約 592,782 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3801.html
注意点 ゆっくりエンザの人の『ゆっくりいじめ系2051 みんなの幸福まりさの不幸』からの設定を一部拝借しています 「4232132」 「…423、2132。次」 「3221121」 「…322、1121っと。次」 「3331212」 「…333、1212。次」 少し薄暗くて狭い空間に男二人が沢山のゆっくり達がつまった段ボールに座って作業をしている。 明るい照明と内装のゆっくりショップの店内から一枚壁を隔てた奧の部屋で男達は奇妙な数字を言い交わしていた。 厳密に言えば一方の男が数字を言い、それをもう一方の男が復唱しながら機械にその数字を打ち込んでいるようだった。 先に数字を言う側の男は次から次に段ボールからゆっくりを取り出しては数字をそらんじているようだ。 段ボールから出されたゆっくりは重なり合っていて狭苦しい場所から解放された喜びと独特の浮揚感に頬を綻ばしていたが男達は反応しない。 自分がとてもゆっくりできているのにどうしてゆっくりしないのかととすぐに機嫌を害していたようだが、 すぐさま隣の段ボールに移されまた狭苦しい環境に逆戻りしてあっという間に境遇を嘆いていた。 いちいち感情をころころ変えるゆっくり達に反応していてはこの仕事はやっていけないのだ。 もはや慣れた手つきの流れ作業で男はゆっくりを掴みだし、ある個別の数字を読み上げ、そして別の箱に移す。 客の少ない間にブリーダーから店側に卸されたゆっくり達の選別作業と情報登録を済まさなければならないこともあり、一連の作業は素早く行われていた。 「ふー、ようやく終わったか」 「お疲れ様。今回はちょっとハズレが多かったすね」 「もう今度からあのブリーダーへの発注は止めとこうな」 「当たりも[きれい好き]れいむと[物知り]まりさだけじゃなあ」 「野生でも野良でもそれくらいいるってーの。話にならん」 休憩がてら店の裏手で生まれたての赤ゆをつまみつつお茶を飲みながら愚痴りあう男達。 ゆっくりを見て数字をそらんじていた男は今回入荷したゆっくりのリストを渋い顔をしながら眺めていた。 飼いゆとしてはぎりぎりの水準のレベルであるゆっくり達ばかりでこれからどう販売していくかを考えると頭が痛かった。 男がそらんじた数字、それはゆっくり達のステータスをある基準で数値化したものだった。 数字はそれぞれ[人格Lv]、[身体能力Lv]、[しつけLv]、[耐水性Lv]、[歌唱技能Lv](まりさ種なら[渡水技能Lv]等)、[絶食耐性Lv]、[知能Lv]である この男はゆっくりを触ればそのゆっくりのステータスが分かる程度の能力を保有しているのだ。 ゆっくりがこの世に出てくるまではまったく意味をなさなかったその能力は今こうしてゆっくりの状況を把握するうえで大活躍している。 人語を話す癖にコミュニケーションはほとんどまともにとれない不思議生物に対して、 直感的にその様子を手に取るように分かるのは便利以外の何者でもない。 男達が行っていた選別作業は店に出すのもそうだが販売するゆっくりのデータベースを作る役割も兼ねていた。 それまでゆっくりを飼いたいと思う客に対して曖昧な販売基準と適当な価格設定だったものが、この男の手により確固たる販売形態へと生まれ変わったのだ。 客側からしてみてもそのゆっくりの性格やら特徴などはっきり分かるので安心して購入できるというものだ。 男は睨んでいたリストから顔を上げると隣の男に告げた。 「とりあえずステータス下位層のゆっくりは入り口正面のケージで投げ売りにしよう。 そうでもなきゃ加工所に持って行ったほうが早い」 男は今回は利益無視の特価での販売を決め込んだ。お得意様の一部には喜ばれるに違いない。 それが次回以降の利益に繋がればいいのだ。 「今回は実験は行わないんです?」隣の男は一応とばかりに尋ねる。 「特にしたいこともないし、今はうちのゆっくりで忙しいからな」 「そういやようやく生まれたんでしたっけ? ゆっくりてるよの子供が」 「ほんとようやくって感じだな。これがまた親に似て可愛いのよ」 その姿を思い浮かべるだけで男の表情は緩んでしまう。 「店のゆっくり共に見せたいぐらいの馬鹿顔になってますよ……」 「あいつらは正直駄ゆっくりだ。商品じゃなきゃ無視してるレベルだよ」隣の男の台詞に再び渋い表情に戻った。 「まったくその落差はひどいもんっすね。もちろんてるよの子供は店には出さないんですよね?」 「当たり前だ。相場の十倍積まれても手放す気はないぞ」 「十倍っててるよってだけで何十万クラスじゃないっすか……。俺なら売っちゃうなー」 「そもそもお前じゃ飼えないだろうが」 「まあそれもそうっすけど」 そう言う苦笑いする隣の男はさっさとゆっくりとお茶を胃に流し込んで店内に戻っていった。 これ以上話を続けていたら飼いゆっくり自慢を長々とされることを経験上理解していたからだ。 話相手もいなくなったゆっくりのステータスを手に取るように分かる男は、 家で待つ飼いゆっくりの様子を思い浮かべながら一人不気味ににやけていた。 そして最後に残った赤ゆを一口に飲み込んでは店に戻っていった。 やはり最後のゆっくりは格段の美味しさを誇った。 その男の稀有な能力は店でゆっくりを売るときはもちろん、家でゆっくりを飼うときも存分に役立っていた。 特にゆっくりてるよ相手にはこれでもかというほど役立つ能力である。 通常ゆっくりてるよは人に懐かない。 それは人間側に問題があるからだ。 てるよは他種のゆっくりと比較すると驚くほど言葉数が少ないことがわかる。 あのとげとげしく耳に触るほどの大声で喋らないどころか必要なことまで「めどい」の一言で飼い主に伝えないのだ。 お腹が減った。遊んで欲しい。お風呂に入りたい。あれがほしいこれがほしい……。 そんなてるよの要求に飼い主は応えないため、てるよが愛想を尽かし出て行ってしまう。 どんな人間でもまずそれを止める事は出来ない。 なぜなら満月の夜に月の明かりに照らされ壁や扉をすり抜けて野生へと戻ってしまうからだ。 そんなてるよですら男は手なずける事に成功した。 それもこの男が持つ能力のおかげである。そしてついには繁殖まで成功してしまったのだ。 男は定時に仕事を済ますと挨拶もそこそこに寄り道もせずに家に向かった。 あまりの可愛さに一時も飼いゆ達と離れたくないのだが働かないと暮らしていけないのも事実なのでやむなく離ればなれになっている。 その為仕事が終われば一目散に帰宅するのがここ最近の日課となっていた。 幸い男が勤める店から家までは歩いても10分と近距離にあるため仕事以外の時間はゆっくり達といることができた。 それでも家を離れる間は飼いゆっくり達だけとなり不安である。 家屋への野生ゆっくりの侵入は後を絶たないし、自宅のガラス窓のすべてを強化ガラスにまだし終えていないからだ。 そしてこの日男の不安は見事的中する事になる。 「ただいまー」 男が自宅に戻ると帰宅の挨拶をする。 いつもならここで飼いゆっくりの一匹であるちぇんが出てくるはずだが一向にその姿を見せない。 静まりかえった室内からくるどこか騒がしい物音を聞き分けると男は異変を感じ取った。 やられた、男がそう思ったのはリビングの窓が破られてガラスが四散しているのを発見したときだ。 荒らされた家具とある方向に向かって伸びている泥の跡をみて胸が締め付けられる。 急に跳ね上がる心拍数は男が大事にしている飼いゆ達の安否が気になったからだ。 外からの侵入者のことはこれっぽっちも気にも留めてなかった。 ひとまずあいつらが無事でいてくれたらそれだけでいい、男の心はそれだけでいっぱいだった。 男は侵入者の足跡を辿りながら、リビングから離れた位置にあるゆっくり達が普段くつろいでいる部屋に静かにその足を進めた。 下部にゆっくり用の入り口が開けられているドアのノブをゆっくり回すとそこには見慣れぬゆっくりがぞろぞろといた。 その部屋に男が入ってきた事に気が付かないでいて、部屋に鎮座している和風ゆっくりハウスDX(家族用)に向かって何やら叫んだり体当たりを繰り返している。 「ゆっくりしてないでこのいえからでていってね!!」 「「「でていってね!!」」」 ゆっくりハウスの前で大声を張っていたのは成体サイズのれいむとその子供と思われる子ゆっくりサイズのれいむ二匹とまりさ一匹だ。 そして男の飼いゆっくり達はどうやらあのハウスの中に逃げ込んでいるようだった。 それでもまだ本人達の姿を見るまでは安心できない。 男はれいむ一家を無視してゆっくりハウスの元に向かった。 「ゆゆっ!! おじさんどこからきたの? れいむたちのゆっくりぷれいすからでていってね」 「「でていってね!!」」 「まりさにあまあまちょうだいね!!」 男がゆっくりハウスの側に立ったとき、ようやくれいむ達は男の存在に気が付いたようだった。 それほどこのハウスに意識を集中させていたようだ。どうもこのゆっくりハウスにはゆっくり達を熱中させて止まない何かがあるらしい。 そんなれいむ達を完全に無視して男はゆっくりハウスの屋根を大胆にも取り外した。 その様子を見てハウスを壊されたと誤解してか、れいむ達はゆがーんと固まってしまった。 「てるよ、ちぇん無事か!?」 「わかるよー、みんなぶじなんだねー」 「それは良かった。ちゃんと言いつけは守ったんだな」 「みんなでここににげたんだよー」 突如開いた天井を不安そうに見上げていたてるよとちぇんは男の顔を見てホッとした表情を見せた。 それでもてるよとその側にいる子供達二匹は震えが止まらない様子だ。 「みんなには心配をかけてすまなかった。でももう大丈夫だからな」 「あんしんなんだねーわかるよー」 てるよも声には出さないが「よかった」と言っているようだ。 念のための確認で飼いゆ一匹一匹を持ち上げて状況を確認する。 「[腹ぺこ][いらいら]か、お腹が空いてるんだな。あとでゆっくりごはんにしような」 まずはてるよの基本的なステータスを確認した。満腹度の低下とストレスの上昇が見られるがあとはいつも通りくらいだ。 男は一応てるよの他のステータスを確認する。 「[令嬢][跳ねない][賢者][美肌][不感症][喋らない][常時睡眠][親愛]」無事普段のステータスだった。 もしゆっくりショップの誰かがこのステータスの羅列を聞いていたら卒倒するだろう。 [てるよ種]という稀少さに加えてこれだけ多くのプラスステータスが加わればとんでもない値段になるからだ。 「ちぇんも確認しておこう。おいで」そういって男はちぇんを目の前まで持ち上げる。 「[一般常識持ち][狩りが得意][偏差値50][タチ][四六時中大声][飾りは飾り][親愛]。ちぇんも問題なしだな」 「わかる、わかるよー」 ちぇんもてるよには劣るがそこそこのステータス持ちである。 好感度ステータスの[親愛]からは男の飼いゆへの溺愛っぷりが見て取れる。 一方その頃男の足下で固まっていたれいむ親子がようやくショックから立ち直り動き始めた。 「どうじでおいえこわじだのおおお」 「「ゆっぐりやべでね!!」 「ゆっぐりでぎないじじいはじね!!」 まったく野生のゆっくり共は一旦動き始めたら騒々しくて堪らない。 男は優しそうな表情から一転、虫でも見るような眼差しでれいむ達を見下ろした。 「なんだまだいたのか。さっさと出て行ってよ。ここは俺とてるよ達の家だからさ」 「なにいっでるの゛!? ごごはれいむ゛だぢのゆっぐりぶれいずっていっだでしょ!!」 「はぁ、あっそう」 男はれいむのあまりの野生のゆっくりっぷりに溜め息をつく。 こういうゆっくりは相手をするだけ無駄というのは重々承知しているのでそうそうに家から出て行って貰う事にする。 「今なら許してやるから出てけ」 そう言って親れいむを持ち上げて部屋の窓を開ける。 するとこの瞬間男の表情が歪む。 男の能力の面倒なところは別にその気は無くても触るだけでそのゆっくりのステータスが分かってしまうところだ。 自分でコントロール出来ないためれいむに触れた時点でれいむの状況がわかってしまう。 「もうほんと絶望的なステータスだな。[わがまま][のんびり屋][餡子脳][四六時中大声][飾りに傷][かすり傷]か」 このステータスのゆっくりではゆっくりショップに来たら間違いなく即加工所送りである。 別に知りたくもないれいむのステータスを知ってしまい男はますます気が滅入る。 「まったく、こんな駄ゆっくりは投げてしまいたいなあ!!」 「おじざんやべでね!! れいむをなげないでね!!」 「おかーさんずるい!!」 「れいむもれいむも」 足下では子れいむ達が母親が人間に遊んで貰っていると勘違いしてこれまたうるさい。 そして子まりさに至っては何故か男に怒っていた。 「ばでぃざをむしずるじじいはごうじでやる!!」そういって効果のない体当たりをかましてきた。 まりさが男の足に体当たりをするとまりさと男は触れたと同義であり、男はこれまた知りたくもないまりさのステータスを知らされる事になる。 「もう勘弁してくれよ。[ゲス][暴れん坊][餡子脳][四六時中大声]……、[他ゆの飾り]?」 なんだこれと男は一旦親れいむを床に置き子まりさを持ち上げる。すると今度は親れいむが男に体当たりをし始めた。 男はそれを無視してまりさのステータスを確認するとやはりおかしなステータスが一つ存在した。 「おいれいむ、このまりさはお前の子供か?」 「ぞうだよ!! ばでぃざをゆっくりおろじでね!!」 親れいむはこのまりさを自分の子供だと言った。だが飾りステータスが[他ゆの飾り]なのだ。 「おいまりさ、この帽子どうした」 男はつまみ上げていたまりさのその帽子を指さしながら言った。 すると男の手の中で暴れていたまりさはあからさまにギクッと驚いてみせた。 「し、しらないんだぜ。まりさはなにもしてないぜ」 まりさは急に態度を変え大人しくなった。それは誰がどうみてもまりさは嘘をついている姿に他ならない。 野生種ならではの狡猾さが見て取れ、男は頭を抱えながらさらにまりさに問うた。 「なら質問を変えよう。お前の前の帽子はどうして無くなった?」 