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俺のひよこのぬいぐるみにひどいことした弟に復讐したい (28スレ358-361,368) 1 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 21 34 04 .22 昼間に家で何事もないような顔でお茶をしながら談笑し、 部屋に帰るときにこっそりといつもはいてる靴を持ち去ってやった これで弟はもう二度と家から出ることができない→ニートになる→社会的地位うなぎ下がり という完璧な計画だった。しかし夕方ごろ、部屋をノックされた 弟が尋ねてきたのだ 弟「靴をかえせ」 ちくしょう!!どちくしょう!! お前が俺のひよこのぬいぐるみをあんな姿にしたことを、まだ悪びれてないと見える!! 弟「それはちゃんとあやまったじゃないか」 ひよ太郎をかえせ!!ひよ太郎を!!! 結局靴は弟の手によって奪われてしまった 3 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 21 43 19 .97 次に無言電話をかけてやることにした 自転車で15分かけて最寄の電話ボックスに向かった 弟の携帯番号にかけ、終始無言で通す予定だった 10円玉を入れ、予定通り電話をかける 3コールで弟は応答した 弟「はい」 俺「…………」 弟「 ?おい?」 俺「…………」 弟「……兄さん?」 俺「!?」 正体を当てられてしまったが、計画には支障はない。続行だ 弟「なんなんだ。いったい何がしたいんだ」 俺「…………」がちゃん!! 唐突に電話が切れた。弟が切ったのだと思った。違った。 10円では3分しか話せないのだ。それを忘れていた。 もちろん、俺はもう一度10円を投入しようとした。しかしもう10円玉はなかった。 俺は夏の暑い道を、15分かけて自転車で引き返した。 5 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(洪) 21 46 32 .95 ひよ太郎はどうされたの 7 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 21 51 32 .82 復讐計画が次々に失敗し、俺は途方に暮れた 人生に希望が持てなくなって、一人部屋に閉じこもってしまった ベッドにうずくまって、沈鬱な心持ちで、カジイモトジロウの檸檬を読んでいた そんなとき、弟が話し掛けてきた 5 俺は趣味でひよこのぬいぐるみを集めているんだが、 そのなかでもかなりキュートな部類に属するひよ太郎というひよこ(つぶらな瞳)がいたんだ こともあろうに弟は、そのひよ太郎にコーヒーをぶちまけやがった それだけならまだしも 俺「ああああああ!!ひよ太郎!!ひよたろーーーっ!!!」 弟「あああ!!すまん!!」 俺「どうすればいい!!こういうときってどうすればいい!?」 弟「あ、え……漂白!!?漂白しとけば間違いないんじゃないか!!?」 俺「まじかよ!!いこうひよ太郎!!アリエールしよう!!」 結果として、ひよ太郎があひるになってしまった 10 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(英) 21 55 34 .37 ひよ太郎うp 18 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(仏) 22 00 40 .05 1 なぜぱんつを取らなかった! もしぱんつを取っていれば明日からのーぱん!!!!! 19 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 22 01 32 .58 今更いったいどの面下げての話だこらぁ、とも思ったが、基本的に友達が少ない俺は、 話し掛けられてテンションがあがり、つい返事をしてしまった 俺「……なんだ」 弟「あ、返事した」 俺「なに?いったいなに?」 弟「さっき公衆電話からかけてきたか?」 俺「かけてない」 弟「かけたんだな」 俺「ひよ太郎の無念が俺にとりついてそうさせた。俺はかけてない」 弟「執念深いな……その件はもうほんとに反省している」 俺「ひよ太郎……」 弟「めそめそするな!!」 俺「ひよひよ!!」 弟「ひよひよじゃない!!あのな、***歳近い男がひよこひよこ言ってるのはかなりやばいぞ?」 俺「知ってるよ!!」 弟「知ってたのか!!」 俺「好きなんだよひよこがぁーーー!!」 弟「そんな『ひよこがぁーーー!!』と言われてもな……」 俺「ひよこがぁーーー!!」 弟「わかった!!新しいひよこのぬいぐるみプレゼントするから!!」 俺「…………ほんと?」 俺は弟を許した 29 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 22 06 10 .97 後日俺は新しいひよこのぬいぐるみを買いに、弟と街にでかけた こういういきさつで、新たなひよこさんがファミリーに加わることになった その名もひーよん こうして弟への復讐は終了したのでした ありがとうございました 30 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(韓) 22 07 22 .77 ひーよんうpするんだぜ 34 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 22 09 21 .26 ひーよんの肖像権にかかわるから、胴体だけでいいならうpするが、 うpなんてしたことないから、だれかやり方を教えてくれ 37 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(日) 22 10 41 .25 [sage] 私の脳内では、ひよ太郎はチキンラーメンのひよこ 41 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(南伊) 22 12 33 .62 [sage] ここでひよこ柄のパンツでもくれば… 42 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(伊) 22 14 05 .93 なんでひよこがすきなの? きっかけは? 44 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 22 15 40 .31 41 それ最高。俺の股間のひよこがうずく 42 むかし縁日で買ったピンクのひよこを洗ったら、黄色になった ひよこの神秘に感動しちまって……それがきっかけだ 45 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(英) 22 19 02 .38 黄色のヒヨコが白い鶏になる神秘も体験しろ 47 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(洪) 22 22 43 .04 ごめん、 1がキモイ 49 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(露) 22 22 56 .67 とりあえず、ひよこのぬいぐるみを弟と買いにいったときのエピソードを聞かせてくれないかな 51 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 22 25 00 .16 47 ひよこ収集癖がある以外はいたって普通だ 49 そんなんで満足してくれるなら、少し書く 53 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 22 31 53 .88 ひよ太郎に代わる人材を捜し求めるために、俺と弟はバスに乗って繁華なほうへ向かった 弟「ひよこのぬいぐるみ買うのって、なんかこだわりの場所みたいなのあるのか?」 俺「特にないけど、ひよこに対してのこだわりはもうマジで半端ないからな」 弟「長い買い物になるか?」 俺「昔ひよこのぬいぐるみ探し歩いてたら、そこが知らない土地で帰れなくなったことがある」 弟「うわあ……兄さん超めんどくさい…………」 俺「お前だって好きなCD探すために、さんざ人ひっぱりまわすだろうが」 弟「CD探すのとひよこ探すのを同列にするな」 俺「ひよこのほうが圧倒的に地位高いもんな」 弟「ひよこからクラシックが流れてくるなら納得するがなそれ」 そんなこんなで、バスが街についた 55 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 22 37 10 .94 ファンシーショップでぬいぐるみを選んでいる俺と弟 弟「あ!!ほらこれあったぞ!!ひよこひよこ!!」 俺「…………いや、これはちょっと違うな」 弟「なんなんだ!!なんなんだお前!!」 俺「このひよこはちょっと色が黄色すぎる」 弟「黙れ!!」 俺「この先にもなんかぬいぐるみとかあるとこあったよな?」 弟「そこいくのか?」 俺「いく」 弟「早く帰りたい……」 俺「このひきこもりが」 弟「ひよこ狂に言われたくない……」 56 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 22 43 37 .75 ついにファンシーなひよこにめぐり合えた俺と弟 俺「…………こ、こいつは」 弟「それ?それがいいのか?」 俺「なんという……これ、なんという……」 弟「ほらそれ買ってやるから、レジ行こう、な?」 俺「ヴェスト、これ……ほら、このひよこ、目が、ほら……」 弟「うん、うん、かわいいな。すごいな。ほら、早くそれレジに」 俺「なんという!!なんというこの!!これ!!ひよこ!!」 弟「いいから!!もういいから!!早くそれ払おう!!恥ずかしいから!!すごい恥ずかしいから!!」 