約 108,837 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/337.html
「おや、今日は長門さんだけですか」 いつもは騒がしいSOS団……もとい文芸部部室は水を打ったように静かであった。 世界を変革出来る力を持つ華麗な団長の声や、 それを止める鍵となる普通の男子生徒の声や、 未来から来た年齢不詳な巨乳なメイドの声も、今日はいっさい声が聞こえない。 居るのは本にかじりつく物静かな宇宙人だけだった。 「お茶、飲みます?」 問掛けに、顔を上げずに頷く長門。 その様子に溜め息を吐いてから古泉は問いを続ける。 「その本、面白いですか?」 首を縦に振る。 「何の本読んでいるんでか?」 黙って表紙を見せる。その言語は古泉の知らないものであった。 「長門さん、緑茶と紅茶どちらになさいますか?」 「……ほうじ茶」 「仰せのままに」 胡散臭い、と団員に言われてしまった笑みを向けるが、長門の興味は相変わらず本にのみ向く。 適切な温度で緑茶を煎れると、香ばしい香りが部室を支配する。 「どうぞ、長門さん」 視線を上げ、一瞬会釈。そして視線はすぐに本に戻る。 見えた本文からはどんな本か伺い知れぬような文字が群れをなしていた。 「長門さんは、」 自分の名前を出されても眉一つ動かさない。 動いているのは彼女の白く細い指のみ。 「キョン君が、お気に入りのようですね」 そこで長門は顔を上げた。そして、硝子玉のような澄んだ瞳で言う。 「私個人の感情としては、彼を気に入っている」 「それでは涼宮さんは?」 「興味深い観察対象だと考えている」 「それでは朝比奈さんは?」 「こちらから歩み寄ろうと考えている」 「じゃあ、僕は?」 そこまで言うと、長門は一度だけ瞬きする。そして淀みの無い声で言う。 「貴方は、涼宮ハルヒによって変わった人間の一人。それ以上でも以下でもない」 「……そうですか」 肩をすくめてそう言う古泉。 「僕は、長門さんを気に入っているんですがね」 「……そう」 パラリ。ページがまた捲られる。 「それでは、僕は帰りますね。戸締まりを……」 「古泉一樹」 長門が、古泉の発言を防ぐ。今度は本を閉じて真っ直ぐに言う。 「私は、確かに貴方を涼宮ハルヒによって変わった人間として捉えている」 「そうですか」 「しかし、貴方のその笑顔には興味がある」 「……」 「私は、感情が乏しいから」 「だから、貴方は興味深い」 そう言い、また視線は本に。詰まることなく、またページは捲られる。 「ありがとうございます、長門さん」 「私は、礼を言われることは言っていない」 「僕が言いたかっただけです」 「……そう」 古泉は穏やかに笑む。そして鞄を抱えてから言った。 「それでは長門さん。また明日お会いしましょう」 返事は無い。しかし古泉は気にせずに歩き出す。 部室には、冷めたほうじ茶が残されていた。
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/2612.html
「屋敷でクリスマスパーティーをするんだ!」 モルテがそう騒ぎ出したのが12月の20日 「わくわくして起きたのに雪が降ってないじゃないか!?」 モルテが寝起きで騒ぎ出したのが12月の24日 「おかしい…ホワイトクリスマスってのを楽しもうと根回ししたはずなのに一粒も雪が降っていないなんて!」 と言っても飾りや食事や何だのを用意したのは屋敷の召使達で、モルテは実現し辛い指示を出していただけである。 「どうしたのですかモルテ。日付が変わった頃に起きたと思ったら大騒ぎして」 「サミュラ!雪が降ってないんだよ!クリスマスがホワイトじゃないんだよ!」 「雪にも都合があるのでしょう?」 「空にも【冬】の気配はありませんな。時期通り今頃は新天地辺りを飛んでいるのでしょう」 モルテの晩餐の招待を受けた中でも真っ先に到着していた審議侯が相槌を打つ。 確かに今の時期に寒波降雪を促す精霊団【冬】はスラヴィア上空にはいない。 「私はサミュラ様がいらっしゃるというだけで満足至極でございます。ところでモルテ様の根回しというのは精霊に願いなどをして回ったなどでしょうか?」 平時より一層荘厳華麗なそれでいて邪魔にならないまとまりという絶妙なバランスは組み合わせと装飾に半日をかけたというレシエ卿。 異世界では天気予約というほど大層なものではないが、それなりに多くの大きな精霊と約束を交わせば臨む天候がやってくるのだが。 「三か四カ月前に湖の水精霊に言ったっけなー。12月24日から雪ドバーって降らせるんだぞ!って」 「全くモルテはもぅ…」 「相変わらずですな」 「本当に言っただけで終わっているのですね。降るはずもないでしょう」 三連続の溜め息に流石のモルテも少しばかり狼狽える。そもそも己の願いを精霊が聞き入れたことがあっただろうか?と思い起こす。無い。全くありません。 「がっでむ!」 悪戯大王禍々邪神と恐れ煙たがれるモルテの本気で地に落ち込む姿は貴重である。 「ふぅ…今からでも間に合いますでしょうか?雪となると水、闇、あと風精霊にも協力を取り付けなければいけませんが」 「都周囲の湖にいた多くの水精霊は先日南の商業港に風精霊と出掛けたと聞きましたな。何でも年末巡業で地球からプロレス団体がやってきているを見学に、と」 「私の領内のイベントですわ。ミズハミシマの闘士【潮流・力】などを交えて大々的に開催されるとか何とか」 「そうですか…なら無理に引き返してもらうのも悪いですね。もう夜まで間に合わせるのは難しいですね、どうしましょう」 夜までもう半日もなく、大気中の水分を上空にて雪に精製するだけの精霊を集めるにはかなり難しい。 それでも珍しく哀れな子羊の様にぷるぷる震えるモルテに何かしてあげたいと思うサミュラは悩まし気な面持ち。 「強き力を持つスラヴィアンは精霊との関りが他種より薄い面がありますからなぁ。こういう時はその力が逆に恨めしいですな」 一同溜め息と思案にふけるがどうにも良い案が浮かばず八方塞がりである。 「モルテ、今年は諦めて来年から頑張って ─── 古代ミイラの如くうずく丸くなるモルテに手を伸ばそうとしたサミュラ。そのスカートの下が突如蠢き出す。 蝋燭の光が作る影へサミュラのスカートの中から大量の【黒】が流れ込むのだ。 とめどなく流れる黒はやがて盛り上がり大きな体躯を形成する。サミュラの影と繋がったままに巨大な丸岩が出来上がった。 それはさざめく毛並み溢れる球体に四対八本の腕と太く短い脚の生えた漆黒のムークの影。影故に目も口も何もないシルエット。 「あら、闇さんがムークになってしまいました」 「むぅ…只ならぬ雰囲気を感じますな。これも闇がかつて影ごと取り込んだ者なのでしょうか」 「しかし何故ムークなのでしょう?」 どすんどすん。本来質量などないはずの影だが窓際へ進む足の動きには確かに重量を感じる。 屋敷の大窓までたどり着いたムークの影はおもむろにそれを開き夕闇訪れようとする赤い空へ向かって全ての腕を伸ばす。 ボォオエェエアァアアーーーーーーーーーーー 大気どころか屋敷全体が震える咆哮。しかしそれは耳を劈くことなく通りの良い風の音の様に体を透き通り空へと舞い上がっていく。 一しきり吼え終えたのか、ムークの影は腕を下す。するとたちまち空模様が灰色へと変化するのだ。 灰色の空は凍える大気で蓋をしたかの如くあっという間に零下へと冷え込み吐息を結晶と化す。 