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何かを得るためにはそれ相応の代価を支払はなければならない 7月26日(火) そして次の日、私はまたあの騒音の中にいた。耳が痛くなってきそうなほどの音量で、様々な音が混ざり合っている。やっぱりこの空間には慣れそうにない。 「そう? あたしは慣れてるけど」 「私は二回目」 「私に関しては初めてですよ……」 肩に乗ったシリアが、私の顔を支えに座っている。冷たい指の感触が頬に伝わる。 「大丈夫?」 「うん、なんとか……」 シリアもこの空間には馴染めそうにないな、と思いながら私は神姫バトルのコーナーを見た。 今日もいい賑わいを見せている。中学校や高校が夏休みに入ったためか、若いマスターが多く見受けられた。中には親子連れの姿まである。 ちなみにお金に関してだが、ちゃんとリアルマネーだ。さすがにゲームセンター側としても運営が成り立たなくなってしまっては困るだろう。 だが神姫センターでの買い物にはspt(神姫ポイント)を使うらしい。これはバトルに勝てば手に入り、また運営にお金を払えばもらえるそうだ(倍率は0.2倍だとか)。 ただまあ、神姫バトルでリアルマネーを賭けた勝負は禁止らしい。3年前にはちらほらやっていたらしいが、今は警察の目が鋭くなっていてここ最近では数は少なくなったとか。全部華凛から聞いた。 「これって交代制だよね?」 「そうよ、沢山いても回転率次第で早く回ってくるから、今のうちに用意して起きなさいよ?」 相変わらず天井に吊られているモニターを見る。なるほど、確かに画面右上には時間制限のような数字が見える。300秒らしい。つまりいくら長引いても5分で片がつく作りになっているようだ。 つまり私の番が回ってくるまで軽く時間がある。それまでに私は華凛に聞きたいことがあるのを思い出した。 「華凛、神姫持ってないんだよね?」 「んー? ないわねー」 華凛はあくまでモニターから目を離さずに生返事した。 「じゃあ、なんでこんなに神姫に詳しいの?」 「…………」 華凛はモニターを見たまま黙っている。だがその横顔には戸惑いの色がハッキリ見て取れた。 「……知りたい?」 その時、華凛の声が幾重にも重なったゲームの音に遮られずにやけに鮮明に聞こえた。何か、変な気分だ。まるで、知ってはならないことを知ろうとしているような―― まるで、華凛の嫌な過去を知ろうとしているような、そんな感覚。 私は、華凛のことはだいたい知っている。私のことは話したし、華凛のことも話してもらった。 だが、まだ私の知らない華凛がどこかにいるようだと薄々思っていた。まだ私は、親友のことを全部知っていない。 「……知りたい」 私はそう答えた。華凛が進んで話してくれるなら、私も黙って耳を傾けた。だが、今はそうではない。私から求めている。今までにない緊張感が、私の体の中に走る。 「…………」 華凛は目を閉じた。逡巡しているようにも見える。やがて、ゆっくりと目を開いた華凛は、 「えいっ」 私の頬を両手で引っ張っていた。 「そっかー、知りたいかーっていうか柔らかっ、あ、なんかクセになりそう……」 「か、かふぃん?」 しばらく私の頬をむぎゅむぎゅと引っ張った後、ようなく華凛は離してくれた。 「あー、柔らかいわね、いやホント。マシュマロみたいってこういうこと言うのね」 「……痛い」 「ごめんごめん。で、なんであたしが神姫に詳しいかだったわよね?」 「うん、そう」 「それはね……」 「……それは?」 華凛は十分に間を取ってから話しだした。 「実は、あたしも神姫が欲しいのよ」 「……?」 それがどう神姫に詳しいことに繋がるのだろうか? 「あたしって下調べとかは結構するからね、神姫が欲しいから、色々調べたのよ」 仁さんも色々教えてくれたし、と華凛は語った。確かにあの人の神姫の話は面白い。調べているうちに詳しくなったと華凛は語った。 だが、なんだかんだ言って今の理由は嘘だろう。華凛が私の考えてもいることが分かるように、私だって華凛が嘘をついているかどうかぐらいすぐに分かる。 華凛は嘘をついている。でも、その意味まではわからない。 (話したくなったら、話してくれるよね……) 私は華凛がいつか話してくれると思いながら、自分の番を待った。 (何で……話せなかったんだろう……) あたしの隣にいる小柄な少女は、緊張した面持ちで自分の神姫と話している。 それにしても、なぜあたしは樹羽に話せなかったのだろう。 (神姫……か) 神姫を見ていると、不安になってくる。その小さな体は簡単に壊れてしまいそうで―― (違う……そうじゃない……そんなの言い訳だ) あたしはもう一度樹羽を見た。さっきよりは緊張はほぐれ、真っ直ぐ前を見ている。 あの真っ暗な部屋で塞ぎ込んでいた子が、2週間も経たないうちにここまで成長するとは、あたしも驚いた。 違うな、多分これが本当の樹羽の姿なのだろう。自分の殻を少しずつ割って、ゆっくりと本来の樹羽が出てきているのだ。 (この調子で行けば、夏が終わる前に樹羽の引きこもりは治るわね……。そしたら、あたしは……) そこまで考えて、あたしは頭を振った。今からそんなことを考えても仕方がない。 だが静かに迫るその時を、あたしはただ待つしかなかった。 直前の人がバトルを終え、私の番が回ってくる。 相手は青年だった。椅子に座り、対戦相手を待っている。ポケットからイヤホンを出そうとしたが、こちらの姿を確認すると黙ってまたポケットにしまった。 少し背が高い。それにしっかりとした目、キレのある顔立ち。なんだかんだ言って、つまりかっこいい人だった。 だが、なんとなく近寄りがたいオーラが出ている。私が声を掛けようか悩んだが、 「よろしく……お願いします……」 とだけ言った。だが、声が小さかったせいか、相手には聞こえていなかったらしい。 私の中で気まずさが残った。どうしようか悩んでいると、後ろから声がした。 「あれ? 東雲じゃん。何やってんの?」 華凛だった。後ろから対戦相手をに話し掛けている。話し掛けられた方は、華凛を見るや、目を見開いた。 「あ、秋已? お前こそ、神姫も持ってねぇのに何やってんだよ?」 「あたしは付き添い。本命はこの子」 東雲と呼ばれた人は、こちらを改めてみた。 「てことは、やっぱり対戦相手ってことか。俺は東雲榊(しののめさかき)。よろしくな」 「奏萩樹羽……よろしく……」 適当な言葉が見当たらず、私はそう答えた。東雲くんは肩をすくませると、 「シンリー、対戦相手だ」 と台に向かって言った。 台には一人の神姫の姿があった。普通の神姫より少し小さい。黒いポディに金髪。生では初めて見るが、アルトアイネス型の筈だ。 シンリーというらしい彼女は台の上で何やら書いていた。神姫サイズの小さなノートに、何やら走り書きのような文字がちらほら書いてある。 「ちがう……こうじゃない……もっとこう、テーマを絞って……」 ああでもないこうでもないと何やらぶつぶつ呟いている。 「な、なにがあったんだろう……」 「さあ」 シリアも対戦相手に挨拶しようと出てきたが、肝心の対戦相手が取り込み中だ。 「ちょっと東雲、どうしたのアレ」 「ああ、あいつ作曲出来てな、最近スランプらしいから気分転換に来たんだが……」 気付けばネタ帳を持ち出し、気分転換にならないらしい。 「曲作れるんですか? すごいですね」 シリアは初対面の相手に普通にしゃべっている。社交性はシリアの方が上だな、やっぱり。 「ああ、ネットで『Day Black』って偽名であげてるよ」 『Day Black』、直訳すると、『東雲』になった筈だ。 「そう、なんですか……」 シンリーはまだぶつぶつ言っている。あれでバトル出来るのだろうか? 「バトルは、出来るの?」 疑問をそのまま口にしてみる。すると、東雲くんはちゃんと答えてくれた。 「出来るっちゃ出来るな」 「何よそれ、つまり100%じゃないってこと?」 「ま、そうなるな。だけどナメんなよ。強いぞ、俺たちは」 にやりと笑う東雲くん。 「いいじゃない、その勝負、乗ったわ!」 「華凛、戦うの私とシリア」 だが華凛はそんなことお構い無しでことを進めた。気付けば椅子に座って、ヘッドギアを着けている自分がいる。 「シリア、行ける?」 ポッドに収納されたシリアに尋ねる。 『私は問題ないよ。でも、シンリーさん大丈夫かなぁ?』 耳元のスピーカーからは、シリアの心配そうな声が聞こえてくる。 「相手のことを考えるのはいいけど、バトルには集中しよう」 『うん、そうだね。集中集中……』 私もあの状態のシンリーは気になる。だが、対戦相手なのだ。やるなら、全力でやらないと失礼だろう。 私はボタンを押した。既に聞きなれたアナウンスが流れ始める。 『…3、2、1、0、RideOn―――』 そしてカウントがゼロになり、私の意識は神姫にライドした――。 東雲と樹羽の勝負が始まった。あたしはモニターで二人の勝負を観戦している。 (また、やってしまった……) 昔から挑発には弱く、すぐに受けてしまう。これは樹羽の勝負なのに、何やってるんだろうねあたし。 (でもまだあたしが引っ張らなきゃいけない時期か、さすがに一人でゲーセン行けって言うのは時期尚早よね……) モニターの中の樹羽は、武装を展開している。まもなく戦いが始まるだろう。 (それにしても、樹羽のあの能力だけは予想外だったわね……) 通常、人の脳では指示することの出来ないブースター部分に指示を送ることが出来る。これは普通に身に付くものではない。この能力を使いたいからといくら努力しようとも無いものはどうしようもない。 (樹羽は……普通じゃない……) だからどうと言うわけではないが、やはり気にはなる。 (でも、本人も知らない能力だし。樹羽のお母さんに聞く? いやいや、そんなこと聞けないでしょ) 結局あたしは、樹羽の能力については何もわからないままなのであった。 第六話の2へ トップへ戻る