こうして新たなるひーよんを手に入れた ~fin~ 59 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(立) 22 48 56 .95 56 ちょwwwwwこれほんと釣りでしょうwwwwwwwwww 60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/08/27(普) 22 52 11 .89 59 さすがに弟以外相手だと、普通にしてる こんなんじゃない 71 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(土) 23 12 08 .21 なんだこいつら和むじゃねぇか 75 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 23 15 18 .74 じゃあエピソードを投下ということで行こうと思う ゆるやかにやっていこうと思う。夜もふけてきたようみたいだし 86 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 23 24 36 .19 思い出せるような会話を適当に書いていく感じだ 自分はひよこ収集癖がある以外は特に平凡な人間だから、 できるだけひよこのことを絡めて書いていこうと思う ひよ太郎にコーヒーがぶちまけられる前の話 ある土曜日、弟と特に目的もなく自室でぐだぐだしていたとき 弟「おい、こんなひよこの視線ばっかりの部屋でよく寝るな」 俺「むしろひよこの視線がなくなると寝れん」 弟「いや、よく考えてみろ。これがひよこじゃなくてフランス人形だったらどうだ?」 俺「怖い。そしてきもい」 弟「だろう。ひよことフランス人形の違いだ」 俺「っていうかお前の発想が若干こわい」 弟「俺はお前という人間がこわい」 俺「フランス人形に例えるから怖いんだって」 俺「どういうことだ?」 俺「あれがひよこのぬいぐるみじゃなくて………ん、お前って何が好きだっけ?」 弟「なんだ、急に」 俺「いいから」 弟「ジャガイモとかか?」 俺「それだ!!あのひよこのぬいぐるみが全部、ジャガイモだったらどうよ」 弟「怖いぞ!!大惨事だぞ!!」 俺「ですよね」 91 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 23 32 39 .73 弟「まだ、サッカー選手のポスター張りまくりだとか、百歩譲ってアイドル好きとかなら、わからんでもない」 俺「アイドル萌えーとかやってるほうが人間的にだめだろ」 弟「ひよこ萌えってそんなに地位高いのか」 俺「むしろひよこ自体の地位がものすごい高い」 弟「目を覚ませ。鳥類だ」 俺「ふざけんな!!翼とかあるだろ!!」 弟「あるのか!?ひよこに翼あるのか!?」 俺「え!!ないの!?」 弟「だってひよこって飛べるか?」 俺「飛べません。でも翼はあるだろ。ちっちゃいやつ」 弟「でも飛べないって時点でだめじゃないか。鳥類であることのアドバンテージすべてを失ってるじゃないか」 俺「ばかか!!おまえこれ……おまえ、ばっ……ばかか!!」 弟「冷静になれ。クールにいこう」 俺「それを補って余りあるかわいさに目を向けろ。ひよこの」 弟「そんな倒置法で言われてもな……」 94 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(愛) 23 36 04 .04 中々、会話のクオリティが高いなぁ 95 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(台) 23 36 07 .40 確かにひよこかわいいw 97 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 23 39 52 .63 弟「あー、だがチキンラーメンにかいてあるひよこはすごいかわいいと思うぞ?」 俺「ふっ……素人向けひよこにはまっちゃったクチか」 弟「なんなんだお前」 俺「あのひよこはたしかにものすごく綿密にかわいく作られてるけど、所詮素人向け」 弟「なんなんだ!?なんなんだこのひと!?超怖い!!」 俺「日清の策略にまんまとはまりおって」 弟「じゃあなんだ、兄さんのひよこ歴どんくらいだ?」 俺「去年の9月くらいから」 弟「浅っ!!意外と歴史浅い!!」 俺「でも過ごしてきた時間の濃さは誰にも負けない」 弟「ひよこの生態とかには詳しいのか?」 俺「動物園で本物のひよこをみたことがある」 弟「一般人だ!!それ一般人のレベルだ!!」 103 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 23 45 12 .51 俺「うるさい!!俺はひよこが好きだ!!」 弟「やめろ!!ひよこのぬいぐるみを抱きしめながらうずくまるのだけはやめろ!!怖いから!!」 俺「たけひよ」 弟「え?」 俺「この子はたけひよ」 弟「聞いてない!!誰も名前聞いてない!!」 俺「たけひよーー!!!!」 弟「たけひよを抱きしめてうずくまるのをやめろーーー!!!」 そうやってバタバタしていたら弟がコーヒーを倒し、ひよ太郎にぶちまかれた 104 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(日) 23 45 51 .14 突っ込みどころ満載でワロスww 弟さんはツッコミ担当ですねwww 115 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/27(普) 23 54 59 .33 俺がひよこに目覚め始めたときの話 自室にて 弟「え、このひよこなんだ?」 俺「いいだろ」 弟「もらいものか?」 俺「いや、買った」 弟「買ったのか!?ぬいぐるみを!?兄さんが!?」 俺「悪いか」 弟「悪くはないが……どうやって?」 俺「レジに持ってって、これくださいって言えばいいんだよ」 弟「違う!!そういうことではない!!」 俺「どういうことだ?」 弟「大の男が、ひよこのぬいぐるみ片手に、にやにやと、買い物したのかということだ!!」 俺「いや……別ににやにやとはしてない。いいじゃんかそれはまあ」 弟「まあ……恥ずかしいのは自分だからいいけどな……」 そして次に自室に弟が来たときのこと 弟「増えてるーーー!!!ひよこ2匹になってるーー!!!」 俺「匹っていうな!!ふたりって言え!!」 弟「黙れ鳥獣愛好家!!!」 123 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(普) 00 00 18 .42 弟「なんだ?好きなのか?ひよこ」 俺「好きなのかも」 弟「ぬいぐるみを買ってしまうほどに?」 俺「それは間違いないな」 弟「否定してくれ…………どうしたんだ?なにかいやなことがあったのか?」 俺「あれ……なんでカウンセリングみたいな風になってんの?」 弟「あの、ぬいぐるみが好きなのか?」 俺「いや、それは違う。ひよこが好き」 弟「好きっていった……mayじゃなくなった……」 128 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(西) 00 07 34 .51 アホやこいつレベルの高いアホ 129 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(普) 00 07 38 .49 ↓続き 弟「あれだ、ひよこに対してはどんな感情を持ち合わせてるんだ?」 俺「自分でもなんかよくわかんないんだよな」 弟「言葉にできない感じか?」 俺「こう、なんか胸の奥がざわざわするけど、ちょっときゅんとする感じ」 弟「恋じゃないか!!!完全に淡い乙女心じゃないか!!」 俺「マジで?やっぱそう?」 弟「ちょっとテレた顔をするな!!相手は鳥獣だから!!」 俺「マジでこれ詩とか書けそう」 弟「書いたら燃やす。兄さんを」 俺「俺かよ!!せめて詩のほう燃やせよ!!」 弟「ひよこに性的な感情とかは……」 俺「まだそこまでじゃない」 弟「まだというなあああああああああ!!!!!!」 132 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(英) 00 09 42 .34 やべぇ おれ 1と友達になりたい。 136 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(普) 00 15 06 .24 俺「でもあれか。ひよこと性的な関係を持ったら、やっぱ子孫は卵から生まれてくるのか?」 弟「生々しい話をするな!!なんだその『これからひよこと性的接触がありうる』みたいな前提!!」 俺「ないとも限らんだろ!!」 弟「ない!!20000%ない!!」 俺「そういわれると逆に実現させたくなってくるよな」 弟「なに!?悪かった!!全部俺が悪かったから!!」 俺「次からは気をつけろよ」 弟「うわあもうほんと兄さん早く絶滅して」 俺「先に子孫残してからな、卵で」 弟「卵でっていうな!!笑顔で『卵で』って言うな!!」 143 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(米) 00 27 37 .94 1はぬいぐるみじゃなくて生のひよこは 飼いたいと思わないのかい? 156 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(普) 00 49 34 .34 ノリに任せて、近所の公園でキャッチボールをしようということになったときのことだ 弟「いこうか」 俺「お前ちゃんとグローブとか持ってたんだ」 弟「まあな」 俺「ムキムキのくせに」 弟「貶してるのか、それ?兄さんはガリガリだな」 俺「ふざけんな。つまようじって言え」 弟「嬉しいのかそれ……?」 俺「ごめんやっぱりやめて欲しい」 弟「しょうがないな、つまようじくん」 俺「うわ、それちょっといいかも」 弟「え、なにその性癖。