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登録日:2012/01/02 (月) 10 12 37 更新日:2024/03/16 Sat 05 07 00NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 Fate Prototype TYPE-MOON イケメン クラスメイト サーヴァント チャラ男風 ライダー 仮面 伊勢三杏路 同級生 宮野真守 成功したワカメ? 暗殺者のような騎乗兵 涙腺崩壊 真名変更 緒方恵美 幸福な人々を望んだ彼の為に ―――君たちを、皆殺しにする Fate/Prototypeに登場するサーヴァント。 CV 宮野真守 キャラデザ 武内崇 一人称は僕。 サーヴァント階位は第五位。 ステータス 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 D+ E+ B+ B+ A+ A、B、C、D、E マスターを失ったはぐれサーヴァント。 一般学生に変装しており沙条綾香と同じ学校に通う同級生。 優しいルックスをした、一見チャラ男風の美男子。 人当たりがよく、涙もろく、心優しい青年。 しかし感じ入ったものにとことん尽くす短所がある。 サーヴァントとして活動する際は謎の仮面を着け黒いマントを羽織っており、騎乗兵というよりも暗殺者のような風貌をする。 ※以下Fate/Prototypeのネタバレを含みます。 真名はギリシャ神話の大英雄。 メデューサの首を刈り取ったと言われる『ペルセウス』。 サーヴァントの中で唯一Fate/stay nightの同クラスサーヴァントに引き継がれていない。 しかしいろいろと関連性はある。 一度悪行に手を染めると決めたら、優しい性格と笑顔のまま無実の人々を惨殺してまわる。 ある意味、彼も異常者の一人。 しかし聖杯戦争開始初期の頃は人を殺してはいなかった。 初期でも夜の学校でセイバー、綾香が共にキャスターの襲撃を受けた時はキャスターに因縁のある彼の暗躍で学校の異界化は解除して、綾香は生還している。 しかし七日目以降、彼のマスターに令呪全てを使わせ受肉。 マスターを殺害後、魔力を補充するために街の人々を殺害していく。 その後サンクレイドの情報から不穏な動きのある工場地帯へ調査に来たセイバー、綾香と対峙する。 ◆宝具 彼の英雄伝説に準拠して宝具の数は判明しているサーヴァントの中ではアーチャーを除くと最多。 しかし一度に一つしか使用出来ない縛りがある。 その数は6つ。 空を駆ける羽のサンダル 被った者の姿を変えるマント(神話では兜) アテナより送られた青銅鏡の盾(詳細不明だがレーダー、ソナーのような役割を持つらしい) 蛇狩りの鎌『ハルペー』(不死身殺し。カプさばの描写によるとショーテル型のデザインとなっている事がわかる。) 魔物の首をおさめる袋『キビシス』(鏡像結界) そしてstay nightではお馴染みライダーが所有していたペガサスを駆る手綱『ベルレフォーン』 ただし、どういうわけか生前の最強武器であったメドゥーサの首は宝具に存在しない。神話ではアテナに献上後、ヘパイストスによってアイギスに装着されたとあるので、セイバーの勝利すべき黄金の剣同様に失われた宝具という扱いなのだろうか? セイバーとの戦闘ではこれらを用い、工場中に罠を仕掛け彼のマスターである綾香を直接狙うというアサシンのような戦い方をしている。 しかしあと一歩、仕留めるところで一瞬だけ躊躇。 その隙をセイバーにつかれ撤退する。 ※以下更なるネタバレ 僕には、友人がいませんでしたから。 彼のマスターは伊勢三という一族の外見年齢が十歳程の少年「伊勢三杏路」だった。 その少年は生まれながらに死病に犯されながら、既に一族から失われかけていた魔術回路を有していたため、苦痛の中で生かし続けられ、それでもこの世の何も恨まず、全ての人の幸福を願う心優しき少年だった。 しかし、八年前の第一次聖杯戦争の際、聖杯戦争に参加したライダーのマスターである父親「伊勢三玄莉」からは魔力タンクのように扱われている。第一次聖杯戦争に参加していた一族の者を皆殺しにした沙条愛歌に興味を持たれ、『獣』の欠片を体内に植えつけられて内側から貪り喰われ、体の内部のほとんどが壊死、もしくは融解しているという凄惨な状態に陥り、両足と右腕が腐り、内臓も半ば機械、生身の部分は胸から上のみで下半身は無く、魔術と医療機械で延命させられ苦痛を味わっているがそれでも彼は誰一人も恨むことはなかった。 そんな彼を見てライダーは魔術師達への嫌悪、杏路への憐れみを持つ。 しかしそれもすぐに尊敬と友愛に変わり杏路もライダーと友人になれた事を喜んでいた。 そしてライダーは彼の天使性に心酔していくと同時に、彼に救いをもたらさないこの世の全てに怒りを抱く。 しかしライダーを召喚した負荷により彼の余命はなくなり、七日後、杏路は息を引き取る。 ライダーはマスターを自身の手で殺してはいなかった。 杏路は死の間際、彼のサーヴァントであるペルセウスを選んだ事について、 「不幸な英雄ではなく、僕は、幸福な人が良かった。」 「だって――満ち足りた人が願う事は幸せなものでしょう?アナタが聖杯に願うことは、温かいものだと思うのです。」 そして杏路は令呪によってライダーを受肉させ、死ぬ寸前の体で、人々が平和でありますように、と夢見る様に息を引き取った。 「聖杯に、今、ワタシは願う」 きみに幸福を。 聖なる者よ。幸福な人々を望んだ者よ。 きみだけは、誰よりも、幸せにならなくてはいけない。 慈しみの手を伸ばさなかったこの世界に、きみを奪わせはしない。 絶対に。 余談だが初期の旧Fateでのライダーは真名及びマスターを含め設定が異なっており、 真名は『テセウス』。 マスターも不治の病に侵された少女だった。 ただし、真名が「テセウス」というのは誤植ではないかとも言われている。『Character material』ではテセウスと書かれていたが、Staynight制作に当たって、『Complete material II』では旧Fateでのサーヴァントはペルセウスで手綱の宝具を持っており、男女比の関係でメドゥーサに変更されたと記載されている為。 そもそもな話、テセウスは黒い帆を張った船に乗った逸話こそあれど、使う場所は限られる上に、ライダー適性を得る理由づけとしては弱い。 なお、そのテセウスは『Fate/Grand Order』にセイバークラスとして登場している。 キャラデザインもメデューサがペルセウスを「成功したワカメのよう」と称しているのを意識してか髪は天パ、チャラ男風とどことなく設定が似ている。 (性格は全く違うが…。顔こそワカメではあるものの、関係性は間桐桜とライダーの関係性に近い。) この他、HFルートに登場するキャラクターとも似通った要素が多い。例えば呪腕のハサンなら黒ずくめの外套や仮面に身を包んだサーヴァントといった共通点がある。 ちなみに『stay night』の世界にもペルセウスは存在しており、男性となっている。 ただし、旧セイバーとSNセイバーのような関係性にあるのか、『Hollow』でのデザインはオレンジ色の髪をした小麦肌のシンジといった感じのデザインで、ハルペーも長物として扱われているが、アナが持っていたタイプとは異なり、ギルガメッシュが王の財宝に貯蔵していた物と同じデザインとなっている。 「ちびちゅき!」でも登場し、杏路が元気な姿で生存しており、一緒に行動をしている。 よかった…といいたいが、生前に討伐した怪物も出てるため、お互いに顔合わせるハメに…。 追記・修正は聖者のような少年に会ってからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] WAKAME -- 名無しさん (2013-09-20 01 45 52) ギルガメッシュ「この気持ち…まさしく愛‼ #65038;」 ペルセウス「愛⁈」 -- 名無しさん (2014-02-16 06 40 28) type-moon wikiで、こいつライダーになってるけど、どっちを信頼すればいいのか......。 だれか教えてくれ! -- 名無しさん (2015-04-19 12 58 41) スマン、打つページを間違えた...。 -- 名無しさん (2015-04-19 13 00 22) ホロウでライダーが語っていたペルセウスとは別キャラ扱いかと思ったが、カプさばでバーサーカーがプロトライダーのひ孫と紹介されてたりマテリアルでワカメに似てると言われてたりしてるあたり設定統合で同キャラ扱いになったんだろうか? -- 名無しさん (2015-07-01 17 41 01) ↑Grand Orderで説明されるといいね。個人的にはメドゥーサ討伐時のみ神様にポンポン武器もらったりしたせいで調子こいてたんだと思う。で、メドューサが思ってたよりずっと怖かったんで頭が冷えてprototypeno -- 名無しさん (2016-01-20 14 06 41) ↑ミス 頭が冷えてprtotypeの性格になったんだと思う -- 名無しさん (2016-01-20 14 08 00) もしstay nightの聖杯戦争でワカメが召喚とかしてたら、桜のために行動したんだろうか? -- 名無しさん (2016-02-08 11 13 25) 確かに成功したシンジと呼べる部分がチラホラある、シンジも友人と認めた士郎に(歪んじゃいるが)トコトン感情移入して士郎を馬鹿にした同級生滅茶苦茶にしてるし -- 名無しさん (2016-11-05 08 36 04) 蒼銀鯖は全部出たしプロト鯖も増えてきたし彼もいずれ来るやもしれん -- 名無しさん (2017-03-09 14 11 39) 今年のホワイトデーに来るかな -- 名無しさん (2019-01-24 20 42 30) 来るとしたら夏あたりか。キャメロットが延期さえしなければ。 -- 名無しさん (2020-05-15 04 31 02) 【悲報】懸念通りキャメロット延期決定。実装遠のく。 -- 名無しさん (2020-06-28 03 18 28) 今年のCBC、そろそろ来るか。もしくはプロトギルか。 -- 名無しさん (2021-02-27 14 12 07) 実装されるならメドゥーサさんの出番を期待。強化も -- 名無しさん (2022-02-16 10 10 36) 名前 コメント
