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ペルソナ3で遊ぶ。 この夏はペルソナ3でやたらと遊んだ。 なんとなく紹介できたらしてみようかなと思います。 今までのペルソナとかなり毛色が違いますね。 罪、罰とは間違いなく違って見えます。 今までのユーザーはびっくりするかもしれませんね。逆に初めてという人には とっつきやすくなったかもしれません。ぜひプレーしてみてほしいですね。 @wikiへようこそ ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます 新しいページを作りたい!! ページの下や上に「新規作成」というリンクがあるので、クリックして作成してください。 表示しているページを編集したい! ページ上の「このページを編集」というリンクや、ページ下の「編集」というリンクを押してください。 ブログサイトの更新情報を自動的に載せたい!! お気に入りのブログのRSSを使っていつでも新しい情報を表示できます。詳しくはこちらをどうぞ。 ニュースサイトの更新情報を自動的に載せたい!! RSSを使うと簡単に情報通になれます、詳しくはこちらをどうぞ。 その他にもいろいろな機能満載!! @wiki 便利ツール ヘルプ・マニュアル・FAQで間違いを見つけたら? お手数ですが、メールにてお知らせください。support@atfreaks.com バグ・不具合を見つけたら? お手数ですが、こちらからご連絡宜しくお願いいたします。 ⇒http //bugs.atwiki.jp/ ⇒http //bugs.atwiki.jp/node/4 分からないことは? @wiki FAQ @wiki 初心者講座 @wiki マニュアル メールで問い合わせ @wiki 便利ツール 等をご活用ください
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※このページでは『幻影異聞録♯FE』とそのSwitchへの移植作品『幻影異聞録♯FE Encore』を紹介する。 幻影異聞録♯FE 概要 あらすじ 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 幻影異聞録♯FE Encore 概要(Encore) 評価点(Encore) 問題点(Encore) 総評(Encore) 幻影異聞録♯FE 【げんえいいぶんろく しゃーぷえふいー】 ジャンル RPG 対応機種 Wii U 発売元 任天堂 開発元 アトラス 発売日 2015年12月26日 定価 パッケージ/ダウンロード版 7,236円Fortissimo Edition版 9,698円本体+Fortissimo Edition版セット 40,824円(いずれも税8%込) レーティング CERO B(12歳以上対象) 判定 良作 ポイント アトラス、FEとまさかのコラボてごわいRPGの斬新な戦闘システム徹底的に芸能を意識した内容歌関連の積極的なプロモーション前評判での不安を一気に覆した完成度の高さ ファイアーエムブレムシリーズ 女神転生シリーズ 概要 任天堂の販売する『ファイアーエムブレム』シリーズと、『女神転生』シリーズでおなじみのアトラスがタッグを組んだことで誕生したRPG。 よく間違えられやすいが、「幻想」ではなく「幻影」であり、またFEの前の記号も「#」(「井げた・ハッシュ」)ではなく「♯」(音楽用語でもある「シャープ」)である。 当初は2013年1月に『真・女神転生 meets ファイアーエムブレム』としてその存在が発表されたが、その後『ファイアーエムブレムif』の詳細発表などが相次ぐ一方でこちらの方の続報がなかなかやって来ず、2015年に入ってからの正式タイトル発表まで発売はかなり危険視されていた。 また、コラボ自体があまりにも予想外な組み合わせだったことや、ようやく発表されだしたゲーム内容が(特にFEシリーズファンから見ると)かなり異彩を放っていたことなどから、発売に対する不安の声も各所で聴かれていた(*1)。 そんな中発売された本作だが、その不安はいい意味で大きく裏切られることとなった。 あらすじ 舞台は、芸能文化が栄える現代の東京。芸能界を夢見るが戦う術を持たない若者たちと、戦いに生きる一方で自分らしい輝きを失った異界の幻影である『ファイアーエムブレム』の英雄たち。両者が出会い、異世界からの侵略者との戦いに身を投じていく…というストーリーのRPG。 幻影たちは「ミラージュ」と呼ばれる、異世界「イドラスフィア」の存在。人間たちが持つ表現力の結晶「パフォーマ」を奪い糧とするために、こちらの世界へ大挙して押し寄せている。 だが中には強いパフォーマを持つ人間と感応し力を貸してくれるミラージュもおり、彼らをパートナーとした人間を「ミラージュマスター」と呼ぶ。 ミラージュに対しては通常兵器は一切通用せずミラージュの力でしか対処できないため、彼らの力を武器として戦うミラージュマスターは「人類の脅威に対抗しうる者」として扱われている。 芸能は「神降ろし」を起源とするということで、ミラージュマスターの実力たる表現力は芸能の才に比例するとされている。つまり、芸能界で活躍するものはそれだけ高いパフォーマの持ち主というわけである。 主人公たちは芸能人としての腕を磨きつつ、都内各地に現れるイドラスフィアにてミラージュとの戦いに明け暮れることとなる。 特徴 本作のバトルは「セッション」や「デュオアーツ」「アドリブパフォーマンス」など芸能を意識した演出が特徴だが、本質はメガテンらしい尖ったバトルシステムにある。 「セッション」は相手の弱点属性に対応した攻撃を当てると発生。対応するセッションスキルを持った仲間がいると自動的に追撃が決まり、相手に一気に大きなダメージを与える。 追撃に使ったセッションスキルも弱点属性への攻撃なら、更に他のセッションスキルへとつながっていく。編成が上手ければ、いわゆる「ずっと俺のターン」状態で一方的に相手にダメージを重ねていく。 加えてセッションが決まった瞬間にお金やパフォーマ、グッズなども手に入る。セッションを利用することで稼ぎ作業も楽になるという訳である。中にはセッションでないと手に入らないパフォーマもある。 これらは真・女神転生III以降のメガテンシリーズ、中でも『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』の「デビルCO-OP」に似通ったシステムで、敵味方に共通して適用される。こちらのメンバー誰かが弱点属性の攻撃を食らうと、相手のセッションによる追撃が次々と発生してしまうことになる。 「デュオアーツ」は、ストーリーが進むと解禁される。セッション中にたまに表示されるデュオユニットのグラフィックの通りにボタンを入力することで、セッションの最後に発生する。 仲間二人で組んだデュオユニットが芸能に関わる表現を行ないつつ相手を攻撃する。大ダメージを与えるものや状態異常にさせるもの、味方の体力を回復させるものなど、効果は様々。 デュオアーツの攻撃にも弱点属性への対応があるため、さらにセッションがつながることもある。 「アドリブパフォーマンス」も、相手の弱点を突いた際に、稀に発生する。 ライブやヒーローショー、ジュースのCM、果ては食レポ(!?)など、自分が身に着けた芸能演出を持つ特技スキルで相手全体を一気に攻撃するというもの。感覚的には、『蒼炎』『暁』や『覚醒』などにおける「奥義スキル」の発動に近い。 このように、バトルシステムは「属性の相性で一度戦局が有利に傾けば、一方的に戦いが進んでいく」という、アトラス作品の例に漏れない仕上がりになっている。本作の最大の特徴は、そこに徹底的に芸能関連に力を入れた演出を組み合わせたことと言っても過言ではない。 上述通り「芸能が力の源」なので、磨き上げた芸能をもって敵と戦う…という世界観が構築されている。 コマンドスキルの魔法は「アギ」「ブフ」「ジオ」などの女神転生でおなじみの名前だが、セッションスキルの魔法は「ウインド」「サンダー」「ブリザー」等のFEの魔道書から取られている。 なお、今作では疾風ではなく衝撃属性、つまり「ガル」ではなく「ザン」が採用されている。ちなみに魔法の属性は全部で4種+万能属性。 ミラージュマスターと組んだミラージュは、戦闘の際には「カルネージ」と呼ばれる武器の姿となり、マスターを助ける。 カルネージには生産や強化の概念があり、パフォーマを必要数集めることでそれらが行なえるようになっている。 芸能を意識している部分はストーリーや戦闘演出だけではない。メニュー画面の項目などにも芸能関連の用語が使われているなど、その徹底ぶりはかなりのもの。 アイテムは「グッズ」、装備品は「コーディネート」、パーティ編成は「キャスティング」など。 また戦闘に参加するメンバーは「メインキャスト」、控えメンバーは「サブキャスト」と呼ばれている。 戦闘中の技名の表記などもテレビ番組でのテロップのような形を取っている。 ミラージュデザイン ミラージュデザインは『FF12』や『グランブルーファンタジー』のアートデザイナーである皆葉英夫氏が担当している。 チキだけはわりと原作に近い容姿だが、それ以外のFEキャラはいずれも原作とは大きく違う。服装や鎧のデザインの変更ではなく、足が無くなり空中に浮遊している、腕がバネのようになっている等、身体そのものに人間のそれとは大きく異なっている部分がある。また馬がバイクであったり、ペガサスの脚がロケットの噴射口になっていたり、むしろ人がペガサスと一体化したような姿をしていたり。 設定としては、「終わりのない戦いの末に、より戦闘に特化した姿に進化していった結果」ということになっている。 FE由来のキャラに限らず、ミラージュの容姿は金属的でカラクリのようなものやお化けのようなもの…端的に言えば“人工ペルソナ”と形容できる姿を持つ者が多い。 武器グラフィック カルネージ(武器)の大半は神話や伝承に由来する。FEシリーズ(『暗黒竜』『覚醒』に限らず)に登場する武器と同じ名前のモノもあるにはあるが、見た目は今作オリジナルといっていい。「封剣ファルシオン」(『覚醒』のクロムの剣であり、樹の初期装備)がいい例だろう。 ちなみに小学生アイドルである源まもりの武器は本人の年齢に合わせたかわいらしい形状であるものが多く、歌手であるキリアの杖はスタンドマイクの形になっている。 評価点 戦闘の爽快感 弱点を突き、セッションで一気に相手を倒しきる爽快感はすさまじい。 一見大味に見えるかもしれないが、行動順をよく考えて攻撃を行なう必要など、考えなくてはならない点も多数あるなど、決して単純な「弱点ゲー」には至っていない。 デュオアーツやアドリブパフォーマンスには歌が実際に流れるものも多く、気分を盛り上げてくれる。カットも可能。 デフォルトの難度はアトラスらしく相当てごわいが、難易度選択はいつでも行なえる。(ただし、周回リスタート時のみ最高難度「ルナティック」が選択でき、そちらは途中で変更できない) 他、難易度「イージー」でも全滅してしまうと、さらに簡単なモードである「フレンドリー」が解禁される。 戦闘中のキャラの動きやカメラワークなどもかなり凝った作りになっており、こちらも好評。 シナリオ 全体的に明るめで、ペルソナ4およびFE覚醒に大分近い。アトラスゲーとFEシリーズ双方や芸能界ネタにありがちな陰惨な展開はかなり抑えられている。 ストーリーの流れの関係上、作中の登場人物が悪いミラージュに操られて人々を誘拐したり狂った言動をしたりするシーンが多いが、操られた人自身も芸能界で活躍するプロフェッショナル達であり、狂ってはいるが彼らの話す内容や行動にはうなずける点が多い。そして、そんな彼らを解放するためにこちらの仲間も芸能の力を磨き、芸能に妥協せず本気で演じぶつかっていくという、FEシリーズにもままある「正義のぶつかり合い」を戯画化したような独特なストーリー展開がなかなかに熱い。 またFEの現代劇という取っ付き安さがあり、新規ユーザーにもFEの面白さをすんなり受け入れやすい。 一言で言うと「ニチアサ(スーパーヒーロータイム)」。熱いところはひたすら熱く、コメディシーンはとにかく笑える。 本作をプレイした結果、グラビアアイドルやドラマの俳優などに対する見方が大きく変わった、という意見も多い。 独自設定も多いが、特にこれと言った矛盾点やおかしな点は見当たらない。 FE要素は前半こそ少ないものの、後半では一気にその色合いが濃くなっていく。特にラストバトル直前のイベントでは、通しで見るか否かで大きく印象が変わるシーンであり、きちんと追っていったプレイヤーほど心を動かされるようになっていく。 各登場人物の描写もしっかりとなされており、空気になるようなキャラはいない。 キャラの掘り下げがきちんと行なわれており、好感が持てる。サイドストーリーを進めることで意外な一面が垣間見られることも。 サブを進み具合でEDが変わるというFE要素も健在である。 ギャグ要素は多めだが、くど過ぎるわけではなく純粋に楽しめるレベル。 ゲームパッドの有効活用 Wii Uゲームパッドは、本作の世界に登場する架空の電子機器「TOPIC(トピック)」の代わりを果たしている。 TOPICは現実で言うLINEに近いSNSのような機能があり、ゲームパッドを使って仲間とのやりとりが行なえるようになっている。 仲間ごとに特色のあるスタンプを持っており、各キャラの個性をより深めている。 TOPICにメッセージが来た際にはゲームパッドが振動する。本当に自分自身がその世界にいるかのような臨場感が味わえる。 その他にも、都内やイドラスフィアの地図が記録されていったり、戦闘中に仲間や敵ミラージュの能力の詳細を確認できたりと、様々な機能がある。そのため、ゲーム画面がすっきりしており見やすい。 地図機能の方はダンジョン内はオートマッピングなので、ひたすら歩き回って地図を埋めていく楽しみもある。また、ダンジョン外でも地図内容は確認可能。 ミラージュ能力は「弱点」や「使用スキル」などの情報も記録されている(ただし確認するには一度そのスキルを見たり、弱点を突く必要がある)ので、戦闘中もスムーズに戦略を練ることができる。 「どう考えてもハイテク過ぎでは? というか電波どうなってるんだ」といったツッコミは厳禁である。 ただし、TOPICありきなゲーム設定になっているため、WiiU版だとパッドのみでのプレイは不可能。 やり込み要素 FEではおなじみの闘技場が登場する。内容は、登場する敵ミラージュに5戦連続で勝ち抜くことでもらえるメダルを集め、その枚数に応じて景品がもらえるという形(メダルは交換制ではなく、集めた枚数によってその都度景品がもらえるという仕組み)。 5戦勝ち抜くごとに、2回までアンコールがかかる。アンコールに応えることでさらに5連戦に挑戦できるが、HP減少などのステータスはそのまま引き継ぐ。それもクリアできるともらえるメダルが3倍になる。 難易度は下級・中級・上級の3つの他、2周目以降限定の伝説級というものが存在する。伝説級は育成しつくしたプレイヤーも唸らせるほどの難しさであり、クリアできた時の感動はひとしお。 闘技場に集まったミラージュとは交流ができる。こちらは『真・女神転生』の仲魔との会話を意識した内容であり、うまく接することでパフォーマをもらえる。 カルネージの強化はパフォーマを集めれば限界まで何度でも行なえる。 全てのカルネージをひたすら強化し続け、キャラごとに自分が思う最強のスキル構成を考えて育成するという楽しみ方も。 昨今のゲームではよくあることだが、ゲーム内での行動によってプレイレコードがもらえる要素ももちろん完備。 また、プレイレコードの取得状況に応じてトロフィーが事務所内に飾られていく。 キャラクターの衣装 番組やライブで着用した衣装や私服などをショップで購入し、着せ替えることができる(グラフィックの反映は戦闘中のみ)。 衣装によっては専用の戦闘セリフをしゃべることも(番組の決め台詞を言う、水着であることを恥ずかしがる等)。 有料DLCになるが、DSや3DSで発売されたアトラス作品である『ペルソナQ』や『真・女神転生IV』、『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』、『デビルサバイバー2』とのコラボ衣装も登場。ちなみにこれらは、早期購入特典としても全て最初から入っていた。 やや隠し要素のような形になっているが、チキ用の衣装も用意されている。 チキに関しては、ブルームパレスでユニティを行なう際に見た目が変わる。戦闘中でのデュオアーツやイベント時には見た目は変わらない。 ライブCG キャラクターがライブ等で歌唱する場面の多くは、ゲーム中に使われているCGモデルものとは別の、専用のCGモデルを使って描かれる。もちろんプリレンダムービーというわけでもない。 すべての場面が専用モデルというわけではなく、ゲーム中のCGモデルと同じものや、アニメーションになっているものもある。 その他 声優が豪華。芸能界を舞台にしただけあって、メインで操作するキャラには歌が得意な声優を中心に起用されており、かつ若手から中堅どころまで名の知れた声優揃いである。 FEキャラに関して『覚醒』由来のキャラは同一の声優が起用されている。『暗黒竜』に関してはお馴染みの人とそうでない人と半々といったところ。わかりやすい例で言えばマルスはOVAやスマブラからおなじみ緑川光氏、ナバールもOVA版と同じく子安武人氏が演じているのだが、シーダは本作から早見沙織氏が担当し、より大人びたキャラに。(OVA版では丹下桜氏。TCG『FEサイファ』では丹下氏のサイン入りカードが存在するため、忘れられたわけではない様子。)また、チキは『暗黒竜』準拠の子供時代のデザインであるため、『覚醒』で大人時代のチキを担当した大谷育江氏ではなく、諸星すみれ氏が担当している。本作以降のシリーズや派生作品でも、子供姿は諸星氏が担当するようになった。 そもそも『暗黒竜』のキャラクターに声が当てられたのはスマブラを除けばOVAを始めとした当時のメディアミックス以来で、マルス以外はファン間でもそこまで定着する機会がなかった。一部に新規キャストが当てられるのも妥当なところではある。 作中に流れる歌はいずれも評価が高い。 本作のボーカル付き楽曲はいわゆるゲーム音楽とは大分毛色が違う。それもそのはず、これらの曲はゲーム業界ではなくエイベックス・グループ・ホールディングスの声掛けにより集まった、現代のJ-POPに携わるベテランの作曲家によって手がけられたものである。 リアルに再現された東京の街並み。 縮尺はやや小さくなっているが、ほぼ現実と変わらない作りになっている。 余談だが、本作の2か月後にリリースされた『真・女神転生IV FINAL』では、本作のイドラスフィアへの入り口に該当する場所に回復の泉の入り口があり、知る人をニヤリとさせた。 作中に多数ちりばめられた小ネタの数々。 FEネタやメガテンネタ、現実の芸能界を意識したパロディネタなどが大量に存在している。全て分かった人はどれほどいるのだろうか。 一部の例を挙げると、イツキがジオ系を使う時にたまに言う「いかずちよ!」は、『FE烈火』屈指のネタボスである「アイオン」の迷言。渋谷のライブハウス「オーディン」の外観を飾るステンドグラスのデザインは、『ペルソナ』シリーズの「イゴール」の顔。また、「五十院 輝」なる名前の芸人上がりの司会者や、「鱈知乃 九炎」なる脚本家、「姫麻呂」なる名前のグルメリポーターが登場する…などなど。昔ならいざ知らず、この時期にやるネタとしてはかなり思い切ったものと言える。 モブキャラにも小ネタが多数仕込まれており、例えば「ハット型の帽子を被り半ズボンやスニーカーを履いた『ハイパークリエイター』」なんてのもいる。 「新社長に変わって急におかしくなったお台場のテレビ局」といった、かなりギリギリなネタも。ちなみに新社長の名前は「鶴海万広」。明らかに意識している。 重大なバグの類は特に報告されていない。デバッグ作業にかなりの期間を当てたらしいため、それが功を奏したと言える。 Wii Uのゲームとしては、数少ない純粋なRPG作品であるという点。 元々本数がそこまでではないWii Uのゲームソフトには特にRPG作品が少なく、他の有名タイトルとしては同じ任天堂発売の『ゼノブレイドクロス』や、オンラインタイトルで尚且つ他プラットフォームでも同時展開している『ドラゴンクエストX』くらいしか無い。どちらも取っつきにくく人を選ぶ部分が多数ある作品であるため、「Wii Uでお勧めのRPGは?」という質問に対しては本作が挙げられることが多い。 賛否両論点 シナリオ コラボ元である『ファイアーエムブレム』シリーズやアトラスの『女神転生』シリーズ双方に暗く重い展開が顕著だった時期もあるため、今作の作風との差が激しい。『FE聖魔』や『覚醒』、『ペルソナ4』などと言った、比較的明るめなシナリオである作品が好きな人ならすんなり入りやすいが、『真・女神転生III』までの本流作や『ペルソナ5』、『聖戦の系譜』や『風花雪月』などといった、重くシリアスなシナリオから参入した場合は受け付けにくいと感じる人も多いかもしれない。 1章こそかなりシリアスな雰囲気で進むがそれ以降は割とバカゲー的な雰囲気になる。ついでに言うと1章でシリアスだったある中心人物も後にはっちゃける。 質が悪いという意味ではなく、評価点の項でも触れているように本作の全体的なノリが相当「ニチアサ」に近い。世界観としては忠実とも言えるが、合わない人には合わない。 シリアス路線へと戻るのは、ゲーム終盤になってから。 主要メンバーの一人にヒーロー番組のアクターもいるのだが、このキャラクターの仕事関連については、あまりにも違和感の強い描写が多々ある。多少なりとも特撮番組について知っているなら、絶対にしなかったはずの奇妙な展開や描写が繰り返される。パロディやデフォルメの範疇と受け止めるのも苦しい領域。