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理想を掲げる少女メイラン(リソウをカカげるショウジョ~) p e 属性 水 コスト 26 ランク A 最終進化 S レベル HP 攻撃 合成exp 1 549 528 ? 50 1,277 1,356 ? 最大必要exp 19,564 No. 0588 シリーズ メイラン Aスキル コールドヒール++ 水属性の味方のHPを中回復(7%) Sスキル せせらぎの声 水属性の味方を蘇生する(?turn) 売却価格 12,000 進化費用 390,000 進化元 希望に燃える少女メイラン(A) 進化先 夢を叶えた少女メイラン(A+) 進化素材 ド2(A+) キ2(B+) キ2(B+) タ2(B+) ロ2(B) フ1(C+) タ1(C+) - 入手方法 進化 備考
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?ゆっくり達の生涯『冬篭り編』(前編)? 第1話 ?ゆっくり眠れないまりさ? 「ゆゆ?♪ まりさ、はるさんはまだかな?」 「ゆ?、きがはやいよれいむ。ふゆさんはゆっくりしてるからはるさんはまだこないよ。」 2匹のゆっくりが入り口を塞いだ木の洞の中で仲良くゆっくりしている。 2匹は成長途中であり、将来は夫婦となるであろうが現在のところ非常に仲の良い友達同士と言ったところである。 巣の奥にはキノコや木の実などの食糧が大量に蓄えられており、万全の状態で冬篭りを始めた事がうかがえる。 「ゆぅ?おうちのなかはせまくておもしろくないよ・・・。」 「しょうがないよれいむ、ゆっくりはるさんをまとうね! す?り♪ すーり♪ 」 まだ子供心が残るれいむをまりさが頬ずりをしながらなだめている。 ちなみにこのやり取りは本日5回目、所詮は餡子脳なので何気ない会話などすぐに忘れてしまうのだ。 そんなやり取りが繰り返されるうちに1日が終わろうとしていた。 「ゆぅ?なんだかねむくなってきたよ、まりさおやすみぃ?・・・z z z z z 。」 「ねてればはるさんはすぐにくるよ、おやすみれいむぅ?・・・z z z z z 。」 次の日、先に目を覚ましたのはれいむであった。 意識がはっきりするとれいむはすぐに異変に気が付く。 「ゆゆ!まりさどこ!?」 隣で眠っていたはずのまりさの姿は無く、れいむは慌ててまりさの姿を探す。 しかし所詮は小さな洞の中、れいむはまりさの姿をすぐに見つける事ができた。 「ゆゆ? まりさなにやってるの?」 まりさは顔を大量に溜め込んだ食糧に突っ込みスヤスヤと眠っている。 れいむの声を聞きまりさの意識はようやく覚醒する。 「ゆぅ?おはよぉ?れいむ。きょうもゆっくりしようねぇ?。」 このまりさ、まりさ種に多く見られる高慢な態度、いわゆるゲスの素質は微塵も持ち合わせておらず相方思いの良い ゆっくりであるのだが、一つ厄介な癖を持っていた。 それは・・・。 「ゆぅ?まりさ、ゆっくりねむっててよね!もぅ、ぷんぷん!」 「ゆゆ!ごめんねれいむ、ゆっくりしてるとなんでかいつもこうなっちゃうの。」 そう、このまりさは寝相がとてつもなく悪いのである。 現在は冬篭りのため入り口はがっちり塞いでいるから大丈夫であるが、過去に何度も眠ったまま転がり巣の外で朝を 迎えたことがあった。 運が良かった事もあり捕食種に食べられずに無事ここまで成長する事ができていた。 「ゆ、そういえばあさごはんがまだだよ! はやくたべようね!」 「ゆゆ! そうだったね、はやくごはんをたべたいよ!」 れいむに責められ分の悪いまりさは朝食の話題を出し話題の転換を図った。 結果は予想通り、腹ペコのれいむはコロっとまりさの寝相についての不満を忘れ思考はご飯に乗っ取られてしまった。 「「む?しゃ♪ む?しゃ♪ ・・・・・しあわせ?♪ 」」 2匹は食後のゆっくりタイムを満喫している。 そして、れいむはどこか聞き覚えのある言葉を発するのであった。 「ゆゆ?♪ まりさ、はるさんはまだかな?」 「ゆ?、きがはやいよれいむ。ふゆさんはゆっくりしてるからはるさんはまだこないよ。」 こうして昨日と同じ様なやり取りをして何気ない一日が過ぎていくのである。 しかし、そんな平和な巣穴に不幸な出来事が襲い掛かる。 「ゆぅ?・・・ゆぅ?・・・はるさん・・・はやくき・・・ゆぅ?・・・。」 時刻は深夜、れいむは気持ち良さそうに眠っている。 まりさはと言うと毎度の如く巣穴の中をコロコロ転がりながら眠っている。・・・よく目が覚めないものだ。 「ゆぅ?・・・まりさもっとゆっぐ!」 れいむは突然体に加わった圧力により目を覚ます。 そしてれいむは自らの目を疑う光景を目撃する。 「ゆぅ?・・・だいすきだよぉれいむぅ・・・むにゃ?・・・。」 まりさは寝ぼけたまま自らの体をれいむに押し付けており、しかもどこか気持ち良さそうな顔をしている。 「ゆゆ!まりさおきて!ゆっくりねむれないよ!」 れいむが必死に声を上げてまりさを起こそうとするが目を覚ます気配はなかった。 このまりさ、寝相が悪い事に加えて一度眠ったらなかなか起きないのである。 「ゆふふふ・・・なんだかきもちよくなって・・・。」 まりさの顔は次第に紅潮し、体を小刻みに振動させ始める。 まりさの行為の意味を知っていたれいむは血相を変えて騒ぎ出す。 「や、やめてまりさ! れいむまだこどもつくりたくないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 れいむは必死にまりさから離れようとするが、きっちり押さえつけられているのに加え自らも少しずつ快楽に支配さ れ力が入らず逃れられない。 そして体をくねくねさせて抵抗するうちにれいむのリボンがほどけてしまう。 「ゆゆー! れいむのりぼん! 」 リボンがほどけ気がそれたのがいけなかった。 まりさは好機とばかりに更なる快楽を求めどんどん振動を強くしていく。・・・夢と現実の両方で。 「ゆふ・・・ゆふふふふ・・・んほぉぉおおおぉおぉおぉおお! ! ! 」 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!じにだぐない! じにだぐない! もっどゆっぐりじだいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !まだずっぎりじだぐないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 「「すっきりー! 」」 まりさは満面の笑みで、れいむはこの世の終わりに遭遇したような表情で“すっきり”を迎えた。 れいむの頭から蔓が芽を出し、涙を浮かべ絶望の表情のまま黒ずんでいく。 まりさは“すっきり”して満足したのか何事もなかったかのようにスヤスヤと眠っている。 翌日、まりさは久しぶりにれいむに起こされずに目覚めた。 「ゆっふ???! なんだかとってもすっきりしてるよ!」 軽く伸びをしてれいむの方へ目を向けるとまりさは愕然とする。 まりさの目には黒ずみ朽ちた物体が映っていた。 その物体の頭頂部からは緑の蔓が伸び先端に3つの小さな実が実っていた。 理解を超えている光景にまりさはフリーズしてしまった。 (ゆゆ? れいむはどこにいったの? なんでいないの? おうちのいりぐちはふさいでるよ? なんで? どうして?) フリーズしているまりさの目にある物が映りそれに釘付けとなる。 黒く朽ち果てた物体の横にいつも見ているれいむのかわいらしいリボンが落ちていた。 (なんでれいむのりぼんがおちてるの? ) リボンを見詰めているうちにまりさはある結論にたどり着く。 (ゆゆ!? ひょっとして・・・これって・・・) まりさの思考が間停止する。 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ ! ! ! ! ! れいむ! れいむ! でいぶう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ! なんで!? どうして!? でいぶ! ゆっくりしすぎだよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! おぎでよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! いやだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! 」 黒く朽ち果てている物体がれいむであると理解したまりさは大声で泣き喚きだした。 もちろん自分が寝惚けてれいむとすっきりした事に気が付いてなどいない。 その時、泣き声が木霊する巣穴の中に一つの変化が訪れる。 プチッ! プチッ! ・・・・・プチッ! 朽ちたれいむに実った3匹のプチゆっくりが蔓から切り離され落下する。 地面に着地すると3匹は満面の笑みで産声を上げる。 「「「ゆっくりちていってね!」」」 プチゆっくりの産声を聞きまりさは我に返る。 まりさの目線の先ではれいむの忘れ形見である3匹のプチれいむが笑顔で飛び跳ねていた。 「れいむの・・・あかちゃん・・・? 」 声に反応したプチれいむ達とまりさの目が合う。 「「「おか?しゃ?ん、おなかちゅいたよ。」」」 この瞬間、まりさの餡子脳の大部分を占めていた悲しみが一気に喜びと母性に入れ替わった。 「ゆゆ! すぐごはんをあげるよ! まっててね! 」 まりさは急いでプチれいむ達が実っていた蔓の元へ駆け寄り食べやすいサイズに食い千切る。 「おちびちゃん! これがごはんだよ! ゆっくりたべてね! 」 「「「おか?しゃん、ありがちょ?♪ 」」」 プチれいむ達は目の色を輝かせてパクッと蔓に食い付く。 「「「む?ちゃ♪ む?ちゃ♪ ・・・ちあわせ?♪ 」」」 (ゆゆ?♪ とってもゆっくりしたおちびちゃんたちだね! れいむのぶんもおちびちゃんたちとゆっくりするからね!) まりさは3匹のプチれいむを見ながらこれから始まる幸福な時間に思いをはせるのであった。 その日の夜、巣穴の中は幸福で包まれていた。 「す?り♪ す?り♪ さすがまりさのおちびちゃんだね! とってもゆっくりしてかわいいよ! 」 自分がれいむを無理やりすっきりさせたなどと夢にも思っていないまりさは、既にれいむの事など忘れてプチれいむ 達とスキンシップをはかり幸福の絶頂にいる。 「おか?しゃんくしゅぐっちゃいよ♪ 」 「いいにゃ?いいにゃ?♪ ちゅぎはれいみゅのじゅんばんだよ! 」 「ゆゆ! じゅりゅいよ! れいみゅもしゅ?り♪ しゅ?り♪ しちゃいよ! 」 4匹はとてもゆっくりとした時間を過ごしている。 しかし、幸せな時間というものは早く過ぎてしまうものである。 「ゆゆ! おちびちゃん、そろそろおねむのじかんだよ! 」 「「「まだねみゅくにゃいよ! もっちょゆっくりしちゃいよ! 」」」 プチれいむ達は大丈夫だと言い張るが既に目が何度も閉じかかっており、眠くて仕方がない事がうかがえる。 「ゆっくりねむらないとゆっくりしたゆっくりになれないよ。 おちびちゃんたちはゆっくりしたゆっくりになりたいでしょ?」 「「「ゆゆ! ゆっくりしちゃいよ! れいみゅはゆっくりねむりゅよ! 」」」 ゆっくりは“ゆっくり”と言う単語に非常に敏感であり、ゆっくりしたゆっくりを理想像とする。 故に賢い親はその理想像を利用して子供の躾に“ゆっくり”と言う単語をよく使用する。 「ゆ?、やっぱりまりさのこどもはいいこだね! おちびちゃんたちのべっどはここだよ! 」 まりさの横には落ち葉のベッドが出来上がっていた。 昼間プチれいむ達のために一生懸命作った努力の賜物である。 ベッドを見るや否やプチレイム達は目をキラキラさせる。 「「「ゆゆ?♪ とっちぇもゆっくりできしょうだよ! おか?しゃんありがちょ?♪ 」」」 プチれいむ達の賞賛を聞き、まりさは満更でもなさそうに照れている。 プチれいむ達は各々お気に入りポイントを決めると落ち葉を身にまとい眠る体勢に入る。 「おか?しゃん、おうたうちゃって?。」 「ゆゆ! れいみゅもおうたききちゃいよ?。」 「うちゃって♪ うちゃって♪ 」 プチれいむたちの期待に応えてまりさは目を瞑るとゆっくりと子守唄を歌い始める。 「ゆ?っく?り??ゆゆ?ゆ?ん?ゆゆ?ゆ?ゆ?ゆ?♪ 」 人間が聞いていたら思わず拳が飛んできそうな歌声であるが、プチれいむ達は気持ちよさそうに夢の中へ旅立ってい った。 そしてまりさも幸福で満たされた笑顔のままゆっくりと眠りについた。 深夜・・・。 コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロ「ぴぎゃ・・・。」・・・コロコロコロン・・・ コロコロコロ・・・コロコロ「ゆぎゃ・・・。」・・・コロコロコロ・・・コロコロコロリン・・・ 翌日、巣穴の中は絶望で埋め尽くされていた。 「なんでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! ! ! どうじでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! ! ! おちびちゃんがぶだりもづぶれてるのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !?おねがいおぎでよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ! ! 」 まりさが気持ちよく目覚めると2匹のプチれいむが無残にぺちゃんこに潰されていた。 ご想像通り、深夜まりさの寝相の悪さによって運悪く踏み潰されてしまった2匹である。 残念なことに貧弱な餡子脳では自らが踏み潰したなどと考えは及ばず、まりさは物言わぬ潰れた饅頭となった2匹を 眺めひたすら泣き喚く事しか出来ない。 また、運良く生き残った1匹のプチれいむも熟睡していたせいでまりさが姉妹を踏み潰したなどと思い浮かぶ事無く、 居もしない犯人に怯えながら潰れた2匹に対して涙を流すのであった。 「ゆあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん! ! ! おちびちゃんゆっぐりじずぎだよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ! ! 」 「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ゆっぐりできにゃいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 その日、2匹は片時もゆっくりする事ができないのであった。 夜、まりさは追い詰められていた。 この状況に至ってもまりさは自身の寝相で2匹を踏み潰したなどど微塵も思っておらず、どうやって生き残ったプチ れいむを護ろうか悩んでいた。 「ゆぅ・・・このおちびちゃんだけはぜったいまもらないと・・・。」 まりさは貧弱な餡子脳をフル回転させて打開策を考えている。 「ゆゆ! いいことおもいついたよ! 」 そしてある名案を思いつくのである。その名案とは・・・。 ※エンディング分岐です。 プチれいむを口の中に隠す → A プチれいむを帽子の中に隠す → B A:プチれいむを口の中に隠す 「おちびちゃん! おかあさんのおくちのなかにはいってね! 」 「ゆゆ?? おくちのにゃか? 」 まりさの意図を理解していないプチれいむは頭上に?マークを浮かべている。 「おかあさんのおくちのなかでねむればきっとあんぜんだよ! ゆっくりりかいしてね! 」 「ゆゆ! おか?しゃんはてんしゃいだね! ゆっくりりかいしちゃよ! 」 大きく開けられたまりさの口の中にプチれいむは勢いよく飛び込む。 「ゆゆぅ、ちょっとくりゃくてこわいよぉ、おか?しゃん。」 「ごめんねおちびちゃん、おかあさんがまもってあげるからがまんしててね。」 少し怖がっていたプチれいむであったが母親の口の中に居る安心感もあり、すぐに眠りにつく事ができた。 深夜、まりさは眠気と必死に戦いながらまだ起きていた。 2匹のプチれいむを潰した犯人を見つけるために徹夜する覚悟でいた。 「ゆぅ、ぜったいねむらないよ、おちびちゃんはまりさがまも・・・・・z z z z z 。」 しかし、遂に睡眠欲に負け眠ってしまった。 当然といえば当然の事である。 ゆっくりは三大欲求の誘惑に非常に弱いナマモノである。 自然界に生き、人間から特別な訓練を施されていないゆっくりがそれにあがなおうとするのは並大抵の行為ではなく、 まだ成体でもないまりさにとって到底無理な事である。 「ゆぅ?・・・おか?しゃんだいしゅ・・・むにゃ?。」 まりさの口の中でプチれいむは安心しきった寝顔で眠っている。 しかし、一度下り始めた幸福から不幸への下り坂はそう簡単に終わらないのであった。 プチれいむは異変に気が付き目を覚ました。 コロコロコロ「ゆゆ! 」・・・コロコロコロ「おか?じゃ! 」・・・コロコロ「もっぢょ! 」・・・ コロコロコロ「ゆっぐり゛! 」・・・コロコロコロ「ゆぎゅ! 」・・・コロコロ「ぴぎゃ! 」・・・ まりさの口の中でプチれいむは何度も壁にぶつかっていた。 理由は言うまでもなくまりさが転がりながら眠っているからである。 プチれいむは必死に悲鳴を上げてまりさを起こそうとするが、目を覚ます気配は微塵もない。 コロコロコロ・・・・・「ゆゆ?」・・・・・「とまっちゃの?」 突如まりさの動きが止まり、プチれいむも悲鳴を上げるのを止める。 しかし、口の中にいるプチれいむはなぜまりさが動きを止めたかまではわからなかった。 「ゆゆ?、やっちょゆっくりねむれりゅよ。」 プチれいむが再び眠ろうとした時異変が起こる。 「ゆぅ?・・・ゆふふ♪ おいしそうなごはんだ・・・むにゃ?。」 「おか?しゃん、れいみゅねむれにゃいよぉ。」 夢の中でまりさは大量のご飯を目の前にしている。 「ゆふ・・・ゆふふ♪ いっただっきま?す・・・むにゃむにゃ?。」 「ゆえ?ん! ねむれにゃ・ゆぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」 夢の中で食糧にかぶりつく・・・現実でも同じ様に。 プチれいむは間一髪の所でまりさの歯をかわしていた。 しかし、口の中という足場が不安定で視界も暗い中で的確な行動が取れるはずもない。 「む?しゃ♪ 「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」む?しゃ♪ 「たべにゃいでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! 」しあわせ?♪ 」 翌日、まりさは溜め込んだ食糧に顔をうずめた形で目を覚ます。 昨夜まりさが見た夢はおそろくはこれが原因である。 「ゆ?っふ?ん! おちびちゃんきょうもゆっくりしようね! おくちからゆっくりでてね! 」 まりさは大きな口を開けてプチれいむに口から出るように催促する。 しかし、プチれいむが飛び出す気配はなかった。 「ゆゆ?? おちびちゃんどうしたの? 」 しかたなくまりさは口の中に感じるプチれいむであろう異物を慎重に吐き出す。 ペッ! ベチャ! まりさの目の前には唾液でベタベタになった赤いリボンが現れる。 昨日と同様にまりさの思考が停止する。 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) ?5分経過? (・・・・・あのりぼん・・・・・おちびちゃんのだよね?・・・・・おちびちゃんはどこ?・・・・・) ?10分経過? (・・・・・ひょっとして・・・・・まりさが・・・・・おちびちゃんを・・・・・たべちゃったの?・・・・・) ?15分経過? (・・・・・あれ?・・・・・どこかで・・・・・おなじようなことが・・・・・あったよね?・・・・・) ?20分経過? (・・・・・おきたら・・・・・おちびちゃんがふたり・・・・・いなくなってた・・・・・) ?25分経過? (・・・・・れいむも・・・・・あさ・・・・・いなくなって・・・・・) ?30分経過? 貧弱ながらも餡子脳で必死に情報を整理したまりさはある結論にたどりつく。 「あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! ・・・・・ぜんぶばりざのざいなのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !? ゆぎゃあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! ごべんなざいごべんなざいごべんなざい! ! ! ぱっ! ぱっ! ・・・ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ っ ! ! ! ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ お お お お お お お お お お ! ! ! 」 普段使わない餡子脳をフル回転させたことに加え自らが犯した過ちに気が付き、それらの重圧に押しつぶされまりさ の心はついに壊れてしまった。 「ゆふふふふふふふふふふ! ゆはははははははははは・・・・・! 」 その日からまりさは溜め込んだ食料に口をつける事無く、眠ることも忘れ笑い続けるのであった。 ?春? 長い冬を乗り越える事に成功したゆっくり達が巣穴から続々と顔を見せ始める。 まりさのいた巣穴には餓死したまりさの亡骸と大量に残された食糧という矛盾した光景が広がっていた。 こうしてれいむは強制すっきりにより、プチれいむ2匹は踏み潰され、1匹はまりさに食べられ、元凶であるまりさ は何も食べずに餓死し、各々の生涯を閉じたのであった。 B:プチれいむを帽子の中に隠す 「おちびちゃん! おかあさんのぼうしのなかにはいってね! 」 「ゆゆ?? ぼうちのにゃか? 」 まりさの意図を理解していないプチれいむは頭上に?マークを浮かべている。 「おかあさんのぼうしのなかでねむればぜったいあんぜんだよ! ゆっくりりかいしてね! 」 「ゆゆ! おか?しゃんはてんしゃいだね! ゆっくりりかいしちゃよ! 」 まりさは舌を出し、プチれいむはそれを踏み台にして帽子まで到達するとゆっくりと中に潜り込む。 「ゆゆ?♪ ちょっとくりゃいけどゆっくりできしょうだよ♪ 」 「おちびちゃんはおかあさんがまもってあげるからね! またあしたいっしょにゆっくりしようね。」 プチれいむはすぐ傍に母親がいるという安心感もあり、すぐに眠りにつく事ができた。 深夜、まりさは居もしない犯人を見つけるために必死に眠気を我慢して起きていたが、結局睡眠欲に負け眠ってしま う。 「ゆぅ?ゆぅ?・・・だいすきだよ・・・・むにゃむにゃ?。」 「ゆぅ?・・・おか?しゃんだいしゅ・・・むにゃ?。」 プチれいむはまりさの帽子の中で幸せそうな寝顔で眠っている。 しかし、一度転落を始めた幸福から不幸への下り坂はそう簡単に止まる事はなかった。 「ゆぐ!」 プチれいむは突如体に加わった衝撃で目を覚ます。 「ゆぅ?ゆっくりできにゃいよ?おか?・・・?・・・・・ゆゆ!おか?しゃんがいにゃいよ! 」 現在プチれいむは地面に転がった帽子の中で横向きになっている。 まりさはと言うと帽子が脱げた事になど気づかないままコロコロ転がりながら眠っている。 帽子が傾いているためプチれいむはまりさの姿を確認する事ができず少し不安そうにしている。 「おか?しゃんをさがしゃないちょ。」 プチれいむは這うようにして傾いた帽子から脱出を図る。 「うんしょうんしょ。」・・・コロコロコロ・・・「おか?しゃ?ん! 」・・・コロコロコロ・・・ 「うんしょうんしょ。」・・・コロコロコロ・・・「どこにいりゅにょ??」・・・コロコロコロン・・・ プチれいむが帽子の入り口に到達する。 「やっちょおしょとにでられりゅよ。」 ピョンッと外に飛び出した瞬間、プチれいむの目には転がりながら接近するまりさの姿が映っていた。 コロコロコロ「ぴぎゃあぁぁ! とまっちぇぇぇぇぇぇ! 」ブチュ!・・・コロコロコロ・・・ コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロコロリン・・・ 迫り来る母親の巨体、それがプチれいむの見た最後の光景であった。 翌日、まりさは帽子が脱げた状態で目を覚ます。 「ゆ?っふ?ん! ゆゆゆ! まりさのたいせつなぼうしがないよ! どこいったの!?」 まりさは血相を変えて巣の中を見回す。 すぐに帽子を発見し安堵するが、近くに転がっているある物を見つけ表情を凍らせる。 まりさの目線の先には押しつぶされて物言わぬ饅頭となったプチれいむが転がっていた。 「あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! ・・・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! おぢびぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! なんでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!?どうじでづぶれでるのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !? ぜんぶばりざのぜいだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! ごべんでえぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ばりざがねぢゃっだがらだあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」 ついに独りぼっちになってしまったまりさは潰れたプチれいむの横でひたすら泣き続けた。 ?1時間後? 「いなくなったおちびちゃんおぶんもまりさはゆっくりするからね! 」 あっさり立ち直っていた。 幸い巣穴には1匹なら余裕で春を迎えられるであろう大量の食糧が蓄えられている。 まりさはゆっくりと春を待つのであった。 ?春? ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・ヒョコッ! 巣穴からまりさが顔を出す。 「ゆゆ?♪ やっとはるになったよ♪ これでゆっくりできるね♪ 」 まりさは尊い犠牲(?)により無事春を迎えることができた。 今となっては相方であったれいむや潰れて死んだプチれいむの事はほとんど記憶に残ってはいない。 「ゆっゆゆ?ん♪ ゆっゆゆ?ん♪ 」 まりさは希望に胸膨らませて春の森へ繰り出していった。 結局、最後までまりさは自分が原因でれいむやプチれいむが死んでしまった事に気付かなかった。 そして、当然寝相の悪さは直ってなどいない。 この先、まりさは再び気の合うゆっくりを見つけてつがいになるだろう。 そしてそのつがいとなったゆっくりはゆっくりできない生涯を送る事になるのであった。 第1話 ?ゆっくり眠れないまりさ? END 「そこまでよ! このすぺ?すはぱちぇがいただいたわ! 」 なにやら変なのがわきました。 番外編 ?がんばれゆっくりぱちゅりー2? 「むきゅ?♪ おうちがかんせいしたわ! これでふゆがこせるわ! 」 現在ぱちゅりーは自分で地面に掘った巣穴の中に居る。 決して広くはないが、体の弱いぱちゅりー種が巣穴を1匹で完成させるのは非常に稀なケースである。 「むきゅ?♪ ちかくにはたくさんしょくりょうがあるしかんぺきだ・・・。」 パラッ・・・パラッ・・・パラパラパラ・・・ドッシャ?ン 「むぎゅー! 」 突如巣穴が崩れぱちゅりーは下敷きになってあの世へ旅立った。 少し考えればわかるものだが、体の弱いぱちゅりー種が掘れる場所など柔らかく崩れやすい場所に決まっている。 完成した時はぎりぎり形状を保っていたが、中でぱちゅりーが出した声がトリガーとなり崩壊してしまったのだ。 本来ぱちゅりー種は自らの知識を活かし他のゆっくりと共生することで生き延びる種である。 自らの豊富な知識に自惚れ他のゆっくりに近づこうとしなかったこのぱちゅりーに初めから未来など無かったのだ。 (むっきゅーーー! これじゃまえとおなじじゃない! なんでぱちぇだけこんなにすこしなのーーー! けほっけほっ。) 以前にも似たような事があった気がするけどTAKE2 「むきゅ?♪ しょくりょうもあつまったしこれでふゆがこせるわ! 」 現在ぱちゅりーは老木の洞の中に居る。 洞の奥には色とりどりの秋の味覚が溜め込まれている。 体の弱いぱちゅりー種がこれだけの量の食糧を1匹で集めるのは非常に稀なケースである。 「しっかりいりぐちをふさいでっと、かんぺきだわ! 」 ぱちゅりーは完璧な計画に胸躍らせながらゆっくりと眠りについた。 ガクガクガクガクガク 大寒波が到来した翌日、ぱちゅりーは寒さに震えていた。 いかに洞の中とはいえ寒さをすべて緩和する事など不可能である。 「ざ、ざむいわ・・・も・もうだめ・・・むぎゅぅ・・・・・。」 寒さに耐えられなくなったぱちゅりーは敢え無くあの世へ旅立った。 ぱちゅりー種はゆっくり一皮が薄く、また中身が生クリームという事もあり寒さにも暑さにも弱い種である。 他のゆっくりと一緒に越冬し、肌を触れ合わせて体温を上昇させ生き延びるのがぱちゅりー種である。 自らの豊富な(ry (むきゅぅ・・・。) 中篇へ続く
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《理想の革命マスティア》 VR 光文明 (5) クリーチャー:エンジェル・コマンド 5000 ■このクリーチャーは出たターン相手プレイヤーに攻撃できる。 ■このクリーチャーが出た時、自分のシールドを好きな枚数手札に加えてもよい。そうしたら加えた枚数、自分の山札の上からカードをシールド化する。この時手札に加えたシールドにコスト7以下の進化クリーチャーがあったなら、そのクリーチャーを1体コストを支払わずに召喚してもよい。 ■このクリーチャーが場を離れた時、相手のクリーチャーを1体シールド化してもよい。 作者:リース族 フレーバーテキスト 託された力は革命と覚醒の力だった。その力は進化したスカーレットゼロに対抗することも可能だと思えるほど、溢れるばかりの光のパワーで満ちていた 収録 DMXU-03 「伝説の復活編 第3弾 激突!!次元超獣最終決戦」 評価 名前 コメント
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タタタタタッ タンッ タンッ ゲゼルシャフト第2基地にて、サイボーグ3人が走っている。隙あらば銃撃も加えている。 理由は単純明快、進入者を捕らえるためである。状況によっては射殺許可も出ている。 銃撃を避ける為、進入者が曲がり角を曲がって行く。 見失う訳にはいかない。そのまま追撃する。攻撃される危険を無視し 曲がり角から飛び出す。通常であれば僅かに顔を出し、何処にいるか確認するべきである。 が、こちらはサイボーグ。先ほどから進入者が発砲しているベレッタM92ごときでは傷一つつかない体だ。 「追いかけっこもここでお終いだ」 しかし、曲がり角を飛び出た3人が最後に見た光景は、白い光だけであった。 自身が死んだと認識する暇もなく、3人はこの世から消え去った。 ACT.05 「理想と現実 ~それぞれの決着~」 「ふむ・・・どこの世界でも鍛錬以外で力を持てば、慢心するものだな」 サイボーグ兵が居た場所を見て、一人呟く。その場に残っているものは、足が6本… その後方の壁面には大人5人は優に通れる穴まで空いている。 わずか一発でこの威力、このまま火力重視で押し切りたいところだ。 今しがた使用した兵器は、我輩が自分用に開発した銃である。 開発No.61番、名称「XERD_003SS」無理矢理大別するなら携行式簡易人機融合型となる。 本来の用途は環境修復装置(Environmenral Repair Device)として、他生物にエネルギーを 分け与えることを目的としているが現在のところ砂粒状のナノマシンから構築される、 携行式の光学兵器としての機能が主である。故に、頭文字にXがついている。 使用するエネルギーはグリップからナノマシンを通じ、自分のATPを使う。 簡単に言えば、20番台(肉体変異型)と50番台(多人数機械融合型)の合作である。 二つのいいとこ取りをできれば強力な兵器なのだが、世の中そんなに甘くはなく とんでもない欠陥がある。 グゥ~ 戦場に不似合いな腹の虫が鳴り響く。おまけに、100mを全力疾走した疲労感まで出てきた。 自分のATPを使うため、この銃を使う度に疲労感が出てくるのだ。 一発撃っただけでここまで消耗するとは、出力を大きくしすぎたとも思ったが サイボーグを3人まとめて葬ったから、良しとしよう。 今いる場所はゲゼルシャフト第2基地、地下第8ブロック・・・奇しくも以前仲間と別れた場所だ。 ここまでは爬虫類として能力を使い進入できた。 (ダクトから無理矢理進入して来ました) 途中、何度かサイボーグ兵を背後から襲い眠らせてきた。 奴らは確かに視力・聴覚・防御力など人間とは比較にならない程、優れているが それに頼りすぎる。訓練を繰り返せば別だが、まだ警戒認識が極めて低い状態だ。 そこを最大限利用してきたが、ここで見つかったのは大きな痛手だ。 銃を仕舞いながら、この先どのように進入するかを考える。 またダクトを通るべきか、いや進入しているのはばれている、サーモセンサー装備もいるだろう それなら・・・ カツッ カツッ カツッ とりとめもなく考えていると、足音と共に忘れられない声が聞こえてきた。 「あら?進入者が来たと報告を受けたけれど、貴方だったの…約一日ぶりね。」 ああ、忘れられない声だ…忘れてなるものか。 「レディに顔を覚えて戴けるとは…光栄ですな。して何用ですかな?『お嬢さん』」 "お嬢さん"に、特別アクセントを込めて煽ってみる。が特に気にした様子もなく答えてくる。 「ええ、昨日あなたたちを迎撃した手際の良さを評価されて、お客さんにサイボーグ達を納品したところなの そのおかげで、今この基地の警備は手薄になってるから、私まで駆り出されたのだけど… その様子だと、知らないみたいね」 ???――――警備が少ないと良い情報を教えられたが、おかしなことを聞いてくる。 身を守るため、遮蔽物になりそうな柱へ近づきつつ、聞いてみる。 「どういうことだ?…いや、待て。なぜ昨日の今日だと言うのに、納品できるのだ…」 考え、思い至る…兵士にとって最悪のシナリオが浮かんできた。 ――基地破壊が目的なのに、航空兵器による支援が一切ない… ――勇気と無謀を履き違えた、本部からの妄信的な突撃指示… ――そして、目の前の女が言っていた、捕虜への必要以上の拷問… つまり、我輩達の部隊は、 「そうよ。あの戦いは私達が開発した"商品"のデモンストレーションなの。 色々な軍、PMC(民間軍事会社)のお偉方が集まっていたわ。 当然、貴方達AMSの人もね…まあ、わかりやすく言うと、売られたのよ、貴方達は… 見返りは商品の優先販売だけど…部隊全員の命を天秤にかけてでも、欲しいようね」 それを聞いた瞬間、脳が沸騰する。許せない…その感情のみが支配する。 後のことを考えずXERD_003SSを取り出し、引鉄を引く。 辺りに無音のまま閃光が満ちる。破壊の閃光が通る後に、残るものは何もなかった。 撃ち終わった後、一瞬意識を失いかけるが… 「撃った後が無防備ね…新兵からやり直したらどうかしら?」 背後から腕を取られ、倒される。倒れた衝撃で意識は覚醒したが、 またしてもこの女に拘束されるハメになるとは。 「キ…サマ、どう…やって、あの攻撃を…避けた…?」 息も絶え絶えで、聞く。 XERD_003SSは光学兵器のため、撃った弾丸は文字通り、光の矢である。 見てから避けるなど、不可能であるが女は至極当然といった面持ちである。 「私の魂《ゴースト》が囁くのよ…あなたには理解できないでしょうね、頭の中で 友人の声が忠告してくるなんて…」 コイツ、もしやホモ戦車と同じか?いや、そもそもサイボーグだったな。 …ならば、倒す手段はある。あるにはあるが… この拘束を抜けなければ話にならない。 しかし体に力を込めようとも、入る場所が見当たらない。ATPを使用しすぎたか… 「あら、今日はおとなしいわね…フフフ、いい子ね、このまま一思いに殺してあげるわ… あなた以外にもペットはいるから、あなたはいらないわ…」 銀色に光るナイフを取り出し、首元に当ててきた。 畜生、まずい…体が言うことさえ聞けば… 後はナイフを引くだけで終わってしまう。 いやここまでか、後先考えず激情に走った結果がこれとは…妹に叱られるな。 覚悟を決めるしかないな…さすがに自分の血が噴き出す所は見たくないから、眼を瞑ろう。 ――――――― ――――――― ―――――――……… ―――――――??? どういうことだ? いつまで待っても、ナイフが動く様子はなく、あまつさえ、拘束まで緩んできた。 眼を開け首を捻り女を見てみると、不可思議な光景が写った。 片手で自身の目を覆い隠し、なにやら独り言を呟いている。 理由は分からないし、検証する時間もない。生き残るためにもまずは行動だ。 まだ女を投げれるほど回復していないため、抜け出す方法を取る。 腰に馬乗りされているが、こちとら爬虫類、4足移動は得意技である。 こちらが、脱出しようとするとさすがに気づいてきたが…その言動はまともではなかった。 「ああッ!どこに行コウとするノッ!バトーもトグサも、ドコニ…」 誰のことだ?と考えるが、それどころではない。あともう少しで脱出できる…が 女と眼が合う。正気を保っている眼ではないが、敵とは認識されているようだ。 合金とチタンでできた拳を振り上げ、我輩の頭に目掛け全力で振り下ろされた。 その先にあるものは頭…ではなくコンクリートの床であった。 なんとか身をよじり、脱出が間に合った。我輩の頭があった場所は、爆音と共に陥没している。 「アハハハハハッ!ドウシタノ?どうされた?…お前ハッ?!何をシタァァァァ!!」 奇声を上げながら、女がこちらに突進してくる。しかしそれは力も技も速さも全て ちぐはくな動きである。ただ一直線、不器用に我輩に向かってくる。 複数の意識が一つの体を動かしているように見えるが、あちらの事情は分からない。 できることは、楽にしてやることだけだ。 懐から緑の薬を取り出し、アンプル銃にセットする。女が突進してくるが、横にいなし 足を引っ掛け転倒させる。女はすぐに起き上がれず手足をジタバタさせるだけ… 反撃される危険性は低いと判断し、首元に注射する。 程なくして、奇異な表情のまま女の機能は停止する。 注入した薬品はただのオイル分解剤である。 全身を流れる、血液の代替品を分解されたのだ。