「信じられませんが、【冬】がやってきましたな?!」 スラヴィアの空を激しくうねり飛ぶ水と闇と風の精霊団。季節をもたらす彼らの不意の登場にスラヴィア全土にどよめきが起こった。 程なくして空よりひらひらと雪が舞い落ちだす。それはすぐに吹雪となり一面を白へと変えたのだ。 かつて異世界に人もまばらで国もなかった頃、それは己の多腕で波を掻き分け崖を登りありとあらゆる場所を巡った 高き山の頂にてそれが吼えると何処からともなく精霊が集まり雪を降らせ白い傘をかぶせた 遠き海の孤島でそれが吼えると立ちどころに雪が海に凍土を生み出した それは異世界の白き場所を決めた者 ともすれば神よりも古き存在 命尽きるまで異世界に白の色どりを与えたそれは最後を迎えた後に影に飲み込まれたという 「何か知らないけどホワイトなクリスマスだ!やった!」 「良かったですね。闇さんに感謝しないといけませんね」 「ふ、ふんっ!中々やるじゃないか!」 精一杯のモルテの謝辞に小さくなった不定形はサミュラのスカートの下でふんぞり返ってみせる。 「しかしこれは些か過度ではありませんかな?既に窓の下まで雪が積もってますな」 「何やら面白いことになっておる」 「サミュラ様、お招きいただきありがとうございます!急に雪が降ってきて地下迷宮の入り口が埋まって大変でした驚きました」 「…」 髑髏王に続き監獄姫、岩窟王と到着する。三人ともその身にたっぷり雪を積もらせていた。 「よーし人数も集まってきたことだし雪合戦といこうじゃないか!石入れるんじゃないぞ?入れるなよ?」 吹雪く庭に躍り出たモルテは上機嫌でマッハに雪玉を作り出していた。 「一件落着、ということでいいのでしょうか?ところでクリスマスに雪合戦というのはどうなのでしょうか」 危うく負の情念を暴走しかけたモルテであったがスカートの闇のおかげで事なきを得る。 スラヴィアの若干おかしげなクリスマスは賑やかに過ぎていくのだった。 時季外れのクリスマスinスラヴィア モルテって嫌われてるって分かっても次の日になったら忘れてるタイプだよね -- (名無しさん) 2017-01-22 15 38 56 異世界創生からいる神って少ない?異世界の大地を創った存在は面白そう -- (名無しさん) 2017-01-22 18 17 48 気象に関しては異世界の方地球より便利というか融通が利くのね -- (名無しさん) 2017-01-23 18 09 49 夜限定かはわからないけどサミュラに対してはとても便利な闇精霊だ -- (名無しさん) 2017-01-26 08 15 26 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/126.html
「…………あー、こりゃ夢だ夢。なんか無駄にリアルだけど完ッ全に夢だ。いやー凄いなこりゃ、首輪の感触とかリアル過ぎて泣きたくなってくるわ。 イマジネーションって言うの? やっぱ俺って感受性が豊かなんだろうな~。本当…………夢ですよねぇええええええ!!!」 叫んでいた。 無人の市街地にて、気持ち悪いくらい汗を全身から垂らしながら、坂田銀時は叫んでいた。 四方八方には無言で聳えるビルディング。 漆黒の空には大きな満月と星が点々と輝いている。 この場で殺し合いが行われてる事を覗けば、ロマンチックとも受け取れなくもない光景が広がっていた。 勿論、そんな景色が現在の銀時に映る訳がないが……。 「よーし目を覚ませ俺。こんなつまらない夢を見ていても何にもならないぞ俺。 さあ1、2、3……ほ~ら目を開ければそこには何時ものボロ屋敷がある筈―――ない、か……」 という銀時の願いは当然叶う訳もなく、その眼前には無機質な街が広がっているだけ。 盛大な溜め息がその口から漏れた。 「…………はぁ……殺し合い、ねぇ……」 何時も通りの騒々しい一日を終わらせ、ようやく眠りにつき、そして目を覚ましたかと思えば真っ暗な謎の部屋。 キモいジジィが何かを勝手に喋りだし、パーフェクト脇役顔の男が首を吹っ飛ばされて殺害された。 え? なにドッキリ? としか思えない非現実的な光景の連続。 出来れば夢だと思いたがったが……どうにもそれは無理らしい。 銀時は気だるげに肩を落としながら、ビルの一つへ入っていく。 外部から見られないよう受付の影に姿を隠して、何時の間にか肩に掛けられていたデイバックを漁る。 「なんで俺なんか参加させるかねえ……ヅラとか真撰組とかもっと血気盛んな奴等を呼んだ方が盛り上がるだろうがよお。 ……ねぇ聞いてますか、兵藤さんー! 俺の代わりに他の奴等連れて来ません? ホント俺より盛り上がりますからー!!」 木霊する自分の声に包まれながら、返答を待つも当然ながらそれは無し。 再び溜め息を吐き、銀時は愚痴を続ける。 ぼやきながらも、デイバックを漁る手は減速の様子を欠片も見せてはいない。 「全く趣味が悪いったらありゃしねぇ。殺し合いなんか見て何が楽しいんだか、普通はトラウマもんだっつーの。……と、運が良い、こりゃ刀だな。 後は……サイコロ? こんなんでどーしろって言うんだよ、マジで。サイコロ投げて人殺せってか。やれるもんならやってみろ…………いや、神楽の奴なら普通にやりそうだな……」 ブツブツを呟きながらサイコロをデイバックへ、日本刀を腰へと差す銀時。 彼の右手が最後に探り当てた物は一枚の紙であった。 「なんだコリャ? 何か書いてあるぞ」 先程見つけたランプを点灯させ、目を細めながら銀時はその紙に視線を這わせていった。 視線が動いていくにつれ、銀時の表情が徐々に険しく変化していく。 死んだ魚のように無気力だった瞳が見開かれ、僅かな光が差し込む。 そして、書き記された内容全てに目を通し終えると同時に、銀時は紙を握り潰し、立ち上がった。 その口から排出される三度目の溜め息。 瞳は気だるげな物へと戻っていた。 「なーんで新八と神楽までお呼ばれしてるんだか……」 だが、その瞳には先程まで存在しなかった光が宿っていた。 それは、燦々と輝く星群にも劣らない真っ直ぐな光。 仲間の窮地を知り、ダメ人間の瞳はサムライのそれへと移り変わる。 そんな光を宿しながら、銀時はつい数分前に潜った扉を抜け、市街地へと舞い戻る。 「全く面倒くさえなぁ、おい。新八探して神楽探して首輪なんとかしてと……はあ、誰かドラ○もん呼んできてー、銀さんもう頭痛くなってきたよ~」 独り言を続けるサムライを見守るは、数多もの星々。 夜の市街地を歩く銀時は気付かない。 ビル街に潜む一人の少女の存在に、彼の数メートル後ろにてビルの影に隠れる少女の存在に―――銀時は気付かない。 少女の尾行が上手いのか、ただ単に銀時が鈍いだけなのか……それは分からないが、とにかく坂田銀時は少女の存在に気付けなかった。 「見ぃつけた」 ……ただ幸運だったのは少女が奇襲という最良の手段を選択しなかったこと。 『殺し』を遊戯の一つと位置付ける少女にとって、不意打ちで早々に終わらせるのは勿体無く、また退屈なもの。 だからこそ、少女は遊ぶ為の下準備に勤しむ。 ゲームが開始してから直ぐに中身を確認したデイバックから、一つの支給品を取り出し、両手で握り締める。 その支給品を一言で表すなら十字架。 聖職者が持ち歩くとしても少し大き過ぎる、だが礼拝堂に飾るには余りに小さ過ぎる、中途半端な大きさの十字架。 自身の腕程の大きさを誇る十字架を握り、少女はビルの影から踏み出した。 「ねぇ、そこのお兄さん」 前方を歩くサムライへ声を掛けながら、少女は腕の中の十字架を上下に振るう。 