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前:嗚呼、我等地球防衛軍(第31話〜第35話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第41話〜第45話) 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第36話 暗黒星団帝国軍による猛攻を受けて、旧ガミラス帝国軍はガミラス本星近辺にまで追い込まれていた。 尤も精強で知るガミラス軍の必死の抵抗により、暗黒星団帝国軍も多大な被害は受けており、開戦前と比べて その陣容は寂しくなっていた。 「何としても、ガミラシウムとイスカンダリウムを手に入れなければならない」 メルダースはそう言って部下を鼓舞した。実際、それほどまに多くの労力がつぎ込まれていた。 だがガミラス星の守りが堅いと見るや、メルダースはとりあえずイスカンダリウムだけでも得るべく、イスカンダルで 資源採掘を行うことを決意する。 「女王が居るようですが?」 「女王一人しかいない国に、遠慮する必要は無い。いや、治めるべき国民がいない国家など国家ではない。 あれはすでに滅んだ無人同然の星なのだ」 メルダースはそう言って資源採掘を命じる。 この指示を受けた第1艦隊司令官データーは船団をイスカンダルに降下させる準備を進めた。 「準備を急がせろ。それと邪魔な地上構造物は破壊してしまえ。資源採掘の邪魔だ」 「了解しました」 データーはイスカンダルの上空から容赦のない艦砲射撃を地表に加え、あらゆる人工物を灰燼にしていく。 「この星の動力炉(波動エンジン)は我々にとって有害だ。何も残してはならぬ!」 イスカンダルが猛火に包まれる様は、ガミラス星上空の戦闘空母からも見ることが出来た。 「イスカンダルが! スターシアとの通信は?!」 「ダメです。繋がりません」 「くっ……予備部隊を出せ。私が直接指揮を執る!」 これを聞いてタランが慌てて止める。 「しかし、それでは防衛線が崩壊しかねません! それに総統に万が一のことがあれば」 「どけ、タラン! 私は行かなければならん」 「どきません!」 総統とその副官の緊迫したやり取りが続く。その中、信じられない報告が飛び込む。 「ヤマトが現れました!」 イスカンダルが猛火に包まれる様子は、第8艦隊でも見ることが出来た。 メインパネルに映されるイスカンダルの悲惨な光景に、第8艦隊の宇宙戦士たちはいきり立つ。 『司令官!』『艦長!』『司令!』 第8艦隊旗艦ネメシスに全艦から通信が殺到する。 勿論、ネメシスの艦橋にいる人間達も全員が司令官に目を向けていた。 「司令……」 青コートの幕僚が司令官に決断を迫った。 イスカンダル女王スターシアは、全人類にとって恩人だ。彼女が居なければ人類は滅亡していただろう。 そんな恩人が攻撃され、イスカンダルは炎の海に沈んでいる。見過ごせる人間はいなかった。 一方の司令官は原作と乖離した光景に少し絶句するも、すぐに最善の手を考える。 (いきなり先制攻撃をする、いやそれだと、だまし討ちか? 開戦する予定とは言え、開戦責任を問われる事態は避けなければならない。ボラーとの関係もある。 だが穏便な手はとれないし、下手をすればヤマトが動きかねない) というか、もはやヤマトは暴走寸前であった。 ヤマトクルーはイスカンダルへの蛮行に激怒していた。古代進がまだ思いとどまっているのも、古代守が制止して いたからに他ならない。だがその守でさえ腸が煮えくり返る思いであった。 (是非も無し、か) 腕を組み口を瞑っていた司令官は、目を見開くと同時に命じる。 「イスカンダルを攻撃中の国籍不明艦隊に攻撃停止を勧告しろ。コスモタイガーを3機ほど差し向けろ」 「勧告するだけですか?」 「向こうが無視するようなら……友好国への攻撃を見過ごすわけにはいかん。『武力』で阻止する。全艦戦闘配備!」 「了解しました!」 防衛艦隊出現の報告は、暗黒星団帝国軍を驚かせた。さらに攻撃停止勧告は彼らを激怒させた。 「くそ。ガミラス残党が居なければ、あのような艦隊、簡単に捻り潰せたものを!」 「如何しますか?」 データーは兵士の問いに、当たり前だといわんばかりに吼えた。 「勿論無視だ! 全戦闘機隊発進! 我が艦隊も出るぞ!! まずはあの煩いハエを追い払え!」 暗黒星団帝国軍艦隊が勧告を無視したどころか、こちらへの敵意を露にしたことから、第8艦隊はすぐに 攻撃を開始する。 2隻の宇宙空母とヤマト、ムサシからコスモタイガー隊が次々に発進していく。 暗黒星団帝国軍も攻撃隊を出したが……結果は無残なものだった。 士気では暗黒星団帝国軍に勝り、質でも数でも原作よりも遥かに優れたコスモタイガー隊は、敵航空隊を あっという間にコテンパンにしていった。 コスモタイガー隊を突破した敵機は第8艦隊前方に展開していたヤマトとムサシに攻撃を加えるが、パルスレーザーに よって返り討ちにあう。 「一方的だな……(というか強すぎてワロタ)。引き続き攻撃続行。 我が艦は、拡散波動砲を用意。コスモタイガー隊の攻撃終了後、敵前衛を殲滅する」 司令官はそう命じる。尤も拡散波動砲で始末するほどの敵前衛は残らなかった。 第8艦隊に迫っていた暗黒星団帝国軍の巡洋艦は雷撃機仕様のコスモタイガー�から放たれた 対艦ミサイル(波動エネルギー入り)の飽和攻撃を受けたのだ。その結果は……言うまでも無かった。 暗黒星団帝国軍艦隊の巡洋艦部隊は1隻残らず宇宙の塵を化した。 あまりにあっさり前衛が壊滅して呆然状態のデーターだったが、自身が乗るプレアデスにヤマトの砲撃を 受けて我に変える。 「ははは。その程度の砲撃が効く物か!」 嘲笑するデーター。だが直後、兵士の悲鳴のような報告に、その顔は凍りつく。 「敵旗艦に高エネルギー反応!」 「ま、拙い。イスカンダルを背にしろ!」 「間に合いません!!」 かくして巨大戦艦プレアデスは大して活躍することなく残っていた巡洋艦3隻と共に拡散波動砲の直撃を受けて 消滅することになる。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第37話 データーの第1艦隊が壊滅するのはガミラス本星上空の艦隊からも見ることが出来た。 「あの巨大戦艦と艦隊が10分足らずで……」 タランがあまりの光景に息を呑む。 この前までガミラスの宇宙艦隊に手も足も出なかった地球人類が作り上げた宇宙艦隊とは思えないほどの 戦闘力だった。 幾らガミラスとの戦いで暗黒星団帝国軍が消耗しているとは言え、ここまで一方的な展開になると予想できる 人間はいない。 「……」 デスラーは黙り込んだままだった。 スターシアを助けられたかも知れないことは喜ばしいことだが、ヤマトを含む地球艦隊の高い戦闘力を見ては 一概には喜べない。 しかしそれだけで凹む総統ではなく、今回の戦闘から拡散波動砲の特徴をいち早く掴んだ。 (さしずめアレは散弾銃といったところか。射程はヤマトの波動砲よりも短いだろう) デスラーはそう考えた後、兵士から新たな報告が告げられる。 「敵要塞、イスカンダルに向かいます!」 「我らよりも、ヤマトと地球艦隊が脅威と見做したのか」 戦術的にはガミラスにとって好ましかったが、この扱いはデスラーのプライドを傷つけるものだった。 しかしその直後、さらに信じられない光景が広がることになる。 「て、敵要塞、消滅しました……」 データーを撃破されたメルダースはガミラス星の包囲を他の部隊に任せて、自らゴルバで地球艦隊に向かった。 尤も最初は地球艦隊に撤退を勧告しようとしていた。わざわざ自分達が暗黒星団帝国の大マゼラン方面軍であること などを名乗った挙句、先に手を出したことなど気にもせずに告げる。 「速やかに手を引け」 第8艦隊の返答は、一言で言えば「寝言は寝て言え」だった。 イスカンダルと音信が途絶し、さらに地表の多くが灰燼に帰しているため、スターシア救援のためには地上に 降下して救助作業をせざるを得ない。そのためには安全を確保しなければならない。 また、もう一つ受託できない理由があった。 『我々が停戦したとしても、戦闘が継続しガミラス星が崩壊するようなことがあれば、イスカンダルは危機に陥ります。 ガミラスとイスカンダルは兄弟星。片一方が消滅すればもう片方は軌道を外れます』 真田のこの進言、そして原作知識からそれが事実であると知っていた司令官に残された道は暗黒星団帝国軍の完全撃滅か 暗黒星団帝国軍の完全撤退の要求しかなかった。 そして司令官は前者を選んだ。 「全艦、波動カードリッジ弾を装填。あの砲口を狙え!」 司令官は通信を切ると同時に、イスカンダルを砲撃するため開いていたゴルバの砲門への攻撃を命じた。 「1番、2番砲塔、撃て!」 「発射!」 「砲撃開始!」 「撃ち方始め!」 