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ペルソナのPS版(1996/9/20発売)での情報を参考に載せています。 PS版と変更のない情報もあると思いますので、 確認ができ次第、PSP版のコンテンツにコピー&ペーストしていただけると、 編集が楽にできるとおもいます。
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※このページでは『幻影異聞録♯FE』とそのSwitchへの移植作品『幻影異聞録♯FE Encore』を紹介する。 幻影異聞録♯FE 概要 あらすじ 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 幻影異聞録♯FE Encore 概要(Encore) 評価点(Encore) 問題点(Encore) 総評(Encore) 幻影異聞録♯FE 【げんえいいぶんろく しゃーぷえふいー】 ジャンル RPG 対応機種 Wii U 発売元 任天堂 開発元 アトラス 発売日 2015年12月26日 定価 パッケージ/ダウンロード版 7,236円Fortissimo Edition版 9,698円本体+Fortissimo Edition版セット 40,824円(いずれも税8%込) レーティング CERO B(12歳以上対象) 判定 良作 ポイント アトラス、FEとまさかのコラボてごわいRPGの斬新な戦闘システム徹底的に芸能を意識した内容歌関連の積極的なプロモーション前評判での不安を一気に覆した完成度の高さ ファイアーエムブレムシリーズ 女神転生シリーズ 概要 任天堂の販売する『ファイアーエムブレム』シリーズと、『女神転生』シリーズでおなじみのアトラスがタッグを組んだことで誕生したRPG。 よく間違えられやすいが、「幻想」ではなく「幻影」であり、またFEの前の記号も「#」(「井げた・ハッシュ」)ではなく「♯」(音楽用語でもある「シャープ」)である。 当初は2013年1月に『真・女神転生 meets ファイアーエムブレム』としてその存在が発表されたが、その後『ファイアーエムブレムif』の詳細発表などが相次ぐ一方でこちらの方の続報がなかなかやって来ず、2015年に入ってからの正式タイトル発表まで発売はかなり危険視されていた。 また、コラボ自体があまりにも予想外な組み合わせだったことや、ようやく発表されだしたゲーム内容が(特にFEシリーズファンから見ると)かなり異彩を放っていたことなどから、発売に対する不安の声も各所で聴かれていた(*1)。 そんな中発売された本作だが、その不安はいい意味で大きく裏切られることとなった。 あらすじ 舞台は、芸能文化が栄える現代の東京。芸能界を夢見るが戦う術を持たない若者たちと、戦いに生きる一方で自分らしい輝きを失った異界の幻影である『ファイアーエムブレム』の英雄たち。両者が出会い、異世界からの侵略者との戦いに身を投じていく…というストーリーのRPG。 幻影たちは「ミラージュ」と呼ばれる、異世界「イドラスフィア」の存在。人間たちが持つ表現力の結晶「パフォーマ」を奪い糧とするために、こちらの世界へ大挙して押し寄せている。 だが中には強いパフォーマを持つ人間と感応し力を貸してくれるミラージュもおり、彼らをパートナーとした人間を「ミラージュマスター」と呼ぶ。 ミラージュに対しては通常兵器は一切通用せずミラージュの力でしか対処できないため、彼らの力を武器として戦うミラージュマスターは「人類の脅威に対抗しうる者」として扱われている。 芸能は「神降ろし」を起源とするということで、ミラージュマスターの実力たる表現力は芸能の才に比例するとされている。つまり、芸能界で活躍するものはそれだけ高いパフォーマの持ち主というわけである。 主人公たちは芸能人としての腕を磨きつつ、都内各地に現れるイドラスフィアにてミラージュとの戦いに明け暮れることとなる。 特徴 本作のバトルは「セッション」や「デュオアーツ」「アドリブパフォーマンス」など芸能を意識した演出が特徴だが、本質はメガテンらしい尖ったバトルシステムにある。 「セッション」は相手の弱点属性に対応した攻撃を当てると発生。対応するセッションスキルを持った仲間がいると自動的に追撃が決まり、相手に一気に大きなダメージを与える。 追撃に使ったセッションスキルも弱点属性への攻撃なら、更に他のセッションスキルへとつながっていく。編成が上手ければ、いわゆる「ずっと俺のターン」状態で一方的に相手にダメージを重ねていく。 加えてセッションが決まった瞬間にお金やパフォーマ、グッズなども手に入る。セッションを利用することで稼ぎ作業も楽になるという訳である。中にはセッションでないと手に入らないパフォーマもある。 これらは真・女神転生III以降のメガテンシリーズ、中でも『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』の「デビルCO-OP」に似通ったシステムで、敵味方に共通して適用される。こちらのメンバー誰かが弱点属性の攻撃を食らうと、相手のセッションによる追撃が次々と発生してしまうことになる。 「デュオアーツ」は、ストーリーが進むと解禁される。セッション中にたまに表示されるデュオユニットのグラフィックの通りにボタンを入力することで、セッションの最後に発生する。 仲間二人で組んだデュオユニットが芸能に関わる表現を行ないつつ相手を攻撃する。大ダメージを与えるものや状態異常にさせるもの、味方の体力を回復させるものなど、効果は様々。 デュオアーツの攻撃にも弱点属性への対応があるため、さらにセッションがつながることもある。 「アドリブパフォーマンス」も、相手の弱点を突いた際に、稀に発生する。 ライブやヒーローショー、ジュースのCM、果ては食レポ(!?)など、自分が身に着けた芸能演出を持つ特技スキルで相手全体を一気に攻撃するというもの。感覚的には、『蒼炎』『暁』や『覚醒』などにおける「奥義スキル」の発動に近い。 このように、バトルシステムは「属性の相性で一度戦局が有利に傾けば、一方的に戦いが進んでいく」という、アトラス作品の例に漏れない仕上がりになっている。本作の最大の特徴は、そこに徹底的に芸能関連に力を入れた演出を組み合わせたことと言っても過言ではない。 上述通り「芸能が力の源」なので、磨き上げた芸能をもって敵と戦う…という世界観が構築されている。 コマンドスキルの魔法は「アギ」「ブフ」「ジオ」などの女神転生でおなじみの名前だが、セッションスキルの魔法は「ウインド」「サンダー」「ブリザー」等のFEの魔道書から取られている。 なお、今作では疾風ではなく衝撃属性、つまり「ガル」ではなく「ザン」が採用されている。ちなみに魔法の属性は全部で4種+万能属性。 ミラージュマスターと組んだミラージュは、戦闘の際には「カルネージ」と呼ばれる武器の姿となり、マスターを助ける。 カルネージには生産や強化の概念があり、パフォーマを必要数集めることでそれらが行なえるようになっている。 芸能を意識している部分はストーリーや戦闘演出だけではない。メニュー画面の項目などにも芸能関連の用語が使われているなど、その徹底ぶりはかなりのもの。 アイテムは「グッズ」、装備品は「コーディネート」、パーティ編成は「キャスティング」など。 また戦闘に参加するメンバーは「メインキャスト」、控えメンバーは「サブキャスト」と呼ばれている。 戦闘中の技名の表記などもテレビ番組でのテロップのような形を取っている。 ミラージュデザイン ミラージュデザインは『FF12』や『グランブルーファンタジー』のアートデザイナーである皆葉英夫氏が担当している。 チキだけはわりと原作に近い容姿だが、それ以外のFEキャラはいずれも原作とは大きく違う。服装や鎧のデザインの変更ではなく、足が無くなり空中に浮遊している、腕がバネのようになっている等、身体そのものに人間のそれとは大きく異なっている部分がある。また馬がバイクであったり、ペガサスの脚がロケットの噴射口になっていたり、むしろ人がペガサスと一体化したような姿をしていたり。 