない雨が降る。 「ねー、ぶちょー…」 「んー?」 「……何でもないじぇ」 「何よ?気になるじゃない」 「……ぶちょーは私に何かしてもらいたいこととか…ある?」 何を突然。どうしたんだろう。 「なんで?」 「ぶちょーは…いっつも私に色んな事とかしてくれるから…その、何かしなきゃかなー、なんて…」 優希は優しい。元気いっぱいで、思いやりがある。 そんな優希が好きなんだけど、少し律儀なところもある。 「今傘入れてもらってるわよ?」 「そういうのじゃないんだじぇ…こ、恋人として…あの…」 顔を真っ赤にして言うから。 思わず、私は抱き締めた。傘で隠すようにして。 「……ぶちょー……」 「今だって相合い傘なんだし、恋人同士でしょ?」 「……うん…」 雨で冷えていた優希の体。 少しでも温めてあげたくて。 ふと、とある願望が脳裏によぎる。 それは、いつからだったかずっと心にあったこと。 「……じゃあさ…一個だけ、お願い聞いて…?」 私は優希を抱き締めたまま、耳元で言う。 「……なんだじぇ…?」 それは、愛らしいあなたにしてもらいたいこと。 「…名前で、呼んで?」 それはばかばかしく、けど真剣な願い。 「……それだけ?」 「うん。…ダメ?」 「…お安いご用だじぇ!」 そして。 「久ちゃんでいい?」 「うん…優希」 めったに呼ばれたことなんてないから、無性に恥ずかしさを感じる。 今は、再び帰路の中歩いてる。 「久ちゃんは雨は嫌い?」 「まあまあかな?優希は?」 「私は好きだじぇ?だって…ほら、久ちゃんとこんなに近く…」 二人の頭上には、相合い傘には狭すぎだけど。 雨を守るのには不十分だけど、二人の距離を近付けるのには十分だった。 「そうね、優希」 久ちゃん、と呼んでくれる優希の手をとる私。 握り返す優希。 冷たくなったその手を、私は温める。 「久ちゃんの手…あったかだじぇ」 「でしょー?」 「何でそんなにあったかなのだ?」 何でかしら。健康だからかな。いや、違うわね。 「…多分、優希の手を温める為よ」 ---------------- 帰宅後、私は直ぐにお風呂に入った。 といっても、シャワーを浴びるだけ。 私は風邪を引くわけにはいかないし、体を温めようと思って。 熱いお湯を頭から被りながら、私はさっきまでのやりとりを思い出す。 「…久ちゃん、か…」 思わず苦笑してしまう。 まさか、こんな簡単に願いが叶うなんてね。 久ちゃん。いい響き。恥ずかしくて、でもなんだか心まで温かくなる。 いつからだったか、私は名前を呼んで欲しかった。 役職名なんかじゃなくて、私が私であった時からある、私だけの名前で。 私を特別に呼んで欲しい人が出来てからは、別に誰からでもそう呼ばれたいわけでなくなった。 そして今日…その願望は叶った。 …ますます近づけたね、優希。大好きだよ。 二人の距離を縮めてくれた雨に感謝しつつ、愛しいあのコをまた想った。
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ここからはエピローグになる。早いものでもう十二月の中旬過ぎ、終盤前だ。活気のない文化祭が終わってからもう数週間が経つ。 「このくらいの季節だったよな」 何が? 「お前と相合い傘で帰ったの」 ば、ばっかじゃないの! 傘が無かっただけじゃない!! 「ほう、じゃあ職員用の傘が一本しか無かったってのか?」 「ぅぐ……」 余計なことばかり覚えているものだ。何故その能力を試験勉強に使わない? 「今回は良かったじゃね~か。お前や古泉には遠く及ばんが、俺のランキングは急上昇だ」 あたしが教えたおかげでしょうが!!もっと感謝しなさい!! 「ああ、ありがとうよ」 「うっ……」 そんな顔で……笑うな……バカ。 この何の変哲もない県立高校でこんなことを望むのもあれだが、廊下にエアコンでも設置するくらいの配慮は無いのだろうか? いや、その前に部室か。……というか、まずは掃除当番の仕事量をどうにかしてもらいたいものだ。近くの私立高校では掃除はすべて外部の業者がやっているらしいし。 「意外と手抜きらしいぞ。それに、机の中に物を入れて帰ったら担任に報告が上がって翌日その生徒は大目玉を食らうらしい」 ああ……それは嫌……って、何でそんなこと知ってんのよ? 「中学の時のクラスメイトが通ってるのさ。なかなか大変らしいぞ」 あそこ女子高じゃない!! 「だから何だよ……。俺にだって女友達の一人や二人……はいないな。そいつだけだ」 ……その子名前何て言うの? 「………」 ……何よ? 「嫉妬か?」 違うわよっ!!あんたみたいな人間と友達だったってことはその子もきっと平平凡凡とした子だったんでしょうねって言いたかったの!!国木田みたいにね!! 「人の友達を貶すなよ」 だってそうじゃない!この際だから言っとくけどね、浮気なんかしたら死刑よ死刑!全身の毛穴という毛穴に爪楊枝を刺し込んでやるわ!! 「うげ……浮気は無いから心配するなと宣言しておくが、ハリセンボンの刑から逃亡する準備は整えておく事にする」 逃がさないわよ!! 「逃げね~よ」 ………もう。 もうこの階段を上るのも何度目の事か。上ぼる度に幸せが少しずつ近付いた魔法の階段。一人増え、また一人増えして五人という大所帯を居座らせる事になった元文芸部室。ドアを開ければそこにある日常。今となっては非日常が仮面を被っていたと理解できるが、それを知らなかった頃のあたしは一体どんな顔をしてその日々を送っていたのだろうか。 「おっ待た」 威勢よく出たのはそこまでだった 「せ」 と、あたし。 「ぇ~………」 と、続く。 フェードアウトして行く声。どこまで続いたかは定かでないが、モスキート音まで行っていない事だけは確かだ。デクレッシェンド後、緩やかにビブラートを保ちつつ、一気に絶句。 「あひゃっ!!」 と顔を赤らめて後退する名誉顧問。時既に遅し。 「そ、掃除当番じゃ~なかったのかにゃ……?」 SOS団の団員が二人も居て通常より早く終わらない理由など無い。 「ノ、ノックぐらいしておくれよぉ~……」 「まったくです」 と、顔色を変えずに笑顔で副団長。以前よりもずっと素敵になった、と付け加えてもいい。勿論、笑顔がだ。 「でも部室でキスなんて………何だか谷口の気持ちが分かりましたよ……」 「……にょろ?」 「あ、こっちの話です」 そう言って鞄を定位置に置き、お茶を入れだすキョン。うんと美味しいのを頼むわよ。今日は長丁場なんだから。 「分かってるさ」 鶴屋さん、古泉君。 「ひゃ、ひゃい!」 「何でしょうか?」 とりあえず座りましょう。話も始められないし。それと古泉君、敬語そろそろ抜けないの? 「いや……まぁ、なかなかね」 そうそう、その感じ!やっぱりそっちの方が自然でいいわ!もっと早く言うべきだったかもしれないわね。 「お前か機関かは知らないが、どうやらパーフェクトな集団では無かったようだな」 「だね。上層部の人間とか頭固いのばっかりで困ったもので………、もんだったよ」 「一樹君、セーフ!」 「ギリだったな。お前にしちゃ上出来だ」 へへっ、と副団長。それと同時にボッと音を立てるカセットコンロ。最近の、いつもの風景。 「さて、お茶も並び終わった所でいい加減始めたいと思う」 とはキョン。 「いろいろと回りくどく話さなきゃいけないこともある。が、その前に」 何? 「……やっぱり中華のフルコースでなきゃ駄目か?」 何を今更!? 「ダメ」 と、ウインクをしながら意地悪く舌を出す副団長。 「アルバイト辞めたから金欠でね。最近いいもん食ってないんだよ。悪いけど行く予定の店までリサーチ済みさ」 「ぐ……お前のリサーチ能力の高さを忘れてたよ……」 『高級』という漬物石的ワードを取ってもらっておいてまだ文句を言う気? 「キョン君、もう諦めたほうがいいっさ!その代わり今日は帰りに鶴屋さんがクレープを奢ってあげるよっ!」 キョンははにかみつつも「やれやれ……」と声を漏らす。今のが諦めの声か、はたまた本当に落胆した声なのかを聞き分けられるのは恐らく地球……いや、この宇宙でただ一人。あたしだけだろう。 その精度は正確無比。二十キロ先の針にライフルで糸を通す程の正確さだ。 何といってもこの能力は神様のような力を捨ててまで手に入れた力。青林檎を一緒に探してくれると言ってくれた人の隣で、笑いながらその人が大好きな赤林檎を一緒に食べ続けられる能力だからだ。 「それでは……」 その声で会議が始まる。 議長:あたし 進行:キョン 笑顔:副団長 積極的発言:名誉顧問 議題:SOS団の今後について 赤色エピローグ epilogue-2
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640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/04(土) 00 13 25.90 ID dRjk5cloo エイちゃんと相合傘 660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/04(土) 00 40 28.90 ID XM5Y/xB/o 【エイちゃんと相合傘】 京太郎「あちゃー、降ってきたか…」 京太郎「どうしようかなぁ…」 エイスリン「ン?」 エイスリン「スガクン、カサ ナイノ?」 京太郎「はい、置き傘誰かに持ってかれちゃったみたいで」ハハ… エイスリン「……」ン- エイスリン「……」カキカキ バッ 【一つの傘に二人が入っている絵】 京太郎「えーっと…」 京太郎「先輩の傘に入れて頂ける、ってことですか?」 エイスリン「ウン!」 674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/08/04(土) 00 55 06.63 ID XM5Y/xB/o 京太郎「じゃあ、先輩の寮まで一緒に行きましょうか」 京太郎「寮なら余ってる傘もあるかも知れないですし」 エイスリン「……」コクコク 京太郎「あ、傘は俺が持ちますよ」 京太郎「俺の方が背、高いですしね」 エイスリン「アリガト!」 京太郎「お礼を言うのは、俺の方ですよ」 ……… 京太郎(うん、先輩らしい、淡いピンクの可愛い傘だ) 京太郎(二人入るにはちょっと狭いけど…) 京太郎(まぁ先輩を濡らすわけには行かないよな) 傘を先輩の方に傾ける。 先輩がこちらを見た。 京太郎(少し露骨にやりすぎたか?) 少し怒った顔をする先輩。 エイスリン「ダメ!」 先輩が俺にギュッと身体を寄せる。 エイスリン「コレデ、フタリトモ ヌレナイ!」 京太郎「……」 京太郎「ハハ、そうですね」 京太郎「ありがとうございます、先輩!」 680書く
