約 48,656 件
https://w.atwiki.jp/i914/pages/71.html
二人の戦士の間の空間が、じりじりとたたかいの熱を帯びていく。 一人の戦士は傷ついた仲間達への思いを、もう一人の戦士は亡き友への思いを、荒ぶる魂に乗せる。 人のかたちを被った獣どもが、虚ろな顔で戦士たちを取り囲んでいた。 「上から言われてるんでな、お前は殺しゃしねえよ」 すうっと腰を落とし、構えをとりながら、吉澤ひとみが言った。 その間合いの半歩手前で高橋愛は軽く右足を引いて、構えをとる。 互いに隙がない。純粋な格闘戦ならば、実力は拮抗しているようだ。 「まあ、死んだ方がましだって思う羽目になるだろうがな」 吉澤が何の感情も込めずにそう言い放った瞬間、愛の右腕が掴まれた。 たたかいの火蓋が切られた瞬間がそこにあった。 ―! 吉澤はぴくりとも動いていない。念動だ。見えざる精神の腕が愛の右腕をぎりぎりと締めあげている。 右腕を引きちぎられた、一週間前のあの光景が脳裡にフラッシュバックした。 恐怖が冷気を帯びた電流となって背中を駆け抜ける。 ―ちいっ! 愛は全身に力を込め、あるべき自分の姿を強くイメージした。 念動とは手を触れずに精神力で物を物を動かす力だから、 それに対抗するには自分はここにいる、ここにある、と強く集中する事が必要だ。 愛の意思が見えざる精神の腕のくびきを振り払った時には既に、半歩の間合いが潰され、吉澤の射程圏に入っていた。 いきなり、蹴りが飛んできた。疾い。 顎を引いてかわす。 爪先が空気を切り裂いて鼻先を通り抜けたと思った瞬間、その蹴りが軌道を変えて踵から振り下ろされてきた。 ―何!? 踵がこめかみ目掛けて襲い掛かってくる。 このタイミングではかわせない。ガードも出来ない。 「ちいっ!」 踵がこめかみを捉えるまでの瞬間を、愛は回避よりも集中のために費やした。 咄嗟に瞬間移動能力を発動し、空間を跳躍する。 空間を跳躍し吉澤の背後に回り、後ろから蹴りを叩き込む、筈だった。 しかし、愛が空間を跳んだ先は、吉澤の正面、先程までいた場所から数センチしか動いていない。 ―心を“引っ張られた”?サイコ・ダイバーか!? そのまま振り下ろされた吉澤の踵が愛の肩を抉り、鋭い痛みが走る。 これが側頭部に当たっていたら、意識を体の外へ弾き飛ばされていただろう。 しかし、吉澤に阻害され、失敗したかに思われた僅か数センチのテレポートが、愛を危機から救ったのだ。 時間の濃度が増していき、一瞬が交錯する。 痛みへの反応、テレポート失敗の動揺、彼我の戦力の洞察、そういった諸々の物とは別の所で、愛の肉体が動いた。 高橋愛の戦士としての本能が彼女の左拳を弾丸へと変え、吉澤の胴体へ向けて線を描いた。 理想的と言ってもいいタイミングで拳がみぞおちにめり込んだ衝撃が、確かな手ごたえとなって拳から肘へと伝達される。 ―入った! 「ぬるいぜ!高橋愛!」 吉澤の唇から苦痛と悦びがこぼれおちる。 愛の一撃で吉澤の中の何かがぶつりとちぎれたのか、それとも何かに火が点いたのか。 あるいは、その両方か。 灼熱の冷気をまとった微笑が、ぐん、と間合いを詰めた。 互いの体温が伝わりそうな程の距離で、愛は吉澤の瞳に宿る魔性の昂りを見た。 「そんなもんじゃ足りねえんだよ!」 吉澤の声と共に、二人を取り巻く空間が沸騰した。 至近距離から拳がすっ飛んできた。手ではじく。すぐに次が来る。潜る。更に次。 「シィッ!」 吉澤が鋭く呼気を吐いてラッシュをかけた。猛スピードで次々に拳を送り出す。 殴る。殴る。殴る。更に殴る。 そのどれもこれもが重く、鋭い。 愛はその一つずつをいなし、かわし、防ぎ、食らい、はじき、潜り、いなし… きりがない。 愛はじっと反撃の機会を見出そうとするが、全くそれが訪れる様子がない。 吉澤の攻撃が止まる気配さえ見せないのだ。 立て続けに拳が愛の肉体に襲いかかる。 撃ち込まれる拳とともに、吉澤の荒ぶる感情が愛の心に流れ込んでくる。 それは怒りであり、憎しみであり、闘争心であり、悦びであり、そして、かなしみでもあった。 ―かなしみ? 愛の心が吉澤のかなしみに反応した。 隙、と呼べるほどのものではない。 かなしみがある。と、認識した程度の事だ。 その隙とは呼べない、針の先にも満たない程の一瞬に、吉澤の右足が跳ね上がった。 初めからそこに在った様に、愛の側頭部にそれが現れた。 がつん、と愛の頭の中で音が響いた。 ―! 脳を揺さぶられ、意識に霞がかかる。 その時、霞の中から、あの時の光景が浮かび上がって来た。 血涙を流しながら嗤う一匹の夜叉。 『光』の封印が解き放たれた時、愛の顔を染め上げた夜叉が、あの時の自分が、霞の向こうから愛を呼んでいる。 もう一度、こちらへ来いと。 ―もう一度あれを使えと言うのか!? 刹那の逡巡が駆け巡る―― ―この体のままたたかっても勝ち目は薄いあたしが万全でも勝てるかどうかそれは分かっている でもあの力は強すぎるあんな物を使ったらあんな物に頼ったらたたかいじゃない殺戮だそんな事 をして勝って何になるあたしは兵器じゃないんだあたしは私はあんな物を―― ――あの子も私の大切な愛ちゃんだから、だからね、信じて。自分の心を !信じるとも!あたしの力はあたしの大切な人を守るためにあるんだ!今更何を戸惑っている? 今更何にびびっている?このまま殴られ続けて訳が分からなくなってそれから力を使う気か?そ れは無責任と言うんだ力を使うなら自分の意思で使え!甘ったれるな!高橋愛!―― 「あっひゃあ!!」 愛の渾身の力が込められた前蹴りが、吉澤のみぞおちを捉えた。 吉澤の体がくの字に折り曲がった隙に、愛は後方へ下がり、間合いを取る。 「ようやくらしくなってきたじゃねえか」 もっと、もっとだ。もっと体と心を痛めつけ合おうぜ。もっと血が滾るようなたたかいがしてえんだよ私は。 吉澤の心の声が愛に流れ込んでくる。サイコ・ダイバーのくせに、全く思考を隠そうとしていない。 復讐の矛先を失い、行き場の無くなった激情のはけ口を愛とのたたかいに求めているのだ。 吉澤は嗤っていた。その事に自分では気が付いていない。 唇に浮かぶ嗤いは悲鳴であり、かなしみでもあることに、吉澤ひとみは気が付いていない。 「いや、たたかいはもう終わりや」 ぽつり、と言葉を発して愛は吉澤に右手を向けた。 「あんたのかなしみは、あたしが断ち切る」 そう言って愛は心を澄ませ、もう一人の自分に語りかけた。 確固たる意志を持って、『光』を発動する覚悟が、そこにあった。 ―あたし、聞こえるか? … ―あたし、あたしの声が聞こえるか? … ―あたし、どうした? 愛の決意とは裏腹に、もう一人のアイは、愛の呼び掛けに反応しようとはしなかった。 ―どうした?あたし、返事を 「何をボンヤリしてんだよ、お前」 ―! 突風のような蹴りが、愛を襲った。 蜘蛛の牙が蝶の羽を貫くように、愛のわき腹に吉澤の爪先がめり込んでいる。 わき腹を乱暴に蹴りあげられ、愛の体が宙に浮く。 吉澤の獰猛なまなざしが、愛の瞳を貫いた。 蜘蛛が獲物に止めを刺そうと、新たな牙で愛に襲いかかる。 「愛ちゃん!」 胸の奥から響いた里沙の声が、窮地に陥った愛を衝き動かした。 吉澤の拳が愛の顔面に牙を突き立てようとした瞬間、愛は空間を跳躍した。 ―! 吉澤の背後に現れた愛の右足が、中空から稲妻のように吉澤の後頭部へ打ち下ろされた。 並の相手ならば意識どころか命までも容易に刈り取る程の一撃であった。 しかし、信じられない事に吉澤はそれを食らいながらも、苦痛に歪めた顔を愛に向け、反撃を繰り出そうとする。 ―化け物か!? 背筋に冷たいものを感じながらも、更に愛は空中で左足を吉澤の鼻先へ振り上げる。 左足がその目的を達する直前に、吉澤の念動力によって発生したショック・ウェーブが愛の体を跳ね飛ばした。 辛うじて愛は空中で体勢を立て直し、コンクリートに着地する。 一方吉澤は、頭を二度三度ふって、意識に明瞭さを取り戻してから口を開いた。 「集中なしで上手く跳んだな。心を引っ張る暇もなかった」 吉澤の言葉から窺い知れる感情は、憎しみや怒りといったものから少しずつ変化しているようだ。 たたかいの熱がやり場のない激情の炎の熱に追いついた事で、それがかえって吉澤に冷静さを要求しているのだろう。 感情をぶつける為のたたかいから、勝つ為のたたかいに、その目的をシフトしつつある。 愛の一撃が粛清人の本気を引き出したとも言えるだろうか。 「呼吸が乱れてきてるようだけど、まだやれるかい?」 淡々とした口調の中に、吉澤の戦士としての凄みが見え隠れする。 粛清人でも復讐者としてでもなく、戦士としてたたかう。 そう割り切った吉澤から勝利をもぎ取る事は、今の愛には不可能に思えた。 唯一の切り札であった『光』が発動できないというのが何より痛い。 i914の力を司るもう一人の自分、幼少の頃に心の奥に封じ込めた分身であるアイからの反応が何故か無いのだ。 そして、愛の敗北はそのまま里沙の、小春の、リンリンの死をも意味する事になるが、 愛の胸中を占めているものは恐怖でも絶望でもなかった。 