約 1,257 件
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/716.html
戦場に生きる者達(前編) ◆0hZtgB0vFY ガンダムのパイロットとは如何なる存在であろうか。 これを説明するには、まずパイロットとはどういった者なのかから始めなければならない。 ガンダムに限った事ではない。何時の世でもパイロットとは男子の憧れであり、それも戦闘機パイロットともなれば正に軍の花形といえよう。 それだけに限りなく狭き門を潜る必要がある。 反応速度や操縦機器への完熟、言うなればテレビゲームの延長みたいなモノを要求される部分も確かにある。 しかしパイロットにとって最も必要なものは、何よりも先に体力である。 これはレースドライバーを思い出してもらうのが一番てっとり早い。 人一人がようやく入れるぐらいの箱の中で、動かすのはアクセルブレーキを踏む足と、ハンドルを握りギアを変える手のみ。挙動はそれだけ。 なのに、地上で最も過酷なスポーツとしてあげられる程、人に厳しいスポーツなのである。 尋常ではない速度で、右に左に前に後ろにGがかかる。 コーナーが連続するポイントでは、ドライバーは呼吸をすら許されず、必死にステアリングを握り続ける。 絶え間なく襲いくるGを堪えながらの操作には十二分な程の筋力と、レースが終わるまでこの作業を続けられる体力と、たった一動作すらミスらぬ集中力が必要となる。 スーツの中は不愉快な汗で満ち溢れ、疲労に痺れる全身を鞭打ち、コンマ秒単位の動作のズレも許容しえぬ正確な操作を行い続ける。 これがどれほど厳しい作業かは、それこそやった人間でもなくば完全に理解する事は不可能であろう。 レース用マシンと戦闘機はつくりからして違う。比較の意味はないという意見もあるかもしれない。 確かに戦闘機のコックピットにはレース程厳しい重量制限も無い事であるし、よりパイロットに負担がかからぬような措置を多く施してある。 代わりにスピード制限も取っ払っているのだが。 過酷さでいうのなら、戦闘機パイロットの方がより過酷であろう。 レースドライバーも命賭けの厳しい世界であるが、何より大きな差は、レーサーは事故で死ぬ事はあっても、撃墜される事は決して無いということだ。 戦闘機パイロットは、死ぬよりマシと厳しい条件を、より高い能力で機体を乗りこなし生き残る為、自らに課す。 カタログスペック上では決してやってはならないと注意書きをされる程の大ループも、パイロットの安全を保証出来ませんと断言される程の急降下も、撃墜されるよりはマシと、成功する幸運に賭けてパイロット達は挑んでいくのである。 もちろんこれらを行った時、パイロットにかかる負荷は、負担は、陸上でどんな任務に就くよりも過酷で険しい状況を強いるだろう。 そういった極限の更に先を潜り抜け、初めてパイロットは生き残り、これを繰り返して生き残り続けた者が、エースパイロットと呼ばれるのである。 この会場に居る者では、例えばグラハム・エーカーやアリー・アル・サーシェスやゼクス・マーキスがそうであり、彼等は実戦の最中を生き残り続け、エースと呼ばれるに至ったのだ。 ではガンダムパイロットはどうであろうか。 ヒイロ・ユイも、デュオ・マクスウェルも、張五飛も、実戦経験という意味では先の三者には及ばない。 しかしそれを補ってあまりある才能と、他の追従を許さぬ程の訓練を積み重ねていた。 当時地球圏最強と呼んで差し支えない程のパイロットであったゼクス・マーキスですら、この三人が事も無げに操るレベルの機体に初めて乗った時は、操りきれぬと大怪我を負うハメになっている。 そんな彼等の体力は、筋力は、集中力は、そうした全てをひっくるめた基礎能力は、地球人最強レベルと言い切っても過言では無い程であったろう。 そうでもなくば、バーニアを全開でふかし続けるだけで鍛えられた軍人が血を吐いて死ぬような機体に、どうやって乗り続けられるというのか。 パイロット、機体を降りればただの人。などという台詞は、物を知らぬ素人の放言であろう。 究極の域に達したパイロットは、たかが機体を降りた程度では、その強さを奪い去る事など出来はしないのである。 初撃、これをかわせたのは運が良かっただけだと両儀式は心底実感する。 自らも刀を用いるからこそわかる、ただの一振りから発せられる呆然とする程の力量。 長身のおかげか、長大にすぎる刀身が不自然に見えない。 跳ねるように後ろに飛び下がれたのは一重に勘であり、それすら、二度通じるとは到底思えなかった。 まごうことなき怪物。しかし、式の目はこの場に集った異能は彼だけではないと見抜いていた。 デュオが五飛と呼んでいた男が短めの刀を振りかざし斬りかかる。 ちょうど襲撃者が長大な刀を振り下ろしたタイミング。熟達の者であれ、重量のある刀を振るった直後には刀の及ぶ範囲が限定されるはず。 当然のようにこの隙を狙っての一撃を放っているが、襲撃者の攻撃は今やったようにただ斬り下ろすのみではない。 真横に薙ぐのかもしれないし、突きかかるのかもしれない、袈裟に斬るにした所で右か左か逆か、全ての場合において、有効な隙のタイミングと箇所は異なる。 それを振り下ろした一瞬で見切ってから動くこの反射速度は常人のそれではない。 読みで動くにはあまりにこの襲撃者の情報が無さ過ぎるのだから、見てから動いたと考えて間違いない。 少なくとも式の知るどんな術技であれ、五飛の斬撃を受ける術なぞ存在しない。 それを襲撃者は事も無げに受け、あまつさえ刀を振るった五飛ごと弾き飛ばしてみせる。 いつのまに振るった刀を戻したのか、それすら見切れなかった。 手練の技というより最早魔術の域だ。 「使え女!」 五飛がもう一本の刀を放ってくる。 ぎりぎりで間に合ってくれた。手持ちのひしゃげた短刀ではコレ相手にお話にならない。 右手で受け取り、逆手に構えたこれで頭上から振り下ろされる刀を受け流す。 そのまま流れるように反撃、とするつもりを続く連撃に阻まれる。 まただ。この襲撃者、振るった刀を戻す速度が尋常ではない程速い。常軌を逸した膂力の持ち主か、はたまた式にすら理解出来ぬ超常の技術か。 もしくは両方かだ。 二撃目、弾いた。三撃目、いなした。四撃目、刀を弾かれる。が、そこで連撃も止まる。 攻勢限界点に達したのではなく、側面より五飛が攻撃を仕掛けたからだ。 「邪魔だ女! その剣はくれてやるから何処へなりと消え失せろ!」 言葉通りに後ろに下がる。無論、この男の言うなりになったわけではない。 「ナイスだぜ式!」 デュオの射線を遮っていたのに気付いていたからだ。 下がれば撃てる。 常の拳銃音など馴染みが無いので、本来より大きな銃声にも、そんなものかと特に不思議を感じない。 襲撃者は何処から取り出したのか、鎌のような武器をもう一方の手に備えていた。 金属を弾く重苦しい音、厚さ十センチの鉄板にハンマーを叩き付けたような轟音であったが、当たった鎌が砕ける事も取り落とされる事もなかった。 実はデュオが持つ銃はハンドガンとしては破格の威力を誇るフェイファー・ツェリザカという拳銃である。 15.24mm専用弾とか何処のライフルかと。象を一撃で撃ち殺し、装甲車と正面からケンカが出来る唯一の拳銃なのだ。 総重量6.5kgの拳銃で、その重量でなくば反動が抑えきれぬ弾丸で、正確に敵を射抜くデュオの技量もまた五飛同様人並みはずれたものであろう。 もっともこちらは、式にまるで知識が無いため、凄さは全く伝わらなかったが。 本来の威力をあます所なく発揮した拳銃弾であるが、襲撃者、織田信長は鎌を弾かれるのみで堪える。盾代わりといった所か。 残る手で五飛の剣を捌きながら銃弾を見切るなど、人間のやる事ではないだろうに。 魔王だとか抜かしていたが、なるほど、口だけの男ではないらしい。 「それでも……お前の死も見える。なら、オレに殺せない奴なんて居ない」 初めはゆっくりと、三歩目から目に見えて速度が上がり、六歩目にはもう最高速まで跳ね上がる式の歩法により一瞬で間合いを詰める。 ただ刀の重量に頼るのではなく、全身の回転を、体重移動を斬撃に乗せられるのは式の技術あっての事だ。 軽量な式から放たれる重厚な一撃を、信長はこちらも受けではなく攻撃の意で刀を振るい、五分に受け止める。 いや、それでも式の威力は及ばず。手の痺れと共に後ろへと弾かれる。 それすら予定通りとばかりに、弾かれるに任せて体を捻り、続く信長の一刀を髪の毛3センチ分でかわし、背後からくるんと回した剣を叩き込む。 扇子を片手に舞いを踊るような身軽さで剣を振るうが、いざ打ち当たる瞬間の重さは舞踏ではなく武闘のそれだ。 受け止められた刀を軸に半回転、足払い、というよりはローキックのような一撃で体勢を崩しにかかる。 が、ダメ。微動だにせぬ信長は、近すぎる間合いも構わず横薙ぎに鎌を振るい、式は仕方なく大きく後ろに飛び下がる。 同時に五飛へも同じような攻撃を加え、こちらもまた距離を取らせる。 デュオは乱戦が収まると即座に銃撃を狙うが、武器が両方とも空いている時はおそらく効果が無いと機会を待つ。 「おい」 「何だ女」 「お前こそ邪魔だ。剣の礼にこいつはオレが殺しておいてやるからとっとと逃げろ」 「ふざけるな! こいつは俺が一人で倒す! 邪魔をするならお前も倒すまでだ!」 「面白い、やってみろ」 頭を抱えているのはデュオである。 「……なんだってこう、俺の周りにゃ協調性に欠ける奴等ばっか集まって来るんだよ……」 二人は、しかしいつまでもケンカさせてもらえる程、甘い相手を敵にしているわけではなかった。 暗き気配を大鎌に纏い、振り上げたその様の何と恐ろしげな事か。 式は右に、五飛は左に、即座に飛ぶ。反応速度は五飛が上、身のこなしは式が上だ。 さしもの信長もこの二人を同時に一撃で捉える事は出来ず、大鎌は空を切る。 いや、信長の狙いはそもそもがこの二人のみではなかった。 「チィッ!?」 風を切る轟音と共に信長の手より放たれた大鎌は、更に後ろのデュオを狙った一撃であった。 してやられたと振り返る式。五飛はそちらを無視して信長に肉薄する。 デュオはまるで五飛の信頼に応えるかのごとく、横っ飛びにこれをかわす。 こちらも先の五飛同様、見てから動いたというのに、大鎌が信長の手を離れた瞬間にはもうデュオの体は反応していた。 恐るべき反射神経であり、更にデュオは横っ飛びで崩れた姿勢のまま、回避に全集中力を注いだ直後にも関わらず、両手で拳銃を構え、放つ。 この神経の張り巡らせ方、九死に一生を得た直後ですら最大の力を発揮しうるよう鍛えに鍛えぬいた戦士の心は、例えモビルスーツを降りたとて失われぬのだ。 とても拳銃とは思えぬ轟音と、狙い済ました銃弾は信長が構える長剣でも弾きにくい足を狙う。 左の腿であるからかわすも至難。故に信長は半歩前へと踏み出すのみ。 鎧の形状を利用し硬度で弾きにかかるが、強き衝撃は信長の体勢をすら崩す。 「くっそ、本気で弾が見えてやがんのかこいつ」 そうでもなければこんな挙動とてもではないが不可能だろう。 それで充分だと五飛は低い位置より信長に迫り寄る。 「愚かなりっ!」 地面を剣先がなめるように滑り、五飛の眼前に刀が迫る。 これを五飛は更に低く、膝よりも低い位置まで全身をもっていき、前方斜めに刀を構える。 擦り削られる金属音は信長の剣力の強さと五飛の技術が競り合って鳴る悲鳴である。 五飛はこれでいなしつつ潜り、下より仕掛けるつもりであった。 信長は無論、小癪な技術ごと斬り伏せるつもりであったのだが、あまりの剣圧に五飛は攻撃に移れず、信長は低く構えられすぎていたせいで流しきられてしまった。 双方に不満の残る結果であるが、一人、式は待っていたと言わんばかりに上より信長に迫る。 信長は片手を刀より外し手甲にて弾く。手練の巧みさ故、式をして俊敏に動く手足のような先端部位は死の線を狙う事も出来ない。 それでいながら、信長はデュオへの注意をおろそかにしてはいない。 突きつけられた銃口に、逐一反応して何時引き金を引かれても構わぬよう備えている。 三対一の正に真っ向勝負である。 雄剣である干将を振るい、剣術というよりは体術の延長のような形で刀を振るう五飛。 雌剣である莫耶を振るい、正当な剣術により近い形で、しかし身軽な体を駆使して戦う式。 二人が信長を挟むように位置し、お互い引き合い、弾きあうように、交互に、或いは同時に剣撃を仕掛ける。 離れた位置からこれを見る事が出来るデュオは、戦闘の緊張感を失わぬままに、二人の呼吸の合わせっぷりに呆れる。 『仲良いんだか悪いんだかはっきりしろお前等』 肩や肘にエライ負担のかかる銃を、ここぞで放っては器用に衝撃を逃がし、易々と使いこなすデュオは、一人後方から戦況を確認出来る身だ。 どう戦うか、その決断はデュオが決めるのが一番効率的である。 『五飛と式の二人がかりでも、その上俺が銃で牽制してても押し切れねえ怪物だ。が、何時までも三人を抑え続けられる程体力はあるか?』 結論から言おう。 現代に蘇った剣豪両儀式と、武術を修めたガンダムパイロット張五飛、そして破壊工作のスペシャリストデュオ・マクスウェル。 この三人を相手に織田信長は、彼等より長く持ち堪えるだけの体力を持っていた。 一番消耗が激しく見えるのは式だ。 殺し合いに抵抗は無い。が、戦の経験は絶無の式は、前後左右上下斜め全てが敵だらけなどという戦場を潜り抜けてきた信長、五飛、デュオと比して、体力という点において劣っていたのだ。 思わぬ計算違いに舌打ちするデュオ。 『信じられねえ……こいつ本当に人間か? 中身はモビルドールって言われても信じるぞ今なら』 撃ち尽くした弾を再度込めなおし、デュオは叫ぶ。 「一度引くぞ五飛! 式!」 数百キロあるサイドカー付きのバイクを、後輪を滑らせ、まるで自転車でも操るかのように軽々と半回転させる。 二人からは同時に同じ台詞が返ってきた。 『オレが抑えている間に逃げろ!』 五飛はともかく、明らかにへばっている式もまるで引く気配が無い。 バイクを操りながら、デュオは片手で銃を握り、銃身をハンドルに乗せ狙いを定める。 「こんにゃろっ!」 過剰な煙を噴き上げつつ跳ね上がる銃。しかし全てはデュオのコントロールの範疇である。 放たれた銃弾もまたしかり。 信長が振り下ろす刀、これを一点で読み切り弾丸にて弾き返す。 即座にハンドルを切り、銃を握ったままの左腕で式の腰を掬い上げる。 「お前っ!?」 「いいから黙ってろ! 舌噛むぞ!」 小柄な体の何処にそんな力があるのか、デュオは腕力のみで式を引っ張り上げ、サイドカーの座席に向けて放り投げる。 「誰が逃げて良いと言ったか!」 追いすがり斬りかかってくる信長。 減速は最低限で済ませたのだが、片手でアクセル握るだけではクラッチミートどころか、そもそもシフトチェンジすら出来ない。 マシン本来の加速度を引っ張り出す事は出来ないのだ。 それでも普通は追いつかれるなんて考えなくてもいいのだが。 「間に合えっ!」 左手に持った銃を、今度は支えも無しに後ろへと向ける。 6.5kgを片手で持ち、一瞬の内に狙いを定める。 どう考えても、デュオの方が遅い。 が、不意に信長の動きが止まる。 干将にて信長の刀に一撃をくれた五飛は、憤怒の表情で信長を睨みつける。 「貴様! 俺との勝負も終わらん内に余所見とは良い度胸だな!」 「ほざくな下郎! これ以上茶番に付き合うも飽いたわ! 今すぐ、五体バラバラに千切り殺してくれようぞ!」 デュオは後ろを向いて五飛に逃げろと叫ぶ。 が、突然バイクが大きくバランスを崩したのに気づき、ぎょっとなって前を見る。 すると、サイドカーに乗ったまま身を乗り出した式がバイクのハンドルを思いっきり引っ張っているではないか。 「何しやがんだてめえ!」 「うるさい! このままじゃアイツ死ぬぞ!」 弧を描くようにバイクはぐるっと逆を向き、信長目掛けて突っ込んでいく。 デュオは一瞬我が目を疑った。 信長の全身から、黒い煙のような何かが立ち上っている。 刀は漆黒の気に包まれ、魔術を知らぬデュオにすら、それが禍々しい何物かであろうと確信しえる程に、不吉な気配を漂わせている。 逆袈裟に斬り上げる信長に対し、頑強な干将を構え、完璧な姿勢で受け止めきる五飛。 振りぬかれる刀は、刀の表面を僅かに歪ますのみで天空へと滑り昇る。 五飛は軸足を踏み出し、信長の腹部を斬り裂かんと狙った。 しかし、五飛が考えているより遙かに鈍い動きしか出来ない。いや、それどころか震える足のせいでか立っている事すら難しいのだ。 「な、んだと……?」 「死ねい! わっぱああああああああああ!」 斬り返しの一撃だ。動かぬ五飛相手ならば藁束を薙ぐようなものだ。 そう、式の判断は正しかったのである。 「ハンドルは任せるぞ式! アクセルは死んでも離すんじゃねえ!」 「素人にややこしい注文をするな!」 サイドカーより乗り出した式はバイクのハンドルとアクセルを握り、そしてデュオはというとバイクの上で半立ちになりながら、先ほど信長がぶん投げた光秀愛用の大鎌を振りかぶって構えていた。 「くらえこんちくしょーーーーーーーー!」 バイクの加速を加えた斬撃にも、信長は無造作に刀を横に振るのみであっさりと弾き返す。 逆にデュオの方が大鎌を飛ばされそうになる程だ。 それでも決死の突入は功を奏し、不可思議な不調に驚きながらも五飛はこの隙にバイクの後部席に飛び乗っていた。 三人乗りであるがあくまで想定乗員数は超えていない。 燃料を爆発させてピストンを跳ね上げクランクをまわす、人力とかアホかっつー馬力で一気に突き放しにかかるバイク。 「あれだな、鎌って刃物としちゃおっそろしい程に使いずらいよな。モビルスーツじゃあるまいしこんな物使おうって奴の気が知れねえよ」 後部席で弱った体を確かめながら五飛は、軽口を叩くデュオを鼻で笑う。 「俺は元々ビームサーベルをわざわざ鎌なんて無駄な形にする理由が理解出来なかったがな」 「ほっとけ! あれはあれで使いやすいんだよ!」 「無駄口叩くな! 来るぞ!」 式の警告。そして、一跳躍で軽くバイクの加速に追いついてくる戦国武将織田信長。 とんでもない話だ。二メートル弱の巨体が、今も加速を続けるバイクに向かって跳んで来るというのだから。 五飛は動けず、サイドカーより身を乗り出した式も位置が低すぎる。 デュオは何も言わずにハンドルを放すと、ハンドルとアクセルを式が預かる。 先に五飛の動きを封じた黒い瘴気は、空では扱えぬのか通常の刀にてライダーのデュオを、いや、バイクごと一刀両断せんと刀を振るう信長。 これをデュオは、大鎌にて迎え撃つ。 草を刈るようにではなく、大鎌の先端が急所に突き刺さるよう振り回すと、空中で動きが制限されるせいか、僅かに信長のそれよりデュオの大鎌の方が早かった。 身をよじって鎧で受ける信長。空中でも容易くこう動ける戦場勘と運動能力はやはり化物級だ。 当然そのせいでか攻撃は失敗し、歯軋りしながら地面に着地する事になるのだが。 バイクの速度もかなり上がってきている。このまま逃げ切れるか、そうデュオも式も考えたのだが、一人、アホの子が居た。 体から力が抜けていくようであった不調が収まったと、バイクから飛び降り斬りかかる五飛。 止める暇もあらばこそである。 走り抜けるバイクより飛び降りる。これは見た目以上に難易度の高い行為である。 よほどバランス感覚に優れた者でもなくば、空中での姿勢を維持する事も出来ない。 張五飛にかかれば陸上競技のハードルを越える程度の労苦であるのだが。 振りかぶった干将を、空より落下の速度を加え強烈な一撃として放つ。 大地に落着した直後の信長は、これを受けようとはせず。 刀を両手に握り、何と五飛に背を向けたのだ。 足捌きは完璧、僅かな乱れもそこにはなく、コマを回すような正確さ、或いは確実さで、素早く後ろより半回転して五飛の刀をかわす。 これは同時に必殺の斬撃を放つ動作にも繋がる。 体の周囲を一回転させる事で出た剣速は、黒き瘴気を纏わずとも五飛を刀ごと斬り倒す程の威力を秘めていた。 あの時と、景色が重なる。 忘れようとも決して忘れられぬ、忌まわしき屈辱の記憶。 強き者として、何処までも正々堂々戦い抜こうと武器を手に取った。 だがそんな五飛は、あの男、トレーズ・クシュリナーダに敗れたのだ。 今と同じ、空より斬りかかり縦に振るった剣をかわされ、くるりと回ったトレーズは着地で動きが止まった五飛の首元にサーベルを突きつけたのだ。 OZの総帥、悪の元凶に、強く正しき五飛は、決して破れてはならぬガンダムのパイロットは、敗北を喫したのだ。 あの瞬間を何度夢に見た事か。 その度屈辱に全身をわななかせ、慟哭と共に熱情を吐き出したのも一度や二度ではない。 『二度も同じ手を食うものか!』 斜めに斬り下ろされる信長の刀を、五飛は下に潜って前へと進む。 「トレーーーーーーーズ!!」 右足を垂直に頭上に跳ね上げ顎を蹴り飛ばすと、巨漢が息を詰まらせたじろぐ。 更に飛び上がって側頭部を回し蹴る。 ぐらりと、大きく信長が揺れる。 千載一遇の好機、そうも思えたのだが、全身を貫く悪寒に従い五飛は一旦距離を開く。 信長のマントが何故か蠢いていたのが気になったのだ。 そして一呼吸を置いて、呆然とした。 信長の斬り返し、あれはどう見てもトレーズのそれより素早く、力強く、殺意に満ちた一撃ではなかったのかと。 あの瞬間から、越えねばならぬ、しかし越えられぬ壁としてトレーズは五飛の前に立ちはだかり続けていた。 その象徴が、五飛にサーベル突きつけたトレーズの一撃である。 それはモビルスーツ戦において勝利、当人はそうとは認めていないが、した後でも五飛の中に確固としてあり続け、全てを縛りとめていた。 トレーズを貫き殺した時同様信じられぬ想いで、我が手を見下ろす。 「そう、か……トレーズ。俺は、お前に、勝っていたのか……」 二度目ならば信じられる。 五飛はあの忌まわしき敗戦より強く逞しく育ち、トレーズを越えていたのだと。 待ち望んだ瞬間、そうと自身が信じられるようになった今この時は、思っていたより爽快なものでも快いものでもなかった。 どうしようもない程の喪失感。かつて失ってはならぬものを失ったあの時を彷彿とさせる空虚な想いのみが残った。 「止まるな動けっ!」 式が莫耶を真横から叩き付け、憤怒に包まれた信長からの剣撃を逸らす。 その音で我に返った五飛は、干将を信長の足元へと伸ばす。 何故か、灯りの無いトンネルを抜けた後のように、視界が明るく澄み切って見えた。 時系列順で読む Back メメしい野郎共の詩 Next 戦場に生きる者達(後編) 投下順で読む Back The Hollow Shrine(後編) Next 戦場に生きる者達(後編) 180 「無題」じゃあ今いち呼びにくい! このシュトロハイムが名づけ親になってやるッ! そうだな……『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな! 織田信長 189 戦場に生きる者達(後編) 180 「無題」じゃあ今いち呼びにくい! このシュトロハイムが名づけ親になってやるッ! そうだな……『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな! 張五飛 189 戦場に生きる者達(後編) 180 「無題」じゃあ今いち呼びにくい! このシュトロハイムが名づけ親になってやるッ! そうだな……『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな! デュオ・マックスウェル 189 戦場に生きる者達(後編) 180 「無題」じゃあ今いち呼びにくい! このシュトロハイムが名づけ親になってやるッ! そうだな……『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな! 両儀式 189 戦場に生きる者達(後編)
https://w.atwiki.jp/orirowa2014/pages/190.html
斎藤輝幸は夢を見る。 厳しいだけの親。つまらないクラスメート。 そんな奴らに、何も言えず従うだけの自分。 何もかもどうでもよかった。 どいつもこいつもバカばかりだ。消えてしまえばいい。毎日そう思っていた。 その日常が壊れたのはいつか。 その日も、いつものようにネットで調べた黒魔術に興じていた。 魔法陣を描きこのくだらない日常の破壊を願った。 本気だったわけじゃない、ストレスを発散するための遊びの様なものだ。 だが、悪魔は本当に表れた。 そこから彼の人生は変わる。 世界が変わるほど劇的に、取り返しのつかないほど致命的に。 混濁した意識が波の様な緩やかな動きに揺すられる。 それは揺り籠のようであり、このまま意識を奥深くに預けてしまいたくなる。 だが、足元を引きずるような感覚がその心地よさの邪魔をする。 「よう。目ぇ覚めたか」 「ッ!?」 なにがどうなってこうなったのか。 輝幸が目を覚ましたのは、先ほどまで殺し合いをしていた相手の背中の上であった。 自分がどうなって、どういう状況なのか。まるで訳が分からない。 混乱に陥った輝幸は、ひとまずこの状況から逃れるため、身を捩じらせ藻掻き始めた。 「うぉ!? いきなり暴れんなって」 突然の輝幸の行動に驚きつつも、相手をなだめようとする拳正。 だが、静止の声も輝幸には届かず、自らの背中の上で暴れる相手に対して徐々に苛立ちをため込んでゆく。 元より我慢強い性格ではない、それはすぐに爆発した。 「だから、暴れんな、って!」 トン、と地面を踏み、背中越しの発勁を放つ拳正。 その反動で輝幸は背中から弾かれる。 結果として、望み通り拳正から離れられたものの、輝幸は受け身もとれず尻もちをついて地面に落ちた。 「あ、悪ぃ。思わずやっちまった」 すまんすまんと軽い調子で謝りながら、輝幸を引き起こそうと左腕を差し出す拳正。 だが、輝幸は差し出された腕を見ようとすらせず、俯いたまま微動だにしない。 何を思ったか、拳正は俯いているのを引きずってきたためドロドロになってしまった右足を気にしていると解釈した。 「ああ、足が汚れてんのは許せ。 つかうまく背負えなかったのは、右手痺れさせたお前のせいだかんな?」 ブンブンと具合を確かめるように右手を振り回す。 動作に問題はない、ひとまず握力は戻ったようだ。 「ええっと、そういやお前名前なんだっけ?」 問いかけにも反応せず、輝幸は無言を貫く。 「おーい。聞こえてんのかー、おーい」 しかしそこは空気の読めない男だ。 先ほど似たような流れで諍いになった反省など無く、しつこく問いかけていくスタイルの拳正。 もはや素直に答えるか、先ほどの繰り返しを演じるかしかない状況である。 拳正と違い学習能力のある輝幸がいい加減折れた。 いやいやながらも口を開いた。 「斎藤…………輝幸」 「お。輝幸な。俺は新田拳正。よろしく頼むわ」 返された拳正の名乗りを聞き、俯きっぱなしだった輝幸がゆっくりと視線を上げた。 「…………新田、拳正…………お前『桜中の悪魔』か」 「……あー、後輩かお前」 拳正は困ったように頭を掻き、少しだけばつの悪そうな顔をする。 『桜中の悪魔』 拳正がかつて呼ばれていた名である。 新田拳正は不良(ワル)だった。 元よりやんちゃの過ぎる悪童ではあったのだが、転機は小学五年の時。 とある事故で彼は両親を亡くした。 その後、親戚に引き取られたものの、そこでの義理の両親との折り合いが悪かった。 そんな理由で、彼はわかりやすいくらいに荒れた。 喧嘩に明け暮れ、家にもほとんど帰らず、危ない連中とつるみだした。 教師も義理の両親も完全に匙を投げた。子供のころから通っていた道場も破門された。 もはや悪友以外で彼に普通に話しかけるのは幼馴染の少女とその家族くらいのモノだった。 曰く、ゲームセンターを物理的に破壊したとか。 曰く、暴走族を一人で潰したとか。 曰く、パトカーを破壊したとか。 曰く、ヤクザに喧嘩を売ったとか。 その真偽こそ不明ながら、数多の悪名は学内に止まらず、地域一帯に響き渡り、彼は『桜中の悪魔』と呼ばれて恐れられた。 それが3年前までの出来事。 中学二年の終わりごろに、公園でとある老人に出会ってからその悪名はプツリと途絶えたが。 今でもその噂を覚えている者は少なくはない。 「なんで…………殺さない」 そんな相手が、自分を殺そうとした相手を何故生かしているのか。 様々な噂を知る輝幸からすればこの状況は不気味で仕方がない。 「いや、真顔でそんなマンガみたいなセリフを吐かれてもだな……。 戦いの中で死んじまったんならともかく、決着ついたのにわざわざトドメなんて刺さねぇよ。 あんなもんただの喧嘩だ。お前が売った、俺が買った、んで俺が勝った。それだけだろ」 「…………それだけで済むわけないだろ! いきなり浚われて、首に爆弾までつけられて、これは喧嘩じゃない殺し合いだぞ!? 自分を殺そうとしたやつなんて、殺すだろ普通!? いったい何企んでるんだお前!?」 少なくとも輝幸は本気で殺すつもりだった。 だからこそ、負ければ殺されると思ったし、敗北に対して全力で抗った。 自分を殺そうとした相手が生きているなど、安心できるはずがない。 まして、そんな人間を連れ歩くなど、何か企んでるとしか考えられない。 「普通って言われてもなぁ、別になんも企んでねぇよ。 あのまま放っておくのも危ねーな、ってくらい?」 何とも曖昧な拳正のとぼけた態度は輝幸をますます苛立たせた。 だが、企みどころか、割と本気で何も考えてない拳正は、輝幸の剣幕に戸惑うばかりである。 「なんだそれは? 強者の余裕か? 僕なんかには殺されないそう思ってるのか?」 「いや、んなこたねぇよ。お前は強かったよ。次やったらわかんねぇし。まともに一発でも食らったらマジで死んでたかもな。 