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神姫を選ぶ時に能力や所持アビリティを重視する人へ。 神姫の素ステはあまり気にしなくてもいいかもしれないが純正パーツをつけた時のパラメータの参考にはなる。 素体ステータスDLC以外(素体ステ) DLC販売(素体ステ) 固有RAに必要な武装をつけた際のステータスDLC以外(武装ステ) DLC販売(武装ステ) 素体ステータス DLC以外(素体ステ) 神姫 LP ATK DEF DEX SPD プラスアビリティ マイナスアビリティ RRmax 攻撃力 防御力 スピード WE回復 GBダメ アーンヴァルMk.2 400 45 45 7 4 大剣+1、ランチャー+1 浮遊機雷-1 ○ ○ ○ ストラーフMk.2 400 35 40 6 4 ダブルナイフ+1、ハンドガン+1 バズーカ-1 ○ ○ ○ ハウリン 450 45 40 2 4 ロッド+1、ビット+1 大剣-1 ○ ○ ○ マオチャオ 350 40 35 5 5 ドリル+1、ビット+1 ダブルナイフ-1 ○ ○ ○ アーク 350 40 40 4 6 小剣+1、ランチャー+1 なし ○ ○ ○ イーダ 300 40 40 4 5 大剣+1、ライフル+1 ロッド-1 ○ ○ ○ ゼルノグラード 350 45 40 6 3 パイルBK+1、ガトリング+1、粒子BLST+1 ハンマー-1、楽器-1 ○ ○ ○ アルトレーネ 400 40 50 4 4 大剣+1、浮遊機雷+1 ビット-1 ○ ○ ○ アルトアイネス 450 40 50 4 4 小剣+1、大剣+1 槍-1 ○ ○ ○ フブキ 350 45 40 4 7 小剣+1、投擲+1 ショットガン-1 ○ ○ ○ エウクランテ 450 35 40 5 7 ナックルAC+1、ショットガン+1 Dブレード-1 ○ ○ ○ イーアネイラ 350 40 35 5 7 槍+1、バズーカ+1 ミサイル-1 ○ ○ ○ ツガル 450 40 40 4 6 Dブレード+1、ライフル+1 投擲-1 ○ ○ ○ ジルリバーズ 350 45 35 4 7 小剣+1、ライフル+1 パイルBK-1 ○ ○ ○ エストリル 400 35 45 4 7 パイルBK+1、ハンドガン+1 大剣-1 ○ ○ ○ +隠しキャラ 神姫 LP ATK DEF DEX SPD プラスアビリティ マイナスアビリティ RRmax 攻撃力 防御力 スピード WE回復 GBダメ ジャスティス 350 60 50 5 5 大剣+1、機関銃+1 ハンドガン-1 ○ ○ ○ ミミック 400 40 40 5 5 なし なし ○ ○ ○ 強化ミミック 400 50 80 3 50 なし なし ○ ○ ○ DLC販売(素体ステ) 神姫 LP ATK DEF DEX SPD プラスアビリティ マイナスアビリティ RRmax 攻撃力 防御力 スピード WE回復 GBダメ ベイビーラズ 400 40 45 5 4 ダブルナイフ+1、楽器+1 爆弾-1 ○ ○ ○ 紗羅檀 400 45 40 4 5 投擲+1、楽器+1 ハンマー-1 ○ ○ ○ 蓮華 350 50 40 5 5 ダブルナイフ+1、投擲+1 浮遊機雷-1 ○ ○ ○ ガブリーヌ 350 40 50 5 5 槍+1、ハンドガン+1 ナックルAC-1 ○ ○ ○ ラプティアス 450 40 40 4 6 ダブルナイフ+1、ハンドガン+1 機関銃-1 ○ ○ ○ アーティル 450 40 40 6 4 ナックルAC+1、機関銃+1 ドリル-1 ○ ○ ○ プロキシマ 400 40 40 4 5 斧+1、ライフル+1 楽器-1 ○ ○ ○ マリーセレス 380 50 40 5 5 小剣+1、バズーカ+1 ドリル-1 ○ ○ ○ ムルメルティア 350 50 50 5 3 パイルBK+1、ハンドガン+1 粒子BLST-1 ○ ○ ○ 飛鳥 350 40 45 8 5 小剣+1、爆弾+1、機関銃+1 斧-1 ○ ○ ○ ジュビジー 450 35 50 5 4 ハンマー+1、ハンドガン+1 ミサイル-1 ○ ○ ○ ジルダリア 350 45 35 5 5 小剣+1、ショットガン+1 ライフル-1 ○ ○ ○ ヴェルヴィエッタ 450 40 40 5 8 ロッド+1、ランチャー+1 小剣-1 ○ ○ ○ リルビエート 450 40 40 5 8 小剣+1、ミサイル+1 槍-1 ○ ○ ○ オールベルン 400 40 50 5 5 小剣+1、粒子ブラスター+1 斧-1 ○ ○ ○ ジールベルン 400 50 40 5 5 小剣+1、浮遊機雷+1 ランチャー-1 ○ ○ ○ アーンヴァルMk.2黒 400 45 42 20 4 攻撃力+3、小剣+1、大剣+1、ランチャー+1 防御力-3、斧-1、浮遊機雷-1 ○ ○ ○ 固有RAに必要な武装をつけた際のステータス アビリティはパラメータ系でかつ絶対値が3以上のもののみ書いてます。 詳しいアビリティは各神姫のページを見てください。 装備は空いているのではなく着けているのを書いてます。 DLC以外(武装ステ) 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ アーンヴァルMk.2 一刀両断・白 5 5739 41 67 224 621 -5% 10% 418 PB ○ ○ ○ ○ ○ なし スピード+3 一刀両断・白EX 7 9498 66 109 356 1028 -5% 10% 924 大HG ○ ○ ○ ○ ○ なし スピード+5DEX+3 グランニューレ 5 5736 40 67 225 623 -17% 35% 326 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ なし LP-4 グランニューレEX 7 9496 63 109 359 1030 -22% 45% 599 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ なし DEX+3CHA+5LP-4 ストラーフMk.2 一刀両断・黒 5 5704 34 36 214 537 10% -5% 264 なし ○ ○ ○ ○ なし スピード-4 一刀両断・黒EX 7 9441 57 59 335 886 10% -5% 488 なし ○ ○ ○ ○ なし スピード-4LP+3 ジャーバル・クルイク 5 5704 34 36 214 537 10% -5% 253 なし ○ ○ ○ ○ なし スピード-4 ジャーバル・クルイクEX 7 9441 57 59 335 886 10% -5% 467 なし ○ ○ ○ ○ なし スピード-4LP+3 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ハウリン ドッグサーカス 5 6236 61 58 328 621 20% -10% 408 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力+3 ドッグサーカスEX 7 10313 101 99 531 1029 24% -12% 747 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力+4LP+3 マオチャオ スーパーねこ乱舞 5 6138 65 64 328 611 -5% 10% 383 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし LP+4 スーパーねこ乱舞EX 7 10216 106 105 531 1017 -5% 10% 834 DL ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力-3スピード+3LP+6 アーク ロードファイター 5 5815 67 61 301 621 0% 0% 484 Lc ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3スピード+3 ロードファイターEX 7 9664 109 101 484 1028 0% 0% 842 Lc ○ ○ ○ ○ 1 防御力+4スピード+5 イーダ スリルドライブ 5 5733 63 60 306 619 0% 0% 328 なし ○ ○ ○ ○ 1 - スリルドライブEX 7 9558 103 102 496 1027 0% 0% 668 なし ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3LP-3 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ゼルノグラード バレットカーニバル 5 5836 63 68 311 615 10% -5% 464 Gt ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力-3DEX+4LP-3 バレットカーニバルEX 7 9698 104 111 503 1022 0% 0% 822 Gt ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力-3スピード+3DEX+6LP-5SP+4 アルトレーネ ゲイルスケイグル 5 6037 60 60 316 632 0% 0% 494 大 ○ ○ ○ ○ ○ 2 防御力+4 ゲイルスケイグルEX 7 10008 102 99 515 1041 % % 905 大 ○ ○ ○ ○ ○ 2 防御力+6DEX-4 アルトアイネス シザース・ガリアス・ドミニオール 5 6086 63 62 317 631 0% 0% 376 なし ○ ○ ○ ○ ○ 2 防御力+3SP-3 シザース・ガリアス・ドミニオールEX 7 10059 103 103 518 1038 0% 0% 724 なし ○ ○ ○ ○ ○ 2 防御力+3CHA+3LP+3SP-4 フブキ 夢想手裏剣 5 3724 53 32 253 448 -5% 10% 379 投 ○ ○ ○ ○ 1 - 夢想手裏剣EX 7 9795 110 107 502 1027 -5% 10% 848 投 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 スピード+4DEX+4CHA+4LP-3 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ エウクランテ グライドオンプレステイル 3 3485 36 35 173 332 0% 0% 182 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 - グライドオンプレステイルEX 7 9870 109 105 496 1028 0% 0% 876 散 ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3スピード+3 イーアネイラ ウェパル・アサルト 3 3334 37 34 172 323 0% 0% 627 槍 ○ ○ ○ 1 CHA+3 ウェパル・アサルトEX 7 9613 108 103 483 1014 0% 0% 894 槍 ○ ○ ○ 1 防御力-5スピード+3CHA+6 ツガル プレゼント・フォー・ユー! 5 5982 65 63 308 621 0% 0% 497 DB ○ ○ ○ ○ ○ 1 LP+3 プレゼント・フォー・ユー!EX 7 9874 107 103 498 1028 0% 0% 886 DB ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3LP+4 ジルリバーズ ヘリッシュクレイドル 4 4557 52 47 233 470 0% 0% 259 なし ○ ○ ○ ○ 1 SP-3 ヘリッシュクレイドルEX 7 9610 109 102 479 1022 0% 0% 670 なし ○ ○ ○ ○ 1 防御力+3スピード+3 エストリル フラッシングブレード 4 4681 53 46 241 481 0% 0% 371 PB ○ ○ ○ ○ ○ 1 - フラッシングブレードEX 7 9820 111 101 498 1035 0% 0% 835 PB ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力+5スピード+5 +隠しキャラ 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ジャスティス 終焉の宴 7 9702 107 106 490 1041 0% 0% 武器2通り+ms 868+NS 887 大 ○ ○ ○ ○ ○ 1 クリティカル率+5防御力+6スピード+4CHA-4SP+3 DLC販売(武装ステ) 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ベイビーラズ We Will Rock Y☆ 5 5800 60 64 297 622 15% 10% 480 DK ○ ○ ○ ○ ○ なし SP+4 We Will Rock Y☆EX 7 9601 102 105 480 1026 25% 10% 834 DK ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力-4ロック範囲+3SP+6 紗羅檀 ロスト・パラディウム 5 5932 63 61 340 584 45% -18% 548 小 ○ ○ ○ ○ ○ 1 LP+3 ロスト・パラディウムEX 7 9826 104 101 498 1025 50% -15% 951 小 ○ ○ ○ ○ ○ 1 クリティカル-4武器エネルギー回復+3LP+6SP+3 蓮華 後天爆裂 5 6132 65 63 328 620 15% 10% 375 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし 武器エネルギー回復-3ガードブレイクカット+3 後天爆裂EX 7 10208 106 104 531 1028 -5% 10% 703 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし クリティカル率+3防御力+3武器エネルギー回復-4ガードブレイクカット+5ブースト性能+3スピード+3SP+3 ガブリーヌ ヘルクライム 5 5836 63 61 304 630 30% -5% 419 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 ヘルクライムEX 7 9700 103 102 494 1038 40% -5% 757 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 クリティカル率+6防御力+3溜め時間短縮+3LP-3 ラプティアス スーパーダブルナックル 5 6237 64 61 328 621 -13% 25% 420 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ なし 防御力+3溜め時間短縮-3ブースト性能+3 スーパーダブルナックルEX 7 % % なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ なし アーティル スーパーツインカノン 5 6236 64 66 328 617 20% 0% 416 なし ○ ○ ○ ○ ○ なし クリティカル率-3ブースト性能+3SP+3 スーパーツインカノンEX 7 % % なし ○ ○ ○ ○ ○ なし プロキシマ オメガスターロード 5 6186 66 62 329 618 10% -5% 506 斧 ○ ○ ○ ○ なし 武器エネルギー回復+3スピード+3 オメガスターロードEX 7 % % 斧 ○ ○ ○ ○ なし マリーセレス バッカルコーン+E83 5 5815 53 62 298 619 -5% 10% BZ ○ ○ ○ 1 バッカルコーン+E83EX 7 % % BZ ○ ○ ○ 1 神姫 レールアクション ランク LP SPD DEX CHA DEF 火器 光学 COST 武 頭 体 腕 腰 脚 靴 背 盾 ア パラメータアビリティ ムルメルティア ベルリンのバラ 3 3389 31 33 178 343 0% 0% 219 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 防御力+4 ベルリンのバラEX 7 9796 103 103 498 1045 0% 0% 869 なし ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1 クリティカル率+5防御力+6武器エネルギー回復-4 飛鳥 悠久の神風 3 3457 36 33 183 333 0% 0% 260 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 悠久の神風EX 7 10004 110 102 514 1031 0% 0% 839 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 武器エネルギー回復+5ブースト性能-4スピード+3 ジュビジー ホーリーエクスプロージョン 3 3291 33 18 163 322 0% 0% 153 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 ホーリーエクスプロージョンEX 7 9868 104 103 496 1035 0% 0% 674 なし ○ ○ ○ ○ ○ 1 SP+6 ジルダリア ダイヤモンドリーフ・ストーミング 3 3191 34 19 163 309 0% 0% 231 小 ○ ○ ○ ○ ○ 1 ダイヤモンドリーフ・ストーミングEX 7 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ 1 ヴェルヴィエッタ アルティメットレーザー 5 % % なし ○ ○ ○ ○ なし アルティメットレーザーEX 7 % % なし ○ ○ ○ ○ なし リルビエート トリプルクラッシュ 5 % % なし ○ ○ ○ ○ なし トリプルクラッシュEX 7 % % なし ○ ○ ○ ○ なし オールベルン ライトニングソード 4 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 ライトニングソードEX 7 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 ジールベルン ダークネス・キラー 4 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 ダークネス・キラーEX 7 % % 小 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 アーンヴァルMk.2黒 一刀両断・真 5 % % PB ○ ○ ○ ○ ○ なし 一刀両断・真EX 7 % % 大HG ○ ○ ○ ○ ○ なし
