約 50,302 件
https://w.atwiki.jp/fukumotoroyale/pages/33.html
計略(前編) ◆xuebCgBLzA 氏 「宇海零…決勝進出っ…!決勝大会は5日後の―――」 * * * 「ううっ…零ぉ~…ごめん…」 辛くも『王への道』に予選落ちしてしまったヒロシが泣きついてくる。 「へ、平気だから泣くなよ、ヒロシ! それより、決勝大会はどこかの島でおこなわれるらしいから…」 ユウキをチラと見る。 「ああ、わかってる。まかせてくれ…! ミツルのことも…いつか来るかも知れぬ僥倖っ…敗者復活のこともっ…」 ユウキも予選落ちしてしまったが事実を受け止めて、涙を呑んでいる。 ヒロシはともかく、ユウキは排ガスでの自殺未遂、ヤクザからの軟禁、 そしてこのドリームキングダムでの予選という数々の修羅場を乗り越えて確実に大きく成長していた。 「それならいいんだ…それならっ…」 「……?…どうかしたのか?零…こっちの事ならまかせておけって!」 たしかにこちら側の具合も気に掛かるが本当の意識はもう決勝の地にあった。 「いや…どうも非合法な香りがしてさ…決勝っての」 「そんなっ…予選でも非合法なことばかりだったじゃないか」 ヒロシが鋭く指摘する。 「それは…まぁ……そうなんだけど…」 その時…血の匂いが鼻をなでたような気がした。 ―――そして5日後、零は在全グループ側に指定されていた公園でじっと決勝の時を待っていた。 予選でさえ過酷だった数々のギャンブル…。 どんなギャンブルが用意されていても決して面食らわぬように心構えだけは万全にしているつもりだ。 目を閉じると、色々な不安が頭をよぎってしまう。 「宇海…零様ですね。在全グループのものです。お迎えに上がりました」 2人の黒服がこちらを見つめている。いままで見てきた黒服とは違う…。どこか軽率に見える…。 「あ、あぁ…よろしくお願いします…」 目を閉じ、考え事している時に声をかけられるのは好きではなく、思わず不意を突かれた気分になった。 「そういえば、決勝は孤島でやるっていうことを聞いたんですが…なんでこんなところで待ち合わせなんでしょうか…?」 返ってくる答えは解っていたが、冷静さを取り戻すために会話を持ちかけた。 「はい。ここから港へ移動し、そこからは船で在全グループが姉妹グループである誠京、帝愛両グループと共に所有している島に渡っていただき、 決勝はそこで執り行われる手はずになっております」 この場で誠京、帝愛の名前が出ることに違和感を覚えた。 (世界の富豪が参加するギャンブルで、唯一日本から出場する在全グループの代表を選ぶ事になんで誠京?帝愛? 関係ないんじゃないのかっ…?他はっ……) 考えさせてくれる暇も与えてもくれず、 「それでは早速移動しましょう…これをつけてください」 そう言うと黒服は自分のスーツの胸元からアイマスクをとりだした。 必然っ…。決勝を開催する場所を特定されないようにこの公園を指定されたのだ。 このぐらいの処遇は覚悟していた。零はアイマスクを装着し黒服の車に誘導され、乗り込んだ。 車のエンジンがかかり、車が動き出す…。 揺れる車内で思いをめぐらせる…。気がかりな事は山のようにある。 ギャンブルの内容。参加人数。 同じく決勝に進出したはずの標…、板倉…、末崎…、山口…。 残った仲間達の安否。 そして、なぜか一番気になるのが、誠京…。帝愛…。 どうしても引っ掛かるのだ…。日本の一大企業の十指に入るであろうグループが3つも関わるイベント…。 しかもそのグループの会長等の噂は似通っている。 「変態」であり…「狂人」っ…。 考えているうちに車はどこかの港についたらしい。 車を降りると、港の雰囲気…。 磯の香り…。 カモメかウミネコかの鳴く声…。 防波堤が波を砕く音…。 目隠しをしていても伝わってくる港の雰囲気…。 「それでは、ここからは船での移動です」 「あ、あの…。他の参加者って…別移動なんですか?」 「はい。零様はご理解のある方なので任意同行していただけとの命令を在全から受けておりますので…」 「お、おいっ…!喋りすぎだぞっ…!」 ひとりの黒服が口を滑らせた…。明らかに焦りを見せるもうひとりの黒服…。 (オレは任意同行…。と、いうことは他の奴らは拉致…強制連行…ってことか…?) 「そ、空耳っ…!今の話は空耳です…!」 「あはっ、あはは…」 2人の黒服は冗談っぽく笑った…。異様な焦り…。 この焦りようをみると…本当によくない事を喋ってしまったようだ。 誠京…。帝愛…。在全…。拉致…。連行…。 いくつかのワードをつなぎ合わせてできる答えは何度考えても一つしか出てこなかった…。 決勝のギャンブル… 狂気の沙汰っ……! * * * ピッ、ピピピピピピピピピ… ―――パァン… 「山口っ……」 山口が―――死んだ…。 あまりに簡単に…。知人が死ぬことが圧倒的な恐怖だということが身に染みた…。 涙も出てこず、ただただ唖然としてしまった…。 山口は間違えてしまった…。 制止してくれた男の尾につけばここまでの事態は起こらなかった…はずっ…。 (いつかお前は言ったよな・・・『クズは切り捨てろ』って…。言い方は悪いかもしれないが…お前は…) ―――切り捨てられたんだっ……! 説明を漏らさず聞こうと思っていても…ちらつく…『亡霊』が…。 (くっ…切り捨てられてるのは必然っ…!あいつはいつでも誰かの腰巾着でなければ生きられないような男だったっ…! 殺し合いが個人プレーだから先走りっ…、要らぬ所で尖りっ…、切り捨てられたっ…!) 自分に言い聞かせる。 知り合いが死んでしまったという現実から目をそらすために…。 説明の中に生還を見出す事に全力を注いだ。 黒崎という男からの『殺し合い』の説明は終わった…。『殺し合い』と『ギャンブル』はちがう…。 そこだけははっきりと区別をつけておきたくて、もう今回の『殺し合い』をギャンブルと呼ぶのはやめることにした。 出発の時を待ち、悶々としている時、意識はもう死んだ山口より生きているあの男にいっていた。 山口を制止していた男…『伊藤カイジ』と呼ばれて出て行ったあの男は… 泣いていた…。 (まさか…誰かも知れぬ男のために泣いているのか……。呆然でもなく…、発狂でもなく…、涙っ…! しかも阿鼻叫喚ではなく、間違いなく山口に対する哀れみの涙っ…!) 容姿もさることながら『どこか』が自分と似ているような気がする…。 そして時が来た…。 支給品が配られ、ついに放たれる…。 殺し合いの場へ…! 3年付き合った男の死よりも、高々30分空間を共有しただけの男の涙に思考が走っている自分は異常な人間なのだろうか…。 もしかして、このような思考を持った人間が、この殺し合いにふさわしいのではないか…。 零の疑問に答える者はいない…。 殺し合い。 優勝賞金は10億円。 減っていた。100分の1に。 (やはり…、騙されたのか…?この殺し合いは決勝とは違うだろう…。 在全は…予選を勝ち抜いた俺達に…違う何を望んでいる…? そりゃあっ…もちろん殺し合いだろうけれども… 生還っ…!絶対にっ…生還してみせるっ…!) 生き残りの術として人を殺すつもりは毛頭ない。 (それにしても汚いっ…!あんな殺し方をされちゃあ退路なんてあったもんじゃないっ… 拉致されて参加させられた人や、ギャンブルの内容を聞かされずに来た人が決起し、 クーデターなんかを起こそうたって一蹴っ…。そのことを自覚させるための見せしめっ…!) 40もの赤い花火が上がる情景を想像し、身震いした。 (そうだっ…!このバッグっ…!各々の武器が入ってるって言ったな…) 当てもなく動いていた足を止めその場に座り込んだ。 背負っていたバックパックを下げ、一呼吸おいて決心する…。 (気持ちを切り替えろ…!この中に人を殺さずに生き残る方法、オレにとっての『光明』が…あるっ!) 希望を込め、懇願しつつ、一気にバックパックの口を開いた。 食料、水、地図、コンパス…これらの下に『光明』はあった。 5本の針金…。 そして1セットの麻雀牌…。 (……!?……ハハ…。なるほど…!) あらかじめ両端をねじり1つにした2本の針金の間に、役の出来上がっている13牌をしかけ、懐にしまっておく。 それを本来の配牌の上に置き、針金を配牌の真ん中まで下ろしそれを持って帰る…。 完成っ…! 役満、天和確定のイカサマっ…! (課題はひとつ…。すり替えのタイミング… 理想は暗転だが…こればかりは実際のギャンブルルームを見なければわからない… だが、多少の想像はつく…。まず、窓はない…いや、あるにはあるがカーテンは閉まっているはず… 外からの傍観者を遮るために…。そしてあまりに明るすぎるのも主催側にとってよくない…。 