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2 木枯らしが、あたしの頬を撫で、去っていった。風が強くて、出歩くには少し寒い。あたしはファドの腕にぎゅうっとしがみ付き、その目線の先にあるものをちらと見た。 「――フィデリオ・ウィルソンとレオノーレ・ウィルソンか。旅券も…あるな。良し、通って良いぞ」 「ありがとうございます」 グノースの国境の前、あたし達は関所の若い兵士に頭を下げる。そして無事、グノースへと入国した。 「…すごいね、内心どきどきしていたんだけど…本当に、入国できちゃった」 後ろを振り返り、関所が見えなくなったのを確認してからあたしは小声で言った。 「あぁ。どんなコネがあるんだか知らないが、あいつは偽造文書を造らせたら一流だ。奴は軍にいたときからの知り合いなんだ。通り名は“パロット”」 「鸚鵡(パロット)?」 尋ねると、ファドは何処か懐かしそうに口を開いた。 「あいつも、私と同じなんだ。 …どんな理由があるのかは知らないが、決して名乗ることをしなかった。そうして着いたのが、“パロット”とか、あるいは“孔雀(ピーコック)”という呼び名だった。実は、私もあいつの本名は知らないんだ。きっと、向こうも私の本名は知らないだろうな」 「へぇ、不思議な関係なのね」 「まぁね。それで、今日から二、三日パロットの所に匿ってもらうことにしたから。もう連絡も取ってある」 「二、三日って…。あたし達、早く逃げなくちゃいけないのに…っ!」 「だからだよ」 ファドはにっとまるで悪戯を成功させた子供のような表情をした。 「追手の奴等もそう思っているはずだ。グノースにパロットがいることから、私たちがここに立ち寄ることは向こうも容易く想像できるだろう。 だが、問題はその後。この先には、フィオナはもちろん、私にも知人と呼べる者はいない。となると、向こうはグノースに隣接するスワラージ以外の全ての国に兵を送るだろう。けれど、そうして隈なく探したにも関わらず私たちが見つからなかった場合、どうなるだろう?」 「そっか、相手を混乱させるのね!」 ぱん、とあたしは手を打ち鳴らした。 「そういうこと。向こうが探しつくして引き上げたころに行けば見つかる可能性も低い」 「いいと思うわ、それ。…でも、いつの間に連絡を取っていたの?」 「フィオナの知らない間にちょっとね」 「…ふぅん。なんか、楽しみ。…あ、ねぇファド、あたし、パロットさんの家に行った時もファドのこと“ファド”って呼んでいてもいいの?」 今まで隠していたんでしょ?とあたしはファドの腕にしがみついたままの状態で尋ねた。 「あー…、それじゃあ、“月(ルナ)”で。向こうもそう呼ぶから」 「じゃあ、あたしは?」 あたしはファドの前に回り込み、顔を覗き込んだ。 「…“フィオナ”は嫌だよ。絶対に。この名前は、とても大切だから。ファドだけの名前だから。 たとえそれがファドのご両親でもお友達でも嫌。ファド以外の人に、“フィオナ”なんて呼ばれたくないもの」 「…フィオナ?」 あたしはファドの腕から離れ、セレンダインの毛並みを撫でながら続けた。 「この名前は…、“フィオナ”は、あたしの聖域なの」 ファドは、クスリと笑う。 そして立ち止まり、あたしの額に唇を当てた。 「分かった。それじゃあ、“セレネ”は?」 「どういう意味?」 ファドはあたしの頭をくしゃくしゃと撫でる。 「月の女神様の名前。ぴったりだろ?」 セレンダインの手綱を引き、ファドはゆっくりと歩き出す。あたしもその横に並び、ゆるゆると歩を進めた。 「フィオナ」 「何?」 「“フィオナ”と“ファド”はこれから二人だけのものってことで」 あたしは一瞬、目を見開く。ちょっとだけ、頬が熱くなる。…ああもう、どうしてファドは、さらりとこういうことを言ってくれるのだろう。 「良い?」 高い位置からの視線が、あたしの顔を覗き込んでくる。…為て遣ったり、というか、そんな感じの笑みが、何だか悔しくて憎たらしい。それでも側にいたいと思うのは、やっぱりファドが好きだから。 「…良いよ、もちろん。でも…」 「でも?」 「手、繋いでくれたら。そしたら、そうしても良いよ」 今まで、何度も口付けはもらった。たくさんの抱擁ももらった。だけど、良く考えると手を繋いでもらったことは今まで一度も無い。 …だから、すっごく欲しくなった。 「ね、良い?」 ファドはクスリと笑う。 「仰せのままに、女神様」 <③>へ
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富永直勝-北条五色備- 基本情報 フレーバーテキスト 未進化 + ++ 最終 セリフ集 参加イベント 参加ログインストーリー エキストラコンテンツ 基本情報 富永直勝 富永直勝+ 富永直勝++ [青備]富永直勝 能力値 能力値 能力値 能力値 スキル 青備えの急襲 関連家臣 [認めてくれている] 北条氏康[俺にも勝たせろ] 北条綱成 フレーバーテキスト 未進化 関東地方に大きな影響力を持つ北条家において、最古参の一つである富永家直系の者。富永家は北条家一門に次ぐ程の広大な領地を有し、その豊富な財政を利用した水軍を抱えている。北条家の中核を成す五人の家臣とその軍は色になぞらえた北条五色備(ゴシキゾナエ)と呼ばれ、直勝はその一角「青備え」の大将を勤める「北条青備えのお出ましだぜ!命が惜しい奴は道を開けな!」 + 血気盛んな者が多い北条家の中では多目元忠と並び、思慮深い性格であるとされる。また、北条家お抱えの忍者集団である風魔との橋渡し役も務めており、国の内外の情報をいち早く把握出来る立場に居る。そのため、乱や戦の始まりを察知し水際でそれを鎮圧する事が彼の重大な役目となっている「後ろから睨みを利かせとくのも立派な役割だ、前に出りゃいいってもんじゃないからな」 ++ 他の北条五色備の面々と比べて指揮官としての能力がやや劣り、戦場においては同じく北条五色備である北条綱成の助勢を得る事が多い。決して表には出さないが、武将としての自分の能力に引け目を感じている「地道に積むしか能が無い奴はコツコツ行くしかねえだろ?それが分かったらさっさと配置に付きな」 最終 勝ち気でありながらも抑える所は抑えると言った、ある意味で人間臭い富永直勝は部下の信頼も厚い。他の面々が人間離れしている事もあってか、対外的な印象も良く、当主となる北条氏康も直勝で無ければ勤まらない仕事は両手に抱えて余りある、と評価している「どれだけ本気か分からんが氏康様に目をかけて頂いてんだ、ここでやらなきゃ男じゃねえぜ!」 セリフ集 マイページ(未進化) 氏康様を化かした狐ってお前の事だろ?話に聞いてた通りだな止めて聞いていただける方じゃねえし、氏康様には黙って付いて行くしかねえんでな水軍なんて持ってるやがるのか、どれどれ、俺にも一つ紹介してくれよ綱成ももうちっとばかり氏康様を敬ってもいいよな、お前はそう思わねえ? マイページ(中途進化) 水軍っつってもまだまだな……よっし、俺が軽く手を入れてやるぜ、専門家なんでな大将自らが突っ込むなんざ無謀の極みだってのに、なんでああも結果を出すかね……北条の者はなんつうか、本気のお遊びって事らしいな、氏康様の考えそうな事だ俺が水芸を使えると勘違いしてる連中が多すぎなんだよ、ちゃんと教育してんのか?大将ってのは後ろでどっしり構えて、しっかり手綱を握っとくべきだ、分かるな?俺もまあ人の子でな、ついつい功を焦っちまう事はあるんだよ自慢じゃないが蓄えの方には自信があってな、お前もしっかり貯め込んどけよ暇を持て余したって割には物騒な事ばっかしてるよな、あれが俺達人間の本性なんかね マイページ(最終進化) ありゃ、氏康様はここじゃなかったか……アテが外れちまったなまあ武田だの織田だの、見て見ぬように収めるのが大変な場所だぜ綱成は相変わらず勝つ勝つ言ってんだろ?羨ましいと言うか何と言うかだぜ俺みたいな半端物を取り立ててくれてんだ、俺の魂は北条に捧げてあるぜ自慢じゃないが蓄えの方には自信があってな、お前もしっかり貯め込んどけよ暇を持て余したって割には物騒な事ばっかしてるよな、あれが俺達人間の本性なんかねいまさら他人のフリは出来ねえよ、遠慮しないで話してみな焦んな焦んなって言ってる俺が焦っちゃ説得力も無いしな、地道に頑張らせてもらうぜ北条の者はなんつうか、本気のお遊びって事らしいな、氏康様の考えそうな事だ俺が水芸を使えると勘違いしてる連中が多すぎなんだよ、ちゃんと教育してんのか? バトル開始 様子見はこの辺にしとくか、俺達も出るぞ!行くぜ北条青備え!徹底的にやってやるぜぇ! 進軍時 こんなの俺一人で十分だなまだまだ行くぜ、俺にも手柄を寄こしな!そろそろ退こうぜ、元も子も無くなっちまうぞ?こんだけ雑魚ばっかりが相手だと、つい欲が出ちまうな 参加イベント イベント名 参加ログインストーリー 北条五色備(青) エキストラコンテンツ +...