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サムライ男に見る、最近の犯罪事情 2007年初旬、英国の地で押し込み強盗を働いた5人組がいたらしい。 彼らは駆けつけた警官2人をナイフで刺そうと襲いかかる。その時! 突如何処からか現れた侍が一人を斬り伏せ、逃げるもう一人も斬る! 結果警官は助かったが、“サムライ男”は既に姿を消していた……。 「……だそうだ、なんか何処ぞのVシネマ時代劇でありそうな展開だな」 「マイスター、マイスターっ。わたしも、ばば~んと活躍したいですの」 「うむ、最近はハイテク犯罪も多いし、その中でこそローテクは光るな」 「特に神姫犯罪は最近多いですの、わたし達の姉妹が悪い事してますの」 深夜のティーブレイク。暇な時は旧時代のニュースアーカイブを見る。 そして最近と比較していろいろ沈思黙考。これぞ私・槇野晶の休息だ。 昨今は……恐らく私が生まれ出る前から……この国は荒れ放題であり、 尚克アレ放題であるが、こういう“正義”にはやはり心動くな。有無。 「神姫犯罪か……奴ならどう思うのであろうな、割と普通の男だが」 「奴?えっと、ホビーショップ・エルゴさんちのお兄さんですの?」 「そう。奴めは典型的なヲタだが、知識も腕もあり、魂も暑苦しい」 「あう。マイスター、それを言うなら熱い魂だと思いますの~……」 「構わぬ!で、そんな奴なら“正義”について何か一家言あろう?」 成人男性としての評価はさておき、その心意気は私も買っているのだ。 OK、「幼女の癖に」とか言った奴は今すぐに根性焼きしてやろうか? ……まあ、表面上のみとか絵空事ならそこまでなのだが、万一もある。 技術的な相談事もあるし、今度行った時にでも軽く鎌を掛けてみるか。 奴が本物なら、さぞ有意義な議論ができるだろう。その折は……有無。 「……あの、マイスターっ。それよりも、それよりもっ!!」 「ん?ああ、すまない。危うく己の思考に溺死する所だった」 「新作のお洋服の仕上げ、もうすぐ終わりそうなんですの?」 そうだった。MMSショップ“ALChemist”のショップブランドである、 神姫用服飾“Electro Lolita”の新作を今は作っていたのであった。 先日渋谷でスキャンした最新モードの女性服。ああ言った物を参考に 私なりのアレンジを混ぜ込み、神姫のボディサイズに合わせていく。 この小さなキャンパスに感性を詰め込むのも職人(マイスター)の技。 「今回のお洋服もステキみたいですから、早く着てみたいですの♪」 「ああ、今回はクロスタイプだからもう少しで出来る。焦るなよ?」 「はーい。そして早くマイスターとおそろいで歩きたいですのっ!」 「う゛、どうしても着ろと言うのか……仕方ない“妹”だ、全くッ」 今回の“モデル料”で選ばれた洋服は、あろう事かスキャン元の服。 私のコンパクトボディに合わせた同じブランドの別物ではあるが…… これも“妹”を華やかにしてやりたい姉の心情なのかも知れないな。 「マイスターとおそろい、おそろいっ。おそろいの服~♪」 「出かけるのは明日だぞ?今晩はもう遅いから試着だけだ」 「はい。それだけでも、わたしはとても嬉しいですの~♪」 「ふふ……しょうがない“妹”だ。すぐに着せてやるッ!」 ──────今日も月が昇り、星に楽しい夜が訪れる様だ……。 次に進む/メインメニューへ戻る
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回の00「不変ではいられない僕ら」 2037年9月。高校二年の夏休みを満喫しきった藤原雪那(ふじわら・せつな)は、その長い休暇のほとんどを自分の武装神姫、マオチャオのティキと共に過ごした。 例えば初めて大きな大会に参加してみたり、ティキをつれた家族旅行に出かけたりなど。 当然、今までに知り合った仲間たちとの交流も大切にし、何かのたびに待ち合わせては地元の神姫センターなどに通ったりもしていた。何も変化が無かった、というわけではないが。 特別な何かがあった訳ではないが、それでも昨年までとは違う夏休みを終え、それでも厳しい残暑に打ちのめされながらも、一年前では予想もしていなかった新たな習慣が繰り返されている。 先週も一人で都内にまで足を伸ばし、ホビーショップ・エルゴでバトルをしたばかりだった。エルゴでの、初めてのシルヴェストルのお披露目をかねたそのバトルは――なんと言うか、散々な目に遭わされたのだが。 そして3連休の真ん中日曜日、シルヴェストルの改良もあったので雪那もティキも空調の利いた自室にこもっていた。 「そう言えば……」 細かいパーツに苦戦しながら、雪那は口を開く。雪那の手伝いをしているティキは、自分のオーナーの言葉に視線を向けて反応した。 「……そろそろこの家に来て一年がたつんじゃないの?」 「えーっと、うーん?」 なにやら考え込み始めるティキ。 神姫のこういった見せ掛けの記憶の揺らぎは、人とのコミュニケートを潤滑にするための、いわば機能の一つだ。 記録を参照するだけなのだから、わざわざ考え込むような、思い出すかのような時間は必要ない。しかし、そうある方が人間はその“個体”と“対話”した気分になるものだ。 「そうですよぉ! 今日でちょうど一年になるのでっすよぉ♪」 思い出し、そしてティキは飛び跳ねて喜ぶ。 「そっかー。じゃあ、今日がティキの誕生日だなあ」 作業を中断し、大きく伸びをしながらティキに微笑む。 「なんかお祝いでもしなきゃね」 「お祝いですかぁ!」 目をきらきらと輝かせるティキ。それに、どうしようかねー、といいながら雪那が頭を傾げていると、呼び鈴の機械音が響く。 この時間雪那の母、藤原舞華(ふじわら・まいか)は自宅に接している店舗の方に居る。その事を知っている人ならば、たとえ郵便公社の配達員でさえ店舗に行くはずなのだが、なぜか自宅の呼び鈴が鳴った。 「僕に、かな?」 ティキに向けてそう言うと、雪那は玄関に向かう。 しかし程なくして自室に帰ってきた雪那は、怪訝な顔で大きな段ボールの箱を抱えていた。 「? 何なのですかぁ?」 なんとも形容しがたい表情の雪那に、ティキが質問する。 「……それが、なんて言うか」 歯切れが悪い。 「?」 「ティキ宛の、宅配物なんだ。……しかも親父から」 ほぼ時を同じくして、ここは結城邸。 「で、あの男の子とはどうなったの?」 その顔には隠そうともしない好奇心でいっぱいになっている。 その朔良=イゴール(さくら・――)に、少し寂しげな顔を見せて結城セツナは答える。 「多分、フラれちゃった。かなあ……」 「多分? かなあ、って?」 「はっきり言われたわけじゃ、ないから」 セツナはそう言うと、自分のカップのふちを指でなでながら話し始めた。 さらに同時刻。 式部敦詞(しきぶ・あつし)は自分の部屋で昨日の事を思い出し、また怒りを顕わにしていた。 「ったく、あのトウヘンボク! あんなんだったらまだ朴念仁の方がましだ!!」 自身の神姫、きらりとTVゲームをしながら昨日から何度目かにもなる言葉を繰り返す。 「そんな事言っても、仕方が無いでしょう? マスターだって雪那さんの言い分、納得してたじゃない」 人が使うものとは大きさも機能もまるで違うコントローラを駆使しながら、きらりは言った。 「そうだけどよー」 「大体マスターは司馬さんを応援してたんじゃない。だったら雪那さんの考えも、歓迎こそすれ責めるのはどうかと思うわ」 ここで言う司馬とは神姫を通して知り合った友人、司馬仙太郎(しば・せんたろう)の事である。 「いや、別にオレは司馬のダンナを応援してるわけじゃネーよ?」 「アレ? 違うの?」 「オレは周りがハッピーになれば良いと思ってるだけだ。だから、誰かを好きな奴がいて、そいつと付き合えるようになるならそれが良い、てだけ。司馬のダンナが結城を好きなら応援するし、だけど結城が雪那を好きなら雪那をたきつけるさ」 それって立派な三角関係の出来上がりだよ? 己のマスターのその言い分を聞き、どこら辺がハッピーなのかきらりにはチョット理解出来なかった。それでもあえて口にはしなかったが。 「つまりさ、雪那が結城の事が好きになるなら、それでそこの二人はハッピーだろ? ま、司馬のダンナは泣く事になるけど。でも万が一、結城が司馬のダンナの事好きになるなら、それでもハッピーじゃん。でさ、結城が司馬のダンナを好きになるよりも、雪那が結城の気持ちに応える方が、確立としては高いと思ったわけ。なのにさ、結城の気持ちに気付いてないならまだしも、只はぐらかしていたって言うアイツは、ヤッパリどうかって思うわけよ」 器用に自分の自機を操作しながら、敦詞は思う所を吐き出す。 敦詞の意見が正しいのかどうかはさておき、それでも敦詞の思いをきらりは理解した。 