一言でMと言って切り捨てられないほど入り組んでる」 俺「もういっかい言って」 弟「つまようじくん」 俺「……そんな快感でもなかった」 弟「それを聞いて安心した」 163 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(普) 00 57 34 .31 公園についてからのこと ベンチにかばんをおいて、そこからひよこのぬいぐるみを取り出して横に置く俺 弟「…………なにをしてるんだ?」 俺「え?」 弟「それ」 俺「たけひよ」 弟「病院!!これ……もうこれ!!病院行こう!!」 俺「ちょっちょっちょ……なんなの、お前、落ち着けって!!」 弟「落ち着けるか!!!なんでキャッチボールすんのにかばんからたけひよが出てくるんだ!!」 俺「違う!!違うよ!!」 弟「違うもなにもあるかあああ!!!!なんという……これ!!なんという………救急車!!」 俺「違うの!!干してんの!!たけひよの日光浴なの!!」 弟「ひよこのぬいぐるみを持ち歩くなあああああ!!!!!」 俺「たまたま!!たまたまなんだって!!さっきたけひよの洗濯しちゃったんだって!!」 弟「ひよこのぬいぐるみを大事そうにお洗濯するなよ!!何だお前!!」 俺「国!!」 弟「俺もだ!!恥ずかしいぞ!!同じ国として!!」 164 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(日) 01 01 18 .58 私も、いぬのぬいぐるみに「いぬさん」って名づけて、 一緒に夏祭とか行きましたね・・・ 167 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(仏) 01 01 59 .21 164 いぬさんwwwwww クソワロタwwwww 170 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(日) 01 03 45 .74 167 いやいや、上司からもらった、それはそれはかわいいいぬだったんですよ。 似ているいぬぬいぐるみ(小型)を見つけて「こいぬさん」って名づけました。 178 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(普) 01 14 50 .36 そんなこんなでキャッチボール開始 最初は普通にキャッチボールを楽しんでたんだ けどあるとき弟がボールを持ったままぴたりと止まってしまった 俺「……おーい?」 弟「…………(たけひよをちらちらと見ている」 俺「どした」 弟「りゃ!!(たけひよにむかってボールを投げた。豪速球」 俺「!!!!!!!」 弟「外した……」 俺「うおおおおおおおおい!!!!」 たまらず弟に駆け寄る俺 弟の肩をつかんでゆさゆさと揺さぶりながら 俺「どうしたの!?ねえ、どうしたの!?」 弟「いやなんかこっち見てたから」 俺「そりゃ見てるよ!!ずっとずっと俺たちを見守ってるよたけひよは!!」 弟「若干ちょっと気になったからな」 俺「しょうがないじゃん!!たけひよは自分で視点とか変えられないんだよ!!」 弟「やっぱ見られてると意地悪したくなるよな」 俺「意地悪とかいうレベルじゃないだろおおおおお!!」 弟「大丈夫だって!!たけひよなら大丈夫だって!!」 俺「お前にたけひよの何がわかる!!」 弟「早くボールとってこい」 俺「お前たまにすっげードSだよね!!」 すごすごボールをとりにいった 198 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(普) 01 28 32 .15 スレ立てしておいて、しかも中途半端にオチもなく申し訳ないが、 そろそろ寝てちまおうかと思う。こんなことに付き合ってくれてありがとうな またどこかで会おうぜ! 205 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(仏) 01 31 17 .99 楽しかった! ノシ 206 以下、名無しにかわりまして国家がお送りします 2008/08/28(英) 01 31 43 .68 まずスレタイの件すら始まってないじゃねぇか・・・ 上へ戻る .
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第一の扉 第二の扉 第三の扉 第四の扉 第五の扉 第六の扉 第七の扉 第一の扉 第一の扉・黒髪鬼 AP20 カルデアゲート 推奨Lv.60 絆P 615 EXP 15690 QP 6400 報酬 呼符 x1 1-1 剣2 弓2 槍3 術1 殺1 1/3 スケルトンLv40(槍)HP7,002 スケルトンLv45(槍)HP7,826 スケルトンLv40(槍)HP7,002 2/3 スケルトンLv65(弓)HP46,613 シャドウサーヴァントLv80(術)HP83,462 スケルトンLv65(弓)HP46,613 3/3 スケルトンLv65(剣)HP61,767 嫉妬の具現Lv92(殺)HP197,067 スケルトンLv65(剣)HP61,767 サポートNPC アヴェンジャー Lv90(讐)宝具Lv.4 ドロップ スケルトン 凶骨 x3 シャドウサーヴァント 虚影の塵 x1 ファントム・オブ・ジ・オペラ アサシンモニュメント x1 第二の扉 第二の扉・煉獄の悪魔 AP20 カルデアゲート 推奨Lv.65 絆P 665 EXP 18815 QP 6900 報酬 呼符 x1 2-1 剣1 術1 殺2 狂1 1/3 キメラALv25(殺)HP14,403 キメラBLv25(殺)HP14,403 2/3 煉獄の尖兵Lv25(術)HP126,879 3/3 ホワイトキメラLv40(狂)HP77,579 色欲の具現Lv77(剣)HP201,324 サポートNPC アヴェンジャー Lv90(讐)宝具Lv.4 ドロップ キメラ 混沌の爪 x1 デーモン 蛮神の心臓 x1 フェルグス セイバーモニュメント x1 備考 3/17(木) 0 00に開放 第三の扉 第三の扉・螺湮城の怪 AP20 カルデアゲート 推奨Lv.70 絆P 715 EXP 22190 QP 7400 報酬 呼符 x1 3-1 騎1 術1 殺1 狂4 1/3 アイアンゴーレムLv42(狂)HP11,997 ゴーレムLv45(狂)HP9,771 ゴーレムLv45(狂)HP9,771 2/3 クリスタルゴーレムLv60(狂)HP124,542 3/3 デーモンLv37(殺)HP78,586 怠惰の具現Lv92(術)HP203,728 デーモンLv37(騎)HP79,413 サポートNPC アヴェンジャー Lv90(讐)宝具Lv.4 ドロップ ゴーレムアイアンゴーレムクリスタルゴーレム 八連双晶 x1 デーモン 蛮神の心臓 x1 ジル・ド・レェ キャスターモニュメント x1 備考 3/18(金) 0 00に開放 第四の扉 第四の扉・神は語らず AP20 カルデアゲート 推奨Lv.75 絆P 765 EXP 25815 QP 7900 報酬 呼符 x1 4-1 剣4 槍3 騎1 裁1 1/3 フランス兵Lv53(槍)HP9,151 フランス兵Lv53(槍)HP6,101 フランス兵Lv53(槍)HP9,151 2/3 フランス兵Lv60(剣)HP50,820 シャドウサーヴァントLv80(騎)HP92,610 フランス兵Lv60(剣)HP50,820 3/3 聖女に仕えし騎士Lv89(剣)HP180,110 憤怒なき聖女Lv84(裁)HP172,580 フランス兵Lv60(剣)HP94,721 サポートNPC アヴェンジャー Lv90(讐)宝具Lv.4 ドロップ フランス兵 英雄の証 x3 マリー・アントワネット 虚影の塵 x1 ジル・ド・レェ セイバーモニュメント x1 ジャンヌ・ダルク 叡智の猛火(ALL) x5 備考 3/19(土) 0 00に開放 第五の扉 第五の扉・月光無情 AP20 カルデアゲート 推奨Lv.80 絆P 815 EXP 29690 QP 8400 報酬 呼符 x1 5-1 槍5 殺2 狂1 1/3 ホムンクルスLv40(槍)HP7,134 プロトホムンクルスLv28(槍)HP9,229 2/3 キリングドールLv40(殺)HP81,712 キリングドールLv40(殺)HP81,712 プロトホムンクルスLv30(槍)HP115,312 3/3 プロトホムンクルスLv35(槍)HP67,389 暴食の具現Lv90(狂)HP254,797 プロトホムンクルスLv35(槍)HP67,389 サポートNPC アヴェンジャー Lv90(讐)宝具Lv.4 ドロップ ホムンクルスプロトホムンクルス ホムンクルスベビー x1 キリングドール 無間の歯車 x1 カリギュラ バーサーカーモニュメント x1 備考 3/20(日) 0 00に開放 第六の扉 第六の扉・復讐するは―― AP20 カルデアゲート 推奨Lv.85 絆P 865 EXP 33815 QP 8900 報酬 呼符 x1 6-1 騎1 術3 裁2 1/3 ワイバーンエビルLv33(術)HP10,257 ワイバーンエビルLv36(術)HP11,180 ワイバーンエビルLv33(術)HP10,257 2/3 ワイバーンオリジンLv58(騎)HP203,191 3/3 天草四郎Lv85(裁)HP143,517 ジャンヌ・ダルクLv88(裁)HP191,916 サポートNPC アヴェンジャー Lv90(讐)宝具Lv.4 ドロップ ワイバーンエビル 竜の牙 x1 ワイバーンオリジン 竜の牙 x3 天草四郎 蛮神の心臓 x1 ジャンヌ・ダルク 叡智の猛火(ALL) x5 備考 3/21(月) 0 00に開放ワイバーンオリジン:スキル「絶対無敵(無敵1回付与)」を使用 第七の扉 第七の扉・巌窟王 AP20 カルデアゲート 推奨Lv.90 絆P 915 EXP 38190 QP 9400 報酬 伝承結晶 x1 7-1 殺7 1/2 テラーゴーストLv40(殺)HP10,895 テラーゴーストLv40(殺)HP10,895 テラーゴーストLv40(殺)HP10,895 テラーゴーストLv43(殺)HP23,451 テラーゴーストLv43(殺)HP23,451 エンシェントゴーストLv60(殺)HP81,096 2/2 恩讐知る魂の群れLv28(殺)HP453,684 7-2 讐1 1/1 エドモン・ダンテスLv90(讐)HP511,434 サポートNPC 7-1 アヴェンジャー Lv90(讐)宝具Lv.4 ドロップ テラーゴーストエンシェントゴースト ゴーストランタン x1 恩讐知る魂の群れ 虚影の塵 x5 エドモン・ダンテス 虚影の塵 x5 備考 3/22(火) 0 00に開放恩讐知る魂の群れ:スキル「幾千妄念(無敵1ターン&クリティカル強化付与)」を使用