設定としては、「終わりのない戦いの末に、より戦闘に特化した姿に進化していった結果」ということになっている。 FE由来のキャラに限らず、ミラージュの容姿は金属的でカラクリのようなものやお化けのようなもの…端的に言えば“人工ペルソナ”と形容できる姿を持つ者が多い。 武器グラフィック カルネージ(武器)の大半は神話や伝承に由来する。FEシリーズ(『暗黒竜』『覚醒』に限らず)に登場する武器と同じ名前のモノもあるにはあるが、見た目は今作オリジナルといっていい。「封剣ファルシオン」(『覚醒』のクロムの剣であり、樹の初期装備)がいい例だろう。 ちなみに小学生アイドルである源まもりの武器は本人の年齢に合わせたかわいらしい形状であるものが多く、歌手であるキリアの杖はスタンドマイクの形になっている。 評価点 戦闘の爽快感 弱点を突き、セッションで一気に相手を倒しきる爽快感はすさまじい。 一見大味に見えるかもしれないが、行動順をよく考えて攻撃を行なう必要など、考えなくてはならない点も多数あるなど、決して単純な「弱点ゲー」には至っていない。 デュオアーツやアドリブパフォーマンスには歌が実際に流れるものも多く、気分を盛り上げてくれる。カットも可能。 デフォルトの難度はアトラスらしく相当てごわいが、難易度選択はいつでも行なえる。(ただし、周回リスタート時のみ最高難度「ルナティック」が選択でき、そちらは途中で変更できない) 他、難易度「イージー」でも全滅してしまうと、さらに簡単なモードである「フレンドリー」が解禁される。 戦闘中のキャラの動きやカメラワークなどもかなり凝った作りになっており、こちらも好評。 シナリオ 全体的に明るめで、ペルソナ4およびFE覚醒に大分近い。アトラスゲーとFEシリーズ双方や芸能界ネタにありがちな陰惨な展開はかなり抑えられている。 ストーリーの流れの関係上、作中の登場人物が悪いミラージュに操られて人々を誘拐したり狂った言動をしたりするシーンが多いが、操られた人自身も芸能界で活躍するプロフェッショナル達であり、狂ってはいるが彼らの話す内容や行動にはうなずける点が多い。そして、そんな彼らを解放するためにこちらの仲間も芸能の力を磨き、芸能に妥協せず本気で演じぶつかっていくという、FEシリーズにもままある「正義のぶつかり合い」を戯画化したような独特なストーリー展開がなかなかに熱い。 またFEの現代劇という取っ付き安さがあり、新規ユーザーにもFEの面白さをすんなり受け入れやすい。 一言で言うと「ニチアサ(スーパーヒーロータイム)」。熱いところはひたすら熱く、コメディシーンはとにかく笑える。 本作をプレイした結果、グラビアアイドルやドラマの俳優などに対する見方が大きく変わった、という意見も多い。 独自設定も多いが、特にこれと言った矛盾点やおかしな点は見当たらない。 FE要素は前半こそ少ないものの、後半では一気にその色合いが濃くなっていく。特にラストバトル直前のイベントでは、通しで見るか否かで大きく印象が変わるシーンであり、きちんと追っていったプレイヤーほど心を動かされるようになっていく。 各登場人物の描写もしっかりとなされており、空気になるようなキャラはいない。 キャラの掘り下げがきちんと行なわれており、好感が持てる。サイドストーリーを進めることで意外な一面が垣間見られることも。 サブを進み具合でEDが変わるというFE要素も健在である。 ギャグ要素は多めだが、くど過ぎるわけではなく純粋に楽しめるレベル。 ゲームパッドの有効活用 Wii Uゲームパッドは、本作の世界に登場する架空の電子機器「TOPIC(トピック)」の代わりを果たしている。 TOPICは現実で言うLINEに近いSNSのような機能があり、ゲームパッドを使って仲間とのやりとりが行なえるようになっている。 仲間ごとに特色のあるスタンプを持っており、各キャラの個性をより深めている。 TOPICにメッセージが来た際にはゲームパッドが振動する。本当に自分自身がその世界にいるかのような臨場感が味わえる。 その他にも、都内やイドラスフィアの地図が記録されていったり、戦闘中に仲間や敵ミラージュの能力の詳細を確認できたりと、様々な機能がある。そのため、ゲーム画面がすっきりしており見やすい。 地図機能の方はダンジョン内はオートマッピングなので、ひたすら歩き回って地図を埋めていく楽しみもある。また、ダンジョン外でも地図内容は確認可能。 ミラージュ能力は「弱点」や「使用スキル」などの情報も記録されている(ただし確認するには一度そのスキルを見たり、弱点を突く必要がある)ので、戦闘中もスムーズに戦略を練ることができる。 「どう考えてもハイテク過ぎでは? というか電波どうなってるんだ」といったツッコミは厳禁である。 ただし、TOPICありきなゲーム設定になっているため、WiiU版だとパッドのみでのプレイは不可能。 やり込み要素 FEではおなじみの闘技場が登場する。内容は、登場する敵ミラージュに5戦連続で勝ち抜くことでもらえるメダルを集め、その枚数に応じて景品がもらえるという形(メダルは交換制ではなく、集めた枚数によってその都度景品がもらえるという仕組み)。 5戦勝ち抜くごとに、2回までアンコールがかかる。アンコールに応えることでさらに5連戦に挑戦できるが、HP減少などのステータスはそのまま引き継ぐ。それもクリアできるともらえるメダルが3倍になる。 難易度は下級・中級・上級の3つの他、2周目以降限定の伝説級というものが存在する。伝説級は育成しつくしたプレイヤーも唸らせるほどの難しさであり、クリアできた時の感動はひとしお。 闘技場に集まったミラージュとは交流ができる。こちらは『真・女神転生』の仲魔との会話を意識した内容であり、うまく接することでパフォーマをもらえる。 カルネージの強化はパフォーマを集めれば限界まで何度でも行なえる。 全てのカルネージをひたすら強化し続け、キャラごとに自分が思う最強のスキル構成を考えて育成するという楽しみ方も。 昨今のゲームではよくあることだが、ゲーム内での行動によってプレイレコードがもらえる要素ももちろん完備。 また、プレイレコードの取得状況に応じてトロフィーが事務所内に飾られていく。 キャラクターの衣装 番組やライブで着用した衣装や私服などをショップで購入し、着せ替えることができる(グラフィックの反映は戦闘中のみ)。 衣装によっては専用の戦闘セリフをしゃべることも(番組の決め台詞を言う、水着であることを恥ずかしがる等)。 有料DLCになるが、DSや3DSで発売されたアトラス作品である『ペルソナQ』や『真・女神転生IV』、『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』、『デビルサバイバー2』とのコラボ衣装も登場。ちなみにこれらは、早期購入特典としても全て最初から入っていた。 やや隠し要素のような形になっているが、チキ用の衣装も用意されている。 チキに関しては、ブルームパレスでユニティを行なう際に見た目が変わる。戦闘中でのデュオアーツやイベント時には見た目は変わらない。 ライブCG キャラクターがライブ等で歌唱する場面の多くは、ゲーム中に使われているCGモデルものとは別の、専用のCGモデルを使って描かれる。もちろんプリレンダムービーというわけでもない。 すべての場面が専用モデルというわけではなく、ゲーム中のCGモデルと同じものや、アニメーションになっているものもある。 その他 声優が豪華。芸能界を舞台にしただけあって、メインで操作するキャラには歌が得意な声優を中心に起用されており、かつ若手から中堅どころまで名の知れた声優揃いである。 FEキャラに関して『覚醒』由来のキャラは同一の声優が起用されている。『暗黒竜』に関してはお馴染みの人とそうでない人と半々といったところ。わかりやすい例で言えばマルスはOVAやスマブラからおなじみ緑川光氏、ナバールもOVA版と同じく子安武人氏が演じているのだが、シーダは本作から早見沙織氏が担当し、より大人びたキャラに。(OVA版では丹下桜氏。TCG『FEサイファ』では丹下氏のサイン入りカードが存在するため、忘れられたわけではない様子。)