黒崎はギャンブルルームについて『過程はどうあれ結果にはしたがってもらう』と言っていた…。 つまり、許容しているはずっ…バレない程度のイカサマはっ…。願わくば照明は一つっ…!麻雀卓上に…! ともかく…この『光明』とギャンブルルームを使えば…。 一億を稼ぎ、棄権は出来うる…! 殺しをしたくないから運否天賦のギャンブルで金を稼ぎ…棄権。 殺しをしたくない人間の……定石っ…。 カモられる人間には悪いがそのスキを利用させてもらう…。 だが…何人にまで通じるか……。) 確定された勝利により、純粋な心を持っている零は既に罪悪感を抱いていた…。 (いや…、『負』を考えるな…! 何にせよ…移動っ…! ギャンブルルームへっ……!) 零の浮遊していたココロがしっかりと地に付いた瞬間だった。 しばらく歩くと、建物を見つけた…。 (…っ!見えた…!ギャンブルルームっ…!) 他の建造物とは、かもし出す空気の違う、異様な雰囲気の建物が目に入る。 すぐに建物に接近するわけではなく物陰から様子を伺うことにした。 (あの黒服は…受付か?たしか…。30分、100万…。) よくよく観察していると、一人の男がやってきた…。 銀髪のオールバック…。胸元が開いた派手なシャツの上に派手なスーツ…。 この男は……! 異様っ…! ヤクザという風貌でもなく、 かといって堅気には到底見えない…。 (あの男が初っ端のカモ…?) そう思うと、足が震え、額には汗っ…。 全身があの男を敵に回すこと拒んでいる…。 (いやっ…!ビビってなんかいられるかっ…! こちらにはあるんだっ…!勝ちへの布石っ…!) そう思いながら急いで針金牌を準備し始めた…。 選んだ形は… 1萬、9萬、1ピン、9ピン、1ソウ、9ソウ、南、南、西、北、白、發、中… 袖口には東を仕込み、子の1順目で東をニギり… 地和…。国士無双…。三倍満…。 (国士無双は使える牌が多いから相手に被られる心配が少ない… それに…イカサマ『らしさ』をなくすためラス親は相手に譲り、地和… 13面待ちじゃないのも『らしさ』隠し…!それに…二人打ちなら負けていても三倍満で十分ひっくり返せるはずっ…!) 自分の計画をもう一度確認し、最後に下準備の仕上げとして落ちている小石をポケットに潜める。 覚悟を決め、その男を警戒させぬよう両手を挙げ、静かに近づく…。 男は近づいてきた零に気づいたようだ。 「坊主…ギャンブルか?」 零は両手を挙げたまま、男と3メートルのところまで歩く。 この時点で零は男が拳銃などの飛び道具を持っていないことを確信…。 (普通の人間が飛び道具を持っているならばまずここでその武器を構えるはず…。 3メートルという間合いは…許されるはずがない…) 零なりの、しかし的確な判断で男を測る。 (まずクリアー…!このおっさんが普通じゃないという可能性を除いてっ…!) 男の手前で止まり、そこではじめて手を降ろし、答える。 「えぇ…。おじさんも…ですか?」 「クククッ…まぁ…な。しかしおじさんはよしてくれねぇか…? オレは平井銀二っていうんだ…」 平井と名乗る男は笑いながら自己紹介をする。 「あっ……す…すみません…!オレは零…!宇海零です…」 恐縮しながらこちらもさりげなく自己紹介をする。 「いや…何…。それにしてもなかなか礼儀のきちんとしているな…君は… 気に入った…君も一人だろう…。あまり外で立ち話もしたくない…とりあえず中に入ろう…」 銀二はあごでギャンブルルームへ…とサインを示す。 「入るぞ」 「ハッ。どうぞ…平井銀二様に…宇海零様ですね…」 うんと小さくうなずき銀二はギャンブルルームへ入る…。 銀二に続いて零も中に…。 (暗い…) 零の計画通りだった。窓はあるがカーテンが閉まっており日の光は完全遮断…。 天井に一つだけ…。頼りない照明が垂れ下がっており、 その光が部屋の中央のマルチに使えるであろうテーブルとそれをはさんで置かれている椅子だけを照らしている…。 銀二は入り口から向かって左の椅子に腰掛けた。 零にも座るようにジェスチャーで促し、零はそれに従った。 「さて…何のギャンブルを…」 「待ってください」 何のこともないようにギャンブルを始めようとする銀二を零が止めた。 「なぜ無償で…ギャンブルルームには入れたのでしょうか…?」 零は率直に疑問を銀二へぶつけた。 「あぁ…。これだ…」 そういうと銀二はバックパックの中から一枚の紙切れを取り出した。 『ギャンブルルーム 1時間無料ペアチケット』 薄暗くてもはっきりと見える程大きくそう書かれていた。 「これが…オレの支給品のひとつとして入っていたんだ…。 こいつだけは死ぬ前に使わないとな…折角なんだから早めに楽しみたかったんだよ…『生き死にのギャンブル』を…」 零はハッとした。 (そうだ…。ギャンブルでも命のやりとりが有り得るんだ…) 「さぁ…!オレは晒したぜっ…命綱をっ…!」 銀二は不適に微笑む。 「あっ…あぁ…!オレも晒しましょう…。命綱っ…!」 零はバックパックから取り出した…。 針金をっ…。 「クククッ…!こりゃあ…確かに…走りたくなるよなぁ…運否天賦のギャンブルに…」 零は心中でほくそ笑んだ。 (誰がっ…。これはギャンブルじゃない…踏み台だ…! 常勝っ…! 悪いが…乗り越えさせてもらうっ…!) 「零君と命の取り合いは無しだな…… これじゃあ、半ば『いじめ』っ……」 零は助かった…という空気を出すフリをした。 「じゃあっ…何を賭けるんですか…!?」 「もちろん…金……。この地の獄ではじいさんも子供も平等な金を持っている… ならば…搾り取らせてもらおう…零……」 銀二に呼び捨てで呼ばれた時、零はじりじりと心が焦がされるように感じた…。 (やはり、こいつを選んだのは間違いだったのかっ…?空気が違うっ…! 普通の人間とっ…!!) 計略(後編)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1656.html
「共同越冬 前編」 おれは鬼威山、勿論今まで星の数ほどゆっくりをいたぶり殺してきた。 だけど最近飽きてきてしまった。 足焼きに目潰し、共食い、強制ゆっくり内強姦、針地獄、水攻め、殴蹴、罵倒、装飾破りににがにが地獄と・・・ 数え切れないほど様々な方法でいたぶってきたが、飽きてしまった。 ならゆ虐から足を洗えばいいじゃないと思ったでしょ、そうもできないんだ。 あのゆ虐の女神、稗田阿求さんにも認められたのにここでやめてたまるもんか、というプライドが邪魔をするんだ。 だから今日は視点を変えてみようと思う。 いつもはゆっくりを家に連れてきてはいたぶるだったが、今回はこちらからゆっくりの住処に行くのだ。 もう身支度はできている。 今は秋の中盤、そろそろゆっくり共が冬篭りの準備をする頃だ。 そう、俺もそのゆっくりの冬篭りに参加(寄生)するのだ。 おれが冬篭りに参加(寄生)する条件は 両親がいる五匹以上の家族 成ゆのれいむとまりさ、子ゆのれいむとまりさ、赤ゆのれいむが理想(この中で子ゆのれいむをばれない所で殺し、リボンを自分の頭につける) おれが入るほどの巣 だ、さっそく探しにいくか。 〜青年探索中〜 お、見つけた、理想の構図だ。 おれが入るほどの洞窟に住んでいる、家に子ゆのれいむまりさ、赤ゆのれいむ。 これからすると親はまりさとれいむだな。 だがここで問題が一つ起きる、どうやって子れいむだけを誘き出すかだ。 お菓子で釣れば間違いなく子まりさと赤れいむもついてくる。 無理やり連れて行けば「もうここはゆっくりできないよ!」と巣を変えておれが入らなくなるかもしれない。 そう悩んでいると少しばかり向こうのほうからまりさが跳ねてくるではないか、ここで鬼威山の直感が働いた。 あのまりさはきっと子れいむの友だと。 ならばやる事は一つだ、さっそくまりさを捕まえるぞ! 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆ、ゆっくりしていってね!!」 「いきなりでゴメンね!」 ここでまりさから帽子をひょいと取り上げる。 「あ!まりぃぃぃぃ!?」 テンプレ発言を言わせる前にぶちのめしてやる。 帽子だとずれて落ちるかもしれないからあまり頭を動かせないな。 ではさっそくれいむを呼ぶかな。 「れいむ!!遊びに来たよ!!」 「ゆ!まりさ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりせていってね!!」 やべぇ、あまりのイライラに「せ」っていっちゃったよ、でも屑饅頭にはばれてなかった。 「れいむ、とってもおいしい木の実を見つけたんだよ!れいむもおいでよ!」 ゆ虐女神に認められたおれがこんなことするなんて、いつもなら足焼きしてる所だ。 