それは疑問だった。 吉澤にわき腹を蹴り上げられ、窮地に陥った愛を救ったのは里沙の声だった。 「愛ちゃん!」と、彼女は叫んだ。 愛の疑問はその事だった。何故、自分を愛ちゃんと呼んだのか。記憶を失う前と変わらない呼び方で。 いや、その前に、あの声は本当に耳から聞こえた声だったか? ―! その時、愛の中で全てが繋がった。 愛は、やるべき事を見出した。しかし、それを実行する時間を吉澤が与えてくれる可能性は皆無であった。 「今度は逃げられねえよ」 愛の呼吸が止まった。 吉澤の念動力が愛の首を締め上げ、精神干渉能力が愛の心に絡みつく。 異なる能力の同時発動という離れ業をやってのけながら、自身は冷酷な足取りで間合いを詰める。 肉体と精神の両方から自由を奪い、止めを刺しにかかるやり方は、網にかかった蝶に牙を突き立てる蜘蛛のそれに酷似していた。 しかし、愛は孤独で脆弱な蝶ではない。強い意志と、心通じる仲間がいる。 愛の眼前にまで迫った吉澤に、突如颶風が襲いかかった。 ―こいつ、いつの間に!? 吉澤は颶風の蹴りを間一髪の所で回避したが、愛を絡める網の集中が途切れた。 颶風は愛の傍らに立ち、太極拳特有の剛柔を兼ねた構えをとった。 「タカハシ、無事か?」 「助かったよ、ジュンジュン」 吉澤ひとみは怒りに燃える獣のまなざしを受けながら、ちらりと入り口に目をやった。 シャッターは閉じられたままだ。とすると、裏口から入ってきたことになる。組織の者しか知り得ない筈だが。 「小川の奴が吹き込んだか…」 さして意外そうな様子も見せずに、吉澤は呟いた。 「今度はパンダのおでましかい」 そう言った吉澤の背後にいる、傷ついた仲間達の姿がジュンジュンの目に映った。 獣が怒りに昂っていく。 「よくもニーガキ達を酷い目に合わせたな。思い知らせてやる」 「そういうのはな、お互い様って言うんだよ」 煮え滾るようなジュンジュンの視線を正面から受け止めながら、吉澤が言った。 二人のやり取りに視線を配りながら愛が口を開く。 「ジュンジュン、任せた」 意外な事を言うと、ジュンジュンの耳には感じられたが、愛の言葉には確固とした意志が込められている。 きっと、何か考えが有るのだろう。ならばそうするまでだ。 意を決してジュンジュンが突進したのと、愛が里沙の傍へ空間を跳躍したのと、吉澤の唇に薄い微笑が貼り付けられたのはほぼ同時だった。 グロゥ! 突進しながら白と黒の獣に姿を変えたジュンジュンの鉤爪が、吉澤の頭部をなぎ払う。 あらゆる物を根こそぎ吹き飛ばすような一撃が空間を切り裂いた。 しかし、その右手にあったものは手ごたえではなく、鋭い痛みだった。 「単純だよ、動きが」 身を屈めた吉澤の手に握られた黒塗りの短剣から、血が滴っている。 ―暗器!? 闇から這い出してきた刃が、獣の喉笛目がけて襲いかかる。 ギリギリの所で獣は身をよじって喉に迫る刃を避けた。刃が首筋を走り抜け、血が空中に舞った。 グロゥ! 間髪いれずに繰り出された獣の反撃の左を吉澤は難なくかわし、二、三歩の間合いを取った。 「獣のあしらい方はな、最近覚えた」 獣は、己の血の温度が下がっていくのを感じていた。 それが、絡みつく恐怖によるものだという事も、ジュンジュンには分かっていた。 「ガキさん、聞いて」 里沙の瞳を見つめ、愛は言った。 「ガキさんはね、あたし達の事を忘れたわけじゃない」 「私が、みんなを忘れていない…?」 里沙の瞳に困惑の色が浮かんだ。その色を愛は慈しむように見つめながら言葉を続ける。 「ただ、あたし達の事を覚えてるガキさんは、今のガキさんの中にはおらんの」 「え?じゃあ…」 「あたしの中におる」 愛は里沙の手をしっかりと握りしめて、心を澄ませた。 「心を開いて…今から、ガキさんをガキさんに返す」 お互いの手から伝わる体温が溶け合った時、愛と里沙の呼吸が一つに重なって、そして ―とくん と、二人の胸が高鳴った。 それは、新垣里沙の帰還が間近に迫っている事を告げているかのようであった。
https://w.atwiki.jp/ten10p/pages/34.html
※未完成のページです。 BADENDがひと段落することと、課金か時間が必要なネタバレを考慮して第六十章までのまとめにしました。 物語 メインストーリー選択肢まとめ 画像は公式Twitterより引用 + 各章ジャンプ 序章 巻一第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章 巻二第十一章 第十二章 第十三章 第十四章 第十五章 第十六章 第十七章 第十八章 第十九章 第二十章 巻三第二十一章 第二十二章 第二十三章 第二十四章 第二十五章 第二十六章 第二十七章 第二十八章 第二十九章 第三十章 巻四第三十一章 第三十二章 第三十三章 第三十四章 第三十五章 第三十六章 第三十七章 第三十八章 第三十九章 第四十章 巻五第四十一章 第四十二章 第四十三章 第四十四章 第四十五章 第四十六章 第四十七章 第四十八章 第四十九章 第五十章 巻六第五十一章〜第六十章 序章 + 序章ストーリー画像 序章 手段を選ばず、皇后に復讐 腹黒+5 全力を尽くし、親族を守る 覇気+5 巻一 第一章 1-1 両親の選択に従います 柔順+5 まだ若いですし、その話は早いのでは 単純+5 1-2 雁ちゃんの心遣いを褒める 謹慎+5 碧痕に皮肉をいう 覇気+5 1-4 やんわりと断る 腹黒+5 快く応じる 単純+5 1-6 陛下にお辞儀する 柔順+5 1-7 豹の注意を逸らし、移動しながら牽制する 腹黒+5 豹が疲弊した頃合いに急いで制圧する ※BADEND 負傷する 単純+5 第二章 2-1 意外なので詳しく聞く 謹慎+5 成り行きに任せる 洒脱+5 2-3 辛そうに彼を抱きしめる ※BADEND 針の亡霊 単純+5 心を決めて断る 腹黒+5 2-4 やんわりと断る 謹慎+5 喜んで受け取る 柔順+5 2-6 状況を確認 謹慎+5 様子見 洒脱+5 2-7 陛下を説得する 謹慎+5 同情をかう 柔順+5 2-8 寵愛を受けていないし、安心して飲む ※BADEND 不妊症 単純+5 警戒して断固として断る 覇気+5 第三章 3-3 教えない 腹黒+5 事実を教える 単純+5 3-4 中に入れる 覇気+5 3-6 話が合わないので帰る 柔順+5 冷静に言い返す 覇気+5 3-8 おばばを叱りつけ、雁ちゃんを守る 覇気+5 3-9 信用できないが、利用できる 腹黒+5 使う以上は疑わない、危険を冒して成果を得る ※BADEND 裏切られた 単純+5 第四章 4-1 誰が凧揚げしているの? 謹慎+5 4-3 内侍監が片付けないことを言う 単純+5 人手が足りないとやんわり伝える 腹黒+5 4-4 弁解して立ち去る 洒脱+5 言い返す 覇気+5 4-5 巧みに丸め込む 腹黒+5 手きびしく皮肉を言う 覇気+5 4-6 他人に知られないよう隠蔽する 腹黒+5 4-9 何とかして時間を稼ぐ 謹慎+5 4-10 偶然かもしれない 単純+5 賈婕妤の仕業に決まっている 腹黒+5 4-12 事にかこつけて巧みに回答する ※BADEND 冷宮の懲役 単純+5 理由を説明して冷静に対応する 柔順+5 4-13 あざのわけをきく 単純+5 見て見ぬふりをする 謹慎+5 4-14 それでも文杏を借りる 単純+5 慎重に考える 謹慎+5 4-16 蔣淑儀に虐められる理由を聞く 覇気+5 第五章 5-1 文杏に残してほしいとやんわりと伝える 腹黒+5 直接淑儀から文杏を貰う 単純+5 5-3 仕方なく妥協する 柔順+5 もうひと頑張りする 覇気+5 5-7 ご挨拶しに行きたいと言う 腹黒+5 5-9 前進して皇后にお辞儀をする 柔順+5 5-11 誅心之法で言い返す ※BADEND 未来がない 腹黒+5 貴妃に似ているのは運がいいことだ 単純+5 5-13 直接聞く 単純+5 遠回しに聞く 腹黒+5 第六章 6-1 柳貴妃の背景を聞く 腹黒+5 柳貴妃と陛下との関係を聞く 謹慎+5 6-3 驚いたふりをし、疑いを抜きにする 腹黒+5 堂々として、後ろめたいことはない 洒脱+5 6-7 陛下に忠誠を尽くす 腹黒+5 陛下に背くことは絶対しない 柔順+5 6-9 言い争いにならないように無難な返事を 柔順+5 冷たく言い返す 覇気+5 6-13 何か急用だろうし、聞いてみる ※BADEND 未来がない 単純+5 警戒して問い詰める 謹慎+5 第七章 7-1 なんとかなる 腹黒+5 不満をいう 単純+5 7-8 文杏のことを心配して人を救う ※BADEND 井戸の底 覇気+5 順さんにまず調査してもらう 謹慎+5 7-12 行って見る 覇気+5 急いで離れる 単純+5 第八章 8-1 意見を聞き、音源を見る 腹黒+5 相手の下心を疑い、また方法を考える ※BADEND 消えた 謹慎+5 8-4 女性に背景を聞く 腹黒+5 直接お礼を言う、それ以上聞かない 腹黒+5 8-6 彼女に少しお金をやる 腹黒+5 彼女が図にのることを防ぐために脅す ※BADEND 最後の天牢 腹黒+5 8-8 蔣淑儀はなぜ私たちがその小道を歩むとわかるのか 腹黒+5 蔣淑儀はなぜ文杏が私を引き出せるとわかるのか 腹黒+5 第九章 9-1 柳貴妃に頼んで陛下に一言を言う ※BADEND 風邪で死去 単純+5 汪全に頼んで陛下に一言を言う 単純+5 9-4 謝罪 単純+5 声を荒げて阻止する 腹黒+5 9-9 やんわり断る 単純+5 君恩を受け入れ感謝する 柔順+5 9-12 怖くない 覇気+5 9-15 強気で。