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あれから一日が過ぎて、俺の前にはいつもの日常が戻ってきた。 リビングで雑誌を読んでれば、特に挨拶も無くいつもの自分の席に座る桐乃。 お互い、特に会話も無く、ただ各々自分の時間を満喫する。 そう、いつもの日常だ。 だがそれは本当にそうか。 こうやって桐乃に視線を向ければ、嫌でも思い出してしまう。 あの時、病院で見た裸体。 幽霊の件も相成って、実は幻だったんじゃないかと思える。 全て真夏の蜃気楼だったんじゃないだろうか。 しかし、桐乃の片手は未だに包帯が巻かれていて。 あれは、幻じゃなかったんだとどうにか信じる事が出来る。 因みに、俺が来るまでの間、あの病室で一体何を話してたのかと聞いたんだが、桐乃は応えてくれなかった。 あんたには話したくない、と言われてしまえば、それ以上追求することも出来ない。 俺としては何で桐乃が泣いてたのかが、凄い気になるのだが。 場合によっては、お経を唱えにあの病室に行くのも吝かではない。 人の妹を泣かしてくれやがった奴に、兄妹を語る資格などないのだから。 そんな訳で。 俺は表面的にはいつもの日常を満喫していたが、内面的にはいつもの日常とは言えなかった。 それに……こいつは、追求するって言っていた。 俺が言いかけた台詞を。 ――仕方ねえだろ、妹は妹でもな…… 俺は一体、何を言いかけたのだろう。 そして何故、言葉を止めてしまったのだろう。 俺が俺の事を分かる前に、俺の知らない俺は、それを隠した。 てっきり帰ってきたら即効で問い詰められるのかとも覚悟していたが、予想に反して桐乃はその話題に触れてこなかった。 もしかすると、忘れてしまっているのかもしれない。 あれだけ色々、異常な事が起きてしまえばな……。 異常の割には、俺も桐乃もそこまで取り乱したりはしなかったが。 なんて言うか、当たり前のように連中が居て、正直余りに実感が無かった。 俺の手の中から消えて、始めて実感したというか……。 沙織を始めて見た時のような衝動や、黒猫に掛けられた呪いよりも動揺を誘うものでもなかったし。 あやせのハイキックのような恐怖を感じさせる事も無かった。 生者の方が余程、俺に刺激を与えてくれる。 今だって、あの騒動よりも……桐乃の方が、俺の中では印象に残ってるぐらいだ。 なあ、桐乃。 なんであの時、おまえはあんなに必死だったんだ。 そう目で語りかけていると、桐乃が振り向いた。 まさか心の声でも聞かれたのかと思ったが、そうじゃなかった。 「……何、さっきから見てるワケ? ウザいんですけど」 …………。 いつもの桐乃だった。 こうイラっと来る感覚もこうなってしまえば感慨深い。 「うるせえな。別に見てねえよ、おまえの自意識過剰だっての」 ふん、と鼻を鳴らして、目を逸らしてやる。 そしてその言い分で納得するような妹では桐乃は無かった。 「嘘。あたしには分かるの。あんたがこう嫌らしい視線をあたしに向けてきてんの」 …………。 確かに裸を想像してたんだが……。 こ、怖え、女って怖ええ! 「な、何いってんだが。妹を嫌らしい視線で見る訳がねえだろ」 自分で言ってて何だが、自分にダメージが来るな、この台詞。 妹を嫌らしい視線で見る変態兄貴はこちらです。 「へー、そういう事言うんだ?」 ……何か凄い嫌な予感がする。 「あたしの手の中で――」 「悪かった、俺が悪かったからそれ以上は言うな! つか、忘れろ!」 な、なんて底意地の悪い奴だ。 くそ、俺はこうやってこれから先、ずっと言われ続けるのか。 「大体、少し触っただけで、その、出しちゃうなんて、あんた大丈夫なワケ?」 …………。 いや、あれはだな、こう我慢に我慢を重ねていた訳で、つか、童貞なんてそんなもんだって! そ、そんなもんだよな……? 「……へっ。いいんだよ、未来の彼女に鍛えて貰うから」 内心、激しく動揺している俺は、格好良く返そうとして寧ろ格好悪い発言を返してしまった。 鍛えてもらうってなんだよ。これは闘いなのか? 「…………」 そんな俺の発言に、何故か俺を睨みつけるようにする桐乃。 一気に不機嫌になりやがった。 さっきまで意地悪そうな顔でニヤニヤ笑ってやがった癖に。 何か不味い事言ったか? 鍛えてもらうって発言がこう男としてアウトだったか? ……普通に考えてアウトだな。 つか、肯定してんじゃん。大丈夫じゃない事、肯定してんじゃん俺。 「…………」 「…………」 嫌な沈黙。 なに、俺が早漏かもしれない事で俺、妹に睨まれてんの? 何そのよく分からんフラグ。 「……早い男に彼女なんて出来るワケないっしょ」 グサッ! い、今の台詞は繊細な俺の心に深く刺さったぞ。 大体、なんで妹にそんな事を言われなくちゃならねえんだ。 くそ、ムカツイてきたぞ。これはもうガツンと言ってやるしかねえな。 「や、やっぱ女の子ってそういうの気にすんすかね?」 …………。 だってなあ? 気になるじゃん。 俺の怒りよりも、自分の将来のが重要だっての。 「……気にする子は気にするんじゃん? だってこう、格好悪いし?」 グサグサッ! お、俺の心がもうズタボロなんだが、こう、もう少しオブラートに包んでくんねえかな。 まあ、妹にそんな配慮が出来る訳ねえんだが。 「お、おまえはどうなんだよ。気にすんのか?」 「は?」 妹に凄い剣幕で睨まれた。 妹に対して、早漏な兄がおまえは早漏な男をどう思うと聞く光景。 はい、キモいですね。 いや、俺も別にそんなキモい事を本気で聞いてる訳じゃないぜ? こうズタボロの精神状態で、少しでも会話を変える為の努力の結果なんだぜ? ……いや、格好悪いとか言ってる奴にそんな質問をぶつけるなんて我ながらドMとしか思えん訳だが。 当然っしょ、とか返ってくるに決まってんじゃねえかよな。 格好悪いって意見はどう考えても桐乃の意見だしな。 「あたしは……」 く、来るぞ、最大級の罵倒が。よし、一番言われたくない事を想像しろ。そしてその遥かに上をいくダメージを想定するんだ……! いや、死ぬよね、精神崩壊するよね。 「あたしは……そんな気にしないカナ」 耐えろ、耐えるんだ……!! …………え? 「それよりも……、ちゃんと大事にしてくれた方が、嬉しい、かも」 …………。 大事に? 早漏と大事がどこに関わってくるんだ? 早漏を大事にした奴が良いの? 「で、でもこう、大事にしすぎて、頑なに手を出されないのも、い、嫌っていうか」 …………。 早漏を大事にしすぎて、早漏である事を守る為に、女に手を出さない、というのも駄目って事か? ちゃんと早漏である事を大事しながらも経験値をあげる事は拒むな、みたいな? 分からねえ。 女の思考って全然分からねえ。 なに、早漏を守るって。 絶滅危惧種か何かなんですか。 「……そ、そうか。分かった」 しかし答えてくれた訳だし、完全に意味不明だが、納得はしておこう。 女心は複雑って言うしな。 そうか、早漏を大事にする男ってのが桐乃の好みなんだな。 「……あんた、なんかとてつもない勘違いしてない?」 桐乃が訝しげにこちらを見てくる。 心なしか頬が赤い。 「いや、大丈夫だ。わかってるさ。大事にするのも大切だけど、大事にしすぎて手を出さないのは嫌なんだろ」 まんま桐乃が言ったことを繰り返してみせる俺。 「そ、そう」 それに対して納得したように頷いてみせる桐乃。 「……でも、ひとつだけ聞いていいか?」 「な、なに?」 「なんで大事にするんだ?」 早漏を。まるでメリットが無いと思うんだが。 「そ、それをあたしに聞く、フツー!?」 何故か慌てたようにする桐乃。 顔がさっきよりも赤い。 なんか凄い恥ずかしい事なんだろうか。 ……そう言えば、余り遅漏過ぎても駄目だってなんかの雑誌に書いてあったな。 それこそエロゲじゃないが、早くても数をこなせればいいのかも知れない。 つかもう自身が早漏という事で話が進んでるな、俺の脳内……。 「……す、好きだからじゃん?」 そ、早漏が……!? そ、早漏が好きって言ったのか……!? え、何、克服したら駄目なの? 早いままでいろって?! おいおい、将来の桐乃の彼氏、おまえの彼女は変だよ!! 俺が色んな意味で愕然としていると、桐乃が恥ずかしそうにこちらを見据えて。 「……ち、違うの?」 ……いや、俺に聞かれても。 違うとか、あってるとか、そういう問題なのか? いや待てよ。何か、会話がズレてる気がするな。 流石に桐乃とはいえ、ここまで変態な訳がないだろう。 ここらで確認しておくか。 下手すりゃ殴られるが、仕方ない。 勘違いは早めに正しておく必要がある。 「……お、おまえはその、早漏な奴でも……い、良いのか?」 早漏な奴が、とは言えない。 「? ソーローって?」 純粋に疑問をぶつけられてしまった。 そうか、こいつ意味を知らないのか。 「さ、さっきおまえが言ってた、早い男、ってことだよ」 「え? あ、ああ、そ、そーいうコト」 桐乃は意味を察して、視線を少し宙を漂わせ。 「……早くても、それでも……、ううん、それが、良いの」 真っ直ぐと俺を見つめて、そう言ってくる桐乃。 顔が真っ赤で、瞳が潤んでいて。 表情だけを見たら、まるで愛の告白をしているような感じだが。 そ、そんな性癖をカミングアウトされても……! お、俺なんて言えばいいの!? 「……まあ、おまえが、それで良いって言うなら……俺も、それで良いよ」 出来る限り桐乃を傷つけないように、俺はそう答える。 分かった、桐乃がそういうのであれば、俺は何も言うまい。 「……ま、マジ?」 顔を真赤にして、桐乃がそう言う。 余程恥ずかしいカミングアウトだったんだろう。 まあ、俺も眼鏡っ娘が好きです、なんて告白する羽目になったら恥ずかしいもん。 気持ちは分かるぜ。 「ああ、マジだ」 心の底からそうやって同意してやる。 そうすると桐乃がふぅ、と息を吐いて。 「そか。良かった……」 心底安堵したように、桐乃が微笑む。 それはそれで魅力的な微笑みだった。 「そ、それじゃこれから、その、どうしよっか?」 「……どうするとは?」 「だ、だから、ほら、想いを伝え合ったワケだし? その、あれ、恋人になった、というか」 …………。 恋人? 誰が? 俺と桐乃が? あれ、俺が早漏だから? 早漏が好きな桐乃としては、こう俺と付き合う事になってんの? え、早漏が目当て? 「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待ったああああ!!」 慌てて俺は、制止に掛かる。 「え、な、何よ」 俺の剣幕に、桐乃は少したじろぐ。 「いいか、俺は確かに早漏かも知れない。だがな、俺にだってプライドってのがあんだよ! 早漏? そんな身体だけを目当てな奴と付き合えるかってんだ! ちゃんと俺は俺自身を愛してくれる奴と付き合うに決まってんだろ!」 「…………」 「おまえが、俺の事を好きだってなら分かるよ? でもそうじゃないんだろ? 幾ら俺を許してくれてもよ、肝心なのは気持ちだろ! 早漏だからとかそんなんじゃなくてよ! どうなんだよ、ええ? おまえは俺を好きだって言えんのか!?」 俺の必死の訴えに、桐乃は衝撃が走ったように言葉を失う。 まあ、そうだろう。俺は間違えた事は言ってない筈だ。 一気に捲し立てたせいで少し息が切れたが、俺の想いは通じた筈だ。 「……言える、よ」 そして、そう桐乃は答えた。 「え?」 「あたしは……、兄貴が好き。嫌いで、ずっと嫌いだったけど、でも好きだから。 ううん、嫌いってのもきっと、好きの裏返しだった。 兄貴の事が、……京介の事が、ずっと気になってて。頭から離れなくて。 でも好きなわけがないからって、嫌いに変換してて……。 けど、それが矛盾だって、あたしは気づいたの」 「ちょ、ちょっと待て」 「ごめん。もう待たない。というか、待てない。だって、好きなんだもん。 あんたが、好きだから。好きで好きで、好きだから。 ごめん、もう待てない。 あたしは……あんたが好き」 それは、疑いようのない愛の告白だった。 しかし、まるで現状が追いつかない。 なんだ、何を言ってんだ? 桐乃が、俺を好きだって? ……頭の中で何かが切り替わる。 麻奈実が前に言っていた。桐乃ちゃんは、お兄ちゃんが好きだと思うよーとか。 ありえない話だと、俺は思っていた。 桐乃がお兄ちゃんを、俺を、好きな筈がないって。 しかし、それは本当にそうか? 今の告白が、それを否定してないか? 今まではその思い込みが、お互いの意思疎通を阻害してたんじゃないか? 今回も……意図的に俺はそういう方向性に解釈しなかったと言えないか? ……だとしたら、今回の俺は最悪だ。 決して、こういう心境で、この告白を聞いてしまってはいけなかった。 やり直せるのであれば、今直ぐやり直したい。 だが、現実は既に起きてしまった。 こんなムードもへったくれもない思考の侭、妹の告白を聞いてしまった。 もう、やり直せない。 俺の人生、最大の禍根となるだろう。 「俺は……」 「…………」 考えろ、高坂京介。 これはピンチなんかじゃない、危機という訳でも無い。 ただ、ここで選択肢を間違えたら俺は一生、自分を許せない。 何を言う? 何を言える? 俺は、妹を、桐乃をどう思っているんだ? 今こそ、あの時の心境を思い出せ。 ――仕方ねえだろ、妹は妹でもな……、……ッ! 桐乃が言っていた、恐らく大事な会話の分岐点。 ――それよりも……、ちゃんと大事にしてくれた方が、嬉しい、かな。 そう、ここが分岐だった。ここで、主題が変わってる。 早漏という話が終わって、桐乃の彼氏に求める条件に切り替わっている。 そして、ここだ。 ――で、でもこう、大事にしすぎて、頑なに手を出されないのも、い、嫌っていうか。 これは、俺の話だ。 あの夏の病院で、俺が陥った心の葛藤だ。 俺は、妹が大事だ。妹を傷つける奴なんて、絶対に許さねえ。 それが、兄として当たり前で、そして兄としての主張だった。 だから、兄が、妹に手をだすなんて未来があっちゃいけねえと、俺はそう思っていた。 そう、それが例え……男としての気持ちを殺す結果になっても。 でも、それが……妹にとって最良の選択肢じゃなかったら? 妹が、兄に対して求めている対応でなかったとしたら? 妹の為に、何が出来る? いや、違う。 桐乃という、一人の女性に対して、俺はどう答えるべきだ? 俺は、俺は……どうしたい? 「俺は……さ、桐乃」 「……うん」 ぐっ、拳を握り締める。 「……おまえが……大事なんだよ」 「……うん」 それが、俺の答えだ。 「おまえが、大事で、大事だから……幸せに、なってほしいんだよ」 「…………うん」 それが……、俺の答えなんだ。 「だから……、俺は……」 「…………うん」 例え……、それが妹を悲しませる結果になったとしても。 「俺は……おまえの気持ちに……答えられない」 「………………うん」 それが、俺の……。 その手を取れば、きっと、幸せは得られるだろう。 夢の様な日が始まるかも知れない。 だけど、それは永久的に続くものではない。 俺は……、桐乃の結婚式が見たかった。 幸せな家庭を築くその姿を見届けてやりたかった。 ずっと、ずっとそう夢見ていた。 ……そして、今もそう夢見ている。 兄妹は……結婚が出来ない。 決して祝福される関係ではない。 その先にあるのは非難に彩られた道だ。 そんな先を、俺が望める筈がない。 愛おしく、心の底から想える人であったとしても。 俺には、そんな未来は望めない。 「……仕方が、ねえだろ、妹は妹でもな……」 「…………」 涙が、止まらない。 生まれ変われればと、思うか? 死して尚、兄妹を続けたあの二人を見ても? 「……俺にとっては、幸せを願う……とても大切な、女の子なんだからさ」 男としての想いで見た時。 何かが変わるのか? ……そんな事は無かった。 だって、好きな人に幸せになって欲しいと願うのは、変わらないことだからだ。 だから、自分の好きな女の子が、兄を好きだと言い出したら、俺は止めなくてはいけない。 その先に、幸せな未来はないから。 ははっ、くそ……。他人だったら、兄を慕うこの女の子を、俺の人生を掛けて、俺が口説き倒すのに。 兄に靡かないように、必死になって。 それが現実は……俺が最大の……敵だった。 「…………うん、分かった」 桐乃は顔を伏せたまま、そう答える。 少し、声が震えていたが、どうやら泣いてはいないようだ。 兄はこうやって馬鹿みたいに泣いちまってるってのにな。 そして、桐乃は立ち上がる。 俺に背を向けて。 その姿に、喪失感を感じたのは決して気のせいなんかじゃない。 