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某ファミレス── 黒子「秘密道具、ですの?」 佐天「うーん、能力開発の先生が言うにはそういう能力らしいんですけど……」 御坂「ポケットって、今佐天さんのお腹にくっ付いてるカンガルーの袋みたいなやつ?」 佐天「ええ、コレです」ツンツン 初春「最初に見たときは、やけに奇ばt──もとい斬新なファッションだなって思いましたけどね」 佐天「う~ん、今朝家を出るときはこんなものなかったんだけどなぁ……」 初春「正直言って、ツッコみ待ちなのかどうか判断に迷いましたよ」 佐天「え、そんなに変? 私は割とこのデザイン気に入ってるんだけどなぁ」 御坂「まあ、中学生が制服のお腹にポケット付けてるってのは結構シュールな絵面よね」 初春「それで佐天さん、結局秘密道具って何なんですか?」 佐天「いや、それが私にもよく分かんなくてさー……」 黒子「取り敢えず、実際にどんな能力なのか見せてもらえませんこと?」 佐天「んー、そうですねぇ。それじゃ何か適当に出してみますか」ゴソゴソ 初春「ホントにシュールな絵面ですね」 御坂「というか、あんなに小さなポケットに佐天さんの肘辺りまで入ってるのはどういう原理?」 佐天「ん~っと……、何か出てこいチンプクリンのホイッ!」 黒子「何ですの、そのかけ声……って」 初春「さ、佐天さんのお腹から……」 御坂「ヤカンが出てきた……」 佐天「あ、あれ? おかしいなぁ……今度こそ、ホイッと!」 御坂「あ、ラーメンの丼」 佐天「ホイッと!」 初春「お鍋のフタ…?」 佐天「ホイッと!」 黒子「下駄……というか、何故日用雑貨品ばかり出てくるんですの……」 佐天「ホイッと…って重たッ!!」ガンッ 御坂「ボーリングの玉!?」 佐天「結局、特にめぼしい物は出て来なかったなぁ」 黒子「フラフープに布切れ、金魚鉢にピコピコハンマーに目覚まし時計、その他諸々etc……出て来たものにも一貫性がありませんわね」 初春「これが全部そのポケットに入ってたんでしょうか……?」ゴッチャリ 佐天「自分でもこんなに入ってるとは思わなかった……」 御坂「明らかにポケットの内包量を越えてるわね……空間移動系の能力かしら?」 初春「何だか超能力って言うより、マジックショー見てる気分でしたよ」 佐天「それを言わないでよ。まあ、頑張れば鳩とかも出てきそうだけど」 黒子「というか、これでは佐天さんの力というより、単にそのポケットが凄いように見えますの」 佐天「いや、実はそうでもなさそうなんですよねー」 御坂「どういうこと?」 佐天「まあ、百聞は一見に如かずってコトで……御坂さん、このポケットから適当に何か出してみてください」ヒョイ 御坂「え、いいの? 面白そうね!」 初春「取り外せたんですか……」 佐天「ワンタッチ式になってるのさ」フフン 御坂「……あれ?」ゴソゴソ 初春「どうしたんですか?」 御坂「何にも入ってない……?」 初春「え? だってさっきまであんなに色々……」 黒子「成る程、要するに佐天さん以外の人間では取り出せないということですのね?」 佐天「そうみたいです。まあ、見ての通りでロクなものが出てこないんですけどね…」 初春「そんなことありませんよ! 念願の能力獲得おめでとうございます、佐天さん!」 黒子「もしかしたらレベルが上がればもっといいものが出てくるかもしれませんわね。頑張ってくださいまし」 御坂「よし、じゃあ佐天さんのお祝いに、今日は私が奢るわ。ケーキでもパフェでも好きなだけ頼んじゃっていいわよ!」 黒子「流石は黒子のお姉様、太っ腹ですの!! と言うわけで黒子はお姉様の熱っつぅぅういベーゼを頼みぶへらっ!!」ゴンッ 御坂「全くコイツは……」 佐天「……みんな、ありがとう」 アリガトウゴザイマシター 佐天「それじゃ御坂さん、今日はご馳走様でした」 御坂「いいわよ、このくらい。これからも頑張ってね」 黒子「お姉様、そろそろ急がないと門限の時間が……」 御坂「げっ、もうそんな時間だった!? 悪いけど黒子、特急で頼むわ」ガシッ 黒子「了解ですの(ああっ、お姉様の柔らかな手のひらがわたくしの手首に……! 黒子感激ですのぉぉっ!!)」 御坂「それじゃ、またねお二人さん」 初春「はい、また今度」 佐天「次に会うときまでにはもっと良いもの出せるようにしときますから期待しててくださいよー」 御坂「ふふ、楽しみにしとくわ」 黒子「それではまた何かあったら連絡くださいまし」シュン 佐天「さて、と。それじゃ私たちも帰ろっか」 初春「そうですね。……あ、ちょっと降ってきちゃいましたね」 佐天「天気予報も当てにならないなぁ…。初春、今日傘持ってきた?」 初春「持ってきてないです。佐天さんも……?」 佐天「うん。──あ、そうだ。もしかしたら……」ゴソゴソ 佐天「おおっ、傘が出て来た」 初春「早速役に立ちましたね、佐天さんの能力」クスッ 佐天「これはこれで便利な能力かもね。さて、それじゃ初春と2人、相合い傘で帰るとしますか~」 初春「も、もうっ、佐天さんったら///」カァァァ 佐天「照れない照れない。ほら、濡れちゃうからもっとこっち寄りなって」カチッ バッ ドザァァァァァーーーー………… 初春「………佐天さん」 佐天「………何?」 初春「………何で傘から雨が降ってくるんですか?」 佐天「………知らないよ」 今回の秘密道具 『さすと雨が降る傘』 その名の通り開くと雨が降ってくる傘。 一見何の使い道もない道具に見えるが、原作では無人島に漂流したのび太が水を得るために活用していた。 まあ、基本役立たず。
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/当麻と美琴の恋愛サイド/幸福の美琴サンタ 第7章 後"日"談その1 12/25 AM3:12 雪 上条が目を覚まして最初に見たのはいつもの天井だった。 上条(はは、またこの病院か、……………ッ!!?) 一瞬で色々な事を思いだしガバッ!と起き上がる。 上条「美琴………よ、良かった。夢落ちかと思った!」 美琴は椅子に座り、上条が寝ているベッドに上半身だけ預けて眠っていた。 上条は一瞬怖くなって嫌な汗がどっと吹き出すのを感じたが、それを見てやっと安心する。 美琴「むにゃ…………あ、起きたぁ?…………と、当麻」 上条は時計を見る。午前3時を少し回ったあたりだ。 上条「おい、良いのかよこんな時間まで」 美琴「……と、とと当麻のこと置いて帰れるわけないじゃない。私はと、当麻のこっ………ここ、こ恋人なんだから!!」 美琴は死ぬほど顔を赤くしながら無理矢理そっぽを向いて妙な単語を口走った。 上条「えーと……………、でもほら、誤魔化せるのは12時までって言ってなかったっけ」 美琴「………………アンタ、私にだけ恥ずかしい台詞言わせておいて全部無視するわけ?」 上条「……自分から言ったんだろ。何だ、俺にも言って欲しいのかよ?」 美琴「べ、別に言って欲しくなんか無いわよ馬鹿!!」 上条「うわっ!だから病室でビリビリすんな、っつかやらないんじゃなかったのか!!」 美琴「もう12時過ぎたから無効ですよーだ」 上条「あー。何だか俺、お前のこと嫌いになりそう」 美琴「ッ!!??や、やだ!それだけは絶対やだ!!」 上条「わー冗談です冗談!!だから泣くな―――――ってはい!ごめんなさい全面的に俺が悪かっただから今すぐその青白い 電撃をしまって下さいー!!!」 叫びながら土下座モードへ滑らかに移行する。 看護婦「ちょっと、上条さんうるさいですよ!毎度毎度、今何時だと思ってるんですか!!」 いきなりドカドカと恰幅の良い看護婦が乱入してきて、二人仲良く怒鳴られる。 『お前の方が声デカイだろ』なんてツッコミは出来ずに上条は土下座モードのまま平謝りを繰り返した。 看護婦「今回はいつもに比べて軽傷で済んだみたいなので、起きたのならもう帰っても良いですよ」 言外に『さっさと帰れ』と言われているような気がするが、とりあえずその点には素直に喜んでおく。 二人は帰りの準備を整えることにした。 制服やコートは生乾きだったが、文句は言っていられない。 上条「あ、これ……結局俺の言ったとおりになっちまったけど、どうする?洗って返すってことでいいか?」 美琴に借りた手袋とマフラーはもはや泥まみれになってしまっていた。特にマフラーは展望台でも付けていたので酷い有様だ。 原型を留めているだけで上条的にはまだ良い方だとは思ったが、借り物としては相当マズイだろう。 美琴「それもアンタあてに作ったものよ。アンタが持ってて良いわ」 上条「へ?」 上条はポカーンとする。 美琴「鈍感」 上条「あ、…………」 やっと上条は気付いて、気恥ずかしくて頬を染める。 ちなみに美琴は初めから汚れるのを見越していて、最終的には上条へと無理矢理押しつけるつもりだった。 上条「ん、待てよ?ってことはこの可愛いらしい猫の刺繍が入った手袋は俺向けなのか?」 美琴「…………何か文句あんの?」 上条「いいえ。ありません」 真実の口の前なら嘘ー!!!とか言われそうだったが、別にこのくらい良いだろう。 美琴「駄目になったら言ってちょうだい。直すから」 上条「………そりゃ、助かる」 『TOMA(はぁと)』と書いてあるマフラーや、猫の刺繍がされた手袋と共に当分過ごすことになるのかと思うと、正直素直 に喜べなかったが、さすがにそれは贅沢というものだろうか。 上条「準備できたか?」 美琴「ん、オッケー」 美琴はクマのぬいぐるみが入った紙袋を掲げて応じる。 それを見て上条は先に歩き出す。 上条「んじゃ行くぞー美琴」 美琴「え、………ナニナニ、もう一回言ってみ?」 上条の隣まで小走りで駆け寄り下から顔を覗き込む。 上条「行くぞー御坂」 美琴「………………アンタ、私をおちょくってるわけ?」 上条「いえいえまさかそんなって、あ、雪降ってる」 美琴「話逸らすな!ってうわ、大雪ね」 それも粉雪ならまだ良かったが、霙に近い濡れ雪だった。 上条「傘持ってねえぞ俺は」 美琴「あ、それ、持ってって良い傘じゃない?」 美琴が指差した先には大きめの傘立てがあり、『ご自由にどうぞ』と書かれた木の板が掛けられいた。恐らく忘れ物か何かだろう。 上条はその傘立ての中をよーく観察する。 残りの傘の数―――1本。 大きさ―――小さめ。 結論―――相合い傘。 上条「………………」 美琴「………………」 上条「はぁ。まぁそうなるよな」 美琴「何で嫌そうなのよ」 上条「お約束過ぎてげんなりしただけだ」 上条が傘をさし二人でそれに入る。時間帯のせいか人がまばらであるのが幸いだった。昼ならさすがに恥ずかしすぎる。 二人はとりあえず常盤台中学の学生寮近くまで行くことにした。 