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[30]教室(放課後) ミッションエリア([30]教室(放課後))/コメント [30]教室(放課後) エリア ステータス 出会う選手 ネコ:ユウサク 体力 EXP マニー アサルト ブレイブ カオス 30-1 -9 +9 120~240 【目的のためなら手段を選ばない】朱鷺戸沙耶(4) 【ソフトボール部次期キャプテン候補】笹瀬川佐々美(5) 【かなちゃんと呼ぶと怒る】二木佳奈多(5) クリーム 30-2 -9 +9 120~250 【影のない女の子は嫌い?】西園美鳥(6) 【喝!】神北小次郎(6) 【すごく年上っぽい】あーちゃん先輩(3) 30-3 -9 +9 120~260 【暴走!地獄のデビル姉御】来ヶ谷唯湖(6) 【不安】中村由香里(7) 【不思議テール2013王者】三枝葉留佳(7) ブラウン 30-4 -9 +9 120~270 【制服のまま寝る派】朱鷺戸沙耶(5) 【以後にゃーにゃーしか言えません】棗鈴(7) 【起きたらこんな体になってた最悪だ】井ノ原真人(7) 30-5 -9 +9 120~280 【トランクス派】棗恭介(6) 【喉が乾いたらハチミツ】上北小毬(7) 【なごみ2013王者】能美クドリャフカ(7) ダークイエロー エリアクリア報酬:5000マニー、マイスポーツドリンクハーフ×2 29_クドの部屋 << 30_教室(放課後) >> 31_校門 ミッションエリア([30]教室(放課後))/コメント 名前
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「そんな、どうして九曜さんが…」 「九曜さんの真意を、まだ僕らは把握できていなかったはずだよ。何か彼女なりの理由があるのだろう。 それより、なぜ喜緑さんが彼女の名前だけを伝えてきたのかが気になるね、そのまま名前を書けば済むと ころをわざわざ暗号という形にして」 俺は考える。雪山の古城でも、長門はただ扉の鍵を開けるのではなく、けったいな数式を提示してきた。 それも、俺たち4人の部屋に偽者まで出現させて。あの時の長門のように、喜緑さんにも何らかの負荷が かかっているんだろうか。 「もしくは、暗号そのものに何か意味を持たせているのかもしれない」 どういうことだ? 「さあね、このような形で情報が伝えられたことに、何らかの必然性があるんじゃないかと考えたまでさ。 僕は直感に長けているわけではないからね、もし意味があるとしたら、それを考えるのは君の仕事だ」 そんなこと言われてもな。正直、長門をあそこまで追い込むような奴に太刀打ちできるとはとてもじゃな いが思えない。裏技みたいなものがあるなら、教えて欲しいくらいだぜ。 「…仕方がない、少々不安ではあるが九曜さんには警戒するということにして、昨日君が言っていた長門 さんのマンションに向かおうか。何か手掛かりが残されているかもしれない」 警戒したところで何ができるってんだ? 俺はその思いを、口には出さずに飲み込んだ。 緊急事態が起こるたびに歩いている感のある道を経て、俺たちは駅から程近い高級分譲マンションの前に 立った。予想はしていたが、長門の部屋を呼び出してもインターホンに反応はない。だから俺は予定どおり、 タイミング良くマンションから出てきた老婦人に会釈しながら、ハルヒ式に玄関を突破した。 「君はもう少し良識のある人間だと思っていたんだが、僕の記憶違いだったかな?」 7階に向かうエレベーターの中で、佐々木がからかうように聞いてくる。言うな、俺だってあいつに感化 されたとは思いたくないし、今のはあくまで非常手段だ。こら橘、お前までそんな目を向けるか。人攫い をするような地下組織の幹部に、これっぽっちのことで非難される謂れはないぞ。 見慣れた7階の通路を、先頭に立った俺が部屋番号をカウントしながら進む。702、703、704… 「わぁ、いい眺め。あたし、昔から高いところって好きなんですよね」 なにも全力で脳味噌の軽さを主張することはあるまいに。こいつのこういうところは妙に憎めないから 厄介だ。もっと普通に登場してくれりゃあよかったんだよ。706、707、709…… えっ? 「おい、キョン!」 俺は唖然として立ち尽くす。少なからぬ思い出の詰まったあの708号室は、まさに部屋ごと、完膚なきまで に消失していた。 「嘘だろ…」 下一桁に4がつく部屋を外す建物ってのはよくあるが、まさにそんな感じだった。何度確認したところで、 707号室の隣には709号室しかない。俺はこの世界の歪みのひどさを改めて実感していた。 ハルヒ達の突然の転校といいその理由といい、やることなすこと無茶苦茶だ。きっと消えた部屋のことも 誰も疑問に思っちゃいないんだろう。指摘されてはじめてその不自然さに気付く、そういう風になってい るんだ。そんなことを考えながら、俺はふと709号室前からその先に続く通路を眺め…… 「ん? どうしたキョン?」 妙な違和感を覚えた直後のひと瞬きの間に、通路沿いの手すりが、ずらりと並んだ無数のカラスで埋め尽 くされていた。そして、そいつらは一斉に首を回して俺たちを―――見た。 俺になにか訊ねかけた佐々木が、後ろで小さく息を飲んだ。首筋がちりちりと疼き、こいつらがまっとうな 存在じゃないことを本能が全力で告げる。くそ、どこから湧いて出やがった。俺は佐々木と橘を背後に 庇い、じりじりと後退する―――刹那、先頭のカラスが甲高い声を上げ、黒い集団が俺たちに飛びかかっ てきた。 やばい! 咄嗟に両腕で顔を覆った俺の全身に、バシバシと音を立ててカラスがぶつかってくる。痛え、 くそ、息ができねえぞ、早く終りやがれ―――! 意識が飛びそうになる直前にふっと衝撃が止み、俺は カラスの第一撃を辛うじてやり過ごしたことを知った。ふたりは無事か、と後ろを見れば、佐々木を庇って 床に倒れ込んだ橘と目が合った。その目に二人の無事を確認した俺は、次いで空に目を向ける。 ―――いた。敵機に襲いかかるレシプロ戦闘機のような一糸乱れぬ単縦編隊で、カラスの群れは旋回運動 から2回目の突撃に移りつつあった。速い! 「へっ、わわわっ、うひゃあっ!」 間の抜けた橘の声がしたのはその時だった。