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TEの基礎知識 ※以下公式より抜粋 ※詳しくは公式を参照のこと。 1.ギルドに入って開催地に向かう 「攻城戦TE」に参加するには、まず、ギルドスキル「正規ギルド承認」を習得しているギルドに所属する必要があります。ラグナロクオンラインSNSやチャットルームなどで呼びかけて、ギルドに入っておきましょう。 「攻城戦TE」は、毎週土曜日の20 00~22 00に開催します。 開催地となるのは、プロンテラの「グロリア」と、アルデバランの「カプラガーデン」の2ヵ所。グロリアへは、プロンテラを北に行くとあるヴァルキリーレルムから、カプラガーデンへは、アルデバランを西に進むとあるルイーナからそれぞれ向かうことができます。 事前にギルドメンバーと相談して、どちらに行くのかを決めておきましょう。 2.きたるべき戦いに備えて準備しよう 「攻城戦TE」のマップは、開戦の1時間前になると準備期間となり、参加するギルド以外のプレイヤーは強制的にマップから退出することになります。 準備期間になると、レンタル装備の貸し出しが始まるので、レンタル装備や、「攻城戦TEホワイトスリムポーション」の購入などを行い、戦いの準備を行いましょう。 また、準備期間から、「攻城戦TE」開催中だけ行える特別クエストのミッションが受注できます。ミッションをクリアすると、報酬として「攻城戦TEホワイトスリムポーション」が大量に手に入るので、「攻城戦TE」に向けてミッションをこなしておくのもいいでしょう。 3.エンペリウムを壊し、砦を獲得 20 00になると、「攻城戦TE」が始まります。 砦の中にあるエンペリウムを破壊するために、戦っていきましょう。エンペリウムを破壊すると、破壊したギルドに砦の所有権が移行します。そして、今度は相手にエンペリウムを壊されないように防衛をしなければなりません。 このエンペリウムを巡って攻防を繰り返し、終了時間が訪れたときに所有権を持っていたギルドが、「攻城戦TE」の勝者となるのです。 砦所有ギルドに与えられる特典 1.ギルドダンジョンへの挑戦権 砦を所有しているギルドは、ギルドダンジョンに挑戦できるようになります。 ギルドダンジョンには普段見ることのできない、強力なモンスターが徘徊しています。このギルドダンジョンで行える討伐クエストもあり、クリアすると、新装備の材料と交換できるアイテム「攻城戦ギルド記念コイン」を手に入れることができます。 2.砦宝箱の入手 砦を所有しているギルドマスターが開くことのできるギルド宝箱。 「攻城戦TE」のギルド宝箱からは、準神器を作成するための材料が出現します。砦宝箱は、この他にも、強力な装備や、アイテムが手に入ります。 番外編 占領報酬を得よう 「攻城戦TE」の開催中、ギルドマスターは1時間に1回だけその時点での所有砦数を報告できます。これにより「攻城戦ギルド記念コイン」などが手に入ります。占領報酬は「攻城戦TE」で勝利しなくても得ることができるので、タイミングを見て報告して、報酬をゲットしましょう。 また、ギルドスキル「カプラ雇用」を習得していれば、砦内にいる「執事」のもとで「カプラ職員」を雇えます。雇った「カプラ職員」からは、全ての都市に直行できるという特別な転送サービスを利用できます。 ルール 1.参加職業に気をつけよう 「攻城戦TE」に参加できるのは、Lv99までの上位2次職まで。3次職をはじめとする、BaseLv100以上に成長するキャラクターは参加できません。また、砦の所有者が入ることのできるギルドダンジョンも同様の制限があります。あらかじめ参加可能な職業のキャラクターを作成しておきましょう。 2.特定スキル・アイテムの使用禁止 使用できないスキルやアイテムは以下の通りです。なお、「攻城戦TE」の砦内に入った瞬間に、効果も切れます。 使用禁止アイテム アンティペインメント、アスムプティオLv5、キラキラスティック、騎乗用手綱、フェンカード(※1)、マヤパープルカード、黄金蟲カード、すべての+20料理、グロリアス装備、衣装装備、神器、陽光の箱 使用禁止スキル バックステップ、テレポート(※2)、アイスウォール、インデュア、アスムプティオ、バジリカ、植物栽培、月明かりの下で、影斬り、ノピティギ、サイトブラスター、すべての3次職スキル 効果が補正されるスキル アシッドデモンストレーション、ソウルブレイカー(ダメージ減少)トラップ系スキル(効果持続時間が4倍に) ※1 詠唱が妨害されない効果を持つアイテムを含みます。※2 テレポート系機能を持つスキル、アイテムを含みます。※今後、一部のカードを禁止アイテムとする予定です。
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前ページ次ページ虚無と狼の牙 虚無と狼の牙 第十八話 ワルドはゆっくりと空を旋回しながら、眼下のウルフウッドとコルベールをにらみつけ、右手の杖を大きく掲げた。 「貴様らが二人になったところで、だからそれがどうしたというのだ!」 確実にウルフウッドを殺せたはずの戦況で、彼を助けるためにこの戦いに乱有してきた闖入者。 苛立ちを隠しきれない声でワルドは叫んだ。 再び風の魔法を放つ。竜巻が再び沈没しようとしているレキシントン号の窓ガラスを破った。 「確かに、君はなかなかに優秀な炎のメイジのようだ。それは認めよう。だが――」 ワルドがゆっくりと右腕を下ろした。船内に消えた竜巻が再びその姿を現す。 「矢は燃やせても、果たしてこれは燃やせるかな?」 コルベールはゆっくりと体を沈めるようにして、身構えた。目の前の竜巻の中で舞っているもの――それは剣。 「この戦いにしゃしゃり出てきたことを、後悔するがいい!」 ワルドが杖を振るうと、まっすぐに竜巻はコルベールへと向かう。 コルベールは冷静に戦局を分析した。確かにワルドの言うとおりだった。剣の一本程度なら溶かしてしまえないこともないが、数が多すぎる。 コルベールはゆっくりと身構えていた杖を下ろし、その場に立ち尽くした。 「ふっ、あきらめたか。ならば、大人しく串刺しになるがいい」 得意げなワルドの声。しかし、それに答えるコルベールの声は冷静そのものだった。 「確かに、あなたの言うとおりです。私の力ではそれは防げません。えぇ、私の力ではね」 そして、コルベールはちらりと横を見て、小さく笑った。 「というわけで、お願いしますね。ウルフウッド君」 その言葉にウルフウッドは腰をかがめると、一足飛びにコルベールへと向かったパニッシャーを大きく掲げ竜巻に立ちはだかる。 「先ほど殺されかけていた使い魔ごときがしゃしゃり出てきたところで、何になる! そんなに死にたければ、貴様から先に逝くがいい!」 ワルドが叫んだ。その様子を見て、ウルフウッドは鼻で小さく笑う。 パニッシャーが風を切る轟音を立てながら振り回される。その間隙を縫うように、デルフリンガーが縦横無尽に駆け巡る。 デルフリンガーに魔法力を吸い取られ、パニッシャーに叩きつけられたワルドの剣は乾いた音を立てて、宙を舞うと力ない金属音と共に地面に落ちた。残らず一本とも。 「なっ……」 目の前の状況にワルドは言葉を失くした。ワルドの杖を持つ手が震えている。 「阿呆が。剣なんて重たいもんを振り回そうとするから、さっきよりも数は減っているわ、攻撃のスピードは遅いわ、精度は落ちているわ。こんなんやったら、簡単に全部叩き落とせるで?」 「くっ」 ウルフウッドの冷め切った態度に、ワルドは自分が冷静さを失っていたことを思い知らされた。 確かにその通りだ。剣は矢のように『風』と相性のいい武器ではない。 「矢の次は剣。オンドレの手は、これで尽きたな」 冷たい目でウルフウッドはワルドを見据える。勝ち誇るわけでもない。ただ、冷たく、当然の事実のように言い放つ。 「ミスタ・ワルド。これでわかったでしょう。あなたにもう勝ち目はありません。私としては、これ以上無益な戦いは望みません。ここから、去ってください。そして、二度とトリステインの地を踏まないでください」 コルベールが慇懃にワルドに通告した。言葉遣いは丁寧だが、コルベールの目には不退転の覚悟が燃え上がっている。 「それで、いいですね? ウルフウッド君」 「まぁ、しゃあないな。今回ばっかはセンセのおかげやし」 ウルフウッドは苦笑いをしながら両手を挙げた。 「ふざけるなよ、貴様ら……」 完全に自分を見下したウルフウッドとコルベールの態度にワルドは怒りを露にする。そのワルドの姿を見て、コルベールは小さくため息を付いた。 「ミスタ・ワルド。あなたは何のために戦うのです? 何を求めて、この国を裏切ったのですか? 地位のためですか? それとも名誉のためですか?」 「……誰が、そんなくだらないものを求めるか」 「ならば、何を?」 「……私が求めたのは、世界だ。はるか当方の地に眠る、聖地。それを今エルフどもから一度人の手に取り戻す。それこそが、レコン・キスタの存在意義であり、そのために私は国を裏切ったのだ」 淡々とワルドは語った。聖地という言葉にコルベールのこめかみが小さく反応する。 「あなたたちは、聖戦を引き起こすつもりなのですか?」 「トリステイン、アルビオン、ゲルマニア、ガリア――どいつもこいつもどうしようもない腑抜けどもだ。存在価値のない国などどうでもいい。私たちが聖地を取り戻すために戦うことを聖戦と呼ぶならば、そうなるだろう」 コルベールはワルドに向かって杖を構える。 「あなたたちの行いで、多くの人々の命が奪われ、生活が壊されるとしても?」 「その犠牲を恐れる臆病さが、エルフ共を付け上がらせるのだ。貴様もブリミル教徒ならば、わからないわけはあるまい?」 「アホぬかせや」 「何?」 ウルフウッドがコルベールとワルドの間に割って入った。憮然とした様子でウルフウッドはワルドをにらむ。 「聖地かなんか知らんけど、そこを取り戻したいんやったら、お前ら取り戻したい奴らだけで勝手に行け。関係のない人間の生活を巻き込むなっちゅうんじゃ、アホンダラ」 「……そもそも、会話するだけ無駄だったか」 ワルドはゆっくりと目を閉じる。 「君たちにはどうしてもここで死んでもらう。君たちが我々に敵対する意思があることがはっきりした以上、今ここで」 「敵対する意思なんざ、最初っからはっきりしとったことやろが、ボケ!」 ウルフウッドがパニッシャーを構え、ワルドに向かって銃弾を放つ。ワルドはウルフウッドに真正面から突っ込んでいき、銃弾を魔法で受け流す。 「ウィンドブレイク!」 ワルドはウルフウッドの足元に魔法を放った。魔法でえぐられた地面の土が舞い上がり、ウルフウッドの視界を塞ぐ。 「ぐっ」 「悪いが、こちらもそれなりに場数は踏んでいる! あの程度でチェックメイトだとは思わないで頂きたいものだね!」 視界を奪われたウルフウッドにワルドが杖を向けた瞬間、コルベールがワルドの懐に飛び込んで蹴りを放つ。 「ちっ。随分と貴族らしからぬ戦い方をする男だな!」 ワルドは風竜の手綱を引き、バランスを崩しながらも蹴りをかわす。この状況下でワルドが優位を保てるのは、ひとえに彼が風竜にまたがっているからであり、地面に叩き落されればその瞬間に勝ち目はなくなる。 コルベールの攻撃はそれを冷静に見越したものだった。 蹴りを避けたワルドは、杖をコルベールに向けた。この戦いに勝つには、コルベールかウルフウッドどちらかをまずは確実に仕留めなくてはならない。そうして、一対一に持ち込めば、確実に勝てるのだ。 「食らえ!」 「甘いわ!」 ウルフウッドはパニッシャーのストラップを掴み、パニッシャーを投げ縄の用に振り回した。 ワルドはとっさに上半身を折り曲げ、パニッシャーをかわす。ゴウンと風を切る音を立てながら、パニッシャーがワルドの頭上を駆け抜ける。 「くそっ」 ワルドは手綱を引くと、再び上空へと避難した。ワルドの予想以上に、ウルフウッドとコルベールのコンビネーションは完成されている。この二人を同時に出し抜くのは至難の業だ。 「センセ、すまんな」 ウルフウッドがぼそりとコルベールに声を掛けた。 「何がですか? ウルフウッド君」 「戦いとうないのに、こんな戦いに巻き込んでもうて」 「……確かに、こうして再び誰かを傷つけるために杖を振るうというのは、あまり気分のいいものではありませんね」 「センセ。アンタは魔法を人に向けんでもええ。攻撃やったら、ワイがやったる」 「ウルフウッド君?」 コルベールがウルフウッドの目を不思議そうに見ると、ウルフウッドは大丈夫とでも言うように無言で頷いた。 そのウルフウッドの仕草を見たコルベールはワルドへ向けて杖を構え、呪文の詠唱を始めた。その動きに気が付いたワルドは、炎の魔法を跳ね返すべく身構える。 コルベールが杖を振るった。杖から強烈な炎がほとばしる。 「馬鹿め! 自らの魔法で自分が焼かれるが――何?」 ワルドに向かってまっすぐに飛んでくると思われた炎は、大きく弧を描きワルドの目の前に壁のように広がった。 「炎の壁、だと?」 