「いくいく!」 よしうまくいったな、あとはこいつを・・・ 「まりさもいくよ!!」 「え!?」 「ゆ?だからまりさもつれていってね!!」 「れいみゅもちゅれていってね!!」 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! やっちまった!食いモンの話にはこいつら目が無いんだった!! こいつら食いモン絡みの話になると超が付くほどしつこいからな、ここは何とかごまかそう。 「それはできないよ!そこに二人以上で行くと木の実が枯れちゃうんだよ!!」 「ならまりさがまりさのかわりに妹といくよ!!」 なんて奴だ、おれを抜いたら誰がそこまで招待するんだ。 「そ、そしたら妹さんが可哀想だよ」 「ちょうだよ!れいみゅがおにぇいちゃんのかわりにいくよ!!」 木の実を食べるためにそこまで姉妹でいがみ合うか?さすがゆっくりだ。 ここできめとかないと両親が帰ってきちまう。 「はっきり言うね!おr、ま、まりさはれいむを誘いに来たんだよ!!」 「そんなのしらないよ!じぶんかってなやつはまりさがせいさいしてやるよ!!」 そういい、まりさが戦闘体勢にはいった瞬間。 「やめてね!!まりさいいよ、れいむはいかないよ。だからおねいちゃんといもうとはけんかしないでね!!」 普通はここで良いゆっくりだなと思うところだが、おれからすると計画を邪魔されてるしかない。 「そうなの・・・じゃ、じゃあ!一緒に狩りにいこ!!」 「ゆ、そうだね!!」 「れいむこっちだよ!!」 「ゆっくりまってね!!」 何とか連れ出す事成功、あとはれいむを殺しリボンを奪うだけだ。 「れいむごめんね!」 「ゆ?」 ここで頭から帽子を外す。 「ゆ!?ど、どおぉぉぉぉぉぉぉ!!」 ここでもテンプレ発言を言い終わる前にぶちのめす。 れいむのリボンの解き方、結び方なら慣れているのでちゃちゃっと装飾品をトレードする。 後は巣に戻るだけだ。 ここで前編終了ですはい。 このあと中編、後編に分けるつもりです。 前編:ゆっくりの巣に紛れ込む 中編:狩等を手伝いう 後編:最初はちょっかい程度だが、後半ではもって来た鞄の中につまった拷問器具で・・・ というシナリオです。 もし良かったら中編と後編もお付き合いください。 ここで一言 ゆ虐万歳!! 作 終END完
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5163.html
「共同越冬 前編」 おれは鬼威山、勿論今まで星の数ほどゆっくりをいたぶり殺してきた。 だけど最近飽きてきてしまった。 足焼きに目潰し、共食い、強制ゆっくり内強姦、針地獄、水攻め、殴蹴、罵倒、装飾破りににがにが地獄と・・・ 数え切れないほど様々な方法でいたぶってきたが、飽きてしまった。 ならゆ虐から足を洗えばいいじゃないと思ったでしょ、そうもできないんだ。 あのゆ虐の女神、稗田阿求さんにも認められたのにここでやめてたまるもんか、というプライドが邪魔をするんだ。 だから今日は視点を変えてみようと思う。 いつもはゆっくりを家に連れてきてはいたぶるだったが、今回はこちらからゆっくりの住処に行くのだ。 もう身支度はできている。 今は秋の中盤、そろそろゆっくり共が冬篭りの準備をする頃だ。 そう、俺もそのゆっくりの冬篭りに参加(寄生)するのだ。 おれが冬篭りに参加(寄生)する条件は 両親がいる五匹以上の家族 成ゆのれいむとまりさ、子ゆのれいむとまりさ、赤ゆのれいむが理想(この中で子ゆのれいむをばれない所で殺し、リボンを自分の頭につける) おれが入るほどの巣 だ、さっそく探しにいくか。 〜青年探索中〜 お、見つけた、理想の構図だ。 おれが入るほどの洞窟に住んでいる、家に子ゆのれいむまりさ、赤ゆのれいむ。 これからすると親はまりさとれいむだな。 だがここで問題が一つ起きる、どうやって子れいむだけを誘き出すかだ。 お菓子で釣れば間違いなく子まりさと赤れいむもついてくる。 無理やり連れて行けば「もうここはゆっくりできないよ!」と巣を変えておれが入らなくなるかもしれない。 そう悩んでいると少しばかり向こうのほうからまりさが跳ねてくるではないか、ここで鬼威山の直感が働いた。 あのまりさはきっと子れいむの友だと。 ならばやる事は一つだ、さっそくまりさを捕まえるぞ! 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆ、ゆっくりしていってね!!」 「いきなりでゴメンね!」 ここでまりさから帽子をひょいと取り上げる。 「あ!まりぃぃぃぃ!?」 テンプレ発言を言わせる前にぶちのめしてやる。 帽子だとずれて落ちるかもしれないからあまり頭を動かせないな。 ではさっそくれいむを呼ぶかな。 「れいむ!!遊びに来たよ!!」 「ゆ!まりさ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりせていってね!!」 やべぇ、あまりのイライラに「せ」っていっちゃったよ、でも屑饅頭にはばれてなかった。 「れいむ、とってもおいしい木の実を見つけたんだよ!れいむもおいでよ!」 ゆ虐女神に認められたおれがこんなことするなんて、いつもなら足焼きしてる所だ。 「いくいく!」 よしうまくいったな、あとはこいつを・・・ 「まりさもいくよ!!」 「え!?」 「ゆ?だからまりさもつれていってね!!」 「れいみゅもちゅれていってね!!」 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! やっちまった!食いモンの話にはこいつら目が無いんだった!! こいつら食いモン絡みの話になると超が付くほどしつこいからな、ここは何とかごまかそう。 「それはできないよ!そこに二人以上で行くと木の実が枯れちゃうんだよ!!」 「ならまりさがまりさのかわりに妹といくよ!!」 なんて奴だ、おれを抜いたら誰がそこまで招待するんだ。 「そ、そしたら妹さんが可哀想だよ」 「ちょうだよ!れいみゅがおにぇいちゃんのかわりにいくよ!!」 木の実を食べるためにそこまで姉妹でいがみ合うか?さすがゆっくりだ。 ここできめとかないと両親が帰ってきちまう。 「はっきり言うね!おr、ま、まりさはれいむを誘いに来たんだよ!!」 「そんなのしらないよ!じぶんかってなやつはまりさがせいさいしてやるよ!!」 そういい、まりさが戦闘体勢にはいった瞬間。 「やめてね!!まりさいいよ、れいむはいかないよ。だからおねいちゃんといもうとはけんかしないでね!!」 普通はここで良いゆっくりだなと思うところだが、おれからすると計画を邪魔されてるしかない。 「そうなの・・・じゃ、じゃあ!一緒に狩りにいこ!!」 「ゆ、そうだね!!」 「れいむこっちだよ!!」 「ゆっくりまってね!!」 何とか連れ出す事成功、あとはれいむを殺しリボンを奪うだけだ。 「れいむごめんね!」 「ゆ?」 ここで頭から帽子を外す。 「ゆ!?ど、どおぉぉぉぉぉぉぉ!!」 ここでもテンプレ発言を言い終わる前にぶちのめす。 れいむのリボンの解き方、結び方なら慣れているのでちゃちゃっと装飾品をトレードする。 後は巣に戻るだけだ。 ここで前編終了ですはい。 このあと中編、後編に分けるつもりです。 前編:ゆっくりの巣に紛れ込む 中編:狩等を手伝いう 後編:最初はちょっかい程度だが、後半ではもって来た鞄の中につまった拷問器具で・・・ というシナリオです。 もし良かったら中編と後編もお付き合いください。 ここで一言 ゆ虐万歳!! 作 終END完
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2380.html