司令官の命令を受けてヤマト、ムサシ、ネメシス、加賀が波動カードリッジ弾を一点集中砲火とばかりに叩き込む。 勿論、全てが直撃したわけではなかったが(ヤマトが放った砲弾は全弾命中)、ゴルバに破滅を齎すには十分だった。 「ば、馬鹿な! このゴルバが?!」 誘爆に加えて、波動融合反応が起こり、ゴルバは文字通り木っ端微塵になった。 ゴルバが木っ端微塵になったのを見た暗黒星団帝国軍の残存艦隊は慌てて逃げ出していく。 戦いに決着がついた瞬間だった。 「「「………」」」 ガミラス艦隊の攻撃を弾き返してきた敵の宇宙要塞が、見事なまでに木っ端微塵に吹き飛ぶ光景を見たガミラス軍の 将兵は絶句した。 同時に彼らは思い出す。ヤマトがどれだけ恐ろしい相手であったかを。 (これがガミラスの精鋭を蹴散らし、ガミラス星を破滅させ、大帝が乗る白色彗星を単独で砕いた実力か……) 客観的に見ると無双どころか、ネタとしか思えないほどの活躍ぶりだった。 勇猛なことには定評のあるガミラス兵でさえ絶句するほどの戦果と言えるだろう。 「……地球艦隊は?」 「こちらを警戒しつつ、イスカンダルへ降下していきます」 兵士の報告にデスラーは沈黙する。これを見たタランが尋ねる。 「如何しますか?」 「今、奴らを攻撃すればスターシアを巻き込みかねない。それにこちらが消耗しすぎている」 「では……」 「奴らが手出しするまでは静観だ。まずは反ガミラス連合を叩きのめす」 「はい」 第8艦隊はスターシアの捜索と救援に忙しく、また暗黒星団帝国軍残党による襲撃を危惧してイスカンダルを 離れなかった。このため地球とガミラスは睨みあいをしつつ奇妙な休戦状態となる。 そして暗黒星団帝国軍が壊滅したことで、手が空いたガミラス艦隊は未だにサンザー太陽系外にいた反ガミラス連合軍に 襲い掛かった。 纏まりに欠ける連合軍は側面を突かれて瞬く間に潰走し、サンザー太陽系周辺での戦いは一旦終局を迎える。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第38話 イスカンダルに降下した第8艦隊と空間騎兵隊は瓦礫の下から何とかスターシアを救出した。 しかしこのとき、スターシアは重傷を負い意識不明であった。司令官は急いでスターシアを旗艦ネメシスに搬送した後に 艦隊から腕利きの軍医(佐渡先生も呼ばれた)を集めて緊急手術を行った。 12時間もの大手術の末、スターシアは何とか助かった。 「ご苦労様。さすがだよ。ヤマト世界のブラッ○ジャックの異名は伊達じゃないな。 ああ気分は楽にして、ソファーにでも座ってくれ。口調も気にして無くて良い」 報告のための艦長室を訪れたネメシスの軍医(転生者仲間)を司令官は労った。 これを聞いて軍医はソファーに座った後、ぐったりした顔で答える。 「苦労したぞ。『新たなる旅立ち』みたいなBADエンドは御免だから頑張ったが……PS版ほどハッピーじゃない」 「そうだな。だがこれで『ガミラスと戦う』という選択肢を取らなくてすむ。陛下を抱えたまま戦うなんて出来ないからな」 「確かに」 地球人類からすればガミラスは怨敵。実際、第8艦隊の中にはガミラス残党軍も掃討すべしという声はあった。 「『上』はデザリウム、いや暗黒星団帝国との戦いに向けて戦力を極力温存したいと?」 「あとはボラーへの備えだな。尤もあの物量を考えると、どこまで防衛軍が持ち堪えられるかは判らないが」 「ふむ。だからこそ、今回のデータが役に立つと? テレサ嬢が居るだろうに」 「外様に何時までも頼ってばかりはいられないだろう。自前で超能力者を用意できるなら、それに越したことは無い。 まぁ彼女には遠く及ばないだろう。彼女を倒すには超人ロ○クでも連れて来るしかない」 スターシアを救うため手術は行った。 だがそれと並行してスターシアの身体は徹底的に調査された。勿論、手術のためという名目があったので不審には 思われなかった。 そして、これによって超能力者の資質を持つイスカンダル人の情報を防衛軍は入手することが出来た。 「コスモクリーナーDや波動エンジンだけでは飽き足らず、ドサクサにイスカンダルに残された技術や資源を回収か。 全く盗人猛々しいな。問題ないのか?」 「これは救助活動と並行した調査だ。暗黒星団帝国がどのような攻撃をしたのか、という名目のな。 その過程でいくつかのサンプルを回収するのは非難されることではない。議長も文句は言わないだろう」 司令官は何の問題もないとばかりに言い放つ。 暗黒星団帝国軍がこの会話を聞けば「お前達(地球人)のほうがよっぽど悪辣だ」ということは請合いだった。 「ついでに周辺宙域も調査すると? 索敵を名目に?」 「勿論だ。暗黒星団帝国軍の残骸とガミラス軍の残骸。これを回収しておきたい。 後のデザリウム戦役のため、そして……今回の戦いでの出費を少しでも回収するために」 「財務省か?」 「ああ。輸送船があるから、ある程度なら持ち帰れる」 第8艦隊には戦闘艦艇の他に、高速輸送船を含めた非戦闘艦が同行していた。 勿論、持ち帰れる量は多くないが、それでも無いよりはマシだった。 宇宙開発と防衛艦隊の整備を進める地球連邦には希少資源は1グラムでも多く必要なのだ。このためガトランティスの 遺産とも言える大量のスクラップ(元都市帝国、元艦隊)の再利用を積極的に進めていた。 「人が生きていくには、色々と金がかかるんだそうだ」 「世知辛いことで。でもヤマトクルーには関係なさそうだ」 「汚い仕事や地味な仕事で、『主人公』を支えるのがモブキャラなのだろう」 遠い目で言う司令官。軍医も乾いた笑みを浮かべることしかできない。 実に救いようが無い結論だった。 「話を戻そう。ガミラス艦を探せば、捕虜を確保できるかも知れない。 うまくすればデスラーと交渉する材料になるかも知れない」 「デスラーと話し合うと? 綺麗なデスラーでないのでは?」 「何はともあれ情報は必要、そういうことだ。彼がまだ危険な人物なら相応の戦略を議長が用意しなければならない」 「それもそうか」 ガミラス残党の驚異的粘りや通信傍受から、デスラーが生きていることを第8艦隊は掴んでいた。 転生者としては、原作でもヤマト並に補正持ち(実際にこの世界のデスラーは都市帝国から脱出成功)であるデスラーの 様子を確認しておきたかった。 何しろガミラスの動向は、絶対と言って良いほど地球連邦に影響を与えるからだ。 「それにしても『総統閣下』との交渉か。全く……面倒を通り越しているな」 「頑張ってください、としか言えないな。古代弟に任せるわけにはいかないし」 「アレに任せたら後が怖い。というか外交担当者が怒鳴り込んでくる結果しか見えない」 「……ははは。確かに」 戦闘指揮については兎に角、ほかの事では古代進は信用されていなかった。 「愚痴くらいは聞いてくれ。あとで良いから」 「……精神安定剤か、議長も愛用している胃薬かを用意しておきましょう」 こうしてヤマト以外の地球防衛軍が、デスラーと公式に接触することになる。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第39話 破壊されたり、遺棄されていたガミラス艦を調査したものの、防衛軍はガミラス人の捕虜は得られなかった。 しかし暗黒星団帝国軍の物と思われる艦艇の残骸を調査した結果、防衛軍は有益な情報を入手できた。 特に暗黒星団帝国がデザリアム帝国と呼ばれている国であり、デザリアム星と呼ばれる星を母星にしている こと、そしてそれが地球から40万光年、大マゼラン星雲から57万光年離れた位置にある二重銀河にあるという 情報は第8艦隊首脳を大いに満足させた(詳細な位置についてはまだ判明していないが)。 しかし同時に危機感も持たせる。 『かなり遠くから来たようですな』 『しかし57万光年さえ乗り越えてこられるということは地球にも攻め込めるということだ。注意が必要だろう』 『それにしても、乗員の全員が脳を除いて機械だったとは……』 『高度な機械文明ということでしょう。だからこそ、これだけの長距離侵攻が出来たとも考えられます』 通信機越しにネメシスからの連絡を受けた各艦の艦長たちは、予想以上に高度な文明を持つ敵国に危機感を持つ。 そんな中、司令官は新たな事実を告げる。 「ただ真田技師長の報告では、彼らの物質は波動エネルギーと反応、『波動融合反応』とも言うべき反応を起こすそうだ。 これは反物質と常物質が接触した際の反応に近い。つまり、敵の防御を突破すれば、大打撃を与えられる」 『『『おお』』』 「だが向こうからすれば、その波動エネルギーを持つ我々は天敵であると言える。つまり戦争になる可能性は高い」 『……ガミラスとは戦わないほうが良いと?」 対ガミラス強硬派だった宇宙空母『グラーフ・ツェッペリン』の艦長は顔を顰めて言う。 この艦長は家族と親戚全員、訓練学校の同期を悉くガミラス戦役で失っていたので、特に反ガミラス感情が強かった。 