本来は冷気系の魔法や弓矢を防ぐための防御呪文だ。それをなぜ? 予想外のコルベールの行動にワルドが戸惑った一瞬の隙、その隙を突いて、まるで雲を一点で引き裂くように、目の前の炎の壁に穴が空いた。 「デルフリンガー!」 大声で叫んだワルドの目の前に抜き身のデルフリンガーが迫る。 ――炎の壁は目隠しか! 魔法を吸収する事の出来るデルフリンガーなら、ワルドの風の防御壁を破って突き刺さることが出来る。コルベールの行動は隙を作るための囮で、本当の狙いはウルフウッドの投げるデルフリンガーだったのだ。 「甘いわ!」 ワルドはデルフリンガーの柄めがけて風の魔法を放つ。刀身に晒されれば魔法は吸収されるが、柄ならば―― ワルドは片方の唇の端を上げて、笑った。予想通りだった。柄ならば魔法は吸収されない。先ほど剣を魔法で操った要領で、デルフリンガーを手元に巻き取る。 「残念だったな。貴様らの捨て身の攻撃も通じなかったわけだ!」 勝った、とワルドは思った。デルフリンガーさえ奪えば、彼の魔法を遮るものは何もない。魔法攻撃の勝負ならば、負けるはずがない。 勝ち誇ったワルドが下を見下ろす。 「――?」 ウルフウッドがいない。先ほどまでウルフウッドがいた場所に、彼がいない。 ――まさか。 ワルドは血の気が抜ける感覚を感じながら、自分の真下に視線を移した。そこではウルフウッドがパニッシャーの銃口を自分に向けている。 ――あれは、まずい! ウルフウッドが向けていた銃口は、パニッシャーの短い側。レキシントン号を沈めた、あの弾丸。 「くそっ!」 ワルドは思い切り舌を打ち鳴らした。デルフリンガーを魔法で掴んでいる体勢のため、ウルフウッドのランチャー弾を魔法で弾き返すことが出来ない。 デルフリンガーすらも囮だった。これも隙を作るためのものだったのだ。本当の狙いは―― 「がぁああああ!」 ワルドは全力で手綱を引く。もはや物理的に逃れるしか術はない。 脂汗をかきながら、歯を食いしばって手綱を握り締める。 そして、両目をつぶったワルドの隣を何かが通り抜ける感触がした。ワルドが恐る恐る目を開けると、空に向かってまっすぐにあの弾丸が飛んでいく。 「は、ははは……はははは!」 思わずワルドの口から笑い声が漏れた。勝った、ウルフウッドとコルベールが仕掛けてきた捨て身の攻撃をしのぎきった。 賭けに勝利したのだ。ウルフウッドとコルベールの切り札はこの手にある。魔法を防ぐ手段を失った奴らを蹂躙することなど、たやすい。 「ファイヤーボール!」 ワルドの一瞬の気の緩みを逃さず、コルベールが炎の弾を放った。狙いは、デルフリンガーを掴んでいる風―― 「ちっ! しまった!」 炎の熱によって膨張した空気は精密なワルドの風の動きを乱す。ワルドの手元から滑り落ちるようにデルフリンガーが落下していく。 「エアニードル!」 とっさにワルドは落ちて行くデルフリンガーに魔法を放った。これを再びウルフウッドの手に渡すわけには、いかない。ウルフウッドとは反対の方向へ、デルフリンガーを飛ばす。 コルベールは体勢を低くして走りこむと、落ちて来たデルフリンガーを両手で抱え込むように受け止めた。 「おう! ありがとよ、頭の禿げた先生!」 「……もっと、ましな呼び方を考えてください」 デルフリンガーを抱いたまま、苦笑いを浮かべるコルベール。 「ちっ!」 ワルドは舌打ちをした。しかし、まだ天は彼を見放していない。 「よくやった、と言いたい所だが、その剣はガンダールヴでもない君が扱っても、魔法を吸収することは出来ない。徒労に終わったな!」 ワルドはコルベールとウルフウッドの間に挟まるようにして、コルベールに向かって杖を向ける。コルベールがウルフウッドにデルフリンガーを渡すのさえ、防げればいい。 コルベールはデルフリンガーを抱えたまま、ウルフウッドとは反対の方向へ走り出した。 「逃げても無駄だ!」 ワルドは余裕の笑みを浮かべて、コルベールを追う。コルベールはじっと空を見上げながら、必死の様相で逃げる。 そうやって走っていたコルベールだが、唐突にぴたりと足を止めた。そして、無言で空を見上げる。 「観念したのか? なら、今楽にしてやる!」 ワルドがまさに魔法を放たんとした、そのとき不意にコルベールが口を開いた。 「この位置、でいいですかね?」 「そやな」 コルベールの言葉にウルフウッドは短く応え、パニッシャーをワルドに向けた。 「何をやっている? 悪いが、風の防御壁は常に張られている。君の銃は効かない」 ワルドはウルフウッドを振り返って、憐れむようなあきれ返るような声を出した。コルベールに魔法を放つ瞬間に防御壁がなくなるなど、そんなことはない。 「そこで、なすすべもなく君の友人が殺される様でも見ていたまえ」 ウルフウッドを見たまま、ワルドはライトニングクラウドの詠唱を始める。 「センセ、ちいとばかし派手になるで? 巻き添え食わんようにな?」 「まがいなりにも私は火のメイジです。大丈夫ですよ」 コルベールが柔らかく笑って返す。 「貴様ら、何の話をして――」 「小さな攻撃を加えて、本チャンの攻撃から相手の気を逸らす。それはオンドレがラ・ロシェールで朝の決闘を仕掛けてきたときに、言うた言葉やで」 「なにを――」 そこで、ワルドは何かが自分の顔の横にあることに気が付いた。横目で見たその物体は、先ほど自分が避けたはずの…… 「すまんな。ホンマの狙いは、これや」 「キサマァー!」 ワルドの奇声のような悲鳴が発せられるのとほぼ同時に、ウルフウッドは引き金を引いた。紅蓮の炎が空に舞い上がる。 自らの真横でランチャー弾を炸裂させられたワルドは、なすすべもなく炎に飲み込まれた。 $ ワルドは小さくうめき声を上げた。全身が何かに刺されたかのように痛む。 「……満身創痍やな」 中に浮かぶワルドの姿を見て、ウルフウッドがぼそりと呟いた。 「く、くそ……」 先ほどの爆発の勢いで風竜は飛ばされてしまった。全身に火傷を負ったワルドは、それでもなんとかフライの呪文で空中に浮いている。 風の防御壁を張っていたおかげで直撃は免れたが、それでもダメージはあまりにも大きすぎた。彼の服は黒く焦げ、もとの色の判別すら難しいほどになっている。 「あきらめて投降してください。その傷では、もう戦闘は無理でしょう」 コルベールがワルドを諭す。しかし、ワルドは焼けた唇を思い切り歪ませた。 「くくく。万全を、期したつもりなのに、ここまでひどくやられるとは。甘かったよ。貴様ら一人一人なら葬り去れたものを」 話しながらワルドはゆっくりと空へと上がり始めた。 「逃げるつもりか、オンドレ!」 「逃げるつもり? 馬鹿を言うな。貴様らごときを相手に、この私が逃げるものか。君に切り札があったように、私にも、切り札が、あるのだよ」 ワルドは杖を振りかざした。そして、意識を集中する。すさまじい魔法力がワルドの体からほとばしる。 「あのドアホ、まだあんな力を残しとったんか……。センセ、デルフリンガーをワイに!」 ウルフウッドが右腕をコルベールに向けた。間髪いれずにコルベールもウルフウッドへデルフリンガーを投げてよこす。 「さすがはスクエアクラスのメイジですね……。あんな強力な魔法力を見たのは、初めてです」 コルベールが慎重に呟く。辺りの風がワルドに向かって集中していく。 「最後の悪あがき、いうヤツか。ただ、なんにせよ、それが魔法である限り、こいつで防いだるまでや」 ウルフウッドがデルフリンガーを構えた。左手のルーンが光り始める。 「……勘違いするな。確かに、今から私がやろうとしていることは、大きな魔法力を必要とするが、絶対に君では防ぎきれない」 乾いた声でワルドは言った。 「まさか、オンドレ……」 ウルフウッドの言葉にワルドはにやりと笑う。 「終わりだ。いくら不死身の貴様でも、これだけの質量に押しつぶされれば、元も子もあるまい!」 ワルドが杖を振るった。それと同時に、空に浮かぶレキシントン号がゆっくりとウルフウッドたちへ向かって、降下をし始めた。 「な、なんということを!」 コルベールが冷や汗と共に叫んだ。 「レキシントン号を落とさせたのは、君の手の内を見るためだけじゃない。こうして、君を確実に、殺す切り札にするためだ!」 「くそったれが!」 ワルドを撃ち落すべくウルフウッドはパニッシャーの弾丸をワルドへ向けて放つ。しかし、ワルドはすばやくレキシントン号の影に隠れてしまった。 「ちっ」 ウルフウッドは舌打ちをした。他のものならともかく、墜ちてくる戦艦を撃ち落すことは出来ない。確実なのは魔法を放っている人物を倒すことだが、こうして戦艦の陰に隠れられると、攻撃することすら出来ない。 「センセ! 逃げるんや! あの、ドアホ、ワイらを道連れにするつもりや!」 コルベールは皮肉な笑いを浮かべる。 「無理ですよ、ウルフウッド君。あれだけの質量を持ったものが墜ちたら、どれだけの破壊力になると思っているんですか? 今更、走って逃げたところで逃げ切れしません」 「なんやと……」 「まだ風石が残っている以上、今すぐ墜ちてくることはありませんが、あのワルドが風で操っている。逃げたところで私たちを追撃してくるでしょう。終わりです。……我々は、彼の執念に負けてしまいました」 冷めた表情でコルベールは空を見上げた。大きな影が彼を包んでいる。死を目の前にして、彼は思いのほか冷静だった。 煙を上げながら迫ってくる巨大な影を、ぼんやりと見つめていた。 $ 最初から勝ち目などなかった。まさにその通りだった。ワルドがあまりにも簡単にレキシントン号を撃墜させたことに、もっと疑問を感じるべきだった。 「すまんな。センセ。こんなことになってもうて」 「仕方がないですよ。むしろ、我々のような人間が誰かのために何かをしようとした、そのことを誇りましょう」 「お前も、すまんな」 「いいさ、相棒。どうせ今まで退屈してたんだからよー。最後の最後になかなか面白い目に会えたぜ」 ウルフウッドは静かに後悔する。コルベールは笑いながら空を見上げていた。それは満足しているようにも、あきらめているようにも見えた。 「どでかい戦艦の下敷きか。ろくでもない死に方やで、ほんま」 ウルフウッドはパニッシャーを墓標のように地面に突き刺した。あとは静かに神に祈るだけ―― 「ウルフウッド!」 聞き慣れた声がウルフウッドの耳に届いた。 それはこの世から消える前に、もう一度聞きたかった声であると同時に、絶対にこの場に巻き込むわけにはいかない人物が近くにいることを示していた。 「な、なにそんなところであきらめてるのよ! この馬鹿!」 「なっ……」 ウルフウッドが振り返ると、その胸にルイズが飛び込んできた。 「ルイズ!」 「ミス・ヴァリエール! あなた、なぜわざわざここへ来たのですか! あなたの隠れいていた森から走り去れば、あなただけでも逃げ切れたものを!」 「なぜ、ここへ出てきた!」 「見えたのよ! あんたが、こうなっているのが、わたしの目に!」 「見えた、て、このドアホ! 見るんやったら、この状況を見さらさんかい! お前まで――」 「うるさい!」 ウルフウッドの胸に顔をうずめたまま、ルイズは力強く叫んだ。 「知ってる? 使い魔の契約を切る方法。使い魔の契約、ってね。使い魔が死ぬか、メイジが死ぬかしないと、消えることはないの」 「それとお前がここにいることと何の関係があんねん!」 「使い魔の契約っていうのは、それほど強いものなの! 死が二人を分かつまで、離れることはないの!」 ルイズはウルフウッドのジャケットを強く強く握り締める。 「だから、だから、あんたを置いて、わたしだけ生きていくなんてことは出来ないの」 ウルフウッドは唇を噛み締めた。血が、彼の口を伝う。 「センセ。頼む。後生や。魔法でも何でもええ。なんとかして、じょうちゃんを安全なところへ。ところへやってくれ」 ウルフウッドはルイズの両肩を掴んで、ゆっくりと引き離す。 