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春の足跡も聞こえてきそうな二月の下旬 暖冬だ? つってもまだまだ寒いんだよ! と、いうわけで冬に向かって逆ギレしながらベッドの中でぬくぬくと惰眠を貪る事にしていた俺なのだが… いきなり俺の部屋に入ってきた香憐ねぇに毛布までひっぺがされたかと思うと「兼房様がお呼びです」の一言と共に香憐ねぇの愛車で朝の国道を突っ走り、腕をつかまれて引きずられるがままに鳳条院グループ本社ビルまで拉致られていた 社員用とは別の特殊エレベーターまで俺を押し込むと最上階である四十階のボタンを押す香憐ねぇ まだ少し寝ぼけていた俺の頭もゆっくり覚醒し始め、ある疑問に行き着いた 「なぁ、香憐ねぇ…最上階は社長室だろ?」 「はい、そうですが」 「いや、俺を呼び出したのは御袋じゃなくてジジイなんじゃなかったか?」 普段社長室にいるのはジジイじゃない ジジイはグループの総帥であり、社長は別にいる では誰が鳳条院グループの社長なのか 今の会話からもわかるかもしえないが………俺の母親だ つまり社長室は俺の母親のオフィスとなっているはずなのだ 「伊織さん…いえ、社長はただ今会議中です。ですから兼房様は社長室をお使いになるのだろうと…」 最上階に到着 社長室の扉を開け、俺を中に入るよう促しながら香憐ねぇは先ほどの言葉を続ける 「ここ、鳳条院グループ本社においても博士の研究フロアと会議室と社長室の三つは最重要箇所です。他とは別格のセキュリティーですからね…」 …つまり俺を呼び出したのは結構重大な話があるって事なのだろうな 「んで、肝心の爺さんがいないんだが…」 「そう…ですね…」 香憐ねぇも困惑気味である 社長室は見事なまでにもぬけの殻と化していた 「わしならここにおるぞ?」 部屋を見渡していた俺たちに聞こえたジジイの声 しかし今だ姿は見えない 「ふぉふぉふぉ、ここじゃよ。ここ」 と聞こえた瞬間、部屋の奥にある社長椅子がぐるりと回る しかしそこにも爺さんの姿はない だがその椅子には景色が揺れるような違和感があった 「もしかして………ステルスか?」 「正解じゃ♪」 まるで椅子の上に転送されたかのように爺さんが現れる SFじゃないんだからよ…… 「どうじゃ? わが社の新技術、『ミラージュコロイド』じゃ!」 ついにボケたかこのジジイ… 「……なにが新技術だ。思いっきりパクッてんじゃねぇか…」 「心配するな。ちゃんとあちらさんには許可を取っとる。それに斗小野グループの國崎技研との共同開発品じゃ」 ほぅ、斗小野グループ…國崎技研…… 斗小野グループといえば昔、俺がまだ本家にいるときに無理やり出された社交界かなんかで斗小野会長に挨拶したことがあったな たしか俺より少し年上の孫娘を連れて来てたっけ… それに國崎技研… ファーストランカーの國崎 観奈ちゃんには俺も面識がある 彼女のお父さんの会社だ 「バーチャルとは違う。つまりはリアルリーグでも使えるというのが売りじゃ!」 「………そんで? それを自慢したかっただけなんて言うなよ。もしもそうなら実の祖父といえど、すぐさま葬式屋のお客にしてやるぜ?」 「心配するな。わしが棺桶に入るのはお前がこの会社を継いだ後じゃからな。ふぉふぉふぉ!」 口の減らないクソジジイが…… 俺が本気で仏様にしてやろうかと思っていると可憐ねぇがため息混じりに俺達の仲裁に入った 「兼房様…そろそろ本題に入られては…」 「香憐ちゃん、続きは私が話すわ。呼び出したのはお父さんだけど用事があったのは私だからね…」 そう言ったのはいつの間にか俺と香憐ねぇの後ろにいた… 「社長」 ここのトップである俺の母親、鳳条院 伊織 その人であった 「久しぶりね、明人……」 俺の母親だ、実際の年齢はソコソコになるんだろうが…どう見たって香憐ねぇより年下に見える 下手すりゃ葉月より少し上程度…我が母は若々しいの度を越えて…子供っぽかった (何故かマイスターを連想するのは俺だけか?) (いえ、社長には申し訳ないですが…私もです明人様…) 「もぅ明人! 聞いてるの?」 「ああ…っても、葉月の誕生日のときに顔出しただろう?」 「だってだって! あの時は私に挨拶もしてくれなかったじゃない!」 ぷんぷんという擬音が恐ろしいほど似合うような頬の膨らまし方をする御袋… ヤメテクレ…マジデハズイデス… 小学校のときの参観日の記憶がフラッシュバックする 「だったらそっちから挨拶でも何でもしてくりゃいいじゃねぇか…」 …なんだか頭が痛くなってきて俺は左手を額に当てた 「それは……はづちゃんの邪魔しちゃ…悪いじゃない…」 今度は小さな声でブツブツと何かを言いながら拗ねだした アンタホントに俺の親ですか? 「社長、お話がそれていますよ…」 またしても新たな声 その声の主には俺も香憐ねぇも予想はついていた そりゃそうだ、御袋とこの人はワンセットだからな… 「桜さん」 「お母さん」 「お久しぶりです若様。香憐も…」 香憐ねぇのお母さん、水無月 桜さんである 御袋よりも歳を取って見えるものの、それでも十分に若く見える(御袋が幼すぎるんだ…) 着ているレディーススーツも香憐ねぇの母親なだけあってバッチリ似合っている(ちなみに香憐ねぇもレディーススーツだがパンツスタイル、桜さんはスカートスタイルだ) 香憐ねぇの実家である水無月家は昔からウチの家、鳳条院家に仕えてくれている 香憐ねぇのお父さんも爺さんの専属執事として働いてくれているんだわ まぁ昔といっても爺さんが事業に成功してからなのだが…それでも両家の関係は深い 俺と香憐ねぇも姉弟のような関係だが… 「あ、いつの間に…ごめぇ~ん。ありがとね、桜」 「はぁ…いつものことですから」 この二人の関係も主人と従者と言うより無二の親友という風に見える そりゃそうだ 生まれたときからの幼馴染で小中高、さらには大学まで一緒というほどの年月を共にしているんだからな この母親の性格でこのどデカイ会社のトップを切り盛りできているのは有能な秘書である桜さんのサポートあってこそなのだろうとしみじみ思うぞ… ホントお世話になってます…桜さん… 「オホン! それでは本題に入ります…」 いまさら社長っぽく締めようとしてもムダな気がするぞ御袋 「明人、この時期になって貴方を呼んだことに思い当たる節はない?」 いきなりの質問である そう言われてもこちとら朝っぱらから香憐ねぇに拉致られてクタクタな訳だ いきなりそんな漠然とした質問されても答えがすぐに出るわけがない 「なんだよ藪から棒に…わかるわけねぇだろ…」 ぶっちゃけ俺、ただ今不機嫌 それにより口調がいつもより二割り増しで厳つい… 「う~ん…それじゃぁヒント。武装神姫関係」 「…………『武装神姫お花見ツアー』の企画会議?」 やる気なさげに思いついたことを言ってみる 言っておいてなんだがここは技術会社…そんな旅行ツアー計画あるわけないよな… 「…………あなたホントにファーストランカー? ってかホントに我が愛しの息子で鳳条院の次期跡取り?」 がっくりと肩を落とす御袋 「ずいぶんな言い草だなオイ…それにその二つは関係ないだろうが」 だいたい俺は継ぐ気なんかねぇし…… 「あるわよぉう;知ってるでしょ? 鳳凰カップ!」 痺れを切らして答えを述べる御袋 最初からそうしろよ…… ん? 鳳凰………どっかで聞いたような……… 「…………………………あぁ、アレね」 「そう、アレよアレ………」 《鳳凰カップ》 2035年から始まった鳳条院グループ主催の武装神姫バトルカップだ 会場は鳳条院グループ本社ビルから近いイベント広場 春と秋の年二回開催されていてそれぞれ〈春の陣〉と〈冬の陣〉と呼ばれている 会議中、発案者であるジジイがグループ役員に『何でこの時期なんですか?』との質問に対して… 『夏コミと冬コミに被らないからじゃ!!!』 …と、高々と宣言して全員を納得させたエピソードは社内や身内でも印象深かった それはさておき バトル形式は全試合バーチャルバトル 抽選によりA~Pまでの十六組に分かれての予選リーグ そこからは予選リーグを勝ち抜いた者達による決勝トーナメントだったっけ 毎年上位優勝者には多額の賞金と豪華副賞が送られる 確かテレビ中継もやっていて特番も組まれたりするんだっけかな? なんにせよメディアからの注目をバッチリ受けるもんだからランカーとして名声を受けることに憧れる神姫ユーザーや神姫にとっては登龍門となっているとか何とか… 武装神姫関係の各企業や研究所、私営の神姫ショップなんかと協力して企業ごとのブースを設けることで、バトルをしない神姫ユーザーにとってもお祭り気分で楽しめることもイベントの売りのようだ… 何にせよ鳳条院グループ社内総動員の一大プロジェクトなわけで、それも今年で三回目の〈春の陣〉を迎えようとしている ちなみに〈春の陣〉の日程は三月の中頃だそうだ 「そうえば若様は前年度も前々年度も鳳凰カップには参加しておいでではなかったですね…」 と桜さん 「確かにそうですねぇ…」 とうなずく香憐ねぇ 「なんでぇ!? なんで明人は出てくれないのぉぉぉ!!?」 「そうじゃそうじゃ!!」 「あぁ~止めろ! 御袋、抱きつくな!! ジジイは煽るな!!」 俺は腰の辺りにへばり付いて喚く御袋に悪戦苦闘中… 俺がこの大会に出ない理由は至極簡単 あれだよ、夏祭りで自分の家が出した夜店に誰が客としていくと思う? そりゃ誰もいかねぇわな普通… 「つか、そういうのって関係者は参加禁止だろうが」 「そんなもん関係ないわい!!」 ………い、いやいやいやいやいや!! 関係あるだろ!!? 「無論、香憐も葉月も昴もじゃ。ついでにアル嬢ちゃんとエリー嬢ちゃんもええぞ?」 ジジイの一蹴で俺、以下、いつものメンバーの参加は許可されてしまった…… それでいいのか鳳条院グループ!! 「と、いうわけで私たちの鳳凰カップ参加が許可されました」 時間は飛びに飛んでお昼前 あれから香憐ねぇは俺を引きずり二十二階、博士の研究所フロアへ移動 パソコンでデータ整理をしていたアルティと博士にお茶を出していたエリーの二人を拉致るなり俺共々自分の愛車に乗せて、来た道を華麗なるドライビングテクニックでスピード帰宅したのだった 途中で四輪ドリフトかましたときは流石に死ぬかと思ったぞ… んで、我が家に帰ってみると何故か昴と葉月がリビングで茶を飲みながら話していた 二人とも香憐ねぇに呼び出されたのだとか 何がなんだかわからないうちに俺の家にはマスターとその神姫たち…(葉月の前なのでインターフェイス組も全員神姫素体)が勢揃いしているこの状況…それから 「あっ」 っという間に香憐ねぇはアルティ達に今までのことをズバッと説明 「面白そうじゃねぇか」 話が一段落してから始めに口を開いたのは昴だった 「香憐ねぇ、言うなればお祭り騒ぎ&腕試しってこったろ?」 「まぁ、そのようなものですね」 それを聞くとニヤリと笑いランを見ながら昴は言った 「その鳳凰カップとやら、俺とランは参加するぜ。ラン、いいよな?」 「ええ、昴さんがそういうのなら……」 まずはアッサリと参戦決定の昴&ランスロット ペア 「ランスロットが出るとなれば手前も出ねばなりますまい…よろしいか、姫君殿?」 「う~ん…私は本来、会場運営を手助けしなければならないんですが…」 少し考え込む香憐ねぇ………だが 「お許し…いただけませんか?」 「………でも、兼房様からの折角のお許しが出ましたし………出てみますか、孫市」 少ししょんぼりした孫市の視線に数秒で陥落、香憐ねぇ&孫市ペア、参戦決定 「レイア、私達はどうする?」 「え?…あ、その………私は…参加してみたいです」 少し赤くなりながらも控えめなレイア 「そだよね! 燃えるよね! よっしゃ! いいトコ見せるぞ!!」 誰に? と聞きたくなったが香憐ねぇに拍手されている葉月はいつの間にか熱血お嬢様キャラと化していた…… これほど我が妹に声を掛けづらかったことはなかったぞ 世間で言う『妹萌え』ならぬ『妹燃え』とはコレいかに… 葉月&レイア ペア、参戦決定 「ふっ、負けてはおれんな。ミュリエル、私達も…って…ミュリエル?」 いつの間にかいなくなっているミュリエルを探し周りを見わたすアルティ そりゃいないわな…だってお探し中の相棒は何故か知らんが俺の前にいるんだから… 「ど、どうかしたのか? ミュリエル」 そう問いかけてみた俺にミュリエルは自分の小さな拳を頭の上に掲げ 「………ミュリエル…勝つ…」 と、気合満々の意気込みを見せてくれた それはいいんだが……え~っと………何故俺に? 「ミュリエル…お前…」 その一部始終を黙って見ていたアルは困惑気味の表情 アルの声に振り返り、ミュリエルは一言… 「…アル…戦場はいつも非情…」 なんだか少し挑発的に感じたのは俺の気のせいなんだろうか… アルティ&ミュリエル ペア参戦決定 「エリー、お前はどうするんだ?」 「ん~、僕らはいいよ。あの子達はあんまりバトルは…ね。それよりもお祭りを回らせてもらおうかな。他の企業の新作とかも出るみたいだし」 にっかりと白い歯を見せながら笑うエリー 「明人はバトルカップに出るんでしょ?誰でエントリーするの? やっぱりノア? それともミコ? あ、ユーナの経験値稼ぎにはいいかもしれないね~」 なにやら一人で勝手に話を進めておられますな… 「いや、俺は出る気はない」 と、言うことで明人&ノアールorミコorユーナ チーム、不参加決…… 「「「「え、ええぇぇぇ~~~~~!!!??」」」」 一斉に騒がしくなる橘家リビング… 「ちょ、待てよオイ! どういうこった明人?」 「何故だ! 何故お前らが出んのだ!?」 「明人様…まさか、メンドクサイ…なんて言いませんよね?」 昴には詰め寄られるわ、アルには胸倉つかまれるわ、香憐ねぇはお説教モードになりかけるわで散々だなぁ俺… つぅかアル! ちょ、顔近いって!! 「どういうことだ? アニキ」 「私もバトル大会でたいよぅ~;」 「私は別にかまいませんが…」 三人それぞれの意見を述べる我がかしましシスターズ ………ネーミングセンスが微妙? うっせぇ!! 「実家主催の大会に出るのはなんだかなぁ~って感じだからな。