上条「こりゃ明日は電車止まるかもなー」 美琴「………そ、そうね」 上条「っておい、もっと近づけ濡れるじゃねえか」 傘がそれほど大きくないので二人で密着しないと肩がはみ出てしまう。 それなのに美琴は少しずつ上条から離れていってしまい、それを少しずつ上条が追う。 さっきから真っ直ぐ歩けていない。 上条(こういうのが色々積み重なって、俺は嫌われてると勘違いしてたような気がする……) 美琴「は………恥ずかしいんだからしょうがないでしょ!」 午前3時過ぎとは言え、さすがは若者ばかりの学園都市であった。ぱらぱらとだが先程から通行人とすれ違っている。 よく見ると美琴の頬が染まっていた。 上条(何だかこいつ……………) 上条はやっとそこで美琴の行動原理が一部理解できた気がした。 上条(って待てよ。つーことは、アレも……アレも……それにアレも恥ずかしかっただけか??) これまでの二人の思い出で美琴の行動が理解不能だったシーンを漁ってみたら、『恥ずかしいから』で解けそうなパズルが そこそこ見つかった。 上条は美琴がどういう場合にどういう反応をして、どう考えるのかが無性に知りたくなってくる。試しに傘を右手から左手 に持ち替え、右手で美琴の肩を抱いて思い切り引き寄せてみる。 美琴「わっ、わわ!……い、いきなり何すんのよ!」 美琴の声が裏返り、顔がさらに赤くなる。。 正直上条もかなり恥ずかしいが、それを無視して美琴の反応を観察する。 上条「あ、あんま濡れると風邪引くだろ」 美琴「え、えっと、まぁ、そうね。その……アンタが言うなら、し、仕方にゃい……から……このままで、その………」 微妙に怒った様子でゴニョゴニョ言っているが、その口元は少しにやけている。 上条(……………もしかしてこいつって物凄く可愛い奴なんじゃ?) そう考えると今までの美琴の行動が全て可愛い物に見えてくる。 上条(いや、いかんいかんぞ上条当麻!さすがにその思考はマズイ。勘違いかもしれないし、勘違いじゃなかったら俺が美琴に 溺れちまう………) そうだ。こいつはいつもビリビリしてくる暴力女でもあるのだ。と考えて今まで攻撃された過去を振り返ってみたが、それは それで怖すぎたので心の中で思い出の箱をそっと閉じる。恥ずかしいからと言っていくらなんでもあれは無い。 二人はそのままほとんど無言で歩き続ける。 聞こえるのは雪を踏みしめる靴の音と、傘に雪が降り積もる音だけ。 感じるのは外気の寒さと、お互いの温もりだけ。 美琴「あ、ここで良いわ」 気付くともう常盤台中学の学生寮の近くまで来ていた。 そこからは見えないが、今歩いている道を少し行って曲がると見えてくるはずだ。 上条「ん、もうちょい行っても良いんじゃねえの?」 人目を気にするにしてもあと50mくらいは行ける気がする。 雪は濡れ雪から粉雪に変わってきたので傘は要らないだろうが、単に出来るだけ長く一緒に居たかった。 美琴「常盤台中の学生寮なのよ?これ以上近づくと私と誰かが一緒に相合い傘してるってことくらい感知できる子居るわよ」 上条「…………………軍事基地か何かかよ」 美琴「んな可愛いもんじゃないでしょ」 上条「…………………………………」 そんな魔窟のトップに君臨する美琴が今自分の腕の中に居るというのは一体どういうことだろう。世の中不思議なこともあるものだ と、それよりさらに珍種である上条が思う。 上条「ま、なら仕方ないな」 美琴「うん」 上条「今日も色々酷い目にもあったけど、楽しかったよ。ありがとな、美琴」 美琴「………うん」 上条「じゃ、またな」 美琴「あ……えっとちょっと待って!」 上条「ん?」 帰るために回れ右をしかけた上条を美琴が止める。 しかし美琴は何も言わず、両手を前で絡めてもじもじするだけだった。 上条「何だ?」 美琴「え…………っと、あ、そうそう!携帯。アンタの携帯貸して。直した方が良いでしょ?連絡取れないのは困るし……」 上条「あ、ああそだな」 そう言って上条は美琴に携帯を渡すと、美琴はそれをいじり始めた。 上条「と言っても俺の場合は携帯に頼りすぎるのも危ない気がするなー。その携帯も中々タフだけど、いつ壊れるか分かんねえし……… お前の電話番号は控えておこうと思うけどさ、最終的にいざとなった時は自販機前で落ち合うってことでどうだ?」 美琴「んー。まぁ良いんじゃない?更にいざとなった時は私がアンタんちに直接行くわよ」 上条「それは何かと助かる。俺が寮に出向くのはまずいだろうし……」 前回は美琴が心配だったからとは言え、よくそんな魔窟に突入したものだと上条は思う。 知らぬが仏とはよく言ったものだ。 美琴「はい、完了。何だってそんなヘンテコな設定になってたのよ」 上条「んー?俺はいじったつもりねえんだけどな」 大方偶然どこかが壊れたか、寝てる間に偶然押してそうなったのだろう。上条にしてみればよくあることだ。 上条「とりあえずサンキュ。じゃな!」 美琴「あっ!………あの………さ……………」 上条「??」 再び呼び止められたが、美琴は先程と同じように、妙にもじもじするだけだった。 目線を下に落し、たまにチラチラ上条の顔を見て頬を赤らめている。 上条(………………………………………いやいや、まさか) 脳裏をチラッと横切ったその予想を振り払おうとする。 上条(……………無い無い。上条さんよ、それは酷すぎる妄想だぜ?) 美琴の表情は照れたようなものから、徐々に不満げに変わっていく。 上条(でも……………) 美琴にだけはその『自分にとって都合の良い予想』が通じるのである。 試しに鎌をかけてみることにした。 上条「まったく、しゃーねえな」 そう言って頭を掻きつつ一歩美琴へ近づく。 上条「目、閉じろよ」 そう言うと美琴は待ってましたとばかりに目を閉じ、少し上を向いた。 上条(ドンピシャですか美琴さんッーーーーーーー!!?) 上条の予想は大当たりしたようだった。どうやら美琴は『お別れのキス』を暗に求めていたらしい。 上条(いや、待て待て。だってここ、そこそこ人通りあるぞ!?恥ずかしいんじゃねえのかよ!!) 今の美琴の理屈としては『恥ずかしくてたまらないけど、アンタが求めるなら我慢するわよ。さっさとしなさい』である。 しかしそんな高度なことが解かるわけがない上条は混乱し、焦る。 美琴はじっとその体勢を変えないので、今更やめようだなんて言うことは出来ない。 雪が降るほど寒いのに汗がタラタラ流れてきた。 上条(………う、仕方ねえ!) チュッ―――と、軽くおでこにキスをする。 美琴は目を開けると、半分嬉しそうな、半分不満そうなよく分からない顔を上条へ投げかける。 上条「お、俺だってこんなとこで恥ずかしいんですぞ姫」 視線を少し逸らして弁解した。 これは癖にさせちゃダメだと上条は固く心に誓う。 美琴に告白する覚悟はあったが、『外で中学生にキスしてる凄い人』として吹聴されるだけの覚悟は無い。 美琴はそれでやや諦めたと言うような顔をする。 美琴「私も、今日は楽しかった。また今度、あのゲーセン行きましょ。もっと凄いのもあるから」 上条「……………あれ以上ってそろそろ法に触れるだろ。ま、気が向いたらな」 とりあえず新作機種だけは頼まれても絶対しないだろうが。 美琴「それじゃ、またね。おやすみ……当麻」 上条「おう。おやすみ美琴」 今度こそ上条は来た道を戻る。 少しして振り返りたくなったが、何度も振り返ると美琴が帰りにくいかなと思い、ただ前を見て進む。 50メートルくらい歩いてそろそろ良いだろうとようやく振り向くと、しかし美琴はまだ上条を見ていた。 上条(ったく、風邪引くだろうが、早く帰れ!) ジェスチャーで伝えると、満足したのかようやく美琴は上条と逆方向へ歩き出した。 上条(まるでまんま恋する女の子だな。キャラ変わりすぎだろ) どちらが美琴の素の姿なのだろうか――――なんて、考えるまでもないだろう。 上条も再び自分の家目指して歩き出す。 上条「しかしまだ降んのかよ。すげぇ雪」 それでも不思議なことに寒いとは思わなかった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/当麻と美琴の恋愛サイド/幸福の美琴サンタ
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出典:エーケービー四八で百合SS レス:99-102 雨の中誰も居ない公園で一人ぼっちって、他の人からどう見えるんだろう それかこんなに酷い雨だから、誰かが通りすがる事もないかも知れない 頭の隅で色々考えながら適当に座ったブランコがギイ、と悲鳴をあげる 足元の水溜まりを蹴って飛沫を飛ばすと直ぐに泥水は雨に混ざって消えた すべり台のそばで誰かが忘れたサッカーボールが、水を弾きながら小さく揺れる 7月って言えばもうすっかり夏と太陽のイメージなのに、空はここ数日不機嫌な雲に覆われてる 一緒に私の事も見えないように覆ってくれたらいいのに、って前髪を掻き分けながら小さく呟いた 濡れた耳が冷えてピアスを付けた耳たぶが痛んだ そういえば、パパ結局ピアス開けた事気づいてくれなかったなぁ 最後に見た大きな背中は昔私をおぶってくれたそれとは違って、若い女の人を世間の目から隠すものになっていた どうせ今日も残業と言っては帰ってくるのは朝方になるんだろう、週末だし 「何かダルイなぁ、色々」 少しだけブランコをこぐと派手に鎖が軋んで不愉快な音を立てたので勢いがつく前に止めた 逆に雨の勢いは増すばかりで溜め息すら目の前で叩き落とされる ポケットの中の携帯は防水とはいえそろそろ限界かも知れない、と開けば相変わらず何も受信していない待ち受け画面 別に壊れても構わないのに、一応ママにかけてみたけど案の定繋がらない、どうせまた習い事に出掛けてるんだろう まるで向上心に取り憑かれたような瞳にはいつからか私なんて映っていなかった いつの間にか独りになっていた私は、持て余した時間の使い方が分からずに ただ雑誌で見た街を誰と歩く訳でもなく、回遊魚のようにさまよっていた それでも暇は潰れてくれなくて、この公園の次はどこに行こうか考えてみたけれど、どうやらもう行く宛はないらしい でも家には帰っても意味ないし、もう気になってもいなかったけど雨を凌いだ方がいいのかも知れない 前髪から水滴が続けて二個落ちたのを合図に立ち上がろうとすれば、突然あれだけ降っていた雨が止んだ 「ぇ…?」 「あの、大丈夫?」 「誰あんた」 それが止んだのでは無くて、傘で遮られたんだと気付いたのは意味もなく甘ったるい声が話しかけて来たからだった 見上げると何故か泣きそうな顔が私を見つめて来ていて、ついぶっきらぼうな言葉が口から漏れる 彼女はすいませんと眉を一層下げて謝ったけど、目の前からどく気配は無かった よくよく見ると確かこの辺の女子校の制服を着ている彼女は、私よりずっと雨に溶けてしまいそうで どこからこの儚い雰囲気が出てるのか不思議に思ったけれど気にしても意味は無いと考えるのを止めた 「風邪引いちゃうよ?」 