苦手なんかじゃないもん 単純+5 開き直る。苦いの苦手だ 洒脱+5 第十章 10-1 むっとしてそっぽを向く 単純+5 10-3 やんわりと断る ※BADEND 永遠の奴隷 腹黒+5 話だけでも聞いて見る 単純+5 10-9 無視する 洒脱+5 言い返して威信を立てる 単純+5 巻二 第十一章 11-1 彼女たちを宥める 謹慎+5 厳しく躾る 覇気+5 11-5 どうしようもない 腹黒+5 すでに考えがある 単純+5 11-13 唖然となって、反応に困る 単純+5 予想外のことで慌てて否定する 単純+5 11-15 こっそり楚王を見る ※BADEND 伴う青灯 単純+5 先に皇帝に挨拶する 柔順+5 11-19 楚王に感謝する 謹慎+5 第十二章 12-1 武官登用試験の増設を薦める 腹黒+5 12-8 錦箱をしまう 単純+5 錦箱を捨てる ※BADEND 結末 腹黒+5 12-11 優しく戒める 謹慎+5 厳しく躾ける 覇気+5 12-15 先に謝らせる 覇気+5 12-18 よく覚えていないわね…… 単純+5 あの女を捕まえてきなさい ※BADEND 亡霊 覇気+5 第十三章 13-1 事情を聞いて慰める 覇気+5 13-6 感謝の気持ちを込めて手拭いを渡す 単純+5 13-11 今度機会があれば 謹慎+5 自分から言わない 腹黒+5 13-19 龍井蝦仁 柔順+5 氷漬けの桜桃酩 ※BADEND 最後の掖庭 単純+5 第十四章 14-1 助け船を出し、雰囲気を和らげる 単純+5 声をかけずに静観する 謹慎+5 14-5 素直に認める 単純+5 答えることを避ける 腹黒+5 14-15 自分が世話するようにしたかった ※BADEND 寒い冷宮 腹黒+5 これからが面倒そうだから別に 腹黒+5 14-18 恐れ多いとやんわりと断る 謹慎+5 第十五章 15-1 皇后との仲違いを図る 腹黒+5 相手にしない 洒脱+5 15-5 すでに目星がついてる 腹黒+5 まだ決まっていない 単純+5 15-11 時間を見て訪ねてみる 柔順+5 平気だ。彼女は気にしない 覇気+5 15-16 仕方なく受け入れる 柔順+5 頑なに断る 覇気+5 15-19 徹底に捜査する 腹黒+5 一旦棚上げする ※BADEND 縛られる 単純+5 第十六章 16-1 彼女を起こす 覇気+5 16-5 春香の弱みを握るよう監視する 腹黒+5 間違いを起こさないように紅蓮に相談する 謹慎+5 16-10 他の祝いの品もありますよ 柔順+5 足りませんでした? 覇気+5 16-14 皇帝の願いを尋ねる 洒脱+5 尋ねない 謹慎+5 16-19 陛下のお心を無駄にしない ※BADEND 悪い病気 柔順+5 まずはしっかり確認する 単純+5 第十七章 17-1 掌衣の侍女を許す 単純+5 許さない 腹黒+5 17-6 遠慮する 腹黒+5 ほっておく 覇気+5 17-12 知らん顔をする 腹黒+5 睨みつける 覇気+5 17-19 頷いて賛成します 単純+5 頭を横に振り、黙っています 腹黒+5 第十八章 18-1 すぐに謝罪する 腹黒+5 冷静に空気を観察する 謹慎+5 その発言を反発する ※BADEND 皇陵に葬る 単純+5 18-6 雁ちゃんの弁解を手伝う 覇気+5 様子を見る 謹慎+5 18-11 黄元清を引見するように皇帝に要請する 腹黒+5 18-19 隠したいことがないので、直接に言ったらいい 単純+5 何を言うかわからない 腹黒+5 第十九章 19-1 雁ちゃんを釈放するように皇帝に要請する 単純+5 自分に尋問すると要請する 覇気+5 19-6 皇帝に請う 謹慎+5 命を賭けても雁ちゃんを救う ※BADEND 情が深い 覇気+5 19-11 慎ましい態度で皇后に懇願する 単純+5 自ら罰を受ける 柔順+5 19-18 皇后のメンツを潰す 単純+5 春香を尋問し 腹黒+5 第二十章 20-1 自分で春香を処分するように要請 腹黒+5 皇帝の意思で処分 柔順+5 春香に誰かの指図か問い詰める ※BADEND 裏切られた 洒脱+5 20-6 丹陽長姫に感謝しに行く 柔順+5 蔣淑儀を非難しに行く 覇気+5 20-10 まず雁ちゃんのことを聞く 覇気+5 まず黄元清に感謝する 柔順+5 20-18 彼女を見に行く 謹慎+5 拒否する 洒脱+5 巻三 第二十一章 21-1 そうかもしれない 腹黒+5 たぶん私の気のせいだ 単純+5 21-6 まだ怒りが解されないから、直接に反発する 覇気+5 遠慮する 柔順+5 21-12 微笑んで説明しない 腹黒+5 説明する 単純+5 21-17 悲しいふりをして、答えない 腹黒+5 腹が立って、直接に言う ※BADEND 誤りをした 単純+5 第二十二章 22-1 計画がある 腹黒+5 待機する 柔順+5 22-5 姉さんは優しい方だから 単純+5 姉さんは陛下が好きじゃないから 腹黒+5 第二十三章 23-1 彼女の芝居を黙ってみる 腹黒+5 彼女をここに招いてわからせる ※BADEND 臆病者 単純+5 23-6 傷ついた腕を差し出す 柔順+5 23-15 頷いて同意する 柔順+5 説明する ※BADEND 偽物 単純+5 第二十四章 24-1 関心を寄せて、意見を打ち出す 覇気+5 慰めてあげて、その話題を避ける 腹黒+5 24-6 実情を告げる 柔順+5 24-11 どういう意味? 覇気+5 淑儀の関心に感謝する 柔順+5 24-15 どういう意味? 単純+5 私の思う通りだ 腹黒+5 第二十五章 25-1 そんなことはない 覇気+5 ちょっとぐらい 柔順+5 苦い薬が体にいい ※BADEND 味覚がない 柔順+5 25-8 服従したように頷く 柔順+5 25-16 雁ちゃんを慰めて、原因を説明する 単純+5 第二十六章 26-1 自分で解決することにする 覇気+5 紅蓮の案を同意する ※BADEND 悪霊 単純+5 26-6 彼女に代わって謝罪する 柔順+5 彼女を庇うために弁解する 覇気+5 26-12 碧痕を庇う 謹慎+5 碧痕の罪を問う 洒脱+5 第二十七章 27-1 汪全に感謝する 柔順+5 27-6 発言されたおかげで 柔順+5 陛下に注意されたおかげで 単純+5 27-11 黄元清の丸薬を疑う ※BADEND 急病 単純+5 自分の人を疑う 腹黒+5 27-16 黄元清を信じるから、同意する 単純+5 規則違反ですから、拒否する 覇気+5 第二十八章 28-1 いえ、証拠がないから 腹黒+5 28-6 碧痕をここにもたらすように命じる 謹慎+5 28-9 別に欲しいものがない 腹黒+5 陛下にお任せる ※BADEND 世事無常 柔順+5 28-17 原因を説明する 謹慎+5 第二十九章 29-1 文杏の選択を尊重する 洒脱+5 29-8 黄侍医のおかげで 単純+5 陛下のおかげで 腹黒+5 29-12 弱みを見せて、待機する 腹黒+5 平気に対応し、尊厳を守る 覇気+5 第三十章 30-1 皇帝はなぜここに来ないと聞く 覇気+5 何も聞かない 謹慎+5 30-8 知らないふりをする 腹黒+5 本音を言う ※BADEND 過ち 単純+5 30-13 目つきで雁ちゃんを口止める 腹黒+5 30-17 黙って、答えない 腹黒+5 頷いて、承認する 単純+5 巻四 第三十一章 31-1 挨拶をする 洒脱+5 よそ目に見る ※BADEND 情け深い 謹慎+5 31-6 行ってみる 洒脱+5 31-12 受け取らない 覇気+5 受け取る 柔順+5 第三十二章 32-1 収めて、忘れ形見にする 単純+5 食べて、彼のご厚意を受ける 洒脱+5 32-7 人を遣って助ける 腹黒+5 皇帝に援助を頼む ※BADEND 迷宮 +5 32-12 問題に答える +5 ご来意を聞く 腹黒+5 32-17 頭を絞っていい策を打ち出す 柔順+5 第三十三章 33-6 答えない 腹黒+5 答える 単純+5 33-11 雁ちゃんを寝させる 謹慎+5 雁ちゃんを呼び覚ます 覇気+5 33-17 要約して言う 覇気+5 詳しく言う 腹黒+5 第三十四章 34-1 寝宮に戻って休むよう助言する +5 離れで着替えるよう助言する 謹慎+5 34-7 