手を伸ばしたくなったのも、決して嘘じゃない。 だが、それでも俺は、ただ見送る。 「ねえ、あんたは……」 「…………?」 「あたしに告白されて……嬉しかった?」 ……考えるまでもない、質問だった。 「当たり前だろ……。すげえ、……嬉しかったよ」 「……そっか」 桐乃は、そう答える。とても優しい声色で。 そして、歩き出す。俺から距離を離す道を。 その背を見て、俺は目を瞑る。 これで、良かったんだ。 俺は、俺自身を褒め称える。 誰もが褒めてくれる訳じゃないだろうけど。 けど、俺は、俺の選択肢に後悔は無いと、虚勢であっても言ってやるつもりだ。 「……京介?」 リビングの扉に手を掛けて、桐乃は俺に声を掛けてきた。 てっきりそのまま黙って出ていくものだと思ってた俺は、不意を付かれたように顔を上げる。 桐乃は、こっちを真っ直ぐと見ていた。普段は決して見せない、慈愛に満ちた様な表情。 女神のようだと思えてしまうぐらいに、大人びた表情。 「あたしはね、あんたが好きだから」 それは、最後の告白だろうか。 続く言葉は、さよなら、とかそういう言葉なんだろうか。 確かにエロゲーとかではそういう展開はよくある事だ。 俺は、目を閉じる。 「……だから、あんたじゃないと、幸せになれないから」 俺は、目を開く。 「き、桐乃、おまえ……」 「ごめん、まだあたしは子どもだから。まださ、ちゃんと言えないんだけどさ」 桐乃は、真剣な表情で俺を射すくめるように言う。 「待ってて、欲しいから」 …………。 「別に、誰かと付き合ってもいいから。エッチしたりしてもいいから。 でも、子どもは作らないで。結婚したりしないで。 待ってて……欲しい」 こいつは……。 こいつは……なんなんだろうな。 「……約束は、出来ない」 俺は、顔を背けてそう返す。 そうとしか返せない。 「うん。それで、いい」 けどすっきりした顔で、桐乃はそう言った。 そして、桐乃はリビングから出ていく。 あれから。あれから。 どれだけの月日が流れたというのだろう。 あの時から、俺と桐乃は再び敬遠となった。 といっても冷戦状態という訳じゃない。 なんて言うか、少し冷めた兄妹になったというか。 一緒にエロゲしたりとか、そういう事がなくなった。 無論、沙織たちと一緒に遊んだりとかした。 けど、必要以上には仲良くしなかったし、喧嘩も起きなかった。 なんだろうな、こういうと今までは違ったのかと言われそうだけど。 普通の、兄妹だった。 あれから、麻奈実と付き合ったり、あやせといい感じになったりして。 そんな俺を桐乃はごく普通に見守って、時にアドバイスさえくれて。 数年の月日が流れた。 俺は今、うだつのあがらないサラリーマンをやっている。 社会の荒波に揉まれながらも、どうにか部下も出来て、何とかやってる感じだ。 社会人になると同時に、俺は家を出て一人暮らしを始めた。 そしてそのタイミングで、桐乃もまた、モデルの仕事かで海外へと行った。 その時から、桐乃とは殆ど連絡が取れてない。 因みに黒猫とか、沙織とは今でもちょくちょくあって、一緒につるんだりしている。 他にも大学の友だちとかが出来て、昔よりは遊んでないけど。 こう真夏の熱い中、外でファーストフードを口に運びながら、考える。 俺の人生を思い返してみると、色々あった。 激動のような日々があったり、ぬるま湯のような時間があったり。 どれも確かに大切で、輝かしい未来だった。 今にしたって言える。俺は、自分の人生に何の文句もないと。 はむ、とファーストフードを咥えていると辺りが騒がしくなってる事に気付いた。 「なんだってんだ……、こう暑いのによ」 こう俺みたいに静かに飯ぐらい食えねえのかと思う。 ただでさえスーツ姿ってのは暑いのだ。なんで真夏に長ズボンを履かないとならねえのか。 まあ、野郎とナマ脚なんか晒されてもキモいだけだけどさ。 「……相変わらず、冴えない顔してんのね、あんた」 どこからかそんな声を掛けられる。 「はん、うっせえよ。冴えねえ顔してても、それなりに満足した人生は送れんだよ」 もぐもぐとしながら、俺はそう答えてやる。 「そう。それなりに満足してるワケ? あたしが居なかったってのに?」 それだけで声の主は少し機嫌が悪くなったようだ。 相変わらず、短気な奴。 「そりゃな、おまえが居なくても俺の人生は幸せになれるルートが残されてんだよ」 ごくんと飲み込み、コーラで喉を潤わす。 「ふーん、そう」 そう言いながら、声の主は俺の前の席に座った。 そして勝手に俺の唐揚げフライを掴んで口に運んだ。 「あ、てめえ! 俺が大事に残していたフライを! おま、月に一度の楽しみなんだぞ!?」 「え? ……マジで? こ、これで?」 イラッ。この感覚はまだ健在だ。くそ、悪かったな、安月給だとそんな豪勢な暮らしは出来ねえんだよ。 「へん、どこかのモデル様には分かんねえだろうよ」 「確かに分かんないわ。……てか、モデルやめたし」 「……はあっ!?」 馬鹿な! そんな情報、何処にも書いてなかったぞあの雑誌!? なに、なんかやらかした訳?! 「……ていうか。あのさ、なんていうか想定してた展開と違うんですケド」 ジト目で俺を見やる声の主。そう、言うまでもない。俺の妹、桐乃だった。 「しかも今、あっさりとあたしの正体をばらしたっしょ!」 「人のモノローグに突っ込むんじゃねえ!」 おまえが海外で学んだのは読心術か何かかよっ! 「むぐぐ……。ここは、こう、ホラ、ヒロインが数年ぶりにあんたの前に現れて、こう、感動的なシーンになるところでしょ?」 「おまえは何年前のセオリーを踏んでんだよ。つかエロゲーやり過ぎて若者の発想じゃねえ事に気付け」 エロゲー作ってんのおっさんだしな。 「大体、ヒロインってなんだよ。誰がヒロインだって?」 「あたしがあんたのヒロイン」 …………。 頭を抱えて、息を吐く。本当に数年ぶりだ、この感覚。 暫く大人しくしてた桐乃が嘘のようだ。 そんな俺の行動なんて我関せず、桐乃は何かを思いついた様にテーブルをダンと叩く。 「ちょ、待って。ていうか、セオリー通りじゃないって事は、も、もしかしてあんた、結婚してたり?」 「……いや、してねえけど」 「じゃあ、子どもは!?」 「……いねえよ」 …………。 言えねえよな、薄々こういう展開になるんじゃねえかと思ってさ。 ずっと、その……そういう事すらしてきてねえって。 「因みにあたしは結婚したよ」 「……はぁ!? いや、そりゃねえだろ! おまえがセオリー壊してんじゃねえかよ!」 思わずテーブルを叩いて、桐乃へと詰め寄ってしまう。 その様子にぷっ、と笑って、桐乃は意地悪そうな笑みを浮かべて言う。 「あははっ! 嘘に決まってんじゃん。そりゃ二次元では何度も結婚してるけどさ」 真っ直ぐに俺を見つめて、桐乃は言う。 「あたしは、あんたと結婚するって決めてんだから」 …………。 「どこの国で、兄妹との結婚を認めてんだよ」 「日本」 「認めてねえよっ!? おまえは六法全書を良く読めっ!」 あはは、と軽く笑って桐乃は頬を掻いて。 「いやあ……、流石のあたしでも法律を変える事は出来なかったわ」 ……数年前に、近親婚を許可すべきだとかいう意見が国会で出てきたのはおまえのせいじゃねえよな。 主にオタク方面からあがってきた意見だったらしいが。 「まあ、それはいいとして」 桐乃は俺の訝しげな視線に少し冷や汗を垂らしながら話題を変える。 「結婚しよ、京介」 「……全然、話題変わってねえな」 「あたしと同じ名字になってよ」 「もう既になってるわっ!」 つか初めからそうだっての! 俺の突っ込みを笑って受け流す桐乃。 こいつ、こんな笑う奴だったっけ? なんか、嬉しくて嬉しくて仕方がないという感じだ。 コホン、と咳払いをして桐乃は姿勢を正す。 「愛しています。結婚して下さい」 ……本当に、やれやれだ。 何も法律は変わってねえ。兄妹での結婚は国は認めてない。 だってのに、こいつはそれを物ともしねえってんだな。 幸せな先がねえって分かってんだろうに。 親にはもう反対されるだろうし、友人らには引かれるだろうよ。 「へへ、実は既に結婚式場に目星をつけてんだ」 「はやっ!? っていや、だから」 「あと黒猫とか沙織も既に知ってるよ。あやせも説得に時間が掛かったけどどうにか納得してくれたし」 「ええええええ!?」 あのあやせが?! いや、そうじゃない、そうじゃない筈だ、クールになれ高坂京介。 「結婚が出来ないって、法律上の話でしょ? 別に結婚式を挙げられないワケじゃなくない?」 いや、そこじゃなくてさ、なんで既に知ってるって……。 え、何を、何を知ってんの? なんか最近、黒猫たちが俺を見て含み笑いをすんのはそういうオチ? 「あああああもうっ! いちいちうっさいな! いいからあんたはあたしと結婚すんの! あたしと幸せになって、あたしと家庭を持つの! それがあたしの幸せなの! あんたが勝手にあたしの幸せを決めんなっ!」 桐乃はだんと立ち上がり、俺を睨みつけながらそう宣言する。 「いい? あんたに拒否権はないからね。だってあんた、この歳になるまで結婚しなかった訳だし? 既に逃げるの失敗してるワケ。あたしが猶予を与えてあげたってのに、あんたが選ばなかったワケ。 もう既にあんたは強制ハッピーエンドのルートに入ってるワケ。なんか文句ある?」 そ、それはおまえが待ってて、と言ったからであって……。 ああ、でも約束は……してなかったか。 俺は約束じゃなく……こうして待ってた訳だ。 他ならぬ俺の意思で。 ふう、と息を吐く。 気付けば周囲には観衆ができており、桐乃の宣言に拍手すら起きている。 やれやれ。既に群衆は既にこいつの味方か。 どうやら、俺の平穏なそれなりに幸せな日々ってのはここまでのようだ。 これ以上の悪足掻きはみっともないか。 まあ、もっとも? 本当の馬鹿は、俺なんだけどな。 コホン、と咳払いをして、俺は立ち上がる。 桐乃は最後に見た時と身長は変わってない。 だから見下ろすような形となる。 「……その結婚式場、幾らだ? 言っておくが、貯金はそんな残ってねえぞ」 そりゃ桐乃はいっぱい金持っているだろうよ。だが結婚式代ぐらい俺が出したい。 だからこうやって食費を切り詰めて暮らしてんだから。 俺の言葉の意味を把握できてないのか、桐乃が少しぽかんとしている。 その表情にくくと、笑みが漏れてしまう。 俺はずっとその表情が見たかったんだよ、桐乃。 ごそごそとポケットを漁り、取り出したのは一つの指輪。 誓いを具現化した現代の結晶。 同時、周囲の観衆が沸き立つ。 その真中で、まだ現状を上手く把握しきれてない桐乃へと、俺はそれを差し出す。 「愛してるぜ、桐乃。次はもう待たせないからよ」 くたびれたスーツの男が、女神の様な美女へと愛の告白をするその姿が、その後雑誌で取り上げられ。 挙句の果てにドラマ化されて、世論を巻き起こし。 その数年後、日本で初めての近親婚を果たしたりする訳だが。 まあ、その話は置いておこう。 そんなのは実際、どうだって良いことだった。 だってそうだろう? 俺の、俺の妹が……。 俺の妹がこんなに可愛いのなら、他は何も要らないのだから。
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1308729425/96-111 燦々と降り注ぐ灼熱の日差し。 焼けた砂浜は柔らかい白。 打ち寄せる波は透き通る青。 夏で、海だった。 「兄貴ー、こっちこっちー!」 俺がぶらぶらと散歩をしている間に着替えを済ませた妹が、 ビーチパラソルの影から飛び出してくる。 黒のビキニと白の素肌のコントラストが眩しい。 「どお、似合ってる?」 「ああ、可愛いぞ」 妹は顔を綻ばせ、波打ち際に走り出す。 「競争だよっ」 俺はジーンズとTシャツを脱ぎ(水着は元々穿いてきていた)、妹の背中を追いかけた。 結果は惨敗。 くるぶしを海水に浸し、涼に気を緩めた俺を、水飛沫の洗礼が出迎える。 「あははっ、兄貴ってば、走るの遅すぎィ。食らえっ」 「うわっ、マジやめろって……こんにゃろ」 俺は水飛沫を返しつつ、猛攻を避けつつ、妹との距離を詰めていく。 そして――。 「悪さをするのはこの手か?」 「やっ、離してよぉ。もうしないからぁ」 言葉とは裏腹に、妹は抵抗する素振りを見せない。 濡れたライトブラウンの髪が、妹の額に張り付いていた。 それを取り払ってやりながら、ごく自然に、唇を合わせた。 「んっ……はぁ……っ……」 軽く舌を絡ませる。 交わした吐息は、夏の空気よりも熱く湿っていた。 妹は銀色の橋架を指先で切りながら、 「……海の味がした」 これまた詩的なことを言う。 俺は原因を言ってやった。 「お前にさんざ海水をぶっかけられたからな」 「あはっ、それもそうだよね」 妹は無邪気に笑い、俺の胸に抱きついてくる。 普段なら優しく頭を撫でてやるところだが……露出した肌と肌の触れあいが、否応なく性欲を刺激する。 俺は……。 1.せっかく海に来たんだ。泳がなくてどうする。 2.りんこへの愛を抑えることはできない。 ――ここまでエロゲ。 しすしすスペシャルファンディスクの主人公と義理の妹りんこりんの物語である。 一応訊いとくが、まさか俺と桐乃の物語だと勘違いしてたヤツはいねえよな? 「どっち選ぶの?」 と桐乃が催促してくる。 そう慌てるな。 俺は淀みなくマウスを動かし、1番を選択した。 「……………なんで?」 「そりゃあ、海に来たんだから、泳がなくちゃ損だろうが」 というのは建前で、2番からは危険な香りがプンプン漂ってくるからである。 妹と一緒にエロゲーのHシーンを鑑賞したところで、死ぬほど気まずいだけ。 一年前はそう思っていた。 が、ここ最近、特に俺たちの肩書きが兄妹と恋人(←new)に更新された一時間ほど前からは、 一年前とは別の意味で、Hシーン回避に全力をかけている俺がいる。 「でも、なんでこんなところに選択肢があるんだろうな」 大抵のファンディスクは一本道じゃないか、と素朴な疑問を口にすると、桐乃は不満げに唇を尖らせて、 「エロゲーにも色々あるでしょ? 純愛ゲーとか抜きゲーとか。 しすしすはどっちかって言うと純愛ゲーで、Hシーン飛ばしてる人も多いんだよね。 そういう人に配慮したんだと思う。 あたしには理解できないケド」 あのー、エロゲって基本、男性向けですよね? 妹萌え成分を日常描写から補給するのはまだ理解できるとして、 女のお前がHシーン見て何が楽しいんだよ。 お前もしかしてアレか、主人公に自己投影して、ヒロインを犯す気分を味わってるのか……。 と訊くまでもなく、桐乃は答えを言ってくれた。 柳眉をいっぱいに逆立てて。 「Hシーン飛ばす人は、しすしすの魅力を何も分かってない! だってだって、快楽に身悶えするりんこりんの表情、ホンットに超可愛いんだよ!?」 オーケー、お前の魂の叫びはとくと伝わった。 だがもうちっと声のトーンを抑えような? 家に親父やお袋がいたら、確実にすっ飛んできてたぞ。 それからしばらくは平穏な日常描写が続いた。 主人公とりんこりんは色々な場所に出かけ、夏を目一杯満喫した。 作中に漂う雰囲気的に、エンディング間近といったところで、 「もっと早くにプレイすれば良かった」 と桐乃が呟く。 「このファンディスクが発売されたのはいつなんだ?」 「先月の初めくらい、かな」 「意外だな。お前がしすしすの続編を一ヶ月も積んでたなんてよ」 「んー……色々と忙しかったからね」 リアの来日に偽装デート、コミケ遊覧に御鏡襲来と、確かにイベント盛りだくさんだったな。 でも、それとなく時間を見つけてプレイすることは出来たんじゃねえか? 「あ、あたしは……兄貴と一緒にやりたかったの。 しすしすはたくさんあるエロゲの中でも、特に思い入れのある作品だし?」 「桐乃……」 俺はじんと来ていた。 傍から聞いてりゃトチ狂った兄妹と思われても仕方ないが、今更恥も外聞もねえ。 桐乃可愛いよ桐乃。 内心の倒錯的な愛情を紳士的な台詞に変換し、 「なかなか構ってやれる暇が作れなくて悪かった。 でも、お前も遠慮すること無かったんだぜ」 いつもみたく部屋に飛び込んで来て、 『エロゲーしよっ!』と俺を引きずって行けばよかったんだ……。 いや、ここ最近は偽彼氏事件が尾を引いて、険悪なムードが続いていたんだっけか。 桐乃はディスプレイに視線を戻し、 「……夏、もうすぐ終わっちゃうね」 ゲーム内時間は、八月の終わり。 現実時間は、八月の半ばを過ぎたあたり。 常日頃からニブチンと叩かれてやまない俺も、このときばかりは言外の意図を察したさ。 「何言ってんだ。 