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前ページ次ページBrave Heart 「すすす、すごいじゃないの!天下無双と歌われたアルビオンの竜騎士が、 まるで虫みたいに落ちてくわ!」 十騎の竜騎士をあっと言う間に撃墜したゼロ戦に ルイズが感嘆の声を上げた。 「ああ、そろそろあの親玉を……なっ!」 他の竜騎士を振りきり、雲の隙間に見える戦艦を狙おうとしたマミーモンが 突如として焦ったような声を上げる。 「ど、どうしたのよ?!」 「燃料が切れちまいそうだ! 早く着陸させないと墜落しちまう!」 燃料の残量が少なくなっていることをルーンの力で把握して、 舌打ちと共に悔しげに吐き捨てる。 「な、何よそれ! ちゃんと考えて飛ばしなさいよ!」 「そんな余裕あるかよ! ここに来るまでで必死だったんだ!」 ぎゃあぎゃあと言い争う二人を見てデルフリンガーは どこだか分からない頭を痛めながら告げる。 「んなことより、上から三騎だ。どーするよ、相棒?」 「げぇっ!」 その声に慌てて上を見上げれば、火竜が三騎、彼らへ向けて 今まさに、ブレスを放たんとしているところだった。 間に合わない、と彼の直感が告げた。 咄嗟にルイズを庇うようにして抱え込む。 目を閉じるその一瞬前に、ちらり、と目の端に黒い物体が映った。 はっとして、目を開いた。 マミーモンはその影が自分達と 竜騎士達の間に立ち塞がったのを視界にとらえた。 「……ガイアフォース!」 凄まじい熱量を持った赤い球体が、一瞬にして火竜とその乗り手達を撃ち落す。 「!!」 「相棒、今の内にコイツを降ろせ!」 「わ、分かった!しっかりつかまってろよルイズ!」 デルフリンガーの声を聞いて操縦桿を握りなおす。 「きゃあっ! もっと丁寧に操りなさいよ!」 無茶言わないでくれ、と叫んで一気に降下すると、 草原だった場所にゼロ戦を着陸させる。 「この辺りに敵はいないようね……」 きょろきょろと辺りを見回しながらルイズがほっと安堵する。 「けど、村の奴らも見当たらない……!」 左手に握ったデルフリンガーに、ぎりり、と力を込める。 「あんたたち、無事かい?」 飛行音と共に降りてきた人物とそのパートナーを見上げる。 「フーケ!」 ルイズが咄嗟に杖を構える。 風になびく緑の長髪を押さえながらフーケは答える。 「今はお嬢ちゃんとケンカしてる場合じゃないよ。 くそっ、アルビオンの奴らめ! アタシとブラックの居ない間に村を襲うなんて……!」 ラ・ロシェールの遥か上空にあるであろう戦艦を睨むようにして、 フーケは忌々しげに声を荒げる。 「どうする、マチルダ。私ならあの戦艦を吹き飛ばせるかもしれんが……」 「いや、いくらアンタが頑丈でも、無事で居られるとは限らないよ」 案外直情径行にある自身のパートナーをたしなめる。 「マチルダ! マミーモン!」 立ち尽くしていた彼らの下へアルケニモンが姿を現す。 「アル!」 「アルケニモン! よかった!無事だったんだな!」 駆け寄って彼女を抱き締めたマミーモンを殴り飛ばす。 放物線を描いて跳落下した彼のことは無視して、フーケが村人の安否を尋ねる。 「テファや村のみんなは?」 「大丈夫、森へ避難してるよ」 「そう、無事なのね……よかった」 フーケとルイズは胸を撫で下ろす。 「……うぅ」 その後ろで、ひっくり返ったままのマミーモンがピクピクと震えている。 「おーい、相棒ー、大丈夫かー」 飛ばされた拍子に取り落とされたデルフリンガーが呼びかける。 ひらひらと手を振りながら彼は起き上がる。 「あー大丈夫大丈夫。慣れてる慣れてる。ヒヒヒ。 やっぱ、アルケニモンに殴られると胸がときめくなあ」 頬に手を当てて顔を朱に染めながら、 嬉しげに笑うマミーモンに一体と一振りはヒいた。 「なあ、あんた。相棒は、前から……『こう』だったのか?」 「……さぁな」 呆れたように、彼がぐねぐねしているのを見つめるばかりだった。 「それより、どうすんのさコレから」 「ゼロ戦が飛べれば、まだどうにかなったかもしれないけど……、 燃料、切れちまったんだよなぁ……」 「何だって? 肝心な時に役立たずだね、アンタは!」 「ああ、ごめんよぉアルケニモン」 げしげしとアルケニモンに足蹴にされ、情けない、 しかし何処か嬉しそうな声を上げるマミーモンをルイズが冷ややかな目で睨む。 「……この非常時にあんたはー!」 手に持った始祖の祈祷書で殴りかかろうとして、 ルイズは祈祷書と、指にはめていた水のルビーが光を放っていることに気づいた。 「な、何これ?」 思わずパラパラと光るページをめくっていく。 光の中に、文字を見つけた。 それは……古代のルーンで書かれていた。 ルイズは光の中の文字を追った。 「『序文。これより我が知りし真理をこの書に記す。 この世の全ての物質は、小さな粒より為る……』」 ぶつぶつと読み上げ出したルイズをフーケ達は怪訝な顔で見る。 ひょい、と後ろからその本を覗き込んだフーケが叫ぶ。 「ちょっと、何も見えないじゃないかい、一体何を読んで……!」 フーケは、その光景にはっとする。 ルイズには見えるのに、自分には、見えない。 テファには見えるのに、自分には、聞こえない。 「まさか……」 ルイズも、テファも同じように四系統の魔法が使えない。 そして、テファの能力は先住でも四系統のいずれの魔法でもない。 その事実に思い当たって、フーケは息を飲んだ。 「『四にあらざれば零。零はすなわちこれ『虚無』。 我は神が我に与えし零を『虚無の系統』と名づけん。』 虚無……虚無、ですって? 伝説じゃないの! 伝説の系統じゃないの!」 ルイズは思わず呟いてページをめくる。鼓動が高鳴った。 声を出すのも惜しくて、必死で目で追うだけに留める。 そこに書かれていたことを信じるのなら、 自分には、虚無を使う『資格』があるのかもしれない。 誰も、自分の魔法が爆発する理由を言えなかった。 それは……誰も知らない、伝説の系統である『虚無』だったからではないか? 信じられないけど、そうなのかもしれない。 だったら、試してみる価値はあるのかもしれない。 だって……そうしなければ、私は何も守れない。 この使い魔達のように、守るために命をかけてみよう。 「どうにか……出来るかも、しれない」 ルイズがそう呟いた時、皆が一斉にルイズを見つめた。 「……どういう、ことだい?あんたが、さっきから読んでるソレは……」 「始祖の祈祷書よ」 「始祖の……!」 フーケが目を見開いて、祈祷書とルイズを交互に見つめる。 「戦艦に近づければ、どうにかなるかもしれない……!」 「近づくって言っても、アレはもう飛べないんだろ?」 「……お前を乗せて、戦艦に近づけばいいんだな?」 「え? きゃあ!」 その大きな竜に似た手で、フーケのパートナーはルイズを抱きかかえる。 「ま、待ちな!」 フーケが慌てて彼を制する。 「そいつを抱えてたんじゃ、あんたは攻撃できない! 竜騎士共に狙い撃ちにされるのが関の山だよ!」 フーケが彼と行動を共にする際には、 魔法を使って振り落とされないようにしている。 けれど、ルイズはそういった類の魔法が使えない。 竜騎士は、およそ半数がマミーモンによって撃ち落とされていたが、 残りはまだ戦艦を護衛するために飛んでいる。 「だったら……そいつらを、俺が引き付ける」 「引き付けるって、どうやって……」 「えっとそれは……」 考えなしに叫んだマミーモンの言葉に、アルケニモンが続く。 「アタシがいる。アタシがマミーモンと一緒に竜に乗って操ればいい。 丁度、おあつらえ向きのが一頭来たみたいだしね」 こちらへ向かってくる風竜に乗った騎士を視認し、アルケニモンはニヤリと笑った。 いつの間にか右手に握っていたフルートをその形のいい唇に押し当て、奏でる。 右手のルーンの力が甲高い笛の音に乗って竜の下へと届く。 瞬間、竜が勢いよく体を揺り動かして、乗り手を振り落とすのが見えた。 竜は笛の音に導かれるままに、彼女の傍へ舞い降りた。 グルル……とじゃれつくような声を上げ身を擦り寄せてくる。 「よぉし、いい子だ。私の指示に従うんだよ?」 その竜を撫でてやった後で、アルケニモンは手綱を取る。 「とっとと乗りな!」 「へへっ! 了解」 マミーモンが心底楽しそうに笑った。 ぐにゃり、と体を歪ませると全身に包帯を巻いた怪物めいた姿になる。 右手には愛用の銃『オベリスク』を持ち、 左手にはデルフリンガーを携え、竜の背にまたがる。 「一緒に戦うの、久しぶりだな、へへ」 こんな時だというのに彼は、はずんだ声でアルケニモンに喋りかける。 「……馬鹿言ってんじゃないよ!」 「はは、悪ィ! フーケ、悪いけどゼロ戦を見ててくれねえか? 壊されちまったらコルベール先生が悲しむからよ」 フーケに笑顔を向けた後で、ルイズに向き直る。 「ルイズ、準備はいいか?」 「も、勿論よ! 国家に仇なすアルビオンなんか吹き飛ばしてやるわ!」 少し青白い顔をしながらも、懸命に声を張り上げる。 「それでこそルイズだ! 行くぞ!」 「あいよ!」 マミーモンの号令に合わせ、アルケニモンが手綱を振るう。 風竜が咆哮し、翼を羽ばたかせ空へ舞い上がる。 「使い魔が命令するんじゃないの! とにかく、行くわよ!」 「……分かった」 武装した黒い竜人、とでも形容すべきフーケのパートナーが、 その後を追うようにルイズを抱えて飛び上がる。 「……死ぬんじゃないよ」 彼らを見送りながら、フーケは呟く。 祈るように、胸から下げた奇妙な形のペンダントをしっかりと握り締める。 異なる世界で、『デジヴァイス』と呼ばれていたペンダントには、 使い魔のルーンが刻まれている。 同じものが、彼女のパートナーの翼に良く似た盾の部分にも刻まれていた。 「生きて帰るんだよ。ヴァリエールの嬢ちゃん、 アルケニモン、マミーモン……ブラックウォーグレイモン」 かつて、トリステイン魔法学院の宝物庫に封じられていた、 『破壊神のタマゴ』から姿を現したパートナーの名を最後に呟く。 彼らの無事を祈りながら、フーケは、空を見上げ続けていた。 前ページ次ページBrave Heart