答える 謹慎+5 第三十五章 35-1 話をして雰囲気を和ませる 洒脱+5 35-11 成り行きに従って陛下と皇后を離間する +5 事態を見守る +5※反応なし 35-16 謝って信頼してもらう 腹黒+5 第三十六章 36-1 彼女の気持ちを考えて説明する 柔順+5 誤解されて怒る +5 36-6 許す 柔順+5 次がない +5 36-12 受け取って食べる 単純+5 36-17 断り続ける +5 仕方なく同意する 柔順+5 第三十七章 37-1 先に姫を慰める +5 先に皇太子に聞く 謹慎+5 37-9 遠回しに言う +5 直接話す 単純+5 37-16 話を逸らす 謹慎+5 第三十八章 38-1 心月に謝ってもらう 覇気+5 38-9 雁ちゃんに賛成 覇気+5 他に考えがある 謹慎+5 38-15 もったいぶる 腹黒+5 認める 柔順+5 第三十九章 39-1 自分で行く 覇気+5 未央に行かせる 謹慎+5 39-11 人心を落ち着かせる +5 39-17 皇太子が母親に近づくよう励ます 単純+5 蘭嬪が近づくのを待つ 謹慎+5 第四十章 40-1 誤解されないよう説明する 柔順+5 認めて安心させる +5 40-10 未央に皇太子を預ける 謹慎+5 40-16 説明する 柔順+5 勝手にする 覇気+5 巻五 第四十一章 41-1 人心を落ち着かせる 謹慎+5 41-7 彼を揶揄う +5 説明する 腹黒+5 41-14 聞いたら教えてくれるか 柔順+5 陛下の考え方を憶測できない 柔順+5 第四十二章 42-1 心配する必要がない 洒脱+5 心配しても無駄だ +5 42-15 もったいぶる 腹黒+5 優しく説明する 柔順+5 第四十三章 43-1 優しく回答する 単純+5 彼女を揶揄う 腹黒+5 43-10 大人しく一杯を飲む +5 三杯を飲んでもいい 洒脱+5 43-15 冗談を言う 腹黒+5 真剣に答える 柔順+5 第四十四章 44-1 弁償する 覇気+5 弁償できないgoto2 単純+5 44-15 低い声で慰める 謹慎+5 彼女の手を軽く叩く 柔順+5 第四十五章 45-15 陛下がやっと気づいてくれた 洒脱+5 その原因ではない +5 第四十六章 46-1 起きて身支度をする +5 46-15 選ばれないよう俯く +5 気にしない 洒脱+5 第四十七章 47-1 分からない振りをする 腹黒+5 遠回しに断る +5 47-15 期待する 単純+5 興味ない 腹黒+5 第四十八章 48-1 稚魚を放す 単純+5 48-15 話題を変える 謹慎+5 一緒に愚痴を言う 洒脱+5 第四十九章 49-1 揶揄うのをやめる 柔順+5 揶揄い続ける 腹黒+5 49-16 彼を慰める +5 問題点をはっきり示す 覇気+5 第五十章 50-1 彼を信じる 単純+5 後回しにする 謹慎+5 巻六 第五十一章〜第六十章 51-1 受売りに過ぎない 単純+5 皇后に注目している 謹慎+5 51-15 正直に謝る 柔順+5 だだをこねながら謝る 腹黒+5 52-1 慰める 単純+5 静かに聞く 柔順+5 52-15 困る 腹黒+5 goto2 +5※反応なし 53-15 御史の話 単純+5 ナシトクの話 腹黒+5 54-1 我慢せずに言い返す +5 勝手に言ってもらう 洒脱+5 54-15 遠慮なく描く 洒脱+5 皇帝の絵に描けない 柔順+5 55-1 韋家を処罰する時機ではない 謹慎+5 先帝を考える 腹黒+5 55-15 頑張ったけど仕方がない 柔順+5 謝罪する 洒脱+5 56-1 説得する 腹黒+5 皇太后に考えてもらう 柔順+5 56-15 嬉しそうに未央を抱きしめる 洒脱+5 57-1 我慢する! 柔順+5 我慢しない! 覇気+5 57-15 揚州の事件で協力してもらう 柔順+5 58-1 皇太后が皇帝と話すよう助言する 謹慎+5 皇太后が韋家ともう一度相談するよう助言する 柔順+5 58-15 何があったかを聞く 柔順+5 手伝いが必要か聞く 洒脱+5 60-1 教えてください 覇気+5 当ててみる 腹黒+5 60-15 蔣淑儀の兄について聞く 腹黒+5 蔣淑儀の出身について聞く 柔順+5
https://w.atwiki.jp/filinion/pages/158.html
https://w.atwiki.jp/iliasion/pages/981.html
ep.653 先輩がベンチに立て掛けたものは…「こんにちは」「復讐鹿」「しゃもじ先輩」12/27発売「障ル話」より先行 放送内容 スカウトマンから聞いた話 関連エピソード → ep.584 YouTubeでは消されるかもしれない話2「ある怪談の追跡調査」ゲスト:たっくーTVれいでぃおさん登場! 「こんにちわ」 関連エピソード → ep.633 小説家になろう「逢魔時パーキングエリア」タカサギ狸夜さんより4話 Tomoはよく家の近所で道に迷った人に遭遇する 関連エピソード → ep.654 おばあさんはみんなを恨んだのか?「餌付けするおばあさん」「メロンの押し売り」洒落怖シリーズ 参加メンバー Tomo K-suke その他 登録されたタグ BBゴロー Horror Holic School K-sukeへの結婚報告 Tomoの先輩のデザイナー X 『障ル話』 いわお☆カイキスキー お障りあり しゃもじ たっくー たっくーTVれいでぃお エレベーター エントランスホール ギャガー スカウトマン スカウトマンから聞いた話 タカサギ狸夜 バザー パチパチ~ ベンチ ホラホリ マンション ヨネスケ 事故マンション 交通事故 京都府 仏壇 刑務作業 刑務所 古本 喧嘩 夢遊病 寮 幽霊 店員 御津山 復讐 怪談恐不知 成人式 新宿 書き込み 正義感 煙鳥 癇に障る話 目 管理人 老婆 蒲郡市 踏切 逢魔時パーキングエリア 飛び降り 駄洒落王 魔術本 ⇐PREV NEXT⇒ 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/522.html
573 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 17 57 ID vFMbIiL1 第十九話~復讐者が滅ぶ~ 柔らかい。 十本松の唇も、密着させている体も、後頭部にまわされている手も。 十本松の存在の全てが、愛しく感じられる。 わけがわからない。 さっきまで俺は十本松に敵意を抱いていた。 俺と華を気絶させて香織をさらい、かなこさんと一緒に地下室に閉じ込めた。 こんな犯罪者を俺が好きになるはずがない。 そのはずなのに、俺が今抱いている感情は一体なんだ。 十本松が欲しい。 俺の舌で、口内を貪りたい。 抱きしめて押し倒して、俺のものにしたい。 いきなりこんな愛情を抱くなんて、どういうわけだ? 催眠術か? それとも、この部屋に立ち込める甘い匂いに媚薬作用でもあるのか? わからない。 全てが甘くて、心地いい。 このまま、この感情に溺れたい。 「……はぅ……ちゅ……」 口の中に、十本松の唾液が入り込んでいる。 唇の裏、舌の裏側、いや、口の中の全体に俺のものではない唾液が塗りつけられている。 ――飲み込みたい。 馬鹿か、俺。何を考えている。 こんな気持ち悪いものが飲み込めるわけがあるか。 今すぐ十本松を突き放して、拘束してしまうのが正しいんだ。 わかっている。わかっているのに。 なぜ俺の手は、十本松の体を抱きしめたくて、うずうずしているんだ。 やめろ。 今、こいつのキスに応えても、体を抱きしめても、その先はない。 俺には香織がいる。恋人がいるのにそんなことはできない。 (どうでもいいだろう、そんなこと) 変なことを言うな。俺は香織が好きなんだ。 (本当にそうか? そこにいる十本松あすかよりも) こんなやつ、香織に比べたら……。 (比べたら?) 比べたら……なんだ? なんで、どっちがいいのかわからないんだ。 俺は、香織のことが好きなんだろ。 十本松のことなんて、どうでもいいと思っているだろ。 じゃあ、どうしてすぐにその結論が出てこない。 574 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 18 42 ID vFMbIiL1 (それは、お前が) 俺が? (十本松あすかを愛しているから。天野香織より、現大園華より、菊川かなこより、愛しているから) 十本松を愛している、から? (そうだ) 嘘だ。そんなことはありえない。 ありえない、はずなんだ。 背中全体に衝撃が走った。体中に感覚が復活する。 ぼやけていた視界が復活し、俺の体の上に座る人物を認識する。 「十本松……」 「ふふふ、間抜けな顔」 「何?」 「顔の力が抜けている。目に敵意がこもっていない。体に拒絶反応が無い。 それほどに気持ちよかったかな、私のキスは」 「……馬鹿を言って!」 胸の上に座る十本松をひきずりおろそうと、腕を動かそうとした。 