夏休みはまだ二週間近くも残ってるじゃねえか」 遊園地に海にプールに花火大会に流星鑑賞、夏の風物詩を楽しむ時間に不足はねえよ。 この主人公の受け売りみたいでイヤだが、 「行きたいところがあるなら言え。 どこでも連れてってやる」 「どこでも?」 「ああ、どこでもだ」 「じゃあ、海がいい。 撮影の時に使った水着、何着かもらってて、それが超可愛くてさぁ――」 桐乃の話に相槌を打ちながら、俺はマウスをクリックする。 街での買い物を終えた主人公とりんこりんは、手を繋いで帰路を歩む。 流れるはひぐらしの清音、背後に伸びる影法師は細く長く。 『いつまでも一緒だよ』と最後に互いの想いを確かめ、画面が暗転、Endの三文字がフェードイン。 佳境もなく、劇的なオチもなく……。 そんな、純愛日常モノのファンディスクにしてはありきたりの最後を予想していた。 結果から言う。 エロゲはやはりエロゲだった。 帰宅した主人公とりんこりんは、買い物袋を床に置き、一息吐いたところで見つめ合った。 『ねえ……あたしたち最近、シてなくない?(←りんこりん)』 そりゃそうだ。 Hシーンに繋がりそうな選択肢は徹底的に避けていたからな。 どうせ今回もH回避用の選択肢が用意されているんだろう、とクリックを続けると、 『あたし、もう我慢できない(←りんこりん)』 『俺もだ。好きだ、りんこ(←主人公)』 最後の最後の不可避H……だと? おい待て、性欲に溺れるのはやめろ! 俺の心の叫びも虚しく、画面にはピンク色のエフェクトがかかり、立ち絵は美麗CGに変化する。 流石は本編で初H経験済みの二人とあって、 あれよあれよという間にりんこは生まれたままの姿に早変わり。 ゴクリ、と喉を慣らす音が重なった。 マウスにかけた指先が止まる。 「先、進めないの?」 「いいのか、進めても」 俺の本能の箍が最後まで壊れない保証はできねえぞ。 あと無意識でやってるのか知らんが、内股をもじもじと擦り合わせるのはよせ、 それ女の扇情的な仕草ランキング審査委員特別賞を受賞するレベルの仕草だから。 桐乃は平静を装っているのがバレバレの声音で、 「こ、ここからが良いトコでしょ。 あたしに言わせれば、なんで今まで避けてきたの、って感じ」 「……分かったよ」 どうなっても知らねえからな。 俺は設定で『オートモード』を選択する。 よほど溜まっていたらしく、前戯もそこそこに主人公は挿入を開始した。 『匂い立つ雌の匂いに目眩がした。 濡れそぼった茂みを掻き分け、秘蜜の源泉たる割れ目を探し当てる。 軽く腰を突き出しただけで、一物はいとも容易く呑み込まれた。 ぴっちりと絡みつく肉襞は、喩えるなら飢えた獣だ。 一刻も早く精を絞り尽くさんと、蠕動の妙絶にて一物を攻め立ててくる。(←主人公モノローグ)』 『あぁっ……いいよっ……兄貴、もっと動いてっ……もっと激しくしてぇっ……!(←りんこりん)』 序盤からクライマックスである。 文章やCGからは目を逸らせても、如何ともしがたいのがエロボイスで、 りんこりんの艶やかな嬌声を聞かされてリアルの一物が反応しないヤツは、 聖人君子か不能者くらいだろうよ、と俺は誰ともナシに言い訳する。 つまるところ、俺は勃っていた。 それとなく片膝をついてテントを隠し、バレてないよな、と隣を見れば、 桐乃はハァハァと呼吸を荒くしてりんこりんの肢体に魅入るでもなく、 顔を真っ赤に上気させ、両手を内股に挟み込み、切なげな呼気を漏らしてこちらを伺っている。 ああ、クソ。 ただでさえ理性が飛びかけている時に、反則行為の三点セットときたもんだ。 心頭滅却すれば火もまた涼し、と故人は言ったが、そいつ結局焼死してて説得力に欠けるから困る。 「しても、いいよ?」 と不意に桐乃が言った。 目的語不在の言葉に、想像の両翼は自重を知らずに羽ばたき始める。 「兄貴も男だし、あ、あんまり我慢するのも体によくないと思うし」 それにさ、と桐乃は俯いて言う。 「さっきも言ってたじゃん。 あたしたちの他に誰もいないときは、恋人らしいことをするって……」 親は日帰り旅行で不在。 俺たちは家に二人きり。 傍らには清潔なベッド。 恋人っぽいことをするには絶好のシチュエーションだ。 これ以上は望めない。 またしても心の悪魔が囁く。 今犯さずしていつ犯す? 心も体も準備万端、押せば倒れる脆さを晒す女を前に、逡巡はどこまでも無価値だぜ? ……応とも。 まったくもってお前の言うとおりだ。 今まで何を悩んでたんだか、自分が馬鹿らしくなってくるね。 理性よさらば。 本能よこんにちわ。 俺は桐乃に覆い被さりかけ――。 「してもいいよ……キス」 ――目を瞑り、薄桃色の唇を突き出す妹の姿を見た。 え?……キス?キス、だけ? あー……あっはっはは、そうですよね、いや、うん、分かってたよ、 恋人らしいことと言えば、チューに決まってるじゃないか、もちろん俺は最初からそのつもりだったさ。 とまあ白々しい言い訳はここまでにして、たとえキスでも、 俺たちの肩書きを鑑みれば、栄えある背徳的行為第一号には変わりない。 緊張と興奮に脳髄が痺れた。 が、次の瞬間には、俺は桐乃の唇に、自分のそれを押し当ててていた。 「んっ……」 妹とキスしている。 非現実的な現実は、不思議とあっさり飲み込めた。 舌先で閉じた唇を割り、桐乃の舌を探し当てる。 「っ……ぁ……ふぁ……」 ここまでされるのは予想外だったんだろう。 桐乃は驚きに大きく目を見開きながらも、 数秒後には、自分から舌を絡めてきてくれた。 淫靡な水音が響く。 唇と一緒に唾液を吸い、舌で口蓋を蹂躙する。 このとき既に俺の脳味噌は完全に出来上がっていて、 手は桐乃の後頭部から、着々と胸へと南下しつつあった。 ヤバイ。止まらねえ。 桐乃も止めろよ。 許すのはキスだけで、最後までするのはイヤなんじゃないのかよ。 指先が至上の弾力に触れる。 「あっ……」 さあ平手打ちしろ。渾身の力で俺を突き飛ばせ。 果たして桐乃はピクリと身動きしたのみで、 ああ、なんてこった、暴走は看過されちまった。 もはや俺を阻むものは何も無い。 俺はそっと桐乃に体重をかけ、本格的に南方侵略を開始した。 その時だった。 「ただいまー。桐乃、京介、二階にいるのー? お母さん帰ってきたわよー」 脳裏を過ぎるは、最悪の未来。 まぐわう息子と娘を目撃したお袋は、まず絶句し、次に親父の名を叫び、最後に卒倒するだろう。 俺たちは迅速かつ的確に行為の証拠隠滅を完遂した。 即興のコンビネーションは血の繋がりが成せる業か。 トントン。 「入るわよー?」 「は、はぁい」 「桐乃ー、京介どこにいるか知らない?……って、あんた桐乃の部屋で何してるの?」 「桐乃に勉強見てくれって頼まれてさ。 夏休みの宿題で難しいところがあったみたいで……な、桐乃?」 「そっ、そうなの! 理科の先生が超意地悪でさあ、有り得なくらい難しい宿題を出してきたんだよね」 お袋はジト目で俺たちの顔を交互に見遣り、 「ふぅん、桐乃が京介に宿題を手伝ってもらうなんてねえ……いつ以来かしら」 これ以上追及されたらボロが出る。 そうなる前に、と俺は訊いた。 「お袋たち、帰りは遅くなるんじゃなかったのか?」 「それがねえ、あの人、急に職場から呼び出さちゃって、 一人で温泉を楽しむのもアレだし、帰ってきたのよ」 なるほど、さっきから親父の気配を感じないのはそのせいか。 幸いなことにお袋に長居するつもりはなかったようで、 「京介、あんた桐乃に勉強教えてあげるのはいいけど、変なことしちゃダメよ」 と釘を刺して出て行った。 俺は桐乃と顔を見合わせ、深い深い息を吐く。 お袋は冗談で言っていたのだろうが、ついさっきまで俺たちは「変なこと」の真っ最中だったのだ。 「ふふっ、危ないトコだったね」 ここで笑えるお前の胆力に感心するよ。 ピンク色のムードはどこへやら、緩慢な空気が流れる。 桐乃はおもむろに唇に人差し指の腹を当てると、 「さっきの……ファーストキスじゃなかった、って言ったらどうする?」 「別に……どうもしねえよ」 お前も中学三年生だ。 兄妹関係が冷え切っていたときに、 彼氏の一人や二人いたとしても、今更怒りやしないさ。 「ぷっ、兄貴ってば、すっごい顔が強張ってる」 「うるせえ」 「あたしのファーストキスを奪った誰かに嫉妬してるんだ?」 こいつめ、なんでこんなに嬉しそうなんだ? 俺の心をナイフで抉るのがそんなに楽しいのか。 「やっぱり忘れちゃってるんだね」 何を。 「小さい頃に、キスしたこと」 誰と誰が。 「あたしと兄貴が」 マジで? 「うん。今日みたいに、あたしと兄貴がお留守番を任されたことがあって、 そのときに二人でテレビ見てたら、ちょうど昼ドラが流れてたの。ドッロドロのやつ」 止めろよ、当時の俺。 なぜ桐乃の目を覆って子供アニメのビデオをセットしてやらなかったんだ。 「そんなに過激なシーンは無かったよ。 あっても、精々キスくらい。 それでね、あたしもあんたも、その頃は全然そういうことを知らなくて、 二人で実際にやってみない?ってことになったの」 「どっちが言い出したんだ?」 「……あ、あんたに決まってるじゃん」 怪しい。 が、今言及すべきはそこじゃない。 「それがお前のファーストキスか」 「うん。でも、あたしが言うのもなんだけど、あんなのはファーストキスのうちに入らないと思う。 半分、遊びみたいなものだったし、あんたは次の日には忘れちゃってたし……」 なぜ恨めしげな目でこちらを見る。 俺は言った。 「それじゃあ、実質的なファーストキスはさっきの、ってことでいいのか」 「うん。そだね……それでいい」 桐乃はクスリと笑い、冒頭のりんこりんの台詞に準えて言った。 「……ソースの味がした」 これまた散文的なことを言う。 俺は原因を言ってやった。 「昼飯に焼きそばを食べたからな」 「あはっ、それもそうだよね」 それから俺たちは、ひとつ約束事をした。 次に恋人らしいことをするときは、事前に歯を磨いておこう、ってさ。 おしまい! 続くかな~?
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(歌詞は著作権に触れるため省略) アーティスト:Mrs. GREEN APPLE レベル:10 作詞・作曲:大森元貴 予想歌唱範囲:1番サビ 地声最高音:hiB(なんて素敵な日(*1)だ) 裏声最高音:hiG(治りきらない傷もすべてぼくのこと) 壮大なロックバラード調であり、人生賛歌がテーマとなっている。大塚製薬・カロリーメイト受験生応援シリーズCM「狭い広い世界で」篇はオーケストラアレンジver。合唱曲としても歌われており、ストリーミング再生が1億回突破しているMrs. GREEN APPLEの名曲。 初っ端からhiDの登場。hiBとhiAが連発し、また「あー」のhiDが登場。「狭い広い世界」はhiAとhiBの上下でその後「奇跡を」にhiDが出てくる。「僕らは~治りきらない」は地声と裏声の切り替えが登場し、その中で「大人になる」がhiEとして出てくる。「傷も」で一気に音が上がり、「傷もすべて僕のこと」がhiD~Gの超高音最凶ゾーンとなっている。 8~9割hi域で構成されており、hiGも一回だけでなくhiF#とのコンボでもう一回出てくる。地声と裏声の切り替えも厄介で、レベル10の中でもかなり難しい曲になるだろう。なぜこうもミセスは高い曲ばっかりなんだ。 なお、hiGは男性曲最高音である。(現状) 白日(hiF#)などよりも上であり、なんならそこらの女性曲などよりも上。レベル10男性曲の最難関候補の一角に相応しい超難曲である。 追記~鬼の超高音ゾーン~ mid2G hiA hiB hiD hiE hiF# hiG 『なおりきらないきずも すべてぼくのこと』
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/25(月) 17 52 01.17 ID Owbo4o4G0 あやせ「いつも変態的なこと考えてるくせに…いざって時はナニもしてくれないんですね!」 京介「えっと…」 あやせ「どうしようも無い童貞ですね…エッチなことしてくれなかったら今夜は返しませんからね」 京介「」 京介「まあお前がそこまでいうなら」 グイッ あやせ「いやっ!なにするんですか!いやらしい!」 京介「はあ?」 あやせ「女子中学生に発情するなんて!この変態ロリコン!殺しますよ」 京介「えっ?えーっ?」 京介「なんなんだよもう……」 あやせ「どうしてそこでやめるんですか?」 京介「だっておまえが」 あやせ「ちょっと嫌がられたくらいでやめるなんて、この根性なし」 京介「は?」 あやせ「女の子は一応嫌がる素振りをするものなんです」 京介「あ、そうなのか」 あやせ「当たり前じゃないですか、そんなことだからダメなんですよ兄さんは」 京介「じゃあいいんだな?」 あやせ「それを私に聞くのが最低と言うんです」 京介「……わかった」 グイッ 京介「あやせ……」 あやせ「きゃああっ!いやっ!いやああああっ」 ボグッ! 京介「ぐえっ!」 あやせ「やめてやめて!やめてぇぇぇl!」 ゲシッ! ゴンゴンッ! 京介「あがぁっ」 京介「ええぃ、仕方ない。かくなる上」 あやせ「はぁ、はぁ、はぁ…も、もうおしまいですか? やっぱりお兄さんってとんだヘタレですよね。 中学生の小娘にいいようにあしらわれてて、恥ずかしくないんですか?」 京介「ふんっ…その減らず口がどこまで続くかな?」ピポパポ あやせ「?」 トゥルルルル…トゥルルルル…ブツ 京介「あぁ。もしもし、桐乃か?」 あやせ「はぁ?」 あやせ「頭イッちゃってるんじゃないですか? 桐乃とLIVEで繋がってるからって、私が声を上げないとでも? 寧ろ好都合です。この機会に徹底的にお兄さんのお株を下げて・・・」 京介「おう、今あやせに代わる」 あやせ「うぇっ、ちょっと、もう、信じられないっ…もしもし桐乃? うんうん元気元気。今どこって、お兄さんといっしょだよ?」 京介(ゴソゴソ) あやせ「ちょっと何してるんですか!(ボソボソ) 」 京介「さっきみたいに叫んでみろよ…」ボソボソ あやせ「(ビクッ) も、もうやだなぁ桐乃は、前に言ったでしょ? 最低一ヶ月は手だって触らせないって。 そもそも中学生とそんなことしようだなんて、桐乃のお兄さんがそんなこと考えるわけないじゃない?」 京介「ところが、考えてるんだなぁ、現在進行形で…」ボソボソ あやせ「(やぁ…もう…首筋ぬくい…) だ、だってあのお兄さんだよ? いやいや、そうじゃなくて、そんなことする度胸ないって。ここは私が手綱を握って、あっ…」 桐乃『どうしたのーあやせー? 兄貴が変なとこでも触った?』 あやせ「な、なんでも。やっ…ちょっと…!(ボソボソ)」 京介「ブラとパンツ色一緒じゃん。一応脱ぐ気では居たんだな」 あやせ「童貞臭いこと言わないで下さいっ女の子は普通一緒です! (ボソボソ)」 京介「ふーん…」パチン あやせ(いやーー…もっ…ブラ外された…) 桐乃『ねぇあやせー?』 桐乃『ねぇあやせ? 私がなんで電話してるか知ってる?』 京介(首筋ペロペロ) 桐乃『兄貴とね、あやせが、エッチしてるところを聞きながら、オナニーする為だよ?』 あやせ「や、あっ…お兄さん、辞めて下さいっ…やめて…」 京介「携帯はハンズフリーにして、投げとこうか」 桐乃『 コラーーッッッ!!! 兄貴、ケータイ投げただろーー! ちゃんと聞かせろっっ(ry 京介「お前の出番は終いだ。ご苦労だった我妹よ」ピッ あやせ「はぁはぁ…」 京介「どうだ? 身を任せる気になったか?」 あやせ「ふーっ…ふーっ…全っ然っ!」 京介「仕方ないな。この手だけは使いたく無かったのだが」ピポパポ あやせ「こ、今度は、いったい誰にかけるおつもりですか? 変態のお兄さん。言っときますけど、お兄さんの知り会いにもう私の知り会いは…」 桐乃『ギャース!! ギャース!!』 あやせ「うっわ…」 京介「だから俺もかけたくは無かったのだが…」 桐乃『あやせに代わりなさい』 京介「……」 あやせ「変わったけど…」 桐乃『ハアッハアッハアッ…』 あやせ「えーと…桐乃?」 桐乃『あやせ…ハァハァ…今兄貴パンツ履いてる? ブツ あやせ「……」 京介「履いてるぜ?」 あやせ「なんか、どうでも良くなっちゃいました。もうっ……じゃあ、普通にします?」 京介「お、おう!」 京介「じゃあ、その…おっぱい隠してる手どけてくれ…」 あやせ「……」シラ~ 京介「自分じゃ退けられないのか? じ、じゃあ俺がっ…」 あやせ「その前に、外した私のブラジャーどこにしまったんですか?」 