なまじ「ニチアサ」に近いノリだと評されている分、気になる人はかなり気になるだろう。 なお、全体的なボリュームはRPGの中ではわりと短め。 イツキ 主人公の「イツキ」はよく言えば王道的な巻き込まれ主人公、悪く言えば量産された深夜アニメ・ラノベ風の主人公である。事務所におけるキャッチコピーも「ノーマル系男子」 イツキはミラージュの戦いや芸能活動などは「つばさ(と他の面々)のフォロー」ということでシナリオを進めるので、自分の目標などが全くなく(一応作中でも言及あり)、言ってしまえば縁の下の力持ちといった役どころ。 総じて受身がちなキャラで好感が沸き辛い部分もあるキャラである。 FE関連 名有りのFEキャラは全て『暗黒竜』と『覚醒』からの参戦に限られているため、他の作品のファンからは「ガッカリした」と言う声も。 ただし、このことに関しては発売前から既に明かされていた点ではある。 そもそも、JRPGの様式ではまともに出せる人数はたかが知れているため、作品の限定は仕方がないという側面もある。 名前こそ出てはいないが、シリーズ他作品のキャラクターとよく似たNPCも一部登場している。 今作に登場するFEキャラは『暗黒竜』と『覚醒』から選ばれているが、コラボ作品の宿命か、いくつか原作の人物設定との違いが見られる。 『暗黒竜』のおよそ2000年後が『覚醒』なのだが、設定が原作と異なってしまったFEキャラがいる。『暗黒竜』のシーダは後にマルスと婚約した王女、『覚醒』の主人公クロムはかつての英雄王マルスの末裔という設定なのだが(*2)、今作ではシーダはクロムと同時代におり、マルスが遥か昔の英雄王という事になっている。 細かいところでは、ドーガを含むアーマーナイト系のミラージュが皆、槍ではなく斧を得物にしている点も人によっては気になるかもしれない。原作となる「暗黒竜」「覚醒」では槍が使われており、斧を使うのは覚醒における上級職のジェネラルになってから。ドーガに関しては一応『新・暗黒竜』や『新・紋章』では兵種変更を使うことで斧が装備できる兵種になれたが、アーマーナイトやジェネラルの状態のままではいずれの作品でも斧を装備することは不可能である。メタなことを言うと、「デフォルトでは槍使用者が多すぎ、斧使用者がいないので斧に変更した」といったところなのだろうが。余談だが、後に発売された『風花雪月』では、アーマーナイトの使用武器が斧になっており、本作はひそかにこの要素を先取りした形になっている。 アトラス関連 FEの方では上述の通り多くのキャラが登場しているが、逆にアトラス作品から登場したというキャラクターは少ない。 前述のイゴールの他、メガテンシリーズでお馴染みの「ジャックフロスト」がコンビニのマスコットになっている。 また『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』に登場した「アンソニー」にそっくりなNPC「庵宗二」が登場する。依頼の内容や展開がほぼ同じであるほか、台詞の後にBGMが止まる演出まで再現している。 このゲームはあくまで「FE(作品)とアトラス(会社)のコラボレーション」である他、ゲーム性としては明らかにアトラスRPGの系譜上にあることは戦闘システムの時点で読み取れる。そこにキャラクター周りでまでアトラス要素を前に出すとバランスが悪い、という事情は考えられる。 戦闘関連 セッションは弱点を突いた際に条件を満たしていれば必ず発動し、オーバーキルしても最後まで続くため、こと雑魚戦においてはテンポが悪く感じてしまうことも。アドリブパフォーマンスなどのように演出カットもできない。 セッション発動中は上記のデュオアーツの入力受付時間も兼ねているので仕方のない面もあるが、次回作の話題になると真っ先に早送りなど改善が求められる部分である。 恒例として、セッションは敵もガンガン利用してくるため、迂闊な編成では弱点を突かれて一気に死に追いやられることになる。特にボス戦ではこの傾向が強く「死に覚え」の流れになりやすい。心の強さが試される。 今回はカルネージ(装備)だけでなく使うスキルによっても自分の弱点が変わる(特にツバサ、エレオノーラはこれが顕著)ので、 1ヒット即死の可能性がつきまとうハードやルナティックは敵に合わせて戦闘メンバーやカルネージをとっかえひっかえしていくことになる。 戦闘中のデュオアーツやアドリブパフォーマンスのノリに関しては苦手な人には辛いかもしれない。ここでも「ニチアサのノリが許容できるなら」とも言われる。 イツキのパーティ固定 主人公である「蒼井 樹」はパーティから外す事ができない。戦闘中に控えメンバーと入れ替えることも出来ない。 FEでもメガテン系列でもほぼ全てで主人公は強制出撃(*3)なのでその流れと思われるが、戦闘メンバーが3人しかいない内一人が固定されてしまうのはいささか窮屈に感じるかもしれない。 幸い、イツキは攻撃技や回復技、補助技をまんべんなく習得していく上に能力のバランスもよく、味方は必ず彼の攻撃属性である剣属性と雷属性にセッション出来る、敵には剣属性や雷属性を弱点とするミラージュが意図的に多めに登場するという風に、そのことで不便を感じにくいように調整されている。 問題点 パッケージ版では、戦闘突入時のロード時間がやや長め。 『ゼノブレイドクロス』のようなロード短縮データパックの配信を希望する声もあるが、残念ながら配信される様子は見られない。 DL版ならばある程度改善される。 ギャラリーモードで再生不可能な番組 2周目以降のプレイでは事務所でムービーを再生することが可能になる。これにより1周目で見たライブ映像や番組等を再び見ることができるのだがなぜか源まもりの子供向け料理番組「レンチンアイドル☆まもりん」だけは見直すことができない。 「レンチンアイドル☆まもりん」はまもり本人のサイドストーリー1~3では毎回、別の仲間キャラのサイドストーリーで1回放送されるという、破格の登場回数である(他の番組は大抵1回のみ)。 特に仲間キャラのサイドストーリーで放送された回は、その仲間が凄まじいため人気が高い。 このように登場回数が多い番組にもかかわらず、漏れなく再生不可能という仕様に、まもりを溺愛しているおじちゃんたちからは嘆きの声が上がった。 その他やや影は薄いが、ある仲間キャラが臨時でMCを務めた深夜番組「アブソリュートカワイイ」の方も残念ながら視聴できない。 こちらも上記の「レンチン」と同じくいろいろとぶっ飛んでいるため、何回も視聴できないことを残念に思う声が一部で上がっている。 "彩羽を攻略できない不具合" ヒロインのつばさの姉である彩羽は物語途中から、芸能界復帰への足掛けのためにも主人公たちの所属する事務所の事務員として働くことになるのだが、事務員になった後はメインストーリーの出番が少なく、キャラの内情に触れるサイドストーリーも用意されていない(サブクエストにあたるリクエストはいくつかある)、事務所関係者が集結するシーンでも彩羽だけいない、ついでに言えばエンディングでの後日談も存在しない、という悲しい扱いであり、彩羽が好きなプレイヤーは心を痛めた。 事務所の専属ではないが関わりが深いトレーナーのバリィにはサイドストーリーが用意されているのに…と泣いたプレイヤーが多いようだ…。 一応、事務所に配属された後も、一度だけ間接的にメインストーリーには関わることになる。 ちなみに、この「彩羽を攻略できない不具合」というのはプレイレコード(アワード)の1つであり、実際にそのような不具合が起こっているわけではない。ギャルゲーにおいて、攻略対象にならないキャラクターの話題でよく使われる定型文「○○を攻略できない不具合」になぞらえたネタである。 彩羽の出すリクエストをこなしていくうちにこのプレイレコードを目にして驚いた人は多いはず。 正直「攻略できない」と言うより、単に「扱いがあまりよくない」と言った方がいいかもしれない。 会話ログがない 類似作品であるペルソナ4などで実装されていた会話ログ機能が、本作では(switch版を含めて)搭載されていない。会話を飛ばしてしまう時に不便である。 ダッシュが遅い。 イドラスフィアや通常マップの早く駆け抜けようとしても、樹はダッシュが遅い。常に一定速度を保った状態での小走り風歩きで、他社のRPGと比較しても遅い。 特にイドラスフィア内は敵に追われて逃げにくい。 総評 発売前はそのあまりにも奇抜な内容から賛否が溢れて物議を醸したが、いざ発売されると「良作」という評価が固まった。 爽快感溢れる戦闘や魅力的なキャラクター、丁寧に作られた世界観などに魅了された人は多い。 コラボ関連を抜きに単純な現代異世界RPGとして見ても完成度は高いため、『FE』や『メガテン』のファン以外の方にも十分お勧めできる内容と言える。 『FE』シリーズや『メガテン』シリーズに対する先入観は一度捨て、是非ともプレイして欲しい作品だ。きっとエンタメに溢れた芸能界の虜になることだろう。 余談 当初、本作の開発はいつものFEや『魔神転生』、『デビルサバイバー』のようなSRPGを意識して行われていたようだが、「それではインテリジェントシステムズの真似にしかならない。アトラスの強みを生かすべきだ」という意見が出た結果、JRPGとしての完成に至ったとされている。 開発にはかなり難航した模様。発表から発売までかなりのスパンがあったのも、企画や開発途中での大幅な路線変更の影響があったからだと思われる。 限定版の特典 Fortissimo Edition版には有料DLCである衣装類のDL番号(+その衣装を購入した際に見ることができるショートイベント)が最初から同封されているほか、作中で流れる一部の歌を収録したスペシャルボーカルディスク(6曲収録)と特製アートブック、及び2016年5月15日に開催された♯FEプレミアムライブイベント「エンタキングダム」のチケット優先応募チラシが付いてくる。 本体同梱版は上記と本体に加えて、キャラクターの育成が楽になる有料DLCのサポートクエストのDL番号、上記ボーカルディスクの歌詞カード6種、限定オリジナルステッカー2枚(種類はランダム)が同封されている。 ちなみに、本体同梱版で付いてくるWii Uは、本作発売時には既に生産が終了していたWii Uプレミアムセットの「kuro」カラーであり、新品は当時既にかなり珍しい存在となっていた。 早期購入特典として、同年に展開が始まったFEシリーズのTCGである『ファイアーエムブレム0(サイファ)』の限定カードが同梱されているほか、既に3DSで展開しているアトラス作品とのコラボ衣装も用意されていた。 コラボ衣装に関しては有料DLCとして後で購入する事もできるため、遅れて買った人でも入手自体は可能。 発売前に公開されたPV中に、「壊滅して濁った水に沈んだ大都会」と形容できる光景が広がる様子が映し出され、メガテンを知る視聴者たちからは「また東京が壊滅するのか」などと話題になった。実際はとあるイドラスフィアの背景に過ぎなかったが。 発売前のPVでは露出が多く際どい見た目の衣装が多かったが、本編ではそれと比較するとやや控えめな内容に変更されている。本作は海外展開にも積極的だったことから、それを考慮して修正が入ったのだと思われる。 米国版では、様々な事情から英語音声にローカライズさせる事は不可能と判断されたのか、日本語音声英語字幕仕様である。 本作のパーティキャラクターの一人、剣弥代の担当声優として本作の数々の曲を歌い上げた細谷佳正氏は、本作発売より3ヶ月後、『ファイアーエムブレムif』の追加DLCルート向けに、同作のテーマ曲のアレンジ『if~ひとり思う~Remembrance』とラスボス曲『在るべき路の果てに』のコーラスを歌うこととなる。 孤高のトップスター・剣弥代の曲と神秘的な歌姫の息子・シグレの曲、エイベックス関係のJ-POPに携わる作曲家の曲と各地で高い評価を得るゲーム音楽作曲家の曲、という対比も興味深い。 ちなみに細谷氏は先に『覚醒』でマイユニット役(本作には登場しない)を務めており、本作でももちろんそれをネタにした台詞チョイスがある。 本作のBGMは、ボーカル付き楽曲に関しては全てフルバージョンが収録されたCDが出されているため、本作経験者には幅広く知られている。しかしそれ以外の戦闘曲やイベント曲のような、いわゆる「通常のゲーム音楽」に関しては当初サウンドトラックが発売されず、ゲーム内でサウンドテストなどで聞くこともできないため、ボーカル付きのものを除く全てのBGMの曲名はきちんとした正式名称は永らく不明だった。 後述するSwitch版の発売に合わせて、戦闘曲や追加曲を含めた全曲のサウンドトラックが発売された。 本作は版権の都合が複雑であり、例えば本作オリジナルキャラクターは、FEシリーズお馴染みの任天堂・インテリジェントシステムズだけでなく、アトラスも版権の一部を握っている。そのため外部出演の際には、三社すべての合意が必要と言う状況になっている。 それ故本作のオリジナルキャラは外部出演が非常に少ないが、シーダ役の早見沙織氏や幼チキ役の諸星すみれ氏等、本作における「暗黒竜」キャラの声優配役は『ファイアーエムブレム ヒーローズ』や『ファイアーエムブレム無双』、『ファイアーエムブレム エンゲージ』に受け継がれている。 また織部つばさは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にもFEシリーズ扱いのスピリットとして登場。『FEヒーローズ』でも本作とのコラボによりユニットの参戦が行われた。 なお、前述のTCG『ファイアーエムブレムサイファ』には付属のプロモカードだけでなく正式に参戦している。本作の発売を前にした2015年11月7日のニコニコ生放送「『TCGファイアーエムブレム0(サイファ)』スペシャル生放送2015秋」において2016年3月発売の第4弾シリーズへの参戦が発表され、この際にはアトラスの高田プロデューサーが招かれ作品紹介も行っている。 本作の開発に関わったスタッフの一部は、後にSwitch/3DS作品『超回転 寿司ストライカー The Way of Sushido』に携わっている。当作品のインタビューによると、世界観の構成は本作の構想を元に行なわれたとのこと。 本作のボーカル曲を担当したエイベックス・グループのアーティストは、後に『Girls Mode 4 スター☆スタイリスト』のボーカル曲を担当した。こちらも本作に似たアイドルを軸としたストーリーで、曲の評価が高い。 幻影異聞録♯FE Encore 【げんえいいぶんろくしゃーぷえふいー あんこーる】 ジャンル RPG 対応機種 Nintendo Switch 発売元 任天堂 開発元 アトラス 発売日 2020年1月17日 定価 5,150円 レーティング CERO B(12歳以上対象) 判定 良作 ポイント 追加曲&シナリオテンポが大幅に改善水着&お色気要素削除 ファイアーエムブレムシリーズリンク 女神転生シリーズリンク 概要(Encore) 海外版である『Tokyo Mirage Session #FE』をベースに、追加要素を加えて移植した、いわゆる「インターナショナル版」に近い内容。 基本的な内容は、『幻影異聞録♯FE』(以下、「WiiU版」)と同様。 評価点(Encore) テンポの大幅改善 ロードの短縮 WiiU版、特にパッケージ版では、戦闘開始時のロードが問題視されていたが、本作では大幅に短縮され、快適なテンポでプレイできる。 セッションの演出カットが実装された。 演出カットは、セッションが続いている間、いつでも変更できる。 WiiU版ではDLCだった稼ぎ系ダンジョンが最初から実装されているため、これを活用すればかなりサクサク進めることができる。 2周目特典の追加 2周目の第1章インターミッションから、イツキのメインキャスト固定が解除されるようになった 同時に「飛び入りサブキャスト」も習得できるようになるため、他のキャラと同様に扱えるようになる。これによりパーティ編成の自由度が増え、戦略性も上がった。 またこれにより、メインキャストが女性キャラのみのパーティが組めるようになった。ちなみに女性キャラのみのパーティを組むと、新たなプレイレコード『待ち焦がれたキャスティング』が貰える。 一部プレイレコードの条件変更 WiiU版では、全てのプレイレコードを達成するためには最低でも3周はプレイする必要があったが、本作では一部プレイレコードの条件が緩和され、最低2周でコンプリートできるようになった。 前述の『待ち焦がれたキャスティング』のような、新たなプレイレコードも追加された。 追加要素 前述の通り、WiiU版ではDLCだった、お金稼ぎ・経験値稼ぎ等の稼ぎ系ダンジョンや、イベント「東京ミレニアムセレクション」が、最初から実装されている。 WiiU版のDLCは、2023年3月28日をもって配信を終了しているため、現在は本作がこれらのダンジョンやイベントで遊べる唯一の手段である。 WiiU版のDLC衣装に加えて、新たな衣装も追加されている。新規衣装には『ペルソナ5』のジョーカーや、『風花雪月』のアネットなど、WiiU版以降に発売したソフトとのコラボ衣装も含まれている。 つばさと霧亜がクールに歌い上げる『She is…』などの新曲が追加された。 追加シナリオであるEXストーリーが追加された。 EXストーリーをクリアすることで、WiiU版ではサポートのみだったキャラクターがセッションに参戦できるようになる。 その他細かい変更 WiiU版では2周目特典だった、イベントムービーを見返す機能が、1周目から使えるようになった。 問題点(Encore) サービスシーンの要素の削除 欧米版準拠の移植となっているため、水着の衣装やスカートの中などの女性キャラの露出が抑えられていたり温泉イベントのDLCがカットされている。当初、公式サイトに掲載された画像が国内版準拠だったこともあり(後に差し替え)、告知が不十分だった事の謝罪及び予約キャンセルの受付を行った。 2章のつばさのきわどい水着によるグラビア撮影イベントが、ごく普通のファッションによる撮影に変更されている。とても残念。なのにイベント内容が水着前提の際とほとんど変わっておらず、恥ずかしがる理由が伝わりづらくなっている。 あとあと小イベントではあるが、このグラビアがまた活用される機会も存在し、その際の展開も説得力がかなり怪しくなってしまった。 一方で、海外版限定のイベントが国内でも見られるようになっため、国内WiiU版との違いを楽しむことができるとも言える。 また、国内WiiU版のDLCイベントになっていた、温泉番組「秘湯へGO!」も未収録となっている。 上記と同様、欧米版準拠の移植であるため、一部キャラの年齢の設定が変更されている。 織部つばさは高2・17歳(未成年)から高3・18歳(成年)に変更され、その同級生である蒼井樹・赤城斗馬も合わせて変更された。弓弦エレオノーラも、高1・16歳から高2・17歳へと変更されている。 しかし、元々高3・18歳だった剣弥代は年齢が変更されていない。そのため、WiiU版とは年上・同級生・年下の関係性が変わってしまい、剣弥代の「頼れる先輩」というイメージも相対的にやや下がってしまっている。 総評(Encore) WiiU版と比較してテンポが大幅に改善しており、追加要素もあるため、今から遊ぶのであればこちらがオススメ。 お色気シーンが削除されているため、がっかりされたユーザーもいるが、それが気にならないという人には特に順当に進化している内容である。