だが、自由が利かない。両腕の手首が合わさったまま、体の前で固定されている。 「なすがままになっていたから、つい手首を縛ってしまったよ。それにも気づいていなかった? おかしいねえ。君は、私のことなんか、嫌いだろう?」 「ああ。中学校の部活動で知り合いだった先輩とか、頭が固くて理解のない俺の親父より嫌いだね」 「そのはずだよね。それなのに……」 首筋に、冷たい手が触れた。 「こんなに心臓が激しく脈を打っているのは、どういうわけかな。どきどきしているみたいだ」 「手を離せ! この変人が!」 「言葉ではそう言っていても、体では拒否していない。素直になれないタイプなんだね、雄志君は」 胸の上にかかっていた重量感が喪失した。代わりに、腰の上に重さを感じる。 十本松が、腰の上に乗っていた。 「私も同じ。素直になれないタイプなんだ。だから」 そして、俺と体を重ねてくる。 お互いの体の同じ部位が、正面から服越しに触れ合っている。 「今も、こんなにドキドキしている」 紅い顔が目の前に来て、俺を見ている。 垂れた髪が、俺の額に落ちてくる。 鼓動の波を感じる。俺の鼓動と、十本松の鼓動。 ペースは異なるが、どちらの鼓動も忙しく動いていた。 目を逸らす。今、目を見られたらやばい。そんな気がする。 もしかしたら、俺の目はその先を期待するような目になっているかもしれない。 話の流れを変える。 「こんなことして何になるんだ。お前が俺をどうにかしても、俺の気持ちは変わらない」 「変わる、変わらないは君の意思によってどうにかなるものではない。 いずれにせよ、私の思うままに事が進めば、君は私を好きになる。いや、もう好きになっているかな?」 「反吐が出る。お断りだ。寝言は寝てから言え」 「結構。君の反応はそれで正解だ。君は私のことが嫌いなままなのに、体の反応は意思に反する。 それこそが君にとっての苦しみになる。私はそうなるのを望んでいる」 俺が十本松を嫌いなままでいたら、こいつの思い通り。 俺が十本松をもし好きにでもなったら、胸糞悪い。 どっちにしろ、俺にとって不愉快なことになるのは変わりないじゃねえか。 575 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 19 39 ID vFMbIiL1 「ではそろそろ、雄志君をいただこうかな」 「……は?」 この女、今何を言った? 十本松の目、いや、顔全体が笑っている。 この笑顔に似た顔を見たことがある。あの夜の、かなこさんの顔にそっくりだ。 もしかして。 「そんなに不愉快な顔をしないでくれよ。……滅茶苦茶にしたくなるじゃないか」 「やっぱりそういう意味か! やめろ、この……っ!」 また唇をふさがれた。 十本松の腕で頭を正面に固定されている。唇を外せない。 唇を繋げられたまま、また体位を変えられた。今度は胸の上。 唇を一度舐められて、ようやく唇が解放された。 「ところで、雄志君は足フェチかな? それとも胸フェチ? 両方?」 答えは返さない。沈黙で拒否をする。 「答えてくれないと困るじゃないか。……仕方ない」 十本松は、一度ため息を吐き出した。 そして、着ているセーターに手を添えて、脱ぎだした。 細いウエストがあらわになり、次いでライトイエローのブラジャーに包まれた胸が見えた。 「答えないなら、両方でいくしかないな」 「やめろ、そんなもん見たくなんかねえ!」 「とは言いつつも、雄志君は目を逸らさない、と。スケベだね、男というものは」 そう言われて、十本松が脱いでいくのをじっくり見ていたことにようやく気づいた。 慌てて目を背ける。なんですぐに目を逸らさなかった。なんでこいつの体に釘付けになった。 「しかし、それが男として正常な反応だ。目の前で服を脱いでいく女を見ていたい。 その誘惑に勝てなくても、誰も責めたりしないよ」 俺が許せないんだよ。くそったれ。 衣擦れの音が続く。耳がその音を余すことなく聞き続け、目の動きをそそのかす。 見るな。俺は見たいなんて思ってない。 「――よし、終わった。こっちを見ていいよ」 誰が見るか。 「遠慮せず、じっくり見たまえよ。ほら」 首を強制的に動かされた。 目を開けてはいけない。開けたら、きっと目の前に……。 「強情な。なら、無理矢理にでも」 両のまぶたに、指を添えられた。まぶたをこじ開けようとしてくる。 きつく目を閉じても指の力には対抗できない。 薄く開いたまぶたのすき間から見えたのは、上半身をさらした十本松の姿。 白い肌、鎖骨、こぼれ落ちそうな胸、薄紅色の乳輪と乳首の先端、全てが見える。 さっきから激しくなっていた鼓動が、また強くなった気がする。 下半身に勝手に血が集まっていく。 576 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 20 56 ID vFMbIiL1 まぶたに添えた指をそのままに、十本松が耳打ちしてきた。 「見ても、いいんだよ。今だけは、今このときだけは私の体は君のものだ。 両腕が動かない分、その目に存分に焼き付けるといい」 「やめろ……その邪魔そうな乳をしまえ」 「それはできない。かなこか香織が起きるまではね。 私と雄志君の交わっている姿をあの2人に見せないと、思い通りにいかなさそうだから」 「香織とかなこさんに今の姿を見せて、どうするつもりだ」 「まだわからない? さっきも言っただろう、あの2人のうちのどちらかに私を殺させるためだと。 どちらかがこの姿を見て、逆上して私を殺す。それこそが私の狙いだ」 「だから! なんで自分を殺させるためにこんなことをするんだよ!」 「そうしなければいけないんだ。配役が変わろうと、物語は進めなければ」 「お前は、毎度毎度……わけわからんことばかり、言ってんじゃねえ!」 叫ぶ。顔を近づけていた十本松が体を起こした。 また裸の上半身が見えたが、構っていられない。 「わけわかんねえよ! 自分を殺してもらうためとか、前世とか、台本だとか! そんなもんは自分の妄想の中でやってろ! 周りの人間を巻き込むな!」 「妄想じゃない。現実にそう行動しなければ――」 「運命がどうとか言うのか。そうなるのが運命だって。かなこさんにも言ったけどな、俺はそんなの信じてないんだ。 無視しちまえばいいだろうが、そんなもの! 自分の命までかけるな! お前が死んじまっても、死んだ親父さんに会えたりなんかできないんだぞ!」 「――いいや」 否定の動作。 首を振り、そしてまっすぐに俺の目を見下ろしてくる。 その目に、怒りはこもっていない。 「会える。あの世ではなく来世で。生まれ変わっても、必ず出会える。あの本があれば、それができるんだ」 「あんなうすっぺらい二冊の本ごときで、そんなことが起こるか!」 「実際にこうして出会えているんだから、信じるほかないだろう? あの本にはその力がある。 あの本が『適当』に振り分けた配役を、演じさえすればいい。 そうすれば、何度生まれ変わっても出会い、また父を愛することができるんだ。 だが……あの本に無理矢理でも逆らった行動をすれば、輪廻の輪を超えても、二度と出会えなくなる。 そんなことはさせない。また父と会うためにも――私は今ここで殺されなければならない」 十本松は本気で言っている。本気で運命を信じている。 何がこいつをここまで必死にさせる? 父親への執着心か? 命が惜しいとか、そんなことは思わないのか? 「君は私をおかしいと思うだろう。狂っていると思うだろう。 だが、私には父しかいないんだ。どうしても、あの凛々しい父のことが忘れられない」 「なんでお前は、そこまで自分の父親のことを……」 「なんで? それを雄志君が言うのか? あの時に私を裏切った君が? あの時、君が私を裏切らなければ、君を恨み父を求め続ける、こんな歪んだことを繰り返さなくて済んだ。 私を虜にさせておいて、その後で父に近づいて殺したりしなければ! 君が裏切らなければ……ずっと、私を心から好きでいてくれたのなら、私は君と父に囲まれて、幸福でいられたのに。 あの本は、君と私が出会うために書いたのに。……あの後で、書き足さなければよかった」 前世の俺が十本松の父親を殺したから、こんなことになった。 じゃあ、十本松の父親が死んだのも、俺が今こうしているのも、全部俺のせい? 嘘だ。俺は悪くない。 (いや、お前が悪い。お前が復讐心に駆られていなければ、こんなことにはならなかった) 違う。俺はただ、姫様の仇を討とうとしただけで。 (それが全ての歪みの元。死んだ女のことなど忘れていればよかったのだ) 俺には姫様しかいなかったんだ。だからこの女を利用した。 (そのせいで、この娘が巻き込まれた。全て、お前のせいだ) 知らない。姫様以外の女なんか、どうなったっていい。 577 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 21 56 ID vFMbIiL1 ――姫様? 何を言っている。