また、チキは『暗黒竜』準拠の子供時代のデザインであるため、『覚醒』で大人時代のチキを担当した大谷育江氏ではなく、諸星すみれ氏が担当している。本作以降のシリーズや派生作品でも、子供姿は諸星氏が担当するようになった。 そもそも『暗黒竜』のキャラクターに声が当てられたのはスマブラを除けばOVAを始めとした当時のメディアミックス以来で、マルス以外はファン間でもそこまで定着する機会がなかった。一部に新規キャストが当てられるのも妥当なところではある。 作中に流れる歌はいずれも評価が高い。 本作のボーカル付き楽曲はいわゆるゲーム音楽とは大分毛色が違う。それもそのはず、これらの曲はゲーム業界ではなくエイベックス・グループ・ホールディングスの声掛けにより集まった、現代のJ-POPに携わるベテランの作曲家によって手がけられたものである。 リアルに再現された東京の街並み。 縮尺はやや小さくなっているが、ほぼ現実と変わらない作りになっている。 余談だが、本作の2か月後にリリースされた『真・女神転生IV FINAL』では、本作のイドラスフィアへの入り口に該当する場所に回復の泉の入り口があり、知る人をニヤリとさせた。 作中に多数ちりばめられた小ネタの数々。 FEネタやメガテンネタ、現実の芸能界を意識したパロディネタなどが大量に存在している。全て分かった人はどれほどいるのだろうか。 一部の例を挙げると、イツキがジオ系を使う時にたまに言う「いかずちよ!」は、『FE烈火』屈指のネタボスである「アイオン」の迷言。渋谷のライブハウス「オーディン」の外観を飾るステンドグラスのデザインは、『ペルソナ』シリーズの「イゴール」の顔。また、「五十院 輝」なる名前の芸人上がりの司会者や、「鱈知乃 九炎」なる脚本家、「姫麻呂」なる名前のグルメリポーターが登場する…などなど。昔ならいざ知らず、この時期にやるネタとしてはかなり思い切ったものと言える。 モブキャラにも小ネタが多数仕込まれており、例えば「ハット型の帽子を被り半ズボンやスニーカーを履いた『ハイパークリエイター』」なんてのもいる。 「新社長に変わって急におかしくなったお台場のテレビ局」といった、かなりギリギリなネタも。ちなみに新社長の名前は「鶴海万広」。明らかに意識している。 重大なバグの類は特に報告されていない。デバッグ作業にかなりの期間を当てたらしいため、それが功を奏したと言える。 Wii Uのゲームとしては、数少ない純粋なRPG作品であるという点。 元々本数がそこまでではないWii Uのゲームソフトには特にRPG作品が少なく、他の有名タイトルとしては同じ任天堂発売の『ゼノブレイドクロス』や、オンラインタイトルで尚且つ他プラットフォームでも同時展開している『ドラゴンクエストX』くらいしか無い。どちらも取っつきにくく人を選ぶ部分が多数ある作品であるため、「Wii Uでお勧めのRPGは?」という質問に対しては本作が挙げられることが多い。 賛否両論点 シナリオ コラボ元である『ファイアーエムブレム』シリーズやアトラスの『女神転生』シリーズ双方に暗く重い展開が顕著だった時期もあるため、今作の作風との差が激しい。『FE聖魔』や『覚醒』、『ペルソナ4』などと言った、比較的明るめなシナリオである作品が好きな人ならすんなり入りやすいが、『真・女神転生III』までの本流作や『ペルソナ5』、『聖戦の系譜』や『風花雪月』などといった、重くシリアスなシナリオから参入した場合は受け付けにくいと感じる人も多いかもしれない。 1章こそかなりシリアスな雰囲気で進むがそれ以降は割とバカゲー的な雰囲気になる。ついでに言うと1章でシリアスだったある中心人物も後にはっちゃける。 質が悪いという意味ではなく、評価点の項でも触れているように本作の全体的なノリが相当「ニチアサ」に近い。世界観としては忠実とも言えるが、合わない人には合わない。 シリアス路線へと戻るのは、ゲーム終盤になってから。 主要メンバーの一人にヒーロー番組のアクターもいるのだが、このキャラクターの仕事関連については、あまりにも違和感の強い描写が多々ある。多少なりとも特撮番組について知っているなら、絶対にしなかったはずの奇妙な展開や描写が繰り返される。パロディやデフォルメの範疇と受け止めるのも苦しい領域。なまじ「ニチアサ」に近いノリだと評されている分、気になる人はかなり気になるだろう。 なお、全体的なボリュームはRPGの中ではわりと短め。 イツキ 主人公の「イツキ」はよく言えば王道的な巻き込まれ主人公、悪く言えば量産された深夜アニメ・ラノベ風の主人公である。事務所におけるキャッチコピーも「ノーマル系男子」 イツキはミラージュの戦いや芸能活動などは「つばさ(と他の面々)のフォロー」ということでシナリオを進めるので、自分の目標などが全くなく(一応作中でも言及あり)、言ってしまえば縁の下の力持ちといった役どころ。 総じて受身がちなキャラで好感が沸き辛い部分もあるキャラである。 FE関連 名有りのFEキャラは全て『暗黒竜』と『覚醒』からの参戦に限られているため、他の作品のファンからは「ガッカリした」と言う声も。 ただし、このことに関しては発売前から既に明かされていた点ではある。 そもそも、JRPGの様式ではまともに出せる人数はたかが知れているため、作品の限定は仕方がないという側面もある。 名前こそ出てはいないが、シリーズ他作品のキャラクターとよく似たNPCも一部登場している。 今作に登場するFEキャラは『暗黒竜』と『覚醒』から選ばれているが、コラボ作品の宿命か、いくつか原作の人物設定との違いが見られる。 『暗黒竜』のおよそ2000年後が『覚醒』なのだが、設定が原作と異なってしまったFEキャラがいる。『暗黒竜』のシーダは後にマルスと婚約した王女、『覚醒』の主人公クロムはかつての英雄王マルスの末裔という設定なのだが(*2)、今作ではシーダはクロムと同時代におり、マルスが遥か昔の英雄王という事になっている。 細かいところでは、ドーガを含むアーマーナイト系のミラージュが皆、槍ではなく斧を得物にしている点も人によっては気になるかもしれない。原作となる「暗黒竜」「覚醒」では槍が使われており、斧を使うのは覚醒における上級職のジェネラルになってから。ドーガに関しては一応『新・暗黒竜』や『新・紋章』では兵種変更を使うことで斧が装備できる兵種になれたが、アーマーナイトやジェネラルの状態のままではいずれの作品でも斧を装備することは不可能である。メタなことを言うと、「デフォルトでは槍使用者が多すぎ、斧使用者がいないので斧に変更した」といったところなのだろうが。余談だが、後に発売された『風花雪月』では、アーマーナイトの使用武器が斧になっており、本作はひそかにこの要素を先取りした形になっている。 アトラス関連 FEの方では上述の通り多くのキャラが登場しているが、逆にアトラス作品から登場したというキャラクターは少ない。 前述のイゴールの他、メガテンシリーズでお馴染みの「ジャックフロスト」がコンビニのマスコットになっている。 また『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』に登場した「アンソニー」にそっくりなNPC「庵宗二」が登場する。依頼の内容や展開がほぼ同じであるほか、台詞の後にBGMが止まる演出まで再現している。 このゲームはあくまで「FE(作品)とアトラス(会社)のコラボレーション」である他、ゲーム性としては明らかにアトラスRPGの系譜上にあることは戦闘システムの時点で読み取れる。そこにキャラクター周りでまでアトラス要素を前に出すとバランスが悪い、という事情は考えられる。 戦闘関連 セッションは弱点を突いた際に条件を満たしていれば必ず発動し、オーバーキルしても最後まで続くため、こと雑魚戦においてはテンポが悪く感じてしまうことも。アドリブパフォーマンスなどのように演出カットもできない。 セッション発動中は上記のデュオアーツの入力受付時間も兼ねているので仕方のない面もあるが、次回作の話題になると真っ先に早送りなど改善が求められる部分である。 