前編:彷徨姫 それは今から二週間ぐらい前だった。オレはいつもの様に『ポーラスター』で子供から大人までいろいろな人が神姫バトルをしている所をぼうっと眺めていたんだ。 『ポーラスター』は秋葉原を中心とする激戦区の中でも大きいゲームセンターの一つで神姫オーナーも多い大人気のバトルロンドの場だった。そのオーナー達の性格や印象も良く、神姫を持たない私でもあまり気にされることもなく、観戦する事ができる。たまに神姫を持っていない事で声もかけられるが、その事を言うと見やすい場所を案内してくれることもある。 優しい人達で周りのゲームセンターよりも居心地がよかった。 「ビィィィ!キュウゥブッ!! フルヴァーストォ!!」 「サー、コマンダー」 やたら暑苦しい人が叫ぶとB3(ビー・キューブ)と呼ばれた重装備のヴァッフェバニーがバズーカ砲、ロケットポッド、さらに二基のガトリングガンを構え、それを上空にいるアーンヴァルMk.2装備にFATEシールドとコールブランダーを付け加えた武装のアーンヴァルに向かって一斉掃射する 「アンジェラス! ステディプロティション!!」 「はい! ご主人様!!」 アンジェラスと呼ばれたアーンヴァルはB3の放つ大量の弾幕をFATEシールドのスキル ステディプロテクションで防御をし、B3のフルバーストを防ぐとリアユニットにマウントしてあるコールブランダーを抜きはなって、二つのビット リリアーヌを伴って、前進を始めた。 「牽制からライトニングソードだ!!」 「ええ!」 マスターの指示でアンジェラスはあらかじめ、時間を稼ぐためにリリアーヌをB3に飛ばし、コールブランダーを掲げてチャージを始めた。 飛んでいく二つのビットはB3めがけて左右から突撃を仕掛ける。狙われたB3はその攻撃をガトリングガンの段幕で迎撃するが、一つは破壊したものの、もう一つは片方のガトリングガンにつっこみ、自らもろとも爆発した。 さらに巨大なエネルギーブレードを形成し、チャージが完了したライトニングソードをアンジェラスが勢いよく振り下ろしてくる。 「ンンンンGoGoGoGoオォゥ!!! ビィィキュゥゥウブ!! カウンタァー! ショットォ!」 「サー、コマンダー」 振り下ろす直前、B3は残ったガトリングガンを両手で持った上で回避体勢に入り、ライトニングソードが目の前の地面に突き刺さって安全になった瞬間、反撃のガトリングガンを放つ。 が、かろうじて反応したアンジェラスはそれを避けて、反撃の被害を最小限にしようと動いた。 その瞬間、あらかじめルートを予測したかのようにバズーカがアンジェラスに着弾し、墜落した。 「きゃぁ!?」 「アンジェラス!?」 「ンフフハハアアアァッ! これが俺たちのトゥオルィック!! ビイィキュウゥブ! 追撃ぃ!!」 「サー、コマンダー」 それは確かにトリックだった。ガトリングガンで弾幕を張って、相手の避けるルートを限定し、威力の高い本命のバズーカを確実に当てる。すごく合理的な戦術だ。 このまま、アンジェラスを仕留めきれるのだろうか。 B3はガトリングガンの弾が切れたのか、二丁両方を捨てた。代わりに大型のナイフを二本取り出してそれぞれの手で持ち、ロケットポッドの連射で牽制しつつ、接近を始めた。 墜落したアンジェラスはディコ・シールドで素体に当たる弾を防ぎつつ、立ち上がってB3を迎え撃つ。 「勝利は勝ぁぁぁぁぁっつッ!』 「アンジェラス!MOA!」 そして近距離、B3がマスターの叫びとともにナイフで攻撃を仕掛けたその刹那、アンジェラスは鋭い指示に反応して彼女の攻撃を回り込むようにかわした。次にすれ違い様にコールブランダー銃形態でB3を撃ち、リアユニットとマシンガンを分離変形させる。 BM『モードオブエンゼル』だ。 変形した白い戦闘機は背面を無防備にさらしているB3に大量の弾丸を殺到させた。 「Noオオオオォォッ!!?」 背面からの集中砲火にたまらずB3が倒れ、勝敗が決するとマスターの方がとてつもない悲鳴を上げた。 『衛生兵! えーせーへーえぇぇぇぇぇ!!!!』 センター中に響きそうな叫び声が聞こえる中、オレは腕時計を見る。そろそろ夕方にさしかかるいい時間になっていた。戦いの後が気になる所だが、面倒くさいテストが明日あるため、それの勉強のために帰ることにし、『ポーラスター』を抜け出した。 「アンジェラスはかっこいいなぁ。B3もあんな攻撃をするなんて武装神姫ってすげぇ……」 外に出た時、オレは憧れを口にする。オレは武装神姫を持っていなかった。兄貴は初代チャンピオンでバリバリの神姫マスターをやっているが、交通事故に遭って目が見えなくなって以来、オレに武装神姫を話さなくなった。 だからこうしてポーラスターで武装神姫を見ているんだけど、やはりダメだった。 その場にいるのに自分はその場とは違う。そんな気分だ。そんなモヤモヤした気持ちを抱えこみながら歩いているその時だった。トライクで走る小さな赤い影を見つけた。すごく速いそれはすぐに追わないと見失いそうだ。 (何なんだ?) 気になり、それを追い始める。走り出すとさすがに人と神姫の体の大きさの差は大きく、だんだんと追いついていく。 少し走って裏通りに行くと赤い神姫がトライクを止めた。オレがそれに合わせて足を止めると、彼女はそこから降りてオレを見ていた。 「さっきから追いかけてくるのが、君? 何か用?」 鋭い目でオレに質問をしてくる。見た所、アークのりペイント版か何かのような神姫だった。装備で違うのは額から角が生えているぐらいだ。 「何でマスターがいないのか気になったからさ」 「私にマスターはいないよ。ただの野良神姫だ。真の力とは何かを探してる。君は知ってるの?」 「オレに難しいことはわかんないけど、そもそも真の力って何だよ?」 「私は単純な力だけでは勝てないマスターをもったライバルがいる。彼女はその力は自分一人だけのものじゃないと言っていた。奴に勝つためにはそれが必要なんだ」 詰まる所、マスターのいるライバルに負けて、その力が何であるのかを探しているらしい。 事情はよくわからないが、オレにとっては笑ってしまえるほど単純なことだった。 「簡単じゃん! その神姫ってマスターと仲良しなんだなっ!」 「え?」 「マスターの期待に応えたいから頑張ったんじゃないかな。当たり前のような神姫とオーナーの関係さ」 アークに対して自信を持って答える。マスターと神姫の関係は当たり前の事過ぎて普段は考えもしないけど、その当たり前がないとすればどれだけの差があるか。それは多くのオーナーが知っていた。野良神姫やイリーガルが出てきても、絆を持ったマスターと神姫がそれを打ち負かしているのは兄貴がよく言っていた。 「当たり前の……か」 その言葉に何かを感じたのか、アークはフッと笑った。鋭い目も緩んで、何かをつかんだ様な柔らかい表情を見せる。自分にもこんな神姫がいればなんて思ってしまうほどその顔はとてもきれいに見えた。 「なぁ……君……!」 アークがオレに何か聞こうとしたその時、裏通りの奥から、エネルギー弾が彼女めがけて飛来してきた。 アークはそれに反応して避けて、臨戦態勢に入って、アサルトライフルを弾が飛んできた方向に構える。 「この不意打ちを避けるとは大したもんだ」 奥から上から目線の態度をした痩せ型の男がエネルギー弾を飛ばしてきたと思われる、最新型の神姫 蓮華と一緒に出てきた。 「ここはガキが来るような場所じゃぬわぃ。とっとと有り金と神姫をおいて消えぬぅわ」 妙な口癖の蓮華がオレにアークと金を渡せと要求する。どうやら、アークはオレの神姫だと思っているらしい。 「ん? どうしたんだ? その神姫はお前のじゃないのか?」 痩せ型の男が現れて、オレに問う。オレは彼女のマスターじゃない。それどころか、神姫すら持っていない。どう答えればいいんだろう……。 そんな風に戸惑っている時だった。アークがシルバーストーンを構えて蓮華にそれを容赦なく撃ち、堂々と答える。 「そうだ! 彼は私のマスターだ!」 驚いたことにどういう訳か、会ったばかりのオレをマスターだと言い張ったのだ。神姫を持っていないのにこんなことで大丈夫なんだろうか。 「君、私に名前をくれ!」 オレは突然のことに驚いたが、彼女に言われるがままに名前を考える。一瞬の中で思ったことは、彼女と遠く遠くを走り続けたいという思いだった。だから……! 「ああ! 俺は響! お前は百日! 俺の神姫だっ!!」 「OK! 行こう! 響!!」 与えられた名前に応じ、アーク――百日はもう一度シルバーストーンを放つ。 「ははは!! 何だそりゃ!? 即席チームでんなことのほざくんじゃねぇ!!」 「ほほほ。これは獲物じゃぬわ! 死ぬぇい!!」 蓮華と痩せ型の男は即席の俺達の事を笑い、ただのカモだと思って笑うと蓮華がレーザーを回避してそのまま二黒土星爪で百日に襲い掛かる。 それを見た彼女はアサルトライフルを連射して、蓮華の勢いを削ぐ。さらにそれで生じた隙で二黒土星爪を回避しつつ、フォールディングナイフを展開して逆に反撃の斬撃と蹴りを決める。 最後の蹴りの力は強く、蓮華を近くにあったゴミ箱まで吹き飛ばし、叩きつけた。 「ぐぇっ!? な、何だあの出力は!?」 「あの角を見た時からまさかとは思ったが、そのアーク、イリーガルか!?」 百日の蹴りの強さを見て、痩せ型の男が動揺する。どうにも百日はイリーガルというタイプで、とんでもない出力であるらしい。 何なのかはわからないが、こちらに勝ち目はあるという事か。 百日は相手の動揺を気にする事もなく、シルバーストーンで蓮華を狙い撃ちにする。彼女はイリーガルだという事を認識したその攻撃を恐れているらしく、大げさに避け始めた。