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1.陽 岱鋼 飛ばせ 飛ばせ遙か夢の彼方へ 届けろ祖国の地へと 加油(ジャーヨ)岱鋼 今ここから 2.大野 奨太 守りの要 夢見たこの場所で チームを背負い 更なる高み目指せ 4.飯山 裕志 裕志 裕志 かっ飛ばせ裕志 ララ ラーララララー ララ かっとばせ裕志 5.小谷野 栄一 遥か天高く 空に輝く 栄光を掴め 小谷野栄一 6.中田 翔 勝負決める一振り 血と汗の勲章 その手で夢掴め さぁ翔け中田 7.大引 啓次 目指し続けてきた 勝利への道のり 今ここで示す 大引啓次 8.金子 誠 狙いは誠 絶好球 飛ばせ遥か スタンドへ 9.中島 卓也 夢に向かって突き進め 後ろ振り向かず その先にあるのはひとつさ その手で掴み取れ 10.赤田 将吾 遥かな光目指し 茨の道を行け 輝きある大きな 夢を掴むまで 11.大谷 翔平 迷わずに駆け抜けろ 伝説の幕が開ける さあ気持ち込めて 進め 狙い定め 跳べ!大谷! 夢の向こう側へ 26.西川 遥輝 今だ西川 遥かに続いた道を 走れ西川 輝くその日まで 27.中嶋 聡 魅せろ男中嶋 秘めたその力で バットに想い乗せて 夢を天高く飛ばせ 41.稲葉 篤紀 今、見せろ お前の底力を 突き進め 勝利をつかみ取れ 41.稲葉 篤紀(チャンス) 今、見せろ お前の底力を 突き進め 勝利をつかみ取れ 42.アブレイユ 君なら勝利を掴めるさ アブレイユ 魅せろ不屈のその心 ホームラン 44.鵜久森 淳志 陽光(ひかり)の中に すばらしい明日を見つけて がむしゃらに追い掛けろ 煌(きら)めく世界を 51.村田 和哉 さぁ行けよ村田 疾風の如く フィールド駆け抜け 勝ち取れ 勝利の栄光を 61.杉谷 拳士 グラウンドに輝く一番星を その拳をあげて 掴め 杉谷拳士 攻撃開始テーマ ラ~ラ~ララララ~・・・ 攻撃開始テーマ(仙台限定) これから始まる ファイターズの攻撃 何点取っても構わない ラーラララ ララララ ラーラララ ラララ 打って打って 打って打って 打ちまくれ チャンステーマ1 (ワッショイ)×10 打て○○(ワッショイ、ワッショイ) 走れ○○(ワッショイ、ワッショイ)敵の野手の間を抜く 気合いの決勝打 チャンステーマ2 ラ~ラ~ラララララ~♪ チャンステーマ3(チキチキバンバン) かっ飛ばせ○○!かっ飛ばせ○○!頑張れ僕らのファイターズ走れ速く!頑張れ僕らのファイターズ決めろ早く!(男性)打って!打って!○○!(女性)打って!打って!○○! (全員)今だチャンスだ○○! チャンステーマ(関東限定) 今だ、このチャンスで燃え上がれ 今だ、このチャンスで勝負を決めろ 今だ、このチャンスで燃え上がれ 今だ、このチャンスで勝負を決めろ 我らの想い乗せ 行け○○ チャンステーマ(関西限定)前奏 【前奏:さぁ行くぞ 男上げろ今 時は来た 燃え上がれ 決めてやれ ○○】 この一撃で 勝負を決めろ 進め勝利目指し 夢見る先へ チャンステーマ(関西限定) 【前奏:さぁ行くぞ 男上げろ今 時は来た 燃え上がれ 決めてやれ ○○】 この一撃で 勝負を決めろ 進め勝利目指し 夢見る先へ チャンステーマ(札幌限定) いけいけ!おせおせ!お前が決めてくれ!○○! チャンステーマ(仙台限定) 大きなホームラン あの山の向こうまで 地球をひとまわり 大きなホームラン チャンステーマ(東京ドーム限定) オオオ・・・ぼくらの仲間だ がんばれファイターズ (コール:東京 ドームで 輝け ○○) メインテーマ1 勝利を 誘う 晴れ舞台 ラーラーラー 漲る 闘志を ぶつけろ○○ メインテーマ2 行け それ行け 打て それ打て 走れ ここで輝け レッツゴーファイターズ 投手テーマ 勝利目指し 闘え 力の限り尽くし 願う事は ただ一つ 勝利の二文字 ヒット 歌詞なし ヒット(東京ドーム限定) 歌詞なし 得点 おーいおーい北海道 北海道 おーいおーい北海道 北海道 得点(東京ドーム限定) (337拍子)僕らの仲間だ 頑張れファイターズ 僕らの仲間だ 頑張れファイターズ ホームラン・勝利のテーマ 歌詞不明 ファイターズ讃歌 ①誰が鳴らすかあの鐘は 勇気を讃えて空高く 燃える心の茜雲 明日に向かって飛んで行け 進めファイターズ 勝利の男 進めファイターズ さわやかに ②男同士の友情は がっちりスクラム組んだ腕 こうと決めたら まっしぐら嵐の大地を突っ走れ 進めファイターズ 勝利の男 進めファイターズ どこまでも ③若さみなぎる情熱は かわした瞳にあふれてる 昇る太陽指さした 誓いのサインはビクトリー 進めファイターズ 勝利の男 進めファイターズ ひとすじに (退団)9.ホフパワー 鍛えぬかれた体で 迎える敵を蹴散らせ 内に秘めた闘志 熱く熱く燃やせ (退団)22.鶴岡 慎也 攻守に輝きを放つ 今日も星を掴み取れ 鶴岡慎也 (退団)23.二岡 智宏 静かな闘志が今燃え上がる 勝利の手綱を引き寄せろ 二岡二岡二岡 (退団)39.加藤 政義 行くぞ政義 奮い立て チームの勝利を 掴み取れ (退団)45.今浪 隆博 飛ばせ今浪 グラウンド狭し走り回れ 今お前の力で チャンスを呼び込め
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214 :群青が染まる 03 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/03/27(土) 16 14 34 ID sJQd6qba まだ陽は高いのに薄暗くカビの匂いのする通りから外れた路地裏で、ついて行 きたいと言ったハルに、どこか困ったような表情を浮かばせている。 そんな二人を見ながら彼女でも悩むことがあるのかと全く違う事を考えていた。 「何故だ?」 諦めたように空を見上げてから、もう一度ハルに向き直したマリンが言った。 その一つ一つの動作に呆けたように見ていたのも束の間、背中から首筋にかけ て、脈打つ何かが駈けた。 ……やっぱり、慣れないな。 「いやー、マリンはんに惚れしてしまってな!」 それを意にも介さず芝居でもしてるかのように大げさに手を振って話し始めた 彼に、きっといつもこんな調子なんだろうなと一人で納得する。 「どうや? わいは役に立つで! それにな 「何を目論んでいる?」」 放って置いたら止め処なく喋り続けそうなハルの言葉を遮って低い声が路地裏 を大通りまで通り抜けていく。 背筋を手で抑えながら、自分の足が一歩また一歩といつの間にか下がっている 事に気付いた。 「そ、そんなわいは……!」 これから起こるだろう惨劇を目の当たりにしないように目を閉じると、通りか らはまるで別世界のように和やかな声や音が耳に届いて来る。 「……好きにしろ」 が、聞こえたのは予想外の言葉だった。 「おおきに!」 だから、足に力が入らないのか、膝をつきながら何度も礼を言う男をただ眺め ていた。 ……俺はもうヒツヨウ、ナイ? そこまで考えて、喜ぶことのはずなのに悲しんでいる自分、そして少しでも役 に立とうともがく自分がいることが嫌でもわかった。 ……違う! 独りになるのが寂しいだけ、そうに違いない。 何かを喋っている二人の話の内容は、耳を通過していくだけで一つも頭に残っ てはいなかった。 「っ?!」 事実、急に引っ張られた事で自分が考え事に陥っていたことにやっと気付く。 「ほな、行くで!」 「な、何?! ちょっと待って!」 何が起こっているのかわからずした抵抗も虚しく、強引に引っ張られていく。 通りまで引っ張られて、ようやく離してもらえた手の感覚を確かめながら服に ついた埃を叩く。 雨が降った後ではないことに感謝していた、が、何よりも抵抗等おかまいなし に引っ張って来れた力に驚いていた。 「ど、どういうことなの?!」 まだ埃を叩き続ける自分の事など気にせず歩きはじめたハルを追いかけながら、 抗議の声を上げる。 「ん? 聞いてなかったん? あかんでぇ、人の話を聞き漏らすと大変なことに なるで、そうでもなくても――」 「だから、何を?!」 「せやから、マリンはんの探し物や」 その返事を聞いて言葉に詰まった、なのに頭ではやっぱりそういうことかと納 得していた。 それは薄々気付いていて、気付きたくなかった……自分は必要ないのではとい う事を。 215 :群青が染まる 03 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/03/27(土) 16 17 13 ID sJQd6qba 知らず知らずに顔が下向いていた事を、 「お、ここやここや!」 「っ!!」 急に立ち止まった自分より一回り大きなハルの背中にぶつけた事でわかった。 「どうしたんや?」 「い、いや、なんでもないよ」 そんなぶつけて真っ赤になってるだろう鼻をさすりながら、彼の視線の先に顔 を向けた。 「情報が一番行きかう場所や!」 「ここって……」 そこには、随分歴史があるのか広めの敷地に酒場と旅館が一体となった三階建 ての建物があった。 軒先にある今にも落ちそうな看板には、汚く読みづらい字で何か書かれている。 「おいていくでー!」 建物を眺めているうちに入口をまたいだハルの後を付いて行こうと、すぐに考 えても、初めの一歩が踏み出すことが出来なかった。 数巡後、意を決して踏み出した……考えても拉致があかないと。 店内は料理の美味しそうな匂い、酒の匂い、煙管の匂いと、色んな匂いがごち ゃ混ぜになっていた。 何より、とても賑やかだった。 そんな中、カウンターテーブルの席にいた目立つ後ろ姿の男に近づいていく。 「なんで、飲んでるの?!」 隣まで来ると、既に空いた杯が……。 「そう固いこといわんといてな。それに、酒場言うたら飲まんとあかんがな! あ、もう一杯!」 鼻歌混じりの杯を差し出す彼に、酔っているということだけはわかった。 「はぁ……で、何かわかった?」 運ばれてくる今にも零れそうな程一杯に盛られた刺激臭がする杯に目を遣りな がら、尋ねた。 「んにゃ、まだ聞いてへんよ」 「じゃあ、聞こうよ」 「これを、飲んだらな!」 痛む頭と共につっぷくしそうになった体をなんとか持ちこたえた。 「ああ、飲んだ飲んだ!」 「飲みすぎだよ……」 結局、何杯も飲み続けるハルの代わりに聞くこととなったが、今晩の宿が空い ているということ以外は何もわからなかった。 「なんで、付いて行こうと?」 まだ落ちずに辺りを照らし続ける陽の下で、酔っているだろう彼に問いかける。 「それは内緒や。それより、はよせな日が暮れるで!」 答える気のないハルに、「誰のせいだよ」と聞こえるように嫌味を投げつけな がら、追いかけた。 それから、夕飯の良い匂いが辺りから香り出す頃にマリンと偶然の再会をする まで、何か変わった情報はありませんか、という問いを色んな人に聞き続けた。 216 :群青が染まる 03 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/03/27(土) 16 19 51 ID sJQd6qba 「もがが、海に面した……んぐ、街、セイクルにいるらしいで」 陽が在った時とは違い、夜の酒場にはさらに多く人が集まっていた。 旅人らしき身なりの楽器を弾きながら語る男。飲みすぎたのか、足腰がふらつ いている男。今日の稼ぎを求めて男を誘う女……そういえば、ハルは何度も誘わ れたようだが、頑なに断っていたな。 そして、些細な言い合いから殴り合いまでに発展した男達。 それは賑やかというより、うるさいぐらいだった。 「他には?」 