サイボーグに死の概念を適用するかどうか 難しいところだが、死んだと表現するべきだろう。 機能停止を確認し、腰を下ろす。まず必要なのは最低限の体力回復だ。 バックパックの中から、飲料水を取り出し、口に含む。 ふぅ、ようやく一息つける。ここまで休息なしの強行軍だったからな。 ふと、今まで命のやり取りをしていた女を見る。 何故、精神が壊れたのか…いや違うな、壊れるのは不思議ではない。 推測だが、一つの脳に、複数の人格を詰め込んだ結果と思われる。いつ壊れてもおかしくない代物だ。 問題は、タイミングが良すぎる…という点だ。無論、日頃の行いが良かったから などと言うつもりはない。だとすれば…だめだ、判断材料が少なすぎる。 釈然としないが、今後の方針の方が大事だ。今までの彼女の言動から、彼女はこの基地でも 相応の立場にいると考えられる。おそらくは、警備関係のまとめ役だろう。 だとすれば、戦闘前に言っていたことも信憑性は高い。このチャンスを逃す訳にはいかない。 手を握っては開き、体調を確認する。疲労感は消えないが、体に力は入るようになってきた。 そろそろ、大丈夫だろう。移動する準備を始めよう。 そう考え、バックパックの中に荷物を詰めていると、中から一発の弾丸が出てきた。 「これは…」 結城大尉からもらった弾丸だ…ふむお守り代わりにポケットに入れておくか。 そう言えばAMSでクーデターが起こっていたが、大尉は無事だろうか… 心配だが、大尉ならどんな状況でも生き残るだろう。 我輩も先程のように、感情的にならないよう心を落ち着かせよう ―――手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に――― 疲れきった体にムチを打ち、立ち上がる。目指すは最奥部、 メインエンジンのある部屋だ。 タッタッタッタッタッタ ようやくここまで来れた。メインエンジンのある区画の前である。 ここまでの道中、幸いにも敵と会う事はなかった。彼女の言ったことは本当だったようだ。 区画の扉を開ける。縦横20mほど、高さは5mくらいの部屋の中を伺うと… 部屋中央のメインエンジンの前に、見慣れた馬鹿野郎の姿が確認できた。 こちらからは背中しか見えず、何か作業をしているようだ。 あ奴がいるなら、この部屋は安全なのだろう。部屋に入るとするか。 「なにをしているんだ?25は」 弟に近づき、声をかける。我輩がいることに気づいていたのだろう。 驚いた様子もなく、2メートルの巨体が振り返る。 「おお、兄者か…と、やけに傷だらけではあ~りませんか?なんだなんだ?俺様を差し置いて 楽しいドンパチでもやってたの?」 言われて気づく。25の服は新品と同じように綺麗なままだ。 「まあいいや…そんなことより、コレが正常かチェックをしていたのだが、 俺様では詳しい事はさっぱりわからん、訳ワカメだ、ということで兄者がやってくれんか?」 思わずハァ…と溜息をついてしまった。戦闘専門の25がここまで無事に進入できて 頭脳労働担当の我輩がドンパチをしていたとは…人生とはかくもままならんものだ。 「やれやれ、よもや壊してないだろうな…退いてくれ」 そう言うと、25はおとなしく後ろに下がった。 コンソールを叩き、自己診断プログラムを起動させる。程なくして、結果がディスプレイに 表示されるが…妙だな? 全てにおいて問題なしの表示が出ている。 宇宙船の墜落で、何かしら故障していると予想していたが… 後ろに居る25に聞いてみようと思い、振り向こうとしたが何故か胸に灼熱感が出てくる。 首を下に曲げてみると…自分の胸からナニカ生えている…いや、これは…刃物…だ ここに居るのは二人きり。犯人は一人しかいない。なんとか振り返ろうとするが それよりも速く、抉られながら体から刃物を抜かれた。足に力が入らず、倒れてしまう。 不味い…血が…止まらない。 「25…お前…何を?している…」 まったく理由が分からない。なんとか首を動かし、25を見上げる。奴の腕が刃物へと変異している。 そしてその眼は、ドブネズミでも見る様な眼で、我輩を見ている。 「何とは…自分の腕で、貴様を刺しただけだが…なにが不思議なのかね?」 多少、狂っていた今までと違い、口調が安定している。どういうことだ? 「お前…何故…我輩を刺した?…」 直接的に尋ねる。その言葉を聴くと、25は待ってましたと言わんばかりに笑みを浮かべる。 「貴様…いや、貴様たちに対する復讐だよ。私をこんな体で生み出したお礼…といったところだよ」 なるほど…と納得する。が 「その復讐は…正当だと思うが…お前…何故理性が…ある?」 そこが分からない。肉体変異型は自身の肉体を変形させるため、その度に激痛が走る。 そのため発狂しないよう、このタイプは理性と思考が低いよう設定されている。 それでも暴走するような危険性があるが。 25についてもそうだ。かつてここまで会話が噛み合ったことなどなかった。 「ふむ、理性か…話は変わるが、貴様はNo.16のことを覚えているかな? そう、貴様の妹だった女だ」 忘れるはずがない。今の我輩があるのは、妹のおかげだ。何を今更聞いてくるんだ? 「貴様は彼女の死に目には立ち会っていなかったな。たしかその頃には軍に従軍しており… No.16が死んだとは人から聞いた話…そうだな?」 ああ、その通りだ… そこまで尋ねると、25の笑みが下卑たものになっていた。 頭のドコカで、これ以上奴の話は聞くなと、警鐘を鳴らす。 しかし奴の口を塞ぐことも、自身の聴覚を潰す手段もない。 「彼女はな…わたしが喰ったのだよ。あの研究所に残った奴らが実験と称してな。 私の体にあるナノマシンで彼女の脳形成を取り込んだのだよ。 その結果は…今貴様の目の前にある通りだ。」 ――――――――……… 「かくして、私は理性と知能を手に入れ、貴様に復讐を誓ったわけだよ」 ――――――――……… 「とは言っても、今までコンビを組んできた相棒である。さすがに理性があると… なかなか決心がつかないものでね。貴様に選択肢を与えよう…」 ――――――――……… 「刺殺、銃殺、絞殺、撲殺、斬殺、圧殺、完殺、全殺、惨殺、狂殺… どれでも選べ。どれかを選べ。」 ――――――――……… ――――――――……… まだ話を続けようとしているが無視し、 自身の体のことを考えず行動する。アンプル銃を取り出し、震える手で狙いを定める。 セットされているのは青い薬…引き金を引こうとした瞬間 「やめたまえ、人の話は黙って聞くものだろう?」 25の腕が伸びてきて、銃をはじき飛ばす。コンッと壁際のほうで音がする。 「あきらめの悪いことだ。貴様の腰にあるその銃も奪っておくとするか」 と、ホルスターにあるXERD_003SSも捨てられる。 「これで貴様の武器は何一つないな…さぁ、どんな死に方がお望みかな?」 もう…眼も霞んできた。すでに体力は限界を超え、血も流しすぎた。ここで…終りか… 「もはや答える気力もないか…ここであきらめるとは、所詮貴様はその程度だ、 生命を弄び私達のような者を生み出してきた貴様に、生命の価値なぞ生涯わからんのだろうな」 その言葉を聴いた瞬間に、魂に火が燈る。 確かにお前には我輩に復讐する権利がある。その罪も認め、罰も受けよう。 だがな、生命の価値がわからんだと…そこだけは認められない。 深呼吸し、覚悟を決める。が、熱くなりすぎないよう もう一度戒めを確認する… ―――手は綺麗に… 自身の手を汚すことに躊躇いはないか――― ―――心は熱く… 我が根源、魂に火は着いた――― ―――頭は冷静に… 奴を殺すために、あらゆる手段を考えろ――― 懐から最後のアンプル、赤い薬を取り出す。それを迷うことなく自分に注射する… さあ最後の…二人っきりの戦争を…始めよう… もはや13に武器は残されていないと信じていたため、25はその動きに反応できなかった。 仮に何かしら武器があったとしても、対処できると高をくくっていたのも原因である。 まして、攻撃されるならまだしも、自分に注射を打つ…という行動だ。動けなくても無理はない。 ―この状況で打つ薬だ…考えられる薬は、強心剤の類だろう。ならば、効き目が現れる前に確実に殺す― 25はそう考え、両腕を刃物に変異させ13に近づく。がその選択が間違いだと気づいたのは 13に殴り飛ばされ、壁に打ち付けられてからであった。 ドォォン ―バカな、瀕死のくせに何故こんな力を出せる?― 25のダメージは軽くない。殴られた腹は肋骨が8本折れ、受身も取れず壁にめり込んでいる。 しかし、それを表情に出さず、めり込んだ壁から出てくる。それもそのはず 体中のナノマシンが損傷箇所を即座に修復している。 13を見てみると、すでに面影はなくなっていた。服と着ぐるみは破れ 体長は3メートルほどになっており、体格も25より二周りほど大きくなっている。 ―過去の遺物を使ったか― 13が打った薬は超人計画最初期の、薬品によって超人を生み出すものだろう。 ならば、話は簡単だ。逃げ回れば、肉体の強化についていけず、勝手に自滅する。 そう考えた25は激しい自己嫌悪に陥る。 ―逃げ回る?復讐する相手から…ふざけるなッ!!― 13は自分の手で殺してこそ、意味があるのだッ!!今この瞬間、理性は…必要ないッ!! 25は変異型としての能力をフルに使う。 右腕はカタナに…左腕は銃に…骨を弾丸に…足に加速装置を…燃料は血であり…背中に翼を生やす 動きに耐えうるよう、全身をチタンへと変貌させる。 25の変貌を見てとった13は、させまいとして、一気に距離を詰める。 その勢いのまま、25の胴の倍ほどある豪腕を繰りだす。が空転し、背後の壁を壊すのみだ。 拳が壁にめり込み、動きが止まる。背中に二門、両足に合計4門のブースターを装備した 25は人間サイズとして、ありえない速度と幾何学的な動きで、背後に回り込み銃撃を加える。 グォォォォォ 13から雄叫びが上がる。痛みはあるようだが…弾丸は貫通しておらず、鱗によって止められている。 ―大したバケモノだな、オイ― だがな… 「お前は力を得た。 俺より遥かに強いと思っている。 返り討ちにする気で満ちて居る。 そんなお前を、底無しの絶望に叩き落とす ――――これこそが、俺が同属を喰ったが故に選んだ復讐だッ!!」 自分の心情を声に出し、叫ぶ。辺りには赤い霧が出てきてる。 25のブースターの燃料は自らの血液…それを燃焼させ驚異的な機動力を得ている。 長期戦はできない。自身の最大火力を考え、左腕を電磁加速砲(レールガン)へと変異させようとする。 が、複雑な機構であればあるほど、変異に時間がかかる。 その間に13がまたしても、向かってくる。 ―そんな速さでは、俺を捕らえる事はできんぞ― 事実、13の攻撃はあっさり避けられ、急激に体長が変わったためだろう、その勢いのまま転倒した。 ―このまま、距離を取ったままレールガンの一撃で決める― そう決め、レールガンの変異を急ぐが…13の転んだ位置を見て青ざめる…あの位置は… 計6門のブースターが咆哮し、13へと肉薄する。 ―奴は俺への攻撃が目的ではなかった…武器を取りに行くのが目的だったッ!― 今、13がいる位置には、25がはじき飛ばしたXERD_003SSが落ちている。 13はそれを拾い、向かってくる25に狙いを定める。 右腕のカタナで斬りかかるが…わずかに13の方が早い。XERD_003SSから、光が発射される。 音もなく光の奔流が辺りを包む。当然、後に残るものは何もない… 「貴様がもっと戦闘訓練を積んでいれば、俺は今の攻撃で死んでいたな…」 上空から声がする。そのまま、13の頭を目掛けて斬り下ろす。 発射される直前に、上方へ移動し、天井を蹴っての一撃だ。 13は首を捻り避けようとするが反応が遅れ、片目に斬撃を喰らう。 ―このまま心臓を一突きして、終わらせる― 着地し、全速で心臓へ一直線に距離をつめる。だがそこで13が声を発した。 「シェイプシフトッ!!」 その瞬間、25の想像を超えた光景が展開される。 13の手にしていた銃が変形し、剣になっている。マズイ、リーチは奴の方が大きい…このままでは しかし、6門のブースターによる全速力は止めることもできず、腰を一刀両断され 上半身と下半身に別れた。その勢いで上半身は部屋中央部に、下半身は入り口付近に飛んでいった。 ―まさか…銃が変形するとは― 25は驚嘆していたが、ひとまず自分がすべきことを思い出す。まず、腹の出血を止めて、 それから、背面のブースターを使い移動し、下半身を癒着させる。 この状態になってもまだ、俺の方が速い…治療は十分に間に合う… だが、いつまで待っても腹の出血は止まらず、血を噴き出し続けたままである。 今しがた攻撃された兵器を彼は知らない。「XERD_003SS」は ―XERDは環境修復装置、その攻撃を受けた物は有機・無機を問わずあるべき姿に修復される― ―003SSは3番目に作られた姿形を自在に変えられる者、シェイプシフターを意味する― ―何故だッ?なぜ、血が止まらない― 理由がわからないため、恐怖が出てくる。このままでは、せめて奴を殺さねば… だが、どうする?血が止まらないため、ブースターは使えない…レールガンを使うしかないが、 何故か弾丸が生成できない…つまりあれか、あの武器にはナノマシンの動きを阻害する効果があるということか… そこに思い至り、自身の力を頼らず、13を攻撃する方法を考える。 辺りを見渡すと、都合の良い物が落ちていた。 なぜこんなところに落ちているのかは分からないが、「ソレ」を拾い、左腕にセットする。 攻撃前に左腕の変異は終わっている。電力として、自身のATPを燃やし電圧を上げる。 肉の焦げる匂いが辺りに充満し、13がこちらを見る。気づかれたが奴が取れる手段はもうない。 ドンッ 乾いた音が鳴り響き、13は仰向けに倒れる。彼の身を貫いた弾丸は、 この星の友との友情の証であった。 Lizard Story is dead END ? そして、彼が今際の際に思った事は… 生きねば、生きねば、生きねば、生きねば生きねば生きねば 生きねば生きねば生きねば生きねば生きねば生きねば生きねば生きねば生きねば生き ねば生きねば生きねば生きねば生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生―― 「何の、ためにだ?」 ――ええ、おい。 「何の、ために生きろと言う?」 それは、もちろん。 1.妹との約束のため → 「どこかの誰かの未来のために」ルート 2.自身の贖罪のため → 「どこかで誰かの戦争のために」ルート