「おねーちゃんのありすとあそんでいるときえださんにひっかかってぼろぼろになったんだぜ。どうしてじじいはなくなったことしってるんだぜ?」 まりさは帽子を無くしてしまったのをなぜ男が知っているのか心底疑問に感じたようだが、それを男は無視して続けた。 「そしたらまりさ、どうしてその帽子が新品なんだ?」 「ゆゆっ、それは……」 子まりさが返答に困ったとき男が思いついた事実であろう推測をこのまりさにぶつけてみる。 「それは本当の持ち主から奪ったんだろ」 「ゆ゛ゆ゛っ、どういうことなのまりさ!!」 「ち、ちがうんだぜ。でたらめだぜ」 「お前はいつからそこのれいむの子まりさとすり替わったんだよ」 「おじざんっ、まりざはまりざじゃないの!?」 「ああ、お前達は気付いていなかったようだが中身が変わってるよ」 「ゆがーん」 「「まりざおねーちゃんはどこいっだの!!」」 れいむ達の衝撃は大きい。いつの間にか自分達の家族であったまりさが中身が変わっていたのだ。 それに気が付かず生活をしていた自分達もそうだが、のうのうと暮らしていた知らないまりさにもショックを受けた。 子れいむの一匹はあまりの出来事に餡子を嘔吐して痙攣しはじめた。 「大方元の持ち主のまりさを殺して奪ったんだろお前のステータスをみりゃ見当が付く。 それにありすおねーちゃんってお前の親はまりさとありすって言ってるのと同じだよな。 やっぱりこのれいむの子供じゃないんだろ」 「ゆがあああああ!! どぼじでぜんぶいっぢゃうのおおおおお!!」 「やっぱりしらないまりさっだったのおおお!! うちのまりさをがえじでええええ!!」 「れいむおねーちゃんしっかりしてええええ」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 もはや阿鼻叫喚地獄絵図である。 これ以上叫ばれたり部屋を汚されるのは勘弁してほしいので四匹には窓から退場してもらった。 当然言っても聞かないので男が家の外へと放り投げる形ではあったが。 男が窓を閉め切る寸前には親れいむの罵声と餡子の飛び散る音がした。 ようやく一騒動が片付き、男は飼いゆっくり達に目を向ける。 警戒しながらハウスの扉を開けて、ちぇんが先導しながらてるよと子供達が部屋に出てきていた。 「しずかになったんだねー、わかるよー」 ゆっくりショップで購入できるゆっくりハウスの扉は、当たり前だが内から外に開く形になっている。 これは外から押しても扉は開かないことを意味し、頑丈な作りにしておけば頭の悪いゆっくりには一生開けられない屈強な壁となる。 この安心設計のハウスはとてもゆっくりできると巣を持たない飼いゆっくり達には好評で、 その中で寝るとストレスや体力の回復が早まる効果もあることを男は確認している。 「……おなかへった」 「そうだったな、さっそくご飯にしようリビングにおいで」 野生のゆっくりの侵入を許してしまい、そのせいでみんなのご飯の時間が遅れてしまった。 男本人も空腹を覚えていたため、てるよとその子供達を両手に抱えてゆっくりの為の部屋をあとにした。 あとがき どうもゆっくりっち製作者です。 ゲーム内の人間はこんな能力を持っているのよって訳でSSを書いてみました。 べ、別にゲーム製作に行き詰まったとかじゃないんだからね!! 最後になりましたが勝手にSS内の設定を拝借してしまって、ゆっくりエンザの方すいません。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/279.html
403 :名無したんはエロカワイイ:2008/09/13(土) 01 00 12 ID vPyZEYMF0 生物(いきもの)じゃなくて食物(たべもの)だもんな いや、ナマモノか? ================================================================ 食物でしょう。 ゆっくりの身の程 魔法の森の奥で、一人の少女がバスケット片手にきのこ取りをしていた。 黒い三角帽子に黒いエプロンスカート、波打つ金髪にちょっと勝気な瞳。 いわずと知れた霧雨魔理沙である。 「今日はなかなか実入りがいいぜ……」 フンフンと鼻歌を歌いながらバスケットを満たし、森の奥へと歩いていく。 と、いきなり横手からとげとげしい声をかけられた。 「ゆ! おねえさん、やめてね!」 「そうだよ! れいむたちのじゃまをしないでね!」 「ゆっくりとあやまってね!」 「あやまらないとひどいんだぜ!」 魔理沙は驚いて振り向いた。そこにいたのは、いくつもの饅頭たち。 いや、ゆっくりれいむとゆっくりまりさの群れである。 「は……?」 魔理沙は目を点にして立ち止まる。といっても、ゆっくりの存在に驚いたからではない。 森にゆっくりが出始めてから、もうずいぶんたつので、その存在には慣れている。 驚いたのは、そのれいむとまりさたちの態度に、だった。 はっきり言って、魔法の森における魔理沙の生態的地位は―― 王。 のそれである。マスタースパークを撃つまでもなく、弾幕をほんのちょっと張るだけで、妖怪山賊の類でも逃げていく。 いわんやゆっくりにおいておや。 この森に住むゆっくりの中で、本家魔理沙の力を知らないものは、一匹たりとていないはずだった。 だが、この饅頭たちは…… 「ここはれいむたちのゆっくりプレイスだよ!」 「そーらよ、ゆっくちぷれいちゅだよ!」「ぷれいちゅ!」 「みんなでゆっくりキノコとりをしてるんだから、きちゃだめだぜ!」 「だめだぜ!」「らめらじぇー!」 「「「「ゆっくりあっちへいってね!!!」」」いっちぇね!」 れいむ家族もまりさ家族も、口をそろえて言う。舌足らずな赤ゆっくりだけはちょっと遅れる。 魔理沙はぽかんとそれを見つめていたが、「んー」と唸ってこめかみをぽりぽりかき、聞き返した。 「おまえら、ひょっとしてよその森から来たか?」 「ゆ? そうだよ! きょうついたばかりだよ!」 「だから、とってもつかれているんだぜ!」 「でも、こんなにきのこのいっぱいあるゆっくりプレイスをみつけられたから、ゆっくりしているよ!」 「「「「「ゆっくりしているよ!!!」」」りゅよ!」 そう言ってなんのつもりか、にゅいにゅい、と二度ほど背伸びをし、 「ひさしぶりのゆっくりだから、ゆっくりするの!」 「するの!」「ちゅるのー!」 「ゆっくりとね!!!」 そう言って、勝ち誇るようにふんぞり返った。 「はぁー……」 なんというか、ゆっくりのゆっくり宣言のフルコンボを食らった感じで、唖然とする魔理沙だった。 しばらくそうしていたが、キノコ取りをしていたことを思い出した。 で、しゃがんでそこらのキノコを、ひょいひょい、と取った。 当然、一帯をゆっくりプレイス化していたれいむたちは、激怒した様子で喚きだした。 「ゆゆゆ! れいむのゆっくりプレイスだっていったよね!」 「はやくやめてね! やめて、とらないでね! とらないでね! ゆーーーーーっ!」 「やめろっていってるんだぜ! ゆるさないんだぜ! むぅーーーーっ!」 「やっつけるんだぜ!!!」 とうとうれいむとまりさたちは魔理沙に殺到し、体当たりを始めた。それなりに重いやわらか物体が、もこんぼこんどよんぶよんと、魔理沙の肩や背に当たる。 もちろん、痛くはない。 だが、うざい。 魔理沙はため息をつき、ひとことだけ警告してやった。 「私は生き物。お前たちはそれ以下。物を食うな。わかったか?」 「ゆ? なにいってるの?」 「わけがわかんないんだぜ!」 もこんぼこんどよんぶよん。 魔理沙は決意した。 顔の前に人差し指を立てて、唱える。 「Зола для золы, пыли, пыли, бун к булочке.」 ぽっ、と爪の先に光がともった。 その指で、一頭の母れいむの額に触れる。 「ゆっくりあっちへいってね! ゆっくりしんでね! ゆっ……」 叫びながら自信満々で体当たりしていたれいむが、触れられた途端、ぽてん、と地に落ちた。 傷はない。打たれたわけでもない。病や薬に冒されたようでもない。 ただ、のたりと落ちた。 勝気だった表情はそのままだ。目もしっかりと見開かれている。ただ、その瞳にもはや光はない。プラスチック玉のように無機質に景色を映しているだけ。 バレーボールほどの丸い体が、わずかに傾き、のろのろと平らに潰れていく。 その姿に、周りのゆっくりたちが驚き、駆け寄った。 「お、おかーさんん!?」「おかしーゃぁぁん!」 「れっ、れいむ? どうしたんだぜ?」 「ゆっくりしてね、ゆっくりげんきをだしてね!」 話しかけたり、揺さぶったり、頬ずりしたり、懸命にぺろぺろとなめたり。 ゆっくりにできる、精一杯の方法で、気遣ってやる。 だが、反応はない。まったくない。悲鳴やうめき声さえも。 即死したのだろうか。そう思い込んだ子供たちが、涙を流して魔理沙を罵倒した。 「れ゛い゛む゛の゛おがーぢゃんに、なにずるのぉぉぉぉぉ!?」 「ゆっくりできないひどだね! さいていだねぇぇ!!」 「いっしょうゆっくりしないでねぇぇぇ!」 「ゆっくりごろじいぃぃぃぃぃ!!!」 「私は、人間」 我関せずとばかりにぷちぷちとキノコを取っていた魔理沙が、肩越しに言った。 「お前たちは、それ以下。――Зола для золы, пыли, пыли, бун к булочке.」 再び、指先の光。今度はゆっくりまりさに触れる。 「ゆっくりじね! ゆっくりじ……」 飛び掛る途中で触れられたまりさは、ごろごろん、と地に転がった。 その顔は、れいむと同じだ。何の表情もない無機質。いや―― ただの、有機物。 食物。 そう、饅頭であるゆっくりたちが、饅頭本来の姿に戻ったのだ。思考も運動もなく、幸福も不幸もなく、生も死もない、ただの菓子に。 それは魔法の力。正確には、魔法を打ち消す力。 「魔法使い」である魔理沙にそれができて、なんの不思議があろう? だがゆっくりにはわからない。魔法はおろか、力の差すらわからない。 おのれたちがいかに不自然な存在であるか、すら――。 「おかーしゃんたちをゆっぐりがえしでねええええ!」 「「「がえじでねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」 殺到するゆっくりたちにむかって、魔理沙はくるりと振り向いた。 両手の指を花びらのように向ける。 呪文――そして光。 その瞬間、光に触れられたゆっくりたちは、啓示を受けたように悟る。 れいむたち―― まりさたち―― お ま ん じ ゅ う ? ただちに悟りは消える。 なぜなら、饅頭は悟らないから。 ただ柔らかな和菓子と化して、ぼたぼたと落ちた。 「ん~ふふ~ふふ~♪ さあ、今日はこれぐらいでいいかな。……っと、いけないいけない」 キノコ取りを終えて立ち上がった魔理沙は、周りの光景を見てつぶやいた。 八卦炉を取り出して、何もない地面に向け、発砲する。 魔砲・Fマスタースパーク。絶大な閃光があふれ、森の空が一瞬暗くなる。 後には、煙を立てるおおきな穴。 「食べ物を粗末にしちゃ、いけないからな」 転がっていたたくさんの饅頭を、足など使わず丁寧に手で穴に放り込むと、ようやく満足した様子で、少女は去っていった。 ================================================================ YT
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3576.html
『野性のゆっくりとゆっくりしてみた』 3KB パロディ 小ネタ 群れ 誰かに似ている?うん気のせい 「ゆっくりしていってね!」 「ん?おお……ゆっくりしていってね!」 わしの趣味はときどき山のハイキングコースを歩くこと。 山の緑や川のせせらぎに心を癒されつつ、のんびり歩いてると……まあたまにこういう出会いもあるわけでな。 森の中の開けた場所に多数のゆっくりがおったわい。どうやらここで群れをなしているらしいの。 「むきゅっ!ぱちぇはぱちぇよ!にんげんのおじいさんはゆっくりできるひと?」 「たぶんゆっくりできるとおもうぞい?あいにく甘い物はもってないがの」 「ゆう……それはざんねんだけど、しかたないわね!ここはぱちゅがおさをしているむれよ!」 「ほう。ならば少しの間わしもゆっくりしていっていいかの?」 「べつにかまわないよー」 「れいむのおうたをきいてゆっくりしてね!」 「まりちゃたちの、のーびのーびたいちょうをみちぇね!」 一匹もゲス発言をする個体はいないようじゃわい。 そうとうに天然か、原種に近いか、もしくはここがよほど過ごしやすくて平和ボケしてるかのどれかかもしれんのう。 「ではゆっくりさせてもらうとするかっ!」 わしは広場の中心にある木の切り株に腰掛けるとバッグからさっき買っといた駅弁を取り出した。 食べ物と見るやモノ欲しそうな顔でわしのそばによってくるゆっくり達。 しかしわしはそんなものを気にもせずに…… 「今からわしのスーパーむーしゃむーしゃタイムが始まるぞい!がーつがーつ!これうめぇ!まじぱねぇ!!」 「ゆゆっ!?」 「にんげんさんそれなに?れいむたちにもちょうだ」 「まずは鮭!……よくまとまった味だ。やるな!これは……生姜を使ったな?タレの味をピリっと引き締め、 甘すぎず辛すぎず絶妙の味に仕上げている!」 「どぼじてむしするのおおおおおっ!?」 「ごはんさん?わかるよー!それはごはんさんなんだねー!」 「ちょうりゃいね!まりちゃにもそれちょうらいね!?まりちゃもそりぇたべちゃいよ!」 「そして次なるは……無難に卵焼きときたかっ!しかし……んっ?これはぁぁぁぁぁぁっ!!? な、なんとはんぺんをはさみこんであるとはっっっ!!おお~~っふんわりとした軽い味! 舞い上がってしまいそうだあ~~~!」 「なんりぇたべちゃうにょぉぉぉおぉっ!?」 「だ、だれとはなしているのー!?わからないよー!」 「ありすたちにもおすそわけしてちょうだい!ひとりじめはゆっくりできないわ!?」 「ゆゆぅ……おいしそうだよお……れいみゅもむーしゃむーしゃちたいよぉぉぉ……」 「おちびちゃんまっててね!