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WOWOWのHPによると、集められたメンバーは皆19歳となっている(原作では20歳)。 船崎葉月(ふなさき はづき) 北村浩二(きたむら こうじ) 丘洋子(おか ようこ) 斉藤健一(さいとう けんいち) 佐伯勉(さえき つとむ) 楠木修(くすのき おさむ) 江田巡査(えだ-) 西原摩耶(にしはら まや) 船崎葉月(ふなさき はづき) 短大生。旧姓は「高橋」で、廃校となった若草小学校に在籍していたが、転校し、両親が再婚して船崎姓となった。 原作では、左近とは偶然知り合ったが、アニメでは脅迫状が送られた事で、短大の友人を介して左近に同行を依頼してきている。 アニメでは、母親の再婚相手は結構裕福な人物であるらしい(麻耶談) ネタバレ グループの中では唯一修を庇う立場をとっていた。しかし、修の自身に対する想いには気づいておらず、彼の死後に知る事となる。 犯人の偽装したダイイング・メッセージにより自分が犯人だと疑われ、ついには殺されかける。 かつて楠修に思いを寄せられており、彼の遺した人形の中には彼女を模したものがあった。自分に対する修の思いを知った後は、その人形を形見として大切にしようと決意する。 北村浩二(きたむら こうじ) 販売員。短気な性格で、些細な事ですぐ機嫌を悪くしてしまう。 アニメでは父親の経営する地元のコンビニで働いている設定となっている。昔は暴走族だったらしく、江田巡査とも顔見知り。 ネタバレ 奇妙な放送に嫌気が差し(アニメでは、江田巡査に帰るよう促された事に腹を立てたため)、真っ先に帰ろうとしたものの、橋に仕掛けられたワイヤーで首を切断され死亡。 丘洋子(おか ようこ) OL(アニメでは東京の信用金庫に勤めている事になっている)。気が強く、派手な外見をしている。 原作では、以前斉藤健一に言い寄られていたものの振っているが、アニメでは交際しており、彼に対する態度も原作とは異なっている。 ネタバレ 犯人により階段から突き落とされて殺害される。 アニメでは大学になかなか受かれない斎藤を度々励ましていたらしい 斉藤健一(さいとう けんいち) 浪人生。小太りな体格をしている。昔洋子に手ひどく振られていたらしく、当時彼女と付き合っていた北村にも馬鹿にされていた模様。 アニメでは洋子と交際している間柄。のんびり屋な性格で、洋子の尻に敷かれている。 ネタバレ 佐伯が残したと思われるダイイング・メッセージから、葉月が犯人だと誤解。江田から銃を奪い取り、彼を撃った後に葉月をも手にかけようとするが、銃が暴発し、死亡する。 佐伯勉(さえき つとむ) 美大の二年生。自己中心的な性格で、神経質な言動が多い。 アニメでは東京の医大に通う大学生に変更されている。 ネタバレ 校舎の探索中、美術室のカギを見つけ、後に疑心暗鬼に陥った際、犯人に殺されまいと一人美術室に立て篭もる。しかし、その行為も犯人の計算のうちにあり、丘の次の犠牲者となった。 楠木修(くすのき おさむ) 葉月達の同級生で、人形作りが上手な、心優しい少年。 気弱な性格が災いして、周囲から酷いいじめを受け、小学6年生の春に首吊り自殺した。 両親は離婚し、父親も他界しているらしい(アニメ)。 ネタバレ 葉月以外のメンバーから悪質ないじめを受けていた。アニメでは、メンバー内で秘密になっていた、村長急死の真相を罪悪感に耐えかねて自白しようとした事もいじめに関係している。 葉月には密かに想いを寄せていたようで、彼女を模した人形を作っており、他人に知られるのを恥ずかしがったためか、その人形は、別の人形にカムフラージュされていた。 アニメでは転校前日に葉月に電話をかけていたらしい(当時、葉月はあまり取り合おうとしていなかったが、皮肉にも今回の事件で彼の思いを知り後悔の念を抱いた)。 江田巡査(えだ-) 村の交番に勤務している警察官。交番に奇妙な同窓会の案内状が届いたため、学校にやって来た。 アニメでは、巡回中に廃校に灯りがついている事を不審に思い、立ち寄った。北村浩二とは彼が不良だった時からの知り合い。 ネタバレ 本章における真犯人で、楠木修の実兄。元は病弱だったが、修の死後、彼の骨髄を移植する事で生きながらえる。修を自殺に追いやった者達を憎むものの、彼らも修の死で自分達の行いを悔い改めただろうと思い、弟の最後に見た風景の元で村の駐在として静かに暮らそうと思っていた。しかし、祭の日に、北村達がが自分達がいじめて死に追いやった修に対し罪悪感を感じるどころか嘲笑している様子を見て憤りを覚え、殺人計画を画策。同窓会を偽り、修の同級生を集め、計画を実行する。(アニメでは手駒とすべく西原摩耶に近づき、機を伺っていたが、楠修の名を騙り、脅迫状で呼び集めた人形劇メンバーを次々と殺害していく)。最終的には左近に犯人であると見抜かれ、最後に残った葉月を殺そうとするが、弟が葉月に対し思いを寄せていた事を知り、彼女と、自分の犯罪を阻んだ左近に感謝しながらナイフで喉をかき切り自殺した(アニメでは谷川に身を投げ投身自殺)。 西原摩耶(にしはら まや) アニメオリジナルの登場人物。 町の中央病院の外科で看護婦として働いている。冷静で頭の切れる女性。 ネタバレ 共犯。利用しようと近づいた江田巡査と交際、彼の真意も知らぬまま犯行に加担する。加担といっても、江田が無線機を落とすための工作など些細なものだったが、彼を喜ばせるためだといって葉月を殺そうとするなど、狂気じみた一面をもつ。最終的に江田巡査の手により刺殺された。 楠木修をいじめていたメンバーであった事は言うまでもない。
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二人の戦士の間の空間が、じりじりとたたかいの熱を帯びていく。 一人の戦士は傷ついた仲間達への思いを、もう一人の戦士は亡き友への思いを、荒ぶる魂に乗せる。 人のかたちを被った獣どもが、虚ろな顔で戦士たちを取り囲んでいた。 「上から言われてるんでな、お前は殺しゃしねえよ」 すうっと腰を落とし、構えをとりながら、吉澤ひとみが言った。 その間合いの半歩手前で高橋愛は軽く右足を引いて、構えをとる。 互いに隙がない。純粋な格闘戦ならば、実力は拮抗しているようだ。 「まあ、死んだ方がましだって思う羽目になるだろうがな」 吉澤が何の感情も込めずにそう言い放った瞬間、愛の右腕が掴まれた。 たたかいの火蓋が切られた瞬間がそこにあった。 ―! 吉澤はぴくりとも動いていない。念動だ。見えざる精神の腕が愛の右腕をぎりぎりと締めあげている。 右腕を引きちぎられた、一週間前のあの光景が脳裡にフラッシュバックした。 恐怖が冷気を帯びた電流となって背中を駆け抜ける。 ―ちいっ! 愛は全身に力を込め、あるべき自分の姿を強くイメージした。 念動とは手を触れずに精神力で物を物を動かす力だから、 それに対抗するには自分はここにいる、ここにある、と強く集中する事が必要だ。 愛の意思が見えざる精神の腕のくびきを振り払った時には既に、半歩の間合いが潰され、吉澤の射程圏に入っていた。 いきなり、蹴りが飛んできた。疾い。 顎を引いてかわす。 爪先が空気を切り裂いて鼻先を通り抜けたと思った瞬間、その蹴りが軌道を変えて踵から振り下ろされてきた。 ―何!? 踵がこめかみ目掛けて襲い掛かってくる。 このタイミングではかわせない。ガードも出来ない。 「ちいっ!」 踵がこめかみを捉えるまでの瞬間を、愛は回避よりも集中のために費やした。 咄嗟に瞬間移動能力を発動し、空間を跳躍する。 空間を跳躍し吉澤の背後に回り、後ろから蹴りを叩き込む、筈だった。 しかし、愛が空間を跳んだ先は、吉澤の正面、先程までいた場所から数センチしか動いていない。 ―心を“引っ張られた”?サイコ・ダイバーか!? そのまま振り下ろされた吉澤の踵が愛の肩を抉り、鋭い痛みが走る。 これが側頭部に当たっていたら、意識を体の外へ弾き飛ばされていただろう。 しかし、吉澤に阻害され、失敗したかに思われた僅か数センチのテレポートが、愛を危機から救ったのだ。 時間の濃度が増していき、一瞬が交錯する。 痛みへの反応、テレポート失敗の動揺、彼我の戦力の洞察、そういった諸々の物とは別の所で、愛の肉体が動いた。 高橋愛の戦士としての本能が彼女の左拳を弾丸へと変え、吉澤の胴体へ向けて線を描いた。 理想的と言ってもいいタイミングで拳がみぞおちにめり込んだ衝撃が、確かな手ごたえとなって拳から肘へと伝達される。 ―入った! 「ぬるいぜ!高橋愛!」 吉澤の唇から苦痛と悦びがこぼれおちる。 愛の一撃で吉澤の中の何かがぶつりとちぎれたのか、それとも何かに火が点いたのか。 あるいは、その両方か。 灼熱の冷気をまとった微笑が、ぐん、と間合いを詰めた。 互いの体温が伝わりそうな程の距離で、愛は吉澤の瞳に宿る魔性の昂りを見た。 「そんなもんじゃ足りねえんだよ!」 吉澤の声と共に、二人を取り巻く空間が沸騰した。 至近距離から拳がすっ飛んできた。手ではじく。すぐに次が来る。潜る。更に次。 「シィッ!」 吉澤が鋭く呼気を吐いてラッシュをかけた。猛スピードで次々に拳を送り出す。 殴る。殴る。殴る。更に殴る。 そのどれもこれもが重く、鋭い。 愛はその一つずつをいなし、かわし、防ぎ、食らい、はじき、潜り、いなし… きりがない。 愛はじっと反撃の機会を見出そうとするが、全くそれが訪れる様子がない。 