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Episode3 『宣告』 俺一等兵が基地に来てから5日目。 彼らの前にいまだネウロイは現われていなかった。 そして予報ではこの日にネウロイが現われる予定であった。 ---ブリーフィングルーム--- ミーナ「それでは午前のブリーフィングを始めます。」 ミーナ「予報では今日ネウロイが現われることになっています。」 ミーナ「みなさんの中には、ひさびさの実戦となる人もいると思いので、気を抜かず、そして焦りすぎないよう討伐にあたってください。」 全員「了解。」 ミーナ「宮藤さんは負傷者が出ることを想定して医務室で医療器具をあらかじめ準備して置いてください。」 芳佳「了解。」 ミーナ「坂本少佐は司令室から戦闘の指示をお願いします。」 坂本「了解した。」 その時 ウウゥゥゥ-- 鳴り響く警報。ネウロイ襲来の合図だ。 ミーナ「噂をすれば・・・ね・・・各自戦闘準備にはいってください!」 ミーナ「エイラさんとサーニャさんは基地で待機です。」 エイラ サーニャ「了解。」 ---格納庫--- シャーリー「なんだか緊張してきたな・・・」 ルッキーニ「だいじょぶ!シャーリーはあたしが守るよ!」 シャーリー「ああ、ありがとなルッキーニ!」 ゲルト「落とされたりするなよ、ハルトマン!」 エーリカ「それはこっちの台詞だよトゥルーデ!」 リーネ「あれ、俺さん・・・その腰の・・・」 俺「あ、そっか。まだ皆さんには見せてなかったスね。」 彼の腰には扶桑刀が携えられていた。 ペリーヌ「それにそんな銃で大丈夫ですの?」 そして手にはサブマシンガンほどの大きさの銃しか握られていなかった。 俺「これで十分っス。なに、見てれば分かりますよ。」 青年のその言葉は自信に満ち溢れているようだった。 ミーナ「ストライクウィッチーズ出撃します!」 全員「了解!」 彼女らが言うと同時にストライカーをハンガーのロックが解除され、ミーナを先頭に順番に発進していく。 上空に上がってまず行うのが索敵。 ミーナ「俺さん索敵をお願いできるかしら。」 俺「ウィルコ。(了解)」 彼はナイトウィッチ特有の魔導針を出した。 俺「・・・・いました。距離30000m、方位97、上方、数ラロス級が4機です。」 俺「コンタクトまでおよそ2分かからないほどっス。」 ミーナ「HQ、そちらのレーダーではどうですか。」 基地には最新鋭のレーダーが配備されていた。 坂本「こちらHQ。俺が言ったとおりだ。数も間違いない。このほかの敵は確認できないな。」 ミーナ「・・・了解。結構速いようね・・・こちらからしかけます。全機、フォーメーションデルタ!」 全員「了解!」 ---バルト海上空--- ミーナ「いたわアレね・・・俺さん、コアの場所を探れますか?」 俺「やってみます・・・・・・・ありました、あいつです。」 俺は一番右のネウロイを指差した。 ミーナ「了解。皆、聞こえたわね、あの一番右のネウロイを叩きます!」 俺「みなさん、コアの位置はちょうど真ん中です。装甲を削るのが大変だと思いますが頑張ってください。over。」 ミーナ「いきます・・・作戦開始!」 先手を打ったのはネウロイだった。 俺「イェーガー大尉!敵、ビームきます!気をつけてくださいっス!」 シャーリー「ん?うおお!?」 シャーリーは間一髪シールドを張り防御した。 シャーリー「危なかった・・・大丈夫かルッキーニ?」 ルッキーニ「大丈夫!」 シャーリー「助かったよ俺。でもなんでビーム撃つって分かったんだ?」 俺「魔眼のおかげで、あいつらがビームのエネルギーを溜めてる瞬間がわかるんス。」 俺「あいつらにも血管みたいなのがあってその流れが速くなったらビームを打つ合図・・・ってわけです。」 シャーリー「なるほど、わからん。あたしには魔眼がないからな~」 俺「ははは・・・うっし、まだ敵は残ってるっスよ!頑張ろうっス!」 シャーリー ルッキーニ「おー!」 ゲルト「ずおりゃああああぁぁぁぁ!!」バラララララララララ!! エーリカ「ぜんぜん削れないよぉ!」バラララララララララララ!! リーネ「お願い!届いて!」ダンッ! リーネの撃った弾丸がネウロイのコアを露出させたしかし・・・ リーネ「今です!!」 ゲルト「ダメだ!再生速度が速すぎる!」 さらに親機から別の子機が放たれる。 ミーナ「敵が増えた!?」 ペリーヌ「クッ・・・トネール!」 ペリーヌの電撃が子機を一掃した。だが・・・ グオオオオオオオ!! とネウロイがうなり声を上げると同時にさらに子機が放たれる。 ペリーヌ「これじゃあきりがありませんわ!」 俺「俺が行くっス!オルフェウス!!」 子機の集まる場所へと単機で乗り込む俺。 俺「おおおお!!」 彼は腰の刀に手をかけ、異常な機動で移動しつつ、刀を振るい、子機を粉砕してゆく。 バババババババババァァァァン!! ペリーヌ「な、なんなんですの、あの動き・・・」 俺「次はお前だっ・・・!」 そう言うやいなや親機と向かう。 ミーナ「俺一等兵!」 俺「はあああああああああ!」ガガガガガガガガガガ!! 手に持ったサブマシンガンから強力な銃撃が浴びせられる。 ゲルト「なんだあの威力は!?」 エーリカ「トゥルーデ!上!」 ゲルト「チッ!」バラララララララララ!! 親機の周りの3機も独立して攻撃をしかけてくる。 俺「親機は俺が引き受けます!みなさんは残りの3機を足止めしてくださいっス!!」 ミーナ「一人だなんて無茶だわ!!戻りなさい!」 俺「大丈夫っス!必ず落としてみせるっス!」 そういうと俺はさらに速い速度で敵へと向かう。 ギャオオオオオオオ! ネウロイの咆哮と共にビームが放たれる。 俺「そんなのは見切れてるっスよ!!」 しかしそれは彼の魔眼によりすでに見切られていた。 難なくとビームをかわすとさらに接近する。 俺「たのむっスよ、オルフェウス!!」 唸りを上げ、速度を増すストライカー。その間に彼は切先に魔力を集中させる。 俺「終わりにするぞ・・・!」 やがて集められた魔力は目に見えるほど濃くなっていた。 俺「おおおぉぉぉぉ!!」 リーネ「危ない!」 ルッキーニ「やられちゃうよ~!」 彼女らが叫ぶように、彼が肉薄しているネウロイはビームの充填を終え、今にも放とうとしていた。 しかし・・・ 俺「おおおぉぉぉ!!」 そんなこともお構い無しに、彼の勢いは止まらない。 やがて対象のネウロイは俺へ向けてビームを放つ。 俺「雲耀!!もどき・・・」ボソッ そう叫ぶと同時に彼は眼前に迫るビームへと刀を振り下ろす。 シャーリー「マジかよ・・・」 彼女が驚くのも無理はない。 俺はかつて坂本がやってのけたように、ビームを両断をしながらネウロイへと迫っていたのだ。 俺「おしまいっ!」ブォン! ドガアアアアァァァ 止まらぬ勢いでそのまま刀を叩きつける。そして、 ・・・パリーン! という音と共に、一刀の元にネウロイが砕け散った。 ゲルト「なんだ・・・今のは・・・」 エーリカ「すっごー!」 親機が消滅したことで周りのネウロイも順当に砕け散っていた。 ミーナ「俺さんは!?」 リーネ「あそこです!」 リーネの指差した上空からフラフラになりながら降りてくる俺がいた。 俺「へ・・・へへ・・・どうっスか・・・」 ミーナ「どうもこうもないわ!あんな無茶して・・・」 俺「ははは・・・面目・・・ないっ・・・」 ゲルト「俺!?」 墜ちそうになるすかさずゲルトが抱えあげた。 俺「すみませんっス・・・ちょっと魔力を使いすぎたみたいっスね・・・」 ゲルト「まったく無茶をする・・・」 ミーナ「はぁ・・・また無茶をする子が増えたわね・・・」 ミーナ「・・・まぁ、結果は重畳の至りってとこかしらね。」 かくしてストライクウィッチーズはカールスラントでの初の戦果を挙げたのだった。 ---基地内医務室--- 俺「う・・・ん・・・」 芳佳「あ、俺さんおきましたか?」 俺「宮・・・藤さん?ここは・・・?」 芳佳「基地の医務室ですよ。俺さん、戦いの後気を失っちゃったんです。」 俺「そうだったんスか・・・ご迷惑をおかけしたっス。」 俺「ん?」 窓際にはサーニャとエイラがソファで寄り添って眠っていた。 芳佳「サーニャちゃんとエイラさん、俺さんを心配して、ずっとここにいたんですよ。」ニコ 俺「リトヴャク中尉とユーティライネン中尉が?」 サーニャ「ん・・・・あ、俺さん・・・よかった・・・起きたんですね。」 俺「はいっス。ご迷惑をおかけしたっス。」 エイラ「ナンダ、どうしタ・・・って俺、起きたのか。」 俺「はい、おかげさまで。お二人にはご心配おかけしたっス。」 エイラ「べ・・・別にワタシは心配してないゾ!ワタシはただサーニャの付き添いで・・・」 サーニャ「エイラ、いじわる言っちゃダメよ。」 エイラ「うっ・・・サーニャ・・・」 俺「はは・・・お2人とも、ありがとうっス。」 サーニャ「いいえ。」 エイラ「だからワタシは・・・」 芳佳「そろそろ夕飯の時間ですね。俺さん、歩けますか?」 俺「はい、おかげさまで大丈夫そうっス。」 芳佳「じゃあ、4人で食堂に向かいましょうか。」 ---食堂--- シャーリー「おっ!俺!もう大丈夫なのか?」 ルッキーニ「おれー!」 俺「はい。ご心配をおかけしたっス。」 坂本「お前の活躍聞かせてもらったぞ。まぁ少し無茶が過ぎたようだがな。はっはっは。」 ミーナ「そうね、次からは無茶しすぎないようにね。」 俺「ははは・・・面目ないっス・・・」 ゲルトの向かい側に腰をかける俺。 ゲルト「ところで俺。先ほどの戦いで使ってた銃だが・・・」 ペリーヌ「そうですわ、あんな小型なのにあの威力は・・・」 シャーリー「あれってあたしらの国の銃に似てたんだよなアレはどういう・・・」 俺「ああ、アレはリベリオンで開発中ののM16アサルトライフルってのをまわしてもらって、カスタマイズしてもらったものっス。」 リーネ「あれも、俺さん専用なんですか?」 俺「そうっスね。俺は基本近接戦闘型っスから片手で扱える銃のほうが都合がいいんス。」 俺「それでもって威力も必要だからって、アサルトライフルの銃身を切り詰めたらあんな感じになったっス。」 ゲルト「しかしあれではリコイル(反動)も並みではないだろう。」 俺「そうっスね。アレに慣れるのに3年はかかったっス。」 エーリカ「付き合い長いんだね~」 俺「はい、もはや俺には欠かせない相棒っス。」 坂本「聞いた話だと、お前は扶桑刀を使っていたそうじゃないか。」 俺「はい、刀が俺のメインの戦い方っス。」 坂本「どういう戦い方をするんだ?」 俺「自分の場合、銃で牽制しながら隙が出来たところで魔力を溜めて斬る・・・って感じですかね。」 坂本「魔力を溜める・・・まるで『雲耀』だな。」 俺「ああ、それっス。黒江さんっていうウィッチの方の噂を聞いて、噂に聞いた通りに修行したらできるようになったっス。まだ、未完成ですけどね。」 坂本「噂だけで身につけたのか・・・大したものだ・・・それで剣術はどういう経緯で身に付けたんだ?」 俺「あれは親父に教えてもらって身に付けました。親父は扶桑で剣術の師範やってましたから、俺もよく稽古をつけられてたんス。」 坂本「そうか。では刀は親父さんの・・・」 俺「はい、親父から餞別にもらいました。」 俺(親父・・・元気にしてるかな・・・) 坂本「どうした?俺?」 俺「あ、いやなんでもないっス!あはははは・・・」 坂本「?」 サーニャ「俺さん、あの・・・早く食べないと・・・」 エイラ「冷めちまうゾ。」 俺「ああ、つい話し込んじゃったっス。いただきます!」 このあともしばらく雑談が続いた。 数時間後・・・ ---ブリーフィングルーム--- デブリーフィングのために皆が集まっていた。 ミーナ「みなさん、今日はお疲れ様でした。」 ミーナ「久々の戦闘だったのによく戦ってくれたと思います。」 ミーナ「それに、俺さんもここでははじめてなのによく戦ってくれました。」 ミーナ「あなたがいなければもしかしたら負けていたかもしれませんね。」 俺「そ、それはちょっと褒めすぎっス・・・///」 ゲルト「謙遜することは無いぞ。むしろ一等兵のままにしておくのが惜しいくらいだ。カールスラント軍人ならもっと誇りををもって・・・」 エーリカ「俺はカールスラント軍人じゃないでしょって・・・」 俺「いえ、今は一応カールスラント空軍預かりっス・・・」 エーリカ「マジで?」 ゲルト「だから言っただろう。」 ミーナ「フフフ。確かに、一等兵にしておくのはもったいないわね。ただ、あまり無茶はしすぎないでね。」 俺「はい・・・了解っス。」 ミーナ「予報では、しばらくの間はネウロイはこないそうです。」 ミーナ「なので明日は一日休暇としたいと思います。」 芳佳「やったー!」 リーネ「芳佳ちゃん明日はどうする?」 芳佳「えっとねー・・・」 エイラ「サーニャはどうしたい?」 サーニャ「わたしは・・・」 皆が一様に明日の休暇について話している。 俺(俺はどうすっかな・・・) サーニャ「あ・・・あの俺さん・・・」 俺「え?あ、はい、なんでしょうリトヴャク中尉?」 サーニャ「よかったら・・・明日、私たちと一緒に買い物に行きませんか・・・?」 俺「え?」 エイラ「お前、サーニャが誘ってるんだゾ。もし断ったら・・・」 俺「は、はい!よろこんで!」 サーニャ「よかった・・・それじゃあまた明日。」 俺「はいっス!」 俺(あ、それなら便箋でも探しにいこっかな・・・) ミーナ「それで、宮藤さんと坂本少佐。」 芳佳「はい?」 坂本「なんだ?」 ミーナ「あとで私とハンガーへ来てもらえるかしら?」 宮藤と坂本が顔を見合わせて首をかしげた。 ---俺の自室--- 同日深夜 0 00 なぜか俺は目が覚めてしまった。 俺「ん・・・んん?」 ?「やぁ、こんばんは。」 目を開けるとベッドの近くに見慣れない少年がたっていた。 俺「!? 誰だお前!どこから入ってきた!?」 ?「そんな大声出さなくても・・・」 ?「長い間僕は君を待ってたって言うのに・・・」 俺「・・・?」 ?「それよりも、もうすぐ『満月』だね。」 窓を指差す少年。たしかに外の月は後3日ほどで満月になりそうだ。 俺「それが・・・どうしたんだ・・・」 ?「いや?ただ君にはもうすぐ試練が降りかかるかもしれない。」 俺「どういう意味だ・・・?」 ?「そのままの意味だよ。ま、その日になれば分かることだよ。」 俺「?」 ?「じゃあ僕はもう行くよ。またね。」 俺「ちょ、まて!お前の名前は!?」 少年の姿が次第に消えていく。 ?「そうだなーじゃあ・・・」 ?「アニマってことで。」 俺「アニマ・・・」 アニマ「じゃあね。」 そういって少年は消えていった。 俺「一体なんだったんだ・・・」 デブリーフィングのあと、呼び出された宮藤と坂本はミーナに連れられハンガーへ向かっていた。 ---基地内廊下--- 坂本「なあミーナ。一体何があるんだ?」 ミーナ「それはハンガーへ行けば分かるわ。」 坂本「焦らすとは、お前らしくも無い。」 ミーナ「まぁついてくれば分かるわよ。ふふふ。」 ミーナの顔はどこかうれしそうだった。 ---基地内ハンガー--- ミーナ「ついたわ。」 格納庫には全員のストライカーが並べられていた。 そして真ん中にはポツンと布のかけられたなにかがあった。 芳佳「あれ、なんですかミーナ隊長?」 ミーナ「ふふっ。ついてきて。」 そういって2人をその物体の元へ誘導する。 坂本「見せたいものというのはこれか?」 ミーナ「ええ。じゃあ、見せるわね。」バサッ ミーナが布を取り払うとそこには・・・ 芳佳「あ・・・あぁ・・・!震電!!」 それは先の戦いで宮藤が使っていたストライカーだった。そしてその横には寄り添うように・・・ 坂本「これは・・・烈風丸!!」 そう、坂本が使っていた扶桑刀がそこにはあった。 坂本「ミーナ!これは一体・・・」 2人が驚くのも無理は無かった。なにせこの2つは先のロマーニャ開放作戦以降行方不明だったのだから。 ミーナ「ええ、どうやらどこかの砂浜でこの2つがあがっているのを誰かが発見したみたいで・・・」 ミーナ「発見されたあと一度扶桑に送られて、修理してこちらに送ってきてくれたようね。」 芳佳「誰かは分からないんですか?」 ミーナ「ええ、なにせ宛名不明で扶桑に送られてきたそうだから・・・」 芳佳「そうなんですか・・・お礼・・・したかったな・・・」 ミーナ「そうね・・・この戦いが終わったら探しにいってみるといいわ。」 芳佳「そうですね・・・そうします。」 坂本「しかし・・・烈風丸まで手入れをしてもらえるとは・・・」 烈風丸の刃はピカピカに磨かれていた。 ミーナ「なんでも扶桑の刀職人さんが丹精込めて手入れしてくださったそうよ。世界を救った英雄の刀だからって。」 坂本「英雄だなんて・・・私は・・・」 芳佳「そんなことないです!坂本さんはウィッチの鑑です!」 坂本「そういわれると照れてしまうな///」 ミーナ「フフフ、2人とも喜んでもらえたようでよかったわ。」 芳佳「はい!これはお父さんが私たちに遺してくれたものですから・・・」 坂本「そうだな・・・」 ミーナ「ええ・・・」 次の日・・・ この日は休暇のため外出組はシャーリーの運転で町へ繰り出していた。 ---街中--- シャーリー「んじゃ、あとで集合場所でな。」 サーニャ「はい。」 ブロロロロロロロ・・・ 俺「ちょっと酔った・・・うぇ・・・」 エイラ「大丈夫カ?今日はシャーリー安全運転だったのにナ。乗り物がダメだなんて意外な弱点ダナ。」ニヤニヤ 俺(なんかわかんないけど悔しい・・・) 俺「それで、どこに行くんですか?」 サーニャ「えっと・・・この前ハルトマンさんに教えてもらった雑貨屋さんにいきます。」 エイラ「はぐれんなヨー。」 俺「はいっス。」 3人はまず雑貨屋に向かうことにした。 サーニャ「あっ・・・ここみたいです。」 目の前には大きな雑貨店があった。 俺「おお、なかなかおおきいっスね・・・」 エイラ「ほら、ボサっとしてるとおいてくゾ。」 俺「あ、まってくださいっス!」アセアセ ---店内--- 俺「えっと・・・便箋はっと・・・」 店の品揃えはなかなかで、便箋だけでも結構な種類があった。 俺「こうも多いと迷うな・・・」 サーニャ「あの・・・俺さん・・・」 俺「なんスか?リトヴャク中尉。」 サーニャ「あ、えと・・・その、『サーニャ』って呼んでほしいです・・・皆にもそう呼んでもらってるから。」 俺「は・・・はぁ・・・じゃあ、サーニャさん。」 サーニャ「はい。」ニコッ エイラ「わ・・・ワタシも『エイラ』でいいぞ。堅苦しいのはその・・・苦手だからナ。」 俺「はいっス。エイラさん。」 俺「それで、用があったんじゃ・・・」 サーニャ「あ、そうでした・・・便箋探してるんですよね?・・・あの、これなんかどうですか?」 便箋には巷で人気のネコペンギンがデザインされていた。 俺「これは・・・確か、ネコペンギン・・・」 エイラ「せっかくサーニャが選んだんダ。もし、むげにしたら・・・」 サーニャ「脅しちゃダメよ、エイラ。」 エイラ「ゴ・・・ゴメン、サーニャ。」 エイラ「で、どうするんダ?」 俺「う~んせっかく選んでもらったし、こんなに多いと決められないんでこれにするっス。」 サーニャ「本当ですか・・・?気に入ってもらえてよかった・・・」 俺の言葉にサーニャの表情がパァっと明るくなった。 俺(前から思ってたけど・・・か、かわいい・・・///) エイラ「な、サーニャ、可愛いダロ?」ヒソヒソ どうやら俺の内心は顔に出てしまっていたようだ。 俺「は・・・はいっス・・・何かこう、こみ上げてくるような・・・」ヒソヒソ エイラ「ほぅ・・・お前とはいい酒がのめそうダナ・・・」ヒソヒソ サーニャ「? どうしたの、2人とも?」 エイラ「あ、い、いや!」アセアセ 俺「な・・・なんでもないっスよ!あは、あはははははは!」アセアセ サーニャ「?」 その後も3人はしばらく買い物を続けることにした。 同日13 30 ---街中--- 俺「ちょ・・・エイラさん・・・こんなに買って・・・重っ!」 エイラ「男なんだからつべこべ言うナー」 サーニャ「エイラ、持ってもらうんだったら少しは遠慮するものよ・・・」 エイラ「いいんだよサーニャ。こういうときはむしろ遠慮しちゃダメなんダ。」 サーニャ「でも、俺さん重そう・・・」 俺「大丈夫っス!このくらい扶桑男児として・・・あ、オラーシャ男児でもあるか。とにかく俺にも意地があるっス!」 エイラ「ほら、あいつもああいってるしナ。」 サーニャ「う・・・うん・・・」 エイラ「それよりそろそろご飯が食べたいナ・・・どっかいい店は・・・」 俺「あ、あそこなんてどうっスか?」 荷物でふさがった手で懸命に指をさす俺。そこには手ごろなカフェがあった。 エイラ「お、いいんじゃないカ?な、サーニャ。」 サーニャ「そうね、あそこにしましょう。」 とりあえず3人はそのカフェに入ることにした。 カランカラン 店員「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」 エイラ「3人だゾ。」 店員「荷物が多いようでしたらこちらでお預かりいたしますが・・・」 俺「お・・・お願いするっス・・・」 店員「か・・・かしこまりました。」 店員もさすがの荷物の多さに驚いていた。 店員「では席へご案内いたします。」 ---店内--- エイラ「へ~。改めて見ると結構きれいな町ダナ。」 カフェからのぞく町の風景先ほどとはまた違った雰囲気を感じさせた。 俺「海に近いとこはネウロイに襲われにくいらしいっスからね。」 サーニャ「ここもはやく開放して安心させてあげたいね。」 エイラ「そうだナ・・・」 俺「それでお2人とも、なに頼みますか?」 エイラ「そうだナー・・・サーニャはなに食べたい?」 サーニャ「じゃあ、わたしはチョコレートのトルテ・・・」 エイラ「んじゃあアタシはチーズケーキにしようかナ。お前はどうするんだ?」 俺「もち、バウムクーヘンっス!」 エイラ「へ~。おまえ意外と甘党なのか。」 俺「はいっス!スイーツ最高っス!」 エイラ「それじゃあ頼むぞ。」 エイラがベルを鳴らす。 店員「ご注文はお決まりでしょうか?」 エイラ「えーっと・・・キッシュトルテ(チョコのトルテ)と、ケーゼザーネトルテ(チーズケーキ)と・・・」 俺「バウムクーヘン!!」 エイラ「・・・あとコーヒーを2つとココアを頼ム。」 店員「かしこまりました。少々お待ちください。」 エイラ「あ、そうだ・・・」 エイラはポケットから何かを取り出す。 俺「それは?」 エイラ「フフン♪これは『タロットカード』ダ。」 俺「タロット?」 サーニャ「エイラはこのカードをつかって占いが出来るんです。」 俺「へぇ・・・そうなんスか。」 エイラ「せっかくだからお前の未来を占ってやろう。」 そういうとエイラはカードをカットする。 俺「なんか緊張するな・・・」 テーブルの上に六にカードを並べ、中心に一枚のカードを置く。計、7枚のカードが並べられた。 エイラ「ヘキサグラムって言って、一番メジャーな占い方なんダ。じゃあめくるゾ。」 ヘキサグラムは一番真上のカードから時計回りに【過去】、【方法】、【現在】、【環境】、【未来】、【無意識】を表し、真ん中に置かれたカードが【核心】を表す。 ※詳しくはこのページを参照 エイラが全てのカードをめくる。 エイラ「げっ・・・」 俺「どうしたんスか?」 エイラ「お前これから災難に見舞われるかもナ・・・」 そう言ってエイラが見せたのは『塔』の正位置のカード。【未来】の部分に置かれたカードであった。 俺「そのカードにはどんな意味が?」 エイラ「塔のカードはな、災難とか転落を意味していて、その人に試練を与えることを暗示するカードなんダ。」 俺「試練・・・」 不意に昨日の出来事を思い出す。 俺(あのアニマとかいうやつも同じことを言っていた・・・) 俺(試練って一体なんなんだ・・・?) サーニャ「俺さん?」 俺「え、はい?」 エイラ「大丈夫カ?ボーっとしてたゾ。」 俺「ああいや、ちょっと考え事を・・・」 エイラ「お!でも気を落すことはないみたいダゾ。」 俺「なんでっスか?」 エイラ「ほらここ。真ん中に置いてあるカード。これは、『世界』の正位置ダ。」 俺「世界?」 エイラ「ああ、これは絶対の成功が約束されるカードダ。よかったな、お前の望みは叶いそうだゾ。」 サーニャ「よかったですね、俺さん。」 俺「はい。よかった・・・のかな?」 店員「おまたせいたしました。」 そんな事をしていると店員がケーキを運んできた。 その後も店の中でオラーシャの話しやら、以前の501での彼女達の活躍の話などで盛り上がった。 一通り食べ終えた後は、少し町をぶらつき、シャーリーたちと合流して外出組は基地へと帰った。 続き→ペルソナ4
