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前編 真「ふぅ・・・ようやく今日の仕事が終わったのだわ」 軽く伸びをして、体の凝りをほぐす。結構疲れが溜まっている様だ。 ホ「お疲れ様です」 タイミング良く、ハーブのブレンドティを持ってくるホーリエ。 ホ「疲れを癒す効果が有ると聞いて淹れてみました」 真「ありがとう、頂くわ」 カップを手に取り、一口飲む。口の中に広がるハーブの香りが、確かに疲れを癒しそうだ。 真「とっても美味しいわ」 ホ「気に入ってもらって良かったです」 二人して微笑む。なんとも微笑ましい光景だった。 しかし、その雰囲気をぶち壊す者が現れた。 翠「真紅先生は随分疲れてる様ですぅ」 翠星石だった。しかも口調は少し芝居掛かっていて、わざとらしかった。 真「・・・・・・用件は何かしら?」 あきれた口調で質問する。誰かを何かに誘う時は小芝居を始める癖を知っていたからだ。 翠「話が早くて助かるですぅ。・・・じつは昨日、商店街のスーパーでこんな物を貰ったですぅ」 そう言って二人の前に紙切れを差し出す。 真「・・・えーと、『スパ有栖 入浴割引券』?」 紙切れにはそう書いて有った。 真「スパ有栖だなんて聞いた事無いのだわ。ホーリエ、貴女は知っている?」 ホ「そう言えば、私も昨日買い物をした時に貰いました。確か駅前で建設工事をしていた所じゃないでしょうか」 ホーリエに言われて、真紅もようやく思い出す。 真「言われてみれば、確かに工事をしていたわね。何かと思えばそんな物が建てられたのね。・・・それで、これがどうしたの?」 翠「ここまで言って分からないとは鈍い奴ですぅ」 真「物事はちゃんと口にしないと相手には伝わらない物よ。一緒に行きたいのなら、そう言うべきだわ」 翠「・・・・・・あぅ、お見通しだったですか」 真「それで、蒼星石先生は誘わないの?」 翠「部活から戻ってきたら当然誘うです。・・・って、噂をすればなんとやらですぅ」 職員室の外から蒼星石とレンピカの話し声が聞こえてくる。 ガラガラ・・・ レ「最近は1年も腕を上げてきたなぁ。ま、アタシらに勝つには1億万年早いけどね」 蒼「億万って単位は無いよ・・・さてと、汗をかいたしシャワーでも・・・」 翠「ちょっと待ったぁぁぁですぅぅ!!」 翠星石の大声に二人が驚いた。 蒼「ど、どうしたんだい?翠星石先生」 レ「いきなり大声出すから、驚いちまったじゃねーか」 翠「シャワーは後にするです」 レ「どうしてさ?汗臭いままで居ろってのか?」 少々語気が荒くなる。口より先に手が出るタイプなので、まだ冷静な方だ。 翠「落ち着くです。汗かいてるならむしろ好都合ですぅ」 蒼「どういう意味だい?」 蒼星石の問いに翠星石は経緯を説明する。 レ「なんだ、それならそうと早く言ってくれれば良いのに」 翠「言おうとする前に殺る気満々な目で睨みつけられたら、言いたくても言えないですぅ!」 レ「はっはっは、わりぃわりぃ」 蒼星石とレンピカが着替えに行き、暇を持て余してた頃、職員室にシンナーの様な匂いが充満してきた。 翠「な、なんですか?!この匂いは?!」 真「早く窓を開けなさい!」 慌てて窓を開き、匂いは霧散していく。 ホ「恐らく塗料の匂いだと思うのですが・・・」 真「何でそんな物がここに有るの?」 ガラガラ・・・ ドアが開き、雪華綺晶、薔薇水晶、雛苺、ベリーベル、柏葉巴、コリンヌ、オディールの7人が入ってきた。 真「どうしたの、貴女た・・・うっ!」 思わず鼻をつまむ。先程の匂いは彼女達からしたからだ。 薔「・・・やっぱり、匂うかな?・・・作業着は脱いできたんだけど」 翠「そもそも、何して来やがったですか?!」 雛「射撃部と合同でゴム銃作ってたの」 翠「ゴム銃?・・・あぁ、前持ってた奴ですか」 真「もしかして、それにペンキを塗っていたというの?」 巴「木工用の塗料をエアブラシで・・・」 薔「・・・私は買ってきたドム・トローペンの塗装を、彼女達と一緒に」 コ「日本のプラモデルの技術力は素晴らしいわ」 オ「ジオンの魂は私たちが必ず受け継いで・・・」 うっとりとガンダム話に華を咲かせようとする3人を止めて、翠星石が先程と同様に誘う。 薔「・・・それなら、この間・・・商店街でお買い物したときに」 巴「私も持ってます」 雛「ヒナも持ってるの。ベリーベルも一緒に行こう?」 ベ「うん♪」 その後、蒼星石たちも戻ってきて、雪華綺晶達も一緒に行く事になった事を伝える。 ドーン・・・! 遠くから爆発音が聞こえてくる。 翠「今度は何ですか?!」 しばらくしてドアが開き、全身煤まみれの金糸雀とピチカートが入ってきた。 金「ケホケホ・・・また失敗かしら~」 ピ「失敗は成功の父かしら~・・・母だったかな?」 雛「金糸雀先生また爆発させたの?」 金「今度こそ成功すると思ったかしら~・・・顔も服も汚れちゃったかしら」 翠「なんならおめーらも行くですか?」 ピ「どこに?」 再び説明するとすぐに参加すると言って来た。 翠「それじゃあ、早速行くで・・・」 薔「・・・ちょっと待って」 職員室を出ようとした翠星石に待ったをかける薔薇水晶。 翠「どうしたですか?」 薔「・・・水銀燈先生達も誘いませんか?」 いつものメンバーの中で水銀燈達だけ居なかった。仲間はずれはダメだと説得する。 真「でも、今ここに居ない者は仕方ないわ。どこに居るかも分からないし」 真紅が鬼気迫るといった表情で強硬に反対する。 薔薇水晶が直も食い下がろうとした時、突如として職員室のドアが開いた。 水「ちょっとぉ・・・何この匂い」 めぐ「頭がふわぁってして気持ち良い・・・」 メ「それはシンナーの中毒症状です。と言うか、症状が出るのが早すぎます」 水銀燈と柿崎めぐ、メイメイの3人組だった。 真「・・・ちっ」 こっそり舌打ちする真紅だったが、それ聞き逃す水銀燈ではなかったし、この集まりはなんなのか知りたかった。 水「で、一体全体この集まりは何なのぉ?」 薔「・・・実はね」 めぐ「ふわぁ・・・あ、お花畑が見える。きれー」 水「ちょ、ちょっと薔薇水晶、それ以上近づかないで!めぐが、めぐが何かやばいから!!」 薔「・・・・・・」 水「ふぅん、皆でお風呂ねぇ・・・」 メ「悪くありませんね」 めぐ(トリップ中) 思案顔の水銀燈に一緒に行きましょうと賛同するメイメイ、完全に向こうの世界に行っためぐであった。 真「別に無理して来る事は無いのだわ」 真紅の言葉に焦りを感じ取った水銀燈は即座にその理由を察する。 水「私は構わないわよぉ、どうせ今日は暇だったしぃ」 ニヤニヤしながら参加を承諾する水銀燈。その顔で何人かは真紅が嫌がっていた理由に思い至った。 翠「では、改めて・・・」 ?「ふわぁ・・・良く寝たぁ」 全員が声の主の方に振り返った。そこには先程までの騒動を物ともせずに寝続けていたスィドリームが居た。 ス「あれ・・・?みんな、どうしたの~?」 めぐ以外(この状況で寝てたのか・・・) めぐ「あ、おばあちゃんだ・・・あの時はごめんねぇ・・・」 一方、職員室の隣に在る校長室ではローゼンが聞き耳を立てていた。 暇だったので寝ていたのだが、流石にシンナーの匂いに目を覚まし出て行こうかと思ったが、面倒だったので狸寝入りを決めた。 そして一部始終を知る事になる。 ロ(皆でお風呂か・・・行こうかな) また、この事を知ったのはローゼンだけではなかった。たまたま職員室前を通りがかった男子生徒がこれを知り、 瞬く間に全校(男子生徒のみ)に知れ渡った。 A「おい!写真部の奴はまだかよ?!」 B「今、防水用のカメラとフィルムの準備をしてるってさ」 C「桜田、お前だけが頼りだ。何としてでも、俺達は苦難に打ち勝ち秘宝を手に入れなければならん」 ジ「何で僕が居なきゃいけないんだ?!」 ポン・・・ Dがジュンの肩を叩く。 D「決まってるだろ・・・生贄」 ジ「絶対帰るぞ!何で僕がそんな目に遭わなくちゃならないんだ!」 E「なんか柏葉も一緒に行くんだってな」 ジ「え・・・?」 その後、なんだかんだあってジュンも行く事になった。ああ、哀しきは男のサガよ。 中編 の『あ、ジュンくん?お姉ちゃん、今日帰るの遅くなりそうなの~。夜ご飯はもう作ってあるから、チンして食べててね~』 ジ「・・・食べれたらね」 の『ジュンくん?どうかしたの?』 ジ「何でもない」 の『そう・・・なら良い子にお留守番しててね~』 携帯の通話が切れる。いつも通り、呑気な姉の声だった。 ジ(生きて帰れるかなぁ・・・何で行くって言っちゃったんだろう) ジュンはほんの20分前の自分を恨めしく思った。 下心が全く無かったと言えばウソだ。柏葉も一緒に行くと聞いた時、柏葉の姿が脳裏に浮かび上がった事も事実だ。 だが、不用意な一言で茨の道を歩む事になるなんて・・・そう思うと、ジュンは気が重くなった。 A「諸君!今、我々に千載一遇の好機が訪れようとしている!諸君らも既に知っていると思うが、我らが教師、そして諸君らが 敬愛する水銀燈先生が・・・」 G「水銀燈先生だけじゃないだろうが、この水銀党!」 真紅派である紅き親衛隊の隊員が野次を飛ばす。それをきっかけに各グループの男子達からの怒号が飛び交う。 U「なあT、蒼星石先生が番台で止められるかどうか賭けないか?」 T「俺を蒼き姫の騎士団の一員と知った上での発言か?」 U「何?!てっきり同じグリーンオブスターだとばかり・・・くっ、お前とは良いライバルになりそうだな」 S「雛苺先生はシャンプーハット絶対持参するだろうな」 I「それも重要事項だが、風呂で遊ぶ玩具を持ってくるかどうかも・・・」 S「アヒルの奴とかか・・・いかん、鼻血が・・・」 C「しかし、射撃部のお前が今回参加するとは思わなかったな」 F「俺の目標は教官ではなく、フォッセー姉妹だ。あの時の借りを返さなくてはな」 C「あの時って・・・射撃部のクーデターの時か?」 F「ああ・・・あの時は不覚を取ったが、今度はそうはいかん」 C(その復讐が覗きってのはどうかと思うってのは、こいつの名誉のために黙っておくか) H「全く、どいつもこいつも先生先生・・・レンピカさんが最強だろうが!」 R「最強なのは腕力と胸だけだろ。究極はピチカートさんに決まってる」 E「あの人が究極とは笑わせる。なら至高はメイメイさんだな」 Y「お前らはスィドリームさんの寝顔を見た事無いからそんな事が言えるんだ」 等など、作戦本部と化した体育館のあちこちで各グループの雑談が行われる。ジュンはその様子を隅の方から溜息を吐く。 ジ「・・・帰りたい」 その時、壇上から携帯の着信音が聞こえる。どうやら壇上に居る男子生徒達(各グループのリーダー)の1人の携帯が鳴った様だ。 B「もしもし・・・何?真紅先生を見失った?・・・うん・・・うん、自宅に向かった?間違いないんだな?」 ここで、また1人の携帯に着信が入る。 D「もしもし?翠星石先生が自宅に到着した?蒼星石先生とスィドリームさんも一緒・・・分かった、引き続き尾行を頼む」 各教師の動向について逐一連絡が入る。報告を纏めた結果、各教師並びに事務員達は一度自宅へ戻って準備した後、 現地集合するという事が推測できた。 A「水銀燈先生が自宅に戻らず、柿崎の家に向かったと言うが、メイメイさんが代わりに水銀燈先生の自宅に向かったか」 再び連絡が入る。今度はスパ有栖前のハンバーガーショップの2階から入り口を監視している生徒からだった。 K「もしもし・・・雛苺先生とベリーベルさんの姿を確認した?所持品分かるか?・・・シャンプーハット、ワニのフロート? 分かった、引き続き頼む」 シャンプーハットの言葉に雛苺見守り隊の歓声が上がる。中には喜びのあまり泣き崩れる者も居て、周りに抱きかかえられていた。 ジ(・・・うわぁ) やがてスパ有栖前に集まる人数が半数に達した頃に男子達は移動を開始する。 直接向かわず、駅を挟んだ向かい側に集結する。そこで、購入部隊が事前に買っておいたタオルなどをグループごとに配布する。 ジュンにも配布されるが、確認すると紅き親衛隊と同じ物だった。 G「桜田は代金払わなくて良いぞ」 ジ「え・・・?どうしてさ?」 G「お前は生贄だからな。悔しいが真紅先生はお前には優しいからな」 ジ「見つかったら、確実に殺されるだろうけどな・・・」 この先の自分の運命を嘆き、うなだれるジュンだった。 その後、教師陣が中に入って行ったのを確認し、それから遅れる事数分で男子達は中へと入っていった。 この建物は4階建てになっていて、1階はレストランと宴会場、2階がプール、3階が大浴場、 4階がフィットネスジムとエステサロンになっていた。 集音マイクを用いて、全員が女湯の方に入った事を確認すると、ぞろぞろと男湯の方へと入っていく。 制服という事もあって脱ぐのは早く、女湯の更衣室とを区切る壁の方に全員で耳を当てていた。 A(く・・・聞こえそうで聞こえない) B(結構分厚い壁だな) C(この際、嗅覚を失っても構わん!全神経を耳に集中させろ!) 必死の形相で耳を澄ませるが、聴診器を持ってきたTが首を振ると一斉に溜息が漏れた。 R「まだか?そろそろ防犯カメラを無力化させるのが厳しいんだけど・・・」 防犯カメラに細工を施し、ダミーの映像を送るRに作戦終了の合図を送る。 ジ(・・・何やってんだか) 男子一同(神は我々を見捨てなかった・・・!) 大浴場へと入ってきた男子達の心の第一声はそれだった。男湯と女湯を仕切る壁が、天井にくっついていなかったのだ。 高さこそあるものの、声が聞こえるのはもちろん、よじ登る事さえ出来れば覗く事も不可能ではない。 が、世の中そんなに甘くは無かった。 元「おや、今日は随分沢山来るじゃないか」 一「騒がしいのは困るがな」 ロ「皆ヤッホー」 湯船の中に入っていたのは、校長のローゼンと用務員の柴崎元治、八百屋結菱の店主結菱一葉だった。 ジ「あ、校長、それに柴崎さん。来てたんですか」 ジュンは内心胸を撫で下ろす。これで馬鹿な真似が出来ないだろうと思ったからだ。 ロ「やっぱり、君たちも覗きに来たんだねぇ。いやぁ青春だなぁ」 さらっと教師、ましてや校長にあるまじき発言をするが、ジュンが引っかかったのはそこではなかった。 ジ「君たちも?まさか3人とも・・・」 一「私がそんな事をする訳がないだろう。今日は定休日だから、柴崎に誘われてここに来ただけだ」 元「私だって、普通にこうして銭湯とサウナを楽しみに来ただけじゃよ」 ロ「そしてそこに僕がやってきたんだ。そこで、3人しか居ないからこうして我慢比べをしていたのさ」 ジ「我慢比べ?」 良く見ると、じじいコンビは全身が軽く赤くなっている事に気付いた。恐る恐る湯船に手を入れてみる。 ジ「熱ッ!」 あまりの熱さに思わず手を引っ込める。その時、温度計を見つけたので見てみると48度だった。 ジ「こんなのに入ってるのかよ・・・」 ロ「いやぁ結構気持ち良いもんだよ」 涼しげな顔をしているローゼンを見て(まぁ、この人は人間辞めてるし)と納得する。 元「ジュン君、これくらいの湯に入れないようじゃまだまだじゃよ」 そう言って笑う元治。その間、男子達は如何にこの3人を追い出すか?の作戦会議を行っていた。 チャンスは意外なところでやってきた。女湯の方に動きがあり、教師達の声が聞こえたのだ。 雛「うわー、とっても広いのー」 ベ「泳げそう♪」 メ「泳いだらいけません」 雛・ベ「ブーブー」 見守り隊(雛苺先生最高!) 真「こんな所で貴女に会うとは思わなかったわ、のり」 の「私もよ~」 ジ(何でお前が居るんだよ?!まさか遅くなるってこれの事だったのか?!) み「カナと一緒にお風呂に入れるなんて、もうサイコーーーー!!」 金「きゃぁ、みっちゃん全身がまさちゅーせっちゅー!!」(ブハッ!:金色の鳳凰隊員たちの鼻血の音) 薔「・・・どうしたのお姉ちゃん?」 雪「何か視線のような物を感じる」 コ「まさか覗き?!」 オ「今のところ、その様な物は見当たりません」 雪「第1種警戒警報発令、周囲の索敵を怠るな」 コ・オ「了解!」 F(来たか、フォッセー姉妹。今日こそお前たちに積年の恨みを・・・) 水「大げさねぇ・・・ま、もしめぐを覗こうとする奴が居たら、地獄を見てもらうけどぉ・・・」 め「あれ?・・・いつの間にか裸になってる・・・」 水「めぐ、ようやく正気に戻った?」 め「あ、水銀燈先生。え?何で裸・・・?やだ・・・私、まだ心の準備が・・・」 水「・・・何勘違いしてるのよぅ」 水銀党員(もう、死んでも良い・・・・・・) ホ「やれやれ、同性ながら目のやり場に困りますねぇ」 巴「・・・その・・・ホーリエさんも・・・」 ホ「フフ・・・」 ピ「皆羨ましいかしら~真紅先生以外」 真「今何か言ったかしら?」 ピ「何も言ってません!」 翠「湯船に入っている途中で寝るんじゃねえですよ」 ス「さすがに寝ないよぅ・・・Zzz」 翠「言ったそばから寝るんじゃねえですぅ!」 バシバシッ! ス「いったぁぁい、冗談なのにぃ」 翠「冗談に見えなかったですぅ」 レ「ふぅ・・・ようやく汗を流せるぜ」 蒼「背中洗ってあげようか?」 レ「お?良いねぇ・・・じゃあ、アタシも洗ってやるよ」 翠「何勝手にうらやましそうな話をしてるですかぁ!?蒼星石の背中を流すのは翠星石の役目ですぅ!」 蒼星石の名前に反応したか、元治がいきなり立ち上がった。 元「か、かずきぃぃぃ・・・」 ぐら・・・ 元「あ・・・」 ロ「よっと」 既にのぼせているような状態で急に立った事で立ちくらみを起こしてしまい、そこをローゼンに支えられる。 元「うぅぅ・・・かずきぃ・・・」 ロ「あーあ、完全にのぼせちゃった。頼めます?」 一「そろそろ私も出る理由が欲しかったところだ。では、これで失礼する」 一葉は元治を連れて浴場を出て行った。 男子達はそれを見送った後、ローゼンの方へと振り返る。 ロ「それじゃあ、良い大人も居なくなった事だし、始めようか。あ、薔薇ちゃんはダメだよ。僕だけが見るんだから」 男子達は後半の言葉を無視して、それぞれ作戦の準備に取り掛かった。 ジ(はぁ・・・誰か止めろよな) 女性陣(何だろう・・・?何か嫌な予感がする) 雪「不審者に対しての発砲を許可する」 コ・オ「了解」 そして、スパ有栖の大浴場にて学園史上最大級の作戦が始まろうとしていた・・・。 後編 A「今、我々の前に立ちはだかるジェリコの壁・・・如何に突破するかが問題だ」 腕を組み、忌々しげに壁を眺めながら呟くA。 壁の高さはおよそ3.5メートル、その上の隙間は2メートルほど・・・決して飛び越えられない高さではなかった。 しかし、ただ侵入したのでは自ら死地に飛び込むような物だ。 桶や石鹸なんかが飛んでくるならまだ良い、鉄拳から鉛玉果ては手榴弾すら飛んで来かねない。 その為、作戦は如何に相手に気付かれずに遂行するかが焦点となる。 一方、女湯では・・・ コ「ようやく、これの実践が出来るわ」 オ「使用可能な場所が限定されてしまいますからね」 二人は一度脱衣所に戻り、筒状の物を持ってきた。色はグレイでトリガーが銃口のすぐ下にあり、反対側には肩に乗せるための 肩当てとスコープが取り付けられていた。 翠「それは何ですぅ?」 薔「・・・あれはスーパースコープ・・・実物を見たの初めて」 め「それで何が出来るの?」 めぐの質問にコリンヌが答えようとする前にピチカートが口を開く。 ピ「あれは科学部と射撃部が共同で開発したウォーターバズーカかしら~」 蒼「ウォーターバズーカ?」 ピ「小型のエアーコンプレッサーを内蔵させてあって、それで圧縮した空気を使って水を飛ばすものかしら」 蒼「へぇ~」 レ「面白そうだな。ちょっと撃たせてくれよ」 コ「結構威力が有りますから、注意してください」 コリンヌはレンピカにウォーターバズーカを渡す。 レ「結構重いな。えーっと、このカプセルに水を入れれば良いんだな」 湯船にカプセル(フィルムケースを大きくしたような物)を入れて、中に湯を入れて蓋をする。 バズーカは散弾銃の様に真ん中で折れる様になっていて、そこにカプセルを装填する。 レ「あれを狙ってみるか」 スコープを覗いて、桶の山に狙いを定める。そしてトリガーを引く。 ドンッ!ガラガラ・・・ 積まれていた桶の山がバズーカの直撃を受けて崩壊する。 レ「ヒュ~・・・すげぇ威力」 撃った本人が一番驚いていた。 金「有効射程は14m、最大射程距離は17mかしら。それと肩当ての上にモード切り替えのスイッチがあるかしら」 レ「これか?」 スイッチを切り替えるが、特に何かが変化したようには見えなかった。 金「そのモードを使うにはこれを取り付ける必要があるかしら」 ホースをレンピカに渡し、バズーカに取り付ける。 金「このホースの先端をお風呂に入れて、トリガーを引いてみるかしら」 言われたとおりにしてトリガーを引く。すると今度は水が断続的に噴出してきた。 金「これは放水モードかしら。でも、水がある所じゃないと碌に使えないのが欠点かしら~」 蒼「へぇ~すごいなぁ」 素直に感心する蒼星石と感心するあまり金糸雀に飛びつくみっちゃんだった。 み「ホントにカナは天才!私感動しちゃったー!!」 金「苦しいかしら~!」 B「なんか、とんでもない物を装備してるみたいだな」 E「これは上空から侵入しようとしたら打ち落とされるな」 Y「あるいは熱湯放水か・・・いきなり王手かよ」 男子達は口々に不満を漏らす。1人ずつ飛び越えようとすれば、バズーカモードで打ち落とされ、被害を省みず全員で突入を かけても熱湯風呂の湯を利用した放水モードでなぎ払われるのが関の山だ。 H「壁の方はどうだ?」 Hの呼びかけに、超音波厚さ計とシュミットハンマーで壁の厚さと強度を測定していたWが振り向く。 W「厚さは20センチ程だな。強度の方も普通のコンクリートにタイルを貼っているだけ・・・時間が掛かる上に騒音で気付かれるな」 U「静かに穴開けられないのか?」 W「時間が掛かり過ぎるな。全員が長風呂でも無い限り出てしまうな」 H「そっか・・・正攻法は諦めた方が良いな。科学部の奴が居て助かったよ」 科学部は普通そんな事をしないと思うが、顧問が顧問なので誰も疑問に思わなかった。 こうして正攻法による覗きは不可能と言う結論に達し、ファンクラブ連合の期待は金色の鳳凰に集まった。 各ファンクラブの母体はそれぞれ顧問の部になりやすいからだ。 その期待に答えるためか、科学部が母体である彼らは数々の機械を持ち込んできていた。 W「まずはこの潜望鏡だな。普通の奴だと上にしか伸びないが、これは前後左右にも動かせる多関節タイプだ」 実際に潜望鏡を操作して伸ばしていく。まずは上に、その後折り曲げて左右に伸ばしていく。 C「左右に伸ばす理由って何だ?」 W「見つかった時に居場所を特定されない。ただ、1人で支えられなくなるのが難点だが」 C「なるほど・・・」 そしてセッティングが終わり、試しに覗いてみる。 W「湯気で曇って見えない・・・失敗だな」 その後、ラジコンや風船を利用した小型カメラなどを繰り出すがどれも悉く失敗し、全員から役立たず扱いを受けていた。 S「く・・・やはり強行突入をするしかないのか」 ジ(諦めるって選択肢はないのか・・・?) ジュンは1人湯船に浸かって眺めていた。最初は止めようかとも思ったが、言って聞くような連中じゃないし、 それで自分の状況が悪化しても困るから傍観を決め込んでいた。 その時、ジュンの近くであわ立つ音が聞こえてきた。いつの間にか誰かが潜っていたようだ。 ジ(湯船に潜るなよな・・・) 内心そう思っていても口には出さない、彼なりの処世術だ。 やがてそこから1人の男子が顔を出す。その顔は満面の笑みだった。 K「おい、ここ繋がってる」 Kの一言で静かな歓声に包まれる。Kが言うには男湯と女湯の湯船は底の方で繋がっていて、鉄格子さえ何とかできれば 入れるかもしれないという事だった。 G「鉄格子か・・・力で何とかなるもんじゃないな」 R「けど、起死回生のチャンスになるね・・・誰か鉄を切れる物持ってない?」 辺りを見回すが、流石に誰も持ってなさそうだ。 R「やっぱ無いか・・・壁側に来てくれる事を祈るしか・・・」 だが諦めかけたその時、手を挙げた者が居た。Fである。 F「金属鑢を持ってきている。これは使えないか?」 再び歓声が上がる。Fは一度脱衣所に戻り、鑢を持って湯船に入っていく。 F(待っていろよフォッセー姉妹、今に吠え面をかかせてやる・・・) 大きく息を吸い込み湯船の中へと潜る。確かに鉄格子で仕切られているだけで女湯と繋がっている。 早速作業に取り掛かる。鑢を使って1本ずつ削っていく。途中で苦しくなる度に顔を出して再び潜る。 それを繰り返す事5分、ついに全ての鉄格子を取り外す事に成功する。 F「では、潜入を試みる」 A「我らの悲願は君の双肩に掛かっている・・・頑張ってくれ」 F「任務了解」 Fは再び潜り、女湯への侵入を開始する。 しかし、肩の辺りまで入ったところで詰まってしまう。 F(・・・ん・・・ん!!う、動けん!!!) 足をジタバタ動かして脱出を試みるがそれでも動かなかった。 F(ちょっ!マジでやば・・・がはっ) 雛「男湯の方で、バタ足している音がしてるの。きっと泳いでるのね」 ベ「良いなぁ~泳ぎたいなぁ」 メ「ですから、湯船で泳いではいけません」 雛「メイメイはイジワルなの」 ベ「イジワル~・・・あれ?音しなくなっちゃった」 メ「きっと怒られたからですね。さ、早く頭を洗いましょう」 雛・ベ「は~い」 呑気な女湯とは対照的に男湯は軽く修羅場だった。 C「おい!しっかりしろ!死ぬな!!」 D「誰か人工呼吸しろよ!」 M「とりあえず、腹踏んづけとけ」 ピュー・・・・・・ 飲み込んだ湯を強制的に吐き出させられ、Fは九死に一生を得た。 F(・・・おのれ・・・フォッセー・・・) の「それにしてもお隣は賑やかね~」 真「なんだか聞いた事あるような声がちらほら聞こえているような・・・」 水「そんな事よりぃ、お酒飲みたくなってきたわぁ・・・」 め「私も飲みたいなぁ」 ホ「未成年の飲酒は・・・」 水「ダメよめぐ、甘酒でも泥酔するぐらいアルコールに弱いんだから」 め「ちぇ・・・」 レ「たまにはこうして皆で風呂ってのも良いもんだなぁ」 蒼「そうだね・・・今日は気持ちよく眠れそうだよ」 ス「いつも気持ちよく眠れたら幸せよねぇ~」 翠「寝っぱなしでも困るですぅ」 コ「今度、先生たちの家にお邪魔しても宜しいでしょうか?」 薔「・・・良いかな?」 雪「私は構わない。でも何の用?」 オ「是非ともガンダムを見せてもらおうと思いまして」 コ「私達の家では見させて貰えそうにありませんから・・・宜しいでしょうか」 薔「・・・良いよ・・・皆で見よう・・・ご飯も一緒に食べようね」 コ・オ「はい!」 み「ねぇカナ、一緒にサウナに行かない?」 金「行くかしら~。ピチカートも一緒にどうかしら?」 ピ「私も行きたいかしら~」 み「それじゃあ、善は急げよ!」 金「両腕でカナ達を抱きかかえるなんて、みっちゃん力持ちかしら~・・・」 ロ「皆楽しそうだねぇ・・・でも、そろそろ僕の出番かな」 男子達のやり取りを湯船の中から眺めながらローゼンは作戦を練っていた。 男子達の言うとおり、直接飛び越えて行ってはただの闖入者に過ぎない。 ならば、不可抗力だったら?例えば誰かに投げ飛ばされて・・・ ロ「そうなったら被害者だよねぇ・・・それでもしも、女湯に飛んで行っても不可抗力だよねぇ」 彼なりに勝算は有った、薔薇水晶ならきっと信じてくれると。 そうと決まれば早速実行。ローゼンは生徒達の中で体格の良さそうな男子に声を掛ける。 ロ「あぁ君、ちょっと良いかい?」 L「うっす、何でしょう?」 ロ「悪いんだけどさぁ、ちょっと僕を投げてくれないかな?」 L「・・・別に良いですけど・・・」 ロ「それじゃ、頼むね。思いっきりでよろしく!」 L「・・・うっす」 ローゼンは投げられ易いように体をくつろげる。Lはローゼンの腕を取って投げ飛ばした・・・『床』に。 バンッ!! ロ「・・・!!!」 腰から思いっきり叩きつけられ悶絶する。それでもすぐに復活して、Lに詰め寄る。 ロ「投げろって言ったよねぇ!?」 L「・・・え、だから、その・・・投げました」 ロ「床じゃない、上だよ上、上に投げ飛ばして」 L「あ、はい・・・じゃあ」 Lは再びローゼンの腕を取って、投げ飛ばした。今度は『真上』に。 ロ「よ~し、後は・・・って、前に進んでない!」 空中で必死に平泳ぎして前に進もうとするも、今度は顔面から落下する。 ジ(あれは流石に死んだかな?) 顔中タイルの痕を付けながら再びLに詰め寄る。 ロ「君に最後のチャンスをあげよう・・・、向こう側に投げ飛ばして。失敗したら留年ね」 L「え・・・そんなぁ」 公私混同・職権濫用も良い所なのだが、目が本気だった。 L「わかりました・・・一応頑張ります」 Lはまたローゼンの腕を取って投げ飛ばした。今度は狙い違わず女湯の方へと向かっていく。 B「あ!校長の奴抜け駆けしやがった!」 ローゼンは壁を飛び越えてもなお勢いが止まらずに飛んでいく。 ロ(そろそろ止まらないと・・・って、止まらない!?) の「ふぅ・・・ちょっと熱くなったから、少し窓を開けるね」 のりは窓を開けて、再び湯船に戻ろうとしたときに、ローゼンが開いた窓の外へと飛び出していく。 ロ「うそおぉぉぉぉ・・・」 の「え・・・?何?今の何?え?えぇ?!」 慌てて窓の下を覗いてみる。眼鏡を外しているので良く見えないが、人らしき物がトラックの荷台に寝そべっているのが分かった。 そしてトラックはそのまま行ってしまった。 の「ふえぇぇん、ジュンくん~~~~!!」 全員(今のって・・・校長・・・?) A「よもや、我々に残された手段は後一つしかない」 重々しい口調で全員に告げる。皆も覚悟を決めたようだ。 A「ことここに至っては仕方ない・・・我らはこれより修羅へと入る!」 右腕を高々と挙げる。その様子はどこかの政治家のようだった。 A「神と会っては神を斬り、鬼に会ったら鬼を斬る・・・我らが力を見せつけ・・・」 ?「全員そこまでだ」 上から突如掛かった言葉に全員が振り返る。そこには雪華綺晶、コリンヌ、オディールの3人が顔を出していた。 B「うわ、覗き!」 C「まさか逆の立場になるとは・・・」 蒼「君たち、何をそんなに騒いでいるんだい?」 レ「まさかアタシらを覗こうなんて、考えてるんじゃないだろうねぇ・・・」 雪華綺晶の後ろの方から蒼星石たちの声も聞こえてくる。 ジ(・・・ふぅ、これでようやく終わるな) オ「あら?ジュン様じゃありませんか」 の「え?ジュンくんも来てたの~?皆と一緒にお風呂に入る様になるなんて、お姉ちゃん嬉しい~」 ジ「べべべ、別に一緒に来たわけじゃ!!」 真「ジュンも来ているの?全く、こういう事にだけ興味を持つのは感心しないのだわ」 水「誰も真紅の貧相な体なんて見たくないわよぅ」 め「あははw」 真「だ・・・誰が貧相ですって!?」 しばし口論が続く。一方ジュン以外の男子達はというと・・・。 A「く・・・ここまで来て計画が失敗に終わるなんて・・・」 Y「元々計画らしい計画も無かったけどな」 B「どうする?この状況だと、桜田を生贄にするって手は使えないぞ・・・」 A「こうなったら・・・やるしかあるまい・・・」 N「そうだ・・・やらなきゃやられる」 D「惨めな生より、誇り高き死をって奴か」 集団心理というのは恐ろしい物で、この状況下でなおも反抗しようという空気を作り出していた。 蒼「とにかく、君たちも早くあがって・・・」 A「全軍!かかれー」 男子「応!!」 雪「?!く、発砲しろ」 コ・オ「りょ、了解!」 すぐさま砲撃が行われる。トリガーを引く度に1人また1人と吹っ飛んでいくが、多勢に無勢であった。 また、上からの砲撃のために放水モードで応戦できず、壁に取り付かれると排除が困難になった。 雪華綺晶はスタングレネードを取り出すが、今度は逆に科学部の男子達がバズーカで牽制しはじめ、 次第に混戦へと変わっていった。 ジ「・・・水着・・・着てたんだ・・・」 巴「・・・・・・うん」 の「ここ2階がプールでしょ~。だから水着で入れるんだけど・・・もう来れないかも~」 真「毎度の事ながら、どうしてこううちの学校の教師も生徒も騒動を起こすのかしら」 ス「元気が有り余ってるからかなぁ?」 翠「修理費、どうするですか?」 メ「弁償そのものは何とかなるでしょうけど・・・教頭先生からの厳重注意は半日は覚悟しないといけませんね」 雛「物凄い音でまだ目がまわるの~」 ベ「ううぅ・・・目がまだチカチカするぅ」 め「これが青春の1ページってやつなのかなぁ?」 水「絶対違うわぁ。でも、早く逃げた方が良いんじゃなぁい?」 薔「・・・あの人、大丈夫かな」 ジュンたちは一緒の湯船に入っていた。なぜなら、男湯と女湯を仕切る壁そのものが崩壊したからだ。 生徒達の攻勢に業を煮やした雪華綺晶が『つい』火薬の量を減らしたグレネードを使ってしまい、 レンピカがその壁を本気で殴ったために脆くなり、更に大人数が壁によじ登ろうとしたためである。 その為、近くに居た蒼星石やホーリエなども巻き込み、大半が瓦礫の中に埋もれていた。 翌日 ラ「3ヶ月間は有栖学園関係者は出入り禁止という事になりました。全く、貴女方が居ながら一体何をしていたのかと・・・」 朝からラプラスの説教が始まる。しかも、1時間目のチャイムが鳴っても止まることが無かった。どうやら本気らしい。 ロ「まぁまぁ、良いじゃないの。皆元気が有り余ってるって事で・・・」 ラ「貴方にも言ってるんです。全裸のまま仙台までトラックに運ばれてるような貴方にもね」 ロ「これでも頑張って帰ってきたんだよ・・・初夏とは言え夜は寒かった」 全身包帯姿で涙ぐむ。胃がキリキリ痛むのを感じつつ、ラプラスは教師達に向き直る。 ラ「後は放課後にまた行います。それと修繕費は皆さんの給料から引いておきましたので」 その言葉にうなだれて職員室を出て行く教師達だった。 ラ「なかなか気持ちの良い湯だったのですが・・・」 ロ「その姿で入ってたの?毛とか詰まったり・・・ぎゃああぁぁぁ!!」 それぞれの思いを知ってか知らずか、今日も一日が始まっていった。
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※ボイスなし + 旧ポトレ アマネ=セレスタイトとは ルナ氏が作った紅美鈴改変のFLAM氏の「Hei-F」改変。 ちなみに紅美鈴はオンゲキにも出ている 2019年2月に公開された。2019年産である。 神版の1pは親変更も探査もなく技同期系のキャラだが、 対応力は素晴らしく、設定も凝っている。 削りも優秀で、神殺しドナルドを削りルートで倒せるくらいすごい。 彼女は過去にどこかで公開していた自作小説のスピンオフ感覚でルナ氏が作っている。 ある世界線の紅美鈴とアマネの魂が意気投合した結果、彼女が生まれた。 アマネの次の命が決まるまでの間、アマネ自身を紅美鈴の依り代とし、 共に旅をすることになったという経歴がある。 彼の一番の大技は「イキガミ・ノア」。 「災厄」の目により静かに大魔法即死を使い敵を干渉させるという物凄い技であり、 即死が刺さるキャラを「イキガミ・ノア」で倒してきた。 専用力も最強であり、ウブウアウト程ではないが専用の数は盛沢山。 その数なんと563であり、圧倒的な多さを誇る。 最近神威氏「Abyss_of_Heaven」やしらさぎ氏「バラム・ノーレッジ」など 彼女に匹敵するような親変更なしが存在するが、 それでもなお親変更なし最強候補である。(*1) 親変更なしが故に「マルチドナルド12p」「親変更チェッカー」を倒せない。 さらに探査もないので、「A-Bomb」も倒せない。 それを突けば、誰でもアマネさんに勝てると思う。そう、運が良ければ・・・ アマネ=セレスタイト神版1p、殺傷力大会の戦いの歴史 + ネタバレ注意 EPISODE1 「MUGEN God Verdict War ~評決の神議~」 彼女はMUGEN God Verdict WarのTeam Cosmosとして初参戦。 初戦の相手は七夜死貴と幽鬼。両方男。紅一点。 2タゲ目の「試験体KGM2nd EX」を倒せなかった幽鬼が脱落し、 七夜死貴との決戦に。 4タゲ目の「オロチ長森(旧版)」を彼女だけ倒し勝利。2pt貢献した。 (ちなみに七夜死貴は20分経過で倒せず) 拳法のポーズを撮りながら少したまったクリスタルから出た光を見ながら 光がアマネさんの前に移動。その光を左手で我が物とした。 28 46~ 2ptを持ち帰る 次の相手はDパルスィと星井美希。 「バレンタイン翡翠」という専用対策しているキャラを引き 1ptいただきーと思いきやなんと「撃破条件変更に対応していない」という 痛恨のミスで撃破失敗。 ルナ氏のブログ曰く「更新されていることを知らなかった」とのこと。 「C-Obscure tyM-v.SG」で星井美希が脱落し、Dパルスィとの一騎打ち。 結果、「激おこホワイト8p」という詰みタゲを引いてしまい敗北した。 バレンタイン翡翠で専用が成功していれば・・・ Dパルスィに敗れる 本来ならここで出番終了だが、ボーナスを受けているので3回目の出番がある。 ボーナスの3戦目、相手は本気ケンシンとウブウアウト。 どっちも男で親変更持ち。 「Sadist Devil」で宣告自滅でKO負けを喫した本気ケンシンが脱落。 結果、「アバターコア」を撃破し勝利。 論外の「在庫マン」を落としただけで勝利した。 アマネさんの前にまた少したまったクリスタルが。 その真ん中に光が出る。クリスタルは割れ、その光がアマネさんの前に近づく。 するとなんと彼女はアイドル翡翠みたいなドットになり、左手を上げ光の先に指をさした。 2ptを持ち帰り合計4pt貢献、この大会での出番は終わった。 28 16~ アイドル翡翠みたく2ptを持ち帰る ...と思いきや大会が終わって帰るところをFS蛟に阻まれ、 蛟の聖地に誘われた。 そして15vs1のレイドバトルに参戦することとなった。 14th Challengerとして選ばれた彼女。 Daiyousei-I-OverDrive-GeNeとTimeEaterがFS蛟の残機を減らし、 あと1回膝が突けば15人の勝利というところまで来ていた。(FS蛟残機3、15人それぞれ残機1) そうして、2partに及ぶ戦いが始まった。 激闘の末、「エグゼリカ」を倒せず敗北。 「下の下だな...」を言うFS蛟の前で膝を付き、身体が緑に染まる。 FS蛟の「図に乗るな!」の合図で「アマネ=セレスタイト」「脱落」と共に砕け散った。 そして、Beatrix Rephaの前でFS蛟に処理された彼女であった... FS蛟に敗れる EPISODE2 「Expectation deity Convention」 次に呼ばれた大会は「Expectation deity Convention」。 1回戦最後の組み合わせで、追加枠を勝ち抜いた廃滅者セトを迎え撃つ。 決着は1partでついた。「村人J」を専用で倒しセトはエラー落ち。 リードを広げ、「N.O」で今度は汎用で差をつけ勝利。 撃破失敗なしのストレート勝ちで追加枠最強を退けた。 廃滅者セトに勝利 次の対戦相手はグゼスべスというこいし。 もちろん「Beatrix Repha vs 輝夜ハワード」みたいな番狂わせが起こるわけもなく、 「ベアビヨ9」「レンちゃん」で差をつけ勝利。 「レンちゃん」に至っては制限時間20分ギリギリだったという... グゼスべスに勝利 ここまで撃ち漏らしなしだったものの、続くImaginary Number戦での 「令和ドナルド」でこの大会初めて撃破失敗。20分経過。 しかしImaginary NumberもKO負けだったのでイーブン。 さらには「エンダーマン」で「終焉【夢幻泡影】」という強制宣告をやり KO負けを喫するという失態。これもImaginary NumberもKO負けだったが? しかし続くDeadly Trackerをアマネだけ倒しリードしたところで 戦いは次回へと持ち越された。 迎えた次のpart。 「Federn-X」を落としただけで特に変動はなく3part目に突入。 そして3part目... 「神オロチカンフーマン」を両者落とした次のタゲ。 「フィンスファニス」という鹿目まどかを専用対策で倒し勝利。 親変更なしで決勝まで行った。 Imaginary Numberに勝利 ここまで残機が減ることはなかったが... 決勝のナタリア・フォーリンアビス戦の「巫女ボム」でついに残機が減った。 相手が倒したのに対し、彼女は20分経過したのだ。 「パンドラボックス(耐久パッチ入り)」を両者落として次のpart... 「D.Shadow(耐久パッチ入り)」。そこでナタリアは倒し、彼女は... 「終焉【夢幻泡影】」を撃った。撃ってしまった。 もちろんKO負け。ストレート負け。敗北。 勝敗画面の際、彼女は白い十字架と化した。 ナタリア・フォーリンアビスというアルクが優勝し、彼女は準優勝だった。 実はルナ氏のブログでは「撃破成功パターンがあった」 それを引いていれば試合はまだ続いていたのだ... ナタリア・フォーリンアビスに敗れ、準優勝 EPISODE3 「MUGEN God Tournament 浄天杯」 ルナ氏本人主催のMUGEN God Tournament 浄天杯で、彼女は参戦した。 予選の相手はウブウアウトと女神佐祐理。 どちらかが残機0になれば本選進出。 まず進撃のハート様を15分経過で倒せなかった女神佐祐理が残機を減らし、 「ジャガーさん」という親変更必須タゲを引いてしまったが、 相手も両方撃破失敗したので変動なし。 「ナイトメアフラン」を彼女だけ倒し女神佐祐理の残機が0になり、 ウブウアウトと共に決勝進出となった。 26 44~ 決勝に進出 そして抽選で、墨姫という小町と対戦。 「Zechael-type-S」という親変更アンチを引き当て残機を減らす。 「アチチルノ」も彼女だけ倒し、勝利した。 17 25~ 墨姫に勝利 次の相手はアズリエルたそ。 早速「クリスマスジャガーマン」という親変更もってこいのタゲを引いてしまい 残機を1減らされる。 だが、「Mongori」を彼女だけ倒し1vs1になり、 「オメガトムばすー」も彼女だけ倒し勝利した。 21 12~ アズリエルたそに勝利 迎えた準決勝。相手はBeatrix Repha。 「進撃 or 撤退」で彼女だけ倒しリードするが、 「混沌ぬこXXX」という親変更もってこいのキャラを引いてしまい1vs1に。 結果、「殺神貴試験体Mk2ver.A」を15分経過で倒せず敗北。ベスト4となった。 にっこり笑顔のBeatrix Rephaの前で白目を剥いて驚く彼女が映し出された。 17 15~ Beatrix Rephaに敗れる EPISODE4 「Mentee and Mentor Pair Battle」※未脱落のため未完成 「Mentee and Mentor Pair Battle」で彼女が「滅び」という早苗と組んだ。 相手は狂い月と殺人鬼レナ。 「滅び」をフォローする形で「幽雅」と「魔理沙の目」を倒し 最後は「鬼塚小町」を滅びが倒し目標の6ptの達し勝利した。 主催の更新ペースもあってか、現在進行形で脱落していない。 27 10~ 狂い月と殺人鬼レナに勝利 EPISODE5 「屈辱のStruggle Quartret」 Struggle QuartetでTeam Wealのメンバーとして出場した。 相手は「TimeEater」という汎用化け物。 saint-of-silver11pで「終焉【夢幻泡影】」が命中し、いいとこを見せる。 が、「Dc-003」という親変更もってこいを引いてしまい敗北。 静かなオーケストラ同様、TimeEaterの餌食となった。 しかもチームは敗北。刹那が頑張ったのにこの仕打ち・・・ TimeEaterに敗れる EPISODE6 「古新乱舞 -Conflict of Period-」 迎えた「古新乱舞 -Conflict of Period-」。 opでは彼女の姿はなかったが、Part8で援軍として登場。 援軍10人では唯一親変更を持っておらず、「マルチドナルド12p」などを引けば 0勝1敗で脱落、なんてこともありえた。実際、このページを書いた人もそう思っていた。 15 01~ アマネ=セレスタイト登場シーン MGO3を終え、主催が新PCで動画を作ることとなった2020年12月。part12。 ついに出番は来た。相手はマシロふぁんぐ。 「破壊者ぐだ子」を倒しリードすると、 「ちびアザゼル」で専用対策が炸裂し勝利・・・となるはずだったが なんと「アザゼル」の専用暴発で撃破失敗という失態をかました。 それでも「デカコハク」12pの専用はちゃんと機能し勝利。初戦を飾った。 18 11~ マシロふぁんぐに勝利 その後、引きこもり、気が付けばPart52。 彼女の2回目の出番が来た。相手は殺人鬼レナ。 「強化ラドン」を殺人鬼レナが倒し彼女は専用。 ...だったのだがなんと専用ミスにより撃破失敗。先制されてしまった。 ルナ氏のブログによると「このタゲ用の削り記述がなかった」とのこと。 それでも「げっだんこぁ」の専用対策は演出も機能し、 相手は20分経過で強制宣告の「終焉ノ刻」を撃つことすらできず追いついた。 「沼」で親変更でズルできるとのことから、またリードされる、と思ったが、 「イキガミ・レリエル」で普通に撃破。決着はつかず、Part53へ・・・ 「アレンジワドルディ」12pを専用で削り殺し、 「クラルーツ」1pで相手が宣告自滅でKO負けしたことを横目に 専用対策が炸裂、暴発もミスもなく削り殺し、「クラルーツ」最後っ屁の強制宣告を耐え勝利。 殺人鬼レナを脱落させた。 15 33~ 殺人鬼レナに勝利し、脱落させる 引きこもった結果、最後の5人にまで残った。 最後の5人では唯一、親変更を持っていない彼女。 静かなオーケストラが脱落した次のPart、Part69で彼女の出番が来た。 相手は静かなオーケストラを脱落させたリミカGE。 「KFM-ZERO」でリミカGEがKO負けしたことを横目に 「シニガミ・ネフィリム」で即死させリードする。 そして「FT-Nanaya」を倒し、マッチポイント。 あと1pt取れば勝利というところまで来た。 ...がなんと「死神&ケンシン」という☆3.6(難易度やや難)で リミカGEが撃破したのに対し、彼女はなんと「終焉【夢幻泡影】」を撃ってしまう。 もちろんKO負け、追いつかれ、サドンデスとなった。 ちなみにエンコ後の更新では「死神&ケンシン」を倒せていたという。もったいない・・・ こうして1partやっても決着はつかず、Part70にまでもつれ込んだ。 激闘の末。「カグツチ」を引いた。 リミカGEは「オールオーバー」による自滅でKO負け。 そして彼女は専用対策。 「クラルーツ」同様暴発もミスもなく削り殺し勝利。 勝利ポーズで後ろを向き、リミカGEを脱落させた。 14 54~ リミカGEに勝利し、脱落させる しかしその次の試合でBeatrix Rephaが琥珀にゃんに3partに及ぶ戦いの末敗れ脱落。 新世代最後の一人となってしまった。 歯車となったBeatrix Rephaに駆け付ける。するとBeatrix Rephaの幻影が現れ、 彼女は膝をついた。そして、本来喋らないはずの彼女が喋った。 そして立ち直り、「まだだ、まだまだ!!」と歯車を持ちながら言った。 彼女は後ろを向いた。その前でBeatrix Rephaを脱落させた琥珀にゃんが現れ、 指をさした。彼女は言った。「これで、終わる・・・」と。 こうして、最終決戦が幕を開けた。 2021年12月28日。 琥珀にゃんとの決戦が始まった。 親変更がないので、親変更もってこいタゲを引けば負け。 最初は「D日向義仲」7pで「終焉【夢幻泡影】」を撃ってしまいKO負けを喫し、 琥珀にゃんは専用で削り殺し先制される。 だが、「Anonymous_Ferrum」で仕分けのやってることの差をつけ追いつく。 サドンデスに入り、琥珀にゃんが専用している「普通京」10pを引いてしまう。 「終焉【夢幻泡影】」を撃ってしまいKO負け。琥珀にゃんは・・・ なんとこれも宣告ミスでKO負け。助かった・・・ 1part丸ごとやっても決着はつかず、2part目に入る。 しかし、ここでも決着はつかなかった・・・ ちなみにその動画の最後に、「次回、決着!」と金文字で書いてあった。 迎えた2022年1月9日19時。 戦いは決着を迎えることとなる。 琥珀にゃん「チャンネルは、そのままです!ふふふふ、一年専心・・・」 アマネ=セレスタイト「これで、終わる・・・」 琥珀にゃん「料理して差し上げます。燃え尽きてくださいまし!」 (This is gonna be a match remember!) アマネ=セレスタイト「今こそ滅びの時だ!!」 (FIGHT!!) ☆4.5「Reaper_Kain」を専用で削り殺し、琥珀にゃんは汎用。 アマネさんの勝利かと思われたが・・・ なんと汎用即死。まだ決着はつかない。 そして迎えた、No.617... 「ニコニコ本社」12pであった。変数弄り要求タゲ。☆4.1。 彼女は「イキガミ・レリエル」で削り殺した。 