「そうだ。確かにガミラスは怨敵だが、交渉は必要だろう。この情報と艦隊を無事に地球に持ち帰るためにも」 『……判りました』 ガミラス帝国総統『デスラー』。 ガミラス戦役で地球人類を絶滅寸前にまで追いやったこの人物は、地球人類にとっては当に『怨敵』だった。 『原作』でもヤマトのライバルキャラとして出張った男であり、その能力(運込み)は世界有数である。 そんな男と正面から話をしなければならない司令官は……会談開始前に胃の痛みを感じていた。 (も、モブキャラの俺が何でこんな大仕事を……) 議長を呪いつつ、司令官はデスラーが乗る戦闘空母との通信回線を開く。 「こちら地球防衛軍第8艦隊司令官……」 かくして歴史に残る会談が始まった。 司令官は最低限の挨拶を終えると、すぐに本題に入る、 「暗黒星団帝国は地球、ガミラス、イスカンダルの三者にとって共通の敵となるでしょう。 我々は大恩あるイスカンダルとスターシア陛下を守るために、そしてこの脅威に関する情報を少しでも多く地球に 持ち帰るために暫定的な停戦を行う事、そしてお互いに得ている情報の交換を望んでいます」 『ふっ、理解できないな。何故停戦を行うことがイスカンダルとスターシアを守ることに繋がる?』 「スターシア陛下は暗黒星団帝国の爆撃に巻き込まれ重傷を負われていました。 緊急手術で一命は取り留めましたが、暫くは絶対安静が必要です」 司令官はスターシアに好意を寄せているデスラー向けのジャブを放つ。 『……』 「ですが我々は何時までもイスカンダルに留まることは出来ません。 我々は女王陛下の回復を待った後、陛下の認可を受けてからイスカンダリウムを弄って、戦争に使えない物質にしてから 引き上げることを考えています。 彼らも使えない物質を得るために遥々、大マゼラン星雲に来るほど暇ではないでしょう」 『そんなことが可能なのかね?』 「可能です。私個人の意見としては女王陛下の安全を確保するために地球に来ていただきたいと思っています。 何しろ、戦闘が続けばいつイスカンダルに飛び火するか判りません。そしてイスカンダルの軍事力はなきに等しい状態。 これでは安全は確保できないのは目に見えています」 言外で、『ガミラス軍ではイスカンダルとスターシアを守りきれないのでは?』と告げる司令官。 『……我々が同じ失態をするとでも?』 「するとは言いません。ですが、無いとも言えません。ならば少しでも安全な方策を採るべきです。 貴方方も我々と同じ立場なら、陛下を守れる方法を模索するのではないですか?」 『ふむ。スターシアの安全を確保するための作業を地球人の手で安全に行いたいと』 「その通りです。それに、これはガミラスにとっても『国益』になると思いますが?」 ガミラスも今回の戦いで消耗している。ここで地球と再度開戦するほど余裕は無いはずだった。 『確かに理解は出来る。だが我々にとっても地球は怨敵であり脅威だと思うが?』 ガミラス本星を壊滅したことを暗に指摘するデスラー。 だが司令官は動じない。 「それは我々も同じです。かつて100億以上を誇った人類は、貴国の無差別攻撃で今や20億足らず。 失われた人命、財産、文化は数え切れない。だからこそ、これ以上の惨禍は避けなければならないのです。 そしてそれは貴方方も同様なのでは?」 ガミラスも本星が壊滅したことで国力は衰えている。残党を集結させたものの、今回の戦いで消耗してしまった。 大小マゼラン星雲に散らばっている勢力を掻き集めて復興を急がなければならない。 『地球のような新興国と違って、我々には星間帝国の誇りと面子がある』 「面子のために国を滅ぼすと?」 『誇りもなく、周辺国に舐められ、惨めに衰退するよりは良いだろう。それに私の矜持もある』 (プライド高すぎ……だが、新興国の戦艦1隻に負けたとなるとガミラスの面子丸つぶれだからな。 あと多少は『1』のときより性格は丸くなったが、まだ『綺麗な』デスラーにはなっていないな) 司令官はそう考えると再び切り出す。 「ですが暗黒星団帝国は、ガミラシウムとイスカンダリウムを狙って再び来るでしょう。 加えて先ほどまで戦っていた勢力には暗黒星団帝国以外の勢力もあったようですが、その二者に備えることと 我々と再戦すること、この2つを両立すると? ガミラス軍が勇者ぞろいであることは承知していますが厳しいのでは? 勿論、我々は挑戦を受ければ断りませんが」 『大した自信だ』 「それだけの実績を上げてきましたので。勿論、貴方方、ガミラス人のように偉大な星間帝国を築くほどではありませんが 奴隷のように卑屈になるほど弱くもありません」 『ほぅ?』 デスラーが目を細める。司令官は胃が痛くなるのを感じる。 (こんな仕事は名前ありのキャラの仕事だろうが!) だが引けない。モブにはモブのプライドがある。引き立て役だけで終りたくはないのだ。 会談は尚続いた。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第39.5話 第8艦隊が暗黒星団帝国軍をフルボッコにしている頃、地球では2隻の戦艦が産声を上げていた。 1隻は転生者待望の改アンドロメダ級、いや実質的には超アンドロメダ級戦艦1番艦『タケミカヅチ』だ。 議長はタケミカヅチの完成式典の中、ドックに横たわる艦体を見て呟く。 「拡散波動砲3門、51センチ砲4連装5基20門、31センチ砲4連装3基12門。排水量15万1000トン。 地球史上最大の大戦艦か……普通ならこれで安泰と思えるんだが」 「これでも不足と?」 秘書の問いに頷く。 「足りないだろう。そのためのクレイモア級やモーニングスター級の無人戦艦だ」 クレイモア級はアンドロメダ級を無人化したような10万トン級戦艦。 そしてモーニングスター級は集束型波動砲2門を搭載した改クレイモア級戦艦だった。 「あれの量産と引き換えに、アンドロメダ級は5隻で打ち止めだが」 「金が掛かりますから。それに基本的にアンドロメダ級は艦隊旗艦。今では改アンドロメダ級もあります」 「まぁ改アンドロメダ級2隻、アンドロメダ級5隻の7隻。あと旗艦用に改造された主力戦艦があれば足りるからな」 さすがに原作より強化された地球連邦とは言え、揃えられる戦力には限りがあった。 尤も原作を知る人間からすれば豊富すぎる戦力であった。 「戦闘空母『大鳳』、『イラストリアス』、『ラングレー』、ガトランティス軍の大型空母2隻(『プロキオン』『シリウス』)と 中型空母2隻(『ホワイトスカウト�、ホワイトスカウト�)がさらに加わる。これでシナノが加われば鬼に金棒だが」 「しかし現状ではデザリアム戦役には間に合わないのでは?」 「ああ。民間も宇宙船が必要だからな。それに宇宙戦士に人材をとられたら民間が立ち行かない。 まぁ準備だけはしておいたほうが良いだろう。イザとなれば復活編で役に立つ」 希少資源を必要としているのは防衛軍だけではなかった。 急速に拡大を続ける連邦の勢力圏を支える宇宙船建造のためにも資源は必要だった。勿論、人的資源も。 「あとは質を向上させるしかない」 「『アイルオブスカイ』ですか……しかしあれは、もう実質的に新型艦なのでは? いえ、より正確に言えば2分の1サイズの『タケミカヅチ』と言えるのでは……」 財務官僚の冷たい視線を思い出すと議長は乾いた笑みを浮かべる。 「気にするな。あれがうまくいけばさらにヤマトは強くなる。次の新型主力戦艦も。 それに空母部隊の打撃力も大幅に向上できるだろう。何しろデスラー戦法を自前で出来るようになるんだ。 まぁ艦載機を送り込むより、戦艦や破滅ミサイルでも送り込んだほうが効果的だが……」 『アイルオブスカイ』は大改造された上で『タケミカヅチ』と同時期に完成していた。 当初、波動砲を撤去するというプランがあったが、真田と大山の二大マッドサイエンティストによって波動砲は撤去される ことなく大改造された。 拡散波動砲1門こそ変わらないものの、新型ジェネレーターによってチャージ時間は短縮。波動エンジンも巡洋艦のものが 増設され出力は大幅に強化されている。 新型の40センチショックカノン3連装3基(1基は艦底部に設置)が搭載され、元々は第3砲塔があった部分には無人艦艇 を指揮する施設が設置された。 だが驚くべきのはそれだけではなかった。何とデスラー艦から鹵獲し、試作段階であるがコピーに成功した瞬間物質移送装置 やディンギル帝国の恐るべき対艦ミサイル『ハイパー放射ミサイル』の存在から急遽は開発された対大型ミサイル防御兵器も 試験的に搭載している。 尤も秘書の言うように、これらの魔改造によって艦体は大型化しており、排水量はヤマトを超えて8万トンに達している。 タケミカヅチのほぼ半分ほどの大きさだ。 「まぁ拡張性の余地はある。万が一のときには移動する統合参謀本部としても機能できる。