京介「……あれー、そこらへんに置いたようなー」 あやせ「しらばっくれてるとえっちさせてあげませんよ?」 京介「くっ…(この小娘)」 京介(考えろっ…考えるんだ俺…。このまま素直に返しても、女子中学生のブラジャーは手に入らない……。 しかもこのブラジャーはモデル中学生という、超レアモノエンチャント付きだ…。 ブルセラに売っ払えば、15はくだらない…。もちろん売る気など毛頭無いが) あやせ「あのー、もう寒いんですけどー。服着ても?」 京介「なっ (ノーブラの上にシャツを着るだとーーーー!!!?)」 あやせ「嫌ですねー。みっともなく焦っちゃって」 京介「くっ (畜生っ、あやせめぇ…別にそんなんじゃねえっての、 だがここで中学生おまんことヌップシできなくなるのも勿体無い……。何か、何か妙案は)」 あやせ(もう…なんでこう、強引にこれないのかなぁこの人は。さっきの勢いで押し倒してくれれば、私も天井のシミ数えることぐらいやぶさかじゃないのに) 京介(何か、そう! 何か条件を出せればっ…!) 京介「ぶ、ブラジャー返してやるから、ちんちんしゃぶってくれよ、あやせ」 あやせ「……」 京介(くぅっ…しくじったかぁ!? せめてアナルを指でほじってくれくらいにしておけば、よかったか) 京介「ほら、ど、どうする?」 あやせ「……」 京介「……(ハレルヤ)」 あやせ「じ、じゃあ失礼して…」 京介(なにーーーーーっっっ!!?)ビンビンッ あやせ「ど、どうすればいいのですか? 私はお兄さんみたいに変態じゃありませんから、こんなことしたことないんですっ」 京介「お、おう。それはな…」 京介(し、しかしどう説明したものか) あやせ「は、早く教えて下さいっ。私の気が変わらないうちに」 京介「あぁわ、わかったよ、じゃあちょっと指貸してくれ」 あやせ「指?」 京介「いいから右手こっち出せよ」 あやせ「……」おず 京介(やべぇ…おっぱい片手で隠してるから溢れそうだ)ビンビン 京介「かぷっ」 あやせ「んっ…」 京介「おっと、早まった。まずは先っぽにキスをするんだ」ちぅ あやせ「わ、わかります」 京介「わかるのか」 あやせ「あわわ。いいから続き教えてくださいっ」 京介「それで、こぅ、もう一度キスをして、そのまま下に」スススス… あやせ(ゾクッゾクッ…) 京介「相手の目を見ながら下に……。それでいったん休み。ほっぺに当てながら相手を見つめる」 あやせ(やっ…そんな、みないで…) 京介「そしたら今度は下から一気に舐め上げるんだ」ベロんっ あやせ「んっ……はっ…」ゾクゾクッ 京介(なんか、俺がスイッチ入ってきた…) あやせ「ハァハァ…そ、それから?」 京介「あぁ、そうしたら今度はだなー」かぷっ あやせ「んっ…」ゾク 京介「やっはり、めへんはそらさふに、口に含んで…」にゅるにゅるっ あやせ(ゾクッ…ゾクゾクッ) 京介「んやっぱりこっちかな」ちぅ あやせ「えっお兄さん、そっちは手のひら…」 京介「黙って聞いてろ」ちぅぅ… あやせ「ぅぅ」 京介「ちょっとしょっぱいな」ベロベロ あやせ「やっ…ハァハァ…」 京介「手汗いっぱいかいてるぞ。ベトベトだな」 あやせ「それは、お兄さんのよだれですっ」 京介「本当か?」すっ「舐めてみろよ」 あやせ「い、いやですっ! そんな、きたない」 京介「いいから」ギュッ あやせ「痛っ」 京介「ほら。舐めろ」 あやせ「いやです!」 京介(頑固だな)ベロ…() あやせ「ひっ…そんな、指の間…」 京介「ほらっやっはり、あせだくら」べちょべちょ あやせ「うぅ。うー……もうやだ、この人 …」 京介(おっぱいのガード緩んできたな) 京介「あやせ」 あやせ「な、なんですか、変態さん?」 京介「左手を拝借できるかな、お姫様」 あやせ「だ、ダメです」 京介「どうして?」 あやせ「どうしてもです! というかブラジャー返し下さい…」 京介「まだちんちんしゃぶって貰って無いだろ?」 あやせ「じゃ、じゃあ今からやります。もう十分わかりましたから」 京介「あのさぁ」 あやせ「なんです?」 京介「こういうのって、気分の問題だろ?」 あやせ「私の気分は最悪ですけどね」 京介「そう?」 あやせ「当たり前ですっ、こんな風に嫌らしく指をしゃぶられるのなんて初めてです! 変態! 変態! 変た (ぐいっ あやせ「ちょっちょっちょっ、離してっ…離して下さい…」 京介「ほら、口だけじゃん。なぁあやせ、せっせっせーの」 あやせ「よ、よいよいよい」 京介「良くできました」 あやせ(もうやだぁーっっ。恥ずかしぃ…っ) あやせ「……」 京介「……」じぃー あやせ「ちょ、ちょっと…」 京介「……」 あやせ「そ、そんなに、おっぱいが、珍しいんですか? 童貞のお兄さんっ?」 京介「……」 あやせ「も、もう、何か言って下さい」 京介「……桐乃より綺麗だって言ったらどうする?」 あやせ「っっっ! そんなのっ最低っ 京介「嘘だろ? 嬉しいんだろ?」 あやせ「あやせ、何言ってるんですか!? そんなの、頭おかしいです! 桐乃じゃなくても、そんなの初めての人に、誰かと比べるなんてっっ」 京介「あやせ。桐乃よりおっぱい綺麗だな」 あやせ「ん、はっ、そんなこと…」 京介「あやせ、桐乃より綺麗だぞ」 あやせ「くっ…」 京介「桐乃のおっぱいよりもとても綺麗だ。あやせ」 あやせ「この…変態、下衆」 京介「形だって、あやせの方が断然綺麗だ。桐乃のは……」 京介(こんなに張っていない。もっと、垂れてる)ボソボソ あやせ「~~~!!」ゾクゾクッ 京介「お前の方がよっぽど変態だ。親友と優劣つけてもらってそんなに気持ちいいのか?」 あやせ「こ、このっぉ…」 京介「………」 あやせ「はぁ…はぁ…」 京介「ふふっ、まだ大したことして無いのになんでそんなに息荒いんだよっくく」 あやせ「はぁはぁ……何もしてなくないです」 京介「俺が何した? 言葉攻めか? 指フェラか? なぁ、教えてくれよあやせ」 あやせ(あれ、指フェラって言うんだ。指のフェラなんだ…) 京介「ん? あやせ?」 あやせ「お兄さんに、京介さんに手を握られて、おっぱい見られてます」 京介「ほぅ…」ビンビンッ あやせ「というか、お兄さんも服脱いでくださいっ。なんで私だけこんな、不公平です…」 京介「でも手を離したらあやせまたおっぱい隠すだろ?」 あやせ「隠しません」 京介「本当? じゃあ」 あやせ「いやです。脱がしません。自分で抜いで下さい」 京介「よ、良くわかったな」 あやせ「目を見ればわかりますから。お兄さん、今完全にベタベタなおっさんの顔、というか、桐乃と同じ顔してました」 京介「桐乃かよっ。ふぅ、わかったよじゃあ」 あやせ(あっ、手、離してくれた)だらん 京介「偉いな。じゃあ、お風呂入ろうか?」 京介「ふぅ…」ちゃぷん あやせ「……」ブクブク 京介「どうしたあやせ? ヌルいか?」 あやせ「……お兄さんって、結構セコいエッチするんですね」 京介「まだ何もしてないだろー?」 あやせ「うぅ…(当初の私の想定ではもう終わってうちに帰ってるハズなのに。まだ本格的に始まってすらいないとか、信じられない…)」 京介「お前初めてなんだろ?」 あやせ「……それがなにか? お兄さんだってそうなんでしょう? 童貞のお兄さんに気遣って貰わなくたって…」 京介「……」ギュッ あやせ「……暑苦しいです」 京介「まだキスしてなかったよな」 あやせ「……」 京介「風呂上がったらしような」 あやせ「……はい」ボソ 京介「おぉ…」 あやせ「ぐぐぐっ…」 京介「なんというか、扇情的なお出迎えだな。ベットに枕だけ抱えて子猫みたいに丸くなって…」 あやせ「お兄さんがシーツも、おふとん隠しちゃうからでしょう!! もう、ビックリしましたよ! バスタオル取りにかえろうとしたら浴室カギかかってるしっっ! バスローブ的なものもどこにもないし!」 京介「ぶっ、裸のまま探し回ったのか? その格好で…?」 あやせ「ぅぅぅ…」 京介「かぜひかなかったか?」ぎゅっ あやせ「お兄さんがご丁寧に暖房まできかせてくれていたおかげで、まだ風呂上がりのままポカポカしてますっ。 んもぅっ、あまえないでくださいっ」ジタバタ 京介「あー、あやせ、あったけー」 あやせ「あついーはなして下さいーー!」ジタバタ 京介「よいしょっ」 あやせ「まさか冷蔵庫に入れてあったとは、普通に引きます…」 京介「ほら、冷たいぞあやせ。横になって」 あやせ「ぅー…」ゴロン (あ、冷たい。気持ちいい) 京介「よし。いい子だ」すっ あやせ「そ、そのいい子だっての辞めてください」 京介「うん」 あやせ(あー、だめだこの人、例の目してる) ちゅっ あやせ「う」 ちゅっ、ちゅっ、ちぅ… あやせ「はぁ、ん、はっ、んっうぅ、れろ…ちゅぅ…」 あやせ「きょ、京介さん…」 京介「なんだ?」 あやせ「なんでもっ、んっ、ちゅう、れろ、くちゅくちゅ、んぁっ」 あやせ「きょうすけ、さん。ん…ちゅ」 京介「んー?」 あやせ「桐乃と、どっちが、んっちゅっ、くちびゆ、やあらかい、でふか? 」 京介「さぁ?」 あやせ「おしえてっくだ……んっ」 京介「あやせが一番だよ。あやせだけが、わかるだろ?」 あやせ「うっ。うぅ…ぐす」 京介「おっぱいもそうだぞ?」 あやせ「なんでそんな嘘つくんですか…」 京介「ごめんな。そういうの好きそうだったか」 あやせ「…」ビシッ 京介「いてっ」 あやせ「どうせ、桐乃のことだから、偶然を装ってお兄さんに見せつけてるに決まってます」 京介「そーーだったかなーー?」 あやせ「……お兄ちゃん。ね、ほんとのこと教えて?」 京介「……は?」 あやせ「……」 京介「お、おう、なんか、ごめんあやせ。見たことあるわ。目に焼き付けたわ」 あやせ「……(なんか、自爆したせいでうやむやになってしまった)」 あやせ「もぅ、最初から変な嘘なんてつかないで下さいね」 京介「おう。悪かったな」 あやせ・京介「………」 あやせ「じゃ、じゃあ、私、さっき教えて貰ったあれやります。あれを」 京介「お、おう頼むわ」 あやせ「じゃあ、改めて、失礼して…」 あやせ(えっとまずは相手を見つめて) 京介(う、上目遣いとか、すげー。可愛い女の子が、俺を下から見上げてる…)ビンビン あやせ(そ、それで、キスを、あ、あれ?) 京介「……どうした?」 あやせ「お兄さんを見つめてると、どこにあるのか見えなくて…」ワキワキ 京介「あやせ、お前緊張しすぎだろ…」 京介「一瞬見て場所を定めるんだっ」 あやせ「は、はい!」 あやせ(チラッ) デン! あやせ(うわーー、見なかったことにしよう) 京介「覚えたか?」 あやせ「はい。場所は」 京介「よし」 あやせ「では……」 京介(ドキドキ…) あやせ(ちゅっ) 京介「……」 あやせ「……」 京介「その、なんだ、ちゃんと見た方がいいな」 あやせ(お兄さんも初めてなんだ、お兄さんも初めてなんだ、お兄さんも初めてなんだ、お兄さんも初めてなんだ) あやせ「では…」すっ ちゅっ 京介(うっ)ビクッ あやせ(うーー、動いてるーーっっ) あやせ(つ、次はやっぱり相手を見つめて…)じぃーー 京介「ぅ、なんだよ(いや、なんだよってなんだよ俺!)」 あやせ(それからもう一回キスを)ちゅっ 京介「うゎっ」ビクビク あやせ(もーー、変な声ださないでよぉーー!) あやせ(そのまま、口をつけたまま、下に…)スススス… 京介(これ、俺手、どこにやればいいのかな)ワキワキ あやせ(それからほっぺに当てて…。……?) 撫で撫で 京介(とりあえずあやせを触っておくか)撫で撫で あやせ(……)じぃーー 京介「?」 回想 桐乃「昨日、兄貴に撫でて貰ったんだー。えへへぇ」 あやせ あやせ「へー、よかったじゃん。桐乃は お兄さん大好きだもんねー」 桐乃「べ、別に好きなんかじゃっ、あれだよあれっ、なんか、兄妹よりもこう、ほら、異性としてさっ」 あやせ「うん、意味がわかんないなぁ。わかんないことにしとくね♪」 桐乃「わっかるかなー、わっかんねぇよなー…」 回想終 京介「どうしたあやせ?」撫で撫で あやせ「……別になんでもないです。集中出来無いんで、撫でるのは」 京介「あ、そうだよな、悪かった。俺をこういう時どうすればいいかわかんなくて、なんか思ったことあったら何でも言ってくれよ。参考にすっから」 あやせ「言われなくてもそうします(撫でるのほどほどにって言いたかったのに、ばか…)」 あやせ(で……これからどうするんだっけ) 京介(あやせのやつ、いつまで俺のムスコをほっぺにキープしておくつもりだ? そんなに気に入ったのかな) あやせ(さっきは、えぇーっと、途中でお兄さん指ふぇらにいっちゃったから、良く覚えて無いよ…) あやせ(もう、咥えちゃっていいのかなぁ…) あやせ(でもでも、そんなことしたらお兄さんにガッついてると思われるかも…というあんまりこの人を調子に乗らせたくないし、 えーーっと次は何してたっけなぁ) 京介(暇だなぁ)撫で撫で あやせ(ひっ…。……くぅぅぅ、もうっ、この人はっっ。また全部飛んじゃった……) あやせ(あ、思い出した。指の間だ。お兄さん私の指の間なめてた。間、間って…) チラッ 京介(あやせかわいいなぁ。どうすればいいか悩んでんのか? もっかい教えてやるのもあれだしなぁ) あやせ(……うぅ、お兄さんもなんか持て余してるっぽいし、行っちゃえ!)モゾッ 京介「なっ、あ、あやせ!?」ゴソゴソ あやせ(うっわなんか間違ったっぽい? でもダメだぁ、もう恥ずかしくて顔上げられないよ…。このまま)モソモソ、ペロペロ 京介(そんなっ行きなりお袋さんの根元なんてっ! この子大胆過ぎっ! ムスコじゃなくて、姑落としにきたわ!) あやせ(うぅー、汗臭いよぅ) あやせ(毛深くて何がなんだか、とりあえず、生えてないところを…)ペロペロゴソゴソ 京介(うわーすげー。おれ中学生にアナルの周り舐められてるよ) あやせ(あ、これって…)ペローン 京介「ばっ、ちょっ、アホ、あやせっ! そこは違う穴だぞ!」 あやせ(違うって…お兄さんに穴なんてひとつしか……) 京介「……」 あやせ「……」 京介「だ、大丈夫だ。ほらっ」ちゅっ あやせ「んっ」 京介「キスできるぞ。汚くない」 あやせ「ありがとうございます…」 あやせ「お兄さん……」 京介「な、なんだ?」 あやせ「私、もう、およめに」 京介「ばっ、大丈夫だ心配すんな。おれが是非っ、いや俺じゃなくてとも他にもお前が欲しい男なんていくらでもいるさ!」 あやせ「本当ですか?」 京介「あぁ! もちろんさ!」 あやせ「それはつまり」 あやせ「責任とってくれるって事ですよね?」 京介(な、なんだか急に重い話に……) あやせ「じゃあ、すぐにとは言いませんが、両親にあいさつしに来てくれますか?」 京介「お、おう。行ったらぁ」 あやせ「桐乃、いえ、京介さんの、ご両親に紹介してくれますか?」 京介「もちろんだ」 あやせ「私が16になったら…」 京介「結婚してやる」 あやせ「……」 京介「結婚しようぜ?」ヘラッ あやせ「……」ボカッ 京介「いだぁっ! ボディかよっ」 あやせ「15の中学生にお尻の穴なめさせたド変態の癖に吹かないでください」 京介「お、俺は結構本気で…」 あやせ「男の寝物語ほど根拠のない言質はないんです。そういうのは、もっと、普通してる時に言ってください。……それなりに、本気にしてあげますから」 京介「あ、あやせ…じゃあ」 あやせ「と、言っても、お兄さんは大学を出るんですよね? ならまだ、私を養えないじゃないですか。 別に、私も出来れば今の仕事は続けたいですから専業主婦をするつもりはないですし、 でも、まぁ、お兄さんがそうして欲しいって言うなら考えますが、それでも尚更家族を養うにはお仕事につく必要があるでしょう? ならまずは婚約ということにしておいてですね」 京介「ニヤニヤ」 あやせ「……!」はっ 京介「落ち着いたか?」 あやせ「お、女の子はっ、このくらい未来の展望があって当たり前なんです!」 京介「そうだな。悪かった」ニヤニヤ あやせ「ヘラヘラしながら謝らないでください…不快です」 京介「まぁほら、こっち来いよ」 あやせ「来いとはなんですか、偉そうに。お兄さんが来て下さい」 京介「おー。別にいいぜ」 あやせ「うぅ、なんで背中に回るんですか…」 京介「あやせは細っかいなぁ」ぴと あやせ「お兄さんだって、結構痩せぎすです」 京介「そうか? 平均体重だと思うんだけどなぁ」 あやせ「背中に肋骨が当たってますよ?」 京介「いんや、これは俺のアゴだ」ごりごり あやせ「ちょっ、いたっ、いたくすぐったい!」 京介「ほれほれ」グリグリ あやせ「いたいっいたいっ! 乱暴しないでくださいっ、お兄さんの変態! シスコン!」 