そして、振り向いた俺は目を見張ることになる。橘の手の中に、 青白い光の矢が生まれていたからだ。 「それを投げろ、橘っ!」 慌てふためく橘に向かって俺は叫んだ。色も形も違うが間違いない、殺虫灯のような音を立てて橘の手の 中で光るこいつは、カマドウマの空間で古泉が使っていたのと同じ類のものだ。視界の隅で、黒い槍のような カラスの編隊が迫って来る。 「早く!」 「んんっ、もうっ!」 妙な掛け声とともに、橘の手から光の矢が放たれた。それは猛スピードで空を裂き先頭のカラスを貫くと、 後続を巻き込んで爆発。その爆炎の中から数羽のカラスが四方に散っていった。 「い、一体…」 悪いがそんな、私どうなっちゃったんですか? ってな顔で見られても俺には分からん。なぜお前に突如 としてこんな能力が芽生えたのか、いや、そもそもここは閉鎖空間ではないはずだ。じゃあ…ここは一体 なんなんだ? 俺は今どこにいる? 「キョン、考えるのは後だ。それほど余裕ができたわけではないらしい」 佐々木の目線を追って空を見ると、なるほど、新手のカラスが二手に分かれてこちらを目指していた。 一方は逃げ道を塞ぐ形で、もう一方は背後から。鳥類ごときが生意気な、カラスが頭いいってのは本当 なんだな…俺は橘の顔を見る。こいつに古泉のような能力があるのなら、試してみる価値はあるだろう。 「橘、ここから逃げるぞ」 「は、はい。でもどうするのですか?」 「飛べ」 「へっ?」 「いいから飛べ、考えるな、信じろ」 「そっ、そんな無理です!」 「おいキョン、ふざけている暇はないぞ!」 見れば、カラスの二重編隊がすぐそこまで迫って来ていた。頼むぜ超能力者、ここで一発決めてくれ! 俺は橘の手を取り、力いっぱい叫んだ。 「佐々木を守るんだ! やれっ、橘!」 「は、はいっ!」 返事をするが早いか、橘の体が青い光球に包まれ、ゆっくりと浮かび上がる。よし、いいぞ橘! 「佐々木、掴まれ!」 次の瞬間、俺たちはものすごい勢いで―――夕暮れの空に飛び出していた。 長門のマンションがあっという間に遠ざかってゆく。カラスごときが追いつけるような速度ではない。 耳元でごうごうと風が鳴っていた。見上げれば、遮蔽物ひとつないオレンジ色の空に切れ切れに雲が浮か んでいる。その光景を見ながら、ああ、きれいだな…と、俺は場違いな感動を覚えていた。古泉も、いつも こんな光景を見ていたのだろうか。だったらアルバイトとやらもそう悪くはないじゃないか、なんて 言ったら、 あいつは爽やかスマイルで延々と嫌味を吐き続けるんだろうな。 橘の反対側の腕にしがみついた佐々木も、ポカンとした顔で眼下に広がる街を眺めている。こりゃ珍しい、 こいつのこんな顔なんて、めったに拝めるもんじゃないぞ。携帯で一枚撮っておきたいところだが、あい にくと両手が塞がっちまってる…なんてことを考えていた俺を、橘のひと言が現実に引き戻した。 「あの、これってどうやったら曲がるんでしょう…」 進行方向を見れば、駅前デパートの壁に吊るされた「春の奥様大感謝フェア」という緊張感の欠片もない ピンク色の垂れ幕が、ありえない速度で迫っていた。 「強く念じりゃ勝手に曲がるんじゃないのかよ!? 何とかしろ!」 「そ、そんなこと言われても、う~ん、曲がれ曲がれ、曲がるのです!」 「全然変わってないぞ! 下手糞! お前それでもエスパーか!」 「なっ、あなたが煽って発動させたんでしょう!? 無責任です!」 「お前高いとこ好きなんだろ! 自分の好みには自分で責任持てよ!」 「お、おいキョン、やばいぞ…!」 我に返って前を見た俺の視界一杯に、ピンク地に白く染め抜かれた「奥様」の2文字が広がった。 「うわあああああああああっ!」 全くの無意識だった。俺の生存本能がそうさせたのかは分からない、全くの無意識のうちに手が動き、 俺は橘の顎を強く押し上げて無理矢理に上を向かせていた。 「ぐきっ」という嫌な音がしたのと同時に青い光球は急上昇に転じ、デパートの壁面ギリギリをかすめて 屋上に飛び出すと―――シャボン玉のように割れ、消えた。 「いやーっ!」 「うわあっ!」 「はひゃっ!」 ん、ひょっとして最後のは佐々木の声だったのか? さっきのポカンとした表情といい、今日は貴重なもん が見聞できたな…夕焼け空を走る飛行機雲をぼんやりと見つめながら、俺たちは屋外劇場のテント屋根に バウンドした後、その下の生垣に落下した。 生垣から、キョトンとした表情の佐々木の顔が生えている。その右に同じく橘の顔も。ふたりとも髪の毛に 頬に額に、木の葉をぺたぺたと貼り付けている。お互いの目が合った。そして… 「ぷっ」 「くっ」 「くくっ」 3人同時に吹き出した。口をついてこぼれ出た小さな笑いは、やがて衆目を集めるくらいの大爆笑に変わ り、それにも関わらず俺たちは大声で笑い続けた。涙で滲んだ目に、俺を指差して笑う佐々木の顔が映っ ている。一息つこうと息を吸い込んでも、ふたりの顔を見た瞬間に次の笑いが込み上げてくる。こんなに 心底笑ったのはいつ以来だろう、横隔膜が破けちまいそうだ―――結局、俺たちは警備員の爺さんが すっ飛んでくるまで、飽きることなく笑い続けていた。 その場で絞られただけで済んだのは、佐々木の模範的な謝罪と、ひょっとしたら有名進学校の制服が もたらした効果もあったかもしれない。幸いなことに、青い飛行物体の目撃者もいないようだった。気の 抜けた顔を並べて、俺たちは飲み物を片手に屋上のベンチに腰掛けていた。 「いくら緊急事態だったとは言え、女の子に掌底を放つのはいかがなものかと思うよ、キョン」 いや、悪い。本当に無意識のうちに体が動いてたんだ。橘もそう睨むな、ジュース奢ってやっただろ。 「まだちょっと痛むんですよ。ジュースくらいで済むと思ったら大間違いなのです」 「だが驚いたね。君の話では、ああいった能力は限定された状況でなければ本来発動しないんだろう?」 最大の謎はそこだった。かつて2回だけ見た古泉の超能力者っぷりは、ハルヒの閉鎖空間とカマドウマの 異空間という、この世ならざる状況においてのものだった。詰まるところその謎は、今俺たちがいる世界 の成り立ちそのものへの疑問に行き着くことになる。 「認識を改める必要があるのかも知れないね。