問題はない」 第3砲塔を撤去して作られた司令室の能力は高く、暫定的なら宇宙を移動する参謀本部としても機能できるほどだ。 議長からすれば万が一の場合、現場で指揮を執れるという優れものに見えた。 「……それは財務次官にも言ってください」 「……」 こうして地球防衛軍は戦力の増強に努めた。 一方、ボラー連邦軍もアンドロメダ星雲侵攻を目論む傍らで、対ヤマト級戦艦とも言うべき新型戦艦の建造を急いでいた。 しかしヤマトの戦績を聞いたボラー連邦の技術者達は頭を抱えていた。 「何で6万トン級の宇宙戦艦があれだけの活躍が出来るんだ?」 「波動砲という戦略砲のおかげなのでは?」 「いや、波動砲はチャージに時間が掛かりすぎるなど欠点も多い。 拠点攻撃には適しているかも知れないが艦隊決戦となると制約が多い兵器だ。それにあの程度なら機動要塞で防げる」 「攻撃の的確さを見るに、分析システムが優秀なのかも知れない」 「後は、あの謎の防御力か」 「ああ。普通なら轟沈してもおかしくない攻撃を受けているはずだ。にも関わらず戦闘能力を維持している」 「防御機構に何か秘密があるのかも知れない。いや、余程優秀な自動修復機構を搭載しているのかも」 「ガミラスの酸の海でも活動できた程だからな」 「むむ。否定できん。しかしあのコンパクトな艦のどこに、必要な資材を載せていたのだ?」 「何か特別な方法でもあるのだろうか?」 転生者の間でも謎な『いつの間にか生える第三艦橋』は、ボラー人からすれば複雑怪奇だった。 「攻撃精度の高さも気になる。あれだけ被弾したなら、その影響で命中率は大きく落ちるはずだが」 「優秀なFCSがあるということだろう」 「しかし地球人は、ヤマトを越えるアンドロメダ級戦艦に加えて、さらにそれを超える新型戦艦を建造したらしいぞ」 「我々はそれらを凌駕する戦艦を建造しなければならないか……ボラーの意地にかけて」 「ということは排水量は20万トンを超えるかも知れないな」 「予算は?」 「べムラーゼ首相は確約してくれている。それに何百隻も作るわけではない。少なくて50隻。多くても100隻程度だろう」 「なら、豪華な艦が出来るな」 議長達が聞けば卒倒しそうな会話を続けながら、ボラーは新型戦艦建造を急いでいた。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第40話 デスラーは不遜な第8艦隊司令官の発言に目を細めたが、気分を切り替える。 『だが我々がガミラス星を放棄したらどうするのだ? ガミラス星に奴らは群がるぞ。 ガミラシウムを採掘しすぎれば星の寿命は縮み、結果としてイスカンダルは滅亡の危機にさらされる』 「少なくとも貴方方が何もせずにガミラス星を放棄するとは思えませんが?」 『ふっ。他力本願だな』 「いえいえ。ガミラスの能力については信頼しているのですよ。我々も嫌と言うほど思い知っていますから」 ガミラスによって多大な被害を受けた筈の地球は、特に防衛軍の一部は、対戦相手であったガミラスをよく 理解していた。 「それで如何されます?」 『良いだろう。我がガミラスも停戦を活かして星の安全を確保するために必要な作業を行うとしよう。 だが情報交換だが……』 「担当者を、そちらに派遣しましょう」 『担当者の名前は?』 「……古代守と真田志郎。この2名でどうです?」 『古代守?』 「はい。ヤマト艦長代理の古代進の兄です。中々に優秀な宇宙戦士です。『弟も』優秀でしたが、引けはとりません」 心にも無いことをシレっと言う司令官。 『良いだろう。待っている』 「それでは失礼します」 こうして会談は終った。 この会談が終った後、必要な仕事を終えると司令官は医務室に直行した。 「……疲れた」 胃薬を飲んでベットに横たわった司令官は弱弱しい声色でそう零した。それほどまでに疲れていた。 「お疲れ様」 軍医の言葉に司令官は頷くだけだ。 そんな司令官を見て、言葉を選ぶように軍医は続ける。 「しかし古代兄と真田さんを担当者にするとは」 「古代兄には成長してもらわないといけないだろう。古代弟と違って政治について多少は理解があるからな」 「弟はバーサーカー。昔で言うヤ○ザの鉄砲玉が関の山と……」 「そうだ。まぁ多少成長すれば使い物になるかもしれないが、落ち着いた頃には退役なんて可能性がある」 「ははは。確かに」 復活編を知る人間としては否定できなかった。 「女王陛下は?」 「まだ意識が戻らない」 「どの程度で意識が戻る? あまり長居はできないぞ」 「まぁここ数日内には何とかなるはず。その件については大船に乗った気で」 「悲観的に考えて、楽観的に行動するのが鉄則だよ。常に最悪の事態も考えなければならないのが司令官の仕事だ。 君らの腕を疑っているわけではないのだがね」 「……」 軍医はお気の毒に、とばかりに肩をすくめる動作をする。 (イスカンダリウムの無害化(?)作業を進めよう。あとは暗黒星団帝国軍の逆襲への警戒だな。 逃げ出した艦があるから、他の部隊がいてもおかしくは無い) 予想以上の大部隊が現れた場合には、第8艦隊は速やかに撤退するつもりだった。 いくら何でも部隊を全滅させるわけにはいかない。まぁヤマトとムサシで無双させることも考えたが、その場合 第8艦隊は壊滅してしまう危険があった(法則的に)。 必要なら1個艦隊を犠牲にすることもあるだろう。だがここで艦隊を1個壊滅させるのはマイナスが大きかった。 (真田さんには過労死を覚悟で頑張ってもらおう。ゲーム版でも頑張ってくれたんだ。何とかなるさ) 本人が聞けば噴飯物の考えだったが、司令官は半ば本気だった。 会談の後、スターシアは漸く意識を取り戻した。その彼女の了承を得たことで、作業は一気に進められた。 こうして第8艦隊はイスカンダリウムの無害化を進めていった(ちゃっかりサンプルも獲得)。 「お世話になります」 病室でスターシアに頭を下げられた司令官は慌てて首を振る。 「いえ。この程度は手間のうちにも入りません。返しきれない大恩のある陛下に、多少なりとも恩を返さないといけませんし」 「気にしなくても良いのですよ」 「いえいえ。我々を破滅の淵から救ってくださったのですから、この程度は当然です。 それよりも陛下、提案なのですが、地球に移民されるつもりはありませんか? 暗黒星団帝国軍、いえデザリアム帝国は このマゼラン星雲で活動しています。ガミラスもいずれサンザー太陽系を離れ、ここは無主の地となります。 奴らが再び来ればイスカンダルは危険です」 「イスカンダリウムは使えなくするのでは?」 「彼らがどんな思考をしているかは不明な点が多いのです。それに我々はイスカンダル救援の際に彼らと戦端を開きました。 彼らが地球に復讐を挑むために陛下を人質として利用するということも考えられます」 「……」 「イスカンダリウムは手に入れられなかったとしても、他の資源や技術を強奪していくことも考えられます。 反ガミラス勢力の中にも、ガミラスに対抗できるこの星の技術を得ようと動く者がいるかも知れません」 これ以上、スターシアがこの星に留まるのは戦争の元になると主張する司令官。 しかしあまり追い詰めるのも拙いので別の方向からも攻める。 「陛下と『サーシア』殿下によって救われた地球の様子を見ていただきたいのです」 「……」 「それに陛下が共に来てくださればイスカンダルの思想や記録は、地球だけで無く他の国家にも伝わるでしょう。 イスカンダル本星がなくなったとしても、その影響は残ります。それは望ましいことだと思います」 司令官、そして古代進やヤマトクルーの説得によって、スターシアは地球行きに同意することになる。 前:嗚呼、我等地球防衛軍(第31話〜第35話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第41話〜第45話)