「別にとも帰るとこないし」 「とも?ともっていうの?」 「友美だけど?」 「ともも智美っていうの」 名前が同じだと知った瞬間に消えそうだった雰囲気は一気に鮮明な色を取り戻した "ともみ"なんてどこにでもある名前じゃん、って言いかけたけど嬉しそうな口元を見て引っ込めた ついに漏れた小さな笑い声は雨が傘を叩く音でほとんど掻き消されてしまう 私が怪訝な顔をしても表情は崩さないまま、伸びてきたカラフルな指先がネイルの所々取れた指先を持ち上げる 久しぶりに感じた体温は今までで一番暖かく思えて思わず握り返してしまう そのまま腕を引っ張られて立ち上がろうとした足は水溜まりを派手に踏んだ 「うっわ」 「どうせびしょ濡れじゃん」 「ちょっ、何?」 「行こ?智の家」 勝手に決めて勝手に歩き出すと湿気を帯びた茶髪が重たそうに揺れる 自然に相合い傘になったけど、どうせあまり意味はないと左側の肩は雨に打たせたままにした まだ街に広がっている梅雨の匂いに混じって、きっと彼女のものであろう香水が香った もう7月なのにね、隣で聞こえた台詞にある事を思い出して携帯のサブディスプレイを点灯させる 日付を確認するとポケットに押し込んで、空を見上げれば一面ピンク色 何となくこの子っぽいな、って感じて見上げたままポツリ呟いた 「友さ、今日誕生日なんだ」 「嘘!?おめでとう!」 「へへ、ありがと」 「帰ったら智のクッキーあげるよ」 「友チョコチップが好きなんだけど」 「えへへー智もー」 「じゃあチョコチップ?」 「んーん、バター」 「何だよそれ」 すぐ足元に転がっていたサッカーボールを蹴ってみたけど水に包まれてあんまり転がらなかった こーゆーの、嫌いじゃないかも知れない、親指はそっと携帯の電源を切る ふと漏れた私の笑い声に、彼女はまた嬉しそうに振り返った やっと笑った 口元がそう言ったように見えたけど、音は私の耳まで届かなくてはっきりした確信が持てない そういえば最近笑ってなかった気がする、それがこんな子に糸も簡単に、なんて思うと少し悔しかったけど 何かずっと居た友達でもないのに隣を歩いてると妙に落ち着いたから、まぁいっかって自己解決 「何で友に話し掛けたの?」 「んー、なんか」 「なんか?」 「すっごい暇そうだったから」 「…何だよそれ」 あながち間違ってはいなかったし、得意気に言ってのけるもんだから呆れた笑いが漏れる 公園を抜けてアスファルトを歩くと靴の裏から砂が逃げて行く 雨が止む気配はないけれど、髪の毛から滴り落ちていた雫はもう随分と減っていた 「帰るとこないなら、智のそばに居ていいよ」 そっと言われて、何だか優しさに違和感を感じる ただ単に久しぶりだから、ってのもあると思うけど、彼女だから、もあるかも知れない なんか調子を狂わされる感じもするけれど持て余した時間の使い方が少しだけ見えてきた 「友、誕生日おめでとう」 今日は7月3日、ただ一人彼女だけが私の誕生日を祝ってくれた ピンク色の空の下で、やっと私は18歳になる END
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715 : ◆36m41V4qpU [sage saga]:2013/05/26(日) 01 11 19.37 ID vPs0BN+70 "雪月抄" 相変わらず今日も家には両親は居なかった。 でも俺はそれで良かったんだ ずっと姉ちゃんが―――雪乃姉ちゃんが居てくれるから淋しくはない。 「ただいま」 「おかえり、きょうちゃん♪ ご飯にしますか?それともお風呂? ―――………そ・れ・と・も・♪」 俺がドアを開け玄関に入った時、雪乃姉ちゃんがいつもの様に俺を出迎えてくれた。 大きなアニメ?のキャラの柄のエプロンをして、手にはおたまを持ったままだ。 「雪乃姉ちゃんさ、その面白コントの台詞は常に言わないとダメなのかよ?」 「ぶー、コントじゃないもん」 「はいはい、腹減ったからご飯食べたい」 「うん もう出来てるから手を洗っておいで」 「いただきます」 「はい、いただきます」 今日の夕食は俺の好物の手ごねハンバーグに、具沢山の炊き込みご飯、 みそ汁もわざわざ料理に合わせた味付けで、サラダのドレッシングも 姉ちゃんの手作りだった。 ―――味はもちろん、きっと栄養のバランスも計算されているのが 子供の俺にも分かった。 「あ~マジで美味い ってか母ちゃんよか、雪乃姉ちゃんの方が絶対に料理上手だよな」 「きょうちゃん、有り難う 凄く嬉しいけど、でもお母さんの目の前で言っちゃダメだよぉ?」 「もちろん分かってるって………お代わり!」 「はいどうぞ………でもちゃんとよく噛んで食べてね」 「うん」 「ねぇ、きょうちゃん こうやって二人っきりで食事してると、わたし達って本当に新婚さんの夫婦みたい じゃない?」 「嫁さんにしては、姉ちゃん年上過ぎる」 「あー、年上の奥さんは世の中の男の人達には実は人気なんだからねっ! ぷんぷん」 「………それはそれとして、姉ちゃんは彼氏とか作らないの?」 俺が言うのも何だがうちの雪乃姉ちゃんは、 ―――家庭的で、気立てが良くて、可愛くて ―――おまけに優しくて、胸も大きくてどう考えてもメチャクチャモテると思う。 いつも姉ちゃんの料理を食べてて世話を焼かれてる俺には、その事がよく分かる。 「わたしの彼氏はきょうちゃんだよ」 「いや、姉弟じゃん」 「良(い)いの わたしにはきょうちゃん居るから」 「そ、そっか」 「それともわたしに彼氏が出来た方がきょうちゃんは嬉しい?」 「べ、別に嬉しかねぇけど」 「だったら出来ない方が嬉しい?」 「そんなの分かんないよ!―――ゴホゴホ」 俺からすれば、絶対に姉ちゃんに彼氏なんて作って欲しくない ―――なんてのは、どう考えても分かりきってる。 でも俺の我が侭で雪乃姉ちゃんに好きな人が出来ちゃダメ ―――なんて、口が裂けても言えるわけがないさ。 「あ~、ほらお口にご飯ついてるよ」 「ありがとう」 「きょうちゃんの方こそ、彼女は?」 「居るわけないじゃん」 つーか、彼女どころか学校には友達すらいない俺なんだぜ ―――なんて姉ちゃんを心配させられないから言えないけどな。 「だったらァ例のお団子ちゃんはー?」 「辞めてくれよ! あいつはそんなんじゃ―――」 「―――『あいつはそんなんじゃない、勘違いしないでくれ?』」 「そうそう」 「きょうちゃん………それテンプレ♪」 「て、テンプレって?」 「ふふ………ううん、何でもない。 そっか、お団子ちゃんとは何でもないのか」 「とにかくそうだよ!」 「だったら………まだ、わたしにもチャンスがあるよね?」 「………」 俺は誤魔化すようにご飯を頬張った。 チャンスも何も ―――俺の初恋の相手……………………は きっと、雪乃姉ちゃんは二人きりの淋しい食卓だから こんな風に冗談や軽口で、俺を楽しませてくれてるんだろう。 俺の姉ちゃんは本当に優しい 雪乃姉ちゃんが居なかったら、俺はもっとダメな奴になってたよ だから雪乃姉ちゃんには絶対に幸せになって欲しい ―――彼氏だって本当に好きな人が出来たなら俺は絶対応援する 「ごちそうさま。今日も超旨かった」 「はい、お粗末様でした」 「俺が食器洗うから、姉ちゃんはのんびり風呂にでも入っててくれよ」 「一緒にお片づけしよう」 「いや、ここは俺がするよ 姉ちゃんは無理したらまた熱出ちゃうからさ だから俺が―――」 妹のキリちゃんは前に言ったように入院してる。 姉ちゃんは色々と俺の面倒を見てくれてるけど、実はあんまり身体は強くない。 姉弟妹の中で、俺は丈夫だけが取り柄みたいなものだった。 「―――良いから、良いから♪」 結局二人で洗い物をして終わると……… 「きょうちゃん、お風呂入ろう」 「姉ちゃんが先で良いよ。ゆっくり入ってくれよ。 俺は後から入るから」 「一緒に入ろう」 「いやだから」 「一・緒・に・入・ろ・う・♪」 「う、うん」 「ハァーァ♪ お風呂はやっぱり良いね、気分も身体もさっぱりするよ」 「………………ブクブク」 「きょうちゃん、どうしたの?」 「俺、もう上がるからさっ」 「烏の行水はダメだよぉ ちゃんと、お風呂に浸かって暖まらないと風邪引いちゃうから」 「もう暖まったからっ」 「ダ~メだよぉ。ほらァつかまえた♪おいで」 「ぎゃーちょっと苦しいって」 『むにゅ、むにゅ』したものがちょっと当たってる 「もう逃げないー?」 「逃げない――逃げないから、離して!」 「うふふ 最近のきょうちゃんは、何だかちょっぴり照れ屋さんですね」 「いくら姉弟でも ずっと一緒に風呂入ってるっておかしいって」 「仲良し家族のスキンシップだよぉ」 「…………う~ん」 「きょうちゃんはわたしのこと、嫌いになっちゃったの?」 雪乃姉ちゃんは目を潤ませて淋しそうな顔をした。 ―――俺はこの顔に凄く弱かったりする。 「あーあ、しょうがないな 寂しがり屋の姉ちゃんの為に、俺が我慢して大人になってやるよ」 「あれー? ちょっと前まで『雪乃姉ちゃんと一緒じゃないと風呂入らない』 って駄々こねてたきょうちゃんとは思えない台詞ですね♪」 「そ、そんな昔の事は忘れた」 「はいはい きょうちゃんが忘れても、わたしはずぅ~と覚えてるから♪」 「………………………………………ブクブク」 風呂上がりは ―――つーか、寝る前の俺は大体、姉ちゃんの部屋に行くのが日課だ。 姉ちゃんの部屋は、すぐ俺の部屋の隣にある。 和室で―――俺の部屋よりちょっとだけ広い。 「よし、宿題出来た。」 こんな俺でも一応は勉強してたりする 「………はい、よく出来ました」 勉強はこんな風に姉ちゃんが見てくれている。 多分、うちの姉ちゃんは頭も良いと思う。 「何して遊ぶ?」 「ゲームの続きして良い?」 「うん、良いよ 終わったら教えて、一緒に遊ぼう」 そう言って、雪乃姉ちゃんは俺の背中に自分の背中をくっつけて 携帯ゲームで遊び始めた。 そして暫くすると毛布を一枚だけ、何処かから持ってきて お互いに背中越しのままその毛布に二人でくるまった。 ―――これも"仲良し家族のスキンシップ"なんだ、きっと。 暫くして 「きょうちゃん、何処まで進んだ?」 『なんとこの私が好きと申すか!? そ、それはいかん!もう1度考えてみなさい』 「えー? まだお嫁さん決めてないのぉ?」 「ごめん、まだ悩み中」 「う~ん きょうちゃんって本当に優柔不断なんだから、もう! ほら、わたしにちょっとコントローラー貸して?」 ―――と雪乃姉ちゃんは言うと 俺の背中越しから抱きつくようにして手を伸ばしてゲームを操作し始めた。 