ここは本当に単なる改変世界なのか、それとも…」 情報が少なすぎるせいだろう、さすがの佐々木の言葉も歯切れが悪くなっている。だが一方で、俺は安堵 にも似た気持ちを覚えていた。橘の能力があれば、最悪あの九曜とやりあう羽目になったとしても、やり方 次第では何とかなるんじゃないか? と――― ピュイーーーーーーガーーーーーヒューーーーーー 無線通信のシーンにうってつけに思えるSEが突然響いた。俺と橘の視線が、音源である佐々木のブレザー のポケットに集まる。そこから取り出されたのは、例の黒いポケットラジオだった。やがてラジオはノイズ 混じりの、途切れ途切れの音声を流し始めた。 「藤・・・・・今いる世・・・・震源・・・・・の生み・・・・変世・・あると我・・・・・ 閉・・・・・ースにし・・・・不安・・時空だが・・・世・は我・・・来に繋が・・・ない。 よって・・・・・ンである・・サルベ・・・・・断層突破・・・・・みる。 TP・・・・上応用・・・・ある・・・・・界の・安定・・・・成功率・・・・高・・・・・・ ただ・・・・破の障害・・・・・いる。障・・・除し、その世・・・盾の部・・向・・・」 それだけを流すと、一方的にラジオは沈黙した。ちなみに最初から最後まで、ボリュームスイッチはオフ のままだ。いつの間にか鞄からノートを取り出した佐々木が、聞き取れた部分だけを書き写していた。 「さて、どう思う?」 「男性の声ですね。一番最初、藤原って言ってたように聞こえたんですけど…声も似ているのです」 「僕も同感だ。このメッセージは、恐らく藤原君からのものと見て間違いないと思う。それと途中で聞こえ たこのサルベ…という部分だが、サルベージと言いたかったんじゃないのかな」 あのいけ好かないパンジー野郎が俺たちを救助しようとしている? ぞっとしない考えだ。 まてよ、奴はああ見えても時空移動者だ。いつ、どこにいる藤原からのメッセージだ、これは。 「事ここに至っても藤原君からのアクションがないのは不自然だと思っていたが…橘さん、彼に連絡を とることは可能かい?」 「それが…すみません、彼も九曜さんも、連絡先を一向に教えてくれないんです。何かが起こる時は事前 にそれを知っていたかのように、向こうから連絡があるのですが」 ふむ、と考え込んでメモを睨んでいた佐々木だったが、やがて顔を上げ、 「キョン、橘さん。申し訳ないが、僕は一足先に帰宅してこのメッセージを落ち着いて見直してみようと 思う。ちょうど塾も終る時間であることだしね。何か分かったら、明日の集合場所なども込みで今日中に 連絡しよう。今日はいろいろあったが…くっくっ、まあ楽しかった。それでは」 そう言って席を立ち、デパートの中に消えていった。残された俺は橘に話を振り、万一九曜と対峙する 事態に陥った時のためにあることを試し、意外にもそれが実行可能であることを確認した。 せっかく喜緑さんが九曜の名を事前に教えて下さったんだ、やれることはやっておかないとな。 その夜。 制服がボロボロになった件を誤魔化すのに一苦労したものの、それ以外には特に変わったこともなく、 時刻はそろそろ8時を回ろうとしていた。疲れ具合からすればすぐにでも眠りに落ちそうなものだったが、 あれだけのことがあると却って神経が高ぶってしまうようで、俺はベッドの上で雑誌を読みながらその 高揚を鎮めようとしていた。と――― コツン。 何だ? 窓ガラスに虫でも当たったんだろうか。俺は視線を雑誌に戻した。だが、 コツン、コツン …コツン。 いよいよおかしい。恐る恐る窓を開けた俺は、家の前の街灯の下に立つ、佐々木の姿を認めた。 「どうしたんだこんな時間に。このあたりも最近は物騒になってきてんだ、ひとり歩きはやめとけ」 上着を羽織ってこっそりと玄関から抜け出した俺は、そういって佐々木の無用心さを嗜めた。佐々木は俺の 注意をどこ吹く風で受け流し、手の中の小石をもてあそんでいる。 「くくっ、君が僕なんかを心配してくれるとはありがたい限りだ。そう心配するな、明るい大通りを選んで 来たんだ、そのへんに抜かりはない」 「そうは言ってもな、大通りからウチまではけっこう距離があるぜ。何かあったら俺がたまらん」 「君の家のそばなら、いざの時に大声を上げれば君が駆けつけてくれるだろ? …なんて顔をしてるんだ、 冗談だよキョン。それより、ここまで来たのは他でもない、例の藤原君からのメッセージの一部が判明 したのでね、君の意見を聞こうと思ったのさ」 「そんなこと、それこそ電話一本で済むじゃないか」 俺の言葉に佐々木は空を見上げて、今日は月がきれいだったからね、散歩も悪くないと思ったのさ――― と、端正な顔に柔和な笑みを浮かべて、俺に視線を戻した。 家から程近い公園のベンチに座り、佐々木はノートを広げながら俺に解説してくれた。要約すると、 ・藤原が俺たちのサルベージを考えている、あるいは既に試みている。 ・理由は、この世界が彼の未来に繋がっていないからである。 ・サルベージの成功率は高い。 ・だが、どうやら障害が存在している模様。 以上の4点となる。あのノイズだらけのメッセージから、よくこれだけの情報を拾ったもんだ。俺はこの 世界に佐々木がいてくれたことに対して、心から感謝していた。 「重要なのは、この『障・・・』から始まる最後の文節だ。ここだけは、文章を構成する上で必要な条件 が比較的残っていたからね、まわりの文脈からの憶測も含めて、完全に復元することができた。恐らく、 藤原君からのメッセージはこんな文章で締め括られていたはずだ」 佐々木はノートの一点を指す。そこには――― 『障害を排除し、その世界の矛盾の部屋に向かえ』 矛盾の部屋? いちいち謎かけみたいな言葉を使いやがって。くそ、顔を思い出したら腹が立ってきた。 「キョン、ここからが君の類稀なる直感力の出番なんだよ。いや、むしろ見方によっては、君は既にその 答えにたどり着いてさえいると言えるかもしれない。くくっ、全く大したものだよ」 佐々木、お前まで花畑野郎みたいな言い方をするか。分かったよ、降参するから正解を教えてくれ。 「長門さんのマンションで、突然カラスが現れた時のことを覚えているかい?」 あの時は確か…何気なく先の通路を眺めて、気がついたらカラスが並んでいやがったんだよな、うん。 「そこだよ。