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, // / , =- . 丶 / { ヘ _ ノ O \ ヽ | { \ 〃 O 从〈  ̄トヽヘ ヽ ヽ {0/`ヽ大 {! ● lⅣ ’ \_ ヽ、_,. - ''''""゙゙`・ 、 Ⅵ ●  ̄ ⊂⊃ i ,r'´ `ヽ ― N⊃ v  ̄ヽ l! l.| | / / / ヽ ', ', 从、 丶 _ ノ j 从乂从ヘ ._ ,-―― - _ { l / l l ハ ', ! l ! . r- ,_ ム乂ヽ . ____,. イ ≠, -―- '" ヽ `じ! ハ ハ / ヾ, ト、. } ! . l、 ~'''TTト≠ニ!rf `Y´ // / ヽヽ |` , ト.,イ ヽ'¨ヽ' ヽj¨¨`'i l ヽ、 .l | |ニニ| ∞∞∞´ / / ヽ ヽヽ ヽ ヽ ! lレ≡≡≡ ≡≡≡ l i! --==ミ 、.l_l_|ニニ| 人 / / / l l ヽ ヽヽ ヽ ヽ ! l !. l ヽヽ ヽl l / l ハ l ヽヽ ヽ ヽ i .lヽ 〃ノ! l } i l l l l l ヽ lヽ l l ヽ ヽ l l ``・ァ‐- - -ャ ' " l l ノ_/_r‐‐ '⌒ヽ ヽ l /ヽ /ヽ l ヽ、 l \/l l ヾtyヾ、_,.'´{ 》《ィ , `.Y 〃 , '´ \rv 人‐、 〈l l  ̄∨ ̄ \/ \/ ̄ l l l ,..ルャニ彳 ´ `/ ,イ ´ / У lr- 、__ l l 三三三三 三三三三 トl l `¨¨ム_ヽィ l' `y'.l / / ィ l l } )、 l l _ l l l Eユェュし'ュェl l /l .//_レl ./ / ! く ヽ l lヽ/| | ヽ/ l l / ! l レィi // } ./ / .l ノ ハ lヽ └ヘ _ /ヽ-´ / l l く lノl/ i ノ / / V ,′l ´‐->ヽ _ /<_'" / / ゝi〈 `´xx/ /ゝ ノ 〉 ノ | | | ┘ └´ | / / l ヽー―ァ./ ,′ /__r ´ 、ヽ 〉 / ヽヽ ∨ / l ヽ ノ/ / ./ イ. . l. . . ヽ レ\/`ー! / /-< /. . | . _ ィ≦ ri/ /`ヽ . } /. . . . lハ. . \ l . . . . . . ヽ´ /ヽ 〈 `ー┘l . . . . ヽ __ ,....!. . . . . . . . `ゝ __/ l¨ ) |. . lヽ. / ヽ `ヽ /--ヽ. . . . . . . . . . . . . ゝi/ノ i . . !/ ! ヽ ─────────────────────────────────────── スキル「具現化!戦場の暗黒理想郷」 セイバーズがその場に全員揃っていると発動 発動すると味方全員を全回復させ一ターンの間、攻撃力を上げてさらに そのターンに与えられるダメージを0にする 発動終了後にセイバーズは戦闘不能になる ─────────────────────────────────────── セイバーズ(セイバー、ネロ、オルタ、ジャンヌ)による固有結界。 周囲にセイバーズが揃ってさえいれば戦闘に参加しているのが一人だけでも発動できる。 敗北寸前の状況を覆しうる非常に強力なスキルだが、単体でも十分に強いセイバーズがまとめて戦闘不能とデメリットも大きい。 並みの相手なら彼女たちを個別に戦わせた方が役立つと思われるので、死を望む高町なのは戦並みの大規模戦闘でもなければ使用する機会はないだろう……。
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あなたが望む理想のクラスは 2007 (12/3現在) 1 ロード(64) オウガセット 2 オーヴァーロード 竜言語? 3 リッチ 暗黒魔道器 4 ソーサーラー 召還 W杖 5 ジェミニ レリクスソード W死霊の指輪 6 リッチ 竜言語? 8 団長 オウガセット 8 ワイズマン ストノヴァ W杖 9 フレイルモナーク 禁呪 W輪 11 ジェミニ 禁呪 W輪 11 ダークストーカー セントクロスボウ Wオーブ? 12 内藤ホライゾン ブリュンヒルド 聖杯 聖なる腕輪? 13 うぃっち サラマンダー ストライクノヴァ 腐ったかぼちゃ? 14 ゾンビ にぎりが臭い剣? むずがゆい小手 死霊の指輪 15 リッチ エクスハラティオ にぎりが臭い剣? ファイアクレスト? 16 ゲイビアル 掘りラン W聖輪 17 マッドハロウィン 腐った南瓜?x3 18 ファントム 禁呪 W杖 19 ブラッククィーン? ディープキッス ブラッドウィップ 20 ジェネラル(Q) オウガブレード オウガシールド 死霊の指輪 21 ウォリアー 必殺技 W輪 22 キラ様 23 棺桶 暗黒魔導器? 24 ダークプリンス(64) ノーブルファー 破魔の盾 知性の指輪 25 レリクスナイト ブリュンヒルド 破魔の盾 聖なる 26 ゲンザ 27 棺桶 ブリュンヒルド 破魔の盾 知性の指輪
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BACK NEXT 120. 肉体と精神は,切っても切り離せないものなのだろうか.または,簡単に遊離できるものなのだろうか.いずれにせよ,今の「私」という意識の集合体は,血の海に倒れている誰か―それは既に「クスフス」ではない―と,その誰かに向かって声を上げているオルテガと,記憶士の少年―彼こそが「クスフス」なのだ―を俯瞰している.もしこの意識の集合体なるものに「心」と名付けるのなら・・・.アンセーヌ,君は私について来てくれるかい? 骨蛮竜に刺され,意識が遠退いて行った後のこと.私は,暗闇を知覚した.黒ではない.本当に色のない,真っ暗闇だ.そして身体が剥奪されたにも関わらずに,胸に当たる場所に痛みを知覚した.今までバケツの水のなかをフヨフヨと漂っていた雑巾が,きつく絞られるみたいに.私はそこで思った. 「ああ,アンセーヌが心から離れていったのだな」と. 悲しみは光速のように過ぎ,「私」という意識の集合体は,俯瞰していてまもなく,声を知覚した. 「兄さん,夢をあきらめないで」と. 121. 「兄さん,夢をあきらめないで」だって・・・?何故,今更,私の妹の声を聞くことになるのだ. 「私」は,その声を知覚して妹のことを思い出すとすぐ,長い円柱状の光束のなかを昇っていくようになった.真っ暗闇から,いきなり光に満ちた円柱を昇る風になったものだから,「私」は急激な光闇の変化に最初は堪えられなかった.それにしてもかつて,同じような,光の円柱を昇っていくという経験した覚えがあるが・・・. 「そうよ.今,兄さんが昇っているのは,ヤントラタワー」 また声がした. 蘇る,幼き日々のこと.私はよく妹と遊んでいた.それは,独創的な遊びだった.人形に名前をつけては,毎日,違った物語を考え妹を喜ばせていた.思えば,おもちゃの兵隊たちに「ロイヤルナイツ」と名付け,竜討伐の話などしたことがあったな. 「あの頃は楽しかったね.一生の思い出になってる」 ふふ,「あの頃は」か.ヤントラタワーを昇りながら考えていたことがあった.それは・・・. 「私も随分時間を無駄に生きてきたものだ」 ということ. 122. もはや意識だけの「私」だったからなのか,前よりヤントラタワーの先へ辿り着くのが早く感じられた.前に昇った時と同じように,「私」はタキオンに運ばれ,かのタワーの先へ行くことになっていた.とすれば,このタワーの底には六方星があって,その手前にはヘヴンズゲートがあるというのだろうか?ならば,「私」は綺羅の国の上空にいるのか? 「待って,兄さん」 再び,あの声を知覚した. 「早合点ね,もう.詳しいことは,行った先の人に聞けばいいことじゃない」 おまえは,随分考え方が変わったな.いつからそうなった?というか,どうやってハウスのなかの「私」に話しかけることができる?ああ,そのことも,このヤントラタワーを昇った先・・・つまり天頂国にいる人たちに聞いてみればいいというのか・・・. 最早時間を計る術はないが,前にも述べたように,天頂国へと辿り着くのは前よりも早く感じられた.意識だけの「私」は,天頂国側の転移ゲートをくぐり,かの国へ辿り着いた. 123. 見渡す限りの砂漠の海.以前来た時と,全く変わらない風景が広がっていた.広大な砂漠のなかに,相変わらず路面電車がひっそりと走っていた.砂漠の地面が人間の皮膚だと例えるのならば,その線路は,古い手術の跡のようだった. 「私」は,また例のちっぽけな,あの鬼火がいたゴーストタウンへやって来た.もう今は魔心眼が無いので,鬼火たちに生命泉を見出すことはできないが・・・.「私」は,ゴーストタウンにていくつかの問いを「私」自身に問うていた. 「何故,『私』は此処に来なければならない?」 「何故,今は妹の声を知覚できない?」 「そもそも,『私』は今,何に向かっているのだろう?」 と. 「確かに,あなたには此処へ来た意味はあります.そう,妹様の導きによって.今こそ,我々の出番です」 突然聞き覚えがある声を知覚した・・・と思うと,「私」の前にマクンプが現れたのを見た.よく覚えている.茶色の,クマのぬいぐるみの姿をしている彼だ.そして,彼の後ろには,四つの影が在ったのだ.彼らは一体・・・何者だというのだろう? 124. 「あなたは,我々のことについて良く知らなければなりません」 四つの影から,マクンプへと視線が移った.彼は続ける. 「紹介しましょう.我々,綺羅の国魔導親衛隊,『バナナリアン』を」 やがて,四つの影が晴れていった. …「私」が知覚した限りでは,その四つの影の正体は,二羽のヒヨコと,一匹のカエル,そして一匹のウサギのぬいぐるみが,ただあるようにしか見えなかった.しかし,彼らにはちゃんと名前がついており,それぞれピ&ワッフ,ルカーエ,ラパンと言ったし,マクンプと同じように馴染みのある言語を話した.「私」は,バナナリアンのリーダーであるマクンプからこう告げられた. 「ヤントラフィールド以来ですね.改めまして,私はバナナリアンのマクンプと申す者.再会できて光栄です.あなたは真実と向き合うべき時を迎えています.即ち,あなたがカモメに乗って今に至る旅をする以前のことを知らなければなりません.『神の護り子』として,今,お伝えするべき時が来ました.それでは,語りましょう.目を瞑り,じっくり耳を澄まして聞いて下さい. 125. あなたには,父上,母上,そして妹様がいらっしゃることを覚えていますか.幼い頃,あなたは親君に見守られながら妹様とよく遊んだことをも覚えていらっしゃいますか.エコールを卒業してから何年もの間,あなたは夢を持つこと無しに,ただその日暮らしにあけくれていました.やがて,長いこと音信不通だった妹様から連絡があなたのもとへ届きました. 『兄さん.私,結婚することになったの』と. 妹様は,あなたと同じ姓を手離さなければならなくなった.妹様は,あなたの暮らしぶりを人伝に聞き悲観し,あなたに『あるもの』を差し出しました.それが・・・,幼い頃,あなたと妹様とが仲良く遊ばれていた時の『記憶』であり・・・,このハウスでもあり・・・,あなたを一時的に夢を見させている状態を作り出しているのです.あなたが使っている言葉で言うと,『眠眼の世界』は,あなたの妹様がもたらしているものなのです.『起眼の世界』は,正に生物学的に『寝ていない状態』のことを指します. つまりあなたは,ずっと,所謂『夢』を見続けているのですよ. 126. ハウスを作った・・・或いは現実のあなたに『眠眼の世界』を与えた妹様は,幼い頃,ぬいぐるみを大切に過ごされていました.一つ一つ,名前をつけて・・・.なかでも,5つのぬいぐるみを特に大切にされていました.そうです,妹様は,あなたのハウスに於いて彼らに命を吹き込んだのです.それこそが,紛うこと無き我ら・バナナリアンなのです. 私たちには,もちろん妹様から与えられた使命がありましたが,もっと別の意思による使命もありました.そうです,あなたの父上・母上の,子どもを想う心です.そもそも『バナナリアン』という我々の存在は・・・,ひと組の夫婦から生まれる,『神の護り子』とされています.バナナの房のように沢山の子宝に恵まれ,いずれ生まれる子どもに夢を追いかけて欲しいと願う心によって作られる我々です. 妹様・・・サピエンタ様は,あなたより早くに夢を叶え,そして遠い地へ行ってしまわれた.