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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【ひなこい】最強ひな写ランキング - ひなこい攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) ノンスタ石田 自身Wikiに困惑 - auone.jp 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ”(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】アップデート情報・キャラ調整まとめ - ポケモンユナイト攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex】シーズン11の新要素と最新情報まとめ【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) ロストジャッジメント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Among us】新マップThe Airship(エアシップ)の解説【アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) ハーネスについて小児科医の立場から考える(坂本昌彦) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ゼルダ無双攻略Wiki|厄災の黙示録 - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウマ娘攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) ゲトメア(ゲートオブナイトメア)攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【白夜極光】リセマラ当たりランキング - 白夜 極光 wiki - Gamerch(ゲーマチ) お蔵入りとなった幻の『スーパーマリオ』 オランダの博物館でプレイ可能?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「ITreview Best Software in Japan 2021」のTOP50に選出 - PR TIMES 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) 【B4B】近接ビルドデッキにおすすめのカード【back4blood】 - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンスナップ攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 富野由悠季「ブレンパワード」作り直したい!ファンを前に意欲(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】査定効率から見た取るべきスキルとおすすめキャラ【プリティーダービー】 - Gamerch(ゲーマチ) ナレッジ共有・社内wiki「NotePM」が「ITreview Grid Award 2021 Fall」で、チームコラボレーションとマニュアル作成部門において「Leader」を5期連続でW受賞! - PR TIMES メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始 - TechCrunch Japan 【ギアジェネ】リセマラ当たりランキング【コードギアス】 - ギアジェネ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンスターファーム2(MF2)攻略wiki|アプリ・Switch移植版 - AppMedia(アップメディア) 【ブラサジ】最強キャラTierランキング【ブラックサージナイト】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】鬼滅の刃コラボ情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) アイドルマスターサイドM グローイングスターズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【SPAJAM2021】第3回予選大会は「クイズ!WIKIにゃんず!」を開発したチーム「かよちゃんず」が最優秀賞! | gamebiz - SocialGameInfo 検索結果における「ナレッジパネル」の役割とは・・・ウィキメディア財団とDuckDuckGoの共同調査 - Media Innovation ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumn」にて「コラボレーション部門」を受賞! - PR TIMES 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) Wikipediaが「中国人編集者の身の安全を守るため」に一部の編集者アカウントをBANに - GIGAZINE 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ドッカンバトル】3.5億ダウンロードキャンペーン最新情報 - ドッカンバトル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) BTS(防弾少年団)のV、8月のWikipedia閲覧数が韓国アーティストで1位!グループでは4ヶ月連続トップ - Kstyle 【イース6オンライン】リセマラ当たりランキング|召喚ガチャの開放条件は? 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ネット人は自由に変更できます。 このページを編集 と、たまに来ては復元したりしてるんだけど… 「ニートは楽しいな」とかって編集してるのって管理人の"ルを"だろ? 気づいていたけど今まで黙っていたんだけどな
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前:嗚呼、我等地球防衛軍(第21話〜第25話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第31話〜第35話) 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第26話 「「「………」」」 密談の席にも関わらず、転生者たちは黙りこくっていた。誰もテーブルに出ている料理に手を出さない。 だが何時までも黙ったままでは話が進まないと思ったのか、一人の男が探るように口を開く。 「どうします?」 「やってしまった以上は仕方ないだろう。 前線部隊の指揮は、土方提督に任せていた……後方でいちいち指示するよりは臨機応変な対応が出来るように。 それにプロキオンを落とした後、ヤマトとムサシの支援、敵軍の追撃を理由に行動されては罰することも出来ん」 参謀長は苦い顔だった。 「だがまさかこうなるとは思わなかった。 まぁヤマトとムサシが大暴れするのは……下手をすればオーバーキルする可能性があることは判っていたが」 「『原作』、いや歴史の修正力と言う奴でしょうか?」 「さぁな。だが問題はボラーの出方だ。プロトンミサイルやワープミサイルを地球に向かって乱打されたら……」 参謀長の台詞に誰もが冷や汗を流す。 「防衛軍はボラー連邦と戦って勝てますか?」 「防衛軍が戦線を支えている間にヤマトとムサシをボラーの首都に殴りこませるなら何とかなる……『かも』知れないが それをやると多分、いや間違いなく防衛艦隊は壊滅するだろう。ヤマトは勝ったが屍累々といったところが関の山だな」 「「「………」」」 頭痛がしてきた参謀長は眉間を揉むと嘆息する。 「いや勝てるとは思っていたさ。しかし相手を根こそぎ殲滅ってどういうことだ……」 α任務部隊が大暴れしたことで、ガトランティス軍の大部分がシリウスに拘束された。 これによってプロキオンのガトランティス軍守備隊は無縁孤立となり、防衛艦隊の猛攻によって殲滅されることになる。 だがここで終らないのが土方という男だった。 時は遡る。 プロキオン攻略後、土方はα任務部隊のことを気に掛けていた。 「シリウスでの戦いはどうなっている?」 「最新の報告ではガトランティス軍を翻弄しているようです」 幕僚の答えに土方は少し考え込む。 「ふむ……空母部隊の派遣は可能か?」 「空母部隊ですか? 確かに派遣できますが、司令部からの命令には」 「構わん。たった2隻で敵を翻弄しているヤマトとムサシ。彼らを支援するのに何を躊躇う必要があるのだ」 自分達のためにたった2隻で死地に向かったα任務部隊。彼らを見捨てることが出来る宇宙戦士など防衛艦隊にはいない。 まして彼らには今、手持ちの兵力に余裕があるのだ。 「了解しました! ただちに空母部隊に連絡します!!」 青のコートの幕僚はすぐに通信兵に指示を出した。するとすぐに空母部隊から返答が帰ってくる。 『こちら第1航空戦隊。いつでも出撃は可能です』 『第2航空戦隊も同様です』 『護衛部隊も準備は整えています! いつでも発進できます!!』 この言葉に土方は頷く。 「よし出撃せよ。本隊も後始末が終ったら、そちらに向かう!!」 かくして宇宙空母5隻、主力戦艦2隻、巡洋艦4隻、駆逐艦16隻から構成される空母機動部隊(第51任務部隊)が 本隊に先行してシリウスに全速力で向かうことになる。 