バトルカップ参加はパスだ」 俺は社長室で思ったことと同じ理由を述べた たとえ上位に入ったってあんまり嬉しくないような気がするんだよなぁ…… 「じゃあ…兄さんは大会に来てくれないの?」 いつの間にか『燃えモード』の熱が冷めている葉月が悲しそうに訊ねてくる 昴達もさっきまでのテンションはどこえやらと言った感じ… そんなに俺達が出ないことが残念なんだろうか? と少しの罪悪感を感じる 「いや、大会には行くつもりだ。御袋からバトルカップの解説者役を頼まれてるしな」 「あ、そう言えばそうでしたね…」 大体、今日本社まで呼び出されたのはそのためだったのだ ついでに知り合いのショップや関係者に宣伝してくれって言われたけど…どうしたもんかねぇこりゃ… 「でも明人様…たしか伊織さんにはお断りしてらしたじゃありませんか…本家の手伝いは遠慮するって…」 そりゃそうなんだがなぁ…… 自分の母親に泣きつかれて(子供の様にだがな…)聞かなかったことにするほど俺は鬼畜じゃねぇし… 「まぁ、ちょっとした気まぐれだよ、気まぐ…うわぁ!! むぐぅ…」 気がつくと俺は香憐ねぇに抱きしめられていた 「明人様…ご成長なされて…香憐は…香憐はうれしゅうございますぅぅぅ!!」 (ちょ、香憐ね…ぇ…息…息ができ…ねぇ…!!) 香憐ねぇは美人な上にスタイルもいい その大きめのバストに顔を押し付けられて俺と葉月は何回呼吸困難に陥ったことか… あれはちょっとした恐怖だぞ、死の恐怖… 「むぅ! むぐぐぅ!!」 早めに香憐ねぇの背中にタップして危険な状態であると必死のアピール 俺のSOSに香憐ねぇは我に返り、慌てて俺を解放すると「申し訳ありません…」と小さくなった 香憐ねぇは感動すると毎度コレをやる 被害者の俺や葉月はこのパターンにけっこう慣れてしまっているのだが 「ゴホッ、ゴホッ……あぁ~それにだな。皆が行くのにコイツラだけお預けってのも…なぁ」 涙目になりながらも三人のイベント参加を許可してやる 「よかったですね。お姉様方」 「私達は観戦だけどちゃんと見させてもらうわねレイア、ラン」 「は、はい! ノア御姉様!」 「おう、頑張れよ孫市!」 「は! ユーナ姉上、見ていて下され」 それから皆で大会についての雑談に花を咲かせる そんな中、突然ミコが俺に向かって走って来たかと思うと… 「うにゃぁ~~~ご主人様ダイスキ~~~!!」 という絶叫とともにテーブルから俺目掛けての大ジャンプ 避けるわけにもいかない俺の胸に両手でガシッとしがみ付いた 「あ、コラァ! アネ……キ……」 ミコに怒鳴ろうとしたユーナの声が何故か途中から小さくなっていく 不思議に思いその視線を辿っていくと… 「……え~っと…ミュリエル?」 俺の右肩に座り、俺の頬に体を預けてもたれかかっているミュリエルに行き着いた いつの間に………ってかなんで?? 「…ミコ、ユーナ……戦場はいつも非情…」 ミュリエルが放つ、またしても挑発的で勝ち誇ったようなニュアンスの台詞にショックを受けていたミコとユーナであった… 追記 「ご主人様、参加者募集活動をするんですか?」 「ん? あぁ、まぁな。集めるのはバトルカップ参加者とブース出展参加者の二通りだ。まぁ、ちらっと知り合いでも声かけてみるだけでいいんだとさ…なんとかなるだろ」 「………少し楽天的過ぎませんか?」 「それは俺じゃなくてジジイに言ってくれ」 続く メインページへ このページの訪問者 -
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武装神姫のリン 番外編 「リンの某日の記録」 私の名前はリン。 武装神姫「TYPE DEVIL STRARF」です。 今日は休日でしたがマスターは臨時のお仕事で朝早くから出かけてしまいました。 しかもティアは定期点検(違法ドーピングの後遺症の検査で昨夜からセンターにいます) なので私は今日一人で過ごさなければなりません、しかも今日は公式大会の日でサーバーがメンテナンス(マスター曰く公式大会は有名ランカー目当てでユーザー以外の観客も含め、会場に人があつまるため、アクセス数が激減するらしくメンテナンスには絶好のタイミングだそうです)されるので訓練用のデータの配信が行われません。 現存のデータで訓練を行うことも出来ますが私はすでにPCに保存されている全てのパターンをコンプリートしてしまい、物足りないのです。 かと言って私一人ではゴーストのデータも接近戦に偏ってしまうため、課題の遠距離戦の練習にはならないのです。 ということで私は今日1日をのんびりと過ごす事に決めました。 まず私はTVの電源を入れました。そして最新作品から過去の名作まで、アニメーションを随時放送しているチャンネルに切り替えます。 するとそこには以前のイベントの時に貰ったマントを羽織り、あの可変式の武器を持った金髪の少女が戦っている映像が映し出されました。 番組表を見ると「魔法少女リリカ○なのはA s」と書かれています。 その少女は武器を変形させます。 すると黒い突起から金色の光の刃が出現しました。 その武器はまるで死神の鎌の様です。 そして彼女は瞬時に加速、相手の剣士(こちらも女性でした)の裏を取り、切りつけます。でも相手は剣の鞘でソレを受けて反撃しています。 『魔法少女』というタイトルからは想像できない激しい肉弾戦に私は目を奪われ、最初はバトルの参考になるかも?と思っていた見ていた私ですが、次第に物語も気になり始め結局最後の最後まで見続けてしまいました。 最後のエンディングにそって成長した彼女たちが歩く映像を見ているうちに私はあの武器とマントを付けてみたいと思いました。 クローゼットからマントを引っ張り出し、可変式の武器(完全変形の上、あの光の刃までもが再現されています。リアルバトルにも対応と説明書には書かれていました。) しかもパッケージをよく見るとあの少女の衣装までセットになってました。 マスターは見落としていたみたいです。 あの様な露出の激しい衣装は恥ずかしいのですが、今は私一人なので勇気を出してみました。 サイズはぴったりで仮に私の髪が金なら彼女にかなり近づいているはずです。 黒を基本にベルトと白いフリルでアクセントを加えられた、とても動きやすいものでした。 鎌形態の武器を構え、私は見よう見まねで鎌を振り下ろしてみました。 シュンという風切り音が静かな部屋に響き、私の目の前にあったアルミ缶は真っ二つになりました。 切れ味はすばらしく、これならアーンヴァルのライトセイバーにも引けを取らないと感じました。マスターが帰宅したら真っ先に進言したいと思います。 次に私が試したのはあの、マスターが私に隠していた小説のキャラクターのドレス。 話の内容はともかく、ドレスは気にいってたので袖を通してみました。 とても豪奢なドレスは着るだけでどこかのお姫様になった様に感じさせてくれます。 しかし、一緒に入っているのは三つ叉の鞭のみ。物語の主人公の魔界のプリンセスが持ち主というだけあって過激な武器です。 さっきの空き缶に向かって鞭を振ります。 缶の表面にはくっきりと鞭の先端の形のへこみができました。 こんなにも痛そうな武器(実際のダメージの度合いというよりは私の心の問題です。)は使いたくありません。 でも、時々この部屋に出没する黒色の侵入者を狩るための有効な手だてとなりそうだったので保管しておくことに決めました。 そうして試着を終えた私は、あの小説を読んでみることにしました。 俗に言う官能小説の一種ですがドレスを来ているうちになんとなく気になってしまいました。 そして自分とほぼ同じ大きさの文庫をセカンドアームで棚から引き出し、読んでみました。 最初はふつうのファンタジーでしたが途中から雰囲気が変わります。 胸やお尻といった身体のさまざま場所を触られ、艶のある声をあげる主人公。 ふと私は自らの胸を触ってみました。 確かに私たち武装神姫は人とほぼ同じ触覚を持っていますが、私たちからすれば女性が身体を触られるだけなのに何故これほどの反応をするのか理解できなかったのです。 でも小説に書かれているように胸に手を這わすうちに、身体の中心が熱くなるような感覚を覚えました。 しだいに心地よい感覚が体中に広がっていきます。 そして私は遂に神姫には倫理上再現されない秘部に手を伸ばし、あるはずのない亀裂に指を這わせ、少し強く擦ってみました。 その瞬間頭部の回路にとても強い信号が流れ、私はある種の幸福感に満たされました。 「マスター、ハァ…ハァ。マス…っ………タァ」 そうして、気がつくと私は激しく身体をくねらせながら自慰(小説内で説明されていました)に浸っていたのです。 自分が自分でなくなるような不思議な感覚に包まれ、最後にはマスターの顔を思い浮かべながら意識を失ってしまいました。 目を覚ましたのはもう空が茜色にそまる夕暮れ時。 こんな時間にまで意識を失うとは・・・・と思っていたところに。 「お・姉・さ・ま?」 私が背後に目を向けるとソコにはセンターにいるはずのティアが立っていました。 「お姉さま一人で・・・・ズルぃ」 そうし熱の篭った瞳で私を見つめるといきなり私に覆いかぶさって、まだ敏感になっている私の乳房を舐め始めました。 「ひゃ…うぅ」 「あら、お姉さまって敏感なのですね。 カワイイ☆」 そうして次は私の耳にやさしく噛み付くと、右手でお尻、左手で乳房を愛撫し始めました。 「ああ…テ…ィア。 ダメ…だっ……ぅて」 「まだまだですわ、ここからが本番ですわよ。お姉さま」 そうしてどんどん愛撫する手の動きが激しくなり私の頭の中は星で埋め尽くされていきます。 がくがくと手足が震えだし、焦点が定まりません。 そして、あの幸福感が迫ってくるのが分かります。 「コレで、、、、、終わりですわ!!!」 ティアの右手が私の秘部に手を伸ばし、秘芽を指でピンと弾いた瞬間、私はまた気を失ってしまいました。 再び目を覚ました私の目の前にあったのはティアの秘部。そうして私が覚醒したことを確認するとすぐにティアは私の顔に秘部を押し付け、私の秘部をその桃色の舌でもてあそびます。 「ふぅ…お姉さま、今度は私も攻めてください」 そうして私にも同じことを要求します。 もう私はなにがなんだか分からなくなって、言われるがまま、ティアの秘部に舌を当てます。 「はァァァ 、そうお姉さま。もっともっと私を弄ってください。」 そうして一心不乱にティアの秘部を蹂躙します。そうするとティアも仕返しとばかりに私の秘部を優しく甘噛みしてきます。 それから数分が経ち、こういった刺激にやっと身体が慣れたのか、頭が少し冷静になりました。 そして先ほどのリベンジを開始します。 小説にあった手法でゆっくりと内股を指でなでてやり、またお尻にも舌を這わせます。 だんだんとティアの反応が大きくなってきました。 「あれ…お姉さま。 急にお上手に・・ぅんあ!!」 いきなりティアの身体が反り返りました。どうやら私の攻めが効いてきたみたいです。 ここぞとばかりに股間に頭をうずめて秘芽を攻め立てます。 指でこねくり、舌でゆっくりと刺激を加えて仕返しに弾いてやります。 「ソレ、ソレですお姉さま。 もっとください。」 ティアは全身に汗(実質は冷却液)と涙、そして大きく開けた口からよだれをたらしたまま私に懇願します。 「ティアももっとして。貴女が始めたんだから」 私は人が代わったかのような命令口調で言います。やっぱり私は今興奮したままみたいです。 そうしてそのまま身体を反転。 ティアに正面から抱きつくような姿勢で互いの唇、乳房、股間を押し付け、こすり付けます。 ティアも脚を絡めて私に応えます。 「お姉さま!お姉さまぁん! イッちゃう、イッチャいますぅ!!!」 「まだよ、我慢して。そうじゃないとやめちゃうんだから」 「え、ダメダメダメ!! 我慢しますからお願い!!」 私も体液を全身に噴出させながらティアと絡み合います。 秘芽がこすれるごとに私もさっきの幸福感-絶頂へと近づきます。 「ティア、もう少し。もう少しよ、私も…イきそう」 「もうだめ、もうだめダメ、もうだへでふ、おねへさまぁう!!!」 「ティア、私もだ……ふゅうん」 もう2人は言葉を交しません。 もうお互い後がありませんでした。 私はさっきまで背負っていたのをわすれていた、セカンドアームの鋭い指先で自分と、ティアの秘部に触れました。 「うぁぁはぁぁあぁ!!」 「く、きゅぅぅうう!!」 そうして私達はまどろみに沈んでいきました。 覚醒したのは私が先。 でもさっきまでの自分の言動や行動が自分でも理解不能です。 あんなに「攻め」ちゃうなんて。 自分自身でもソレを思い出すと身体が疼くためそれはやめました。その後はシャワーを浴びて、まだ眠っているティアの身体を蒸しタオルでふいてあげて、ベッドに寝かせた後は片付けをしなければいけませんでした。 なんと、いろんな物的証拠をすべて処理し終わった1分後にマスターが帰宅したのです、後少し対処が遅れれば危なかったです。 あんあはしたない行為の跡をマスターに目撃されなくて良かったという安堵も束の間。 知らない間に起き上がったティアがマスターに耳打ちしようとしているではありませんか。 私は恥をしのんでアームユニットで壁を押し、そのまま「隼」を華麗にティアに決めていました。 もちろんそのあとマスターに質問されましたが、なんとか真相は解明されずにすみました。 でもティアには以前よりもっと私になついた(マスターによればたまに、服従してるように見えるとか……)みたいです。 とりあえずこんな感じで私とティア、2人だけの秘密が出来ました。 マスターにこれが知られれば、絶対に嫌われてしまう。 「この秘密だけはなんとしても死守しないと」 そう誓ったあの夜、でもそれが私の思い違いと分かったのはもっと後のことでした。 燐の7 「ティアVSジャンヌ」