琥珀にゃんは...20分経過。今度こそ彼女の勝利であった。 親変更持ってこいタゲを引かなくて良かった。 彼女は喋った。「終わりです」、と・・・ 琥珀にゃんが石化し、塵となり消えるのを見届けると... 彼女は左に向いて歩き、新世代の背景の真ん中に立った。 そして彼女は喋った。 「...任務完了。」と・・・ 「新世代」は勝利した。 紙吹雪の中、アマネさんは勝利ポーズを取った。 彼女の記録 4勝0敗 これだけ見てると、「親変更を持てば鬼に金棒」に見える。 28 08~ 琥珀にゃんに勝利し、チーム勝利 決着から2ヶ月後の2022年3月9日19時。 EDが投稿された。 Imaginary Number「ご堪能頂けたかね?」 アマネ=セレスタイト「終わりです。」 (WINNER!)(歓声) Imaginary Number「ここが終焉だ。」 Imaginary Numberと会話するが、Imaginary Numberにスルーされてしまう。 白目を剥いて驚いた後、走ってImaginary Numberの後を追った。 ターゲットを振り返りながら、Imaginary Numberの後を歩いた。 歩いた先に、新世代のメンバーがいた。そしていつもの勝利ポーズで締めた。 手に入れた称号は「ラストファイブ」「リーサルウェポン」「全てを終えし者」そして「東方不敗」であった。 当初は親変更がないという点で新世代援軍最弱だと思われていたが、 ここまで勝ち残ると最弱とは言えないだろう。 15 00~ 最終戦績 EPISODE7 「MUGEN God Tournament 第2回浄天杯」 2019~2020年公開キャラで最強を決める大会がルナ氏本人で開催された。 彼女は主催枠で登場した。 予選第8試合、死神舞と対戦。 「フィンステァニス」を倒しリードすると、「オム君」を倒して勝利。 新神に洗礼を浴びせ、本戦進出となった。 死神舞に勝利 本戦の初戦では雨水七映と対戦。 「Decoration_Charlotte」で相手がKO負けしたのを横目に汎用で 「憑依解放【アマネ】」を発動した直後に倒し、リード。 最後は「荒ぶる文(パッチ)」を倒し勝利した。 雨水七映に勝利 次の相手は愛乃すぃか。 ☆8を連続撃破したところで次のpartへ。 古新乱舞で琥珀にゃんとの決着が着いた2022年1月9日。 2part目に突入した。 「BURNING SUPER DEATH SWORD」を「イキガミ・レリエル」で倒し、 相手はAssertエラーで撃破失敗し先制。 が、古新乱舞と違い決着付かず3part目に突入。 迎えた2022年1月30日。 誰もが決着付くだろうと思っていた。 迎えた「うまい棒(コンポタ味)」2p。 彼女は・・・「終焉【夢幻泡影】」を撃ってしまった。 KO負け。さらに、愛乃すぃかは仕分け。1vs1となった。 「notkfm」1pを倒し、愛乃すぃかは強制宣告まで行った。 この「notkfm」は宣告タゲではない。アマネさんの勝利だ。 と誰もが思ったが・・・ 愛乃すぃかは喋った。「よかったよかった。」と。 表示されたのは「A-suika Wins」。そう。強制宣告が命中したのだ。 こうして、また1partやっても決着はつかず、前代未聞の4part目へ・・・ 2022年2月22日。part32が投稿された。 「ユヴィッチネント氏パッチ入りマスタークリス」を引いた。 特殊構造じゃないと汎用は無理で、☆10であった。 彼女は専用対策していた。勿論暴発もミスもなく、 「イキガミ・ノア」を炸裂させ、倒した。 愛乃すぃかの番だ。汎用オンリーなので、ついに終わる。 数分後。 愛乃すぃかはまたあの技を繰り出した。 「ぐるぐるぐる~!とにかくすっごい...」 腕をぐるぐる回し、愛乃すぃかは... 「愛の鉄拳パーンチ!!」 腕を地面にたたきつけ、「KO」の文字が出て、 「ユヴィッチネント氏パッチ入りマスタークリス」側のライフバーごと消し飛ばした。 が、何故か猛抗議するように「マスタークリス」はオロチの姿となり、全画面攻撃を繰り返した。 その数秒後、ついにこの時が訪れた。 4回目の「マスタークリス」がオロチの姿になって全画面攻撃をした時であった。 愛乃すぃかの頭上で、消し飛ばしたライフバーが降ってきたのだ。 そして、愛乃すぃかとごっつんこ。 そして表示された文字は「Master Orochi Wins」。 愛乃すぃかはKO負けを喫したのだ。 「愛の鉄拳パンチ」こそ愛乃すぃかの強制宣告なのだ。 こうして2ヶ月(4part)に及ぶ愛乃すぃかとの闘いは終わった。 激闘の末、勝利した。親変更もってこいが来てたらと思うと・・・ 愛乃すぃかに勝利 準決勝の対戦相手はデ=リーパー。 愛乃すぃかと同じ親変更持ちだが、探査は持っていない。 それにデ=リーパーの製作者が引退したため、更新は見込めない。 「レリンクリッシュ」でデ=リーパーがKO負けしたことを横目に 「シニガミ・ネフィリム」で即死させ先制。 「超肉体派な博麗霊夢」を両者落としただけで次partへ。 両者撃破を繰り返した末、 「耐神用改変素材KFM」という☆10中☆2のタゲでデ=リーパーが宣告すら撃てず 20分経過で撃破失敗。第1回で逃した決勝進出のチャンスが到来した。 結果、「イキガミ・ノア」の連発したのちKO勝ち。 第1回では逃していた決勝進出を果たした。 デ=リーパーに勝利 そしてもう一つの準決勝では黒橙式がImaginary Numberを破った。 すなわち、彼女の決勝の相手は黒橙式となった。 技同期+親変更なしの彼女に対し、相手はチャート+究極の削り+親変更。 汎用では少し負けているが、黒橙式は専用を持っていない。 ということで専用に頼るしかないが、果たして主催優勝がありえるのか・・・? まさか親変更なしで親変更持ちがいっぱいいる大会で優勝なんてこと、あるのか? そんな不安を胸に、「オンゲキBrightMEMORY」が大盛り上がりとなった 2022年6月23日19時00分。 Part37が投稿された。 ついに、黒橙式との1partに渡る決勝戦が始まった。 金髪の彼女と、黒髪の黒橙式。 親変更なし快挙への再挑戦が始まった。 最初のターゲットは「BBBカイン」12p。 「バナナボートに乗ってビーチバレーをするカイン」が正式名称。 難易度は低かったため、「イキガミ・ノア」連発であっさり倒した。 黒橙式も華麗なナイフ捌きで、ターゲットを倒す。 「EW美鈴G」7pは「シニガミ・ネフィリム」で撃破したアマネ。 しかし、ここでなんとZAF氏の撃破挑戦用タゲである「kfm0x02」が・・・ 2pであった。マイナスの精密フローにNoko条件、さらには耐性強化というZAF氏のやばいやつ。 アマネは・・・「終焉【夢幻泡影】」を打つまで到達してしまった。 勿論KO負け。黒橙式は対応していたため、先制されてしまった。 後がなくなった彼女。 次のタゲは・・・「葬バナナヤ」6pであった。 削りが最適だが、宣告も通すことも可能。 ただ、耐性が高いため、精度が良くないと・・・ しかし、アマネさんは削ることができず、また「終焉【夢幻泡影】」まで到達。撃ってしまった。 だが宣告も通せる。「KO」が出た。 だが。 「KO」が出て数秒倍速再生になり、1倍速に戻った瞬間であった。 MUGENの画面に小さく出たのは・・・ 十字架で見えにくいが「soubananaya Wins」であった。しかも「葬バナナヤ」側に1winが・・・ 右側のターゲットのポトレに傾いた赤い「KO負け」「撃破失敗」がフェードインした。 終わった。やはり親変更なしでは無理だったのか。 黒橙式のナイフ捌きを眺めるしかなかったアマネさん・・・ 万事休すであった。 しかし、試合は異常に時間が掛かる。 カットしてから暫くして・・・ 白い光が包む。「黒橙式」のカットインがあるが、光で顔は見えずらい。 バナナを3WAY方向に投げる黒いバナナヤと左端から真ん中へ移動する「黒橙式」。 黒いシルエットの「黒橙式」が中央に達した瞬間、「黒橙式」は膝をついた。 地面に武器のナイフを突き立てようとして、黒橙式は・・・ 「お前が落ちろ・・・」 こう言った直後であった。 黒橙式はナイフを振り下ろし、地面に刺した。 画面が赤くなる。「KO」の文字が出る。 画面が真っ暗になる。 数秒後、画面全体を覆う翼のエフェクトと共に、MUGENの画面が明るくなる。 「葬バナナヤ」の本体の前に、ナイフが地面に刺さっていた。 Roundstate=4であった。 アマネさんは、黒橙式に敗北してしまったのか。 宣告の精度が勝敗を分けたのか。 否。 画面全体を覆う翼のエフェクトが終わった直後に表示されたのは、 これまた上寄りの中央で小さな「soubananaya Wins」と ターゲットのポトレを覆う傾いた赤い「KO負け」「撃破失敗」であった。 そう、両者撃破失敗である。残機変動なしである。 実はシルエットの黒橙式がナイフを振り下ろし、「お前が落ちろ」と言いナイフを地面に突き刺すのは 黒橙式の強制宣告なのだ。 彼女は、強制宣告で自滅したのであった。 助かったアマネさん。しかし劣勢は変わらない。 次のターゲットは「真祖こぁ」。 ターゲットが決定してトランジションした次の瞬間・・・ アマネさんは灰色の体で、半透明状態になっていた。 青い白文字で表示されているのは「専用」 そう、アマネさんは専用対策をしていたのだ。 ガバもなく削り殺し、元の色に戻り、ラウンドも以降する。 黒橙式は、あの宣告まで行き撃ってしまいKO負け。 これで、1vs1。次分かれた瞬間、決着が着く。 ついに専用で一矢報いた。次「げっだんこぁ」など専用しているタゲを引けば優勝だ。 次のタゲ、選ばれたのは・・・ 「SYUSYO」12pというイグニスであった。 リダ偽装での高速削りを意識しないと削れない。 撃破演出が出ても油断は禁物。邪魔すると一からやり直しになる。 アマネさんの番だ。 だが少ししか削れない。時間が過ぎていく。 そして彼は・・・ 「SYUSHO」12pのHPを半分に削ることすらできず、「終焉【夢幻泡影】」を打ってしまったのであった。 勿論KO負け。技同期では厳しかった? 黒橙式の番だ。この人が撃破すると、今度こそ敗北。 黒橙式は削りは削りの鬼「季節風」氏監修。 削りタゲに強いこともあって、アマネさんに「敗北」の二文字と「準優勝」の三文字が頭を過ぎる。 諦めがつく。やはり親変更なし+技同期では縛りなし大会を優勝することは無理だったのか。 削りが優秀が故に、黒橙式は華麗なナイフ捌きで「SYUSHO」のHPを少しずつ削っていく。 カットを重ね、気が付いたら「SYUSHO」のHPは3分の1を切った。 それでも黒橙式はナイフと刀で攻撃する。 「SYUSHO」のライフは、1cmまで来ていた。 そして次に「SYUSHO」のHPの青いゲージが見えなくなり、黒橙式が着物の姿で刀を振った時だ。 大きい隕石が降ってきて、黒橙式の演出のノイズに紛れて・・・ 「KO」 ノイズで見えないが、KOが出た。 アマネさんにとって、無情であり、非情のKOであった。 黒橙式はナイフと刀捌きの手を止めた。 オレンジ色の「SYUSHO」というイグニスのマントに隠れ、Roundstate=3をやり過ごした。 数秒後、黒橙式はしゃがみ、ナイフを取り出すと・・・ それを振り、MUGENの画面が赤く染まった。 染まる途中、右側のターゲットのポトレに金色で傾いた「撃破成功」の文字が出た。 そして真っ赤な画面に、「Kokutou Shiki Wins」とその文字を右半分隠す一瞬の黒橙式のカットインが出た。 黒橙式は喋った。「じゃあな。」と・・・ アマネさんはRoundNotOverを信じた。 だが、画面は暗転し、ラウンドは移行した・・・ こうしてアマネさんは黒橙式に敗れ、準優勝に終わった。 親変更なしで二度の準優勝、しかも最後はどちらもillness氏に敗北・・・ やはり縛りなしの大会で親変更なし+探査なし+技同期で優勝するのは無理なのか・・・? そう思っていたが・・・ なお、主催のブログによると、 「彼女的に倒せたんだろうなってタゲを落として順当に負けた」とのこと。 黒橙式に敗れ、自身2度目の準優勝 FINAL EPISODE 「M.G.T.リスペクト」 M.G.T.リスペクトでは初っ端から元強豪の鬼巫女Xと対戦。 延長戦にもつれ込んだ戦いの末、「#Lonly_Nanaya」で 「終焉【夢幻泡影】」が命中し、勝利となるはずだったが鬼巫女が疑惑の判定でKO勝ちとなり続行。 それでも「Tree」を鬼巫女Xが時間切れで倒せなかったのを横目に アマネさんは・・・「終焉【夢幻泡影】」を撃ってしまった。 もちろん「撃破失敗・・・」...ではなく 何故か「撃破成功!」であった。何があった。 暗くなってるとこをよく見ると、「Amane Seresterite Wins」が表示されている。 こうして鬼巫女Xに勝利し、初戦は突破した。 鬼巫女Xに勝利 次の相手はジェラシーというドナルド。 「ERDING of Metatron」で専用対策が炸裂・・・したのはいいものの 何故か倒せずTU判定負けという失態をかましたものの、(アルシエルとの専用暴発説がある) 「Arthas/LichKing.def」での専用対策はちゃんと機能し勝利。 Iブロックの決勝に駒を進めた。 ジェラシーに勝利 Iブロック決勝の相手は汎用の強豪「Dパルスィ」。 女神佐祐理を作った円氏のキャラである。 「Oracle氏パッチ入りイグのん」でDパルスィが隔離使われてKO負けしたのを横目に 専用対策を派手に決めKO。 KOが出た瞬間、タゲの画像が砕け散った。 アマネ=セレスタイトが勝利した。そう思っていた... しかし真っ白な左寄りのMUGEN画面と右寄りのタゲ情報に 数秒待って表示されたのは・・・ なんと、小さな「UNKNOWN-O Wins」の文字と画面中央くらいを横狭く覆う赤い「撃破失敗・・・」であった。 しかも、砕け散ったはずのタゲ画像がまた姿を現した。 専用対策が出て、なおかつKOが出たはず。何があったのか。 実はKOが出たと同時に、「ここは永遠...わたしの世界....」と表示されていた。 その技こそ、Oracle氏のパッチで隔離攻撃となった「えいえんのめいやく」なのだ。 Dパルスィもそれを食らっていてKO負けを喫していたのだ。 そして、アマネさんの専用が失敗していたのだ... 何があったのか?実はルナ氏のブログ記事によると、 「高速削りのために混線干渉したいがいざ干渉の準備をすると このキャラの構造上全く削れなくなる」ため、 「専用ガバが起きやすく、仮に上手くいっても運ゲーみたいな状態で放置されていた」とのこと。 専用ガバしすぎ... ちなみに撃破確認のコーナーでは「改変パッチ入り神みずか」が倒した。 その後も戦いは続き、 「STG氏パッチDKFM」でDパルスィが恨符「丒の刻参り七日目」で倒れたっきりで30分経過で撃破失敗。 それを横目に「イキガミ・ノア」連発で即死させ今度こそ勝利し、Iブロック代表となった。 Dパルスィに勝利 そして時は流れ、2022年7月3日午後7時。 親変更なし快挙への挑戦ラウンド3が始まった。 決勝戦の様子が投稿されたのである。 彼女の制覇を2度も阻んだillness氏のキャラは黒式しかいない。 (TimeEaterはJブロック予選決勝で空集合に敗れ、黒橙式は敗者復活戦で脱落、ナタリア・フォーリンアビスはBブロック予選でQネクに敗れ、これまた敗者復活戦でも脱落) しかし壁はまだ存在する。MGVWで戦ったFS蛟、琥珀にゃん、ウブウアウト、空集合、白魔導士の5名だ。 彼女は親変更を持っていない。「マーシャル」12pや「マルチドナルド」12pを引けば、確実に脱落する。 果たして親変更なしでどこまでいけるのか・・・? まず最初のタゲは「Middle-God-Challenge」2p。 最後は「シニガミ・ネフィリム」でバルパトス即死ルートの条件を満たして撃破。 その後11~15位決定戦が行われたため、決勝戦Part1の出番を終えた。 1週間後の2022年7月10日午後7時。 決勝戦のPart2が投稿された。 しかし概要欄の1行目には「優勝候補、続々脱落」と書いてあった。 まさか、彼女が脱落したのか・・・? 親変更要求が来たのか・・・? その動画の最初のタゲは「supercell-R」という幽々子。 削りタゲではあるが、普通じゃない削りをするとライフが全回復、 さらにAlive偽装をしていると論外化するタゲであった。 アマネさんは・・・「イキガミ・ノア」の後に「イキガミ・エリー」を放った瞬間、 タゲが即死した。倒したのだ。 しかし、ここで空集合と白魔導士が脱落。空集合に至ってはKO負け。 そう、「優勝候補、続々脱落」は、空集合と白魔導士の事だった。 この後8~11位決定戦が行われたため、決勝戦Part2の出番を終えた。 2週間後の2022年7月24日午後7時。 決勝戦Part3が投稿された。 その最初のタゲは「チープマリオ」。 ...だが彼女の青い白文字で表示しているのは、「神版」ではなく「専用」。 どうやら、専用対策を持っていたようだ。 ミスも暴発もなく無事「イキガミ・ノア」で削りKO。ちゃんと機能したようだ。 しかしこの後5~7位決定戦になったため、決勝戦Part3の出番を終えた。 1週間後の2022年7月31日午後7時。 決勝戦Part4が投稿された。 「普通ミズチ」を専用対策で倒すと、その後の「NothingNull」8p、「天空の龍神 レックウザ」7pを倒し、 「黄桃(Pixel)」を専用対策、「イキガミ・ノア」を常に放ち続け、 地道に削り、ミスも暴発もなく撃破。 ここで琥珀にゃんが30分経過で脱落。4位。 ついにFS蛟、ウブウアウトとの1~3位決定戦にまでもつれ込んだ。 それ以降は全員撃破。 rakurai氏の「コロナ」という撃破難易度極難があったが、全員専用対策で撃破した。 1週間後の2022年08月07日午後7時。決勝戦Part5投稿。 ついに、この時が訪れることになるとは・・・ 「3rdデススター」と「808080」12pは難易度易だったため、全員撃破。 迎えた次のタゲ・・・ 「DefeatChallenge-EG_02」1pであった。 削りタゲであった。削ると10Fでライフ回復するタゲ。 アマネさんは・・・削ったのち、「イキガミ・ノア」で残りのライフを一機に削り撃破。 しかし・・・ ここでなんとあの最強格のFS蛟がKO負けで撃破失敗。3位が決定した。 ついに訪れた千載一遇のチャンス。あとは親変更要求を引かずにウブウアウトに勝利するだけだ。 だがウブウアウトも「マルチルノ」に続くようつべ勢殺傷力大会優勝の千載一遇のチャンスであった。 どちらも快挙であり、彼女の方が大きい快挙である。 次のタゲは・・・「踊るアルテラ」1p。 早速ウブウアウトがエラー落ち。試合開始すら進めなかった。 アマネさんの番だ。タゲ解説では・・・ 「条件は親変更変数弄りでカット可能、全領域親変更を行うことでタゲが取れる」 ...そう、ウブウアウトは優勝のチャンスを逃していたのである。 親変更持ってない彼女では「終焉【夢幻泡影】」を打つことすらできず30分経過。 撃破確認のコーナー行きとなった。 続く「複数のパッチ入りナイトメアブロリー」12pは「シニガミ・ネフィリム」で、 「天気雨」12pという小傘は「イキガミ・ノア」で、 「極道人形使い」12pはウブウアウトが専用で撃破したのに対し、 彼女は汎用で放置期間で何もしない状態で撃破し、ウブウアウトにない汎用力を見せつけた。 そしてNo.699、選ばれたのは・・・ 「ヘカーティア・ラピスラズリ」12p。 また東方キャラであった。削りで倒せるタゲであった。 ウブウアウトは・・・なんと削ったものの半分すら削れず、30分経過で撃破失敗。 さあ、親変更なし快挙への千載一遇のチャンスだ。これを撃破すれば優勝。 さあ、いけ、彼女。優勝するんだ。 こうして彼女は、「ヘカーティア・ラピスラズリ」に挑んだ。 順調に削っていく。技同期を利用して・・・ 色んな技を駆使して、地道に削っていく。 斬撃、大魔法・・・いろんなことを試みた。 そして、「ヘカーティア・ラピスラズリ」のライフがちょっとになり、 「シニガミ・ネフィリム」を放った時だった。 「KO」 出た。ついにこの時が訪れた。ついにだ。 そして、「Amane Seresterite Wins」が出て、「撃破成功!」の文字が出た。 しかし、まだ油断できないのがMUGEN。RoundNotOverがあるかもしれないのがMUGENの殺傷力大会だ。 そのRoundNotOverは・・・ 暗転する前にトランジションしたため、不明だったが、 こうして彼女は「M.G.T.リスペクト」の頂点に立った。 親変更なしが縛りなしの殺傷力大会で優勝するのは親変更登場以降史上初である。 128キャラ+敗者復活新人の中から親変更・探査なし+技同期が頂点をもぎ取ったのだ。 これは偉業であり、「強さに親変更は関係ない」ということが証明された瞬間でもある。 親変更・探査なし+技同期で縛りなし大規模殺傷力大会優勝!! 彼女は、親変更・探査なし+技同期で縛りなし大規模殺傷力大会を優勝した上位神である。 親変更と探査がなくとも、対応力と専用力さえあれば最上位神になれるのだから。 彼女の戦いはこれからも続く。 FS蛟から王座を奪い取る、その時まで・・・ 親変更探査無し+技同期で大規模殺傷力大会の頂点に立って3か月が経った。 あれから、検証が行われようど、殺傷力大会は開かれていなかったが...... EXTRA EPISODE 「親変更無しで勝負せんかい!招待状の無いプチ神トーナメント」 この大会が開催される3か月前、「M.G.T.リスペクト」で頂点に立った親変更の無い彼女。 しかし、彼女は本当に親変更無しで最強なのか? それを証明する大会が始まった。 彼女はLv3。故に残機1固定。 Lvが上の相手だと相手の残機が2になるハンデを仕掛けられていた。 初戦の相手は「samael」というKOFの禍忌。Lv2。 当然、相手がLv2なので相手残機2というハンデが仕掛けられる。 2022/12/28に投稿されたPart2は残機変動がなかったため、省略する。 2023/01/23。1か月くらいの時を得て、Part3投稿。 すると最初から動きがあった。 「STGf0394」であった。ターゲットの仕様上、試合中に会話をする。 当然10年前くらいから更新が止まっている「STGf0394」は、 2019年公開の「アマネ=セレスタイト」の事を知らないらしく、 オペレータールームは「ウハウハ?ぼちぼち?」と対戦相手の情報を教えてくれなかった。 邪魔だから通信切るといって、対戦相手の情報を調べるどころじゃなかったらしい。 「シニガミ・タナトス」でライフを削ったのち、 「イキガミ・ノア」で削り切り撃破した彼女。 そして「samael」は20分経過で撃破失敗。1vs1となった。 続くSDという幽々子は両者撃破失敗。 次のターゲットは「槍投げ萃香ちゃん」。 削りタゲである。しかし彼女は...... 汎用なのに専用対策を引いたかのように「イキガミ・ノア」をぶっぱ。 まるで即死干渉を狙っているかのようであった。 しかしカットして他の技を使うと、 彼女は「イキガミ・ノア」で撃破した。 「samael」はKO負け。つまり彼女の勝利となった。 これで負けてたら「M.G.T.リスペクト」の優勝者とは思えないという所だった こうして彼女は、ステージの真ん中でいつもの勝利ポーズを取った。 彼女は言った。「はい、終わりです。」と...... 天童アリスかお前は! samaelに勝利 次の対戦相手はAbyss_of_Heaven。 同じLv3同士だが、果たして......? そして2023年6月24日午後7時。 二回戦が始まった。Part12が投稿されたのだ。 Iブロックで戦う彼女とAbyss_of_Heaven。 黒いクローバーのトランプカードから出てくるAbyss_of_Heavenと、 赤いダイヤのトランプカードから出てくる彼女。 Abyss_of_Heaven「さて...」 Abyss_of_Heaven「恐れおののけ!」 アマネ=セレスタイト「砕け散れ!」 Abyss_of_Heaven「おとなしくしてもらおうか。」 アマネ=セレスタイト「輝きよ!」 「Ready?」 Abyss_of_Heaven「思い知るがいい.....」 「Go!!」 Abyss_of_Heavenの残機を示す、白いカインと黒いカイン。 彼女の残機を示す、2つのぬいぐるみ。 果たして、ここでも親変更無し最強を証明する事が出来るのか......? ちなみに本来は残機1同士だったが、追加ルールにより、 残機2同士での戦いとなったのである。 最初のターゲットはなんと「ブールブール」だった...... 専用対策の鬼である。2014年検定では最下位だった癖に 「MugenGodSpeedCrash」で下剋上をした結果決勝まで残ってしまった温泉卵。 専用安定だが、実は相性が良ければ汎用で倒せるらしい、が...... 「Abyss_of_Heaven」は20分経過で撃破失敗。 彼女の番。倒せば、差が付く。さあ、勝つんだ。 試合開始から50秒くらい後、M.U.G.E.N.の画面が突然ネガ反転した。 突然のネガ反転、一体、何があったのか? そして半透明で赤い長方形が表示され、その上に赤と白のグラデーションで「撃破失敗...」が表示された。 その下に、左寄りで「Time Over...」その下に右寄りの金色で「20分経過...」。 どうやら、「終焉【夢幻泡影】」を打つことすら出来なかったようだ......。 その為、「ブールブール」は撃破確認のコーナー直行となったのは言うまでもない。 次のターゲットはチルノっぽい。それは...... 「⑨Timer」だった......。あのマルチルノを作ったマイナー氏のキャラである。設定 11。 偽装アンチ要求やらガーステ固定アンチ要素やらTime要求やらと項目の数が多く、 それなりに面倒な類である。干渉拒否型。 彼女はいろいろ試してみた。しかし時計は正午から動かない。 試合開始から90秒後......「イキガミ・ノア」を放つ途中で...... 白い太い線が出た。それは無数に出てきた。 それは画面を覆いつくすように..... 「イキガミ・ノア」が終わった後、真っ白な背景に黒いヒビが...... それは砕け散り、白い翼と共に画面に大きく白い十字架が出てきた。 倍速になり、数秒後「K.O.」が出た。 しかし動画右側のタゲ画像は砕け散らない。 そう、それが...... 強制死の宣告技「終焉【夢幻泡影】」なのだから。 また倍速になり、等速に戻った後に、これが表示された。 十字架に隠れるが、「9Timer_option-11 Wins」と、 そしてM.U.G.E.N.の画面中央に赤い半透明の長方形が表示され、 その上に乗っかる赤と白のグラデーションで「撃破失敗...」、 その下に深紅の文字で「Lose KO...」、 その下に赤と白のグラデーションで「KO負け...」。 そう、彼女は強制死の宣告で自滅したのだ。 時を動かすことすら出来ない、M.G.T.リスペクト優勝者であった。 そして、「Abyss_of_Heaven」はと言うと...... Abyssモードの放置期間中に時が動き出した。 時計の針が動いたのだ。しかし時は0時20分を指した時に止まる。 そしてAbyssモード中のAbyss_of_Heavenが去った後...... 時が再び動き出した。効いている。 そして時計が再び正午になった時だった...... 砂嵐から、「チルノ」のカットインが出てきて、 「K.O.」ボイスと共に「⑨Timer」というのを示す動画右側のタゲ画像が砕け散り、 「⑨Timer」というチルノは氷漬けになった。 ピー音が鳴り響く。そのピー音が鳴りやんだ後、 分かりづらいが倍速になる。 等速になった後、この文章が表示された。 「Abyss_of_Heaven Wins」 そしてM.U.G.E.N.の画面に水色で半透明な大きな長方形のようなものが表示され、 その上に青と白のグラデーションで「撃破成功!!」と、 その下に「Knock Out!!」、その下に選手名を示す「Abyss_of_Heaven」が表示された。 残機が1つ減った。動画右下で、彼女の残機を示す1つのぬいぐるみが砕け散る。 ここから、逆転できるのか......? 次のターゲットは俺がベジータだ!と「Vegeta-ST」12p。 ブロリーからクズと呼ばれている癖に耐性は折り紙付き。 「ベジータピリオドモード」という名を冠している通り、 某ドナルド改変を元にしている。干渉は出来ないので即死不可なのだ。 ライフバーが粗ぶっている割に特定条件を満たすとライフを減らせるようだが、 その条件はなんとEnemy,Ver(26)=318、Enemy,Life=26という特定値偽装要求であり、 汎用性は皆無である。しかもそれでいて減少が非常に遅いためにどう考えても汎用は出来ない。 専用推奨であり、難易度は☆4.8。 案の定、Abyss_of_Heavenは20分経過、 彼女はまた、「終焉【夢幻泡影】」を撃った。 「K.O.」が出た後、十字架の背景の中、倍速になる。 当然、「Vegeta-ST Wins」と共に 赤い半透明な長方形がM.U.G.E.N.の画面中央に現れ、 そこから赤と白のグラデーションで大きく「撃破失敗...」の文字と、 その下に「Lose KO...」、赤と白のグラデーションで「KO負け...」の文字が現れた。 それは、「ベジータST」の撃破確認のコーナー直行とも意味していた...... ここまで1タゲも撃破していない彼女。 このまま乾杯完敗してしまうのか......? 次のターゲットは「りぐる・ないとばく」だったものの、東方に仕分けの洗礼。 ...彼女がKO負けを喫した「⑨Timer」も東方だったのだが。 Abyss_of_Heavenもここは放置期間終了後に削り切る。 その後「CODE-NAME_0」「Lemon Tree」は「イキガミ・レリエル」で削り倒す。 Abyss_of_Heavenもここは退ける。 次のターゲットは「ジン」と言うストリートファイターのブランカ。 某狩りゲ―のジンオウガ風のブランカ狂改変。当然ながら雷属性。 今回はもっとも耐久力のある設定である。 その設定、難易度6、肉質3。とにかくカチカチであり、極限化個体の真っ青な硬さである。 元々1ラウンドで倒すキャラではないだけに削り切るのが尋常ではないホドの時間がかかる...... ってなんかブルアカのボスの事が浮かんだような......? 狂であってもKOするとなれば神キャラでも苦戦する程である。 狩猟(しゅりょう)難易度、☆4.3。狩猟を終了させることができるのか......(ダジャレ) Abyss_of_Heavenの挑戦、試合開始から110秒後...... Abyss_of_Heavenは何かを考えた。そして翼と共に去っていった。 次の瞬間、M.U.G.E.N.の画面は左側が真っ黒、右側が真っ白になっていた...... そこから、真っ黒の方には下に白いカイン、真っ白の方には上に逆さで黒いカインが...... 「我らは誓わん!」 そう言って、画面に真っ黒の方は白いヒビ、真っ白の方は黒いヒビが入った。 そしてヒビが砕け散り、「K.O.」の文字が出たと同時に、 「ジン」というブランカのカットインが入った。 背景には白黒背景と白と黒の羽根がたくさん舞っている...... そう、それが...... Abyss_of_Heavenの強制死の宣告、終幕『Abyss of Heaven』なのだから。 速さが倍速になり、等速に戻る。 次の瞬間、表示されたのは....... 「JIN Wins」 そして赤い半透明の長方形が現れた。赤と白のグラデーションで出てきた文字は...... 「撃破失敗...」ではなく、「狩猟(しゅりょう)失敗...」であった。 凝っている。まるでモンハン風に凝っている。 これでチャンスが出た彼女。残機を減らすチャンスである。 「イキガミ・エリー」だのを試し、HPを削る。 そして、彼女の大技、「イキガミ・ノア」を放った時だった...... 「K.O.」 「メインターゲットを達成しました」 と共に斃(たお)れる瞬間の「ジン」のアップが映し出された。 そして「Amane Seresterite Wins」と共に、水色の半透明の長方形が映し出され、 青と白のグラデーションで表示されたのは... 「撃破成功!!」ではなく、「狩猟(しゅりょう)成功!!」であった。 その下に「Knock Out!!」、下に水色の「Amane Seresterite」。 Abyss_of_Heavenの残機が減る。残機を示すHeavenモードの方のカインが砕け散る。 その後「みにれみぼーなす」というレミリア・スカーレットは専用対策で撃破、勝利を確信するが、 Abyss_of_HeavenはAbyssモードで汎用撃破。両者このタゲを撃破した。 なんと、1part丸ごと使って決着が付かなかった。 まあ、残機が2同士なので、仕方ないことなのだが...... Abyss_of_Heaven「見誤ったか......」 アマネ=セレスタイト「逃がさない......」 Abyss_of_Heaven「君はもう、要は無い。」 彼女vsAbyss_of_Heaven その間にも季節は7月に入る。七夕の季節だ。 まずブルーアーカイブの世界では「グレゴリオ」というゲマトリアのマエストロが送る刺客が大暴れ。 それを止めるため、蒼森ミネだの空井サキだのと言ったSTRIKER枠や、 安守ミノリや花岡ユズ(メイド服)というSPECIAL攻撃枠を連れ、 即死攻撃が来る前に倒す戦術を下江コハルや白洲アズサ、陸八魔アル・ヒラルと共に立てるという、 素晴らしい総力戦となった。なお最高難易度のTORMENTは2凸されている。 BEMANI PRO LEAGUEのDDRのファイナルではSILK HATとROUND1がぶつかり、 大将戦で「Fascination ~eternal love mix~」を連れてきたO4ma.とZERO.のおかげで、 ROUND1がチャンピオンとなった。やはりROUND1だったのだ...... 2022年7月6日。七夕前日の出来事。 オンゲキでは「Regulus」が通常解禁。 さらには「Rainbow Rush Story」がmaimaiから移植され、 Beatmania IIDXではHEROIC VERSE以降姿を消していたDDRからの刺客「MAX 300」がANOTHER譜面を連れて復活。 maimaiでは「10周年ちほー2」が登場する事が発表され、 DDRではBREAKING THE FUTUREのCHALLENGE譜面が「ENDYMION」と同じ最高難易度の19として暴れた。 そんな中、この大会のPart13が18 50からライブ配信されることが発表。 どうやら19 00に動画再生を始めるようだ。 そうして、彼女とAbyss_of_Heavenのラウンド2が始まった。 Abyss_of_Heaven「さて、次の手は?」 アマネ=セレスタイト「光あれ!」 「Ready?」 アマネ=セレスタイト「今こそ滅びの時だ!!」 「Go!!」 Abyss_of_Heaven「恐れおののけ、我が炎の前に!」 最初のターゲットは......2022年に流行った「ぼっち・ざ・ろっく!」の「結束バンド」だった! それが、旧版で...... ギターを弾く、「後藤ひとり」のような人である。12pで、論外化は36000F。 試合開始直後に隙を見せるのでそこでハメれば倒せるらしい。 難易度☆4.3である。しかし試合開始直後に倒せなかった結果...... 「ぼっち・ざ・ろっく! 完」 「デデーン!(ききシリーズの不正解音の後半)」 ...と共に赤い半透明な長方形が現れ、赤と白のグラデーションで「撃破失敗...」、 その下に「MUGEN Crash...」その下に銀色で「エラー落ち...」。 そう、エラー落ちが起きたのだ。 さあ、これがチャンスだ。つかみ取れ、チャンスを。 試合開始から130秒後。 彼女は「終焉【夢幻泡影】」を撃った。 この時、「結束バンド」はギミック技の最中で、演奏をしていた...... それが、白い十字架の背景に変わった...... 「K.O.」が出る。そして..... 「Kessoku_Band_ver.0.6 Wins」 ...と共に赤い半透明な長方形が現れ、赤と白のグラデーションで「撃破失敗...」、 その下に「Lose KO...」その下に赤と白のグラデーションで「KO負け...」。 それは、「結束バンド(旧版)」の撃破確認のコーナー直行を意味していた...... 一般人なのに、なんてタフなキャラなんだ。恐ろしいバンドである..... その後「Terro」というラムバルドは「イキガミ・レリエル」で撃破、 「U美鈴」は「イキガミ・エリー」で撃破、「非常口」は「シニガミ・タナトス」発動直後に撃破。 「Blue End」という小悪魔は「イキガミ・ノア」で撃破し、記念すべき100体目である「当身トキ」は専用対策で撃破した。 そして迎えた次のターゲット.....北斗の拳のサウザーであった。 金カラーのサウザーである。普通のサウザーのように見えるが...... 「聖帝サウザー」kakeyぷらい氏のキャラである。 狂ランク改変のサウザーである。あのケンシロウに一度勝利した、あのサウザーである。12p。 ダメージ条件が特殊で。Defence=0でかなり特殊な構造を持つ。 相性が悪いと神キャラであろうと全くもう削れない事が多い。 耐性面はコードによる補助もありガチガチであり、即死不可である。 ちなみにHPが0になると「帝王の意地」という道連れ技を使うが これが強制死の宣告であり非常に強力。 Abyss_of_Heavenがまだ初期削り期間中、「聖帝サウザー」のHPが0になった。 「ぐぅあっ!!」 「聖帝サウザー」は怯んだ....... 「俺は聖帝サウザー...南斗六星の帝王... 退かぬ!媚びぬ!省みぬ! 帝王に逃走はないのだ―――!!」 「K.O.(テーレッテー)」 これが、「聖帝サウザー」の強制死の宣告、「帝王の意地」である。 しかし...... 「Abyss_of_Heaven Wins」 中位神(ランク核地雷)に、そんなものは通用しなかった...... 宣告でKO負けするなら挑戦者失格である。 さあ、彼女の番だ。これを倒して、次のターゲットに入るんだ。 まずは仕分け、これは耐えられる。そりゃそうだ。だって干渉不可だもん。 最初に放った大技は「イキガミ・エリー」。彼女は放つ。 耐えられる。これはタフである。 そして時間は過ぎ、「イキガミ・ノア」を放った時、 「ぐぅあっ!!」 「聖帝サウザー」はまた怯んだ....... そしてアマネ=セレスタイトが取った次に繰り出した技は...... なんと、強制死の宣告である、「終焉【夢幻泡影】」だった...... そして、聖帝サウザーも「聖帝の意地」という技の構えを取る。 十字架と共に...... 「退かぬ!媚びぬ!省みぬ! 帝王に逃走はないのだ―――!!」」 (テーレッテー) 何度世界が眩んでも陽炎が嗤って奪い去る。 繰り返して何十年。もうとっくに気が付いていたろ。 こんなよくある話なら結末はきっと1つだけ。 繰り返した夏の日の向こう。 引用 カゲロウデイズ/じんP お互いに繰り出された、強制死の宣告。 彼女の「終焉【夢幻泡影】」と「聖帝サウザー」の「聖帝の意地」が、ほぼ同時に発動したのだ。 まるでドラマのように、激闘を広げた。 そして倍速になり、1倍速になる。 「K.O.」 そう出ると共に、動画画面右側の「聖帝サウザー」を示すタゲ画像が砕け散った。 勝利したのは、彼女の「終焉【夢幻泡影】」だったのか? 「おお・・・」 「アマネだ!」 「あ~っと強制死の宣告の打ち合いは、アマネが聖帝サウザーを終焉【夢幻泡影】で切って落としたーっ!」 (これで両者撃破だ!) 「アマネ!」「アマネ!」「アマネ!」「アマネ!」 「さあ、あなた...」 「!」 そう、決まったのは...... 「HE-THOUTHER Wins」 なんと、「聖帝サウザー」の「聖帝の意地」だった。 ↓BGM 「HE-THOUTHER Wins」が表示されたと同時に、 砕け散ったはずの動画画面右側の「聖帝サウザー」を示すタゲ画像が再び姿を現した。 そして、赤い半透明の長方形が現れ、上に赤と白のグラデーションで「撃破失敗...」、 その下に「Lose KO...」、その下に赤と白のグラデーションで「KO負け...」が浮かんだ。 「キャア~ッ」 「ゲェ...聖帝サウザー...」 「か、勝ったのはアマネ=セレスタイトじゃなかったのか~~~っ!!」 そして、セビアになった「Abyss_of_Heaven Wins」が出た瞬間と共に、この文字が中央に表示された。 Abyss of Heaven のみが撃破に成功し、 対戦相手の残機がなくなったため、 Abyss of Heaven の勝利!! 森の奥でひたすら待つ あとどのくらい 生きるのかな? 見放されて流行という 時の摩耗に 勝てなかった 余計な感情(モノ)吹き込まれた→「永遠(トワ)に絶望すること」も せめて彼が もっと機械らしく 扱ってくれていたならば 引用 初音ミクの終焉(2018Remake)/cosMo@暴走P そう、彼女は、Abyss_of_Heavenに敗れたのである。 タッチの差で、「聖帝サウザー」に敗れ、2回戦敗退を喫したのである。 彼女は親変更無し最強ではなかった......折角M.G.T.リスペクトを優勝したのに、 「古新乱舞 -Conflict of Period-」で勝ち残ったのに...... 最強を証明できないとは、誰もが思わなかっただろう。 思えば、2020年は親変更無し最強だった...... なのに、バラム・ノーレッジに抜かされるわ、Abyss_of_Heavenに負けるわで...... もう、親変更無し最強伝説は1年限りだったのかも知れない....... バッと押しのけ飛び込んだ、瞬間トラックにぶち当たる 血飛沫の色、君の瞳と軋(きし)む体に乱反射して 文句ありげな陽炎に「ざまぁみろよ」って笑ったら 実によく在る夏の日のこと。 そんな何かがここで終わった。 引用 カゲロウデイズ/じんP 彼女は、驚きながら、スポットライトに充てられていた...... スポットライトが熱い。プリコネのクルミ(ステージ)の言葉を借りて言うならば、 「スポットライトが熱いよ~!」 まるで彼女をあざ笑うかのように、ライトは彼女の下を向いていた...... 彼女は白目になった。食らい動作をしながら...... 「う、うぅ......」 「ぐっ......」と言って下を向いた瞬間、 文字別に左右に揺れた赤い「脱落」の二文字が浮かんだ。 彼女は地に伏した。まるで気絶させられたように...... 何故、彼女は親変更無し最強ではなくなったのか......現実を受け入れらレナモンい。 彼女は意識を失った。目を閉じたのだ...... 「脱落」の文字が出た後、彼女を示す赤いダイヤのカードが倒れた彼女の上に浮かび...... 「脱落」の二文字が揺れた後に、彼女を示す赤いダイヤのカードが斬られる。 彼女を示す赤いダイヤのカードが、斜めに一刀両断された。 なすすべもなく、斬られたのだ。 彼女の体が光る。真っ白に光る...... そして彼女は、光となって消えたのであった...... まるで、儚く、跡形もなく...... 聖帝サウザーとの強制死の宣告の打ち合いの末、Abyss_of_Heavenに敗れ、二回戦敗退...... 目を覚ました8月14日のベッドの上 少女はただ 「またダメだったよ」と一人 猫を抱きかかえてた 引用 カゲロウデイズ/じんP EXTRA EPISODE2 「Evolution God Tournament」 そして、この大会の出場権が渡された。 当然、本戦枠であった。 彼女は、Aグループで舞妃小蓮?と戦うことになった。 さあ、5か月のブランクを経て、ついに初優勝以来の試合が始まる。 あれから更新を重ねたんだ。M.G.T.リスペクトで強化パンドラボックスに負けるような元最上位神に負けるわけがない。 そう言って、彼女と舞妃小蓮?の試合が始まった。 彼女は「べしましなり氏の動画」とは違い喋らない。 それでも舞妃小蓮?と戦う。 最初のターゲットは「グローリア」という十六夜ノノミ咲夜...のようなオリキャラ。11p。 ☆3.8だったため、「イキガミ・レリエル」で削り倒した。 当然、舞妃小蓮?も落とさない。 次のターゲットはなんと「Immortal Devil」7pという小悪魔であった。 削りがよくなければ2147483647バリアが完成し、宣告でしか通さなくなる。 そう、宣告...... 「シニガミ・ネフィリム」を放とうとした瞬間、あの小悪魔の下の数値が2147483647になった。 そして彼女は、「終焉【夢幻泡影】」を放った...!! 翼の背景と共に、十字架が移る。 そして、「KO」の文字が出た。 多分対応しているはずだ!やったか!? 「Immortial Devil Wins」 「アマネ=セレスタイト 撃破失敗 撃破数変化無し」 「PERFECT」 「帰って寝よ......パーフェクトだ。」 アマネ=セレスタイトは絶望した。宣告のタイミングが、外れていたのだ。 運が良ければ、汎用撃破が出来る。だがその運に見放されたのだ。 彼女が倒せないのなら、舞妃小蓮?も倒せないだろう。 彼女は撃破確認のコーナー直行を信じた。 2147483647バリアが張られ、舞妃小蓮?は... 「一撃必殺!受け止めきれるかな?」 彼女の持つ「月華美人」というチャクラムをワープゾーンに見立て、舞妃小蓮?は... 「ごっつんこ!」 「D.K.O.」 「D.P.Syaoren Wins」 「舞妃小蓮 撃破成功 撃破数1→2」 先制された。相手の方は宣告が刺さっていた。 ここから先は専用を引かないと負けだ。 技同期・親変更無しなので「マーシャル」や「マルチドナルド12p」、「旧鬼巫女12p」といった親変更必須キャラを引いてもアウトだ。 ランセレ運に賭けるしかない。そう願って...... 続く小ネタkfm6は両者撃破失敗。 そして迎えた、「kfm_bt4」...... 「イキガミ・ノア」を決め、「kfm_bt4」を撃破する。 だが、「舞妃小蓮?」が撃破してしまえば、逆転のチャンスを逃したことになる。 が!!!!! 「舞妃小蓮?」と「kfm_bt4」の試合中、突然M.U.G.E.N.の画面が止まった。 一体、何があったのか? しばらくすると、M.U.G.E.N.の画面がモノクロになり・・・・・ 動画の真ん中部分に狭く、このメッセージが表示された。 「舞妃小蓮 撃破失敗(エラメ無し落ち) 撃破数変化無し」 そう、エラー落ちだ。 M.U.G.E.N.ではエラー落ちは当たり前だ。 彼女はついに、勝負を振り出しに戻した。同点である。 そして「恋恋」を両者撃破失敗したところで、 撃破数が2-2で同じになり延長戦に突入。 したところで、戦いはPart2に持ち越された。 1part丸ごとやっても決着がつかなかったのだ... 1週間後の2023年1月20日、Part2が投稿された。 次のターゲットは「サワキちゃん」12p。 早速彼女が挑戦。すると...... 彼女の姿が見当たらない。 映っているのは、黄金で浮いているサワキちゃんと...... 「彼女の偽りのライフゲージ」の下にある「専用」だけだ。 そう、専用対策だ。彼女は、都合よく専用対策を引いた。 問題は「M.G.T.リスペクト」の「Oracle氏パッチ入りイグのん」のように専用ミスをしないか、だ。 果たして、専用ミスなく削り倒すことができるのか......。 不動の「サワキちゃん」。その間にも、サワキちゃんのライフゲージが削られていく。 え?長江衣玖?あ、ダジャレ思いついたかも! 「長江衣玖が長くなっていく!」寒いか。 そうしてる間にも、「サワキちゃん」のライフの青い部分は狭くなる一方。 このまま押し切れるか? ついに青い部分がギリギリになった!これはやったか!? 「KO」 専用ミスもなく削りきった。恐るべし、対応力抜群の彼女。 しかし問題は「舞妃小蓮?」も撃破しないかだ。 撃破失敗を祈る彼女。 そして、「舞妃小蓮?」はまたあの技を繰り出した! 「一撃必殺!受け止めきれるかな?」 彼女の持つ「月華美人」というチャクラムをワープゾーンに見立て、舞妃小蓮?は... 「ごっつんこ!」 舞妃小蓮?は突っ込んだ。まるで、「当たって砕けろ!」と頭の中で考えるように...... しかし、「サワキちゃん」にそれを躱され..... 彼女は倒れこみ、死体蹴りに金色のビームを食らった。 そして、「Sawaki-chan wins」と、「舞妃小蓮 撃破失敗」の文字が浮かんだ。 