まさにその通路を眺めた時、君は一瞬だけ難しい顔をしていただろう。君がああいう顔をす るのは、沸き起こった違和感を起点に何らかの事実に行き着いた時だ。昔からそうだった」 違和感…そういえば、カラスどもの出現に気をとられて忘れちまってたが、確かにあの時何かがおかしい と俺は感じていたはずだ。それは一体何だ? 「あのマンションの7階では、708号室だけが消えていた。ちなみにあの建物は、1階から9階までの フロアは全て16部屋で構成されている。ロビーにあった住居表示で僕が確認済みだ」 そのヒントで俺も気付いた。16部屋で構成されたフロア、消えた708号室、通路で感じた違和感――― 「そうか、一部屋消えちまったってことは、あの先には本来存在しないはずの717号室があるのか」 「君が感じた違和感の正体はそれだ。また、君が部屋の存在を直感的に見抜いた瞬間にカラスの群れが 現れたことも偶然ではあるまい。矛盾の部屋とは、あの通路の先にある717号室。そして障害とは、あの カラスもしくはそれを操っている存在のことさ。ひょっとしたら橘さんが障害の一部を取り除いたことで、 藤原君のメッセージを受信できたのかも知れないね」 前に佐々木は言っていた。この世界の綻びは、必ず元の世界に通じていると。なるほど、そういうことか。 だがどうする。あそこに近づいただけで、またあのカラスどもに襲われるぞ。無限に湧いてくるような 気配もあるし、大挙して襲い掛かられたら橘でも持たんだろう。どうやってあの部屋に近づくんだ? 「簡単さ。連中が増える前に、橘さんの背中に乗って真っ直ぐ突っ込めばいい。カラスなんかより よっぽど速いよ、彼女は」 あいつのフライトスキルを思い出してげんなりする俺を、佐々木が可笑しそうに見つめた。 その後。 ひとりで帰るという佐々木を制し、俺は部屋着のままママチャリを漕いでいた。佐々木を荷台に乗せて。 あろうことか、こいつは歩いて俺の家まで来たらしい。軽く30分はかかるだろうに物好きなことだ。でも… 佐々木の言うとおりいい夜だった。銀色の月は遥かな高みにあり、夜の世界を覗き込むように輝いていた。 「懐かしいな、この場所からの眺めは」 ―――そうだな、もう1年と少し経っちまってるからな。 「僕の指定席に、その後誰かを乗せたのかい?」 ―――ハルヒと長門を、一回だけな。 「ふうん」 ――― ……… 「今日はいろいろあったな、キョン」 ―――橘の超能力に未来人のメッセージ。ずいぶん進展したんじゃないか? 「ああ、世界にかかった鍵をひとつ開いた気がするよ」 ―――ありがとな、佐々木。 「え?」 ―――お前がいなけりゃ、たぶん駄目だった。 「くくっ、君のそういうところ、変わってないな」 ―――お前も変わってないぜ、一年前から何もな。 「…キョン」 ―――なんだ? 「人が変わらずにいられるのは、数少ない奇跡のうちのひとつだと、そう思ったことはないか?」 ―――そうか? 俺はガラリと変わっちまうことの方が難しいと思うけどな。 「いわゆる多重人格のことを、乖離性同一性障害というだろう。これは、同一の人格だと周りが認識 できない程に、人格が乖離してしまった状態を表した言葉だ」 ―――聞いたことがあるようなないような。 「だが、僕らの人格の同一性を一体誰が保証してくれるんだ? 朝起きた時の自分が、昨日の自分と 全く同じであることを、僕らはどうやったら認識できる? そんなことは不可能だ」 ―――そうかもな。 「そんな夜を何百回と越えてなお、僕は再会した君と、以前と全く変わらない感覚で話すことができた。 これはもう、立派な奇跡だ思うんだ―――だからね、キョン」 ―――ん? 「やっぱり君は僕の、親友なのさ」 俺は、佐々木の儚げな温もりを背中に感じながら、月明かりに浮かぶ坂道を下って行った。 15-477「キョンと佐々木の消失」-1 15-696「キョンと佐々木の消失」-2 16-94「キョンと佐々木の消失」-3
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製作者:alw 佐々木幸奈(ささきゆきな) 性別:女 年齢:17歳 身長:158cm 体重:48kg 一人称:私 二人称:あなた、あんた、貴様など 学年:聖乙女学園 高等部2年Z組 所属:クルセイド学園騎士団 聖乙女学園駐留部隊「鉄の拳」 正騎士 聖乙女学園に通う女生徒。クルセイド学園騎士団の聖乙女学園駐留部隊「鉄の拳」の正騎士。隊長の白虎寺烏丸に信頼された部下であり、白虎寺烏丸に付き従っている。能力は催眠術であり、この力によって更正プログラム前に相手を倒し、白虎寺の駒を増やしている。本人の能力は低いが白虎寺から信頼が厚いのはこの能力のおかげである。 だが、彼女が白虎寺に付き従うのは、白虎寺が裏で動くことで彼女が動きやすいからである。彼女の目的はSRC島の支配であり、その方法として手っ取り早いのがクルセイド学園騎士団の乗っ取りであった。そのために、白虎寺が自分の手駒を増やしていく一方で、自分自身の手駒も密かに増やしている。 能力は先述の催眠術であり洗脳なども行うことが可能。彼女が行える催眠は即効性の高い洗脳催眠と持続性の高い洗脳催眠を使い分けることができるが、どれも更正プログラムよりは中途半端なため、定期的に催眠をかけなおさないと冷めてしまうという欠点を持っている。フェイティアは杖であるが、こちらも特別力を持っている物ではない様である。 佐々木幸奈 幸奈, ゆきな, 女性, 人間, AAAA, 160 特殊能力なし 142, 144, 148, 150, 170, 160, 超強気 SP, 50, 集中, 1, ひらめき, 1, 挑発, 12, かく乱, 22, 奇襲, 30, 自爆, 38 OSC_0000_9213.bmp, -.mid 佐々木幸奈 佐々木幸奈, ささきゆきな, (人間(佐々木幸奈専用)),1,2 陸, 4, M, 5800, 160 特殊能力 性別=女性 攻撃属性=夢 夢=解説 夢干渉 現実世界と意識世界の狭間に存在するモノをとらえる攻撃。 