「ヤマトとムサシを支援するんだ!」 第51任務部隊の人間はそう意気込む。 だが彼らは知らない。すでにヤマトとムサシによってガトランティス帝国軍は可哀想な位、フルボッコにされていたことを。 ガトランティス帝国軍がシリウスから撤退する準備を開始した頃、α任務部隊は補給と整備に追われていた。 尤も指揮官である古代守は、これ以上無茶をするつもりはなかった。 「敵の3分の1は削ったんだ。十分だろう。あとは地味な嫌がらせで十分だ」 彼らは『無理』をすることなく哨戒艦、輸送船を通り魔的に撃破、撃沈していった。 そしてその行為はガトランティス帝国軍の撤退を遅延させる効果があった。 バルゼーは甲羅の中に引篭もるかのように防御を固めれば、多少時間が掛かっても何とかなると判断したのだがその判断は 些か、いやかなり甘かった。 ガトランティス帝国軍が撤退を本格的に撤退を開始する直前、プロキオンから駆けつけた第51任務部隊がシリウスに着いたのだ。 (さらに土方率いる本隊もプロキオンを完全に片付け、シリウスに向かっていた) 「敵が撤退を?」 「はい。α任務部隊の報告によれば敵はすでに総兵力の3分の1を失っているとのことです。これ以上の損害には耐えられないと 判断したと思われます」 第51任務部隊司令官兼旗艦レキシントン艦長はヤマトとムサシの暴れっぷりを聞いて驚愕するが、すぐに頭を切り替える。 「α任務部隊は?」 「嫌がらせ程度の追撃をすることを提案しています」 「……そうか。ならばこの際、我々も参加させてもらおう。嫌がらせではなく本格的な追撃に」 α任務部隊の支援……それを名目に第51任務部隊は参戦する。 かくしてバルゼーの受難が始まった。 撤退しようとするバルゼー艦隊に、α任務部隊と第51任務部隊の双方から発進したコスモタイガーが襲い掛かる。 第51任務部隊の攻撃隊は総数も多いが、雷撃機仕様のコスモタイガーも多数含まれていた。 このため、対艦攻撃能力は非常に高かった。加えて対艦ミサイルも波動エネルギーを使った新型ミサイルだった。 そんな凶悪なミサイルを叩き付けられたガトランティス帝国軍艦隊は次々に沈んでいく。 「密集隊形をとれ! 対空砲火を密にするんだ!!」 バルゼーは懸命に艦隊を纏めて撤退しようとするが、執拗な攻撃によって思うようにいかない。 「ここを耐え凌げばアンドロメダ星雲へ帰還できる! 踏ん張り時だ!!」 だがそう言った直後、旗艦メダルーザにも3発のミサイルが直撃する。 「左舷に被弾!」 「火炎直撃砲損傷!!」 「ぐぅ……うろたえるな!! 体勢を立て直せ!!」 5度の空襲に耐え切ったバルゼー艦隊は、被害が大きい艦艇を遺棄して再び撤退を開始しようとする。 だがその彼らの前面に信じられない光景が広がる。 「12時の方向に、地球艦隊が!?」 「何?!」 そうプロキオンから駆けつけた地球防衛艦隊が先回りして、彼らの針路を塞ぐように陣取っていたのだ。 後方にはヤマトとムサシ、そして第51任務部隊、前面には地球防衛艦隊の戦艦部隊。袋のネズミだった。 「ええい、こうなれば突撃だ! いくら波動砲が強力でも分散していれば何とかなる!」 ヤマトの波動砲を知るが故の判断だった。彼は不幸なことに拡散波動砲に関する知識がなかった。 「敵、突撃してきます」 「勇敢だ。だが……無謀でもある。拡散波動砲発射!!」 土方の命令を受け、アンドロメダを含む24隻の戦艦から放たれた拡散波動砲によってガトランティス帝国軍艦隊は全滅。 こうして後にガトランティス戦役と呼ばれる戦いは終結した。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第27話 シリウスとプロキオンに展開していたガトランティス帝国軍を、地球防衛軍が撃滅したとの情報は地球だけではなく ボラー連邦にも届けられた。 一般大衆が喜ぶ中、参謀長など政治に関わる、又は精通している人間達は今後のボラーの動きに神経を尖らせた。 防衛軍司令部の執務室で報告書を読んでいた参謀長はため息を漏らすと呟くように言った。 「ボラー連邦がどう動くかが問題だ。万が一に備えて改アンドロメダ級。いや『タケミカヅチ』の建造を急ごう」 原作では『しゅんらん』という名になるはずだったこの艦は、世界各地の神話上の軍神から名前を取る事になった。 そして喧々囂々の末、日本で建造されるこの超弩級戦艦の1番艦は『タケミカヅチ』と名づけられたのだ。 「タケミカヅチ、続いて2番艦の建造も準備中だ。各州もヤマトを参考にした新型戦艦の建造を発表している。 空母部隊の実力が示されたことで、機動部隊の整備も急ピッチで進む。本格的な正規空母の建造も認められるはずだ。 あと1年で防衛艦隊は、いや地球連邦の戦力は飛躍的に強化される。しかし問題は……」 「ボラーが指をくわえて待つか、そして我が連邦の政治家達と防衛軍高官ですね」 部下の言葉に参謀長は頷く。 「そうだ。防衛軍は勝ちすぎた。おかげで自信をもってボラーと交渉することを主張する馬鹿が増えている。 まぁガミラスに逆転勝利。ガトランティスには完全勝利(主力艦損失0)。これでは過信してもおかしくない」 「そして強硬派は勝利に献策した参謀長を担ごうと目論み、穏健派は防衛軍の組織を改変し統制を強化。 さらに政府とも仲が良い参謀長を要職に据えて防衛軍の抑えに使おうと目論んでいる」 「……欝になることを言わないでくれ。ただでさえ、華やかな出番がさらに遠ざかる可能性が高いのに」 参謀長の言葉に部下は言葉に出さず突っ込んだ。 (ひょっとしてそれはギャグで言っているんですか?) 一方、ボラー連邦ではべムラーゼ首相の怒りが爆発していた。 「これはどういうことだね?」 べムラーゼの視線を受けた軍高官たちは震え上がった。ちなみに、責任者はすでに問答無用で処刑済みだ。 「我々政府は、一辺境国家の引き立て役にするために軍に予算を与えているわけではないのだ。判っているのかね?」 「も、申し訳ございません」 「言い訳や侘びはいい。何故、こうなったのだ?」 べムラーゼの問いに対して、軍高官は慌てて答える。 「は、はい。ボラー連邦艦隊が敗北したのは予期せぬ敵の新兵器のためです。 これに対して地球は我が軍とガトランティスの戦いから十分な情報を収集して打って出ました。 加えて我が軍との戦いでガトランティス側も消耗していたはずです。この差かと」 「艦隊決戦では『運悪く』旗艦が早期に撃沈され指揮系統が混乱しました。これが無ければうまく混戦に持ち込めました」 「空母戦では互角以上に戦っています。我々が弱いわけではありません」 だがべムラーゼの機嫌は直らない。 「空母戦闘だが、今回は敵に対して数で優勢な戦力をもってしても、辛勝しか出来なかったようだが?」 「彼らはアンドロメダ星雲で侵略戦争をしてきた歴戦の部隊です。地球防衛軍もガミラスと戦ってきました。 一方、我が連邦は偉大な首相閣下による指導の下で平和を謳歌してきました。よって全員が『戦争処女』です。 これは大きな差になります」 首相を必死に持ち上げるボラー軍高官。しかしべムラーゼは相変わらず冷たい視線を浴びせる。 「それにしても地球の戦艦はよほど優秀なようだな。我がボラーのものとは比較にならない位に」 「せ、設計思想の差かと。我がボラーの戦艦は単艦の戦闘能力よりも数を揃えることを優先しているので」 ボラー連邦はその広大な領土を維持するために、膨大な数の宇宙船を必要としていた。 勿論、宇宙での覇権を支えるために必要となる宇宙戦闘艦の数もそれ相応の数になる。よって量産性を重視され1隻あたりの 性能は抑えられていた。軍はイザとなれば数で質の面の劣勢をカバーするつもりだったのだ。 「ふむ。では我がボラーがその気になれば、彼らに打ち勝てる艦を作れるとでも?」 「勿論です。地球人が作ったものよりはるかに優秀な艦を作ってみせます! 彼らに出来て我々に出来ないことはありません!!」 実際にはボラーの技術は地球に負けるものではないし、機動要塞を建造できることを考えれば一部では地球を凌駕していた。 だがこうまで地球人の戦闘能力の高さを見せ付けられ、さらに自軍の負けが続くと誰もそうは思わなくなる。 「地球との技術交流(というか技術の強奪)も必要なのでは?」 一部の人間からは真剣にそんな声が出ていた。 べムラーゼも、もしもヤマトに匹敵する艦が作れないのであれば、それも必要になると考えていた。 しかし即座に実力行使を含む強硬路線に出ることも躊躇われた。 「狂戦士のような地球人類を屈服させるには、ボラー連邦軍を総動員するしかないのではないか?」 ボラー連邦軍と政府内部ではそんな声さえ囁かれていた。 彼らは戦争に勝てないとは思っていない。やれば勝てる……しかし、そこまでして勝つだけの意味があるのかという疑問が 出ていたのだ。