さらにその中で威力のある二黒土星爪から命中を重きにおいた一白水星剣に持ち替え、ヒットアンドアウェイ戦法へと切り替える。 「くっ……!」 身軽な装備でちょこまかと動き回って、百日を攪乱していく。百日もアサルトライフルとナイフで応戦するものの、その動きは早く、なかなか捉えることができない。 イリーガルと動揺はしているものの、蓮華にも素体の改造が加わっており、百日並の強さがあるのかもしれない。 強さがどうとかは置いておいて、このままでは小回りの利かない百日が押される。アサルトライフルとナイフでは仮に当たっても決定打にはならない。何とかしてレーザーを一発放り込み、追い込めれば……。 「……そうだ! 百日!! アサルトからレーザーにつなぐんだ!」 「なるほどね……。わかった! やってみる!」 何とか読まれない程度に百日に命令を下し、彼女はそれを実行するために距離をとりながらアサルトライフルを準備する。 「何かは知らねぇが、素人の作戦なんてうまく行きっこない! そのまま潰せぇ!」 痩せ型の男は何の作戦なのかわかっていないのか、依然として剣による攪乱攻撃を蓮華に続けさせている。 これならやりようはありそうだ。 百日は回避し、蓮華の隙を伺っている。オレもそれを見ていた。相手は直線的に動いているに過ぎない。 次の隙が生じるまでの時間はそう長くはないはずだ。 「……今だ! 百日!!」 「行けっ!!」 隙を捉えたオレが百日に合図を知らせると彼女はそれにならってアサルトライフルをばらまく。 「当たらぬわ!!」 そうすると蓮華は反射的に回避行動に移る。その時だった。その回避した先からレーザーが飛来し、蓮華の腹を貫いた。 「ぬわにぃ!!?」 「蓮華!? くそっ!!? どうなっているんだ!!」 まさか、避けた先にレーザーがやってくるとは夢にも思わなかったのか、痩せ型の男と蓮華は激しく動揺する。 オレも内心、成功するかどうかヒヤヒヤしていた。これはB3のやっていたトリックを真似たものだ。 覚えていたので再現した即席だったため、上手く行くか心配したが、これで決定打は与えられた。 「当たった……これが……」 「百日! そのまま、追撃!!」 「あ、ああ!」 まさか、当たるとは百日も思っていなかったようで驚いていたが、オレの命令にマガジンを二つ装填する。 「インファニット∞アサルトだ!!」 「終わりだぁぁっ!!」 スキルを放つとレーザーでダメージを負って動けなくなっている蓮華に当たり、弾丸が装備を破壊し、彼女を戦闘不能に追い込んだ。 「ぬおぉぉっ……!?」 「蓮華!? くそっ!! 覚えてろ!!」 蓮華が倒れる状況に驚きながらもこのままではやられると思った痩せ型の男は彼女を持ち出し、逃げ出した。 それを見て、戦闘が終わったと判断した百日は武装を解除し、トライクモードに戻した。 「響。ありがとう。この勝ちは君のおかげだ」 「百日だって頑張ったじゃないか! これは二人の勝利さ!」 戦いが終わると礼を言ってきて、オレは思ったことを返す。そうすると百日はニッと笑って見せ、手を出した。 「そっか。頑張るって言葉、教えてくれ」 「ああ! 頑張るぜ!!」 「じゃあ、それをみせてくれ」 オレはそれに応じて百日の小さな手に握手した。こうしてオレと百日は無い者同士がパートナーとなった。 イリーガルがどうとか痩せ型の男が言ってたけど、百日が悪い奴の手先なんかじゃないのはわかってる。 誰かがもう一回、そんな事を言ってきたら胸を張って「百日が悪い奴なんかじゃない」と言ってやろうと思う。 テストが終わったら、兄貴は一人暮らしだから、悠にイリーガルについて聞いてみよう。あいつなら神姫をよく知っているし、百日のイリーガルについて何か知っているかもしれない。 「百日。よろしくな」 「ああ」 明日のことを考え、決めるとオレは百日と共に自分の家に帰る事にした。 ひとまず、帰ったらテストの予習を済ませないとならなかった事をすっかり忘れていた。 これで成績が良くなかったら母さんにこってり絞られてしまう。それだけは避けないとならない。 ……テスト、どうにかしないとなぁ。 戻る 進む
https://w.atwiki.jp/shirotocrow/pages/21.html
魔法の森の奥深く。満月の明かりも遮られた真っ暗なその場所に、ぽつりと建つ小さな家があった。 「相変わらず寒いなぁ……」 吐息を白く染め、うんざりしたように呟きながら扉を開いたのは、家の主アリス・マーガトロイドである。普段着の上に淡い黄色のカーディガンを羽織る姿は、その夜の気温を鑑みれば当然の格好であった。日暮れ前には止んだものの、ここ数日と同様朝から雪がちらついていたほどである。 つい一週間前まで半袖で過ごせるほどの暖かさであったにも関わらず、だ。 「異変よねぇ、これって。霊夢たちは一体なにをしているのかしら」 異変。幻想郷におけるその言葉は、強大な力を持ったなんらかの「存在」が起こす大規模な事件を意味する。アリスも何度かその解決に身を乗り出したことがあるが、しかし基本的に異変を集結へ導くのは紅白の衣装に身を包んだ博麗神社の巫女の仕事であり、アリスらはあくまでその手伝いをするだけである。 ところが今回、その巫女――博麗霊夢が動き出す様子が見られない。そのため、前触れもなく幻想郷を襲ったこの異様な寒さは、終わるどころか日々激しさを増す一方なのであった。 「まったく、普段巫女らしいことなんてしないんだからこういう時こそ出番だっていうのに、あのぐーたら巫女は。こんなのだから信仰が集まらないのよ」 ぶつぶつと悪態をつきながらアリスは家の裏手へ回る。そこには簡素な作りの倉庫があり、明かりを灯して中を覗けば隅のほうに暖炉にくべるための薪が積んであった。 「備蓄を置いておいてよかったわ。こんな寒さじゃ凍えてしまうもの」 魔法使いであるアリスはそう簡単に凍え死ぬことはないが、それでもこれほどまでの寒さは身に堪える。寒気対策を練らない理由などなかった。 寒さに身を震わせながらひとつふたつと薪を抱えているとき、アリスはふと一人の人間の少女を心に浮かべる。 「そういえば、今回は魔理沙も動かないのかしら」 博麗霊夢が紅白だと言うならば、彼女は白黒。霧雨魔理沙とはそんな少女である。人間でありながら魔法を使える彼女もまた霊夢と同様異変解決には積極的に向かうが、どうやら魔理沙も今回は手を出さないようであった。 「……また、私から誘ってみようかな」 少しだけ熱を持ったアリスの体を冷たい空気が冷ます。彼女が異変解決の際に手伝うのはいつも魔理沙であり、こうしてその存在を思い起こせば頬を赤らめたりもする。すなわち、アリスにとって霧雨魔理沙とはそういう対象なのであった。 「魔理沙、今頃なにしてるのかな……」 「私がどうかしたって?」 「ひょわあああああ!?」 不意に背後から声をかけられ、その上その声がたった今考えていた人物のものであったため、アリスは驚きのあまり悲鳴を上げた。その拍子に手に持っていた薪がばらばらと落ち、ぶつかりあって大きな音を響かせる。それらの騒音に顔をしかめながら、声の主――霧雨魔理沙はため息をついた。 「おいおい、一体全体なんだっていうんだぜ? ちょっと声をかけたくらいでそんなに慌てなくてもいいだろうに」 しれっと言い放つ魔理沙。はやる鼓動を必死に抑えながら、アリスは大声で叫んだ。 「な、なんであんたがこんな時間にこんなところにいるのよ!」 慌てるアリスとは対照的に魔理沙は飄々とした態度で答える。 「それがよ、実は暖炉にくべる薪のストックが切れちゃってさ。仕方ないから魔法で火を入れようと思ったら今度は材料のキノコのストックがない。参ったもんだぜ」 「……それってつまり、私の家から薪を盗もうとしたってこと?」 「違う違う、借りに来ただけさ」 「火にくべた薪をどうやって返すのよ? 炭になってるじゃない」 「新品を用意すればいいじゃないか」 「用意してくれるの?」 「ああ。薪なんてこの辺の木を魔法で吹っ飛ばせばあっという間だぜ」 「それじゃ結局出来るのは消し炭じゃない、まったくもう……」 悪びれる様子の全くない魔理沙にアリスは呆れ頭を抱えるが、いつものことかと思い直しかぶりを振った。 「まあ、薪くらい分けてあげるわよ。これであんたに凍死でもされたら寝覚めが悪いもの」 「お、本当か? いやー申し訳ない」 「別にこれくらいどうってことないわよ。知らない仲じゃないんだし」 「そうだな、私とアリスの仲だもんな」 「…………!」 魔理沙にとっては何気ない一言だったのであろうが、その言葉にアリスは顔を真っ赤に染めうつむいてしまった。 「?」 そんなアリスを不思議そうに見つめる魔理沙であったが、気を取り直しひょいひょいと散らばった薪を広い集めるとどこから出したのか大きな袋にそれらを詰め込んだ。 