そう、彼女は親変更無し・技同期型で、親変更あり・コード使用・汎用オンリーの舞妃小蓮?に勝利したのである。 そして彼女は上に表示される「Amane Seresterite WIN!!」という文字の下で・・・ 彼女はいつもの勝利ポーズを取った。 舞妃小蓮に勝利 次の対戦相手は死神舞。 削りが得意な季節風氏のキャラである。 専用対策も搭載されており、相当の強豪である。 そうして2023年4月28日午後8時。 死神舞との決戦が始まった。 死神舞は削りが得意である。削りの鬼だ。 しかし「M.G.T.リスペクト」ではAbyss_of_Heavenに敗れて予選落ちをかました女だ。 対して彼女は「M.G.T.リスペクト」優勝だ。 予選落ちごときに、負けてたまるか。 最初のターゲットは「ヘルマスターギース」12p。 かつての矛であり、今は削りタゲのターゲットである。 親変更未満の場合、タゲを渡せば宣告を打ってくれるらしい。 彼女は親変更を持っていない。早速リードのチャンスだ。 数分後。 ステージが真っ白になる。 「ヘルマスターギース」が仁王立ちし、彼女は「イキガミ・ノア」を放つ。 そして、「ヘルマスターギース」が後ろを向き、両手を上に掲げた。 そして「ヘルマスターギース」は...... 手の上から黒いブラックホールを2つ大きくし覆いつくした。 「イキガミ・ノア」も負けてたまるかと「災厄の目」を出す。 ステージ背景が真っ暗になる。 「イキガミ・ノア」を出し終えた彼女。 そして真っ暗な背景になってから「イキガミ・エリー」を放つ。 放った後動き回ったその時。 「K.O.」 KOが出た。直後、右側のタゲ画像であるギースの墓が砕け散った。 早送りして1倍速に戻った直後、 急に出現した倒れた「ヘルマスターギース」の前で勝利ポーズを取る彼女。 そして映し出されたのは当然...... 「Amane Seresterite Wins」 「アマネ=セレスタイト 撃破成功 撃破数0→1」 そう、宣告を耐えたのだ。 宣告が刺さる上位神がいるのかはよくわからないが、 宣告を食らってKO負けする上位神はいないと思う。 ...え?宣告? 実は「ヘルマスターギース」が「仁王立ちし、後ろを向き腕を上げ、手の上からブラックホールを放つ」 のが「ヘルマスターギース」の強制宣告なのだ。 そう、宣告誘発ルートで撃破したのだ。 「死神舞よ、親変更を搭載した事を後悔するんだな」と彼女は思う。 「親変更持ちでは宣告誘発できない」のだから。 さあ先制のチャンス、死神舞の撃破失敗を祈れ。 が...駄目ッ...! 無常にも死神舞は削り殺した。 それでも「ヘルマスターギース」にはRoundNotOverがあった筈。 しかしそのRoundNotOverは機能せず、ラウンドは移行した。 先制のチャンスを逃した彼女。 しかしまだこれからだ。 次のターゲットは「こと座流星群」というストリートファイターのベガ。 背景固定でベガのサイコクラッシャーが容赦なく襲い掛かる。 開幕から彼女は「イキガミ・エリー」を放った。すると...... ベガの断末魔が響き、「K.O.」が出た。 なんとほぼ瞬殺である。タゲ紹介中に撃破したのだ。 死神舞は......雨が降っていた。 どうやら専用対策していたようで、ミスもなく撃破した。 ちなみにこのタゲ、難易度はなんと専用推奨レベルの☆4.5だったのだ...... 次のターゲットは「スペースゴジラ」12p。 これは通常攻撃の応酬で撃破する。 死神舞は時間をかけながら撃破した。 次のターゲットは「F-KFM」1p。 落ち続けている煽るKFMみたいなものである。 落下即死で撃破できるらしい。1pは汎用圏内。 彼女は、「シニガミ・ネフィリム」を放とうとした瞬間「K.O.」。 ☆3.6をM.G.T.リスペクト優勝者が落とす訳がないのだ。 死神舞もここは撃破する。 さあ、最後のターゲットだ。 最後のターゲットは......「メガリス」というレミリア・スカーレットであった。 削り即死両方可能である。 彼女は「シニガミ・ネフィリム」で削り、直後に「イキガミ・レリエル」で撃破。 後は死神舞の撃破失敗を祈るのだが、難易度は☆3.6。 死神舞は最上位神だから、このタゲを落とす訳がない...... 案の定、死神舞は仕分け。東方に仕分けの洗礼を浴びせた。 撃破数両方5。全タゲ撃破。当然延長戦に突入。 この調子だと長い戦いになるかも、とD2nd氏は思っていた...... 彼女vs死神舞 そしてゴールデンウィークのこどもの日である、2023年5月5日午後8時。 延長戦の動画が登場した。 全タゲ撃破同士の戦いなので、2partまるごとの戦いと予想していた...... 中国風の構えをする彼女と、「...片づける。」と言う死神舞 激闘の延長戦が、幕を開けた。 延長戦最初のターゲットは「!!!-1」という小悪魔。 変数弄りで普通に倒せるがヘルパーのステ抜けが厄介であり、 特殊な方法の邪眼キラーを行う必要があるのだ。 意識したら汎用で行けるかもしれないものの、高難易度タゲである。 ちなみにちょっと難化した2pもあるらしい。 彼女は技を試みた。しかし「!!!-1」はKOされない。 そうしてるうちに時間が10秒を切った。 9、8、7、6、5、4、3、2、1。 彼女は最後の賭けである「イキガミ・ノア」を放った。 頼む、これで「K.O.」になってくれ。 が...駄目ッ...! 放った直後に「Time's up」。時間切れとなってしまったのだ。 ターゲットの背景に邪魔されて、彼女の姿が見えない。 倍速になった後、速さが元に戻り、次の文字が表示された。 「!!!-1 Wins」 「アマネ=セレスタイト 撃破失敗」 そう、彼女は判定負けを喫したのだ。 そして死神舞は...... 白い背景に、雨が降っていた。 本来の灰色の背景は見えないが...... そう、専用対策を組んでいたのだ。 そして死神舞は仕分けした。東方に仕分けの洗礼を浴びせるように...... 死神舞は、東方ターゲットを2タゲ連続仕分けしたのだ。 そして、目みたいな背景が画面を上書きした。 専用で差がついてしまった。 そう、それが......。 「終堕『DEAD END』」なのだから。 長くなると予想された、延長戦が1タゲで終わった...... まさか、1タゲで終わるとは思わなかっただろうか...... 信じられない。早すぎる終わりであった...... こうして彼女は死神舞に敗れた。 専用で負けた。親変更もク〇もない。 M.G.T.リスペクト優勝者が、M.G.T.リスペクト予選落ちに敗れるのは、屈辱だ。 アキノ「屈辱ですわ......」 2回戦敗退であった。親変更無しが。 これでバラム・ノーレッジが2回戦勝利したらさらなる屈辱であるが......? 追記 バラム・ノーレッジもTimeEaterに敗れ2回戦敗退しました。 死神舞に敗れる EXTRA EPISODE3 「ライフ反転タゲ殺傷力大会」 彼女はyoutubeの大会にも再び参加する事となる。 この大会の制限時間は15分+αであり、 録画の関係で最大で1分くらい伸びるらしい。 最初のターゲットは「A-Mikoto」1p。 これはタゲのライフ点滅音を鳴らしながら「イキガミ・レリエル」で退ける。 「トライヘキサ」も「シニガミ・ネフィリム」で撃破すると、 その後のタゲも撃破し続ける。 しらさぎ氏のNothingNullは「イキガミ・ノア」で撃破すると、 「ナタリア・フォーリンアビス」6pを「イキガミ・エリー」で撃破する。 「セレネv2」12pというチルノや「Revolution Solid Nabla」は「憑依解放【アマネ】」という 一時的にアマネが自身の肉体を取り戻した状態で撃破し、 「Sphele of Nameress」も「イキガミ・エリー」で撃破。 そして「血風」12pという七夜で...... 何故か彼女は翡翠みたいな姿になった。 そう、専用対策だ。彼女は専用をしていたのだ。 そしてそれはミスもなく削り倒した。 「Mバイス」10pは「イキガミ・ノア」で、黒白七夜は専用対策で、 「ティルフィング」という元矛12pも「イキガミ・ノア」でライフ0にし、 宣告を耐え撃破した。 「オリジナルゼロ-M-E-R」は「イキガミ・エリー」で撃破。 しかしなんとその次のターゲット「Kensin_A_mu」12pは15分経過で撃破失敗。 彼女が初めて撃破失敗という失態をかました。 彼女の今大会初めての撃破失敗 それでも「卵オールスター」は「イキガミ・ノア」で倒し、 「斬殺意志」Ver0.1というドナルドはタゲのデスジャという大魔法に合わせて 「イキガミ・ノア」で削り切った。屍小町も「イキガミ・ノア」で撃破。 「通り魔両儀」も「イキガミ・レリエル」で撃破。 静かなオーケストラが撃破失敗した「アマノジャク」1pも、 「シニガミ・タナトス」で撃破。 「チルノ-O」は汎用で何もしない期間中に撃破した。 「名前の長いカンフーマンLv60」11pも「イキガミ・レリエル」で倒す。 そして「Invert Nanaya」1pは「憑依解放【アマネ】」明けの「イキガミ・ノア」発動直後で撃破。 が、「Bloody Lancer」11pはなんと15分経過で撃破失敗。 「攻撃成功時にライフ全回復」なので技同期が故に詰んでいると思われる...... 彼女の今大会2回目の撃破失敗 しかし「フェノメノ」という奏こころは「イキガミ・ノア」発動後の通常攻撃で撃破。 そして「Hecate Scalet」10pで...... また彼女は翡翠のような姿になった。 左側の彼女の文字は「神版」ではなく「専用」。 そう、専用対策だ。彼女は専用対策を引いたのだ。 ...しかし試合は時間がかかる。 しばらくして、画面がモノクロになり、この文字が中央に表示された。 「15分経過」 そう、15分経過である。なんと専用ミスをしていたのだ。 彼女はM.G.T.リスペクトの「ERDING of Metatron」「Oracle氏パッチ入りイグのん」、 「古新乱舞 -Conflict of Period-」の「強化ラドン」から何も学んでいなかった。 専用が多い故の悲劇なのである。 製作者のブログによると「自動減少部分のみしか対応していない」との事。 彼女はライフ自動減少だけ対応していてその後の削りは対応していないのだ。 彼女、まさかの専用ミス そして最後のターゲット、「フィサリスG」も15分経過で撃破失敗。 まさかのこの大会では一度も強制死の宣告である「終焉【夢幻泡影】」を打たなかった。 そして最終結果は...... なんと、TimeEaterと同じ10位であった。 撃破ポイント内訳は撃破数26のボーナス4であった。撃破率87%。 しかも下位神の静かなオーケストラの下。これは屈辱であろう...... 製作者のブログによると「ライフ反転は応用的なことをしてないが、思ったより倒せてた」との事。 最終回、そして・・・ EXTRA EPISODE4 「神々の希望vs絶望」 ※未脱落のため未完成 彼女はルナ氏の大会にも再び出場することとなる。 狂ランクでよくやるきぼぜつ形式である。 希望軍が勝つこともあれば、絶望軍が勝つバッドエンドがあるのだ。 つまり「正義は必ず勝つとは限らない」のがセオリーである。 彼女は絶望軍での出場。親変更無しとして、バラム・ノーレッジと一緒に希望軍を迎え撃つ事となる。 Part3。2023年7月6日午後8時。 「親変更無しで勝負せんかい!招待状の無いプチ神トーナメント」でAbyss_of_Heavenに敗れて落ち込んでいる頃に、 彼女の出番はやってきた。さあ、視聴者に絶望を見せるのだ。 相手は希望軍でも上位の枠に入る「スーパーゴッドバード」。SGB。 鬼巫女を親変更無しで汎用で倒せる恐ろしいキャラである。 最初のターゲットは、「Eltnum(POTS)」。 即死返しで倒せるらしいが、正攻法での本命ステート取得には複数ステートの経由と、 複数ヘルパーの状態を管理する必要があるため探査or準汎用推奨である...... 彼女は探査を持っていない。まさか...... 一発で裏切りになってしまうのか!? ......あ、「イキガミ・ノア」を連発し、ある時放とうとした時に倒しました。 なんだ......。 その後「黒白想影氏月宮あゆ」だのを「イキガミ・ノア」ぶっぱで倒し、 「Brannen Rosso」というサニーミルクを「イキガミ・エリー」で倒した。 サマエルとの決着をつけた「槍投げ萃香ちゃん」は「イキガミ・ノア」で撃破。 そして迎えた次のターゲット。 「Test-HighEnd」であった。illness氏の。1p。 オメガトムハンクスキラーからの猛毒で撃破可能である。しかしステ返し先に工夫が必要であり、 このタゲ用に作られた検定である「小規模検証-HighEnd」では撃破数は7/20名であった。 これでもカラー差の中では撃破率は高めである。 「スーパーゴッドバード」の挑戦だ。 カットが出た後、「スーパーゴッドバード」はその場で動かなくなっていた......! まるで、何かをチャージするかのように...... その間にもタイマーは動き出す。 「スーパーゴッドバード」が固まっている。 そして、動画再生時間が18分01秒を指した時、M.U.G.E.N.の画面が突然モノクロになった。 一体、何があったのか?それは動画画面右側を見ればわかることである。 なんと、「ポトレなし」に重なった、赤く傾いた「20分経過」「撃破失敗」が表示された。 そう、20分経過である。制限時間20分をオーバーしてしまったのだ。 さあ、チャンスだ。視聴者に絶望を与えろ。 彼女の挑戦。彼女は技を繰り出した。 カットが出て、タイマーは11363を示していた......! 彼女はその時も、大技を繰り出す。 一体、彼女は何と戦っている? 透明人間と戦っているのか......? もしそうだとしたら、彼女は恐ろしい人物である。 そして彼女がある時、「イキガミ・ノア」という技を出し終えた時だった。 「K.O.」 そう、彼女は撃破したのだ。対応力が素晴らしかったのだ。 こうして彼女は「スーパーゴッドバード」に勝利し、土を付けた。 そして彼女は頭の中で言う。遊戯王のアポリアのように...... 「少年、これが絶望だ。」 スーパーゴッドバードに勝利 さて、次の出番はいつになることやら......? ......Part17であった。相手は「黒白七夜」。 「黒白七夜」は2015年作ながら上位神Bになる程の海外勢。 最近更新は来てないので、楽勝そうだが...... 最初のターゲットは「範馬刃牙」。 ...なんか簡単そうな名前。☆1でしょ? だが「黒白七夜」は仕分け出来ない。サクラ@さん氏パッチ入りらしい。 つまり「サクラ@さん氏パッチ入り範馬刃牙」だ。 でもおやつになりそうな名前だが......? 削り撃破要求の撃破挑戦仕様。......え?即死じゃないの?だって? 元々後半戦の回復回避が肝なものの 更新によりlife依存で次々とダメージ条件が変化する「専用必須級」ターゲットになった。 難易度......☆1.......0。 難易度☆10。 ( ゚д゚) ・・・ (つд⊂)ゴシゴシ 「専用必須級」ターゲットになった。 難易度☆10。 (;゚д゚) ・・・ (つд⊂)ゴシゴシゴシ 「専用必須級」ターゲットになった。 難易度☆10。 _, ._ (;゚ Д゚) …!? あの並キャラっぽくておやつになりそうな名前の「範馬刃牙」が難易度☆10。 ドラゴンクエストで例えるならドラキーが最強レベルのモンスターになるくらいだ。 ありえない。こんなのはありえない。 ......そういえばリミカGEvsTimeEaterの「海苔」も難易度難易度☆10であった。 名前で判断してはいけない、ということなのか......? 案の定「黒白七夜」は20分経過。彼女は...... 試合開始から数十秒後、「終焉【夢幻泡影】」を撃ってしまったのである。 そして倍速になり、等速に戻る。 「しゃあーーーっ!!」 その叫びが木魂すと共に、 「baki-h_Patch220819 Wins」 動画右側の「範馬刃牙」のポトレに重なる赤く傾いた「撃破失敗」が浮かんだ。 そしてそれは、「範馬刃牙」の撃破確認のコーナー直行を意味していた。 おやつそうなタゲが高難易度だとは思っていなかった。 信じられない。それが殺傷力大会。 次のターゲットは、「Vision」。 テレビの中に閉じ込められた古明地さとりを救出しなければならないターゲット。 時間経過で演出が進み、条件を満たせはKOとなる。ダメなら......? M.U.G.E.N. Error message state 1 can only have max of 512 controllers 「黒白七夜」の挑戦のようにエラー落ちするターゲット。 さあ、彼女は......? 彼女の姿は何も映っていない。 カットを挟み、テレビの前に倒れた古明地さとりが出てくる。 ここまでは「試合が始まった事以外」黒白七夜と同じ。 またカット。そして...... テレビは砂嵐の後、映らなくなった。 そして起き上がった古明地さとり。そして左に向かって歩き...... 「KO」 彼女は「Vision」を専用で撃破した。 「黒白七夜」はエラー落ちで撃破失敗なので、彼女の勝利という事になった。 こうして彼女は「黒白七夜」に勝利し、黒白七夜を脱落させたのであった。 黒白七夜に勝利し、黒白七夜を脱落させる EXTRA EPISODE5 「”神撃” 神ランク 殺傷力バトル大会」 彼女はhumi氏の大会にも手を出すこととなる。 1pで神版の彼女。親変更無し最強だった彼女の戦いが始まる。 さあ彼女よ、「M.G.T.リスペクト」で優勝した実力を見せるんだ。 出番が来たのは第6試合。 相手は「蒼白の信徒」というEFZのみさきと......FS蛟!?!?!? なんとここでFS蛟という神キャラ最強を引いてしまう。 専用対策を引かなければ勝ち目はない。親変更要求が来てしまうとFS蛟が一人勝ちの可能性がある。 それもそのはず、「蒼白の信徒」というEFZのみさきも親変更を搭載していないからだ。 「蒼白の信徒」というEFZのみさきは新神ながら親変更無し。 いつか狂版も登場する予定なのだ...... さあ、それはさておき最初のターゲットは「ダイボウケン」。 審査員撃破達成者は10名......弱そう。 案の定難易度Lv0。エラー落ちが来ない限り落とす筈も無く...... 「イキガミ・ノア」ぶっぱで撃破。撃破時間1分30秒。 FS蛟も「蒼白の信徒」というEFZのみさきもそこは撃破する。 ......と言っただけで戦いはPart5に持ち越しとなった。 彼女 vs FS蛟 vs 「蒼白の信徒」というEFZのみさき そして2023年11月18日午後8時。 彼女とFS蛟と「蒼白の信徒」というEFZのみさきの戦いの続きが始まった。 Part5が投稿されたのだ。 さあ、親変更要求を引くな......!! 最初のターゲットは「G-Fish」。 審査員撃破者は6名。難易度Lv4。 2014年のエイプリルフールに生まれたミズチボイスの魚である。 早速FS蛟が撃破。そして彼女の挑戦...... なんと姿が消えている!? 上の表記は、なんと「専用」!! そんな中解説が入る。その内容は...... 普通に攻撃しても減りはするもの削り切れないので即死させるさせる必要があり 本体の重要な情報がヘルパーで制御されているので、 親変更でヘルパーを奪って悪さをするのが正攻法と思われます お分かりいただけただろうか......。 親変更でヘルパーを奪って悪さをするのが正攻法と思われます 親変更でヘルパーを奪って悪さをするのが正攻法と思われます 親変更でヘルパーを奪って悪さをするのが正攻法と思われます 彼女は......親変更を持っていない。持ってすらいない。 よって専用対策するしかない。なんて恐ろしいターゲットなんだ...... その専用はミスするはずもなく、普通に撃破した。 何故専用対策をしていたのか?実は「G-Fish」には「親変更が無くても撃破出来る裏ルート」が存在していたからだ。 条件的に専用安定であり、彼女はその裏ルートを突いたのだ。 さて、「蒼白の信徒」というEFZのみさきの挑戦だ。裏ルートを汎用で突けるか? しかしリアル時間10分経過。カットが出て...... M.U.G.E.N.だけの画面になった後、「蒼白の信徒」というEFZのみさきは何もしなくなった。 「G-Fish」も様子を見ている。一体、何が起きるのか......? 何もしない......?まさか......? 「K.O.」 唐突にKOが出た。なんの前触れも無かった。 突然KOが出た。まさかこんな事が......。 一体、何が起きたんだ?まさか......? 数秒後、「G-Fish」は消え、そこから隠れていた「蒼白の信徒」というEFZのみさきが出てきた。 「蒼白の信徒」というEFZのみさきは気まずい顔をして手を口に当てた。 そして、表示されたのは...... 「G-Fish Wins」 そして右上寄りの赤い「相手側に1winがありますので撃破未達成」が少し拡大して表示された。 一体、何があったのか? 実は、「蒼白の信徒」というEFZのみさきは、「強制死の宣告」を放っていたのだ。 演出はないが、「強制死の宣告」を撃っていた。 そう、中には「強制死の宣告」の演出が無いキャラがいるのだ。 例としては「デ=リーパー」というKOFの麟や「Imaginary Number」という小悪魔のようなキャラだ。 このキャラが「強制死の宣告」の演出は無くとも、強制死の宣告を放っているのだ。 なにあともあれ「蒼白の信徒」というEFZのみさきはここで脱落。 FS蛟との一騎打ちとなった。 「とんでもないターゲット」を次に引くと知らずに。 それは「本気霊夢」12p、親捏造関連offであった。 世界四大霊夢の一人である。(白麗霊夢、鬼巫女X、本気霊夢、禍霊夢) え、それより強いのが入ってない?あ、ダークネス霊夢のことね。 撃破には専用必須である。果たして彼女は持っているかどうか...? FS蛟は......なんとこのタゲに対してを専用対策を持っていた...!! 案の定撃破。撃破タイム1分20秒。 さあ、彼女の番だ。上の表記は...... なんと「神版」だった。 そんな中下で解説がスクロールする。 専用が必須な理由は ①親変更を使った超精密な変数弄りを併用しながら削りが必要 ②様々な即死技術の複合でシールド(上の赤いゲージ) をある程度削らないと倒せないのだが、条件を満たさなくなると回復してしまうため、 これを汎用で検知し削り切るのはかなり難しい ③露骨な汎用でやるにも非常に硬い上に重くなりやすい お分かりいただけただろうか......。 専用が必須な理由は ①親変更を使った超精密な変数弄りを併用しながら削りが必要 専用が必須な理由は ①親変更を使った超精密な変数弄りを併用しながら削りが必要 専用が必須な理由は ①親変更を使った超精密な変数弄りを併用しながら削りが必要 彼女は......親変更を持っていない。持ってすらいない。 まるで親変更無しに親変更要求の洗礼を浴びているようだ...... 親変更無しに厳しいターゲットばかりで、この中で唯一親変更を持っている黒一点のFS蛟が有利であった。 案の定、試合開始から3分くらい後...... 赤いこの文字が右寄りで少しずつ拡大するように表示された。 「リアル時間15分経っても試合が終わらないので未撃破」 そう、15分経過である。制限時間15分をオーバーしてしまったのだ。 これが仲間外れ補正の力......なんて恐ろしいんだ。 親変更があるとこんなタゲを撃破できるのかと思い知らされた。 それが元最上位神主席、FS蛟の実力なのだから。 FS蛟に敗れる こうして彼女はFS蛟に敗れ、1回戦敗退と......あれ? 上の動画の冒頭をよく見てみよう。 なんとhumi氏は敗者復活戦を行うことを決めた。 そう、彼女にもまだチャンスがあるのだ。 しかし敗者復活のメンバーの中には琥珀にゃん、空集合、バラム・ノーレッジ、女神佐祐理があった。 このメンバーは恐ろしい面子である。 果たして、敗者復活をもぎ取ることが出来るのか......? そして2023年12月2日。敗者復活戦Bブロックに、彼女の姿があった。 相手は死神舞、廃滅者セト、nas-ayukas、鬼巫女X、ヘブンズゲートである。 死神舞は過去に「MUGEN God Tournament 第2回浄天杯」で勝利した事があるが、 「Evolution God Tournament」ではそのリベンジを許している。 ここまで1勝1敗であり、因縁の相手である。 nas-ayukasは新入り上位神の中で優秀な殺傷力を誇り、TimeEater11pを破った事がある強敵。 親変更要求を引けば脱落だが、果たして......? 最初のターゲットはポトレ画像が無かった!? BGMが「EGOISM 440」になる。怖いBGMが流れ、ノイズが出る。 そう、それが「Radio」である。戦車氏。 審査員で撃破したのはなんと「輝夜・ハワード」と「デ=リーパー」という麟の2名。 難易度Lv8。それが「Radio」5pデフォルトである。 削り要求で、毎フレーム攻撃を当て続けるような密度の高い攻撃をしないように、 間隔を開けながら打ち続けることを要求されるターゲット。 とにかく大ダメを撃ち続けないとすぐ回復されて倒せないので難しめである。 さらにダメージを受ける毎にクールタイムが発生。攻撃の密度が高いと、 このクールタイムの減少が止まるので削る上では攻撃を頻度を抑える必要がある。 ヘブンズゲートと鬼巫女Xは旧神が故に即死脳筋だったため15分経過で撃破失敗。 そして廃滅者セトは......強制死の宣告を放ったきりで15分経過で撃破失敗。 nas-ayukasは撃破。さあ、彼女と死神舞の番だ。 彼女も死神舞も、色々な技を試みる。 先に動いたのは彼女。倍速を重ね...... 「イキガミ・ノア」だの「シニガミ・ネフィリム」だの色々な技を試す。 「シニガミ・ネフィリム」を使った時、「Radio」のLifeが削れて1919810。 だが回復されてしまう。それでも諦めず、「シニガミ・ネフィリム」を使う。 「KO」 彼女は「Radio」を「シニガミ・ネフィリム」で撃破した。 こんなタゲくらい汎用で倒せて当然である。 その後死神舞も撃破。鬼巫女Xとヘブンズゲートと廃滅者セトはここで脱落となった。 下位神に3敗する廃滅者セトェ...... 次のターゲットは「MAROKARE」。 ダメージ条件難化0で被弾回数1。名無しのぽろろ氏。謎の模様キャラ。 当身に成功するとダメージを受け、Projectileという攻撃を無効にする。 難化0は本体とヘルパーでも良いので、HitDefを当身したらライフが減る。 回復もしないため難易度は高くなく、難易度Lv2。 審査員の中で撃破できなかったのが「入巣 京子」と「ウィッチ・アンジェリーヌ」だけということからも、難易度Lv2の簡単さがうかがえる。 案の定死神舞が落とすはずもなく削り倒す。 nas-ayukasの番。nas-ayukasは...... 色々技を試み、「MAROKARE」のLifeは半分になっていた...... 数十秒後、画面が突然徐々に暗転している。 何故か徐々に暗転している。暗くなっている。 一体、何があった?明るさ調整しないと見えないっぽい? だが「MAROKARE」はライトの役割を果たしていた...... そこからnas-ayukasは去り、白い背景エフェクトを出した。 そして「KO」が出た。残ったのは「MAROKARE」だけだった...... そして表示されたのは...... 「MAROKARE Wins」 相手側に 1winがあるので 未撃破 一体、何があったのか? 実は「画面が少しずつ暗転し、暗転しきった後、nas-ayukasが去ると共に白い背景エフェクトを出す」のがnas-ayukasの強制死の宣告なのだ。 nas-ayukasは、強制死の宣告で自滅したのだ。 nas-ayukasは宣告自滅でKO負けを喫したのだ。 その頃彼女は、「憑依解放【アマネ】」を発動していた...... 偽装とか使う時間経過で発動する技だ。 カットを挟み、「MAROKARE」のHPは1割を切った。 しかしそこから削れない。このままだと死神舞が敗者復活だ。 ......彼女は「イキガミ・ノア」で削り切った。 彼女は「MAROKARE」を撃破したのだ。 これでnas-ayukasも脱落。死神舞との一騎打ちとなった。 ...ところで、戦いは次Partへと持ち越しとなった。 彼女の敗者復活戦の様子 そして2023年12月10日。 彼女と死神舞のラウンド3が始まった。Part8が投稿されたのだ。 彼女は親変更を持っていないので、親変更持ちが来ると確実にやられる。 しかし彼女も対応力が抜群。1勝1敗の死神舞になど、負けはせん。 最初のターゲットは「萌え王杏子」。AceBluest氏のキャラ。 審査員で撃破したのはなんと「強化パッチ入りエグゼリカ」だけ。 実は「萌え王杏子」、マシロふぁんぐの改変である。 そのため速度を持っていないと削れない「速度耐性」がある。 ターゲットを取らせないと回復するらしいのだが、 だからといってターゲットを取らせても別の回復条件「引っかかった~!!」になりやすい。 ただしマシロふぁんぐと比べるとこの回復が易しくなっている。 そんな中汎用で動く死神舞。「萌え王杏子」を倒したかに見えたが...... 何故か「KO」が出ない。そして...... 15分経っても 試合が終わらないので 未撃破 そう、15分経過である。制限時間15分をオーバーしたのだ。 そして彼女。専用対策が無いものの、もう少しで倒せ... やっと倒したが、「KO」が出ない。 「イキガミ・ノア」を放った途端、「萌え王杏子」のLifeが回復、そして...... 15分経っても 試合が終わらないので 未撃破 それは、「萌え王杏子」の撃破確認のコーナー直行を意味していた。 「萌え王杏子」を汎用で倒せるキャラがいるのか......? 専用必須タゲだもんね。 気を取り直して次のターゲットは「Blue_Wing」という神奈備命。 難易度はLvMAXの10。 気を取り直せねーーーーーーー!!!!! こちらのstateno、timeを範囲特定内の数値に収めるように調整しつつ、 で色々する必要があり汎用で満たすのは不可能に近い。 しかも彼女、このタゲに対する専用を組んでいない。 案の定...... 15分経っても 試合が終わらないので 未撃破 15分経過であった。制限時間をオーバーしたのだ。 さあ、次は死神舞の番。死神舞は...... 灰色の背景と共に、赤い雨が「Blue_Wing」という神奈備命を襲う。 「Blue_Wing」という神奈備命のLifeが早速削れるが、技の無敵時間でカバーする。 が...... 突然赤い目の背景になり、「ピー音」が4秒鳴り響いた。 下には「DEAD END」という文字。 何が起きている?まさか......? 死神舞は言った。「私は、魔物を討つ者だから。」と...... そして赤い目の背景に血飛沫が飛び出た。大量の。 一体、何があったのか? 実は「灰色の背景と共に、赤い雨が降り、撃破した後に赤い目の背景が出る」のが死神舞の専用対策演出、「終堕『DEAD END』」なのだ。 死神舞は、「Blue_Wing」に対する専用対策を組んでいたのだ。 こうして彼女は今度こそ脱落した。 あの負け方は親変更もク○もない。専用対策の鬼のはずなのに、専用で負けた。 死神舞との直接対決は1勝2敗(初戦で勝ったっきり)。死神舞の成長っぷりが伺える。 死神舞に敗れる 検定の戦績 + ネタバレ注意 検定名 得点 順位 判定 補足 MUGEN God Ordeal -season2- 161点 60位 上位神C 初めての検定。この時は強くなかった... Defeating to victory. 276点 21位 上位神 断罪者と同順位。小数ボーナス1。参考に同じ親変更なしの物質199は18位。この時は最強ではなかった... White_Reimu氏2020検定 175点 9位 最上位神 White_Reimu氏検定史上初、親変更なしでの最上位神。2013年を探しても親変更なしの最上位神はいない。それくらいアマネさんは大出世した。 Long Time-Defeat Challenge 350点 15位 最上位神 小数ボーナス小1。最上位神入りは果たせたもののTOP10漏れ。ルナ氏のブログによると「準汎用1つと専用2つがガバっていなければ11、12位だった」 MUGEN God Ordeal -season3- 333点 18位 上位神A 同じ親変更なしの神威氏の「Abyss_of_Heaven」というカインは11位で最上位神。ついに親変更なし最強の座を「Abyss_of_Heaven」に明け渡した。 JK3 504.1666667点 6位 上位神A キルスコア12。この検定に関しては特に言うことなし。 Defeating to victory.Pt2 277点 16位 上位神B 小数ボーナス26。Abyss_of_Heavenは18位だったので親変更なし最強の座を奪還。...したのだが、ルナ氏のブログによると「個人的には少々残念な結果」。倒せるはずのタゲを6、7体落としてたのもあったし、技術的に詰みなのを倒せると思いこんでいたのも数体いた。そんなわけで「予想点数を下回っていた」らしい。 White_Reimu氏2021検定 164.5点 24位 上位神 挑戦タゲ1体撃破。懐タゲ大杉で順位大下り。ルナ氏のブログによると「p0008874氏やオロミズ大好き氏、もなか氏勢をメインにしたら大外しした」。 Long Time-Defeat Challenge_cp.2 384点 5位 最上位神 小数撃破ボーナス小大2。これが対応の賜物。東方最強ではないが...「親変更なし最強の座」をバラムやAoHから守り抜くどころかTOP5まで残るという親変更なし舐めるなガール。「ガバ祭りたくさんある可能性」のバージョンで最上位神。 White_Reimu氏2022検定 174.5点 16位 上位神 専用撃破数1位。この検定で、D2nd氏は理解した。M.G.T.リスペクトの優勝や古新乱舞での勝ち残りは「下剋上」だったことを。(参考までに、琥珀にゃん11位、FS蛟5位、ウブウアウト2位。)しかも同じ親変更なしのバラムは9位で最上位神。あれから更新を重ねたのにも関わらず、親変更最強の座を奪われてしまった。というかバラム・ノーレッジが琥珀にゃんレベルに大化けしている。ついに「Abyss_of_Heaven」にも「バラム・ノーレッジ」にも敗戦経験を味わった彼女。nas-ayukasという咲夜に負けたら彼女の名誉が丸潰れだが・・・ 海外検定2023 164.5点 5位(実質) 最上位神(?) なんと、主催がこのキャラの結果を入れ忘れると言う痛恨のミスが発生した。しかし親変更無しでこの戦績は素晴らしいが......バラム・ノーレッジはなんと3位。ここでも親変更無し最強では無かった...... God Trial of Strength 283点 5位 最上位神 また5位だった......ちなみに専用対策数ランキング1位。22体撃破。しかしバラム・ノーレッジが1位だったため親変更無し最強ではなかった............あれ?あれれ?そう、バラム・ノーレッジが1位である。信じられないと思うが親変更無しが最上位神主席となったのだ。しかもバラム・ノーレッジは汎用撃破数1位という恐ろしい状態。親変更無しが動画の検定で1位となり、最上位神主席となるのは動画式検定史上初である。......去年は彼女が大会史上初の「大規模縛り無し殺傷力大会を親変更無しで優勝」という史上初の快挙をやってのけたが、今度はバラム・ノーレッジが「動画式検定を親変更無しで最上位神主席(1位)を勝ち取る」という史上初の快挙をやってのけた。屈辱だ。かなりの屈辱だ。バラム・ノーレッジは去年は上位神Aだったはず。それもそのはず、バラム・ノーレッジは定期的に週刊更新を続けてきたのだ。恐るべし、バラム・ノーレッジ......。次の検定では、彼女が親変更無し最強を奪還するといいのだが、果たして、彼女にそんなことが出来るのか......? ステータス 10/14/50/26 台詞(リンクをクリックすると元ネタのシーンを表示します。ネタバレ注意!!) 前述の通りMUGENではボイスはないが、 古新乱舞Part72~EDと「親変更無しで勝負せんかい!招待状の無いプチ神トーナメント」ではボイスが付いている。 そのため、古新乱舞Part72~ED仕様となっている。 つまり、草津結衣奈とユキの逆パターン。 (あっちは原作だとボイスがあるが、オンゲキのコラボキャラ仕様のため無言) 攻撃「...終わりです。」 回避「地獄に落ちろ。」 被弾「逃がさない...」 会心「今こそ滅びの時だ!!(イキガミ・ノアぶっぱ)」 勝利「...任務完了。」 敗北(旧)「(膝を付いて、身体が緑に染まり割れた)」 敗北(新)「う、うぅ...ぐっ、うぅ...(倒れた後、光となって消えた)」 逃走「まだだ、まだまだ!!」 バトル前のコメント「親変更なしを舐めるな!」 活躍 初出場初制覇 失態 台詞を間違えてしまう 亀にトリプルV逸される
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501 名前:恋する名無しさん[] 投稿日:2007/01/23(火) 13 18 45 ひまなおばさん達にそそのかされて何をしでかすつもりだか。 502 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/23(火) 13 44 21 今勉強していたらふと思ったことがった。 今日学校でいろんな人の受験校が張ってあったので、ついその子の受ける学校を見ました、 「純粋な子だし塾では一番上のクラスだからレベルの高い高校いくんだろうなぁ~」と思いながら見ました。 そしたらその子の受ける学校が予想外にレベルの高くて有名な学校で、僕と全然レベルの違う学校を選んでました。 しかもその子の受ける学校が他にも4人いたんですが みんな男子で一人だけ女子その子だけだったので少しむかついていました。 そのとき思ったのが、全然レベルが違うからやっぱり僕とは釣り合わないなってすごくため息をついて思いました。 みんなは好きな人が出来た時好きな人の受ける学校って見ますか? そして相手の受ける学校が悪かったら「なんだ頭わるいじゃん」って思ってスッパリあきらめますか? 503 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/23(火) 16 17 54 惜しいじゃいみないよ!君も受験生ならわかるでしょ~ ○か×しかないんだお! どんなに惜しくても それは×ですね 504 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/23(火) 16 26 56 調子に乗ってゴメン、だってあと後一歩のところだったから...本当にゴメン。 505 名前:パーキンス[] 投稿日:2007/01/23(火) 16 47 53 自分と彼女がレベルが違ってもそれは問題ではないよ。頭の良いやつでも、 人間性が悪かったら、高いレベルの付き合いでかない。お菓子君が人間的によかったならば、 彼女とは上手くいくはずたよ。自分に自信を持つ事が肝心だよ 506 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/23(火) 16 54 10 もしかしたら、向こうは本当に純粋だけど頭悪い人とはチョット無理とか思っているかもしれないと 自分で勝手に作ってしまったけど相手がしっかりしている人なんだけどそんな風には普通考えないよね? 507 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/23(火) 16 55 12 ↑ と言うよりまだ付き合える確立が全然ないのに勝手に考えてしまった...。 508 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/23(火) 17 59 41 ふむ、惜しかったか。いいんじゃないかい? その調子でガンバレ。挨拶は人として当たり前ダヨ。楽勝ナリ。 502 僕はバカは好きじゃないナ。 でも成績が悪くても人が良かったり、常識があれば問題はないと思うよ。 509 名前:ミナ ◆NE/7Nd/SG6 [] 投稿日:2007/01/23(火) 18 26 45 またー。あと少しの勇気だよ。じゃあ明日は頑張りなよ。最近ユカリさん来ないね。 ユカリさんのアドバイスが聞いてみたいな。 あっそれと私は26才だけどオバサンなのかなー? 510 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/23(火) 19 46 03 受験勉強してたから返事遅れたごめん。 ほくとさん 挨拶は人として当たり前だよね、がんばります! そうですよね自分はバカと思うけどみんなには言い成績じゃんと言われてるんですが、 友達がそう言っているからいいのかな?! 僕は学校では悪いイメージ全然ないので大丈夫だね。 ほくとさんのその言葉を聴いて安心しました、ありがとう! ミナさん うん、がんばります! そうそう僕もすごくユカリさんのこと心配してました、 彼氏のアキノリさんも来ないから2人で旅行かなぁ~なんて思ってたんですけど、 いつか来てくれるのを信じているので来ると思うよ。 それかユカリさんに僕がいろいろマイナスなことを言ってしまったから イライラしてるんじゃないのかなとも思います、その時はあやまるけど。 たぶん荒らしさんだからほっとけばいいと思うよ。 511 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/23(火) 20 59 25 よっぽど頭悪くないかぎりみんなから 成績いいって言われるのはもうそれは挨拶みたいなもん テスト前日に学校で 勉強した~?と聞いて全然してない~と答えるのと一緒だお!! 頭いいから馬鹿とは付き合えないって奴にはこっちから願い下げ~ 明日こそは ○をとってこいよ~ がんばれ! まあ 私がこんな辛口なのも わかるはずだよね… 512 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/23(火) 21 12 04 うん、がんばるよ! わかるはずだよねと言われてもあんまりわかんないんだけど...ごめんなさいm(__)m 513 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/23(火) 21 37 17 分かるようになれば君もせいちょーするょ ふふ(ノ∀≦) 514 名前:廃猫 ◆1fBR9J/x5I [] 投稿日:2007/01/23(火) 23 48 39 がんばれ!お菓子sならきっとやれるさw 515 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/24(水) 09 30 24 おはよーさん。 お菓子くんは、もう学校に行っているだろうナ。 挨拶くらい軽い気持ちでできると思うが…やっぱりそれくらいでも緊張するんカナ? ま、またいい連絡待ってるぜ!!テストも終わったし!! 509 ミナさん26は全然オバサンじゃないっす!ま、僕が年上好みだからかもしれませんが… 516 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/24(水) 09 48 22 ぷくく 多分今日もできませんでしたっていう報告だろ~な… ま がんばれ 517 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/24(水) 14 11 03 ただいま今帰りました。 挨拶できたんだけどできなかった・・・。 理由は返事が来たら書くので待っています。 518 名前:スナッフルズ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/24(水) 14 13 58 517 マタ-リ推奨 519 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/24(水) 15 50 08 517 なんや、それ? 気になるが、今日飲みいくから夜遅くに見るわィ。 ではでは。また後ほど… 520 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/24(水) 17 18 03 ちょとリアルな話しなんですが・・・。内容が長いので1、2...とで分けます。 ~~~~~~~~~~~~~~1~~~~~~~~~~~~~~~ 今日いつものとおり学校に登校して机の中に教科書を入れ友達と教室で話してたら、 後ろから僕の秘密を知っている友達(S君)が来て「先生が呼んでるから職員室にすぐ来て」 っと笑いながら言われたので友達と話すのを止めて一人で職員室に行くことにしました。 頭の中には「なに言われるのかな?先生に呼び出しなんて始めてだし...。」と不安だらけだった。 職員室に向かおうと自分の教室から出た瞬間、偶然その子が僕の前を横切った。 当然僕はビックリして先生のことしか考えてなかった頭の中が真っ白になり、 挨拶言わなきゃと思い名前を言わずただ「おはよう」としか言えなかった。 けどその子は普通に無視をしたんです、僕は「え・・・?えー無視?やっぱり避けてるのねぇ?? _│ ̄│○ 」と思い、なんか心が引き締まったような感じがすごくして痛かった_│ ̄│○ ... その後泣きそうになったけど、職員室に行ってお呼びでしょうか? と聴きいたら先生が「呼んでないけど」とか言われて恥ずかしい思いをした。 僕はS君にキレたので、走って教室に向かった「なんで、だました! 恥ずかしい思いしただろ、しかもその子偶然通って挨拶したら無視されたしお前のせいだぞ!」 と勢いよく言った。 そしたら友達はこう言った 「お前はわからんのか!!お前がいつもその子にもたもたして挨拶しないからタイミング計って言ったんだよ!! しかも俺後ろからちゃんと見とったけど無視じゃなくお前の声が小さくて聞こえなかったんじゃないのか!」 とスッパリ言われた...。 つづきはすぐ書きます。 521 名前:恋する名無しさん[] 投稿日:2007/01/24(水) 17 19 20 520 うるせーばか 522 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/24(水) 17 19 55 つづき ~~~~~~~~~~~~~~2~~~~~~~~~~~~~~~ 僕はその一言を聴いてS君から離れ、近くのトイレじゃなくあんまり人の来ないトイレに逃げてしまった。 我慢していた涙がすごく出てきてなにがなんなのかわかんないほど泣いてしまった... その後チャイムが鳴ってしまったので、急いで涙を取り教室に戻った。 S君は普通な態度で席に座っていて周りの人と話していた。 それから普通に1時間目が終わって一人で考え込んでいたらS君がこっちに来て誤ってきた、 正直自分もシャキッと挨拶しなかったことで自分も悪かったと思い「いいよ」と許してしまった。 恥ずかしい話しだけど今日あった出来事です。 正直もう家の学校のS君やK君やHさんにはもう相談できないとわかりました、 だっていつも「叶うからガンバ!」と言われるけどなんか、からかっているように最近見えてきたから。 話を戻すんだけど本当に無視していたのか、聞こえなかっただけなのか僕にはもうよくわかりません・・・ _│ ̄│○ 帰りもその子は早く帰っていて挨拶出来なかったし・・・。 この場合みんなはどうしますか、本当に助けてください...苦しいです_│ ̄│○ 523 名前:恋する名無しさん[] 投稿日:2007/01/24(水) 17 20 13 522 うるせーばか 524 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/24(水) 19 32 02 ふぅ~友達優しいね 羨ましい。 君が悪いよ~ まあ焦る野は分かるが千載一遇のチャンスだったのに~ ま 次がんばれ 友達は大切に 525 名前:ユカリ ◆Lhv3DBtWWE [] 投稿日:2007/01/24(水) 20 02 31 長い間これなくてごめんね。 