地球を滅ぼしたものの、ボラーも疲弊した挙句に内乱に陥るという悪夢は誰もが避けたかった。 「もはやボラーの威信を回復するにはアンドロメダ星雲に攻め込み、ガトランティス軍に痛打を浴びせるしかない。 遠征を始める前までに、必ずボラーの象徴となりえる新型戦艦を、あのヤマトに打ち勝てる艦を建造せよ!」 同時にボラー連邦は本格的に地球を脅威と見做すようになる。 彼らにとって地球は取るに足らない新興国ではなく、小さいながらもボラーと張り合うプレイヤーだった。 「地球人の目に見えるように軍事演習を行え。それと未開発の地域の探索と開発も急がせろ。 反乱分子への締め付けも忘れるな。とくにシャルバート教徒などの宗教狂いの狂信者共は徹底的に取り締まるのだ」 かくして俄かにボラー連邦の動きが活発化することになる。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第28話 ガトランティス戦役終了後、地球連邦政府は地球防衛軍の再編に乗り出した。 シリウス、プロキオンの攻略によって支配地域が急速に拡大したため、従来の組織では軍の有機的運用が難しいと 連邦政府が判断したというのが発表された理由だった。 「それで、何故、私が統合参謀本部議長に就任することになるんだ?」 参謀長、もとい新たに創設された統合参謀本部の議長(以後、議長と呼称)に就任することになった男は執務室で嘆息した。 ぶつぶつと不平を漏らす議長を秘書(参謀長と同じく防衛軍司令部から異動した元部下の転生者)が宥める。 「良いじゃないですか、大出世じゃないですか」 「どうせなら、方面軍司令官のほうが良かったよ。私にさらに地味な仕事を増やすつもりか?」 「……いや、まぁ参謀長の能力が買われているってことなのでは?」 「こっちの希望とは真逆だよ。艦隊司令官どころか、一兵も指揮できない立場になるとは」 統合参謀本部は議長、副議長、宇宙軍軍令部長、空間騎兵隊総司令官、地上軍参謀総長の5人から構成される。 彼らは作戦計画の立案や兵站要求などの仕事に当る。しかし彼らに兵を直接指揮する権限はない。 統合参謀本部が出した案を大統領(又は防衛会議)が承認すると、それが正式な命令書となり防衛軍司令長官が その作戦を遂行するという形になった。 といっても現場を指揮する人間は議長と仲が良かったり、議長のシンパが多いので、いざと言うときには統合参謀本部の威光と 議長個人のコネで多少は融通が利くと思われた。 「各方面軍を統括する統合軍司令官である防衛軍司令長官……あっちのほうが断然良かった」 防衛軍司令長官は太陽系、シリウス、プロキオンなどの各方面軍(宇宙軍、空間騎兵隊、地上軍の三軍の統合軍)を統括 指揮する統合軍司令長官となった。これは実戦部隊の長でもあることを意味する。ちなみに司令長官には藤堂が横滑りしている。 「各方面軍が必要な戦力や物資の分配案。あと今回のシリウスの件から現場と上との意思疎通の徹底。 これにボラーを仮想敵にした戦略の作成。おまけにデザリウム戦役への備えを並行してやれ、だと? 過労死させるつもりか!?」 ボラー連邦はガトランティス戦役以後、地球連邦と交流を深めつつも、露骨に軍事力を誇示するようになった。 よって地球連邦政府はボラーと協調する傍らで、対ボラー戦争計画の策定を決定したのだ。 「まぁ議長一人で仕事をされるわけではないですし」 「一人でなくても死ねる仕事量だ! どいつもこいつも面倒ごとばかり持ってきやがって! そのくせ、華々しい出番は皆無とは一体全体、どういう了見だ?!」 よほど不満が溜まっているのか、果てしなく愚痴は続く。 (そんなに艦隊指揮がとれないのが不満ですか……) 秘書官は乾いた笑みを浮かべる。 「まぁまぁ。それに防衛会議に手を回して、非常時には内惑星艦隊、いえ地球本土防衛艦隊だけでも統合参謀本部の直接指揮下に 入れるというのは?」 「そうだな。あとは実験艦隊、例の試験運用をはじめる予定の無人艦隊。あのラジコン艦隊だけでも当面の指揮下に入れよう。 有人艦は……旗艦と直属の護衛部隊で10隻あれば良い。手持ちの部隊があれば不測の事態があっても手が打てる」 「旗艦と言うことは、無人艦艇を制御できるように?」 「そうだ。地上施設がやられたら即全滅では役に立たん。それに無人艦は有人艦艇と組み合わせてこそ役に立つものだ。 タケミカヅチで本格運用する前に小規模でも良いから試験運用するのが適当だ」 「アンドロメダは各艦隊旗艦になるので実験艦隊に回すのは無理かと」 「主力戦艦を改造すれば良い。武装を減らせば何とかなる。問題があるなら波動砲そのものも撤去して良いだろう。 艦隊旗艦に必要なのは武装ではなく指揮統制能力だ」 かくして議長(元参謀長)の苦闘が始まる。 面子を大いに傷つけられたボラー連邦は、屈辱の倍返しのためにガトランティス帝国本国のあるアンドロメダ星雲への侵攻を 目論み準備を進めた。 新型艦の建造や補給基地の整備などやることは幾らでもある。だがそれをやる前にやることも多かった。 その一つが国内の反乱分子の弾圧だった。 「容赦するな!」 各地では中央政府から檄を飛ばされた秘密警察や軍が動き、反体制派を弾圧した。 特にシャルバート教には厳しい弾圧が加えられた。何しろあちこちに勢力が浸透している彼らはボラーにとっても脅威だった。 続いてボラーからの独立を図る各地のゲリラ組織が弾圧された。 「ガルマン人共が歯向かうなら、見せしめに街ごと消しても構わん!!」 ガミラスの先祖であったガルマン民族は、ボラーの支配に抵抗を続けていた。故にこの度、ボラー連邦の激しい弾圧に見舞われた。 一部のボラー人からも「やりすぎでは?」という声が挙がるほどだった。しかし総督府や現場の役人はそんな声を気にしない。 「そんな声を気にして手心を加えたら、ノルマが達成できないだろうが!」 「俺達に死ねと言うのか?!」 彼らも命が惜しかった。 こうして原作ではデスラーが来訪するまで持ち堪えたガルマン人だったが、本気になって押し潰しに来たボラー連邦に歯向かうのは 困難を極めた。そしてそれは他の惑星でも同じようなものだった。 「逃げるしかない」 一部のゲリラ、特に宇宙船を保有している勢力の中には未開の惑星に脱出する者も出た。 勿論、ボラー連邦はこれらを追撃したので、各地で戦闘が行われた。だがそれは新たな国家との遭遇と戦いを呼ぶことになる。 「領空を侵犯する愚か者を殲滅せよ!」 「了解しました、父上」 前ヤマト艦長(完結編では地球艦隊司令官)が見たら、顔を引きつらせることが確実な新たな勢力が盤面に出現する。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第29話 銀河で新たな戦乱の機運が高まっている頃、地球連邦は獲得した新たな領地の開発に力を入れていた。 地球本星では開発に必要な船舶や機材が生産され、植民惑星では地球本星から送られてきた資材を使ってテラフォーミングと 植民都市が建設される。 「新たなフロンティアは宇宙にある!」 マスコミはそう煽りたて、連邦政府、財界も関連する分野に投資を行った。 宇宙開発はガミラス戦役によって中断を余儀なくされていたのだが、ガミラス、ガトランティス戦役終了に伴い、再開する ことが出来たのだ。 加えてボラー連邦という巨大な外圧が生まれたこともあり、人類は地球連邦の下で自分達の生存圏の拡大のために団結する ことが出来た。これによって宇宙開発は急ピッチで進むことになる。 「人口の8割近くを失う戦争が終って、2年もしないうちにでこれだけ復興、いや飛躍できるって……」 「気にしたら負けですよ、議長」 「……そうだな」 某所でそんな会話が行われていたが、そんなことはお構い無しに人類は勢力圏の拡大に勤しんだ。 そして同時に防衛軍の再編も急がれた。各方面軍が創設され、命令指揮系統が変更されていく。 勿論、必要な事務処理は膨大なものとなり、防衛省や防衛軍の官僚達はその処理に忙殺された。議長もその一人だった。 「再編は何とか進んでいる。 あと非常時には地球本土防衛艦隊と地上軍、各州軍を統合参謀本部の直接指揮下に入れることが何とか認められた」 議長はそう呟くと議長室の椅子に背を預けた。 それを見た秘書は議長の疲れを少しでも癒すためにお茶を用意した。 「これで万が一の時に、参謀本部独自に身動きが取れます」 「まぁ、そんな事態がないようにするのが参謀本部と防衛軍司令部の仕事だろう。本土決戦など悪夢でしかない」 地球本土決戦となれば経済に途方もない悪影響が出る。 戦争には勝ったが経済は崩壊しました……では洒落にならない。まぁ種族が絶滅するよりかはマシかもしれないが。 「太陽系で戦うとすれば11番惑星などの外惑星で、最悪でも土星圏で敵を食い止めたいが……」 「しかし次に相手になるのは、暗黒星団帝国。そこまで上手くいくでしょうか?」 「判っている。