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引きずり込む深海聖堂 ダゴンちゃん戦記 それは、ありえない現象だった。 フィールドは1VS1。 敵は一体で、タイプは新型機であるテンタクルス型マリーセレス。 こちらは現行最強の火力と装甲を誇る戦車型ルムメルティアだ。 確かに言うまでも無く、索敵に優れた機種ではない。 だがそれは、ルムメルティアもそのオーナーも重々承知。 ヘッドユニットの発煙筒を肩に移植し、中身は高性能のセンサーに換装済みだ。 流石に火器型やヴァッフェシリーズには及ばないにせよ、今まで索敵に困ったことは無い。 そもそも彼女のスタイルは豪快な近接格闘を重視しつつも、センサーと大砲による遠距離精密砲撃もこなせるマルチアタッカーだ。 防御は分厚い装甲に一任し、リソース(能力)は大半を格闘戦に注ぎ込む。 遠距離では高性能なセンサーから得た情報で狙いの甘さを補いつつ、当たれば一撃と言い切れる3.5mm砲で一撃を警戒させ真に得意とする近接格闘の間合いへ誘い込む戦法を得意とする。 敵からしてみれば厄介だろう。 射撃に自信があっても、戦車型の装甲を貫ける火器は限られる。 数を撃って攻撃力を稼ごうにも敵からの射撃は一撃当たれば終わりで、こちらは何十発も打ち込まねばならない。 かと言って近接格闘に持ち込んでも腕力と装甲にモノを言わせた戦法に対処する方法が無い。 言ってみれば、格ゲで言う所のスーパーアーマー状態が常時だ。 しかも腕力は真鬼王以上。 さて、攻略法を。 と言われても大半のオーナーは困惑するだろう。 それこそ基本性能として、彼女の装甲を打ち抜ける火力が備わっていないとどうしようもない。 そして、彼女の装甲は重装甲で名高い戦車型のそれである。 神姫によってはどう戦っても勝ち目が無いのだ。 この戦法で彼女は中位ランクのトップクラスにまで上り詰めている。 あと数戦で上位ランクに達し、更に上を目指す。 その為に獲物を探していたが、既に彼女を知るオーナーが多くなり、対戦が滞り始めていた所だ。 だからこそ、あまりポイントにならない中位に上がったばかりの新型からの対戦を受け入れたのだが…。 「そもそも『見つからない』と言うのは、どういう事でありますか!!」 『―――』 宥めるマスターの声がするが、苛立ちは押さえられない。 冷静にならねばいけないと分っていても、感情はそう簡単に制御できないのだ。 なにしろ、そう。見つからないのだ。 戦闘開始から既に10分。戦闘時間の三分の一が経過している。 確かにフィールドは薄暗く、視界は全てに行き渡らない。 だが障害物の数は多くなく、たとえ光学迷彩を使用したとしても発煙筒で作り出した結界の中では無意味だ。 機体が存在する限り、それはどうしても煙を押しのける。 更には煙の成分は容赦なく装甲表面に付着し、その迷彩精度を奪い、隠れる事など許さなくなる。 仮にも上位に挑み、勝つつもりの神姫なのだ。 カメレオン如きに苦戦など論外。 搦め手など蹴散らして当然。 負けるとすればより強い神姫のみだ。 だが。 「見つからなければ勝てないのであります!!」 『―――』 「負けなければ良いと言う問題ではないのであります!! 格下相手に引き分けになればそれは敗北と大して変わらなく―――!!」 それだ!! 「それが狙いでありますか!? 引き分けてポイントを稼ごうと?」 天海のシステム上、勝った神姫は負けた神姫のポイントを奪う事が出来る。 要するに勝てばランクアップ。 負ければランクダウンと言う単純なシステムだ。 これは、上位の神姫に勝てば大きくポイントが動き、下位の神姫に勝っても変動は少ない。 下位の神姫にしてみれば、上位の神姫を相手に負けてもさして痛手ではなく、チャレンジが容易に出来る仕組みだ。 勿論上位の神姫が下位の神姫を相手に負ける事を想定するなどありえない。 上位の神姫が下位の神姫を相手にするのはハイリスク・ローリターンであるが、そもそも負ける要素が無いのだからリスクはゼロに近い。 これがランクの差が縮まればそうでもなくなるが、その場合にはリスクとリターンのローハイも極僅かだ。 だが、今回のように中位最高クラスの神姫と、中位最低クラスの神姫ならばその差は明白。 負ければ大打撃だし、引き分けでも大きくポイントが動く。 敵の狙いがその引き分けだとすれば、このような消極的な戦闘も頷ける。 つまり敵は最初から勝負をする気が―――。 べちゃ。 何か落ちてきた。 戦車型の頭の上に。 「むぐぅぅ、れありまふぅ!?」 出番が残り少ない事を察してか、こんな状況でも律儀にキャラ立ては忘れない戦車ちゃん。 そんな彼女の頭の上。 否。 頭を包み込むように鎮座したテンタクルス型神姫、マリーセレス。 「ふんぐー、であります!!」 力づくで引っぺがして地面に叩きつけるが、まるで応える様子も無いマリーセレス。 「ちゃーお」 なんて挨拶までしてくるが、戦場でその隙は命取りだ。 シングルアクションで素早く3.5mm砲を構えると、そのまま接射!! 「まだまだぁ!! であります!!」 砲身をパージし、3.5mm砲の基部にサブアームで用意しておいたパイルバンカーユニットを接続。 砲煙の中に突っ込んでそのままトリガー!! 「トドメでありますぅ!!」 最後はパイルバンカーも捨て去り、サブアームの手のひらを祈るように組んで頭上に振り上げる。 「どっせーい!! でありますよーっ!!」 一発一発が必殺に値する威力の3連コンボだ。 たとえガード状態の種型でもガードの上から削り殺す!! 「時間ばかりかかったでありますな」 ふぅふぅ、と息を荒げながら最初の砲煙が晴れるのを待つ。 と。 「奥歯から鼻の穴突っ込んで指ガタガタ言わせてやる~」 煙の中から突き出してくるRPGが二本。 「え?」 距離は至近。 回避が間に合うようなタイミングではなく。 そのまま吹き飛ばされる戦車型。 と、その脚をつかまれ強引に引き寄せられる。 「コイツまだ生きて…。え?」 「本日のお天気は晴天、所により武装神姫が降るでしょう」 発言もトンチンカンだが、それ以上に解せないのが敵の状態。 “あの”3連コンボを喰らったと言うのにほぼ無傷。 精々装甲表面に焦げ目が付いている位で、パーツの欠損どころか目立った損傷すらない。 「貴様、何者でありますか!?」 「あたし?」 くき、っと小首を傾げるテンタクルス型。 「ダゴンちゃん。……カタカナみっつでダゴンちゃん」 「そこは『通りすがりの武装神姫だ、覚えておけ!』って言う所であります!!」 「軍曹さんはよく分からないことを言う」 「じ、自分の階級まで知っているでありますか?」 得体の知れない新型に、最早勝ち目が無い事を悟る戦車型。 テンタクルス型の由来ともなっているスカート状の触手が、一本大きく振り上げられるのを見ても最早打つ手が無い。 触手の先には長戦斧。 「ゲッゲーロ」 「軍曹って、ケロロ軍曹かぁーーーーーーーーーーっ!!」 叫び終わるや否、振り下ろされた戦斧がその勝負に決着をつけた。 敗北した戦車型が、最新鋭即ち“起動したての神姫”が僅か数日で下位クラスを突破したと言う事実に気づくのはこの後だった。 ◆ さて、その十分後。 ◆ 「嘘つきぃ~~~っ!!」 「ちょ、泣かないでよ人聞きの悪い!!」 件のテンタクルス型神姫、ダゴンちゃんが、神姫センター内にあるショップのショーウィンドゥにへばりついていた。 それはもうべったりと。 テンタクルス型の触手の裏に増設された吸着機をフル活用し、ガラス面にペッタリ張り付いて、引き剥がそうとする少女に抗っている。 「買ってくれるって言ったのに、言ったのに~~~っ!!」 「そりゃ言ったけど!!」 以下、回想シーンである。 「ちょっと、ダゴンちゃん。ちゃんと戦いなさいよ。チャンスなのよ勝てば丸儲け、負けても大して痛くないし」 「今日はお日柄が悪く天中殺の日です。主にますたーが」 「あたしがかい!?」 「それに。こうやって天井にへばりついてるの、好きかもですし~」 「戦えっつーの!!」 「んじゃ~、勝ったらご褒美下さいな」 「戦乙女型の武装をフルでとか言われても無理よ。何万も出せないわ」 「500円位です」 「まぁ、それなら」 「1000円位かもでしたが~」 「1000円までなら出します。勝ちなさい」 「頭の中でこーふん剤の特売ですぅ!!」 喜色満面、真下の戦車型に向かって落ちてゆくダゴンちゃん。 「いつの間に移動してたのよ?」 「会話中に動くなと言われなかったのか!! 動くのは神姫で、動かないのは良い神姫だ~ぁ」 「あー、ホントなんでこんなキチガイ神姫になっちゃたのかしら」 以上、回想終了。 「これ650円です~。1000円以下です~。お前のかーちゃんより安いです~ぅ!!」 「あたしもね、服やら武器やら防具ならやぶさかじゃないわよ。むしろ今日は頑張ったし漱石さん2人位ならお別れできる気分よ」 「やたっ!! 3個も買えるですか!?」 「“これ”は買わない」 「なんで~」 「あんたが買おうとしているのが『首輪』だからよ!!」 非常にSMチックなデザインで、ご丁寧に鎖まで付いている。 「これをつけてご主人様こんなの恥ずかしい、って皆の前で言うのがついさっきからの夢だったのに~ぃ!!」 「捨てちまえ、そんな夢!!」 「それじゃぁあっちのボンテージでも良いですよ」 「あっちはもっとエロいでしょうが!! ……って嘘!? こんなのが1万もするの!?」 「その謎を解明するのだぁ」 「しない、って言うかお金無い」 「お財布の隠しポッケに困った時の諭吉さんが」 「なんで知ってるのよ、アンタ!?」 「お金大好き」 「人間はみんなアンタ以上にお金が好きよ!!」 「齧るの?」 「齧らんわい!!」 「しゃぶる?」 「しゃぶらん!!」 「舐める?」 「舐めんな!!」 「犯す?」 「おk―――、花も恥らうJCにナニ言わすんじゃこのエロ神姫!!」 「せっくす」 「言うかぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「性別って英語」 「知ってるわよそんぐらい、脱ゆとり世代舐めんな!!」 「りぴーとあふたーみぃ“せっくす”」 「言えるかアホぉ!!」 「せっくす、せっくす!!」 「言わないわよ」 「せっくす、せっくす!!」 「……黙秘権を行使します」 「せっくす、せっくす!!」 そろそろ周囲がザワついて来た。 「せっくす、せっくす!!」 「だぁー、もう!! せっくすせっくす連呼すんな恥ずかしいでしょうが!!」 「ぱぁ~っ」(満足げ) 「あ!!」 かなりの大声で叫んでしまった。 「えっと、その」 周囲の視線が刺さる刺さる。 「違うんですよ。ほら」 あんな若い内からやーねー的な白い目の包囲網。 「これにはその、深い事情が」 メール打ってるやつ複数確認。 「逃げるわよダゴンちゃん!!」 「やだ」 逃走に移ろうとした手を引っ張るテンタクルス。 その触手はいまだベッタリとガラスケースに密着中だ。 「買ってくれたら離れてあげます」 「あんたは~」 「せっくす、せっくす」 「分ったわよ、買う。買います。買うから黙っててぇ!!」 こうしてダゴンちゃんは戦車型のみならず己がマスターにすら打ち勝ったのである。 対戦成績 引き摺りこむ深海聖堂:ダゴンちゃん。 VS戦車型:あっしょー。特に記載する事もない10分間。実質1分でケリついたし。 VS貴宮湊:しんしょー。流石にますたー超強敵。エロスに耐性があったらやばかった。 ダゴンちゃん戦記・姦!! 「字間違った」 ダゴンちゃん戦記・完!! テンタクルス型発売記念SS。 続くかどうかは未定。 しかしマリーセレス以上にラプティアスとアーティルの完成度が異常。 テンタクルス型も充分以上に楽しんですがね。 鷲&山猫はSS書きたいですが書くとアスカ以上の長編になりそう。 マリーセレス買った勢いでSS書いたALCでした。 -
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舞台は2036年、世界が平和なまま迎えた約30年後の未来。 ただ一つ変わったことは、『神姫』と呼ばれるフィギュアロボが人気を集めていること。 全国の主要都市には神姫を購入できる「神姫センター」なる施設が建ち、 その中ではその神姫達を戦わせる「武装神姫バトル」が行われ、絶大な人気を得ている。 これは、一人の少女と一体の神姫の果て無き挑戦である…… 朝…それは果てしなく、清々しいもの。 少なくとも私…長月スバルは、そう感じている。 そんな爽やかな朝に、最高の瞬間が訪れた。 「遂に手に入れた…私のマオチャオ~ッ!」 ついつい、お気に入りの神姫を見ると叫んでしまうのは私の悪い癖だ。 「…うぅ…何事ですか。マスター」 「ふわぁ…眩しいです」 「…またですか」 そのせいで、私の神姫たちが起きてきてしまう。 上から、天使型アーンヴァル「春姫」、犬型ハウリン「彩里」、忍者型フブキ「神無月」。 おかげで、フブキの神無月には、毎度のことながら呆れられている。 「起こしちゃってごめんね」 「いいえ、別に構いません。もしかして…この子の起動ですか?」 さっすが、私の神姫!察しが良いな。 「そ。あとは、CSCを入れるだけかな」 「手伝った方が良いですか?」 春姫が上目遣いで私を見る。 あぁ…ダメ!そんな目で私を…私を… 「姫、そろそろ起動を…」 神無月の言葉で、遠い世界に行きかけた私の意識が戻る。 「やばいやばい、また行きかけてしまった。じゃあ、そろそろ起動(お)きよっか?」 しばらくすると…CSCを装着し終えたマオチャオがゆっくりと目を開く。 「Kemotech製、Automaton神姫…猫型マオチャオ、KT36C1…セットアップ完了、起動します」 そう言い終えると、マオチャオは私の前にちょこんと可愛らしく立った。 「無事起動(お)きたましたね、マスター」 「ですが、お時間の方はよろしいのですか?」 春姫の安堵の声に対し、神無月の厳しい声が飛んだ。 「時間?今日は日曜日だし、学校も無いから大丈…」 ふと見た携帯の液晶画面に表示された時間と日付を見て、私は絶句した。 AM7 55 9月1日 月曜日… 「…あれぇ?壊れたかな、この携帯。まだ変えたばっかりなのにぃ…」 「壊れてもいませんし、日付も9月1日で間違いありません。 そもそも、姫は昨日からその子を見つめっぱなしでした。 気付いてなかったと?」 私のボケもスルーして、神無月は滅多に見せない怪訝な顔をしてそう言った。 もしかして、若干キレてる…? 「…つーことは、私、24時間くらい起きてたってこと?」 恐るべし!長期休暇。 長い休みのあまり、曜日感覚がずれて今に至る…と。 「姫!ですから時間が…」 「うわーん。せかっく起動(お)きたのに、話す暇も無いなんてぇ~」 「自業自得です」 「そうそう、マスターが悪い」 「少しは自覚をしましょうよ…」 「?」 訳の分かっていないマオチャオをよそに、神無月と彩里、 それに春姫と三体の神姫たちにキツイ言葉を浴びせられながら、私は渋々学校に行く準備をする。 そんな時、マオチャオが私の袖を引っ張った。 「ん?どうしたの?」 「私の名前…」 おぉう!学校に間に合う、間に合わないの問題じゃない! 起動(お)きたばかりの神姫に、名を付けずして何が神姫オーナーか! 「ごめん、ごめん。すっかり忘れてた。 ちょっと待ってね。えっと…確かここに…」 ゴソゴソと机の中を漁ると、あった…紐付きの小さな鈴。 「これを首に掛けて…と。 貴女は、香鈴。香るに鈴で香鈴っていうの。どうかな?」 私はニッコリと笑って、マオチャオ改め『香鈴』を見つめながらそう言った。 「うん!気に入ったよ!それで貴女のことは何て「スバルお姉ちゃんで!!」」 香鈴の喜ぶ声を聞きながら、私は真っ先に呼び方を叫んだ。 「無駄に早いですね。マスター」 春姫が呆れた声でそう言った。 「だってだってぇ、こういう子にお姉ちゃんって呼ばせるの夢だったんだもん。 …って、うわっ!?時間が! ゴメン春姫、あとのことは最年長者である君に任せた! う~!あ~!遅刻ぅ、遅刻ぅ~っ!」 バン!と扉を開けて、叫びながら私は家を出て行った。 オーナーであるスバルが居なくなった部屋は、騒がしさが消え静寂が辺りを支配する。 「まさに嵐ですね…姫は」 「まぁ、いつにも増して賑やかだったことは確かだね…」 「気にしたら負け…マスターはいつもそう」 神無月と彩里、春姫の三体は「「「はぁ~…」」」と、ため息を吐いた。 「?」 最後の最後まで、訳の分からない香鈴だった…。