で、ツンデレの黒髪女に話しかけて何の躊躇もなく嫁に決めた。 「えぇ? ちょっと姉ちゃん………何で寄りにもよってデボラ?!」 「…………だってわたし、黒髪で年上だもん」 「何?その…………理由」 「良いから、ちょっと待っててね」 雪乃姉ちゃんは、コントローラーのボタンを超高速で動かし始める。 ルーラであちこち飛び回り、画面のコマンドが何度も点滅した。 でコマンドを入力する度に やっぱし―――『むにゅ、むにゅ』してた。 「雪乃姉ちゃん、む、胸当たってるって!」 「あ~神様 欲張りで可愛いわたしの弟―――きょうちゃんの為に………〆#♪∮」 雪乃姉ちゃんが何やら芝居がかった口調でそう唱えると 何と画面の中では 俺のピエール(スライムナイト)とスラりん(スライム)が、 それぞれ『フローラ』と『ビアンカ』に変わっていた。 「きょうちゃんが決められないなら、こうしちゃったら?」 「す、すげぇ 姉ちゃん…………どうやったの?これ」 「ふふ♪ きょうちゃんには言ってなかったけど わたし、実は魔法少女なんだァ」 「つーか、姉ちゃんの歳だと少女って言うよりもう―――」 「―――メラミ!」 「い、痛いって」 「きょうちゃん、ノリが悪いぞ! 次はメラゾーマだからねっ、ぷんぷん」 「………ご、ごめん」 「きょうちゃんには言ってなかったけど わたし、実は魔法少女なんだァ」 と改めて雪乃姉ちゃんは言った。 「す、すごいぜ。流石は俺の姉ちゃん」 「これでみんな幸せじゃない? 欲張りで優柔不断で、お嫁さんを選べないきょうちゃんでも平気♪」 「マジか、一夫多妻じゃん」 「きょうちゃん、難しい言葉知ってるね 今からは、きょうちゃんが好きな女の子を全員お嫁さんに出来て ずっと冒険出来るね」 俺は暫く画面を眺めていたが 「…………………う~ん でもこれはやっぱダメだと思う」 「どうしてー?」 「つーか、みんなに悪いよ。 もし、うちの父ちゃんが同じことしてたら、母ちゃんは絶対にキレるだろうし 子供の俺だって絶対嫌だ! 俺は海岸に住んでるセイウチでも、猿山のボス猿でもないからな 俺は人間様だからハーレムで雌を囲ったりしないんだ」 少し驚いた顔をした雪乃姉ちゃんが――― 「きょうちゃん………偉い♪」 ―――と言うと、俺は頭を撫でられた。 雪乃姉ちゃんは俺を慰めたり、褒めてくれる時に こんな風に頭を優しく撫でてくれる。 結構照れくさいけど、実は嬉しかったりする。 「本当に良い子だよー、この子はァ♪」 頭を撫でられながら、ついでにギュと抱き締められた。 「ちょっと、ぐるしいって姉ちゃん!」 「そうだよ きょうちゃんを、誰かと仲良く半分こになんて出来ないもん」 「………………姉ちゃんどうしたの?」 「ううん ごめんね、わたしが間違ってたよ」 「いや、気にしないでいいって 取り合えず、ゲームは辞めて二人で遊ぼう」 「うん♪」 その日、寝る時間になって 毎日、必ず一緒に寝ようって言ってくる姉ちゃんが 今日に限って何も言わなかった。 いつもの雪乃姉ちゃんなら――― きょうちゃんは『雪乃姉ちゃんと一緒じゃないと風呂入らない』って駄々こねた のと同じ様に きょうちゃんは『雪乃姉ちゃんと一緒じゃないと寝ない』って愚図った ―――ってからかってくるのにな 俺は照れくさかったけど、淋しそうに見えた姉ちゃんの為に 彼女のベットに無言で潜り込んだ 「きょうちゃんはわたしと一緒にねんねしたい?」 「う、うん」 「きょうちゃんは、とっても優しい男の子………だね」 「ち、違うぜ。優しいのは雪乃姉ちゃんだよ!」 俺がそう言った時、雪乃姉ちゃんは何も言わず ただ微笑んでいた。 「おやすみ」 「はい、おやすみなさい♪」 俺は何となく眠れなくて 隣ですやすや眠っている雪乃姉ちゃんの息遣いを背に感じなら、 ベットの中から窓の外に浮かんでいる月を眺めていた。 俺が学校に行くのが苦痛だった時(今でも別に楽しくはねぇけど) こんな風に隣に寝ている姉ちゃんと、ずっと一緒に居たいと願った。 もしも、姉ちゃんと二人だけで遠くに行けたら―――……………… ―――そこには面倒くさい学校も、辛い事も、悲しい事も無い ―――本当に何も無い世界で、優しい雪乃姉ちゃんだけが側に居てくれる。 ―――………………そんな事をいつも俺は想っていた。 だからベットからあの窓を見て、闇夜の空に『月』が輝いていると、 俺はとても安心して嬉しい気分になった 夜、あの月が照ってる間は、俺は姉ちゃんと一緒に家で過ごせるから。 ―――同じあの窓から見える 朝、目が覚めた時に、俺の顔を照らす暁の『太陽』は大嫌いだった。 あの月が消えて、太陽が輝けば俺は学校に行かなきゃいけなくなる。 そしたら当然、俺は雪乃姉ちゃんと過ごせなくなったから。 そして同じ太陽でも―――『夕陽』の色は好きだった それは学校から家に帰って雪乃姉ちゃんに会える色だったから。 今の俺はあの月を見ながら、何を思っているんだろう? 自分でその気持ちを確かめようとしながら、俺はそのまま意識が混濁して 静かな眠りの中に包まれていった。 ―――夢を見た 場所は、何故か舞台は"サラボナ" 『なんとこの私が好きと申すか!? そ、それはいかん!もう1度考えてみなさい』 おっさん、それ"テンプレ"なのか? と俺は思う。 そして次に ―――団子が団子の髪型を辞めて、髪を三つ編みにして 俺の目の前に佇んでいた。 『高坂、こんなわたしで良い? アンタのお姉さんみたいに女らしくないのに』 『ちなみに、高坂――― わたしの髪型は"団子"じゃなくて"シニヨン"って云うって知ってた?』 その隣は ―――妹のキリちゃんが 『お兄ちゃん♪ わたしは守って貰うしかできない女ですわよぉ』 『でもぉ………えらんでほしいなぁ♪』 そして最期に 『もうっ、何してるの? きょうちゃん早く、わたしを選びなさいっー!』 と雪乃姉ちゃんに抱きつかれて――― 俺が躊躇して、マゴマゴしてると 『ぱふぱふなら、わたしがいくらでもしてあげるのに!』 『むにゅ♪』 ああ……………"柔らかい"と"幸せ"はなんて似てるんだ と思ったところで目が覚めた。 「おはよう。きょうちゃん、朝だよ♪」 俺が起きた時 雪乃姉ちゃんに例の如くギュっと抱っこされて、顔にスリスリされていた。 「お、おはよう 姉ちゃん………………今、何時?」 「う~んと、9過ぎてるよ 朝ご飯出来てるから早く食べよう」 そっか……今日は休日だったんだ。 だから別に学校に行く必要はない。 昨日の夜、月を見ながら考えたことを何となく思い出しながら 休日の俺にはその答えを出す必要が無いことに今更気付いた。 朝食を食べ終わった後、さっそく姉ちゃんの部屋へ。 「ねぇ、きょうちゃん、前に言ってたゲーム覚えてる?」 「それって姉妹のゲーム?」 ―――それは俺が恥ずかしがって、姉ちゃんから何度勧められても 遊ぶことから逃げ回っていたゲームだった。 「そうそう………可愛い女の子が沢山出てくるんだけど」 「それってヤバいやつ?」 「ううん………別にそれほどでも無いと思うよ。 でもお父さん達には絶対に内緒だよぉ?」 「うん……………い、良いよ、やってみよう」 俺は少しだけ迷ったけど、結局肯いた。 何でだろう? その理由は、自分でもよく分からなかった。 もしかしたら、昨晩の雪乃姉ちゃんの淋しそうな顔を思い出したから? ―――だったのかも知れない。 「うんっ♪ わたしね、ずっときょうちゃんとやってみたかったんだぁー♪」 そう言うと姉ちゃんは、秘密?の本棚をどけて 謎のコレクションの一角からお目当てのゲームを持ってきた。 「これってさ、普通のプレステとかじゃねぇの? ゲームの箱がちょっと大きし、何か見た目も派手みたいだ」 「そうそう パッケージにも拘って作ってあるんだよ こういうのって」 雪乃姉ちゃんはゲームやアニメが好きみたいだ。 それも―――超がつくほど相当に好きなんだと思う。 俺みたいなガキの話にもちゃんと付き合ってくれて、 性別も年齢も違うのに二人共、それなりに趣味が合うのも、 そのお陰なんだと思う。 俺は一回だけ、雪乃姉ちゃんのコスプレ?と言うのを見せて貰ったことがあった。 色々意味で挑発的でセクシーだったので、俺はその格好の姉ちゃんを見て 鼻血を出してしまった。 『きょうちゃんしか見せる相手居ないのに、ちょっとだけしか 見せられなくて残念だよ~』 と雪乃姉ちゃんに言われて、鼻血を出しながら俺はちょっと嬉しかった。 そうなんだ ―――この秘密を知ってるのは家族の中でも俺だけだった。 いざゲームをする段階になって 俺は少し緊張して同時に変な意味でドキドキもしていた。 そのゲームの解説書を読むと ―――可愛い女の子(妹との)恋愛はあるし、(姉との)お色気要素もあるわで それを実の姉とやると言う状況は、俺の気持ちをアレ?って感じにする のに、充分刺激的だと思えたからだ。 例の『仲良し家族のスキンシップ』で ―――また二人で一緒に毛布にくるまった。 「きょうちゃんはいつも暖かいね♪」 と俺の頭を撫でながら雪乃姉ちゃんが言った。 ―――何だか、雪乃姉ちゃんから本当に誘惑されてるような気が ちょっとだけする。 ―――いざ、ゲームを起動しようとした時、家の電話が鳴る。 「きょうちゃんに電話」 「誰?キリちゃんかな」 「ううん………でも女の子だよ、やるね」 「そんなんじゃないって!」 俺はその瞬間 ―――電話先の相手が誰か分かったから、からかう姉ちゃんに必死に抗議した。 俺に電話をかけてくる女・の・子・なんてキリちゃん以外には この世界で一人しか居ない。 「何で、おまえがうちの番号知ってるんだよ」 『もしもし、高坂元気?』 「元気だぜ! で・おまえは何で番号知ってるんだよ?」 『だから同じクラスメートだって、何回言えば分かる?』 「あっそ そのクラスメートが休みの日の俺に何の用なんだよ?」 『高坂、今暇?』 「忙しい」 『そっか、残念 わたし、近くの公園でリレーの練習してる』 「へぇ、クラス委員は本当に真面目だな」 『良かったら、高坂もって思ったけど―――無理ならしょうがない また明日………学校で会おう。 アディオ―――』 「―――おまえ、もしかして一人でやってるのか?」 何で俺はこんな事聞いたんだろう 団子の声が元気ないって勝手に思ったからなのか? それとも……………… 『うん、一人』 自分で聞いた癖に、俺は意外だと思った。 こいつはいつも、クラスメートに囲まれてるクラスの中心人物だと思ってたし ―――事実、そうだった筈だ 「…………………………あのさ、俺は」 だから何だってんだよ…………俺には全然関係ないだろ? 何で"休日"に学校の奴に、わざわざ会わなくちゃならない? 今日は大好きな姉ちゃんとゆっくり一日過ごせる大切な日なんだぞ? 