ちょっと忙しくて( _ ) お菓子くん・・・・たったそれだけのことで友達を信じれないの? ROMってきたけどあなた一人だったらタイミングも合わないし 恥ずかしかったりで挨拶できなかったじゃない。 多分声が小さかったんだとおもうよ。まだあんまり仲いいわけじゃないんだから 違う人に言ったと勘違いして無視したのかもしれないしね。 526 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/24(水) 20 10 53 ユカリさん ユカリさん久しぶり!何かあったのかなと心配してました。 じゃあ明日朝廊下で待ってて、その子が来たら挨拶したほうがいいのかなぁ? 527 名前:恋する名無しさん[] 投稿日:2007/01/24(水) 20 16 17 526 うるせーばか 528 名前:ユカリ ◆Lhv3DBtWWE [] 投稿日:2007/01/24(水) 20 29 19 あなたの気持ちがしっかりしてるなら行きなさい。 だけどそんな恐い顔したらだめだよ。 529 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/24(水) 20 33 29 うん、頑張る! 今、誰もいないところで挨拶の練習してました、怖い顔しないように明日は顔をほぐします。 あと帰りの挨拶も頑張ってみます! 530 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/24(水) 23 20 25 そんな遅くならんかった… 520 522 そっか、やっぱそんな感じだったんか。予想通りだったナ。 でも、そーやっていきなりの方が以外と挨拶できたやろ? その調子でガンバレ。 おそらく無視してるワケちゃうよ。いくらなんでもんなことせんやろ。 普通の人は挨拶されたら返すよ。だから聞こえなかったんやろーね。 ま、勢いつけるためにスキマスイッチの「ガラナ」や、 TOKIOの「LOVE YOU ONLY」でも聴きなさい。 531 名前:ミナ ◆NE/7Nd/SG6 [] 投稿日:2007/01/24(水) 23 32 00 ユカリさん久しぶりー、ほくとクンありがとね。 お菓子クン友達がした事は間違ってないよ。 何も出来ずにウジウジしてるお菓子クンの背中を押してくれたんだよ。 みんな応援してくれてるんだよ。だからガンバリなさい! おやすみー 532 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 14 05 53 ただいま~今日もダメだった...ちゃんと理由があるので返事してくれたらレスする・・・。 533 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/25(木) 19 41 33 は~い 534 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/25(木) 19 43 26 いつも理由②…っていうけど言い訳だからね 気付いてね 535 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/25(木) 19 44 08 またかィ…(笑) ま、いくらでも聞きますよん。 536 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 20 46 00 今日のは言い訳じゃないのでちゃんと聴いてください、 というよりいつも言い訳じゃないんだけど。 簡単にまとめます。 朝はその子が来る時間かなぁと思った時に一人で廊下で待っていたら、 その子のクラスにいるK君が 「その子ついさっき来たばっかだよタイミングずれたねドンマイまた次があるから気にすんなよ!」 と言われタイミングがずれた..._│ ̄│○ 帰りは明日一般受験の願書を出願するための説明を格クラスの人が体育館に集まった、 その子も一般だったので体育館にいた。 その後説明が終わり、 さぁその子に帰りの挨拶するぞといつも一緒に帰るS君と土間で待っていたがしかし、 土間の周りの人がうじょうじょしていてはっきりその子を探すのがむずかしかったけど その子が帰っていなかったことはなんとなくわかっていた。 2人の先生が急に土間の前に現れ「みんな早く帰って受験勉強をしなさい」 と言いみんな追い出されてすなおに帰ったがしかし、 僕はなんとしてもその子に挨拶したかったため先生の話しを無視して土間の前に待っていた。 S君は「俺帰るわ一人の方が挨拶しやすいだろ?」と言い帰ってしまった。 その子はまだ靴があったので体育館にいるんだなぁと思って待っていた。 それからどんどん人が減っていき、周りにいたのは2人の先生と僕だけだった、 その子はまだ体育館に残っていた。 先生が「なんで帰らないの?だれか待っているの?」と聞かれ僕は 「いや..ちょっと、友達待っているんです!」 と言ったら先生がだれなのその子はと聞かれ僕は「S君です」 とついさっき帰った子を答えてしまった。 そしたら先生が「さっき帰ったの見たけど?」とスッパリ言われ僕は 「.....あ!そうなんですか、わかりましたじゃあ帰りますさようなら」 と言ってしまって門を出てしまった。 先生も生徒のために帰りなさいとわざわざ言ってくれたのはありがたいんだけど、 僕の気持ちがわからないからあんな風に言ったんだと思う。 けど先生が許せなかった、いつも土間にきて 「かえりなさい」なんて言わないのに今日偶然言ったんだから。 このチャンスを逃した自分がバカみたいに思えた..._│ ̄│○ 537 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/25(木) 21 33 55 536 ふむ、またやっかいな先生だね。ま、先生ってそんなんやろうけど。 ふと気づいたんだけど、家近いんよね? 学校の帰り道では待てるようなとこないの? コンビニがあって本を立ち読みしながらその娘が通るの待つとかさ。 ないんカナ? 538 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 21 40 42 最近出来た近くにコンビニあります!家近いです!(両方とも歩いて1分以内) けどそれはストーカーと間違えられて引くと思うし、やばいと思うけど...。 539 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/25(木) 21 57 43 だって学校の玄関で待ってるんやろ? 変わらんのとちゃうか? 他のみなさんがどう思うカナ? 540 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 22 05 16 537.538を見て、 いちをみなさんの意見を待ってます。 541 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [age] 投稿日:2007/01/25(木) 22 12 12 ポジティブヾ(*´∀`)ノポジティブ うん 家近いならどうにでもなるよね~ 朝だってかなり早くでて影でまって 出て来たら偶然を装って挨拶…みたいな 542 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 23 01 42 けど、どれもぼくには無理っぽいです。 たしかに土間の前に待っていたけどその子は何にも思っていないと思う、 だから外で待っていて挨拶したら引くと思う。 偶然はきついと思います。 543 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/25(木) 23 12 28 壁はたかければたかいほど上った時の充実感が大きい 544 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/25(木) 23 13 06 ふーむ、コンビニの中から伺ってるなら気づかれないと思んやけど… あと、みんなこーゆーコトしてると思うよ。 僕の場合は大学内のベンチでよく本読んでたんやけど、 その前の道は好きな娘が体育館から学舎へ行く通り道だったんよ。 だから空き時間はいつもそこで本読んでたし、通ったら話かけてたケドナ。 いつも普通やったよ。 お菓子くんのとはちょっと違うカナ? あ、僕キモイ(笑)? 545 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 23 31 26 ナミさん たしかにそうだけど引かれるとおもいませんか・・・? ほくとさん 全然きもくないよ! けどそういう場所がないので無理っぽいです。 546 名前:スナッフルズ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/25(木) 23 36 29 やさしい先生だねぇ 先生に相談ってのも悪くないよ? 547 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 23 38 40 いや先生も受験のことであーだこーだで大変だし絶対に無理っぽい。 548 名前:スナッフルズ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/25(木) 23 40 07 547 そうだよなぁ じゃぁ受験終わってから・・・なんて甘いことも言えないんだよね? 同じ高校(大学?)じゃないんでしょ? 549 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 23 43 11 うんそうだけど。 550 名前:スナッフルズ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/25(木) 23 46 12 549 いきなり告白なんて考えてないでしょ? 551 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 23 50 13 僕的には挨拶から始める⇒普通に話し合えるようになる(向こうがその気になれば)⇒卒業前に告白。 こんな簡単にうまくはいかないと思うけど...。 552 名前:スナッフルズ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/25(木) 23 52 05 551 多分前にも同じこと話し合っただろうけど 期間が短過ぎるしそんな急展開だと勘付かれる可能性大だよ? 553 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/25(木) 23 54 12 じゃあぼくにどうすれば..._│ ̄│○ 554 名前:スナッフルズ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/25(木) 23 59 09 553 まぁ自分の思うようにやってみよう なにも対策が思いつかんし・・・ 余計なこといってごめんな 555 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/26(金) 00 03 47 勘付かれてもいいって。だって実際好きなんやから。 そんなびびってばっかじゃ結局何もできんと終わるから。 落ち込んでるヒマないよ。大丈夫。 556 名前:スナッフルズ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/26(金) 00 06 59 555 立派だよw 告白するときもその意気でな 557 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 00 10 35 そんなことをしたらやっぱり変に思われるから朝、帰り頑張ってみるよ。 そういえば、 558 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 00 13 14 今日学校でいつも一緒にいる親友のS君とK君が僕を惑わせることを教えてくれたんだけど、 笑わないで真剣に聞いてくれる? 559 名前:スナッフルズ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/26(金) 00 14 38 558 おk 560 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/26(金) 00 22 52 僕はいつでも真剣ナリ 561 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 00 27 52 少し長いので待ってくれるとうれしいです。 562 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/26(金) 00 29 54 大丈夫、待ちますよ。 大学生というのは暇人ですから。 563 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 00 51 18 その二人が12月からその子が僕のことを チラミした回数とどんな場面かを教えてくれたことなんだけど、 最初聞いた時「うそだぁー」と何回も疑ったがそいつらの顔が真剣だったので ちょとビックリして惑わす話...。 まずS君が教えてくれたこと。 その前に、 1ヶ月に1週間だけ、学年ごとにランチの時間「ランチルーム」 っと言う場所でランチを食べるんだがその学年のすべてのクラスが来てここのクラスはここ、 あそこのクラスがあそこと決まっていて右側の列は女子で左側の列は男子なんだけど。 とにかくうちらのクラスだけがずれ、となりがその子のクラスの女子だった、しかもその子が偶然そこだった。 ↓ ↓ 女子⇒ = = = = = = >こんな感じ 男子⇒ = = = = = = ↑ 座席(6人くらい座れる) 説明下手ですいません。 チラミ回数⇒1回 場面⇒ランチルームでぼくが食べ終わった時S君はまだ食べ終わってなかったので 「先戻るね」と言い僕はその子の横を通ったその子は座りながら食べていたけど僕が横を通った瞬間 一瞬その子は顔を僕の方を向きチラミしたと所をS君が見てたと言う話し。 次にK君が教えてくれたこと。 チラミ回数⇒5回 場面⇒1回目、ランチルームで僕がS君と仲良く話しているとき、 その子がご飯を食べながら僕をチラミをしたとK君が見たと言う話し。 2回目、 1回目と一緒。 3回目、ランチルームを出た廊下で後ろを振り向き 一瞬僕をチラミしたというK君が見てたと言う話し。 4回目、廊下を歩いているときその子が偶然教室から出てきて 僕をチラミをしたというK君が見てた話し。 5回目、僕がその子の教室の前でS君やK君やいろんな友達と話しているとき 偶然その子は教室に入ろうとしたとき僕をチラミをしたというK君の話し。 こんなに教えてくれたけどS君とかK君も両方とも見間違えしていると思うんだけどみんなはどう思う? 本当にこれ聞いた時マジぼくはびびりました。 564 名前:すなっふるず゙ ◆1sC7CjNPu2 [キタ] 投稿日:2007/01/26(金) 00 53 36 563 5回くらいならたまたまってのもあるけど チラミの仕方かな? 565 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/26(金) 00 57 10 友達がそう言ってるならそうなんちゃうか? しかし、それ嬉しいよナ! 566 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 01 03 18 S君は「とにかく君のことを一瞬見たんだよ!」といってたし、 K君は「おまえのこと気になってるんじゃねーの」と言ってたし、 すごくうれしいのですがとても心の中に不安がなぜかあるんです。 けど、違ったらどうしようとかおもったりして本当に不安なんです...。 567 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/26(金) 01 10 10 ま、確かではないからナ。 心の隅に置いておけばよいでしょう。 568 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 01 16 13 だってぼくがその子を見たときには普通に平気な顔で他の人と話してたし、 「こっち向いてお願い」って願ってみても何もこっち向かないから。 困ったときそれを思い出せばなんかやる気がでるようなきがするんでそのときに思い出します。 569 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/26(金) 01 19 50 おー、それでいいと思うよ。 570 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 01 23 21 もう学校が近いので寝ます、今日は本当にありがとう! あぁ今日緊張します...。 休み(-_-)zzz 571 名前:リオネイロ[] 投稿日:2007/01/26(金) 01 58 19 今まで、この書き込み黙って見てただけだけど、今日から俺も参加します。 お菓子さんは今一体どんな恋愛状況なの? 後、前からいる人達宜しくお願いします。 572 名前:アキノリ ◆.WiulgUJqE [] 投稿日:2007/01/26(金) 11 43 39 はじめまして。 とりあえずROMっておいで♪ 573 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 15 27 16 ただいまー!! 今日朝100%挨拶できました!(^^)! 574 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 15 32 57 リオネイロさんこれからもよろしくお願いします! 575 名前:ほくと ◆1SluY64TBk [] 投稿日:2007/01/26(金) 15 55 47 おかえりなさい、お菓子くん。うまくいったようやね。 また、聞かせてナ。待ってるよん。 571 よろしくね。 576 名前:恋する名無しさん[] 投稿日:2007/01/26(金) 16 16 41 ぬるぽ 577 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 16 18 08 とりあえず挨拶はできたんですが... 絶対次にやりにくい方法をやってしまって月曜日どうしようか困ってるんです。 今日、学校に着いて僕は早くから廊下で待っていた、 けど何か落ち着きがなくて教室に行ったり廊下に出たりうろちょろしてしまった。 待っている間に思ったのが 「やっぱり無理、その子が来る時間に廊下に出てさりげなく挨拶しよ」 と思ってしまい結局待っているのではなくて、さりげなくにしてしまった... 僕のバカ・・・ その方法で行うことにした。 その子の名前は言ったかわかんないけど、 とにかくその子の目を見て「おはよう」と挨拶をすることができた、 そしたらその子はこっちに目を向けて「おはよう」とものすごいかわいい声で挨拶をしてくれた 僕はそれだけでもうれしかった。 その後すごい、いい気分だったか後後考えると月曜日どう挨拶すれば... と考えてしまい今でもそのことで引きずっています。 やはり待ち伏せ方法の方がいいのかな? 578 名前:恋する名無しさん[] 投稿日:2007/01/26(金) 16 19 52 受験生がこんなことしてていいのか? 579 名前:恋する名無しさん[] 投稿日:2007/01/26(金) 16 21 19 確かに・・ 親御さんも大変だろうな。 580 名前:リオネイロ[] 投稿日:2007/01/26(金) 18 19 20 お菓子さんへ 待ち伏せするのもいいかもしれないけれど、やっぱり通る時に挨拶した方がいいと思いますよ! ちなみに、俺は中学3年生です 581 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/26(金) 19 40 42 人増えたね ヨロしく(≧∀≦*) おかしさん よくやったいっぽ進んだね~!! 精進②!! 582 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 19 40 48 リオネイロさん 通る時が全然ないので、むずかしいです。 もしかして僕のこと知ってる?友達だったりして...。 583 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 19 44 22 ナミさん これからがどうすればいいのか... 584 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/26(金) 19 51 04 う~ん これからは…かぁ~ 挨拶はあったら絶対するとか 出来なかったら会釈するとか う~ん まぁ挨拶して返してくれたんだから普通にはなしかけてみるってのもありかな~ と思うんだけどねそしたらまたいっぽ進むょ~!! がんばれ 585 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 19 57 00 普通に話しかけるのは...難しい...しかも話しかけるタイミングがどこにもないんだけどぉ・・・。 586 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/26(金) 20 10 57 そっか~ でもタイミングは作るもんだよ。 じゃぁアドレス聞くとかは? 587 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 20 18 01 いやぁその子純粋な子だから携帯のメールとパソコンのメール持っていないってHさんから聞いた。 本当にあの子のタイミングは全然ないし、その子は教室の中で友達と話しているし...。 588 名前:恋する名無しさん[sage] 投稿日:2007/01/26(金) 20 19 03 シャイなのは分かるけど、タイミングなんて探さなきゃ無いよ。 589 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/26(金) 20 20 53 ん~そりゃ困ったね。 590 名前:Travis ◆WqipB8sNus [sage] 投稿日:2007/01/26(金) 20 28 38 俺は♂やけど、なんか大きな行動起こさないとこのまま卒業で決定だぞ。 時間少ないんだし、恥ずかしいとかそんな気持ちどっかに置いてきなよ。 591 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 20 44 39 みんななんかいい提案ない、たのむ...。 592 名前:Travis ◆x2riwDDwv2 [sage] 投稿日:2007/01/26(金) 20 49 52 591 提案したらホントに実行する気ある? 593 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 20 54 37 できる提案であればやって見たいです。 そのかわり真剣に提案おねがい。 594 名前:モンブラン ◆s8fp98fd5k [] 投稿日:2007/01/26(金) 20 58 44 はじめまして。高校二年♂ 受験終わるまで待てないかな。。。 あの、荒らしとか嫌がらせとかじゃなくてマジレスするけど どんなこでも、告白とかされたら動揺すると思う。 そのせいで受験に失敗するってこともありえるし。 ごめん、昨日振られたばかりで暗いことしか考えられないのです。 ごめん、 595 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 21 07 20 はじめましてモンブランさん 告白は考えていないので...卒業式前にするって決めているので。 今のうちはアピールをしていたいので。 そうなんですか...僕は体験したことがないのでなんかごめんなさい...。 ぼくも実を言うと小学校の6年生の時、2人に告白されたんだけど一人は同じ学年で、 もう一人は一つ↓の学年で僕はその子のことが好きだったんで2人とも振ってしまったんです、 たぶんその二人はモンブランと同じ振った時と同じ気持ちだと思うんです。 一つ↓の子は引っ越したけど...。 596 名前:ナミ ◆9iVe4Scw5Q [] 投稿日:2007/01/26(金) 21 08 50 私はなんか告白される前からだいたい あッこの人私のこと好きだなみたいに感づいたから動揺はしなかったなあ~ お菓子くん 君は羞恥心と少しのプライドをなくしたら相当前しん出来ると思う~ 597 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 21 14 14 たしかに前進できると思うけど、まずどうしたら前進かを今かんがえているんです・・・ もぉ...思いつかない_│ ̄│○ 598 名前:リオネイロ[] 投稿日:2007/01/26(金) 21 15 04 お菓子さん、知り合いって事はないと思いますよ。 お菓子さんは、純粋に好きなんですね? 599 名前:Travis ◆x2riwDDwv2 [sage] 投稿日:2007/01/26(金) 21 16 34 ざーっと1から読んでみたんだけど… とりあえず話すチャンスはたくさん有りそうな状況だね。 小さい学校っぽいし君がその子のことが好きってばれて、それが広まるのが怖いのはわかった。 ここまでは合ってる? 600 名前:お菓子少年 ◆kn33w8LiTA [] 投稿日:2007/01/26(金) 21 18 14 うんそこまでは合ってるよ、なんかわざわざ僕のために読んでくれて本当にありがとう。
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JUDAS ◆JvezCBil8U 「……■■■■が“なかったこと”にされた、か。 うん、これでいい」 「■■■■? なにかね、それは」 「気にすることはないよ、予定調和だ。 ■■■■にはこのタイミングにしか自由はない。そういう棋譜だからね。 何のために費やされるか予め分かっている時間を、自由と呼んでいいかはまた別問題だ」 「……それは、私への皮肉かね?」 「さて。どうだろうね」 ――徐々にはっきりとしてくる思考で、少年は考える。 暗がりから浮上する、その最中。 はたして、誰と誰が話しているのかと。 そして思うはもうひとつ。 ■■■■。 何故か、その単語がノイズがかったように霞む。 頭がうまく回らないのとは恐らくきっと関係ない。 うまく聞き取れず、口に出して確認しようとしても、それを発音することさえできない。 生命なのか、現象なのか、物体なのか。 それにさえ酔ったように思い至らない。 ただひとつ分かるのは、多分“それ”を一度忘れたら、もう二度と思い出すことはないだろうということだ。 ――そして、頭を持ち上げる。 その様に、先に会話していた二人が気づく。 きっと不様に過ぎるのだろう。 くつくつと、含み笑いは姿を変えて。 白亜の壁と、豪奢な調度品に、高笑いが染みた。 「……しかし、あれだな。 貴様らを捕まえるのがあんまりにもあっさり過ぎて、こう、拍子抜けというか……。 脱力さえしてしまうのだがね」 部屋の中央には男がいた。 男の禿頭は、シャンデリアからの煌めきを映してピカピカテカテカ自己主張をしてやまない。 いちいち気障にかぶりを振って、その男は首から上だけで背後を振り返る。 目線の向かう先には青年と少年という、兄弟にも見える取り合わせ。 鋭い眼光を受けて彼らの片割れ、青年は――、 「はっはっは、照れるねどうも」 どういう原理なのか輝く頭に負けじとばかり、キランと白い歯を本当に光らせた。 力の無駄使いにも程がある。 「……いや、褒められてませんから」 起きて早々のツッコミ強要。 ちび○子ちゃんの登場人物の如く、少年ことプライドは顔に青い縦線を浮かべてガクリと頭蓋をうな垂れる。 伏字に全くなっていない。 けれどそんな呆れを気にする事もなく、青年は瞳をひとつパチリと閉じる。 「当たり前田のクラッカーというやつだよ。 私を誰だと思ってるんだい、そんな事は当然分かってるさ」 「…………」 こういう台詞はたいてい強がりで出てくるものだが、目の前の男は全部承知の上で平然と口にしている。 それが分かるだけに実に実にタチが悪い。 プライドの口から洩れる溜息の意味も推して測れようというものだ。 あれだけ勿体ぶって満を持して登場したにも関わらず、蓋を開ければいきなりカエルでお次は投獄。 正確には軟禁だが。 しかも後ろ手縛られ地べたに正座。 言うまでもなく、カエルの着ぐるみを装備したままだ。 何というシュールな光景だろう。 俺のラスボス(?)がこんなに残念なわけがない。 「ク、ククク……、フハハハハハ、ハぁッハハハハハッ!」 そこにいるのは口端を嫌らしく歪めた、この茶番劇を開いた張本人。 苦労人たるプライドは、己が境遇を理解したうえで吠えることを止められない。 「笑わないでいただきたい、いや……、笑うなッ! 11th――ジョン・バックス! 何が目的だ!」 ***** 時は少し、遡り。 女は服に手をやる。 下へ下へおろし、粘着的な音を立てて、それを引っ張り出した。 あの政治家が揶揄した、12番目の変態正義マンとは全く違う、人を支配する方法。 湿っぽく温かなものが、にゅるりと跳ねる。 女の意のまま動くパラサイトは、隙だらけの男へと吸い込まれていった。 悲鳴が響こうが抵抗しようが、誰も助けには来てくれなかった。 ……響いた悲鳴は、女のもので。 男は――あらかじめ知っていた。 彼の手の中の携帯電話を眺め、だから動じず隙だらけ。 忠実なる手足が、全ての処理を代行するままに。 ***** 「いやいや失礼。やはり貴殿はとても愉快だ。 あなたに感謝こそすれこんな事をせねばならないとは私としても心が痛みます」 プライドを一瞥さえすることなくわざとらしげに目頭を押さえる、老獪なる逆徒。 白々しい、と少年姿の人ならざるモノは舌を打つ。 「何故こんな事を……。 催事を完遂せねばならないこの時に、こんな無駄なことをして何になる!」 「決まっているだろう? 私こそが真なる神に至るためさ」 萎びた野菜を見る目で11thがようやくプライドに目を向けた。 露骨に違うその態度に、生肉で背を撫ぜられたような嫌悪を抱く。 「下衆な真似を。こんな事態、すぐにもう一人の“ウォッチャー”、ザジが看過する。 間もなく、ガニシュカの件で封じておいた予備兵力の“ハンター”がお前の目論見を全て叩き壊すだろう」 特別な立場たる十二人以外にも、この催事には数多の人材が関与している。 それは土屋キリエ然り、ガニシュカ然り。 サーバーマシンを稼働させる為だけの生ける血袋と成り果てた養母も然り。 そして、とある用途の為に用意された“使徒”どももまた然り、だ。 「そうでなくとも、我々セイバーには、最大戦力のアノンが――、」 ……そこまで告げて、思い出した。 挫けそうになる。 けれど、それでもここで己が折れるわけにはいかないと。 眼差しに強い力を篭め睨み付けるも、戻る態度は作り物臭いほどに余裕綽々。 いや、むしろ憐れみさえ籠った眼で11thは鷹揚と手を広げた。 「……ザジ。 ザジ、ザジ、……ザジ、ね」 ニィ、と、顔の歪みが目に見えて肥大した。 歪みを更なる歪みで取り繕っているかのようだ。 「安心しろ。お前の慢心をすぐ取り除いてやろう」 プライドのうちに、嫌な予感だけが広がっていく。 「ザジは消えた。健在なのは私一人だけだ。 ……全く。彼女にはほとほと呆れたよ。 おかげで計画の遂行を少しばかり前倒しする羽目となった。 ついでに言っておけば、暴れるしか脳のない“ハンター”など、元より掌握済みだよ。 邪魔者は全て消えたという訳だ。あの忌々しい地獄人も含めてな」 「……ふん、ハッタリなのは見え見えですよ。 邪魔者から消していったというなら、何故私を消さないというのです」 有り得ない。 ビーストをどうやって殺したというのだ。 アノンをどうやって殺したというのだ。 前者はある意味自分たち同様不死に近い存在だ。 後者はまさしく神を僭称するに足る力の持ち主だ。 おそらくきっと、この男はさも自分が手を下したかのように言っているだけだ。 この男ごときに彼らを屠る力などないはずなのだから。 ……もしかしたら、何かの間違いなのではないかと。 幽かな望みのこもった声色であることに少年は気付かない。 「この催事について、詳細を知っているものは元々多くない。 私としても催事そのものが中断してしまっては元も子もないのでね。 光栄に思いたまえ、お前は今まで通り進行を取り仕切ればいい。 それだけで安全は保証しよう」 「ふざ……ッ、けるな!」 影を伸ばす。 自分が、ただ利用されるだけの傀儡でないと知らしめるために。 が――、 「よせ、お前はそこで無茶をできる性格じゃないだろう? たった一人で量も質も分からない我々に勝つ公算があるとでも? よしんば勝てたとて、催事が破綻してしまえばそれこそお前の存在価値など塵にも等しくなる。 敢えて抵抗するにせよ、今は我々に従った方がどちらにとっても得だということくらい理解できるはずだ」 11thを庇うように、どこからともなく四角い容姿の男が現れ立ちはだかった。 ……おそらく、先ほど自分を襲った輩だろう。 虚ろな瞳の奥を、見通すことは適わない。 「……戯言を」 言いながら、影で分厚い本を携えた男を取り囲む。 首を撥ねればそれでいい。虚言であると断じて執行す。 ……しかし。 その確信は、意外な所から叩き斬られ霧消した。 「……いや、おそらく11thの言動は全部真実だろう。今のところはね。 一つ心当たりがあるよ。 先ほど私を取り押さえた面子のうち、眼帯をした大柄な男がいてね。 なるほど、あの異能の力ならビーストさえ葬れるだろう。 彼らは一つの共通意識に接続しているから、そこに干渉された訳だ。 アノンも私に依存しすぎた分、一度折れると脆いだろうな」 くいくい、と、肩を動かし青年が少年を制止する。 後ろ手が縛られたままでなければ、きっと両手を使ったゼスチャーであったのだろう。 ――青年は、滔々と疑問を述べる。 「しかしどういう事だろうね。 本来ここにいないはずの人間なんだが、彼はここにいる。 “セイバー”、“ウォッチャー”、“ハンター”のどれに採用した覚えもないよ?」 ……ただし、その語調は全く不思議がっていない。 禿頭の男を見据える凪の湖面のように揺らがない視線も、事実確認にすぎないと語っている。 「難しい話ではないですな。参加者と同じ手段で調達すれば済む話です。 分かっていて質問するとはお人が悪い」 ククク、と喉で笑いを噛み殺した11th。 虚勢染みた態度が不快で仕方ないと、少年は眼を一層細める。 「……勝手な真似を。そうやって余分な存在を増やしたとして、どうやって手駒にしたんです? 人形では戦力にはならないが、かのデウスでさえ不可能だった自我の付与をあなた如きが行えるはずがない。 よしんばそれに成功したとて、小者染みたあなたの考えに賛同する者がいるとも思えませんが」 「ふむ。説明してやらねばならんか。 単純な話だ。そこの男の首の後ろを見たまえ」 出来の悪い教え子に対する態度を演じるように11thの指先が示したもの。 それは。 「――洗脳装置、マインド・スナッチャー。 自律行動できる程度の本人の人格は保ちつつ、思考に介入し脳内信号を操作する。 ……電気信号で擬似的に魂――自意識を再現している訳ですか。 結局はお人形遊びの延長でしかないと」 少年が呆れたように鼻白む傍らで。 先ほどと全く変わらない態度のままに青年は再度問いを投げかける。 「それを扱えるのはたった一人しかいなかったはずだね。 そう言えば、首輪の開発にも関わっていた彼女はどうしたんだい?」 「ご安心を、彼女は寂しがり屋ですからな。 いっぱいお友達を作れるように取り計らっておきましたよ、ククク。 欲求不満も露わな“ハンター”の連中がきっと良くしてくれている事でしょう、 なにしろ、あの忌々しい観測者どもに玩具を取り上げられてしまったのですから。 そろそろあの小さい体と精神に溢れんばかりの歓迎を注がれている頃合いかと。 あまりの悦びに壊れてしまわなければいいのですが」 そうやって、自分以外に洗脳装置が渡らないようにしたのだと、言外にその顔が告げている。 反吐が出る下衆だ、と、少年は歯を噛み締めた。 不意に。 「うん、だいたいのところは分かった」 青年は小さく頷き、平然と。 「それで……、真なる神になりたい、ということだけど、これからどうするつもりかな? ついでに私の処遇はどうなるのかも聞きたいね」 「この扱いを容認するとでも言うのですか!?」 声をあげて掴みかからんばかりの少年を、片手をあげて制する。 「タイム。少しばかり内緒話をさせてもらってもいいかい? なに、ほんの数十秒プライドの耳元に囁かせてもらうだけだよ。 それだけで君たちにプライドも協力することになるだろう、どうかな」 「悪くない取引ですな」 さも夕食は何にしようかとでも言いだしそうな、軽いやり取りに激昂する。 詰め寄るプライドは、泡吹きながら混乱困惑がありありと。 「あなたは、この事態を一体何だと――、」 「君たちの感知できない所で人材を調達したならば、動かせるのはそれ程多くないはずだ。 ビーストのせいで実行を前倒ししたと言っていた以上は尚のことさ。 逆転の目は十分残っているよ、だからこそ今は大人しくし、情報収集に徹すべきだ」 あたかもコーヒーブレイクの最中の噂話のように。 声のトーンは恐ろしいまでに落ち着いて。 「何故そんな事を言えるのです?」 ……かすかな不信さえ心の内に湧き出すのを抑え、渋面を浮かべながら傲慢な少年は言葉を繰り出す。 盲目であることを、自ら望む。 「そもそもが、こうして反逆の可能性を留めたまま利用するくらいなら、そんな回りくどいことをせずとも君に洗脳装置を取り付けてしまえばいい。 それさえ出来ずに技術者を闇に葬ったという事は、おそらく彼女自身が反抗したという事だろうね。 心の機微に敏い彼女のことだ、相当早い段階で反逆の可能性に気付いたんだろう。 だから、彼らの総人数は実際大したことはない。そして、これ以上の拡充もありえない。 自信満々なようで内心は相当に張り詰めているよ、彼はね」 「……私を洗脳せずとも問題ないという余裕の表れでは? 私以外のセイバーのうち、戦闘力の高いアノンはともかく■■■■は……」 ……あれ。 今、自分は誰のことを挙げようとしたのだろうか。 疑問に固まる少年の様子さえ瑣末事と、一拍も置かずに青年は言葉を挟む。 少年が己のペースを取り戻さぬように。 「それはないだろうね。 彼ら、いや彼の行動したタイミングを考えればすぐに分かる」 「あ……」 目を閉じ、俯き、思索に沈む。 「……そうか。彼らが決行に移ったのは、貴方が王族の庭城から戻ってきた直後だった。 ですが、だとするならばタイミングがおかしい。 反逆を決行するのであれば、それこそ貴方があの庭城にいる間にこそすべきでした。 貴方がいなかった間こそが、命令系統の混乱を狙う意味で千載一遇の好機なのですから」 「そう、だが彼はその好機に行動しなかった。おそらく手足が足りなかったのだろうね。 ……けれど結局、彼は私の帰還と同時に動いた。人員はまだまだ少ないだろうに。 バックス自身が言っていたろう? 計画を前倒ししたと、ね。 それをせざるを得ない“何か”が起こったのさ」 だから、11thの手足はこの期に至っても多くない。 そう断じてから、続く言葉は問いかけを。 誘導する。必然たる唯一解に至らせるために。 その言葉の奥を、悟らせぬために。 「では、どうして私が戻った後のこのタイミングなのだろうね? “何か”があったのは放送直後の定時連絡以前――場合によっては数時間前のはずなのにね」 何故、目の前の青年がその時間帯に“何か”があったことを確信しているのか。 その事に思い至ることなく、言葉を受けてプライドは濃密なる論理に耽溺する。 「……分かりました。龍脈の調整だけは確かに終了させねばならなかったからですね。 反乱にあたって最優先とされたのは、“セイバー”最大戦力にして最右翼の危険分子アノンの排除、 そして“ウォッチャー”の監視能力の無力化。 ですが、アノンを殺すことは貴方が王族の庭城にいる間に行うことはできなかった。 それは……」 「そう、アノンが紅水陣を維持する事で、会場への龍脈の乱れの影響を留めていたからだ。 催事を完遂させたい彼ら、いや、11thとしても龍脈の乱れを無視しておく理由はないのさ、むしろノウハウがない分だけ一層危険視しているんだろうね。 だから私が龍脈の調整を終え、アノンが紅水陣を解除する直後まで待っていた、ということさ」 「……なるほど。ザジの不在に私達が気づくまでの猶予を考えれば、あまりにタイトすぎるスケジュールです」 合格だ、と言わんばかりに頷く青年を見つめる瞳にもはや疑念の色はなく――、 信仰という丸太が確かに、目を曇らせていた。 「もういいのですかな? そんな協議で大丈夫か?」 禿頭の男の問いが、現実を揺り動かす。 また、転がり落ち始める。 どんな形状の鉢であろうと、水を落とせば必ず一つ所に落ちていく。 「大丈夫だ、問題ない。 それで、さっきの質問についてだが……」 あなたの処遇ですか、と。 どこか嘘にも似た含み笑いを伴い告げる禿頭は、 「なるほど、あなたは確かに誰にも殺せないでしょうな。 アノンやビーストを屠った手段でさえ通用しない。 否……、その手段を試そうとすると、何故かその段階に至るまでに悉く妨害が入り失敗に終わる」 チッチッチと指を振り。 「あなたの脅威は三つの力を持っていることですな。 あなた自身のあまりにも強固な運命。 デウスより受け継いだ、時間と因果を操る座。 そしてデウスにさえ不可能だったはずの、魂さえも自在に操る技術を仙人の世界より学んだ。 だが、それでも完璧ではない。 こうして捉える事ができるのですからな」 そこで高らかに、高らかに。 自信と余裕に満ち溢れる様を、確認するかの如く哄笑する。 どこか不安など何もないと、自らに言い聞かせるように。 「……そう、これ程の力を持ち合わせておきながら、あなたは強すぎる自分の運命を、自分だけを思うように制御できないのですよ。 デウスが、己の寿命をどうすることもできなかったように。 あなたですら真なる神ではなく、こうして付け入る隙さえできている。 だからこそ、この催事を開いたのでしょう?」 答えはない。 応えはない。 「そういう事ですよ。ただあなたはここにいるだけでいい。 全ての終わりまで、見ているだけで構わんのですよ」 静謐が其処に満ち満ちて、会談の終わりを無言が告げる。 青年は少年を見やると、こくりと頷き顎だけで扉の向こうを差し向ける。 意味するところを理解して、少年はのろのろと魂を抜かれたように立ち上がった。 服の裾を翻し、外へと向かう禿頭を追う。 部屋を出ようとしたその時に、微かに届く呟きひとつ。 「……安心したまえ」 「え?」 「なにも問題はない。小石一つとて、私の道の上には転がっていないよ」 ……背筋が凍りついたような気がした。 まさか。 この男は、自分が運営の場から王族の庭城へ赴く理由を作るために、わざと参加者たちに龍脈を乱させたのだろうか。 ジョン・バックスに反乱を、今この時に誘発させるために。 ……そして、■■■■の決死行を、その機に乗じて行わせるために。 それこそ、馬鹿げた話だ。 参加者の因果を直接書き換えれば運営に支障が出る。 読み通りというならば、初期配置からそれを見据えて駒を置かねばならないのだ。 そして、11thの愚行が後戻りできないまでに熟成する時節さえ見通していなければならないのだ。 しかしプライドには、間違いなくこの青年が自らの意志で以て“そう”したのだと思えてならなかった。 ……故に。 後ろの青年を気にするあまり、幾度も幾度も振り返る。 だからそのことに気付かない。 前を行く男の表情と、震える握り拳の在り様に。 分かっていても、望まずとも、そう踊らされ続けるのだと。 枷を嵌められ懸糸傀儡に貶められた男の苦悩を、まだ。 あるいはその、最期まで。 ***** まだ底があるというのか。 男は自問し自答し自嘲する。 然り、然り。 腐肉と血反吐の汚泥の沼に果てなど終などあるはずもない。 文字の通りに男は堕ちる。無垢な童を携えて。 暗い昏い闇の底からおぞましき白に煙る宙へと投げ出され。 ……本の蔵から這い出でて、足を運んだその先の。 旅籠の郭に寝所を求め、纏うべき衣を拾わんと。 湧き出る泉に暖を取り、疲労を置いては追想す。 白い雪が全てを覆い隠すというのなら。 その成り損ないには何ができて何をもたらすのか。 過去を、目の届かぬほどに埋め尽くすことは叶わない。 気づけば娘の影は見当たらず。 半ば砕けた館に残る痕跡を追うより先に、この手からすり抜けた何かによく似たそれを、見出さんと動き出す。 ……その折だった。 娘が居着いたその先に。 かつては、この湯治場を司ったと思わしきその一角から、零れ落ちたのは。 大穴だった。 どこへ続くとも知れぬ大穴が、其処にはあった。 穴の向こうは見通せない。 それでいて、闇に満ち満つふうでもない。 擦り硝子で鏡を作ったならば、斯の如くに見えるのだろうか。 鳥の目で見下ろす光景が、ぼんやりと霞んでいるかのようで。 それはまさしくその通り。 娘が穴に落っこちる。茶碗を手から滑らせたかのごとく、つるりと。ぬるりと。 ――手を伸ばす。左の手。ぬくもりのない鋼の手。 考えるまでもなく、思うでもなく。 こぼれたものに届き届かせるように手を伸ばす。失われたもので。 「……あー」 とっくに掠れて風化したはずの何かを、諦めきれないから。 「う?」 そして男は、堕ちていく。 いつか穴の底を掬えるのだと、忘れられずに。 取り戻せないままの手を、伸ばす。 ***** 畜生。 この高さじゃ……死ぬな。 神様々よ、訳の分かんねえ仕掛けを作りやがって。 みっともねぇ。 こんなくだらねぇ終わりかよ、この俺が。 ……お似合いかもしれねえな。 もう、復讐は永遠に完遂できねえ。 本当に守りたい女もここにはいねえ、そいつの紛いモンみてぇなガキがいるだけだ。 あの栗頭の妖精も……死んだとよ。 てめえとの旅も、嫌とは思わなかったぜ、パック。 何もやることが見つからねぇ。 ならよ。 ここで誰にも分からねぇようなミンチになっちまっても……まあ、悪くねえ末路だ。 ……冗談。 復讐を取り上げて、あいつを、あいつらを奪った奴らにゃこの鉄塊をブチ込んでやりたいさ。確かにな。 腕の中のこのガキを、いるべき場所に放り出して来なくちゃあならなくもある。 煮えたぎる怒りは、確かに俺の中で黒く燻ってやがる。 こんな茶番を作り出した、全てにな。 だがよ。 ……何か、俺の中で壊れちまったみてぇだ。 俺の復讐を奪った奴。俺の仲間を殺した奴。 そいつらを殺したくて仕方がねぇ。 今目の前に現れたら、全てを投げ打ってでも粉微塵に砕き潰してやるのは間違いねえ。 だってのに、不思議とそいつらを探そうって気が起きねぇ。 ……自分から、何かをしたいと思えねえ。 そいつは仕方ないだろ? いくら火種だけでかく燃え盛ってようが、導火線がぷっちり千切られてちゃ爆発はしないっての。 ま……、爆薬がシケってなきゃあなんとかなるさ。 どうしろってんだ。 このままじゃあ地べたで潰れてお釈迦だぜ。 は、こいつは特別サービスだ。 本当はこんなことしてやる義理はないけれど、まあ、神をぶち殺すってんなら協力はしてやるわよ。 だけどまあ、ほんの少しだけだ。あとはてめえで何とかしな。 私もまだ目立ちたくはないし、それ以上に力自体がそんなに強くないんでね。 ……やれやれ。 幻聴か、幽霊か。 つくづく得体の知らねえモンに好かれるな、クソッタレ。 ……クソッタレ? 言いたいのは私の方よ。 どういう理由か知らねえが、一番嫌ってたはずのこんなモンになっちまうなんてね、ったく。 おい、てめえの左手に仕込んだそいつを地面に向かって突き出しとけ。 他の補正だけはこっちでやってやる。 ……まだまだ、死ねねぇ、か。 ここまでくたばり損い続けると笑えてくるな。 ……だったら最後まであがき続けろよ、あんたはまだ生きてんだ。私と違ってな。 も一つ土産だ。落ちた先辺りにいる女は、あんたの仇の一人だよ、色んな意味でね。 