京介「シスコンは関係ないだろ。今は」 あやせ「嘘ばっかり、知ってるんですよ、っていたたた」ジタバタ 回想 桐乃「兄貴がさぁ、子供の頃、まだ仲がよかった時ねー」 あやせ「桐乃はもう大人なんだー。すごーい! お赤飯炊かなきゃ」 桐乃「背中にさ、あごをこうぐりぐりぐり~って」 あやせ「ちょっ、桐乃っ! やだもう、ちょっと痛いってば!」 桐乃「懐かしいなぁ。私がやっても兄貴には全然効かなくてさー」 あやせ「痛い痛い! (うーん、この子少しウザいわぁー) 回想 あやせ「って」 京介「くっ、桐乃のやつ、余所じゃそんなにデレてやがんのか。うちじゃおくびにも出さないくせに」 あやせ「そりゃあ、あれだけ過保護にされればデレますよ。お兄さん、桐乃にはベタ甘じゃないですか」 京介「なんでだろうなぁ。あいつ大人ぶってるくせに、変なところで拙いからこう、放っておけないというか、 逆に引き立ててやると面白いくらい上手くやるから、鼻が高いというか」 あやせ「恋人の前で妹にのろけないでください。デリカシーがないですね」 京介「恋人宣言来たわー。初めてじゃね?」 あやせ「じゃあなんですか? お兄さんは私が、恋人以外と、裸になって、後ろから抱きしめられるような女でも良いと、へぇー。なるほど」 京介「あやせ。お前は最高の女だぜ!」 あやせ「うるさい。死んでください。調子がいいんです、お兄さんは」 京介「ふぁーい」 あやせ「はぁ、なんかもう、お兄さんとお話していると、肩の力が抜けます」 京介「癒し系かな? マイナスイオンとか出てるんじゃね?」 あやせ「とか人畜無害なフリして、本当は早く続きがしたいだけなんでしょ?」 京介「そ、そんなことはないぞ! 今日はもう、このままお話して、帰ってもいい所存であるぞ?」 あやせ「そんなの、私が許しません」 京介「無理しなくて、いいんだぞ?」 あやせ「そのセリフ、そのままそっくりお返しします。おにーさん?」 京介「あ、おいっ」 あやせ「じゃあ続きしますね。もう何が何やら面倒くさいんで、一気に咥えちゃっていいですか?」はむっ 京介「ふあっ、ばかっよせよせっ」 あやせ「だいひょーふれす。わたひだって、歯ほ立へたら、いはいってことくはいしってまふ」 京介「あまがみだって痛いんだぞ……?」 あやせ「……」 京介「おいまさか…」バッ あやせ「ひはいまふぅ! ひはいまふっ! ぷはっ。 さっきは、お兄さん、咥えた後はどうすればいいか、教えてくれなかったじゃないですか。 もう、ぱぱっと教えて下さい」 京介「わ、わかった。ビックリしたぜ…」 あやせ(そんなに脆いところなんだ。気をつけよう) 京介「じゃあ、片手はその、空くだろ? どっちでもいいから貸してくれ」 あやせ「右手はお兄さんのをもつのに使いますからね。では、こっちを」 京介「よし。咥えてみてくれ」 あやせ「はい」はむっ 京介「(びくっ) そ、それでこう」はむつま。ちゅる あやせ(あぁっ…指に、お兄さんの舌が、這って……)ゾクゾクッ 京介「なんていうか、まあ、取り敢えずこんな感じに上下に吸い上げてくれ」じゅるっじゅるっ あやせ「は、ふぁい」ずるっずるっ 京介「う、いいぞ、動きはそんな感じだ。それで、できるだけ、口の中の空気を抜いて、密着させる感じ。こう、かな」ずるずるズルズルッ あやせ「~~~~!!」ゾクゾクッ 京介「あやせ…ちょっと、歯が当たって…」 あやせ「ふぁ、ふ、ふみません…」モゴモゴ 京介「で、後は、先っぽの、亀さんの頭の部分あるだろ?」 あやせ(ブホッ!) 京介「いっだぁぁぁ!!!」 あやせ「すみません! すみません! だだだ、大丈夫ですか!?」 京介(息を吹き込まれると、こうなるのか……)ヒクッヒクッ あやせ「あぁもう、私ったら、どうしよぅ。痛くなか、いや、痛いですよねつま。ごめんなさいお兄さん!」 京介「いや、いいよ…。気にするな、あやせ。亀さんはないよな…。俺も今思い返しても、ウケるわ……いだだ」 あやせ「ご、めん、なっ、さっ」クスクス あやせ「で、でもわかりやすかったです! 亀さんの頭! すごくそのまんまのかたちだったから、思わずっ…」クスクス 京介「お、おう、わかってくれたらいいんだ。ここはマジでカメ、アタマと書いて亀頭と言うんだぜ?」 あやせ「へー、無断な知識をありがとうございます。一生忘れません。うふふっ」 京介「んんっ、うん、それでだな」 あやせ「はいっ」ぱくっ 京介「そこをこう、舐め回すように」ベロベロ あやせ「んっ」くちゅくちゅ 京介「だいたい流れはこんな感じだな。あとは上下に嘗めながら棒の回りも、こう舐め回すしてやったり、な」にゅるにゅる あやせ(んっ、段々わかってきた…) あやせ(あ、そうだ) あやせ「お兄さん、ひもひいいでふか?」じゅるっじゅるっ 京介「んー」 あやせ「もう、尺然としませんね。ぶっちゃけ、気持ちいい箇所ってどこなんですか? (そもそも、主目的がそれなのに、ちゃんと気持ち良くなって貰わないとこまる)」 京介「いや、普通に気持ちいいよ? 初めてなんだし、そんなに気負わなくても」 あやせ「へぇー、また、息を吹き込まれたいんですか?」 京介「嫌なこと覚えたなお前…」 あやせ「お兄さんの為に聞いてるんですよ? 私はお兄さんに気持ち良くなって貰いたいんです」 あやせ(と、言うか、私が気持ち良くさせたいんだよなぁ。献身じゃなくて) 京介「うーむ……」 京介「そうだなぁ」 あやせ「お兄さんは、いつもどうやって、その…」 京介「マスターベーションしてるかって?」 あやせ「死んでください」 京介「大丈夫だぞー。まだ調子乗ってないぞー。あやせー。落ち着けー」 あやせ「あ、これは失礼。で、どんな風にしてるんですか? あくまで知識として、私に教えてください。 お兄さんの汚らしい脳みそで、変に、プレイに発展させることなく、純粋に知識として、」 京介「わかった、わかったから。お前の言いたいことはよーっくわかった。教えるから落ち着け」 あやせ「私の気持ちが伝わって嬉しいです。私はお兄さんに気持ち良くなって貰いたいだけなんですからね。 別にお兄さんに自分でさせて、悦に浸りたいとか、逆に私にさせて、どうこうとか、そんな気は毛っっ頭っっ、ありませんから」 京介「あ、でもあやせが普段どうしてるかは気になるな」 あやせ(はぁ…) 京介「わくわく」 あやせ「わかりました……。後で教えてあげますから、取り敢えずそれは後回しにして、今はお兄さんのことを教えてください」 京介「よしきたっ!」 あやせ(この人が素直で可愛いんだか、私がいつの間にか手綱つけられていいように、転がされてるのか…まぁいいか) 京介「いいけど、専門用語が飛び交うぞ? あやせの頭の中を汚すことになるけどいいのか?」 あやせ「今更何言ってるんですか…もう十分お兄さんに汚されてます」 京介「そこはかとなくエロいこと言うよな。あやせは」ビンビン あやせ「……もう、そちらの方は平気みたいですね。さっきのミスは御破算ということで」 京介「おう。端から気にしてないけどな」 あやせ「じゃあ、教えてください」 京介「うむ。まずだな、男の…なぁ、あやせ、こいつをどう思う?」ゆっさゆっさ あやせ「はぁ。すごく、大きいです」 京介「そうじゃなくてさ、なんて呼ぶか決めようぜ」 あやせ「ばっかじゃないですか?」 京介「名前が無いと不便だろ? ダンブルドア校長だってハリーにしっかり名前で呼べって言ってるぜ?」 あやせ「はー…じゃあ、『それ』」 京介「!」ビクンビクン! 京介(マジでイきかけるかと思ったぜ…) 京介「お、おし、じゃあ、俺が言う時は『コレ』な?」 あやせ「好きに呼んだらいいじゃないですか」 京介「まぁまぁ。でコレなんだが、男のコレの気持ちいいところは、先ずさっき教えた亀頭の部分だ。そして中でも出っ張ってる、ここ」 あやせ「底面の部分ですね」ツツーー 京介「そうだな。カリって言うんだぜ?」ビクビク あやせ「へーーそうなんですかー」 京介(興味無さそうだなぁ) あやせ(カリ。カリ。カリ) 京介「ところであやせ、話の腰を折るようだが」 あやせ「(カリ、カリ、カリ) なんですか?」 京介「なんか、俺の事を変態って言わなくなったな」 あやせ「はぁ…。お兄さんはそんなに私に変態呼ばわりされたいんですか?」 京介「い、いや、こんなこと真面目に解説するとなると、絶対一度は言われるかと思ってたんだが」 あやせ「私の方が聞いてるんですから、お兄さんを変態呼ばわりできる筈が無いじゃないですか…」 京介「そ、そうだよな。なんか、すまんなあやせ。俺の為に」撫で撫で あやせ「ちょっ、やめてください! 変態!」 京介「なんでっ!?」 あやせ「さっさと続き教えてください!」 京介「お、おう(なんで怒ってるんだ?)」 あやせ(この鈍感) あやせ「はいはいっ、で、後はどこが気持ちいいんですか?」 京介「あとはこっち、竿の部分だな。ここを、ちょっと手を貸してくれ」 あやせ「……」おず… 京介「こうやって握って貰って上下にしごいて貰うと気持ちがいいんだ」 あやせ「ちょっ…お兄さん。顔、近いです」 京介「0距離にしてやろうか」 あやせ「んっ…」 京介「ほら、手は止めるな」 あやせ「んっ…はぁはぁ」ちゅっ、くちゅ あやせ「お、お兄さん、つづきはっ…ん……」 京介「これで大体おしまい、どうやって気持ち良くするかはさっき教えただろ?」 あやせ「じゃあ、んん…ちゅっ、もうっ、なめさせれくらさいっ」 京介「そんなにコレ、嘗めたのかい?」 あやせ「んぅ、ちゅっ、なめたい、れす…」 京介「じゃあ、どうぞ」 あやせ「んっ、はぁはぁ」ぱくっ、くちゅ… あやせ(んっ、カリをっ舐め回すように…)じゅるっじゅるっ 京介「おお、うまいぞ。って、こんなこと褒められても嬉しくないか」撫で撫で あやせ(もう、この人は)クッ、クッ、クッ… 京介「うっあっ…あやせ、その引き、ヤバイ…」ビクビクッ あやせ(嬉しいに決まってるじゃないですか)ジュッポジュッポ…ジュルジュル… 京介「あやせっ、こっち、見てくれよ」 あやせ(あ、そうだった)ジィーー。 ズルっズルっ… 京介「うわーー、やべぇ。こんな可愛い子が」撫で撫で あやせ(頬っぺた触らないでよっ…集中、出来なくなる…) 京介「はぁはぁ、うわっ」ビクッ、ビクッ あやせ(お兄さんのコレ…凄い動いてる。それに、甘い声…。男の人のこんな声、初めて聞いた) あやせ「気持ち、いいですか?」くちゅくちゅ… 京介「言葉じゃ言えねーくらいな…」 あやせ(ふふっ、なんですかそれ…)チュルチュル… 京介「ヤバイいきそう…」 あやせ(えぇっ…どうしよう。私でイきそうなのはうれしいけど) 京介「あやせ、いったん、口、離してくれよ…」 あやせ(いっそのこと、イかせちゃうか。口で。そうしたら、後で手綱握り直すの楽そうだし)ぐちゅぐちゅぐちゅっっ! 京介「わっ! バカ! そんなんしたらっっ….くぅぅっっ!」 あやせ(ほらっイっちゃえっ。お兄さん)ちゅぅううううう… 京介「うっっぅ……はっっ!」びゅっ あやせ(あ、すごい、キたっ。お兄さん、イったんだ)びゅるっびゅるっ あやせ(すごい、口の中のいっぱい。臭い…むせそう。ダメだ、口の中いっぱいで飛び出そう)ごくっ 京介「おい、あやせ、むちゃするなっって…うわっ」 あやせ(お兄さんは黙って射精しててくださいっ)ちゅぅううう… 京介「も、出ねぇって…そのくらいでっ、うわっ」ビクンッビクンッ あやせ(はぁはぁっ…)ごくっ 京介「はぁはぁっ、うっ、はぁはぁはぁはぁ…」 あやせ「おにーーさん」とさっ あやせ「気持ち良かったですか?」 京介「お前……マジで強烈だな」 あやせ「ふふふ。全部飲んでしまいましたよ?」 京介「……はぁ」 あやせ(………)ぶるぶる 京介「ほらっ、トイレ行くぞ。ついていってやるから」 あやせ「す…みません……」 あやせ「うっっ、ぉえっ……」びちゃびちゃっ 京介「全く、無茶するからっ」さすさす あやせ「お兄さんっ、みっともないからぱんつ履いてくださいっっ、うっ、おぇっ」ゲロゲロゲロ… 京介「へいへい。1人できばれるか?」 あやせ「そんなわけないでしょっ! うっっぷ。履いたら直ぐ戻ってっ…おぇぇぇっ。きてぐださいっ。せきにんとって、」 京介「わかった、わかった。直ぐ戻るから死ぬなよ」 あやせ「もうしにぞうです…」 京介「諦めんなー。処女のまま死にたくないだろお前も」 あやせ「この、へんたっ、おぇっ」びちゃびちゃっ 京介「いやーー。すげえもん見ちゃったぜ」 あやせ「………歯磨いてきます。その間に、お兄さん、コンビニでモンダミン買ってきてください」 京介「リステリンでもいいか?」 あやせ「いいですけど、ちゃんとそれ用の買ってきてくださいね。黄色いやつはしみるし、意味ないから買ってこないでください」 京介「へいへい。口臭用のやつなー?」履き履き あやせ「いいから、とっとと、行ってこい!」どかっ、バタン! 京介「可愛いやつー」ふんふん♪ 京介「いやー、しかし運がいいのか悪いのか。まぁあやせにとっちゃ災難だったろうが」 京介「コンドームっててっきりホテルに売ってると思ってたら、やっぱりホテルのは高いのなー。ついでにコンビニで買えてラッキー」 京介「しかし、やっと一つ念願叶ったぜ。野郎の、コンビニ店員の前でドヤ顔して、コンドームをレジに置くとか。ずっとやってみたかったんだよなー」 京介「箱に爪立てたってゴムに穴はあきませんよーっとくらぁ」 京介「おーーい、あやせー旦那が帰ったぞー」 あやせ(いつかころす…) あやせ「お昼食べたものと再会しちゃいました」 京介「おう。災難だったな」 あやせ「お兄さんをいてこまして、手綱を握るつもりだったのに…」ブクブク…ぺっ 京介「おー、あれはマジでやばかったぜ? あのまま普通にされてたら、絶対お前の下僕になってたわ」 あやせ「私はそういうの、趣味じゃないんで、主従プレイとかは桐乃に頼んで下さい」 京介「あいつに従うなんて、真っ平ごめんだな」 あやせ「何言ってるんですか? 逆ですよ」 京介「はー? 俺が桐乃のご主人様に、なるのか? うわっあり得ねぇ…」 あやせ「お兄さんって本当に愚鈍ですね」ぺいっ 京介「なんだ? 歯ブラシ?」 あやせ「外で缶コーヒー飲んできたんでしょ? 歯みがいてください」 京介「へいへい…」 京介「そう言えばさー」シャカシャカ あやせ「はい? あ、このコーラ貰いますね。ま、まさか、飲用じゃないとか言わないですよね?」 京介「んなわけあるかっ!」 あやせ(ふぅ…良かった)プシッ 京介「そんで、さっきコンビニ行く途中でさ、高校のクラスメイトに会ってさー」 あやせ「へ、へぇー」ぐびぐび 京介「幼馴染の女の子なんだけど」 あやせ「……」グシャッ 京介「ばっばか、飲み物を粗末にするんじゃありません!」 あやせ「それで、何か聞かれたんですか?」 京介「いいや、特には、でも、やたら驚いてたなぁ。この辺は歓楽街とは言え、 俺が出てきた路地の先はラブホ街だったし、京ちゃんなんでそんなとこからっ! って、ビックリして涙目になってたわ」 あやせ(きょ、きょーちゃんー? というか、聞かれてるしっ) 京介「俺からしたらそいつがそこにいること自体が驚きだったんだけどなー。マジで何してたんだろ」 あやせ「聞かれてるじゃないですか」 京介「えっ、なにが?」 あやせ「そんなところで何してるかって、聞かれてるじゃないですかっ! このスカタン!」 京介「粗忽だなぁあやせは、そんなの、立ちションしてたって言っちまえば、それでもう、終いよ」 あやせ「そ、そんな嘘に」 京介「本当だって、ちょっと送れたのはそれが原因。普通に説教されてたわ。いくら男の子だからって、そんなところでおしっこしちゃだめだよーってさ」 あやせ「なんだかその幼馴染が可哀想になってきました…。それでぐるーっと回って帰ってきたわけですか?」 京介「そうだな。流石にそのままラブホ街に凸ったらバレるしな。でもコンビニで撒く(そんで、こっそりゴム買う)のは苦労したぜ」 京介「あ」 あやせ「はぁ…今度はなんです…?」 京介(よく考えたらあの店員、俺がこれから真奈美とヤるって思ってたんじゃないか…? ま、別にいいか) あやせ「でも、その幼馴染さんがウロウロしてるなら出にくいですね。ホテル」 京介「よし。いっそ泊まって行くか」 あやせ「お兄さん? ただでさえ未成年との不順異性交遊は犯罪なんですよ? お兄さんにしては随分デカく出ましたね」 京介「うっ、しかしだな、このまま帰るというのも、男としてどうかっていうな…」 あやせ「私とエッチしたいだけじゃないですか。お兄さんの男の概念って本当都合がいいですよね」 京介「あぁそうだ。