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俺「ストライクウィッチーズだと・・・?」 951-986 俺「ストライクウィッチーズである」 443-458 俺「ストライクウィッチーズだね」 891-912 前へ 目次へ戻る 次へ Episode3 『宣告』 俺一等兵が基地に来てから5日目。 彼らの前にいまだネウロイは現われていなかった。 そして予報ではこの日にネウロイが現われる予定であった。 ---ブリーフィングルーム--- ミーナ「それでは午前のブリーフィングを始めます。」 ミーナ「予報では今日ネウロイが現われることになっています。」 ミーナ「みなさんの中には、ひさびさの実戦となる人もいると思いので、気を抜かず、そして焦りすぎないよう討伐にあたってください。」 全員「了解。」 ミーナ「宮藤さんは負傷者が出ることを想定して医務室で医療器具をあらかじめ準備して置いてください。」 芳佳「了解。」 ミーナ「坂本少佐は司令室から戦闘の指示をお願いします。」 坂本「了解した。」 その時 ウウゥゥゥ-- 鳴り響く警報。ネウロイ襲来の合図だ。 ミーナ「噂をすれば・・・ね・・・各自戦闘準備にはいってください!」 ミーナ「エイラさんとサーニャさんは基地で待機です。」 エイラ サーニャ「了解。」 ---格納庫--- シャーリー「なんだか緊張してきたな・・・」 ルッキーニ「だいじょぶ!シャーリーはあたしが守るよ!」 シャーリー「ああ、ありがとなルッキーニ!」 ゲルト「落とされたりするなよ、ハルトマン!」 エーリカ「それはこっちの台詞だよトゥルーデ!」 リーネ「あれ、俺さん・・・その腰の・・・」 俺「あ、そっか。まだ皆さんには見せてなかったスね。」 彼の腰には扶桑刀が携えられていた。 ペリーヌ「それにそんな銃で大丈夫ですの?」 そして手にはサブマシンガンほどの大きさの銃しか握られていなかった。 俺「これで十分っス。なに、見てれば分かりますよ。」 青年のその言葉は自信に満ち溢れているようだった。 ミーナ「ストライクウィッチーズ出撃します!」 全員「了解!」 彼女らが言うと同時にストライカーをハンガーのロックが解除され、ミーナを先頭に順番に発進していく。 上空に上がってまず行うのが索敵。 ミーナ「俺さん索敵をお願いできるかしら。」 俺「ウィルコ。(了解)」 彼はナイトウィッチ特有の魔導針を出した。 俺「・・・・いました。距離30000m、方位97、上方、数ラロス級が4機です。」 俺「コンタクトまでおよそ2分かからないほどっス。」 ミーナ「HQ、そちらのレーダーではどうですか。」 基地には最新鋭のレーダーが配備されていた。 坂本「こちらHQ。俺が言ったとおりだ。数も間違いない。このほかの敵は確認できないな。」 ミーナ「・・・了解。結構速いようね・・・こちらからしかけます。全機、フォーメーションデルタ!」 全員「了解!」 ---バルト海上空--- ミーナ「いたわアレね・・・俺さん、コアの場所を探れますか?」 俺「やってみます・・・・・・・ありました、あいつです。」 俺は一番右のネウロイを指差した。 ミーナ「了解。皆、聞こえたわね、あの一番右のネウロイを叩きます!」 俺「みなさん、コアの位置はちょうど真ん中です。装甲を削るのが大変だと思いますが頑張ってください。over。」 ミーナ「いきます・・・作戦開始!」 先手を打ったのはネウロイだった。 俺「イェーガー大尉!敵、ビームきます!気をつけてくださいっス!」 シャーリー「ん?うおお!?」 シャーリーは間一髪シールドを張り防御した。 シャーリー「危なかった・・・大丈夫かルッキーニ?」 ルッキーニ「大丈夫!」 シャーリー「助かったよ俺。でもなんでビーム撃つって分かったんだ?」 俺「魔眼のおかげで、あいつらがビームのエネルギーを溜めてる瞬間がわかるんス。」 俺「あいつらにも血管みたいなのがあってその流れが速くなったらビームを打つ合図・・・ってわけです。」 シャーリー「なるほど、わからん。あたしには魔眼がないからな~」 俺「ははは・・・うっし、まだ敵は残ってるっスよ!頑張ろうっス!」 シャーリー ルッキーニ「おー!」 ゲルト「ずおりゃああああぁぁぁぁ!!」バラララララララララ!! エーリカ「ぜんぜん削れないよぉ!」バラララララララララララ!! リーネ「お願い!届いて!」ダンッ! リーネの撃った弾丸がネウロイのコアを露出させたしかし・・・ リーネ「今です!!」 ゲルト「ダメだ!再生速度が速すぎる!」 さらに親機から別の子機が放たれる。 ミーナ「敵が増えた!?」 ペリーヌ「クッ・・・トネール!」 ペリーヌの電撃が子機を一掃した。だが・・・ グオオオオオオオ!! とネウロイがうなり声を上げると同時にさらに子機が放たれる。 ペリーヌ「これじゃあきりがありませんわ!」 俺「俺が行くっス!オルフェウス!!」 子機の集まる場所へと単機で乗り込む俺。 俺「おおおお!!」 彼は腰の刀に手をかけ、異常な機動で移動しつつ、刀を振るい、子機を粉砕してゆく。 バババババババババァァァァン!! ペリーヌ「な、なんなんですの、あの動き・・・」 俺「次はお前だっ・・・!」 そう言うやいなや親機と向かう。 ミーナ「俺一等兵!」 俺「はあああああああああ!」ガガガガガガガガガガ!! 手に持ったサブマシンガンから強力な銃撃が浴びせられる。 ゲルト「なんだあの威力は!?」 エーリカ「トゥルーデ!上!」 ゲルト「チッ!」バラララララララララ!! 親機の周りの3機も独立して攻撃をしかけてくる。 俺「親機は俺が引き受けます!みなさんは残りの3機を足止めしてくださいっス!!」 ミーナ「一人だなんて無茶だわ!!戻りなさい!」 俺「大丈夫っス!必ず落としてみせるっス!」 そういうと俺はさらに速い速度で敵へと向かう。 ギャオオオオオオオ! ネウロイの咆哮と共にビームが放たれる。 俺「そんなのは見切れてるっスよ!!」 しかしそれは彼の魔眼によりすでに見切られていた。 難なくとビームをかわすとさらに接近する。 俺「たのむっスよ、オルフェウス!!」 唸りを上げ、速度を増すストライカー。その間に彼は切先に魔力を集中させる。 俺「終わりにするぞ・・・!」 やがて集められた魔力は目に見えるほど濃くなっていた。 俺「おおおぉぉぉぉ!!」 リーネ「危ない!」 ルッキーニ「やられちゃうよ~!」 彼女らが叫ぶように、彼が肉薄しているネウロイはビームの充填を終え、今にも放とうとしていた。 しかし・・・ 俺「おおおぉぉぉ!!」 そんなこともお構い無しに、彼の勢いは止まらない。 やがて対象のネウロイは俺へ向けてビームを放つ。 俺「雲耀!!もどき・・・」ボソッ そう叫ぶと同時に彼は眼前に迫るビームへと刀を振り下ろす。 シャーリー「マジかよ・・・」 彼女が驚くのも無理はない。 俺はかつて坂本がやってのけたように、ビームを両断をしながらネウロイへと迫っていたのだ。 俺「おしまいっ!」ブォン! ドガアアアアァァァ 止まらぬ勢いでそのまま刀を叩きつける。そして、 ・・・パリーン! という音と共に、一刀の元にネウロイが砕け散った。 ゲルト「なんだ・・・今のは・・・」 エーリカ「すっごー!」 親機が消滅したことで周りのネウロイも順当に砕け散っていた。 ミーナ「俺さんは!?」 リーネ「あそこです!」 リーネの指差した上空からフラフラになりながら降りてくる俺がいた。 俺「へ・・・へへ・・・どうっスか・・・」 ミーナ「どうもこうもないわ!あんな無茶して・・・」 俺「ははは・・・面目・・・ないっ・・・」 ゲルト「俺!?」 墜ちそうになるすかさずゲルトが抱えあげた。 俺「すみませんっス・・・ちょっと魔力を使いすぎたみたいっスね・・・」 ゲルト「まったく無茶をする・・・」 ミーナ「はぁ・・・また無茶をする子が増えたわね・・・」 ミーナ「・・・まぁ、結果は重畳の至りってとこかしらね。」 かくしてストライクウィッチーズはカールスラントでの初の戦果を挙げたのだった。 ---基地内医務室--- 俺「う・・・ん・・・」 芳佳「あ、俺さんおきましたか?」 俺「宮・・・藤さん?ここは・・・?」 芳佳「基地の医務室ですよ。俺さん、戦いの後気を失っちゃったんです。」 俺「そうだったんスか・・・ご迷惑をおかけしたっス。」 俺「ん?」 窓際にはサーニャとエイラがソファで寄り添って眠っていた。 芳佳「サーニャちゃんとエイラさん、俺さんを心配して、ずっとここにいたんですよ。」ニコ 俺「リトヴャク中尉とユーティライネン中尉が?」 サーニャ「ん・・・・あ、俺さん・・・よかった・・・起きたんですね。」 俺「はいっス。ご迷惑をおかけしたっス。」 エイラ「ナンダ、どうしタ・・・って俺、起きたのか。」 俺「はい、おかげさまで。お二人にはご心配おかけしたっス。」 エイラ「べ・・・別にワタシは心配してないゾ!ワタシはただサーニャの付き添いで・・・」 サーニャ「エイラ、いじわる言っちゃダメよ。」 エイラ「うっ・・・サーニャ・・・」 俺「はは・・・お2人とも、ありがとうっス。」 サーニャ「いいえ。」 エイラ「だからワタシは・・・」 芳佳「そろそろ夕飯の時間ですね。俺さん、歩けますか?」 俺「はい、おかげさまで大丈夫そうっス。」 芳佳「じゃあ、4人で食堂に向かいましょうか。」 ---食堂--- シャーリー「おっ!俺!もう大丈夫なのか?」 ルッキーニ「おれー!」 俺「はい。ご心配をおかけしたっス。」 坂本「お前の活躍聞かせてもらったぞ。まぁ少し無茶が過ぎたようだがな。はっはっは。」 ミーナ「そうね、次からは無茶しすぎないようにね。」 俺「ははは・・・面目ないっス・・・」 ゲルトの向かい側に腰をかける俺。 ゲルト「ところで俺。先ほどの戦いで使ってた銃だが・・・」 ペリーヌ「そうですわ、あんな小型なのにあの威力は・・・」 シャーリー「あれってあたしらの国の銃に似てたんだよなアレはどういう・・・」 俺「ああ、アレはリベリオンで開発中ののM16アサルトライフルってのをまわしてもらって、カスタマイズしてもらったものっス。」 リーネ「あれも、俺さん専用なんですか?」 俺「そうっスね。俺は基本近接戦闘型っスから片手で扱える銃のほうが都合がいいんス。」 俺「それでもって威力も必要だからって、アサルトライフルの銃身を切り詰めたらあんな感じになったっス。」 ゲルト「しかしあれではリコイル(反動)も並みではないだろう。」 俺「そうっスね。アレに慣れるのに3年はかかったっス。」 エーリカ「付き合い長いんだね~」 俺「はい、もはや俺には欠かせない相棒っス。」 坂本「聞いた話だと、お前は扶桑刀を使っていたそうじゃないか。」 俺「はい、刀が俺のメインの戦い方っス。」 坂本「どういう戦い方をするんだ?」 俺「自分の場合、銃で牽制しながら隙が出来たところで魔力を溜めて斬る・・・って感じですかね。」 坂本「魔力を溜める・・・まるで『雲耀』だな。」 俺「ああ、それっス。黒江さんっていうウィッチの方の噂を聞いて、噂に聞いた通りに修行したらできるようになったっス。まだ、未完成ですけどね。」 坂本「噂だけで身につけたのか・・・大したものだ・・・それで剣術はどういう経緯で身に付けたんだ?」 俺「あれは親父に教えてもらって身に付けました。親父は扶桑で剣術の師範やってましたから、俺もよく稽古をつけられてたんス。」 坂本「そうか。では刀は親父さんの・・・」 俺「はい、親父から餞別にもらいました。」 俺(親父・・・元気にしてるかな・・・) 坂本「どうした?俺?」 俺「あ、いやなんでもないっス!あはははは・・・」 坂本「?」 サーニャ「俺さん、あの・・・早く食べないと・・・」 エイラ「冷めちまうゾ。」 俺「ああ、つい話し込んじゃったっス。いただきます!」 このあともしばらく雑談が続いた。 数時間後・・・ ---ブリーフィングルーム--- デブリーフィングのために皆が集まっていた。 ミーナ「みなさん、今日はお疲れ様でした。」 ミーナ「久々の戦闘だったのによく戦ってくれたと思います。」 ミーナ「それに、俺さんもここでははじめてなのによく戦ってくれました。」 ミーナ「あなたがいなければもしかしたら負けていたかもしれませんね。」 俺「そ、それはちょっと褒めすぎっス・・・///」 ゲルト「謙遜することは無いぞ。むしろ一等兵のままにしておくのが惜しいくらいだ。カールスラント軍人ならもっと誇りををもって・・・」 エーリカ「俺はカールスラント軍人じゃないでしょって・・・」 俺「いえ、今は一応カールスラント空軍預かりっス・・・」 エーリカ「マジで?」 ゲルト「だから言っただろう。」 ミーナ「フフフ。確かに、一等兵にしておくのはもったいないわね。ただ、あまり無茶はしすぎないでね。」 俺「はい・・・了解っス。」 ミーナ「予報では、しばらくの間はネウロイはこないそうです。」 ミーナ「なので明日は一日休暇としたいと思います。」 芳佳「やったー!」 リーネ「芳佳ちゃん明日はどうする?」 芳佳「えっとねー・・・」 エイラ「サーニャはどうしたい?」 サーニャ「わたしは・・・」 皆が一様に明日の休暇について話している。 俺(俺はどうすっかな・・・) サーニャ「あ・・・あの俺さん・・・」 俺「え?あ、はい、なんでしょうリトヴャク中尉?」 サーニャ「よかったら・・・明日、私たちと一緒に買い物に行きませんか・・・?」 俺「え?」 エイラ「お前、サーニャが誘ってるんだゾ。もし断ったら・・・」 俺「は、はい!よろこんで!」 サーニャ「よかった・・・それじゃあまた明日。」 俺「はいっス!」 俺(あ、それなら便箋でも探しにいこっかな・・・) ミーナ「それで、宮藤さんと坂本少佐。」 芳佳「はい?」 坂本「なんだ?」 ミーナ「あとで私とハンガーへ来てもらえるかしら?」 宮藤と坂本が顔を見合わせて首をかしげた。 ---俺の自室--- 同日深夜 0 00 なぜか俺は目が覚めてしまった。 俺「ん・・・んん?」 ?「やぁ、こんばんは。」 目を開けるとベッドの近くに見慣れない少年がたっていた。 俺「!? 誰だお前!どこから入ってきた!?」 ?「そんな大声出さなくても・・・」 ?「長い間僕は君を待ってたって言うのに・・・」 俺「・・・?」 ?「それよりも、もうすぐ『満月』だね。」 窓を指差す少年。たしかに外の月は後3日ほどで満月になりそうだ。 俺「それが・・・どうしたんだ・・・」 ?「いや?ただ君にはもうすぐ試練が降りかかるかもしれない。」 俺「どういう意味だ・・・?」 ?「そのままの意味だよ。ま、その日になれば分かることだよ。」 俺「?」 ?「じゃあ僕はもう行くよ。またね。」 俺「ちょ、まて!お前の名前は!?」 少年の姿が次第に消えていく。 ?「そうだなーじゃあ・・・」 ?「アニマってことで。」 俺「アニマ・・・」 アニマ「じゃあね。」 そういって少年は消えていった。 俺「一体なんだったんだ・・・」 デブリーフィングのあと、呼び出された宮藤と坂本はミーナに連れられハンガーへ向かっていた。 ---基地内廊下--- 坂本「なあミーナ。一体何があるんだ?」 ミーナ「それはハンガーへ行けば分かるわ。」 坂本「焦らすとは、お前らしくも無い。」 ミーナ「まぁついてくれば分かるわよ。ふふふ。」 ミーナの顔はどこかうれしそうだった。 ---基地内ハンガー--- ミーナ「ついたわ。」 格納庫には全員のストライカーが並べられていた。 そして真ん中にはポツンと布のかけられたなにかがあった。 芳佳「あれ、なんですかミーナ隊長?」 ミーナ「ふふっ。ついてきて。」 そういって2人をその物体の元へ誘導する。 坂本「見せたいものというのはこれか?」 ミーナ「ええ。じゃあ、見せるわね。」バサッ ミーナが布を取り払うとそこには・・・ 芳佳「あ・・・あぁ・・・!震電!!」 それは先の戦いで宮藤が使っていたストライカーだった。そしてその横には寄り添うように・・・ 坂本「これは・・・烈風丸!!」 そう、坂本が使っていた扶桑刀がそこにはあった。 坂本「ミーナ!これは一体・・・」 2人が驚くのも無理は無かった。なにせこの2つは先のロマーニャ開放作戦以降行方不明だったのだから。 ミーナ「ええ、どうやらどこかの砂浜でこの2つがあがっているのを誰かが発見したみたいで・・・」 ミーナ「発見されたあと一度扶桑に送られて、修理してこちらに送ってきてくれたようね。」 芳佳「誰かは分からないんですか?」 ミーナ「ええ、なにせ宛名不明で扶桑に送られてきたそうだから・・・」 芳佳「そうなんですか・・・お礼・・・したかったな・・・」 ミーナ「そうね・・・この戦いが終わったら探しにいってみるといいわ。」 芳佳「そうですね・・・そうします。」 坂本「しかし・・・烈風丸まで手入れをしてもらえるとは・・・」 烈風丸の刃はピカピカに磨かれていた。 ミーナ「なんでも扶桑の刀職人さんが丹精込めて手入れしてくださったそうよ。世界を救った英雄の刀だからって。」 坂本「英雄だなんて・・・私は・・・」 芳佳「そんなことないです!坂本さんはウィッチの鑑です!」 坂本「そういわれると照れてしまうな///」 ミーナ「フフフ、2人とも喜んでもらえたようでよかったわ。」 芳佳「はい!これはお父さんが私たちに遺してくれたものですから・・・」 坂本「そうだな・・・」 ミーナ「ええ・・・」 次の日・・・ この日は休暇のため外出組はシャーリーの運転で町へ繰り出していた。 ---街中--- シャーリー「んじゃ、あとで集合場所でな。」 サーニャ「はい。」 ブロロロロロロロ・・・ 俺「ちょっと酔った・・・うぇ・・・」 エイラ「大丈夫カ?今日はシャーリー安全運転だったのにナ。乗り物がダメだなんて意外な弱点ダナ。」ニヤニヤ 俺(なんかわかんないけど悔しい・・・) 俺「それで、どこに行くんですか?」 サーニャ「えっと・・・この前ハルトマンさんに教えてもらった雑貨屋さんにいきます。」 エイラ「はぐれんなヨー。」 俺「はいっス。」 3人はまず雑貨屋に向かうことにした。 サーニャ「あっ・・・ここみたいです。」 目の前には大きな雑貨店があった。 俺「おお、なかなかおおきいっスね・・・」 エイラ「ほら、ボサっとしてるとおいてくゾ。」 俺「あ、まってくださいっス!」アセアセ ---店内--- 俺「えっと・・・便箋はっと・・・」 店の品揃えはなかなかで、便箋だけでも結構な種類があった。 俺「こうも多いと迷うな・・・」 サーニャ「あの・・・俺さん・・・」 俺「なんスか?リトヴャク中尉。」 サーニャ「あ、えと・・・その、『サーニャ』って呼んでほしいです・・・皆にもそう呼んでもらってるから。」 俺「は・・・はぁ・・・じゃあ、サーニャさん。」 サーニャ「はい。」ニコッ エイラ「わ・・・ワタシも『エイラ』でいいぞ。堅苦しいのはその・・・苦手だからナ。」 俺「はいっス。エイラさん。」 俺「それで、用があったんじゃ・・・」 サーニャ「あ、そうでした・・・便箋探してるんですよね?・・・あの、これなんかどうですか?」 便箋には巷で人気のネコペンギンがデザインされていた。 俺「これは・・・確か、ネコペンギン・・・」 エイラ「せっかくサーニャが選んだんダ。もし、むげにしたら・・・」 サーニャ「脅しちゃダメよ、エイラ。」 エイラ「ゴ・・・ゴメン、サーニャ。」 エイラ「で、どうするんダ?」 俺「う~んせっかく選んでもらったし、こんなに多いと決められないんでこれにするっス。」 サーニャ「本当ですか・・・?気に入ってもらえてよかった・・・」 俺の言葉にサーニャの表情がパァっと明るくなった。 俺(前から思ってたけど・・・か、かわいい・・・///) エイラ「な、サーニャ、可愛いダロ?」ヒソヒソ どうやら俺の内心は顔に出てしまっていたようだ。 俺「は・・・はいっス・・・何かこう、こみ上げてくるような・・・」ヒソヒソ エイラ「ほぅ・・・お前とはいい酒がのめそうダナ・・・」ヒソヒソ サーニャ「? どうしたの、2人とも?」 エイラ「あ、い、いや!」アセアセ 俺「な・・・なんでもないっスよ!あは、あはははははは!」アセアセ サーニャ「?」 その後も3人はしばらく買い物を続けることにした。 同日13 30 ---街中--- 俺「ちょ・・・エイラさん・・・こんなに買って・・・重っ!」 エイラ「男なんだからつべこべ言うナー」 サーニャ「エイラ、持ってもらうんだったら少しは遠慮するものよ・・・」 エイラ「いいんだよサーニャ。こういうときはむしろ遠慮しちゃダメなんダ。」 サーニャ「でも、俺さん重そう・・・」 俺「大丈夫っス!このくらい扶桑男児として・・・あ、オラーシャ男児でもあるか。とにかく俺にも意地があるっス!」 エイラ「ほら、あいつもああいってるしナ。」 サーニャ「う・・・うん・・・」 エイラ「それよりそろそろご飯が食べたいナ・・・どっかいい店は・・・」 俺「あ、あそこなんてどうっスか?」 荷物でふさがった手で懸命に指をさす俺。そこには手ごろなカフェがあった。 エイラ「お、いいんじゃないカ?な、サーニャ。」 サーニャ「そうね、あそこにしましょう。」 とりあえず3人はそのカフェに入ることにした。 カランカラン 店員「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」 エイラ「3人だゾ。」 店員「荷物が多いようでしたらこちらでお預かりいたしますが・・・」 俺「お・・・お願いするっス・・・」 店員「か・・・かしこまりました。」 店員もさすがの荷物の多さに驚いていた。 店員「では席へご案内いたします。」 ---店内--- エイラ「へ~。改めて見ると結構きれいな町ダナ。」 カフェからのぞく町の風景先ほどとはまた違った雰囲気を感じさせた。 俺「海に近いとこはネウロイに襲われにくいらしいっスからね。」 サーニャ「ここもはやく開放して安心させてあげたいね。」 エイラ「そうだナ・・・」 俺「それでお2人とも、なに頼みますか?」 エイラ「そうだナー・・・サーニャはなに食べたい?」 サーニャ「じゃあ、わたしはチョコレートのトルテ・・・」 エイラ「んじゃあアタシはチーズケーキにしようかナ。お前はどうするんだ?」 俺「もち、バウムクーヘンっス!」 エイラ「へ~。おまえ意外と甘党なのか。」 俺「はいっス!スイーツ最高っス!」 エイラ「それじゃあ頼むぞ。」 エイラがベルを鳴らす。 店員「ご注文はお決まりでしょうか?」 エイラ「えーっと・・・キッシュトルテ(チョコのトルテ)と、ケーゼザーネトルテ(チーズケーキ)と・・・」 俺「バウムクーヘン!!」 エイラ「・・・あとコーヒーを2つとココアを頼ム。」 店員「かしこまりました。少々お待ちください。」 エイラ「あ、そうだ・・・」 エイラはポケットから何かを取り出す。 俺「それは?」 エイラ「フフン♪これは『タロットカード』ダ。」 俺「タロット?」 サーニャ「エイラはこのカードをつかって占いが出来るんです。」 俺「へぇ・・・そうなんスか。」 エイラ「せっかくだからお前の未来を占ってやろう。」 そういうとエイラはカードをカットする。 俺「なんか緊張するな・・・」 テーブルの上に六にカードを並べ、中心に一枚のカードを置く。計、7枚のカードが並べられた。 エイラ「ヘキサグラムって言って、一番メジャーな占い方なんダ。じゃあめくるゾ。」 ヘキサグラムは一番真上のカードから時計回りに【過去】、【方法】、【現在】、【環境】、【未来】、【無意識】を表し、真ん中に置かれたカードが【核心】を表す。 ※詳しくはこのページを参照 エイラが全てのカードをめくる。 エイラ「げっ・・・」 俺「どうしたんスか?」 エイラ「お前これから災難に見舞われるかもナ・・・」 そう言ってエイラが見せたのは『塔』の正位置のカード。【未来】の部分に置かれたカードであった。 俺「そのカードにはどんな意味が?」 エイラ「塔のカードはな、災難とか転落を意味していて、その人に試練を与えることを暗示するカードなんダ。」 俺「試練・・・」 不意に昨日の出来事を思い出す。 俺(あのアニマとかいうやつも同じことを言っていた・・・) 俺(試練って一体なんなんだ・・・?) サーニャ「俺さん?」 俺「え、はい?」 エイラ「大丈夫カ?ボーっとしてたゾ。」 俺「ああいや、ちょっと考え事を・・・」 エイラ「お!でも気を落すことはないみたいダゾ。」 俺「なんでっスか?」 エイラ「ほらここ。真ん中に置いてあるカード。これは、『世界』の正位置ダ。」 俺「世界?」 エイラ「ああ、これは絶対の成功が約束されるカードダ。よかったな、お前の望みは叶いそうだゾ。」 サーニャ「よかったですね、俺さん。」 俺「はい。よかった・・・のかな?」 店員「おまたせいたしました。」 そんな事をしていると店員がケーキを運んできた。 その後も店の中でオラーシャの話しやら、以前の501での彼女達の活躍の話などで盛り上がった。 一通り食べ終えた後は、少し町をぶらつき、シャーリーたちと合流して外出組は基地へと帰った。 続き→ペルソナ4 -ページ先頭へ