その質問は、口に食べ物を入れながら喋るハルに向けられたものだ。 そんなハルとマリンの会話を男の視線も女の視線も集まっている事に居心地が 悪いと思いながら、少しだけ距離を置いて眺める。 注視している荒くれの男達でも、異様な雰囲気に近寄ってくることはなかった。 「ぷはっ、後は“最果ての森”とか“祭壇の遺跡”とかどうでもいい情報ばっかや」 「……そうか、ご苦労だったな」 そう言った彼女はとても綺麗で、時間が進むことを忘れたように見続けた。 「惚れた!」 部屋に入ると急に叫んだ男に視線を移す。 「わいは、惚れたで! マリンはんのためならなんでもできる!」 言葉を宙に放り投げたままハルが勢いよく寝床に飛びこむ。きっと酒のせいだ ろうと、何か言う気にはなれなかった。 「わいは、やるでぇ」 寝言がいびきと共に聞こえ出したのは、あっという間のことだった。 「……眠れない」 自分はというと、いびきのせいなのか、いつもより柔らかい布団のせいなのか、 興奮して眠れないのか、冴えていくばかりの目を擦って部屋を後にした。 暖かくなったとはいえ、肌寒い空気が辺りに満ちていた外は耳が痛いほどに静 まりかえっていた。それでも寒すぎるほどではなかった。 呼吸をする度に肺が冷え、そして、頭も冷えていく。 ついさっきまでの騒ぎが嘘のように静かな空間に澄んだ空気、そして満月には 足りず、かといって半月よりかは大きい中途半端な月がそれに溶け込む。 そんな月の光を霞ませるように、家の壁に灯りが乱立している。 夜中にまでも明りは灯っているのは、生まれてこのかた故郷だけしか知らない 自分には初めての光景だった。 ……その神秘的な光景の中、屋根の上で佇む女が。 遠くてよく見えないながらも、月明かりを弾きながら輝いて揺れる長い髪、他 者を寄せ付けない完全な後姿、それはマリン以外にはあり得なかった。 そんな絵画の一つのような彼女に話しかけようか、と迷っては話しかけようと 何度も考えながら、 ただずっと見惚れていた。 217 :群青が染まる 03 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/03/27(土) 16 22 26 ID sJQd6qba 「いい眺めだな」 不意に降って来た声に、驚きながらも“そうだね”、 「俺は、いていいのか……?」 と、返すはずだった。なのに、口からついて出た言葉は、全く別の事だった。 「我はそなたに案内を頼んだ」 星屑が落ちてきそうな夜空に顔を向けたままの彼女は、きっとこんな時にでも いつも通りなんだろうな。 「だけど……!」 「それとも、ここで終わりを迎えるか?」 ひんやりとしたそれでいて暖かい指先が首筋に触れている事でやっと気付いた ……目前に迫った彼女に。 それは触られているだけなのに、悲鳴どころか、声を上げることさえ許されな いほどの重圧だった。 視線が合った瞬間に今まで抑えてきた震えが全身へと駆け巡る。 「我が憎いか? 人間。 だが、これは約束事。呪うなら、己自身を、そして貢 物とされた役目を呪うがいい」 視線を外して、顔を上げ空を見上げる様は、まさしく異様だった。 「決めろ……死ぬか、生きるかを」 そんな彼女がもう一度こちらを向いた。 待つのは死しかない狙われる獲物のように、泣いて叫びたいほどだった。 「……? なぜ、何も言わぬ?」 答えようと動かす口が開かない。振ろうとする首が動かない。 立っているのが不思議なほど力のない足に、倒れないのは固定されているため だと気付く。 「ああ、」 祈りが届いたのか、言葉と共に触れていた指が離れた。途端に、力なく膝が折 れた。 「……ごほっ!」 緩まった圧力に、咳き込みながらも必死に息を吸い続ける。 「すまぬ。加減を間違えていたようだ……」 息を吸って吐きながら、目から出る水滴を手で拭いながら、もしかして、間違 えて殺されるところだったのか? という疑問が脳裏を過ぎる。 冷たい地面に冷えていく身体、未だ足に力が入らなかった。 「では、答えてもらおうか」 わざとらしく咳を打つ仕草だけは、ひどく人間臭い。 「行く、行くよ!」 それは、そう答えるしかない問いだった……だけど、例え本当にそうだとして も、少しでも必要とされているのではないかと思えた。 「そうか」 瞬間、わからなくなってしまった……さっきまでの自分に死の恐怖を持たせた 彼女と、薄く笑みを浮かべた彼女、どちらが本当の姿なのかが。 「なぜ、……探すんだ?」 だからなのだろう、思い切って訊いてしまったのは―― 相変わらず人形のように無表情で、肯定のような否定のように流して、そんな 姿を想像していたのに、 ――そして、後悔した。 そこにいるのは、いまにも泣いてしまいそうに眉をひそめて、口をつぐんだ女 だけだった。 「……なんとなくだ」 人である自分より弱々しく見えたのも束の間、 「我からも一つ問おう」 何かを振り切るようにそう続けた。 218 :群青が染まる 03 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/03/27(土) 16 25 07 ID sJQd6qba 蹴飛ばしていた毛布をハルに掛け直して、部屋を出る前はあれほど暖かかった のに今ではもうすっかりと冷たくなった寝床に潜り込む。 味わったのは死の恐怖、だというのに頭にあるのは何も言わずそれでも何かを 聞きたがっていた彼女の事だった。 なんでも知っていそうな彼女に何の疑問があったのだろうと考えて、いつもあ れは何かと、これは何かと問う姿が思い浮かぶ。 そんな考えも、次第に鈍くなった頭に消え、やがて眠りに落ちた。 その日の夢には笑顔の彼女がいた。きっとこんな顔を見たら見惚れるどころで はないんだろうな、と自然と自分まで笑顔になった。 「――はん! トモヤはん! 起きてぇな!」 「……ハル?」 勢いよく揺すられる肩に、二日酔いのように重たい頭。 「ハル……? じゃ、あらへん! もう昼やで?!」 ああ、そうか、もうそんな時間か。 「……え?」 「マリンはんが待ってるで!」 「わ、ちょ、ちょっと待ってよ!」 すぐに静かに怒る顔が思い浮かぶ。 鈍痛がする頭もそのままに、いつもの倍の速度で用意を済ませ酒場兼食事場へと 降りた。 なのにそこには誰もおらず、置いていかれてかもしれないという焦りの下、外へ と急いだ。 「こっちやでー!」 扉が外れそうに跳ね返るほどの勢いで飛び出すと同時に聞こえてきて来た声の方 を見る。 そこには、ここに来るまでに乗っていたのより僅かに広く相変わらず屋根がない 荷馬車があった。 その隣でハルが何が嬉しいのか笑顔で大袈裟に手を振っている。 どっからどう見てもあれで移動するんだろうと、安堵の息を吐いて胸を撫でた。 「さ、出発するで!」 そんな彼に近寄ると、すぐに馬に飛び乗った。その姿は自分よりよほど様になっ ていた。 ……だが、そんなことよりも重大が疑問が俺にはあった。 「ここに乗るの……?」 荷車を、膝を手で抱えて座るマリンが乗っている隣を、恐る恐る指差す。 「当たり前やないか」 何を言っているのか理解できないとでもいいたげな顔で、既に手綱を握って出発 を今か今かと待つハルにどうしても変わると言い出せず、出来るだけ彼女を視界に 入れないように荷車へと足をかけた。 乗り込むと同時にハルが馬の手綱を引いた。すると、待ってましたとばかりに馬 が勢いよく蹄を唸らせた。 その歩みに連なって車輪が小気味良い音を立てて回り始める。 そんな中、肩が触れ合うぐらいの距離に彼女がいることにどうしても落ち着かな かった。 こんなことだったら手綱を握ると言おうとして、マリンの隣で仲良く話すハルを 思い浮かべ、喉まで出かかった言葉を止める。 そんな二人に嫉妬した自分に嫌悪感を抱いて気付いた……自分は彼女に惹かれて いるんだと。 219 :群青が染まる 03 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/03/27(土) 16 28 31 ID sJQd6qba 「いやー、無事抜けれてよかったわ!」 街の西門を潜り抜けた事への安堵の声にも、落ち着かないのは彼女が近くにいる からだというのを無理やり押し込めて平静を保つので精一杯だった。 「そういえば、トモヤはん」 「な、何?!」 「昨日、何かあったん?」 「き、昨日?!」 何かあったと言えばあったのだろうが、まさか死に掛けたと言う訳にもいかず、 次の言葉を待った。 「マリンはんが今日はゆっくり寝かせてやれっていうもんやから、てっきり何かあ ったと思ったんやが、」 「……は?」 思わず盗み見た彼女の表情はいつもと変わらなかったけれど、いつもより悲しそ うに見えたのは……きっと俺の気のせいなんだろうな。 「……すまなかった」 そんな小さすぎて聞こえるはずのない言葉が、風に流されて耳へと確かに届いた。 その言葉に自分でも気付かぬうちに跡が残っているだろう首筋に触れていた。 ……この旅の終わりは港街セイクルなのだろうか? 少しでも長く続いて欲しいと思ったのは、我侭な願いなのかもしれない。
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第弐話を通してラノで読む 鋭い日光がコンクリートを容赦なく照りつける。 汗を流しながらも、それに打ち水をする婦人。街道に据え付けられた街路樹に止まり、 俺は此処にいるぞと言わんばかりに騒ぎ立てる蝉の鳴き声。 国守鉄蔵《くにもりてつぞう》が花壇にしゃがみ込み、小円匙《シャベル》を片手にせっせと土いじりをしている。 蝉の鳴き声に混じりながら上空からジェット機の排気音が響き、それに気をとられ手を休めた。 小円匙を持っている手とは逆の手で、目深に被った麦藁帽子の鍔《つば》を持ち上げ、視界を邪魔する日光を手のひらで遮り遥か上空で燦然と輝く太陽を見上げる。 空は真っ青で、それを邪魔しない程度に、程よい青を滲ませた積雲がまばらに散っていた。 「そろそろお昼時になるかの」 国守鉄蔵は首に巻きつけていたタオルで額《ひたい》の汗を拭き取り、よっこらせと立ち上がった。 肩から掛けていた雑嚢《ざつのう》に手早く園芸用品を収納し、外した軍手をジャージのポケットに押し込み、 からころと下駄の音を響かせながら路傍に止めてある轟天号《じてんしゃ》に歩み寄る。 愛機の横には相棒の柴犬《ケンゾー》が行儀良く座っていた。暑さのせいか舌を出しながら、しきりに浅い呼吸を繰り返しており、常よりも幾分か鼻先が湿っている。 サドルの首の部分に撒きつけていた手綱を解く。解いた手綱はケンゾーの首輪に繋がっており、 それを両手で巻き取る。手綱の長さに若干の余裕を持たせ、輪のようにまとめた後、自転車のハンドルと一緒に握る。 