しかし昨日、雪那の言い分も聞いてしまったわけだから、雪那も考えも一応理解しているわけで。 きらりは途方にくれる。 その途端、きらりが操作していた機体が、敵機に撃ち落されてしまった。 「でもそれって、全部憶測なんでしょ?」 そう言って、朔良はわずかに残ったカップのお茶を飲み干す。 「まあ、ね。あくまでそういう風に感じた、ってだけ。それ以上は別に避けられているわけでもないし」 その会話をそばで聞いていたセツナの神姫、海神ⅡY.E.N.N(わだつみ・せかんど・わい・いー・えぬ・えぬ)こと焔(えん)は、実は気が気じゃなかった。 焔は昨日、雪那と敦詞の会話を偶然にも聞いてしまっていた。しかもその後に敦詞に見つかってしまい、セツナには秘密だと一方的に約束されてしまった。 実際問題、セツナと敦詞では、セツナの方が焔の中では上位に存在している。オーナーの友人でしかない敦詞より、オーナーであるセツナの方が優先されるのは当たり前だ。 しかし、だからと言って、その会話のありのままをセツナに話してしまうのは、あまりにも憚れた。 決して大げさな話ではない。大それた決意でもない。でもだからこそいえない事もある。 「ま、あんまり考えていても、なんともならないわね。この話はこれでおしまい」 セツナのその一言に、焔は安堵の息を吐く。その話題が長引けば、ぼろを出す危険が増すだけだ。 「で、今日は本当は何の用なの?」 まさかその話題だけで家まで訪ねて来たわけじゃないのでしょう? と、セツナは空になったカップにお茶を注ぎながら朔良に促す。 朔良は、ヤッパリ判ってた? と、茶化したように言うと、言葉を続けた。 「実はね、セツナに引き取ってもらいたいものが有ってサ」 そう言うと朔良はかばんの中から小さな箱を取り出す。 「実は、私も武装神姫やってみたいと思ってさ、ちょうど良いからってこれを注文したんだ。……だけど、これが届いた頃には、興味が無くなっちゃったんだよネ。まぁ、色々理由はあるんだけど、それは追求しない方向で。で、何もしないで寝かしちゃうのもこの娘に悪いから、有効に活用できそうな人に、って思って」 「って、それってリペイント版の!」 朔良が取り出したその箱には、MMS TYPE DEVILと印刷されていた。 話は雪那とティキに戻る。 今は亡き父の名で送られてきたその箱を前に、雪那とティキは何も出来ずにいた。 冷静に考えれば父、修芳が生前に日時指定して送った物だろう。だが、判ってはいても一寸した不気味さを醸していた。 ……少々時期がずれたとはいえ、夏場という季節のせいもあるかもしれない。怪談の旬はやはり夏場であろう。 なにより、昨晩見た心霊番組がいけない。その内容をついつい思い出してしまう。 「……よし」 意を決して雪那はその段ボール箱に手をかけ、箱を封じているガムテープをはがし始める。 はたしてその中には、更なる段ボール製の箱が収められてあった。 しかし不気味さはさらに増す。 何が不気味と言えば、その段ボール製の箱は、その見える全てを完膚無く、一部の隙も無く、真っ黒に塗りつぶされているのだ。 ティキは恐怖に震えながら、ぎゅっ、と雪那の腕にしがみつく。 「は……ははは。一体、これは何なんだろうね」 引きつった笑いを浮かべながら、雪那は恐る恐るその箱を取り出す。 案外、軽い。 箱の大きさの割には重くは無い。 持ち上げて裏も見てみるが、案の定裏面も一切の余白も無く真っ黒に塗りつぶされてあった。 雪那はそっ、とその箱を部屋の真ん中に置く。 「……どうしようか?」 ティキに聞いても返事は無いだろうと予測してはいたが、それでも思わず聞いてしまう。そして予測をまったく違えることなく、ティキはただ雪那につかまって震えているだけだった。 埒が明かない。そう思った雪那は、頭を振ると勢いに任せてその箱を開封する。 恐る恐る覗き込む雪那の目に、どこかで見たようなブリスターパックが入る。 「???」 いぶかしみながらパックを引っ張り出す。 雪那によって姿を現したそれをティキは覗き見る。そしてそれを確認した途端―― 「みぎゃぁぁぁぁぁああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 すさまじい悲鳴を上げて、部屋の隅に逃げ出した。 雪那とティキが目にしたそれは 一週間前エルゴに行った際、ティキをデータ上とはいえ破壊ギリギリまで追い込んだ、ネメシスという名の神姫と同型同色の 黒い、アーンヴァル。 トップ / 次回
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蒼天にて、星を描きし者(前編) そしてその日はやってきましたの。わたし達三姉妹がセカンドに向けて、 ついに扉を通る日がッ!……あ、申し遅れましたの~♪わたしはロッテ。 “マイスター(職人)”槇野晶お姉ちゃんと共にある、神姫が一人ですの♪ 今は皆、準備でてんてこ舞いですの。武装は用意出来たんですけど……。 「クララや、躯の洗浄が終わったなら服を選んでおくれ!時間がない!」 「分かってるんだよマイスター、ボクのは決まってるけど……大丈夫?」 「あうぅ……これも可愛くていいんですけど、こっちも棄てがたいです」 「わたしの予定時刻まで、もう一時間弱ですのアルマお姉ちゃん~!?」 わたし達は“服を着る神姫”、素体のまま外に出る習慣はないですの。 だから今日は下着と戦闘用補助アーマードレスに、お気に入りの一着を 着込んで、近所の秋葉原神姫センターに赴く事になったんですけど…… わたし達はマイスターのブランド“Electro Lolita”を背負う看板娘、 生半可なファッションセンスではいられませんの!だから、つい……♪ 「そういうロッテちゃんだって、決まってないじゃないですか~!?」 「こっちの水色のワンピースもいいんですけど、白のドレスも……♪」 「……こっちは大忙しだもん……マイスターの服選びも、大丈夫かな」 「む?う、有無……ストラップレスと長袖のどちらにしようかとな?」 「今日も四十度近くになるらしいし、日焼け対策次第だと思うんだよ」 どうしても皆、服選びや躯の洗浄には拘ってしまいますの。わたし達の オーナーであるマイスターは女の子ですし、わたし達もその辺の影響を いっぱい受けていますから、しょうがない所ですの。そんなこんなで、 準備が出来て皆で住居代わりのビルを出たのは、四十五分前でしたの。 「ふぅ……今日も街が灼けるな、水分補給しないと死んでしまうぞ」 「……ボクらも、熱暴走しない様こまめに冷却水を補給するんだよ」 「そうですね~……大事な日ですし、コンディションは大切ですッ」 「バッテリー充電率98.16%……他の機能も全部問題ないですの~♪」 そうですの、今日は高みに昇る日……昇進を賭けた試合の予定日ですの! この日の為に用意した“アルファル”他の装備も、バッチリカートの中。 ここ数ヶ月は、全て今日この時の為に使ってきたとさえ言えますの~っ♪ その割に、神姫センターで受け付け出来たのは刻限五分前ですけど……。 「サードの槇野晶様……神姫はロッテ、アルマにクララの三機ですね?」 「有無。事前に昇進試合への予約を通してあるはずだ、マッチメイクを」 「畏まりました……三機が応募してます。ランダムでよろしいですか?」 「構わぬ。どんな相手でもこの娘らならば、打ち倒してくれるだろう!」 「はいっ……では皆さんの試合をこれから準備します、お待ちください」 どうやら今日セカンドを目指しているのは、わたし達を含め六人ですの。 誰と戦う事かはわかりませんけど、マイスターの為に勝ってみせますの! ……と一人で集中していた時、マイスターの呼び出しが掛かりましたの。 『槇野晶さん、ご希望のバトルが開始出来ます。オーナー席にどうぞ』 「よし……さ、まずはロッテだ。姉妹達に、しっかり見せるのだぞ?」 「ロッテちゃん!……頑張ってくださいね、勝てると信じてますっ!」 「……大丈夫。これまでの積み重ねを大事にすれば、必ず行けるもん」 「はいですのっ!!皆、見ていて下さいですの……わたしの、戦い!」 マイスターに促されるまま、エントリーゲートを降下していきますの。 サイドボードへの武装装填完了を示すシグナルを確認して、準備OK! 選んで身につけた水色のワンピースを翻して、発進位置へと付きます。 ここで“意識”がヴァーチャルフィールドに投影される仕組みですの。 降下を完了したわたしの意識は、ゲートの閉鎖と同時に揺らいで……。 『ロッテvs狛恵、本日のサードリーグ第7戦闘、開始します!』 「ヴァーチャル化完了……では、行きますの~っ!!」 次の瞬間には、水平なレールを電磁加速する様に打ち出されていました。 そうして駆け出していったのは、最初の戦いでも使った古戦場でしたの。 ただ今度は、バトルのダメージを反映してか剣が突き立っていますけど。 でもじっと見ている暇はないですの!空を切る様な砲弾の音が、すぐ側を 切り裂いて……直後にわたしの躯は軽く吹き飛ばされましたの……痛ッ。 「きゃっ!?遠距離からの砲撃、でもフォートブラッグ程じゃ……!?」 『これは……ロッテ、相手は砲撃特化のハウリン系列だ!!』 「“砲狗の”狛恵、行きますッ!ドラドラドラドラドラァッ!!」 「く、確かに……大きな姿が見えていますの!」 「むむ、見つかりましたか!でもアタシは、破壊するのみですッ!」 「きゃあああっ!?く、このままじゃ……!」 カメラアイで見たのは、四肢……自分の脚とパックパックの補助脚……を 地に降ろし、両手・両肩・胸・背中の火器でわたしを撃つ神姫でしたの! 短くカットされた榴弾砲やミサイル、ガトリング……実弾ばかりのそれは 質より量という勢いで、わたしの服を灼き焦がしていきますの……でも! 