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ここは「マイティのひと」が作成した武装神姫ショートストーリー 『Mighty Magic』シリーズを掲載しております。 著/マイティのひと ※コラボレーション大歓迎也。 ※文字サイズを通常よりも一段階小さくしてご覧になると読みやすくなります。 ※本文は随時加筆修正されます。更新履歴をご参照ください。 ※現在諸事情により更新速度が激減しております。何卒ご了承ください。 - 昨日 - 今日 - 合計 神姫とそのオーナーたち 装備構成解説 設定解説 本文ページ(妄想設定準拠) マイティ編 Mighty Magic ・インターバトルO「アーキタイプ・エンジン」 ・強敵 ※『不良品』?とのコラボ作品 ・犬達の出会い ・バトリングクラブ ・インターバトル1「プレゼント」 ・変身! ※魔女っ子神姫☆ドキドキハウリンとのコラボ作品 ・主義 ※岡島士郎と愉快な神姫達より、鶴畑大紀ゲスト出演。 ・インターバトル2「誤情報」 ※パカパカ祭りより ・インターバトル3「エルゴより」 ※HOBBY LIFE,HOBBY SHOPとのコラボ作品 ・固執 ・戯れ(18禁作品) ・インターバトル4「親友」 ・インターバトル5「トレーニング・デイ」 ・信念 ・インターバトル6「変身! そのに」 神姫たちの舞う空 ・事前予告 某月某日2001時 ・開催前夜 二ヵ月後、某月某日2221時 ・参加手続および第一次作戦会議 *月*日1144時 ・エルゴ飛行隊(ERGO Spuadron)メンバー表 ・出撃~接敵 1223時~1236時 ・交戦~十五分経過 1236時~1245時 ・~三十分経過 1245時~1302時 ・戦況再変~戦術再考 1303時~1311時 ・コンタクトイエロー~第一ラウンド終了 1312時~1330時 クエンティン編 CROSS LO[A=R]D ※全編にわたって、岡島士郎と愉快な神姫達より鶴畑コンツェルンの面々が特別出演しております。 ・第一話「修正」 ・第二話「融合」 ・第三話「エイダ」 ・第四話「それぞれの正義」 ・第五話「相対」 ・第六話「恐怖の正体」 ・第七話「OFイクイップメント」 ・第八話「襲撃」 ・第九話「拉致」 ・第十話「知性」 ・第十一話「決意」 ・第十二話「回帰」 ・第十三話「脱出」 ・第十四話「アーマーン」 ・第十五話「上空戦」 ・第十六話「共鳴」 ・第十七話「憧憬」 ・第十八話「教育期間」 ・第十九話「逃亡」 ★The Latest Chapter★ シエン編 クレマチスの檻(タイトル決定) ※CROSS LO(A=R)Dが終了し次第連載開始。 Archives エロ妄想スレッドにて初期に書いた拙作二編。 For Adult only! ・ヴァッフェ装備のこと ・知識 参考文献 私が拙作を書く際おおいに助けていただいた書籍を紹介しています。 ※五十音順、敬称略 相田裕 『ガンスリンガー・ガール』電撃コミックス 押井守 『アヴァロン~灰色の貴婦人~』メディアファクトリー カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』早川書房 神林長平 『戦闘妖精・雪風《改》』 『グッドラック 戦闘妖精・雪風』 “火星三部作” 『あなたの魂に安らぎあれ』 『帝王の殻』 『膚の下』 いずれもハヤカワ文庫JA ※その他の作品も、機械知性を考えるのに役立ちます。 京極夏彦 “京極堂シリーズ” 『姑獲鳥の夏』講談社文庫 『魍魎の匣』講談社文庫 グレッグ・イーガン 『ひとりっ子』 士郎正宗 『攻殻機動隊 The ghost in the shell』 『攻殻機動隊1.5 Human-error processor』 『攻殻機動隊2 Manmachine interface』 いずれも講談社 藤田博史 『人形愛の精神分析』青土社 船木亨 『デジタルメディア時代の《方法序説》 機械と人間とのかかわりについて』ナカニシヤ出版 宮沢賢治 『新編宮沢賢治詩集』新潮文庫 ご感想などどうぞ。 サイドボードがタネとは、目からウロコでした。カードゲーム的発想ですね~ -- ねここのひと (2006-10-26 07 43 55) けっこう面白い話があるので、いつも楽しみにしています。 -- 名無しさん (2007-01-03 12 57 09) 面白い話とシリアスな話がそれぞれ展開していくのがいいですね。 -- 名無しさん (2007-01-04 16 06 00) 神姫たちの舞う空編、続きがむちゃくちゃ楽しみです! -- 神姫の父 (2007-01-13 21 10 23) 燃えますな大規模空戦!続きを楽しみにしております。 -- Gの人 (2007-01-16 00 24 46) いよいよ戦闘開始ですね! 次回も楽しみにしております! -- ドキ(ryの人 (2007-01-16 01 02 43) CROSS LO[A=R]Dがマジ熱い!! -- 名無しさん (2007-01-30 07 15 42) 名前 コメント
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ウサギのナミダ ACT 1-12 □ 海藤がコーヒーカップをゆっくりと配り、そっと溜息をついた。 「僕がバトルロンドをやめた理由……言ったことなかったっけ?」 「ないな……君から自分のバトルの話自体、聞いたことがない」 そうか、とコーヒーを一口飲んで、また一つ溜息をつく。 海藤も以前はバトルロンドのプレイヤーだった。 実力もかなりのものであったらしい。 だが、俺が神姫を血眼になって探すようになった頃には、すでにバトルロンドをやめていた。 だが、興味がなくなったわけではないらしい。 今でも、主要な大会の映像はチェックしているようだし、バトルロンド用のパーツや改造方法なんか俺より詳しいくらいだ。 だからなおのこと、俺には海藤がバトルをやらないことが解せない。 「……あまり、格好のいい話じゃないんだ」 「……今の俺以上に格好悪いマスターはいないから安心しろ」 苦笑しながら、海藤はさらにコーヒーを一口。 そして、観念したように目を閉じた。 「僕がバトルロンドをやめた理由はね……バトルロンドを嫌いになりたくなかったからだよ」 かつて、俺も通うあのゲームセンターに、腕利きの神姫プレイヤーがいた。 空中戦闘タイプで、近距離、遠距離共にこなす万能タイプ。的確な戦術と、高度な技術に裏打ちされた戦闘スタイル。 マジックマーケット社製の武装パーツを中心に組み上げられた武装は、エウクランテの羽とイーアネイラの下半身パーツを中心にして、水中を泳ぐがごとく自在に飛行することが出来た。 勇猛果敢な戦闘スタイルと、空中を自在に翔る姿から、『シードラゴン』とあだ名されていた。 それが、海藤仁と神姫・アクアだった。 「シードラゴンか……聞いたことあるな……三強の一人が、同じような武装をしている」 「あの装備は、羽と鰭の連動が難しいんだけど……へぇ、使いこなせる神姫がいるなんてね。会ってみたいな」 「……やめておいた方がいいぞ。人間性に問題があるから」 シードラゴンは公式大会にも積極的に参加した。 公式のポイントも稼ぎ、ホビーショップや神姫センターで行われるローカル大会でも勝つようになり、少しずつ知名度も上がっていった。 いきつけのゲーセンではトッププレイヤーの仲間入りを果たし、シードラゴンの噂を聞きつけてゲーセンにやってくる神姫プレイヤーもいた。 そして、来たる全国大会。ここC県エリアの代表候補に、シードラゴンのアクアの名前が挙がっていた。 「その当時のこと、『ヘルハウンド・ハウリング』のマスターなら知ってるかな」 「ああ、彼はまだバトロン現役なんだ? がんばるなぁ」 「最近は三強の一角で、ちょっと天狗になっているけど」 「僕がやってるころはまだ、その二つ名で呼ばれはじめた頃だったよ」 そして、待ちに待った全国大会の地区予選の時がやってきた。 公式の神姫センターで開催される大規模な大会。 県内から有力な神姫が集まり、バトルを繰り広げる。 海藤とアクアは、意気揚々と大会に臨んだ。 シードラゴンは順調に駒を進めた。 そして準決勝。 いずれ劣らぬ武装神姫ばかりだったが、マスターと神姫の連携、戦術はシードラゴンが頭一つ抜きんでていた。 C県エリア代表はシードラゴンのアクアだと、誰もが信じていた。 海藤も優勝する自信があった。 「だけど……僕たちは準決勝を戦えなかった」 「……なぜ?」 「他の準決勝進出者からクレームが入ったんだ。違反行為をしている可能性がある、ってね」 「そんなこと……君がしたとは思えない」 海藤との付き合いは高校一年の時からだが、そういうルール違反に手を染めるような性格でないことはよくわかっている。 「うん、僕もしていない。しているはずがないんだ。でもさ……その準決勝進出の三人のマスターが口をそろえて抗議したんだ。 その理由がさ……おかしいんだよ」 海藤は笑った。ものすごく苦いものを飲んで、その味をごまかすような表情で。 「イーアネイラだから」 「え?」 「イーアネイラが、準決勝まで勝ち上がれるはずがない、そんなに強いはずがない、何か問題行為をしているに決まっている……ってね」 「な……」 俺は驚きを通り越して、あきれかえった。 そんなバカな話があるか。 特定の神姫が特別弱くて、決して勝ち上がってこられないなんて。 「そんなの、いいがかりもいいところじゃないか」 「うん……でも、その抗議は受け入れられた」 「……は?」 「それで、大会のスタッフが、準決勝前にアクアのボディと武装をチェックした」 アクアがテーブルの上から、心配そうに自分のマスターを見上げている。 それを見て、俺の胸が痛んだ。 気軽に振っていい話じゃなかった、と今更後悔した。 「そしたらさ……武装に塗った塗料から、ごく微量のレーダー攪乱効果のある成分が見つかったって。 確かに、アクアの武装をネイビーブルーで塗装していたんだけどね……」 「……何の塗料使っていたんだ?」 「普通の、ホビーショップで売っている塗料だよ。一番ポピュラーなやつ」 「そんなの、他に使っている神姫だっているはずじゃないか!」 あんまりな話に、つい声が大きくなってしまった。 すまん、と謝り、俺は下を向いて、海藤の話しに耳を傾ける。 「うん……だから、僕も抗議したよ。でも通らなかった。 もし準決勝を戦いたければ、塗装をしていない武装だけ使いなさいって言われてね」 視界に、海藤の手が見えた。 握った拳が白くなっている。 強く、握っている。今思い出しても、拳を握ってしまうほど悔しかったのだ。 「そんなことをしたら、アクアは何の装備もなく、素体だけで戦うことになってしまう。 それは無理だ。だから……棄権したんだ」 「……」 「で、その準決勝に出た三人が、実は秋葉原の神姫バトルミュージアムの出身でさ……」 「ちょっと待て。県内でバトルしてたわけじゃないのに、C県エリアの代表大会に出てたのか!?」 「そうだよ」 「そんな……それは筋が通らないんじゃないのか」 たとえば、高校のインターハイとかで、個人競技の選手が、都内の高校に通っているのに、別の県のインターハイ予選にエントリーして優勝してしまう。 それを「県の代表」ということが出来るのか。 「だけど、バトルの取得ポイントさえ足りていれば、どこの神姫センターの大会にでもエントリーできるんだ」 「そんなバカな……」 「そうなんだから仕方がない。 それで、そのバトルミュージアムでは、激戦の秋葉原を避けて、あちこちの郊外のエリア大会に遠征組を派遣したんだ」 「そんな……その連中が勝ち上がったら、全国大会じゃなくて、そんなの、ただの身内の大会じゃないか……」 「そういうのは少なからずあるよ。おそらく、関西でも、有力な神姫センターやゲーセン、ホビーショップでは同様のことをやってる。そうやって、同じ店から全国大会出場者が一人でも多く出れば、箔がつくしね」 公式大会に出る気は最初からなかったので、海藤の話は初耳だった。 てっきり、参加する大会のエリアに在住していなければ、そのエリアの大会には参加できないものだと思っていた。 