サピエンタ様は,夢を追おうとしないあなたに,ご自身の『神の護り子』をおつけになったのです.本来なら,人の子であるあなたも持っているはずの『神の護り子』に,更にもう一つ余分についたおかげで,『ハウス』が生まれたのです」 マクンプは,静かに語り終えた. 127. 遠いところから,誰かの声が聞こえた.マクンプのすぐ後ろに控えていた,ウサギの姿をしているぬいぐるみ・・・ラパンは,「私」に唐突に話しかけてきた. 「聞こえますか?昔の,幼き日のあなたの声が・・・」 と,ラパンは一歩踏み出し,指を鳴らした.「私」は,言う. 「思い出したよ.この声は確か・・・僕が保持し得る最古の思い出の一部だ」 それは,私と妹が一緒に遊び終えた日の夕暮れの出来事.台所で,母親が何かガサゴソ行っているのをみつけた私は,訊いたのだ. 「おかあさん,なにをやっているの?」 私に意表を突かれのけぞった母の先に,見たものは. つい先程まで妹と一緒になって遊んでいた玩具が,ゴミ袋に入れられているところだった. … … … ラパンは言う. 「もう一つ,あなたの心に深く致命的な傷を負わせた思い出があります.思い出せますか?あなたは繊細過ぎるが故に,思い出を,心傷を引きずりそして何より負い易い.だけど,今はそれに向き合い,克服しなければならない時が来ているのです.『夢追わざる人』から『夢追い人』になるために」 128. 「私」は言う. 「『夢追い人』になるために,か・・・.確かに,私は夢を追うのをしなかった.でも,それと思い出に向き合うことがどうして必要なんだ?」 今度はルカーエが一歩踏み出し,言った. 「あなたは,過去の辛い思い出を引きずり過ぎていて,前に進むだけの力が損なわれているのです.だから夢を持てなくなった.明日への希望を信じることができなくなった.生きるのに,苦しくなってしまった」 ルカーエは,そう言い終えると両の手を弾いた.すると,「私」はまた一つの過去を思い出した. 居間で,父親が,幼き日の私が造りかけのプラモデルをようやっと完成させた.それは,飛行船のプラモだった.自分の力では到底造れなかったそれを見せてもらい,私は素直に喜んだ.・・・だが,思い出はそこで終わりではない.場面は移り,夜.父と母がいつもの夫婦喧嘩をしていた.飛び交う罵声に怯えて弱っていた私に,更にトドメを刺したのが・・・.父親が,おそらく腹いせだろう,例のプラモを,私の目の前で思いっきり投げ捨てたのだ. 129. 「私」があらかた過去の悲劇を思い出すと,今度は二人組のヒヨコが話し出した. 「あなたは,人間としての機を熟してから夢を追い始めた.『理想郷』を求めようとする夢を」 「私」は,返す. 「ああ.ちっぽけで,くだらないかもしれない夢をな」 と,アイロニカルたっぷりに.しかし,もう一羽のヒヨコは,真剣そうに語り出した. 「でも!サピエンタ様は,そんなあなたを嬉しく思い,ご自分のバナナリアンを手離し,あなたに託したんですよ!」 僅かだが,沈黙が訪れた.しかし,マクンプは唐突に,話し始めた. 「言うまでもなく,綺羅の国の女王というのは,サピエンタ様のことです.そして,キラというのは,あなたの母上の名前.綺羅の国の古での呼び名は,『キランド』と言ったのですよ.とにかく,サピエンタ様は,御自身の『神の護り子』,つまり我々をあなたに捧げています.そして,ユニバースに旅立ちました.サピエンタ様は,もう我々を必要としなくても生きていけるだけの力を持っています.我々『神の護り子』は,夢を叶えようとするあなたの思いを成就できるよう,妹様から遣わされた忠実な僕なのです」 と. 130. 「私」は,問うた. 「今までの話を聞いていると,僕がずっと眠っていて,夢を見続け,ハウスを旅させているのは・・・全部サピエンタがさせていることのように思えるんだけど?」 マクンプは,答える. 「そうです.サピエンタ様は,このハウス・・・を,本来なら一人一つしかない精神世界を,あなたにもう一つ余分に与えた,言わば創造主です.このハウスの何処かでは,サピエンタ様のことを『女神』だと奉る地域があるらしいのですが・・・.我々も,サピエンタ様のことは,『女神』と呼ぶに相応しい存在でいらっしゃると思っていますよ」 「私」はまた,彼に問うた. 「待ってくれ.僕は今も『夢』を見ているんだろう?じゃあ,現実の僕は,今どうしているんだ?まさか,ただ眠っているわけじゃないだろう?アンセーヌやオルテガは,僕にとってそれぞれ大事な恋人だし大事な友だちだ.彼らは今,一体どうしているっていうんだ」 マクンプの表情が,悲しげな風になった. 「彼らは・・・あなたの心のなかで生きています.それだけは確かなことです.意識の集合体であるあなたは,やらなければならないことがあります」 と言うと,遠くから見覚えのある魔導機械人・・・ミュレーゴが一体,やって来た. 131. マクンプは,そのミュレーゴを指差して言った. 「覚えていますか.儀羅の国の入り口で,あなたにロゼッタシステムを注入した・・・」 「私」は応えた. 「ミュレーゴ零号!」 「そうです.あなたの父親はギラと言いました.儀羅の国の古の名がギランドと呼ばれていたのは,もうお察しがつくでしょう.・・・さて,これからあなたには,キラとギラの優しいあの頃を経験してもらいます.それが,何よりの心傷の癒しになると思うからです」 マクンプは,ミュレーゴ零号の胸部にあるタッチパネルを素早く操作すると,「私」に目を瞑るよう促してきた.「私」は,成されるがままにした. こえが,きこえる…. … … … 「なぁ,キラ.あの子・・・将来はどんな風に生きるのだろう」 「分からないわ.でも,ただ一つ心に留めて欲しいのは,『自分は,お父さん・お母さんの子』ということ・・・.ギラ・・・大丈夫,あなたと私の子だから,強く生きてくれるわ」 「そうだな・・・.この子には,大きな夢を持って生きて欲しいものだ」 … … … 私は,小さい頃から,「安定」や「穏やかさ」を大切にして生きてきた.こんなに仲睦まじい両親を見るのは生まれて初めてで・・・.もしこれが,偽りのものだとしても,「私」は,この両親を,古い思い出に上書きすることにしたのだった. 132. 思い出など,また作り直せば良い.過去の陰惨な出来事も,どんどん記憶を更新していけば良いのだ.そうすれば,錆びついた壁をペンキで塗りかえるように,心は満ち変える.新しい自分が,明日を越え,未来へ紡ぐ架け橋になってゆく.「私」には,夢がある.自分の理想郷をみつけることだ.例えそれが,ちっぽけで,くだらない夢かもしれなくても,生きる指針は,常に持っていたい. マクンプは言う. 「大分,あなたは変わりましたね.なぜ,そこまで変わることが出来たのですか?」 「私」は返した. 「『夢を持つことの素晴らしさ』を持てたからさ.みつめるべき未来が無いと,人は死んだも同然になることを,僕が身を持って経験している」 この一言を発した後,バナナリアン五人全員が,「私」という意識の集合体の一部になった.そして,ラパンの声で, 「おめでとう.これであなたは,立派な『夢追い人』です.我々は,夢を持ち続けるひとを守る『神の護り子』です.そして,あなたは,元の身体を取り戻す為に,儀式を受けなければなりません」 と言われた. 133. 「儀式,だって?」 「私」の問いに,今度はルカーエが答える. 「そんなに堅苦しいものではありません.ただ,名前を変えるだけです.これからあなたは,ハウスに戻り,理想郷を求める旅を再開するでしょう.あなたの他に,同じ名を持った人はいませんでしたか・・・?」 「私」は,記憶士の少年を思い出した.私の過去を体現していた,それも同じ名を冠する・・・. 「彼がどうしてあなたの過去を投影しているのかは,私たちにも分かりません.ハウスに戻ったら,南の国へ行ってみると良いでしょう.・・・とにもかくにも,ハウスには,同じ名前の人間はいてはいけません.新しい名を名乗ることにして下さい」 「私」は即答で,「カイクスフス」と答えた. 瞬間,私は僅かに見覚えのある場所で目を覚ました.五感もしっかり取り戻せているし,なにより自分の身体がなんともないことに安堵した.辺りの様子から見て,此処はヤントラフィールドだと認めることができた.周りには草原が広がっていて,地面には六方星が描かれていたからだ. 134. 私は地面から起き上がると,六方星より少し離れた場所に,カモメが置かれてあるのに気付いた.私は,ゆっくりとカモメへと歩み寄った.すると,三枚の置き手紙がカモメの側に几帳面に並べられてあることにも気付いた.それぞれ,アンセーヌ,オルテガ,クスフスからのものだった.私はまず,クスフスからの手紙を読んだ. 「今,僕たちは,天空の食卓国にいます.これを読んだら,すぐに来てください! P.S. アンセーヌさんの心は,とてもじゃないけど共有できなかったです」 そして,オルテガからのは, 「特製のカモメを作ってやったから,早く来な」 だった.そして,最後にアンセーヌからの手紙を読んだ. 「私が,既に魂だけの存在であることは,あなたが良く知っていることよね.あなたに死なれて,とてもショックだった・・・.だって,もうあなたの心の片方にいられないと思ったら・・・.ねぇ,いつか,私たちだけの思い出の場所に行かない?そう,ランキザッシュの丘の上よ!」 アンセーヌ・・・.君は今,誰の心のなかにいるんだい? BACK NEXT
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「世間で言われてるような傲慢なんてのは存外それほど恐れるべきじゃないのかも知れないね。パピヨン君がいい例さ」 『彼』は指を弾きそして語る。 パピヨン。 彼は人を見下すあまり遂には人そのものへの関心を失くし我が事のみに没頭している。 Drバタフライもそうだった、と。 「彼はヴィクター君を隠匿せんとするあまりホムンクルスの本分たる人喰いさえ見事に統制しきっていた。むーん。なんとも コントロラーブル。皮肉だが傲慢さに救われた命も少なからずあるという訳さ」 ねばついた腐肉がどこまでも広がる異常な部屋の中。 半ば蹲(つくば)りながら坂口照星はため息をついた。 「そして私も今まさしく傲慢さに生かされているちいう訳ですねムーンフェイス」 目の前に聳(そび)える長身の怪人は気の毒そうに顔を歪めた。 「同情するよ照星君。どうやら彼らに言わせればキミなどいつでも始末できるらしい」 しかし、とムーンフェイスは乏しい顔のパーツを今度は最大限にしかめてみせた。 「愚かな話だよ。敵の戦力なんていうのは減らせる時に減らしておくものだ」 「真希士の話なら結構ですよ。コトの顛末は防人に聞かされていますからね」 「おやおや。キミも存外傲慢だね。又聞きだけで部下の生死を割り切るのかい? せめてそれなりの捜索隊に骨の一つで も探しにいかせればもっと違った結末になるかも知れないのに。オススメするよ。見つけられればこれ以上悪くはならない」 「フフ。お気遣い感謝しますよムーンフェイス。ですがもし隊を編成できるのでしたら私はまず私を探しに行かせます。2人揃 えばもはやどうにもならぬ現状もそれなりに打開されるでしょう」 「……むーん。何とも上手なかわし方」 剣持真希士を殺めた張本人は何とも期待外れという顔をした。 「もう限界とばかり嘯(うそぶ)きながらなお部下を殺した分裂性と交代性を当たり前のように求められる……キミの恐ろし い所だね。妄言に見えて少しも熱に侵されてないときている」 「何に感心したかは分かりませんが……買いかぶりすぎですよ。拷問のおかげでマトモな受け答えができなくなっているだけです」 平然と微笑する照星にムーンフェイスもまた笑いかけた。 「さっきの言葉、訂正するよ。少なくてもレティクルの連中の傲慢さだけは恐れるべきだ。それなりの意図はあるようだけど キミほどの男をみすみす殺さず捨て置くデメリットを考えればいかなる方策も得策とは言い難い。むーん。まったく誰も彼も 愚か。望みのためとはいえ同盟を破棄できずお喋りに終始している私も含めてね」 「ところで、だね。この世でもっとも厄介な傲慢とはどんなものか……キミは分かるかい?」 息もつかせず急に話題を変えたムーンフェイス。 神父よりも静粛な顔つきが一瞬だが微妙な揺れを見せた。 「むーん。一足飛びだけど部下たちのコトでも心配したのかな? そう固くならない。グレイズィング君がやったようなオチは ないよ。ただの雑談さ。リラックスリラックス」 ニカリと歯を見せ笑ってみせる月の顔だが照星はいまだ怪訝の色が強い。 それを無視するように朗々たる語りが悪臭漂う血膿の部屋に響き始めた。 