「今気付いたんじゃが、持ち物整理しとったらな、なんじゃ、弁当持ってくるの忘れとったみたいじゃ」 「くぅーん」 若干呆れた様にケンゾーはうな垂れたが、何かに気付いたのか首を上げ何度も鼻を鳴らす。 「んむ? なんぞ美味そうな臭いでもするんかの?」 ケンゾーがすっくと立ち上がると同時に鉄蔵も愛機の轟天号《じてんしゃ》に跨り、ペダルを踏み込む。 がたんと小気味良いスタンドの揺れる音が辺りに響き、目的の場所も解らぬまま相棒に促がされ自転車を漕ぎ始めた。 緩やかにペダルを漕ぎ続けるうち、鼻腔を擽《くすぐ》る何かの料理の匂いが漂ってくる事に気付く。芳ばしさの中に際立つ老酒の燃え上がる、芳香。 「うむむ、こりゃ確かに美味そうな匂いじゃ。流石にお前さん鼻が利くの」 ケンゾーの歩みが速くなり、辺りに立ち込める香りも一層濃くなる。 「あ、あれじゃろ。あの屋台じゃろ?」 「ばう!!」 自転車を漕ぎ始めて間も無く、一つの屋台が路上に店を構えていた。屋台の脇に自転車を止め、暖簾《のれん》をくぐり、長椅子を跨いで一番端の席に腰を降ろす。 「っしゃーせ!!」 応対に出たのは威勢の良い青年だ。全体的には細身ではあるが肩幅もあり腕の筋肉も確りとしたもので、何かしらの武術を嗜んでいるように感じられる。 片手に持っている中華用の鉄鍋を軽々と振るう様は、これから出てくるであろう料理の出来を期待させるには十分過ぎた。 屋台の中を軽く見回すが、注文札はチャーハンと杏仁豆腐の二品しかなかった。 ただ、チャーハンの注文札の横には品物の量を表していると思しき”満貫盛り・ハネ満盛り・倍満盛り”の注文札が掛かっていた。 「当店はチャーハン専門店になってまして、普通のチャーハン、量を多めにした満──」 「チャーハン倍満でお願いできるかの?」 言葉を遮るように注文が入った。 「いやー、あのお客さん? まだ説明の途中ではあったんですが、倍満て凄い量多いんですよ? ちょっとお客さんには辛い量だとは思うんですけど」 店員は苦笑いを浮かべながら鉄蔵を窘《たしな》める。 「いや、流石に一人じゃ食いきれんで、幾分かは相棒に分けようと思うとるんじゃが」 自転車の横で丸くなっているケンゾーを顎で示す。 「お客さん。こちらとしても人間相手に商売やってるんですよねー。 頼んだ物はしっかりと一人で食いきるっつーのがお百姓さんに笑顔で顔向けできるんじゃないかなとゆースタンスでやってるんすよ」 料理人として譲れない芯の部分を感じさせる一言。 青年は営業スマイルを崩す事は無かったし、確固とした信念がその言葉に重みを与えている事を感じない鉄蔵でもなかった。 「んむむ。そう言われるとぐうの音もでんわィ……。それじゃあ満貫盛りと並盛りを一人前づつならどうじゃろうか? うちの相棒も食べ物は残さず食べるように躾けておるし、あいつもお前さんとこのチャーハンに魅かれてここにワシを連れてきたみたいなんじゃ。 なにより、相棒も腹の虫が鳴きっぱなしのようでの」 青年は瞳を閉じ、腕を組みしばらく考えるように唸る。 「うーん。そこまで言われちゃこちらとしても断りようがないですね。よっしゃ、それじゃあチャーハン二名様分すぐに取り掛かるとしますか!!」 言うが早いか青年はチャーハンを手際よく作り始めた。 一定の間隔でかつかつと鉄鍋とお玉がぶつかる音が反響する。さほど時間はかからず、目の前に料理が差し出された。 「チャーハン一人前、満貫盛りお待ち!! もう一人前はあちらさんに持ってけばいいんですかね?」 「ああ、そうしてくれるとありがたいの。入れ物はあいつが食うのに困らなけりゃ何でもいいわィ」 「はいよっ」 差し出されたチャーハンを黙々と口に運ぶ。じんわりと体全体に熱が伝わり汗がこみ上げてくるが、それがまた心地よかった。 首に掛けているタオルで額を拭い、再びレンゲを手にとる。 頬の端が自然と緩んでいる事に気付き口元を引き締めるのだが、どうしても綻んでしまう。 それ程に差し出された料理は美味かったのだ。豪華すぎず、美味すぎず、慣れ親しんだ味よりも一つ二つ上の、安っぽい美味さが鉄蔵を上機嫌にさせた。 その様子に気づいたのか青年は鉄鍋を屋台の脇に置き、誇らしげに語りかけてきた。 「ふふふ、どうですかね? こればっかりは自信があるんですよ。そんじょそこらのチャーハンなら一捻りですよ」 「んむ。大したモンじゃ。こりゃ何度も食べたくなる味じゃよ」 手を休め、コップに入った水を呷る。 「大将はいつもここらへんに店構えとるんかの?」 「いや、今日はたまたま南区まで出張してきたんですよ。けどまぁ、やっぱここらへんだと学生が少なくてお昼時でも客入りは悪いすねー」 「そのたまたまのお陰でわしと相棒も美味いメシにありつけた事は神さんに感謝じゃのう」 呵々大笑し、また一掬いのチャーハンを口に放り込む。 「ちなみに、本店は学園の商店街にある雑居ビルの一階にある”大車輪”て中華料理屋なんで、どぞ、ご贔屓に」 「あぁ、知っとるぞィ。なんじゃそんな身近にある店が美味い事知っておったら、足繁く通ったんじゃがな」 そんな風に会話を弾ませていると、新たな来客が暖簾を潜り長椅子に腰を下ろした。 「たいしょー。いつものっす。あと食後に杏仁豆腐ひとつ」 がこんと盛大な音を上げ、屋台の柱に青年は頭をぶつけた。その音に驚いたのかチャーハンを一心不乱に貪っていたケンゾーは体を浮かせ顔を上げる。 「お前、なんでここにいんだよ!!」 青年は一転してカウンター越しに来客へ詰め寄った。 「やや、たまたま南区の巡回に来てただけっす。巡回してる最中になんか見知った屋台があったからわざわざ来てやったっす。 店の売り上げに貢献してあげようとしてるんだから崇め奉ってもいいっすよ」 「悪ぃけど悪魔崇拝はガラじゃねぇよ。っていうか巡回って今日は休みじゃねーのか? こんな所まで見回りにこなきゃいけないってのも面倒臭ぇもんだな、風紀委員見習いってのも」 盛大なため息をつきながらも青年は着々と料理を作り始める。しばらくやり取りを見ていた鉄蔵が会話に割って入った。 「お嬢ちゃん学園の風紀委員さんかい」 少女は突然会話に入ってきた老人を見つめた後、店主に耳打ちする。 「誰このおっさんっす」 「いや、おっさんじゃねーよ。じーさんだよってそんな事はどうでもよくて、お客さんだお客さん」 小声でやりとりをしている意味を感じられない程に声は駄々漏れだった。鉄蔵は苦笑混じりに言葉を続ける。 「なんじゃ、ワシも長いこと学園で働いておるんじゃがあっちゃこっちゃに出回ってるせいで、学生さんにあんま顔は覚えてもらっとらんようじゃな」 「そう言われるとどっかで見たことあるような無いような感じがするっすね……」 少女は黙考した後、目を見開いて声をあげた。 「あー、思い出したっす。用務員のお爺さんっすよね。 醒徒会の人といるの何回か見たことあるっすよ」 「覚えていてもろうてなによりじゃ。双葉学園用務員の国守鉄蔵じゃよ。お嬢ちゃんは見回りのお仕事かィ、ご苦労さんじゃな」 鉄蔵が名乗ると、レンゲを片手で弄びながら少女も名乗る。 「あ、失礼しました。神楽二礼っす。ちなみにそっちで、もそもそチャーハン作ってるにーちゃんも学園生っす」 「へー、お客さん双葉学園の用務員さんだったのか。俺は拍手敬って言います。お勤めですよね? こんな辺鄙な所までご苦労さんです」 軽く会釈をする。 互いに自己紹介を済ませた後、取り留めもなく話をしながら食事を楽しんだ。 学園で最近起きた事件の事や、今の醒徒会役員の事、学園の近くで昨今噂されている都市伝説の事など、話題が弾むにつれ形式的な敬語も崩れる程には 鉄蔵と屋台大車輪の店主の敬(今は屋台を預かっているという意味での店主だが)は打ち解けてきていた。 「──まぁ、そんなワケで俺の活躍でドカッとその小憎らしいラルヴァを自慢の発頸で一撃ズドンってなワケで!!」 「よく言うっす。結界張って待ち伏せしてた所に来たのは、 散々逃げ回って挙げ句の果てにズタボロのボロ雑巾みたいな状態で満身創痍だったのはどっかの誰かさんだったじゃないっすか。言う事は大概オーバーっすよね」 「お前そんな元も子もない事言うんじゃねーよ!!」 そんな二人の掛け合いを見ていた鉄蔵は、ぽつりと疑問を投げかけてみたのだが 「お前さんがた随分と仲が良いみたいじゃが、恋仲か何かなんかいの?」 「「それはない」っす」 ──返答とは異なるが、随分と息が会っていたのは言うまでもないようではあったのだが。 会話をまだ続けていたかったが、相棒のケンゾーが何やら喚き散らしていたので、 そろそろ仕事に戻らないと後が大変だなと思いながら立ち上がる。いそいそと財布から代金丁度の小銭を取り出し番台に乗せた。 「それじゃ、ここいらでお暇《いとま》させて頂くわィ」 「お代の方は丁度っすね、まいど。今後ともご贔屓に願います!!」 「また学園でっすー」 暖簾を潜り屋台に背を向けひらひらと両手を振る。屋台の脇に止めてあった、 自転車に目をやると自転車の置いてあった場所にはサドルの皮とハンドルのグリップやタイヤのチューブ、その他プラスチックで出来た部分等だけが転がっていた。 無い。 愛車が無い。 「ん? ドウイウコトナノ?」 何が一体どうなっているのか理解できず、手の甲で軽く目を擦ってはみたものの目の前に転がっているのは愛車の部品と思わしき無惨な残骸だけであった。 その横ではケンゾーが一層大きな声で吠えたてている。 「お、お前さん。わわわわひの轟天はどどどどこいぅあ」 気が動転している鉄蔵はケンゾーの頬を両手で掴みぐいぐいと引っ張る。 ケンゾーの頬は安物のエキスパンダーの様に伸び縮みするが、わふわふと唾液をこぼしながら「だから、そっちを見ろ」と言わんばかりに屋台の方に必死に首を向けた。 「うぉおお!!きしゃん!!おれの大事なジャンに何するとぉおおおお!!」 先ほどまで楽しげに会話をしていた拍手敬のエセ九州弁での絶叫が上がった。 そちらを見やると屋台のすぐ傍に、自転車程の大きさであろう鉄の塊が蠢いている。 鉄の塊からバールの様な鉄の触手が伸び、屋台の調理具を絡めとる。塊はそれらを取り込み徐々にその暈を大きくしていく。 「俺のジャンを返せぇぇえッツ!!」 目を血走らせながら敬は鉄の塊に大の字になって飛び乗り、半分程目減りした鉄鍋を引き剥がすと盛大に尻餅をつく。 涙目になりながら無惨な姿の鉄鍋をしっかりと抱きしめた。 「おぉぅ!! こんな姿になってしまうとは……。前のラルヴァの時といい今日といい……なんだお前等!! 俺のジャンに恨みでもあるんかコナーロー!!」 怒髪天を突いた敬の横にからころと乾いた下駄の音を鳴らしながら鉄蔵も並んだ。 「ぬぐぐぐぐ。わしゃ怪異如きに、馳走を振る舞った覚えは無いわィ。 お前さんの魂源力の全てを轟天の供物にしてやろう……ケンじょぉォオッツ!! 弔い合戦じゃあああッツ!!」 鉄蔵が怒号を飛ばすと同時にケンゾーは咆哮しその嘶《いなな》きは天高くまで轟く。 しなやかに伸びる両足を以て大地を蹴り上げ跳躍。空中で一振りの刀へと変化する。