前世が姫だって言い張っているのは、十本松とかなこさんだけで。 あれ? 十本松って、誰だっけ。かなこさんって、どんな人だった? 「さあ、続きをしよう) 目の前に裸の女がいる。胸の上に座って、スカートをめくりあげて、中身を見せている。 綺麗な足だ。さわったら気持ちいいだろうな。 かわいらしいショーツが顔を覗かせている。三角形だ。 「ちょっと、これを借りるよ」 女が俺の服のポケットから何か取り出した。 刃物だ。ナイフだ。たしか、――さんにもらったものだ。 女はナイフでショーツを切り裂いて、脱ぎ捨てた。 眼前に、数十センチ前に、ひくひくと動く秘裂がある。 「ここに今から、雄志君のものが入るんだよ」 雄志って誰だ。俺の名前は……なんだっけ? ズボンのベルトが外され、ジッパーをおろされ、パンツを脱がされた。 押さえ込まれていた肉棒が立ち上がるのがわかった。 それを、冷たい感触が包み込んだ。女の手だろう、きっと。 「すっかり硬くなっている。ふふふ、女にのしかかられて興奮するなんて、変態そのもの」 一物を包み込む女の手が、上下に動き出した。 下がるたびに性欲が溜まっていく。上がるたびに精液を吐き出しそうになる。 手の動きに合わせて、女の豊満な胸も小さく震える。 片手はまだ、スカートを持ち上げている。女の入り口は見えたままだ。 早く挿れたい。この女がどんな味をしているのか知りたい。 「とうとう諦めたか? だけど、それでいい。正直になるのが一番だ」 いっそう激しく、肉棒を扱かれる。 荒っぽくも感じられる。だけど、今はこれぐらいのほうが気持ちがいい。 「膨らんできているよ。出したい? 吐き出したい?」 ああ。これ以上抑えられたら、どうにかなりそうだ。早くしてくれ。 「あっははは! 可愛い顔だ! ご主人様の餌を待つ犬みたいだ! それじゃあ、ここで一度抜いておこうか……と思ったけど」 ぴたりと、止まった。渦巻く肉欲が、女が手を離すと同時に消えうせた。 なんでだ。気持ちいいうちに、そのままイかせてくれ。 「一回出したら、次に出すまで時間がかかるからね。そろそろ2人とも起きるころだし。 もうちょっと遊んでいたいけど、中に挿れさせてあげるよ」 578 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 22 45 ID vFMbIiL1 女がスカートから手を離した。そして体の上を這うように動き、腰のほうへ向かっていく。 肉棒を捉まれた。先端が湿った部分に触れている。 ぬるぬるとした女の秘部に、肉棒が飲み込まれていく。 根元まで飲み込まれると、強烈な締め付けが襲い掛かってきた。 俺のモノを締め出そうと、食いちぎろうとしているようにも感じられる。 腰を突き上げる。膣壁とカリが擦れるたび、頭が痺れる。 「ひぅ! 待って、急に……あっ!」 女の嬌声。さっきの上から見下ろす声と比べて、随分と音が高い。 腰を叩きつけるようにして、女の中を抉る。 ピストン運動で、女の乳房までが上下に暴れる。 縛られたままの手で、乳房を掴む。柔らかな肉が手の中で歪む。 「……っ、……ぅ…………はっ……、また……膨らんでいるよ。 ……まだっ、数分も経っていない、のに……早漏だね、きみ……っは」 黙れ。挿れられて感じている女が言うな。 女の胸を握りつぶすつもりで力を込める。悲鳴があがる。 これ以上はこらえきれそうにない。もう、出そう。 少しでも多く精液を吐き出すため、全力で腰を打ち付ける。 忍耐の壁が決壊した。腰が痙攣する。 「……く、ぁ……ぁ、は……あつ、いぃ……」 女は背中を仰け反らせたあとで、脱力した。 伏せている顔から目を逸らす。スカートを捲りあげて、女との結合部分を見る。 白い精液が漏れ出して、秘所の周囲は濡れ、ふとももの裏側まで垂れている。 脱力。なぜか体に力が入らない。 女とセックスするたびにこんな状態になっているわけではないのに。 なぜこの女としただけで、一回出しただけでこうなる。 頭がぼんやりと、眠気を受け入れていく。 女の声が聞こえる。 「おやすみ。また、来世で会おう」 この台詞は、何度か聞いたことがある。 その後で、この女は俺の前から姿を消した。いや、俺がこの女の前から消えたのか? どっちなのかわからない。けど――この台詞が別れの台詞だということは、なぜかわかる。 そしてまた、いつか出会うだろうということもわかる。 だから俺は、安心して目を閉じた。 579 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 25 16 ID vFMbIiL1 ***** 「お時間をよろしいですか?」 と、後ろから声をかけてきたのは、姫だった。 ここは城内の庭を一望できる廊下。俺は今から姫のところへ向かうところだった。 「もちろんです。何か御用ですか?」 「これを読んでいただきたくて。わたくしが書いたのです」 姫が差し出してきたのは、数十枚の紙の束。 受け取って目を通してみると、全ての紙に文字が綴られていた。 「日記……ではありませんね」 「恋文でもありませんわ。それはさすがに、あなたももらい飽きているかもしれませんから」 姫がやわらかな、年相応の笑顔でほほえむ。 姫は3つのころから、俺と共に過ごしてきた。付き合いは13年になる。 出会ったとき俺は15を迎えていて、姫の護衛役の1人を任されていた。 初めて2人きりで話したのは、姫がかくれんぼで蔵に閉じ込められていて、それを助けに行ったときだったか。 それ以来姫は俺にべったりくっついてくる。務めのある時間の他は、片時も離れようとしない。 姫が俺に好意を向けているのがわかったのは、姫が言葉と文字を習い始めたころ。 文字の練習という題目で書かれる恋文を受け取ったときがそうだった。 それ以来ずっと恋文をもらいつづけてきたせいで、俺の部屋にある籠からあふれそうなほどにまでなっている。 「今日お持ちしたものは、少しばかり趣が異なります」 「と言いますと?」 「私が夢に見た、もっとも恐ろしくて現実に起こって欲しくないことを、その紙に綴りました」 見ると、一枚目から順に物語が始まっていた。 最初から中ほどまでは俺と姫の、現実に起こった日常を書いたもの。 その後に書かれていたものは、姫が殺されてしまうというものだった。 姫が不安そうな顔で覗き込んでくる。 「手が震えておりますが……そんなに、酷い文でしたか?」 「いいえ。ただ、このようなことは起こって欲しくないと思っただけです。 いえ、書かれているようには、絶対にさせません。私が」 「はい。もちろん、信じておりますわ」 「しかしなぜ、このような不吉なものをお書きになられたのです?」 「それは、その……恥ずかしいことですが、笑わないでいただけますか?」 「はい」 「紙に綴ることで、厄を避けようと思ったのです。 恐怖は形の無いもの。ならば、形にしてしまえばそれは恐ろしいものではなくなる。 こう教えてくださったのは、あなた様でしたから」 「まだ覚えておられたのですか。……お恥ずかしい」 確かに、暗闇に怯える姫を見て、耐えられなくなった俺が教えたことだ。 かくれんぼの一件以来、姫は暗闇を恐れていた。 夜も眠れなくて困っていた姫に、その場しのぎで『恐怖とは形の無いもの』と教えた。 それから眠れるようになったのだから、結果としては成功だったが。 俺が返した紙の束を抱いて、姫は言う。 「これがある限り、もう恐怖は訪れませんわ。ずっと、あなた様と引き裂かれることなく、共に居られます」 本当にそうであったらいいと、ずっと傍に居たいと、俺も思った。 580 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 26 59 ID vFMbIiL1 それから姫が殺され、数年が経った。 姫を殺した男の行方を捜し、ようやく突き止めた。 男には、溺愛しているらしい娘がいた。 その男の娘は、今俺に寄り添うようにして同じ布団の中にいる。 可愛らしい娘だった。それに正直で、器量もよかった。男が溺愛するのも無理は無い。 この娘を騙すのは、俺も気が乗らなかった。 だが、何度殺しても、臓物を撒き散らして粉々にしても気が済まないあの男を殺すために、自分を殺した。 娘は世間を知らずに育てられたせいか、俺の言葉で簡単に惚れさせることができた。 それどころか、どこにいくにもべったりとひっつくようになった。 その様子がまるで姫のように見えて、ますます俺の罪悪感は強くなった。 ふいに夜風を浴びたくなった。体を起こす。 すると、眠っていた娘がもぞもぞと動いた。 「……あ、れ…………どこに行くんですか?」 「すまない、起こしてしまったな」 「気にしないでください。ずっと起きていたんですから」 「ずっと?」 「はい。こうして、あなたの体に直に触れていられるのは、夜だけですから」 こういう恥ずかしいことを平気で言うのだ。 そのせいで何度か姫への気持ちを捨てそうになった。 その度に、こんな感情は無駄だと、何ももたらさない愛だと自分に言い聞かせた。 