じゃあな、自称死神。 ***** 星が二つ、天から落ちる。 金の光と黒の影。 重なる二つは軌跡を描き、傍目に溶けて一つの線に。 それを見つめる眼が二つ。 暗闇の中で爛々と。ぎらぎらと。 「人……? 空から、か。 ……鳴海歩の共犯者のアイツ? まだ生きてたの?」 いかなる因果か。 黒の剣士は、光の鷹と間違われ。 ――少女は、名を知らない。 自ら落とした光の鷹の、その栄光も。 彼の翼に絡めとられた、黒の剣士の因縁も。 少しばかり考えて、流星の落ちたその場所へ。 大切なもの、雪輝日記。 手にするための人質ならば、危険も危害も度外に能う。 それでなくてもすべきは単純。 隠れた雪輝に近づかせぬよう、いらぬ相手は排して除する。 ひとつ消しては雪輝のため。ふたつ消しては二人のために。 ――因果は回る。 すべての発端の思惑さえ、もはや歯車ひとつに過ぎなくなろうとも。 組み上げられるは機械仕掛けの神。 その姿を知るのは、たった一人の男だけ。 【C-02東/市街地/夜】 【ガッツ@ベルセルク】 [状態]:疲労(中) [服装]:上半身裸 [装備]:衝撃貝(インパクトダイアル)@ONE PIECE、ドラゴンころし@ベルセルク [道具]:支給品一式、炸裂弾×1@ベルセルク、折れたキリバチ@ONE PIECE、 妖精の燐粉(残り25%)@ベルセルク、蝉のナイフ@魔王 JUVENILE REMIX [思考] 基本:グリフィスと、“神”に鉄塊をぶち込む。 0:衝撃貝を用いて落下の衝撃を吸収する。 1:運命に反逆する。 2:死んでいたとしてもグリフィスを殺すのを諦めない。 3:グリフィスの部下の使徒どもも殺す。 4:なぜヤツが関わっている? 5:工場に向かうのはひとまず保留。 6:競技場方面に向かう? 7:ナイブズとその同行者に微かな羨望。 8:落下中に聞こえた声は一体――? [備考] ※原作32巻、ゾッドと共にガニシュカを撃退した後からの参戦です。 ※左手の義手に仕込まれた火砲と矢、身に着けていた狂戦士の甲冑は没収されています。 ※紅煉を使徒ではないかと思っています。 ※妙と、簡単な情報交換をしました。 ※左手の義手に衝撃貝が仕込まれています。 ※鈴子からロベルト関係以外の様々な情報を得ました。 【ウィンリィ・ロックベル@鋼の錬金術師】 [状態]:記憶退行 [服装]:黒のジャンパーコート [装備]:なし [道具]:なし [思考] 0:??? 1:うー? [備考] ※参戦時期は傷の男と合流後(18巻終了後)以降です。 ※記憶を幼児まで後退させられています。 【C-01南東/市街地/夜】 【我妻由乃@未来日記】 [状態]:健康 [服装]:やまぶき高校女子制服@ひだまりスケッチ 点々と血の飛沫 [装備]:飛刀@封神演義 [道具]:支給品一式×8、パニッシャー(機関銃 100% ロケットランチャー 1/1)(外装剥離) @トライガン・マキシマム、 機関銃弾倉×1、 無差別日記@未来日記、ダブルファング(残弾0%・0%、0%・0%)@トライガン・マキシマム ダブルファングのマガジン×8(全て残弾100%)、首輪に関するレポート、 違法改造エアガン@スパイラル~推理の絆~、鉛弾0発、ハリセン、 研究所のカードキー(研究棟)×2、鳴海歩のピアノ曲の楽譜@スパイラル~推理の絆~、 閃光弾×2・発煙弾×3・手榴弾×3@鋼の錬金術師、不明支給品×3(一つはグリード=リンが確認済み、一つは武器ではない) [思考] 基本:天野雪輝を生き残らせる。 0:空から墜落した鳴海歩の関係者の可能性のある人物を確認する。接触するかは様子見。 1:天野雪輝を捜す。神社か灯台に行ってみたい。 2:雪輝日記を取り返すため鳴海歩の関係者に接触し、弱点を握りたい。 人質とする、あるいは場合によっては殺害。 3:雪輝日記を取り返したら、鳴海歩は隙を見て殺す。 4:ユッキーの生存を最優先に考える。役に立たない人間と馴れ合うつもりはない。 5:邪魔な人間は機会を見て排除。『ユッキーを守れるのは自分だけ』という意識が根底にある。 6:『まだ』積極的に他人と殺し合うつもりはないが、当然殺人に抵抗はない。 [備考] ※原作6巻26話「増殖倶楽部」終了後より参戦。 ※安藤(兄)と潤也との血縁関係を兄弟だとほぼ断定しました。 ※秋瀬或と鳴海歩の繋がりに気付いています。 ※飛刀は普通の剣のふりをしています。 ※病院の天野雪輝の死体を雪輝ではないと判断しました。 本物の天野雪輝が『どこか』にいると考えています。 ※無差別日記は由乃自身が入力していますが、 本人は気づいていません(記憶の改竄) ***** 王族の庭城は、誰にその威容を汚されることもなく佇み続ける。 城門の豪奢な彫刻の、鋭い瞳が見下ろす下に佇む影一つ。 金の巻き毛のドレスの少女は、何一つ告げることなく沈黙に沈む。 と。 「……あら。勘のよろしいことですわね。 いいえ、それとも私の事も見続けておられたのですか? はしたないですわね、淑女に取るべき態度ではありませんわ」 振り向けばそこに、銀の髪の少年一人。 幻想の光を抱く庭の向こうに霞み佇み揺れている。 少年の言葉は単刀直入、挨拶無視して核心へ。 「英霊、か。 なるほど、確かにその通りだ。お前も含め、誰も嘘などついてはいないな。 だからこそ、隠れ続けていられたわけか。 そう言えばデウスとやらの力には記憶を移植する力もあったはずだな」 ――無言。沈黙。少女は答えを返さない。 そして、呟くように不敵な笑みを。 「……仰っておられることが、よく飲み込めませんわね」 「大した変装術だ。警察に潜り込めるだけはある。 だが、俺の前で取り繕うな。 ……お前を動かす英霊は、今や黄金に溺れた王じゃない。そうだろう?」 「…………」 「お前はそういう役割の駒だ。一度死に、神の権能の一部だけを植え付けられた者。 加えて――、自分が駒と分かっていても、それでもなお反逆を試みずにはいられない者。 ……そうだろう? ミネルウァ――アテナの名を冠する再演者」 問いに問いが重ねられる。 花弁を舞い散らす風が吹く。 「気づいているんだろう? 貴様は、貴様の本来の有り様を――誰かの手のひらの上で、予定に違わず繰り返しているにすぎないのだ、と。 もっとも、見立てと再演は、この催事において多用される様式ではあるが……」 「そうだとして。 私に、何を求めるつもりですの?」 塗りたくられた笑みは微動だにせず。 今か今かと言葉待つ。 「――流れに乗りながらも、逆らうことだ」 ……上品な笑みが、とうとう歪んだ。 吊り上がった哄笑に。 ***** 豪奢で狭いその部屋に。 虚空に呟く男が一人。 幻の枷を嵌められて。 偽りの囚人は、ただ口ずさむ。 朗じるように、気楽に、無難に。 「部族の数になぞらえ選ばれた十二人は、実は十三人であったことを知っているかい?」 十三。 それは、デウスのゲームに参加したプレイヤーの、本当の数。 「あまり知られてはいないのだけどね。 銀貨三十枚を受け取った者が己の首を括ったのち、数合わせで加えられた一人がいるんだよ」 接吻すべきは誰か。 裏切り者は誰か。 「……もっとも。新たに加わった一人も含め、十三人のうち実に十一人の結末は殉教だったのだけれどね。 先に荒縄で自身の命を絶った者も含めれば、十三人のうち天寿を全うできたのはたった一人だけ。 黙示の書を――神の国の到来を預り綴ったたった一人だけなんだよ」 残るべきはただ一人。 上も下も、ただ一人。 オブジェクトの数は、十二と一。 四つはすでに消え去った。 ――主の下に集うは十三人の十二使徒。 主の復活の伝道師。 「……さて。 君たち十三人の中で、この書(神様のレシピ)を預かるのは誰だろうね?」 扉の向こうで耳欹てる、観測者へと届かせて。 時系列順で読む Back 私の救世主さま Next An Embryo In The Abyss 投下順で読む Back 私の救世主さま Next An Embryo In The Abyss 165 私の救世主さま ウィンリィ・ロックベル 167 喪失花《ワスレバナ》 (上) 165 私の救世主さま 我妻由乃 167 喪失花《ワスレバナ》 (上) 165 私の救世主さま ガッツ 167 喪失花《ワスレバナ》 (上)
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登録日:2017/06/05 Mon 22 35 59 更新日:2024/02/14 Wed 21 03 35NEW! 所要時間:約 17 分で読めます ▽タグ一覧 アル中 ダーティ ブサメン ホウ統 ヤクト・ドーガ ライバル 三国志 三国志演義 中国史 人物評価 大抜擢 夭折 後漢 機種依存文字 火計 蜀 蜀漢 軍師 連環計 鳳凰 鳳雛 ホウ統(ほう-とう)(179-214) 字は士元。 荊州、襄陽の人。 ※ホウは機種依存文字で、まだれ+龍。本来の表記は「龐統」。 「三国志」に登場する劉備の軍師。 その才能をして「鳳凰の雛」という意味の「鳳雛」と呼ばれ、諸葛亮の呼び名である「臥龍」とあわせた「臥龍鳳雛」という言葉は、後世「偉大な才能の持ち主」を示す慣用句となった。 おかげで鳳統という誤字も普及したが 【履歴書】 179年、荊州襄陽きっての名士、ホウ徳公の甥として生まれる。 高度な教育を受けられる恵まれた家庭の出身ではあるが、しかし少年時代のホウ統は一言で言うと「樸鈍」な男の子とされていた。 樸鈍という表現については若干解釈が分かれるが、要するに「ニブくてパッとしない」子だったのである。 しかし20歳手前のある時、ホウ徳公の弟分であったハオハオ水鏡先生こと司馬徽に会いに行き、彼に逸材と認められたことでようやく名が知られるようになった。 その後ホウ統は司馬徽が開いていた私塾に入門し、そこでより学問を深めていくことになる。 司馬徽は「ホウ統は鳳凰の雛だ、機会を得ればたちまち天下に羽ばたくだろう」とその才能を高く評価し、同じく「地に伏せて天に昇る機会を伺う龍」と評価した諸葛亮と並び称した。 ちなみにこの二人、さほど近いというわけではないが縁戚でもある(諸葛亮の姉は、ホウ徳公の息子の嫁)。 司馬徽の門下からは徐庶、尹黙、向朗など、後に魏や蜀漢で高官に昇ることになる人材が多く出たが、ホウ統が彼らと面識があったかについては不明。でもあったと思う方がロマンだよね? 【人事部採用係】 しかしこの時期(200年前後)から約10年の間、ホウ統の動きは良く分からなくなる。 この間に荊州南郡のお役所からお呼びがかかり、功曹(人事採用課のトップ)の職に抜擢されているのは確かなのだが、それがいつのことなのかがわからないのである。 南郡の支配者はこの10年の間に劉表→曹操→周瑜(孫権)と度々変わっており、どのボスの下で官職についたのかが不明なのだ。 まあ不明なのは仕方ないから置くとして、次にホウ統の消息がはっきりとわかるのは、210年に南郡太守であった周瑜が病死し、その葬儀で周瑜の遺体と共に呉へと向かった時のこと。 既に名士として名を知られていたホウ統は呉で大いに歓待され、葬儀を終えて南郡に戻る時には陸家、顧家、全家など呉の名だたる名門の当主たちが揃って見送りに来るほどだった。 ちなみにこの時に見られるようにホウ統は呉方面の名族たちに対して非常に「顔が利く」人物であり、 近年では「ホウ統は劉備の部下ではなく、呉から送られた客将orスパイ」という説すら出てくるほど(*1)。 【支所長】 その後孫権は魯粛の戦略に従い、荊州領の南郡を劉備に「貸与」した。 南郡にいたホウ統もまた劉備の配下となったが、劉備はホウ統を転任させて耒陽県の県令(市長)とした。 しかし県令としてのホウ統の仕事ぶりはぶっちゃけイマイチだったため、考課にシビアな劉備を怒らせるところとなってしまう。 これがホウ統の「俺ほどの人材を使おうというのに、県令か?」という抗議のサボタージュだったのか、あるいは渉外オンリーで実務経験が乏しかったために素でやらかしたのか定かではない。(*2) しかし許靖のように名声だけが先行した名士にせよ、あるいは馬謖のような口先だけの奴にせよ、いずれも劉備が露骨に嫌うタイプであった。 こうしてホウ統は移籍後早々クビにされるところだったが、旧知の諸葛亮や呉の魯粛が「彼はそういう使い方をすべき人材ではありません」とフォローしてくれたため、すんでのところで免れる。 そして劉備は「じゃあどんな人材だってんだよ!」とばかりにホウ統を呼びつけるが、実際に会って話をしてみると、その驚くべき異才を認めざるを得なくなった。 こうしてホウ統は諸葛亮と並んで軍師中郎将に抜擢され、以後劉備の参謀としてその戦略に携わることになる。 【プロジェクト入蜀】 それから間もなくして、益州(蜀)牧の劉璋が劉備に対し、漢中の張魯に対する援軍を要請してきた。 しかしこの件で劉備との折衝にあたった張松、法正ら一部の蜀臣は既に劉璋のことを見限っており、むしろ劉璋から益州を奪ってしまうように劉備に薦めた。 『九州春秋』によれば、劉備はこの時「俺は曹操とは違うし!そんなひどいことできねぇし!」と難色を示したが、ホウ統が「一時的に酷いことをしようが、その後の統治さえ良ければ人々は納得します」といってこれを説得し、これを容れさせたという。 これが正しければ、あるいはホウ統がいなければ「三国」志は成立し得なかったかもしれないということになる。 そして劉備は二人の軍師中郎将のうち、諸葛亮を荊州に残し、ホウ統を伴って益州に入った。 当初劉備軍は(当たり前だが)何の抵抗も受けずに益州の首都、成都から100kmと離れていない涪(フ)城まで進み、そこで劉璋の熱烈歓迎を受けることになった。 ホウ統は「丁度いい機会なので、ここで劉璋を捕まえてそのまま成都をぶんどっちゃいましょう」と進言したが、劉備は「えーでも来たばっかりでそんなことしたら益州の人たちにKYだって思われるし……」とこれを却下してしまう。 こうして千載一遇のチャンスを逃がした劉備軍は、劉璋の要請通り北の葭萌へと向かうことになってしまった。 無論だからといって張魯征伐に気合を入れるわけもなく、地元を懐柔しつつ時を待っていたが、やがて張松のミスをきっかけに陰謀が劉璋に露見してしまうという事件が起きた。 当然劉璋は激怒して張松を処刑。また劉備が駐屯する葭萌への関を全て閉ざしたが、劉備側はこれを奇貨として「助けに来てやった人に対して何だその態度は!ゆるさん!!」と難癖をつけ、ついに行動を開始する。 【落鳳坡】 この作戦開始にあたり、ホウ統と劉備は 劉備「あーどすっかなー益州とんの」 ホウ統「そんな我が君のために策を3つ用意しましたぞ!」 劉備「やるジャマイカ...それは一体?」 ホウ統「具体的にはこんな感じですぞ!」 A. 即座に精鋭を率いてこの葭萌から成都(距離は東京~新潟間ぐらい)に急行し、まだ防備が整っていない成都を一気に落とそうぜ作戦 B. 手近にいる蜀軍の2将軍をだまし討ちにしてその兵を奪い、戦力を増強して成都へ進撃しよう作戦 C. 一旦荊州に返ってから慎重にいこう作戦 ホウ統「さあ、どれになさいますか?」 劉備「う~ん、Aはちょっとギャンブル過ぎるし、Cは流石にチキンにもほどがあるし……よし、Bで!」 ということで、無難なB案を選ぶ。 そして劉備はホウ統の立てた「劉璋は配下に劉備をなんとか荊州に帰らせろと命令しているので、帰るふりをして2人を挨拶に呼び出し、ぶっ殺しましょう作戦」を実行し、白水関を守っていた楊懐、高沛の2将を謀殺。 2人の配下の兵士たちを自軍の兵力に組み込み、かつその家族を人質にとって逃げられなくした。 ちょっとこの君臣ダーティすぎんよ~ こうしてホウ統を軍師として成都への進軍を開始した劉備軍は、劉璋が迎撃に送り出した呉懿、張任、冷苞、劉璝、鄧賢ら蜀のモブ名将を次々と撃破。 さらには綿竹関を守る李厳も降伏させるなど、順調に成都への進撃を続ける。 しかし成都を指呼の距離に望んだ雒(ラク)城を包囲した時、その事件は起こった。 前線で指揮を執っていたホウ統は、この戦いで矢にあたって戦死してしまったのである。享年35歳前後。 謀臣としてこれからが黄金期という年齢であり、曹操がその若死にを惜しんだという郭嘉よりさらに若い、あまりに早すぎる死であった。 劉備はその死を泣いて悲しみ、益州制圧後には関内侯の爵位を送っている。あと「でもホウ統って外道だったよね」と率直に感想を述べた張存を怒りのあまりクビにしてもいる。 ホウ統の死によって劉備軍の快進撃は完全にストップしてしまい、成都まで40kmという距離まで迫っていながら、成都攻略にはここからさらに1年以上を要することになってしまう。 【人物】 モブ 「なあ士元よ、君は人を評価する時、どうにも過大評価をしすぎじゃないかい?」 ホウ統 「皆が保身ばかり考えるこの乱世では、ほめ過ぎなぐらいの評価が出回った方がいいのさ。それで人材が世に出やすくなれば、それに続こうと若者も努力してくれるし、みんなが幸せになれるじゃないか」 「正史」ホウ統伝にあるこの逸話からは、基本ほめて伸ばすタイプであるホウ統先生の穏やかな人格が伝わってくる。 しかしまた同時に、「嘘も方便」「結果さえ良ければ過程は問わない」という謀臣に相応しいドライでリアリスティックな思考を読み取ることもできるだろう。 ホウ統が劉備に仕えた期間はわずか3年程度に過ぎないが、渋る劉備を説得して益州奪取に向かわせたこと、またその戦役を軍師としてプロデュースしたことは、劉備の飛躍、そしてその後の三国鼎立に決定的な影響を及ぼした。 そしてその過程に見られるように、ホウ統は劉備に「進言を受け入れてもらえる」数少ない臣下でもあった。 劉備は基本的に超ワンマン気質であり、自分がこうと決めたら部下の意見をあまり採用しないところがある。 特に戦略・戦術面においてはこの傾向が非常に強く、黄権は肝心なところで進言を却下されため夷陵の大敗を招いたし、諸葛亮に至っては戦争に関して進言を採用された記録が1度もない。 しかしそんな中でこのホウ統、そしてその後釜的ポジションの法正は比較的意見を聞き入れてもらえたケースが多く、その意味でも非常に劉備軍にとって重要な人材だったと言える。 「三国志」を著した陳寿の評では、蜀漢の礎を築いたホウ統の功績をして「魏で言うならば荀イク、荀攸に匹敵する」と高く評価している。 【子供たち】 『ホウ宏』 知名度超低い跡継ぎ息子。 フ陵太守になっていたことは確認されているが、それ以外の経歴はほとんど伝わっていない。 父親同様人物評をよくしたが、時の権力者である陳祗を軽んじたため出世を妨害されたという。 【創作作品の中の凰雛】 軍師と言えば孔明以外はみんなモブ、どうでもいい黒タイツ的存在、というのが歴史的な三国志創作の基本である。 しかしそんな軍師勢の中ではホウ統は割と健闘している方であり、まあ孔明とは全く比較にならないにしても、キャラとして成立するに足る個性は持たされていることが多い。 これにはいろいろと理由があるのだが、最大の要因はおそらく 「適当に下っ端をさせられている内は大した仕事もできなかったが、才能を認められて大役を担った途端に大きな才能を発揮した」 という部分が、士大夫層(特に中~下級の)から大いに好まれていたという理由が大きいだろう。 才能と野心と自負があり、しかしそれに見合う職務や待遇を与えられていないと感じている彼らにとって、ホウ統は一種憧れの的だったのである。 上司に見る目がないことを嘆く彼らは、同じような立場から一転して大出世を遂げたホウ統の故事を好んで引用したため、今でも中国では正史のホウ統にちなむ慣用句が多く残っている。 「百里の才」……小役人程度のちっぽけな才能という意味。魯粛がホウ統をとりなして「彼は百里(程度の土地の行政に使うような)才ではありません」と言ったことから。 「驥足」……(未だ発揮できていないが)優れた才能の人、という意味。↑と同じく、魯粛が「側近として君主の側で大計を練ることで、驥足(馬のような俊足)を発揮することができるのです」と言ったことから。 こういった下級士大夫、あるいはそれに準じる教養人層は庶民向けの創作などに携わることも多かったため、彼らをコアなファン層として獲得していたホウ統もそれなりの扱いを受けられたのである。 『ホウ統先生・第1シリーズ』 とは言え古い時代のホウ統は、やはりスーパー軍師諸葛孔明に押されて圧倒的に影が薄かった。 後の展開から考えると、唐か少なくとも宋の時代には既にそれなりの人気を得ていたのではないか?という説も有力だが、具体的な史料は今のところ全く発見されていない。 『ホウ統先生・第2シリーズ』 元の時代は、三国志関連のみならず中国のエンタメ業界全体にとって飛躍の時代だった。 元朝は歴代王朝と異なり科挙による官僚採用システムを取らなかったため、職を失った教養人層の一部が生計の為にエンタメ分野に進出してきたのである。 それまでは殆ど「張飛・関羽・孔明物語」と言っていいようなモノだった三国志創作も急速に発展をとげ、呂布や趙雲、黄忠と言ったそれまでのサブキャラ達も個性を放ち始めた。 そしてホウ統はその中でも一際キャラ立ちが顕著であり、当時隆盛を極めた元雑劇、白話小説などでも度々美味しい役どころをもっていっている。 この時代の三国志創作の典型例として、演義のプロトタイプと言われる小説『三国志平話』がある。 平話に登場するホウ統は ▼「×相応しい待遇を与えないと役に立たない ○相応しい待遇を与えないと有害」 当時ちゃんとした脚本や小説を書くにはそれなりの教養が必要だったが、教養人の価値観からすると脚本や小説といったフィクション作品は、「偽物の歴史」として軽蔑される底辺的存在だった。 このため平話のホウ統は「俺の周りにも魯粛や孔明みたいに見る目がある人がいれば、小説なんか書いてねーんだ!」という作者サイドの怨念がダダ漏れのキャラになっている。 具体的に言うと、県令の仕事を不満に思ったホウ統がサボタージュ……どころか「ぬるいわ!人を見る目がない奴らに思い知らせてやれホウ統!」とばかりに、荊南4郡を影で操って劉備に反乱を起こすというロックな展開になった。 ▼「道術師」 これは孔明も同様だが、軍師と言っても戦略や戦術で敵を翻弄したりするわけでは全然ない。 水滸伝などでもそうだが、大衆がお話の中の軍師に求めるのはそういうこざかしいことではなく、占いを用いて将来の出来事を予言して難を避けたり、術によって風や雲や雷を操ったり、大火や洪水を起こして数万の敵兵を葬り去ったりすることなのである。それこそ太公望が完全に道士となったようにである。 このためホウ統も 周瑜が(孔明の策で)死んだ時、遺言によりその首を故郷へ送り届けようとして、将星(*3)の動きで孔明にその死を悟られないように星を止める。 県令の仕事をさぼったホウ統に対して送り込まれた張飛が、寝ているホウ統を奇襲して布団の上からバラバラに切り刻んだが、それはホウ統の変わり身の術で、中で刻まれていたのは犬だった(ひどい)。 反乱を起こした時、劉備軍のかませ犬劉封を術によって葦原に閉じ込めて隠す。 益州侵攻戦時に討ち死にしたが、死後に霊体となって黄忠の夢枕に立ち、術によって張られていたバリアを破って劉備軍を助ける。 など様々な神仙方術を行使する軍師()となっている。 ▼「孔明のライバル」 平話のホウ統は、孔明に並び立つ同僚というよりライバル的な側面の方が重視されている。孔明に対しては「弟」と呼ぶこともあり、義兄弟的な関係でもある。 ホウ統の軍師(道術師)としての実力が孔明と同等であることは度々強調されており、実際孔明でさえ突破できなかった橋の結界を破ったのは霊体となったホウ統である。 孔明とホウ統は「臥龍と鳳雛」と並び称されてはいても、正確に言えば「悟空とベジータ」のように「ライバル(しかし能力的な上下関係は動かない)」設定であることの方が多く、ここまでホウ統の実力を強調しているのは極めて珍しい。 と言った感じの独特で、かつ存在感がある「出番は少ないけど超強キャラ」な感じになっている。ここまでホウ統の扱いが大きかったのは、後にも先にもこの時だけである。 『ホウ統先生・第3シリーズ』 明の時代には三国志創作の決定版とも言える『三国志演義』が完成したが、 正史「三国志」を基礎にして再構成されたこと 孔明の神格化が一層進んだこと などで、ホウ統の描写は大きな変化を遂げている。 特に正史とのすり合わせがなされたことが非常に大きく、やりたい放題だった道術師ぶりはスッパリとカット、また物語が前にも後ろにも伸びたことで出番自体も(相対的に)少なくなってしまった。 さらに「孔明が自分に嫉妬していると思い込み、策を誤って死んでしまう」というなんか小物チックな描写も追加されてしまい、「超スゴイ人なんだけど、孔明には一歩及ばない」という上下関係が確定的となった。 しかし出番が少ない上に能力的にも孔明の劣化ときては、水鏡先生の「臥龍か鳳雛、いずれか一人を握れば天下を取れる」という評価も宙に浮いてしまう。 このため演義ではホウ統の出番を前倒しして赤壁の戦いの時に登場させ、周瑜の相談を受けて曹操の下に偽装仕官して偽りの策を授け、船同士を鎖でつながせるという役割を担わせている。 また演義の脚色の中である意味最も尾を引いたものとして、ホウ統のブサメン設定があるだろう。 しかも「激マユ、豚鼻、色黒」と具体的なモンタージュまでされてしまう始末。 しかし実はこの設定、採用している方がむしろ少なかったりする。 『ホウ統先生・最新シリーズ』 演義の普及後も、孔明に押されてホウ統の扱いは小さくなる一方だった。 臥龍&鳳雛という看板があったため設定的な弱体化こそ少なかったが、やはり出番が3年しかないというのはいかんともしがたかったようだ。 清代になると三国志創作のメインは講談や小説といった言葉・文字のジャンルから、ビジュアル重視の演劇に移るのだが、この分野でのホウ統は非常に影が薄く、当時の人気がうかがい知れる。 しかし現代になってエンタメ業界がさらなる多様化を遂げ、受け手の教養水準も高まってくると、再びその人気も再興してきた感がある。 最近の中国大河ドラマである「Three kingoms」のホウ統などは、登場期間こそ短いものの、その短い間につめこめるだけつめこむぞ!的な勢いで大活躍してくれるキャラになっている。 『横山三国志』 「ブサメンじゃねーじゃねーか!」とのツッコミが最初に入りそうなナイスミドルホウ統。ブサメン設定の演義が原作なのに。 しかしこのホウ統は中国の連環画をほとんどそのまま採用したものなのだが、実はその連環画でもホウ統は普通にイケメンなのである。 先にもちょっと触れたが、中国では演義成立後もホウ統のブサメン設定は採用されないことの方が多く、絵や演劇、各観光地の銅像などでも普通に名士らしいイケメンフェイスにされることが多い。 作中での活躍は…まあ、演義のまんまというべきか。 『蒼天航路』 「イケメンじゃねーか!」とのツッコミが最初に入りそうな二枚目ホウ統。武器は袖箭(暗器の一種。袖に入るほど小さい飛び道具で、バネの力で小型の矢を発射する)。 しかし片腕がない(生来のものなのか、傷によるものなのかは定かではない)というアレンジが施されている。 儒教では、戦や刑などで体の一部を欠損すると「親からもらった体を傷つけた不孝者」ということで減点対照になる(生得的な障がいは問題ない)。 これによって「外見では評価されなかった」という正史の記述を反映させているのかもしれない。服装もラフ。 どこか達観したような性格で、主君の劉備にもタメ口、かつ直言を辞さないため、劉備からも「その慎みのねえ口はありえねえ」とすら言われているが、同時に「だがありえんゆえにおいらの軍師だ」と高く評価されている。 蒼天航路は正史を元に脚色しているため、ホウ統の出番は実質的に入蜀戦のみだが、なかなかに強い印象を残すキャラである。 しかし蒼天の孔明があまりにアレすぎるためか、彼との会話シーンは全くない。 『コーエー三國志』 「ブサメンじゃねーか!」とうなずきたくなる安心のブサ面ホウ統。丸顔で色黒、鼻が大きく髭が短いという演義の描写にのっとった顔グラである。実はこのタイプの顔になったのはVIぐらいからなんけど しかし濃い顔ではあるが、ブサメンかと言われると微妙な感じではあるが…… 性能的には全ての数値において切ないほどに劣化孔明と言わざるをえないが、単にあっちが強すぎるだけであって、こっちも十分すぎるほどに優秀な人材。 特に知力は全キャラ中最強クラスであり、知略ランキングでは殿堂入りの孔明に続き、郭嘉、司馬懿、賈詡あたりと二位争いの常連である。 ただし設定上の没年が非常に若いので、各タイトルの寿命関連のシステムにもよるが、活動期間が短めなのが欠点。 『三國無双』シリーズ 「顔が見えねーじゃねーか!」とのツッコミが最初に入りそうな覆面ホウ統。無双ではキャラの衣装や髪型が毎回変わるのだが、目元以外を出したことは一度もない。 三国志平話をはじめとした民間創作を意識したのか、道術的・仙人的な側面が強く出ており、武器はシリーズ通して杖で、どの作品でも無双乱舞が非常に強力な傾向がある。まあ孔明がホバリングしながらビーム撃つ作品だし違和感はない。 ちなみに同作の登場武将の中では孫策(25歳没)に次ぐ若死に(35歳没で、周瑜と一緒)のはずなのだが、むしろ年齢設定は上から数えた方が早いおっさん枠となっている。 詳細は項目を参照。 『三国志大戦』 「イケメンブサメンどっちもいるじゃねーか!」とのツッコミが最初に入りそうな取り合わせでどちらも連環の計を持っている。 イケメンが持つのは伏兵と連環の計。士気6と重いが自身前方大円内の敵の移動速度が身動ぎ出来なくなるほど大きく下がる。 呂布のような脳筋の騎馬は無力化して生殺しにすることが可能で、その強力さから混色にして士気を全部吐いてでも指鹿為馬の計と組み合わせるという用法も存在した。 混色なので士気を全て吐かないとコンボが成立しないが双方とも1コストなので、総武力はさほど落とさず組める。 一方でストッパー毒島やBECKで有名なハロルド作石氏が描いたブサメンが持つのは伏兵と連環のススメ。 士気6とやはり重いが知力も下げるため単独でコンボが可能になるのが強み。しかしコストが1.5に増えている上に足が遅い槍兵でありながら範囲が自身中心の横長長方形で単独では移動速度の低下がそこそこなのがネック。後に回転可能になって実用性は上がったが。 「3」になってからはイケメンが追加され、「3.59」で更にブサメンも追加。 イケメン軍師は鉄鎖連環と増援。鉄鎖連環はMAXなら速度がどんなに上がっていようとやはり身動ぎできなくなるため挑発して無理矢理引っ張り込むなどのコンボも可能で猛威を振るった。 ブサメンは当たり前のように伏兵を持つが、更に大軍と連環ではなく味方の天属性と人属性のコストが武力増加と反比例する号令持ち。 士気7と更に重いが範囲・効果時間共に相応に長く、更に自身も範囲に入るようになったためこちらも猛威を振るう時期があった。 共通していることは「ホウ統が2枚使えたら」とプレイヤーが思うほどに計略要員として基本的に安定して高い性能の計略を持っていることで、史実以上に蜀を支えた功臣と言えよう。逆に計略がピーキーな諸葛亮は冷や飯食ってることが多かった 『BB戦士三国伝』シリーズ 「モノアイじゃねーか!」とのツッコミが最初に入りそうなヤクト・ドーガホウ統(+グランドマスターガンダム)なぜか魏駕(魏に当たる国)の大尉で司馬懿の配下。劉備とは面識すら無い。 本来は快活で心優しい性格だったが、かつて董卓軍の攻撃を受けた際に親友の徐庶を孔明が助けられなかった無念と、孔明が真の実力を発揮しないことや彼に自信の才能が届かないことの苛立ちを孔明への憎しみに転嫁して破滅を望むようになった。 洗脳した祝融を人質にとって孟獲に反乱を起こさせ、兀突骨・木鹿大王・朶思大王・帯来洞主を配下として孔明を襲撃した。 ぶっちゃけ原典の面影がないほどに設定が変わりすぎて誰だお前状態である。徐庶と逆でも良かったのではないだろうか。 「天下太平の後には、卿らと共にまた四海の士の記事を追記:修正しましょうぞ」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 顔の説明ばっかじゃねーか!長生きしてたらみたいなifも見てみたいキャラ -- 名無しさん (2017-06-05 22 58 29) SDガンダム三国伝では演者はヤクト・ドーガ+グランドマスターガンダムで、なぜか魏駕(魏に当たる国)の大尉で司馬懿の配下。本来は快活で心優しい性格だったがかつて董卓軍の攻撃を受けた際に親友の徐庶を孔明が助けることができなかった無念と、孔明が真の実力を発揮しないことや彼に自信の才能が届かないことの苛立ちを孔明への憎しみに転嫁して破滅を望むようになった。洗脳した祝融を人質にとって孟獲に反乱を起こさせ、兀突骨・木鹿大王・朶思大王・帯来洞主を配下として孔明を襲撃した。ぶっちゃけ原典の面影がないほどに設定が変わりすぎて誰だお前状態である -- 名無しさん (2017-06-06 00 24 02) 蒼天ホウ統ほんと好き -- 名無しさん (2017-06-06 00 56 01) ↑↑最初にホウ統を知ったのが三国伝だったから別作品(3DSの雷子)で見かけたときに劉備サイドな上めっちゃ頼れる人でスゲー困惑した -- 名無しさん (2017-06-06 07 42 11) 劉備に仕えた期間が短か過ぎるし、早死だった分、三国志の主人公の一人である諸葛亮と同等とされる知略の持ち主なので、もし生きてたら、もしもっと早く劉備に仕えてたら、というIF展開が非常に膨らませ易い人物なので、個人的には諸葛亮より好き。 -- 名無しさん (2017-06-06 09 32 35) とはいえ早死だからこそ今の評価という部分もあるかも、建国に貢献して早死にした人はみんな評価が高いので…… -- 名無しさん (2017-06-06 10 02 39) 早死の分晩節を汚していないというのはあるからね 諸葛亮は馬謖を重用してしまうなどのミスが目立ってるし -- 名無しさん (2017-06-06 10 35 06) 確かに、本当に孔明と並ぶ超軍師だったら、なんかそのうち内輪もめで歴史が大幅に変わってたような気がする。どの三國志だったかは忘れたけど、入蜀のきっかけが孔明への嫉妬心から来る奴もあったよな…。ホウトウにしろホウセイにしろ早死にしたからこその今の三国志の歴史結果なんだろうな。 -- 名無しさん (2017-06-06 11 58 24) 法正とともに蜀では貴重な戦略担当(孔明は内政担当)の人間という印象を持ちます。二人は生きていたらもう少し魏に対抗できたのか、それともいたずらに戦線を拡大しただけなのか…。 -- 名無しさん (2017-06-06 14 05 02) この項目面白いじゃねーか! -- 名無しさん (2017-06-06 15 06 20) ↑2 ホウ統も法正も戦略家じゃなく戦術家だけどな -- 名無しさん (2017-06-06 15 21 12) 最近建て主が次に誰の項目を立てるか予想するのが楽しみになってきた。次は徐庶か袁紹あたりかな。 -- 名無しさん (2017-06-06 18 08 36) 孔明の馬ショクを重用するのがミスみたいに言ってるが、馬ショクの兄の白眉さんは孔明の義兄弟なので顔を立ててやらなくてはならなかったのだ・・・白眉さんは夷陵でおっ死んだのでこれさえも劉備の負債と言える -- 名無しさん (2017-06-09 04 15 00) 馬謖も普通に有能だろ。それまで諸葛亮の補佐しかしてなかったのにいきなり総大将として実戦に放り込まれ、敵の名将と戦わせられたら経験の差が出たってだけで。街道に陣を張って負けたら、今度は「どうして臨機応変に兵法の基本である高所を取るなど当初の作戦を変更しなかったのか」って叩かれるだけ。 -- 名無しさん (2017-06-09 07 00 30) 有能な(決断力がある)指揮官なら、囲まれた後に何らかの行動を取っている。放置していても事態は悪化する一方だから、破れかぶれでもいいので動かねばならなかったのに。六韜32編、33編にも「陣地を囲まれた場合は、可及的速やかに行動して解囲せよ」とあるのに、パニクって出てこなかったと見える。諸葛亮の相談役としては優秀であっても、現場指揮官としてこうも向いてない性格では実戦重視派の劉備にとって「口先だけの奴」と写るのも無理はない。 -- 名無しさん (2017-06-09 17 35 29) 夷陵の戦いの布陣を聞いただけで曹丕に「あいつは戦のやり方を知らないので負ける」と言われる劉備本人にそんな実戦力はあったのだろうか…… -- 名無しさん (2017-06-09 19 14 57) そりゃ人を見る目と自分の力は別だもの(というか劉備自身もそこまで戦績酷くはないけど)。優秀な人材を適材適所で選ぶ目を持っていたからこそ1国を築けたのであって、その目からみると馬謖はちょっとアレだったってことよ。 -- 名無しさん (2017-06-09 19 46 10) 曹丕お得意の皮肉だし、戦に関しちゃぶっちゃけ曹丕はおまいうだしなあ -- 名無しさん (2017-06-09 19 51 19) この項目ツッコミのテンポが良いじゃねーか! -- 名無しさん (2017-06-09 21 36 46) 劉備の戦いはそもそもやる前から負け戦確定みたいな戦いも多かったしな。それこそ物資も人材も潤沢なのに負けまくりの曹丕が言える立場じゃねぇな -- 名無しさん (2017-06-09 22 56 09) 垂れ流すな、天下人 -- 名無しさん (2017-07-08 09 33 39) ↑8 それそのままに負けるのを無能というんだが -- 名無しさん (2017-07-12 16 22 55) 馬謖の話は馬謖の項目でやれよ。こっちは龐統の項目だぞ。 -- 名無しさん (2018-05-30 16 04 42) 人を乗せるのがうまい士元先生。わざわざ三案出して選ばせたのも、劉備に自分で決断させるため。尻の重い劉備にC案を却下させるという匠の演出が光る。 -- 名無しさん (2018-08-01 14 30 41) 勝った勝ったと騒ぐのは聖人の行為じゃありませんな -- 名無しさん (2019-08-31 01 51 12) 人を過大に評価してやる気と知名度を上げるって言う逸話からして心理学に長けた印象があるな -- 名無しさん (2020-08-23 16 51 04) 上司に自分の意見を拾ってもらうよう誘導するために「前のめり過ぎな案」と「後ろ向き過ぎる案」を一緒に並べるテクニックは現代でも使える -- 名無しさん (2021-08-15 20 15 21) ↑参考にしてみよう -- 名無しさん (2022-06-27 20 06 45) トップクラスの知恵者のはずなのに「孔明に嫉妬して功を焦って死ぬ」って描写に違和感を覚えたり好きになれないホウ統先生ファンはスリーキングダム版を観よう!孔明先生に並び立つと言われた知恵者らしい描写をされた最期で、こっちの方がかなりしっくり来たぞ。 -- 名無しさん (2022-11-11 02 53 52) ホウ統は出発直前に劉備と馬を取り替えたせいで敵将張任に劉備と間違われて討たれたわけだけどよくよく考えたら劉備の愛馬の的盧は凶馬といわれている馬なわけだからそれに祟られたせいで死んだとも思える -- 名無しさん (2022-11-16 20 14 10) ↑的盧の伏線をここに来て回収する羅貫中の手腕だね -- 名無しさん (2022-12-14 10 06 21) 名前 コメント
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クレイジートレイン/約束(中編) ◆guAWf4RW62 「――――千影ぇぇッ!!」 「…………悠人、くんっ!?」 現われたのは、ショベルカーの後を追い掛けていた高嶺悠人だ。 悠人は状況を把握すべく全体を見渡し、最初に千影の姿を発見した。 見れば千影は、息を切らしながらも懸命に、巨大なショベルカーと戦っている。 「ク――待ってろ千影、今助ける!!」 再会を祝っている暇など無い。 一も二も無く悠人は疾走し、ショベルカー目掛けてベレッタM92Fを撃ち放った。 だが当然の如く銃弾は防弾ガラスに弾き飛ばされ、大した戦果を挙げぬまま無力化した。 驚きの表情を浮かべる悠人に、千影が警告を投げ掛ける。 「悠人くん、駄目だっ……! あの機械に銃は効かない!」 「分かった!」 悠人は直ぐにベレッタM92Fをデイパックへと戻し、代わりに日本刀――トウカが愛用していた物――を取り出した。 元々悠人の得意とする戦法は剣を用いての近接戦、銃弾が効かぬと分かった以上、拳銃に頼る意味など無い。 悠人はまるで臆する事無く走り続け、ショベルカーとの間合いを縮めてゆく。 「――カトンボが一匹増えたくらいで!!」 新たなる敵対者の存在を認めた名雪が、即座に攻撃目標を変更し、横薙ぎにシャベルを振るった。 広範囲に渡るその攻撃は、正しく死の旋風と呼ぶに相応しい。 しかし悠人は天高く跳躍する事で、迫る一撃を空転させた。 「ハアアアアアァッ!!」 空中に浮いたまま、ショベルカーの防弾ガラスに狙いを定めて、思い切り日本刀で斬り付ける。 悠人の攻撃動作はアセリアに比べると少々稚拙だが、一発一発の威力だけで見れば間違い無く最強だ。 その威力は、いかな防弾ガラスと云えども完全に防ぎ切れるものでは無い。 「えっ…………け、けろぴーが!?」 この戦いに於いて初めて、名雪の表情が狼狽の色に染まった。 悠人が放った剣戟は、防弾ガラスに刻み込まれていた皹を肥大化させていた。 それを好機と取った悠人は、連続して剣戟を繰り出し、その度に皹がより一層広がってゆく。 誰の目から見ても、耐久力の限界が近いのは明らかだった。 「う、あ、このっ……!!」 不利を悟った名雪は、堪らず操縦用のレバーを動かして、一旦悠人から距離を離そうとする。 しかしながら悠人が、後退しようとする敵を黙って見逃す筈も無い。 一気に勝負を決めるべく、大地を蹴り飛ばして疾走する。 だがそこで鳴り響く、一発の銃声。 悠人は脇腹に焼け付くような痛みを感じ、もんどり打って転倒した。 「あぐっ……が……!?」 「――ふふ、また会ったね悠人君」 「ぐ……お前は……!」 悠人が身体を起こし、銃声のした方へ振り向くと、そこには数時間前に交戦した佐藤良美が立っていた。 良美は心底可笑しげに微笑みながら、悠人に向けてS W M627PCカスタムを構えている。 とどのつまりは、良美が悠人を狙撃したのだ。 未だ良美の正体を知らぬ千影が、訝しげに眉間へ皺を寄せた。 「良美くん……、一体何のつもりだい……?」 「一々説明しないと分からないのかな? 見ての通りだよ」 「……つまり君は、殺し合いに……乗っているという訳か」 千影の質問に、良美は笑みを深める事で応えた。 良美はもう正体を隠すつもりも、この場から逃亡するつもりも無かった。 自分の正体を知る悠人が出現した事で、千影を騙すのはほぼ不可能になった。 だからこそ逸早く思考を切り替えて、この場に居る人間全ての排除を目標にしたのだ。 平時であれば、殺し合いに乗った自分は、人数的に不利な戦いを強いられる。 しかし名雪という無差別殺人者が居る今ならば、立ち回り方次第で、悠人と千影の両方を始末出来る筈だった。 「糞っ――良美! お前どうして、そこまで楽しそうに人を襲えるんだよ! ことりみたいな良い子を殺して、心は痛まないのかよ!?」 「……ちょっと待ってくれ、悠人くん。ことりくんが……死んだ、だって……?」 千影が聞き返すと、悠人は表情を深く曇らせた。 「ああ。ことりは良美と戦って、それで……」 「……ことりくん。君まで……逝ってしまったのか……」 また一人知り合いが死んでしまったと分かり、千影は悲しげな声を洩らした。 白河ことりとは少し会話しただけの仲だったが、彼女が善良な人間であったのは分かる。 こんな所で殺される謂れなど、ある筈も無い。 一方千影と対照的に、良美は何時も以上の笑顔を湛えていた。 苦渋を舐めさせられた怨敵が死んだと聞いて、上機嫌になっているのだ。 「そっかあ、やっぱりことりちゃんは死んだんだね。うん良いよ、折角だから質問に答えてあげる。 心が痛む? そんな訳無いじゃない。お人好しが一人減って、寧ろせいせいするよ」 「っ……コイツ、何処までも腐り切ってやがる……!」 三者三様の表情を見せる三人。 悠人は怒りの表情を、良美は愉悦の表情を、そして千影は悲嘆の表情を露としている。 だがそれも、長くは続かない。 ルール無用の殺人遊戯に、開戦の合図など不要。 良美は唐突に腕を持ち上げて、S W M627PCカスタムのトリガーを引き絞った。 千影が直感に身を任せて跳ねるのとほぼ同時、唸りを上げる357マグナム弾が、彼女の頬を掠めた。 「――遅いよっ!」 良美の攻撃はそれだけに留まらず、立て続けに銃弾が放たれてゆく。 後手に回ってしまった千影と悠人は、否応無く回避を強要される。 疲弊した千影と脇腹を撃ち抜かれた悠人にとって、それは決して楽な作業で無かった。 「っ…………!」 業を煮やした千影が、苦し紛れにショットガンを撃ち放ったが、散弾は狙った位置から大きく逸れてしまった。 回避しながらでは、照準を合わせる余裕など無かったのだ。 そして無理な反撃を行った千影は、良美にとって格好の標的に他ならない。 しかし良美は千影に銃撃を浴びせようとせず、突然横方向へと飛び退いた。 その直後、良美の傍を巨大な物体が通過してゆく。 「――あははははははっ、一人残らずペチャンコにしてやるぅうううう!!」 ショベルカーに搭載された拡声器から、狂った笑い声が放たれる。 獲物達同士で交戦し始めたのを見て取り、名雪はここぞとばかりに攻めに転じた。 上手く奇襲を躱した良美にはもう目もくれず、前方に残る二人の標的へと意識を集中させる。 名雪の駆るショベルカーが、一直線に悠人達の方へと向かってゆく。 それを迎え撃つ形で、悠人もまた勢い良く駆け出した。 徐々に明るみを帯び始めた大空の下、鋼鉄の怪物と鍛え抜かれた戦士が衝突する。 「っ…………く、そ――――」 悠人の動きには、先程までのようなキレが無い。 乱暴に振り下ろされたシャベルを、サイドステップで躱したものの、そこから反撃に転じれない。 撃ち抜かれた脇腹の怪我が原因で、行動一つ一つの速度が大幅に低下しているのだ。 間合いを詰め切る前に、ショベルによる第二撃が飛んで来て、悠人は後退を余儀無くされる。 今の身体で接近戦を挑むのは、分が悪いと云わざるを得なかった。 「でも……それならそれで、やりようはある!」 ならばと、悠人はデイパックからベレッタM92Fを取り出した。 これならば無理に間合いを詰めなくても、離れたままで攻撃出来る筈。 シャベルの射程外で、悠人は弾切れまでトリガーを引き絞る。 しかし名雪も、大人しく銃撃を受け止めたりはしない。 防弾ガラスの損傷が深まっている今となっては、銃弾一つ一つが致命的な損害に繋がりかねない。 素早くレバーを操作して、ショベルカーの車体をジグザグに揺らす事で、被弾部位をズラそうと試みる。 それでも銃弾の幾つかは防弾ガラスに命中したが、破壊し切るには至らない。 そして銃弾を再装填する暇など与えんと云わんばかりに、ショベルカーが再び接近して来て、悠人は守勢に回る事となった。 「チィ――――」 「逃げろ逃げろ! 虫ケラみたいに醜く逃げ惑え!!」 傷付いた身体に鞭打って戦う悠人と、限界の近い機体を酷使する名雪。 両者の戦いは、互角と云っても差し支えないだろう。 そんな二人から少し離れた場所では、千影と良美が苛烈な銃撃戦を繰り広げていた。 「――千影さん、もっと頑張らないと当たっちゃうよ?」 「…………くっ」 轟く銃声、忙しい足音。 千影のすぐ傍の空間を、猛り狂う銃弾が切り裂いてゆく。 済んでの所で命を繋いだ千影は、散弾銃の照準を合わせようとする。 だがそれを遮るような形で、良美の構えたS W M627PCカスタムが火を吹いた。 「――つ、あ……!」 千影は即座に銃撃を中断し、ぎりぎりのタイミングで上体を捻った。 真っ直ぐに迫り来る銃弾は、千影の右肩を軽く掠めていった。 千影は激痛を噛み殺して反撃しようとするが、それも良美の銃撃によって阻まれる。 古いタイプの回転式拳銃を用いている良美と、高性能の散弾銃を用いてる千影。 武器だけ見れば、どう考えても千影に分がある。 しかし休憩を取ったばかりの良美と違い、千影は未だ疲労困憊の状態だ。 故に良美は行動一つ一つの速度で千影を上回り、常に先手を取る形となっていた。 「ハァ――フ――、ハ―――」 呼吸を荒く乱しながら、千影は回避に専念し続ける。 秀でた動体視力など持たぬ千影が銃弾を避けるには、照準を合わされぬよう常に走り続けるしかない。 苦し紛れの反撃すらも許されない、余りにも一方的な展開。 それでも千影の瞳には、諦めの色など微塵も浮かんではいなかった。 (まだだ……絶対に好機は来る。トウカくんなら……絶対に、諦めない……!) 