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678 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/07/18(日) 08 29 34 ID ??? アレンビー「ドモン、ファイトしよー!」 ドモン「よし!行くぞアレンビー!!」 レイン「ちょっと待ってドモン、今日はゴッドガンダムのメンテナンスが」 ドモン「うっ、そうか…… じゃあ素手でトレーニングをするか」 アレンビー「それでもいいよ♪」 レイン「ちょっとドモン!」 刹那脳 レイン:ガンダム アレンビー:ガンダム 刹那「理想的な関係だ……」 レイン「なんですって?」 679 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/07/18(日) 08 53 48 ID ??? 678 医者の資格もってて、ワンオフの競技用MSをたった一人で完璧に整備、維持、 いざという時にはライジング・ガンダムを乗りこなしすらする才媛が、ガンダムではないと? イアン「おまけに美人だ…イタイイタイ」 マリナ「刹那って理想が高いのねぇ」
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使用人の朝は早い。布団の外へ差し出した手に触れる、外気のあまりの冷たさに驚く。ウンディーネデーカンの月も半ばに差し掛かったというのに、冬の寒さは一向に衰えを知らない。 ガイは意を決しベッドから滑り降りると顔を洗う為、洗面所へ向かった。 今日は買出しの仕事がある。使用人の仕事も四年ともなれば大分板について来たもので、様々な仕事がガイにも回ってくるようになった。 厨房へ向かい、朝食を済ませると中庭へ向かう。先に起きていたらしい同郷の庭師がガイに気付いた。挨拶にガイも軽く手を上げて返す。 「お早いですな、ガイラルディア様」花壇に手を差し込んだままペールが言った。周囲に人の目がない事を確認してから、ガイは老人に近付く。 「ルーク様でしたら朝の礼拝かと。買出しついでにお迎えに行って差し上げるくらいで丁度良いでしょう」 口元に浮かぶ微笑は穏やかですらあるというのに、言葉に含まれる意味合いを思うと酷薄さすら感じさせる。そんな老人の様子に、ガイは自然と笑みを溢した。この屋敷に来てからというものの、そんな風に笑いあえるのはこの老人をおいて他にいなかった。 それから他愛のない言葉を交わしあい、老人の昔話が本格的に長くなる前にガイは買出しに向かった。 エントランスではいつものように、使用人達が朝の清掃をしていた。挨拶をすれば返されて、それは故郷にいた頃と何ら変りのない生活のように思えた。けれどそれは酷く遠い、酷く残酷な日常でしかなかった。立ち並ぶ柱の中央に飾られた宝剣に目配せをし、ガイは扉をくぐった。気をつけてね、と日頃から仲の良いメイドが声を掛けてきた。返事をしようかとも迷ったが、結局上手く笑顔を作れる自信がなかったので、聞こえなかったふりをした。 朝の礼拝を終えた人々が教会から出てくるのが見えた。小さな「主殿」は、奥の礼拝堂を貸し切っている筈なので、もう暫らくは掛かるだろう。これなら一度屋敷に荷物を置いてから、再度出迎えに来るくらいの余裕はありそうだ、とガイは思った。 今朝早くに定期連絡線で、ダアトを経由して来たマルクトの物資が仕入れられた所為か、いつものこの時間に比べると集合商店の中はかなりの人込みになっていた。その間をすり抜けるようにして、器用にガイは覚書きに記された品物を購入していく。両手に合わせて三つ袋を抱えて、残りの荷物は後で屋敷の方へ届けてもらえるよう算段をつける事に成功した。両手に余る程の荷物だったが、ガイはそれを危なげなく抱えて歩く。見張りの兵士が気をつかって扉を開けてくれた。それにガイは礼を言うと会釈し、そのまま集合商店を後にした。 屋敷前へ直通の昇降機に向かう途中、林檎を落とした。その拍子にずり落ちそうになる紙袋を慌てて抱え直したところで、通り掛かりの男が石畳に転がった林檎を拾い上げた。男は十代後半ほどに見えたが、大柄な体躯とローレライの教団服とが、随分と落ち着いた印象を与え実年齢を曖昧にしている。 「あ、あの……」と口早にガイは礼を言う。「すみません、有難うございます」 男は少し驚いたような顔をして、それからすぐに微笑んだ。そんな男の笑顔に理由のない懐かしさを感じ、ガイは思わず俯く。 「家のお使いか?偉いな」 男は林檎を紙袋へ戻しながら言った。 「あ、いえ!俺はファブレ家の使用人で……あ」 頭を振った拍子にまたしても林檎が落ちた。足元を紅い玉が転がって行く様を、ガイも男も言葉を無くして目で追った。 居た堪れなさに閉口していると、そんなガイの様子に堪り兼ねたかの様に男が笑い出した。そしてそれから再び林檎を拾い上げ、袋の中へ戻すとそのままガイの腕から袋を二つ抜き取った。 「手伝おう」 「『神託の盾(オラクル)』の騎士様に、そんな事はさせられません!俺が怒られてしまいます」 ガイは突然軽くなった両腕と、男の唐突な行動に困惑した。必死に紙袋を返してもらおうと試みるが、男はただ笑うばかりだ。こんな事なら無茶をせずに、二袋に留めておけば良かったろうか、と数分前の自身をガイは呪った。 「久しぶりに笑えた気がした。これはほんの礼だ。気に病む事はない」 そう言って笑う男の顔がどうしようもなく淋しげで、それでいて何処か過去を懐かしむようであったからガイはそれ以上何も言えなくなる。 自分自身とこの男との印象が重なった所為かも知れない。遠い昔、まだ自分が陰謀も裏切りも知らずただ幸せであった頃、兄の様に、影の様に付き従っていてくれた使用人に、この男の笑顔が何処か似ている気がしたからかも知れない。 昇降機に向かって歩き出す男の後を追う。屋敷の前で荷物を返され、男と別れてからガイは名前を聞くのを忘れたな、と思った。 屋敷に戻ってすぐに、エントランスでペールに出くわした。土に汚れた軍手もそのままに、ガイを待っていたようだ。 午後からの客人を公爵家総出で出迎えなくてはならないらしい。紙袋を受け取ると、ペールは教会へ行くよう促す。ガイは後から届く荷物があることだけを伝えると、今来た道を引き返した。 階段を下りてすぐに、教会の前に目的の人物を見つけた。 公爵子息、ルーク・フォン・ファブレは深緋の髪を肩口に掛かる程度まで伸ばしている。何度か公爵夫人に髪を切るよう勧められていたが、結局そのままで来ているようだ。特に手入れをしているといった話を聞いた事はない。長さも疎らで前髪も目元に掛かっていたが、不思議と鬱陶しさは感じさせられない。 ガイの姿を見止めると、彼は「ガイ!」と嬉しそうに顔を綻ばせ駆け寄って来た。年はガイより四つ下だったと記憶している。並ぶと、頭一つ分と少し低いところでルークの赤毛が揺れた。 「悪い悪い、ちょっと遅れたか」 「平気。ガイ忙しいのに、いつもごめんね」 一転して、ルークの表情が少し曇る。またこれか、とガイは思いながら苦笑いを浮かべる。 貴族だろうと使用人だろうと、彼は心をくだき過ぎる。そんなルークを見る度に、ガイは少しの罪悪感と、そこから来る苛立ちを覚えた。 「ばーか、気にすんなって。あんま暇な使用人ってのも、格好がつかねぇからな」 「それに朝は免除されてるし」と付け加える。 「とはいえ、目と鼻の先の教会を行き来するのにわざわざ送り迎えを付けて、その上教会の内院貸し切るっていうのも結構、過保護な話だと思うけどね、実際」 貴族の子息らしからぬ気安さで、肩を竦めルークが言う。言いながら、それでも顔に浮かぶのは屈託のない年相応の笑みだった。 「それはまぁ、なぁ」 曖昧に笑みを浮かべて、ガイは適当な相槌を打った。 ルークの言うことはいつも正しい気がした。発せられる言葉の端々に、幼いながらも王族としての知性と教養とが見え隠れした。そこには誠実さこそあれど嫌味はなく、育ちの良さを感じさせる。人の上に立つべく育てられた、理想像ともいうべき姿なのだろう。そしてガイは、それを少しの羨望と、昏い情念の篭った目で見つめる。 「そう云えばさ、今日面白いことに気付いたんだ」 「また、か」 ルークの考えは面白い。自分より年下だというのに、時折真理をつくような難しいことも言う。言葉は年相応に拙いが、聡い子供だった。 「うん。あのね……」 「まあ、お前の言うことは難しくて、俺にはよく解かんねぇんだけどな」 言い掛けたルークの言葉をガイは遮った。ガイをそうさせたのは、煩わしさというより嫉妬だった。 遠い昔に、故郷と共に死んでしまった己の影を、彼の中に見つける度ガイは堪らなく辛い気持ちになる。もしかしたら今も自分は、こうして何の憂いも陰りもなく笑っていられたのかも知れない。何の恨みも憎しみも知らず、世界を美しいものだと捉えられていたのかも知れない。ガイがルークに抱く感情は、いつだって憐憫を孕んだ憎悪だった。 「そっか」 大して気にした風でもなくルークはそう言って笑った。ガイがこうしてルークの言葉を遮るのは初めてではなかったからかも知れない。 そして理不尽にも、ガイはそんなルークの態度に苛つく。言い掛けた言葉を飲み込み、自身を抑制する凡そ子供らしからぬ態度を、ガイは不快に思う。まるでガイのつまらぬ嘘や虚勢などお見通しなのだと、嘲られているように感じられるからだ。 遠くで教会の鐘が鳴る。今日も良い天気だ。 昼食を終え暫らく経った頃、屋敷の中が少し騒がしくなった。夫人に手をひかれながら、不満そうなルークが応接室に消えて十五分後のことだった。例の客人が来たのだろう、と思ったがガイには特に興味の惹かれる事ではなかった。一度だけ中庭からエントランスの窓の方に目を向け、またすぐに手元に戻す。今のガイには上流階級の社交よりも、花壇の害虫駆除の方が重大な任務だった。 一通りの作業を終えると、後は薬を撒くだけですから、と庭師に言い渡された。土いじりは昔から嫌いではなかったので、多少の名残惜しさを感じながらガイは中庭を後にした。 手を漱ぎながら、空いた時間をどう潰したものか、と考える。結局やる事もないので、ガイはエントランスへ向かった。怪しまれるかとも思ったがこの屋敷で心安らぐ場所など、そう多くはない。 飾られた宝剣を仰ぎ見た。金色の柄にはホド独特の文様が細工され、隼をあしらっている。真っ直ぐに伸びた刀身は細身で、蒼く輝いている中に、古代イスパニア文字で書かれた預言が薄く浮かび上がっている。 その剣の名を、心の中で唱えた。優しい呪文のように、それはガイの胸に広がる。決心を新たに迷いを拭う。それでも、矢張りガイはまた揺れる。その繰り返しだ。 応接室の扉が開き、教団服に身を包んだ男が数人出て来た。慌ててガイは柱から離れ部屋の隅に寄る。頭を下げ、視線は床に落とす。どうやら話は長く続くようで、合間に休憩が入ったらしい。公爵の案内で、そのまま中庭へ向かったようだ。一息ついて、それから改めて顔を上げる。そしてまだ部屋の中に人が残っている事に気付き慌てて再度頭を下げようとして、とどまった。 エントランスの丁度中央に、その柱はある。白亜の柱に飾られた宝剣は、かつてホドの地を収めていた領主の首級と共にファブレ侯爵が持ち帰ったものだ。それを、一人の男が見上げていた。 ローレライの教団服を着たその男は、つい数時間前に会ったあの男だった。その横顔から、感情は読み取れない。けれどガイはそれに一つの確信を抱く。無感動な眼差しは、いつも自分が剣に向けるものと同じだったからだ。 男が、ガイに気付いた。すぐに今朝方会った子供なのだと思い当たったようで、柔らかな笑みを浮かべてこちらに近付いてきた。 「また会ったな」 言って笑う男に、ガイは何と声を掛けて良いのか分からなかった。握り締めた拳が、汗で滑る。目の奥が熱い。反射的に俯くガイを、男は怪訝そうに見つめている。しゃがみ込んで、顔を覗きこまれる。 「どうした?」と訊かれ、頭に手を乗せられる。堪らなくなって、ガイの目から涙が溢れる。涙と一緒に、言葉も溢れた。 「ヴァン……!」 男の顔から笑みが引いた。驚きに目が見開かれて、彼は言葉を失う。そんな彼とは対象にガイは嗚咽と共に、今度こそ明確な意志を以ってを吐き出した。 「ヴァン、デス……デルカ……ッ」 こんなところを人に見られたらどう言い訳をして良いか判らないというのに、ガイは感情を抑えられなかった。六年、その歳月全てが台無しになるかも知れない。それでも、とガイは男の名を呼んだ。呼んで、ただ泣きじゃくった。男は言葉を失ったまま、それでもガイを抱きしめた。 「ガイラルディア様!」やっと紡がれた男の言葉は震えていた。ガイはただ泣きながら頷いた。 </>