今から一緒にゲームするんだったんじゃないのか? でも、結局俺は――― 「ちょっぴり残念だけど 学校のお友達は大切だからね、うん」 「ごめん、でもすぐ帰ってくるし」 「わたしも一緒にお出かけ出来たら良いんだけど ちょっと熱っぽいから」 「なら看病するからさ。俺、やっぱ行かない!」 「ううん わたしは平気だよ、少し休めば大丈夫 だから………きょうちゃんは行っておいで」 「………でも」 「わたしは良いから。今日は一日のんびりしてるよ」 「う、うん」 「ふふ、やっぱりお団子ちゃんか ついに………………きょうちゃんを取られちゃった」 「だからそんなんじゃないって! 俺、行かな―――」 「―――う・そ・…………だよ ほら行っておいで」 「………………うん」 「きょうちゃん、いってらっしゃい♪」 ―――この時の雪乃姉ちゃんの顔だって 本当は、淋しそうだったんだ。 公園に着くと 「ちくしょう、やっぱ勝てねぇ」 「そうでもない 今のは………わたし結構、ヤバかった」 そうやって、その休日の間 俺はずっと団子と二人で走った。 「少し休憩しよう」 「お、おう」 「高坂、お昼ご飯食べた?」 「いや、けど起きたの遅いから遅めの朝メシは食べたけど」 「良かったら、食べる?」 「おうサンキュー、せっかくだから貰う」 団子が大食い自慢じゃなければ、 その弁当の大きさと量はどう考えても二人分だった。 そして団子の弁当は、見た目はちょっとだけ不格好だったけど 味は決して悪くなかった。 何故か、俺は団子のおにぎりを頬ばりながら 家に居る姉ちゃんのこと考えていた。 「なぁ………おまえさ」 「何?ほら、お茶―――」 「―――あ、有り難う 何でそこまで俺の為に色々やってくれんの? リレーだって、何でわざわざ」 「わたしはクラス委員 もちろん、点数稼ぎに決まってる」 「やっぱ、そうか」 「ちょっと普通、それで納得する?」 「なら、違うのかよ?」 「普通に………好きでやってるだけ」 「お、おまえ………やっぱ俺に惚れてたの?!」 「高坂―――アンタは一体何を言ってる?」 「いや…………実は俺の姉ちゃんがさ―――………」 「………―――ふぅん 高坂のお姉ちゃんって高坂と同じで面白い人みたい でも女のカンって言われても、わたし困る」 「だったら…………す、好きって何の話だよ?」 「好きってのは物好きって意味でしょうに アンタに惚れてるとか、高坂はちょっと自惚れ過ぎで わたしドン引きです」 「お、俺だって………さ、最初から知ってるつーの!」 「なら良(よ)いよ」 「でもおまえって物好きにしたってよ、 どうして俺なんかに親切にしてくれるんだ? やっぱ妹の面倒見てる俺に同情してるとか―――」 「―――偉いと思うけど、それは直接関係ない」 「なら、何でだよ」 「アンタ、うちのクラス全員と仲が悪いじゃん スカートめくるならクラス全員の女子で、喧嘩するなら男子全員と喧嘩してる」 「悪かったな、極惡人でよ」 「でも、特定の誰かの名前を出して悪口は絶対に言わない 特定の誰かを狙い撃ちにもしない 自分より弱い人とは喧嘩もしないし、しかけもしない」 「はぁ? おまえこそ、一体何の話してるんだよ?」 「うちのクラスって面倒なのが多い アンタを見習ってその子達の名前を今は出さないけど」 「そいつの名前言われても、俺は多分知らないぜ? ―――だからそれだけの話さ 悪口言おうにも名前を知らねぇし、言う友達もいねぇしさ 喧嘩だって、仕掛けられたらやり返すだけの話 要するに単なる正当防衛」 「ふぅん わたしさ、前の学年で虐められてた」 「う、うそ おまえ、今はボス山のボスメスザルじゃねぇか?」 「高坂―――アンタ、わたしに対してだけかなり口悪過ぎる」 ―――ボキボキ 「わ、悪い――悪かったから、関節は鳴らすなよな! それに…………おまえが虐められてたとか、流石に全く想像出来ねぇよ」 「キッカケは虐められてる子が居たから、親切心から助けてあげた。 そしたら、次の日からその虐められてる子の代わりにわたしが無視されて 結局、その子からも嫌がらされた」 「うげぇ、何かハードな話だな」 「別にそれは良い 問題はわたしがその時、その虐められてる子と同じことをしようとしたってこと。 未遂だったけど、虐められていたわたしを助けてくれた別の子を、 わたしは―――わたしの様にしかけた。 幸い、その子はそうなる前に親の都合で転校したし、今でも良い友達のままでいる」 「でも………別に、そいつが転校しなくても おまえは、そんな事をやらなかったかも知れないよな?」 「わたしはそんなに強くない 普通、アンタみたくクラス全員を相手に戦えない」 「俺だって強くねぇよ…………全然―――ぜんぜん強くなんかねぇ!」 俺は初めて―――本当に初めて 雪乃姉ちゃん以外の人間に弱音をこぼしていた。 妹はもちろん両親にすら、心配させない様に俺は自分の気持ちを殺していた。 でも今のこいつを前にしていると―――何故か我慢出来なくなっていた。 「強くないから、俺は逆に学校じゃ強がってるんだ 俺って寝るのも雪乃姉ちゃんと一緒だし、風呂も一緒に入ってるし 学校で話せない分、姉ちゃんと沢山話してるんだよ!」 「高坂ってシスコン?」 「いや―――俺の朝食はケロッグ派だぜ?」 「ぷ………それ"シスコン"じゃなくて"シスコーン" アハハ 高坂、意外にウケる」 と言って、団子は笑った いつもみたいに―――俺も結局、釣られて笑っていた。 何故か俺はこいつと居ると、本当にいつも一緒に笑ってしまう。 ―――まるで、雪乃姉ちゃんと居る時みたいに…………… 何となく暖かい気分になった。 こいつ相手なら、俺は変にカッコつけたり、自分を飾らなくて済む きっと俺は―――俺らしく振る舞える。 「俺はいつも、もし姉ちゃんが居なかったらって考えると怖いんだ。 本当に想像するだけで、ブルブルって身体が震えるんだよ。 姉ちゃんが居なかったら、学校に行くのだってイヤがってたかも知れない。 だから俺は強くねぇんだよ、全然 ホントは、すげぇビビりなんだ」 「………………」 「おい…………な、何か言えよ」 俺は急にこんな告白を始めた自分自身が恥ずかしくなった。 でも不思議と全然嫌な気分はしない。 「高坂がビビりなら、わたしもビビり………になる」 「………………お、俺」 「………………何?」 「俺さ…………… おまえが色々話しかけてきてくれて嬉しかったんだぜ 最初はうぜぇと思ってたけど、今でもちょっと思ってるけど」 「本当に今もうざい?」 と言って、何故か団子は真剣な顔で俺の顔を ずっと――ずっと見ていた。 「お、おい………おまえ」 「今もうざいって思ってる?」 「あんま…………お、思ってねぇよ もし思ってたら、わざわざ休日に会ったりしねぇからな!」 団子との睨めっこに簡単に負けて、 またもや俺は自分の気持ちをあっさり告白していた。 でも負けず嫌いの俺が、今は負けまくってるのに全く気にならなかった。 ―――いや、俺はきっと嬉しかったんだ。 「うん。なら、良(よ)いよ」 「俺さ………妹には、学校で俺って超人気者って言ってるんだぜ?」 「アンタって本当に面白い フフ……………ちょっと本当にお腹痛い」 「へへ………だろ?」 本当におまえはよく笑うな ―――こいつの笑顔は何処までも優しい そして見てる俺までも優しい気分にさせる。 団子の眼差しは、 まるで―――俺の大嫌いだった『太陽』みたいにキラキラしていた。 「高坂、どした?」 「あのよ、もし良かったらなんだけど 俺と………友達に―――」 俺は ―――まるで今から団子に愛の告白でもするみたいに 喉がカラカラになり、情けなく言葉をつまらせた。 でも今のこのポカポカした気持ちをどんな形でも良いから この目の前の女の子に伝えたいと思った。 でも俺の予想に反して、急に団子は不機嫌な顔になった。 「―――……………高坂、アンタさー?」 「やっぱ、俺なんかダメだったん―――」 「―――今更、友達になってくれとか言うなら、 そんな水くさいこと言うなら、わたしはアンタを殴る」 「わ、悪い。何でもない」 「うん、なら良(よ)い♪」 不思議だった ―――本当に雪乃姉ちゃんみたいに、いつまで話しても話は尽きなかったし 話す内容が無くなって、ずっと二人で黙ってても居心地の悪さも感じない この気持ちを呼び方を、その時の俺は知らなかった。 団子と馬鹿やって気付くと辺りはすっかり暗くなっている。 俺がいつも気にしていた『夕陽』はとっくの昔に沈んでいた。 「ま、またな」 「………………え?」 「な、何だよ?」 「ううん、別に。またねー高坂」 「おう!」 その日から、俺は登校する時も、学校にいる時も、下校する時も いつも、この風変わりな同級生と一緒に過ごすようになった。 すっかり遅くなって帰宅したことに 少しだけ罪悪感を感じながら、家のドアを開けて 玄関に入ると――― 「おかえりなさぁい、お兄ちゃん♪」 「え?何で………………キリちゃん?」 「ごはんにしますかぁ?それともおふろ? ―――………そ・れ・と・も・♪」 「えっと…………どうしたの?」 「キリちゃん、一時退院したんだよね?」 とリビングのドアを開けて出てきた 雪乃姉ちゃんが言った。 「うんっ♪」 「そっか!良かったな。 でも俺は知らなかったぜ………教えてくれたら迎えに行ったのに」 「「ふふふ」」 何故か姉妹が揃ってお互いに耳元でコソコソ話し合っている。 その後、ついにはクスクスという笑い声を抑えられずに二人共吹き出した。 「何だよ…………二人で内緒話しやがって」 「キリちゃんが、きょうちゃんを驚かせたいって言ったんだよね? ねー?♪」 「ねー?♪」 雪乃姉ちゃんがそう言うと、ユニゾンしてキリちゃんがそう言った。 「マジか 俺はキリちゃんのせいで、超メチャクチャスーパーウルトラハイパー驚いたぜ!」 「やったぁ!」 キリちゃんは顔がパァと明るくなるくらい、本当に喜んでくれた。 妹が―――キリちゃんが喜んでくれるなら、俺はどんな下手な芝居だって 一生懸命に全力でやるさ。 久し振りに一家団欒で食事をすると その後はずっとキリちゃんの相手は俺の役目だった。 風呂に入れてあげて その後は早めに(俺自身が久し振りに)自分の部屋のベットで一緒に寝る。 「今度はキリちゃんに、きょうちゃん取られちゃったか」 と冗談っぽく雪乃姉ちゃんは笑った。 眠る前にキリちゃんがせがむので、俺は学校での自分の話をする。 もちろん―――大半の話は大嘘だった。 話の中の学校での俺は勉強が出来、スポーツ万能、おまけに親切で 何を取っても完全無欠の最強ヒーローだった。 こんな嘘っぱちの俺の活躍を それでも(もちろん知らないんだから)キリちゃんは――― 『やっぱり、お兄ちゃんすごぉい』 とか 『かっこいい♪』 と、一々大きく肯いて、目を輝かせて聞いてくれた。 