「世界には実に様々な傲慢がある。最も一般的な物はやはりパピヨン君のようなものだね。私の知る限り彼ほどプレーンで 強力な傲慢な持ち主はまずいない」 「ただ前述の通り、世界に及ぼす害は少ない」 「少ないでしょうか」 いつか写真で見た毒々しいファッションを思い出し照星はうめく。人にとっては恐ろしく不快になる姿だ。 「無害さ。武藤カズキとかいう戦士にご執心のあまり当初掲げていた世界全体への復讐などもはやどうでも良さげ。人喰い さえもうやらないかも」 「その境地に至るまでかなりの犠牲者を出していますがね」 「キミのいう点も含めて色々難儀な相手だけれど、最も厄介な傲慢ではないね。むしろ月並みにいえば気高い。むーん。月 並み。私がいうと奇妙な感じ。とにかく彼は月(わたし)並みに多くの人間に好かれるタイプさ」 片足を軽く曲げ人差し指を立てながらムーンフェイスは朗々と語りそして述べる。 「じゃあ権力へ執着し、悪政を敷く独裁者はどうかといえばこれも違う。一般大衆の諸君がすぐさま追い落としにかかる」 「組織の長は何かと目立ちますからね。現に火渡にとっての独裁者はいまこのような状態ですから」 傷と欠損のよく目立つ体を眺めまわしながら照星は微苦笑した。微苦笑しつつもムーンフェイスの言葉を促す。 曰く、もっとも厄介な傲慢とは何か? 「独裁者と同じく無能ではあるね。だが目立たない。とても普遍的で世界のどこにでも潜んでいて、害意などカケラもなく したがって法では裁かれないが人々の嫌悪だけは一身に浴び続ける……そんな人種さ。駆逐不可能な、ね」 「貴方がいうと重みがあります」 30体に分裂可能しかも1体でも残れば増殖というムーンフェイス。 そんな恐ろしさを秘めた彼さえ「厄介」と目する傲慢とは何か? 「答えは……『何の力も持たない癖に他者を救えると信じている』だよ」 もとより静粛な拷問部屋が静まり返った。反応を期待しているのだろう。ムーンフェイスは黙りこみ口元を綻ばせたまま じつと照星を眺めた。返答を求められている。やれやれという顔で細い息をたっぷりつくと照星は自らの見解を述べ始めた。 「あなたのいいたいコトはだいたいわかりましたよムーンフェイス。結論からいえば『少年少女でもないのに』、ですね?」 「そうだね。今の双子や津村斗貴子ぐらいの年代なら大なり小なり持っている気持ちだよ。純粋、といっても過言じゃない」 身の程などまるで与り知らないが故にただひたすら全力で大事な存在を救おうとするタイプ……やや嫌悪を込めてムー ンフェイスは断言した。 「ですがどんなに遅くても防人たちの年齢(トシ)になるころ悟ります。全力を傾けても救えないコトがある。自分の力は決 して自覚や理想像ほど膨大ではないと。もっとも、真に強くなれるのはそこからですがね」 「けど稀にだね。ブラボー君たちが7年前直面したような『自負や理想を粉々にする』ひどい出来事に直面してなお成長して いない者がいる」 ムーンフェイスは肩を竦めてみせた。 「彼らは実にひどい。悲劇から自分の矮小さを何一つ学んでいない。無力だという自覚もない……。なのに人を救えると信じ ている。揉め事を見つけては事情も考えずしゃしゃり出て、結果、ますます事態を悪くする」 「救いたい」、当事者たちの事情を一切無視した自分の考えばかり述べ立てる。 そういう人種こそ厄介な傲慢の持ち主だとムーンフェイスはいいたいらしい。 「つまりは自分だけが正しいと信じ、諌める者やギャラリーを悪と断じる視野狭窄ですか」 「困ったコトに熱意だけはある」 そして滅多に法を犯さないがために裁かれるコトもなくはびこりつづける。月の声音は笑いとも怒りともつかぬ様子で言葉 を紡ぐ。曰く、”返事どころではない”被災地に古着を送り続けるタイプ。曰く、事故現場で救急隊員を邪魔し民間療法を進 めるタイプ……。1つ1つ丁寧に事例を挙げるムーンフェイスに照星は嘴を挟んだ。 「いやに饒舌ですが、あなたひょっとして最近そういう者と出会いましたか?」 「むん?」 話を中座させられた月の怪人はもともと丸い目を更に円やかにした。 「マレフィック。いまこうして私を拘禁してくれている幹部たちは10年前もこれ見よがしに『罪』を掲げていました。今もそうです ね。10年越しでようやく顔を見せてくれたイオイソゴは『大食』。大家さんことウィルは『怠惰』、デッド、でしたか。あの赤い筒 は『強欲』……いわゆる7つの大罪に古めかしい『憂鬱』と『虚飾』を加えた罪。幹部がそれを標榜する以上、居ますよね?」 じっと顔を覗き込むコト5秒。ムーンフェイスはしばらく顎に手を当てていたがすぐに指を弾き明るい声で話し始めた。 .「『傲慢』かい? 確かにそんな幹部もいるよ。でもまずは雑談から片付けようじゃないか」 「雑談、ですか。そろそろ遠まわしな紹介にしか思えなくなってきましたが、まあいいでしょう」 ダム。ダム。ダムダム。 銀成市の路地裏で何かが弾む音がしていた。 「幸か不幸か。彼はとても頭がよく、そして何より前向きだ。だからブラボー君たちのように何もかもを背負いこんだりはしない。 後悔を引きずるコトもない。並の人間なら自責か責任転嫁で直視できなくなる凄まじい悲劇にさえメスを入れ、過失割合で も算定するかのようにあらゆる要素を整理してしまう。動機はとても純粋。信念を貫こう。再発を防ごう。ただそれだけさ」 街頭一つない真暗な露地で弾むそれは漆黒に覆われ色も質感も分からないが、時おり掌らしき物体に上部を叩かれる たびアスファルトめがけ急降下しその勢いの分だけ跳ね上がる。そしてまた叩かれ、弾み、叩かれては弾み……。 掌の主は歩いているようだった。掌の座標が前へ前へと移るたび「何か」も前へ前へと進んでいく。 「それもまた悲劇の中で命を繋いだものの務めでしょう。物事というのは何であれ複雑な要素が絡み合っていますからね。 残酷な言い方ですがそれは悲劇にしても同じです。誰か1人。あるいは何か1つ。それらにだけ原因を求め、元凶と呼び責 め続けたところで何の解決にもなりません 毅然と言い放つ照星をムーンフェイスはいたく気に入ったようだった。 「さすがいうコトが違う。確かに職責が大きければ大きいほど総てを見渡し総てを公平に判断すべき……7年前しくじった ブラボー君たちにもそうあるべきだとキミは言う訳だ」 「ええ。防人にいたっては感傷のあまり再起不能ですからね。戦士長たるものがそれでは部下に示しがつきません。もっとも これまで7年前を雪ぐ任務を用意できなかった私も私ですが」 「何か」の動きが止まった。掌に掬いあげられ貴族服の前で静止した。 かすかに、声が響いてた。 『いやお前! 俺の、人の命を何だと思っているんだ!!』 『大丈夫! わかってます! この上なく大事でー、地球より重くてー、みんなそれぞれ1度きりのー、とにかくとにかく守る べきものですよね! ほら言えました! これでも声優やめた後は小学校の先生でしたからー、道徳は得意なんですよ』 ムーンフェイスの舌はよく回る。無理もない。語るのはかつて自分を下した防人だ。密かな対抗意識とそれなりの思い入 れがあるのだろう。 「確かに彼らはいささか感傷的になりすぎだ。しかし私に言わせればまだブラボー君たちの方がマシさ。考えておくれよ」 「最も厄介な傲慢を、ですか?」 何気なく答えながら照星はわずかに驚いていた。ムーンフェイスが防人を「マシ」と評している。敵はおろか味方にさえ 敬意を抱かぬ男が……。ともすれば比較対象を「自分を捕縛した防人以上に」嫌っているのかも知れない。 機微を知られているという機微に気を良くしたのか。ムーンフェイスは軽やかに頷いた。 「ああ。責任の度合いはともかくだね。直接関わった、自分の根幹を揺るがすような悲劇の後でなお、守れなかった人間の 屍の傍で負うべき責任の正確すぎる量を弾き出せる……そういう男だからね彼は」 ムーンフェイス曰く、どれほど責められても分析結果をタテに抗弁する。過失割合以上の反省など決してない。故に人間 好みの成長はないが挫折もなく、ただただ自我のみ貫き邁進する。彼はそうなのさ。念を押すように述べてから、ムーンフェ イスは高い声をじっとりとねばつかせた。 「まったく面白味に欠けるタイプだよ。からかい甲斐がまるでない」 「フフ」 「むん?」 不意に漏れた笑いをムーンフェイスは不思議そうに眺めた。めずらしく坂口照星は「素」で笑っているようだった。いまの 話のどこに笑う要素があるのか。訝る視線を感じた照星はまず「失礼」と品良く謝り、理由を述べ始めた。 「やや不快そうですがそれはただの同族嫌悪ですよムーンフェイス。あなたにとってL・X・E壊滅は何ですか? 属する組織 の瓦解……客観的な悲劇さえ最低限の自己反省を差し引けば後はもう単なる事故例。今後の参考材料程度の意味あいで しょう。もちろんあなたはあの出来事に根幹を揺るがされてはいませんし元より人を救おうという意思もない。ですが求める 物の為だけ動くという点では同じじゃないですか? あなたが不快気に話す傲慢の持ち主とね」 今度はムーンフェイスが「素」を見せる番だった。戯画的な顔をひどくあどけない無防備な様子にたっぷり歪めてから…… 「かもね!」と歯を見せた。それを見ながら照星はサングラスを掛け直し、一言。 「ヤケになって肯定しているようにしか見えませんよムーンフェイス」 笑顔が硬直し、しかめっ面になるまでさほどの時間を要さなかった。 「やれやれ。キミは本当に恐ろしい。私が彼に抱く嫌悪なんてとうにお見通しのようだね」 ダム。 ダム。 ダムダム。 「私はこれでも寛大な方だけどね。彼だけはまったく好きになれない」 再び路地裏に静かな音が響き始めた。 「何か」は弾む。ゆっくりと。 「つくづく『病気』だからね。マレフィックはキワモノ揃いだが彼ほど厄介な存在もない」 貴族服からきらきらと光る粒子が散り、そして消えた。 「他の幹部連中は盟主を含め大なり小なり挫折を引きずりブラボー君たちよろしく背中に影を落としている。だが、彼は違う。 彼だけは迷いも葛藤も復讐心も嗜虐心も何もない。他の幹部たちとは出自からして一線を画す存在だ」 「そう」 「『土星』の幹部。リヴォルハイン=ピエムエスシーズ君はね」 貴族服は「何か」を弾ませながら歩いていく。金髪ピアスとクライマックスの争う現場めがけゆっくりと、ゆっくりと。 しばしの沈黙の後、照星は静かに告げた。 「ピエムエスシーズ、ですか。また特殊な武装錬金の使い手ですね」 「ほう。博識だね。まさか略称だけで分かるとは。流石は大戦士長」 「たまたまですよ。職務上そういう手合いの動向はよく耳にしますから」 「私は耳にした時驚いたよ。まったくもって有り得ない武装錬金だからね 「何しろ、その形状というのが──…」
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概要 効率的なパーティの育成方法や順序の例を記します。 育成の優先度(全レベル共通) ①将の星UP(Lvアップ) ②自軍の攻守バランス、編成、キャラ配置枠の熟考 ③なるべく強力、且つ現状に見合った通常SSR剣姫或は限定SSR剣姫の召喚 ④将以外のメンバーの星UP(Lvアップ) ⑤専用武器入手&専武スキル(剣姫一覧参照)開放 ※⑥〜⑪は順不同 ⑥スキルのLvアップ ⑦装備の強化 ⑧宝石の強化 ⑨錬氣の強化 ⑩錬魂の強化 ⑪宝物の入手&星UP ⑫図鑑のコンプ ⑬刀剣の入手&強化 ⑭専用武器のLvアップ ⑮宝物のLvアップ ⑯お伴の入手&星UP ⑰お伴&お伴スキルのLvアップ →① のローテーション 効率的な育成の流れ(フェーズ別) ※以下のフェーズ分けの★はパーティ全体の平均を指し、 将の★上げは表記より先行している状態が理想 終盤 ≒ 〜★13(Lv500) 終盤は一度の強化で上昇するステータスや戦力値が大幅に増加する反面、必要な素材数も多く素材自体のレア度も上がる為その機会がグッと減り、一回一回が大切になります! 終盤での特記事項 もっとも重要なのは ★11まで育成してしまった剣姫は星上げ素材として転用できない ことです! 剣姫とお別れで剣姫コインと交換はできますが、全然効率は良くないです。 リセットでは錬魂は成功時分のみが錬魂石として返却されます。(それ以外は100%返却) 剣姫自身の★を下げる方法は現在存在しません! (筆者は限定素材が集まらず、闇雲に星上げをした結果3体の★11通常SSR剣姫をここで溶かし、以降数ヶ月停滞しました…) したがって次に重要なのは、将来性のある限定SSR剣姫を見定めたら集中的、且つ確実に育成する事です! その為に各種育成素材をしっかり獲得、貯蔵しましょう! 