おかあさんがにんげんさんにいってもらってくるからね!」 「あ、しかし!弁当の命はそのメインデッシュ!すべてはその一品で弁当の価値が決まるということを 忘れてはいかんぞっ!?」 「だからだれにむかっていってるのおおおおおおおおっ!?」 「わからない!わからないよぉぉぉ―――――っ!?」 「ゆんやああああ!それまりちゃのだよ!?まりちゃのとんかつさんりゃよ!だからたべにゃいでえええええっ!!」 「この……トンカツめがっっ!!んぐんぐ…………むっ!う、美味いぃぃぃぃっ!肉は柔らかく、 肉汁もたっぷり!そしてその衣だ!油っこさがまったくない!それゆえに! 他のおかずやごはんに油が染みて味を損なう事もないっ!」 「ひどぃぃぃぃぃっ!!ぜんぶたべちゃったぁぁぁぁぁっ!!」 「ゆっくじできにゃぃぃぃぃっ!!」 「こんにゃのってにゃいよぉぉぉぉっ!!?」 「む、むきゅ……むきゅぅぅぅぅっ!?」 「まさに弁当による、弁当のための、弁当のおかずっ!!この弁当!まさに究極なりっっ!!」 「あ、ああ……」 「おべんとうばこさん……からっぽだみょん……」 「ど、どぼじてごんなひどいごとずるのぉぉぉ……」 わしは一休みがすんで切り株から腰を上げると大きく背伸びをする。いやあ本当にゆっくりできたわい! やはり美味いものを食べるとゆっくりできるのう!だがふとゆっくり達を見ると……なんじゃ泣いてたり、 ブツブツいってたり、疲れたのかうつろな顔で地面に横たわったりと、まったくゆっくりしてないの。何故じゃ? 「まあいいわい。それじゃあ皆の衆よ達者でのう!また縁があったら会おうぞっはっはっはっ………!」 「ゆ、ゆううう……」 「も、もうにどとこないでちょうだい……!」 「まりちゃもおいしいもにょたべちゃい……くさしゃんやむししゃんはいやりゃ……」 「しゃけしゃん……たまごやきしゃん……とんかつしゃんんんん……!」 わしが去った後、群れの広場に残されたのはゆっくりできてないゆっくりばかりであったとな。 元気がないぞっお前たち!わしを見習ってゆっくりせえよ!ゆっくり、ゆっくり……ゆっくりとな♪ 「「「「「「おばえがいうなあああああああああ」」」」」」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/603.html
とある場所、とある日。 ゆっくりまりさとゆっくりれいむが、仲良さそうにほほをくっつけてゆっくりしていた。 その顔は切なそうで嬉しそうで、どこか悟った様な風情をたたえていた。 「ゆ……そろそろれいむのばんかな」 「まりさのばんかもしれない」 顔を見合わせ、寂しそうに微笑む二匹。 「みんないなくなっちゃったね」 「うん、いないね」 ガランとした部屋を見渡す。 中には何もない。二匹以外のゆっくりは、カケラすら見当たらなかった。 元気なゆっくりちぇんは、一日前にどこかに行った。 頭の良いゆっくりぱちゅりーは、20時間ほど前に。 恥かしがりやのゆっくりみょんは、12時間ほど前に。 いつも三匹でゆっくりできていたゆっくりありすは、つい1時間ほど前に。 仲の良かったお友達。 皆が様々な方法でゆっくりできなくされ、様々な方法で殺されたのだろう。 「まりさのおかあさん、すごくゆっくりしたいいゆっくりだったね」 「れいむのおかあさんもゆっくりしてたよ」 もういない親兄弟を懐かしむ。 この二匹は友人や家族が連れ出されても騒がず、ただひっそりと二匹だけでゆっくりしていたため、ここまで持ったのだ。 「もっとゆっくりしたかったね」 「うん、ゆっくりしたかった」 だが、それももうおしまい。 不意に、ゆっくりれいむが弾かれる様に部屋から飛び出していく。 見えない手に捕まれた様にへこんだほほを、ゆっくりまりさは静かに眺めていた。 「ゆぐぐぐぐぐ! まりざぁ! ざよならぁ!」 「れいむ……」 れいむは、唐突な痛みも、これから自分の身に起こるであろう悲劇を嘆くでもなく、ただ一人残る友人との別れを惜しむ。 まりさは、そんな友人の末路を思うと、自然と涙がこぼれてきた。 「もっといっしょにゆっくりしたかったよ! それでかぞくになってあかちゃんもいっしょにゆっk……」 最後まで言い終わる前に、部屋から消えるゆっくりれいむ。 ゆっくりまりさは、ただ無言ではらはらと涙を流し続けた。 ぱさりと帽子が置かれた。 「ごめんね、なにもないからこれしかおはかにできないよ」 呟いて、帽子のないゆっくりまりさは、祈る様に目を閉じた。 そこは、先ほど親友が飛び出していった場所。痕跡すらない壁を見つめ、一時の別れを惜しんだ。 「さみしくないよ、またすぐいっしょにゆっくりできるもん」 まりさは、優しく、先ほどまでと同じ調子で壁に向かってゆっくりとほほをすり寄せた。 何度もしている内に、ゆっくりまりさの熱が伝わり、壁がほのかな温かみをまとう。 冷たい壁が、ほんの僅かれいむのぬくもりを残してくれた様で、まりさは幸せな気分になった。 「まりさはちょっとだけゆっくりしてるね、またあおうね、れいむ……」 もういない友人、もうすぐ会える友人との再会を楽しみに待ちながら、ゆっくりまりさは目を閉じた。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「ゆぎゅっ!?」 突然の大声に、ゆっくりまりさは目を開いた。 見ると、知らないゆっくり達が部屋にひしめき合っている。 ――あぁ『つぎすれ』にきたんだね。 一匹のゆっくりが、まりさの方を向く。 「ゆっ? ぼうしないまりさがいるよ!」 その声を合図として、数匹のゆっくりがまりさの方を向いた。 ゆっくり達は、何が面白いのか分からないが、楽しそうに声をかけてきた。 「ぼうしないこはゆっくりできるの?」 「できるよ! こんにちは、ゆっくりしていってね!」 「いっしょにゆっくりしようね!」 にこにこと声をかけてくるゆっくり達を尻目に、まりさは再び目を閉じる。 「ゆっ? ねむいの?」 「うるさくしてごめんね! ゆっくりねていってね!」 「ゆっくりべつのことあそぶよ! まりさは、またあとであそぼうね!」 ぴょんぴょんと離れていくゆっくり達。 楽しく遊ぶゆっくり達の中、不意におかしな感触に見舞われるものが一匹。 「ゆっ?! いだいよ! なにごれぇぇぇ!!!」 引きちぎられる様な痛み、吸い取られる様な感触に、ゆっくりまりさは悲鳴をあげた。 「ゆっ! なにこれ! これじゃゆっくりできないよ!」 「ゆゆっ! みょんなことしないでゆっくりしてね!」 先ほどまでまりさと一緒に遊んでいたゆっくり達は、急に顔の一部がわしづかみにされた様にへこんだ友人を前に、オロオロするばかり。 「ゆっくりたすけるよ!」 それでも、一部のゆっくりは即座に助けようと動いた。 数匹のゆっくりが、ゆっくりまりさの帽子や顔に噛み付き、何とかして元の下膨れに戻そうとする。 「「「むむむーーーーー」」」 「いだいいだいいだいいだい!!! やべでぇぇぇぇぇ!!!」 だが、それは効果がないどころか、ゆっくりまりさを弱らせるという最悪の結果を招いた。 それを見て、噛み付いていたゆっくりは口の圧力を緩める。 「ぐぐぐぐ……ゆっくりしたけっかがこれだよ!」 しゅぽんと音を立て、ゆっくりまりさは消えうせた。 「まりざぁぁぁ!!! まりざどごにいっだのぉぉぉ!!!」 「ゆっぐりでぎないよ! ごごじゃゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 「だじでぇぇぇぇぇ! おがあざんんんんん!!!」 ゆっくり達は、即座にパニックに陥る。 その様子を、帽子のないゆっくりまりさが、懐かしいものを見る目で眺めていた。 ここは、ゆっくり虐待スレの舞台裏。 虐待スレで虐待されるゆっくりは、ここから排出され、そのまま二度と戻ってこない。 今度残るゆっくりはどのゆっくりかは分からない、いやゆっくりが残るかすら分からないが、彼らはそれぞれに、それぞれの方法で殺されていく事だろう。 『おわらないゆっくり』 スレの変わり目に、こういう話はいかが? とか言って出そうと思ったけど、書き終わってみたらもう次スレ……ゆっくりした結果がこれだよ! by319 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/82.html
●至高のゆっくり料理 まず、二匹のゆっくりを捕まえ、 数日間餌を与えずに放置します。 最初は、 「お腹空いたよ!ここから出してよね!」 「何か食べさせてよね!」 などと元気に騒ぎたてますが、無視しましょう。 「ゆっ…ゆぅ…」 と身を寄せ合って小さく呻くだけになるのが、 大体の目安です。 この頃には、ゆっくりのサイズも最初の三分の二ほどに 縮まっているはずです。 砂糖漬けの果物、あるいは無塩バター、 好みによってはチョコレートなどを用意します。 どれもゆっくりの大好物であり、 ご馳走を手にしてやってきた貴方に、 ゆっくり達は大喜びするはずです。 「ゆっくりしていってね!」 「早く!早く食べさせてね!」 ですが、この「ご馳走」は ゆっくりのうち、どちらか片方(より小さい方が好ましいです) にしか食べさせてはなりません。 「!!は、放してよね!ゆっくり食べさせてよね!」 「一緒にゆっくり食べたいよ!」 長い監禁生活に耐えて来たゆっくり達の間には 一種の連帯感が生まれており、二匹とも大騒ぎするでしょうが、 この「ご馳走」はあくまで片方にしか食べさせることはできない、 もう一匹には、あとで別のもっとたくさんの餌をあげる、と 説明してあげてください。 知性の低いゆっくり達はなかなか納得しないでしょうが、 結局は餓えが仲間を裏切らせることになります。 「あとで、ゆっくり食べてね!……うまうま!めっちゃうめぇ!」 「ゆっ!ゆぅぅうううううっ!!」 おあずけを食らわされたほうのゆっくりが泣き叫ぶ中、 もう一匹のゆっくりは浅ましくご馳走にかぶりつきます。 明らかに一匹では食べきれないほどの食べ物を、 がつがつと貪りくらうのです。 「うまぁ…ゆっくり食べたよ!」 「ゆ…ゆぅ…」 満腹して幸せそうな顔で叫ぶゆっくり。空ろな目をして呟く仲間のことなど、 忘れてしまったかのようです。 さて、これで下ごしらえは完了です。 次に皮剥き器を用意します。 「ゆ?ゆ、ゆっくりしていってね!」 満腹した方のゆっくりを捕らえ(急激な飽食で、身動きも取れなくなっており、簡単です)、 「ゆ”!ゆ”!」 絶叫を無視して、満腹ゆっくりを「剥き」ます。 「ゆ”ぅぅ!ゆ”っぐりや”べてよぉぉ!」 中を破いてしまわず、表層の皮だけを削りとれるよう、細心の注意を払って 作業しましょう。帽子やリボンは勿論、髪や目などもとってしまって構いません。 歯は抜き取り、口と舌だけは残しておくのが本場のやり方です。 腕に覚えがある調理者は挑戦してみましょう。 平行して、後頭部に穴をあけ、餡子を吸出します。 取りすぎると死んでしまいますし、穴が深すぎると、さっき食べさせた 「下ごしらえ」と餡が混ざってしまうので、注意しましょう。 「……!!!」 餓えた方のゆっくりには、仲間を助けるだけの力は残っていないので、 放置しておいて大丈夫です。たとえ余力があったとしても、 さっき自分を裏切った「仲間」を助けようとするかは疑問ですが…。 恐怖に震えるゆっくりに、 「これが済んだらご飯にしようね」とやさしく告げ、 満腹して膨らんでいたはずの仲間が、 また小さくなっていくのをたっぷりと見せてあげましょう。 震えているもう片方のゆっくりと見比べ、 「ちょうど良い」大きさまで処理できたら、 その、もはや「ゆ”っ!ゆ”ぅ…ぐりぃ…」 と意味の分からないことを呟いているだけの塊を横に置いてください。 もはや薄皮一枚しか残っていない状態だと思うので、 破かないように、丁寧に扱ってください。 「さぁ、今度は君が食べる番だ。たーんとお食べ……」 未処理のゆっくりに、「それ」を示してあげてください。 「?…!!!やぁっ、ゆっくりできないよぉ!」 理解しても、すぐには食べようとしないでしょう。 自然界ではゆっくりの「共食い」は特定種間以外では見られないものです。 それに、こちらが餓えに餓えた状態であり、そしてあちらがいくら「小さくなった」とはいえ、 どちらもサイズ的には大差ありません。 このままの状態では、「ゆっくり食べていってね」とはいかないでしょう。 そこで、こちらのゆっくりも処理することになります。 包丁でもって、ゆっくりの口を大きく切裂き、広げてあげてください。 「ゅゅゅ!ゆ”ぅぅぁぁぁあああああっ!」 邪魔なので歯は抜いてしまってください。 更に、開いた口から手を入れ、ゆっくりの消化器官を最大まで押し広げてやってください。 長い断食の間にかなり萎縮しているはずなので、思い切り力を込めなければなりません。 やはり後頭部に小穴を空けておき、餡子を少し出しながらだと上手くいくでしょう。 「ゆ”…ゆ”…ゆ”…」 そうして、「ご馳走」が入るだけのスペースが空いたら、 待ちに待ったお食事のお時間です。 果物と餡がたっぷり詰まった小饅頭―すなわち第一のゆっくりを、第二のゆっくりの中に 詰め込んであげてください。 「ごぉお!ゆごごぉりぃぃいい!」 久しぶりの食事に、感動に打ち震えている外側ゆっくりのお口を縫い合わせて、料理は完了。 これこそが至高のゆっくり料理、「ゆっくりのゆっくり詰めびっくりゆっくり饅頭風」! 食べる直前に、管を挿し、最上質のこしあんを入れると、 一時的にゆっくりが元気を取り戻し、いきの良い食感が味わえます。 「「ゆ”ぅっぐり…じでいってねぇ…!」」 内と外、二匹のゆっくりの奏でる二重奏を楽しみながら、 ゆっくり食べていってね!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/535.html