吉澤の攻撃が止まる気配さえ見せないのだ。 立て続けに拳が愛の肉体に襲いかかる。 撃ち込まれる拳とともに、吉澤の荒ぶる感情が愛の心に流れ込んでくる。 それは怒りであり、憎しみであり、闘争心であり、悦びであり、そして、かなしみでもあった。 ―かなしみ? 愛の心が吉澤のかなしみに反応した。 隙、と呼べるほどのものではない。 かなしみがある。と、認識した程度の事だ。 その隙とは呼べない、針の先にも満たない程の一瞬に、吉澤の右足が跳ね上がった。 初めからそこに在った様に、愛の側頭部にそれが現れた。 がつん、と愛の頭の中で音が響いた。 ―! 脳を揺さぶられ、意識に霞がかかる。 その時、霞の中から、あの時の光景が浮かび上がって来た。 血涙を流しながら嗤う一匹の夜叉。 『光』の封印が解き放たれた時、愛の顔を染め上げた夜叉が、あの時の自分が、霞の向こうから愛を呼んでいる。 もう一度、こちらへ来いと。 ―もう一度あれを使えと言うのか!? 刹那の逡巡が駆け巡る―― ―この体のままたたかっても勝ち目は薄いあたしが万全でも勝てるかどうかそれは分かっている でもあの力は強すぎるあんな物を使ったらあんな物に頼ったらたたかいじゃない殺戮だそんな事 をして勝って何になるあたしは兵器じゃないんだあたしは私はあんな物を―― ――あの子も私の大切な愛ちゃんだから、だからね、信じて。自分の心を !信じるとも!あたしの力はあたしの大切な人を守るためにあるんだ!今更何を戸惑っている? 今更何にびびっている?このまま殴られ続けて訳が分からなくなってそれから力を使う気か?そ れは無責任と言うんだ力を使うなら自分の意思で使え!甘ったれるな!高橋愛!―― 「あっひゃあ!!」 愛の渾身の力が込められた前蹴りが、吉澤のみぞおちを捉えた。 吉澤の体がくの字に折り曲がった隙に、愛は後方へ下がり、間合いを取る。 「ようやくらしくなってきたじゃねえか」 もっと、もっとだ。もっと体と心を痛めつけ合おうぜ。もっと血が滾るようなたたかいがしてえんだよ私は。 吉澤の心の声が愛に流れ込んでくる。サイコ・ダイバーのくせに、全く思考を隠そうとしていない。 復讐の矛先を失い、行き場の無くなった激情のはけ口を愛とのたたかいに求めているのだ。 吉澤は嗤っていた。その事に自分では気が付いていない。 唇に浮かぶ嗤いは悲鳴であり、かなしみでもあることに、吉澤ひとみは気が付いていない。 「いや、たたかいはもう終わりや」 ぽつり、と言葉を発して愛は吉澤に右手を向けた。 「あんたのかなしみは、あたしが断ち切る」 そう言って愛は心を澄ませ、もう一人の自分に語りかけた。 確固たる意志を持って、『光』を発動する覚悟が、そこにあった。 ―あたし、聞こえるか? … ―あたし、あたしの声が聞こえるか? … ―あたし、どうした? 愛の決意とは裏腹に、もう一人のアイは、愛の呼び掛けに反応しようとはしなかった。 ―どうした?あたし、返事を 「何をボンヤリしてんだよ、お前」 ―! 突風のような蹴りが、愛を襲った。 蜘蛛の牙が蝶の羽を貫くように、愛のわき腹に吉澤の爪先がめり込んでいる。 わき腹を乱暴に蹴りあげられ、愛の体が宙に浮く。 吉澤の獰猛なまなざしが、愛の瞳を貫いた。 蜘蛛が獲物に止めを刺そうと、新たな牙で愛に襲いかかる。 「愛ちゃん!」 胸の奥から響いた里沙の声が、窮地に陥った愛を衝き動かした。 吉澤の拳が愛の顔面に牙を突き立てようとした瞬間、愛は空間を跳躍した。 ―! 吉澤の背後に現れた愛の右足が、中空から稲妻のように吉澤の後頭部へ打ち下ろされた。 並の相手ならば意識どころか命までも容易に刈り取る程の一撃であった。 しかし、信じられない事に吉澤はそれを食らいながらも、苦痛に歪めた顔を愛に向け、反撃を繰り出そうとする。 ―化け物か!? 背筋に冷たいものを感じながらも、更に愛は空中で左足を吉澤の鼻先へ振り上げる。 左足がその目的を達する直前に、吉澤の念動力によって発生したショック・ウェーブが愛の体を跳ね飛ばした。 辛うじて愛は空中で体勢を立て直し、コンクリートに着地する。 一方吉澤は、頭を二度三度ふって、意識に明瞭さを取り戻してから口を開いた。 「集中なしで上手く跳んだな。心を引っ張る暇もなかった」 吉澤の言葉から窺い知れる感情は、憎しみや怒りといったものから少しずつ変化しているようだ。 たたかいの熱がやり場のない激情の炎の熱に追いついた事で、それがかえって吉澤に冷静さを要求しているのだろう。 感情をぶつける為のたたかいから、勝つ為のたたかいに、その目的をシフトしつつある。 愛の一撃が粛清人の本気を引き出したとも言えるだろうか。 「呼吸が乱れてきてるようだけど、まだやれるかい?」 淡々とした口調の中に、吉澤の戦士としての凄みが見え隠れする。 粛清人でも復讐者としてでもなく、戦士としてたたかう。 そう割り切った吉澤から勝利をもぎ取る事は、今の愛には不可能に思えた。 唯一の切り札であった『光』が発動できないというのが何より痛い。 i914の力を司るもう一人の自分、幼少の頃に心の奥に封じ込めた分身であるアイからの反応が何故か無いのだ。 そして、愛の敗北はそのまま里沙の、小春の、リンリンの死をも意味する事になるが、 愛の胸中を占めているものは恐怖でも絶望でもなかった。 それは疑問だった。 吉澤にわき腹を蹴り上げられ、窮地に陥った愛を救ったのは里沙の声だった。 「愛ちゃん!」と、彼女は叫んだ。 愛の疑問はその事だった。何故、自分を愛ちゃんと呼んだのか。記憶を失う前と変わらない呼び方で。 いや、その前に、あの声は本当に耳から聞こえた声だったか? ―! その時、愛の中で全てが繋がった。 愛は、やるべき事を見出した。しかし、それを実行する時間を吉澤が与えてくれる可能性は皆無であった。 「今度は逃げられねえよ」 愛の呼吸が止まった。 吉澤の念動力が愛の首を締め上げ、精神干渉能力が愛の心に絡みつく。 異なる能力の同時発動という離れ業をやってのけながら、自身は冷酷な足取りで間合いを詰める。 肉体と精神の両方から自由を奪い、止めを刺しにかかるやり方は、網にかかった蝶に牙を突き立てる蜘蛛のそれに酷似していた。 しかし、愛は孤独で脆弱な蝶ではない。強い意志と、心通じる仲間がいる。 愛の眼前にまで迫った吉澤に、突如颶風が襲いかかった。 ―こいつ、いつの間に!? 吉澤は颶風の蹴りを間一髪の所で回避したが、愛を絡める網の集中が途切れた。 颶風は愛の傍らに立ち、太極拳特有の剛柔を兼ねた構えをとった。 「タカハシ、無事か?」 「助かったよ、ジュンジュン」 吉澤ひとみは怒りに燃える獣のまなざしを受けながら、ちらりと入り口に目をやった。 シャッターは閉じられたままだ。とすると、裏口から入ってきたことになる。組織の者しか知り得ない筈だが。 「小川の奴が吹き込んだか…」 さして意外そうな様子も見せずに、吉澤は呟いた。 「今度はパンダのおでましかい」 そう言った吉澤の背後にいる、傷ついた仲間達の姿がジュンジュンの目に映った。 獣が怒りに昂っていく。 「よくもニーガキ達を酷い目に合わせたな。思い知らせてやる」 「そういうのはな、お互い様って言うんだよ」 煮え滾るようなジュンジュンの視線を正面から受け止めながら、吉澤が言った。 二人のやり取りに視線を配りながら愛が口を開く。 「ジュンジュン、任せた」 意外な事を言うと、ジュンジュンの耳には感じられたが、愛の言葉には確固とした意志が込められている。 きっと、何か考えが有るのだろう。ならばそうするまでだ。 意を決してジュンジュンが突進したのと、愛が里沙の傍へ空間を跳躍したのと、吉澤の唇に薄い微笑が貼り付けられたのはほぼ同時だった。 グロゥ! 突進しながら白と黒の獣に姿を変えたジュンジュンの鉤爪が、吉澤の頭部をなぎ払う。 あらゆる物を根こそぎ吹き飛ばすような一撃が空間を切り裂いた。 しかし、その右手にあったものは手ごたえではなく、鋭い痛みだった。 「単純だよ、動きが」 身を屈めた吉澤の手に握られた黒塗りの短剣から、血が滴っている。 ―暗器!? 闇から這い出してきた刃が、獣の喉笛目がけて襲いかかる。 ギリギリの所で獣は身をよじって喉に迫る刃を避けた。刃が首筋を走り抜け、血が空中に舞った。 グロゥ! 間髪いれずに繰り出された獣の反撃の左を吉澤は難なくかわし、二、三歩の間合いを取った。 「獣のあしらい方はな、最近覚えた」 獣は、己の血の温度が下がっていくのを感じていた。 それが、絡みつく恐怖によるものだという事も、ジュンジュンには分かっていた。 「ガキさん、聞いて」 里沙の瞳を見つめ、愛は言った。 「ガキさんはね、あたし達の事を忘れたわけじゃない」 「私が、みんなを忘れていない…?」 里沙の瞳に困惑の色が浮かんだ。その色を愛は慈しむように見つめながら言葉を続ける。 「ただ、あたし達の事を覚えてるガキさんは、今のガキさんの中にはおらんの」 「え?じゃあ…」 「あたしの中におる」 愛は里沙の手をしっかりと握りしめて、心を澄ませた。 「心を開いて…今から、ガキさんをガキさんに返す」 お互いの手から伝わる体温が溶け合った時、愛と里沙の呼吸が一つに重なって、そして ―とくん と、二人の胸が高鳴った。 それは、新垣里沙の帰還が間近に迫っている事を告げているかのようであった。