けどまあ、死んだら死んだで、そん時はそん時だろ。戦いなんてそんなもんだ」 あっけらかんと言ってのける。 拳正は積極的に殺す気などないし、自ら死ぬ気もない。 だが、自分が死んでしまっても、相手を殺してしまったとしても。拳正にとって、それはただの結果だ。 その結果を受け入れる覚悟がないのなら、そもそも戦わなければいい。 それが拳正の価値観。 この年にして些か達観した生死感である。 それは長年武に身を置いてきた経験故か、それとも両親の死を経た事による結論か。 「…………意味が分からない。僕は嫌だ。死になくなんか、ない……!」 輝幸にはその価値観は理解できない。 輝幸は誰よりも死にたくない。 自分だけじゃなく、人間は誰だって死にたくないと思っているはずだ。 それが輝幸の価値観。 覚悟とか、矜持とか、そんなもののために命を懸けるだなんて信じられない。 ただ、分かるのは、その理解できないモノによって輝幸の命は奪われなかったという事だけだ。 「お前は……お前は、死ぬのが怖くないのかよ……?」 吐き出すような輝幸の問い。 「それは――――」 そこで言葉を切った拳正が突然、輝幸に向けてディパックを投げつけた。 正確には輝幸にではなく、その後ろ。 サク、と布を破る軽い音が鳴り、ディパックに飛来したナイフが突き刺さった。 「な、」 「――――森か」 突然の事態に戸惑う輝幸を置いて、拳正は目を細めナイフの飛んできた方向を鋭く見つめる。 「輝幸。お前は、その辺で隠れてろ」 言うが早いか、拳正は襲撃者の待つ魔の森に向けて、迷いなく駆け出して行った。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「ほぅ」 ナイフを投げた襲撃者、サイパス・キルラはその対応に息を漏らした。 彼が立っているのは森林地帯の中でもひときわ高い木の上だ。ここからナイフを投擲した。 相手の力量を図るべく、まず投げナイフから入るのはサイパスの癖だ。 今回の場合、高々子供2人に貴重な弾丸を使うまでもないと思ったという理由も大きい。 なにせ殺害すべき対象は70名近くいるというのに残弾は30発しかないのだ。 相手がよほどの強敵だと判断した時でもない限り、できる限り弾丸は温存したい。 (もっともヴァイザーがいる限り、その心配も杞憂だろうがな) 組織の最強戦力にして、サイパスの育て上げた最高傑作。 あの稀代の暗殺者がいる以上、70名すべてをサイパスが殺すなどと言う事態にはならないだろうが。 (さて、あの小僧は果たして銃を使うに値する相手か) 木の幹を蹴り、サイパスが動く。 向かいの木へと跳躍したサイパスは、たどり着いたところで再びその幹を蹴り次の木へ跳ぶ。 その動きを繰り返して、稲妻のような軌跡を描きながら漆黒の影が空中を行く。 森に侵入した拳正は自らを取り囲むように飛び交う黒い影を見た。 目にもとまらぬ速度で踊る影。 その異様な光景を拳正は横目で見送り、足を止めずその場を突っ切り森の奥へと進んでいく。 相手の動きを見て、木々の密集したこの場での戦いは不利と判断し、少しでも開けた場所に戦場を変えるつもりなのだろう。 来た道を引き返さなかったのは、残してきた輝幸に目を向けさせないためか。 その背を狙い、躍る暗闇から一筋の銀光が放たれた。 回転しながら飛来するナイフは走る拳正の肩口を掠め、スコンと小気味良い音を立てて木の幹へと突き刺さった。 縦横無尽に行きかう影は、刺さったナイフを回収。再びナイフが投擲される。 前後左右の区別なく、およそ一本のナイフで成されているとは思えないほどナイフが次から次に絶え間なく飛び交う。 走る拳正を中心に絶対的な暗殺空間(キリングフィールド)が展開された。 黒のコートが縦横無尽に闇に躍る様は、まるで不気味なサーカスか何かだ。 その中央にあって、拳正は動きを変えない。 ナイフを紙一重で躱しながらただ走る。 落ち着いている。 それが拳正に対するサイパスの感想だ。 その実、行きかうナイフのほとんどは本命を隠すための幻影にすぎない。 体に当たる本命だけを見極めれば、十分に躱せる代物だ。 そして、拳正はこの状況でそれを見事に成し遂げている。 サイパスの行う、派手な動きはすべて精神的優位に立ち、主導権を握るための演出だ。 先ほどの剣術家のようにサイパスの超人的な動きを見た者はまず精神的に飲まれる。 だが、拳正はサイパスの多角的な動きに翻弄もされず、動じた様子もない。 この場での不利を認め、焦れて一か八かに奔るでもなく状況の打開に全力を注いでいる。 サイパスに誤算があるとしたらそこだった。 確かにサイパスの動きは凄まじい。 拳正からしても規格外の動きであり、その動きを再現することは不可能だろう。 だが、同じことはできないが、同じことをやれそうな人間ならば日常的に見ている。 素手でビル解体できるビックリ人間を超えない限り、拳正にとっては驚くには値しない。 どうやら、この戦術で敵を仕留めるのは難しそうである。 そうサイパスが判断を下したタイミングで、舞台は深い森を抜け、木々の開けた空間に出た。 拳正はその中央まで突っ切るとクルリと後方へと振り返り、最期に飛んできたナイフを明後日の方向へと蹴り飛ばした。 「よお。ようやくまともにツラ拝めたな」 周囲に足場となる大樹はなく、そこにはようやく地に足を付いたサイパスが立っていた。 初めて真正面から対峙する二人。 互いの間に遮蔽物もない。 「そんじゃま、こっからは単純な喧嘩しようか。おっさん」 言って、拳正が動く。 対するサイパスは格闘戦に応じるはずもなく、迷いなく懐からS W M10を取り出した。 遮蔽物のなさが仇となった。身を隠す術はない。 盾を求め、森林地帯に戻ろうと背を向けようものなら、その瞬間に撃ち殺されるのがオチだろう。 銃口を突きつけられ、絶体絶命ともいえるこの状況。 銃の登場にさすがに驚いたように目を見開くがそれも一瞬、拳正は迷わず前に加速した。 距離を詰めれば射角は狭まり、射線の外に出やすくなる。 実行できるかはともかく、理屈としてはそれは正しい。 だが、相手は百戦錬磨の殺し屋サイパス・キルラだ。 引き金を引く瞬間を読み切りたとしても、躱せるのは最初の一発までだろう。 右か左か。避けたところで回避後の硬直を狙い撃ちにされてお終いだ。 さあ、どうする? 運命の引き金が引かれ、問いかけの様な弾丸が放たれる。 その瞬間、拳正がサイパスの視界から消えた。 (下か……!?) 拳正の選択は右でも左でもなく下。 サイパスの足元に向けて、ヘッドスライディングのような体制で滑り込むように飛び込んだ。 すぐさまその動きに対応し銃口を下へと向けるサイパス。 だがそれよりも一手早く、飛び込んだ拳正は両腕で体を支え、逆立ち様な体制のままほぼ真上に向けて蹴り足を跳ね上げた。 その動きは蟷螂拳の穿弓腿に近い。 サイパスの顎下から槍のように鋭い蹴りが奔った。 顎を砕かんと一直線に迫るその一撃。 サイパスは冷静にその間合いを見極め、半歩下がるだけでこれを回避。 拳正の右足が空を切る。 だが、蹴りを躱された拳正は止まらず、地突いた腕を交差させ空中で無理矢理に身を捻った。 その動きと連動するように、後ろ脚が跳ね上がる。 跳ねあがった左足の踵が、サイパスが右腕に握る拳銃のグリップを強かに打った。 その勢いに弾かれ、S W M10が宙を舞った。 (最初からそれが狙いか) まずは武器を無力化するというのは狙いとしてはよい。 そうサイパスはこの動きを評価する。 だが。 「詰めが甘い…………ッ!」 無理な体制で蹴りを放った拳正は完全に死に体だ。 逆立ち状態の拳正の顔面を、サッカーボールのようにサイパスが蹴り上げる。 まともにもらった拳正が地面を転がった。 「ぐっ!」 受け身をとり、揺れる視界のまますぐさま立ち上がり追撃を警戒する拳正。 だが、意外にも追撃は来なかった。 見ればサイパスは距離を詰めるでもなくその場に直立していた。 ふん、と詰まった鼻血を出しながら、相手の出方を伺う拳正。 その様子を見ながら、サイパスが口を開いた。 「小僧。名を、聞いておこうか」 「…………新田拳正。おっさんは?」 「ただの殺し屋だよ。名乗るほどの者じゃない」 「だったら俺も、ただの八極拳士だ。名乗るほどのモンじゃない」 「…………」 ああ、バカなんだな。とサイパスは気づく。 まぁこの程度の常識の欠如したものならば組織にもいるか、と気を取り直して話を続ける。 「ではケンショウ。殺す前に三つ聞いておこう」 「あんだよ」 「その戦い方、誰に教わった」 その戦い方は明らかに実戦を想定している。 ただの子供の護身術にしては物騒すぎる代物だ。 「李書文とかいう爺さん」 その返答にサイパスは思わず噴き出した。 「はっ。そうか」 この状況で言う冗談にしては気が利いている。 仕込んだのが音に聞くあの『神槍』というのならば納得できる話だ。 とはいえ80年近く前に死んだ名だ、もちろん本気にしてはいないが。 「二つ目の問いだ。貴様、死が怖くないのか?」 銃を前にして、迷うことなく踏み出してきたあの動き。 ヴァイザーのように死を読み切れるのならばできる。 アザレアのように死を恐怖として認識していないのならばできる。 目の前の男の場合はどうか? 「? いや、普通に怖いけど?」 「なるほど」 銃を見て具体的な死を想像できないただの平和ボケか、ただ壊れている狂人か。 それとも、死を恐れていてもなお踏みこめる逸材なのか。 「最後の質問だ、お前――――殺し屋になる気はないか?」 「ねーよ」 即答だった。 予想通りの返答だったが、それでも面白い逸材を見ると引き込みたくなるのはサイパスの悪い癖だ。 組織の奇人変人も半数近くはこうしてサイパスが集めたようなものである。 「そうか。ならば、お前はここで殺しておこう」 だが、引き込めないのならば殺すまでだ。 これまでも気に入った相手に誘いをかけてきたが、断った相手は例外なく殺してきた。 将来的に組織の危険因子となりうるからだ。 もはやサイパスに躊躇いはない。 静かに地を蹴り、サイパスが動く。 音もなく一瞬で最高速まで達するその動きは正しく死神。 身を低く、命を刈らんと死神が奔る。 対する拳正は跳ねるように前へ。 拳を突き出し最大速度で突進する、絶招歩法。 互いに全速。 交差は一瞬で終わるだろう。 交差の瞬間、拳正の視界が黒で染まった。 それは黒いコートだった。 視界を塞ぐように、サイパスが己のコートを大きく翻したのだ。 拳正は構わず打つが、その先にサイパスの実体はない。 打撃に絡め取られたコートの下から、滑り込むようにサイパスが現れる。 下から現れた相手に対して、打ち込んだ腕を曲げ、肘を落とす拳正。 だが、地面スレスレを走るサイパスの異常な動きにその一撃は空を切る。 カウンターを取られ、鳩尾に強烈な膝が叩き込まれた。 「ふん。体術なら勝てると思ったか?」 「ッ…………思ってる、よ!」 だが、打撃を喰らい身をくの字に折ながらも、拳正の右掌はサイパスの胸元に置かれていた。 その密着状態から放たれる、掌打による寸勁。 サイパスの体が後方に大きく吹き飛んだ。 だが、浅い。 勁も殆ど通った手ごたえがない。あれではただ押し出しただけだ。 この機を逃さず、吹っ飛んだサイパスに向かって追撃に走る拳正。 瞬間、脳天に斬撃を喰らった。 「なっ…………!?」 それは天から落ちてきたナイフだった。 視界を塞いだ瞬間にサイパスは隠し持っていた最後のナイフを上空に投げていたのだ。 体術ならばという挑発もそれに気付かせないためのブラフ。 その挑発に見事に嵌った。 幸運にも裂かれたのは額だけだ、致命傷ではない。 だが頭部の傷は流血量が多い、ザックリと裂かれた傷口からは血液が垂れ流れ、その両目を汚した。 反射的に瞼が閉じられ、視界が失われる。 サイパスが体制を立て直し距離を詰めるか、拳正が視界を取り戻すか、どちらが早いか。 拳正は片目を拭いすぐさま目を開く。 そして、赤く染まる視界の先にあったのは、拳銃を構えるサイパスの姿だった。 そこで悟る。サイパスは吹き飛ばされたのではない。拳正の打撃を利用し自ら拳銃が落ちた場所まで飛んだのだと。 「チェックだ」 「くっ」 この銃弾は躱せない。 互いにその確信があった。 「!?」 だが、その確信を裏切るように、次の瞬間に響いたのは銃声ではなく獣の咆哮だった。 生い茂る枝葉を薙ぎ払いながら、夜闇を切り裂くように現れたのは豹の化物。 「輝幸!?」 「亦紅と同じ人外の類か!」 恐るべき速度で森を駆け抜けた獣は、五指の凶爪をサイパスに向けて振り下ろした。 尋常ならざるその一撃を、サイパスは後方に飛ぶことで避けながら、同時に弾丸を数発撃ち込んだ。 だが、鎧のような表皮はそれをそれをものともせず、豹の悪魔の突進は止まらない。 「ちぃ! 9mmの豆鉄砲では貫けんか」 サイパスは舌を打ちながら、突進してきた化物に対応する。 振り下ろされた一撃を素早く横に回り込んで躱した。 同時に、重心の乗った足を払うとともに、付き出された肩を押し出す。 自らの突進の勢いを利用され、悪魔の巨体が空中に投げ出された。 瞬間。宙を舞う巨大な影と入れ替わるように、小さな影が飛び出した。 拳正だ。 サイパスの内懐へ向けて踏みこみ、足裏を大地に叩きける。 そこから踵を捻じ込み、全ての運動エネルギーを肘へと伝える。 体当たりの様な勢いで打ち込まれた裡門を、サイパスは独楽のように回転して受け流した。 その勢いを利用したまま、バックハンドを放ち拳正の後頭部を打った。 直撃を受け、前のめりに倒れこむ拳正。 トドメを刺すべく銃口を向けようとするサイパスだったが、横目に豹の悪魔が復活していたのが確認できた。 その悪魔に意識をやった隙に、拳正が跳ねあがるように起き上がる。 (…………キリがないな) 状況は完全に二対一。 それでも負ける気はしないが、弾丸の消耗も避けれないし、無傷ともいくまい。 相手を見くびったのは間違いだったと認める。 ただの子供二人と思いきや、とんだ食わせ物二人だったようだ。 どうやら、この場にはまともな人間はいないようだ。 次からはどんな相手にも手を抜かない様にしよう。そうサイパスは肝に免じる。 「ここは引くとしよう」 引き際だ。 この場で殺しておきたかったのは確かだが、この会場に囚われている以上、殺す気いくらでも機会はあるだろう。 サイパスは地に落ちたナイフとコートを回収し、すぅ、っと影に溶けるように森の奥へと消えていく。 当然ながら二人はそれを追わず、緊張感を保ったままその姿を見送った、 そして、完全にその姿が見えなくなったところで、ようやく拳正は残心を解いた。 緊張を解くように息を吐き、同じく変身を解いた輝幸へと向き直る。 「助かった」 「……別に。借りを返しただけだ」 ぶっきらぼうに輝幸は返す。 トドメを刺されなかった借りと、サイパスの襲撃から助けられた借り。あるいはその両方か。 借り? なんかあったっけ? と拳正は疑問符を浮かべているがそれはいい、義理は果たした。 歪んではしまったが、元より真面目な義理堅い少年だ。 これだけの借りを受けながら、どうしてもそのまま放置しておくことができなかった。 だが、最後まで迷っていたのも確かだ。 実際、探してみて見つからなかったら諦めようという消極的な気持ちだったのだが、不運にも見つけてしまった。 「しっかしバカ強ぇおっさんだったな。結局一発もまともに当てれなかったぜ」 当てられたのは当てさせられた寸勁だけ。 実力の差は歴然だった。 手と足くらいは出たあたり体術のレベルは師ほどではないが、あの男の本領は単純な強さとは別だろう。 「この調子だとさすがにしんどいな」 輝幸にサイパス。今のところ拳正の出会った相手は強敵ばかりである。 どうやら簡単に帰るのは厳しそうだと、この段階にきてようやくこの男も思い至った。 早期帰宅を諦め、腰を据えて事に当たることを決意する。 「まぁ最悪、師匠のメシは九十九が何とかしてくれんだろ」 そうごちる拳正だったが、まだ名簿の確認すらしていない彼はその少女がこの会場にいることを未だ知らない。 【F-4 中央・森/黎明】 【新田拳正】 状態:ダメージ(中)疲労(中) 装備:なし 道具:基本支給品一式、ランダムアイテム1~3(未確認) [思考・状況] [基本]帰る 1 脱出する方法を考える ※名簿も見てません 【斎藤輝幸】 状態:健康、微傷 装備:なし 道具:基本支給品一式、サバイバルナイフ、ランダムアイテム1~3(確認済み) [思考・状況] [基本]死にたくない 1 ??? 【F-4 南・森/黎明】 【サイパス・キルラ】 [状態]:健康、疲労(中) [装備]:S W M10(3/6) [道具]:基本支給品一式、サバイバルナイフ、38スペシャル弾×24、ランダムアイテム0~1 [思考・行動] 基本方針 組織のメンバーを除く参加者を殺す 1 亦紅、遠山春奈との決着をつける 2 新田拳正を殺す 3 イヴァンと合流して彼の指示に従う ※F-4のどこかにサバイバルナイフが1本落ちてます 035.俺、美少女になります! 投下順で読む 037.Terminators 時系列順で読む 史上最強の弟子ケンショウ 新田拳正 戦士の心得 斎藤輝幸 アンシーズ~刀侠戦姫贖罪録~ サイパス・キルラ 殺し屋の殺し屋による殺し屋のための組織
https://w.atwiki.jp/clownofaria/pages/28.html
第一部 第九話『なのはと諜報部の一日』② 首都防衛部隊所属の葵葉鷹斗は部署で報告書をまとめていた。 キーを叩く音が響く。 今日は臨時休暇を出されていたので、いるのは鷹斗と訓練に来た何名くらいだった。 「失礼します。諜報部の幽霧霞三等陸士です」 軽くノックして入ってきたのは幽霧だった。 鷹斗はキーを打つ手を止め、幽霧を見る。 「久しぶりですね。幽霧。ちゃんと歩法の練習くらいはしているかい?」 「ええ。あの二人はこちらに来ているでしょうか?」 鷹斗はキーを叩く作業を開始しながら言う。 「あの二人なら第五鍛錬場に通しておいたよ」 「ありがとうございます」 指定された鍛錬場の方に歩いていく幽霧。 なのはも幽霧についていこうとした時、鷹斗に呼び止められた。 「今日はおやすみなのですか?」 「……ええ」 突然話し掛けられて途惑うなのはに鷹斗は言った。 「これから幽霧が模擬戦をします。よく見ていて下さい。きっと興味深いと思いますよ」 鷹斗の言葉の意味が分からないまま、なのはは第五鍛錬場にやって来た。 そこには、少年と少女が幽霧と向かい合うように立っていた。 「では、模擬戦を開始しましょうか。弥刀二等陸士。結城優衣三等陸士」 幽霧は二人に言う。 「了解。」 「了解いたしました。幽霧三等陸士」 二人は幽霧に向かって頷く。 「では、どちらから始めますか?」 弥刀が手を上げる。 「じゃあ。僕から始めてくれないか」 「分かりました。なのはさん。すみませんが、合図をお願いいたしませんか?」 いきなり話し掛けられてなのはは驚いたが、笑顔で頷いた。 「うん。分かった」 「では、行きますか」 幽霧は拳を握り、弥刀に向かって拳を構える。 「いつでも良いよ」 それに対し、スタンバイ形態の「アンリミテッドエッジ」を握る弥刀。 「模擬戦………開始!」 なのはが開始を告げる。 幽霧は開始と同時に地を蹴りつけ、弥刀に疾駆する。 「アンリ………セットアップ!」 弥刀は幽霧が接近すると同時に「アンリミテッドエッジ」を励起。バリアジャケットを身に纏う。 弥刀のバリアジャケットは黒スーツに同じ色のコートを纏うという出で立ちであった。 宙からナイフの柄が出現する。弥刀はナイフの柄を抜く。 脚部だけに「パンツァーガイスト」を纏わせた幽霧が弥刀に右足で蹴りを入れる。 弥刀は宙から引き抜いたナイフの峰で幽霧の蹴りを受けた。 ナイフと「パンツァーガイスト」を纏わせた蹴撃が拮抗する。 幽霧はごり押しでナイフとナイフを握る弥刀の片手を地に押しつけた。 左足で空いた弥刀の頭部に蹴りを入れようするが、弥刀は新たなナイフを抜き、幽霧の蹴りを受ける。 余りの威力にナイフが折れる。 しかし、ナイフの一本が折れた位で弥刀は躊躇するわけにはいかない。 ニヤリと笑う弥刀。 「アクセルシュートエッジ…………ファイア」 弥刀の背後に配備されたナイフが幽霧目掛けて飛ぶ。 魔法で瞬発的に撃ち出されたナイフは幽霧の胸部に突き刺さった。 「ファイア!」 新たに配備されたナイフの第二群が幽霧へ撃ち出される。 幽霧の身体にナイフが突き刺さり、派手に飛んでいく。 「…………アンリ」 弥刀の左右にナイフの柄が出現する。 腕を交差させてそのナイフを引き抜く。そのナイフは小太刀の様な刀身の長いナイフであった。 小太刀の様なナイフを両手に握り、弥刀は幽霧に接近する。 走りながら弥刀は左のナイフを下から切り上げ、右のナイフで右に薙ぎ払おうと構えた。 正面に大量のナイフが突き刺さった幽霧の身体に新たなる傷が刻まれようとしたとき、幽霧は顔を上げてニヤリと笑う。 死んだ魚のような目だったせいで、とても不気味であった。 左右から十字に切り裂こうとする弥刀のナイフに対し、幽霧は立ち向かった。それも弥刀が幽霧に突き刺したナイフで。 突発的に突き刺さったナイフの二本を引き抜き、弥刀のナイフを受け止める。 そして、二本のナイフを受け止めた事で出来た隙間に幽霧は「パンツァーガイスト」を纏わせたままの脚部を叩き込む。 「ぐぶっ」 突発的に「パンツァーガイスト」を纏わせた幽霧の蹴撃を出現させたナイフで防いだもの、弥刀の身体が飛ぶ。 腰を後ろ引き、前に重心をかけて踏ん張ったおかげで深刻なダメージを受けることはなかった。 しかし、何本かのナイフの刃が折れた。 幽霧は着ていたコートを脱ぎ、軽く振る。コートに突き刺さったナイフが抜け落ちていく。 ナイフが幽霧の服に小さな穴を開けていたが、身体に傷は見あたらない。 幽霧はコートを振ってナイフを落としながら言う。 「流石、元二等空尉。強いです。 中にケプラーと極細の鋼糸を編み込んだコートを着ていなかったら死んでましたよ」 「悪いね」 全く悪びれている様子も無く、弥刀は魔法で身体を浮かせる。 「流石に、物量戦に特化したデバイス。装備されている6666本ものナイフを全て破壊できるか不安ですね………」 幽霧はコートを羽織り直し、抜け落ちたナイフの一本を握って呟く。 「其は槍にして剣」 ナイフを握る幽霧の手の甲にベルカ式の魔法陣が浮かび上がる。 弥刀は何かが変換していく様な感覚を感じた。 「其は御子の身体に牙を突き立てる者。それが故に御子の鮮血を纏いし者」 幽霧の握るナイフの構成組織が変換される。 「我はその槍剣を携え、我が敵を薙ぎ払う」 「クロスファイア……アクセルシュートエッジ……シュートぉ!」 弥刀は「クロスファイア」と「アクセルシュートエッジ」を同時に発動した。 魔弾と魔法によって撃ち出されたナイフが幽霧に迫り来る。 迫り来る魔弾とナイフに対し、幽霧は握っている変換中の何かを振りぬく。 「其は聖血を纏いし神槍剣!」 握られていたナイフが約二mの槍剣に変わる。 槍剣の一閃が迫り来る魔弾とナイフを薙ぎ払う。 薙ぎ払われたナイフがなのはたちの周辺にも飛ぶ。 優衣は「コウライ」で弾き飛ばし、なのはは結界魔法で防ぐ。 「幽霧くん!」 なのはは幽霧に怒号を飛ばす。 「すみません!」 謝る幽霧。それにより隙が出来る。 弥刀はその隙を全く見逃さない。 「ディフィッションエクスプロージョン!」 幽霧の周辺にばら撒かれたナイフが爆発していく。 周辺が爆発する中、幽霧は至って冷静であった。 槍剣を渾身の力で地面に突き刺す。 衝撃波で爆発を消し飛ばす。 放たれた衝撃波は二人から離れているなのはたちのスカートまで揺らした。 「幽霧は剣術も上手かったっけ?」 宙から刃渡りの長いナイフを抜き、弥刀は言う。 「シグナム二等空尉には遙かに劣りますが、最低限は使えます」 幽霧は槍剣を投擲するような形に構えながら答える。 そして、幽霧は補助魔法で勢いをつけて「其は聖血を纏いし神槍剣」を弥刀に向かって投擲する。 渾身の力で投擲された「其は聖血を纏いし神槍剣」は宙に浮く弥刀の方に飛んでいく。 「ファイア!」 弥刀は「アクセルシュートエッジ」を発動するも、勢い良く飛ぶ「其は聖血を纏いし神槍剣」が弾き飛ばす。 更に弥刀は結界魔法も展開する。そこで、「其は聖血を纏いし神槍剣」の侵攻を止めれるはずだった。 しかし「其は聖血を纏いし神槍剣」は弥刀の結界魔法を打ち抜いて、弥刀に軽く突き刺さる。 「………ごぷっ」 弥刀の身体に激痛が走る。 しかし、刺さった所から血すら出ていなかった。 「其は聖血を纏いし神槍剣」は独りでに抜け落ちる。 弥刀は妙な虚脱感を感じた。 抜け落ちた「其は聖血を纏いし神槍剣」は幽霧の手の中に収まる。 「さて。始めましょうか」 槍剣の柄を両手で握りながら構える幽霧。 幽霧の構える「其は聖血を纏いし神槍剣」の刀身に紅い線が血管の様に走り、紅い線が生物の様に脈動する。 弥刀は妙な虚脱感を感じながら着地する。 「そうですね」 本日、何本目になるか分からないナイフを抜く弥刀。 弥刀と幽霧は地を蹴り、相手とぶつかり合う。 幽霧は弥刀の間合いの外から斬りかかる。 弥刀はバックステップで幽霧の剣撃をかわし、カウンターでスローイングナイフを投擲する。 投擲されたナイフを幽霧はで横へ薙ぎ払う。走りながら流れるような動作で、槍剣を弥刀の眉間に振り降ろす。 弥刀は左手の指に挟んだナイフで槍剣を防御する。 ナイフは槍剣の剣戟を凌ぐことはできたが、すぐにヒビが大きく入って折れた。 弥刀はカウンターで逆手に持った右手のナイフで幽霧の腹部を切り裂こうとした。 しかし、幽霧が瞬時に防御の型を取ったことで槍剣に阻まれる。 その代わり、幽霧の持つ槍剣は弥刀のナイフで横に切断された。 幽霧は真っ二つに切断された槍剣を瞬時に廃棄し、弥刀のナイフを避ける。 軽く弥刀は舌打ちをし、無防備の状態になった幽霧に「アクセルシュートエッジ」を叩き込む。 幽霧は再び脚部だけに「パンツァーガイスト」をかけ、蹴撃で迫り来るナイフの大群を蹴り落とす。 地に墜したナイフを握り、再び「其は聖血を纏いし神槍剣」の魔法を発動。 再び幽霧の手に槍剣が握られる。 「シュート!」 弥刀は幽霧が「其は聖血を纏いし神槍剣」完成のタイミング狙いで「クロスファイア」を発動。 更に「アクセルシュートエッジ」も展開。 大量の魔弾の背後にナイフの大群を配備し、弥刀は二段仕込みで幽霧を倒しにかかる。 さっきとは比べ物にならない数の魔弾とナイフに対し、幽霧は全く動じない。 新たに精製した槍剣を振り上げ、魔力を槍剣に叩き込む。 魔力を叩き込まれた槍剣は刀身に紅い線が入り、血管のように脈動する。脈動する槍剣を幽霧は一気に振り下ろす。 その剣戟の一閃は迫り来る魔弾とナイフの大群を斬り伏せると同時に広範囲に巨大な砂煙を巻き上げた。 弥刀はどこから攻撃を仕掛けられても良いように残っているナイフを総動員して、周囲を見回す。 しかし余りにも濃い砂煙で幽霧の姿すら見あたらない。 弥刀が動いたその時、首に何かが刺さるのを感じた。 ゆっくりと首を動かす弥刀。 首には剣の切っ先が突きつけられていた。 視線だけを下に向けると、幽霧が死んだ魚のような目で弥刀をじっと見ている。 喉に軽く槍剣の切っ先を突きつけられる感触を感じながら、弥刀は思ってしまった。 少しでも、動いたらきっと幽霧は自分の喉を突くだろうと。 幽霧の死んだ魚のような目もそう告げている。 でもナイフを総動員しているこの状態なら、幽霧を倒すことが出来ることも分かっていた。 確かにこの状態なら、幽霧を倒すことが出来る。 しかし、幽霧に向けられたナイフが幽霧を倒す前に幽霧の槍剣が喉を突くだろう。 恐怖が弥刀の背筋に寒気を走らせる。 諦めたかのように瞼を閉じる弥刀。 弥刀は両手を上げ、幽霧に言った。 「降参……というのは……駄目……かな?」 「………」 無言で幽霧は降参する弥刀を見つめている。 遂に弥刀の顔から冷や汗が流れ始める。 少し怖いが、弥刀は閉じている瞼を開く。 目の前には死んだ魚のような目で喉に槍剣の切っ先をつきつける幽霧がいた。 「……幽………霧…?」 じっと弥刀を見ていた幽霧が口を開く。 「引き分けということで宜しいでしょうか?」 「ふぇ?」 幽霧の口から引き分けという言葉が出るとは思わなかったので、驚く弥刀。 「この状態なら自分が弥刀さんの首を突く方が速いですが、その後はどうなるか分からないので…………このまま行ってみますか?」 弥刀の背筋が凍る。そして、途切れ途切れになりながらも呟いた。 「アンリ………モード……リリース…」 幽霧に切っ先を向けていたナイフの大群が消失する。 幽霧も槍剣の切っ先を弥刀の喉から外す。そして、「其は聖血を纏いし神槍剣」を解除した。 「其は聖血を纏いし神槍剣」を解除された槍剣は構成組織が分解されて砂と化す。 幽霧は弥刀を見上げながら、一言だけ言った。 「ご苦労様でした」 その瞬間、緊張がほどけて弥刀は腰が抜けて尻餅をついてしまう。 そんな弥刀を見て、幽霧は軽く苦笑した。 「じゃあ。よろしくお願いします」 幽霧は優衣に一礼する。 「こちらこそ。よろしくお願いします。幽霧三等陸士」 優衣は真剣な顔を全く変えずに言う。 なのはは二人に言う。 「優衣ちゃん。無茶して怪我をしないようにね。 幽霧くん。優衣ちゃんに怪我させないようにね」 「………はい」 なのはにそんな事を言われるとは思わなかったので、優衣は嬉しさと恥ずかしさで頬を赤らめる。 「了解いたしました」 幽霧は無表情で頷く。 「じゃあ…………始め!」 優衣はなのはの号令と同時に「コウライ」を起動。優衣の手に巨大な半月斧が握られる。 重力魔法で「コウライ」の質量を軽減し、幽霧へと疾駆する。 