森の中を一匹の霊夢が上機嫌で走っていた。 「ゆっくりゆっくり♪」 訂正、何時ものようにお目出度い頭で走っていた。 「ゆっくり~していってね~♪」 この霊夢は母親なのだが、今日は久しぶりに朝からゆっくり魔理沙と遊んできたのだ。 前日に餌を大量に取っておき、二匹の少し大きな霊夢に赤ちゃん達を任せてきた。 以前も数回このようにして遊んだ事があった子供達は、特に不審にも思わないで母親を見送った。 もう直ぐ冬。 家に篭る前に、このお母さんゆっくりも羽を伸ばしたかったのだろう。 「ゆゆ!! きれーなおいけ~~!!!!」 ふと、近くに大きな池がある事に気が付いた霊夢は、少し道草していく事にした。 「ゆ~すっきり~♪」 沢山歩いて喉が渇いていたので、勢いよく水を飲んでゆく。 「ごきゅんごきゅん!!! ぷっはぁ~♪ しあわせ~~♪」 水分を補給し終え、元気いっぱいという感じでその場を後にしようとする霊夢。 しかし、水場に何かを発見すると、急いで舞い戻ってきた。 「ゆゆ!! かえるさんだ~~~♪」 そこには、葉っぱに乗ってゆっくりと池に浮かんでいるかえるの姿。 当然、そのゆっくりしている姿を、ゆっくりが放っておく訳が無い。 「ゆ♪ かえるさん♪ れいむもはっぱにのらせてね!!!」 勢いよく、かえるの乗っている葉っぱへとジャンプする霊夢。 そのまま池の中に飛び込む。 「ゆ? ゆゆ!!! なんで!!! どーじで!!! あぶぶ!!」 見た目より深い池のようで、底に体が付けない霊夢。 「かえるざんはちゃんどのってだのにーー!! だまじたの?!!!」 見る見る間に水分を吸ってふやけていく。 「あばば!!! だずけで!! まりざーーー!!! ぶぶぶぶぶ……」 「かえるざんといっしょに、ゆっぐりじだがったーーーー!!!!!」 既に崩れ落ちた眼球が捉えていたのは、のんびりと水中を泳ぐかえるだった。 ―― 「おかーしゃんおしょいねーーー?」 先ほどのゆっくり霊夢の巣の中では、二匹の子供霊夢と十匹ほどの赤ちゃん霊夢が未だ帰らぬ母親の心配をしていた。 「きっとゆっくりしてるんだよ!! れいむたちでごはんたべようね!!!」 「ゆゆ!! でももうごはんにゃいよ!!!」 母親が用意して言った食事は、普通に食べたら二日分あった。 しかし、稼がなくなった子供達は二回の食事で全て食べ終えてしまったのだ。 当然、そうなれば外へ探しに行かなければならない。 「ゆ~!! もうすぐくらくなるけど、みんなでいけばへっちゃらだね!!!」 「みんなでごはんをさがしにいこうね!!!」 「「「「ゆっくりいこうね!!!!」」」」 本人達は遠足気分で巣を後にしていった。 もう二度と、ここには戻ってこないだろうが。 「ゆっくり~♪」 「ゆゆ!! おねーちゃんおうたじょ~ず~!!」 「ゆへへ!!」 赤ちゃんの為に、歩くペースは遅いがゆっくり達は気にせずに森のなかをひた走る。 そうしていつの間にか森を抜け、たどり着いたのは洞窟。 「ゆ~おっきいね!!」 「……だれ?」 「「「ゆゆ!!」」」 どうやら中にはゆっくりがすんで居るようだ。 薄暗い外よりも暗いその中から出てきたのは、一匹のゆっくりアリスだった。 「ゆ? れーむのこども? どうしたの?」 どうやら、直ぐに交尾に進もうとはしないようだ。 「おかーしゃんがかえっちぇこないから、ごはんをさがしにきたの!!」 「そしたらここについたの!!」 「そうなの!! とっとかいはのありすが、いっしょにごはんをさがしてああげても、……いいわよ?」 恐る恐る子ゆっくり達に提案する。 勿論、子供達に断る理由はない。 「ゆ!! ありがとーーー!!!」 「いっしょにさがしてね!!!」 「!! ゆ!! まかせて!!! ありすはとってもとかいはなんだから!!」 こっちに美味しいのがある。 そう言って、子供達を山の方へ連れて行く。 急な斜面、下は川。 そんな人間でも入る事をためらうが場所の入り口まで、アリスは子供達を案内した。 「ここで、ぜんまいっていうとってもゆっくりできるおいしいたべものがとれるの!!」 勿論、これは人間の話を立ち聞きして得た知識だ。 「ほんと!! ゆっくりおいしいの?」 「れいみゅたちもたべちゃい!!!」 「じゃあ!! みんなでゆっくりさがしましょ!!!」 子供達と一緒に、ぜんまいを探し出すゆっくりアリス。 しかし、こんな時期にぜんまいなど取れるはずが無く、ゆっくり♪ という楽しそうな声が響くだけである。 「ゆ!! ゆっくり~~!!」 そんな中、一匹のゆっくりが下目掛けて転がり落ちた。 それは事故だったのだが、コロコロ転がり落ちていったその様子を見て、他のゆっくり達は何か楽しい事だと感じたらしい。 「ゆ!! れーみゅもころころすりゅ~♪」 「おねーちゃんもころころするよ!!!!」 「「「ゆっゆ♪」」」 コロコロと楽しそうに転がっていく子供達。 当然下には流れの速い川があるのだが、このゆっくり達は知るはずもない。 「ゆゆ!! これはね!! すきーっていうんだよ!! とかいはのありすはすきーもとくいなんだよ!!!」 負けじとアリスも転がり落ちる。 それに続いて、最後まで残っていた赤ちゃん霊夢も勇気を出して滑り落ちていった。 「ゆ~♪」 上機嫌で転がっているのはゆっくりアリスである。 彼女の頭の中では、この後の計画が綿密にシミュレートされていた。 この後は、みんなでゆっくりして、ゆっくりごはんを食べて、みんなでゆっくり寝よう。 そうだ、もしお母さんが帰ってこなかったらみんなでゆっくりしよう。 「ゆっゆ♪ ゆ! ゆゆゆ!!!!」 上機嫌で滑り降りていたアリスの目に坂の終わりが見えてきた。 そこでは、沢山のこゆっくりが楽しそうにはしゃいでいる。 「ゆゆ!! あっぷ!! だずげでーーー!!!」 「あがーーしゃーーん!!!」 「ゆゆ!! どげちゃうよ!! れーみゅのかっりゃだがとけじゃうよーー!!!!!」 そう見えたのはアリスだけで、本当は溺れているだけなのだが。 「ゆゆ!! れーむたち!! ありすもまぜてね!!!!!」 そんな中へ勢いよくゆっくりアリスが飛び込んでいった。 「!!! ゆ!! おぼれるよ!! はやぐきゅうじょのでんはをじでじょーだい!!!」 漸く子供達の状況を理解したが、流れの速いこの川に入った時点で運命は決まっていた。 「ゆゆ!! ながされる!! だれがだずけで!!! れーむ!! まりざーーー!!! ぱじゅりーーーー!!!!!」 ゆっくりアリス伝えに聞いた名前を連呼する、しかし助けてくれるものはいない。 「ゆぶぶ!! とげじゃうーーー!!! だずげでーーー!!!」 激しい流れで、アリスの頭から髪飾りが流れ落ちる。 「あああ!!! ありずのとがいはでこーでねーとしたかみかざりがーーーー!!」 「だれがだずけでーーー!! こまっでるありずをたずけるのはとがいはのしごとだよーーー!!!」 「……だれ……がーー!!!」 「だ……す……」 明け方。 人里の川岸には、何時ものようにゆっくりのリボンと帽子が流れ着いていた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/977.html
またまた俺設定の嵐です。 しかも今回はオリキャラですorz ※この作者は本当に調子付いてます。薄ら笑いを浮かべながら鼻で笑ってあげましょう。 __________________________________________ ここから本編です。 「……………………………」 「ゼェ…ハァ……ハァ……!!」 一人の男が幻想卿の森の中を駆け抜ける。 額にはバンダナ迷彩服を着込み手には銃、そして添える様にして構えられているナイフ…。 その異様な出で立ちだけでも十分だが、その気迫溢れる顔が、彼が歴戦を戦い抜いてきた兵である事を物語っていた。 「クソッ!一体此処は何処なんだ!…大佐!大佐!!……無線も通じないか…!」 耳に装備している通信機もその役目を果たさない、彼は考えていた。 此処は何処なのか。 この森に居る異形の者達は何なのか。 何故無線が通じない。 人間、いや、少なくともまともな生物は居ないのか。 最初の考えに戻ってはその問いを頭の中で繰り返す。 延々続く思考のループに彼は喘いでいた。 暫く走る内に、男は疲弊し座り込む。ふと見ると目の前に身を隠すには丁度良さそうな洞窟が口を開けていた。 「偶然にしては、出来すぎているな。」 彼は自嘲気味に笑うと洞窟の中に歩を進めた。少し進むと開けた場所にたどり着いた。 「いよいよ偶然にしては出来すぎているぞ…。」 何はともあれ敵も居ない、尚且つ広い場所にたどり着けた事は多少なりとも彼の心を落ち着かせた。 バックパックから煙草を取り出し火をつける。 そして思い切り吸い込む。フィルターから流れてくる煙草の香りが彼の心を鎮めていく。 自分はまだ生きている。此処が何処かは以前分からないままだ。 しかし、だからと言って希望を捨てるわけにはいかない。この状況で希望を捨てる事は死と直結してしまうからだ。 とにかく、今は休もう…行動の中からしか希望は見出せない。そのために今は休むのだ。 「…………・・・・・・」 ゆっくりと眼を閉じ、男はそのまどろみに身を任せた。 数時間が経ち、明け方… 「………ス…ク…」 「………ネ……ク…」 「スネーク!!」 自分の名を呼ぶ聞きなれたその声に、彼は目を覚ます。 目の前に立ち、名を叫ぶ一人の男。凛々しい軍服に身を包みベレー帽を被っている初老の男性。 「大佐…大佐じゃないか!!どうしてアンタが此処にいるんだ!?」 「どうしてもこうしても無い!!君が此処で油を売っている間にこっちでは天使のラッパが鳴り響き、私は宇宙人と遭遇した! 彼等は実に楽しい奴らだったよ。ハッハッハッハ!!」 「大佐!何を言っているんだ!気でも違ったのか!?」 「らりるれろ!らりるれろ!らりるれろ!!」 「大佐!!大佐ァァ!!」 「うごくな。」 後頭部に突きつけられた冷たい感触が、彼の意識を一気に覚醒させた。 しまった! この一言が彼の意識を焦りと共に駆け巡る。 「おまえはゆっくりできるのか?」 「………なに?…」 焦りに飲まれて質問の意味が頭に入ってこなかった。 そして何より彼を混乱させたのは、相手の発する「声」だった。 その「声」は紛れも無い…自分の声だった。 自分の背後で自分の声に質問されている。その事実が彼を更に混乱させていた。 「もういちどいう…おまえはゆっくりできるのか…?」 声の主は苛立った様子で繰り返す。 質問の意味は理解した。 しかし、「ゆっくり」という単語がどういう事を示すのかは分からなかった。 だが、こうなった以上、相手に敵意が無い事を伝える事がベストだと、彼の歴戦の勘が語っていた。 「ああ、ゆっくりできる…」 「ほんとだな…?」 「ああ、俺はゆっくりできる…。」 後頭部から冷たい感触が離れた。 「ゆっくりしていけ。」 ソレは彼の声で囁いた。 不意にポーンと音がして彼の目の前に何かが飛んでくる。 生首だ。いや、人のソレにしては大きすぎる。そして何より、動いている。 「よくきたな、おれのゆっくりプレイスに。」 彼の声で呟くと、その生首は跳ねながら振り返った。 その顔を見て男は驚愕した。短く整った髪。額にはバンダナ。顎と思われる部位にはまばらに無精髭が生えていた。 そして気迫溢れる青い瞳…。 「これは……俺なのか………?」 そう、その顔は彼の…ソリッド・スネークのソレそのものだったのだ。 いや、正確にはそうでない。瞳は大きく口も横に大きい。そして下膨れの様な頬。 いわゆるオリジナルを悪ふざけでデフォルメしたようなフォームを取っていた。 「何なんだお前は…一体何者なんだ!?」 彼、いや、スネークが問う。 「おれか?おれはゆっくりスネーク。」 「ゆっくりスネーク…?」 フォルムだけではなく名前まで酷似しているソレは「ゆっくりスネーク」、そう名乗った。 「で、おまえの名は?なんという?」 ゆっくりスネークが今度は問う。 「俺はソリッド・スネーク。傭兵をやっている。」 今度はスネークが名を名乗る。 「どこかできいたようななまえだな。そのかおもみおぼえがあるな。」 本人は気付いて無いらしい。相手が自分に似ている事を。というよりあまり気にしていないのかもしれない。 互いに言葉が通じる事が分かるとスネークはゆっくりスネークを質問攻めにした。 此処は何処なんだ?どうすれば帰れる?なんなんだアンタ?ゆっくりとはなにか? 「ゆ!ゆぅ!そんなにいっぱい答えれな…ゴホン!…じゅんばんにいえ、いっぺんにはこたえられん。」 「あぁ、すまん、昨日から混乱していて少し取り乱した…すまない。」 「わかればいい、でなにからこたえればいいんだ?」 「そうだな、まず、なんなんだアンt(ry……。」 スネークは順番にゆっくりと質問していった。また、ゆっくりスネークもその問いにゆっくり答えていった。 此処は幻想卿という人間界とは隔絶された場所である事。 自分達はゆっくりという種族で種族ごとに異なった形をしていると言う事。 強い特徴を持った者がこっちに訪れると、その人物の影響を受けたゆっくりが何処からとも無く現れる事。 自分もその一種と言う事。 そして…此処から帰る事はまず不可能と言う事…… 「ひととおりせつめいしたが、つまりそういうことだ。」 冷静に言い放つゆっくりスネーク。 「脱出は不可能…か、厄介な所に迷い込んだもんだ。」 スネークもまた冷静だった。 意思の疎通ができる対象が出来た事が純粋に嬉しかったからのかもしれない。 だが、彼は馬鹿ではない。事態が好転したわけでは決して無い。ということをスネークは理解していた。 「しばらくはここにとどまるといい。しゅうへんはぶっそうだからな。」 「すまない、助かる。」 どうやらゆっくりスネークも状況を察してくれたらしく、暫くの間は彼の住み家であるこの洞窟に住まわせてくれるという。 スネークにとっても願ったり叶ったりである。 「ただし、なにかとてつだってもらうからな。」 「無論だ、なんでも言ってくれ。」 これから二人の奇妙な共同生活が始まるのであった。 そして、これから始まるであろうこの二人の奇妙な逃亡劇に一人設定を考え頭が沸きそうになる作者であった……。 続くといいなぁ…… いや、続き見たいです、本当に -- 名無しさん (2009-04-01 19 05 26) 幻想入りシリーズじゃ…とつっこむ -- 名無しさん (2009-04-01 19 08 17) 続き希望嬉しいです^^ 出来る限り尽力させて頂きます。 ※幻想入りでは~… 突っ込まないで上げてくださいorz 作りながら薄々思っていましたw 皆様、読んで下さって有難う御座いますorz 楽しんで頂けるように頑張ります。 -- 作者 (2009-04-01 20 15 51) 恐るべきゆっくり達計画が遂に始動したか… -- 名無しさん (2009-04-26 06 45 32) 前々からこのネタは存在してたが・・・ついにやってしまいましたかw -- 名無しさん (2009-04-27 10 27 26) ははは、やってしまいましたw 現在も先行きを考えて行き詰っています; もしかしたら…「恐るべきゆっくり計画」を本当に 拝借してしまうかもしれませんw -- 作者 (2009-04-27 17 51 37) ゆっくりスネーク何か普通にカッケェなw渋いゆっくりもまたいいものだ -- 名無しさん (2009-04-27 18 07 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1401.html