「お兄ちゃんを応援できるように ぜったい――ぜったい――ぜぇっつたい早くよくなる♪」 と頬を真っ赤にして、鼻の先にうっすら汗までかいて キリちゃんは俺に約束してくれた。 キリちゃんがぐっすりと眠った後 俺は――― 「本当は今日初めてちゃんとした友達が出来たんだ。 それまで俺は学校に、ダチは一人も居なかったんだ。 その子は―――その女の子は"団子"って言うんだけど ―――もちろん本当の名前じゃないんだけど 今更その子の名前をちゃんと呼ぶのが照れくさいから、俺はそう呼ぶんだ。 でも本当にすげぇ良い奴なんだ。 俺はその子とキリちゃんの為にリレーで一番になれるように練習してるんだよ。 こんな俺でも―――」 ―――こんな俺だって キリちゃんは、俺を応援する為に辛くても頑張っているんだから、 俺だって学校で少しは頑張っても良いよな? キリちゃんに話して聞かせた本当のヒーローなんてなれないかも知れない (きっと、俺には絶対に無理だ) でもキリちゃんが退院して大会を見に来てくれた時 そして、俺の好きな雪乃姉ちゃんの前では無様な自分だけは 絶対に見せたくなかった。 ―――だから少しだけ足掻いてみるさ。 朝、いつもより少しだけ早く目が醒めた時、 妹と一緒に並んで眺めた『太陽』の事を、俺は少しだけ好きになれた気がした。 「おはよう!」 団子と並んで登校して、教室のドアを開けると俺は開口一番 出来るだけ元気よく、クラスメートに挨拶した。 俺の突然の言葉に、大半のクラスメートは面喰らっていたが 団子が親しい良い友達とは、その日のうちに自然に話せるようになった。 それから暫くは平穏な日々が続いた。 そんなある日のこと 放課後リレーを走るメンバーで、バトンの受け渡しの練習をして いつもの様に団子と俺――二人だけが居残って練習していた時 俺は少し疲れて休憩していた。 団子は全く休まず、ずっと走り続けていた。 少し気になって俺が何か声をかけようとした矢先――― 「―――痛っ」 「おい、大丈夫か?!」 団子は全力疾走していたが、途中で急に止まって 片足だけで立っていた。 「大丈夫…………ちょっと捻っただけ」 「おまえ、ちょっと無理し過ぎだ!」 「だって せっかくやるなら、勝ちたいから」 「ちょっと良いか? リレーは個人戦じゃないんだぜ?」 「………」 「おまえ一人で頑張ってもしょうがないだろう? 頼りにならないかも知れねぇけど、少しは俺の事も ―――仲間のことを信用してくれよ」 「ごめんな………さい」 「ほら、肩つかまれよ」 「高坂―――やっぱり優しい」 「うっ、うるさい」 俺は団子を保健室に連れて行き、足の手当をして貰った。 保健の先生が用事で何処かに行ったので、俺達は暫く二人だけで保健室の中に居た。 「立てるか?」 「ちょっと、大げさ。わたしは全然大した事ないから」 「なら良いけど。 とにかく、これからは絶対に無理するなよ?」 「………………うん」 「まぁ今日は終わりだな。さて帰るか―――」 その時、保健室の前の廊下から声が聞こえてくる。 どうやら俺のクラスの奴等何人かが放課後たむろって雑談してるようだった。 『最近、高坂って大人しいよな』 『馬鹿のあいつが真面目にやるわけないじゃん 私、あいつの事が超嫌いなんだけど』 『友達居ないし』 『キモイし』 『今更、張り切ってるとか超笑える』 『最初から、誰もおまえに期待なんてしてないって』 当然、腹は立った ―――でも目の前で、悪口を言われてる当の俺本人が引くくらい怒ってる奴が 居た場合………………話は全く別だった。 「ちょっと待て!おまえ何する気だよ?」 「殴ってくる」 「辞めろ!」 「辞めない!」 「何でおまえが………」 何でおまえがそ・ん・な・顔するんだよ? 「高坂がエロガキなのは知ってる………けど」 「おいおいおい、ちょっと酷い」 「ふっ」 俺は自分のムカつきなんかよりも 団子が泣いてることの方が何倍も、何百倍も―――何千倍も嫌だった だから、こいつが泣きながらでも、少し笑ってくれて本当にホッとした。 だからもうその時の俺は、悪口を言われたことなんて本当にどうでも 良くなっていたんだ。 「機嫌直ったか?」 「ちょっとだけ でもあいつらは絶対に許さない」 「別に良いって あんな奴らに何を言われようが、俺には一㍉も関係ねぇよ 今の俺には………な」 「どうして?」 「例え、誰に何を言われてもな おまえはそ・う・思わないんだろ?」 「思ってない」 「なら、俺はそれで良い」 「実は、わたしはもっと酷いこと思ってる」 「おい、実は俺の方が泣きそうだぞ」 「ちょっと、笑わせないでくんない? わたし怒ってるって言ってるでしょうに」 「だからおまえが怒る必要はないって とにかく、俺の問題でおまえが他人を殴るのは辞めろよな」 「…………でも」 「良いから、絶対に辞めろ!」 「………………」 「な、分かったか?」 「………………うん、分かった あ~あ、でもわたしもすっかり落ちぶれました」 「何で?」 「高坂に正論で説教されちゃったら クラス委員のわたしの方が本当の問題児みたい」 「確かに全く、その通り」 「「………アハハ」」 俺らは顔を見合わせて、一瞬息を止めると 同時に大声を出して笑った。 きっと、俺はこいつが側に居てくれたら あの時の気分なんて忘れる所か―――もう思い出しもしないのかもな 強がってた頃の自分が少しだけ懐かしく感じて 同時に、団子の存在が自分の中でどんどん大きくなるのが分かった。 それに比例するように、 俺が一緒過ごす時間も姉ちゃんから、この不思議なクラスメートばかりになった。 その時の俺は きっともう―――『月』と同じくらい『太陽』のことが好きになっていた。 そうやってまた何日か過ぎた頃 いつもの様に、団子と一緒に登校して教室の中に入ると クラス中奴らが俺を見ていた。 団子と仲の良い友達はバツが悪そうに そうじゃない奴等はまるで俺を嘲笑するような顔で 違う、正確に言うなら―――俺ら二人を見ていた。 そして、俺らと交互に向けられた視線の先は、何故か黒板に集中していた。 俺は黒板に目をやる。 黒板には、大きな"相合い傘"が描かれていた。 その相合い傘の中には――― 学校一のおしどり夫婦 高阪京介/田村麻奈実 ―――と書かれてあった。 団子は無言で黒板に向かって歩いていき、黒板消しを握った。 俺はこの時、 今まで生きてきた人生の中で、本当に一番ムカついていた。 俺は別に馴れている。 でも俺のせいで、こいつまでこんな形で巻き込んだことを滅茶苦茶 後悔した。 俺が団子を―――田村を巻き込んだせいで 何で、こんな良い奴がこんな目に遭わなくちゃならねぇんだ? 俺の後悔は次第にどす黒い怒りへと変化した。 本当にニヤニヤしているクラスメートの何人かをぶん殴るつもりでいた。 相手がどうなろうが知ったことか もちろん俺がどうなろうが構わない 男だろうが、女だろうが関係ない とにかく、絶対にこいつらに報いを受けさせなければならない だから事実、掴み掛かろうとしていた――― ―――でもすんでの所で 「ねぇ、誰が書いたの?」 『………………………』 田村、こいつらに何を言っても無駄だよ ここで名乗り出るわけがない 「聞こえない?」 だから、無駄なんだ 田村―――おまえが何を言っても でも次の瞬間、 ニヤついている奴等の顔は、文字通り引きつることになる 「せっかく一生懸命描いてくれたのに残念 これを書いた人は、ちょっとそそっかしいねぇ 『高坂京介』の『阪』の字が違うよ?」 もう誰も笑わなくなった中 田村は、この教室の中で、ただ一人クスクス笑いながら そう言うと 相合い傘の中の俺の間違った名前の一部だけを消して、 わざわざ訂正して書き直した。 そして、何故かこれ見よがしに自分自身の手で ハートマークや花柄の絵を、次々に描き足していく。 ―――カツカツ 教室の中は、完全に沈黙包まれて 田村が黒板にチョークを走らせる音だけが響いていた。 クラスメートは唖然としていた。 俺が一番唖然としていた。 「うん♪よく書けてるね ねぇ、高坂 せっかくだし記念写真でも撮ろう?」 「は?」 「ほら、早くっこっち来る ついでに腕でも組くんどく?」 「………………おまえ」 「あっ、その前に―――」 本当に嬉しそうにニコニコしながら田村は――― 『わたし、高坂と出会えて嬉しかった』 『高坂、好きだよ』 『ずっと一緒にいようね』 ―――と更に、ダメ押しで黒板に書き込んだ 相合い傘はもはや、最初の原型を全く留めてなかった。 田村本人が楽しんで描いた部分の方がよっぽど目立っていた。 「―――ねぇ、誰か携帯持ってなーい?」 田村と俺は本当に文字通り ―――相合い傘の形で並ぶと、腕をしっかり回して組んで、 黒板を背にしてニッコリ笑って、ついでにピースサインまでした。 これじゃまるで この悪戯を―――俺達の方からお願いしたみたいじゃねぇか。 でも、俺らをからかった張本人は やり返されて、どうやら収まりがまだつかないらしい この悪戯―――と言うには悪質な行為を行った 本人がついに登場してきた。 『田村さん、高坂って 女子のスカートめくったりして、みんなに迷惑かけたんだよ?』 声と話し方で分かった、 保健室の廊下で俺の話をしていた女はこいつだ。 「ごめんね 高坂ってさ、すごく浮気者なんだ」 『は?一体何を言って―――』 「でもこれからは わたしがちゃんと、高坂をつかまえてずっと一緒にいるから」 『だ、だから、何を?』 「ねぇ、高坂良(よ)い? 今度からスカートは―――わたしのほら?、めくらせてあげる」 「え?」 ―――例のキャロットスカートだったが 本当に俺はスカートの裾を握らされて、途中までめくるポーズまで取らされる。 「 だから他の女の子のは、もう絶対にめくらせない ―――同級生の女の子はもちろん ―――どんな年・上・の・女の子も ―――どんな年・下・の・女の子も わたし以外のスカートは、二度とめくらないって約束 高坂、出来るよね? 」 「………………」 「出・来・る・よ・ね・?」 「わ、分かった。約束する」 「こいつが―――わたしの彼氏が浮気してたら、 みんなもちゃんと教えて?」 『だから、私はそんな話を―――』 「でもわざわざ、これを描いてくれたのはあなたでしょう? わたしと浮気者のこいつの間を、こんなにも一生懸命に応援してくれてるんだ。 うん♪素敵な相合い傘を書いてくれて、親切にどうも有り難う。 もし名前を間違えなかったら100点満点だったのにね」 『………………』 「朝のホームルームで先生が来ちゃったら色々面倒だから あなたが責任を持ってちゃんと消してね? はい、これどうぞ」 と田村はそう言うと 黒板消しをその女に放り投げる様にして渡した。 