「……でも数撃てば当たる、という悠長な結果は待てませんのッ!」 「そんな丸腰の姿で何が出来ますかっ!一気に殲滅してあげますッ!」 「黙ってやられはしませんの……“フィオナ”ッ!」 『Yes,sir(強襲します)』 わたしがその名を呼んだ時、夜闇の空に逆三角形状のラインが生まれ、 それに沿って“妖精の騎士”が、UFOの姿で飛び出してきましたの。 下部に据え付けられたのは、二挺のビームガトリング“セイバー”…… 青き流星は、そのまま戦場へ降下して狛恵さんに威嚇射撃をしますの! 「うあぁぁっ!?あれはぷち、いや……レインディア・バスター!?」 「そっちがオリジナルの砲撃支援システムなら、こっちは……!」 『“W.I.N.G.S.”……Execution!』 「変身、した!?聞いてた姿と違います、その服と剣は一体……!」 「蒼天の旋姫(セレスタイン・ヴァルキュリア)の、真の姿ですのッ!」 フィオナが作り出した一瞬の隙を使って、わたしは戦闘の為にある姿を 呼び出しましたの。それは即ち、アーマードレス“レーラズ”と魔剣! 煤けたワンピースは消えて、手先や足首まで覆う青のドレスがわたしを 包んで、両の腰にライナストとフェンリルが光の中で装着されますの。 シンプルな“変身”で驚かせましたが、ここから“本番”ですの~っ♪ 「虚仮威しでしょう、春の大会でのマグレには騙されませんッ!」 「マグレかどうかは……これから貴女に確かめてもらいますのッ!!」 ──────さぁ、ここからが天国への階段ですの! 次に進む/メインメニューへ戻る
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戦乙女は、かく降臨せし(前半) ヒートアイランド現象の所為であたたかいと言え、今は冬真っ只中。 流石に冷えるが、ここは今日も賑やかで熱気に満ちているな。有無。 秋葉原神姫センター3階、ヴァーチャル式バトルフィールド装置前。 ここではサードリーグとセカンドリーグの試合を、年中やっている。 設置台数は、両リーグを合わせて凡そ……16基という所だろうか? 「お兄さんお姉さん達でいっぱいですの~、それとわたしの妹達もッ」 「そうだぞロッテ。今日はここで初バトルをやるんだ……大丈夫か?」 「はい。ちょっぴり緊張しますけど……精一杯がんばってきますの♪」 「良い娘だ~……こほん、勝ったらご褒美も考えてやろうか、有無?」 「むむむっ。そう聞いたら、もっとも~っと頑張っちゃいますの~♪」 そう、我々は先日“解除”と並行してサードリーグに登録したのだ。 草リーグとは違い、大小織り交ぜた“公式試合”が月に何度かある。 今日は初めてそれに挑戦してみよう、という訳である。心が躍るな。 私・槇野晶が引いている改造スーツケースには、神姫・ロッテ専用の 軽量級用装備一式が積まれている。いきなり重量級でもいいのだが、 まだまだ“アレ”は開発途上である。試作一号機が完成してからだ。 「さ、着替えようか。戦乙女ロッテの初お披露目と行こうじゃないか」 「はいですの!ん、しょ……マイスター、トランク開けてくださいの」 「よし。ではじっとしていろ……?最終点検も一気にこなすからなッ」 「了解ですの♪──────火器管制用ジステム……エクセス(接続)」 システムメッセージ用の無機質な声を確認し、私は一気に彼女を脱がす。 素体に専用アンダーウェアを施しているとは言え、やはり少し照れるよ。 ……「百合幼女萌え」とか言った奴には、飛び膝蹴り9本くれてやろう。 第一、補助アーマーとブースターを装備して“裸”とは言わぬだろう!? 「と言っても、何時もロッテを着せ替えする時は緊張するものだ……」 ……兎も角、その上に武装を施していく。まずは蒼穹の輝きを持つ装甲、 次に青き一角獣の槍を、更に死神の手……そして霊鳥の脚と神々しい翼。 仕上げに、大いなる天使の輪を宿す冠を。これで軽量級戦闘装備は完了。 おっと、愛用のチタン製ブレードと二挺拳銃も、装備させてやらねばな。 「よしっと。プランL009で動作スキャン、その後モード復帰してくれ」 「──グリューン。復帰します……マイスター、準備はOKですの♪」 「よし、では往こうか。間もなく試合時間だ、気合い入れろロッテ!」 「はいですの!なんとしてでも勝って、マイスターを喜ばせますのっ」 ウェアラブルPCを介してスキャニング結果を参照、異状は……ないな。 私の為に戦ってくれるとはしゃぐロッテに少し照れつつも、点呼に従って ロッテをバトルフィールドのエントリーゲートに入れてやる。私の出番は ここまで。後は彼女を信じて指示を飛ばすのみである。……そういえば、 今回の対戦相手は誰であったか。確認を忘れていたが、もう仕方ないな。 『ロッテvsフリッグ、本日のサードリーグ第39戦闘、開始します!』 「フリッグさんですか~……今回のフィールドは、どんな所ですの?」 『設定は“夕焼けの古戦場”らしい。そなたは初顔か、我が姉妹よ?』 「はいですの。マイスターに連れられて、今日は初めての戦いですの」 『そうか。私は幾度か戦った……初陣とはいえ手加減はできぬ、許せ』 「構いませんですの。マイスターの心があれば、勝つのは私ですから」 フィールド審判システムのアナウンスに混じって、相手神姫の声が入る。 その言葉通り、筐体内部のフィールドは朱に染まった草原を映し出した。 しかしロッテの、臆面もなく照れる台詞を言う癖は……正直赤面物だな。 まんざらでもないと思う私も大概ではあるが……ともあれ姿が見えたな。 「ほう、その姿。アーンヴァルタイプと聞いていたが、私に近いな?」 「ん……そういうお姉さんは、サイフォスタイプのカスタムですの?」 「如何にも。与えられた名をフリッグ、“大剣士”のフリッグという」 「私は、ロッテと言いますの。二つ名は~……えっと、うんと~……」 ロッテや……今度にでも考えてやるから、今は目の前の神姫に集中しろ。 しかし相手も青き鎧を纏った戦士か、“戦乙女”の初陣には相応しいな。 さて、早速モーションなどの情報収集を行うか。これこそが私の役割だ。 「では……いい試合をしようではないか、ロッテとやら。いざ、参る」 「マイスターの神姫、ロッテ!いざ尋常に勝負ですの!……ヤァッ!」 ──────ロッテが頭部バイザーを閉じた。“舞踏”の開始だ。 次に進む/メインメニューへ戻る
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過去と流血に囚われし、嘆きの姫(その三) 第六節:感触 ハンカチで止血されつつ、私は外神田の古びた外科医へと運び込まれた。 幸いにも目立った患者はおらず、すぐに処置室での治療が行われたのだ。 消毒液やガーゼによる激痛は、筆舌に尽くし難い。だが私は幸運だった。 「お~、晶ちゃんよぅ来たのう。今度は何をしたんじゃ?……おお?」 「先生、外傷と火傷があるみたいですの。出血は酷いですけど~……」 「ほうほう。こりゃまた派手じゃのぅ。ハンダごてでも掴んだかの?」 「痛たたたた!?そ、そう言う事にしといてくれぬか藤村先生……ッ」 好々爺の藤村先生は、私が店を開くよりも前から度々世話になっていた 熟達の外科医だ。私がロッテを受け入れて、彼女の為にと物を作る様に なってから、未熟や油断故に生傷を作った私を的確に治療してくれる。 喰えない所もあるが、その腕は確かだ。私が言うのだ、間違いはない! 「ふむ……そうか、ハンダごてか。久しぶりじゃのぅ、そんなドジは」 「まぁ、そうなのかもな。して、どうだ先生……流石にこれは拙いか」 「いやいや。火傷と裂傷は多少あるが、どっちも筋は切っておらんよ」 「え?そ、それじゃあマイスターの“手”は大丈夫なんですかッ!?」 「有無。暫く痕は残るが、問題なかろ。ショック症状もなさそうじゃ」 その藤村先生は、私に何があったか……敢えて深く聞かずに治療した。 幸いにも出血以外大したことはない、という事らしい。有り難い物だ。 軽く傷の消毒やパッチによる火傷した皮膚の修復、軟膏の塗布に包帯の 巻き付けが為され、手当は完了する。痛みは酷いが、これも痛み止めで 抑え付けてくれた。後は様子見……という事で漸く先生の診断を聞く。 「さて、両手の怪我じゃがさっきも言った通り大した事はなかったの」 「む、そうか……?その、怪我した時は指の筋や神経でも切ったかと」 「ははは、晶ちゃんらしいの。血は酷かったが、傷口は手の縁じゃよ」 私の診断結果は、手の軽い火傷。即ち、弾痕等は見受けられないのだ。 あの拳銃は実弾を撃つ物ではなくて、エネルギー弾を放つ構造となる。 そう考えると、爆破の際に見かけた“プラズマの波紋”も説明が付く。 ロキ……あの娘も、確かに“プラズマ・ボマー”と言っていたからな。 「あの爆弾も……ひょっとしたらプラズマ弾を用いた物かもしれんな」 「……プラズマって、そこまで万能だったのかな。マイスター……?」 「プラズマを収束する銃は、ウィルトゥースも使用しているだろう?」 「あ、そう言えばそうですねぇ……なら、あの娘の持ってる武装って」 そう。神姫サイズの武装としてプラズマを利用できる程度には、技術も 進歩している。これを応用して、高密度のプラズマを球状に圧縮すれば 爆弾や銃弾として利用する事も、決して不可能ではないだろう。だが、 アルマ……茜が気付いた通り、ロキは重火器をプラズマ系で固めている 可能性があるのだ。これは、弾切れせず戦い続けられる事を意味する。 「放置しておけば、本当にその身が尽きるまで爆破し続けますの……」 「んむ?おお、そう言えば今日も秋葉原ではテロがあったそうじゃの」 「あ゛……嗚呼、それで驚いてハンダごてを掴んでしまってな。