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573 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 17 57 ID vFMbIiL1 第十九話~復讐者が滅ぶ~ 柔らかい。 十本松の唇も、密着させている体も、後頭部にまわされている手も。 十本松の存在の全てが、愛しく感じられる。 わけがわからない。 さっきまで俺は十本松に敵意を抱いていた。 俺と華を気絶させて香織をさらい、かなこさんと一緒に地下室に閉じ込めた。 こんな犯罪者を俺が好きになるはずがない。 そのはずなのに、俺が今抱いている感情は一体なんだ。 十本松が欲しい。 俺の舌で、口内を貪りたい。 抱きしめて押し倒して、俺のものにしたい。 いきなりこんな愛情を抱くなんて、どういうわけだ? 催眠術か? それとも、この部屋に立ち込める甘い匂いに媚薬作用でもあるのか? わからない。 全てが甘くて、心地いい。 このまま、この感情に溺れたい。 「……はぅ……ちゅ……」 口の中に、十本松の唾液が入り込んでいる。 唇の裏、舌の裏側、いや、口の中の全体に俺のものではない唾液が塗りつけられている。 ――飲み込みたい。 馬鹿か、俺。何を考えている。 こんな気持ち悪いものが飲み込めるわけがあるか。 今すぐ十本松を突き放して、拘束してしまうのが正しいんだ。 わかっている。わかっているのに。 なぜ俺の手は、十本松の体を抱きしめたくて、うずうずしているんだ。 やめろ。 今、こいつのキスに応えても、体を抱きしめても、その先はない。 俺には香織がいる。恋人がいるのにそんなことはできない。 (どうでもいいだろう、そんなこと) 変なことを言うな。俺は香織が好きなんだ。 (本当にそうか? そこにいる十本松あすかよりも) こんなやつ、香織に比べたら……。 (比べたら?) 比べたら……なんだ? なんで、どっちがいいのかわからないんだ。 俺は、香織のことが好きなんだろ。 十本松のことなんて、どうでもいいと思っているだろ。 じゃあ、どうしてすぐにその結論が出てこない。 574 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 18 42 ID vFMbIiL1 (それは、お前が) 俺が? (十本松あすかを愛しているから。天野香織より、現大園華より、菊川かなこより、愛しているから) 十本松を愛している、から? (そうだ) 嘘だ。そんなことはありえない。 ありえない、はずなんだ。 背中全体に衝撃が走った。体中に感覚が復活する。 ぼやけていた視界が復活し、俺の体の上に座る人物を認識する。 「十本松……」 「ふふふ、間抜けな顔」 「何?」 「顔の力が抜けている。目に敵意がこもっていない。体に拒絶反応が無い。 それほどに気持ちよかったかな、私のキスは」 「……馬鹿を言って!」 胸の上に座る十本松をひきずりおろそうと、腕を動かそうとした。 だが、自由が利かない。両腕の手首が合わさったまま、体の前で固定されている。 「なすがままになっていたから、つい手首を縛ってしまったよ。それにも気づいていなかった? おかしいねえ。君は、私のことなんか、嫌いだろう?」 「ああ。中学校の部活動で知り合いだった先輩とか、頭が固くて理解のない俺の親父より嫌いだね」 「そのはずだよね。それなのに……」 首筋に、冷たい手が触れた。 「こんなに心臓が激しく脈を打っているのは、どういうわけかな。どきどきしているみたいだ」 「手を離せ! この変人が!」 「言葉ではそう言っていても、体では拒否していない。素直になれないタイプなんだね、雄志君は」 胸の上にかかっていた重量感が喪失した。代わりに、腰の上に重さを感じる。 十本松が、腰の上に乗っていた。 「私も同じ。素直になれないタイプなんだ。だから」 そして、俺と体を重ねてくる。 お互いの体の同じ部位が、正面から服越しに触れ合っている。 「今も、こんなにドキドキしている」 紅い顔が目の前に来て、俺を見ている。 垂れた髪が、俺の額に落ちてくる。 鼓動の波を感じる。俺の鼓動と、十本松の鼓動。 ペースは異なるが、どちらの鼓動も忙しく動いていた。 目を逸らす。今、目を見られたらやばい。そんな気がする。 もしかしたら、俺の目はその先を期待するような目になっているかもしれない。 話の流れを変える。 「こんなことして何になるんだ。お前が俺をどうにかしても、俺の気持ちは変わらない」 「変わる、変わらないは君の意思によってどうにかなるものではない。 いずれにせよ、私の思うままに事が進めば、君は私を好きになる。いや、もう好きになっているかな?」 「反吐が出る。お断りだ。寝言は寝てから言え」 「結構。君の反応はそれで正解だ。君は私のことが嫌いなままなのに、体の反応は意思に反する。 それこそが君にとっての苦しみになる。私はそうなるのを望んでいる」 俺が十本松を嫌いなままでいたら、こいつの思い通り。 俺が十本松をもし好きにでもなったら、胸糞悪い。 どっちにしろ、俺にとって不愉快なことになるのは変わりないじゃねえか。 575 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 19 39 ID vFMbIiL1 「ではそろそろ、雄志君をいただこうかな」 「……は?」 この女、今何を言った? 十本松の目、いや、顔全体が笑っている。 この笑顔に似た顔を見たことがある。あの夜の、かなこさんの顔にそっくりだ。 もしかして。 「そんなに不愉快な顔をしないでくれよ。……滅茶苦茶にしたくなるじゃないか」 「やっぱりそういう意味か! やめろ、この……っ!」 また唇をふさがれた。 十本松の腕で頭を正面に固定されている。唇を外せない。 唇を繋げられたまま、また体位を変えられた。今度は胸の上。 唇を一度舐められて、ようやく唇が解放された。 「ところで、雄志君は足フェチかな? それとも胸フェチ? 両方?」 答えは返さない。沈黙で拒否をする。 「答えてくれないと困るじゃないか。……仕方ない」 十本松は、一度ため息を吐き出した。 そして、着ているセーターに手を添えて、脱ぎだした。 細いウエストがあらわになり、次いでライトイエローのブラジャーに包まれた胸が見えた。 「答えないなら、両方でいくしかないな」 「やめろ、そんなもん見たくなんかねえ!」 「とは言いつつも、雄志君は目を逸らさない、と。スケベだね、男というものは」 そう言われて、十本松が脱いでいくのをじっくり見ていたことにようやく気づいた。 慌てて目を背ける。なんですぐに目を逸らさなかった。なんでこいつの体に釘付けになった。 「しかし、それが男として正常な反応だ。目の前で服を脱いでいく女を見ていたい。 その誘惑に勝てなくても、誰も責めたりしないよ」 俺が許せないんだよ。くそったれ。 衣擦れの音が続く。耳がその音を余すことなく聞き続け、目の動きをそそのかす。 見るな。俺は見たいなんて思ってない。 「――よし、終わった。こっちを見ていいよ」 誰が見るか。 「遠慮せず、じっくり見たまえよ。ほら」 首を強制的に動かされた。 目を開けてはいけない。開けたら、きっと目の前に……。 「強情な。なら、無理矢理にでも」 両のまぶたに、指を添えられた。まぶたをこじ開けようとしてくる。 きつく目を閉じても指の力には対抗できない。 薄く開いたまぶたのすき間から見えたのは、上半身をさらした十本松の姿。 白い肌、鎖骨、こぼれ落ちそうな胸、薄紅色の乳輪と乳首の先端、全てが見える。 さっきから激しくなっていた鼓動が、また強くなった気がする。 下半身に勝手に血が集まっていく。 576 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 20 56 ID vFMbIiL1 まぶたに添えた指をそのままに、十本松が耳打ちしてきた。 「見ても、いいんだよ。今だけは、今このときだけは私の体は君のものだ。 両腕が動かない分、その目に存分に焼き付けるといい」 「やめろ……その邪魔そうな乳をしまえ」 「それはできない。かなこか香織が起きるまではね。 私と雄志君の交わっている姿をあの2人に見せないと、思い通りにいかなさそうだから」 「香織とかなこさんに今の姿を見せて、どうするつもりだ」 「まだわからない? さっきも言っただろう、あの2人のうちのどちらかに私を殺させるためだと。 どちらかがこの姿を見て、逆上して私を殺す。それこそが私の狙いだ」 「だから! なんで自分を殺させるためにこんなことをするんだよ!」 「そうしなければいけないんだ。配役が変わろうと、物語は進めなければ」 「お前は、毎度毎度……わけわからんことばかり、言ってんじゃねえ!」 叫ぶ。顔を近づけていた十本松が体を起こした。 また裸の上半身が見えたが、構っていられない。 「わけわかんねえよ! 自分を殺してもらうためとか、前世とか、台本だとか! そんなもんは自分の妄想の中でやってろ! 周りの人間を巻き込むな!」 「妄想じゃない。現実にそう行動しなければ――」 「運命がどうとか言うのか。そうなるのが運命だって。かなこさんにも言ったけどな、俺はそんなの信じてないんだ。 無視しちまえばいいだろうが、そんなもの! 自分の命までかけるな! お前が死んじまっても、死んだ親父さんに会えたりなんかできないんだぞ!」 「――いいや」 否定の動作。 首を振り、そしてまっすぐに俺の目を見下ろしてくる。 その目に、怒りはこもっていない。 「会える。あの世ではなく来世で。生まれ変わっても、必ず出会える。あの本があれば、それができるんだ」 「あんなうすっぺらい二冊の本ごときで、そんなことが起こるか!」 「実際にこうして出会えているんだから、信じるほかないだろう? あの本にはその力がある。 あの本が『適当』に振り分けた配役を、演じさえすればいい。 そうすれば、何度生まれ変わっても出会い、また父を愛することができるんだ。 だが……あの本に無理矢理でも逆らった行動をすれば、輪廻の輪を超えても、二度と出会えなくなる。 そんなことはさせない。また父と会うためにも――私は今ここで殺されなければならない」 十本松は本気で言っている。本気で運命を信じている。 何がこいつをここまで必死にさせる? 父親への執着心か? 命が惜しいとか、そんなことは思わないのか? 「君は私をおかしいと思うだろう。狂っていると思うだろう。 だが、私には父しかいないんだ。どうしても、あの凛々しい父のことが忘れられない」 「なんでお前は、そこまで自分の父親のことを……」 「なんで? それを雄志君が言うのか? あの時に私を裏切った君が? あの時、君が私を裏切らなければ、君を恨み父を求め続ける、こんな歪んだことを繰り返さなくて済んだ。 私を虜にさせておいて、その後で父に近づいて殺したりしなければ! 君が裏切らなければ……ずっと、私を心から好きでいてくれたのなら、私は君と父に囲まれて、幸福でいられたのに。 あの本は、君と私が出会うために書いたのに。