恒例として、セッションは敵もガンガン利用してくるため、迂闊な編成では弱点を突かれて一気に死に追いやられることになる。特にボス戦ではこの傾向が強く「死に覚え」の流れになりやすい。心の強さが試される。 今回はカルネージ(装備)だけでなく使うスキルによっても自分の弱点が変わる(特にツバサ、エレオノーラはこれが顕著)ので、 1ヒット即死の可能性がつきまとうハードやルナティックは敵に合わせて戦闘メンバーやカルネージをとっかえひっかえしていくことになる。 戦闘中のデュオアーツやアドリブパフォーマンスのノリに関しては苦手な人には辛いかもしれない。ここでも「ニチアサのノリが許容できるなら」とも言われる。 イツキのパーティ固定 主人公である「蒼井 樹」はパーティから外す事ができない。戦闘中に控えメンバーと入れ替えることも出来ない。 FEでもメガテン系列でもほぼ全てで主人公は強制出撃(*3)なのでその流れと思われるが、戦闘メンバーが3人しかいない内一人が固定されてしまうのはいささか窮屈に感じるかもしれない。 幸い、イツキは攻撃技や回復技、補助技をまんべんなく習得していく上に能力のバランスもよく、味方は必ず彼の攻撃属性である剣属性と雷属性にセッション出来る、敵には剣属性や雷属性を弱点とするミラージュが意図的に多めに登場するという風に、そのことで不便を感じにくいように調整されている。 問題点 パッケージ版では、戦闘突入時のロード時間がやや長め。 『ゼノブレイドクロス』のようなロード短縮データパックの配信を希望する声もあるが、残念ながら配信される様子は見られない。 DL版ならばある程度改善される。 ギャラリーモードで再生不可能な番組 2周目以降のプレイでは事務所でムービーを再生することが可能になる。これにより1周目で見たライブ映像や番組等を再び見ることができるのだがなぜか源まもりの子供向け料理番組「レンチンアイドル☆まもりん」だけは見直すことができない。 「レンチンアイドル☆まもりん」はまもり本人のサイドストーリー1~3では毎回、別の仲間キャラのサイドストーリーで1回放送されるという、破格の登場回数である(他の番組は大抵1回のみ)。 特に仲間キャラのサイドストーリーで放送された回は、その仲間が凄まじいため人気が高い。 このように登場回数が多い番組にもかかわらず、漏れなく再生不可能という仕様に、まもりを溺愛しているおじちゃんたちからは嘆きの声が上がった。 その他やや影は薄いが、ある仲間キャラが臨時でMCを務めた深夜番組「アブソリュートカワイイ」の方も残念ながら視聴できない。 こちらも上記の「レンチン」と同じくいろいろとぶっ飛んでいるため、何回も視聴できないことを残念に思う声が一部で上がっている。 "彩羽を攻略できない不具合" ヒロインのつばさの姉である彩羽は物語途中から、芸能界復帰への足掛けのためにも主人公たちの所属する事務所の事務員として働くことになるのだが、事務員になった後はメインストーリーの出番が少なく、キャラの内情に触れるサイドストーリーも用意されていない(サブクエストにあたるリクエストはいくつかある)、事務所関係者が集結するシーンでも彩羽だけいない、ついでに言えばエンディングでの後日談も存在しない、という悲しい扱いであり、彩羽が好きなプレイヤーは心を痛めた。 事務所の専属ではないが関わりが深いトレーナーのバリィにはサイドストーリーが用意されているのに…と泣いたプレイヤーが多いようだ…。 一応、事務所に配属された後も、一度だけ間接的にメインストーリーには関わることになる。 ちなみに、この「彩羽を攻略できない不具合」というのはプレイレコード(アワード)の1つであり、実際にそのような不具合が起こっているわけではない。ギャルゲーにおいて、攻略対象にならないキャラクターの話題でよく使われる定型文「○○を攻略できない不具合」になぞらえたネタである。 彩羽の出すリクエストをこなしていくうちにこのプレイレコードを目にして驚いた人は多いはず。 正直「攻略できない」と言うより、単に「扱いがあまりよくない」と言った方がいいかもしれない。 会話ログがない 類似作品であるペルソナ4などで実装されていた会話ログ機能が、本作では(switch版を含めて)搭載されていない。会話を飛ばしてしまう時に不便である。 ダッシュが遅い。 イドラスフィアや通常マップの早く駆け抜けようとしても、樹はダッシュが遅い。常に一定速度を保った状態での小走り風歩きで、他社のRPGと比較しても遅い。 特にイドラスフィア内は敵に追われて逃げにくい。 総評 発売前はそのあまりにも奇抜な内容から賛否が溢れて物議を醸したが、いざ発売されると「良作」という評価が固まった。 爽快感溢れる戦闘や魅力的なキャラクター、丁寧に作られた世界観などに魅了された人は多い。 コラボ関連を抜きに単純な現代異世界RPGとして見ても完成度は高いため、『FE』や『メガテン』のファン以外の方にも十分お勧めできる内容と言える。 『FE』シリーズや『メガテン』シリーズに対する先入観は一度捨て、是非ともプレイして欲しい作品だ。きっとエンタメに溢れた芸能界の虜になることだろう。 余談 当初、本作の開発はいつものFEや『魔神転生』、『デビルサバイバー』のようなSRPGを意識して行われていたようだが、「それではインテリジェントシステムズの真似にしかならない。アトラスの強みを生かすべきだ」という意見が出た結果、JRPGとしての完成に至ったとされている。 開発にはかなり難航した模様。発表から発売までかなりのスパンがあったのも、企画や開発途中での大幅な路線変更の影響があったからだと思われる。 限定版の特典 Fortissimo Edition版には有料DLCである衣装類のDL番号(+その衣装を購入した際に見ることができるショートイベント)が最初から同封されているほか、作中で流れる一部の歌を収録したスペシャルボーカルディスク(6曲収録)と特製アートブック、及び2016年5月15日に開催された♯FEプレミアムライブイベント「エンタキングダム」のチケット優先応募チラシが付いてくる。 本体同梱版は上記と本体に加えて、キャラクターの育成が楽になる有料DLCのサポートクエストのDL番号、上記ボーカルディスクの歌詞カード6種、限定オリジナルステッカー2枚(種類はランダム)が同封されている。 ちなみに、本体同梱版で付いてくるWii Uは、本作発売時には既に生産が終了していたWii Uプレミアムセットの「kuro」カラーであり、新品は当時既にかなり珍しい存在となっていた。 早期購入特典として、同年に展開が始まったFEシリーズのTCGである『ファイアーエムブレム0(サイファ)』の限定カードが同梱されているほか、既に3DSで展開しているアトラス作品とのコラボ衣装も用意されていた。 コラボ衣装に関しては有料DLCとして後で購入する事もできるため、遅れて買った人でも入手自体は可能。 発売前に公開されたPV中に、「壊滅して濁った水に沈んだ大都会」と形容できる光景が広がる様子が映し出され、メガテンを知る視聴者たちからは「また東京が壊滅するのか」などと話題になった。実際はとあるイドラスフィアの背景に過ぎなかったが。 発売前のPVでは露出が多く際どい見た目の衣装が多かったが、本編ではそれと比較するとやや控えめな内容に変更されている。本作は海外展開にも積極的だったことから、それを考慮して修正が入ったのだと思われる。 米国版では、様々な事情から英語音声にローカライズさせる事は不可能と判断されたのか、日本語音声英語字幕仕様である。 本作のパーティキャラクターの一人、剣弥代の担当声優として本作の数々の曲を歌い上げた細谷佳正氏は、本作発売より3ヶ月後、『ファイアーエムブレムif』の追加DLCルート向けに、同作のテーマ曲のアレンジ『if~ひとり思う~Remembrance』とラスボス曲『在るべき路の果てに』のコーラスを歌うこととなる。 孤高のトップスター・剣弥代の曲と神秘的な歌姫の息子・シグレの曲、エイベックス関係のJ-POPに携わる作曲家の曲と各地で高い評価を得るゲーム音楽作曲家の曲、という対比も興味深い。 