俺はあやせを抱きたい」 あやせ「面と向かって破廉恥な事を言わないでくださいこの変態ロリコン」 京介「ロリコンではないぜ」 あやせ「中学生と、こういうことするのは、医学的にはどうあろうと、一般的にはロリコンなんです! お兄さんのロリコン! と言うか、変態なのは否定をしなっひゃっ」 京介「取り敢えずベッドにいこうぜあやせ」ヒョイッ あやせ「あーもうー、好きにして下さい…」ぐたぁ 京介「さっきは、あやせに良くして貰ったから、今度は俺があやせを気持ち良くしたいな」 あやせ「じゃ、じゃあ、取り敢えず脱がしっこしません?」 京介「そ、それは勝敗はどうやって決めるんだ!?」 あやせ「なんで、勝敗が出てくるんですか…意味がわかりませんほらっ、お兄さんも私のボタン筈して下さい」モソモソ 京介「つっても、お前は殆ど全裸じゃんかよ。全裸シャツ」 あやせ「……そそりませんか?」 京介(男は一回射精すると、趣味趣向が一気に変わるとは…流石に言えないな) 京介「お、おう、俺に脱がすために着てくれたんだな。男のロマンがわかるやつだ」アセアセッ あやせ「むぅ…」いそいそ あやせ「じゃあ、今度は私が教えるんですね?」 京介「ああ。頼む」 あやせ「えぇっとですね、お兄さんっ、手、手を貸してください」 京介「ほら (なんかやけに積極的だな)」 あやせ「むぅ、違いますね。あ、そうだ。先ずはキスしてください。雰囲気つくりです」 京介「おう。ほら」ちぅ あやせ「んっ……終わりですか?」 京介「えっ、いや」 あやせ「……まさかお兄さん」 京介「いやそんなまさかっ!」 あやせ「ほらっ、『ソレ』だって、さっきはあんなに大きかったのにっ!」 京介「ばっ、誤解だあやせ。多少のインターバルを挟めば復活するから」 あやせ「~~もうっ! それじゃダメなんです! 私は今欲しいんです!」はむぅ 京介「おい、やめっうぁ」 あやせ(ジュップジュップ、レロレロ…) 京介(うーんやっぱり上手いとは言え、素人の付け焼刃じゃ、イったばかりの息子さんを元気づけるには至らんなぁ) あやせ「もぅっ、なんで大きくならないんですかっ、変態のおちんちんのくせにっ」 京介「はうっ」ビクッ あやせ「?」 京介「な、なぁあやせ、もう一回言ってくれるか?」 あやせ「変態!」 京介「いや、そっちじゃない」 あやせ「おちんちん…?」 京介「そう! それだ!」 あやせ「うっわ、テンション高ー。まぁいいです。お兄さんが私におちんちんって言って貰って興奮する変態なら仕方ないですね」 京介「うーん、今のは惜しいなぁ」 あやせ「ダメ出しですか? こんな可愛くおちんちんへならせてるくせに…」ちゅう 京介「うっ」 あやせ「ほら、お兄さん、おちんちん気持ち良くしてあげますね…私の口、気持ちいいですか?」 京介「あぁ。ヤバイ…」ムクムクムクムク… あやせ「はい完成しました」ちゅるんっ 京介「お前やっぱり天才だわ」 あやせ「それじゃ、変態なお兄さんは、中学生の、私に、これから一体何をしたいんですか? させたいんですか?」 京介「そうだな、改めて、おっぱい触らせてくれよ」 あやせ「そういえば、まだちゃんと触られていませんでしたよね。さっき押し倒された時に申し訳程度に触れてくれましたが、遠慮してたんですか?」 京介「いや、キスに夢中で…あやせの唇、すげぇやわらかったから」 あやせ「な、なんで、こういう時だけ素直になっちゃうんですか、恥ずかしくないんですかっ?」 京介「お前も喜んでるじゃん」 あやせ「そりゃ、ちょっとは嬉しいですけど、それ以上に、童貞臭さが鼻について、って言いながら後ろにまわってるしぃっ、あんっ」 京介「今、すげぇ声あげたな」 あやせ「お兄さんが強引だから痛かっただけですっ!」 京介「嘘だろ?」 あやせ「嘘じゃありません!」 京介「なぁ、嘘だろ」ボソボソ あやせ「嘘じゃ…耳元で囁かないでくださいっ、気持ち悪いですっ変態っ…」ビクッ 京介「乳首転がされて思わず大きな声出しちゃったんだよな」ボソボソ あやせ「そんなっこと…」 京介「もう一回触って欲しいか?」 あやせ「……んっ」 京介「こんなまわりの柔らかい部分じゃなくて、一番感じるところ、触れて欲しいんだろ?」ボソボソ あやせ「…っっ…やぁ」 京介「あやせ」ベロ…ン あやせ(やっ、耳の中、舌入ってる…) あやせ「やっ、京介さんっ、耳っ…やっ」 京介「別に嘘でもいいんだあやせ。これは単なる御約束ってやつなんだよ。そうして欲しいんだろ? と俺が問う。 で、お前がただはいと答える。本当にそう思っていなくてもいいんだ。ただ、少しでも、続けて欲しい、身を任せてみたい。そう思うなら」 あやせ(はぁっ、はぁっ、もう無理…。私は……) 京介「あやせ、どうして欲しい?」 あやせ(もぅーー、イエス、ノーの問いじゃないじゃないですかっ、お兄さんのいじわるっ!) あやせ「乳首、触って…」 京介「良く言えたな」すっ あやせ「やっ、あっ、違うのもっと、つよくっ…」 京介「あぁ、こうか?」くりっ あやせ「んんっ! うっ、あぅ…」ビクッビクッ 京介「気持ちいいか?」 あやせ「気持ちっ、いいっ…」 あやせ「お兄さん、キス、キスしてください…」 あやせ「んっ、ちゅっ、くちゅっ…ふぁ」ビクッビクッ 京介「……」すっ あやせ「!!」くちゅっ あやせ(あ、やっと、やっと、お兄さんが…触れて…)くちゅくちゅ 京介「ここ触るのは初めてなんだ。痛かったら言ってくれよ?」 あやせ「(言えるっわけないっ) んっはい。大丈夫ですっ、もっとそ、外側の方を指で、 擦ってぇ…(ちょっとくらい痛くても) おにぃ、さんっ気持ちいいですっ」 京介「すげーな。濡れるって、言葉では知ってたけど、こうなるんだ。本当に水がびしょびしょ垂れてくるんだな」くちゅくちゅ あやせ「あっ、うぁー…お兄さん…乳首も…」 京介「あぁわかってるよ、お姫様」クリッ あやせ「~~~~!!!!」 京介「ほら、口がお留守だぞ。ちゃんと舌出せよ」 あやせ「ふあい、おにいさっ…んっくちゅれろ…」くちゅくちゅく…ビクッビクッ あやせ「お兄さん、もうガマン出来ないです…ねぇ、いれて、おちんちん入れてくださいっ…!」 京介「多分痛いぞ…すごく」 あやせ「ここに来る時にはもう、覚悟してきましたからっ!」 あやせ「今日は私、お兄さんに、京介さんに抱かれに着たんです。今更そんなことで、躊躇しないで」 京介「……」 あやせ「と言っても、これも御約束なんですよね? 本当は中学生のあそこに入れたくて入れたくて仕方がないんでしょう? いいですよ。お兄さんなら、許して、全部、あげます…」 あやせ「全部許してあげますよ? だからお願いっ…早く、お兄さん…ねぇ京介さん…きて?」 京介「あやせ……」 京介「……」 あやせ「……ダメです。そんな目でみないでください」 京介「……」 あやせ「なんで、こんな時にそんな優しい目で見るんですかっ? 私っ、ちゃんと覚悟したんです、今なら私とエッチできるんですよ? 私は貴方の恋人なんです。だからしていいんですっ! してください! 京介さん! ねぇ京介!」 あやせ「あっ…」 あやせ「やっ、京介のおちんちん、入ってきます……。ありがとうございますっ…。ちゃんとしてくれて、それでいいんです。全然オッケーなんです。 私っ今、さっきまで、凄い怖かったけど、もしかしたら、土壇場で、お兄さんが桐乃のこと思い出してやめちゃったらとか考えてて、 でもお兄さんは最後まで私のために躊躇ってくれて、だから、今は死んじゃいそうなくらい幸せですっ」 京介「あやせ……好きだ」 あやせ「京介さん…私も。私もお兄さんのこと大好きです」 あやせ「京介さんっ…おにぃ…さ…」 あやせ「……すごいですね」 京介「何がだよ」 あやせ「エッチってこんなに気持ちよくないものだとは思ってませんでした」 京介「う、俺が至らぬばかりに、嫌な思いさせちまったか?」 あやせ「いえ、そんな、京介さんは素敵でしたよ? 凄い素敵でした…ビックリすろほど最高でした。 ただ、やっぱり最後のあれだけは、慣れないとどうにも…」 京介「そう…だよなぁ」 あやせ「いいですよねー。京介さんは二回も気持ち良くなってイけたんですから」 京介「うっ、すみません」 あやせ「まぁいいです。本当、生きてた中でも指折りの時間でしたから…ふふっ」 京介「あやせぇ…」好きだぁ あやせ「ところでお兄さん」 京介「なんだよ? お兄さんに戻ったな」 あやせ「まだお名前で呼ぶにはお互い未熟でしょ?」 京介「そうだな。精進するよ」 あやせ「もぅっ、違います、お兄さんったら、そんなに私とのエッチが気持ち良くてぼけちゃったんですか? 何かお忘れではありませんか?」 京介「……あ」 あやせ「ダメですよー。いくらお兄さんにとって、世界で1番可愛いらしい女の子に今すぐ入れてっ! って、おねだりされたからって、そこはちゃんと、突っぱねて付けないと」 京介「あわわわわ…」血の気 サァーー あやせ「もしおめでたくなってら、しっかり責任とって下さいね。お父さん?」 完
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988 :Monolith兵:2013/06/11(火) 04 55 03 ※この作品にはTS成分が含まれています。ご注意ください。 ネタSS「俺の妹が○○○なわけがない!」 閑話2 都内にあるとある雑居ビルの会議室に50人以上の男女が集まっていた。部屋の中の机はコの字型に並べられていた。 「何故だ!何故こうなった!!」 コの字型に並べられた机の中心に座る壮年の男がそんな言葉とともに、拳で机を叩いた。 「黒猫と京介が別れる。これは運命の記述(ディスティニー・レコード)にも記されている防ぎようもない未来だった。故に、我々は何もしなかった。そして、黒猫は松戸に引越し桐乃と京介との縁は続くはずだった・・・。」 「しかし、黒猫、五更瑠璃の父親が陸軍中佐であることが全てを狂わした、と言うわけか。これが原作と現実の差と言うものなのか・・・。」 原作は平和な平成日本を描いた作品だった。しかし、現実は違う。一応平和ではあるが平成日本ほどではない憂鬱日本なのだ。そして、憂鬱日本では大日本帝国は存続しており、平成日本とは比べようもないほどの軍備を持っているのだ。故に、原作では平凡な会社員であった五更瑠璃の父親が陸軍軍人であっても不思議なことではなかった。 「「「なんで、黒猫がカリフォルニアにいるんだ!!」」」 それがMMJお礼網と部会のメンバーの偽り無い本音だった。 全員で合唱した後暫く無言の時間が続いた。それを打ち破ったのは、部屋の中に慌てて駆け込んできた高坂桐乃だった。 「申し訳割りません、遅れました。」 よほど慌てていたのだろう。いつもは読者モデルらしくビシッと決めている服はどこかちぐはぐで乱れていた。髪も縺れており、額には汗が光っていた。しかし、現役陸上選手らしくどれほど走ったのかは解らないが息を乱している様子は無かった。 「全員集まったようだから早速始めよう。」 机の真ん中に座る議長役を務める男が言った。それにメンバー全員が頷くと、一人の男が立ち上がり今回の事態の説明を始めた。 「今回の事態は、五更瑠璃は父親がカリフォルニア大使館駐在武官となった為に家族とともにあちらに向かった為起きたものです。それが解ったのが1週間前。しかし、今回の事態は我々は把握できませんでした。陸軍組も青天の霹靂だったようです。」 その説明に、陸軍士官の服装をした何人かの男たちが頷いていた。 「カリフォルニア大使館では、先月交通事故で駐在武官の一人が重態に陥り全治4ヶ月の重症に陥っています。下手をすれば障害が残るかもしれないと。そこで、代わりの駐在武官を急遽送り込むことになったのですが、それに五更瑠璃の父親が選ばれました。彼は家族とともにカリフォルニアに向かった為に、五更瑠璃は高坂京介に別れを告げざる得なかったようです。むろん、辻もとい桐乃さんの働きもあってのことですが。」 説明が終わったとたん、部屋の中がざわめき始めた。 「何故こんなことに。」 「偶然なのか?」 「いや、1週間も気づかなかったんだ。誰かが妨害工作を・・・。」 「静まれ!!」 ざわめくメンバーを議長が一喝した。 989 :Monolith兵:2013/06/11(火) 04 55 34 「それで、これは偶然なのかね?それとも何か作為的なものなのかね?」 「それには私がお答えします。」 議長の疑問に桐乃が手を上げて発言を求めた。議長は頷き、それを見た桐乃は立ち上がり説明を始めた。 「結論から申せば、今回の事態は作為的なものでした。その犯人も判明して既に捕らえております。・・・犯人たちの言う事を信じるならば、桐乃派による犯行であると思われます。」 その言葉に部屋は一瞬にして静まり返った。多くのメンバーにとって理解の範疇外の事であったのだ。 「何でだ!桐乃派は高坂桐乃の中身が辻政信であるとわかった時点で自然消滅したはずだぞ!!」 「いや、中身が辻ーんでも外見は桐乃だ。何も問題はない、・・・あるな。」 「妹でTSで腹黒で前世からの付き合いなのだぞ?・・・でも、ここまでの原作レイプは酷い。」 面メンバーの言葉は全て否定的なものであった。確かに桐×京を押すメンバーはいた。しかし、それは他のヒロインたちの背中を押す為のものであって、本気で中身爺たちの恋愛を見たいわけではなかった。それ以前に、中身はともかく身体は間違いなく血が繋がった兄妹なのだ。 「彼らの言い分を要約すると、『中の人などいない。』『きりりんは京介と結ばれたくて仕方ないんだよね。原作サイコー!』だそうです。」 桐乃の言葉にメンバーは頭を抱えた。どう考えてもそいつらは現実逃避をしているからだ。高坂桐乃の中身は辻政信で、日下京介の中身は嶋田繁太郎なのだ。そんな状態で、桐京のカップリングが成立するわけがないのだ。 「私たちはどうするべきかだが・・・。」 「私はしま、京介さんと共にカリフォルニアに飛ぼうと思います。そして、黒いの、黒猫を取り戻します。」 「そんな事出来るのか?辞令は本物だぞ?」 「駐在武官の家族までが現地に行かないといけない、と言う話はありません。生活基盤さえこちらである程度用意できれば可能性は高いと思います。」 メンバーの質問に次々と答えていく桐乃を見て、皆希望が見え始めていた。まだまだ俺妹の物語を見ることが出来るかもしれないのだ。 「我々陸軍組は協力を惜しまない。とりあえず、五更家に官舎を振り分けられるよう上層部に掛け合おう。それが駄目でも住宅費用の援助くらいならば可能だろう。」 「海軍としても生活支援を惜しみません。また、我々の方から五更父の代わりになる駐在武官を派遣できないか検証してみます。」 「我々民間組は飛行機の手配を行います。至急カリフォルニアにいけるよう長距離便を押さえておきますので、桐乃さんは京介君と共にあちらへ向かってください。」 「いや、ここは空軍に・・・、乗り心地は最悪だな。」 次々とメンバーが協力の表明を始めた。他にも学校・保育所への復帰や関係書類の作成などが決定された。 「桐乃君、必ず五更瑠璃を連れ戻してくれたまえ。私はあやせ派だが、黒猫がいないと俺妹は成り立たない。だから頼む!」 そう言って頭を深々と下げる議長、改め新垣衆議院議員だった。 「ええ。必ず取り戻してみます。彼女は私の親友ですし、その妹も私にとって大切な人で京介さんの前世の妻です。私たちには彼女たちが必要なのですから。」 それではこれで失礼します、と言い桐乃は退室した。 それを見てメンバーの一人が発言を求め許可された。 「桐乃派への制裁はどうしますか?」 「そうだそうだ!こんな原作レイプ許されないぞ!!桐乃が辻ーんだった時点で原作は崩壊してるけど・・・。」 メンバーは口々に桐乃派への制裁を主張した。しかし、それに対する答えに皆は戦慄した。 「ああ、そうそう。桐乃派ですが、私が既に処分しました。身包み剥いで借金漬けにして発展場に放り込んで肉便器にしておきましたよ。では、急ぐので失礼します。」 半開きのドアから顔だけをのぞかせた桐乃の言葉に、俺妹部会のメンバーは乾いた笑いを浮かべるしか出来なかった。 (*1)) その時メンバーの心はひとつになった。 おわり