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神話 シャマシャナという森に棲む、憤怒の相をしたインド神話の魔神。 戦闘・財福・冥府の三つを司る神。 インド神話の破壊神・シヴァの別名でもある。 名前はサンスクリッドの言葉で「大いなる暗黒」を意味し、後に仏教に至る際、「財福」を司る神格が強調され大黒天になったとされる。 これが神道においてオオクニヌシと習合され、いわゆる七福神の一柱「大黒さま」として崇拝されることとなる。 多数の剣を手にした恐ろしい姿だが、手厚く奉れば信奉者に多大な福や富をもたらす。 非公式 真・女神転生 初出であり、該当する種族は「天魔」。 かなりレベルの高い悪魔であるため、合体で生み出すためにはヒーロー自体のLV上げが必要となる。 しかしCHAOSルートではベルゼブブ・ラーヴァナなど強力な仲魔が手に入るため、合体で作り出すこと自体がやりこみに対してのご褒美と言えなくもない。 ペルソナ2罪/ペルソナ2罰 他の七福神のペルソナ(サラスヴァティ・ビシャモンテン・フクロクジュ・ホテイ・エビス・ナンキョクロウジン)同様ペルソナとして登場。 ペルソナ2罪では帰還アイテムは全てのパラメータを+3する「打出の小槌」のため、ついつい召喚したくなるところだが… 女神異聞録デビルサバイバー 「魔神」種族として登場。 その性質上同種の悪魔は1体しか召喚・ストックできない物が多い魔神の中では唯一複数召喚・ストック可能。 能力 「死神」コミュがMAXに到達することで合体可能となる。 暗黒の王。 初期Lv 78 アギダイン(初期) 刹那五月雨撃(初期) チャージ(初期) コンセントレイト(80) マハラギダイン(82) マハムドオン(83) 火炎ハイブースタ(84) ムド成功率UP(85) 火炎吸収 電撃反射 闇無効
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俺「ストライクウィッチーズ.....なのかもしれない」 95-142 前へ 目次へ戻る 次へ Episode7 『法王と恋愛』 その日の夜 ---俺の部屋--- 俺(今日はかなり気張ったな・・・でもスカアハのおかげでまだ魔力に余裕がある・・・) スカアハが与えた魔力は絶大なものだった。 疲労もいつもより軽い。 俺「それでだ・・・」 そう言って机に目をやるとまたカードが置かれていた。今回は2枚だ。 俺(誰がおいてってるんだこれ?アニマか?) そう言ってカードに目を向ける。 片方のカードには王冠をかぶり、手に杖を持った女性の姿が、 もう片方には同じく冠をかぶり王座にすわっている男性が描かれていた。 女性のカードには【EMPRESS】そして男性のカードには【EMPEROR】と書かれている。 俺(やっぱ、エイラさんに見せてもらったカードと似ている・・・) 次の瞬間、カードが光を発する。 俺「うわっ・・・なんだ・・・」 2枚あったはずのカードはいつの間にか一つになっていた。 そこには太陽が描かれており、下には【SUN】と書かれていた。 俺「・・・・・・」 そしていつものように頭の中に声が響く・・・ ―――我が名は――オーディン―― ――汝に我が力を与えん――我が雷(いかずち)の力を―― それと―― 俺(・・・?) ――コンゴトモヨロシク・・・――― 頭に響いていた声が消える。 俺「・・・・・・よろしくっス、オーディン・・・」 翌日の朝 今回の戦いでミーナが消耗してしまったため、デブリーフィングは後日に持ち越されることになっていた。 ---ブリーフィングルーム--- ミーナ「皆さん、昨晩はお疲れ様でした。」 ミーナ「ネウロイが3体も出現したというのに良く頑張ってくれたと思います。」 ミーナ「それで、昨日の件について俺一等兵からみなさんへお話しがあるそうです。俺一等兵。」 俺「はいっス。」 俺「えっと、とりあえず皆さん、昨晩はお疲れ様でしたっス。」 俺「それで、今回戦っていて気づいたことがあります。」 ゲルト「気づいたこと?」 俺「はいっス。まず攻撃が当たらないネウロイの出現するルーティンが分かりました。」 俺「ズバリ、『満月』の夜っス。」 エーリカ「満月の夜?」 俺「はい、前回俺とサーニャさんとリーネさんで戦った時も満月でしたし、魔法使いみたいな奴も、満月の日に現われたっス。」 サーニャ「そういえば・・・」 俺「ということは次の奴も満月の夜に出ると見て間違いないと思うっス。」 ミーナ「なるほどね・・・敵の出現周期がつかめたことは、これから私たちにとって大きなアドバンテージになるわね。」 俺「はい。それと、もう一つ。」 俺「あいつらは特定の人の攻撃でしかコアを破壊できないことっス。」 坂本「どういうことだ?」 俺「あいつらの装甲は俺と宮藤さんを除いて当てられる人が限られるみたいっス。」 俺「しかも俺も宮藤さんも装甲がはがせても、コアまでは破壊できなかったっス。」 シャーリー「でも、昨日は宮藤が破壊したよな?あのコア。」 俺「はい。でも、攻撃できたのはあくまで『坂本少佐』の刀で攻撃したからっス。」 俺「その前の宮藤さんの攻撃ではコアは破壊できていなかったわけですし。」 芳佳「確かに・・・」 俺「それ以前の戦いでも、リーネさんが攻撃して当てられたけど、今回は当たんなかったはずっス。」 坂本「そうなのか、リーネ?」 リーネ「はい・・・前回は当てられましたけど今回はダメでした・・・」 俺「ミーナ隊長も今回は当てられてましたよね?」 ミーナ「ええ、そうね。」 俺「おそらく、これからあいつらが来たとき攻撃を当てられる人がまた変わるはずっス。」 俺「正確な目星はつかないっスけど、俺と宮藤さん以外で攻撃が当たった人がその時コアを破壊できる人、と見て間違いないはずです。」 俺「どうして俺と宮藤さんだけがあいつらの装甲をはがせるのかはよくわからないっス。」 俺「ただ、これから満月の日は全員で出撃しなきゃ勝てないと思うっス。」 ミーナ「そうね・・・大体はわかりました。俺さんありがとう。」 俺「ちょっとわかりにくかったっスね、申し訳ない・・・」 エイラ「なあ、ちょっといいカ?」 ミーナ「どうしました、エイラさん?」 エイラ「ワタシもちょっと気づいたことがあるんだ。」 そう言ってエイラはポケットからタロットを取り出す。 エイラ「みんな、ちょっとこれ見てクレ。」 ルッキーニ「なになにー?」 ペリーヌ「タロットがどうかしまして?」 エイラ「ホラ、この絵見てくれ。」 そう言ってエイラは魔術師のカードを見せる。 リーネ「それが、なにか・・・?」 エイラ「あと、これとこれとこれもダ。」 それから3枚のカードを並べる。 女教皇、女帝、皇帝のカードだ。 エイラ「これ、あいつらの形と似てないカ?」 芳佳「あ、ほんとだ!」 ミーナ「確かに似てるわね・・・」 エイラ「しかもこれ、ちゃんと順番になってるんダ。」 タロットの数字はたしかにⅠ~Ⅳと順番になっていた。 エイラ「ってことはサ、次に出てくるのは・・・」 エイラが一枚のカードを取り出す。 振られた番号は『法王』のカードだ。 エイラ「たぶん、こいつなんじゃないカ?」 坂本「ほう・・・たしかにこの札の順番で出てくるなら次はそいつのような奴が来るということか・・・」 エイラ「ああ、たぶんナ。」 エーリカ「でもさ、そのカードって全部で何枚あんの?」 エイラ「全部で22枚ダ。」 エーリカ「ってことは今回でこの4枚目まで倒したから・・・」 ゲルト「残りは18体といったところか・・・」 エイラ「愚者に似た形をしたやつは出てきてないみたいだから、正確には17ダナ。」 ペリーヌ「あと17回も戦うんですの・・・?気の遠くなる話ですわね・・・」 芳佳「・・・で、でもすごいです、エイラさん!良く気づきましたね!」 エイラ「ま・・・まあな!タロットは普段から見てるし、このくらいはわかって当然ダ。」 ミーナ「ええ、多いけれど、敵の数まで分かったし、かなり大きな収穫ね!」 敵の行動パターンが次第に明らかになってきた。 ミーナ「では、これからはこの特殊なネウロイを『アルカナネウロイ』と名づけ、各ネウロイにはカードに応じた名前を付けることとします。」 ミーナ「というわけで次に出現するネウロイは・・・」 エイラ「『法王』だから・・・『ハイエロファント』って感じかナ。」 ミーナ「ええ、そうね。それと、今回のように2体一緒に出る可能性もありますから気を引き締めていきましょう!」 次第に敵のことがだんだんと分かってきた。 残り17体・・・それが俺とウィッチたちに課せられた試練の残りだ。 翌日 ---ブリーフィングルーム--- ミーナ「それじゃあ、エイラさん、よろしくお願いします。」 エイラ「ああ。」 エイラ「それじゃあ説明を始めるゾ。」 アルカナネウロイが現われ、少しでも敵のことを知るためにと、エイラがタロットのアルカナについて講義することになった。 エイラ「まず、タロットにはそれぞれ『アルカナ』ってのがあるんダ。」 エイラ「『アルカナ』ってのはラテン語の『アルカナム』って言葉の複数形で、秘密とか、神秘を意味しているんダ。」 エイラ「これはよくどっかの思想の『カバラ』ってのと関連させるらしいんだけど、ワタシは良く知らないから説明はとばすナ。」 エイラ「で、タロットには大アルカナと小アルカナってのがあって、占いに使うこのカードは大アルカナっていう代表的な22番までのアルカナが使われてる。」 エイラ「それで、この大アルカナはそれぞれに意味が与えられていて、順番に辿ると人の成長過程の縮図になるんダ。」 エイラ「まずはこれを見てくれ。」 そう言ってエイラが一枚のカードを取り出す。 エイラ「これは『愚者』のカード。番号は見ての通り0番目ダ。」 エイラ「アルカナの物語はこのカードから始まる。じゃあ、順番に見ていくゾ。」ペラッ エイラ「まず、『愚者』は始まりを意味して、無限の可能性を示唆する。つまり人生の始まりダ。」 エイラ「次の『魔術師』は創造、そして積極性を表す。それと同時に未熟さを表すカードでもあるんダ。」 エイラ「その次はこの『女教皇』。これは精神の成長とそれに欠かせない知識を与える存在ダ。」 エイラ「次の『女帝』で出会うのは母性とその生命力。ワタシは母なる慈愛って教えてもらったナ。」 エイラ「『皇帝』は女帝と対を成すカード。父性を表し、統率力や決断力を示す。」 エイラ「ここまでがワタシたちが倒したネウロイのアルカナダナ。」 エイラ「それで次に来るのが『法王』。寛容と精神の充実、宗教や精神世界との出会いを示唆するものダ。」 エイラ「『恋愛』は自分だけのものを選択すること。ここで人に自我が目覚めるんダ。」 エイラ「『戦車』。これは勝利を意味する。でも、ここで得る勝利は若くて、目に見える勝利だ。真の勝利まではまだ遠いナ。」 エイラ「次は『剛毅』。自分の意思と情熱、理性を持った力ダ。」 エイラ「『隠者』は探求者。自分自身の内面やさらにその奥深くへと入ってゆく。」 エイラ「『運命』。人が干渉できないもの。その中で得る自分の将来の決断を意味する。」 エイラ「その次は『正義』のアルカナ。名前の通り、公明正大さを表すものダ。自分の中で、善悪や理性が出てきたんダナ。」 エイラ「そして『刑死者』で一度身動きが取れなくなる。そして・・・」 エイラ「『死神』。13番目のカードダ。精神の死を意味する・・・それと共に転機やターニングポイントを示すカードでも有るゾ。」 エイラ「古いものは終わって、新しいものが生まれるんダ。」 エイラ「ここからは転機後の歩みダ。」 エイラ「『節制』は価値の対立の中で生まれる調和。異なる価値観に触れることで人は成長していくんダ。」 エイラ「そのなかで人は『悪魔』で表されるように甘い言葉や誘惑を受けて迷いそうになる。」 エイラ「そして次の『塔』で一度価値観が崩壊する。これで何もなくなった・・・ってわけでもないんダ。」 エイラ「その中で見つけるのが希望という名の小さな光。『星』のカードダ。」 エイラ「『月』が表すように不安ながらも1歩ずつ、ゆっくりと人は歩みを進めて・・・」 エイラ「その先に暖かい未来を得るんダ。これが次のカードの『太陽』。本当の意味での達成ダ。」 エイラ「その旅の終わりに待ち構えるのがこの『審判』のカード。歩んだ道を振り返り、裁かれるときダ。」 エイラ「そしてたどりついた『世界』。やがて人がたどりつくその人自信の場所となるんダ。」 エイラ「これがタロットの説く、人間の成長なんダ・・・って・・・」 エーリカ「Zzz・・・」 ルッキーニ「Zzz・・・」 サーニャ「Zzz・・・」 シャーリー「???」 芳佳「えーっと・・・」 リーネ「ちょっと難しいね・・・」 ペリーヌ「えっと・・・恋愛が・・・で・・・皇帝が・・・??」 坂本「ふむ・・・」 ゲルト「つ・・・つまり・・・どういうことだってばよ・・・」 ミーナ「私にもちょっと分からないわね・・・」 俺「・・・・・・」 エイラ「オマエラ、ちゃんと聞ケー!!」 講義はあまり意味を成さなかったようだ。 ---基地内バルコニー--- 俺「おまたせっス!」 シャーリー「お!」 ルッキーニ「きたー!」 俺は先日に約束したブルーベリーを使ったパイを振舞うことになった。 俺「結構いい感じに焼けたとおもうっスよ!」 そう言い、パイを12等分に切り分ける。 俺「全員に行き渡ったっスね。どうぞ冷めないうちに召し上がってくださいっス!」 芳佳「いただきまーす!」サクサクモグモグ ペリーヌ「これはなかなか・・・いけますわね・・・」 エーリカ「外がサックサクでなかがトロ~っとしてておいし~!」モグモグ サーニャ「おいしい・・・」 ゲルト「クリスにも食べさせてやりたいな・・・」サクサク 俺「あ、そのクリスって誰なんスか?今まで気になってたんスけど・・・」 ゲルト「そういえばお前には言ってなかったな・・・クリス・・・クリスティアーネは私の妹の名前だ。」 俺「大尉、妹さんがいらっしゃったんですね・・・」 ゲルト「ああ。クリスは前のカールスラントでのネウロイの襲撃で私が撃墜したネウロイの破片を浴びてしまってな・・・」 ゲルト「それで精神も病んでしまったようでな、しばらく昏睡状態だったんだ・・・」 俺「そうだったんですか・・・」 ゲルト「い、いや、そう暗い顔をするな。クリスも今は昏睡からさめて快方に向かってるんだ。」 俺「そうなんスか!?よかった・・・」 ゲルト「そうだな・・・私はクリスの人生の時間を・・・幸せでいられたはずの時間を奪ってしまった・・・」 ゲルト「だから私はこのカールスラントの平和な空を、もう一度クリスに見せてやりたいんだ。」 ゲルト「だから私は飛ぶんだ。これまでも、そしてこれからも・・・」 俺「はいっス。だったら俺もそのお手伝いをさせてもらうだけっス。」 ゲルト「ありがとう、頼りにしているぞ。」 サーニャ「・・・・・・」ボーッ… エイラ「どうしタ?サーニャ、ずっと大尉のほう見て。」 サーニャ「え?ううんなんでもないよ、エイラ。」 エイラ「そうカ?しかしうまいなコレ。」モグモグ サーニャ「そうね・・・」 サーニャ(なんだろう・・・この気持ち・・・) 数週間後・・・ ---俺の部屋--- 深夜0 00 またこの時間がやってくる。 もはや聞きなれた声がすぐそこで聞こえてくる。 アニマ「もしも~し?起きてる?」 俺「ああ・・・お前か・・・」 アニマ「今日も会いに来たよ。」 俺「会いにこられても正直良い気分ではないけどな。」 アニマ「相変わらずつめたいな~。友達になったのにさ。」 アニマ「でさ、この前あげたアレ。まだちゃんと持ってる?」 俺「あれか。そこにあるよ。」 この前もらった鍵は机の上に置かれたままだった。 アニマ「ダメだよ、ちゃんと肌身離さず持ってなきゃ。」 俺「あれはなんなんだよ。どこの鍵なんだ?」 アニマ「それは知らない。鍵を使う場所は君が決めるんだ。」 俺「またわけの分からないことを・・・」 アニマ「とにかく、それはお守りみたいなものだからさ。いつも持っててくれよ。」 俺「わかったよ・・・」 アニマ「約束だよ?じゃあね!」スー 俺「あ、おい!」 そのままアニマは消えてしまった。 俺「今回は何体か聞きそびれたな・・・」 3日後 ---ブリーフィングルーム--- 朝 ミーナ「皆さん、今日はアルカナネウロイが出現する日です。」 ミーナ「幸い、今日はほかのネウロイが来る気配はありません。」 ミーナ「ですので、皆さんはこのまま夜に備えて睡眠をとってください。」 全員「了解。」 数時間後・・・ ---基地内ラウンジ--- 俺「なかなか眠れないから来たものの・・・何するかな・・・」 サーニャ「俺・・・さん・・・?」 俺「あれ?サーニャさん。眠れないんスか?」 サーニャ「はい・・・なんだか・・・寝付けなくて・・・」 俺「俺もっスよ。そだ、なんか飲み物入れますね。そこ座って待っててくださいっス。」 俺「えっとたしかこの前扶桑から届いたはずなんだけど・・・」 何度かお菓子を作ってるうちに俺は基地の物資の搬入状況に詳しくなっていた。 俺「あ、あった。」 取り出したのは一本のビン。 俺「これを入れて水に溶かして・・・クルクルっと・・・」クルクル ビンの中身をコップに注ぎ、それを水で薄める。 さらに薄めたものをかき回し、中の原液を溶かし、なじませる。 俺「おまたせっス!」 サーニャ「なんですか?その白いもの・・・?」 俺「これは扶桑の飲み物で『カルピス』っていうっス!」 サーニャ「カル・・・ピス・・・?」 俺「はいっス。甘くてめちゃウマなんスよ~。よかったら飲んでみてくださいっス。」 サーニャ「は・・・はい・・・いただきます・・・」ゴクゴク 口の中で心地よい甘酸っぱさが広がる。 俺「どうっスか?」 サーニャ「おいしい・・・」パァァァ サーニャの顔が明るくなった。 俺「はっはっは!やっぱこのおいしさは万国共通っスね!」 サーニャ「俺さん・・・」 俺「はい?」 サーニャ「あの、もし良かったら俺さんのご両親のお話・・・聞きたいです・・・」 俺「俺の両親っスか?ええ、別に構わないっスけど・・・」 サーニャ「あの、お願いします・・・」 俺「わかったっス・・・つってもどこから話せばいいのか・・・」 俺「とりあえず俺の親父は扶桑人でおふくろはオラーシャ人っス。」 俺「親父はなんでも、剣の修行のために世界中を回ってたらしくて、そんで、オラーシャで空腹で行き倒れてるとこをおふくろが助けてそこからだんだん仲良くなっていったらしいっス。」 俺「親父は話したことがあるとおり扶桑で剣術道場をやってるっス。」 俺「で、おふくろは・・・なんだっけな。たしかなんかの研究者だったっス。」 サーニャ「研究者・・・?」 俺「はいっス。でもよく覚えてないんスよね・・・」 俺「で、しばらくの間は家族3人でオラーシャに住んでたっス。んで6歳くらいにおふくろの研究の都合でブリタニアに越したんス。」 俺「越してからは親父は町で出稼ぎしながら働いて、おふくろは家にいることがおおかったっスけど、たまに研究室に顔だしてたっス。」 俺「そんで9歳か10歳のときだったかな・・・俺がわがまま言っておふくろの研究施設に連れてってもらったんス。」 俺「それで・・・」 サーニャ「・・・?」 俺「・・・おふくろは俺が研究室を見に行った日に死んだっス・・・・・」 サーニャ「!!」 