前 「ゆ…ここまでにげれば…ゆ、ゆっくりできるよ…」 ぱちゅりーを背負ったまま走り続けて息も絶え絶えのまりさはちょうどいい森の中で少し開けた草原に寝転がった。 ゴロリ、とぱちゅりーがまりさから落ちる。 ぱちゅりーはすぐさま顔を地面に押し付けた。 「…ゆ?どうしたのぱちゅりー?おなかいたいの?」 「むきゅぅううううん!こないでー」 心配して寄り添うまりさだったがぱちゅりーは頑なに動こうとしなかった。 「ぱちゅりー?どうしたの?ぱちゅりー!」 まりさは何かあったのかと思いぱちゅりーをゆすると、体力のないぱちゅりーはまりさに押されて遂に顔が上がり二匹の目が合った。 まりさはその顔を見て凍りついた。 「ぱ、ぱちゅ…ぱちゅりーのお顔がああああああああああああああ!?」 「いやああああああ見ないでまりさああああああああああああああ!!」 ぱちゅりーの顔は百足に所々食い千切られ、首のところから取れてしまった百足の首が何個も刺さったままで そこらじゅうから餡子がちょろちょろと漏れていて、二目と見れないほど醜くぐちゃぐちゃになっていた。 まりさは思わずそこから目をそむけた。 「む゛ぎゅぅ゛ぅ゛う゛う゛ん゛!む゛ぎゅぅ゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛う゛ん゛!」 大きな声を出せば危険な虫がまた襲ってくる可能性も忘れてぱちゅりーは大声でわんわんと泣き始めた。 私はなんて醜い顔をしているのだろう、こんな顔ではまりさには完全に嫌われてしまった。 そうぱちゅりーは思い、それがズキズキと痛む顔の傷よりもずっと痛かった。 流れる涙餡が傷口に入り込んで滲みるのも意に介さずにぱちゅりーは泣いた。 涙で視界が滲んで前が見えなくなるほど泣いた頃、突然口にやわらかく暖かいものが押し付けられた。 「む、むきゅ!?」 何がなんだかわからず目を白黒させるぱちゅりー。 「ゆうううううう!!ぷはぁ、ゆぅ…」 「むっきゅぅっぱはぁ!?な、ななななな何をしてるのままままありささささあ!?」 まりさがぱちゅりーに熱い口付けをしたのだ。 二人の口から唾餡の糸がたらりと伸びていた。 「まりさは!ぱちゅりーのことが!だいだいだいすきだよ! どんなお顔になっても!どんな時でも!ずーっとずーっと一緒にゆっくりしていたいの! だから、だからああああああ!!!」 「む、むきゅううううううううん!!」 まりさは顔を真っ赤にして、上擦りながらも大声で愛の告白をすると再びぱちゅりーにねっちょりとしたキスをした。 舌と舌が絡んで粘膜が激しくこすれあった。 ぱちゅりーは混乱する意識の中でただ今自分は最高に幸せだということを理解した。 もう二匹を止められるものは居ない、だんだんと理性が抑えられなくなり二匹は体をゆすり始め 「そこまでよ!」 『ゆきゅう!?』 丘の上の方からあのゆっくりれいむの一家がこちらを眺めていた。 「まだ大人じゃないのにスッキリしたらゆっくりできなくなるんだからね! じちょうしてね!!!」 『ゆ、ゆゆゆゆゆ~~』 若い二匹の交尾に対してぷんすかと怒るお母さんれいむであった。 恥ずかしいところを目撃されて二匹は顔を真っ赤にして俯いて唸っていた。 「おかあさん、まりさおねえちゃんたちなにちてたのー」 「子どもはまだ知らなくていいよ!! まったく、わかものの性の乱れにはゆっくり呆れるよ!」 普段からお母さんれいむはそういった風紀の乱れに対して心を痛めていたようだ。 「ゆゅ!?まりさ!そっちのきもちわるいのなに!?」 「ゆ!?」 ぱちゅりーの顔を見た子れいむが悲鳴をあげた。 「おかあさん!きもちわるいのがいるよ!」 「あんなのといっしょじゃゆっくりできないよ!」 「…ゅっ、むっ…ゅぅ…」 「ぱ、ぱちゅりー…!」 子ども達の言葉がぱちゅりーの心に突き刺さった。 まりさが受け入れてくれればそれでいいとはいえやはり辛かった。 ぱちゅりーは顔を子れいむ達に見せないように後ろを向いてまりさの胸に顔を埋めた。 「おかあさん!はやくあいつをやっつけ…ゆ゛ぅ!?!」 その時、パァンという音が響いて子れいむが転がった。 「ゆぅ…?お、おかあさんがぶったぁあああああああああ!!!!!」 「お、おかあしゃんどうちてこんなことするのおおおおおおおお!!?」 「ぼーりょくてきなおかあさんとはゆっくりできないよ!!!!」 子れいむ達はお母さんれいむに次々と非難の声を浴びせた。 「お だ ま り !!!!!!」 子れいむ達の罵声がさっ、と止んだ。 「ぱちゅりーはれいむ達のおともだちだよ! そのぱちゅりーをきもちわるい、やっつけようなんていうゆっくりはおかあさんの子どもじゃないよ!!」 お母さんれいむはピシャリと子れいむ達を叱りつけた。 子れいむ達はしゅんとなって俯いて黙り込んだ。 お母さんれいむは子れいむ達を睨み付けると呆然とこちらを見ているぱちゅりーの方へと近寄っていった。 「ごめんねぱちゅりー、子ども達がこわがるからお顔にこれをつけてね」 そう言って口の中から雨避けに使う大きめの葉っぱを出して舌に三つ穴を開けるとぱちゅりーの顔に貼り付けて傷が見えないようにしてくれた。 「むっきゅう…ぁ、ありがどう…ありがどぉおおお…!!!」 ぱちゅりーは葉っぱの下でわんわんと泣いた。 「それで、れいむ達もゆるいをさがしてここに着いたの?」 「そうだよ、でも虫さん達に追われてぜんぜんゆっくりできないよ! だから一緒に力をあわせてここから出ようね!」 「そうね、早くここから出ないと虫さん達におそわれてむっきゅーってなっちゃうわ」 お互いに大体の事情を話しあった結果、とにかくこの場から協力して脱出する必要があるという結論にたどり着いた。 「ゆー!もっとやすみたいよ!」 「おなかすいた!ゆっくりできないよ!」 年長三人がたどり着いた結論に子れいむ達が異議を申し立てた。 実際子れいむ達の体力はかなり厳しいところにきていた。 「むきゅ、どうしようまりさ…」 「ゆー、ゆっくり…していく?」 子れいむ達の申し出に折れそうになるまりさとぱちゅりー。 子どもにあまり無理はさせたくないというのが正直なところだった。 確かに今のところここでは虫には襲われていないのだし、少しぐらい休んでもいいのではないかという考えが頭を過ぎる。 「だめだよ!こんなところで休んでいたらゆっくりできなくなるよ!!!」 しかしお母さんれいむはそれ以上の危機が自分達に迫りつつあることを長年の経験で察していた。 「ゆ、ゅ…」 「ゆ、わかったよ、がまんするよ…」 「ゆっくりちたかったのに…」 不平を漏らしつつも母の決断に従う子れいむ達だった。 早速準備を整え出発しようとするゆっくり達。 その時、ブゥゥン、という不吉な音が辺りに響き渡った。 「ゆ、あっちからなにかくるよ?」 「ゆー、なんだろ」 「いっぱいいるよ!ゆっくりちていってね!」 それを見て無邪気に声を上げる子れいむ達。 「イナゴさんだよ!!!早く逃げて!ゆっくりできなくなるうううううう!!!」 それの恐ろしさを知っているお母さんれいむは血相を変えて叫びをあげた。 しかし狭い森の中の小さな草原である、お母さんれいむが叫んだ時には既に先頭のイナゴ達に追いつかれていた。 「いだいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 「がじらないでええええ!!!れいむはおいしくないよおおおおおおおおおお!!!!」 「おかあさんたすけてええええええええええええ!!!!」 「はやく走って!小さい子はお母さんのお口の中に入ってね!」 泣きながらイナゴの群れから逃げ出すお姉さん子れいむとお母さんれいむの口に入る妹れいむ達。 まりさとぱちゅりーもお姉さんれいむを先導しながら先を急いだ。 「お、おかあさん!はやくなかにいれてね!ゆっくりできぁいよ!!!」 「ふが、ふが…!」 何分大家族である、全ての子れいむを入れる前にお母さんれいむの口がいっぱいになってしまったのだ。 「…ふがっ、ふがっ!(ゆっくり追ってきてね…!)」 お母さんれいむは苦渋の決断を下す。 ここで手をこまねいていては口の中の子れいむ達まで道連れになる。 ならばこの子れいむがなんとか一人で逃げ切れることを祈って先に進むしかないのだ。 お母さんれいむは涙を堪えながら子れいむに背を向けた。 「おかあさん!れいむのいもうとがまだのこってるよ!」 「おねえちゃん!おねえちゃぁぁあああん!!」 「れいむのいもうとがああああああああああ!!!!」 お母さんれいむの口の中の子れいむや先に進んでいた子れいむが叫んだ。 「おかあさん!おかあさんおいてかないで!!れいむをおいてかないでええええええええええええ!!!!!!! もうわがままいわないから!!ぱちゅりーのこともあやまるからあああああああああ!!!」 「ふがっ、ふがぁっ(ごめんね、ごめんねえええええ!!!)」 お母さんれいむは歯噛みしたい思いでひたすら走り出した。 もう子れいむには追いつけないだろう。 そしてイナゴから逃げ切ることも子れいむのスピードでは出来ない。 子れいむの命運は尽きたと思われた。 「ぱちゅりー!先に行ってみんなをゆっくりポイントまで連れて行って!」 「むきゅ!?何をするつもりまりさ!ま、まさか…!」 まりさのいつもの悪い癖が出たのではないかとぱちゅりーははっとした。 ぱちゅりーの思ったとおりまりさは突如反転して先頭から外れると凄まじいスピードでイナゴの群れに突っ込んだ。 「ゆっ!?」 「はやくまりさのお口に入ってね!」 その勢いでイナゴを一時的に振り払い、子れいむの傍に着地するとまりさはぺろりと子れいむを口の中に入れる。 「駄目!イナゴに囲まれてゆっくり出来ない!」 ぱちゅりーが叫ぶと同時にイナゴがまりさを囲み一斉に襲い掛かる。 「ゆっぐぉおおおおおお!どっけえええええええええ!!!」 体当たりでイナゴを振り切りながらまりさはどんどんと突き進んでいった。 仲間を思う気持ちを頼りにイナゴを蹴散らしていく雄雄しい雄姿。 その姿、まさに廃線ぶらり途中下車。 「まりさおねえちゃんすごい!」 「おかあさんよりはやーい!」 そのまますぐにお母さんれいむに追いつくとそのまま追い抜かして先頭のゆっくり達に追いついた。 「むっきゅー、流石ねまりさ!」 「ぱちゅりーも乗る?ゆっくりさせないよ!」 はっはと息を上げながらも軽口を叩いてまりさはにやりと笑う。 まったく、減らず口をよく叩くのはまりさ種の特徴とは言え 本当に困ったゆっくりだと呆れると同時にぱちゅりーは笑いがこみ上げてくる。 「むきゅ、遠慮しとくわ!」 健在をアピールするまりさの姿に必死に走っている最中で息も絶え絶え 頭がズキズキ痛くてクラクラしているにも関わらずぱちゅりーも思わず笑みをこぼした。 「ここまでくればもう大丈夫だよ!」 「みんなゆっくりしようね!」 「ふがっ、ふがっ!(ゆっくりお口から出てね!)」 ゆっくり達は森まで行き木々を障害物として利用しながらなんとかイナゴを振り切ったのだった。 「ゆー、ちぬかとおもったよ!」 「これでみんなでゆっくりできるね」 「よかったね!ゆっくりしようね!」 和気藹々とするまりさとぱちゅりーと子れいむ達。 「……い、一番おっきなれいむの子どもはどこ…?」 お母さんれいむが震えながら呟いた。 先頭グループを走っていたはずの最年長の子れいむがどこにも見当たらなかった。 「あ、あれ?おねえちゃん?おねえちゃーん!?」 「お゛ね゛え゛ぢゃんがい゛な゛い゛よ゛おおおお!!!」 「ゆ゛っぐりできな゛いいいいいいいいい!!!!!!!」 「み゛ん゛な゛でゆっぐりぢだがっだああああ!!!!!」 和気藹々とした雰囲気が一瞬で壊れ、子れいむ達の嘆きの叫びが辺りを支配した。 それとは対照的にお母さんれいむは声を殺して静に泣いていた。 「ま、まりさがもう一回もどって助けに行くよ!」 すぐに子れいむを助けに行きに飛び出そうとするまりさ。 「ま…」 「駄目だよ!どの道もう助からないよ!まりさもゆっくりできなくなるよ!」 ぱちゅりーがまりさを止めようとするよりもさらに早くお母さんれいむがまりさの前に立ちふさがった。 「どおぢでぞんなごどい゛う゛のおおお!?」 「お゛があ゛ざんのばがあああああ!!!!」 「お゛ね゛えぢゃんをだずげでよお!!!!」 「れ、れいむ!まりさは強いから大丈夫だよ! 子れいむを助けてすぐに帰ってくるよ! ゆっくりどいてえええええええええ!!!」 まりさは必死にれいむを退かして進もうとするがれいむはびくともせずその場を動かなかった。 「もうあの子は助からないの…!だから…だからせめてみんなあの子の分までゆっくりして…!」 「ゆ、ゆうう…」 涙を流して懇願するれいむの迫力に気おされるまりさ。 「まりさ、れいむが言うことが正しいよ…」 ぱちゅりーはゆっくりとまりさ達を嗜めた。 ぱちゅりーにももう子れいむは助からないだろうことはわかっていた。 まりさも心の底ではわかっていたのだろう。 しかし仲間思いのまりさにはそれがどうしても認められなかったのだ。 