生きている限り、そして自分から勝負を捨てない限り、勝敗の行方は分からない。 桁外れの実力を誇ったネリネ相手ですら、トウカは最後まで希望を捨てず、そして絶対的な劣勢を覆したのだ。 だから、自分も諦めない。 どれだけ見苦しかろうとも、死を迎えるその瞬間まで諦めず、一縷の勝機が到来するのを待ち続ける。 「く――――は、――――あ――――!」 身体の限界を感じつつも、千影は懸命に良美の猛攻を耐え凌ぐ。 絶えず跳んだり跳ね回ったりして、敵の銃撃を躱してゆく。 そして千影が思っていたよりも早く、反撃の時は訪れた。 「…………?」 千影は激しく動き回りながらも、一抹の疑問を感じ始めていた。 それまで絶えず降り注いでいた銃弾の雨が、急に飛んで来なくなったのだ。 見れば良美は、鞄の中に片手を突っ込んだまま、狼狽の表情を浮かべている。 まさか――千影の推測を肯定するように、良美の口から焦りの言葉が零れ落ちた。 「――た、弾切れっ……!」 つまりは、そういう事だ。 あれだけ一方的に攻め立てれば、何時銃弾が尽きてしまっても可笑しくは無い。 その事実を正しく認識した瞬間、直ぐ様千影は攻めに転じた。 右手にショットガンを握り締めたまま、左手で鞄から永遠神剣第三位"時詠"を取り出す。 唯一無二の好機をモノにすべく、自身の全戦力を揃えた上で敵目掛けて疾駆する。 「……ことりくんの仇、取らせて貰うよ――!」 「ち、かげ――――さん――――!!」 千影は走りながら一発、二発とショットガンを撃ち放った。 片手での、そして動き回りながらの射撃が命中する筈も無いが、十分牽制にはなる。 今は当たらなくても良い、良美の後退を防げればそれで構わない。 焦らずとも、近距離まで詰め寄ってしまえば、広範囲に渡るショットガンの攻撃は確実に命中する筈だった。 前に進む足は決して止めぬまま、良美の後退を遮るような形で、何度も何度も引き金を絞る。 そのまま狙い通りに間合いを縮め切って、ゆっくりとショットガンの照準を定めようとして――瞬間、良美の顔に冷笑が浮かんだ。 「……莫迦だなあ、千影さん。本当に弾切れだったら、わざわざ報せてあげないよ」 「――――ッ!?」 千影が照準を定めるよりも早く、良美のS W M627PCカスタムが水平に構えられた。 咄嗟の判断で千影が"時詠"に魔力を注ぎ込むのとほぼ同時、一発の銃声が鳴り響いた。 「……へぇ。まさか、今のを避けるなんてね」 「あ……ぐ…………」 結果から云えば、銃弾が千影の身体を捉える事は無かった。 千影はタイムアクセラレイト――自分自身の時間を加速する技――を発動させて、間一髪の所で難を逃れたのだ。 だがその代償として、残る全ての魔力と体力を消耗してしまった。 手足の先端にまで痺れるような感覚が奔り、喉はカラカラに乾き切っている。 最早、銃撃戦を続けられるような状態では無い。 千影と良美の距離は約15メートル。 苦しげな表情を浮かべる千影に、S W M627PCカスタムの銃口が向けられる。 「どうやって躱したのか教えて欲しいけど……どうせ断るよね?」 「……ああ。君みたいな人間に……手を貸すつもりは無い」 「そう。それじゃ、今すぐ殺し――――!?」 そこで、良美の背後から、巨大なエンジン音が聞こえて来た。 「死ねっ死ねっ!! 佐藤さんも千影ちゃんも、皆死んじゃええええええええええッ!!」 悠人との戦闘を中断した名雪が、良美と千影を一纏めに始末すべく突撃する。 良美は死に物狂いで横に転がり込んで、迫る脅威から紙一重のタイミングで逃れた。 しかし未だ体力に余裕のある良美とは違い、千影にはもう何の力も残されていない。 「アハハハハハハハハッ、バイバイ千影ちゃん!!」 「う、く、ァ――――――」 シャベルが容赦無く振り下ろされる。 千影は懸命に真横へ逃れようとするが、明らかに速度不足。 どう考えても避け切れない。 だが千影の危機を前にして、悠人が大人しく手を拱いている筈も無い。 「――させるかあああああああっ!!」 悠人は恐るべき勢いで駆け付けると、千影の身体を抱きかかえて跳躍した。 天より降り注ぐ鋼鉄の牙が、悠人達のすぐ真横の地面を大きく抉り取る。 「こ……の……カトンボがあああぁぁぁ!!」 「遅い――――!」 激昂した名雪がシャベルを横に払おうとするが、それは無駄だろう。 悠人は既に後方へ下がり始めており、このままショベルの射程範囲から逃れ切る筈。 横薙ぎに振るわれる鋼鉄の牙が、獲物に噛み付く事は無い。 そう――空気を引き裂く、一発の銃弾さえ無かったのなら。 「――惜しかったね、悠人君」 「…………ガアアアッ!?」 苦悶の声が木霊する。 良美の放った銃弾が、悠人の右太腿を完璧に貫いていた。 グラリ、と大きく悠人の身体がバランスを崩す。 悠人は一瞬の判断で、それまで抱き抱えていた千影を、安全圏へと突き飛ばした。 その、直後。 「あ――――――」 今度は、呻き声を上げる余裕すら無かった。 ショベルカーに搭載された鋼鉄の牙が、悠人の身体を正確に捉えていた。 悠人はゴミのように吹き飛ばされ、少し離れた地面に背中から衝突した。 「がはっ――――ぐ、ごふっ……!」 「ゆ、悠人くん……!!」 倒れたまま咳き込んだ悠人の吐息には、紅い血液が混じっていた。 手足の感覚は消え失せて、全身が砕け散ったような錯覚すら覚える。 圧倒的な衝撃で、内臓は酷く痛め付けられた。 肋骨の内数本は折れ、かろうじ骨折を免れた部位にも皹が入っている。 「づ……あ……ぐ……」 悠人は必死に立ち上がろうとするが、身体が反応してくれない。 どれだけ必死に命令を送っても、腕や足が思うように動かない。 それだけのダメージを、受けてしまった。 「フ――ハハ――――アハハハハハハハハハハハハッッ!! 醜く地面を這いずり回って、カトンボにお似合いの姿だね!」 とうとう獲物を捕らえた名雪は、余裕綽々たる面持ちでショベルカーを停車させて、高々と哄笑を上げていた。 這い蹲るカトンボを天からじっくりと見下ろすのは、名雪にとってこの上無い快感だ。 「どうだどうだっ、やっぱりけろぴーは無敵なんだよ! 私は無敵なんだよ! あはっ、あははははははははっ!!」 気分が高揚し切った名雪は、すぐにトドメを刺そうとはせず、唯只哂い続ける。 だが名雪は少し横に視線を移し、大きな違和感を覚えた。 悠人同様に絶体絶命である筈の千影が、こちらを見ていないのだ。 単に余所見していると云う訳では無い。 千影の視線は、名雪よりも更に上方の位置へと寄せられていた。 「…………?」 疑問を解消すべく、名雪が頭上に視線を送ると、そこには―― 「――良く頑張ったね、名雪ちゃん。お陰で悠人君達を殺せそうだよ」 「え……ひ、あ、ひああああっ!?」 嘗ての倉成武と同じように、佐藤良美がショベルカーの天井に張り付いていた。 「でもね、これでもう名雪ちゃんは用済みなの。だから――そろそろ死んでよ」 良美はS W M627PCカスタムを取り出すと、防弾ガラス上の皹が密集した部分に狙いを定めて、思い切りトリガーを引いた。 至近距離から何度も何度も銃弾が吐き出され、同じ箇所に叩き付けられてゆく。 ピンポイントを狙ったその銃撃に耐え切れず、とうとう防弾ガラスの一部が砕け散った。 すかさず良美は、その開いた穴から片腕を侵入させる。 「ヒッ――は、はああ、ひううっ……、嫌だ、助けて、死にたくない…………っ!!」 良美を振り落とすべく、名雪が必死に機体を前進させようとするが、遅い。 良美は怯える名雪の姿を、何処までも愉しげに眺め見た後―― 「さて、何が起きるかな?」 右人差し指に嵌めたフムカミの指輪を使用した。 瞬間、良美が指を向けた先――即ち、名雪に向かって幾重ものカマイタチが放たれる。 「ひぎゃぁぁぁぁぁああああああああああああああああッッ!!!」 名雪の喉から、獣の如き悲鳴が吐き出された。 荒れ狂う風の刃は、容赦無く名雪の身体を蹂躙してゆく。 服を裂き、肌を裂き、酷い箇所では血管すらも断ち切られている。 舞い散る鮮血により、防弾ガラスが真っ赤に染め上げられた。 「ぎっ……がっ……ごああ……ガァァァアアア!!」 凄まじい激痛から意識を逸らすように、名雪は操縦用のレバーを滅茶苦茶に動かした。 それは何か明確な狙いがあった訳では無い、只の苦し紛れに過ぎぬ行動だ。 だがその行動こそが、名雪の命を薄皮一枚の所で繋ぐ結果に繋がった。 まるで操縦者の苦悶に反応するかのように、ショベルカーが不規則な動きで走り出す。 「……っ、くあ、無茶苦茶、だね……!」 良美は慌てて攻撃を中断して、転げ落ちぬよう態勢を安定させる事に専念した。 ショベルカーは慌しく左右に方向転換し、その度に良美の身体を衝撃が襲う。 まるでロデオ。 暴れ狂う馬に乗っているかのような感覚。 結局このまま張り付いていては危険と判断し、良美はショベルカーから飛び降りた。 「あぐ、あうっ、ぐ……よくもよくもぉ! 殺すッ、絶対に皆殺してやるぅぅぅぅぅぅう!!!」 名雪が駆るショベルカーはそのまま、明後日の方向へと走り去って行った。 スピーカーから、苦悶と憎悪の声を撒き散らしながら。 そして地面に降り立った良美は、逃亡するショベルカーを追い掛けたりしない。 フムカミの指輪が巻き起こした現象は驚愕に値するが、そのような事に意識を取られている暇も無い。 今は生死を賭した激戦の最中であり、全員が敵対者を仕留めるべく動いているのだ。 ならば次に何が起こるなど、考えるまでもない事だろう。 良美は大地を蹴って、素早くその場から退避した。 次の瞬間、それまで良美が居た空間を散弾の群れが引き裂く。 「甘いよ千影さん。悠人君を囮にするくらいじゃないと、私の裏は掻けないよ?」 「――――っ」 散弾を放った張本人である千影が、焦りを隠し切れぬ顔付きになる。 良美の背後に回り込み、照準をしっかりと絞り込んでの奇襲。 千載一遇の好機だった筈なのに、それすらも読み切られてしまった。 良美はS W M627PCカスタムに銃弾を詰め込みながら、千影をじっくりと眺め見る。 「千影さんもなかなか頑張ったと思うけど、そろそろ限界みたいだね」 その言葉に、千影は反論を返せない。 何とか自分の足で立ってはいるものの、それで殆ど限界だった。 時詠を介しての魔術はもう使えぬし、銃撃から身を躱すような動きも望めない。 度重なる連戦によって、魔力も体力も完全に底を突いているのだ。 対する良美も、万全の状態であるとは云い難い。 左手の小指は消失してしまっているし、右手にも軽くない傷を負っている。 体力も、一時間程度の睡眠では回復し切れていない。 それでも良美には未だ、動き回るだけの余力が十分にある。 とうに限界を越えている千影と比べれば、どちらが有利かなど明白だ。 両者が戦えば、一分も経たない内に決着が着くだろう。 だが、決して失念してはいけない――この場には、もう一人戦士が居る事を。 「ぐ――う――やらせる……かよっ……!」 「――悠人くん!?」 驚きの声は、千影のものだ。 満身創痍の風体を晒しながらも、悠人が懸命に起き上がろうとしていた。 口元にこびり付いた血を拭おうともせず、トウカの刀を杖代わりに用いて。 慌てて千影は、悠人の無謀な行いを制止しようとする。 「悠人くん、無茶だ……! 此処は私が――」 「駄目だ。ことりは最後までコイツに立ち向かった……腹を撃たれても戦い続けて、一矢報いたんだ。 それなのに、俺だけ逃げる訳にはいかないさ」 それに、と悠人は続ける。 「俺は衛やお前を守るって決めたんだ! お前達を何としてでも守ってみせるって、約束したんだ! だから絶対、コイツに勝ってみせる!!」 そう云って悠人は、日本刀を深く構えた。 その瞳には、警戒に値するだけの強い光が宿っている。 肋骨の幾つかが折れ、内臓も酷く傷付けられているにも関わらず、良美に立ち向かおうと云うのだ。 通常ならば、まず考えられない状況。 だが良美は、目の前で繰り広げられた光景に対して、驚きなど感じていなかった。 「……やっぱりね」 良美にとって、この事態は予想の範疇。 自分は既に、過去何度も同じような経験をしている。 前原圭一も白河ことりも、追い詰めれば追い詰める程、驚異的な底力を発揮した。 そして――その度に、苦渋を舐めさせられてきた。 「私、分かったんだ。悠人君みたいなタイプの人は、どれだけ痛め付けても止まらない。 どれだけ絶望させようとしても、奇麗事を吐き続ける」 もう、嫌という程思い知った。 こういった類の相手と戦う際には、一瞬の油断が命取りとなる。 相手がどれだけ傷付いていようとも、腹部を撃ち抜こうとも、気を抜けばその瞬間に負ける。 余分な思考は、只の足枷にしか成り得ない。 「だから決めたんだ――もっと恨もうって……もっと憎もうって! 二度と喋れないよう、五臓六腑まで引き裂いてやろうって!!」 そう――必要なのは、純然たる殺意のみ。 相手の想いを上回る、圧倒的な憎悪のみ。 そこで良美がS W M627PCカスタムの銃口を持ち上げ、構え終えた時にはもう銃弾が発射されていた。 三発。 群れを成した銃弾が、悠人目掛けて襲い掛かる。 悠人は上体を捻って避けようとしたが、今の身体で全てを凌ぎ切る事は不可能だった。 放たれた銃弾の一発が、悠人の左肩に突き刺さる。 「俺は……守ってみせる」 それでも、悠人は止まらない。 ことりは止まらなかったのに、自分だけが止まれる筈も無い。 トウカの刀を握り締めて、傷付いた足で一直線に駆け続ける。 「私は……憎い」 そして良美もまた、一歩も引き下がろうとはしない。 人を信じる、人を守ると云った悠人達の生き方は、絶対に認められない。 傷だらけの両手で、何度も何度も銃を撃ち放つ。 「衛を――そしてアイツの姉妹を、絶対に守ってみせる! もう衛が悲しむ所なんて見たくない!!」 悠人は良美の銃撃を、左右にステップする事で掻い潜った。 ――これまで自分を支え続けてくれた少女、衛。 これ以上彼女が悲しむ所なんて見たくない。 「圭一君が――そして悠人君のような、偽善者達が憎い! 私の全てを奪った世界そのものが憎い!!」 良美は弾の尽きた拳銃を仕舞い込んで、鞄から名刀"地獄蝶々"を取り出した。 ――自分にとって最も大事な存在だった、霧夜エリカと対馬レオ。 彼女達を奪った世界そのものが憎い。 「だから俺は――」 「だから私は――」 二人は、互いの剣が届く位置にまで踏み込んだ。 良美は地獄蝶々を、悠人はトウカの刀を振り上げて、 「「絶対に負けられないんだぁぁぁぁあああああああ!!!」」 己が想いを思い切り叩き付ける――!! 二本の刀が鬩ぎ合う。 絶対に譲れぬ想いと想いが衝突する。 だが、それはほんの一瞬。 あっという間に均衡は破られた。 「くぅ――――!?」 甲高い金属音と共に、良美の手から地獄蝶々が弾き飛ばされる。 いかに満身創痍と云えども、高嶺悠人はラキオスのエトランジェ。 只の一般人である、そして左小指を失った良美が、斬り合いで勝てる道理など無い。 「貰ったぁぁぁぁああああ!!」 得物を失った良美目掛けて、悠人が日本刀を振り下ろそうとする。 至近距離から放たれる剣戟を、今の良美が防御する方法は存在しない。 されど――良美とて覚悟を決めし修羅。 どんな極限状態であろうとも、諦めたりしない。 守れぬと云うなら、攻撃に全力を注ぎ込むだけの事……! 「まだ、だよ…………っ!!」 「ッ――――!?」 手を伸ばせば届く程の至近距離で、良美はフムカミの指輪を使用した。 猛り狂うカマイタチが、悠人の身体を次々に切り裂いてゆく。 だが、どれも致命傷に至るようなものでは無い。 その程度の攻撃で、悠人は怯んだりしない。 「ク……オオオオォォォォォ――――!!」 悠人は風圧で吹き飛ばされながらも、刀を最後まで振り下ろした。 しかし距離を離されてしまった所為で、刀の先端しか届かない。 放たれた剣戟は、良美の左肩を浅く切り裂くに留まった。 二人はよろよろと後退して、十メートル程の間合いを置いた状態となる。 「グ、ガアァッ…………」 「あ、くうっ…………」 悠人と良美は揃って呻き声を洩らす。 最早悠人は、自力で立てているのが不思議な程の状態だ。 対する良美も相当のダメージを負っているものの、悠人に比べればまだ浅手。 身体の状態ならば良美が、素の実力ならば悠人が大きく上回っている。 故に、両者の戦いは互角。 このまま戦い続ければ、どちらが勝つか全く分からない。 だがそんな二人の戦いは、第三者の手によって終止符を打たれようとしていた。 (悠人くん、悪いけど……横槍を入れさせて貰うよ。 君を……此処で死なせる訳には、いかないからね……) ショットガンに銃弾を詰め終えた千影が、良美の横顔に照準を合わせる。 先程までは悠人を巻き込む可能性もあった為、狙撃する事が出来なかった。 しかし両者の間に十分な距離がある今ならば、確実に良美だけを仕留められる筈。 一騎打ちの邪魔をするのは少々気が引けるが、今は悠人の命を守るのが一番重要だ。 千影は引き金を絞ろうとして――そこで、絶望的な何かが近付いて来るのを感じ取った。 「な――――」 思わず千影は言葉を失った。 良美も悠人も戦いを中断して、迫り来る物体に視線を寄せている。 黒光りしているボディ、特徴的な煙突。 ショベルカーを遥かに凌駕する圧倒的スケール、スピード。 見間違う筈が無い。 木々を薙ぎ倒して疾駆するソレは、蒸気機関車と呼ばれている代物だった。 「っ…………!!」 良美の判断は素早かった。 ショベルカーならばともかく、あんなモノが相手では犬死にするだけだ。 燃え盛るような憎しみを抑え込んで、直ぐ様逃亡を開始した。 先程弾き飛ばされた地獄蝶々を拾い上げて、即座にデイパックに押し込もうとする。 慌てていたのもあり、デイパックから何かを落としてしまったが、そんな些事に構ってはいられない。 一分一秒でも早くこの場を離れるのが、生き延びる為の絶対条件。 そのまま良美は脇目も振らずに、全速力で戦場から離脱した。 「――ハ、――ハァ――フ――」 斬られた左肩がじくじくと痛む。 銃撃の反動を押さえ続けた所為で、両手は感覚が無くなり掛けている。 悠人と千影には十分な損害を与える事が出来たし、後は放っておいても、あの機関車が始末してくれる筈。 だが今回のような戦い方をずっと続けていては、とても身体が保たないだろう。 ……いい加減、限界だ。 敵は大抵徒党を組んでいるのだから、こちらも集団化しなければ、余りにも不利過ぎる。 「なら――狙い目は、殺し合いに乗った人だね」 恐らくもう自分の悪評は広まり切ってしまっただろうが、殺人遊戯を肯定した者相手ならば、未だ交渉の余地はある。 自分と同じく、人数的な不利を痛感している殺戮者は多い筈なのだ。 交渉に成功したとしても、勝ち残れるのは一人だけである以上、信頼の伴わぬ一時的な協力関係に過ぎない。 だが、それで十分。 勝ち残れる確率が1%でも上がるのなら、何であろうと構わない。 「私は負けない……。どんな手を使ってでも、絶対に偽善者達を根絶やしにしてやる……っ!」 何処までも昏い声で紡がれる独白。 傷だらけになって尚、少女は全てを憎み続ける。 【F-4下部 /2日目 早朝】 【佐藤良美@つよきす -Mighty Heart-】 【装備:フムカミの指輪(残使用回数0回)@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、破邪の巫女さんセット(巫女服のみ)】 【所持品:支給品一式×3、S W M627PCカスタム(0/8)、S W M36(5/5)、 錐、食料・水x4、目覚まし時計、今日子のハリセン@永遠のアセリア(残り使用回数0回)、 大石のデイパック、地獄蝶々@つよきす、S W M627PCカスタムの予備弾3、.357マグナム弾(40発)、肉まん×5@Kanon、オペラグラス、医療品一式】 【状態:疲労大、左肩に銃創と穴(治療済み)、重度の疑心暗鬼、巫女服の肩の辺りに赤い染み、右手に穴・左手小指損失(応急処置済み)、左肩に浅い刀傷】 【思考・行動】 基本方針:あらゆる手段を用いて、優勝する。 1:ゲームに乗った者と共闘関係を築く(行き先は次の書き手さん任せ) 2:魔法、魔術品を他にも手に入れておきたい 3:あらゆるもの、人を利用して優勝を目指す 4:いつか圭一とその仲間を自分の手で殺してやりたい 【備考】 ※ハクオロを危険人物と認識。(詳細は聞いていない) ※千影の姉妹の情報を得ました(名前のみ) ※大空寺あゆ、ことみのいずれも信用していません。 ※大石の支給品は鍵とフムカミの指輪です。 現在鍵は倉成武が所有 ※商店街で医療品とその他色々なものを入手しました。 具体的に何を手に入れたかは後続書き手任せ。ただし武器は無い) ※襲撃者(舞)の外見的特長を知りました。 175 クレイジートレイン/約束(前編) 投下順に読む 175 クレイジートレイン/約束(後編) 175 クレイジートレイン/約束(前編) 時系列順に読む 175 クレイジートレイン/約束(後編) 175 クレイジートレイン/約束(前編) 朝倉純一 175 クレイジートレイン/約束(後編) 175 クレイジートレイン/約束(前編) 蟹沢きぬ 175 クレイジートレイン/約束(後編) 175 クレイジートレイン/約束(前編) 小町つぐみ 175 クレイジートレイン/約束(後編) 175 クレイジートレイン/約束(前編) 高嶺悠人 175 クレイジートレイン/約束(後編) 175 クレイジートレイン/約束(前編) 佐藤良美 175 クレイジートレイン/約束(後編) 175 クレイジートレイン/約束(前編) 千影 175 クレイジートレイン/約束(後編) 175 クレイジートレイン/約束(前編) 水瀬名雪 175 クレイジートレイン/約束(後編)
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『明日の夜明け、町の西の外れで待ってる』 ミィレスのその言葉に、ソラリアの心は揺れていた。 ミィレスの誘いは考えるまでもなく「一人で来い」と言う誘いだ。 「ミィレスさん……私と同じ魔神……」 同種族の同胞とは言え、出会ったばかりの相手を簡単に信用して良いのだろうか。 だがこれは千載一遇のチャンスかもしれない。そう思うと、ミィレスを信じたくなってくるのだ。 「黒い月と言う所に行けば……本当に私、記憶を取り戻せるのでしょうか」 ソラリアは可能性を示されたのだ。記憶を取り戻し、タクトととの大切な何かを思い出す可能性を。 ミィレスは感情を取り戻したいと言った。それが本当なら、彼女もソラリアと同じ、可能性に縋っているのでは無いのか?ソラリアはそう思った。 もし黒い月に行くのに一人では無理な理由があるなら、ミィレスが自分を誘う事の説明も付く。 ソラリアが自分に都合の良い理論展開を考えていた時、宿のドアを叩く音が聞こえた。 「はい、どなたでしょう?」 「カイラです。少し良いですか?」 「はい……?」 夜、ソラリアの部屋のドアを叩いたのはカイラだった。 カイラが会ったばかりのソラリアに一体何の用があるというのか? カイラは理由を告げぬまま、ソラリアと共に宿を出て行った。 (ん?) しかしその光景を目撃した者があった。一人部屋で酒を飲んでいたエルだ。 (あれはソラリアとカイラ。こんな時間に一体?) 時刻はとっくに深夜と呼べる時間帯だった。 シエラとカイラの出来すぎた出会い。そしてカイラがソラリアを見た時に見せたあの表情。エルの背筋に嫌な汗が溢れ出た。 「あの、魔神について知っている事って」 「……」 カイラがこんな深夜に初対面のソラリアを呼び出せたのは、魔神について教えると誘い出したからだった。 ソラリアは今ミィレスの誘いに乗るか否か迷っていた。 それを判断する為の情報を少しでも欲しかった矢先、カイラの申し出は渡りに船だったろう。 勿論、カイラはミィレスの誘いの事など知らない。魔神の情報をダシに使ったのは、単に事前にソラリアが記憶喪失と言う情報を得ていたからに他ならない。 だが運命の悪戯か魔神とカイラの宿命か、二つの歯車は全くの偶然に、完全に噛み合ってしまったのだ。 「魔神……黒い月に居る悪魔」 「悪……魔?」 カイラは俯いたままゆっくりと語り出す。 それはあたかも、ソラリアに向けられた呪言のように、ソラリアの心に深く深く浸透して行く。 「精霊無しで魔法を使う、この世界の住人ではない存在。神と精霊に嫌われた世界の異分子。我々の天敵」 カイラの言葉にソラリアの中で昼間の光景がフラッシュバックする。 『私達魔神はこの世界の敵。居ればみんなを不幸にする』 ソラリアの中にミィレスの言葉が蘇る。 実感のなかった大げさなセリフが、今確かな真実味を持ってソラリアの中で再生された。 「あ……あぁ……」 ソラリアは後退りペタリと尻餅をついた。 信じたくなかった言葉が今、現実の物となったのだ。 それまで平和に暮らしていたタクト達が、何故急にこれ程過酷な運命に巻き込まれてしまったのか。 ソラリアにはその理由が今こそ分かったような気がした。 『もしかしてぜんぶ、わたしとであったせい?』 天地がひっくり返りそうな衝撃に、最早ソラリアは正気を保つ事は不可能であった。 焦点の定まらぬ瞳は虚空を彷徨い、すがるべき何かを探している。 だがカイラはそんなソラリアに、追い打ちをかける一言をかけるのだった。 「そして、私とシエラの両親の仇」 「ッ!!??」 ソラリアは目を見開きカイラを見返した。 カイラも真っ直ぐにその瞳を見返す。 カイラの瞳に嘘は無い。全て偽りなき真実だからだ。 古き言い伝えにこうある。「魔神の征く所、必ず戦乱の嵐が吹き荒れると言う」 その伝承の通り、魔神は、ソラリアは、周囲に戦乱と死を振りまく存在だったのだ。 己の意思とは不関係に、それが魔神に科せられた宿命、いや、呪いであるかのように…… 「あなたに直接怨みは無いけれど……シエラから離れてもらうわ。永遠に」 カイラは放心状態となったソラリアを見て、彼女がもう抵抗する力も気力も失った事を確認した。 「死んで」 そして翼腕を構え、心で風の精霊にカマイタチを願ったその時、何かが二人の間の闇を切り裂いた。 「っ!? 誰っ!?」 カイラが振り向いた先、宿の方向を見た時、そこに居たのは悲しそうな顔をしたエルその人だった。 「カイラ……」 「ダークエルフの!? くっ、着けられていたとは!」 カイラが目撃者を消すべく、起ったカマイタチをエルに向けて放とうとした時、エルの影から一番巻き込みたくなかった人物が姿を見せた。 「お姉ちゃん!」 「シ……シエラ……」 それはシエラだった。 エルはカイラがソラリアを連れだしたのを見た時、怪しいと思いシエラを連れて二人を追っていたのだ。 そして間一髪、ソラリアがやられる前に間に合った。 「どうして!? どうしてこんな事するの? 教えてよ、お姉ちゃん!」 「シエラ、私は――」 カイラがシエラに手を伸ばす。だがその翼腕が可愛い妹の肩を掴む事はなかった。 「シエラ下がれ! そいつは傭兵なんかじゃない、ファルコの手下だ!」 そう、エルがシエラを下がらせたのだ。 エルは思い出したのだ。ファルコの四元魔将はまだ一人残っていた事を。 そしてその者の名は、災厄を齎す者(テンペスター)と言った事を。 昼間見た翼竜と竜巻を起こす程の風の精霊術師との戦い。そんな使い手など、大陸にもそう居なかったからだ。 「シルフ!」 「くっ、風で矢の軌道を……!」 次に放った矢はカイラを狙って射った矢だったが、これはいともアッサリと風で防御される。 エルは唇を噛んだ。やはり正面から挑んでは実力が違いすぎるのか!? 「いかにも私はファルコ軍四元魔将が一人、風の魔将テンペスター・カイラ」 「四元魔将!?」 シエラが驚きの声を上げる。それもその筈、四元魔将とはファルコ軍で最強の称号を持つ軍団長だからだ。 その軍団長に何故、優しい自分の姉がなっているのだろうか。シエラには理解出来なかった。 「何故妹の友達に手を出そうとした! 何故妹を騙した!」 「こうするしかなかったのよ!」 エルは続け様に弓を射るが、その悉くが風に煽られて決して当たる事が無い。 エルは自分が手加減されて居ると感じ、またしても己の無力さに唇を噛んだ。 「シエラ、聞きなさい! 私達の両親はね、本当は殺されたの」 一方、カイラは防戦一方に見え、その実全く本気を出していなかった。エルと戦う事が目的ではなかったからだ。 カイラの思いはシエラを守りたい事、エルの思いもシエラを守りたい事。 何故同じ思いを持つ者同士戦わなければならないのか? それはきっと、エルの思いがカイラよりも純粋でないから…… 「遺跡探索者(ルーインエクスプローラー)だった私達の両親は黒い月に近づき、そして魔神に殺されてしまった」 「そ、そんなの……そんなの聞いてないよ! 殺されたって何!? どう言う事なの?」 エルはその話を聞き、弓を引く手を止めた。 シエラが本当の事を知りたがっている。この場にもう自分の役割は無い。 シエラに必要とされていないと思った時、エルの手から世界樹の枝で作った弓がスルリと地面に落ちた。 「魔神は世界の敵、遥か古代の負の遺産! 絶対に倒さなければならない!」 それを見てカイラはシエラに近づいた。 この場にはもうそれを止める者はいない。カイラはシエラの両肩を掴み、未だ地面にへたり込むソラリアに向けて叫んだ。 「そしてそのソラリアと言う娘が、現代に甦った魔神なのよー!」 ソラリアとシエラの視線が交錯する。だがソラリアはシエラの目を真っ直ぐに見る事が出来ない。 それは先程のカイラとの会話によって、ソラリアの心に後ろめたさが植え付けられていたから。 「ソラリンが、私のお父さんとお母さんを殺した種族の……仲間……?」 「わ、私……私は……」 ショックを受けるシエラに何か言ってあげたい。だがソラリアには何も返す言葉が浮かばなかった。 自分の事も分からない者の言う事など、一体どうして信じる事が出来ようか。 再びグラリと視界が回り、ソラリアはその場に倒れそうになる。そこにやっと異常を察知してやって来たタクトが、倒れるソラリアの肩を支えた。 「ソラリア! 一体どうしたんだ!? 大丈夫か!?」 「タクト……さん……」 タクトはソラリアを後ろから抱きしめた。 あんなに強いソラリアが、今は力を入れたら砕けてしまいそうな程儚く、か細い。 それ程までにソラリアの心は今、ダメージを受けていたのだ。 「確かに私はファルコの手先となった。けどそれは魔神に復讐する為。そしてシエラ、あなたをファルコと魔神から守る為よ」 それでもカイラは構わず続ける。シエラの瞳を真っ直ぐ見つめて、伝えるべき真実を全て、心まで伝える為に。 「私達は空のオルニトも地のオルニトも追われた。そのせいであなたには辛い思いをさせてしまったけれど……全てはファルコの仕組んだ事だったのよ」 ファルコの企み、魔神の恐ろしさ、全て妹に伝えて、そして共に手をとって戦う為に。妹を守り抜く為に。カイラはーー 「風神ハピカトルに見えない”空の死角”の軌道を進む、黒い月へ行った事があるのは私達だけ。だからあの男は――」 あぁ、しかし何と言う事か。 カイラはシエラに想いを、真実を全てを伝え切る事が出来なかった。 「えっ!?」 「あぁ!」 シエラの脇を抜け地面を焦がした一筋の光。 続いて漂ってくる肉の焼けた匂い。 「お――お姉ちゃーーーん!!」 シエラに崩れかかるように倒れたカイラの胸には、ハッキリと金貨大の風穴が空いていたのだった。 「くそ!」 これにはそれまで力なく立ち尽くしていたエルも反応する。 猛禽類の目を除けば、最も目が良い部類に属するエルの目でも、暗闇の中カイラを狙撃した相手の姿は、影も形も見つける事が出来なかった。 (い、一体何をされたんだ? 光……光の精霊魔法なのか?) 「お姉ちゃん! お姉ちゃーん!」 「動かしちゃ駄目だ! 早く医者のところへ――」 突然の事に慌てふためく一同。 シエラはカイラの胸の穴から溢れ始めた、どす黒い液体を止めようと手で押さえながら泣き叫び、タクトがそれを止めようとする。 エルは周囲を警戒しながらシエラに覆いかぶさり次なる攻撃から守ろうとしている。 一瞬にして混乱の坩堝と化したその場で、ただ一人冷静なのは以外にもカイラだけであった。 「私は……もう助からないわ……」 「そんな事無いよ! きっと助かるよ! 助かってくれなきゃやだよ!」 シエラの顔を撫で、落ち着かせようとするカイラ。 その一方で考えていた事は、誰が自分を攻撃したのかと言う事。 光――それはファルコとミィレスが得意とする魔法の属性。だがこの攻撃の瞬間、精霊の息吹は全く感じられなかった。 だとすると犯人は…… (これは……ファルコの精霊魔法じゃない……そうか、結局私も両親と同じように……) カイラは両親が死んだ日の事を思い出した。 ――あの時、お母さんお父さんはこんな気持ちだったのかな―― 不思議と犯人への怒りや憎しみは無い。いや無いと言うより、そんなものどうでも良くなってしまうのだ。 犯人や自分の事よりも、もっと遥かに大切な事が他にあるから。 「シエラ……逃げて……」 「嫌だー! 絶対やだーーー!!」 「シエラ……」 シエラの姿に昔の自分を思い出すカイラ。 もう自分の事は良いから早く逃げてよ。あなたさえ助かってくれるならそれで良いのに。そんな思いに反し、シエラは固くカイラを抱きしめて放さない。 そんなシエラが愛おしくて、大切で、涙が出るほど嬉しいのが悲しい。 カイラはシエラに何も言えなくなって、もうどうして良いか分からなくなって、そんな時、シエラのもう一人のお姉ちゃんがシエラをカイラから引き離した。 「何か……言い残す事は?」 「シエラを……頼みます……」 「分かった」 カイラはそれを聞いて、安心して目を閉じる。まるで、もう思い残す事は無いと言うように。 「お姉ちゃーーーん!!」 冷静になったタクトとエルの手によってカイラは医者の所へと運ばれていった。 その場に残ったのは、子供のように泣きじゃくるシエラと、呆然とただ虚空を眺め続けるソラリアだけだった。 「……」 カイラを担ぎ込んだのは、地球式医学を学んだと言う触れ込みの、怪しい街病院だった。 そこの廊下で、一同は暗い空気に包まれていた。 カイラは面会謝絶で、地球で医学を学んだと言う怪しい若い医者から手術を受けている。 ハッキリ言って生死不明の重体だ。 廊下の椅子で一言も喋らないシエラに対し、皆何と声をかけたら良いか分からずに居た。 「シエラさん、あの……」 そこで初めて口を開いたのは、以外にもソラリアだった。 もし万が一カイラが死ねば、シエラは天涯孤独となる。 その最悪の事態を考えた場合、根拠も無く下手に希望的観測を述べて励ますのは、返って悲しみを増大させる結果となる。 希望を持ちたい。だが希望が潰えた時、人はより深く絶望する。 きっと、シエラも姉に助かって貰いたい反面、心の何処かで覚悟を決めなければならないと思っているのだ。 だがその覚悟を持つ事自体、姉が助かる事を信じない事になるのではないか? そして非科学的な考えだが、姉が助かると信じ切れなかった為に、祈りが足りずに助からないかもしれないと言う思いもあるのだ。 ソラリアは自分が魔神で、人々に不幸を撒き散らす存在だと知ってしまった。 事の責任の一端は自分にあると思っているのだ。 だからシエラを少しでも励まそうと声をかけたものの、やはり何と言っていいかわからず、こうして再び黙ってしまったのだった。 だがこの事が、シエラに珍しい怒りと言う感情を呼び起こす結果となってしまった。 「……何で何も言わないの?」 「えっ」 シエラが椅子からゆらりと立ち上がった。 そしてそのままゆっくりとソラリアの前まで来ると、翼腕をだらりと垂らしたまま虚ろな瞳で話し出したのだ。 「あの時、精霊力を感じなかった……前にソラリンが魔法を使った時と同じだったよ」 「っ!?」 感情の籠らない声でそう言うシエラ。 いつもの明るく元気な声からは想像もつかない、ゾッとする程冷たく静かな声に、ソラリアは身動き一つ取る事が出来なかった。 (まさかミィレスさん? そんな、どうしてなの?) 幽鬼の如くソラリアの前に立つシエラを見て、エルは嫌な予感しかしなかった。 これから最悪の事態になる。戦闘種族であるダークエルフの感がそう告げて居た。 (やっぱりカイラは魔神に……ソラリア以外にも魔神がこの街に来て居たのか) 魔神には気配が無い。気配を消して居るとか気配が薄いとかではなく、初めからそんな物魔神は持ち合わせないのだ。 あの時、エルの視界の外からミィレスはカイラを正確に撃ち抜いた。 それはカイラが潜在的にマスターであるファルコの敵であった為か?いや、或いはもしかしたら、カイラと戦闘になりそうだったソラリアを守る為に…… エルはもう一人の魔神よ目的が分からず考え込もうとしたが、それを止めたのだ突然の怒声だった。 「お姉ちゃんはソラリンと同じ魔神にやられたんだよ! 私の両親だって!!」 「私は……私はその……」 その大声はシエラの声だった。 誰も見た事が無いシエラの怒り。もうこの先何が起こるのか、一番付き合いの長いエルにも分からない。 ただ一つ言える事は、今のシエラは何をするか分からないと言う事。 「ソラリンも魔神なんでしょ!? 何とか言ってよ! 何か言ってよぉ!!」 「もうよせシエラ!」 エルはシエラを後ろから羽交い締めにした。今やシエラの顔はソラリアに噛みつかんばかりに近づいていた。 エルがあと一瞬、動くのが遅ければシエラはソラリアに掴みかかっていたろう。 シエラの怒気はそれ程の物だった。 「お前が悲しいのはみんな分かってる! でも、これ以上は……ただの八つ当たりだ」 「う……」 そう、エルの言う通りだった。 シエラのソラリアへの怒りは完全な八つ当たり。そんな事誰もが、シエラだって分かって居た事だったのに…… 「うわぁぁぁぁぁん! あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」 シエラはエルに抱きついて泣いた。 エルはシエラの頭を撫でながら、もう何も言わなかった。 エルがシエラを守り始めたのは、彼女のセンチメンタルだった。 そのセンチメンタルはシエラの実の姉が現れた事で崩れ去った。 今は違う。これからは、エルはシエラを大切な仲間として守るのだ。大事な友達だから守るのだ。 エルの中で何かが変わり始めた。 「ソラリア、行こう」 「タクトさん、私……」 どうして良いのか分からず、ただ下を向いていたソラリアを助けたのは、やはりタクトだった。 「今はそっとしておこう。時が経てば……シエラも分かってくれるさ」 「はい……」 ソラリアはタクトの優しさに素直に甘えた。 しがみ付いた腕は思っていたよりもずっと太くて硬く、それだけでソラリアは不安を忘れる事が出来るようだった。 「わあぁぁぁぁぁぁぁ……」 廊下に響くシエラの泣き声は、深夜まで続いた。 『あの時、精霊力を感じなかった……前にソラリンが魔法を使った時と同じだったよ』 宿に戻ったソラリアはベッドで今日起った事を思い返していた。 カイラ、シエラ、二人の姉妹を襲った悲劇は今も続いている。 (カイラさんを攻撃したのはミィレス……あなたなの?) そしてその悲劇をもたらしたのは、ソラリアと同じ魔神のミィレスだ。 ミィレスは何故そんな事をしたのだろうか?誰かに命令された?一体誰に。 そう考えてまず頭に浮かんだのはファルコと言うオルニトの神官だった。 だがその考えは矛盾している事にソラリアはすぐ気付く。 ファルコ軍の精鋭である四元魔将のカイラを、何故ファルコが殺そうとするのか。 『私達魔神はこの世界の敵。居ればみんなを不幸にする』 再び頭の中でミィレスの言葉がリフレインする。 あの時カイラはソラリアを殺そうとしていた。もしミィレスがカイラを攻撃した理由が、ソラリアをカイラから守るためだったら? (だとしたら、カイラさんがあぁなった原因の一つは、紛れもなく……) ソラリアは思う。自分が目覚めてからの戦いの連続を。 きっとこんな事普通じゃないんだ、と。 「世界の……敵」 スワンもミィレスもカイラも魔神の事をそう言っていた。魔神とは一体何なのか? 何故こんなに憎まれ、そして戦いを呼んでしまうのか。 考えても考えても答えは見えてこない。ただ一つ確かな事、それはソラリアが紛れもなく魔神であると言う事。 「シエラさんごめんなさい……カイラさん……エルさん……タクトさん」 その答えを見つけるには一つしか方法はない。だがそれは今まで共に戦って来た仲間への裏切りになる。 「みんな、ごめんなさい……」 それでもソラリアは答えを求めずにいられない。 自分が何なのか分からなければ、これ以上一歩も進めない気がするから。 (こんなに悲しいのに、シエラさんのように涙が出ない) ソラリアは自分の選択が自分勝手な選択だと分かっていた。罪悪感も孤独感もあった。 それでも、ソラリア黒い瞳からは、一滴の涙も流れ落ちないのだ。 「私は……悪魔なんだ……」 ソラリアは、そのまま静かに目を閉じた…… 「シエラ落ち着いたか?」 「うん……」 翌日の朝、シエラが落ち着きを取り戻したのは、カイラの手術が成功したとの報せを受けてからの事だった。 それまでエルはずっと、付きっ切りでシエラを落ち着かせようと頑張っていた。 シエラにとって今が一番辛い筈だ。誰かが支えてあげなければならない。それが今出切るのは自分しかいないとエルは思った。 「私、ソラリンに酷い事言っちゃった……」 一方、平静を取り戻したシエラは、自分が仲間に言ってしまった事を後悔していた。 「ソラリン、許してくれるかなぁ」 あの状況で、ソラリアがシエラに何か言える筈がない。 にも関わらず、ソラリアは何とかシエラを励まそうと思ってくれていたのに、その思いを完全に踏みにじる行為をしてしまったのだ。 こんな事をしたら嫌われて当然だとシエラは俯いた。 「きっと分かってくれるよ」 「エル」 そんなシエラをエルがまた励ます。ソラリアは心の優しい娘だ。それが分かっていたから、エルは二人は仲直りできる筈だと信じていたのだ。 だが事態は、エルが想像していたよりも遥かに悪い方向に進み始めていた。 「あれ? 居ない」 朝方宿に戻ったエルとシエラは、ソラリアに謝ろうと真っ先に泊まっている部屋に向かった。 しかしノックをしても反応がない。仕方なくドアを開けてみると、そこにソラリアの姿はなかった。 「もう起きてたのかな?」 「……そのようだ」 シエラがキョロキョロと部屋を見回す中、エルの目はもぬけの殻となったクローゼットを見ていた。 「そんな……ソラリン、私のせいで……私があんな事言ったから」 ソラリアはどこを探しても居なかった。 宿にも、宿の近くにも、三人で街中探し回ったが全く姿が見えない。 昨夜の事を考えれば、それは誰の目にも「出て行った」としか思えなかった。 「シエラは悪くない。誰も悪くない。悪いのは――」 再び宿に戻って結果を報告しあい、芳しくない結果に責任と罪悪感を感じて泣くシエラ。 それをエルが慰め、タクトがソラリアの行きそうな所はまだ無いかと必死で考えていると、窓の外から誰かが話しかけてきた。 「あ~まんまとしてやられちゃったね」 三人が一斉に声のした方を振り向く。 そこにはこれから葬式に出るのかと思うほど、全身黒尽くめで顔も見えない喪服の女性が立って、こちらを見ていたのだった。 「朝からデバガメみたいな真似して申し訳ない。私は元老院の聖騎士アルトメリア」 「聖騎士だと!?」 「嘘、本物? 本物の聖騎士!?」 素早く弓を構え臨戦態勢を取るエル。一方、噂でだけ聞いた事がある都市伝説めいた存在に、妙に浮き足立つタクト。 そんなタクトを殴って静かにし、エルはシエラを庇うように立ちアルトメリアに向き直った。 「で、スラヴィアの戦闘貴族にも匹敵すると言われる聖騎士様が、私らに一体何の用だい?」 「魔神を退治しに来た」 と、アルトメリアは事も無げに話した。 しかし実際ソラリアの戦いを間近で見た事のあるエルは、昨日の怪獣大戦争めいた戦いを見ても、聖騎士が魔神をすんなり倒せるとは思えなかったのだ。 いや、今はそんな事が重要なのではない。この聖騎士が、何を目的に昨日からちょっかいを出して来ているのかと言う事が大切なのだ。 その目的、何を知り、何をしたいのか。それを聞き出す必要がある。 エルは駄目元で顔の見えないアルトメリアに話を聞いてみる事にした。 「魔神の――ソラリアの事を知っているのか?」 「多少はね」 案外簡単に、エルの呼びかけにアルトメリアは答えた。 まるで待っていたかのような気軽さだ。これがこの聖騎士の性格なのだろうか? とにかく、アルトメリアは聞かれてもいないのに、エル達に情報を与え始めた。 「かつて魔神は聖剣を持つ聖騎士によって倒された。だが今はその聖剣も殆ど残っていないからね」 かつて魔神を倒す為、神が人に与えた兵器――それが聖なる剣『聖剣』だった。 そして現代に残る数少ない聖剣の所持者の一人が、アルトメリアが所属する聖騎士団の団長、スパイク=エンフィールドだった。 だがその彼とて、魔神と戦った事がある訳ではない。遥か古代から甦った魔神と、現代でも戦える者がいるのか? それは正直な所、やってみなければ誰にも分からない。 ただ、これまでのソラリアの戦績、そして発掘されて即ファルコの右腕となったミィレスの実力から考えて、人の身で太刀打ちできる者は殆ど居ないだろう。 「だから代わりに腕の立つ者達が聖騎士の役割をやっているって訳さ」 「ソラリンを殺すの?」 シエラは核心を突く質問をする。 そう、タクト達にとって重要なのはそこだ。ソラリアはタクト達の仲間だ。その仲間を殺すと言うのであれば、アルトメリアはタクト達の敵と言う事になる。 聖騎士と戦って勝てる見込みは殆どないが、それでも我が身可愛さに仲間を見捨てるような薄情者は、ここには一人もいない。 三人に緊張が走る。次のアルトメリアの返答いかんで、聖騎士と戦うか否かが決定されるのだ。 「そのつもりだったが……どうやら、ソラリアと言うその魔神は悪い奴じゃなさそうだね」 アルトメリアはそう言うと、表情が読めない三人に気遣ってかオーバーなジェスチャーでやれやれとやって見せた。 一安心した三人だが、アルトメリアの話はまだ終わらない。 「だがファルコとその右腕、魔神ミィレス……そして黒い月は許さない」 アルトメリアはやれやれのジェスチャーを止めて、片手の拳を握り締める動作をした。 聖騎士にしてもファルコは、そして魔神はそれ程忌むべき相手と言う事らしい。 ここに来てだんだんと、朧気ながらエルとタクトにはアルトメリアの目的が見え始めた気がした。 そこでタクトは更に突っ込んでみる事にした。 ソラリアと出会い、四元魔将と戦い、度々登場する『黒い月』と言う単語。 それが一体何なのか?タクト達はまるで知らないままだったからだ。 「カイラも言っていたがその黒い月ってのは一体何なんだ? それが重要なものなのか?」 「行けば分かるよ」 「何?」 アルトメリアはそう言うと、顔を覆っていた黒いレースをめくって見せた。 「その為に私はここに来た」 レースの下から出てきた顔は、まだ歳若い女の顔。それも地球人女性の顔だった。 日光が顔に当たり、アルトメリアは顔に火傷を負い始める。太陽光に弱い、それはスラヴィアン独特の特徴だった。 もともと与えられた神力が少なく、スラヴィアンとして最低ランクの力だった為、こうして太陽光への拒絶反応も比較的弱くて済んでいるのだ。 これがもし強力な神力を持った古い貴族だったなら、一瞬で石のように固まり、ものの数分で風化して自然に還る事だろう。 「シエラ=ウィンザード。黒い月へ至る道を教えてほしい」 「なっ――」 だがそんなアルトメリアとて太陽光に長く当たっていられる訳ではない。 シエラを見詰めるアルトメリアの顔は、その僅か数秒間で火傷を負い、女の顔がどんどん傷付いていった。 その光景を前にしてシエラは戸惑った。何故なら黒い月の事など、小さい時の事すぎてほとんど覚えていないからだ。 この聖騎士が自らの弱点を曝け出してまで、願い乞うような情報をシエラは持ち合わせていないのだ。 「アルトメリア=リゾルバの名において命ず。出でよワイバーン!!」 シエラがそうこう考えて居る内に、アルトメリアが昨日カイラと激戦を繰り広げた時に使役した翼竜を召喚した。 この翼竜に乗って飛んで行こうと言う事か。 「ソラリアも、もう一人の魔神とファルコと共にそこにいる筈だ。再び神魔戦争を起こさない為に……頼む」 辺りは早朝だと言うのに、昨夜に続き現れた翼竜に驚いた住民達が集まりざわめき始めている。 アルトメリアはそのざわめきの中、翼竜の上でシエラを誘うように手を伸ばしている。 「シエラ……」 「……」 ソラリアがどこに行ったかわからない。だがもし本当にソラリアが、ファルコやもう一人の魔神に連れられて行ったのだとしたら? その可能性は高いとエルとシエラは直感した。 このアルトメリアと行く事が、ソラリアを探す一番の近道かもしれないと。 『行こう! 黒い月へ!!』 シエラとエルの声が重なった。 「ミィレス……本当に黒い月まで行けば、私もあなたも失った物を取り戻す事が出来るの?」 「行ければ取り戻せる。絶対に」 ソラリアとミィレスは街の外に出た広野を飛んでいた。 目指すはファルコ軍の野営地、ファルコの下である。 「ミィレス……あなたも……」 ソラリアはミィレスの表情を窺った。しかしミィレスは相変わらず無表情のまま前を向いて飛行するばかりである。 ミィレスは心を失っていると言った。心を取り戻したいと。 心が無ければ悲しみや苦しみや罪悪感に苦しめられる事も無いのだろう。 しかしそれは同時に喜びや楽しみや感動もないと言う事になる。 何も感じない、それは死んでいる事と何が違うと言うのだろうか。 ソラリアはミィレスを可哀想だと思った。 「よく来てくれた、もう一体の魔神よ」 そしてとうとう着いたファルコ軍陣営で、ソラリアはファルコに出会った。 立派な体格に手入れの行き届いた翼。服は一目で良い物を着ていると分かる物で、首や足首や体の至る所に金銀宝石の飾りが輝いている。 これこそ、今までこの男がどれ程の村を襲い、奪ってきたかを証明する姿に他ならない。 ソラリアは目覚めてからの短い生の経験の中で、初めて嫌悪感と言う物を感じた。 「私はオルニトの神官ファルコ。私が君達を黒い月へ招待しよう」 「イエス、マイマスター」 「お願い……します」 ソラリアはその嫌悪感を抑えてファルコと握手を交わした。 この場で感情のまま握手を拒めば、ソラリアを連れて来たミィレスの立場を悪くする。 それに何より、ソラリアはみんなの事を裏切ってここまで来たのだ。今更立ち止まるわけにはいかなかったのだ。 「ふふふ……コマは全て揃った。後は行くだけだ」 ファルコが今までの失敗の繰り返しを思い出す。 カイラから聞き出した黒い月の軌跡から辿り着いた『門』には二つの鍵穴があった。 一つはミィレスの持つ鍵の剣で開く。だが鍵の剣はもう一本必要なのだ。 二本の鍵の剣を同時に回さなければ門は開かない構造らしく、また、鍵の剣の複製はドワーフ達の技術力を持ってしても不可能だった。 開門に失敗し、現れた門番三人に部隊を壊滅させられる事数回、ファルコが半ば諦めていた時、ソラリアの噂が耳に入った。 (私が魔神達の王となりオルニトを、いや、世界を手に入れる日も近い) 学者達の見解によれば、黒い月には魔神達が眠っていると言う。そして目覚める時を待っている。そこに最初に到達して、ミィレス同様自分がマスターだと言ってしまえば…… 「ふふふ……はーーーっはっはっはっはっ....」 ファルコは込み上げる気持ちを堪える事なく、高らかに勝利の笑い声をあげた。 異世界の空を漂う黒い球体型の建造物。その軌道はカオス理論によって算出した空の死角を縫って航行するように設計されている。 嵐神の力で浮遊している浮遊大陸オルニトとは違う原理で飛行するこの物体は、悠久の時をこうして過ごしてきたのだ。 「そうですか。ここに向かってくる者がいると」 その巨大球状物体の中、色取り取りで大きさも様々な灯りが灯る暗い部屋の中で、一人の女の声が響いた。 「本当ですか? もしそうなら我々が待ち望んだ時がついに……」 微かな灯りに照らし出される一人の女。その視線の先には光る窓のような四角い灯りがあり、その中で別の女が何かを話している。 「あの悲劇の日から幾星霜……早く、早く来て下さい。我らが主様……早く……早く……」 明るい窓が消え、部屋にはまた元の静寂が戻った。 まるで時が止まったかのような闇と静寂が支配する場所で、女は男の到着が待ちきれないように、その手を下腹部に伸ばすのだった。 ※異世界冒険譚-蒼穹のソラリア- ④ へ行く 独自色の強いシリーズだけど迷わず走り抜けるのは清々しい。このシリーズが世界観に合っているか?というよりもどうやればしっくり世界観に馴染むかを考えてしまうくらいの気持ちよさがあった -- (名無しさん) 2013-01-18 17 27 24 物語として最後はどういうゴールをきりたいのか一区切り終わって気になったんやな -- (名無しさん) 2013-01-18 21 52 45 最初は違和感があったがここまで通しで読むと作者の気合みたいなものを感じて清々しい -- (名無しさん) 2013-02-08 00 32 29 本来いるはずのない自分への懐疑と他者の運命を狂わせるという思いは今のソラリアには厳しい仕打ちでしょうね。状況も悪化し周囲の人が傷ついていくというのも読んでいて辛さが重いですね。ファルコの目論見と魔神の心が剥離していっているようにも感じましたがやはり結末は黒い月でとなるのでしょうか -- (名無しさん) 2015-12-20 19 41 07 名前 コメント すべてのコメントを見る