ちなみに細谷氏は先に『覚醒』でマイユニット役(本作には登場しない)を務めており、本作でももちろんそれをネタにした台詞チョイスがある。 本作のBGMは、ボーカル付き楽曲に関しては全てフルバージョンが収録されたCDが出されているため、本作経験者には幅広く知られている。しかしそれ以外の戦闘曲やイベント曲のような、いわゆる「通常のゲーム音楽」に関しては当初サウンドトラックが発売されず、ゲーム内でサウンドテストなどで聞くこともできないため、ボーカル付きのものを除く全てのBGMの曲名はきちんとした正式名称は永らく不明だった。 後述するSwitch版の発売に合わせて、戦闘曲や追加曲を含めた全曲のサウンドトラックが発売された。 本作は版権の都合が複雑であり、例えば本作オリジナルキャラクターは、FEシリーズお馴染みの任天堂・インテリジェントシステムズだけでなく、アトラスも版権の一部を握っている。そのため外部出演の際には、三社すべての合意が必要と言う状況になっている。 それ故本作のオリジナルキャラは外部出演が非常に少ないが、シーダ役の早見沙織氏や幼チキ役の諸星すみれ氏等、本作における「暗黒竜」キャラの声優配役は『ファイアーエムブレム ヒーローズ』や『ファイアーエムブレム無双』、『ファイアーエムブレム エンゲージ』に受け継がれている。 また織部つばさは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にもFEシリーズ扱いのスピリットとして登場。『FEヒーローズ』でも本作とのコラボによりユニットの参戦が行われた。 なお、前述のTCG『ファイアーエムブレムサイファ』には付属のプロモカードだけでなく正式に参戦している。本作の発売を前にした2015年11月7日のニコニコ生放送「『TCGファイアーエムブレム0(サイファ)』スペシャル生放送2015秋」において2016年3月発売の第4弾シリーズへの参戦が発表され、この際にはアトラスの高田プロデューサーが招かれ作品紹介も行っている。 本作の開発に関わったスタッフの一部は、後にSwitch/3DS作品『超回転 寿司ストライカー The Way of Sushido』に携わっている。当作品のインタビューによると、世界観の構成は本作の構想を元に行なわれたとのこと。 本作のボーカル曲を担当したエイベックス・グループのアーティストは、後に『Girls Mode 4 スター☆スタイリスト』のボーカル曲を担当した。こちらも本作に似たアイドルを軸としたストーリーで、曲の評価が高い。 幻影異聞録♯FE Encore 【げんえいいぶんろくしゃーぷえふいー あんこーる】 ジャンル RPG 対応機種 Nintendo Switch 発売元 任天堂 開発元 アトラス 発売日 2020年1月17日 定価 5,150円 レーティング CERO B(12歳以上対象) 判定 良作 ポイント 追加曲&シナリオテンポが大幅に改善水着&お色気要素削除 ファイアーエムブレムシリーズリンク 女神転生シリーズリンク 概要(Encore) 海外版である『Tokyo Mirage Session #FE』をベースに、追加要素を加えて移植した、いわゆる「インターナショナル版」に近い内容。 基本的な内容は、『幻影異聞録♯FE』(以下、「WiiU版」)と同様。 評価点(Encore) テンポの大幅改善 ロードの短縮 WiiU版、特にパッケージ版では、戦闘開始時のロードが問題視されていたが、本作では大幅に短縮され、快適なテンポでプレイできる。 セッションの演出カットが実装された。 演出カットは、セッションが続いている間、いつでも変更できる。 WiiU版ではDLCだった稼ぎ系ダンジョンが最初から実装されているため、これを活用すればかなりサクサク進めることができる。 2周目特典の追加 2周目の第1章インターミッションから、イツキのメインキャスト固定が解除されるようになった 同時に「飛び入りサブキャスト」も習得できるようになるため、他のキャラと同様に扱えるようになる。これによりパーティ編成の自由度が増え、戦略性も上がった。 またこれにより、メインキャストが女性キャラのみのパーティが組めるようになった。ちなみに女性キャラのみのパーティを組むと、新たなプレイレコード『待ち焦がれたキャスティング』が貰える。 一部プレイレコードの条件変更 WiiU版では、全てのプレイレコードを達成するためには最低でも3周はプレイする必要があったが、本作では一部プレイレコードの条件が緩和され、最低2周でコンプリートできるようになった。 前述の『待ち焦がれたキャスティング』のような、新たなプレイレコードも追加された。 追加要素 前述の通り、WiiU版ではDLCだった、お金稼ぎ・経験値稼ぎ等の稼ぎ系ダンジョンや、イベント「東京ミレニアムセレクション」が、最初から実装されている。 WiiU版のDLCは、2023年3月28日をもって配信を終了しているため、現在は本作がこれらのダンジョンやイベントで遊べる唯一の手段である。 WiiU版のDLC衣装に加えて、新たな衣装も追加されている。新規衣装には『ペルソナ5』のジョーカーや、『風花雪月』のアネットなど、WiiU版以降に発売したソフトとのコラボ衣装も含まれている。 つばさと霧亜がクールに歌い上げる『She is…』などの新曲が追加された。 追加シナリオであるEXストーリーが追加された。 EXストーリーをクリアすることで、WiiU版ではサポートのみだったキャラクターがセッションに参戦できるようになる。 その他細かい変更 WiiU版では2周目特典だった、イベントムービーを見返す機能が、1周目から使えるようになった。 問題点(Encore) サービスシーンの要素の削除 欧米版準拠の移植となっているため、水着の衣装やスカートの中などの女性キャラの露出が抑えられていたり温泉イベントのDLCがカットされている。当初、公式サイトに掲載された画像が国内版準拠だったこともあり(後に差し替え)、告知が不十分だった事の謝罪及び予約キャンセルの受付を行った。 2章のつばさのきわどい水着によるグラビア撮影イベントが、ごく普通のファッションによる撮影に変更されている。とても残念。なのにイベント内容が水着前提の際とほとんど変わっておらず、恥ずかしがる理由が伝わりづらくなっている。 あとあと小イベントではあるが、このグラビアがまた活用される機会も存在し、その際の展開も説得力がかなり怪しくなってしまった。 一方で、海外版限定のイベントが国内でも見られるようになっため、国内WiiU版との違いを楽しむことができるとも言える。 また、国内WiiU版のDLCイベントになっていた、温泉番組「秘湯へGO!」も未収録となっている。 上記と同様、欧米版準拠の移植であるため、一部キャラの年齢の設定が変更されている。 織部つばさは高2・17歳(未成年)から高3・18歳(成年)に変更され、その同級生である蒼井樹・赤城斗馬も合わせて変更された。弓弦エレオノーラも、高1・16歳から高2・17歳へと変更されている。 しかし、元々高3・18歳だった剣弥代は年齢が変更されていない。そのため、WiiU版とは年上・同級生・年下の関係性が変わってしまい、剣弥代の「頼れる先輩」というイメージも相対的にやや下がってしまっている。 総評(Encore) WiiU版と比較してテンポが大幅に改善しており、追加要素もあるため、今から遊ぶのであればこちらがオススメ。 お色気シーンが削除されているため、がっかりされたユーザーもいるが、それが気にならないという人には特に順当に進化している内容である。
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ペルソナ 初期ペルソナ 名称 HP SP 力 魔 耐 運 イヌガミ 23 11 5 5 7 5 エリゴール 17 11 7 5 5 5 エンジェル 17 15 5 7 5 5 ピクシー 17 11 5 5 5 7 中期ペルソナ 名称 HP SP 力 魔 耐 運 オルトロス 35 15 7 7 11 7 クーフーリン 23 15 11 7 7 7 アークエンジェル 23 23 7 11 7 7 クイーンメイプ 23 15 7 7 7 11 後期ペルソナ 名称 HP SP 力 魔 耐 運 フラロウス 47 19 9 9 15 9 ジークフリード 29 19 15 9 9 9 ドミニオン 29 31 9 15 9 9 ティターニア 29 19 9 9 9 15