たったそれだけの動作で十字架は姿を変え、上半分を前方に、下半分を後方に突き出す形で展開した。 展開された十字架の先端に覗くほの暗い穴……先程までは隠れていたその穴が、真っ直ぐにサムライへと向けられる。 「……誰だお前?」 振り返るサムライの顔に浮かぶは困惑。 唐突に現れた少女と、少女から放たれる不穏な空気に、サムライは嫌な予感を覚える。 あの騒がしい日常の中で幾度となく嗅いできたトラブルの臭い。 その臭いが眼前の少女からプンプンと発せられていた。 「お兄さん、とても面白い格好しているわ」 「……いや、お前の方が面白い格好だと思うぞ。特にその機関銃とか、その機関銃とか、その機関銃とか、他にもその機関銃とか」 「ふふっ、確かにそうかもね。……ねぇお兄さん、私と遊びましょう」 「悪りーけど、俺はロリコンの趣味はないんでね。そういう誘いは新八辺りにしてやってくれや。じゃ、俺は忙しいんでこれで」 ここは関わらない方が勝ちだろうと判断した銀時は、会話を打ち切り、少女に背を向ける。 そして一秒でも早く、このヤバい雰囲気の少女と別れる為、早歩きで歩き始めた。 残された少女は、どんどんと遠ざかっていくサムライの後ろ姿を見て、頬を膨らませる。 「つれないのね……で、も」 同時に掲げられる十字架。 銀時の背中と十字架の矛先とが一直線上に並ぶ。 「―――逃がさないわ」 ―――そして次の瞬間、パン、と渇いた炸裂音が夜の市街地に響き渡った。 ■ □ ■ □ 「な、何すんだ、ボケエエエエエエ!! こ、こ、こ、殺す気かてめぇはああああああああああ!!」 が、結果として銃弾が銀時に命中する事はなかった。 引き金が絞られる寸前、サムライとしての勘が銀時の身体を動かしていた。 コンクリートの地面に刻まれた銃痕と、銃弾を放った少女とを交互に見比べながら銀時が叫ぶ。 「当たり前じゃない。この世には殺すか殺されるかしかないのよ?」 「何この子、やべーんですけど!! 誰か救急車ぁぁぁああああああ!!」 慌てふためいた様子で声を張り上げる銀時を見て、少女はふふっと微笑んだ。 勿論、その銃口は真っ直ぐに銀時へと向けられたまま。 その微笑みに銀時は顔を引き吊らせる。 躊躇いもなく引き金を引き、この状況を楽しんでいるかのように笑顔を浮かべる少女……正直に言えば、銀時はドン引きであった。 引き吊った笑みのまま、一歩二歩と後ろに下がる銀時。 相変わらずこちらに向けられている銃口を見詰め、どう逃亡するかを必死に考える。 とっちめるというのも手だが、子供を相手に大人気ないし、何より相手は銃持ち。 下手に動けば速攻で銃殺されてあの世逝きだ。 当然だが、それだけは絶対に嫌だった。 「さぁ遊びましょうよ、お兄さん」 再び、反射的に身体が動く。 連続して排出される弾丸を、横方向に何度も何度も飛び跳ねる事で回避。 だが、幾ら大きく動けど、その銃口はピッタリと銀時から離れない。 着弾箇所も徐々に銀時へと接近している。 「あはははは! やるぅ!」 「ちょ、洒落にならん! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!!」 笑う少女に焦る男。 戦況の有利不利は誰の目にも明らか。 何時もならギャグで済まされる事象もこの場では命に関わる。 ギャグ漫画の住人だからこそ分かるヤバすぎる現状に、銀時は必死で身体を動かし続ける。 全力で地面を蹴り抜き、大きく後退。 そして遂に腰に刺さる刀を―――抜刀する。 「あら、やっと遊んでくれるのかしら?」 「あ~んま甘やかしてっとロクな大人になんねーからな。ちょいとお仕置きの時間とさせてもらうぜ」 闇の世界を生きてきたその経験が、サムライが纏う空気の変化を敏感に読み取る。 変わらぬ微笑みの裏に凄惨な感情を混ぜながら、十字架型機関銃を握る少女。 躊躇いは欠片もなく、引き金が引き絞られる。 放たれる弾丸に対し、銀時が選んだ行動は今までと正反対のもの。 逃亡や回避の為の後退ではなく、闘争の為の前進。 常人離れした高速の踏み込みと共に、擦れ違い様の袈裟斬りを少女へと打ち込む。 「……へぇ」 その一閃を身を屈める事で楽々と回避しながら、少女は感嘆を呟く。 眼前の男が見せた別の一面。 今までのふざけた雰囲気から打って変わった一撃に少女は小さな驚きを見せていた。 「やるわね、お兄さん。なかなか楽しめそ……あら?」 振り返りながら呟かれた喜々の言葉が、当惑に変化する。 擦れ違い様に自分の後方へ回り込んだ筈の男が、忽然と消えていた。 少女は周囲へと注意深く目を飛ばす。 男の姿は直ぐに発見できた。 「ふははは! 誰がお前みたいなガキに本気になるかっつーの! 遊びたきゃ他の奴当たれ、ばーか!!」 十数メートル程先の道路……そこを男は全力で駆けていた。 戦闘の意志を見せたのも、少女へと斬り掛かったのも全てフェイク。 ただ単純に逃亡を果たす為だけの演技。 少し本気を出したかのように見せ掛け、確実に回避できるように手加減した、それでいて不振がられないような絶妙な速度の攻撃を行い、流れるように逃亡する。 追い追われの状況になれば逃げ切れる自信はあったし、この市街地という場なら隠れる場所など何処にでもある。 イッツ・ア・パーフェクト。 まさに完璧な計画だ……と銀時は自画自賛していた。 確かに急場で考えた計画としてはそれなりのもの。 騒々しい日常で鍛えられた彼の逃げ足を考慮するなら、逃亡できる可能性は相当に高いだろう。 「あら、凄い逃げ足……」 だが、折角見つけた獲物を易々と逃がすほど少女も甘くはない。 そして何より、少女は銀時に対して大きな興味を抱いていた。 やけにテンションが高く情けない言動、それでいて銃撃をしっかりと避ける反射神経と身体力、そして秘めたる実力を持ちながら最終的に逃亡を選択したその心……少女が今までに出会った事の無いタイプの人間であった。 だからこそ、興味の度合いも大きくなる。 だからこそ、もっと言葉を交えたくなる。 だからこそ、もっと遊びたくなる。 だからこそ―――殺してみたくなる。 少女は微笑み、もう小さくなってしまった男の背中を目指して走り出す。 殺して、殺され、また殺す―――そんな世界しか知らない少女が、殺しを求めて走り出す。 ■ □ ■ □ 「はぁー、はぁー……撒いたか? それにしてもおっそろしいガキもいたもんだぜ。躊躇いなくマシンガンぶっ放すなんてよお、お前はターミネーターかっつーの」 逃亡開始から十数分後、銀時は海岸線沿いのビルの中で一息ついていた。 顔中から滴る汗を着物の袖で拭いながら、支給されたペッボトルを開封し、水を貪る。 「こんなんだから昨今の子供は凶暴化してるだの何だのメディアに取り上げられるんだよ。ちゃんと親が責任もって育てなくちゃダメだって」 自分の家にも日常的にマシンガンをぶっ放す少女が居る事を棚に上げ、ひたすらに愚痴を続ける銀時。 その後ろに更なる不運が歩み寄っているのだが、哀れな事に彼は全く気付かない。 腕を組み、くどくどと愚痴と説教を繰り返す。 「つーか何であのガキはあんな銃の扱いに小慣れてるんだよ。おかしいだろ、一応法治国家じゃん。江戸っつたって日本じゃん、法治国家じゃん。ちゃんと取り締まれって、マジで」 脳裏に江戸で働くチンピラ警察集団を思い描きながら、銀時の愚痴は尚も続く。 そして、更に愚痴を続けようと銀時が口を開いたその時、ジャリ、という足音が響いた。 