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1330012485/421-425 「あたしは、あたしの夢を叶える。そんでもってあんたとも離れない。そう決めたの。文句があったとしても言わせない。絶対に、後悔はさせない。だから、京介。あたしに付いてきて」 いつか、聞いた台詞だった。無茶苦茶で、強引で、強欲な宣言。 あの時は、誰を相手に言っていたか。 「……エロゲーと同じぐらいに、か」 我ながら、このタイミングに相応しくない返しだと思う。 だが桐乃はその言葉を聞いて、「馬鹿じゃん」と呟いた。 「……エロゲーよりも、あんたが必要に決まってんでしょ」 そりゃそうか、と普通の奴が相手なら納得出来る。だが、言った相手が他ならぬ俺の妹だとすると話は別だ。エロゲー、エロゲーよりも必要だって言ったのか? あの桐乃が? 「…………」 俺を相手に? 「…………」 実感がまるで沸かない。というか、展開に頭がついていけてない。 今、こいつは何を言った? 俺になんて言った? 頭が真っ白になってしまっている俺の前で、桐乃はまるで全力を出しきったかのように息を大きく吐き、耳まで真っ赤に染めた顔で、ぷいとそっぽを向いた。 そして改めて、横目でこちらを見やる。まるで親の仇を見る様な強い輝きだ。 「…………」 「…………」 數瞬、お互いの間に沈黙が訪れる。やがて桐乃が口を開いた。 「で?」 「……で、とは?」 「…………」 俺を睨む瞳により鋭さが増した。視線で人を殺さんとばかり、俺を睨みつけて、 「あんた馬鹿? ちゃんと脳みそ入ってんの? 決まってんでしょ、返事。……答えなさいよ。言っておくケド、断る権利なんてあんたには無いから」 なんじゃそりゃ。 断る権利が無いなら、返事を聞く必要だって無いだろう。 ……いや、そうじゃないな。そうであったとしても、こいつは聞きたいんだ。俺の口から直接。長年、兄をやってんだ。そんぐらいは分かる。 だから、答えた。 「断る」 「な……ッ! な、なんで! つか断る権利無いって言ったじゃん、聞いてなかったワケ?」 「聞いてたっつーの。その上で、断るって言ってんだよ」 俺ははっきりと妹の目を見据えたまま、そう返した。 その俺の言葉を聞いた桐乃は、目を僅かに見開き、顔を伏せて「そっか」とだけ呟いた。 まるで、想定していたかの様に、桐乃は取り乱さなかった。コイツなりに、無茶を言っているという自覚があったのだろう。なんせ、これは一日二日の話じゃない。確実に人生に影響がある範囲での、要求だ。この高坂京介という男の人生を左右するレベルの、要求だ。 だから、当然断られるという事は、想定していたのだろう。 それでも。 親への説得。住む場所の確保。生活する為の貯蓄。断られるという前提では、無かったのだろう。これはコイツなりに、全力を出して俺を説得する為の準備だった。 俺を本気で、連れて行こうとしていた。 ……馬鹿な奴だ。俺が付いて行く筈がない事ぐらい分かっていただろうに。 「桐乃」 「…………」 「おい、桐乃」 「…………何?」 伏せたまま、顔をあげない。……構わない。聞いているのであれば、話を続ける。 「一つだけ、答えろ」 「…………」 沈黙。即ち、肯定。 「俺は、おまえの何だ?」 「……なにって」 伏せたまま、桐乃は言葉を紡ぐ。 「あたしの……大事な人?」 バッ……! 「こっ恥ずかしい事言ってんじゃねえ! そういうんじゃなくて、こう、もっと違う意味合いでの質問だ!」 落ち込んでいる時の桐乃は、いつもより扱いが難しい。なんて言うか変に素直というか、子どもっぽいというか、とにかく扱いに困る。こいつは偉そうで、生意気なぐらいがちょうどいいと痛感する。 「……?」 桐乃は分からないという言いたげに小さく首を振る。やれやれ。自分から切り出すと中々台なしなんだぜ。 「分かった。いいか、俺が答える。俺にとっての、おまえが何なのか……。耳をかっぽじってよく聞けよ?」 俺の言葉を聞いたのか、よく聞こうとしたのか、顔を上げる。目が潤んでいた。泣いていた、のだろう。よくも悪くも俺の胸の動悸が激しくなる。くそ、不意打ち過ぎる。 「おまえは、俺の妹だ!」 何度となく、言ってきた言葉。俺の本心からの言葉で、そして真実。 その言葉に、桐乃はまた顔を伏せようとする。 いいぜ、分かってんだよ、そういう態度をするって事をさ。 「お前は、俺の妹だ! ムカつくし、クソ生意気だし、傲慢だし、ワガママだし、蹴ってくるし、騒がしいし、正直一緒に居るなんて想像するだけでストレスマッハな、そんな妹だ!」 「……うっさい」 イラッときたようだな。よし、そんぐらいのおまえが、おまえらしい。 「でもな――」 そのクソムカツク、俺の妹に告げてやろう。 さあ、聞くがいい。これが、俺の汚らわしい本音だぜ! 「大事で大事で大事で、大事で堪らねえ、特別なんだよ、おまえは! 俺にとって、命にかえても守りきりてえ、そういう大事なヒトなんだよ、てめえは! 分かってんのか、さっきのおまえの台詞で、俺の心臓が止まりそうになった、死ぬんじゃねえかって思った、そんぐらいに心が高鳴ってんだよ、悪かったな、俺はな、てめえにトキメイた! ドキドキした、恋する乙女のように、おまえに惹かれちまったんだよ! ふざけんなよ、俺をこんなに気持ちにしやがって、この際だからいってやらあ、俺はなあ、シスコンなんかじゃねえ、兄貴なんて高尚な人間なんかじゃねえ! 妹だからってだけで、おまえを大事にしてきたんじゃねえんだよ!」 なんて、酷い言い草。 今まで大事に積み重ねたものを、俺はいま、ぶち壊している。 ああ、どんな暴言すら、受け入れよう。 「俺はなあ――、おまえが、大好きだぁあああああああああああああっ!!!!」 兄として、妹を大事にしてきた。それは、嘘じゃない。 でもさ。違うんだよ。俺はさ、自分の家に居る、このとても可愛い女の子を。 兄と妹の関係でもいいから、このとても可愛い女の子とずっと側にいたかった。 そんな、下心だらけの、兄失格な男なんだよ。 全てを、吐ききった。覆い続けた清らかな言い訳を、醜い本音で叩き壊した。 「…………」 桐乃は何も言わない。或いは言えないのか。 伏せられた顔は、ただ黙するのみ。 「…………」 「…………」 何も言うことが出来ない、そんな沈黙。 そもそも俺は何をしたかったんだっけ、と思考を働かせた所で、桐乃が口を開いた。 「キモ」 ……だよな。おまえならそういうだろうと思ってたぜ。 思わず苦笑してしまう。 「でも、あたしも充分キモいから」 「あん?」 訝しげに俺が桐乃を見つめると、いつの間にか顔をあげていた桐乃が不敵に笑む。 そして、静かに息を吸い込むと、彼女は言った。 「あたしだってねぇ! あんたのことが、」 そこで言葉を切り、かぁああ、と顔を真赤にして、顔を背けて。 「だ、大好きだっての」 そう付け足した。 「お、おま……」 そうやって照れられる方が破壊力たけえわっ! 俺を殺す気か!? そう俺がワナワナと震えていると、桐乃はこちらを横目でみやって、「つか」と続けた。 「あんたの主張は分かったケド、じゃあ、なんであたしの誘いを断るワケ? 意味分かんないだけど」 ん? ああ、あの事か。 「当たり前だろ。あんな誘い、断るっての」 全く、責任すら独り占めしようとすんだから、どんだけ強欲だっての。 「一緒に、行こうぜ桐乃。仕方ねえから、最後まで付き合ってやんよ」 「―――」 この時、桐乃がどんな顔をしてたって? そんなの決まってんだろ。俺の……なんだろうな? ……ああ、そうか。別に妹でいい。今は、まだ。 だから、この言葉で示させて頂く。 俺の妹が、こんなに可愛いわけがない。
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SS4 唯「りっちゃんのおでこってかわいいよねぇ」 律「か…かわっ!?なんだよ、藪から棒に…ってか唯、目がこええ」 唯「いやぁね、そのぴかぴかのおでこを見てたらどうしても触りたくなっちゃってね?どうか触らせていただけないかとですね」 律「そ、その手付きをやめろ!」 唯「まぁまぁ、減るもんじゃなし…ていっ!」ピトッ 律「ぬわー!やめろー!さーわーるーなー!」 唯「ぐふふ、ねーちゃんいいでこしてまんなぁ、つるっつるのすっべすべやで!」 律「だ、だからやめ…うぅ…」 唯「ねぇ…りっちゃん」 律「あ…?」 唯「おでこにちゅーしてもいい?」 律「んなっ…な、なに言って…」 唯「いいよね」 律「ちょ、唯、マジでやめ…」 唯「ちゅー♪」 律「……っ」 やわらかい唯の唇が額に触れたとたん、なにやら胸の奥がむずむずくすぐったくなる。 そしてお互いの体が密着していることにも気がついて…思わず、唯のブレザーの裾を掴んでいた。 律「おい唯…何考えてんだよ」 唯「ん?ただりっちゃんのおでこ、すべすべで気持ちいいから」 律「そ…そんな理由でこういうことすんなよ。…ばか」 唯「…りっちゃん」 律「!?」 唯にぎゅっと抱きつかれて、私の頭はぐらぐらと揺れるような感覚に襲われる。 普段は目立たないけどこうして密着すると確かな弾力を感じる胸。ストッキング越しに熱い熱を感じる太もも。首筋に当たる吐息… 普段は無邪気な唯にこんなにもドキドキするなんて、どうしちまったんだ私… 唯「ねぇりっちゃん…ちゅー、もっとちゃんとしよ?」 律「は!?ちゃんとって…!」 唯「ちゃんと…口で」 律「ばば、ばか、そんなのだめに決まってんだろ!」 唯「なんでだめなの?」 律「なんでって…そういうことは友達同士でするもんじゃないだろ!」 唯「私はりっちゃんのこと好きだよ?りっちゃんは私のこと好きじゃないの?」 律「いや、そういうこと言ってるんじゃなくて…」 唯「私、ホントのホントにりっちゃんのこと好きだよ。本気でキスしたいって思うもん」 律「唯…」 唯「…だから…して?」 …キスって、好きな人同士でするもんだよな。 …唯は、私のことが好き。そんで、私は唯のこと… 律「好き…」 そして私たちはキスをした。友達同士、そして好きな人同士で。
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大好きな人を想って ◆XUXOJJW/Zg 「うぇ……うぇぇ……あぁ……あぁあぁあああ!!」 暗い暗い夜の街の中で、一人の少女が肩を抱きながら、泣いていた。 執事服を完璧に着こなし、一見男の子に見えそうな少女は目を虚ろにさせながら。 耐えようとしても、耐え切れない身体中からわいて来るどうしようもない嫌悪感に、身体をただ振るさせて。 「どうして……ボクは……ボクは……ジロー……ぅ」 ただ、恋して、大好きになった人の名前を少女――――近衛スバルは呼んでいた。 どうしてこんな事になったのだろうと自問しても、答えなんて帰ってくる訳が無い。 訳も解からないまま、混乱していく中で、頭に響き続けるのは怨嗟の叫び声。 まるで見せしめのように死んでいった牧師達の苦痛に耐え切れないような絶叫がずっとリフレインしている。 耳の奥まで残り続けているあの声が、スバルには耐えられなくて、吐き気すらわいて来ていた。 地獄と、あの女の人は言っていた。 スバルはどんなものだろうと想像しようとして、出来る訳が無かった。 だって、こんな事は今まで経験した事が無いし、身に覚えが無い。 「嫌だ……嫌だ……帰りたい」 そうだ、帰りたい。 自分が過ごしていたあの日常に。 決まりで、男の子として高校に通っていた日々。 執事として勤めながら、その中で出会った少年。 スバルの秘密を知っていて、それでも仲良くしてくれていた少年。 困った時、助けて欲しい時に助けてくれた少年の顔が浮かんでくる。 とてもとても、頼りになって……本当に大好きでたまらない少年だった。 今は、ただ逢いたくて逢いたくて、とても恋しくて。 「ジローぅ……ジローぅ」 近衛スバルは、大好きな人の名前をずっと呼んでいた。 ただ、怖くて、怖くて。 どうしようもない哀しみと恐怖に身を振るわせ続けていて。 「…………バル、スバル! スバル!」 スバルの隣から呼びかけてくる声にも、反応する事が出来ない。 黒髪の美少女といってもいい、少女がスバルの名前を呼び続けているのに。 スバルは怖くてで、ずっと立ち竦んだままで。 「スバル! スバル!…………しっかりしなさい!」 どうしようもないまま、恐怖に心が支配されて。 ガタガタと身体から崩れ落ちそうになる、その時。 「しっかりしなさい!――――私の執事でしょう! スバル!」 その一言で、スバルはハッとした。 振り向くと自分の仕えるべきお嬢様が憮然と立っていた。 護るべき主人で、そしてなによりも大切な親友が。 「涼月の家の執事なのだから冷静になってもらわないと困るわ。ね? スバル」 親友――涼月奏が困った風にウィンクしていた。 そして、スバルはその言葉に落ち着き、思い出して行く。 あの女の人は主従で殺しあえと。 そして、自分の主人は奏だ。 ずっと前から約束していたのだ、彼女と。 彼女の傍にいて護ると。 そうだ、今、自分は一人じゃない。 一人では恐怖に震えるしかないけど、今は二人だ。 二人なら、奏となら、怖くない、頑張れる。 だから、スバルは 「申し訳ないです……お嬢様」 佇まいをただし、奏に言葉をかける。 もう、怖さで身を震わせることなど、なかった。 今は護るべき人の為に。 「いいえ、そこはありがとうよ?」 奏は謝罪の言葉に困った風に笑い。 お茶目に、スバルの言葉を正す。 スバルも、困った風に笑い。 「それは、失礼しました……カナちゃんありがとう」 大好きな親友の名前を呼んだ。 そして、その親友は今度は満面の笑みを浮かべて 「よろしい」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「それでは、お嬢様……とりあえずは人が集まりそうな所に行くという事でよろしいですね?」 「ええ……危険はあるけど、私達二人じゃ正直な話、なす術もなく殺されるだけよ」 スバルが落ち着いた後、二人は現状確認をしていた。 どうやら、知り合いは他に呼ばれて無いらしい。 その事にほっとしながら、とりあえず誰かを探そうという事になった。 殺し合いに乗る……というのは、スバルの性格を考えて奏は言わなかったし、何より無理だろう。 自分達は弱い少女でしかないだろう。 あの会場で、死んだ牧師のような実力者が参加者で居る事は容易に考えられる。 スバルも鍛えてるとはいえ、叶うレベルではないだろう。 だから、奏は、とりあえず、誰か同じ志を持つ人に助けてもらうと考えた。 それに、スバルも同調し、とりあえずの方針が定まった。 スバルの腰には支給された拳銃がささっているが、役に立つかは非常に疑わしかった。 自分達が住んでいた日本では拳銃を使うなんて事は無かったのだから。 まあ、無いよりはましかとスバルが持つことになったのだ。 「じゃあ、行きましょうか……そして、帰りましょう……待ってるでしょうしね」 「待ってる?」 「ジロー君よ、きっと寂しさに怯えてに違いないわ」 そして、二人はもとの場所に帰ることを誓う。 彼女達が好きな少年の元に。 「ええ、そうですね……帰りたいな……」 スバルが、そう呟いて。 二人は夜の街を歩き出したのだった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ボクは帰りたいなと呟いて。 それはきっと叶わないと思っていた。 だって、ボクは執事だから。 カナちゃんの事が大好きだから。 考えた見たことで、結局絶望しかない。 あんなデモストレーションみたいに、人が派手に死んで。 ボク達二人が揃って、生還できるなんて、思える訳が無い。 だから、ボクは考え、そして思い出した。 主従を入れ替えられる事を。 ボクが死ねば、カナちゃんは新たな従者をつけられる。 ボクより強い人が。あの牧師の様な人が。 ボクは執事で、カナちゃんには生きて帰って欲しい。 だから、ボクは決めた。 カナちゃんを護ってくれる従者を見つける。 それが、ボクがやるべき事。 カナちゃんは帰らなきゃならない。 だって、カナちゃんはジローの事が好きだから。 ボクの為に身を引こうとしたけど、そんな事させない。 僕の代わりにジローと幸せになってほしい。 だから、ボクは死んでも構わない。 だって、だって。 カナちゃんに幸せになってほしいから。 【B-6/街/1日目-深夜】 【従:近衛スバル@まよチキ!】 [主従]:涼月奏 [状態]:健康 [装備]:トンプソン・コンテンダー@Fate/Zero、起源弾×10、通常弾×10、背負い袋(基本支給品)不明支給品x3 [方針/目的] 基本方針:お嬢様を帰還させる 1:とりあえず人を探す。 2:奏に腕の立つ従者をつける。自分の命は捨てる覚悟 ※登場時期は七巻以降からです ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ そう、スバル。 貴方はジロー君の下に帰らなきゃならない。 だって、貴方は堪らないほど彼の事が好きだから。 そして、私は貴方の事が大好きだから。 考えた見たことで、結局絶望しかなかった。 一見しただけでも力を持つ牧師がいて、そんな強い人が派手に死んで。 私達二人が揃って、生還できるなんて、思える訳が無い。 だから、私は考え、そして思い出した。 主従を入れ替えられる事を。 私が死ねば、スバルは新たな主人をつけられる。 私より強い人が。あの牧師の様な人が。 私は彼女の親友で、スバルにはどうしても生きて帰って欲しい。 だから、私は決めた。 スバルを護ってくれる従者を見つける。 それが、私がやるべき事。 スバルは帰らなきゃならない。 だって、カナちゃんはスバルーの事が好きだから。 親友がやっとつかめそうな親友なのだから。 私の代わりにジロー君と幸せになってほしい。 だから、私は死んでも構わない。 その為に私の想いを誤魔化して、そして捨ててみせる。 だって、だって。 スバルには幸せになってほしいから。 【B-6/街/1日目-深夜】 【主:涼月奏@まよチキ!】 [主従]:近衛スバル [状態]:健康 [装備]:無し [方針/目的] 基本方針:スバルを生還させて見せる 1:とりあえず人を探す。 2:スバルに腕の立つ主人をつける。自分の命は捨てる覚悟 ※登場時期は、6巻以降からです。 前:運命の星夜 投下順に読む 次:そして1人しかいなくなった 前:運命の星夜 時系列順に読む 次:そして1人しかいなくなった 涼月奏 次:ある女の受難 近衛スバル ▲上へ戻る