3500, 200, 700, 70 AACA, ori_gedohoh_101.bmp 傀儡催眠, 0, 1, 1, +30, -, 20, -, AAAA, +99, 浸憑L2精 杖 , 1000, 1, 1, +0, -, -, -, AAAA, +0, 武 佐々木幸奈 回避, おっとっと 回避, どこを狙ってるのやら 回避, アハハ、甘いね 回避, どこへ狙うつもりだったのやら 回避, こんぐらい避けなくちゃね ダメージ小, へぇ…… ダメージ小, まぁ、こんぐらいか ダメージ小, 弱い攻撃ね ダメージ小, こんぐらいで満足かな? ダメージ小, 駒としては弱いわね ダメージ中, なっ、なかなかやるわね ダメージ中, 少しはできるじゃないの ダメージ中, これ以上はまずいかな…… ダメージ中, 暴れ回るんじゃないわよ ダメージ中, 調子乗ってくれるじゃないの ダメージ大, ちょっと待って!待ちなさいよ! ダメージ大, こんなの聞いていないわよ! ダメージ大, なんでこんな目にあっているの! ダメージ大, 許さない!絶対に許さない! ダメージ大, 絶対にあんたを私の駒にしてやる! 破壊, 私の夢が、こんなところで…… 破壊, なんで、こんなことに…… 射程外, ちっ、届かないか 射程外, 私としたことが…… 攻撃, さて、いきますか 攻撃, 少しお相手になりましょうか 攻撃, 攻撃は趣味じゃないんだけどね 攻撃, 容赦しないで行こうか 攻撃, まぁ、頑張って行きましょうか 攻撃(対哲憲波歌音), おや、元隊長さん。私に何か御用かな? 攻撃(対哲憲波歌音), あなたのやり方は古いんです。私達に任せてくれませんか 攻撃(対佐藤恵子), モブ隊員はこれ以上は必要ないんで、お引き取り願いましょうか 攻撃(対犬坂明菜), おや、引退した方が私に口出しですか? 攻撃(対犬坂明菜), 部外者は引っ込んでいてくれませんか。今は私たちの時代なんです 攻撃(対ファントム・ソード), ちょっ!?ファントム・ソード!?なんでこんなところに……!? 攻撃(対ファントム・ソード), 聞いてない!こんなヤバイ集団がこんな場所に出てくるなんて聞いてない! 攻撃(対木戸島悟志), 随分と自信があるみたいで面白じゃない。やってあげようじゃない 攻撃(対木戸島悟志), 能力抜きでやるじゃない。私の手駒にしてあげるわ 攻撃(対津軽野廉也), なんて強固な意思、これが不良なの!? 攻撃(対津軽野廉也), こうなったら実力行使よ!力で屈服させようじゃないの! 攻撃(対アンドレアス=サンダルフォン), なっ、なんで仕返し屋がこんなところにいるのよ! 攻撃(対アンドレアス=サンダルフォン), わっ、私はただ手駒……じゃなくて仲間を集めてただけで、けして悪い事じゃないのよ! 攻撃(対マクシウス=ネーヴェルザーゲン), ちょ!?狂乱のマクシウスがなんでこんなところに現われるのよ!? 攻撃(対マクシウス=ネーヴェルザーゲン), わっ、私死にたくない!手駒を利用して逃げないと! 傀儡催眠, 私の本領はこれよ 傀儡催眠, ふふふ、私の駒になりなさい 傀儡催眠, これで、あなたは私の物よ 傀儡催眠, ふふふ、もらったわ 傀儡催眠, おやすみなさい。私の可愛い捨て駒さん 傀儡催眠(対白虎寺烏丸), 副長、今までありがとうございました 傀儡催眠(対白虎寺烏丸), 後は私がうまくやりますのでゆっくりしていてくださいね 傀儡催眠(対木寺祐理), さてと、ここからは私の駒になってもらいましょうか 傀儡催眠(対間由宇), あなた自身よりも後ろに入る何か。それを頂きましょうか 傀儡催眠(対堀田理亜), さてと、ここからは私の駒になってもらいましょうか 傀儡催眠(対九条空), 九条先生を駒にしておけば後々便利になりそうね 傀儡催眠(対有栖川鏡), 召還系は大本になる人間を従わせれば楽でいいのよね 傀儡催眠(対有栖宮札), 笑っていられるのも今のうち。私の駒になりなさい 傀儡催眠(対岩倉光子), まぁ、財閥のボンボンだから役に立つときが来るでしょう 傀儡催眠(対厳柳院志津乃), 厳柳院さんの能力も使えるし、しっかりと利用させてもらいましょうか 傀儡催眠(対西宮路顕子), あなたを駒にずっとしたいと思っていたの。この機会を嬉しく思うわ、西宮路さん 傀儡催眠(対沼田芳子), 聞こえないなら遠慮なく駒にさせてもらうわよ 傀儡催眠(対白道蓮華), まぁ、能力は噂程度にしか聞いてないけど利用させてもらおうかしら 傀儡催眠(対馬越礼愛), はっきり言うとあんたのことが嫌いなのよ。いいから駒になりなさい 傀儡催眠(対馬越礼愛), いい子ちゃんぶっていて大嫌いだけど、しっかりと駒にはなっていただこうかしら 傀儡催眠(対木戸島悟志), 弦で似たようなことできるみたいね。でも、私のは技術抜きで簡単にできるのよ 佐々木幸奈 傀儡催眠(準備), - 傀儡催眠(攻撃), 音再生 Snap(E).wav 傀儡催眠(命中), ダメージ 傀儡催眠(クリティカル), @戦闘アニメ_ユニット変色発動 黒 相手ユニットID BeamCoat.wav 杖, 杖 指定アイコン パイロットアイコンは、それも私だ様のOSC_0000_9213.bmpを、ユニットアイコンは外道王様のori_gedohoh_101.bmpを指定させていただきます。 自由記入欄 ここから先は、何かを追加したいときに追記する欄です。 何か追加したい設定がありましたら、作者以外の方もご自由にお書きください。
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「佐々木を動物に例えると………猫だな」 「なんだい突然」 「いやなんか電波がな」 「で、どうして僕が猫なんだい? そんなに自由主義ではないつもりだが」 「まあな。 うちの猫のイメージから持ってきただけなんだが、不快にさせたならすまん」 すると佐々木は目を細めて 「くっくっ……。 別に不快ではないけどね。 少しばかり矛盾があると思ったのだよ。 それはそうとキョン」 「なんだ」 「猫に発情期があるのは知ってるかい?」 「うちの猫はないみたいだがな」 「キョン、君が僕を『動物に例えると猫』と言ったことを後悔させてあげようか」 「え?」 がばっ、と佐々木が俺の体にのしかかる。 「え? ちょ、佐々木」 「言っただろう、猫には発情期があるんだ。 僕はもう……ね」 気づくと、佐々木の顔はもう眼前にあった。 わっふるわっふる .