幽霧は優衣を迎撃する為に拳を握る。 「コウライ」を振り上げ、重力魔法解除と同時に振り下ろす優衣。 人間など簡単に一刀両断出来る程の威力を孕んだ半月斧の刃が振り降ろされる。 断頭台のような刃に対し、回し蹴りで「コウライ」の側面に蹴りを叩き込むことで軌道をずらした。そして蹴りを叩き込んだ足で地を踏み、その足を軸にして優衣の腹部に後ろ回し蹴りを叩き込む。 「………トーデス・ドルヒっ!」 腹部に回し蹴りを食らうと同時に優衣は背後に忍ばさせていたスフィアを解放。 スフィアからダガーが大量に射出される。 そのダガーは幽霧に着弾した瞬間、爆発を起こす。 「ルフトおぉぉぉぉぉ………」 優衣は「コウライ」を振り上げ、幽霧に向かって魔法を起動する。 周囲の空気が「コウライ」に集中し、圧縮されていく。 「メッサあぁぁぁぁぁぁア!!」 そして一気に「コウライ」を振り下ろす。圧縮された空気が加速し、空気の刃が打ち出される。 幽霧は優衣の打ち出した「ルフトメッサー」に「パンツァーガイスト」で防護した拳を叩き込んだ。 「パンツァーガイスト」で防護した拳を叩き込まれた空気の刃は霧散すかのように消える。 次の瞬間、幽霧の目の前に「コウライ」を振り上げた優衣が現れる。 「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ストォォォォムッ!ブレイカアアァァァァァァァ!!」 優衣が「コウライ」を振ると同時に、装備されていたブーストが点火。 触れたら最後。絶対に切断される一撃が叩き込まれた。 幽霧はバックステップでかわしたが、中にケプラーと極細の鋼糸を編み込んだコートの半分が斬り裂かれる。 優衣は更に攻撃を繋げる。 自身の身体を軸にして「コウライ」を振り回すことで、槍の穂先みたいになっている部分を幽霧に向ける。そして、新たなる魔法を展開。 「シュペーアアングリフっ!」 「コウライ」に装備されたブーストが再点火し、噴出口から魔力を噴出して加速。勢いをつけると同時に幽霧に突っ込む。 幽霧は両手を重ねて結界魔法を展開し、優衣の「シュヴェーアアングリフ」を真っ向から防御する。 優衣の「シュヴェーアアングリフ」と幽霧の結界魔法が拮抗しあい、火花を発した。 そして、ブーストの勢いで幽霧と優衣の身体は空中に上昇する。10mくらい上昇すると、ブーストに注ぎ込まれていた魔力が無くなる。 幽霧は着地時に伝わる衝撃を浮遊魔法で落下のスピードを減速させることで減らし、優衣は「コウライ」の刃を地面に突き刺すことで身体が地面に叩きつけられないように着地した。 優衣は体重をかけることで、地面に突き刺さった「コウライ」を抜く。 「コウライ」を抜き、顔を上げる優衣。そこには拳を握った幽霧がいた。 顔をひきつらせる優衣。 幽霧は少しの迷いもなく、優衣の腹部に拳を叩き込もうとする。 〈ソニックブーム〉 優衣の「コウライ」がオートで「ソニックブーム」を起動。 あたかも瞬間移動したかのように、後ろへ高速移動を行う。 恐怖で優衣は心臓が跳ね上がるのを感じた。 そして思った。バルディッシュ形態であるフォルムアインでは勝てないと。 優衣は深呼吸をし、「コウライ」に言った。 「コウライ。フォルムツヴァイ!!」 「Yar!!」 奇妙な音を立てながら「コウライ」が甲殻化していく。 「フォルム……ツヴァイ」 形態の変更を告げる「コウライ」。全体に無数の棘が生え、甲殻で幾重にも重ねることで装甲が厚くなっていた。 質量も増している「コウライ」を振りかぶり、一気に振りぬく。 「シュツルムシュナイデン!!」 勢い良く振られた「コウライ」の刃から衝撃波が打ち出される。 その衝撃波は地面を抉り、轟音を立てながら幽霧へと迫る。 幽霧は「パンツァーガイスト」で脚部の強化。 そして迫り来る「シュツルムシュナイデン」に向かって横蹴りを入れる。 脚部の筋肉を酷使し、静止状態から蹴りのスピードを一気にトップスピードまで引き上げた。 筋肉を酷使した脚部から衝撃波が打ち出され、優衣の「ストゥルムシュナイデン」を相殺する。 しかし、優衣は新しい魔法の発動は完了していた。 優衣は「コウライ」を地面に突き刺し、静かに言った。 「………ツェアシュテールングスメッサー」 地面が盛り上がり、石で出来た無数の刃が幽霧に襲い掛かる。 幽霧は拳に打撃力強化と効果破壊の能力を持つ魔力を注ぎ、石で出来た無数の刃に立ち向かう。 更に半歩踏み込む。地面からの反動を全身全霊で受け止め、増幅させ、足首から膝、膝から腰、腰から肩、肩から肘、肘から右腕へと流し込む。それと同時に肩の付け根ぐらいまで無色の灰色染まっていく。 石で出来た刃が幽霧の身体を貫こうとした時、幽霧は魔力を解き放つ。 そして、溜め込んだ魔力を解き放った拳を迫り来る石の刃に叩きつける。 「我は幾千の災いを受け流す者にして、我は幾千の難を穿ち抜く者。我は幾千の万象を断つ………フラガラッハ」 解き放たれた魔力は一直線上に存在する石の刃を全て吹き飛ばしていく。 その一撃が優衣の頬をかすめる。かすめた頬は少し痛かった。 かすめた一撃は、壁に大きなクレーターを作ることで消滅する。 「コウライ………」 幽霧の「フラガラッハ」が頬をかすめた痛みを感じながら優衣は呟く。 「フォルムドゥライっ!!」 優衣の握るフォルムツヴァイの「コウライ」にヒビが入って、甲殻と装甲が砕ける。 今ここに「コウライ」のフォルムドゥライが姿をあらわす。 現在、優衣の手に握られているのは真紅の薙刀。 優衣はフォルムドゥライとなった「コウライ」の柄を握る。 そして腰を捻った状態で「コウライ」を振り上げ、一気に振り抜きながら高らかに叫んだ。 「シュランゲバイセン・シュツルム!」 薙刀となった「コウライ」の刀身が連結刃となって幽霧へと襲い掛かる。 幽霧は襲い掛かる「コウライ」の刃に触れようとした瞬間、手や腕に無数の切り傷が入った。 なんと、優衣の振るう「コウライ」の「シャランゲバイセン・シュツルム」には衝撃波が纏われていた。 それは優衣の斬撃の間合いが広がっている事を示していた。 更にその上、鞭刃自体が不規則な動きをしているのでさばきにくい。 どうしたものかと幽霧は一瞬だけ悩み、一瞬にして行動に移す。 幽霧は一回、瞼をつぶる。そして瞼を開いて歩き出す。 「葵葉流領空制圧戦闘術……『流水』」 迫り来る「コウライ」の刃を受け流す。まるで流れる水の如く。 幽霧は一時期、修行の一環として半年だけ首都防衛部隊に所属していた。 葵葉流領空制圧術はそこの部隊に所属する葵葉鷹斗一等空尉が編み出し、その領域制空戦闘術を幽霧に教えたのだ。 幽霧の操る「葵葉流領空制圧戦闘術」は優衣の操る「コウライ」の軌道をずらし、前に歩いていく。 その幽霧の一歩一歩が優衣の心に恐怖感を芽生えさせる。 優衣は「コウライ」の刃を瞬時に連結完了させる。そして、居合の如く「コウライ」の柄を逆手に持つ。 「コウライ」の刃からは小型のブースト機構がせり出す。 「風牙一閃!ストォームッ!ブレイカアァァァァァァァァァ!!」 居合で刀を抜くが如く、渾身の力で「コウライ」を振りぬく。 振り抜かれた「コウライ」の刃は再び連結刃となって間合いを伸ばす。切断属性の魔力と小型ブーストの力も得て、スピードも威力もさっきの「シュランゲバイセン・シュツルム」とは比べ物ならない。 更に刃だけではなく刃を繋いでいるワイヤーにも切断属性と風の魔力が纏われており、それはまさしく疾風怒濤の太刀。 その疾風怒濤の太刀である「ストームブレイカー」に対し、幽霧は酷使した脚部の筋力を更に酷使した類い稀な跳躍で避ける。 跳躍後の着地で脚部に激痛を感じたが、幽霧は走る事で前へ進む。 「我は幾千の災いを受け流す者にして、我は幾千の難を穿ち抜く者。我は幾千の万象を断つ………」 再び幽霧の腕に魔力が集束し、肩の付け根ぐらいまで無色の灰色染まっていく。 優衣は連結完了のタイムラグを考え、片手で結界魔法を張る。 しかし、結界魔法は時間稼ぎにはならなかった。何故なら幽霧は優衣の目の前まできていたから。 幽霧は肩の付け根ぐらいまで無色の灰色染まった拳を振り上げる。 それに対し、優衣は結界を強化する。 「………フラガラッハ」 幽霧は肩の付け根ぐらいまで無色の灰色染まった拳を叩きつける。 優衣は恐怖で目を瞑った。しかし、幾ら時間が経っても身体に全くの衝撃が来ない。 恐る恐る、優衣は瞼を開ける。 そこには結界をぶち抜いた幽霧の腕があった。 ………そう。腕だけ。 幽霧の拳は優衣の結界に穴を空けただけで、結界を破壊する事が出来ていなかったらしい。 安堵する優衣。そして、その顔は一瞬にして変わる。 幽霧は右の肘を後ろに下げる。しかし、右手は優衣の額に照準を合わせていた。 右手は親指に中指を引っ掛ける形となっている。中指に力と魔力を入れていく。 次の瞬間。幽霧は中指を弾き、中指を優衣の額にぶつけた。 優衣の頭に衝撃が走る。 なんと、幽霧は指に魔力を纏わせたデコピンを優衣に叩き込んだのだ。幽霧のデコピンは明らかに、有り得ない音がした。 幽霧にデコピンをされた優衣の身体は綺麗に飛ぶ。 そこには中指から煙らしき物が出ている幽霧と、額の一部が赤くなってそこから煙らしき物が出ている優衣がいた。 「優衣さん。大丈夫ですか?」 幽霧は消毒液に浸した脱脂綿を優衣の赤くなった額につける。 「痛い……痛いです………」 消毒液が染みるらしく、優衣は痛そうな声を出す。 とりあえず、幽霧は優衣の額に大きな絆創膏を貼る。 「あくまで応急処置なので、心配だったらちゃんと医務室に行って下さいね」 「はい……」 「幽霧くん」 声のする方を振り向く幽霧。 なのはは幽霧に笑顔で言った。 「私と………模擬戦しない?」 その瞬間、弥刀と優衣の顔が引きつる。 幽霧は全く顔色を変えず、なのはに尋ねた。 「別によろしいですが………何故でしょうか?」 あっさりと了解する幽霧に弥刀と優衣は唖然とした。 少し恥ずかしいそうになのはは言う。 「ヴィータちゃんたちは幽霧くんとしたことあるらしいけど、私はした事ないんだよね……模擬戦」 「自分としても楽しくないですよ」 ぼんやりとなのはを見ながら幽霧は言う。 「正直言うと、弥刀くんや優衣ちゃんが幽霧君と模擬戦しているのを見たら羨ましくなっちゃって………」 「はあ………」 なのはは恥ずかしそうに顔を赤らめ、幽霧に言う。 「私と………模擬戦してくれないかな?」 幽霧は瞼を閉じ、なのはに言った。 「わかりました」 「本当!?」 またもやあっさりと了承する幽霧になのはは喜ぶ。 「その代わり……30分待って下さい」 幽霧はそう言って、ポケットから一本のアンプルを取り出す。 そのアンプルには、「マンモスビンビン」とラベルが貼られていた。 「マンモスビンビン」を一気飲みして、幽霧は地面にねっころがる。 地面にねっころがりながら幽霧はなのはに言う。 「では。30分後に行いましょう。では、お休みなさいませ」 幽霧は瞼を閉じ、眠り始める。 「えっ。幽霧くん!?」 突然寝始めた幽霧に慌てるなのは。 弥刀は寝始めた幽霧を見ながら言う。 「あ~。30分経たないと起きないと思いますよ。それまでは緊急事態以外は起きませんから」 「え?」 弥刀の言葉になのはは唖然とする。 「とりあえず、待つ事をお勧めします」 「はい………」
https://w.atwiki.jp/tisnrail/pages/92.html
そこに夢は無く理想は果て、道は既に断ち切られた。 残されしものはその骸。 ニトロプラス『刃鳴散らす』 ◆ 無数の人間(ヒト)を斬ってきた。 銃が暴力とl武力の覇権を握る、熱砂の惑星に産まれ落ち。 独学で剣を修め、我流の流派を興し。一刀を以って、銃の優位など知らぬとばかりに敵対する人間(ヒト)を斬断し、身体を機械に変えたものも、特異な技巧を駆使するものも等しく刃の錆として、屍山血河を数多築き。人間(ヒト)を斬ることに飽きたと嘯くほどに斬り殺した。 その果てに、人間(ヒト)ならざるモノを斬りたいと欲して、人間(ヒト)ならざるモノに挑み、そして、敗れた。 己が必殺を期して繰り出した斬撃を躱し、己に悟らせることなく戦う要を破壊された。 己に対する配慮。己を殺さぬ様に無力化するという情け。 グズる幼児をあやしてl大人しくさせるような、優しい決着。 互いの命を懸けた、生死を争うと思っていた戰が、彼奴には只の児戯だったという事実。 己が剣は、己の一生を捧げた。文字通り心血振り絞り、魂すらも捧げた剣が、人間(ヒト)ならざるモノにはその程度だったという現実。 誇りを自負を打ち砕かれ、生涯を虚仮にされた事に狂乱し、背後からの一撃を加えようとして、そこで意識が闇に沈んだ。 ◆ 無数の人間(ヒト)を斬ってきた。 幕末の動乱期に、習い覚えた剣技を存分に振るえるという、凡そ剣者としては望むべくもない好機を得。 身に修めた剣技を振るうこともできず、只々後世に伝えるだけしか出来ずに果てていった先達達の無念を晴らすかのように、血風剣嵐吹き荒れる京都で剣を振るい、各地より集った剣客を斬って斬って斬り殺し。 果ては最新の銃器で武装した兵すら血祭りに上げ、動乱が治り、晴れて明治────泰平の世となると、海を渡り、米利堅の地で、ギャング達相手に剣を振るい。裏社会に悪名を轟かせ、極限まで強くなり、更なる強さを求めて人間(ヒト)である事を辞めて、魔人となった。 魔人となって得たのは更なる強さ。そして、渇き。 愉悦を感じる事が無くなり、つまらぬ弱卒を相手に剣を振るう日々。 癒し難い渇きは日を追うごとに強くなり。 その惰性の日々は、唐突に終わりを迎える。 剣術(ブレイドアーツ)を駆使する魔戦士(ブラッド・スター)に非ず。拳術(フィストアーツ)を用いる執事(バトラー)であったが、その強さは生涯で出逢った者達の中で最上。 剣と拳。振るう得物に違いはあれど、只々単に敵を打ち倒す為の術を極限にまで磨き上げた。その一点に変わりは無し。 血笑を浮かべて相戦い。そして、負けた。 人を捨て、異形の身体と成り果てて、そうして得た強さを以って戦い。完膚無きまでに撃ち倒された。 なんたる間抜けか。あくまで『人間』として闘う執事(バトラー)に……『人間』で在る事に堪え切れなかった己が、敵う道理は無く。 人で在るままに、人を捨てて得た強さを超えていかれたことで、癒し難い、決して癒えぬとすら思えていた渇きは癒され、安らかに眠りについた。 ◆ 俺の剣を見切ったと云うか。化物が。人間の殻を脱ぎ捨てて、人の限界を容易く超え得る力を持った化物風情が。 俺の剣を見切っただと?不可能だ。人間を超えてしまった貴様には、もう不可能なのだ。 人の剣術(ブレイドアーツ)を理解することは! ニトロプラス『戒厳聖都』 ◆ 夜の冬木中央公園で対峙する二つの人影。 一人は左右の手に肩の一振りずつ持ち、黒いスーツの上に、黒い外套を羽織った男。キャスターのクラスを得て現界したサーヴァント。ティトゥス。 もう一人は、腰に差した刀の柄に手を掛けた、ハリウッドの映画から抜け出してきたかの様な、勘違いサムライ・スタイル。聖杯大戦のマスターとしての資格を得た剣鬼。雷泥・ザ・ブレード。 二人は周囲の空間を凍てつかせ、煮えたぎらせながら、向かい合う。 空間を凍てつかせるのは二人の殺気だ。互いに眼前の敵を此処で必殺せんという意志が、空間を冷たく、昏く、凍えさせる。 空間を煮え滾らせるのは2人の闘志だ。互いに相手を超克し、捩じ伏せんとする意志が、空間を熱く、激しく、煮え立たせる。 当千の武威を誇る英霊ですらもが動けなくなりそうな“圧”を放ち続けるこの二人が、聖杯大戦に参じたサーヴァント同士でなく。サーヴァントとそれを召喚したマスターだと誰が知ろう。 事の起こりは丁度10分前。 この二人が会敵したのは、光り輝く鎧兜に身を包んだセイバーのサーヴァントと、それを従える魔術師の主従。 前に出ようとしたティトゥスを制し、マスターである雷泥が前へと出、格好に相応しく腰に帯びた刀の柄に手を掛けた。剣の英霊で無くても判別できるその構え。居合の構え。 マスターがサーヴァントを下げて、自分で戦うという事態を訝しんだセイバーは、秒にも満たぬ内にその解を得た。 彼我の距離凡そ10m。其れをセイバーのクラスを得て現界した英霊ですらが、辛うじて認識できる速度で詰め。ままに、抜刀。 居合使いの抜刀は即ち斬撃であり。 全ては一つの動作のもとに行われ、完了した。 人の域を超えた英霊すら認識できぬ抜き打ちは、棒立ちのままのセイバーの首を刈り飛ばした。セイバーが驚愕の表情を浮かべたのは、胴と首が分たれて後だった、 魔技。そうとしか言えぬ踏み込みと抜き打ち。このマスターは、人の身でありながらサーヴァントを斬り殺す。正に魔人と呼ぶべき存在なのだった。 579:FUJIYAMA HITOKIRI PARADISE ◆/dxfYHmcSQ:2023/10/23(月) 18 45 36 ID GFVC4gNg0 「詰まらぬ」 セイバーを斬り殺した雷泥の感想は、実に短く、素っ気がなかった。 傍目から見ればそう言いたくなるのは分からなくも無い。 踏み込んで、抜刀。これだけで『最優』と謳われるクラスのサーヴァントを斬り伏せたのだ。あまりにも呆気なく、あまりにも圧倒的な決着でしか無い。この様な結果を齎した弱敵に対する言葉としては、妥当とすら言える。 「致し方あるまい。マスターが前に出るのは聖杯戦争の常道に反している。策を疑い、お主に意識を向けられなかったのだろう」 敵を譲って、控えていたティトゥスがマスターを宥める。 だが、ティトゥスにしても、明らかにセイバーに対する落胆の色がハッキリと伺える。 「それでもあの脆さは有り得ぬ。人を超えた英霊とは言えども、やはり所詮は人という事か、某を破ったヴァッシュ・ザ・スタンピードには到底及ばぬ。この様な相手など、どれ程斬っても何の感慨も湧かぬ」 「あのセイバーが未熟だったゆえよ。人の身でありながら人を捨てた者を凌駕した戦士ウィンフィールドに比すれば、到底お主の敵足りぬ弱者よ。 お主の剣。人外のものには通じなかったと言っていたが、それはお主が未熟な所以。真に極まった拳技は、人の身でありながら、魔人となった拙者を打ち倒したぞ」 「人でありながら、人を棄て魔人となったお主が及ばなかったという男か。人が人以上のものに勝てるとは、到底信じられぬ」 僅かに、ティトゥスの目元が険しくなる。 言外に、『お主が弱いだけなのでは?』と滲ませた疑念に気づかぬティトゥスでは無く。 「ならば試してみるか。主人に疑われたままというのも、気分の良いものではない」 「応じよう」 そういうことになった。 両者ともに剣狂者であるが故に、剣の陶酔に酔い痴れた者達であるが故に。互いに機を窺っていたのかも知れなかった。 ◆ かくして両者は対峙する。雷泥は神秘や魔術とは無縁の人間であるが、ティトゥスの生成した刀を腰に手挟んでいる。その刀を振るえばサーヴァントといえども斬り伏せることが能うのは、先刻のセイバーが証明している。 剣の英霊すら正面から容易く斬り殺した、魔業と呼ぶべき雷泥の剣技を、キャスタークラスのティトゥスが受けることは能うのか? 常識的に考えれば不可能だが、雷泥が帯びるのと同じ刀を両手に提げたティトゥスの表情には、一片の翳りも、一雫の汗も無い。 あるかなきかの風が二人の髪を揺らめかせ、風が止むと同時。 「参る」 静かに宣告した雷泥が、10mも有った距離を刹那の間よりも短くゼロにする。 セイバーを斬った時よりも更に速い、鬼神ですら棒立ちのまま斬り殺されるほどの踏み込み。そして、抜刀。 サーヴァントを失えば六時間後に死に至る。そんな事など微塵も脳裏に存在しないと、見るもの全てに悟らせる抜き打ちで、ティトゥスの首を狩にいく。 この一斬を平然と見切り、右の刀で防ぐのと、左の刀で雷泥の喉首を突き裂きにいくティトゥスは、鬼神すら超越する魔人であった。 こちらも又、マスターを失えば、現世に留まる要石を失い、消滅する。その様な事実など意識の端にも存在していないと、見る者全てに悟らせる。 ティトゥスの反撃に対し、左に────ティトゥスから見て右へと回り込んで回避。逆袈裟に刀を振り下ろし、ティトゥスの背面を狙うも、雷泥が刀を振るい出すよりも早く、ティトゥスは大きく前へと跳躍して雷泥に空を斬らせる。 着地と同時に、素早く右旋回、回転の勢いのままに、隙を晒した雷泥の首を狙い右の一刀を振るうも、雷泥の刀身に阻まれる。 鋼の激突する音が天地を震わせる。ティトゥスがクラススキルにより得た結界作成能力が無ければ、周辺の住宅地に響き渡ったであろう、壮絶な刃と刃のぶつかり合う音が消えぬ内に、雷泥は後ろに飛んで距離を取り、腰を薙ぎに来たティトゥスの左の斬撃を回避する。 「クク…よもや死して後に、これ程の剣士と出逢えようとは!刃をこうして交えることが、これ程に愉悦とは!」 血笑を浮かべて独白する雷泥の顔は、熱砂の惑星で終ぞ出逢えなかった『剣士』との邂逅に、打ち震える剣鬼のそれ。 銃を使う者(ガンスリンガー)ばかりのノーマンズランドでは生涯経験する事が能わなかった『斬り合い』の愉悦に、雷泥の全身は歓喜に震え、心は闘志と悦びに猛り狂う。 この電脳空間に現出した時の、豪雨の中彷徨う野良犬の様な、悄然とした風情は何処にも見えない。 「拙者が生前に出逢った如何なる剣士も、お主は斬れるだろう。感謝するぞマスター。剣者として、剣を交える悦びを思い出させてくれた事を」 悪鬼の如き笑みを浮かべて語るティトゥスも又、歓喜に震えて闘志を燃やす。 刀を振るい。刃鳴を散らし、生命を散らす刃の陶酔に酔い痴れた剣狂者。 「次の一太刀で、雌雄これ決せようぞ」 刀を鞘に収め、居合の構えを取った雷泥の総身から噴き上がる“気”が、より一層密度をす。分厚い鋼の板でさえも、貫くであろう殺気。 対してティトゥスはより一層口元を歪めて全身から力を抜く。完全なる脱力。雷泥の如何なる動きにも即応し、刃を叩き込む後の先の構え。 雷泥の口元が、獲物を前に牙を剥く肉食獣のそれを思わせる程に吊り上がる。 「参る!!」 地を蹴立てて雷泥が奔り出す。 ◆ ────これは見切れぬ。 雷泥が奔り出した直後に、ティトゥスはそう結論づけた。 ティトゥスを中心として、螺旋を描いて奔る雷泥に最初はめんくらったものの、闘争に於いて銃がものをいう世界で、雷泥が『剣士』として屍山血河を築いたことを思い出し、得心する。 およそ銃というものは、射手から見て横────左右に動く相手には兎角当て難くくなるもの。 あの渦を描く奔りは、射手に狙いを付けさせない事と、接近とを兼ねた動きなのだろう。 ああして近付き、充分に距離を詰めてから、最後はすれ違いざまに斬る。 これがこの技の要諦なのだろう。だが、その程度ではティトゥスが見切れぬ筈は無く、そもそもが熱砂の惑星で撃ち殺されていてもおかしくは無い。螺旋を描いて近付き斬る、ただそれだけならば。 同じ速度で周り、同じ拍子で走るのならば、軌道とタイミングを読んで雷泥が未来に於いて居る場所に銃弾を送り込めば良い。それだけで、雷泥は死ぬ。雷泥と相対した者達が、よもやそれすら成し得ぬ愚鈍ばかりだったという訳でも無い限り。 ティトゥスが見切れぬと断じたのは、雷泥の歩法だ。 一定して疾走。しかして歩幅と速度は一歩踏み出すごとに変化する。 統一性の存在しない疾走は、酔っ払いの千鳥足の方がまだ捕捉しやすいとさえ思える。 此れではタイミングなど測れない。雷泥の未来位置を予測し、銃弾を送り込むなど到底叶わない。 ティトゥスはこの疾走と同質のモノを識っている。 精妙狂乱の疾走で幻惑し、距離を掴み損なわせる。 焦りから速すぎる攻撃を行う。惑乱のままに機を失い、反撃が遅れる。 そうして隙を晒した相手を斬り殺す。 確と間合いを図り、惑わされる事なく必殺の機を窺う相手には、最後の最後で大きく跳躍し、一気に間合いと“機”を奪い尽くして、ままに、斬る。 ────示現流の“懸り打ち”と発想と動きを同じくする剣技。我流でここまでよく練り上げた。幕末の京都で死合った薩摩の剣士達よりも遥かに上だ。 此れでは確かに読めぬ。更に悪い事に、雷泥はティトゥスを中心に螺旋を描いている。 ティトゥスの前後左右何処から最後の跳躍を行うのかは完全に雷泥次第だ。正面から走り寄って斬りつけてくるだけの“懸り打ち”よりも対処は遥かに難しい。 ────正しく魔剣よ。だが、それを破る技は、お主が斬り飽きたと語る“人”の中に在る。 ティトゥスは雷泥の動きを追うことを止めた。捉えるべきは、雷泥の奔りでは無く、生死を分ける、その刹那。 ────刹那の時間を見極める動体視力と速度を以ってして初めて神域のクロスカウンターを可能とする ティトゥスの脳裏に浮かぶウィンフィールドの声。雷泥を破るは魔人の剣術(ブレイドアーツ)に非ず、かの執事(バトラー)の拳技(フィストアーツ)。 人の産み出した鬼子の剣たる魔剣を破るのは、人が永き刻の中で練り上げた思考の芸術(アーツ)。 60…54…50…47…42…39…32…26………。 狂乱にして精妙なる疾走は、ティトゥスをして動きを捉えることを許さぬまま、着実に距離を狭めて来る。 20…16…11…8……。 死生を分つ決着の時は────。今。 「御首頂戴!!」 必殺の意志を声とした雷泥が、5mの距離を声の響きが消えるよりも早くゼロにして、抜刀。ティトゥスの首へと必殺の抜き打ちを放ち────。 全休付・無音。 雷泥の一刀は虚空を断ち。ティトゥスの持つ刀の柄頭が、雷泥の鳩尾を深々と抉り抜いた。 ◆ 地面に仰向けに倒れた雷泥の表情は、無惨というより他に無い。 生前にも、そして死後にも、“人を超えた者”を前に、己が剣は破れたのだ。 己の剣は結局のところ、その程度でしかないと識らされたのだ。 「某の剣はこの程度であったか、所詮は人ならざる者前では、子供の戯れに過ぎぬ剣でしか無かったという訳か」 己が剣を再度“人を超えた者”に凌駕された悔しさが、雷泥の嗚咽となって空気を震わせる。 所詮、この程度。 人が神の寵愛を一身に受けた才に恵まれようと、血反吐を吐き身を削り命を削り魂を削る程の鍛錬を経ても尚、“人を超えた者”はただそれだけで上を行く。 その事実が、酷く虚しかった。 「やはり、人の身を捨てるより他無し」 人間であることが弱さの理由ならば、人間を捨てて更なる高みへと至ろう。雷泥は聖杯大戦に挑む理由を再度決意した。 「いや、主人の剣は、拙者には見切れなかった」 その決意を揺らがすかの如く、頭上からティトゥスの声が降って来る。 「何と……!」 「主人殿の剣は、正しく魔剣と呼ぶに相応しいもの。生前の拙者であれば、ウィンフィールドと死合う前の拙者には、到底見切れなかった」 「………………………」 「主人殿の剣を破ったのは、拙者の剣では無い。ウィンフィールドの拳技よ」 「……人が、人以上のものを、破ったというのか」 「口惜しくはあるが、人でなくなった身には、人のままに人を超えた、あの戦士の拳は越えられぬよ」 「ならば、某にも、同じ事が」 「出来るかどうかはお主次第よ。だが、人を捨ててしまっては、到底届かぬ境地であろうな。幸い、此処には斬りでのある敵が犇めいている事だろう。聖杯を手にする迄に、何かしら掴めるかも知れんぞ」 ティトゥスは清々しささえ感じさせる風情で語る。だが、その内容はあまりにも血生臭い。 所詮は魔人。人である事をやめた者。悟りの境地へと至る道など当の昔に見失っている。 最早その道は、屍で舗装されるより他に無い。その在り方は、鮮血で彩られるより他に無い。 「聖杯に願う前に、“人”を極め尽くすも又一興か。ならばキャスター。この聖杯大戦を制した時には、もう一度某と立ち合え。人の身で、人を超える事ができるかどうか、試させて貰う」 ティトゥスの口元に笑みが浮かぶ。悪鬼羅刹も泣いて許しを乞う様な、そんな笑み。 「承知した」 雷泥の顔にもまた。同じ笑みが浮かんでいた。 ◆ 人骨踏みしめ怨念喰らい 這いずり進み血を啜る 悩ましきかな我が武道。 ニトロプラス『刃鳴散らす』 【名前】 ティトゥス@デモンベインシリーズ 【CLASS】 キャスター 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力;C 耐久:C 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:D 宝具;A++ 【クラス別スキル】 陣地作成:D 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 ”結界”の形成が可能。 人払いの術と変わらぬ程度だが、当人の魔術師としての位階の高さも有って、かなりの広範囲を覆う。効果も高い。 道具作成:D 魔術的な道具を作成する技能。 手のひらが裂けて日本刀が生えてくる。生成速度はかなり速く、魔力消費も殆ど無い。 【固有スキル】 魔人:A 高位の魔導書と契約し、人を棄て、人を超え、常理の外に在る存在。外道の知識により、その身も心も人のそれでは無くなっている ランク相応の堕天の魔、精神異常、魔術、魔力放出、自己改造の効果を発揮する。 戦闘続行:A 往生際が悪い。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 心眼(偽):B 直感・第六感による危険回避。 無窮の武練:C 重傷を負っていてもその剣技が鈍る事はない。 【宝具】 屍食教典儀(カルツ・ディ・グール) ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:自分自身 ダレット伯爵の著した魔導書。 フランス国内の人肉食や屍姦を行う邪教集団について記されている。 高位の魔導書であり鬼戒神(デウス・マキナ)を召喚出来る。 