今の海藤の話に、俺は納得できなかった。 全国大会ならば、そのエリアを代表する神姫が出場するべきであって、他のエリアから乗り込んでくるなんていうのは、ルール違反じゃないのか。 激戦区の選手達は、確かにレベルが高いのだろう。 地方のゲームセンターでならしているだけでは、勝てないのかもしれない。 だからといって、そのエリアに乗り込んでいって、エリア代表になるというのは違うと思う。 実力があれば何をしてもいいというのか。 その実力がない、地元の神姫プレイヤーが悪いというのか。 見ず知らずの遠征チームがやってきて、実力で大会を勝ち抜いて、地元を代表しますと言ったところで、地元の神姫プレイヤー達は心情的に納得が行かないだろう。 それに、よく見知った神姫が別のエリアから勝ち上がってきたところで、つまらないではないか。 別のエリアには、様々な戦い方をする、未だ知られていない実力者がいて、戦うことが出来るかもしれないのに。 俺が悶々と考えを巡らせていると、しばらく黙っていた海藤が口を開いた。 「まあ、遠野の言いたいこともわかるよ。僕もそうあるべきだと思ってる。 でも、現実は違う。 それで、さっきの続きに戻るけど……秋葉原の神姫バトルミュージアムって、あの鶴畑財閥の経営なんだ。 しかも、準決勝の三人は、鶴畑の次男坊・大紀の舎弟だった」 「っておい……それじゃあ、そのいいがかりは、まるっきり仕組まれてたんじゃないのか!?」 鶴畑財閥といえば、神姫のオーナーで知らない者はいないというほど有名だ。 あらゆる神姫関連の製品を扱っているし、公式大会の大手スポンサーでもある。 鶴畑財閥の御曹司三人は、いずれもバトルロンドのプレイヤーで、こちらも非常に有名である。 次男の大紀は、あまりいい噂を聞かないことで有名な人物だ。 大手スポンサーの鶴畑財閥と、その経営する神姫センター、そこから送り込まれた遠征組と、バックにいる次男坊……誰が考えても、海藤へのいいがかりは策謀だったとしか思えない。 「だけど、証拠がない」 興奮してしまっている俺に対し、海藤は至って冷静だった。 「大会の時は時間もなかったしね……真相は誰にも分からずじまいさ」 「君らだけが貧乏くじを引いて……それで、秋葉原の連中がC県の代表になったって言うのかよ……」 やりきれない話だ。 「大会の後、僕はゲーセンに行くのをやめた……翌日行ったら、みんなに卑怯者呼ばわりされてね……」 「……あそこのゲーセンはそんなのばっかりか」 「まあ、端から見てればそう見えるんだろうし……。 それで、僕はバトルロンドをやめることにした。 僕はバトルロンドが大好きで、今でも情報はチェックしているけど、もう自分でやりたいとは思わない。 実力ではない……何か別のところで勝負が決まっていることが、やっぱり、どうしても、許せなかったんだ。 このまま続けていれば、きっとバトルロンドが嫌いになる。バトルロンドを好きでい続けたいから……やめたんだ」 気の優しい海藤であっても、そこまで許せないものがあるのかと、正直驚いた。 そして、俺は自分が少し恥ずかしくなった。 「すまん……俺ばっかり、辛い目に遭ってるような顔をして……」 「何言ってるんだ。誘ったのは僕の方さ」 コーヒーを淹れ直そう、と空になったカップを回収し、海藤は立ち上がった。 俺があらためてドーナツの箱を開けると、テーブルの上にいるアクアと目が合った。 少し思い詰めたような表情。 アクアは思い切ったように、俺に言った。 「マスターは……それでも本当は、バトルロンドをやりたいのだと思います」 「え……」 「こら、アクア」 コーヒーを淹れて戻ってきた海藤がたしなめる。 「余計なこと、言うもんじゃない」 「ですが……マスターは、あのクイーンの戦いぶりを見て、目を輝かせていたではありませんか。まるで子供のように」 「クイーンのバトルを見て、ワクワクしない武装神姫ファンはいないよ」 海藤は俺の前にコーヒーを置いた。 そして言う。 「クイーンはすごいよね。あの秋葉原で、正々堂々戦って、そして全国出場を決めているんだ。尊敬するよ」 「そうか、秋葉原は鶴畑の……」 海藤は頷いた。 言ってみれば、秋葉原は鶴畑の本拠地だ。 そこで、彗星のように現れた神姫が、フェアプレーで、実力で勝ち上がったのだ。 海藤には大いに思うところがあるのだろう。 「いま仮に、前の装備を引っ張りだしてきて対戦しても、大した勝負にならない。だから対戦する気もないけど、協力はしてあげたいと思うよね」 そもそもクイーンと会う機会もないだろうけど、と海藤は苦笑した。 海藤の家を出るときには、雨が降っていた。 「これを使いなよ」 ビニール傘を貸してくれた。ありがたい。 雨の中、駅に向かう道すがら、俺はまた考えを巡らせる。 バトルロンドをやめた後、海藤はもう一つの趣味である熱帯魚の飼育が行きすぎて、ついには水族館でアルバイトをするようになった。 海藤は大学生だが、水族館に入り浸り、いまはほとんど大学に顔を出していない。 その水族館での仕事に、アクアをアシスタントとして使っている。 それがお客の目に留まり、少しずつ話題になった。 魚たちと一緒に水槽を泳ぐアクアの姿は、まさに人魚姫のようだ。 「K水族館の人魚姫」と呼ばれ、神姫の雑誌の表紙を飾ったこともある。 海藤はバトルロンド以外でアクアが活躍できる場所を見つけたのだ。 彼は俺に言った。 「神姫が活躍できる場所は、バトルロンドだけじゃない。戦う以外の道も選択肢だよ」 そうなのかもしれない。 俺はバトルロンドにこだわっていたが、そうでない道をティアに歩ませることが出来るのかもしれない。 ティアを大切に思うなら、もうこれ以上傷つけたくないと思うなら、そう言う道を探すのがマスターたる俺の仕事かもしれない。 海藤とアクアのように、バトルでなくても、自分達の活躍の場を得て、笑い合うことが出来るなら……それは幸せなことなのだろう。 そんなことを考えているうちに、気がつくとアパートの前にいた。 ポケットから鍵を出す。 扉を開ける。 慣れきった、無意識の動作。 「ただいま」 返事はなかった。 少し寂しい気持ちに捕らわれる。 ついこの間まで、ティアが来るまで、返事なんてなかったのに。 ティアの「おかえりなさい」という控えめな挨拶が、もう耳に慣れきっていたのだ。 ……なんで返事がない? ティアは自主練で留守番じゃなかったのか!? 俺は急いで靴を脱ぎ、玄関を駆け上がる。 部屋に飛び込んだ。 「ティア!?」 そこには誰の姿もない。 静まり返っている。 俺の荒い息と時計の音がやけにうるさい。 夕方の薄暗い部屋の中、PCのディスプレイの明かりが浮き上がって見える。 俺はマウスを操作し、スクリーンセーバーから通常画面に復帰させる。 マウスの手触りに違和感を覚え、机の上を見た。 「水滴……?」 キーボードやマウスの上のそこかしこに、小さな水滴が点々とついている。 なぜ水滴が……。 俺は不審に思いながら、復帰したディスプレイ画面を見た。 背景はウェブブラウザだ。どこかの巨大掲示板が画面に映されている。 その手前にワープロソフトが立ち上がっている。 短い文面。 「……ばっ……かやろ……っ!!」 次の瞬間、俺はアパートを飛び出していた。 外は雨。 傘を忘れている。 知るか! 俺は雨の中を走る。 ワープロで書かれた、それは短い置き手紙。 マスター もうこれ以上迷惑かけられません さようなら ティア 次へ> トップページに戻る
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は ま や ら わ 英 数 用語集 (は~わ・英・数) は [部分編集] バッカル マリーセレスのリアである、「アーク・E・トゥージス[A]+ハフ・グーファ」を装備することで使用可能なアクティブスキル。 大量の弾を敵に向けてバラまく。公式曰く、「当たればでかく、逆転できるロマンスキル」。 だがロマンスキルというだけあって、誘導がかなり弱い。具体的には横に歩いただけで簡単に弾が神姫の横をすり抜けるレベル。 一方硬直狩りに使うなら、非常に高い打点を「レーザー」などより安定して、タイミングさえ合えば確実に当てることが出来る。そのため、「体力回復」や「ゴールデンエンジェル」等モーション付きのスキル対策、あるいはスキル時に敵味方の神姫が動かないAIタッグバトルでの火力源として使われている。 この場合、アセンはバッカル無しでも戦える程度までチューニングする形が人気。体力回復を使えばバッカルを当てられ、使わなければそのまま倒されるという二択を押し付けられるからである。 なおバッカル時の硬直に対してもバッカルを当てることが出来るため、バッカルを持つプレイヤーが同時に二人以上居るならどちらがバッカルを後出しするかというバッカルメンコチキンレースが始まる。 バニーガール武装 卯年の2023 1/1に実装された武装。網タイツとスーツの質感が艶かしさを醸し出している。 バニートレーはクリティカルとブーストゲージの回復が秀でた投擲武器、マスクステータスは優秀だが、遅い弾速と短めの射程、適正神姫の数に難があるカテゴリである為、人は選ぶか。 防具はヘッドのバニー耳、ボディ・レッグ・アームの一式のスーツ、リアのしっぽの三ヶ所で構成されている。 性能的は若干ダッシュスピードが早く、かつCHAが高めなのでスキルを用いた運用では非常に心強い。但し、若干ジェム攻撃力は下がってしまうので一式で運用する際は注意が必要。とはいえ総合的に見てもとてもバランスがよいので武器と比べるとかなり実用性が高い。 レイドボスバトル(第八回)では、レイドボスのバニーミラージュから赤いバニー耳とスーツ、金色のバニートレー(と、ついでに通常版と同じ仕様の尻尾)を手に入れる事が出来る。 バリステ、バリブレ アーティルの攻撃リア装備、バリスティックブレイズ[RW]の事。人によって略称のブレはあるが同義。 コンボ前提になるが発射数2発×2の高速でそこそこ威力の高いホーミングミサイルを放てるので、レイドボスバトルにおいてはWAVE1~2の雑魚散らしに甚だ有効。アセンさえしっかりしていればボスにも有効打を与えられる。 そうした事から(発射軌道の癖の強さと度重なる(レイドでの)ナーフにもかかわらず)、今でも愛用しているマスターは多い。 勿論ジェムバトルでも厄介で、中距離で足を止めようものならミサイルの雨が降ってくるので中々曲者。誘導の限界で近距離は安置なので、遠距離+このRW持ちと対峙した場合さっさと距離を詰めよう。 バレンタイン武装(2021) 2021年バレンタイン期間限定武装。 「バレンタインツインドリル」「バレンタインスーツ」「バレンタインパフスリーブ」「バレンタインシューズ」「チョコペン銃(両手ライトガン)」。 スキルゲージが溜まりやすくなったりジェム回収の展開速度が上がる等、マスクステータス面は優秀なものの稼動初期のイベント武装だけに目に見える数値面では控えめなスペックで、後から出てきたホワイトデー武装の陰に隠れてしまったが、2022年期間限定復刻時以降は対バグ補正が追加されている模様。 …だったのだが、どういう訳かレイドボスバトル(第六回)においては、他のイベント武装にプラス補正が付いたのとは対照的に下方されてしまった(これはバレンタインクラシックも同様。他に下方されたのは15th装備のアーンヴァル側くらい)。 バレンタイン武装(2022) 正式名称「バレンタインクラシック武装」。 2022年バレンタイン期間限定武装で「バレンタインキャンディツイン」「バレンタインクラシックスーツ」「バレンタインクラシックパフスリーブ」「バレンタインクラシックスカート+バレンタインクラシックシューズ」「バレンタインクラシックシューズ」からなる。 チョコレート色の、ウェイトレス服かメイド服を思わせるロングスカートが中心となるコーディネート。ダッシュスピードが若干速くなり、スキルチャージ・ジェム回収展開速度が上がる。対バグ補正を持つと明言されている……が、第六回では削除された。 頭と足の装備で発動できるスキル「私のチョコだけ受け取って!」は、自分以外のダッシュ・ジャンプ速度を大きく下げることができる。 周りのステータスを下げてこちらが追いやすい/逃げやすい状況を作るという点では「攻撃スピードダウン」に近い性能を持つが、発動モーションがある代わりに素の機動力で劣る相手への追いつきやすさはこちらの方に分がある。 武器はないが、前年度及び復刻のチョコペン銃が適切か。 なお、スカート+シューズ武装とシューズ武装は排他関係にある。RW装備を重視したい場合は後者で。 余談だがバレンタインシリーズのシューズで唯一クラシックのみガーターにナイフ(護身用?)が仕込んである。スカート付きだと分かりづらいがシューズ単品だと一目瞭然。セクハラが過ぎると投擲される…かも? バレンタイン武装(2023) 2023年バレンタイン期間限定武装。 「ビターパンクハートヘア」「ビターパンクハートヘア・オリジナル」「ビターパンクスーツ」「ビターパンクアーム」「ビターパンクブーツ」「ビターパンクスカート」。 どちらかといえばガーリー寄りの可愛さが追求されてきたバレンタイン武装シリーズだったが、今回はデザイン面でパンクな方向へとシフトしている。 性能は他神姫撃破時のオートジェム回収機能がある事をはじめジェムバトル寄りだが、スカートの半分がレザーバンド仕立てとなっているため“見える”のが最大のポイント。 ジェムバトルに持ち込むなら高火力射撃と相性が良いかもしれない。 なお実装当初武器は含まれていなかったが、ホワイトデー武装(2023)の実装時にこの武装と適合する色のネジバットが改めて実装されている。 ハロウィン武装(2021) ハロウィンイベント(2021年10月11日10 00~同11月1日10 00)限定配布武装。 マジカル★パンプキンヘッド3種類(Pink、Blue、Green)からなり、いずれも有用なアクティブスキルを持っている。こちらも参照。 某閃光のハサウェイの余韻冷めやらぬ時期に実装されたため、そちらにちなんで偽マフティー呼ばわりされることも。 