鉄蔵は中空に突き出した右手でその刀を掴み取り、切っ先を怪異へと向ける。 敬は鉄蔵が手にした刀《ケンゾー》を見て一瞬あっけにとられたが、その所作から鉄蔵が武の道を歩むものである事に気付く。 己の人生の中で、艱難辛苦を分かち戦い抜いた相棒を失った男達は、共通の仇を討つ為、視線を交わし頷きあった。 「ぶっ「倒す」!!」 奇声というか金切り声というか、翻訳不可能な日本語を喚き散らしながら、 ラルヴァへと突撃する料理人とジャージ姿の老人を屋台から眺めていた神楽二礼は頬杖をつき口元を緩めながら呟いた。 「いやー、お二人さん随分仲良いっすねー。もしかして恋仲か何かなんすか?」 「「それはない」」 急ブレーキをかけ、互いに首だけを二礼に向け片手で否定を示す。 ラルヴァを前に暢気にそんな漫才をしているうちに、目の前にいたはずのラルヴァはいつの間にか無数の脚を生やし、 その脚を不気味に蠢かしながらその場からもの凄い速度で駆け出した。 「大将!! やっこさんが逃げるぞィ!!」 「くそ、逃すかっての!!」 遠ざかるラルヴァを逃すまいと二人は屋台を後に駆けだす。後に残ったのは無惨に転がった鉄蔵の愛車の部品とと、 木造が故に難を逃れた”大車輪”の屋台。そして、事の成り行きを静観していた神楽二礼だけだった。 遠ざかるラルヴァと敬と鉄蔵の背中を眺めながら手もとにあった杏仁豆腐をスプーンで崩し、これを口いっぱいに頬張る。 「──ほむほむ、これってもしかしなくても店主不在でタダって事でいいっすよね。儲け儲け」 以前とは逆の立場の鬼ごっこを終えた二人は、ラルヴァを袋小路まで追いつめていた。 「へっへっへっ。前門の区画整備不全の壁、後門の老若コンビとはこの事だなぁ」 「な、なんじゃィそりゃ」 「いや、ほらそこはなんか上手いこと言ってフォローしてくれないと……」 ラルヴァを前に未だ余裕を崩さない二人は余程肝が座っているのか、あまり頭が働かないのかの何れかであろう。 そんな二人を前にラルヴァはバールの様な触手を交差させ震えだした。 「な、何してんだ?」 震えだしたラルヴァから甲高い金属音が鳴り響き辺りにある幾つかの建物や、電線は彼らが気づかない程、僅かに震えだす。 「くっ!! この音は!?」 両耳を押さえ拍手敬は両膝を地面に下ろし身悶える。 「何じゃ、どうしたんじゃ大将!?」 傍で苦しむ敬の様子に鉄蔵は狼狽するが、何が起こっているのかは鉄蔵は理解に苦しんだ。 「お……音が!!」 「音!? わしには何も聞こえなんだが……っうお!!」 轟音と共に袋小路で立ち止まるラルヴァの足下に亀裂が入り、それは凄まじい速度で枝を分かつ。 「大将!! すぐにこの場を離れぬぉおおッッツ!!」 鼓膜が破れんばかりの甲高く強烈な金属音。音叉を打ち鳴らした時の音に近いそれは共鳴し、 地面は僅かに震え、微細にひび割れ、ついには地割れを引き起こした。 辺り一面のコンクリートに広がった地割れという名の蜘蛛の巣は、 鉄蔵にも聞こえる程の音量の金属音を最後に打ち鳴らしたラルヴァの一押しによって地面は陥没し、大きな穴がそこに穿たれる。 突如として口を開いた漆黒に敬と鉄蔵とラルヴァは吸い込まれ落下した。 後編へ
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っと、前置きを書きわすれた>< 馬がわがままをしはじめたら、早めに抑止するんじゃないかと気づいて 少し落ち込んで、その部分を書き改めたものです。 それでも、話は元の通りに進んで、ぼくとしては満足でしたがw 鉄の足で地を踏みしめるたび、重い足音が響く。 ルキアニスは、足元へと目を向ける。 春の日差しの中を、影が滑った。影を落とす彼らは、強く軽やかに地を打ち、その拍子に乗って駆けた。たてがみを翻し、また羽織の外套に風をはらませて、一つになって、春のくさはらを行く。 羽織外套をひらめかせ、蹴り上げた砂埃を残して駆け抜けてゆく。それを待って。ルキアニスは次の一歩を踏み出した。 機装甲の重い足音がふたたび響く。周りに人がいると怖くて仕方ない。間違って、足にぶつかったり、足の下に入ってしまったら取り返しがつかない。 馬だと、動きが読めないからもっと怖いと思っていた。驚いたり怯えたりして思わぬ動きをしたら、どうしよう、と。 けれど、ともに野に出てみると、案じていたほどではなかった。 馬たちは、乗り手の手綱に忠実に従っている。 それに機装甲の姿を見ても、怯えたりしない。姿を見ても怯えて跳ねるどころか、足音にさえ驚きもしない。 でも、馬たちは、機装甲のことをあまり好きじゃないらしい。近づくと、一斉に耳を振ってそばだてるのが見える。もう少し近づくと、足踏みするようにして、乗り手に気持ちを伝えているようだった。そして我慢しきれなくなると、乗り手に制されるまでこっそりと、さりげなく間を取ろうとする。 実のところ、ルキアニスと、マルクス・ケイロニウスも同じようなものだった。白の三に乗った二人は、騎兵の後につきしたがって歩き回っていた。 指図されるままに歩き、示されるところに赴く。 馬たちに歩調をあわせて走り回ることも行った。はじめはどれくらい走れるかを試されたようだった。馬たちは、すぐ後ろを走られるのが嫌であるらしいこともわかった。嫌がって少しずつ足を速めてしまう。だから、ルキアニスたちは、馬の脇を少しはなれて走った。 問題なくついてゆけることに納得してもらった後は、どれだけ細やかに騎兵に追従できるかを、確かめられた。 馬の歩調は、並足、早足、駆け足、襲歩だけではなくて、歩調を上げ下げできる。先導する教導小隊長の合図のしぐさに合わせて、ルキアニスとマルクスも、少し歩調を上げたり下げたりをした。 注意深く見極められていると思った。 ことの起こりはたぶん、この間の基礎訓練だと思う。 あの時、連隊長と騎兵大隊長は、遠巻きに小隊の搭乗基礎行動訓練を見ていた。 何事か話していたようだった。たぶん、けれど、何を話していたのかはわからない。 けれどきっと、そういうことを話していたのだと思う。 何日か経って、中隊から命令が来た。 打ち合わせから戻ってきたヴィルヌス小隊長は、眉をひそめながら命令書を見ていた。アルヴィヌス先任上級騎士も、横からそれを覗き込んで、まいったな、とぼやいていた。 それから、ルキアニスと、マルクス・ケイロニウスが呼ばれた。 「お前たちに行ってもらう」 騎兵大隊の部隊研究のために、機装甲二機と搭乗員を派出せよ、という。 「……」 ルキアニスは息をついた。見ると、マルクスもさすがに不満気に見える。 今はまだ、新しい教範による小隊基礎行動訓練も終わっていない。何もかも急がせて、次から次から訓練の日程を繰り上げて詰め込んでいるのに、最後でこうだ。基礎のまとめとなる小隊基礎行動訓練の途中で、他の大隊のために引き抜かれるのは、釈然としない。 「止むをえん。多兵科連隊である以上、戦術を共有しなければならない」 ヴィルヌス小隊長は、黄玉色の瞳で、二人を交互に見た。 「今、他の中隊から、出すことは出来ないし。他の小隊から出すゆとりも無い。並騎士を派出するわけには行かないし、他の上級騎士を出す余裕は無い」 「あちらも忙しいのだろうさ」 アルヴィヌス先任が笑みを浮かべて言った。 「お前たちの補習はばっちりやってやるから、とりあえずあっちの役に立って来い」 命令は覆せない。 それにそう言われてしまったら、抗う拠りどころさえ無くなる。マルクスとルキアニスは、敬礼して命令を受領した。 小隊が、総出で小隊行動の研究をしているときに、二人だけ派出の準備をしなければならないのは心苦しかった。 同じ連隊だったけれど、騎兵大隊はまるで別部隊のように思っていた。 騎兵大隊の兵舎と厩舎が、そもそも連隊本部棟を挟んだ向かい側にある。 だから、向かい側にまわって、連隊本部棟の屋根の向こうに、白の三の上体が見えたときには少し驚いた。こちら側に来ると、足音もあまり響いてこない。格納庫のあたりに漂う、鉄臭さ油臭さ、それに鍛冶場の匂いもあまり感じない。 騎兵大隊棟の側で感じるのは、馬たちの気配と匂いだ。 それに、こちら側の士卒の気風もずいぶん違って見える。黒い軍装の肩で風を切り、乗馬軍袴と長靴で示すように高く上げて歩く。こちらの人たちから、ルキアニスたちはどう見えているのだろう。 歩きながらルキアニスは隣のマルクスを見上げた。気づいた彼は、片方の眉を上げてみせる。彼はにやりと笑みを見せて、胸を張り、せいぜい威勢を張って歩く。ルキアニスも、そうして歩いた。 大隊長室の前でも、せいぜい声を張って申告をする。 ノルガシルス騎兵大隊長は、騎兵将校らしい人だった。 二人を、涼しげだけれど鋭い瞳で迎える。 「良く来た」 白味のある金髪は、後ろに撫で付けていた。細く整った眉と、氷のような薄青の瞳とあわせて、冷たく厳しく見える。それが、彼という人なのだとルキアニスは思った。 「騎兵も新操典を受領した。だが、それだけでは教範の求めるものを実現できない。騎兵と機装甲の複科運用連隊として、騎兵の錬成にも、機甲兵の錬成にも、操典の改善にも、双方組み合わせた演習が必須だ。諸君に期待している」 ノルガシルス大隊長は卓に両ひじをつき、そのあごの前で指を組み合わせる。 「まずは、騎兵と言うものがどういうものか、理解してもらうから始める」 彼は傍らに立つ大隊従士長へ目を向けた。 「ラメンクス、レオニダス上騎と、アモニス上騎を厩舎へ」 「承知しました。大隊長」 ラメンクスと呼ばれた男は、一歩前に踏み出た。 彼は従士長の章をつけている。それから、先任を示すしるしも。 動くことなく立つ姿は彫像のようだったのに、踏み出してくると気圧されそうになる。背はマルクスと同じくらいなのに、横幅も重さも、たっぷり三倍はあるはずだ。 「何をするのでしょうか?」 「乗馬だ」 問うマルクスに、ノルガシルス大隊長は少し笑みを見せる。その笑みはなぜか、挑戦を受けて立つというように見えた。 「騎兵大隊がどのように任を果たしているのか、知ってもらわねば困る」 「お二人とも、こちらへ」 ラメンクス大隊先任従士長は、大きな目を鋭く光らせて、けれど、ごく丁寧に言ってみせる。 敬礼とともに退出したルキアニスとマルクスに先んじて歩き、導いてゆく。導き、歩く背中も、ほんとうに小山のようだ。 厩舎につくと、もう馬が引き出されていた。 二頭にはすでに鞍を乗せられ、轡を取られている。そして、黒くつややかな瞳で、二頭ともがこちらを見つめている。 「どうした?」 マルクスが振り返る。ルキアニスも知らないうちに足を止めていたようだった。 「なんでもないよ」 ふるさとにいたころに良く見た、農耕馬と違って見える。毛は綺麗なつやを見せているし、頭も小さめで、見目良い。まつげも長い。 二頭の馬は、黒々とした目をルキアニスに向けている。 それから鼻面を上げて、ルキアニスへ向けた。首も伸ばしてくる。鼻息が押し寄せる。 轡取りの従士が手綱を引き、制する。 「こら!」 