「ウルフウッド君……」 コルベールはウルフウッドの瞳を見つめる。 「いや!」 「アホ抜かすな!」 「だから、いや!」 「お前が、お前みたいなヤツが、なんでオレみたいな人間と一緒に死ななあかんのや! お前とオレは住んでいる世界が違う。全然違うんや」 「なにも違わなくなんかないわよ! あんたはあたしの使い魔で、それでわたしは――あんたの傍にいたいのよ。自分の意思で、ここで。 あんたにとっちゃ、わたしなんか何も出来ない足手まといのお荷物かもしれないけど、けど、それでも、ただ何も出来ないまま見ているだけなのはいやなの!」 ルイズは両手を握り締めて、涙を目にためながら叫んだ。 「阿呆が……」 ウルフウッドは力なく呟くと、ゆっくりと天を仰いだ。もう、レキシントン号は彼らのすぐ傍にまで迫っている。 「結局、一番守らなあかんもんが、守れへんかったか」 ここまで戦艦が迫れば、もうどうあがいてもルイズが逃げ出す術はない。ウルフウッドはあきらめたように、ふっと笑った。 「じょうちゃん、最期やから、アホなオンドレに、これだけは、はっきりと言うといたるわ」 「な、なによ」 ルイズは不機嫌さで不安を押し殺したような声を出した。 ウルフウッドはそんなルイズから目を逸らしたままで、素っ気無い仕草のまま口を開いた。 「……ありがとな」 ウルフウッドはルイズの頭をゆっくりと優しく撫でた。 ルイズは口を開けて何かを言おうとした。しかし、言葉にならない。心の中に、今まで感じた事のない、どこか暖かいものが湧き上がってくる。 「光っ……てる?」 ルイズの気持ちとまるで呼応するように、彼女が胸に抱いていた始祖の祈祷書と左手にはめた水のルビーが輝き始めた。 手に持った本のページがひとりでに開いた。 「なに、これ……」 何もないはずの白紙のページに、文字が見えた。いや、正確には違った。ルイズの意識に流れ込むようにして、そこに書かれている内容が入り込んできた。不思議な感覚だった。恐怖も何も、もう感じなかった。ただ、自分のやるべきことだけが、はっきりと分かった。 ルイズは杖を上へ向けて、目を閉じた。墜ちてくるレキシントン号はもう目と鼻の先に迫っていた。 「ルイズ……?」 ウルフウッドの声も届かないように、ルイズは一心に何かを唱えている。ウルフウッドはその声に不思議な安らぎと、安心感を感じた。 「呪文の詠唱? しかし、そんな詠唱は聞いたことがない……」 その様子をコルベールも呆然と眺める。 「なつかしーねえ。一体何年ぶりだろうな。これを聞くのは」 デルフリンガーがただ一人、感慨深げな声を上げる。 ルイズはすっと扉を開くように、その目を開いた。そして、ただ一言、呟く。 「エクスプロージョン」 その直後、白い強烈な光が辺りを包んだ。 前ページ次ページ虚無と狼の牙
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力在る者すべて(前編) ◆j893VYBPfU 緋と闇は交差する。 死の刃は交差する。 戦鬼達は交差する。 暗黒皇帝と呼ばれた赤い悪魔と、 漆黒の騎士と呼ばれた黒い死神。 ともに住まう大陸全土に巨大な厄災を撒き散らし、 屍山血河を築き上げた事で歴史に名を残した希代の梟雄達は、 何度となく擦れ違い様にその槍と斧を交えた。 両者の一撃が共に必殺の一撃。 一度その刃が身体を捉えれば魂まで吹き飛ばされる、 生命を根こそぎ刈り取る必滅の刃。 その処刑の刃を両者はすんでの所で躱し、 あるいは手にする得物で華麗に受け流す。 幾度もその斧が馬首を掠め、あるいはその豪奢な衣装に裂け目を入れる。 幾度もその槍が漆黒の装甲を掠め、いたる所が切り裂かれ、めくれ上がる。 その鋼と鋼が衝突する事で周囲に響き渡らせる耳障りな騒音は、 互いの得物が限界を訴える生命無き者達の苦痛の訴えのようにも、 眼前の獲物の血を吸える歓喜の咆哮にも聞こえた。 その異常極まる擦過音を聞くだけで、常人なら魂を砕かれてしまう事であろう。 だがしかし、その騒乱の中心人物達はその騒乱の中で心萎えるどころか、 その背に冷汗一つかくことさえなかった。 恐怖を抱かぬ理由には、己の技量における全幅の信頼も確かに存在する。 だが、それ以上に。 両者はともに、戦いに狂う悪鬼であり修羅なのだ。 常人ならぬ、人ならぬ戦鬼が、己が死など恐れようはずがない。 だが、その二人の心を占めるものは大きく違っていた。 心より歓喜し、この相剋を愉しみ抜くは黒い死神。 心より憎悪し、憤怒の形相を浮かべるは赤い悪魔。 互いに心身を極限にまで削り合いながら、 その両者の心の距離は決して縮まることはなく、 むしろ地平線の彼方にまで遠く掛け離れていた。 ◇ ◇ ――この男、一体何者なのだ? ハーディンは一命を賭して愛する者を愚弄された憤怒に身を灼きながらも、 目の前の不遜も極まる黒騎士に対して、沸きあがる疑念を抑え切れずにいた。 あの黒騎士は竿の長さを持つ諸刃の大斧を身体の後ろに構える。 マントを翻して背を前に向け、体幹でその得物を隠し歩幅を大きくとる。 そう、この構えなら良く知っている。 正確には、これは斧でなく剣で用いる構えなのだが。 それを無理やり斧でなぞっている感がある。 目の前の黒騎士の得物は剣を超える長さの戦斧だが、 その巨躯とマントは得物を覆い隠すには十分であった。 これはいわゆる“脇構え”に近く、極めて攻撃的かつ防御を考慮に入れぬ構え。 ――脇構え。 この構えには大きな利点と欠点がある。 まず利点としては、得物が完全に身体の幹に隠れてしまう為、 「その攻撃が敵手から見て得物の長さが分からなくなり、間合いを読み辛い」 「その攻撃が繰り出す直前まで、いつどこを狙ってやってくるか分かり辛い」 この二点に集約している。 そう。言わば抜刀術と同じなのである。 ただし、抜刀術はその構造上片手で剣を抜き打たねばならないため、 どうしても両手で剣を振るう事と比較すれば威力は目減りしてしまう。 そして片手で扱う以上、厚い装甲に覆われた部分や身体の硬い部位を両断する事は難しい。 さらに一度防がれてしまえば、片手で扱うが故に力負けしてしまう可能性も高い。 対して、脇構えはその身体で得物の長さを隠している点こそ同じだが、 最初から鞘から引き抜かれている分ロスタイムがさらに少なく、 両手で振るえる以上、その威力においても抜刀術を凌駕する。 たとえ防がれようとも、膂力に差があれば逆にそのまま押し切ることも可能。 それを完璧に防ごうとなれば、使い手に拮抗するだけの技量を持ち合わせた上で 最初から防御に身を固め、意識を集中する位しかないのだ。 だが、この構えには大きな欠点も存在する。 まずその構えの性質上、守勢に回れないという点にある。 己の後ろに得物が来る以上、相手と自分の間に遮るものが一切なく、 敵の攻撃をその得物で防ぐ事が困難となるのである。 相手の攻撃をどうしても躱そうとなれば、身を捻って避けるしかない。 先程の漆黒の騎士が回避をし損ねて不様に転がり回ったように、 敵に先手を許せば大きく隙を与え続ける事にもなりかねない。 まず、それが一点目の欠点。 その上、その構えからなる攻撃が全て弧を描かざるをえない以上、 直線的な刺突と比べればどうしても出遅れてしまうという点にある。 これは、構えの構造上避けられようがない。 これが二点目の欠点である。 それらの欠点を克服したいのであれば、相手のいかなる攻撃よりも速く、 己の攻撃をその身体に打ちこめるだけの技量がなければならない。 この構え、元より防御など考慮にないのだから。 つまり、己の攻撃に絶対の自信がある猛者か、自らの破滅さえ顧みぬ 命知らずの愚者でもなければ、この構えは決して取れないのだ。 果たして、漆黒の騎士はその両方の条件を兼ね備えていた。 そしてこの黒騎士は、かつて“草原の狼”とさえ呼ばれた比類なき騎手を 相手に巨大な戦斧を用い、攻撃偏重のこの構えで拮抗しているのである。 その実力は、もはや並大抵のものではない。 しかもこの構え、この局面においてはさらに優位となる点が一つある。 この黒騎士の戦斧による斬撃は必ずハーディンから見て“左側”からやってくるのだ。 右利きの騎兵にとって、“左側”とはすなわち“死角”である。 しかもこの黒騎士、必ず攻撃は“左側”に回り込んでくるのだ。 全ては騎兵の弱点を知った上での行動としか思えない。 大抵の場合、騎兵は右利きなら右で得物を握り、左で手綱か馬首を握る事になる。 その為、その足下から迫り来る攻撃を手に持つ得物にて防ごうとする場合、 前に来る馬首が邪魔となるためさらに見え辛くなる。 また、馬首から回り込んで左側に得物を繰り出すことなど出来ぬため、 どうしても攻撃や防御手段の限定を余儀なくされてしまう。 故に本来は左腕に騎士用の盾を固定して手綱を握り、その死角を補うのだが、 残念ながら今のハーディンはその盾を持ち合わせてはいない。 ならば必要に応じて左腕で得物を持ち変えれば良い、というわけでもない。 逆腕一本で敵の全力にて打ち込まれる高速の斬撃を凌ぎ切れる筈がないのだから。 攻撃を防ぐ盾がない以上、こちらも敵に合わせて両手で得物を持ち凌ぐしかない。 だが、そうなると当然手綱をまともに握れなくなり、落馬の危険性も増す。 無論、騎馬を普通に操るだけならハーディンの技量なら両足だけでも事足りる。 だが、これでは騎兵が持つ最大の強みである突撃蹂躙(ランスチャージ)が行い辛い。 突撃による剛槍を逃れれば蹄鉄でその背を蹂躙する、二段構えからなる騎兵最大の戦法が。 満足に手綱も握れぬ状態で最大速度で疾駆して歩兵相手に突撃しようものなら、 相手を轢き潰したはいいが自分までもがその馬背から投げ飛ばされる恐れが充分にある。 最大加速がそのままに、地面に叩きつけられるのだ。 そうなれば、打ち所と地面の硬度次第では生命にも関わるだろう。 その危険性を承知の上で、あえて距離を開け突撃を試みようと欲すれば、 件の黒騎士は「それを待ちわびていた」と言わんばかりに、 更に重心を低く持ち構え直えてくるのである。 己の死の恐怖も悲壮感も、微塵も感じさせず。 むしろ、そこには必勝の気迫さえ感じられる。 しかも、その殺気は常に軍馬と騎手の“両方”に向けられてくるのだ。 その滲み出る殺気に、怯えこそせぬものの軍馬までもが警戒の念を抱く。 不可解である。実に不可解である。 これは本来、虚勢と見なすべき所である。 だが、決してそうとは言い切れぬ形容し難い禍々しい何かを、 この黒騎士は感じさせるのだ。 軍馬の突撃にひるまず、その両者を斬るほどの刃など通常は存在しえない。 馬を斬るための武器は、首や胴を両断し、即死させるだけの膂力など只人には持ち合わせぬのだ。 そして、馬の突撃時に刃を出せば、手を出した腕が衝撃に耐えきれずへし折れてしまう。 さらにその一撃で息の根を止めなければ、斬られたままに突撃をする軍馬に蹂躙される恐れもある。 だからこそ、騎兵相手には機動力を奪い、混戦時に馬の脚を斬る事が上策とされるのだ。 一般に斬馬刀と呼ばれる大剣も、馬の脚狙いを前提に作られているがゆえに。 だが、万一。 だが、万一それだけの事が出来る刃を、 あの黒騎士がまだ隠し持っているならば? 動きは明らかにこちらに比肩し、騎兵の弱点を知り抜いた上での行動を取る。 そのような計算高い存在が、ここに来て“露見すればそれで最期”の無意味な虚勢など張るものだろうか? それもまた考えにくい。何か特別な仕込みがある可能性を警戒した方がいいだろう。 その形容し難い不気味さが、「長柄武器による騎馬突撃」への二の足を踏ませた。 そして、こちらが今出せる半端な速度の疾駆では、容易く躱されてしまうのだ。 あたかも暴走する猛牛(ロデオ)をいなす、闘技場の闘牛士(マタドール)のように。 こちらの強みを、騎兵の強みをほぼ封じられた形となっているのだ。 ここから連想される単語はただ一つ。 ――生粋の重装歩兵。 しかも、こちらと実力を等価、あるいはそれ以上とする程の。 だが、そこにまたもう一つの疑念が生じる。 黒騎士カミュはこの私と同じく騎兵だったはず? それが得意の得物ではなく、なおかつ彼の軍馬がこちらの手の中にある以上、 その真価は発揮しづらく倒すのは実に容易い。そのはずが。 あの小癪な黒騎士は己と相手の装備との差や構えの得失を最大限に活かし、 あるいは殺す最上の手段を取ってこちらに迫り来るのだ。 それは戦術眼とそれを行使し得る実力の二つがあって、初めて為せる技。 生粋の騎兵では不可能とまでは言わぬものの、 極めて厳しいものと言わざるを得ないだろう。 ――カミュではない? 疑念は膨れ上がるばかりである。 そう、確かにその実力だけならあの黒騎士カミュと等価…、 あるいはそれ以上の存在かもしれぬだろう。 だが、それ以上に不可解な点がある。 あの黒騎士の振るう刃には、英雄なら必ず持ち得る、 人々を魅せてやまない気品とも華ともいうべき “雅”というものが皆無なのである。 闇の波動とも、瘴気ともいえぬ全身を覆う 殺気を隠すことなくぶつける黒騎士のそれは、 人を斬ることを最大の目的としながらもその美しさで魅せる 名匠による“騎士剣(ナイトソード)”ではなく、 人をただ殺すことだけを追求し、忌まわしき結果のみを残す “断頭斧(ギロチンアクス)”を連想させた。 ありていに言えば、それは吟遊詩人が謳いたくなるような“絵にならぬ”のである。 それにはハーディンが激しく嫉妬し、追い求め、そして最後まで得られなかった優雅さは微塵もない。 むしろ、“暗黒皇帝”と呼ばれるこちらが戦慄の感情を抱くほどの禍々しさに満ち溢れていた。 ハーディンは闇のオーブによって増幅された負の感情により正常な思考を失いながらも、 その増幅された嫉妬のために現状を再認識しつつあった。 ――確かに、あの男はカミュではないかもしれぬ。 ――だが、それが何だと言うのだ? あの男はニーナを愚弄した。 あの男はニーナをその暴言にて辱めた。 あの男はニーナを得体の知れぬ赤毛の女にも劣ると、 傲然と言い放った。 それは許せぬ。 それは赦せぬ。 それは断じて看過出来ぬ。 あの男がカミュであろうとも、そうでなかろうとも。 たとえ神と世界が許そうとも、この私が許さぬ。 ニーナこそは、我が身命を賭して守り抜いた一輪の華であり、 我がその名の下で戦った主であり、半生の全てでもあったのだから。 その度し難い黒騎士の非礼と不敬に対し、このアカネイア皇帝が自ら処を下す。 判決、串刺しの刑――。 連座するは、赤毛の女。 ニーナがたとえこの私に心を向けなくとも、 ニーナがたとえカミュに心を奪われようとも、 ニーナがたとえ目の前の黒騎士を恋い焦がれていようとも、 それはすべからく極刑に処すべき大罪である。 騎士の風上にも置けぬ下郎を、生かす道理なし。 ハーディンは再び、人ならざる憤怒の咆哮を上げると、 漆黒の騎士に向けて突撃を再開した。 ◇ ◇ ――かなり、やる。 漆黒の騎士の思考は常軌を逸するものではあれど、 ハーディンとは対極に静謐であった。 初撃で馬の脚狙いと見せかけて 防ぎに来る武器落としを狙っていたが、 それはしかと両腕で支えた得物で防御された。 両腕で得物を持つ以上足場が不安定となるはずが、 得物を弾き飛ばされることも落馬することもなく、 目の前の騎手は見事に受け切ってみせる。 静止していれば斬撃の威力では得物の差でこちらが上である以上 こちらの弱点となる刺突を用いるのは当然の成り行き。 現に何度も行く手を阻まれ、回避にその身体を横に逸らせて躱せれば、 その回避に崩れた体勢を狙いさらに怒涛の追撃が迫る。 最後までこちらにその手を出させぬが上策とばかりに、 頭上から降り注ぐ槍による刺突と軍馬による踏み付けの嵐は執拗を極めた。 そしてどうにか槍と蹄鉄の豪雨を掻い潜り、隙を見て軍馬を狙えば、 騎手が命じるでもなく危機を察知して前脚で地を蹴り斬撃を躱し、 騎手に意識が集中して不用意に近づけば、 その蹄鉄で蹴り砕かんと前脚を叩きつけに来る。 まさに人馬一体。予想以上の手錬である。 こちら側に少しでも不利な介入があれば、即座に敗れ去るだろう。 それだけの、言わば極上の獲物。 先程の横槍を入れた存在が、極めつけの愚者であった事に心より感謝する。 己の装備の得失さえ弁えず、所構わず殺気をまき散らした存在でなければ、 あるいはその妨害に影響され、既に命を散らしていたのかもしれない。 相手は騎乗。男にダメージを与えるには、 まず馬から引き摺り落とす必要がある。 そして、それ以上に注意すべき点がある。 相手は“二人”、そしてこちらは“一人”なのである。 軍馬と騎兵の連携がうまくいかなければ付け入る隙はあったのだが、 目の前の敵手はまさに人馬一体。 軍馬はただ命令を待つだけの存在ではなかった。 主が獲物を狩るにあたり、絶好の環境を用意する難敵。 長引けば長引くほど、それは体力の差にも繋がるだろう。 たとえこちらが人間とはかけ離れた身体能力を持とうとも。 二対一である以上、最初からこちらが不利なのだ。 このままでは少しずつ嬲られ、いずれは打ち倒されるだろう。 膂力はこちらがやや上、速度は騎兵の向こうが大きく優る。 技量はほぼ等価。機動性は歩兵故こちらが上。 そして体力に付いては、向こうがはるかに凌駕する。 向こうの総合力を数字化すれば11から12、こちらは10。 漆黒の騎士は敵手と相手との実力差を、至極冷静に評価していた。 ――このままでは、確かに敗北する。 ――だが、勝機はある。苦しい相手ではあるが、戦術次第でこの状況は覆えせる。 そう。その前に戦場の常識すら覆す剣、いわば奥義とも言える術技――。 それさえ使う機会さえあれば、状況を覆し、まとめて一刀のもとに斬り捨てる事は可能だ。 使い方はすでにその心身が覚えており、斧においても試し斬りを済ませてある。 その奥義を振るうにあたり、何の支障もありはしない。 何時如何なる状況においても、腕一本あれば窮する事無く繰り出す事は可能であろう。 ただ、それはこちらが力を溜めるだけの、僅かな時間を手に入れる必要がある。 そして、その機は訪れる事を首長く待つものではなく、上手く引き摺り出す必要がある。 だが、こちらの奥の手は使う前から警戒されている。 それは、戦士としての本能が為せる業だろうか? 素晴らしいまでの勘の良さだといえる。 あの奥義が使えぬとならば、もし警戒されているのならば、 あるいは――。 漆黒の騎士は、もう一つの戦略を練り上げる。 いずれにせよ、相手をこちらが望む環境を作り出す必要がある。 幸いにも、目の前の騎手もまたこちらを攻めあぐね、 眼に見えて苛立ちを充満させている。 相手が完全に平静を失えばこちらの勝利。 相手が完全に平静を取り戻せばこちらの敗北。 布石は最初に打ってある。あとは完全に理性を奪えばいい。 相手の思考を奪い、あるいは誘導させ、 相手にこちらの欲する行動を取らせる必要がある。 こちらが万全の力を発揮できる環境を、 己一つで作り上げねばならない。 ――ならば。 勝機を奪い取るは、今ここを置いて他になし。 漆黒の騎士は迎え撃つ。己が勝利する為に。 ◇ ◇ さらに数合を交え、ハーディンは再び距離を取る。 静止したままで戦い続けては、小回りの利く重装歩兵のほうが有利であるが故に。 その隙に漆黒の騎士は甲冑を着ているとは思えぬほどの軽やかな身のこなしで 後方に跳躍し、大通りの中央を位置取る。 逃げ場はない。遮る存在もない。 民家の陰の路地裏に逃げる事も、一切の遮蔽物を使う事も出来ない。 漆黒の騎士はそこで再び脇構えの姿勢に戻り、目先で挑発する。 さあ、その軍馬による突撃蹂躙(ランスチャージ)を行えとばかりに。 ハーディンは警戒する。 確かに厄介な相手ではあるが、ここままでもこちらの優位は揺るぎ無い。 そして今の局面。相手にはやはり何かがある。 だが、わざわざ相手の手に乗る必要性はない。 あくまでもこの戦闘…。いや、この処刑の主導権はこのハーディンにあり、 あの黒騎士にはないのだ。それを知らしめる必要性がある。 ハーディンは無視を決め込み、これまで通りにもう一度刃を交わさんとする。 だが――。 『――諸君、これから第一回目の放送を始める』 ――だが、第三者の、決して無視できぬ存在の割り入る声により、 攻撃の手を一時休めざるをえなくなる。 時刻は、今が逢魔が刻。 神殿騎士ヴォルマルフによる、件の放送の声であるが故に。 こちらがどれほどの力を誇ろうとも、あの声だけは聞き逃してはならない。 件の首輪なる、忌々しい枷がこちに架せられたが故に。 対面する黒騎士も、この時ばかりは静止してただ声を待つ。 無論、戦闘態勢は解かぬままであったが。 そして、放送が始まる。 あくまでも事務的で淡々としたヴォルマルフの口調。 その内容からは、いかなる意志も読み取ることはできない。 だが、次の通達については、抑えきれぬ歓喜の感情が その声に明らかに含まれていた。 『続いて、ゲーム開始からこれまでの死者の発表をする。 ――アメル、オイゲン、シーダ、シノン、ティーエ、ナバール、ビジュ、ベルフラウ、マルス………』 漆黒の騎士はベルフラウの名に「ほぅ。」と短い関心の声を上げ、 ハーディンはその後に続く名に驚愕の声を張り上げる。 「……なん、だと?マルスが、あの小僧が既に殺されたとでも、そう言うのかッ!!」 ハーディンは天を睨み、咆哮する。 ―――マルス。マルス、マルス、マルス…。 マルスマルスマルスマルスマルスマルスマルス マルスマルスマルスマルスマルスマルスマルス マルスマルスマルスマルスマルスマルスマルス マルスマルスマルスマルスマルスマルス!!! たった一つの耳朶を打つその名前が、何度ともなくハーディンの脳裡を反芻する。 後の内容は聞こえなかった。いや、聞く意味さえもそこにはなかった。 ハーディンが嫉妬して、羨望してやまなかった相手が。 その手で直々に、最大の苦痛と絶望を与え処刑する前に…、 早々とどこの馬の骨ともしれぬ輩の手にかかり、 とうの昔に息絶えていたというのだ。 これほどの愚弄が、挫折感があろうものか? 「何故だッ!何故貴様はそんなつまらん所で命を落とすッ! 誰だ!一体誰がマルスを殺したというのだッ!!」 許せん…、断じて許せん! 我が最大の恐怖と苦痛を以て殺す前に、その生命を捨て逃げ去ったマルスが許せん! 我が無力と絶望を思い知らせる前に、そのマルスの生命を奪った何者かが許せん!! 「――殺すッ!全て殺すッ!!このハーディンが殺し尽くしてくれるわッ!」 全てを殺し尽くせば、いずれはマルスを殺した相手にも辿り着く。 ハーディンは怨敵を殺めた何者かを思い、怨嗟の声を張り上げる。 まだ見ぬ相手への憎悪を、闇のオーブにてさらに増幅された “それ”はもはや悪鬼と呼ぶに相応しい程の形相を浮かべていた。 だが、それには目の前の敵が邪魔だ。 あの黒騎士を手早く排除しなければならない。 あの黒騎士を――。 もはや常軌を逸したとしか思えない、どす黒い感情を所構わずまき散らすハーディンと、 静謐にある漆黒の騎士の視線が交差する。やがて、漆黒の騎士が口を開く。 「――ほう。貴殿はマルス殿を倒した相手を早急に探し出し、その手に掛けたいというのか?」 漆黒の騎士は、どこかしら愉しむような、嘲笑うような声色で問いかける。 「ならば、この村に長居は無用。今は早々に退くべきではないのか?」 撤退を提案する黒騎士。態度はあくまでもその不敵さを崩さない。 だが、そこにはこころなしか弱腰さが感じられた。 ――臆したか?それとも今までの態度もやはり虚勢によるか? ハーディンはここに来て消極的な言葉を発する漆黒の騎士に、侮蔑を露骨にする。 「アカネイアの“暗黒皇帝”が、罪人を眼前に退くなど有り得ると思うか?」 ――それに貴様は一つ忘れていることがある。 