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087 溢れ出る気持ちは誰のもの? ◆BEQBTq4Ltk ――もしも、またみんなと一緒に笑えたら。 それはとっても嬉しいなって―― 島村卯月が目を覚ましたのは放送よりも前だった。 彼女は運が良い。寝過ごしては大事な情報が手に入らないから。 「……ひっ」 寝起きの彼女が真っ先に取った行動は歯磨きでも洗顔でもない。 普通の少女に似合わない挙動で腕を首に回した。 首輪の金属がひんやりと掌に伝わる中、彼女は何回も手を擦っていた。 「ある……ある……」 触っても物足りない。 右拳を握り、首輪を含め自分の首を島村卯月は殴り始めた。 「ひぐっ……ある……」 衝撃により呼吸が出来なくなる時もあるが、彼女は構わず殴り続ける。 メトロノームのように何度も一定に、機械のように何度も何度も何度も……。 「ある……あ、る……」 やがて疲れたのか、拳を解きだらしなくベッドに右腕を降ろす。 疲労したのは右腕だけではなく、彼女の瞳は黒く濁っていた。 睡眠を取った人間の瞳とは思えないそれは、数時間前の悲劇が焼き付いてる。 セリュー・ユビキタス。 島村卯月が殺し合いの中で一番最初に出会った参加者である。 その笑顔の輝きは人一倍で、正義感溢れる強い女性だった。 その強さは人間を殺せる程の覚悟を持っていて、島村卯月とは別次元の存在。 「あるよ……りんちゃん……みおちゃん……わた、私」 輝かしい笑顔を持っている女性はセリュー・ユビリタス以外にも知っている。 同じ仲間であり親友である渋谷凛と本田未央を始めとする少女達。 アイドルの理想像を共に目指す島村卯月にとっての宝物。 でも、セリュー・ユビリタスの笑顔は悪魔のようだった。 「私は……首、あるよ……」 セリュー・ユビリタスが生命を奪った南ことりには首がない。 あぁそうだ。南ことりは死んだ。 誰が殺した、それはセリュー・ユビリタスだ。 セリュー・ユビリタスはどんな人間だ。 恐怖に怯えている島村卯月を励ました強い人間だ。 近くの見回りも率先して行った勇気在る人間だ。 その強さの源は何処から来る、それは人間を殺すことの出来る覚悟と倫理観だ。 覚悟を持っていれば、倫理観が常識を逸脱していれば人を殺せるのか。 ならば南ことりはセリュー・ユビリタスと同じ人種なのか。 違う。彼女――南ことりは普通の女子高生だった。 運が悪かった。殺し合いに巻き込まれた時点で彼女の運命は大きく変わってしまった。 大切な仲間を守るために。 仲間と共に叶える夢と自分のためだけに叶える夢。 道の選択を悩んでいた南ことりの背中を押し、腕を引っ張ってくれた存在。 その存在を始めとする仲間を――守りたかっただけ。 「ことりちゃん……私は生きてるよ……」 セリュー・ユビリタスに首を切断された女性の名前を呟きながら、首を触る。 触るよりも絞めるに近いその動作はまるで自分の生命を確かめているようだった。 生きている、自分は南ことりと違って生きている。 生きているという当たり前の感覚が今の島村卯月にとってどれ程嬉しいものなのか。 顔こそ笑顔ではないが、生命在ることを彼女は人生の中で一番喜んでいた。 「嬉しい……っ、私、ちょっと疲れてるか……な」 自分が壊れそうだ。 死体を、それも生首を初めて目撃した島村卯月の感情は大きく歪み始めている。 生きている、が当たり前ではなく、選ばれた人間だけ。 生存が彼女の中で肥大していき、嬉しいと小言を漏らすほどに膨れていた。 だが否定したい。 自分ではないようで。 嬉しいと言葉を漏らす自分が自分ではないようで。 生命の実感を真摯に受けている自分が、もう戻れない道を歩んでいるようで。 「――ひっ」 突如流れるノイズが彼女の心を圧迫する。 ベッドから身体を動かしはしないが、視線は扉の向こう側を見つめている。 誰かが部屋に来たと思ったが、実際は放送に係る音声のノイズであった。 思えば上条当麻なる男性が殺された時、広川が何かを言っていたような気がする。 誰に言われたわけでもなく、島村卯月は自然とバッグの中から名簿と地図と筆記用具を取り出していた。 ☆ 「ことりちゃん……」 死者を読み上げる広川。 彼が一番最初に宣告を告げた名前は島村卯月が知っている南ことり。 数時間前まで生を帯びていたその存在を思い出しながら、名簿に線を引いていく。 禁止エリアを塗り潰すよりも心労が溜まる作業だ。 ――人間の死を作業と捉えていいのだろうか? 「……首は、ある……」 何度目か解らないが、首に手を伸ばし生命を実感する。 私は生きている、夢じゃなくて、現実で生きている。 現実逃避したい現状から逃げずに、自分に何度も何度も言い聞かせるように首を触る。 「美遊・エーデルフェルト、知らない。浦上、知らない。比企谷八幡、知らない。 佐天涙子、知らない。クロメ、知らない。クマ、知らない……」 告がれていく名前を復唱しながら名簿に取り消し線を増やしていく。 数時間の間にどれだけの人間が死んだのか。 改めて考えると、目覚めた時、近くにセリュー・ユビリタスの姿は無かった。 彼女は何処かで南ことりの時と同じように他の参加者を殺していたかもしれない。 「渋谷凛、知らない」 復唱しながら取り消し線を引く。 同じ行動を起伏無しに何度も繰り返す姿は正確無比のロボットのようだ。 弱音を吐くことも無ければ強がることもない。 プログラムされた記号を只管に何度も繰り返す冷たくて悲しい機械のように。 「モモカ・萩野目、知らない」 「星空凛……あっ、ことりちゃんの友達……」 南ことりが死ぬ前に。 まだ己を隠していた頃、語ってくれたスクールアイドルの仲間。 アイドルグループの存在は知らなかった。 部活の一環として活動する彼女達と同じ舞台に立てれればいいな、そう思っていた。 「あれ……星空凛ちゃんはもう潰してある」 星空凛の名前が記載されている欄に取り消し線を引こうとした時、既に引かれていた。 名前を復唱しながら線を引いていたため、間違いをすることは無いはずである。 不思議に思いながら、呼ばれていく名前に線を引いていく。 結果として十六人の名前が呼ばれ、引かれた線は十五。一人足りない。 名簿をもう一度見渡すが、線の数は十五。 しかし足りない理由はすぐに解った。 「渋谷凛……凛ちゃんの名前が呼ばれた時、間違って星空凛ちゃんの名前に線を引いたんだ」 「トイレ、行ってきます」 誰に言ったかも解らずに、バッグを持って島村卯月は立ち上がった。 ☆ 水を流すのは何度目だろう。 吐きすぎて胃から固形の物は出て来なくて、気持ち悪い液だけが出て来ます。 凛ちゃんの名前に気付いた時、時間が止まりました。 私だけが世界に取り残されたみたいで。 でも、実際は凛ちゃんだけが世界から除外されてたみたいなんです。 信じられないと思いました。でも、受け入れるのは早かった。 ことりちゃんの名前が呼ばれた時点で、この放送に嘘はないと思いました。 だってことりちゃんは私の目の前で死んだから。 死んだから……素直に思える私が私じゃないみたいで気持ち悪い。 「なんでこんなことになったんだろう……」 もう、涙も出て来ません。 たくさん泣いて、たくさん吐いて。 凛ちゃんはもういない。私は、島村卯月はもう二度と渋谷凛に出会えない。 ニュージェネレーションズはもう二度と、あの笑顔で舞台に立つことが出来ない。 どこで間違ったんだろう。 最初にセリューさんに心を許したのが悪かったのか。 ことりちゃんの暴走を止められなかったのが悪いのか。 私には解りません。 プロデューサーならどうするんでしょうか。 未央ちゃんならどうやったのかな。 私だから駄目だったのかな。誰か教えてください。 8 :名無しさん:2015/07/23(木) 22 06 26 ID 3h.TAs0.0 どうすれば凛ちゃんを助けれたのかな。 高い山の頂上に咲く花のようにかっこいい凛ちゃん。 孤高を気取る訳でもなくて、心優しい友達思いの凛ちゃんが大好きです。 誰が凛ちゃんを殺したんだろう。 知りたい、いや、知りたくない? 知ってどうするんだろう……私にも解りません。 「追い掛けるのはできないよ……ごめんね凛ちゃん」 私も死にたくなってバッグに入っている糸で死のうとしました。 首を吊ろうにも糸は細くて、巻き付けた首から血が出る程鋭利だったので、やめました。 説明書みたいな紙を読むと、とても頑丈なので、服の下に纏いました。 「これから……」 服を来た所で、私はどうすればいいんだろう。 トイレを出て、うがいを済まして顔を洗いました。 試しに鏡の前で笑顔を作っても、悪魔が笑っているような……本当の笑顔じゃ無い気がします。 凛ちゃんが死んだこと、信じられません。 でも放送が嘘だなんて思えません。 私は何を信じればいいんでしょうか。 今頼れる人間、それはセリューさんだけです。 あの人は人間を殺せる怖い人で、でも、私に危害を加えない人でもあります。 ひ弱な私は彼女に頼るしかありません。 「セリューさん……外にいるのかな……?」 だから私はセリューさんを探すために外に向かおうと思います。 この選択が正しいか間違っているか何て解りません。 そもそも今の自分が誰かなのも解りません。 目が覚めてから首を触っている時、島村卯月が別人に変わっているようでした。 ことりちゃんと自分を比べた時、島村卯月が別人に変わっているようでした。 壊れた機械のように放送で呼ばれた名前に線を引いた時、島村卯月が別人に変わっているようでした。 凛ちゃんの名前を無意識で飛ばした時、私は島村卯月でした。 自殺を図った時、私は誰だったのでしょうか。 凛ちゃんの死を現実だと認識した時、私は何を考えていたのでしょう。 私には解りません。 でも、どうすることも出来ません。 今は悪い魔法に掛けられていて、魔法が解けたら全部夢のように消えてくれれば。 それはとっても嬉しいなって。 こんな時に、こんな事を考えてしまう私は本当に島村卯月でしょうか。 【D-4/イェーガーズ本部内/一日目/早朝】 【島村卯月@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]:悲しみ、セリューに対する依存、自我の崩壊(極小)、精神疲労(大)、『首』に対する執着、首に傷 [装備]:千変万化クローステール@アカメが斬る! [道具]:ディバック、基本支給品、賢者の石@鋼の錬金術師 [思考] 基本:元の場所に帰りたい。 0:どうすればいいのかわからない。 1:セリューとの合流。 2:助けてもらいたい。 3:凛ちゃんを殺したのは誰だろう。 4:助けて。 [備考] ※参加しているμ sメンバーの名前を知りました。 ※渋谷凛の死を受け入れたくありませんが、現実であると認識しています。 ※服の下はクローステールによって覆われています。 ※自分の考えが自分ではない。一種の自我崩壊が始まるかもしれません。 ※『首』に対する異常な執着心が芽生えました。 ※無意識の内にセリューを求めています。 ※彼女が所有している名簿には渋谷凛を除く、第一回放送で呼ばれた名前に取り消し線が引かれています。 【千変万化クローステール@アカメが斬る!】 ナイトレイドの一員であるラバックが所有していた糸の帝具。 用途は罠、索敵、防御、攻撃など多種多様な万能で豊富。 とっておきの一本と呼ばれる界断糸は強度、鋭さ共に通常の糸を遥かに上回る。 奥の手は存在するが原作では未登場である。 時系列順で読む Back 汚れちまった悲しみに Next 端緒 投下順で読む Back 亀裂 Next 邂逅 賢者の意思/意志 036 やはり私の正義は間違っているなんてことは微塵もない。 島村卯月 098 正義の戦士たちよ立ち上がり悪を倒せ