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とある山の山腹にあるゆっくりの研究所 その地下の一室で、胴付きゆっくりフランが四肢を拘束している鎖から逃れようともがいている。 「ふ・・・うう・・・ふうぅっ・・」 その身体には実験当初の2倍近くの媚薬ローションが塗り込まれており、身体を少し動かすたびにあの感覚が大波のように襲ってくるために満足な動きができていない。 と、部屋の扉が開いてフランをここに拘束している男が現れた。 「ふむ・・・さすがにここまで塗り込めば効果はでかいな。 調子はどうだ?」 「ふ・・・う・・・うーっ! ゆっくり・・・しねぇっ!!」 「あまり死ねという言葉を連発するな。 それは決め台詞として使った方がいい」 訳の分からないことを言ってフランに近づく男。 男はフランに近づくと、手にした小さめの箱からよく分からない器具を次々と取り出した。 ふしくれだち、少し反りのある棒のようなものや、以前男が教えてきた『数珠』のようなもの、紐の先に豆のような物が付いているものなど。 それが何なのかなど分かるはずも無いが、男が用意するものにろくなものが無いのは分かり切っている。 「う・・・う・・・? やめて・・・くるなっ!」 「これは電動式の張型で、こっちも電動式の・・・何だったかな、何とかビーズとか言うものだ。」 「きいて・・・ないっ! くるなぁっ!」 「お前がちゃんと言うことを聞いてくれればこんなものは使わずに済むんだが・・・どうだ?」 今だ! すぐそばまで来て目線を合わせようとした男の首筋に思い切り噛み付くフラン。 しかし、男は血の滲む首筋に動じる様子も無く、フランを噛み付かせたままで 「人間の血の味は嫌いとか言ってなかったか? いや、今はそんなことを言ってるんじゃなかった。 そっちがそういうつもりなら、ほれ」 言うが早いか、いきなりフランのそこに紐の付いた豆(のようなもの)を挿入する男。 「ううっ・・・うーっ!」 フランは、異物が挿入される感触にビクりと身体を震わせるが、若干ではあるが慣れてきた事もあり、そのままさらに強く噛み付く。 「ほ・・・お。 顎筋力はかなりいい感じになったな。 ゆっくりに筋力と言うのもあれだが・・・でもな」 男はフランの首を片手で掴み、 「ふっ!」 「ぐ・・・あ、がぁっ・・・」 思い切り締め上げた。 「人間に手を出すなと教えたはずだぞ。」 「あが・・・が・・・く・・・」 「人間の世界で生きていくと決めたのはお前だ。 教えられたことは守れ。」 「か・・・あ・・・ぁ・・・」 ギリ・・・ギチ・・・ 男はフランの目が虚ろになりかけたところで手を離す。 「げはぁっ! がは、ごほっ!」 激しく咳き込みながらも、フランの目に恐怖や恭順の色は全く無く、ぎらぎらとした光を放っている。 「はぁ・・・この状況になってなおその目か。 人間以上の精神力なんじゃないか? いや、逆にゆっくりフランだからと考えるべきか・・・?」 ぶつぶつとつぶやきながら、男は紐の先のスイッチをスライドさせる。 「う・・・あうっ!? かはぁっ!?」 胎内でいきなりブルブルと動き出したそれに驚き、その感覚で一気に男から注意をそらしてしまうフラン。 「それは、・・・ええと・・・ローターと言うものでな。 ただ振動し続けるだけのものなんだが・・・なかなかのものだろう?」 「う・・・ふうぁっ! あ・・あうぅっ!」 フランの両手は吊り下げられているため、どうにか脚でそれを身体から引き抜こうとするのだが、太腿をすり合わせることでローターは更に奥へと侵入していく。 「ふあぁっ! やめ・・・ぬけっ! ぬ、ぬい、てぇ・・・」 「本当は精神を極力弄りたくなかったんだが・・・ここまで我が強いと一回心を少し折っておかないとどうにもならんしな」 「な・・・なにいって・・・あぁうっ!」 「お前が屈服するまで続けると言うことだ。 さて、ダメ押しをしておくか」 男はそう言うと、器具の山から輪になっていない数珠のような物を取り出してローターに気をとられているフランの後ろに回り、後ろの蕾に何の予告も無くその先端を挿入した。 「ふぎぃっ!? あううぅあっ!」 「それは・・・あーと・・・アナルビーズ、というものだ。 どんな感じだ?」 説明書らしきものを読みながら興味深げに聞いてくる男に対し、フランは羽を思い切り振り回しながら 「うく・・・し、しねっ! しねぇっ!」 と狂ったように絶叫した。 しかし男は羽根が当たっても特に動じる様子も無く、ビーズの珠を一つずつゆっくりとフランの蕾に飲み込ませていく。 「うっ・・・ううぅあああっ!」 未知の感覚に対する恐怖と屈辱から涙を滲ませ、歯を軋むほどに食いしばって男をにらみつけるフラン。 男はそんなフランをまぶしそうに眺め、 「・・・俺が部屋を出たらお前の腕の拘束を緩める。 それからお前がどうするかは自由だ」 「ゆ・・・う・・・? な、なに・・・?」 「それを引き抜こうがどうしようがお前の勝手と言うことだ。 別に壊したっていいんだぞ? 俺としちゃちょいと困るが・・・」 「う・・・こ、こわしてやる! こわして、おまえも、ころし」 「だから軽々しくそういう言葉を使うな。 カメラ・・・よし、と。 じゃあ2時間後にまた来る。」 そう言って男は部屋を出て行った。 男が言ったとおり、男が部屋を出てすぐに腕の鎖が伸び、(枷ははまったままだが)自由に動かせるようになった。 (こわしてやる・・・ぐちゃぐちゃにこわしてあいつにたたきつけてやる!) フランは歯軋りしながらそこに手を伸ばし、ローターのスイッチ部分を掴み、 「う・・・う・・・あぅ・・・」 引き抜くことができなかった。 (う・・・うそだ・・・うそだうそだうそだ!!) フランは自分の身体に起こっていた変化に驚愕し、必死に否定しようとする。 しかし。 (こ・・・こんな、こんなのが・・・) 憎んでいるあの男に無理やり挿入されたこのおぞましい道具が。 (きもち・・・いいなんて・・・ぜったいうそだぁっ!) 男によって幾度も刺激を与えられた身体は、既にその感覚を快楽だと知ってしまっていた。 基本的にゆっくりの身体は外からの感覚に順応しにくい。 なので、自分に必要の無い異物が体内に入ると苦痛や嫌悪感といったサインが現れ、吐き出すかあるいはなるべく順応しないように反発する。 しかし、普通ならば異物である媚薬を定期的に塗りこまれ続けた身体はその異物に順応してしまい、反発反応(=嫌悪感)をかなり薄めてしまっていた。 なので最初の頃の嫌悪感>"その感覚"という図式が崩れ、"その感覚"をそのまま快感として受け入れてしまったのである。 いくら反発しようとしても、身体は既にその感覚を快感としか認識しない。 さらに、幻覚剤の依存性がその快感を否定することを拒んでいる。 「う・・・うあ・・・ううううぅーっ!!」 初めて認識する快感への恐怖、そしてそれを圧倒的に上回る屈辱で、フランの目から涙が溢れ出す。 そんなフランの心とは裏腹に、フランの指はローターの挿入されているそこを弄り続けている。 フランのそこは異常なほど体液を分泌してぬめり、フランの指を何の抵抗も無く受け入れていた。 「うっ・・・ううっ・・・うああああああーーーっ!!!!」 屈辱に顔をゆがませ涙をこぼしながら、フランは始めて覚えた自慰の快楽を味わい続けた。 2時間後。 「・・・ふん。 なかなかいい顔になったな、フラン」 「・・・ふぅ・・・ひゅぅ・・・」 フランの目は相変わらず憎悪をたたえて男をにらみつけていたが、その目の下には隈ができ、隠し切れない疲労が表に出てしまっている。 フランに挿入されていたローターは既に抜け落ちてしまっていたが、フランはそれを壊す気力も無いようだ。 体重を壁に預け、時折身体をピクンと痙攣させる以外はほとんど動かない。 「さて・・・と。 これから最終段階に入るが、その前に・・・ほら。 水だ。」 「・・・・・・・・・」 フランの周りにはフランから分泌された体液が広がり、甘い匂いがあたりに充満している。 普段余り水分を必要としないゆっくりでも、これだけ体液を流せばさすがに喉が渇くだろう。 「別に何も入ってない、普通の水だ。 喉が渇いているだろう? 遠慮なく飲めよ」 男の言葉にフランは、 「はぁ・・・は・・・ん・・・んく・・・んぐ・・・」 なんとおとなしく男の用意した水を飲み始めたのだ。 「そこらの川の水じゃないぞ。 由良高山の高級雪解け水だ。 美味いだろう?」 「・・・・・・・・・」 フランは何も言い返さず、ふいっと顔を背けるだけだったが、男は特に不満顔もせず満足そうだ。 それもそのはず、わめきも暴れもしない、以前のフランのみを知る者が見れば仰天するであろうおとなしい反応だ。 「さて、喉も潤ったところで最後の試練だ」 男は幾分嬉しそうな、うきうきした様子で持ってきた荷物を開き始める。 今までに無い順調さに心ときめいているのだろう。 対するフランは、今までのようにむきになって反発する様子は無く、ただ静かに男の作業を眺めている。 その顔に浮かぶのは静かな憎悪と疲労、そして幾分の・・・諦念? 「さて・・・と。 ほら、これが特注品の催淫香だ。」 と言って男が取り出したのは、一見どこにでもある普通の香鉢。 「・・・・・・?」 フランは香鉢の存在は知っていたが(以前男が部屋で炊いていた。 妙な香りだった)、"サイインコウ"と言う名は初耳だった。 ただ、またろくでもないものだろうことは理解できる。 「これは人間用というわけじゃなくてな。 ゆっくりにも、妖怪にでも効くらしいんだ。」 男は香鉢に香を落としながら続ける。 「今までの人間用と違って、お前にも絶大な効果が見込めるんだよ」 「・・・・・・はぁ・・・」 またあんなのが、しかもあれ以上の強さでくるのかと思うと疲労が何倍にも増した気がして、フランは大きなため息をついた。 同時にゾクリとした快感も走ったのだが、フランの自我はそれを全力で否定した。 「そして・・・駄目押しにこいつらだ。」 「ゆゆー? ここはどこ?」 「ゆっきゅりあったかいね!」 この間連れて来たばかりの野良ゆっくり一家、そのうちの親れいむと子れいむが1匹ずつ籠の中から現れた。 「おい、あそこにフランがいるだろう?」 「ゆゆ? ふ、ふ、ふらん!?」 「ああ、大丈夫だ。 ほら、ちゃんと鎖で縛られてるだろう」 「ゆゆっ、ほんとうだね! おちびちゃん、ゆっくりちかよらないでね!」 「ゆっきゅりわかったよ!」 「お前達は、俺が迎えに来るまで適当にゆっくりしていればいい。 そうすればこれからもゆっくりした生活をさせてやるからな。 「ゆっくりわかったよ!」 そういってフランから距離をとり、部屋の隅でゆっくりし始めるれいむ親子。 「よし。 じゃあまた2・・・いや、1時間後に来る。」 「にどと・・・はぁ・・・くるな・・・」 ため息を吐きつつも毒づいてくるフランに苦笑しながら、男は香に火をつけて部屋を出た。 「ゆっゆっゆー♪ おちびちゃん、すーりすーりしようね!」 「ゆっくりしゅーりしゅーりしゅるよ!」 部屋の隅で親子のスキンシップをしているれいむ親子がうるさいが、フランは怒鳴りつける気力も無く壁にもたれかかっていた。 と、香の煙がフランよりも香鉢に近かったれいむ親子の下にたどり着いた。 「ゆ・・・ゆゆぅ? なんだかゆっくりしてきたよぉ~?」 「ゆゆ~。 ゆっきゅりできりゅねぇ~」 「・・・・・・?」 れいむ親子の様子がおかしい。 顔が紅潮し、目がとろんとして、酔っ払ったような表情になっている。 「ゆっくりできー・・・ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ!」 「ゆゆ・・・ゆぅ・・・ゆっきゅりちちぇいっちぇにぇえ!」 と、ほとんど間をおかず発情したように(実際発情して)目を血走らせ、ブルブルと痙攣し始める親れいむ。 普通と違うのは、その発情した目が自分の子供に向けられているところだ。 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・あがぢゃん! ゆっぐりじでいっでねえええええぇ!!」 いつもの何倍もの声を張り上げて自分の子供に突進していく親れいむ。 対する子れいむも、 「おきゃあしゃん! ゆっきゅりちちぇいっちぇにぇ!」 尋常ではない様子の母親におびえる様子も無く、ろれつの回っていない舌で声を張り上げている。 「う・・・う・・・? ・・・・・・ッ!?」 れいむ親子を訝しげに眺めていたフランの顔色が変わった。 竹林の薬師特製の香が、フランの元に届き始めたのだ。 「う・・・うぅっ! うぁ・・・ッ!」 いつものローションと同じくらいに考えていたフランだが、この感覚はまず種類が違う。 あのローションは身体の外側からじわじわと快感が染み込んでくる感じだった。 しかし今回は、身体の芯から快感と、同時に言葉では表現し難い衝動がダブルで襲ってきているのだ。 「はっ・・・はっ・・・はぁっ・・・」 無意識に手を下へ下ろそうとするのだが、あいにく両腕の鎖は緩んでいない。 フランは、必死に太腿を擦り合わせて渦のような快楽に耐えている。 「んっふうううううぅぅぅ!! あがぢゃあああああん! ゆっぐりじでねぇえええええ!!」 「ゆぎゅっ! ぎゅっ! ゆっぐぢじでるよおおおおお!! おがあぢゃんもゆっぐぢじぢぇにぇええええ!!」 そんなフランをよそに、れいむ親子は交尾に勤しんでいた。 しかし親れいむはともかく、のしかかられて今にも潰れそうな子れいむまでが恍惚の表情をしている様は異常としかいい様が無い。 子れいむの皮は圧迫に耐え切れず所々裂け中身が漏れ出しているのだが、全く頓着していない。(痛みを感じていないのだろうか?) 「んっほおおおおおおおおおぉぉぉ!!」 「ゆっぐ・・・ゆぴゅっ!」 ブチャアッ! 親れいむが絶頂と同時に勢いをつけて子れいむにのしかかり、子れいむは恍惚の表情のまま破裂した。 「ゆふぅ~・・・ゆふぅ~・・・あがぢゃんぎもじよがっだよぉ~・・・ゆゆゅ?」 発情が少し収まった霊夢は、目の前に小さめの潰れた饅頭が転がっているのに気づいた。 「ゆっ・・・ゆゆっ! あまあまさんだよ! れいむがたべるよ!」 大声で宣言し、饅頭と一緒に潰れているリボンも気にせずかぶりつくれいむ。 「むーしゃ、むーしゃ! しあわせ~!! ゆぅ?」 小さな潰れ饅頭をぺろりとたいらげたれいむは、目の前にあった饅頭とはまた違う甘い匂いが漂っているのに気づいた。 「ゆっゆっ! あまあまさんのにおいだよ! こっちにあるね!」 「ふっ・・・うぁ・・・はぁっ!」 甘い匂いの元を探すれいむの視線の先には、顔を紅潮させて自分の秘所を必死に弄り続けているフランがいた(腕の鎖がいつの間にか伸びていたが、気づくはずもなかった)。 早くも甘い匂いの元に気づいたれいむは、ついさっき自分で絶対に近づくなと言ったフランの元へぽいんぽいんと跳ねて行く。 「ゆっ、ゆっ、れいむにあまあましゃんちょうだいね!」 「ふぁ・・・は・・・んう?」 自分の中から湧き上がってくる快感に夢中だったフランは、目の前で叫ばれて初めてれいむの存在に気づいた。 見れば、ゆっくりにあるまじき形相で目を血走らせ、フランのもっとも濃厚な香りを放っているそこを食い入るように睨み付けている。 「ゆ・・・ふふ・・・うふふふ・・・」 「ゆっゆっ! 早くれいむにあまあましゃん・・・ゆゅ?」 フランは両手を伸ばすとれいむを掴み上げ、自分の秘所に押し付けた。 「ゆ・・・ゆぶぶ・・・べーろ、べーろ、あまあま~!!」 「ふ・・・はぁっ!」 れいむがそこを舐め回し、大声で叫ぶたびにフランにゾクゾクとした快感が走る。 そこから溢れてくるフランの蜜を必死に舐め取っているれいむの血走った目を見ているうちに、フランの本能がむらむらと湧き上がって来てしまった。 「べーろ、べー・・・ゆぐっ! むぐぐぐぐ・・・」 「ふぅ・・・うふふっ・・・あ・・・ははっ・・・」 フランはれいむを掴んでいる両手に力を込め、より強く自分に押し付け始めた。 息ができないれいむは時折白目をむいているが、それでもあまあまを求めて舌を動かし続けている。 そんなれいむを見るフランには、快楽に蕩けた表情の中に獲物を見る酷薄そうな視線も混ざり、何とも言えない妖艶な雰囲気をかもし出していた。 「ゆぐ・・・もっど・・ゆぶぇ・・・も・・・ど・・・」 「う・・ふふふ・・・もっと・・・もっともっと!」 ギリ・・・ギチ・・・ミリミリ・・・ 双方同じようなことを口にしながら、フランはさらに強くれいむを自分へ押し付け、れいむはもう満足に動かない舌でなおフランの蜜を舐め取ろうとしている。 爪をつき立てられているれいむにはいくつもの傷ができ中身があふれ出し、血走った眼球がポロリと落ちそうなぐらいに飛び出しているが、何ら気にする様子は無い。 そして、フランの目がニィッと歪み、 ギヂ・・・ヂ・・・グヂュ・・・バヂュウゥッ!! れいむを思い切り自分へ押し付け、そのまま押し潰した。 「ゆぶ、ぶ・・・ぐびゅえぁっ!?」 「うふふ・・・は、は・・・あはははははっ!!」 れいむの中身が勢いよく飛び散り、そこらじゅうにばら撒かれる。 フランは顔にかかった餡子をべろりと舐め取り、 「うふ・・・あはは・・・きゃはははははっ!!」 哄笑しながら潰れたれいむをさらに細かくズタズタに(と言うよりは粉々に)引き裂いていった。 「注意、この香には催淫作用のほかにその種の本能も引き立てる副作用があるので、取り扱いには注意が必要、か。」 「あ゛・・・あ゛・・・あ゛・・・」 「しかし・・・実際に見ると凄まじいもんがあるな。 そう思わんか? まりさ。」 「ゆ゛あ・・・あ・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・」 男と一緒にモニターを見ているのは、今潰れたれいむのパートナーであり、れいむに潰されて貪り食われた子れいむの父親であるゆっくりまりさだ。 れいむが子れいむを食べたところまではものすごい叫び声をあげて暴れまわっていたのだが、そのれいむが潰されるシーンを見てから反応がほとんど無くなった。 まあ普通に考えて無理も無いことだろう。 ゆっくりを見慣れている男をして"凄まじい"と言わしめる事態が自分の家族に起こったのだから。 「さて・・・これ以上放っておくと本当に壊れかねんな。 一度香を止めて経過を見なければ・・・お前は、」 「あ゛・・・ああ゛・・・ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・」 「どうにもならんか。 まあ好きにしてくれ。 扉は開けておくからな。」 涙を流してうめき続けるまりさにはもう興味を示さず、男は地下室へ行く準備をし始める。 と、 「ん? 何だ。 お前も行くのか?」 「んゆぅ~♪」 男について部屋を出たゆっくりゆゆこに意外そうな顔をしながらも、男は急ぎ足で地下室へと向かった。 「換気扇、異常なく起動・・・と。 よし、ドアロック解除」 さすがに今度は換気扇をつけて男は部屋に入った。 「よし。 調子はどうだフラン? うぉっ!?」 「ふぅあっ!!」 ジャララッ・・・ガキン!! 男を見るなり飛び掛ってきたフランに驚き、のけぞる男。 フランの鎖を伸ばしたまま忘れていたのだ。 「ふぅー・・・ふふふっ。」 「これはまた・・・威勢のいい顔になったもんだ。」 男への怒りはそのままに、野生の本性を丸出しにした酷薄そうな笑みで飛び掛られた男は、苦い顔をして香鉢に歩み寄る。 「この香の効果は煙が消えても最低数時間持続するらしいからな・・・今まで突っ込んだ知識が白紙に戻ったら適わん。 一度消すか・・・」 と言って男が香鉢の元にたどり着いたその時。 シュウ・・・ガシン! と、いきなり扉が閉まった。 「なッ!?」 § このとき男がとるべき最良の行動は、手元にある香鉢をいち早く消し止めることだった。 しかし、焦った男は扉に駆け寄ってしまった。 扉のロック解除装置のある左の壁でも香鉢でもなく、扉本体へと。 まあ普通なら決してひとりでに閉まることの無い扉が勝手に閉まったのだから、仕方のないことと言えなくも無いが・・・ § ガン! 「なぜ扉が・・・!? この扉に誤作動など起こり得るはずが・・・!」 と、その時さらに、 カシュウウウウ・・・ 換気扇までが止まってしまった。 「馬鹿・・・な! いかん、香を・・・」 と、付き合いの長いフランでさえ始めて見る焦燥の表情を見せながら香鉢へ駆け寄る男。 しかし、換気扇が停止した今、香鉢から出る煙は四方へ満遍なく噴出されている。 当然、男のいる方向も例外ではない。 「う・・・あ゛・・・がッ!?」 香をまともに吸い込んだ男に強い貧血のような感覚が走り、そのまま崩れ落ちてしまう。 そしてこの状況では最悪なことに、男は貧血のときに反射的にやってしまう行動、深呼吸をしてしまったのだ。 「はあぁ・・・う゛ッ・・・か・・・ア゛・・・」 男は浅く速い呼吸を繰り返し、 「フッ、フッ・・・フゥー・・・」 ほどなくしてその呼吸が平常時に近づくと、男は何事も無かったかのようにむくりと起き上がった。 しかし、 「フゥー・・・フラン。」 「う・・・あ?」 その表情は一変していた。 その目は真っ赤に充血してぎらぎらとした光を放ち、全体的に尋常ではない雰囲気があふれ出ている。 それは、こんな状況にあるフランでさえ思わず怯んでしまうほどに。 「フラン・・・フラン。」 「な・・・なに・・・?」 「フラン・・・今かラ・・・お前、ヲ・・・犯す・・・」 「え? な・・なん・・・ッ!?」 その時、男とフランがいる部屋の前の廊下では。 「ん~ふふ~♪」 男の後をこっそりと付いて来ていたゆゆこが楽しそうに歌って(?)いた 「はかせがしんだら~♪ ふらんもはかせもたべていいの~♪」 間延びした声で歌いながら庭へ向かうゆゆこ。 「にんげんは~はじめてだから~たのしみ~♪ どんな~あじかな~♪」 一人と一匹の死体が出来上がるまでなどという歌を歌いながら、ゆゆこはフランの甘味と人間の未知なる味に心躍らせていた。 「うっ・・・ぐうっ・・・」 「ハァ・・・グ・・・ウ・・・」 フランを力ずくで押さえつけ、組み伏せる。 そしてフランの身体にまだ付いていた親れいむの餡子をべろりと舐めあげると、男は壁のボタンを思い切り殴りつけた。 と、フランの四肢を拘束していた鎖の手錠部分がガチャリと音を立てて外れた。 「ふ・・・ふぅっ!・・・うあ!?」 「クアァ・・・フゥッ!」 千載一遇のチャンスと男に飛び掛るフランだったが、男の動きに一歩遅れをとってしまった。 男は飛び掛ってきたフランの爪が服や皮膚を傷付けても何の動揺も無くフランを組み伏せ、 「あぅ・・・はな・・・せぇッ!」 「フゥ・・・クアアァ!」 フランの脚を力任せに広げさせると自分の異常に膨れ上がった怒張を取り出し、 「う・・・うぁ・・・? や・・・やめ・・・!」 「フゥッ!」 クチュ・・・グブリ・・・ フランのそこに何の遠慮も無くいきなり突き入れた。 「う・・・あ・・・ああああああぁっ!?」 「クゥア!」 フランの絶叫が響き渡った。 しかし男は思い切り突き込んでいる様子だが、サイズの大きすぎるそれはフランの小さなそこには到底収まりきるはずも無い。 怒張は先端が挿入されたまま、それ以上の進入を拒まれていた。 「い゛・・・あ゛・・・あぎ・・・や・・・やめ・・・ッ!!」 「フウウウゥ・・・」 男はそれでも自らの全てを突き入れようと無理やり腰を下ろしていく。 フランの方も、それによってもたらされる感覚が苦痛だけならまだ抵抗できたのだが・・・ これまでの積み重ねと催淫香の効果により、秘所をミヂミヂと押し広げられる激感に頭が痺れ、身体が勝手に痙攣してしまう。 抵抗どころか、自我を保つことさえ難しい状態だった。 そして、 ギヂ・・・ミヂ・・・ヂ・・・グブリ! 「が・・・っかはああああっ!?」 「ハァッ!!」 とうとうフランのそこを押し広げ、男の怒張が全てフランの胎内に収まった。 ありえないくらいの苦痛と快感にフランは白目を剥いて口から泡を吐き、痙攣するだけになっている。 フランのそこは今にも裂けそうなほどに拡張され、真っ赤に充血していた。 「フゥ・・・フウゥー・・・グヂュリ・・」 男はフランの口からたれている泡を舐めとると、フランの身体を床に押し付けたまま腰を動かし始める。 「ゴボッ・・・あ゛う゛っ! あ゛がっ! あ゛う゛あ゛あ゛ぁっ!!」 「フッ、フゥッ・・・ハァッ!」 まともな言葉すら発することのできないフランの片足を上げさせ、男の動きはどんどん速くなっていく。 そして・・・ ゴボォッ! 「かは・・あ゛う゛・・・ ッ!? ああああ゛あ゛あ゛っ!?」 「カアァッ!」 男の精が、異常なほどの勢いでフランの胎内に吐き出された。 異常な量の吐精は終わることを知らず、収まりきらなかった分が繋がっている男とフランのわずかな隙間から零れ落ちていた。 「あ゛・・・あ゛あ゛・・・はあぁ・・・は・・・」 「フゥ・・・フウゥ・・・」 ようやく収まった男が、フランから自分自身を引き抜く。 フランの秘所は無惨に拡がり、吸収し切れなかった男の精が溢れ出ていた。 虚ろな目でがくがくと痙攣するフランのそこを眺めていた男は、おもむろに未だ全く衰えない怒張をぶら下げながらフランを抱えあげた。 「フウウウゥ・・・」 「あ゛・・・あ゛う゛・・・」 そして、フランの秘所の少し後ろにある小さな蕾に自分の怒張を突き立て、 グボォッ! 「う゛ぁ・・・? っぎいいいいイイイイィッ!?」 「ガアアァ!」 何のクッションも置かず最後まで一気に突き入れた。 「い゛ぎ、あ゛っ! がっ! いぎいいいぃっ!!」 先ほどのボロ人形のようなフランのどこからこんな声がと言うような絶叫を上げるフラン。 その蕾も秘所と同様限界まで押し拡げられ、ギチッギチッと悲鳴を上げている。 「フウ・・・ウゥッ!」 抱き合うような体勢で自らをフランに突き入れたまま、男はフランの身体に両腕を廻し、へし折れんばかりに抱きしめた。 男の体に密着する形になり、ちょうど男の肩の辺りが目の前にあったフランは、何を思ったか 「が・・・あ゛あ゛・・・がぁうっ!」 男の肩に思い切り噛み付いた。 フランは人間の血は嫌いなので、この行動も香の影響で破壊本能が刺激されただけなのだろう。 しかし、鬼気迫る様子で体を動かし続ける男とその男の肩から流れ出る血を舐めとるフランには、一種この世のものではないような淫靡さがあった。 そして 「ッグウウウゥァッ!」 「くうあああああああっ!!」 血と精に塗れたまま、男とフランは同時に絶頂まで昇り詰めた。 「かはぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 「ウ・・・グウウウゥッ!」 男はまだ衰える様子も無く、フランの頭を掴み上げると、その口に自分を勢いよく突き入れた。 フランも今度は冷静に(?)男のものに噛み付き、爪を男の体に突き立てる。 男は急所に噛み付かれても平気でフランの頭を動かし続け、 「グ・・・グゥ・・アァッ!」 「むぐうぅっ!」 フランの喉奥に精を放った。 「むぐ・・・がはっ!」 「グゥアァッ!」 男はぎらぎらと光る目でまたフランを組み伏せようとする。 フランも、うっすらと笑いながらそんな男に自慢の牙と爪を向けた。 「クゥ・・・クク・・・カカカッ!」 「う・・・フフ・・・ウフフフフフッ!」 香の火が落ちたのがそれから30時間後。 香の効果が消えたのは48時間後。 香の効果が完全に消えるその時まで、二人きりの饗宴は続いていた。 「・・・・・・あ゛~・・・」 「・・・ん?」 「何で生きてんだ・・・? 奇跡としか言いようがねぇ・・・」 「・・・はぁ」 「しかし・・・体が動かん・・・脱水症状も酷ぇ・・・」 「あたりまえ」 研究所の地下室には、頬がこけて体中傷だらけで転がっている男がいた。 そして、少し離れた壁にもたれかかって、棚から取り出したスポーツドリンクを滅茶苦茶マズそうな表情で飲んでいるゆっくりフラン。 「しかし・・・あ゛~あ゛・・・また失敗かよ・・・俺には才能も運」 「はかせ」 「・・・あん?」 「ふらん・・・ん・・・わたし、は、これからはかせにきょうりょくする」 「・・・・・・あ? 何で? どういう風の吹き回しで・・・」 「わたし、は、いままで、どんなはかせでもこわくなかった」 「ああ・・・だろうな。」 「でも、こわれたはかせは、なんでも、こわかった」 「何でも・・・何よりも、か? つうか思い出させんでくれ。 死にたくなる・・・」 「だから、はかせ、が、こわれないように、きょうりょくする」 「ああ・・・サンキュー。 しっかし・・・実験体のお情けで成功なんざ、口が裂けても言えねえなぁ・・・」 「ふん・・・」 そのころ研究所の庭では。 「んうぅ~・・・おなかすいたぁ~・・・」 ゆっくりゆゆこが頬をこけさせ、消耗しきった顔でひなたぼっこをしていた 。 ゆっくりゆゆこもやはりゆっくり。 男を閉じ込めてしまえば、当然食事も来なくなることに気付けなかったのだ。 仕方ないので雑草や虫などを食べていたのだが・・・ ゆっくりゆゆこは一般的なゆっくりによく見られる好き嫌いというものが無いので、雑草でも十分美味しく頂きますだった。 しかし、いかんせん量が少なすぎるのだ。 大食らいのゆゆこにとって、この3日間は地獄だった。 「んゆぅ~・・・しにそう~」 悲しげな顔でつぶやいたとき、塀の隙間から小さなゆっくりまりさが入って来ている事に気付いた。 見れば身体も帽子もボロボロで、どんな修羅場を潜り抜けてきたのかと言うような風体だ。 「ゆ・・・ゆ・・・おかーしゃん・・・おとーしゃん・・・まりしゃあるいたよ・・・」 「んぅ~?」 「まりしゃいいこだよ・・・おいてかにゃいでぇ・・・」 と、その時、庭の片隅から小さいまりさに対する返答があった。 「ゆ・・・ゆ・・・まりさ? まりさなの!?」 「おとーしゃん!?」 家族が目の前で発狂し、潰しあって粉々にされる様を見せ付けられて廃人と化していた親まりさだった。 「まりざああああああ!! おどーざんどゆっぐりじようねえええええ!!」 「おとーしゃあああん! ゆゆ? おしょらをとんでるみちゃー・・・ゆぴゅっ!?」 「ごっくん♪」 「・・・ゆ?」 親まりさには何が起こったか一瞬理解できなかった。 ええと、まりさの可愛いおちびちゃんがまりさの方に寄ってきて、そのときゆゆこが舌べらを出してまりさのおちびちゃんが・・・? 「あ・・・あ・・・ああああああああああああああああーーーーー!!!!」 「んゆ?」 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーー」 家族を一気に、しかもあんな惨いやり方で奪われた絶望の中にただ一筋差し込んだ光であるおちびちゃん。 そのおちびちゃんを目の前でまた失った。 いともあっさりと、そして残酷に。 まりさには、もうゆっくりと言う言葉はただの一欠片も無くなっていた。 「わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!!」 ガブゥッ! 「ゆぎゅああっ! ゆびゅっ! ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ・・・」 視点すら定まらないほどの怒りを万全に込めた体当たりは、ゆゆこの一噛みにあっさりと打ち砕かれた。 「ん~・・・これはほぞんしょく~」 四分の一程度を齧り取られ、もううめき声でリズムを取るだけの饅頭と化したまりさを放って、ゆゆこはひなたぼっこに戻った。 3日ぶりに味わった甘味の余韻を味わいながら。 余談ではあるが、ゆゆこはこの後男が地下と自分の身体を直して庭に出てくるまでの4日間、更なる空腹地獄に苛まれ続けた。 人を呪わば穴いっぱい ****************************************************************************************************************** 大富豪でリクエストいただいたゆふらんちゃんウフフなSSでした 以前私が書いたSSの番外編・・・と言うよりはパラレルストーリーです リクエストくれた"ROMにいさん"へ 1ヶ月以上待たせて本当に申し訳ない 就活頑張って下さい 598より
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Template 日本の内閣総理大臣? 近衞 文麿(このえ ふみまろ、明治24年(1891年)10月12日 - 昭和20年(1945年)12月16日)は、日本の政治家。第5代貴族院議長。第34、38、39代内閣総理大臣。 爵位は公爵であり、かつ五摂家筆頭である近衛家の当主。後陽成天皇の12世孫にあたる。 来歴・人物 生い立ち 1891年(明治24年)10月12日、公爵近衛篤麿と旧加賀藩主で侯爵前田慶寧の三女・衍子の間の長男として、東京市麹町区(現:千代田区)で生まれた。文麿は皇別摂家の生まれであり、父系をさかのぼると天皇家に行き着く。しかし母は文麿が幼いときに病没、篤麿は衍子の妹・貞を後妻に迎えるが、文麿はこの叔母にあたる継母とはうまくいかなかった貞が「文麿がいなければ私の産んだ息子の誰かが近衛家の後継者となれた」と公言していたのが理由といわれる。一方の文麿は貞を長年実母と思っており、成人して事実を知った後の衝撃は大きく、以後「この世のことはすべて嘘だと思うようになった」(『近衛文麿公清談録』)。このことが文麿の性格形成に与えた影響はあまりにも大きかった。。 父の篤麿はアジア主義を唱え、東亜同文会を興すなど活発な政治活動を行っていた。ところが、1904年(明治37年)に、篤麿は41歳の若さで死去。文麿は12歳にして襲爵し近衛家の当主となるが、父が残した多額の借金をも相続することになった。近衞の、どことなく陰がある反抗的な気質はこのころに形成された、と後に本人が述懐している。 この苦境を救ったのは、同じ公家出身の政治家・西園寺公望である。西園寺は、篤麿とは政敵とも言える状況にあったが、文麿の聡明さは高く評価して援助を惜しまなかった後に近衞は、西園寺のもとを初めて訪れたとき、西園寺が家格が上の近衞を上座に据えて「閣下」と呼ぶので、子供心に非常に居心地が悪かったと回想している。。後に第一次世界大戦後のパリ講和会議に日本全権として参加した際にも近衞を秘書として伴っている。こうして文麿は、父のアジア主義よりも、西園寺の欧米型自由主義に感化されることとなったが、自らの後継者を育てたいという西園寺の思惑とは裏腹に、文麿は次第に目先の新しいものに目移りする無定見さを見せ始めるようになるこの頃近衞は『英米本位の平和主義を排す』という論文を書いて英米覇権主義を批判、西園寺を困惑させている。。 学習院中等科を修了後、華族の子弟は学習院高等科にそのまま進学するのが通例だが、当時旧制一高の校長であった新渡戸稲造に感化され、一高を受験して進学。続いて東京帝国大学(戦後の東京大学)で哲学を学んだが飽き足らず、高名な経済学者であり、当時急速にマルクス経済学に傾倒しつつあった河上肇に学ぶため、京都帝国大学(戦後の京都大学)法学部に転学した。在学中の1914年(大正3年)には、第三次『新思潮』に、オスカー・ワイルドの『社会主義下における人間の魂』を翻訳し、「社会主義論」として発表した。しかし、これは発売頒布禁止処分となり、近衞は宮内省に呼ばれて厳重注意された。 なお東大時代には、のちに「宮中革新派」などと呼ばれて政界で活躍する木戸幸一(後に内大臣)や原田熊雄(後に西園寺公望秘書)などの華族の子弟と親交を深めている。 政界へ 1916年(大正5年)、満25歳に達したことにより公爵として世襲である貴族院議員になる。1918年(大正7年)に、雑誌『日本及日本人』に論文「英米本位の平和主義を排す」を執筆。1919年(大正8年)のパリ講和会議には全権西園寺公望に随行し、見聞を広めた。 その後、1927年(昭和2年)には旧態依然とした所属会派の研究会から離脱して木戸・徳川家達らとともに火曜会を結成して貴族院内に政治的な地盤を得るとともに、次第に西園寺から離れて院内革新勢力の中心人物となっていった。 また五摂家筆頭という血筋や、貴公子然とした端正な風貌(当時の日本人にあっては長身であった)に加えて、対英米協調外交に反対する現状打破主義的主張で、大衆的な人気も獲得し、早くから首相待望論が聞かれた。1933年(昭和8年)貴族院議長に就任。 1936年(昭和11年)の二・二六事件直後には岡田啓介首相の後継として初めての大命降下があったが、この時は健康問題を理由に辞退している。辞退の真因に関しては各説あるが、近衞が親近感をもっていた陸軍皇道派の勢力が相沢事件とそれに続く二・二六事件により失墜していたことから、政権運営の困難を感じていたのではないかとの説がある。 第一次内閣 1937年(昭和12年)6月4日に、元老・西園寺の推薦の下で、各界の期待を背に第1次近衛内閣を組織した。その直後には、「国内各論の融和を図る」ことを大義名分として、治安維持法違反の共産党員や二・二六事件の逮捕・服役者を大赦しようと主張して、周囲を驚愕させた。この大赦論は、荒木貞夫が陸相時代に提唱していたもので、かれ独特の国体論に基づくものであったが、二・二六事件以降は皇道派将校の救済の意味も持つようになり、真崎甚三郎の救済にも熱心だった近衞は、首相就任前からこれに共感を示していた。しかし、西園寺は、荒木が唱えだした頃からこの論には反対であり、結局、大赦はならなかった。 7月7日に盧溝橋事件をきっかけに日中戦争(支那事変)が勃発。7月9日には、不拡大方針を閣議で確認。7月11日には現地の松井久太郎大佐(北平特務機関長)と秦徳純(第二十九軍副軍長)との間で停戦協定が締結されたにもかかわらず、内地三個師団を派兵する「北支派兵声明」を発表。しかし、その後の国会では「事件不拡大」を言い続けた。7月17日には、1,000万円余の予備費支出を閣議決定。7月26日には、陸軍が要求していないにも拘らず、9,700万円余の第一次北支事変費予算案を閣議決定し、7月31日には4億円超の第二次北支事変費予算を追加した。 8月2日には増税案を発表。この間に宋子文を通じて和平工作を行い、近衞と蒋との間で合意が成立した。国民政府側から特使を南京に送って欲しいとの電報が届くと、近衞は杉山元陸相に確認を取り、宮崎龍介を特使として上海に派遣することを決定した。ところが海軍を通じてこの電報を傍受した陸軍内の強硬派がこれを好感せず、憲兵を動かして宮崎を神戸港で拘束し東京へ送還してしまう。このため折角の和平工作は立ち消えとなってしまった。 この件に関して杉山は関係者を一切処分しなかったばかりか、事情聴取すら行わず、結果的に事後了解を与えた形になっていた。杉山本人も当初は明解な釈明が能わない有様で、以後近衞は杉山に強い不信感を抱くようになる。 8月8日には日支間の防共協定を目的とする要綱を取り決めた。8月9日に上海で、蒋介石軍の挑発による上海事変が勃発。それに応じて、8月13日に、二個師団追加派遣を閣議決定。8月15日には、海軍による南京に対する渡洋爆撃を実行し、同時に、「今や断乎たる措置をとる」の声明を発表。8月17日には、不拡大方針を放棄すると閣議決定。 9月2日には「北支事変」という公式呼称を「支那事変」と変更を閣議決定し、戦域を拡大した。9月10日には、臨時軍事費特別会計法が公布され、「支那事変」が日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦と同列の戦争と決定され、不拡大派の石原莞爾参謀本部作戦部長が失脚。12月13日に南京攻略。 翌1938年(昭和13年)1月11日には、御前会議で支那事変処理根本方針が決定され、ドイツの仲介による講和(トラウトマン工作)を求める方針だった。しかし、1月14日に和平交渉の打切りを閣議決定し、1月16日に「爾後國民政府ヲ對手トセズ」の声明を国内外に発表し、講和の機会を閉ざした。更に、汪兆銘政権を樹立し、石原莞爾らの独自和平工作を完全に阻止した。5月5日には、支那事変のためとして、国家総動員法や電力国家管理法を成立させ、経済の戦時体制を導入し、日本の国家社会主義化が開始された。なお、国家総動員法や電力国家管理法は、ソ連の第一次五ヶ年計画の模倣である。3年後の1941年(昭和16年)に制定された国民学校令は、ナチス率いる当時のドイツのフォルクスシューレを模倣した教育制度である。 この頃に近衞は、閑院宮陸軍参謀総長らに根回しをすることで杉山の更迭を成功させた。後任には小畑敏四郎を考えたが、摩擦が生じることを懸念。そこで不拡大派の支持があった板垣征四郎を迎えることを決意し、山東省の最前線にいた板垣への使者として民間人の古野伊之助を派遣している。この時期の内閣改造では、陸軍の非主流派や不拡大派の石原莞爾らが、以前閣僚にと考えていた人たちが主に入閣し、これにより軍部を抑える考えがあったものとされるが、板垣は結局「傀儡」となり失敗した。この際に近衞は、宇垣一成を外相に迎えたが、宇垣の和平工作を十分に助けようとしなかった。宇垣はこれに不満を覚え、また近衞が興亜院を設置しようとしたこともあり、9月に辞任した。 8月には、麻生久を書記長とする社会大衆党を中心として、大日本党の結成を目指したが、時期尚早とみて中止した。これは、大政翼賛会へと至る独裁政党への第一歩である。11月3日に「東亜新秩序」声明を発表。1939年(昭和14年)1月5日に内閣総辞職する。 新体制の模索 近衞の後を承けたのは前枢密院議長の平沼騏一郎だったが、平沼内閣には近衛内閣から法相(兼逓相)、文相、内相、外相、商工相(兼拓務相)、海相、陸相の七閣僚が留任したうえ、枢密院に転じた近衞自身も班列としてこれに名を連ねたため、あたかも首をすげ替えただけの様相を呈すことになった週刊『アサヒグラフ』はこれを「平沼・近衛 交流内閣」と皮肉っている。「交流」とは、今で言う「合流」「合体」といった意味。。 8月23日に独ソ不可侵条約が締結されると、防共を目的としたドイツとの同盟を模索していた平沼は衝撃を受け、「欧州の天地は複雑怪奇」という迷言を残して内閣総辞職した。その一週間後にはドイツがポーランドに侵攻、これを受けてイギリスやフランスがドイツに宣戦布告したことで第二次世界大戦が始る。 平沼の後は陸軍出身の阿部信行と海軍出身の米内光政がそれぞれ短期間政権を担当したが、この間の近衞は新党構想の肉付けに専念した。1940年(昭和15年)5月26日には、木戸幸一や有馬頼寧と共に、「新党樹立に関する覚書」を作成。再度、ソ連共産党やナチ党をモデルにした独裁政党の結成を目指した。6月24日に「新体制声明」を発表している。 欧州でドイツが破竹の進撃を続けるなか、国内でも「バスに乗り遅れるな」という機運が高まっていた。これを憂慮した昭和天皇が「海軍の良識派」として知られる米内を特に推して組閣させたという経緯があったのだが、陸軍がそれを好感する道理がなかった。半年も経たない頃から、陸軍は政府に日独伊三国同盟の締結を執拗に要求。米内がこれを拒否すると、陸軍は陸軍大臣の畑俊六を辞任させて後任を出さず、内閣は総辞職した。かわって大命が降下したのは、近衞だった。この際、「最後の元老」であった西園寺は近衞を首班として推薦することを断っている。 新党構想などの準備を着々と整え、満を持しての再登板に望むことになった近衞は、閣僚名簿奉呈直前の7月19日、荻窪の私邸・荻外荘でいわゆる「荻窪会談」を行い、入閣することになっていた松岡洋右(外相)、吉田善吾(海相)、東條英機(陸相)と「東亜新秩序」の建設邁進で合意している。 第二次内閣 1940年7月22日に、第2次近衛内閣を組織した。7月26日に「基本国策要綱」を閣議決定し、「皇道の大精神に則りまづ日満支をその一環とする大東亜共栄圏の確立をはかる」(松岡外相の談話)構想を発表。新体制運動を展開し、全政党を自主的に解散させ、8月15日の民政党の解散をもって、日本に政党が存在しなくなり、議会制民主主義は死を迎えた。 しかし、一党独裁は日本の国体に相容れないとする「幕府批判論」もあって、会は政治運動の中核体という曖昧な地位に留まり、独裁政党の結成には至らず、10月12日に大政翼賛会の発足式で「綱領も宣言も不要」と新体制運動を投げ出した。 また、新体制運動の核の一つであった経済新体制確立要綱が財界から反発を受け、小林一三商工相は経済新体制要綱の推進者である岸信介次官と対立、小林は岸を「アカ」と批判した。近衞は革新官僚を「国体の衣を着けたる共産主義者」として敵視し、12月の平沼騏一郎の入閣で、経済新体制確立要綱を骨抜きにさせて決着を図り、平沼らは更に経済新体制確立要綱の原案作成者たちを共産主義者として逮捕させ、岸信介も辞職した。