ニーナをその舌で愚弄した貴様ごときに。 ニーナをその口で辱めた貴様ごときに。 「なにより、貴様ごとき卑劣な間男の意見に、 このハーディンが耳を貸すことがあり得ると思うか? むしろ、ますますその逆がしたくなるというものだ。 貴様は逃さん。今、ここで死ね。 獲物の追跡は、その後にでも行う事にしよう。だが、案ずるな。 貴様と共にいた赤毛の女も、すぐ貴様の元に送ってやる!」 「……フッ。どうやら覚悟は出来ているようだな。 貴殿のこれまでの振る舞いから臆病を心配したが、 その手持ちの槍の使い方程度は弁えていたらしい。」 漆黒の騎士はさらに腰を深く落とす。 これまでのように、擦れ違いざまに左側に回り込り、 斬撃を加えるといった積もりは毛頭にないらしい。 ――この一合にて、決着を付けよう。それがこの幕だ。 口には出さずとも、その黒騎士の態度が雄弁に決着を促していた。 「いいだろう。貴様の挑発には乗ってやる。 今となっては、貴様ごときにくれてやる時間さえも惜しい!」 ハーディンはさらに距離を開け、体勢を整える。 左手で手綱を、そして右腕にグラディウスを支え構える。 騎兵が持つ最大の強みである突撃蹂躙の姿勢を取る。 裂帛の気合いを乗馬に乗せて、今ここに怒涛の突撃蹂躙を開始する。 黒騎士カミュの愛馬は、目の前の黒騎士を蹴散らさんがために駆ける。 迫り来る風を掻き分け、あるいは薙ぎ倒し、それは一つの暴走車と化す。 騎兵の突撃による槍の威力は、そのまま乗馬の加速度に比例する。 騎兵自身の力に加えて、乗馬の力がそのまま加算された魔槍。 その速度、その剛力はいかなる反撃を試みようが、押し返すことは不可能であろう。 目の前の存在は、何の脅威にもなりはしない。 そして万一その槍を受け流し、あるいは回避した所で。 そこには軍馬の蹄鉄による蹂躙が待ち受ける。 防御は不可能。そして回避も不可能。 残るは死、あるのみ。 標的まであと30歩、26歩、22歩――。 騎兵は駆ける。歩兵は迎え撃つ。 ハーディンは不意に唇を歪める。 そう、このままでも十分に眼前の黒騎士を蹴散らす事は可能だ。 だが、先程の事もある。念には念を入れさせて貰おう。 貴様の挑発には乗ったが、貴様の撃ち合いに応じた覚えなどない。 この処刑、主導権は貴様になどない。このハーディンにあるのだ! 標的まであと18歩、14歩、10歩――。 軍馬は疾走を続ける。ハーディンはグラディウスを持ち替え、頭上に構える。 そう。その槍で突くのではなく、投擲するつもりなのだ。その頭蓋に向けて。 グラディウスは、元より投擲にも適した万能の槍。 その威力は岩をも砕く。それがさらに軍馬による加速の力が上乗せされるのだ。 『その手持ちの槍の使い方程度は弁えていたらしい。』か――。 意図せずとはいえ、敵に塩を送るとはな。愚か者めッ!! 万一、眼前の黒騎士にこちらを斬るほどの“切り札”があった所で。 それを迫り来る槍を防ぐ為にまず使わねばならない。 あえて槍を受け、肉を切らせて骨を断つなど不可能。 この槍は防がねばその肉体を砕き、捻り潰すだけの破壊力を持つのだから。 そして投擲をその“切り札”で防いだ所で、軍馬の蹄鉄による蹂躙の嵐が待ち受ける。 槍を防ぎ体勢が崩れ無防備となった中で、もはや突撃を躱すことなど不可能。 いかなる切り札を持ち得ようとも、攻撃と防御はどちらか一度しか行えない。 そして、攻撃はこちらが先なのである。相討つことも有り得ない。 二段構えの、言わば必勝の戦法。 もし、あの漆黒の甲冑がまだ鎧としての防御力があるなら、 たとえ蹄鉄の蹂躙を受けようとも生き残る可能性だけはある。 だが、先ほどの立ち合いで知ったが、あの鎧は一切の防御力を持ち合わせてはいない。 ならば最大加速の付いた軍馬の蹂躙に生き残る術なし。 なぜそのような張りぼてを身に纏っているのか、 理解には苦しむがこちらには関係はない。 こちらはただ投げ穿ち、あるいは踏み拉けばよい。 それでこの黒騎士は処刑される。そこで終わりだ。 こちらが構えを変えた意図を察し、黒騎士に焦りが出たのか。 それともその怒涛の突撃の前に判断を誤ったのか? その斧を振るうにはあまりにも早すぎる機で攻撃動作が開始される。 だがその一撃は、軍馬を掠めることはおろか、 これから投擲される槍を撃ち落とすにした所で早すぎる。 それはただの空振りに終わり、全ては無為と帰すだろう。 …フン、つまらぬ。 先程までの態度は、やはり虚勢ではあったか。 それとも、突撃に肝を潰し目測を誤ったか? いずれにせよ、取るに足らぬ小物だという事か。 ――貴様はここで、死ね。貴様が何者であろうとも、ニーナを愚弄した報いを受けるのだ。 腰を浮かせ、投擲動作を開始する。 その槍は空気を切り裂く異常な唸り声を挙げ眼前の黒騎士は反応すらも許されず 兜を割り頭蓋から派手に脳漿と鮮血を撒き散らしつつも構わずさらに軍馬による 追い討ちを仕掛けその死体はボロ雑巾のように原型を留めず辺りにかつて黒騎士 だったものの装甲の破片と肉片を血臭を盛大に周囲に撒き散らしその死体から 首を切り離して勝鬨の声を上げることには……、決してならなかった。 おそらくそれはハーディンが想像した未来予想図ではあったが、現実は大きく違っていた。 ――暗転、飛翔、驚愕。 だしぬけに視界が回る。身体が浮く。 軍馬から勢い良く、重量あるものが射出される。 ただし、その軍馬から投げ出されたものは、グラディウスだけではなく、 それを握ったままのハーディン本人をも含まれていた。 まるでそれは投石機から打ち出されたかのような見事な放物線を描き―。 高速で空中に投げ出されたハーディンの視界の片隅に映ったものは、 得物を持たぬ漆黒の騎士と、その目の前で倒れ伏す軍馬。 ――激突、擦過、悶絶。 受け身すら取る事が出来ず、勢いが付いたまま顔面から地面に衝突する。 顔が砂利によって大きく擦り剥かれ、顔面の皮が削り取られる。 全ての衝撃が顔面から首、そして右肩に与えられ、 周囲に生物の本能に訴えかける、実に不快な死の音色を響かせる。 闇のオーブによって高められた精神力によってすら抑えきれない、 悶え苦しまんばかりの激痛。手負いの獣は、おぞましい苦痛の咆哮を上げる。 首から痛覚が、右肩からの違和感が、その肉体的損傷が深刻なものであると訴える。 常人であれば、頚骨が折れ既に死亡していたのは間違いない。 だが、これまでに鍛え抜いた全身の筋肉があればこそ、 落馬の衝撃を致死に至らぬ程度に和らげていた。 顔の皮の右半分が捲れ鮮血を流し、首が曲がりかけ、右肩は下がり、その有様はさながらに敗残兵。 ただし、闘争心は未だ萎えることなく、殺意を更に燃え上がらせたその形相はまごう事無く悪鬼。 赤い悪魔は不屈の闘志と、傷つけられた憎悪に背中を押され、今再び立ち上がる。 091 星に願いを 投下順 092 力在る者すべて(後編) 091 星に願いを 時系列順 092 力在る者すべて(後編) 057 死闘 漆黒の騎士 092 力在る者すべて(後編) 057 死闘 ハーディン 092 力在る者すべて(後編)
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68 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします E-mail sage :2011/02/07(月) 13 34 38.54 ID 4wieFNo1P ライアットと組んだ話が超ワクテカだ 69 名前:1 ◆trB/oNqUGM :2011/02/08(火) 01 07 08.07 ID Xg0lPiJJ0 68 じゃあ次の海外編はそれにしよー 去年の9月~10月の話です ハイパーグロい上にカオスな上に Kちゃん視点やけど主役はライアット+αという切なさ 70 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします E-mail sage :2011/02/08(火) 01 18 05.60 ID 06IbqRWho ボーカル様が主役の話はまだですか 71 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします E-mail sage :2011/02/08(火) 01 29 12.86 ID tt5D51vLo むしろ俺が主役の話をはやく書いてくれよ 72 名前:1 ◆trB/oNqUGM :2011/02/08(火) 04 46 26.81 ID Xg0lPiJJ0 70 よし じゃあグラムちゃんの時みたいにしよう 73 名前:1 ◆trB/oNqUGM :2011/02/08(火) 05 01 25.55 ID Xg0lPiJJ0 「ボーカル・28歳」 突然ですが、私は天才です。 世間には私よりも知能指数が上、という人間もいるようですが、 それは僅かなテスト等で数値化された極めて不確かなものであり、 それを以って頭脳の優劣を決める事は非常にナンセンスであると、私は思います。 ではどうやって決めるのか? それについてなのですが、私は、数多くの優秀な人物に出会った事がありますが、 残念ながら、自分以上に優秀な頭脳を持った方には出会ったことがありません。 とりあえず何が言いたいのかというと、 どうも。天才です。すみません。 74 名前:1 ◆trB/oNqUGM :2011/02/08(火) 05 24 13.55 ID Xg0lPiJJ0 天才の私にも、ままならない事がいくつかあります。 その大半は、今私が就いている仕事のパートナーとなる人物が関わってきます。 まずこの男は、面倒な仕事を次から次へと安請け合いしてきては、面倒をこちらに押し付けます。 当然こちらの言う事は聞きません。命令ではなく、提案を、感情任せに、無視するのです。 次に、自分の僅かな作業を終えたこの男は、 仕事の後処理に切磋琢磨する私を尻目に暇を持て余し、別部署へ出かけていきます。 そこで、とりあえず目ぼしい人物に自分の暇潰しの相手をさせます。 要するに、作業の妨害をするのです。 そしてそのお咎めはパートナーである私に降りかかって来ます。 彼の奇行振りは最早皆諦めている所なので、私がちゃんと手綱を握っておけという事でしょうか。 他にもまだまだあるのですが、大変長くなるのでまた別の機会にお話しする事にします。 しかしながら不思議と、彼に対する憎悪や煩わしさはありません。 ごめんなさい。嘘をつきました。 彼は私が困っている顔をしているのが大好物な様で、 そういう時は、いつも小憎たらしい顔でニヤニヤしています。 いつか、というより近い将来、謀殺してやろうと思っています。 「ボーカル・28歳(自称)」 完 75 名前:1 ◆trB/oNqUGM :2011/02/08(火) 06 01 01.31 ID Xg0lPiJJ0 71 しゃあねえなあ 「 71の大冒険」 それは 10年前の事だった。 71「「 68、 70、生きてるかぁ?」」 68「「あぁ、なんどがなぁ。」」 71「「VIPからくるぞぉ。気をつけろぉ。」」 70「「こっちだ!! 71!!」」 71「「なんだこのクソスレはぁ!?」」 71「「せっかくだから、俺は住民になる事を選ぶぜぇ。」」 こうして、 71 は ぼうけんのしょ と出会った。 71「「オーノー」」 76 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします E-mail sage :2011/02/08(火) 08 55 36.66 ID eEe1EkKDO これはひどい 77 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします E-mail sage :2011/02/08(火) 15 20 59.71 ID SIUkklb40 投げっぱなしジャーマンポテト 78 名前:1 ◆trB/oNqUGM :2011/02/09(水) 03 12 58.26 ID WA1VXGbv0 すみませんww でもいいよね デスクリムゾン やったことないけど