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サンタクロースをいつまで信じていたか? なんてことはたわいもない世間 話にも―― 周りの生徒は恐らく、新たな場所での出会いや学校の規則などに不安と期待 を抱いている中、俺はそんな何ともどうでもいい事を考えながら、入学式に出 る為に北高校へと向けて足を動かしていた。 それは、これから先に待つであろう平凡な日常に対して、過度な変化を期待 しない様に予防線を引いていただけでなく……そうだな、ほんのちょっとだが 期待してたんだ。高校に入れば何かが変わるんじゃないかってな。 それは当たらないとわかっていても買ってしまう宝くじみたいなもんで、結 果当たらなくても別にそれはそれでよかった望みだったんだが……神様って奴 は余程捻くれているらしく、俺の願いは斜め上後方くらいにずれた意味合いで 叶ってしまい――今に至る。 「はい。どうぞ」 そんな、今更振り返ってもどうしようもない過去の事を思い出していた俺を、 涼やかな声が現実へと呼び戻してくれた。 声の主である朝比奈さんは俺の隣で微笑み、思わず俺も微笑を返してしまう。 さて、今俺が微笑みを交わしている相手は実は未来人である等と言って、そ れを信じるような奴はいるだろうか? ……居ないよなぁ。 しかし、それはどうやら事実な様で、そしてまた朝比奈さんの淹れてくれた お茶が美味であるのも事実であるわけで、二つの事実の内で俺にとって重要な の後者であった為、俺は深い考えも持たず目の前に置かれた湯飲みを手に取り その中に入った液体を心行くまで楽しませてもらった。 「ご馳走様です。美味しかったですよ」 俺の謝辞に嬉しそうに目を細める朝比奈さん。 今日はまだ部室に朝比奈さんしか来ていないから、もっと凝った言葉で感謝 を伝えてもいいんだがそれはやっぱり俺のキャラじゃない気がする。 そんな普段と変わらない日常を過ごしていた俺に、 「あの……キョン君は、サンタクロースって信じてますか?」 朝比奈さんは可愛らしいお声で、そんな事を聞いてきたのだった。 「サンタクロース……ですか?」 「はい」 その質問に深い意味があるとも思えず、 「信じていません」 俺は素直にそう答えた。 その返事を聞いて、朝比奈さんは残念そうに顔を伏せてしまう。 「でも、朝比奈さんが信じて欲しいのならすぐさま信じますよ」 背後にあるハンガーに掛けられたあの赤い衣装をまた着て頂ければ、それは 確信に変わります。 以前拝見した聖・朝比奈さんの姿を脳裏に描いていると 「……キョン君。実はあの、お願いがあるんです」 朝比奈さんは申し訳無さそうに呟き、俺の顔を見つめてくるのだった。 放課後、SOS団としての活動を終え、一旦は部室を後にした俺はそのまま 家には帰らずまた部室に戻ってきていた。 部屋の中に居たのは、 「キョン君」 何やら落ち着かない様子の朝比奈さんだけ。 静かに扉を閉めた俺を、彼女はじっと見つめている。 ……朝比奈さんがみんなには何も言わず、俺にだけ伝える用事って事は…… やっぱり、 「あの、またわたしと過去に行ってもらえないでしょうか」 ですよね。 これで何回目かは忘れましたが、何回目であろうが俺の返事は変わりません。 「いいですよ。お供します」 あの強烈なブラックアウトを再び体験する事で、朝比奈さんの顔が笑顔にな るのなら悪い取引きじゃありません。 「本当ですか! ありがとうございます!」 いえいえ、お気になさらず。 すでに手順が解っていた俺は、朝比奈さんに言われる前に椅子に座って目を 閉じて肩の力を抜く。 そんな俺の姿を見て、 「あ、ちょっとそのまま待っててね」 俺の背後で、何かを準備する朝比奈さんの気配が続く。 さて、彼女は何をしているのか? と疑問を持ち始めた頃、俺の体に何か上 着がかけられてきた。 思わず目を開けてみると、見慣れた自分のコートが体にかけられている。 「寒い所に行くので、風邪を引いちゃうといけないから」 優しくそう言った彼女自身も、コートを着込み何故か手には赤いサンタ帽子 を持っていた。 普通のコートにサンタ帽子か。 朝比奈さんが着ているのがフードが無いコートだからそれを被ろうと思った のかもしれないが、朝比奈さんならどんな組み合わせであったとしても可愛い 事は間違いないので問題は無い。 俺なら変だろうけどな。 「はい、これ」 そして、何故か俺にそのサンタ帽子を手渡してくる。 「あれ? これは朝比奈さんが被るんじゃないんですか?」 世界中の男子がそれを望んでいますよ? 出来ればサンタ服もお願いしたい 所です。 「はい。あの……何も聞かずに、これを被ってもらえませんか?」 首を横に振る朝比奈さんは、ここは譲れないとばかりに俺に帽子を押し付け るのだった。 まあ……あなたにそう言われれば被りますが。 大人しく言われるまま帽子を被りながらも、俺は嫌な予感を感じていた。 朝比奈さんは、俺に何をさせようとしているんだろう? 形にならない不安に俺が身構えると、背中から抱きしめるように伸びてきた 朝比奈さんの腕に――俺はあっさりと不安を忘れた。 誰か今の状況を写真に撮ってくれ! 朝比奈さんを中心に! 背中に微かに感じる柔らかな感触に、今だけコートを脱いでいいですか? と聞こうかと本気で迷っていると、 「では……行きますね?」 しまった! 油断していた俺は、目を開けたまま時間遡行の波に飲まれていった。 世界が歪み、自分が何処かに投げ出されるような感覚。 そろそろ慣れてもいいはずなのに、一向に慣れる気配がない不安定な時間を 耐えること十数秒。 「着きました。もう、目を開けてもいいですよ」 天使の様な朝比奈さんの声に、目を開けた俺が見たのは……えっと。 そこは見覚えの無い教室の中で、どうやら今は深夜らしく真っ暗で誰の姿も 見当たらない。 やけに寒いと思ったら、窓の外では白い雪がちらちらと舞っている。 なるほど、これはコートが必要だ。 「朝比奈さん。今は何時で、ここは何処なんですか?」 コートを羽織りなおしながら聞いてみると、 「今は3年前の12月24日で、ここは涼宮さんの通っている中学校です」 朝比奈さんははっきりとそう教えてくれた。 ハルヒの通ってた中学って事は……。 俺達が居る教室は一階だったので、窓の外には白く色付いたグランドが見え る。という事は、半月程前に俺はこのグランドにあの文字を書いたって訳か。 「それで、今度は何をすればいいんですか?」 また、ハルヒを見つけに行くんですか? 「えっと……詳しい事はわたしも聞かされていないんですが、キョン君にはこ の後―― ――朝比奈さんの為なら、例え火の中水の中。文字通りの意味で俺はそう思 っている。 しかし……これはきついな。 その場で足踏みを繰り返しながら、俺は何故かグランドの中央に立っていた。 別に何かをしている訳じゃないんだ。 ただ、立っているだけ。 聞く分には楽そうな今回のお願いだったが、冬の寒空の下においてはそれは かなり厳しい内容だったりする。 「こんな事を頼んでしまって本当にごめんなさいっ! わたしも一緒に外に居 ますから」 依頼を告げた後、朝比奈さんはそう提案してくれたが俺は丁重にお断りした。 そりゃあ朝比奈さんと2人でならどんな寒空でも我慢できるだろうが、朝比 奈さんが寒そうにしているのを見続けるってのは拷問だ。 俺は教室から視線を向ける朝比奈さんに手を振りながら、その場で足踏みを 繰り返す作業に戻った。 頑張れ俺、これが終わったら朝比奈さんから何かご褒美があるかもしれんぞ。 別にそんな約束はしていないが、あのお優しい朝比奈さんの事だ。目的を達 成したらはい、解散って事は無いだろう。 朝比奈さんのご褒美の内容を妄想して、何とか俺が寒さを耐えていた時の事 だった。 しんしんと降り積もる雪の中、誰かの足音が混じって聞こえてくる。 朝比奈さんが居る校舎の方を見ていた俺は、ゆっくりと近づいてくるその足 音の方へ体を向けようとした途端、 「サンタクロース見ーつけたー!!」 聞き覚えのある声が辺りに響いたと同時、俺は本能的にしゃがんでいた。 同時に俺の頭部があった辺りを飛びぬけていく誰かの体、 「かわした!?」 着地も見事にグランドに立っていたのは……まあ……そうだとは思ったよ。 そこに居たのは、白い袋を担いだ中学時代のハルヒの姿だった。 「あ、あんたもしかして……」 俺の顔を見たハルヒは、目を丸くして近寄ってくる。 そして、帽子の下にある顔を確認すると 「ジョン!?」 「よう、久しぶりだな」 ハルヒの驚いた顔は、すぐに笑顔に変わった。 「なんで? なんであんたがここに居るのよ?! いつから居たのよ! 世界 を大いに盛り上げるってなんなの? っていうかその頭に被ってるのは何? あんたがサンタだったの?!」 いくらなんでも一度に聞き過ぎだ。 っていうか朝比奈さん、俺はこの後何をすればいいんですか? この場所に立っていて欲しいとしか、俺は朝比奈さんから聞いていない。 ここでハルヒと話していればいいのか? そう聞きたい所だが、生憎と朝比奈さんは100m程離れた校舎の中だ。 以心伝心で意思疎通をするにはちょっと距離がありすぎる。 「……ちょっと、目の前で喋ってるあたしを無視して何を見てるのよ」 ん、ああすまん。 「ところでハルヒ、お前こそ何をしてたんだ」 こんな雪の夜に学校に来るってのは、また何かするつもりだったのか? 俺の質問に、ハルヒはまた笑顔を浮かべて 「サンタ狩りの帰りよ」 「そっか……。ってちょっと待て!! 何だそのサンタ狩りってのは?!」 「読んで字の如くの意味じゃない」 そう言いながらハルヒは担いでいた袋を下ろし、その中に入っている物を俺 に見せるのだった。 白い袋の中は真っ赤で、一瞬猟奇的な何かを想像してしまった俺だったが 「じゃんじゃじゃ~ん。街中の偽サンタからかき集めてきたの!」 そこに入っていたのは、大量のサンタ帽子だった。 しかし……よくもまあこれだけ集めたもんだな。 得意げにその袋を見せるハルヒは、 「ねえ……ジョン。あんた本当にサンタじゃないのよね?」 何故か真剣な顔でそう聞いてくるのだった。 んな訳あるかよ。 「俺がサンタならここにはトナカイもソリもあるはずだろ? そして、人から 物を盗るような奴の所にサンタは来ない」 「別に来なくてもいいわよ。呼ぶだけだから」 俺の忠告にハルヒは謎の言葉を残し、 「じゃ、これもらっていくね!」 俺の頭にあったサンタ帽子を奪って校舎の方へと駆け出していくのだった。 あ、おい待てよ! ……っていうか呼ぶって何だ? あの帽子と関係あるのか? そして俺はこ の後どうすればいいんだ? 帽子を失い、頭部まで冷え始めた俺に残された選択肢は……ええいくそうっ! 「待てよハルヒ!」 ハルヒを追って、校舎に行く事しか残されていなかった。 俺が鍵を開けたままにしていた扉から侵入したらしいハルヒだったが、その 追跡は意外に簡単だった。 すでに足音1つ聞こえないが、土足のまま侵入したらしいハルヒの足跡を追 っていくだけでよかったからな。 朝比奈さんに一度話を聞きに行こうとも思ったんだが、まずは放っておくと 何をするか解らないハルヒを追いかける事にした。 ……頼むから面倒な事をしないでいてくれよ? そう祈るような気持ちで足跡を追っていた俺が見たのは、 「遅いわよ。早く手伝いなさい」 派手に音を立てながら、教室から机を運び出しているハルヒの姿だった。 ……想像以上だな、おい。 「ほら、早く!」 ハルヒは当たり前の様に俺の腕を引っ張るのだが、 「何で俺が、こんな深夜にお前の犯罪まがいのいたずらの手伝いをしなくては ならんのだ?」 「こんな深夜に学校に忍び込んできておいてよく言うわよ。いいからさっさと 手伝いなさい」 無駄に笑顔で自信たっぷりに言うハルヒに……多分、朝比奈さんは俺にこう させる事が目的だったんだろうなと諦めつつ、ハルヒの待つ教室に入った。 「机と椅子を全部外廊下に出すの。あたしの机も混じってるんだから丁寧に扱 いなさい」 へいへい。 相変わらず口煩い奴だ。っていうか3年後のこいつはもっと口煩いんだから 改善を期待するほうが間違っているのかもしれない……って待てよ? 椅子を逆さに載せた机を1つ廊下に出した所で、 「って事はハルヒ、ここはお前の教室なのか」 「当たり前でしょ? 人のクラスでこんな無茶な事はしないわよ」 普通は自分のクラスでもやらねーよ。 とは言うものの、ここがハルヒの中学時代の教室だと思うと多少の興味はあ る。机を運びながら教室の中を見回していると……ああ、やっぱりか。 壁に貼られた掲示物の中、習字の表彰の中で一人だけ勢いで溢れすぎな字が 混じっている。お題は自由だったのか、様々な字が並ぶ中でハルヒの作品には 『退屈』の2文字が書かれていた。 ……何ていうか、気持ちはわからんでもないが……習字の時間にそれを書く のはどうなんだ? 浮かんできた笑いを何とかかみ殺していると、 「何笑ってんの? さっさとやらないと夜が明けるわよ」 ハルヒは不思議そうな顔で俺を見るのだった。 ――そして、ようやく教室がただの広い空間になり、代わりに廊下が殆ど通 行不能になった時。 「じゃ、始めるわ。特別にジョンにも見せてあげるから、あたしに感謝しなが らその辺の床に大人しく座ってなさい」 廊下から戻ってきたハルヒの手には、一冊のノートがあった。 へいへい。 どうせなら椅子を1つ持ってくればよかったな。 床の冷たさにそう考える中、ハルヒはまず例の袋に入っていた帽子を教室の 中央辺りに振り撒いた。 