馬は二頭とも、軽く耳を伏せて、長いまつげでぱちぱちと瞬きしたりして、足を止めた。 「さすが騎兵の馴した馬だな」 マルクスは、馬に慣れているようだった。 少し近づき、そっと手を差し上げる。ちょうど馬の首に似せて、手の甲をさらして見せる風だ。馬は二頭とも、そっと鼻面を伸ばし、その匂いを嗅ぐようだった。 「馬を扱った経験がおありですか、騎士レオニダス」 ラメンクス従士長は、そう問うた。マルクスは馬から目を放さない。 「馴らした馬に乗せてもらったことがあるだけさ」 彼は馬の寄せる鼻面を撫で、さらに寄せてくる首筋を撫でてやる。 マルクスは手を下ろし、少し退いて振り返る。 ルキアニスも同じく退いた。マルクスの斜め後ろに、隠れるように。 「馬が怖いのか?」 「そんなことは無いけれど……」 「前から行きゃ平気さ」 馬たちは、ルキアニスへも鼻面を伸ばしてくる。轡を取っている騎兵も、ルキアニスへと導く。 マルクスは腕を上げて、馬たちの鼻先を避けた。彼の脇を抜けて、馬たちは鼻面を伸ばしてくる。ルキアニスはあわてて手を引っ込める。 「何で寄ってくるの」 振り返ったマルクスが笑う。 「好かれたんだろうさ」 ラメンクス従士長はしゃちほこばった面を崩さずに言う。 「それは良いことですな」 「とめてください」 「動かないほうがいい」 ラメンクス従士長のぎょろりとした目は、なぜかたのしげだった。 「怯えて慌てると、かえって危うい。馬は敏感です。馬の経験はありますか、騎士アモニス」 ルキアニスは足を止めた。手をぎゅっと握り締めて、動かないようにする。 「野良仕事の馬なら……」 馬たちは、鼻先を近づけてくる。 鼻息が吹きかかる。馬たちは、もぐもぐと唇を動かしながら、しゃぶるくらいのところに鼻先を近づけてくる。 「……」 ルキアニスはそっと顔を退かせる。 馬も、顔を引く。 ふいに音がした。驚いて顔を上げた。 馬の顔があった。 むき出した歯が見える。 「!」 思わず退いた。 かじられるのかと、一瞬、思った。 けれど違う。 大きく開いているのは、唇のほうだ。馬たちは唇を大きくめくりあげて、歯を見せる。まるで笑っているように。 噴出す声がした。それはわかった。人の笑い声だ。 マルクスは、額を押さえて、声を上げて笑っている。 「……馬に笑われるなよ」 ルキアニスは、馬から退きながら抗った。なのに馬たちは、もっともっとと言うように鼻面を近づけてくる。 「何もして無いよ!」 「そうですな。ただ、好かれたんですな」 ラメンクス従士長はなぜか笑いを噛み殺すように唇をゆがめている。咳払いをした。 「牡馬が牝馬を好くような意味で」 「ちょっとまって!」 ラメンクス従士長も、軽く握った拳を口元に寄せる。 「牝馬が満ちると、牡馬は笑うと言います」 マルクスがまた噴出した。 厩舎の中にも、騎兵たちの笑い声が広がる。 二頭の馬も、楽しげに見えた。
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イベントリスト 任意系イベント(政略フェイズの『イベント』で見れるもの) ルート 関連キャラ イベント名 発生条件 備考 魏 ・魏軍 軍糧の集積地に攻め込む 対袁紹戦ストーリー進行後 ※このイベントを見ないとバグるので注意 ・曹操 謎の仮面女剣士 荊州侵攻可能イベント発生後 袁紹を倒した後に発生する 丞相様の避暑地 『謎の仮面女剣士』発生後 曹操と銀河 劉表毒殺イベント発生後 荊州に侵攻した後に発生する ・荀彧、荀攸 二荀の征服地 荊州侵攻可能イベント発生後 ・郭嘉 夜話の後で 郭嘉加入後 ・荀彧、荀攸、郭嘉 皆で水遊び 荊州侵攻可能イベント発生後 銀河は人間のクズ 『皆で水遊び』発生後 ・張遼 張遼の出産!? 鍛錬に励む張遼 『張遼の出産!?』発生後 ・典韋 結成!銀河応援団 荊州侵攻可能イベント発生後 銀河悩殺大作戦 『結成!銀河応援団』発生後 ・夏侯淵 眠るのがお好き 魏ルート開始後 戦場の夏侯淵 『眠るのがお好き』発生後 夏侯淵の肉まん 『戦場の夏侯淵』発生後 笛の音色に誘われて 『夏侯淵の肉まん』発生後 蜀 ・蜀軍 荊州の半数を制圧する 鳳統士元が自軍に加わる 皆で温泉 荊州統一後11ターン経過 ・関羽 関羽は先生 蜀ルート開始後 関羽との鍛錬 『関羽は先生』発生後 イベント一騎討ちが発生する勝つとCG追加?同レベル同士でも勝機はあるが運次第なので銀河をレベル4にして関羽をレベル1のままにしといた方が勝率が上がるひん剥き画像はSP一騎討ちでも見れるのでレベル4同士での関羽の強さを見ておこう 関羽の悩み 『関羽との鍛錬』発生後 上の一騎討ちで負けた場合は話が合わない 予習する関羽 『関羽の悩み』発生後 関羽の憂鬱 上記後荊州統一後11ターン経過 武神の衣装選び 上記後 ・張飛 鍛錬する二人 蜀ルート開始後 鍛えることは女々しい 『鍛錬する二人』発生後 鋼鉄の胃袋 『鍛えることは女々しい』発生後 張飛の秘密 上記後荊州統一後11ターン経過 ・阿斗(劉備) 劉備邸訪問 蜀ルート開始後 武人への憧れ 『劉備邸訪問』発生後 阿斗と瑞獣 『劉備邸訪問』発生後 ・関羽、張飛、阿斗 皆で水遊び ・諸葛亮 孔明とぬいぐるみ 荊州統一後11ターン経過 孔明の新発明 上記後 猫様はお風呂がお好き 上記後 ・姜維 猫とキリン 荊州統一後11ターン経過 姜維が自軍に加わる 麒麟児の鍛錬 上記後 ・馬謖 馬謖の嫌いなもの 馬謖が自軍にいる ・曹仁 赤鎧の少女 『司馬懿仲達の反乱』後 曹仁子孝が自軍に加わる 呉 ・呉軍 河賊を退治する 揚州制圧後 甘寧が自軍の配下に加わる ・孫権 孫権の変装デート 揚州制圧後 私を海に連れてって 『孫権の変装デート』発生後 妹を越えて 益州を制圧する。尚且つ『私を海に連れてって』を事前に見ている ・周瑜 周瑜の秘密 州を6つ制圧する 軍師ではなく・・・ 益州を制圧する。尚且つ『周瑜の秘密』を事前に見ている ・太史慈 洗濯日和 太史慈加入後 料理日和 『洗濯日和』発生後 ・呂蒙 穴の中の魔物 州を3つ制圧する ・甘寧、陸遜 呂蒙の悩み 甘寧加入後 甘寧陸遜の水練 『呂蒙の悩み』発生後 甘寧陸遜のお勉強会 『甘寧陸遜の水練』発生後 ・陸遜 陸遜は負けず嫌い 陸遜加入後 ・周泰 風邪気味周泰 揚州制圧後 魏、蜀 ・鄧艾 幸か不幸か 鄧艾が自軍の配下にいる ・孫策 小覇王。海へ 孫策と周喩が自軍にいる 魏、呉 ・呂布 龍の手綱 銀河で呂布との合戦を2回行う。その後、呂布を仲間にする 呂布の忠誠が「絆」になる 海への道をあけい! 『龍の手綱』発生後 ・趙雲 手作りのお弁当 趙雲が自軍の配下にいる 共通① ・楽進 小さな優将 楽進が自軍の配下にいる 魏ルートでは発生せず 真面目な楽進 『小さな優将』発生後 魏ルートではここから始まる 素っ気ない楽進 『真面目な楽進』発生後 不器用な少女 『素っ気ない楽進』発生後 ・徐晃 負けずの徐晃 徐晃が自軍の配下にいる ・黄忠 ・大喬、小喬 江東の美人姉妹 揚州の城を一つ以上確保する 大喬・小喬が自軍の配下に加わる 共通② ・華雄 大剣を背負った美少女 各ルート開始後 華雄が自軍の配下に加わる 華雄は人気者 『大剣を背負った美少女』発生後 小さなメイドさん 『華雄は人気者』発生後 華雄と特訓 『小さなメイドさん』発生後 ・袁紹 名門中の名門 袁紹が自軍の配下にいる 名門中の不覚 『名門中の名門』発生後 ・袁術 寒いのである! 袁術と紀霊が自軍の配下にいる ・公孫讃 私の大事な白馬ちゃん 公孫讃が自軍の配下にいる 私の大事な威信のために 『私の大事な白馬ちゃん』発生後 私の有意義な里帰り 上記発生後 私の優雅な海水浴 上記発生後 ・賈駆 漆黒の軍師 賈駆が自軍の配下にいる 真夜中の神算 『漆黒の軍師』発生後 足なんてなんとやら 『真夜中の神算』発生後 ・高順 その名も陥陣営 高順が自軍の配下にいる 高順の悩み 『その名も陥陣営』発生後 高順の居眠り 『高順の悩み』発生後 ・張袷 逃げ足も速くなくては 張袷が自軍の配下にいる ・田豊 ・張魯 五斗米道へようこそ 張魯が自軍の配下にいる 蜀ルートでは発生せず? お米を運ぶのです! 『五斗米道へようこそ』発生後 大変なのです! 『お米を運ぶのです!』発生後 ・孟獲 南蛮王降臨 孟獲と兀突骨が自軍の配下にいる ・董白 強くなりたいのです。 董白が自軍にいる ・馬超 白銀の少女 馬超が自軍にいる ・鳳徳 邪な竹筒 鳳徳が自軍にいる 邪な柔軟 上記後 大人のデート 上記後 自動系イベント(更新時に見れるイベント) 主に勢力変化やキャラ追加などのイベントのみ。CGのみの場合も載せる。各ルート固有の更新時イベントの場合は何も無くても載せる イベント名は適当で ルート 関連キャラ イベント名 発生条件 備考 全 ・公孫瓚 袁紹軍に降る 2つ以上の州を制圧 このイベント後公孫瓚軍の全武将はそのままで袁紹軍になる ・張繍 人間大砲 ランダム CGのみ以下元ネタカコートン:夏侯惇元譲シューユ:周瑜公瑾ヘリントン:ビリー・ヘリントン?メイトリックス:ジョン・メイトリックス?後ろ二人は各自ググってくれ ・馬超 天降りしとき ランダムもしくは馬騰が降伏? このイベント後馬騰軍は馬超軍になる ・呂布 呂布現る ランダム このイベントを見ないと呂布を降伏させることは出来ない陶謙軍が呂布軍となる ・高順 傭兵の高順 CGのみ 呂布VS高順 高順が呂布軍となる進行度解放条件のひとつ ・袁紹 袁紹の戦 ランダム CGのみ ・甘寧 河賊甘寧 ランダム CGのみ進行度解放条件のひとつ? ・陸遜 陸遜と名もなき将兵 ランダム CGのみ進行度解放条件のひとつ? ・徐庶 愛の軍師・単福 ランダム 徐庶が張魯軍に入る 蜀 魏 ・孫策 短気な孫策1 ランダム CGのみ 短気な孫策2 上記後 CGのみ? ・偽呂布 我が名は……! ランダム CGのみ? 蜀 呉 ・曹操 曹仁 曹操と曹仁の水練 蜀と呉ルート時のみランダム CGのみ 魏 呉 魏 自己紹介 魏ルート開始後 銀河が曹仁銀河となる。夏候淵、荀彧、荀攸、程昱、典韋、張遼、于禁、曹洪が自軍に加わる厳密に言えば開始直後からいるから加わるわけではないが便宜上 典韋と銀河 拠点を○個制圧? 会話のみ? 典韋と小さな大虎 多分上記後 許猪が自軍に加わる 強靭な弩による攻撃 豫州統一後 会話のみ 郭嘉の家 豫州統一後? 郭嘉が自軍に加わる 呉 腑抜けた孫策 呉ルート開始後 会話のみ 父の存在 呉ルート開始後 CGのみ湯煙邪魔だ 孫策銀河復復帰 制圧した拠点が計3つ以上 孫堅(孫権?)