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長かった梅雨もようやく終わり、夏本番がいよいよ近づいて来た7月の初めのことだった。 放課後、一人で先に文芸部室に向かい、扉を開けるとそこには先客がいた。 「ミャア。」 小さいが、元気そうな声で鳴く、掌に載せられるような子猫。 何でこんなところに、子猫がいるんだ?どこから入り込んだ? 子猫は俺の顔を見ても、逃げ出す様子もなく、むしろ何か催促するようにミャアミャア鳴いて、俺の傍によって 来た。よく見ると、こいつは三毛猫のようだ。純粋かどうかわからんが、毛並みはそれっぽい。 困ったな、何かこの猫にやる物はないかな。 俺が考え込んでいると、ふと視界に冷蔵庫が飛び込んできた。最近、佐々木の親戚から貰った2ドアの中古品だが、 氷も作れるし、物は冷やせるし、便利なものだ。ディスカウント店の安売り開店セ-ルに、国木田と並んで買ったオ- ブントースタや単機能電子レンジと並び、我が文芸部の三種の神器となっているが、その中に、アイスコ-ヒ-を作る ために買っていた牛乳が入っていたはずだ。 だが、待てよ。子猫に牛乳はまずかったんじゃなかったかな。何か昔そんな話を聞いたような、、 とりあえず、牛乳を取り出そうと思い、冷蔵庫の扉を開けると、そこには子猫の絵がついた紙袋があった。 俺が首をかしげながら袋をあけてみると、そこには子猫用の餌と思しきキャットフードが入っていた。 ふむ。俺はそう呟く。 この状況から想像するに、この子猫は入り込んだのではなく、誰かが部室に連れてきたのだ。昨日は猫はいなかった。 佐々木は俺と一緒に朝登校したので、俺と佐々木は除外。となると、長門か朝倉か国木田だが、まあ、国木田は考え にくい。 となると、長門か朝倉だな。二人がきたら聞いてみよう。 そんなことを考えていると、佐々木が部室へ入ってきた。 「キョンお待たせ、、、ん?どうしたんだい、その子猫は?」 さあな。多分長門達が何か知っていそうだが、聞いてみないことにはわからん。 「ふうん。それにしても可愛い子猫だね。」 そう言いながら、佐々木は子猫を静かに抱き上げ、何度か頭をなでると、今度は机の上に置き、指を動かして子猫をじゃれ させ始めた。 猫じゃらしを追いかけるように、子猫は佐々木の指を追いかけ遊んでいる。そんな様子を見て、佐々木もご機嫌になったのか、 歌を歌いだす。佐々木の好きな洋楽の、題名は忘れたが、たまに口ずさむ曲。 微笑みを浮かべ、子猫をあやす姿は、まるで子猫の母親のようだ。 気がつけば、俺も一緒に佐々木と子猫を遊ばせていた。 その後長門がやって来て、話を聞くと、子猫はやはり長門が連れてきたものだという。一昨日の夕方、長門がマンションの駐車場 で見つけたのだという。どうやら、誰かが捨てていったらしい。そうでなければここまで人になついてはいない。 長門のマンションではペットを飼うには許可がいる。しかも市の条例で、ペットの飼い主は届け出をしなければならない。 とりあえず、その日は少し餌をあげて立ち去ったのだが、子猫は次の日も同じ場所にいたらしい。 このままだと、捕まって保健所に引き渡される可能性もあったので、学校に連れてきたらしい。 だけど、結局問題は何一つ解決していないのである。 で、それからどうなったか? 結論から言えば、その子猫は俺が引き取ることになった。 遊んでいて情が移ってしまったのか、それとも佐々木にうまく言いくるめられたせいかわからんが、まあいいだろう。 長門が喜んでくれたんで、良しとしよう。 喜んだのは長門だけでなく、我が妹も大喜びだった。なんでも猫がほしいーなと思っていたそうで、そこに俺が猫を連れて 帰ってきたので、妹ははしゃぎまわっていた。 おい、妹よ。おもちゃじゃないんだから、生き物はもう少し丁寧にあつかえよ。 ところで、この子猫、三毛猫だろうと書いたが、どうやらそのようで、しかもオス猫だった。 佐々木に昔、三毛猫の雄は大変珍しいと聞いたことがったが、ひょっとするとこいつは文芸部の幸運の招き猫になるかも しれんな。、 ただ、その幸運の招き猫候補に、我が妹が”絶対これがいい”と言って付けた名前は”シャミセン”という、猫にとって はとんでもない悪い名前だった。
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~佐々木のフラグは折られない~ 橘「佐々木さん!!」 キョン妹「来るか!佐々木……!」 キョン妹「フラグクラッシャーはお前にキョン君を渡したくない一心で発現した 能力だ………………! 近づいて来いッ!フラグを立ててみろッ!何本立てられる? この私のキョン君をもっと誘惑してみるがいい! その限界のギリギリさが再びきっと!!フラグクラッシャーを発現させるのだッ!」 藤原「佐々木!フラグを立てろ!あいつへのフラグを折らせるなッ!」 キョン妹「いいや限界だッ!折るねッ!『今だッ!』」 ドーーンッ 九曜「-情報操作 ーーーーー彼女のーーーー動きを止めたーー」 キョン妹「このクソアマどもがァーーーーーッ!!」グッ 佐々木「やれやれ、間に合ったみたいだね……」 佐々木「『キョン、海に行かないか?』『キョン、だから水着を買いにいこう』 『どうかな、似合ってるかな、キョン///』…etc」 佐々木「そしてフラグは立てられる」 キョン妹「うげあああああーーーーーーーーーーっ!!!!!!」 キョン「………おまえらは何をやってるんだ」