ハロウィン武装(2022) 2022年のハロウィン(10月31日10 00 ~2022年11月21日9:59)限定配布武装。「まじょっこ」衣装はLP及びDEX高め、状態異常補正に微量のブースト回復と、全体的に耐久に振った性能。 武器は3発誘導弾を放ち、ダメージ系アクティブスキル付きの片手ライトガン「キャンドルロッド」。こちらもホワイトデー(2022)武装と同様、「ハロウィン武装に武器が存在しない問題」を解決している。 更に死神の鎌や前年のマジカル★パンプキンヘッド各色を持っていれば、それらしいコーデで楽しめる事だろう。 偶然なのかもしれないがこの時期に注目を浴びたアニメは昨年の偽マフティーと同じあのロボットアニメシリーズかつ名前は「水星の魔女」である。 ハロウィン武装(2023) 2023年のハロウィン(10月16日10 00~11月6日10 00)限定配布武装。前年の「まじょっこ」衣装のカラーバリエーションでDEFとCHAに振ったピンク、DEXに振ったブルー、ATKと近接耐性に振ったグリーンの三色。 武器はそれぞれの色の「パンプキンハンマー(両手打撃武器)」。 時を同じくして前年及び前々年のハロウィン武装も復刻されているので、全部集めるのはとても大変。 環境では「まじょっこ」ブルーの低レアが、ジェム自動会収能力の高さから大暴れしている。 武装貴族 ぶそうきぞく。e-passカードを作る時に設定する事が出来るが、どういった人々なのだろうか? 謎は尽きない……。 武装淑女 ぶそうしゅくじょ。武装神姫の女性マスターの通称。 これも、e-passカードを作る時に設定する事が出来る。 武装紳士 ぶそうしんし。武装神姫の男性マスターの通称で、一番良く知られる。 勿論これも、e-passカードを作る時設定する事が出来る。 ただ、ここで勘違いしてはならない点は、武装紳士といっても必ずしもその全てが「紳士」であるとは限らないという事。 本来はあってはならない事のはずだが、武装神姫界隈にも「紳士」の風上にも置けないような振る舞いをする者は数多い。派閥作りからの神姫関連商品の買い占めや転売行為、揚げ足の取り合いや蹴落としあい、誹謗中傷などがこれにあたる。 そして対戦ゲームである以上、残念ながら本作のマスター層もこうした悪しき風潮と、決して無縁とは言えないのだ… だからこそ「紳士」とは自ら名乗るのではなく、その品格を持って人から呼ばれて初めて得られる称号なのだという事を心に刻みたい。 その意味で、アニメ版の理人さんは立派な武装紳士といえよう。 ヘイト管理 現在のジェム数・スキル・次の神姫から、自分がどれほど狙われやすいかを把握し、ジェム回収量や相手との距離を調整すること。 基本的に、終盤順位が高いプレイヤーやガンガン攻撃するプレイヤー、戦場に近いプレイヤー、強力なスキルを持っているプレイヤーが、よく狙われる傾向にある。 最終的にアクティブスキルで逆転したい場合は、こちらのスキルで逆転可能な範囲のジェム数差で2位以下に付くようにすると、ヘイトを抑えて上手く逆転する準備ができる。 自分の編成では倒しにくい神姫がいる場合、そちらに高い順位を取ってもらって他のプレイヤーに倒してもらう……という風に応用することも出来る。 また敢えて棒立ち無抵抗になるなどでヘイトを高め、順番調整を試みる場合もある。 ホワイトデー武装(2021) 2021年ホワイトデー期間限定武装(2022年にも期間限定で復刻)。別名「バレンタイン武装リペイントVer」。 その名の通りバレンタイン武装のカラーバリエーションでブルーとグリーンの2種類が存在するが、数値上の性能的にはオリジナルを総じて上回る。 但し、マスクステータスでは青はスキルゲージの溜まりアップが削除、緑は若干とはいえジェム回収展開速度が下がるペナルティが付与されてる為一長一短か。 対バグ補正についてはバレンタイン装備同様付与されている。 ホワイトデー武装(2022) 2022年ホワイトデー期間限定武装。基本的にはバレンタインクラシック武装のリペイント版(青・緑)だが、髪飾り「ホワイトデードーナツツイン」にはピンクカラーが追加されて3種類になっている(キャンディツインまたはツインドリルと、どれを選ぶかはお好みで)。 頭と足の装備で使えるアクティブスキル「お返しは私だけ!」は、「私のチョコだけ受け取って!」のデバフ効果をターゲットしている神姫にのみ掛かるようにしたもの。 特定の一人を全員で倒さないといけない局面なら、ターゲット以外の神姫の機動力はそのままなのでより強い効果を発揮できるだろう。 一方自分が逃げ切る局面だと一人にしか効果を及ぼせない+発動モーションがあるのでイマイチ。攻めきるためのスキルと割り切ろう。 また、「キャンディハンマー(両手打撃武器)」が武器として追加された。こちらにも青・緑の他ピンクが追加されており、バレンタインクラシック武装の「武器が存在しない」という問題を補完している。こちらのアクティブスキルは全方位攻撃。 ホワイトデー武装(2023) 2023年ホワイトデー期間限定武装。 基本的にはバレンタイン武装(2023)のリペイント版(青・緑)で、ジェムバトル寄りの性能も“見える”事もそのまま。名前は原典の「ビター」を「スイート」に変更している。 ただし、こちらは撃破時ではなく攻撃命中時に自動回収(青・緑共通)である為、より汎用性が高い。この効果は複数箇所装備すればより高くなるが、この武装シリーズ自体ジェム攻撃力に少しマイナス補正があるので、装備しすぎると却ってジェムが取れなくなるという罠がある。 よって、一式装備せずに1~2箇所くらいで抑えるといいかもしれない。 更に、釘ならぬ「ネジバット」が武器として追加。こちらはジェム自動回収能力はないものの、レアリティごとに色が異なる変則的バリエーションモデルとなっており、バレンタイン武装(2023)のカラーも含まれている。 ま [部分編集] 捲り ジェムバトルの勝ち方のうち、逆転されないようなタイミングに(特に攻撃・強化スキルで)ジェム数を変動させ、そのままゲーム終了を迎えるものの総称。 この勝ち方をしたいのなら、最後の神姫出撃時間〜スキルを使うギリギリの時間まで、自分チームは2位以下かつスキル1発で1位を追い越せるようなジェム数になるようジェム回収量を調整しよう。 まこしら ミズキの片手斬撃武器「忍刃刀"風花"(金)」とレッグ「忍脚絆"白鳳"」を装備することで発動できるアクティブスキル、「秘剣・真白拍子」のこと。 攻撃内容は目の前を一段攻撃で斬りつけるシンプルなもの。威力もかなり低いのだが、最大の特徴は恐ろしく早い発生。 スキル発動の表示が出るか出ないかのタイミングで判定が出るため、基本見てからだと対処が間に合わない。この特性から、特に初見殺しとして強く働く。 判定自体も横方向には神姫2〜3体分ほどあるので、格闘戦中の他プレイヤーをまとめて巻き込むことも出来る。 欠点は突進距離の短さと威力の低さ、また武器自体のスキル回収率の低さ。神姫1〜2人分しか踏み込まないので、近寄らないと打ちにくい。また威力が低いので、相手を撃破して撃破時の放出ジェムを回収しないと一発辺り4〜500ジェムしか稼げないこともザラ。装備と出撃順を工夫しないと低レアリティならろくに打てないこともある。 対策としては、まこしらを持っているプレイヤーがいるときはあまり密集しない(ジェムを一人占めしやすい状況を作らない)、打つことを読んで事前にガードしておく、体力に余裕のある状況で詰めてまこしらを吐かせる、まこしらで誰かが撃破される状況を作らないなどがある。 ちなみに「武装神姫BATTLE RONDO」では、長めの貯めの後踏み込み3回斬りつけるというアクションだった。 ちなみに上の記述は2回下方修正がなされたあとの話。元々は攻撃力も高く、武器のスキル回収率も高かった。 2022/08/03に3度目の下方修正をされた。巻き込みの範囲が狭くなり、攻撃力と武器自体のジェム攻撃力が低下。一人に当てただけだと150ジェム程度しか回収できなくなり、また慣性移動で飛び込んでスキルを当てることが難しくなった。 水着シリーズ グリアロ・シリーズから派生した、どこからどう見ても水着。 2020年夏実装の「悪魔の黒ビキニ」「天使の白ビキニ」に始まり、2021年夏には「キューティドットフリルビキニ」「キューティフリルビキニ」「スポーティストライプビキニ」「スポーティビキニ」「セクシークロスワンピース」「プリティフリルワンピース」、更にアニメ版から主役級神姫4人が着た水着がそれぞれ実装された。アームとレッグは同時期に実装されたネイキッドが良く似合う。レッグはグリムアロエの靴も良いだろう。 特筆すべきは、アニメ版"ヒナの水着"の派生版である「○○の水着」。なんとニックネーム(デフォルトなら神姫名)が胸に印字される紳士仕様。更にbodyサイズも反映される(オリジナルはヒナのbodyサイズ準拠) なお、日焼け肌になれるビキニ3種はミラージュ武装にあたる。 ミラージュ武装 レイドボスバトルにおいて、ミラージュ・シリーズを撃破するとドロップする武装の事。いずれも強力だが癖が強い。 公式曰く「ミラージュではないので本来の力は発揮出来ない(要約)」と公言されている。 + ジャンルとしてかなり巨大化したため、ここに折り畳む。 レイドボスバトル(第三回)にて2022/3/9より武器のみ実装されたのが最初。[W(ホワイト)]と[B(ブラック)]の二色で各色のミラージュを撃破すると対応した色の武装をドロップする。始めから出しとけよというツッコミは野暮か… リューベック・シュタインは一見太い槍に見えそうだがこん棒(両手打撃武器)である。こちらはアクティブスキルが[B]で両手打撃で唯一攻撃スピードアップが使える位で、大して特別感もなくごくごく普通で全方位攻撃が使えるキャンディハンマーの方が個性が立っている…と思われていたのだが、 お散歩モード実装による研究において白の場合NとR、黒の場合SRとURが見た目に反して叩きつけにインチキめいた広い横方向への攻撃判定が存在している事が判明。 ジェムバトルやレイドのWAVE1〜2では思わぬ巻き込みを狙えるポテンシャル自体はある様だ。 注目すべきはFB256 1.2mm滑腔砲二挺。元々は腰持ちヘビーガンである物を二挺持ちするという見た目のインパクトも凄いがなんとこの武装、[W]は元武装に同じく爆風が付き、[B]はボレアスよろしくレーザーが放てる。威力は流石に双ライトガン相応に抑えられているがどちらも元々は隙の大きい武装なので、それを双ライトガンのモーションで撃てるのは唯一無二であり、射程もボーンスナイパーライフル程度あるので、活かせれば強い。 但し、装弾数が4しかないのとリロードが他双ライトガンより若干遅いので注意。 第四回ではホワイトミラージュに代わって登場したナイトミラージュから「バルムンク(夜)」「ケイローン(夜)」のどちらかがドロップ(特に後者は本来プロキシマの装備であるため、彼女の参戦フラグとも推察されるが…)。 更に2022/06/08のアプデで「ナイトマント」が追加された。 ちなみにブラックミラージュは引き続き登場するため、第三回での“入手激渋問題”は解消されている。 第五回では新たに登場したサマーミラージュから、多彩な武装がドロップするようになっている。必見はピンク・青・緑と3種ある水着で、装備すると日焼け肌になるおまけ付き。 しかし、そもそもこのサマーミラージュ自体が前回のナイトミラージュ同様レア枠な上、全体的にコンテナの出現率が渋くなったため、装備集めがより苦行となってしまった(通常枠になったナイトミラージュのドロップが楽になったのは、せめてもの幸いか)。 第六回では実装当初はホワイト&ブラックミラージュ、アプデ後はサマーミラージュの装備を入手できるようになったが、他のレイドボスとの兼ね合い上出現率がどうしても低くなるため、特にサマーミラージュのドロップ品集めについては相変わらず苦行のままである。 第七回では新たにオータムミラージュが登場。これまた体操服装備をはじめ多彩な装備をドロップするので全部網羅するのは大変。 更にサマーミラージュがレア枠で続投となったはいいものの、こちらも相変わらずの苦行っぷりだったりする。 第八回に登場したバニーミラージュは、2023年正月のバニー武装のカラバリをドロップする(バニーガール武装を参照)。このミラージュ自体かなり煩わしい相手であり、苦行ぶりも健在。 第九回に登場したフレッシュミラージュは、春めいたワンピースとパラソルを中心にした武装を落とす。こちらも最初からなかなかの苦行ぶりだったが、2023/06/12のアプデで更にPink Ver.が追加されて苦行ぶりに拍車が掛かっている。 なお、ミラージュではないが第十回(復刻)に登場した大型バグ・オメガは、フレッシュ装備のYellow(前半)及びBlue Ver.(後半)を落とすが、もう一方のボスである闇神姫ばかりが出るような事もあったりするので、集めるのはやっぱり大変。 愛で専 公式による特定のプレーヤー層への呼称。字面から(神姫を)愛でる専門のマスター達と推測される。 武装変更によるコスチュームの着せ替えを楽しんだり、神姫ハウスでセクハラコミュニケーションを楽しんだり。フォト機能でお気に入りのショットを撮ったり…と、何もバトルで勝つばかりが全てではない。 神姫を扱うゲームの性質上、こういう楽しみ方もあるのである。 や [部分編集] 浴衣アーマー 2022年夏季限定武装。全身装備の「ゆかたアーマー」4種(爽・涼・葵・雅)と対応するヘッド装備「髪飾り」、片手斬撃武器「バトコンうちわ」3色からなる。 モーションにより浴衣の柄が著しく伸びる事もあるが、気にしてはいけない。 ちなみに「ゆかたアーマー」各種は、嘗てワンダーフェスティバル2010[冬]の折、実神姫用として公式販売されたもの(うちわと下駄も付属するが、塗装などの作業が必須となる。今ならバトコンうちわを作れるかも!?)。 横吸い 他のプレイヤー同士が争っている所に向けてジェム回収を行い、被弾・被撃破で放出されたジェムを他のプレイヤーに回収される前に回収する技術・戦術。 