この書物自体が魔術の駆動式である為に、高ランクの高速詠唱の効果を所有者に齎すが、精神耐性スキルを高いランクで持っていなければ、精神を外道の知識に蝕まれて発狂する。 キャスターはこの書物により高い身体能力と回復能力を得ている。 普段は位相の異なる空間に収納されている。 鬼戒神・皇餓(デウスマキナ・オウガ) ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1OO人 屍食教典儀(カルツ・ディ・グール)により召喚される鬼戒神(デウス・マキナ) 鬼戒神(デウス・マキナ)とは魔導書に記された『機神召喚』の術式を駆動する事により召喚される神の模造品である。 膨大かつ高密度の異界情報を、巨大な魔力と複雑な魔術式で編み上げ、魔導書に記された巨神のイメージを物質化させる事で顕現させる。 超高密度情報体であり、通常の攻撃では情報密度を破壊できず、魔術理論を応用した攻撃か、同じ鬼戒神(デウス・マキナ)でなければ有効打を与えにくいという性質を持つ。 宝具とし扱われるにあたって、Bランク以上の神性や魔性に属する事を表すスキルを所有しているか、Bランク以上の神造宝具を用いぬ限り、一切の攻撃を無効化する。 速度に優れ、二振りの刀を振るう近接戦闘を得意とする。 奥の手として、召喚者であるティトゥスと同じく、一対二腕の隠し腕を用いた『四連斬』を用いる。 本来は50mの巨体と2616tの重量を有するが、宝具となるに際して、3m・1tにまでサイズが小さくなっている。 【Weapon】 日本刀: 掌が裂けて生えて来る。何本でも出せる。ティトゥスの技量と合わさって、分厚い鋼の扉も薄紙の様に切断する 隠し腕: 一対二腕の隠し腕。この腕も日本刀を生やせる。この腕を用いての四連撃『四(死)連斬』がティトゥスの奥義。 なお初見殺しの不意打ち技であり、一度見られると通用しない。作中ではウィンフィールドをこの技で破るも再戦時にはあっさり見切られて敗死。続編の機神飛翔デモンベインに於いても、無限螺旋の記憶を僅かに取り戻したウィンフィールドに回避されている。 ウィンフィールドから伝え聞いただけの大十時九郎にも躱されている辺り、秘匿性が大事な技であると言える。 【解説】 魔術結社『ブラックロッジ』の七人居る大幹部『アンチクロス』の一人。 幕末の日本に生まれ、戊辰戦争終結後にアメリカに渡り、ギャングを斬りまくって悪名を轟かせ、更なる強さを求めて魔導書と契約して魔人へと堕ちた男。 宿敵と定めたウィンフィールドと戦い、人のまま人を超えたその強さの前に完敗。己の間抜けさを嘲笑いつつ死亡する。 余談ではあるが、人間辞めなかった場合。悟りの境地に至って人間辞めるよりも強くなったとの事。お前の人生なんだったの?とか言ってはいけない。 無限螺旋に於いては、鬼戒神・皇餓を駆ってデモンベインと戦い、敗れる事もある。 このティトゥスは、時間軸が意味を為さない無限螺旋から英霊の座に至った存在である為に、デモンベインに破れて死んだ記憶も持ち合わせているが、彼が『敗北した相手』と訪ねられて名を挙げるのは、ウィンフィールドである。 【聖杯への願い】 無いといえば無い。強いて言えば人間辞めなかった場合、何処まで強くなれたのかを識りたい。 その上でウィンフィールドと再戦したい。 【マスター】 雷泥・ザ・ブレード@TRIGUN 『能力・技能】 遺棄された宇宙船の記録から、地球の剣術について学び、『次元斬一刀流』を創始する。 サイボーグが徘徊し、銃がものいうノーマンズランドで、刀一本で屍山血河を築ける剣の技量。 斬る相手を中心に銃撃回避と接近を兼ねる螺旋を描きながら接近。すれ違いざまに斬る『二重星雲(ふたえネビュラ)』が奥義。 【解説】 ミリオンズ・ナイブズが集めた殺人集団GUNG-HO-GUNSの No.9。 銃やサイボーグすら相手にならない剣腕を持ち、人を斬るのに飽きて、人以外のものを斬ってみたいと思うようになる。 その思いを抱いて、人では無い存在であるヴァッシュ・ザ・スタンピードと戦うも、二重星雲を破られ、気付かぬうちにローラーを破壊されて、戦う術を奪われる。 この事に己が生涯を捧げた剣が人を超えたものには終ぞ届かぬと知り、狂乱。 後ろからヴァッシュを撃とうとするも後ろからウルフウッドに頭を撃たれて死亡。 人を斬るのに飽きたと言う前に、レガートかミッドバレイを斬ったら?とか言ってはいけない。多分仲間は大切にするタイプなんだろう。きっと。 【聖杯への願い】 聖杯大戦中に人のまま人を超えられるか試す。丁度良い砥石(サーヴァント)は幾らでも居るし。 人を超えられない時は聖杯に願って人間辞める。 【参戦時期】 死亡後
https://w.atwiki.jp/syuria00/pages/26.html
一覧です。 気まぐれで追加される場合があるので今あるのが完全版ではありません。 またTOMのシステムにより特技、秘技、奥義の概念はありません。 アルフレッド 名前 属性 分類 説明/備考 麒麟刃[キリンジン] 物理 双極 回転する真空波を放つ。射程は中距離まで。 散華麒麟刃[サンカキリンジン] 物理 双極 麒麟刃中に再度入力で発動。双極を回転させながら振るい、4方向に真空波を飛ばす。 散星麒麟刃[サンセイキリンジン] 物理 双極 散華麒麟刃中に再度入力で発動。双極を高速回転させながら振るい、全方向に真空波を飛ばす。 天翔陣[テンショウジン] 風 双極 気を巻き上げながら飛び上がり、周囲を攻撃する。 緑龍天翔陣[リョクリュウテンショウジン] 風 双極 飛び上がらず双極を高速回転させて竜巻を起こす。天翔陣より広範囲。 流麗牙[リュウレイガ] 武器 双極 小さく飛び上がりながらの、流れるような連続斬り。 陽眼[ヨウガン] - 特殊技 ダメージ補正を一定時間抑える(ステージによって補正抑制率変動) 天想来[テンソウライ] 光 特殊技 一定時間、攻撃と防御を25%上昇させる。発動時に光属性の雷が周囲に落下。 円閃牙[エンセンガ] 武器依存 双極 双極を回転させる連続斬り。敵を浮かせる。 円閃襲落[エンセンシュウラク] 武器依存 双極 円閃牙の追加技。素早く飛び上がり上空から一撃を与える。ガード不能。 翔転牙[ショウテンガ] 武器依存 双極 敵を打ち上げ空中で双極を回転させて最後になぎ払う。 麒麟月臥斬[キリンゲツガザン] 武器 双極 巨大な竜巻のような回転する真空波で敵を打ち上げながら飛んだ後、月型の巨大真空波で追撃する。 流麗天翔[リュウレイテンショウ] 武器 双極 飛び上がりながらの連続攻撃の後、天翔陣に連携する技。 連転旋風斬[レンテンセンプウザン] 武器 双極 円閃牙→翔転牙と連携する技。 虎煌刃[ココウジン] 物理 双剣 煌く刃で2連撃を行う。真空波を纏うのでリーチはそれなりに長い。 煌刃断衝[コウジンダンショウ] 物理 双剣 虎煌刃の追加技。強力な一撃で敵を吹き飛ばす。 飛翔閃[ヒショウセン] 物理 双剣 飛び上がりつつ斜め上に一閃する。敵の背後の空中に回れるのが特徴。 飛天双翼閃[ヒテンソウヨクセン] 物理 双剣 飛翔閃の追加技。そのまま急降下し敵を一閃、元の位置に戻る。 飛翔鳳翼閃[ヒショウホウヨクセン] 物理 双剣 飛翔閃の追加技で属性変化技。その場から鳳凰天駆を発動。 襲爪風刃[シュウソウフウジン] 物理 双剣 軽く跳躍しつつ間合いを詰め、舞うように双剣を振り、周囲に発生させた風の刃で攻撃する。 翔舞月華[ショウブゲッカ] 物理 双剣 飛びながら敵を切り上げで打ち上げた後、斜め下に向けて月型真空波を飛ばす。 屠龍連翔舞[トリュウレンショウブ] 物理 双剣 斬り上げ>飛び上がり斬り上げ>空中水平斬り>斬り落ろし>閃光とともに斬り上げ。 離脱竜風[リダツリュウフウ] 武器 共通 ガードした瞬間に双極の状態で回転させ、竜巻を放ちつつ後退するカウンター技。 竜風追閃[リュウフウツイセン] 武器 共通 離脱竜風後に、突風を纏いつつ敵を一閃するEXカウンター技。 緑龍旋風刃[リョクリュウセンプウジン] 風 双極 龍のような貫通する竜巻を前方に放つ秘奥義。 煌天千衝斬[コウテンセンショウザン] 光 双極 空中から回転する真空波を乱発する2次秘奥義。 麒麟刃・天牙[キリンジン・テンガ] 光 双極 双極の二つの刃が光の刃で巨大化し、回転してエリア全体をなぎ払う3次秘奥義。 界皇滅星刃[カイオウメッセイジン] 物理 双極 星命武器の力を解放し、全てを滅する刃で粉砕する最終奥義。ラスボス戦の最後に自動発動。 ライル 名前 属性 分類 説明/備考 爆砕斬[バクサイザン] 地 斧 斧を叩きつけ石つぶてで攻撃。 爆壊連舞[バクカイレンブ] 地 斧 爆砕斬の追加技。振り上げて更に多くの石つぶてを飛ばす。 翔牙爆連舞[ショウガバクレンブ] 地 斧 爆壊連舞の追加技。衝撃波を纏った飛び上がりながらの切り上げ。 裂旋斧[レッセンブ] 武器 斧 斧を大きく回転させて攻撃。範囲が広い。 追烈連斧[ツイレツレンブ] 武器 斧 裂旋斧の追加技。ガード不可能の裂旋斧を見舞う。 連牙絶衝斬[レンガゼッショウザン] 武器 斧 追烈連斧の追加技。2回連続で裂旋斧を見舞った後、反対方向に斧を振るうと同時に衝撃波。 獅子戦吼[シシセンコウ] 物理 斧 獅子の闘気で敵を吹き飛ばす。高威力。 獅吼翔破陣[シコウショウハジン] 物理 斧 獅子戦吼の追加技。吹き飛ばした相手を飛び上がりながら追尾し、斧を叩きつけた衝撃で浮かせる。 雷神招[ライジンショウ] 雷 斧 斧を振り上げ落雷を落とす。 雷神光燐[ライジンコウリン] 光 斧 雷神招の追加技。光を纏った斧でなぎ払う。多段ヒット。 放追衝[ホウツイショウ] 物理 斧 斧を突き出し、敵を捉えた後、振り上げて斜め上に吹き飛ばす。ガード不能。 翔凰墜砲[ショウオウツイホウ] 物理 斧 放追衝の追加技。レーザー状の衝撃破で追撃する。 弧月旋[コゲツセン] 物理 斧 月を描く切り上げ。 翔月双旋[ショウゲツソウセン] 物理 斧 弧月旋の追加技。空中で再度弧月旋を出す使いやすい技。 華天月砕[カテンゲッサイ] 光 斧 振り下ろし→振り上げで敵を打ち上げた後、空中で月を描く斬りを描き叩きつける。かなり高威力。 絶空天牙[ゼックウテンガ] 物理 斧 空中専用。カマイタチを纏った斧を連続で振るう。 無影閃[ムエイセン] 物理 斧 後退後、ガード不能のなぎ払いを行うカウンター技。 無影幻魔[ムエイゲンマ] 闇 斧 後退後、ガード不能のなぎ払い→闇属性の衝撃波と連携するEXカウンター技。 剛招来[ゴウショウライ] 炎 全共通 一定時間攻撃力を50%上昇させる。発動時に炎属性の衝撃波。 灰燼爆炎打[カイジンバクエンダ] 炎 秘奥義 渾身の力を込めて炎属性の大爆発を起こす秘奥義。 光雨鳴衝閃[コウウメイショウセン] 光 秘奥義 槍で残像をも残す光属性の連続突きを行い最後に吹き飛ばす2次秘奥義。 四聖連撃[シセイレンゲキ] 氷雷風炎 秘奥義 一定範囲の敵を氷漬け→周囲に雷→竜巻→拳を振り上げ爆発 と連携する3次秘奥義。 無間滅界[ムゲンメッカイ] 物理 最終奥義 衝撃波を出しながら力を溜めた後、フィールドを崩壊させるような全体攻撃を行う最終奥義。 ミンティア 名前 属性 分類 説明/備考 ソニックエッジ 風 詠唱無し簡易術 凄まじい速度の風の刃を一発放つ。微妙に敵を追尾。 デュアルソニック 風 詠唱無し簡易術 凄まじい速度の風の刃を2発放つ。敵を挟み撃ちするように追尾。 アクアブラスター 水 詠唱無し簡易術 圧縮された水の弾を前方に無数に放つ。 スプレッド 水 詠唱無し簡易術 圧縮された水流を敵の足元から立ち昇らせる。 サマーアミュレット 炎 詠唱無し簡易術 敵を追尾する炎の弾を6発発生させる。個々の威力は低いが追尾性能が優秀。 ダイヤモンドレイン 地 詠唱無し簡易術 堅く綺麗な鉱石を上空から5発落とす。 シューティングレヴァリエ 光 詠唱無し簡易術 対象に向かって線を発した後、強力な光線が敵を貫く。 ブロークンハート 闇 詠唱無し簡易術 敵を吹き飛ばし貫通する紅き槍を、前方に一直線に投げる。 ファーストエイド - 回復術 対象のHPを30%回復。 ハートレスサークル - 回復術 徐々にHPが回復する陣を一定時間作り出す。 リキュペレート - 回復術 範囲状態異常回復。 レイズデット - 回復術 単体の戦闘不能を回復。 リザレクション - 回復術 広範囲において大幅にHPを回復する。 ブルーアース - 秘奥義 味方全員のHP、状態異常、戦闘不能を全回復する一次秘奥義。 メイルシュトローム 水属性 攻撃術 巨大な水柱を中心に激しい水流が展開し、広範囲を巻き込む術。 テトラプリズン 光 攻撃術 プリズムソード→ホーリーランス→グランドクラス と連続で術を発動する。 スーパーノヴァ 物理 秘奥義 超新生爆発を起こし全体を攻撃する二次秘奥義。 プラネット・スペル ※変動 秘奥義 元素の精霊の恩恵による超強力魔術を連発する最終奥義。 ラルフ・キャバリエーレ 名前 属性 分類 説明/備考 旋風斬[センプウザン] 武器 剣 小さく飛び上がりながら素早く斬る。 旋風連斬[センプウレンザン] 武器 剣 旋風斬の途中で再度旋風斬のコマンドを入力することで発動。逆の方向に斬る。 旋風連翔刃[センプウレンショウジン] 武器 剣 旋風連斬の途中で旋風斬のコマンド入力で発動。強力な旋風斬の後、飛び上がりながら斬り上げる。 閃空裂破[センクウレツハ] 武器 剣 回転斬り>突き。 閃空翔裂破[センクウショウレツハ] 武器 剣 閃空裂破の途中で旋風斬のコマンドを入力することで発動。突きを出さず空中で吹き飛ばす。 天塵閃空破[テンジンセンクウハ] 武器+光 剣 閃空裂破で飛び上がった後、浮いた敵の足元から光り輝く竜巻型真空波を発生。ヒット数が多く追撃しやすい。 烈炎剣[レツエンケン] 火 剣 ガードしたときに剣を引き、その摩擦熱により炎属性を付加。そのまま切りつけるカウンター技。 紅龍剣[コウリュウケン] 火 剣 素早く剣を引き、更に魔術で炎を強化。回転切りで飛び上がり龍の形をした炎を敵にぶつけるEXカウンター技。 集気法[シュウキホウ] - 剣 体力15%回復。 双牙斬[ソウガザン] 武器 剣 斬り下ろし>ジャンプしながらの斬り上げの2段攻撃。 雷斬襲撃[ライザンシュウゲキ] 武器+雷 剣 双牙斬後にコマンド入力で発動。雷を5発落とした後、急降下しつつ斬る。 飛月斬[ヒゲツザン] 物理 剣 月型の真空波を飛ばす。 飛月双牙[ヒゲツソウガ] 物理 剣 飛月斬後に同じコマンド入力で発動。 斬魔月衝刃[ザンマゲッショウジン] 武器 剣 飛月双牙後に入力で発動。ガード不可能かつ確実に気絶状態にさせる巨大な月型真空波を飛ばす。溜め時間があるのでコンボにはならない。 守護方陣[シュゴホウジン] 物理 剣 地面に剣を突き刺し、立ち上る光で攻撃する。陣内に味方がいると回復させることもできる。 虚空蒼破斬[コクウソウハザン] 光 剣 力を溜めた後、飛び上がりながら剣を振り上げ衝撃波で攻撃する。 幻魔衝[ゲンマショウ] 武器 剣 残像を残すように背後に移動。そのまま貫く。残像が出ている間は敵の攻撃を残像に集中させることができる。 空破絶風撃[クウハゼップウゲキ] 風 剣 幻魔衝後に同じコマンド入力で発動。一瞬後退した後、突風をまとった突きを繰り出す。 光龍滅破衝[コウリュウメッパショウ] 光 剣 空破絶風撃後に同じコマンド入力で発動。敵の前に戻り光属性の強力な突きを放つ(吹き飛ばし) 次元光翔[ジゲンコウショウ] 物理 剣 巨大な元素の剣を生成し、飛び上がりつつ斬り上げ攻撃を行う。リーチが長い。 時空斬光破[ジクウザンコウハ] 物理 剣 次元光翔に再度入力で発動。巨大な剣で切り下ろし>切り上げ>一閃と行う。 爪龍斬牙[ソウリュウザンガ] 物理 格闘装備 腕に装着した刃で素早く接近し、切りつける。 幻穿衝破[ゲンセンショウハ] 物理 格闘装備 幻魔衝中に爪龍斬牙を入力すると発動。アッパーカットで敵を浮かせる。 デルタレイエッジ 物理 剣 3角形を描くように強力な3連切りを行った後、一閃して光の爆発を起こす秘奥義。 エカトルブレイド 風 剣 全方向から風の刃で斬り刻んだ後、剣を叩きつけ嵐を巻き起こす二次秘奥義。 レッドキャバリア 闇+光 剣 横方向へ分身し単体へ向けて突きで貫き紅き剣を模す3次秘奥義。使用後は覚醒状態に。 ディリジャン 光 秘奥義 力を解放した後10秒間自由行動が取れ全ての通常攻撃、技に追加で強力な衝撃波が付加され、10秒後敵を打ち上げて上空にレーザーを放ちフィニッシュする最終奥義。使用後はディリジャンの力で戦える。 ディバインフィールド 雷 特殊技 ディリジャン時に守護方陣使用で発動。周囲に無数の雷を落とす。 ウィンドエッジ 風 攻撃術 敵のいる地点に風の刃を発生させる。 タービュランス 風 攻撃術 突風を巻き起こす。 サンダーブレード 雷 攻撃術 雷の剣を落とす。 ディバインセイバー 雷 攻撃術 外から内へ次々と雷を落とす。 爆雷爪翔剣 雷 RIMIXスキル独立技・剣 高く飛び上がり、雷の力を宿した剣を叩きつけて周囲に放電及び落雷攻撃。威力は高い。 風雅断空剣 風 RIMIXスキル独立技・剣 周囲に気を発した後、凄まじい質量の風とともに舞い上がる。敵を高く浮かせる。 ゼーレ=ミストラル 名前 属性 分類 説明/備考 ドリーミング・コリド - ミストラル 幻想空間を経由し敵の背後に移動。 コルダランス 氷 ミストラル 氷の槍を生成して敵を貫く。 スノウ・スパイカー 氷 ミストラル 斜め上に素早く飛び攻撃。 クリスタル・ルナ 氷 ミストラル スノウスパイク後追加入力で発動。月を描く蹴り。 フリジットサン 氷 ミストラル 自分を中心に氷の槍を全方位に展開。 レイク・ロンド 物理 ミストラル 踊るように回りながら敵に接近>開脚して敵の足元に攻撃。 レイク・ロンド・ノヴァ 光 ミストラル レイク・ロンド回転中に追加入力。回転回数が増え、光の球で攻撃する。 ノヴァ・スワン・ロンド 物理>氷 ミストラル 踊るように回りながら上昇>叩き落し。 アボマファンタジー 闇 ミストラル この世の様々な禍々しき幻想が収縮された弾を放つ闇属性攻撃(多段ヒット) アクアスパイク 水 ゼーレ術 圧縮した水の弾を放つ。 フリーズランサー 氷 ゼーレ、ミストラル術 無数の氷の槍を前方に飛ばす術。 ブラッディファンダズム 闇 ミストラル術 あらゆる負の感情を具現化する全体攻撃術。 ファーストエイド - ゼーレ回復術 対象のHPを30%回復。 メディテーション - ゼーレ回復術 対象のHPを60%回復。状態異常回復。 リフサル・トランス - 回復術 事象の拒絶により対象一人を全回復。(ゼーレがミストラルと融合後使用可能) 黒陽刀〔コクヨウトウ〕 - ゼーレ、ミストラル 黒陽刀装備。通常攻撃変更及び技の使用が不可能になるが攻撃力アップ。 インブレイスエンド 氷 ゼーレ 氷の棺に敵を閉じ込めて終焉を与える秘奥義。 ブラッドフォートレス 闇 ミストラル 空想の中の惨殺空間を展開する2次秘奥義。 ナット・ナウ・ユートピア 物理 秘奥義 空間そのものを破壊して敵全体に大ダメージを与える最終奥義。また、事象の消滅を行うためパーティメンバーの全てが全回復。(ゼーレがミストラルと融合後使用可能) アクィラ・ベイオネット 名前 属性 分類 説明/備考 リロード - 共通 アタックチェーンを回復させる。自動回復と違い瞬時に回復するのが特徴。 サーチショット 物理 ライフル 高威力かつ命中率の高い銃撃を行う。 Lブラスター 物理 ライフル 貫通するレーザーを放つ。チャージすることで射出時間と威力が増加。 ラピッドライフル 物理 ライフル その場で連射する。ヒット数が非常に多いが、1発あたりの威力は低い。 ポイズンブレッド 物理 ライフル 一定確率で毒効果にする銃弾を放つ。 バニッシュレイン 光 ライフル 上空に無数の光弾を発射した後地上に降り注ぐ時間差攻撃。光属性。 Lブレード 物理 ライフル 銃口からレーザーを発し、刀身を生成する、強力な通常攻撃が可能になるが、別の技を出すと消滅。 ブレッドファン 物理 ライフル 扇状に弾をばら撒く。至近距離で当てるとヒット数増加。 ソニックショット 物理 二丁拳銃 衝撃波を2つ放つ。射程は中距離までだが攻撃範囲は広め。 フレアバニシング 炎 二丁拳銃 二丁拳銃の魔力を集中し、巨大な火炎弾を放つ。当たると広範囲の爆発。 デルタヴォルト 雷 二丁拳銃 雷が落下する銃弾を目標の周囲に3発同時に放つ。 スパイラルフレア 炎 二丁拳銃 フレアバニシングをチャージして放つと発動。ライフルで放つので技後は強制的にライフルにチェンジ。 エアブレイド 風 二丁拳銃 ソニックショットをチャージして放つと発動。巨大な圧縮した風の刃を2発放つ。 ヴォルトアロー 雷 二丁拳銃 デルタヴォルトをチャージして放つと発動。3つの雷球の中心に連続で雷を落とす。 ジャッジメント 光 ライフル バニッシュレインをチャージして放つと発動。強力な光が画面全体に降り注ぐ。 スナイプ・ヴェルデ 物理 ライフル 敵一体の急所を撃ち抜き大ダメージを与える秘奥義。他のキャラの一次秘奥義より威力が高い。 FSタイム 物理 ライフル 神域の早さで銃を連射する2次秘奥義。技中は時間の流れがスローになる。 アルカディア・ドライヴ 光 ライフル 敵を掴み、銃で打ち上げた後、真上の敵に零距離で聖なる光を連続で放つ最終奥義。ヒット時に爆風により周囲にもダメージ。また、零距離射撃の対象は即死。 リン・フルール・アルファネス 名前 属性 分類 説明/備考 レイトラスト 物理 チャクラム 貫通するチャクラムを投げる。 グランシャリオ 雷 チャクラム 2つのチャクラムを投げ、交差地点に雷を落とす。 ソルフェージュ 物理 チャクラム チャクラムで連続で切りつけた後、回転攻撃で吹き飛ばす。 ブランティス 物理 チャクラム 両手にチャクラムを持ち回転攻撃。 ウィンドスラッシュ 風 ロッド 目の前に風の刃を発生させる。 スパイク 物理 ロッド 敵を追尾する光の弾を放つ。 バニシングトロイ 物理 ロッド 敵にロッドを突き当てた後、ロッドの先端に溜めた魔力を炸裂させる。ガード不能。 フォトン 光 術 光を収束>拡散させ敵にダメージを与える。 フォトンブラスト 光 チャクラム フォトン詠唱中にソルフェージュを入力すると次にソルフェージュを出した時に発動する技。 リミテッド 光 術 光の柱を落とす。 ファイアボール 炎 術 炎の球を飛ばす。レベルアップで弾数増加。 バーンストライク 炎 術 強力な火炎弾を3発落下させる。 シャープネス - 術 単体の攻撃力を一定時間増加させる。 ピコハン 物理 - 攻撃を受けた瞬間バックステップして、敵の頭上にピコハンを落下させるカウンター技。たまに当たらないことも。 パラライボール 雷 - ピコハンでは無く当たると雷が落ちるボールを落下させるEXカウンター技。命中率は高い。 天装の解放 光 秘奥義 使用武器が変更される秘奥義。発動時に光の波動で周囲にダメージ。 飛刃・翔舞[ヒジン・ショウブ] 物理 ブーメラン 斜め上にブーメランを飛ばす。近距離では敵を高く浮かせることが可能。 飛刃・旋風[ヒジン・センプウ] 物理 ブーメラン 回転するブーメランを留まらせる。遠距離の敵の足止めに有効。 飛刃・砕地[ヒジン・サイチ] 物理 ブーメラン 飛び上がり、ブーメランを地上に投げつけて地面を割る。 舞刃・風月[ブジン・フウゲツ] 風 ブーメラン ブーメランを勢いよく2回転させる。動作が非常に早く、攻撃範囲も優秀。 舞刃・裂空[ブジン・レックウ] 物理 ブーメラン 両手にブーメランを持ち、身体を捻らせながらの空中縦回転斬りで敵を叩きつける。 魔刃・月光[マジン・ゲッコウ] 光 ブーメラン 月を模した魔力の塊で敵を固定した後、斬り下ろしで一刀両断する。 魔刃・旋影[マジン・センエイ] 風 ブーメラン その場でブーメランによる竜巻を発生させ、自身は素早く後ろに飛びずさる。 爆炎旋刃[バクエンセンジン] 炎 ブーメラン 敵の攻撃を回転斬りで弾き、摩擦熱により炎属性による攻撃を行うカウンター技。 爆炎旋月衝[バクエンセンゲツショウ] 炎 ブーメラン 基本的には爆炎旋刃と同じだが、回転回数が増している上、1回転ごとにランダム方向に炎属性の月型真空波を飛ばす。動作が高速化している。EXカウンター技。 亜空槍[アクウソウ] 物理 槍 気を纏いながら敵に突進する。技中無敵で飛び道具も弾き返す。 天衝[テンショウ] 物理 槍 敵の頭上に移動し、一撃を与える。ガード不能。 飛翔旋[ヒショウセン] 物理 槍 逆立ちしつつ槍を回転させ、旋風を巻き起こし周囲の敵を打ち上げる。 光翼の解放 物理 秘奥義 移動手段に「飛行」が追加され、使用技が増加する2次秘奥義。天装の解放を使用している必要あり。発動時に光属性の波動で周囲にダメージ。 ロンギヌス 物理 槍 上空から光を纏った厄災の槍を投げつける。術並みの威力を誇る。 レインドセイグリット 光 槍 力を溜めた後、上空から魔力で作られた聖なる槍の雨により制裁を与える。 ドラゴンランス 光 槍 光の龍を模した閃光で敵を貫く。 炎の守り手の解放 物理 秘奥義 上空で一部通常攻撃を行うと3つの強力な術が無詠唱で発動できるようになる3次秘奥義。光翼の解放を使用している必要あり。発動時に炎の渦で周囲にダメージ。 エンシェントノヴァ 炎 術 飛行中に↑○で発動。浄化の炎を発生させる。 フレアトーネード 炎 術 飛行中に↓○で発動。自身を囲むように炎の渦が立ち上る。 フレイムドラゴン 炎 術 飛行中に←or→○で発動。前方に炎の龍を飛ばす。 プロミネンス・ルイン 物理 秘奥義 自身を媒体として太陽そのものと化し、エリア全体を焼き払う最終奥義。全ての「解放」を行っている必要あり。 ディア・キャバリエーレ 名前 属性 分類 説明/備考 幻影刃[ゲンエイジン] 物理 短刀 後ろに回りこみながら斬る技。 幻影回帰[ゲンエイカイキ] 物理 短刀 幻影刃の追加技。 瞬風閃[シュンプウセン] 物理 短刀 ナイフで動きが見えないほどの連続斬撃。 幻凰閃[ゲンオウセン] 物理 短刀 飛び上がった後、敵の背後に瞬間移動するように一閃する。 水月閃斬[ミツキセンザン] 物理 短刀 敵に突進するような構えを見せた後、敵の頭上にワープして、素早く切りつける。 極死[キョクシ] 物理 短刀 敵の攻撃をかわし、心臓付近に一撃を与えるカウンター技。クリティカル率高し。 確死[カクシ] 闇 短刀 極死より強力。確実にクリティカルヒットし、確実に気絶するEXカウンター技。 月穿[ゲッセン] 物理 格闘 上空に向けて飛び蹴りを放つ。敵を高く浮かせる。 穿月墜[センゲツツイ] 物理 格闘 月穿の追加技。かかと落としで叩き落す。 疾風脚[シップウキャク] 物理 格闘 素早く間合いを詰めて回し蹴り。 三華疾風脚[サンカシップウキャク] 物理 格闘 疾風脚追加技。続けて3連続の蹴りを見舞う。 飛燕連脚[ヒエンレンキャク] 物理 格闘 空中へ飛びつつ3連続の蹴り。 飛燕連天脚[ヒエンレンテンキャク] 物理+風 格闘 飛燕連脚の追加技。サマーソルトキックを見舞う。 青破掌[ソウハショウ] 物理 格闘 敵に掌底を叩きつけ、気を炸裂させて吹き飛ばさずにダウンを奪う。 瞬転裁[シュンテンサイ] 物理 格闘 敵を掴む。追加入力で離す。ガード不可能。派生技参照。 瞬転青破掌[シュンテンソウハショウ] 物理 格闘 瞬転裁中に←or→×。敵を吹き飛ばしてダウンを奪う。 裁転投打殺[サイテントウダサツ] 物理 格闘 瞬転裁中に↓×。地面に叩きつける。 飛裁天月脚[ヒサイテンゲツキャク] 物理 格闘 瞬転裁中に↑×。サマーソルトキックで上空に吹き飛ばす。ジャンプキャンセル可。 影月[エイゲツ] - 格闘・短刀 一定距離を瞬間移動。技中無敵だが派生技があるため発動前に若干の溜めがある。 瞬月影裁[シュンゲツエイサイ] 物理 格闘・短刀 影月の溜め中に←or→×。敵の目の前に瞬間移動し、瞬転裁を発動。派生技への移行可。 月影翔閃[ゲツエイショウセン] 武器 格闘・短刀 影月の溜め中に↑×。敵の頭上に瞬間移動し小型の真空波を飛ばす。確実に仰け反る。 幻月歩法[ゲンゲツホホウ] - 格闘・短刀 影月の溜め中に↓×。敵の背後に回った後、幻影を残しつつ元の位置に戻る。敵の攻撃が幻影に向けられるので崩しに使える。 獅想身[シソウシン] - 格闘・短刀 クリティカル率を2.5倍に。一定時間アタックチェーンを消費しなくなる。 瞬天狼閃[シュンテンロウセン] 物理 短刀 一直線上の敵の背後に瞬間移動して振り向いて斜め上に気を纏った短刀を投げつける秘奥義。 滅鬼炎焼[メッキエンショウ] 炎 短刀 敵の頭上に瞬間移動し敵に向かってあたると強力な火柱を発生させる短刀を投げる2次秘奥義。 風刃乱殺[フウジンランサツ] 風 短刀 瞬風閃で風の刃を無数に飛ばし、球体を生成。風の乱れを切ることで球体を爆発させる3次秘奥義 陰陽[インヨウ] 闇 短刀 ディリジャンと使い魔の力を解放。空間の血で武器を生成し対象を殲滅する最終奥義。使用後はディリジャンの能力で戦える。
https://w.atwiki.jp/tisnrail/pages/88.html