そう思えたのは、憎たらしいあの男、この娘の父親のせいだったかもしれない。 あの男に助けられたかもしれないと思うと虫唾が走るが。 娘を見ると、不安そうな顔をしていた。腕を掴む手も、震えている。 「怖い顔……怒っているんですか?」 「そうではないよ。君の父に、なんと言って挨拶をしようかと思ってね」 「ふふふ。大丈夫ですよ、父は私に甘いですから。私が強く言えば、結婚だって許してくれます」 「そうだといいがね」 そう。明日、あの男に会う。今まで内緒にしてきたこの娘との交際を明かすために。 決行は明日。奇襲をかけてあの男を殺す。それで、仇をとることができる。 そうなると、この娘ともお別れか。 なにを考えている。この娘はあの男に近づくための道具に過ぎない。 そして決行すれば、この娘とはもう一緒にいられない。 わかっている。だから今だけは、この娘を満足させよう。 娘の唇を奪い、布団の上に押し倒す。娘は無論のこと、拒絶をしない。 「また……愛してくれますか?」 「ああ。今夜は、君が壊れるまで、そうしよう」 「嬉しい。……また、日記に書くことが増えました」 「まだ日記をつけているのか? 飽きないな」 「だって、あなたとの日々は忘れたくないですから。そうだ……またあのお話を聞かせてくれますか?」 「もちろんいいよ」 「もう聞くのは、何度目かしら。忘れないよう、あのお話も日記に書かないといけませんね」 暗闇でも、この娘が笑うのは気配で知れる。 この娘が好んで聞く話は、姫様を殺された武士が仇をとるために奮戦する話。 武士が仇役の男の娘に近づいて仇を討つという展開が、この娘は好きらしい。意外と悪趣味な娘だ。 もちろん話に登場する娘が自分自身であることなど、この娘は知らない。 もうすぐ自分が同じ目に会うとも知らず、娘は俺の話に耳を傾けた。 581 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 29 32 ID vFMbIiL1 ***** 「――し様、雄志様」 俺の名前を呼ぶのは誰だ。 「もう、起きても大丈夫ですわ」 この喋り方は、かなこさんか。目が覚めたんだな。 それに無事だった。かなこさんが無事ということは、香織もたぶん無事だろう。 目を開けて、体を起こす。着衣は乱れていなかった。 壁中に男の写真が貼られている。場所はまだ地下室の中だった。 「ああ、よかった。もう二度と目を覚まされなかったら、どうしようかと思いました」 「かなこさん……ですよね?」 「はい。なんでございましょう」 あれ? なんだ、この違和感。 別にかなこさんがおかしいというわけじゃない。 お人形のようになめらかな髪も、真っ白な肌も、黒い瞳も、全てかなこさんだ。 だが、俺はどこかに違和感を覚えている。 「雄志様?」 「ああ、ええと……なんでもないです」 「……しばらくぶりに会えましたのに、どうしてそんなに冷たいのです?」 「別にそんなつもりじゃ、ないです」 「雄志様は、わたくしに会えて嬉しくないのですか? 輪廻の輪をめぐってまた会えたというのに」 また、違和感。 以前はかなこさんの電波な台詞に危機感を覚えていたのに、今はそれがない。 それどころか、かなこさんに会えて嬉しいとまで思っている。 けれど、俺が一番会いたい人はこの人じゃないと、体が反応を示している。 誰だっけ。俺には恋人がいたはずだ。――そう、香織だ。 「ここには他に誰かいます?」 「ええ、昔お会いした……天野香織さんがベッドに。あと、現大園華も」 「華も来てるんですか?」 ここに華が来て、かなこさんは無事だったのか? あいつ、かなこさんを恨んでいたはずじゃ。 「最初はあの顔を見たとき腹がたちましたが、協力してくださったのですから、今日だけは許します。 あの女が戦ってくれたおかげで、とどめをさすのが簡単にいきました」 「……協力って、何の?」 「十本松あすかを殺す、その協力ですわ」 心臓が踊った。 何故だ。十本松の名前を聞いた途端に、胸が熱くなり、同時に不安が訪れた。 落ち着かない。あいつの、十本松の顔が見たい。 ――いや、何を考えている。十本松だぞ? 変人で、犯罪者だぞ? 「十本松は、今どこに……?」 「あちらにいます。正確には――かつて十本松あすかだった存在ですが」 かなこさんが指差した方向、その先に居たのは、寝転がっている2人の人間。 黒ずくめの服を着て倒れているのは、たぶん華だ。 あざを作った顔は、苦しげに歪んでいる。大丈夫だ、華は生きている。 582 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 31 01 ID vFMbIiL1 もう1人、壁にもたれて座っている女がいた。 ひどい有様だった。裸の上半身を血で濡らし、あちこちにみみず腫れがついている。 左胸にはナイフが突き立っていた。そこから、血が大量にあふれていた。 目は閉じていた。頭は床に向けて伏せられていた。両手はだらりと床に落ちていた。 額には、黒い穴。後ろの壁には、男の写真と、赤黒い血とピンク色の塊が一緒に貼りついていた。 ――頭を銃で撃ちぬかれたんだ。 まさかと思い、ポケットの中を探ると、あるはずの拳銃がない。 「失礼かとは思いましたが、少々拝借いたしました。心臓に刃物を刺すだけでは、あの女のしたことは償えません」 じゃあ、あそこで、血に濡れて座っているのは。 「じゅっ、ぽん、まつ……?」 嘘だろ。だって、さっきまで、生きて……。 なんでだよ、なんでこんなに、気持ち悪い? 頭が割れそうに痛い? この、吐き気を催す感情は一体なんだ? 「どうか、なさいましたか?」 この、呑気な声は、かなこさんか。 十本松が死んだのに、どうしてこの人は平気でいられるんだ。 腹がたつ。腹が立つな。――ああ、この人が殺したのか。 そうか、俺が抱いている感情は、怒りなのか。 怒りに悲しみが混じって、吐きそうになっているのか。 でも、なんで。十本松が死んで、俺が悲しいんだ。俺が怒っているんだ。 なんでだ。 (それは、さっきも言ったとおり、お前が十本松あすかを愛しているからだ) そう、そうだ。俺は、十本松を好きなんだ。だから怒っているんだ。 じゃあ、これからどうしたらいい。 (それは自分でわかるだろう。お前のやりたいように、すればいい) そうだな、そうするよ。 十本松が殺された。なら、俺がすることは――ひとつしかない。 復讐しよう。十本松を殺した奴を、殺してやる。 誰だったっけ? 確か、あの本の通りに行くと、十本松は武士の役。 十本松の親父が姫様の役で、そいつを殺したのが天野基彦と菊川桂造。 その娘が天野香織と菊川かなこ。 武士を殺したのは、父親を殺された娘だ。 余った役は、武士の元恋人役。十本松が言うには、俺はその役らしい。 じゃあ俺は――香織と、かなこさんを殺せばいいのか。 その役をこなせばいいんだな。 ああ、目が回る。 気分が悪いな。やっぱり今はやめよう。 起きたら、殺そう。あの2人を、殺そう。 あれ、でも……香織は何もしてないよな。 それになんで俺、十本松のことなんか好きになったんだ? いいや。考えるのは止めよう。寝よう。起きたらきっと、なにもかも上手くいくさ。 でも――目が覚めても、十本松は生き返ったりなんかしてないんだろうな。 生き返ってたら、嬉しいんだけどな。本当に。
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/884.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 414 復讐の為にゆっくりに畑という概念を教えてあげた/コメントログ」 途中までは面白かった -- 2010-09-29 11 40 52 いろいろ消化しきれていない 投げ出さず後半を書いたのは偉いが 自分の書きたかったアイデアを羅列しただけ で終わってる 投稿する前に一度読み直すといいと思いますよ -- 2010-10-11 05 35 37 う~ん -- 2011-11-26 06 42 13 × 魔が刺した ○ 魔が差した -- 2012-03-30 10 07 10 既に言われてるけど、書きたいことを羅列しただけの文章になっていて、構成が完全に破綻している。 投稿する前によく整理したほうがいいぞ。 -- 2012-04-18 20 33 30 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -- 2012-07-11 15 08 07 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんのごればああああああああああ!!!ぜんぜんゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ゆっくちちね -- 2014-05-04 13 12 34