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橘「キョンさんの弱点を見つけたのです!」 佐々木「へえ。どんな?」 橘「まずですね、お化けが怖いみたいなんです! 遊園地のお化け屋敷で、私の手を握ってきたんですよ。 しかもこっちに視線を合わせずに。きっとお化けが怖いのです」 橘「あと、料理が下手なのです。 この間、キョンさんの家で、一緒に料理を作ったんですが、カレーも上手く作れないんですよ。 仕方がないので、私が作ってあげたのです。お母さんに感謝されたのです」 「カラオケに行ったときに分かったのですが、歌が下手なのです。ラブソングなんて唄うからです」 「赤い水着が好みみたいです。一緒に遊んでいる間、あたしが着てた水着をじっと見てたのです」 「UFOキャッチャーが下手なのです。 うさぎのキーホルダーを取るのに、1千円くらい使ってたのです。 しかも、それをあたしにくれたのです。興味がないのに取るという不思議な行動をするのです」 橘「あとあと、」 佐々木「まだ・・・・・・あるの?」 橘「これは重要ですよ? 彼、妹さんに駄々甘なんです。 この間、家にお邪魔して帰るときに、 「また、遊びに来てくれ。妹が会いたがってる」 なんて言ってるのです。 まあ、私も妹さんとはお義姉ちゃんと呼ばれるほど親しくしていますので、明日あたりキョンさんの家に行こうと、 ・・・・・・佐々木さん? 何で怒ってるんですか?」
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夏休みも終わり、まず、新学期が始まり、最初に学校で行われた事は、テストである。夏休みの間、勉強していたか どうかの学校側の確認作業みたいなものだ。 「今の君なら、大丈夫だよ、キョン」 佐々木の言葉通り、中学時代の俺とは違う。落ち着いて、試験は受けられた。まあ、これも佐々木がいてくれるから こそ言えるセリフだが。 試験の結果は、満足のいくものだった。俺は、学年上位十番内に入っていた。 「大したものだね、キョン。君と一緒に塾に行っている僕としては、実に嬉しいことだ。君の御母堂も、さぞ喜ばれ ているだろう」 佐々木の言うとおりで、母親は非常に喜んでいる。そして、例の口癖。「佐々木さんと同じ大学に」が、最近では「 絶対同じ大学に行きなさい」に変わってきた。 俺自身も、最近では努力すれば、佐々木と同じ大学に行けるのではないかと考えるようになった。まあ、どんな進路 を選ぶかで行く先も変わるだろうし、そこに佐々木が学びたい物と俺が学びたい物が存在するかどうか、保証の限りで はないが。 ちなみに、成績一位は佐々木、二位は国木田、三位は長門、四位は涼宮、五位が俺と古泉(合計点数が同じだった) で、六位が朝倉と、文芸部とSOS団で成績上位を独占する結果になった。 試験が終われば、次は体育祭がある。秋は何かと忙しい。体育祭の後には、すぐに学園祭もあるのだ。 学校側も過密日程を考慮して、来年からは体育祭を五月に移す方向で検討しているらしい。まあ、受験とか考えたら 妥当な判断だとは思う。 我らが文芸部も、学園祭に向けての準備は着々と進んでいた。文芸部の部誌の原稿も大分書き上がっている。先日長 門が書いた恋愛小説を読んだが、素晴らしい出来栄えだった。頭もいいが、文才もあるようだ。 「それじゃ、みんな、今からペアを組んで」 クラス委員長の朝倉の指示に従い、男同士、女同士でペアを組む。 これはクラス対抗騎馬戦のペアであり、男女入り乱れてハチマキを取りあう競技だ(ただし、暗黙の了解で、男は男、 女は女で取り合う用になっているが) さて、ここで、一つ問題が発生する。うちのクラスは、男女とも生徒の数は奇数である。するとどういうことになるか。 「まあ、ここはキョン君と佐々木さんが組むのが一番いいわね」 どうしても、男女とも一人ずつ余るわけで、朝倉はさも当然と言う様に、俺と佐々木のペアを決めた。 「さすがだな、キョン」 国木田とペアを組んだ、谷口がニヤニヤと笑っていたが、一発殴っておいた方がよさそうだ。 「君となら、誰にも負ける気はしないよ」 佐々木はそう言って笑った。 クラス対抗と言うからには、当然相手がいるわけで、それは委員長同士がくじを引いてくることにより決まる。 体育祭実行委員会の会合の席に各クラスの委員長が集合して、くじを引く。その結果は…… 「我がクラスの対戦相手は、一年九組に決まりました!」 朝倉の報告に、少しばかり頭が痛くなった。 言うまでもなく、涼宮と古泉がいるクラスだ。 「やれやれ」 あいつらと対戦することになるとはね。 学校の帰り道、俺の後ろから声をかけてきた奴がいて、振り向いて確認すると、それは古泉だった。 「今、お帰りですか」 ああ。今日は文芸部も早めに切り上げたんでな。 「佐々木さんは一緒じゃないんですか?」 佐々木は今日塾があるから、先に帰ったよ。お前こそ涼宮と一緒じゃないのか? 「涼宮さんは今日は用事があるそうで、授業が終わって早々と帰られました」 なるほどな。 俺と古泉はそんなことを話しながら、まだ少し夏の名残が残る街中を歩いていった。 「今日は僕がおごりましょう」 何故か俺と古泉は喫茶店にいた。 歩きながら話しているうちに、ゆっくり腰を据えて話したいと古泉が言いだして、俺達は喫茶店に 入ったのだ。 「最近どうだ、涼宮とうまくやっているか?」 夏休みの合同旅行で、古泉と涼宮が一緒にいる姿は実にお似合いのカップルに見えた。常々俺は思う のだが、涼宮には古泉のような男がふさわしい。冷静さと、うまいこと涼宮と付き合える心の広さを 持つのは古泉以外いないだろう。 「どうなんでしょうかね。一番涼宮さんといる時間が多いのは僕ですが、あなたと佐々木さんのような 信頼関係はまだまだですよ」 中学時代から友人であるというのは、俺と佐々木と一緒なんだがな。 「なぜなんでしょうね。ただ、信頼関係を築くというのは、接触時間が多いだけでは出来上がるものでは ありませんから」 確かにお前の言うとおりだよな。 「ところで、話は変わりますが、体育祭のクラス対抗騎馬戦、僕とあなたのクラスとの対戦になりましたね」 ああ。お前たちと対戦することになるとは思わなかったよ。 「僕のクラスは男女とも奇数なんで、男も女も一人づつ余りましてね。それで僕と涼宮さんがペアを組むこと になりました」 ・・・・・・ちょっと待て。お前たちのクラスも?おまけに古泉と涼宮のペアだと? 「ええ、そうですが」 俺はかなり妙な顔をしていたようだ。 