「よし、こんなもんで足りるかな。それじゃアリス、サンキューな」 「え、もう行っちゃうの?」 踵を返しさっさと倉庫から出ようとする背中に、アリスは思わず声をかけた。 「いや、だって薪はもう貰ったし」 「で、でも……ほら、お茶くらいは出すわよ?」 「んー、そうは言ってもこの時間だしな……」 陽はとうの昔に落ちている。お茶というよりはもうじき夕飯の時刻だった。 「そっ、か。そうよね」 アリスの意気が見るからに沈む。どうしてそんなに必死になって自分を誘うのかいまいち理解できていない魔理沙であったが、それでもアリスが自分のせいで落ち込んでいるのはわかった。 そんな彼女を、魔理沙は。 (なーんか、見たくないんだよな) そう感じたから。 「よし、じゃあこうしよう」 魔理沙はこう提案することにした。 「アリス、お茶はいいから晩飯をご馳走してくれないか? 私はもう腹ペコなんだ」 「え……」 うつむいていたアリスが顔を上げ魔理沙を見つめる。その視線をこそばゆく感じ、魔理沙はふいっ、と顔を背けた。 「魔理沙……うん、わかったわ」 普段は見せることのない珍しい態度の魔理沙に少し戸惑うアリスであったが、すぐにその顔に笑みを取り戻した。 「ふふふ、覚悟なさい。腕によりをかけてすっごいの作ってあげるんだからね」 「へぇ、そりゃあ楽しみだぜ」 そうして魔理沙もいつもの調子に戻る。二人の間に温かな空気が生まれた……かのように見えたが。 「あー、そうだ。ついでに頼みがあるんだが」 「ん、なぁに?」 魔理沙の一言が、全てをぶち壊す。 「ついでだから今日はアリスん家に泊めてくれ」 「なんだ、それくらい全然…………え?」 「あったかい家であったかい飯を食べた後に、このクソ寒い中飛ぶのなんて勘弁願いたいからな。頼むぜー」 あっけらかんと言い残し、魔理沙は倉庫を出ていった。一人取り残されたアリスは呆然とその背中を見つめる。 「え…………えええぇぇぇぇ!?」 静寂を打ち破るその叫びを皮切りにし。 魔法使いたちの夜会が、始まった。 続く
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3389.html
どうしてこんなことになっているのか、どうしてこんな状況になってしまったのか、あたしは全く分からなかった。 ねえ、どうしてなの?キョン。 ▼▼▼▼▼ いつもと変わらずに部室へと向かう俺。まぁ少し変わったことと言えば、最近妙に部室への足取りが軽くなったことくらいか。 俺は確かに今の高校生生活を楽しんでいる。近頃はハルヒがらみの妙なこともないし、古泉も神人狩り回数が格段と少なくなって 「このままでは体が鈍ってしまいますよ。今は出てきて欲しいくらいです。」と余裕のコメントさえする程だ。 それくらい、今のSOS団は平和と言い切れるね。 俺の気分がいいのはそれだけじゃあないんだが、話すと少し長くなる。 ひとつは一週間後に、一学期と二学期の間に挟む夏休みという素晴らしきロングホリデイがあるのだ。そのほとんどがハルヒの為に費やされるのは覚悟しているが、 学校に行かなくて良いというだけで俺の心は青春真っ盛りの青年の清清しさをも凌駕するぜ!宿題はハルヒに任せることにしよう、うん。 ふたつめ。…実は考えてない。何個か挙げておけばそれっぽいものになると思ったんだが、ひとつしかないようだ。すまん。 そしてこの一週間の間で起こる事。これがそのまま無かったことになって夏休みを迎えることなんてことができたら、どれだけ嬉しいのか見当が付かない。 いや、ただ待ち遠しいってことじゃないんだ。あんな事になるなんて、もちろん俺は思ってもみなかったさ。 月曜日に終業式を控えているその前の金曜日。ハルヒは早速土日の予定を立てだした。 「みんなは何処か行きたい場所ある?」 そろそろ自分の行きたい場所が少なくなってきた団長さんの質問に、ニヤケスマイルが答えた。 「僕は別に…。あなたはどうですか?」 俺に話を振るなよ。俺は何処に行きたい?と訊かれてすぐ答えが出るような好奇心旺盛な男児じゃないぞ。 「たまには休みにしたらどうだ。遊びなら夏休みに嫌というほどできるさ。」 「夏休み前だからこそ行くのよ!それで万全の状態で夏休みに挑むの。」 夏休みを迎える万全な状態というのはどういうものなのか考えつつ、俺はお茶をすする。 「みくるちゃんは?」 「えっ、別に…何処にも。」 「有希は…ないわよね。」 「そう」 未来人も宇宙人も行きたい所はないようだ。むしろ長門が行きたい場所ってものを見てみたいね。 「うーん…あっ、そうだ!温泉に行きましょう、温泉!」 そりゃまた唐突なこった。 「何故このくそ熱い夏に温泉なんか行かにゃならんのだ。」 「今、無性に旅館の温泉に入りたくなったわ!ね、いいでしょ?」 「ああ、そういえば僕の知り合いに旅館を経営している者をおりまして…」 おいおい待て古泉。さすがにこの時期に温泉はお前でも気が引けるだろ。 「マイナスをマイナスで掛けたらプラスになるでしょ?それと同じよ。暑さも暑さで掛けたらきっと涼しくなるものよ!」 どんな理論だ。明らかにプラスをプラスで掛けた結果になりそうで、余計暑くなりそうだ。 暑さ=マイナスという定義から間違っている。冷房が効いてるならまだしも…。 「じゃあ古泉くん、その知り合いさんに連絡をよろしくね!そうね…明日一時に集合!場所は当日連絡するわ。」 「了解しました。」 「分かりましたぁ~」 「………」 つくづくこう思うね。やれやれ。 ここまでは日常茶飯事な話だ。ハルヒの突発的な思い付きで色々と振り回される。いい加減慣れた、というかもう呆れている。 だが問題の日はやってきた。何の音沙汰も立てずに、突然と。 朝、俺は目覚めて時計を確認する。目覚ましの時針は8をさしている。俺にしては珍しく早い目覚めだな、等と思いつつ携帯に手を伸ばす。 俺が着信2件、涼宮ハルヒという液晶に浮き出ている文字をしばし見つめていると、携帯がバイブによって震えた。 『やっと起きた!いつも思うんだけど、あんたもうちょっと早く起きれないの?』 「休日くらいもう少し寝させてくれよ。」 『他三人はちゃんと一回目の電話で出てくれたわ。あんただけよ、三回目でなんて。』 俺をあの三人と比べられたら困るぜ。あいつらは明らかに非常識だ。誠実に人生を真っ当している俺は普通の高校生男子を演じているのさ。 『用件だけど、今日駅前に一時集合だからねっ。忘れるんじゃないわよ。』 「ああ、分かった。」 『じゃねっ』 …きっと泊まりだろうな。どうせなら夏休みに三泊四日の旅でもしてきたかったが…贅沢も言ってられないか。 時は一時。一日分の着替えをまとめて俺は駅前に到着する。 「おっそーい!」 「で、今日は何を奢ればいいんだ。」 俺は覚悟を決めていた。それ故に先手を打ったのだ。 「列車賃、全員分払ってよね。」 「列車賃…?だいたいいくらだ。」 「三千円はかかるでしょうね。さっ、行くわよみんな!」 三千円だと?俺は財布の中身を確認し、大きな溜息をわざとらしくした後にそそくさと歩く団長さんの後を追った。 列車で揺られること数時間。雪山へスキーに行った時くらいか、それ以上くらいかの時間を列車の中で過ごした。 乗車一時間半程まではハルヒもわんさかと騒いでいたが、二時間もするとさすがに騒ぎ疲れたらしく、黙って座っている。 俺は窓の縁に肘を乗せて流れる景色に視界の全てを任せていたんだが、徐々にまぶたが落ちていき、暗闇の世界へと引き込まれる。 「さぁ起きてください。着きましたよ。」 古泉の声で目が覚めた俺は時計を確認する。午後五時…随分長いこと移動していたんだな。その証拠に、窓の景色はすっかり森林のある田舎な雰囲気だ。 列車を降りて数分歩いた先にその旅館はあった。いかにも古き良き時代の旅館という感じで、『和』の字が五つ並ぶような木製の旅館だった。 「ふぇ、ふぇぇ…なんかすごいです~」 朝比奈さんも可愛らしいコメントを垂らす。残念ながらどうやってもコメンテーターにはなれなさそうな感想だが、ルックスで押し通せばなんとかなるんじゃないかね。 その際には是非俺は朝比奈さんのマネージャーでもやらせていただこう。 「穴場な場所なんですよ。雰囲気は最高にもかかわらず、来客数も少ないのですよ。今日は僕たちしか客は来ないそうです。」 「それはいいわね!あたしたちだけで楽しめるなんて、なんて最高な旅館なのかしら!」 他の客に迷惑をかけないで済むという利点で俺もそれには同意しておく。 「ようこそいらっしゃいました。」 旅館の玄関に入って真っ先に出てきたのは着物姿の女将さん的な人だった。この人も古泉の仲間なのか?