そこに夢は無く理想は果て、道は既に断ち切られた。 残されしものはその骸。 ニトロプラス『刃鳴散らす』 ◆ 無数の人間(ヒト)を斬ってきた。 銃が暴力とl武力の覇権を握る、熱砂の惑星に産まれ落ち。 独学で剣を修め、我流の流派を興し。一刀を以って、銃の優位など知らぬとばかりに敵対する人間(ヒト)を斬断し、身体を機械に変えたものも、特異な技巧を駆使するものも等しく刃の錆として、屍山血河を数多築き。人間(ヒト)を斬ることに飽きたと嘯くほどに斬り殺した。 その果てに、人間(ヒト)ならざるモノを斬りたいと欲して、人間(ヒト)ならざるモノに挑み、そして、敗れた。 己が必殺を期して繰り出した斬撃を躱し、己に悟らせることなく戦う要を破壊された。 己に対する配慮。己を殺さぬ様に無力化するという情け。 グズる幼児をあやしてl大人しくさせるような、優しい決着。 互いの命を懸けた、生死を争うと思っていた戰が、彼奴には只の児戯だったという事実。 己が剣は、己の一生を捧げた。文字通り心血振り絞り、魂すらも捧げた剣が、人間(ヒト)ならざるモノにはその程度だったという現実。 誇りを自負を打ち砕かれ、生涯を虚仮にされた事に狂乱し、背後からの一撃を加えようとして、そこで意識が闇に沈んだ。 ◆ 無数の人間(ヒト)を斬ってきた。 幕末の動乱期に、習い覚えた剣技を存分に振るえるという、凡そ剣者としては望むべくもない好機を得。 身に修めた剣技を振るうこともできず、只々後世に伝えるだけしか出来ずに果てていった先達達の無念を晴らすかのように、血風剣嵐吹き荒れる京都で剣を振るい、各地より集った剣客を斬って斬って斬り殺し。 果ては最新の銃器で武装した兵すら血祭りに上げ、動乱が治り、晴れて明治────泰平の世となると、海を渡り、米利堅の地で、ギャング達相手に剣を振るい。裏社会に悪名を轟かせ、極限まで強くなり、更なる強さを求めて人間(ヒト)である事を辞めて、魔人となった。 魔人となって得たのは更なる強さ。そして、渇き。 愉悦を感じる事が無くなり、つまらぬ弱卒を相手に剣を振るう日々。 癒し難い渇きは日を追うごとに強くなり。 その惰性の日々は、唐突に終わりを迎える。 剣術(ブレイドアーツ)を駆使する魔戦士(ブラッド・スター)に非ず。拳術(フィストアーツ)を用いる執事(バトラー)であったが、その強さは生涯で出逢った者達の中で最上。 剣と拳。振るう得物に違いはあれど、只々単に敵を打ち倒す為の術を極限にまで磨き上げた。その一点に変わりは無し。 血笑を浮かべて相戦い。そして、負けた。 人を捨て、異形の身体と成り果てて、そうして得た強さを以って戦い。完膚無きまでに撃ち倒された。 なんたる間抜けか。あくまで『人間』として闘う執事(バトラー)に……『人間』で在る事に堪え切れなかった己が、敵う道理は無く。 人で在るままに、人を捨てて得た強さを超えていかれたことで、癒し難い、決して癒えぬとすら思えていた渇きは癒され、安らかに眠りについた。 ◆ 俺の剣を見切ったと云うか。化物が。人間の殻を脱ぎ捨てて、人の限界を容易く超え得る力を持った化物風情が。 俺の剣を見切っただと?不可能だ。人間を超えてしまった貴様には、もう不可能なのだ。 人の剣術(ブレイドアーツ)を理解することは! ニトロプラス『戒厳聖都』 ◆ 夜の冬木中央公園で対峙する二つの人影。 一人は左右の手に肩の一振りずつ持ち、黒いスーツの上に、黒い外套を羽織った男。キャスターのクラスを得て現界したサーヴァント。ティトゥス。 もう一人は、腰に差した刀の柄に手を掛けた、ハリウッドの映画から抜け出してきたかの様な、勘違いサムライ・スタイル。聖杯大戦のマスターとしての資格を得た剣鬼。雷泥・ザ・ブレード。 二人は周囲の空間を凍てつかせ、煮えたぎらせながら、向かい合う。 空間を凍てつかせるのは二人の殺気だ。互いに眼前の敵を此処で必殺せんという意志が、空間を冷たく、昏く、凍えさせる。 空間を煮え滾らせるのは2人の闘志だ。互いに相手を超克し、捩じ伏せんとする意志が、空間を熱く、激しく、煮え立たせる。 当千の武威を誇る英霊ですらもが動けなくなりそうな“圧”を放ち続けるこの二人が、聖杯大戦に参じたサーヴァント同士でなく。サーヴァントとそれを召喚したマスターだと誰が知ろう。 事の起こりは丁度10分前。 この二人が会敵したのは、光り輝く鎧兜に身を包んだセイバーのサーヴァントと、それを従える魔術師の主従。 前に出ようとしたティトゥスを制し、マスターである雷泥が前へと出、格好に相応しく腰に帯びた刀の柄に手を掛けた。剣の英霊で無くても判別できるその構え。居合の構え。 マスターがサーヴァントを下げて、自分で戦うという事態を訝しんだセイバーは、秒にも満たぬ内にその解を得た。 彼我の距離凡そ10m。其れをセイバーのクラスを得て現界した英霊ですらが、辛うじて認識できる速度で詰め。ままに、抜刀。 居合使いの抜刀は即ち斬撃であり。 全ては一つの動作のもとに行われ、完了した。 人の域を超えた英霊すら認識できぬ抜き打ちは、棒立ちのままのセイバーの首を刈り飛ばした。セイバーが驚愕の表情を浮かべたのは、胴と首が分たれて後だった、 魔技。そうとしか言えぬ踏み込みと抜き打ち。このマスターは、人の身でありながらサーヴァントを斬り殺す。正に魔人と呼ぶべき存在なのだった。 「詰まらぬ」 セイバーを斬り殺した雷泥の感想は、実に短く、素っ気がなかった。 傍目から見ればそう言いたくなるのは分からなくも無い。 踏み込んで、抜刀。これだけで『最優』と謳われるクラスのサーヴァントを斬り伏せたのだ。あまりにも呆気なく、あまりにも圧倒的な決着でしか無い。この様な結果を齎した弱敵に対する言葉としては、妥当とすら言える。 「致し方あるまい。マスターが前に出るのは聖杯戦争の常道に反している。策を疑い、お主に意識を向けられなかったのだろう」 敵を譲って、控えていたティトゥスがマスターを宥める。 だが、ティトゥスにしても、明らかにセイバーに対する落胆の色がハッキリと伺える。 「それでもあの脆さは有り得ぬ。人を超えた英霊とは言えども、やはり所詮は人という事か、某を破ったヴァッシュ・ザ・スタンピードには到底及ばぬ。この様な相手など、どれ程斬っても何の感慨も湧かぬ」 「あのセイバーが未熟だったゆえよ。人の身でありながら人を捨てた者を凌駕した戦士ウィンフィールドに比すれば、到底お主の敵足りぬ弱者よ。 お主の剣。人外のものには通じなかったと言っていたが、それはお主が未熟な所以。真に極まった拳技は、人の身でありながら、魔人となった拙者を打ち倒したぞ」 「人でありながら、人を棄て魔人となったお主が及ばなかったという男か。人が人以上のものに勝てるとは、到底信じられぬ」 僅かに、ティトゥスの目元が険しくなる。 言外に、『お主が弱いだけなのでは?』と滲ませた疑念に気づかぬティトゥスでは無く。 「ならば試してみるか。主人に疑われたままというのも、気分の良いものではない」 「応じよう」 そういうことになった。 両者ともに剣狂者であるが故に、剣の陶酔に酔い痴れた者達であるが故に。互いに機を窺っていたのかも知れなかった。 ◆ かくして両者は対峙する。雷泥は神秘や魔術とは無縁の人間であるが、ティトゥスの生成した刀を腰に手挟んでいる。その刀を振るえばサーヴァントといえども斬り伏せることが能うのは、先刻のセイバーが証明している。 剣の英霊すら正面から容易く斬り殺した、魔業と呼ぶべき雷泥の剣技を、キャスタークラスのティトゥスが受けることは能うのか? 常識的に考えれば不可能だが、雷泥が帯びるのと同じ刀を両手に提げたティトゥスの表情には、一片の翳りも、一雫の汗も無い。 あるかなきかの風が二人の髪を揺らめかせ、風が止むと同時。 「参る」 静かに宣告した雷泥が、10mも有った距離を刹那の間よりも短くゼロにする。 セイバーを斬った時よりも更に速い、鬼神ですら棒立ちのまま斬り殺されるほどの踏み込み。そして、抜刀。 サーヴァントを失えば六時間後に死に至る。そんな事など微塵も脳裏に存在しないと、見るもの全てに悟らせる抜き打ちで、ティトゥスの首を狩にいく。 この一斬を平然と見切り、右の刀で防ぐのと、左の刀で雷泥の喉首を突き裂きにいくティトゥスは、鬼神すら超越する魔人であった。 こちらも又、マスターを失えば、現世に留まる要石を失い、消滅する。その様な事実など意識の端にも存在していないと、見る者全てに悟らせる。 ティトゥスの反撃に対し、左に────ティトゥスから見て右へと回り込んで回避。逆袈裟に刀を振り下ろし、ティトゥスの背面を狙うも、雷泥が刀を振るい出すよりも早く、ティトゥスは大きく前へと跳躍して雷泥に空を斬らせる。 着地と同時に、素早く右旋回、回転の勢いのままに、隙を晒した雷泥の首を狙い右の一刀を振るうも、雷泥の刀身に阻まれる。 鋼の激突する音が天地を震わせる。ティトゥスがクラススキルにより得た結界作成能力が無ければ、周辺の住宅地に響き渡ったであろう、壮絶な刃と刃のぶつかり合う音が消えぬ内に、雷泥は後ろに飛んで距離を取り、腰を薙ぎに来たティトゥスの左の斬撃を回避する。 「クク…よもや死して後に、これ程の剣士と出逢えようとは!刃をこうして交えることが、これ程に愉悦とは!」 血笑を浮かべて独白する雷泥の顔は、熱砂の惑星で終ぞ出逢えなかった『剣士』との邂逅に、打ち震える剣鬼のそれ。 銃を使う者(ガンスリンガー)ばかりのノーマンズランドでは生涯経験する事が能わなかった『斬り合い』の愉悦に、雷泥の全身は歓喜に震え、心は闘志と悦びに猛り狂う。 この電脳空間に現出した時の、豪雨の中彷徨う野良犬の様な、悄然とした風情は何処にも見えない。 「拙者が生前に出逢った如何なる剣士も、お主は斬れるだろう。感謝するぞマスター。剣者として、剣を交える悦びを思い出させてくれた事を」 悪鬼の如き笑みを浮かべて語るティトゥスも又、歓喜に震えて闘志を燃やす。 刀を振るい。刃鳴を散らし、生命を散らす刃の陶酔に酔い痴れた剣狂者。 「次の一太刀で、雌雄これ決せようぞ」 刀を鞘に収め、居合の構えを取った雷泥の総身から噴き上がる“気”が、より一層密度をす。分厚い鋼の板でさえも、貫くであろう殺気。 対してティトゥスはより一層口元を歪めて全身から力を抜く。完全なる脱力。雷泥の如何なる動きにも即応し、刃を叩き込む後の先の構え。 雷泥の口元が、獲物を前に牙を剥く肉食獣のそれを思わせる程に吊り上がる。 「参る!!」 地を蹴立てて雷泥が奔り出す。 ◆ ────これは見切れぬ。 雷泥が奔り出した直後に、ティトゥスはそう結論づけた。 ティトゥスを中心として、螺旋を描いて奔る雷泥に最初はめんくらったものの、闘争に於いて銃がものをいう世界で、雷泥が『剣士』として屍山血河を築いたことを思い出し、得心する。 およそ銃というものは、射手から見て横────左右に動く相手には兎角当て難くくなるもの。 あの渦を描く奔りは、射手に狙いを付けさせない事と、接近とを兼ねた動きなのだろう。 ああして近付き、充分に距離を詰めてから、最後はすれ違いざまに斬る。 これがこの技の要諦なのだろう。だが、その程度ではティトゥスが見切れぬ筈は無く、そもそもが熱砂の惑星で撃ち殺されていてもおかしくは無い。螺旋を描いて近付き斬る、ただそれだけならば。 同じ速度で周り、同じ拍子で走るのならば、軌道とタイミングを読んで雷泥が未来に於いて居る場所に銃弾を送り込めば良い。それだけで、雷泥は死ぬ。雷泥と相対した者達が、よもやそれすら成し得ぬ愚鈍ばかりだったという訳でも無い限り。 ティトゥスが見切れぬと断じたのは、雷泥の歩法だ。 一定して疾走。しかして歩幅と速度は一歩踏み出すごとに変化する。 統一性の存在しない疾走は、酔っ払いの千鳥足の方がまだ捕捉しやすいとさえ思える。 此れではタイミングなど測れない。雷泥の未来位置を予測し、銃弾を送り込むなど到底叶わない。 ティトゥスはこの疾走と同質のモノを識っている。 精妙狂乱の疾走で幻惑し、距離を掴み損なわせる。 焦りから速すぎる攻撃を行う。惑乱のままに機を失い、反撃が遅れる。 そうして隙を晒した相手を斬り殺す。 確と間合いを図り、惑わされる事なく必殺の機を窺う相手には、最後の最後で大きく跳躍し、一気に間合いと“機”を奪い尽くして、ままに、斬る。 ────示現流の“懸り打ち”と発想と動きを同じくする剣技。我流でここまでよく練り上げた。幕末の京都で死合った薩摩の剣士達よりも遥かに上だ。 此れでは確かに読めぬ。更に悪い事に、雷泥はティトゥスを中心に螺旋を描いている。 ティトゥスの前後左右何処から最後の跳躍を行うのかは完全に雷泥次第だ。正面から走り寄って斬りつけてくるだけの“懸り打ち”よりも対処は遥かに難しい。 ────正しく魔剣よ。だが、それを破る技は、お主が斬り飽きたと語る“人”の中に在る。 ティトゥスは雷泥の動きを追うことを止めた。捉えるべきは、雷泥の奔りでは無く、生死を分ける、その刹那。 ────刹那の時間を見極める動体視力と速度を以ってして初めて神域のクロスカウンターを可能とする ティトゥスの脳裏に浮かぶウィンフィールドの声。雷泥を破るは魔人の剣術(ブレイドアーツ)に非ず、かの執事(バトラー)の拳技(フィストアーツ)。 人の産み出した鬼子の剣たる魔剣を破るのは、人が永き刻の中で練り上げた思考の芸術(アーツ)。 60…54…50…47…42…39…32…26………。 狂乱にして精妙なる疾走は、ティトゥスをして動きを捉えることを許さぬまま、着実に距離を狭めて来る。 20…16…11…8……。 死生を分つ決着の時は────。今。 「御首頂戴!!」 必殺の意志を声とした雷泥が、5mの距離を声の響きが消えるよりも早くゼロにして、抜刀。ティトゥスの首へと必殺の抜き打ちを放ち────。 全休付・無音。 雷泥の一刀は虚空を断ち。ティトゥスの持つ刀の柄頭が、雷泥の鳩尾を深々と抉り抜いた。 ◆ 地面に仰向けに倒れた雷泥の表情は、無惨というより他に無い。 生前にも、そして死後にも、“人を超えた者”を前に、己が剣は破れたのだ。 己の剣は結局のところ、その程度でしかないと識らされたのだ。 「某の剣はこの程度であったか、所詮は人ならざる者前では、子供の戯れに過ぎぬ剣でしか無かったという訳か」 己が剣を再度“人を超えた者”に凌駕された悔しさが、雷泥の嗚咽となって空気を震わせる。 所詮、この程度。 人が神の寵愛を一身に受けた才に恵まれようと、血反吐を吐き身を削り命を削り魂を削る程の鍛錬を経ても尚、“人を超えた者”はただそれだけで上を行く。 その事実が、酷く虚しかった。 「やはり、人の身を捨てるより他無し」 人間であることが弱さの理由ならば、人間を捨てて更なる高みへと至ろう。雷泥は聖杯大戦に挑む理由を再度決意した。 「いや、主人の剣は、拙者には見切れなかった」 その決意を揺らがすかの如く、頭上からティトゥスの声が降って来る。 「何と……!」 「主人殿の剣は、正しく魔剣と呼ぶに相応しいもの。生前の拙者であれば、ウィンフィールドと死合う前の拙者には、到底見切れなかった」 「………………………」 「主人殿の剣を破ったのは、拙者の剣では無い。ウィンフィールドの拳技よ」 「……人が、人以上のものを、破ったというのか」 「口惜しくはあるが、人でなくなった身には、人のままに人を超えた、あの戦士の拳は越えられぬよ」 「ならば、某にも、同じ事が」 「出来るかどうかはお主次第よ。だが、人を捨ててしまっては、到底届かぬ境地であろうな。幸い、此処には斬りでのある敵が犇めいている事だろう。聖杯を手にする迄に、何かしら掴めるかも知れんぞ」 ティトゥスは清々しささえ感じさせる風情で語る。だが、その内容はあまりにも血生臭い。 所詮は魔人。人である事をやめた者。悟りの境地へと至る道など当の昔に見失っている。 最早その道は、屍で舗装されるより他に無い。その在り方は、鮮血で彩られるより他に無い。 「聖杯に願う前に、“人”を極め尽くすも又一興か。ならばキャスター。この聖杯大戦を制した時には、もう一度某と立ち合え。人の身で、人を超える事ができるかどうか、試させて貰う」 ティトゥスの口元に笑みが浮かぶ。悪鬼羅刹も泣いて許しを乞う様な、そんな笑み。 「承知した」 雷泥の顔にもまた。同じ笑みが浮かんでいた。 ◆ 人骨踏みしめ怨念喰らい 這いずり進み血を啜る 悩ましきかな我が武道。 ニトロプラス『刃鳴散らす』 【名前】 ティトゥス@デモンベインシリーズ 【CLASS】 キャスター 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力;C 耐久:C 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:D 宝具;A++ 【クラス別スキル】 陣地作成:D 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 ”結界”の形成が可能。 人払いの術と変わらぬ程度だが、当人の魔術師としての位階の高さも有って、かなりの広範囲を覆う。効果も高い。 道具作成:D 魔術的な道具を作成する技能。 手のひらが裂けて日本刀が生えてくる。生成速度はかなり速く、魔力消費も殆ど無い。 【固有スキル】 魔人:A 高位の魔導書と契約し、人を棄て、人を超え、常理の外に在る存在。外道の知識により、その身も心も人のそれでは無くなっている ランク相応の堕天の魔、精神異常、魔術、魔力放出、自己改造の効果を発揮する。 戦闘続行:A 往生際が悪い。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 心眼(偽):B 直感・第六感による危険回避。 無窮の武練:C 重傷を負っていてもその剣技が鈍る事はない。 【宝具】 屍食教典儀(カルツ・ディ・グール) ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:自分自身 ダレット伯爵の著した魔導書。 フランス国内の人肉食や屍姦を行う邪教集団について記されている。 高位の魔導書であり鬼戒神(デウス・マキナ)を召喚出来る。 この書物自体が魔術の駆動式である為に、高ランクの高速詠唱の効果を所有者に齎すが、精神耐性スキルを高いランクで持っていなければ、精神を外道の知識に蝕まれて発狂する。 キャスターはこの書物により高い身体能力と回復能力を得ている。 普段は位相の異なる空間に収納されている。 鬼戒神・皇餓(デウスマキナ・オウガ) ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:1〜10 最大捕捉:1OO人 屍食教典儀(カルツ・ディ・グール)により召喚される鬼戒神(デウス・マキナ) 鬼戒神(デウス・マキナ)とは魔導書に記された『機神召喚』の術式を駆動する事により召喚される神の模造品である。 膨大かつ高密度の異界情報を、巨大な魔力と複雑な魔術式で編み上げ、魔導書に記された巨神のイメージを物質化させる事で顕現させる。 超高密度情報体であり、通常の攻撃では情報密度を破壊できず、魔術理論を応用した攻撃か、同じ鬼戒神(デウス・マキナ)でなければ有効打を与えにくいという性質を持つ。 宝具とし扱われるにあたって、Bランク以上の神性や魔性に属する事を表すスキルを所有しているか、Bランク以上の神造宝具を用いぬ限り、一切の攻撃を無効化する。 速度に優れ、二振りの刀を振るう近接戦闘を得意とする。 奥の手として、召喚者であるティトゥスと同じく、一対二腕の隠し腕を用いた『四連斬』を用いる。 本来は50mの巨体と2616tの重量を有するが、宝具となるに際して、3m・1tにまでサイズが小さくなっている。 【Weapon】 日本刀: 掌が裂けて生えて来る。何本でも出せる。ティトゥスの技量と合わさって、分厚い鋼の扉も薄紙の様に切断する 隠し腕: 一対二腕の隠し腕。この腕も日本刀を生やせる。この腕を用いての四連撃『四(死)連斬』がティトゥスの奥義。 なお初見殺しの不意打ち技であり、一度見られると通用しない。作中ではウィンフィールドをこの技で破るも再戦時にはあっさり見切られて敗死。続編の機神飛翔デモンベインに於いても、無限螺旋の記憶を僅かに取り戻したウィンフィールドに回避されている。 ウィンフィールドから伝え聞いただけの大十時九郎にも躱されている辺り、秘匿性が大事な技であると言える。 【解説】 魔術結社『ブラックロッジ』の七人居る大幹部『アンチクロス』の一人。 幕末の日本に生まれ、戊辰戦争終結後にアメリカに渡り、ギャングを斬りまくって悪名を轟かせ、更なる強さを求めて魔導書と契約して魔人へと堕ちた男。 宿敵と定めたウィンフィールドと戦い、人のまま人を超えたその強さの前に完敗。己の間抜けさを嘲笑いつつ死亡する。 余談ではあるが、人間辞めなかった場合。悟りの境地に至って人間辞めるよりも強くなったとの事。お前の人生なんだったの?とか言ってはいけない。 無限螺旋に於いては、鬼戒神・皇餓を駆ってデモンベインと戦い、敗れる事もある。 このティトゥスは、時間軸が意味を為さない無限螺旋から英霊の座に至った存在である為に、デモンベインに破れて死んだ記憶も持ち合わせているが、彼が『敗北した相手』と訪ねられて名を挙げるのは、ウィンフィールドである。 【聖杯への願い】 無いといえば無い。強いて言えば人間辞めなかった場合、何処まで強くなれたのかを識りたい。 その上でウィンフィールドと再戦したい。 【マスター】 雷泥・ザ・ブレード@TRIGUN 『能力・技能】 遺棄された宇宙船の記録から、地球の剣術について学び、『次元斬一刀流』を創始する。 サイボーグが徘徊し、銃がものいうノーマンズランドで、刀一本で屍山血河を築ける剣の技量。 斬る相手を中心に銃撃回避と接近を兼ねる螺旋を描きながら接近。すれ違いざまに斬る『二重星雲(ふたえネビュラ)』が奥義。 【解説】 ミリオンズ・ナイブズが集めた殺人集団GUNG-HO-GUNSの No.9。 銃やサイボーグすら相手にならない剣腕を持ち、人を斬るのに飽きて、人以外のものを斬ってみたいと思うようになる。 その思いを抱いて、人では無い存在であるヴァッシュ・ザ・スタンピードと戦うも、二重星雲を破られ、気付かぬうちにローラーを破壊されて、戦う術を奪われる。 この事に己が生涯を捧げた剣が人を超えたものには終ぞ届かぬと知り、狂乱。 後ろからヴァッシュを撃とうとするも後ろからウルフウッドに頭を撃たれて死亡。 人を斬るのに飽きたと言う前に、レガートかミッドバレイを斬ったら?とか言ってはいけない。多分仲間は大切にするタイプなんだろう。きっと。 【聖杯への願い】 聖杯大戦中に人のまま人を超えられるか試す。丁度良い砥石(サーヴァント)は幾らでも居るし。 人を超えられない時は聖杯に願って人間辞める。 【参戦時期】 死亡後
https://w.atwiki.jp/tyuu2nouryoku/pages/177.html
人物 戦闘/技術・知識 所持品 日記/人間関係 追記/その他 同じ中の人のキャラ 人物 走ハシるは 黒閃コクセン、 齎モタラすは 酷死コクシ ──── 黒死無双コクシムソウの 執行者シッコウシャ 「八雲立つ 天道八重垣 刃鳴と散る 悪逆無道 斬るが如くに」 名前 天道テンドウ 八雲ヤクモ 性別 男性 倫理観/道徳観 倫理観:秩序 道徳観:悪 種族 人間 年齢 27歳 誕生日 2月29日 身長/体重 186cm/79kg 趣味 ツーリング 好き 善人/子供/強い意志を持つ者 苦味の強いもの/ハンバーガー/酒/煙草 嫌い 悪人/殺人者/声の大きい人 甘ったるいもの/酒/煙草 得意 はったり/悪足掻き 大切 己の復讐 所属 【特別強襲部隊 - D.O.T.A】レイド班班員 元【聖王の騎士団】団員(潜入捜査) 容姿 肌 透明感のある白 髪 髪型:肩甲骨まである髪を後ろで結っている 髪色:銀に近い白色 目 形:やや吊り上った三白眼 色:赤 服 外套:ファーフード付きの赤いロングジャケット 全身:黒いライディングウェア その他 D.O.T.Aの襟章 来歴 とある宗教国家に住まう男女の下に生を受けたが、軽度のアルビノの為に白髪赤眼となっており、5歳の頃、とうとうそれが原因で捨てられる事となった。 世界警察の管理する児童養護施設に預けられ、そこで後の親友となる少年、神咲純と出会う。 八雲はそこで神咲純と共に育ち、当然の如く世界警察の養成所へと入所。共に切磋琢磨し互いに理想の警察官を目指した。 神咲純は本物の天才であり、それを前に追い縋った八雲の実力は凡人ながら高い域へと引っ張り上げられ、22歳の時、養成所を神咲純は首席、八雲は次席で卒業した。 養成所を卒業した同年に警部補となる等、キャリアとして順調に進んでいた。 しかし、その次の年。2月14日に起きた事件により、八雲を取り巻く環境は一変する。 『血のバレンタイン』と呼ばれる凄惨な事件により神咲純を失い、自身も大怪我を負った八雲は、『殺人者』を強く憎む様になり、殺人犯の惨殺という凶行を何度か繰り返した。 どれもD.O.T.Aの処分対象であった為に大きな事件にはならなかったが、それを問題視した本部は八雲にD.O.T.Aへの転向を勧める。 そして、『血のバレンタイン』から2年。24歳になった八雲はようやくD.O.T.Aへの入隊を決意。親友の亡骸に誓った復讐の為に修羅の道へと身を投じた。 それから3年間。天道八雲は戦い続けた。聖王の騎士団に単身潜入し、神殺機関とも戦い。 片目を失い。何度も死にかけ、戦い続けた。 その彼に待っていたのは、その戦いを支えていた武器──能力の、消失であった。 人物像 白髪赤眼。凶相と評するしかない顔立ちに、粗野な口調からあまり人に良い印象を与えない。 子供は好きなのだが、よく顔を見て泣かれるので少し苦手意識を持っている。 性格は口調とは裏腹に面倒見がよく、友人もそれなりに居る。 全ての殺人行為を憎んでおり、その憎しみは「正義の殺人」を行うD.O.T.Aにさえ向いている。 便宜上「正義」を名乗るが、自身を正義の味方などとは微塵も思っておらず、悪の敵でさえあれば良いと思っている。 戦闘 能力 悪アクを 討ウつ 魔性マショウ── 【神螺宵達】シンラショウタツ 能力強度-B 分類-創造系 属性-全 破壊力-C 防御力-C 射程距離-E 持続力-A+ 応用力-A+ 汎用性-A+ 己の身に眠る戦いの記憶を剣として生み出す力。 「見て」「触れて」「受けた」事のある力の属性、効果、特性の内どれか1つを剣とする。 剣は短時間(1レス)に両手から1振りずつしか出せない。 ただし、形状は現実に存在する剣ならば自由。 強度や切れ味などは、元となった剣に依存する。 悪鬼アッキにして 修羅シュラ── 【隻眼悪鬼】セキガンアッキ それは、いつしか彼に就けられた仇名。 多くの罪人を狩り、多くの命を奪い、それでも飽く事無く敵を殺し続けた隻眼の死神。 下記の力を使用した際に、それは姿を現す。 『真羅の狂気』 1ロールに1回限り発動可能。 過去の戦いの1つにあった貴方の狂気を呼び覚ます。 過去に戦った全ての力の属性、効果、特性を2つ選択し、 それを1振りの剣として作り出すことが可能。 『真羅の狂気』を発動した場合、ロール終了時まで狂人状態に陥る。 『真狂亂舞』 1ロールに1回限り発動可能。 『真狂亂舞』を発動した時、その場に存在する作り出した剣を一本の剣に作り変える。 作り変えた剣は全ての剣の属性、効果、特性を持ち、 相反する属性、効果、特性を無視し、好きなタイミングで発動することが可能。 『真狂亂舞』を発動した場合、ロール終了時まで狂人状態に陥る。 情報 身体能力 達人未満 剣術技能 常人状態:超人相当 狂人状態:達人相当 初期装備 ソードホルダー(剣を2本まで収納可能)×2 利き腕/利き足 両/両 技術/知識 技術:警察格闘術/千手千眼二十八刀術 知識:警察知識 授与 Act.1の 299 その他特筆事項 特になし 戦法 様々な刀剣を作り出し、様々な剣術を真似て戦う。 継続戦闘能力と生存能力は高く、過去の経験から戦術的判断も得意。 身体能力こそ人間の内にあるが、その剣の技術は達人をも凌駕する。 天才に成り切れぬ者が命と生を犠牲についぞ手にした無双の局地。 しかし、その戦い方は攻撃的過ぎるため、思いもよらぬ反撃をもらうこともある。 超至近による戦闘を特に好む 技術・知識 +千手千眼二十八刀術 千手千眼二十八刀術 一つの剣術では本物の一流には敵わないと悟った八雲が生み出した剣術。 あらゆる剣術を「ある程度の段階」まで習得する才能を持つ八雲だからこそ扱えるもの。 世の剣豪が一つの剣術を極める天才ならば、八雲はあらゆる剣術をそれなりに修める秀才である。 そして、八雲の剣術技能が天才に並んだその時、その剣術は無双と化した。 [部分編集] 第弌式『密迹金剛力士』 大小異なる【双剣】の技術。片方の足を前に、同じ方の腕を大きく前に突き出し、その逆の腕を大きく後ろに下げ、腰を落とす。攻防の剣がはっきりと別れるバランス重視の構え。 比翼-ヒヨク- 防御の刃で斬り、それを攻撃の刃が追従する。相手に各々の刃の役割を見破らせてから使う、意表を突く技。 連理-レンリ- 重心を変えることで攻撃の刃と防御の刃を一瞬で入れ替える。一流であるほど身に付いている『型』を崩す二流ならではの技術。 比翼連理-ヒヨクレンリ- 攻防の刃を目まぐるしく切り替えながらの連撃。それまでに相手に「攻防の刃」という固定観念を刻み込んでいるほどに有効。 第弍式『那羅延堅固王』 大小が同じ【双剣】の技術。左右の手を前に突き出し、前に重心を傾ける。防御と攻撃をほぼ同時に行える攻撃的な構え。 和光-ワコウ- 左の剣で斬ると同時に右の剣を突き出し、更に右手から新たな剣を生み出す。それにより右手の剣を手放す代わりに、柄頭を生成される剣で押し出し、刺突の速度と射程を伸ばす技。新たに生み出す剣の種類により戦いのスタイルを切り替えられる。 