お母さんれいむの涙を見てまりさはようやく目の前の現実を受け入れた。 「ゆぐぐぐううう…」 「お゛ねえぢゃん……」 「ごべんね…ごべんねぇ…!」 「おねえぢゃんのぶんもいっぱいいっぱいゆっくりするからね…!」 その場に居る全てのゆっくりが子れいむのために涙を流した。 涙を拭って、ゆっくり達は再びこの地獄、永夜緩居から脱出するために進み続けた。 ガサガサと枯葉の地面を踏み歩きながら森を抜ける道を探す。 「むっ、きゅっ…」 静かにただ黙々とみんなが進んでいく中で、ぱちゅりーが突然ふらついてまりさにもたれかかった。 「ゆ?大丈夫ぱちゅりー?」 「むきゅ…大丈夫だよ…まだまだ元気いっぱいだから…」 「ゆー、できればみんなゆっくり休ませてあげたいんだけど…」 そう言ってまりさは子れいむ達を見回す。 「ゅ…ゅー」 「ゅひゅー…ひっひ…ゅー」 「………っ………」 全員息も絶え絶えと言った様子だ。 しかしさっきのように虫たちに襲われた時休んでいたらひとたまりも無い。 とにかく一刻も早く永夜緩居から脱出することが最優先なのだ。 ぱちゅりーもそれを理解しているから空元気でまりさに苦笑いを返す。 「ごめんね…まりさがゆるいに行こうなんていわなかったらいまごろゆっくり出来てたのに…」 つっ、とまりさの頬を涙が伝う。 「むっきゅ、それは言わないお約束だよ」 そう言ってぱちゅりーはまりさの涙をぺろりと舐めて拭った。 その時、異変が起こった。 「ゆぅ~~!?」 段差に気付かずに子れいむが足を踏み外して転げ落ちたのだ。 「れ、れいむの赤ちゃんが!?」 慌てて下を覗き込むお母さんれいむと子れいむ達。 「ゆゆ?おそらをとんでるみたい~~~!」 しかし子れいむは不思議なことに下まで落ちずにまるで中に浮いているかのように 段差からの途中辺りから伸びていた4、50センチほどの枝と枝の間の空間で止まっている。 子れいむはそこで楽しそうにぽよんぽよんと跳ねていた。 「ゆ、おねえちゃんいいな、ずるいずるい!」 「れいむもやるー!」 ぴょんぴょんとそこに飛び込んでいく子れいむ達。 「ゆ、ゆー?」 お母さんれいむも今度は何が起こったのかわからず困惑して首をかしげている。(つまり斜めになっている) 「ごほっ、むぎゅうううん!だめええええ!ゆっぐぉほっ、ゆっぐりでぎなぐなっぢゃううう!!!」 ぱちゅりーだけが餡子を吐きながら遅すぎる静止をした。 「ぱ、ぱちゅりー?どうしたの?おなかいたいの!?」 まりさは突然餡子を吐いて叫ぶぱちゅりーを心配して傍によって背中をさすった。 「うああああああ!だずげでおがあざあああああああん!!!」 「いやあああああああ!!こないでえええええええええええ!!!」 子れいむは中に浮いていたのではない、蜘蛛の巣に引っかかっていたのだ。 人間の拳二つ分ほどもある巨大な蜘蛛が二匹、枝の影から現れた。 「い゛や゛ああああああ!れ゛い゛む゛のあがぢゃんがああああああ!!!」 お母さんれいむの叫びも空しく大蜘蛛が身動きの出来ない子れいむ達に齧りついた。 「あがっがっがっがっが…」 「ゆっ…ゆぐっ…ゆ゛…」 皮を突き破った牙から餡子に毒を混ぜられて子れいむ達はもはや喋ることもままならなくなった。 「おねえぢゃああああああああああん!!!」 「れいむの…れいむのい゛も゛う゛どがあああああああ!!!」 獲物が動けなくなったのを確認すると大蜘蛛達は子れいむを咀嚼し始めた。 皮を剥ぎ、蜘蛛の頭が餡子の中に埋まる。 くちゃりくちゃりという咀嚼音が辺りに響いた。 「うっ、ゆうう…ごめんね…ごめんね…」 お母さんれいむが耐え切れずに目を背けた。 まりさとぱちゅりーは何も出来ずにただ後ろから見ているしかなかった。 「おねえぢゃん!おねえぢゃん!」 一匹の子れいむが身を乗り出して家族の名前を呼んだ。 「むきゅ、そんなに乗り出したら危な…」 ぱちゅりーが注意を促そうとしたその時、段差に生えた枝の一本が動いた。 「ゆぎゃあああああああああ!?」 茶色の蟷螂が子れいむの頭に深々と鎌を突き立てていた。 ギロリと辺りを睨み付けると茶色い枝蟷螂は段差の下へと子れいむを連れて飛び降りていた。 「いやあああああああああ!!?」 「あ、あああああああああああ!?」 傍にいながら何も出来なかったことにお母さんれいむは歯噛みして後悔した。 「だずげでよおがあざん!れいむおねえぢゃんだぢみだぐにたべられだぐ…! ああああ!いだいいいいいいいい!おがあざん!おがあざん!みでないでだずげぎぃ!」 枝蟷螂は鎌で器用に子れいむのリボンを切り裂いた。 「あ゛!やべでええ!れ゛い゛む゛の゛!れ゛い゛む゛の゛リ゛ボン!れ゛い゛む゛のだいじなりぼんな゛のお゛!!!」 邪魔なリボンを切り裂けば次は皮、その次は中の餡子だ。 「ごめん…こんなお母さんでごめんね…もっとゆっくりさせてあげたかったよ…」 ポタリと子れいむの頭にお母さんれいむの涙が落ちた。 最後に一瞥くれてお母さんれいむはその光景から背を背けた。 「おがあざん!?どうじでぞっぢむいぢゃうの!?れ゛い゛む゛はごっぢ!ごっぢだよ゛!」 「早く行くよ、急いでここから出ないとゆっくりできなくなっちゃうから」 「ゆ!?ま、まってよおかあさん!」 「で、でもおねえちゃんが…」 「……」 生き残った子れいむ達の静止を無視してお母さんれいむは無言で進んでいった。 {お゛があざんお゛いでがないでだずげで!だずげでよ゛おお゛お゛!!! れ゛い゛む゛ゆっぐりでぎでだいどおおお!おいでがないで!おいでがないで! れ゛い゛む゛をだずげでごのま゛まぢゃれ゛い゛む゛ゆっぐりでぎないよ!! お゛があざん!お゛があざん゛ん゛んん゛ん゛ん゛ん゛んん゛ん゛ん゛!!!」 子れいむの絶叫が木霊する中、ぱちゅりーとまりさは黙ってお母さんれいむに着いていくしかなかった。 「ゅぅ…ゅぅぅぅぅ…」 「ひっく…ゅ…おねえぢゃん…ぅゅぅぅ…」 「ゅっく…ゅぇぇ…」 子れいむ達は啜り泣きながらお母さんれいむの後ろについて歩いていた。 まりさとぱちゅりーはしんがりを勤めて周りを警戒している。 「がほっ、ごほっ…むきゅぅ…」 「ほ、ほんとに大丈夫?まりさの上に乗ったらゆっくりできるよ!」 「むきゅっ、まりさだって限界でしょ 大丈夫、その気持ちだけでぱちゅりー嬉しいから」 ぱちゅりーはよろめく体でそう応えた。 実際のところぱちゅりーは限界に近い状態にあった。 百足に噛み付かれた場所はズキズキと痛んだ。 眩暈もさっきからずっと止まらない。 耳鳴りだってしている。 足の裏も枝や小石で傷だらけだ。 満身創痍に近い様態だった。 けれどここから出れればまた二人一緒にゆっくり出来る、そして大きくなったら二人で子どもを作りたい。 そして死んでいった子れいむ達の分もゆっくりさせてあげたかった。 ぱちゅりーはまりさと一緒にここを出ることを心から願った。 その願いが僅かながら歩む力をくれた。 ぱちゅりーを突き動かすのはもはや気力だけであった。 「ゆ!森を抜けるよ! もうすぐゆっくり出来るよ!」 木々の間から光が挿している。 お母さんれいむの話では出口はもうすぐのはずだった。 「ゆ!森を抜けたよ!もうすぐ! あの丘を越える前は虫さん達に襲われてなかったからあそこを越えれば大丈夫だよ!」 そこは開けた草原だった。 その先にはゆっくりにとってはそれなりに小高い丘があった。 「ゆ!あとちょっとだよ!やったねぱちゅりー!」 「むっきゅー、あそこを越えたら絶対にゆっくりやすみたおしてやるわ…」 ゆっくり達は最後の力を振り絞って歩き出した。 「もうちょっとだよ…」 「もうすぐゆっくりできるね!」 「みんなでゆっくりしようね!」 草原を進んでいる内に段々とみんなの顔に笑顔が戻ってきた。 ここを抜ければゆっくり出来るのだ、そのことがみんなに元気を与えてくれた。 その時、絶望の羽音がゆっくり達の耳に届けられた。 「い、イナゴさんだー!!!」 「いやああああああああ!!!」 「ゆっくりできないいいいいいいいいい!!!」 「急いで!もう丘は目の前だよ!」 さっきのようにお母さんれいむの口の中に子ども達が隠れる。 今度は全ての子れいむ達が入ることが出来たし喋ることも出来た。 とにかく急いで丘にまでたどり着くゆっくり達。 しかしそこからが地獄だった。 「ゆっ、ゆっ…!」 「むきゅぅっぅぅぅぅ…!」 登りはどうしてもそれまでよりスピードが落ちる。 一方イナゴは空を飛んで変わらぬスピードで追いかけてくる。 もうイナゴの軍団はすぐそこまで来ていた。 「むぎゅぅ…ま゛り゛ざ…もうぱちゅりーをお゛いでにげで…」 「何言ってるのぱちゅりー!ここを出ていっしょにゆっくりするんだよ!急いで!」 「むぎゅ…うげぇ!エロエロエロ…!」 「ぱ、ぱちゅりー!?どうしたのぱちゅりー!ぱちゅりー!」 突如、ぱちゅりーが激しく嘔吐し辺りにどろどろの餡子が飛び散った。 「む、むぎゅぅ゛…」 「ふが…ま、まさか…!」 はっと思い当たったようにお母さんれいむがぱちゅりーの顔の葉っぱを取り去った。 「ど、どうじでぱちゅりーのお顔が紫色なのおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 ぱちゅりーは顔中に紫色の斑点が浮き出ており、その表情は死相としか言いようが無い痛々しく生気の無いものだった。 最初に噛み付かれた百足の毒が全身に廻ってたのだ。 一匹なら、普通の百足ならこうはならなかっただろう。 だがここは永夜緩居なのだ。 そこは虫たちの住まう狂った世界。 諸手を挙げて誘い込まれる獲物を喜び喰らう魔境である。 「これは…もう…助からないよ…」 「うん…ぱちゅりーが…一番わかってるよ…むぎゅぇっ!ごばぁっ!」 「二人とも何をいっでいる゛の゛おおおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?!?」 れいむとぱちゅりーの二匹がぱちゅりーの死を受け入れる中でまりさだけが現実を受け入れようとしなかった。 「むきゅ…ありがとうねまりさ、でもぱちゅりーは、もう駄目だからまりさには生き延びてゆっくりして欲しいの…」 足手まといとなった自分を絶対に見捨てないまりさの気持ちが嬉しかった、そんなまりさが大好きだった。 だからこそぱちゅりーは絶対にまりさには生き残ってもらいたかった。 「馬鹿なこといってないで早く行こうね!もうすぐイナゴさんが来るよ!!」 そう言ってまりさはぱちゅりーの帽子を引っ張って無理やり連れて行こうとする。 ぱちゅりーは力無い瞳でれいむの方を見つめた。 「れい…む…このままじゃみんな死…んじゃう…から…おね…がい…わか、るよね まりさ達が…ゆっくりする方法…」 「そんなの簡単だよ!まりさとぱちゅりーがあの丘を越えればいいだけだよ!」 まりさも薄々と手遅れなことを感じ取っていた。 れいむは黙って悲痛な表情でコクリと頷いた。 そして、れいむが体当たりをしてぱちゅりーは丘を転げ落ちた。 「さよなら、まりさ」 「ぱちゅりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 ぱちゅりーは餡子を撒き散らしながらごろごろと転がり、イナゴの群れの中に堕ちた。 「な゛に゛を゛ずるどれ゛い゛む゛うううううううううううううううううう!!!!」 「ぱちゅりーはもう駄目なんだよ!だからぱちゅりーはみんなを助けるためにああやって犠牲になったの!ああやって…!」 れいむの視線の先にはイナゴに群がられ齧り削られていくぱちゅりーの姿があった。 ああしてぱちゅりーを食べている間はイナゴの群れはこちらを追ってはこなかった。 「今助けに行くからねぱちゅりー!!!」 「駄目ぇ!!どうしてぱちゅりーがああまでして犠牲になったのかわからないの?ばかなの? まりさに助かって欲しいからだよ!お願いだからぱちゅりーの命を無駄にしないで!!」 「黙れこの豚れいむがああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 鬼の形相となったまりさは必死に止めるお母さんれいむを突き飛ばすとイナゴの群れの中心へと ぱちゅりーの所へと転がっていった。 「どうして…どうしてぱちゅりーが命を捨てる気持ちがわからないの…! 何でまりさはぱちゅりーの気持ちを無駄にするの…! みんな命を繋ぐために生きてるのに!れいむだってぱちゅりーだって虫さんだってみんな命を繋ぐために生きてるのに! まりさああああああ!まりさは最低だよ!最低のゴミクズだよ! 死ね!まりさはそこでゴミクズらしくゆっくり死ね!!!」 お母さんれいむはぱちゅりーの命を無為にするまりさのその行為に激昂し、唾を吐きかけた。 そして丘の上を目指し振り向かずに子れいむ達を連れて登っていった。 「ぱっぢゅぃりぃー!ぱぢゅぅりぃ!!!」 どうして来てしまったのか、ぱちゅりーがもう見ることは無いと思っていたまりさの姿を見て思ったことはそれだった。 まりさはイナゴに体中を齧られながらもぱちゅりーの所へと辿り着いたのだ。 せっかくまりさだけでも助かって欲しいと思っていたのにと腹が立った。 いつもそうだ、まりさは自分の作戦を無視して勝手なことをして台無しにするのだ。 この前の蛇の時だって自分を囮にしている間に逃げれば簡単に二人で逃げ出せたのに なのにまりさが石につまづいた自分を飛び出して助けようとしたから台無しになって必死に逃げ回る羽目になったのだ。 本音を言うとそれがとても嬉しかった。 今もそれは同じだった。 ただとても悲しくもあった。 きっとまりさも自分と一緒にイナゴに食べられてしまうだろうから。 まりさには生きてその明るさと行動力でみんなを導いて欲しい、そう思っていた。 「ぱちゅりー!待ってて!絶対に絶対に絶対に助けるよ! ここから出たらね!おっきなおうちみつけようね! ゆっくりがたくさんすめてゆっくりできるおうちだよ! そこで二人でゆっくり暮らすの!冬も安心して越せるんだよ! 虫さんなんて絶対に入ってこないんだよ! ごはんはぱちゅりーが調べたばしょからまりさがいっぱいとってくるから安心だよ! 春になったらお花さんも食べようよ!こんどはかまきりさんの居ないゆっくり食べられるお花なんだよ! 夏は水浴びして!ひんやり~!してゆっくりするよ! 秋はね!秋はね!食べ物がたくさんあるからゆっくりし放題なの!! それで二人が大きくなったらたくさんたくさん子どもを作るの! ここで死んでいったみんなの分もいっぱいいっぱいゆっくりさせるの! だから!だから一緒にここを出ようよ!ぱちゅりー! ぱちゅりー!!起きて!ぱちゅりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 まりさの声を聞きながら体中を齧られて、ぱちゅりーの視界はやさしい緑で埋め尽くされた。 ありがとうやさしくてわたしのだいすきなまりさ。 もう喋る口も食べられちゃって無いけれどこれだけは言わせて まりさといっしょで本当にゆっくりできる一生だったよ。 ああ、私に群がる虫さんたち 最後に一つお願いさせて 私の体は全部あげる だからまりさを もってかないで… 永夜緩居― 二匹のゆっくり 別視点? このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1415.html