有無」 「やぁ、酷かったらしいぞ?ウチにも何人か、軽いケガで来たかのぅ」 慌てて場を取り繕いつつ、あの後何があったのかを藤村先生から聞く。 どうやら今回も、軽傷者を何人か出した物の……死者はいないとの事。 爆破されたビルも、高架下というその構造が幸いしてか致命的な損傷は ないらしい。被害の少なさに安堵するが、それと同時に私はふと思う。 「……ひょっとしたら、あの娘には迷いか優しさが残っているかもな」 「それは、わたしも思いますの……ロキちゃんは、まだ大丈夫ですの」 「え!?マイス……じゃない、晶お姉ちゃん。本気なんですかッ!?」 それは私が見出した可能性。しかし、茜……アルマとクララは狼狽える。 怒りでも嘆きでもなく、ただ私に対する衷心より発せられた意見だった。 「ボクは反対だよ。マイスターがこうして傷ついたのに続けるなんて」 「あたしも嫌です……お姉ちゃんが、また怪我したらなんて思うと!」 茜に至っては、最早泣きそうな表情をしている……私が、あの様な行動に 出る等とは想像すらしていなかったのだろう。更に、相手が本当に危険な 存在であるという実感が、彼女らのブレーキとなっているのだ。しかし、 部外者……藤村先生と看護婦が見ているここでは、説得も出来ぬな……。 「ほほ。茜ちゃんや、君のお姉さんはどれだけ怪我しても退かぬぞ?」 「え……?どういう事ですか、藤村先生。お姉ちゃんが……どうして」 「そりゃ、やりたい事があるからじゃよ。どれだけ生傷を作ってもの」 「……そして手酷く傷ついても、傷を治して再び挑んでいたのかな?」 『そうじゃ』と、藤村先生は肯いた。その通り、私はどれだけの苦労を しても……どれだけ傷ついても。ロッテの為、神姫の為に突き進んだ。 故にこそ、アルマやクララとも大事な“絆”を繋げられたのだと思う。 「ん、傷の処理は終わっとる。込み入った話は、待合室でするとええ」 「忝ないな、藤村先生。では暫し、待合室を占拠させてもらおうか?」 ──────私は、諦めないよ。 第七節:認識 保険証を翌日持参する、という念書を書いてから私達は会計を済ませる。 藤村先生の言う通り、多少の痛みはあるが……私の手は問題なく動いた。 どうやら、これからも“マイスター(職人)”としてはやっていけそうだ。 その結果に安堵しつつも、私は夕日の差す待合室のベンチへと腰掛ける。 「まぁ……皆も認識したと思うが、私の目標は更に先鋭化しつつある」 「……あの娘をどうにか止めて……改心させて、あげたいんですね?」 「その通りだ。今の彼女を放置すれば、その行く末には破滅しかない」 それが“当局による拿捕・破壊”なのか、“憎悪による自滅”なのかは 分からない。しかし凶行を繰り返すロキを放っておけば、何らかの形で 悲惨極まる結末を迎えてしまう事は……火を見るよりも明らかだった。 「彼女とて、その出生を考えれば神姫と言えるだろう。故に、かもな」 「神姫の為に生きてきた、自分を偽れないから……助けたいのかな?」 「如何にも。しかも、まだ助けられる可能性があるのだ……必然だな」 “神姫の笑顔の為”。たったそれだけの為に、歩姉さんを喪ってからの 私は存在する。ここで彼女を見捨て、世の横暴に委ねる事は出来ない。 無論こうして“悪党”を助けたい私の願望も、身勝手かもしれんがな? 「あの娘が憎悪を抱いて、滅びていくのは……耐えられませんの?」 「嗚呼、耐えられぬ。例え元のマスターが、邪悪だったとしてもな」 非常に難しい決断ではあったが、答えを出す事自体への躊躇はなかった。 死の商人として悪徳を振りまいたのは、マスター達“ラグナロク”の罪。 だが多くを傷つけたとは言え何も知らず、思慕の為にやったロキの行いは 果たして、死を以て償わねばならぬ程の“罪”なのか?私も、本来ならば 『そうだ』と答えただろう。しかし、歩姉さんは決して断罪を望まぬ筈。 あの人はそういう女性だ……そして私は、彼女を目指し生きてきたのだ。 「それに不可解なのは、彼女がマスターを喪ってもなお動いている事だ」 「あ……そう言えば、神姫はマスター情報の登録が抹消されると……!」 「機能を停止するんだよ。“マスター”は、一人しか存在できないもん」 「で、死んだっていう認識があるのに……ロキちゃんはまだ動けますの」 「そうだ。彼女には、マスター情報による行動抑制がないのかもしれん」 出自を考えると、それも頷ける話だ。オーナーとして想定されたのは、 何時死んでもおかしくないテロリスト。彼女は、そんな存在の試作機。 となれば、一々“マスターの死亡”で初期化されていては不便だろう。 故に、その辺の抑制コードを外されている可能性は十分に考えられた。 そもそも“アシモフ・プロテクト”さえ、無いのかもしれんのだ……。 「でも、あたしは反対です。やっぱり、マイスターを傷つけたくない!」 「ボクも嫌なんだよ……マイスターがそれを望んでいても、危険だもん」 無論それは、大きな危険を伴う。万一次に彼女を改心させられなければ、 その場で皆殺しにされてしまう程のリスクを孕んでいる。忌避したいのは アルマやクララでなくとも、当然だった。どう説得した物か……迷うな。 「……わたしは、マイスターと一緒に……あの娘と対峙しますの!」 「ロッテちゃん!?本気ですか?……マイスターが、傷つくのに?」 「そうなんだよ、ボクらだけじゃない。皆が傷つくかもしれないよ」 だが、そんな空気の中で決然とロッテは言い切った。私の胸ポケットから 身を乗り出し、自分の胸を叩いて決意を確固たる物としている。“茜”の 肩に乗っていたクララが、ロッテの本心を量りかねてか説得に回る。茜も 同様に、泣き叫ぶ様にして縋る。しかし、ロッテの意志は……固かった。 「ここでロキちゃんを見殺しにする方が、傷つきますの。皆の“心”が」 何処までも真っ直ぐに、信念を貫く瞳で皆を見回すロッテ。彼女の気配に アルマとクララは、息を呑み言葉を失った。そう……改心させようとして 失敗すれば、皆が傷つくだろう。しかし、諦めれば“心”の犠牲を伴う。 ロッテは、最初からその“両天秤”に対して答えを持っていたのだ……! 「……ロッテちゃん、意思は固いんですね?マイスターも、ですね?」 「有無。私はどうにかして、彼女を暖かい日常へ引き戻してやりたい」 「ロキちゃんに以前と同じ生活は、与えてあげられないんだよ……?」 「同じ物なんて、必要ないですの。わたし達が、包めばいいですの♪」 ロッテは微笑み、接近したクララを抱きすくめた。それは、眼前に聳える “不安”という硝子の壁を打ち砕く様に、優しく強く……抱きしめる腕。 そうだ、彼女は誠心誠意……ロキを助けたい、その一心のみで決断した。 一切の妥協も、打算も……権謀術数も無い。“真心”から産まれた言葉。 何時だって、私達の中心となってきたのは……彼女、ロッテの魂なのだ! 「……そう、ですね。かつてはあたしも、同じ様にして戻ってきました」 「思い出したか茜……いや、アルマや。故にこそ、私はまた救いたい!」 「わかりました。あたしだけ助かって、って訳にはいきませんからね?」 「ボクも、助けられたって意味では同じだもんね……覚悟を、決めたよ」 「それなら……ロキちゃんの背景と、現在の状況を調べてみますのっ♪」 『はいっ!!!』 ──────皆と一緒なら、必ず……大丈夫だよ。 次に進む/メインメニューへ戻る
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山と森の台、響く神の音(前半) 結論から言えば、相変わらずであり同一ではなかった。従姉・碓氷灯だ。 人目を気にするが故の“奇行”は全く治っていないが、そもそもからして 奴は一人でハンバーガー屋に入る様な性格ではない。待ち合わせでもだ。 その細かい変化に、私・槇野晶も少々驚いている。色々と聞いてみるか。 「で、だ。引っ込み思案の田舎娘な貴様が、どういう風の吹き回しだ?」 「い、田舎などと馬鹿にせんでほしいですぞ?!……で、ええぇーと?」 「貴様は用がなければ、決して表に出んだろう?学業等、最低限以外は」 「あー……これでありますか?はは、私も偶にはハン……ギャアー!?」 「貴様正直に吐かぬとためにならんぞっ!さぁ何があった、さぁさぁ!」 躊躇無く私は、灯のコメカミに拳を当ててグリグリと捻る。梅干しだ! だが、そんな私の横暴を止めたのは六人・十二本の神姫の腕だった…… 六人だと?妙な事に気付き、私はすぐ下を見る。三人は我が“妹”達。 もう三人は“灯の妹達”……黒の堕天使を模した三姉妹の神姫だった。 「ちょーっと、晶さん!ミラ達の姉様に酷い事すると怒るわよっ!?!」 「姉様、大丈夫?……もー、相変わらず横暴なんだから姉様の従妹は!」 「む、ミラにイリンとティニアだったか……ほう、これはなかなか可憐」 「な、何よ何よッ!?褒めたって私達は姉様一筋なんだから……もうっ」 「あー……晶ちゃんは神姫の服飾やってるですしなぁ。どうですかな?」 その服装は……黒色基調の華美系と言えばいいか。だが、細かい装飾の 配色は勿論の事、服の微細なデザインやアイペイントまで違っていた。 殆ど没個性気味に統一されていた東京での邂逅とは違って、誰が見ても その違いがよく分かる。服はピンクとマリンブルーに、モスグリーン。 瞳は紅・蒼・翠。初めから順番にミラ、イリンにティニアである様だ。 「ふむ……成程。彼女らが更に貴様を変えていった、という所か?」 「そうよ!姉様にもっと色々見せて、外に行こうって言ったのよ!」 「そうしてたら、灯さんが徐々に応じてくれた……って事ですの?」 「うん。