中盤まで苦労した将力の石収集は、この辺からお伴が散歩で万単位持って帰ってくるようになるので解放されます! 毎日の活動 この時期から重要になるクエスト(その報酬)をまとめます ノーマルステージ(各St突破報酬とパズル破片収集報酬と章クリア報酬、各St掃討報酬+→毎日課題と管理棟+ランクUP報酬の3日間目標+基金の褒賞特権) BOSS・東照宮BOSS(魔石、装備、装備強化石) BOSS・剣鬼襲来(魔石、氣、図鑑・魑魅魍魎と跳梁跋扈) ダンジョン・封魔塔(剣姫の魂、銅貨、通常SSR剣姫破片) ダンジョン・生存塔(氣、錬魂石、専武召喚書、神装招集券) 競技(規定に則った魔石と名誉メダルと通常SSR剣姫破片と剣姫招集書と剣姫スキル書、その日入賞でフレーム+週間サーバ内50位以内で越境戦参加資格) 秘境・宝物の地(将力の石、魔昌、通常SSR宝物) 頂上決戦(頂上コイン、図鑑) 越境・宝永山の戦い(宝石、専武精鉄、銅貨) 越境・秘密基地(天下五刀破片、刀魄の玉、天下五剣破片、剣魂の玉、装備強化石) 越境・剣姫天王戦(勝利毎に銅貨と名誉メダル、ランク突破報酬に準じた宝石と名誉メダル、月間報酬に準じた魔石と高Lv宝石、更にある程度上位からフレーム) 越境・越境戦(勝利毎に競技コイン30、週間報酬に準じた競技コインと銅貨、更に入賞でフレーム) 学生会戦争・毎期開始時チーム報酬(各領地最初の占領チームメンバーに魔石、剣姫招集書、通常SSR剣姫破片) 上記は戦争画面で領地をポチると獲得 学生会戦争・期間中個人報酬(戦績、個人pt) 学生会戦争・毎期終了時チーム報酬(5位以内から図鑑、専武精鉄、学生会貢献) 学生会戦争・毎期終了時個人報酬(個人ptの順位による図鑑、名誉メダル、学生会貢献) 離れ(報酬は離れのページ参照) イベントアイコン・ログインボーナス(特にログイン28日毎の祈願召喚書×10枚はお忘れなく!) オススメパーティ編成 ここからのメンバー編成はみなさん各々のバランス感覚や理想像、現パーティや他プレイヤーさんの現状等にもよると思います! またパーティメンバー間での星UP状況にかなりバラつきが出てくると思いますが、全メンバー均等に上げる必要はなく、それは各キャラをパーティに起用している理由が違うと思うからです! 攻撃力等のステータスやパッシブスキルが目当てで起用しているキャラは、基本的に星UPするほど得意な能力が伸びるので優先的に星上げを行うと◎ アクティブスキルや専武スキルが目当てのキャラは星上げによる強化にそれ程依存していないと思うので後回しでも良いかと思います! ここからは将の星UPよりも特化型キャラの星上げを優先した方が各クエストが進む場合が結構多いです! まだ★10の通常SSR剣姫をパーティに残している場合は、このフェーズ中に全メンバーを限定SSR剣姫に変更しましょう! そして最低★12くらいまでは(★13〜星上げに必要な同一キャラ×4体になる)育成した方がいいと思います! 限定SSR剣姫は通常SSR剣姫の戦力+約25%、また強力なスキルを持つキャラが多いので各クエスト突破のカギになります! スキルについて 押さえて欲しいのは、全てのスキルは特性ごとに以下の様に分類できる事です!(複数のカテゴリに該当するスキルが多い) 火力(攻撃系) 生存(防御回復系) バフ(強化系) デバフ(弱化系) 状態異常系 高汎化型とPvP特化型(どのクエストでも役立つものと、対人戦で特に重宝するもの) 高汎化型とは、例えば直江兼続 バニーにはアクティブスキルに全体蘇生と範囲スタン、パッシブスキルに敵命中デバフ、専用武器スキルに全体回避バフ等があり、PvE・PvPどちらでも全体の生存時間に貢献する為、バニーはかなり汎化性の高い性能を持つキャラ(スキル)といえます。 PvP特化型とは、例えば猿飛佐助 端午には全体スタンレジストと敵単体攻撃ディレイのアクティブスキルがありますが、スタンに陥るのはほぼ対人戦のみ(但しかなり致命的)ですし、攻撃ディレイは(たしか)BOSS等には無効なので、この点に於いて端午はかなりPvPに特化した性能を持つキャラ(スキル)といえます。 生存塔ではある程度の火力(全体会心バフや全体与ダメバフも含)と、それ以上に盾や無敵スキル、スタンスキル、回避などが重要です! 秘境・宝物の地ではそれに加えて回復が必須です!(逆に回避は効果薄い) PvPでは火力はもちろんですが、特に範囲スタンや攻撃ディレイなど状態異常系スキル、ダメージ反射スキル、回避や命中などデバフとその対抗スキルが決め手になります!(大抵開戦数秒、つまり初手で趨勢は決します) また宝物→お伴→キャラのスキル発動順である事、各スキルのリードタイム特性(スキルモーションから実効までのラグ)、専武スキルの発動率、継続&冷却時間、効果重複or上書き、キャラ配置枠による各メンバーの接敵順序と生存時間の変動などなど…を考慮しましょう!(個別に検証すれば意外と解明できる事も多いです) 全てはこれらのスキルとステータスについての特性を理解し、バランスの良いパーティを組み上げる事です! 「無難な編成は?」 と言うと…(火力×2体+タンク×1体+万能×1体の編成をベースとする) もっと生存寄りにしたい場合は万能→サブタンクに変更(タンクでも万能よりは単体の火力も高いです) 火力寄りにしたい場合は万能→中・遠距離火力に変更(最後まで火力を確保したいので) あとは対人戦メタスキル持ちをどの程度重要視するかの振れ幅の中で考えるのがオススメです!(以上はあくまで基本です!) 剣姫一覧(タイプ別)参照 ※大体このフェーズで総戦力14億を超えると思います! 最終盤 ≒〜★15(Lv600) 最終盤は将を含めたメンバー全員の残った強化要素をなるべく完全開放に近づけていく工程です! 無意識には集まらない素材や進まない強化も多く、日数を要する上に完走困難なものもありますが頑張りましょう! (目安ですが筆者はゲーム開始7ヶ月ほど経過時点からこのフェーズに突入しました) 育成の進捗状況 まず現状の基本的な育成・強化の進捗状況をチェック 将は最低★13(Lv500)以上である お伴の散歩は毎日欠かさず行っている 秘境・宝物の地の40層を突破している パーティに編成している4人が限定SSR剣姫である 火力(攻撃)型キャラを2人以上編成している 星UP優先順位が低いメンバーも★12に到達している 5人全員の錬魂が全項目Lv8以上 4人の専用武器のLvが最低3階に到達している 学生会BOSSには毎日挑戦している 4人の専用武器の星上げが完了している 重要なキャラスキルが最低Lv8以上 5人全員分のお伴を育成している 通常SSR宝物を全て開放(適宜装備も)している 5人全員の錬氣がLv25に到達している 刀剣を全て開放している 図鑑を全て収集している 全てのキャラ配置枠の装備・全スロットが8段以上 尚且つ全ての装備が最低Lv600以上に到達している 全てのキャラ配置枠の宝石・全スロットがLv3以上 全てのキャラ配置枠の精錬が最低Lv50以上 全てのキャラ配置枠の学生会スキルが最低Lv15以上 交流Lvが5以上 少し項目が多くなってしまいました…けど大体網羅したと思います! ※フェーズ初期から全てクリアしている必要はないですが重要な要素ばかりなので、今までの育成に抜かりがないか確認しましょう! チェック項目別攻略 上記チェック項目毎にまとめます 1〜3「最後の星上げとLv600の到達難度」 将を★14→★15にするには★5素材×120体、限定SSRはベースの同種キャラ4体+★10素材×2体(58×2)=計120体と結構エグい量を要求されます! 2=各キャラ★15(Lv550〜600へ突破)時、将力の石が合計およそ67万必要なので、行き詰まらないように準備しましょう! 3=宝物の地はパーティの総合力の指標+将力の石獲得の為にも挑戦しましょう! 4〜7「強キャラの編成とLv+ステータス強化」 4=通常SSR剣姫は限定SSR剣姫と比較するとLv600到達時の戦力値に1体/億単位の差が出てしまいます! 5=パーティの全体火力(DPS)が低すぎると各クエスト突破に限界+火力特化型キャラの攻撃系ステータス強化の方が基本的に戦力値の上昇率も優秀です! 6=★やLvが敵よりも低いとそれだけで、総戦力値に関わらず「低Lvキャラから落ちる→パーティのバランスが狂う→敗北」等の(一部理不尽ぽい)現象が起き易くなります! 7=6の現象の発生率を下げる為+キャラの★12で錬魂の全項目を開放してLv8以上(できればLv9)にすると、更に「制圧」による与ダメバフが全ての戦闘で付与される可能性が高まります! 8〜10「専用武器の強化」 専用武器のLvアップには専武精鉄と専武昇進石が大量に必要です! それぞれの獲得は越境・宝永山の戦い、メイドカフェ、専用武器召喚、越境戦商店、学生会商店、学生会BOSSです! 9=学生会BOSSはほぼ壁殴りクエストなので自軍の純粋な火力(DPS)測定に有効で、サーバ内の他プレイヤーさんとの比較も容易です! 10〜13「宝物・お伴・キャラ・専武スキル」 自軍の火力と生存時間を大きく左右するスキルを把握して優先的に強化(可能なものは)しましょう! 12=お伴は種族別で装着キャラに意外と大きな割合のステータス補正が付き、またスタンスキル持ち等のお伴は他スキルのCD穴埋めに有効なので適宜装着しましょう! 13〜16「ステータス上昇(全体orキャラ強化)」 全ての項目がステータスの底上げに重要です! 13=宝物は装備していなくても開放&強化のステータス補正が付きます! 14=錬氣の強化のみで同キャラでも最終的に1体/億単位の差が出ます! 15、16=詳細は刀剣、図鑑それぞれ参照(刀剣は勿論ですが、各種図鑑コンプ時には結構ステータス補正が付きます!) 17〜21「ステータス上昇(配置枠強化)」 全てキャラ配置枠の強化なので、なるべく満遍なく上げると配置変更の際に弱化がなくスムーズです! 17=8段装備の紅丸は(ほぼ)神装召喚でのみ獲得可、勝利ジャケットはBOSS・東照宮で低確率ドロップ有、それ以外は東照宮で揃います! 18=装備のチェーン効果、特にLv600までのステータス上昇率は優秀です! 19=宝石各種Lv5以上を同枠に揃えて装備すると発動する宝石組合に相乗して付与される組合属性のステータス上昇率は優秀なので、どんどん狙いましょう! 20、21=特に各キャラの特長ステータス(例えば火力特化キャラの攻撃力等)の強化は積み重なるとかなり大きいです! 22「交流」 親愛度UPで将のステータス、親密度UPで該当キャラのステータスがそれぞれ上昇します! 更に交流機能内の各パラメータが規定Lv突破でキャラ毎のスキルと将のスキルが開放されます!(※詳細交流ページ参照) ※大体このフェーズ終了時には総戦力24億を超えてると思います! エンドコンテンツ(星UP完了後の強化要素) 装備 9段・10段装備入手・装着 ※配置枠強化 Lvアップ ※配置枠強化 宝石 Lvアップ+組合属性 ※配置枠強化 精錬 Lvアップ ※配置枠強化 学生会 学生会スキルLvアップ ※配置枠強化 剣姫名簿(剣姫登録) ※同部活プレイヤー全体強化 キャラスキル スキルLvアップで戦力値補正+スキル性能上昇 Lvアップ ※キャラ別強化 錬魂 Lvアップ ※キャラ別強化 専用武器 Lvアップ ※キャラ別強化 離れ 庭園の背景変更 ※キャラ別強化 (入手方法不明) 四聖獣Lvアップ ※将強化 (ノーマルステージ138-12クリア後強化方法不明) 交流 親密度Lvアップ 交流ステータスLvアップ 交流Lvアップ 親愛度Lvアップ ※1〜3.キャラ別強化、4.将強化 刀剣 星UP ※パーティ全体強化 Lvアップ ※パーティ全体強化 規定Lv到達で刀剣スペック開放 ※該当タイプ剣姫強化 図鑑 各図収集・Lvアップ 百花繚乱図 ※将強化 千紫万紅図 ※パーティ全体強化 刀槍矛戟図 ※パーティ全体強化 魑魅魍魎図 ※剣姫強化 跳梁跋扈図 ※パーティ全体強化 宝物 各宝物開放・星UP・Lvアップは図鑑3種や刀剣と同様に全体ステータス補正+種類を問わず星が高い宝物を装着するほど戦力値自体は上昇+装着した宝物スキル付与 開放・星UP ※パーティ全体+装着キャラ強化 Lvアップ ※パーティ全体強化 フレーム 入手時にステータス補正され、装着の効果自体はアイコンの変化のみ Lvアップ ※将強化? お伴 種族別ステータス特性が優秀なお伴の入手・装着 ※キャラ別強化 星UP・Lvアップ ※個体別強化 スキルUP ※個体別強化 家具変更(ゲーム内説明テキスト意味不明) ※個体別orお伴全体強化 衣装 変更 ※将のみorパーティ全体強化 →攻略 前半 へ戻る その他 コメント 名前