「・・・よし、完成だ・・・・・!」 河城 にとりは興奮していた。 ここは河城にとりの研究室 ゆっくり加工場内支部、 不死の薬の雛形が誕生した瞬間だ。 これはにとりがれみりゃの異常な再生力に目を付け、永遠亭の蓬莱の薬に関する文献を参考にし、 ゆっくり加工場の資金協力を得てどうにか試作品完成の段階にまでこぎ付けた代物だ。 加工場側には「新種のゆっくりの開発がしたいので協力してくれ」と話を通してあるが、 それよりも研究者としての個人的な欲求を満たす為の物だった事は事実である。 しかし、その援助が無ければこうして薬が完成することは無かっただろう、 これの開発には物凄い手間とコストが掛かり、尋常ではない回数にのぼる試行錯誤の果てにようやく生み出された物であるからだ。 とはいえ、今目の前にある薬の量は梅干しの種大程度の量、 そして初物の薬ほど危険な物はそうそう無いという事をにとりはよく知っていた、 しかしここはゆっくり加工場だ、被験者は目の前に居る。 「・・・ゆっ?」 キョトンとした顔を向けるれいむ種のゆっくり、まさに適役である、 「ほら、食べてみな。」 にとりは黒光りしてドロッとした豆粒状の薬を差し出す、ペロリと舌を出すれいむ、 「にっがーい!!」 いやいやするれいむ、仕方ない、好物のいちご大福に埋め込んで少し時を置いて食べさせる。 「む-しゃ。むーしゃ。 しあわせー!!」 残さず飲み込んだようだ、とりあえずしばらくの間はゆっくりさせる事にする。 小一時間も経った頃か、 「・・・もういいかな」 にとりが呟くと、無邪気に跳ね回るれいむにつかつかと歩み寄り、両者向き合う形になる、 「ゆゆっ!?どうしたのおねーさん!」 そして頬の肉をおもむろに掴み、思い切り引きちぎる! 「ゆ゙ーーーーーっ゙っ!!」 れいむは目を白黒させながら叫んだ 「ひどい゙よおね゙え゙さん!!どゔじでこん゙なごどずる゙の゙!?」 にとりはれいむの叫びを聞き流す、 にとりはゆっくり自体は嫌いではなかった、ことにこのれいむ種は多少勝ち気だが割と素直な性格で市場でも人気が高かった。 「・・・・・加工所のゆっくりには二種類しかいない、増やすゆっくりと、食べられるゆっくりだッ・・・!」 誰に言うとも無く呟くにとり、そうこう言ってるうちにあらかた仕事は終わっていた、 そこには既に体内の8割以上の餡子を掻き出されたれいむが居た、言葉も発せずにただプルプルするのみのれいむ、 もう既に見飽きた饅頭の残骸、加工所の風物詩的な存在である、しかしその饅頭は他のそれとは違った、 傷口から覗いている中身の餡子が増えてきているのだ、それもミリミリという音が聞こえてきそうな程の早いスピードで、 そしてれいむの中が程なく餡子で満たされ、白濁食の薄皮が出現したと思ったらそれは赤みを帯びた肌色に染まっていた、 その復活劇は、理科の授業で見せられたセミの脱皮の早回し映像の如き速度で繰り広げられたのだ、 そしてそこにはその間じゅういつものポカーンとしたハテナ顔で受け入れていたれいむと、 目を見開き穴が開きそうな勢いでれいむを見守るにとりの姿。 「ゆ?? すごい!れいむいきかえってるー!!!」 れいむは興奮している、にとりはそれ以上に興奮している。 「・・・・・成功・・・した。」 そしてその日より、ゆっくり加工場にて不死身のゆっくりの研究が開始されたのであった。 ~時は流れ一ヶ月後、しなないれいむの研究は続いていた。 そしてそれによりいろいろと分かった事があった、 再生能力は研究のベースとなったれみりゃの数倍、しかし日光に弱いという性質は引き継がれていない、 強いて言えば多少日に焼け易くなった程度だという事、 他に子ゆっくりは完全に普通のゆっくりと変わらないという事、 そしてどんなに致命的な傷を負っても、体の中の一箇所にコア(核)を残して、ゆっくり再生するという事、 コアはぬめっと黒光りする梅干し大の豆粒状の物質で、ちぎっても潰しても煮ても焼いても一瞬で元通りになるという事、 コアから無尽蔵に湧き出る餡子のお陰で、動けなくなる程空腹にはならないという事、 そしてコアから湧き出た不純物ゼロの餡子は驚くほど美味だったという事だ 実験は時に壮絶であった たとえばゆっくりの苦手とする水責めの時は 「ゆっくりやめてね! ゆっごぼグびぶバリ゙ぇ゙」「ぶ゙バ゙が゙ば゙ガ゙ヷば゙が゙ぐ゙ゲ゙ダ゙が゙ば゙ぎ゙ャ゙あ゙ア゙ャ゙」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐヴ」「ぶ゙ガ゙ゲぎ゙ャ゙ア゙バ゙が゙ば゙あ゙ヷば゙が゙゙ダ゙が゙ぐば゙ャ゙」 「グぼバャてっね・・・・・・・・ゆ? すっきりー!!」 と、水没後かなりの時間を置いて、ぶにゃぶにゃの躯の中からずりゅっとつやつやしたゆっくりがもぞもぞ出てきたり、 炎の燃えさかる部屋に投げ入れた時は 「はやくたすけてね! あづい゙よ゙お゙ぼぉ゙」「ぐギャ゙あヴぁ゙ゔば゙ア゙バぶぅ゙る゙ガ゙ぎゃ゙ギャ゙が゙ゲ゙が゙グ゙イ゙ギ゙」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・ヴ・・・ゆ゙・・・」「・・・ヴ・・・っ゙ブグり゙ず゙ぁ゙え゙であ゙ヅい゙よ゙ぼオ゙お゙ぉ゙ぉ゙」 「ヴゆ゙ゆ゙ぐゆ゙・・・・・・・・ぷー? あつくなくなってるーー!!」 と、すっかり黒ずんだゆっくりの燃えカスから脱皮よろしくあたらしいゆっくりが這い出してきたり、 餡子を押し出すプレス機で潰してみた時は 「や゙め゙で! ゆ゙っ゙ぐり゙ざぜでえ゙ぇ゙ぇ゙」「ゆ゙ぶ!い゙だい゙グぎゅ゙ヴり゙ゅ゙ぶル゙あ゙・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆ゙ぐ゙・・・」「・・・ヴ・・・っ゙グぎゅ゙ヴり゙ゅ゙ぶル゙い゙だ゙あ゙ぃ゙い゙」 「いだ゙・・・ゆ゙・・・ぐ・・・・・・・・もう・・・! いたいのはやめてね・・・!!」 と、平らな薄皮を押し退けみるみる膨れ上がるゆっくりだったりと、 こんな具合でしなないれいむは物凄く苦しむが絶対に死ぬことは無く、30分もあれば蘇生するのだった、 また、仮死状態に陥る経緯(以降は死に方と表記する)によって精製される餡子の風味が違ってくるのだ、 水責めで死んだら水っぽく、焼け死んだらふかふかの、圧死なら歯応えのある餡子になっていた、 幻想郷では、恐怖や苦痛を与えたゆっくりの餡子は旨くなると言われている、 だが、死ぬ以上の苦痛を与えられた上で混じりけ無しの純度100%の餡子は、このしなないれいむからしか採れない、 にとりはこれは商売になると思った、まず加工場の責任者にこの餡を食べさせよう、 これだけ美味い餡子が出来るなら、不死のゆっくりの研究にも少なからず予算を捻出してくれるだろう。 ほどなく究極の餡子プロジェクトチームが結成された、どの死に方が旨い餡子を生み出すかを徹底的に研究するのだ、 にとりはしなないゆっくりに対する探究心を満たしたいという思いと、 あわよくば不死の薬を実用できる物にしてやろうという野望を胸に、しなないゆっくりの研究に傾倒していった。 ~そして時は流れ数ヵ月後 幻想郷において、加工所から超限定数のプレミアム漉し餡が販売されるようになっていた。 その味は、洋食派のアリスも顔を真っ赤にさせて興奮する程に美味であり、 その値段は、博麗神社の巫女の顔を真っ青にさせるのに十分の物であった。 しなないれいむが最も旨い餡子を精製させる死に方は、膨大な時間を要する手作業であった。 まずしなないれいむを1センチ四方程度分摘まみ、引きちぎる、これを、完全に均等になるまで続けるのだ、 声が出せるうちは「ゆ゙っ゙!!」 「ゆ゙っ゙!!」と声を出し、 時に「おぢさんやめてね!!」「はやくやめてね!!」と抗議する、 そのうち「い゙だい゙い゙ぃ゙」「や゙め゙でえ゙ぇ゙」と懇願し出し、そして喋ることもかなわなくなる、 これを加工所の職員が数人がかりでやる、所有時間は30分程度だ、 次にコアの含まれる部分が蘇生を開始したら、他の破片は片付けられる、 その蘇生の際に、口をひらける程度まで回復すると「い゙だい゙い゙ぃ゙」 「ゆ゙っ゙!!」 「ゆ゙っ゙!!」とわめき出す、 そしてしなないれいむが「ゆっくりなおったよ!!」などと言うまで加工所の職員にじっと見守られる、 この間も所有時間は30分程度、 そして蘇生したばかりのしなないれいむからおもむろに極上の餡子を採集する、これには10分と掛からない、 そして蘇生が終了し、しなないれいむを休憩させるまでで1セット、計3時間の採集作業、 これを一日4セット、拘束時間12時間の苦行である。 残りの12時間はしなないれいむがゆっくりできる時間だ、寝ててもいいし他のゆっくりと遊んでてもいい。 それともう一つ、にとりは不死の薬は妖怪や人間には使えない物であるという事が分かっていた、 妖怪や人間が薬を服用して死んだ場合、まず発狂するであろうからだ、 普通の妖怪や人間は、限界を超える痛みや苦痛を受けた際には意識をシャットダウンして神経がショックの直撃を避ける、 だが、あの薬はそのリミッターを効かなくするのだ、通常の妖怪や人間ならば二、三度死ねば精神崩壊は免れないだろう、 これはしなないれいむをれみりゃの体内で3日程放置した後救助するという実験の際に、しなないれいむの 「あづかっ゙たあ゙ぁ!!ピリ゙ピリ゙いだかっ゙だあぁ゙ぁ!!」という感想?で確信した事だ、 それにしても何故このゆっくりは気が触れないのか、にとりにはどうしても納得できなかった、 「まったく、ゆっくりって奴は本当に都合良くできてんな・・・。」にとりは苦笑するしかなかった。 不死身のゆっくりの研究室には既に加工所も大きな予算を割くようになっていた、 餡子の生産が追いつかないので、不死の薬を増産しようという話なのだ、 加工所に絶賛殺到中の「ええい、究極のつぶ餡はまだかーーーッ!」という問い合わせも後押しとなっている、 にとりは研究室に、しなないまりさをしなないれいむと共に住まわせるという事は既に決めていた、 そしてそれは程なく現実のものとなるだろう、 そのにとりの願いは、哀れなしなないれいむに対する同情なのか、研究者としての興味と探究心なのか・・・・・。 しかしそんな事はどうでもいいと思った、今やしなないれいむは、言わば食べられるれいむの頂点のような存在なのだから。 -完-
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/640.html
その日は縁日だった、何気なく立ち寄ったゆっくり屋で、私は子ゆっくりを買うことにした 子ゆっくりはテニスボールくらいの大きさで、みんな元気に跳ね回っていた 私は隅っこにいた、ゆっくりれいむを一匹買うことにしたのだが 「いやだよ!まりさとはなれたくないよ!」 「そうだよ!まりさはれいむといっしょにいたいよ!」 などと、野良ゆっくりだった頃の友達だろうか?れいむを連れて行こうとする私にまりさが抗議をする 怒ったテキ屋の兄ちゃんが、ゆっくり棒で軽く殴るが連れて行かせまいと、れいむの前に立って体を膨らませて威嚇している ゆっくりの美しき友情に心底感動した私は、当初の予定を変更して、この仲の良いゆっくり達を全て買い取ることにした 「一匹飼うのも二匹飼うのもそう変わりません、仲の良い友達同士、離れ離れにするのは酷なことですからね、二匹とも買い取りましょう」 「そうか、いやぁ~すみませんね、お兄さん」 仲間と離れ離れにならず、みんなで一緒にいられると聞くとゆっくり達はとても喜んでくれた 「ゆゆ~!ありがとうおにーさん!」 「まりさたちをゆっくりかわいがってね!」 君達を可愛がる?そんな事をする気は毛頭無い こうして二匹のゆっくりを購入した後、途中で射的をしたり、綿飴やりんご飴を買ったりして家路についた 道中、ゆっくり達は歌を歌ったり、仲間と一緒にとび跳ねたりして楽しそうにしていた 見ていると本当に心がなごむ、愛らしい姿なんだろう、最も私には不快にしか映らないが お腹がすいたというので千切った綿飴を少しあげると、喜んで食べてくれた 「おにいさんはゆっくりできるひとだね!れいむとってもゆっくりできるよ!」 「おいしいおかしだね!とってもおいしいよ!」 普通のゆっくり達ならお菓子を奪い合ったり、喧嘩をするが、このゆっくり達は平等に綿飴を分け合って食べている ゆっくり達の顔はどれも名前の通り、安心しきった、ゆっくりとした表情をしていた あぁ、早くこの顔を絶望に歪ませたい 家に着くと、ゆっくり達はさそっくお家宣言を始めるゆっくり達 「おっきなおうちだね!れいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」 「まりさたちにぴったりのおうちだね!」 