私達の個性が欲しいって願いも、こうして叶えてくれたし」 三人が、スカートの裾を摘んでたくし上げ優雅にターンをしてみせる。 以前は違いを見つけるのに手間取った仕草も、今は容易に区別が付く。 そして私は気付くのだ。彼女らのネクタイを止めている“階級章”に! 「……同一であり、しかし個性もある。綺麗になったと思うんだよ」 「ふふーん、普段の服だけじゃないんだから!あっと驚くわよっ?」 「え?えーと……あ、ひょっとして武装ですか!?新しい武装ッ!」 「そ、そう言う事ですな。ただ負けるだけというのは、嫌ですしッ」 「その執念が、貴様らを中信地域のセカンドへと押し上げた……か」 灯とその“妹”達は、ハッキリと肯いてみせる。それに応えてか、私の “妹”達もペンダントになったセカンドの“階級章”を掲げてみせる。 鎧袖一触、一触即発!少々ピリピリした空気がテーブルの上に流れる。 が、灯がそれを押し止める……断言しよう、奴は変わった。神姫でな! 「え、えと。それは明日!今日は晶ちゃん達を、楽しませるのですなっ」 「……ほう、貴様が場を仕切れるまでになるか。強ち嘘でも無さそうだ」 「明日は目に物見せてやるわよ、ロッテちゃん達!と、今日の予定っ!」 「そう言えば……今日はこの後、蕎麦フェスティバルと音文だったっけ」 「それは来月だしッ!それに音文はえーと……確かパイプオルガンよ!」 「……すまない、尚更分からんぞ。灯、順を追って説明してくれんか?」 落ちついて話を聞けば、なんて事はない。蕎麦を食い、郊外の公衆浴場で 入浴ついでに着替え、夜はパイプオルガンのあるホールでコンサートだ。 言われてみれば、旅をした私やロッテ達は勿論の事、灯やその“妹”達も 着替えや神姫用の洗浄剤を持っている。もてなす準備は万端という事か。 「というわけで、ハンバーガーの次は松本城で蕎麦を食べるのですな!」 「……だったらそもそも軽食など要らぬだろうが、何を考えているッ!」 「ギャァー!?ちょ、ブレイクブレイク!えうえうっ……ヘルプー!?」 「そうは言っても……わたし達、ハンバーガーとか食べちゃいましたの」 「……ボクはまだ入るし、アルマお姉ちゃんは全然足りなそうだけどね」 ひとしきり灯をいびってやった後、私は三姉妹の口を拭いてやる。灯の 神姫達は……当然だが……摂食行動が出来ぬので、冷却水を呑んだ口を 灯が拭いてやった。クララ達“私の”三姉妹は慣れた物で、肩に乗って じゃれてくるが、ミラ達“灯の”三姉妹は、普段と勝手が違う様だな。 「んっ……はむ。ね、姉様皆見てる……んむ……っ!」 「だ、大丈夫ですな。すぐ終わるから我慢して……ね」 「そうは言っても姉様、優しいんだもん……ねーっ?」 「ねー♪……って貴様、変な目で見ているなッ!!?」 「こら私の科白を掠め取るんじゃない、ティニアッ!」 ──────変わっていく姫達に、注目かな? 次に進む/メインメニューへ戻る
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麗しき戦い──あるいは予選その一(前半) “鳳凰カップ”は周辺イベントやブースの賑わいも勿論目玉だけど、 一番のウリはやっぱり“聖杯”を目指した、神姫達の戦いだもんね。 だから今年は、ボク達MMSショップ“ALChemist”の面々も全力全開。 その一環としてボク……クララである所の“槇野梓”は、この会期中 お姉ちゃん・槇野晶の全権代理人として、バトルを担当するんだよ? 「梓ちゃんっ、わたしもなんだか“ニキニキ”してきましたの♪」 「……どこで覚えたのかな、ロッテ……ちゃん?それはさておき」 「うん。極力“コレ”を脱がない様に、頑張って戦ってきますの」 「でも、いざって時は迷わず脱いで本気を見せてね。相手も必死」 「もちろん分かっていますの。でも、やっぱりスタイルも大事!」 “神姫”として戦いに出るのは、次女でありボクらの精神的支柱である ロッテお姉ちゃん。ボクは“仮初めのマスター”として、戦局を分析。 本当なら晶お姉ちゃん……“マイスター(職人)”の役目なんだけれど、 今回は物販ブースも展開してるから、晶お姉ちゃんは自由に動けない。 だからフェレンツェ博士に、ボクのマスター参加をお願いしたんだよ。 『それでは、予選Hブロック第一回戦・11試合目を開始しまーす!』 「……出番だよ、ロッテお姉ちゃん。行こうか?戦いの“舞台”へっ」 「はいですの!こういう大会は初めてですから“ゾワゾワ”ですの~」 ……テレビの見過ぎかな?ともかく、ロッテお姉ちゃんは普段通りに “Heiliges Kleid”を装着し、エントリーゲートに入っていったよ。 ボクも手順を教わった通り、“SSS”をサイドボードにセットして オーナー用の席に座って……準備OKっ。開始の合図をじっと待つ。 今回のバトルフィールドは、どうもダンスホールが舞台みたいだよ。 『ロッテ・ヴァーサス・ミモザッ!!レディ──────ゴー!!』 「ミモザ……梓ちゃん、相手の神姫ってマオチャオタイプですの?」 「そうだけど……あ、そう言えば!?だとすると、リハビリかな?」 「みたいですの。でも、遠慮はしませんし出来ません……さぁっ!」 ロッテお姉ちゃんは勿論、ボクも伝聞でその名前は知っていたんだよ。 裏バトルの犠牲となってデータを“拉致”され、眠っていた猫型神姫。 ついこの間ホビーショップ・エルゴの日暮さんから返却されたばかり。 まだ一ヶ月も経っていないはずだから……多分これが、復帰の第一戦。 でも、そこで手加減するのは却って失礼。二人ともそれを知ってるよ。 『やっちゃえミモザ!運動不足だったろ、駆け回ってこいっ!!』 「うにゃーっ!!あ、アーンヴァル……なのに、装備がないにゃ?」 「お久しぶりですの、ミモザさんっ!ほら、“ALChemist”の♪」 「ロッテにゃんにゃ!?……その格好、今日の売り物にゃ?」 ロッテお姉ちゃんは肯く。事実、現在天使型の神姫が着込んでいるのは “Heiliges Kleid”ではなく、今回展示ブースで販売している神姫用の トータルコーディネイト“フィオラ”の……エクストラエディション。 実際の製品を微調整して、ロッテお姉ちゃんに最適化したバージョン。 見た目は、春らしく淡い空色のジャケット姿。でも、能力は確かだよ? 「ええ。でも、戦いだって手抜きしませんの!さ、踊りましょうっ?」 「うにゃ!ずっと縛られてて遊べなかったから、一杯遊ぶにゃっ!」 「行きますっ!……“フェンリル”、頑張ってくださいですの♪」 サイドボードに収納していたのか、ぷちマスィーンズが周囲に現出。 でもそれに頼るよりも速く、ミモザさんはロッテお姉ちゃんに突進! “研爪”を両手に嵌め込んで、猫科動物らしい俊敏さで迫るんだよ。 対してロッテお姉ちゃんは……動く事なく、二挺拳銃を構えるだけ。 でも余裕のある微笑から、何をしたいかはボクにも分かったんだよ。 「こっちから攻めるにゃーっ!!えやーっ!!!」 「よい……しょっ!」 「あにゃ!?」 煌めく爪が空を切る!……けど、ロッテお姉ちゃんはそこにはいない。 折角補助アーマーを着込んでるんだもん。急速移動用ブースターだって 使えないと勿体ないんだよ……というわけで、後退用のそれを駆使して ロッテお姉ちゃんは数smの距離をバック・ステップ。“フィオラ”の エクストラエディションって、補助アーマーを活かす工夫の事だもん。 「さ、まだまだ来てくださいの!」 「う、ううう~。ちょこまか逃げるにゃー!!」 「ふふ……えいっ!」 『ビビーッ!!』 「あにゃ、ぷち一号っ!?」 華麗にバク転を決めながら、お姉ちゃんは“フェンリル”を曲撃ち。 アーンヴァルタイプの姿勢制御力を活かして正確に撃たれた鉛玉は、 そんな状況でも正確に一機のぷちを撃ち抜いて、射撃を殺すんだよ。 ボクらには武装が多く与えられているけど、だからって個々の武装を 疎かにはしない。これだって、マイスター流教育の賜物なんだもん。 「にゃううう……撃て、撃つにゃーっ!!」 「そうです!もっと楽しみましょうっ♪」 ──────舞い踊る様に、優雅に戦う。それがボクらの使命だもん。 次に進む/メインメニューへ戻る
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草薙蓮とおちゃらけ神姫たちの修業日誌 あらすじ 神姫初心者の女子高生とけして従順とはいえない神姫たちの奮闘日誌 蓮「こ、これを見られちゃうんですか…?」 著 神姫の父 めにゅう 設定資料 (日誌その 現在) 〔登場人物紹介〕 〔登場神姫紹介〕 世界観設定、登場キャラクターは「橘明人とかしまし神姫たちの日常日記」から多数登場します。 「橘明人とかしまし神姫たちの日常日記」の設定等 《登場人物紹介》 《登場神姫紹介》 《特別設定》 《特殊武装》 《人型神姫インターフェイス》 《八相》 本編 日誌その1 ? リンク大歓迎です。「使ってやろうじゃないの」というお方は是非とも使ってやって下さい。 なお、リンク時には上記の設定資料を参考にしていただけると幸いです。 作品中『ホビーショップエルゴ』、『MMSショップ“ALChemist”』、『喫茶店<日々平穏>』 には「かしまし日記」同様の世界観として大変お世話になっております。 『ホビーショップエルゴ』 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP:Gの人氏 『MMSショップ“ALChemist”』 妄想神姫 妄想の人氏 『喫茶店<日々平穏>』 春夏秋冬 永眠者氏 ご意見やご感想、リンクの申請、ご要望等ありましたらこちらへ書き込みよろしくお願いします。 今日 - 昨日 - 総計 -