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声 - 竹達彩奈 身長165cm、体重45kg、スリーサイズB82/W54/H81。 京介の実妹で、物語を引っ張る人物。中学2年生。ライトブラウンのロングヘアで、ピンク色のヘアピンをつけている。ハンドルネームは「きりりん」。兄と違って人目を惹き付ける美貌に恵まれ、ファッション誌の専属モデルとしてかなり高額の報酬を手にしている。また学力は県内でも指折りの優等生にして、陸上部のエースと非の打ち所がない。 本人も何が契機かはよく覚えていないながらも萌えアニメや男性向けの美少女ゲーム、特に「妹もの」を、成人向けか否かを問わずこよなく愛し、ニュースサイトを巡回して気に入った物を見つけてはモデルの報酬を使って衝動買いをしている。しかし世間の目が気になり趣味を分かち合う相手を得られず悶々としていたところ、兄に秘密を知られてしまい、不本意ながらも兄に相談を持ちかけることになり、その後京介をオタク趣味の世界へと引き込んでいく。表向きの生活と裏のオタク趣味の間は、どちらも不可分な自分の一部であるとして真剣に思い詰めており、作中では幾度かその板挟みに直面しつつも、決して一方を切り捨てないことを決意し、京介からその背中を押されることになる。かつては京介に対してほとんど無視に近い対応をとっており、その後も刺々しい言葉を浴びせ、腹立たしい時にはつい本心とは異なる言動を取ることもあるが、徐々に心を開いていく。京介のことを兄と呼ぶことは滅多になく、基本的には「あんた」だが、改まった時には「兄貴」、また最近では「京介」と呼び捨てながらも心情に変化が見られる。中学3年次のクリスマスで京介に告白されたが、もし告白されなかった場合は、自分から告白する予定だった。麻奈実とは小学生低学年の頃は京介を通して付き合いがあったようで櫻井の件があって以降は強く敵視していた。 卒業式の日に殴り合いの喧嘩にまで発展し、麻奈実からは「気持ち悪い」と罵倒された。 小学生のころはお兄ちゃん子であり、京介の幼少期の写真を集めて自身の収納スペースのアルバムにすべて保存していた。また、その時に未来の自分が京介みたいなヒーローになれずに落ち込んでいた時のために、励ましのメッセージをiPodに録音していた。 何事も一生懸命で、一度決めたことには全力で取り組むという努力家でもあり、小学生低学年時代は運動が苦手だったのを奮起して躍進したという経緯がある。その一方で想定外のトラブルに対しては非常に脆く、しばしば年相応の弱さを露呈してしまうという弱点があり、窮地に追い込まれてしまうことがある。また、父親似で口が堅く一度やるといった事はやる。現実とフィクションはきっちり区別する主義。食事の際は、話しかけられるとちゃんと答えるがそれ以外では基本黙って食べる。 俺の妹がこんなに可愛いわけがない
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215 名前:【SS】:2014/03/15(土) 00 26 42.65 ID zOv3MA0L0 俺の妹がこんなにエロゲーなわけがない~逆襲の秋美~ホワイトデー編 あの卒業式の日から2週間ほどが過ぎた。『約束』によって恋人期間を終了した俺と桐乃だったが、 その後の『人生相談』で、とりあえず恋人期間を延長することになった。 いきさつはまた別の機会に語る事にする。なにしろ今は――― ピンポーン 桐乃「誰か来たみたい」 京介「そうみたいだな」 桐乃「みたいだなじゃなくて早く出てよ」 京介「え~、桐乃と離れるのやだよ」 ピンポーンピンポーンピンポーン 桐乃「ば、バカな事言ってないで早く出ろっての!」 京介「へいへい」 俺は桐乃の部屋を出て階段を下りる。 くそっ、今日は親父もお袋もいないから、桐乃と二人きりで『お布団デート』を満喫していたというのに…………。 ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン! 京介「はいはい」 誰だ?こんな朝っぱらから……。鳴らし方からして宅急便の類いではなさそうだが……。 俺はドアをそっと開ける。 そこには――― ―――白クマがいた。 バタン!ガチャリ ドアを勢いよく閉じ、即刻カギを掛ける。 ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピンポーン!! 高橋名人ばりの連打と共にドアの向こうから、う~~~~が~~~~~~~~っ!という声が聞こえる。 間違いなく変質者である。よし!あやせに通報だ。 携帯を取りに戻ろうとしたところで更に叫び声が聞こえてきた。 秋美「人を呼び付けておいてこの仕打ちはなんだこらぁ!!!!」 京介「誰も呼んでねーよ」 秋美「呼ばれたんだよ!キミの!妹に!」 京介「桐乃~、白クマが来てるぞ。呼んだのか?」 騒がしいのが気になったのか、桐乃が玄関まで下りてきた。 桐乃「シロクマ?呼んでないケド?」 秋美「白クマじゃねーよ!フェレット!ホワイトフェレット!!」 わからん……。どう見ても白クマだろ、あれ。いつものくまさんが真っ白になっただけじゃねーの? ……まあどっちでもいいか。それより近所迷惑になりそうだから、そろそろ入れてやるか。 ガチャ 京介「入っていいぞ」 秋美「お…おじゃましまーす」 桐乃「なんだ、櫻井さんじゃん。いらっしゃーい」 秋美「よ、きりりん氏。」 桐乃「てゆーか櫻井さん、今日はシロクマなんだ」 秋美「だ~か~ら!ホワイトフェレットだっつーの!!そこ重要だから!」 桐乃「ふーん。で、なんでホワイトフェレットなワケ?」 秋美「よくぞ聞いてくれました!今日はホワイトデーなので、ので!本日限定特別仕様、ホワイトフェレット秋美ちゃんですっ♪」 相変わらず残念なヤツだ。つか、こんな格好で俺ん家来るのやめてくんねーかなぁ……。 とりあえず玄関じゃあれなので櫻井をリビングに通す。 秋美「とゆーわけで高坂、あたしにホワイトデーのお返しちょーだい(はあと)」 京介「なにが『とゆーわけで』だ。俺、バレンタインにおまえから何も貰ってねえじゃねーか」 秋美「バレンタインは寝込んでたの!キミの妹のせいで!」 そういやこいつ、桐乃の手作りチョコレートの特訓に付き合わされてたんだっけ。 あんなに食わされてよく生きて帰ってこれたな……と、感心するが―― 京介「それがなんでおまえにホワイトデーのお返しするって話になるんだ?」 秋美「どうせキミ、妹からラブラブ愛情たっぷりのチョコレート貰ったんでしょ!」 桐乃「ちょ!ななななに言ってんの櫻井さん!?」 秋美「まっずーい試作品を食わされ続け……意識が……遠のく中、チョコを作りながら 『京介喜んでくれるかな~』とか!『京介美味しいって言っ――」 桐乃「わーわーわーわーっ!!」 慌てて櫻井の口を押さえる桐乃。 ヤバい……嬉しくて泣きそうだ。櫻井がいなければ今すぐに桐乃をぎゅっと優しく抱きしめるのに……。 秋美「…………うぐっ!……このブラコンが!とにかく!キミが貰ったバレンタインチョコはつまり!あたしときりりん氏の合作なのだっ! だからあたしには高坂からお返しを貰う権利がある!」 京介「……ものは言いようだな。確かに桐乃のチョコはめちゃくちゃ美味かった!おまえの功績を少なからず認めよう。 だが……さっきも言ったけど、今日おまえには何も用意してないから、また後日あらためてって事でいいか?」 秋美「フッ。そんなことだろうと思ってキミにとびっきりのスペシャルなプランを用意してきましたー」 京介「ほう……」 櫻井の妄想プランは時々ぶっ飛んじゃいるが、男子高校生のツボは押さえていて実は密かに期待していた。 ……あ、俺もう高校生じゃねーや。 桐乃「櫻井さんの妄想って京介ばっかり得するようになってるよね。いつもあたしが損してる気がするんだケド……」 秋美「そこは心配いりません。なんたってホワイトデー限定プランですから!彼女さんに満足いただけること請け合いですよ!」 桐乃「でもなぁ……」 桐乃、なぜ顔が赤い……?それに櫻井、おまえの為のプランじゃないのか?桐乃を勧誘してどうする。 秋美「このプラン、他にも検討中の方がいまして、今お見送りされますと他の彼女さんに決まってしまう可能性もございますが……」 あほか……。なんだこの流れ……。それに、そんな不動産販売の決まり文句をパクっただけの勧誘に桐乃が食いつくわけ―― 桐乃「じゃあ聞く」 食いついただと?!…………まあいい。ツッコミたいのは山々だが、櫻井のプランが気になるし桐乃も乗り気のようなのでスルーすることにしよう。 秋美「それではいきますよー。じゃーん!その名も『朝から晩までお姫様デート』!」 京介・桐乃「ほう…………」 秋美「キミたちは『お姫様デート』と聞いてなにを連想するかな?」 京介・桐乃「……………………姫初め?」 秋美「ちげーよっ!!このエロゲ脳兄妹がっ!!お姫様つったらあれしかないでしょ!」 桐乃「もったいぶらないで早く言ってよ」 秋美「おっけ。ちなみに今回は秋美ちゃん視点になってるよん。では…………」 想像してみてください――― 俺は頭の中に桐乃をイメージしながら櫻井の妄想に耳を傾ける。 朝。まどろみの中、あたしは包み込まれるような温かさに目を覚まします。 ふと横を見ると彼の顔がくっつきそうなくらい近くにあります。どうやら腕枕をされていたようです。 あたしはその心地良さに彼の胸に顔をうずめて匂いを嗅ぎます。とてもいい匂いです。 すると彼も目を覚まし、あたしの頭をそっとナデナデしてくれました。 あたしは幸せいっぱいな気持ちになり、彼にぎゅっと抱きつきます。 京介「……………………」 桐乃「……な、なんか具体的だけど『お布団デート』と変わんなくない?それにお姫様は?」 秋美「焦るでないきりりん氏。まだまだこれからですぞ!」 桐乃「……わかった。続けて」 秋美「ほいほいー」 このままずっと彼に密着していたいところですが、寝起きの顔を見られ続けるのと、 お口のエチケットが気になるので、洗面所に行くと告げ部屋を出ようとします。すると彼が 『俺にまかせろ』 と、あたしを抱きかかえました。いわゆるお姫様だっこです。 桐乃「お姫様だっこキタぁ!!」 秋美「そうです!これが『お姫様デート』の所以、全ての女子の夢!憧れ!お姫様だっこです!」 桐乃「櫻井さん、続き続き!」 秋美「ういういー」 『今日はホワイトデーだから俺が連れて行ってやるよ。あと、してほしいことがあったら何でも言ってくれ』 お姫様だっこされたあたしは彼に 『絶対離さないでよね』 と言うと彼は 『ああ、絶対離さない』 と。あたしは彼にそっと抱きつき身を委ねます。 そして部屋を出て階段を下りていきます。一段一段ゆっくりと慎重に。 その度にあたしは彼の首に巻き付けている腕の力をぎゅっと強めます。 無事階段を下り終わり、洗面所までたどり着きました。 名残惜しいけれど、だっこから降ろしてもらい、洗顔をします。 そして歯磨きをしようとしたところで彼が 『それ……俺にやらせてくれないか?』 『え……?歯磨き?京介が?あたしに?』 『ああ』 桐乃「……こ、これはまさかあの伝説の――」 秋美「ふっふっふ。そうこれがあの伝説の『阿良々木兄妹の歯磨きプレイ』!!」 桐乃「うひょーーーー!!火憐ちゃんktkr!!!!すっごーい!櫻井さん天っ才!!!!」 秋美「とーぜんっ!ホワイトデーだけに歯をホワイトにするプランだぁーーーっ!!」 桐乃「早く次!次!!」 秋美「あいあいー」 『…………いいよ』 『じゃあおまえの歯ブラシ貸してくれ』 『えっと……あたしのじゃなくて……京介の、使っていいから』 『俺の?』 『べ、別に間接キスしたいとかそんなんじゃなくて!磨いてもらうからにはちゃんとして欲しいからさ、 いつも使い慣れてる歯ブラシで磨いた方が磨きやすいかなってゆーか…………』 『わかった。そういう事なら俺のを使わせてもらうぜ。でも本当に俺のでいいのか?』 『し、しかたないっしょ!今日は特別だかんね!』 京介「オタクってすげえな。俺には元ネタがサッパリわからねえが、『歯磨きプレイ』……超してえええぇぇぇえええーーーーーー!!!!」 秋美「ついに堕ちたな高坂ぁ!!さっそくあたしん家で『お姫様デート』しようよ!」 京介「しない」 秋美「なんでだよー!!超したいって言ったじゃんか!!」 桐乃「あ、櫻井さん!ちょっと待ってて!」 桐乃は櫻井の言葉をさえぎり、急いで階段を上がっていく。部屋に戻ったようだったがすぐに下りてきた。 桐乃「櫻井さん、これっ!」 きれいにラッピングされた小さな箱を櫻井に渡す桐乃。 櫻井「これは……?」 桐乃「バレンタインのチョコ作り手伝ってもらったお礼。ちゃんとおいしく出来たやつ食べてもらってないからさ」 櫻井「今日呼ばれたのって……これのため?」 桐乃「そ。……櫻井さん、チョコ作り手伝ってくれてありがとね」 櫻井「きりりん氏……」 桐乃「とゆーわけで、櫻井さん今日はおつかれさま。帰っていいよ」 京介「おう。櫻井またな」 櫻井「ちょ!ちょっと待ったぁ!!まさか君たち、あたしを追い返して『お姫様デート』するつもりじゃ……」 桐乃「しないよ?」 京介「しないぞ?」 秋美「う……う……うそだあああぁぁぁあああ!!!!高坂のばかーーーー!!!!こんちくしょおおおぉぉぉおおおーーーー!!!!」 ダダダダダダダダダダダダダダダダ バタン!! 断末魔の叫びと共に家を飛び出していく櫻井。 あんな格好の女の子が家から叫びながら出てったらまたご近所さんの噂になっちまうだろうが! そんな心配をしていた俺をよそに桐乃が、 桐乃「あんたさ、さっき歯磨きプレイの元ネタわかんないとか言ってたじゃん?」 京介「ん?ああ」 桐乃「しかたない。今からその元ネタのブルーレイ見せてあげるから、あたしの部屋いくよ」 京介「お、おう」 歯磨きプレイ……か。さっき櫻井の妄想は途中で中断されたから続きが気になるところではあるな。 そう思い、桐乃の部屋へ向かおうとリビングから出ようとしたが、言いだしっぺの桐乃がなぜか動こうとしない。 すると――― 桐乃「ん」 京介「ん?」 桐乃「だから!ん!」 京介「……どうした?」 桐乃「もう!なんでわっかんないかなぁ!」 京介「…………あっ」 俺は桐乃のそばまで戻り、ひょいと『お姫様だっこ』をしてやった。 桐乃「絶対離さないでよね」 京介「ああ。絶対離さない」 それから桐乃の部屋で、阿良々木くんと火憐ちゃんの歯磨きプレイを視聴した後、 俺と桐乃は少しだけ仲良くなったのであった。 ちなみに今日俺が桐乃のために用意したホワイトデーのお返しは、風呂上りの桐乃に開けてもらおうと風呂場の前で待っていたのだが、 予定より少し早く帰ってきた親父とお袋に先に開けられてしまい、その後すぐに家族会議が開かれた。 ~終~ ----------