この間、新体制推進派は閣僚を辞職し、平沼は大政翼賛会を公事結社と規定し、大政翼賛会の新体制推進派を辞職させた。 thumb|left|175px|「仲よし三國」 br / small 三国軍事同盟締結を促進するための世論操作を目的とした1938年の宣伝絵葉書 上段の丸枠の写真は左から[[アドルフ・ヒトラー|ヒトラー独総統、近衞総理、ムッソリーニ伊首相]] 9月23日、北部仏印進駐。9月27日に日独伊三国軍事同盟を締結。 1941年(昭和16年)4月13日に日ソ中立条約を締結。近衞らは日米諒解案による交渉を目指すも、この内容が三国同盟を骨抜きにする点に松岡洋右は反発し、松岡による修正案がアメリカに送られたが、アメリカは修正案を黙殺した。 6月22日に独ソ戦が勃発、ドイツ・イタリアと三国同盟を結んでいた日本は、独ソ戦争にどう対応するか、御前会議にかける新たな国策が直ちに求められた。陸軍は独ソ戦争を、仮想敵国ソビエトに対し軍事行動をとる千載一遇のチャンスととらえた。一方海軍も、この機に資源が豊富な南方へ進出しようと考えた。大本営政府連絡会議では松岡外相は三国同盟に基づいてソ連への挟撃を訴えた。 7月2日の御前会議で「情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱」が決定された。この国策の骨格は海軍が主張した南方進出と、松岡外相と陸軍が主張した対ソ戦の準備という二正面での作戦展開にあった。この決定を受けてソビエトに対しては7月7日いわゆる関東軍特種演習を発動し、演習名目で兵力を動員し、独ソ戦争の推移次第ではソビエトに攻め込むという作戦であった。一方南方に対しては7月28日南部仏印への進駐を行なったが、これはアメリカによる経済制裁を招く結果となる。アメリカでの日本の経済活動がすべてアメリカ政府の管理下に置かれ、そして日本の南部仏印の進駐を確認した上で、石油の対日輸出が全面禁止された。 これらを受けて近衞は7月18日に内閣総辞職した。 第三次内閣 1941年(昭和16年)7月18日に、第3次近衛内閣を組織。これは、アメリカの要求を飲んだかのように見せかけたもので、実際はもう既に足枷でしかなかった松岡洋右を更迭しただけで、殆ど変わっていないのが実情であった。代わって外相には、南進論の豊田貞次郎海軍大将を任命した。7月23日にすでにドイツに降伏していたフランスのヴィシー政権からインドシナの権益を奪い、7月28日に南部仏印進駐を実行し、7月30日にサイゴンへ入城。しかしこれに対するアメリカの対日石油全面輸出禁止により日本は窮地に立たされることとなった。 9月6日の御前会議では、「帝国国策遂行要領」を決定。アメリカ、イギリスに対する最低限の要求内容を定め、交渉期限を10月上旬に区切り、この時までに要求が受け入れられない場合、アメリカ、オランダ、イギリスに対する開戦方針が定められた。 御前会議の終わった9月6日の夜、近衞はようやく日米首脳会談による解決を決意し駐日アメリカ大使ジョセフ・グルーと極秘のうちに会談し、危機打開のため日米首脳会談の早期実現を強く訴えた。事態を重く見たグルーは、その夜、直ちに首脳会談の早期実現を要請する電報を本国に打ち、国務省では日米首脳会談の検討が直ちに始まった。しかし、国務省では妥協ではなく力によって日本を封じ込めるべきだと考え、10月2日、アメリカ国務省は日米首脳会談を事実上拒否する回答を日本側に示した。 陸軍はアメリカの回答をもって日米交渉も事実上終わりと判断し、参謀本部(陸軍管轄)は政府に対し、外交期限を10月15日とするよう要求した。外交期限の迫った10月12日、戦争の決断を迫られた近衞は豊田貞次郎外相、及川古志郎海相、東條英機陸相、鈴木貞一企画院総裁を荻外荘に呼び、対米戦争への対応を協議した。いわゆる「荻外荘会談」である。そこで近衞は対中撤兵による交渉に道を求めたが、これに反対する東條英機陸相は総辞職か国策要綱に基づく開戦を要求し、両者は東久邇宮稔彦王を次期首相に推すことで一致し、10月16日に内閣は投げ出され、10月18日に総辞職した。ただし、東久邇宮内閣案は皇族に累が及ぶことを懸念する木戸幸一内大臣らの運動で実現せず、東條が次期首相となった。近衞は東條首相を推薦した重臣会議を欠席しているが、当時91歳の清浦奎吾が出席していたのと対比されて後世の近衛批判の一因となった。 終戦工作 1941年(昭和16年)12月8日の太平洋戦争(大東亜戦争)開始後は、共に軍部から危険視されていた元外務次官・駐英大使の吉田茂と接近するようになる。1942年(昭和17年)のシンガポール占領とミッドウェー海戦の大敗を好期と見た吉田は、近衞をスイスに派遣し、英米との交渉を行うことを持ちかけ、近衞も乗り気になったため、この案を木戸幸一に伝えるが、木戸が握り潰してしまった。近衞に注意すべきとの東條の意向に従ったものとされる。 1943年(昭和18年)から、近衞とそのグループは、やがて「近衛上奏文」につながる軍部赤化論や共産革命脅威論を唱え始める。発端は皇道派軍人の真崎甚三郎や小畑敏四郎たちであった。殖田俊吉もこれに共感し、吉田に近衞と会うべきと言われていた殖田は、小畑と共に近衞にこれを説いた。以降、近衞は、彼らグループの中心として、親ソ的な現在の陸軍首脳部を追うことで終戦を目指すようになる。 1944年(昭和19年)7月9日のサイパン島陥落に伴い、東條内閣に対する退陣要求が強まったが、その際には「このまま東條に政権を担当させておくほうが良い。戦局は、誰に代わっても好転することはないのだから、最後まで全責任を負わせるようにしたらよい」と述べ、敗戦を見越したうえで、天皇に戦争責任が及びにくくする様に考えていた。 1945年(昭和20年)2月14日に、近衞は昭和天皇に対して、早期和平を主張する「近衛上奏文」を奏上したが、昭和天皇に却下された。 戦局が悪化するにつれ、近衞は独自の終戦工作を展開した。それは、スイス、スウェーデン、バチカンなどの中立国を仲介とするものではなく、ソ連による和平仲介だった。しかし、近衞のモスクワ派遣は、スターリンに事実上拒否された。近衞の交渉案は、全ての海外の領土、琉球諸島、小笠原諸島、北千島を放棄し、労働力として日本軍将兵を提供するものだった。 戦犯容疑 1945年(昭和20年)8月15日に太平洋戦争が終結すると東久邇宮内閣で近衞は国務大臣を務めた。10月4日に、近衞は連合国軍総司令官ダグラス・マッカーサーを訪ね、持論の軍部赤化論を説いて、開戦時には天皇を中心とした封建勢力や財閥はブレーキの役割を果たした、と主張し、皇室と財閥を除けば日本はたちまち赤化すると説いた。マッカーサー、サザーランド参謀長およびアチソンGHQ政治顧問はこれに肯き、近衞に憲法改定を託したTemplate 要出典?。 しかし、国内外の新聞では、戦時体制を敷いた近衞の責任問題の追及が激しくなり、白洲次郎たちは近衞がマッカーサーに憲法改定を託されたことを宣伝して回り、近衞を助けようと試みた。しかし、メディアの反応を恐れたマッカーサーは、11月1日に、近衞の憲法改定にはGHQは関与しないとして、近衞を切り捨てたTemplate 要出典?。また近衞の責任追及も行われるようになり、砲艦に呼び出され軍部と政府の関係について質問があった。 thumb|200px|近衞の遺体を検死する[[連合国軍最高司令官総司令部|GHQのMP(1945年12月17日)]] 近衞は、すでに1921年の演説で、統帥権によって将来軍部と政府が二元化しかねない危険性を説き、その後それは現実となったのだが、このような状況はアメリカ側には理解し難い内容であった。しかし、昭和天皇への責任追及を避けるために、統帥権という語は口にできなかった。近衞は、何も答えられなくなった。 近衞は『世界文化』に、「手記~平和への努力」を発表し、日中戦争の泥沼化と、太平洋戦争の開戦の全責任を軍部に転嫁し、自分は軍部の独走を阻止できなかったことが遺憾であると釈明した。1945年12月6日に、GHQからの逮捕命令を聞いて、A級戦犯として極東国際軍事裁判で裁かれることを知った。巣鴨拘置所に出頭を命じられた最終期限日の1945年12月16日、荻外荘で青酸カリを服毒して自殺した。昭和天皇に戦争責任が及ばないようにという、皇室の藩籬として、そして五摂家筆頭としての自覚奇しくも先祖藤原鎌足が中大兄皇子と大化の改新を始めたのがちょうどこの1,300年前のことだった。が促した、苦渋の選択だったというTemplate 要出典?。 自殺の前日、次男の近衛通隆に遺書を口述筆記させ、「自分は多くの過ちを犯してきたが、戦犯として裁かれなければならないことに耐えられない…僕の志は知る人ぞ知る」と言い残したこの遺書は翌日にGHQにより没収されている。。 葬儀は1945年12月21日に行なわれた。 墓は京都市の大徳寺にある。 荻外荘 杉並区荻窪の「荻外荘」(てきがいそう)は、元は大正天皇の侍医頭だった入澤達吉が所有していた郊外の別荘だった。近衞は南に斜面をもった高台に立地し、近くは善福寺川から遠くは富士山までの景勝を一望のもとに見渡せるこの別荘に惚れ込んで、入澤を口説き落としてこれを買い受けている。 名称の「荻外荘」は額面通りの「荻窪の外」で、特に故事成句に因むような深遠な意味はないということになっている。しかし近衞に頼まれてこれを撰名したのは有職故実の奥義に通じた西園寺公望なので、実のところはどうなのかはよくわからない。 近衛家には目白(現在の新宿区下落合)に本邸があり、荻窪の方はあくまでも別邸なのだが、近衞はこの荻外荘がことのほか気に入った様子で、一度ここに住み始めると本邸の方へは二度と戻らなかった。 官邸の喧噪とはうってかわって静寂な荻外荘のたたずまいを、近衞は政治の場としても活用した。「東亜新秩序」の建設を確認した昭和15年7月19日の「荻窪会談」や、対米戦争の是非とその対応についてを協議した昭和16年10月15日の「荻外荘会談」などの特別な協議はもとより、時には定例会合の五相会議までをも荻外荘で開いており、大戦前夜の重要な国策の多くがここで決定されている。昭和16年9月末に近衞から対米戦に対する海軍の見通しを訊かれた連合艦隊司令長官の山本五十六が、「是非やれと言われれば初めの半年や1年は随分と暴れてご覧に入れます。しかし、2年、3年となれば、全く確信は持てません」という有名な回答で近衞を悩ませたのも、この荻外荘においてであった。 こうした変則的な政治手法から「荻外荘」の三文字が新聞の紙面に踊る日は多く、この私邸の名称は日本の隅々にまで知れ渡るようになった。後には吉田茂の「目黒の公邸」、鳩山一郎の「音羽御殿」、田中角榮の「目白御殿」などがやはり同じように第二の官邸のような機能をもつが、その先例はこの荻外荘に求めることができる吉田茂は、近衞の死後この荻外荘を一時近衛家から借りて私邸代わりにしていたことがある。あるとき来客から「なぜまたこちらに」と聞かれた吉田は、「ここにぼくが寝ていたらそのうち近衛が出てくるだろうと思ってね」と平然と言ってのけたという。。 荻窪一帯は空襲を免れたため、荻外荘は現在でも近衞が自らの命を絶った日とさほど変らない姿をこの地に留めている。現在でも近衛家の私有地なので内部の見学はできないが、歴史の重みに満ちたその片鱗は塀の外からでも十分に垣間見ることができる。 荻外荘 杉並区荻窪 2-43 JR/丸の内線 荻窪駅 南口徒歩10分 近衞一族 系譜 近衞家 本姓は藤原氏日本の苗字7000傑 姓氏類別大観 藤原氏総括。藤原忠通の子基実を始祖とする。江戸時代初期に嗣子を欠いたため、後陽成天皇の第四皇子が母方の叔父・信尹の養子となり信尋として近衛家を継いだ。文麿はその直系十一世孫にあたり、その血統は当時は大勢いた皇族よりもずっと天皇家に近かった明治維新後に創設された宮家はほとんどが伏見宮家の系統で、その伏見宮は遠く南北朝時代の崇光天皇の第一皇子・榮仁親王(1351−1416)を祖としている。。「昭和天皇に拝謁した後の近衛が座っていた椅子の背もたれだけはいつも暖かかった」というのは、文麿が天皇に対して抱いていた親近感を示す有名なエピソードである。 藤原忠通─近衞基実──基通─家実─兼経─基平─家基─経平─基嗣─道嗣─兼嗣─忠嗣─房嗣─政家─尚通─稙家─┐ │ │ ┌──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────┘ │ │ └─前久─┬信尹===┌信尋─尚嗣─基熈─家久─内前─経熈─基前─忠熈─忠房─篤麿─文麿──文隆===┌忠煇 └──前子 │ └武子 ├─昭子 ┠────┴後水尾天皇 ┃ ├─温子 後陽成天皇 大山巌──柏 │ ┠────護熙 │ 細川護貞 │ └─通隆 家族 thumb|lerightft|150px| small 近衞はちょび髭を生やしていたことから[[ヒトラーに似ていると揶揄されることがあった。そのためもあってか、次女の結婚式前に催した仮装パーティーでは諧謔を弄してヒトラーに扮し物議をかもしている。]] 妻の千代子とは、公爵という身分には珍しい恋愛結婚だった。華族女学校で一番の美女だったという千代子を一高の学生だった文麿が見初めた一方的な一目惚れだったという。結婚当時は京都帝大在学中だったが、その生活は「学生結婚」という言葉にはそぐわないほど豪勢なものだった以上、参考文献『日本の肖像 旧皇族・華族秘蔵アルバム』九毎日新聞社編。京都の新居には女中もいれば書生も抱えており、一般サラリーマンの平均月収100円の時代に、一月当たり150円の生活費をかけていた。ちなみにこの時の新居は宗忠神社の事務所として現存している。。結婚生活は円満だったが、当時の大身の例にもれず数人の妾を囲い、隠し子もいた『宰相近衛文麿の生涯』有馬頼義 著。。 次女の温子(よしこ)は1937年(昭和12年) 4月、当時まだ京都帝大在学中だった細川護貞と結婚した。その直後に父は総理となり、夫は総理秘書官となる。三年後の昭和15年(1940年)8月、父が総理に返り咲いて間もなく、温子は腹膜炎をこじらせて小石川の細川邸で死去した。享年23、夫と父に看取られての最期だった。この温子と護貞の短い結婚生活のなかで恵まれたのが、後に総理となる長男の護熙と、近衛家の養子となった次男の忠煇である。 不仲だった継母の貞は戦時中京都の別邸(現・陽明文庫所在地)に単独で疎開、そこで栄養失調により死去。1945年8月15日のことだった。 実家 父:篤麿(貴族院議長) 母:衍子(旧加賀藩主 前田慶寧公爵の三女) 嫡子:文磨 継母:貞(前田慶寧の四女、実の叔母にあたる) 異母妹:武子(大山巌公爵の次男 大山柏に嫁ぐ) 異母弟:秀麿(指揮者 作曲家) 異母弟:直麿(雅楽研究者) 異母弟:忠麿(→水谷川家を継ぐ、春日大社宮司) 自家 妻:千代子(元・豊後佐伯藩主 子爵・毛利高範の長女) 長男:文隆(シベリア抑留中病死) 庶孫:東隆明(俳優) 長女:昭子(島津公爵家当主 島津忠秀に嫁ぐが、整体師・野口晴哉と駆け落ちして後に結婚) 次女:温子(細川侯爵家当主嫡男 細川護貞に嫁ぐ) 外孫:細川護熙(内閣総理大臣) 嫡孫:忠煇(→ 近衛家を継ぐ、日本赤十字社社長) 次男:通隆(東京大学教授) 文献 自著 『平和への努力 ― 近衛文麿手記』(日本電報通信社, 1946年) 『失はれし政治 ― 近衛文麿公の手記』(朝日新聞社編, 朝日新聞社, 1946年) また、近衛が開設した陽明文庫には近衛の関連資料が所蔵されている。 評伝 矢部貞治著・近衛文麿伝記編纂刊行会編『近衛文麿(上・下)』(弘文堂, 1952年/「歴代総理大臣伝記叢書」第25巻として復刻, ゆまに書房, 2006年) 内容を圧縮したものとして同『近衛文麿』(時事通信社, 1958年/新装版, 1986年)がある。 岡義武『近衛文麿 ―「運命」の政治家』(岩波書店[岩波新書], 1972年) 杉森久英『近衛文麿』(河出書房新社, 1986年/河出文庫(上・下), 1990年) 中川八洋『大東亜戦争と「開戦責任」― 近衛文麿と山本五十六』(弓立社, 2000年) その他 平泉澄『日本の悲劇と理想』 原書房 1977年3月 平泉澄『悲劇縦走』 皇学館大学出版部 1980年9月 早川隆 『日本の上流社会と閨閥』 角川書店 1983年 8-14頁 関連項目 Template Commons? 華族 第1次近衛内閣 第2次近衛内閣 第3次近衛内閣 近衛新体制 陽明文庫 ゾルゲ事件 尾崎秀実 後藤隆之助 石渡荘太郎 『TIME』誌 脚注 Template reflist? 外部リンク 近衛文麿 | 近代日本人の肖像 近衛文麿の紀元2600年記念式典詞(1940年) (mp3ファイル) 近衛文麿上奏文と終戦 近衛 文麿 / クリック 20世紀 近衛文麿公関係文書 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年10月6日 (月) 11 19。
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登録日:2020/01/24 (金) 23 55 00 更新日:2024/04/21 Sun 15 19 38NEW! 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 SAN値チェック しのちゃん ひまわり銀河 クトゥルフ神話 コズミックホラー ミイラ取りがミイラに ラスボス 不幸にも最悪の相性の敵と当たってしまった人 不死身 不運 全ての元凶 全体主義 双亡亭 双亡亭壊すべし 合理主義者 因果応報 地球外生命体 坂巻泥努 外道 奴隷 宇宙からの色 宇宙人 寄生虫 対話不可能 尊死 極悪非道 液体生物 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ 滅ぶべき存在 災厄 生き汚い 精神攻撃 絵の具 肉体侵略 自業自得 藤田和日郎 邪悪 邪悪ロリ 面従腹背 顔芸 寿永元年春、星ぞ降りにける。 東の空真紅に燃えぬ。 上下殊に驚き恐るる。甚だ不吉なりと。 降りにし沼こそ湧き返りにけれ─── 藤原貞宗『星月記』 おまえの カラダをよこせ。 〈侵略者〉とは『双亡亭壊すべし』に登場するキャラクターである。 【概要】 坂巻泥努が建造した本作の舞台「双亡亭」に巣食う存在であり本作最大の敵。 その正体は黒い液体の体を持つ地球外生命体。 劇中の双亡亭で出てくる〈侵略者〉はごく一部に過ぎず、本体は遠い銀河の先にある巨大な惑星1つを丸ごと覆い尽くすほどに膨大な黒い海そのもの。 性根の悪辣さ及び存在のスケール共に藤田作品の敵の中でもトップクラスのスケールと危険度を誇る化け物なのだが、泥努からの扱いは便利な絵の具以外の何物でもなく、扱いは奴隷も同然。 ミイラ取りがミイラになってしまった彼らだが、それでも尚反骨心自体は失われておらず、泥努にこき使われながらも泥努の支配から逃れるための方法を模索している。 劇中、しのは泥努のことを「一千兆分の一の確率で存在するあの男」と評していたが、逆を言えば〈侵略者〉は一千兆分の一の確率でしか存在しない最悪のババをピンポイントで見事に引いてしまったことになる。 ちなみに故郷の星は地球のある太陽系を含めた天之川銀河から2000万光年先にある銀河群の中の1つ「ひまわり銀河」の中のとある星。 風速300キロ以上の暴風が吹き荒れる過酷を極めた自然環境であり、地球人類が生存することは不可能。 【性格】 人間と同等の高度な知性を持ち意思疎通も可能だが性格は高慢で悪辣極まりないド外道。 合理的な勝利の為なら人のトラウマを抉って心を踏み躙る卑劣な手段を嬉々として実行し、プライドの高さから自分達を「最も優れた存在」と考えて、他の生命体を露骨に見下して餌や道具程度にしか考えていないため、対話の余地は皆無。 何事においても合理を優先する傾向にあり、「感情」を廃した徹底的な効率化と合理性の追求によって20億年もの年月を掛け現在までの進化を果たした。 だが、合理とは程遠い人間の意志の力を甘く見積もりかちな価値観や、機械的なその在り方を坂巻泥努に酷評された挙句隷属させられる羽目になった。 劇中でも感情という概念を理解できない事や人間を見下す傲慢な思考回路によって度々形勢逆転を許す詰めの甘さが最大の欠点と言える。 その行動原理の根底にあるのは「生きたい」「死にたくない」という純粋な生存欲求。 合理主義を突き詰めた結果辿り着いたのは生物らしい生存本能の一念であった。 【生態】 巨大な液体状の身体を種族全員の統一された意志で共有・支配する「全体で一つ」という在り方で活動する。 地球上では黒っぽい水や鏃に似たヒルのような姿となって活動。人間の精神を攻撃する際もヒルのような姿を取る。 種族特性として窒素に致命的に弱く、多量の窒素を含む地球の大気に触れると肉体が瞬く間に溶解・蒸発してそのまま死滅するため、基本的に双亡亭の絵の中以外の地球環境下で活動することは原則不可能とかなり不利。 だが一方で水中などの窒素の非常に少ない環境下ではまさに独壇場。 例え小さな破片であろうと水に触れると小さなヒルのような姿から急速に肉体が変異し何十倍にも膨張。深海魚を掛け合わせて更に醜悪にしたかのような不気味な異形の巨大な怪物に姿に変貌する。 仮に彼らが地球の河川を通り一滴でも海に侵入した場合、大繁殖した末に人類滅亡が確定する。 その他液体の身体を平面の物質に均等に覆う事で、その物質を「門」と呼ぶ本体の居る母星と繋がるワープゲートとして扱う事が可能。 おまけに双亡亭を爆撃した場合、爆炎の煙をゲートにして襲来できてしまう。 また終盤では体を固めて硬質化させることで高硬度の皮膜短を形成。皮膜を殻のようにして短時間ながら地球の外気に耐える手段を会得している。(*1) 窒素以外の弱点と言えるのは超高温の炎や電撃による熱量攻撃。 液体生物という性質上流石に物理的に無理矢理蒸発させられるような攻撃には弱いようで、最終盤で あの人 のバックアップを受け大幅に強化されたジョセフィーンが繰り出す超火力の超巨大火球を受けた際は、あわや消滅寸前にまで追い込まれていた。 精神侵略 窒素に満ちた地球上の大気内で活動するための手段であり能力。 坂巻泥努が描いた「自画像」の中に標的を引きずり込むと、標的の脳内記憶にある「最大の苦痛」である過去のトラウマを再現。 標的に再現した記憶を追体験させて、標的の精神を破壊してから体に寄生して乗っ取り、肉体を支配するというもの。 おまけにただ再現するだけでなく、その記憶を悪意満載に誇張或いは歪曲させて、より記憶の醜悪さと恐怖を増幅させることで効果を高めている。 これによって精神が破壊された人間の肉体を乗っ取り自分達の「仮初の器」として運用。双亡亭の敷地内限定だが自由に活動することができる。 この手法で何十年と犠牲者と器を増やしてきた関係から人間の精神構造を熟知しており、天敵にして支配者である泥努からの直接干渉を除けば、外部からの精神攻撃耐性には無敵と言わんばかりに滅法強い。 ただし肉体を掌握するのではなく掌サイズの欠片程度の大きさとなって脳内に巣食う場合は亭内でなくとも活動可能。 この場合は通常のように精神を破壊し肉体を乗っ取るまではできず、思考を捻じ曲げたり一時的な洗脳状態にする程度に力が弱まる。 この攻略手段は再現されたトラウマから逃げず、受け入れて立ち向かうこと。或いは強烈すぎる意志力で再現されたトラウマを捩じ伏せる他ない。 他作品で例えると影との対峙に近い攻略法なので、戦闘力での戦いではなく純粋な精神力の戦いになる。 仮に条件を満たせるのであれば何の能力も鍛錬も受けていない一般人であっても突破して寄生を防ぐ事が可能。 【個体一覧】 しの 天神サァマの境内よォりも ひぃろぃお屋敷見ぃつけた 沼半井の大旦那 道楽者のぱあぷう絵描き ねじれ くびれた<双亡亭>で じぶんもぺらぺら いとまごい… 泥怒に支配された〈侵略者〉の意思を代行する存在として、泥怒がイメージを固定させた〈侵略者〉の一部。 例えるなら人為的に生み出されたこの人。 見た目は着物を着て鞠を付くおかっぱの童女で、感情の無い冷徹な目つきが特徴。 外見のモデルは泥努の姉しのぶの幼き頃の姿だが実態は〈侵略者〉と同じ液体生物であり、あくまで意思疎通のため人の形を模しているだけに過ぎない。 その為滅ぼしても自身を描いた絵を介して復活する。双亡亭と一体化した同族を利用し、双亡亭内の様子を全て知覚することが可能。 第1話のナレーションで遊んでいた少女の正体であり、地球に飛来した〈侵略者〉の指揮官に相当するポジション。 支配者でありながら一切の指揮を執らない泥努に代わり双亡亭で〈侵略者〉達の陣頭指揮を執る地球上における代表者も務める。 一見無感情なクール系ロリと思いきや、こっちも泥努に負けず劣らずの豊富な顔芸を披露する激情家。 性格は〈侵略者〉らしく合理性を尊び、非合理な行動や思想を忌み嫌って他者を騙し陥れることに微塵の躊躇いもない、冷酷で傲慢な外道にして下衆。 …なのだが自分達の支配者である泥努に対しては、「理解が一切できない」「コイツ人間じゃねぇ!(意訳)」と称してファーストコンタクトの段階で心が完全に折れて怯えてしまい、泥努が与える「恐怖」に怯えながら服従させられる屈辱の日々を送っている。 おまけに母星の本体は刻一刻と種族滅亡の危機に瀕している為、何だかんだで余裕も持ち合わせていない。 …とはいえ〈侵略者〉側にとっては泥努との唯一の交渉窓口を担っている為、絵を描く事以外に興味関心のない泥努の機嫌や反応をうかがい、度々「双亡亭からの自分達の解放」を懇願しては泥努に懇願を無視され、合理性とはかけ離れた泥努の奇行に頭を悩ませつつ、地道に交渉しながら目的のため日々策を練る(自業自得とはいえ)悲しい中間管理職となってしまった。 だが実際の所感情という概念がない彼らに喜怒哀楽は愚か恐怖の概念もないため、これまでの感情表現豊かな表情は「擬似個性」と呼ばれる手段で表面的に人間らしい感情を模倣したことによる演技。 内心は「下等生物にプライドを傷つけられた挙句奴隷のように扱われる屈辱」が思考の大部分を占めていた様子。 そして裏では密かに五頭応尽と内通しており、泥努抹殺のために様々な策謀を張り巡らせ叛逆の時を虎視眈々と狙い続けていた。 読者や協力者である五頭応尽からのあだ名は「しのちゃん」。 イチバン お前を倒すために最適な形態は人間と同じ姿で、人間の殺人技術を持つ個体。 「ヨンバン」「サンバン」「ニバン」 どれも足りぬ…そうだ、青一… 私が 双亡亭 の中で最強の、「イチバン」だ。 前線に一切出なかったこともありか弱い童女を思わせていたが、実態は 侵略者 最強の強化個体「イチバン」。 外見は首から下を泥努のような黒いタイツで覆い、四肢を硬化した 侵略者 の鎧で覆った派手さのないシンプルなもの。 両手首足首には鋭利な短い刃がそれぞれ生えている。 戦闘スタイルは近接格闘戦特化。 小柄ながら大型兵器すら素手で破壊し敵を正面から殴り飛ばす体術と身体能力 侵略者 本星とリンクすることで本体の膨大な知性を利用することで戦う相手の行動パターンをシミュレートし、攻撃を先読みする計算能力 を駆使して理詰めで敵を排除していく。 だが真の恐ろしさはあくまでしのは地球で行動するためのアバターでしかなく、たとえ肉体を破壊されても双亡亭と 侵略者 本星がリンクしている限り際限なく復活し、なおかつ同スペックの「しの」の量産すら可能であることにある。 ただし完璧ではなく、戦術の要のシミュレーションもあくまで自分達の想定・把握する情報の上で成り立つもの。 そのため自分達の想定外の要素が存在すると、僅かに行動が読み切れない。 人ならざる者達 泥努の肖像画に取り込まれ、〈侵略者〉に精神を破壊され肉体を奪われた犠牲者達。 地球における〈侵略者〉達の器も兼ねている。 基本的に支配された者達は自我を失い〈侵略者〉に肉体を操られる理性のない亡者のような状態になるが、肉体限界を無視して動くため相対的に身体能力が増大。 生前何らかの霊能力や超能力を備えていた場合能力を生前と同じように行使が可能。 生者でなければ寄生できないというわけでもなく、やろうと思えば死体に寄生して操ることもできる。 なお理性のない亡者になる事なく、過去の詳細な記憶を保ったまま変異した者もおり、その場合は寄生される前と変わらない言動を取る。 ただしこれは寄生した〈侵略者〉が脳内の記憶を元に再現・模倣しただけに過ぎず、厳密には死体同然。おまけに〈侵略者〉の悪意を反映して全員性格が凶暴化した上に悪意に満ちた歪んだものに成り果てている。 このタイプは肉体構造すらも大幅に変質しており、身体の部位が伸縮・変形するだけでなく物理攻撃に対しても高い耐性を獲得。体内の水が滅びない限り死なない不死身となっている。 基本は理性のない犠牲者を指揮する指揮官役を担う事が多い。 人ならざる者には絵の外部及び双亡亭の屋敷の外で長時間に渡り活動できる力はなく、やがて肉体は爆ぜたり溶け出すが、外部での行動可能範囲は徐々に広がりつつある。 後に泥努の「一筆」を受けたことで能力が強化。双亡亭の建物の屋外にでても身体が溶けることなく活動可能となり、戦闘力も増した。 朽目(くちめ) 洋二(ようじ) 人ならざる者達の中では最初のネームドキャラ、 修験者だが、肩には薔薇のタトゥーを刻み腰には現代風のアクセサリーを身に着けたパンクな出で立ちの青年。 自らの強さに鼻を掛けた傲慢な性格で、欲に塗れた言動とチンピラのような態度を取るかなりの女好き。 修行で鍛えた霊力で金儲けなどの私利私欲に用いていたせいか、紅からは「外道」と呼ばれ唾棄されていた。 とはいえ傲慢な態度を取るだけあって実力は確か。 「験力(げんりき)」により強烈な衝撃波を発生させ敵を吹き飛ばす豪快ながらも乱暴な戦い方を取る。 双亡亭破壊作戦に関わるが、屋敷内に飾られた肖像画に取り込まれて人ならざる者と化す。 その後は完全に〈侵略者〉に掌握されるとマーグ夫妻と交戦し瀬戸際まで追いつめるも、紅とアウグスト博士の支援を受けたジョセフィーンの火炎によって燃え尽きて敗北する。 鬼離田(きりた)菊世(きくよ) 人ならざる者達の中の準レギュラーその1。 現代最高の感知能力を持つと言われる占い師の三姉妹の長女。 三姉妹の眼を一人に集中させることで千里眼とし、感知能力を引き上げる「宿眸(すくぼう)の法(ほう)」を発動したまま取り憑かれたため、侵略者に優れた感知能力を与えてしまった。 鬼神を招請・使役する道術もそのままであり、人ならざる者達の指揮官のようにふるまい破壊者、そして妹である雪代と琴代と死闘を繰り広げた。 だが立案した作戦が悉く失敗に終わり、最後は雪代と琴代との鬼神対決の末に凧葉のイラストを依り代とした荒鬼神の前に敗北。 死の間際琴世本来の人格を取り戻したかのような表情を浮かべ、宿眸の法を解除するだけでなく自らの目を妹達に渡した瞬間溶けて消滅した。 残花班(ざんかはん) 人ならざる者達の中の準レギュラーその2。 正式名称「帝国陸軍東京憲兵隊沼半井小隊所属第四分隊」。 双亡亭に入った際肉体を乗っ取られてしまった黄ノ下残花の部下達。 憲兵服に外気対策のガスマスクを身に付け、罅割れた眼球を有する異様な集団。 双亡亭の警護と侵入者の抹殺が主任務で、泥努を「司令官」と呼ぶ。 残花には一応上司であるかのように振る舞うが言動は露骨に見下しており、性格も皆犠牲者の例に漏れず残虐非道。 全員が日本刀で武装しており、強化された身体能力と軍人として鍛えられた剣術、集団戦法で敵を追い詰める。 現在の構成員は10名。部隊長代行は班付憲兵准尉「井郷(いごう) 照清(てるきよ)」。 子供達 〈侵略者〉にとっての天敵になりうる青一や緑郎への対抗策として動員された人ならざる者。 かつて青一と共に異星で〈侵略者〉と戦った青一の友達の死体を乗っ取り「器」としている。 生前の記憶・能力も得ているため、それらは自由に利用可能。戦闘では強化された身体能力と、青一のドリルと同じ「手足の武器化」を用いて戦う。 だが性格は〈侵略者〉の思想を反映した結果、生前とは似ても似つかない極めて傲慢かつ残忍なもの。 結果人類を見下し、人を傷付け甚振ることを娯楽として考え、嬉々として殺しに来る極悪非道のクソガキ集団に成り果ててしまった。 劇中では一般人に擬態して油断を誘って騙し討ちを仕掛けたり、友達だった彼等の記憶と思い出がよみがえり攻撃できない青一を只管嘲笑いながら徹底的に痛めつけた。 その他個体 ウツボ 「あの人」と呼ばれる異星人の星を侵略していた際の戦闘形態。 ウツボという名前はあくまで地球人が付けた呼称なので正式名称は不明。 全長400mものサイズを誇る醜悪極まりない深海魚のキメラような外見で、生物でありながら宇宙空間でも活動が可能。 体内に共食いする小型の同胞を巣食わせてミサイル代わりに使用する。 有事にはこのサイズの怪物を無数に生み出して艦隊のように並べ、敵に攻撃を仕掛けていた。 魚(仮称) 「地球の水中環境下で合理的に生きる生物」として乗っ取った地球人の記憶を参考に変化した地球上での戦闘形態。 外見は極めて醜悪な魚型のモンスター。全長は約数mほど。 頑強な外殻で覆われた肉体と鋭利な牙や棘を生かした噛み付きや体当たりを武器とするが絵の外では極短時間しか生きられない。 なお母星側には100mを超えるサイズの「魚」が平然と蠢いている。 ヨンバン 泥努の提言を受け、自分達に足りない「意力(*2)」を高めるべく、 侵略者 同士の殺し合いと共喰いの結果生き残った強化個体。 強化個体は総じて空中を自由に舞い、地球の大気に触れても自己崩壊を起こさない強靭な身体を持つ。 外見は蛇に似た長い身体と人間に似た形状の大きな口を持つ異形の魚類。 武器は強固な肉体を利用した体当たりと噛み付き。 サンバン 共喰いによって誕生した強化個体。 外見は触手が無数に生えた巨大な目玉の化け物。 武器は伸縮自在の触手と、隠し持つ巨大な口による強烈な吸い込みによる捕食。 ニバン 共喰いによって誕生した強化個体。 外見は鳥のような頭部を2つ持つ双頭の蛇。 2つの口から大気に触れても自己崩壊しない大量の小型の同族を放出し、ウツボが使った「ミサイル」のような攻撃ができる。 【略歴】 〈侵略者〉の星は核の対流が止まり、太陽の有害粒子を防げなくなった事で死にかけており、奴らも粒子に蝕まれ、種族滅亡の危機にあった。 その状況を打開するため、自分達と似たような体を持つ「あの人」を栄養として取り込み、自身を増やそうと目論んでいた。 当初は順調に進んでいたが「あの人」達と融合した青一達が反撃を開始した事で存続が危ぶまれるほどにその数を減らし、 侵略者 はいよいよ滅びに瀕していた。 そんな中、「予知」の力を持つ〈侵略者〉は双亡亭に大きな力が働き、門が開くことを感知。一斉に地球に向けて逃げ出しそのまま地球を第二の母星にせんと目論む。 しかし、「あの人」が全ての力を使って攻撃を仕掛けたことで奴らが大挙して地球に押し寄せる、という事態は何とか防がれた。 その頃、地震の新天地を探す名目で宇宙全土に散らばった 侵略者 の1体は長い長い宇宙の旅の果てに地球に漂着。 平安時代の日本、後の東京都豊島区沼半井町となる土地に墜落すると、墜落した先の沼地で休眠状態となり、約700年もの間眠りについた。 その間、侵略者が眠る土地は埋め立てられたが、人も動物、虫に至るまであらゆる生物が寄り付かない荒地のままだったという。 そして700年後の昭和4年に、偶然双亡亭の地下室の床から湧き出した 侵略者 を泥努が発見し、彼らの身体で絵を描いた結果「門」が完成。 新たな新天地となりうる星の生命を調べるため泥努を絵の中に引きずり込み、泥努を侵食し存在を乗っ取るため泥努との同化を実行する。 だが 侵略者 にとってそれこそが最大最悪の悪手だった。 泥努の精神力を完全に見誤っていた 侵略者 は泥努の狂気の精神力によって逆に自身が侵食され、肉体の主導権を奪われ始める。 おまけに合理性と効率性に特化しすぎた種族の繁栄方針を「何の面白味もない」と侮蔑され、あっけなく自分達の存在と精神構造を掌握されてしまう。 き、危険だ!我々が使っていなかった「直感」が叫んでいる!「逃げよ」!「逃げよ」! だからキサマらの体にはただ漠然と「色彩」どもがひしめいているだけなのだ! 私の、「絵の具」になるがいい。私がキサマらで「絵」を描いてやろう ふ…「合理的」か…20億年も生きてきて キサマらは本当に、 薄っぺらいヤツらだ。 あああ 我々の方が…「支配」されるなど… あああああ!! トドメとばかりに同化した際にうっかり恐怖の感情を学習してしまったせいで「恐怖」の感情に縛られてしまったのが決定打となり、 泥努に精神的に完全敗北を喫し 侵略者 は絶望に嘆きながら泥努に強制的に隷属させられた。 泥努の命令で「しの」というアバターを構築して以後は、泥努の絵の具兼奴隷の扱いを強いられる羽目になる。 この過程で、自分達が地球上で活動するための拠点を得る為双亡亭の母屋及び泥努が調達した建築資材と融合。 独自に双亡亭を増改築して「囲い」とし、双亡亭から窒素を排出する事で現在の異様な外観の双亡亭へと造り変えた。 だが未だ地球を我がものにすることは諦めておらず、泥努に怯えながらも面従腹背の姿勢を取り、海へと進出し繁殖して人類を食い尽くして地球を支配せんとする計略を企んでいる。 その過程で雇ったのが不老不死の呪禁師「五頭応尽」であり、双亡亭の塀の外で色々な雑務を与え活動させていた。 なお地球侵入時に海・河川・湖などに着陸していればその時点で勝利が確定していたし、休眠せずさっさと海を目指していたり、そもそも日本の関東地方なんかに墜落していなければやはり勝利が確定していたので、そういった意味でも神がかり的に運がなかった点は、〈侵略者〉を語る際読者からよくネタにされやすい。 現代 そして現代では「双亡亭から解放され、自分達の繁殖地となる河川や海に辿り着き移住する」という目的のために、 総理大臣が就任する度に「肖像画」を送り付けて総理大臣を支配下に置き、双亡亭と河川を繋げる工事を実行させようとする。 肉体を奪った人間の身体を使って人力で地下を掘削させ地下水道と双亡亭を繋げるトンネルを掘る。 五頭応尽と共謀し、自分達を縛り続ける坂巻泥努の抹殺 という3つの計略を主軸にして暗躍。 その中で双亡亭に侵入してきた人間達を肖像画の中に取り込んで自分達の肉体に変え続けて来た。 だが現代に至るまでそれらの作戦は遅々として進まず暗礁に乗り上げていたが、千里眼を持つ鬼離田琴世の肉体を手に入れたことで作戦は好転していく。 だが青一や凧葉達双亡亭破壊メンバーの奮闘もあり計画は難航。 そして凧葉が自分達の出入り口となる「絵」を封じる力がある可能性に気がついたことで、急遽凧葉抹殺にも乗り出すことになる。 こうして凧葉抹殺も兼ねた双亡亭破壊メンバーに刺客を送り込んでいくが、刺客は軒並み壊滅し凧葉抹殺にすら失敗するz だがそれでも応尽に強奪させた「転換器」で泥努に致命傷を与えることには成功。 その中で自分達のこれまで双亡亭破壊メンバーに対して行った行動の全てが、「泥努の精神支配を打ち破る「強さ」を持った人間の選抜試験及び、研究・調査・実験」であったと暴露する。 そして見つけ出した結論が「勇気」であると結論づけると、勇気を出した人間の感情を疑似再現することで遂に反逆に成功させる。 だが凧葉抹殺の失敗の余波に加えてあくまで彼らが理解したのは感情の上部だけに過ぎず、「破壊者に泥努を殺させる」という泥努抹殺の計略の歯車は狂って失敗してしまう。 最終決戦 ほう……いいことを聞いた これからこの 双亡亭 に人間達の火砲による、 一斉射撃が開始されるのだな。 人間の姿をしていると思わぬ情報収集ができる。 自分達のタイムリミットも迫る中、地球侵略の最終作戦として「自衛隊の火力兵器による総攻撃による爆炎を利用して母星に繋がる大規模な門を開き、本体を地球に呼び込む」ことに着手。 日本国民の恐怖を煽って双亡亭への爆撃を誘い、何としてでも本星の同胞を呼び寄せようと画策する。 その過程で最大の障壁と判断した青一を排除すべく、しのはイチバンとしての本性を発露。真っ向勝負にもつれこんでいく。 (移動だ!移動だ!) (我々は永らえる!新しい地への「門」が開いた!) (その惑星「地球」の〈海〉なる場の水中で、エネルギーを摂取し、繁殖し、「地球」を支配する。) 遂に門が開いたか…すべてよい… この千載一遇の好機を前に青一との戦いを完全に放棄し「海への到達」という宿願を最優先として、双亡亭地下にある暗渠を経由して河川を経て海に辿り着かんと行動を開始。 液状の体の表面を硬い外殻で覆った顔のない蛇のような姿になると、東京の河川を爆走していく。 〈侵略者〉の海への到達を阻むべく立ち上がった自衛隊並びに異星人からのバックアップを受けた双亡亭攻略メンバーとの総力戦を重ねていく。 この総力戦でどんどん体積を減らし消耗し続けてしまった挙句、最後の最後で宿敵ともいうべき青一が立ち塞がる。 自衛隊のバックアップを受けた青一との汐入公園河川での戦いも、自衛隊が投入した大量の窒素ガス発生器の前に苦戦。 青一のドリルで抉られたこともあって外殻の護りを失い、急速に肉体が窒素に晒され溶けだしていく。 (わ…我々は…絶対に…海まで……) (絶対に…海まで……!) 行くのだあああ~~~ カンジョーガ ナイナンテ イッテタケド、 シノ!イマオマエ カンジョーダラケダ。 …! ヤァイ! うるさい青一!だまれえええ!! こうして怒り狂いながらも、大量に生み出した同族の怪物を利用した数の暴力で青一を圧倒。 勝利を確信して海まで到達しようとした最中、異星人が振り絞った最後の力の影響で辿り着こうとした隅田川河口付近~江東区若杉海浜公園一帯の海水が凍結。 これまで栄養としか見ず見下していた異星人のおもわぬ逆襲に怒りながら急遽方向を転換し、陸上を突っ切って凍結していない別の河川目がけて侵攻を開始しなければならない事態に陥ってしまう。 青一の追撃を受けつつも邪魔な市街地の障害物を薙ぎ払いながら死に物狂いで目的地目がけて突き進む〈侵略者〉だが、生存本能に突き動かされ只管前進していく。 だがここにきて双亡亭での凧葉と泥努の最終決戦にも決着が付き再び「門」が閉じられたことで、これまで推進力の要であった本体の流入すら停止。 動揺しながらも目前に迫った海の光景を見て、地球支配の野望をたぎらせて只管進む〈侵略者〉だが、またしても最後に立ち塞がるのは青一だった。 青一…おのれここ迄再三邪魔をしてくれたなぁ…… ゆるさん!!! キサマの得意な武器で 殺してやるぞォォ!! コイ! 残った身体をドリルに見立てて高速回転させ突撃し青一との最後の戦いに臨むも、弱体化しすぎてしまった結果呆気なく砕け散り四散。 更に小さくなってしまうも「一滴でも海に入れば我々の勝ち」という希望を頼りに海へと迫る〈侵略者〉だが、その姿は冷酷や合理性からは程遠く、青一ですら攻撃を躊躇ってしまったほどの生存欲求に突き動かされる、怨念の如き執念であった。 あそこまで行けば! もうすぐ海だ… もう少し もう少しで…… 海だ… 海だ… ああ… ああ海だ…海だああああ!! 外殻すら捨て、これまで乗っ取ってきた人物の姿に代わりながら突き進むがそんな必死の執念も、最後の最後で斯波総理と桐生防衛大臣の手で阻まれ失敗。 唖然とした表情を浮かべながらも、最後は合理性に基づて諦めたような表情を浮かべながら蒸発した。 われわれは、ここまで…やった それでも、かなわぬのなら… しかた……ない…… いとまごい 観念したかのように諦めて消滅したかに思われた〈侵略者〉だが、なんと最終話でしぶとく生きていた。 実は泥努が紅の体内に黒い水を流し込んだ際、ごく一滴のみ残留しており休息状態を取って潜伏し、機を見計らって紅の肉体を支配して再び海に辿り着かんとするという余りにも生き汚い姿を見せつけた。 青一との最終決戦で怒りの感情に飲まれてしまい、合理性すら捨てて戦ってしまったことが己の敗因と考え、「だがもう私はそのようなものに影響されぬ」と豪語する。 だが紅が並行世界に消え行方不明になっていた凧葉と青一との再会を果たした結果事態は一転。 この通り、この女の生体機能は完全に把握しているからだ。 私は感情などというものに影響を受けることはない。 ただ… ただひとつだけ、誤ったことがあるとすれば、 私は視野情報を得るために、この女の「目」に近づき過ぎていた。 そして…その時私は自身の保全を一ミリセカンドだけ忘れてしまっていた。 何故 この女が目から体液を流すのか 何故 全身が「感情」で満ち満ちているのか。 そして何故 私がそれを 「美しい」と感じたのか その理由は 分からない。 紅の肉体構造の全てを理解していた〈侵略者〉はそう述懐すると、涙として体外に排出され蒸発して消えていった。 【余談】 元ネタは恐らくハワード・フィリップス・ラヴクラフトが描いたクトゥルフ神話に登場する宇宙生命体「異次元の色彩」と思われる。 壊すべきは何ぞ 壊すべきは何ぞ 風吹く真夏の砂原で ひねもす 兵隊ねじ締める 砂がぱらぱら 螺旋は板に穴うがつ ゆがんできしんで音立てる おれの目玉は銃口だ 敵はどれだ 味方はだれだ 見えなかったナンにもな うっすら笑って死んでった あいつの墓は埋まってござる 日は暮れて 夜風が口笛吹くけれど 兵隊それにも気がつかず 目ン球ねじで締めつける 坂巻泥努 (一九〇四〜没年不明) 追記修正よろしくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 怪異側が人間相手にSAN値チェック失敗ってどういうことなの…(畏怖)まあこれもジュビロ流の人間賛歌なんだろうとは思うが -- 名無しさん (2020-01-25 02 39 27) 初代であるうしとらも突き詰めれば徹底した「人間」の物語だったし(からくりもそうだし)、すごくジュビロらしいとは言えるよね -- 名無しさん (2020-01-26 11 21 26) ゼパる2号 -- 名無しさん (2020-05-12 03 51 25) FGOのゴッホと虚数海イベントが、この双亡亭の侵略者の話と似てると思ったけど、どっちもこの「異次元の色彩」を下敷きにしてる(と思われる)から類似点が出ただけなのか -- 名無しさん (2021-04-21 11 33 36) 最後の最後で死因が尊死とはなあ…。ある意味成長したのかな -- 名無しさん (2021-07-21 20 15 35) やっていることはド外道だが、目的は純粋に「死にたくない」ってことだから、生物としては当然のことなんだよな -- 名無しさん (2021-12-07 21 44 57) 最後の最後で嫌いじゃなくなったよ、人の心を理解したがゆえに泥怒の支配から抜け出せたのに感情を知ったから怒りに任せて戦闘して負け、最後は感動によって死ぬという最悪なやつなんだけどきれいだった -- 名無しさん (2022-05-13 08 31 15) よくよく考えたら本当に感情がないなら青一たちと出会う前の「あの人」みたいに滅びに身を任せてたはずなんだよね。死にたくないという恐怖もそれに抗う勇気の感情も自覚してないだけで最初から持っていたという -- 名無しさん (2023-01-27 08 20 27) 1000兆面ダイスで2以上なら成功のところをファンブルするという伝説を打ち立てた生物 -- 名無しさん (2023-03-24 20 32 41) 「最初の漂着の時点で地球の表面に7割もある水に満ち溢れた海(公式にすら「海に辿り着かせてしまえば勝利が確定してしまっていた」と明言されている)ではなく3割の周囲が高濃度の窒素に満ちた地表のド真ん中、幸い窒素による自滅こそ免れたものの水源と縁遠い場所に辿り着いてしまったまま休眠状態に入っていたら埋め立てられてほぼ手詰まりになってしまった挙げ句種族存続の危機の真っ只中700年間も寝過ごす羽目に。ようやく足掛かりとなる隷属対象候補の原生生物を偶然の遭遇で得たと思ったらよりによって自分達の支配を完全に覆せる例外中の例外の個体だったために逆に隷属させられ都合よく利用され続ける屈従を更に何十年も強いられ停滞する羽目に」とつくづくここまで壊滅的な運と間の悪さが重なりながら最後の最後は彼岸成就にあと一歩まで迫ってみせた巻き返しぶりと邪悪さと狡猾さの割にはとんだ波乱万丈ぶりだな……。 -- 名無しさん (2023-03-26 21 58 59) 子供達の死体はどっから回収したんだろ -- 名無しさん (2023-07-12 15 18 24) 最期の瞬間、彼(?) -- 名無しさん (2024-02-21 23 44 26) 途中送信しちゃった。最期の瞬間、彼(?)の脳髄はゆれていたのだろうか。 -- 名無しさん (2024-02-21 23 46 02) 名前 コメント