その音を聞き、ようやく銀時も他者の存在を察知。 後方に振り返りながら刀を抜き、臨戦体勢を整えた――― 『無駄ァ!』 「ぐおッ!?」 ―――と、同時に強烈な衝撃が銀時を襲う。 その衝撃を受け、足掻く事すら出来ずに宙を舞う銀時の身体。 一直線に吹き飛ぶその身体は、ビルの一面に備わった窓ガラスを易々と突き破り、数回のバウンドの後、向かいのビルに激突した事でようやく止まる。 銀時が起き上がる気配は―――ない。 「ふふ、これでもかなり手加減したつもりだったのだがな。やはり人間相手にザ・ワールドを使うのは少し大人気なかったか」 数瞬前まで銀時がいた空間に身を置きながら、謎の襲撃者が言葉を零す。 男の名はDIO。 人間を超越した存在であり、最強のスタンドをしたがえるスタンド使い。 DIOがこのビルに潜伏を始めたのはゲーム開始と同時の事。 ビルの中に隠れ、情報の整理や事態の把握に時間を裂いていたのだが……そこに銀髪のサムライ・坂田銀時が現れた。 彼の方針は参加者の全滅と、自分をこんな低俗な遊戯に参加させた兵藤和尊の抹殺。 DIOはその方針に従い、銀時を殺害すべく後方から接近し、そしてザ・ワールドの一撃を打ち込んだのだ。 「さて戦いの前の腹ごしらえとするか」 右手を掲げパキパキと指を鳴らしながら、舌なめずりと共に銀時へと近付いていくDIO。 彼の食料は人間の血液。美味そうには見えないが、腹が減っては戦は出来ぬという方言もある。 自身の食欲に従い、DIOは仰向けに倒れる銀時の側に立つ。 「私の栄養分となれる事を誇りに思うが良い、人間―――ッ!?」 そして、膝を付き右手を振り上げたところで―――自身の側方へ身体を隠すようにザ・ワールドを展開した。 展開と同時に、ザ・ワールドが前方の空間へと拳を走らせる。 その拳に弾き飛ばされるは、音速に迫る速度でDIOへと飛来する弾丸。 DIOは不快げに鼻を鳴らし、弾丸が放たれた方向へと顔を向ける。 そこには黒色のゴスロリ風なワンピースを着た少女が十字架を掲げ、立っていた。 「……不意打ちとはなかなか面白い真似をしてくれるじゃないか」 「その人は私と遊ぶ約束をしたの。それを横取りするなんてダメよ」 弾丸を防いだザ・ワールドを前にしても、少女の笑顔は相変わらずのもの。 天使の如く微笑みと美声で吸血鬼へと語り掛ける。 「……でもさっきので死ななくて良かったわ。お兄さんと遊ぶのも凄く面白そうだもの」 「ふん、まぁ良い」 対する吸血鬼も小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、少女の方へと身体を向け直す。 最強のスタンドもその後方にて重なるように立つ。 二人の狂人が相対する。 「ふふ、あなたは私と同じ臭いがするわ。血と硝煙、どぶと路地の腐敗した臭い……あなたは私と同じよ」 「このDIOが貴様如きと同じだと? ハッ、路端の糞にも劣るつまらんジョークだ」 互いに皮肉を交わし、そして二人は殆ど同時に動き出した。 少女は引き金に掛かった指へ力を込め、DIOはザ・ワールドを稼働させ拳を振るう。 始動は同時―――だが根本的なスピードに天と地ほどの差が存在する。 少女がトリガーを引き抜くよりも早く、命中するザ・ワールドの右拳。 その一撃は少女の肋骨とそれに守られた内臓とに甚大なダメージを与え、少女を地に叩き伏せる。 少女の口から鮮血が漏れた。 「見た目の割りには、なかなかな使い手だったようだが……所詮はこの程度。 スタンドすら使えない人間がこのDIOを倒そうというのが、そもそもの勘違いなのだ」 血反吐を吐き、痛みにうずくまる少女を見下ろし、DIOが語る。 その顔に宿るは変わらぬ確信の―――自身の勝利を信じきった―――表情。 少女が落とした機関銃をデイバックへと放り込むと、DIOは少女の襟首を掴み上げ、苦痛に染まったその表情を観察する。 少女の表情を見つめ、DIOの口端を持ち上がる。 「だが、子供の身で私に挑んだその勇気は認めてやろう……最後に何か言いたい事はあるか?」 圧倒的な余裕から生まれたその言葉を聞き、少女もDIO同様に口の端を持ち上げた。 今までのような天使の微笑みに幾分かの苦痛の色を滲ませ、吸血鬼を見詰める。 「何を……ゲホっ、ゴホっ……勘違い、してるの……? ふふっ……ゴホっ……私は、死なないの、よ……たくさん、人を殺してきたの…… 私は……それ、だけ生きることが……でき、るの……」 そう言う少女の瞳に宿る狂気に、さしもの吸血鬼も一瞬だけではあるが閉口してしまう。 そして、小さく溜め息をつくと、右手を振りかざす。 「それが貴様の思想か。くだらん、反吐がでる程にくだらん思想だ……」 不老不死である吸血鬼は心底から呆れた様子で少女を見詰める。 この期に及んで絵空事を信じ込み、頼どころとする精神……人間を超越したDIOには理解する事ができない。 人間を超越したDIOからすれば、その思想は人間ならではの弱小さを露呈したように感じるだろう。 DIOは眼前の少女に些かの失望を覚えつつ、右手を開き手刀の型へと変化させる。 「死んで目を覚ませ、狂った少女よ」 冷徹に、冷酷に、言い放ちDIOは手刀を走らせる。 ダメージにより身動きの取れない少女にとっては不可避の一撃。 だが、その一撃を前にしても少女の顔には微塵の恐怖も浮かばない。 ただ笑顔のまま迫る手刀を見詰め、そして―――その表情が驚愕に移り変わった。 笑顔が消え、目が見開かれる。 余りに唐突な表情の変化……その変化にDIOも気付きはするが、些末な事だと流してしまう。 死の間際にてようやく、信じ込んでいた思想の愚かさを理解したのだろう……その程度の事だとDIOは決め付けてしまう。 彼が、自身の決め付けこそが誤りだったと知らされるのは数瞬後の事。 「目ぇ覚ますのはお前だよ、このロリコン野郎」 ―――その言葉が鼓膜を叩いたその時、DIOは少女の表情が意味する真意を読み取る事ができた。 しかし、時既に遅し。 後方から振り抜かれた刀により、少女を貫く筈だった彼の右腕はスッパリと斬り飛ばされた。 予期せぬ一撃に少女を掴む左手の力が緩む。 その決定的な隙を見逃さず、後方から躍り出た人影が少女を奪い取った。 そして奪い取った勢いそのままに、少女を脇に担いだまま人影が走り出す。 「貴様……いつの間に目を覚ましてッ!!」 地面へと墜落した右腕に目もくれず、DIOは憤怒の表情で走り去る人影へと言葉をぶつけた。 勿論、人影が律儀に返答をしてくれる訳がない。 天然パーマの銀髪を上下に揺らし、右に刀を左に少女を持ちながら人影―――坂田銀時は全力で走り続けた。 「チッ、逃げ足の早い奴だ。追い付く事も可能だが……此処は腕の回復に努めた方が得策か」 見る見る小さくなる銀時の背中を見詰め、DIOが一人呟く。 斬り離された自身の右腕を事も無げに拾い上げると、傷口に接触させた。 ジョナサンの身体を乗っ取った事により治癒力は大きく減衰しているが、この程度の傷ならば問題ない。 このまま長時間接触させておけば、その内に全快している事だろう。 「とはいえ我が右腕を斬り落とした罪は大きいぞ、銀髪の男よ」 表向きは冷静を装っている彼であったが、心の内では銀時に対する灼熱の怒りが渦巻いていた。 ザ・ワールドの一撃を喰らっておきながら、ゴキブリ並の生命力でいち早く戦闘の場に復帰した男。 帝王たる自分の右腕を斬り落とした男。 許せない、許す訳にはいかない男だ。 「殺す……貴様はこのDIOが必ず殺してやるぞ……!」 