同塵-ドウジン- 左右の剣を束ねて叩きつけるように斬りつける。同時に『衝撃』の性質を付与し、凄まじい威力の斬撃を放つ技。 和光同塵-ワコウドウジン- 左右の剣を束ねて叩きつけるように斬りつけ、『衝撃』の性質を付与した剣を生成し返しの刃を放つ。二刀よりも一刀の斬撃の方が重い技。 第弎式『持国天』 最も得意な【太刀】の技術。両手で持った剣を自身の右下後方に下げ、やや左足を前に出す。ただ立っているように見えながらも隙のない構え。 刃鳴-ハナリ- 右手から剣を精製すると同時に放つ特殊な居合い斬り。鞘(右手)の位置を自由に変えられる為、より多角的な斬撃を放つ事が出来る。 疾風-シップウ- 倒れるようにして身体に掛かる重力を利用する歩法。凄まじく低く、かつ自身の脚力を超えた速度で駆ける事が出来る。 迅雷-ジンライ- 一閃の後、返しの刃を二度放つ技。まさに雷のような軌跡を描く高速の連続斬り。 疾風迅雷-シップウジンライ- 凄まじい加速で相手に肉薄し、擦れ違いざまに何度も斬りつける。攻撃的ではあるがそれ故に防御が疎かになる技。 繰枯-クルガラシ- 右手の刃で左から右に薙いだ後、その剣を消し、即座に右手から剣を生成して左手で右から左への一閃を放つ技。 第肆式『増長天』 小さく反りのない【忍者刀】の技術。剣を逆手に握り、片足を曲げ極端に低い姿勢を保つ。苦無と併用することもある構え。 土竜-ドリュウ- 水面蹴りによる足払いの後、真上に切り上げる技。水面蹴りの際に逆の手が空いていれば、砂を投げつけ視界を奪いにいく。 鎌鼬-カマイタチ- 敵の近接攻撃を紙一重で回避すると同時に斬りつける。攻撃と回避を同時に行うためにどちらも中途半端になり、八雲の身体能力では少し難しい技。 花鳥-カチョウ- 剣で攻撃すると見せかけ、直前で後方に跳びながら右手から生成した苦無を投げつける技。苦無の大きさにもよるが、基本は3本。 風月-フウゲツ- 剣に「衝撃」の性質を込め、一閃で衝撃の塊を飛ばし、それを追うようにして敵に斬りかかる。多少の飛び道具はある程度防ぐ攻防一体の技。 花鳥風月-カチョウフウゲツ- 攻撃すると見せかけ、直前で後方に跳び、同時に複数の苦無と「衝撃」の性質による衝撃波を放つ。そして着地と同時に再び前進し、「衝撃」のこもった剣で斬りつける変則型の連撃。 第伍式『広目天』 両手剣と片手剣の中間【バスタードソード】の技術。顔の横に水平に持ち、視線の先に切っ先を向ける構え。逆の手で切っ先を支え、前後に足を開いて立つ。 唯我-ユイガ- 剣を振り切るぎりぎりまで手首を反らし、最後の最後で一気に振り抜く技。ただ手首を振る位置を遅らせているだけだが、それ故に剣士が見ればタイミングを大きくずらされる技。 独尊-ドクソン- ただ只管に研ぎ澄ました一撃。上から下へ、剣の重さのままに振り下ろす。 唯我独尊-ユイガドクソン- 柄頭で上から下に殴りつけると同時に剣を振り下ろす技。もし柄頭の一撃を得物で防いでしまえば、それを乗り越えるように剣が振り下ろされる。 第陸式『多聞天』 幅広の刃を持つ【ブロードソード】の技術。肩に担ぐように剣を持つ。無防備に見えるが疲労予防や攻撃に有効な構え。 落筆-ラクヒツ- 剣を立てたまま相手を殴りつけ、そのまま手首を返して正面から相手の背を切る技。当然拳を防いだだけでは剣をどうにかすることはできない。 点蝿-テンヨウ- 肘がまだ伸びる余地を残すほどに軽く突く技。しかし刃物であるために防がなければ当然怪我をする。そして、防ぐために隙が出来た部分に本命である全力の突きを放つ。 落筆点蝿-ラクヒツテンヨウ- 鋭い突きの後、そのまま手首の回転だけで切り下ろす技。防ぐことの難しい突きの後に来る回避の難しい斬撃。 所持品 +武具 武具 [部分編集] なし +アイテム アイテム [部分編集] なし +戦いの記憶 戦いの記憶 『見て、触れ、受けた』他者の力。 その一部を己の力として引き出す。 [部分編集] ●追川労の念動力 不可視の力場。そのまま、念動力。 日記 [部分編集] 16/03/05(土) 天使先輩と再会した。 前々からどうも毛色の違う隊員だとは思ったが、 ロクな扱いを受けていないらしい。 実験か研究の対象なのだろうか。 戦友があの扱いというのは、気分が悪い。 16/03/05(土) 天使先輩と別れた直後、D.O.T.A本部で襲撃事件が発生した。 襲撃犯の一人と戦闘になり──相討ち。 何とか殺せはしたが、それきり記憶が無い。 背骨を絶たれた記憶があるが……。 左腕はもう駄目だろうが──足は動くだろうか。 +過去の日記 [部分編集] +【神羅剣匠】時代 13/08/01 おいかわ つとむ、ユーストゥス・レクス両名との接触。 世界警察は犯罪組織への攻勢を示す模様。 その際、敵組織への潜入役を申請する。 13/08/02 任務中に能力者の男性と遭遇。戦闘となる。 彼の腕試しのようなものだろうと推測するが、これに敗北。 13/08/10 犯罪組織「聖王の騎士団」へと潜入。 首領代行であるリチャード・ロウと面会し、正式に騎士団として名を連ねる。 さあ、戦争の日までに精々掻き回してやろう。 13/08/17 殺人犯の処理をしていると装甲兵器を纏う少女と遭遇した。 最初は行き倒れかとも思ったが、自らを殺人犯だと言う。 いつも通り処理しようと考えるが、何やら訳ありの様子。 気絶した少女から血液サンプルと全身写真を確保し、アパートに寝かせた。 D.O.T.Aのデータベースで照合出来れば良いのだが……。 13/10/20 騎士団拠点の宮殿に飯野 正義が侵入。 偶然その場にいた自分が対処し、彼を騎士団にスカウトした。 騎士団に所属したあの異常者が精々暴れてくれることを祈ろう。 14/01/15 騎士団拠点にてサイス・エンデュートと出会う。 中々気の良い青年で、よい友人になれそうな気がした。 もっとも、その喉元を切り裂くまでの上っ面の友人だが。 幹部ならばそれなりの情報を持っているはずだ。 精々、利用してから殺してやろう。 14/01/27 D.O.T.A本部にてセブンスフォース=ジャスティスと出会った。 飯野正義と間違えて斬りかかったが、防ぐ程度の腕はある様子。 他の正義の狂信者とは違う「いい悪党」になれそうな青年だった。 信念というよりも諦観に見えるのが気がかりではあるが・・・・・・。 次の戦いを終えたら飲みにいく約束をした。 14/02/12 遂に始まった戦争。 騎士団の襲撃に備えて自分が流した情報は、リチャードの罠だった。 手薄になったD.O.T.Aを襲撃されたために、偶然居合わせた吹雪 零をD.O.T.Aへ、自分は騎士団拠点へと向かった。 カウンターで聖王のオーブを奪おうとしたが、リチャードの召喚獣であるダークエルフ・アイミアによる妨害を受ける。 なんとかこれを殺害、撃破するも次いでサイスが現れ、それを追ってきたジャスティスも現れた。 予想外の事態に時間をとられリチャードが召喚獣と共に帰還し、オーブの奪取は失敗。 ジャスティスと己の身を守るために取引に応じ、騎士団の情報と交換に撤退を受け入れた。 次はこそ、追い詰めて独り残らず殺してやる。 14/07/04 路地裏でルヴィーと鍛錬をした。 魔縁の風を吸収し、撃破したが、同時に重症を負った。 まだ足りない。この程度では奴らを皆殺しにできない。 14/08/10 不殺同盟にて正義陣営による会談があった。 D.O.T.Aの新隊長とも顔合わせをし、様々ないざこざがあったが無事に終了。 どうにも頭を張る連中は「協力」というものが苦手らしい。 14/09/26 D.O.T.A近辺に現れた「七星」保持者の討伐任務。 オッチャン後輩と協力し、辛くも勝利。 右目と引き換えにはなったが、右腕と左腕の二つの七星を確保した。 16/01/07(木) ……エフ……ニア……ムスキー……ル…コフと遭遇…… ……敗北し……殺…………足りな……………… …………じゃあ……目だ……もっ……強く…… ~血塗れの手記~ 人間関係 [部分編集] +エフゲニア・リムスキー=コルサコフ エフゲニア・リムスキー=コルサコフ 祖国の軍属と思われる女性。 黒い馬をランスと鎧に変える能力を持つ。 戦闘の末、八雲を瀕死の重傷に追い込んだ。 +追川 労 追川 労 D.O.T.A隊員。先輩。天使先輩。 鉱石の様な翼を有する天使のような外見。 性別はおそらく男だが、直接聞いた訳ではない。 意外と腹黒い。 +古い人間関係 古い人間関係 +ユーストゥス・レクス ユーストゥス・レクス 世界警察の警視総監。男性。 手からロープと手錠を作り出す力を持つ。 過激派ではないが悪を憎んでいるようだ。 +リチャード・ロウ リチャード・ロウ 『聖王の騎士団』首領代行。男性。 強力な召喚獣を何体も有する。 必ずこの手で殺してやる。 +装甲兵器を纏う少女 装甲兵器を纏う少女 己を殺人犯と言う少女。全身を覆う強力な兵装を有している。 血液と写真からデータベース照合中。 +飯野 正義 飯野 正義 『聖王の騎士団』団員。男性。 異常者と評するしかない。 悪意の塊のような男で、神経を逆撫でするような話し方をする。 (※本名は飯野遊戯だが、八雲は彼の名乗った飯野正義という偽名を信じている) +サイス・エンデュート サイス・エンデュート 『聖王の騎士団』幹部。男性。 剣を鎧に変え、纏う力を有する。 中々の好青年だった。殺人犯でなければ友人になれていたかもしれない。 +セブンスフォース=ジャスティス セブンスフォース=ジャスティス D.O.T.A隊員。同僚。男性。 友人関係と言うには微妙な関係。 同僚という言葉が一番しっくりくる。 飯野正義(飯野遊戯)の息子。 +ゼアグライト・オールディ・ルヴィー・マルクウェン ゼアグライト・オールディ・ルヴィー・マルクウェン 通称:ルヴィー 親友の女性。純の死に対する復讐を共に誓った。 現在は『聖王の騎士団』に団員として潜入している。 (※強力な記憶改変により事実が捻じ曲がっている。本来は赤の他人で敵。) +ルーゼル・ビアンフォード・ハイゲッペルン ルーゼル・ビアンフォード・ハイゲッペルン D.O.T.A隊長。上司。女性。 一見にして冷静沈着な鉄面皮。 しかし内に激情を秘めた熱い女性。 少しムキになりやすいきらいがある。 +久那妓 正義 久那妓 正義 D.O.T.A隊員。後輩。男性。 若く理想に燃える新人隊員。 甘い理想を語るが、その決意は固い。 実力と精神が追いつけば良い隊員になれそうだ。 最も今後が楽しみな人物の一人。 +メイ・明日架・月代 メイ・明日架・月代 教団新教派大司教。女性。獣人(?)。 理想論を振りかざす教団の穏健派。 悪人ではないが、その思考は少々理想に傾きすぎている。 嫌いではないが、他者との衝突が多そうな人物。 +相笠 秀一 相笠 秀一 D.O.T.A隊員。後輩。男性。オッチャン後輩。 元世界警察所属の実力派。叩き上げといったイメージ。 一番気が合う相手かもしれない。 追記 意見・指摘等も此方へお願いします。 [部分編集] 右目を裂傷により失明 -- 【神羅剣匠】 (2014-09-26 06 36 23) 名前 コメント その他 +能力原文、Q&A ・能力原文 【神螺宵達】 貴方の両手はこれまでの戦いの記憶を呼び覚ます。 『見て、触れ、受けた』力の属性、効果、特性の内どれか1つを引き出せる。 引き出した力は一本の剣の形を取る。 剣の基本性能は通常のものと変わらないが、 剣の形は様々で、貴方の思うがままにその形を変えられる。 しかし、現実に存在する形以外の剣には変えられない。 同時に存在できる剣の数の限りはないが、 1レスに付き、両の手から1本ずつまでしか剣は作り出せない。 『真羅の狂気』 1ロールに1回限り発動可能。 過去の戦いの1つにあった貴方の狂気を呼び覚ます。 過去に戦った全ての力の属性、効果、特性を2つ選択し、 それを一本の剣として作り出すことが可能。 『真羅の狂気』を発動した場合、ロール終了時まで狂人状態に陥る。 『真狂亂舞』 1ロールに1回限り発動可能。 『真狂亂舞』を発動した時、その場に存在する作り出した剣を一本の剣に作り変える。 作り変えた剣は全ての剣の属性、効果、特性を持ち、 相反する属性、効果、特性を無視し、好きなタイミングで発動することが可能。 『真狂亂舞』を発動した場合、ロール終了時まで狂人状態に陥る。 身体能力:達人未満 剣術技能:常人状態:超人相当→狂人状態:達人相当 初期アイテム:ソードホルダー(剣を2本まで収納可能)×2 ・Q&A Q 1.『見て、触れ、受けた』とは独立した条件(触れただけ、見ただけでOK)などではなく、 全ての条件を満たして初めてその力を利用できるようになるという解釈で良いでしょうか? 2.条件の1つ『受けた』とは防御も含むのか、或いはダメージとして受けた事を指すのでしょうか? 3.戦いの記憶が無い最初は、剣を作れない、という事で良いのでしょうか? A 1.はい、3つの条件全てを満たすことで、その力を利用することができます。 2.後者になります。 防御を含まず、ダメージを負うことで『受けた』の条件を満たします。 3.Yes。最初のロールが一番の難関となっております。 捕捉:【神螺宵達】の『見る』、『触れる』、『受ける』の明確な達成条件。 『見る』:発現状態の力、力の影響を受けたものを視界内に収めることで条件を達成する。 発動する瞬間ではなく、発動している力を視界内に。 肉眼で捉えきれていなくとも、視界内に在った瞬間があればその時点で条件を達成します。 『触れる』:その力の所有者、またはその力を受けた存在、またはその力自体に触れることで条件達成となる。 相手の力の影響下に、範囲に入ったことが自覚できた時点でも条件達成となり、 実際に炎に手を突っ込む必要はなく、火傷した誰か、炎で壊れた家屋などに触れるだけでも良い。 『受ける』:明確にはダメージを、ではなく「その力が原因となる何かしらの影響を受ける」ことで条件達成となる。 毒に関する力であったなら、「毒が身体に廻り出したことで体調を崩す」といった時点で条件を満たす。 +用語集 キャラページに登場する単語の説明。 [部分編集] なし +裏設定 ロールに登場しない、あるいは登場頻度の低い設定。 また、意図的に隠したい設定も此処にあります。 [部分編集] +血のバレンタイン 別名、聖バレンタインの惨劇。 一人の能力者によって引き起こされた大型デパートの乗っ取り事件である。 事件発生は2月14日の午前11時58分。休日ということもあり家族やカップルの多い白昼での事件であった。 犯人の詳細は不明。その能力は「触れた者の意思以外を自在に操る」というものであり、その場にいた多くの一般人と従業員が犯人に操られた。 異常に気付いた一般客により警察に通報があった時点で店内の人間の9割が掌握され、その通報の電話とほぼ同時に全てのシャッターが閉鎖。 デパートは人質が犯人の意のままに操られる最悪の要塞と化した。 犯人の要求は唯一つ「自分を止めてみせろ」である。当然、ゲーム感覚で起きた異常な事件に現場は混乱。 また、偶然居合わせた数名の警察官が人質を救出しようとし、その人質の手で殺害された。 警察側の焦燥を煽るためか、犯人は5分おきに人質の命を奪っていくルールを発表。それを宣言通り人質に実行させた。 開始から1時間48分。二名の警察官の決死の突入により食い止められたこの事件は死者28名、重傷者2名の犠牲を出し、犯人の死亡で幕を閉じた。 あまりの惨劇と、凶悪性、またバレンタインデーであったことから、過去に起きた同名の事件をもじり『聖バレンタインの惨劇』と呼ばれ、警察関係者には苦い記憶として刻み込まれたのであった。 +小ネタ 自己満の宝庫。 読む必要はない。 [部分編集] +イメージソング 趣味全開 Devil s never cry http //www.nicovideo.jp/watch/nm13011002 同じ中の人のキャラ [部分編集] 【破断剛體】【倫理転生】 今日の来客数= - 昨日の来客数= - 来客数の総数= -
https://w.atwiki.jp/letsrebirth/pages/98.html
人は死んだら、どこに行くんだろう。 ◆ とある殺人事件の被害者となった少女の告別式が、日光の下にて執り行われていた。 その会場を遠巻きに眺める一人の男の名は、石川。犯行を未然に防げず、真犯人も白日の下に晒せなかった警察官の一人である。 石川の目が映し出すのは、日差しに作り出される陽炎の揺らぎ。すすり泣く遺族達の姿。警察の無力の象徴。 「無垢な命が奪われたことを悔い悼む、その心掛けは尊いものであると思うよ。マスター」 そして傍らから語りかけるのは、褐色の肌を晒す白装束の男。 悠然とした態度を見せる彼は、その盲いた両目ゆえに石川の浮かべる表情を視認することが出来ない。 されど視覚以外の感覚が鋭敏となったセイバーならば、石川が男に向ける感情がどのようなものかなど理解しているのだろう。 その感情、敵意をして尚、セイバーは表情を崩さない。 「だからこそ、悪も同じく討たれた事実まで君は悔いるべきでない。君の手で捕らえられなかったなどというのは、問題の本質ではないからね」 淡々と、男は石川の敗北を突き付ける。そして、それを敗北であるとは述べない。 特に責め立てることなく、男はただ柔和に石川に語りかけていた。 彼の名はセイバー。またの名を、東仙要と言った。 ◆ 冬木の地で催される魔の儀式、聖杯戦争。 偶然にも、その参加者としての資格を得た一人の男がいた。 男には、確かに願いがあった。 自分の職を奪った上司が憎い。行き場の無い自分を見捨てた家族や恋人が恨めしい。明日の行方も知れない自分など気にも留めない、道行く人々のへらへらした笑顔が腹立だしい。 何をやっても上手くいかせてくれない今の世界が、自分に優しく暖かいものに変わればいいのに。 浅慮極まる男の願望だが、それさえも聖杯は拾い上げ、ランサーの通名を持つ女の英霊を宛がった。 女を従者として男が取った行動は、何のことは無いただの強盗殺人である。英霊の実力を試してみたいというそれなりの戦略眼もあったが、むしろ強大な力に物を言わせての鬱屈の発散と言った方が的確だろう。 ただ欲望を満たすだけの行為であっても、ランサーは速やかに実行し男を喜ばせた。彼女が男を見つめる目に混ざっていた嘲りの色に気付いた際の苛立ちも、彼女の働きを見れば晴れるというものだ。 ともかく、犯行の舞台となったマンションの一室は血液で彩られ、一組の主従が立ち去った後の室内には身体を無残に抉られた少女の亡骸が残された。 少女の栗色の瞳は、絶望に見開かれたまま滲んでいた。 殺害された少女は、真面目さが取り柄のクラスでも人気の子であったという。 友人からの評判も良かった彼女は、しかしこれきり誰かと笑いあうことも叶わず、限りなく広がる筈だった未来も閉ざされ、無念のまま短い生涯を終えることとなった。 尤も、男には少女の半生になど興味は無かった。思うことがあるとすれば、彼女の交友関係から足が付く心配は無さそうだという安堵だけだ。 思い付く限りの証拠の隠滅は済ませた。この街にも警察がいるようだが、どうせ男まで辿り着くまい。万が一辿り着いたとしても、ランサーがいれば返り討ちに出来るだろう。 男の完全なる勝利である。 こうして次々と段階を踏んでいけば、どんな強奪も叶う筈。そう、いずれ聖杯とやらも。 満たされたちっぽけな物欲は、僅かに芽生えかけた罪悪感を容易く踏み潰し、着実に肥大化しようとしていた。 しかし、事がそう都合良く進む訳も無い。 男の前に一人の警察官が現れたのは、犯行から一日と数刻ほど経った頃であった。 石川と名乗ったその警察官は男に言い放った。お前がやったんだろう、と。 男にとって全くの寝耳に水であった。真相が暴かれるにしても、これは早すぎる。適当なことを言っているだけではないかと考えるも、石川の男を射抜く視線に込められた確信の感情を見れば撤回せざるを得なかった。 こうして自らの所業を糾弾された状況で、動揺を抱いたまま男が選択したのは言い逃れでは無く口封じ。せっかく手に入れた武力に物を言わせる形で、ランサーに石川の排除を求めた。 短絡的な選択ではあるが、所詮それが男の器だったと言うべきなのだろう。 当然ながら、ただの人間でしかない石川には英霊に太刀打ちするなど不可能。腹に食らったランサーの初撃で壁へと蹴り飛ばされ、激痛に動きを鈍らせる。 接近したランサーが自慢の槍を男へと振り下ろそうとするのを見て、男は二度目の白星を確信した。 ある種の全能感に身を震わせながら、あとはただ石川の死を見守るだけであった。 ――君の正義は、ここで潰えるべきではない。 石川の首に振り下ろされた槍は、あと数センチメートルまで肉薄した辺りで停止した。代わりに、ランサーの胸が長刀で貫かれていた。 自らの身に何が起こったか、ランサーがそれを完全に把握するよりも前に長刀は抜き取られ、ランサーの肉体は鮮血を噴き出しながら地面に崩れ落ちた。 代わりにその場に立っていたのは、長刀の持ち主である白装束の男。既に死したランサーをちらりと一瞥したきり、白装束は男へと顔を向けた。 ただ呆気に取られたままの男と石川であったが、現状の把握を終えるのは男の方が早かった。自らの身に最大の危機が及んだ土壇場になってて、男は最早無意味な優秀さを発揮した。 俺の意思じゃなかった。許してくれ。これからは心を入れ替える。 自己保身の言葉をつらつらと頭に浮かべ、その中で最適解と思われるものを選び出す。しかし、声となることは叶わない。 男の首が、瞬きする間に刎ね飛ばされていたのだから。 ――此度の聖杯戦争にはセイバーのクラスで現界した。共に正義を成そう、我がマスターよ。 意識が消失するまでの残された数秒間の間で男が聞いたのは、白装束が石川に語りかける声。 男の目が捉えた最期の光景は、呆けた表情の石川に白装束が片手を差し出す様。 そして、石川の左手の甲で放たれる赤い輝き。 ◆ 失われた二人の命がこの街でどのような意味を持つのか、マスターは考えてみたか? 「……当たり前だ。そんなことを聞くってことは、お前には何か考えがあるのか」 ああ。まず、あの被害者となった少女の魂魄は感知できなかった。ランサーのマスターだった男も同じだ。 魂魄は死神の魂葬によって尸魂界に導かれるまでは、『整』……君達の言葉を借りれば『幽霊』として現世に留まる筈。かつて死神であった私の常識に、この街の在り方は反している。 故に少なくとも、此処は現世ではないのだろう。『幽霊』が存在していないからね。 死を迎えた魂は何処にも往けず本当の意味で消滅する、在り方としては尸魂界に近いと考えるべきだ。 「それが、どうだっていうんだ」 ここから考えられる有力な可能性の一つは、街の住人が一種の幻のようなものだというものだ。 あの少女も本当に死んだわけではない。人の命が失われたように見せかけているだけ。言わば只の『作り物』だ。 あそこにいる人々も、家族を喪い悲しむ者という役割を演じているだけ。 こう考えれば、君は何を悔いる必要も無いのだろう。悪が事を成したとは言え、命を奪われた者がいるわけではないから。 「いや、その理屈はおかしい。あのマスターだった……お前が殺した男はどうなる? 俺と同じ状況で此処に呼び出されたなら、奴は本当の意味で死んだ筈だ。だとしたら、あの男に殺された少女もまた同じだった可能性もあるんじゃないのか?」 そうだ。私もそこが気になっていた。 数百数千の人間の中でマスターのように記憶を取り戻した、夢から覚めた者だけが聖杯戦争の参加者たり得る。 問題は、聖杯戦争におけるマスターとマスターでない者の区別は可能だが、マスターでない者が『最初から作り物である』か『未だ本物になっていないだけ』か、私達サーヴァントにも区別はつかないことだ。 だからこそ、私達はもう一つの可能性を考えなければならない。 この街に舞台装置として置かれたとされる『作り物』には『本物』が紛れているが、その人数が極少数とは限らない。 数割に及ぶのかもしれないし、極端な見方をすれば全員がマスターと同じように元いた世界から呼び出されたのかもしれない。 魂魄だけも同然の存在に作り変えられて、擬似的な尸魂界と化したこの冬木の街にね。 故に、街の住人は『本物』に見せかけた『作り物』と見なすべきではない。『作り物』に見せかけた『本物』と見るべきだ。 私達は、安易に他者の命を『作り物』であると楽観視するべきではない。全てが『本物』である可能性を常に頭に置くのが適当だ。 「だとしたら、俺に悔いるなというのは筋違いだろう。何人も死んだんだぞ。あいつのせいで、そして、お前のせいでな」 君は、あのランサーのマスターだった男もまた死ぬべきではなかったと言いたいのだろう? それは誤りだよ。 命を無為に奪うことは、平和を乱す唾棄すべき所業だ。だからこそ、非道に手を染めた者には決して屈してはならない。 力を振るい命を摘み取ることは恐れを抱くべき行為だ。しかし討つに値すべき敵と相対した時に限れば、私達の行いは正義だ。 「……だから、あの男を殺すのは正しかったと? 詭弁だ」 マスター。秩序の遵守が必要だという考えには私も心から共感する。 しかし、マスターが今ここで警察官としての役割を果たすことに何の意味がある? この街で罪を犯したを捕らえたところで、君の帰るべき世界に何の益も齎しはしない。それどころか、その者を逃さないためと言って、永遠にこの箱庭の中に身を置かなければならなくなる。 何より、悪に相応しき裁きを下さず、赦しといって安寧を約束する……今のマスターが守ろうとしている秩序は善かもしれない。だが悪の前に折れた時点で、悪だ。 守るべきものを守れず、悪に相応の裁きを与えられない規範を守ったところで、それは真に世界を救うことにはならない。 聖杯戦争の地に呼ばれたなら、与えられた仮初の役割を果たすのは決して本懐ではない。マスターの為すべき使命は、聖杯戦争での勝利以外に無いのだよ。 「お前は、俺に人殺しの手伝いをしろと言うのか」 今のマスターは、マスター自身に縛り付けられているようなものだ。 正義を志すなら、世界を一度作り変えるべきだ。君を縛る法を変え、悪に屈する君自身を変えければならない。 「……セイバー」 改めて申し上げよう。共に往こう、マスター。私達の歩む道こそが正義だ。 ◆ 俺はこれまで、違法な手段で事件を解決してきた刑事を何人も見てきた。 そういう連中の殆どが自滅している。 一線を越えるごとに心が蝕まれていって、気が付いたらこっち側に戻れなくなっているんだ。 ……お前はあっち側の人間になるなよ。 ◆ 友愛として差し出されたセイバーの右手を、石川は握らない。 その代わり、石川の右手はセイバーの胸倉を乱暴に、力の限り掴み上げた。 「誰がお前の同類になるか……!」 石川の憤怒が露わにされるのを肌で感じながら、しかしセイバーは動じない。 その見透かしたような態度にまた怒りを抱いた石川は、左手の甲をセイバーの眼前に突き付ける。 宿した赤の光を受け止めることの出来ない双眸であることなど、石川には関係無かった。 「俺が、お前を令呪で従わせることも出来ることを忘れていないか?」 「私をこの街の警察に突き出すか? それとも、いっそ自害でもさせるか? マスターがそのような行動を取ったところで、聖杯戦争は何も解決などしない。いや、そもそもこの街の法や組織が英霊相手に機能するかも疑わしい」 「お前……」 「あのランサーと戦い敗れたなら理解しているだろう? 君一人では英霊を倒せない。今の君が憎むべき敵と戦うためには、私の力が必要不可欠だよ」 やはり表情を崩すことなく、セイバーは淡々と事実のみを告げる。 目の前の男はセイバー、自らのサーヴァント。石川はマスター、万能の聖杯を巡る闘争の当事者。 被害者となった少女の死も、殺人犯の死も、ランサーの死も、全ては魔法や超常の産物。 石川の生きる法の社会の尺度では計り知れない代物。唯人の石川では、到底手に負えない相手。 とうに理解していた筈の現実を突き付けられ、石川は小さく歯噛みする。 ゆっくりと、セイバーの衣服を掴んでいた右手を離した。 「……こうして私を討たないことが、何よりの証明だよ。君が私の同志となり得る人間であることの、ね」 どこか親しげにすら感じる声色に、石川の顔はまた憎悪に歪む。 この英霊は、自分達の関係が上下関係ではないと確信している。 石川の守る秩序を嘲笑い、しかし石川本人を見下すどころか寄り添おうとしている。 その掴みどころの無さを、恐ろしいと感じた。 放たれるセイバーの言葉は、石川の芯の部分を刺激するかのように次第に雄弁さを宿していく。 「不思議だね。マスターと交わした言葉は少ないのに、私は君に共感を抱いている……本当は、マスターも既に理解しているんじゃないのか? 君が『何か』を望んだために聖杯戦争に招かれた事実。君が『この私』をサーヴァントとして召喚した事実。これらを繋ぎ合わせた時に示される意味を」 セイバーの甘言が、石川を引き付ける。 疑問を突き付ける冷徹さが、石川の胸の内で得体の知れない悪寒を齎す。 誘導するかのような声色が、石川の身体を包み込む。 ……絡み付かれ、呑み込まれる。 茫然とセイバーの発する声に耳を傾けていた石川は、雑念を振り払うように自らの脳を揺り起こす。 紡がれそうとなった言葉を遮るように、石川はセイバーに自らの意思を示した。 吐き出した声は、セイバーだけでなく己自身にも言い聞かせるためのものでもあった。 「都合のいい妄想に俺を巻き込むな。お前が何と言おうと、俺はお前の言う正義とやらには付き合わない。聖杯なんか求めない。そして、いつかお前も捻じ伏せる。これが答えだ」 「今はそれでも構わない。私は君に従おう。