それとも、元々この旅館の女将さんなのか? まぁ別に知ってどうなることでもないから、そこは気にしない方向でいこうと思う。 「こちらこそ、今回はお招きいただいてありがとうございます!今日と明日、宜しくお願いします!」 ハルヒの丁寧な挨拶が済んで、俺たちは部屋へ案内される。無論のこと、和室だった。 部屋の隅に荷物を置いて、その横にもうひとつ荷物が並ぶのを確認する。 「ここは俺の部屋だろ?」 「あなたと僕の部屋ですよ。こちらの不手際で部屋がふたつしか取れませんでした。まあいいじゃないですか、複数人の方が楽しいですよ。」 冗談じゃない。こいつと同じ部屋で寝たりなんかしたら何が起こるか分かりもしない。 「心配しないでくさい。何もしませんよ。」 「当たり前だ。」 低いテーブルに置いてあった和菓子にでも手を伸ばそうとすると、ノックなしに部屋の襖が開いた。 「あたし達は温泉に入ってくるから!あんたらも早く入りなさいよ。あとでじっくり遊ぶんだからねっ」 「ならば僕たちも入ってきましょうか。」 ニヤケ顔で俺にそう言った古泉は、部屋に設備されていた大タオル小タオルを俺に差し出した。 「お前と入るのは気が進まないがな。」 そう言ってタオルを渋々と受け取る。 「当然解ってるわね、キョン。」 何のことだ? 「ほんっとあんたは記憶力ってもんがないのね。」 「大丈夫ですよ涼宮さん。僕がしっかり見張っておきましょう。」 「そう?じゃあよろしくね、古泉くん。」 一体何だよ、見張るって。 「涼宮さんらの入浴光景を忍び見る、所謂覗きという行為ですね。」 男湯と女湯の境が竹だけとかいう美味しい状況でもあるのか?それ以前に俺はそんな俗な行為はしないから安心しろ。 「そうですね。じゃあ、行きましょうか。」 くすくすと笑いながら部屋を出て行く古泉に追って着いた先は、案の定、まさに美味しい状況だったね。 細い竹が何本も連なってできている境界線。強くタックルすればそのまま女湯へ進入できそうな強度に見える。もちろんしないけどな。 脱衣所を出てすぐ乳白色の湯に浸かってひとつの大きな溜息をつく。その一息に疲れの全てが凝縮されていたかのように体がすっと軽くなった。 これ以上に極楽という言葉がふさわしい物はないと思ったね。 「んー、やっぱりその胸羨ましいわね!」 「ひゃっ、やめてぇ~…!」 向こう側からハルヒと朝比奈さんの声が聞こえる。いやぁなんというか、和むね。 「いいんですか?朝比奈さんが困っているようですが。」 声さえ笑っている助言により、俺は我に帰る。 「おいハルヒ。朝比奈さんが困ってるだろ、もうやめろ。」 「ん…キョン?あ、あんたどっから見てるのよ!」 「見てるわけじゃねぇ。聞こえるのは声だけだ。」 「本当でしょうね?」 「どうやらそのようです。会話だけはできるようになっているようですね。」 どうやらって…もっときっぱりと言ってくれよ。 「有希の小っちゃいわねー、あたしが大きくしてあげよっか?」 いきなり過激的なことを言い出したハルヒの行動が頭に浮かぶ。 「………」 「確か揉んでると血行がよくなったり、ツボにいいんだって!」 「………」 いかん、俺が妄想を始める前にやめさせなくては。 「おい、ハルヒ!やめろって言ってるだろ。」 「あんたに言われる義理はないわよ!何ならあんたも触る?」 「遠慮する!」 「あっ、そう。」 ここに居るだけで理性が崩れそうな気がしてきた俺は、さっさと体を洗って温泉から出ることにした。 まぁ体を洗ってる最中にもハルヒが何やら騒いでたんだが、朝比奈さんや長門には悪いが俺にはもう手が付けられない。 浴衣を着て部屋でゆっくりしていると、何とも風流な庭に目を奪われて、来ても良かったなという気分になる。 だが、俺の安らかさを保っている心を打ち砕くように奴が入ってきた。 「卓球やるわよ!卓球!」 その言葉から始まって、それから俺たちは強制的に卓球テーブルのある場所に連れて行かれたり、枕投げの為の枕を集めさせられたりなど、色々とこき使われた。 気付くと時計の針は8時をさしていて、夕食を終えた9時に再収集をかけられた。 「まだ何かするのか?」 「一番大事なものが残ってるじゃないの。夏の風物詩といえばあれよ!」 集合場所が旅館の近くの暗い森林であることから少しは察していたが、やはりすることはひとつしかないようだ。 俗に言う(言わなくてもか)肝試しというやつだ。朝比奈さんは既に怯えの表情を露にしており、それに追い討ちをかけるように古泉が話した。 「ここには昔、墓地があったと言われていましてね。今でもその怨念たちが集まっているという崖が何処かにあるという言い伝えがあるのです。」 「ぼ、墓地ですかぁ~?」 なるほど、一般的な女子高生を怖がらせるには十分な言い伝えだな。どうやら怯えているのは女性三人の内一人だけのようだが。 「怨念でもお化けでもゾンビでも何でも出てきなさい、望むところよ!」 そんなこと望まんでもいい。どうせ苦労するのは俺らなんだからな、解ってるのか? 「この光の勇者様が全部まとめて相手にしてやるわよ!」 まるで光の剣でも手にしたかのような自信に満ち溢れた顔でハルヒは 「さ、行きましょ!」 と先陣を切って歩き始めた。 「五人でまとまって行くのか?それじゃあ肝試しにもスリルが感じられないだろ。」 提案をする俺。まぁどうせやるなら楽しい方がいいもんな。 「それもそうね、一人ずつじゃみくるちゃんが可哀想だから、二組に分かれましょっか。」 「ひぇ、五人がいいですぅ~」 朝比奈さんのささやかな抗議も虚しく、ハルヒは例の(不思議探索時に使われる)方法で二組に分かれさせた。 これで朝比奈さんとのツーショットが取れれば、なんてことを考えていた俺は愚かだったね。 勇者にお供する見習い魔法使い的なポジションを取らされた俺は、さっさと歩いていく勇者様を追う前に 「じゃあ行って来ます。」 と、残る三人メンバー(朝比奈さんに向けてなんだが)に伝える。 「キョンくん、気をつけてね。」 という朝比奈さんがかけてくれた無敵の呪文が俺の心の支えになった。 その言葉を聞けるなら何十回でも行きますよ、肝試しなんてものはね。 …というさっきの言葉は撤回しておこう。さすがにあれだ、気味が悪くなってきたぞ、この森。 「何、あんたもしかして怖いの?」 「んなわけあるか。お前はもうちょっと怖がれ。そして俺の腕にでもしがみついて来いよ。」 「ば、ばっかじゃないの!?そんなのはね、みくるちゃんくらいの怖がりでしかしないのよ!」 なるほど。 「ところでだ。この肝試しは何をすればいいんだ?」 「別に何も考えてないけど?」 「じゃあどうするんだ。適当な場所で引き返したりでもするのか。」 「そうねー…ちょっと面白い所を見つけてやるの。それから後の三人にそこまで行って来て、帰って来てもらいましょ。」 どこまで計画性のない奴なんだろうな、この勇者様は。 「ほら、さっさと歩くわよ!」 ハルヒは俺の手首を掴んで早歩きを始める。自分で歩けるから引っ張るな、手首を痛める。 何分間か意味の無い森林探索をしていた俺だが、そろそろ本当に痛くなってきたんですが…手首。 「…うわあ…!!」 その探索を一時中止させたのはハルヒのいつもより高いトーンの声だった。それと同時に手を離したが、時既に遅し、俺の手首は赤く手跡が付いている。 「ねぇ見て、キョン!」 なんだなんだと顔を上げる。そこには何十個、いや何百個もの緑色の光が宙を漂っていた。 「きれい…こんな湖があったなんて。」 後から聞いた話になるんだが、古泉の話にはまだ続きがあったらしい。 「昔に墓地があったのに加え、その横の湖は蛍の生息地なんですよ。この時期が一番活動が盛んでしてね、だからあの旅館にしたのですよ。」だ、そうだ。 まぁこの時はこんな話知らなかったもんだから驚いたし、さすがに俺でも少しは感動したね。強く頭に焼きつかれたイメージというのか、上手く語原化できない。 ハルヒは珍しく呆然と立ち尽くしている。こいつにも感動できる心があったのか。 「…この蛍、一匹や二匹連れて帰ってもバレないわよね?」 前言撤回!こいつはやはりアホだった。 「こんな光景、拝めただけでもありがたいと思え。そんなことしたら今に罰があたるぞ。」 「うー…分かったわよ。でも、よーく目に焼き付けておきなさい、この光景を!きっと二度と見れないわよこんなの!」 だろうな。心配するな、よーく頭ん中に刻み込んださ。 「じゃあ残った三人には、ここを目指してもらえば丁度いいんじゃないか?」 「えっ…だってそれは…」 「ん、何か不都合でもあるのか?」 「これはあんたとあたしだけの…」 「もうちっとはっきりと喋れよ。」 「い、いいわよ!早く戻るわよ!」 「いだだ!手首を掴むなって!」 「早く!走るのっ!」 「おっ、おいっ!」 