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このページはモバゲータウンのアプリペルソナ3ソーシャルの攻略サイト(笑)です。 管理人は自分が気づいたことなどを「裏ワザ・小ネタ」に書く程度になってます。 (T_T)<誰か書くの手伝って~w 本格的な情報が欲しい方はこちらのサイトをご利用ください。 書く時間が取れれば情報を充実させますのでそれまでお待ちください。m(_ _)m 【検索用】 ペルソナ ぺるそな ペルソナ3ソーシャル P3S P3S ATLUS モバゲータウン モバゲー インデックス ディー・エヌ・エー DeNA wiki @wiki @wiki @うぃき @うぃき
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前ページ次ページゼロのペルソナ 月 意味…裏切り・徐々に好転 祝宴があった次の日の朝、ニューカッスル城の地下にある鍾乳洞の港は、人で埋め尽くされていた。 彼らは疎開する人々たちで、その中に完二たちも混ざっていた。 キョロキョロとキュルケが視線をめぐらせている。 「ルイズは?」 「ワルドと結婚式挙げるんだとよ」 「この状況で?本当に何考えてるのよ、あの子は……」 「ワルドがウェールズに仲人やってもらいたいからとか言ったらしいぜ。帰りは二人でグリフォンに乗って帰るらしい」 「カンジはー、出席しないクマか?使い魔でしょうに」 「別に出たかねえよ。つか、グリフォンも三人はキツイんじゃねえの?」 キュルケがニヤっと一笑いして、完二の腕に抱きついた。 「ねーえ、あなた勝手に結婚しちゃうような薄情なご主人さまはほっといて、わたしの使い魔にならない?」 「ブホッ」 キュルケの豊満な胸が押し付けられた完二は鼻血を出した。 「キュ、キュルケちゃん、クマというものがありながらオヨヨヨヨヨ」 「な、完二お前、先輩を差し置いてうらやましい思いをイテッ!」 泣き真似を始めたクマも、タバサに杖で殴られた陽介も無視してキュルケは完二を誘惑する。 「この間、仮面の襲撃者からわたしを守ろうとしてくれたじゃない。そのときのあなたとってもかっこよかったわ」 「な、あれは体が勝手に動いただけで!つか、結局、何もしてこなかったし!」 完二が顔を真っ赤にしている。抱きつかれていない方の手で鼻を押さえた。 陽介は完二の言ったことを聞き、不思議に思った。 「そーいや、なんで魔法を出さなかったんだろうな?」 「そういえばそうね。たぶん、詠唱は完成してたと思うわ」 陽介の口にした疑問に共感してキュルケは完二から手を話しその指を口に当て、考える仕草をした。 完二はキュルケの胸が押し付けられなくなり、安心したような残念なような気分だ。 完二の背中にかけられたデルフリンガーが口を開いた。 「詠唱をちょこっと聞いたがたぶんありゃ『ライトニング・クラウド』だな」 久しぶりに声を聞いたな、と思いながら陽介は尋ねた。 「それってワルドが使った?」 「そうだな」 陽介とクマは納得したというふうに頷いた。 「なるほど、敵さんはカンジが割り込んできて、呪文を防がれると思ったから魔法を出すのをやめたクマね」 そう言うと次はキュルケが不思議そうな顔を浮かべ、彼女を代弁するようにタバサは言った。 「ライトニング・クラウドは雷の呪文。間に割って入っても二人とも電撃を受けた」 陽介たちはタバサの発言を不思議に思った。 完二のペルソナ、ロクテンマオウは電撃を無効にする。完二に電撃は利かないではないか。 「何いってるクマか、タバサちゃん。完二に電撃属性は……」 「ああーー!!」 陽介は何かに気付いたというふうに突然大声を上げた。 完二、クマ、キュルケは驚いてビクリと肩を震わした。歩いている人がチラっと見てきた。 「そっか、そーだよ……あれ?でも、それって……」 「なに大声上げてるんスか、センパイ……」 考え込んでいる陽介に完二はツッコミを入れた。 「わかったんだよ、完二!」 「わかったって何がっスか?」 「あの仮面のヤツはお前に電撃属性の攻撃が効かないから魔法を出すのをやめたんだ!」 「いや、だからそれはクマが……」 完二が何言ってんだ、この人は。という顔を浮かべたのに対して、キュルケが浮かべたのは別種の表情だった。 「カンジに電撃が効かない?どういうこと?」 キュルケは不思議そうな顔をしている。そしてその様子を見て陽介は自分の推理を確かなものにした。 「そうだ。お前が電撃効かないことをこの世界の人間は誰も知らねーんだ。二人を除いてな」 完二がはっとした顔を浮かべる。 「ワルド……!」 もちろんルイズも見てたけどあの仮面の襲撃者とは明らかに体格が違ったし、襲われた張本人だ。あの仮面の襲撃者はワルドだったんだ」 クマは当然の疑問を発する。 「ヨースケ、混乱してるクマ?ワルドは一緒にいたクマよ」 「あっ、そーじゃねえっスか!」 自分で言っておきながら完二はそのことを失念していたらしい。 その疑問への返答はすでに陽介の中に出来上がっているが答えたのはタバサだった。 「遍在……」 「そうだ、遍在をワルドは使ったんだ」 トリステイン学院を出発する前日、不気味な教師ギトーの授業が中止になった時に陽介はタバサに遍在のことを聞いたのだ。 遍在とは自分の分身を作る風の魔法である。しかもそれはそれぞれが魔法を唱え、戦うことができる戦闘能力を持つ高等な魔法だという。 それを知っているから陽介はひっかかりに気付けたのだ。 「へ、遍在……?ってなんスか?」 「ようするに分身の術みたいなもんだ」 タバサは陽介の大雑把な説明を補足した。 「それぞれが魔法の力と頭脳を持つ実体」 「彼は風のスクエアだから唱えられるでしょうね」 キュルケが呟いた。 陽介が総括する。 「ワルドは決闘で完二に電撃属性が全く効かないことを知った。 そして襲撃の際に、不意打ちに近い形で魔法を撃てたのに撃たなかった」 「雷は効かないと知ってたから」 タバサが言い、陽介はこくりと頷く。 「思えば宿を襲撃させたのもあいつだろうな。 チームを分断させようと提案したのもあいつだった。それが目的だったんだろうな。 そもそもこの任務は姫さまが内緒で一生徒に頼んだものだから、知っているものも限られるはずだ。 ワルドなら当事者だ。 そしてあいつは完二がキュルケをかばったらすぐに攻撃をやめて次の行動に移った。 たぶんそれが本当の目的だ」 「ルイズ……!」 完二が言う。 「なるほど、このタイミングで式を挙げたのも、わたしたちを追い払うためね。 グリフォンで追いかけるとか言ってたけど……」 「んな気はさらさらねえってわけか」 キュルケの最後の言葉を完二が引き取った。 その時、乗船員たちが大声で乗船を促し始めた。どうやらそろそろ出発するらしい。 「で?まさにあいつの思ったとおりになろうとしてるわけだけどどうするよ?」 「んなもん決まってらあ」 「あら、決まってるでしょ」 「ゴー!クマ」 そう言うと完二、キュルケ、クマは駆け出した。 「ま、そーだよな。んじゃ俺も……」 駆け出そうとした陽介の服をタバサがつまむ。 「ってタバサなにすんだよ?」 「することがある」 タバサは陽介に耳打ちをした。 前ページ次ページゼロのペルソナ
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ペルソナ作りぐらいしかすることが無いが、その一環にアイテム集めがある