……あの後で、書き足さなければよかった」 前世の俺が十本松の父親を殺したから、こんなことになった。 じゃあ、十本松の父親が死んだのも、俺が今こうしているのも、全部俺のせい? 嘘だ。俺は悪くない。 (いや、お前が悪い。お前が復讐心に駆られていなければ、こんなことにはならなかった) 違う。俺はただ、姫様の仇を討とうとしただけで。 (それが全ての歪みの元。死んだ女のことなど忘れていればよかったのだ) 俺には姫様しかいなかったんだ。だからこの女を利用した。 (そのせいで、この娘が巻き込まれた。全て、お前のせいだ) 知らない。姫様以外の女なんか、どうなったっていい。 577 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 21 56 ID vFMbIiL1 ――姫様? 何を言っている。前世が姫だって言い張っているのは、十本松とかなこさんだけで。 あれ? 十本松って、誰だっけ。かなこさんって、どんな人だった? 「さあ、続きをしよう) 目の前に裸の女がいる。胸の上に座って、スカートをめくりあげて、中身を見せている。 綺麗な足だ。さわったら気持ちいいだろうな。 かわいらしいショーツが顔を覗かせている。三角形だ。 「ちょっと、これを借りるよ」 女が俺の服のポケットから何か取り出した。 刃物だ。ナイフだ。たしか、――さんにもらったものだ。 女はナイフでショーツを切り裂いて、脱ぎ捨てた。 眼前に、数十センチ前に、ひくひくと動く秘裂がある。 「ここに今から、雄志君のものが入るんだよ」 雄志って誰だ。俺の名前は……なんだっけ? ズボンのベルトが外され、ジッパーをおろされ、パンツを脱がされた。 押さえ込まれていた肉棒が立ち上がるのがわかった。 それを、冷たい感触が包み込んだ。女の手だろう、きっと。 「すっかり硬くなっている。ふふふ、女にのしかかられて興奮するなんて、変態そのもの」 一物を包み込む女の手が、上下に動き出した。 下がるたびに性欲が溜まっていく。上がるたびに精液を吐き出しそうになる。 手の動きに合わせて、女の豊満な胸も小さく震える。 片手はまだ、スカートを持ち上げている。女の入り口は見えたままだ。 早く挿れたい。この女がどんな味をしているのか知りたい。 「とうとう諦めたか? だけど、それでいい。正直になるのが一番だ」 いっそう激しく、肉棒を扱かれる。 荒っぽくも感じられる。だけど、今はこれぐらいのほうが気持ちがいい。 「膨らんできているよ。出したい? 吐き出したい?」 ああ。これ以上抑えられたら、どうにかなりそうだ。早くしてくれ。 「あっははは! 可愛い顔だ! ご主人様の餌を待つ犬みたいだ! それじゃあ、ここで一度抜いておこうか……と思ったけど」 ぴたりと、止まった。渦巻く肉欲が、女が手を離すと同時に消えうせた。 なんでだ。気持ちいいうちに、そのままイかせてくれ。 「一回出したら、次に出すまで時間がかかるからね。そろそろ2人とも起きるころだし。 もうちょっと遊んでいたいけど、中に挿れさせてあげるよ」 578 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 22 45 ID vFMbIiL1 女がスカートから手を離した。そして体の上を這うように動き、腰のほうへ向かっていく。 肉棒を捉まれた。先端が湿った部分に触れている。 ぬるぬるとした女の秘部に、肉棒が飲み込まれていく。 根元まで飲み込まれると、強烈な締め付けが襲い掛かってきた。 俺のモノを締め出そうと、食いちぎろうとしているようにも感じられる。 腰を突き上げる。膣壁とカリが擦れるたび、頭が痺れる。 「ひぅ! 待って、急に……あっ!」 女の嬌声。さっきの上から見下ろす声と比べて、随分と音が高い。 腰を叩きつけるようにして、女の中を抉る。 ピストン運動で、女の乳房までが上下に暴れる。 縛られたままの手で、乳房を掴む。柔らかな肉が手の中で歪む。 「……っ、……ぅ…………はっ……、また……膨らんでいるよ。 ……まだっ、数分も経っていない、のに……早漏だね、きみ……っは」 黙れ。挿れられて感じている女が言うな。 女の胸を握りつぶすつもりで力を込める。悲鳴があがる。 これ以上はこらえきれそうにない。もう、出そう。 少しでも多く精液を吐き出すため、全力で腰を打ち付ける。 忍耐の壁が決壊した。腰が痙攣する。 「……く、ぁ……ぁ、は……あつ、いぃ……」 女は背中を仰け反らせたあとで、脱力した。 伏せている顔から目を逸らす。スカートを捲りあげて、女との結合部分を見る。 白い精液が漏れ出して、秘所の周囲は濡れ、ふとももの裏側まで垂れている。 脱力。なぜか体に力が入らない。 女とセックスするたびにこんな状態になっているわけではないのに。 なぜこの女としただけで、一回出しただけでこうなる。 頭がぼんやりと、眠気を受け入れていく。 女の声が聞こえる。 「おやすみ。また、来世で会おう」 この台詞は、何度か聞いたことがある。 その後で、この女は俺の前から姿を消した。いや、俺がこの女の前から消えたのか? どっちなのかわからない。けど――この台詞が別れの台詞だということは、なぜかわかる。 そしてまた、いつか出会うだろうということもわかる。 だから俺は、安心して目を閉じた。 579 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 25 16 ID vFMbIiL1 ***** 「お時間をよろしいですか?」 と、後ろから声をかけてきたのは、姫だった。 ここは城内の庭を一望できる廊下。俺は今から姫のところへ向かうところだった。 「もちろんです。何か御用ですか?」 「これを読んでいただきたくて。わたくしが書いたのです」 姫が差し出してきたのは、数十枚の紙の束。 受け取って目を通してみると、全ての紙に文字が綴られていた。 「日記……ではありませんね」 「恋文でもありませんわ。それはさすがに、あなたももらい飽きているかもしれませんから」 姫がやわらかな、年相応の笑顔でほほえむ。 姫は3つのころから、俺と共に過ごしてきた。付き合いは13年になる。 出会ったとき俺は15を迎えていて、姫の護衛役の1人を任されていた。 初めて2人きりで話したのは、姫がかくれんぼで蔵に閉じ込められていて、それを助けに行ったときだったか。 それ以来姫は俺にべったりくっついてくる。務めのある時間の他は、片時も離れようとしない。 姫が俺に好意を向けているのがわかったのは、姫が言葉と文字を習い始めたころ。 文字の練習という題目で書かれる恋文を受け取ったときがそうだった。 それ以来ずっと恋文をもらいつづけてきたせいで、俺の部屋にある籠からあふれそうなほどにまでなっている。 「今日お持ちしたものは、少しばかり趣が異なります」 「と言いますと?」 「私が夢に見た、もっとも恐ろしくて現実に起こって欲しくないことを、その紙に綴りました」 見ると、一枚目から順に物語が始まっていた。 最初から中ほどまでは俺と姫の、現実に起こった日常を書いたもの。 その後に書かれていたものは、姫が殺されてしまうというものだった。 姫が不安そうな顔で覗き込んでくる。 「手が震えておりますが……そんなに、酷い文でしたか?」 「いいえ。ただ、このようなことは起こって欲しくないと思っただけです。 いえ、書かれているようには、絶対にさせません。私が」 「はい。もちろん、信じておりますわ」 「しかしなぜ、このような不吉なものをお書きになられたのです?」 「それは、その……恥ずかしいことですが、笑わないでいただけますか?」 「はい」 「紙に綴ることで、厄を避けようと思ったのです。 恐怖は形の無いもの。ならば、形にしてしまえばそれは恐ろしいものではなくなる。 こう教えてくださったのは、あなた様でしたから」 「まだ覚えておられたのですか。……お恥ずかしい」 確かに、暗闇に怯える姫を見て、耐えられなくなった俺が教えたことだ。 かくれんぼの一件以来、姫は暗闇を恐れていた。 夜も眠れなくて困っていた姫に、その場しのぎで『恐怖とは形の無いもの』と教えた。 それから眠れるようになったのだから、結果としては成功だったが。 俺が返した紙の束を抱いて、姫は言う。 「これがある限り、もう恐怖は訪れませんわ。ずっと、あなた様と引き裂かれることなく、共に居られます」 本当にそうであったらいいと、ずっと傍に居たいと、俺も思った。 580 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 26 59 ID vFMbIiL1 それから姫が殺され、数年が経った。 姫を殺した男の行方を捜し、ようやく突き止めた。 男には、溺愛しているらしい娘がいた。 その男の娘は、今俺に寄り添うようにして同じ布団の中にいる。 可愛らしい娘だった。それに正直で、器量もよかった。男が溺愛するのも無理は無い。 この娘を騙すのは、俺も気が乗らなかった。 だが、何度殺しても、臓物を撒き散らして粉々にしても気が済まないあの男を殺すために、自分を殺した。 娘は世間を知らずに育てられたせいか、俺の言葉で簡単に惚れさせることができた。 それどころか、どこにいくにもべったりとひっつくようになった。 その様子がまるで姫のように見えて、ますます俺の罪悪感は強くなった。 ふいに夜風を浴びたくなった。体を起こす。 すると、眠っていた娘がもぞもぞと動いた。 「……あ、れ…………どこに行くんですか?」 「すまない、起こしてしまったな」 「気にしないでください。ずっと起きていたんですから」 「ずっと?」 「はい。こうして、あなたの体に直に触れていられるのは、夜だけですから」 こういう恥ずかしいことを平気で言うのだ。 そのせいで何度か姫への気持ちを捨てそうになった。 その度に、こんな感情は無駄だと、何ももたらさない愛だと自分に言い聞かせた。 そう思えたのは、憎たらしいあの男、この娘の父親のせいだったかもしれない。 あの男に助けられたかもしれないと思うと虫唾が走るが。 娘を見ると、不安そうな顔をしていた。腕を掴む手も、震えている。 「怖い顔……怒っているんですか?」 「そうではないよ。