しかし力の恐ろしさを知る君なら、その壁を乗り越え、真に正しき振るい方を見出せると信じているよ。その時、私と君は盟友となる」 石川の反駁にも、セイバーは何ら不快感を示さない。 ただ形式的な隷属の意思を示すと共に、セイバーの身体が大気の中へと溶ける。 石川の前から透けて消えゆくセイバーは、最後に柔らかな笑顔を向けていた。 「待っているよ、マスター。君が境界(ボーダー)を越えられる時を」 ◆ 絶対的な悪に勝つには、絶対的な正義になるしかない。 つまり、コインの裏表になるということです。 傍から見れば同じ物になるということです。 ◆ 「済まない」 一人立ち尽くしていた石川は、ふと小さく呟いた。 「君に報いる結果は出せなかった。でもこれだけは言わせてくれ。もう俺は負けない」 石川の前には、一人の少女が佇んでいた。 罪人を赦すかのような暖かな笑みを、その顔に浮かべていた。 その笑顔が、石川にはまた痛ましく見えてならなかった。 「こんなことを終わらせて、必ず帰る。帰って、俺の――」 栗色の瞳は、滲んでいた。 【マスター】 石川安吾@BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係 【マスターとしての願い】 聖杯に掛ける願いなど無い――? 【weapon】 警察官が使用可能な範囲での装備 【能力・技能】 刑事 捜査一課の刑事として相応の能力を持つ。しかし基本的に自らの能力を真っ当には行使せず、裏社会に住む人間を活用した違法捜査を常套手段としている。 死者との交信 とある事件で頭部に被弾し、摘出できなかった弾丸を頭部に残したまま生活することとなった石川は、その日から死者と話せるようになった。 脳の未知なる領域が覚醒したのではないかと考えられているが、真偽は不明。 死者との交信における大まかな条件は以下の通りである。 ①石川にしか死者の姿は見えない。また死者は一切の物理的干渉をすることが出来ず、石川が相手でも同様である。 ②死者の姿を見る上で満たされるべき条件は不明。石川がいくら強く望んでも死者が一向に現れなかったというパターンも少なくない。 ③死者の姿が見えなくなる条件の一つは、遺体が荼毘に付される(≒遺体が消失する)ことである。 ④結局の所、死者と交信する能力の原理自体は一切不明。そのため仮に石川が冬木の地で死者の姿を見たとしても、死者が魂魄や尸魂界とは異なる概念を有しているためなのか、冬木の地が何らかの特殊な作用を与えたためなのか、そもそも全てが「夢」――度の過ぎた妄想の産物でしかないのか、石川含め誰一人として真相を説明することは出来ない。 【人物背景】 警視庁捜査一課に所属する刑事。階級は巡査部長、年齢は31歳。 ある事件に巻き込まれたことをきっかけとして、死者と交信する能力を得た。 持ち前の正義感と、無念のまま命を落とした者達のために行動する。一方で身勝手な犯罪者に対してはかなり高圧的な態度で臨む。 ※「BORDER」は複数のメディアで展開されている作品ですが、今作では2014年放送のテレビドラマ版からの出典とします。 【方針】 聖杯戦争にも殺人にも協力する気は無い。冬木からの脱出方法を探す。 現時点ではセイバーを必要な限りで利用するが、いずれ然るべき形で決着を着ける。 【クラス】 セイバー 【真名】 東仙要@BLEACH 【パラメーター】 筋力:C 耐久:C 敏捷:B 魔力:B 幸運:C 宝具:B 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 対魔力:C 魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。 Cランクでは魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 騎乗:C 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせる。 尤も、「瞬歩」と呼ばれる高速歩法が可能である東仙には必要性の薄いスキルではあるが。 【保有スキル】 カリスマ:C 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。 かつての九番隊隊長、現虚圏統括官としてこのスキルが付与された。 心眼(真):B(→D) 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 後述する特定の宝具を解放した場合のみ、ランクダウンする。 自己改造:D(→A) 自身の肉体に別の肉体を付属・融合させる。このスキルのランクが高くなればなるほど、正純の英雄からは遠ざかる。 後述する特定の宝具を解放した場合のみ、大幅にランクアップする。 裏切りの死神:B 斬魄刀を携え世界の守護者となった魂魄、死神。彼等へと反旗を翻し、彼等の守る世界の秩序を憎み否定した者が有するスキル。 「属性:秩序」のサーヴァントと対峙した際にパラメーターが上昇する。 ……本来ならば、無法者を誰よりも憎む東仙にこそ「属性:混沌」のサーヴァントに対抗するためのスキルが付与されるはずであった。 しかし彼自身が反逆者へと成り下がったため、既にその余地は失われた。 【宝具】 『清虫(すずむし)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:1人 斬魄刀の解放の第一段階、始解を行った形態。 超音波のようなものを発して相手を気絶させる。 ただしCランク以上の「対魔力」のスキルを持つ相手には効果が半減する(意識を混濁させるに留まる)。 また、「対魔力」のスキルに拠らずとも本人の精神力次第で持ち堪えることも可能。 『清虫弐式・紅飛蝗(すずむしにしき・べにひこう)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:5人 斬魄刀の解放の第一段階、始解を行った形態。こちらは攻撃用に応用させた型。 巨大な針状に分裂させた刀身を一気に撃ち放つ。 『清虫終式・閻魔蟋蟀(すずむしついしき・えんまこおろぎ)』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:50人 斬魄刀の解放の第二段階、卍解を行った形態。 刀の鍔の飾り輪が巨大化・分裂し、力場を発生させて黒いドーム状の空間を作り出す。 この空間内にいる全ての者は、視覚、嗅覚、聴覚、魔力感知能力を完全に遮断される。 例外として斬魄刀本体に触れている者のみ、通常時の感覚を取り戻すことが出来る。本体とは刀身自体も含むため、斬られたり刺されたりした場合でも感覚は元に戻る。 ただしBランク以上の「対魔力」のスキルを持つ相手には効果が半減する(感覚をある程度鈍化させるに留まる)。 また、「直感」や「心眼」のスキルの発動を妨げるものではない。 『清虫百式・狂枷蟋蟀(すずむしひゃくしき・グリジャル・グリージョ)』 ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大捕捉:- 解放時パラメーター⇒筋力A 耐久B+ 敏捷A+ 魔力A 幸運D 破面としての斬魄刀解放、帰刃を行った形態。斬魄刀の能力解放ではなく、虚との融合、真の姿への変化と言う方が相応しい。 全身が黒い体毛で覆われ、四本の腕を持ち、背中には鎖が巻かれた二本の角と昆虫のような四枚の翅が生えた、虫のような姿に変わる。顔も口元を除き、土偶のような仮面で覆われる。 その姿は、率直に言えば醜悪。 パラメーターの変動、保有スキルの一部のランクの変動、虚化時の能力の更なる強化の他、盲目であった視力を回復させる。 【weapon】 斬魄刀 全ての死神の武器となる刀。解放の段階および性質に合わせた宝具へと変化する。 鬼道 死神が身に付けた霊術。相手を直接攻撃する「破道」と、防御・束縛・伝達等を行う「縛道」がある。 それぞれに一番から九十番台まで様々な効果を持つ術が多数存在する。数字が大きい術ほど高度で強力である。 虚化 破面としての姿に変化する。虚閃の放射、超速再生の能力を得られる他、『清虫百式・狂枷蟋蟀』の解放条件として必須である。 【人物背景】 元護廷十三隊九番隊隊長にして、虚圏統括官となった盲目の死神。 秩序を重んじ、絶対的な正義の行使を信条としているが、(狛村左陣の言葉を借りれば)内心では「世界を憎んでいる」。 何らかの共感をしたためか藍染惣右介に従い護廷十三隊に謀反を起こし、死神の対極である虚の側に付いた。 やがて虚化の修得さえも明らかとした東仙は、尸魂界への決戦の中で死神として在るべき姿からかけ離れていく。 ゆえにサーヴァントとしての東仙要は、死神の身を捨てたにも関わらず召喚されたクラスが死神の象徴と言うべきセイバー、秩序無き世界を忌み嫌いながら当人の属性が混沌、などの歪さを抱えた有様である。 ……本来ならば、狛村左陣と檜佐木修兵に敗北した後に和解を果たして命を終えたのだが、石川の召喚したサーヴァントとしての東仙要はその記憶を欠落させている。 【サーヴァントとしての願い】 絶対的な正義を成す。その実現手段の一つとして聖杯を手に入れる。
https://w.atwiki.jp/tmnanoha/pages/340.html
再び動く戦況に 三つの人影が所狭しと駆け抜ける 相変わらずの凄まじい戦いは一見、先ほどと変わらない様相を呈していた だが、、 「ち、ぃ!」 今、明らかに槍兵の表情に余裕が無くなっている 頭上に落ちる紫電の太刀を寸の見切りで横に流そうとするが その両脇に打ち込まれるフォトンランサー 軸移動を封じられ、まともに受ける羽目になった烈火の将の最強奥義 ギリリ、と歯を食い縛る男―― 両足が膝下まで地面にめり込む その両の足を、これまた執拗に狙うフェイトの魔法射撃 「よいしょっとぉ!!」 全身のバネで埋まった両足を引っこ抜き アスファルトを撒き散らしながら豪快に跳躍するランサー そこに打ち落とされるフェイトの斬戟も、先ほどまでとは明らかに勢いが違う! (気づいたか……やっぱり子供騙しは通用しねえな) ド単純なトリックだ 今時こんなので煙に巻けるのは少年兵くらいだろう 流石は自分が見込んだ敵だけの事はある 相当の手錬れなのは今更言うまでも無い いつまでも騙し通せるはずがないのだ 先に記した、連携であるが故に生じる隙は 互いの技量を心の底から信じる者同士において その信頼の度合いが大きければ大きいほど、小さい 男のやった事はすなわち1+1を2にさせないという事 多数を相手にする時の基本だ だがそれに対して心の通じ合ったベストパートナーは 1+1を5にも10にもしてくる ―――それは小細工など入り込む余地のない黄金の連携 要は互いの覚悟と信頼が連携を完璧なものへと近づける要因になるという事だ 聞くほどに基本的なことなのだが――それを実行に移せる者は意外なほど少ない やはりこの二人のように数年、数十年と心を通じ合った者同士でないと至れぬ境地である がっぷり四つにて激しく激突するシグナムとランサー 下から切り上げようとする将の二の腕を蹴り付け、後方に飛翔する 後ろに目がついているのかと疑うほどに正確なタイミングで 旋回して背中を向けたフェイトに今一度襲い掛かる蒼き死神 「おぉりゃっ!!!」 飛ぶ鳥を堕とす獣の咆哮と共に繰り出される渾身の一刺しが フェイトの背中――脊椎を貫き通そうと唸りを上げて迫るが、 瞬間、、 「ソニックムーブ」 黒衣の背中を隠す白いマントまでが 一瞬でランサーの視界から掻き消えた 目を見張る槍兵 刹那とはいえ、この最速の英霊のお株を奪う爆発的な速度で ロケット砲の様な男の突きを見事透かすフェイト 「野郎………誘いか!」 サーヴァントは確かに4、50mの高度を一瞬で潰す跳躍力を持つ それは時に空を駆ける猛禽すら一撃で仕留める凄まじさであろう だが、、、、やはり、当然の事ながら―― ――― まともにやれば、羽を持つ相手に空で適うはずがない ――― ことに飛び上がって放った一撃を外してしまった時は最悪だ 中空へと舞い踊るその肢体――エアハイクが終わるまで数秒 しかしてそれはコンマの位を奪い合う戦場において気の遠くなるほどに長い時間であった 「くそ………俺としたことが、みっともねえ…!」 フェイトもシグナムも、もはや相棒が凶刃に狙われようとちょっとやそっとでは崩れない 敵に倒されても構わないと、そういうつもりで戦っている? 否――違う いかに敵が強かろうと、その凶刃に狙われようと 相棒がそう簡単に堕ちる事はないと思い直し、再認識したに過ぎない そうなればもはや彼女らには微塵の隙もない それどころか、こうしてこちらの隙を狙い打つ余裕すらある そして今の自分はまるで餌に釣られた魚だった 無様に晒した横っ腹―― 飛来する猛禽の爪を、牙をただ黙って貰い続けるサービスタイムの始まりだ! 「「ブレイクッッ!!」」 共にデバイスに全開魔力を叩き込んだ炎と稲妻 その中心に位置する蒼いサーヴァントに刻み込むようなクロスラインを描く 「が、ぐっっ、、」 何度も何度も、対象が地に落ちるまで何度も描く ギィン、! ギィン、!という炸裂音が間断なく響き渡り その度に槍兵の肉体が弾け、飛び、のけぞり 中空で、きりもみしながら地面に向かって堕ちていき―― 受身も取れずにコンクリの地面に盛大に落下した! 「ぐ、は―――」 何かが潰れる鈍い音と共に叩きつけられた肉体 影すら踏ませぬを信条とするこの英霊が 瞬く間にボロ雑巾のような肢体を晒していたのだった 「ぐ、がああああぁぁあッッ!!」 地に伏せるを断固拒否するその肉体が咆哮と共に跳ね起きる 一瞬たりとも背中を泥に塗れさすなど男のプライドが許さない しかして受けた傷から大量の血飛沫が吹き出して、、足元をぐらつかせてその場に佇む槍の魔人 地を這う獣が空を舞う鳥に空中戦を仕掛けた報い―― 「こ、りゃ……次からは迂闊に跳べねえな、ぁ――」 負傷した側頭部からどろりと流れる赤い液体 それを拭おうともせずに槍兵は 大地に突き立つ槍を抜き放ち、、憤然と構える (………戦果は?) (クリーンヒットは左大腿と脇腹、背中 受身を取れずに右肩から落下したようです) 本来ならばこれで決まりだろう どう考えても動けない負傷を与えた筈だが―― (まだやるつもりらしいな……丈夫な男だ) (見習いたいものです) 共にこの槍兵の凄まじさを体感した騎士と魔道士である これで終わりとは到底思えなかったし、ここで気を緩めるような事もない 引き続き、周囲を旋回し、揺さぶりを続けるフェイト 可能ならばまた上空に打ち上げて――今度こそ止めを刺す算段だ ここまで来たらもはやノイズはない 冷徹に着実に詰めていくだけだ 「流石にきついか…」 大口を叩いたが、敵は予想以上にやるようだ 千の軍勢、過酷な退却戦などあらゆる絶望的な戦場に身を置いてきた彼をして そのどれよりも厳しい手応えに武者震いを禁じえない 仕方が無い…… もともと味方などいない戦いだ 一対ニのこの状況は仕方が無い…… しかしながら両者とも刃を交え、その技量を測り 何とかやれるだろうと踏んだ見積もりを遥かに超えてくる相手の連携 先も記したようにベストパートナー同士の連携は1+1=2ではない 単純な数字で測れるものではない事くらい、男にも分かっている だが敢えて大きな計算違いを指摘するならば これほどの連携の精度は彼の生きた時代では常識的にあり得ないという事 それは科学的、論理的に突き詰め あらゆる計器を元に叩き出したデータによって構築され それに沿って修練を積んできた完璧なるコンビネーション 神話の時代にはこれほどの精度の連携は望むべくも無い 実際の数値に裏付けされた理想の挙動 これは近代に至るまで進化を重ねたニンゲンの業――研鑽を積んだ戦技の結晶なのだ 「何の、まだまだ……これくらいで丁度良い!」 無事なはずが無い 軽装がゆえに最速である彼、最速たらんと軽装である彼は 即ち一発の被弾も許さぬ彼岸の域に自己を置く事によってその身のこなしを手に入れた それがこうして敵の攻撃を受けた以上、ただで済むわけがない 男が未だ、口元に笑みを浮かべながらに構えるが 莫大な損傷を負った事は傍から見ても明らかだった 「………」 その槍に蛇のように巻きつく鉄の鞭はレヴァンティンのシュランゲフォルム 刃を合わす事すら至難だった真紅の魔槍をこうも容易く捕らえられる やはり明らかに効いているのだ 「………自業自得もいいところだぞ」 武器を奪おうと、それをさせじと互いに渾身を以って引き合う両者だったが まるで無表情に淡白に呟くシグナム 苦渋に満ちた、どこか男を責めるような思いは決して外に出さない むざむざ自分から窮地に落ち込んだ愚か者を淡々と仕留めるだけの作業だ 騎士同士の決着としては下の下の部類に入るが、、それもまた致し方なし 「………戻れ!」 相手をこちらに引き付けておいて 再び刀剣に姿を変えたデバイスを持って彼女は突進 その足元おぼつかぬ相手に容赦なく叩きつける 「いいんだよ……これでいい」 その打ち込んでくる剣士に 後方からこちらを牽制する魔道士を相手にしながら 男はこの期に及んで獰猛な笑いを崩さない 彼にとっては劣勢すらも愛すべき戦の一つであるのか、、? いや、違う……決してそれだけではない 男は英霊 此度のようにこの魂がニンゲンの呼びかけに応じ 奇跡として顕現し怪異の前に立たされる事も一回や二回ではない(本人に記憶を引き継ぐ事は出来ないが) だが現世のニンゲンの御業で英霊を完璧に召還する事は出来ない そこには確実に生前の自分とは異なる―― 酷い時になると全くの別物としか言えない器が用意されているのだ そうした中で彼が一番初めにする事は決まっていた それは自分が生前と比べて何が出来て何が出来ないか、今の自分の器を量る事だ 練磨――器と意識の軸合わせ いわば性能テストのようなもの フレームは? エンジンは? トルクは? 武装は? その正確な数値を実際に一つ一つ試す事が 男の愉しみであり、また試運転を兼ねたオーバーホールであった 確か……今回は酷かった あの糞神父に下らない制約をつけられ 全力で戦える機会など与えられなかった オーバーレブ付近でリミッターがかかり、失速するこの身を何度歯痒く思った事か いっそこのまま自刃してやろうかと思い至ったくらいだ それが今、劣勢に立たされているとはいえ――こんなに切れているのは何時以来だろう? たとえあのセイバーやバーサーカーが相手でも微塵も負ける気がしないほどに今の自分は充実していた もっと試したい――! もっと強大な力をぶつけて欲しい――! 痛みなど感じなかった 栄えある戦いに身を投じられた歓喜の前では あらゆる苦痛が快楽へと変わっていく しかし――― (そろそろ―――潮時かもな) 敵は思った以上に強かった これ以上、槌を叩きつけられてはいかに丈夫な剣とて折れる もっともっと愉しみたいが、残念ながらこちらが持ちそうもない さて、どうするか―― 悲しいかな、意中の相手は空の猛禽 やはり地を駆ける者とは決定的には交わらない もっともっと戦り合っていたかったが、、交わらない以上 この先は簡単な図式の勝負になってしまうだろう 「仕方ねえ――これで負けたら、いくら何でもマヌケ過ぎるからな…」 打ち込まれた刃の痛みを燃料に変えて クランの猛犬がその覚悟を決める ―――だんだんに読めてきた、敵の動き そう、彼とてあんな子供騙しの策頼りで無謀な戦いを挑んだわけではない むしろあれは敵を十分に観察するに足る時を稼ぐ、その程度の役割を果たせればよかったのだ 今の今まで何も考えずに猛攻を受けていたわけではない 相手が精巧なデータや発達した計器で戦術を練るのなら こちらは卓越した感覚、刻み込まれた相手の刃によって敵を測る 旗色が悪くなってはいるが、ことここに至るまでが彼の戦の全てを形成する要因だった そして今、槍兵の目にはやはり勝利しか映っていない ―――槍を片手に持ち変えるランサー 左手を前方に、指を立てて添える その様はまるで狙撃手が相手に定める照準のようだった 狙いはただ一つ 相手の空中での軌道、 恐らくは何千と訓練を重ねてきたのだろう そのリズムは正確で一糸乱れぬ見事なものだった ――― だからこそ、読みやすい ――― その炎と雷が交わり重なるポイントは確実にいくつかある その対角線上、、 二人が交わった時、、 同一軸線上にその身を置いた瞬間―― 「狙い撃ちだ―――心躍るじゃねえか…… 久しぶりに心底、熱くなってきたぜぇ!」 男の言を受け、真紅の槍は三度吼える 今やその二敵を射抜く確率は針の穴を通すほどしかないが それを通すのが面白いのだ 見せ損なったその牙を クランの猛犬の切り札を 再び轟の一文字を以って起動させる (構えが……変わった?) 男と熾烈な剣戟を重ねてきた将が今 槍兵の佇まいの変化に険しい目を向けていた (シグナム……) (ああ、気をつけろ) フェイトも気づく――相手の体重移動、シフトの変化に 常に前傾でこちらの距離を潰そうとしてきた男が 今はサイドステップを含んだ歩法でフェイトの射撃を往なし シグナムと切り結ぶ事も避けて距離を測っている 何かを狙っている――明らかに 敵の持つ槍から発する殺気 それは本能に訴えてくるレベルの危険、、恐怖 この強力な敵が満を持して抜き放つ真剣―― どれほどの脅威を含んだ代物なのか、想像も出来ない だが、、 (何の――こちらとて止めの図式は見えている…!) 相手の切り札を待つ気も出させる気もない 勝負において敵の切り札など切らせないに越したことはない こちらにはその筋のエキスパートがいる―― 相手が少しでもタメの長い挙動などを見せたら その行動ごと斬って落とす最速の魔道士が! 「その」瞬間――― クイックシフトで前衛とサポートが入れ替わりフェイトが前衛になる そして彼女が最速の踏み込みで相手の技を潰して斬り抜ける 後方支援に終始していたフェイトの突然のチャージに対応できる者はいない 何か大きな仕掛けを取る瞬間なら尚更だ 敵は目にも止まらぬ雷光の凄まじさを今一度知ることになるだろう そして――切り札はこの手に、、 今、剣の騎士のもう一つのカード 隠し持っていた「隼の爪」を解放する準備を終える将 抜き放てば……一撃だ 敵がどれほど強力な耐久力を秘めていても耐えられるはずがない 共に激しい動きにて相手を牽制し、その機会を待つ両雄 地を蹴る音 空を裂く音だけが場に響き 静寂とは程遠いというのに――場の空気が静まり返っていく それはサーヴァントかライトニングか どちらが先に必殺の牙を叩き込むかに息を呑む 場の空気の緊張の高まりに他ならない 今が勝負をかける時 双方がその思考に達した今―― 決着の刻を遅らせるクロノスの神など、もはや無力な長物である その戦場が終局を迎えようとする最中、、 後はどちらかの躯が場に横たわるのみ そんな未来の姿を幻視させる 今まさに全ての決着がつく、その時―― ――― 三者が予想だにせぬ ――― 世界を覆う紅き鮮血の帳と共に――――― 異変は起こった ―――――― 足を掬われた――という表現が一番しっくりくるのだろう 「ソレ」に一番初めに犯されたのがフェイトだった 流星の尾のように金色の魔力を引きながら彼女は クラウチングスタートからのダッシュを敢行し、敵に斬り込んでいくはずだった その発射直後――― まるで何かにつまづいたようにフェイトは空中でつんのめってバランスを崩し 黒衣の肢体が急激に制御を失い、ランサーへの軌道を大きく外れて、地面に勢い良く墜落したのだ 「な、、なにっ…!?」 彼女の後方、フェイトに次いで 槍の男に切り札を打ち込むはずだったシグナムが声を詰まらせる 失敗………!? あのフェイトテスタロッサハラオウンがスタートをミスった? 馬鹿な――!? 初めは目の前で起こった光景が理解できずに上げた驚愕 しかしその異変はすぐに、この女剣士の身体をも侵食する 「……、は、、! な、んっ!?」 突如、足に重りを付けられた鳥のように ゆっくりと空より堕ちゆく体 「何……こ、これは……?」 フェイトもまた地面に堕ちた体勢のまま両手を付き、周囲を見渡す 奇襲を失敗したのもさる事ながら、その突然の異変に焦燥を隠せない ―― それは血の様な一面の赤に彩られたセカイ ―― 重くヤスリのように絡み付いてくる毒々しい空気 その血のようなアカに触れているだけで、まるで肌を焼かれるような感覚に襲われる (………AMFか!?) その重苦しい感覚に二人は覚えがあった 魔道士殺し――― アンチ・マギリンク・フィールド (通称A・M・F) 先のJS事件にて猛威を振るった スカリエッティサイドの使用した特殊フィールドである リンカーコアを出力に変える時空管理局局員の文字通り天敵となった装置 魔力を減退させて打ち消す狂気の兵器だった それを張られた状態では魔力総量、魔力運用、魔力効率全てが減退し 魔力によって全ての行動を担う者にとっては致命的な状況を作り出す ニアSランククラスになればその凄まじい出力によって、中でも力任せに行動する事は可能だ しかし、もしそのフィールド内で自分と同等かより強い敵と出会ってしまった場合……言うまでも無いだろう ―――詰み、である (計られたか……?) 今更、という感は強いが彼らがジェイルスカリエッティの送り込んだ刺客ならば当然在りえる展開だ とはいえ、何故今になって――? これを張るのなら初めからそうしておけばよいというのに だが、しかしてそれは大いなる勘違い 二人もすぐに誤りだと理解する――否、させられる 「こ、これは……違う!?」 フェイトが寒さに震えるように両肩を抱きしめて言う 急激に荒くなる息―― 内蔵が迫り出すような感覚―― この体に掛かる負荷 それは、AMFなどより遥かに…! 「何だ……!? これは魔力を減退するどころか…」 ――― 吸い取られている? ――― まるで全身から搾り出されるように 今、己が魔力が強制的に外に放出してしまっているのだ すぐに眼前の敵を睨み据える騎士と魔道士 疑うべくも無い この異界を施した張本人は間違いなく、目の前にいる二人の敵に他ならないのだから 「――――、」 だが男は今の相手の致命的な隙を突くどころか 構えを解き、二人と同様に呆と虚空を見上げている 今の現象が己が与り知らぬものだと証明するかのように 「あの野郎……………俺ごとか」 低く唸るような声で、彼は空を―― 否、自身の頭上にある木々の闇を見据える 「ライダーッ!!!!」 そして男は叫んだ 怒気を含んだ声を張り上げて その視線の先―― 木々の間に、腰まで伸びる長髪をなびかせて彼女は枝に立っていた この女怪こそかの異変の仕掛け人――サーヴァントライダ 「おや? ランサー……いたのですか?」 「空気の読めねえ馬鹿女が 舐めた真似をしてくれる――」 これは……囮作戦!? 片方が残って敵の気を引き片方が囲う ライトニングのお株を奪う見事な連携――コンビプレイ…!? これならばランサーが無理をしてまで一人で残った理由が全て説明がつく まんまとしてやられたというしか言葉が出てこない …………もっとも普通に逃げ遅れている槍の男の、怒り心頭のあの態度 囮の同意を得ていたのかは激しく疑問だが―― フェイトとて森の中からいつライダーが仕掛けてきても良いようにあらゆる防衛網を張っていた だが、流石に味方ごと犠牲にする投網を放たれてはどうしようもない 警戒もクソも無い あのサーヴァントが10の分を刻むほどの時間を費やして行ったこの現象は もはや間合いとか隙とかが介入するレベルにはなく、 敵はこの戦場全体を己が胎内へと変貌させ―― フィールドそのものを飲み込んでしまったのである ―――――― 空間を覆う紅い空気が視力すら遮ってくる まるで人の住めぬ熱砂の惑星の中にいるかのようだ いや、、地面までが不気味に躍動しのたうつような感覚は いわば生物の胃の中と言った方が近い 満を持してライダーが切り出してきた これぞ彼女の切り札――他者封印 鮮血神殿・ブラッドフォート・アンドロメダ――― かつてギリシャ神話において 人々を震え上がらせた悪神の住処を現世に蘇らせる彼女の結界型宝具 耐性のない並の人間がここへ落とし込まれた場合、ものの数十分と持たずに衰弱し、体を溶解させられてしまう 生物の生息出来ぬ毒の沼、酸の海、いわば邪悪なる人喰いの封絶結界 「下品な棲家だ……お前にゃ相応しいがな しかし10分やそこらでポンと出せる代物だったか? コレ」 「―――、」 ランサーがうんざりしながら問うた質問は むしろそれに関して一番驚いているのがライダー本人であった 正確には10分そこそこではなく シグナムの剣から逃れた際に些細な違和感を抱いた時から森を駆けずり回りつつ用意したものである それでも、これほどの規模を持つ大呪法だ 神話に記される懐かしき我が住処を顕現させるほどの大呪法 これは言うなれば異界の召還である 当然、それを現世で行うには膨大な魔力と何より「地盤」が必要であった 現在のヒトが住まう土地の基盤は 彼女らが存在していた頃に比べ、魔的な要素が見る影もないほどに薄い 今を生きる人々が神秘を忘れ、営みを起こして久しく穢された大地たち 精霊、地霊、幻想種―― あらゆる神秘的な要因を排他し遠ざけてしまった現代という荒んだ時代 だから……かつて冬木の地でライダーがこの結界を張るには大掛かりな下準備が必要だった 家を建てる時、基盤となる土壌にコンクリートを流し込んで下地を作るように 土地の根幹に自身の魔力をふんだんに送り込み 寝かせて、地ならしをするところから始めなければならなかった だというのに、、 ライダーがこの地に身を溶け込ませて改めて驚愕したのがそれ 下地が――初めから整っているのだ… 信じられない事だった この大地は神話の時代のそれと比べて遜色の無いほどのマナとオドに満ちている どこかで見たような風景が垣間見える世界でありながら これは昨日まで自分が立っていた聖杯戦争の地とはまるで別物であったのだ 何という舞台―――まるであつらえたかのような、、 いわば伝説の存在である自分たちが何不自由なく戦うために形成されたバトルフィールドのような、、 嬉しい誤算であった そこに追求の念を抱くのは後で良い 木の枝に悠然と立っていたライダーがふわりと、三人の立つ地面に優雅に降り立つ 「……ライダー」 重き重圧に苛まれながら 新たな警戒と共に彼女に向き立つフェイトとシグナム そして怒気の孕んだランサーの視線もどこ吹く風の騎兵 彼女がゆっくりと、金髪の魔道士に向かって歩を進めようとした 「下がれテスタロッサ!」 フェイトを庇い手に前を遮るシグナム そして、その前に更に動く影が一つ 敵であるはずの男の真紅の魔槍が 悠然と歩くライダーの首筋に突きつけられる 「貴様―――俺の戦の邪魔をしたな? 笑えねえぜ………三度も宝具をしくったのは流石に初めてだ そんなに死にてえかライダー」 「フ、――まさに宝具詐欺ですね しかし先に好きにやらせてもらうと言ったはずですが? 下賎な歩兵に気を使ってやる義理など私にはありません」 「――――――ほう、」 槍が危険な光を灯して女の喉に突き立つ その穂先を片手で掴み、捻り挙げようとする騎兵の右手 唖然としつつも成り行きを見据える女剣士と魔道士を前に サーヴァントニ隊は互いに狂おしいほどの殺気を放ち、その場で力比べを始めるサーヴァント二体 「よく言った――ならば貴様が先に死ね」 両者の足が地面に亀裂を作る ランサーの二の腕、ライダーの手の甲に浮かぶ青筋が その凄まじい膂力のかかりようを現している 「神殿の中で私に勝てるとでも? お望みならば貴方を先に引き裂いてしまっても良いのですよ?」 「たわけ――この程度の結界でサーヴァントを縛れるとでも思っているのか」 ギィ、と口元を吊り上げて嗤う狂犬 人を食らう赤熱の大気など何するものぞと気勢を放つ蒼き肢体が この汚らわしい胎内を、その創造主諸共に食い破ろうと猛り狂う 「なるほど………さすがは三騎士 他人の家に招かれて行儀の悪い事この上ない ならば私も―――それなりの持て成しをせねばなりません」 「………? な、貴様っ!?」 槍兵が、、あのランサーが 互角の睨み合いをしていたとは思えぬほどに―― 今までのふてぶてしい態度からは想像もつかぬほどに血相を変えた 敵に対し押し切るのみだった槍を、男は始めて引き その場から飛び退ぼうとする だが得物の穂先を彼女に握られて動けない この恐れ知らずの戦場の魔犬が―― 今、明らかに騎兵を前に焦燥していたのだ ならば彼の前に立つ女こそそれに見合う脅威でなければならず それに足るものの開放こそ―――真の地獄の始まり 「―――――ブレイカー」 子を安らかな眠りへと誘うような歌姫の如き声で 謳い上げるはその真名 決して急く事なく、優雅な仕草で 彼女は目に装着した眼帯に手をかける 「ぐ、!」 息を飲む男 ただならぬ気配を感じるライトニングの二人も彼らの間に咄嗟に介入する事が出来ない そして全てが――― 「――― ゴルゴーン ―――」 ――― 凍 り つ く 、、、 「「「!!!??」」」 三者の声にもならぬ声が場に揃い しかしそれが世界にカタチになる事はなく―― 先ほどのランサーと同じく沸き立つ力の解放に喜び勇む騎兵のサーヴァント その相貌―― ついに美しき魔性の全貌を現した女怪の笑み以外に、、 その場の空気を震わせるモノは残っていなかった ―――――― 止まる、、トマル、、全てが静止する――― 後ろで成り行きを見守りつつ、いつでも動けるように身構えていた二人の四肢が 心臓が、呼吸が、、止まって動かず、 カチカチで、莫迦みたい――― 「――――フェイト」 そしてその静止した紅いセカイで一人 行動の自由を許された化生の女が誘うような声で囁く 「森での続きをしましょう 何……苦しいのは最初だけ もう決して―――逃がさない」 静かでそれでいてぞっとするような声は この瞬間、全ての者の生殺与奪を握る絶対者の響きを以って 場にいる三者の耳に響く