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理想郷の秩序/Utopia Order 理想郷の秩序/Utopia Order(1)(W) クリーチャー - 人間・巫女 戦場に出ていないすべてのカードは瞬速と急撃を失う。 2/2 参考 紅魔郷-レア
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泣いている女の顔が見える。汚らわしい断頭台に上らされ、屈辱の果てに死んだ彼女の顔は、血の涙とどす黒い憎悪に塗れていた。 何故彼女が死ななければならなかったのか。一体彼女が何をしたというのだろうか。 痺れた頭は靄に包まれ、俺にはなにもかもがわからなかった。首筋に叩きこまれた太刀すら鈍く、遠い世界のものに思えた。 ただその時、俺は世界を呪った。 俺はその時から一人の騎士ではなく、男でもなく、人間ですらなく、一つの感情となり果てた。 俺は『怨』そのものに、なり果てることを、選んだのだ。 どうしようもなくわからない。問いが綻び、意味をなさなくなるまでに、俺は答えを探し続けた。 繰り返し、自らに問い続けた。そして、それでも納得できる答えは出てこなかった。 高貴な彼女はその身を捧げることで、民草の、我ら戦士たちの、そして愛する祖国の平和を願ったはずだ。 内に湧き上がる恐怖や絶望を押し隠し、犠牲となることを断腸の思いで決断なさったはずだ。 そんな彼女であったからこそ。そんな彼女の孤高な姿があったからこそ。 我ら戦士も身を捧げることに躊躇いはなかったのだ。悔いなく運命を受け入れ、下劣な処刑も受け入れた。 だが、だが、だが……ッ! ならばいったい何故…… そして何のためにッ! 俺はエリザベスを呪う、死を呪う、誇りを呪う、運命を呪うッ 彼女の誇りは地に棄てられたッ まるでボロ雑巾かのように、誇りは投げ捨てられ、踏みにじられ、侮辱されたッ 彼女の死がいったい何をもたらした? ……なにもない、零だッ 無だッ! 後に残ったのはエリザベスが残した偽りの物語、我々の敗北と犠牲のみ。汚名を歴史に刻まれ、我々は永久に蔑まれるのだッ 彼女が何のために死んだのかも知らない愚民たちに。彼女が守りたいと願った民衆たちに。 ならば、我々は……一体何なのだ? なぜ我々は死んだのだ? 我々は、誰のために、なんのためにッ?! 許されない……ッ 許してはならない……、この非道はッ! 悪徳はッ! ああ、俺は全てを呪う。この世の全てを呪う。塵一つ残さず、俺はこの世の全てが憎い。この世全てを憎悪する。 死が訪れても……いいや、死が訪れた後も、俺はその悠久の闇の世界の中で、世界を呪い続けた。 呪詛を吐き、怨念を振りまき、妄執を漂わせ、噴怒を吐き散らした。 それでも運命が変わることはなかった。時は流れ、エリザベスは栄華を築き、やがて我らの汚名すら時の廃屋に取り残されても。 それでも俺は忘れられなかった。擦り切れることなく、俺は心にこびり付いた感情一つ手に、いつまで願い続けた。いつまでも、念じ続けた。 ―――そして時は訪れる。 『君は……、いや君たちがタルカスとブラフォードだね?』 許しを請うことなんぞ、もはや求めていない。忠誠を誓ったメアリーさまの物憂げな表情は、考えるまでもなく浮かんでくる。 優しい彼女は涙を流すに違いない。心痛め、懇願するような顔で俺を見つめる彼女が思い浮かぶ。 だがそれでも、だ。俺の心に安らぎはもはや必要ない。俺の心の狂い、焦がれるような気持ちは収まらない。 いつの間にだろう、俺が求めていたもののはすり変わっていた。俺は許しを『請われる』ことを求め始めていた。 そう、あの憎きエリザベスの末裔たちが。愚かで醜い群衆たちが。安穏と平和を貪る人々が、我々にこんな結末をもたらした運命が! 俺が求めてやまないのは因果応報、それだけだ。我らに襲いかかった悲劇を、俺は奴らに突きつけてやりたい。何の犠牲の上に、誰のおかげで生きていられるのか、奴らに見せつけてやりたいのだ。 突然訪れた理不尽を味わうがいいさ。我々がどれだけ嘆き、怒ったかを身をもって知るがいい。 俺が求めるのは贖罪だ。俺はこの手で、お前たちに全てを知らしめてやる。 その時になって知るがいい。我々が、俺たちが、そして俺が。どれほど怒ったかを。どれほど苦しんだか、どれほどこの世を呪ったことかッ! ああ、そうだ。或いはこの感情は復讐なのかもしれない。 全てを俺から奪いさり、それでものうのうと日々を過ごしていく、全ての者に対する、俺の『狂ッた』様な…… ―――復讐心だ ◆ 高々と振りかぶり、咆哮とともに叩きつけられる。空を切った一撃は暴走したエネルギーのままに大地と衝突、堪らず地面が陥没した。 直撃したならばどんな強靭な肉体の男であろうと、肉屋に置かれたミンチのようにひきつぶされてしまうだろう。 眉一つ表情には出さないが、その化け物じみた怪力にタルカスは冷や汗をかく。 一手でも間違えれば、嵐のような連撃が彼を襲うだろう。そうした後に、一体彼はどれだけ『残って』いられるだろうか。 そんな恐怖を微塵も感じさせないほどに、タルカスの行動は冷静だった。 男は半歩だけ後ろに下がり、鼻先をかすめる攻撃を涼しい顔で受け流す。 同時に大柄な体とは不釣り合いなほど軽やかに跳躍。鉄鎚の細い柄の部分に立ち、至近距離から槍を放とうと振りかぶる。 が、直後、即座に後退。ブラフォードの髪が大蛇かのように襲いかかり、危うく喉もとを食い千切られかけたのだ。 両者同時に引き下がり、二人はまた睨み合いの形に。一瞬だけおさまった二人の間を、風が吹き抜けていった。 風に乗るかのように、今度はタルカスが仕掛けた。獰猛な笑みを浮かべ、騎士は鋭く突きを解き放つッ! ブラフォード、槌を振り下ろし、柄で切っ先をいなす。二人の力が拮抗し、互いの腕が力を振り絞らんと膨張した。 タルカスはそれを予期していたように、すかさずバックステップ。拮抗をいなされ、黒騎士が体勢を崩された。 すかさず足元目掛け、またも突き。ブラフォードはこれをかろうじてさける。自慢の髪が切断され、紙吹雪のように辺りを舞った。 舞う土埃、黒のベールを切り裂き、無数に襲いかかる槍の雨。今度はブラフォードが冷や汗をかく番だ。 頬をかすめ、髪を切り裂き、タルカスの槍は的確に急所を目掛け穿たれる。紙一重の攻防に、憎悪に滲んだ表情が焦燥へと色を変えた。 突き、突き、そして突きッ 突き、突き、更に突きッ! 鉄鎚は防戦となるとたちまち扱いづらい獲物へと変貌する。 重くバランスの取れない得物。刃はなく、斬撃を受け止める場所は限定されている。 ブラフォードほどの歴戦の勇者でなければ、この猛攻をしのぎ切ることなんぞ不可能であったに違いない。 そんな彼でさえも、タルカスの攻撃の前で無事ではいられなかったほどだったのだ。 かろうじて致命傷を避けるも、身体に無数のキリ傷を負い、自慢の髪の毛は無惨にも切り裂かれていった。 タルカスが大きく振りかぶった。突きから一転、今度は槍をしならせると横薙ぎでブラフォードを一刀両断ッ これは……防ぎきれんッ! 刹那での判断、黒騎士は大地に伏せ、泥も気にせず横に転がる。頭上を心惜しげに死神の鎌が通り過ぎて行った。 そのまま低い体勢で返しの一撃も避け、ブラフォードは状況を打破しようと槌を握った。 しかし流れは変えられない。そうはさせまい、鉄鎚を振るう隙すら作らんと、タルカスは追いたてるようにその手を緩めない。 むしろ今こそ戦いに決着をつけんと、タルカスは勝負に打って出たッ 手数勝負の片手の一撃でなく、全体重を乗せた必殺の構え。隙は大きいが、今のブラフォードにその始動を止める手段はない。 刃が飛び交い、火花が散る中で、ブラフォードにできたことは髪で防御壁を展開するのみ。 この時を待っていたとばかりに、タルカスが間合いを計る。大地を踏み抜くような勢いで、足元に力を込める。 そして、瞬間、弾丸のように槍を抱え、彼は黒騎士目掛けて突進していったッ ブラフォードが必死の努力で広げた黒の弾幕。嘲笑うように、タルカスの一撃が、黒騎士の守りを打ち砕いたッ しかし両者はともに、歴史に名をはぜる猛者だった。 黒騎士、まるで曲芸師かのようだ。彼はすんでのところで、男の槍をあの細く頼りない鉄鎚の柄の部分で受け止めていたのだ。 タルカスの顔が驚愕と、好機を逃した自らの失態に歪んだ。 髪の毛一本の誤差も許されない。なんという技術、なんという度胸。 攻撃を防がれることを予期していなかったタルカス。あまりの重量攻撃に体が痺れたように動けなかったブラフォード。 故に二人は互いに大きな隙を見せながら、共に致命的と言えるまでのその一瞬を逃し、免れることができた。 一瞬の空白、そして同時に動いた二人。振りかぶられた鉄槌、引き絞られた長槍。 タルカスの左頭部を襲った鉄鎚は僅かに額を切るのみ。ブラフォードの右頬に長い引っ掻き傷を残し、槍は彼の体から離れて行った。 呻き声を漏らし、武器を振り切り、そして即時撤退。砂埃を舞わせ、姿勢を低く保ち、そしてまた二人はにらみ合う。 観客がいたならばその攻防はまさに拍手万雷、観衆騒然。 ブラボー、タルカス。ブラボー、ブラフォード。 ギリギリの攻防は互いの手を知りつくし、歴史に名を刻んだ英雄たちの最高のショー。 二人は動きだす。見えぬ群衆の称賛に耳を傾けることなく、互いの姿の身を見つめ、共に目指すは勝利のみ。 タルカスが吠える。ブラフォードが迎え撃つ。騎士たちの戦いは続いて行く。誇りと意志をぶつけ、彼らの決闘は終わらない。 どれだけ時間が流れたことだろうか。 斬撃の火花が幾度と散り、地面に穿たれた槍跡、陥没した鉄鎚の跡は数知れず。 流れた血液は僅か、しかし反比例するように冷や汗と脂汗は膨大。それでも一向に戦況が変わることはなかった。 押しては引き、退いては迫る。攻めては凌ぎ、切り抜けては打って出る。 拮抗状態は続き、何度となく繰り返された決め手に欠ける膠着状態が訪れていた。 ブラフォードが伸ばした髪の毛が空を切る。それでも口惜しそうに最後に一伸びした黒の大蛇。 タルカスは鎧に引っ掛かった髪を切り飛ばすと後ろに下がり、大きく息を吐いた。 戦闘の合間に流れる、束の間の静寂。視線を逸らすことなく、相手から目を離すことなく。その視線をほんの少しだけ、彼は上空に向けた。 一体戦い続けてどれほどたったのだろう。まもなく夜が明けようとしていた。 東の空が明るくなりかけているのを見て、タルカスは先のブラフォードの言葉を思い出した。 『夜に生きる者たち』、嘘か誠かはともかく、それを信じるのであれば戦いはいよいよ終盤といったところだろうか。 ここまでよく持ちこたえてきたものだ。無尽蔵のスタミナ、多少の怪我はものともしないタフネス、髪の毛と鉄鎚のコンビネーション。 考えてみれば彼はゾッとするような怪物とここまで五分の戦いを繰り広げているのだ。 称賛されるべきはタルカス、忠誠の騎士。槍一本で化け物に立ち向かう、姫を守るため闘う姿はまさに英雄譚の一節。 その時、敵が動いた。タルカスは突進してきた相手に対し、槍を突き出し応戦する。 ところがブラフォード、大胆不敵、秘術巧妙。槍の刃を伝い、身体がぶつかり合う位置まで接近。戦法を変える。 鉄鎚で相手の槍、つまり攻防の要を抑え、髪の毛で自由を奪う戦法だ。 タルカスもそれを察してだろう。絶好のカウンター機会を放棄すると、素早く跳び下がり、再び槍の距離を彼は取る。 ハンマーは届かず、髪の毛を伸ばせばその懐へと飛び込める位置。舌打ちをした怪物がまたも攻める。その顔面を掠めるように、刃が飛んだ。 焦りは瞳を曇らせる。怒りは頭脳を鈍らせる。 ブラフォードは搦め手から攻め立てるはずが、いつのまにかタルカスに、搦め手でいなされていた。 ここまで化け物相手に騎士が戦えたのも、彼がひとえにブラフォードの性格、そして感情を見事に制してきたからだ。 達人同士の争いの中、タルカスは抜群の勘と集中力、経験と冷静さで、今、戦いを掌握しつつあった。 幾度と打ちあう。何度となくぶつかり合う。そして時間は流れ、場所を変え、それでもまだ、戦いは終わらない。 レンガ造りの街並みの中、せりあい、削り合い、潰し合う。 ブラフォードの灰色の肌には、今や数え切れないほどの傷ができていた。タルカスが握る槍は互いの血で、赤く色を変えていた。 戦いの合間にタルカスが叫んだ。もういいじゃないか、もう戦うな。これ以上、俺はお前と戦いたくない。 悲痛な叫びを黒騎士は無視する。どれほど戦えどメアリーさまはもう帰ってこない。どれほどお前が勝利しようとも彼女は笑ってくれやしない。