君の父に、なんと言って挨拶をしようかと思ってね」 「ふふふ。大丈夫ですよ、父は私に甘いですから。私が強く言えば、結婚だって許してくれます」 「そうだといいがね」 そう。明日、あの男に会う。今まで内緒にしてきたこの娘との交際を明かすために。 決行は明日。奇襲をかけてあの男を殺す。それで、仇をとることができる。 そうなると、この娘ともお別れか。 なにを考えている。この娘はあの男に近づくための道具に過ぎない。 そして決行すれば、この娘とはもう一緒にいられない。 わかっている。だから今だけは、この娘を満足させよう。 娘の唇を奪い、布団の上に押し倒す。娘は無論のこと、拒絶をしない。 「また……愛してくれますか?」 「ああ。今夜は、君が壊れるまで、そうしよう」 「嬉しい。……また、日記に書くことが増えました」 「まだ日記をつけているのか? 飽きないな」 「だって、あなたとの日々は忘れたくないですから。そうだ……またあのお話を聞かせてくれますか?」 「もちろんいいよ」 「もう聞くのは、何度目かしら。忘れないよう、あのお話も日記に書かないといけませんね」 暗闇でも、この娘が笑うのは気配で知れる。 この娘が好んで聞く話は、姫様を殺された武士が仇をとるために奮戦する話。 武士が仇役の男の娘に近づいて仇を討つという展開が、この娘は好きらしい。意外と悪趣味な娘だ。 もちろん話に登場する娘が自分自身であることなど、この娘は知らない。 もうすぐ自分が同じ目に会うとも知らず、娘は俺の話に耳を傾けた。 581 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 29 32 ID vFMbIiL1 ***** 「――し様、雄志様」 俺の名前を呼ぶのは誰だ。 「もう、起きても大丈夫ですわ」 この喋り方は、かなこさんか。目が覚めたんだな。 それに無事だった。かなこさんが無事ということは、香織もたぶん無事だろう。 目を開けて、体を起こす。着衣は乱れていなかった。 壁中に男の写真が貼られている。場所はまだ地下室の中だった。 「ああ、よかった。もう二度と目を覚まされなかったら、どうしようかと思いました」 「かなこさん……ですよね?」 「はい。なんでございましょう」 あれ? なんだ、この違和感。 別にかなこさんがおかしいというわけじゃない。 お人形のようになめらかな髪も、真っ白な肌も、黒い瞳も、全てかなこさんだ。 だが、俺はどこかに違和感を覚えている。 「雄志様?」 「ああ、ええと……なんでもないです」 「……しばらくぶりに会えましたのに、どうしてそんなに冷たいのです?」 「別にそんなつもりじゃ、ないです」 「雄志様は、わたくしに会えて嬉しくないのですか? 輪廻の輪をめぐってまた会えたというのに」 また、違和感。 以前はかなこさんの電波な台詞に危機感を覚えていたのに、今はそれがない。 それどころか、かなこさんに会えて嬉しいとまで思っている。 けれど、俺が一番会いたい人はこの人じゃないと、体が反応を示している。 誰だっけ。俺には恋人がいたはずだ。――そう、香織だ。 「ここには他に誰かいます?」 「ええ、昔お会いした……天野香織さんがベッドに。あと、現大園華も」 「華も来てるんですか?」 ここに華が来て、かなこさんは無事だったのか? あいつ、かなこさんを恨んでいたはずじゃ。 「最初はあの顔を見たとき腹がたちましたが、協力してくださったのですから、今日だけは許します。 あの女が戦ってくれたおかげで、とどめをさすのが簡単にいきました」 「……協力って、何の?」 「十本松あすかを殺す、その協力ですわ」 心臓が踊った。 何故だ。十本松の名前を聞いた途端に、胸が熱くなり、同時に不安が訪れた。 落ち着かない。あいつの、十本松の顔が見たい。 ――いや、何を考えている。十本松だぞ? 変人で、犯罪者だぞ? 「十本松は、今どこに……?」 「あちらにいます。正確には――かつて十本松あすかだった存在ですが」 かなこさんが指差した方向、その先に居たのは、寝転がっている2人の人間。 黒ずくめの服を着て倒れているのは、たぶん華だ。 あざを作った顔は、苦しげに歪んでいる。大丈夫だ、華は生きている。 582 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 31 01 ID vFMbIiL1 もう1人、壁にもたれて座っている女がいた。 ひどい有様だった。裸の上半身を血で濡らし、あちこちにみみず腫れがついている。 左胸にはナイフが突き立っていた。そこから、血が大量にあふれていた。 目は閉じていた。頭は床に向けて伏せられていた。両手はだらりと床に落ちていた。 額には、黒い穴。後ろの壁には、男の写真と、赤黒い血とピンク色の塊が一緒に貼りついていた。 ――頭を銃で撃ちぬかれたんだ。 まさかと思い、ポケットの中を探ると、あるはずの拳銃がない。 「失礼かとは思いましたが、少々拝借いたしました。心臓に刃物を刺すだけでは、あの女のしたことは償えません」 じゃあ、あそこで、血に濡れて座っているのは。 「じゅっ、ぽん、まつ……?」 嘘だろ。だって、さっきまで、生きて……。 なんでだよ、なんでこんなに、気持ち悪い? 頭が割れそうに痛い? この、吐き気を催す感情は一体なんだ? 「どうか、なさいましたか?」 この、呑気な声は、かなこさんか。 十本松が死んだのに、どうしてこの人は平気でいられるんだ。 腹がたつ。腹が立つな。――ああ、この人が殺したのか。 そうか、俺が抱いている感情は、怒りなのか。 怒りに悲しみが混じって、吐きそうになっているのか。 でも、なんで。十本松が死んで、俺が悲しいんだ。俺が怒っているんだ。 なんでだ。 (それは、さっきも言ったとおり、お前が十本松あすかを愛しているからだ) そう、そうだ。俺は、十本松を好きなんだ。だから怒っているんだ。 じゃあ、これからどうしたらいい。 (それは自分でわかるだろう。お前のやりたいように、すればいい) そうだな、そうするよ。 十本松が殺された。なら、俺がすることは――ひとつしかない。 復讐しよう。十本松を殺した奴を、殺してやる。 誰だったっけ? 確か、あの本の通りに行くと、十本松は武士の役。 十本松の親父が姫様の役で、そいつを殺したのが天野基彦と菊川桂造。 その娘が天野香織と菊川かなこ。 武士を殺したのは、父親を殺された娘だ。 余った役は、武士の元恋人役。十本松が言うには、俺はその役らしい。 じゃあ俺は――香織と、かなこさんを殺せばいいのか。 その役をこなせばいいんだな。 ああ、目が回る。 気分が悪いな。やっぱり今はやめよう。 起きたら、殺そう。あの2人を、殺そう。 あれ、でも……香織は何もしてないよな。 それになんで俺、十本松のことなんか好きになったんだ? いいや。考えるのは止めよう。寝よう。起きたらきっと、なにもかも上手くいくさ。 でも――目が覚めても、十本松は生き返ったりなんかしてないんだろうな。 生き返ってたら、嬉しいんだけどな。本当に。
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「ふたば系ゆっくりいじめ 414 復讐の為にゆっくりに畑という概念を教えてあげた/コメントログ」 途中までは面白かった -- 2010-09-29 11 40 52 いろいろ消化しきれていない 投げ出さず後半を書いたのは偉いが 自分の書きたかったアイデアを羅列しただけ で終わってる 投稿する前に一度読み直すといいと思いますよ -- 2010-10-11 05 35 37 う~ん -- 2011-11-26 06 42 13 × 魔が刺した ○ 魔が差した -- 2012-03-30 10 07 10 既に言われてるけど、書きたいことを羅列しただけの文章になっていて、構成が完全に破綻している。 投稿する前によく整理したほうがいいぞ。 -- 2012-04-18 20 33 30 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -- 2012-07-11 15 08 07 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんのごればああああああああああ!!!ぜんぜんゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ゆっくちちね -- 2014-05-04 13 12 34
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ep.653 先輩がベンチに立て掛けたものは…「こんにちは」「復讐鹿」「しゃもじ先輩」12/27発売「障ル話」より先行 放送内容 スカウトマンから聞いた話 関連エピソード → ep.584 YouTubeでは消されるかもしれない話2「ある怪談の追跡調査」ゲスト:たっくーTVれいでぃおさん登場! 「こんにちわ」 関連エピソード → ep.633 小説家になろう「逢魔時パーキングエリア」タカサギ狸夜さんより4話 Tomoはよく家の近所で道に迷った人に遭遇する 関連エピソード → ep.654 おばあさんはみんなを恨んだのか?「餌付けするおばあさん」「メロンの押し売り」洒落怖シリーズ 参加メンバー Tomo K-suke その他 登録されたタグ BBゴロー Horror Holic School K-sukeへの結婚報告 Tomoの先輩のデザイナー X 『障ル話』 いわお☆カイキスキー お障りあり しゃもじ たっくー たっくーTVれいでぃお エレベーター エントランスホール ギャガー スカウトマン スカウトマンから聞いた話 タカサギ狸夜 バザー パチパチ~ ベンチ ホラホリ マンション ヨネスケ 事故マンション 交通事故 京都府 仏壇 刑務作業 刑務所 古本 喧嘩 夢遊病 寮 幽霊 店員 御津山 復讐 怪談恐不知 成人式 新宿 書き込み 正義感 煙鳥 癇に障る話 目 管理人 老婆 蒲郡市 踏切 逢魔時パーキングエリア 飛び降り 駄洒落王 魔術本 ⇐PREV NEXT⇒ 名前 コメント すべてのコメントを見る