俺「なんでも研究所で爆発がおこって・・・幸い俺だけが助かったみたいっス・・・」 俺「つっても俺、精神的ショックだかなんだかでそのときの記憶だけが無いんスよね・・・」 俺「だからその日になにがあったかよく覚えてないんス・・・」 サーニャ「・・・ごめんなさい・・・・」 俺「そんな、何でサーニャさんが謝るんスか・・・俺こそ、こんな辛気臭い話になっちゃって申し訳ないっス・・・」 サーニャ「俺さん・・・」 俺「・・・そだ!せっかくだからサーニャさんのご両親の話もききたいっス!ダメ・・・っスか?」 サーニャ「いえ・・・ぜひお話しさせてください。」 その後しばらく2人はラウンジで両親や自身の事について語り合った。 俺「へぇ・・・ウィーンで音楽を・・・」 サーニャ「はい、お父さまに勧めてもらって・・・それで・・・」 俺「そうなんスか・・・あの、サーニャさんのピアノ・・・ぜひ聴きたいっス。」 サーニャ「いまはみんな起きちゃうから・・・弾くなら今日の戦いが終わってから・・・」 俺「そうっスね・・・楽しみにしてるっス!」 サーニャ「・・・はい。」ニコ 夜 ---バルト海上空--- 不気味なほど大きな満月がバルト海の海面を怪しく照らす。 ミーナ「不気味ね・・・嵐の前の静けさ・・・といったところかしら。」 ゲルト「ああ・・・気味が悪いな・・・」 深夜0 00 時刻が0 00をまわる その瞬間、月光をバックにネウロイが出現する。 俺&サーニャ「・・・きた!」 ネウロイの姿はエイラのタロットのように、法王の姿をしていた。 俺「月の方向にネウロイ『ハイエロファント』を確認!」 ミーナ「了解!全機、フォーメーション・オスカー!」 全員「了解!」 ミーナ「まずは各ロッテで順番に攻撃、命中させた人はそのまま攻撃に参加して!」 ペリーヌ「行きますわよリーネさん!」 リーネ「はい!!」 ペリーヌ「やあああああ!!」ガガガガガガガ リーネ「いきます!」ダンッ! しかし、弾丸はかすりもしないしない。 それどころかハイエロファントは一歩も動こうとしないのだ。 ペリーヌ「クッ・・・バカにしてますの!?」 ミーナ「次!」 エイラ「サーニャ!」 サーニャ「うん!」 エイラ「いけえ!」ガガガガガガ サーニャ「今度こそ・・・おねがい!」バシュ! だがエイラとサーニャの弾も当たらない。 エイラ「クソッ!」 サーニャ「また・・・」 ゲルト「ハルトマン!」 エーリカ「おっけー!」 ゲルト「うおおおおおおおおぉぉぉ!!」バララララララララララ エーリカ「いっくよー!」バラララララララ グオオオオオオオオ! ハイエロファントが奇声を発する。弾丸が命中したのだ。 エーリカ「今度はわたしか!」 ミーナ「俺さん!宮藤さん!フラウを援護して!」 俺&芳佳「了解!」 ハイエロファントが動き始める。しかし、スピードはそれほど速くないようだ。 俺「遅い!」ガガガガガガガガガ 放った弾丸には紫色の電撃が纏われている。 俺「なんだ!?これがオーディンの力か!?」 オーディンは放った弾丸に紫電を纏わせる能力のようだ。 当然弾丸はハイエロファントに命中。 しかし装甲は硬く大きくは削れない。 だが電撃により内部の神経のようなものがやられたようで、大きくよろめく。 芳佳「烈風斬!!」ザンッ! よろめいたところを烈風斬によりハイエロファントを両断する。 だがコアは傷つけられない。この役目は・・・ 芳佳「ハルトマンさん!今です!!」 エーリカ「まかせろ!シュトゥルム!!」 エーリカのシュトゥルムによりハイエロファントのコアはあっさりと砕かれた。 そして破片が海面へと散る。 芳佳「やった!」 ゲルト「さすがだ、ハルトマン!!」 エーリカ「えっへへー、でもなーんか手ごたえ無いんだよね~・・・」 サーニャ「!?」 サーニャと俺の魔導針の色がまた変わる。 ミーナ「どうしましたか!?」 サーニャ「シリウスの方角にネウロイの反応を確認・・・数は1体・・・近いです・・・!」 シャーリー「まだいんのかよ!?」 ルッキーニ「うえ~・・・」 ゲルト「だが、そんなものは見当たらないが・・・」 俺「雲の上っス!」 エイラ「みんな!なんか来るゾ!気をつけろ!!」 エイラは近未来予知によってネウロイが来るのを察知していた。 ミーナ「全機、ブレイク!」 それぞれが散会し攻撃に備える。そのとき雲の上からネウロイがゆっくりと降りてきた。 ルッキーニ「あわわわわわわわわわ」 シャーリー「でっけー!」 それはいつものネウロイの何倍もの大きさであった。 その体はハートのような形をしていた。 俺「あれは・・・」 エイラ「『ラヴァーズ』・・・ダナ・・・」 ラヴァーズ。恋愛のアルカナをもつネウロイが現われたのだ。 ミーナ「先ほどと同じやり方で被弾するか確認します!全機、攻撃開始!!」 リーネ「あたって!」ダンッ ペリーヌ「こんどこそ・・・トネェェル!!」バリバリ!! リーネの弾丸は通り抜ける。しかし ペリーヌ「やりましたわ!!」 ペリーヌの電撃がヒットした。 ミーナ「俺さん、宮藤さんでペリーヌさんの活路を開いて!!」 俺「頼むぞ、オーディン!!」ガガガガガガガガガガ 移動しつつ様々な場所から発砲。 紫電の弾丸が四方八方からラヴァーズの装甲を順調に削る。 芳佳「力を貸して!」シュンシュン!! 宮藤のビームがさらに装甲を剥ぐ。が・・・ エイラ「!!気をつけロ!ミヤフジ!!」 しかし宮藤は攻撃に集中しているためか、その声が届いていないようだ。 そのとき・・・ クオオオオオオオ!! とラヴァーズが奇声を出すと共にビームではない怪音波のようなものが飛んでくる。 芳佳「え?」 宮藤はそれを直に浴びてしまう。 リーネ「芳佳ちゃん!!」 ペリーヌ「宮藤さん!!」 芳佳「ぐ・・・うう・・・うあああぁぁぁ!」 宮藤が苦しみだす。 芳佳「だ・・・め・・・」 宮藤が両手を味方のほうへ向ける。 ミーナ「宮藤さん!?」 ゲルト「宮藤!?」 芳佳「にげ・・・て・・・」シュンシュン!! 突然宮藤が味方に向けてビームを放つ。 エイラ「クッ・・・」 サーニャ「芳佳ちゃん・・・どうして・・・」 間一髪攻撃はシールドによって防がれた。 俺「・・・!あれは!?」 よく見ると宮藤の頭の上には黒いハートの結晶のようなものが浮いていた。結晶にも、ネウロイ特有の紋様が刻まれていた。 俺「もしかして・・・オルフェウス!」 意思に応え、ストライカーが唸りをあげる。 俺は刀を引き抜き、全速力で宮藤へと向かう。 俺「宮藤さん・・・すぐもとにもどすっス!」 エーリカ「何する気!?」 ルッキーニ「俺!ダメ!!」 俺「はっ!!」シュバ! 俺の一閃は宮藤の上の結晶を見事に両断する。 結晶が砕け、宮藤が正気に戻る。 芳佳「俺・・・さん・・・すみません・・・」ハァハァ・・・ 俺「いえ、無事で何よりっス。」 エイラ「2人とも!またくるぞ!」 エイラの声を聞き俺と芳佳はその場を離脱する。 次の瞬間には2人がいた場所に怪音波が放たれていた。 俺「サンキューっス!エイラさん!!」 エイラ「ったく・・・気をつけろよナ!」 俺「よし、あの怪音波に気をつけて・・・もう一度いくっスよ!宮藤さん、クロステルマン中尉!」 芳佳「はい!」 ペリーヌ「ペリーヌでよろしくってよ!」 3人で再びラヴァーズへと迫る。 俺「本気・・・行くぞ・・・」 そう呟くと同時に切先に集まる蒼炎と魔力。 俺「はあぁぁぁぁぁぁ!!」 俺が接近しつつさらに切先に魔力を集中する。 俺「秘剣!雲耀!!もどき・・・」ボソッ そう叫ぶと同時に一気に刀を叩きつける。 ドガアァァァ!! グオオオオオオオオ! ラヴァーズの奇声。雲耀もどきによって装甲が大きく巻き上げられた。 芳佳「はあああああああぁぁぁ!!」ガガガガガガガガガ さらに宮藤の追撃。ついにコアが露出した。 俺「ペリーヌさん!!」 ペリーヌ「ありったけ・・・いきますわよ!!」 ペリーヌ「トネエエエエェェェル!!!」バリバリバリ!! 今までで最も強力な電撃が放たれる。 その電撃はラヴァーズのコアをまるで矢の如く貫く。 パリーン・・・ そしてコアは雷光に貫かれ、砕け散った。 この日の試練がようやく終わりを告げた・・・ 続き→ペルソナ8 -ページ先頭へ
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Episode5 『女教皇』 最初の試練から3週間ほどがたった。 相変わらずネウロイは週1回のペースで出現していた。 ---バルト海上空--- エーリカ「数多すぎだってこれ・・・あと何機いるの?」 ゲルト「黙って戦えハルトマン!このぐらい前にもあっただろ!」 俺「燃えろ!!」ブォン! そう叫び刀を横に振ると、俺の周りに蒼い炎が現われる。 それはこの前手に入れた、スルトの力だ。 その蒼炎は一つ一つが意思を持つようにネウロイに向かい、打ち砕いてゆく。 ルッキーニ「俺、すっごーい!」 あの日以降訓練を重ね、ようやく炎をコントロールするに至った。 芳佳「やああああああああ!!」シュンシュン!! 宮藤の両手からネウロイのビームが放たれる。 彼女もここ最近の訓練でネウロイの能力の大半をものにし、その力を遺憾なく発揮していた。 シャーリー「宮藤もすごいな・・・」 俺「いた!バルクホルン大尉!!大尉の近くのそいつです!!」 魔眼により俺がコアを持つネウロイを発見する。 ゲルト「よし!まかせろ!!」バラララララララララ!! パリーン!!・・・ ゲルトが放った弾丸は見事に目標に命中し、コアを砕いた。 ゲルト「よし!」 俺「さすがっス!バルクホルン大尉!!」 ゲルト「いや、お前の指示のおかげだ。ありがとう。」 俺「うっス!」 ミーナ「みなさんお疲れ様。基地へ帰投します!」 全員「了解!」 ---格納庫--- エーリカ「しっかし、この前の戦いから一段と強くなっちゃったね、俺。」 ゲルト「ああ、それに宮藤もだ。ネウロイの力をあそこまで使いこなすとは・・・」 俺「いえ、まだまだこれからっス!」 芳佳「わたしも、もっと強くなってみんなを守ります!!」 ゲルト「ああ、頼りにしてるぞ、お前達。」 エーリカ「でも肩に力入れすぎないようにね~トゥルーデみたいになっちゃうから。」 ゲルト「どういう意味だハルトマン!!」 エーリカ「わー、おこったおこった~」タッタッタッタッタ ゲルト「まてー!ハルトマーン!!」タッタッタッタ シャーリー「ほんと仲いいな、あいつら。」 リーネ「シャーリーさんもルッキーニちゃんと仲良しですよね。」ニコ ルッキーニ「にひー!なかよし~!」 シャーリー「そうだな、仲良しだ!」 シャーリー「それはそうと俺。」 俺「なんスか、イェーガー大尉?」 シャーリー「あっと、その堅っ苦しい呼び方やめないか?アタシのことはシャーリーでいいよ。」 ルッキーニ「あたしもー!『しょうい』なんてつけなくていいよ!」 俺「わかったっス。シャーリーさん、ルッキーニさん。」 リーネ「わたしも・・・名前で呼んで欲しいです。」 俺「はいっス、リーネさん。」 シャーリー「そんで俺、明日もしかして暇かい?」 明日は予定では非番になっている。 俺「はい。明日は特に予定ないっス。」 シャーリー「じゃあさ、明日アタシと勝負しないか?」 俺「勝負?」 シャーリー「そう、勝負さ。ストライカーを使ってのスピード勝負だ。」 シャーリー「この前の戦いのとき、目の前であんなスピードを見せ付けられたんだ。ぜひ勝負して欲しいんだけど、どうかな?」 俺「わかりました、その勝負受けてたつっス!」 シャーリー「よし決まりだ!じゃあ負けたほうはは明日の晩ご飯のデザートを勝ったほうにあげる。それでいいか?」 俺「望むところっス!」 シャーリー「よし!じゃああたしらは先に行くよ。また後でな~」 ルッキーニ「あとでね~」 俺「はいっス。またあとで。」 サーニャ「おかえりなさい、俺さん。」 エイラ「おかえり~」 俺「ただいまっス。サーニャさん、エイラさん。」 エイラ「聞いたゾ。明日勝負するんだってナ。」 俺「はいっス。デザートがかかってるから負けられないっス!」ムフー! エイラ「でもシャーリーは早いゾ~大丈夫なのカ?」 俺「やってみなきゃわかんないっス!」 エイラ「あしたの夕飯はサーニャが作ってくれるんだからナ。負けたら承知しないぞ。」 俺「もちろん負ける気はないっスよ!」 エイラ「だってさ、サーニャ。」 サーニャ「う・・・うん。がんばってください・・・ね///」 俺「はいっス!!」ニッ! 翌日・・・ ---バルト海上空--- シャーリー「よっし、じゃあはじめよう!」 俺「うっス!」 レースのルールは至って簡単だ。 スタート地点からエイラのいる折り返し地点までいき、そこからまたスタート地点にもどる。ただそれだけ。 ルッキーニ「いちについてー、よーい・・・・・」 2人がエンジンの出力を上げる。 ルッキーニ「ど―――――ん!!」 ビュン!! ルッキーニの合図と同時に2人が急発進する。 ---基地バルコニー--- 坂本「ほぉ・・・やってるな。」 基地から望遠鏡で2人の姿を見る坂本。 ミーナ「ええ、なんでも今晩のデザートをかけてるそうよ。」 坂本「はっはっは。食べ物の魔力は恐ろしいな。」 ミーナ「まぁ、理由はそれだけじゃないのでしょうけど。」 坂本「一応、今回も記録はとっているんだよな?」 ミーナ「ええ、新しい記録が出るかもしれないしね。」 ---バルト海上空--- ブロロロロロロ 俺「クッ・・・はやい・・・」 シャーリー「どうした?あのときのお前の速さはこんなもんじゃなかっただろ?」 俺「まだまだぁ!オルフェウス!!」 もっと速く・・・そう念じる。 ブォン!! とそれに応えるようにストライカーが唸りを上げる。 ブロロロロロロ!! シャーリー「なんだ!?」 横を見るとすでに隣には俺がいた。 俺「追いついたっスよ!」 シャーリー「へ・・・へぇ・・・やるじゃないか。でもまだこっからだ!!」 2人が並走する状態でエイラのいる折り返し地点で折り返す。 エイラ「俺~負けんなヨ~!」 エイラの声援を受け取り、俺は親指をグッっとたてる。 シャーリー「一度は音速を突破したんだ・・・マーリン!!」 シャーリーがさらにスピードを上げる。 俺「まだ上がるってのか・・・でも、やるしかない!」 さらに強く念じる。もっと、もっと速くと・・・ ストライカーが爆音を上げさらにスピードが増す。 シャーリー「なに!?」 俺「これで・・・追いついたっ・・・スよ・・・」ハァハァ 再び2人が並ぶ。 お互いに譲れないものがあった。 意地と意地がぶつかり合う。 そして・・・ ルッキーニ「ゴール!!」 結果は・・・ 夜 ---食堂--- シャーリー「はっはっは!あたしの勝ちだな。」 俺「はぁ・・・後ちょっとだったんスけどねぇ・・・」 ルッキーニ「ふたりともすっごく速かったよ!ビューンっていってドーンってかんじだった!」 シャーリー「ははは、そうだな。しかし俺の根性には恐れ入ったよ。あんな息切れするぐらい魔力使うんだから。」 俺「どんな勝負も全力で受ける。それが俺のモットーっス!まぁ負けたけど・・・」 シャーリー「そっかそっか!ま、その根性に免じて今回は罰ゲームは無しにしといてやるよ。」 俺「マジスか!?ありがてぇ・・・でも、次こそは勝つっス!」 シャーリー「あたしだって負けないよ!」 ミーナ「あのシャーリーさん・・・ちょっといいかしら?」 シャーリー「どうしたんだ、ミーナ中佐?」 ミーナ「実はね、さっきのレースのとき・・・」 ミーナ「ほんの一瞬だけれど、あなた、音速を超えてたの。」 全員「えええええええええええええええ!?」 こうしてシャーリーはレシプロストライカー音速を突破したウィッチとして、公式記録に残されることになった。 その後しばらく後・・・ 今日はサーニャとエイラが料理当番だ。 目の前にはオラーシャ料理がたくさん並んでいる。 俺「これは・・・ピロシキにボルシチ、それにビーフストロガノフも・・・」 芳佳「俺さん、詳しいですね。」 俺「はいっス。小さいころおふくろによく作ってもらってましたから・・・」 俺の母親はオラーシャ人であった。 俺「!?こ・・・これは・・・」 彼が目をやった先には彼の好物である・・・ 俺「シャルロット!!」 苺のシャルロットがあった。 サーニャ「気に入ってもらえましたか?」 俺「サーニャさん・・・は・・・はいっス!とっても!」 サーニャ「よかった・・・この前俺さんの好きなデザートを教えてもらったので、作ってみました。」 サーニャ「それと・・・」 俺「え?」 サーニャ「お誕生日おめでとうございます。」ニコ 全員「おめでとー!」 パチパチパチ よく見るとシャルロットの周りに何本かロウソクが置かれていた。 そう、今日は俺の誕生日だった。 俺「あ・・・ああ・・・」ウルウル エイラ「ど・・・どうしタ!?」 俺「グスッ・・・いや・・・お・・・おれ・・・こんなんしてもらえると思ってなくて・・・ヒグッ・・・」 坂本「はっはっは!感動のあまり泣いてしまったか。」 俺「は・・・はいっス・・・グスッ・・・み゛なざん・・・・本当に゛・・・あ゛・・・・・あり・・・・がとうっ・・・・ス・・・うわあああああぁぁぁ!」 感極まって俺はついに泣いてしまっていた。 その刹那・・・ ギュッ・・・ 俺「!?」 暖かい何かが俺を包み込む。 ペリーヌ「な・・・」 エイラ「さ…さささサーニャ!?」 ミーナ「あらあら。」ウフフ サーニャ「よしよし・・・」ナデナデ サーニャが俺を抱いていた。 俺「うわあああああぁぁぁん!」 その姿はさながら子供を慰める母親だった。 久々に感じた優しいぬくもりに、さらにとどめなく涙があふれる。 俺はしばらくサーニャの腕の中で泣いた。 数分後・・・ サーニャ「落ち着きましたか?」 俺「グス・・・は・・・はいっス・・・///」 サーニャ「よかった。」ニコ ミーナ「さぁ、俺さんも落ち着いたようですし、ご飯をいただきましょうか。」 全員「いただきまーす!」 この日は俺にとって忘れられない一日となった。 もう少しであの試練の日から1ヶ月が経とうとしていた、そんなある日。 夜 ---俺の自室--- 深夜0 00 また不意に目覚める俺。 窓のほうを見ると月がもう少しで満月になりそうだ。 アニマ「やあ。」 俺「!?」 ベッドの近くには前に試練の宣告をした少年、アニマが立っていた。 俺「アニマ・・・」 アニマ「そんなに怖い顔しないでくれよ・・・別に君に何かしようってわけじゃないんだ。」 俺「・・・何のようだ?」 アニマ「そっけないなぁ。ま、来た理由を簡単に言えば、また試練がやってくるってことを伝えに来たんだ。」 俺「またか・・・もう勘弁してもらいたいな。」 アニマ「そうだよね。ホントなら僕もやめさせてあげたいんだけど、僕は生憎そんな事が出来る立場じゃないんだ。ごめんよ。」 俺「お前が襲わせてるんじゃないのか?」 アニマ「そんなわけないだろ。それにそんなことをしたって僕には何の得にもならない。」 アニマ「僕はあくまでも宣告者。君に試練を告げるのが僕の役目さ。」 俺「・・・・・・・」 アニマ「ちょっと話しすぎたね。僕はもう行くよ。じゃあ、頑張ってね・・・」スゥー… アニマは消えてしまった。 俺「頑張れ・・・か・・・簡単に言ってくれる・・・」 翌日 ---基地の外--- 早朝 芳佳「坂本さん、おはようございます。」 坂本「宮藤か、おはよう。」 芳佳「あの・・・坂本さん・・・」 坂本「どうした、宮藤?」 芳佳「坂本さんは・・・もう戦わなくてもいいのに、どうして毎朝訓練しているんですか・・・?」 坂本「宮藤。」 芳佳「はい・・・?」 坂本「訓練とは何のためにするのか、考えたことはあるか?」 芳佳「それは・・・強くなるため・・・ですか?」 坂本「うむ。確かに戦いの技術や体力をつけるという目的もある。だがそれだけではない。」 芳佳「はい。」 坂本「訓練とは、己との闘いだ。私はそう考えている。」 芳佳「己との・・・闘い・・・」 坂本「そうだ。戦いの中では時に己の弱くもろい部分が見えてくる。これを克服するために訓練をするのだ。」 坂本「その弱さは力だけではなく心の弱さもだ。」 坂本「特に心の弱さを克服するのは難しい。人にとって大きな壁の一つといえるだろう。」 坂本「この壁を越えるために私たちは訓練をする。訓練の中で己と向き合い心も鍛え上げるのだ。」 坂本「私は教官である以上、皆に自分の弱さを露呈するわけにはいかない。それが教える者としての礼儀だ。」 坂本「だから私は訓練を続ける。そうでないと、お前達に示しがつかんからな。」 芳佳「そうですね・・・坂本さんが訓練する理由、わかりました。」 坂本「といっても、もはや日課になっているというのもあるんだがな。はっはっは!」 芳佳「あはは・・・」 坂本「・・・宮藤。」 芳佳「・・・はい?」 坂本は烈風丸を鞘に納め、それを宮藤に渡す。 芳佳「坂本さん?」 坂本「これをお前に託そうと思う。」 芳佳「どうして・・・ですか?」 坂本はまっすぐ宮藤を見つめこう告げる。 坂本「お前はすでに一人前のウィッチだ。私を超えるほどのな・・・」 芳佳「そんな・・・私はまだまだ半人前で・・・」 坂本「いいや、ロマーニャでお前が私を救ってくれたとき確信した。お前はすでに一人前だ。」 坂本「だから、今のお前になら安心してこれを托せる。」 芳佳「坂本さん・・・」 坂本「それに今の私が持っていても、これはただ人を斬る事しかできない諸刃の剣だ。」 坂本「だが、魔力を取り戻し前よりもさらに強くなったお前なら、この刀の真の力を引き出せるだろう。」 坂本「どうか、受け取ってほしい。」 芳佳「・・・わかりました、ありがたく頂戴します。」 芳佳「坂本さん・・・わたし、坂本さんの分まで戦います!」 芳佳「そして、いつか平和な空の下でみんなが笑って暮らせるように・・・わたし、頑張ります!」 坂本「ああ、頼りにしているぞ、宮藤。」 芳佳「はい!」 坂本「よし、そうと決まれば早速訓練だ!お前が烈風斬を使えるようにビシバシ、鍛えてやるからな!」 芳佳「はい!・・・え?」 この日は早朝から宮藤はシゴかれまくった。 昼ごろ ---基地内廊下--- 坂本「ん?俺じゃないか。」 俺「坂本少佐。どこかお出かけっスか?」 