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前ページ次ページゼロのペルソナ 話し合いが終わり、退出しようとしたタバサはアンリエッタに呼び止められた。 「先ほどは偉そうなことを申し上げてしまいましたわ。ごめんなさい」 「気にしていません」 アンリエッタはタバサの手を取り、両手を包みこんだ。 「アルビオン王家は絶え、ロマリアがなくなって、始祖の流れを継ぐのはもはやわたしとあなただけなのです。 これからは手を取り合いましょう。 ……ウェールズさまとの約束を果たすのもこの戦いが終わってからになりますね」 最後は自分に言い聞かせるようにして言った。微笑んでいたがどこか悲しげだった。 タバサはどういえば分からず黙っていた。 「それからシャルロットさま。あなたに会いたいという人がいます」 「誰ですか?」 「あなたのよく知る人です。そしてあなたの王位継承を推した人です。 わたしは一緒に話をしようとも申し上げたのですが、まずはあなたとそして使い魔さんにだけ会いたいと」 「えっ俺も?」 タバサにも陽介にも心当たりの人物が思い浮かばなかった。いったい誰が彼らに会いたがっているのであろうか。 使用人に連れられてきた部屋の中には、陽介も、そして冷静沈着なタバサも驚いてしまう人物がいた。 「い、イザベラさん……!?」 ロマリアを滅ぼしたガリア王の娘がトリステインの来客用の寝室にいたのだ。 「久しぶりね、ヨースケ……それにシャルロット」 イザベラは二人の驚いた顔が見れて嬉しいのか笑っている。 「あなたがどうして?」 対象の定まらない漠然とした質問はタバサがそれだけ驚いていることを示している。 イザベラは目を細めた。 「どうして……か。色々な理由があるわね……。父上がロマリアを攻めたのは知ってるわね?」 タバサはこくりと陽介はこくこくと頷いた。 「あんなことをしたら国はお終いよ。 他国だけじゃなくて民からも敵視されて、貴族たちだって言うことを聞かなくなるでしょうね。 だから新しい王が必要なのよ」 「ならあなたがなればいい」 イザベラは苦笑しながら首を振る。 「わかってるでしょ、シャルロット。父上はかつてオルレアン公派と争って王位についたわ。 なら父上の娘が王位を継いだところで誰も納得なんてしないわ」 それに、と言葉を続けた。 「あなたはわたしなんかよりずっと王に相応しいわ。この王位はもともとあなたのものよ」 タバサは困ったという表情を浮かべる。 「わたしは王になる気は……」 「ないの?」 タバサはどう言ったらいいのか分からないという様子だ。 「それもそうよね。つい先日までは王族から追放で、いきなり王になれなんて言われたら混乱するわよね……」 それから二人は押し黙ってしまう。どちらも言葉を見出せないようだ。 だが伝えたいことがないということではないはずだ。陽介はそう確信している。 「なあ、王になるとかならないとかそーいうのはひとまず置いといて、 それよりもっと言いたいことがあるんじゃーねーのイザベラさん」 はっとしたイザベラは探り探りと言った感じで喋り始めた。 「ねえ、シャルロット……あなたは父をわたしの父に殺されてきっとわたしを憎く思ってると思うの」 タバサは首をふってそれを否定した。 「あなたの父がやったこと。あなたは関係ない」 「でもあなたに今までひどいことをしてきたわ」 「それもあなたの父が決めたこと」 「ひどいいたずらをしたわ」 「気にしてない」 イザベラが気に病んでいたことをタバサは次々と否定していく。 だがイザベラの顔は完全には、うしろめたさはなくならない。 彼女はもじもじとしている。言いたいことをうまくいえない。どう切り出せばいいのかわからないといった様子だ。 陽介は彼女に代わってタバサに言った。 「タバサと仲良くしたいってことじゃね?」 陽介の主人はそうなの?というように視線を遣る。 「ちがっ……」 彼女は顔を赤くしながら否定の言葉を口に仕掛けたが押し止めて、代わりに黙って頷いて肯定した。 「わたしは構わない」 それがタバサのなんとも味気ない返答であった。 それから二人は子供のころからしたことのない家族としての抱擁をしたが、なんともぎこちなかった。 二人のぎこちない抱擁が終わると形容しがたい微妙な雰囲気が部屋に流れた。 そりゃ、そう簡単に仲良くなるなんて出来ないよな。と陽介が考えているとタバサが尋ねてきた。 「どうすればいい?」 どうすればいいとは主語も目的語もないなんともシンプルな質問文だが、陽介にはちゃんとその意味は伝わった。 タバサはイザベラと仲良くなる方法が知りたいのだろう。 さすがは付き合いが深いだけあるぜ。と、心の中で自画自賛する。 それはさておいてもタバサもイザベラと仲良くしたいと思っていることは歓迎すべきことに陽介には思えた。 だが具体的な方法を提案しようというと難しくなる。 んー。と陽介は首をひねった。自分は親友とどうしたっけか?と元の世界に居た相棒を思い出す。 冬でも学ランの前を閉めることがなく、灰色の髪を妙な形に切っていた親友の姿を思い浮かべる。 そういえばあいつ何を思ったのか、ちょうど今の二人みたいに突然抱きしめてきたな……。 案外悪い気分じゃなかった…ってこれだけだと何か怪しいヤツみたいだな。完二じゃあるまいし。 えーと、んでもってその後、自分があいつと本当に心を通わせたのは…… 「川原で殴り合いの喧嘩……」 「それにする」 陽介が懐古して呟いたことをタバサは受け入れた。当然、陽介は慌てる。イザベラも驚いている。 「ちょっ、待てよ、タバサ!」 「なに?」 「えーと……ホラ、ここ川原じゃないし」 「ここでする」 「それに女の子が殴り合うってのは一般的じゃないような……」 「あなたはしたの?」 「いや、親友としたことがあるけどさ……」 「ならそれにする」 タバサは何を思ったのか殴り合うという意見が気に入ったようだった。 陽介が止めようとすると、イザベラが笑った。 「ははっ、なに?殴り合って分かり合おうっての?」 タバサはこくりと首を立てに振る。 「いいわ。あなたがそれで満足するっていうならわたしもそうするわ」 陽介の思惑とは反対になぜかイザベラも乗り気になってしまったようだ。 なんでこんなことに……。 呆然とする陽介に彼の主から、邪魔になるとマントを脱いでわたされる。 「手加減はしない」 戸惑う陽介を置き去りにして少女たちの喧嘩が始まった。 二人は示し合わせたように同時に拳を突き出した。 イザベラの腕の方が長いが先に相手に拳を当てたのはタバサの方だった。 より早い小さな拳はイザベラのボディに入った。 その拳を受けながらイザベラの拳は半瞬遅れて相手の薄い胸を打つ。 ダメージはイザベラのほうが大きかったが、下がったのは体格が小さいタバサの方だった。 タバサは右拳を構えて地面を踏みしめる。 腰の入ったタバサの拳はイザベラの頬に当たり、イザベラはタバサの横っ腹を殴った。 次にイザベラは顔を、タバサはわき腹を……というように拳の押収が続く。 避けることはしない。ただひたすらお互いの拳を相手に届けようとする。 さながら言葉の代わりに思いを届けようとするように。 トリステインの国賓クラスを迎えるための客室で、喧嘩っ早い少年だろうとたじろぐような喧嘩が行われている。 息を切らして戦う少女を見ながら陽介は結局見ているだけだった。 この争う物音を聞いて誰かやってくるかと心配だけはしていたが誰も来なかった。 そういや、あいつ今はどうしてだっけか?自分たちがこの世界に来たころには海外にいたはずだ。 親もとに帰った後、すぐにまた親の短期の出張が決まったから今度は旅行も兼ねて親についていったとか。 とはいえこの世界に来て一ヶ月くらいになるのでそろそろ帰って来ているだろうか。 八十稲羽には女子勢が残ってるはずだからきっと帰ったらめちゃくちゃ怒られるんだろうなあ。シンパイかけんなっつって。 そういえば、いつか完二とも殴り合いしようかと冗談交じりに約束したことがあったけど未だにしてねーな。 などと同じ部屋にいながら一人取り残されている陽介は少女同士の喧嘩が終わるまで仲間たちのことを考えていた。 一歩も引かない殴り合いは長く続いた。5分以上はやっていたかもしれない。 全力の殴り合いである。少女どころか男でさえ生涯にやるかどうかの激しい喧嘩をそれだけやったのだ。 その結果として、二人の少女は当然ながら満身創痍で、仲良く巨大なベッドで仰向けに転がっている。 ちょうど互いにベッドの反対側から倒れこみ、お互いに頭が当たりそうなくらいの距離だ。 