軍が孫策軍となる周喩と銀河が自軍に加わる 袁紹に助けを求める 冀州を攻める 袁術と紀霊が袁紹軍になる 呉蜀同盟 荊州統一後 司馬懿と諸葛亮 益州統一後 司馬懿仲達が消滅 司馬懿仲達の最期 上記後 蜀 劉表の思惑 荊州の城を1つ以上制圧する 黄忠と魏延が自軍入りする 劉表の勝ち逃げ 荊州統一後1ターン経過 会話のみ 荊州の民と共に 荊州統一後2ターン経過 会話のみ 雷神張飛 荊州統一後3ターン経過 イベント合戦あり劉備玄徳が永久消滅銀河が趙雲銀河となる関羽が自軍から一時的にいなくなる諸葛亮が自軍に加わる諸葛亮が一時的に君主となる内政以外の一切が一時的に出来なくなる 諸葛亮の政 荊州統一後4ターン経過 荊州が曹操軍の領地となる 張飛とのキス 荊州統一後5ターン経過 CGのみ 袁紹軍VS曹操軍 荊州統一後6ターン経過 顔良と文醜が永久消滅銀河が自軍から一時的にいなくなる 劉備の遺言 荊州統一後7ターン経過 会話のみ 関羽と銀河 荊州統一後8ターン経過 翼州が曹操軍の領地となる 関羽と曹操と銀河 荊州統一後9ターン経過 会話のみ 劉璋の誤算 荊州統一後10ターン経過 銀河と関羽が自軍に復帰する 桃園の誓い 荊州統一後11ターン経過 阿斗が劉備玄徳として自軍に加わる阿斗が当主となるすべての行動が行えるようになる 鳳統と諸葛亮 ランダム 会話のみ 策士、策に溺れる ランダム? 会話のみ 三匹の猫 荊州に攻め込む?姜維が自軍にいる 馬謖が自軍に加わる 曹魏の方針 荊州を半分制圧 司馬懿と諸葛亮 上記後 司馬懿が消滅する 蜀魏同盟 上記後 曹魏と会食 上記後 このイベント以降は一時的に曹操軍に攻め込むことは出来ない 司馬懿仲達の最期 上記後 司馬懿仲達の反乱 上記後 曹操軍の絆武将が曹仁子孝を除き全員永久消滅する曹操軍が司馬懿軍となる 死せる孔明、生ける仲達を走らす 上記後 この世界では死んではいない 未来の無い世界を回避するために 上記後 鄧艾が自軍に加わる 呂布の捕獲 上記後 呂布が司馬懿軍になる 偽呂布VS傀儡呂布 上記後 CGのみ 偽呂布参戦 上記後 こいつマジで何者!?偽呂布が自軍に加わる
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「大丈夫ですかねえ、こんなことして」 ムルタ・アズラエルは、赤道連合某都市にあるホテルの一室で、一通り眺め終えた 報告書を指で弾いた。ぱん、と上質の紙が小気味のいい音をたてる。 それに、む、と彼は眉を寄せた。経費の無駄遣いをしている気配を感じたのだ。 「問題は無い、とは現場の言い分ですが。保証はしかねます」 別に保証されたかった訳ではないが、真面目くさって答えてくる白衣の男に、アズラエルは目を細めた。手にした報告書を目の前の机に放る。 「他人事みたいに言うけどねえ。君、一応、監督役でしょう。部下の手綱くらいちゃんと握っててもらわないと、任せた僕の立場がないんですけど?」 声に若干の棘を混ぜてみるが、白衣の男はただ「面目ありません」と無表情に頭を下げただけだった。数多いロドニアのスタッフの中で、アズラエルの機嫌を損ねることを恐れない胆力の持ち主は彼くらいである。でなければ監督役など務まらないが。 「サポート体制は整えております。配置も、本隊の最後方ですから、そうそう負傷するようなことにはならないとは思いますが」 「はあ……サポートねえ」 どこか釈然としないものを感じつつ、アズラエルは曖昧に呟いた。 事の起こりは、ごく些細といえば些細な対立である。 ラボと呼ばれるロドニアの研究施設が手を出している分野は多岐に渡ったが、その派閥でいうと二通りに分けることができた。即ち一方の主流たるエクステンデッドの研究班と、アナザータイプ、ブーステッドマンと呼ばれる強化兵士の研究班とにである。 アズラエルは一部始終を見ていたのだが、その日、研究員たちの間で「申し開き」と呼ばれている上層部――自分だ――への経過報告会にて、ちょっとした口論が起こった。 内容はと言えばくだらない、どちらの強化兵士が優れているとかいないとか、その程度のものだった。対抗意識を燃やすのは結構だし、現場が勝手に切磋琢磨してくれるなら、アズラエルとしては願ったり叶ったりなのだが、今回はいささか過熱のしすぎだ。 というのも、ヒートアップした双方が出した結論は、自慢の強化兵士を戦場に出し、 その戦果によって優劣を競おうというものだったのである。 当然、アズラエルは却下しようとした。競うのは勝手だが、金を出すのはこちらである。 巨額を投資して練り上げさせた研究成果を、学者のつまらないプライドで駄目にされてはたまらない。だが、そこへ例の監督役が口を挟んだのである。 いわく、考えがあるから今回はこちらに任せて欲しい、と。 それを信じて了承したアズラエルとしては、今その真意を聞かせて欲しいものだった。 「しかし、いくら訓練を受けていないテロリストとはいえ、一国の軍が出てるんですよ。機動兵器に乗せる訳でもないのに、本当に大丈夫なんですか?」 「それについては、万全を期している、と言う他ありません」 さらりとかわす白衣の男。 思ったより厄介な人選をしたかも知れない、とアズラエルは渋い顔をしたが、彼は気に留めた様子もない。そ知らぬ顔で、それに、と付け加える。 「そろそろ、実戦のデータが必要だったのも確かです」 模擬戦ではできないこともありますから、そんなふうに本音を漏らす彼に、アズラエルは顎に手をあてて黙考した。 必要というか単に欲しかっただけだろう、とは思ったが、 わざわざ口に出すこともないかとも思って胸にしまいこむ。 この類の学者は、基本的に好奇心のみで動いているのだと、彼は知っていた。 やれやれと肩をすくめて、アズラエルは言った。 「……まあ、送り出してしまったものは仕方ありません。せいぜい上手くデータを採ってきなさい。ただし、責任はちゃんと取ってもらいますよ」 すると、それまで鉛のように鈍い動きしか見せなかった白衣の口元が、にやりと笑みの形に吊り上がった。それは晴れやかといえば晴れやかな笑みだったが、同時に、 「勿論です」 邪悪といえば邪悪な笑みでもあった。 因果なものだ、とアズラエルは信じてもいない仏教概念を思い出す。 自分も大概綺麗とは言えない商売に手を染めているが、この男も似たようなものだ。ひょっとすると、自分の笑みも端から見ればこんなふうに見えているのかも知れない。 無論、それに罪悪感を覚えるかといえば、それはそれで別の話であったのだが。
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目堂駅の駅長さんはひかでんのウェパルのサブシリーズである。マナー広告や光月電気鉄道のいろいろな宣伝事項、目堂本線沿線の広告がメインである。2006年のFate/Stay Nightとのコラボから始まり、現在まで続くシリーズである。 登場人物 駅長さん 第5次聖杯戦争のライダー…によく似た駅員。階級は2006年~2010年は助役。2010年1月1日付で駅長に昇進。(ただし階級が判明したのは2010年1月2週の駅長昇進編。)駅長ではあるが、時間帯によっては駅舎内で掃除などをしていたり、部下の手伝いをしていたりもする。「ただの人間ですよ」という本人の弁だが、実態としてはどう見ても第5次聖杯戦争のライダー本人である。ただし、コメディ風味の強い本作では自身に近い存在であるランサーのメデューサとゴルゴーンの宝具も使えるようで、暴力撃退編などでは石化の魔眼を、痴漢(えん罪も)撃退2010編などでは騎英の手綱を、写真撮影2019編では強制封印・万魔神殿を迷惑客に放つという暴挙も見せる。 地域統括社員の姉二人には頭が上がらない。 ウェパル 基本的にツッコミ役。ただ、駅長さんが出ているときは必ずしも出演していない。 上姉様 地域統括社員。2015年6月3週の株主総会で取締役執行役員(目堂地域担当)に昇進。駅長さんのことが好き。 下姉様 地域統括社員。目堂地域サービス統括部長。駅長さんのことが好き。 桜さん 平駅員。駅長さんのことが好き。 電子の歌姫 沿線の住民。CM内では某ミクさんよりスター。冬休み時期にはアナウンスの仕事もしている。 名作CM 2006年7月1週 ライダーな駅員さん編 アニメ終了後に放映された初CM。ウェパルの「転職早くない!?」というセリフからこのシリーズは始まった。 2009年12月1週 暴力撃退編 石化の魔眼初披露。この時に石化された酔客は2020年5月に至っても解放されていない。 それどころか、2023年3月からこの石像を実際に作るクラウドファンディングが始まってしまった。 その名も迷惑なおっさん顕現計画。マジで作る気か。 2010年1月2週 駅長昇進編 意外な偉いさんであったことが判明する。ついでに新制服もお披露目された。 2011年5月3週・4週 痴漢(えん罪も)撃退2011編 全編通勤中に美しい女子高校生に一目ぼれするも、自分の立場もあり、照れ隠しをするほほえましい一幕…かと思いきや、痴漢詐欺グループの一団だったことが判明する。後編では女子高生風の女性に女神の抱擁を放ち、石化させ破壊する。「合計30秒の必殺仕事人」「CMという表現でできるぎりぎりのスプラッター」と現在でも語り草になるCMである。 2020年4月3週 ステイホーム!ぐだぐだひかでん編 コロナウィルス感染症流行により、絵をスキャニング&声優さんは宅録というとんでもない手法で作られたCM群の一つ。コハエースのノリで放たれる宣伝事項の一切ない恐ろしいCM。ノイズもバンバン入ってます。 2020年7月4週 だいたい近鉄編 FGO5周年企画・近鉄とのコラボ。熊野古道(伊勢路)・長谷寺・道頓堀を歴訪する新聞採用キャラと関係の深いキャラの旅行映像。最後に「ひかでん」ではなく「近鉄」と言って占める変則パターンである。このCMは近鉄の委託を受け、光電が製作・放映したものである。 2020年1月3が日 初売りはありません編 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、ひかでんマート、マーメイドなどの初売りを中止する旨のCM。年末までは通常のお知らせ型CMであったが、年が明けた瞬間、FateGrandCarnivalとのコラボCMに変貌。 光月電気鉄道では他社よりも早く厳しめの感染防止対策が決定されており、これを逆手に取って密を避けたうえで大がかりな撮影を行って作成したCMであった。 ウェパル「踊らせる文字じゃないでしょ!」~独特の変形処理で踊る「2021年の初売はありません!」という文字に対して。 2023年5月1週 人類悪のジェンカ編 車両内でも同時放映。FateGrandOrderのFGOアーケードコラボとのコラボ。 長期放映を前提としており、マナーCMも兼ねている。 「(♪ジェンカが流れる♪)」 「Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!」 「黄色い点字ブロックやホームドアからは離れてください」 「人のいる安全地帯からは離れてください」 「踏切では必ず止まってください」 「今回も威力大きすぎない?」