https://w.atwiki.jp/doruota/pages/1450.html
僕の考えたトレーナー _. - . . イ / . ./ } .ヽ /! .// . . , ./イ | .ハ | レ'イ . ィ;左,}A ./} 乂_斗イ ,.}イ }ハ从 、ァ/ 太ト{ > ._/ ィ' {、 `ー┐ハ>;-、 _. イ | { \ A.ィハ ! rァ fー 、 |__ハ. ゝ' 'V{ハ`!|>、 _f´弋_ ハ / ' 芯. ! |{ }^ー-< ヽ, --’ r' /} \. 丶. マハ.',i | / r┘ ィ |. \ ヽ. マハ’トー---- ´ r ' \ヘ. マム { _ -く、 リ oヘ. }/ム、 _.. -‐ ´ ヾ >ヘ ' |/.ハ'、 _ィ´ ̄ / } o.! |/ハ'、 ., _.. ー---< 丶 、 >' V |_人//|ハ ゝ--ー 、 、. ヽ > ´ } V¨YT´ハ'. } { .}! } . -‐ ´ | |¨ ー- ._ o'. .| .|/ . . }', ./ 八_> ´ | ¨ ー- _リ } .り . . . | ハ / / / , ./ | | /イ . . |、_} 【名前】夜神月(AA出典:『DEATH NOTE』より「夜神月」) 【トレーナーステータス】 指示:A= 卓越した指示力。 育成:C= 平均的な育成力。 統率:A+= 卓越した統率力。SP時に『スカウター』の任命が可能。 能力:C= PT全員を『スカウター』に任命する固有を持つ。 【固有ポテンシャル】 『天命見定める死神の瞳』… 夜神月固有ポテンシャル。 このポテンシャルを『スカウター』として扱う。 【サポーター】 ____ ___ /___\三=― ―=三 /___\ / \ 萌 / \三=― ―=三/ \ 萌 / \ / . ̄(●) ̄(●) ̄\三=― ―=三/  ̄(>) ̄(<) ̄\ | (__人__) | | (__人__) | |ヽ____\ `⌒´ ,/____/ |ヽ____\ `⌒´ ,/____/ | ヽ⊂ ー‐ ⊃/ヽ⊂ ⊃/  ̄ ̄ ̄ ̄\ \ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ / / ̄ ̄ ̄ ̄ \ \三= =三/ / \ \三= =三/ / パン \ \三 三/ / パパン / _____ \ / ____ \ ヒュー | / \ \ / \ | _| |三= \ \/ =三| |_ (_____|三= (_(___) =三|_____) 【名前】柔束出やる夫(AA出典:『2ch』より「やる夫」) 統率:A+= 卓越した統率力。追加任命は全て。 【サポート効果】 『愉快なドルオタのPPPH!』… 柔束出やる夫のサポート効果。 低確率で味方を「てだすけ」状態にする。 【手持ちのポケモン】 〈 {_/ /ニ≧s。,_  ̄ ニニ==‐‐ _ ‐‐=ニ_ _ -- ‐‐ -- _ Y二ニ≧s。)‐=ニニ=‐_ ≫ )  ̄‐_ ___‐‐==ニニニニニニニニ==‐‐ /‐=ニニ厂  ̄ ‐=ニニ=‐_ ≫ ''" / ) ‐  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄‐‐=ニ=‐‐ _‐=ニニ/==ァ^≫''"~~~~゚"'+、 -=ニニニ=‐_ ,/ /  ̄‐ ゝ‐=≦ニア´ 、` _‐_ V、  ̄ ‐=ニニニ=‐_ /  ̄ ‐={ / ‐ ̄ ‐ }/ /≫‐- >‐=ニニニ=‐_ \′/ / i j / / ̄``Y⌒マ77 ̄‐=ニニニニ=‐7^フ_ i{/ / Aj /i/ }〉 マ//〈//// ̄ア⌒V/ /⌒ =‐_ _,,..,_ / / ∧ }i i/ヽ / ノ///,> /// )_,ノ i{_/ニニニニ=‐_ ‐==`、 i{ 沁i {ィ笊' /-ゝ‐\ ‐ _/⌒~´ `'¬\___ハ i\  ̄‐=ニニニニニ=‐_ /‐厂‐ニ}h、 .八 ∧ ⌒` 7 ./ \j〉_厂}h、  ̄}__|\_  ̄‐=ニニニニニ=‐_. / ‐{‐=ニニニ〕iトV[{ih、 ‐=ア/ }7 }ニ}h  ̄‐=ニニニニニ=‐_ /‐=ニ}h、‐=ニアニ7\ ⌒´ \__ _,ノ゛ ,ィi{ニ=-  ̄‐=ニニニ==‐‐ ‐=ニニ{i\‐7‐=7{ `丶、 _ノ‐=≦ ィi{ア゚ニニ7,  ̄ ‐==‐‐ 人‐=ニ=‐[/ \ア‐ }h、 _ >‐…‐‐==≦ニ=-‐'" ,  ̄ `¨¨¨´ ///≧≦´ '/// i , //////////// {__ _-=7 //////////// ‐=ニニニ7 ///////////‐=ニニニ7}h、 ////////// ‐=ニニ7ニ!=h、 /////‐=ニ ‐アニニ}h、 ///`'<ニニニ7ニY //アイニニj /,.ィi{ニニニア /‐=ニニア゚ ゝ -‐ '゛ ∴ 【名前】ニアス・グローリア(AA出典:『やる夫スレオリジナル』より「ニアス・グローリア」) 【タイプ】でんき/あく 【特性】けんせい… 場に出た時、相手の「特攻」を下げる。 【もちもの】 【技x6:らいげき、かまをかける、しにがみのかま、リーフブレード、みきり、とぎすます】 こうげき:A ぼうぎょ:B とくこう:C とくぼう:C すばやさ:B 【ポテンシャル】 『不動のエース』… 「ここぞ!」という時、全能力値が上昇し、技のクリティカル率が上がる。 『変種』… 原種である「ガンダムデスサイズ」種とは異なる生態を持つ。 『オールドタイプ』を無効化する。 『死神娘の大鎌』… 自身の「C」の「+」に比例して自身の「攻」を強化(1.1~1.4倍)する。 『死神娘の体術』… 自身の「C」の「+」に比例して自身の「防」を強化(1.1~1.4倍)する。 『死神娘の歩法』… 相手の体力が1/2以下の時、相手より先に行動する。 『デスサイズ』… 1/試 技「しにがみのかま」を繰り出す。 このポテンシャルはPT全員が使用する事が出来る。 『魂の絆』… 場にいる限りトレーナーの指示を「1」ランク上げる。 低確率でポテンシャルを再度受けられる。 『後の先』… 相手が自身より先に行動した時、稀に相手より先に行動することが出来る。 『対地回避』… 敵陣に「地」ポケモンがいる時、相手の「地」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対地耐性』… 敵陣に「地」ポケモンがいる時、相手の「地」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対地反撃』… 敵陣に「地」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『気合い』… 稀に気合いで相手の攻撃を耐える。 残り体力が多いと発動しにくい。 『スラッグアーツ』… 「ここぞ!」という時、自身の「命中」を強化(1.33倍)する。 『キラー』がいると発動しない。 『エキスパンション(悪)』… 「おいうち」効果を持つ技を無効化する。 『デスノート』… 相手のデータを解析した時、相手を「麻痺」状態にする。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz 『命脈断ち切る死神の鎌』… ニアス・グローリア専用ポテンシャル。1/試/先行 自身の技に「おいうち」効果を付与し、相手に「必中」させる。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz 、 _ }i , \ \ |i i\ { \ |i i i i i\ r‐i { Vi i i i i i i i\ __ /i i{ _ 、 \ |i i i i i i i i i i i} _\i \ /{ _ ─  ̄ / \|i i i i i i i i i i/ ( ) \i 〉 / ノ´ ∠ _/i i i i i i i i i/ミ_  ̄ { / / ヽ〈i i i i i i i i i∧戎 ー─< { / ∠ ─ ⌒ゝ __ __∧i i i i i i i i{ ´ \ { / / / \ \i i i i i i\ _ ノ / / _ ─  ̄ / \_ }\ ̄ ´ / / ′ ) _/ \く ⌒ゝ / /フ_/ /  ̄/ ___ /  ̄/ / < / /  ̄ ─ _ ⌒フ { /__/ _ ─  ̄ / \ / \ /\ ト \───<_..─  ̄ ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\〉 / l ヽ ∨ヽ | \〉 \─‐、 / ̄ ̄ ̄ ̄ { { \ | ∨ l ∨ \ 八ハ| | | ヽ / | | | 丿ノ} / } _ ─ ⌒{ | \ | } / { . . { | 、 、 | / /∨ / \ . . {、 〈 / | / / |厶イ / ヽ . . {\ \/ | / / {\| | ∧ | . . 〉 ⌒〉、 \l/ / l | l 〉 / ̄}/ . . / / \ } / × 【名前】デルタアブソル(AA出典:『ポケットモンスター』より「メガアブソル」) 【タイプ】はがね/フェアリー 【特性】マジックミラー… 相手の「変化技」を反射する。 【もちもの】 【技x4:スチールソード、じゃれつく、ふいうち、みずのはどう】 こうげき:AA ぼうぎょ:C とくこう:B とくぼう:C すばやさ:B 【ポテンシャル】 『トップバッター』… 先発で場に出た時、自身の任意の能力値をぐーんと上げる。 『デルタ種』… 「アブソル」のδ適応種。 『オールドタイプ』を無効化する。 『災厄獣の災剣』… 相手が「はめつのねがい」状態の時、自身の「こうかいまひとつ」の技の威力を2倍にする。 『災厄獣の災毛』… 相手が「はめつのねがい」状態の時、相手の「こうかばつぐん」の技の威力を半減する。 『災厄獣の災翼』… 相手が「はめつのねがい」状態の時、自身の技の優先度を+1する。 『デルタフォース(悪)』… 自身のタイプ不一致の「悪」技の威力を強化(1.5倍)する。 『対の先』… 相手の「すばやさ」の種族値が自分と同ランクの時、中確率で自身の技の優先度を+1する。 『対炎回避』… 敵陣に「炎」ポケモンがいる時、相手の「炎」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対炎耐性』… 敵陣に「炎」ポケモンがいる時、相手の「炎」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対炎反撃』… 敵陣に「炎」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『気合い』… 稀に気合いで相手の攻撃を耐える。 残り体力が多いと発動しにくい。 『スターター』… 『先発』が発動した時、自身の全能力値を強化(1.05倍)する。 『エキスパンション(鋼)』… 「悪」「霊」技が「こうかいまひとつ」になる。 『デスノート』… 相手のデータを解析した時、相手を「麻痺」状態にする。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz 『宣告する破滅の未来』… デルタアブソル専用ポテンシャル。 自身の『役割』の発動時、相手を「はめつのねがい」状態にする。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz __, , ,,-- --、_ ハ , -' ´ `'‐、 / ヽ _______ / `y / r'ニ二----、ン `ン _/ / / } / ;イ/ ;イゝ; ヽ、 r、_ ヽ、,ハ、ィヽr、 i l ///// /i l ハ`ヽ ヽヽ、ヽ__>==--ヽ、i l l { {{ { ト; lr'リr、_L__ヽ、_ヽ_f´ ;rr''´j`t-、 }ミ r‐‐ゝ レ' リ リ ヽ f´"「{``トト、 }`‐{ ッ'゙{ ゝ辷ソ ノ レ'/こi`} t-iヽ{ ゞ;;;ソ l ̄ゝ, ー‐ '´ ノ (_,ノ ノ ヽゝ、`ー'"、_ `ー ---‐'´r'´ _,/ `弋‐‐'´ _,-‐‐‐-、 /⌒゙i弋;ゝ ヽ、 ヽ, ノ f !____ `ニ=、_____,,∠_{ }___ ヾヽ ゙、 r r'´ 「` ノ/ `、__ ゙ヽ r‐'´} ト-ヘ;;;;;;;;;ト 、_/ `} { ノi /`フ´ _ン‐‐‐く / / ゙‐} ,イ _ ;ィ/ r'´ 〈 ,ィ' / ./ f r‐'´〈 廴_,,,-‐''ー‐‐辷、_,ィ'´ _,ノ / /ヽ、 V/ / ` ´`フ / ;;;〈 ヽ;/// / 〈 ィ'´_;;;〉 r' / K i ィ ;;゙ヽ; { 〈○ ノノ V ;ン'{ ヽ ノ ヽ ヽ ノ ゝ ゝヾ `ヽ × 【名前】江戸川コナン(AA出典:『名探偵コナン』より「江戸川コナン」) 【タイプ】ノーマル 【特性】いろめがね… 自身の技が「こうかいまひとつ」の時、技の威力を2倍にする。 【もちもの】 【技x5:メガトンキック、タマゴばくだん、あびせげり、エレキボール、こころのめ】 こうげき:A ぼうぎょ:C+ とくこう:C+ とくぼう:C+ すばやさ:A 【ポテンシャル】 『チェイサー』… 自身の攻撃技に「おいうち」効果を付与する。 『幽体種』… 「江戸川コナン」が死後に『固有種』として生まれ変わったことで、相手の「ノ」「闘」技を無効化する。 『少年探偵の蹴球』… 相手に「死のカウント」が発生している時、自身の「だん」「ボール」等の技が相手の「まもる」等の技を貫通する。 『少年探偵の蹴撃』… 相手に「死のカウント」が発生している時、自身の「キック」等の技の威力を強化(1.5倍)する。 『少年探偵の推理』… 相手の「データ解析を無効化する」効果を持つポテンシャルを無効化する。 『キック力増強シューズ』… 自身の「攻/速」の種族値を「A」にする。 『魂の絆』… 場にいる限りトレーナーの指示を「1」ランク上げる。 低確率でポテンシャルを再度受けられる。 『対の先』… 相手の「すばやさ」の種族値が自分と同ランクの時、中確率で自身の技の優先度を+1する。 『対闘回避』… 敵陣に「闘」ポケモンがいる時、相手の「闘」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対闘耐性』… 敵陣に「闘」ポケモンがいる時、相手の「闘」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対闘反撃』… 敵陣に「闘」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『戦闘続行』… 低確率で相手の技のダメージを自身の行動後に持ち越す。 『アサルト』… 自身の技の「おいうち」効果の発動時、自身の技の威力を強化(1.5倍)する。 『エキスパンション(ノ)』… 「ノ」技のタイプ一致による強化倍率を2倍にする。 『デスノート』… 相手のデータを解析した時、相手を「麻痺」状態にする。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz 『米花町の死神探偵』… 江戸川コナン専用ポテンシャル。 相手のデータを解析した時、相手の死のカウントを「4」にする。 zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz \\ ゙i゙i ヽ ,---‐ ̄ ̄\ | ___---ヽ|\、 | || | | | | ヽ、、\ ゙i ゙l l l lヽヽ ヘ ゙i ゙l l l l ヽヽ ゙i | l l l lヘ  ̄|\ ノ/l l l lヘ l三゙、 // |`' l lヘ .|三ヽ ゙i ゙i l ((◯)) `' 〉 ヘ|三ヘ ヘ i ヘ| \ ヽ、 ヘ |ヘ ヘ| /ヘ ___ヽ `゙i |ヘ ヘ|二|ヘ |卅lヽ、 | |ヘ ヘ| | ゙i ゙i ̄`゙i `ヽ ゙i |ヘ,、,、,、,、,、ヘ| | ヽ ゙i ヘ ヽ || |_|_|_|_|_|_|_|」/ i ゙i ゙i __\ ヽ ゙i .| | \卅卅゙i ヽ | ゙i ゙i ゙i ,-------─、 ゙i ――''''' ̄ ̄.| | / | ゙i /| ゙i / __///// ̄| | ゙i _-─i ̄ 、--___ | ___--、 | ---‐‐ ̄ ゙i ゙i ゙i ゙i .| / / /≡| ̄_-―''' ̄ ̄ ̄| | ', ゙i ゙i | / / ,' | |二二二二二二二| ゙i / . ゙i '-, ゙i / ,-' / . | |二二二二二二二| | | ', ゙i ゙i / / ,' | |二二二二二二二| | ヘ___゙i ̄| | | | | | ̄/ | |二二二二二二二| | ゙i | | | | | | / | |二二二二二二二| | \| | | | | | | | |――| | | | | | ∴ 【名前】デスザウラー(AA出典:『ゾイド』より「デスザウラー」) 【タイプ】あく/ドラゴン 【特性】でんきエンジン… 相手の「電」技を吸収し、「速」が上がる。 【もちもの】 【技x6:ふいうち、ドラゴンダイブ、ラスターカノン、かでんりゅうしほう、はかいこうせん、じゅうでん】 こうげき:A ぼうぎょ:A とくこう:A とくぼう:A すばやさ:E 【ポテンシャル】 『二枚看板』… 自身の全能力値を強化(1.33倍)し、技が急所に当たりやすくなる。(C+1) 『山のヌシ』… 「岩」技で受けるダメージを半減する。 『死恐竜の荷電』… トレーナーが「統率:A」以上の時、自身のタイプ不一致の「電」技の威力を強化(1.5倍)する。 『死恐竜の暴虐』… トレーナーが「統率:A」以上の時、自身の能力が減少(低下)しなくなる。 『死恐竜の鋼核』… トレーナーが「統率:A」以上の時、自身の『ゾイド』があらゆるタイプに対し発動する。 『ゾイド』… 「鋼」ポケモンを倒した時、自身の体力を1/2回復する。 『後の先』… 相手が自身より先に行動した時、稀に相手より先に行動することが出来る。 『対妖回避』… 敵陣に「妖」ポケモンがいる時、相手の「妖」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対妖耐性』… 敵陣に「妖」ポケモンがいる時、相手の「妖」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対妖反撃』… 敵陣に「妖」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『気合い』… 稀に気合いで相手の攻撃を耐える。 残り体力が多いと発動しにくい。 『ツートップ』… 味方の『エース』が「瀕死」状態の時、自身に対し味方の『アシスト』が発動する。 『エキスパンション(龍)』… 「体力」の種族値が少し増加する。 『デスノート』… 相手のデータを解析した時、相手を「麻痺」状態にする。 ヽ ___ i . ´ . | / . . . | / / ◯ / r . \ヽ レ  ̄ ̄ ̄ ヽ◯ ヽ \ } ; /i ̄ i ̄/ ̄i ̄/ ̄iヽ ⌒´ . } i i l /_i l_i l ト 、 ', } l l/ レ′ ヽ_/ レ´.ヽl ハ . ヽ | レ-i i ノ ', `ヽ | / ー ′ } | /ヽ ∧ ∧ ∧ / } レ \/ \/ i / / i } ヽ__ }__}{___レ___/ | } | r- / V ./ | / |, ' | ヽ \ ヽ ∴ 【名前】バケモン(AA出典:『デジタルモンスター』より「バケモン」) 【タイプ】ゴースト 【特性】ふゆう… 宙に浮かび上がる。設置技の効果を無視する。 【もちもの】 【技x6:ゴーストダイブ、たたりめ、きあいパンチ、のろい、こわいかお、みちづれ】 こうげき:AA- ぼうぎょ:C+ とくこう:C+ とくぼう:C+ すばやさ:C+ 【ポテンシャル】 『アヴェンジャー』… 死に出しで場に出た時、自身の任意の能力値をぐーんと上げる。 『電化霊の恐貌』… 死に出しで場に出た時、T終了時まで相手の「速」をがくっと下げる。 『電化霊の死爪』… 死に出しで場に出た時、T終了時まで自身の「霊」技を溜めなしで繰り出す事が出来る。 『電化霊の輪廻』… 死に出しで場に出た時、T終了時に味方と任意交代する事が出来る。 『デジタルウイルス』… 相手のデータを解析した時、ランダムで相手の能力を下げる。 『先の先』… 相手が優先度+1以上の技を使用した時、低確率で先に行動する。 『対悪回避』… 敵陣に「悪」ポケモンがいる時、相手の「悪」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対悪耐性』… 敵陣に「悪」ポケモンがいる時、相手の「悪」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対悪反撃』… 敵陣に「悪」ポケモンがいる時、低確率で一番最後に追加行動を得る。 『戦闘続行』… 低確率で相手の技のダメージを自身の行動後に持ち越す。 『リベンジヒール』… 死に出しで場に出た時、中確率で自身の体力を1/4回復する。 『エキスパンション(霊)』… 味方と必ず交代する事が出来る。 『デスノート』… 相手のデータを解析した時、相手を「麻痺」状態にする。 ___ i´ `! <ス⌒ヽ | | tナ`‐'ハノ ,.-‐| (目) |‐-、 _ tナ / o || ,.. -―‐/ ̄//(|=ニ0ニ=|)\\ ̄▽―‐ '^ / |o o/ | / / / / ‐i|.尺.。尺.|!‐ ヽ ヽ || / / \. 匸_/| /_____|_| l. ニヽ`=='゙/ニ | r l~l /______ヽ| | | / |__lェ、____o|`呂´|o__,.r l^|.」-リ \| | | 厂 `ヾヾ)__o|''''''''''|o__( "l.」┘ . へr‐-、 | | | 〈 └┴‐廿―‐L|//`ーく_/\ l | | | \ |l><// ;へ__ノ ン | | | L / ;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ||x//||;;;;;; ノ‐=ニ、 | | |、 `-| ノlニニl\ //><>》 \ \ | | |/ ヽL|ニニ|/‐'⌒// \>< 〃 /  ̄ ̄| | | ((((o)__.//) ;;;;;||>く〃 / l l l |目 ‐く/ ノ //`==='" / / / ./ LLLL┘ く \\ ∠ ̄ / / ./ // / \\\ ̄ヽ / / ./. く/ / l| 〉 { / ./ ./ く ;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ/ / / ./ ./ \|| / ///  ̄ フ_;; -‐ナ" / / / / / ./ ト ノ / / `l / /./ ム′ _/-''´  ̄ ∴ 【名前】デス・サーティーン(AA出典:『ジョジョの奇妙な冒険』より「デス・サーティーン」) 【タイプ】あく/ゴースト 【特性】ぜったいねむり… 場にいる限り「夢うつつ」状態になる。「ゆめくい」等の技が失敗しない。 【もちもの】 【技x6:バークアウト、ゆうたいりだつ、ゆめくい、こうそくスピン、のろい、あやしいひかり】 こうげき:C ぼうぎょ:A とくこう:C とくぼう:A すばやさ:B 【ポテンシャル】 『エンチャンター』… 場を離れる時、味方の任意の能力値を上げることが出来る。 『夢死神の無敵』… 自身が「夢うつつ」状態の時、相手の技の威力を緩和(0.67倍)する。 『夢死神の夢幻』… 自身が「夢うつつ」状態の時、相手の技が急所に当たらなくなる。 『夢死神の夢遊』… 自身が「夢うつつ」状態の時、相手の攻撃を受けると味方と任意交代する事が出来る。 『スタンド』… 自身へのデータ解析を無効化する。 『後の先』… 相手が自身より先に行動した時、稀に相手より先に行動することが出来る。 『対妖回避』… 敵陣に「妖」ポケモンがいる時、相手の「妖」技の命中率を低下(0.85倍)させる。 『対妖耐性』… 敵陣に「妖」ポケモンがいる時、相手の「妖」技のダメージを緩和(0.67倍)する。 『対妖迫撃』… 敵陣に「妖」ポケモンがいる時、低確率で自身の技のダメージが2倍になる。 『軍略』… 自身の「全体技」の威力を強化(1.2倍)し、相手の「全体技」の威力を低下(0.8倍)させる。 『リターンヒール』… 味方と任意交代する時、中確率で味方の体力を1/4回復する。 『エキスパンション(悪)』… 「おいうち」効果を持つ技を無効化する。 『デスノート』… 相手のデータを解析した時、相手を「麻痺」状態にする。 ◆備考 神がビビりじゃなかったIFのPTを妄想。