そして帽子を掴んでは投げ、教室の床に帽子で何かを描いていく。 ノートを見ながらのその作業は暫く続き、やがて教室の中にはサンタの帽子 で描かれた……なんだこれ。 「見てわからないの?」 「わからん」 大きな円と、その中央にシダ植物が好き勝手に繁茂したようなこの模様を人 は……なんだよこれ。 「サンタを召還する魔方陣よ!」 保育園児が砂山を指差し「お城が出来た!」とでも言うような無邪気な笑顔 で、ハルヒはその自称魔方陣を指差した。 そうか、魔方陣か。 どっちが上かとか、そもそも方向といった概念を見つけられないその帽子の 列を前に、 「何よ、その薄い反応は……まあいいわ、今から実際にサンタを呼び出して驚 かせてあげるから!」 ハルヒは自信満々にノートを取り出すと、魔方陣とやらの端に立って片手を 上げ何やらぶつぶつと呟き始めた。 目を閉じ、俺が物音を立てないように思わず気を使ってしまう程の真剣さで ハルヒは何かに取り組んでいる。 それが何を意味しているのか――まあ、ハルヒとしてはサンタを呼び出そう としているらしいんだが――俺には欠片も理解できなかったんだが……。 10分程過ぎた頃だったろうか、 「――…………なんでよ、何でサンタは来ないのよ!」 ノートを床に叩きつけながらハルヒは突然叫び、痛い程の沈黙が教室に戻っ てきた。 現実ってのは……ま、そうだよな。 ハルヒが願ったくらいでサンタが来るはずはない。 何故なら……古泉によればだが、それはハルヒが認めていないからなんだと 言う。願望を実現する力があっても、そんなの居るはずが無いと心で思ってい る事は叶わない。存在しろという願いが、存在するなという願いで相殺される のかもしれん。 「……何で……なのよ……」 ハルヒの肩は小さく震えていた。 それが怒りのせいなのか、悲しみのせいなのかは……俺にはわからない。 これが現実って奴だ。ハルヒ。 この状況を言い切ってしまうなら、俺の言葉はそれでいい。 ハルヒに1つ、現実って奴を教える事が出来たら……それはどんなに有意義 な事だろうよ。 でも……それは違うんだ。 「惜しかったな」 そう呼びかけても、ハルヒは俺の方を振り向こうとしなかった。 でもまあ、多分聞いてるだろうから続けようか。 「サンタもお前の所に来たかったんだが、今日はもう予約で一杯だとよ」 「……何よ……それ」 力の無いハルヒの返事に、何故か胸が苦しくなる。 その痛みで俺は気づいたんだ……今のは、俺に向かって言っている言葉なん だって。 もう、動いてもいいだろう。 ハルヒの傍に行くついでに、床に転がったままのノートを拾ってみるとそこ には読みにくいが無駄に元気のある字で煙突の魔方陣と書かれていた。 ……ふむ、意外に面白い内容じゃないか。 それは現代におけるサンタの不在を証明する根拠の1つ、煙突が存在しない 事への対策について書き記されていた。過去にサンタの実在報告が多いのに、 現代においてその報告が出ないのは何故か? それは現代には煙突が殆ど無い からである。 サンタの進入経路である煙突を準備する事でその問題を解決すれば、現代に サンタを呼び込むことが出来る。 「……そしてその煙突を作るには、実物の煙突を作る事が出来ない場合はアイ スランドにおける煙突の紋章をサンタの所有物、もしくはそれに類似する何か で模り……」 「返しなさい!」 俺の手からノートを奪い取ったハルヒの目に浮かんでいた物を、俺は見ない 振りをした。 「笑いなさいよ。笑えばいいでしょ! こんなのどうせ、あたしの妄想だって あんたもそう言いたいんでしょ?! 言えばいいじゃない、お前が馬鹿なんだ って! サンタクロースなんて居ないんだって!!」 「居るさ」 涙声で怒鳴っていたハルヒが、割り込むようにして言った俺の言葉を聞いて 急に黙り込み、真剣な目で俺を見ている。 「え……?」 そうさ俺はあの時、きっとお前と同じこの目で聞いたんだ。 『サンタさんは本当に居るの?』ってな。 幼稚園の先生は夢見がちだった俺に「ごめんね? サンタは居ないの」優し くそう教えてくれた。 それは間違ってなんかいない。 空想上の英雄に憧れて、中々回りの子供に溶け込まなかった俺への教育のつ もりだったのかもしれない。 結果として『俺は最初からサンタなんて信じていなかった』なんて言ってし まう現実的で捻くれたガキに育ったよ。 でもな……だからこそ俺はお前に教えてやる。 「居るぜ、サンタは」 それは嘘なんかじゃない。 誤魔化しでもない。 サンタってのは、居ない事を確かめもせずに大人の言葉で解った振りをして いい存在じゃないんだよ。 はっきりと断言した俺の言葉を聞いて 「あ……当たり前よ!」 ――それまで涙目だったハルヒの悲しい顔に、輝くような笑顔が戻った。 「はい……本当にすみませんでした。二度とこんな事をしない様によく言い聞 かせておきますんで……――ふう」 下げたままになっている頭の前から、数人の大人が去っていく気配に俺は顔 を上げた。 やれやれ、もう少しで終わりだな。 「ねえ、ジョン。何であんたも頭を下げるのよ。あたしが悪いんだから、あた し一人が謝ればいいじゃない」 俺の後ろで、一緒に謝っていたハルヒはふくれっつらだ。 確かに俺が謝る理由は特に無いんだが、相手も子供一人に謝られるよりは俺 みたいなのでも一緒に謝った方が納得し易いだろうしな。 「いいから早く済ませるぞ、サンタは今日が一番忙しいんだ」 ――俺達は今、ハルヒが奪ってきたサンタ帽子を返して回っている最中だ。 サンタを呼ぶという目的は失敗したのなら、もうこの帽子に用は無い。 だったら、来年来てもらう為にもこれは返した方がいい。 そんな打算的な事を考える子供を、果たしてサンタは良い子に分類している のかは解らないが、 「じゃあ次、二丁目の商店街の電気屋」 ハルヒは意外にも、帽子を返して回る事を受け入れたのだった。 何人かには本気で怒られたが――当たり前だ、この日しか使わない帽子をよ りにもよって当日に盗られたんだからな――それでも、子供がやった事という 事で何とか納得してもらう事が出来た。 そして盗んだ最後の帽子を返し終え、俺達はまた学校へと戻ってきていた。 いよいよ雪は大降りになってきて、この分だと明日の朝までには積もりそう な感じだな。 「ハルヒ、一人で家に帰れるか?」 心配でそう聞いてみたんだが、 「子ども扱いしないで!」 殆ど条件反射で返って来る怒鳴り声。 よし、それでいい。 それでこそハルヒだ。 思わずにやける俺の顔を、 「何よその顔」 ハルヒは面白くなさそうに睨んでいた。 結局……過去に来たってのに、俺がやった事はハルヒの後始末ってのはどう なんだろうな? これじゃ、普段と余りに変わりが無さ過ぎるだろう。 当たり前の様に職員用の傘を持ち出したハルヒは、何故かそのまま帰ろうと もせずに俺の前に立っている。 何か言いたそうで……言えないその顔に、 「ハルヒ。お前にクリスマスプレゼントをやるよ」 クリスマスにサンタ帽子を被っていたせいなのかは知らないが、俺はそんな 事を言い出していた。 本当、何を考えてたんだろうな。 「は?」 「ま、サンタみたいに何でもとはいかないが、俺に出来る事だったら叶えてや る。何が出来るんだと聞かれると困るが……まあ、とりあえず言ってみろ」 突然の俺の提案に、 「まっ……ちょっと待ってなさい! すぐに考えるから」 ハルヒは後ろを向いて、何やら考え始めた。 さて……どんな無茶な願いが飛び出すのかね? その姿を暫く見守っていると、 「決まったわ」 振り向いたハルヒの顔は……年齢は違うはずなのに、いつも部室で見ている あの暴君そっくりに見えたのは何故だろう? 「あたしね、面白い事は待っててもダメ、自分で探さなきゃって思ってるの。 だから今日もサンタを呼ぼうとした。結果は失敗だったけど……諦めてなんか いないわ」 自信に満ちた目が、俺の顔に穴でも開けるような視線を送っている。 見慣れたその視線に落ち着くものを感じていると、 「だから……また、あたしが何か面白い事をする時は……全部じゃなくてもい い、たまにでもいいからあんたも来なさい。そしたら、あんたにも楽しい思い を分けてあげるわ。どう? この取引き」 ……願いを叶えてやるって言ったら、取引きを持ちかけてくるとはね。 まるで俺の返事は解っているとでも言いたげな顔で、ハルヒは俺を見ている。 さて、この取引きに俺はどう答えるべきか? YES? それともNO? 日常と非日常を分けるかもしれないその選択肢に、俺は―― ラッセル車でもこうはいかないという勢いで、グランドに直線の足跡を付け ていくハルヒを見送っていると、 「ありがとう」 校舎の中から朝比奈さんがやってきた。 俺の隣に立ち、同じ様にハルヒの後ろ姿を眺めている朝比奈さんは……さて、 理由はわからないが何か思い悩んでいる様に見える。 「……あの、まだ何かあるんですか?」 そう聞いてみた俺に、 「あ、いえ。これでおしまいです。後は元の時代に帰るだけです」 朝比奈さんは慌ててそう言うのだが……やはり元気が無いようだ。 校舎の中が寒かったとかだろうか? いくら屋内とはいえ、冬の夜に暖房も無しじゃ厳しいだろうし。用がないの なら早く元の時代に戻った方がいい。 そう、俺としても思うのだが……何故か朝比奈さんはそこから動こうとしない。 じっと俯いていた朝比奈さんは、やがて 「……その……涼宮さんが、羨ましいなって……ちょっと思って」 恥ずかしそうな声で、彼女はそう呟いた。 ハルヒが羨ましい……か。 俺の知る限り、今日のハルヒは羨ましがられる様には見えなかったんだが。 何故か落ち込んでいる朝比奈さんに俺が出来る事は……まあ、多分殆ど何も 無いんだろうけど――でも、 「朝比奈さん。何かお願いを1つ言ってみてください」 調子にのった俺の発言に、 「え?」 朝比奈さんは目を丸くしている。 「ほら、ここは過去だけどクリスマスなんでしょう? 俺に出来る事なんて殆 ど無いですけど、まあ駄目で元々って事で」 ハルヒにしたのと同じ様に提案した俺に、 「……えっと……あの、じゃあ! 凄く叶えて欲しいお願いがあるから……こ れから来年のクリスマスまで良い子にしてますから……その時にまた、お願い を聞いてもらえませんか?」 朝比奈さんはそのまま天国に行けそうな笑顔で、俺に尋ねるのだった。 なるほど、サンタの気持ちが今なら解る。 こんな笑顔を向けられたらプレゼントを配らないではいられないぜ。 「はい、解りました」 肯く俺に朝比奈さんは微笑み――さて、来年のクリスマスはいったいどんな 願い事をされるのだろか? 正直楽しみで仕方が無い。 「それじゃあ、帰りましょうか」 そう言って手を差し出された朝比奈さんの小さな手を握り、目を閉じた俺の 意識は再び途切れた。 この時代のハルヒと交わした、約束を守る為に。 ――俺達がこの時代を去った瞬間、俺とハルヒが去った後の教室の床の上。 何も無いはずのその場所で、煌々と光り輝いていた魔方陣が消え去った事を 知る者は無かった。 想像上の赤服じーさん ~終わり~ その他の作品
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セッション概要 トレーラー 昨日は今日、今日は明日。 あらゆるものは変質し、平和は争いへと変わる。 だが、争いを平和に変える者も現れた。 昨日と同じ平和、今日と同じ平和。 この闇の中に、仄かでも灯火を。 この地の上に、僅かでも太陽を。 狙われた惑星、地球にて。 あらすじ 某月某日、某所O2部隊作戦室にて。 ある日、突然それは訪れた。首都東京にて確認されし、謎の異邦人。 「エス」と名乗る彼は、こことはまるで違う世界から突然来てしまったのだという。 それを示すように確認された次元の歪みを察知し、その原因を修正するため、守護者達は異次元へと向かった。 そこにあったのは、全く同じ首都東京であった。・・・ただひとつ、巨大なモニターがあちこちを飛んでいるという点を除いて。 10年前に全ての戦争、紛争が終結したこの現代理想郷。異星人は神秘ではなく、侵略者として在った。 世界は、救世主を願った。人々は、何を願う? これは、星の輝きをしらしめす物語の一ページである。 ◆Fate/Infinity Squad 次元編 第一次元 ◆A.D.2019 現代理想郷・星争次元 ◆異次元深度:E ─────オペレーション、スタート 使用ルール https //t.co/4TjJ3uzlyH + https //t.co/ezx90hmflM 通常ルールと魔術師戦を混ぜて、通常ルールで作ったデータの後に、マスターのデータを魔術師戦ルールで作ります。 ※通常側でマスターが自らで補正値を得るスキルを取得するのは不可。また、通常ルールの奥義も不可。 セッションログ coming soon NPC エージェント「エス」 本名不明。コードネームはエス。 元いた世界では対異星人機関であるDEUSのエージェント。 こちらに来た当初は記憶が混濁しており、今は回復しているが、こちらに来た直前の出来事については何も覚えていない。 やや軽い性格だが、地球を守る事に使命感と誇りを持っている。