憤怒の吸血鬼が歩き出す。 その右手から血液をこぼしながら、怒りに身を任せながら……吸血鬼が殺し合いの場へと踏み出した。 【一日目/深夜/H-6・市街地】 【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]右腕切断(治癒中) [装備]なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1~3、ダブルファング×1@トライガン・マキシマム [思考] 1:参加者と主催者を殺害 2 怪我を治す為に血が欲しい 3 銀髪の剣士(坂田銀時)は自分の手で必ず殺す ■ □ ■ □ そしてそれから更に数分が経過した市街地、銀時は路地裏に座り込み乱れる息を必死に整えていた。 体力にはそれなりの自信がある銀時であったが、大した間を置かずの連続疾走は流石に応えたらしい。 無言で深呼吸に努め酸素を肺へと送り込んでいた。 「何、で……?」 そんな銀時の横には一人の少女。 少女は痛みに顔を歪めながら、銀時へと疑問を投げ掛ける。 一度自分に殺され掛けた男が何故助けてくれたのか……純粋な疑問から少女は問うていた。 「おー痛て、あのカマ野郎思いっ切り殴りやがって」 銀時はその問いを無視し、少女の横へ並ぶように腰を下ろした。 ポリポリと頭を掻きながら、上手そうに水を煽り、大きく溜め息を吐く。 「……どんな危ないガキだろうとガキはガキ。こんな訳の分からねー殺し合いで死ぬ必要はない……俺の信念に従っただけだ」 相変わらずの無気力な瞳で銀時が答える。 「俺もお前みてーな危険なガキと一緒にいたかねーよ。ただこのまま死なれても寝覚めが悪ーしな、取り敢えずその傷を治療するまでは一緒に行動してやるよ。 ……あとお願いだから暴れないでね、ホント頼むから」 その返答に対して、少女は呆けたような瞳を一瞬浮かべ、そして微笑んだ。 今まで変わらぬその微笑み、だがその裏に殺意という感情は無い。 「ふふっ……お兄さんって……ホントに変な人ね」 「いや、お前程じゃないから。ホントマジで」 「……ゲホっ……ねぇっ……私の、デイバックから……水筒を取ってくれないかしら?」 「水筒? ……お、これの事か?」 「それを、飲んで……みて……」 「? これを? 俺が?」 「良い……から……」 少女の言葉に首を傾げながらも、銀時は水筒の中身をキャップへと移し、一口飲み干す。 その途端に変化は訪れた。 腹部から発せられていた鈍痛が弱まり、身体中の疲労が和らぐ。 「……何だこりゃ?」 謎の事象に驚きを見せつつ、銀時はこの魔法の液体をくれた張本人へと視線をやる。 「私の……支給品なの……あの紙に書いてあった事は……やっぱり、嘘じゃ……なかったみたい……」 言い切ると同時に、少女は力尽きるように意識を失う。 一瞬死んでしまったのかと慌てる銀時であったが、胸部が上下してる事に気付き安堵の息をこぼした。 「……こんな便利な物があんなら、まずは自分で飲めっつーの。てめーの方がよっぽど重症だろうが、全くよお」 銀時は、気絶する少女へその顔色が良くなるまで液体を与え、自身もまた液体を少しだけ飲む。 完全に消えた疲労に、具合を確かめるように肩や腰を伸ばした。 そして、大きく今日何度目かの溜め息。 気絶する少女の横で足を伸ばしながら、真っ暗な天を見上げた。 【一日目/深夜/H-7・市街地路地裏】 【グレーテル@BLACK LAGOON】 [状態]健康、気絶中 [装備]なし [道具]基本支給品一式、ダブルファング×1 [思考] 0 気絶中 1 バトルロワイアルを楽しむ 【坂田銀時@銀魂】 [状態]健康 [装備]銀次の日本刀@BLACK LAGOON [道具]基本支給品一式、ファウードの回復液(700ml/1000ml)@金色のガッシュ!!、四五六サイコロ@賭博破戒録カイジ [思考] 1:グレーテルを守る。また新八と神楽を探す 2:カマ野郎(DIO)を警戒。 3 首輪も解除したい Back 会【まじんとこたえをだすもののであい】 時系列順で読む Next ヒカリノソトヘ Back 会【まじんとこたえをだすもののであい】 投下順で読む Next ヒカリノソトヘ GAME START 坂田銀時 Next GAME START グレーテル Next GAME START DIO Next
https://w.atwiki.jp/filinion/pages/444.html
「襲撃前のとある夜 アニエスとイルドルフ」 扉をノックする音に、女性の涼やかな声が、入室を許可した。 部屋に入って来たのは神父服を着た中年の男だった。 「こちらに居る事の方が多いのですね、アニエス導師」 低い男の声だが、それは威圧感よりも安心感を与える。 「アカデミーの若い子たちに囲まれていた方が、気持ちが高揚するもの。 ようこそ、『マトレイヤの少年』イルドルフ君」 手にしていた書類を机上に降ろしながら、いたずらっぽい口調でアニエスが笑う。 「……照れますね。アニエスさんの前では、ほとんどの者が子供扱いされますよ」 何も知らない第三者が居れば、それはおかしな会話に思えただろう。 入室した男、イルドルフ司祭は、年齢のわりには鍛えられ引き締まった体をしていても、少年などと呼ばれる年齢ではない。 薄茶色の髪にはわずかに白髪が混じっているが、それは『衰え』よりも『成熟』を感じさせる。 その完成された立ち居振る舞いは、彼の肩書きを知れば誰しもが納得するであろう。 法王庁のエリートである『異端審問局 第7課課長』。 最難関と言われる異端審問官の、その彼らを束ねる課長である。 そして彼を少年と呼んだ女性、アニエスは20代の中頃に見える美しい女性だ。 くせのある金髪を軽く掻き上げ、眼鏡をかけ直す様はどう見てもイルドルフよりも若い。 彼女は男に椅子を勧め、自らはもてなしの準備をする。 「何にする? ブレカーニ製の紅茶があるけれど」 楽しそうな様子で、金髪の麗人は茶の準備をし始める。 「では、それを戴きます」 答える客の男は、無表情だ。 だが、親しい者が見ればいくらか和んでいる表情だと分かるかもしれない。 アニエスは、国家錬金術師である。 それも最上級である『第一階位』であり、アカデミーの校長をも兼任している。 彼女がその気になれば茶の準備など、両手ほどの数の者たちに任せる事も可能だ。 だが、彼女はそれを他人には任せない。 『私の気分転換を邪魔しては駄目よ。それに、もてなしは技術よりも心なのだから』 と微笑み、頑(かたく)なに自ら淹れる。 「……………」 出された紅茶を飲み、イルドルフは安堵にも似た溜め息をつく。 アニエスも優雅にカップを傾け、最高傑作に満足するように、うんうんと頷いている。 「それで………やはり話にくい事なのね。その理由も、私を気遣ってかしらね」 かちゃり、とカップが音を立てる。 彼女の表情は、イルドルフからしても変化が伺えない。 この年になっても、まだまだ修行が足りないと男は思う。 イルドルフの心の迷い、気遣い、ここに来た理由のほとんどを看破されたのだから。 「……先日、第四教区パナコスの砦が襲撃されました。その場に残された血文字です」 アニエスは静かに報告書に目を通す。 ただそれだけでも、まるで完成された一枚の絵画のようだ。 「……………」 彼女の表情は変わらない。 だが、それが逆にアニエスへの衝撃の大きさを物語っている。 常の彼女は、不自然なまでに表情豊かであるから。 