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マッドガッサー騒動後 12月 友人「もうすぐクリスマスか」 少女「そう言えばそうね・・・」 考えてみるとクリスマスを誰かと過ごすなんて初めてな気がする むしろクリスマスを祝う事事態が初めてな気がする 友人「そっちはどうするの?」 少女「さぁ?黒服やチャラ男が何かしら用意はすると思うけど・・・どんな形であれ平穏に終わる気はしないわね」 この町で都市伝説に関わる立場に居る限り、いつ何時も平穏なぞありはしないのだから・・・そう 少女「丁度今見たいにね」 立ち止まって静かに呟く 友人「・・・離れたほうが良い?」 少女「えぇ、急いで」 友人「わかった」 それだけ言うと友は走り去っていった さて 少女「出てきたら?」 電柱の影から現れたのは一人の女 歳は13から15・・・中学生くらいか もちろん、契約者 「気付かれていましたか」 少女「それはね、感知能力なら自信あるから・・・ここ最近私の事見張ってたみたいだけど、何者?」 「・・・『組織』所属の契約者です」 『組織』か・・・ 少女「久しぶりじゃない、『組織』から私に手を出すなんて」 「あの黒服が貴女を庇っていたので・・・それに『首塚』に属している者に手を出せば将門の呪いを受けかねませんから」 成る程ね・・・・・・ 少女「なら、何故?」 「『組織』の一部の強硬派が『首塚』に喧嘩を売ろうとしている、と言うのが一つ」 そう言いながら女はポケットから飴を取り出す・・・飴? 「そして、任務など関係なしに私的な理由が一つ」 少女「私的な理由?」 「復讐です」 その言葉と共に放たれる飴玉 咄嗟にその飴を避け ボンッ 飴が爆発した? 少女「爆発キャンディの契約者?!」 「半分正解、半分外れ、顎砕き飴の契約者です・・・能力は見ての通り飴の爆破」 少女「ちっ!!」 服から鎖を抜き、女に向けて振る 顎砕き「無駄です」 ボンッ 鎖に向けて放られた飴が爆発し、その衝撃が鎖を弾かれる 少女「なっ!?」 顎砕き「死んでください」 再び放たれる飴 今度は八つ!? 顎砕き「一つ一つの威力はたいした事ありませんが、これなら効くでしょう?」 余裕綽綽な態度が何か腹立つ! 少女「舐めるなぁ!!」 飛んでくる飴向けて鎖を振り叩き落す 落とした4つは地に落ちて爆発 鎖を抜けた二つは後方に跳んで回避 弾かれて女に向かった残り二つも難なく回避された 顎砕き「器用ですね・・・なら」 再び両手に飴が握られる 顎砕き「こうです」 一気に距離を詰めながら放たれる飴が四つ 横に跳んで回避 次に放たれた飴が8つを鎖で弾き落とし 更に飛んでくる飴16個を・・・多!? 少女「げ・・・」 顎砕き「終りです」 飴が眼前にまで迫り・・・後ろから首を捕まれた 少女「ぐえっ!?」 ボンッ 破裂する飴 しかし、ダメージは無い 「間に合いましたか・・・」 顎砕き「!?」 私の首を掴み担いでいるのは、長い金髪に白い肌の女 普通と違うのは右腕の肘から先が巨大な盾になっている所か・・・ 少女「あんたは・・・」 顎砕き「九尾の・・・ 「そこまで」 ッ」 顎砕き飴の首に当てられる刃 少女「かごめかごめ?!」 コン「お久~」 二頭の白面金毛九尾の狐を引きつれた青年、かごめかごめの契約者がそこに居た 顎砕き「・・・珍しいですね、組織に従順な貴方が私の邪魔をするなんて」 青年「えぇ、珍しくね」 顎砕き「何故?」 青年「特に理由は有りませんよ、ただその子を殺されるとヤバいと僕の勘が言うので」 顎砕き「勘・・・ですか?」 青年「えぇ、勘です・・・まぁ、根拠は無くも無いですよ?その子が死ぬと契約しているDさんに影響が出ます、そうなるとDさんの業務が滞ります、その場合誰があの「骨を溶かすコーラ」の契約者の手綱を握るんです?誰が「禿」に文句を言うんです?」 顎砕き「・・・・・」 青年「あの二人が野に解き放たれて見なさい、組織の終りですよ?」 淡々と言うかごめかごめ・・・ それは、つまり、黒服が居なかったら『組織』ってもしかして簡単に潰せたりする? ハク「意外と脆いですよ、組織は」 少女「そうなの?」 ハク「えぇ、内にも外にも問題一杯ですから」 青年「それでも、まだ続けますか?なら僕も本気で行きますけど?」 顎砕き「・・・・・・仕方ないですね」 女が握っていた飴をポケットに戻す 顎砕き「今回は下がります」 そう言うと女はその場を去って行った 少女「何なのよ・・・もう」 ハク「顎砕き飴の契約者・・・4年前から組織に居る強硬派の一人ですね」 少女「4年前?」 ハク「えぇ、確か父親を亡くした所を黒服にスカウトされたんでしたか・・・」 少女「・・・まさかね」 この時私は、この嫌な予感が事実だった事をまだ知らなかったのです 続く?
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※ステータスアップ関連 884年仲秋01日:自宅(長髪になった時) 「髪を伸ばしたほうがいいかな?」 あぁ、そのほうがキレイだよ。(親密度+3、テンション+4)「ウフフ、やっぱりね。ヒロもそう思ってるんだ。」 うーん、短髪の方がいいかな。 884年初冬上旬下旬:街道 街道の雪かき あぁ、行こうか。(親密度+5) ゴホン。男爵は忙しいんだ。任せたよ。(情熱+4)「ぶぅー。いっつも忙しいとか言って、なんにもしてないくせに…」 885年陽春上旬:悼念祭 この祭りは、戦争終了1周年を記念したものだからな。(人間性+3)「そっか。みんな、戦争のために亡くなった家族のことを思って悲しんでるんだね…」 仕方ないさ。この祭りは、他の祭りとは違うからね。(信仰心+3)「でも、戦争が終わって1年がたったんだもの。」 885年初秋上旬:炎陽祭 フェイはああ見えて謙虚だからな。謙虚なのはいいことさ。(センス+4)「謙虚?へえーそうなんだ。」 初めてだから緊張するのも無理ないさ。よくやったよな。(変動無し/フェイ好感度?)「あれれ?ヒロが人のことをほめてる?」 885年晩秋下旬:暗殺の噂 ありえないだろう(道徳+4)「うん……そうだよね。」 うーん、なんとも言えないな…(人間性+4)「ということは…ヒロも可能性があると思ってるの?」 886残夏下旬:結婚式 (王妃の相談:結婚を反対した場合?好感度が低い場合?) その前に、結婚相手を探さないとな「結婚相手…?」 そうだな。いつになるんだろうなぁ。 うーん…最近難しい問題を聞くようになってきたなぁ。「そうかな。」 チリア、自分の直感を信じればいいのさ。「自分の直感…」 (本来は、そうあるべきなんだけどな…)「……え?それってどういうこと?」 (こうするしか、仕方が無かったんだ…) (俺の下した決断は、間違っていたのかな…)←(王妃の相談:結婚を承認した場合のみ出現)「間違っていた…って、何が?」 相手を探さないと+難しい問題+本来は=知恵+4、センス+3 直感+間違って=道徳+3、センス+4 887年初秋上旬:炎陽祭 ああ、フェイの子供の頃からの夢が実現したんだもんな。(センス+5)「そうだよねー。フェイは一生懸命努力して、立派な女神官になったんだよね。」 本当に、これで良かったのかな…(情熱+5)「…え?なんで?」 88×年:はじめてのヘアチェンジ うん、キレイだよ。(親密度+3)「ホントに?ありがとう。」 前のほうが良かったかな。 チリアがいいと思うなら、それでいいんじゃないか?(センス+2、テンション+16)「私は気に入ってるよ。ウフフ。」 旅行:夏1回目 馬から落ちないように頑張るのも、乗馬の醍醐味だぞ。 大丈夫だよ。俺が手綱を握ってるから。(親密度+6、忍耐力+5)「うん、そうだね。ヒロみたいな乗馬のプロがいればきっと大丈夫だよね!」 女の子が乗馬するのは危険すぎるから、別の所に行こう。 旅行:秋1回目 だめだよ。自分で頑張りな・ じゃあ、一緒にこっちの牛をやるか?(親密度+6、情熱+5)「ううん、もう少し自分で頑張ってみる。」 あぁ、なら休んでていいよ。俺がしぼったのを飲めばいいから。 旅行:冬1回目 (チリアに不意打ち、先制攻撃をする) 当たったら負けだからな。準備はいいか?(親密度+7、忍耐力+4)(つめてぇ!) あんなの、子供の遊びだろ?笑われるぞ。子供 たちに。 厳冬 チリア、さっきの… チリア、今日は… ⚪選択肢⚪ チリア、あんな 旅行 春二回目 君の… 困ったなぁ…✕ そうだな… 旅行:夏2回目 手をつないでやるよ。(魅力+4、忍耐力+7)「えっ?うん…」 勇気を出して、渡ってみるんだ。 じゃぁ、キャンプ地に戻るか。 旅行 秋2回目 カワイイのは✕ こらこら 気をつけろ 旅行 冬2回目 明日も✕ 明日は チリアはどこに 旅行 春3回目 ハハ、✕ 情熱があがる 気をつけろ こらこら 旅行 夏3回目 わかったよ✕ 実は いや、 ソマリーナ結婚式 旅行 秋3回目 結果 お前 こういうのは ✕ 旅行 冬3回目 大丈夫。 大丈夫、⚪選択肢⚪ あぁ、 旅行 春4回目 こういう 手で ⚪? ちょっと 旅行 夏4回目 いや、 ん? チリア ⚪選択肢⚪ 旅行 秋4回目 あぁ。✕ あぁ、 やめとけ 旅行 冬4回目 やっぱり チリアは、夏⚪? チリアは、秋 街道雪かき 一番上⚪選択肢⚪ 旅行 春5回目 チリア、これから チリア、この⚪選択肢⚪ チリア、
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赤と青の双月が天蓋の如く世界を覆う夜。 夜闇に射す優しげな光を浴びながら、一台の荷馬車が車輪を響かせ目的地に向かって走っていた。 「アニキ~ちょこっとだけ良いスか~?オレッチもう我慢の限界なんスよ~~」 手綱を握り馬を走らせる男が、下卑た笑みを浮かべて隣に座る男を見る。 「手早く済ませろ。壊すなよ」 冷え切った眼差しを弟分に向けてそれだけを言うと、アニキと呼ばれた男は黙想する様に眼を瞑る。 「わかってまさぁ。優しく扱うんスよね?」 弟分の男は馬を止め、喜び勇んで荷台の鍵を開け積まれた『商品』を物色し始める。 「へへ…どいつにするかな……おっとコイツにするか」 男に怯えて震え上がる『商品』から一つを選び、嫌がる『商品』を殴って黙らせると、男は『商品』の髪を 掴んで引き倒し荷台を降りる。 「それじゃアニキ。パパッと済ませますんで」 「あの~…聞きたい事があるんですけど…」 突然背後から声を掛けられ、男が驚いて振り向くとそこには一人の少女が申し訳なさそうに佇んでいた。 「な…なんだおめぇはッ?!」 「ひとつ…ちょっとした質問に答えてくれると嬉しいんですが…」 動揺する男に構わず言葉を重ね、少女は男に歩み寄る。 男は突然の声に驚きはしたものの、相手が年端も行かぬ少女と判り安堵する。 「なぁにか用か~?お嬢ちゃんよ~」 安堵と同時に男の欲望が鎌首を擡げ、少女の身体を嘗める様に観察する。 誘うような露出の多い服に身を包み、歩み寄る少女は男の欲望を発散するのに十分な魅力を備えていた。 「ちょっと…道に迷ってしまって…」 「へえぇ…道にねぇ~」 男は状況を理解していないのか、間の抜けた事を言う少女を脅そうと腰に下げた剣に手を伸ばす。 「これから『殴り込み』に行くんだけど…モット伯の屋敷って…この道でいいのかしら?」 「ハァ?なに言って…え…あれ?」 男は剣を抜き少女にその切っ先を向ける…が、その剣が飴細工の様に曲がり男の手を拘束していた。 