家に入るとすぐに自分たちのお家宣言をする、これはゆっくりの悪い癖だ、このセリフのせいで虐待されたゆっくりはどれだけ居るのだろうか? ともかく玄関先で騒がれては近所迷惑になってしまう、私はゆっくり虐待用の部屋にゆっくり達を連れていき、籠から出してやる ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねながら楽しそうにしている虐待し甲斐のあるゆっくり達だ 「おにいさん!おなかへったよ!」 「ごはんをもってきたらまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいよ!」 何がおなか減っただ、身の程をわきまえないとひどい目にあうということを教え込んでやる 楽しそうに飛び跳ねているれいむの髪を掴んで、乱暴に持ち上げる 「いっ!いたいよおにいさんゆっくりおろしてね!」 痛みに顔をしかめながら、れいむは私をぷくーと膨れて睨みつけてくる お友達が痛い目に逢っているのを見るなり、まりさもぷくーと膨れて怒っている 「おにいさん!れいむのかみをつかむのやめてあげて!」 友達が痛い目にあうと、自分のことのように怒る、良い子だな本当に、だからこそ痛めつける 「ははは、すまないね僕は良いゆっくりにも、悪いゆっくりにもとても厳しいお兄さんなんだ 特にこのれいむは心の汚れた悪いゆっくりだから、特別痛めつけてやるんだよ」 私の滅茶苦茶な説明を聞くなり、れいむは涙声で反論する 「ひどいよ!ひどいよ!れいむはいいゆっくりだよ!」 うるさいゆっくりだ、お仕置きが必要だな、私は素早くポケットから縫い針を取り出すとれいむの後頭部に軽く突き刺す もちろん、これで殺すわけではないあくまで浅く突き刺す、しかしれいむにはとても痛かったようだ 「ゆ゛っ゛!いだぁい!」 れいむの声がうるさいので、泣きわめくれいむにゆっくり用の猿轡をつけると、加工所のベストセラー商品、透明な箱に入れる ちなみに、この透明な箱の底には薄く水が張っておいた、少しでもゆっくりに不快な気分になってもらうための一工夫だ 中でれいむはふごふご言っているが無視 まりさはれいむを傷つけた私に向って怒鳴り始めた 「ひどいよおにいさん!まりさたちのおうちからでていってね!」 馬鹿なゆっくりだな、ここは先祖代代受け継いできた家だ、貴様らの家だと笑わせるな 「ここが君のうち?馬鹿言わないでくれ、先祖代代受け継いできた家なんだぜ 君みたいな身の程知らずの馬鹿には死ぬまで苦しんでもらうよ」 私はまりさの帽子を取り上げると、まりさの頭を針で何度も突き刺す 「ゆゆっ!いだいおにーさんやめて!やめて!」 まりさは針から逃げようと右往左往逃げ回る、愉快な奴だ 軽く蹴り飛ばすと「グッびゅ!」と鳴きながら転がっていく 箱の中でれいむがまたふごふご言いだした、大事なお友達が痛めつけられるのをよく見とけ、ボケが 痛みで動けないまりさをれいむと同じ様に、透明な箱に入れる そして、箱の中に河童印の唐辛子スプレーを吹きかける 「ゆぎゅっ゛つ゛!い゛だぁ!」 体中に焼けるような痛みを感じて、鼻水と涙を流しながらまりさは悶え苦しむまりさ 苦し紛れに飛び跳ねているから、透明な箱中に鼻水や涙が飛び散っている、汚いゆっくりだ さて、少し運動もしたし腹が減った夕食にでもしよう 私は虐待部屋から出るとすぐ、食事を始めた 炊き立てのご飯に昨日のカレーの残りと温泉卵を乗っける、独り身だと夕食なんたこんなもんだ 食べ終わるとすぐに私はゆっくり虐待部屋に向かう 食事の間中も頭の中はゆっくりを痛めつけることで一杯だった、こんな私は巷で話題のゆっくり虐待脳なのだろうか? 私は虐待部屋に戻ると、透明な箱に入っていたれいむとまりさを乱暴に引きづり出した れいむは箱から出るなり私に体当たりをしようとする、しかし、長い間底部が水に浸かっていたせいか、ふやけてうまく跳ねれない かといって、罵詈雑言を吐こうにも猿轡を噛んでいてはそれも叶わない、結局膨らむだけにしたようだ 一方まりさはさっきのスプレーでのどを痛めたのか、しきりに咳をしている ざまぁみろゴミ虫め 「君達も疲れているだろう、このダンボールの中で寝なさい」 出来るだけ優しく言ってやったが 「ん~!んんむんむ~!」 「おにいさんのいうことなんかきかないよ!とっとときえてね!」 だそうだ、人の好意も素直に受け取れない糞ゆっくりは…こうだ! 二匹の髪を掴むと、ダンボールの中に手加減して叩きつける 「ゆ゛っ!ひどいよおにーさん!」 「ん゛ん゛んぅ!ん゛~む゛ぅん!」 「ゆっくりできてないよ!れいむだいじょうぶ!れいむ!」 まりさは体が少しへこむ程度で済んだが、れいむは違った 水を吸ってふやけていた底部が破けて、餡子が滲み出できている 痛みに身をよじって体を揺らしている、おおきもい、きもい こんなに痛がるなら猿轡を外してからやればよかった、そうすればれいむの苦しむ声をたっぷり聴くことができたのに 少し軽はずみな行為をしてしまった事を恥じながら、れいむの猿轡を外す 「ゆ゛ぅえ゛っぐ…ひ゛っぐれ~むのあしが!」 「おちついて!ゆっくりなおるからおちついてね!」 「ゆっぐ…ひっ…ぐ…ゆっゆ」 「おちついて!だいじょうぶだよれいむ!」 ゆっくりにとっての足の部分が破けたショックで、過呼吸気味のれいむを落ち着かせようと、まりさが頬擦りを始めた 頬擦りはゆっくり達の友愛の証でこれをする方もされる方もゆっくりできるらしい しかし、私に貴様らをゆっくりさせる気は全く無い ゆっくり共の入ったダンボールを持ち上げると、上下左右に素早く小刻みに揺らす 中のゆっくり達はピンポン玉のように、あっちに飛んだりこっちに飛んだりして、ダンボールにぶつかる度に悲鳴を上げているいる これなら、ゆっくりピンボールとか作ったら売れそうだな 「じしんだよ!こわいよいやだよ!」 「いだいよ!いだっひぅあしがいっだいよぉ!」 まりさは地震と勘違いしてしまったようだ、眼を固くつぶって震えながら転がっている、馬鹿な奴だな れいむの方は揺れて転がることで傷口がどんどん広がっている、漏れ出す餡子の量も多くなってきている ここで殺すのもありだが、もう少し生かしてやることにした ダンボールから二匹を出すと、まりさが私に泣きついてきた 「おにーさん!このままじゃれいむがしんじゃうよ!いままでのことゆるしてあげるかられいむをなおして!」 「まりさだけでもにげて!このままじゃまりさがゆっくりできなくなるよ!」 「れいむはだまっててね!まりさはれいむといっしょじゃなきゃゆっくりできないよ!」 この言葉には普通の人なら感動するだろうが、私には骨の髄までゆっくり虐待の血が流れている どんな感動的なことをしたとしても、それがゆっくりなら虐待するまでだ 「なるほど、まりさはれいむのことを治してあげたいんだね?」 「そうだよ!ゆっくりしないでれいむをなおしてね!」 「しょうがないな、私なりのやり方で治してあげるよ!」 私は素早くれいむを仰向けにすると、濡れてふやけた底部の皮をむりやり剥ぎ取る 「ゆっ!いだい!いだぁい!いだい!」 「れ…れいむになにするのー!しね!しね!」 まりさは顔を真っ赤にして私に突撃してくる、それこそ私を殺すつもりの体当たりだったのだろう しかし、しょせんはゆっくり、痛くもかゆくもない、むしろぷにっとして気持ちいい だが、ゆっくり風情が人間様に楯突くとはどういうつもりだ 私は力の差を教えるためにも、まりさを捕まえると、右目の部分に噛み付き、引きちぎった 口の中が程よい甘さでいっぱいになる、しかし私は辛党だ、ゆっくりなど食べても不快な気分にしかならない 嫌々、何度か咀嚼してすぐに吐き捨てる、左目は縫い針で何度も突く、突き刺すたびに目からは餡子とは違った、透明な液が噴出する 言葉にならない叫びを発するまりさを思い切り殴りつける、後頭部がへこんで口からボトボトと餡子をおう吐し始めた ふぅ…すっきりした、たまにはこんな風にワイルドに痛めつけるのも悪くない 第一、れいむに関しては本当に直してやるつもりだったんだ、それを死ね、などと言われたら少しくらい怒ってもしかたないではないか 「こないでぇ!いじめるのはまりさにして!こないで!」 「ぎぃ!う!うっぷうっ…おぇ~」 さて、れいむはというと、さっきまりさにやった折檻がよほど恐ろしかったようだ 足のない身で、必死に私から離れようとしている まりさの方は、噛みちぎられた右目のあった場所と口から、命の源の餡子を垂れ流している 左目はどんより濁って、なにも映してはいないようだ しかし、れいむの「いじめるならまりさにして」発言は良く聞こえたようだ 「びどぉい!でいむびどいよ!」 と、餡子を口から飛ばしながら叫んでいる、それから一分とかからずまりさは息を引き取った まりさが死んだことを確認すると、私はまりさの底部をれいむのように剥ぎ取った 私は、逃げようとするれいむに近付くと、出来るだけ穏やかな表情を作って話しかける 「れいむ、今から私は君の体の治療をする、痛くするつもりは毛頭無い けど、もし逃げようとしたり、泣いたり、私を不快にするようなことをしたら、ただではすまないよ」 「わわかったよ!にげないしなかないよ!」 それなら良い、私はまりさから剥ぎ取った底部をれいむの底部に張り付ける、ぴったりとはいかなかったが ゆっくりは単純でいい加減な生物だ、すぐに癒着するだろう 「これで大丈夫、しばらく動かなければきちんと歩けるようになるよ」 「ゆっ!それじゃあうごかなふぎゅ!」 すかさずれいむを踏みつける 「何かしてもらったら、普通はありがとうございましたって言わないかな?」 「ゆぐ…ありぎゃとうごじゃいまちた!」 痛みに耐えてれいむはお礼を言った、この男に逆らえば絶対にゆっくりできない、というのがゆっくりブレインにもよく分かった それからしばらくすると、れいむの皮とまりさの皮はきっちり癒着して、普通の状態に戻っていた 「良し、治ったね、それじゃあちょっとジャンプしてくれ」 「ゆっ!わかったよ!ぽよーん!」 なるほど、きちんと癒着しているようだジャンプ力も問題ない れいむが不快な擬音を口にして飛び上った瞬間、私はれいむの底部をけり上げた 「ゆぎゅ!」 移植したばかりだった、れいむの底部は簡単に破れた 痛みに悶絶するれいむを無視して、まりさの死骸から口を削ぎ落とす そして底部の破れた場所に、無理やり押しあてる 「ぎゅぅ!!!いふぁい!いだいぢだい!」 「黙れ、殺されたいか」 「ぎゅ!っつ…ん…む」 私のことを本当に恐れているのだろう、れいむはすぐに静かになった それから五分後、れいむは底部に口を持つ、世にも珍しい二つの口を持つゆっくりになっていた その結果に満足した私は、れいむを小さな透明な箱に入れると、今日一日の疲れを癒すべく寝室に向かった 一方れいむは、男への怒りで体中が爆発しそうだった 透明な箱はれいむのサイズより一回り小さかったが、男に無理やり押し込められた、身動き一つ取れない なんで可愛いれいむがこんな目に会わなきゃいけないの? 腹立たしげにれいむは呟いた 「「ゆっくりできないよ!」」 れいむは驚愕した、自分の体から死んだはずのまりさの声がしたのだ 「「まっまりさ!いきてたの?」」 しかも、不気味な事に自分の言うことを真似してくる これは、まりさの霊がれいむを祟りに来たんではないか そう思うと、体中から冷や汗が出てくる 「「れっれいむはわるくないよ!」」 「「しんでるくせにふざけないでね!」」 「「まねしないでよ!」」 「「ねぇ!やめてよ!」」 「「れいむはわるくない!ほんとだよ!」」 「「おねがいだから!まねしないでね!」」 「「やめてやめてれいむはわるくないよ!」」 れいむは朝まで自分の発した声に怯えていた 私は朝起きると、朝食をしっかり取ってから虐待部屋に直行した 中ではれいむが何やらぶつぶつ言っている、そして同時に死んだはずのまりさの声も聞こえてくる、どうやら成功したようだ 「おはようれいむ、昨日はよく眠れたかい?」 「「おにーさん!たすけて!まりさがどこかにいるよ!れーむのまねをするよ!」」 私は塩水をたっぷりれいむにかけてやった 「「ぎゅぅ!からいよ!くるしいよ!」」 「朝のあいさつはおはようございますだろ、言ってみなさい」 「「おはようございます!」」 「よろしい」 れいむは辛い辛いと騒いでいたが、いきなり真っ青になって私に体の異変を訴えてきた 「「ゆ゛っ!へんだよ!すっごくへんだよ!」」 「何が変なんだい、言ってごらん、れいむ」 「「れいむのあしがあじがわかるんだよ!へんだよ!おかしいよ!」」 私は苦笑してれいむの疑問に答えてやった 「それはね、君にまりさの口を移植してやったからさ、君の足にはまりさの口があるんだよ」 「「そそんなはずないよ!いやだよおくちはひとつでいいよ!」」 真実を教えてやったのに、そこまで言うなら仕方ない、れいむを透明な箱から取り出すと床に落とす ゆっくりの底部は頑丈で弾力がある、普通のゆっくりならこれ位痛くもかゆくもない しかし、れいむは違った 「「いだぁい!いだぁいよなんで!」」 れいむの底部には、まりさの口が付いていた ゆっくりの口はそう頑丈じゃない、裏返してみると何本か歯がへし折れていた 騒ぐれいむを無視して、私は一メートル四方の超巨大透明な箱を持ち出す 中にたっぷり塩を入れると、その中にれいむを放り込む れいむは底部を塩の床につけるなり、辛い辛いと騒ぎだした 騒げば騒ぐほど、底部の口から塩がれいむの体内に入っていく あと数分もすれば、このれいむは大嫌いな塩でお腹いっぱいになれるだろう 「ゆっくり味わって食べなよれいむ、塩はたくさんあるんだから」 「「いや!たすけて!ゆっくりできないよ!からいよ!くるしいよ!たすけて!」」 二つの声で何かに助けを求めるれいむ ゆっくりにとって、塩は大量に摂取すれば死の危険性もある食糧だ、帰ってくる頃には苦悶の表情で死んでいるだろう 朝から愉快なものが見れた私は、虐待部屋から出た後すぐにゆっくり加工所に向かった そう、私はゆっくり加工所で働いているのだ、家に帰っても虐待、職場でも虐待 私はこの世で最も幸せな男なのではないだろうか、といつも思う 自分の本当に好きなことを職業にできたのだから 作:ゆっくりな人 以前書いた虐待 ゆっくりカーニバル 臭い付きゆっくり(上) 臭い付きゆっくり(下) このSSに感想を付ける