『親愛なる 姉へ 止まった世界を動かしましょう 9本の逆十字と、無数の装飾逆十字によって 止まった時を動かしましょう 永い時を歩いてきた数少ない子供たちの手で』 アニエスは軽く溜め息を吐くと、書類を戻す。 「実は同様の報告が、第10教区『アストリテ教会』でもあってね……」 彼女は別の書類を、イルドルフへと渡す。 その報告書はなんの飾りも無い味気ないものだ。 だが、その内容は簡潔かつ要領を得ている。 報告作成は……法王庁第8課。 「そう、ライナス君もほんのちょっと前にそれを送ってくれたわ。 忠告もされた。……ふふっ、皆いつまでも子供じゃないものね」 「あいつは昔から、子供じゃありませんでしたよ。……別格でした」 懐かしい記憶の甘さと苦さを噛みしめながら、イルドルフは呟いた。 「……………」 同様の台詞をライナスも漏らしていたのだが、アニエスはただ黙っている。 他人である彼女が口を出すべきでは無いと思っているからだ。 『アニエス姉さん』 銀髪の妹だった存在を思い出し、男と同様に過去の味を噛みしめる。 だがそれは、表情には微塵も表れない。 長い経験による長所とも短所とも言える。 変わらぬ微笑のまま、軽い自己嫌悪に陥る。 「警戒レベルを1段階上げましょう。それ以上は必要無い……犠牲者が増えるだけだから」 紅茶はすでに冷め、酸味が強く感じられた。 「それでは失礼します。『アニエスさん』」 「ええ、またね。『イルドルフ君』」 出会った頃の呼び名で、二人は別れた。 後に片方は、これが二人の最後の挨拶であった事を思い出すことになる。 聖都ロンバルディアを見下ろす錬金術師協会本部『賢者の塔』。 月光に照らされた屋上には、その白銀を照り返すような髪を持つ女性が一人。 「ふふっ……ふふふふふっ…………」 彼女の笑い声が夜風に流れる。 漆黒の闇の中を、人々の生活の光が宝石のように輝く。 街を巡回し終えた冷たい夜風に、彼女の銀髪が舞い上がる。 「醜いわね」 聖都ロンバルディアの夜景は、『価値が付けられないほどの高価な芸術品』と評する者がいるほどだが、銀髪の女性、ラニエル・ベルザインは逆の評価を下す。 くせ一つない手入れされた髪を掻き上げるだけで、それは完成された女の美しさを醸し出す。 甘い女の声は、その声色とは逆の言葉を発する。 「虚飾に満ちている偽善の都。本音、本心を包み隠し摩耗するだけの日常。 偽りの平和、虚偽の教え、強者に従順な豚どもを作り上げる柵の中の景色……… あなたは、そう思わない? アニエス?」 振り向いたラニエルの微笑は、世のほとんどの男を魅了するであろう。 それほどまでに美しく、完成された美貌。 「……戦乱で無為に散っていく命を美しいと思うのならば、この都は醜く見えるかもしれない。 けれど、間違いながらでも必死に生きていこうとする人たちを、彼らが作った都を、私は美しいと思うわ。ラニエル」 塔の屋上には、二人の女性の姿がある。 銀髪の艶やかな髪を踊らせ、微笑を浮かべるラニエル。 金髪のくせのある髪を靡かせ、ゆっくりと歩むアニエス。 「待ったわ……この日を待った。 何百、何千の太陽と月とがこの腐った世界を照らす日々を過ごした。 ベルザイン父様が居なくなった無味乾燥の世界の終わりを願った。 そして………あなたをこの手で殺すこの日が来るのを待ちわびたわ、アニエス」 まるで愛しい家族に再会したような、美しい微笑でラニエルが告げる。 殺意が膨らみ、熟成され、それは『愛憎』と呼ぶべきものにまで昇華されたのかもしれない。 彼女の微笑みは美しく、そして殺意に満ちている。 「さあ、始めましょう! 終わりの始まりを!」 ラニエルの言葉を合図にしたかのように、彼らは、9本の逆十字は動き出した。
https://w.atwiki.jp/kaihi/pages/79.html
堀江貴文(ほりえもん)の割と有名な発言を引用したら、ユメニモ人格障害アスペに 俺独自の見解だと思われ発狂されたでござる。そのログを晒す。 425 :優しい名無しさん[sage] 投稿日:2011/03/20(日) 00 50 32.50 ID UScSpCL6 [3/8] 407 君が働いても、例えば月に20万稼ぐために社会全体で30万のコストがかかってたりする それならはじめから20万もらって消費者として貢献し、創作活動や社会活動やボランティア、 家事などを一生懸命やればいい 人々に「自分の足で立ってる、自分は働いてて偉い」という喜びを与えるために、 社会全体でより多くのコストを負担して雇用を生み出してるというケースも多い 429 名前:優しい名無しさん[sage] 投稿日:2011/03/20(日) 01 09 32.68 ID c1mUTpiB [1/2] 相手したら他の住人さんに怒られそうだけど、さすがに支離滅裂過ぎるので一つだけ 消費者として社会に貢献なんてのはちゃんと働いてる人間も当然してるんだけど…?w 20万稼ぐためにコスト30万とか悔し紛れの妄想乙過ぎるし 小学生でももう少し社会について知ってるよ こう言われると必死にネット検索してそれっぽい胡散臭いソースでも貼るのかな? 溜め息しかでないね、まったく こういう痛々しい方の存在は脱ヒキ目指してる人を後押しするだろうからいいっちゃいいけど なんとも情けない気持ちになるわ 434 名前:優しい名無しさん[sage] 投稿日:2011/03/20(日) 02 08 22.07 ID c1mUTpiB [2/2] なるほど…世間知らずが「穴掘って埋めるような不要な仕事もある」という事象から 飛躍的に「20万の仕事に30万のコストがかかってたりする」という事象を妄想したということか 普通に考えて一般企業でそんな事が横行していたら会社は潰れてしまう 単純な足し算のお話ですよ? 実際に参加したことのない世界をあえて歪めて見ることで自我を保つのも結構 でも、あまりにも頓珍漢な事ばかり言ってると笑われるよ 世間を知らない人間が「そういう仕事も多い(キリッ」という発言もそう 散々おもちゃにされてきた今さら言っても遅いか 432 偉そうなんて感じなかったから大丈夫ですよw あまりに世間知らずで理に適ってない発言に唖然としてつい突っ込みいれてしまった よく考えたら、本気であんな事考えてる成人がいるとは考え難いし釣りだったのかもしれない そういう事にしておこう 釣られた俺、乙 きっと寝不足なんだな寝ます 月20万の給料を貰って、実は社会全体は、その労働を作り出すのに月30万のコス トをかけている、というような。だったら、ダイレクトに20万渡せば10万円セーブでき るんじゃないかと思う。例を挙げるのはここでは控えるが、いくらでもあると思う。 引用元 http //ameblo.jp/takapon-jp/entry-10178349619.html
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/26.html