痛む手首を引っ張られて俺はハルヒに連れられている。走りにくいこと山の如しだ。 「怒ってんのか?」 「別に!」 「怒ってるんだろ?」 「怒ってないわよ!」 「怒ってるんなら…謝るよ、すまん。」 「っ…!!」 ハルヒはいきなり立ち止まった。 「いきなり止まるなよ…。ッ――」 言葉が出なかった。振り向いたハルヒの顔は、怒っている顔でも疲れている顔でも無かった。 うっすらと目に涙を溜めて、必死に涙を落とすまいとこらえている我慢の顔だった。 ▽▽▽▽▽ せっかく…二人きりであんなきれいな蛍が見れたのに…せっかく… 「ど、どうしたんだよハルヒ。」 キョンは何も分かってない…! 「あっ、あたしは…!」 キョンは顔に困惑の色を浮かべてる。どうしよう…あたしがこんなこと言ったら… 「な、なんだよ…」 気持ちを伝えても…キョンがもしあたしを拒絶したら…あたし… 「ハルヒ…?」 キョンと離れたくない…でも… 「あ、あたしはね…?」 声が震える。大丈夫、ちゃんと言える… 「あんたのこと…その…す…」 「…ハルヒ、俺はお前の事が好きだぞ。」 …え? 「は、はあ…!?」 「何度も言わせんな。好きっつったんだよ。」 一気に目の奥から涙が湧き出てくる。堪えてたのに…だめ、キョンにこんなみっともない顔… 「俺は前から告白は自分からって決めてたんだよ。悪いな、横取りしちゃって。」 「ほんとよ…ばかぁ…ばかばかばかばかばかばかぁぁぁ!」 抱き付いて何度もキョンの胸を叩く。嬉しい。滝の様に流れる涙は止まりそうもない。 「痛いっつの…そう何度も叩くなって。」 「あたしも好きだからねっ…お、覚えといてよ!」 「ああ、分かったよ。」 キョンの腕があたしの背中にまわるのが分かる。あたし、抱きしめられてるんだ。だ、だめよ。こういうのは…ふ、不潔よ。 「居心地いいから…もうちょっとこのままでいさせてくれ。」 「あ、あと十秒だけ…だからね。」 結局、ずっとあたし達は抱き合ってた。あと十秒って言ったのに…キョンのばかっ。 「…そろそろ戻るか。みんなが心配してるだろうし。」 長い抱擁の時間を終わらせたのはキョンの言葉だった。 「そ、そうね…」 あたしが大きく一歩を踏み出そうとした時。 ――それは、起こってしまった。 Love Memory 中編へ
https://w.atwiki.jp/hougaku108/pages/36.html
わしのスーパーカーには108式まであるぞ・前編 復刻版(sm6336769) Summer Tune (Am I) confusing you? Autmatic wing LOVE SONG PLANET Daydreamer My Girl TRIP SKY YouTube Summer Tune (Am I) confusing you? LOVE SONG PLANET My Girl (PV) TRIP SKY (MAD・ベスト版バージョン)
https://w.atwiki.jp/seriale/pages/2744.html
■怪談VS■ ファイル11 館の魔(前編) お化けが出ると噂される館にやってきた仲良し3人組の歩美(あゆみ)由夏(ゆか)真理亜(まりあ)。 屋敷に入るがそこは地脈の影響で異形と化した生物の巣窟だった。 外に出る事もできず、奥へと追い詰められ子供部屋だった場所に閉じ込められた3人 そこはネズミだった物の繁殖部屋。このままでは3人とも餌食にされてしまう。 それを救ったのは2階であるにも関わらず、愛車ジーク・レヒトで壁を突き破ってきた 初老の心霊研究家バロン・アーデルであった。
https://w.atwiki.jp/srwoggaidenkouryaku/pages/114.html
第27話 『還るべき処へ(前編)』 勝利条件 敵の全滅。 ↓敵増援出現後 GサンダーゲートのHPを30%以下にする。 敗北条件 味方ユニットが1機でも撃墜された場合。 ↓敵増援出現後 1.Gサンダーゲートの撃墜。 2.味方ユニットが1機でも撃墜された場合。 熟練度獲得条件 敵増援出現後5ターン以内に勝利条件を満たす。 ステージデータ 初期味方 コンパチブルカイザー(コウタ)/エクサランス(ラウル)/ヴァルシオーネ(リューネ) 初期敵 バルトール(HAI) 敵増援 初期敵全滅後:テュガテール(ティス)/エレオス(デスピニス)/Gサンダーゲート(???) 敵データ 初期 機体名 パイロット Lv HP 最大射程(P) 獲得PP 獲得資金 数 E N H 撃破アイテム 備考 バルトール HAI 31 7700 8(4) 3 1800 8 8 8 ---------- ODEシステム 増援 機体名 パイロット Lv HP 最大射程(P) 獲得PP 獲得資金 数 E N H 撃破アイテム 備考 テュガテール ティス 34 130000 7(4) - 12000 1 1 1 ---------- EN回復(小)/Eフィールド/コクピットブロック/エナジーブロック※防御のみ エレオス デスピニス 34 140000 10(3) - 11000 1 1 1 ---------- EN回復(大)/Eフィールド/コクピットブロック/エナジーブロック※防御のみ Gサンダーゲート ???(エミィ) 34 95000 9(5) - 5300 1 1 1 ---------- EN回復(大)/Eフィールド/エナジーブロック※コウタ優先 戦闘前会話 味方 敵 コウタ Gサンダーゲート 攻略アドバイス 非常にイベント性の強いステージ。最初から最後まで初期配置の三人で切り抜ける事になる。 初期配置のバルトールは移動しない。熟練度獲得やODEシステムの事を考えると突撃するしかないが、精神ポイントはある程度残しておくこと 初期配置バルトールを全滅させると敵増援出現。???は気力150で出現。 EPに全滅させると実質1ターン経過してしまうが、コウタが射程距離にいないとこちらに近づいて来てくれる。 GサンダーゲートはEフィールド持ちで回避性能も高い。全機を隣接させて援護攻撃、援護防御、必中集中熱血等を活用すること。 ティスとデスピニスは行動しない上にこちらから仕掛けても防御、回避、援護防御をしている。その上25%ほど削ると何度でもド根性を使用するため撃墜は不可能。 増援の次EPかGサンダーゲートのHP85000以下で会話イベント。ご丁寧にティスとデスピニスに手を出しても無駄であることを教えてくれる。 GサンダーゲートのHP70000以下で会話イベント。 GサンダーゲートのHP56000以下で会話イベント。 GサンダーゲートのHP28500以下(30%)でイベント。 ステージクリアとなる。魂を使用するとか、明らかに撃墜しようとしなければ達成出来るはず。 ターン数に余裕があるので、余程の事がなければ熟練度の獲得は容易だろう。 色々燃える展開のままインターミッションを経て後編に続く。 第26話『機神乱舞』 第28話『還るべき処へ(後編)』
https://w.atwiki.jp/aincheye/pages/104.html
10.02.28 「ブラッドレーの戦い・前編」 GM : 佳奈 PC : リューク、ローザ、ヴァルトクロイツ、ミーア、ハティ、ルーファス 今回予告 ヴァレルハイム軍との衝突の日は迫っていた。 ブラッドレー砦を占拠し、軍備を蓄えた彼我との戦力差は大きい。 はたして勝てるのだろうか、と不安の声を上げる者も多い。 だが、違うのだ。 この戦には、勝たねばならないのだ。 オーレリアの命運を賭けたこの戦には、必ず勝たねばならないのだ。 そしてそのためには、策がいる―― トゥルーデ、アンブローズ両名から、集められた少数の精鋭に、砦への潜入任務が託される。 それは絶望的な状況を打開するための、決死の策だった。 エインシャイア戦乱記 第四話『ブラッドレーの戦い・前編』 聖歴1001年5月 運命の輪よ、未来への道を示したまえ。 ハンドアウト ▼全員用ハンドアウト コネ:オーレリア王国 関係:自由 キミはヴァレルハイム軍との開戦を目前に控えた、オーレリア王国ディクソン辺境伯領アシュバートにいる。 ピリピリとした街の空気は、この戦がオーレリアの行く末を左右するものだという何よりの証拠だろう。 さて、そのオーレリア王国だが、今回の戦に対して策を講じるらしく、キミは縁あってその作戦に参加することになった。 無事切り抜けられるか不安だが、引き受けたからにはこなさねばなるまい。 結末 無事砦を落とし、敵の戦力を大幅に削ることに成功した。 敵軍の将から機密文書を入手することも出来た。 あとは国王率いる軍が、ヴァレルハイムを打ち破ってくれることを祈るばかりである。 _