坂本「いや、今は暇をもてあましていたところだ。俺、今暇か?」 俺「はいっス。」 坂本「そうか。お前とは一度手合わせ願いたいと思っていたんだ。頼めるか?」 俺「俺なんかでよかったらお付き合いしますよ。」 坂本「それはよかった。では少し準備をしてくるから先に中庭へ出ていてくれ。」 俺「了解っス。」 ---基地中庭--- 坂本「すまない。待たせたな。」 俺「いえ、大丈夫っス。」 坂本「ほらこれを使え。」 そういって木刀が手渡される。 俺「なかなか年期が入ってますね・・・」 坂本「ああ、私の父上が子供のころから使っていたものだそうだ。」 俺「なるほど・・・」 坂本「では、構えろ。」スッ 坂本が正面に木刀を構える。 対して俺はいつものように木刀を腰あたりに据え、構える。 坂本「ほぉ・・・お前は抜刀術を心得ているのか。」 俺「これが俺の戦いかたっスから。」 ---基地内バルコニー--- エーリカ「トゥルーデ、あの二人なんかやってるよ?」 ゲルト「ああ、どうやら扶桑の武道のようだな。」 ルッキーニ「なになに?なにしてんの?」 シャーリー「ルッキーニ、あまりでかい声だしちゃだめだぞ。あの2人の邪魔になるからな。」 ルッキーニ「えー、なんで~?」 シャーリー「今の2人はそれだけ真剣なんだ。まぁ見てれば分かるだろうよ。」 ルッキーニ「ふ~ん・・・」 エーリカ「あ、始まったよ。」 ---基地内中庭--- 坂本「フッ・・・!」 先手を打ったのは坂本だ。 素早い踏み込みで一気に俺の元へと間合いを縮める。 坂本「やぁっ!」 縦一閃。素早い斬撃が降りかかる。 しかしそれを俺は紙一重でかわす。 俺「はぁっ!」 回避からの素早い抜刀。しかし坂本はそれを予期していた。 カンッ! 俺(反応が速いッ・・・!) 俺の一撃は坂本に防がれてしまった。 再び下がり間合いを取る。 坂本「どうした?その程度なのか?」 俺「まだまだっスよ。」 お互い再び木刀を構える。 次に先に動いたのは俺だ。 坂本よりも素早い速度で間合いをつめる。 坂本(!?) 俺「たぁっ!!」フォン! 先ほどとは段違いの速さで木刀が抜かれる。 カンッ!・・・カランカラン 振りぬいた一閃により木刀がはじかれ地面へと落ちる。 そして・・・ 俺「勝負ありっス。」 坂本の首には木刀が突きつけられていた。 坂本「・・・はっはっは!完敗だ。見事な一閃だったぞ。」 俺は突きつけた木刀をおろす。 俺「いえ、少佐もかなりの腕前をお持ちで。正直焦りました。」 坂本「む?その様子だと私は少し舐められていたようだな?」 俺「いえ、とんでもないっス。ただ手合わせで本気を出したのは親父以来でしたんで。」 坂本「そうか・・・ところでお前の流派は何というのだ?」 俺「えっと、流派名は『至天金剛流』っス。たしか『柳生新陰流』から派生したとか言う話をきいたっス。」 坂本「ふむ。それではなかなかに歴史がありそうだな?」 俺「いえ、たぶん祖父が見栄張ってでっち上げただけだと思います。流派自体は俺の曾祖父あたりから始ったんじゃないかと。」 坂本「そうなのか?おかしな話だな。」 俺「全くっス。ただ、教えだけはいっちょまえっスけどね。」 坂本「どういうものだ?」 俺「『抜かば斬れ、抜かずば斬るな』」 坂本「なるほど・・・」 俺「もう1つは『不討、不退(うたず、さがらず)』」 坂本「ふむ・・・」 俺「そして・・・」 俺「『刀は人を斬る物に非ず、己を斬る物なり。』」 坂本「己・・・?」 俺「はいっス。刀を振るうにはそれ相応の覚悟がいるっス。」 坂本「ああ、そのとおりだな。」 俺「刀はそういった意味で誰かを傷つけるものじゃなくて、己の内の迷いやそういったものを断ち切るものだと教えられたっス。」 坂本「ふむ・・・なかなか奥深い教えだな・・・」 俺「ほんと、無駄に奥深いっス。むしろ何も考えないで決めたんじゃないかと思うくらい。」 坂本「それはないだろう。私も未練を断ち切らねばな・・・」 俺「?」 坂本「こっちの話だ、気にするな。それより手合わせありがとう。また時間があれば手合わせして欲しい。」 俺「もちろんっス。」 お互いに一礼する。扶桑の武道共通の礼儀である。 坂本「その木刀は貸しておこう。練習にでも使ってくれ。」 俺「ありがとうございます。」 ---基地内バルコニー--- ゲルト「・・・・・・・」 エーリカ「何が起こったかぜんぜん分かんなかったね。」 シャーリー「あいつ陸の上でもあんな速く動けるのか・・・」 ルッキーニ「もう終わっちゃったの~?つまんなーい!」 シャーリー「じゃあルッキーニ、遊びにいこうか。」 ルッキーニ「うん!かくれんぼしたい!」 エーリカ「あたしもやる~」 エーリカ「トゥルーデは?」 ゲルト「私は遠慮しておこう。」 エーリカ「え~?つれないなぁ、もう。」 ゲルト「つれない奴ですまなかったな・・・」ツカツカ… エーリカ「トゥルーデ・・・?」 ゲルトは足早に去っていった。 シャーリー「なんかあいつ様子がおかしかったな。」 ルッキーニ「はやくいこーよ~」 シャーリー「そうだな、いこう、ハルトマン。」 エーリカ「う・・・うん・・・(今はそっとしたほうがいいかな・・・)」 ---ゲルト エーリカの部屋--- エーリカ「今日元気なかったけど、どうしたのさトゥルーデ?」 ゲルト「・・・・・」 エーリカ「黙ってちゃわかんないよ。」 少し沈黙した後、観念したゲルトは胸中の思いを明かす。 ゲルト「・・・・・お前には嘘をつけんな。」 エーリカ「良かったら話してくれない?トゥルーデの悩み。」 ゲルト「そうだな・・・」 ゲルト「今日坂本少佐と俺が訓練しているのを見てな、思ったんだ・・・」 エーリカ「何を?」 ゲルト「うん、私も少佐のように魔力を失ったらどうするんだろうな・・・と。」 エーリカ「・・・・・」 ゲルト「最近、戦っている内に分かってきたんだ、私の魔力が以前よりも衰えていることに・・・」 エーリカ「・・・・・うん。」 ゲルト「いずれ私の魔力も消えてしまうだろう。でも今は・・・今だけは失うわけには行かないんだ・・・」 ゲルト「このカールスラントを取り戻すまでは・・・絶対に。」 エーリカ「そうだね・・・」 ゲルト「今までは考えないようにしていたんだ・・・自分が戦えない姿なんて、想像したくなかったから・・・」 ゲルト「でも・・・今日、少佐を見て・・・急に・・・怖くなってしまったんだ・・・」ボロボロ ゲルトの頬に涙が伝う・・・ ゲルト「このまま・・・戦えなくなってしまうのが・・・恐い・・・嫌なんだ・・・私は・・・私はもっとお前やみんなと・・・」 ギュッ そんなゲルトをエーリカが抱きしめる。 エーリカ「そっか、気づいてあげられなくてごめんね・・・」 エーリカ「でもね、トゥルーデ一人で背負うこと・・・ないんだよ?」 ゲルト「ハルトマン・・・」 エーリカ「トゥルーデにはあたし・・・ううん、あたし達がいるんだから。」 ゲルト「!!」 エーリカ「もっとあたし達を信じてよ、頼ってよ。」 エーリカ「この国を取り戻したいって気持ちは、みんな一緒なんだから。」 ゲルト「う・・・うぅ・・・フラウ・・・あぁ・・・」 ゲルト「うわあああああああああぁぁぁ!」ボロボロ ゲルトの涙をエーリカが力強く抱きしめ、受け止める。 エーリカ(今はいっぱい泣いていいんだよ・・・トゥルーデ・・・) しばらくした後・・・ ゲルト「・・・ありがとうフラウ・・・もう大丈夫だ・・・」 エーリカ「うん。」 抱いていたその手を離すエーリカ。 エーリカ「あのね、トゥルーデ。」 ゲルト「なんだ?」 エーリカ「実は、この前ミーナも同じこと言ってたんだ。」 ゲルト「ミーナも?」 エーリカ「うん。ほら、ミーナももう少しで20になっちゃうでしょ。」 この世界ではウィッチは20歳を超えると魔力を失うのが一般的だという。 エーリカ「だから悩んでるのはトゥルーデだけじゃない、みんな一緒。」 ゲルト「そうだったのか・・・私は自分のことばかりで周りが見えていなかったな・・・」 エーリカ「たぶんミーナのほうが先に魔力なくなっちゃうと思う。だからさ・・・」 エーリカ「その前にあたし達の手で絶対に取り戻そうね、この国を!」 ゲルト「ああ、もちろんだ!」 2人は再びこの国を取り戻す決意をした。 絶対に自分達の手で取り戻すと・・・ 2日後 俺「今日で1ヶ月か・・・」 あの戦いからちょうど一ヶ月がたった。 俺「また来るかもしれないな・・・」 ---ブリーフィングルーム--- ミーナ「それでは、ブリーフィングを始めます。」 一通りの説明を終えシフトの発表へと移る。 ミーナ「それで、今日の夜間哨戒は・・・」 俺「隊長。」 ミーナ「どうしましたか俺一等兵。」 俺「今日の夜間哨戒任務に自分を加えて欲しいっス。」 ミーナ「どうしてかしら。」 俺「いえ、ただ今日は行かなきゃいけない気がするんです。お願いします、隊長。」 俺の目は真剣だった。 ミーナ「・・・わかりました。では今日の夜間哨戒任務は俺一等兵とリトヴャク中尉、そしてビショップ曹長にお願いします。」 俺 サーニャ リーネ「了解。」 ミーナ「それでは解散とします。各自任務に当たってください。」 全員「了解。」 ---基地内廊下--- リーネ「あの、俺さん!」 俺「どうしたっスか、リーネさん。」 リーネ「今日の哨戒任務、よろしくお願いします。」 俺「こちらこそ、よろしくっス。」 リーネ「私、もしかしたらお2人の足をひっぱちゃうかもしれないですけど・・・」 俺がリーネの唇の前に人差し指を立てる。 俺「そういうことは考えちゃダメっス。それに、リーネさんの命中精度と火力はすごく心強いっスよ。」 俺「だから、一緒に頑張りましょう、ね?」 リーネ「はい!」ニコ 俺(う~ん・・・ここの子はみんな笑うと可愛いんだよな・・・///) リーネ「それじゃあ、また後で。」 俺「はいっス。また。」ニッ 夜 ---バルト海上空--- 今日も夜の海上は静寂に包まれている。 リーネ「静かですね・・・」 サーニャ「何も無いといいんですけど・・・」 しかし、サーニャの言葉は見事に裏目に出てしまった。 俺「!!」キュイイイイイン 突然俺とサーニャの魔導針の色が変わる。 ふと反応の有る月のほうに目を向ける。 そこには女性の聖職者のような姿をしたネウロイがいた。 俺「あいつ・・・いつの間に・・・」 サーニャ「!」 突然上空からネウロイがビームを放つ。 サーニャ「リーネさん!あぶない!!」 リーネ「え・・・?」 俺「チッ・・・!」ブォン! 俺が咄嗟に蒼炎を纏った刀でネウロイのビームを両断する。 俺「大丈夫っスか、リーネさん!?」 リーネ「は・・・はい、なんとか・・・ありがとうございます。」 俺「よかった・・・サーニャさん基地に連絡を!」 サーニャ「わかりました!・・・本部、応答願います・・・」 俺「リーネさん!」 リーネ「は・・・はい!」 俺「ここからあいつを狙うこと・・・できますか?」 リーネ「や・・・やってみます!」 リーネは対装甲ライフルを構える。 リーネ(集中して・・・) 慎重に狙いを定める・・・ リーネ「そこ!」ドンッ! 弾丸は見事に命中し装甲を抉り取る。 リーネ「やった!」 俺「さすがっス、リーネさん!」 しかし装甲は次第に再生を始める。 リーネ「そんな・・・早い・・・」 俺「大丈夫っス、今度は俺があいつの装甲を剥ぎ取ります。リーネさんは俺の合図でコアを狙い打ってくださいっス。」 サーニャ「応援、まもなく到着するそうです。」 俺「ウィルコ。応援が来る前にかたづけて、驚かしてやりましょう!」 サーニャ リーネ「はい!」 俺「いくっスよ!」ブロロロロ!! ネウロイに近づく。それと同時にネウロイも逃げ始める。 俺「逃がさない!」ガガガガガガガ!! しかし命中しても装甲がなかなか削れない。 俺「うわっ・・・硬いな・・・なら・・・」 俺「おおおおお!!」 いつものように切先に魔力を集中させつつ、ネウロイへと肉薄する。 しかしネウロイの速度が幾分か速く、なかなか追いつく事ができない。 俺「くっ・・・サーニャさん!こいつの動き、止められますか!?」 サーニャ「やってみます!」バシュバシュバシュ!! ネウロイを止めるためにフリーガーハマーを撃ち込む。しかし・・・ リーネ「そんな!?」 サーニャ「また・・・」 またもやサーニャのロケット弾はネウロイの体を通り抜ける。 俺「仕方ない・・・リーネさんお願いできますか!?」 リーネ「あ、はい!やってみます!」 リーネ「当たって!!」ダンッ ネウロイが先に攻撃を察知し紙一重でかわす。 俺「いくぞ・・・!」 しかし、ネウロイがかわした方向には既に俺が迫っていた。 俺「撥ぁっ!!」ブォン!! 蒼炎を纏った刀は先ほどの銃撃よりも高い威力でネウロイの装甲を剥ぐ。 そしてコアが露出する。 その瞬間をリーネは見逃さなかった。 彼女は自身の固有魔法により、スコープなしで約1km先をも見通すことが出来る。 リーネはすぐさま、ボーイズライフルを構える。 リーネ「当たって!!」ダンッ! 一直線に、一寸の揺るぎも無く弾丸は空を突き進む。 そして、その弾丸は見事にネウロイのコアを砕いた。 リーネ「やった・・・やった!」 俺「やったスね、リーネさん!」 サーニャ「リーネさん・・・すごい・・・」 遠くから声が聞こえてくる。 芳佳「リーネちゃーん、サーニャちゃーん、俺さーん!」 リーネ「芳佳ちゃん!」 リーネが宮藤のもとへと駆け寄る。 リーネ「やったよ芳佳ちゃん!わたし、ネウロイを倒したよ!」 芳佳「リーネちゃんが!?すごいよ、リーネちゃん!」 リーネ「うん、俺さんとサーニャさんのおかげよ!」 その後も次々と仲間が到着する。 エイラ「サーニャー!」 サーニャ「エイラ!」 エイラ「大丈夫だったカ、サーニャ?怪我してないカ?」 サーニャ「大丈夫よ、エイラ。心配してくれてありがとう。」ニコ エイラ「サーニャ・・・///」 ミーナ「お疲れ様。俺さん。まさか私たちが来る前に倒すとは・・・」 俺「はいっス、今日はリーネさんがいなかったら危なかったっスけどね。」 エーリカ「リーネやる~!」 ゲルト「ああ、お前は501に欠かせない優秀な狙撃主だ!」 ペリーヌ「ほんと、やるようになりましたわね。」 エイラ「ツンツンメガネも頑張れヨナ。」 ペリーヌ「ど・・・どういう意味ですの!?」 リーネ「ありがとうございます、みなさん!」 こうして2番目の刺客はリーネの手によって撃破された。 ---俺の部屋--- 俺「ふぅ・・・今日も疲れた・・・」 俺はベッドに腰掛ける。 ふと机に目をやるとまたあのカードがあった。 俺「またか・・・」 カードを手に取る。 そのカードには女性の教皇の姿が描かれ下の欄に【PRIESTESS】と書かれていた。 一通り眺めるとカードは砂のように消えていった。 そして俺の頭に声が響く・・・ ――私は導くもの―――スカアハ――― ―――――あなたに力を与えましょう―――――― 頭の中の声が消えると同時に、俺の体が少し軽くなる。 どうやら前よりも魔力が増幅したようだ。 俺「スカアハ・・・か。」 俺「今日は寝よう。」 二度目の試練はこうして幕を閉じた。 続き→ペルソナ6
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俺「ストライクウィッチーズって?」 294-312 俺「ストライクウィッチーズですよ」 992-1000 俺「ストライクウィッチーズ?」 7-10 俺「ストライクウィッチーズどすえ」 369-397 前へ 目次へ戻る 次へ Episode5 『女教皇』 最初の試練から3週間ほどがたった。 相変わらずネウロイは週1回のペースで出現していた。 ---バルト海上空--- エーリカ「数多すぎだってこれ・・・あと何機いるの?」 ゲルト「黙って戦えハルトマン!このぐらい前にもあっただろ!」 俺「燃えろ!!」ブォン! そう叫び刀を横に振ると、俺の周りに蒼い炎が現われる。 それはこの前手に入れた、スルトの力だ。 その蒼炎は一つ一つが意思を持つようにネウロイに向かい、打ち砕いてゆく。 ルッキーニ「俺、すっごーい!」 あの日以降訓練を重ね、ようやく炎をコントロールするに至った。 芳佳「やああああああああ!!」シュンシュン!! 宮藤の両手からネウロイのビームが放たれる。 彼女もここ最近の訓練でネウロイの能力の大半をものにし、その力を遺憾なく発揮していた。 シャーリー「宮藤もすごいな・・・」 俺「いた!バルクホルン大尉!!大尉の近くのそいつです!!」 魔眼により俺がコアを持つネウロイを発見する。 ゲルト「よし!まかせろ!!」バラララララララララ!! パリーン!!・・・ ゲルトが放った弾丸は見事に目標に命中し、コアを砕いた。 ゲルト「よし!」 俺「さすがっス!バルクホルン大尉!!」 ゲルト「いや、お前の指示のおかげだ。ありがとう。」 俺「うっス!」 ミーナ「みなさんお疲れ様。基地へ帰投します!」 全員「了解!」 ---格納庫--- エーリカ「しっかし、この前の戦いから一段と強くなっちゃったね、俺。」 ゲルト「ああ、それに宮藤もだ。ネウロイの力をあそこまで使いこなすとは・・・」 俺「いえ、まだまだこれからっス!」 芳佳「わたしも、もっと強くなってみんなを守ります!!」 ゲルト「ああ、頼りにしてるぞ、お前達。」 エーリカ「でも肩に力入れすぎないようにね~トゥルーデみたいになっちゃうから。」 ゲルト「どういう意味だハルトマン!!」 エーリカ「わー、おこったおこった~」タッタッタッタッタ ゲルト「まてー!ハルトマーン!!」タッタッタッタ シャーリー「ほんと仲いいな、あいつら。」 リーネ「シャーリーさんもルッキーニちゃんと仲良しですよね。」ニコ ルッキーニ「にひー!なかよし~!」 シャーリー「そうだな、仲良しだ!」 シャーリー「それはそうと俺。」 俺「なんスか、イェーガー大尉?」 シャーリー「あっと、その堅っ苦しい呼び方やめないか?アタシのことはシャーリーでいいよ。」 ルッキーニ「あたしもー!『しょうい』なんてつけなくていいよ!」 俺「わかったっス。シャーリーさん、ルッキーニさん。」 リーネ「わたしも・・・名前で呼んで欲しいです。」 俺「はいっス、リーネさん。」 シャーリー「そんで俺、明日もしかして暇かい?」 明日は予定では非番になっている。 俺「はい。明日は特に予定ないっス。」 シャーリー「じゃあさ、明日アタシと勝負しないか?」 俺「勝負?」 シャーリー「そう、勝負さ。ストライカーを使ってのスピード勝負だ。」 シャーリー「この前の戦いのとき、目の前であんなスピードを見せ付けられたんだ。ぜひ勝負して欲しいんだけど、どうかな?」 俺「わかりました、その勝負受けてたつっス!」 シャーリー「よし決まりだ!じゃあ負けたほうはは明日の晩ご飯のデザートを勝ったほうにあげる。それでいいか?」 俺「望むところっス!」 シャーリー「よし!じゃああたしらは先に行くよ。また後でな~」 ルッキーニ「あとでね~」 俺「はいっス。またあとで。」 サーニャ「おかえりなさい、俺さん。」 エイラ「おかえり~」 俺「ただいまっス。サーニャさん、エイラさん。」 エイラ「聞いたゾ。明日勝負するんだってナ。」 俺「はいっス。デザートがかかってるから負けられないっス!」ムフー! エイラ「でもシャーリーは早いゾ~大丈夫なのカ?」 俺「やってみなきゃわかんないっス!」 エイラ「あしたの夕飯はサーニャが作ってくれるんだからナ。負けたら承知しないぞ。」 俺「もちろん負ける気はないっスよ!」 エイラ「だってさ、サーニャ。」 サーニャ「う・・・うん。がんばってください・・・ね///」 俺「はいっス!!」ニッ! 翌日・・・ ---バルト海上空--- シャーリー「よっし、じゃあはじめよう!」 俺「うっス!」 レースのルールは至って簡単だ。 スタート地点からエイラのいる折り返し地点までいき、そこからまたスタート地点にもどる。ただそれだけ。 ルッキーニ「いちについてー、よーい・・・・・」 2人がエンジンの出力を上げる。 ルッキーニ「ど―――――ん!!」 ビュン!! ルッキーニの合図と同時に2人が急発進する。 ---基地バルコニー--- 坂本「ほぉ・・・やってるな。」 基地から望遠鏡で2人の姿を見る坂本。 ミーナ「ええ、なんでも今晩のデザートをかけてるそうよ。」 坂本「はっはっは。食べ物の魔力は恐ろしいな。」 ミーナ「まぁ、理由はそれだけじゃないのでしょうけど。」 坂本「一応、今回も記録はとっているんだよな?」 ミーナ「ええ、新しい記録が出るかもしれないしね。」 ---バルト海上空--- ブロロロロロロ 俺「クッ・・・はやい・・・」 シャーリー「どうした?あのときのお前の速さはこんなもんじゃなかっただろ?」 俺「まだまだぁ!オルフェウス!!」 もっと速く・・・そう念じる。 ブォン!! とそれに応えるようにストライカーが唸りを上げる。 ブロロロロロロ!! シャーリー「なんだ!?」 横を見るとすでに隣には俺がいた。 俺「追いついたっスよ!」 シャーリー「へ・・・へぇ・・・やるじゃないか。でもまだこっからだ!!」 2人が並走する状態でエイラのいる折り返し地点で折り返す。 エイラ「俺~負けんなヨ~!」 エイラの声援を受け取り、俺は親指をグッっとたてる。 シャーリー「一度は音速を突破したんだ・・・マーリン!!」 シャーリーがさらにスピードを上げる。 俺「まだ上がるってのか・・・でも、やるしかない!」 さらに強く念じる。もっと、もっと速くと・・・ ストライカーが爆音を上げさらにスピードが増す。 シャーリー「なに!?」 俺「これで・・・追いついたっ・・・スよ・・・」ハァハァ 再び2人が並ぶ。 お互いに譲れないものがあった。 意地と意地がぶつかり合う。 そして・・・ ルッキーニ「ゴール!!」 結果は・・・ 夜 ---食堂--- シャーリー「はっはっは!あたしの勝ちだな。」 俺「はぁ・・・後ちょっとだったんスけどねぇ・・・」 ルッキーニ「ふたりともすっごく速かったよ!ビューンっていってドーンってかんじだった!」 シャーリー「ははは、そうだな。しかし俺の根性には恐れ入ったよ。あんな息切れするぐらい魔力使うんだから。」 俺「どんな勝負も全力で受ける。それが俺のモットーっス!まぁ負けたけど・・・」 シャーリー「そっかそっか!