「あちぃー!」 タンクトップで外に出たVIPは陽射しの強さに顔をしかめた 今年の夏は例年より何度も暑いらしく、コンクリートが鉄板に見える サンダルが暑さで溶けたりしないだろうかなんて思いながら近くの駄菓子屋に出向く 駄菓子屋に着いた時点で汗がかなり出ていて、喉はかなり渇いてる 「あっちぃ・・・アイス食おっと」 VIPは駄菓子屋に入り冷凍庫の中を覗く、レモンのかき氷にレモンの輪切りが乗っているアイスが丁度あってVIPはそれを手にした 「うは、つめてぇ」 生き返るようなアイスの冷たさにVIPは両手でそれをグルグル手の中で回す 「あ、VIPお兄ちゃんだ」 聞いた事のある声にVIPは振り返った 一瞬ラウンジかと思ったが、クラウンの間違いだったようだ 「お、おいすー」 「アイス?いいなぁ」 「奢ってやらねぇ」 VIPは駄菓子屋のおばちゃんに100円払ってアイスをさっさと購入した 「えー!けっちぃ」 「ラウンジに買って貰えよ」 VIPはアイスの蓋を開けると木のスプーンで固まっている氷をシャリシャリと砕く 「一口だけでいいから!」 「うっせぇなぁ・・・ほら」 VIPはアイスを掬うとクラウンの口の前に差し出す クラウンはそれを口に入れるとありがとうと言って同じのを買ってる 「お前、味見かよ」 VIPはアイスを食べながらクラウンを見ていた 「だって美味しかったしぃ」 隣りに座ってアイスを食べ始めるクラウンにVIPはクラウンもラウンジも性格同じだなとちょっと関心した 虫の声がずっと聞こえてて煩くて眠れない! VIPは散歩でもするかと下にジャージを履くとサンダルで外に出た もう夜の12時だけあって外は少し涼しく、風は微妙にふいている程度だった 「なんかねぇかなぁ」 そんな事言っても誰も出てこない、公園をグルリと周って帰ろう そう思いながらのんびりと自分の足音と虫の声を聞いていた 「あっれ?VIPだ!」 「ん?音ゲー?」 「久しぶりだねぇ」 音ゲーは自転車から降りてVIPの歩く速度に合わせる 「お前、こんな時間に何やってんの?」 「いやぁ・・・熱中しちゃって・・・」 そう言いながら頭を掻く音ゲーにVIPは苦笑いをする そんなに熱中できて羨ましいような気もしてくるから不思議だ 「VIPは何やってんの?」 「散歩だよ」 ふーん、と興味なさそうな返事にVIPはまた苦笑いをする 「お前、家まで送ろうか?俺暇だから」 「何それ?新しいナンパ?」 からかう音ゲーにVIPは溜め息を付きながら欠伸をする 「別に、暇潰し」 「んー?じゃぁお願いしよっかなぁ」 音ゲーの家は結構近くだった 何とも巨大な屋敷に住んでるもんだと顔を引きつらせた 「こっこぉ!」 「お前が音ゲーが出来る理由がよくわかった」 VIPは何故か帰り道が寂しく思えた 財布が軽いよ・・・
https://w.atwiki.jp/yukue/pages/346.html
私はある人の噂を聞いて、その人をよく見かけるというギアステーションにやってきた そこに入ってすぐに目に留まったのは、男性と話している同じポケモンを数匹連れた女性だった これもまた噂で聞いたのだが、あの男性は「ジャッジ」とかいう事をするらしい そして男性と話をしている女性こそ、私が捜していた女性だった 女性といっても10代後半の若い女性で、そこら辺のポケモンと楽しく暮らしている子達と見た目はさほど変わりはない …見た目は、の話だが 意外と早く発見したので少々拍子抜けしたが、まずは男性と話している様子をうかがう事にする 男性から何か言われると、女性はとても嬉しそうな顔をしていた 女性は男性に別れを告げるとポケモン達をボールへしまい、近くのトレインの出入り口へと向かう 私は思わず女性を呼び止めた 「すみません!」 「…?」 女性はこちらを振り向いたが、先程の嬉しそうな顔は何処へやら…とても悲しげな表情をしていた その表情に少し戸惑ったが、私は彼女に近寄って彼女の名前を伺った …やはりあの人だ 確信した私はまず名乗り、噂を聞いて来たと前置きをしてから彼女に問い掛けた 「先程男性に見せていたポケモン達…どうするおつもりですか?」 「…」 答えは分かっている。大体の廃人という人々は答えなくとも「逃がす」だろう だが、彼女は噂だと… 「…ごめんなさい」 彼女は今にも泣きそうな顔で、素早く私の横を駆け抜けていった 正直、言い訳でもしてごまかすだろうと予想していたのだが…まさかいきなり逃げだすとは 私は慌てて彼女を追いかけて行った… ギアステーションを出ると、彼女の姿は無かった 空を飛ぶポケモンを使って逃げたのかと思って空を見上げてみたが、空はただ青いだけだった 今なら見つかるだろうと彼女を捜す為に飛行ポケモンを出そうとした時、私の足元に何かが転がっているのに気付いた …モンスターボールだ 男性に見せていたポケモン達が入っている。その数は4つ 手持ちは基本6匹までだから…おそらく残りの一匹は移動用のポケモンで、もう一匹は彼女が嬉しそうな顔をした程「ジャッジ」の結果が良かったポケモンなのだろう 何故ここに4匹を置いたのか、あるいは落としたのか…私は悪い予想しかつかない 私はモンスターボールを全部拾いあげて溜め息をついた 「どうしてこんな事を…」 本当は私も分かっている トレーナーとして強くなる為に強いポケモンを選び、育てる為だ 強いポケモンを産もうとすれば、おのずと弱いポケモンも産まれる。廃人と呼ばれるトレーナーにとって、弱いポケモンは不要なのだ だから弱いポケモンを逃がす そして今の時代はポケモンを大量に逃がすと重い罪を被る事になる だからこっそりと逃がしたり、他人に譲るという名の配布をしたり、彼女の噂のような事をする人々がいるのだ …でも、このポケモン達が彼女から離れる事が出来たのは幸いだったのかもしれない あの噂が正しければ、彼女はポケモンを逃がす事よりも罪深い事をしているのだから…
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/201.html
786 名前: 766 ◆6XM97QofVQ 投稿日: 2006/08/14(月) 18 28 38 天然人工精霊憑きの杖、だったような……? ……ダメだ、思い出しちゃいけない。 ど忘れしていたんじゃない、思い出さないようにしていたんだった——!! なにせあれは一生もののトラウマだ。 あの記憶に触れたら、多分SAN値が低下して発狂してもおかしくない。 なにしろあの時の騒ぎといったら尋常じゃなかった。 虎が組の人を巻き込んでの町内爆裂大騒動、通称『冬木〜虎の乱〜』を巻き起こした元凶の事件なのだ。 一次被害が極小(被害者・俺と藤ねえ)なのに対し、二次被害である冬木〜虎の乱〜が冬木市の半分。 河を境にした深山町側全域に及ぶというキチ○イ沙汰だったのである。 未だにご町内の皆様の心には深い傷を残しているらしく、一度話題に上ればその場の全員が沈黙すること請け合いらしい。 さて、その一次被害とはなんだったかというとくぁwせdrftgyふじこlp;@:ふんぐるい むぐるうな くとぅるー 「————はっ!」 布団を跳ね除けて飛び起きる。 そこは自室。何度見渡しても、そこは見間違えようのない我が寝床である。 「……ふぅ」 溜め息を吐いて、なんとか乱れた呼吸と激しい動悸を整える。 ……悪夢を見た気がする。いや、絶対に見た。 なにやら広い荒野に浮かぶ巨大なファンシーステッキだとか、悪夢の魔法少女(?)カレイド・タイガーだとか。 手を広げてみる。当然のことながらそこにあるのは五本の指。 決して何も掴めそうもないのに物を掴める丸っこい某ネコ型ロボットハンドではない。 まして、身体がぬいぐるみ・使い魔仕様であったりすることなんて断じてない。 ……記憶の深遠に更なる悪夢が眠っている気がするが、それこそ真実パンドラボックスだ。絶対に触れてはいけない。 頭を振って、邪悪な考えを取り除く。 背中は汗でびっしょりと濡れており、肌に張り付いたシャツが気持ち悪い。 寝汗、というには異常な量だ。脂汗とか冷や汗とかに近いような気がする。 「……シャワーでも浴びてこよう」 背後でカタカタ振動している、鎖で雁字搦めになっている箱のことはあえて無視する。 なにやら夢の影響で覚醒してしまったらしい。 共感魔術って使えたっけ、俺? とりあえず鍵が外れていたり鎖が緩んでいない事だけは確かめて、俺は土蔵から足を一歩踏み出した。 途端に、嗅覚が朝食の匂いを察知する。 「あれ、桜もう来てるのか」 縁側から居間を超えて台所を覗いてみる。 最近では俺を起こすことを楽しみにしているらしい後輩は、朝っぱらから精が出ているご様子。 ちらっと見た感じでは、俺が今更手伝わなくてもすぐに終わってしまうように思えた。 さて、それじゃあどうしようか——— え.予定通り、シャワーを浴びる。 み.虎の襲撃に備え、トラップ設置。 や.……なにやら電波を受信。全裸になろう。