だからこそ、暗黒星団帝国を敵に回すのを嫌がる人間が多いんだ」 転生者たちの中でも、イスカンダル救援に行くかどうかでは賛否両論があった。 いくら恩人だからといって、二重銀河を支配する怪物国家を悪戯に敵に回すのは危険すぎるという声もあれば イスカンダル救援後に先手必勝として二重銀河に攻め込んで逆に彼らを殲滅すれば良いと主張する者もいる。 特にテレサという強力なジョーカー(超能力者)が居ることも好都合だった。 「議長としては?」 「デザリウム戦役は可能な限り避けたいが……放置していて予期せぬタイミングで攻め込まれるのは拙い。それに」 「それに?」 「放置したら、ヤマトが勝手に何かしそうで怖い」 「……た、確かに」 秘書も乾いた笑みしか浮かべられない。 「で、では?」 「原作どおり開戦が適当だろう。ただデスラーと和解していないから、イスカンダルの危機を事前に知るのは難しい。 口実がいるだろう」 「どのような口実を?」 「なぁに。丁度良い口実があるじゃないか。アンドロメダ遠征の練習という口実がな」 地球連邦としてはボラーの面子に配慮するために、アンドロメダ星雲への反攻作戦に限定的に付き合うことを 考えていた。しかしこれほどまでの長距離遠征。それも艦隊規模での遠征は例がない。 「α任務部隊、そして新たに編成する艦隊でイスカンダルへの表敬訪問を兼ねた練習航海をさせる。 ついでに旧ガミラス星の調査という名目もつければいい。妨害が無ければ片道3ヶ月程度で済むだろう」 「なるほど。そしてその経験を基にして、二重銀河遠征も?」 「そうだ。無駄にはならない。それに二重銀河に行かなかったとしても、防衛艦隊にとっては良い経験になる」 かくして防衛軍は新たな艦隊の整備に着手することになる。 『嗚呼、我ら地球防衛軍』 第30話 ガトランティス戦役と呼ばれる戦いで、地球防衛軍は遺棄されていたガトランティス帝国軍艦艇を多数鹵獲した。 鹵獲した艦艇の多くは調査された後に解体され、資源として再利用された。だが利用する価値があると思われた 艦艇については改装された後、防衛艦隊に編入されることになる。 その中でも特に目立ったのが、4本滑走路を持つ大型空母と高速の中型空母であった。 「シナノ建造の前に本格的空母のノウハウを学習できるのは大きい……」 ドックの中で改装を受ける元ガトランティス軍の空母を見て、議長は満足げに頷く。 空母戦力の重要性は理解されたものの、本格的空母の建造と運用となると問題も多かった。 ムサシのデータは蓄積されていたが、やはり本格的な正規空母のデータが取れるに越したことはない。 まぁそれ以外にも問題があったのだが。 「予算の問題もありますからね……宇宙開発で思ったよりも予算が必要でしたし」 秘書の突っ込みを聞いて、議長はジト目で睨む。 「……それを言うな」 地球連邦政府は宇宙開発を重視するにつれて、防衛予算の際限のない増額に歯止めを掛けた。 産業を育成して国と国民を豊かにしたいというのが政治家達の主張だった。 おまけに急速に支配領域が拡大したせいで、防衛軍は質よりも、とりあえずは量を求められていた。 このために決戦を志向した高コストのシナノより、とりあえずは急場を凌げる鹵獲空母の整備が重視されたのだ。 正規空母シナノ建造を望んでいた転生者たちは悔しがったが、どうしようもなかった。 「まぁ長距離航海に適したガトランティス軍空母を運用するというのは悪くない。『今後』のことを考えるとな」 議長はそう言って肩をすくめる動作をする。 (シナノ、いや信濃は当面は横須賀基地のドックで放置だな。何とかディンギル戦までには手を付けたいが……) ハードの整備を進める傍らで、政治的意図を考慮しない将校の暴走をどう防止するかで防衛軍上層部は頭をひねった。 土方の行動は政治的には色々と問題が多いが、命令違反ではないし、戦術的に言えば間違っていないからだ。 「死地に向かった味方を支援するな、とは言えんからな……」 ただでさえ人的資源が困窮する地球において土方の行動は当然だったし、下手に叱責したら後が面倒になる。 今後はボラーと付き合う必要があるので、政治的な思惑を理解して動いてもらう必要もあるのだが、どうやって理解して 動いてもらうかとなると問題が山済みだった。 当面は政治が苦手な将兵は地球や太陽系防衛に振り向け、政治が理解できる、又は再教育して短期間で校正する可能性が ある将兵を新たに獲得した領域、他の勢力と接触する可能性が高い場所に振り向けることになった。 「下手に再教育すると、彼らの特性や長所を殺すことになりかねない」 「ガミラス戦役のときの弊害が出ましたな」 「全くだ。あの時は戦場で勝てばよかったからな」 議長は密談の席で苦い顔で言う。これに他の転生者たち、特に外交部門の人間が噛み付く。 「しかし戦争は政治の延長であることを理解してもらわないと困ります。こっちがどれだけ胃が痛い思いをしたと……」 「だが配慮しすぎて戦闘に大敗したらどうする? まぁ指揮官の苦手分野をサポートするのが幕僚なんだが、現状では 満足に艦隊司令部に幕僚を置けない。そんなに人がいない。下手なのを配備しても戦場では邪魔になるだけだ」 「「「………」」」 相変わらず地球防衛軍の懐は苦しかった。 「これ以上、ボラーの機嫌を損なわないように高度な判断ができる提督を、前に出すしかないだろう。 とりあえず土方提督は本土防衛に専念してもらう。あとは気長に政治について理解してもらう。無理なら再教育した 若い人間を補佐に付かせる。まぁこちらは少し時間が掛かるだろうが」 「しかし、そんな人材が戦死されたら堪りませんな……」 「勿論、作戦は慎重にする。人を無駄死にさせる余裕は防衛軍にはない」 「それは民間も同じですよ。正直、防衛軍から人を戻して欲しいくらいです。まぁ無理なのは判っていますが」 彼らは原作よりもマシな状況にも関わらず、地球連邦が零細国家であることを改めて思い知った。 「こんな状況でデザリウム戦役に挑むなんて無謀すぎません?」 「しかし、やるしかないだろう。下手に放置して二正面作戦なんてことになったら目も当てられん。 それに奴らが今行っている星間戦争を片付けた後、地球に目を向けないとも限らない。 そしてその時にボラーが地球の味方をするとも限らない」 議長の意見に不満は漏れるが反対意見は出なかった。 「こうなったらヤマトクルーが使えるときに、脅威になる連中は叩いておくに限る。勿論、地球防衛も手は抜かない」 「好戦的過ぎるのでは?」 「いつもオーバーキルするような連中だ。それなら存分に暴れてもらうさ。まぁ今でも十分に無双伝説状態だが」 「確かに」 ガミラス帝国軍の名だたる将兵達(ドメルやシュルツ等)とその艦隊とガミラス本星、白色彗星、ガトランティス帝国軍前衛艦隊の 3分の1がヤマト(ガトランティス艦隊はムサシと共同だが)によって葬られている。 第三者からすれば無双といっても過言ではない。 「ではイスカンダルへ?」 「α任務部隊とアンドロメダ級2番艦『ネメシス』、主力戦艦『加賀』、宇宙空母2隻、巡洋艦4隻、パトロール艦4隻、駆逐艦12隻を 考えている」 「ネメシスをつけると?」 「収束型波動砲搭載艦はヤマトとムサシで十分だろう。あとは敵艦隊を効率よく掃討できる艦で良い筈だ。 最悪の場合はガミラスの残党も叩いてもらう必要があるからな。それに、これ以上は出せない……」 「司令官は?」 「山南提督を、と言いたいところだが、ここは彼に出てもらう」 議長が目を向けた先には原作ではヒペリオン艦隊司令官を務めた男の姿があった。 「は? 何の冗談です?」 「冗談じゃない。派遣が正式決定になったらネメシス艦長兼イスカンダル派遣艦隊司令官に任命するから……頑張ってくれ」 こうしてイスカンダルへの艦隊派遣が進められることになる。 しかしそんな中、転生者たちにとっては寝耳に水とも言うべき情報が飛び込む。 「ディンギルだと? 間違いないのか?」 議長は統合参謀本部で何度も確認させたが、虚報ではなかった。 (早すぎる。何が起こっている?) 転生者たちにも全く予期できなかった『ディンギル帝国』とボラー連邦との戦争。 それはボラーの本当の恐ろしさを地球人にはっきりと示すことになる。 前:嗚呼、我等地球防衛軍(第21話〜第25話) 次:嗚呼、我等地球防衛軍(第31話〜第35話)
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大阪府茨木市立南中学校42期生の人来てください。 特に3-7の人です。 関係の無いものは直ちに立ち去りなさい。 ははははははははh -- りくぶ (2013-01-20 00 15 58) ルをって誰? -- 山本 (2013-03-08 16 45 04) 名前 コメント
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