彼女の嘆きはいやされない。 タルカスの声は届かない。ブラフォードは止まらない。獣のように唸り、亡者のごとく、無機質に金槌をふり続ける。 これ以上戦いをつづけたら、俺はお前を本当に傷つけなければいけない。これ以上やったら、俺はお前を殺してしまう。 もはやこれは戦いでない、何か違ったものになっているじゃないか。だからブラフォード、目を覚ましてくれ。誇りを取り戻してくれ。 返事は鉄鎚だった。ブラフォードがタルカスに飛びかかった。騎士は苦しそうな表情で、その一撃を回避した。 タルカスはブラフォードに勝てないのだろうか。いいや、それは違う。『殺して』いいのならば、きっと彼は勝利できるだろう。 だがそれで何を手にする? それでタルカスは何をその手に掴むのだ? 戦えど戦えど友は言葉を返してくれなかった。魂を込めた一撃も、叫びと祈りを乗せた拳も刃も。全てすり抜け、ブラフォードをいたずらに傷つけるのみ。 二人はなおも激突する。互いの鎧に刃を突き立て、肌を裂き、肉を抉って急所を突く。 四本の足と二本の武器が踊るように跳ねまわり、二人はぶつかっては離れ、そしてまたぶつかる。 何故戦っているかもわからないぐらい必死で。誰のために刀を振るうかも考えられないぐらいひたすらに。 時が経ち、タルカスの息がすっかりあがったころだった。ブラフォードが槌をさげ、ぼそりと呟いた。 互いの姿が見えるぐらい近づいているのに、耳を澄まさなければ聞き落としてしまう、そんな小さな呟きだった。 「戦ったって何も戻りはしない。既に起きてしまった過去に、決して救済なんぞ訪れない。 俺たちの現在は歴史となってしまった。歴史を覆すことは決して叶わぬ、幻想でしかない。 そんなことはわかっている。そんなことはわかっているんだ」 タルカスの動きが止まった。ブラフォードは話を続ける。 「だがな、俺は忠義を誓ったのだ。俺は祖国に身を捧げ、王女に魂を捧げ、戦い続けるしかもう知らんのだ。 ならばそれを取りあげられたら、俺はいったいどうすればいいのだ。俺は何のために、誰のために戦い続ければいい?」 「ブラフォード……」 「だから、タルカス……だから俺は、俺は……―――」 柄を握り直すと、彼が顔をあげた。反射的に槍を持ち直したタルカスは、戦友の顔を見て、身を竦ませた。 メアリー王女が処刑されたまさにあの時、あの瞬間に舞い戻ったかのようだった。 たった今塗り返されたような真新しく、生々しい赤と黒。ブラフォードの顔は妄執の色に塗りつぶされ、かつて黒騎士と呼ばれた彼の面影は一切残されていなかった。 まるで一つの感情、恨みという感情そのものが、タルカスを見返していた。 「―――俺は、それでも、この世界を呪い続ける」 直後、雪崩のように彼の足元が崩れていった。沈みゆく地盤、崩壊する足元。しまったと思ったのとブラフォードが襲いかかってきたのは同時であった。 レンガ造りの道路と建物は、一見堅牢そうに見え、実は隙間への衝撃にたいそう弱い。 ブラフォードは会話の最中、そしてそれ以前から髪の毛を操り、要所要所に綻びを入れていた。 そして鉄鎚をぶち当ててはその衝撃を伝え、タルカスの知らぬところで罠を張り巡らしていた。 今その罠が牙をむき、タルカスに襲いかかった。これ以上ないほど隙だらけの姿をさらしたタルカスに、轟音を立てて鉄鎚が迫っていた。 だがブラフォードにとって唯一の誤算はタルカスの粘り強さだった。 ブラフォードは自分の力を過信していたわけではなかったが、それでもここまで粘られるとは思っていなかった。 全ての準備が整ったころに、戦いの場所は変わり、日が間もなく出ようとしていた。そしてそれが決着を変えた。 「ぐおおおおぉぉ!?」 両者にとって幸か不幸か、崩落した場所は川岸付近、崩落したのは日の出直前。 初撃をたたき込み、そのまま川にまで吹き飛んだタルカスを追おうと勢いづいたブラフォード。しかしその脚がはたと止まった。 恨めしそうに明るくなり始めた東の空を見、そして視線を戻てみれば、あの巨体が見えなくなっていたことに彼は舌打ちした。 なんて逃げ足の速いやつなんだ、そう毒づくもどうしようもない。 一撃を浴びせたというのに、タルカスのタフネスは人間離れしたもので騎士はどこへともかく、身を隠してしまったのだ。 「……ちッ」 最後に恨めしそうに、揺れる水面を一瞥すると、ブラフォードは踵を返し、建物の影へと姿を消した。 闇へ溶けて行った彼は、一度として振り返らず、そして足を止めなかった。 握りしめた鉄鎚から滴り落ちる血を気にもせずに、彼は暗闇の中に消え去っていった。 最後にザワリと揺れた髪の毛が空間を歪ませるように震え、そして彼はいなくなった。 後に残されたのは荒れ果てた戦場、窪んだ地面と決壊した河川場。 そして彼がその場を後にし、いくらか経った後。静寂を破るように唐突に、水を切る音が聞こえた。 そして水の中から、二本の腕が生え出た様に飛び出した。 満身創痍のタルカスは、川から這い出るとその場に崩れ落ちる。 血か水かもわからないぐらいに身体は液体で濡れ、鉄鎚の直撃を喰らった右腕は使い物にならなくなっていた。だらりとぶら下がる腕が痛々しい。 ぜえぜえと呼吸を繰り返し、タルカスは激しくせき込んだ。口から血を吐き大地を見つめながら、彼は唸るように言葉を口にした。血と水混じりに、苦しそうに彼は名を呼んだ。 タルカスは絶望していた。 自らの浅はかさ、愚かさ、滑稽さ。 拳と拳で語らえば、言葉を交わすまでもなく分かり合える。そんなものは虚しい幻想にすぎなかった。その事実が、彼には衝撃的であった。 それだけではない。自分は誰よりも彼のことを知っている、彼の真の理解者は俺しかいない。そう思っていた相手が、未だかつて見たことない表情を浮かべていた。 その時タルカスは恐怖したのだ。戦友の底知れない憎悪に。そして自分がああなっていたのかもしれないという事実に。 自らが築きあげたはずのものが、音を立てて崩れ去っていったかのようだった。 君主を失い戦友は立ち去り、後にはいったい何が残っているのだ。空っぽの祖国に一人きりの騎士に、一体何が守れるというのだろう。 「……―――」 タルカスが名前を呼んだ。その少女こそが、彼が唯一守れる、そして絶対に守りたいモノの名前だ。 戦いの最中何度も心が折れそうになった。友との和解が絶望となった時、それでもその名は彼を支えてくれた。 川に叩きこまれ、意識を手放しかけた時、彼を最後でつなぎ止めたのは少女の名前だった。 重い身体を引きずり、タルカスが立ち上がる。戦友が消えた先に一度だけ視線を向けるも、すぐに彼は空を見上げ歩き始めた。 ボロボロの身体と心を支えるのは、もはや少女の存在だけ。少女に会いたい、スミレに会いたい。その感情が彼を突き動かす。 あの笑顔を見れば、元気が湧いてきそうだ。今は疲れ、すぐにでも倒れそうだが、彼女に会えばそれもたちまち治るだろう。 スミレ……スミレに、会いたい。とにかく彼女の笑顔を見たい。今はもう、それしか考えられない。 「待っていろ、スミレ……」 タルカスは進む。シンガポールホテル、そこで元気で、けれども自分のことを心配し、気を揉むように待っているはずの少女のために。 タルカスは重い体を引きずり、歩き続けた。 ◆ 泣いている少女の姿が見える。血と氷の海で身体を縮こめ、冷たくなっている彼女の遺体。少女の頬には、涙の跡が残っていた。 壊れてしまうことがないように、俺は震える手で彼女を抱きあげた。 幼い身体は俺の両手に収まってしまいそうなほどに小さい。かつて飛ぶように跳ねまわっていた少女は、もう、動かない。 俺の頭は凍りついたかのように何も考えられず、一面、白に染め上げられる。唯一できたことと言えば、彼女の頬をそっと優しく撫でるのみ。 傍らに刺さった氷柱が夜の終わりに合わせるかのように、ゆっくりと溶けだした。 一筋の雫が水たまりに落ちると、ポチャン……と音を響かせていった。 どうしてこうなったのだ。こんな結末、俺は望んでなどいなかった。 少女を泣かせたくない、その一心で俺は戦うことを選んだはずだというのに。 少女に救われ、そんな少女をもう二度と失いたくない、そう思ったから俺は二度目の忠誠を彼女に捧げたというのに。 救われた恩を返すことはもう、叶わない。 少女は俺一人残し、はるか遠く手の届かない所へ逝ってしまったのだ。 そう、あの時と同じ。メアリーさまと同じように。 辺りを見れば真ッ二つに折れた棒が見える。執拗に追いまわされ、それでも懸命に逃げ惑った彼女の足跡が見える。 救いを求めていた彼女を、俺は救えなかった。全て手遅れになった今になって、俺はようやくここに現れた。 そして、そこに彼女はいたのだった。悲しそうに涙を流し、冷たく、硬くなった体のままで。 何故、何故、何故なんだ……ッ どうしていつも俺の手をすり抜け、全て、零れ落ちてしまうのだ……ッ! 目の奥が焼けるように熱い。唇は震え、せり上がる感情が喉元で暴れ回る。 神よ、天よ、運命よッ! これが貴様たちの答えなのか……? これがお前たちの真意だというのか……ッ?! ならば、問おう。何故なのだッ!? 何故彼女たちが死なねばならんのだッ なぜ彼女たちを、貴様らは殺したのだッ 死ぬべきはずでない女性(ひと)たちが死に、死ぬべき騎士(おれたち)が生き永えるッ どうしてッ どうしてッ どうしてなんだッ! 何がいったい望みだというんだッ 俺たちが、一体何をしたんだッ 何故こうも全てが狂ってしまうんだッ? 何故誰も幸せにならないんだッ!? 大切なものがあって、そのどちらかを選ばなければならない。断腸の思いで俺たちは選択するッ 忠義か命か。個人か民衆か。友か君主か。遵守か逸脱か。 大切なものを守るために、大切なものを裏切らなければならないッ 大切なひとを救うため、大切なひとを傷つけなければならないッ それが貴様らの答えだというのかッ それがお前たち、天のッ 神のッ 運命のッ! 『そんなもの』がお前たちがッ 俺たちにッ 彼女たちに示すッ 『救い』だとでも言いたいのかッッッ!! 「赦すもんか……俺は赦さんッ 俺は、貴様らを断じて赦さんぞォ!」 決して、決して、俺は赦さないだろう。 例え地べたに頭をつけ、泣き喚き、醜く涙を流し、懇願しようとも。それでも俺は決して赦すまい。 地の果てまで貴様らを、血が流れる限りに永久に、俺はお前たちを追いたてるッ 貴様らが俺から奪ったものは二つだ。 かつて遠い日に抱いた俺の理想。忠義の果てに夢見た、女王と戦友と過ごす日々。 少女に託した限りない明日。救われた命の限りを尽くし、彼女の行く先を照らそうと俺は固く誓ったはずだッた。 だが崩れ去ったものが、二度と紡がれることはない。 運命なんぞ、くそくらえだッ 俺は決して屈しない。どれだけ貴様らが俺を貶めようとも、俺は絶対ッ お前らなんかに屈しないッ ああ、そうだ。或いはこの感情は復讐なのかもしれない。 俺から全てを奪いさり、それを見て嘲笑うものたちへの……運命にもまれる不運なものたちを馬鹿にする傲慢者たちへの…… ―――復讐心だ ◆ 【C-4 シンガポールホテル/一日目 早朝(放送前)】 【タルカス】 [能力] 黄金の意志? 騎士道精神? [時間軸] 刑台で何発も斧を受け絶命する少し前 [状態] 疲労(大)、全身ダメージ(大)、右腕ダメージ(大) [装備] ジョースター家の甲冑の鉄槍 [道具] なし [思考・状況] 基本行動方針:主催者を倒す? 1:??? 【C-4 中央/一日目 早朝(放送前)】 【ブラフォード】 [能力] 屍生人(ゾンビ) [時間軸] ジョナサンとの戦闘中、青緑波紋疾走を喰らう直前 [状態] 腹部に貫通痕、身体中傷だらけ、全身ダメージ(大)、疲労(中) [装備] 大型スレッジ・ハンマー [道具] 地図 [思考・状況] 基本行動方針:失われた女王(メアリー)を取り戻す 0:とりあえず太陽の届かない場所に身を隠す。 1:強者との戦いを楽しむ。 2:ジョナサン・ジョースターと決着を着ける。 3:女子供といえど願いの為には殺す。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 061 アルトリアに花束を ブラフォード 107 fake 061 アルトリアに花束を タルカス 123 Faithful Dogs