https://w.atwiki.jp/jojoson/pages/1019.html
wikiの趣旨にそぐわないので削除
https://w.atwiki.jp/fuurinkazan_mvp/pages/35.html
内野聖陽 市川亀治郎 金田明夫 田辺誠一 宍戸開 高橋一生・塩野谷正幸 有薗芳記・有馬自由 水 佐藤隆太 光石研 テリー伊藤 貫地谷しほり 花 麻田あおい・井川哲也(玄広恵探) 五宝孝一・松谷由起子(信虎の側室)・園部豪太 千葉真一 竜雷太 谷原章介(梅岳承芳) 石橋蓮司 加藤武 土 風吹ジュン 藤村志保 仲代達矢
https://w.atwiki.jp/dvdsale/pages/79.html
歪んだ怒りと残酷な復讐を描いた映画「被害者たち」(監督:ノ・ジンス、制作:ノシス)が韓国で7月31日に公開された。 「被害者たち」は自分が抱えているトラウマの苦痛をそれぞれ異なる方法で表現する二人の男女の物語を描いたミステリースリラー映画。主人公のガインとドギョンは、子どものころに親から受けた衝撃と傷によって歪んだ怒りを抱えながら、善よりは悪に近い人物として登場する。しかし、違うようで似ている二人の男女が出会い、運命のようにお互いを知り始めてから状況は徐々に変わり始める。 「被害者たち」の主人公ドギョン役は、先日最終回を迎えたJTBCドラマ「貴婦人」を始め、「大風水 DVD」「結婚してください!?」「8月に雪が降る日」「ファン・ジニ」などを通じて、精力的な活動を繰り広げた俳優リュ・テジュンが演じた。彼が演じたドギョンは優しいイメージの金属工芸家であるが、子どものころに親から受けた傷を残忍な殺人で慰める極端な二面性を持つ人物だ。リュ・テジュンは今回の「被害者たち」を通じて初めて主演を務めた。 ヒロインのガイン役は新人女優のチャン・ウナが熱演した。ガインは子どものころに父から受けた傷によってトラウマを抱えて生きる幼稚園教諭だ。父が危篤という連絡を受け、故郷に帰るが、彼の前ではお願いだから死んでとストレートに話す残忍さを持つ毒々しいキャラクターで、観客に深い印象を残すと見られる。 「被害者たち」を演出したノ・ジンス監督は「人間が持つ二面性を語ってみたかった。誰でも善意で悪い行動をし、また悪意を持って優しい行動をするためだ」と演出意図を明かした。韓国ドラマ 大風水 DVD 続いて「過去のトラウマを持つ二人の人物が、それぞれどのような方法で生活を乗り切ろうと努力するかに注目しようと考えた。ただ、過去の特定事件によって傷つき、苦痛の人生を生きていることにとどまらず、歪曲された方式で自分の人生を乗り切ろうとする主人公たちの精神面を通じて人間の本質を取り戻して欲しいという気持ちだ」と強調した。
https://w.atwiki.jp/mayyugioh/pages/371.html
雁洲奏は困惑していた。 他でもない、唯一といってもいい親友、終末ヶ岡馬耶のことについてだ。 夕暮れの公園でジャングルジムのてっぺんに陣取り、 カッコつけながらたそがれる友をいろんな意味で心配している。 馬耶「ああ……つまらない、つまらない……」 心ここにあらずといった風につぶやきながら、 鉄筋の上でバランスをとって荒ぶる鷹のポーズをキメているではないか。 奏「もう、そろそろシャンとしなさいよ!」 見守ってあげる気でいた奏も、いよいよたまらなくなりお山を登る。 そして南斗聖拳の修練みたいな動きをし出した馬耶を同じ目線からたしなめた。 馬耶「奏……」 奏「何かつらいことあったんでしょ? 聞かせなさいよ」 馬耶「すまない……」 しょんぼりしながら馬耶が奥義の特訓っぽい動きをやめた。 そしてぽつぽつ語り始めたのだが。 馬耶「若き戦士と……年上の魔法使い……幾多の困難な戦いを乗り越え、 やがて二人には絆が芽生えるはずであった」 奏「へ……?」 馬耶「だが魔法使いは狂える魔女に魔法をかけられ、魔女のものになってしまった」 奏「クルーエル魔女!? 待って待って何の話」 馬耶「戦士は……魔女に斬りかかることもできないまま膝をついたのだ…… ははっ、ははははっ、笑うがいいわ」 奏(全然わからないよぉ) 不思議な一面が云々など通り越し、ハッキリ言って変人である終末ヶ岡馬耶。 それにつけても今日はずいぶんなぶっ飛び具合だ。 奏(戦士と魔法使い? はっはぁ~ん、さては基本無料RPGか何かの話ね) 要点がぼやけたお話に脳が追い付かない分を迷推理で埋め合わせる。 自キャラである「戦士」に自分を重ね合わせすぎるあまり、 相棒の魔法使いを魔女にかっさらわれるシナリオとかで怒り心頭きたのね? と。 奏「あのさあ馬耶、それってやり直せたりしない?」 馬耶「やり直すだと……!?」 奏「そうよ! 別の道(ルート)があるんだったらリトライあるのみじゃないの」 馬耶「おお……」 奏「二度と立ち直れないほど失望してる? だったら忘却の儀式に付き合うけど」 馬耶「い、いやっ! そんなことはないぞ! そうだ……今世の英雄叙事詩が『相棒を魔女に取られました。完』で、 良いはずがない! よくぞ喝を入れてくれた! ソウルメイト奏よ!」 奏「えへへ」 闘志が盛り上がる馬耶にハグされて照れる奏。 “無知または忘却の儀式”ことファミレスやけ食いはしなくてよさそうだ。 ただ心の中では、魔女という単語にモヤッとしたものを感じてもいた。 奏(魔女といえばあの人どうしてんだろ) 天に近いこの場所で、二人並んで物憂げに空を見上げる構図となる。 この大空に翼を広げて飛んで行きたいよって感じだ。 湯納「……………………なにやってんですか?」 悲喜こもごもな青春の1ページを通りすがりに凝視されドン引きされた。 でも丁度いまメンタルがブースト中の馬耶は何ら動じずカッコつけ続ける。 あまつさえ燕のような(無駄に)華麗な動きで下界へ降りていく。 馬耶「ごきげんよう、魔法使い殿ではないか」 湯納「その前にスカートで水鳥拳飛燕流舞はやめましょうね」 馬耶「えっちだな魔法使い殿! だがもっと照れ照れしてほしい!」 湯納「(しまった……話しかけるんじゃなかった)」 そんな会話などはお構いなしで、湯納の後ろからは“魔女”がひょこっと現れる。 魔女の手には小さな鍋が握られている。 アウナ「なにごとなの」 馬耶「!!!! ぬ、ぬおおお魔女ッ――」 奏「――あ あ あ あ あ あ の 時 の ナ チ ュ ル 使 い ぃ ッ !!」 アウナ「うん?」 夕闇に翳る濃緑のローブ。迷彩服の平和マニア。奴の名はアウナス!! さっきのハグで優しい雰囲気になってた奏の瞳が限界まで見開いた。 予想外の憤慨で馬耶の言葉は遮られ、どこかに行ってしまう。 奏も大急ぎで地上に戻ってくる。 馬耶「知り合いか奏」 奏「そうよ! あれは忘れもしない先々月の仏滅日! 細かい経緯はぶっちゃけ忘れたけど水棲か植物かで私たちは激突した!」 ~ 回想 ~ 奏「私の先攻。カード5枚セットでターンエンド!」 ア「そう、じゃあわたしのターンね、ドロー。モンスターをセット」 奏「いいわ!」 ア「二重召喚」 奏「いいわ!」 ア「生贄召喚でナチュル・バンブーシュート。はい」 奏「――ひいい嫌ああああああァァァァァァウ!!!?!?」(サレンダー) ア「し、死んでる……」 ~ 回想おわり ~ 奏「通告を過信してこのザマだしもうね!」 馬耶「それでフルトラップバージェストマのロマンやめたのか」 アウナ「アノマロカリス、二ヶ月ぶり」 奏「……ここで遭ったが百年目なんだけどちょっとお腹すいたからタイムよ」 アウナ「そう。実はさっき作った大根の煮付けが会心の出来だったから、 これからユノーに食べさせるとこなの。あなたも食べる?」 奏「いただきまーす♪」 馬耶「こらあああーーーーーーー!!」 アウナ「汝は波なきもの闇なきもの海なきもの月なきもの……――」 ソウルメイトの胃が魔女にあっさりと屈しそうになる危機的状況。 でも馬耶が待ったをかける頃には時すでに遅し。 アウナが妖しい呪文を唱え始めた。 シード・オブ・フレイムを召喚し、燃えてるとこに鍋をかけてあっためる。 魔女の女子力3000打点。 そしてみごとに甘辛く煮付けられた大根が奏を襲う。 奏「ほふっ、ほふっ、ふううおおん、これはこれは……さすアウ」 湯納「おいしい……。確かに会心の出来ですね」 寒さがジワッと入り込んでくる夕暮れの中でこの光景はテロ行為に等しい。 ふーん、じゃ食べれば? とばかりに馬耶の前に温まった大根が差し出される。 もう堕ちるしかなかろうて。 馬耶「ほふっ……ほふっ……ほふっ…………」 アウナ「もいっこたべる?」 馬耶「……ち、チクショオオオオオオオオーーーー!!!!」 吼えながら走り去る馬耶を三人は「まーいいや」って具合に見送っていた。 奏「馬耶ー! 課金しすぎちゃだめなんだよーーー!」 その声に答えるものは誰もいない。 結局、二人はすれ違ったまま……。 戦士には生きづらい世の中であった。 なお翌日、馬耶がちょっと女の子ぶったオシャレをし出したが奏はスルーした。 おわり