ま、その根性に免じて今回は罰ゲームは無しにしといてやるよ。」 俺「マジスか!?ありがてぇ・・・でも、次こそは勝つっス!」 シャーリー「あたしだって負けないよ!」 ミーナ「あのシャーリーさん・・・ちょっといいかしら?」 シャーリー「どうしたんだ、ミーナ中佐?」 ミーナ「実はね、さっきのレースのとき・・・」 ミーナ「ほんの一瞬だけれど、あなた、音速を超えてたの。」 全員「えええええええええええええええ!?」 こうしてシャーリーはレシプロストライカー音速を突破したウィッチとして、公式記録に残されることになった。 その後しばらく後・・・ 今日はサーニャとエイラが料理当番だ。 目の前にはオラーシャ料理がたくさん並んでいる。 俺「これは・・・ピロシキにボルシチ、それにビーフストロガノフも・・・」 芳佳「俺さん、詳しいですね。」 俺「はいっス。小さいころおふくろによく作ってもらってましたから・・・」 俺の母親はオラーシャ人であった。 俺「!?こ・・・これは・・・」 彼が目をやった先には彼の好物である・・・ 俺「シャルロット!!」 苺のシャルロットがあった。 サーニャ「気に入ってもらえましたか?」 俺「サーニャさん・・・は・・・はいっス!とっても!」 サーニャ「よかった・・・この前俺さんの好きなデザートを教えてもらったので、作ってみました。」 サーニャ「それと・・・」 俺「え?」 サーニャ「お誕生日おめでとうございます。」ニコ 全員「おめでとー!」 パチパチパチ よく見るとシャルロットの周りに何本かロウソクが置かれていた。 そう、今日は俺の誕生日だった。 俺「あ・・・ああ・・・」ウルウル エイラ「ど・・・どうしタ!?」 俺「グスッ・・・いや・・・お・・・おれ・・・こんなんしてもらえると思ってなくて・・・ヒグッ・・・」 坂本「はっはっは!感動のあまり泣いてしまったか。」 俺「は・・・はいっス・・・グスッ・・・み゛なざん・・・・本当に゛・・・あ゛・・・・・あり・・・・がとうっ・・・・ス・・・うわあああああぁぁぁ!」 感極まって俺はついに泣いてしまっていた。 その刹那・・・ ギュッ・・・ 俺「!?」 暖かい何かが俺を包み込む。 ペリーヌ「な・・・」 エイラ「さ…さささサーニャ!?」 ミーナ「あらあら。」ウフフ サーニャ「よしよし・・・」ナデナデ サーニャが俺を抱いていた。 俺「うわあああああぁぁぁん!」 その姿はさながら子供を慰める母親だった。 久々に感じた優しいぬくもりに、さらにとどめなく涙があふれる。 俺はしばらくサーニャの腕の中で泣いた。 数分後・・・ サーニャ「落ち着きましたか?」 俺「グス・・・は・・・はいっス・・・///」 サーニャ「よかった。」ニコ ミーナ「さぁ、俺さんも落ち着いたようですし、ご飯をいただきましょうか。」 全員「いただきまーす!」 この日は俺にとって忘れられない一日となった。 もう少しであの試練の日から1ヶ月が経とうとしていた、そんなある日。 夜 ---俺の自室--- 深夜0 00 また不意に目覚める俺。 窓のほうを見ると月がもう少しで満月になりそうだ。 アニマ「やあ。」 俺「!?」 ベッドの近くには前に試練の宣告をした少年、アニマが立っていた。 俺「アニマ・・・」 アニマ「そんなに怖い顔しないでくれよ・・・別に君に何かしようってわけじゃないんだ。」 俺「・・・何のようだ?」 アニマ「そっけないなぁ。ま、来た理由を簡単に言えば、また試練がやってくるってことを伝えに来たんだ。」 俺「またか・・・もう勘弁してもらいたいな。」 アニマ「そうだよね。ホントなら僕もやめさせてあげたいんだけど、僕は生憎そんな事が出来る立場じゃないんだ。ごめんよ。」 俺「お前が襲わせてるんじゃないのか?」 アニマ「そんなわけないだろ。それにそんなことをしたって僕には何の得にもならない。」 アニマ「僕はあくまでも宣告者。君に試練を告げるのが僕の役目さ。」 俺「・・・・・・・」 アニマ「ちょっと話しすぎたね。僕はもう行くよ。じゃあ、頑張ってね・・・」スゥー… アニマは消えてしまった。 俺「頑張れ・・・か・・・簡単に言ってくれる・・・」 翌日 ---基地の外--- 早朝 芳佳「坂本さん、おはようございます。」 坂本「宮藤か、おはよう。」 芳佳「あの・・・坂本さん・・・」 坂本「どうした、宮藤?」 芳佳「坂本さんは・・・もう戦わなくてもいいのに、どうして毎朝訓練しているんですか・・・?」 坂本「宮藤。」 芳佳「はい・・・?」 坂本「訓練とは何のためにするのか、考えたことはあるか?」 芳佳「それは・・・強くなるため・・・ですか?」 坂本「うむ。確かに戦いの技術や体力をつけるという目的もある。だがそれだけではない。」 芳佳「はい。」 坂本「訓練とは、己との闘いだ。私はそう考えている。」 芳佳「己との・・・闘い・・・」 坂本「そうだ。戦いの中では時に己の弱くもろい部分が見えてくる。これを克服するために訓練をするのだ。」 坂本「その弱さは力だけではなく心の弱さもだ。」 坂本「特に心の弱さを克服するのは難しい。人にとって大きな壁の一つといえるだろう。」 坂本「この壁を越えるために私たちは訓練をする。訓練の中で己と向き合い心も鍛え上げるのだ。」 坂本「私は教官である以上、皆に自分の弱さを露呈するわけにはいかない。それが教える者としての礼儀だ。」 坂本「だから私は訓練を続ける。そうでないと、お前達に示しがつかんからな。」 芳佳「そうですね・・・坂本さんが訓練する理由、わかりました。」 坂本「といっても、もはや日課になっているというのもあるんだがな。はっはっは!」 芳佳「あはは・・・」 坂本「・・・宮藤。」 芳佳「・・・はい?」 坂本は烈風丸を鞘に納め、それを宮藤に渡す。 芳佳「坂本さん?」 坂本「これをお前に託そうと思う。」 芳佳「どうして・・・ですか?」 坂本はまっすぐ宮藤を見つめこう告げる。 坂本「お前はすでに一人前のウィッチだ。私を超えるほどのな・・・」 芳佳「そんな・・・私はまだまだ半人前で・・・」 坂本「いいや、ロマーニャでお前が私を救ってくれたとき確信した。お前はすでに一人前だ。」 坂本「だから、今のお前になら安心してこれを托せる。」 芳佳「坂本さん・・・」 坂本「それに今の私が持っていても、これはただ人を斬る事しかできない諸刃の剣だ。」 坂本「だが、魔力を取り戻し前よりもさらに強くなったお前なら、この刀の真の力を引き出せるだろう。」 坂本「どうか、受け取ってほしい。」 芳佳「・・・わかりました、ありがたく頂戴します。」 芳佳「坂本さん・・・わたし、坂本さんの分まで戦います!」 芳佳「そして、いつか平和な空の下でみんなが笑って暮らせるように・・・わたし、頑張ります!」 坂本「ああ、頼りにしているぞ、宮藤。」 芳佳「はい!」 坂本「よし、そうと決まれば早速訓練だ!お前が烈風斬を使えるようにビシバシ、鍛えてやるからな!」 芳佳「はい!・・・え?」 この日は早朝から宮藤はシゴかれまくった。 昼ごろ ---基地内廊下--- 坂本「ん?俺じゃないか。」 俺「坂本少佐。どこかお出かけっスか?」 坂本「いや、今は暇をもてあましていたところだ。俺、今暇か?」 俺「はいっス。」 坂本「そうか。お前とは一度手合わせ願いたいと思っていたんだ。頼めるか?」 俺「俺なんかでよかったらお付き合いしますよ。」 坂本「それはよかった。では少し準備をしてくるから先に中庭へ出ていてくれ。」 俺「了解っス。」 ---基地中庭--- 坂本「すまない。待たせたな。」 俺「いえ、大丈夫っス。」 坂本「ほらこれを使え。」 そういって木刀が手渡される。 俺「なかなか年期が入ってますね・・・」 坂本「ああ、私の父上が子供のころから使っていたものだそうだ。」 俺「なるほど・・・」 坂本「では、構えろ。」スッ 坂本が正面に木刀を構える。 対して俺はいつものように木刀を腰あたりに据え、構える。 坂本「ほぉ・・・お前は抜刀術を心得ているのか。」 俺「これが俺の戦いかたっスから。」 ---基地内バルコニー--- エーリカ「トゥルーデ、あの二人なんかやってるよ?」 ゲルト「ああ、どうやら扶桑の武道のようだな。」 ルッキーニ「なになに?なにしてんの?」 シャーリー「ルッキーニ、あまりでかい声だしちゃだめだぞ。あの2人の邪魔になるからな。」 ルッキーニ「えー、なんで~?」 シャーリー「今の2人はそれだけ真剣なんだ。まぁ見てれば分かるだろうよ。」 ルッキーニ「ふ~ん・・・」 エーリカ「あ、始まったよ。」 ---基地内中庭--- 坂本「フッ・・・!」 先手を打ったのは坂本だ。 素早い踏み込みで一気に俺の元へと間合いを縮める。 坂本「やぁっ!」 縦一閃。素早い斬撃が降りかかる。 しかしそれを俺は紙一重でかわす。 俺「はぁっ!」 回避からの素早い抜刀。しかし坂本はそれを予期していた。 カンッ! 俺(反応が速いッ・・・!) 俺の一撃は坂本に防がれてしまった。 再び下がり間合いを取る。 坂本「どうした?その程度なのか?」 俺「まだまだっスよ。」 お互い再び木刀を構える。 次に先に動いたのは俺だ。 坂本よりも素早い速度で間合いをつめる。 坂本(!?) 俺「たぁっ!!」フォン! 先ほどとは段違いの速さで木刀が抜かれる。 カンッ!・・・カランカラン 振りぬいた一閃により木刀がはじかれ地面へと落ちる。 そして・・・ 俺「勝負ありっス。」 坂本の首には木刀が突きつけられていた。 坂本「・・・はっはっは!完敗だ。見事な一閃だったぞ。」 俺は突きつけた木刀をおろす。 俺「いえ、少佐もかなりの腕前をお持ちで。正直焦りました。」 坂本「む?その様子だと私は少し舐められていたようだな?」 俺「いえ、とんでもないっス。ただ手合わせで本気を出したのは親父以来でしたんで。」 坂本「そうか・・・ところでお前の流派は何というのだ?」 俺「えっと、流派名は『至天金剛流』っス。たしか『柳生新陰流』から派生したとか言う話をきいたっス。」 坂本「ふむ。それではなかなかに歴史がありそうだな?」 俺「いえ、たぶん祖父が見栄張ってでっち上げただけだと思います。流派自体は俺の曾祖父あたりから始ったんじゃないかと。」 坂本「そうなのか?おかしな話だな。」 俺「全くっス。ただ、教えだけはいっちょまえっスけどね。」 坂本「どういうものだ?」 俺「『抜かば斬れ、抜かずば斬るな』」 坂本「なるほど・・・」 俺「もう1つは『不討、不退(うたず、さがらず)』」 坂本「ふむ・・・」 俺「そして・・・」 俺「『刀は人を斬る物に非ず、己を斬る物なり。』」 坂本「己・・・?」 俺「はいっス。刀を振るうにはそれ相応の覚悟がいるっス。」 坂本「ああ、そのとおりだな。」 俺「刀はそういった意味で誰かを傷つけるものじゃなくて、己の内の迷いやそういったものを断ち切るものだと教えられたっス。」 坂本「ふむ・・・なかなか奥深い教えだな・・・」 俺「ほんと、無駄に奥深いっス。むしろ何も考えないで決めたんじゃないかと思うくらい。」 坂本「それはないだろう。私も未練を断ち切らねばな・・・」 俺「?」 坂本「こっちの話だ、気にするな。それより手合わせありがとう。また時間があれば手合わせして欲しい。」 俺「もちろんっス。」 お互いに一礼する。扶桑の武道共通の礼儀である。 坂本「その木刀は貸しておこう。練習にでも使ってくれ。」 俺「ありがとうございます。」 ---基地内バルコニー--- ゲルト「・・・・・・・」 エーリカ「何が起こったかぜんぜん分かんなかったね。」 シャーリー「あいつ陸の上でもあんな速く動けるのか・・・」 ルッキーニ「もう終わっちゃったの~?つまんなーい!」 シャーリー「じゃあルッキーニ、遊びにいこうか。」 ルッキーニ「うん!かくれんぼしたい!」 エーリカ「あたしもやる~」 エーリカ「トゥルーデは?」 ゲルト「私は遠慮しておこう。」 エーリカ「え~?つれないなぁ、もう。」 ゲルト「つれない奴ですまなかったな・・・」ツカツカ… エーリカ「トゥルーデ・・・?」 ゲルトは足早に去っていった。 シャーリー「なんかあいつ様子がおかしかったな。」 ルッキーニ「はやくいこーよ~」 シャーリー「そうだな、いこう、ハルトマン。」 エーリカ「う・・・うん・・・(今はそっとしたほうがいいかな・・・)」 ---ゲルト エーリカの部屋--- エーリカ「今日元気なかったけど、どうしたのさトゥルーデ?」 ゲルト「・・・・・」 エーリカ「黙ってちゃわかんないよ。」 少し沈黙した後、観念したゲルトは胸中の思いを明かす。 ゲルト「・・・・・お前には嘘をつけんな。」 エーリカ「良かったら話してくれない?トゥルーデの悩み。」 ゲルト「そうだな・・・」 ゲルト「今日坂本少佐と俺が訓練しているのを見てな、思ったんだ・・・」 エーリカ「何を?」 ゲルト「うん、私も少佐のように魔力を失ったらどうするんだろうな・・・と。」 エーリカ「・・・・・」 ゲルト「最近、戦っている内に分かってきたんだ、私の魔力が以前よりも衰えていることに・・・」 エーリカ「・・・・・うん。」 ゲルト「いずれ私の魔力も消えてしまうだろう。でも今は・・・今だけは失うわけには行かないんだ・・・」 ゲルト「このカールスラントを取り戻すまでは・・・絶対に。」 エーリカ「そうだね・・・」 ゲルト「今までは考えないようにしていたんだ・・・自分が戦えない姿なんて、想像したくなかったから・・・」 ゲルト「でも・・・今日、少佐を見て・・・急に・・・怖くなってしまったんだ・・・」ボロボロ ゲルトの頬に涙が伝う・・・ ゲルト「このまま・・・戦えなくなってしまうのが・・・恐い・・・嫌なんだ・・・私は・・・私はもっとお前やみんなと・・・」 ギュッ そんなゲルトをエーリカが抱きしめる。 エーリカ「そっか、気づいてあげられなくてごめんね・・・」 エーリカ「でもね、トゥルーデ一人で背負うこと・・・ないんだよ?」 ゲルト「ハルトマン・・・」 エーリカ「トゥルーデにはあたし・・・ううん、あたし達がいるんだから。」 ゲルト「!!」 エーリカ「もっとあたし達を信じてよ、頼ってよ。」 エーリカ「この国を取り戻したいって気持ちは、みんな一緒なんだから。」 ゲルト「う・・・うぅ・・・フラウ・・・あぁ・・・」 ゲルト「うわあああああああああぁぁぁ!」ボロボロ ゲルトの涙をエーリカが力強く抱きしめ、受け止める。 エーリカ(今はいっぱい泣いていいんだよ・・・トゥルーデ・・・) しばらくした後・・・ ゲルト「・・・ありがとうフラウ・・・もう大丈夫だ・・・」 エーリカ「うん。」 抱いていたその手を離すエーリカ。 エーリカ「あのね、トゥルーデ。」 ゲルト「なんだ?」 エーリカ「実は、この前ミーナも同じこと言ってたんだ。」 ゲルト「ミーナも?」 エーリカ「うん。ほら、ミーナももう少しで20になっちゃうでしょ。」 この世界ではウィッチは20歳を超えると魔力を失うのが一般的だという。 エーリカ「だから悩んでるのはトゥルーデだけじゃない、みんな一緒。」 ゲルト「そうだったのか・・・私は自分のことばかりで周りが見えていなかったな・・・」 エーリカ「たぶんミーナのほうが先に魔力なくなっちゃうと思う。だからさ・・・」 エーリカ「その前にあたし達の手で絶対に取り戻そうね、この国を!」 ゲルト「ああ、もちろんだ!」 2人は再びこの国を取り戻す決意をした。 絶対に自分達の手で取り戻すと・・・ 2日後 俺「今日で1ヶ月か・・・」 あの戦いからちょうど一ヶ月がたった。 俺「また来るかもしれないな・・・」 ---ブリーフィングルーム--- ミーナ「それでは、ブリーフィングを始めます。」 一通りの説明を終えシフトの発表へと移る。 ミーナ「それで、今日の夜間哨戒は・・・」 俺「隊長。」 ミーナ「どうしましたか俺一等兵。」 俺「今日の夜間哨戒任務に自分を加えて欲しいっス。」 ミーナ「どうしてかしら。」 俺「いえ、ただ今日は行かなきゃいけない気がするんです。お願いします、隊長。」 俺の目は真剣だった。 ミーナ「・・・わかりました。では今日の夜間哨戒任務は俺一等兵とリトヴャク中尉、そしてビショップ曹長にお願いします。」 俺 サーニャ リーネ「了解。」 ミーナ「それでは解散とします。各自任務に当たってください。」 全員「了解。」 ---基地内廊下--- リーネ「あの、俺さん!」 俺「どうしたっスか、リーネさん。」 リーネ「今日の哨戒任務、よろしくお願いします。」 俺「こちらこそ、よろしくっス。」 リーネ「私、もしかしたらお2人の足をひっぱちゃうかもしれないですけど・・・」 俺がリーネの唇の前に人差し指を立てる。 俺「そういうことは考えちゃダメっス。それに、リーネさんの命中精度と火力はすごく心強いっスよ。」 俺「だから、一緒に頑張りましょう、ね?」 リーネ「はい!」ニコ 俺(う~ん・・・ここの子はみんな笑うと可愛いんだよな・・・///) リーネ「それじゃあ、また後で。」 俺「はいっス。また。」ニッ 夜 ---バルト海上空--- 今日も夜の海上は静寂に包まれている。 リーネ「静かですね・・・」 サーニャ「何も無いといいんですけど・・・」 しかし、サーニャの言葉は見事に裏目に出てしまった。 俺「!!」キュイイイイイン 突然俺とサーニャの魔導針の色が変わる。 ふと反応の有る月のほうに目を向ける。 そこには女性の聖職者のような姿をしたネウロイがいた。 俺「あいつ・・・いつの間に・・・」 サーニャ「!」 突然上空からネウロイがビームを放つ。 サーニャ「リーネさん!あぶない!!」 リーネ「え・・・?」 俺「チッ・・・!」ブォン! 俺が咄嗟に蒼炎を纏った刀でネウロイのビームを両断する。 俺「大丈夫っスか、リーネさん!?」 リーネ「は・・・はい、なんとか・・・ありがとうございます。」 俺「よかった・・・サーニャさん基地に連絡を!」 サーニャ「わかりました!・・・本部、応答願います・・・」 俺「リーネさん!」 リーネ「は・・・はい!」 俺「ここからあいつを狙うこと・・・できますか?」 リーネ「や・・・やってみます!」 リーネは対装甲ライフルを構える。 リーネ(集中して・・・) 慎重に狙いを定める・・・ リーネ「そこ!」ドンッ! 弾丸は見事に命中し装甲を抉り取る。 リーネ「やった!」 俺「さすがっス、リーネさん!」 しかし装甲は次第に再生を始める。 リーネ「そんな・・・早い・・・」 俺「大丈夫っス、今度は俺があいつの装甲を剥ぎ取ります。リーネさんは俺の合図でコアを狙い打ってくださいっス。」 サーニャ「応援、まもなく到着するそうです。」 俺「ウィルコ。応援が来る前にかたづけて、驚かしてやりましょう!」 サーニャ リーネ「はい!」 俺「いくっスよ!」ブロロロロ!! ネウロイに近づく。それと同時にネウロイも逃げ始める。 俺「逃がさない!」ガガガガガガガ!! しかし命中しても装甲がなかなか削れない。 俺「うわっ・・・硬いな・・・なら・・・」 俺「おおおおお!!」 いつものように切先に魔力を集中させつつ、ネウロイへと肉薄する。 しかしネウロイの速度が幾分か速く、なかなか追いつく事ができない。 俺「くっ・・・サーニャさん!こいつの動き、止められますか!?」 サーニャ「やってみます!」バシュバシュバシュ!! ネウロイを止めるためにフリーガーハマーを撃ち込む。しかし・・・ リーネ「そんな!?」 サーニャ「また・・・」 またもやサーニャのロケット弾はネウロイの体を通り抜ける。 俺「仕方ない・・・リーネさんお願いできますか!?」 リーネ「あ、はい!やってみます!」 リーネ「当たって!!」ダンッ ネウロイが先に攻撃を察知し紙一重でかわす。 俺「いくぞ・・・!」 しかし、ネウロイがかわした方向には既に俺が迫っていた。 俺「撥ぁっ!!」ブォン!! 蒼炎を纏った刀は先ほどの銃撃よりも高い威力でネウロイの装甲を剥ぐ。 そしてコアが露出する。 その瞬間をリーネは見逃さなかった。 彼女は自身の固有魔法により、スコープなしで約1km先をも見通すことが出来る。 リーネはすぐさま、ボーイズライフルを構える。 リーネ「当たって!!」ダンッ! 一直線に、一寸の揺るぎも無く弾丸は空を突き進む。 そして、その弾丸は見事にネウロイのコアを砕いた。 リーネ「やった・・・やった!」 俺「やったスね、リーネさん!」 サーニャ「リーネさん・・・すごい・・・」 遠くから声が聞こえてくる。 芳佳「リーネちゃーん、サーニャちゃーん、俺さーん!」 リーネ「芳佳ちゃん!」 リーネが宮藤のもとへと駆け寄る。 リーネ「やったよ芳佳ちゃん!わたし、ネウロイを倒したよ!」 芳佳「リーネちゃんが!?すごいよ、リーネちゃん!」 リーネ「うん、俺さんとサーニャさんのおかげよ!」 その後も次々と仲間が到着する。 エイラ「サーニャー!」 サーニャ「エイラ!」 エイラ「大丈夫だったカ、サーニャ?怪我してないカ?」 サーニャ「大丈夫よ、エイラ。心配してくれてありがとう。」ニコ エイラ「サーニャ・・・///」 ミーナ「お疲れ様。俺さん。まさか私たちが来る前に倒すとは・・・」 俺「はいっス、今日はリーネさんがいなかったら危なかったっスけどね。」 エーリカ「リーネやる~!」 ゲルト「ああ、お前は501に欠かせない優秀な狙撃主だ!」 ペリーヌ「ほんと、やるようになりましたわね。」 エイラ「ツンツンメガネも頑張れヨナ。」 ペリーヌ「ど・・・どういう意味ですの!?」 リーネ「ありがとうございます、みなさん!」 こうして2番目の刺客はリーネの手によって撃破された。 ---俺の部屋--- 俺「ふぅ・・・今日も疲れた・・・」 俺はベッドに腰掛ける。 ふと机に目をやるとまたあのカードがあった。 俺「またか・・・」 カードを手に取る。 そのカードには女性の教皇の姿が描かれ下の欄に【PRIESTESS】と書かれていた。 一通り眺めるとカードは砂のように消えていった。 そして俺の頭に声が響く・・・ ――私は導くもの―――スカアハ――― ―――――あなたに力を与えましょう―――――― 頭の中の声が消えると同時に、俺の体が少し軽くなる。 どうやら前よりも魔力が増幅したようだ。 俺「スカアハ・・・か。」 俺「今日は寝よう。」 二度目の試練はこうして幕を閉じた。 続き→ペルソナ6 -ページ先頭へ