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チリンチリン―― 来客の合図に、ドアの上部をさり気なく飾ってある妖精像の手にした鈴が鳴る。 「あ、いらっしゃいま――」 接客業の常として、そこだけは条件反射になっているらしい。 バンダナの彼が、応対のためにレジ前まで小走りで迎に上がろうとする、足が止まった。 一人、二人、三人、四人、五人……その団体客は、ゆっくり、優雅に、余裕を持って入店してくる。まるでそれが唯一守るべきマナーだと、暗黙のうちに主張するように。 一人目は、コックコートに高いコック帽をした、長身の男だった。険の強い顔立ちで、料理人というより、マフィアの若頭とでも説明された方が納得してしまう、いかにも鋭い人相をしている。 二人目は、燕尾服に身を固めた、愛想の良い小男だった。そして愛想の良い、というのは、嘘だ。営業スマイルのような、陳腐な安物の笑顔ではなく、わざわざその筋の芸術家が悪意を込めて彫り上げたが如き、おぞましい完璧さで笑顔を顔面部分にハメ込んだ、外面のいい、造形だけは美しい、人間というより、存在と形容したくなる、そういう男。 三人目と四人目には区別がつかなかった。双子で、ショービズ風の際どいボンテージファッションで、鷲掴みにしても掌から溢れそうなほどのなまめかしさを漂わす、妙齢の女性たち。ただしグロスのぷりぷりしてて無駄に押しの強い顔が、体ほどに妖艶であるかは定かではない。仮面舞踏会(マスカレード)で紳士淑女が戯れに着用するような、目元だけを覆う真っ赤な仮面を付けていたからだ。 最後に入店してきた五人目は、もっと明らかに異様だった。異常といってもいい。 イラッシャイマセー、イラッシャイマセー、ケケケケケ! と、人を醜悪に模して声真似する九官鳥を身の周りに羽ばたかせ、背には身の丈ほどもある、巨大な包丁――そう、ドラゴン殺しでも、如意棒でもない、どう見ても握りや作りが包丁なのだ――を負うた、着流しの男。一人目に比べ、人相が悪いというより、健康が悪そうな……、こけた頬なのに、包丁を背負っているから、料理人だからというわけでもあるまい、髪だけは綺麗に身繕っていて、長い黒髪をすべて首の後ろから束ねて流している。 「…………いらっしゃいませ、お客様」 あからさまな警戒と共に、バンダナの彼が改めて出迎える。 と、燕尾服の小男が動いた。ただし、彼の出迎えを無視する形で、だ。 「いい味をしていると思いますよ、この国は。 何しろ愛の国ですからね――」 いかにも気安い知人たちをお気に入りの店へと誘うかのように―――― 燕尾服の小男は、懐から何の脈絡もなくバールを取り出した。 「まずは、味見から」 「!?」 ご、強と―― 客の誰かが口にする最中にも、男は取り出したバールを客席の方へと無造作に放り投げ、空中で、おもちゃのような光線銃で狙いをつけてトリガーを引いた。 銃口から、ビームは出なかった。 ガギ―――― ガギガギガギガギガギ――――! なのに、バールからは金属音が膨れ上がり、床に落下するより前に、バールは見る間に太く、そして胴体を備えた、人のような人――――怪人になった。 「やっておしまいなさい」 状況の急転に誰もついてこられないのをいいことに、にこやかに、燕尾服の小男が号令を下した。 怪人の、バール状の腕が、あのいかにもとろそうな、瓶底眼鏡にぶっとい三つ編みをした白衣の女性へと振り上げられる。 「――――!!」 まったく不意をつかれ硬直している、狙われた本人や、起こるだろう惨劇に、人々がすくんだ直後。 ゴキイ! と、確かに予想通りの鈍い音が店内へと響き渡った。 ただしそれは、バンダナの彼の腕から響いた音だった。 立ったまま、怪人の一撃を受け止めて、小揺るぎもしていなければ、痛みを訴える様子も見当たらない。 「ほおう――?」 燕尾服の小男の、笑顔づらで細かった目が、さらに細く、すぼまった。 彼は確かに腕を骨折していた、と、思う。 だって、肉が、任意に取れる形ではない、内側からの不測の変形を受けて、うう、歪んでいる。 痛々しさに私は身をすくませた。 現実だ。 立ち向かうべき壁、飛び越えなきゃ、の、バー。 けれど私の体は動かなかった。 突然の暴力に恐怖したから、じゃあ、ない。 そんなものには慣れている。 そんなものには覚悟がある。 ニューワールドで生まれ育っている以上、それは人生、織り込み済みだ。 予想外だったのは、彼が、これまで見たこともないような、嬉しそうな顔で笑っていたことだ。 私の方の硬直の理由は、憧れていた相手の獰猛な一面、隠されていた一面、それまで思い描いていた、自分に都合のいい、妄想の中の彼の理想像と現実とのギャップに、突然には対応出来ないほど動揺したからだった。 だけど、私の衝撃は、次の台詞を聞いた瞬間、百八十度角度を変える。 そうだよ、忘れるな。この人は、人を守って笑ったんだ。 「いらっしゃいませお客様、って、言ったんだぜ、俺は」 彼は、怪人のバールのような腕を、折れたままの右腕で受け止めたまま、もう一度、吹き上がるようにして笑った。 吹き上がる? 何が? 私は初めて実感した。 人が本当に怒ると、その表情は、怒りを通り越して笑いになるのだと。 後から後から湧いてくる底無しの感情量に、表情筋が対処しきれずに、本音とは真逆の顔を作らせてしうまうのだということを、今日、私は初めて目の当たりにした、のだった。 彼は笑いながらに怒っていた。 怒り狂っているとさえ表現出来たかもしれない。 彼を今襲っているだろう激甚の痛みは、だから激甚の怒りによって抑え込まれているんだろう、傷口をリアルタイムで痛めつけられているにも関わらず、彼は庇った瓶底眼鏡のお客さんの前から、半歩たりと怯まなかった。 「注文はなんだ。言えよ、オラ」 「ほう……」 感心した素振りで低く声を上げたのは、怪人を呼び出したインギンな男とは違う、背の高い、マフィアみたいなコックコートの男の方だった。 「アークが言うだけのことはある。気にいった」 アークというのが、燕尾服の小男のことなのだろう、自分の名前を出されてわずかに満足気な表情の働きが、張り付いた笑顔の上に見られた。美しい造形を隠そうともしない、ナルシスティックな態度に相応の、自尊心の強い反応だ。 その笑みの働きは、バンダナの彼の、純粋な怒りから来るそれとはあまりに違う、爬虫類なんかで形容したら、蛇やワニの類に悪いと思えるくらい、底冷えした感情の表れ。 マフィアっぽい男は面白がるみたいにアークへと声をかけた。 「支配人、この店のシェフがこう言っておられる。 よいのだろう? オーダーしてしまっても」 「料理長の貴方がその許可を求めるのですか、おかしなことですね」 クツクツと底意地の悪い、喉だけの笑い声を漏らしたかと思うと、アークは、いいでしょう、と、細い目を嬉しそうに歪めた。そして一歩前に出て、地面と水平な、深いお辞儀。 「お初にお目もじする方もそうでない方も、ようこそ、レストラン・クラウデスのディナータイムへ! 身共はアーク=マ=デュウス、クラウデスの支配人を務めさせていただいております。また、身共は人の魂、すなわち感情を、料理して味わう美食集団、銀河をさすらう流れのコック、の、ようなものです。 今、身共には甘美な怒りなる食前酒として自ら進み出てくださった彼を筆頭に、これより皆様には、順繰りにメインディッシュの絶品肉料理となっていただきます。恐怖と酸鼻のグレイビーソースが、いやはや、まったくもって愉しみで、本日は身共のニューワールド帰還記念と致しまして、まずは一献――――」 「おい」 ミチリ、と、何かが鳴った。 バンダナの彼の腕に食い込んでいた、怪人のバール腕が、食い込んでいた先から、わずかに押し戻された肉の音。 「おい」と彼は、もう一度だけ繰り返した。 「俺が言ったんだ。『いらっしゃいませお客様』ってな。もう一度だけ聞くぞ、『ご注文はなんですか?』ってな」 ガタタ、と彼の後ろで瓶底眼鏡の女性が立ち上がった。彼の気迫に驚いたのだろうか、それにしては、場の緊張感にそぐわない、どこか間の抜けたところのある顔をしている。 いや、いい。今は。 そんなことより、それより彼を、見ていたかった。 彼は激怒をあらわに笑顔も崩し、吼えながら、荒々しく右足を前に突き出した。 「それがお前らの幸せか? あいにくうちにゃ置いてません、ニューワールド中で品切れだ!! 雁首揃えて寝言抜かしてんじゃねえ!!!!」 蹴り、で、怪人が離れていったのは、決して威力のせいではなかっただろう。 誰が見ても彼の放った前蹴りは、空手や武術のそれではなく、ケンカで使われるような、見え見えで大雑把な動きのものだったから。 だから、私の目に、バール男が怯んだように見えたのは、きっと間違いじゃないはずだ。 マフィア風の男はそれを見て、とてつもなく愉快なものを見た表情で、肩を揺らして大笑いした。 「面白い、こいつ、面白いぞ! なあ、アーク、ネーヤ、マーヤ、ヤイーバ。 俺がやる。 怪人なんぞに料理させるのは、こいつは勿体無い素材だ!」 「ヤミノ料理長は」 「お熱いのがお好きだからねえ」 「だからねえ」 ≪オホホホホ≫ 双子の姉妹が声を揃えて口元に手を当て笑う。どうやらそれは賛同の表明らしかった。 「――――」 一番端で、さっきからずっと無言で押し通している、やたらに巨大な包丁を背負った着流し姿の男にも、異論はないらしい。 クッチマイナー! と、そこら中を飛び回って羽根をまき散らしていた九官鳥がわめき散らした。 ニヤリ、ヤミノ料理長(で、決定らしい、周りの呼び方からして)が、コックコートの襟首を緩めながら、不敵に笑った。 情熱をかきたてられた男がする、闘志に燃えた、笑みだった。 「どけ、栓抜き男。そいつの相手は俺がす――――」 「だから人の話を無視すんじゃあねえッ!!」 彼の咆哮に、私の胸はドキンと跳ね上がった。 ビー、ビー、ビー、どこかで警報のような音がした。 「ここはケーキ屋で!! お前らに食わせるケーキはねえ!! 他のお客様のゴメイワクだ、『食らうです』ならこいつでも食らってやがれぇぇぇぇぇッッ!!!」 左腕。 世に雷神の斧と呼ばれる技がある。 怒りに任せて繰り出された彼の肘技が、まさにそれだ。 直角に折り曲げた腕の、鋭角部分を相手にぶつける、シンプル極まりない技で。 それだけに、悲しいほどにあっさりと、ヤミノは彼を、払った手の甲、一閃で、その技ごと店内を吹き飛ばした。 「吼えるだけなら犬にも出来るぞ、猫。 威勢がいいだけの猫の唸り合いと、殺し合いは、違うのだがなあ――」 俺を失望させるなよ! ヤミノは、そんな勝手なことを叫びながら蹴りを繰り出した。腰を切り回して出す、重心移動の力が乗った、本格的な奴だ。 バンダナの彼は、客席のいくつかをさらに吹き飛ばして、路上まで叩き出されていった。一緒に吹き飛んだ布製シェードのおかげで、粉々に砕けたウィンドウガラスで体をあまり傷つける心配がなさそうなのが、不幸中の幸いだろうか。 でも―――― そんなことを安心がってる場合じゃないよ、これ!! ガラスの破砕音に混じって悲鳴がしたのをミハネは覚えている。あれは誰のものだったろう、あるいは私が――? 間違いないわ、と、隣で声がしたのだけは確かだった。 声の主は、ミハネが来た時に転んで紅茶を頭から引っかぶっていた、あの瓶底眼鏡の白衣の女性だった。いつの間にか、我を忘れて路上にまで身を乗り出していたミハネの隣に来ている。彼女の手には、蹄鉄っぽい形状をした、なんだか機械っぽい金属のリングが握られており、先程から聞こえていた警報音は、どうやらこのリングから発生していたようだった。 「それは――?」 ミハネが問うと、にっこりとまた彼女は場に不釣合な無邪気さで笑う。 「私の父様が遺した、愛と叡智の結晶です――」 言葉と共に、厚みで向こうが歪んで見えるほどの瓶底レンズの奥に垣間見えたのは、輝くほどの知性のきらめき。 「どうした小僧、これまでか!」 眼前にはヤミノの傲慢な怒声。 焦るミハネをよそに、彼女はそのまま毅然と足元のトランクケースを開こうとして―― 「いけませんねえ、お嬢さん。食材が勝手に台所で動いては」 「あ、あわわわわ……」 アークの差し向けた、バール男の腕の、先端の鋭い返しが、その細い喉に引っ掛けられる。 「ぐはあっ!!」 バンダナの彼が漏らした初めての、しかも大きな呻きがミハネの耳に飛び込んだ。 またそちらを見れば、ヤミノが倒れ伏した彼の胸に足をかけて踏みにじって――いや、踏みつぶそうとしている。 見れば ――? 私は、見ている、だけ――? ミハネの頭の中を去来する思い。 その間にも、誰かがうろたえ混じりにクラウデスの面々へと指摘する。 それは自分の力で状況を変えられない、非力な人間の負け惜しみではあったが、一方でニューワールドの歴史が示す、歴然たる事実を告げてもいた。 「警察や、ISSさえ来てくれれば、お前らなんて――」 →次へ (城 華一郎)