この戦術の強いところは、他プレイヤーに攻撃のリスクを一方的に背負わせて、自分はジェムを回収し勝ちに近づくことが出来る点。 CPU相手にこの戦術を取ってみると分かりやすい。他CPUの被撃破表示がどんどん出るにもかかわらず、自分の神姫はノーダメージで首位になることが出来る。 近接武器でも横吸いは出来るが、ある程度近づく必要があるため被弾リスクの軽減幅が小さい。一方、回収範囲が円形のため、近距離で横吸いした際のジェム回収量は射撃と比べてかなり大きい。 射撃武器は距離をおいてジェムを回収することが出来るため、こちらが攻められても時間を稼ぎやすい。しかし回収範囲が扇形のため、横吸いで回収できる量に関しては近接に劣りがち。 横吸い自体はどんな武器・編成でも行えるが、横吸いに特化した編成にすることも出来る。そうした場合の難点は、直接戦闘力に欠けるため徹底してロックオンされるか、それでなくても他プレイヤーに戦闘を控えられるとジェム回収能力が大きく落ちるところ。 N×3の編成は横吸いに重点を置いている可能性が高いので、相手取る時はある程度意識しておこう。 ら [部分編集] 零神 本来は「れいじん」と読む。しかし実装当時からプレイヤー間では「ぜろしん」と読ばれ、運営も「れいしん」と言ったりと、中々本来の名前で呼んでもらえない。 スカイガールズとのコラボイベント(2021.2/1~2021.3/31)中に配布された武器。 その実態はかなり特殊で、装備するとヘッドパーツから武器まで全て専用の武装に置き換わるというもの。これを装備中に他の武装を装備することはできないと、実装から現在までここまで大掛かりな武装はステクロ武装程度。 かなり特殊な武装が、近接タイプと遠距離タイプの二種類同時実装されたが、めでたくそのどちらも実装初日から環境トップを飾ったが、その後のひと騒動を経て現在はすっかり影が薄くなっている。 + その経緯はこちら まず零神本体の性能だが、まず圧倒的ダッシュスピードが挙げられる。空中を飛べば他の飛行リアの二倍近いスピードを叩き出す。現在はこれと同等かそれ以上のスピードは念入りに準備すれば出せるが、稼動して二ヶ月ちょっとのゲームバランスでこのスピードを武器一つ装備するだけで出せるんだから当然零神以外置いてけぼりになった。 機動力以外のステータスも優秀で、今でこそインフレによって相対的に平均クラスに落ちてしまったが、実装当時は(以下略) 肝心の武器も優秀で、まず近接タイプのMVソードだが、カテゴリ中当時最高クラスの性能を見たまんまの当たり判定で、超機動力で振り回しに来るのだから当然逃げ切れないし他の近接武器全てをお蔵行きにした。 ただ武器以外の性能は遠距離版と全く同じなので、ゲームシステム上遠距離版に全く対抗できなかったが、零神以外の遠距離武器には問題なかった。 そして遠距離タイプのアンチマテリアルライフルだがこれもご丁寧にカテゴリ中当時最高クラスの弾を、当時最長射程で、両手ライトガンの感覚で撃ってくるのだからそりゃ(略) しかも低いレアリティ程コスパが良い調整をされている&NNN編成がまだ強かった次代なので、倒してもたいして美味しくないとそりゃ(ry マスクステータスにマイナスがほぼなく、そのマイナスも被弾した際に出るジェムの量がかなり多いというもの。当たらなければどうということは無いができる零神にはあってないような調整で、当時は「零神に対抗できるのは零神のみ」とも大真面目に言われるほど。 さらに他の部位を内包してるシステム&武器カテゴリーなので、これ一つ強化すれば全部位強化されるというお財布にも優しい仕様(この仕様自体は現在も変わらずある)。 そんな実態なのでみんなこぞってプレイするが、これがまたイベント特有の超低ドロップ率かつ理論上レア度Nのアンチマテリアルライフル一択なので、当然入手できなかった大多数の人が零神に狩られる状況がしばらく続くことになり、持ってない→入手しに行く→零神に狩られる→低順位で報酬が少なく零神が手に入りにくいと負の連鎖。 「持って居なければ試合にすらならない」と大荒れ。 そんな中運営が「最強武装なので是非手に入れよう!」とtwitterで宣伝するもんだから軽い炎上騒動に。 それもあってか、まさかのイベント期間中に下方修正という自体に。火力面が大幅に下方されたので、せっかく手に入ってもただ速くて強化が楽なだけの武装と化してしまう。 さらにゲームのインフレや全体調整によるマスクステータスなどもあってより一層出番が無くなってしまい、過去の栄光も何処吹く風となってしまった。 ロケテストバージョン神姫カード 本稼動前に全国各地で開催されたロケテストにて「お迎え」する事が出来た神姫カード。 エーデルワイスを除く初期実装組の各レアリティが存在。枠のデザインはJAEPO限定プロモーションカードと同じで、イラストは現バージョンと微妙に異なる者がいる。 当然ながらこれも試作仕様のため、本稼動バージョンの筐体で使用する事は出来ない。 ちなみにお迎え1枚の時は無料だった。ぶっちゃけこの仕様で良かったんでね?という声も… わ [部分編集] 英 [部分編集] AUTO COMに操作を任せるモードのこと。公式では「俺と神姫で戦うボタン」の略とされているどこが略なんだか。 バトル中いつでも画面左下から切り替え可能。 COMは基本的にNPCと同じ判断基準で動くが、ターゲットの指定、及びジェム回収はこちらから指示が可能。 神姫の種別ごとに大まかなAIの傾向が設定されており、ある程度の調整も可能である(詳細は戦術・テクニックの「AUTOボタンを活用してみる」の項にて)。 BAN 英単語としては「禁止」を意味する単語 ゲーム的には垢BAN、つまりゲームアカウントの停止として使われる事が多い。 同KONAMIのボンバーガールにおいてはゲーム内にも通報機能があり定期的に迷惑行為を行うユーザーへの警告、もしくは利用停止処分が行われた事を告知している。 本作においてはそういった処置を行った事が告知された事はない…が現在サブモニターには表示されていないものの規約文が存在していた事はあり迷惑行為は禁止されている為いずれこういった処置が行われる事があるかもしれない。 EXUR 限定プロモーションカード=EXUR。 性能としてはURと同等。ただし武装は当初から設定・固定されており、変更出来ない。 JAEPO限定プロモーションカード 2020年2月、JAEPOで配布された限定プロモーションカード。 すべてURでアーンヴァルMk.2、ストラーフMk.2、隠し要素でシュメッターリングの合計2+1種類が存在。 当然ながら試作仕様のため、本稼動バージョンの筐体で使用する事は出来ない。 LP 神姫の「体力」のこと(Life Pointの略?)。 数 1V 個体値1個付きカードのこと。 2V 個体値2個付きカードのこと。 5V 個体値5個付きカードのこと。ちなみに3Vとか4Vというのはない。 6V 個体値5個付きカードに稀に現れる、武装Costが+10されたカードのこと。 5Vと6Vは、表だけ見るならまったく同じに見える。識別するには、カードの裏面を確認する必要がある。 15th武器 武装神姫15周年記念として頒布されたアーンヴァル及びストラーフ用装備の専用カラーバリエーション。 2021年9月7日10 00~同12月24日09 59限定配布武装。 期間がそこそこ長かった事や、同時期に開催されていたレイドボスバトル(第二回)においては対バグ特効を持っていたためもあって、使用するマスターはそこそこ多かった。 レイドボスバトル(第六回)では何故かストラーフ側は特効付与され、アーンヴァル側は逆に下方されている。 その後目立った話は出ていなかったが、レイドボスバトル(第十回)では久々に闇神姫と雑魚バグ各種が(エラーと言う体ではあるが)復刻され、ほぼ時を同じくして復刻されたこちらの武装が再び脚光を浴びている。 [部分編集] は行以前はこちら>用語集 (あ~な)
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第2話 好きなものは? それまで武装神姫というものを知らなかった俺は、あちこち調べてみた。 神姫にも好き嫌いがあり、バトルしたがるのとか、服で着飾りたいのとかが居ること。 それらの性格の違いが、本体に登録されている基本性格とCSCの組み合わせで生まれるということ。 驚いたことに、食事もできるらしいということ。 そして、しばらくたったある日のこと。 その日、俺は予定よりも早く帰ってこれた。 手にはアールが好きだと言った食べ物の入った袋がある。 自室の前に立つと、中から音楽が流れているのが聞こえてくる。 アールが音楽が好きなことが分かり、プレイヤー類は自由に使っていいと言ってある。 せっかく楽しんでいるアールを邪魔しないように、ドアをそっと開けて中に入る。 俺の机の方に目をやると、そこで釘付けになった。 歌を聴いていると思っていたのだが、現実は予想のはるか上だった。 プレイヤーから流れる歌に合わせてを口ずさみ、器用に踊るアールの姿がそこにあった。 金色の髪をなびかせ、腰をぷりぷり振って手足でポーズを取って踊るアールに俺は見入ってしまった。 (可愛いもんだな) そう思っていると、アールがターンをしてこちら側を向く。 「あ」 「あ」 アールと俺の目が合った。 すると、アールの顔がみるみる赤くなり、小刻みに震え出した。 「み、みてたんですか?……」 「あ~……うん、可愛かったよ」 にっこりと微笑んでやると、アールの目に涙がたまりだす。 俺は涙を流す技術に感心すると、アールは側に置いてあったレーザーキャノンを持ちこっちを涙目で睨む。 「マスターのばかぁぁぁぁ!!」 そう叫ぶと、LC3レーザーライフルを乱射してきた。 神姫用に作られた武器類は、人間に致命傷を与えることは無いといっても、結構痛い。 「おい、こら。やめろ」 レーザーライフルを取り上げ、アールを握って暴れないようにする。 「ふぇぇぇぇん」 俺の手の中で顔を両手で覆って泣いている。 「落ち着けって、泣くなよ」 反対の手でよしよしと頭を撫でてやると、ゆっくり泣き止んできた。 「落ち着いたようだな」 撫でるのをやめて、机に座らせてもアールは顔を覆ったままだった。 「いつも踊ってるのか?」 アールに問い掛けると、ビクンとなった。 「ああ~、無理に言わなくてもいいよ」 「……マスターに」 「うん?」 手で覆いながらもアールはゆっくりと話し始めた。 「マスターに見られないように、見られたくなかったから……帰ってくる時間には終わらせてました」 「どうして? アールの踊り、可愛かったよ。俺は見てみたいな」 「恥ずかしいんです!」 アールは覆っていた手をどけてこっちを見たが、顔は真っ赤のままだ。 「だって……こんなのが好きだなんて」 「いいんじゃないか? それは、アールがアールだっていう証拠なんだし」 「え?」 「神姫にもいろいろ好みがあるってことさ。だから見せて欲しいな」 「マスターは、わたしを嫌いになりませんか?」 少しおびえた表情で見つめているアールの頭をなでた。 「どうしてそう思う?」 「だって……」 「むしろ、もっと好きになったよ」 「マスター」 今度は別の意味で顔を赤くするアール。 「しょ、しょうがないですね。マスターがそう言うならみせてあげます」 顔を真っ赤にしてそういうアールをにっこり笑って答えた。 「ところで、さっきの歌はなんだ?」 「はい、私の好きなたいやきの歌です」 「そ、そうか……たいやき買ってきたから一緒に食べよう」 袋を持ち上げてアールに見せる。 「はい!」 輝くような笑顔でアールが返事した。 俺は存分にアールの踊りをし、買ってきたたいやきを二人で食べた。 たいやきを食べていると、突然アールの顔が般若のようになり、俺の方を向く。 「マスター! これ、尻尾まであんこが入っていません!」 「え?」 「マスター、いいですか? たいやきというのはですね…………」 このあと、たいやきについて延々とお説教されるとこになりました。 アールの新たな一面がみえたと同時にちゃんと選んでたいやきを買うことを誓いました。 TOPへ 次へ
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人物紹介 その他大勢 人物紹介 その他大勢美月 べるの(みつき? べるの) ノエル 美月 べるの(みつき? べるの) 性別:女 年齢:14 血液型:B さる大手のおもちゃ会社の社長令嬢 青いツインテールな髪をしており、普段着は父親の趣味かゴスロリである 性格は高飛車で唯我独尊な性格をしておりバトルでは金に物を言わせ神姫に最新やワンオフの兵装を装備させている ノエル タイプ:ツガル CSC:―・―・― ランク:C べるのがマスターであるサンタ型神姫 基本的にどの距離でも戦闘できるように調整されており、さらに武装も最新兵装を使っているため負けることはほぼなく常に常勝している しかし、実戦経験の少なさからか技量が浅さや突発的な状況に対する判断力が足りない部分等の問題点はある また上記のように最新兵装を使っているため標準のツガルセットを使うことは余りないようである 戻る