「それから…もうひとつ。この子たちをどうするつもりなのかしら?」 「へ…いや、そりゃあ売り飛ばすにへぶッ?!」 今起こっている状況を理解できない男は少女の質問に正直に答え、その瞬間鳩尾を殴られ男は気絶した。 「テメエッ!女の子を誘拐して売り飛ばすだとォッーー!!」 「ぶごおっ!」 男が眼を覚ますと、まず自分が慕っているアニキが誰かに蹴られているのが眼に入った。 「うごご!おげえぇぇ……」 「ゲロ吐きやがって!僕を『ゲロっぱき』って馬鹿にしてるのか?!クソッ!クソッ!」 血反吐を吐いて気絶したアニキを蹴り続ける少年。アニキを助けようと身を起こそうとして 自分が縛られている事を知り、そして、叫ぼうとして猿轡を噛まされている事に気付いた。 薄暗い藪の中で少年が気が狂ったようにアニキを蹴り続けている光景だけが目に映り、男は恐怖した。 その絶望している男の前に、先程の少女が小さな包みを携えて姿を現した。 「あなた…さっきの質問…覚えてる…?」 少女は先程と同じ、申し訳なさそうな口調で尋ねてきた。男はそれが恐ろしかった。 「フゥ~…フゥ~…」 「ねえ~~聞いてるんだから…返事くらいしたらどうなの…ねえ~~~~」 少女の口調が突然変わり、感情の窺えない目で男を覗き込む。 男は蹲り蹴られ続けるアニキの呻き声を遠くから聞こえる様に感じた。 少女が持った包みに手を入れ、内から布に包まれた針を取り出し地面に置く。 男の眼がそれに釘付けになる。 「話が変わるんだけど…あなた…『黒ヒゲ危機一髪』って…知ってる? 樽にオモチャのナイフを突き刺して…樽の中の人形が飛んだら負け…ってゲームなんだけど…」 「うごッ!フゴオォ~」 少女が何をしようとしているのかを薄々感づいた男が逃げ出そうと身を捩るが、固く縛られたロープは その程度ではビクともしない。 男を冷ややかな眼で見ながら、それを見せつける様に少女はゆっくりと布から針を取り外し、男に近づける。 「あなたは…何本目で…『飛ぶ』のかしら…」 死刑を宣告する言葉を少女は紡ぎ、針を男の首筋にゆっくりと捻り込む。 「ウんんんんンーーーッ!ガアアアアアーーーーッ!」 「まだ一本目よ…情けない声を上げるんじゃあないわよ!」 二本目の針が突き刺さり、男の心は絶望感で溢れかえり声にならない叫びが辺りに木霊した。 To be continued…… 17< 戻る
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カースナイト モンスターレベル13 分類アンデッド 知能高い 知覚魔法 言語交易共通語,その他個体により違いあり 生息地戦場 反応敵対的 知名度17 弱点値23 弱点回復魔法ダメージ+3 先制値18 移動速度20(本体のみ)/40(騎乗時) 生命抵抗力15(23) 精神抵抗値16(23) 攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP 呪われた槍(本体) 17(24) 2d+22 15(22) 18 96 70 体当たり(前半身) 16(23) 2d+14 15(22) 14 110 34 呪われた蹄(後半身) 15(22) 2d+13 15(22) 14 88 34 部位数3(本体/前半身/後半身) コア部位本体 特殊能力 ●全身 「通常武器無効」 銀か、魔法の武器でなければ物理ダメージを与えられません。 「炎無効」 炎属性の一切の効果を受け付けません。 「精神効果無効」 精神に影響を与える効果や、幻覚などの影響を受けません。 「呪い効果無効」 強力な呪いを受けており、他の呪いを受け付けません。 「呪いの霧」 全身を強力な呪いを受けた霧が取り巻いています。 この魔物に近接攻撃を行った場合、攻撃の成否に関わらず、「2d6」の呪い属性の魔法ダメージを受けます。 また、この霧は飛来する矢や弾丸を逸らします。妖精魔法【ミサイルプロテクション】と同等の効果を持ちます。 ●本体 「操霊魔法10レベル/魔力14(21)」 10レベルまでの操霊魔法を行使できます。効果や結果は個々の魔法を参照してください。 「魔法適性」 戦闘特技の《魔法誘導》《魔法拡大/数・距離》《マルチアクション》《ワードブレイク》を習得しています。 「戦闘指揮」 この魔物の半径10m以内にいる指揮下の魔物は、命中と回避に+2のボーナスを得ます。 「騎芸」 騎芸【騎獣の献身】【チャージ】【トランブル】【振り下ろし】【振り下ろしⅡ】【縦横無尽】を習得しています。 「降りた騎手」 騎獣から降りた状態でも戦闘できます。騎獣から降りたり、部位:前半身のHPが0以下になった場合 特殊能力「騎芸」を失い、打撃点が4点減少します。 「呪われた槍/精神力抵抗13(20)/消滅」 攻撃が自動命中、もしくは対象が回避に自動失敗をした場合に発動します。 抵抗に失敗した対象は、1Rの間、移動、主動作、補助動作のいかなる行動も行えなくなります。 「全力攻撃Ⅱ」 打撃点が12点上昇します。「全力攻撃Ⅱ」を使うと、次の手番まで回避力判定に-2のペナルティ修正を受けます。 「切り返し」 素早い切り返しで二回攻撃を行えます。 対象は2回とも同じでも、違っても構いません。 ●前半身 「大きい」 巨大な馬の上にいるため、部位:本体は近接攻撃の回避力判定に+2のボーナスを得ます。 この能力は、部位:前半身のHPが0以下になると失われます。 「灼熱の瞳/15(22)/生命力抵抗/消滅」 主動作で使用する特殊能力です。燃える赤い瞳で対象を燃やします。「射程/範囲:20m/半径3m」の範囲に「2d6+14」点の炎属性の魔法ダメージを与えます。 この能力は連続した手番には使用できません。 ●後半身 「呪われた蹄/14(22)/精神力抵抗/消滅」 攻撃が命中した場合、対象は抵抗を行います。 抵抗に失敗した場合、追加で「2d6+4」点の呪い属性魔法ダメージを与えます。 「蹴り飛ばす/16(23)/回避力/消滅」 主動作で使用する特殊能力です。後ろ足で対象を蹴り飛ばします。 乱戦エリア内の一体を対象とします。対象は任意の方向へ20m移動させられ、「20」点の物理ダメージを受けます。受身を取ることでダメージを軽減可能です。乱戦エリアからは強制的に離脱させられ、さらにその場で転倒します。 この能力は「呪われた蹄」の能力も誘発します。 ▼戦利品 自動 呪われた槍(3000G) 自動 亡者の手綱(900G) 2~6 赤い魔眼(400G) 7~12 炎の魔眼(900G) 13~ 怨念の塊(2400G) 呪われた漆黒の鎧と槍で武装した、亡者の騎士です。 自分が死んだことにも気づかず、新たな戦場を求めてさ迷っています。 大抵の場合、多数のスケルトン系の魔物を部下として引き連れています。 この騎士が出現する際、濃霧が戦場を包み、どこからともなく現れるため 騎士や傭兵の間では死の象徴として恐れられています。 製作者葉月
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装飾品…種類を問わず、2個まで装備可能※原則、同一アイテムでの累積は不可 名前 価格 説明 備考 暴君の自叙伝 3000G 「人徳」スキルへの抵抗修正+2 モノクル 5000G 「発見」使用:修正+2 七つ道具 5000G 「解錠」使用:修正+2罠の解除判定に修正+1 変装セット 5000G 「変装」使用:修正+2 とある盗賊の女装セット 5000G 「変装」使用しての女装、修正+4また、「変装」スキルなしでも、それなりに綺麗に女装できる カツラ、マスカラ、香水、シリコンパッド、化粧道具、メイド服などの収められた豪華な変装キット累積不可 トラップキット 5000G 「トラップ」使用:ダメージ+2罠の解除判定に修正+1 解除判定は七つ道具と累積可能 竜の翼 5000G 竜人が「飛行」を習得可能になる 名騎手の手綱 5000G 「騎乗」中の落馬判定や、その他のアクロバティックな判定に修正+2 信念のベルト 5000G 「魅了」「威圧」への抵抗修正+2抵抗判定を要さないルールの場合では、GMの判断により無効にできるか、抵抗判定を許可される かもしれない 人魚の鱗 5000G 水中などで息を止められる時間が2倍になる 明鏡止水の護符 5000G 「芸能」への抵抗修正+2「魅了」への抵抗修正+1※信念のベルトとは重複しない 古代の舞姫の小道具 5000G 体防具2個(aとb)を指定し、手番時に即時にa(またはb)からb(またはa)に装備を入れ替えられる。1戦闘1回。防具の指定は、戦闘開始前にしておかなければならない ダウジングロッド 10000G 何らかの品物を探す判定に修正+2 名医の指輪 10000G 治癒魔法/精神+1 火の指輪 10000G 攻撃修正/精神(火)+1 指輪/腕輪…別種類の指輪同士の場合は累積可能このカテゴリーは各属性に対応した魔法具†として扱うことができる 稲妻の指輪 10000G 攻撃修正/精神(雷)+1 大気の指輪 10000G 攻撃修正/精神(空)+1 水の指輪 10000G 攻撃修正/精神(水)+1 氷の指輪 10000G 攻撃修正/精神(氷)+1 土の指輪 10000G 攻撃修正/精神(地)+1 聖なる指輪 10000G 攻撃修正/精神(聖)+1 闇の指輪 10000G 攻撃修正/精神(闇)+1 楽師の腕輪 10000G 攻撃修正/精神(音)+1 火鼠の手袋 12000G 耐性/火=1/2 護符…別種類の護符(1/2にするこのカテゴリーのアイテム)同士の場合は累積可能 金色の小手 12000G 耐性/雷=1/2 風の司の護符 12000G 耐性/空=1/2 水神の腕輪 12000G 耐性/水=1/2 北国のマント 12000G 耐性/氷=1/2 鋼鉄の靴 12000G 耐性/地=1/2 純白のサーコート 12000G 耐性/闇=1/2 血染めの木片 12000G 耐性/聖=1/2 鉄兜 5000G 防御修正/武勇+1 これらを同一アイテムと処理する ガードリング 5000G 防御修正/武勇+1 羽根帽子 5000G 防御修正/機敏+1 これらを同一アイテムと処理する エルフの靴 5000G 防御修正/機敏+1 サークレット 5000G 防御修正/精神+1 これらを同一アイテムと処理する 護符のネックレス 5000G 防御修正/精神+1 チャンピオンベルト 20000G 武勇攻撃値+1精神攻撃値-1 伝説の夜種のチャンピオンから進呈されたベルト。(本物)と書いてある。歴代のチャンピオンの血と汗と涙がしみこんでいて、いい香りがする。 キャプテンハット 15000G 船乗り・水中行動の適用される判定修正+1防御修正/水空+1 他の帽子との同時装備不可 旅人の帽子 15000G 身躱し:機敏防御時、1ゾロが6ゾロになる 精霊の羽根飾り 20000G 機敏値+1 ・ミーアクックに見守られ、旅人はなんだかんだと苦難を乗り越えてしまうもの・他の帽子との同時装備不可 うさ耳フード 15000G 聴覚に関する判定修正+2危険の察知に関する判定修正+2防御修正/氷+2 他の帽子との同時装備不可 疾風の靴 30000G 2歩分の隊列移動を行っても攻撃等の行動が行える 風のごとき動きが可能になる 猫耳フード 30000G 防御修正/機敏+1耐性/氷空=1/2身躱し:機敏防御時、1ゾロが6ゾロになる 他の帽子との同時装備不可 骨の仮面 30000G 防御修正/精神+1(聖以外)防御修正/精神+3(聖) ・休息以外のHP回復なし・常に身につけていたい呪い(解呪12…「憂い祓い」「禍祓い」による精神判定の他、神殿などでGMの定める代償を支払うことで解除可能) 対セイレーンの護符 20000G 防御/音無効 ぐたいてきにいうと みみせん