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創世記 太陽の創造の前に3日が経過しているのはなぜか。特に、太陽ができる前に植物が生えているのはなぜか。(創世記1章) 福音派:神が造った特別な光によって時間が経過したため。その光で光合成もでき、植物は成長することができた。 リベラル派:天地創造は旧約聖書の逸話の中でも最も後で書かれた部分であり、比喩的物語ないし神話であるから。 創世記の第1章と第2章では天地創造の順番が異なるのはなぜか。(創世記1-2章) 福音派:第2章は、第1章の6日目を詳しく説明したもので、特に矛盾しているわけではない。 リベラル派:第1章はP資料、第2章はJ資料を使っているため、内容が異なるのは当然である。 主なる神が自らのことを「われわれ」と呼称しているのはなぜか。(創世記1 26,3 22) これについてはエロヒム(我々)を参照されたい。 アダムとエバの子であるカインが、ノドの地で妻と出会ったのはおかしいのではないか。(創世記4 17) 福音派:そもそも全ての人はアダムとエバから生まれたのだから、カインの妻もこの二人から生まれたはずである。したがっておかしい部分はない。 リベラル派:エデンの園の神話と、カインとアベルの神話はもともと系列の異なる神話である。これはその2つをまとめたために生じた矛盾点である。 その他:創世記1章で神が創造した男女はアダムとイブではないとすれば矛盾はない。 ノアの洪水で滅びてしまったはずなのに、ヤバルが家畜を飼う者の先祖に、ユバルが演奏者の先祖に、またトバルカインが鍛冶屋の先祖になるのはおかしいのではないか。(創世記4 20-22) 福音派:彼らの技術が今に伝えられている、という意味である。 リベラル派:エデンの園の神話と、カインとアベルの神話はもともと系列の異なる神話である。これはその2つをまとめたために生じた矛盾点である。 暦ができたのは出エジプトの時なのに、ノアの方舟の逸話に日付が書かれているのはおかしいのではないか。(創世記7-10章、出12章) 福音派:? リベラル派:ノアの方舟のほうが出エジプトよりも後で書かれた話だから。 セムの子アルパクサデ(新共同訳:アルパクシャド、新改訳:アルパクシャデ)が生まれた年が「セムが100歳の時で洪水の2年後」というのは矛盾しているのではないか。(創世記5 31, 7:6, 11:10) これについては創世記の年表を参照されたいが、つまりまとめると次のとおりである。 創世記5 32 ノアは五百歳になったとき、セム、ハム、ヤフェトをもうけた。 創世記7 6 ノアが六百歳のとき、洪水が地上に起こり、水が地の上にみなぎった。 創世記11 10 セムの系図は次のとおりである。セムが百歳になったとき、アルパクシャドが生まれた。それは洪水の二年後のことであった。 つまり、創世記5 32および7 6の記述によれば、セムが100歳の時に洪水が起きている。 しかし、創世記11 10によれば、セムが98歳の時に洪水が起きている。 この矛盾はどう説明できるのか、というのがこの質問の趣旨である。 福音派:ヘブライ語のマソラ本文では「500歳になって」という表現が用いられている。つまりノアが500歳以降になって生まれた子供という意味であるから得に矛盾はしない。 リベラル派:旧約聖書編集の際のミス。ただし、ノアが500歳のときでも502歳のときでも、全体に大きな影響を与えるような問題ではない。 創世記10章では「言語、氏族、民族に従って」人々が住んだとあるのに、11章でバベルの塔の逸話が出てきて「世界の言葉が一つだった」というのは矛盾しているのではないか。 福音派:まず全体の概要を述べてから、続けて詳細を述べるという構成であるから。創世記1章と2章の構造と同じである。 リベラル派:高等批評に基づけば、元の創世記の物語に後から挿入された物語と考えられる。すなわち、創世記編集の直前のバビロン捕因の時にバビロンのジックラト建設に駆り出されたユダヤ人が、バビロン王国を批判して書いた物であるため。 モーセ五書 神は「神を見たものはいない」というが何人も見た人がいるのはおかしいのではないか。(出33 20) これについては神を見るを参照されたい。 ノアの洪水で滅びてしまったはずなのに、ネフィリムの出であるアナク人が存在するのはおかしいのではないか。(民数13 33) 福音派:ネフィリムとは巨人の意味である。アナク人は巨人だったが、実際にはアナク人とネフィリムに関係はない。つまり、イスラエル人にとってアナク人は巨人だったのでネフィリムの出だと考えたが、それはイスラエル人の主観に過ぎない。 リベラル派:モーセ五書の編集の際のミスである。つまり、ネフィリムの出であるアナク人の存在をしめすこの記述は、ノアの洪水に疑問を呈するものである。 イスラエル人の旅路について、民数記ではエドムの地を避けたとあるのに、申命記では避けずに通過したような記載がある。これは矛盾しているのではないか。(民数記20章、申命記2章) これについてはエドムの地の通過を参照されたい。 福音派:? リベラル派:高等批評での文書仮説によれば、申命記はJE資料が成立した後、ヨシヤ王の改革の際にD資料を用いて書かれたとされる。そのため、申命記の矛盾は、申命記史家が独自の考えに基づいて執筆したために起こったものである。 歴史書 ヨシュア記ではカナンの先住民を惨殺しているにもかかわらず、士師記ではイスラエル人は何度も先住民によって惑わされている。これは矛盾しているのではないか。 福音派:異教徒を全て滅ぼしたということを必ずしも意味しない。神は敢えてイスラエル人を惑わす存在を残すことで、イスラエル人の神への信仰心を試したのである。 リベラル派:考古学的には当時のイスラエル人は民衆レベルでは先住民に影響された多神教崇拝に陥っていた。したがって実態により近いのは士師記の記述であり、ヨシュア記は後から「あの時先住民を惨殺すべきだったのだ」という理想像を書いたものである。 士師記の年数を合計すると410年になるが、これは歴代記上6章の記述と矛盾するのではないか。 これについては士師記の年表を参照されたいが、つまり、士師記の期間の長さが歴史書間で矛盾しているという問題である。 福音派:士師の活動期間が互いに重なっているのが原因であり、矛盾しているわけではない。 リベラル派:歴史的には士師記の期間は200年程度しかなく、史実とかけ離れてるから。 サウル王とダビデの出会いはサムエル記上16章で書かれてるが、なぜか続く17章ではサウル王はダビデに対して忘れている。これはおかしいのではないか。(サムエル記上16章、17章) サムエル記上16 14-19 主の霊はサウルから離れ、主から来る悪霊が彼をさいなむようになった。 サウルの家臣はサウルに勧めた。「あなたをさいなむのは神からの悪霊でしょう。王様、御前に仕えるこの僕どもにお命じになり、竪琴を上手に奏でる者を探させてください。神からの悪霊が王様を襲うとき、おそばで彼の奏でる竪琴が王様の御気分を良くするでしょう。」 サウルは家臣に命じた。「わたしのために竪琴の名手を見つけ出して、連れて来なさい。」 従者の一人が答えた。「わたしが会ったベツレヘムの人エッサイの息子は竪琴を巧みに奏でるうえに、勇敢な戦士で、戦術の心得もあり、しかも、言葉に分別があって外見も良く、まさに主が共におられる人です。」 サウルは、エッサイに使者を立てて言った。「あなたの息子で、羊の番をするダビデを、わたしのもとによこしなさい。」 サムエル記上17 55-58 サウルは、ダビデがあのペリシテ人に立ち向かうのを見て、軍の司令官アブネルに聞いた。「アブネル、あの少年は誰の息子か。」「王様。誓って申し上げますが、全く存じません」とアブネルが答えると、サウルは命じた。「あの少年が誰の息子か調べてくれ。」 ダビデがあのペリシテ人を討ち取って戻って来ると、アブネルは彼を連れてサウルの前に出た。ダビデはあのペリシテ人の首を手に持っていた。サウルは言った。「少年よ、お前は誰の息子か。」「王様の僕、ベツレヘムのエッサイの息子です」とダビデは答えた。 福音派:サウルはダビデのことを「若者よ」と呼んだだけであり、知らなかったわけではない。父親についても忘れていただけである。 リベラル派:サウルとダビデの出会いに関する2つの伝承があり、その編集がうまくいかなかった結果である。 サウル親子の骨を埋めた木の種類は、サムエル記上31章ではぎょりゅうの木なのに、歴代誌上10章では樫の木なのはなぜか。 福音派:? リベラル派:先に書かれたのはサムエル記の方なので、後から歴代誌の著者が書き換えたため。 サムエル記下24 1で「主」が行ったことが、歴代誌上21 1では「サタン」が行ったとあるのは矛盾ではないのか。 サムエル記下24 1 主の怒りが再びイスラエルに対して燃え上がった。主は、「イスラエルとユダの人口を数えよ」とダビデを誘われた。 歴代誌上21 1 サタンがイスラエルに対して立ち、イスラエルの人口を数えるようにダビデを誘った。 福音派:? リベラル派:サムエル記が書かれた時点では、一元論を信じていたイスラエル人は「神の怒りによりイスラエルに災いが与えられようとしていた」と考えた。しかし、バビロン捕囚を経て善悪二元論を学んだイスラエル人は「神に敵対するサタンがイスラエルに災いをもたらそうとした」と再解釈した。詳しくは悪霊論を参照。 ユダ王国の第10代の王は列王記ではアザルヤなのに、それ以降の記録ではウジヤとなっているのは矛盾しているのではないか?(列王記下14 21,15 1など) アザルヤ(עזריה)からレーシュ(ר)が抜けるとウジヤ(עזיהו)となる。これは、ゼカリヤ(זכריה)の死とかかわっている可能性が有る。 http //meigata-bokushin.secret.jp/index.php?%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%83%A4%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%AE%E8%AC%8E 新約聖書 イエスの家系図がマタイとルカで矛盾するのはなぜか。 両者の家系図は、アブラハムからダビデまでは基本的には同じである。マタイ福音書では、ダビデの子ソロモン王の家系となっており、エコンヤ王の後、シャルティエル、ゼルバベルを経てアビウドの家系からイエスに至る。ルカ福音書では、ダビデの子ナタンの家系となっており、しかしながらシャルティエル、ゼルバベルを経てレサの家系からイエスに至る。 福音派:ルカ福音書の家系図は、ヨセフがその妻マリアの父エリの養子とみなせば、母マリアの家系図としてみなせるので、矛盾ではない。 リベラル派:両方ともシャルティエル・ゼルバベル父子を挟んでいることから考えても明らかに矛盾している。いずれかが偽物か、両方とも偽物である。 総論的に四福音書や使徒言行録の間で記述が異なる部分がたびたびあるが、これはおかしいのではないか。 福音派:「誤り(error)」ではなく、「聖書の現象(phenomena)」と呼ばれるものであり、矛盾には当たらない。 リベラル派:それぞれの記者がそれぞれの情報に基づいて書いたため、部分的に矛盾が生じるのは当然である。 共観福音書とヨハネ福音書では最初の弟子になる経緯が異なっているのはなぜか。 共観福音書ではガリラヤ湖でのペトロとアンデレが最初の弟子だが、ヨハネ福音書ではヨルダン川でのアンデレとペトロとフィリピが最初の弟子である。 福音派:ヨハネ福音書の記述のようにイエスの洗礼の直後にヨルダン川でアンデレ達は一度イエスに会っており、その後ガリラヤ湖で弟子になったのである。 リベラル派:共観福音書はある程度歴史的事実に基づいて書かれているが、ヨハネ福音書は創作的に書かれているためである。 イエスが「アビアタルが大祭司のとき」と言っている(マルコ2 26)のは旧約聖書の記述(サムエル上21)と矛盾するのではないか。 福音派:? リベラル派:矛盾する。マルコの誤記と思われる。 安息日の労働も参照されたい。 イエスが十字架で処刑された日が、共観福音書では過越の日となっているのにヨハネ福音書ではその前日になっている。これは矛盾しているのではないか? 福音派:? リベラル派:本来の伝承では過越の日だったが、ヨハネ福音書ではイエスを「神の子羊」とみなすため過越の前日ということになった。 http //blog.goo.ne.jp/b5550/e/4a21ba4c97856a1ea32ad301bb5bbf4b http //www2.biglobe.ne.jp/remnant/mujun.htm