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神姫バトルの世界へ:第3話 「これとこれをケースに入れて、次は・・・・」 河野隆明自室にて 隆明が自室で今日のバトルで使う与一達の武装を一つ一つ専用のケースに収めている。 神姫マスターの決まりとして武装はバトルの時をのぞいて原則装着を禁止されているため、保管と持ち運びはそれぞれ専用のケースに入れておかなければならない。(アクセサリーや戦闘に関係ない私服などは別)自宅で武装状態のステータス・スキル等のチェックはパソコン等で神姫ネットに登録・アクセスしてシュミレーションを行うを行うことで把握する。 武装の取り扱いについては神姫のマスターとして遵守することが規約に記されている。隆明自身見たことはないが神姫を用いた犯罪を未然に防ぐためとのことで、違反すれば罰則をかせられることは言うまでもないので気をつけなければならない。というか、隆明からすれば大切な神姫を使って犯罪など理解できないのだが。 「マスター。今日はどんな武装にするのですか?」 与一達神姫は自分たちのまとう武装を隆明が入れやすいように並べてくれている。 「どんな人と当たるかわからないし、ある武装はひととおり持って行こうと思っているけど・・・・」 そういう隆明の傍らにはいつも仕事に行くときのショルダーバックではなくリュックサックが用意されていた。バトルを前に隆明は装備をある程度買い揃えていた。上級者はいろんな装備を組み合わせているのだそうだが、(まずは基本から)と純正装備を揃えていた。 「マスター。それでは荷物が多くなり、バイトにも差し障る。必要な物に絞るべきだ。」 キュベレーが自身の武装「コート&コーシカ」を手渡す。バトルはその日のアルバイトが終わったら甚平と店内で合流しその足でバトルにいく予定だった。バトルの前に仕事があり、自分たちのことで隆明にいらぬ負担をかける結果になるかもしれない。素っ気ない言葉にも気づいていないが、隆明を気遣ったキュベレーなりの気遣いが見えた。当の隆明は忙しく支度をしていた気づいていない。 (キュベレーなりにマスターを気遣っているのね。)そんな普段はあまり見せないキュベレーを与一はうれしく思った。普段冷静を保つために感情の起伏があまりないキュベレーだが、ささいなことに気を配れることを与一はよく知っていた。 その後与一の後押しもあり、純正武装とそれぞれ得意な武器を持っていくことで決まった。 「休憩いってきます。」 そういって隆明は仕事の合間の休憩のため、休憩所兼ロッカールームへ。戻ったところで、昼食を取り出すためにチャックをあけると、同時にアテナが飛び出す。 「マスター。バトルの時間ですね。」 省電力モードになっていたはずだが、どうやら仕事が終わったと勘違いをしているようだ。 飛び出してきたアテナに隆明が驚いていると、「グキッ」と音がならんばかりにキュベレーがアテナのポニーテールを引っ張って後ろに引き戻する。 「時間をよく見ろアテナ。まだ昼だ。」 引っ張られたアテナは首を押さえうずくまっている。キュベレーは相変わらずの様子で自分がやったことは特に気にしていない様子だったが、さすがにやりすぎと隆明は注意しようとしたその時。今度はアテナが後ろかキュベレーのツインテールの片方を引っ張る。 「キュベレーのバカバカバカバカーーー。頸が抜けるかと思ったんだからー。」 仕返しとばかりに、アテナは怒り心頭と言った様子でキュベレーの髪を引っ張っている。 するとキュベレーはアテナの頬を引っ張る。キュベレー痛みにいつもの冷静さはなくなり、アテナのような反応を見せる。傍目には子どもの喧嘩である。 「二人ともやめて。」 隆明の言葉も届かず、二人の引っ張り合いは続く。 「ドスッ」 鈍い音と共に二人の頭を鈍痛が走る。そこには箸を両手に持ち二人の脳天をたたく与一の姿があった。 「二人とも。いい加減にしなさい。」 たたく前に注意すればいいのにと思うが、こんな時に注意だけでは二人はとまらないことを与一はよく知っている。 「与一ねぇ。先に私の髪を引っ張ったのはあっちだよ。」 「与一ねぇ。私こそぼけたアテナを止めようと思っていただけだ。」 お互いに片手でたたかれたところをさすりながら、空いてた手でお互いを指さす。「ぼけてないよ。ぼけはキュベレーだよぉ。」「なんだと。」そんなところはそっくりである。そんな二人を見つめながら与一は持った箸を片手に持ち直しパンとたたく。直後二人とも(しまった。)とおし黙る。 「問答無用。マスターの貴重な休憩時間をつぶすとは言語道断。喧嘩両成敗。」 両手に持ち直した箸で再度「バシーン」と二人をたたく。二人が喧嘩をしたとき、与一はいつも同じように実力行使で止める。口答えは禁物。学ばない二人であった。 「あっ。昼飯食べなくちゃ。」 そうやってさわがしく隆明の昼は過ぎた。 仕事もあがりの時間。 更衣室で急ぎつつ、丁寧に着替えを行なう。神姫ショップではアルバイトは私服の上にエプロンを着用するのみなので、エプロンを畳むだけだが。与一達神姫が入っているリュックを肩に掛け、いつもより急いで事務所をでる。 「お疲れ様でしたー。」 「「「おつかれさまー。」」」 「おつかれー。頑張ってこいよー。」 仕事終わりの挨拶の中にも激励が飛んでくる。仕事仲間も隆明が今日から神姫バトルを始めることを知っている。中には隆明と同様に神姫のマスターもいるし、バトルをしている人もいる。彼らにしてみれば、仕事だけでなく新たに後輩ができるわけである。そんな言葉に背中を押され、急いだ歩調がさらに早くなっていくのがわかった。 (よし!いくぞ。) 「隆明こっちだ。」 「arch」2階のエスカレーター前。マスター登録をしたあの日。女の子とぶつかった場所で甚平が待っていた。 「お仕事お疲れ様ですぅ~。」 肩のたま子が労をねぎらってくれる。マスターよりもできた神姫である。 そうして合流した甚平とゲームセンターフロアへ向かった。合流してから流暢に話していた甚平がエスカレーターで階をあがっているといつの間にか無言になっていた。(甚平も緊張しているんだな。)柄にもないと思ってしまいそうにもなったが、それは自分も同じ。同じく黙ってしまっている自分も不安・緊張・期待。いろんな思いが胸中を巡っていた。 ゲームセンターフロアに到着しリュックの中から与一達神姫のみんなを外へ出す。 「ついにバトルですね。マスター。」 「誰があいてでも負けない。」 「まだ頭が痛いですぅ~。」 与一達はマスター達と違い静かに闘志を燃やしている。アテナはまだ打たれた頭をさすっている。(しっかりしなくっちゃ)そんな3人のおかげで隆明も緊張が少しほぐれた。 「じゃあ早速始めるか。行くぞたま子。」 「らじゃーです。マスター。」 まず第1戦はたま子とのバトルである。 「与一。準備はいい?」 「選んでいただき光栄です。最善を尽くします。」 まずお互いの神姫カードを筐体の読みとり部に当てる。 「認識しました。」と読みとり部分のタッチパネルに表示される。読みとり部のタッチパネルに「利用には神姫ポイント200が必要です。よろしいですか?」その下に「はい/いいえ」と表示される。当然2人とも「はい」を選択する。神姫ポイントから200が引かれ、残ポイントがパネルに表示され、「武装神姫バトル始まります。」筐体より男性の声で音声ボイスがでる。これで筐体使用の権利を得られたことになる。この音声ボイスも別の声に変更できるらしいが始めたばかりの2人にはまだ先の話である。 そして戦闘形式の選択に移る。「ライド/ロンド」の選択へと移る。 「ライド形式/ロンド形式」 ライド形式:新たに実装されたライドオンにより神姫を実際に操って戦う方式。 ロンド形式:マスターは指示などのみで神姫自ら戦う形式。以前までこの形式のみで行われていた。 2人とも「ライド」を選択し、戦闘形式が決定された。決定後操作用の装具の収納スペースのカバーが開く。 与一とたま子は神姫参戦用リフトへ移動する。 それと同時に武装搬入用ハンガーに装備する武装を一通りセットする。 神姫を乗せたリフトが下がり、2人とも武装を装着する。リフトが下がりきる。マスターもその間にヘッドギアなどライド用の装具を装着する。 神姫とマスターの準備が完了すると、筐体の中継用プロジェクターに」「Ready」と表示される。 筐体に備え付けられている「スタートボタン」を押す。「RIDE ON」と表示されバトルが開始される。 「与一ねぇ。ガンバレー」 「マスター。ふぁいとー」 神姫待機用ブースからアテナとキュベレーが声援を送る。 フィールドはコロシアム。開始から2人の神姫は積極的に間合いを詰め、接近戦を開始する。 「ま~すた~いくのにゃー。」 たま子がナックルからの連打をたたき込む。与一の接近戦で一番素早いのは小剣だが、矢継ぎ早の攻撃に防戦一方である。甚平も隆明も今始めたばかりの初心者。甚平は単純に連打しているだけであり、必ず合間はできる。その隙を攻撃すればいいのだが、隆明も初心者。普段喧嘩もしないこともあり、隆明は反撃の糸口を見つけられずに防戦一方になってしまっていた。 「とつげきなのにゃ~。」 たま子が決め手とばかりにをたたき込む 。その直後ガラスが割れるような音がして与一が吹き飛ぶ。与一は何とか踏ん張り転倒を避ける。 「与一。大丈夫か!?」 「痛(つ)っ。大丈夫です。」 さらに追撃を加えようとたま子が追いつく。先ほどの攻撃でシールドは破壊されてしまい、しばらくガードは使えない。残りのLPを見ればダメージを受けていることは一目瞭然。そんな状態で気丈に振る舞う与一に隆明は情けない気持ちでいっぱいだった。 (どうすれば、与一を痛めないで済む?) そう隆明が自問する間にもたま子は追いすがる。 「たま子。与一はガードができない。一気に決めるぞ。」 「了解なのにゃ~。」 そんな優勢なたま子が拳打をたたき込もうと拳を伸ばしたところで、腹部に与一の小剣の一撃が突き刺さり「カウンター」と表示されクリティカル分のダメージが上乗せされたダメージが加えられる。 「にゃっ!?」 たま子と甚平が驚いている隙に今度は隆明と与一の連撃が加えられる。 たま子を迎撃するために隆明が練った戦術。たま子はナックルで攻撃してきているので、与一の小剣では早さはかなわない。「なら逆に勝っているのは?」攻撃範囲(リーチ)。そう考えてたま子の攻撃が当たる前に攻撃を出して当てること。単純でナックルと小剣の攻撃時間差もよくわかっていない初心者の隆明には精一杯でぶっつけ本番の発想だったが、効果はてきめんだった。 そのまま与一が連打をたたき込み、与一の勝利となった。 筐体のスクリーンの隆明側に「WIN」甚平側に「LOSE」と表示されれる。 「マスター勝ちました。」 「ふぅっ。与一お疲れ様。」 お互い初バトル。お互い勝利を喜び合う。 対して甚平は 「後ちょっとだったなぁ。次は頑張ろうぜ。」 「そうです。あとちょっとだったですぅ。」 負けを喫したというのに2人は相変わらずの調子だった。実際後ちょっとだったのはその通りである。 「マスター。与一ねぇおめでとうございます~。」 「マスター。勝ったのはいいが、ダメージを受けすぎていると思う。」 アテナとキュベレーもそれぞれの賞賛をしてくれる。 「うん。ありがとう2人とも」 隆明は屈託のない笑顔を返す。 そんな隆明の笑顔にキュベレーは少し赤くなり顔を背ける。(なんかずるい)少しの非難も意に返さない隆明にキュベレーは毒気を抜かれる以上にかき乱されたような気がした。 バトルが終わり、筐体のスクリーンに「リザルト」が表示される。 「神姫名」「戦闘結果」「獲得経験値」などが表示される。 経験値を得て、レベルがあがっていくことでFバトルに出場するための予選や大会にでることができるようになる。 予選や大会には基本的に出場するための神姫のFバトルでのランクやレベルが設定されている。神姫が一定のレベルやランクを得ると該当神姫を所有しているマスターの神姫ネット(神姫マスターが強制的に加入しているSNSなどのインターネットサービス)に予選や大会の開催情報が届く。 そしてその予選をこなすことでFバトルに出場することができるのようになる。 さらに武装はFバトルをクリアすることでその上のグレードの武装を装備することができるようになる。 「続けてバトルしますか?」 と表示と共に10カウント表示される。続ける場合同じ神姫と同じ武装で100ポイントを消費してコンテニューできる。ただし筐体の占有を防ぐため1コンテニューまでで終了となる。 隆明も甚平も疲れたためもったいないが1回で終了する。 「いやー、負けた負けた。」 対戦を終了し、フロアの隅にある自販機コーナーのひとつに移動する。負けたのに甚平は落ち込んだ感じがない。 甚平が落ち込んだところを隆明はほとんど見たことがない。そんな甚平を隆明はとてもうらやましく思った。そんな甚平だからこそ広い交友関係を得ているのだ。基本内向きな隆明にとっては得難い物だった。 「ん、どした?」 「勝ったけど、キュベレーの言うとおりぎりぎりだった。」 バトル直後に喜んでいた隆明の様子が変わっていた。勝ったには勝ったが与一に多くのダメージを与えてしまったことを隆明は気にしていた。 (せっかく喜んでたのに。キュベレーがよけいなこと言うから。) (私は当然のことを・・・。) アテナはキュベレー昼間の仕返しとばかりに肘でこづいて非難する。 そんな2人をおいて与一が隆明へと歩み寄る。 「マスター。私のこと気にしていただきありがとうございます。初めてのバトル、マスターと勝利を得ることができて私はとてもうれしいです。」 「・・・うん。ありがとう。」 一瞬きょとんとしてしてしまったが、すぐに与一が自分を励ましてくれたのだと理解する。 (こんなんじゃいけないな。)隆明は与一の言葉に笑顔を取り戻すことができた。それは、神姫バトルを始めた目的をわずかながら一つ達成できた瞬間でもあった。 そんな2の様子にアテナとキュベレーはホッとし、甚平はにやにやしていた。 休憩もしばらくして終わり、隆明と甚平は別れ、お互い対戦相手のマスターを捜しフロアへ繰り出す。 「次は私の番だな。」 キュベレーは肩に移り静かに闘志を燃やしていた。(誰かバトルしてくれそうな人はいないかな・・・)そんな思いでフロアを散策している。積極的にバトルを申し込めばいいんだろうが、隆明にそんな度胸はない。 「あの・・・よかったら。」 そういって背後から声をかけてくる人の少年の姿があった。 製作後記 前作から時間がたってしまい申し訳ありません。隆明・甚平・与一・たま子それぞれの初バトルを書かせていただきました。 読みづらいと思います。申し訳ありません。なにぶん戦闘物を書くのは初めてなので、精進していきたいです。このあと、次の話でキュベレー、アテナと続きます。 神姫バトルの筐体についてはBLADE先生作品の「武装神姫2036」を参考にさせていただきました。 この場を借りてお礼申し上げます。 それではまた次回にて。