二人とも汗を流しハアハアと息が荒い。 イザベラの頬ははれてドレスはところどころ破れて、タバサのメガネは傾いて白いシャツはボタンが飛んで下に着ているショーツが見えていた。 陽介は破れた服を隠すようににマントを主に返す。 「どうだ、スッキリしたか、二人とも?」 その答えは否定だった。 「ぜっんぜん!はあはあ…。顔も、お腹も、体中痛いし…。バカじゃないのあんた……」 「わたしもそう思う…」 確かに提案したのは陽介だが、彼の反対を無視して始めたのにひどい言われようだった。 「でも…エレーヌのことがわかった気がするわ…。小さな体なのにすっごく強くて……」 「鍛え方が違う」 そう言ってタバサは荒く息継ぎをする。イザベラは従妹のらしくない憎まれ口に苦笑した。 「そうよね…。わたしが…わたしたちがあなたをそんなに強くしたのよね…」 それから二人の荒い呼吸だけが聞こえた。 「わたし…あなたに嫉妬してた…。魔法の才能に恵まれてて…みんなに愛されてて…。 わたしが持ってないもの…あなたは全部持ってた……。だからうらやましかった……」 また息使いが支配する沈黙が流れる。 「……ありがとう、エレーヌ」 「……わたしもありがとう」 それから二人の間に言葉はなくなった。 言葉はもう要らなくなったのだ。それを陽介は理解した。 ボロボロの二人の顔に浮かぶのは明らかな笑顔だった。 人のことバカとか言っておきながら、お前らスッキリしてんじゃねえか。 そう思っても陽介は口に出さなかった。代わりに別の現実的問題を口にする。 「で、その怪我どーすんだ?」 「どうするって?」 「治さないのかってことだよ?」 「治す……そっか治さないといけないわね」 「みんなが心配する」 「そうよね、エレーヌ……。ふふっ、まさか王族同士殴りあってるなんて知られたらみんなどう思うからしら」 その想像が愉快なのかイザベラは笑った。 確かに現王女が自分ではなく別の人物を王位に推しておきながら、 その二人が平民も真っ青な殴りをしたとなればきっと彼女が想像するように面白い顔の一つもするであろう。 「なんだか治すのもったいないわね……」 イザベラは愛おしそうに腫れ上がった自分の頬をさすった。 同じようにタバサも腕をなぜる。次に腫れ上がった顔に触れながら陽介に言った。 「あなたに治して欲しい」 「えっ、俺?」 「以前治してもらったことがある」 確かに陽介は回復魔法が使える。吸血鬼退治のときに戦いで傷ついたタバサを直したこともある。 とはいえクマの方が優れた回復魔法の使い手なので、普段はあまり使わないが。 「ヨースケってメイジなのかい?」 ペルソナ使いを知らず、当然陽介がペルソナ使いだと知らないイザベラは質問した。 「いや、メイジじゃねーんだけどよ……なんて言ったらいいかな……」 「回復魔法が使える」 タバサが端的に必要なことを言った。 「もしかして先住魔法?何でもいいか。わたしもヨースケに治して欲しいな」 「まあ、イザベラさんもそう言うなら……」 陽介はペルソナスサノオを召還して中級回復魔法ディアラマを二人に使った。 イザベラは突然現れたその亜人のようなものに驚いたが、自分の怪我が一瞬で治ったのにも驚いた。 完全回復する上級回復呪文ディアラハンには及ばないがディアラマも少女の喧嘩の傷くらいなら一発で治せる。 処置を終え、陽介は息をついてベッドに腰かけた。二人の少女のように横になったりはしない。 傷はいえたはずなのに二人の少女は未だにベットで仰向けになっていた。 怪我がなくなったところをさすりながらイザベラは仰向けのまま尋ねた。 「いったいなんなんだい、その力?」 「ペルソナっつーんだけど……説明が難しいな……」 「彼は別の世界から来た」 タバサも仰向けのままがあっさりと重要な秘密を暴露した。 「ってタバサさん?そんなあっさりとそんなこと言っていいわけ?」 「ふーん、別の世界から。なるほどねえ」 「信じてるし!」 「なに、じゃあ嘘なの」 イザベラはじろりと陽介を見てくる。 なんだか下から見下ろされるような不思議な気分になった。 「嘘じゃねえけど普通信じっか?別の世界から来ました、なんて」 「あんたは普通じゃないから、別の世界から来たって言われても信じるわよ」 「なんか、イザベラさんヒドイこと言ってない……?」 陽介はタメ息をつきたくなった。 「ねえ、そのイザベラさんってやめくれないかしら。中途半端に他人行儀よ」 「えっ……。いやでもイザベラさんって姫さまだし……」 「もう姫じゃないわ。だいたい敬語もあんたロクに使ってないじゃない」 「いや、敬語はイザベラさんがいいって言ったから……」 「とにかく呼び捨てでいいわよ。だいたい姫とか言い出したらエレーヌなんて王よ」 「タバサは王になるかどうかまだ決めてねーだろ」 そう言って陽介はタバサを見る。 タバサは横になったまま陽介を仰ぐようにして視線を返す。 「あなたはわたしが王になっても助けてくれる?」 陽介はきょとんとした顔を浮かべたが、すぐに笑った。 「あったりまえだろ。お前がなんだろうと助けてやるよ。元の世界に帰るまででよければな」 ありがとう、そう小さな声で聞こえた。 イザベラは仰向けのまま探るように手を動かして、タバサの手を握った。 握った手は同じように握り返される。 「ねえ、エレーヌ」 「なに?」 「父上を助命して欲しいの……」 タバサは手を握ったまま無言だった。 「わかってるわ。無理を言ってるってことは。父上は許されないことをしたということを。それでもあの人は……」 イザベラは手をさらに強く握る。 「あの人もわたしの家族だから」 タバサは答えを返せなかった。 しかし二人の手は強く、固く結ばれている。 タバサとイザベラは幼少時代から仲がよくなかった。 正確にいうならイザベラが一方的にタバサを嫌っていた。 それでも彼女らはまるで自分たちが生まれてからそうであったように、あるべき姿であるように、彼女たちは家族となった。 翌日、トリステインはアンリエッタ姫が王位を継承することを発表。 またトリステイン、ゲルマニア、ロマリア連合皇国の連名でオルレアン公の遺児シャルロットがガリアの新王になることが発表され、 その正当性は支持した各国、そして前ガリア王女イザベラがそれを保障した。 前ページ次ページゼロのペルソナ
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※当Wikiは統合しました。以後はこちらのWikiをお使い下さい 発売日 2009年4月29日 対応機種 PSP メーカー アトラス ジャンル RPG CERO年齢区分 B区分 12歳以上対象 価格 ペルソナ 特典 オリジナルサウンドトラックCD(2枚組)付き ¥4,143円 公式 http //persona.atlusnet.jp/
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使用者 チエジロー △▶▶【ヒロイック・ペルソナ】 系統:念動術 対象:術者 射程/形状:術者/- 時間:6ラウンド 抵抗:なし 属性:- 効果:英雄の魂を憑依させその力を借り受けます。 戦闘特技、練技、呪歌・終律・騎芸、賦術、鼓咆、占瞳・呪印・貴格を一つ選びます。 (超越者用を選ぶことも可能です) 効果時間の間、全ての前提を無視して、選んだ能力を習得し使用可能になります。 ただし、使用条件や使用に必要なリソースなどはそのままです。 習得した能力を使用する際判定が必要になる場合は、 本来の技能に代わってサイキッカー技能レベルで代用できます。 この念動術を行使した際は、習得した能力を習得可能になる最低レベルと同じ値だけ、 念動術の使用回数が消費されます。 (全力攻撃Ⅰなら1回分、全力攻撃Ⅱなら9回分、切り払いなら16回分) 拡張: 《ルーンマスター》 別々の能力を習得する場合において、この念動術の効果が重複するようになります。 (【ウェポンマスター】や【マジシャン】などと同様に処理されます) 《MP軽減/サイキッカー》《マナセーブ》 本来の念動術の使用回数増加の効果に加え、 この念動術を行使した際に消費される使用回数が1回分ずつ軽減されます。(最低1) サイキッカー技能