https://w.atwiki.jp/suka-dqgaesi/pages/3960.html
254 :名無しさん@HOME:2009/10/30(金) 10 13 46 O いびりたいオーラ丸出しで実際にいびってくるトメ(七十代前半。旦那は二十代で所謂高齢出産した末っ子長男のため可愛くて仕方ない。旦那はウザがっているが) だが、正直ハンパなく頭が宜しくない。 自分が五十代で現役(シモが。パートもしてたらしいけどその頃はバブル景気が弾けてたから当たり前かと)だったからと威張り、 本当にテンプレなんだなって感じで「うまずめって知ってる!!主婦になったのに子供を作れないで・き・そ・こ・ない!のことなの!」(?が感じられない話し方) と言うから「はぁそうですね。で勿論書けますよね?」とトメ自作のチラシ裏メモ一枚と、一緒に置いてある鉛筆を取って差し出すと「ふぇっ!?」って顔で ペン先揺らし、結局「馬女」って書いた。流石にそれはない。 「子供が産めないなんて馬にも劣るってことよ!」と一応動揺は見せず勝ち誇るトメに 「産まない、女。なんですよね?」と言いながら「不産女」と書いたら分かり易く「はっ!( ゚д゚)」となる。おばかさんめ。 でもそれで「そうとも書くわね。でも読み方の発祥はこっち(馬女を指して)よ」と食い下がる。つか実際の書き方なんか知らんわ。 255 :名無しさん@HOME:2009/10/30(金) 10 15 27 O 概ねそんな感じだったんだけどいい加減相手が面倒になった頃にDQN返しした。 長男生まれて一年ちょいした後に義実家詣出をしなきゃいけなくなって、部屋にはトメ・旦那・私(ウトは長男と一緒に別室にいた)になった。 そしたらトメ、「いい?昔から一姫二太郎って言うでしょう。あとふたr「うわーん!トメさん酷い!酷いよ旦那あぁァー!」 と私は思いっきり被せた上で号泣のフリ。旦那の胸に顔押し付けてるからバレない。頑張ってひぐひぐしてたら鼻水出て来て丁度よくぐすぐす音が出た。 流石にファビョるトメ、表情は分からないけどぎゅっとする旦那(正直勝った!と思った)、寝かしつけて戻ってきたら息子嫁が泣いてて動揺のウト。 「うぇっ、うぇ…」と内心語尾にwwwを付けてる私を抱きつつ「お袋酷いわ。お袋のことだから間違って覚えたんだろうけど(見抜かれてる)、 説教に使うんならちゃんと調べろよ。腹痛めて産んだ嫁子が泣くのも仕方ないだろ。あのさ、お袋がさ…」とトメの言葉を言う旦那。 うはぁ…。って感じに溜め息つくウト。 それからはトメ吊し上げタイム。私はちょこちょことトメの所業(うまずめ話とか)を暴露。思い通りに進み、これ以上バカ語録で 嫁を傷付けないように、とトメを私と二人きりにすることはなくなった。(旦那いれば会ってもいいよ、と私が言った) トメがバカで楽しかった話。 256 :名無しさん@HOME:2009/10/30(金) 10 17 48 O あ、長男って書いたの直してなかった。 文脈で分かるかとは思いますが最初の子です。 次のお話→257
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/9638.html
登録日:2012/04/22(日) 11 01 11 更新日:2024/04/30 Tue 19 03 04NEW! 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 うすた京介 おまけ エルフ耳 オンディー キャンディー セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん ニクい マサルさん 会議 故人 花中島マサル ふう~う…実に素晴らしい会議だった! 特にキャンディーにまぎれてオンディーが入ってるなんざ… なかなかニクイ演出だったぜ…! 漫画『セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん』の登場人物。 エルフ耳に頭にレバーのような1本の太い触角がついている容姿の老人。1912年に生まれ1989年に亡くなった事以外の詳細は不明。 全国大会でカブキ高校との決勝戦を控え、時間に余裕があるので作戦会議を行う場所に移るために手抜きな絵で歩いていたヒゲ部一行。 その途中でモエモエはメソが行方不明になってしまった事を思い出し、ヒゲ部はマサルを取り残して捜索に行った。 マサルは仕方なくこめかみに指を当て一人で秘技・マサル会議を発動、頭の中に住む数人のマサル達で作戦会議を始め色んな意見やちょっとした小話を言い合う。 会議のフィナーレには総勢607人のマサル達によるキャンディーのつかみ取り大会が行われ、今回の会議はキャンディーに紛れて7年前に他界したはずのオンディーが入っている素晴らしいものだった。 そしてマサルはマサル軽やかステップ(8ビート)でだばだばと歩き校長をマサルガリレイでからかいに向かった。 …というようにマサルの脳内の産物であり、さらに作中で写ったコマは1コマのみ、台詞は一切なくオンディーという人名もマサル会議の時に一度しか出ていない。 ボナンザよりも出番がなかったオンディーだったが、人気投票では16位と健闘した。 ちなみに15位はさかな柔道着で17位は沢村りえ。地味なキャラばかりだった。 うすた作品ではよくある使い捨てキャラだったが、単行本の余白ページでは度々登場するようになる。 1回目はオンディー初登場回の後。「ハァ…もーわけわかんねーよ… うすた」と書かれた文の下にうすた京介の代役で溜め息を吐きながら漫画を執筆していた。 2回目は花中島サトル(マサルの父)初登場回の後。またもや漫画を描きながら登場。「ペンが荒れてきてるって事……みんなにはヒミツォンディー。 うすた」と書かれた文の下に写っている。 3回目はフーミンが自分を見つめ直す回の後。ウスタの『お前のシャツ変なボタンついてんな』のコーナーの休載のお詫びに太股に手を当てて登場した。 最後は地獄校長編の前にリアルな画風で大きく描かれていた。 追記・修正をお願いしたいけどそこまで情報があるキャラではないこと…… Wiki篭りにはヒミツォンディー。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] アニメでなんかヒゲ部の後を付けてたような -- 名無しさん (2014-03-28 18 08 11) 名前 コメント