「どうかしました?」 いや、うちのクラスもお前のところと一緒でな。男女が一人づつ余ったんで、俺と佐々木がペアを組むことに なったんだ。 「それはそれは。すごい偶然があったものですね」 全くだ。何者かによる陰謀でもあるのかね。 「まあ、でも、涼宮さん、かなり張り切っていましたよ。あなたのクラスと対戦が出来ると聞いて、喜んでまし たが」 その言葉に、俺は一抹の不安を感じた。涼宮が張り切ると、ろくでもないことになりそうな気がしたからだ。 「そういえば、体育祭ではクラブ対抗リレーというのもあるそうですよ。こちらは参加希望のクラブだけですが」 まさかそれにSOS団もエントリーしているんじゃないだろうな。 「していますよ。鶴屋さんから話を聞いて、すぐに申し込みに行かれました。SOS団の宣伝になる、ということで」 ・・・・・・古泉、つくづくお前も苦労するな。 後日。 佐々木よ、今、何と言った? 「キョン。僕らもクラブ対抗リレーに出場しよう」 放課後、文芸部室で、佐々木が俺にそう言った。 「涼宮さんに申し込まれたんだよ。『私たちが出るから、文芸部も出なさいよ』ってね」 ・・・・・・いらんことに人を巻き込むな、涼宮め。 「で、どうする、キョン?」 結局俺たち文芸部も、クラブ対抗リレーに出ることになった。意外に長門と朝倉が乗り気だったからだ。 国木田にも話して、五人一組のりレ―で俺達は走ることになった。 今年の体育祭、忙しくなりそうである。
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あーりんだよぉ 佐々木 彩夏(ささき あやか、1996年6月11日 - )は、日本のアイドルであり、アイドルグループ・ももいろクローバーZのメンバー。 愛称は、あーりん。 神奈川県出身。スターダストプロモーション所属。 イメージカラーはピンク 自己紹介 お肌のお手入れ (キュキュッキュキュー) あーりんのほっぺは? (プニップニー) プニップニ~?ピチッピチでしょ! (ピチッピチー) ちょっぴりセクシーでおちゃめな、ももクロのアイドル あーりんこと佐々木彩夏です! ももクロ夏のバカ騒ぎ WORLD SUMMER DIVE 2013.8.4 日産スタジアム大会 LIVE Blu-ray ももクロの子供祭り2013~守れ! みんなの東武動物公園 戦え! ももいろアニマルZ! ~ LIVE [Blu-ray]
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佐々木さん、星占いはお好き? の巻 ~中学3年時代~ キョン「お? 珍しいな佐々木、お前が星座占いの本を読むなんて。 てっきり佐々木はそういうの、非合理的だとか言って興味を示さないと思ってたぜ」 佐々木「とんでもないよ、キョン。占いとは長年の英知の集積なのだよ。僕は非常に高い敬意を払っているさ」 キョン「そうか、佐々木も女の子なんだなあ。相性占いとか気になる奴でもいるのか」 佐々木「何を言ってるんだい。僕は君以外に特段相性が気になる異性などいないし、 第一、そういう興味を持って読んでいるわけではないよ。占いそのものの結果など、 ナンセンスとしかいいようがないね。僕の興味は別にある」 キョン「それ以外に何が面白くて占いの本なんぞ読むんだ?」 佐々木「いいかねキョン。 人間とは全く係わりのない星星の運行、しかも、たまたま地球という星の、 さらに恣意的な観測位置における他の天体の動きが、人の相性に何の意味を持つものかね。 僕が興味があるというのは、そうした全く意味のないものに意味を付与する、 いわば宗教的な「まやかしの体系」創設の努力であったり、 占い師がどうやって顧客の信用を勝ち得たか、なのだよ。 言ってみれば「占い」ではなく、「占い師」の方に興味があるんだ」 キョン「そ、そうか」 佐々木「考えてもみたまえ。根底にある星座の動きやら亀甲の割れ方やら水晶の輝きやらに 意味がないとして、それをもっともらしく見せ、顧客の信用を得るというのは、 逆にとてつもない高度な人心操作能力だとは思わないかね。 占いの歴史すなわち、人心掌握術の歴史であるのだよ。 街角の占い師など特にそうさ。気づかれないよう顧客から情報を引き出し、 どちらともとれる発言で顧客の意識を誘導し、しかも「うそつき」呼ばわりされぬよう、 言質は与えない。 まさにプロフェッショナルと呼ぶにふさわしい鮮やかさじゃないかね、キョン」 キョン「おいおい……」 佐々木「もちろん、占い師の「聞き上手」という点が、それだけである種のカウンセリング的な 効能があることは認めるよ。特に精神科を頻繁に利用する習慣のない文化にとっては、 きちんと話を聞いてあげ、それらしいアドバイスをするだけでも、十分な意義はあると思うんだ。 ただ、それは彼らの本領ではないしね。 僕が興味があるのは、たとえばこの本のように、不特定多数の人間、それも星座や血液型といった 意味のないカテゴリーで分けた不特定多数の人間に、どうやって 「彼ら・彼女らが望むような答えを破綻なく、かつ適度な曖昧さを以って発信するか」 というテクニックなのだよ。 人間はコミュニケーションによって非常に大きな影響を受ける動物だからね。 こうした人心掌握術は非常に大きな武器になるはずなんだ。 特に、正面から立ち向かっても全く効き目がないような鈍感な人間に対するときにね」 キョン「佐々木……、お前将来、悪徳新興宗教の開組とか、ネズミ講の主催者とかなりそうだな…… ガクガクブルブル」 佐々木「な、何故そんな話になるんだい!? 僕はただ、君に対して……」 キョン「悪の道にだけは進んでくれるなよ佐々木。頼むぜホント」 佐々木「き、キョン! だから!」 同級生KNKD氏は後に語る KNKD「ええ、確かにキョンは血も涙もないフラクラ野郎でしたが、相手の佐々木さんにも 非はあったというか、どっちもちょっとどころでなく変というか。 類は友を呼ぶというか……」 おしまい