その女は完全に戦意を喪失し その女に同調していた奴等の顔からも血の気が引いていた。 田村は結果的に、そうやってこの場をちゃんと完全に納めた。 もっと酷いことになる可能性だって普通に有ったんだ。 事実俺は頭に血が上って、その時は何も考えられなかった。 こいつは何でこんなに―――強いんだ もし、田村が俺の立場だったなら こいつはきっと俺のようにはなってなかった。 絶対に―――そうなってなかった。 ああ…………そうか 俺は強がってたけど、結局は周りから見下されてただけだったんだ。 本当に強いと言うことは ―――虚勢を張ったり、威張り散らかすこと、無理に強がること そんな行為からもっと遠くにあったんだ。 まるで―――今のこいつの姿そのままの様に もしまた今度、こんな騒動が起きたら? 俺は田村がしてくれたみたいに ―――こんな風にスマートに場を納めることが出来るのか? こいつが一番困ってる時に、 ―――田村をちゃんと助けてやることが出来るのか? 田村が俺を笑顔にしてくれた様に ―――俺も田村を笑顔にしてやることが出来るのか? この後、俺はずっと『この事』を何度も――何度も考えた。 放課後二人になった時 「お、おまえイイのかよ? 何で田村が俺のとばっちりを受けなきゃいけないんだよ!」 「別に全然良(よ)いよ」 「だってよ―――」 「済んだ事でウジウジしない 高坂、アンタ―――それでも男の子?」 「いやだから、俺のことなんかどうでも良くて そんな話をしてるんじゃなくて―――」 「わたしが虐められた時 わたしの名前を、あの子に間違えられたことがあった わたしの場合は確実に、ワザとだったけど…………」 「………………」 「でも高坂の場合は完全に、普通に間違えられてたね、フフ」 また田村は優しく笑った ―――でも俺はいつもの様に釣られて素直に笑うことが出来なかった。 「だから俺のことなんてどうでも良いって言ってるだろ!」 「どうでも良くはない ―――わたしは絶対に良くないって、アンタに何度も言ってる」 「どうしてだよ? おまえは何でいつも―――いつも…………」 「ねぇ この前、保健室の前でアンタの悪口をわたしが聞いた時 高坂は全部自分の問題って言った」 「ああ」 「だから わたしは関係ないから余計なことするなってアンタは言った」 「ああ、言ったよ…………だから?」 「今度は―――次は、高坂の悪口を言ってる人間が居れば たとえアンタがいくら止めても、わたしは殴る 絶対に殴る」 「だから、何でだよ!」 「だってわたし達、夫婦…………だから せっかく相手がそう言ってくれたんだから、当然やる ―――旦那さんの悪口言われて、笑って許せるお嫁さんは居ない」 「お、おまえさ」 「何?」 「い、いや………何でもねぇよ 俺の同級生は怖い奴だなって思っただけ」 「ふぅん 高坂もやっと分かった? わたしには逆らわない方がイイかもね?」 「ああ…………そうする」 「そして、ちゃんと名字でも名前で呼んでくれてあんがと もう団子って言わないでくれる?」 「わ、わかった。怖いからそうする」 「ふふ、うん♪ せっかく、高坂も名前で呼んでくれたし、この髪型も変えようかな?」 と亜麻色の髪の毛を触りながら 田村はいつもの悪戯っぽい笑顔を俺に見せた。 ―――おまえは本当にすげぇよ つづく
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KIMO!OTA!JUMP!! 曲目 Jumping to my heart 作詞 1 作曲 1 ジャンwwピンwwトゥマイハーwww 恋してキモオタ~suiside boy~ 作詞ID kEk5NSxHO 作曲ID kEk5NSxHO ひらりひらりと舞い遊ぶように姿見せた俺の嫁 中野梓、真ん中!ど真ん中! 喜び飛び散る液 憂いを帯びた白濁 冷めた熱意 賢者とその虚無感 母親が尋ねてきた 「どこにも行かないの?いつになれば家を出るの?」 クズ 1は答えた 「終わりなどはないさ。終わらせることはできるけど。」 「そう。じゃあ・・・電気を消して///」 画面の中で君は言う 「ここに・・・///」 未だ挿入(はい)らない 誰がくだらない前戯をやれと言ったか? クリックれーーんだ!!(サビへ) 中野梓(あなた)に逢えたそれだけでよかった 世界に光が満ちた 夜に逢えるだけで良かったのに 愛撫したいと願ってしまった 前妻が表情を変えた 「フヒヒ、サーセンwww」 モテるとマジ大変 唐揚げ君(?)~fucking penguin~ 作詞ID kEk5NSxHO 作曲ID kEk5NSxHO 唐揚げ美味しく作るなら 「ブヒッヒヒーwww」 「ブヒッヒヒーwww」(以下ループ) 夢精歌 作詞ID kEk5NSxHO 作曲ID kEk5NSxHO 子供の頃の夢は モテモテリア充豚カツ! 思うまま彼女孕ませて 潤うフォルダ~ 『放尿』 同人誌画像 果てしないほど多く 無邪気なあずにゃん 1「お前は今日の晩御飯!」 貧乳、ロリ、梓、ドドリア 変な性癖ね 無垢な幼女を 客「求めてる!」 俺のジョニーが 客「求めてる!!」 とめどない欲望を 一つだけ叶えるなら スタートすぐ 死ぬボンバーマン あれを見ていたい と思うよ 君と見て笑いたい 頭打ち付けるマリオ また会いましたね 谷亮子 そして腹筋する・・・・ 『放尿』 キモオタ☆パラダイス~盛りのついた君達へ~ 作詞ID kEk5NSxHO 作曲ID kEk5NSxHO YEAH!めっちゃ、賢者! モキュモキュなロリ希望! YEAH!ズバット、zipで! ロリロリで自慰したい! (いやっはぁああああ!( 70)) YEAH!めっちゃ、賢者! モキュモキュなロリ希望! YEAH!ズバット、zipで! ロリロリで自慰したい! (いやっはぁああああ!( 70)) 「キモオタ☆パラダイス~盛りのついた君達へ~」Vocal 1 70 (つづき) 時代をちょびっと先どるぞ LO、ジャンプを開くのじゃ すんげぇ すんげぇ すんげぇ すんげぇ 幼女! すんげぇ すんげぇ すんげぇ すんげぇ わじま! 女子達みんなが俺の嫁 江頭なんかにゃ負けないぜ すんげぇ すんげぇ すんげぇ すんげぇ ハルヒ! すんげぇ すんげぇ すんげぇ すんげぇ キチガイ! たまには放尿しちゃうときもある でも犯(や)るのさ TENGAと右手でね! HOU、KEI、../(ドットドットスラッシュ) (最初に戻る) 目指せ○○マスター 作詞ID kEk5NSxHO 作曲ID kEk5NSxHO たとえ火の中、水のなかー野梓、森の中 膣の中、雲の中、あの子のスカートの中 客「キャーッ!」 膣内(なか)膣内膣内膣内膣内膣内膣内、大変だけど 必ずGETだぜ! ロリ幼女GETだぜいぇいぇいぇいぇいぇいぇ 練馬の実家にサヨナラパイパン! 俺はこいつと旅に出る 客「TENGA!!」 鍛えたものは?括約筋? 仲間(オカズ)を増やして次のスレへ いつもいつでも腹筋スレかよ たまには見たいぜ近親相姦 客「そりゃTENGA!!」 いつでもいつも本気で腹筋し(やっ)てる VIPPER(こいつ)達がいるぅぅううう! onani-time rispect~○○を下さい~ 作詞ID kEk5NSxHO 作曲ID kEk5NSxHO ( 72)今私の 願い事が 叶うならば 靴隠さないで ( 15)昼休みは いつーもトイレ 笑い方を 忘れてしまーーうーー・・・・・ ( 1タタタタン!) ( 72 15)この大空に 陰毛晒し 飛んでゆきたいよー ( 72 15)『リア充』いない 自由な空へ 陰毛はためーかせー ( 1)イキたい・・・・ ( 1)タタタタン! 今、職とか TENGAならば いらないけど 友達欲しい・・・ 子供の時 夢見たこと 皆で遊び 皆で笑いーあーうー この大空で チャックをおろし 陰毛抜きたいよー 悲しみだらけ 自由などない 規制大反対 児ポルノー・・・・ 純変歌~Live ver.~ 作詞ID kEk5NSxHO 作曲ID kEk5NSxHO 目を閉じなくても嫁はいる テレビやパソコンの中に 初めてロリキャラで抜いたーよ 夜空へ響け ( 15と客)「中野梓!!」 大親友の彼女の連れ それってやっぱり俺の嫁? 家庭的な女もタイプの俺 ちんこ勃起 大貧民負けてマジギレ それ見て ( 15と客)「フヒヒやっぱり池沼www」 優しい梓にまた癒され てフル勃起 (※へつづく) (※から) ○と●はハモり 嬉しくて嬉しくて 柄にもなく放尿して 好きって言って! 朧げな寿司を見つめる君に釘付け ○ 犯したい女って ● (客)「・・うーいーうーいーうー」 思った初めて ○ 真面目な顔して ● (客)「・・憂憂うー」 ビュッ!と射精(だし)賢者 硝子の青年 作詞ID K8vKpoNhO作曲ID K8vKpoNhO 雨が踊る街を ひとり寂しく歩く 家までは終わらない まるで地獄さ まわりにいる奴ら 相合い傘をしてる 楽しそうに歩いてる それが恨めしい 僕の心を誰も開けようとしない みんな僕に話しかけてくれない I ve not friend 硝子の青年時代が 人と関わらず過ぎてくよ でも僕には二次があるさ それでいいさ そしておっさんになる 「フッヒー★ドドリアル」作詞ID kEk5NSxHO 作曲ID kEk5NSxHO 光る頭『ハゲパイパン』 新ジャンル『ドドリア!』 新しい輝き フッヒー★レーディーGO! 目覚めたばかりの ドドリア弾けそう 「汚ねえ花火だな・・・」 空を見上げた 陰毛の行方を 一人でにらめっこ オリジナルTENGAで 駆け抜けたいよ! (松岡「熱くなれよーーー」←バックコーラス) 一秒ごとドキドキ 今日のオカズ・・・・ 客「あーずさー!!!」 頼む、クリムゾン! 高鳴る鼓動 (ビュビュビュビュッ!!)(サビへ) お祭り、射的、ポニョすくい 浴衣剥いで青姦 悩む前にむこう 仮性包茎 カラフル、フッヒー★ドドリアル 客「(`Д )ノ ぽぅ!!!」 あれ?手榴弾? 客「餃子(チャオズ)!!」 さあ、オナニーするか・・・・ フッヒーレーディーGO! どんなとキモオタ 作詞ID c6YoRHbM0 作曲ID c6YoRHbM0 僕のチンコは自分が 思うより包茎で 自慰して皮伸びて 賢者モード突入 旅立つ息子達を やさしく受け止めた 古ぼけたオナホールで 性病再発 モザイクだらけのAVじゃ 抜けきれないから~ 無修正動画探して 僕は今日も抜くから (サビ) どんなときも どんなときも 僕は幼女を愛し続ける 児ポ規制なんて僕は気にしないから テッテテテ どんなときもどんなときも zipを探し続けてた日々が 答えになること僕は知ってるからー